Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

2月20日 

http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201502/20150221_13016.html
<医学部新設>宮城県奨学基金に上乗せ・東北薬科大
2015年02月21日土曜日 河北新報

 医学部新設を目指す東北薬科大(仙台市青葉区)の第5回教育運営協議会が20日、仙台市内であった。薬科大は前回協議で紛糾した修学資金制度の修正案を取り下げて再修正案を提出。宮城県が拠出する基金に大学独自の出資を上乗せし、宮城以外の東北5県への医師派遣を担保するとした。
 当初案の宮城県拠出の80億円で運用する修学資金制度は、宮城県内の指定病院への10年間勤務を条件に毎年学生30人に各3000万円を貸与。病院側が修学生の返済を肩代わりする仕組み。
 「宮城偏重の制度だ」との批判を受け、前回の運営協で薬科大は「基金に出資しない5県であっても修学資金を肩代わりする病院があれば医師を派遣する」と修正した。
 これに大口出資の宮城県が難色を示したため、再修正案では、薬科大も基金に出資して5県計5人分の修学資金を確保するとした。
 東北各県の自治体、医療機関の代表らからは「地方の病院は財政状況が厳しく、学費を返せる病院があるとは思えない」「結局、宮城県に医師が集中してしまう」と今回も異論が相次いだ。
 このほか、地域医療を現場で学ぶために新医学部と連携する「ネットワーク病院」の配置については、宮城以外の5県での提携先が決まっていないことが判明した。薬科大は「直ちに協議を進める」と説明し、3月2日の次回運営協で提示する予定。
 教員医師の採用状況は非公開で協議した。出席者によると、採用予定医師の約3割が東北大に所属。特定の大学から多くの医者が異動することに対し「地域医療に影響がないとはいえない」との懸念が示されたという。






http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=112276
若手医師偏りなく配置…岩手県や岩手医大などが協定
(2015年2月20日 読売新聞)

 岩手県、県医療局、岩手医大、県国民健康保険団体連合会は、奨学金を受けた若手医師を県内の医療施設に配置するための協定を結んだ。

 これまで奨学金を支給した組織が、個別に医師の配属先を決めていた。今後は4つの組織で調整会議を開き、県内で偏りがないように若手医師を配置していく。

 県内の医師数は、2012年12月現在で2603人。うち半数以上の1366人は、盛岡市と周辺の計6市町に集中しているため、この6市町以外の内陸部や沿岸部では医師不足が深刻になっている。

 県などは08年度から、県内の医学部生などを対象にした奨学金制度を拡充した。07年度までの受給者枠は25人だったが現在は55人になった。制度が拡充されてから、今年度までの受給者は計309人に達している。

 4つの組織が4月に発足する調整会議では、地域の要望や医師自身の希望を聞き、医師不足の地域が出ないように協議する。08年度に奨学金を受けた学生が医師となる、16年4月から配置がスタートする。

 奨学金を受けた若手医師は、県内に10か所ある公的基幹病院に配属され、2年間勤務する。その後、中小規模の医療機関(51か所)に移る仕組みだ。

 岩手医大の小川彰理事長は「地域医療に資するだけでなく、若手医師のキャリア形成にも効果が期待できる」と話していた。



http://www.minyu-net.com/news/topic/150220/topic2.html
寄付講座で医師確保 いわき市が助産師養成へ修学資金
(2015年2月20日 福島民友トピックス)

いわきの医療の核となる総合磐城共立病院。寄付講座開設などを通して医療体制の強化を図る

 いわき市は新年度、寄付講座による福島医大からの医師派遣や、全国からの助産師募集の事業を行い、慢性的な医師不足などが課題となっている地域医療体制の強化を図る。関連予算と条例案を2月議会に提出する。清水敏男市長が19日、発表した。
 寄付講座は、市が同大に講座の運営経費や研究費をまかなうための寄付を行い、同大が「地域整形外科支援講座」を開設、整形外科の医師を市立総合磐城共立病院に派遣する仕組み。現在、同病院の整形外科は7人体制で、詳細は調整中だが3人の医師が4月から5年間、派遣される見通しとなっている。同市と同大の間では「地域産婦人科支援講座」に関する協定が締結され、昨年1月から産婦人科医が派遣されている。
 助産師募集事業は、同病院で勤務することなどを条件に、助産師を養成する専門学校などに通う人に月額10万円の修学資金を貸与する。貸与期間は12カ月が上限で、居住地や学習地は問わないため、全国の助産師志望者が対象となる。卒業後1年以内に助産師となり、すぐに共立病院に勤務することが条件で、5年勤務すれば返還を免除する。一方で、条件を満たさない場合などは利息を付けた一括返還を求める条項を設ける。市は修学資金貸与者の募集に合わせて助産師の募集も行い、同病院の助産師確保を進める。



http://www.m3.com/news/iryoishin/295532
医療維新
「医療否定本」との向き合い方
『がんが自然に治る生き方』について

西 智弘(川崎市立井田病院 かわさき総合ケアセンター 腫瘍内科/緩和ケア内科)
オピニオン 2015年2月21日(土)配信 m3.com

 近藤誠をはじめとした、いわゆる「医療否定本」の類は、ここ数年で書店に急速に増えている。

 これは、日本だけの現象なのかと思っていたら、海外でこの『がんが自然に治る生き方――余命宣告から「劇的な寛解」に至った人たちが実践している9つのこと ケリー・ターナー (著)』が飛ぶように売れ、日本でも翻訳本がアマゾンでベストセラー1位になった、ということを聞き、「これも医療否定本の類かなあ~」と思いつつ購入してみた。

 読んだ感想として、一言で言えば「危険」。 ただ、いろいろと思うところもあったので、まず何が「危険」と思ったかから書いていこうと思う。

●「抗がん剤や放射線を否定しない」と書きながら結局否定的な印象を抱かせること

 この本の大まかな要点だが、世界には「がん」と診断され医師から厳しい余命を告げられながらも、そこから劇的な回復をみせ、がんが消えたり、長期生存した方達がいる。その方達は、これまでほとんど注目されていなかったのを、この著者が世界中を回ってインタビューや調査を行い、共通する行動パターンを明らかにしたというもの。

 結果的に、9つの共通点と実践を明らかにし、それを患者さんのエピソードを交えながら書き連ねているのが本書である。

 著者は、冒頭で「この本は手術、抗がん剤や放射線治療(いわゆる3大療法)を否定しない」と書かれているのだが、結果的に書かれている内容は「3大療法をしたけどダメだった。この9つの実践を行ったら治った」というもので、(意図はしていないにせよ)結果的に読者が3大療法について否定的な印象を抱くようなつくりになっている。

 これまでの「医療否定本」は、過激な論調で医療を否定するものだから、「ちょっと極端だなあ」という印象を抱いて、結果的に(ちょっと慎重になりつつも)適当な医療を受ける、というパターンは多かった。

 しかし、本書はそういった過激さが一見少ないところで(オカルトな部分はあるが)、結果的に西洋医学を否定するような流れを本の中で生み出しているところが「危険である」と私が考えた第一の理由である。

 また、他の医療否定本やがんビジネスの方々と一緒で、3大療法を受けて治った事例なのにそうは書かず、併用した他の方法が効いて治ったのだ、と書いている事例も散見される。

●「これは仮説である」と言いながらも「明日から実践しましょう」の論調

 もうひとつの「危険」は、これまた冒頭に示された「これは仮説である」の一文。 実際、この著者が行った研究は、がんになって治った人達の事例を集めて「共通点をまとめた」だけであり、確かに「仮説」の息を出ない。

 しかし、これもまた本書を読むとそんなことは頭から抜けてしまうようなつくりだ。 仮説、という一文があるからといって、この本を読んで医療を受けることをやめ、この本の通りに実践してもし生きる時間を短くした例があったとしたら、それは免責されるものではない。

●「それってどうなの」な代替療法を多数紹介している点

 本書では、3大療法ではなく他の代替療法で治った、とうたっている事例がいくつか出てくるが、その全てが科学的には検証されていない、もしくは否定されたような内容である。中には宗教がかった、ちょっと背筋が寒くなる部分もある(瞑想などそのものを否定はしないが)。

 代替療法を受けながら健康的に過ごしている例がある、ということを私は否定しない。しかし、その影でそれら治療法を受けながらも亡くなっていく方々が本当にたくさんいるのだという事実は厳然としてある。そのことに触れず、一部の「まれな事例」ばかりを取り上げ、それが万人にとって効果がありそうな書き方をするのは、やはり「危険」と見なさざるを得ない(先ほども述べたように「仮説」と思えないような書き方だから)。

 数々の医療否定・代替療法礼賛系の本を読んでいて思うことだが、テーマは全て「治るか、治らないか」で、治れば勝ち・幸せ、治らなければ負け・不幸、という価値観があるように思える。それは本書においても見受けられる価値観である。人はみな、すべからく死に向かっているというのに?だとしたら、人間はどうやっても幸せにはなれないということではないか。

 3大療法では幸せになれない、ということをこういった本などでは繰り返し主張されることだし、巷ではそれが真実だと思わされている面もあるかもしれない。

 しかし実際には、3大療法を受けて治った方々は、少なくともこういった代替療法などで治った方々よりも間違いなく大勢いるし、何かと悪者にされがちな抗がん剤ではあるが、かなり厳しい余命と言わざるを得ない全身にがんが転移した患者さんでも、これで治るという方も決してゼロではないのである。

 そして、これら3大療法+緩和ケアで、治らないまでも、生きている時間を延ばしたり質の高い生活を追求することで、結果的に幸せと思われる人生を全うする方々もいる。

 本書は、海外の誠実そうな心理士の方が書いていて信頼できそうという印象を抱かせる点、これまでの医療否定本と異なる優しげな装丁、そして先に述べた「3大療法否定しない」「仮説」と言いながらも読後にはそれを忘れさせるような構成、といった点から、個人的にはより注意を払って読むべき本であると考える。

●幸せとは何か、という命題

 ここまで、本書に否定的な意見を書き連ねてきたが、じゃあこの本は読むべきではないか、というと、読んでおいて悪くない本ではあると思う。

 私たち医療者は、毎日のように患者さんやご家族に厳しい言葉を伝えている。病名の告知、短い予後、予想される治療の副作用、だんだんと体力が落ちていく経過など・・・。

 ある医師はそれらの言葉をもって「呪い」と表現していた。我々医療者は日々、患者さんに「呪い」の言葉を吐いているのだと。確かに、呪いのようなものかもしれない。これらの言葉をもってして、患者さんの気持ちを下げこそすれ、前向きにする要素はひとつとしてないのだから。

 患者さんが代替療法などを受けたい、という希望を出したときもそれを頭ごなしに否定していないか。それもある意味「呪い」で、患者さんがその治療法と前向きに生きていこうという気持ちまで萎えさせていやしないか。

 「もう先は長くないので、あとは自分の時間を大切に過ごして下さい」という類の言葉をかけられて、いったいどれほどの人が「自分の時間を大切に」過ごせるのだろうか。死に向かって、前向きに生きる、というのは並大抵のことではない。我々医療者は、この無配慮を反省すべきである。

 がんサロンなどで出会う患者さんは、前向きな方も本当に多いが、死に向かって前向きというよりあくまでも生に向かって前向き、自分の人生を生き抜く、という決意を感じる。こういう方々と接していると、緩和ケアで教えられる「死を見つめ、受け入れることが大切」といった表現が本当に嘘くさく思える。

 ただ、その方々も何もせずに突然そういった心境になるわけではない。皆さん、多くの葛藤や苦しみを乗り越えた上で、そういった生き方を選んだ、というところである。誰しもが簡単に乗り越えられるような道程ではない。その歩みの手助けとして、本書は助けになる部分もあるのではないかと思えるのである。

 特に「治療法は自分で決める」「より前向きに生きる」「『どうしても生きたい理由』を持つ」といった部分は、私も同意できる部分も多々ある。

医療の目的は命を延ばすことか。

 答えは「No」である、と私は考える。医療の本当の目的は「人生を幸せに生き抜いてもらう手助けをすること」である。

 実際、「幸せ」はそれぞれの人によって違うものであるし、量的に(厳密には)計測できるない。一方で、命の長さは明確に計測ができる。なので、長く生きることは「幸せ」を測る代替指標のひとつに過ぎないのだと思う。

 本書では、がんが治って長く生きる、ということを絶対的な価値としている。しかし、この9つの実践で万人が治るわけではない「仮説」である以上、この本をそういった「治療の手引き」としてとらえるならそれはやはり危険である。ただし、その点に注意して、前向きに生きるためのヒント、がんを持ちながら生ききるためのヒントを得るための本としては、読む価値がある。

 我々医療者は、科学者として伝えるべきことはきちんと伝えるべきだし、危険な治療法や詐欺に患者さんが向かおうとしているのなら、それは止めるべきである。しかし一方で、患者さん達がいかに前向きに人生を生ききることができるかを常に考え続けないとならない。それは「自分らしく生きて下さい」と通り一遍の言葉をかけることでは決してない。私自身にもまだ答えはないが、科学者である人間として、患者さんと向き合う覚悟がまずは大切であると思う。

※本記事は、2015年2月16日にかわさきOncology&Palliative Careで掲載した内容を、編集部でタイトルとレイアウトのみ変更したものです。



http://mainichi.jp/select/news/20150221k0000m040125000c.html
兵庫の病院:頭蓋骨にドリル金属片…気付かず2カ月放置
毎日新聞 2015年02月21日 00時54分

 兵庫県は20日、同県加古川市の県立加古川医療センターで昨年9月、くも膜下出血で救急搬送された60代女性=神戸市在住=の頭部手術の際、頭蓋骨(ずがいこつ)に穴を開ける金属製ドリルの先端が折れ、破片(直径1.1ミリ、長さ5ミリ)が頭部内に放置される事故があったと発表した。ドリルの種類を間違えたのが原因で、約2カ月後に再手術で取り除いた。後遺症などはなかったといい、県は女性に謝罪した。

 県病院局によると、医師が頭蓋骨の切開用ドリル(直径2.3ミリ)でなく、より細い穴開け用ドリル(同1.1ミリ)を誤って使用。途中で気付いて取り換えて手術を終えた。しかし、同年11月10日の磁気共鳴画像化装置(MRI)検査で、穴開け用ドリルの先端が頭蓋骨の内側に付着していることが判明し、同20日に除去手術をした。ドリル本体は手術中に看護師が廃棄したため、医師は破損に気付かなかった。

 県は、手術終了までドリルを廃棄しないようマニュアルに明記するほか、使用器具の確認を徹底させるなど再発防止策を講じる。【久保聡】



http://dmm-news.com/article/919020/
医学部「裏口入学」の一部始終…受験生が狙う新興医大の寄附金枠
DMMニュース 2015.02.20 11:50

真っ当に挑む受験生にとっては腹立たしい話だが…

 大学入試シーズンもたけなわ。受験生や親たちにとっては、将来を懸けた真剣勝負に必死のラストスパートをかける時期である。しかし、その勝負に“抜け道”が存在するとしたら——。

 2014年夏、ある前衆院議員の元政策秘書らによる某私大医学部への「裏口入学」詐欺疑惑が報じられた。読売新聞などの報道によると、元秘書らは、受験生の孫を持つ80代男性に「何人か合格させた実績がある知人を紹介する」と持ちかけ、裏口入学の仲介料名目で現金計約2100万円を受け取ったという。

 捜査関係者の話では「前議員も大学側もこの話をまるで知らず、元政策秘書らが最初から仲介料をだまし取るつもりで進めた架空の話だった」というのだが、現実に「裏口入学」というルートは存在するのだろうか。

医学部入試を中心に実在する「裏口入学」

 ある私立大学の関係者は言う。

「いまどき、裏口入学なんてないですよ。世間の監視の目も厳しい時代ですし、政治家の口利きなんかもあり得ません」

 一方で、別の私立医科大関係者は次のように話す。

「箸にも棒にもかからないレベルの者を無理やり押し込むような露骨な裏口はまずありません。しかし私大医学部に限れば、政治家などの有力者の口利きで“寄附金”を条件に入試の点数に下駄を履かせるということは、いまもありますよ。ただし国公立や、私大でもいわゆる“名門”といわれる大学にはまずないと思いますが」

 長年にわたり国会議員の秘書を務めているX氏の証言も同様である。

「『いまどき裏口なんてない』というのはあくまで、体面を考えた綺麗事でしょうね。裏口入学の口利きは、政治家とって実にうまみの多い陳情処理の一つなんですよ」

「陳情」とは、本来はその事項について決定権を持っている国や地方公共団体などの公的機関に実情を説明し、善処を求めることであるが、永田町では政治家に依頼するあらゆる「口利き」をひっくるめて陳情と称する。そして、コトがうまく運べば「政治献金」という名の報酬を要求するのである。

 X氏が続ける。

「実は私も過去に医学部への裏口入学を取り持ち、首尾よく成功させたことがあります。いくら私学でも伝統校は相手にしてくれないから、当然、狙いは新興医大の“寄附金枠”ということになる。入試の成績に応じて寄附金の額を決め、それを払えば、点数に下駄を履かせてくれるわけです」

経営苦しい新興私大の「寄附金枠」が狙い目

 X氏自身が関わったという裏口入学斡旋の一部始終はこうだ。

 当時仕えていたN議員のもとに、九州地方のある開業医からこんな陳情が舞い込んできた。

「息子のやつ、模擬試験では結構いい成績を取るんですが、いま一歩足りないらしい。医学部ならどこでも構わないから、ひとつ、先生のお力で何とかなりませんか」

 こういう場合、狙いが立つのは偏差値があまり高くない新興医大である。国公立や、卒業生からの潤沢な寄附金が期待できる名門校は望み薄。一方、私立で、経営の苦しい新興医大には募集人員の一定数に「寄附金枠」なるものがあるのだという。

 医学部の運営には、高価な医療機器や臨床用設備、附属病院の維持など膨大な費用がかかる。通常の学費以外のカネを集めて新入生にタカらないことにはやっていけないのが現実なのである。

「“医学部裏口入学”の陳情を叶えるためのルートは4通り考えられました。まず1つめは、N議員が所属する派閥の親分であるK議員を頼る。K議員は私立の某医大と繋がっていて、個人事務所の経費をそこに持たせているくらいですから、先生が口を利けば医大側は嫌とは言わない。2つめの手は、N議員と同じ文教科学委員会のS議員に頼み込むこと。S議員は当時、某地方で私立医科大の理事を務めていました。3つめは、私学助成金を握る文部科学省の高等教育局長か私学部長に口を利いてもらうこと。4つめは、N議員と同じ派閥に所属する、医師会出身のM議員。日本医師会の副会長ですから私立の医学部には顔が利くし、近々会長選に立候補するとの噂もありましたから、カネはいくらあっても足りないはずでした」(X氏)

裏口入学を斡旋するOBの「仕切り屋」

 N議員とX氏は、“成功率の高さ”と“頼みやすさ”を勘案したうえ、M議員のセンでいくことに決定。議員会館のM議員の部屋に足を運び、医師会から派遣されている医師で政策秘書を務めている某氏に事情を話すと、

「新興医大では、卒業生のなかに仕切り屋のような人物がいて、寄附金枠の窓口になっていることが多いんです。S県のS医大なら何とかなると思いますよ。仕切り屋の一人を知っているので紹介します」

 という話になったという。X氏は語る。

「その“仕切り屋”は、S県内のさる公的医療センターの所長を務めている人物でした。『試験である程度の点数を取ってくれれば、寄附金で下駄は履かせられると思いますよ』とのことでしたので、さっそく九州にいる父親(依頼者)に連絡を取り、M議員と“仕切り屋”に引き合わせる日取りを決めました」

 結果、医学部合格まで“ちょっと足りない”福岡のご子息を無事にS医科大へ入れることに成功したという。

 では、肝心の裏口入学の「お値段」はいくらだったのだろうか?

「父親と先方を引き合わせた後は当事者間の話し合いとなったので、私自身は具体的な金額については把握していないんです」

 X氏はこう煙に巻くが、少なからぬ金銭の授受が行われたことは想像に難くない。一説には、医学部の裏口入学の相場は4千万〜6千万円とも言われている。

 古くは1977年に、奈良県立医科大学が過去11年間の入学者600人のうち3分の1以上の裏口入学を認めていたことが表面化した事件があった。また最近では、2012年に「医学部への裏口入学を斡旋する」として受験生の親から総額1億6千万円をだまし取った男が逮捕される事件が大阪で起きている。

 息子や娘をどうしても医者にしたい親たちと、切実にカネが必要な大学医学部。“需要と供給”は昔もいまも強固に存在するのである。

(取材・文/永井孝彦)



http://jp.wsj.com/sp/ad/ra/carver/index.html
米FDA、十二指腸内視鏡の問題を警告 超細菌感染拡大で
By BETSY MCKAY AND THOMAS M. BURTON
原文(英語)
2015 年 2 月 20 日 16:34 JST ウォールストリートジャーナル日本版

 米食品医薬品局(FDA)は19日、ロサンゼルスで発生した超細菌(スーパーバグ)の感染源とされる内視鏡は適切に清浄するのが困難で、それが患者の感染を拡大させた可能性があると警告した。

 カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)医療センターは18日、問題の内視鏡で手術を受けた患者7人が薬物耐性菌として知られる「カルバペネム耐性腸内細菌(CRE)」に感染したと報告した。そのうち2人が死亡し、その死因は「悪夢の細菌」とも呼ばれるCREだったという。さらに、これ以外に179人がCREにさらされた可能性があることも明らかになった。

 UCLAの広報担当者は19日、新たな感染例は報告されていないと発表した。米疾病対策センター(CDC)によると、今回の感染を引き起こしているCRE種の致死性は不明だが、一部の抗生物質で治療可能だ。

 これらの患者は昨年10月から今年1月までに、UCLAで十二指腸内視鏡を使った手術を受けた。これは、のどから小腸の先端まで通す管状の特殊な機器で、FDAによると、がん性腫瘍、胆石、その他の病状で遮断されている膵(すい)管や胆管から液体を抜き取るのに使われる。

 医師らは、この機器の洗浄が困難なことは何年も周知の事実だったと指摘する。FDAは19日、医療従事者に洗浄・滅菌の問題を警告し、製造業者の指示通りに洗浄した場合でも一部で多剤に耐性を持つCREの発生・感染例が認められると指摘した。

 FDAによると、十二指腸内視鏡を使った手術は米国で年間50万件以上で、そのメーカーには日本のオリンパスの米子会社や日本のHOYA傘下のペンタックス・メディカルが含まれる。

 フランスの医師らが2010年11月、専門誌「エンドスコピー」に内視鏡的逆行性胆道すい管造影(ERCP)という手術に使われる十二指腸内視鏡が細菌の温床になっていると発表していた。ERCPを08年12月から09年8月までに受けた患者16人に重篤な感染症が認められ、うち8人は特に深刻で致死の可能性もある血流の感染症だったという。



http://www.tokyo-np.co.jp/article/ibaraki/20150220/CK2015022002000145.html?ref=rank
【茨城】
2病院に過失 賠償命じる判決 女性患者死亡で地裁

2015年2月20日 東京新聞

 救急搬送先の病院での診断ミスと転院先での検査で女性患者が死亡したとして、遺族が双方の病院側に計約六千万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、水戸地裁は十九日、診断ミスによる死亡と認め、救急搬送先の石岡第一病院(石岡市)側に約三千万円の支払いを命じた。
 検査は脳死判定の際に自発呼吸の有無を調べる「無呼吸テスト」で、死亡との因果関係は認められないとしたが、新谷晋司裁判長は「家族の承諾を得ておらず、患者の人格的利益を違法に侵害した」と認定。転院先の土浦協同病院(土浦市)側に約六十万円の支払いを命じた。
 判決によると、二〇一一年二月、女性=当時(56)=は尿管結石で救急搬送され入院した。その後、容体が悪化して転院。無呼吸テストを受けた。同年三月、敗血症性ショックが原因の低酸素脳症で死亡した。
 判決は、救急搬送時に既に敗血症を発症していたのに医師が敗血症と診断しなかったとした上で「抗菌薬の投与など適切な措置を取る義務があった」と指摘。過失と死亡との因果関係も認めた。無呼吸テストに関しては「実施直前に瞳孔の固定などがあり、脳機能が回復する可能性はうかがえなかった」と述べた。
 石岡第一病院は「判決が届いた段階で今後の対応を検討する」とし、土浦協同病院は「担当者不在でコメントできない」としている。



http://www.yomiuri.co.jp/national/20150220-OYT1T50042.html
緊急搬送で誤診、転院後死亡…2病院に賠償命令
2015年02月20日 14時17分 読売新聞

 茨城県小美玉市の女性(当時56歳)が2011年、緊急搬送された石岡第一病院(石岡市)で誤診され、転院先の土浦協同病院(土浦市)で家族の承諾なしに無呼吸テストを行われ、その後死亡したとして、遺族がそれぞれの病院を運営する公益社団法人「地域医療振興協会」と県厚生連に計約6410万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が19日、水戸地裁であった。


 新谷晋司裁判長は、「(石岡第一病院での)過失と死亡との間には相当因果関係が認められる」などとして、協会に約3020万円、県厚生連に66万円の計約3090万円の支払いを命じる判決を言い渡した。

 判決によると、女性は11年2月10日、石岡第一病院に緊急搬送され、診察を受けたが、敗血症と診断されず、12日に容体が急変。同日、土浦協同病院に転院した。同病院は16日、女性に無呼吸テストを実施。女性は翌月17日、敗血症性ショックから心肺停止となり低酸素性脳症で死亡した。

 新谷裁判長は石岡第一病院の過失を認定した上で、必要な治療や転院などの措置があれば救命の可能性は高かったと指摘。無呼吸テストと死亡との関係は認められないとしたが、「女性と遺族に実施の承諾を得てから行うべきだったが、これを怠り、人格的利益を違法に侵害した」とした。

 女性の夫が医師だったことから、被告側は原告側にも落ち度があったなどと主張。判決は、〈1〉敗血症の発症を疑い、直ちに適切な病院を受診させるべきだった〈2〉搬送後、病状などの詳細について説明することが期待された――として原告側の責任も指摘した。

 判決を受け、女性の長男(35)は記者会見し、「母は苦しいと訴えてもおざなりにされ、亡くなりました。明らかに救えたはずの命だと思います」と話した。今後、対応を検討するとしている。

 取材に対し、石岡第一病院は「判決文が届いておらず、現段階ではコメントできない」、土浦協同病院は「担当者が不在でコメントできない」としている。

2015年02月20日 14時17分



http://apital.asahi.com/article/news/2015022000016.html
「麻酔医、危機感が希薄」 2歳死亡、外部調査委 東京女子医大
2015年2月20日朝日新聞


 東京女子医大病院で昨年2月、麻酔薬プロポフォールの大量投与後に2歳男児が死亡した事故で、外部調査委員会(委員長=飯田英男・元福岡高検検事長)の報告書の内容がわかった。麻酔科医が薬剤のリスクを十分認識せず、容体の異変を見過ごしたとしている。遺族は19日、麻酔科医ら5人について傷害致死容疑の告訴状を警視庁に出した。

 報告書によると、麻酔科ナンバー2の准教授は、プロポフォールを集中治療室で人工呼吸中の小児に鎮静のため使用するのは原則禁止と知りながら「切れ味がよい」と男児への投与を決めた。70時間の投与量は成人基準の2・7倍に達し、副作用で死亡した可能性が高いと調査委は認定した。

 また調査委は、複数の麻酔科医が心電図や血液検査の異変を見過ごしたとし、「禁忌薬の長時間・大量投与に対する危機感が希薄だったため」と指摘。異変への評価や対応を診療記録に残さなかったことも「重要な問題」とした。さらに、麻酔科の医師団は調査に「記憶がない」と述べるなど、「真相解明を求める遺族に対し、はなはだ無責任」と厳しく批判した。

 男児の両親は告訴状の提出後に記者会見した。薬剤が使える条件の拡大を検討していたと麻酔科医が発言したとの内部文書もあるとして、「果たして医療行為だったのか。報告書でも疑問は解消されない」と語った。

 岡田芳和病院長は「報告書の指摘を受け止め、再発防止にあたる」との談話を出した。

(伊藤和也)

(朝日新聞 2015年2月20日掲載)



http://www.sankei-kansai.com/press/post.php?basename=000000026.000010134.html
PRESS RELEASE提供:PR TIMES
【医師アンケート調査】「専門診療科を選択した決め手」について、約6割の医師は「最も興味があった」ためと回答

メドピア株式会社
2015.02.20 12:41

医師7万人以上が参加する医師専用サイト「MedPeer(メドピア)」(https://medpeer.jp)を運営するメドピア株式会社(東京都渋谷区、代表取締役社長:石見 陽)は、会員医師を対象に「専門診療科を選択した決め手」についてのアンケートを実施し、以下のとおり結果を取りまとめました。

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■サマリー

・医師専門サイトMedPeer(メドピア)に登録する医師(7万人以上)を対象に「専門診療科を選択した一番の決め手は何ですか」という質問をしたところ、4,021件の回答が寄せられた。

・「最も興味があった」という回答が58.3%と過半数を超えた。「小学生ころから外科医に憧れていた」「ローテーションしてみたら一番興味が持てた」といったコメントがみられた。

・「医局・診療部の雰囲気」は15.7%。「自由な雰囲気に親しみを感じた」「信頼できる先輩医師が多かった」など、働きやすさを重視したコメントが多い。

・「将来性」は6.3%だった。「長く続けられる」「開業に向く」といった回答があった。

■回答コメント(回答一部を抜粋)

「最も興味があった」  2,345件
・医局の雰囲気や将来性については不安はありましたが興味がある科だったので入局しました。(50代、小児科)
・全身状態を診られること、また長く続けて行けそうな点も魅力でした。(40代、麻酔科)
・小学校時代に祖父の死をきっかけに医師になろうと決めたとき、既に老人関連の医療をやろうと決めていた。(40代、老年内科)
・理路整然とした神経機能に興味を持ちました。(50代、一般内科)
・まず循環器系を抑えないと内科的な総合診療ができないと考えていたから。(50代、一般内科)
・人の心を対象としていて、一生、飽きない分野だろうと思った。(60代、精神科)
・人間の脳に直接関われるのは脳神経外科しかないため、迷うことはありませんでした。(40代、脳神経外科)
・興味がないと長続きしないと思った。(40代、一般内科)
・手術がしたかったのと、死因の3分の1を占める癌の治療ができるので。(40代、一般外科)
・研修医のころから内視鏡を主にやっていきたいと考えていたから選択した。(30代、消化器内科)
・外科系を目指していたが、リハビリテーション的な発想が好きで最終的に整形外科医となった。(60代、整形外科・スポーツ医学)
・昔の話だが、その当時は移植が話題となっていたこともあり外科を選んだ。今は開業し内科をしています。(60代、消化器内科)
・すべての年齢層の診断から治療まで携われることが良かった。(50代、眼科)
・急性疾患から慢性疾患まで幅広くみれるからです。(30代、呼吸器内科)
・自分で診断と治療をして基本的には元気になってお別れできる、やりがいのある診療科と思い整形外科を選びました。選んでよかったです。(40代、整形外科・スポーツ医学)
・内科的治療と外科的治療の両方ができそうだったから。(50代、耳鼻咽喉科)

「医局・診療部の雰囲気」  632件
・雰囲気がよく落ち着いて診療研究に打ち込めると思いました。(50代、一般内科)
・肌に合うかどうかといった感覚で選んでしまいました。現在、診療内容も自分に合ってるなと思っています。(40代、一般外科)
・明るく自由な雰囲気があったので決めました。(60代、一般内科)
・教授・大学病院スタッフの人格がすばらしかったので。(30代、呼吸器外科)
・信頼できる先生がいたので。(40代、耳鼻咽喉科)
・内科系で一番厳しくきちんとした医局だったので。(40代、循環器内科)
・循環器内科との2択でしたが、最終的に一緒に働く先生の雰囲気に惹かれました。(20代、消化器内科)
・他にも興味のある科があり迷いましたが、科の雰囲気がいまひとつであったため現在の科を選択しました。(40代、小児科)
・部活の先輩が多くいたので決めましたが、入ってしまえばそういうことはあまり関係ないですね。(50代、神経内科)
・間違っていると思うことを、お互いに指摘できる雰囲気。他の医局にはありませんでした。(40代、精神科)
・面倒見の良い先輩方が多く、研修で回った時に楽しかったので。(30代、神経内科)

「将来性」  253件
・消化器内科を選びましたが、目指すジェネラリストの基本になると考えた次第です。(50代、一般内科)
・手に職が付けられ、開業にも向くと思いました。(40代、消化器内科)
・画像診断の発展を考えました。(50代、放射線科)
・急患があまりいなくて、開業ができる。(30代、耳鼻咽喉科)
・長く続けられるところ。(30代、皮膚科)
・自分が医者としてピークになるときに患者数が多い疾患。(30代、代謝・内分泌科)
・開業も含めた将来の選択肢の多さでえらびました。(50代、耳鼻咽喉科)
・”あと30数年の間、続けられるかどうか”という意味での将来性を考えました。(40代、病理)
・将来、地方で老人医療をすることを決めていたので、神経内科を選びました。(30代、神経内科)
・親が開業していたため、将来的に引き継ぐ際に必要だと思った。(50代、一般内科)

「QOL」  98件
・ある程度、時間的なゆとりのある診療科を選びました。(40代、精神科)
・時間外勤務をするのはまっぴらでしたので…。(50代、眼科)
・夜、寝られる科目がいい。(40代、皮膚科)
・基本的には主治医にならないので、個人的なプライベートの予定が立てやすいので。(50代、麻酔科)
・QOLがいいと思って選んだが、ここ十数年で精神科救急が導入されたり扱いの難しい患者が増えてQOLは悪化する一方。(50代、精神科)
・仕事と家庭を両立したかったので。(30代、皮膚科)
・子育てをしながら勤務できると考えた。(30代、乳腺・内分泌外科)
・興味もありましたし、オンオフはっきりつけたかったので。(30代、放射線科)

「待遇・給料」  49件
・待遇、給料以外にも様々な面で点数を付けて決めました。良い選択をしたと自負しています。(40代、整形外科・スポーツ医学)
・入局当初は、白内障手術やコンタクト診療で十分な報酬が得られた。今はそうではないが。(40代、眼科)
・真新しい分野に感じたこともあるが、先輩から聞いたバイト代が魅力的であった。(50代、神経内科)
・これが今後見込める科であると考えたため。一応興味もありますが。(30代、腎臓内科・透析)

「その他」  644件
・子どもの頃からアトピー性皮膚炎で、同じ病気の人を救いたかったから。(50代、皮膚科)
・地域医療に貢献するには、必須だからです。(40代、一般内科)
・オーベンをみてカッコいいと思ってしまった。(30代、小児科)
・医師として長く働くには…と考えし、女性ということもあり体力や労働時間等も考慮して現在の診療科を選択しました。(40代、精神科)
・興味があったのはもちろんですが、一番は患者さんが亡くなることがあまりないことです。(50代、整形外科・スポーツ医学)
・親の勧めが大きかった。自分としては他の内科の医局へ行こうかなと考えていた。(50代、一般内科)
・初診から手術、術後フォローまで全て自分で行える女性でも手術習得が可能 早い年数でできるため。(30代、眼科)
・正直な話、成り行きです。仕事は楽しく後悔はしておりません。(60代、整形外科・スポーツ医学)
・死を看取ることに抵抗が有りました。産婦人科(産科)は唯一、命の誕生をみられる、明るい科だと思いました。(50代、産婦人科)

■調査方法
◇期間:
2015年1月26日(月) ~ 2015年2月1日(日)
◇有効回答:
4,021人(者はすべて、医師専用サイトMedPeerに会員登録をする医師)
◇設問:
医師専用サイト MedPeer内の「ポスティング調査」コーナーにおいて、医師会員からご投稿頂いたテーマをもとに、以下の質問を投げかけました。

調査フォーム(設問文 抜粋)
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毎年、新入局員の勧誘に苦労していますが、皆それぞれ入局の決め手は異なり、勧誘方法について悩むことがあります。今後の勧誘方法の参考にしたいと思いますので、皆さまは何が決め手となって現在専攻している診療科を選んだかを教えてください。下記の選択肢の中から皆さまの状況に近いものを1つお選びいただき、コメント欄には入局時の具体的なエピソードをご記入ください。

1.最も興味があった
2. 待遇・給料
3. QOL
4. 医局・診療部の雰囲気
5. 将来性
6. その他
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【記事掲載に際してのお願い】
・「医師専用サイトMedPeer調べ」、であることの明記をお願い致します。
・web上での引用に際しましては、https://medpeer.jpへのリンクをお願い致します。

【調査依頼について】
・MedPeer会員医師への調査をご希望の方は、下記問い合わせ先までご連絡ください。

■メドピア株式会社について
・社名 :メドピア株式会社(https://medpeer.co.jp)
・代表者 :代表取締役社長 石見 陽 (医師・医学博士)
・設立 :2004年12月
・運営サービス :医師専用サイト「MedPeer(メドピア)」(https://medpeer.jp)

メドピア株式会社が運営する「MedPeer」は、医師専用の会員制サイトです。主なコンテンツには、「薬剤評価掲示板(薬剤のクチコミ共有)」、「Meet the Experts(エキスパート医師への直接相談)」、「インタラクティブ・ケース・カンファレンス(オンライン症例検討会)」、「ディスカッション(掲示板)」、「ホスピタル・レポート(勤務先・研修先の病院評価)」などがあり、”臨床の決め手がみつかるサイト”として、現在約7.4万人の医師(日本の医師の約4人に1人)が利用しています。

■お問い合わせ先
メドピア株式会社 管理部 藤野
電話:03-6447-7961  メール:pr@medpeer.co.jp



http://www.m3.com/news/iryoishin/296610
医療維新
健診通知の遅れ、雇用者に慰謝料330万
死亡との因果関係は認めず、横浜地裁判決

レポート 2015年2月20日(金)配信 高橋直純(m3.com編集部)

 健康診断結果の通知遅れが肺癌による死亡につながった――。そう訴える、肺癌で死亡した女性の遺族が、雇用していた法人に損害賠償を求めた裁判。横浜地裁(田中寿生裁判長)は2月17日、通知遅れと死亡の因果関係は認めることはできないとしつつ、女性が被った精神的苦痛の慰謝料などとして330万円の支払いを命じる判決を下した。

 裁判の主たる争点は、(1)非正規雇用の女性に対して、施設側はどのような義務があったのか、(2)健診結果の通知は本当に遅れたのか、(3)通知の遅れと死亡に因果関係はあるのか――だ。

 厚生労働省によると、雇用主が健診結果を通知するまでの期間に規定はない。医療者からは、緊急性のない定期健診であっても、通知の遅れが問題視されるとあっては責任が重すぎるという声が上がっている。判決を基に、原告、被告双方の訴え、裁判所の判断を整理した。

◆事案の概要
 原告は、2007年から2008年の1年間に、神奈川県にある一般財団法人「友愛会」の介護付き有料老人ホームに非常勤職員として調理場業務を担当していた女性(死亡時60歳)の遺族。  2008年2月18日、女性は法人がA病院において行った健診の胸部レントゲンで、右肺に癌を疑わせる影があることが判明した。健診結果は他の従業員の分と合わせて、2月22日に勤務先の有老ホームに送付されている。

 女性は健診結果を基に、6月2日に精密検査をしたところ、腫瘍は拡大していることが判明。さらに別の病院の医師は、癌が進行したため手術ができないとして、抗癌剤などの治療を選んだ。女性は2010年5月に肺癌で死亡した。

 遺族は2013年、法人に対して約5000万円の損害賠償を求めて、横浜地裁に提訴した。

●裁判で示された出来事の時系列
2008年
2月4日   法人はA 病院に対して従業員33人の健康診断を依頼
2月18日  女性はA病院で健康診断を受診。胸部レントゲン解析の結果、担当医師は、
       医師の診断として「右下肺腫瘤影」、医師の意見として「胸部CT等精査必要」とした。
2月22日  病院が勤務先の有老ホームに健康診断個人票を送付
★3月末  法人は女性に健診結果を渡したと主張
★5月31日 遺族側は女性が健診結果を受け取ったと主張
6月2日   女性がB病院で精密検査を受ける
  4日   肺癌の告知を受ける
   その後、C病院で治療を続ける
2010年
5月     女性は肺癌のため死亡
★=裁判で争いのある点
 判決によると、C病院の女性の主治医は2011年3月18日付けの診断書で、次のように診断している。

「2008年2月18日の健診の胸部写真では右肺の腫瘍の大きさは30ミリ。この時は右肺門のリンパ節の腫大は認めない。2008年6月2日の胸部写真では右肺の腫瘍の大きさは43ミリ。この時は右肺門のリンパ節は23ミリ大に腫大を認める。2008年6月13日の胸部写真では右肺の腫瘍の大きさは45ミリ。この時は右肺門のリンパ節は23ミリ大に腫大を認める。以上の経過は2月から6月の時間経過が肺癌の病期を1期から2期以上への進行につながったと判断できる。従って、その後の女性の治療の選択において手術以外の治療法:抗癌剤+放射線治療に変更する原因になった」

◆原告:遺族の主張
(1)安全配慮義務の有無
 施設側は女性の使用者として、生命および身体の危機から保護するよう配慮する安全配慮義務を負っていた。したがって、女性に健診結果が判明したらすぐに知らせる義務があった。

(2)結果の通知時期
 施設側は2008年2月22日に健診結果を受け取っており、直ちに女性に渡さなければならかった。しかし、漫然と放置し続け、渡したのは女性の最終勤務日である2008年5月31日だった。

(3)通知の遅れと死亡の因果関係
施設側が女性に直ちに通知していれば、1期の段階で外科手術を受けることができ、現在まで生存している可能性は極めて高かった。少なくとも2010年5月11日に死亡することはなかった。

◆被告:法人側の主張
(1)安全配慮義務の有無
 施設が女性に対し、使用者として安全配慮義務を負っていたことは争わない。しかし、安全配慮義務は業務遂行のための物的環境および人的組織の管理を適切に行う義務である。通知が遅れたとしても、施設責任者の過失であり、法人側は義務違反とは言えない。

 また、女性は非正規職員であり、法人側は健康診断を受診させる労働安全衛生法による法的義務を負っておらず、善意で受診させたにすぎない。したがって、健康結果を直ちに知らせる義務を負わないと言うべきである。

(2)結果の通知時期
 仮に義務を負っていたとしても、2008年末に女性を含めた全従業員に健診結果を通知している。女性は通知を受領していたのにもかかわらず紛失し、改めて5月31日にコピーとしてあった法人側控えを受領したものと考えられる。

(3)通知の遅れと死亡の因果関係
 肺癌は癌の中でも生存率が低く、1期の患者の5年実測生存率は71.7%。手術による治癒の確率は50%である。女性が手術をしたとしても、現在までの間に死亡していた可能性は十分ある。したがって、仮に損害が認められるとしても期待権の損害にすぎない。善意で健診を受診させたにすぎず、損害額は少額の慰謝料にとどめるべきである。

◆裁判所の判断
(1)安全配慮義務の有無
 法人側は労働契約に基づき、女性に対し健康診断を行ったのであるから、結果は適切な時期に知らせる義務を負っていたというべきである。法人側は遅くとも健診の1カ月後である3月18日までに女性に健診結果を通知する義務があったというべきで、同時点が過ぎたことから債務不履行責任を生じたというべきである。

 女性への健康診断が法的義務に基づくものでないとしても、健診を受診させた以上、別異に解釈するべき理由はないので同様に解するべきである。契約上の義務を超えて、違法といえるかを判断するに足りる事実はないので、不法行為を理由とする損害賠償責任が生じるとは認められない。

(2)結果の通知時期
 女性の行動や記録、「健診結果が遅滞なく知らされなかった」と記憶している者もいることなどから、女性が2008年5月31日に結果を初めて知ったことが認められる。5月31日以前に結果を受け取ったことはないものと推認するのが相当である。

(3)通知の遅れと死亡の因果関係
 法人側が3月18日以前に通知していれば、女性は20日ごろには病院を受診していたと推認できる。 仮に女性が20日前後に病院を受診していたとしても、その時点で女性の肺癌が1期にとどまり手術が可能で、手術により女性が治癒して死亡しなかったとは認めるには足りない。通知の遅れと、女性の死亡との間には因果関係を認めることはできない。

 ただ、3月20日前後で手術が可能であり、抗癌剤および放射線の併用治療の効果が上がることにより、2010年5月の死亡時点で女性が生存していた可能性は相当程度あったと認めることができる。

 よって、法人側が女性に対して、健診結果の通知を遅らせたことで、肺癌治療の開始時期を遅らせ、2010年5月11日時点でなお生存していた相当程度の可能性を失わせ精神的苦痛を与えたものというべきであり、慰謝料として300万円、弁護士費用として30万円を認めるのが相当である。

◆今後の対応
 遺族側の弁護士は「判決を精査して今後の対応を考える」、法人側は「他の職員と同時期に結果を通知したという主張がなぜ認められなかった検証する。今回の理由で賠償が認められたら、従業員の病気は会社の健診不足ということでみんな訴えるようになるのでは」としており、2月20日時点では双方とも控訴するかどうかは未定となっている。

  1. 2015/02/21(土) 10:33:01|
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