Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

12月5日 

http://www.sankei.com/affairs/news/141205/afr1412050020-n1.html
病院の説明不足、賠償命令 手術ミスは認めず
2014.12.5 18:50 産経ニュース

 富山県黒部市の黒部市民病院で動脈瘤の手術を受けた女性(68)と家族が「医療ミスで認知症になった」として市に8千万円余りの損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は5日、医師の説明義務違反を認めて220万円の支払いを命じた。手術ミスはないと判断した。

 判決によると、女性は平成21年3月、市民病院での検査で脳動脈瘤と診断され、同年11月に動脈瘤の破裂を防ぐ手術を受けた。術後に意識障害が残り、22年に認知症と診断された。

 森冨義明裁判長は「担当医師が手術の内容や危険性を分かりやすく正確に説明したとはいえない。手術を受けず経過観察を選んでいれば障害が残らなかった可能性もあった」と指摘した。黒部市民病院は「判決が届いておらずコメントできない」としている。



http://mainichi.jp/opinion/news/20141206k0000m070158000c.html
社説:臨床試験規制 信頼回復への第一歩に
毎日新聞 2014年12月06日 02時30分

 医薬品や医療機器の臨床試験に法の網がかかる見通しになった。

 降圧剤バルサルタン(商品名ディオバン)の疑惑を受けて厚生労働省の有識者検討会がまとめた報告書は、薬の市販後に新たな効能を確認する研究や製薬会社が広告に使うことが想定される臨床試験を規制対象とするよう国に求めた。厚労省は法案の国会提出を急ぐ方針だ。

 臨床試験の国内規制は欧米に比べて遅れていた。不正の再発を防ぎ、臨床医学研究の信頼を回復する第一歩となることを期待したい。

 バルサルタン疑惑では、販売元の製薬会社ノバルティスファーマがデータ操作された論文を広告に使い、脳卒中予防など他の降圧剤にない効果を強調して売り上げを伸ばした。

 薬や医療機器の新規承認を目的として実施する「治験」は国際基準に従い、分析に使うデータの保存や監査が法律で義務付けられている。しかし、それ以外の臨床試験には規制も罰則もなく、バルサルタン疑惑でも不正の温床になったとされた。

 このため厚労省は、広告などに使われる臨床試験について、治験に準じた対応を義務付ける。試験の妥当性を審査する医療機関の倫理委員会についても、その構成要件を法律で定め、質を確保するという。

 規制強化は研究の停滞を招くとの懸念も研究現場にはあったが、医師と製薬会社とのもたれあいが次々と明らかになっており、法制化は当然だ。対象を限定することで、懸念にも一定の配慮を示している。

 倫理委の質の向上は、法律で構成要件を定めるだけでは不十分だ。全国には約1300の倫理委がある。人材は限られており、報告書も指摘するように、地域ごとに委員会を集約することなどによって、チェック機能を高めていくべきだ。

 バルサルタンの臨床試験をした5大学にはノバルティスから11億円超の奨学寄付金が提供されていた。製薬会社から大学や医師への資金提供の透明性向上も欠かせない。国内の製薬会社は昨年度から自主的に資金提供の公開を始めている。報告書は業界に一層の努力を求め、法規制は今後の検討課題とした。

 政府は医療を成長戦略の柱の一つに掲げている。産学連携が一層進むだろう。米国は製薬会社が10ドル以上の金やサービスを医師に提供した場合、政府への報告と公開を義務付けた。臨床研究の信頼性向上のためにも米国並みの対応が必要だろう。

 法規制の有無にかかわらず、研究者や製薬会社は患者の利益を最優先とし、高い倫理観に従って行動することが求められる。政府や医学界には、学生や若手研究者に対する倫理教育の強化も進めてもらいたい。



http://www.chibanippo.co.jp/news/national/228448
「腹腔鏡下手術で夫死亡」 妻ら遺族4600万円請求 旭中央病院を提訴
2014年12月5日 10:58 千葉日報

 腹腔(ふくくう)鏡を使った胃の手術で、誤ってすい臓を傷つけられ夫が死亡したとして、妻(75)=銚子市=ら遺族が手術した国保旭中央病院(旭市)を運営する旭市を相手取り、慰謝料など約4600万円の損害賠償を求め千葉地裁に提訴していたことが4日までに分かった。

 訴状によると、男性=死亡時(71)=は早期胃がんと診断され、2010年1月下旬に同院で腹腔鏡下手術を受け胃を切除したが、2日後にすい液漏れが発覚。その日のうちに開腹手術を受けたが、敗血症を発症し約1カ月後に死亡した。

 執刀した医師が術中に電気メスの操作を誤り、すい臓に3カ所の傷を付けたと主張。すい液が漏れ、腹腔内の臓器や血管を溶かしたため敗血症が発症したという。敗血症はすい液の除去や損傷部位の切除で予防できるが、同院がこれを怠り、術中と術後処理の2段階の過失があるとしている。

 同院総合患者相談室の担当者は、医療ミスを否定した上で「遺族に説明を繰り返したが理解されず残念。誠意をもって訴訟に臨む」と話している。



http://blogos.com/article/100531/
地域を変える在宅医療の広がり
けあZine2014年12月05日 07:00  BLOGOS

 在宅医療はかつて「第二の医療」と言われたが、担い手である地域の医師たちの意識も大きく変わり、今後医療の主流となるといっても過言ではないだろう。慢性疾患の患者を支える医療のみならず、これからは「看取り」の機会もどんどん増え、看取り体制の充実も大きな関心事であり、課題となっている。

地域の医師たちは変わってきている

 地域の地域の医師たちは確かに変わりつつある。11月23日名古屋市の名古屋大学で開催された「第10回全国在宅医療推進フォーラム」で改めてそれを実感した。

 国立長寿医療研究センターと在宅医療助成勇美財団が共催する同フォーラムは、在宅医療に取り組む医師、看護師ら専門職が集う。年々参加者が増え、今年は1,000人を超えた。午前の部での、恒例の全国のブロックごとの代表による1年間の活動報告で、しばしば強調されたのが「在宅医療だけでは、地域で在宅に暮らす高齢者を支え続けることはできない」という点だった。

 介護の充実、多職種の連携や地域住民の支えがあってこそ、高齢者は在宅で安心して生活ができる。家庭医養成の研修だけでなく、在宅医療ネットワークづくりの取り組み(東北ブロック)、多職種で支える地域包括ケア(四国)、多職種で支える在宅医療(東京)、訪問看護ステーションとの協働(北関東ブロック)、独居生活者を現場で支えるための多職種や地域包括支援センターや弁護士との連携と協働(神奈川県)といった取り組みはそれを具体化したものであり、各地の多職種や住民との協働、連携が年々進みつつあることがうかがえる。

看取りの取り組みも関心の深いテーマに

 さらにほとんどのブロックで共通していたのは、「看取り」の取り組みである。

 「どのような最期を迎えるのか」(甲信越ブロック)、「がんになっても最後まで家で過ごすために−在宅ホスピスのすすめ」(北海道ブロック)、「在宅緩和ケアで朗らかに生きよう」(東海北陸ブロック)といったテーマで、シンポジウムや研修会を開催してきたという。

 高齢者、とくに後期高齢者が増え続けるに伴い、年間死亡者も現在の110万人から2025年には160万人に増える。急性期や亜急性期以外の病床数も大幅に削減される見通しで、否応なく在宅で最後を迎える高齢者も急増する。病院よりもたたみの上で最後を迎えたいという人たちが多いだけに、課題は在宅で安心して最期を迎えることができるための条件が整備されるかどうか、である。

専門性の高い緩和ケアを行う医師・看護師のチームはまだ不足している
 今回のフォーラムで「在宅での看取り」が共通したテーマとなったのは、在宅医療に取り組む医師、関連職種の関心がようやくその点に向けられるようになったことを示すものではあるが、地域の実情をみると、いま進められようとしている地域包括ケアの対象は主に慢性疾患を抱える要介護・要支援の高齢者であり、専門性の高い緩和ケアを担う医師と看護師を中心とした24時間対応できる緩和ケアチームの取り組みが、日本ではまだまだ不十分であろう。

 地域の現実に直面する医師、関連職種は「看取り体制の充実」に向け、ようやく動き出した、と感じさせられた。

在宅医療は「第二の医療」から医療の主流へ

 20世紀の医療が『病院の世紀』(猪飼周平・一橋大学准教授)とすれば、在宅医療は長らく「第二の医療」にとどまっていた。が、在宅医療はようやく医療の主流になりつつある。国は今回の一連の法改正で、地域包括ケア構築の核に在宅医療の推進を明確に位置づけた。同フォーラムの開会あいさつで、全国在宅療養支援診療所連絡会の新田國夫医師が述べたように「在宅医療は第二のステージを迎えた」というべきだろう。

 もとより、在宅医療だけでは地域の高齢者を支え続けることはできない。何より医療の限界を知り、生活全体を支え、多職種が地域に関わることの重要性が、改めて医師や出席した多職種、行政の関係者からも口々に語られた。

 方向性は示された。在宅ケアに取り組む医師も関連職種の輪も次第に大きくなりつつあるが、まだまだ地域の多数派とはいえない。行政の動きも鈍い。その輪をどう太くしていくか。それぞれの地域で問われている。



http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=109178
腹腔鏡手術、患者死亡後に「安全」認定
(2014年12月5日 読売新聞)

群大病院に医療評価機構

 群馬大病院(前橋市)で、腹腔鏡ふくくうきょうを使う高難度の肝臓手術を受けた患者8人が死亡した問題で、同病院が、日本医療機能評価機構から安全・安心な医療サービスを行う病院として認定証を交付されていることがわかった。

 審査では、新しい手術を導入する際の倫理・安全面の配慮について、上から2番目のA評価を受けていた。

 同機構は、第三者機関として1997年から病院の機能評価を行っている公益財団法人。医師や弁護士ら有識者が評価委員になっており、全国2279病院が認定されている。大学病院など500床以上の病院では7割以上が認定病院だ。

 評価は、書面審査と2日間の訪問審査で「患者中心の医療の推進」「良質な医療の実践」などの観点から約90項目を審査する。S、A、B、Cの4段階評価で、原則すべての項目B評価以上が認定の条件になる。認定の更新は5年ごと。

 群馬大病院では2010年12月~14年5月、保険適用外の腹腔鏡を使う肝臓手術を受け、患者8人が死亡した。手術は倫理審査を通さず行われ、患者へのインフォームド・コンセント(説明と同意)も不十分だったことがわかった。

 ところが、同病院は昨年12月の訪問審査で、「倫理・安全面に配慮しながら新たな診療・治療方法や技術を導入している」でA、「患者が理解できるような説明を行い、同意を得ている」Bと、いずれも“合格点”を得た。今年4月に認定証の交付を受け、問題が発覚した後の現在も病院のウェブサイトに掲示している。

 同機構は「このような事例を審査で見つけるのは難しい。ただ、認定病院には重大な医療事故の報告義務があり、報告があった場合は内容を分析し、問題があれば認定証の返還を求めることもある」としている。



http://www.nikkei.com/article/DGXKZO80477480U4A201C1NNMP01/
研修・模擬面接…がん告知、医師も磨く言葉の力
患者の苦しみ軽減

[日本経済新聞夕刊2014年12月4日付]

 末期がんやがんの再発の告知を受ける患者のストレスをどう和らげるか。医療現場で、医師のコミュニケーション力を養う取り組みが広がってきた。研修会には全国から医師が集まり、大学医学部でも模擬面接を導入する動きがある。治療技術だけでなく、患者の苦しみを軽減する「言葉の力」を磨くことも医師には求められている。

■手法を体系的に
 「抗がん剤が効かないって、私、もう死ぬしかないんでしょうか」
 「……」
 絶望する女性患者の言葉を沈黙で受け止め、医師は静かに切り出した。
 「これまでの治療が無駄だったわけではありません。これから何ができるか私と一緒に考えていきませんか」
 患者は小さくうなずいた。

 11月22、23の両日、帝京平成大学池袋キャンパス(東京・豊島)で、日本サイコオンコロジー学会などが主催するコミュニケーション技術研修会(CST)が開かれた。大崎市民病院(宮城県)の腫瘍内科に勤める医師、高橋義和さん(35)は、S状結腸がんで、すでに抗がん剤治療の効果が望めないという想定の女性模擬患者に治療中止を勧めるロールプレーに挑んだ。

 研修では「患者の目を見て接する」「沈黙を有効に使い患者から質問や回答を導く」「告知の前に『大切なお話です』など患者が心の準備をできるような言葉をかける」といった手法を体系的に学んだ。

 高橋さんは、別の医師2人とともに、指導者から助言を受けながら、緩和ケアへの移行を模擬患者に進言した。「患者に寄り添って気がかりや懸念を聞く方法などヒントを得られた。今後の診療に役立てたい」と振り返った。

 CSTが始まった背景には、1990年代後半に深刻な医療事故が相次ぎ、「患者本位の医療」を求める声が高まったことがある。「インフォームドコンセント(十分な説明と同意)」や、別の医師に助言を受ける「セカンドオピニオン」の浸透と共に、2006年に患者側の意向を尊重した治療を求める「がん対策基本法」が成立。厚生労働省の委託事業として07年から始まった。

 今回の約40人を合わせこれまでに計約900人が修了した。指導者になるためのトレーニングを終えた医師も130人を超える。

■訓練で能力向上

 参考にしたのは欧米のプログラムだ。2005年、国立がん研究センター東病院が開発に着手。当時勤務していた藤森麻衣子さん(現国立精神・神経医療研究センター室長)らが、気持ちを重視する日本に合うよう改編を重ねた。

 例えば欧米では「あなたはがんです」とストレートに診断情報を伝えるが、日本では告知の現場に家族を同席させるか配慮したり、心の準備ができているか察して逐一確認したりするなどする。

 研修の効果も出ている。06~07年、国立がん研究センターの医師30人を、研修を受けるグループと受けないグループに分け、それぞれ担当した患者計601人を調べたところ、受けた医師の患者はうつになりにくいとの結果が出た。

 藤森さんは「コミュニケーション力は個人の資質の問題だと考えがちだが、訓練すれば能力を高められる。研修を広め、学びの場を提供していきたい」と意義を強調している。

◇            ◇

■医学部では模擬面接 秋田大 1年次から導入

 医者を養成する大学でも新たな取り組みが始まっている。

 秋田大学は2011年、模擬患者を相手に面接をする「オスキー」(客観的臨床能力試験)を1年生を対象に始めた。オスキーは他大学医学部でも4年次に学んでいるが、座学中心の1年次は異例だ。先進的な取り組みとして注目を集める。

 秋田大の1年次のオスキーは7月と12月に計4回実施する。頭痛、胸痛、腹痛、めまいを訴える模擬患者を相手に、主訴、症状のある部位などを聞き出す。その様子はビデオで録画し、学生同士でチェックし評価する。「意思疎通の不安を払拭できた」「自信がついた」など学生にも好評だ。

 近年、医療の進歩は著しく、学生が学ぶことは増えている。一方、どの専門分野に進んでも必要となるコミュニケーション力を養う機会は4年次のオスキー試験のみ。卒業生のほぼ全員が医師免許を取得するのに、対応能力のない学生へのサポートはほとんどないのが実情だった。

 秋田大は医師としての最低限の能力を養えるよう、卒業試験にもオスキーを導入している。長谷川仁志教授は「6年間という限られた時間の中で、医療現場で必要な臨床能力を身に付けるには、低学年から実践的な教育を始めないと間に合わない」と指摘する。

 秋田大への視察は絶えず、他大学でも低学年からオスキーを導入する事例が出てきた。長谷川教授は「医師としての人間力を養えば、優れた臨床医や研究医の育成につながり、日本の医療を底上げにもなる」と訴える。

(近藤佳宜)



http://www.townnews.co.jp/0201/2014/12/05/262337.html
地域医療への取組みを紐解く 第8回
子どもの医療体験『メディカルキッズ』
聖マリアンナ医科大学 総合教育センター

タウンニュース 宮前区版2014年12月6日 土曜日

 聖マリアンナ医科大学病院(区内菅生)が目指す『地域に根差した医療』への取組みを紐解いていく。今回は子どものための医療体験イベント『メディカルキッズ』について。

 同医科大学では医師や看護師などの仕事を実際に体験することで医療をより身近に感じてもらおうと、小学生を対象に昨年度からこの取組みをおこなってきた。

 今年7月におこなわれた同イベントでは、約20人の小学生が参加し、AEDや薬の調剤などを実際に体験した。参加した小平采果さん(小6)は「看護師さんやお医者さんがどんな仕事をしているのかよく分かった。すごく楽しかった」と笑顔で話した。主催者の伊野センター長は「子どもは病院への恐怖心も強いので実際に様々な体験をしてスタッフと交流することで恐怖心を少しでも和らげてもらえたら嬉しい」と話す。

参加者を募集中

 来年3月14日(土)に開催する『メディカルジュニア』の参加者を募集中(共催/がんプロフェッショナル養成基盤推進プラン)。時間は午前9時から正午まで。参加費無料。

 今回は小学5年生から中学2年生までが対象(定員10人)。興味がある人なら誰でも参加できる。検査室など病院現場の見学、救急蘇生体験のほか、病気の予防についての話も聞ける。伊野さんは「この体験を通して健康な身体を作ることへの興味をもってほしい」とも。

 申込みは「メディカルジュニア申込み」として氏名、性別、学年、連絡先(携帯またはEメール)、身長を明記の上、同医大病院管理課(【FAX】044・977・9486)へ。締切りは12月25日(木)午後4時(先着順)。

■同医科大学メディカルジュニア問合せ先【電話】044・977・8111(内線2310)



http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtpronews/1412/1412019.html
女性医師活躍のための報告書案を取りまとめ
厚労省懇談会

[2014年12月5日] MT Pro / Medical Tribune

 本日(12月5日),「女性医師のさらなる活躍を応援する懇談会」(座長:日本女医会会長・山本纊子氏)が報告書案を取りまとめた。医師に占める女性の割合の増加を受け,出産や育児などで退職やキャリアの中断を余儀なくされる女性医師を減らし,医療の質や持続性を維持するための枠組みを示した。

上司らによる「職場の雰囲気作り」など6項目

 懇談会は安倍政権が打ち出した「日本再興戦略2014」の一環として女性医師が勤務を継続しやすい環境整備を図ることを目的に今年(2014年)6月に設置。8月から3回の会議と「女性医師のさらなる活躍を応援するシンポジウム」を経て今回の報告書案がまとめられた。

 報告書案は医療機関や都道府県,学会などの関係団体に向けて作成。女性医師活躍のためにこれらの組織が協力して次のような環境整備を総合的に推進することなどを求めていく。

【医療機関等における環境整備】

管理者自らが女性医師を取り巻く状況やニーズを認識した上で,各医療機関等で活用できる制度や社会資源を十分に把握し,総合的な取り組みを推進

①職場の理解
  管理者や上司自らが進める職場の雰囲気づくり,理解促進(管理者研修の活用,パンフレット作成等)

②相談窓口
  ワンストップ相談,先輩の経験共有(専任スタッフ,情報交換会等)

③勤務態勢
  柔軟な勤務態勢(短時間正規雇用,交替勤務制,当直や時間外勤務への配慮等)

④診療体制
  チーム医療推進,地域医療における連携(複数主治医制等,事務補助職の活用等)

⑤保育環境
  院内保育所の柔軟な運営(24時間保育,病児保育等)

⑥復職支援
  医学知識や診療技術の提供(e-learning,実技実習等)

 上記のような支援案の他に,支援を受ける医師にも「自ら利用可能な社会資源について情報収集,あるいはキャリア形成を主体的に考えていくことが重要」「支援を受けた医師は自らの経験を生かして,将来の後輩に対する支援に回ることが重要」と支援を一方的に受けるだけにならないよう釘を刺す内容も含まれている。

「女性医師のキャリア支援に一番理解がないのは…」

 委員らからは「8月のシンポジウムで参加者たちから指摘があったのは“女性医師のキャリア支援に一番理解がないのは医育機関の長や学会の指導的立場にある方々。ぜひ意識改革を進めてほしい」「サポートされる側だけでなく,サポートしている側にもインセンティブなどが必要」といった意見が出た。

既存の就労支援事業の活用実績は?「把握できておらず,確認したい」

 一方,2008年ごろから全国37の自治体で開始されている「女性医師等就労支援事業」については一部の委員から「以前からこういう試みがあればいいと思っていたが,全国でどのくらい活用されているのか」との質問も飛び出した。事務局は「詳細な実績は把握できておらず,確認したい」と回答。既存の女性医師支援事業の認知度やその成果が不透明な実態が垣間見られる一幕もあった。

村木事務次官「女性活躍推進法案に紐付けた記載盛り込みたい」

 村木厚子厚生労働事務次官は会議の最後に委員や関係者に感謝の意を述べるとともに「一所懸命やっているのに山が動かないという指摘は本当に胸にこたえたし,どうやったら山を動かせるかということを考えたい」と挨拶。現在,自分に来る講演の半分くらいが学会からの「女性医師の活用をテーマに」という依頼であり,学会などの女性医師への関心の高さは感じていると述べた。

 ただし,今後は「女性医師の活躍に関心はあるが,自分のところではなかなか環境整備に踏み込めない」といった状況が変わる可能性もあるようだ。同氏は先の臨時国会で成立するはずだった「女性が活躍できる社会環境の整備の総合的かつ集中的な推進に関する法律案」について言及。同法案は次の国会にも提出されるだろうとの見通しを明らかにした。

 同氏によると,同法案が成立すれば医療機関を含むあらゆる企業が組織的に女性の勤務実態や女性の管理職への登用状況などを数値化・公表し,課題に取り組むことが義務化される。「1回政府で出た法律なので,多少は盛り込んで紹介する。山が動く仕掛けが1つでも入るような報告書に仕上げる」と同法案との関連を示す記載を盛り込むことで,報告書の実効性を担保したいとの考えを示した。

(坂口 恵)



http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20141205_10
救急救命の技、学生競う 一関で6日、初の東北開催
(2014/12/05) 岩手日報

 救急救命士を目指す学生が技術を競う第11回東日本学生救急救命技術選手権大会は6日、一関市室根町矢越(やごし)の国際医療福祉専門学校一関校(宇野弘之校長)で開かれる。東北では初開催で、13校が救急現場を想定した競技に挑む。一関校の学生は、日頃学ぶ救急救命の技術や知識を発揮しようと意気込んでいる。

 全国救急救命士教育施設協議会の主催で、学生の技術向上や交流などが目的。競技は1チーム5人で行われ、傷病者の心肺停止状態などさまざまな救急現場を想定した「シナリオ」に対処する。救急救命士や医師の評価で順位を決める。

 帝京大や国士舘大、新潟医療技術専門学校など、各地の大学や専門学校の学生が参加。関係者を含めて200人以上の来場が見込まれる。

 国際医療福祉専門学校一関校は、千葉県の学校法人が閉校した旧釘子(くぎこ)小の校舎を活用して2011年に開設。救急救命学科を設置し、学生は救急救命士の国家資格取得に向けて2年課程で学ぶ。進路は消防官が多く、中里重高学科長は「現場ではあらゆる事案が発生する。そのためにも日頃の訓練が大事。大会を通して知識や技術を高め合ってほしい」と期待する。



http://mainichi.jp/area/yamaguchi/news/20141205ddlk35040401000c.html
下関市立市民病院:386人分を誤請求 院内トリアージの診療報酬でミス /山口
毎日新聞 2014年12月05日 地方版

 下関市立市民病院は4日、救急外来で患者の症状に応じて診療の優先度を判断する「院内トリアージ」の診療報酬を誤って請求していたと発表した。誤請求は2012年4月〜今年8月、386人分の38万6000円に上る。対象者と保険者に返金するという。

 鳥取県立厚生病院(鳥取県倉吉市)が院内トリアージの診療報酬を不正請求していた問題を受け、市民病院が12年4月にさかのぼり調査した。

 12年度に導入された院内トリアージは初診患者全員に実施され、後からより重症の患者が訪れない場合は請求されない仕組み。だが応対したほとんどの看護師や事務職員が制度を理解しておらず、一律に請求していたという。【仲田力行】

〔下関版〕



http://www.nikkeibp.co.jp/article/news/20141205/427168/?rt=nocnt
深刻な医療機関の情報セキュリティー
「報道されているだけで年間90件の事故が発生」

2014/12/4 吉田育代=フリーライター 日経メディカル

 トレンドマイクロが主催する情報セキュリティーカンファレンス「Trend Micro DIRECTION」が、2014年11月21日に東京都内で開催された。同カンファレンス内の業種向け分科会トラックでは「可搬媒体の紛失事故から考える医療情報の安全管理について」と題し、医療システム開発センター(MEDIS-DC) ICT推進部 CIO支援課の蜂谷明雄氏と徳島大学病院 病院情報センターの島井健一郎氏が登壇。医療業界の情報セキュリティーについて講演した。

8割の医療機関でガイドラインが存在しないか“塩漬け”状態

 最初に発表したのは蜂谷氏。同氏の所属するMEDIS-DCは、標準病名や標準医薬品コードなど医療情報にかかわる標準化、個人情報保護、情報セキュリティーの確保など、医療情報の安全な交換・保存の技術の普及を推進する団体である。具体的には、電子カルテ導入支援、プライバシーマーク付与認定審査、医療情報システム監査人試験、医療機関の安全管理ガイドラインへの準拠性を第三者が客観的に評価する、医療情報システム安全管理評価制度「プレミス(PREMISs)」などを手がけている。

 蜂谷氏は冒頭で、医療業界における情報セキュリティーの現状を表す統計データをいくつか示した。それによると、医療情報関連事故の発生件数でほぼ過半数を占めるのが可搬媒体であるといい、その傾向は改善されていないという。

 「報道されているだけで年間90件の事故が発生しているにも関わらず、医療機関の情報セキュリティーガイドライン策定は思うように進んでいない」と蜂谷氏は指摘する。トレンドマイクロの調査では、「インターネット利用などに関するガイドラインは存在し、定期的にあるいは随時見直しが行われている」と回答した医療機関は19.4%にすぎず、実に8割の医療機関ではガイドラインが存在しないか、一度作成されたガイドラインが“塩漬け”になっているという。

USBメモリーが入った白衣をクリーニングに…

 蜂谷氏は、日常のコンサルティング活動で遭遇したエピソードを紹介した。ある病院長からキーホルダーに鈴なりにぶら下がったUSBメモリーの束を見せられたのだが、クリーニング店から届けられたものだという。医員がUSBメモリーをポケットに入れたまま白衣を洗濯に出してしまうのだ。こうした事例は月平均5本は発生しているといい、「何より最大の問題は、この事実についてまったく報告がないこと」と、その病院長は嘆いていたという。

 蜂谷氏は、このようなリスクを解決するためには、運用管理規定を策定するとともに、それを実施・確認・見直しするPDCAサイクルの導入が不可欠だとする。

 「診療情報は過失による漏えいや目的外利用も大きな問題になる危険があり、医療機関には管理者の属する職業や社会的・経済的地位において一般的に要求される“善管注意義務”があるためくれぐれも心してほしい。何より管理を習慣にすることが重要。監査を受けるときだけ資料作成に励むのはまったく意味のないこと。自己満足に陥らないために、ときには外部の力を借りるのも一法だ。そのためにMEDIS-DCが存在するので、プライバシーマーク付与認定審査やPREMISsを活用してほしい」(蜂谷氏)。

 システム的な対策の一例として蜂谷氏は、USBメモリーの制御に加え、ログ取得などを行える「Trend Micro Data Loss Prevention」、セキュアなプライベートクラウド上でファイルを共有するクラウドソリューションなどを紹介した。

プライバシーマーク更新に安堵せず

 続いて、徳島大学病院の島井氏が同院におけるセキュリティー管理の取り組みを紹介した。同院はすでにプライバシーマークを取得している。それに基づいて年間スケジュールが立てられており、月1回の部門会議、年2回の内部監査に加えて年度ごとの教育訓練や病院長によるマネジメントレビューが習慣化しているという。

 教育訓練では、医療情報部門が主体となり、病院情報システムの現状や情報セキュリティーの必要性、プライバシーの考え方、医療業界における個人情報漏えい事件などについて緊張感を持って伝えているという。それとともに、同院で実際にあったヒヤリハットやインシデントも共有する。また、視野狭窄を防ぐため、トレンドマイクロなど外部から講師を招いて医療業界全体の情報セキュリティー動向を聞くとともにアドバイスを受けているという。

 島井氏はこう語る。「毎年プライバシーマークは更新できているが、当院ではこれを奨励賞ととらえている。実際、ヒヤリハットやインシデントは起こっており、監査人からは改善点も指摘される。終わりのない活動であることを認識することが重要だ」。特に医員への教育訓練に関しては、臨床プロセスに入るとどうしても自らのスキル向上が最優先になってしまうため、学部生のときから情報モラルを繰り返し徹底的に叩きこむ必要があるという。

 島井氏はまた「今日の医療情報システムは従来のように完全クローズドというわけに行かず、病診連携などで情報の開示も大きなテーマとなっていく」と語り、病院内のみならず地域全体で情報セキュリティーレベル向上に取り組んでいくべきだと訴えた。



https://www.m3.com/iryoIshin/article/274895/
The Voice
役割終わったHIV拠点病院
透析合併者の診療はどこでやるべき

2014年12月5日(金) 岩田健太郎(神戸大学大学院医学研究科・微生物感染症学講座感染治療学分野教授)

 秋葉らによると、透析医療においてはHIV感染者がほとんど受け入れられておらず、かつ今後も受け入れるつもりがないところが多数派です(透析会誌 2013)。その最大の理由が「HIV専用ベッドが確保できない」です。

 ほとんど1980年代のような時間が止まっているのが「業界外」の現状です。

 その最大の理由は拠点病院制度にあるとぼくは思います。拠点病院があるせいで、それ以外の医療機関は「関係ない、おまかせ」という雰囲気を助長しているのです。

 拠点病院制度は歴史的役割を終え、HIV診療はどこの医療機関でも普通に行なうべきだというのがぼくの意見です。

 残念ながら兵庫県でもHIV陽性者のオペを断る残念な外科医がいます。理由は「HIV陽性者のオペをしたことがない」でした。べつい彼らは心臓が4つついているとか、十二指腸の下に胃がついているわけではありません。オペの仕方は「完全に」同じです。神戸大学病院の外科医たちはどの科であっても普通にHIV感染者のオペをしています。ありがたいことです。

 拠点病院の中にも実際にはHIVをみれない「なんちゃって」拠点病院もたくさんあります。情報公開が進み、A=netなどが破綻して、拠点病院が維持されるメリットはほとんどありません。あとは現状を変える覚悟が「業界内」にあるかどうか、です。



http://www.m3.com/news/GENERAL/2014/12/05/275193/?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD141205&mc.l=75967475
解任学部長が女子医大提訴 医療事故で病院批判
共同通信社 2014年12月5日(金) 配信

 付属病院の医療事故への対応を批判したことを理由に医学部長職を解任されたのは不当だとして東京女子医大の高桑雄一(たかくわ・ゆういち)教授(63)が、大学を相手取り、地位確認を求める訴訟を東京地裁に起こしたことが4日、分かった。

 原告側によると同日の第1回口頭弁論で大学側は請求棄却を求め、次回以降に具体的な反論をする意向を示したという。

 高桑教授は6月に記者会見し「病院側が事故の調査報告書を公表しないのは社会的責任を果たしていない」と批判。大学側は学内を混乱させたとして8月の臨時理事会で解任を決議した。

 訴状で高桑教授側は「大学の規則には医学部長を任期途中で解任できる規定がなく、一方的な解任決議は無効だ」と主張している。



http://www.m3.com/iryoIshin/article/274533/
Doctors Community10周年 注目トピックスと10年後の医療
「総合診療専門医は不要」は2割◆Vol.16
「10年後、2割以下」が6割超、会員予測

2014年12月3日(水) 池田宏之(m3.com編集部)
Doctors Community 19件

 Q.16 10年後に必要な総合診療専門医の割合は?
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 Q.16では、「10年後に必要な総合診療専門医の割合」の予測を聞いた(有効回答数:526人)。総合診療専門医を巡っては、2017年度からスタートする専門医制度改革の中で、「19番目の基本領域」としての専門医創設が検討されている。

 最も多かったのは、「1割程度」との回答で36.9%、次いで「2割程度」で24.0%という結果となった。6割強の医師が、「2割程度の医師で足りる」という認識だった。日本においては、臓器別の専門医志向が強かったものの、近年では、若手を中心に「総合診療専門医」を志望する医師も多くなってきている。複数の疾患を持つ高齢者の増加を踏まえ、政府の各種提言などでも、「総合診療専門医」の増加への期待が感じられる。

 「総合診療専門医」の確保で1つの鍵となるのは、現在の開業医。日本医師会などは、地域の開業医のレベルの高さを強調する場面が目立つ。開業医と「総合診療専門医」の関係性の考え方によっては、2割程度の医師の確保は難しくない可能性がある。

 一方で、「必要ない」との意見も21.3%あった。「総合診療専門医」を巡っては、幅広い診療科の知識が必要となることから、「知識のアップデートも含めて、全てを診るのは現実的でない」という批判がある上、訴訟リスクを指摘する声もある。専門医改革においては、「従来の専門医+総合診療専門医」のダブルボードを保持できるようになることも考えられる。

 卒後20年を区切りとして、「45歳以上」と「45歳未満」を比較したところ、「2割以下」の回答は「45歳以上」で62.5%、「45歳未満」で57.5%となり、5.0ポイント開いた。「必要ない」も、「45歳以上」で19.3%、「45歳未満」で25.3%となり、若手の方が重視しない傾向にあった。若手の中には「総合診療専門医」を目指す医師が少なくないものの、一部の若手限定の志向の可能性がある。



http://www.m3.com/news/GENERAL/2014/12/05/275194/?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD141205&mc.l=75967455
税優遇措置は取り消さず 徳洲会事件で鹿児島県
共同通信社 2014年12月5日(金)

 徳洲会グループの公選法違反事件を受け、鹿児島県が傘下の社会医療法人「鹿児島愛心会」(同県鹿屋市)を調査した結果、社会医療法人の認定取り消しを見送ったことが4日、県への取材で分かった。社会医療法人は、税の優遇措置を受けられる。

 県によると、今年8~9月に事件への関与を調査、10月に法令を順守するよう行政指導した。調査結果の内容は明らかにしていないが「医療業務の公益性」の観点も踏まえ、法人認定は取り消さなかったという。

 社会医療法人は、地域医療に貢献している医療法人を対象に都道府県が認定し、法人税などが優遇されるが「法令違反の事実がない」などの条件を満たす必要がある。

 徳洲会関係者らによると、愛心会以外では、千葉県が社会医療法人「木下会」(同県松戸市)を、国税庁が特定医療法人「沖縄徳洲会」(沖縄県八重瀬町)を調べ、税の優遇措置を取り消すかどうか検討している。



http://www.m3.com/news/GENERAL/2014/12/05/275210/?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD141205&mc.l=75967470
進む高齢化、対策急務に 中国、日本のノウハウ期待 「アジア発」
共同通信社 2014年12月5日(金)

 世界最大の人口を抱える中国でも、日本と同様、高齢化が進んでいる。労働年齢人口(15~59歳)はマイナス傾向を示し始め「今、手を打たないと高齢化のスピードに対応できなくなる」と焦りの声も。約300万床不足しているという老人ホームの建設や数千万人のヘルパー育成などさまざまな課題を抱える。

 中国政府は自宅介護を90%、老人ホームが3%、地域での助け合い介護を7%とする目標を定めている。だが、経済成長を背景に子どもは仕事に忙しく、親を施設に預けるケースが増加。かつて「子に捨てられる」と煙たがられた老人ホームは「負担をかけたくない」と自ら入居を希望する人も増えている。

 「中国は裕福になる前に高齢化が進んでしまった」。北京市内で100床規模の老人ホームを運営する王小龍(おう・しょうりゅう)さんは現状に危機感を募らせる。「日本は高齢化問題に早くから取り組んできた"先生"。学ぶことは多い」とノウハウを積極的に取り入れたい考えだ。

 復旦大(上海)で高齢化問題を研究する朱順華(しゅ・じゅんか)研究員は「中国ではヘルパーら専門職の人材が不足しており、数千万人規模で必要になる」と指摘。同大は人材育成で日本の大学との連携を模索しており、日本をモデルにした施設建設を検討、いずれ全国展開させようと計画を進めている。

 東北地方の黒竜江省ハルビン市。働く場を求めて若者が大都市に移り、高齢化のスピードが上がっている。60歳以上が大都市より高い約17%を占め、市は施設1床当たりの補助金を倍にするなど対策を急いでいる。

 市内にある敷地面積11万平方メートル、約1500人が入居する大規模な老人ホームは病院やリハビリ施設などを備え市内外から高齢者が集まる。陶鳳軍(とう・ほうぐん)院長は「同規模の施設は省内に四つ以上あるが、今は1000人が入居待ち」と需要に追いつかない現状を明かす。

 一方で、同市で小規模な老人ホームのチェーンを展開する張暁峰(ちょう・ぎょうほう)院長は「利益も多く、高齢者対策は良いビジネスになっている」と前向きだ。高齢化をチャンスと捉え、今は富裕層向けのリゾートホテル風ホームを建設中という。

 中国初の高齢者向け新聞「老年日報」の陳偉民(ちん・いみん)編集長は「中国は一人っ子が両親とその両親を養う逆ピラミッド構造。子どもに厳しい状況が続いてきた」と指摘する。

 中国は昨年、1980年ごろから続いた「一人っ子政策」の緩和を決定した。夫婦どちらかが一人っ子なら第2子の出産が可能になったが、社会状況の変化で子どもを持たないことを選ぶ家庭も増えているといい、効果はまだ見通せていない。

 陳編集長は「(高齢化を表す)白髪の波はいずれ津波になる」と警鐘を鳴らしている。(北京共同=高木勝悟)

 ※中国の高齢化

 中国統計年鑑によると、2013年の人口は約13億6千万人で、65歳以上は約1億3100万人。国連人口基金は、50年には60歳以上が総人口の33・9%に当たる4億3900万人に達すると予測する。1990年に68・55歳だった平均寿命は2010年に74・83歳となった。14歳以下の人口は1982年に約3億4千万人で、13年には約2億2千万人と減少、少子化も進んでいる。


  1. 2014/12/06(土) 09:44:09|
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