Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

12月10日 

http://www.m3.com/news/GENERAL/2014/12/10/276293/?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD141210&dcf_doctor=true&mc.l=76891901
看護師配置基準で摘発、破産、福岡
東京商工リサーチ 2014年12月10日(水)

 医療法人社団「清涼会」(遠賀郡岡垣町中央台3、設立1987年、資産の総額2億9783万円、才田英次理事長)が11月28日に、福岡地裁から破産開始決定を受けていたことが判明した。破産管財人には大神昌憲弁護士(川副・大神・福地法律事務所、福岡市中央区大名2)が選任された。 負債総額は約19億5200万円が見込まれる(平成25年12月期時点)。

 同法人は1982年3月、内科医院として開業し、1987年3月に清涼会として法人化した。岡垣記念病院(105床)を中核として地域医療を担い、老人保健施設「清涼会」やグループホームを開設して介護・福祉分野にも進出。2006年3月には老朽化が進んでいた岡垣記念病院を新築して診療設備や体制を充実させ、2013年12月期は医業収入17億7500万円、最終利益2400万円を計上するなど、対外的には落ち着いた運営が続いていた。

 しかし、平成2009年9月から約3年間にわたって看護師数を偽り、診療報酬約2億7000万円を不正に請求していたことが発覚し、今年6月1日付けで厚生労働省九州厚生局が同医療法人に対して保険医療機関の指定取り消しを決定。また、同病院の医療圏では病床数が過剰として、福岡県が新たな開設申請にも中止を求める方針を表明し事実上、同病院の存続・運営が困難になったことから診療業務を中止し、廃院していた。



http://mainichi.jp/area/fukuoka/news/m20141210ddlk40020380000c.html
清涼会:破産 負債総額19億5200万円 岡垣記念病院運営 /福岡
毎日新聞 2014年12月10日 地方版〔北九州版〕

 岡垣町で「岡垣記念病院」を運営していた医療法人社団・清涼会(才田英次理事長)が、福岡地裁から11月28日付で破産開始決定を受けていたことが9日、明らかになった。東京商工リサーチ北九州支店によると、負債総額は約19億5200万円。

 1982年に内科医院として開業し、87年に法人化した。岡垣記念病院(105床)などの運営で2013年12月期に医業収入17億7500万円を計上したが今年2月、看護師数を偽り09〜12年に診療報酬計約2億7000万円を不正受給したことが発覚。九州厚生局が今年6月に保険医療機関指定を取り消し、診療業務を中止、廃院していた。【石田宗久】



http://www.m3.com/news/GENERAL/2014/12/10/276516/?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD141210&dcf_doctor=true&mc.l=76891904
医療研究開発機構、12部署で来年4月発足
読売新聞 2014年12月10日(水)

 日本の医療研究の司令塔として来年4月に発足する「日本医療研究開発機構」の組織体制が明らかになった。

 知的財産や国際展開を専門にする12部署からなり、医薬品や医療機器の分野で大学などの研究成果の実用化を加速させ、世界最先端の治療技術の実現を図る。理事長が現場からの要望を受けて、機構の運営に反映させる仕組みも設ける。同機構は、文部科学省や厚生労働省が所管する独立行政法人の職員のほか、大学や企業の出身者らが加わり、約300人体制。各部署に20~30人が配置される。



http://www.m3.com/iryoIshin/article/276506/
安倍政権の医療制度改革
成田・医学部新設の検討、「重要で緊急性は高」
国家戦略特区で分科会設置、「東京圏」区域計画も決定

2014年12月10日(水) 橋本佳子(m3.com編集長)

 政府の国家戦略特別区域の「東京圏」の第2回区域会議を12月9日に開き、区域計画の第1弾を決定するとともに、千葉県成田市での医学部新設などを検討するため、分科会を設置することを決定した。神奈川県の健康・未病産業の創出などについても分科会で検討する。保険外併用療養や病床規制の医療法の特例などを盛り込んだ区域計画は、今後国家戦略特区諮問会議の認定を経て、実行段階に移る(資料は、内閣府のホームページに掲載)。

 成田市分科会の設置について、区域会議資料では「1979年以来、認められていなかった医学部の新設について検討して結論を得ることが、極めて重要で緊急性が高いため」と記載されている。内閣府地域活性化推進室は、「区域会議はメンバーが多い。機動的かつ重点的に議論するため」と説明。

 分科会の第1回会議は、「早期開催を目指す」とされている。同会議に出席した成田市長の小泉一成氏は、今年中の開催に意欲を見せた。国家戦略特区を担当する、内閣府地域活性化推進室は、「検討課題はいろいろある。遅くならないうちに結論を出す方針」と述べるものの、現時点でいつまでに出すかについては言えないとした。

 成田市は、国際医療福祉大学と共同で、医学部新設の構想を提出(『成田・国際医療福祉大学の医学部新設、再浮上』を参照)。10月1日の「東京圏」の第1回区域会議で、石破茂・内閣府特命担当大臣(国家戦略特別区域)は、成田市の医学部新設について、「いつまでも検討しているわけにはいかない」と述べていた(『成田の医学部新設、石破大臣「結論を出す」』を参照)。

 内閣府地域活性化推進室では、「医学部新設をめぐる課題を抽出する。医学部新設は、文部科学省の告示で規制しているので、規制緩和の具体案の検討を進める」と説明。医学部新設の是非ではなく、規制緩和の可能性を議論する方針であり、成田市での医学部新設が現実味を帯びてきた。

 成田市分科会の構成員は、「基本的に、国(内閣府)、自治体(成田市)、民間事業者の三者で構成。議題により必要な者を加える。必要に応じ、オブザーバーを参画することができる」となっている。文部科学省や厚生労働省が入るか否かは未定であり、入らない場合は、分科会が結論を出した後、国家戦略特区ワーキンググループを開催し、文科省や厚労省を交え、議論することになる見通し。

 成田市が12月9日の区域会議に提出した資料によると、主な検討事項は、(1)国内外の医療需要に対応した国際的な医学部の内容、(2)国際的な医学部の新設に伴う附属病院の整備の方向性、(3)附属病院を新築する場合の病床数の考え方――など。「医師不足」との言葉はなく、「国際的な医療人材の育成」が医学部新設の主たる狙い。

 神奈川県健康・医療分科会では、(1)健康・未病産業の創出、(2)最先端医療産業の創出、(3)ロボット産業の創出、(4)国際的医療人材の育成――に資する新たな制度改革・規制改革について検討する。

  国がんと東大、保険外併用療養の特例に追加

 「東京圏」の区域計画のうち、医療関連事業は、(1)保険外併用療養の特例、(2)病床規制に係る医療法の特例――の二つ。第1回区域会議の区域計画(素案)に挙がっていた、「二国間協定に基づく外国医師の業務解禁」は外れた。

 (1)の保険外併用療養の特例は、米国、英国、フランス、ドイツ、カナダ、オーストラリアの6カ国でいずれかで承認されているものの、日本では未承認の医薬品を使用したり、適応外の医薬品等を使う技術の使用を可能にし、先進医療を提供するのが狙い。

 区域計画(素案)では、具体名として、慶應義塾大学病院のみが挙がっていたが、国立がん研究センター、東京大学医学部付属病院が追加された。慶應大ではクローン病や膠原病などの治療薬、国立がん研究センターではIVR等の低侵襲がん治療、分子標的薬等を用いる個別化医療、東大では生体電位駆動型ロボットを活用した身体機能回復、進行性泌尿器がんの化学療法などを行う。

  病床規制の特例、4法人で認める

 (2)の病床規制に係る医療法の特例として認められるのは、4法人。

 がん研究会ががん研有明病院(東京都江東区)に10床、瀬田クリニックグループ(東京都千代田区)が神奈川県内に新たな拠点として19床、医療法人社団葵会(東京都千代田区)が川崎南部病院(川崎市川崎区)に20床、横浜市立大学が同大学付属病院(横浜市金沢区)に20床、それぞれ認められる。川崎南部病院は今年度から、それ以外は2016年中に実施する。



http://www.m3.com/news/GENERAL/2014/12/10/276539/
英誌が千葉大論文撤回 著者は同意せず バルサルタン 臨床試験疑惑
毎日新聞社 2014年12月10日(水)

バルサルタン:臨床試験疑惑 英誌が千葉大論文撤回 著者は同意せず

 降圧剤バルサルタン(商品名ディオバン)の臨床試験疑惑で、英医学誌が千葉大の論文を撤回していたことが分かった。データ改ざんの可能性を指摘した大学の調査結果を受けた措置。著者らは撤回に同意していないが、医学誌側が強制的に撤回した形だ。

 撤回されたのは2012年に英医学誌「ジャーナル・オブ・ヒューマン・ハイパーテンション」に掲載された論文で、今年10月9日付だった。同誌は「利益相反の管理とデータの信頼性に問題がある」と説明している。

 千葉大の調査委員会は、論文で使われたデータがバルサルタンに有利になるよう改ざんされた可能性を指摘。さらに試験責任者の小室一成教授(現東京大教授)ら著者を「虚偽説明で調査を混乱させた」と批判していた。千葉大は8月までに2度、著者らに論文の撤回を勧告している。

 一方、小室氏の代理人は取材に「撤回に同意していない」と話し、11年に別の医学誌に発表した主論文も撤回しない意向を示した。

 一連の論文には薬の販売元であるノバルティスファーマの社員が関わっていたが、論文上は社名が伏せられ、所属は「大阪市立大」となっていた。小室氏らは疑惑発覚後、この点を修正して再投稿していた。【八田浩輔】



http://www.asahi.com/articles/ASGDB4HZRGDBPTIL00W.html
市立病院の装置納入で収賄、元主査に有罪判決 大阪地裁
2014年12月10日19時18分 朝日新聞デジタル

 大阪市立総合医療センターの人工心肺装置納入に絡み、医療機器メーカー側からパソコンなど33点(計約80万円相当)を受け取ったとして、収賄罪に問われた同センター中央臨床工学部の元主査、山野辺基(もとい)被告(47)=懲戒免職=の判決が10日、大阪地裁であった。蛯原意(もとい)裁判官は「希望する物品リストを業者に渡しており、厳しい非難を免れない」として懲役1年6カ月執行猶予3年、追徴金約7700円(求刑懲役1年6カ月、追徴金同)を言い渡した。

 判決によると、山野辺被告は2012年9月にあった人工心肺装置の一般競争入札で、医療機器メーカーの製品を扱う業者が受注できるよう便宜を図った見返りに、メーカーの元社員(42)=贈賄罪で有罪確定=からパソコンなどを受け取った。



https://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201412/0007572074.shtml
劇薬指定の麻酔薬剤を紛失 神戸大病院
2014/12/10 11:14 神戸新聞

 神戸大医学部付属病院(神戸市中央区)は10日、劇薬指定の麻酔薬剤「プロポフォール」の瓶1本(50ミリリットル入り)を紛失したと発表した。全量を一度に投与した場合、呼吸困難を引き起こす恐れがあるという。同病院は、盗難の疑いもあるとして生田署に届け出た。

 同病院によると、プロポフォールは、一般に医療機関で静脈注射により投与される。

 なくなった瓶は未開封で、鍵のない薬品庫で保管していた。6日、看護師がなくなっていることに気づき、使用簿で履歴を調べたが記載はなかった。4日には瓶があったことが確認されているという。

 同病院は「適切な管理について院内で周知徹底を図りたい」としている。



http://medical.nikkeibp.co.jp/inc/mem/pub/clinic/report/201412/539809.html
記者リポート
リポート◎恐喝、暴力、セクハラ…急増する患者の迷惑行為
患者が「誤診」と騒ぎ金銭を要求、どうする?
院内暴力・迷惑行為の対応指針を日本臨床整形外科学会がまとめる

2014/12/10 土田絢子=日経メディカル

 11月末、通院中の男がガソリン入りのガラス瓶や発炎筒を約15本投げ付けるという放火未遂事件が東海大学八王子病院(東京都八王子市)で起こった。8月には、北海道の病院で医師が患者に刃物で切りつけられ重症を負う事件も発生。近年、ここまで深刻なケースではなくとも、患者からの院内暴力や迷惑行為に頭を悩ませる医療機関が目立つようになっている。


日本臨床整形外科学会がまとめた『院内暴力・迷惑行為対応指針』

 日々様々な患者を診察している医療機関は、医師や看護師などの職員を守るために普段から対応を考えておくことが不可欠だ。そこで自院のマニュアルを作る際に参考になる指針として、日本臨床整形外科学会は『院内暴力・迷惑行為対応指針』を今秋発行した。

 この指針は、(1)会員の医療機関における実態調査、(2)院内暴力や迷惑行為の事例、(3)医療機関が取るべき具体的な対応策、(4)医師の応召義務の捉え方、(5)関連法令──などを収載。開業医が多い日本臨床整形外科学会の指針なので診療所にとって参考になるのはもちろん、病院スタッフにも役立つ内容となっている。

 この指針の執筆者の1人で、医療安全・倫理委員会委員長でもある渋谷医院(山形県上山市)院長の渋谷真一郎氏は、「患者による迷惑行為が蔓延すると診療にかなり支障を来すということで学会理事長が諮問し、委員会の医師たちで3年掛かりでまとめた。医療従事者が安心して医療を提供し、患者が安心して受診できるような環境作りの一助にしてほしい」と語る。

 以下、指針の内容のポイントを紹介しよう。会員を対象とした実態調査(回答326施設)によると、50%の施設が患者による院内暴力や迷惑行為を経験。何らかの対策を取っている施設は39%で、その内容として「防犯カメラの設置」「警察との連携」「対策マニュアル・報告制度の作成」などが挙がった。

 また、会員から報告があった院内暴力・迷惑行為の事例としては、勝手に誤診と決めつけ金銭を要求してきた患者に対し、弁護士から内容証明郵便を送って対処したケースなどを紹介。医師の診療内容に関わるものばかりでなく、診断書の偽造、セクハラ・ストーカーなど様々なタイプの案件を取り上げている(表1、2ページ目表2)。

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表1 診療内容に関する事例(『院内暴力・迷惑行為対応指針』より抜粋) 《》内は当該犯罪の成立の可能性があることを示し、必ずしも当該犯罪で実際に逮捕されるというわけではない(表2も同じ)。

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表2 医師以外の職種や診断書などに関する事例(『院内暴力・迷惑行為対応指針』より抜粋)

 こうした院内暴力・迷惑行為について、予防、発生時の対応の基本としてまとめられたのが表3や3ページ目表4の内容だ。「予防のための体制作りが大切だが、発生時は、まず医療機関側に非があるのか、そうでないのかを分けて対応するよう指針に記載した」と渋谷氏は話す。

 予防策としては、患者が転倒したり、ドアに衝突するといった事故をなくすべく院内施設の整備を心掛け、職員一人ひとりに配慮した職場環境を整える。また「当院ではいかなる暴言・暴力・迷惑行為も許さない」「当院では職員を組織として守る」といった基本方針を院内掲示し、トラブル発生時の対応マニュアルを作成しておくことを勧めている。

 トラブル発生時は、患者の話を聞いて事実関係をまず把握。患者が理不尽な要求をしているときは、納得させる努力をするより「いかに攻撃をかわすか」が重要とした上で、結論を出す必要はなく、「平行線で終わることを念頭に置く」ことが望ましいとしている。

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表3 予防策の基本(『院内暴力・迷惑行為対応指針』より抜粋)

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表4 発生時の対応策の基本(『院内暴力・迷惑行為対応指針』より抜粋)

 さらに、予防・発生時の対応を行った後の「事態収拾後の対応」としては、医療機関に非がありそうなクレームの場合、後日に会談を持ったときは事実関係の検証結果を提示し、それでもクレームが続くなら弁護士に依頼する、当該職員には思いやりを持って対応する、ポジションペーパー(事実関係を客観的に示す文書)を作成して法的手段に訴える場合に備える、再発防止策を策定して職員に周知する──といった点が挙がっている。

 指針は他にも多くの情報を掲載しており、医師の応召義務や療養担当規則、関連法令の解説に加えて、医療事故・トラブル防止のためのチェックリスト、医事紛争事例なども載せている。

 なお、この指針は日本臨床整形外科学会の会員向けのものだが、学会事務局に問い合わせれば実費で購入することも可能としている。



http://www.asahi.com/articles/ASGDB4SBJGDBULBJ00G.html
抗がん剤投与の前立腺がん患者5人死亡 重い副作用報告
田内康介2014年12月10日20時16分 朝日新聞デジタル

 製薬会社サノフィが9月に販売を始めた前立腺がんの抗がん剤「ジェブタナ」を投与された患者5人が死亡していたことがわかった。血液中で白血球の一種である好中球が減少する症状が確認された。同社は死亡との因果関係が否定できないとして、医療機関に対し、使う場合は血液検査を頻繁に実施するなど注意を呼びかけている。

 この症状は薬の添付文書に副作用として記され、感染症患者らに投与しないように警告されている。

 同社によると、今年9月4日の販売開始以降、約200人に投与された。12月3日までに40人でこの症状など重い副作用が報告され、うち60~70代の男性5人が敗血症などで死亡した。(田内康介)



http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/anursing/shinmai/201412/539814.html
新米副看護部長が行く!@杏林大病院
できていますか?倫理的問題の多職種共有

根本康子(杏林大病院副看護部長)
2014/12/10 日経メディカル

 先日、がん研究会有明病院主催の臨床倫理に関する研修に参加してきた。参加者は、東京都内のがん診療連携拠点病院のトップマネージャーや職員教育に携わる職員で、この研修で学んだことを自施設で広めることが求められていた。

 研修では、臨床倫理の考え方や臨床倫理について組織としてどのように取り組むべきかについての講義と、事例検討が行われた。今まで、自部署のスタッフ教育の一環として、「看護師の倫理綱領」を題材に勉強会をしたり、臨床の倫理的問題について話し合う機会があったが、副看護部長の立場で、改めて倫理とは何かを学び、組織としてどう倫理に向き合い、患者の意思決定を支えるべきかについて考える機会を得たことは、大変有意義だった。

 当院にも倫理を扱う場として、臨床研究の是非を審議する「倫理審査委員会」や、「臨床的倫理問題検討委員会」「病院倫理委員会」「医療内容事前審査委員会」「脳死判定委員会」などがある。さらに、このような公の場で検討する事例以外にも、倫理に関わる課題は日常のありとあらゆる場面にあふれている。

意識障害患者の治療方針に納得いかず
 副看護部長になって、自分が担当する部署の師長から、患者や家族にまつわる様々な報告、相談を受けるようになり、倫理的な判断を伴う事例も多い。副看護部長として一歩踏み込んだアドバイスができるようになりたいと思うことも出てきた。先日も、師長からある患者の報告を受けた。詳細には紹介できないが、大筋はこんなことである。

 意識障害のある患者さんに対して、医師は外科的な治療が必要であると判断し家族に説明した。家族は自ら希望して他院のセカンドオピニオンを受けた。結果は当院の診断、治療方針と同様であったが、最終的には家族(キーパーソンではない)の希望で保存的治療を選択することになった。師長からは「その治療方針は理解できない」と報告があり、私自身もその治療方針が患者にとって最善なのかどうか、納得がいかなかった。師長から報告を受けた時、私も師長と同意見であることを伝えたが、具体的なアドバイスができず、その後も副看護部長としてどのように関わったら良いかと考えていた。

 先の研修で、臨床倫理について組織で取り組むためには、組織の構成員すべてがそれぞれの立場で患者・家族の最善を考える文化が必要だということを学んだ。今回の事例の治療方針決定のプロセスには医師と家族だけが関わっており、看護師やその他の医療従事者は関与しておらず、看護師に葛藤を生んでしまった。状況について関係者の理解が一致した上で合意がされたのだろうかと疑問を持たざるを得なかった。

痛感した多職種で“語る場”の必要性
 日々の診療の中で、医師の説明の際に必ず他職種が同席できればよいが、必ずしもそれができるとは限らない。しかし、家族がなぜ保存的治療を選択したのか、医師が家族の意思を尊重すべきと判断した根拠や家族の背景を、患者に関わる医療従事者が共有できていなければ、倫理的な葛藤により、チーム医療を行う上で支障を来すこともあるだろう。臨床倫理は医療機関として行うべき活動であり、その判断には、組織の倫理観や価値観が問われるという講義中の言葉が腑に落ちた。

 当院には、倫理を公に取り上げる委員会が設置されおり、これまでに、特定の宗教観を持つ患者への対応や、終末期医療や脳死に関わる対応などが、組織として検討されてきた経緯がある。病院の体制として整備されていると言えるだろう。しかし、日常の臨床現場で、倫理にまつわることを患者や家族と共に多職種で話し合える場が十分持てているとは言い難いということに気付かされた事例だった。この事例の場合、もっと師長が踏み込んで行けると良かったのだが……。

 患者や家族は相手によって話す内容を選んでいる。患者や家族の本当の思いや希望を確認し、治療方針やケアの選択が適切であるかどうかを医療者、患者・家族が共有するためにも、多職種が参加してカンファレンスを行うことの意義を学ぶ良い機会になった。

 多職種が、臨床の倫理原則である「人間尊重:相手を人として尊重する」「与益:相手の益になるように&害にならないように」「社会的適切さ:社会的視点でも適切であるように」を共通の柱として、倫理カンファレンが当たり前に現場で行われる風土が必要だ。

 看護部の教育プログラムにも倫理研修があり、事例検討も行っているが、あまり研修時間をかけられていない現状がある。今回のような事例があった時に、チームメンバーとして自ら積極的に関われる看護師がどのくらいいるのだろう? 今後は、倫理的感性を育て、患者、家族に最も身近な存在として倫理的課題に対して積極的に発言できる看護職員の育成方法について考えたい。

 まずは、臨床倫理について体験したことを多職種で“語る場”を企画してみようかな……。


  1. 2014/12/11(木) 05:49:12|
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