Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

1月2日 

http://www.sankei.com/west/news/150101/wst1501010013-n1.html
【人生の楽譜V(6)】
絶対に言えない「医者も人間なんだ」 変わらぬ医師受難

2015.1.1 10:00 産経ニュース

医師が減り、患者が減る「負のスパイラル」

 大阪府南部、阪南市の会阪南市民病院。昨年完成したばかりの新しい病棟に、連日お年寄りら大勢の患者が訪れる。

 内科、外科、小児科などの診療科を備え、病床数は185床。2市1町の圏域を担う総合病院だ。平成23年4月から、市の施設のまま、病院経営のノウハウがある社会医療法人生長会が運営する「公設民営」となった。

 「地域に病院があること、お医者さんがいることは、昔は当たり前だと思っていた」。同市に住む高齢男性がぽつりと語った。まだ市営だった「阪南市立病院」の時代、病院は“患者不在”の形で存亡の危機にさらされた。

 19年7月、隣県の医大から派遣されていた常勤内科医5人が一斉に退職した。家庭の事情などで2人が辞め、3人が医大に戻った。収入の約4割を占めていた内科診療をしばらく休止せざるを得なくなった。

 「全国的に内科医が不足している。病院と大学の努力だけではどうにもならない部分がある」。当時、医大学長は苦渋の表情で語った。その後も、病院運営は3年余り紆余(うよ)曲折を繰り返した。

 「一時は廃院しかないと腹をくくった」と三島秀雄名誉院長(67)。医師が減り、患者が減り、経営が圧迫される負のスパイラルだった。

 医大にも病院にも事情があった。しかしその間、患者は置き去りにされ、不安に駆られるしかなかった。

原点は「患者にとって魅力のある病院」

 地方を中心に「医師不足」が叫ばれるが、目をこらすと、一つの実態が見えてくる。

 厚生労働省によると、24年の全医師数は30万3268人で、その10年前に比べて4万人以上増えたが、主たる診療科が内科の医師は1万人以上、外科は8千人近く減った。内科や外科は、救急対応があるなど厳しい勤務を強いられることから、敬遠される傾向が続いている。

 その余波を受けやすいのが阪南のような地方の公立病院だ。医師確保を大学や大病院からの派遣に頼りがちなため、供給を断たれればたちまち影響を受ける。

 16年、新しい臨床研修制度の導入により、それまで出身大の医局に進むのが一般的だった新人医師が自由に研修先を選べるようになった。新人医師の希望が都市部の病院に集中するなどし、地方では“医師の過疎化”が進んだ。一方、大学なども内部の内科医や外科医らの不足に陥り、派遣できなくなった。

 医大を頼れなくなった阪南は、公設民営化後、患者を第一に考える原点に立ち返った。症状が複数の診療科にまたがる患者を一元的に受け入れる「総合診療」を充実させるなどの改革を進め、医療の充実や医師の確保に努め、今年10月には黒字化にこぎつけた。

 「奇跡的な立ち直り方だ」。三島名誉院長は「魅力ある病院にすることが、いかに大切かを改めて感じた」と話す。

現場では言えない「医者だって人間だ」

 内科医や外科医の減少は、日本の医療に深い影を落とす。しかし、地方病院を中心に、単純にエゴとは切り捨てられない「医師受難」の実態がある。

 現役医師の夏川草介さん(36)=ペンネーム=の小説「神様のカルテ」(小学館)。信州の病院に勤める男性医師の奮闘を描いた大ヒット作品だ。主人公は過酷な勤務の中、疑問や不満を感じながらも、患者と身近に接する地域医療の重要性や医師としての在り方を考えていく。

 「神様-」は夏川さんの私小説的な作品だ。自身も昨年、病院に行かなかったのはたった3日だった。勤務にやりがいや誇りを感じる半面、深い孤立感に悩むこともあるという。

 「医者は自分の生活を犠牲にして当たり前という風潮があることに、強い危機感を覚える。でも、現場では『医者も人間なんだ』とは絶対に言えない。僕も小説だから伝えられる」

 医師は、患者や家族の期待を担い、多大な重圧を背負う。重病であるほどその傾向は強まる。訴訟を起こされるリスクも、以前より高まっているという。

 医師を萎縮させず、患者にとっても充実した医療環境を整えるためには、何が必要なのか。夏川さんは語る。「命はとても重いが、医師ができることはそれほど多くない。そのことを患者にも理解してもらえれば、もっといい医療ができると思うんです」



http://blogos.com/article/102620/
拒絶する医療、救う医療
田中弥生
2015年01月01日 15:40 BLOGOS

年末に妹を亡くし喪中のため新年のご挨拶は控えさせていただきます。
しかしながら、妹を弔う意味で、報告をすることをお許しください。

1. なぜ医療を拒絶したのか

 妹は3年前に発症した卵巣がんの再発で亡くなりましたが、最後の5か月間は、医療サービスを受けず、ほぼ独りで痛みの緩和をしながら自宅で療養しました。彼女が医療従事者であったから出来たことだと思いますが、こうした特殊な事情から、私は、居を移しての見守りをすることになりました。しかし、この機会を得ることで、この3年間、妹が直面し、強い拒絶感を抱いた医療の問題を凝縮したかたちで見ることができたと思います。
 それは、病院および在宅医療における、倫理の問題、医師の技量のバラつきや治療計画の不在、告知などを含む医療技術の問題、訴訟とそれに対する防衛反応など法律に絡む問題、コミュニケーションの問題(患者との対話の回避、逆に過剰な共感)、そして過剰請求などによる公費の無駄遣いなど、多岐にわたるものでした。例えば、医師が診察中に新興宗教の冊子を渡したり、緊急時に診療所に電話をしても5時間以上コールバックがないなどの行為は、理解しがたいものでした。
 また、医療費や介護費の無駄遣いの問題は、財政審の場で、何度も議論してきたことでしたが、やはり現場の体験がないと知りえないことがありました。例えば、無駄遣いを促すようなモラルハザードは、利用者というよりもコーディネーションに立つ者が促している可能性があります。医療や介護制度の知識をほとんど持たない利用者にとって、何が無駄遣いであるかの判断さえつかないからです。

2. 救ってくれた医療

 こうした中で、妹と家族に光を与えてくれたのも医療でした。妹の状態を見かねて、プライマリケア(地域のかかりつけ医)制度について研究している知人に相談をし、彼女のネットワークを通じて、在宅医療を専門とする医師を紹介してもらいました。
 妹は、医療に強い拒絶感を持っていましたから、医師には半ば覆面で妹に接してもらいました。しかし、予想通り、妹は強い拒絶反応を示しました。しかし、医師は彼女から目をそらさず「あなたは逝くことになるでしょう、しかし、残された家族が笑顔になれません」と静かに述べて、妹の目をみつめていました。
 その後、妹は、一晩中、考えたのだと思います。翌日には、ナースと医師に謝罪をし、身を委ねるようになりました。この数か月、誰にも身体を障らせることはなかったので、驚きました。それからは、妹の表情は穏やかになり、味覚が戻り「おいしい」と発するようになり、家族の気持ちも明るくなりました。亡くなる前日に医師が訪れ、妹と薬の処方について会話をしていましたが、医師の提案を受け入れ、妹が薬の量について「300ミリで」と答えていました。それが、妹が話すのを聞いた最期の言葉になりました。母は、医師とナースの姿を見て「寄り添ってくれている」と述べました。
 先の在宅医とナースとの交流はたった5日間でしたが、妹にとって、また家族にとっても明るく穏やかな時で、救われたような気がします。

3. OECDによる日本の医療の評価

 妹の死後、この一連の出来事をどう理解したらよいのか葛藤しておりました。個人の私的な事件として終わらせるには、あまりの多くのものを含意しているように思えたからです。そのような時、先の医師を紹介してくれた知人の研究者から、OECDによる日本の医療制度の評価書を読むように勧められました。素人ながら、妹と私が経験した出来事を解釈することを助けてくれる見晴らしの良い報告書でした。
 例えば、日本の医療制度の改革は、主として資金調達に重点が置かれており、医療制度改革の主たる手段として診療報酬制度が導入され、一定の効果は認められるが、病院医療において、過剰提供を引き起こすような逆インセンティブをもたらしている可能性があること。その背景には、報酬の根拠となる評価システムがアウトカムではなく、インプット指標(診療時間の延長や看護師の追加雇用等)に基づいていること。医療の質についての基準が学会や地域によって異なり統一されていないことなどが指摘されています。
 また、プライマリケア(地域のかかりつけ医)については、診療報酬制度を通じて、それを促進しようとする動きはあるものの、専門の研修が義務付けられておらず、病院を退職した医師が開業しているケースが多く、プライマリケアの基盤が未整備であることなどが指摘されていました。
そして、OECDは、医療の質に重点を置いた制度、評価、報酬システムに転換すべきと結論づけています。この質についてはいくつかの技術的な議論がありましたが、私は、その中心に置かれるべきは、母が述べていた「患者に寄り添う医療」であると思います。私は医療の専門家ではありませんから、それが医療の原点だとはとても言えませんが、少なくとも患者と家族が心から感謝することのできるものであると思います。

 この経験をどう生かしてゆくのか。どう社会に寄与するものにしてゆくのか。大きな課題を与えられたような気がします。私ができることは、ほんの僅かで、今まで学んできた評価論や市民社会論を活用することだけだろうと思います。しかし、先の医師や研究者のように既存の医療システムを変えるべく尽力されている方々とは、きっと、根底では共有するものがあり、新たなつながりが生まれるように思っております。そして、こうして社会の課題に向かいあう人々のお手伝いができるように、私自身が精進してゆかねばならないと思っております。

年明け早々、長文で失礼いたしました。
皆様のご健康を心からお祈りしております。

田中弥生



http://www.asahi.com/articles/ASGD05KL3GD0PTIL009.html
筋弛緩剤を誤って投与、患者死亡 大阪府立の医療機関
2015年1月1日07時11分 朝日新聞デジタル

 大阪府立急性期・総合医療センター(大阪市住吉区)は31日、入院中の60代の男性患者に誤って筋弛緩(しかん)剤の点滴を投与し、男性が死亡したと発表した。医師から抗生物質の処方を指示された薬剤師が薬剤を取り違え、点滴前に確認した看護師2人も気づかなかったという。センターは遺族に謝罪し、府警に届けたという。

 センターによると、男性患者は抗がん剤治療のために約2週間入院。発熱の症状が出たため29日、主治医が抗生物質「マキシピーム」の点滴を指示したところ、女性薬剤師が薬剤の入った棚から誤って筋弛緩剤「マスキュレート」を取り出し病棟に送った。

 二つの薬剤は別の棚で保管されており、薬剤師は男性への点滴が始まった約2時間後、別の患者用に「マキシピーム」を取りだそうとして取り違えに気づいたが、男性はすでに心肺停止状態だったという。

 薬剤師は院内の調査に対し、「抗生物質だと思って筋弛緩剤を出してしまった」、看護師らは「その患者の薬だと思った」と説明しているという。

 吉岡敏治院長は31日会見し、「あってはならないことで患者やご家族に心からおわび申し上げます」と話した。



http://www.sankei.com/west/news/141231/wst1412310078-n1.html
筋弛緩剤投与「死亡原因となる十分な量だった」…患者死亡の大阪府立急性期・総合医療センターが緊急会見
2014.12.31 22:36 産経ニュース

 大阪府立急性期・総合医療センター(大阪市住吉区)で入院患者が筋弛緩(しかん)剤を誤って投与された後、死亡した問題で、センターは31日に記者会見を開き、経過を説明した。センターによると、抗菌薬の処方を指示された薬剤師が筋弛緩剤を病棟に配送し、病棟の看護師2人も誤りに気付かず投与した。センターは「死亡原因となる十分な量を投与した」としており、遺族に謝罪したことも明らかにした。

 死亡したのはがんの治療のため入院中だった60代の男性患者。センターによると、29日朝、医師が男性の発熱などの症状を緩和させるために抗菌薬「マキシピーム」の点滴を指示する処方箋を出したが、女性薬剤師(25)は誤って筋弛緩剤「マスキュレート」を病棟に配送した。

 病棟で受け取った27歳と43歳の女性看護師は2つの薬剤の容器の形状が似ていたことなどから、十分な確認を行わず、午前11時ごろから男性に点滴で投与。午後1時ごろに薬剤師が誤処方を申告し、看護師が病室に駆けつけたが、男性はすでに心肺停止の状態で、その後、死亡が確認された。

 筋弛緩剤は体がまひし、呼吸困難を引き起こすため、センターの薬局では毒薬専用の棚で保管。薬剤師はこの棚から筋弛緩剤を取り出し、筋弛緩剤専用の管理ノートにも配送先などを記録していたが、センターの調べに対して「抗菌薬を処方していると思い込んでいた」という趣旨の説明している。

 薬剤師は別の患者に同じ抗菌薬を処方する際、誤って筋弛緩剤を配送していたことに気付いたと釈明しているという。

 センターは29日に大阪府警住吉署に届け出ており、同署が業務上過失致死容疑も視野にくわしい経緯を調べている。



http://www.cabrain.net/news/article.do?newsId=42974
医療とは“不完全”システムと認識すべき- 自治医大医療安全学・河野教授に聞く
2015年01月02日 15時00分 キャリアブレイン

 厚生労働省が創設を目指す医療事故調査制度(事故調)の運用ガイドラインの案を検討する「診療行為に関連した死亡の調査の手法に関する研究班」に、医療安全が専門の自治医大メディカルシミュレーションセンター長で、医療安全学教授の河野龍太郎氏が加わった。元航空管制官で、原子力発電プラントのヒューマンエラー対策にもかかわってきた同氏は現在、医療事故の再発防止に取り組んでいる。これらの経験を踏まえ、再発防止策を立案するには、「医療とは“不完全”なシステムであることを十分に認識する必要がある」と強調する。【君塚靖】

 わたしは、「医療事故は必ず起こる」と結論を出しています。それは構造上の問題で、はっきりしています。医療は安全のための最低必要要件が満たされていません。言葉は悪いのですが、医療はシステムとして欠陥なのです。不完全システムと言ってもいいでしょう。安全のための最低必要要件が満足された状態ではないので、事故が起きるのです。対策も実はクリアなのです。しかし、クリアなのに伝統的にやられていないので、同じような事故が繰り返されるのです。

 医療システムは他の産業のシステムに比べ、エラー誘発要因が多く、かつ、エラーの発見やエラーを事故に結び付けない仕組み、すなわち「多重防護壁」が極めて弱いと言えます。1人の医療従事者のエラーは発見されることなく、直ちに患者へと波及してしまう構造があるのです。しかも、エラーが原因で患者に重大な事象が起きると、元に戻れない非可逆システムです。

 他の産業の制御対象の特徴と比較すると分かりやすくなります(=図1=)。システムをとらえる時に、どのように制御するかで考えてみましょう。医療は、患者(の状態)を制御します。制御対象の状態は、原子力発電がノーマルであるのに比べ、医療では、患者は病気やけがなどで、いわゆる“故障”した状態にあるのです。医療従事者は、故障状態をコントロールしなくてはいけません。
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 医療従事者は、“故障”している患者にどのような対策が必要かを考え、治療に当たります。そこで重要な判断をしなくてはいけません。この判断には情報が必要です。航空機のコックピットや原子力発電の制御盤には、最初から問題解決のための情報がほぼそろっています。システム内部の状態を制御盤にマッピング(写像)しています。しかし、医療には情報がほとんどないのです。医療では、「問題解決に必要とされる情報」が、常に不足しています。どんなに優秀な人間も、情報がなければ正しい判断はできません。しかも、故障しているので予測が難しく、いつどうなるか分からないのです。

 それに医療は、間接制御です。飛行機は操縦桿を右に倒せば機体が右に行きますが、患者の場合は、内服薬を投与しても患者の意思が入ったり、医師が直接やるのではなく、医師の指示で看護師がやるケースもあります。そうなると情報伝達の経路が制御の適否に影響します。さらに厄介なのが、人間の体の内部にはバランスを取ろうとするシステムがあり、血圧を下げる薬剤を使用しても、思うように下がらず、他のパラメーターを引っ張る結果になることもあります。

 医療とは非常に難しいシステムであることを、医療従事者はもとより、患者や家族が分かっていますかと、問うてみたいですね。何が言いたいかというと、現状では医療従事者だけで、医療事故をゼロにするのは不可能だということです。広く国民の理解と協力が必要です。病院には患者の権利が掲げてありますが、同時に患者の義務も明確に表示すべきです。

■制度が自己矛盾に陥らないよう配慮を

 事故調の院内調査委員会や第三者機関での調査報告書の策定は慎重に進めなくてはいけません。医療安全を考えるには、事実把握が必要です。医療という不完全なシステムの中で、安全を追求する重要な手掛かりは、関係者の証言です。航空機の場合、ボイスレコーダーやフライトレコーダーなど客観情報がありますが、医療には極めて情報が少なく、事故原因にまでたどり着くには、証言が重要な手掛かりとなります。

 この証言は記憶に基づくデータですから、信頼性に問題があります。それと意図的な隠ぺいや改ざんも起こり得るのです。その中で事実に迫らなくてはいけないのです。厄介なのが、後ろに刑事裁判があることです。日本は司法取引できない法体系なので、免責制度が使えません。

 こうした中で、自己矛盾に陥ってしまいます。本当のことを言ってもらわないと事実は分からない。しかし、本当のことを言えば、その人の過失が暴露されます。刑法は何をやるかというと、犯人捜しなので、事実を言えば言うほど、犯人になる可能性が高くなるのです。今の法体系が、医療安全という全体の利益を守ることにつながっていないのです。今後、制度は動きだすことになりますが、証言する医療従事者の匿名性を担保するとか、何らかの措置は必要になってくるでしょう。

■時系列で事象の関連を把握し、背後要因を探索

 医療安全はシステムで考えなくてはいけません。不完全な医療システムにもかかわらず、医療従事者に対して、「気を付けろ」と言って済ませてしまいがちです。しかし、人間は「正しいと判断」して、行動しているのです。ある原子力発電プラントのトラブル対応で、運転員が正しいと判断してスイッチを押したところ、事故が起きてしまいました。原因を突き詰めたところ、誤解を生むような表示になっていました。その人をとがめれば、その人が同種の事故を起こさないかもしれませんが、情報をその表示方法で出している限り、同じ事故は起こるのです。

 エラー対策は、大きく2段階に分けられます。まず、エラーそのものを防ぐ対策と、次は起きたら仕方がないので、それを拡大させないようにしようという対策です。この2段階をさらに分解すると、11段階になり、これを戦術的エラー対策の発想手順(=図2=)といいます。
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 11段階では、対策を人間側(作業者自身への対策)に求めるか、環境側に求めるかで色分けしています。事故分析では時系列で事象の関連性を把握し、どこで問題が起きたかが分かれば、なぜ問題が起きたかという背後要因を探索します。エラーの対策を考える時には、エラーの瞬間だけを見てはいけないのです。再発防止策を考える時は、この発想手順がヒントを与えてくれると思います。

 図2の左に行けば行くほど、効果が大きくなると考えられます。そして、対策を立案するにしても、人間側への対策と、環境側への対策がありますが、できるだけ環境側に求める必要があります。なぜなら、視覚など人間の注意力に依存する再発防止策には限界があるからです。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/42462.html
水道管の耐震化、医療機関優先で整備- 「断水させない」、救急や人工透析など考慮
2015年01月01日 15時00分 キャリアブレイン

 医療機関に通じる水道管の耐震化を優先的に進める動きが広がっている。東日本大震災では水道管の破損が相次ぎ、診療機能の低下を招いた。こうした事態を防ぐため、水道管の耐震化を図り、ライフライン機能の維持を図ることが喫緊の課題となっている。震災後は各地で耐震化工事や計画策定の動きが活発化。特に救急医療や人工透析を行う医療機関を「重要施設」と位置付け、耐震化を進める自治体や水道事業者が増えている。【新井哉】

■地震や津波で水道管破損、断水で診療機能低下

 東日本大震災時には、地震や津波によって浄水場や水管橋、水道管が被災。断水によって、診療機能が低下する医療機関が続出した。人工透析では、水道水から専用のろ過装置で不純物を取り除いたものを透析液として大量に使うが、断水で透析液が作れず、治療が困難となったケースが少なくなかった。

 会計検査院も昨年公表した震災関連の報告書の中で、断水によって医療機関が受ける影響に言及。停電と断水が同時に発生した場合、燃料が十分あっても自家発電設備に使う冷却水が不足する恐れがあるとし、「自家発電設備の運転ができなくなることが想定される医療機関も見受けられる」と指摘している。

■医療機関は「重要施設」、各地で耐震化の動き

 東日本大震災の教訓などを踏まえ、各地で医療機関に向かう水道管の耐震化に着手する動きが加速している。北海道苫小牧市では、市内5か所の救急告示医療機関や災害対策本部などに向かう水道管を優先的に耐震化する事業を展開中だ。

 また、島根県松江市でも、昨年5月に同市上下水道局が市水道事業経営戦略プラン推進委員会に提示した水道施設耐震化計画の中で、市立病院や松江赤十字病院など5つの医療機関までの水道管について「計画を優先する」と明記。今後、「耐震化優先管路」として整備する方針を示している。

 神奈川県横浜市も、約9100キロメートルある市内の水道管のうち、年間110キロメートルを目標に取り替え工事を実施中で、「人工透析を受けることができる病院などの重要施設につながる水道管を考慮し、(耐震化を)進めている」としている。

 こうした事業では、地震による地盤の変動によってパイプの接合部分が抜けやすかった従来の水道管に比べて大幅に耐震性をアップした水道管を採用。耐震型の水道管では、パイプの接合部が伸縮して地盤の変動を吸収するため、被害を最小限に抑えて応急給水や早期復旧が可能になるという。

■供給状況や液状化危険度なども考慮

 一方、水道管以外の給水施設の耐震化に取り組む自治体もある。東京都水道局は、配送水を行う施設に関しても「医療機関などへの供給状況や液状化危険度などを考慮して、重要度の高い施設から順次耐震化を進めていく」とし、医療機関向けの配水を優先する方針だ。

 今年度から医療機関や要援護者収容施設向けの配水管の耐震化を進める岩手県の盛岡市上下水道局は、東日本大震災の際に停電で断水した経験を踏まえ、2012年度から浄水場やポンプ場の停電対策に取り組んでいる。同局の担当者は「震災時は停電で断水した医療機関に給水車を派遣した。人命にかかわる施設では断水させないようにしたい」と話している。


 同局は、停電対策に加え、今後整備が進む配水管の耐震化によって、「東日本大震災と同じ程度の被災状況が起きたとしても、優先施設への給水を維持できる」と見込む。一部の自治体で、こうした耐震化が進む一方、財政難で苦境に立たされた自治体では、水道事業の耐震化まで手が回らないのが実情だ。厚生労働省も「水道事業者別でも進み具合に大きな開きがある」と指摘しており、水道管の耐震化については今後、地域間で格差が出てきそうだ。

  1. 2015/01/03(土) 06:34:17|
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