Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

9月18日 

http://www.med.or.jp/nichinews/n260920e.html
文部科学省
「東北地方における医学部設置に係る構想審査会」の選定結果を受けて日医の見解を公表

日医ニュース 第1273号(平成26年9月20日)

 文部科学省「東北地方における医学部設置に係る構想審査会」での審議の結果により,「東北医科薬科大学」(応募主体:学校法人東北薬科大学)が八月二十八日に選定された.
 これを受けて,日医では同日,見解を公表した(全文は日医ホームページ「プレスリリース」参照  http://www.med.or.jp/teireikaiken/).
 その中では,構想審査会の決定は尊重するとしながらも,今回の構想選定に際して付けられた「選定後速やかに,宮城県をはじめとする東北各県・各大学,関連教育病院,地元医療関係者等の協力の下で,運営協議会(仮)を立ち上げ,自治医科大学等の先行事例も参考に,教員等の確保や地域定着策をはじめとした,構想の実現・充実のために必要な協議を開始すること」等,七条件について,適切に対応ができていると認められるまで,国は設置認可を行わないようにすることが要求されていることに注意を払う必要を示した.
 更に,「東北地方における医学部設置に関する基本方針(復興庁・文科省・厚生労働省)」の中に示された四条件((1)震災後の東北地方の地域医療ニーズに対応した教育等を行うこと (2)教員や医師,看護師の確保に際し引き抜き等で地域医療に支障を来さないような方策を講じること (3)大学と地方公共団体が連携し,卒業生が東北地方に残り地域の医師不足の解消に寄与する方策を講じること (4)将来の医師需給等に対応して定員を調整する仕組みを講じること)については,厳守されるよう注視していく考えを改めて示した.
 なお,今回選定された「東北医科薬科大学」については,直ちに医学部新設が決定するわけではなく,開学に向けては,通常の医学部設置認可申請手続きが必要であり,今後は,大学設置基準等を始めとした法令上の基準にのっとって,当該法令への適合性を審査することになる.



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/43810.html
医師引き抜きしない具体策、協議会で議論を- 医学部長病院長会議が要望、東北の新設で
( 2014年09月18日 21:33 )キャリアブレイン

 東北地方の医学部新設で文部科学省の構想審査会が東北薬科大(仙台市青葉区)を選定したことを受け、全国医学部長病院長会議は18日の記者会見で、医師などを地域の医療機関や大学から引き抜かないよう求め、引き抜きをせずに教員を確保するための具体策を、同大が設置する運営協議会(仮称)で議論すべきとの考えを示した。【丸山紀一朗】

 運営協議会の設置は、構想審査会が同大に対して求めた7つの選定条件の1つ。今後、東北各県・各大学や関連教育病院、地元医療関係者などの協力の下に立ち上げて、医師定着策などの協議を開始することとした。選定条件はこのほか、▽東北大などと役割分担し、東北の医師偏在を解消する枠組みを確立する▽総合診療医の養成に取り組む▽卒業生の東北への定着を促す修学資金の仕組みを構築する-など。

 全国医学部長病院長会議は会見で、「7条件がすべてクリアされることの検証が必要」などとするコメントを発表した。運営協議会での今後の議論の行方に「大いに注目したい」とした上で、医師などの引き抜きについては、「個々の大学や地域の医療・医学教育に支障のないことの担保が極めて重要」と指摘。具体的には、正式な設置認可の過程で同大が教員候補者リストを提出する際に、現在所属している医療機関や大学の長の推薦書の提出も求める案を示した。

 これについて、荒川哲男会長(大阪市立大医学部長)は、「単に医師個人の意思で現在の所属施設から出て行くことになると、新たに受け入れる側も将来困ることが起こる可能性がある」と述べ、推薦書を「温かく送り出されている証拠」と見ることで、引き抜きに一定の歯止めを掛けることができるとの認識を示した。

 コメントではこのほか、「東北においても医学部新設に関して反対であることは変わりない」とし、改めて医学部新設に反対する姿勢を強調。また、今後、東北薬科大が正式な設置認可を得られた場合にも、「国家戦略特区における医学部新設とは連動しないという認識である」とし、医学部のさらなる新設が進まないようけん制した。



http://www.med.or.jp/nichinews/n260920l.html
勤務医のひろば
医師不足,無い物ねだり

いわき市立総合磐城共立病院院長 新谷史明
日医ニュース 第1273号(平成26年9月20日)

 当院は福島県の地方中核市いわき市の市立病院,臨床研修指定病院であるが,ここ数年常勤医のいない診療科が四分の一を占める.
 新医師臨床研修制度が始まった当初は十一名,十四名,十三名とマッチングは順調に推移,総医師数も百四十名を超えた.平成十九年に関連大学医局の内科医師引き上げがあり,研修医の応募が激減した.震災の年は研修医十三名が着任したが,翌年は原発事故の影響か,ゼロ.今年は医科八名,歯科一名の研修医が着任,医師数は百十四名まで回復,一息ついたところである.
 市の消防統計によると,昨年度救急車の問い合わせ回数が十回を超える事例が一・九%に急増した.市内の病院勤務医がこの十年で百名ほど減少,震災を契機に開業医数よりも勤務医数が少なくなり,病院勤務医にかかる救急医療の負担が一挙に大きくなったためだ.
 いわき市の人口十万対医師数は百六十二人と元来医師数が少ないのに,二次救急を担う病院勤務医が激減しているのである.
 医師数の分布は西高東低が明らかである.東日本の医師養成数は西日本と比べて少なく,東北の地方都市の医師不足の原因は新医師臨床研修制度だけではあるまい.
 それだけに,医師不足に対する即効性のある手立てはない.大学に医師派遣を要請しても,所詮(しょせん),無い物ねだり,自前で研修医を集め,育てるしか手はない.
 東北人の気性故か自己PRが不足していたことを反省し,病院見学の学生には時間の許す限り,院長が直接顔を合わせて話をするよう心掛けた.また,Facebookに当院のページを開設,当院における臨床研修の魅力,地域医療と地域の魅力を医学部学生,若手医師に地道にアピールすることにした.アクセス数は順調に伸びているが,その効果が現れるのはいつの日か,“無い物ねだり”より“自己アピール”と言い聞かせている毎日である.



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/43801.html
300-399床病院、6割が診療制限- 愛知県が医師不足の影響調査
( 2014年09月18日 13:00 )キャリアブレイン

 愛知県内の病院の2割が医師不足を理由とした診療制限をしており、そのうち300-399床の病院では6割が制限していることが、県の調査で分かった。県は2007年度から毎年調査を実施しているが、診療制限をする病院の割合はほとんど改善していない。【大島迪子】

 調査は、全病院にあたる322病院を対象に実施し、すべての病院が回答。ことし6月末時点で、医師不足により診療時間の縮小や内視鏡などの検査の制限、入院診療の休止、時間外救急患者の受け入れ制限などを行っているかどうかを聞いた。
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 322病院のうち診療制限を実施しているのは66病院(20.5%)で、昨年度の21.8%よりやや改善した。規模別にみると、300-399床では20病院中12病院(60.0%)、400-499床(18病院中6病院、33.3%)、200-299床(42病院中11病院、26.2%)、500床以上(31病院中7病院、22.6%)と続いた。
 診療科別にみると、産婦人科を標榜する全65病院のうち20.0%にあたる13病院で制限しており、精神科(103病院中14病院、13.6%)、内科(278病院中29病院、10.4%)の順に多かった。二次救急医療機関95病院では、38.9%にあたる37病院で診療制限を実施していた。

 診療制限の内容のうち、特に影響の大きいものの状況を聞いたところ、「時間外救急患者の受け入れ制限」23病院、「診療科の全面休止」が18病院、「入院診療の休止」16病院、「分娩休止」9病院の順で多かった。この4つのいずれかを行っている病院の数は、07年度から13年度まで増え続けており、14年度は1病院減って44病院だった。

 愛知県は、大学の医学部を介した医師不足病院への医師の派遣に対し、派遣する側の病院への損失補てんとして補助するなど対策をしており、調査結果を生かすことにしている。



http://www.yomiuri.co.jp/local/miyagi/news/20140918-OYTNT50373.html
石巻市立病院職員 62人不足…16年開業予定
2014年09月19日 読売新聞

 2016年7月開院予定の石巻市立病院の医療職員について、市は18日の市議会定例会一般質問で、確保目標の159人に対し、現状で62人が不足していると明らかにした。


 市病院局によると、確保目標は医師20人、看護師108人、薬剤師や臨床検査技師などの専門職31人。現在は医師8人、看護師75人、薬剤師ら14人の確保にとどまっており、市は16年4月までに採用するとしている。看護師や薬剤師の人件費は県の地域医療再生基金から支払われるが、医師分は市が負担する。

 同病院には、東北薬科大が新設する医学部の地域医療教育拠点が置かれる予定。市病院局は「備品などの整備は必要だが、病院建設への影響はない」と答弁した。



https://www.mixonline.jp/Article/tabid/55/artid/49524/Default.aspx
製薬協 COI開示をウェブ閲覧方式に統一
公開日時 2014/09/19 03:52 ミクスオンライン

日本製薬工業協会は9月18日の理事会で、利益相反(COI)をめぐり、医師への原稿執筆料など資金提供の公開の方法について、これまで一部企業で実施されてきた来社閲覧方式を廃止し、ウエブ閲覧方式に統一することで合意した。理事会後の記者会見では、会長声明(多田正世会長・大日本住友製薬社長)が発表され、「再度問題意識の共有を図り、この問題に関する今後の改善に向けての我々の決意を改めて表明する」と決意を表した。

会長声明では、臨床研究不正などを受け、「社会の不信感や懸念を払しょくし、その信頼回復に全力で取り組むことが、課せられた喫緊かつ最優先の課題と強く認識している」とした。その上で、製薬協が策定した透明性ガイドラインの趣旨に沿って、「可能な限り改善の努力を積み重ねていく必要がある」との認識を示した。

そのひとつとして、現状各製薬企業でバラバラだった情報公開の内容やアクセスの方式などについても“社会の納得性の高いもの”とすることが必要と判断。ウエブ閲覧方式への統一を図ることとなった。

ただ、現状ではウエブでの公開方法の統一化はせず、運用は各製薬企業に任されることとなる。また、今年度についてはすでにCOIの開示方法について、各製薬企業と医師との間で合意に達していることから、数社では来社閲覧方式で実施されるとの見方も示した。

◎田中常務理事「情報提供と労務提供、プロモーションの線引きは残る課題」
医師とのCOI、特に臨床研究をめぐっては、MRだけでなく、メディカル部門をいかに営業部門と分離するかも議論となるところ。製薬協では、製薬協コード・オブ・プラクティスの研修を実施するなど、コンプライアンス向上の取り組みを進めてきた経緯がある。田中 徳雄常務理事は、「コード・オブ・プラクティスは、メディカル、開発製薬企業全員にかかわるコード」と説明。COIの問題は、「製薬企業全員にかかわる問題だ」との認識を示し、今後MR以外のメディカルなどの職種にもコード・オブ・プラクティスの浸透を進める考えを改めて示した。その上で、「情報提供なのか労務提供なのか、情報提供なのかプロモーションなのか、この辺の線引きについてはまだ課題としては残っていると認識している」と述べ、依然としてCOIをめぐる課題が残存するとの認識も示した。



http://www.m3.com/iryoIshin/article/252463/
地域医療構想ガイドライン、1月策定へ
厚労省検討会が発足、2025年を見据え検討

2014年9月18日(木) 橋本佳子(m3.com編集長)

 厚生労働省の「地域医療構想策定ガイドライン等に関する検討会」の第1回会議が9月18日に開催され、2015年4月からの各都道府県における地域医療構想(地域医療ビジョン)策定開始に備え、2015年1月をめどに取りまとめる方針が示された(資料は、厚労省のホームページに掲載)。座長には、学習院大学経済学部長の遠藤久夫氏、座長代理には、東京大学政策ビジョン研究センター特任教授の尾形裕也氏がそれぞれ選任された。

 先の通常国会で成立した、医療介護総合確保推進法では、各都道府県が、将来の医療提供体制に関する構想(地域医療構想)を策定することが盛り込まれた。この10月からは、病床機能報告制度がスタートする(『10月開始へ、病床機能情報報告の方針決定』を参照)。報告制度で得た情報なども踏まえ、地域医療構想を策定する際のガイドラインを作成するのが、本検討会の目的だ。

 9月12日には、「地域における医療及び介護を総合的に確保するための基本方針」が告示されており、今年度予算で904億円に上る「新たな財政支援制度(基金)」も、交付決定に向けた作業が始まっている(『医療介護の総合確保方針、了承・告示へ』を参照)。2025年の医療提供体制構築に向けた動きが、本検討会の開始でさらに具体化することになる。

 厚労省医政局地域医療計画課の医師確保等地域医療対策室長を務める佐々木昌弘氏は、「2025年の各構想区域の医療提供体制を住民が想像できるよう、さまざまな関係者が集まって、地域医療構想を策定できるレベルにしてもらいたい」と述べ、医療関係者だけではなく、一般市民が理解できる形でガイドラインをまとめる方針を示した。1月の取りまとめを目途としているのは、4月からの策定に備え、2、3月は関係者への周知期間を確保するためだ。

 検討会の議論の柱は、三つ。(1)地域医療構想策定ガイドラインに盛り込む事項、(2)策定した地域医療構想の達成の推進のための「協議の場」の設置・運営に係る方針、(3)病床機能報告制度において報告される情報の公表のあり方――だ。中でもメーンになるのが(1)で、「あるべき将来の医療提供体制の姿」「2025年の医療需要の推計方法」「2025年の各医療機能の必要量の推計方法」「あるべき将来の医療提供体制を実現するための施策等」など、論点は多岐にわたる。

 第1回会議では、今後の議論の進め方や総論的な意見交換のほか、今年3月に、高度急性期と一般急性期や回復期などを担う2つの病院に機能分化させた、佐久総合病院へのヒアリングが行われた。

 全国自治体病院協議会会長の邊見公雄氏からは、自治体病院は僻地など過疎地域にも多く、医療の在り方は地域の将来構想なくして語れないことから、「『地域ビジョンがなく、なぜ地域医療ビジョン(地域医療構想)があるのか』という、悲鳴に近い声も自治体病院の長からは出ている」との発言も出た。厚労省医政局地域医療計画課長の北波孝氏は、「街づくりの視点は、ガイドラインの議論の中で不可欠」と答え、ガイドライン、ひいては地域医療構想の奥深さを示唆した。

 「協議の場、前倒して設置を」、中川日医副会長

 特に議論になったのは、ガイドラインの位置づけや、地域医療構想の策定方法などだ。日本慢性期医療協会会長の武久洋三氏は、(1)地域医療構想が想定する「あるべき将来」の時期、(2)都道府県が地域医療構想を作成する際、ガイドラインを無視した場合の対応――について質問。厚労省医政局地域医療計画課長の北波孝氏は、(1)について、「まずは2025年の医療提供体制がどうなるのか、そこに至る道筋はどのようなものかを議論してもらいたい」と回答。(2)に関し、「ガイドラインができれば、都道府県に周知徹底する。地域医療構想を立てやすくするためのものが、ガイドラインであり、ガイドラインに従ってもらいたい」と答えた。

 これに対し、「ガイドラインは、従ってもらうものではない」と強く異議を唱えたのが、日本医師会副会長の中川俊男氏。「ガイドラインは、あくまで参考にするもの。47の都道府県があれば、47通りの地域医療構想がある。地域の実情を反映しながら、地域医療構想を策定していくことを、これまで何度も確認してきた」(中川氏)。国が示したガイドラインに縛られ、硬直的な地域医療構想になる懸念からの発言と見られる。

 さらに中川氏は、より地域の実情を反映した地域医療構想を策定するために、関係者による「協議の場」を構想の策定前から設置する必要性を指摘した。「地域医療構想の策定後に、構想区域ごとに協議の場を設定して、(構想実現に向け)協議するというのは難しい。協議の場の前倒しの設置を提案したい」と中川氏は述べ、地域医療構想は医療計画の一部であることから、都道府県医療審議会と「協議の場」が連携しながら、地域医療構想を策定するのが望ましいとした。

 日本病院会副会長の相澤孝夫氏は、地域医療構想の策定に当たって、2015年時点の医療需要などを推計する必要があることから、「そのためのデータがそろっているのか」と質問。北波課長は、「現在あるデータをいかに活用して、どんな推計ができるかをまさに議論してもらいたい」と述べ、次回以降の会議でデータを出して検討していくとした。

 「あるべき将来の医療提供体制」の視点を整理

 各論では、前述の(1)の「地域医療構想策定ガイドラインに盛り込む事項」のうち、「あるべき将来の医療提供体制の姿」について議論した。

 厚労省は、その基本的視点として、(1)病床の機能分化・連携の推進、患者の状態に応じた質が高く効率的な医療提供体制の構築、(2)地域包括ケアシステムを支える病床の整備や在宅医療の充実、(3)医療と介護サービスが一体的に提供される体制の構築、(4)病床の機能に応じた医療人材の確保、(5)人口動態や医療・介護需要のピークや程度が異なることや、医療・介護資源の現状に差があることを踏まえた、地域にふさわしい医療提供体制の構築、(6)国民(患者)が医療を適切に受けられるような医療機関に関する十分な情報の提供――の6点を挙げた。

 これらは支持されたものの、在宅医療を支えるための後方支援の病院機能、重症化予防のほか、街づくりなどの視点の追加を求める意見が出た。

 稲城市福祉部長の石田光広氏は、保険者の立場から、「医療依存度が高い高齢者が、在宅で生活するようになることが想定されている。地域の高齢者を支える診療所、それを後方から支援する病院の役割が重要であり、これらを地域で速やかに増やすことが重要」と指摘。相澤氏も、在宅支援の病院機能の必要性を訴えたほか、高齢者医療だけでなく、小児医療や難病医療なども地域医療構想に含めるべきとした。

 日本看護協会常任理事の斎藤訓子氏の代理として出席した、同協会副会長の菊池令子氏は、「例えば、糖尿病患者が人工透析に至らないようにするなど、重症化予防の視点は重要」と指摘。さらに街づくりの視点について「医療や介護が必要になっても、地域で生活するためには、住環境の整備が必要。認知症患者が地域で生活できるようにするためには、住民の理解なども求められる。街づくりの一環としての視点を入れてはどうか」と提案した。

 慶応義塾大学経済学部教授の土居丈朗氏は、「与えられた財源を有効に活用するためにも、病床機能分化の推進が必要。地域差の要因を分析して、それを地域医療構想に反映していくことも求められる」と述べ、効率化という視点も必要だとした。

 佐久総合、「協議の場」の先駆け

 佐久総合病院の事例は、診療部長の北澤彰浩氏が紹介した。従来は、821床の佐久総合病院で、予防、急性期医療から、在宅医療まで幅広く手掛けていたが、今年3月に、高度急性期医療を担う「佐久医療センター」(450床)を分離し、佐久総合病院(本院、351床)は一般急性期や回復期などを担う場とした。

 佐久総合病院が取り上げられた理由の一つは、地域の関係者と協議をしながら、機能分化を進めたことだ。2つの病院は、直線距離で約6km離れている。10数年前から、「協議の場」を先取りしたような形で、行政、地元医師会、地域の病院と議論を重ね、どの機能を佐久医療センターに移転するかなどを検討した。地域住民への説明会も、計100回近くに上ったほか、最終的には佐久市のほぼ全戸を病院職員が個別訪問して、病院の機能分化について説明した。

 2つの病院に分けたことで、設備機器が二重投資になる部分もあり、「収益的には今は少し厳しい状況になっている」(北澤氏)。一方で、機能分化に当たり、地域の病院と議論を重ねてきたことから、医療連携は機能分化前よりも、スムーズになっているという。



http://www.med.or.jp/nichinews/n260920a.html
中川副会長に聞く
「地域医療構想(ビジョン)」の策定のため病床機能報告制度に協力を

日医ニュース 第1273号(平成26年9月20日)

 十月一日から病床機能報告制度が開始されるに当たって,今号では中川俊男副会長に,制度創設までの経緯や仕組み等について説明してもらった.

Q 制度の目的は何ですか?

中川副会長に聞く/「地域医療構想(ビジョン)」の策定のため病床機能報告制度に協力を(写真)A 二〇二五年には,全ての団塊世代の方々が七十五歳以上となり,これまで以上に,医療機能の分化・連携等を進めることが重要となります.
 その一環として,地域医師会も参加し,それぞれの地域にふさわしいバランスのとれた医療機能の分化と連携を適切に推進するための「地域医療構想(ビジョン)」を策定することになりました.そのために,まずは自地域の現状をきちんと把握・分析することが前提となるということで,病床機能報告制度が創設されることになったのです.

Q 制度ができるまでの経緯を教えて下さい

A 厚生労働省は,病床の機能分化策として,二〇一一年十一月に「急性期病床群(仮称)」制度(認定制,その後登録制)を社会保障審議会医療部会に提案しました.しかし,制度導入による影響等への懸念が示され,作業部会を設けて検討を進めることになりました.そして,厚労省の提案は取り下げられ,二〇一二年六月に「各医療機関が,その有する病床において担っている医療機能を自主的に選択し,その医療機能について,都道府県に報告する仕組みを設けること」,更に,これにより地域の現状を把握した上で,「今後のその地域にふさわしいバランスのとれた医療機能の分化と連携を適切に推進するための『地域医療のビジョン』を地域ごとに策定すること」で決着し,「病床機能報告制度」の導入が決まりました.
 この議論の中で,日本医師会は,「急性期病床群(仮称)」制度は,要件を満たせない医療機関が急性期医療から撤退せざるを得ず,特に地方では医療確保が難しくなるとして強く反対し,対案を示しました.結果として,病床機能報告制度は,この対案を大幅に取り込む形で制度化されることになったのです.
 なお,このような検討経緯から,病床機能報告制度はあくまでも自主的な報告制度にとどめるべきと考えており,今後も認定制度,登録制度に変容しないよう注視していく方針です.

Q 制度はどのような仕組みなのですか?

A 病院は病棟単位(一部,病院単位の項目あり)で,有床診療所は施設単位で,一般病床及び療養病床については表に掲げる四区分のいずれかを選択し,その担っている機能の「現状」と「今後の方向」を都道府県に報告することになります(この四区分は,二〇一三年八月の日医と四病院団体協議会との合同提言「医療提供体制のあり方」での提案に基づくものです).
 なお,例えば「『急性期機能』の病棟の入院患者は,全て急性期でなければならないのか?」と不安に思われるかも知れませんが,そのようなことはありません.実際にはさまざまな病期の患者さんが入院しているのは当然であり,その病棟の患者さんが全て急性期である必要はありません.これは,厚労省も認めています.


医療機能の名称______医療機能の内容

高度急性期機能
______◎急性期の患者に対し,状態の早期安定化に向けて,診療密度が特に高い医療を提供する機能

急性期機能
______◎急性期の患者に対し,状態の早期安定化に向けて,医療を提供する機能

回復期機能
______◎急性期を経過した患者への在宅復帰に向けた医療やリハビリテーションを提供する機能
______◎特に,急性期を経過した脳血管疾患や大腿骨頸部骨折等の患者に対し,ADLの向上や在宅復帰を目的としたリハビリテーションを集中的に提供する機能(回復期リハビリテーション機能)

慢性期機能
______◎長期にわたり療養が必要な患者を入院させる機能
______◎長期にわたり療養が必要な重度の障害者(重度の意識障害者を含む),筋ジストロフィー患者または難病患者等を入院させる機能

出典:病床機能情報の報告・提供の具体的なあり方に関する検討会「議論の整理」(平成26年7月24日)資料より

Q 具体的には何を報告すればよいのですか?

A 報告するのは,大きく分けて,「構造設備・人員配置等に関する項目」と「具体的な医療の内容に関する項目」です.厚労省「病床機能情報の報告・提供の具体的なあり方に関する検討会」での検討により,前者は,病床数,医療従事者数,主とする診療科,算定する入院基本料・特定入院料,高額医療機器の保有状況,退院調整部門の設置・勤務人数,入院患者数や入棟前・退棟先の場所別患者数等になりました.
 また,特に有床診療所は,小規模かつ多様な役割を担っているため,報告必須項目を病院よりも少なくする一方で,日医が提唱した有床診療所の五つの機能を選択できる項目を設けています.
 後者の「具体的な医療の内容に関する項目」は,手術件数,がん・脳卒中・心筋梗塞等への治療の実施状況,重症患者への対応,救急医療の実施,急性期後・在宅復帰の支援,全身管理,リハビリテーション,長期療養患者・重度障害者等の受け入れ等になります.〔報告項目は,厚労省ホームページ(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000055891.html)に掲載〕
 報告は,七月一日現在の状況を十月一日から十一月十四日(本年度のみ.次年度以降は十月末日)までに行うことになります.

Q 報告事項の「今後の方向」とは何ですか?

A 病院・有床診療所は,病床機能の「今後の方向」についても四区分のいずれかを選択することになります.これにより,都道府県は各医療機関の機能転換の予定を把握でき,また地域医療ビジョンの推進のための「協議の場」においても,地域医師会や医療機関等の参加者が共通認識を持って協議を行うことができるようになります.
 「今後の方向」は「六年先」の時点の機能を指します.もちろん,「今後の方向」は診療報酬改定や制度改正等によっても影響されますので,翌年や二年後といった短期の変更予定がある場合も報告事項(任意)となりますし,二〇二五年度時点についても,参考情報として任意で報告することができます.
 また,毎年報告するのですから,その時点で六年後の方向が変更されるのは不自然なことではありません.

Q どうやって報告するのですか?

A 先ほど,医療機関から都道府県に報告すると述べましたが,実際には,「構造設備・人員配置等に関する項目」では,医療機関から直接全国共通サーバに送付して頂き(厚労省ホームページ上の専用ページやCD─R等により報告する方法の場合),そこで整理を行い,都道府県にデータを提供する仕組みになっています.
 また,「具体的な医療の内容に関する項目」の報告では,病院・有床診療所の経済的・人的負担を軽減しつつ,病棟単位で医療の内容を把握できるよう既存の電子レセプトによる診療報酬請求の仕組みを活用します(図参照).

中川副会長に聞く/「地域医療構想(ビジョン)」の策定のため病床機能報告制度に協力を(図)
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Q レセプトを活用するとは?

A 医療機関の経済的・人的負担を軽減するため,「具体的な医療の内容に関する項目」は,レセプトに記載される診療報酬の診療行為から,病床機能報告制度で必要な項目を集計することとなりました.
 その際,病棟単位で医療の内容を集計するために,病院は,レセプト作成時に,九桁の病棟コードを付記して請求を行うことになります(有床診療所では付記は不要).そして,病棟コードが付記されたレセプトデータは,既存のレセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)の枠組みで厚労省において集計作業が行われます.また,NDBのサーバーへのレセプトデータの格納をもって,病院・有床診療所から都道府県に報告したものとして取り扱われます.なお,制度開始初年度では七月審査分が集計対象となります.
 病棟コードをレセプトに付記した請求に関しては,病院や医療保険者等でシステム改修が必要になりますが,負担軽減のため,次の診療報酬改定に伴う改修に合わせることになっており,それまでは病院単位での報告となります.
 また,特にレセプトデータについては,「指導監査等に流用されるのではないか」「当院の状況が丸裸にされるのではないか」といったご懸念もあると思いますが,その点に関しては日医から,「病床機能報告制度により報告されたデータは目的外使用を禁止し,あくまでも地域医療ビジョンの策定等のためにのみ利用されるべき」と要求しました.
 その結果,報告された情報は医療法上,地域医療ビジョンの策定のためにのみ利用されることが確認され,厚労省より医療保険者や審査支払機関に目的外使用や二次利用の禁止を周知することになりました.

Q 地域医療ビジョンとはどういうものなのですか?

A 病床機能報告制度により病院・有床診療所から報告された情報は,地域医療ビジョンへつながります.地域医療ビジョンは,病床機能報告制度からの情報に加え,地域の医療や人口等に関する統計を活用し,医師会等も参画して,主に「二〇二五年の医療需要 入院・外来別,疾患別患者数等」「二〇二五年に目指すべき医療提供体制(構想区域ごとの医療機能別の必要量)」「目指すべき医療提供体制を実現するための施策(医療機能の分化・連携を進めるための施設整備,医療従事者の確保・養成等)」を「構想区域」ごとに示すものです.
 病床機能報告制度は,この地域医療ビジョンを策定し,それぞれの地域の実情に応じて過不足ない医療提供体制を適切に構築するために必要な制度です.会員の先生方におかれましては,ぜひとも本制度へのご理解とご協力をお願いいたします.

今回のインタビューのポイント

・病床機能報告制度はあくまでも自主的な報告制度にとどめるべきと考えており,今後も認定制度,登録制度に変容しないよう注視していく.

・病床機能報告制度により報告されたデータは,あくまでも地域医療ビジョンの策定等のためにのみ利用されるべきものである.

・病床機能報告制度は,「地域医療構想(ビジョン)」を策定し,それぞれの地域の実情に応じて過不足ない医療提供体制を適切に構築するために必要な制度であり,ぜひとも本制度へのご理解とご協力をお願いしたい.



http://www.m3.com/iryoIshin/article/252297/
東京女子医大事件
「女子医大、重大な危機にある」
第三者評価委員会、内部統制の改革提言

2014年9月18日(木) 橋本佳子(m3.com編集長)

 東京女子医科大学は9月12日、同大の「内部統制に係る第三者評価委員会」がまとめた報告書を公表した(資料は、同大のホームページに掲載)。

 女子医大の現状について、「重大な危機にある。本院における医療事故や前学長・前医学部長等による独自の記者会見等が立て続けに起きた結果、本大学および本院を含めた本法人全体に対する社会からの信頼が失われていると言っても過言ではない」と厳しい認識を示しており、理事会の理事に病院経営の専門家を入れるほか、情報発信体制や広報体制の確立などを通じたガバナンスの強化を提言。「本大学医学部においては、古い医局・講座制が保持され、その頂点に立つ主任教授に権限が集中」と指摘、主任教授会については病院長選考の権限を外すなど、その役割の見直しを求めている点が注目される。

 報告書を受け取った女子医大では、「本学は第三者評価委員会の報告書内容を真摯に受け止め、改善に向けてのアクションプランを迅速に策定し、役員教職員で共有の上、実行に移していく。今後、アクションプラン、そして計画の取り組み状況については、随時情報を公開していく」とのコメントを発表。

 今回、第三者評価委員会を設置したのは、大学のガバナンスを問題視する声が内部から起こり、プロポフォール投与事故を機に顕在化、学長の笠貫宏氏、医学部長の高桑雄一氏が解任される事態に至ったのがきっかけだ(『女子医大、学長に続き医学部長も解任』などを参照)。

 女子医大では、混乱を収め、大学管理運営を改善するため、7月25日に、日本医学会会長の高久史麿氏を委員長とする第三者評価委員会を設置、検討を進めていた。同委員会の委員は、高久氏のほか、三菱商事株式会社顧問の古川洽次氏、昭和女子大学理事長・学長の坂東眞理子氏、杏林大学学長の跡見裕氏、弁護士の柏木俊彦氏の計5人。

 主任教授の選考も見直しを

 報告書ではまず、学校法人の理事会・評議員会について、現在の理事12人のうち、医師が10人であり、経営管理部門担当の理事も、取引銀行出身であり、病院経営の専門家ではないことから、病院経営の知見のある有識者を入れるべきと提言。また理事会と現場の双方向の情報共有を進める必要性から、医学部長あるいは看護部長を「職責理事」として任免すべきなどとしている。

 また笠貫氏や高桑氏が今年6、7月に独自に記者会見を開いたことについて、「学校法人の対応が不十分だったことなどから、今回の混乱が生じている」と問題視(『「パンドラの箱を開けた」、女子医大学長』などを参照)。理事会・理事長からの情報発信力を強化したり、記者会見を開く際の窓口は広報に一本化するなど広報体制の必要性も指摘している。

 今回の学長と医学部長の解任に当たって、笠貫氏と高桑氏はその手続きの在り方を問題視している(『医学部長の解任、納得できず - 高桑雄一・女子医大教授に聞く』などを参照)。この点について、報告書では、「解任手順が明確ではない」ことから、解任規定の再整備を提言している。

 報告書は、主任教授の選考方法にも言及。医学教育学、放射線腫瘍学、救急医学の3講座の主任教授が現在、不在になっている。一定数以上の白票があると教授選が不成立になる仕組みが一因であるとし、その見直しも必要だとしている。

 さらに、女子医大出身者の主任教授数が年々減少傾向にあることから、学生・卒業生のモチベーション低下につながる懸念を指摘、研究業績偏重を改め、リーダーシップや大学・社会への貢献の意欲と実績なども加味した選考基準にし、女性主任教授数の数値目標を設定するなど、「ポジティブアクション」計画の策定も求めた。



http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokyo/20140918/CK2014091802000146.html
【東京】
練馬光が丘病院訴訟敗訴 区の再建手法疑問

2014年9月18日 東京新聞

 練馬区の「練馬光が丘病院」の運営から撤退した日本大学が、保証金として区に差し入れた五十億円の返還を求めた訴訟は十七日、区の敗訴となった。病院はもともと区医師会が開設したが、巨額の債務で運営を断念し、区が救済した経緯がある。自治体財政の専門家は、区の病院再建の手法にも疑問を呈した。 

 光が丘病院は一九八六年に区医師会が開設したが累積負債が九十三億円に達し、運営を断念。区が建物を買い取るなどして救済し、九一年四月から日大が運営を引き継いだ。この時▽区が大学に建物を貸し付ける▽大学は区に保証金五十億円を差し入れる▽保証金は契約期間満了時に返還▽貸借期間は三十年間-などを定めた。

 だが、日大は支出超過を理由に、運営開始から二十年となる二〇一一年三月末の運営終了を申し入れ、「賃借期間は二十年まで」とする民法六〇四条を根拠に貸借期間は終わると主張。区は反発したが、日大は翌年撤退し、同年四月に地域医療振興協会が引き継いだ。

 区は現在、五十億円を区の貯金にあたる財政調整基金に組み込んでいる。判決が確定すれば遅延損害金約五億八千万円(区の試算、今年九月末時点)も支払うことになる。

 地方自治と財政に詳しい安達智則・都留文科大講師は「区医師会による運営が行き詰まった時点で、区は大病院ありきの方針を見直し、区民生活に密着した地域医療態勢を整えるべきだった」と指摘。主に地域医療の担い手である区医師会が総合病院を運営していたことも疑問視した。

その上で「地域医療は大病院を誘致すれば良いわけではない。区は地元の実情に合った医療行政に主体的に取り組むべきだ」と提言している。 (杉戸祐子)



http://www.m3.com/iryoIshin/article/243328/
改めて問う専門医制度改革の意義
医師へのインセティブ、将来は必要◆Vol.6
国民や医師自身の理解が制度設計のカギ

2014年9月19日(金) 司会・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――専門医制度の改革に当たっては、国民の理解を得て進めることが重要です。難しい問題だと思いますが。

嘉山 専門医とは「安心して任せることができる医師」であることを、アピールすればいい。今までは腎臓しか診ることができない専門医もいましたが、本来は患者のトリアージができ、適切な医師に紹介し、自分の専門分野については標準的治療ができなければいけません。つまり「first aid」、「今この瞬間に、その患者さんにとって必要なことを教えてくれる医師」、それが専門医です。


池田 国民や患者さんに対しては、新しい情報提供の仕組みを考えていかなければならないと思います。その一つとして、「今、日本専門医機構で、どんな議論をしているのか」について、定期的にメディアなどに発表することを考えています。

 また、前身の日本専門制評価・認定機構の時代も、機構の開催で市民公開講座をやっており、各領域から寄せられた専門医に関する情報を集めて、お話はしていました。しかし、限られた人にしか伝わらず、なかなか国民に広く理解されるようにはなりません。今後は、さまざまな形で、各診療領域で専門医としての医師像を理解してもらう仕掛けを作ってきたいと考えています。さらに、各学会では、市民公開講座を既にやっています。その多くは、病気に関する説明や最新の治療法の紹介が主なので、それだけでなく、日本専門医機構と学会がタイアップしながら、専門医に関する啓発をしていきたいと考えています。

――日本専門医機構では、専門医に関するデータベースの構築を予定しています。専門医の理解を深めるツールとして活用できるのでしょうか。あくまで内部のデータベースなのでしょうか。

池田 日本専門医機構には、あまりお金がありません。現時点では、各診療領域の専門医数、専門医の分布のほか、現在研修中の医師の研修施設や研修内容などが分かるデータベースを構築する予定です。

國土 学会レベルでは、どの地域にどんな専門医がいるかについては、既に公開しています。

池田 広告が可能な専門医については、専門医の公開が条件になっているからです。それらをまとめた形で、データベースとして構築できればと考えています。将来的には、外科系専門医であれば、NCD(National Clinical Database)のようなデータベースを構築し、クリニカルアウトカムまで、専門医制度と連動させる仕組みを作ることが理想だと思うのです。ただ、そこまでいきなり踏み込むことはできないので、全体像を把握できるデータベースの構築から始める予定です。

國土 ぜひNCDと一緒にやりましょう。現場の医師にとって、二つのデータベースに入力するのは手間であり、ぜひ統合してもらいたいと思います。

池田 外科系専門医は、日本外科学会が中心となり作ったNCDという貴重なデータベースに倣って、クリニカルアウトカムと連動したシステムを作る方向にもっていければ理想的と考えています。

國土 外科医自身が思うのは、専門医の手術成績を基に、ドクターフィーを付けてほしいということです。NCDは、その客観的なデータになるわけです。国民に不安を与えずにいかに公開するかは課題ですが、例えば、「○年目と、○年目の専門医では、これだけ成績が違う」「専門医10年目の医師は、手術成績が優れている」などが分かれば、それを基にドクターフィーを付けることを、将来的には考えてほしいと思います。

――ドクターフィーという形でインセンティブを付けることについて、どうお考えですか。

嘉山 それはなかなか難しい問題です。武見(太郎)先生が、「2種類の医師を作るな」と言われたのは、当時はいいセンスだったと思うのです。ただし、専門医制度をここまできちんと確立する以上は、インセンティブがなければ、医師が納得する制度になりにくいでしょう。しかし一方、この議論が進みすぎると、医師の診療科の偏在なども起きかねません。医師は、金銭面だけではなく、やりがい、その診療科の面白さや大変さ、訴訟リスク、さらには国民の評価などを総合的に考えて、診療科を選択します。インセンティブを付ける場合には、これらを総合的に考える必要があります。

 その意味で、専門医制度の改革は、国民の理解を得て進めないと、いい方向に向かいません。国民が、あるいは医師の間でも、「この専門医は本当に大変だ」という合意を得た上で、インセンティブを付けるのが理想的な形だと思います。「初めからインセティブありき」では、専門医制度が歪む懸念があります。

國土 その通りで、だからこそ、我々は今はインセティブの議論を持ち出さないようにしています。

池田 インセンティブの議論は当然頭に入れつつも、現時点ではすぐには持ち出さない。ある時期になって、専門医制度が確立し、国民の側から、「これだけの医療をやっているのであれば、専門医に当然インセティブを付けるべき」という議論がわき起こることを期待していますし、その時にはインセンティブを付けるように強く働きかけます。

嘉山 m3.comは医療人だけが見るサイトですが、国民と一緒に専門医制度を育てる立場で、この問題を取り上げてもらいたいですね。



https://www.mixonline.jp/Article/tabid/55/artid/49525/Default.aspx
製薬協 武田薬品の副会長職停止処分を半年間延長 CASE-J問題受け
公開日時 2014/09/19 03:50 キャリアブレイン

日本製薬工業協会(製薬協)は9月18日の理事会で、不適切なプロモーションが指摘されたARB・ブロプレスの臨床研究“CASE-J”をめぐる問題を受け、製薬協の副会長としての活動停止を半年間延長することが了承された。武田薬品は、4月3日から副会長職としての活動を半年間停止されており、期限が満了する10月2日から暫定的にさらに6か月間延長される。今回の処分を受け、武田薬品は通算1年間の副会長としての活動停止処分を受けることになる。

武田薬品は当初、CASE-Jをめぐり、不適切なプロモーションがあったことは認めたものの、臨床研究へのかかわりを否定していた。これに対し、6月に公表された第三者機関の調査報告では、臨床研究への組織的関与が指摘された。製薬協の川原章専務理事は、「当初と話が違うのではないかということ」と話し、4月時点で受けた報告との食い違いあったことを問題視、今回の追加処分につながったとした。

武田薬品は同日、「今回の決定を真摯に受け止めるとともに、患者および医療関係者をはじめとするステークホルダーに多大なご心配をおかけしていることを深くお詫び申し上げる」とのコメントを発表した。

◎協和発酵キリンに厳重注意 臨床研究でMRらが労務提供

徳洲会札幌東徳洲会病院で実施された腎性貧血治療薬・ネスプの臨床研究で、MRらの労務提供など不適切関与が指摘された協和発酵キリンには、「厳重注意」の処分が下された。



http://sankei.jp.msn.com/economy/news/140918/prl14091814100100-n1.htm
「事前指示書(指定書)の導入・利用状況」について、 約75%の医師は「事前指示書を導入していない」と回答
2014.9.18 14:10 産経新聞

メドピア株式会社
-MedPeer会員医師へのアンケート調査-

医師7万人以上が参加する医師専用サイト「MedPeer(メドピア)」(https://medpeer.jp)を運営するメドピア株式会社(東京都渋谷区、代表取締役社長:石見 陽)は、会員医師を対象に「事前指示書(指定書)の導入・利用状況」についてのアンケートを実施し、以下のとおり結果を取りまとめました。

※事前指示書(指定書):患者が自身で意志決定や表明ができない状態になったときに備えて、患者自身が今後の治療方法についての希望を記入しておく文書。

医師専門サイトMedPeer調査結果:「事前指示書(指定書)の導入・利用状況」について(総回答:3,407 人)

<総合結果>
サマリー:
医師専門サイトMedPeer(メドピア)に登録する医師(7万人以上)を対象に「皆さんの勤務先では、事前指示書を導入・活用されていますか」という質問をしたところ、3,407 件の回答が寄せられた。

■事前指示書を「導入していない」と回答したのは、全体の74.8%、「導入している」は14.4%となった。「【導入していない】施設として、体制を整える予定がない」と答えたのは、67.5%。「対象となる患者さんがいない」「入院時に高齢で意思表示ができない患者が多い」といった回答が多い。「家族に確認している」「個別に口頭で確認しカルテに記載している」といった対応がとられる場合もある。
■「【導入している】入院時に指示書の規定対象となる患者さん全てに作成」は7.4%。「現場の混乱を防ぐためにも必須」「無いと非常に不便」といった意見がみられた。
■「導入を検討中」という回答は7.3%だが、事前指示書の運用に関しては、「状況に応じて希望が変化することがある」「遠方の親戚などがひっくり返す場合もある」とった問題点も挙げられている。

(回答一部を抜粋)
「【導入していない】施設として、体制を整える予定がない」2,299件
・そのような対象となる患者さんは診ていません。(50代、循環器内科)
・リビングウィルのようなものになっていくと思いますが、終末期も複雑なパターンの病態があります。そのすべてを考慮されているものとは思いません。不必要な延命は不要と考えますが、安易な延命(救命)処置不要論は危険だと思います。(50代、老年内科)
・全く対応していまがせん。世間で広く認知されてからでしょう。(50代、一般内科)
・有れば良いと思いますが、誰がいつ説明するのか、変更や撤回の自由と確実性を担保できるかなどの問題が解決されてからでしょう。(50代、脳神経外科)
・高齢の認知症、意識障害患者ばかり入院しています。全員に終末期延命治療が問題となるため、挿管、昇圧剤など家族に対する同意書はありますが、ほとんど機能していません。希望しないと同意があっても、他の方法も模索せずに、独自の倫理観?で院内救急として8割程度に挿管してしまう先生がいるため、病院として統一できないからです。(50代、一般内科)
・今後必要となってゆくと思いますが、あくまで患者様の意思決定が困難となった場合が大切なのでは。軽微な感染症でもDNR、麻痺が経度の脳梗塞でもDNRというのはいかがなものかと。統一化はむつかしいと思います。(30代、血液内科)
・指示書作成の提案もしにくいですね。死期が迫っていると捉えられると、関係もギクシャクしそうです。(40代、循環器外科)
・導入してもらえればありがたいですが、法的な根拠もほしいところ。(50代、一般内科)
・時間をかけて作っても、その場その場で異なる意見が出るので、意味がないと思う。蘇生しないと決めていても、急な窒息の際は蘇生するし、家族が希望されればせざるをえない。(50代、麻酔科)
・どの時点で希望が変わるか分かりません。その時の選択が、今の選択とは限りませんし。法的な根拠のある遺言書のようなものとは性質が異なると思います。(40代、一般外科)
・事前指示書の効力がどの程度のものかわからないのに導入しても意味がないと思われます。事前指示書の通りにしたからといって遺族が納得するとは限りません。(40代、呼吸器内科)

「【導入している】入院時に指示書の規定対象となる患者さん全てに作成」254件
・緩和ケア病棟ではきちんとしとかないとトラブルのもとなので全患者で作成しています。(40代、緩和医療)
・高齢者が多いので基本的にとるようにしています。説明の仕方に気を使いますが。(50代、一般内科)
・ルーチンで作成すれば、いちいち指示出さなくてもよくなるので便利です。(50代、救急医療科)
・認知症のある人を対象とする場合、家族の意向を聴くことになるが、本当に本人の意志かどうか不明である点が問題である。(60代、一般内科)
・ほぼ全ての患者さんに使用しており、無いと非常に不便。電子カルテで簡単に展開出来る。(30代、消化器内科)
・入院時に一応全員に聞きます。その時に判断できない場合も含めて文書で記録をとっておきます。(50代、一般内科)
・療養病棟を担当していますので高齢者が多く、以前から導入しています。強制はしていませんが、最近は特に抵抗もなく受け止められています。(70代、一般内科)
・緊急時対応の説明時、指示書作成、署名をもらっています。ただし、時々もらえない患者様もいます。(50代、一般内科)
・高カロリー輸液、輸血、透析、胸骨圧迫、人工呼吸器管理、胃瘻、経管栄養、などなど事細かに希望するか、否か考えていただいてます。(40代、一般内科)

「【導入していない】導入を検討している(導入の準備をしている)」249件
・トラブルは避けるようにしたいので、手間がふえるが、導入を考えている。(50代、一般内科)
・透析の継続を希望するかどうかも含めて検討中です。(40代、腎臓内科・透析)
・なかなか導入されないので、各自で説明し、カルテ記載になっています。(30代、精神科)
・書類にはまだしていませんが、口頭での意思確認をカルテに記載しています。(60代、一般内科)
・延命処置をしないでほしいと言ってくる患者もいます。家族と一緒に正式に言うことはないので、出来るだけのことはさせて下さいとその都度、お答えしています。その制度は導入を考えないといけないと思っていますが、家族同伴で相当な時間がかかると思いますし、また、病状の変化で気持ちも変わると思っております。(50代、一般内科)
・委員会を立ち上げて 導入に向かって進んでいる。(60代、リハビリテーション科)
・外来患者さんに、広くリヴィングウイルに関する冊子をお配りして、導入の準備をしています。(40代、一般内科)
・在宅でみている患者については導入しております。外来に来る人は特にしておりません。(40代、泌尿器科)

「【導入している】主治医の判断で作成を患者さんに依頼する」237件
・急変時に蘇生(気管内挿管、人工呼吸器装着など)をするかどうかの文章を作成します。(50代、麻酔科)
・高齢の悪性疾患患者が多いので、基本は急変のあり得る患者には説明します。(30代、血液内科)
・入所時にこちらの判断で作成しております。これで揉めることが激減しました。(50代、一般内科)
・疾患により、患者さんの人生観等々により、導入しています。(50代、精神科)
・病態により医療の方向性が変わる際に説明し、家族の意向を確認しています。(40代、泌尿器科)
・ひな形はありますが主治医の判断で書き加えたり、訂正したりしています。(50代、一般内科)
・対象症例では頂いています。一般の患者では異常経過で急変した場合はなんとしても救命しなければならない。(60代、消化器外科)
・実際は入院時に判断能力に問題がある患者さんが多いので、家族に依頼することが多いです。(40代、精神科)
・老人施設なので、基本的に臨終に近い状態になった時の蘇生の必要性の有無と積極的加療の有無を問い、合意したことを記録に残しています。(60代、一般内科)

「その他」368件
・書面としてはありませんが、可能性のある患者に関しては確認してカルテ記載しています。(40代、循環器内科)
・当院の患者層の特性のため、事前指示書にはなりにくい。可能な患者にはとっているが、多くは家族からの同意書になる。(50代、精神科)
・決まってはいないのですが、癌患者さん、しかも進行状態にある方では、可能な限り、徐々にICをして、希望を聞くようにはしています。(40代、泌尿器科)
・入院の患者さんはいませんので指示書はありません。予診票に「病気が重症になった時に相談したい家族の名前と連絡先」を書いてもらうようにしていますが、書いてもらいたい単身者に限って書いてくれていません。(50代、耳鼻咽喉科)

■期間:2014年8月29日(金) ~ 2014年9月4日(木)
■有効回答:3,407 人(回答者はすべて、医師専門サイトMedPeerに会員登録をする医師)
■設問:医師専用サイト MedPeer内の「ポスティング調査」コーナーにおいて、医師会員からご投稿頂いたテーマをもとに、以下の質問を投げかけました。

(設問文 抜粋)
事前指示書(指定書)とは、患者さんが意志決定や表明ができない状態になったときに備えて、患者さん自身が今後の治療方法について、希望を記入しておくものです。
終末期となった高齢の患者さんなど、患者さんご本人の意向を確認するのが難しい場合、ご家族の間で意見が分かれたり、治療の選択に迷うことがしばしばあります。そんな時に事前指示書があると、患者さんの意向を尊重できるため、今後の治療方針の基軸となります。
最近は、事前指示書を導入している病院も増えているようですが、作成の時期や説明にかかる時間など、実際の運用には難しいところもあるように感じます。
そこで質問です、皆さんの勤務先では、この事前指示書を導入・活用されていますか。
以下の選択肢から、皆さまの勤務先のご状況に近いものをご選択いただき、コメント欄に、施設規定の指示書フォーマットの有無や状況の詳細についてご入力ください。

1.【導入している】入院時に指示書の規定対象となる患者さん全てに作成
2.【導入している】主治医の判断で作成を患者さんに依頼する
3.【導入していない】導入を検討している(導入の準備をしている)
4.【導入していない】施設として、体制を整える予定がない
5. その他

メドピア株式会社について
・社名 :メドピア株式会社(https://medpeer.co.jp)
・代表者 :代表取締役社長 石見 陽 (医師・医学博士)
・設立 :2004年12月
・運営サービス :医師専用サイト「MedPeer(メドピア)」(https://medpeer.jp)

メドピア株式会社が運営する「MedPeer」は、医師専用の会員制サイトです(URL: https://medpeer.jp)。
主なコンテンツには、「薬剤評価掲示板(薬剤のクチコミ共有)」、「Meet the Experts(エキスパート医師への直接相談)」、「インタラクティブ・ケース・カンファレンス(オンライン症例検討会)」、「ディスカッション(掲示板)」、「ホスピタル・レポート(勤務先・研修先の病院評価)」などがあり、”臨床の決め手がみつかるサイト”として、現在7万人以上の医師(日本の医師の約4人に1人)が利用しています。

  1. 2014/09/19(金) 07:21:41|
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