Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

9月12日 

http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201409/20140912_11010.html
要因は準備不足 宮城大医学部選外・知事報告
2014年09月12日金曜日 河北新報

 東北への大学医学部新設をめぐり、村井嘉浩知事は11日の県議会全員協議会で、宮城大医学部を選外とした文部科学省の構想審査を説明した。村井知事が選外の経緯を議会の場で報告したのは初めて。2005年に知事に就任して以来、2回目の全協開催となった。
 村井知事は選外の要因に準備不足を挙げ、文科省が設置した構想審査会では「提出した構想審査書だけをベースに審議された」と説明。
 構想提出後も教員や医師の確保策、設置者に選ばれた東北薬科大(仙台市青葉区)の修学資金制度への拠出限度額などを文科省に伝えたが、審査会の評価対象にならなかったと指摘した。
 審査会は医学部の設置認可に必要な条件として薬科大に対し、運営協議会(仮称)設立などを求めている。
 議員からは「協議会の設立に向けて県が主体的に東北各県や各大学、関係団体の協力体制を築く必要がある」との意見が相次いだ。
 村井知事は「文科省に伝えた内容を基に支援を検討する。各県知事や自治体は独立しており、宮城県が声を掛けても協力は得にくい。国が前面に立って支援する必要がある」と強調した。
 修学資金制度をめぐっては、薬科大は運営に必要な基金の規模を150億円程度と試算。県は拠出上限を80億円とする方針で、認識が異なる。
 全協で村井知事は80億円の算出根拠として、宮城大医学部が想定した(1)入学定員60人(2)義務年限10年(3)受け入れ先自治体の年間負担額130万円-を例示。薬科大の自治体負担額は年300万円と明かした。
 「自治体や県民の負担を抑えるためには基金の規模を縮小し、学生の自己負担額を増やすといった調整が必要になる。拠出額は厳しくチェックする」と述べた。

【関連記事】各会派、乏しい追及ムード 宮城大医学部選外
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201409/20140912_11011.html



http://www.m3.com/iryoIshin/article/243309/?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD140912&dcf_doctor=true&mc.l=61743791
改めて問う専門医制度改革の意義
メスを置いた外科医の位置付けは?◆Vol.5
「18の基本領域+総合診療医」との意見も

2014年9月12日(金) 司会・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――次に、各論を幾つかお聞きしたいと思います。ダブルボード、つまり基本領域の専門医は1つに限らず、2つ取得することが可能か、さらには既に専門医を取得した医師の移行について、どうお考えでしょうか。

池田 ダブルボードの取得の問題については、本当に努力して、2つの専門医の研修プログラムを完遂できるのであれば、問題ないと思っていますが、実際にはかなり難しいでしょう。ただ米国には、内科と小児科の両方の専門医を取得できる研修プログラムを実施している施設があります。内科あるいは小児科の単独研修よりも、研修期間は長い。こうしたプログラムが、専門医研修の評価認定などを行う第三者機関、ACGME(Accreditation Council for Graduate Medical Education)で認定されれば、両方の専門医を取得することが可能です。

國土 そのような医師たちは、どこで活躍するのですか。結局はどちらかの診療科に限られるのではないでしょうか。

池田 恐らくそうでしょう。あるいはGP(General Practioner)のような形で活躍する。ただ、やはり2つの基本領域の専門医の取得は、基本的には難しいと思います。ただし、総合診療専門医については、他の基本領域の専門医とのダブルボードをどのように認めていくかという議論をしなければいけないと思います。

嘉山 山形大学では、リフレッシュ教育プログラムを運営しています。例えば、ある心臓外科医が、45歳までやってきたけれども、体力の限界を感じ始めた。心臓外科医としてはやっていけないので、山形大学で半年間、ジェネラル・フィジシャンになるための研修を受けるわけです。こうした医師は今後、増えるでしょうから、「従来の18の基本領域+総合診療専門医」という形にして、総合診療専門医は、他の領域の専門医とダブルで取れる形がいいと考えています。

池田 まさにそうなのです。特に外科系の場合、メスを置いて、地域医療に従事したいと考える先生方が、今後、ますます増えてくると思うのです。高齢社会になり、そうしたニーズが高まっているのも事実です。それまで20年、30年と各領域で活躍されてきた方の「医療実績という財産」は非常に貴重で、何らかの形で生かしてほしいわけです。メスを置いても、若手の指導に当たっていただきたい。同時にご自身は、指導と同時に、地域医療で活躍する道を新たに選ぶこともあると思うのです。それまでの経験を生かしつつ、総合診療の能力を身に付けた医師を、一種のダブルボードとして認めてもいいと思うのです。

國土 脳神経外科はどうなのでしょうか。外科の場合は、専門医を維持するためには、必ず一定の手術症例数を直近5年間で経験しなければいけません。

嘉山 先生方はあまりにも、諸先輩方をないがしろにしているというのが、私の意見です(笑)。脳神経外科の専門医も、外科と同様に5年ごとに更新ですが、カンファレンスに参加したり、コンサルタントの立場で指導すれば、更新は可能です。

國土 それは私の先輩たちが、決めたことです(笑)。私の理解では、国民や患者さんの視点から考えた場合、「外科専門医は、やはり手術をアクティブにやっている人であり、そうでない医師は専門医ではない」という議論があったと聞いています。今回の専門医制度の議論でも、国民や患者さんの目線から見て、どう受け止められるのか、という視点も重要だと思います。

池田 外科専門医でも、既に3回更新すれば、指導医などの一定の資格が与えられる。

國土 それを外科学会では、認定登録医と位置付けたのです。しかし、新しい専門医制度では、認定登録医という仕組みがないので、その位置づけが曖昧になってしまうことが、懸念の一つです。

池田 名称を統一して、そのキャリアを認める方向で議論する必要があると考えています。

國土 それの議論は、ぜひお願いしたい。

嘉山 私は国立がん研究センターにいた時は、ほとんど手術をしなかったのですが、山形大学に戻った後は、また手術をするようになっています。今朝も、3時まで手術をしていました(編集部注:嘉山氏は、2010年4月から2年間、同センターの理事長を務めた)。自転車の運転と同じで、外科医はメスを持てば、すぐに思い出すのです。ですから、脳神経外科では、長老になっても、専門医を維持できる仕組みにしています。実績、経験があるので、それほど多数の経験症例数を課す必要はないのです。

池田 今の専門医の更新で一番厳しいのは、心臓血管外科です。各手術に点数を付け、更新の基準を点数化したのです。非常に一般的な手術は、点数が低い。合計で一定の点数以上にならないと、更新できない仕組みにしたところ、多くの医師が更新できなくなってしまった。そのため、更新制度をもう一度、見直す動きになっています。

國土 厳しい基準を作りすぎたのですね。

――新たに心臓血管外科の専門医を取得する医師にとっては、高いハードルが必要かもしれませんが、更新の場合には、それまでの経験なども考慮する必要がある。

嘉山 はい、新規取得と更新の場合では、違いがあっていい。3回の更新、専門医として計15年くらいやっていれば、一定の考慮をすることは必要でしょう。

 ただ、心臓血管外科は基本診療科ではないので、経験症例数を課す形でもいいと思うのです。例えば、私の場合、基本領域である脳神経外科の専門医を持っていれば、脳血管内治療をやらなくなれば、その専門医は不要です。つまり、基本領域とサブスペシャリティの更新の考え方にも、違いがあっていい。

 また専門医の定義の話になりますが、専門医はスーパードクターではないのです。脳神経外科の専門医とは、この領域を包括的に語ることができて、標準医療を実践できる医師です。外科専門医と違うのは、脳神経外科の場合は、神経内科やリハビリテーションなど、内科的なことをやっている医師もいる点です。最近は、メスを置いた医師が認知症を診るケースも増えています。日本認知症学会の約8割は、日本脳神経外科学会の会員です。手術に限らず、脳に関連した幅広い領域を診るのが、脳神経外科なのです。「メス」ばかりが注目され、そこに議論がいくと、基本領域の専門医の定義が、混乱します。

池田 大事なのは、「どんなトレーニングを受け、どの領域の医療を担当できる医師なのか」という、各専門医の医師像を、明確に国民に示すことです。「○○外科」と「外科」が付いていると、「メスを握る医師」と皆さんが思うのですが、例えば、脳神経外科専門医は、「メスを使わない医師」も、医師像として入れているわけです。この辺りは、各領域がしっかりと打ち出せばいい。

國土 私も同じような理解で、外科でも同様に打ち出してもいいかもしれません。

池田 外科系に限らず、専門医がキャリアパスを変えていくルールも、大変な作業ですが今後、日本専門医機構で議論していくことが必要です。



http://www.asahi.com/articles/ASG9D462PG9DOIPE00N.html
カテーテル誤って動脈に刺し患者死亡 名大病院
朝日新聞 2014年9月12日(金)

 名古屋大学病院(名古屋市)は12日、医師が入院患者の首にカテーテルを挿入する際、誤って動脈に針を刺し、患者が出血性ショックで死亡する事故が2012年にあった、と発表した。石黒直樹院長は会見で「重大なミスを起こし、申し訳ない。深く反省している。基本に立ちかえりたい」と謝罪した。

 死亡したのは急性散在性脳脊髄(せきずい)炎で同病院に入院していた当時60代の男性。12年8月、嘔吐(おうと)をきっかけに重症となって集中治療室に運ばれ、救急科の医師4人が栄養剤を送り込むため、首の静脈にカテーテルを挿入しようとした。

 医師らは、導入針で刺した血管を広げ、カテーテルを挿入。その後、誤って動脈に挿していることに気がついた。首を圧迫して止血を試みたが、実際には鎖骨下の動脈に穴が開いており、約6時間半後、男性がせき込んで胸の内部で出血。間もなく死亡した。

 同病院は第三者機関の日本医療安全調査機構に事故の検証を依頼。その結果などから、導入針を刺したのが動脈か静脈かを十分に確認せずに作業を進めたことは重大なミスだったとした。

 同病院にはカテーテル挿入の処置に対するマニュアルがあるが、事故を起こした医師は熟知していなかったという。マニュアルの周知徹底などを進めるとしている。



http://www.m3.com/news/GENERAL/2014/9/12/250806/?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD140912&dcf_doctor=true&mc.l=61743787
大分市医師会に賠償命令 開設病院で「治療ミス」
共同通信社 2014年9月12日(金)

 病院で重いやけどを治療中だった大分県の男性(43)が、急性腎不全を発症して心肺停止になり、その後植物状態になったのは医師が適切な治療を怠ったためとして、男性らが病院を開設する大分市医師会に約4億円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、大分地裁は11日、約1100万円を男性に支払うよう命じた。

 竹内浩史(たけうち・ひろし)裁判長は「急性腎不全を疑うことができた時点で直ちに透析を開始すべきだったが、始めなかった。一方、すでに男性の状態は相当悪化しており、透析で心肺停止を回避できたとまでは認められない」と判断。植物状態との因果関係は否定したが、男性が受けた精神的苦痛を「適切な治療であれば重い後遺症にならない可能性もあった」と認定、慰謝料の支払いを命じた。

 判決によると、男性は2005年、仕事中に重いやけどを負い、大分市医師会立アルメイダ病院(大分市)に入院。急性腎不全を発症し、心肺停止に陥った。蘇生したが植物状態で、回復の可能性はないと診断された。

 医師会側は「判決文が届いておらず、コメントできない」としている。



http://www.yomiuri.co.jp/national/20140912-OYT1T50127.html?from=ytop_main5
カテーテルを動脈に誤挿入、患者死亡…名大病院
2014年09月12日 20時51分 読売新聞

 名古屋大医学部付属病院(名古屋市昭和区)は12日、2012年8月に静脈に挿入すべきカテーテルを誤って動脈に挿入し、患者が死亡したと発表した。


 医師が静脈と動脈の確認を怠ったとして医療ミスを認め、記者会見で謝罪した。病院側は遺族への賠償を検討している。

 発表によると、患者は愛知県内の60歳代の男性で、脳や脊髄などの神経が炎症を起こす急性散在性脳脊髄炎のため入院。大量の嘔吐おうとをきっかけに重篤な状態に陥り、集中治療室で医師4人が栄養剤を送るためのカテーテルを首にある静脈に挿入しようとしたが、誤って鎖骨下の動脈に入った。誤挿入に気づいた医師が静脈に挿入し直したが、その後、動脈から胸腔きょうこう内に大量出血し、出血性ショックで死亡した。



http://www.m3.com/news/GENERAL/2014/9/12/250894/?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD140912&dcf_doctor=true&mc.l=61743788
【福島】医師の確保困難で分娩中止へ 済生会福島総合病院、診療は継続
福島民友新聞 2014年9月12日(金)

 福島市大森の済生会福島総合病院が来年4月から、分娩(ぶんべん)の取り扱いを中止することが11日、分かった。常勤医1人が本年度で定年退職し、新たな医師の確保が難しいためという。

 同病院産婦人科の常勤医は1人。病院によると、この医師の定年退職に合わせて新たな医師を募集しているが、採用できる見通しが立たないという。常勤医は退職後も病院に残る予定だが、医師の体力面などを考慮し分娩中止を決めた。4月からは婦人科診療のみ行う。

 同病院の分娩取扱数は年100~120件。本年度は出産予定日が来年3月までの母親のみ受け入れる。分娩中止の方針を病院内に掲示して周知している。

 県内の病院をインターネット上で紹介する県の「ふくしま医療情報ネット」によると、福島市内で正常分娩を扱う病院・診療所は同病院を含め9カ所。本県の医師不足は震災、原発事故を境に深刻さを増しており、同市の福島赤十字病院でも今年、医師不足から一時分娩を制限した。



http://www.m3.com/iryoIshin/article/250579/?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD140912&dcf_doctor=true&mc.l=61743790
医師不足への処方せん
大都市集中の割合、過去最低、2014年度臨床研修採用実績
都道府県の採用数規制に効果か

2014年9月11日(木) 池田宏之(m3.com編集部)

 厚生労働省は9月上旬、2014年度の臨床研修医の採用実績を公表した(資料は、厚生労働省のホームページに掲載)。採用実績数は、2013年度比で118人増え、7792人となり、新臨床研究制度開始の2004年以来、過去最高を更新した。大都市部6都府県(東京都、神奈川県、愛知県、京都府、大阪府、福岡県)での採用割合は44.4%で過去最低となり、厚労省医政局医事課医師臨床研修推進室の担当者は「都道府県ごとの採用人数に、キャップ規制をかけたことの影響とみられる」としている(『最大の焦点、研修医の募集定員の設定』を参照)。

 都道府県ごとの採用数規制は、大都市部への研修医の集中を防ぐために、2010年度から始まった。規制前の大都市部6都府県の採用割合は48.0%程度だったが、規制開始後は、少しずつ低下し、2014年度は44.4%まで低下。これに対して、大都市部以外の採用割合は、増加し続け、2014年度は55.6%となり、政策誘導によって大都市集中が一定程度緩和され、傾向は来年以降も続くとみられる。

 研修医数が、前年比で20%以上増えたのは、25.5%増の59人となった山梨県と、24.0%増の160人となった広島県。毎年の採用数の振れ幅が大きい県も少なくないが、医師臨床研修推進室の担当者は「広島県は全体的に(特定の医療機関で増えたのでなく、うすく広く)増えている」として、自治体の取り組みが、研修医の増加につながった可能性に言及した。

 一方で、大学病院での採用割合は低下を続けていて、2014年度は42.8%で、過去最低を記録した。厚労省の臨床研究修了者アンケートによると、市中病院を選んだ理由として、トップ3に「多くの症例が経験できる」「バランスの良い経験が積める」などといった回答が入っていて、プライマリ・ケアを重視する傾向が広がりつつあることが伺える。



http://www.47news.jp/CN/201409/CN2014091201000849.html
消防職員70人にストレス PTSDの可能性、広島
共同通信社 2014年9月12日(金)

 土砂災害の救助、捜索活動をめぐり、広島市消防局が全職員約1300人のストレス症状を調査し、うち約70人は経過観察を必要としていることが12日、分かった。心的外傷後ストレス障害(PTSD)につながる可能性もあり、市消防局は、産業医らのカウンセリングを通じて対応する。実際に活動した人数は明らかにしていない。

 市消防局によると、災害発生2日後の8月22日以降、全職員を対象に「一時的に時間の感覚がまひしたか」、「身にとても危険を感じ、その恐怖に耐えられるか心配になったか」など19項目のチェックリストを配り、精神状態を確認した。

 回収したリストを分析した結果、チェックした項目が四つ以上あり、配慮を必要とする職員が70人程度に上ったという。

 今回の災害では、救助中の消防署員が亡くなったり、損傷の激しい遺体が見つかったりし、職員の精神的負担も大きかったとみられる。

 ストレス症状は時間の経過とともに解消されるが、1カ月以上続く場合にはPTSDと診断される。市消防局は配慮が必要な職員を中心に面談を続けている。

 災害時のストレスなどを研究している東京都医学総合研究所の飛鳥井望(あすかい・のぞむ)副所長は「制服を着ていても生身の人間。経験したことがないような大災害であり、丁寧にフォローしていく必要がある」と話している。



http://www.m3.com/news/GENERAL/2014/09/12/250777/?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD140912&mc.l=61743844
科学論文は「作戦と議論」 学術誌元編集長、体験談交え伝授
朝日新聞 2014年9月12日(金)

 STAP細胞論文の問題など相次ぐ研究不正に揺らぐ科学界。「このままでは世界の笑いものになる」と心配する名古屋大名誉教授の上出(かみで)洋介さん(71)が大学を巡り、学生らに論文の書き方を指導し始めた。「世界に影響力のある良い論文を多く発信してほしい」。国際科学雑誌の編集長を11年務めた経験を踏まえて伝えたいという。

 ■学生「何が不正かわかった」

 「書くことは人間にしかできない特権。個性を発揮できるもの」「それほど素晴らしいことなのに、なぜ不正やコピペ(引き写し)?」

 名古屋大で6月にあった公開講義。上出さんは、集まった学生や社会人ら約100人に問いかけた。盗用やねつぞう、改ざんは「人間に与えられた特権や個性を否定するもの。『悪意がなかった』は認められない」とし、絶対に手を染めないよう注意した。

 地球物理学者で、オーロラ研究の世界的な第一人者。共同研究を含め約400編の論文を発表してきた。世界に6万人以上の会員を持つ米国学会の「Journal of Geophysical Research―Space Physics」など学術誌の編集長を11年間務め、論文掲載の採否にも関わってきた。現在は、りくべつ宇宙地球科学館(北海道陸別町)の館長を務める。

 大学の講義では、国際競争の激しさや、論文に対し厳しい意見をぶつけてくるレフェリー(査読者)への対処法などを体験談を交えて説明、国際誌に採択される手法を伝授する。不正はだめだが、「作戦」は必要だとし、研究精度などを示しつつ「世界で初めて」と、研究成果を遠慮せずに書くようアドバイスする。

 科学論文の主要部は、(1)序論(2)方法(3)結果(4)議論で構成されるが、上出さんは、その中で最も重要なのは発見の重要性や今後の方向性を記した「議論」であるとし、大学教育に日頃から活発な議論を採り入れるよう提言している。

 受講した名古屋大大学院理学研究科の大内麻衣さん(27)は「論文が重要だからこそ、評価を上げて研究費を獲得しなければならないというプレッシャーが生じるのかもしれない」と思ったという。だが、「何が不正で、何が戦略なのかがわかり、有意義だった」。

 7月には宮崎大と京都大で講義。論文の書き方は、研究室それぞれの方法で教授や先輩から教えられるのが一般的だといい、京大大学院理学研究科の瀬戸口怜子さん(24)と山方優子さん(24)は、なぜ論文を書くのか、どうすれば採択されるのかについて「これまでまとまって勉強する機会がなかった」と口をそろえた。愛媛大の若手教員向けの育成プログラムには9月上旬、上出さんの論文教育が加えられた。

 上出さんのもとには講義後、学生から「無性に論文を書きたくなった」という声が届くという。「これが一番うれしい。我々が信頼回復のためにできることは、研究活動の成果を発表していくことしかない」

 ■「日本発」減少を心配

 上出さんには、そもそも日本発の論文が減っていることへの危機感が強い。全国の大学を歩くのは、論文をもっと書いてもらいたいという願いからだ。

 科学技術・学術政策研究所によると、日本の論文数は減少傾向にある。2010~12年に年平均7万5483本。世界1位の米国31万4727本、2位の中国15万9910本には遠く及ばず、ドイツ(8万9033本)、英国(8万4872本)に続き5位。10年前の2位から転落した。

 STAP細胞や大手製薬会社ノバルティスファーマの高血圧薬を巡る論文不正などを受け、文部科学省は8月、研究不正に対応する新たなガイドラインを決定した。

 不正への対応はこれまで、研究者個人の責任に委ねられていたが、今後は大学や研究機関などが組織として責任を持ち、防止するという内容だ。各大学では、コピペを発見するシステムの導入が進められている。文科省も来春、研究不正に対応する部署を新設し、研究倫理の教育プログラム開発などを進める方針だ。

 上出さんは態勢づくりを評価する一方、不正防止に気を取られ、論文の発表が減ることを心配する。「研究倫理を含めた論文教育が求められているが、研究分野ごとに広い見地と経験に基づき、正しく行う必要がある」と指摘している。

 (嶋田圭一郎)



http://www.m3.com/news/GENERAL/2014/09/12/250799/?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD140912&mc.l=61743843
健保組合1162億円赤字 13年度、高齢者医療が負担
共同通信社 2014年9月12日(金)

 大企業の会社員らが加入する健康保険組合の全国組織、健康保険組合連合会(健保連)は11日、2013年度の決算見込みが、1419組合(同年度末)全体で1162億円の経常赤字だったと発表した。赤字は6年連続。支出である高齢者医療への拠出金が4・5%増の3兆2739億円と過去最高額に膨らんだことが要因となった。

 ただ、景気の回復で会社員の給与が上がったことや保険料率の引き上げにより健保組合の収入が増え、赤字幅は12年度より1811億円減少。白川修二(しらかわ・しゅうじ)副会長は「15年度には団塊世代が全員65歳以上になり、高齢者医療費はさらに増える。先行きはむしろ暗い」と強調し、高齢者医療の負担の在り方を見直すよう求めた。

 13年度の保険料収入は前年度比5・0%増の7兆2227億円。一方、給付費は0・7%増の3兆6085億円だった。高齢者医療への拠出金が保険料収入に占める割合は45・3%。

 赤字の組合は65%に当たる927組合で134組合減少。保険財政の悪化で565組合が保険料率を引き上げた。平均保険料率は8・674%(労使で分担)で、0・331ポイント増えた。

 健保連は、1カ月の医療費が1千万円以上かかったケースが13年度に336件と過去最高に上ったことも明らかにした。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/43776.html
臨床研究中核病院、ガバナンス要件も- 厚労省検討会が初会合
( 2014年09月12日 21:12 )キャリアブレイン

 国際水準の臨床研究や医師主導治験の中心的な役割を担う医療機関として、臨床研究中核病院が医療法上に位置付けられたことを受け、厚生労働省は12日、その承認要件を定める検討会の初会合を開いた。臨床研究については、相次いで不正が発覚したことから、研究を適正に管理するガバナンスを要件にするよう求める声が大勢だった。同省は来年4月の施行を前に、同検討会での議論を踏まえ、年内に要件を取りまとめたい考えだ。【君塚靖】

 この検討会の名称は、「医療法に基づく臨床研究中核病院の承認要件に関する検討会」(座長=楠岡英雄・国立病院機構大阪医療センター院長)で、厚労相が一定の要件を満たした病院を承認するため、具体的な要件を検討する同省医政局長の私的諮問機関として設置された。楠岡座長は会合の冒頭に、「臨床研究には今、厳しい目が注がれている。しかし、臨床研究を進めていく必要があり、要件をどのようにするかが、今後の臨床研究のキーになる」と述べた。

 この日の会合では事務局から、医療法の規定をベースにした要件のイメージとして、▽臨床研究支援体制など機能を果たすために必要な体制▽臨床研究実施件数や論文数など機能を確認するために必要な実績▽診療科名や病床数などの施設▽臨床研究に携わる医師や看護師などの人員―などが示されたが、複数の委員が外形の要件だけではなく、どのようにすれば研究が適正に管理されるかといったガバナンスの重要性を指摘した。また、臨床研究従事者の倫理感が問われていることから、高度人材教育を要件として挙げる委員もいた。

 近藤達也委員(医薬品医療機器総合機構理事長)は、「組織は、研究をしないと進化しない。しかし、ただ研究だけをしていてもだめで教育も必要。それにより業務が進化していく。つまり、業務と研究と教育は三位一体だ」と強調。中川俊男委員(日本医師会副会長)は、承認の取り消し方法について触れ、「取り消し要件は明確にすべきで、承認されたらそれでいいだろうというのが、不適切事案の多発につながったと思う」と述べた。



http://www.y-mainichi.co.jp/news/25797/
琉大医学生2人、離島医療体験 小浜診療所
2014年09月12日  八重山毎日新聞

将来は地域医療に従事
 【小浜】石垣市真栄里出身の母・久美子さん(49)を持つ仲山由李さん(琉球大学医学部医学科1年)=那覇市出身=と、光安幸奈さん(同)=福岡市出身=が9日から11日までの3日間、県立小浜診療所で離島医療体験を行い、地域医療の実態を学んだ。

 離島医療に対する理解を深めてもらおうと、県が2007年度から医学生を対象に行っているもの。

 二人は同診療所の馬原史子医師(29)の指導の下、外来診療の見学や診療所の北側にある「通所介護事業所さみん」での利用者との交流を体験。10日夜には、島民を対象に公民館で開かれた心肺蘇生法講習会にも参加した。

 由李さんは親戚が石垣島におり、将来八重山を中心に医師として働きたいとの思いから小浜島を希望。実習では「患者さんとの距離がすごく近くて本島の病院とは全然違うと感じた」といい、「小児科志望だが、離島は子どもからお年寄りまで幅広い年代層が来るため、いろんなことを学ぶ必要性を実感した。今後も研修を重ね、離島医療に貢献できる医師になりたい」と抱負を語った。

 光安さんは九州大学付属病院に離島から通う子どもを見た際、将来、小児外科医としていろんな場所へ出向きたいと思ったといい、離島医療の現状を学ぶために参加。「馬原先生のように患者に慕われる医師になりたい。まずは専門知識を学んで経験を積み、離島診療にも携わりたい」と力強く語った。

 馬原医師は「このような医療があることをどんどん外に出て見ることが大事。病気だけでなく人を見られる医者になってほしい」、久美子さんは「若いころから意識を高く持ち、挑戦していることを頼もしく感じる。地域の期待に応えられる医師になってほしい」とエールを送った。



http://www.nikkei.com/article/DGXDZO76938410R10C14A9NNMP01/
診察の順番、端末に通知 患者のプライバシーに配慮
病院など、取り組み広がる

2014/9/11付 日本経済新聞 夕刊

 病院や薬局で、周囲に氏名や病名を知られたくないという患者に配慮した取り組みが広がっている。口頭ではなくメールなどで順番を伝えたり、会話の内容が聞こえないよう合成音を流したり。プライバシー保護にとどまらず、患者の利便性向上につながるメリットもある。

 「ピー、ピー」。愛知医科大学病院(愛知県長久手市)の待合室に電子音が鳴った。音の鳴る端末を手にした患者が診察室へ入っていった。同病院が導入している呼び出し端末だ。

 患者は受付時、手のひらサイズのタブレット型端末を受け取る。画面には診察や検査の予定時間が表示され、順番待ちが残り2人となった時点で「まもなく診察となります。診察室の近くでお待ちください」と振動とともに表示され、順番が来ると音が鳴る仕組み。この間、病院内であればどこにいてもいい。

 今年5月の新病棟稼働にあわせ、システムを導入した。背景にあるのは患者のプライバシー意識の高まり。「待合室で名前を呼ばれることをプライバシーの問題と捉える患者もいる。とりわけ精神科などを受診する患者は名前を呼ばれないことへの安心感がある」(病院管理課)

■待ち時間有効に
 新たな呼び出しシステムにより、待合室で座っている必要がなくなったのも患者からは好評で、中学生の長男(13)の付き添いで来院していた女性(36)は「診察まで平均して約1時間は待つ。病院内の図書室で過ごしたり、売店で買い物をしたりできるので助かる」と歓迎している。さらに「待合室で別の患者が呼ばれたのを聞き間違えてしまうこともなくなり安心」と話す。

 専用端末ではなく、携帯電話やスマートフォンにメールを送るシステムを導入したのは国立成育医療研究センター(東京・世田谷)。受付時に渡される受診票に印刷されたQRコード(2次元バーコード)を患者が自分の携帯電話で読み取ると、呼び出しのメールが届く。

 愛知医科大学病院同様、名前を呼ばれるのに抵抗がある患者への配慮や利便性向上が目的だという。メールは院外でも届くため、待ち時間に銀行や買い物などの用事を済ますこともできる。ただ操作に不慣れな人も多いようで、利用するのは外来患者の約半数程度。横谷進副院長は「操作方法をわかりやすく伝えるよう工夫したい」と話す。

 小規模な医院でも、診察室での会話が待合室に漏れないよう工夫しているところは少なくない。精神科や心療内科の医院では、診察室の扉を防音性能のあるものに替えたり、診察室を防音室にしたりするなど患者が安心して相談できる環境づくりに腐心する。

 薬局でもプライバシー配慮を求める声は多い。薬剤師が服薬指導をする際に薬品名が周囲に聞こえ、そこから病名が推測されてしまうこともあるためだ。

■周囲に聞こえず
 東京都町田市にある大手薬局チェーンでは、カウンターに特殊な音声を発する機器を置いた。人間の声を加工した音と川のせせらぎなど自然音を合成し、周囲に会話が聞こえにくくなる効果があるという。開発した大手音響機器メーカーのヤマハによると、周囲の人は10単語のうち2~3単語しか聞き取れず、会話の中身がわからなくなる。機器は1台10万円と安くはないが、2011年の発売以降、250の薬局店と400の医院に納入した。

 この薬局がプライバシー対策に乗り出すきっかけになったのは、「薬剤師との会話が周囲に漏れているのではないか」と客から苦情があったのがきっかけ。利用者の半数以上は近くにある心療内科の患者で、会話を聞かれたくない患者が多いと判断した。機器のほか、待合室とカウンターの距離を広げる改装もした。

 対策前も会話の声量などの配慮をしていたが、薬剤師からは「ボソボソと話さなくても良くなった」と好評で、患者対象のアンケート調査でも約4割が「機器は有効」と答えた。同チェーンは「薬剤師が体の状態を尋ねることもあり、プライバシーにかかわるやりとりをする。心療内科などの処方が多い10店舗で機器を導入している」という。

◇            ◇

■会話の情報漏れ「気になる」 医師らの8割、患者も5割超す
 ヤマハが医師と看護師、薬剤師の計615人にアンケートしたところ、患者との会話で病気に関する個人情報がほかの患者にもれないか「気になる」と回答したのは84.7%。対策(複数回答)は「小声で会話」(68.4%)「待合席やパーテーションの設置などレイアウトの工夫」(50.8%)が多かった。

 患者(412人)側の調査でも、医師らとの会話で内容が漏れることを気にする割合が58.8%に達した。

 薬局での服薬指導については厚生労働省が2012年、「患者のプライバシーに配慮したうえで実施しなければならない」と通知した。ただ総務省近畿管区行政評価局には薬局でのプライバシーを巡る苦情が13年1月以降、6件寄せられた。カウンターと待合室の距離が近い薬局などが問題になった。

 医療機関での会話の漏洩対策に詳しい東京工業大学の清水寧・連携教授(環境工学)は「天井や床、壁に吸音効果のある建材を使うなど建物の設計段階から会話の漏洩防止について考慮する必要がある」と指摘している。

(村上徒紀郎、塩崎健太郎)



http://digital.asahi.com/articles/ASG9D5GMPG9DUDCB00X.html?_requesturl=articles%2FASG9D5GMPG9DUDCB00X.html&iref=comkiji_txt_end_s_kjid_ASG9D5GMPG9DUDCB00X
双葉病院の患者遺族、東電と和解 1360万円支払い
2014年9月12日21時44分 朝日新聞デジタル

 東京電力福島第一原発の事故後、入院していた双葉病院(福島県大熊町)で十分なケアを受けられず、その後の避難先で死亡したとして、女性患者(当時83)の遺族2人が東電に対し、計約3110万円の損害賠償を求めた訴訟の和解が12日、千葉地裁(広谷章雄裁判長)で成立した。東電が遺族2人に計約1360万円を支払う。

 同病院をめぐっては、避難中や避難後に死亡したり行方不明になったりした複数の患者の遺族らがそれぞれ賠償を求めて東電を提訴している。この日の和解がこれらの訴訟に影響を与える可能性もある。

 今回和解した原告側によると、東日本大震災発生翌日の2011年3月12日、国は原発から10キロ圏内に避難指示を出し、病院は患者を順次避難させ始めた。女性は電気や水道が断たれた病院で16日未明まで過ごした後、福島市内に移ったが、同日夜に死亡した。遺族は適切なケアを受けられなくなったことで脱水症となり、死亡したと主張していた。

 原告側によると、東電側は和解の話し合いの中で、慰謝料について自動車損害賠償責任保険の基準額が相当などと主張した。しかし、地裁が「被害の悲惨さを考慮すれば、東電の責任はより重く考えるべきだ」との判断を示し、東電が受け入れたという。

 東電広報部は「和解が成立したことは事実です。訴訟などに関わることのため、詳細は差し控えさせていただきます」とのコメントを出した。



  1. 2014/09/13(土) 05:46:04|
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