Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

8月4日 

http://digital.asahi.com/articles/ASG845QFFG84POMB012.html?_requesturl=articles%2FASG845QFFG84POMB012.htmlamp;iref=comkiji_txt_end_s_kjid_ASG845QFFG84POMB012
奈良)休診中の産科、県西和医療センターで再開へ
小林正典
2014年8月5日03時00分 朝日新聞デジタル 奈良

 県西和医療センター(旧県立三室病院、三郷町)で休診中の産科が再開する見通しとなった。早ければ2015年の早い時期にも再開する。医師不足で09年4月以降、出産の受け入れを停止しており、産科を持つ病院がない周辺自治体の首長からは、再開を求める声が上がっていた。

 センターは今年4月、地方独立行政法人化に伴い、県立三室病院から名称変更された。法人化に際し、18年度までには産科を再開する中期目標が掲げられたが、前倒しして実現できる見込みが立ったという。

 県立病院機構によると、産婦人科にはかつて3人の常勤医がいて、年間200件弱の分娩(ぶんべん)を担っていた。ところが、09年春までに2人が辞めたため産科の継続ができなくなった。

 しかし、最近になって県立医科大などから複数の常勤医が確保できる見通しとなり、非常勤の医師を含めて24時間態勢が組めると判断したという。県総合医療センター(旧県立奈良病院、奈良市)などから少なくとも5人の助産師も確保できることになったとしている。

 1人の女性が生涯に産むと見込まれる子どもの数(合計特殊出生率)を見ると、08~12年平均で香芝市(1・57)や斑鳩町(1・38)、三郷町(1・36)など、センター周辺に高い自治体がある。(小林正典)



http://www.news24.jp/nnn/news8719401.html
医学部進学セミナー地域医療のやりがい紹介
(石川県)

[ 8/4 19:54 テレビ金沢]

 医学部を目指す受験生に地域医療の担い手になってもらおうと、4日、進学セミナーが開かれ、医師らが医療の現場などを紹介した。
 このセミナーは医師不足の解消などを目的に県が開いており、この日は、医学部を目指す高校生や予備校生らおよそ100人が参加した。セミナーでは基幹病院の医師と医学部の学生が地域医療のやりがいや大学での実習などについて紹介した。2004年に研修先を自由に選択できる新たな制度が導入されてから、大都市の病院に人気が集まり、地方では、医師不足に拍車がかかっている。県内の臨床研修医の数も制度導入前の90人台が、一時、50人台まで落ち込んだ。県では、2009年から指定する医療機関での一定期間の勤務を条件とした奨学金制度を設けており、現在、県内の研修医の数は元の水準に回復しているという。



http://www.qlifepro.com/news/20140804/new-formulation-novartis-physician-led-clinical-research-global-guidelines.html
ノバルティス ファーマ 医師主導臨床研究グローバルガイドラインを新規策定
2014年08月04日 PM02:00 QLifePro

全プロセスにおける営業部門等の関与を禁止

ノバルティス ファーマ株式会社は7月24日、医師主導臨床研究(IIT)に関するグローバルガイドラインを新たに策定したとして、その日本語版ガイドラインをホームページ上で公開した。

グローバルガイドラインは、7月8日にスイスで発表されたもので、全世界のノバルティスに適用される。倫理、ガバナンス、透明性の原則を満たす倫理的な臨床研究を支援する姿勢を示し、全プロセスを通じて、マーケティングおよび営業部門の資金提供や関与、研究者の選定などへの影響力行使を固く禁じる旨を強く打ち出した内容となっている。

日本においても、今後ノバルティスが資金提供する全ての契約型IITに、このガイドラインを適用するという。また、これまで国内で使用してきたプロモーション資材も見直し、原則、このガイドラインに従って実施された契約型IITのみを引用することに決定したとしている。これらの本格的運用開始は8月末を予定している。

メディカル本部が資金提供を主導・管理

同ガイドラインでは、IITは独立した研究者または学界などの学術団体主導で計画され、科学的および医学的メリットのために実施される研究であるとあらためて定義。ノバルティスが参画していない臨床または非臨床研究であり、そのIITの実施責任者がノバルティスに対し資金や薬剤、またはその両方の提供を要求するものとしている。ノバルティスは、第三者の実施責任者が、各国の法律および規制要件に準拠していることを定めた契約書に従い、資金提供や薬剤の提供を行う。

また契約は、ICH-E6 GCPに明記されているような高い倫理と科学的基準を証明できる研究者または学界などの学術団体のみと結ぶ。

メディカル本部は、患者ケアおよび医療強化のため、専門家として医療従事者との科学的・教育的情報交換を目的としたコミュニケーションをとることができるとするが、販売促進を目的としたものは禁止する。また、医療従事者の担当する患者の治療方針に対する意志決定に干渉するものであってはならないことも明記されている。

IITの実施に際し、メディカル本部担当者は、研究者が作成したコンセプトシートの提出を受け、研究の評価を開始する役割を担う。資金提供については、財務の監視のもとでメディカル本部が主導し、管理する。支払いは、患者の登録や最終試験報告書の作成など、所定のマイルストーンにリンクさせ、これらが達成された場合のみに実施するとしている。

研究の進捗状況や結果、とくに安全性情報については、ノバルティスに適宜報告することを求めているが、試験デザインやデータ解析、報告などの責任は研究者が全面的に負うことを強調。メディカル本部も、IITの範囲や目的、デザイン、実施に関する指示を出してはならないと定めている。(紫音 裕)

▼外部リンク
・ノバルティス ファーマ株式会社 プレスリリース
http://www.novartis.co.jp/iit/s/20140724.html



http://www.tokyo-np.co.jp/article/gunma/20140804/CK2014080402000158.html?ref=rank
医療現場に「言葉の壁」 通訳の専門職化求める
2014年8月4日 東京新聞【群馬】

 外国人患者が適切な治療を円滑に受けられるように支援する「医療通訳」の現状を考えるシンポジウムが3日、前橋市の前橋プラザ元気21で開かれた。パネル討論もあり、ボランティアで支えられている医療通訳の厳しい課題が浮かび上がった。 (伊藤弘喜)
 医療通訳ボランティアでつくる「群馬の医療と言語・文化を考える会」(前橋市)が初めて主催。医療や外国人支援などの関係者約八十人が来場した。
 神奈川県を拠点に外国人医療に尽力している内科医の沢田貴志さんは「医療通訳は誰のため?」と題して講演。言語の壁によって適切な医療を受けられなかった外国人患者の例を挙げ、「診断まで時間がかかったり、誤診が起きたりすれば、不利益を受けるのは患者だけでなく、病院もそうだ。不要な治療がかさめば自治体も負担になる」と指摘。「医療通訳が入ることで医療が円滑に進めば、地域全体のメリットにつながる」と主張した。
 県内の医療関係者ら十人が参加したパネル討論では、群馬大医学部付属病院(前橋市)の斎藤節子副看護師長が「言葉の壁を心配して、重症化するまで病院にかからない患者もいる」と報告。
 県立がんセンター(太田市)のソーシャルワーカー、小池由美さんは「現場は、その場しのぎで対応している」と指摘した。
 医療通訳の周知不足もあり、患者が子どもや友人など医療知識がない人に通訳を頼み、医療が滞ってしまうケースもあるという。
 さらに小池さんは、医師側がボランティアの医療通訳にどこまで頼っていいか戸惑う場面もあるといい、「ボランティアでは限界がある。専門職として活躍してほしい」と求めた。
 県は二〇〇六年度から医療通訳ボランティアの派遣を始め、養成講座を受けた百人超が登録。派遣は年々増えており、一二年度で百三十一件だった。



http://www.gifu-np.co.jp/news/kennai/20140805/201408050845_23031.shtml
医療機関に通訳派遣 県の事業が本格始動
2014年08月05日08:45 岐阜新聞

 県は今月から、県内10の医療機関に、依頼に応じて医療通訳ボランティアを派遣するあっせん事業を本格稼働した。日本語が不自由な外国人が安心して医療機関を受診できるようにする。

 県内には約4万3千人の外国人が居住。日本語が話せない人も多く、医療機関でのコミュニケーションが課題になっているため、県が2012年度から実証実験を行ってきた。

 派遣するボランティアは27人(ポルトガル語10人、中国語12人、タガログ語5人)。全員が県国際交流センターが実施した登録試験に合格した。通訳時間は1回当たり約2時間で、謝礼は3千円。患者、または医療機関が負担する。

 県環境生活政策課は「今後、利用できる医療機関やボランティアを増やしていきたい」としている。




http://www.data-max.co.jp/company_and_economy/2014/08/11861/0804_takeda_dm1934_03/
武田薬品の社長交代劇に潜む外資の罠(3)
2014年8月4日07:07 NET IB News

 昨年、ノバルティスファーマ社の高血圧治療薬ディオバンの臨床試験に関して、全国6大学の臨床試験データが改ざんされていたことが明らかになり、狭心症などへの効能に関して事実に反する宣伝広告が行われていた問題について、厚労省が同社を薬事法違反(誇大広告)で東京地検に告発、東京地検特捜部は、同社と臨床試験を行った大学などに対して、捜索差押を行っている。
 それと同種の武田薬品の高血圧治療薬(ブロプレス)の臨床試験に関しても、重大な不正があると断じたNHKの報道が投じた波紋は大きなものがあった。事態を重く受け止めた武田薬品は第三者機関に依頼して実態調査に乗り出した。
sora4 武田薬品が調査を依頼した第三者機関のジョーンズ・デイ法律事務所は、株主総会が開かれる1週間前の6月20日、「同社が研究者らに統計解析の項目追加などを働きかけ、ブロプレスに有利な結果を出させていた」とする報告書を発表した。報告書によると「医師主導の研究の中立性を疑わせる組織的な関与があった」と指摘。一方で「臨床データの改ざんや捏造は確認できず、薬事法違反の誇大広告はなかった」とした。
 長谷川閑史社長は「関係者の方々に深くお詫び申し上げます」と謝罪。また今後の経営責任や自身の公職からの進退を問う質問も出たが、「今後考えます」と述べるに留めて会見場を後にした。
 臨床研究は2001~05年、京都大、大阪大、慶応大などのチームが、ブロプレス投与群と別の薬を投与した高血圧症の患者群とに分け、脳や心臓などの病気の発症に差があるかどうかを比較するために実施された。
 報告書で、「同社は研究者側に37億5,000万円を寄付して実質的なスポンサーとなっており、研究には同社社員が深く関与。主要な評価項目で、他社製品との『有意差がない』とする解析結果が伝えられる」と、「統計解析の項目の追加や、糖尿病の新規発症の定義変更を研究者に繰り返し要求し、『有意差あり』との結果を引き出した」と結論付けた。
 同社は「国際基準に照らして行った定義変更であり、医学的な結果をゆがめるものではない」と主張しているが、ブロプレスは1999年の発売以来、12年度までに約1兆4,000億円を売り上げている大型商品であるだけに、なにがなんでも『有意差』が欲しかったことが裏付けられる。報告書には触れられていないが、首脳陣が関与していたことは疑いのないものだといえよう。
 長谷川閑史社長は山口県大津郡日置町(現・長門市)の出身で、安倍晋三総理の本籍地も山口県大津郡油谷町(現・長門市)と同郷の誼もあり、経済同友会の代表幹事、日本製薬工業協会会長として、政府の産業競争力会議の民間議員を務めるなど、今は安倍総理に一番近い財界人であるだけに、今後の動向に注目が集まっている。
【北山 譲】



http://www.data-max.co.jp/company_and_economy/2014/08/11718/0801_takeda_dm1934_02/
武田薬品の社長交代劇に潜む外資の罠(2)
2014年8月1日07:05 NET IB News

 今年に入ると武田薬品にとってさらに事態は深刻化することになる。
 NHKは2月27日の午後6時のニュースで、「大手製薬会社、武田薬品工業が販売する高血圧の治療薬(ブロプレス)が、狭心症などの発症をどのくらい抑えられるのか調べた大規模臨床研究のデータが、薬の宣伝広告に使われた際、一部、病気を発症するリスクが低くなるよう変わっていたことがわかりました。」などと報じたのに続いて、翌28日の午後6時、7時のニュースでは、「ほかの製薬会社の薬と比べた臨床研究の結果を、平成18年ごろ、薬の宣伝広告に使った際、一部、病気の発症を抑える効果が高くなるようデータが書き換わり、研究の結果と異なるグラフが作られていたものです。さらに広告では、複数の専門家がこのグラフの意味を解説する形で、ブロプレスをより長期に使うと、狭心症などになる割合が減っていくなどと、臨床研究の結果と異なる宣伝をしていたことが新たにわかりました」と報じた。
 NHKはさらに追い打ちをかけるように、「臨床研究結果の解説をしていた1人で、臨床研究を行ったチームの代表者だった猿田享男慶応大学名誉教授が、NHKの取材に対し、『広告の記事内容は誤りで、事前にチェックすべきだった。』と話しています。」と、広告の記事が誤りであることを正面から認める研究チーム側のコメントを報じたからだ。
 武田薬品にとって問題は国内だけではなく海外においても深刻な事態となっている。
次期社長に内定しているクリストフ・ウェバー氏は、今年4月1日付で最高執行責任者(COO)に就任した。6月の株主総会を経て社長兼COOに就任し、同社初の外国人トップになることから、翌日の2日、東京都内で会見したウェバー氏は「武田は世界70カ国以上に拠点があり、新薬候補が豊富という強みを持つ。伝統の強みを生かして、グローバル化を進める」と抱負を述べ、国際化を一層進める考えを示した。
 しかしその一週間後の4月8日、アメリカ・ルイジアナ州の連邦地方裁判所は武田薬品工業が糖尿病治療薬「アクトス」について発がんリスクを隠したと認定し、懲罰的損害賠償として60億ドル=約6,200億円の支払いを命じる評決を出した。
 今回この薬を利用してぼうこうがんになったと主張するアメリカ人男性の訴えで、アクトスをめぐり米連邦裁判所で判断が下ったのはこれが初めてとなる。また陪審は原告への150万ドルの補償的賠償金の支払い、および武田薬品のパートナーである米イーライ・リリーに対しても、30億ドルの懲罰的賠償金支払いを認定した。
 アクトスをめぐってはアメリカの各地で訴訟が起こされており、昨年カリフォルニア州とメリーランド州の州裁判所の陪審が、武田薬品に総額820万ドルの損害賠償支払い義務があると認定したが、両裁判所の判事はいずれも評決を無効とした。
 専門家からは『この訴訟も無効となる可能性が高く、武田薬品の業績への影響はほとんどないのではないか』との意見や、『トヨタ車のリコール問題のように今後の展開次第では業績に大きな影響が出るのではないか』と懸念する声も聞かれる。内憂外患の武田薬品工業の新社長に就任したウェバー氏の力量が試されることになりそうだ。
(つづく)
【北山 譲】



http://www.data-max.co.jp/company_and_economy/2014/07/11598/0731_takeda_dm1934_01/
武田薬品の社長交代劇に潜む外資の罠(1)
2014年7月31日07:07 NET IB News

 武田薬品工業の株主総会が6月27日、株主4,141人が出席するなか、大阪市浪速区のボディメーカーコロシアムで開かれた。株主総会から1カ月が過ぎた今、武田薬品工業の本社では静寂を取り戻しているかのように見える。
 英製薬大手グラクソ・スミスクライン出身でフランス人のクリストフ・ウェバー最高執行責任者(COO)の社長就任に対し、創業家の一部などの株主らが反対を表明。また近年の海外企業の大型買収が業績に結びついていないこともあり、事前質問状を送付していた。
 総会に出席した株主によると、ウェバー氏(47)は挨拶で「武田イズムを継承する。日本の文化を大事にしたい」という趣旨の発言をしたが、外国人社長の起用やグローバル化の推進について幹部OB等が追及。それに対し武田側は「グローバル化の中で優秀な人材を起用しないと今からは生き残れない」などと説明したという。
 幹部OB等112人の株主の議決権数は全体の1~2%とみられ、ウェバー氏の社長就任の前提となる取締役選任議案など7議案は、審議に3時間4分を要したものの、執行部原案通り可決されて終了した。
 武田薬品は総会でウェバー氏が取締役に選任された後、午後に開催された臨時取締役会議で、同氏が社長に、長谷川閑史(やすちか)社長は会長に就任した。
 しかし社長交代後の武田薬品には難問が山積している。昨年の12月27日、武田薬品は糖尿病治療薬の新薬の開発を中止すると発表した。中止したのは「TAK875(一般名ファシグリファム)」で、膵臓にある「GPR40」という刺激を受け取る受容体に作用し、適度なインスリンの分泌を促す効果があるといわれている。既存薬に比べて低血糖や膵臓への副作用が少ない利点があるとされてきた。
 武田薬品は日米欧や南米、アジアなど約6,200人の糖尿病患者を対象にした最終(第3相)臨床試験(治験)を実施していた。しかし、一部の患者から肝機能の低下につながる可能性のあるデータが見つかり、肝臓専門の学者5人で構成する独立肝安全性評価委員会がデータを分析していた。独立委から肝機能の低下につながるリスクを指摘されたため、武田は急遽開発中止を決めた。
 次世代の糖尿病薬として2015年度以降の発売を予定し、発売されれば年商2,000億円規模の大型新薬としての期待が大きかっただけに、「TAK875」の開発中止の発表を受け、27日の東京株式市場で武田薬品の株価は一時、前日比420円(8%)安の4,680円と約1カ月半ぶりの安値を付けた。終値は265円(5%)安の4,835円だった。
 山口県内の大手病院の治験委員(外部)を務めている知人の話によると、「昨年12月までは『TAK875』をはじめとして、新規治験薬の臨床治験の申請件数は武田薬品が圧倒的に多かったが、7月になった今も申請はゼロとなっている。武田薬品は大変な事態になっているのではないか」と話す。
(つづく)
【北山 譲】



http://www.m3.com/open/iryoIshin/article/237170/?category=special
講義代わりに「公式の裏勉強会」◆Vol.2
5年生の終わりに「家庭医」に出会う

2014年8月5日 聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

 臨床講義に疑問を覚えた草場氏らは、講義には出席せず、同級生同士での勉強会を開始した。

 『Diagnostic Strategies For Internal Medicine』を基に、勉強会を開始しました。1日1例か2例ずつ取り上げるというスケジュールと各症例の担当者を決めた。その担当者が準備してまず説明し、それを基にディスカッションするという流れでした。朝9時に始まり、終わるのは夕方の5時。夜は予習もしなければいけない。講義を受けなくても、試験は免除されません。グループ全員、全て合格でした。講義には出なかったけれど、決して手を抜かなかったので、結構忙しかったですね。これを1年間続けたのです。

写真
草場鉄周氏は、自主的な勉強会とCOMLへの参加を通じて、臨床医、特に総合内科の仕事に興味を持ったという。
 当時の京大総合診療部には、今は聖路加国際病院長の福井次矢先生が教授、札幌医科大学地域医療総合医学講座教授である、山本和利先生が講師としておられたのです。お二人にお話ししたら、「なかなか、面白いじゃないか」と言われた。京大医学部の教授会でも、「試験的な試みでいいだろう」と許可が出て、最初は医学部の図書館の一室で勉強会を始めたのですが、数カ月後、医学部のセミナー室を正式に借りることができるようになりました。

 非常に快適な場所でした。毎朝、事務室に行き、鍵を借りて、セミナー室に入る。終われば、また鍵を事務室に返す。「公式の裏勉強会」でした(笑)。その成果はまとめ、教授会に提出しています。

 有志の医学生による勉強会は、約1年続けた。

 「公式の裏勉強会」で、臨床医の面白さを実感しました。患者さんの訴えから、いかに診断し、治療法を考えていくか。その際、それまで医学部で勉強してきた生理学や病理学、解剖学などが生きるのです。医学を勉強すること自体、非常に楽しいと感じるようになっていました。

 その頃のことです。僕が「教科書で勉強しても、患者さんのことがなかなか分からないよね」と言っていたら、僕の同級生が、COML(NPO法人ささえあい医療人権センターCOML)という患者団体を知っていて、1年生の頃から出入りしていたのです。「患者さんが集まって、賢い患者さんになろうという合言葉で非常に頑張っているよ」と聞いた。そこで大阪にあるCOMLの事務所に行って、当時の理事長だった辻本(好子)さんと、今の理事長の山口(育子)さんと出会って、「おいで。大いに勉強させてあげるよ」と言われました。今もやっていますが、「患者塾」に月1回、行き始めたのです。

 例えば、乳がんの患者さんは、乳房切除後の傷の痛みが続くことへの不安、あるいは抗がん剤で髪が抜けてしまうことで、非常に悩んでいても、ドクターがあまり気にしてくれず、「がんが治ったからいいだろう」などと言われて、傷ついたりしている。

 「患者塾」では、患者さん自身が、生々しい体験、思い、辛さ、生活などを語るわけです。僕は医師ではなく、医学生なので、格好の話し相手だったのでしょう。「いい医者になってほしい」という期待も込めて、「草場さん、私はこんな思いをしたのです」と次々と話し出す。“大阪のおばちゃん”も多いので、「こんな医師になっちゃ、ダメよ」などと言いたい放題、言ってくる(笑)。

 毎月1回、「患者塾」に通い、患者さんという存在の深さを知り、病気を持ちながら同時に「家族はどうなるんだろう」という思いを抱きながら、生活している患者さんを目の当たりにしたのです。僕は、世間をあまり知らない22歳の学生でしたから、諭されるような感じで、“シャワー”を浴びました。

 「患者塾」である意味、もう一度、目が開いた。「自分たちがやっている勉強会は意味がある」と思う同時に、「患者さんの生活なども診る医師になりたい」と思い始めたのです。「体と心の両方を診る医師になりたい」という思いが、僕の中ではだいたい4年生の終わりくらいで固まったのです。

 自主的勉強会や「患者塾」で得たものを通じて、総合内科に関心を持つようになり、さらに「家庭医」を目指すようになった。

 当時、京大病院にあったのは、「総合診療部」です。ただ、僕にとっては「総合診療部」はしっくりこなかった。京大病院の数百床のうち、「総合診療部」は数床しか持たず、大学内の位置づけも明確ではありませんでした。

 僕は、総合診療というより、総合内科に関心を持ったのです。そこで見学に行ったのが、舞鶴市民病院です。当時は松村理司先生がいて、研修に非常に熱心な病院として有名で、先生方もたくさんおられた。頭を使って、診断を考えていく。検査の際も、きちんとグラム染色をして、病原菌を同定して薬を出す。当たり前のことですが、「当たり前のことを、きちんとやる」ことに感動した。こうしたことは大学では学ばなかった。

 医学部5年生になる頃から、天理よろず病院、飯塚病院、沖縄県立中部病院、国立国際医療センターなど、当時、総合内科で有名だった病院に、春休みや夏休みなどを利用して、2、3日、あるいは1週間など、見学に行ったのです。あとは救急医療で有名な湘南鎌倉総合病院とか。夏休みなどの予定は、びっしり埋まっていました。5年生の終わり頃は、卒後の研修先として、飯塚病院に行こうと思っていました。当時、ちょうど力を発揮し始めて勢いがあり、スーパーローテーションでしっかり2年間勉強して、次の進路を考えようと考えたのです。

 そんな時に、医学部で臨床実習する際に私物を入れるロッカールームの扉に、「北海道家庭医療学センター、家庭医療エクスターンシップ」とポスターが貼ってあるのを、偶然に見つけた。僕の1年上の京大の先輩である守屋章成先生(現マイファミリークリニック蒲郡[愛知県蒲郡市])が、既にその時に北海道で初期研修をすることに決めていたのです。彼が同センターのトップだった葛西龍樹先生(現福島県立医科大学地域・家庭医療学教授)の依頼を受けて、貼ったのです。



http://medical.nikkeibp.co.jp/inc/mem/pub/series/kojo/201408/537674.html
白鬚橋病院、再建への約束(1)~都下有数の救急病院を引き継ぐ~
2014/8/5 日経メディカル

 今回編集部より要求されたお題は「白鬚橋病院、再建への約束」。これまでの2回に比べるとずいぶんカッコイイ。おしゃれな話を書けるかな?と期待していたが編集部は白鬚橋病院をM&Aで承継した際の裏話を書いてくれとか。そんなの書けないよ(多少は書くけど)。どうもハンサムとは遠ざかるばかりで困ったものである。

 なお今回の経営再建に関しては病院の取り組みを書くが、再建は介護老人保健施設のベレール向島、訪問看護ステーション、地域包括支援センターなどサテライト事業所の頑張りなくしては果たせなかったことをまず記しておきたい。


現在の白鬚橋病院の外観

白鬚橋病院ってどんな病院?
 最初に白鬚橋病院がどんな病院かご披露せねばお話が始まらない。白鬚橋病院は199床の救急病院。東京都墨田区北部、東京スカイツリーが倒れてきたら下敷きにならないかと心配な位置にある。周囲は典型的な江戸の下町で、少し歩くと東京随一の芸者街である向島。また、別な方向へ歩けば「あしたのジョー」の舞台となった泪橋があり、山谷地区となる。白鬚橋病院周辺は日活の名画「赤線玉ノ井ぬけられます」の舞台となった街である。

 さて、同病院は災害拠点病院、東京DMAT病院の2つの認可を同時に受けている民間病院としては極めて異例の病院である。倒産前のピーク時には年商39億円、年間6000台の救急車を受け入れており、救急車搬入台数では民間病院有数を誇っていた。

 倒産前は経営難から職員の流出が続き稼働病床が減少。救急車搬入患者の他病院への二次搬送が増加しつつも依然、救急医療を活発に行っていた。同病院は救急医療、災害医療、地域医療の3つの視点から、東京都に欠くことのできない病院であり、この地で長年にわたりわれわれ伯鳳会の経営理念である平等医療を体現している病院であった。

どうして伯鳳会グループへ?
 残念ながらこの病院が2012年12月19日、東京地方裁判所に民事再生の申請を行った。民事再生はプレパッケージ方式であらかじめスポンサーが決まっていたのだが、年末に諸般の事情でスポンサーが降りてしまったそうだ。この辺の事情を知らないまま2013年1月、東京の病院経営者の友人に年初の電話あいさつをしたところ、突然われわれ伯鳳会にスポンサーの打診があった。友人と私は日本大学医学部の同級生で、白鬚橋病院の経営母体(医療法人誠和会)の理事長は同じ大学の先輩であり病院協会の会合でも交流があった。

 地域にて平等医療実現に日夜努力している白鬚橋病院を、現状の経営方針、経営理念のもとで存続させることに高い社会的意義を感じたことに加え、人口増加地域、医療介護需要増加地域への伯鳳会の進出も果たせると考え、入札に参加。経営譲渡を目指すことにした。

 2013年2月27日の入札にて伯鳳会が落札、29日の東京都と墨田区のヒアリングを経て、伯鳳会傘下での事業再生が決定した。

入札・開札後のちょっとしたエピソード
 白鬚橋病院は担保価値のある物件が少ないにもかかわらず、税金、社会保険料の滞納、労働債権など減額できないものが多く、最低落札金額が35億円とバカ値で適正価格より15億円は高かった。東京地裁が指定したデューデリジェンス期間、つまり投資価値やリスクなどを精査する期間に、われわれ以外にもう1グループがデューデリに入ったが、この高値では実際にビットを入れたか否か今もって疑問である。

 東京地裁の開札翌朝、「35億円を出すスポンサーはいないはず、入札不調で破産処理に移行する」と睨んでいた全国の有力医療法人から、白鬚橋の事務長に次々と電話が入った。

 東北地方の友人、年若い病院経営者からも探りの電話が入った。「オレが入札すると知っていて良い度胸だ」と苦笑したが嬉しくもあった。それだけ白鬚橋病院は有力コンテンツであると全国の病院経営者から注目されているということ、その東北の友人が思ったよりタフな野郎だと分かったことである。病院経営者はこのくらいでなければ勤まりません。

東京地裁、東京都、隅田区との約束
 経営譲渡に際し、東京地裁、東京都、墨田区に以下の約束をした(させられた)。

1)経営体制
医療法人誠和会の行う全事業の譲渡を受け、安定的に継続・発展を行います。
2)組織の方針
活発な第二次救急病院であるとともに、災害拠点病院として重要な役割を果たすという白鬚橋病院の2つの大きな事業を継続します。同時に地域に密着した医療機関としての役割、介護事業にての役割も維持発展させます。

 つまり行政は今まで通りの事業の継続を強く望んでいた。倒産した病院を「そのままの事業形態で継続しろ」とは酷な話だと思ったが、逆に行政がそこまで望むなら現在の事業に確実な需要があるということである。伯鳳会はこの条件を飲んでスタートを切った。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/43439.html
ドクターヘリ広域運用、山梨など3県で開始- 大規模事故や重複要請に備え
( 2014年08月04日 17:08 )キャリアブレイン

 自県のドクターヘリだけでは対応が難しい大規模事故などに備え、山梨と静岡、神奈川の3県は、今月1日からドクターヘリの広域運用を始めた。多数の傷病者が発生したり、出動要請が重複したりした場合、他県のヘリを活用することで搬送時間の短縮を図り、救命率の向上につなげたい考えだ。【新井哉】

 広域運用の対象地域は、神奈川と山梨両県の全域と静岡県の静岡市以東の21市町。順天堂大医学部附属静岡病院(静岡県伊豆の国市)と東海大医学部付属病院(神奈川県伊勢原市)、山梨県立中央病院(山梨県甲府市)の各基地病院から出動する。

 出動要請の基準は、▽大規模事故などで多数の傷病者が発生▽重複要請があって出動が不可能―といった自県のドクターヘリだけでは対応が難しいケースを想定。傷病者が発生した県の消防機関が他県に直接要請するのではなく、基地病院間で調整し、状況に応じて出動させるという。

 山梨県は2003年から同県の富士・東部地域で、神奈川県と共同して東海大学医学部付属病院のドクターヘリを運用し、効果を上げていた。こうした経緯などを踏まえ、昨年12月に3県の知事がドクターヘリの広域連携に基本合意し、各県に数百か所あるランデブーポイントの周知や、運航マニュアルの調整などを進めてきた。

 基地病院から出動したドクターヘリは、傷病者を収容した後、基本的には要請先の基地病院まで搬送する方針。山梨県の横内正明知事は先月29日の記者会見で、「広域的な救急医療体制のさらなる充実が図れる」と期待を示している。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/43443.html
医師主導臨床試験の規制に関する動きに懸念- 慈恵医大の景山・臨床研究支援センター長
( 2014年08月04日 20:47 )キャリアブレイン

 日本製薬工業協会(多田正世会長)は4日、東京都内でメディアフォーラムを開催した。東京慈恵会医科大の景山茂・臨床研究支援センター長が「医師指導臨床試験と企業治験の違い」をテーマに講演し、最近の医師主導臨床試験の規制に関する動きに対して懸念を示した。【大戸豊】

 景山氏は、企業治験と医師主導臨床試験の違いについて、「Efficacy trial」と「Effectiveness trial」という言葉を用いて説明した。

 どちらも医薬品の有効性試験などと訳せるが、「Efficacy trial」は、被験者の▽重症度が一定▽年齢も一定範囲▽合併症なども少ない▽アドヒアランスも良好―など、最適の条件下で試験を実施する治験がこれに当たるという。
 一方、「Effectiveness trial」は、被験者の▽重症度もさまざま▽合併症なども抱えている▽年齢もさまざま▽服薬状況も個人によりバラバラ―といった、実臨床の条件下で行う試験であり、医師主導臨床試験がこれに当たる。

 景山氏は、文部科学省や日本の大学は基礎研究に力を入れてきた一方で、臨床研究の場は限られ、研究費の調達も難しいという状況が続いてきたという。近年ではこのような状況に改善の動きも見られるというが、景山氏は最近の医師主導臨床試験の規制に関する動きに対して、懸念を抱いているという。
 まず、医師主導臨床試験に求められる要件・精度は、治験とは異なると指摘する。さらに、治験の専門家は、臨床試験の制度や規制に精通しているが、医師主導臨床試験を行っている臨床医は、制度・規制に疎いという。

 景山氏は、現在臨床研究で問題になっているのは「Effectiveness trial」であると指摘した上で、「Efficacy trial」を念頭に置いて「Effectiveness trial」を論じてしまうと、制度や規制をミスリードする恐れがあると指摘した。
 そして、以前は医師主導の臨床試験が盛んだった英国では、医薬品を用いるすべての臨床試験に規制色の強い「ICH-GCP※」を適用したことで、申請から試験の実施まで以前の倍くらいの時間がかかるほか、費用も増加し、臨床試験の数が減少したという。
 景山氏はいったん不祥事が起こると世論は極端に触れるとしつつ、規制は“中庸”であるべきではないかと述べた。

※日米EU医薬品規制調和国際会議に基づいたGCP(医薬品の臨床試験の実施の基準)



http://www.m3.com/open/iryoIshin/article/239306/?category=report
東大、元教授ら4人の不正行為を認定
元教授、猛省しつつも「到底承服できず」

2014年8月4日 橋本佳子(m3.com編集長)

 東京大学は8月1日、同大分子細胞学研究所の旧加藤茂明研究室の論文不正問題で、加藤氏を含む4人の不正行為を認定した、同大科学研究行動規範委員会の第1次調査報告を発表した(資料は、東大のホームページに掲載)。

 4人とも既に東大を退職しているが、第1次調査報告は、在籍していた場合には、「懲戒事由等に相当する可能性がある」と指摘。しかしながら、加藤氏は、「不正行為を防止できなかったことは、全て教室主宰者である私の管理能力の欠如に基づくもので猛省している」と反省の弁を述べつつ、論文撤回回避のために、実験ノートのねつ造・改ざんなどを指示したという調査結果について、「到底承服できない」とし、第三者機関に判断を求めることなどを検討しているとのコメントを公表した。

 行動規範委員会は2013年12月の中間報告で同研究室の1996年から2012年の間に発表した165報のうち、「科学的に不適切な図を含む」論文が51報に上ったと認定(『東大元教授の51論文、「科学的適切性欠く」と中間報告』を参照)。今回はうち5報について、加藤氏のほか、旧加藤研究室の元助教授の柳澤純氏、元特任講師の北川浩史氏、元准教授の武山健一氏の4人が、不正行為に関与したと認めた。

 今後、残る論文についても調査を進めるほか、研究費の返還請求も検討する方針だ。最終報告の時期などは未定。

  論文掲載の「重圧」が不正行為の背景

 第1次調査報告はまず、不正の発生要因・背景として、「国際的に著名な学術誌への論文掲載を過度に重視し、そのためのストーリーに合った実験結果を求める姿勢に甚だしい行き過ぎが生じていた」ことを挙げた。

 加藤研究室は、研究スタッフを4~5のグループに分け、運営していた。論文不正を認めた51報のうち、34報が柳澤氏と北川氏が運営するグループ、13報が武山氏のグループ、4報がその他のグループだった。

 加藤氏は、51報中48報の責任著者を務めた。加藤氏の不正行為について、第1次調査報告は、論文の画像のねつ造・改ざんを自ら直接行った事実は確認できないとしたものの、(1)強圧的な態度で不適切な指示・指導を日常的に行ったため、一部の教員・学生が、加藤氏がねつ造・改ざんを容認していると認識するに至った、(2)2報の論文について、ねつ造・改ざんの疑いを把握していながら、関係者に画像や実験ノートのねつ造・改ざんを指示、事実と異なる内容を学術誌の編集者に回答し、論文撤回の回避を図った、(3)調査のヒアリングで、加藤氏と他の対象者の発言に齟齬があり、虚偽と考えざるを得ない内容が含まれ、立証妨害に相当する――と認定した。

 これに対し、加藤氏は、「今回の件は、科学と真実に身を捧げるべき研究室において、決してあってはならない事態であり、不正行為を察知し未然に防ぐことができなかったことは、全て教室主宰者である私の管理能力の欠如に基づくもので猛省している」とし、「不正の可能性があった論文に対する事後対応(論文訂正の方法)について、不適切な判断があった」ことは認めている。しかしながら、「私の弁明や不服申立の内容を十分には考慮しない今回の裁定は、私の名誉を棄損したものとも評価し得るものであり、到底承服できない」と不服があるとし、第三者機関に判断を求めることなどを検討しているとした。

  調査で関係者の証言に食い違いか

 柳澤氏と北川氏の不正行為は、ほぼ同じ論拠で認定されている。(1)筆頭著者となる論文のねつ造・改ざんを実施、(2)調査の過程で立証妨害があった――とされ、「確かに加藤氏の強圧的な態度によって精神的な圧迫を受けていたものの、自らも同様の態度を取り、旧加藤研究室の問題を助長させた」との内容だ。(1)の論文数は、柳澤氏が1報、北川氏は4報。なお、柳澤氏は、東大を辞めた後、筑波大学大学院生命環境科学研究科教授に就任したものの、それ以降発表した論文について、同大の調査で今年3月に研究不正が認定され、2014年3月31日付で退職している(資料は、筑波大のホームページに掲載)。

 武山氏については、(1)1報について、加藤氏の指示に従い、論文撤回を回避するため、実験データのねつ造・改ざんに協力、(2)調査の過程で不適切な対応――などと認定した。

 第1次調査報告には、調査の過程でヒアリング対象者の「立証妨害」「不適切な対応」があったと認定している。対象者間で証言内容に相違があったことがうかがわれる。



http://toyokeizai.net/articles/-/44571
仏グルノーブル、入院患者数30%減の理由
在宅医療システム導入で、すべてが変わった

2014年08月05日 東洋経済オンライン

 フランスの南東部に位置し、山に囲まれた風光明媚な都市、グルノーブル。イゼール県の県庁所在地であるこの地は、多くの外国企業が研究開発拠点を構える“研究都市”としても知られている。エネルギー、情報通信技術、ヘルスケアの3分野で産官学一体の研究開発が進む。ヘルスケアの領域では高齢者中心に約800人の協力の下、3年にわたって在宅医療の実験も行われている。
 グルノーブルからこのほど、ミッションが訪日。厚生労働省や「シルバーエコノミー関連」の企業と意見交換を行った。イゼール県、グルノーブルの公立病院、産業クラスター(集積)などが出資する組織「TASDA」のディレクターとして在宅医療の発展などに取り組むヴェロニック・シリエ氏にフランスの同医療の現状などを聞いた。

――日本では本格到来する高齢化社会への対応が喫緊の課題です。

興味があるのは、日本が高齢化について、どう組織的に対処しようとしているかということです。フランスでは現在、政府レベルと同時に県レベルでもこの問題に対処しています。それゆえ、首尾一貫したものがなくてはならない。

日仏とも、置かれた状況は変わらず

高齢者に施される資金面での支援にも難しい面があります。フランスでは国民皆保険制度の下で、病気になった人に対しては公的な医療保険から保険金が支払われます。つまり、ファイナンスを行うのは政府です。また、在宅での医療サービスを行うことができるよう費用を負担するのは県。さらには、リタイアすると、「疾病金庫(Caisse)」と呼ばれる機関があり、そこから年金が支払われるなど、仕組みは複雑です。

こうした状況は日本も同じですよね。実は両国とも似たような状況に直面している。日本のほうが高齢化の問題には若干デリケートではありますが・・・。

効率性を踏まえれば、垂直的なアプローチではなく、資金面での支援を水平的に統合させていくことが必要です。しかも、そうしたモデルは在宅医療の発展を促す新たなテクノロジーの開発・提供にも資するものではなくてはなりません。

新しいテクノロジーに基づいたITのプラットフォームは、通院している人だけでなく、まだ病気にはかかっていない高齢者にも同時にソリューションを提供するものです。高齢化に対処するための処方箋を日仏両国で共有すること。それが現実的な対応といえるでしょう。

現状ではIT技術を活用した在宅医療のソリューションに対するニーズはさほど膨らんではいない。医療に携わる側も、たとえば、タブレット端末を携帯している医師はそう多くありません。だからこそ、将来をイメージしておく必要があるのです。日本企業と今後、連携するためには、こちらの考えについてどう思っているのかあらかじめ聞いておきたい。

なぜ日本では在宅医療が普及しにくいのか

――日本ではまだ、在宅医療がそれほど進んでいません。

日本では多くの人が病院へ足を運んでいますよね。やや多すぎる。80パーセントの人が病院で亡くなっています。それでは、医療費もなかなか減らないでしょう。

家で充実した生活を続けてもらうための仕組みが在宅医療。その普及で求められているのは、バラバラではなく組織化された対応です。病院は今後、急性期医療が中心になるでしょう。全体としてみれば、急性期医療の必要な患者の比率は低く、その分、医療費は高い。一方、慢性の疾患にかかった患者への対応は、病院とまったく同じではないはずです。

病院では先端医療が施される。病院は常に存在し続けるでしょう。より専門的な医療が求められている。それは当然です。だが、それは社会のあらゆるニーズに応えるものではありません。病院は慢性期医療に携わるべきではない。

在宅での慢性期医療の普及を後押しするのは新しいテクノロジー。テレメディシン(遠隔医療)などの新たなテクノロジーに基づくシステムは、無駄な入院を減らす一助となるものです。病院は急性期医療に専念し、慢性疾患には在宅医療で対応する。そうした“文化的な変革”を推し進めるためには、現在の組織を見直さなければなりません。その際、情報、デジタル分野の手段は在宅で多くの人々の面倒をみる手助けになるでしょう。

――フランスでは在宅医療向けの新しいシステムの導入が、実際に入院患者減などにつながっているのでしょうか。

テレメディシンを取り入れたことで、重い心臓疾患にかかった患者の入院回数が年間で30%減ったという調査結果があります。そうしたシステムは病気の予防や変化の予見などにも役立つ。たとえば、心臓疾患の患者の場合、まずは家に設備を取り付けて週2回、体重を測定することから始めます。体重の変化を把握しておくのが予防や予見の第一歩です。

患者の家から送られてきたデータで“アラート”が発せられていれば、医師はまず、家に電話をして患者の容体を聞きます。そして、直接の診断や治療が必要となれば、患者は病院へ行く。ここが重要なのです。すぐに病院へ足を運ぶわけではありません。

ただ、肝心なのはテレメディシンなどの新しいテクノロジーを提供すれば、それで十分というわけではないということ。在宅であれば、食べることもできなくてはならないし、お手洗いへ行くこともできなければならない。つまり、医療だけでなく、介護や社会扶助といった側面からも対処する必要があるのです。

――在宅医療の実験にはイゼール県も前向きに取り組んでいますね。

イゼール県には大きな街があれば、小さな街もある。山もあり、農村もあります。農村には人が多く住んでいても医師は少ない。だから、遠隔医療のソリューションは欠かせません。

病院や大学のセンターなどが熱心に在宅医療などの研究に取り組んでいるほか、県も積極的です。同県に進出しているマイクロ・エレクトロニクス産業の研究開発のレベルもきわめて高く、実験には追い風になっています。

お年寄りへの丁寧なITサポートが重要

――実験では、「ITのツールを使いたくない」というお年寄りの方々も、少なくなかったのではありませんか。

それは「事実」であると同時に、事実ではない面もあります。問題の本質はテクノロジーではありません。高齢者などに寄り添い、教えてあげることが重要なのです。イゼール県での実験でも、タブレットを好む人もいれば、パソコンを使おうというお年寄りもいました。参加企業も非常に簡素化されたソフトウェアを提供してくれました。ボタンを押すだけでメールを送信したり、写真を送ったりすることができるものです。

要は誰かのサポートが大事。実験にはボランティア機関が参加し、年間で600人のお年寄りの手助けをしています。ちなみに、支援対象者の平均年齢は75歳です。

お年寄りはとても喜んでくれている。なぜならば、そうした新しいテクノロジーは高齢者が家から飛び出て世界と出会うことを可能にしてくれますからね。それが社会のダイナミズムなのです。

高齢化は“孤立化”の問題でもある。それは農村部だけでなく、都市部でも存在します。孤独を感じ、人と会わなくなる。そうすると、動かなくなるし、食欲も衰えてしまう。次第に病気になって、他者への依存度が高まる。そうした状況に陥らないようにするためには、社会のダイナミズムが必要。新しいテクノロジーがダイナミズムをもたらしてくれるのです。

もっとも、テクノロジーはあくまでも1つの過程にすぎません。つきつめれば組織的にどう対応するか、ということにたどりつく。“文化的な変革”を起こすためにテクノロジーをどう活用するのか。そして、医師、看護師、薬剤師などをどのように組織化していくのか。「高齢者に寄り添う」という観点に立って、将来をイメージするべきでしょう。


風光明媚な都市、グルノーブルは1968年の冬季五輪の舞台にもなった
――フランスには“独立看護師”という制度があると聞きました。

独立看護師が在宅医療の普及に貢献しているのは事実です。医師の多くも独立しています。ただ、それは“組織化”という点からいうと、難しい面があります。独立した医師が増えると、テレメディシンで情報を共有することが困難になる。互いのコミュニケーションも容易ではない。

企業であればトップが決断し、皆がそれに従う。ところが、独立している人が多いと、そうはいきませんよね。“変革”が簡単には進まないというデメリットもあるのです。

――今回の来日では、日本の株式市場で話題の企業、サイバーダイン(CYBERDYNE)も訪問したそうですね。

大きなポテンシャルのある企業だと感じました。その一方で、目標をもう少しはっきりとさせたほうがいいようにも思います。誰のために、どのようなタイプの高齢者のためにソリューションを提供するのか、絞り込んだほうがいい。

高齢者を対象にしたビジネスは、その対象や狙いをより具現化する必要があると考えています。ターゲットにしている高齢者のプロフィール、サービスのクライテリア、何のためにサービスを提供するのか、などといったことを明確にするべきでしょう。

(聞き手:松崎泰弘=東洋経済オンライン)


  1. 2014/08/05(火) 10:12:09|
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