Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

8月30日 医学部新設

http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201408/20140830_11027.html
村井知事無念「考え方間違いではない」
2014年08月30日土曜日 河北新報

 東北への医学部新設先に「東北医科薬科大」が選ばれたのを受け、村井嘉浩知事は29日、県庁で記者会見し、宮城大医学部構想が選外となったことに「医師不足解消などを実現したいと強く思っていたが、こういう結果になった。真摯(しんし)に反省し、県民におわびしたい」と謝罪した。
 審査会は構想段階での実現可能性を重視。宮城大について「教育内容や方法が具体的に示されず、実習などに必要な連携先との協議も未着手。準備不足が否めない」と指摘した。
 村井知事は「考え方の違い。致し方ない。将来の医学部の在るべき姿を目指すとした宮城大医学部の考え方は間違いではない」と主張した。
 栗原市などから県立医学部設置を要請され、3日間で構想を申請した事情を踏まえ「(他の構想と)中身に雲泥の差があることは明らか。将来性を考慮しないと分かっていれば、恐らく手を挙げなかった」と説明した。
 審査会は県立医学部という点に関し「県の事情を優先せざるを得ず、東北各地に卒業生を送ることが難しい」と懸念。東北に卒業生を送り込む「東北版自治医科大」を目指してきた村井知事は「常に東北を最優先に考えている。信念を傷付けられたよう」と反論した。
 新設医学部への支援策として県は4月、東北の各自治体などが原資を出し合う基金制度の骨格を発表。5月には県内に医学部を新設する私大に最大30億円の補助金を出す支援策を示していた。
 村井知事は、構想が選定された東北薬科大(仙台市青葉区)には「心よりエールを送り、支援を考えていきたい。単に全国81番目の医学部とならないよう、目的を達成してほしい」と要望。国に対しては「医学部新設は国策として行われる。国が薬科大と県の間に入るべきだ」と注文した。



http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=104174
東北薬科大に医学部 地域・災害医療の構想評価
(2014年8月30日 読売新聞)

 東北への医学部新設を巡り、文部科学省の構想審査会は28日、東北薬科大(仙台市)への設置を決めた。

 医師不足の解消や、災害医療に対応できる医師の育成などの構想が評価され、大学側は喜びに沸いた。一方、審査会は県の構想について「準備不足」と指摘、関係者の間には落胆が広がった。

 「これまでの実績が認められた。大きな喜びを感じるとともに、身の引き締まる思いだ」

 薬科大の高柳元明学長は28日夜、同大で記者会見し、感慨深げに語った。「震災復興のための設置で、今までの医学部とは違う」とも述べ、地域・災害医療に対応できる総合診療医の養成を目標に掲げた。

 同大によると、大学名を「東北医科薬科大」に改称し、2016年4月の開設を目指す。キャンパスは仙台市宮城野区福室の付属病院などを使う方向で調整。薬学の知識がある医師の育成のほか、臨床教育拠点として石巻市立病院と連携する方針だ。初年度の定員は120人としていたが、審査会の指摘を受け、100人前後にすることを検討するという。

 審査会の座長で、学習院大の遠藤久夫教授は会合終了後の会見で、薬科大を選んだ理由について「地域医療や災害医療を含む6年間の教育内容に具体性がある。設備経費を自己資金で確保できるなど、財政面でも安定している」と説明した。

 ただ、委員からは「東北大とのネットワークを意識しており、既存の医学部の延長線上にある」との意見も出たといい、審査会は、卒業生が仙台市に集中しないよう取り組むことを薬科大に求めた。

 一方、県は文科省への申請期限前日の5月29日に名乗りを上げた。宮城大に医学部を設置する方針を決め、全学生に修学資金を貸し付けたり、栗原中央病院(栗原市)にある病床を臨床教育に活用したりする運営方法を打ち出したものの、遠藤教授は「知事の熱意に期待感は高かったが、準備不足は否めなかった。開設予定時期までに計画通りの医学部を作るのは困難だと判断した」と指摘した。

 審査会の決定を受け、村井知事は「選定されず、大変残念。県としても、東北地方の医師不足解消に貢献できるよう新設医学部を支援していきたい」とのコメントを出した。

 県の構想でキャンパス予定地となっていた栗原市は、栗原中央病院の隣接地にキャンパス用地として約6ヘクタールの土地を買収する同意を地権者から取り付けていた。地元の商工団体なども、のぼりやポスターを作成して誘致運動を盛り上げてきただけに、佐藤勇市長は「残念としか言いようがない。みんなで頑張ってきたのに……」と肩を落とした。

■被災地から期待と懸念

 医学部の新設先に東北薬科大が選ばれ、被災地の医師や住民の間には期待が広がった。一方、医師や看護師が引き抜かれる恐れがあると懸念する声も出ている。

 石巻市で在宅診療に当たる佐藤保生さん(66)は「一人前の医師が育成されるまで現場の負担は続きそうだが、長期的には医師不足が解消されていく可能性がある」と話す。月に延べ200人を診察するが、医師は佐藤さんだけ。24時間対応を迫られ、休日に市外に出ることもままならない。「地域に根ざして働く医師を育ててほしい」と薬科大に求めた。

 仮設団地の中に開設された同市立病院開成仮診療所の長純一所長(48)も「総合診療医が不足する中、臓器別診療に特化した医師の養成が中心の現状を変える契機になってくれれば」と期待した。

 南三陸町では多くの病院や診療所が津波被害を受け、残った医療機関に患者が集中。人手不足で診察を待たされたり、離れた病院を紹介されたりすることもあるという。86歳の父親と仮設住宅に同居する主婦阿部美枝子さん(58)は「いつ何が起きても大丈夫なように、信頼できるお医者さんが近くに増えてくれたら」と願った。

 一方、県医師会の嘉数かかず研二会長は、「既に医学部の定員増が図られており、将来的に医師不足は解決する。その中で医学部が新たにできれば、東北各地の病院から勤務医や看護師が引き抜かれ、痛手を被る病院も出かねない」と懸念を示した。その上で、「東北に医師が定着する仕組みを制度化してほしい」と薬科大に求めた。

 気仙沼市医師会の森田潔会長は「東北の医療過疎は一朝一夕では解消しない。10年以上の長い年月がかかるという覚悟が必要だ」と語った。



http://www.kahoku.co.jp/editorial/20140830_01.html
新医学部決まる/「オール東北」で太い幹に
2014年08月30日土曜日 河北新報

 地域医療のさまざまな問題に完全な正解はないと言われる。医師の供給源である大学と、派遣を求める市町村、病院の間で「総論賛成、各論反対」が行き交い、患者と家族は置き去りにされてきた面がある。
 震災でさらに深刻化した医師不足を受け、東北に新しい医学部ができる。仙台市の東北薬科大が「東北医科薬科大」に改称し、2016年春から学生が入学する予定だ。
 前の轍(てつ)を踏まず「オール東北」で課題に向き合い、末永く地元に根付くよう力を合わせて理想郷に近づけてもらいたい。
 薬科大のプランは、卒業後に地域医療に従事させる誘導策などが国の審査会の高い評価を得た。しかし、医師不足の一因である仙台市など都市部への集中や、激務で敬遠されがちな産科、内科など診療科の偏在をどう解消するかは今後の宿題となっている。
 審査会は医師が東北全体へ行き渡るよう求めた。一定の期間働いて、やはり都会がいいとならないよう実効ある定着策をより具体化する必要がある。
 薬科大は薬剤師輩出に実績はあっても、医学分野には未知数なところがある。審査会は宮城県との連携を促すとともに、「東北各県や大学、医療関係団体からなる運営協議会を設ける」との条件を付けた。
 これまで行政側の当事者といえば、自治体病院を持つ市町村だった。今回、宮城県は自ら手を挙げ「宮城大医学部」を申請した。選に漏れはしたが、初めて主体的に関わろうとした姿勢は認めていい。
 県のプランにある学費、生活費など修学資金の貸与と地域医療への義務付けをはじめ、震災前から培ってきた医師確保のノウハウを生かさぬ手はない。
 地域医療で調整役不在と言われてきたのは、大学が医師派遣の権限を握り、ほかが手を出せなかったからだ。県が一端を担うのは国の考えにも沿う。キャンパス整備予算や教育内容づくりが行政レベルでスムーズに流れる効果も期待できよう。
 大きな影響力を持つ東北大医学部は、冷静に新設の動きを見守っていた。これからは先輩格として助言協力を求められる。
 同じ県に二つの医大があるのは東北で初めてとなる。複数ある東京、愛知、福岡などでは懲りずに病院の系列化が進み、反目する場面もあるという。
 そうなっては新設効果も限られてしまう。東北大は役割を一部譲るなどしてバックアップ、得意の先端研究の方に磨きをかけることがあっていい。
 教員として医師、看護師が中核病院から引き抜かれるのを懸念する声は依然大きい。医師会はかえって医療崩壊を招くと反対している。
 この点こそ、それぞれの人脈を活用結集すべきである。古里復興に燃える関東、関西の東北ゆかりの医療人を呼び込むなど、PR戦略も考えられよう。
 課題ばかりを挙げたが、それだけ大きな期待があることの証し、いよいよスタートである。



http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201408/20140830_13008.html
医学部新設 薬科大、申請本格化へ
2014年08月30日土曜日 河北新報

 東北に新設される大学医学部の設置者に選定された東北薬科大(仙台市青葉区)は、来年3月の大学設置・学校法人審議会への設置認可申請に向け、週明けから作業を本格化させる。
 週明けにも文部科学省から担当者が派遣される見通し。「東北各県や大学などと運営協議会を設立する」など文科省の構想審査会が選定条件に挙げた7項目などについて詳細な説明が行われる。
 近く理事会の開催も検討している。構想審査会から医学部の新設先に選定されたことを報告し、設置認可申請に向けた作業を確認する。
 新医学部の基本構想の策定を担っていた医学部設置準備委員会(委員長・福田寛特任教授)は今後、医学部設置準備室に移行する。学外の有識者も加え、設置認可の申請書類の作成を急ぐ。
 新医学部の臨床実習先に想定する国立病院機構仙台医療センター、東北労災病院(ともに仙台市)など協力機関との協議も本格化させる。
 東北薬科大の堀田徹事務局長は「設置認可申請の作業量は膨大で時間が足りない。取り組みを最大限急ぎたい」と話す。



http://mainichi.jp/edu/news/20140830ddlk04100037000c.html
東北薬科大:医学部新設 知事、国の積極的支援を 恨み節も /宮城
毎日新聞 2014年08月30日 地方版

 文部科学省の構想審査会が医学部新設先に東北薬科大(仙台市青葉区)を選出したことを受け、村井嘉浩知事は29日の記者会見で「県も県民の理解を得られる範囲で支援するが、国策であり、大学の財源が足りなければ国が出してもいいのではないか」と国の積極支援を求めた。

 県は医学部構想の申請時、東北薬科大に決まった場合も最大30億円の補助金を出すことや、地域定着を目的としたファンドの創設方針を示していた。これについて村井知事は「約束していたのでしっかり対応したい。金額はこれからの調整」と話した。

 一方、東北薬科大が提出した構想の具体性や実現可能性が評価され、将来性を強調した県の構想が落選したことについて「県は構想(の将来性)を審査するものと理解していたので、構想の(具体的な)中身をチェックすると分かっていれば手を挙げなかった。その点は文科省に不信感を持っている」と恨み節も漏らした。【百武信幸】


  1. 2014/08/31(日) 05:44:11|
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