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地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

10月23 日 

http://www.m3.com/iryoIshin/article/262704/?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD141023&dcf_doctor=true&mc.l=68881213
医学部新設
医師不足への処方せん
医学部の教授公募、延期へ、東北薬科大
「地域医療に支障」懸念続出、第1回教育運営協議会

2014年10月23日(木) 橋本佳子(m3.com編集長)

 東北薬科大学は10月22日、医学部新設に向け、東北6県の関係者から成る「第1回教育運営協議会」を仙台市で開催した。同協議会の委員長には、東北大学総長で、前同大学病院長の里見進氏が、副委員長には東北薬科大理事長の高柳元明氏がそれぞれ就任した。同協議会の委員は、自治体、大学、医師会など東北6県の関係者、計31人。

 第1回の議題は、医学部の教授をはじめとする教員の公募方針。同大学は、地域医療への影響を考慮し、応募書類に、「教員公募に応募する者が転出した場合、医療活動に影響が出るか」について、医学部長や病院長などの所属長の意見書の添付を求める案を提示。

 しかし、「所属長だけで、地域医療全体を考えて判断できるのか。不安を感じる。そのくらい医師不足が深刻」(福島県保健福祉部長の鈴木淳一氏)など、意見書の実効性を疑問視したり、「タイムスケジュールに縛られ、議論を尽くさないのは問題。具体策が示されない限り、この公募指針では納得できない」(秋田大学医学部長の伊藤宏氏)などの異議が呈せられ、公募指針の了承に至らなかった。この日、了承が得られれば、10月中にも、公募を開始し、11月25日に締め切り、教員の選考に入る予定だったが、11月上旬に第2回会議を急きょ開催、再度議論することになっため、2、3週間の延期を余儀なくされた。

 「第1回会議では、一番重要な問題である教員確保を議題にした」(高柳理事長)ものの、医学部新設に向けた地元関係者の協議は、最初からつまずき、難航の様相を呈している。東北薬科大は、2016年4月の医学部新設に向け、準備を進めている。2014年2月頃に、文部科学省の「東北地方における医学部設置に係る構想審査会」での選定条件への対応状況に関する審査を経て、3月末までの設置認可申請、8月末の大学設置・学校法人審査会での諮問、答申を経て、設置認可というスケジュールを想定している。

 会議後、高柳理事長は、「本日、公募指針について了解が得られると思っており、来週にも募集を開始したいと考えていたが、大変厳しいスケジュールになった」と吐露した上で、教員採用により地域医療に支障を来す懸念が多数出たことについて、「それだけ地域で医師確保に苦労していることの表れだろう。東北地方に医師が少ないことを証明している」との見方を示した。既に大学のホームページに「教員公募予告」を掲載しており、基礎系医師の採用についてはメドが立ちつつあるという。一方、「臨床系医師については、まだ本格的に動いていないこともあり、ほとんど固まっていない段階」(高柳理事長)。

 里見委員長は会議後、「厳しい意見が出ることは、想定していた」とコメント。「東北大学として、全面的に協力するのか」との質問には、「全面的にバックアップすることはなく、中立の立場だが、せっかくここまで進んできたのだから、いい医学部を作るためには協力する」と答え、教員確保への協力はあり得るとした。

  里見委員長、「何度も断った」

 東北薬科大学は、今年8月の文科省の構想審査会で、東北に1カ所医学部を新設する候補として選定された(『東北薬科大、医学部新設の“第一関門突破”』を参照)。その際、選定に当たって付されたのが、「7つの条件」で、その一つが、地元関係者による協議会の設置だ。

  教育運営協議会は、東北6県と東北市長会など地元自治体、東北6県の医学部・医科大学、東北6県の医師会、日本医師会、地元の病院、東北薬科大の代表者、計31人の委員から成る。オブザーバーとして、復興庁、文科省、厚生労働省から計5人が参加。

 「7つの条件」とはそのほか、「東北6県の医師偏在解消」「総合診療医の積極的な養成」「地域医療に支障を来さない教員や医師等の確保」などだ。会議の冒頭、高柳氏は、「7つの条件は、いずれも本学にとって、大変厳しいものと受け止めている。本学としては、着実に一つひとつ実現に向けて努力していく」とあいさつ。里見氏に委員長を依頼したのは、「東北全体の医療、医学教育に精通している」ことを挙げ、「将来にわたって東北の医療を支える医学部の新設に向け支援をしてもらいたい」と期待を込めて語った。

 続いてあいさつした里見委員長は、就任要請に対し、任務の大変さが想定されたことから、「何度も断った」と明かした。里見委員長は、引き受けるに当たって、二つの条件を出したという。一つは、医学部新設に向けて、各方面とのさまざまな交渉が必要になると想定されるが、「教育運営協議会は交渉の当事者にはならない。東北薬科大が全ての交渉を行う」ことだ。もう一つは、本協議会で意見の集約ができない場合には、東北薬科大の選択で決定し、文科省の構想審査会、大学設置・学校法人審査会への対応等も同大の責任で行うということ。

 さらに里見委員長は、教育運営協議会と東北薬科大との関係について、「7つの大きな問題(条件)について、大学が提案したものについて、ここで審議する。出された意見を踏まえ、大学が対応していく。この協議会が責任を持つのではなく、最終的には大学が最終的な選択をする形になる」と説明。「(委員長を)引き受けたからには、できるだけいい医学部を作りたい。これを契機として、県を超え、東北全体の医療を考えるいい機会にもなると考えている」と里見委員長は語りつつ、「東北薬科大の責任において」との言葉を、会議中、何度も繰り返した。

  計180人の教員採用を予定

 公募するのは、臨床21講座・基礎12講座(いずれも教授、准教授、講師、助教)、付属病院所属医師12部門(准教授、講師、助教)の教員。臨床系144人、基礎36人、計180人の採用を予定している。新設医学部のミッションとして、「地域医療を支える医学部」「復旧・復興の核になる」を掲げているため、臨床講座には、「地域医療学」「救急・災害医療」を加えている。就任希望時期は2016年4月1日(開設時)または開設後2年以内(基礎講座は1年以内)。

 教員公募をめぐっては、来年2月の構想審査会の審査に先立って開始する妥当性そのものが、まず疑問視された。岩手医科大学理事長・学長の小川彰氏は、「構想審査会で7つの条件を満たしたことが了承されなければ、その先に進めないと考えるのが普通ではないか」と問いかけた。秋田大学の伊藤氏も、「教員の確保は、地域医療に一番影響する。構想審査会にかけるときに、全て決まっているのはおかしいのではないか。事後承諾ではないか」と続いた。

 これに対し、オブザーバーとして参加した、文科省高等教育局医学教育課長の寺門成真氏は、「構想審査会が、この教育運営協議会の結果を踏まえて、選定条件を満たしていると判断して初めて、医学部の設置認可申請を出すことができる」と手続きの流れを説明した上で、教員公募に関しては、先行して進めることは問題ないとした。見方を変えれば、公募を開始しても、教員確保に難航すれば、構想審査会で認められないこともあり得ると言える。

 高柳理事長も、設置認可申請の際には教員名簿を出す必要があり、構想審査会で認められた後に公募開始したのでは、公募・選定に約1カ月しかないことから、「時間がない」と説明、教員公募の先行実施に理解を求めた。

  「所属長が地域医療への影響を判断できるのか」

 地域医療への影響について、口火を切ったのは、福島県の鈴木氏。「(医師などの)直接的な引き抜きは論外。また東京や仙台などから教員を採用し、(その後任として、福島県の医師が)間接的に引き抜きされるのも、大きな問題」と指摘。医師が応募するに当たって、「所属長の意見書」を添付することについても、「一人の所属長が、地域医療全体を考えて判断できるのか。不安を感じる。そのくらい医師不足が深刻」とその実効性を疑問視し、「エリアを示し、『ここからは採用しない』などと明示してもらいたい」と強く求めた。

 福島県立科大学総括副学長の阿部正文氏も、構想審査会が「地域医療に支障を来さないことを担保する具合的な基準や指針を定めて対応する」よう求めていることを引用し、「この点を所属長が判断していいのか。実効性が本当に担保されるのか。十分に協議した方がいい」と、鈴木氏を支持。

 東北薬科大医学部設置準備室長の福田寛氏は、「(応募した医師が抜けることにより、地域医療に影響があるか否かは)私どもには判定できないので、所属長に判定してもらうしかない」と述べ、理解を求めた。同準備室委員・事務局長の堀田徹氏も、教員を採用した後に、この教育運営協議会に諮り、了解を得ることで、地域医療への影響を検証できるとした。

 しかしそれでも納得せず、「所属長に地域医療への影響の判断を任せていいのか。第三者の判断を加えるのかどうかということ。この点は、十分に議論してもらいたい。(議論する)時間がない、という問題ではない。大学では地域医療をおおむね把握しているため判断は可能かもしれないものの、それ以外の所属長が判断できるのか」(福島県立医大の阿部氏)、「(応募した教員の)後任をどうフォローするかまで、担保してもらいたい」(福島県の鈴木氏)と、いずれも譲らなかった。

 高柳理事長は、「地域医療への影響を判断できないなら、その旨を意見書に書いてもらえれば、当該大学に直接電話して、事情を聞くこともできる」などと答え、個別対応も想定していると説明。さらに、「できれば、関東以西から採用したいと考えている」と述べ、東北地方の医療への影響を抑えることを繰り返し説明した。ただ、後任の確保まで保障するのは難しいとした。


「第1回教育運営協議会」は、仙台市内のホテルで、午後4時から2時間弱開催された。
  「秋田→東京→仙台」は困る

 「今は、第2次の医療崩壊。大量の退局者も出ている。いったん秋田県から東京都に出た人が応募したら困る。例えば、2年以内に秋田県の医療機関に勤務していた医師は採用しないなどの基準を作るべきではないか」

 こう提言したのは、秋田大の伊藤氏。東京都で勤務する医師が、秋田に戻ってくるはずの予定が、東北薬科大の教員に応募することを想定した発言だ。議論の時間的余裕がないことに理解を求める里見委員長に対し、「タイムスケジュールに縛られ、議論を尽くさないのは問題。具体策が示されない限り、この公募指針では納得できない」と伊藤氏は切り返した。

 里見委員長は、議論の集約を試み、「議論を整理すると、大学(の所属長)であれば、地域医療を把握しているので問題はないだろう。しかし、それ以外でも、病院長が判断することにより、大きな間違いが生じるのか。所属長の判断で、(地域医療への影響の有無は)最低限担保されるのではないか」と、東北薬科大が作成した公募指針を支持する発言をしてもなお、異論が続いた。

 「構想審査会が具合的な基準や指針を示すよう求めているので、示してほしい。そうでなければ、『地域医療に影響がない』と誰も評価できない」(秋田大の伊藤氏)、「後任のことまで考えるのが、地域医療の影響を考えることではないか。後任までは関知しないというのは、我々としては首をかしげざるを得ない」(福島県の鈴木氏)など、地域医療に支障を来さないかを見る具体的指標を求める意見が止まなかった。

  スケジュール優先の議論に異論も

 しかし、その一方で、応募する医師の意思をどこまで拘束できるか、疑問視する意見も出た。秋田県医師会長の小山田雍氏は、「応募は本人の意思であり、所属長と相談して進めれば、問題はないだろう。所属長が困ると言っても、本人の意思が尊重されるべきではないか。本来は極論を言えば、採用する側が決めること」との考えを述べた。

 会議の予定時間は1時間50分。終了時間が迫ったため、里見委員長は、地域の行政と相談するなど、「地域医療に支障を来さない」ことを判断する基準を、より具体的に盛り込んだ公募指針の作成を大学側に要望。それを受けて大学側はメールで回覧し、了承を得ることを求めたが、秋田大の伊藤氏からはスケジュール優先の議論を再度問題視され、11月上旬に会議を開催し、公募指針を議論することに決定、会議は終了した。



http://mainichi.jp/edu/news/20141023ddlk04100291000c.html
 東北薬科大:教員公募方法巡り紛糾 新医学部運営協、来月再議論 /宮城
毎日新聞 2014年10月23日 地方版

 国から東日本大震災の復興策として東北地方に新設される医学部の設置先に選ばれた東北薬科大は22日、新医学部のあり方を協議する「教育運営協議会」(委員長=里見進・東北大総長)の初会合を仙台市青葉区のホテルで開いた。同大が教員の公募方法を示したが、医師の引き抜き防止策などを巡って議論は紛糾し、来月に再度議論することになった。

 協議会は東北6県の医学部設置大学や医師会のトップ、各県の担当者ら約30人で設立。設置構想選定の際、国が同大に再検討を求めた医師の確保や地域定着策などについて協議する。同大は協議結果を踏まえて来年3月、国に設置認可を申請し、正式に認可されれば2016年4月に開学する見通し。

 同大は、医師が教員公募に応募するには、勤務先の所属長が書いた意見書の添付を義務づけることとし、引き抜きや医師不足に悩む地域医療への影響を抑えると説明。しかし、委員からは「所属長の意見だけで地域医療への影響を計れるのか」「タイムスケジュールに縛られずもっと慎重に議論すべきだ」などの意見が出され、結論は次回に持ち越された。【金森崇之】



http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201410/20141023_13043.html
 <医学部新設>医師確保策に懸念 運営協開催
2014年10月23日木曜日 河北新報

 東北に新設される大学医学部の設置者に選定された東北薬科大(仙台市青葉区)は22日、東北6県の関係団体でつくる「教育運営協議会」の初会合を仙台市のホテルで開いた。薬科大が示した教員医師の公募指針をめぐって異論が続出。方針決定は11月上旬の次回会合に持ち越された。

 各県の医療担当部局や医学部を有する大学、医師会などから委員約30人が出席した。委員長には東北大病院長などを歴任した里見進東北大総長が就いた。
 里見委員長はあいさつで「運営協は決定機関ではないし、交渉の当事者にもならない。最終的には薬科大の責任で判断してもらう」と述べた。

 引き続き、教員医師の公募を急ぎたい薬科大の意向で医師確保策の具体的な話し合いに入った。
 各県委員らは「玉突きの引き抜きが起こり得る」「採用するエリアを限定できないか」と相次いで強い懸念を表明。協議はまとまらなかった。

 薬科大の高柳元明理事長は会合後の記者会見で「厳しい意見は予想していた」と話した。公費負担をめぐり、宮城県の拠出上限と薬科大の要望額に70億円の隔たりが生じている奨学金基金について高柳氏は、「当初の計画を練り直す」と見直しを明言した。

 文科省の構想審査会は薬科大に医学部設置の前提として運営協の設置、地域医療に支障を来さない教員医師らの確保策など七つの条件を要求。条件をクリアした上で薬科大は、来年3月までに設置認可の申請を目指す。



http://www.m3.com/iryoIshin/article/262927/
降圧剤論文問題と研究不正
臨床研究規制、法制化へ、厚労省検討委
対象は医薬品対象試験などに限定の方針

2014年10月23日(木) 池田宏之(m3.com編集部)

 ノバルティスファーマ社の降圧剤「ディオバン」の論文不正事件受けて、臨床研究の透明性確保に関する法制度などの新しいルールを検討する厚生労働省の 「臨床研究に係る制度の在り方に関する検討会」(座長:遠藤久夫・学習大学経済学部教授)の第7回が、10月22日に開かれた(資料は、厚労省のホームページに掲載)。

 臨床研究の法規制については、対象となる研究を限定した上で、法制化する意見が出て、異論は出なかった。対象研究は、米と国同様に「未承認・適応外の医薬品・医療機器に関するもの」などに限定する考え方を指示する声が根強かった。厚労省科学研究班会議は、広告規制についての中間まとめを報告し、広告に企業の資金や労務提供を明記し、医療従事者による広告監視モニター制度を構築するように求める考え方を示した。


「自主的取り組み限界」

 22日の会議では、議論の取りまとめに向けて、厚労省側が法制化の必要性など、10の論点を提示した。臨床研究の法制化については、医薬品医療機器総合機構理事長の近藤達也氏は、欧米で臨床研究の規制が厳しくなっている点を踏まえて、「臨床研究も品質を求められる」と指摘した。国立病院機構理事長の桐野高明氏は、規制によって臨床研究の質を保つための人材が必要になる難しさを指摘しながら「ある程度規制は考えないといけない」と発言。東京大学法学政治学研究科教授の山本隆司氏も、「(研究者や製薬企業の)自主的な取り組みが限界に来ている」と述べるなど、一定の法規制の必要性を求める意見が多く出た。遠藤座長は、「適度な法規制を考えるべきというコンセンサスが得られた」とまとめた。

ICH-GCP対応は結論に至らず

 「法規制の対象」について、厚労省は(1)欧州のように医薬品・医療機器に関する全ての臨床研究、(2)米国のように未承認・適応外の医薬品・医療機器に関する臨床研究、医療品・医療機器の広告に用いられる臨床研究に限定――の2案を提示した。法規制については、過度な委縮によって臨床研究の件数が減少する懸念を示す声が根強い中で、国立病院機構大阪医療センター院長の楠岡英雄氏は、臨床研究の質だけでなく「一定のリスクがある試験から、被験者を保護していく観点も大事」として、米国型の規制に賛同を示した。

 ささえあい医療人権センターCOML理事長の山口育子氏も米国型の規制対象に賛同する考えを示した上で、欧州では、研究よっては自主的なモニタリングなどを認めている点を踏まえて、「日本では、(臨床研究の国際基準である)ICH-GCPを難しくとらえ、何もできなくなるイメージがある」として、理解を広めて行く必要性を指摘した。遠藤座長は、「今日決めるわけではない」としながらも、米国型の規制対象の設定を指示する意見が多かった点を、出席委員に確認を取り、異論は出なかった。

 ICH-GCP基準の適用についても、各委員が意見を述べた。近藤氏は、「将来的には対応していかないといけない」と指摘。山本氏は、規制強化によって研究件数の減少が見られた英国について、「ルールというより、研究者の受け止めに問題があったと感じる。過剰な反応が起こらないように工夫が必要」とした。リスク別にモニタリング方法を変えられる制度を求める声もあったが、結論には至らなかった。

倫理審査委員会の機能向上求める

 法規制以外に、多くの意見が出たのは倫理審査委員会の在り方。日本の場合、倫理審査委員会は、各施設に置かれていて、「質に差がある」などの指摘がなされてきた。桐野氏は、倫理審査委員会を専門性などの観点からランク付けした上で、専門性の高い研究は、ランクの高い委員会が審査を担当するようなアイデアを示した。望月氏は、「委員に専門家が入って、研究者に問題点を質すのが重要」と述べ、委員会の専門性を向上させる重要性を指摘。楠岡氏は、少数の委員で専門的な研究をチェックする体制に限界があるとした上で、「倫理審査委員会の実力は(資料などを作成する)事務局機能で決まってくる」と話し、多くの委員が、現状より審査機能を向上させるアイデアを示した。

 一方で、弁護士と医師の資格を持つ児玉安司氏は、機能の向上の重要性を認めた上で、人材確保などが必要となることから「公的バックアップを考えないといけない」と発言。倫理審査委員会で実施すべき項目を具体的に示す必要性を指摘する声も上がり、遠藤氏は、倫理審査委員会に求められる機能を整理する方針を示した。

 その他、臨床研究の当局への届け出やペナルティの在り方、利益相反問題の取り扱いなどについても、各委員が意見を述べた。厚労省は年内に議論をまとめる考え。

「サブグループ解析は広告に使えない」案

 医療用医薬品の広告の在り方について、厚労省科学研究班会議から中間取りまとめも報告された。主任研究者は日本大学薬学部教授の白神誠氏で、報告したのは日本病院薬剤師会副会長の土屋文人氏。

 中間取りまとめでは、広告の内容について(1)広告は国内で承認を受けた効能効果などの範囲内とする、(2)広告に引用する論文は査読のある雑誌に掲載されたもののみとする、(3)探索的な解析にとどまるサブグループ解析の結果は、原則広告に利用しない、(4)広告に使う論文については、金銭提供、労務提供などの製薬企業の関与を明記する――などの内容が盛り込まれている。チェックについては、各企業が第三者を入れた組織でチェックすることなどを求めているほか、監視に医療従事者からの情報が重要なことから、医療従事者による広告監視モニター制度を構築することなどを求めている。広告規制については、本検討会の議論事項でなく、厚労省が研究班からの最終まとめの報告を受けて、あり方を検討する。



http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=107009
臨床研究、法規制へ…厚労省検討会 ディオバン問題受け
(2014年10月23日 読売新聞)

 高血圧治療薬ディオバンの研究データ改ざん事件など相次ぐ臨床研究不正を受け、厚生労働省の有識者検討会は22日、「臨床研究に対し、法規制が必要」との見解で合意した。

 法規制の対象は、未承認薬や、医薬品・医療機器の広告に用いられる臨床研究などに限る方向で、検討会は年内に報告書をまとめる。

 薬の製造・販売承認を得るために行う臨床試験(治験)が薬事法で規制されるのに対し、大学などが行う臨床研究には、国の倫理指針があるだけで法規制はなく、違反しても罰則がない。欧米では法規制がある。

 検討会では「厳しすぎて研究を妨げてもいけないが、一部法制化が必要ではないか」などの意見が相次ぎ、「研究開発が推進できる適度な法規制が必要」との意見で一致した。

 法規制の対象や運用方法については、今後も議論を続ける。



http://mainichi.jp/area/wakayama/news/20141023ddlk30040464000c.html
有田市立病院:医師不足解消へ県立医大が育成講座 教員2人を全国公募 /和歌山
毎日新聞 2014年10月23日 地方版

 有田市立病院の医師不足問題を解決するため、県立医大(和歌山市)は有田市の負担で「地域医療支援医育成講座」(仮称)を市立病院内に新設することを決め、教員となる担当医師2人の全国公募を始めた。教員は研修医らを指導するとともに、内科など医師不足の診療科で診察もする。【稲生陽】

 講座は来年度から当面5年間設置する。同市が、臨床指導にあたる常勤教員2人の人件費・研究費として年間2600万円を負担。教員は高度な技術を持つ「指導医」資格保持者を想定しているが、指導医を目指す医師も対象とする。

 同市立病院は有田保健医療圏(有田地域)で唯一の公立病院だが、昨年4月に5人いた内科医が退職するなどして今年5月には1人に、2人いた産婦人科医もゼロになった。現在は非常勤医で診療にあたっているものの、診療日減で昨年度決算は6年ぶりの赤字に転落した。

 一方、医大には入学条件として卒業後に県内で働くことを誓約させる「県民枠・地域枠」がある。その枠の学生が2016年春に初の卒業を迎えることから、県は新米医師を指導する医師の確保にも迫られていた。

 県医務課は「医師公募には応募が少なかったが、診療だけではない医大教員なら手が挙がるはず」と期待している。



http://ibarakinews.jp/news/newsdetail.php?f_jun=14140736795621
県内研修医、最多147人 来春卒
地域、病院間に差

2014年10月24日(金) 茨城新聞

来春卒業する医学生の臨床研修先を決める本年度のマッチング結果が23日、厚生労働省から発表され、県内20の研修指定病院は計210人の募集定員に対し、過去最多の147人(前年度比21人増)を確保した。一方で、内定者がまったくいない病院が昨年の5病院から9病院に増え、地域的な偏りと病院間の差が鮮明化。県医師確保対策室は「手放しで喜べる結果ではない」との認識を示した。 

2004年に導入された臨床研修制度では、医学部卒業者はその後2年間、希望した研修先で臨床研修を受ける。初期研修医は将来もそのまま研修先の地域にとどまる傾向があるため、研修医の確保は医師不足対策につながる。

マッチング結果によると、定員に対して学生を確保できた本県の割合(充足率)は70%で、前年度より2・3ポイント増えた。内定者147人の中には、医師不足地域での一定期間の勤務を条件に修学資金を貸与された県の「医学部地域枠」の1期生4人も含まれる。

病院別では筑波大付属病院が前年比19人増の85人を確保し、全体数を押し上げた。来年にも新病院が開院する土浦協同病院は定員14人のところ12人を確保した。

募集定員を満たしたのは、東京医科大茨城医療センター(定員6人)▽筑波メディカルセンター病院(同10)▽筑波記念病院(同6)▽水戸協同病院(同8)の4病院だった。

一方で、内定者がゼロだったのは霞ケ浦医療センターやJAとりで総合医療センター、水戸赤十字病院など9病院。このうち5病院は前年度も受け入れがなかった。

県南地域の病院に人気が集中する一方で、医師不足が目立つ県北・県西地域では、日立総合病院が定員11人に対し前年比1人減の3人。茨城西南医療センター病院(境町)と友愛記念病院(古河市)はゼロで、地域格差が際立つ結果となった。

本県の人口10万人当たりの医師数(12年12月31日現在)は全国平均237・8人に対し175・7人で全国ワースト2位。

県では研修医のキャリア形成を後押しする地域医療支援センターを開設し、若手医師向けの「特訓ゼミ」を開講するなど医師確保に力を注いでいる。

同対策室は「地域枠を活用しながら医師不足地域の解消を進めるとともに、研修環境の充実を図り全国にアピールしていく」としている。

(戸島大樹)



http://www.nikkei.com/article/DGXDZO78774570T21C14A0NNMP01/
若手外科医もっと増えて 大学やNPOが取り組み
2014/10/23付 日本経済新聞

 医療現場で「外科医不足」の懸念が高まっている。患者の命に直結する責任の重さに比べ処遇面などで「割に合わない」とみる医学部生や研修生が増えているという。こうした流れを変えようと、大学やNPOなどは若い世代への働きかけに躍起になっている。

 「患者の苦しみを自分が培った技量で解決してあげられるのが外科医の魅力だ」。9月末、仙台市で開かれたセミナー。外科医の言葉に学生が耳を傾けた。「きみが外科医になる日セミナー」と題し、医師を含め130人余りが参加した。

■10~15年後、深刻
 若手や女性、ベテラン外科医、患者支援団体代表らによる講演のほか、講師と交流する懇親会も開かれた。会場には、外科手術で使われる電気メスや腹腔(ふくくう)鏡などに触れられるコーナーも設けられ、学生が群がった。

 もともと外科医志望という東北大4年の女子学生(23)は「将来の仕事や生活を改めてイメージできた」と満足げ。一方、同2年の男子学生(21)は「外科かどうかまだ決めていない」と慎重ながら「考えるきっかけになった」と話す。

 セミナーは、東北大学とNPO法人「日本から外科医がいなくなることを憂い行動する会」が共催した。まとめ役を務めた海野倫明・東北大教授は「外科医は総数が足りない」と危機感をあらわにする。呼吸器、心臓血管などと専門分化が進み、技術も高度化。「1人の外科医ではカバーできず、複数の医師が組む必要がある」(海野教授)。

 外科医の数は2006年に底を打ち、12年末に2万8055人にまで持ち直した。しかしこの6年間の伸び率は約6%。医師全体の伸び(9%強)や、同じく成り手不足が指摘される小児科医(11%)、産婦人科医(約8%)に及ばない。

 「大学医局の外科への入局者数はピーク時の3分の1」(海野教授)。10年後に主戦力となる20歳代の若手は外科医全体の1割に満たない。一方3割ほどを占める50~60代の外科医は今後10~15年で引退する人が少なくない。地方などでは、外科医療が受けられなくなる可能性も懸念される。

■処遇改善求める
 若い世代が外科医を敬遠する理由について、「行動する会」の理事長で、中央社会保険医療協議会専門委員も務めた松本晃氏(現・カルビー会長兼最高経営責任者)は、「労働環境の問題が大きい」と指摘する。勤務時間は長く、集中力が必要な手術に当直明けで参加するケースもざら。賃金水準は診療所の医師に及ばず、医療事故の訴訟リスクもある。


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 09年に設立した「行動する会」は病院勤めの外科医の処遇改善を厚生労働省などに働きかけた。10年度と12年度の診療報酬改定は病院への手厚い配分で増額となったが、「現場の外科医に還元するまでいっていない」(松本理事長)。今は各大学と共催する年2回のセミナーなどで、若い世代への啓蒙に力を入れる。

 危機感を持つのは病院だけではない。医療機器大手のジョンソン・エンド・ジョンソンは、小中学生に手術を体験させる「ブラック・ジャックセミナー」を、医療機関との共催で11年から累計100回以上実施した。同社は「社会貢献」(担当者)とするが、外科志望者の減少は将来の医療機器の市場縮小につながりかねないとの危機感もある。

 ただ病院の外科医を取り巻く構造的な問題は残ったまま。医師の偏在や医療機関の在り方を見直すとともに、若手外科医を増やす地道な取り組みを続けることが求められそうだ。

◇            ◇

■臨床研修の必修外れる 養成課程に構造問題
 外科医不足の原因としては労働時間の長さや訴訟リスクなどが挙げられているが、最近は養成課程での構造的な問題が指摘されている。

 国家試験に合格したばかりの医師を対象とした医師臨床研修制度は、2004年度の導入当初は外科は必修科目だったが、10年度に必修から外れ、「若手医師の外科離れが促進された」(日本外科学会の国土典宏理事長)。同学会は昨年8月、厚生労働省などに外科研修を必修に戻すよう要望書を提出した。ただ次の見直しはしばらくかかるとみられ、「見通しは全く不透明」と話す。

 一方、17年度からは初期の臨床研修を終えた医師の新しい専門医制度が始まる。需要が高まるとみられる「総合診療専門医」の養成が柱。この中では外科研修が基本科目となっており、専門医資格を得るには外科研修を経ることになる。国土理事長は「必要な症例数をこなすために早期に効率のよい研修を始める必要がある」と話す。

(武田敏英、近藤佳宜)



http://www.m3.com/iryoIshin/article/263026/
「削除」意見のある特定行為、再検討開始
日医が検討主張、6項目が対象に

2014年10月24日(金) 池田宏之(m3.com編集部)

 2015年10月に始まる特定行為を実施する看護師の研修制度について、研修の内容などを検討する厚生労働省の「医道審議会看護師特定行為・研修部会」(部会長:桐野高明国立病院機構理事長)の第3回が10月23日に開かれた。前回の会議で、2013年10月のチーム医療推進会議において示された特定行為41項目は削減しない方針となっていたが、日本医師会の委員が、「法令上、項目の削減についても部会の検討対象」と主張した結果、医学系学会から「削除すべき」との意見が出ている6項目について、削除を求める学会を参考人として呼ぶなどしながら、再度検討することとなった(『41の特定行為削除せず、21区分で実施へ』を参照)。

経口・経鼻気管挿管などが再検討対象

 部会の冒頭で、日医常任理事の釜萢敏氏は、保健師助産師看護師法の中で、特定行為を指定する場合「医道審議会の意見を聞かなければならない」と定められている点を指摘。41項目について「議論が尽くされた」とする委員が多い中、「部会は、(チーム医療推進会議などの)案を追認するためではないのでは」と述べ、医師の学会から意見の出ている項目を、再度部会で議論するように求めた。

 桐野部会長は、釜萢氏の意見を受けて、項目ごとの議論を認めた。医学系学会などからの意見が出ていない29項目と、「削除すべき」との意見が出ていないなどの6項目、計35項目については、日医も含めて、特定行為とする方向でまとまった。

 再度議論の対象となるのは(1)経口・経鼻気管挿管の実施、(2)経口・経鼻気管挿管チューブの抜管、(3)胸腔ドレーン抜去、(4)心嚢ドレーン抜去、(5)褥瘡の血流のない壊死組織のシャープデブリードマン、(6)褥瘡・慢性創傷における腐骨除去――の6項目。

 「胸腔ドレーン抜去」などを巡り、1時間ほど議論が続いたが、項目の削除に否定的な委員は、医療資源が限定的な地域におけるメリットや、医師が駆けつけるまでの処置可能性などを主張する一方、項目の削除を求める委員は、実施に伴う危険性を強調し、従来から続いてきた議論が繰り返された。他にも日本看護系大学協議会代表理事の高田早苗氏は、特定行為の研修を受けても、頻繁に実施しなかった場合、技術のレベル維持の難しさを指摘したのに加え、「医療資源が限定的な中で、教育訓練に資源を投資して、投資以上の効果が出るのか。慎重に検討すべき」と疑問を呈した。

 議論の決着が見えない中、桐野部会長は、「削除すべき」との意見を出している学会代表者を参考人として呼ぶことを提案。日本看護協会副会長の真田弘美氏は、試行事業を実施している医療機関の代表も併せて呼ぶことを主張したが、いったん「削除すべき」と主張している医師らを、次回以降、参考人として呼ぶこととなった。


厚労省の「医道審議会看護師特定行為・研修部会」では、インターネットを利用した講習の活用なども議論された。
3年から5年以上の経験者対象

 特定行為の研修方法の大枠についても議論があった。厚労省は、チーム医療推進会議が示した案を紹介。(1)対象者を概ね3~5年以上の看護師とする、(2)座学の講義を受ける指定研修機関と実習施設が別になるケースを容認する、(3)家族や勤務先の都合を抱える人向けにインターネットを使った講習を活用する――などが、おおむね了承された。全日本病院協会副会長の神野正博氏は、他職種との事例検討などを含む「多職種協同実践(IPW)」を重視するように求めた。次回以降、行為ごとに必要な研修内容など、細部を議論していく方針。

 

http://www.m3.com/iryoIshin/article/263025/
医師不足への処方せん
「大学で研修」低下の一途、2014年度マッチング最終結果
マッチ者500人以上増、入学定員影響

2014年10月23日(木) 池田宏之(m3.com編集部)

 10月23日に公表された2014年度医師臨床研修マッチングの最終結果によると、大学病院に研修先が決まったのは全体の43.7%で、過去最低を更新した2013年度の45.2%をさらに下回った(昨年の結果は、『大学で研修、過去最低を更新、2013年度マッチング最終結果 』、『東大、5年ぶりに定員満たす、6大学がマッチ率100% 』を参照)。大学病院での研修割合は2010年度から5年連続で過去最低を記録し続けている。市中病院に研修先が決まったのは56.3%。

 2004年度の臨床研修の必修化前、大学病院での研修者は約7割だった。2009年度は49.7%で、2008年度の49.1%から若干改善したが、2010年度47.9%、2011年度47.1%で、2012年度45.6%、2013年度45.2%と低下が止まらない。厚生労働省医政局医事課医師臨床研修推進室の担当者は「大学の不人気が、相変わらず続いている以外の原因が考えられない」としている。

 募集定員に対するマッチ者数の割合である「定員充足率」を都道府県別に見ると、90%を超えたのは、京都府、東京都、大阪府で、いずれも大都市部を抱える。都道府県ごとの定員は、人口や高齢者数などに基づいて調整されていて、2013年度と比べると、京都府は13人、大阪府は14人減少していて、定員減が充足率に影響している可能性もある。東京都は1人増えている。 「定員充足率」において、80%台7県(2013年度、12都府県)、70%台11道県(同7県、)60%台13県(同8道県)、50%台11県(同15県)、50%未満が2県(同2県)という結果。80%以上の都道府県は昨年から5つ減少し、70%、60%台の自治体が増加していた。

 厚労省が「大都市部のある6都府県」と定義づけている東京、神奈川、愛知、京都、大阪、福岡の6自治体を除く研修者の割合は、56.5%。2008年から上昇を続けていて、「定員調整が、大都市集中を一定程度抑制している」(厚労省医師臨床研修推進室)という。

 今年のマッチング参加病院は、計1015施設で、2013年度より7施設の増加。募集定員は2013年度比515人増え、計1万1004人。2009年度の医学部定員は、2008年度に比べ、693人増加し、卒業見込みの医学生も増えていて、募集定員の上限が増加した県では、定員を増やした医療機関もあった。

 定員充足率が2013年度に比べて最も減ったのは、佐賀県(20.3ポイント減)、次いで、奈良県(16.6ポイント減)、熊本県(15.7ポイント減)、広島県(14.5ポイント減)、岡山県(11.5ポイント減)。逆に最も増えたのは、岩手県(13.5ポイント増)。次いで、徳島県(12.2ポイント増)、香川県(10.4ポイント増)、宮崎県(9.6ポイント増)、大分県(9.3ポイント増)。

 マッチング参加者は計8988人。うち希望順位を登録したのは8767人、マッチングで研修先が決まったの は、95.8%の8399人。マッチした医学生の割合は、0.3ポイント減となったが、大きな変化はなかった。


表1 都道府県別の2014年度医師臨床研修マッチングの最終結果(都道府県の定員充足率が高い順にランキング。同率の場合はマッチ者数が多い順にランキングした)
順位
2014年 . . . 2013 . . . 2012 . . . 2011 . . . 2010 . . . 2009 . . . 都道府県 . . . 募集定員 . . . マッチ者数 . . . 定員充足率(%)
1(↑) . . . 5 . . . 1 . . . 9 . . . 2 . . . 6 . . . 京都府 . . . 269 . . . 257 . . . 95.54%
2(↑) . . . 4 . . . 5 . . . 3 . . . 1 . . . 1 . . . 東京都 . . . 1,454 . . . 1,355 . . . 93.19%
3(↓) . . . 1 . . . 3 . . . 5 . . . 2 . . . 4 . . . 大阪府 . . . 639 . . . 594 . . . 92.96%
4(↑) . . . 11 . . . 8 . . . 4 . . . 7 . . . 5 . . . 福岡県 . . . 450 . . . 404 . . . 89.78%
5(↑) . . . 7 . . . 4 . . . 6 . . . 5 . . . 8 . . . 兵庫県 . . . 412 . . . 365 . . . 88.59%
6(↑) . . . 12 . . . 2 . . . 7 . . . 10 . . . 7 . . . 沖縄県 . . . 172 . . . 147 . . . 85.47%
7(↑) . . . 8 . . . 6 . . . 8 . . . 9 . . . 2 . . . 神奈川県 . . . 680 . . . 574 . . . 84.41%
8(↑) . . . 10 . . . 7 . . . 11 . . . 8 . . . 3 . . . 愛知県 . . . 561 . . . 470 . . . 83.78%
9(↑) . . . 12 . . . 14 . . . 13 . . . 15 . . . 14 . . . 千葉県 . . . 441 . . . 358 . . . 81.18%
10(↑) . . . 16 . . . 24 . . . 16 . . . 20 . . . 9 . . . 長野県 . . . 173 . . . 140 . . . 80.92%
11(↑) . . . 15 . . . 21 . . . 19 . . . 19 . . . 20 . . . 三重県 . . . 149 . . . 114 . . . 76.51%
12(↓) . . . 6 . . . 9 . . . 10 . . . 6 . . . 13 . . . 和歌山県 . . . 110 . . . 84 . . . 76.36%
13(↑) . . . 24 . . . 22 . . . 23 . . . 23 . . . 21 . . . 静岡県 . . . 275 . . . 209 . . . 76.00%
14(↓) . . . 2 . . . 12 . . . 1 . . . 12 . . . 12 . . . 熊本県 . . . 143 . . . 107 . . . 74.83%
15(↑) . . . 22 . . . 20 . . . 20 . . . 21 . . . 24 . . . 滋賀県 . . . 123 . . . 92 . . . 74.80%
16(↓) . . . 3 . . . 10 . . . 2 . . . 16 . . . 11 . . . 奈良県 . . . 122 . . . 90 . . . 73.77%
17(↓) . . . 14 . . . 13 . . . 22 . . . 25 . . . 27 . . . 栃木県 . . . 170 . . . 124 . . . 72.94%
18(↑) . . . 19 . . . 19 . . . 12 . . . 13 . . . 17 . . . 岐阜県 . . . 164 . . . 119 . . . 72.56%
19(↑) . . . 23 . . . 25 . . . 21 . . . 29 . . . 25 . . . 北海道 . . . 456 . . . 329 . . . 72.15%
20(↓) . . . 9 . . . 15 . . . 14 . . . 11 . . . 10 . . . 広島県 . . . 210 . . . 148 . . . 70.48%
21(↑) . . . 27 . . . 17 . . . 37 . . . 27 . . . 35 . . . 茨城県 . . . 210 . . . 147 . . . 70.00%
22(↑) . . . 33 . . . 34 . . . 27 . . . 39 . . . 30 . . . 香川県 . . . 104 . . . 72 . . . 69.23%
23(↓) . . . 17 . . . 11 . . . 17 . . . 4 . . . 15 . . . 岡山県 . . . 233 . . . 159 . . . 68.24%
24(↑) . . . 40 . . . 44 . . . 42 . . . 30 . . . 26 . . . 岩手県 . . . 108 . . . 73 . . . 67.59%
25(↑) . . . 26 . . . 18 . . . 18 . . . 14 . . . 27 . . . 群馬県 . . . 153 . . . 103 . . . 67.32%
25(↑) . . . 31 . . . 28 . . . 29 . . . 33 . . . 30 . . . 長崎県 . . . 153 . . . 103 . . . 67.32%
27(↓) . . . 20 . . . 27 . . . 35 . . . 46 . . . 45 . . . 山梨県 . . . 91 . . . 61 . . . 67.03%
28(↑) . . . 41 . . . 41 . . . 26 . . . 32 . . . 32 . . . 徳島県 . . . 101 . . . 66 . . . 65.35%
29(↓) . . . 25 . . . 26 . . . 36 . . . 18 . . . 19 . . . 宮城県 . . . 181 . . . 118 . . . 65.19%
30(↓) . . . 21 . . . 29 . . . 28 . . . 22 . . . 41 . . . 愛媛県 . . . 126 . . . 82 . . . 65.08%
31(↑) . . . 42 . . . 30 . . . 15 . . . 47 . . . 40 . . . 宮崎県 . . . 88 . . . 55 . . . 62.50%
32(↑) . . . 34 . . . 40 . . . 41 . . . 35 . . . 23 . . . 山形県 . . . 117 . . . 73 . . . 62.39%
33(↑) . . . 39 . . . 33 . . . 39 . . . 37 . . . 43 . . . 青森県 . . . 145 . . . 89 . . . 61.38%
34(↑) . . . 44 . . . 37 . . . 46 . . . 28 . . . 34 . . . 大分県 . . . 112 . . . 68 . . . 60.71%
35(↑) . . . 37 . . . 31 . . . 33 . . . 33 . . . 16 . . . 福井県 . . . 89 . . . 53 . . . 59.55%
36(↓) . . . 29 . . . 38 . . . 34 . . . 36 . . . 38 . . . 高知県 . . . 96 . . . 57 . . . 59.38%
37(↑) . . . 38 . . . 45 . . . 30 . . . 43 . . . 33 . . . 富山県 . . . 107 . . . 63 . . . 58.88%
38(↓) . . . 35 . . . 32 . . . 24 . . . 24 . . . 22 . . . 石川県 . . . 177 . . . 104 . . . 58.76%
39(↓) . . . 32 . . . 35 . . . 40 . . . 31 . . . 44 . . . 埼玉県 . . . 400 . . . 233 . . . 58.25%
40(↓) . . . 36 . . . 36 . . . 43 . . . 41 . . . 47 . . . 島根県 . . . 95 . . . 54 . . . 56.84%
41(↓) . . . 18 . . . 23 . . . 31 . . . 42 . . . 29 . . . 佐賀県 . . . 92 . . . 52 . . . 56.52%
42(↑) . . . 43 . . . 39 . . . 32 . . . 44 . . . 37 . . . 鹿児島県 . . . 168 . . . 94 . . . 55.95%
43(↓) . . . 30 . . . 43 . . . 47 . . . 38 . . . 42 . . . 福島県 . . . 159 . . . 88 . . . 55.35%
44(↓) . . . 28 . . . 16 . . . 25 . . . 17 . . . 17 . . . 山口県 . . . 124 . . . 65 . . . 52.42%
45(→) . . . 45 . . . 46 . . . 38 . . . 45 . . . 36 . . . 秋田県 . . . 123 . . . 64 . . . 52.03%
46(↑) . . . 47 . . . 42 . . . 45 . . . 40 . . . 38 . . . 新潟県 . . . 201 . . . 93 . . . 46.27%
47(↓) . . . 46 . . . 47 . . . 44 . . . 26 . . . 46 . . . 鳥取県 . . . 78 . . . 30 . . . 38.46%



http://www.sankei.com/life/news/141023/lif1410230037-n1.html
地方病院の研修医割合、56%で最高に 27年度内定者
2014.10.23 21:02 産経新聞

 厚生労働省は23日、新人医師が医療現場で指導を受けながら学ぶ医師臨床研修に関し、東京や大阪など大都市部を除く地方の病院で平成27年度から研修することが内定した人の割合が、26年度同期比1・2ポイント増の56・5%になったと発表した。臨床研修が義務化された16年度以降、最高。

 研修医が特定地域に偏るのを防ぐため、厚労省は都道府県ごとの募集定員に上限を設けるなどして適正配置を図っている。研修先は医学部生らの希望と各病院の募集内容を組み合わせるマッチングで決定した。

 厚労省によると、研修希望者8767人のうち8399人の研修先が内定。東京、神奈川、愛知、京都、大阪、福岡の6都府県の病院に決まったのは3654人で、それ以外の地方の病院が4745人。

 26年度比で内定者の増加率が大きかったのは、28・8%増の群馬(103人)、27・8%増の滋賀(92人)、26・9%増の徳島(66人)などだった。



http://www.m3.com/iryoIshin/article/262998/
中央社会保険医療協議会
「7対1」施設基準の厳格化、影響を調査
今改定の入院料関係の検証、今年度内に報告

2014年10月23日(木) 橋本佳子(m3.com編集長)

 中央社会保険医療協議会総会(会長:森田朗・国立社会保障・人口問題研究所所長)は10月22日、2014年度診療報酬改定で施設基準が厳格化した、7対1入院基本料などの影響を検証する「入院医療等の調査」の調査票を了承した(資料は、厚生労働省のホームページに掲載)。

 今回は、(1)一般病棟入院基本料の見直し、(2)総合入院体制加算の見直し、(3)地域包括ケア病棟入院料の新設、(4)療養病棟、障害者病棟、特殊疾患病棟等における長期入院も含めた慢性期入院医療の在り方、(5)有床診療所入院基本料の見直し、(6)医療支援の少ない地域に配慮した評価の影響とそのあり方――の6項目について調査。施設あるいは病棟種別の調査のほか、入院患者についても抽出して病態を調べる。

 今後、11月から12月にかけて調査を実施、集計を進め、今年度内の中医協への報告を目指す。

 7対1入院基本料については、2014年度改定で、「重症度、医療・看護必要度」の見直し、特定除外制度の廃止、在宅復帰率の新設など、さまざまな見直しが行われた(『今改定は「予告編」、7対1は影響大- 中川俊男・日医副会長に聞く◆Vol.1』を参照)。その影響を探るため、入院期間が90日を超える患者像、「重症度、医療・看護必要度」を満たす患者の割合、平均在院日数、受入先・退院先の状況、平均在院日数の算定から外れる短期滞在手術等基本料3の算定状況などを調べる。

 中医協総会に先立ち開催された、診療報酬調査専門組織入院医療等の調査・評価分科会で、日本医師会常任理事の鈴木邦彦氏は、調査票自体は了承。7対1入院基本料については、「要件の厳格化が大きなインパクトとして伝わっている」とし、一部の大病院ではケアミックス導入の動きもあることを紹介。「それでは、地域包括ケア体制の構築、機能分化も進まない。(地域医療構想に関する地域の医療関係者による)協議の場でも話し合いが成り立たない。急性期の大病院が再び上を向いて歩けるように方針を出してもらいたい」と鈴木氏は求めた。

 そのほか、中医協総会では、2016年度診療報酬改定に向けた医療経済実態調査の実施、2014年度診療報酬改定の結果検証に係る特別調査のうち、「救急医療管理加算等の見直しによる影響や精神疾患患者の救急受入を含む救急医療の実施状況調査」「夜間の看護要員の評価や月平均夜勤時間72時間要件を満たさない場合の緩和措置による影響及びチーム医療の推進等を含む医療従事者の負担軽減措置の実施状況調査」の調査票を了承した。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/44077.html
医療事故報告は管理者が組織として判断- 事故調ガイドライン案中間取りまとめ
( 2014年10月23日 22:14 )キャリアブレイン

 厚生労働科学研究費による「診療行為に関連した死亡の調査の手法に関する研究班」で研究代表者を務める西澤寛俊・全日本病院協会長は23日、同研究班が検討している医療事故調査制度(事故調)の運用ガイドライン案の中間取りまとめを発表した。この中で、事案が発生した際には、「各医療機関の管理者が組織として、その事案が報告すべき医療事故かどうかを判断する」と明示した。【君塚靖】

 中間取りまとめの冒頭には、事故調の基本理念を示し、「本制度は、医療の安全確保を目的として、医療事故の再発防止につなげることであり、そのために医療者の自律的な取り組みとして、医療事故の調査・分析を行うものである」と強調した上で、事故が発生した医療機関が主体的に院内事故調査を実施する体制の構築が重要だとしている。また、事故の発生が適時、適切に報告されるように報告者の非懲罰性の確保もうたっている。さらにWHOドラフトガイドラインを参考にした制度設計も推奨した。

 来年10月にスタートする事故調を規定する医療法では、病院などは、医療に起因し、または起因すると疑われる死亡・死産で、管理者が予期しなかったものを医療事故調査・支援センターに報告するとしている。この条文に関しては、現場の医療者と病院などの管理者との間で、意見の相違が生じる可能性が指摘されていた。そこでガイドライン案では、管理者が独自に判断するのではなく、組織として判断することを明確にした。

 同研究班では、来年3月に最終報告書をまとめる予定になっており、今回の中間取りまとめでは、議論が尽くされていない部分の多くを、引き続き検討していく事項として整理した。検討事項として、最優先課題となるのは、事故調査の対象となる医療事故の範囲だ。今後、提供した医療について、「医療」をどこまでとするかを慎重に検討する。事故調査の対象となるかどうかを判断する上で、現場が混乱しないよう、判断基準や事例を示していく考えだ。



http://www.sankei.com/life/news/141023/lif1410230034-n1.html
【医療事故調】
「予期せぬ死亡」後絶たず 年間最大2千件と推計

2014.10.23 20:09 産経新聞

 厚生労働省によると、医療行為に伴う「予期せぬ死亡事故」は年間1300~2千件と推計される。近年も医療事故に伴うとみられる死亡例は後を絶たない。

 東京女子医大病院(東京都新宿区)では2月、あごのリンパ管腫の手術を受け、人工呼吸器をつけて経過観察中だった男児(2)の容体が急変、3日後に死亡した。その後、病院側が集中治療室(ICU)で人工呼吸中の子供への投与が禁じられている鎮静剤「プロポフォール」を使用していたことが判明。成人への基準値の2・5倍が投与された疑いもあり、警視庁が捜査している。

 千葉県がんセンター(千葉市中央区)では、24年9月~今年2月、同一の執刀医による腹腔鏡下手術を受けた3人のがん患者が、術後2週間以内に死亡。同様の事故が計9件に上ることが明らかとなり、専門家らによる第三者委員会が調査をしている。



http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtpronews/1410/1410064.html
高血圧学会が人間ドック学会に撤回要請,「基準範囲」巡りディベート
[2014年10月23日] MT Pro / Medical Tribune

 日本高血圧学会の「高血圧治療ガイドライン2014(JSH2014)」が公表された直後の4月4日。日本人間ドック学会と健康保険組合連合会により,健診基本検査の「基準範囲」が発表された。「基準範囲」は,7つの基準を満たすいわゆる“超健康人”の集団における検査値の95%範囲を指す。診断,将来のリスク評価,治療での利用を目的としたものではない。しかし,発表では,各学会が出している,疾患判別値(臨床判断値)としての基準値と併記する形で「新基準範囲」が示された。その中には,本来,健康人の断面調査から求めるべきではない,将来の脳心血管疾患リスクの指標となる血圧などの「基準範囲」も含まれていた。マスメディアで「健康基準を緩和」などと取り上げられたこともあり,国民や医療現場に大きな混乱をもたらした。発表から半年が経過したが,混乱は収まっていない。血圧の「基準範囲」について,日本人間ドック学会,日本高血圧学会は今どう捉えているか-。第37回日本高血圧学会総会(10月17〜19日,会長=横浜市立大学大学院病態制御内科学教授・梅村敏氏)のディベートでそれぞれの見解が示された。座長は,JSH2014作成委員長の島本和明氏(札幌医科大学学長・理事長)。

日本人間ドック学会の見解:診療で「血圧の基準範囲は不要」

 日本人間ドック学会の副理事長で学術委員長の山門實氏(足利工業大学看護学部長)は「基準範囲は健康人の95%の範囲を意味するもの。臨床判断値(高血圧診断値)とは全く異なる概念だ」とした上で,「高血圧診療においては臨床判断値(高血圧治療ガイドライン)に従うべきで,血圧の基準範囲は不要だ」とした。ただし「健診,ことに人間ドック健診においては,高血圧の発症予防としての先制医療で必要」と述べた。また,血圧の「基準範囲」の公表については「基準範囲と臨床判断値の相違を前提としたものであり,公表してよかったと考えている」。「基準範囲」の作成理由については「全国の健診施設で共有できる基準範囲が必要」「先制医療(テーラーメイド健診)には性別・年齢別の基準範囲が必要」と説明した。

 寄せられたパブリックコメントは「多くが基準範囲と臨床判断値を混同したものだった」。マスメディアの報道については「一貫して誤報であるとして対応した」とする一方,「本学会の国民への対応はホームページを利用したものであり,不備があったとの反省が必要」とも語った。

日本高血圧学会の見解:「報道をミスリードした本質には触れず」

 日本高血圧学会の理事で学術委員長の楽木宏実氏(大阪大学大学院老年・腎臓内科学教授)は,「基準範囲」の発表に対して「国民の混乱が一番の問題。医療者の間で言い合っているうちはまだいい。しかし,患者との意思疎通が難しくなったと聞く。新しい基準を出すときにはもっと慎重であるべき」と批判した。その上で,私的意見も含め,「基準範囲」発表には6つの問題点があると指摘した。

 第1に「“超健康人”のデータにしても,断面調査での検査値の分布による基準値算出を将来の脳心血管リスクの指標として取り扱っている検査値に応用すべきではない」とした。第2の問題はパブコメ募集。「7つの基準を全て満たす者を基準個体とするとし,その7番目の基準は血圧130/85mmHg未満。高血圧のレベルが基準範囲に入るはずがないにもかかわらず,147/94mmHgまでを正常範囲として発表」しており「正確なパブコメ募集であったとは言い難い」。第3は「疾患と判別される検査値レベルの人が含まれている集団であったのに,その集団を“超健康人”と表現すべきではない」。第4の問題は新聞報道後の対応で「報道に誤りがあるとし,今回の基準範囲は疾患の診断基準とは違うと繰り返したが,報道をミスリードした本質には触れず,基準範囲発表の意義を強調し続けた印象が強い」。第5は「超健康人と定義した人のコホート調査実施を強調したが,診療現場に還元できない調査だ」。第6に「国民向けの啓発パンフレットで,病気と正常の間に若干の重なりが見られる程度の図を示しているが,実際には(重なりに該当する)140〜150mmHg辺りの高血圧人口が多い。治療目標に対する誤解を招きかねない」と指摘した。

総合討論:パブコメ募集「あまりにいい加減」

 両学会の見解が示された後,「基準範囲」発表前のパブコメの取り方,国民向けパンフレットの問題点,「基準範囲」の求め方などを中心に議論が行われた。

 日本人間ドック学会によるパブコメ募集に対して,日本高血圧学会は期間内に回答しなかった。この点について,楽木氏は「全てのデータや素案になるものを公表して,パブコメを求める(のがパブコメ募集の在り方だ)。そして批判,質問を受け,それに丁寧に答え,直すべき所は直して,それで発表する。日本人間ドック学会は『われわれはこういう研究をします』と言っただけ。それを学会同士で批判することは普通しない」「血圧も含めて基準範囲を出すとは理解できない記載内容で,あまりにいい加減だ」と批難した。

 山門氏は発表当時,メディアに対して,パブコメへの各関連学会から回答を得た上で発表に至ったとの主旨の話をしている。島本氏は「関連学会からパブコメ回答を得たという担保の下で基準範囲を発表したとすることはやめてほしい」と要請。山門氏は「分かった」と応じた。

「検査値の経年変化見るため必要」

  国民向けパンフレットについては,島本氏が,血圧に関して「(これまで)各医療機関によって基準範囲が異なっていた」「この選定方法(健康人の95%信頼区間から基準範囲を得る方法)は国際的に決められている」という表現や疾患判別値とのダブルスタンダードを前提にした高血圧治療への言及があることを取り上げ,「全てうそだ」と訴えた。フロアからは,高血圧の疫学に詳しい滋賀医科大学名誉教授の上島弘嗣氏が「血圧の基準値は健康人の95%信頼区間から出せないことは世界的なコンセンサス。病気の結果として動くAST,ALTなどと混同してはならない」とコメントした。

 これに対して,山門氏は「医療機関によって血圧の臨床判断値が異なっていたということはない」とした。さらに「基準範囲は臨床判断値とは違う」と明言した上で「私も上島先生と同じ考え。血圧,BMIなどはそれぞれの学会が出している基準値を使うというのが私の(当初からの)スタンス」「(95%信頼区間から得た)血圧の基準範囲を出すことは(個人的には)少し問題があるかもしれないと考えていた」と説明。発表したのは「検査値の経年的な変化を見ることによって,将来の疾病予防に役立つと考えたからだ」と述べた。

以上の議論を踏まえ,島本氏は「血圧に関しては基準範囲を使用しないという常識的な判断しか解決する道はない」と,撤回を要求。楽木氏も「血圧については基準範囲という表現を取り下げて,疾患判別値に従って診断・治療を行ってくださいという表明を明確にすべき」と主張した。

(高橋 義彦)


  1. 2014/10/24(金) 08:11:48|
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