Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

8月20日 

http://www.cabrain.net/news/regist.do;jsessionid=90FBEE0D47206F373E65A511F343B7E2
医師臨床研修の到達目標、初の大幅見直しへ- WG初会合
( 2014年08月20日 21:56 )キャリアブレイン

 医師臨床研修制度の到達目標と評価方法の在り方を検討するワーキンググループ(WG)が20日、初会合を開いた。WGは今後、厚生労働科学研究の枠組みを活用したり、関係団体からヒアリングしたりした上で、2016年度中に検討結果をまとめる。厚労省では、20年度からの研修に、新たな目標と評価方法を適用させることを目指している。到達目標は、現在の臨床研修制度が04年度にスタートしてから、基本的な内容が変わっていない。【佐藤貴彦】

 この日、初会合を開いたのは、「医師臨床研修制度の到達目標・評価の在り方に関するワーキンググループ」。診療に従事しようとする医師が、2年以上受けるよう医師法で規定されている臨床研修をめぐっては、医道審議会医師分科会の医師臨床研修部会が昨年末、その見直しの方向性を報告書にまとめた。

 これを受けて、妊娠・出産などで研修を中断した場合に円滑に再開できるようにしたりする制度の見直しが、15年度の研修から適用になる予定。一方、研修の到達目標や評価手法については、20年度からの制度への適用に向け、同部会の下に検討の場を設けて見直すこととしていた。

 臨床研修の到達目標と評価の在り方は、WGの座長に選任された福井次矢・聖路加国際病院長を研究代表者とする今年度の厚労科学研究のテーマになっている。WGは15年4月以降、この研究班からの報告を受けて議論を本格化させ、月1回程度のペースで会合を開く。関係団体からのヒアリングなどを経て検討結果をまとめ、16年度中に医師臨床研修部会へ報告する。

 WGの次回の会合は、年末を予定している。そこでは、研究班からの中間報告や、今年3月に研修を修了した人を対象としたアンケートの結果報告を受ける。さらに、研修を修了した人を対象に来年行うアンケートの内容も検討する。

 この日の会合では、研究班が今後、▽人口動態や疾病構造の変化▽医療提供体制の変化▽診療能力の評価▽項目の簡素化▽評価の標準化▽医師養成全体の動向-といった観点から、データの収集・分析を行うことが報告された。データの収集は、臨床研修の修了者や指導医などのアンケート調査のほか、指導医に対するインタビュー調査などを通じて行うとした。

 そのほか、研修の到達目標や評価方法をめぐり、委員の意見交換がなされた。到達目標をめぐっては、神野正博委員(董仙会理事長)が、高齢化の進展に伴う人口動態や疾病構造の変化を反映させる必要性を強調。具体的には、介護保険や外来診療、健康に関するコンサルテーション機能なども医師に求められているとし、そういった視点を取り入れるよう提案した。

 一方、評価の在り方に関しては、田中雄二郎委員(東京医科歯科大理事)が、「(評価方法として)コアになるものが統一されていて、(それぞれの)研修施設がオプションで加えるのがいい」と提案。古谷伸之委員(東京慈恵会医科大准教授)は、「(今の方法では)評価が付いて、何をしたらいいか、どういう学習方法を取ったらいいかが生まれない。評価されることで、研修医が次のステップを踏める、実効性のある方法を考えていただけるといい」と述べた。

 また、検討の進め方をめぐり、伴信太郎委員(名大医学部付属病院総合診療科長)は、「臨床研修制度が始まって、10年になる」と述べた上で、研修を修了したばかりの人だけでなく、修了後にしばらく経験を積んだ中堅の医師にも、制度に関するアンケート調査を行うよう要望。中島豊爾委員(岡山県精神科医療センター理事長)は、学部教育が目指す医師の養成の方向性を、臨床研修の議論に反映させるべきだとした。



http://www.ehime-np.co.jp/news/local/20140820/news20140820694.html
地域医療志す参考に 愛南で医学生ら対象セミナー
2014年08月20日(水) 愛媛新聞

 将来の医師と看護師が地域医療の現状と課題を学ぶセミナー「愛南町の医療を考える会」が18、19の両日、愛媛県愛南町城辺甲の城辺社会福祉会館などであった。
 医学部の医学、看護学両科の学生に進路選択の参考にしてもらおうと愛媛大と町、南宇和郡医師会が2012年から毎年実施。愛媛大と、愛媛大から移った教授が指導する順天堂大(東京)の学生計33人が参加した。
 18日は県立南宇和病院の鶴岡高志院長ら、町内で勤務する医師が現状を報告。24時間対応の在宅医療に取り組む松本クリニック(一本松)の松本毅院長は、「患者中心の医療をしたいと在宅医療を志した」とし、「在宅医療は患者、家族とコミュニケーションが取りやすく、医療知識を伝えることで予防につながっている」と効果を説明した。



http://mainichi.jp/select/news/20140821k0000m040112000c.html
臨床研究事業:顧問が補助金審査の評価委員 利益相反か
毎日新聞 2014年08月20日 22時35分

 アルツハイマー病の早期発見を目指す臨床研究事業「J−ADNI」(ジェイ・アドニ)の最高顧問を務める井原康夫・同志社大教授が、同研究事業に厚生労働省の補助金を出すかを審査する評価委員に就いていたことが分かった。厚労省は井原氏の選任について「不適切だった。再発防止策を検討したい」と話している。

 同研究事業は2007〜12年の予定で全国38医療機関が参加したが、検査データの不備で完結していない。厚労省などによると、井原氏は10年1月、10〜12年度の同研究事業に「厚生労働科学研究費補助金」を交付するかを話し合う評価委員となり、審査に加わった。しかし厚労省から委員に選任された際、同研究事業の最高顧問であることを説明せず、厚労省もその事実を見過ごしていた。

 同研究事業は、井原氏を含めた11人の評価委員の書類審査や話し合いを経て10年度に5200万円の補助金を受けた。また井原氏は評価委員でなかった07年度に、研究費用として補助金200万円を受けている。井原氏は「厳密には(利害関係が絡んで公正さが疑われる)利益相反にあたるかもしれないが、当時はそう考えなかった。審査をゆがめてはいない」と話している。【遠藤拓】



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/43577.html
報告書への再発防止策記載に慎重論も- 厚労省ガイドライン案研究班
( 2014年08月20日 22:03 )キャリアブレイン

 医療事故調査制度の運用ガイドライン案を検討している「診療行為に関連した死亡の調査の手法に関する研究班」(研究代表者=西澤寛俊・全日本病院協会長)は20日に会合を開き、院内調査報告書の記載事項や遺族への説明の仕方などについて議論した。その中で、再発防止策の記載を必須とするかどうかについて、委員から慎重な意見があった。【君塚靖】

 調査報告書での再発防止策の取り扱いが論点になったのは、その報告書が後に裁判の証拠などに利用されるとの懸念が根強く、そのままでは当事者から、原因究明につながる証言が得られない可能性があるからだ。会合後に記者会見した西澤氏は、「再発防止策については、書かない方がいいのではないかとか、ケース・バイ・ケースとして、必須項目にしないことにしてはどうかといった意見があった」と説明した。

 この日の会合では、調査報告書に記載する事項について議論を深めるために、日本医療安全調査機構で実施している「診療行為に関連した死亡の調査分析モデル事業」などの記載事項を参考にした、たたき台を基に議論した。具体的な記載事項としては、▽目的▽事実の概要▽医学的評価▽結論▽再発防止策―が挙げられた。遺族への説明者については、調査担当者とする案や患者の主治医とする案のほか、主治医の同意の下に管理者が定める形にする案など、複数の案が出た。

 また、議論の中では、遺族への調査結果の報告方法について、調査が長期間にわたることもあるため、中間報告のような形で報告し、遺族の不安を取り除くべきとの指摘があった。会見に同席した日本医療安全調査機構の木村壯介・中央事務局長は、「遺族を代表する委員から、一体何が起きたのか、真実をきちっと報告することで、遺族の納得につながり、紛争に至らなくなる。報告書が出来上がるまでに、進捗状況を伝えてほしいという意見があった」と述べた。木村氏は、この研究班で、ガイドライン案の「調査結果の報告や説明の在り方」の部分の取りまとめを担当する。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/43578.html
ドクターヘリの安定運航のための予算要求- 関西広域連合が要望書
( 2014年08月20日 20:11 キャリアブレイン

 関西広域連合(連合長=井戸敏三・兵庫県知事)はドクターヘリの安定的な運航のための予算措置を求める要望書を、2府5県の首長らの連名で厚生労働省に提出した。【真田悠司】

 同連合の広域医療担当委員の飯泉嘉門・徳島県知事が19日に同省を訪れ、二川一男医政局長に手渡した。

 要望書は、国の今年度の「医療提供体制推進事業費補助金」が約151億円と前年度から約76億円減額され、それに伴い、ドクターヘリ事業への配分も削減されたことを受けたもの。

 同連合によると、京都、兵庫、鳥取を運航範囲に、兵庫県豊岡市の公立豊岡病院が運営するドクターヘリの昨年の出動回数は、国が想定する433回を大幅に上回る1422回に上ったという。

 このため、要望書は、「財源確保が困難となり、今後の安定的な運航にも大きな支障をきたす恐れもある」としている。



http://mainichi.jp/area/miyazaki/news/20140820ddlk45010312000c.html
県:13年度決算見込み 歳入・歳出、3年ぶり増加 病院事業19年ぶり黒字 /宮崎
毎日新聞 2014年08月20日 地方版

 県は、2013年度一般会計などの決算見込みを発表した。国の緊急経済対策を受けた12年度末の追加補正予算の大半が繰り越された影響で、一般会計の歳入・歳出はいずれも3年ぶりに増加した。企業局では、原発再稼働問題による九州電力の経営悪化に伴い、保有する同社株が初めて無配当に。病院事業収支は19年ぶりの黒字を達成した。

 一般会計の歳入は前年度比6・8%増の6135億928万円、歳出は同6・1%増の5985億1086万円。財政課によると、12年度追加補正のうち、公共事業費398億円の約93%が13年度に繰り越されたため。県債の実質残高は5%減の5697億6670万円だった。

 企業局では売電事業、日向市の細島工業団地への給水事業など3事業がいずれも黒字を維持した。しかし、業績悪化前は億単位の配当があった九電株(310万株)が無配となり、配当金を原資とする「開発事業特別資金特別会計」(知事部局、12年度1400万円)への繰り出しができなかった。

 県立3病院(宮崎、延岡、日南)の事業収支は、入院・外来の延べ患者数がいずれも対前年度比3000〜2500人増えるなどしたため、病院局は1994年度以来の黒字となった。患者増の要因は、宮崎大から医師の派遣を受けた延岡の消化器内科再開や、地域医療を担う総合医を育成する日南の同大サテライトセンター開設という。病院事業を支える一般会計からの繰り入れは、前年度比2・5%減の38億3000万円だった。【門田陽介】




http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtpronews/1408/1408049.html
医学部定員増への負担,多くの大学が「もう限界」
日本医学教育学会特別委員会の全国調査で明らかに

[2014年8月20日] Medical Tribune / MT Pro

 2007年からの6年間で医学部の定員は急激に増え,1学年の定員が最大で50人増えた大学もある中,各大学は厳しい対応を強いられている。日本医学教育学会の特別委員会では医学部定員増に関する教育現場の諸課題を明らかにする目的で,2011年6月と2013年8月の2回,全国80の医学部・医科大学を対象に調査を実施。同委員会のメンバーである高知大学病院総合診療部教授の瀬尾宏美氏は,2回の調査の集計結果を第46回日本医学教育学会大会(7月18〜19日,大会長=和歌山県立医科大学理事長/学長・岡村吉隆氏)のシンポジウム「定員増に伴う諸課題」で紹介し,かなりの大学で定員増に対する負担はほぼ限界に達している現状を指摘した。

在籍数は2年生が最も多いことが明らかに

 初回調査では80校中52校(65.0%)から,2回目は78校(97.5%)から回答が寄せられた。特に2回目の調査は定員増後に入学した世代が臨床実習に入るタイミングである2013年8月に実施されたため,関心が特に高かったと推察された。なお,80校全ての大学がいずれかの調査に回答しており,2回とも回答したのは50校であった。

 調査項目は学生の在籍数,教育環境の変化,学生の変化,教員の負担,定員増に伴う教育環境の整備,今後の意向など。

 在籍学生数は,2回の調査ともに2年生が一番多く(平均120人),この傾向は全国的に認められ,最も多かった大学では160人であった。

 定員増に伴う教育環境(施設・機器など)の変化については,講義室が手狭との声が多く聞かれたが,2回目の調査では7割以上が「講義室や実習室の拡充などの建物整備」を実施済みあるいは計画中と回答。ロッカーやトイレ,食堂,駐車場などの修学環境についても6割強が対応を進めていた。顕微鏡やシミュレーターなどの教育機器の整備については8割以上が整備を行ったか計画中と回答しており,拡充が容易なものから実行に移している様子がうかがえた。

学生の学力は低下し教員の負担は増加

 学生の学習態度や成績に関しては,2回目調査で78校中37校(47.4%)が定員増後に変化ありと回答。変化の内容としては授業態度の悪化(遅刻・欠席・私語など),試験不合格者や留年者の増加などが多く挙げられた。

 教員の負担は,2回とも回答した50校で見ると,2回目調査時点で増えており,上級生の増加に伴う臨床系教員への負担増を反映していると推察された。それを裏付けるように,教養教育や基礎医学講義より基礎実習や臨床実習(学内)などで負担増の回答が多く寄せられた。

 今後の定員増に関する意向では,80校中40校が「これ以上は増やさない方がよい」と回答しており,過半数の大学がこれ以上の定員増は困難と考えており,学生数としては限界にきていることが示された(図)。  
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 瀨尾氏は「政策と各大学のキャパシティーを勘案しつつ,定員増については慎重に考えていくべき」と今回の報告を締めくくった。

(古川 忠広)



http://www.yomiuri.co.jp/local/chiba/news/20140820-OYTNT50292.html
銚子市立病院 医療公社が運営
2014年08月21日 読売新聞

 銚子市は20日、銚子市立病院の2015年度以降の経営形態について、医療公社を設立し、公社が指定管理者として運営することを決め、越川信一市長が市議会議員協議会で報告した。市の病院への関与を強化するため、公社の理事長には市長が就任する。


 現在、同病院を運営している医療法人財団の指定管理期間は14年度で終わる。

 市は15年1月をめどに一般財団法人の銚子市医療公社(仮称)を設立する。公社の理事会出席メンバーに市幹部を含めるほか、経営力ある人材を登用する方針で、指定管理期間は15年4月から10年間。

 現在の病床数は128床、医師は常勤8人、非常勤27人で、職員計177人が勤務している。

 規模は現状を維持し、約30人いる事務員は10人程度に減らす方針。常勤医師は現状確保を目指すが、20日時点で15年度以降も勤める意思を示しているのは3人という。

 病院運営に対する市の財政支援は「国からの交付金の範囲を基本としつつ、適切な財政支援額を公社と協議する」という。

 越川市長は協議会で「常勤医師の確保ができなければ病院経営が破綻する。銚子出身の医師などに当たりたい」と述べた。また、この後の記者会見で「市の病院への関与を強化し、公益性と透明性、経営能力を高めたい」と述べた。



http://www.m3.com/open/iryoIshin/article/243678/?category=report
事故報告書、遺族に渡すべきか否か
第4回会議、報告書や説明の在り方を議論

2014年8月20日 橋本佳子(m3.com編集長)

 厚生労働科学研究費補助金による「診療行為に関連した死亡の調査の手法に関する研究」の第4回会議が8月20日に開催され、「調査結果の報告や説明の在り方に関する事項」について議論した。

 会議後に会見した研究代表者の西澤寛俊氏(全日本病院協会会長)は、「今回の制度の目的は、院内調査を確実に行うこと」と断った上で、調査結果の報告書の内容は、目的、事実の概要、医学的評価、結論、再発防止策、関係者への対応などの項目に分けて整理する予定で、今後、院内調査の具体的な内容を議論した上で、さらに検討を進める。ただし、報告書を作成するか否か、院内調査報告書を作成する場合に再発防止策を盛り込むか否かなどの点で、意見が分かれたという。「説明の在り方」に関しても、報告書を渡すべきという意見の一方、カルテに記載し、それを開示すれば済むとの意見も出た。

 「調査結果の報告や説明の在り方に関する事項」の取りまとめを主に担当する、日本医療安全調査機構中央事務局長の木村壮介氏は、報告書作成の要否については、「必要というのが、主な意見。ただし、裁判に使われることを懸念して、診療録に記載し、その開示で足りるのではないか、という意見があった」と解説。

 院内調査報告書への再発防止策について、「記載する必要なし」としたメンバーからは、主に二つの論拠が提示されたという。一つは、後方視的に検証し、「こうすべきだった」「こうしたものを用意しておけばよかった」ということを報告書に書くと、それを行っていなかったことが問題になる点。もう一つは、再発防止策は、複数の事例をデータベースとして集積、分析する形で取りまとめ、社会に還元すべきという理由だ。

 木村氏は、個人的な意見として、次のようにコメントした。「院内調査を行い、原因究明すると、必然的に再発防止が議論されると思う。報告書は一つだと思うので、議論してどこかに残したとしても、報告書に書かないのは普通は考えられない」。要は報告書の表現の問題であり、事故の医学的評価ではなく、後方視的に検証した結果であることが分かる書き方にすべきというのが、木村氏の考えと見られる。

 もう一つの論点である「説明の在り方」について、木村氏は、「報告書を渡すという考えがベースにある。それに対して、裁判等で使われる、つまり“悪用”される懸念もあるので、診療録の開示でいいのでは、という意見があったが、その意見が大勢が占めたわけではないと私は理解している」と説明。

 「説明の在り方」については、誰が行うのかという論点もある。「第三者性、透明性がよく言われるが、院内調査においては、主治医の同意のもとに、管理者に、誰に説明をしてもらうかを決める形でいいのではないかというのが、大方の意見だったと思う」(木村氏)。研究班が作成予定の医療事故調査制度のガイドラインのたたき台では、この点について、(1)原則として誰が行うか、(2)典型例、(3)配慮すべき事項――の3点についてまとめる予定だという。

 さらに、木村氏は、遺族への説明について、日本医療安全調査機構の経験を踏まえ、「何が実際に起きたのかをきちんと報告することが、遺族にとっては一番納得でき、それをすれば紛争にならない」と説明。調査結果が出るまでに時間がかかる場合には、中間報告などの形で進捗状況を説明することが、遺族の納得につながるとした。

 なお、「説明の在り方」に関しては、紛争処理との切り分けも論点になった。西澤氏は、「本制度の目的に特化するため、紛争にかかる質問は、別の場を設けて対応してはどうかという意見があった」と説明。木村氏も、「事故調査は、医学的な評価を行い、原因究明、再発防止につなげるのが目的。しかし、『なぜ、こうしたことが起きたのか』などをやり取りする過程で、紛争処理との切り分けが、院内では難しくなる。紛争にかかわるような質問は、別の場で行うようにした方がいいという意見があった」とした。本研究班では、紛争処理の在り方については議論から外す方針。

 第4回会議で、「調査結果の報告や説明の在り方に関する事項」の2項目に関して出た意見は次の通り。

「調査結果の報告や説明の在り方に関する事項」への意見(研究代表者の西澤寛俊氏による)

1.調査結果の報告
・今回の制度は院内調査が基本であり、院内調査の結果を待たずに、医療事故調査・支援センターの調査が行われないよう努力する必要がある。院内調査でできるだけやる。自律的にかかわっていく。
・調査結果については、報告書が必要ではないかという意見があった。一方、結果は、診療録に記載するのが通常であり、その開示で足りるのではないか、という意見があった。
・報告書は、目的、事実の概要、医学的評価、結論、再発防止策、関係者への対応等などの事項に分けて書く。ただし、その中で、再発防止策については、書かない方がいいのではないか、という意見があった。
・院内調査と医療事故調査・支援センター調査については、再発防止策を書けない場合があり、ケースバイケースであり、必須項目としないことしてはどうか、という意見があった。
・今回の制度の目的は、院内調査を確実に行うことであり、論点としては、まず報告書として作成するかどうか、報告書の内容は今回示した事項ごとに整理していく、院内調査の報告書に再発防止策を書くかが論点であり、院内調査の具体的な内容を議論した上で、これらをさらに検討していくことが、今回の全体としてのまとめだと思う。

2.説明の在り方
・患者や遺族は何が起きたのかを知りたいということであり、それをきちんと説明すれば紛争にはならないという意見が、遺族の代表からあった。
・最終報告だけでなく、中間報告あるいは調査のめどを説明してほしいという意見があった。
・遺族への説明者としては、調査を行った説明者が行う、あるいは患者の主治医が行うなどの意見があった。この点については、状況は千差万別なので、院内調査については、主治医の同意のもと、管理者が定める形としてしてはどうか、医療事故調査・支援センター調査については、第三者性の担保に留意してはどうかという意見があった。
・さまざまなケースがあるので、ガイドラインでは、原則と典型、配慮すべき事項にとどめてはどうかという意見があった。
・紛争処理との切り分けだが、本制度の目的に特化して、紛争にかかる質問は別の場を設けて、対応してはどうかという意見があった。
・結論としては、皆の意見を踏まえると、患者と医療者の信頼関係が崩れないように検討していくことだと思う。



http://www.m3.com/open/iryoIshin/article/243570/?category=report
女子医大、秘密漏示罪で刑事告発
遺族も告訴、患者情報の漏えい問題視

2014年8月20日 橋本佳子(m3.com編集長)

 東京女子医科大学は8月19日、同大で今年2月に起きたプロポフォール投与事故で、被疑者不詳のまま、刑法第134条に定める秘密漏示罪で牛込警察署に刑事告発した(資料は、女子医大のホームページに掲載)。遺族側も同様に20日に秘密漏示罪で刑事告訴している。

 同事件で、男児が死亡したのは2月21日。その後、男児の両親のもとに、フリージャーナリスト、大手新聞社、週刊誌の記者らから、手紙や電話などが来た。遺族側は個人情報の漏えいと問題視、これを受け、女子医大は6月20日から調査を開始していた(『女子医大、医療事故の患者情報漏えいで調査』を参照)。

 遺族側は、告訴事実として、「患者や両親の氏名、住所、年齢、外来での診療経過、疾患の内容、入院中の手術および術後管理の医療行為の内容などを、電子カルテにアクセスして取得した」と指摘、その上で、それらの情報を正当な理由なく、2月21日頃から3月13日頃の間、メモで交付したり、口頭でその内容を伝えるなど、秘密を漏えいしたとしている。

 個人情報の漏洩先は、7月に解任された、前女子医大学長の笠貫宏氏にも及んだようだ。笠貫氏は、7月4日に文部科学省で開いた記者会見時に、自身が遺族に手紙を出したことを認めたものの、遺族の情報の入手先については、「投げ込み」と答えるのみで明かさなかった(『「パンドラの箱を開けた」、女子医大学長』を参照)。笠貫氏は、大学の調査に対し、「理由があれば受けるが、理由が分からないことについては、調査は受けない。協力する気持ちはある。何ら拒否していることはない」と答えていた。

 女子医大は約2カ月にわたり、女子医大の病院職員らに調査を行った。しかし、女子医大、遺族側ともに「被疑者不詳」としていることから、キーパーソンからは十分な回答を得られなかったり、調査に応じなかった者もいるとみられる。

 刑法第134条1項は、「医師、薬剤師等が、正当な理由なく、業務上取り扱ったことについて知り得た人の秘密を漏らしたときは秘密漏示罪が成立する」とし、6カ月以下の懲役または10万円以下の罰金に処すると規定している。



http://www.m3.com/iryoIshin/article/240035/?portalId=iryoIshin&promotionCode=opIshin&pageFrom=openIryoIshin
私の医歴書◆草場鉄周氏(北海道家庭医療学センター)
「学習者を診断する」視点を養う◆Vol.7
カナダの家庭医療の大学院に留学

2014年8月21日(木) 聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

 研修医の指導方法を学ぶために、カナダのウエスタンオンタリオ大学に留学する。2004年秋のことだ。

 留学先は、ウエスタンオンタリオ大学の家庭医療のマスターコースです。このコースを創設されたイアン・マクウィニー先生は、カナダの家庭医療の祖のような方で、葛西先生自身も以前に学んだ経験があり、その教えに感銘を受けておられました。葛西先生自身がそれ以来、お付き合いがあったのです。

 このマスターコースは、基本は遠隔型。年に2週間は必ずカナダに行き、そこで集中的な講義を受ける。それ以外の期間はインターネットの「掲示板」のシステムを使い、大学院生だけでなく、教授も入って、勉強を進める。修了の期限も区切られておらず、僕にとって非常に勉強しやすいコースでした。

 この遠隔型のコースで、幾つかの講義を取りながら、計3年間学びました。メーンに学んだのは、医学教育と臨床研究。それに加えて、学問としての家庭医療も学びました。さらに、組織の経営に関する講義なども受けた。こうした講義と、実際にリサーチもやるというマスターコースだったのです。

 マスターコースには、カナダ人だけでなく、米国人、ブラジル人、中国人など、さまざまな国から学びに来ていました。2週間、カナダのロンドンという街に集まり、ディスカッションをして、その後はネット上でやり取りをする。テキストはなく、数多くの教育関係などの論文を読んで、討論をする日々でした。『Teaching & Learning in the Heath Science』は2004年に最初に学んだコースです。

 このコースを取っているのは、家庭医療の指導者、大学の教授を目指している人が主で、すごく刺激的でした。皆が留学の成果を持って帰る現場を持っており、それぞれ悩みながらも、家庭医療を教えようと考えていた人。国や医療制度は全然違うのだけれど、家庭医というアイデンティーは皆、同じなので、話が合うわけです。「僕は日本で今、こんな患者さんを診ている」と話しても、当たり前のように通じる。制度、言語、カルチャー、民族は違うけれども、「family medicine」は一つの医療分野であることも、確認できました。コミュニティー、家族や地域を考え、包括的に診るという概念は、「共通言語」であることを実感できたことは大きい。

 ネットでのやり取りは、学生が8人前後、教官が2人。チャットではなく、掲示板形式でそれぞれが空いている時間に書き込んでいました。ただ、時差があるので、相手が一生懸命書きこんでいる時間は、僕自身は仕事中のことが多く、仕事の合間にも、チラチラとパソコンを見てコメントしていました。議論についていけなくなったり、発言しないと、「いない」あるいは「何も考えていない」とみなされる。だから発言しなければならない。発言しないと単位ももらえず、卒業もできません。

 単位は、発言の内容の評価、各種のレポートやポートフォリオなどの総合評価です。マスターコースに籍を置いていた3年間は、教育にかける時間を短くした分、自分自身の勉強に充てた。だから、むしろ少し忙しくなりました。その甲斐あって、かなり高い評価をいただきました。書くものの、議論も全て英語。人生の中で、一番、英語を書いて、読んで、話した時期ですね。今の海外の方とのやり取りも、この時の経験が生きています。

 留学の成果は大きく、学習側の個性を見極めながら教えることの大切さなどを学び、草場氏自身にも余裕ができるようになった。

 勉強を通じて、それまで教育の中で「うまくいかない」と思っていた理由が、少しずつ分かり始めました。教え方自体も、すごく大切なのです。

 中でも一番の学び、気づきは「学習者を診断する」視点です。学習者一人ひとりに個性があり、違うわけです。いくら「これを勉強しなさい」「こんな本を読んだらいいよ」と言ってもダメで、何につまずいているのかをきちんと分析して、その後に必要な教育を提供することが必要です。

 以前は「学習者は、教えたら、学ぶものだ」という感覚がありました。自分が教わったように、教えていたので、「なぜこれができないのか」と思うこともありました。しかし、教える側が意気込んで教えると、教わる側も手一杯になり、息苦しくなってしまう。その辺りが非常に論理的に理解できるようになり、教え方をかなり変えました。

 長時間の教育をしたり、徹底的に直させるといったことはせず、ある程度、多様でもいい。「全員が同じように成長しなくても、この人なりに最終的に2年後に仕上がればいい」と思うようになった。肩の力を少し抜き始めて、僕自身も少し楽になりました。

 大切なのは、教える側と学習する側の関係性。学習者と僕との関係性がいい状態でないと学べない。今は当たり前と思うのですが、こうした発想はなく、「何を教えるか」で以前は頭がいっぱいだったのです。


  1. 2014/08/21(木) 05:36:55|
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