Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

1月22日 

http://www.niigata-nippo.co.jp/life/medical/news/20150122158574.html
地域に配慮、紹介なくても受診可に
魚沼基幹病院 医師不足で例外対応

2015/01/22 11:29 新潟日報

 6月に開院する魚沼基幹病院(南魚沼市)について、かかりつけ医の紹介状がない場合も例外的に受診できることになった。県内でも医師不足が深刻な地域という事情などに配慮した。ただ、紹介状なしで来院した場合は初診時に負担金がかかるほか、症状に応じて地元の医療機関を「逆紹介」することもある。県は25日から、魚沼地域で受診の流れを説明する広報紙の配布を始める。

 基幹病院が誕生する一方で、これまで中核を担ってきた医療機関を縮小する再編が行われることから、受診の流れが大きく変わる。「紹介状がないと基幹病院に行けないのか」といった住民の声を受け、行政や医療関係者が受診の流れを検討した。

 基幹病院で診てもらう際は、原則としてかかりつけ医である開業医や再編後の魚沼市や南魚沼市の市立病院などからの紹介状が必要。紹介状があれば受診がスムーズで検査の重複も避けられ、初診時の負担金もかからない。

 一方で、県内でも最も医師不足が深刻な地域という点を考慮し、救急や近くに特定の診療科がない場合を例に挙げ、紹介状がない人の受診も可能とした。

 県の広報紙では「基幹病院だけで全てを完結するのではなく、地域の医療機関が協力して1人の患者さんを診ることで、『地域全体で一つの病院』として機能するように連携することが何より大切」と、医療再編の意義を訴えている。

 県は、今回を含めて3月までに3回、具体例を示しながら受診の流れを説明する広報紙を発行する予定。魚沼市、南魚沼市、津南町、湯沢町、十日町市で順次配布するほか、県のホームページでも内容を見ることができる。

 問い合わせは県医務薬事課、025(280)5981。



http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=110912
市立四日市病院 時間外手当支払い不足…三重
(2015年1月22日 読売新聞)

 市立四日市病院の医師の時間外勤務について、手当の支払い不足と違法な時間超過があるとして、四日市労働基準監督署が労働基準法に基づく是正勧告を出していたことが、20日分かった。

 支払い不足については、病院側は時効になっていない2年間分約3億円を支払う予定で、2月定例月議会に補正予算案を上程する。

 病院によると、昨年11月、労基署による調査があり、同12月16日付で是正勧告を受けた。

 是正内容は、〈1〉職務の困難さなどを考慮して医師に支給している調整額と管理職手当を、時間外勤務手当など割増賃金の算定基礎となる賃金に算入していない〈2〉労働組合と協定を結んだ、延長可能な時間外勤務(1か月80時間、1年間570時間以内)を超えて労働させている――の2点。

 病院によると、調整額は少なくとも1972年以前から支給しており、割増賃金を算定する賃金に含めていなかったという。不足分の支払い対象となるのは、2013年3月分の給与からで、概算支払額は、医師205人に対し、金利約1540万円を含め約3億円となる見込み。

 時間外勤務については、協定を超えて働いていた医師が13年度は21人、14年度は28人いた。最高は心臓血管外科の医師の年間1317時間で、ほかにも同科の医師1人が1000時間を超える時間外労働に就いていたという。

 病院側は「時間外勤務は今後、各診療科部長が週単位でチェックするなど厳格に管理する」としているが、「根本的な解決策としては、医師を増員するしかない」と話している。



http://apital.asahi.com/article/local/2015012200010.html
最上地域の医療、充実へ課題探る 新庄で「考える集い」
山形
2015年1月22日 朝日新聞

 最上地域の医療の充実を考える集いが19日、新庄市民プラザで開かれた。最上地域開発協議会(会長・山尾順紀新庄市長)などが主催した。

 集いでは、最上地域には五つの病院しかなく、人口10万人当たりの一般診療所数、医師数が、県内4地域で最も少ない現状についての説明があった。地元選出の県議も「医療の格差があってはならない」「医療の高度化を図る必要がある」などと指摘した。

 同協議会によると、最上地域の中核病院で新庄市にある県立新庄病院も、建物の老朽化、多様化する住民ニーズへの対応などの課題を抱えているという。

(朝日新聞 2015年1月20日掲載)



http://www.m3.com/open/iryoIshin/article/288142/?category=opinion
医療維新
北里大医療事故 報告書から見る医療安全提言
焦点がぼやけた具体的問題点分析

2015年1月22日 中村幸嗣(危機管理専門血液内科医)

 昨年北里大学病院血液内科で医療事故が生じ、患者さんがお亡くなりになったことが報道されました。ご冥福をお祈りします。(静脈に入れるべき針を誤って動脈に…患者死亡)

 さらに詳しい事故報告書が北里大学から出されています。(右頸部血腫の気道圧迫により窒息に至った医療事故の報告書)

 ちなみに北里大学はこの事故の影響で現在血液疾患の新患を受けいれていないようです。周りに血液疾患を受ける施設がないため、地域の方はとても大変だと思います。

 報告書からの抜粋です。

【お亡くなりになった直接の要因】
1 右頸部に生じた巨大血腫が気道を圧迫し、このために気管内挿管が困難となり、気道確保までが遅れたため、低酸素脳症、多臓器不全に至ったこと。

【血腫の形成・増大を来たした要因】
1 自己末梢血造血幹細胞採取目的のカテーテル操作の際に、右頸部の動脈を穿刺したこと。
2 カテーテル内の血液が固まってしまうことを防ぐため、薬剤(へパリン)を用いた際、体内に過剰のへパリンが入ったこと。

【この医療事故を起こした背景要因】
1 当該科の診療体制、教育指導体制に不備があったこと。
2 処置を担当する医師、看護師など、医療従事者相互の情報共有やコミュニケーションが不十分であったこと。

【具体的な問題点】
1 処置を実施する場合には、指導医や上級者は事前に実施手順を確認し、準備状態を確認し実施させることや、指導医や上級者が責任を持って支援するという体制が整備されていなかった。
2 リスクの高い処置を開始する前に、処置に関わる医療従事者間で情報を共有し、具体的な基準、手順、とくに注意すべき点、起こりうる危険、問題が生じた場合の対応等についてのブリーフィングや確認が行われていなかった。

(中略)
(1) 再発防止策の策定として、
I 外部評価の実施
II 患者安全を最優先にした安全文化の醸成
III 診療体制の整備
IV 血液内科の診療体制整備
に分け、整備
(中略)
再発防止対策とその整備状況一覧(資料3)(略)


 なんか医療安全教科書の写しのように感じるんですよね。具体的問題点分析において焦点がぼやけています。また再発防止策の策定も教科書通りにやっていない血液内科が悪いという結論が前面に出ています。そして血液内科診療停止。もうひとつの教科書、ヒューマンエラーは必ずおきるという観点はどこにあるのでしょう。

 動脈を刺したこと、投与されたヘパリンの量が多かったことが事故の原因ですが、カテーテルを挿入した後、一旦止血されていた部分から数時間後の出血は、多分医療者は全く予想していなかったと思いますし多分できません。指導者レベルも一度も経験したことのない事象への医療者の対応不能を、コミュニュケーション不足とか教育指導体制とか言われてもと少し憤ります。

 CVを刺す時にどれだけの確率で動脈を刺す可能性が生じ(刺しても普通は止血され問題ないことが多いです)、そしてヘパリンをどれだけいれたら、数時間後に出血するのか(データは多分ありません)ちゃんと予想できます?それを準備不足と言われても。

 本当に現場を知っている人が分析したの?医療安全を学問として机上でやっているだけの人に分析してもらっていない?すいません毒を吐いてしまいます。

 個人的にはカテーテル内のロックにヘパリンを原液で使っていたのに驚いています。ヘパリン濃度は濃い程出血のリスクがあがります。しかし病院によって、また主治医によっても全国的にカテーテルロックに使う量は異なっているようで、実際私は生食で薄められた1/10量でロックしていました。また生食だけで行っている所もあります。

 事実このヘパリンを使用することで出血の問題が移植の現場でもおきたことがありました。他施設で採取していただいた造血幹細胞を移植をしたところ、中に入っていたヘパリンの量が多かったようで、患者さんのaPTTがのびてかなりひどい皮下血腫をおこした方がいました。

 幸い大事には至りませんでしたが、その後骨髄バンクで使用するヘパリンの量の上限が決められました。これが提言、対策だと思うんですよ。そのときの採取施設の診療体制なんて些末な問題です。

 おそらく資料3の一部に書かれているのだと思いますが、個人的には慣例で普段カテーテルに使用しているヘパリンの量が多すぎたことが一番の原因と規定して欲しかったです。だからこそ今後はヘパリンの量を1/10、または1/100、または生食でおこなうと(資料3の具体例に詳しく書かれているのかもしれません。ただこの報告書からは読み取れませんでした。)

 どうしても一部の医療には経験則、その病院でのルールなどが存在します。いままで大丈夫だったことでも、突然このような悲しい事故が生じてしまいます。医療安全とはミスができるだけ生じないようにすることが大事なことなのですが、ヒューマンエラーは絶対になくならないのだから、万が一おきても次回最悪の状況からリカバリーできるように提言しないと意味がないと感じています。

 今回もやはり新聞記事ではさっぱり内容がわかりませんでしたが、報告書をみたら仕方ないかととてもがっかりです。北里大学血液内科頑張ってください。

 すこし感情的な記事になったことをお詫びします。

 ツイッターもやっていますので興味のある方はフォローしてください。@yukitsugu1963


※本記事は、2015年1月21日のブログ『中村ゆきつぐのブログ』で発表した内容を、編集部でタイトルとレイアウトのみ変更したものです。



http://www.m3.com/open/iryoIshin/article/285413/?category=research
医療維新
金曜の 4時半過ぎに 紹介が◆Vol.13-1
医師川柳、「勤務、職場」「同僚、上司、後輩」編

2015年1月22日 池田宏之(m3.com編集部)

 Q12では、医師にとってよくある体験などを川柳で表現してもらった。寄せられた73の川柳を、12のテーマに分類した上で、3回にわたって紹介する。最終回(1月27日に掲載予定)の掲載後に人気投票も実施予定。

 1回目のテーマは「勤務、職場」「同僚、上司、後輩」「他の医療職種」「医者の不養生」の4つ。勤務の辛さを「当直」をテーマに表現した句や、EBMが広がる中、「エビデンス」を「ナンセンス」との語呂で皮肉った句もあった。


【勤務、職場】
金曜の 4時半過ぎに 紹介が
俺カルテ 小保方ノート 以下かもな
当直明け 休みになるのは いつからか
日当直 明けて外来 また当直
働けど 負担ばかりが 増えていく
働けど 環境変わらず 倒れそう
勤務医は きついからこそ やめられない
石の上 三年経ったら 別の石
一人科長 部下がこなくて 十余年
辞めるのは 今日か明日かと 思案中
論文化 書くぞ書くぞと もう一年


【同僚、上司、後輩】
仕事しない えらい医者ほど 幅きかす
無能な医師 主訴より大事な 検査結果
先生と 呼ばれるほどの ばかはなし
エビデンス 「無い」と言うだけ 何もせず
エビデンス 結果悪けば ナンセンス
医者だけど あんたは息子(娘) 医者じゃない


【他の医療職種】
身分制 師長看護師 患者医師
東大も 高卒ナースに ばかにされ
MR 慇懃無礼の 意味知らず


【医者の不養生】
身を削り 仕事をしている 医者メタボ
ひとのこと 心配する間に 病得る
お大事に 患者に言われる 当直明け



http://www.yomiuri.co.jp/national/20150122-OYT1T50077.html
訪問看護拠点、9府県で設置なし…地域で偏在
2015年01月22日 17時36分 読売新聞

 常勤の看護職が5人以上勤務し、年間15人以上の看取みとりを行うなど、国が定めた要件を備えた大規模な訪問看護ステーションが開設されているのは、設置の目安となる地域医療圏の約4割にとどまっていることが読売新聞の調査でわかった。

 同ステーションは在宅医療の拠点として期待されているが、岩手、京都など9府県で設置届がなく、地域で偏在していた。

 調査では、地方厚生局に情報公開請求をし、昨年10月1日現在で設置届が出された施設を都道府県ごとに集計した。集計によると、訪問看護ステーションは全体で8713施設あり、大規模ステーションは238施設が届け出ていた。

 地域医療の単位として都道府県が定め、一つの市または複数の市町村で構成する「2次医療圏」で見ると、全国344か所のうちの131医療圏(38%)で1施設以上の届け出があったが、残りの213医療圏(62%)は設置届がなかった。人口に比べて病床数が少ない埼玉県のさいたま、川口の両医療圏はそれぞれ六つの大規模ステーションが稼働。一方、療養病床が多い高知、香川両県は届け出施設がなかった。大規模な訪問看護ステーションは、2次医療圏ごとに最低1か所はあるのが望ましいとされている。
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http://www.qlifepro.com/ishin/2015/01/22/integrated-commnity-care-system-to-function/
地域包括ケアシステムに「魂」を入れる
2015年1月22日 Q Life Pro

最近、ずっと考えているのが「地域包括ケアシステムって何だ?」ということ。

大学の先生や厚労省の局長さんたちのお話を伺っても抽象的な内容ばかり。
とにかく「連携してください、推進してください」。

何をどうすればいいの? 本当にこんなんでいいの?
そう思っている人が多いのではないでしょうか?
そんな中、名古屋でとても有意義な4時間を過ごすことができました。
NPO法人プライマリ・ケア教育ネットワークが、特に都市部における地域包括ケアシステムの具体像を探るために開催している連続ワークショップの第5弾。
「具体像を探る」という言葉に引き寄せられるように、FBの参加ボタンを押してしまいました。
理事長の伴信太郎先生(名古屋大学総合診療医学講座 教授)のスムーズなリードの中、メイトウホスピタルの加藤院長、名東保健所長の勝田先生、名東区訪問看護ステーションの神谷所長から問題提起のプレゼンテーション。そして「タコ紹介」でアイスブレイクした後、1時間のグループワークへ。
問題提起という位置づけでしたが、加藤先生たちのプレゼンテーションからはたくさんの学びがありました。

●自然発生
まず、加藤先生たちの取り組みで素晴らしいと思ったのは、機能強化型在支診の連携カンファランスがいつの間にか多職種カンファランスとなり、保健所などの行政機関も加わって、地域包括ケアシステムづくりのための土台が出来上がっているということ。行政が無理やり引っ張ったのではなく、なんとなくこういう形になってきた、というのがすごいと思いました。
悠翔会も連携する在支診の先生たちと月に一度ケースカンファランスをやっていますが、ここに地域の多職種が参加してくれれば、そのまま地域ケア会議になってしまうし、ケースカンファランスも多職種で議論したほうがより立体的になることは明らか。私たちもぜひそういう方向を目指していきたいと思いました。

●目的のシェア
そして本来は当然のことなのですが、何のための地域包括ケアシステムなのかが明確化されているということ。
地域で「暮らしたい」を支える、という理念は、おそらく概ね共通だと思いますが、
①医療と介護の顔の見える関係づくりを通じて、
②多職種で「ワンストップサービス」を目指す、
という非常にわかりやすい基本方針が言葉で示されていること。
目的が明確なので、具体的な事業(連携シートの作成など)が進みやすいということがあるのだと思います。

●行政を巻き込む
そしてもう一つすごいと思ったことは、保健所が加わっているということ。
行政機関の代弁者という立ち位置だけでなく、各種の保健統計データへのアクセシビリティという意味でもとても強いと思いました。保健所に仲間に入ってもらうのは敷居が高そうですが、わたしたちも、自分たちの数字だけでなく、地域のなかの自分たちの数字を意識するようにするべきだと思いました。これからは保健所とも定期便を作ろうと思います。


その後のグループワークでは、地域包括ケアに関わる5つの課題が提起されました。
そこでのディスカッションを通じて、地域包括ケアシステムとして満たすべきいくつかの条件を明確化することができました。

▽地域包括ケアシステムにやはり構築マニュアルは作れない。
▽地域ごとにアナログで手さぐりで作っていくしかない。
▽医療と介護がそこにある、というだけではだめ。それがワンストップで機能する仕組み(ネットワーク)を創る必要がある。
▽ネットワークにアクセスできれば、必要なサービスに速やかにつながることができるようにする。
▽ネットワークが機能するためには「連携」が重要。目的意識を共有し、相互の信頼関係に基づく弾力的な役割分担ができる関係を作ること。
▽ネットワークは医療と介護だけで創る必要はない。地域には様々なリソースがある。それを地域ごとに活用することを考える。
▽そのためには地域全体(行政・医療・介護以外の事業者、そして住民)が当事者意識を持つことが重要。
▽目先の啓蒙活動に加え、教育など長い目で見た取り組みも重要。
▽ネットワークはアクセシビリティが重要。入口はたくさんあるべき、そして入口の敷居は低いほうがいい。
▽それでも入口に到達できない人もいるので、何らかのアウトリーチの仕組みを考える。
▽地域での暮らし方、最期の生き方、死に場所も様々。地域のサービス提供能力により選択肢が限られることがないように・・・
▽地域包括ケアシステムにおいては、やはりアウトカムを意識することが重要。
あとは目の前の「紙粘土のカタマリ」を、
「地域という器」のなかでどのような形に練り上げていくのか。
ここから先は、その地域で役割を担っている
私たちのさらなる創意工夫にかかってくるのでしょう。


佐々木淳
医療法人社団 悠翔会 理事長・診療部長
プロフィール
筑波大学医学専門学群、東京大学大学院博士課程卒業。三井記念病院、医療法人社団 哲仁会 井口病院副院長等を経て、24時間対応の在宅総合診療を提供する医療法人社団 悠翔会を設立。



http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtnews/2015/M48040061/
今週の話題
解明され始めた腸内細菌と精神疾患との関係

功刀 浩 氏
国立精神・神経医療研究センター神経研究所疾病研究第三部部長
功刀 浩 氏
[2015年1月22日(VOL.48 NO.4) p.06] MT Pro / Medical Tribune

 いま医学での“ホット・トピック”の1つは腸内細菌である。昔から地道に研究が行われてきたが,1990年代に新たな測定系の開発により腸内細菌叢の解明が爆発的に進み,今や欧米では大型プロジェクトが進行しているほど世界的に活況を帯びている。腸内細菌と疾患との関係性に関する研究も進んでいるが,その中でも「フロンティア」なのが精神疾患である。腸内細菌と精神疾患の研究に取り組む国立精神・神経医療研究センター神経研究所疾病研究第三部部長の功刀浩氏に,現状を解説してもらった。

世界規模で進む腸内細菌研究

 腸内細菌は,成人1人当たり1014〜1015個存在しており,重量は1〜2kgに達するともいわれる。その種類は500〜1,000,あるいはそれ以上ともいわれ,それらが複雑な細菌叢(フローラ)を形成している。しかし,腸内細菌を同定するには従来主流だった培養法ではそれらのわずか20〜30%ほどしか把握できなかった。つまりそのほとんどは未解明のままだった。

 しかし,1990年代に入り,画期的な測定系である16Sリボソーム(r)RNA遺伝子を標的とした遺伝子解析法の開発が進んだ。16SrRNAは,細菌特異的な塩基配列を持ち,細菌内のリボソーム量に依存しているためrRNAをコードするDNAに比べ1,000倍以上の比率で存在している。この原理を応用したRT-qPCRが登場し,今まで同定が不可能だった微量の細菌も把握できるようになったため飛躍的に腸内細菌叢の解明が進んだ。

 今や腸内細菌の研究は世界的規模で進行している。「米国立衛生研究所(NIH)は腸内細菌を含めたヒトに共生する微生物を解明するヒトマイクロバイオームプロジェクトを進めている。それに対し欧州でも同様のプロジェクトが走っている。腸内細菌の研究は世界的な潮流といえる状況だ」と功刀氏は解説する。

腸内細菌は多くの疾患との関連が疑われている

 腸内細菌は想像以上に多種多様な種類が存在しているだけでなく,生体との密接な相互作用があることが分かってきた。中枢神経系が腸管をコントロールしていることは既知だが,最近では腸管の情報が中枢神経系へ伝達されることも知られるようになり,これは「脳腸相関」と呼ばれている。この脳腸相関に腸内細菌が関与していることが明らかになりつつある。腸内細菌から中枢神経系への具体的な情報伝達経路として想定されているのは,①腸管に多く存在する求心性神経(迷走神経,脊髄求心性神経)を介した経路②腸内細菌由来の菌体成分がサイトカインを誘導し影響する免疫系を介する経路③腸内細菌が産生する短鎖脂肪酸などの生理活性物質が神経系に直接的・間接的に影響する経路−の3つである。

 腸内細菌は疾患の発症にも深く関与しているとみられる。炎症性腸疾患や過敏性腸症候群(IBS),大腸がんといった腸管の疾患だけでなく,糖尿病,肥満,動脈硬化,アレルギー,自閉症などさまざまな疾患での研究が進んでいるが,多くは明確な発症機序まで解明されているわけではない。

腸内細菌は精神疾患発症機序にうまく合致

 関係が疑われる疾患の中でも精神疾患との関係は研究が始まったばかりだ。「例えば,うつ病の研究ではこれまで心理学的アプローチや神経伝達物質など薬理学的アプローチが盛んだったが,ここ10年ぐらいで食事との関係がはっきりしてきた。これまでうつ病と食事との関係性を研究テーマにしてきたが,腸内細菌は食事との関連が深く,私にとっては従来の延長線上に腸内細菌の研究が位置付けられる。うつ病の発症要因としてストレス,免疫,神経伝達物質などのプレーヤーが分かっているが,それらがどのように働いているかは明確ではない。腸内細菌もそれらプレーヤーの1つである可能性がある」と功刀氏は説明する。

 また,「お腹の具合を悪くした精神疾患患者に乳酸菌などの活性生菌製剤を処方すると,お腹だけでなく全体的に良くなる印象をたびたび経験する」と,臨床上の感覚でも腸内細菌の関与を感じるという。
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 さらに,従来考えられている精神疾患の発症機序の仮説の中に腸内細菌がうまく当てはまる。それがキヌレニン仮説である(図1)。肥満などによる慢性炎症があるとインターロイキン(IL)-6などのサイトカインが上昇し,免疫系が活性化する。そうするとトリプトファンからキヌレニンへの合成が促進され,結果として興奮毒性により神経細胞が障害され,うつ病などの精神疾患を起こすというものである。また,トリプトファンが減少することでセロトニンが減少し,神経伝達に異常を来すことも影響している。腸内細菌叢のバランスが崩れ悪玉菌が増えてくると腸内で低レベルの慢性炎症が起きると考えられ,腸内細菌がキヌレニン仮説の始まりの部分とつながり筋は通りやすい。

図表
 また,うつ病の病態で説明される視床下部-下垂体-副腎系(HPA系)の異常ともうまく整合できる。ストレスを感じると,HPA系を通じて最終的にストレスホルモンであるグルココルチコイドが放出され,脳の海馬での脳由来神経栄養因子(BDNF)の発現が抑制され脳の可塑性が低下し,うつ病が発症すると考えられている(図2)。グルココルチコイドはキヌレニンを増やす方向に働くので,先のキヌレニン仮説とも連動する。腸内細菌は,先に触れた脳腸相関だけでなく,動物実験でHPA系のストレス反応に影響することが分かっており,ここでも合理的な説明が付く。
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予備的検討で特定の腸内細菌とうつ病の関連を示唆

 2005年にプロバイオティクス(乳酸菌飲料)がうつ病に効くという仮説が提出されるなど,さまざまな知見が腸内細菌と精神疾患の関係を疑わせるが,いずれも傍証にすぎない。しかし,「2014年に入り,うつ病患者の腸内細菌を調べた初めての報告があった。これからは多くの報告が相次ぐのではないか」と予測される。

 功刀氏らも既に精神疾患と腸内細菌の研究を始めている。まず取りかかったのが,腸内細菌との関係性が深いIBSと精神疾患との合併率の調査だった。米国などで精神疾患にIBSが合併しやすいことが知られており,両者に共通の発症要因が存在している可能性がある。健常者を対照に精神疾患患者でのIBS様症状の出現率を調べたところ,双極性障害では有意に多く,大うつ病では多い傾向にあった。また,健常者ではIBSとストレス関連症状に関連性は見られなかったが,大うつ病ではIBS様症状を持っている群の方がストレス関連症状は強かった。つまり,両者の合併により,精神疾患のリスクも,IBSのリスクも高めてしまう可能性が支持された。

 さらに予備的ではあるものの,精神疾患患者での腸内細菌をRT-qPCR法で測定した。「予備的検討では,うつ病患者では健常人と比べ善玉菌が少ないことが示唆された。善玉菌は炎症を抑える方向に働くことが指摘されており,そうしたメカニズムが働いているのかもしれない」と説明,今後症例数を増やすなどを行い,正式にデータを報告する計画である。

 腸内細菌と精神疾患との関係の研究は緒に就いたばかりだが,「腸内細菌が精神疾患の発症要因の1つだと分かれば,新たな医薬品の開発に頼らなくても,乳酸菌飲料などのプロバイオティクスや,オリゴ糖などのプレバイオティクスの摂取を勧めるだけで改善でき,すぐにでも役立つ可能性がある」と研究の意義を強調した。



http://mainichi.jp/select/news/m20150123k0000m040069000c.html
論文不正:群馬大 北川浩史元教授に諭旨解雇処分相当
毎日新聞 2015年01月22日 19時57分(最終更新 01月22日 21時05分)

 東京大分子細胞生物学研究所の加藤茂明元教授のグループによる論文不正問題で、群馬大は22日、北川浩史(ひろちか)元教授を諭旨解雇処分相当に決めたと発表した。決定は15日付。群馬大は「自ら改ざんした論文3本を教授の応募時に提出しており、経歴詐称にあたる」として処分を決めた。

 北川氏は昨年8月に群馬大を辞職し、9月から東京都内の診療所の院長。大学の退職金は諭旨解雇なら減額されるが、既に全額の約100万円が支払われたという。

 北川氏は2009年10月まで加藤氏の研究グループに特任講師として在籍し、翌11月に群馬大生体調節研究所教授に就任。北川氏が筆頭著者となった論文3本について、東大は昨年末、本人が不正な改ざんをしたと認定した。【尾崎修二】



https://www.mixonline.jp/Article/tabid/55/artid/51058/Default.aspx
製薬協 疾患啓発広告・タイアップ記事で誤解を招く表現に注意喚起
公開日時 2015/01/23 03:52  ミクス online

 日本製薬工業協会は1月22日、都内で開催した総会後の会見で、テレビや新聞などの疾患啓発広告や、社名が記載されていないタイアップ記事について、特定の医薬品の広告と誤解されないことや、過度な期待を与える表現などに注意を促す通知を発出したことを報告した。通知は、1月6日付の「テレビや新聞等のメディアを利用した情報発信活動いわゆる疾患啓発広告とタイアップ記事(広告)について」。医薬品の広告について定めた医薬品医療機器等法(薬機法、旧・薬事法)や自主規範に加え、通知を遵守した社内審査を会員各社に呼びかけた。

 薬機法では、医療関係者以外の一般人を対象とする広告を禁止している。広告とは、▽処方の誘引、▽特定医薬品の製品名が明らかにされていること、▽一般人が認知できる状態であること––の三要件を満たすもの。疾患啓発広告やタイアップ記事は、通常“広告”には該当しないが、特定製品名を想起させると判断された場合などは広告とみなされることとなる。

 製薬協では、医療従事者だけでなく、一般の人からも「内容が不十分で誤解を招く」「患者や広く国民に対して不安を煽っている」「企業名が記載されていないが、実態としては特定の医療用医薬品の広告ではないか」との声があがっていると説明。疾患啓発の重要性を認めた上で、薬機法に抵触しないための具体的な注意事項を通知に盛り込んだ。

 具体的には、①特定の医薬品の広告と解釈されないよう、広告内容は、疾患の説明を原則とする。疾患にする対処法は公平かつバランスよく提示し、必要な場合は医師または医療関係者への相談を促す内容を盛り込むことができる(好ましくない表現の一例:くすりで治せるようになりました)、②病気の診断は症状だけで決まるものではなく、検査等を含めて医師が総合的にすべきもの。症状等が確実に病気であるような印象を与える表現はしない(同:このような症状は○○疾患です)、③疾患のリスクを説明する際は、特定の疾患や症状が必ず発症・発現するような誤解を防ぐ(同・放置すると慢性化します、又は重症化し死に至る恐れがあります)、④過度な期待を与える可能性があるので、医療機関で治療を受ければ必ず治るような印象を与える表現はしない(治療前後の過度な期待効果を視覚的・聴覚的に示すこと)––を求めた。

 一方で、医療関係者を対象とするタイアップ記事については、「記事体広告の一体系と判断される」とした。提供企業名を明確にすることや、有効性は承認された用法用量の範囲内であることなど、医療用医薬品専門誌(紙)広告作成要領に従って作成することを求めた。
通知は、処罰などを伴うものではなく、「自社で判断して対応していただくもの」と川原章専務理事は説明し、製薬企業の自主努力に委ねる考えを示した。

◎社内の広告審査体制 営業部門との分離を検討

 同日の総会では、プロモーション用資材などについての社内の広告審査体制についてのアンケート結果を報告したことも報告した。現段階での実施状況を踏まえ、今年度中にも適切な審査体制の在り方を検討する。広告の審査は、営業部門と分離することで偏りのない情報とすることも期待されているが、実際には、営業部門の傘下にあることも少なくない。川原専務理事は「営業部門と審査部門との関係が問題になっている」と述べ、今後こうした体制について議論を深める考えも示した。



http://www.nishinippon.co.jp/nnp/f_kitakyushu_keichiku/article/140993
入院患者と職員14人、感染性胃腸炎の症状 小倉南区の病院 [福岡県]
2015年01月23日(最終更新 2015年01月23日 00時11分)西日本新聞

 北九州市は22日、小倉南区の病院で、56~98歳の入院患者の男女12人と、57歳と62歳の女性職員2人の計14人が嘔吐(おうと)や下痢など感染性胃腸炎の症状を訴えたと発表した。19~22日に発症し、入院患者12人からノロウイルスが検出された。重症者はいないという。
=2015/01/23付 西日本新聞朝刊=


  1. 2015/01/23(金) 05:45:01|
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