Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

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1月5日 

http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtpronews/1501/1501003.html
子供の医薬品誤飲事故,剤形・薬効別ランキング
消費者安全調査委員会

[2015年1月5日]  MT Pro / Medical Tribune

 日本における子供本人による誤飲事故の原因としてたばこに次いで多いのが医薬品だ。特に医薬品の誤飲事故は近年増加していることから,政府の諮問機関である消費者安全調査委員会はその実態に関する報告書を昨年(2014年)12月に発表。子供の誤飲事故の原因となった医薬品の剤型・薬効別のランキングなどを示している。

医薬品誤飲の過半数は医療用医薬品

 中毒情報センターの集計によると,医薬品の誤飲事故の報告は2006年以降増加しており,一般用医薬品に比べ医療用医薬品の誤飲が増加している。2012年1~12月における5歳以下の子供の医薬品誤飲事故の報告件数は8,388件。有症状の報告は869件で,子供本人による誤飲は764件(87.9%)と過半数を占める。子供による誤飲の発生場所は96.5%に上る他,18~19時に誤飲事故が多発。年齢別では1~2歳が549件(71.9%)と最多だった。

 子供本人による医薬品誤飲のうち,医療用医薬品が64.6%,一般用は29.4%,動物用医薬品の誤飲に関する報告もあった。

大人用の錠剤の誤飲が最多

 子供による誤飲事故の原因薬を剤形別に分析したところ,主に大人に処方される錠剤が50.7%と最多。次いで塗り薬(22.5%),水薬(10.1%)が多かった(図1)。
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薬効別では向精神薬が最多

 医薬品の薬効別分析では,医療用医薬品については子供への処方が一般的ではない向精神薬がトップ。一般用医薬品では鎮痛・鎮痒・収斂・消炎薬が最も多かった(図2)。
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 医療機関への追跡調査においても,誤飲した医薬品のうち,精神神経用薬,催眠鎮静薬・抗不安薬,抗ヒスタミン薬が上位だった。また,受診時の症状としては眠気・傾眠,嘔吐,ふらつき,坐位不能あるいは起立不能が上位を占めた。向精神薬の誤飲が多い理由についての分析は示されていないが,代表的な事故の事例では子供と一緒に昼寝をしようと寝室に精神安定剤3~4錠を初めて持ち込み,1錠服用したところで残りの薬をサイドテーブルに置いたまま子供より先に就寝。子供がその医薬品を手に取り誤飲した経過が記されている。

気管支拡張薬,降圧薬,血糖降下薬の誤飲で重い中毒症状も

 誤飲事故を起こした子供を診察した小児科医への聴き取り調査からは,誤飲により重い中毒症状を呈した医薬品として向精神薬の他,気管支拡張薬,降圧薬,血糖降下薬が挙げられている。

 調査委員会は「誤飲により重い中毒症状を呈するリスクの高い向精神薬,気管支拡張薬,血圧降下薬および血糖降下薬については特に誤飲防止に注意を払う必要がある」と考察している。

大人用医薬品を処方,購入の際の注意喚起は子供用の場合より少ない

 一方,過去1年に6歳以下の子供による医薬品の誤飲事故あるいは誤飲未遂の経験を有する保護者500人へのインターネット調査からは子供の医薬品誤飲に関する注意喚起を受けた経験があると答えた割合は40.5%。これに対し「ない」または「覚えていない,分からない」と答えた割合は59.5%だった。注意喚起を受けた経験があると答えた保護者が注意喚起を受けた場面では「子供の検診時」が最も多かった。しかし,誤飲事故が多い大人用医薬品を処方,購入の際に注意喚起を受けた人の数は子供用医薬品に比べ少なかった(図3)。
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関係省庁による啓発も,誤飲の相談件数は減少せず

 これまでにも厚労省や消費者庁,日本薬剤師会や中毒情報センターなどが子供の医薬品誤飲に関する啓発活動を行っている。しかし,調査委員会は2013年の誤飲相談件数は今回(2012年)の8,388件から8,585件に増加しており子供による医薬品誤飲は依然減少していないと指摘。

 保護者の誤飲事故への認知度が高くないこと,毎年新たに保護者となる人がいることから,調査委員会は厚労省や消費者庁に対し,引き続き注意喚起や啓発を行っていく必要があると提言している。

(坂口 恵)



http://www.m3.com/open/iryoIshin/article/283058/?category=research
学会発表や職場変更が上位、2015年の目標◆Vol.8
「特にない」が半数弱、ばらつき大きく

2015年1月5日 池田宏之(m3.com編集部)

Q.8 2015年の目標
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 Q.8では、2015年の目標について、複数回答可能な方式で聞くと、回答は大きくばらついた(回答者1002人)。10%を超えたのは、「口頭による学会発表」(11.4%)、「海外発行誌への論文掲載」(11.2%)、「職場を変える」(10.1%)となった。医師としての実績づくりへの関心が高いのに加え、「昇給する」も9.6%に上り、勤務環境や職場環境の改善への関心が、相対的に高いことが伺えた。勤務医の回答最多も「昇給する」だった。

 2%を以下の回答で、関心が低かったのは「専門科の変更」「留学」「大学院に進学」など。回答者は40代から50代が中心となっているため、大きな方針転換への関心が低かった可能性がある。 

 実際の回答が最も多かったのは「特にない」で43.3%の会員が選択した。「医師以外の仕事を始める」(1.6%)の自由回答では、「国会議員」「医療統計に関するコンサル」「居酒屋ライター」「ミュージシャン」などの回答があった。

 8.1%が選択した「その他」の主な回答は以下の通り。


【勤務医】
・若手医師を一人前の外科医に育てる
・一般病院における、臨床研究、指導体制の確立
・主宰する教室の発展
・管理職として病院機能を高める
・体力増進
・開業を軌道に乗せる
・医療事故を起こさない
・研究費の取得
・人文科学分野の研究を前進させる
・混合診療について検討する
・趣味に生きる


【開業医】
・診療所経営の安定
・生きる意味を考える
・現在行っている予防医学の重要性を広める
・自分の時間を大切にする
・在宅医療からの撤退
・地域包括ケアへの参加
・患者数と収入を増やす
・患者会の立ち上げ
・現状維持
・フルマラソンで4時間を切る



http://www.m3.com/open/iryoIshin/article/282781/?category=special
福島離れず、産婦人科医として勤務◆Vol.1
過去1年間、2人で年間700分娩

2015年1月5日 司会・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

 2008年8月の無罪判決から6年以上経った今でもなお、多くの医療者の記憶に刻まれている福島県立大野病院事件。m3.comが、医師会員を対象に昨年実施した調査でも、「過去10年間で最も印象に残っているニュース」の1位に選ばれた(『大野病院・割り箸事件、今も医師の記憶に』を参照)。
 帝王切開手術後に妊婦が死亡したこの事件は、業務上過失致死傷罪容疑による医師逮捕に発展し、医療界に大きな衝撃が走った。本事件の検証は、今年10月に創設される医療事故調査制度をはじめ、今後の医療の在り方を考える上でさまざまな示唆を与える。
 事件の被告となった加藤克彦氏は今、国立病院機構福島病院の産婦人科部長として、臨床に従事する。加藤氏と、大野病院事件の弁護団で中心的役割を果たした弁護士、安福謙二氏に、今だから語れるエピソードも交えながら、大野病院事件を検証していただいた(対談は、2014年11月15日に実施。計21回の連載。本文中、敬称略)。

安福 加藤先生、本当に元気そうでよかったですね。

――先生方がお会いになるのは、いつ以来なのですか。

安福 私は大野病院事件を検証したいと考えており、2年ぐらい前にここ(福島県郡山市)に来て、加藤先生に相談したことがあるのです。

 弁護人として持っている刑事記録を外に出すことは、いろいろ問題が生じるため、うかつに外に出せません。公判が始まる前はもちろん、裁判が終わっても、一切に外に出せず、ましてやメディアに語れない。

 刑事訴訟法には、「何人も,被告事件の終結後、訴訟記録を閲覧することができる」と書いてあります。刑事確定訴訟記録法でも原則公開としていますが、「次の場合に限る」とされ、公益目的に限定されています。過去の判例を見ると、この公益の意味が極めて狭く、ほとんどの申請は却下される。ここに刑事事件を検証する難しさがあります。

――医療の場合には、事故調査を実施して検証しますが、裁判の場合には、記録の閲覧ができないならば、検証ができないことになりますか。

安福 その通りです。大野病院事件は、公開法廷だったから、傍聴できたので、少しは検証は可能。しかし、略式罰金で終わる場合には、公開法廷がないから何も分かりません。なぜ略式罰金で終わったのかが、分からないわけです。間違い、冤罪があっても、検証される可能性はほとんどありません。

 例えば、大野病院事件も、実況中継したら、「いかにお粗末なことを検察が言っているか」を世界に流布できたはずです。話が飛んでしまいましたが……。

――では、まず加藤先生の今の仕事についてお伺いできますか。国立病院機構福島病院(福島県須賀川市)に勤務されているとのことです。

加藤 産婦人科部長をしています。

――産婦人科の医師は、何人いるのですか。

加藤 今は4人になりましたが、つい最近までは2人でした。

――年間の分娩数はどのくらいでしょうか。

加藤 700例弱ですね。

――それを2人体制で対応していた。

加藤 大学(福島県立医科大学)から、月10日間、医師に来てもらっていました。ただし、あくまで応援なので、本質的な部分は全部2人にかかってきます。2人体制は1年間だけだったのですが、さすがに大変でしたね。今は、オンコールは月7、8回くらいです。

安福 先生は須賀川に移られて、何年ですか。

加藤 5年が経ちました。

安福 大野の判決が終わって、すぐではないですよね。

加藤 まず(福島県の)会津でリハビリしました。会津中央病院です。1年間いました。

安福 それから、須賀川に来られた。

加藤 はい。

安福 最初のお子さんは?

加藤 小学校3年、8歳です。

安福 確か、逮捕された翌週でしたね、ご長男がお生まれになったのは。先生の逮捕は、予定日までまさに1週間があるかないかの時期。そういう状況で対応されたのだから、本当に大変なことでした。

 私は(2006年の)2月18日、土曜日の夕刊で、先生が逮捕されたことを、とても小さい記事でしたが、読んでいました。すごく気になっていた。と言うのも、その1カ月後の3月18日に、医師法21条と医師の過重労働という二つのテーマで、シンポジウムを企画、その準備をしていたからです。

 この二つのテーマにそっくり当てはまる事件が、まさに起きたわけです。1人医長だった加藤先生が逮捕された。21条も問題視された。「こういうことが、このタイミングで現にあるのか」と、すごく重苦しい思いをしたことを覚えています。

 そうしたら翌月曜日、2月20日の朝に知り合いから、「あの事件、知っている?福島の」「お前、やれよ」と電話がかかってきた。最初は本音で焦った。しかし、気付いた時には、あっという間に、事件の渦中にいました。でも、一番、しんどい思いをされたのは先生。一人目のお子さんが生まれる直前で、奥様も不安な状況で……。よくそんなタイミングで逮捕したのか、わざとなのか……。


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福島県立大野病院事件の経緯(提供:安福謙二氏)


  1. 2015/01/06(火) 08:56:51|
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