Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

6月14日 

http://mainichi.jp/area/miyagi/news/20140614ddlk04010212000c.html
県議会:開会 県立医学部設置構想申請を説明 /宮城
毎日新聞 2014年06月14日 地方版

 県議会の6月定例会が13日開会し、97億4700万円の一般会計補正予算案など32議案を提案した。

 村井嘉浩知事は議案説明の中で、県立での医学部設置構想を国に申請したことについて「東北、宮城の医師不足解消に向け、行政がより主体的に課題解決をけん引する必要がある。人材の育成拠点は仙台医療圏以外が望ましい。財政負担も見通しが立った。細部の検討を急ぎ、議会や県民に説明する」などと理解を求めた。村井知事は先月末まで県立の医学部設置を否定していたが、栗原市などから要望を受け一転、県議会での審議を経ずに申請を決めた。

 会期は7月3日まで。一般質問は23〜26日。【金森崇之】



http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201406/20140615_71015.html
医学部新設 3陣営「強み/弱み」 あす文科省構想審査スタート
2014年06月15日日曜日 河北新報

 東北への大学医学部新設に向け、文部科学省の構想審査が16日始まる。新医学部の運営主体に選ばれるのはどの団体か。新設に名乗りを上げている「東北薬科大」(仙台市青葉区)、「一般財団法人脳神経疾患研究所」(福島県郡山市)、「宮城県」の「強み」と「弱み」を探ってみた。
 3団体は、いずれも2016年4月の開学を目指し申請した。有識者でつくる審査会は「条件」「趣旨」「実現可能性」を基準に書類審査やヒアリングを行い、医学部を運営するのに最もふさわしい1団体を選定。最終的には文科、厚生労働、復興の3大臣が話し合って決定する。

◎東北薬科大/理事長に人脈/研究第一主義

 既に付属の総合病院があり、医学部と同じ6年制の薬学教育を実践してきた実績を強調する。薬学との融合を盛り込んだ構想も独自性がある。
 多くの関係者は「高柳元明理事長の知見と人脈こそ最大の強み」とみる。高柳理事長は、大学や学部の設置許認可権を握る文科省の大学設置審で長年、分科会委員を歴任しており、高等教育行政への造詣は深く、影響力も大きい。
 半面「長い歴史の中で培ってきた関係」と公言する東北大医学部との近さは要注意。「研究第一主義」の東北大は、文科省が新医学部の趣旨に掲げた「臨床重視」と対極にある。「近い関係」を審査会がどう評価するかは未知数だ。

◎脳神経疾患研/住民の熱心さ/法人設立まだ

 多様な医療機関を傘下に持ち、学生の実習機関などとして活用することも考えられる。中でも、約100億円を投じて2008年にオープンした「南東北がん陽子線治療センター」は新医学部の目玉になり得る。
 地元の福島県が原発事故に見舞われたこともあり、構想は放射線医療や災害医療の重点化を打ち出した。市民団体が広範に署名活動を展開するなど地域住民の熱意も好材料だ。
 大学の名称を「国際復興記念大学」として震災復興を前面に押し出すが、大学法人を一から設立する計画だけに実現可能性が厳しく問われそう。福島県立医大を運営する県は支援に消極的な姿勢を示している。

◎宮城県/首相と関係密/構想一夜漬け

 そもそも東北への医学部新設は、村井嘉浩知事が安倍晋三首相に直接働き掛け、首相も日本医師会などの反発を押し切って決めた。両者の信頼関係は強固だ。
 全面支援を表明した財団法人厚生会仙台厚生病院(仙台市青葉区)の存在も大きい。教員医師の確保策には、首都圏や西日本に独自の医師供給ルートを持つ厚生病院がノウハウを提供するとみられる。
 ただ設置主体に「県立医科大」と「宮城大医学部」を併記するなど一夜漬けの構想は練り込み不足が否めない。「栗原キャンパス構想」も採算性をめぐって評価が分かれる。あえて医療過疎地へと進出する決断が吉と出るか凶と出るかは予断を許さない。



http://www.zaikei.co.jp/article/20140614/198963.html
医療機関の休廃業・解散が過去最多に 高齢化が医療機関にも深刻な問題としてのしかかる
2014年6月14日 20:33 財経新聞

記事提供元:エコノミックニュース
 高齢化が増加の一途をたどっているが、これが医療機関にも深刻なダメージを与えているようだ。近年は、都市部の「診療所」「歯科医院」は競争が激化しており、医療機関の休廃業・解散件数が増加傾向にある。これに加え、開業医の後継者難や代表者の高齢によって廃業や撤退を余儀なくされる病院が少なくないからだ。

 株式会社帝国データバンクは、2006年度から2013年度の間で休廃業・解散した医療機関について集計・分析し、9日、その結果を発表した。それによると、2013年度に休廃業・解散した医療機関は303件。集計を開始した2006年度以降で最多となった。

 種類別にみると、「休廃業」が211件、「解散」が92件となっている。業態別にみると、「病院」「診療所」「歯科医院」ともに11年度に休廃業・解散が急増している。この背景は、都市部に集中する「診療所」「歯科医院」の競争や、過疎地の病院・医師不足が一因となっているという。これに加え、開業医の後継者難や代表の高齢化が挙げられるとした。

 病院は 20 件(前年度比33.3%増)となり 06 年度以降で 3 番目の水準となった。これまで救急医療や高度な専門知識を要する公益性の高い医療は、自治体(公立)病院を中心に行われてきた。しかし、自治体・私立病院では、医師不足や高コスト体質といった問題を抱えており、病院経営が難しくなってきている。

 また、近年は、診療報酬制度の改定の流れを受けて官から民への動きが進んでいる。補助金や助成金で運営資金を補ってきた都道府県立病院は経営環境が厳しさを増しており、淘汰の波が押し寄せているという。

 診療所は 243 件(前年度比 7.0%増)となり、06 年度以降で最多となった。施設数の増加(2002 年~2012 年で 5333 施設増)で競争が激化している。 また、厚生労働省は、医師が自宅や高齢者施設などに訪問する「在宅医療」に対して手厚い診療報酬を設定していたが、民間の紹介業者が高齢者施設で暮らす患者をまとめて開業医に紹介し、見返りとして仲介代金を受け取る「患者紹介ビジネス」が横行したことを受けて、今年 4 月から訪問診療に関する点数が大幅に引き下げられた。今後は、在宅医療を専門とする診療所への影響が避けられないと分析した。

 歯科医院は40件(前年度比 11.1%増)となっており、06年度以降で最多となった。こちらも施設数の増加(2002年~2012年で3401施設増)に伴う競争が激化している。都市部を中心に、駅近の立地で夜間診療、高級感がある内装にこだわる歯科医院や、患者が全額を自己負担するインプラントや歯を漂白するホワイトニングなど、審美専門の歯科医院が急増した。

 利幅が大きいインプラント治療に参入する歯科医院が急増したものの、07年にインプラント治療中の患者が死亡した事故を機に、インプラント治療の患者離れが広がった。また投資コストが少ないホワイトニングは価格競争が激化し、採算割れとなるケースも少なくない。多くの歯科医院では、同業との競合や院長の高齢化、設備投資の失敗といった問題を抱えており、今後も淘汰が進むことが予想されるとした。

 現在、病院や介護施設を運営している複数の法人を、一定地域ごとに一つに束ねるホールディングカンパニー(持ち株会社)形式の新型医療法人(非営利)設立構想が動き始めている。ホールディング化することで、医療と介護の連携や、資金調達・患者の受け皿としても効率化を図ろうという狙いだ。

 一方、同じ地域でホールディングに属さない開業医などの診療所は後継者問題に加え、患者の流出など事業環境への影響が懸念される。今後も、医療機関の休廃業・解散件数は高水準で推移していくだろうと予測している。(編集担当:慶尾六郎)

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※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。



http://mainichi.jp/shimen/news/20140614dde041040011000c.html
バルサルタン:臨床試験疑惑 ノ社元社員、第三者委審査を骨抜き 対象外データ改ざん
毎日新聞 2014年06月14日 東京夕刊

 降圧剤バルサルタン(商品名ディオバン)を巡り、薬事法違反(虚偽広告)容疑で逮捕された製薬会社ノバルティスファーマ元社員、白橋伸雄容疑者(63)が、京都府立医大の臨床試験で、発症例を評価する第三者委員会を通す必要のない患者データを中心に改ざんしていた疑いがあることが、関係者の話で分かった。白橋容疑者は委員会の作業にも深く関わっていた。研究の客観性を確保する体制が骨抜きになっていた疑いが浮上した。【吉住遊、近松仁太郎】

 東京地検特捜部は、試験の仕組みに精通していた白橋容疑者が、チェックをくぐり抜ける手法でデータを改ざんしたとみているが、白橋容疑者は容疑を否認しているとみられる。

 府立医大の臨床試験では、バルサルタンを投与した患者と、バルサルタン以外の降圧剤を投与した患者をグループ分けした上で、それぞれの薬の降圧作用や脳・心疾患などの発症件数を比較。試験に協力した医師が患者の発症の有無を診断し、研究チームに報告する仕組みだった。

 他大学の医学部教授ら3人で構成する第三者委員会「エンドポイント委員会」は、「発症があった」という医師の診断が適切かどうかを評価した。一方で「発症なし」と診断された患者のデータは、第三者委の評価を受けなかった。

 関係者によると、白橋容疑者は、第三者委の作業終了後にデータを入手し、評価対象外のデータを「発症あり」に書き換える手法で改ざんしていたという。バルサルタン以外を投与した患者の脳卒中発症件数を水増しすることで、相対的にバルサルタンに脳卒中の抑制効果があるように装ったとみられる。

 第三者委は2009年1月の試験終了までに10回程度開催されたが、会議に提出された資料は主に白橋容疑者が作成。会議中も、白橋容疑者が資料の配布や症例の説明を行っていたという。

 臨床試験に関わった医師は「白橋容疑者がノ社社員だと知っていたが、大規模臨床試験は初めてだったので全部やってもらった」と釈明した。

 第三者委員の一人は取材に「3000症例を超える大規模な臨床試験は日本では珍しかった。委員になるのは名誉なことだと思い、引き受けたのに、このような結果になって残念」と語った。



http://www.sponichi.co.jp/society/news/2014/06/14/kiji/K20140614008363030.html
小保方氏採用に関与 神戸理研の特別顧問辞意「自由に発言するため」
[ 2014年6月14日 09:20] スポーツニッポン

 STAP細胞の論文問題で、理化学研究所の改革委員会(委員長・岸輝雄東京大名誉教授)の提言で辞任を求められた理研発生・再生科学総合研究センター(神戸市)の西川伸一特別顧問が辞意を固めたことが14日、分かった。

 改革委の提言によると、西川氏は理研の小保方晴子氏の採用に深く関わった。改革委が12日の提言で辞任を求めたセンターの上層部4人のうち辞意が明らかになったのは初めて。

 西川氏は共同通信の取材に「改革委の考えに賛同しての辞任ではない」と説明。「顧問という立場では理研の側に立って発言する必要がある。自由に発言するために辞めることにした」と理由を明かした。

 改革委は小保方氏の採用では通常の手順がことごとく省略されたと指摘したが、西川氏は「マニュアルに縛られずに臨機応変に人事ができることが重要で、小保方さんが採用できないようならセンターは金太郎あめのような人材ばかりになって面白みがないだろう」とした。



http://www.kobe-np.co.jp/news/iryou/201406/0007050765.shtml
「とどまる理由ない」西川・理研特別顧問が辞意 STAP提言
2014/6/14 06:40 神戸新聞

 STAP細胞の論文問題で、理化学研究所の改革委員会(岸輝雄委員長)から辞任を求められた理研発生・再生科学総合研究センター(再生研、神戸市中央区)の西川伸一特別顧問が13日、辞意を明らかにした。改革委は12日の提言で小保方晴子氏が所属する再生研の上層部4人の辞任を求めたが、辞意の表明は初めて。

 改革委は、小保方氏が通常の手続きを省略して採用されたことについて、竹市雅俊センター長と当時副センター長を務めていた西川、相沢慎一両特別顧問に対し「職権によりずさんなプロセスをもって採用に加担し、責任は重大」と指摘。小保方氏を直接指導する立場の笹井芳樹副センター長に加え、辞任を提言した。

 西川氏は「提言を見て、すぐに辞任を決めた。とどまる理由はない」と説明。一方で、小保方氏の採用過程について「国際的で一流の面白い研究成果を出してもらう人材を集めるため、臨機応変に話し合いで選んでいた」とした。

 西川氏は幹細胞研究の第一人者として知られ、京都大教授などを経て、再生研には2000年の設立当初から13年3月まで副センター長として勤務。同年4月から特別顧問を務め、報酬は月10万円という。(藤森恵一郎)



http://www.hokkaido-np.co.jp/news/sapporo/545346.html
市立札幌病院の食堂、3月末から閉店状態 困る利用者 再開見通し立たず
(06/14 13:57)北海道新聞

 市立札幌病院(札幌市中央区)内にある食堂の業者が3月末で撤退し、閉店状態となっている。食堂の利用者が、病院周辺の飲食店に流れて売り上げが伸びないためで、市は代わりの業者を2度募集したが応募はなく、再開の見通しは立っていない。

 食堂は病院2階の約300平方メートル。市立病院が1995年10月に現在地に移転して以来、市内の飲食業者が、ほぼ年中無休で午前8時から午後7時まで営業してきた。

 市によると、利用客は外来患者や見舞客が6割、病院職員が4割。12年度の1カ月平均の売り上げは約370万円で、業者は使用料として市に1カ月約30万円を支払っていたが、「売り上げから使用料や経費を差し引くと、利益が出ない」として12年度末に、13年度末での撤退を市に伝え、今年3月28日に閉店した。

 病院はJR桑園駅に近く、同駅のガード下には飲食店が並ぶ。約300メートル先には大型ショッピングセンターもある。市は売り上げの推移は把握していないとするが、「近年、近隣の飲食店を利用する患者が増え、食堂の利用は伸び悩んでいた」(市病院局)とする。

 これを受けて、市は1月に業者を募集したが、応募はゼロ。3月には、使用料を無料にし、土、日、祝日も定休とするなど、条件を緩和して再募集したが、それでも反応はなかった。

 通院中の豊平区の女性(80)は「食堂で昼食がとれなくなって困っている」と声を落とす。病院職員からも「仕事で忙しい中、食堂で手早く食事できると助かる」と再開を望む声が挙がっている。

 市は、今後業者から聞き取り調査をし、条件の見直しや厨房(ちゅうぼう)機器の一新などを検討する予定。市病院局は「なんとか再開に向けて、打開策を見つけたい」と頭を悩ませている。(片山由紀)



http://mainichi.jp/shimen/news/20140615ddm041040143000c.html
バルサルタン:臨床試験疑惑 ノ社・元社員、計画検討会議に参加 全体に影響力
毎日新聞 2014年06月15日 東京朝刊

 降圧剤バルサルタン(商品名ディオバン)の臨床試験を巡る虚偽広告事件で、製薬会社ノバルティスファーマ元社員、白橋伸雄容疑者(63)が、京都府立医大の臨床試験に計画段階から関与していたことが分かった。白橋容疑者は、データ収集後の第三者委員会の作業や統計解析に関わっていたことが既に判明している。東京地検特捜部は、白橋容疑者が試験全体に影響力を行使する中でデータを改ざんしたとみて、実態解明を進めている。

 京都府立医大の臨床試験は2004年に始まった。関係者によると、試験開始前の03年、実施計画を定める検討会議が複数回実施され、研究チームに参加する医師らが目標とする症例数や分析対象の疾患、判定基準などを話し合った。試験に関わった医師らによると、白橋容疑者はこの検討会議に参加。試験の進め方について医師に助言するなどした。

 白橋容疑者は、臨床試験の患者データが集まった後も、医師の診断が適切かどうかを学外の医師が判断する第三者委員会「エンドポイント委員会」の会議に参加し、症例資料の作成や説明を担当していたという。

 作業終了後に臨床データを取り寄せ、第三者委の評価の対象とならない症例を中心に、バルサルタンが他の降圧剤より有利になるようデータを改ざん。虚偽の統計解析に基づく図表を作成し、論文を執筆する医師らに提供した疑いがある。

 白橋容疑者は周囲に「医師の指示に従い手伝っていただけだ」と話していたといい、故意の改ざんを否定しているとみられる。【近松仁太郎、山下俊輔】



http://mainichi.jp/area/news/m20140613ddn041040008000c.html
偽りの薬:バルサルタン事件/中 封印された癒着批判 京都府立医大「利益相反」内部で指摘 「分かるだろう」教授圧力
毎日新聞 2014年06月13日 大阪朝刊

 「白橋氏が臨床試験に関与しているのは問題だ」。京都府立医大の教授室。降圧剤バルサルタン(商品名・ディオバン)の臨床試験に関わった男性医師が、試験の責任者だった松原弘明教授(当時、昨年2月に退職)に異議を唱えた。松原氏は突然、男性医師を抱き寄せると、耳元で諭すようにささやいた。「分かっているだろ、僕の気持ちは」

 臨床試験には製薬会社ノバルティスファーマ元社員、白橋伸雄容疑者(63)が参加していた。製薬会社の社員が試験に関われば、自社に都合の良い結果を出そうとしかねない。こうした「利益相反」の危うさに気付いた医師による上司への忠言だったが、松原氏が口止めをしたことで問題は封印された。

 大学病院の教授の権限は強大だ。同大関連病院の医師は「医師を派遣する人事権を握る上司に、臨床試験に関わった医師らが逆らえるはずがない」と明かす。「ノ社のストーリー通りにしろという松原氏の雰囲気が、研究者の間に広がっていたのではないか」。そう推測する医療関係者もいる。

 「第三者的な立場で関わっていると信じていた」。松原氏は毎日新聞の取材に釈明した。実際には試験のデータはバルサルタンに有利なように改ざんされ、白橋容疑者は逮捕された。

 府立医大には、ノ社側から3億円超の奨学寄付金の提供があった。だが、臨床試験の論文には「関与したスポンサーはない」と記載されていた。毎日新聞の報道で疑惑が発覚するまで、臨床試験への白橋容疑者の関与を否定してきたノ社と同様、府立医大側もノ社との利益相反を隠し続けた。

 バルサルタンをPRする医療専門誌の広告記事は研究者らが座談会形式でその効能を評価するものが多い。学会の有力研究者たちが名を連ね、学会ぐるみで、ゆがめられたデータに基づく効能をPRした実態が浮かぶ。

 厚生労働省の検討委員会委員を務めたNPO法人「臨床研究適正評価教育機構」の桑島巌理事長は「宣伝記事に登場する顔ぶれは、すべて高血圧学会幹部の『お仲間』たち。研究ばかりやってきた人たちだ」と指摘する。臨床試験に製薬会社が入り込む背景を「研究ばかりやってきた医師が、臨床の現場を知っているふりをしようとして無理が生じた」と分析した。

 製薬会社の営業担当社員は、診察の合間を縫って医師に接触を図る。大学病院では日常的だが、行き過ぎれば公平さが失われる。「たくさん金を出してくれてデータ解析もやってくれるのなら、本音では、ぜひお願いしますと言いたくもなる。ノ社は、目立ちすぎたからばれてしまったというだけではないのか」と、ある医師は打ち明けた。

 潤沢な資金を持つ製薬会社と、その金を使って研究成果を出そうとする医師。癒着を招く構造は根深い。

   ◇

 東京地裁は12日、白橋容疑者について21日まで10日間の勾留を認める決定を出した。



http://mainichi.jp/select/news/20140614k0000e040224000c.html
ノ社元社員:第三者委審査を骨抜き 対象外データ改ざん
毎日新聞 2014年06月14日 15時00分

 降圧剤バルサルタン(商品名ディオバン)を巡り、薬事法違反(虚偽広告)容疑で逮捕された製薬会社ノバルティスファーマ元社員、白橋伸雄容疑者(63)が、京都府立医大の臨床試験で、発症例を評価する第三者委員会を通す必要のない患者データを中心に改ざんしていた疑いがあることが、関係者の話で分かった。白橋容疑者は委員会の作業にも深く関わっていた。研究の客観性を確保する体制が骨抜きになっていた疑いが浮上した。【吉住遊、近松仁太郎】

 東京地検特捜部は、試験の仕組みに精通していた白橋容疑者が、チェックをくぐり抜ける手法でデータを改ざんしたとみているが、白橋容疑者は容疑を否認しているとみられる。

 府立医大の臨床試験では、バルサルタンを投与した患者と、バルサルタン以外の降圧剤を投与した患者をグループ分けした上で、それぞれの薬の降圧作用や脳・心疾患などの発症件数を比較。試験に協力した医師が患者の発症の有無を診断し、研究チームに報告する仕組みだった。

 他大学の医学部教授ら3人で構成する第三者委員会「エンドポイント委員会」は、「発症があった」という医師の診断が適切かどうかを評価した。一方で「発症なし」と診断された患者のデータは、第三者委の評価を受けなかった。

 関係者によると、白橋容疑者は、第三者委の作業終了後にデータを入手し、評価対象外のデータを「発症あり」に書き換える手法で改ざんしていたという。バルサルタン以外を投与した患者の脳卒中発症件数を水増しすることで、相対的にバルサルタンに脳卒中の抑制効果があるように装ったとみられる。

 第三者委は2009年1月の試験終了までに10回程度開催されたが、会議に提出された資料は主に白橋容疑者が作成。会議中も、白橋容疑者が資料の配布や症例の説明を行っていたという。

 臨床試験に関わった医師は「白橋容疑者がノ社社員だと知っていたが、大規模臨床試験は初めてだったので全部やってもらった」と釈明した。

 第三者委員の一人は取材に「3000症例を超える大規模な臨床試験は日本では珍しかった。委員になるのは名誉なことだと思い、引き受けたのに、このような結果になって残念」と語った。



http://www.yomiuri.co.jp/editorial/20140614-OYT1T50200.html?from=ytop_ylist
薬効改竄逮捕 産学のもたれ合いも解明せよ
2014年06月15日 01時25分 読売新聞 社説

 臨床研究のデータ改竄かいざん問題が、刑事事件に発展した。全容を解明し、再発防止につなげなければならない。

 東京地検特捜部が、高血圧治療薬「ディオバン」を販売する大手製薬会社「ノバルティスファーマ」の元社員を、薬事法違反容疑で逮捕した。

 京都府立医大の医師らに、薬が脳卒中の予防に効果があるかのように改竄した虚偽のデータを提供し、論文などに掲載させた疑いが持たれている。

 元社員は容疑を否認しているとされる。特捜部は捜査を尽くし、データ改竄の経緯や動機を明らかにすることが求められる。

 ディオバンは医療機関で広く使用され、売り上げは年間約1000億円に上る。ノバ社は、不正データに基づく論文を宣伝に利用していた。医薬品の信頼を著しく損なう行為であり、薬効を期待した患者への背信にほかならない。

 会社による組織ぐるみの関与がなかったのか、究明が必要だ。

 元社員は京都府立医大のほか慈恵医大など4大学の臨床研究でデータ解析に携わり、その多くでデータ操作が判明している。各大学の医師たちは、なぜ不正に気づかなかったのだろうか。

 これらの大学の研究室には、ノバ社からこれまでに計11億円を超える奨学寄付金が提供された。企業から資金を得たい大学と、研究成果を販売促進に役立てたい企業のもたれ合いが、不正の温床となった可能性がある。

 ディオバンのような処方薬の臨床研究は本来、医師や患者が最適な治療を選択するためのデータを集めるのが目的だ。特捜部は、製薬会社と大学の癒着構造にも切り込んでもらいたい。

 臨床研究を巡る不正は後を絶たない。ノバ社は東京大病院などが実施した白血病治療薬の研究に関与し、患者の個人情報を不正に取得した。副作用についても厚生労働省に報告しなかった。

 製薬会社と大学病院は、自浄作用を高めるべきだ。

 日本製薬工業協会は、自社製品の臨床研究を行う大学に対しては、寄付金を提供せず、データ解析を引き受けないことを申し合わせた。日本学術会議は、医薬品の臨床研究を中立的に運営する公的組織の整備を提言している。

 政府は現在、データの長期保存や第三者による研究のチェックを大学側に求める倫理指針を策定中だ。実効性のある取り組みで、臨床研究の公正性を担保することが肝要である。


  1. 2014/06/15(日) 08:56:10|
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