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地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

1月14日 

http://www.m3.com/iryoIshin/article/285089/?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD150114&dcf_doctor=true&mc.l=82442714
医療維新
真価問われる専門医改革
専門医機構、18学会を社員として認定へ
軌道修正も、財政面など検討課題は多々

2015年1月14日(水) 橋本佳子(m3.com編集長)

 「学会が認定する専門医制度から、中立的な第三者機関が認定する専門医制度に変更する。一般社団法人である日本専門医機構の理事会が、学会から独立して業務を執行する。これら二つが担保されれば、実務的を円滑に運営するために、各学会を社員にすることは許容できるのではないか」

 暮れも押し迫った昨年12月27日、東京都内で開催された日本専門医機構の臨時社員総会。その冒頭、日本医学会会長の高久史麿氏はこう切り出し、日本医師会会長の横倉義武氏もこの発言を支持、日本内科学会と日本外科学会をはじめ、18の基本領域の学会を、日本専門医機構の社員とする方針が決まった。社員の機構への入会金は20万円、年会費は30万円とすることも決定した。

 日本専門医機構は2014年5月に発足、専門研修プログラムを作成するための整備指針や専門医の更新基準、総合診療専門医の在り方など、さまざまな検討を進めている。しかし、現在、専門医制度を運営している学会と機構との関係や役割分担などが曖昧なままだったため、事務作業上、支障が生じていた。学会を社員として認めることで、機構と学会が連携して、新たな専門医制度を運営できる体制がようやく固まったと言える。

 もっとも、2017年度の新専門医制度のスタートに向け、解決すべき課題は山積している。その一つが、専門医の更新の在り方だ。

 新制度は2017年4月から専門医研修(後期研修)を開始する医師が対象。原則3年間の研修を経て、新制度に基づく専門医が誕生するのは、2020年度だ。それに先立ち、既に専門医を取得している医師の更新を、新しい基準に基づき、実施することを想定している。

 専門研修プログラム整備指針や専門医の更新基準について、日本専門医機構理事長の池田康夫氏は、「現在、18の基本領域の学会とのヒアリングの二巡目に入っており、この2月には各領域の方向性が固まる予定」と説明する。2015年度から、準備が整った学会から、新基準に基づく専門医の更新がスタートする見通しだ。「現場が混乱しないよう、進めていく」と池田氏は話し、更新の新基準への移行期間は、新制度による専門医が誕生する2020年度までと考えるのが、「一番、理にかなっているのではないか」とのスケジュール感を示す。

 専門研修プログラム整備指針および研修施設の基準などを決定した後は、2017年度の新制度スタートに備え、研修施設と研修プログラムの認定も進めなければならない。

 そのほか、総合診療専門医の在り方、財務の問題など、重要な検討課題は多い。総合診療専門医については、日本専門医機構の委員会やワーキンググループでの検討を現在、重ねている。「標準的な研修プログラムを、今年3、4月頃にまとめる予定。それを基に各病院が作成した研修プログラムを、なるべく早い時期に審査をする。日本の医療の在り方に一石を投じる総合診療専門医への関心は高いこともあり、その審査は、既存の基本領域とは異なり、各学会ではなく、日本専門医機構で行うことを考えている」。池田氏はこう語り、2017年度から始まる総合診療専門医の養成に備え、2016年春頃までに審査を進める方針を示した。

 事実上、流会した第1回社員総会

 日本専門医機構の社員として学会を認めるか否かは、機構の発足前から、くすぶっていた問題だ。機構の発足の根拠となった、高久氏が座長を務めた厚生労働省の「専門医の在り方に関する検討会」の2013年4月の報告書では、学会認定の専門医制度を変え、「中立的な第三者機関を設立し、専門医の認定と養成プログラムの評価・認定を統一的に行う」とされた(『「医師不足」消える、専門医制度の最終報告』を参照)。

 この報告書を踏まえ、当初社員の候補となったのが、日本医師会、日本医学会連合、全国医学部長病院長会議、四病院団体協議会の4団体。学会が入っていないことで、「学会外し」として、基本領域の各学会から問題視する声が続出。結局、2014年5月の機構発足時には、内科、外科をはじめ18の基本領域の「代表」が、個人として社員になる体制に変わった(『専門医の新機構、学会外したわけ - 池田康夫・日本専門医制評価・認定機構理事長に聞く』を参照)。実際には、各学会の理事長などが社員となった。現時点では、4団体、18の基本領域学会18の代表、日本がん治療認定医機構の計23の団体・領域代表が社員だ。

 各学会は、「第三者機関による専門医の認定」という体制づくりを否定しているわけではないが、専門医試験をはじめとする実務を担当するのは、各学会。「学会との連携なくしては、新専門医制度は運営できない」ことは、池田氏をはじめ、誰もが認めるところだ。「領域代表」の社員化は、日本専門医機構の「中立的な第三者機関」としての性格を保つための苦肉の策だった。

 しかし、実務上、問題が生じた。社員の入会金と年会費は計50万円。各学会の予算を使い、理事長などの個人名義で、日本専門医機構に会費を納めることが、事務手続き上、許容されるかという疑義が生じた。また研修プログラム作成整備指針をはじめ、各学会の事務局とのやり取りを頻繁に行う以上、個人ではなく、学会という組織を社員としないことには筋が通りにくい。

 実は11月17日に、第1回社員総会が開催された。社員の入会金と年会費を決めるのが主たる目的だった。しかし、学会の社員化の問題のほか、会費は事業計画や収支予算書が前提でないとその是非を議論できないが、これらの書類が提出されなかったことなどから紛糾、「約1カ月以内に再度、社員総会を開く」とし、事実上、流会した。その結果、12月27日に再び臨時社員総会を開く事態に至ったのだった。

 「機構は専門医制度の支援組織であるべき」

 日本専門医機構の運営、新専門医制度の成否は、「中立的な第三者機関」とされる同機構と各学会との関係、両者の連携の在り方によるところが大きい。

 学会を社員として認めるよう働きかけた一人が、日本脳神経外科学会理事長の嘉山孝正氏。日本専門医機構と学会が協同して専門医の質向上を図る必要性は指摘しつつ、日本専門医機構は決して学会の上部組織ではなく、「学会の支援組織であることが、健全な存在形式」という考えを持つ。「学会が社員として認められるようになったことで、今後は、適切に協同できるようになる。専門医の養成や認定は、学会の定款に定めている事業。各学会が努力を重ね、構築してきた専門医制度を、機構がサポーティングするシステムにすべき」。こう語る嘉山氏は、専門医制度における「学会外し」が進むと、医師の学会への帰属意識が薄れることを懸念する。「学会は、専門医の養成だけでなく、学術集会や総会の開催をはじめ、さまざまな学術活動をしている。しかし、要件をクリアし、専門医資格さえ取れれば、という意識になると、医師は一介の技術者になってしまう。そうした医師が増えれば、日本のアカデミアの崩壊につながりかねない」(嘉山氏)。

 日本皮膚科学会理事長の島田眞路氏も、嘉山氏と同様の意見だ。「今の専門医制度は、学会によってバラバラであり、質やレベルが一定しない一面があるのは確かだ。新専門医制度により、一定の客観性が保てるようになるのだろう。しかし、結局は、学会が専門医試験をする以外にない。学会否定という意思が感じられ、第三者機関を作れば全てが解決すると考えるのは間違い。それをサポートする団体ならいいが、“上から目線”で指導する機構になったのでは問題」と釘を刺す。

 一連の経緯を知る、医療関連団体のある幹部医師は、「日本専門医機構は、発足したばかりであり、現時点ではガバナンスが不安定。各学会はその点を不安視しているのだろう。しかも、同機構は、ヒトとカネが十分ではなく、学会との連携なくしては運営できないのが現実。肝要なのは、学会を専門医制度から切り離すのではなく、国民から見て分かりやすい、質の高い専門医制度の構築」と指摘、研修プログラム作成整備指針の作成などの実務作業を急ぐ事情も分かるものの、その前提として、機構のガバナンスの確立が課題と見る。

 池田氏によると、この1月には、外部評価委員会を開催する予定になっている。同委員会は、学識経験者、メディア、患者の各立場の委員、計6人で構成、日本子ども家庭総合研究所名誉所長の柳澤正義氏が委員長を務める。「外部評価委員会は、意思決定機関ではないが、日本専門医機構が中立的な立場で運営しているか、今回の社員総会の議論をどう評価するかなどについて、意見をもらう予定」(池田氏)。

 専門医更新、ポイントは「診療実績の把握」

 学会の社員化の問題が解決したことで、今後の運営は従来よりもスムーズにいくと思われるが、検討課題は多い。直近の課題が、既に専門医を取得した医師の更新の問題だ。更新問題への医師の関心は高く、m3.comが医師会員を対象に実施した調査でも、2015年の注目トピックスのトップが、専門医制度の見直しだった(『「専門医制度の見直し」、注目度トップ』を参照)。

 更新基準については現在、日本専門医機構の「専門医認定・更新部門委員会」で検討している。各領域に共通の基準に加えて、各領域固有の基準が作成されるイメージだ。現行との相違の一つが、診療実績の基準を設ける点だ。経験症例の種類と数などが規定される見通し。

 サブスペシャリティとは異なり、基本領域の専門医の場合、疾患領域が幅広いため、診療実績を規定するのは容易ではない。池田氏は、「専門医を新規に取得する際には、珍しい疾患の経験も課すが、いったん専門医を取得した医師の更新の場合、地域や所属施設などによっても診療実績は異なってくる。要は、各領域の診療に全く関与していないのに、専門医を名乗るといった、“ペーパードライバー”は認めないということ」と話し、新規取得と更新では、診療実績に関する考え方が変わり得るとの考えと言える。

 いかに診療実績を把握するかという問題もある。外科系学会では、共通の症例データベース、NCD (National Clinical Database)で把握することが可能だが、内科系学会にはこうしたデータベースはない(『医師に「手術の成績表」、消化器外科が今秋から』を参照)。

 診療実績などの更新要件を新たに設定した場合、各学会および更新を行う医師の準備も必要となる。「学会によって、準備状況のほか、会員に対する広報には差があるのが現実であり、池田氏は、「過渡期は、混乱を来さないことが大切。準備ができた学会から、新たな基準に基づく更新を開始する」と話し、早い学会では2015年度の後半から新基準での更新を行う学会が出てくるとの見通しを示した。

 診療実績の要件は、当然ながら、2017年度から新規に専門医取得のための研修を開始する医師にも課される。診療実績が高いハードルになると、その要件を満たせる研修施設が少なくなり、結果的に養成できる専門医数は少なくなる。その反対に低いハードルであれば、養成専門医数は多くなる。医師の診療科偏在の是正とも関係してくる問題だけに、専門医の新規取得・更新の診療実績がどう設定されるかは、今後の注目点だ。

 さらに、専門医新規取得および更新の場合、その認定証に、認定主体をどう記載するかという課題もある。例えば、内科領域の専門医の場合、(1)「日本専門医機構」のみとする、(2)「日本専門医機構」と「日本内科学会」を併記する――という選択肢があり得る。厚労省の「専門医の在り方に関する検討会」の報告書は、「第三者機関による専門医の認定」を求めている。この点をどう解釈するかが焦点で、学会側からは、学会名の併記を求める声もあり、この辺りも今後議論になりそうだ。

 専門医の更新料、機構の収入として検討

 日本専門医機構は、財政面での問題も抱える。昨年末の臨時社員総会で、社員の入会金(20万円)と年会費(30万円)は決まったが、社員は計23であり、総額は1150万円。中立的な第三者機関として、運営の費用を社員に過度に依存すると、社員の影響力が強くなるため、「今年度の予算は、約1億円なので、その約10%を入会金と年会費で賄う形にした」(池田理事長)。

 2014年度の収入は、前身の日本専門医・評価認定機構の残余財産(2644万円)と、厚労省の専門医支援事業などを見込む。厚労省の支援事業は、2014年度と2015年度との2カ年。機構と厚労省が折半して費用負担するため、2014年度に厚労省が拠出している事業費は5000万円だ。

 2017年度に新制度がスタートすれば、専門医や研修施設の認定料などが入ってくるが、それまでの準備期間の財政基盤をどう作るかが課題だ。そこで想定されるのが、専門医の更新料の徴収。各領域で専門医の更新を迎えるのは、毎年3万人程度とされる。仮定として、日本専門医機構が1万円の更新料を徴収できるとすれば、年約3億円の収入になる。2015年度から新基準に基づき更新する専門医はそう多くはなく、2015年度は別の財源が必要だが、この更新料の問題も、日本専門医機構と各学会がどう役割分担を行い、新専門医制度を運営していくかに大きく関係するだけに、今後の重要な検討課題だ。



http://www.m3.com/iryoIshin/article/283428/
医療維新
大野病院事件スペシャル対談◆加藤医師 vs.安福弁護士
逮捕勾留時、「黒塗りの新聞」を読む◆Vol.5
医師と検察官のすれ違い、鮮明に

2015年1月14日(水) 司会・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

 ※大野病院事件スペシャル対談のバックナンバーはこちら

――逮捕されてから、勾留理由開示の頃は、どんな1日だったのでしょうか。

加藤 ちょうど寒い時期でした。朝起こされて……。

安福 何時に起こされたのですか。

加藤 全然覚えていないです。あまり思い出したくもない……。まず歯磨き。僕はご飯を食べてから、歯磨きをするタイプなので、違和感があって、いまだに食事前の歯磨きはできないです。歯磨きしてから、ご飯を食べて、新聞もあったのですが、自分が関係しているところは、黒塗りにされている。どんどん記事が大きくなると、その部分は切り抜かれ、穴が空いている。ある時は一面が全てなくなっていた。

 あとは差し入れてもらった本を読んだり、取り調べで聞かれた内容を思い出して書いたりとか……。

安福 「取り調べノート」を作ってください、というのは弁護人の依頼でした。その理由は二つ。一つは取り調べに対して、間違った答え方をしていないか、妙な誘導が行われていないか、もししているようだったら、早く軌道修正しなければという意味での情報共有を、加藤先生と弁護人が行うためです。もう一つの目的は、検察の捜査がどちらに向かっているのか、彼らが何を一番探っているのかを知ることです。先回りをして対応を考える。

 「取り調べノート」を作ることは、大事な作業になっていたと思います。それが日課だったのは、毎日のように取り調べが続いていたということ。

加藤 そうです。

――1日、何時間くらい取り調べを受けていたのでしょうか。

加藤 何時間だったのでしょう。お昼の時間を除き、夕食の時間くらいまでです。

安福 朝は8時、9時くらいから。

加藤 覚えていないですね。

安福 朝食が終わると、すぐみたいな感じですか。

加藤 新聞を読むくらいの時間はありましたが。

安福 取り調べの記録を後から見た時には、「取り調べは、長いことは長いけれど、それほど長期でもない、微妙な時間」という印象でした。もっと厳しくやっているかと思ったのですが、その点は正直言って意外でしたね。でもそれは、「負けないところは、負けない」「認めないところは、認めない」という先生の姿勢が、はっきりしていたからだとも思います。また、取り調べる側も、先ほど先生が言われたように、一定の敬意があり、それで遠慮をしていたのか……。取り調べの対応などは、どんな感じでした?

加藤 刑事さんの場合、やはり説明がメーン。資料を使って説明すれば分かりやすくできるのですが、資料もないので、記憶や知識の限りでしかできない。そんな時に、「言わなければよかったな」と今は思うのですが、「こうした手もあったのではないか」といった話もしていました。でも、医師としてはやはり反省と言うか、次に同じような患者さんを診た時に、同じことが起きないように、改善、進歩しなければいけないわけです。そこを話したのが、よくなかったのか……。

――症例検討で改善につなげていくのが医療であり、それがあるからこそ、進歩がある。でも、それが司法になると、「それをやらなかった」として、過失として捉えられてしまう。

加藤 後出しジャンケンのように。

安福 取り調べに当たっている警察官や検察官の物の考え方と、医療の世界で生きておられる先生方の思考パターンは、かなり違う。恐ろしいことに、その違いを取り調べる側や裁判所が自覚していない。

 対照的なのは、交通事故。ちゃんとブレーキを踏めば、車は止まる。踏まなければ止まらない。スピードを出しすぎても、飲酒運転も危険。こうした理屈は分かりやすく、誰もが実感できる。同時に、自分は、そうした危険なことはをしないぞと、言い切れる。

 しかし、医療の世界は違う。そもそも危険な行為をしている訳で、それは止めることはできない。「あそこで、止血をするのだったら、別の作業を優先した方がよかった」「いや、やはり止血が先だった」などと意見が分かれることは、いくらでもあり、「これをやれば、次の事故は起きない」という保証は得られない。「あれをやっておくべきだった」と言っても、事故回避の手段になるとは限らない。けれども、医学的には検討する価値はある。ところが、調べている側は、交通事故の考え方だから、「じゃあ、それをやっていれば、助かったじゃないか」と思う。「そういうケースもあります」と答えると、「言い逃れするな」と怒鳴られる。

 こうした落差があるのに、司法関係者、特に警察関係者には理解してもらえない。私がいつも言っているのは、「線形」「非線形」の議論。「Aという原因があれば、結果はB」というのは線形であり、「Aを避ければ、Bは起きない」という学習が成り立つ。しかし、医療の場合はそうではない非線形的な世界なのです。

――加藤先生が「こうした方法もあり得る」と検察官に説明した際、「なぜそれをやらなかったのか」と言われた、ご記憶はありますか。

加藤 そのような時もありましたね。

――出産前の経過と帝王切開手術の当日の話が取り調べの対象かと思います。さほど長い経過でもないと思うので、繰り返し同じことを聞かれていたのでしょうか。

加藤 そういうわけではないですね。「今日は、この場面」という感じで、刑事の方が聞く時もあれば、検察官の場合もありました。刑事が聞いてきたことに対して話をすると、それについて検察官がもう少し深く突っ込んでくるような。

安福 検事は、結構、思い込みが強い方ではなかった?

加藤 思い込み……。そうした仕事なのかな、と思いましたね。「こういう形で有罪に持っていこうとするんだな」という感覚はありましたね。



http://www.m3.com/iryoIshin/article/285693/
医療維新
安倍政権の医療制度改革
厚労省予算3%増の29兆9000億円、2015年度
「医療費の伸び鈍化」と厚労省

2015年1月14日(水) 池田宏之(m3.com編集部)

 政府は1月14日、2015年度の予算案を閣議決定した。厚生労働省関連の予算の総額は、29兆9146億円で2014年度から3.0%、8963億円の増額となった(2015年度から保育所運営費等1兆6977億円が内閣府に移管されることを考慮した金額)。医療費は11兆4891億円で、前年度から2.6%増えた。30兆円近い社会保障費を要求していた概算要求の時点では、社会保障費の自然増について、8174億円を見込んでいたが、2400億円程度圧縮された。理由の一因として厚労省大臣官房会計課長の橋本泰宏氏は「医療費の伸びが鈍化している」との認識を示した。

 社会保障の充実に向けては、消費税率10%にした際の増収を14兆円、消費増税の先送りで2015年度は8.2兆円と試算した上で、1.36兆円が充てられる。うち安倍政権が力を入れる子ども・子育て支援については4844億円、医療と介護の充実分は合計で8410億円となっている。金額は、政策などの見直しで効率化できた金額分などは含まれていないという。

 医療関連では、地域医療提供体制に向け2014年度に新設された「新たな財政支援制度」(新基金)は、医療について国庫負担分で602億円、地方分との合計で904億円となり、2014年度と同額を確保。介護提供体制整備に向けた基金は地方分との合計で724億円を確保した。

 注目されるのは、介護報酬改定。今回の改定率は、マイナス2.27%で、9年ぶりの引き下げとなった(『医療の新基金、900億円確保、2014年度と同額 』を参照)。特別養護老人ホームなどをターゲットとした「収支状況などを反映した適正化等」ではマイナス4.48%が大きな要因。一方で、介護職員の処遇改善に使途を限定した上で、1051億円(うち国費531億円)が充てられた形となっている。さらに、新基金は、都道府県ごとにアイデアを集め、良いアイデアに資金を振り分ける仕組みで、事業者の意思で請求できる報酬とは別枠になっている。社会保障費の削減圧力が続く中、従来の報酬体系から外して資金を競争的にしたり、報酬体系の中でも、使途を限定することで、事業者の自由度をコントロールする流れがうかがえ、診療報酬も含め、医療提供体制への財政措置の議論も注目される。

 社会保障費の自然増は今回2400億円程度が抑えられた形となった。理由について、橋本課長は「医療費の直近の伸びが鈍化している」との認識を示したほか、介護報酬がマイナス改定になったことなども含めて説明した 。 来年度以降については、厚労省は「高齢者人口動向や給付費動向見ながら検討していく」と説明し、自然増の動向の見通しには言及しなかった。



http://www.m3.com/iryoIshin/article/285328/?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD150114&dcf_doctor=true&mc.l=82442715
医療維新
2014年の医療界:1000人アンケート
近藤氏“信者”が2人、「医師辞めたい」◆Vol.11-1
2014年印象的だったこと「診療報酬、患者」編

2015年1月14日(水) 池田宏之(m3.com編集部)

 Q11では、2014年に医療関連で身の回りで起きたことの中で、最も印象深かった出来事を聞いた。寄せられた意見の中から、主なものを2回にわたって紹介する。


【仕事の成果】
・食べることで、患者が元気になれる現実を目にした。
・漢方サポート外来の独立。
・医療過疎地で働いているが、衰退することなく診療を継続できた。
・医業収入が過去(26年間)で最高になった。
・15年かけてやっていた仕事の論文がアクセプトされた。
・NEJMに掲載された。
・早期がんの発見数が昨年より増えた。


【経営関連】
・在院日数減少の達成に伴う病床稼働率の低下。
・在宅医療の推進で、患者家族がうつになった。
・診療報酬の開業医の初再診料が珍しく上がったこと。しかし、わずかであり、消費税の増税分には焼け石に水である。今後消費税がもっと上がることになると、お先は真っ暗。諸物価は上がっているが、収入は減るばかりである。アルバイトに行って、なんとか経営できた。
・7対1入院基本料を維持するための在院日数の制限が厳しくなったのはきつい。
・訪問診療の点数の大幅減額。今後さらなる締め付けがあるだろう。
・安定剤、睡眠導入剤の処方制限、対象となる薬剤。
・療養病棟の1カ月入院から、退院後の1カ月入院しなかった場合の算定が取れること。こんな医療制度は、全く根拠も利便性もありません。
・同一施設訪問の診療報酬の大幅減点。対応として、個別訪問を強化したこと。きついが、深夜呼び出しが減った。
・特定使用成績調査の報酬で経営が安定した。
・健保審査(国保、社保)が機械的に調べるため、どんどん査定が増えている。
・院内処方のため、消費税増税の影響で消費税増税分の収入が減少した。
・産婦人科の診療報酬改定で、帝王切開の点数が大幅に削られたこと。「麻酔科も小児科も不要」という意味なのだろう。
・国民健康保険のレセプトで、一方的な解釈でリハビリテーション料の算定が減点されたこと。高齢者だから、リハビリテーションができるわけがないと言われたのは、理解できない。


【診療の悩み、トラブル】
・経済的理由で受診が遅れ、糖尿病性ケトアシドーシス+敗血症の患者が約1週間で亡くなった。
・クレーマーに初めて遭遇。理解不能な言動に振り回された。
・マスコミの流す情報を鵜呑みにして行動する困った患者が増えた。
・「発熱=悪いもの、必ず解熱剤を使用しなくてはならない」と勘違いしている親がいまだにいる。何回説明しても、咳などの随伴症状よりも熱ばかり気にしている人が多い。
・当直中に、整形外科で術後患者が心停止してcallされたこと。何とか蘇生できたが、急性期病院搬送も数日で死亡された。もともと頭蓋内病変があったと推測され、出血→脳ヘルニアを起こしたと推測された。
・在宅患者の死亡で周辺家族の不満、訴えられそうになった。
・外来患者のなかで、近藤誠氏の主張を鵜呑みにされた人が2人いた。初めて「医者をやめたい」と思った瞬間だった。
・私が起こした医療ミスで被害者との和解が進み、円満に解決されたこと。
・公衆衛生学的なアプローチの健診に対して、受診者は「個」の医療として捉えているため、そのギャップに悩んでいる。
・医療機関以外でのカラーコンタクトレンズ購入が蔓延した。


【患者の高齢化】
・長期通院患者の死亡が多数であった。理由は高齢化。
・通院高齢者の転倒骨折事故が多く、また認知症の方もいて、これから高齢化社会を迎えるにあたり考えさせられた。
・独居老人が増え、家族は遠くにいることで、家族は病状など病院任せ、ヘルパー任せになっている。
・心療内科的にのんびり平和に診療できたこと。超高齢化社会を改めて感じた。80-90歳の患者さんが元気に来院する。
・患者の年齢を理由に、胸部大動脈瘤の手術を断られた。地域によって、できる医療に差のあることを実感した。


【政策】
・地球が平和になった(笑)のか、病院の充床率が上がらない。近隣の精神科に共通する問題のようで、職員の給与に影響が出ている。
・一番は小児ワクチン(水痘、肺炎球菌など)の無料化だが、まだまだ不十分。
・今年秋から高齢者に肺炎球菌ワクチンが公費補助となったこと。一般の関心がかなり高まった。
・地域包括ケアシステムの推進について理想と現実との乖離がみられ、机上の空論で終わるのではないかと危惧された。
・病床機能届出制度により病棟再編を余儀なくされ、入院患者が複数の病棟に分散され働きにくくなった。
・過剰なジェネリックの普及。
・厚生労働省は医療費削減を提示。クリニックは黒字経営を目指す。さて、この矛盾をどうクリアしていくのか。混合診療も一つのキーワードか。
・地域包括ケアシステム実施前の地域ケア会議準備活動に参加したこと。



http://www.ken-san.com/article/view/1485
兵庫県、県立柏原病院と柏原赤十字病院統合再編 丹波市氷上工業団地に新病院建設
2015/01/14 日刊建産速報社

 兵庫県は、県立柏原病院と柏原赤十字病院統合の再編基本計画(案)を発表した。パブリックコメントを2月2日まで募集する。丹波市氷上町石生の氷上工業団地に、RC造6階建の統合再編新病院を建設、基本設計・実施設計を15年度中に行い、16~18年度中頃に建築工事を実施し、18年度中期以降の開院・開設を目指す。
 これまで、県立柏原病院は丹波圏域の中核病院として急性期を中心とした医療、柏原赤十字病院は予防医療や回復期等を中心とした医療を提供してきた。しかし両病院とも施設の老朽化・狭隘化が進んでいることから早期の建替整備が必要となっている。また高齢者人口の増加、医師不足等の影響による入院・救急機能が低下しており、これらを踏まえ、今後の高齢化の進展や医療制度改革等に対応し、丹波圏域において安定的・継続的に良質な医療を提供するため、両病院を統合再編する。
 再編にあたり基本方針では、①急性期から回復期までの幅広い医療の提供②ハイブリッド施設群による地域包括ケアの実現③救急拠点施設としての医療の提供④地域医療にかかる人材の育成⑤安定した経営基盤の確立を定め、これらを基に主な導入機能は救急医療、がん医療、脳疾患、心疾患、糖尿病、小児医療、周産期医療、感染症への対応、血液浄化療法、地域医療支援、へき地医療等を盛り込む。関連施設として休日夜間応急診療センター(仮称)、総合診療センター(仮称)、福祉センター(仮称)、保健センター(仮称)の整備を併せて検討している。
 統合再編新病院の整備概要は、丹波市氷上町石生(氷上工業団地)の約5万1540㎡に、RC造6階建の新病院を建設する。1階は救急・放射線、内視鏡・外来・医事―など、2階はリハビリ、検査、管理、3階は手術・中材・ME、病棟(ICU等含む)、透析、4~6階は病棟、塔屋には機械室を配し、屋上にヘリポートを設置する。病床規模は290~330床程度とし、内訳は一般・急性期病床は190~210床程度、一般・回復期病床100~120床程度、感染症4床程度としている。
 今後のスケジュールは基本設計・実施設計を15年度中に行い、16~18年度中頃において建築工事を実施し、18年度中期以降の開院・開設を目指す。概算事業費は予算編成の中で決定する。



http://www.m3.com/iryoIshin/article/285824/
医療維新
安倍政権の医療制度改革
横倉日医会長「残念」、介護マイナス改定
次期診療報酬改定、アベノミクスへの期待も

2015年1月15日(木) 池田宏之(m3.com編集部)

 日本医師会の横倉義武会長は1月14日に会見を開き、今年に入って厚労省が示した医療保険制度改革案と2015年度の厚生労働省の予算についての見解を示した(『「紹介なし大病院の受診」、法で抑制』、『厚労省予算3%増の29兆9000億円、2015年度』を参照)。介護報酬の2.27%のマイナス改定や入院時食事療養費の患者負担の引き上げなどについては「残念」としたが、消費増税先送りによる財源確保の難しさに一定の理解を示した。次期診療報酬改定に向けては、本来改定が、物価や賃金の上昇を考慮する前提である点に言及し、アベノミクスの診療報酬改定への好影響に期待を示す場面もあった。

基金増額なしも、若い世代に配慮

 2015年度の厚労省予算について、横倉氏は最初に介護報酬のマイナス改定に言及。日医として、介護需要の増大を見据えて専門性を高めたり、処遇を改善するために、安定した経営基盤の重要性を訴えてきた点を強調した上で、「マイナス改定となったのは残念」とした。認知症患者が700万人まで増加する点が指摘されていることから、介護保険制度における問題点について、今後も国に配慮を求めていく方針を示した。

 介護報酬マイナス改定による、次期の診療報酬改定への影響については、横倉氏は「財源的に厳しい」との認識を示した。その上で、診療報酬の改定について、必要な財源を主張していくことに加えて、「物価や賃金上昇を加味して改定するのが原則で、それを維持しないといけない」と指摘し、アベノミクスによる物価上昇などが、診療報酬改定のプラス材料となることに期待を寄せた。

 2014年度と同額の904億円が確保され地域医療介護総合確保推進法に基づく新基金については、消費増税の先送りや、一般財源の抑制がかかる中で、全額消費税財源に基づく基金となった点に触れ、「来年度以降も、安定的かつ確実に(医療提供体制改革を)推進する財源になり、基金の活用事業が継続すれば、社会保障充実が図られることになった」と評価した。介護保険における724億円の基金も含めて、全国で地域包括ケアシステムの構築に期待を寄せた。日医は、本来増額を求めてきた経緯がある点については、国や地方自治体の長期債務に言及し、「若い世代に(負担を)先送りしてはいけない」と指摘し、増額に至らなかったことに理解を示した。


「歴史的背景の理解なく残念」

 医療保険制度改革案については、「各論では歴史的背景が理解されずに残念なところがあるが、国と地方の長期債務残高が100兆円を超え、労働力人口が減る中で、社会保障制度が持続可能となるように改革を進める必要がある」と言及。横倉会長は、紹介なしで大病院を受診する際の自己負担増加については「勤務医の疲弊回避の観点から重要と主張してきた」、国保への財政支援の拡充については「市町村は大変な思いをしている」として、賛同する意向を示した。

 ただ、入院食事療養費の患者負担が、260円から段階的に460円に引き上げる方針については、低所得者対策への評価はしたものの、「入院時の食事は治療の一環」とする、従来の主張を根拠に、介護保険施設と病院において、負担の公平性担保の観点から、食事について同じ考え方になった点については「残念な思いがある」と話した。

「四段階税制」の存続強調

 日医の今村定臣常任理事は、 昨年末に自民・公明両党がまとめた「2015年度税制改正大綱」について会見。社会保険診療報酬の事業税が非課税にとどまった点や、医療における控除対象外消費税について、「見える化」と踏み込んだ表現になった点を、改めて紹介(『消費税負担「見える化」へ、2015年度税制改正』を参照)。また、小規模な医療機関向けに、所得税・法人税の特例措置として、計算を簡易化のために実施されている「四段階税制」の存続が認められた点にも言及した。ただ、四段階税制は、控除対象外消費税の問題解決に向けた議論の際に、見直しを求められる可能性がある。



http://www.m3.com/iryoIshin/article/285822/
医療維新
混迷する”医療事故調”の行方
事故調査、「個人の責任を追及せず」
厚労省通知で明記へ、過誤の判断も求めず

2015年1月14日(水) 橋本佳子(m3.com編集長)

 厚生労働省の「医療事故調査制度の施行に係る検討会」(座長:山本和彦・一橋大学大学院法学研究科教授)の第4回会議が1月14日に開催され、第三者機関である医療事故調査・支援センターに報告する「医療事故の定義」と、「医療機関が行う調査」という二つの論点について議論、一部を除いておおむね了承が得られた(資料は、厚労省のホームページに掲載)。

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厚生労働大臣政務官の橋本岳氏が、2時間強にわたった会議の最初から最後まで出席。
 厚労省は、報告対象となる医療事故の定義について、「医療に起因する、または起因すると疑われる死亡・死産」かつ「管理者が予期しなかったもの」が報告の対象となると整理、その際、「過誤の有無は問わない」とした。さらに、医療事故調査制度は、「個人の責任追及のためのものではない」と通知に記載するとし、調査の目的はあくまで原因究明であるとするなど、医療者の責任追及の仕組みとは切り離した制度設計を目指していることが伺える。

 医療事故の定義のうち、「医療」には、手術、処置、投薬、およびこれらに準じる医療行為が含まれ、施設管理などの「医療」に含まれない単なる「管理」に起因するものは報告の対象外とした。

 「管理者が予期しなかったもの」は、(1)患者等に対し、医療の提供前に、死亡または死産が予期されることを説明、(2)医療の提供前に、死亡または死産が予期されることをカルテ等に記載、(3)管理者が、当該医療者への聴取等で、提供前に死亡または死産が予期されていると認めた――という3項目の「いずれにも該当しないもの」とする案を厚労省は提示した。(3)は、救急などで事前に説明や掲載が難しい場合を想定したもの。

 死産の定義についても論点になっており、参考人として出席した、日本産婦人科医会副会長の岡井崇氏は、同医会と日本産科婦人科学会は、「妊娠中または分娩中の手術、処置、投薬およびそれに準じる医療行為により発生した死産」とし、「自然経過での死産は含まない」ことを要望していると説明。経過観察などで胎児の状況を把握するのは難しいとし、「報告対象は、何らかの行為をした結果の死産に限るべき」との考えだ。

 これらの医療事故の定義で意見が分かれたのが、「医療に起因する、または起因すると疑われる死亡・死産」における、自殺、転倒・転落など「管理」の扱い。最初から除外すべきという意見と、管理者がその都度、判断すべきという意見に分かれた。

 日本精神科病院協会常務理事の高宮真樹氏は、「自殺は、患者の精神症状に起因し、提供した医療に起因することはほとんどない」と述べ、自殺の防止は、医療そのものの取り組みとして対応していくべきものであり、今回の制度の対象にはならないとした。日本医師会副会長の松原謙二氏も、「自殺には、万が一、他殺が入ることもあり、警察の判断を仰ぐのが筋だろう。不慮の外因死などにも、他殺が混ざらないようにすることが大事。外表を見て、医療に起因するとは思えない事例は届け出る。これが(異状死体の届け出を定める)医師法21条の本質」と指摘、自殺等は医療事故調査・支援センターの報告対象から除外すべきとした。

 これに対し、南山大学大学院法務研究科教授・弁護士の加藤良夫氏は、「入院中の患者の安全は、非常に大事。ベースに病的な要因があるとしても、状況から、『防ぐ手段はなかったのか』などを管理者として考えたい場面もあるだろう。自殺を全て外すのではなく、管理者がその都度、判断すべき内容に入れておくべきだろう」と、自殺も含めるべきとした。

 もう一つの論点、医療機関が行う院内調査について、厚労省は、「個人の責任を追及するためのものではない」と通知に明記すると提案。院内調査に関する省令・通知には、(1)原因究明のために行うが、調査の結果、必ずしも原因が明らかになるとは限らない、(2)再発防止は可能な限り検討することが望ましいが、必ずしも再発防止策が得られるとは限らない、(3)調査項目は、カルテ、画像、検査結果、当該医療従事者からのヒアリング、解剖・Ai、血液・尿の検体などの中から、「必要な範囲」で選択、(4)医療事故調査・支援センターには、調査の結果として、医療機関名や管理者などの基本情報のほか、事故が発生した日時や場所、事故調査の項目・手法・結果などを報告、(5)遺族への説明は、口頭または書面で行う――などを記載するとした。

 院内調査の報告書などに、再発防止策を記載すると、「○○すべきだった」などの表現が、医療者の過失として受け取られる懸念が医療者の間にはある。松原氏は、不確定や類推に基づく内容は、かえって間違った情報になり得るとし、「エビデンスがはっきりしているもの、あるいは実際に実施した再発防止策を書くべき」などと述べ、再発防止策が得られない場合もあり得るとする厚労省案を支持した。

 浜松医科大学医学部教授の大礒義一郎氏も、「報告書に個別の再発防止を記載すると、患者側が損害賠償請求する際に、添付して悪用する例があり得る。再発防止を検討することはやぶさかではないが、それを報告書に記載するのは、紛争化を招くため、不適切だと思う」と指摘した。

 また、(5)について、弁護士の宮沢潤氏は、「遺族が口頭で聞いただけで、そのまま理解できるとは思えない。(事故調査の)報告書を基に、説明するのが適切だろう」と述べ、全て書面で渡すことに意義があるとした。

 これに反論したのが、昭和大学病院長の有賀徹氏。同病院の場合、報告書としてまとめる場合もあれば、医療の一環として説明し、その内容をカルテに記載することで対応する場合もあるなど、対応の仕方は多様であるとし、「全て書面で渡す」ことを求めると現場は混乱するとし、口頭と書面の両方の説明方法を併記すべきと主張した。

 次回の2月5日の第5回会議では、第4回会議で意見が分かれた点や、医療事故調査・支援センターの調査の在り方などについて議論する予定。

 第4回会議では、大阪大学医学部付属病院中央クオリティマネジメント部部長の中島和江氏も出席、「医療安全の向上を目的とした科学的視点にもとづくシステム再設計の必要性」と題して、プレゼンテーションした。厚生労働大臣政務官の橋本岳氏も会議に出席していたことから、医療事故情報収集等事業をはじめ、これまでさまざまな事業が実施されてきたものの、類似薬の取り違えミスなどの事故が繰り返し生じている現状を踏まえ、「国はアウトカムを出すことが必要」と述べ、実効性を伴う制度構築の必要性を訴えた。同時に、医療事故調査には、人と費用がかかることから、その手当も求めた。

 中島氏は、プレゼンの中で、「なぜ事故はなくならないか」と問いかけ、「事故には必ず原因がある」という従来の考え方、さらには失敗事例から学ぶ取り組みに限界があると指摘した。「医療は複雑系であり、リニアモデルでは制御できない。今のシステムの限界を踏まえ、対応していくことが必要。失敗と成功の道筋は同じであり、同じことをやっていても、時に失敗する。システムが安定的に、柔軟に運営できるようにしていくことが必要」と中島氏は持論を展開した(『WHOのGL準拠の “事故調”を - 中島和江・阪大病院中央クオリティマネジメント部部長に聞く』を参照)。

 さらに中島氏は、事故調査が現場への負担が大きいことも強調。阪大病院におけるインシデントやアクシデントなどのレポートは、年間約4万2000件あるものの、個別の事例で調査委員会を立ち上げるのは、年1件程度だという。それ以外は、各診療科や中央クオリティマネジメント部などによるピアレビューなどで対応しているからだ。「調査委員会を立ち上げる場合、報告書作成までの期間は、院内調査では約2.5カ月、外部委員を入れる場合は約5カ月かかる。モデル事業(診療行為に関連した死亡に関する調査・分析モデル事業)はこれまで3件経験しているが、約16カ月かかった。それくらいマンパワーを要する。報告書を書く際には、胃に穴が空くようなストレスを感じる」。中島氏はこう述べ、事故調査は年0.5件、つまり2年に1件程度にとどめないと、日常診療や通常の医療安全への取り組みに支障が生じかねないとした。

 「患者の転倒・転落」は報告対象か

 医療事故調査・支援センターに対し、医療機関が報告する「医療事故の定義」については、自殺のほか、転倒・転落など「管理」に起因する事故も含まれるか否かも議論になった。

 大礒氏は、特定機能病院などを対象とした、医療事故等報告制度のスタート時の2004年9月の厚労省通知では、「医療」と「管理」は分けて記載されており、自殺や転倒・転落などが「管理」に含まれていることから、報告対象から除外されるべきとした。

 一方、「患者の視点で医療安全を考える連絡協議会代表」の永井裕之氏は、自殺や転倒・転落などを含めないとの意見に対し、「大変驚いている」との見解を示した。転倒・転落などは看護上の問題にもなり得るとし、看護に起因するものも含めるべきとの主張だ。

 日本看護協会常任理事の福井トシ子氏の代理として出席した、同協会常任理事の松月みどり氏も、看護師の仕事は、「療養上の世話」と「医師の診療の補助」に分けられるが、その線引きは難しいとの趣旨の発言をし、「医療はチームで行われているため、療養上の世話の『療養』という言葉を入れてもらわないと国民に理解してもらえないのではないか」とした。

 弁護士で、医師資格も持つ、鈴木雄介氏は、自由に動ける患者の転倒例と異なり、回復期にある患者の転倒例や、嚥下訓練を受けている患者の誤嚥例には、医療的な判断がかかわる部分があるとし、「どんなものが医療に起因すると言えるのかを仕分けして、明示していくことが重要ではないか」との考えを示した。

 さらに省令や通知に、「医療事故の定義」をどこまで具体的に記載するかについても議論になった。弁護士の田邉昇氏は、「専門家である医療機関の管理者が、専門的な見地から、医療に起因するか否かなどを判断すべきであり、あまり類型化して通知に書くのは問題ではないか。またあまりに広範に報告する形になると、受け付ける側の負担も大きく、裁量的な記載にとどめるのがいいのではないか」と、定義を詳細に記載せず、管理者の専門的な判断に委ねて運用すべきとした。

 それに対し、松原氏は、「法律家の立場からは、そうなるかもしれないが、実際に医療機関が判断する際には、何らかの指標が必要。外因死の場合には、検案書を描く。異状が認められる場合には、医師法21条に従って、届け出る。自殺については対象にしないなどの形で明示しないと大変なことになる」と、ある程度、具体的に記載する必要性を指摘した。

 予期の有無、医療者の姿勢問われる

 医療事故の定義のうち、「患者等に対し、医療の提供前に、死亡または死産が予期されることを説明する」など、「管理者が予期しなかったもの」に関する3つの除外規定には異論がなかったが、その運用に当たっては、医療者の姿勢が問われるとの指摘も出た。医療事故調査・支援センターへの報告対象から除外されることを目的に、医療者側が防衛的に「予期していた」と説明する事態も想定し得るからだ。

 松原氏は、3つの除外規定は、省令として明記すべきとし、「一般的な話ではなく、個々の患者についての説明が大事」と指摘、その旨は通知に記載することを求めた。

 日本医師会常任理事の今村定臣氏は、「医療の本質は、医療を提供する側と受ける側の信頼関係。これをなくしては、医療はあり得ない」と述べ、「管理者が予期しなかったもの」の解釈は、「医療者が真摯に運用していかなければいけない」とした。

 有賀氏は、事前の説明に当たっては、患者の理解も必要であるとし、今回の医療事故調査制度創設の機会に、説明の受け手である患者も、医療のリスクの考え方などについて学ぶことが求められるとした。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/44681.html
【中医協】北里大東病院がDPC退出へ- 慢性期医療提供のため
2015年01月14日 16時00分キャリアブレイン

 厚生労働省は14日、北里大東病院(神奈川県相模原市)が今年4月1日付でDPC制度から退出することを明らかにした。退出理由は、地域での役割が変化し、主として慢性期医療を提供する病院になるため。【大戸豊】

 中央社会保険医療協議会(中医協)が14日に開いた総会で、同省が報告した。中医協総会の委任を受けた「DPC退出等審査会」が昨年11月と12月に、退出の可否について審査を行い、認められた。

 DPC制度からの退出は「特別の理由」がある場合、審査会が認めれば、診療報酬改定を待たずに退出できる。同省では例として、「医師の予期せぬ退職等により、急性期入院医療を提供することが困難となった場合」「当該病院の地域での役割が変化し、慢性期医療を提供する病院となった場合」などを挙げている。



http://mainichi.jp/area/nara/news/m20150114ddlk29040419000c.html
損賠訴訟:病院側110万円支払い命令 手術後しびれ 「リスク説明怠る」−−地裁判決 /奈良
毎日新聞 2015年01月14日 地方版

 股関節の手術後に下半身にしびれなどが残ったとして患者の女性(77)が医療法人康仁会(奈良市)に約4770万の損害賠償を求めた訴訟で、奈良地裁(牧賢二裁判長)は13日、医師が手術前にリスクについて説明を怠った過失を認め、同会に慰謝料など110万円を支払うよう命じた。

 判決によると、女性は2008年、同会が運営する「西の京病院」(奈良市)で右股関節を人工関節に置き換える手術を受けたが、直後から右下半身に痛みやしびれが残った。

 牧裁判長は、症状は座骨神経のまひで手術による合併症と認めたが、「医師の手技ミスは認められない」とした。一方で手術時の説明について「合併症として神経まひが起きた場合の予測に関する説明はしなかった」と過失を認定。女性は「神経まひの可能性も踏まえ、手術を受けるか決定する機会を失った」とした。

 康仁会は「判決文を見ていないのでコメントできない」とした。【芝村侑美】



http://medical.nikkeibp.co.jp/inc/mem/pub/series/yamanaka/201501/540234.html
連載: 山中克郎の「八ヶ岳から吹く風」
僕が大学教授を辞めた本当の理由

山中克郎
2015/1/15 日経メディカル

 朝4時にけたたましく目覚ましが鳴る。一大決心をして布団から上半身だけ抜け出し、手を伸ばしてガス温風ヒーターのスイッチを付ける。そしてヤドカリのように、ぬくぬくとした布団の中にもう一度潜り込みしばらくじっとしている。外はマイナス10℃、アパートの室温は5℃。しばらくすると室温が少し上昇し起き上がる気力が湧いてくる。再び目覚ましアラーム音が部屋に響き渡る。

 ユニクロの極暖ヒートテックは優れものだ。フリース部屋着の下に長袖上下のヒートテックを身に付ける。さらに5本の指が出る手袋とネックウォーマーで身を固め、コーヒーを入れる。コーヒーには誰しもこだわりがあるようだ。職場で一緒に働く後期研修医の森永康平氏の勧めで電動コーヒーミルを購入した。コーヒー通の森永氏の解釈では、コーヒーを飲む直前に挽く方が断然風味が良いらしい。妻はコーヒーの粉は山のように盛り上げたまま、最初に15秒くらい蒸らすのが良いという。そんな2人の横顔を思い出しつつ、細かい泡をつくりながら静かに湯を注ぐ。

 コーヒーを飲みながら前日の診療で疑問に思ったことを調べる。そしてNEJM(the New England Journal of Medicine)誌を読むのが日課だ。診断学に興味があるので、症例検討(case record)やclinical problem-solving、総説(review article)を中心に読んでいる。朝方の私にとっては、出勤前のこの時間が最も集中できるひとときだ。

 平成26年11月末日に8年間勤務した名古屋近郊の藤田保健衛生大学病院を辞めて、12月1日から八ヶ岳の麓にある諏訪中央病院で働き始めた。大学病院は1500床を有する大病院であったが、この病院は療養病床を含めて360床である。もちろん全ての科の専門医はいない。「全科の医師が力を合わせて、できるだけ多くの患者さんのニーズに応える」――そんなスタイルである。

 私は臨床の現場が好きだ。55歳という年齢を考えると、第一線でバリバリと活躍できるのは、あと10年間かもしれない。病棟総合診療、救急医療、外来診療という3つの分野は、この15年間に勤務した国立病院と大学病院で行ってきたが、もう一つの大切な総合診療領域である「地域医療」だけはまだ経験していなかった。地域医療の充実に、医師として残りの人生をかけ取り組みたいと思った。急速な高齢化、医師不足のために「地域医療」や「地域での医学教育」は日本の重要な課題となっている。患者さんや家族の苦しみに近い距離から寄り添い、臨床能力の向上を目指し医学を学び続けていきたいとも思う。

 そして、死ぬ最後の瞬間まで臨床医でいたい。

 2008年夏に諏訪湖湖畔で開催されたIDATEN(日本感染症教育研究会)セミナーに参加した。その時の幹事病院が諏訪中央病院だった。会場に着くと受付の女性にちょっと待つよう言われた。しばらくすると、内科指導医の佐藤泰吾氏(現、諏訪中央病院総合診療部部長)がドシドシと階段を降りて現れた。その時が諏訪中央病院の皆さんとの交流の始まりだった。

 翌年の初夏、教育回診で諏訪中央病院を初めて訪れた時には驚いた。病院の階段ですれ違う事務の方が皆「こんにちは」と挨拶してくれたのだ。もちろん私のことは誰も知らない。知らない人に挨拶するなんて……。都会ではすっかり忘れていたことであった。若手医師が生き生きと楽しそうに働いているのがよい。ベッドサイドで患者さんと語り合い、詳細な病歴と基本的身体所見を重視した診断、患者さんの幸せを第一に考えた治療をしている。

 病室はプライバシーが保たれ、日の光がさんさんと降り注ぐように窓が工夫されている。3階の屋上庭園に足を運べば、花壇に植えられた可憐な花、遠くに緑豊かな山、山の間を吹き流れる気持ちよい風を感じることができる。病院の中庭にはボランティアの皆さんが手入れを続けるハーブガーデンがあり、疲れた心と体を癒してくれる。

 詩人・草野心平の言葉を借りれば、「強いヒュウマニティがあふれ、フルーツのような、ハアプのような音楽を奏でて愛しい」病院である。

 教育回診の楽しみは1年次の男性研修医と一緒に近くにある温泉「もみの湯」に行くことだった。研修医達は院内PHSを上級医に預け、昼から夕方まで私と一緒に温泉にゆったりとつかる。そして入浴後はスポーツマッサージ師であるモミケンさんの洗礼を受けるのだ。このマッサージはまさに至極のひとときである。あまりにも気持ちよくなって、全身が軟体動物になり立ち上がることすらできなくなる。

 最近になって家庭医志向の医師がたくさん増えている。総合診療医とは地域のニーズや患者さんからの要望に応じて、どのようにも自分を変えることができる医師である。急性期疾患を治すだけでなく、失われた機能を抱えながら家庭で患者さんをケアすることが、これからは必要だ。そして諏訪中央病院で臨床に対する素晴らしい姿勢を学び育った若者が今、全国で大花を咲かせようとしている。

 私は8年ごとに働く場所を変えてきた。名古屋医療センター(国立名古屋病院)、藤田保健衛生大学、そして医師としての総仕上げを信州で行いたいと考えている。都会にはない患者さんや家族に対するより密着した優しい医療、病気を治すだけではなく老後を支える医療、病気の予防――これらをこの地で追求したい。

 冬は6時30分頃になると、八ヶ岳の稜線が明るくなりだす。次第に上空の雲がピンク色に染まり、やがて西の対面にある山々に陽が当たり、山全体が輝き始める。都会では味わえない贅沢な大自然の景色だ。名古屋では市バスを3つ乗り継ぎ片道1時間30分かけて8年間通勤していた。ここでは歩いて5分の所に病院があるので、自然の豊かさを愛でつつ、人混みに疲弊することなく出勤できる。とはいえ、冬は氷点下10℃に冷え込み道路が凍っているので歩くときは要注意。既に2回も、凍った路面に気が付かずに足を滑らして激しく転倒してしまった。

 さあ今日も新しい患者さんとの出会いが始まる。

著者プロフィール

著者プロフィール山中克郎(諏訪中央病院院長補佐)●やまなか かつお氏。1985年名古屋大卒。米カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)一般内科、名古屋医療センター総合診療科、藤田保健衛生大学救急総合内科などを経て、2014年12月から現職。



http://www.tokyo-np.co.jp/article/gunma/20150114/CK2015011402000169.html?ref=rank
【群馬】
群大病院への補助凍結 手術患者の死亡問題で

2015年1月14日 東京新聞 群馬

 群馬大医学部付属病院(前橋市昭和町)で肝臓手術を受けた患者が相次いで死亡した問題を受け、厚生労働省が同病院を高度な医療を進める「臨床研究中核病院」に選定し、医療機器の購入費などを対象に出している補助金について、二〇一四年度分の約四億円は支給手続きを凍結していることが分かった。 (菅原洋)
 厚労省によると、この補助金は国際水準にあり、難病などに対応できる病院を整備するため、一二、一三両年度に国立大の付属病院を中心に全国の計十病院を選定し、総額約七十億円を支給した。この事業では研究費も支給している。
 群大は一三年度に選定され、既に会議費、人件費、研究費なども含めて計約五億八千万円を受給した。群大は支給期間の五年間で計約二十億円の受給を見込んでいる。
 厚労省は多額の補助金を支給することから、一三年度分の選定では有識者による会議が公募に応じた四十五の病院などを審査。厚労省は補助金を支給するに当たっても、高い倫理性や信頼性、安全性を求めている。
 このため、厚労省は群大で肝臓手術の問題が発覚したことを受け、補助金は直接この手術には使われていないものの、通常は支給年度の十二月までには進める手続きを凍結している。
 ただ、研究費分の約七千万円については、この問題とは関係がない医療研究で既に治療中の患者がいるため、通常の手続きを進めている。
 厚労省は群大が昨年末に公表したこの問題の中間報告だけでは支給の可否を判断するには不十分としており、最終報告や関係者への処分を見極める意向だ。群大に対しては今後の支給期間中、単年度ごとに支給するべきかを精査するとみられる。
 群大は補助金を受給できるようにすることも含め「現在は三月までに最終報告を出すように努力している」と話している。
 群大の医学部付属病院をめぐっては、男性医師が多くを執刀したとみられる腹腔(ふくくう)鏡や開腹の肝臓手術後に、過去約五年間に計十八人が死亡。厚労省と前橋市は十三日、群大に医療法に基づいて立ち入り検査した。
 同病院を訪れた伊勢崎市の女性(61)は「県内では一番の病院と思い、遠くから毎月通っている。親類が肝臓ではないが、手術を受けたこともあり、原因をはっきりしてもらわないと心配」と顔を曇らせていた。



http://www.m3.com/iryoIshin/article/285767/
医療維新
中央社会保険医療協議会
診療報酬改定結果の特別調査、2015年度も7項目
「地域包括診療料」など新設項目の影響を調査

2015年1月14日(水) 高橋直純(m3.com編集部)

 中央社会保険医療協議会総会(会長:森田朗・国立社会保障・人口問題研究所所長)が1月14日に開催され、2015年度に行う2014年度診療報酬改定の結果検証に係る特別調査の内容が決まった。2014年5月の同総会で決まった12項目の特別調査のうち、15年度分とされた6項目と、2年度連続で行う後発医薬品に関する調査の計7項目。(資料は、厚生労働省のホームページに掲載)。

 2014年度改定では、外来の機能分化を進めるため、主治医機能を評価する「地域包括診療料」や「地域包括診療加算」が新設されたほか、紹介率・逆紹介率が低い大病院の処方料の引き下げが進められた(『主治医機能、月1万5000円で評価』、『500床以上の長期処方制限、例外は7分類』などを参照)。また、在宅医療の推進に向け、急性増悪時の対応のために「在宅療養後方支援病院」なども新設(『在宅医療、実績重視の方針打ち出す』を参照)。2015年度の特別調査では、これらの新機軸を中心に調査を行う。

 4月から調査機関の選定を始め、6月から調査を開始、今秋以降に結果の取りまとめを行うスケジュールを予定している。

 なお、2014年度に実施した6項目の特別調査のうち、「同一建物同一日の訪問診療等の適正化による影響調査」については、昨年末に速報案が公表されている(『病医院の4割、訪問診療の収入が減少』を参照)。

【診療報酬改定の結果検証に係る特別調査の項目(2015年度実施分】
(1)主治医機能の評価の新設や紹介率・逆紹介率の低い大病院における処方料等の適正化による影響を含む外来医療の機能分化・連携の実施状況調査
(2)在宅療養後方支援病院の新設や機能強化型在宅療養支援診療所等の評価の見直しによる影響、在宅における薬剤や衛生材料等の供給体制の推進等を含む在宅医療の実施状況調査
(3)訪問歯科診療の評価及び実態等に関する調査
(4)廃用症候群に対するリハビリテーションの適正化、リハビリテーションの推進等による影響や維持期リハビリテーションの介護保険への移行の状況を含むリハビリテーションの実施状況調査
(5)胃瘻の造設等の実施状況調査
(6)明細書の無料発行の実施状況調査
(7)後発医薬品の使用促進策の影響及び実施状況調査

2015年度に行う2014年度診療報酬改定の結果検証に係る特別調査の内容が決まった。



http://mainichi.jp/area/chiba/news/20150114ddlk12040265000c.html
国保小見川総合病院:病床規模は100床に 建て替え計画案 /千葉
毎日新聞 2015年01月14日 地方版

 老朽化が問題となっている国保小見川総合病院(150床、香取市南原地新田)の建て替え基本計画などを策定する病院建て替え整備検討委員会は、病床規模を100床とする基本構想・計画案をまとめた。

 病床規模を巡っては、住民側が現在に近い規模を求め、2度にわたって結論が持ち越しになっていた。同案では、常勤医師のいない小児科や休止中の産婦人科についても名目上は残し、医師が確保でき次第、復活を目指すとしている。

 同案は、病院を運営する香取市東庄町病院組合組合長の宇井成一市長に答申され、パブリックコメントを経て年度内に正式決定される。新病院は2019年度開院予定。【渡辺暢】


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