Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

1月19日 

http://www.sankei.com/region/news/150120/rgn1501200031-n1.html
動脈に傷、血液凝固防止剤を過剰投与 北里大病院で患者死亡 神奈川
2015.1.20 07:09 産經新聞

 北里大病院(相模原市南区)は19日、平成25年8月、60代の入院患者の幹細胞を採取する際に医師が誤って右頸(けい)部の動脈を傷つけ、血液凝固防止剤のヘパリンを過剰投与したため、患者が多臓器不全などで死亡するミスがあったと発表した。

                   ◇

 同院によると、死亡したのは、血液内科病棟に入院していた60代後半の患者。女性医師(30)と男性研修医(28)の2人がカテーテルを首の静脈に挿入する際、試験的に刺す針を誤って動脈に2回刺した。さらに、カテーテル内の血液凝固を防ぐため、ヘパリンを通常より多い4回、計11・4ミリリットル投与し呼吸と心臓が一時停止した。また、緊急蘇生(そせい)チームの対応も遅れ、患者は低酸素脳症となって多臓器不全で処置から11日後の9月初旬に死亡した。

 同院は、事故原因は病院側にあったとして遺族側に謝罪。昨年12月に遺族と示談が成立したため公表に踏み切ったという。医師2人については、厳重注意処分とした。

 同院は事故後、血液内科の新たな患者の受け入れを現在まで中止し、内部調査で、医療事故の原因は(1)血液内科の診療体制と教育指導体制の不備(2)医師や看護師など相互のコミュニケーション不足(3)カテーテル挿入やヘパリン投与などのマニュアルの未整備-にあったと断定した。さらに、外部の医師らによる調査検討会を設置して院内の情報共有や手順確認の徹底などについて提言を受けたという。

 会見で、海野信也院長は「通常診療業務の中で起きた事故で、手順の打ち合わせや確認不足など診療体制に不備があった。遺族におわびするとともに再発防止に努めたい」と述べた。

 同院はすでに、相模原南署に「異常死」として届け出るとともに、厚生労働省、県にも医療事故として報告。同院から届け出を受けた同署は業務上過失致死容疑で捜査し、「死因とミスに明確な因果関係がない」と結論付け、捜査を終了した。



http://apital.asahi.com/article/news/2015011900006.html
カテーテル誤挿入・薬剤誤投与…患者死亡 北里大病院
2015年1月19日 朝日新聞アピタル ニュース【病気・薬】医療ミス 医療者と患者

北里大学病院(相模原市)で2013年8月、医師が60代の入院患者の首にカテーテルを通す際に過って動脈を傷つけるなどして、その後患者が死亡していたことが19日、わかった。病院が発表した。

 発表によると、死亡したのは血液疾患で血液内科病棟に入院していた患者。30歳の病棟医と28歳の研修医がカテーテルを首の静脈に挿入する際、準備として試験的に刺す針を過って動脈に2回刺した。さらに、カテーテル挿入時などに4回、計11・4ミリリットルの抗血液凝固薬を過って体内に注入。傷口から出血し、呼吸と心臓が一時停止した。また、救急蘇生チームの対応が遅れ、患者は11日後に死亡した。同院は、相模原南署に異状死として届け出て、厚生労働省と神奈川県に医療事故として報告した。会見で、海野信也院長は「病院全体の診療体制に問題があった」と説明した。



http://www.yomiuri.co.jp/national/20150119-OYT1T50035.html
静脈に入れるべき針を誤って動脈に…患者死亡
2015年01月19日 11時40分 読売新聞

 北里大学病院(相模原市南区)は19日、造血幹細胞の採取時のミスが原因で患者が死亡する事故が2013年8月にあったと発表した。


 死亡したのは血液疾患で血液内科に入院していた当時60歳代の患者。女性医師(30)と男性研修医(28)が中心となって、幹細胞を採取するための処置を実施。処置中に、右頸部けいぶの静脈に入れるべき針を誤って動脈に刺し、さらに血液が固まることを防ぐ抗凝固薬を通常より多く投与するミスがあった。その後、患者の右頸部で大量に出血し、気道を圧迫。患者は低酸素脳症となり、11日後に多臓器不全で死亡したという。

 病院側は、相模原南署に届け出るとともに原因を調査していた。遺族とは最近になって示談が成立し、事故の公表にも同意を得たという。



http://www.m3.com/open/iryoIshin/article/287077/?category=research
医療維新
地域包括ケアは遂行できるか、2015年度の注目出来事◆Vol.12
エボラ出血熱やiPS細胞を挙げる声も複数

2015年1月19日 池田宏之(m3.com編集部)

 Q12では、2015年の医療界で社会の注目を集めそうな出来事、あるいは注目している医療界の動きなどについて、任意で内容と理由を聞いた。

 他の質問と同様、iPS細胞を含めた再生医療研究への注目度は高いほか、地域包括ケアシステムや、エボラ出血熱などの感染症対策、研究不正への対応についても、複数の意見が寄せられた。主な回答は以下の通り。


【医療提供体制改革】
・地域包括ケアシステムの音頭取りを、果たして行政のどの分野の責任者が遂行し得るのか?
・地域包括ケアシステム。医療と介護をどう結ぶのか、厚生労働省のプランだけでは見えてこなかったものが、少しずつ形を表してくる年だと思う。
・医療介護総合確保推進法が、計画通り実施されるかどうか。行政府がどのくらい医療を理解できるか、皮肉を込めて注目している。
・混合診療についての議論。保険診療体系が変革の時期と思うから。
・在宅ケアの拡大のため、医師の既得権の解除がどれほど進むか?
・一般市民の意識がどう変わるか。
・次期、診療報酬改定。厳しい内容と思われる。
・大病院の紹介なし受診で5000円を徴収するようになることの効果。流れる患者の受け皿があるのかどうか。
・介護報酬の改定が、在宅医療にどのような影響を及ぼすか。在宅抜きには、今や医療が語れなくなってきているため。


【その他の制度改正】
・専門医制度。各学会が専門医制度に関して協議を重ねており、専門医を維持するために、注目せざるを得ない。
・専門医制度(研修プログラム制度)は再び勤務医不足を招くであろう。
・専門医制度は崩壊するのでは。
・TPP。医療保険制度に何らかの影響あるのでは。
・オレンジプランの改善。
・コンタクトレンズの眼科診療所での販売。今までは禁止されていたが、そのような指示を出した事実は無いと厚生労働省が明示。果たしてどうなるか?
・ストレスチェック義務化。予防医学・産業医学分野で新たなトラブル。医療訴訟のネタになる可能性が大きいと思われる。
・メンタル、特に企業における発達障害に対する対応について状況改善が望まれる。
・医大新設決定。医師過剰の兆し。
・医療と産業など、医療以外のジャンルと医療のコラボレーション(化粧品など)。
・規制緩和によるデバイスラグの解消。
・医療事故調関連。
・尊厳死のすすめ。高齢者医療も程度の問題にすべき。特に自分の意識で正しい意思決定ができない患者に対する侵襲的医療介入は基本的に不要と思う。
・消費税問題。
・小児慢性特定疾患の見直し。申請書を書ける医師に制限が設けられたり、対象疾患が増えたり、申請認可基準が新設されたりしているから。


【研究関連】
・再生医療の拡大。治療困難であった疾患に対する治療法が見つかる可能性がある。
・iPS細胞からの輸血用赤血球生産実用化への進捗。
・iPS細胞研究での移植医療。網膜細胞移植の成功の如何。
・エボラ出血熱の日本発の新薬。現在未認可だが、正式に認可されるか注目。


【研究不正関連】
・東大の不正研究の落とし前をつけてほしい。
・STAP細胞問題の総括。
・製薬会社からの講演料や研究費などの公開により、業者との癒着がない医療界を目指してほしい。
・製薬業界との利益供与の問題がさらに出てくると思う。
・信頼性に基づいた研究費配分。


【薬剤関連】
・多種の新規糖尿病薬のコスト対効果のメガトライアル比較があれば読んでみたい。絶対に無理だが……。
・認知症予防薬の確立。
・ジェネリックの普及に伴う国産新薬の開発力低下。
・ジェネリックの普及の可否当否。


【その他】
・マスメディアは今後も根拠なき医師・病院バッシングを続けるだろう。標的にされないように気をつけなければと思う。
・医師を志した人は、儒教の教えに従い自立して研究し、人のためになる医学を志している。どんな世の中になっても、まっすぐな道を進むことを確信している。信頼している。
・近藤誠氏の存在がどのようなものであったかが広く知られてほしい。



http://mainichi.jp/select/news/20150120k0000m040137000c.html
東京女子医大病院:鎮静剤投与量 医師ら4日間把握せず
毎日新聞 2015年01月20日 06時30分

 東京女子医大病院(東京都新宿区)で昨年2月、鎮静剤「プロポフォール」を大量に投与された埼玉県の男児(当時2歳)が死亡した事故で、同病院が遺族側に対し、副作用のリスクを左右する累積投与量を医師や薬剤師が把握しないまま4日間投与を続け、死亡に至ったと説明していたことが分かった。警視庁は安全管理に問題があった可能性が高いとみて医師らから事情を聴いており、業務上過失致死容疑で捜査している。

 男児は昨年2月18日に首のリンパ管腫の手術を受け、集中治療室(ICU)で人工呼吸器を使って経過をみていたところ、同21日に急性循環不全で死亡した。この間、患部の痛みで体を動かし呼吸器が外れないようにするためプロポフォールが投与されていた。

 遺族に対する病院側の説明によると、男児の診療には耳鼻咽喉(いんこう)科の主治医やプロポフォールの投与を決めた麻酔科の医師、薬剤師ら複数のスタッフが関与していたが、いずれも累積投与量を把握していなかった。また、麻酔科の医師は、人工呼吸中の小児に使うことは薬剤の添付文書で「禁忌」とされていることを主治医に説明していなかったという。

 また、麻酔科の医師は使用が48時間を超えると腎機能低下などの副作用の危険性が高まることは認識していたが、投与開始翌日も患部の腫れが収まらなかったため投与は継続されたという。同医師は「48時間を超えたところで鎮静剤を変えるべきだったが、ICUなどから詳細な報告がなかった。ここまで大量に投与されているとは思わなかった」などと説明したという。

 病院の病理解剖結果などによると、男児の累積投与量は成人の許容量の約2・7倍に相当し、死因の急性循環不全もプロポフォールの副作用で起きた疑いが強いことが判明している。同大広報室は遺族側への説明内容について「事故調査委員会の調査結果がまとまっておらず、遺族の了解も得られていないのでコメントできない」としている。

 麻酔科学に詳しい近畿大の中尾慎一教授は「プロポフォールの長期大量投与は大人でも副作用の危険性が増すという報告もある。麻酔科の医師が主治医にも危険性を説明し、投与量や経過観察に細心の注意を払うべきだった」と指摘した。【神保圭作】
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男児の両親は毎日新聞の取材に「なぜプロポフォールが投与されたのか、いまだに病院から明確な回答がない。病院はきちんと説明し、謝罪すべきだ」と話した。

 手術の全身麻酔や術後管理時の鎮静に使われ、効き目が早く目覚めも良い利点があるとされる。海外での小児の死亡例報告を受け、厚生労働省は2001年9月、集中治療室で人工呼吸中の小児への投与を「禁忌」とした。しかし、法律で禁止されたわけではなく小児の鎮静剤が少ないこともあり、厳格な安全管理の下で小児に使用する病院もある。



http://www.yomiuri.co.jp/hokkaido/news/20150120-OYTNT50008.html
救急受け入れ小児科のみに…岩内協会病院
2015年01月20日 読売新聞

 北海道電力泊原子力発電所の周辺4町村(岩内、共和、神恵内、泊)の救急患者を受け入れる公的基幹病院である「北海道社会事業協会岩内病院」(岩内協会病院、岩内町)は、小児科を除く救急患者の受け入れを25日午後5時以降、休止することを決めた。医師の退職が相次ぐ一方、後任が補充できていないためで、同院は、小樽市や札幌市の医療機関に救急患者の受け入れを要請している。


 同院の医師は昨年10月まで常勤5人、非常勤1人の6人体制だったが、11月末までに3人が退職。昨年4月からの3年契約で着任した外科医の西原和郎院長(60)も、今年2月で退職することになった。この結果、同院の医師は整形外科医と小児科医の2人になり、急患の受け入れを縮小する。

 同院は「地域住民に迷惑をかける。一日も早く医師を確保して急患を受け入れたい」としている。



http://medical.nikkeibp.co.jp/inc/mem/pub/series/yakushiji/201501/540268.html
連載: 薬師寺泰匡の「だから救急はおもしろいんよ」
医師の電話・手紙マナーの奥ゆかしさとおかしさ

薬師寺泰匡
2015/1/20 日経メディカル

 当院は救命救急センターなので、よく転院搬送の依頼の電話がかかってきます。そこで、こんなやり取りがなされることがあります。

電話交換手:「もしもし、電話交換室の△△です。◯◯病院から転院搬送の依頼の電話が掛かっております。おつなぎしてもよいですか?」
薬師寺:「はいはーい」
ガチャ
薬師寺:「お待たせしました。お電話代わりまして救急部の薬師寺です」
相 手:「ちょっとお待ちください、いま医師に代わります」

 このように、電話を掛けておいて待たせるという事が結構あります。最近はある程度慣れましたが、いまだに「え!?あんたは誰?」ってなります。別にこんな事で不機嫌になることはちょっとしかないのだけれど、電話掛けてきて待たせるってなかなかにすごい慣習だと思います。毎回イライラしていても仕方がないので、自ら電話を掛ける時間も惜しいくらいに相手の患者さんが切迫しているに違いないと信じて電話対応をします。

医療界の謎の慣習 その1 「電話交換手がつなぐ電話」

 医療法人以外の普通の会社で働いた事はありませんので分かりませんが、こんなことがまかり通っているのは医療界だけじゃないのかと思っています。一般的な企業なんかでも、社長から平社員に電話するときなどはこういう事があるんでしょうか?仮にこれが社会の常識だとしても、とりあえず相手の電話交換手は最初に名乗りなさいよとは思います。名乗らずに第一声が「ちょっとお待ちください」では残念です。
 
 まぁ別に僕はかまわないのです。たぶん僕に電話を掛けてくる人なんて僕よりも目上の人ばかりでしょうし、おそらく相手の貴重な時間と僕の時間を天秤に掛ければ、待つのは当然のことです。紹介していただいているわけなので。しかし例えば外来診療中や救急診療中に電話を掛けてきておいて「ちょっとお待ちください」というのは、診療を待たせている患者さんにやっぱり失礼なんじゃないかと思ってしまいます。

 いつからこんな風習が普通になっているのか、考えても分かるわけがないのですが、よくよく考えたら直接相手に電話が通じるようになったのはごく最近の話ですよね。昔は電話交換手に取り次いでいただいていたのです(戦後の話ですが…)。それに、向こうが電話を掛けてきた時も僕が直接出るのではなく交換手に内線をつないでもらうわけなので、まったく五分五分ではありません。若手医師の分際で直接電話してきてほしいなんていうのはおこがましいことなのかもしれません。

 書けば書くほど最初の勢いがなくなってきましたが、今後もとりあえず僕は自分で電話を掛けようと思います。自分で掛けない理由もないし、やっぱり電話に出て最初の行為が「待つ」っていうのは気持ちの良いことではありません。研修医にも自分で電話するように教育しようと思います。


謎の慣習 その2 「御侍史、御机下」

 さて、電話の慣習について書きましたが、電話だけではなく文書でも医師には独特の風習があります。医師が紹介状を作成するときに、宛名は大体次のようになっています。

◯◯先生侍史 or ◯◯先生机下

 侍史とか机下とかなんやねん!?ってなりますが、これは脇付と呼ばれるものです。直接相手に送っているわけではないということで、謙譲の意を表す文書の技術です。じゃそもそも侍史や机下って何?ってことになりますが、侍史は侍従や秘書を指し、机下はそのまま机の下を指します。そうです。僕たちはいつも◯◯先生の机の下へと送っているのです!!(ちゃんと届くか不安だなぁ…)

 そういうわけで、お手紙を書く時は直接相手に書かずに、ちょっと婉曲にお手紙を届けるのです。医者はエラそーだとか、ふんぞりかえっているとかよく言われますが、まったくそんな事はなくいつもへりくだっているのです。

 そういえば、慣例的に「御侍史」とか「御机下」とか書くこともありますが、これは秘書や机を崇拝している事になりますので、おかしな表現となります。とはいえ、もとからおかしい表現なので、もはやどうでもいいのかもしれません…。ともかく、机にまでへりくだる謙虚さを兼ね備えている医師なので、世の中は安泰です。

 この風習ですが、実は院外へのお手紙はもちろん、院内のお手紙でも守られています。例えば救急部の後輩から何か僕にお願いがあるとき、院内メールの宛先は「薬師寺先生御侍史」になっています。僕に侍史がいない事なんか分かっているくせに、そのようなお手紙がきます。もちろん他科の医師からのメールでもそうなっています。

 さらに、僕も後輩に侍史なんかいないと思いながら「◯◯先生侍史」なんて書いたりします。もはやギャグの世界になってしまっています。もしこの連載を読んでいただいている方で僕にお手紙を送る機会ができてしまった人は、ぜひ僕に直接お手紙ください。侍史はおりませんので…。

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|   本日のまとめ

|   (1)電話をかけておいて待たせるのはよくないのではないか
|   (2)医師はいないはずの侍史や届くか不安な机の下に手紙を送っている
|   (3)医師は直接電話せず手紙も送らない奥ゆかしい存在である
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http://apital.asahi.com/article/news/2015012000001.html
青森)3月から新規分娩休止 国保黒 石病院
2015年1月20日 朝日新聞 アピタル ニュース 【出産・育児】産婦人科 子ども 女性 地域医療 医療情報 入院・通院 家族

黒石市の国保黒石病院(相馬悌院長)は19日、小児科の常勤医師が3月末で退職するのに伴い、4月から小児科の入院受け入れを休止すると発表した。また、新生児への対応ができないことから、産婦人科の分娩(ぶんべん)の新規受け入れも3月から休止する。

 黒石病院事務局によると、小児科には現在、常勤医師1人、嘱託医師1人が在籍。そのうち常勤医師が他病院に移るため、黒石病院は常勤医の確保に向けて他病院などに働きかけてきたが、確保のめどが立たなかったという。ただ、外来診療と各種予防接種は午前中だけ受け付ける。

 産婦人科も新規の分娩の受け付けは休止するが、入院、外来診療、妊婦健診は受け付ける。黒石病院の2013年度の分娩受付数は181件だった。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/44733.html
「特定行為」研修制度、省令案でパブコメ- 来月15日まで、厚労省
2015年01月19日 20時58分 キャリアブレイン

 厚生労働省は、10月からスタートする特定行為にかかわる看護師の研修制度に関する省令案についてのパブリックコメント募集を始めた。募集期間は来月15日まで。厚労省は、パブコメを踏まえて省令案の諮問・答申を経て、省令の公布を目指す。【松村秀士】

 省令案では、特定行為を38行為とし、研修の実施・受診の最小単位として指定する特定行為区分を21に分類した。特定行為研修は、特定行為を実施するのに必要な知識や技能を身に付けるためにすべての看護師が受講する「共通科目」と、特定行為区分ごとに必要な知識や技術を受講するための「区分別科目」から構成されている。

 厚労相が定める指定研修機関は、▽特定行為研修の責任者の配置▽適切な指導体制の確保▽研修の実施に関する必要な施設・整備が利用可能▽実習施設での安全管理体制の確保▽研修の実施を統括・管理する「特定行為研修管理委員会」の設置―などの基準を満たす、とした。

 特定行為研修管理委員会の構成員には、特定行為研修に関する事務処理責任者やこれに準ずる人に加え、同委員会が管理するすべての特定行為研修の責任者を含める必要がある。このほか、医師や歯科医師、薬剤師、看護師については外部の医療関係者を含める必要があるとした。

 医師や歯科医師が看護師に診療の補助を行わせるために必要な手順書には、患者の病状の範囲や診療の補助の内容のほか、手順書の対象となる患者や特定行為を行うときに確認すべき事項、医療の安全を確保するために医師または歯科医師との連絡が必要となった場合の連絡体制といった事項を記載しなければならないという。

 厚労省は、昨年9月から12月にかけて開かれた医道審議会保健師助産師看護師分科会看護師特定行為・研修部会での意見を基に、省令案をまとめた。



http://www.huffingtonpost.jp/mariko-morita/attending-doctor_b_6499590.html
専門病院でレベルの高い研修がしたい
森田麻里子  仙台厚生病院麻酔科

投稿日: 2015年01月19日 20時03分 JST 更新: 2015年01月19日 20時03分 ハフィントンポスト

 2017年度から、医師の専門医制度が変わる。現時点では学会が認定している専門医を、日本専門医機構という団体が中心となって認定することになる。それに先駆けて、麻酔科では来年度に後期研修を開始する医師から、新しい専門医制度に移行することとなった。

 新制度では、研修の責任基幹施設として後期研修医を採用できる病院に制限がある。麻酔科管理症例が年間500 例以上、複数の外科系診療科があること等である。さらに、胸部外科・脳外科・産婦人科・小児外科の経験すべき麻酔症例が定められているため、多くの場合、多施設共同でプログラムを組むことが必要となる。結果的には19の県で、大学病院が責任基幹施設となったプログラムしか存在しない状況になっている。これらの県で働きたい後期研修医は、大学医局に所属するしか選択肢がなくなるということだ。

 これは優秀な麻酔科医を育てる上で、問題である。県に1つしか大学がなければ、大学が県全体の後期研修医の人事を独占して決定することになる。他の医師人事との兼ね合いで、希望とは違う場所で研修を受けなければならない可能性も出てくるだろう。また、一旦医局に入ると、なかなかそれを抜け出せないとも言われている。様々な地域で経験を積みたいと思っても、ずっと県に縛り付けられることになる。実は、こういった県は青森、秋田、山形や鳥取、島根、山口、佐賀などの地方にある。これでは、やる気のある者はますます地方を出て行き、大都市圏の病院で自由に研修病院を選ぶようになるだろう。

 実際に研修を受ける立場としては、専門病院でとにかくレベルの高い研修をしたいと思う。重要なのは研修プログラムではなく、具体的にどんな指導医がいてどのくらいの症例数を任せてもらえるかということである。

 私が現在研修している仙台厚生病院は、肺や肝胆膵の癌手術は東北1位、心臓・胃癌手術は東北2位であり、症例数は抜群に多い。研修先を決める際、他の大学病院も見学に行ったが、経験を積むというよりは上級医の麻酔を見学しているような雰囲気が気になった。一方仙台厚生病院は、3-4年目の医師でもポイントを押さえた指導を受けながら、多くの症例を任されて活躍していた。もちろん、研修期間の間に大学病院も含め他の病院で経験を積むことは有意義とは思うが、メインで研修を行う施設が大学病院を中心とした大規模施設に限られてしまうのは、残念なことである。

 当院は、手術件数だけでなくESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)や心臓カテーテル治療の件数も非常に多い。循環器、消化器、呼吸器に関しては質・量ともに充実しており、やる気のある研修医にとっては魅力的な施設だ。形式的な研修プログラムや施設の規模ではなく、実際にどんな研修ができるのかを自分の目で確かめて判断して欲しい。

(2014年2015年01月15日 MRIC by 医療ガバナンス学会 より転載)



http://www.m3.com/open/iryoIshin/article/287171/?category=report
医療維新
「医療過誤の呪縛から解放を」事故調シンポ
医療安全に資する制度求め、医師・弁護士ら企画

2015年1月19日 橋本佳子(m3.com編集長)

 医療事故調査制度に関心を持つ医師と弁護士の有志6人よるシンポジウム「国民・患者のための医療事故調査制度へ向けて、より安全な医療を築くために必要なこと」が1月18日、東京都内で開催され、弁護士の井上清成氏は、今年10月からスタートする同制度について、「責任追及型でも、責任免責型でもない。いずれとも関係しない医療安全のための仕組みの構築」と説明、「医療過誤水準の呪縛」を解き放ち、真に医療安全に資する設計を目指す必要性を強調した。

 シンポジスト6人のうち、4人は、厚生労働省の「医療事故調査制度の施行に係る検討会」の構成員。井上氏以外も、医療安全を目的とする今回の制度は、「医療の延長線上」にあるとし、責任追及とは切り離す必要性を異口同音に強調した。

 医療事故に遭った患者家族の間では、医療事故調査制度において、医療者の責任追及を求める声が根強くある。一方で、警察への医療事故の届け出が、刑事事件化の端緒になっていることから、警察への届け出に代わる仕組みを求める声が、医療者の間には残っている。

 しかしながら、井上氏は、「医療者の責任を追及したい人、あるいは責任の免除を求める人、いずれから見ても不十分な制度になる」と説明。その理由として、今回の医療事故調査制度が、WHOドラフトガイドラインに則った設計になっていることを挙げた。同ガイドラインでは、有害事象報告のあり方を、「学習を目的としたシステム」と「説明責任を目的としたシステム」に大別し、1つの制度に両者の機能を持たせることは難しいとしている。井上氏は、今回の制度が前者に該当することは、厚生労働省がホームページで説明する通りであるとし、WHOドラフトガイドラインに沿って、調査における非懲罰性、秘匿性、独立性を担保する重要性を指摘した。

 「医療過誤水準の呪縛」とは、「死亡」という結果に対し、それが医療に起因するか、予見できたかという順で、一元的に過誤か否かを判定するという、責任追及の発想に捉われることを指す。そうではなく、過誤か否かを問わず、(1)医療に起因するか、(2)予期していたか否か――という二元的に捉え、両者ともに該当するのが、今回の医療事故調査制度が報告を求める、「医療事故」の定義であると、井上氏は説明(『事故調査、「個人の責任を追及せず」』を参照)。「医療機関がそれぞれ置かれた状況で、その力を発揮できる仕組み作りを進めることが必要ではないか。医療安全の水準は、全国のどの医療機関においても、実情に即して、水準が低いところは低いなりに、高いところも高いなりに、水準を高めていくことで、日本全体の水準の総和が高まる」(井上氏)。

 井上氏の考えに準拠したのが、2014年10月に日本医療法人協会がまとめた「医療事故調ガイドライン」(『医法協“事故調”GL、橋本政務官に提出』を参照)。厚労省の「医療事故調査制度の施行に係る検討会」では、医法協ガイドラインがたたき台の一つになっている。同協会常務理事の小田原良治氏は、同ガイドラインに対し、「再発防止策を検討しない仕組み」との誤解があるとし、「医療事故の調査委員会は、アドホックの仕組み。医療機関の中には、医療安全管理という常設の委員会があり、再発防止策はここで検討する」と説明。その上で、「医療事故調査制度は、医法協ガイドラインに近い形であれば、持続可能。そうでなければ機能不全に陥る制度になる」との見通しを示した。

 モデル事業の第三者評価が必要

 新しい制度設計を行うには、過去の教訓から学ぶ必要がある。医療事故調査制度の新設を盛り込んだ、改正医療法案に対し、2014年6月の参議院厚生労働委員会の付帯決議では、「モデル事業で明らかとなった課題を踏まえ、ガイドライン等の適切な策定等を行うこと」とされた。モデル事業とは、日本医療安全調査機構の「診療行為に関連した死亡の調査分析モデル事業」だ。同事業は、全国12地域で行われており、医療機関からの調査依頼に対して、第三者による委員会を設置、原因分析と再発防止策を盛り込んだ報告書をまとめている。報告書の概要は、同機構のホームページに掲載されている。

 シンポジウムの司会を務めた、浜松医科大学医学部教授の大磯義一郎氏が例に挙げたのは、モデル事業の「135番」、「広範な脊柱手術中、大量出血により心肺停止となった事例」だ。その報告書では、手術適応自体に問題があり、「複数の見解を十分に比較考慮して決定するというチームアプローチによって本件手術が選択されたとは言い難い」などとされ、再発防止策については「臨床症状を的確に捉え、無理のない手術を選択すべき」「医療安全にとっては、職員一人ひとりが自らの安全意識を向上させることが重要」との記載があるものの、個別具体的ではなく、一般論にとどまる内容が多い。

 大磯氏は、「個別の再発防止策は書かれていない。この報告書を受け取って、本当に患者側が求める原因究明と再発防止になっているのか」と、シンポジストに問いかけた。

 昭和大学病院長の有賀徹氏は、「この報告書からは、いったい何が起きたのか、また何をすればいいかが分からない。医療安全にも役立ちそうにもない」とコメント。モデル事業は、カルテ等などの書類に基づく調査分析が主体であることから、有賀氏は「この種の調査を行うのであれば、まずは現場に行く」と述べ、現場の医療者の意見を聞く重要性を指摘した。

 いつき会ハートクリニック(東京都葛飾区)院長の佐藤一樹氏も、「当事者に話を聞いていない」と問題視、「医学的な検討を全くやっておらず、役立たない」と切り捨てた。「(医療事故の第三者調査を行う)日本医療安全調査機構自体が、これまでやってきた事業に対する第三者の評価を受けるべき」(佐藤氏)。

 皮肉交じりに、「医療安全のためではなく、病院の“悪口”が書いてあれば、『防止策を取り得た』と考えるので、(患者側は)いい報告書だと満足するのではないか」と答えたのが、弁護士の田邉昇氏。

 医療事故調査制度では、第三者機関として医療事故調査・支援センターを新設する。その候補となり得るのが、日本医療安全調査機構だ。小田原氏は、「日本医療安全調査機構は、このような報告書を出しても問題ないとしている。医法協ガイドラインに沿った制度になったとしても、センター機能に不安がある」とし、医療事故調査・支援センターの運営主体やその機能の検討が今後の重要課題とした。

 「医療の延長線上で科学的な調査を」

 大磯氏は、これまでの教訓を踏まえ、「真に医療安全に資する制度にするため、科学的視点から事故調査を実施すべき」と主張した。

 大磯氏は、臨床においては、一例の症例報告は、EBMの考え方から言えばエビデンスのレベルは低く、事故事例の分析も同様であるため、臨床研究と同様に、(1)仮設を立てる、(2)ふさわしい事例を集積する、(3)科学的な検討を加える、(4)これらの過程を経た価値のあるエビデンスを基に対策を講じる――というサイクルを回すことが重要だとした。「重要なのは、アウトカムを出すことであり、数多くの調査を行うことではない」(大磯氏)。

 「医療事故調査・支援センターをせっかく作るのであれば、意義のある対策を取ってもらいたい」。大磯氏はこう指摘し、個別の事例の再発防止策などを検討するのであれば、それにより得られる利益と不利益を比較すべきとした。さらに、大磯氏は、医療事故調査制度を「責任追及型にしてはならない」と念を押し、「何人も、自己に不利益な供述を強要されない」とする憲法38条1項などを引用し、今のモデル事業や産科医療補償制度においてこの点が担保されているか、疑念を呈した。

 佐藤氏も、科学的な事故調査の必要性を指摘。佐藤氏は、2001年に起きた東京女子医科大学の心臓手術時の医療事故で、人工心肺装置の操作を担当し、業務上過失致死罪に問われたが、無罪になった。同大学が実施した院内事故調査報告書では、人工心肺装置の吸引ポンプの回転数を上げたことを問題視したものの、2009年3月の東京高裁判決では、上静脈に挿入したカニューレの位置不良による脱血不良が原因とされた(『院内事故調が生んだ“冤罪”、東京女子医大事件』、『院内事故報告書は告発書兼鑑定書、女子医大事件』などを参照)。

 高裁判決に基づけば、静脈圧のモニター方法の見直しが、再発防止策の一つになる。しかし、院内事故調査では、(1)心臓外科や心臓麻酔の専門家が委員に含まれず、真実が究明されなかった、(2)吸引ポンプの回転数を上げたことには根拠があるなどと佐藤氏は主張したものの、無視された――などの問題があり、結果として再発防止策も検討されなかったと指摘。

 さらに院内事故調査に当たっては、病院幹部と当事者との間で利益相反が存在し得ることから、現場医療者の人権保護のために、(1)報告書に対する、当事者の不同意拒否権の確保、(2)不同意理由を記載する権利の確保――が必要だとした。

 実効性のある医療安全対策を講じるため、医療を複雑系のシステム、複数の医療者が関わる組織医療として捉えて対応する必要性を強調したのが、有賀氏。救急医療に長年従事した経験を踏まえ、有賀氏は、「救急医療では、患者、医療者ともに時間的、精神的な余裕がない。その中で、後からさかのぼって指摘された問題点で、罰せられていることを恐れている」などと、医療者が置かれている立場を説明。

 その上で、医療事故をシステムエラーとして捉え、チーム医療を前提に対策を講じる必要性を指摘するとともに、「組織医療に対する理解がない人が、事故の調査をすることはあり得ない」と述べ、事故調査に当たっても組織医療に通じた医療者が実施すべきとした。

 「医療事故調査は、医療の一環として行うべきと主張」というのが、有賀氏の主張であり、事故調査を実施するか否かの判断は、患者の意思とは関係なく、医療者の職業倫理として行うとした。したがって、重要なのは、事故調査結果の報告書作成ではなく、医療の一環として「カルテに詳細に記載」することであるとした。「制度は、10月にスタートするが、来年、再来年と着々と進化させていくことが必要」(有賀氏)。

 刑事捜査、医療安全につながらず

前述にように、医療者の間には、医師法21条、異状死体の警察への届け出を問題視する声がある。

 「医師は、死体または妊娠4カ月以上の死産児を検案して異状があると認めたときは、24時間以内に所轄警察署に届け出なければならない」と規定している同条について、都立広尾病院事件の2004年の最高裁判決に基づき、正しく理解すべきと主張したのが、田邉氏。最高裁判決では、「検案とは、医師が死因等を判定するために死体の外表を検査すること」とし、「外表異状説」を採用している(『医師法21条、法改正の必要なし - 田邉昇弁護士に聞く』を参照)。にもかかわらず、「医療事故、イコール警察への届け出」と判断して、届け出るケースは後を絶たないとし、それが端緒となって刑事事件化する例はいまだ続いているとした(『医療事故、被害者からの届出は微増』を参照)。

 田邉氏は、医療事故を刑事事件化しても、医療安全に効果がないことは、造影剤ウログラフィンの誤投与事故が、田邉氏が知る限りでも、6件が刑事事件になっていることから明らかだとした。昨年も、4月に国立国際医療研究センターで脊髄造影の際にウログラフィンを投与した事故で、担当医が2014年12月に業務上過失致死容疑で書類送検された。

 さらに田邉氏は、都立広尾病院事件にも言及。同事件では、へパリンロックをする際、ヘパリン生食ではなく、消毒液であるヒビテングルコネート誤投与した。同事件では、病院は患者の死亡翌日に、誤投与の可能性を遺族に話して病理解剖を実施し、結果も病理解剖当日に遺族に説明したほか、監督官庁である東京都への報告、事故調査委員会による調査と公表、記者会見などによる説明と謝罪、関係者の処分なども行ったが、結果的には民事訴訟と刑事訴訟に至ったことから、「いかに早く説明して、調査しても、このような結果になる。だから事故調査など、怖くてできない」とも話した。

 同事件については、小田原氏も触れた。薬剤の誤投与であることから、「医療に起因する、予期しなかった事故に該当する」とし、今回の医療事故調査制度における第三者機関への報告対象になるとした。ただし、遺族が損害賠償を請求し、警察の捜査が入ったため、これらの時点で「医療安全の仕組みから逸脱して、紛争処理の仕組みに入る」とし、「医療の枠内」で行う事故調査制度から外れるとした。



http://www.m3.com/open/iryoIshin/article/284912/?category=special
医療維新
警察は利用するものは何でも利用◆Vol.7
刑事免責ない調査は人権無視

2015年1月19日 司会・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

加藤 事故報告書ですが、公表される前にご遺族にお見せする機会があったのです。

安福 報告書の作成日付は、(2005年)3月22日で、3月30日に記者会見をしていますから、その間のことです。

加藤 はい、その間ですね。ご遺族に、病院に来ていただき、僕も同席したのですが、「このやろう」といった感じで、殴りかかりそうな感じで、胸倉を掴まれて……。帰り際に、「これは、公表するんだろうな」と言われ、それでその後に公表にされたのです。ただし、「警察に……」とは、その時は言っていませんでした。


加藤克彦氏は、福島県が作成した事故報告書を読み、「これでは、医者が悪いと受け取られる」との印象を持ったという。

安福 ただ確かご遺体をお見送りする時に、「今度、法廷で会う」と言われたと、法廷で聞いた記憶があります。

加藤 ご遺族のお一人が話していました。

安福 もう一つ、事故報告書では重要なことがあります。加藤先生への聴取がたかだか20、30分。関係者の聴取も、あまり時間をかけていない。それにもかかわらず、事故報告書の結論が、あたかも専門家の最終的な結論であるかのように、独り歩きし始める。いわんや、メディアはそれを書く。

――大野病院事件について、福島県が実施した事故調査は、県内の3人の産婦人科が実施し、報告書を書かれていた。

安福 そうです。聴取された医師の側にしてみれば、どこまで自分の意を尽くして自分の言いたいことを言えたのか。短時間に簡単にできるはずはないと思うのです。要するに、結論ありきで、事故調査委員の先生方も、自由な意思は認められなかったのでしょうし、辛すぎる思いをされたと思います。

 大野病院事件の刑事裁判は、2007年1月から2008年8月まで、1年半かかっているのです。公判は、時には朝から始まって、夜までかかった。それくらい時間を要するにもかかわらず、短時間でまともな事故調査をすることができるはずがない。

 さらに、もう一つ。先生が事故調査委員会に対して語る時に、「こんなことを言ったら、捕まるじゃないか」という思いは、頭をかすめませんでしたか。

加藤 その場ではなかったですけれども、でき上がった報告書を見て、「やばいな」と思いましたね。

安福 「これは言っておくべきだった」「これは言わない方がよかった」というものはありますか。

加藤 それはありますね。

安福 加藤先生以外にも、大野病院の医師や看護師をはじめ、多くの人が事故調査を受けています。どこまで語っていいか、やはり迷うと思うのです。自分の発言で、一人の刑事責任の追及につながる可能性があると考えるからです。「人権保障規定に全く関係なく、事故調査に応じなさい」と言えるのかと思う。

 警察の取り調べの際は、形式的とはいえ、黙秘権の告知をされます。憲法上の当然の原則、世界中の常識を、事故調査の時には認めていないわけです。事故調査での証言は刑事捜査に使わないと言っても、それが端緒となり、警察は事故報告書を読んで取り調べをすれば、それを証拠にすることができる。刑事免責にしない限り、本当のことは語れないし、まともな事故調査はできるはずもない。

――事故調査が再発防止であるとすれば、さまざまな可能性を検討しなければいけない。

安福 「本当はこうすべきだった」「こういう方法も考えられる」「でも危ないから、やはりやらなかった」などと、医学的な検討をやりたいと思ったとしても、司法的な責任追及を考えれば、それは無理なこと。それでも、医学的検証をやって、「何でも正直に全部言え」と事故調査を尽くした後、司法の側が刑事免責せず、検察や警察が「都合のいいところだけを使います」というのは、あり得ない。あり得ないがそれが今までの現実だったし、これからの事故調査制度の本質です。これでは、人権無視も甚だしいと私は思う。

――“事故調”については、「説明はするけれども、報告書を遺族に渡さない」などの方法もあり得ますが、出口、つまり刑事免責のところを変えない限り、本当の事故調査はできないということですか。

安福 いくら遺族に事故報告書を渡さないと言っても、警察が家宅捜索をやれば、報告書を持っていくことはできます。事故調査委員会が、報告書を公表するかしないかは、警察からすれば、どうでもいいこと。使おうと思ったら、いくらでも使える。結局は不幸な医療者を作るだけです。しかし、まともな事故調査ができなければ、患者さんのためにもなりません。患者さんにとっても、「何か隠されている」などと不満が募るだけです。

 先生は、事故報告書を見て、「これでは捕まってしまう」と思ったのは、何かそれを想起させる事実があったのですか。

加藤 事故報告書の記載ですね。読めば誰でも、「これは、医者が悪いと思う」との印象を持ちました。

安福 「捕まってしまう」と思った時、他の医療の刑事事件が頭をよぎったのですか。例えば、(1999年の)横浜市立大学の患者さんの取り違え事件や、都立広尾病院事件は、ご存じでしたよね。

加藤 知ってはいましたが、報告書云々の話はあまり頭になく、個々の事件がどんな経過だったかについても、そんなに詳しくは知りませんでした。事故報告書を作る段階になって、「報告書を作って、補償をする」「その後の医療安全のために、報告書が必要なんだ」と言われたわけです。

安福 ではこの報告書を読まれた時に、「これで医療安全に役立つ」と思われましたか。

加藤 それは全然、思わなかったですね。

安福 全くナンセンスなことが書いてあったでしょう。

加藤 ええ。



http://www.m3.com/open/iryoIshin/article/287248/?category=report
医療維新
診療報酬削減の流れに危機感、堺日病会長
紹介なし大病院受診の負担増の効果に疑問も

2015年1月19日 池田宏之(m3.com編集部)

 日本病院会会長の堺常雄氏は1月19日の定例記者会見で、介護報酬がマイナス改定になったことを受けて、「(次回改定における)診療報酬も削減の流れになる懸念がある」と、社会保障への風当たりの強さを見通した。さらに医療保険制度改革において、紹介状のない大病院受診への患者負担増が検討されていることについて、「病院として(勤務医の負担を考えるなら)再診が問題」と指摘して、効果や目的に疑問を示した(『「紹介なし大病院の受診」、法で抑制』を参照)。


日病の堺常雄会長は、診療報酬をはじめとした社会保障費削減の流れに対して危機感を示した。

実感できない“社会保障の充実”

 堺氏は、介護報酬がマイナス2.27%の改定となった点について、「厳しい」との見解を示した。今回のマイナス改定は、介護事業を手がける法人の内部留保の高さが問題視された結果との見方を示した上で、「(一般の企業とは)会計基準が違い、単純に比較するのは難しいのでは」と話した。その影響が医療にも及び、「(社会保障費対応の)前例となり、2016年度の診療報酬改定も削減の流れになる懸念がある」「医療などの社会保障にとって厳しい環境が続くのでは」として、財政規律保持の中で占める割合の多い社会保障費の削減圧力が続くと見通した。

 介護職員の処遇改善に使途を限定した部分がプラス1.65%となった点については、職員の給与となる継続性に疑問を示したほか、医療でも勤務医の待遇改善や産婦人科や小児科への手当ての名目の改定があったにも関わらず、必ずしも給与等に反映されなかったケースに触れ、「(適正化がマイナス4.48%となり、全体がマイナス改定となる中で、職員の給与として配分)されないのでは」と難しさを指摘した。

 さらに、消費税増税の先送りの影響については、社会保障の充実分の財源が、10%増税前提の1.8兆円から、1.36兆円減額となった点について、「小さくなったパイを(他の社会保障分野で)取り合っている気がする」と発言。厚生労働省などが「社会保障費の充実」として項目を立てて予算化しているのに対して、堺氏は会員向け広報紙の年頭のあいさつで「いつまで待てば社会保障の充実に取り組むことができるのか明確にしてほしい」とした点については、「現在でも医療施設のマンパワーは不足しているし、診療報酬で項目をつけても、(さまざまな条件があり)取れていないところがほとんど」と話し、実際の現場として、「社会保障の充実」を実感できていない点を述べた。

医療資源投入量の評価に疑問

 医療保険制度改革について、堺氏は、紹介状のない大病院受診の患者負担増に疑問を示した。現在「初診限定で、5000円」「勤務医の負担軽減になる」との考え方がある点について、「一応負担軽減にはなるが、病院に多いのは再診の患者。(現在までにあった同様の選定療養の取り組みで)どの程度成果が得られたのかが不明な中で、再度(同様の取り組みを)実施する真意が分からない」と指摘。効果がない場合、負担額を引き上げる流れになる流れに疑問を示して、病診連携の在り方などを検討して、「なぜ患者が大病院に集まるのか。(金銭的インセンティブ以外の)仕組みをないがしろにするのは好ましくない」として、病診連携などの在り方の見直しなども検討するように求めた。

 地域医療構想については、DPCデータで医療資源投入量を見て、需給バランスを検討する動きがある中で、堺氏は政府で検討されているデータ活用の考え方について「分かりやすく明快」としたものの、回復期と慢性期の場合では、抗癌剤のような薬剤などの影響が大きい点などを指摘し、 提供している医療機能を医療資源投入量だけで決定する流れに、疑問を示した。堺氏は、医療機能の適正評価と適切な資源配分につながるような制度設計を求めた上で、日病などでも、投入したマンパワーやチーム医療の在り方などによって評価するように求める声があることを紹介し、「医療資源投入量以外の尺度が提言できないか考える」とした。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/44723.html
精神科身体合併症の急患、受け入れ困難解消- 東京都、地域連携事業を都内全域展開へ
2015年01月19日 17時16分 キャリアブレイン
 
 救急搬送の際に受け入れ医療機関の選定が困難となるケースが多い、精神疾患と外傷などを伴う「精神科身体合併症」の救急患者について、東京都が地域の医療機関で受け入れる体制を都内全域で整備する方針を固めたことが19日までに分かった。現在モデル事業として2つの保健医療圏で試行されている二次救急と精神科の医療機関の連携事業を他の医療圏でも順次導入し、早ければ2017年度内にも都内全域で連携体制を整え、選定困難の解消につなげたい考えだ。【新井哉】

 精神科身体合併症の救急患者をめぐっては、重症者を受け入れる施設が限られている上、中等症や軽症でも「専門医がいない」といった理由で選定困難となるケースが少なくなかった。東京消防庁の調査でも、精神疾患が背景にあった場合、受け入れの照会回数が多く、現場滞在時間も長くなる傾向があることが明らかになっていた。

 こうした状況を改善しようと、都は2年前から北多摩北部と北多摩南部の両保健医療圏で、一般の二次救急医療機関と精神科医療機関が連携して救急患者を受け入れる連携事業を試行。この事業では、精神科身体合併症の患者の外傷などを二次救急医療機関で治療した後、あらかじめ指定されていた精神科医療機関に患者を転院させ、地域内で治療を完結させる仕組みだ。

 この事業の試行前は、患者を受け入れた地域外の医療機関が精神科医療機関を探すのに手間取ったり、患者が地元から離れた場所に入院せざるを得なくなったりするケースもあった。

 都によると、連携事業が試行されている2つの保健医療圏内では、消防機関でも搬送先の周知が進んでおり、精神科身体合併症の患者の円滑な搬送が行われている。夜間休日救急身体合併症医療機関として輪番で診療を行っている都立広尾病院など5医療機関の負担軽減が期待できるという。

 都は来年度、北多摩北部と北多摩南部以外の3つの保健医療圏に連携事業を拡大する方針。地域の医療機関同士で順調に調整が進めば、現在の都保健医療計画の期限となっている17年度中にも都内全域で連携事業が展開される見通しだ。



http://www.yakuji.co.jp/entry41148.html
【文科省】15年度予算案、医療研発体制に598億円‐研究公正推進へ教材作成も
2015年1月20日 (火) HEADLINE NEWS薬事日報

 文部科学省の2015年度予算案で科学技術予算は、前年度比0.3%減の9680億円となった。医療分野の革新的技術実用化を強力に後押しするため、4月に発足予定の日本医療研究開発機構(AMED)関連費用として598億円を計上。創薬等に活用する次世代スパコンのポスト「京」の開発に40億円を充て、2020年を目標に世界トップレベルのスパコン開発を目指す。
 ライフサイエンスによるイノベーション創出には、前年度比14億円増の856億円を計上。AMED関連経費として、新たな医療分野の研究開発体制の構築に28億円増の598億円を充て、基礎から実用化までの一貫した研究開発を強力に推進する。



https://www.mixonline.jp/Article/tabid/55/artid/51042/Default.aspx
カリウム製剤を急速静注 約4年で5件 日本医療機能評価機構が注意喚起
公開日時 2015/01/20 03:51 ミクスonline

日本医療機能評価機構は、不整脈や心停止のおそれがあるにもかかわらず、カリウム製剤を急速静注した医療ミスが2011年1月1日~2014年11月末までに5件報告されているとして「医療安全情報」で注意を呼びかけた。機構側は、ミスが発生した医療機関で「薬剤マスタのカリウム製剤名に『点滴専用』や『要希釈』などと記載する。カリウム製剤の払い出し時に製剤と一緒に『急速静注禁止』の紙を入れる」などの対策が取られたことを紹介している。

報告によると、中心静脈ラインで注入したケースや、プレフィルドシリンジ製剤にもかからわらず専用針を使わず、注射器に吸い取って静脈ラインに注射器を接続して注入したケースがみられた。

医療安全情報では、これまで報告された医療ミスの中で医療従事者が注意を要するものを取り上げて月に1回注意喚起している。今回のケースはNo.98号で1月15日付。



http://www.sankei.com/life/news/150119/lif1501190041-n1.html
インフル院内感染で看護師ら2人死亡 長野・松本
2015.1.19 22:01 産経ニュース


 国立病院機構まつもと医療センター松本病院(長野県松本市)は19日、入院患者の男女21人と女性看護師4人がインフルエンザA型に集団感染し、うち70代の男性入院患者と40代の女性看護師が死亡したと発表した。

 同センターによると、男性患者は白血病治療のため昨年末から入院中で、15日に感染を確認し、17日に肺炎のため死亡した。女性看護師は16日に熱を出し倒れ、17日にインフルエンザ脳症で亡くなった。ほか複数の入院患者が重篤な状態という。

 10日にインフルエンザに感染した患者3人が治療のため入院して以降、四つある入院病棟全体に感染が広がった。死亡した看護師はこの3人と接触していた。

 同センターは「院内感染を重く受け止めている。マスク着用や手洗いの徹底などを行い、感染拡大防止に努める」とコメントした。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/44725.html
かかりつけ医の在り方、「予断なく議論」- 塩崎厚労相
2015年01月19日 18時07分 キャリアブレイン

 塩崎恭久厚生労働相は19日、大阪市内で講演し、「今、緩やかなゲートキーパーとしての『かかりつけ医』という言葉を使っているが、それを本当に有効なものにしていくためにどうしていくんだということも、予断なく議論をする」と述べた。【敦賀陽平】

 その上で、「誤解をして反対をする方もおられるかもしれないが、やはり将来持続可能なものとして、私たちの次の世代、次の次の世代への未来への責任ということを考えると、今聖域なき議論というものを、医療についてもやっていかなければならないし、当然その時は、介護と一体となってやっていかなければならない」と語った。

■消費税引き上げ時期を「明確に」、岡田新代表に注文

 また、与党が先の衆院選で公約に掲げた2017年4月の消費税率10%への引き上げにも触れ、「民主党は、延ばすことは賛成だと(政権公約に)書いてあったが、いつ2%上げるのかということは書いていない」と指摘し、「岡田(克也)新代表にはぜひ、2%の引き上げがいつになるかというのを早く明確にしていただきたい」と求めた。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/44724.html
小手先の技術は、DPCデータで明らかに- 厚労省主査
2015年01月19日 17時54分 キャリアブレイン

 DPCマネジメント研究会(代表理事=真野俊樹・多摩大医療・介護ソリューション研究所教授)の第19回学術大会が17日、東京都内で開かれた。厚生労働省保険局医療課の中下洸主査が講演し、2014年度診療報酬改定に伴うDPC制度の動きを整理した。【大戸豊】

 中下氏は講演の中で、14年度改定に伴い機能評価係数Ⅱにどのような変更が行われたのかを説明した。
 個別項目では、従来のデータ提出指数が「保険診療指数」に名前が変わった。中身についても「部位不明・詳細不明コード」の使用割合が20%以上の場合に減算とされていたが、今回DPCデータ様式間の記載矛盾のあるデータが全体の1%以上の場合、減算されるようになった。また、レセプト請求においても、未コード化傷病名の割合が20%以上となると減算の対象になった。中下氏は「保険診療点数では、いかに正しいDPCデータをつくっていただいているかをさらに評価している」と述べた。
 また、救急医療指数では、救急で入院した場合、1日目や2日目にはかなりの医療資源を投入していることから、患者の重症度を考慮することになった。
地域医療指数では、医療機関における「5疾病・5事業+在宅医療」への取り組みをポイント制で評価している。このほか、急性心筋梗塞の24時間診療体制と精神科身体合併症の受け入れ体制も新たに評価された。
 そして、14年度改定で新設された後発医薬品指数では、後発医薬品の導入率を数量ベースで60%を評価上限としている。
 中下氏はDPC制度における評価の方向性について個人的な意見と断りつつ、アップコーディングのような小手先の技術だけで点数を稼ごうとか、機能評価係数を上げようとしても、最終的にはDPCデータを通じて分かってしまうと指摘。「われわれはこういうことを頑張っている、こういうことを評価してほしいといったことがあれば、意見を伺いたい」と述べた。

厚生労働省資料より
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http://www.yomiuri.co.jp/national/20150120-OYT1T50006.html
ドクターヘリ出動、2万件超え…救命率アップ
2015年01月20日 03時00分 読売新聞

 「ドクターヘリ」の出動件数が2013年度、初めて2万件を超えたことが、専門医らでつくる「日本航空医療学会」の調査でわかった。

 迅速な初期治療や搬送時間の短縮で救命率アップなどに大きな成果を上げており、大災害発生時の患者搬送にも期待が高まるが、費用負担や操縦士不足など、需要の高まりに伴う課題も浮上している。

 ◆「命の恩人」

 「市原、60歳代男性、脳卒中の疑い」。昨年12月、千葉県印西市の日本医科大千葉北総病院。ヘリを要請する消防からのホットラインが鳴り、救命救急センターの医師や看護師がヘリポートへと走った。約3分後には離陸。その18分後には、約37キロ離れた同県市原市の小学校校庭に着陸して救急車で運ばれてきた患者を収容し、医師らが初期治療を行いながら、同市内の医療機関に運んだ。

 同病院のドクターヘリ導入は2001年10月。13年度の出動件数は、02年度の約2・3倍の1053件に上る。「医師が早期に治療を行えるかどうかが、患者の生死や後遺症の程度に大きく影響する」と同病院の八木貴典医師(44)は言う。

 八木医師は昨年4月、同県酒々井町の大学2年生女性(20)がアルバイト先に向かう途中にバイクで転倒した現場へ、ヘリで急行。腹痛を訴える女性を治療しながら病院に空路Uターンした。内臓損傷の重傷だったが速やかな手術が奏功。日常生活に支障がないほどまで回復した。

 女性は「ヘリがなければ死んでいたかもしれない。ヘリを要請してくれた救急隊や病院の先生方は命の恩人」と振り返る。

 ◆36道府県に43機

 NPO法人救急ヘリ病院ネットワーク(東京)によると、ドクターヘリは、1995年の阪神大震災で陸上交通網が寸断された教訓から導入が検討され、99年に試験運航、2001年に本格運航を始めた。

 同ネットワークの調査では、ヘリ導入で従来の地上救急より救命率が3割以上向上し、完治して社会復帰できた患者も約1・5倍に増えたとされる。現在、36道府県で43機が配備。ヘリ導入を推進してきた日本航空医療学会によると、02年度に全国で2302件だった年間出動件数は13年度で2万632件に増えた。

 同学会の小浜啓次理事長(76)は「ドクターヘリの必要性が広く認知され、ヘリを要請する消防と医療機関の連携や、隣県同士の協力が進み、出動件数が増加している」と分析する。
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http://medg.jp/mt/?p=3059
Vol.010 求められているのは「医師集団としての自立・自律」:単純誤薬は警察に届けてはいけない −真のprofessional autonomyとは? −
現場の医療を守る会代表世話人
現場からの医療事故調GL検討委員会委員長
つくば市 坂根Mクリニック 坂根みち子

2015年01月14日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行  http://medg.jp

 2014年は、4月に国立国際医療研究センター病院で造影剤の誤薬による死亡事故があり、12月に大阪府立急性期・総合医療センターで類似薬剤名の取り違えによる誤投与で死亡事故が発生した。今まで何度も繰り返されている単純誤薬による死亡事故であり、いずれの場合も病院は記者会見をして警察に届け出た。ともに日本医療機能評価機構により「患者中心の医療」をしていると認定されている名の通った病院である。
 日本医療機能評価機構は、このような類似の事故を報告させ、分析し、再発防止策を公表してきた。今回の問題点は少なくとも2つある。一つは、日本医療機能評価機能の医療事故情報収集等事業は現場の改善作業に役立っていない。分析して再発防止策は公表するが、その後の検証をしていないということである。上記のような有名病院でさえ、たった1カ所のエラーで、すぐ人の死に至ってしまうようなお寒い医療環境が実情だった。そこをまた「良い病院」と認定したのも日本医療機能評価機構である。この機構は産科医療補償制度も扱っているが、是非早急に自分達の仕事の内容を見直して頂きたいものである。

 もう一つは、外表に異状のない診療関連死は警察に届ける必要がないにもかかわらず、各病院とも今もって警察に届けているということである。国立国際医療センターの事故では、記者会見で医療者が特定されてしまったことも含め、WHOの医療安全のための報告制度で示されている「非懲罰性」「秘匿性」に真っ向から対立するものであり医療者の人権侵害である。まして国立国際医療研究センター病院は、日本医療安全調査機構の事務局長が院長を勤めた病院である。今や、警察に届けるかどうかでその病院に真の医療安全の専門家がいるかどうかのリトマス紙になると言える。

 大阪府立急性期・総合医療センターの内規では、インシデント報告者・医療事故の報告者は免責されるという規定があるにもかかわらず、「医療過誤が原因で患者が死亡または患者に重大な障害が発生した場合、速やかに所轄警察署への届け出、公表等の対応を行う」と相反する内規が放置されている。

 日本の病院はほとんどがブラック企業である。医療安全の一丁目一番地は医師の過重労働の解消である。医師の人権が踏みにじられたままで、患者の人権が守れる訳がない。

 日本医師会のいうプロフェッショナルオートノミーは、医師個人の知識と技術の研鑽に励み自己を律することを指し、医師集団としての自立・自律には触れていない。『医師が「患者の人権を尊重する」のは時代遅れで世界の非常識』の著者である平岡諦氏1)によると、世界医師会(WMA)では、2009年のマドリッド宣言で医師は「医師集団としても自律すべき」であるとした。つまり、専門職としての倫理規定は国内法の上に位置し、「悪法といえども法である」という悪法問題や製薬会社の意向からも医師集団として自律することで患者の権利を守ることにつなげようと宣言した。これは、正当な医療行為が業務上過失致死罪になり得る今の日本の法律や製薬会社との癒着から不正研究が問題となっている日本の現状をみれば、的を得ていることが理解できよう。

 平岡氏によると、残念ながら日本医師会のマドリッド宣言は誤訳されており、日本医師会をはじめとする医療団体はプロフェッショナルオートノミーについて「医師集団としての自律」の視点をもたない。であるがため政府の低医療費政策や労働基準を全く無視した医療現場や製薬会社との癒着を放置している現状と対峙して来なかったという。

「 医師集団としての自立・自律がない」ことが、現在の医療界の惨状を引き起こしていると理解するとあらゆることが腑に落ちる。まず挙げられるのは医師法21条の誤解も解こうとせず、司法界の言いなりになって、「自主的に」現場の医療者の首を差し出すようなことを続けていることであろう。

 医師法21条(医師は、死体を検案して 異状があると認めたときは、24時間以内に所轄警察署に届け出なければならない)は、そもそも殺人などの犯罪を見逃さないための法律であったのだが、1999年の都立広尾病院事件で突如として医療者に向かって牙を剥いた。医療事故は24時間以内にすべて警察に届け出なければいけないような間違った解釈がなされたのである。2004年の最高裁判決で「外表を検案して異状を認めた場合は警察に届け出る」という合憲限定解釈で決着がついたが、その間に医療事故の扱いは刑事化が世の趨勢となり、医療団体や厚労省は、司法界やメディアが誘導する世論に引きずられた。事故があれば遺族にきちんと説明謝罪し、院内の規定に沿って民事で賠償するのが筋であって、刑事化は全く不要であった。前科者となった医療者は大きく傷つき現場から立ち去ったが、医療現場の改善作業は、全くの手当不足で現在でも単純誤薬による事故も繰り返され、今回の2事故のように警察への間違った届出も継続されている。

 現場の医療者にとっての更なる不幸は、医師会にも他の医療団体にも医師集団としての自立・自律(真のprofessional autonomy)がないことであった。まじめに取り組んでいてもエラーは起きる。諸外国と比べても圧倒的にマンパワーも予算も時間もない、マネ−ジメントもされていない医療現場である。そんな状況で起きたエラーであるならばどの医療団体もまず現場の医療者を守るべきだった。現場を改善しエラーをした医療者が失敗から学んで次ぎに生かせることが患者を守ることにつながるのである。私達現場の医療者だけで解決できることには限界があるにも係わらず、現状では個人の問題にすり替えられ、一番バックアップして欲しい時に、医療界は精神論のように「個人の自立・自律」を求める。これでは現場からリスペクトされないし、そのような団体の元にまとまろうという気が起こらない。

 医師会をはじめとする医療団体はWMA(世界医師会)のマドリッド宣言を正しく伝え、実践しなければならない。

 最後に、疲弊した医療者の家族にも言及している以下の文章を挙げておきたい。日本では、医療団体のトップはほぼ男性で占められているために家族の苦労まで想いが馳せられることはまずないが、筆者は日々の臨床で、医療者の家族もどれだけ苦しんでいるか、崩壊の危機に面している家庭がどれほど多いか身を持って感じている。

WMAの医療倫理マニュアル2005年 1) p167
 医師は自分が自分自身や家族に対しても責任を負っていることを忘れやすいものです。世界各地で医師であることに対しては、自分の健康や福祉をほとんど考えず、医療の実践に自己を捧げることを求められてきました。週60〜80時間勤務もまれではなく、休暇は不必要な贅沢と考えられています。多くの医師はこのような状況でもなんとかやっているようですが、家族には悪影響が及んでいるに相違ありません。なかには明らかにこのような専門職としての仕事のペースに苦しむ医師もおり、その結果は、慢性疲労から薬物乱用、自殺に至るまでさまざまです。疲労は医療ミスの重大な要因なので、健康を害した医師は患者にとっても危険です。

参考文献
1)医師が「患者の人権を尊重する」のは時代遅れで世界の非常識 平岡諦 著
MRIC Vol.586 医師法21条改正に際しての注意 井上清成 2012年9月3日
MRIC Vol.148 医師法21条問題は外表異状説で解決 井上清成 2014年7月2日


  1. 2015/01/20(火) 09:52:34|
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