Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

10月17日 

http://www.sankei.com/west/news/141017/wst1410170007-n1.html
【関西の議論】
Dr.コトーは育つか 医師不足で地方医療崩壊 日赤が公立病院と全国初統合に踏み切る事情

2014.10.17 19:00 産經新聞

兵庫県立柏原病院との統合後、廃止される柏原赤十字病院。慢性赤字、医師不足…。地方の医療崩壊は深刻だ=兵庫県丹波市
 かつて離島で奮闘する医師を描いたテレビドラマ「Dr.コトー診療所」がヒットしたのは記憶に新しい。実際には若い医師を中心に都会志向が進み、コトーのように地域医療を志望するケースは多くない。「僻地(へきち)」とまでいえない地方都市でも、医師不足で医療が崩壊しつつある。その引き金となったのは、医師の卵が出身大の医局に縛られず、全国の病院から自由に研修先を選べるようになった「新医師臨床研修制度」とみる医療関係者は多い。新制度による負の影響に直面した兵庫県丹波市では、医師確保のため、日本赤十字社の病院が全国で初めて公立病院と統合することが決まった。果たして地方医療再生のモデルケースになるだろうか。(神戸総局 井上浩平)

15年以上連続の赤字決算

 神戸市から車で1時間半。県の中央東部に位置する丹波市は、盆地に田畑が広がる自然豊かな地域で、約6万5千人が暮らしている。タレントの上島竜平さん(ダチョウ倶楽部)の出身地としても知られる。

 市内にある県立柏原(かいばら)病院と柏原赤十字病院が統合し、平成30年度をめどに市内に新病院を建設する。両病院は直線距離で約1キロと近接しているが、前者は結核の療養所が拡充して一般病院となり、後者は一般病院の旧柏原町立病院を日赤が引き取った経緯がある。

 両病院の主な建物は昭和50年代に建てられ、老朽化が進んでいた。さらに25年度には、計8億6千万円以上の赤字を計上し、いずれも15年以上連続で赤字決算が続いていた。

 水面下で統合の協議が始まったのは21年のことだった。県病院局によると、柏原病院に医師を派遣している神戸大医学部から「人口が限られて症例も多くないのに、患者の取り合いは望ましくない。医師らの人材を生かす上でも非効率的だ」との指摘を受けたことが契機になったという。

 岡本周治・県病院局病院事業副管理者は「以前から医師の偏在が問題になっていたが、新医師臨床研修制度が導入された16年年度以降、いっそう地方に医師が集まらなくなった」と振り返る。

 実際、県立柏原病院では18年から目立って医師が減り始め、一時は40人以上在籍していたが約20人にまで半減した。当然、十分な医療を提供できなくなり、303床の病床も半減せざるを得なかった。

 大学の医局から医師の派遣を受けず、地域医療を志す医師を“一本釣り”していた柏原赤十字病院も人材不足にあえいでいた。

 公立病院の実情に詳しい城西大経営学部の伊関友伸教授(行政学)は「医療の高度・専門化に対応し、若手医師が集まる医療機関とするため2つの病院を統合することは時代の流れ」と一定の評価をする。一方で「病院を統合すればすべて問題が解決するわけではない。医師にとって働きやすい地域でなければ、医師は疲弊し、地域から立ち去ってしまう」とも指摘する。

新制度が裏目に

 医師不足を招いたとされる新医師臨床研修制度とはどんな制度なのか。

 従来の臨床研修は、卒業生が任意で出身大の医局に進み、単一の専門科を選んで受けるのが習わしだったが、「専門診療科に偏る」「研修医の待遇が悪い」という批判を受け医師法を改正、新制度が始まった。

 新制度では、出身大以外でも臨床研修病院の指定を受けた病院で研修を受けることが可能になった。また、専門外の診療科も一定の知識を持つ医師を育てるため、地域医療、内科、救急を必修にした。

 新制度は医師免許取得後、2年間の初期臨床研修を義務化。全国医学部長病院長会議が実施した調査では、研修を終えた「1期生」と呼ばれる医師の卵たちのうち、出身大に戻った医師は51・2%で、研修義務化前の14年に卒業生が大学に残った率72・1%と比べて約20ポイントも減少し、地方大の出身者が大学に戻らないケースが増えたことを示している。

 新人医師は卒業後、大学医局に残って診療に当たり、医局の指示で地方の病院に派遣されるのが通例だった。しかし新制度の導入で、全国の病院から研修先を選べるようになり、症例の多い病院を選ぶケースが増えた。

 神戸大医学部の杉村和朗教授は「好きな病院を選べるとなると、どうしても環境や設備が整った都市部に集中してしまう。地方に行く人がいなくなり、地域医療は急速に崩壊してしまった」と指摘する。ただ、「学生はさまざまな分野の医療を学ぶが、やはり医師免許を取得して実際に患者を診なくては知識や技術は身に付かない。いろんな病院で研修を行い、専門科に限らず幅広い知識を身につけさせようというコンセプトはよかったのだが…」とも吐露する。

 神戸大も新制度の影響で、かつて200人を超えていた研修医が約60人にまで減少した。「欠員が出てしまい、柏原病院など地方の病院に医師を送ることができなくなった」といい、派遣先の病院数も200以上あったのが140~150に減少したという。

 新制度は現在、見直しが行われている。厚生労働省は9月、都道府県別の募集定員の上限を定めるなどした結果、東京や大阪など大都市を除く道県で研修医の募集定員の割合が、制度導入後で最大の63・4%に上昇したと発表した。

 兵庫県は僻地などで勤務する医師を確保しようと、神戸大や兵庫医科大など5大学を対象に約20人を9年間、県職員として採用する養成医制度を導入。「県養成医学生」として、県が指定する医師不足の地域で働きながら専門医療を学ばせようとしている。

病院統合の未来は…

 そのような状況の中で、2つの病院の統合が決まり、関係者らは大きな期待を寄せている。

 「新病院では急性期から回復期、在宅まで切れ目なく医療を提供できるようになる。保健福祉施設も併設するので、地域包括ケアの拠点となる」。日本赤十字社県支部の藤原雅人事務局長は統合を歓迎する。

 新病院の課題は、地域の医療態勢の充実と、新しい人材の確保・育成だ。

 そこで地域医療を担う医師の育成拠点とするため、新病院では研修医らを対象にした地域医療の教育・研修環境を整備。内科や外科、総合診療などの基本領域以外にも、消化器内科や循環器内科、消化器外科といった幅広い領域の専門医を養成するという。

 医師を派遣する神戸大も、地域医療を担う人材の育成に本腰を入れようとしている。神戸大と県は今年4月、県養成医学生らを対象として神戸大医学部付属の教育研修施設「地域医療活性化センター」を開設。一環した教育を行うことで、県内の病院に勤める医師の定着率の向上を狙う。将来的には、センターが司令塔となり、新病院と連携して地域医療を担う人材を育てる構想を描く。

 同センター長を務める杉村教授は「医師には基本的に『患者を助けたい』という志がある。これまでのような大学の医局から地方の病院に医師を送る一方通行でなく、新病院やセンターで育った医師が、県内各地に定着していくような態勢を目指したい」と話している。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/44020.html
離島医療、「高度医療に対応できない」- へき地医療検討会、参考人が支援訴え
( 2014年10月17日 19:03 )キャリアブレイン

 島内では高度・先端医療に対応できない―。長崎県の離島で医療活動を行っている特定医療法人玄州会の光武新人理事長は17日、へき地保健医療対策検討会で、「壱岐島内で二次医療を完結できず、島外の都市部の医療機関への依存が高まっている」とし、離島医療に対する支援体制を拡充する必要性を訴えた。【新井哉】


 光武理事長は、同日開催された検討会に参考人として出席。委員らを前に、玄州会が運営する光武内科循環器科病院が救急告示病院として2012年度は507件の搬送を受け入れた一方、ドクターヘリや航空機、船舶による島外への搬送が100件以上あったことなどを挙げ、島内では高度医療や先端医療に加え、二次医療を完結できないといった離島医療の特徴を説明した。

 また、25年には高齢化率が40%近くに達する壱岐市の人口推計を示し、「現状に大きな変更がなければ、壱岐市の医療は高齢医師が支えざるを得ない」と指摘。島外から派遣されている非常勤医師は、年間延べ約3900人に達し、約3900万円の海上交通費がかかることも明かした。

 民間医療機関である同病院が離島医療に貢献しながらも、何とか経常利益を出している状況をグラフで説明。ただ、離島医療や医療経営の継続性を考えた場合、「何らかの財政的支援の枠組みが必要」とした。

 壱岐島に隣接する「二次離島」の大島と原島に診療所を開設した経緯も説明。1週間に1日、医師を派遣して診療を行っており、大島の診療所では12年1月の開設時から今年9月まで、1400人近くの患者の診療を実施したという。

 台風の影響で診療開始時間が遅れた際も、診療所で長時間待っていた患者から「しけていたが大丈夫だったか」とねぎらいの言葉を掛けられたことを挙げ、「島民の限りない優しさの中で医療ができて幸せ」と離島医療の魅力も語った。

 質疑応答で、島外への搬送に関する委員の質問に対し、光武理事長は「夜間は海上自衛隊のヘリで搬送する」などと回答し、島外の医療機関などの協力を得て、離島医療を維持している実態を明らかにした。



http://www.med.or.jp/nichinews/n261020a.html
今村副会長に聞く
医療機関の消費税負担税率10%への引き上げに向けて

日医ニュース目 第1275号(平成26年10月20日)

 『日医ニュース』十月五日号では,医療界の一致した意見として,「控除対象外消費税問題に係る税制要望」がまとまったことを紹介したが,今号では,本年四月からの8%への引き上げの際の対応,及び来年十月に予定される10%への引き上げに向けた取り組みについて,今村聡副会長に詳しく説明してもらった.

Q1.8%への引き上げで,日本の医療機関全体に新たな負担が増えたのではないですか?

今村副会長に聞く/医療機関の消費税負担税率10%への引き上げに向けて(写真)A 5%から8%への3%引き上げ分については,日本医師会の強い働き掛けをきっかけに,補てんに必要な財源1.36%(五千六百億円)が確保されました.医療機関全体でみれば,新たな負担は増えていません.
 一方,過去の消費税対応においては,補てん財源の計算方法に問題点がありました.中医協・医療機関等における消費税負担に関する分科会において,私からその問題点を指摘し,計算方法の是正を主張するとともに,従来生じていたマクロの補てん不足(医療機関全体での補てん不足)の解消を要望しました.
 しかしながら,支払側から,これまでの診療報酬改定の中で全体として手当されているとの意見が出され,同分科会の中間整理では両論併記となりました.結果的に5%までの分に対応する補てんの見直しには至りませんでした.
 5%から8%への3%分に対応する補てんについては,予算編成過程で内閣により検討されましたが,ここで,日本医師会が主張した計算方法を厚生労働省が支持して財務省との交渉を行った結果,1.36%(五千六百億円)の補てんが実現しました.

Q2.3%引き上げ分の補てんに確保された財源は,医療機関に公平に配分されているのですか?

A 消費税の補てんを診療報酬で行う限り,全ての医療機関にとって完全かつ公平な配分を行うことは不可能です.
 そのような中で,今回の補てんは,日本医師会が主張したとおり,基本診療料に補てんされましたので,従来の特定の項目に偏った補てんに比べると,広く薄く行きわたるという意味で,より公平な配分になったと考えています.
 とは言え,設備投資の多い医療機関への配分など,不十分な点も残っています.
 今回の改定へ向けての議論においても,当初,厚労省より高額の設備投資に対応する基金創設が提案されました.
 しかしながら,財源を税ではなく,保険料等に求める仕組みであったため,日本医師会始め診療側及び支払側が,共に反対する中,実現には至らなかった経緯があります.
 補てん財源の配分の過程を説明します(図参照).
 財源1.36%(五千六百億円)は,薬価・特定保険医療材料分の0.73%(約三千億円),診療報酬本体分の0.63%(約二千六百億円)からなります.
 この内,診療報酬本体分の約二千六百億円を,医科・歯科・調剤それぞれの医療費シェアに課税経費率を乗じて配分した結果,医科への配分額は約二千二百億円となりました.
 これを,病院と診療所のそれぞれの医療費シェアに課税経費率を乗じて配分した結果,病院には約千六百億円,診療所には約六百億円の配分となりました.
 このように,病院と診療所への財源配分は根拠に基づいて明確に区分されています.

今村副会長に聞く/医療機関の消費税負担税率10%への引き上げに向けて(図)
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Q3.診療報酬制度による補てんの仕組みは不公平ではないのですか? 今回の対応で解消できなかった問題点は?

A 個々の医療機関ごとにみると補てんの過不足が生じています.今回の基本診療料を中心とする補てんによっても,医療機関ごとに影響はさまざまであるという状況に変わりはなく,問題は解消されていません.
 現行の診療報酬への補てん制度の下では,個々の医療機関の仕入れ構成に応じた補てんを行うことは技術的に不可能であり,税制による抜本的解決が必要です.
 もう一つの問題点は,Q1で述べたように,従前の5%までの分へのマクロの補てん不足が未解決のまま残されていることです.
 現行制度では,消費税分の補てん財源を予算制度の下で確保するため,財務省などから予算圧縮の圧力がかかり,あるべき補てん財源を正しく計算して継続的に検証するという,当たり前のことが実行されにくい面があります.
 このことからも,税制の問題は税制の中で解決する必要があります.

Q4.薬価・材料価格における消費税の補てんが分かりにくいのですが

A 薬価については,理論的には消費税補てん分が上乗せされていますが,仕入れの価格交渉の際に,そのことが明示されていないという問題があります.
 日本医師会は,医療機関が仕入れを行う際に混乱が生じないよう,薬価本体価格と消費税相当額の「見える化」を提言してきました.
 その提言を受けて,日本医薬品卸売業連合会が,公正取引委員会に消費税表示カルテルの届出を行い,本年十月一日より,薬価本体価格と消費税相当額にミシン目を入れて表示することとなり,「見える化」の実現が図られました.

Q5.患者さんや国民にとっての問題点もあるのでは?

A そのとおりです.社会保険診療は非課税と言いながら,患者・国民・保険者にも,目に見えない形で一定の消費税負担が生じています.
 税の補てんに保険料を使うこと自体が,不透明・不合理であり,国民に正しく理解されていないものと考えています.
 こうした認識は,中医協においても,解決すべき課題として,診療側・支払側の双方に共有されています.

Q6.生活必需品などへの軽減税率の導入が検討されていますが,医療についても議論されていますか?

A 与党税制協議会において,生活必需品などに対する軽減税率の導入が検討される中,七月から八月にかけて各団体へのヒアリングが実施されました.
 日本医師会も七月二十九日にヒアリングを受け,「今後の社会保障充実のためには,消費税率引き上げが必要であると考えられること」「その際,低所得者の負担軽減のために,軽減税率導入を検討することは当然であり,今後の環境整備を踏まえ,財源確保と事務負担へ配慮することを前提として,10%時に軽減税率を導入すべきこと」を日本医師会の意見として述べました.
 また,「軽減税率導入が社会保障財源の縮小に直結するかのような前提を設けることがないよう,議論を進めること」も要望しました.
 更に,軽減税率導入の環境整備を前提として,医療の消費税問題の抜本的解決策の一つである軽減税率導入を,同時に検討するよう要望しました.
 医療の消費税問題は,生活必需品への軽減税率導入検討とは異なる問題であり,別途切り離して,かつ同時並行で議論を進めていくことを,政府関係者らに強く求めています.

Q7.10%へ向けての取り組みは,どのように進めてきたのですか?

A これまでの取り組みについて改めて説明します.
 三月三十一日の臨時代議員会で,今後,関係各団体との意見交換・調整を進め,要望の取りまとめを行うことをお伝えしました.
 要望に関して,各団体がばらばらの意見を主張して,結局,現行制度が継続するという事態だけは避けなければならず,“そのためには日本医師会が要になり,医療界を一つにまとめなければならない”という方針の下,四月以降,関係各団体との意見交換・調整を,積極的に行ってきました.
 また,四月三十日付都道府県医師会宛ての通知文書「控除対象外消費税問題の具体的解決策」で,それまで,日本医師会内部で検討を行ってきた九つの選択肢を例示しました.
 その後,五月十六日に開催した都道府県医師会税制担当理事連絡協議会において,消費税要望についての選択肢を四つに絞り込み,(1)課税・ゼロ税率(2)課税・軽減税率(3)非課税・全額還付(4)非課税・一部還付─の各選択肢の仕組みの概要と医療機関にとってのメリット・デメリットなどの解説を行いました.
 六月二十九日の臨時代議員会では,九月上旬を目途に,消費税要望を取りまとめることをお伝えしました.
 こうした取り組みと並行して,都道府県医師会及び郡市区医師会の役員を対象に,消費税問題についてのアンケート調査を実施するとともに,都道府県医師会税制担当理事宛てメーリングリストによる情報提供も随時行ってきました.
 また,厚労省担当者,財務省担当者との打ち合わせ,安倍晋三総理,麻生太郎副総理兼財務大臣,菅義偉内閣官房長官,甘利明内閣府特命担当大臣など関係閣僚及び与党税制調査会長らとの意見交換についても,『日医ニュース』『日本医師連盟ニュース』において,情報提供してきたところです.

Q8.どのような関係団体と意見交換をして,その結果はどうなったのですか?

A 四月以降の呼び掛けで,意見交換・調整を行った団体は,日本歯科医師会,日本薬剤師会,日本病院会,全日本病院協会,日本医療法人協会,日本精神科病院協会,全国自治体病院協議会,日本私立医科大学協会,地域医療機能推進機構,労働者健康福祉機構,国立大学附属病院長会議,医療消費税の不合理を是正する会,全国老人保健施設協会などです.
 その結果,日本医師会が取りまとめた内容で,一致団結して要望していくことについて,各医療関係団体の合意を得ることができました.
 この意見交換・調整を踏まえて,九月十日に行われた,日本医師会の医業税制検討委員会で,「取りまとめ要望(案)」が了承されました.
 また,九月十六日開催の日医理事会での協議・承認を経て,同日開催の都道府県医師会長協議会において,その内容の報告を行いました.

Q9.前号に掲載された,医療界の一致した要望ですが,一読すると分かりにくく,迫力不足の印象を受けます.
 また,「10%時」と「10%へ引き上げる際」では,意味が違うのですか?

A(1)なぜ分かりにくいのか
 今回まとまった要望は別掲のとおりです.
 多様な意見を包含する必要があるため,「等」が多く,分かりにくく感じられると思いますが,それぞれの「等」には意味があります.
 まず,医療機関等の「等」は,医療機関に該当しない薬局や介護保険事業者を意味しています.
 社会保険診療等の「等」は,介護保険など非課税とされているものを含んでいます.
 軽減税率等の「等」は,ゼロ税率と免税取引です.
 課税取引に転換すること等の「等」は,課税取引への転換を始めとする抜本的解決方法を指しています.
 また,「2.」の設備投資等の「等」は,「設備投資以外の課税仕入れで,医薬品・材料以外のもの」を意味しています.
(2)「10%時」と「10%へ引き上げる際」の意味の違い
 「10%時」という表現は,10%への引き上げの瞬間から10%の税率が続く間を意味しています.
 また,「10%へ引き上げる際」は,10%への引き上げの瞬間を意味しています.
 「1.」で,「10%時」としたのは,平成二十五 年度の税制改正大綱では「10%引き上げ時に軽減税率制度を導入することをめざす.」とされていたものが,平成二十六年度の大綱では,「国民の理解を得た上で,税率10%時に導入する.」とされた経緯を踏まえたものです.
 「10%時に環境を整備し,速やかに」の部分は,「できるだけ速やかに抜本的解決を図る」という要望内容です.
 「2.」は,医療機関の消費税負担の中でも,設備投資に伴う負担が大変深刻な状況にあるため,「10%へ引き上げる際」,すなわち,10%への引き上げの瞬間に,抜本的解決ができなかった場合には,設備投資等に係る消費税について,あらゆる方策を検討して,仕入税額の還付措置を導入することを要望するものです.
 ただし,その前提として,平成二十七年度税制改正大綱に「1.」を明記することを要望しています.

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消費税に関する税制改正要望

平成26年9月16日
日本医師会

 医療機関等の消費税の税制問題の抜本的解決を図るため,社会保険診療等に対する消費税の在り方について,以下の通り要望します.

社会保険診療等に対する消費税について,消費税率10%時に環境を整備し,速やかに,現行制度から軽減税率等による課税取引に転換すること等により,医療機関等の消費税負担をめぐる問題の抜本的解決を図ること.

上記1を平成27年度税制改正大綱に明記するとともに,消費税率を10%へ引き上げる際には,医療機関等の設備投資等に係る消費税について,非課税還付等のあらゆる方策を検討し,仕入税額の還付措置を導入すること.
以上
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Q10.「平成二十七年度税制改正大綱に明記する」ことには,どのような意味があるのですか?

A この要望は,非常に重要なことだと考えています.
 大綱に明記することは,その内容どおりに税制を変えることを意味しますので,将来の税制改正を約束することになります.
 「1.」の内容を平成二十七年度税制改正大綱に明記することで,税率10%の間に抜本的解決を実現することが約束されることになります.

Q11.抜本的解決の際には,四段階税制や事業税の特例措置への影響が懸念されると言われていますが,どのように考えますか

A いずれの制度も,消費税導入の前後を問わず,一貫して,廃止・縮減の圧力を受けてきましたが,消費税問題の抜本的解決の際には,更に影響が及ぶことが予想されます.
(1)四段階税制
 抜本的解決が,課税化で行われる際には控除額計算のために,非課税還付が導入される際には還付手続きのために,共に実額での記帳等が必要となります.
 その際,小規模医療機関も記帳等を行うようになることを理由に,四段階税制への廃止の圧力が高まることが予想されます.
 他方で,業種を問わず,消費税課税売上が年間五千万円以下の事業者を対象に納税を概算で行う簡易課税制度があり,小規模事業者の事務負担軽減という趣旨において,四段階税制と共通しています.
 この簡易課税制度と四段階税制を同時に維持していくことが,地域医療を支える小規模医療機関の存続のために不可欠であることを強く訴えています.
(2)事業税の特例措置
 課税化により解決した場合,事業税の特例措置に影響が及ぶ懸念がありますが,消費税は国税,事業税は都道府県税であり,また,税の性格も全く異なるものです.
 現在でも,事業税の特例措置の見直しの議論は続いていますが,社会保険診療は公共性・非営利性の高い事業であるとともに,事業税非課税を前提として低廉な公定価格が定められています.更に,医師は行政が行うべき公共性の高い多くのサービスを肩代わりしていることも,非課税・恒久措置の根拠とされています.
 従って,そもそも事業税については,消費税の問題と混同して論じられるべきではないことを強く主張しています.

Q12.10%引き上げが決まった場合の医療の消費税についての対応は,今後,どのように決まっていくのですか?

A 医療と消費税の問題の検討については,現時点で明確なスケジュールは示されていませんが,生活必需品に対する軽減税率導入の検討スケジュールと同様のテンポで進むと考えています.
 消費税率10%引き上げの最終判断は遅くとも十二月上旬までに安倍総理が決定することとされており,また,次年度の税制改正大綱も例年十二月中旬に決定されることから,与党税制調査会での検討は,十一月以降に山場を迎えるものと想定されます.
 よって,与党税制調査会役員を始め国会議員への働き掛けの一層の強化を,今後行っていきます.
 更に,「国民医療を守る議員の会」の開催が予定されていますので,その場で,この要望を行っていきます.
 また,来たる十一月五日に,本年度第二回目の都道府県医師会税制担当理事連絡協議会を開催し,今回の要望内容への理解を深めて頂くとともに,要望実現へ向けての日本医師会の活動状況を報告します.
 加えて,当日は,財務省の主税担当者にも出席願い,政府側の検討状況を報告して頂くことを予定しています.

最後に会員の先生方に一言

A 10%引き上げへの対応方法決定に向けて,これから正念場を迎えていく中,日本医師会は引き続き,国会議員や関係省庁との検討・調整を行っていきます.
 医療界の意見が割れて,現行制度が継続する事態になれば,医療機関の経営はいよいよ逼迫(ひっぱく)し,ひいては地域医療の崩壊につながりかねません.
 会員の先生方には,個々に,さまざまなご意見があることと思いますが,この問題を解決するためには,医療界全体が一致団結して,国に対して要望の実現を強力に迫っていくことが,何より大切です.
 抜本的解決の実現へ向けて,会員各位の,今後一層のご理解とご協力をお願いいたします.

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今回のインタビューのポイント

・5%から8%への3%引き上げ分については,必要な財源が確保され,病院と診療所に明確に区分して配分された.

・現行の診療報酬への補てん制度では,個々の医療機関の仕入構成に応じた補てんを行うことは技術的に不可能であり,税制による抜本的解決が求められる.

・軽減税率導入の環境整備を前提として,医療の消費税問題の抜本的解決策の一つである軽減税率導入を,同時に検討するよう要望した.

・医療界全体が一致団結して,要望の実現を国に対して強力に迫っていくことが,何より大切.抜本的解決の実現へ向けて,会員各位の,今後一層のご理解とご協力をお願いする.
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http://getnews.jp/archives/684691
医療改革 負担増より支出減をこそ
【山本洋一・株式会社政策工房 客員研究員】
2014.10.17 23:40 記者 : 政策工房  ガジェット通信

 政府内で医療改革の議論が進んでいる。厚生労働省は負担の引き上げによって医療費の増加に対応する方針だが、それだけでは抜本的な解決にはならない。既得権益が抵抗する支出削減に取り組まなければ、日本の素晴らしい皆保険制度を維持することはできない。

 
 厚労省が社会保障審議会の医療保険部会に示した「療養の範囲の適正化・負担の公平の確保について」には、かかりつけ医からの紹介状を持たずに大病院を受診した際の5000円程度の追加負担や、入院患者の食費負担の引き上げ、75歳以上の保険料の軽減措置の廃止、月収121万円以上の高所得者の保険料引き上げなど、負担増のメニューがずらりと並んだ。

※厚労省の資料はこちら
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000061515.pdf

 
 一方、同時に示した支出削減策「医療費適正化について」には健康づくりに向けたインセンティブの付与やデータ分析による医療費抑制などを盛り込んだが、目新しいものはない。

 例えば割安な後発医薬品(ジェネリック医薬品)を欧米並みに普及させれば医療費を7%削減できるとの調査もあるが、今回の厚労省案には「ジェネリック医薬品希望カード」の配布など中途半端な取り組みばかり。保険医療における後発薬の義務付けなど抜本策にはまったく触れていない。

※資料はこちら
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000061516.pdf

 
 厚労省が支出削減に後ろ向きなのは、業界の反発を恐れているからだ。厚労省の政策は基本的に社会保障審議会やその関連部会で決めるが、そこには医師会や薬剤師会など各業界の代表者がずらりと並んでいる。彼らの反対する政策は打ち出せないようになっているのだ。

 
 例えばジェネリック医薬品の普及には製薬業界が否定的。ジェネリック医薬品は新薬の特許が切れた後に別の製薬会社が同じ成分で作った薬のことだが、当然ながら後発薬が売れれば新薬を開発した会社の高価な薬は売れなくなる。大メーカーが後発薬の普及に賛成するはずがない。

 
 レセプト(診療報酬明細書)や電子カルテなどのITを使った支出抑制策の検討が進まないのも、新たな投資や勉強が必要になる町医者や、それを束ねる日本医師会が反対しているからだ。本来は政治家がリーダーシップを発揮してそうした政策を前進させるべきだが、多くの与党議員が業界から金を受け取っているため、声高に主張しようとはしない。

 
 高齢化が進む限り、医療費の支出はこの先もどんどん膨らむ。ある程度の負担増はやむを得ないが、それだけでは際限なく負担が増えていき、いずれ国民は耐えられなくなる。支出の削減に取り組まなければ、日本の皆保険制度はやがて崩壊してしまう。

 
 厚労省が示した負担増のメニューも実は先行きが心もとない。特に高齢者の負担増は「選挙に行く有権者」の反発が大きく、政権基盤が安定していない限り法律の制定まで持っていくのは難しいからだ。厚労省は安倍政権の支持率が高いうちに実現しようと考えたのだろうが、小渕優子経済産業相の政治資金スキャンダルで支持率は暴落の危機。仮に安倍政権の求心力が低下すれば、法案の提出さえ危うくなる。

 
 世界に類を見ないスピードで少子高齢化が進む日本にとって、社会保障費の抑制は最大の政治課題である。この難しい課題の解決策を見出すのは役人ではなく、国民の代表である政治家の仕事。政治献金の受け取りを拒否してでも、支出削減に取り組む大政治家はいないものだろうか。

政策工房
記者: 政策工房
霞が関と永田町でつくられる“政策”“法律”“予算”。 その裏側にどのような問題がひそみ、本当の論点とは何なのか―。 高橋洋一会長、原英史社長はじめとする株式会社政策工房スタッフが、 直面する政策課題のポイント、一般メディアが報じない政策の真相、 国会動向などについての解説レポートを配信中!
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TwitterID: @seisakukoubou



http://www.sankei.com/affairs/news/141017/afr1410170041-n1.html
「過去に40回ほどの常習性」と検察側 患者用麻酔薬を自分に注射の医師に懲役1年6月求刑
2014.10.17 17:18 産經新聞

 患者に点滴していた麻酔薬を注射器で抜き取り、自分に打ったとして、麻薬取締法違反(使用)の罪に問われた岩手県立中央病院(盛岡市)の医師駒谷周希被告(30)=同県矢巾町=は17日、盛岡地裁(岡田健彦裁判官)での初公判で起訴内容を認めた。検察側は懲役1年6月を求刑し、弁護側は執行猶予付きの判決を求めて結審した。判決は11月6日。

 検察側は論告で「過去に40回ほど、繰り返し使っていて常習性がある。休憩中に使って手術に戻ることもあり、医療ミスにつながりかねなかった」と指摘した。

 被告人質問で駒谷被告は「仕事と育児のストレスで背中の痛みが激しく、鎮痛目的で使った」と話し、弁護側は「快楽目的ではなく、反省している」とした。

 起訴状などによると、駒谷被告は6月8日、手術中の患者に点滴していた麻酔薬を注射器で抜き取り、病院のトイレで、自分に注射したとしている。



http://dot.asahi.com/aera/2014101500095.html
70代の大学生も? 医学部クラスメート刺激する編入生
(更新 2014/10/17 07:00) dot.asahi / アエラ

 就職してから一念発起し、医学部を目指す社会人が増えている。決して易しい道ではない一方で、大学側はその熱意や経験を歓迎しているようだ。

 社会人が医学部を目指すにはどんな道があるのか。受験には、大きく二つの方法がある。大学の2年次または3年次に編入する学士編入学と、高校生・浪人生たちと同じ土俵で勝負する一般入試だ。

 学士編入学は、学士号を持っていれば、出身学部などにかかわらず受験資格がある。一部の大学ではより対象者を広げ、大学在学中でも取得単位数によって受験資格を付す一般編入学のシステムもある。

 再受験を志す側からすれば、大学の在籍期間は1年でも短縮したい。編入できるに越したことはないと思えるが、鈴木さんによれば、一般入試を選ぶ人のほうが圧倒的に多いのが現状だ。

 学士編入は実施している大学が限られるうえ、若干名しか取らないことがほとんどで、非常に狭き門。全国の大学を合わせても250人程度の枠しかない。一般入試での全国の医学部の定員は約9千人と、椅子の数だけで見れば断然多い。

 学士編入の先駆者とも言えるのが、東海大学だ。1988年の制度開始からすでに500人以上が編入し、医師として巣立っている。教育計画部事務室長の原義徳さんが説明する。

「いわゆる受験エリートだけが医師に適しているわけではありません。多様な経験を持った人が医療業界にいるのは大切なこと。編入生は学年のなかでもリーダー的な存在になってくれる。年代も背景も違うさまざまな学生の交流があることは、学びの場としてもよい環境です」

 予備校でも大学でも、社会人再受験組は、熱意や学びに対する姿勢がまったく違う、というのが共通の見方だ。授業で最前列に座っているのはたいてい編入生。そんな姿を見て、クラスメートたちも刺激を受ける。

 東海大学の編入試験は、書類審査、英語と適性試験、面接で合否が決まる。他大学の多くが理系科目の試験を設けているが、東海大学は「医学は総合的な学問であり、理系だけの学問ではない」という考えから、文系出身者にも広く門戸を開く。
 
 14年度志願者の平均年齢は29.6歳。なかには60代、70代の志願者もいたという。

※AERA 2014年10月13日号より抜粋



http://www.med.or.jp/nichinews/n261020j.html
勤務医のページ
医師会や勤務医部会と連携した女性医師支援

大阪市立大学大学院医学研究科病理病態学教授/大阪府医師会勤務医部会参与 上田 真喜子
日医ニュース 第1275号(平成26年10月20日)

 女性医師数が年々増加してきている.そのため,女性医師が出産・子育てをしながらでも,仕事を継続し,キャリアアップができるような勤務システムを確立することはきわめて重要であり,このことは,男性医師にとっての勤務環境改善にも直結する喫緊の課題である.

三点セットの整備が重要

 それでは,男性医師,女性医師を問わず,子育て世代の全ての医師の勤務環境を改善するためには,まず何を優先的に行っていくべきであろうか? このことについては,「意識改革に取り組む」「指導的地位の女性医師の割合を増やす」など,種々の意見があると思われる.
 しかし,子育てをしながら仕事を継続してきた私自身の経験によれば,実効性のある女性医師支援・育成策として最も重要で,かつ優先すべきことは,(1)院内保育所(あるいは近隣の保育所) (2)病児保育 (3)柔軟な勤務システム─という,いわゆる三点セットを整備することである.
 この三点セットが,まず全国の大学医学部・附属病院で整備されなければならないことは,言うまでもない.大学は人々の考え方や社会制度のあり方に大きな影響を与え得る社会的存在であり,大学医学部・附属病院は,女性医師育成・支援をめぐる課題に率先して取り組み,解決策を提言・実施していく社会的責任を負っているからである.
 しかし,全国全ての大学病院において,この三点セットが完備されたとしても,それのみでは不十分である.なぜなら,地域の中核病院においてもこの三点セットが整備されない限り,子育て世代の全ての医師の就労環境を改善するという問題解決にはつながらないからである.

地域連携の中心は医師会

 各地域において,女性医師の育成・支援を行う場合,大学病院や地域中核病院との連携・協力の要として重要な存在は「医師会」である.
 各地域の医師会や勤務医部会が中心となって,地域病院群の病院長を始めとする管理職の先生方と女性医師達との相互の交流を図り,問題点について討議し,その解決策を共に検討していくことは,きわめて有効な方策である.

大阪府医師会の女性医師支援プロジェクトの成果

 大阪府医師会は,平成22年から独自の「女性医師支援プロジェクト─Gender Equality─」を,勤務医部会,男女共同参画委員会,五大学医師会,郡市区等医師会の密接な連携の下に推進し,成果を上げてきている.
 このプロジェクトでは,「スローガンではなく,実効性のある女性医師支援策を行うためには,地域の医療環境や特性に対応したきめ細かな検討が必須」との観点から,大阪府内の11地域ブロックごとに女性医師支援ワーキンググループ(WG)を編成し,各WGの会議やシンポジウムを通じて,それぞれの地域ブロックでの問題点を探り,解決策や支援策について検討を続けてきた.
 その結果,平成25年1月の調査では,大阪府の基幹型臨床研修病院70施設における院内保育所設置は86%,病児保育室設置は40%,柔軟な勤務システムの導入は81%と整備が著しく向上した.この結果は,大阪府内中核病院での女性医師支援策の着実な進展を裏付けるものである.

代替医師確保システムの検討

 大阪府医師会では,このように三点セットが充実してきている現在,産休・育休による勤務医数の減少が,残りの勤務医に過大な負担を強いたりすることがないようにするために,次のアクションプランとして,「産休・育休中の代替医師を確保するための運用システムの検討」を始めている.五大学や医会,勤務医部会と連携して,まずは産婦人科と循環器内科の領域でそれぞれWGを設置して,運用システムの具体的検討を進めている.
 子育て世代の医師が何の不安もなく働くことができる勤務システムを確立することは,女性医師だけでなく男性医師にとっての支援でもあり,日本の医療の豊かな未来に貢献する.各地域での医師会や勤務医部会と連携した女性医師支援の更なる進展が望まれる.



http://www.med.or.jp/nichinews/n261020d.html
大学医学部・医学会女性医師支援担当者連絡会
「よりよい男女共同参画を目指して」をテーマに

日医ニュース 第1275号(平成26年10月20日)

 同連絡会は,日医女性医師支援センター(以下,支援センター)が昨年度から事業計画として掲げたもので,日医における女性医師支援・男女共同参画に関する取り組みの周知と各大学医学部及び各医学会(今回より)の取り組みについての情報交換を目的に開催されたものである.
 笠井夫常任理事の司会で開会.冒頭,あいさつに立った横倉義武会長(今村聡副会長・支援センター長代読)は,支援センター事業への協力に感謝の言葉を述べた上で,本連絡会は,今年度新たに各医学会にも参加を呼び掛けたことを紹介.「女性医師の活躍並びに男女共同参画の推進は,医療の望ましい発展のために必要不可欠であり,日医としても真摯(しんし)に取り組んでいきたい」と述べた.
 続いてあいさつした久史麿日本医学会長は,日本医学会加盟の122学会の評議員は残念ながら現在全員男性だが,今後の女性医師の活躍に期待するとし,iPS細胞を臨床応用した高橋政代理化学研究所プロジェクトリーダーや,四児の母であり38歳から研究を始めて慢性骨髄性白血病に関する世界的な成果を残した故ジャネット・ローリーシカゴ大学教授らの例を紹介した.
 その後,議事に入り,笠井常任理事が,日医の女性医師支援に関する取り組みについて,支援センター事業の今年度事業計画を示しつつ概説し,支援センターホームページ等,改善点があれば連絡して欲しいと述べた.

取り組み事例発表

 次に,三大学一学会より取り組み事例の発表と日医女性医師支援委員会より報告が行われた.
 伊東昌子長崎大学男女共同参画推進センター長・同大学病院メディカルワークライフバランスセンター長・副学長/教授は,県の委託を受け県内の医療機関に勤務する医師を対象とした「あじさいプロジェクト」を大学内に設置し,「キャリアコンサルティング」や「復職&リフレッシュトレーニング」等に取り組んでいる他,「潜在女性医師把握調査と女性医師ネットワーク構築」に努めていること等を紹介した.
 水野文子奈良県立医科大学微生物感染症学講師・同大学女性研究者支援センターコーディネーターは,(1)研究継続支援 (2)意識啓発・広報 (3)女性研究者の増加支援 (4)未来の女性研究者育成―の四つの柱に沿って,教員・研究者への女性登用に取り組む「女性研究者支援センター“まほろば”」の活動について説明した.
 大久保ゆかり東京医科大学医師・学生・研究者支援センター長・教授は,就業継続・復職支援を目的とした,同大学の「医師・学生・研究者支援センター」や,今年度より開始した「東京医大女性研究者支援事業女子医大ファミリーサポート連携プログラム」,全国に門戸を開いている「キャリア・復職支援ベーシックプログラム」等の活動を紹介.社会で子どもを育てる,支えるという観点の重要性を強調した.
 福與なおみ日本小児科学会男女共同参画委員会委員は,「全国大学医学部におけるワークライフバランスの取り組み~小児科学会主催アンケート調査より~」と題し,アンケート結果を基に,医学生時代からのワークライフバランスの啓発や支援体制の周知のため,入学時から継続した講義の充実が必要であると指摘した.
 続いて,橋克子日医女性医師支援委員会委員が,「女性医師支援に関するアンケート調査」について,「大学医学部へのアンケート〔全86学中65校(回収率81.3%)〕及び医学会における調査〔日本医学会加盟118学会(本年一月時点)中102学会(回収率86.4%)〕」の概要を報告した(詳細は,『日本医師会雑誌』第143巻・第6号/平成26年9月号参照).
 その後の意見交換では,さまざまな質問や意見,要望等が寄せられ,連絡会は盛会裏に終了した.
 当日は,63大学,44学会の関係者の他,47都道府県医師会の担当役職員ら269名が出席した.



http://www.minpo.jp/news/detail/2014101718689
月給0.16%上げ勧告 県職員給与で人事委
( 2014/10/17 09:41  福島民報 )

 平成26年度の県職員の給与改定で、県人事委員会は16日、月給を平均0・16%、ボーナス(期末・勤勉手当)の年間支給月数を0・15カ月分それぞれ引き上げ、民間との格差を埋めるよう県と県議会に勧告した。プラス改定は月給が6年ぶり、ボーナスが7年ぶりとなる。
 勧告通り実施されれば、月給とボーナスを合わせた年間給与は行政職(平均42・1歳)で6万7692円(1・1%)増え618万7202円となる。月給引き上げ分は若年層に重点配分するため、高齢層の一部では据え置きとなる。ボーナスの引き上げ分は勤勉手当に配分するとした。
 県人事委が行った民間との給与格差調査では、月給は県職員平均が38万2941円で民間を619円(0・16%)下回った。ボーナスの年間支給月数は県職員が3・90カ月分で、民間より0・15カ月分少なかった。県人事委は景気の回復傾向で民間の賃金引き上げなどが影響したとみている。
 県人事委は医師の初任給調整手当を最大で月額1300円引き上げることも勧告した。
 勧告では、月給改定を今年4月にさかのぼって実施し、ボーナス改定は12月期から反映するよう求めた。
 県が勧告通り実施した場合、今年度の県職員の月給は総額3億6千万円、ボーナスは19億7千万円増え、計23億3千万円の人件費増となる。



http://www.m3.com/open/iryoIshin/article/261198/?category=report
地域医療構想の「区域」、2次医療圏が原則
レセプトやDPCのデータ活用し、2025年を推計

2014年10月17日 橋本佳子(m3.com編集長)

 厚生労働省の「地域医療構想策定ガイドライン等に関する検討会」(座長:遠藤久夫・学習院大学経済学部長)の第2回会議が10月17日に開催され、地域医療構想を策定する単位である「構想区域」は、医療計画で用いている2次医療圏を原則としつつ、2025年における人口規模などの要素を勘案して、地域の実態を踏まえて定める方針でおおむね一致した(資料は、厚労省のホームページに掲載)。

 2025年の医療需要と病床の必要量の推計については、社会保障・税一体改革で2011年6月に行った推計の基本的考え方を基に、レセプトデータやDPCデータなどを活用して、推計を精緻化する方針でもほぼ合意。厚労省は次回の10月31日の会議で、医療需要等の推計のたたき台を提示する予定だ。

 遠藤座長は、「構想区域」については、「現状の2次医療圏は、さまざまな課題を持っているとはいえ、他に代わる有効なものがあるわけではないので、これをベースにし、4つの要素を勘案するという、厚労省の提案がおおむね認められたと思う」と総括。2025年の推計については、「将来の医療ニーズの推計は難しいが、このような(社会保障・税一体改革のような)推計方法を取る。ただし、大胆の仮定の下に推計していたので、きちんとブラッシュアップしてやっていくことに合意を得たのだろう」とまとめた。

 「4つの要素」とは、2025年における、(1)人口規模、(2)患者の受療行動(流出率・流入率)、(3)疾病構造の変化、(4)基幹病院までのアクセス時間等の変化――だ。

 地域医療構想では、2025年の病床種別の必要量などを定める。2次医療圏と構想区域が一致しない場合、病床の調整に支障が生じることも想定し得る。医療計画の次期策定は、2018年の第7次医療計画だ。厚労省医政局地域医療計画課長の北波孝氏は、「構想区域を定めるのは都道府県だが、構想区域に合わせて2次医療圏を変えていくことはあっていいと思う」と述べ、地域医療構想の策定主体である都道府県の自主性を尊重しつつも、2つの計画の整合性を図るよう求めた。

 日本医師会副会長の中川俊男氏は、「第7次医療計画の見直しの際に、現行の2次医療圏を、今回の構想区域に準じて見直すつもりで、構想区域を設定してもらいたい、というメッセージを発信してほしい」と述べ、二つの計画の整合性が図れるよう、厚労省に一歩踏み込んだ対応を要望した。

 さらに、地域医療構想の策定に当たって、焦点となる一つが、2025年の医療需要等の推計に当たって、どの程度、「あるべき姿」「標準化」「適正化」を進めるかという点。現状では、病床数が多い地域では、在院日数が長くなる傾向が見られるのも事実だ。社会保障・税一体改革の推計では、「改革シナリオ」として平均在院日数の短縮等を想定して推計している。北波課長は会議後、地域医療構想では地域の実態を踏まえる必要性は指摘したものの、「合理的に説明が付けばいいが、そうでなければ同じ疾患では在院日数は収斂すべき」との考えを示した。

 2次医療圏、人口で10倍以上の開き

 「構想区域」の設定の考え方は、総論では合意を得たものの、各論ではさまざまな検討課題がある。

 「構想区域」は「2次医療圏を原則」とするが、「2次医療圏」設定自体が妥当かという問題がある。2次医療圏の人口規模や面積を標準化させるのには限界があり、圏内のインフラが大きく異なる中で、地域の事情をどう反映させるかが課題だ。

 2次医療圏は344あるが、例えば、人口で見れば、最も多い大阪市は266万人、最少の隠岐(島根県)は22万人と10倍以上の開きがある。面積でも、最も広い十勝(北海道)は1万828km2、最も狭い尾張中部(愛知県)は42 km2で、約260倍の開き。

 2013年度からの第6次医療計画では、「人口20万人未満」「流入率が20%未満」「流出率が20%以上」に該当する2次医療圏では、圏域の検証を行うことになった。しかし、2008年の患者調査に基づく試算では、32都道府県、87医療圏が該当したものの、実際に見直したのは、3県(宮城県、栃木県、徳島県)のみ。基幹となる病院へのアクセス時間、最新データによる検証などの結果とされるが、必要病床数を規定する2次医療圏の見直しが容易ではない事情もうかがえる。

 兵庫県では、2次医療圏は10カ所あるが、疾患・事業ごとに、地域の実情に応じて圏域を設定している。例えば、心筋梗塞・脳卒中の医療圏域は9圏域、救急医療の医療圏域は12圏域だ。「2次医療圏を原則」とは、こうした柔軟性も想定していると見られる。

 4つの圏域、将来的には収斂

 医療や介護に関連した圏域としては、構想区域、2次医療圏のほか、介護に関する老人福祉圏域、医療介護総合確保区域がある(『医療介護の総合確保方針、了承・告示へ』を参照)。健康保険組合連合会理事の本多伸行氏は、「4つがあり、都道府県も混乱している。また一般住民は理解していな。医療と介護を連携していく上で、圏域を将来的に統合していく考えがあるのか」と質問。

 厚労省医療介護連携政策課長の渡辺由美子氏は、「2次医療圏と老人福祉圏域が一致しているのは、41都道府県。それ以外の地域でも、2次医療圏の中に、2つの老人福祉圏域があるなど、包含関係にある場合もある。今でもできるだけ一致させるようにしているが、基本的には収斂させていく方針」と回答した。

 この点については、医療提供側からも、可能な限り一致させるよう意見が相次いだ。日医の中川氏は、「2次医療圏は現在の必要病床数、構想区域は2025年を想定しているというが、将来に向けて、『協議の場』で議論していくことになる。構想区域と2次医療圏が一致していれば、理解しやすいが、異なる場合はどうするのか。2次医療圏は病床過剰で、構想区域では病床が必要になった場合にどのように整理するのか」と質問。北波課長は、「現行の2次医療圏の必要病床数を満たしながらやっていくことが必要。2018年には第7次医療計画を策定するため、(必要があれば)その際に圏域の見直しも行われる」と回答。構想区域と2次医療圏の整合性をどう図っていくかは、各都道府県に委ねられることになる。

 日本慢性期医療協会会長の武久洋三氏からは、「病院も介護施設も、これ以上、あまり増えない。この10月からスタートした病床機能報告制度で、地域にある病院とその機能を把握できるようになる。各病院のほか、介護施設の分布をにらみながら、漠然とした構想区域ではなく、総合的に医療と介護が確保できる圏域にしていくことは当然」との意見も出た。

 社会保障・税一体改革の推計をベースに

 2025年の医療需要と病床の必要量の推計は、社会保障・税一体改革の2013年6月の推計の考え方をベースに進めることになったが、この点についても幾つか意見が出た。

 中川氏は、この推計自体を疑問視、(1)入院と外来の受療率を全国一律と仮定、(2)DPCおよびDPC準備病院を、急性期病院の代表と仮定、(3)平均在院日数を、高度急性期病床では2割、一般急性期病床では3割短縮すると想定――などの問題があるとした。「平均在院日数を短縮することが改革なのか。DPCが急性期病院の代表とは、誰が決めたのか」「全国の医療提供体制の全てに問題があるわけではなく、絶妙なバランスで成り立っている地域もある。しかし、全国の地域が、この推計に基づき改革することを求めているように思う」などと中川氏は述べ、社会保障・税一体改革の推計を提示した真意を厚労省に質した。

 日本医療法人協会会長代行の加納繁照氏も、「急性期医療の在院日数の短縮は限界。65歳以上の高齢者の患者が増えるので、逆にこれから伸びる可能性がある。データを基にしっかり計算して推計してもらいたい」と求めた。

 北波課長は、地域医療構想は、社会保障・税一体改革の流れで出てきたものであり、「あくまで参考だが、議論の出発点として、(社会保障・税一体改革の推計を)提示した。いかに説得性のある推計方法にするかについて議論してもらいたい」と回答。さらに「受療率に地域差があるという指摘は、その通りだが、医療の需要と供給を考える際に、あるべき姿があり、そこをどう考えるかについても議論してもらいたい」とも述べ、地域差の是正などの改革を意識した推計を行う必要性を指摘した。

 社会保障・税一体改革の推計は、「高度急性期病床」22万床、「一般急性期病床」46万床、「亜急性期・回復期リハ等」35万床、「長期療養」28万床。地域医療構想の病床区分(高度急性期、急性期、回復期、慢性期)とは違うものの、一体改革の推計が独り歩きすること、さらには一律の方法で各地域が必要数を推計することへの懸念は他の委員からも提示されたが、「将来推計は、一体改革の推計を基本にする。しかし、推計から3年経っているので、レセプトデータ、DPCデータなどを使ってアップデートするほか、地域差なども考えていく」(慶應義塾大学経済学部教授の土居丈朗氏)という方針で落ち着いた。推計に当たっては、病床数だけでなく、在宅、訪問看護のニーズも的確に把握し、組み込む必要性も指摘された。



http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG17H0U_X11C14A0CR8000/
235市町村で医療費過払い4億円超 会計検査院調べ
2014/10/17 21:07 日本経済新聞

 障害者自立支援法に基づき、国や自治体が一部負担する医療費を会計検査院が調べた結果、235市町村で計約4億2500万円が過払いだったことが17日分かった。自治体の審査が不十分で、健康保険組合が支払うべき人工透析治療の医療費を誤って負担していた。検査院は厚生労働省に返還と改善を求めた。

 検査院が調べたのは、高額となる医療費を国や自治体が一部負担する「自立支援医療制度」。障害者自立支援法に基づき、腎移植や心臓機能障害などの医療費について、患者の自己負担分などを差し引いた金額を国や自治体が分担する仕組み。

 透析治療は同制度ではなく、医療保険の特定疾病制度が適用され、健保組合が患者の自己負担分を超えた費用を医療機関に支払う。16道府県の446市町村の2012年度分を抽出して調べたところ、計約238億円の支出のうち、235市町村の計約4億2500万円は健保組合が負担すべき分だった。



http://mainichi.jp/area/hyogo/news/m20141017ddlk28040428000c.html
不正請求:兵庫区のマッサージ店、施術5400万円 刑事告訴も /兵庫
毎日新聞 2014年10月17日 地方版〔神戸版〕

 県後期高齢者医療広域連合は16日、鍼灸(しんきゅう)・マッサージ店「浜田治療院」(神戸市兵庫区東山町3)が、別のマッサージ店の施術分をつけ替え請求するなどし、総額約5400万円の医療費を不正請求していたと発表した。経営する男性施術師(65)は不正を認め、383万円を返還。残額は分割返済する。

 同連合によると、店は男性施術師が1人で経営。つけ替え請求していた別の店は開設に関わったが、現在の関係は不明という。

 不正請求していたのは2009年8月〜14年2月に、▽行っていない施術料や、患者の自宅に赴く往療料を架空請求した27人772件約2800万円▽マッサージを鍼灸の施術とするなど、内容相違で請求した27人約89万円▽同市北区のマッサージ店で別の施術師が行った施術を、男性の店で行ったようにつけ替え請求した35人610件約2500万円。

 被保険者から「施術日数が実際より多い」という通報があり、発覚。同連合は県警と刑事告訴を協議しているという。【神足俊輔】



http://www.m3.com/open/iryoIshin/article/261107/?category=report
後期高齢者の保険料軽減特例、廃止提案
標準報酬月額もアップ、高所得者も負担増に

2014年10月17日 橋本佳子(m3.com編集長)

 社会保障審議会医療保険部会(部会長:遠藤久夫・学習院大学経済学部教授)は10月15日の会議で、「負担の公平の確保」の視点から、後期高齢者の保険料の軽減特例の見直しなどについて議論、おおむね了承が得られた(資料は、厚生労働省のホームページに掲載)。医療費の増大が続く中、高齢者にも応分の負担を求めるほか、高所得者には応能の保険料を課すことが狙い。後期高齢者の保険料の軽減特例を受けているのは、約900万人で、来年の通常国会での法改正を目指す。

 これらの見直しは、2013年12月に成立した、いわゆるプログラム法や、今年6月に閣議決定した、「経済財政運営と改革の基本方針2014」などに基づく。見直しの対象は、後期高齢者の保険料の軽減特例や自己負担、保険料徴収の際の標準報酬月額、国保保険料の賦課限度額、被用者保険の保険料率の上下限、入院時食事療養費など、幅広い。

 後期高齢者の負担増の第一が、保険料の軽減特例の見直し。2008年の制度開始以降、激変緩和の観点から、低所得者や元被扶養者の保険料については、最大で9割軽減の措置がある。

 後期高齢者については、医療機関を受診した場合の自己負担についても、引き上げを検討。現在は「現役並み所得者」(全体の6.8%)は3割負担だが、「一般」「低所得者」は1割負担。既に70歳から74歳までについては、今年4月以降、70歳になる人から従来の1割負担から2割負担に引き上げられている。70歳以上の高齢者の高額療養費の自己負担の限度額についても、70歳未満と比べ、「一般」「低所得者」では軽減されている。

 特に後期高齢者医療については、負担構造の見直しを求める声が相次いだ。後期高齢者医療は、「後期高齢者自身の負担」(自己負担と保険料)は約14%で、残りは若年者の保険料による「後期高齢者支援金」39%、「公費」47%という財源構成になっている。「今後、医療費の増加が見込まれる中、現役世代の人口減少を考慮した負担割合を考えるべき」(厚労省保険局)。

 健康保険組合連合会副会長の白川修二氏は、「これだけ医療保険財政が厳しくなる中で、やはり高齢者に応分の負担を求めていかざるを得ない状況。高齢者を特別な扱いしているものについて、点検していくべき」との基本的考えを示し、後期高齢者の保険料の軽減特例については「直ちに廃止すべき」と求めた。

 経団連社会保障委員会医療改革部会長の望月篤氏も、「保険料の軽減特例は、激変緩和措置として導入された、もう7年経っているので、できるだけ早期に本則に戻すべき。所得の多い方については、ある程度の負担はやむを得ないのではないか」とコメント。

 ただし、軽減特例等の見直しに当たっては、「約900万人が軽減特例を受けている。特例措置がある今の制度が当たり前と思っているので、丁寧な説明が欠かせない。市町村だけでなく、政府によるオールジャパンの広報が必要」(全国後期高齢者医療広域連合協議会会長(多久市長)の横尾俊彦氏)、「多くの高齢者は、恒久的な措置と考えている。見直す場合には、急激な変化にならないよう、段階的に実施し、周知徹底を図ることが必要」(全国老人クラブ連合会理事の川尻禮郎氏)など、高齢者の理解を求めながら進める必要性が指摘された。

 標準報酬月額は「145万円」が最高

 高所得者の保険料の引き上げを狙い、標準報酬月額については、最高等級を「121万円」から「145万円」に引き上げる方針。該当者は約19万人と推計される。現在の「121万円」の場合、全被保険者の0.95%に相当する約32.6万人が該当している。

 国保保険料の賦課限度額や、被用者保険の保険料率の上下限の引き上げも検討する。被用者保険では、最高等級の標準報酬月額に該当する被保険者の割合が、1.0%から1.5%の間になるよう、法定されている。このルールを踏まえ、国保の場合、賦課限度額超過世帯が2.31%になることから、1.5%に近付くように、段階的に賦課限度額を引き上げる方針。また被用者保険については、例えば、健康保険組合では、1000分の30 から、1000分の120の範囲内で設定することが、健康保険法で規定されている。厚労省は、この上限を1000分の130に引き上げることを提案。下限についても、検討課題だ。

 「食材費」に加え、「調理費」も

 そのほか、入院時食事療養費・入院時生活療養費も見直す。一般病床で徴収する入院時食事療養費は「食材費」相当額(一食当たり260円)だが、在宅療養では「調理費」や「光熱費」もかかる。療養病床に入院する65歳以上の患者(医療区分IIとIIIの該当者を除く)は、「食材費」と「調理費」の相当額を、入院時生活療養費(一食当たり460円)を徴収している。入院医療と在宅療養、若年層と高齢者層の公平を図ることが見直しの目的。

 白川氏は、入院時生活療養費について、「将来的には議論が必要だが、光熱費まで一気に増やすのはどうか」とし、入院医療でも「食材費」と「調理費」の相当額を徴収する案を提示。これに対し、松原氏は、「食事は、治療食の性格を持っている」と述べ、さらなる負担を求めることに反対した。



http://www.m3.com/open/iryoIshin/article/259285/?category=research
医療に理解ある厚労相、舛添氏がトップ◆Vol.3
直近10年間、「いない」との回答も6割

2014年10月17日 池田宏之(m3.com編集部)

 Q.3 直近10年間で、最も医療に理解のあった日本の厚労相(敬称略)
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 Q.3では、直近10年間の首相の中で、「最も医療に理解のあった日本の厚生労働大臣は誰か」を、1人を選んでもらう形式で聞いた(有効回答、526人)。

 最も多かったのは、「理解のあった首相」と同じで、「誰もいない」で316人、60.1%となった(『医療に理解ある首相「いない」が7割超◆Vol.2』を参照)。

 実名を挙げた中で最も多くの人が選択したのが、現・東京都知事の舛添要一氏で80人、15.2%の人が回答した。舛添氏は、2年程度の在任期間で、従来の医師抑制政策から、医師増加に舵を切ったほか、勤務医の環境改善などの政策も進めた。新型インフルエンザ対応や薬害肝炎の問題にも取り組んだ実績がある。

 次いで多かったのが、歴代の厚労相(厚生相も含む)中で、唯一医師資格を持っている坂口力氏で70人、13.3%の人が回答した。坂口氏は3年半以上にわたり、厚労相を務め、ハンセン病訴訟において控訴しないことを決めて、患者に謝罪したほか、鳥インフルエンザの対応などに当たった。

 「ミスター年金」と呼ばれ、民主党が野党時代に厚労行政の問題を追及してきた長妻昭氏は、29人にとどまった。脱官僚政治を目指した民主党政権だったが、官僚からの協力が得られず、「後期高齢者医療制度の廃止」などの政策も中途半端に終わったまま、1年程度で退任した。一方で、代替医療の問題に取り組むなどの姿勢もみられた。

 その他の厚労相の回答数は12人以下となっていた。田村憲久氏以外は、在任期間が1年程度で、多くの会員にとって、記憶に残りづらかったとみられる。在任期間がわずか3カ月程度だった三井弁雄氏の得票数はゼロで、在任期間が長い方が印象に残りやすい面もありそうだ。



http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtpronews/1410/1410049.html
看護の「必要性を考え直すべき5つの処置」とは?
米国看護学会がChoosing Wisely®を発表

[2014年10月17日]MT Pro / Medical Tribune

 米国看護学会(AAN)は10月16日,「必要性を考え直すべき5つの処置」を発表した。リストは米国内科専門医認定機構財団(ABIM Foundation,以下ABIM)が実施するキャンペーン“Choosing Wisely®”の一環として内科・外科関連学会や病院団体が各自で作成・発表している。

「分娩中の持続的胎児心拍数モニターを行わない」など

 今回発表された「リスト」は次の通り。

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① 危険因子のない女性に対し,分娩中の持続的胎児心拍数モニタリング(FHR)を機械的に実施しない。最初は間欠的聴診法(intermittent auscultation: IA)の実施を考慮する。

② 院内で高齢者を臥床あるいは坐位のままにしない。

③ 高齢入院患者に身体拘束を行わない

④ 患者の病状,あるいは看護上特に必要な場合を除き,ルーチンな処置のために患者を起こさない

⑤ 明らかな適応がない限り,患者への尿道カテーテル留置あるいはその継続は行わない

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「帝王切開や器械分娩の増加に関連の一方,胎児の予後は改善せず」

 ①についてAANは,多くの病院でルーチンにわれている分娩時の胎児FHRは帝王切開や器械分娩の増加に関連する一方,アプガースコアや新生児集中治療室(NICU)入室率,分娩時の胎児死亡率改善に関連しないことが分かっていると指摘。一方IAにより妊産婦の分娩時の体動制限が軽減され,妊産婦が分娩に集中できる体制を整えることが可能になる他,立位や歩行が分娩第1期の短縮,帝王切開率や硬膜外麻酔の使用の減少に関連すると説明している。

 ②については,自立歩行の喪失が入院期間の延長の他,リハビリテーションやナーシングホーム入所の必要性,入院中・退院後の転倒リスクの上昇や介護者への依存度を高めるだけでなく,死亡リスク増加にも関連していると指摘。一方,病院滞在中に歩いていた高齢者は,退院までにより長い距離を歩行できるようになること,入院期間が短縮されること,日常生活の基本動作の自立度が改善すること,手術後の回復が早いことが分かっていると説明している。

 ③については,身体的拘束が重篤な合併症や死亡につながる可能性があると指摘。また,身体的拘束が全身状態による苦痛や変化が現れた際に行われることも少なくないが,こうした状況では拘束ではなく,患者の迅速な評価や十分な観察が必要と述べている。

 ④については,これまでの研究で睡眠障害が呼吸,循環,免疫機能,ホルモン分泌や代謝機能に悪影響を与えることが明らかにされている他,身体活動機能への影響やせん妄,抑うつなどにもつながる可能性も指摘されていると指摘している。

 ⑤については,米国では尿道カテーテル留置に伴う尿道感染が最も多い医療関連感染であり,同カテーテル留置の減少,留置期間の短縮で多くは防げると説明している。

(坂口 恵)



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/44016.html
「西本願寺医師の会」が年度内に設立- 会員数100人目指す
( 2014年10月17日 12:40 )キャリアブレイン

 浄土真宗本願寺派(本山・西本願寺、京都市下京区)は年度内に、「西本願寺医師の会」を設立する。日々、患者の生死と向き合う医師が、仏教と医療相互の視点から現場の課題を共有し、相互交流を図ることが目的。現在、同派の寺院に所属する僧侶や門徒の医師を中心に会員を募っており、年度内に100人の会員数を目指す。【敦賀陽平】


 本願寺派では昨年春、藍野大短期大学部(大阪府茨木市)の佐々木惠雲学長、あそかビハーラ病院(京都府城陽市)の大嶋健三郎院長、佐藤第二病院(大分県宇佐市)の田畑正久院長ら発起人の医師9人による準備会を立ち上げ、発足に向けた話し合いを進めてきた。

 龍谷大大学院(京都市)で今年春、宗教的な側面から心のケアを行う「臨床宗教師」の養成が始まるなど、関西ではここ数年、医療と宗教をめぐる動きが活発化している。今後の超高齢化に伴う「多死社会」も見据え、本願寺派では「会発足に向けた社会的な土壌が整った」と判断した。

 入会金や会費は必要ないが、本願寺派の寺院に所属する僧侶・寺族(住職の家族)・門徒の医師、または同派総長の推薦を受けた医師であることが入会の条件となっている。

 本願寺派の担当者は、「昔は死の現場に必ず宗教者がいたが、いつの間にか医療と宗教が分離した。原点に立ち返りたい」と話している。



http://www.sankei.com/affairs/news/141017/afr1410170022-n1.html
「男性死亡、原因は人工呼吸器の欠陥」 筋ジス患者の遺族が提訴
2014.10.17 12:18 産經新聞

 筋ジストロフィーで自宅療養していた男性=当時(31)=が死亡したのは人工呼吸器の欠陥が原因だとして、遺族が製造会社「パシフィックメディコ」(東京)や呼吸器を貸し出した国立病院機構などに計1千万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。

 訴状などによると、男性は平成19年から人工呼吸器を自宅で使っていた。昨年4月11日朝、のどにつなげる呼吸器のチューブが外れて呼吸できなくなっているのに母親が気づき、病院に搬送したが同日夜に亡くなった。チューブが外れたことを知らせる警報は鳴らなかったという。

 遺族側は訴状で「チューブと警報の構造に欠陥があった」として、製造会社には製造物責任法に基づく賠償責任があると主張。国立病院機構に対しては「呼吸器の使い方の指導が不十分だった」と訴えた。


  1. 2014/10/18(土) 09:02:10|
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