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8月29日 医学部新設

http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/iryou/1351679.htm
東北地方における医学部設置に係る構想審査会構想審査結果
平成26年8月28日  文部科学省

東北地方における医学部設置に係る構想審査会

  「東北地方における医学部設置認可に関する基本方針」(平成25年12月17日復興庁・文部科学省・厚生労働省決定)において、震災からの復興、今後の超高齢化と東北地方における医師不足、原子力事故からの再生といった要請を踏まえ、特例として、東北地方に1校に限定して、医学部新設について認可を行うことが可能とされたことに基づき、本審査会として審査を行った結果を報告する。


一、審査結果
  本審査会としては、審査の結果、「東北医科薬科大学」(応募主体:学校法人東北薬科大学)の構想を選定することが適切と判断した。
ただし、同構想は、現時点において確認できる限りにおいてはおおむね基本方針に掲げる留意点に即していると考えられるものの、より適切に対応することを明確にするため、二に掲げる条件を着実に実施することを選定に当たっての条件とする。国においては、これらの条件について適切に対応ができていると認められるまでは、設置認可が行われないようにすることを求める。
 具体的な選定理由は別紙「構想審査結果の理由」に、本審査会における主な意見の概要については別紙「構想審査会における主な意見」において示す。


二、選定に当たっての条件

以下の事項について対応することを選定の条件とする。 
(1)  選定後速やかに、宮城県を初めとする東北各県・各大学、関連教育病院、地元医療関係者等の協力の下で、運営協議会(仮)を立ち上げ、自治医科大学等の先行事例も参考に、教員等の確保や地域定着策を初めとした、構想の実現・充実のために必要な協議を開始すること。また開学後は、将来にわたり、復興のための医学部設置という趣旨に基づいた医学部運営がなされているかを担保し、各地域のニーズを踏まえた人材育成を行っていくための仕組みとして活用していくこと。

(2)  上記協議会の活用等により、東北大学を初めとする既存の大学との教育面、卒後の医師確保における役割分担と連携を整理し、東北6県全体の医師偏在解消につなげる枠組みを確立し、仙台への医師の集中とならないようにすること。

(3)  東北地方の各地域の医療機関と連携した教育について、医療現場の負担が過重とならないことや、異なる実習場所でも同じ目的のもとで教育効果が上げられるよう配慮しつつ、早期体験実習から卒前・卒後を通じ、「地域全体で医師を育てる」という観点から、総合診療医養成に積極的に取り組むこと。その際、こうした教育及び教育設計に卓越した指導力を有する教員・指導医を確保し、仙台以外の宮城県各地(例えば医師不足に悩む宮城県北部等)、東北各地域において滞在型の教育もできるよう体制や環境を整備していくこと。

(4)  教員や医師、看護師等の確保について、公募を行うに当たり、地域医療に支障を来さないことを担保する具体的な基準や指針を定めて対応すること。看護師の確保についても具体的な方策(年次計画、採用方法、採用後の育成方法等)を示すこと。附属病院の拡張整備に当たっても、県当局と相談の上、地域医療に支障を来すことなく進めること。

(5)  医師の東北地方への定着を促す修学資金の仕組みについて、宮城県等と制度の詳細について精査し、単に東北地方に残るようにするのではなく、地域偏在の解消に対してより実効性が高く、かつ持続可能な仕組みとした上で、東北各県と十分な調整を行うこと。かつ、修学資金だけでなく、入学者選抜から学部教育、卒後研修を見通した定着策の充実に取り組み続けること。

(6)  入学定員について、開学当初の教育環境の確保、地域定着策の有効性といった観点から適切な規模となるよう見直しを行うこと(例えば、臨時定員20名を設定せず、100名の定員で開学すること、学費全額相当の奨学金対象人数を増やすこと等)。また、将来的に、全国の大学において定員調整を行うこととなった場合には、他の大学と協調して対応すること。

(7)  上記のほか、本審査会において、別紙に掲げる意見・要望があったことを可能な限り採り入れ、東北地方における医学部新設の趣旨によりふさわしい大学とするよう努めること。


三、その他

○ 審査結果を踏まえ、国に対しては、以下の対応を要請する。

(1)  設置認可申請から開学までの準備はもとより、条件(1)の運営協議会の運営に当たり、適切な指導助言を行うとともに、関係大学・自治体等に対して協力を要請すること。

(2)  医学部新設による卒業生が活躍し始めるまでには10年以上かかる。既存の大学や地方公共団体が行う地域医療支援の取組について引き続き支援を行うこと。

(3)  今回の東北地方における医学部新設は復興のための特例措置であるが、今後の医学部新設や医師養成数に関しては、医師需給の見通しや定員増の効果の検証、医療制度改革の動向等を踏まえて、文部科学省と厚生労働省が連携し、適切に検討すること。

○ 今後の超高齢社会、人口減少社会の中で医療を支えていくためには、医学部の新設だけでは問題は解決しない。医師の偏在解消や働きやすい環境整備等のほか、効率的・効果的な医療提供体制の確保等様々な取組が必要である。設置される大学には、その理想の実現のため、設置が認められた後にも、不断の努力を求めるとともに、東北地方の各地方公共団体、各大学、関係団体等においては、設置される医学部と可能な限り相互に協力し、東北地方の震災からの復興、将来に向けた地域医療の振興のために、心を一つにして向かっていくことを期待する。

以上


(別紙)構想の実施に当たり参酌すべき意見


 以下の点については、一つ一つに対して対応することを設置認可の条件とするものではないが、これらの意見を可能な限り採り入れ、構想内容のさらなる充実を図ること。


(教育内容に関して)
・医師である以前に病める人、社会的弱者等への暖かい目等を涵養する豊かな人間教育を行うこと。
・地域立脚型の医学教育に関するカリキュラム設計ができる適切な人材を確保すること。
・医学教育の専門家や、保健師・看護師・リハビリテーション関係職種等の医療職や福祉関係者等の知見を幅広く取り入れることも含め、カリキュラムの検討体制を充実する等により、もう一段の工夫を行うこと。
・1年次から、薬剤師だけでなく看護師・リハビリテーション関係職種等の医療職や、福祉関係者等も含めた多職種連携教育を充実させること。
・1年次の早期体験実習、2年次以降の地域医療実習、臨床実習等に当たり、学生がそれぞれ同じ地域に、まとまった期間、何度も訪問、滞在し、愛着や使命感を持って学ぶことができる仕組みとすること。
・臨床実習においては、地域の中核病院で長期間滞在して実習を行い、そこを拠点に地域の診療所等での医療も経験できるようにすること。例えば石巻地域医療教育サテライトセンターを拠点に、石巻市立病院だけでなく、より前線の診療所や在宅医療の現場等も経験できるようにすること。
・地域医療実習を行うに当たり、地域の診療所や介護・老健施設訪問等が含められているが、その教育効果を高められるよう、各施設と十分に協議し進めること。
・地域医療実習を行うに当たり、受入先の医療機関や地方公共団体と連携し、指導体制はもとより、学生の生活環境・学習環境の整備等環境面の充実についても積極的に取り組むこと。
・放射線関連見学・実習に関し、関連施設の見学にとどまらず、福島県立医科大学放射線医学県民健康管理センターの取組と連携し、充実を図ること。


(教員・医師・看護師の確保に関して)
・地域医療に支障を来さない方策としては、例えば応募に当たり施設長の意見を求めること等が考えられるが、運営協議会において十分に検討すること。
・国立病院機構仙台医療センター、労働者健康福祉機構東北労災病院を実習に活用するに当たり、現場の指導者の負担に配慮すること。本院でも大部分の教育ができることを基本とすること。
・地域医療実習に協力する病院等に対して、学生だけでなく教員、研修医等を合わせて派遣し、教育と医療支援の両方が可能となるよう体制を充実すること。
・開学後に予定されている附属病院の拡張に当たっても、地域医療へ支障を来さないように進めること。増床に関しては宮城県当局と十分に相談すること。


(卒業後の地域定着策について)
・生活面、学習面における学生の支援の体制(教職員による組織、先輩が後輩の世話をする仕組み等)を明確にすること。
・地域医療ネットワークについて、宮城県内にとどまらず、各県に展開できるよう、東北6県の自治体や医療機関との連携を広げること。
・東北各県における卒業生のキャリア形成のため、例えば人事交流や卒後研修センターを置く等により連携強化を図ること。
・前述の地域滞在型実習の実施と、卒業後の勤務地が一致するよう工夫すること。
・奨学生が卒業後勤務する機関や地域が偏らないように調整する仕組みを構築すること。



お問合せ先

高等教育局医学教育課企画係
電話番号:03-5253-4111(内線2509)

(高等教育局医学教育課)



http://www.m3.com/iryoIshin/article/246452/
医師不足への処方せん
教員確保は「一定のめど」、東北薬科大
定員は100人、大学病院も買収で対応

2014年8月29日(金) 池田宏之(m3.com編集部)

 文部科学省の「東北地方における医学部設置に係る構想審査会」において、新設候補として条件付きで選ばれた東北薬科大学(仙台市青葉区)の理事長・学長の高柳元明氏らが8月28日夜に会見した(『東北薬科大、医学部新設の“第一関門突破”』を参照)。選定について、喜びの感想を述べるだけでなく「(審査会に出された構想の)3つの中で、最も適切だろうということだろう」と述べ、課題すべき解決の多さにも言及した。

 さらに、今回の選定への自信については、修学資金確保の難しさなどから、高柳氏は、「なかった。90%くらい宮城県だろうと思っていた」と述べる場面もあった。

 今後の最大の課題として高柳氏が挙げたのは「(卒業生の)地域定着策と修学資金整備」。私立大学の医学部となるため、同じく新設を目指し構想を出していた宮城県との連携や、地域定着を狙った奨学金のスキームなどを詰めて行くこととなる。

 「120人」として計画を示し、構想審査会から見直しが指摘された医学部の入学定員について、高柳氏は減らす方針を示したが、経営の観点から100人程度は確保したい考え。現在、同大が仙台市内に持つ大学病院の病床不足分と、教員確保については、高柳氏は「ある程度めどは立っている」と話した。大学病院については、仙台市内の病院を買収して対応する考えを示した。

2種類の修学資金

 同大の医学部設置計画によると、ミッションは「東北地方の復旧。復興の核となり地域医療を恒久的に支える医学部」。地域定着を狙う修学資金制度は「医学生修学資金制度」「復興支援特別枠制度」の2種類を用意する予定。「医学生修学資金制度」は宮城県の制度で、6年間の授業料3400万円のうちの3000万円を補助し、10年間の東北地方の指定病院勤務を義務付ける。医師派遣を受けた病院が返還する仕組みで、対象は年間50人。「復興支援特別枠制度」は、大学独自の制度で、1700万円を補助し、5年間の東北地方の指定病院勤務を義務付け。対象は年間20人を見込む。

 教育においては、地位滞在型の地域医療臨床実習のために、石巻地域に実習などのためのサテライト医療機関を設置するほか、宮城県以外の東北5県の病院と地域医療ネットワークを形成して、学部教育や卒後研修の場とする。

 キャンパスは、同大学から約6キロメートル離れた場所にある同大学附属病院の周囲に整備。大学病院は現在466床。スケジュールとしては、2015年3月までに設置申請を出し、認められれば、2016年4月にとして開学する見込み。名称は「東北医科薬科大学」を予定している。


会見には、医学部長に就任予定の東北薬科大学放射線核医学講座教授の福田寛氏も出席し、カリキュラムの考え方などを語った。
地域定着妙案なく

 東北薬科大学には会見開始予定の20時直前に、文科省からメールで選定内容が届いた。高柳氏は、会見の冒頭で、「良い報告にできるか正直とまどっている」と述べ、理由について、「(クリアすべき)問題がかなりの分量あり、十分検討できていない」と述べた。今回の医学部新設については、超高齢化社会への対応や東北地域の医師不足、原発事故からの再生などがあり「特別な趣旨を持った医学部」との認識を示した。

 課題として示したのは、第一に卒業生の東北地方への定着。高柳氏は「卒業した医師の定着を確実なものとするために宮城県などとの協力が必要だろう」とした。具体的な動きについては、選定されたばかりであることを理由に、言及しなかった。医学部長に就任予定の東北薬科大学放射線核医学講座教授の福田寛氏は「地域医療を担いながら、キャリアアップを図れる仕組み」として、教育の面からも定着を図りたい考え。ただ、ある大学関係者は「地域定着に妙案がないのは事実。ある程度金銭面で縛るしかないのでは」と、難しさをにじませた。

高柳氏「自信なかった」

 地域定着を図るための方策として最も大きく、かつ、医学部新設に向けたハードルの2つ目となるのは、地域定着策と関連する修学資金整備だ。東北薬科大は、学費として、現存する私立医学部の学費平均から割り出した、「6年間で3400万円」を示している。一方で宮城県の構想では、定員60人とする構想だった。高柳氏は、公立大学の学費は6年間で400万円程度になると想定で、数十人の卒業生を毎年確保する体制構築のために、「(差額を修学寄附金で補填するには、毎年)15億円以上は必要だろう」と述べた。

 10数億円単位の確保は、簡単でない。今回の選定に自信があったかを聞かれた高柳氏は「なかった。90%くらい宮城県だろうと思っていた」。理由として財政上の問題を挙げ、「県は『ない』といっても、いくらでも出せそうで、脅威だった」と述べるなど、修学資金の整備は、“必須条件”に近い受け止め方だ。

経営直結の定員数

 さらに、金銭面での課題は、入学定員の問題ともつながっている。構想審査会からは、定員について「もう少し減らした方が良い」との指摘があり、高柳氏は指摘について、「(指摘は)確かにその通りだろうと思う。臨床実習の割り振りなどを考えると、人数が多いと困難だろうと思っていた」として「減らす方向で考える」とした。

 一方で、定員は、新設医学部の経営そのものに直結する。「宮城県の60人を下回ることがあるのか」と聞かれた高柳氏は、私立医学部は、学生からの学費が重要な収入源である点に触れて「ない。(他の私立医学部を見ても)一番少ないところで100人程度。私学としては、定員が100人くらいないと、(経営が)難しいと思っている」と述べ、100人程度の定員は確保したい考えを示した。

大学からまとまった教員派遣か

 200人弱が必要とされる教員の確保も大きな問題で、医師会や全国医学部長・病院長会議が、新設に反対してきた主な理由の1つ。この点について、高柳氏は「ある程度めどは立っている」とした。同大は、教員の確保については、内々で打診を続けていて、大学関係者によると「現状の診療に影響が出ないように配慮している」とする。さらに、複数の大学からも、開設時の協力を取り付けているとみられる。大学からの派遣の場合、講座開設可能な程度のまとまった人数が移って来るとみられ、現状の候補者と公募を併せて、必要な人数を確保したい考えだ。

 大学附属病院については、現在466床だが、高柳氏は不足分を、市内の病院を買収する方向で対応する考えを示し、こちらも「ある程度めどは立っている」とした。既存の大学や医師会との調整については、「(医師会などは新設に反対していたので)まだ考えられていない」とした。



http://mainichi.jp/edu/news/m20140829ddlk04100259000c.html
東北薬科大:医学部新設へ 学長「地域医療に貢献を」 知事、医師不足解消へ支援 /宮城
毎日新聞 2014年08月29日 地方版

 東北地方への医学部新設を協議する文部科学省の構想審査会が28日、東北薬科大(仙台市青葉区)を設置先に選んだことを受け、同大関係者は「地域医療に貢献する医師を育てたい」と喜びの声を上げた。一方で県が提出した宮城大への設置構想は落選、今後は開学に向けて薬科大を支援していくことになる。

 薬科大は2013年10月に、医学部設置を目指して構想を発表。翌月に文科省が復興特例として1校の新設を認めたことを受け、国に「東北医科薬科大」の構想を提出した。正式な認可は来夏に下りる見通しで、16年春に開学予定。薬学の専門知識を持った医師の養成などを目指す。

 同大の構想では、昨年開院した大学病院(宮城野区)を付属病院として活用。20年度までに150床の新病棟を建設し計約600床とし、隣接地に校舎を建設するほか、臨床実習などの拠点となるサテライトセンターを再建中の石巻市立病院内に整備する。定員は1学年120人で、東北地方で10年間勤務することを条件にした貸与奨学金制度(50人)や、5年間勤務することを条件に奨学金も貸与する東北出身者対象の入学枠「復興支援特別枠」(20人)も設ける。

 同大は28日夜、記者会見を開き、高柳元明学長は「大きな喜びだが、責務も感じて身の引き締まる思い。薬学部を生かし、地域医療に貢献できる医師を養成したい。自信はありませんでした。(選ばれるのは)県(の構想)じゃないかと90%くらい思っていた」と笑みを浮かべた。

 ただ、構想審査会からは、地域医療教育の方策をより具体的にすることや、医師の地元定着策の確実性を高めること、定員減の検討などの条件を付けられたといい、高柳学長は「各自治体や協力病院との協議を行っていかなければならない。県と共同で考えている奨学金も大きな課題だ」と述べ、構想の修正に意欲を示した。学部長に就任予定の福田寛特任教授は「私どもの教育内容が高い評価を得た。病める者に寄り添った人間を育てる教育をしたい」と意気込みを語った。

 一方、県が提出した「宮城大医学部」構想は、教育内容や体制に具体性がないなどとして選ばれなかった。

 医学部新設を巡って県内では元々、薬科大の構想と、東北福祉大と栗原市、仙台厚生病院による構想の二つの準備が進められ、県は選ばれた大学に最大30億円の補助を表明するなど、両構想を支援する立場だった。

 ところが、文科省への応募期限が3日後に迫った今年5月27日、福祉大と栗原市の構想に食い違いが生じ、福祉大主体の計画が頓挫。同市などは村井嘉浩知事に協力を要請。県は3日間で構想の骨格を固めて提出したものの、7月になって付属病院の病床数削減を国に提案するなど、ドタバタが続いた。

 村井知事は落選の知らせに「大変残念に思う」とコメントする一方で、「県内に医学部が新設されることは喜ばしい」と歓迎。「補助金や新たな医学生修学資金制度などで東北地方の医師不足解消に貢献できるよう新設医学部を支援していきたい」とした。

 佐藤勇・栗原市長は「大変厳しい結果。構想実現に向け署名下さった皆様や市民、関係の方々のご支援に心より感謝申し上げます」とコメントを出した。【金森崇之、伊藤直孝、近藤綾加】

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 ■ことば

 ◇東北薬科大

 仙台市青葉区小松島にキャンパスを置く私立大学。1939(昭和14)年、東北薬学専門学校として創立。62年には私立薬科大として初の大学院を設置した。現在は薬学科(6年制)と生命薬科学科(4年制)があり、学生数は2143人(5月1日現在、大学院含む)。卒業生の総数は2万2000人を超え、東北地方の病院薬剤師の48・3%を出身者が占める。2013年に同市宮城野区に病床数466床の付属病院を開設した。

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 ◆東北地方の医学部新設構想の経緯

2011年
 1月12日 仙台厚生病院が医学部新設方針を発表
 3月11日 東日本大震災

  13年
 2月27日 自民党議連が東北に医学部新設を求める決議
10月11日 東北薬科大が医学部新設を目指すと発表
11月29日 下村博文文科相が震災復興特例として東北に医学部を1校新設する基本方針を表明

  14年
 2月28日 東北福祉大と仙台厚生病院が栗原市に医学部と病院を新設する構想発表
 4月14日 脳神経疾患研究所(福島県郡山市)が医学部新設構想を発表
 5月27日 東北福祉大を主体とした医学部新設断念発表
   29日 村井嘉浩知事が栗原市と仙台厚生病院の要望を受け入れ、県立大主体の医学部申請発表
 6月20日 村井知事が設置主体を宮城大にする案を発表
 8月28日 文科省の構想審査会が東北薬科大を選定



http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201408/20140829_11036.html
東北医科薬科大理事長ら率直に喜び
2014年08月29日金曜日 河北新報

 新医学部の設置者に事実上決定した東北薬科大(仙台市青葉区)の高柳元明理事長は28日夜、同大で記者会見し「県が手を挙げてからは自信がなかった。県が90%選ばれると思っていた」と驚きと喜びを率直に語った。

 県と競合したことに高柳理事長は「私学は財源が限られる一方、県はいくらでも出そうなことを言っており、比較にならないと思った」。村井嘉浩知事については「医学部新設の道筋をつくってくれた」と述べた。
 文部科学省に提出した医学部設置構想では定員を120人としていたが、審査会から「もっと減らした方がいい」と助言があったという。高柳理事長は「収支を検討し、減らす方向で考えたい」との見通しを示した。
 東北薬科大の教員には東北大医学部の出身者も多い。一部に、新たに誕生する「東北医科薬科大」は「第2東北大医学部」になるのではないかとの懸念もある。
 高柳理事長は「(東北大との距離は)近いが、医学部設置とは別の問題。東北大以外に、地域医療に貢献できる医学部が必要だ」と強く反論した。
 会見には医学部長に就く予定の福田寛特任教授も同席。「(審査会からは)教育内容が高い評価を得たのではないか。今後は内容を実効的にするため、詰めの作業をしたい」と抱負を語った。
 会見では、新医学部の学費が6年間で3400万円となる見込みであることを明らかにした。定員のうち50人に1人当たり3000万円を貸与し、東北の指定病院に10年勤務で返済を免除。東北出身枠の20人には同じく1700万円を貸し、指定病院に5年勤務すれば返済を求めない。

◎サテライト施設設置構想に協力・石巻市長

 東北への大学医学部新設で石巻市に「石巻地域医療教育サテライトセンター」の設置を盛り込んだ東北薬科大(仙台市青葉区)の構想が選定されたことを受け、亀山紘石巻市長は28日、「東北の医師不足解消に向け、連携して取り組みたい」と協力する姿勢を示した。
 薬科大が文部科学省の構想審査会で示した資料によると、サテライトセンターは市が再建する市立病院内に設置。学生が臨床実習するなど、地域医療と災害医療教育の拠点と位置付けている。
 亀山市長は「地域に入って実習することで医師の定着につながる。在宅医療など市が進める地域包括ケアの一端を担ってもらい、地域医療に理解を深めてもらいたい」と期待した。
 市は実習の受け入れ態勢や施設などについて、薬科大と精査していく方針。

[関連特集]東北・医学部新設
http://www.kahoku.co.jp/special/spe1145/index.html



http://www.kahoku.co.jp/special/spe1145/20140829_07.html
東北薬科大に医学部、教育実績と財政評価
2014年08月29日金曜日 河北新報

 新医学部の設置者を選定するに当たり、文部科学省の構想審査会は、構想の「具体性」と「確実性」を重視。この点で東北薬科大はポイントを稼ぎ、宮城県と脳神経疾患研究所を突き放した。

 審査会は(1)東日本大震災後の医療ニーズへの対応(2)教員医師の確保策(3)卒業生の東北への定着策(4)医師需給に対応した定員調整の仕組み-の4点で3者を比較考量した。
 東北薬科大は(1)患者や教職員の確保に有利な仙台市内に付属病院を保有(2)最大被災地の石巻市に地域医療教育のサテライトを設置(3)最大70人分の奨学金を確保-など「一通りの具体策を示し、具体的な連携先を設定している」と評された。
 確実性についても審査会は「東北で70年以上の医療教育実績があり、設置経費を自己資金で確保できる一定のめどがあり、財政面でも安定している」と分析した。
 東北各県との連携不足などの課題も挙がったが、審査会は「具体的な準備が進んでいるから具体的な問題を指摘できる」と、むしろ肯定的な評価を与えた。
 宮城県は、村井嘉浩知事が「宮城大医学部」設置の検討に着手してから申請まで3日間という短兵急があだとなった。教育内容などについて審査会は「具体的に示されず、実習などに必要な連携先との協議も未着手」「総じて準備不足が否めない」と断じた。
 あえて医療過疎地の栗原市へのキャンパス進出を目指した野心的構想も裏目に出た。審査会は(1)付属病院の経営(2)教員医師や看護師の人材確保(3)教育環境の構築-などについて強い懸念を表明している。
 審査会内には、東北薬科大と宮城県のどちらを選定すべきか両論があった。ただ「東北薬科大と宮城県は連携すべきだ」という点で委員の意見はおおむね一致。最後は宮城県に、奨学金制度などで東北薬科大をバックアップするよう求めた。
 脳神経疾患研究所は、原子力災害対応に力を入れている点は評価の対象となったものの「財政面で確実性に欠ける」「行政との密接な連携がない」などと指摘された。
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http://www.kahoku.co.jp/special/spe1145/20140829_08.html
宮城大選外、宮城県に衝撃
2014年08月29日金曜日 河北新報

 宮城県が申請した「宮城大医学部」が選外となった28日、村井嘉浩知事ら県関係者の間には、衝撃が走った。提出期限ぎりぎりのタイミングで県立医学部へと急ハンドルを切った村井知事。準備不足は最後までたたり、自ら先頭に立って短期決戦に臨んだ「村井流」のシナリオは、幻に終わった。

 「直前に手を挙げ、明らかに準備が不足していた。特に、カリキュラムや教員確保策が遅れていたかもしれない」
 構想審査会が新設先を公表する5時間以上前の28日午後2時。村井知事は早々と、硬い表情のままで宮城大医学部の敗因を挙げた。
 報道では前日、ライバルの東北薬科大(仙台市青葉区)の構想が採択される見通しが既に伝えられていた。
 「審査会前に結論が出たことに非常に不信感を持っている。(下村博文)文科相には抗議させてもらった」と、悔しさをかみ殺すように語った。
 医学部新設は村井知事が東日本大震災後、国に働き掛けたことで一気に本格化した。安倍晋三首相は2013年秋、日本医師会などの強い反対を押し切って新設の検討を文科省に指示した。
 宮城県内への医学部新設の実現は、村井知事にとって一定の成果となる。しかし、県自ら医学部運営に乗りだしたことで、周囲の要求水準はいや応なく高まった。
 県議会内には「学費が安い」「宮城大看護学部と連携できる」などとして県立医学部を求める声が多かった。自民党県議の一人は「県内に新設されるだけでは十分でなく、県立医学部の採択という『勝利』が義務付けられた」と話した。
 村井知事は05年の就任以降、県独自のみやぎ発展税(08年)、沿岸漁業権を民間企業に開放する水産業復興特区(13年)など賛否が交錯する施策を次々導入。トヨタ自動車完成車組立工場の誘致(08年)も実現し、連勝街道をひた走ってきた。
 今回、自ら打ち出した政策では初めて挫折を経験することになった。県政界からは「今後の求心力低下につながりかねない」と県政運営への影響を指摘する声が上がった。

◎脳神経疾患研も「残念」

 福島県内から唯一申請した一般財団法人脳神経疾患研究所(郡山市)は28日夜、記者会見を開き、渡辺一夫理事長が「期待に応えられず残念な結果だ。福島県民から多数の署名を頂くなど深く感謝している。東北医科薬科大には、原発事故災害からの復興に向け、福島県の医療に手を差し伸べてほしい」と述べた。
 福島第1原発事故の被災県として、総合南東北病院などを運営する同研究所は最先端の放射線医療や災害医療をアピールしてきた。選定から外れた理由について「資金不足と思われてしまったことと、県などのサポートが他候補に比べて低かった」と振り返った。
 佐藤雄平知事は「東北医科薬科大には、東北地方の医師の地域偏在や診療科偏在を解決し、東北の医師不足解消につながる大学となるよう期待したい」との談話を出した。
 県保健福祉部地域医療課の伊藤直樹課長は「東北地方に医学生が増え、医師として残ってもらうことが重要だ。東北医科薬科大と連携をしていきたい」と話した。

◎東北各界に期待感/「医師不足を解消」/「地域医療充実へ」

 東北への大学医学部新設先として、東北薬科大(仙台市青葉区)が申請した「東北医科薬科大」が選ばれた。東北の各団体からは28日、医師不足の解消や、東日本大震災で疲弊した東北の地域医療体制の充実を望む声が上がった。
 仙台商工会議所の鎌田宏会頭は、国内では人口当たり医師数が「西高東低」となっている現状を指摘した上で「高齢化が進む東北では地域密着の医療が求められる。東北に定着する医師を増やし、医療体制の充実を図ってほしい」と語った。
 東北市長会会長の奥山恵美子仙台市長は「今後は計画を具体化し、円滑に医学部が運営されるよう尽力してほしい」と強調、東北全体の地域医療への貢献に期待感を示した。
 宮城県議会の安藤俊威議長は「県議会としても宮城県内への医学部新設を推し進めてきた。順調な開学に向けた今後の展開を期待する」との談話を出した。
 教員となる医師の引き抜きなどを懸念し、医学部新設に反対してきた宮城県医師会の嘉数研二会長は「新たな医学部の誕生により、医師の東北定着や診療科の偏在解消が実現できるか厳しく見守りたい」と話した。
 東北大の里見進総長は「新設医学部とも協力して地域医療を守っていきたい」と述べた。



http://www.kahoku.co.jp/special/spe1145/20140829_03.html
「がっかり」栗原市民、落胆 宮城大選外
2014年08月29日金曜日 河北新報

 東北への大学医学部新設先が「東北医科薬科大」に決まった28日、選定されなかった宮城大医学部のキャンパス予定地、栗原市では、地域医療の充実や活性化に期待した市民らが一様に落胆の表情を浮かべた。
 「非常に残念」。栗原市内の経済界や農業団体、教育関係者ら約30人で構成する市医学部設置推進連絡協議会の阿部忠雄会長(栗原南部商工会長)は肩を落とした。
 市は4月、協議会を設立し、栗原キャンパスの実現を官民一体で後押ししてきた。「医学部誘致を実現しよう」と呼び掛けるのぼり旗500本を製作。市内各所に立てて、誘致ムードを盛り上げてきた。集めた署名は3万人を超えた。
 栗原で人口減少は待ったなしの課題。医学部構想は地域活性化の切り札として期待が集まった。阿部会長は「今後もさまざまな方策を使って、活性化を図り、過疎化に歯止めを掛けなくてはならない」と指摘した。
 市築館各種女性団体連絡協議会の久我節子会長も「みんな(誘致に)一生懸命だった。大丈夫だと思っていたので、驚いた。がっかりしている」と落胆の色を隠さない。
 久我会長は「仙台などの都会には既に大学がある。安倍晋三内閣は地方創生を掲げる。地方に光を当ててくれたら良かったのに」と強調した。
 沿岸の被災地や栗原などの過疎地では、地域医療の崩壊の危機が続く。
 佐藤勇市長は「医学部誘致に向け、市民の皆さんや関係者にいろんな形で協力いただいた。感謝したい。地域医療の質が下がらないよう最善の努力をしながら、さらに充実させるための医療体制を作り上げたい」と、医師確保に向けた努力を続ける考えを示した。



http://www.kahoku.co.jp/special/spe1145/20140829_05.html
東北薬科大理事長「大きな責務」
2014年08月29日金曜日 河北新報

 文部科学省の構想審査会が新医学部の設置者に選定した東北薬科大の高柳元明理事長は28日、仙台市青葉区の同大で記者会見し、「長年にわたる本学の薬学教育の実績が評価されたと考えている。今は喜びと大きな責務を感じており、身の引き締まる思いだ」と決意を語った。
 構想の具体性や確実性など審査会が示した選定理由を踏まえ、「申請した3団体の中では最も高い評価を受けた」と手応えを語った。一方で、卒業生の地域定着策など複数の条件が付けられたことに対し、「中身を十分検討していく」と表情を引き締めた。
 今後の取り組みとして「宮城県をはじめ関係する大学や医療機関との協議の上、地域医療を担う人材育成や修学資金制度に関する課題解決を早急に進めたい」と述べた。
 東北薬科大は1939年創立。59年にがん研究所(現・分子生体膜研究所)、62年に大学院をいずれも私立薬科大として初めて設置した。2013年には単科薬科大初の付属病院(22診療科)を仙台市宮城野区に開設した。
 学科は6年制の薬学科(定員1800人)と4年制の生命薬科学科(定員160人)。東北地方の病院薬剤師の48.3%を同大出身者が占める。



http://www.kahoku.co.jp/special/spe1145/20140829_02.html
医学部決定、被災地の思い
2014年08月29日金曜日 河北新報

 東北薬科大(仙台市青葉区)への医学部新設が28日、事実上決まった。東日本大震災で医療環境の厳しさに拍車の掛かる被災地で、東北に誕生する七つ目の医学部に寄せる思いを拾った。

◎気仙沼市立病院/開業医減り混雑常態化

 平日午前9時の気仙沼市立病院。228台収容の駐車場は、瞬く間に埋まった。病院の周辺に乗用車が列を成す。夜明け前から病院の正面玄関前に並ぶ患者もいるという。
 気仙沼医療圏の病院や診療所は、震災後の再開率が73.2%で頭打ちの状態が続く。開業医が減った分、患者は基幹病院の市立病院に押し寄せた。
 「市立病院の医師は一定程度確保できている」と説明する菅原茂気仙沼市長だが、すし詰めの待合スペースとのギャップは大きい。

◎岩手・大槌の勤務医/救急医療再開願う

 津波で流失した岩手県立大槌病院では、夜間や休日の救急診療は休診が続く。救急搬送は峠一つ隔てた釜石病院がカバーしている。
 「救急診療には一定数以上の医師が必要。少数の医師が無理をすれば、今度は医師が疲弊してしまう。過重労働を嫌ってへき地勤務を希望する医師がいなくなったら元も子もない」
 大槌病院の岩田千尋院長は、医師不足を端緒とする地域医療崩壊のシナリオを懸念し「地域の救急医療の維持にも貢献してもらいたい」と新医学部に願いを託した。

◎福島・双葉の避難住民/「帰還へ役割重要」

 2万数千人の避難住民が身を寄せるいわき市では、医療機関の混雑が慢性化している。
 福島県双葉町から避難した斉藤宗一さん(64)は最近、茨城県へと引っ越した。それでも、県境を越えていわき市の病院まで片道20キロ以上を毎週通う。「混んでいても通い慣れた病院がいい。双葉町の知り合いにも会える」
 斉藤さんは、新医学部が復興に重要な役割を果たすと考えている。「病院、学校といった生活基盤が整って初めて地域に人が戻る。福島や東北の再生に向けた一歩だ」



http://www.kahoku.co.jp/special/spe1145/20140829_01.html
大学の学生やOB、薬学との連携期待
2014年08月29日金曜日 河北新報

 東北薬科大への医学部新設が、文部科学省の構想審査会による協議で決定したのを受け、同校の学生や卒業生からは28日、歓迎と期待の声が上がった。
 花巻市出身で薬学部5年の戸来賢明さん(24)は「以前から古里の医師不足を感じていた」と言い「大学には、卒業生が東北にしっかり定着するような運営をしてほしい」と話した。
 医学部は2016年春に開学予定。「準備が間に合うか心配」と薬学部4年の福井恭子さん(22)は気をもみつつ、「新たに医学部が加わることで、薬学部の学生にも大いに刺激になる。相乗効果でキャンパスが活気づく」と期待を寄せた。
 東北薬科大は1939年創立。卒業生の総数は2万人を超える。東北地方の病院薬剤師の半数近くを同大出身者が占める。
 OBで仙台逓信病院(仙台市青葉区)薬剤部長の遠藤孝さん(56)は、大学が長年培ってきた経営ノウハウに基づく構想が評価されたと分析。「新設される医学部の学生が、薬学の専門的知識を同時に学べる点は大きなメリットだ。医療現場においても、医師と薬剤師の連携が深まることが期待できる」と話した。
 若林区で薬局を経営する東北薬科大同窓会宮城県支部長の北村哲治さん(67)は「医師や薬剤師それぞれの道を目指す若者が、教育の場で交流を図る経験は将来役立つはず。医師不足が深刻な過疎地の地域医療を支える人材を多く輩出してほしい」と願った。



http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20140829_2
東北薬科大に医学部 16年新設へ、本県関係者は懸念
(2014/08/29) 岩手日報

 東日本大震災からの復興支援策で、東北地方の1大学に限って認める医学部新設について、文部科学省の構想審査会は28日、東北薬科大(仙台市)を選定した。名称を東北医科薬科大に変え、2016年4月に開設する予定。医学部新設は1979年の琉球大以来、37年ぶりとなる。 

 審査会は、地域医療や災害医療についての教育カリキュラムを充実させることや、開設に必要な教員や医師の確保策、財政面の安定などを評価したとしている。一方、不十分な点も指摘。選定の条件として、東北各県や大学などと運営協議会を立ち上げて卒業生の地域定着策を協議することや、120人とする入学定員の見直しなどを求めた。

 岩手医大の小川彰理事長は28日、「(教員として)本県の医師が引き抜かれ、復興どころか地域医療の崩壊を招く」と国の方針をあらためて批判した。「どの病院も医師1人を抜かれただけで診療科の存続が脅かされる」と医療現場の実情を説明。「新設には教員確保で300人近い医師が必要になり、本県への影響は避けられない」と警戒を強める。

 県医師会の石川育成会長は「医学部の定員増で近い将来、医師数が過剰になるのに、本県では新たな医師不足に見舞われる。国が考えるべきは地域偏在の解消だ」と指摘する。



http://www.yomiuri.co.jp/national/20140829-OYT1T50036.html
大学医学部新設、喜ぶ人ばかりではない重大理由
2014年08月29日 10時14分 読売新聞

 文部科学省の構想審査会が28日、東北薬科大が改称して設置を目指す「東北医科薬科大」(仙台市)への大学医学部の新設を決定したが、岩手県内の医療関係者からは医師不足の加速を懸念する声が上がっている。


 医学部の新設は、東日本大震災の復興支援の一環で、東北地方の医師不足を解消するのが狙い。しかし、医学部の新設には多くの医師が必要となるため、「全国医学部長病院長会議」などが医師の引き抜きなどを懸念する声明を出していた。

 県内でも、県医師会が東北6県の医師会で作る「東北医師会連合会」の一員として反対を決議していた。石川育成会長は「新設で医師の数を増やすより、盛岡近郊に集中している医師の偏在をなくすのが先決ではないか」と話した。

 医学部を新設しても卒業して一人前になるまで15年前後かかると言われる。岩手医大の小川彰学長は「医師不足に悩む地域医療の崩壊は加速する。国は震災復興のシンボルとしているが、被災地で頑張る医師を疲弊させるもので、逆効果でしかない」と話す。

 7月の構想審査会では、千葉茂樹副知事が「医師の引き抜きなどによる影響がないようにしてほしい」と要望。達増知事は28日、「県としてどのように対応していくか内部で検討していきたい」とのコメントを出した。



http://sankei.jp.msn.com/region/news/140830/myg14083002190001-n1.htm
宮城知事「真摯に反省」 医学部新設の県構想落選
2014.8.30 02:19 産經新聞

 東日本大震災の復興支援策として国が東北に1校に限り認めた大学医学部の新設で、文部科学省の構想審査会で県の構想が落選となったことについて、村井嘉浩知事は29日、県庁で会見し、「正面から受け止め、真摯(しんし)に反省する」と述べ、選定された東北薬科大には「大きな使命を持っており、単に81番目の医学部にならないようにしてほしい」とエールを送った。

 また、「医学部新設は国策」として、「財源が足りない分は国の財政措置があってもいい」との考えを示した。

 県は構想提出期限の直前になって医学部新設に参入を決めた。審査会から「準備不足」が指摘されたことについて、村井知事は「準備不足といわれれば、それ以上、申し上げることはない」と述べた。その上で、「数日間でつくった構想なので(東北薬科大とは)雲泥の差がある」として、「構想の中身だけをみて判断し、将来性は判断しないというのであれば、手を挙げることはなかった。文科省には不信感を持っている」と語った。

 県立医学部での参入については「県立がより目的にかなうと判断した。結果は県立ではないが、県内にもう1カ所新設される目的は達成できた」と強調した。

                   ◇

 ■「貢献する医師育てたい」 東北薬科大学長一問一答

 医学部の新設先に選定された東北薬科大の高柳元明学長は28日夜、仙台市青葉区の同大で会見し、「地域医療に貢献する意欲を持った医師を育てていきたい」と抱負を語った。

 高柳学長との一問一答は次の通り。

 --選定される自信はあったか

 「なかった。宮城県が手を挙げたので、90%ぐらい宮城県に決まると思っていた。私学は限られた財源しかない。県は『ないない』とは言ってもいくらでも出そうなので、比較にならないと思った」

 --東北薬科大はどこが評価されたと思うか

 「教員や地域医療のネットワーク、財政などトータルにみて、最も良いとなったのではないか」

 -今後の課題は

 「(卒業生の)地域定着策のための修学資金(奨学金)だ。6年間の学費3400万円のうち3千万円を免除にする考えで、トータル150億円ぐらいの基金が必要となる」

 -教員や病床確保のめどはついているのか

 「教員は打診先からある程度の内諾は得られている。病床はあと200床ぐらい必要だが、既存の病院の取得(買収)で対応できると思う」



  1. 2014/08/30(土) 05:40:57|
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