Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

11月11日 

http://www.yomiuri.co.jp/local/miyagi/news/20141111-OYTNT50448.html
薬科大医学部 医師公募、今週にも
2014年11月12日 読売新聞

 東北薬科大(仙台市青葉区)への医学部新設を巡り、同大は11日、東北6県の医療関係者らでつくる「教育運営協議会」の2回目の会合を仙台市内で開いた。教員となる医師について同大は、医師の少ない地域から採用しないなど新たな基準を示し、了承を得た。同大は今週にも公募を始める予定で、高柳元明学長は「医学部設置に一歩前進した」と話している。


 同大は10月に開かれた初会合で、医師の公募に関する指針を示し、「引き抜きは行わない」「所属長の意見に配慮する」と理解を求めた。これに対し、協議会の委員からは「地域医療に支障が生じる」などと懸念の声が続出し、10月中に予定していた医師の公募は先送りされた。

 この日の会合で同大は、従来の指針に加え、▽医師の少ない地域からは採用しない▽勤務先の医療機関がある自治体からも意見を聞く▽後任が確保できる見通しも踏まえて判断する――などの新たな基準を提示、委員から了承された。

 同大は、臨床医ら計180人を教員として公募する計画。2016年春の医学部新設に向け、来年3月に教員リストを文部科学省に提出する必要があり、公募開始を急いでいた。協議会では今後、学生の地元定着策などを話し合う。





http://synodos.jp/welfare/11663
関東の看護師が足りない――西高東低と地域活性化
上昌広 / 医療ガバナンス論

2014.11.12 Wed SYNODOS

看護師が足りない。今年6月、千葉県は県内の59病院で合計2517床が稼働していないと発表した。このうち38病院は「看護師不足」を理由に挙げた。

看護師不足は千葉県に限った話ではない。07年7月には、東京都保健医療公社荏原病院の産科病棟の一つが看護師の欠員を原因に閉鎖した。当時、荏原病院の看護体制は定数316人に対し、欠員が58人だったという[*1]。これでは、病院機能は維持できない。

看護師不足は全国一律に生じているわけではない。図1をご覧いただきたい。人口あたりの看護師数が極端な西高東低になっていることがおわかりいただけるだろう。関東は九州、四国、中国地方の半分強しかいない。


各県の人口10万人あたりの看護師数(正看護師と准看護師の合計)
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図1:各県の人口10万人あたりの看護師数(正看護師と准看護師の合計)

[*1] 『深刻な医師・看護師不足、東京都の危機的な病院運営』東洋経済


意外かもしれないが、我が国でもっとも看護師が不足しているのは関東圏だ。東京も例外ではない。荏原病院は氷山の一角である。

この状況は医師とは対照的だ。東京の医師数は多い。東京で育成された医師が千葉や埼玉で勤務することで、関東圏の医師不足を緩和している。

ところが、看護師の場合には、東京自体が不足しているため、東京で看護師を養成し、周辺の地域に移出することはできない。今後、この地域で団塊世代が高齢化し、医療ニーズが急速に高まることになる。この地域の医療がどうなるか想像もつかない。

看護師不足のツケは最終的には患者が払うことになる。荏原病院のように病床が閉鎖されれば、住民はまともな医療を受けることができなくなる。

また、看護師が不足すると、医療事故が起こりやすくなる。例えば、2003年に米国の研究者らがJAMA(アメリカ医師会誌)に発表した研究によると、外科や救急病棟では大学卒の看護師が10%増えると、患者の早期死亡率が5%低下していた。この研究は、高学歴の看護師を大勢配置したほうが、致死的な医療事故が減ることを示唆し、患者4人に一人の看護師を配備することが推奨されていた。我が国では患者7人に1人の看護師が配備されているのが現状だ。

この研究結果は欧州でも再現され、今年英国のランセット誌で報告された。我が国からの研究はまだないが、看護師の質と量が急性期医療の現場では患者の生死に直結することは、世界の医療界でコンセンサスとして受け入れられつつある。


地域格差を生む養成格差

高齢化が進む我が国で、看護師不足対策は喫緊の課題だ。ところが、その解決は医師不足以上に難しい。それは、医師とは対照的に、看護師の多くは女性で、他の地域からの移住が期待できないからだ。多くの看護師は、地元の学校を卒業し、地元に就職する。結婚して家庭をもつと、看護師不足の地域で働くために「単身赴任」することは難しい。

では、看護師不足を緩和するには、どうすればいいのだろう。私は、看護師の労働条件を改善すると共に、地元での育成数を増やすしかないと思う。

前者については、すでにさまざまな対策が採られ、成果が上がりつつある。日本看護協会によれば、新卒看護師の離職率は7.9%だ。最近は、大卒の新入社員の約3割が、入社後3年間で辞めている。看護師の離職率が飛び抜けて高いわけではない。

一方、看護師が不足していることは、国民の間で情報が共有されておらず、社会の危機意識は弱い。

繰り返すが、我が国の看護師不足の状況には、著しい地域差がある。一般的に、看護師は西日本に多く、東京や大阪などの大都市で少ない。特に、関東の看護師不足は深刻だ。

平成24年現在の人口10万人あたりの就業看護師数(准看護師を含む)は、西日本は1498人、関東は806人と倍以上の差がある。このため、看護師の求人倍率は、西日本では1-2倍の県が多いのに対し、関東地方では3倍程度となっている。なぜ、こんな差がつくのだろう。それは、各地の看護師の養成数に格差があるからだ。図2をご覧いただきたい。

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図2:各県の人口あたりの看護師養成数と人口あたりの看護師数の関係


平成24年現在、人口10万人あたりの看護師養成数は西日本が80人程度であるのに対し、関東は約40人に過ぎない。看護師数と同じく、養成数も二倍程度の差がある。


「西高東低」は明治維新以降の名残

養成数の格差は、我が国の近代化を反映している。明治以降、病院や医師会が中心となって、看護師を養成してきた。病院や医師の数は「西高東低」である。

病院や医師数の「西高東低」は、明治維新以降、官軍の地元であった西日本に多くの医学校が設立された名残だ。戦前までに官立の医学部は13校が存在したが、内訳は九州3、中国1,近畿2,北陸1,東海1,関東2,東北1,甲信越1,北海道1だ。九州の充実ぶりが目立っている。

高度成長期、国土の均衡ある発展を目指し、各県に医学部が設立されたが、これも格差を助長した。それは、西日本と比べて東日本の県の人口は多いからだ。西日本の県の多くが、西国雄藩がそのまま県になったものが多いのに対し、東日本は多くの藩が合併した。その典型が福島県だ。会津、中通り、浜通と、今でもまとまりが悪い。

具体的にご説明しよう。一県一医大制度のもと、人口約400万人の四国には、3つの国立大学医学部が新設されたが、当時、ほぼ同規模の人口を抱えていた千葉県には、すでに千葉大学医学部が存在していたため、新設は見送られた。その後、千葉県の人口は50%程度増加し、四国の人口は380万人に減少した。この結果、四国は人口95万人に一つの医学部があるが、千葉県は人口600万人に一つしかない。四国には医師も看護師も多く、千葉県は医師・看護師不足に喘いでいる。無医村をなくすための政策が、関東の医療崩壊を助長したのだから、皮肉である。


看護学部の急増

このような状況について、政府も無策を決め込んで来たわけではない。平成以降、看護師養成数を年間約4万人から6万人に増やした。

注目すべきは、大学看護学部の急増だ。図3をご覧いただきたい。平成元年には看護系学部があったのは、11大学(関東に5大学)だったのが、現在では228大学(関東に63大学)に増えている。一方、専門学校の定員はむしろ減少傾向だ。平成以降の看護師養成数の増加は、ほぼ看護大学によると言っても過言ではない。


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図3:看護師養成数の推移 日本看護協会の資料より(クリックで拡大)

一部には「粗製濫造」を憂える声もあるが、これでも急増する患者ニーズに応えることは難しい。もし、関東の看護師養成数を、西日本なみに増やそうとすれば、さらに17000人程度、看護師養成数を増やさねばならない。東京だけでも5000人だ。

どうすればいいのだろう。ただ、ニーズがあれば、必ず成長する。図4をご覧いただきたい。この10年間で看護学部の定員は倍増。志望者数は3倍に増えた。この結果、看護学部が大幅に増えても、定員割れは起こしていない。

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図4:看護学部の定員、志望者の推移

私立大学の看護学部の授業料は安くない。初年度納付金が200万円を超える大学も珍しくない。それでも看護学部で学びたいという高校生は後を絶たない。

この状況は大学経営者にとってありがたい。看護学部は、医学部のように新設に対する規制がない。看護学部を作りたいという事業者がいれば、基本的には認められている。ボトルネックは教員の確保だ。看護師の多い九州地区ですら、看護大学の教員確保は難しく、年収1000万円以上が普通だという。ポスドクの就職が問題になっているのとは対照的だ。

少子化が進み、大学経営が冬の時代を迎えた昨今、看護学部設立は大学経営者にとっても、教員にとっても魅力的な存在だ。東京や京都など、私立大学が多い地域では、私大がリードして看護師の養成数を増やしている。来春には、関西の名門同志社女子大学も看護学部を新設する。ただ、地方や千葉・埼玉は同じようにはいかない。大学は東京や関西に集中しているため、看護学部を作ろうにも、設立母体となる大学時代が足りないからだ。図5をご覧いただきたい。東京以外の関東地方には大学が少ないことがおわかりいただけるだろう。このままでは関東の看護師不足は緩和されない。

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図5:各県の18歳の単位人口あたりの大学数


食うに困らない看護師人気

話を戻そう。では、なぜ、こんなに多くの高校生が看護学部を目指すのだろうか。もちろん、看護師が「聖職」であることは大きいだろう。国家資格であり、看護師不足の昨今、食うには困らない。

さらに、意外に知られていないのは、看護師の給与が高いことだ。平成25年の平均年収は472万円である。これは、サラリーマンの平均年収(409万円)を上回る。高度な専門知識が求められる看護師なら、その程度の給料を貰うのは当たり前だが、これだけの収入があれば、自立した生活を送ることが出来る。

さらに知人の予備校講師は「医学部や薬学部と比べて、看護学部の偏差値は低い。40台の学校も珍しくない。それでも卒業して、国家資格をとれば、高給が保証されている。こんな仕事はほかにはない」という。おそらく、このことが看護学部人気の最大の理由だろう。かつて「3K」といわれた職業もずいぶんと変わったものだ。

看護大学人気を考えれば、偏差値は急速に上昇するだろう。ただ、その過程で混乱が生じるはずだ。今後、教育の質を担保しながら、さらに看護師養成数を増やさねばならない。


看護師養成が地域経済を活性化する

我が国の医療レベルを維持するには、看護師を増員しなければならない。実は看護師の増員が必要なのは。医療や教育の面だけではない。地方の雇用確保という意味でも重要だ。

地域経済への影響を議論する上で重要なのは、医師より桁違いに数が多いことだ。平成24年度の就業看護師数は137万人で、医師の約4倍だ。関連産業も含めた自動車関連の就業人口が547万人であることを考えれば、その規模がご理解いただけるだろう。

地方都市では、病院は一大産業である。地域の中核産業となっているところもある。例えば、房総半島でもっとも多くの雇用を提供しているのは、鴨川市の亀田総合病院グループだ。グループの売上は、鴨川市の一般会計と特別会計の合計よりも多い。

病院は、給食からリネン類まで、多くの関係者に仕事を提供する。更に病院職員は、地元で消費する。病院職員の中でもっとも多いのが看護師だ。彼らは、地元で子供を産み、地元で消費し、地元で子育てをする。看護師の増員が、地域を活性化させた例は枚挙に暇がない。例えば、栃木県壬生町は「人口あたりの看護師数が全国5位」であることを訴えている[*2]。獨協医大があるためだが、壬生町の関係者は「看護師が増えたことが、町の経済を活性化させ、雰囲気を変えました」という。

[*2] http://www.town.mibu.tochigi.jp/osirase/sogo/kika_kangosi_zenkoku5.html


看護師養成は、安倍政権が推し進める「ウーマノミクス」と「地方再生」の肝になると言っていい。ところが、政府が看護師増員を推し進めているという話は聞かない。看護師不足が深刻な千葉、埼玉、神奈川、栃木、さらに福島、岩手には国立大学の看護学部がない。せめて、これらの地域の国立大学に看護学部を新設すればどうだろう。やれることから、地道にやっていくしかない。

我が国が抱える少子高齢化は深刻だ。国民の命を守るため、さらに地域の経済を活性化するために、地元での看護師養成に力を入れねばならない。大都市圏、特に関東でどうやって看護師の養成数を増やすか、国民的な議論が必要である。


上昌広(かみ・まさひろ)
医師・医学博士 / 医療ガバナンス論

医師・医学博士。医療ガバナンス論。東京大学医科学研究所先端医療社会コミュニケーションシステム社会連携研究部門特任教授。93年東大医学部卒。97年同大学院修了。虎の門病院、国立がんセンターにて造血器悪性腫瘍の臨床研究に従事。05年より東大医科研探索医療ヒューマンネットワークシステム(現 先端医療社会コミュニケーションシステム)を主宰し医療ガバナンスを研究。帝京大学医療情報システム研究センター客員教授、周産期医療の崩壊をくい止める会事務局長、現場からの医療改革推進協議会事務局長を務める。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/44223.html
和歌山県立医大が公募医師を市病院に派遣- 医師不足深刻な有田市と協定
( 2014年11月11日 19:17 )キャリアブレイン

 和歌山県立医科大と同県有田市は11日、同市立病院で不足する医師の確保を目的とした協定を結んだ。同大が医師2人を全国から公募し、教員として同病院に派遣。医師は研修医や医学生の指導や研究のほか、院内で診察も行う。年内にも公募を開始し、来年4月の就任を目指す。【真田悠司】

 同病院では、昨年春から医師が減少。現在、常勤の内科医は1人しかおらず、他病院から非常勤の医師の派遣を受けて、週4日の内科の診療を賄っているが、入院患者の受け入れを制限せざるを得ない状況となっている。

 今回の協定では、同大が院内に寄付講座を設置し、公募した医師を同大の教員として派遣。診療をしつつ、研究や論文の執筆に取り組むことができる環境を用意する。このため医師にとっては、勤務医にとどまらない研究者や指導者としてのキャリアの形成に役立つという。

 また、研修医にとっては、同大の教員から指導を受けることが可能となり、より充実した研修を受けることができる。

 派遣期間は5-10年間で、人件費を含む1年間の研究費2600万円は市が負担する。



http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtpronews/1411/1411026.html
シフト勤務医は家族やペットと過ごす時間の確保を
ACEPが勤務に伴う心身の負担軽減策

[2014年11月11日] MT Pro / Medical Tribune

 米国救急医学会(ACEP)は,救急医のシフト勤務に対する心身の負担軽減策として,夜勤や睡眠不足時は家族やペットと過ごす時間を増やすなどの対応策を盛り込んだpolicy statementを作成し,臨床研修制度プログラムが極めて過密である研修医の段階から遵守を求めているという。米・University of Texas Southwestern Medical Center Department of Emergency Medicine客員講師の児玉貴光氏が,第42回日本救急医学会総会・学術集会(10月28~30日,会長=久留米大学病院病院長,同大学救急医学講座主任教授・坂本照夫氏)のシンポジウム「救急医療におけるワーク・ライフバランスは如何にあるべきか?」で報告した。
睡眠前の食事内容の見直しで質の高い睡眠確保へ

 ACEPでは,救急専門医と膨大な研修プログラムが義務付けられている研修医とで救急患者に対応する必要があることから,シフト勤務の導入を認容している。

 導入のメリットとして,1回の勤務時間の短縮や当日の勤務調整,平日日中の活動時間の確保が可能になることが挙げられる。その一方で,生活サイクルの乱れや健康障害のリスクが増加するなどのデメリットもあり,医師のワーク・ライフバランスの確保が困難となる。

 ちなみに,シフト勤務者における消化管潰瘍の発症リスクは通常勤務者の約8倍にも及ぶことが指摘されている。また救急医に限定すると,シフト勤務によりうつ病の発症率,自殺率,離婚率,離職率はいずれも増加することが示されている。

 そこで,ACEPではシフト勤務をせざるをえない場合の対応策をまとめたpolicy statementを作成。夜勤や睡眠不足時は自動車通勤の制限や午睡を行う,家族やペットと過ごす時間を増やすなどの対応策を挙げている(表)。
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 また,質の高い睡眠を確保するためには,睡眠前に取る食事内容や寝室環境を見直すことが重要であり,食生活に対しては日常だけでなく夜勤時や勤務明けの食事内容にも考慮することを推奨。適度な運動の実施についても求めている。

 さらに医師が限られた時間で効率的に勉強するための方法も挙げており,特に通勤時間や運動中に学習できる救急医向けのポッドキャストの活用を推奨している。

 児玉氏によると,米国においても過酷な労働環境が敬遠される傾向にあり,労働環境の見直しを行い,心身の負担軽減対策が試みられているという。シフト勤務者におけるワーク・ライフバランスの確保に向け,ACEPでは研修医の段階からpolicy statementの遵守を推進している。

(田上 玲子)



http://www.chunichi.co.jp/article/mie/20141112/CK2014111202000010.html
県、医師・看護師を確保 在宅医療の支援へ基金新設
2014年11月12日  中日新聞 三重

 県は本年度、消費税率の引き上げによる増収分などを積み立て、医療・介護の提供体制を整備する基金を新たに設ける。在宅医療の支援や医師・看護師らの確保の強化などが柱で、近く基金の設置条例案と、二〇一四年度の積立金として計十六億五千万円を計上した一般会計補正予算案を県議会に提出する。一四年度は国から十億九千九百万円の交付を受ける。

 基金は、六月に成立した「地域医療・介護総合確保推進法」に基づき、消費税の増税分を財源に各都道府県が設置。国が三分の二、県が三分の一を負担し、医療の取り組みには一四年度から、介護には一五年度から充てる。

 県は基金の計画作りに当たり、医療・介護関係者を交えた懇話会の意見を反映させた。十月に一四年度の計画をまとめ、五十六の事業を掲げた。計画の取り組みを通じ、人口十万人当たりの医師・看護師数などを全国平均にまで引き上げるとの数値目標も盛り込んだ。

 一四年度の基金の使い道のうち、在宅医療の提供には七千万円を配分。市町が在宅医療を実施する拠点の整備や、在宅歯科医療の支援施設「地域口腔(こうくう)ケアステーション」の人材育成、在宅医療で必要になるカテーテル、チューブなどの供給拠点となる薬局の整備を支援する。

 また、情報通信技術(ICT)を活用した地域医療ネットワーク基盤の整備では、医師が在宅患者の基本情報などを見るタブレット端末の整備などを支援する。

 医療従事者の確保には十二億四千万円を投じる。岡波総合病院(伊賀市)などで看護師宿舎を、同病院や三重大付属病院(津市)などで院内保育所施設の整備を支援するほか、分娩(ぶんべん)医らの確保や助産師の活用、東紀州地域における看護職員の掘り起こしも進める。救急医療の人材確保では、二次医療救急機関の非常勤医師の確保を支援する。

 (相馬敬)



http://www.m3.com/open/iryoIshin/article/268347/?category=research
「お任せします」の結果、医療訴訟◆Vol.9-2
「医療過誤、人間関係」編、医師になって最悪の体験

2014年11月12日 池田宏之(m3.com編集部)

【医療過誤、訴訟リスク、訴訟】

・医療過誤が起きてしまった患者がおり(500gの子どもに口からい入れたシリコン製の胃チューブで胃穿孔・腹膜炎が起こってしまった)、所属の医長が毎日、院長や患者の家族との面会のために、引っ張り出されていた。医師だけでなく、病棟全体に無気力感が漂った。そもそも、定床をオーバーしていたのに、無理して引き受けた患者(新生児)で医療過誤があってから、「精神論で仕事をするのはやめよう」と思い、勤務医を辞めるきっかけとなった。

・不良患者のお話。傷病手当などで生活していた患者に退院を勧めたのがきっかけで、「訴える」「新聞社にネタとして売る」などと脅された。若かった私には随分ストレスだった。

・「お任せします」と言われて治療に臨み、手術の結果が悪く、訴訟。少額の示談で済んだが、このような状況では命に関わる疾患を治療する医師がいなくなってしまう。

・原因不明のショック状態で救急車で担ぎ込まれた中年の男性に対して、末梢血管確保困難なため、IVH catheter留置を試みるも、局所麻酔(キシロカイン)のみで心停止に陥り、医療裁判に持ち込まれそうになった。

・喘息重積発作で救急搬送された維持透析中の患者に、呼吸状態が悪化したため挿管、その後も快方せず亡くなった。70代後半で透析中だったため抵抗力も低下していたが、80代の夫は納得せず、訴えられそうになった。年末年始で、病院に通い手を尽くしたのだが。

・私が勤務していないときの医療ミスが5年後に発覚して、患者の治療もままならず、常に謝罪し続けて入院治療した。

・家族を捨てて内縁の妻と同居していた男性が入院。退院させようとしたら、内縁の妻が「自分も入院して手術するのでもう面倒は見られない」と言った。男性は白内障が進行していてほとんど目が見えず、心筋虚血も疑われたが、眼科には「先に心カテしないと手術できない」、循環器科には「保証人がいないと検査できない」などと言われて八方塞がり。法的に後見人をつけるように、患者に説明したが、「面倒だから退院する」と。しかし、退院させれば野垂れ死ぬ気がした。誰に相談しても対応してくれないので、患者の望み通り、退院させることにしたら(自分はマスコミ沙汰になってもしょうがないと思っていた)、あわてて病院が対応しだした。結局、医者が困っているときには放っておいて、病院の名前が出そうになったら慌てるのだとあきれた。

・麻薬常習の夫に暴力を振るわれ、警察に保護されてきた女性患者を経験した。その時、傷害であれば、現行犯逮捕できるということであったので全治1カ月を、やや大げさに診断書を書いた。事件の裁判の時、女性が夫をかわいそうになったのか、「それほどひどい傷害ではなかった」と言いだし、裁判で証言台に立たされるはめになった。


【上司、同僚、部下など】

・コミュニケーションの取れない上司。質問すれば、回答はなく罵倒されるのみで何も解決しない。殴る蹴るの暴行をする。治療方針の確認もできない。やがて助手につくことも拒否され、病棟でも意図的に避けられてお手上げ状態。一生恨むと思う。

・周囲の医師に全く診察能力がなく、自分の外来を受診し、新たな疾患が多く見つかった。他の医師の能力の低さに愕然とした。

・Non-MD ばかりの研究室にいると、まわりのヤッカミが面倒。特にアルバイト。

・上司が、気に入らない患者を自分の外来に回してくるが、その際の診察内容や説明が、カルテから読み取れない。

・女医の上司に苦労させられた。仕事は遅いし、いい加減。業績は取られるし、学会にも行けない。言葉がきつく、何度も心臓をえぐられた。自分の心を守るため、会話をしないように。数年後転勤となったが、自分の人生の中で空白の期間となった。

・職員の犯罪で、診療が成り立たなくなった。

・一つの職場が長くなると、ともに医療の修羅場等を経験する看護師達に医療パートナーとしての信頼を深めるととともに、熱意や向上心など求めてしまった時代があった。新しい新人が入ってくるたびに、片思いであることを思い知らされた。

・仕事しない、できないことを指摘すると、「パワハラ」と言われること

・医局人事で派遣されていた病院の院長が、病院運営を夫婦で私物化し、是正しようとした多くの医師がパワハラを受けた。私も刑事事件に巻き込まれ、裁判所までが、厚労省と結託して、真実を発見することもせず、無辜の人を犯罪者に仕立て上げた。

・麻酔科依頼すれば何でもすぐに麻酔できると思っている外科系医師たち。

・上司が高齢で認知症状が出てきたのに医療を継続し、そのしりぬぐいをさせられている。

・女性スタッフが、どれほど自分勝手か知らなかった。優先順位で言えば、1位子ども、2位自分、3位夫、4位ペット、そして5位にバイト先の院長だと悟った。

・よかれと思い、科の責任者を降りて後輩に責任医になってもらった途端、その後輩から完全な拒絶状態にされたこと。当方に見る目がなかったのかもしれないが。

・医局人事で勤務していた病院は科により所属大学医局が違っていたので、すごく仲が悪かった。院長と副院長の派閥があり、まっとうな副院長が辞める羽目になり、ぼんくら院長が残ったときは涙が出た。正直者が馬鹿を見るというのが身に染みた。

・人見知りするので、新しい勤務先に移ると、病院内や地域の医師とのネットワークを作るのに困った。


【医局、職場、待遇】

・研修した病院が日本内科学会の教育認定施設であったはずだったが、継続申請を忘れるという上層部のミスがあり、さらにそれを研修医に説明していなかったことから、内科認定医試験を受けようとしたときに受けられないことが、大学院の時に判明した。謝罪もなかった。その病院はもちろん、支配下医局に関係することはもはやないですが、7年分損した。結局、別の病院で研修し直して、内科認定医などの専門医を取得。私を救ってくれた病院長(医局とは無関係の方)には大変感謝している。

・昔の研修医制度の際、某神経内科教授が昏睡状態の患者を「昏迷」と言い張り、精神科に土曜日に力で入院させた。土日当直が研修医1年目の私であり、土曜の午後から、院内を走り回り、諸々の先生方に診てもらったが、原因不明。担当医も決まってなく、日曜も院内を走り回るが、全員お手上げ状態だった。医学書を読み、検査を施行したが、状態も悪化。結局、月曜の昼には死亡。こんな病院(医局)って、あり?今はないだろうけど。

・医局が異なる大学より派遣医師数名を依頼され採用したが、数年で派遣を一方的に切られた。業務拡大を行い非常に患者数、地域への貢献が進んだが、これが崩壊した。

・大学医局在籍中に回った関連病院にろくな所がなかった。おかしい上司のいる病院に派遣されたとき、何もかもが嫌になり、鬱になりかかって退職を決意したが、教授から強く慰留されて、その時は辞められなかった。その後、医局を離れるまで約10年間もかかったが、常に「いつ辞めるか」ばかり考えていた。医局を辞めてからも色々あったが、退局後は全て自分で決めてきたのと、劣悪な環境に耐えてきたことを思えば、大した問題には感じなかった。

・院内で急性心筋梗塞を発症した患者にPCIを行っている最中に、院外から心筋梗塞の症例を受け入れてほしいと連絡があった。上司からは他院に転送するよう指示を受けたが、諸事情で他院が受け入れを拒否。結局、最初のPCIを終了する前に当院へ搬入となった。救急部のDr.に初期診療をお願いし、最初のPCIが終了直後に、冠動脈造影を開始。最終的にPCIを行って救命できた。院内、院外の医師があまり積極的に協力してくれず、孤立した感じがした。そんな上司にはついていきたいとは思わず、同院を退職した。

・高齢、寝たきりの長期入院でも状態が悪化すれば、十分な説明なしに気管挿管、人工呼吸を院長主導で始める病院。そのまま1年以上機械呼吸の患者もいる。死亡すれば、うっ血性心不全の病名で、見送りもしない。30年前の倫理観で、基礎病態を考慮せずデータの改善にばかりとらわれる医療で困惑している。

・小さい医院なので、スタッフの獲得。糖尿病の患者が多く、採血やインスリン指導もできる看護師を、長期に雇用するのに苦労するし、経費も高くなる。患者の訴訟や問題は今までないが、ヒヤリハットは良くある。

・外科医不在のトップ会談で、手術実施が決まり、手遅れの手術をやらされ、術後24時間以内に死亡した。当然、亡くなった直後に怒鳴り込みに行ったが。

・院長になりたくないのに、「ぜひ、なってください」と言われたこと。理由は、非医師の理事長が診療に口出しし、院長はじめ医師を次々と辞めさせていったから。口先だけで、口説かれても、明日は我が身。

・休日前日の急患。準夜帯の紹介希望の電話。遠く離れた研究会場で鳴る携帯呼び出し。いずれも冷静に受けられない。同様に弁護士からの電話、社会保険庁からの丁寧な呼び出し。手が震え動悸がする。

・研修医1年目の第1日目に5人の患者の主治医になった。

・基本的に、「いいえ」と言えない職場であったこと。

・僻地病院勤務中、台風で道路が寸断されている中、29週の妊婦の陣痛が急激に進んで出生。暴風の中、蘇生してNICUのある病院まで搬送した時。車内の揺れで、事故抜管も起きたりして大変だった。

・地元の10代の男性、休日にスキーで受傷し来院。脊椎損傷で搬送先を探したが、どこも受けてもらえなかった。最終的にある病院で受けてもらい、関連の大学病院で手術となったが、大学は県外で、その後のリハビリや通院が大変であったとことを、後に聞いた。数回、同じようなことがあり、搬送先探しに苦労した。

・女性患者や看護師からのセクハラ。

・アルバイトで行った病院で、自動車事故で、頭部打撲を受傷した小児を診察した。自分で頭部単純X線撮影し骨折線を見出した。以前に勤務していた県立病院へ救急搬送した結果、急性硬膜下血腫の診断で緊急手術となり一命をとりとめたこと。

・診療所の水道管が破裂し、水浸しなり1週間ほど診療ができなかったこと。

・1人目の出産が、医師になって1年も経過していない時で、以降、常勤を外され、大変だった。女性医師だからこその苦労。



http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS11H2P_R11C14A1EE8000/
医療保険改革の公表取りやめ 厚労省
2014/11/11 20:00 日本経済新聞

 厚生労働省は11日、13日に予定していた医療保険改革の公表を取りやめると発表した。改革案は世代間の負担の公平化を掲げ、高齢者の負担増策を盛り込んでいた。政府・与党内で安倍晋三首相が年内に衆院解散・総選挙に踏み切るとの見方が強まり、公表するのは得策ではないと判断したとみられる。

 塩崎恭久厚労相が本部長を務める医療介護改革推進本部を開いて、厚労省の医療改革案をまとめる段取りだった。厚労省は公表をやめた理由について「関係各所との調整がうまくいかなかった」と説明している。14日に開く社会保障審議会医療保険部会も中止する。

 改革案には、75歳以上が入る後期高齢者が払う保険料を最大9割軽減する特例措置を段階的に廃止する内容を盛り込んでいた。11日午前開いた自民党の会合では選挙を意識した発言もあり、負担増策への慎重な意見が相次いだ。


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