Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

12月26日

http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201412/20141226_11030.html
<回顧みやぎ>(9)医学部問題/拠点性生かす道探れ
2014年12月26日金曜日 河北新報

 栗原市築館の中心部は8月28日、高揚感が一気にしぼんだようになった。医学部誘致を訴えるのぼりが、むなしくはためていたのを覚えている。
 東北への医学部新設で、文部科学省の構想審査会が新設先に東北薬科大(仙台市)を選定。県立宮城大医学部の栗原キャンパスが夢と消えた。
 「実現すれば1990年3月の東北新幹線くりこま高原駅開業以来の出来事になる」。地域の期待は並々ならなかった。
 栗原キャンパス構想は2月に浮上した。連携先が東北福祉大から県に代わる曲折はあったが、栗原市は「沿岸被災地を含む県北全体の医療充実に役立つ」と効果を強調。医師不足に悩む地域共通の利益を訴えた。
 人口減と少子高齢化が加速する県北の地方都市にとって、構想は閉塞(へいそく)感を打ち破る地域振興の切り札にもなる。構想の意義には共感していただけに「落選」は残念だった。
 とりわけ築館地区の住民の落胆は大きかった。「過疎地の医療充実を図る医学部新設なのに、なぜ設置先が大都市の仙台なのか」「政府が掲げる地方創生に反しないか」。恨み節が耳に残る。
 住民の「落胆の歴史」も聞かされた。築館地区には90年、パソコン関連出版・ソフト大手のアスキーが「日本のシリコンバレーを目指す」と頭脳拠点の建設を表明。着工延期を繰り返し、98年には白紙撤回に至った。
 97年に当時の小牛田町(現美里町)への設置が決まった県統合家畜市場についても、直前まで築館が有力視されていた。「築館はいつも大きなチャンスを逃す」。ある住民は自虐的に話した。
 医学部新設では栗原キャンパスの実現が決まったとしたらという前提で、住民に感想を聞いてみたことがある。仮定の話にも「まさに希望の光」と目を輝かせてくれた。
 県は構想審に提出した応募書で栗原市を、東北自動車道、県北幹線道路、東北新幹線が走り、内陸から沿岸まで広くカバーできる「扇の要」と表現した。
 その優位性は消えていない。「選外」の理由は、東北福祉大に代わって急きょ名乗りを上げた県の準備不足だ。
 県や市は医療や教育、産業などさまざまな分野で、潜在的な可能性を生かしてほしい。それが住民の切なる願いに違いない。(栗原支局・藤本貴裕)

[栗原キャンパス構想] 栗原市立栗原中央病院を付属病院化し、周辺にキャンパスを置く構想。仙台市青葉区の財団法人厚生会仙台厚生病院と東北福祉大が構想を進めたが、ことし5月に福祉大が離脱。設置主体を県立宮城大に変更された。医療過疎の著しい県北への波及効果、東北各地へのアクセスの良さ、付属病院を造る初期投資の削減などが利点とされた。



http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-236475-storytopic-1.html
北部2病院、5年後に統合 県立と医師会、医師不足解消図る
2014年12月26日  琉球新報

 「北部地域の医療提供体制の確保に関する研究会」(座長・宮城信雄県医師会長)の宮城座長や上原哲夫県立北部病院長、諸喜田林北部地区医師会病院長らは25日、県庁に浦崎唯昭副知事を訪ね、本島北部地域の慢性的な医師不足解消のため、県立北部病院(名護市、許可病床327床)と北部地区医師会病院(名護市、同236床)の「統合再編による病院整備を図ることが望ましい」との結論をまとめた報告書を手交した。報告を受けて県は5年後をめどにした両病院組織統合を前提に、来年度から検討会を発足させ、基幹病院設立のための具体的な作業に着手する。
 基幹病院は400~500床規模が想定されており、内科、外科など両病院で重なる診療科は集約する。経営形態などは検討会で協議する。
 北部病院は医師不足のため産科などで診療制限をしており、患者数の減少や医師の過重負担につながっているとされる。研究会はその現状が医師の診療技術の維持・向上への懸念や勤労意欲の低下を招き、医師の辞職や赴任の敬遠につながっていると指摘した。北部医師会病院でも医師確保が困難で、また北部病院の診療制限の影響で患者数が増大し、対応に苦慮していると報告した。
 統合による症例数増加により研修体制の構築や専門性向上が図れる環境整備ができるとして、恒常的な医師確保につながるとみている。また中核病院を一つにして派遣先が分散する状況を解消し、琉球大学医学部付属病院などが医師を派遣しやすい環境をつくる狙いもある。
 このほか研究会は医師不足解消のため、医師の住環境整備やその子どもの教育環境整備も求めた。研究会は県医師会や北部病院、北部医師会病院のほか、県保健医療部や県病院事業局、琉球大学医学部付属病院、北部市町村会などで構成されている。



http://mainichi.jp/select/news/20141227k0000m040030000c.html
医療事故:急性アレルギー反応のアナフィラキシーで死亡
毎日新聞 2014年12月26日 19時31分

 高知県立幡多(はた)けんみん病院(宿毛市)は26日、高齢の男性入院患者が今月、抗生物質製剤の投与後に急性アレルギー反応のアナフィラキシーショックで死亡したと発表した。男性は同種製剤によるショックの既往歴がカルテに記載されていたが、主治医らが確認を怠ったという。

 病院によると、主治医が院内の薬剤科や看護師に指示し、点滴で投与した直後に患者が意識障害などに陥り、約1時間40分後に死亡を確認した。

 主治医は指示する際にカルテの記載を確認せず、担当した看護師も未確認だった。また、薬剤科のアレルギー確認は院内でルール化されておらず、患者の死亡後に投与の誤りに気付いたという。

 病院は院内に調査委員会を発足。医師法では医師は遺体に異状があると認めた場合、24時間以内に所轄の警察署に届け出る義務がある。橘寿人院長は「因果関係は明らかで家族にも話した。院長判断で、今のところ届け出る考えはない」と述べた。【上野宏人】



http://www.m3.com/open/iryoIshin/article/281221/?category=report
過剰な急性期病床、「徹底した合理化を」
財政制度等審議会、2015年度予算で建議

2014年12月26日 橋本佳子(m3.com編集長)

 財政制度等審議会は12月25日、「2015年度予算の編成等に関する建議」を公表、後期高齢者の医療給付費が2025年に向けて年約6%伸びるものの、うち3%は「医療の高度化等」によるものとし、「制度の持続可能性担保のため、改革の対象とする」との方針を打ち出した。残る3%は高齢者人口の増加による(資料は、(財務省のホームページに掲載)。

 改革の具体的施策として、過剰な急性期病床の削減や平均在院日数の短縮などの医療提供体制の改革、診療報酬の抑制や薬価引き下げ、後発医薬品の使用促進などの保険給付の範囲の見直し・重点化などを挙げ、「徹底した合理化・効率化」を進めるべきとしている。患者が後発医薬品を選択するインセンティブが働くよう、参照価格制、つまり「後発医薬品が存在する先発医薬品の保険給付額は、後発医薬品の薬価とし、それを上回る部分は患者負担とする」仕組みの導入も提言。

 一方で、在宅医療の推進や地域包括ケアシステムの構築など、「真に必要な新しい政策課題への対応」には、必要な財源を確保すべきとしている。

 後期高齢者の後期高齢者は、多くは消費税収や現役世代の保険料で賄っているが、これらを引き上げなければ、財源は2~3%の増加にとどまる。年約6%の医療給付費の伸びを抑えなければ、財源不足が生じる。

 「病床数の多さが需要を生む」

 建議では、医療提供体制について、「病床数の多さという供給が需要を生む」と問題提起。人口10 万人当たり病床数は、都道府県単位で最大3倍の開きがあり、病床数が多いほど、1人当たりの医療費が高いと指摘している。

 その上で、4つの改革の実現を提言した。第一は、医療介護総合確保推進法に基づく、「地域医療構想」の策定(『「高度急性期」「急性期」、今も6年後も6割強』を参照)。「地域差の分析を踏まえて認められる不合理な差異(例えば入院受療率)を解消した医療提供体制」の提示を求めている。2015年度中に、遅くとも2015年度の構想策定が必要とした。

 第二は、地域医療構想と整合的な医療費適正化計画の一体的な策定だ。医療費の水準に関する目標や、平均在院日数や後発医薬品の使用割合などの目標を設定し、PCDAサイクルを回し、実効性のある取り組みを求めている。

 第三は、保険者を市町村から都道府県に移行する、国民健康保険制度の改革。第四として、病床の機能分化・連携や医療費の適正化等に向けた保険者(都道府県)の努力の必要性を指摘している。2014年度からスタートした医療介護総合確保基金は、「医療構想を早期に策定し、病床の機能分化・連携を積極的に進める都道府県に対して優先的に配分することが不可欠」とした。

 大病院の外来受診負担も導入

 医療保険制度については、保険給付の範囲を抜本的に見直し、重点化を進めるべきとした。

 後発医薬品の日本の普及状況は、「遅すぎ、低すぎ」と問題視。その普及に向け、保険者が被保険者に使用を促す仕組みを強化することを求めている。

 来年度の医療保険制度改革や次期診療報酬改定については、(1)在宅療養等の公平性の観点から、入院患者の食事代の見直し、(2)市販品類似薬について、保険給付の対象から除外する取り組みの加速化、(3)紹介状なしで大病院を受診する場合の患者負担の仕組みの導入――などを実施すべきとした。(1)と(3)は、既に厚労省の社会保障審議会医療保険部会で議論されている改革でもある(『患者申出療養、課題は「有害事象の責任」』を参照)。

 そのほか、「リスクの大きさや医療技術のQOL等への影響に応じた患者負担の在り方の検討」との文言もあり、保険給付の重点化を進める方針が伺える。



http://www.kahoku.co.jp/naigainews/201412/2014122601002336.html
紹介状なしの大病院受診、負担増 16年度から、医療保険改革案
2014年12月27日土曜日 河北新報

 厚生労働省が政府、与党内で調整している医療保険制度改革案が26日、分かった。紹介状なしで大病院を受診した外来患者に2016年度から、一定額の負担を求める。軽症の患者は身近なかかりつけ医に相談するよう促し、本来の高度な治療に注力できるよう大病院への患者集中を防いで医療機関の役割分担を進めるのが狙い。初診の場合は追加で5千円を上乗せする案が浮上している。
 初診でも救急車で運ばれた場合は定額負担を求めない方針。再診の患者でも紹介状がなければ定額負担を求める考え。15年1月にまとめる改革案に盛り込み、通常国会で関連法改正を目指す。



http://apital.asahi.com/article/news/2014122600020.html
群馬大病院を立ち入り検査へ 塩崎厚労相「尋常でない」
2014年12月26日 朝日新聞 アピタル

群馬大付属病院で腹腔(ふくくう)鏡を使った肝臓の切除手術で患者8人が死亡した問題などを受け、厚生労働省は来年1月に医療法に基づく立ち入り検査をする方針を決めた。塩崎恭久厚労相が26日の閣議後会見で「尋常な事態ではないことは間違いがない。事実関係の把握を進める」と述べた。

 同病院では、腹腔鏡手術を受けた8人のほか、肝臓の開腹手術でも過去5年間に10人が死亡、いずれも第2外科助教の男性医師が執刀したとされる。

 厚労省は立ち入り検査で、腹腔鏡手術の死亡事故の再発防止策の実施状況を確認するほか、開腹手術の死亡例の説明を求め、安全管理体制に問題がないか調べる。その上で同病院について、高度医療を提供し診療報酬が優遇される「特定機能病院」の承認取り消しも含めて対応を検討する。



http://www.sankei.com/west/news/141226/wst1412260073-n1.html
【徳島大汚職】
160万円の収賄罪で慶応大准教授を起訴 大阪地検特捜部

2014.12.26 20:51 産経WEST

 徳島大病院の医療情報システム関連の契約に絡む贈収賄事件で、業者側から現金約160万円を受け取ったとして大阪地検特捜部は26日、収賄罪で元徳島大病院情報センター部長、森川富昭容疑者(45)=現・慶応大准教授=を起訴。贈賄罪でシステム開発会社「ダンテック」(兵庫県明石市)の元代表取締役、高橋徹容疑者(50)=公契約関係競売入札妨害罪で起訴=を追起訴した。

 起訴状によると、森川被告は徳島大病院に勤務していた平成22年3月~24年1月、システム関連の随意契約や一般競争入札で、ダ社側に有利な取り計らいをした謝礼などとして、3回にわたり高橋被告から徳島市内で現金計約160万円を受け取ったとされる。

 関係者によると、森川被告は徳島大病院に勤務当時、医学関係のキャリアアップを図るため、徳島大大学院に少なくとも3年間通っており、受け取った約160万円はすべて学費に充てていたという。

 徳島大によると、森川被告が部長在任中の21年3月~24年3月、徳島大は随意契約と一般競争入札を合わせ、ダ社と総額約1億3500万円の契約を結んでいた。



http://mainichi.jp/shimen/news/20141226dde041040095000c.html
東大論文不正:北川氏の博士号、徳島大取り消し
毎日新聞 2014年12月26日 東京夕刊

 東京大分子細胞生物学研究所の加藤茂明元教授のグループによる論文不正問題に関連して、徳島大は26日、当時研究所の特任講師だった北川浩史・元群馬大教授に対し、2002年に授与した医学博士号を取り消したと発表した。決定は22日付。

 徳島大によると、不正と認定された論文のうち、北川氏が筆頭筆者だった論文の1本が徳島大で博士号を取得する根拠となっていた。【加藤美穂子】



http://mainichi.jp/select/news/20141226k0000e040237000c.html
東大論文不正:33本データ捏造、11人関与 最終報告書
毎日新聞 2014年12月26日 12時02分(最終更新 12月26日 13時55分)

 東京大分子細胞生物学研究所の加藤茂明元教授のグループによる論文不正問題で、同大科学研究行動規範委員会は26日、論文33本でデータ捏造(ねつぞう)などの不正行為があったとする最終調査報告書を発表した。当時の教員ら11人が不正行為を行ったと認定。このうち加藤氏など教員だった6人はいずれも退職したが、「懲戒処分相当の可能性がある」との見解を示した。

 記者会見した浜田純一学長は「不正行為と認定された論文が多数に上り、学術の健全な発展を大きく揺るがしたことは誠に遺憾」と謝罪。12月から来年2月までの3カ月間の報酬について10分の1を返納すると述べた。

 不正行為が認定された教員は、加藤氏▽柳沢純氏(当時助教授)▽北川浩史氏(同特任講師)▽武山健一氏(同准教授)▽高田伊知郎氏(同助教)▽藤木亮次氏(同助教)の計6人。また、論文の筆頭著者だった学生や研究員の5人も不正にかかわったと判断した。東大で学位を取得した6人について、学位の取り消しに当たるか審議を開始した。研究室は15億円の研究費を得ている。研究費の返還も検討する。

 同委員会は、外部からの指摘や大学の予備調査を受け昨年9月に調査を開始。昨年12月には加藤氏らの論文51本について、不適切な図などが計210カ所あったと公表した。その後の調査で、このうち計33本の論文に、画像の加工や張り合わせの跡などが確認され、同委員会は「論文に捏造や改ざんがあった」と結論付けた。

 最終報告書は、不正行為が多数に及んだ背景について、「加藤氏は、著名な学術誌への論文掲載を過度に重視し、そのためのストーリーに合った実験結果を求める姿勢が甚だしく行き過ぎていた」と指摘。研究室の中心的役割を担った柳沢、北川、武山各氏がこれを助長し、データの取り扱いに関する不適切な指導や実施困難な計画設定、学生への強圧的な指示の常態化など、研究室の運営に問題があったと判断した。【河内敏康】

 ◇徳島大、北川氏の博士号取り消し

 東京大分子細胞生物学研究所の加藤茂明元教授のグループによる論文不正問題に関連して、徳島大は26日、当時研究所の特任講師だった北川浩史・元群馬大教授に対し、2002年に授与した医学博士号を取り消したと発表した。決定は22日付。

 徳島大によると、不正と認定された論文のうち、北川氏が筆頭筆者だった論文の1本が徳島大で博士号を取得する根拠となっていた。論文は既に撤回されている。【加藤美穂子】



http://mainichi.jp/select/news/20141226k0000e040197000c.html
STAP細胞:論文不正、調査結果を発表 理研委が会見
毎日新聞 2014年12月26日 10時07分(最終更新 12月26日 10時40分)

 STAP細胞の論文不正をめぐる問題で、理化学研究所の調査委員会は26日午前、東京都内で記者会見を開き、調査結果を発表した。

 調査委は、桂勲・国立遺伝学研究所長を委員長に、第三者で構成。小保方晴子氏(31)=今月21日付で理研を退職=らがまとめ、英科学誌ネイチャーに掲載された2本の論文について、新たに指摘された疑惑を9月から調査。小保方氏が冷凍保存していた試料の遺伝子解析も行った。

 会見の出席者は、桂委員長のほか、五十嵐和彦・東北大教授▽伊藤武彦・東京工業大教授▽大森一志弁護士▽久保田健夫・山梨大教授▽五木田彬弁護士▽米川博通・東京都医学総合研究所シニア研究員。

 桂勲委員長(国立遺伝学研究所長)は冒頭、以下のように説明した。

 (1)残された試料を調べたところ、すべて既存のES細胞から作られたものだった。

 (2)(万能性の根拠となった)キメラマウスや腫瘍も、ES細胞由来の可能性が非常に高い。

 (3)ES細胞が故意に混入されたのか過失によるものか、また誰が行ったかは決定できない。

 (4)公式に登録された内容と、残された試料の塩基配列を比べたところ、食い違いが複数あった。

 (5)一連の責任は小保方晴子氏=12月21日付で理研を退職=にあると思われるが、故意か過失かは決定できない。

 (6)論文に掲載された図のうち、2点について捏造を認定した。

 (7)若山照彦氏、丹羽仁史氏に関しては不正は見つからなかった。【デジタル報道センター】



http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141226-00000121-mai-soci
<STAP論文>「氷山の一角」「基盤が崩壊」報告書で非難
毎日新聞 12月26日(金)21時38分配信

<STAP論文>「氷山の一角」「基盤が崩壊」報告書で非難
STAP細胞論文について、報告書の内容を説明する理化学研究所の調査委員会の桂勲委員長=東京都千代田区で2014年12月26日午前10時3分、竹内紀臣撮影
 社会の大きな注目を集めてきたSTAP細胞論文の不正問題は、理化学研究所の調査委員会が細胞の存在を全面否定する結論を出し、調査の幕が閉じられた。多くのスター研究者が関わり、「生物学の常識を覆す成果」と称賛を浴びた論文は、調査委に「基盤が崩壊している」とまで酷評された。報告書から浮かぶ不正を止められなかった背景を探った。【八田浩輔、須田桃子、酒造唯、清水健二】

          ◇

 「ここで認定された研究不正は『氷山の一角』に過ぎない」「『責任ある研究』の基盤が崩壊している」。報告書は、不正論文を生じさせた根本的な問題を強い表現で非難した。

 調査委は捏造(ねつぞう)を認定した2件以外に10件の図表類を含む疑義を調べたが、小保方(おぼかた)晴子・元理研研究員が担当した実験ではデータがほとんど存在しなかった。本当に行われたかが分からない実験もあった。このため、調査委は「不正かどうかの認定ができない」との苦渋の判断をする事態になった。

 小保方氏は、共著者で指導役の若山照彦・山梨大教授が当時理研に持っていた研究室で一人だけ研究テーマが異なり、研究メンバー間の議論やチェックを受ける機会が少なかったとされる。真相解明には小保方氏自身が持つ実験データが欠かせなかったが、調査委の求めに応じて提出したデータはわずかにとどまった。

 著者らが踏みとどまれる機会はあった。2012年、研究チームが今回とほぼ同じ内容の論文を米科学誌サイエンスに投稿した際、審査した査読者からES細胞(胚性幹細胞)混入の可能性を指摘された。毎日新聞が入手した資料では、同時期に当時の共著者間で、どう対応するかを議論した形跡がある。だが共著者たちは、調査の過程で「未熟な研究者」と指摘された小保方氏のデータを再検証することはせず、補強のためのデータを出すことを求めた。

 小保方氏は、今年1月に論文が発表された直後、英ネイチャー誌の取材にこう答えた。「(STAP細胞とは)別の細胞では得られないデータを集める努力をした」。今回、小保方氏による捏造が認定された図では、小保方氏自身も仮説に沿ったデータにするための「操作」を認めたという。

 調査委はこの不正の背景に、「小保方氏が若山氏の過剰な期待に応えようとした」側面があると分析。指導やデータの正確性の検証を怠り、「捏造を誘発した」と指摘した。若山氏はこの日、「重要な新発見を世に出したいとの思いから、提示されたデータの不正を見抜くことができなかった」とのコメントを発表した。

 研究不正に詳しい山崎茂明・愛知淑徳大教授は「小保方氏の『成果』を利用しようとした共著者も責任は重い。調査委はより多くの共著者を調査し、その証言をありのまま公開する必要があった」と話した。

 「特許や研究費獲得、著名雑誌への論文掲載に夢中になるあまり、研究の中身への注意がおろそかになったことはないか」。調査委報告書の指摘は科学界全体への問いかけと言える。

          ◇

 STAP細胞の研究で使われた細胞について、調査委が既存の万能細胞であるES細胞だった可能性が非常に高いと判断したのは、小保方氏や若山氏の研究室に残された試料の遺伝子の特徴を、詳細に解析した結果からだ。

 STAP細胞は増殖しないとされ、細胞そのものはなかったが、条件を変えた培養で増えるようにしたとされる「STAP幹細胞」と、胎盤に変化できて増殖もするとされる「FI幹細胞」は残っていた。それらの幹細胞5種類と、混入した可能性があるES細胞7種類を比べると、遺伝子の特徴が99%以上一致。調査委は、これらの幹細胞はES細胞だったと認定した。万能性の根拠となるマウスや良性腫瘍の実験についても、ES細胞が使われた可能性が非常に高いと分析した。

 STAP細胞や幹細胞の作製実験は、主に小保方氏と若山氏で取り組んでいた。だが当時、研究所内の誰でも夜中にSTAP細胞の培養器や冷凍庫に触れることが可能だったこと、関係者全員が混入への関与を否定したことなどから、調査委は「誰が混入したかを特定できず、従って故意か過失かも決定的な判断はできない」と述べ、真相を解明できなかったことに、「調査委の能力と権限の限界」と記した。

 さらに、混入したES細胞の由来について、新たな謎も浮かんだ。一部の幹細胞が若山研の元研究員が作製したES細胞と同じであることが判明したが、小保方氏の研究室にもその細胞が残されていた。小保方氏が理研で研究するようになったのは、元元研究員の移籍後。このため、元元研究員も小保方氏も「なぜ(小保方研究室に)あったか分からない」と説明するなど、ES細胞混入の経緯は闇に包まれている。

最終更新:12月27日(土)0時31分毎日新聞



http://www.m3.com/open/iryoIshin/article/281298/?category=opinion
新しい医療事故調査制度の施行に備えて
「学習を目的としたシステム」の構築が前提

2014年12月26日 井上清成(井上法律事務所・弁護士)

1.新事故調は医療安全確保・学習目的・認知的予期

 2014年6月18日に医療法が改正され、2015年10月1日より新たな医療事故調査制度が施行されることになった。医療の安全を確保するために、医療事故が発生した医療機関において院内調査を行い、その調査結果を民間の第三者機関(医療事故調査・支援センター)が収集・分析することで再発防止につなげるための医療事故に係る調査の仕組みである。

 厚生労働省では既に「医療事故調査制度に関するQ&A」を公表し、省令・ガイドラインの策定のために「医療事故調査制度の施行に係る検討会」を開催し、その施行に向けた作業を始めた。

 従来は、医療事故調といえば、制度目的は「原因究明・再発防止」、WHOドラフトガイドライン上は「説明責任を目的としたシステム」、予期の種類は「規範的予期」と捉えるのが常識であり、そうした傾向の類例としては「産科医療補償制度」や「モデル事業」が挙げられたものである。しかし、この度の改正医療法に基づく事故調は、それらとは趣を異にし、制度目的は「医療安全確保」、WHOドラフトガイドライン上は「学習を目的としたシステム」、予期の種類は「認知的予期」に近く、この傾向の類例としては「医療事故情報収集等事業」が挙げられよう。整理すると次の表の通りの傾向性といってよい。
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2.WHOドラフトガイドライン

 厚労省がそのホームページに掲載している「医療事故調査制度に関するQ&A」では、新たな事故調とWHOドラフトガイドラインとの関係を次のように述べている。

 「医療に関する有害事象の報告システムについてのWHOドラフトガイドラインでは、報告システムは、「学習を目的としたシステム」と、「説明責任を目的としたシステム」に大別されるとされており、ほとんどのシステムではどちらか一方に焦点を当てていると述べています。その上で、学習を目的とした報告システムでは、懲罰を伴わないこと(非懲罰性)、患者、報告者、施設が特定されないこと(秘匿性)、報告システムが報告者や医療機関を処罰する権力を有するいずれの官庁からも独立していること(独立性)などが必要とされています。今般の我が国の医療事故調査制度は、同ドラフトガイドライン上の「学習を目的としたシステム」にあたります。したがって、責任追及を目的とするものではなく、医療者が特定されないようにする方向であり、第三者機関の調査結果を警察や行政に届けるものではないことから、WHOドラフトガイドラインでいうところの非懲罰性、秘匿性、独立性といった考え方に整合的なものとなっています」

 つまり、今般のわが国の医療事故調査制度はWHOドラフトガイドライン上の「学習を目的としたシステム」である、と厚労省が明言したのであった。

3.認知的予期と規範的予期

 2015年2月21日(土)午後1時に東京国際フォーラムにて、「基幹病院の医療安全に求められていること~2015年10月施行・新医療事故調査制度に備える~」と題するセミナーが開催される。演者は、橋本岳厚生労働大臣政務官、小松秀樹亀田総合病院副院長らであり、そこでは上述の改正医療法に基づく新事故調の性格などが解説されよう。

 小松氏は、認知的予期と規範的予期の観点につき、既に講演要旨で次のように述べている。

 「社会はさまざまな部分社会システムによって構成されている。それぞれの部分社会の作動は、それぞれの部分社会に共通する予期に従う。規範的予期では、違背に対し、内的確信・制裁手段・合意によって規範を堅持しようとする。認知的予期では、違背を受けた状況において、予期変更の方向を十分かつ明確に決められるという予期を自己の支えとする。法システムは前者、医学・医療システムは後者に属する。日本医療機能評価機構の医療事故情報収集等事業は、同じ機構の産科医療補償制度が規範に偏っているのに対し、事実の観察に主眼が置かれている」

4.事故調の施行に備えて

 各医療機関において、2015年10月1日施行の新しい医療事故調に備え、医療現場が混乱しないようにしつつ、医療安全の確保に真につなげていきたいものである。



http://apital.asahi.com/article/local/2014122500016.html
外科医4人の慰留は困難 養父市長、議会で答弁 八鹿病院問題
2014年12月26日 朝日新聞 兵庫

 【甲斐俊作】 公立八鹿病院(養父市八鹿町)の経営改革をめぐり、外科医4人が辞表を出している事態について、広瀬栄市長は16日の市議会本会議で答弁し、外科医の慰留は困難で、神戸大から新たな派遣を受ける考えを明らかにした。

 この日の一般質問で複数の市議が取り上げた。広瀬市長は常勤医38人中、外科医4人全員が辞表を出したことについて、「慰留に努めたが、お辞めになるのでしょう」と述べ、すでに慰留困難な状態であるとの認識を示した。

 広瀬市長によると、外科医4人中、2人を派遣する鳥取大からは「鳥取の医療優先」として新たな派遣はできないとの回答があった。新たな外科医派遣に前向きな神戸大からは「紛争が続いていては安心して派遣できる診療環境とは言えない」と言われたという。

 広瀬市長は、神戸大からの受け入れ環境を整えるため、話し合い解決に努力する意向を示した。

 また、2012年度までの7年間、同病院は毎年約10億円の赤字を出している。13年度末の累積赤字は77億5千万円に上り、広瀬市長は「これ以上増やしてはいけないことは火を見るより明らかだ」と述べた。

(朝日新聞 2014年12月17日掲載)


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