Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

2月18日 

http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtpronews/1502/1502046.html
BSL4施設周辺への影響など10の質問に対する回答示す
第2回感染研村山庁舎施設運営連絡協議会

[2015年2月18日] MT Pro / Medical Tribune

 昨年(2014年)から西アフリカで続くエボラウイルス病(EVD)流行を機に,昨年11月塩崎恭久厚生労働相が武蔵村山市の藤野勝市長に対し,同市内にある国立感染症研究所(感染研)の村山庁舎内に設置されたバイオセーフティレベル4(BSL4)施設の稼働に向けた協議を申し入れた。市側はこれまでに厚労相が交代のたびに同施設の稼働停止継続と施設移転の要望を行っており,現在その立場は変えていないが,申し入れを受け連絡協議会の設置などを了承。昨日(2月18日)開かれた第2回の会合では,これまで感染研が行ってきた施設の一般公開や市民向けセミナーなどで住民から寄せられた10項目の質問に関する説明が行われた。

先進国では複数のBSL4施設を稼働

 BSL4には,病原体の中でも重篤な感染症を起こし,有効な治療法がなく致死率が特に高いものが含まれ,こうした病原体を取り扱う上で高度な安全設備を備えたBSL4施設が必要とされている。先進諸国では患者発生への備えだけでなく,予防ワクチンや治療薬の開発,バイオテロ対策の観点から複数のBSL4施設を稼働させるなどの整備が進んでいる。そうした中,日本は自国でBSL4施設を稼働できておらず,BSL4病原体の診断・研究体制に諸外国から大きく遅れを取っている。

 日本国内では1981年に感染研村山庁舎にBSL4施設が完成したが,地域住民の同意が得られない(武蔵村山市側は「施設の計画段階で市民に対する説明は全く行われなかった」と説明)との理由で,BSL3施設として運用されている。

エボラ疑い例の検体搬送時に「報道先行でかえって不安に」

 今回の連絡協議会で感染研が示した,村山庁舎に関する住民からの質問は次の10項目。

 ①近隣にウイルスを取り扱うBSL4施設があると,感染しないか心配

 ②エボラウイルス等が,外部に漏れる危険性はないのか

 ③震度6強以上の大地震動による災害が生じたら,建物が倒壊してウイルスが外部に漏れる恐れはないのか

 ④エボラウイルスを取り扱う職員が感染し,周辺住民にも二次感染する恐れはないのか。万一,職員が感染した場合,どのような対応を行うのか

 ⑤感染研施設が,犯罪やテロの標的となる可能性があるのではないか

 ⑥万一火災や地震などによる事故が発生した場合,感染研から周辺の住民に対して,どのようにして迅速に連絡するのか

 ⑦BSL4施設は,人家から遠く離れた施設に設置するべきではないか

 ⑧感染研のBSL施設はなぜ必要なのか

 ⑨これまで発生したエボラ出血熱の疑い例の検査はBSL3施設で実施できたようだが,感染した患者の検査のためだけならBSL4施設は不要ではないか

 ⑩感染研において実施している試験研究の内容や安全性について,周辺住民に対して説明してもらえないか

(当日配布資料,原文ママ)

 委員の1人で感染研ウイルス第1部部長の西條政幸氏は,各項目についてどのような対策・管理が行われているのかを説明した。住民側の委員たちは,海外でのEVD流行により国内でBSL4施設使用の機運が高まっていることに一定の理解を示しつつも,「今ここに来て“病原体が出たから”ではなく,もっと早く(同庁舎のBSL4施設完成は1981年)から説明があれば,こんな急に理解を求める必要もなかったのでは」「今までの経緯から“大丈夫です”と言われても信用できない」などと指摘した。

 また,同庁舎に隣接する小学校の関係者からは「エボラ疑い例の検体が持ち込まれるたびに報道関係の車が周辺に多数押し寄せ,児童の保護者から“自分たちは大丈夫なのか”と問い合わせが増える。報道だけが先行し十分な情報が少ないので,かえって不安になる。誰でも説明が聞けるような機会を設けてほしい」といった要望もあった。

施設内での実験動物の取り扱いなどに関する情報提供を予定

 この他,施設内での実験動物の取り扱いや職員の針刺し事故時の対応,世界保健機関(WHO)による実験室の生物学的安全性に関する指針と同施設の設置基準の整合性などに関する質問が出され,次回以降,感染研側が説明を行うこととなった。

 同市は昨年11月18日の公式見解で「市としてはこれまで同庁舎内のBSL4施設の稼働停止の継続と当該施設の移転を強く要望してきた。同施設の使用については国の責任において万全の安全対策と市民の理解を得るための取り組み状況を参考に判断する」と述べている。

 同協議会の座長を務める感染研副所長の倉根一郎氏は,小社の取材に対し「今後もBSL4施設を含め,村山庁舎での種々の活動に関する情報共有を図っていきたい」と話した。

(坂口 恵)



http://www.huffingtonpost.jp/2015/02/17/anti-vaccine-arguments_n_6702836.html
アメリカの「はしか」大流行の一因となった「反ワクチン」派を論破する
The Huffington Post  | 執筆者: Jacqueline Howard
投稿日: 2015年02月18日 14時41分 JST 更新: 2015年02月18日 14時54分 JST MEASLES

2014年12月、ディズニーランドで発生した「はしか」が2015年1月から2月にかけてアメリカで15年ぶりに大流行している。この大流行の背景には、アメリカの親たちに根強く残る「ワクチンへの不信」がある。「ワクチンが原因で自閉症になる」といった、根拠のない医師の論文やデマがひとり歩きしているためだ。ハフポストUS版では、そういったワクチンにまつわるデマについて紹介している。

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小児用ワクチンの安全性と効果には、多くの科学的根拠がある。アメリカの公衆衛生当局によると、ワクチンはシートベルトと同じくらい子供たちを守るのに重要だ。オバマ大統領も、子供に予防接種を受けさせるよう親に促している。

それなのに一体なぜ、アメリカの多くの親たちが子供に予防接種を受けさせないのか? まさに、14州で102人もの患者が出るはしかの大流行が起きているというのに。

もちろんこれは複雑な問題だ。政府への信頼(あるいは不信感)が重要な要因として指摘されている。しかし、多くの親たちが反ワクチン派になるのは、毎度おなじみ、誤った情報の結果だ。

反ワクチン派の6つの見当違いの主張と、その真実を見ていこう。

■ 間違った主張1:ワクチンが自閉症の原因になっている。

たしかに「ワクチンが自閉症の原因ではない」とは証明されていない。ないことを証明するのは困難だ。しかしアメリカ小児医学会は、ワクチンと自閉症の間にいかなる関連もみられなかったとする、40以上の研究のリストを公表している。

■ 間違った主張2:イギリスの研究でワクチンと自閉症の関連が示された。

たしかに、1998年に医学雑誌「ランセット」に掲載されたある研究論文で、関連性を指摘された。しかしこの論文は撤回されている。研究を主導した内科医のアンドリュー・ウェイクフィールド博士は、データを改竄したことが明らかになり、医師免許を剥奪されている。

■ 間違った主張3:予防接種を受けたあと自閉症を発症した子供の事例がたくさんある。

しかしこうした事例は証明にはならない。ワクチンのせいで子供たちが自閉症になったと信じる理由にはならない。科学者たちが端的に言う通り、相関関係と因果関係は別物だ。多くの親たちがどんな思い込みをしようとも。

アメリカの匿名投稿サイト「Reddit」ユーザーJasonp55は、こうした思い込みが見当違いであることを指摘している。彼の調べでは、オーガニック食品の売上と自閉症の診断患者数は、同時期に同じペースで増加している。相関関係があるからといって予防接種が原因だと言うのは、自閉症の増加はオーガニック食品のせいだと言うようなものだと述べている。

■ 間違った主張4:うちの子が予防接種を受けようが受けまいが勝手だ。

実際には、子供に予防接種を受けさせない親は、接種年齢に達していないなどの理由で接種を受けられない子供たちの健康を危険に晒す可能性がある。未接種の子供の割合が一定の閾値を越えると、いわゆる「集団免疫」が損なわれ、予防可能な病気がコミュニティへの侵入の足がかりを得ることになる。

■ 間違った主張5:ワクチンは子供の免疫系に「過剰な負荷」を与える。

これは真っ赤な嘘だ。赤ちゃんは生まれた瞬間から、あらゆる病原性ウイルスに曝されている。だから、医師、それにアメリカ予防管理センター(CDC)やアメリカ医学研究所の共通見解として、子供の免疫系は複数のワクチンの中の免疫反応を刺激する抗原に十分対処できる。それどころか、サンフランシスコの小児科医ローレル・シュルツ博士による最近の記事によれば、子供たちは日常の環境の中で、すべての予防接種を合わせたよりも多くの抗原に接触している。

■ 間違った主張6:予防接種で得られる免疫よりも「自然の」免疫の方が優れている。

いわゆる「自然の」免疫は、人体が伝染病に感染し打ち勝った結果だが、研究によれば、各種予防接種を受けた人たちの免疫反応は感染によって免疫を得た人たちのものと同等だ。それにもちろん、ワクチンによって免疫を獲得する方が、重篤になるかもしれない感染を経るよりも望ましい。

この記事はハフポスト・ブロガーで『パニック・ウイルス(The Panic Virus)』著者セス・ムヌーキン氏の協力により執筆されたハフポストUS版の記事を翻訳しました。



http://www.yomiuri.co.jp/kyushu/local/miyazaki/20150218-OYS1T50019.html
宮崎大が宮崎市立田野病院の指定管理者に
2015年02月18日 読売新聞

 宮崎大は17日、宮崎市立田野病院と、併設の介護老人保健施設「さざんか苑」の指定管理者に決まったと発表した。同大によると、国公立大学法人が病院規模の医療機関の指定管理者になるのは全国初という。4月から運営が移管される。

 同大によると、高齢化社会の進展で外来から入院、在宅医療までの一連の流れを、医師が行政などと一体となって対応する地域医療体制の強化が求められている。

 これまで大学病院では専門医の育成に重点が置かれていたが、田野病院とさざんか苑の運営で、研修医や医学部生が一般的な風邪や虫垂炎といった患者への対応や、在宅医療、介護などを学ぶことができ、地域医療に詳しい医師や看護師の養成につながると判断した。

 田野病院の常勤医師は現在、外科2人と放射線科1人の計3人。初年度は、外科2人、内科、整形外科、新設する総合診療科各1人の計5人の常勤医師を配置する。外科は消化器系を専門とし、現在は年間15件程度の手術件数を約200件に増やし、病床利用率も90%以上を目標にする。

 記者会見で吉原博幸理事は「大学病院と診療を連携させ、地域の基幹病院を目指したい。医学部生が地域医療を学んで県内に残り、将来的な医師不足解消につながれば」と話した。

 田野病院は唯一の市立病院。市は、同大を含む2団体の応募から、「医師の確保」を重点に置いて選んだ。関連議案は昨年12月の市議会で可決された。

G3註:宮崎市立田野病院  一般病床42床 併設:介護老人保健施設「さざんか苑」(入所)50床 通所)20人



http://www.shimotsuke.co.jp/category/life/welfare/medical/news/20150219/1874029
災害拠点病院へ準備 要件整え、県指定目指す 日光の獨協医療センター
2月19日 朝刊 下野新聞

 【日光】獨協医大日光医療センター(中元隆明病院長、199床)は、日光地区で初となる災害拠点病院の指定に向け準備を進めている。災害派遣医療チーム(DMAT)の編成やヘリコプターの離着陸場の確保など指定要件を順調に整えており、2015年度内の県の指定を目指す。

 災害拠点病院は、地震や台風などの災害発生時に24時間体制で傷病者を受け入れる拠点として都道府県が指定。本県では9施設が指定されている。

 同医療センターは総面積約1450平方キロメートルと県土の約4分の1を占める日光市内に有事に備えた災害拠点病院機能が必要と判断。2014年夏ごろから指定に向けた準備を本格的に始めた。

 災害拠点病院の指定要件として、国はDMATの保有や派遣体制の整備、施設の耐震構造のほか、3日程度の燃料や食料、医薬品の備蓄などを定めている。

 同医療センターの医師や看護師ら計5人が2月上旬、研修を受けDMATの認定を受けたほか、患者搬送用ヘリコプターの離着陸場(ランデブーポイント)として市営公園を確保するなど整備を進めている。

 同医療センター事務部は「体制を充実させるとともに、地域医療の向上に努めていきたい」としている。



http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=112210
大動脈解離、震災後2倍に…岩手の病院調査
(2015年2月18日 読売新聞)

 東日本大震災の被災地で、血管の病気「急性大動脈解離」の患者が、震災前に比べて2・2倍に増えたことが岩手県立中央病院(盛岡市)の医師らの調査でわかった。

 ストレスによる血圧上昇が原因とみられ、患者数のピークは震災後3年目だった。京都市で開催中の日本心臓血管外科学会で18日に発表する。

 同病院で緊急手術を受けた患者数を震災前後で比較した。震災前の3年間は23人だったのに対し、震災後3年間は50人に増えた。震災後1年目は7人だったが、2年目は20人、3年目は23人と急増した。患者はほぼ全員が県内在住で、40歳代と若い人もいた。調査した小田克彦医師(心臓血管外科)は「生活不安などストレスを受け続けた結果、血圧が徐々に上昇し、発症したのでは」と分析する。

 1995年の阪神大震災や2004年の新潟県中越地震では被災直後に、避難生活でのストレスなどが原因で心筋梗塞などの心臓病が急増したことが知られている。小田医師は「被災直後に目立つ心臓病だけでなく、長期のストレスで起きるような大動脈解離にも備え、被災者の血圧検査など予防や治療の体制を整備する必要がある」としている。

 急性大動脈解離 心臓につながる大動脈の壁の内側に裂け目ができ、血液が流れ込み、血管の壁の一部が膨らむ状態になる。高血圧による動脈壁の劣化が要因の一つとされ、手術では膨らんだ部分を切除して人工血管に置き換える。



http://www.m3.com/news/iryoishin/295848
医療維新
専門医の不満「診療報酬の評価なし」が最多◆Vol.3

医師調査 2015年2月18日(水)配信池田宏之(m3.com編集部)

Q.3 専門医制度の現状の問題点
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 Q.3では、専門医制度の現状の問題点を、複数回答可能な方式で聞いた(全回答数512人)。

 最も多かったのは、「診療報酬上の評価がない」で52.2%となった。「自身の給与に反映されない」も38.6%で4位に入った。今までに要望が出ているものの、医師の待遇改善に、専門医資格が直結してこなかったことの不満は、根強いことが伺える。

 2番目に多かったのは、「専門医ごとに取得・更新の難易度に差がある」で52.2%。多くの学会が「専門医」制度を導入する中で、症例数や論文発表など厳しいハードルを課す学会がある一方、容易に取得でき、実際のレベルを担保しているのかと疑問視される学会もあり、取得・更新の難易度が高く、手間や労力をかける専門医を持つ医師からすると不満が大きそうだ。3番目に多かったのは「取得・更新に費用がかかる」で50.6%、費用負担も大きな不満の1つとなっていた。

 「領域が細分化しすぎている」は31.1%、「専門医の人数が適正でない」は28.5%。新しい専門医制度では、結果として地域偏在の解消に結び付く可能性がある中で、医療界が、外部から見て適切で信頼できる制度を、自主的に作り、運用できるかに大きな注目が集まる。一方で、患者から見た専門医についての不満は、いずれも2割に満たなかった。



http://www.nagasaki-np.co.jp/news/kennaitopix/2015/02/18091050016616.shtml
唯一の内科開業医が閉院へ
(2015年2月18日更新)長崎新聞

 新上五島町唯一の内科の開業医として、島の地域医療を51年間支え続けた同町青方郷の田坂医院が3月末で閉院する。院長の田坂章吾さん(84)の健康上の理由からだが、島の人々からは感謝や惜しむ声が上がっている。

 閉院は昨年11月、妻の和子さん(76)らと決めた。同町奈摩郷の分院は「地域への恩返し」として町に寄付し、町立診療所として活用される予定。町内には約20年前まで約10軒の外科、内科の開業医があったが、高齢化や移住で田坂医院だけとなっていた。

 田坂さんは島の出身。父の勧めで医師を志し、長崎大医学部を卒業。無医地区だった同町奈摩地区に33歳で開業した。

 このころ、島に産婦人科医はおらず、ほとんどが自宅分娩(ぶんべん)。出産後に出血が止まらなくなった女性を止血剤などを使い救った。その時生まれた宮下ゆかりさん(51)は2013年まで約30年間、医院で看護助手として働き、苦楽を共にしてくれたという。

 当時は外灯などもなく夜は真っ暗。「道に迷いながら、やっと心筋梗塞の患者宅に到着。心臓の血管を拡張する注射をしてようやく助けることができたことも忘れられない」と田坂さんは振り返る。

 田坂さんは高齢者世帯のための往診を今も続けている。月1回の診察を約10年間受けている同町阿瀬津郷の原ツルエさん(86)は「狭心症もすっかりよくなった。命があるのは先生のおかげ」とほほ笑む。

 和子さんは「ご苦労さまの一言。患者さんやスタッフに支えられたことも幸せだった」と話す。田坂さんは「『辞めないで』と患者に泣かれることもあり、命ある限り島民の健康維持に尽くしたいという思いもあったが、閉院は悔いはない」と話す。田坂さんは今後も、老人ホームの入所者の診察などを通じ、島の人たちの健康を守り続けるつもりだ。



http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=111901
新しい挑戦と医療倫理…群馬大病院問題を考える(2)患者守る仕組み必要
多田羅 浩三 大阪大名誉教授
たたら・こうぞう 日本公衆衛生協会会長。厚生労働省の「ハンセン病問題再発防止検討会」座長を務め、患者の権利についても研究する。74歳。
(2015年2月18日 読売新聞)

 群馬大病院の問題が報じられた時、昨年4月に千葉県がんセンターで発覚した腹腔鏡手術の問題に似ているので驚いた。私は千葉県が設けた第三者検証委員会の会長として調査に携わっているが、二つの病院で相次いだ問題が、体にやさしいイメージが先行していた腹腔鏡手術にもリスクがあることを広く知らせることになったと思う。

 肝胆膵(肝臓、胆道、膵臓)の腹腔鏡手術は今、外科のトレンドで、外科医が挑戦したくなる魅力的な手法のようだ。そういう状況の中では、無理が生じやすくなる。わかっていないだけで、ほかの医療機関でも同種のことが起こっている可能性がある。

 医療には実験的で挑戦的な部分があり、医学の進歩のためには、それを否定するわけにいかない。しかし、新しいことに取り組む時、医師は患者を尊重し、患者の安心を守ろうという意識を持つことが重要だ。

 群馬大病院も千葉県がんセンターも、腹腔鏡を使った保険適用外の手術を行う前に、病院の倫理審査を受ける手続きがとられていなかった。新しい手術は、いわゆる臨床研究というより、日常診療の延長という感覚だったのだろう。各病院で、どういう場合に倫理審査を通すべきか、定義を明確にしておく必要がある。

 患者への丁寧なインフォームド・コンセントが不可欠なことは言うまでもない。ただ、実際にはそれだけで患者は守りきれないと思う。なぜなら、患者と医師は決して対等になりえないからだ。病気を治してほしいと切望する患者は、結果的にリスクを押しつけられることになりかねない。

 社会的な仕組みによって弱い立場の患者を守る必要がある。患者の権利を明確化する法を制定すべきだと思うが、すぐにそれが難しければ、他の医師の意見を聞く「セカンドオピニオン」を制度化してはどうか。

 もう一つ重要なのは、手術後の説明を確実に行うということだ。難易度の高い手術ならなおさら、結果はどうなったのか、経過に問題はなかったのか、といったことの説明もまた不可欠ではないだろうか。

 かつての医療は、頂を仰ぎながら山道を登っていくようなものだった。それに対し、高度に進歩した現代の医療は、登り詰めて稜線を行くのに似ている。山道なら転んでも取り返しがつくが、稜線から転げ落ちれば最悪の結果につながる。医師はそれを十分認識し、技術を磨きつつ患者と認識を共有して、困難を一緒に乗り越えていく時代になったと言えるだろう。(医療部 高梨ゆき子)



http://mainichi.jp/select/news/20150219k0000m040130000c.html
司法解剖:准教授退任で後任見つからず 青森は近県頼りに
毎日新聞 2015年02月18日 23時38分

 弘前大学大学院医学研究科の講座で司法解剖を担当している阪本奈美子准教授が今年度末で退任し、青森県内で司法解剖ができなくなる。18日に同科の教授会が開かれ、中路重之研究科長が早期の補充を目指す考えを示したが、法医学の教授は全国的に少ない。すぐに後任が見つかっても着任は早くとも6月ごろになるという。県警は3月以降、司法解剖を秋田大や岩手医科大に依頼する方針。

 法医学講座では、県警の嘱託を受け、事件性の疑いのある遺体などの司法解剖を行っている。県内で司法解剖を行っているのは、同大だけ。昨年6月に男性教授が退任してからは、阪本准教授が1人で担当していた。同大では2010年度にも約1年間、教授の負担増で司法解剖受け入れを休止していたこともあり、その間も県警は秋田大や岩手医科大に依頼していた。

 阪本准教授は11年4月に着任。今年3月31日付で退任し、4月からは東京都の杏林大保健学部救急救命学科の教員に転出する。弘前大は教授を募集していたが、1月末の締め切りまでに応募はなかった。

 弘前大によると、同大での司法解剖の件数は11年度146件▽12年度204件▽13年度216件−−と、年々増加傾向にある。現在の弘前大のように1人体制で行っている大学も多い。医学研究科の亀谷禎清事務長は「危機感を抱いている。早く解消したい」と話す。

 県警捜査1課の半澤一人次長は「捜査に影響が出ないようにしていく」とするが、「秋田や岩手まで遺体を運ぶとなると、距離や時間がかかる」と懸念も示した。【石灘早紀】



http://mainichi.jp/area/miyagi/news/20150218ddlk04040025000c.html
大崎市民病院:業者選定で虚偽、30代主査を懲戒処分 /宮城
毎日新聞 2015年02月18日 地方版

 大崎市病院事業管理者は17日、同市民病院本院に勤務する30代の男性技術系主査が、決められた手続き抜きに業者を選定する虚偽行為を行ったとし、減給10分の1(2カ月)の懲戒処分とした。

 同管理者によると、主査は昨年7月の本院開院に備え、病室の各ベッド脇に置く棚やテレビなどの備品のリース業者を選ぶ業務を担当。しかし、応募した4社の資格審査など所定の手続きをしないまま、同5月に1社を優先交渉権者に選定した。結果の通知を受けた応募業者からの指摘で発覚した。主査は「忙しく、選定手続きに手をつけないまま開院に間に合わない時期になり、苦し紛れに選定した」と話しているという。【小原博人】


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