Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

10月28日 

http://www.m3.com/iryoIshin/article/264359/?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD141028&dcf_doctor=true&mc.l=69811209
医療機関の消費税問題
6割の病院、消費税補填されず、8%引き上げで
「150%以上」も1割以上、四病協など調査

2014年10月28日(火) 池田宏之(m3.com編集部)

 四病院団体協議会と日本病院団体協議会は10月27日、消費税率8%引き上げに伴う、病院における補填割合の調査結果の速報値を公表した。補填率は、100%未満が6割を超え、多くの病院が税率引き上げで負担が拡大している可能性を示唆する結果だった。一方で、補割合が「150%以上」も1割以上で、病院による差は大きい。中央値は87.1%。平均値は、公表していない。

 調査は、今年8月から9月にかけて、両団体に所属する1075病院を対象に実施し、26.2%に当たる282病院の結果をまとめた。手法は、消費税率5%時の前年度の決算において、8%となった場合の補填割合を見た。

 結果を見ると、補填割合が「50%未満」が12病院で4.3%、「50%以上、100%未満」が165病院で58.5%、「100%以上、150%未満」が63病院で22.3%、「150%以上」が42病院で14.9%。6割強が程度の差はあるが、補填しきれず、負担が拡大していることを示唆する結果。急性期病院などの課税対象の経費率が高い医療機関や、高額投資を実施していることが影響する減価償却割合が高い医療機関が、補填割合が低くなる傾向があった。

 調査結果は、「想定的には補填されているが、個々の医療機関の特性によるバラつきが大きく、次回改定時のより適切な対応策を検討していく必要がある」としていて、今後、調査結果をさらに精査していく。



http://www.m3.com/iryoIshin/article/264422/
降圧剤論文問題と研究不正
ブリストル社、不適切関与、東大の臨床研究に
「臨床研究倫理指針に違反の疑い」と指摘

2014年10月28日(火) 池田宏之(m3.com編集部)

 ブリストルマイヤーズ社は10月27日、慢性骨髄性白血病(CML)の治療薬「スプリセル(一般名:ダサチニブ)」を巡る臨床研究において、「資金提供なし」と表明しながら、ブリストル社の資金が研究資金となり、医師への謝礼金になった可能性や、不適切な労務提供を認定し、「厚生労働省の臨床研究倫理指針に違反する疑いが強い」とする第三者機関の報告書を公表した。データ改ざんや個人情報の流出などは確認されなかった。

 研究の名称は「初発慢性期慢性骨髄性白血病に対するダサチニブの第II相臨床試験」で、目的はダサチニブの有効性と安全性の検討。研究責任者は、東京大学血液・腫瘍内科教授の黒川峰夫氏で、実施は大阪にある黒川氏らが関わる研究会が担った。登録期間は2011年7月1日から2013年6月30日までで、観察期間は投与開始から36カ月間。東京大学が、労務提供や利益相反(COI)の問題で不適切とする調査結果が公表されたことを受けて、ブリストル社が2014年5月に中止となった(『東大、新たに5つの不適切臨床研究、SIGN研究調査』を参照)。

「資金提供ない」は事実でない

 調査結果によると、ブリストル社から黒川氏の研究会に対しては、「実質的な資金提供」があったことが認定されている。ブリストル社は、ある大阪の公益財団法人に対して、2011年12月に4000万円、2012年10月に1000万円を寄付。5000万円のうち、事務手数料などを差し引いた金額が、黒川氏の研究会に研究助成金として交付されていた。だが、プロトコルには、研究資金について「研究会から拠出される。製薬企業などからの資金・装置等の供与はない」と記載されている点について、報告書は「事実に反する記載がされている」として、「厚生労働省の臨床研究倫理指針に違反する疑いが強い」と結論づけている。

 試験においては、黒川氏の研究会が、医療機関に対して、症例登録1例について、10万円の謝礼を提供していた。公益財団法人が通じて、研究会に入った資金について、報告書は「(ブリストル社が)臨床研究に対する経済支援を目的とするものであった可能性が高い」として、医師への謝礼の原資が、ブリストル社の寄附金であった可能性を指摘。10万円について、「処方の誘引性は小さいものではない」と指摘していて、謝礼について、医療用医薬品製造販売業公正競争規約における「間接提供」、「(研究者などの)医療機関等が自ら支出すべき費用の肩代わり」となる疑いの可能性を指摘している。

公正さへの懸念抱かせる労務提供

 さらに、報告書では、倫理指針違反の疑いの可能性として、社員への研究への関与についても認定。主に関与が認められたのは、MRの営業やサポートをする「RMS(Regional Marketing Specialist)」と呼ばれる立場の社員ら。RMSの社員らは、エンドポイントや観察期間設定の時点からのプロトコルの作成業務、プロトコル作成委員が使うパワーポイント資料のドラフトの作成、症例登録の促進などに携わっていること認定され、「数々の労務提供を行ってきた」(報告書)。さらに、一部の大学病院の倫理審査委員会に対する申請書等の作成もサポートしていて、報告書では、「臨床研究に必要とされる公正が損なわれるのではと第三者から懸念が表明されかねない状態」としている。労務提供については、当時の執行役員がプロトコル作成への関与を認識、容認していた点を指摘して、「(労務提供は)組織性も認められる」と結論付けている。

       


http://www.m3.com/news/GENERAL/2014/10/28/264338/
大学交付金、成果で配分 財務省案、統廃合も
共同通信社 2014年10月28日(火) 配信

 財務省は27日、財政制度等審議会の分科会を開き、国立大学に配る運営費交付金の改革案を示した。交付金の3割程度を「改革経費」とし、論文数や若手登用といった指標で成果を評価し配分する仕組みに見直す。文部科学省と協議し、2015年度の導入を目指す。

 成果を上げている大学に重点配分する一方、不十分な大学は減額されるため、競争原理が働いて大学の統廃合につながる可能性がある。

 運営費交付金は14年度予算で1兆1123億円を計上している。大部分が教員や学生数に応じて配分されるため、各大学の取り組みや改革姿勢が反映されにくい。このため改革案では、産学官連携の研究成果など各大学の評価を点数化し、改革経費の配分に差をつける方針だ。

 また、公立小学校の1年生で導入されている「35人学級」については、1学級40人体制に戻すよう求めた。文科省が15年度からの実施を目指す幼児教育無償化に対し、こうした予算見直しで代替財源を確保するようけん制する狙いがある。

 分科会では社会保障予算も審議。財務省は生活保護の受給者に安価な後発薬の使用を徹底して求めることを提案した。

 公費で医療費を全額負担する「医療扶助」は12年度に1兆6759億円に上り、生活保護費の半分近くを占めている。発売されている後発薬を全て使えば約490億円の経費削減につながるとの試算結果を示した。



http://www.m3.com/iryoIshin/article/261971/
インタビュー 医療維新
2006年以来の大改革時代 - 中川俊男・日医副会長に聞く◆Vol.2
次期改定、カギは「主治医機能」評価

2014年10月28日(火) 聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――そのほかの関連テーマについてもお聞きします。先ほども「新たな財政支援制度(基金)」の話が出ましたが、その使途のほか、来年度にどの程度の予算が確保できるかも注目点です。

 (国の2014年度予算904億円のうち、上乗せ措置の)360億円の確保は不透明です。そうなると、(消費税増収活用分の)544億円のうち、(従来の補助事業から基金に振り替えられる事業費の)約274億円を引いた残りが基金の予算です。47都道府県で単純に割れば、1県当たり6億円弱。これが、公費分です。

――基金は、どのように使えば、医療提供体制に最も資するとお考えですか。病床の機能分化・連携のために必要な事業(施設・設備の推進のための事業)、在宅医療・介護サービス充実のために必要な事業、医療従事者等の確保・養成のための事業が、基金の3本柱です。

 診療報酬と違って、基金は“箱モノ”中心。柱の一つである在宅医療については、ネットワーク作りに使うなどの話が出ていますが、2015年度は老健局で(ネットワーク作りに関して)予算化しており、基金から出ないのでは、との話もあります。さらに、消費税増収は、社会保障費の国庫負担分に使うことになっていますが、年金も大変で、少子化対策にも充てるため、どの程度、予算を確保できるかという問題もあります。いろいろと難しいですが、まだ始まったばかりであり、調整しながらやっていきます。

 これは、あくまで個人的な意見ですが、基金の財源は、本来は診療報酬改定財源に充ててほしいと思っています。基金は医療従事者の研修などにも使えますが、雇用そのものに使うことができるのが診療報酬です。人材確保に継続的に使えるという意味でも、安倍政権の成長戦略と合っているでしょう。

――今、厚労省の「医療法人の事業展開等に関する検討会」で検討されている、非営利ホールディングカンパニー型法人制度(非営利新型法人制度)についてもお聞きします。

 10月10日にも会議が開催されましたが、我々の主張が取り上げられ、かなり良くなりました。何よりも、非営利新型法人の事業地域範囲を「2次医療圏」となった点です。より広域になることを懸念していました。しかも、第6回の会議から、厚労省資料では、「非営利ホールディングカンパニー型法人制度」という言葉を使わず、「非営利新型法人制度」を使うようになり、第7回の会議では「地域連携型医療法人」となっています。

――チェーン病院が、全国展開するツールに使う可能性があった。

 はい。

――そもそも、非営利新型法人は、地域医療構想の実現に資するのでしょうか。

 地域医療構想の実現にはあまり貢献しないでしょう。事業地域を地域医療構想の区域に限定したとしても、最悪の場合は、非営利新型法人が、その区域内を制圧してしまう可能性があります。

――厚労省は、この制度を活用し、関係者の利害対立を防ぎ、病床の機能分化を進めようとしているのでは。

 それはあり得ます。しかし、気を付けないといけません。非営利新型法人ができて、「その法人に参加していない医療機関はダメ」という流れも、小さい構想区域であればあり得るからです。

 だから本当は、非営利新型法人は作りたくなかった。しかし、社会医療法人などが現実に2次医療圏を超え、企業買収のようにM&Aを進める病院も出てきています。その歯止めにはなると考えています。

――非営利新型法人を創設するのであれば、医療法改正になりますか。

 医療法人の一類型として位置付けるので、医療法改正が必要です。

――さらに機能分化については、外来でも進められ、社保審医療保険部会で大病院の抑制策が議論されています(『大病院の紹介なし初診、「5000円」で抑制』を参照)。同時並行的に、さまざまな改革が進められています。

 健康保険法改正では、「患者申出制度(仮称)」の創設も予定されています。これほど、さまざまな方面から制度改革が進められる時期はなかったのでは。直近では、2006年の医療法改正と、後期高齢者医療制度の創設などを盛り込んだ健康保険法等改正も大変でしたが、それと同じか、それ以上の大変さでしょう。

 しかも、2006年の改正時とは異なり、今回は「地域」という概念が打ち出されているのが特徴。都道府県医師会や郡市区医師会の仕事も本当に増えています。各地方医師会にお伺いする時には、励まし合っています。

 繰り返しになりますが、現状でうまくいっている地域であれば、「地域医療構想」は、現状投影でもいいのです。今の議論は、狭い地域に多くの大規模の急性期病院があるような、特殊な地域をクローズアップし、問題解決を図ろうとしています。そうでない地域も多い。むしろ、うまくいっている好事例をクローズアップしてもらいたい。

 「地域医療構想」に関する国のガイドラインは、来年1月に作成する予定です(『地域医療構想の「区域」、2次医療圏が原則』を参照)。一番のポイントは、「構想区域」における2025年の各医療機能の必要量の推計方法を、どのように提示するかです。ただし、ガイドラインが示す推計方法は、あくまで参考であり、「それを使わなくてもいい」という文言も入れるよう、要望していく予定です。

――最後に、先生が委員をされている中医協についてもお聞きします。2018年の診療報酬と介護報酬の同時改定に向けて、2016年の次期診療報酬改定は、どんな方針で臨むべきとお考えでしょうか。

 まずは財源をいかに確保するかです。消費税率が10%に引き上げられるかが焦点ですが、財務省は、「10%に上げなければ、数字まで上げて大幅な引き下げ」と言っているとも聞きます。これはあり得ません。さらに、薬価改定財源が、今改定と同様に、(次期改定で)自動的に国庫へ返納される可能性がありこれも懸念点です(『中川日医副会長、改定で「3つの苦言」』を参照)。

――財源が一定程度確保されたと仮定した場合には、どこに重点的に取り組むべきとお考えですか。

 まずは(2014年度診療報酬改定で新設された、主治医機能を評価する点数である)地域包括診療料、地域包括診療加算の要件を緩和する。医薬分業の流れを院内調剤に戻す。長期処方を是正する。この辺りから始めたいと考えています。

――先ほど言われたように、「いくら病床機能報告制度などを作っても、患者さんはどこを受診したらいいかが、なかなか分からない」ため、かかりつけ医を普及させることが目的でしょうか。

 その通りです。かかりつけ医機能の評価をさらに進めたいということです。それにより、在宅医療も進めやすくなります。

――「医薬分業の流れを院内調剤に戻す」とは。

 地域包括診療料の算定要件に、服薬管理や健康相談などがあります。「日医は方針転換をしたのか」との指摘を受けそうですが、かかりつけ医機能を評価する一環として、行き過ぎた医薬分業を是正するという意味です。

 同時に、(厚労省が2015年度概算要求で盛り込んでいる)健康情報拠点「健康ナビステーション(仮称)」も、根本的に見直させたい。薬学的知見に基づく服薬指導までが、薬剤師の仕事です。それを超えた医学的判断に介入し、アドバイスなどをしようとする動きに対しては、薬剤師の本来業務をきちんとやってほしいと働きかけていきます。



http://www.m3.com/news/GENERAL/2014/10/27/263598/
【兵庫】公立八鹿病院、医師が反発し辞表 市長、管理側に「意思疎通の努力を」
毎日新聞社 2014年10月25日(土) 配信

公立八鹿病院:医師が反発し辞表 市長、管理側に「意思疎通の努力を」--養父 /兵庫

 養父市八鹿町の公立八鹿病院で、経営改革の手法や人事などを巡り、医師の中から反発が出ている。8月に「改革に前向きではない」として、病院側から外科系診療部長を解任された医師は今月辞表を提出。病院を管理する公立八鹿病院組合の細川裕平管理者は「誤解があれば、辞表を出した医師に謝罪したい」とし、管理者の任命権者の一人、広瀬栄・養父市長は「意思疎通を欠いているので、理解に向け努力するよう管理者、院長に強く求めた」と述べた。

 八鹿病院によると、病院の累積赤字は今年3月末現在で約81億円。病院組合は経営健全化のため、2012年12月に第2次の病院改革プランを策定した。その進め方などに反発する医師8人は今月16日に記者会見を開き、「医師が減り、忙しい中、収益が少ないと言われ、追い詰められている」と訴えた。管理者の交代を求める、とも主張している。

 これに対し、22日に細川管理者と谷風三郎院長が記者会見を開き、谷風院長は「辞表を提出した医師に対し、慰留のうえ、謝罪した」と明かした。細川管理者は「改革については理解を求めたい」とする一方「改革には医師確保が最優先なので慰留は当然」と話した。管理者、院長ともに今後、医師たちとの話し合いを続ける意向を示した。

 広瀬市長は24日、定例記者会見で「9、10月に複数回、管理者、院長や多くの医師と話をした。改革が必要との思いはみんな同じだと思うが、進め方を巡り意見の違いがあり、対立の構図となった」と説明。「管理者を任命したのは私で、市民に大きな不安を与えたことをおわびしたい」と述べた。【柴崎達矢】



http://www.m3.com/news/GENERAL/2014/10/27/263986/
大病院受診に5千円 患者集中で役割果たせず
共同通信社 2014年10月27日(月)

 政府が検討中の医療保険制度改革案では、紹介状なしで大病院を受診した際には、初再診料に加えて一定額の窓口負担を求める方向だ。追加で5千円を上乗せする案が有力となっている。大病院の窓口負担を増やすのは、患者が大病院に集中しては、大病院が本来求められている救急や高度医療などの役割を果たせない恐れがあるからだ。

 一般病棟に入院した時の食費も、現在の1食原則260円を460円に引き上げる。

 社会保障審議会の部会では賛成意見が多かった一方で、「地方には大病院しかない地域や紹介状をもらえないところもある」との指摘も。患者の大病院志向を変えるには、かかりつけ医の育成にも力を入れるべきだとの声も根強い。



http://www.m3.com/news/GENERAL/2014/10/27/263596/
千葉県がんセンター 腹腔鏡手術後死亡 検証対象11人に
毎日新聞社 2014年10月25日(土)

県がんセンター:腹腔鏡手術後死亡 検証対象11人に /千葉

 県がんセンター(千葉市)の腹腔(ふくくう)鏡手術を受けたがん患者が術後に相次いで死亡した問題を調べている第三者検証委員会(多田羅浩三会長)は24日、検証対象をこれまでの9人から11人に増やした。

 同委員会は手術の評価や院内の意思決定手続きなどを検証し、高度な技術が必要とされ、医療的専門性が求められる手術の検証は一般社団法人「日本外科学会」が行っている。

 同日の検証委では、同学会から患者2人のケースを新たに検証対象に加えるよう報告があった。問題を巡り現存するカルテを調査したところ、既に検証を始めた9人の他に、同手術を受けて入院中に死亡、または手術から30日以内に亡くなった人が2006~13年度に9人いることが判明。同学会は専門的・技術的な面から、それらを検証対象に含めるべきかどうか判断するよう検証委から依頼されていた。【味澤由妃】



http://www.huffingtonpost.jp/masahiro-kami/genetic-diagnosis_b_6059392.html?utm_hp_ref=japan
遺伝子検査の「事前規制」には反対だ
上昌広
東京大学医科学研究所 先端医療社会コミュニケーションシステム社会連携研究部門 特任教授
投稿日: 2014年10月28日 18時58分 JST 更新: 3時間前 ハフィントンポスト

DeNAが東大医科研と組んで遺伝子診断サービスを始めた。多くのメディアが取り上げ、永田町でも超党派の勉強会が立ち上がった。

IT企業と医療を結びつけたのは、遺伝子シークエンス技術の急速な発展だ。90年に米国が主導して始まったヒトゲノム計画の完遂には、13年の歳月と30億ドルの予算を必要としたが、最近では数時間、1000ドル程度で解読することが可能になった。

シークエンス技術の発展で加速したゲノム研究により、人類の近未来にはどのような変化が訪れるのだろうか。最近の注目は、複数の遺伝子や全てのゲノムを解析し、その結果を用いて究極の個別化医療を提供することだ。既に、一部の医療では実用化されている。近年は、教育やスポーツへの応用も進んでいる。

遺伝子診断は、まだ発展段階だ。「現代の星占い」と揶揄されても仕方のないレベルのものもある。ただ、私は試行錯誤を繰り返して発展していくと考えている。何事にも試行錯誤が必要だ。

ところが、一部の専門家は「現時点でDeNAが遺伝子検査サービスを販売することは時期尚早で、政府による規制が必要」と考えている。私は、情報開示の徹底、遺伝子差別の禁止は必須だが、「どの遺伝子診断をやってよくて、どの遺伝子診断をやってはならないか」を政府や、その周辺の団体が決める「事前規制」には反対だ。今回は、この話を取り上げたい。

反対派の医師が、遺伝子検査の問題ケースとして紹介するのは、米国の「23andMe」だ。共同創業者で、同社のCEOを務めるアン・ウォジツキは、グーグルの創業者であるセルゲイ・ブリンの妻である。この会社が、どのような背景を持つかお分かり頂けるだろう。

「23andMe」は、疾患リスクや体質に関する遺伝情報に加え、人種に関する遺伝情報を提供するサービスを始め、膨大なデータを蓄積してきた。順調に世界の遺伝子診断マーケットを支配するかに見えた。

ところが、同社のサービスの継続が困難になる事態が起こった。昨年一一月、FDAが同社の遺伝子診断サービスの中止命令を出したのである。現時点のシークエンス技術は一定の確率でエラーが避けられず、臨床試験による検証もなく、一般消費者に遺伝子サービスを提供することは、時期尚早と判断したためである。
確かに、遺伝子情報に基づく、疾患リスクの推定方法は、まだ十分に確立しているとは言えない。特に、心筋梗塞やアルツハイマー病のような多因子が絡む疾患のリスクを推定するのは難しい。

実際、遺伝子診断技術は未熟だ。「23andMe」を含む複数の遺伝子検査会社に同時に検体を出したら、全く違った結果が返ってきたという笑えない話もある。

FDAの命令を受け、「23andMe」は、即座に疾患リスクを推定する遺伝子検査の販売を中止した(人種の推定は継続している)。ただ、「23andMe」も強かだ。着実に手は打っている。

医学的専門性の低さを指摘されたことに関しては、医学界に広いネットワークを持つジル・ハーゲンコード医師をチーフ・メディカル・オフィサーとして雇用した。

政治への配慮も余念が無い。5月3日、ウォジツキはホワイトハウスを訪問し、オバマと夕食を共にした。その5日後、今度は彼女の自宅にオバマを招き、政治資金集めに協力した。夕食には20人の関係者が出席した。夕食に参加するためのチケット代は、一人当たり3万2400ドル以上である。

これが奏功したのだろうか。7月には国立衛生研究所(NIH)が、「23andMe」に約140万ドルの研究費を支出することを決めた。ウェブベースの遺伝データベースを整備することが目的である。

最近になって、「23andMe」はファイザー社と、炎症性腸疾患の遺伝的要因を調査するための、共同研究を開始した。

将来、「23andMe」が蓄積したデータを購入するのは製薬企業だ。遺伝情報に基づく個別化医療は、世界の潮流。製薬企業にとっても、ビッグデータの取り扱いになれた「23andMe」と協力することは渡りに船だ。IT企業と製薬企業のコラボによる、新しい臨床研究が生まれつつある。

「23andMe」は既に16報の医学論文を発表している。動機の不純さは兎も角、「23andMe」がゲノム研究の重要なプレーヤーに成長しているのは事実だ。米国は、順調に遺伝子診断・ビジネスのデファクトスタンダードの獲得しつつあると言っていい。米国在住の知人は「23andMeの遺伝子検査は再開目前」と言う。

我が国でもDeNAを始め、複数の会社が遺伝子検査を始めようとしている。彼らが販売するサービスへの質の評価は必要だ。ただ、一部の専門家が求めるような政府による事前規制には慎重であるべきだ。日本の議論と無関係に、米国では体制整備が進むからだ。

日本が乗り遅れればどうなるか。それは日本人の遺伝子データが、そのまま米国に渡るだけである。このことが、我が国にどんな結果をもたらすかは容易に想像できるだろう。今こそ、世界の潮流を踏まえ、遺伝子検査のあり方を徹底的に議論すべきである。 


*本稿は、「医療タイムス」の連載を加筆修正したものです。



http://mainichi.jp/area/shizuoka/news/m20141028ddlk22040052000c.html
沼津市立病院:泌尿器科、入院・手術受け入れ休止 /静岡
毎日新聞 2014年10月28日 地方版

 沼津市立病院は11月から、泌尿器科の入院患者、手術患者の新たな受け入れを休止すると発表した。常勤医3人がそれぞれの都合で12月末で退職するため。外来患者の診察は非常勤医師の対応で継続する。

 医師は家庭の都合などで関西や東京の病院に移ることになったという。9月末時点で10人の入院患者がおり、長期入院が必要な患者は転院してもらうという。

 沼津市内や周辺の泌尿器科の入院施設は、聖隷沼津病院や静岡医療センター(清水町)、富士市立中央病院、順天堂大静岡病院(伊豆の国市)がある。【石川宏】




http://digital.asahi.com/articles/CMTW1410282000002.html?_requesturl=articles%2FCMTW1410282000002.html&iref=comkiji_txt_end_s_kjid_CMTW1410282000002
「指揮系統が不十分」「経験不足」
2014年10月28日10時42分 朝日新聞デジタル 山梨

   ■御嶽噴火1カ月「DMAT」教訓

 御嶽山の噴火から27日で1カ月。県内の医師や看護師らによる災害派遣医療チーム(DMAT)も、噴火翌日には長野県の現地に駆けつけ、けが人の対応にあたった。大災害の現場で得た教訓を、今後、山梨の災害対策にどう生かすかが大切だ。

 山梨DMATは、山梨赤十字病院(富士河口湖町)や甲府市立甲府病院など6病院から派遣された6チームの31人で編成された。9月28日に出発し、29日まで活動した。

 山梨赤十字病院には、27日午後9時過ぎに県から出動要請が入った。チームは通常の装備に加え、灰を吸った気道熱傷の患者がいることを想定し、酸素ボンベなどを多く準備した。

 翌朝午前4時ごろに出発し、長野県松本市の信州大学を経て、午前10時過ぎに木曽町の県立木曽病院に着いた。山から近くの高校のグラウンドにヘリで搬送されてくる救助者を、救急車で病院まで搬送する役割を担った。

 28日の昼過ぎに搬送した男性は、低体温症で血圧を測ることもできず、治療の優先順位を決めるトリアージで「最優先治療」を示す赤色のタグがつけられていた。男性の手首や胸には、刃物で切った跡があった。男性自身がナイフで傷つけたものだった。

「極限状態だった。耐えられなくて、自殺したいと思った」。男性は目を閉じたまま、そう話したという。

 重光明叡(めいえい)医師(38)は「エベレスト級の山では、時に遭難した登山者がつらさから自殺を図ると聞く。御嶽山の噴火は、登山者をそんな精神状態に追い込んだのかと衝撃だった」。

 市立甲府病院のチームは木曽病院で、救助者の灰を洗い流す作業にあたった。けがの程度を確認し、治療と同時に石膏(せっこう)状にこびりついた灰を洗い落とした。多くが噴石にあたるなどして、打撲したり足を骨折したりしており、体中があざだらけだったという。

 市立甲府病院の前田宜包(よしかね)医師(53)は今回、派遣されたチームの指揮・命令系統が不十分だったと振り返る。「6チームが互いにどこで何をしているかもわからなかった。富士山噴火が起こったとき問題になる。経験不足は否めない」

 今年2月の大雪では、災害対策本部の設置が遅れた。前田さんは「災害対策本部は情報発信や、県外からの応援を統括する役割もある。設置が遅れれば、医療面も含めすべての対応が遅れていく。山梨には災害対策本部に医療の対応を考えるノウハウもない。見直しが必要だ」と話している。



https://www.mixonline.jp/Article/tabid/55/artid/50692/Default.aspx
日本臨床研究フォーラムが設立 生活習慣病領域の医師主導、企業主導の臨床研究を受託
公開日時 2014/10/29 03:50 ミクスOnLine

 生活習慣病領域における医師主導や企業主導の臨床研究の第三者機関として、「一般社団法人 日本臨床研究フォーラム」(通称:J-ARF、代表理事:荻原俊男・森ノ宮医療大学学長)が発足した。設立日は2013年8月だが、J-ARFが10月28日に発表した。J-ARFでは、高血圧症や糖尿病などを対象に、治療薬の長期投与による心血管イベント発症予防、延命効果、QOL改善などについて、薬学疫学的手法により検証するための臨床研究を委受託契約に基づいて実施する。資金などの透明性を確保するため、例えばプロトコールごとに独立した資金管理を行うため、企業会計同様の会計監査にも対応する。

 J-ARFは設立にあたり、「(J-ARFは)1人の科学者の発案や企業の発案からでも臨床研究が公正に実施できるように様々なサポート体制を整えている。実施した臨床研究結果をすべて公表し、診断基準及び診療ガイドラインに活用頂けるよう、各種学会との連携を進めるとともに、研究者(アカデミア)の国際学会での発表を積極的に支援(する)」としている。

 J-ARFを活用することで、▽アカデミアネットワークの活用▽臨床研究の確実なマネジメント体制▽臨床研究の公開化▽高い品質保証体制――の4つのメリットが得られるとしている。

 アカデミアネットワークでは、大学・大病院のネットワークに開業医も加わって多施設での臨床研究ができるほか、現在18人の研究者(アカデミア)で構成される臨床研究評価委員会を通じて「精度の高い評価」を実現する。

 臨床研究のマネジメントでは、「研究体制や利益相反に対する適切なマネジメント体制を整えている」とし、受託試験別・施設別に進捗管理を行うための臨床研究管理部門、プロトコールごとに独立した資金管理を行うためのJ-ARF管理部門が企業会計同様の会計監査にも対応する。

 臨床研究の公開化では、研究者や企業から提出されたプロトコールの検討を行うために理事会が各種委員会を設置するが、最終的には、理事会がその研究の妥当性・客観性・科学性などの確認を行い、研究の実施(受託)の可否を決める。臨床研究開始時にはJ-ARFホームページにプロトコール情報を開示し、必要に応じて専門誌にプロトコールペーパーを投稿する。

 品質保証体制については、独立データモニタリング委員会の設置、監査・SDVの実施、「安全性・イベント評価委員会」の設置、履歴管理が行える臨床研究支援システムの導入により、高品質を保証するとしている。

J-ARFの理事会メンバーは以下の通り(敬称略)
【代表理事】荻原俊男(森ノ宮医療大学学長)
【副理事長】▽松澤佑次(住友病院院長) ▽島本和明(札幌医科大学学長)
【理事】▽小川 久雄(国立循環器病研究センター副院長、熊本大学教授) ▽渡邉裕司(浜松医科大学教授) ▽松岡博昭(宇都宮中央病院院長) ▽篠原幸人(共済立川病院顧問)▽寺本民生(帝京大学臨床研究センター 長)


  1. 2014/10/29(水) 05:21:42|
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