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2月5日 

http://www.m3.com/iryoIshin/article/292563/
医療維新
医師不足への処方せん
医学部新設、残る課題は「地域定着策」
東北薬科大学、文科省の7条件、6条件ほぼクリア

2015年2月6日(金) 橋本佳子(m3.com編集長)

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 2016年度の医学部新設を目指す、東北薬科大学の「第4回教育運営協議会」(委員長:里見進・東北大学総長)が2月5日に開催され、文部科学省の「東北地方における医学部設置に係る構想審査会」が提示した、医学部新設の「7つの条件」に関する対応状況を議論、修学資金を活用した東北地方への医師の地域定着策を除く、6つの条件についておおむね合意が得られた。協議会終了後に会見した、同大理事長の高柳元明氏は、「今日の会議でいろいろ意見をもらったが、問題なのは、(新設医学部の卒業生の)地域定着策だけではないか。この点について十分に理解を得られれば、大丈夫だと思っている」との見通しを示した。

 言い換えれば、医学部新設に対しては、「教職員の採用に伴い、医師などの引き揚げが起き、地域医療に支障を来すのでは」との懸念が強かったが、解決できる目途が立ちつつあるということだ(『医学部教授らの公募開始へ、東北薬科大学』を参照)。第4回会議では、非公開で医師の教員採用状況が説明されたが、高柳氏は会見で、「教員の確保については、基礎系、臨床系ともに大丈夫だと思う」と自信を見せた。看護師についても、採用計画を提出、東北6県の医学部・医科大学附属病院の平均レベルをやや下回るものの、「おおむね妥当な水準」の数を確保できる見通しだという。

 修学資金を活用した地域定着策として、東北薬科大学は3つの制度を用意しているが、この点は第3回会議でも議論が紛糾した(『医学部教員、定員183人に応募288人、東北薬科大学』を参照)。高柳氏は会見で、「会議の前には、各県、各医学部・医科大学を回り、説明を行っていたが、枠組みが複雑なために、理解されていなかったのか。もう少し分かりやすく説明することが必要」と語り、引き続き関係者に理解を求めていくとした。

 修学資金について、委員から呈せられたのは、制度が活用されるかという実効性への疑念だ。里見座長は、各委員の意見を踏まえ、「本当に実現可能な構想になっているのか、そうでないのか。東北薬科大学が提案した内容について、各県の対応はどうなっているのかを整理してもらいたい」と求めた。もっとも、医師確保のために、修学資金を活用するか否かは、東北各県および各県の病院の意向によるだけに、高柳氏は、会見で「私たちは、11月頃から各自治体を回っているが、医師を獲得したいという積極的な意向を見せてもいいのではないか。そうならないので、一向に話が進まない」と語り、もどかしさをにじませた。会議中でも同様の趣旨の発言をしていた。

 第5回会議は、2月20日に開催する予定。今後、文科省の構想審査会に諮り、今年3月までに大学設置・学校法人審議会に医学部新設の申請を目指すスケジュールを踏まえると、第5回会議で教育運営協議会の議論は、いったん終了する可能性がある。

 日本医師会常任理事の釜萢敏氏は、「(東北薬科大学の医学部新設について)この教員運営協議会での合意が形成されなければいけないと考えている。合意が得られない項目があった場合、今後、どのように対応していくのか」と質問。オブザーバーとして参加した、文部科学省高等教育局医学教育課課長の寺門成真氏は、「教員運営協議会で一定の議論がなされれば、構想審査会に諮ることはあり得る。その場合、客観的にできるだけ協議会の状況を伝える。構想審査会は、協議会の検討状況を踏まえて、7つの条件への対応がなされているかどうかを判断する」と説明。教員運営協議会で一部意見がまとまらなかった場合でも、「構想審査会での議論という次のステップに進めることは可能」と受け取れる発言だ。


 修学資金、「宮城県枠」も他県に開放

 医学部新設の「7つの条件」とは、(1)運営協議会の設置、(2)東北6県の医師偏在解消につなげる枠組みの確立、(3)医療現場の負担が過重にならないよう配慮した、総合診療医の積極的な養成、(4)地域医療に支障を来さない、教員や医師等の確保、附属病院の拡張整備、(5)医師の東北地方への定着を促す修学資金の仕組み、(6)入学定員の見直し、将来の定員調整時の他大学との協調、(7)その他――だ(『東北薬科大、医学部新設の“第一関門突破”』を参照)。(4)のうち、詳細な看護師採用計画以外は、(1)で求められた通り、教育運営協議会を設置し、ひと通り議論してきた内容だ。

 新設医学部は2016年度に開学予定で、入学定員は100人、うち50人を修学資金の学生枠として用意。うち30人は第3回会議では「宮城県枠」としていたが、他の東北5県にも開放し、「資金循環型」と名称変更した。宮城県(最大80億円)などが拠出して「基金」を設置、医学生は修学期間6年間の学費充当資金(3000万円)を借り入れ、卒業後、医師採用を希望する宮城県内の「指定医療機関」(各県の自治体病院等で、県が決定)に10年間勤務すれば、指定医療機関が代わりに返済するため、医学生の返済は免除される。「少し宮城県に偏りすぎではないかとの指摘があった」(東北薬科大医学部設置準備室委員・事務局長の堀田徹氏)ことから、宮城県以外の県からも要望があれば、30人分のうち、一定数を配分する制度に変更。医療機関にとっては、医師1人採用する費用を、年300万円、10年間にわたり負担する仕組みと言える。

 残る20人分は、「東北5県枠」で、第3回会議で提示した制度から基本的には変更していない。各県の既存の修学資金制度に上乗せする形で、各県約1500万円、東北薬科大学が1500万円をそれぞれ拠出し、合計で約3000万円を医学生に貸与する。卒業後は、東北5県の指定医療機関(各県の自治体病院等で、県が決定)に1県4人ずつ勤務、義務年限を満たせば、返済は免除される。当初は開学から10年間の実施を予定していたが、医師の需給などを踏まえ、必要な見直しを行うとし、延長もあり得るとしている。各県が上乗せしない場合、東北薬科大学単独でも修学資金(1500万円)を拠出するため、修学資金は計3つの制度となる。この場合は、同大が連携する東北5県の「地域医療ネットワーク病院」での勤務を予定しているが、当該医療機関は負担ゼロで医師を確保できることになる。

 高柳氏は、各県との事前協議の結果なども踏まえ、「ある程度の希望があったので、県による違いはあるだろうが、20人は確保できるだろう」と述べた。現時点では各県とも修学資金を用意しているものの、条件が一致せず利用枠に余裕があることから、その分を「東北5県枠」に充当できるとの見通しだ。


 医師不足の県でも医師確保に消極的

 各県からは、これらの修学資金制度の実効性について、さまざまな懸念が呈せられた。「(義務年限には)後期研修の期間も含まれる。指定医療機関に専門医取得に必要な指導医がいない場合もある。『ここにいてくれ』と言われると、相当ストレスになる。(東北5県枠は、既存制度に上乗せする仕組みであっても)既存制度と整合性が取れているかを検討し、条例改正が必要になるだろう」(福島県)、「(修学資金の医学生を受け入れる)自治体病院等の同意や承諾はもらっているのか」(福島県医師会)、「地域医療ネットワーク病院は、宮城県以外の5県では、決まっていない。どこまで各県との協議が進んでいるのか」(秋田大学)、「(既存の)修学資金制度については、医師配置ルールがあるので、調整が必要」(岩手県)など、その内容は多岐にわたる。

 「資金循環型」における「基金」は、医学生に貸与する一方、指定医療機関から返済され、文字通り循環するため、宮城県の拠出が減少することはない。それでも、宮城県からは、「宮城県枠」として検討していた基金を、他の東北5県に開放することについて、「(会議資料では)ストレートに他県の枠に充当されるように見えるため、どんな形で予算上、議会に説明するかは難しいところがある」との意見も出た。

 岩手医科大学理事長・学長の小川彰氏は、各県の意見を踏まえ、「宮城県との間でも十分な協議が成り立っていないのではないか。東北6県のためのスキームを作ろうとしているのだから、東北6県の自治体と丁寧に時間をかけて協議をする必要がある」と指摘した。その他、さまざま出た意見に対し、高柳氏や堀田氏は、会議の前に十分に各県などと協議を重ねてきたと繰り返すほか、修学資金を貸与された医師は、1つの医療機関に勤務するとは限らず、複数の病院を循環しながらのキャリア形成も想定していることなどを説明しても、「各県との協議がまだ十分に進んでいないということ。どこまで進んでいるのか、それが明示されないと、いつまでも堂々巡りが起きる」と小川氏は返した。

 これに対し、高柳氏は、「基本は、まず本学が1500万円を出し、その上で、各県が(修学資金を活用する)学生が欲しいのかどうかを考える。各県への協議の際に、この点は何回も聞いている。『分からない』『条例改正が必要』などと言っているので、あまり積極的に欲しいと考えていないのでは、と思う」「各県と協議していないわけでなく、再三、この修学資金のシステムを説明している。ぜひ学生を獲得したいという返事が返ってこない状況で、今日まで来ている」などと、各県の対応に疑問を投げかける場面もあった。

 附属病院は計720床、看護師620人体制

 看護師の採用計画では、仙台市宮城野区にある「東北薬科大学病院」(466床)のほか、2つの譲渡予定病院の看護師を合わせ、医学部開学の2016年4月の時点で、582人確保できる見込み。医学部6学年がそろう2021年度には、譲渡予定病院を合わせ、約730床(87%を急性期病床、13%はICU、精神病床および回復期病床の予定)に対し、看護師620人の体制にする予定。

 2021年度の100床当たりの看護師数は85.3人で、東北6県の医学部・医科大学病院の平均94.1人を下回るものの、「大学付属病院としてやっていけると思う」(堀田氏)。宮城県内の看護師養成学校の新卒を中心に採用するほか、潜在看護師の掘り起こしも行い、他病院からの看護師の引き抜きは行わない方針だ。薬剤師やその他のコメディカルについても、欠員補充で対応し、職員採用に伴い、地域医療に支障を来さないようにするとした。

 これに対し、山形県からは、「新卒看護師の4割弱が県外に就職する。その半分は宮城県の病院に就職する現状。今回の看護師採用計画は、山形県への影響が大きいと考えている」との懸念が呈せられた。宮城県医師会からも、「医学部新設の初期から、医師だけでなく、看護師不足が深刻になってくるだろう。看護師が引き抜かれると、(入院基本料などの)施設基準が下がり、収入も減少しかねない。郡市医師会は独自に、養成所を作り、看護師を育てている。自分が育てた看護師が他に行ってしまう、つらさも理解してもらいたい」との意見が出た。

 堀田氏は、山形県のような意見は、岩手県や福島県からも出ているため、「看護師の採用数を極力圧縮した」と説明、「看護師採用に当たっては、なるべく宮城県の出身者を中心に対応していく」とした。高柳氏も、「理想形は、本学も看護師を養成していくことだが、今はできない。採用に当たっては、できるだけ注意し、地域医療に影響が出ない形でやっていく」と述べ、理解を求めた。




http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/42851
明日の医療
塀の中も医師不足

日向 正光
2015.02.06(金) JB Press

平成26年11月現在、刑務所の医師不足が深刻な事態となっている。定員332人に対して260人と72人が欠員で、52の刑務所・少年院・少年鑑別所で医師が不在または不足しているため法務省がホームページやインターネットで医師募集を行っているが一向に集まる様子がない。

 刑務所医師不足の原因の1つとして平成16年4月から施行された新臨床研修制度が挙げられる。大学や一部の総合病院だけでなく多くの民間病院で初期研修医が受け入れ可能となったためだ。それにより研修医の争奪戦となり、大学で研修する医師が少なくなったため医局が関連病院に派遣していた医師を引き揚げ地方の病院が医師不足になった。そして刑務所もその影響を多少なりとも受けているものと思われる。

 刑務所の医師不足の実態は深刻である。平成18年に最大約8万人の受刑者を収容していた刑務所は平成24年現在約6万8000人まで低下しているが、罹患率は67.2%も上昇している。受刑者3人に2人は何らかの病気にかかって収容施設で治療を受けている状況である。常勤医師が不在の施設では、受刑者が急変した際に外部病院に搬送しなければならず、その件数や延べ日数が右肩上がりで、さらに刑務所での医療費も平成16年度に比べて現在は約60億円と2倍に膨れ上がっている。

 網走刑務所では25年1月に約200人がインフルエンザなどに感染し2人が死亡した。東日本の刑務所医療の最後の砦である八王子医療刑務所は平成26年11月現在医師6名が欠員となっており、刑務所に入所できず待機している透析患者が100人以上もいるとのことである。また、東日本の各刑務所から重症患者の搬送依頼が八王子医療刑務所に集中しているが医師不足のため依頼があっても受け入れができない。そのしわ寄せとして全国の刑務所から大阪医療刑務所に搬送依頼があるもののすぐには対処できないようだ。

 刑務所で働く医師の役割はとても大きい。受刑者がきちんと刑期を全うできるように新たな病気を発生させない、万一感染症などが発生しても集団感染を食い止める、収監前からある持病を悪化させないようにするのはもちろんのこと、様々な疾患や怪我に対応し出来るだけ所内で治療を完結させることが求められる。しかし、多くの刑務所には診療所や病院に常備されている簡易検査キットや血液検査装置、医療機器の類はあまりない。たいていあるのは聴診器、血圧測定器、打腱器などのシンプルなものばかりで最近になって施設によっては耳鏡などがあるくらいだ。検査機器は簡易血糖測定器、心電図(自動解析装置がない場合も)、白黒の超音波装置、単純レントゲン撮影装置だけで血液検査はほぼ全て外注である。

 刑務所で医師と働くためにはこれまでの診療に対する考え方を変えなくてはならない。当然、頭痛だけで頭部CTをオーダーしたり、胸痛で胸部CTや心臓カテーテル検査を依頼したりすることはできない。検査のために外部病院に受刑者を搬送するとなると公用車を用意して刑務官3人を同伴させなければならない。さらに入院治療となると刑務官が3交代で1日延べ9人の配置が必要な上に、受刑者は無保険・自由診療になるため保険点数以上の莫大な医療費を刑務所が負担しなければならない。

 また、詐病を見抜けず外部病院に搬送して逃走なんてされたりしたら面目丸つぶれであるし、外部病院で興奮・暴力沙汰になったとしたら当該病院から以後全ての受刑者の診療は一切受けつけられなくなってしまう。刑務所の近くに病院はいくつもあってもすぐに搬送できない事情があるため、刑務所は医療に関して「陸の孤島」である。刑務所での診療は自分の問診・診察と僅かな検査道具、あとはこれまでの経験に基づいた勘だけが頼りである。自分のプライマリ能力が存分に発揮できる場所であると同時に、これまでいかに検査に頼りすぎていたか自分の診療能力の低さを知らされる場所でもある。

 実際の例として、50代の男性受刑者の様子がおかしいと診察室に連れてこられた。呂律が回りにくく、左上下肢に力が入らない、バレー兆候やバビンスキー反射も陽性である。高血圧の既往もあり、脳卒中が疑われたたため救急車で脳神経外科に搬送したのだが頭部MRIの拡散強調画像(早期に脳梗塞を発見できる)で異常なしとのこと、その後徐々に症状が軽減・消失し1週間足らずで帰ってきたことがあった。最初はMRIでもみつからない小さな脳梗塞なのかなと思ったがまた、半年後に同様の症状が出現したもののMRIで異常なし。

 そして1年後にも同様の症状が出現したが、またまた異常が見つからず1~2週間で帰ってきた。これまでの経過を改めて確認すると、他の受刑者や職員とのトラブルでストレスを抱えるとそのような症状が出現していたようであった。つまり解離発作として麻痺症状が出ていたのだった。恥ずかしいことに、脳卒中様症状が出現した状況をきちんと把握していなかったことに加え、症状が脳卒中に典型的であったため全くヒステリーを疑っていなかったのだった。この間、止むを得なかったとは言え何も文句を言わずに何度も病院に搬送し病院で監視してくれた刑務官には申し訳ない気持ちでいっぱいであるし、税金が無駄になってしまったことにも国民の皆さんに申し訳なく思う。

 なかなか働きにくいと思われる刑務所の勤務であるが国家公務員の身分が保障され週3日勤務年収約1000万円というのは考慮に値する(ただ残りの2日は他施設での研修という扱いになるため、週5日勤務である)。大都市圏や大学の後期研修医の給与はせいぜいフルタイムや毎週の当直勤務をこなしても税込み年間500万円前後が相場ではなかろうか。また刑務所との交渉次第では午前中に刑務所勤務、午後に他施設研修というのも可能だ。実際私はそのような勤務体系にして精神科病院で研修を受けたりもした。そのことによって、刑務所は常勤医師を確保することができて、私が学んで来た精神科を刑務所に還元することで刑務所の精神科診療レベルも向上することになる。私は複数の勤務先で刺激を受けながら、新しい分野を学ぶことが出来、研修先の病院も私が勤務することで内科疾患のケアがカバーされ、3者がお互いにメリットがある。大都市圏ではいまだに無給の医局員やバイトに追われる大学院生が少なくないと聞く。是非彼らの収入源・身分保障として刑務所勤務を活用してもらいたい。

 メリットは待遇だけではない。刑務所は1000人前後の集団がほぼ同じ生活スタイルで生活している稀有な場所である。やる気さえあれば生活習慣病を含め様々なリサーチにうってつけの場所である。また、採用医薬品のほとんどが後発品(ジェネリック)であることなどから先発品と後発品の割合はどのようにすべきかなど医薬品の費用対効果について考えることもできるであろう。さらに、受刑者の多くが何らかの病気にかかっていること等から、犯罪を減らすには予防医学に力を入れて病気やケガを防ぐことが重要ではないか等、様々な疑問やテーマが湧いてくる。

 私のような素人でも刑務所のリサーチで米国糖尿病学会の発表や英文雑誌に論文掲載させることができた(Diabetes Res Clin Pract. 2007 77:327-32.)。研究テーマは「服役すると糖尿病が改善する」という、考えればごく当たり前の内容である。しかし、一般の人はこのように思ってはいないだろうか。「刑務所では激しい肉体労働でこき使われ、食事も粗末だからカロリーも少なくて糖尿病が治るのは当然だろう」と。私も最初はそのように考えていた。ところが、調べてみると刑務所の作業は木工やアイロンがけ等の軽労作がほとんどで、1日の運動時間も30分とわずかである。さらに、1日摂取カロリーは作業内容に応じて2220~2620kcalと日本人のおおよその1日摂取カロリー1800~2200kcalよりも明らかに多いのだ。それにもかかわらず、糖尿病患者の80%以上が血糖値とHbA1cを改善できている上に、内服薬治療受刑者の50%と、インスリン治療受刑者の28%が投薬を中止できていたという、顕著な糖代謝改善が見られていたのだ。

 刑務所での規則正しい生活と麦飯を含む高食物繊維食の長期継続がここまで糖尿病に好影響を与えているとは全く予想もしなかった。この研究は学会や論文発表にとどまらず雑誌や新聞、TVなどでも取り上げられ、最終的に本を出版する機会に恵まれ、これまでに出会ったことのない方たちとの異種業界との交流もとても刺激的であった。大学で研究テーマが見つからず困っている大学院生や学会発表・論文を書きたいと思っている研修医は是非刑務所での勤務をお勧めする。

 また、受刑者は常に黙々と刑務作業をこなすことを課せられているので、話したがりである。診察で時間を持て余した時などに、彼らのこれまでの犯罪について聞くこともできる。例えば、覚醒剤の売人をやっていた受刑者に話を聞いてみると、純度の高い覚醒剤は直接日本海の船上で北朝鮮の売人と直接取引をしたという。しかし、それは日本海上で海上保安庁に見つかるリスクも高いそうだ。東南アジアなどでは簡単に手に入れられるが、北朝鮮から中国、東南アジアと覚醒剤が売買されるにしたがって混ぜ物が多くなり純度がおちて粗悪な覚醒剤になってしまうのだと言う(もう10年以上も前の話なので今はまた異なるであろう)。他にも、受刑者によってはいろいろな裏社会の話を聞くことができるが、ここであまり書きすぎると問題が生じる可能性もあるため省略させて頂く。

 しかし、刑務所勤務にももちろんデメリットはある。受刑者とのトラブルを心配するかも知れないが、診察時には必ず刑務官が立ち会うし、概ねこちらの指示に従ってくれるため意外とトラブルはないものである。ただ、非常に稀だが訴訟に巻き込まれる可能性がある。残念ながら私は平成16年から22年の在職中に3件巻き込まれてしまったが(通常は巻き込まれることはほとんどない、たまたま私の運が悪かった?)、不幸中の幸いにしてその3件とも一審原告棄却であった。

 1件目は何と元受刑者が出所後に「きちんとした医療が受けられなかった」と弁護士も頼まずに自筆で訴状を書いてきたのである。この元受刑者は社会では生活保護を受け、窃盗や詐欺を繰り返しては刑務所に入るという生活を繰り返していた。その間に、なぜか訴状を書くことを覚え、出所する度に前刑務所を訴えてはいつも1審原告敗訴となっているようである。今回も訴訟を提起して1年以内に結審したのだが、訴訟の反論のためにわざわざ飛行機で複数の法務省関係者が福島刑務所に来て対応を検討しなければならなかったので、私も含め法務省・刑務所関係者は大変である。

 2件目は著書『塀の中の患者様――刑務所医師が見た驚きの獄中生活』で概略を書かせていただいた。

 3件目は男子刑務所で向精神薬の過剰投与で寝たきり、褥瘡、左下肢麻痺になったと訴えられたのだが、これは困ったことにその訴訟の原因が他の刑務所医師の「誰だ、こんなに薬を出したのは」という発言がきっかけである。確かに精神科以外の医師からは多く処方されていたかもしれないが、精神科では決してめずらしいものではない。最終的に鑑定までもつれたが、もともと交通事故で左足を怪我して後遺認定を受けていたことや、鑑定医の「過剰投与はない」「寝たきりでない」「褥瘡(じょくそう:床ずれ)は予見不可」との判断で5年の歳月を経て原告棄却を勝ち取った。

 今の世の中どこで働いても訴訟リスクはある。刑務所の医療訴訟では法律的なところは全て法務局訟務部のチームが全て担当してくれるので心配はいらない。ただ、医学的な問題については自分で文献を探して反論しなければならないので骨の折れる作業だ。原告の主張を覆すための主張構成や文献検索など当時とても大変だったが、今思えば医療訴訟を経験したことで、相手方弁護士の訴訟に対する考え方や普段どんなことに注意して診療をすればよいかが勉強できたことは良かったと思っている。

 刑務所医療についてもう少し知りたいと思った方には2014年12月に出版した拙書『塀の中の患者様』に詳細を記してあるので是非参考にしていただきたい。刑務所の医師になったきっかけから、刑務所での多彩な出来事(例えば、男子刑務所での診察の様子や女子刑務所で行った覚醒剤についての講義に対する女子受刑者の感想文、刑務所で調査研究発表を行うまでの苦労、医療訴訟の被告となった実際のケースなど)、刑務所を去った後現在までの人生をできるだけ興味を持ってもらえるように分かり易く書いたつもりである。1人でも多くの方に刑務所医療に興味を持ってもらい、皆さんに少しでも何らかの刺激を感じてこれまでの行動に変化を起こしていただければ幸いである。

・本記事は「MRIC by 医療ガバナンス学会」(Vol.023、2015年2月5日発行)を転載したものです。

G3註: Hinata, Masamitsu, et al. "Metabolic improvement of male prisoners with type 2 diabetes in Fukushima Prison, Japan." Diabetes research and clinical practice 77.2 (2007): 327-332. 



http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=111774
無資格医療事件、経営者数十件手術か…千葉
(2015年2月6日 読売新聞)

 無資格で医療行為をしたとして経営者らが逮捕された千葉県松戸市の診療所は、「雰囲気がいい」と患者から思われていた。

 県警が4日、3人を逮捕した医師法違反事件。経営者は医師免許を一度も取得したことがないのに、どのように医療技術を学んだのか。県警は全容解明を進める。

 逮捕されたのは、診療所「東葛整形外科・内科」の経営者山本武男容疑者(67)(松戸市西馬橋)のほか、同診療所を運営する医療法人社団「東洋医心会」の元理事川村祐一郎(60)(愛知県半田市)、理事上杉和弘(52)(松戸市上本郷)両容疑者。

 県警生活経済課の発表では、同診療所に勤務していた看護師や非常勤医師らは山本容疑者について、「医師だと思っていた」「技術が高い」などと証言したという。

 昨年9月まで約3か月間、腰痛治療で通っていたという80歳代の女性は取材に対し、「病院の雰囲気は良く、『おかしい』と思うようなことは何もなかった」と話した。

 県警は2014年3月、松戸保健所から「医師不在で診療している」と相談を受け、捜査を開始。同年9月に本院(同市上本郷)や分院(同市馬橋)を同法違反容疑で捜索した。女性(53)と男性(64)は4月、切開や縫合が必要な足の静脈瘤りゅうの手術を受け、女性は手術から約半年後、別の病院で再手術を受けていた。

 同課によると、山本容疑者は柔道整復師や鍼灸しんきゅう師の資格を持つが、医師免許は一度も取得したことがない。しかし、静脈瘤の手術を少なくとも数十件行っていた疑いがあるほか、神経へのブロック注射もしていたという。

 山本容疑者の同診療所での医療行為は12年1月から始まった。同課はこれ以前にも山本容疑者が別の医療機関で医療行為をしていた可能性もあるとみて捜査する方針だ。



http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/cadetto/rinshoplus/people/201502/540625.html
「+αな人」
医療のギャップを埋めたい~究極の総合医、“船医”を経て~

岩本 修一 氏
2015/2/6

氏名 岩本 修一,  Shuichi Iwamoto,MD
現在の職業 医師
現在の勤務先 広島大学 総合内科・総合診療科
出身大学・学部 広島大学 医学部 2007年卒
臨床専門分野 総合診療、家庭医療
+αの道に入る前の臨床経験年数 6年
+αの道に入った後の臨床経験年数 3か月
+αの道に入った際の年齢 31歳
+αの道の種類 船医

何故+αを選んだのか

おもしろそうだったからです。

考えられる臨床医の中で、「船医」以上に楽しそうな仕事が思い浮かびませんでした。やはりワンピースの影響は否定できません(笑)。私の場合は、友人の紹介があって、これは二度とないチャンスだと思い、すぐに応募しました。

以前から海外で医師として働いてみたいという気持ちもありました。私が志願したのは、米国のクルーズ会社のプリンセス・クルーズ社です。船員は世界各国から集まり、船内の公用語は英語です。まさに「海外」で「医師」として働く環境です。

また、それまでに麻酔科医と総合内科医という異なる2つの環境で臨床をしてきました。船医は緊急時の対応もあれば、様々な疾患を診断・治療するスキルも問われます。両方の経験を活かす上でも、船医の仕事がうってつけだと考えました。

プラスαの道はどうであったか、何を学んだか

15階建て、77,000トンの客船には、最大2,000人超の乗客と900人のクルー(船員)が乗ります。クルーは、国籍も職種も年齢もさまざまです。私が乗船時のメディカルは、南アフリカ人のシニアドクターをリーダーとして、イギリス人、カナダ人、日本人で構成される、医師2名、看護師4名のチームでした。

私は、医師として、乗客やクルーの診療を行い、船内の公衆衛生にも携わりました。かぜや発疹、結膜炎などの内科疾患もあれば、創傷や捻挫、骨折などの外科疾患もあります。クルーが仕事中に顔面熱傷を負い、緊急処置の後、救急搬送したこともありました。血液検査やX線検査の設備も船内に備わっています。X線検査は遠隔の放射線科医が読影し報告するシステムになっています。船内の公衆衛生上とくに重要なのが、感染性腸炎患者のマネージメントです。クルーズ船内ではノロウイルス腸炎がアウトブレイクしやすいため、その管理は非常に厳格に行われています。嘔吐や下痢の症状があれば、メディカルに報告され、ナースがすぐに消毒チームや部屋担当係に消毒を指示します。

船内はキャプテン(船長)を頂点とした完全な階級社会です。ドクターはその中では上位のシニアオフィサーに属し、船全体に対しても重要な責任を負います。そのため、安全やハラスメント、ソーシャルメディアなどの研修を受けました。とくに「安全」は繰り返し強調され、全体訓練も頻繁に行われます。乗客を含めた全体避難訓練はもちろん、緊急時の訓練では、火災や浸水を想定して、負傷者救助のシミュレーションを行います。「船から人が落ちたとき」や「船内に爆弾が仕掛けられたとき」の訓練までありました。

仕事上、接することが多いのがシニアドクターです。彼は臨床医としても人間的にも尊敬する存在でした。船医は上述のとおり、内科・外科問わず多彩な疾患を診ることが求められます。シニアドクターは知識もスキルも経験も豊富で、何事にも動じない冷静さと即座に対応する判断力を兼ね備えていました。診療後は一緒にカフェで冗談を言い合ったり、本気で卓球をしたり、プライベートでも親交を深めました。

船医の経験から、私は多くのことを学びました。そのうち、2つを紹介します。1つ目は、シニアドクターの私への接し方です。英語でのコミュニケーション、はじめての船生活、医師として緊急下船をさせるかどうかの判断やその手続きなど、最初は、仕事面・生活面ともに、わからないことだらけでした。そんな私に対し、シニアドクターは、いつも我慢強く相談に乗り、適切な助言をくれました。一方で、医師としての私の意見を尊重し、仕事上のパートナーとして接してくれました。私も彼の姿勢を真似て、今後、後輩に接したいと思っています。

2つ目は、クルーズ旅行の社会的価値です。私が診た乗客の中には、持病が悪化して緊急下船をした方もいました。その方が下船直前に私に言ったのは「予定より短いけど、旅行を楽しめました」でした。「持病のことを考えるなら旅行は控えたほうがいい」という意見もあるかもしれませんが、「持病があるけど旅行したい」という希望を叶えるこの仕事も有意義であると感じました。

現職に+αはどう生きているか、または現職が+αそのものの場合は、臨床経験が現在どう生きているか

現在は、広島大学病院で臨床とともに、医学生や研修医の教育や臨床研究にも携わっています。船医を通じて、リーダーシップを叩きこまれました。リーダーシップというと日本では「カリスマ性」をイメージされがちですが、ここでいうリーダーシップは「自分で決断し、自分が最初に動くこと」です。船上での診療は、急性期病院とは異なり、設備が限られています。今ある情報で判断し、プランを決めるというプロセスは、臨床だけでなく、教育や研究の計画を立ち上げるときにも役立っています。

また、船医の経験を話すことで、総合医に興味をもってもらうことができればと考えています。これから団塊の世代が高齢者となり、日本は未曾有の高齢社会となります。認知症高齢者数も現在の250万人から、2025年には320万人になることが予想され、地域包括ケアシステムの構築とともに総合医の重要度は増していきます。「船医」というちょっと変わった総合医の経験を伝えることで、若手医師が総合医に興味をもつキッカケになればと思います。

今後どのようにキャリアを形成していくか

私は、医療に関するリテラシーやノウハウ、認識のギャップを小さくすることが、今あるいくつかの医療の問題を解決するのではないかと考えています。このギャップは、患者医師間はもちろん、医師とその他の医療者の間、専門医と総合医の間、研修医と指導医の間、経営者と現場の間などを含みます。私は、これらのギャップを小さくしたいと考えています。

研修医や医学生への教育の現場は、ギャップフィリング(ギャップを埋めること)の実践とアイディアの宝庫であり、むしろ自分自身が多くのことを学んでいます。

ギャップフィリングの活動の一つとして、私が運営しているFacebookページ「アブストラクト・ジャーナル」があります。ここでは、海外の医学論文のアブストラクトを日本語要約して記事にしています。元々は、自学のために始めたものですが、ある時期から読者が増え、現在は8500を超えるいいね!を得て、3人のライターで運営しています(2014年12月末現在)。医学の進歩は非常に速く、現場の医療者は常に知識のアップデートが求められています。そのツールとして英語論文は不可欠で、日本語論文のみにアクセスできるよりも情報の量と質の両面で役に立ちます。しかし、医師の中でも、英語論文を当然のように利用している人もいれば、そうでない人もいます。実際、私自身、英語論文を読む習慣がほとんどありませんでした。使い始めると思っているより難しくないことやその有用性に気づきますが、そのキッカケがないことが大きな機会損失となり得ます。アブストラクト・ジャーナルでは医療者にそのキッカケを与えることを目的としています。

今後もギャップフィリングの新たなアクションを続けていきたいです。


・広島大学病院 総合内科・総合診療科
http://home.hiroshima-u.ac.jp/soshinhp/

・アブストラクト・ジャーナル(Facebookページ)
https://www.facebook.com/journalofI

※「臨床+α」の詳細はこちらをご参照ください⇒http://rinsho-plus-alpha.jp/



http://www.yomiuri.co.jp/kyushu/local/kagoshima/20150205-OYS1T50023.html
産科医不足対策、大隅4市5町が協議
2015年02月05日 読売新聞 鹿児島

 産科医不足の対策を話し合う「大隅4市5町保健医療推進協議会」(会長=中西茂・鹿屋市長)の第3回総会が4日、鹿屋市役所で開かれた。各市町の首長や医療関係者ら約40人が出席し、県民健康プラザ鹿屋医療センターなどの機能拡充を県に求めていくことを確認。協力して産科医を新たに確保し、同センターの年間分娩ぶんべん数を約400件に増やすことを目標に掲げた。

 協議会によると、大隅地域で分娩できるのは、同センターと、開業の産科診療所3施設。このうち、三つの診療所の分娩取り扱い件数は年間計1200件を超え、1診療所あたりの件数は全国や県の平均値を大きく上回っている。

 こうした中、協議会は同センターの産科医を現状の2人から3人に増やすことを目指し、今後、県や医師会などと連携していく方針を確認。医師確保などに経費がかかる場合、関係市町で協議した上で、負担し合うこととした。

2015年02月05日 Copyright © The Yomiuri Shimbun



http://woman.infoseek.co.jp/news/entertainment/businessjournal_110751/
大学病院は危険?死亡事故多発、流れ作業の診察、新薬実験…自分を守る3つのポイント
2015/02/06 06:00 楽天ウーマン・Business Journal

 群馬大学医学部附属病院で、2011~14年に同一医師が執刀した腹腔鏡下手術を受けた患者約100人のうち、少なくとも8人が術後2週間~100日以内に死亡していたことが明らかになった。この死亡事故は、なぜ発生したのだろうか?
 岩手県一関市の医師・菅原由香子氏は、同病院にはいくつかの問題点があると指摘している。
 腹腔鏡下手術は傷が小さくて済むため、術後の回復が早く、患者にとって負担が少ないが、その一方でリスクも多く、医師には高度な技術が必要とされている。
「群馬大学病院の事故は、すべて同じ医師が執刀していたことから、まず同医師の技量に疑問があります。また、同病院の内規では、事前に臨床試験審査委員会の審査を受けることとされていますが、同医師は審査の申請をしていなかったことが明らかになっています。つまり、手術の管理にも問題があると考えられます」(菅原氏)
 報道によると、60~80代の男性患者5人、女性患者3人が術後の容体悪化で死亡した。腹腔鏡下手術の中でも、特に高度な技術を要する肝臓の区域切除などの手術によって事故が起きている。群馬大学の発表では、6人の患者は術後に容体が悪化して集中治療室(ICU)に移されたという。
「術後に容体が悪化したことから、深刻な状態に陥ったと予想できます。おそらく肝機能不全を発症していたのでしょう。区域切除は、切除する肝臓部位が大きい手術です。肝臓は生命維持をつかさどる重要な臓器ですから、より慎重な執刀が求められます。患者が手術に耐えられるかなど、綿密なシミュレーションを行わなければなりません」(同)
 シミュレーションに基づき、危険と判断すれば無理に手術は行わないだろう。執刀医は、危険がないと判断したのか、それともそもそもシミュレーションを行っていなかったのか、その判断についても検証を行う必要がある。また、事故が起きた時点で病院は速やかに事実を公表して事故調査委員会を設置すべきだったが、昨年11月時点までそれは行われていなかった。

●患者側が受診の際に留意すべきポイント
 大学病院をはじめ、病床数の多い総合病院は患者も多く、医師の対応は流れ作業になりがちだ。手を抜いているという意味ではなく、そうでなければ全員の診療をすることができない現実がある。現在の日本では紹介状がなくても受診可能なため、いきなり総合病院に足を運ぶ患者も多い。日本でも欧米諸国同様に紹介状がなければ総合病院で受診できないようにする法案が国会で検討されているので、いずれ法制化されるだろう。しかし、法整備を待つまでもなく、重篤な症状でない限り総合病院での受診をなるべく控えるよう一人ひとりが心がけなければならない。
 また、大学病院は実験的治療に注力する傾向が強い。製薬会社も積極的に大学病院などの総合病院に新薬を持ち込んでいる。治療方法や薬について丁寧な説明をしてくれると安心して治療のすべてを医師任せにする患者がいるが、それは新薬などを実験したいがために行っている可能性もある。安全性については、自ら確認する必要があるのはいうまでもない。

 受診の際に心がけるべき点は、次の3つである。
(1)医師の説明でわからないことがあれば、徹底的に聞いてみる
(2)検査データの貸し出しを嫌がる、または質問に回答しない医師は信用しない
(3)治療方針に不安を感じたら、躊躇せず転院する
 病院には一層高いレベルの医療技術と病院全体の管理体制の強化が求められる時代となったが、患者側も自身の健康を守るために、医師と適切な関係を構築することが重要である。
(文=尾藤克之/ジャーナリスト、経営コンサルタント)


  1. 2015/02/06(金) 10:05:12|
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