Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

6月12日 

http://www.sannichi.co.jp/kyodo/news2.php?genre=Main&newsitemid=2014061201001308
京大医師がノ社社長に手紙で疑義
臨床研究めぐり

2014年06月12日(木)16時56分 山梨日日新聞

 降圧剤ディオバンの臨床研究データ改ざん事件で、第三者の京都大の医師が2012年秋ごろ、研究を実施した東京慈恵医大や京都府立医大の論文への疑義を指摘する手紙を、販売元ノバルティスファーマの当時の社長に送っていたことが12日、関係者への取材で分かった。

 ノ社側は、会社としてはデータの検証を実施しない考えを表明。その後も、ディオバンは脳卒中や狭心症などの発症を減らせるとの研究結果を販売促進に使い続けた。トップに直接、疑義を指摘する声が届いていたのに放置した格好で、対応の不備が問われる。



http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/140612/crm14061218340017-n1.htm
元同僚をデータ管理者として大学に紹介 逮捕のノ社元社員、改竄容易にする目的か
2014.6.12 18:34 産經新聞

 製薬会社ノバルティスファーマ(東京都港区)が販売する降圧剤「ディオバン」の臨床研究データ操作事件で、薬事法違反(誇大広告)容疑で逮捕されたノ社元社員、白橋伸雄容疑者(63)が京都府立医大の患者データ管理者として、かつての同僚男性を紹介していたことが12日、関係者への取材で分かった。

 男性は白橋容疑者の要請を受け、研究データを白橋容疑者の個人メールに送信していた。東京地検特捜部は知人を研究に関与させることで容易にデータ改竄(かいざん)を行える環境をつくっていたとみて捜査しており、容疑を裏付けるため同日、ノ社本社を家宅捜索した。

 関係者によると、京都府立医大でのディオバンに関する研究は平成16年1月に始まったが、男性は研究開始直後から各病院から寄せられたデータの管理者として参加。研究チームの医師に毎月、患者データを送信していた。

 白橋容疑者は京都府立医大以外にも、ディオバンの研究を進めていた東京慈恵会医大と名古屋大の研究チームにも男性を紹介。14年1月から研究が始まった慈恵医大では当初、他の業者に外部委託を試みたが委託費が折り合わなかったため、白橋容疑者が男性を病院側に紹介したという。

 白橋容疑者と男性は、ノ社の前身だった大手製薬会社時代の同僚。男性は製薬会社を退職後、元年にシステムエンジニアとして独立したが年に数回程度、白橋容疑者と会うなど関係が続いていた。



http://www.m3.com/iryoIshin/article/223883/?portalId=iryoIshin&pageFrom=openIryoIshin
レポート 医療維新
禁忌薬の投与事故、女子医大が謝罪会見
死亡との因果関係、「あったのではないか」

2014年6月12日(木) 橋本佳子(m3.com編集長)

 東京女子医科大学理事長の吉岡俊正氏は6月12日、小児の鎮静用には禁忌のプロポフォール投与後、2歳10カ月の男児が今年2月に死亡した件で会見し、「死亡事故について、大学としての責任を痛感している」と述べ、死亡した男児および遺族に、「心からお詫び申し上げる」と謝罪した。今回の事故で女子医大が会見をするのは初めて。遺族側は5月22日に会見している(『医師ら10人の被害届提出へ、女子医大事故』を参照)。

 原因分析と再発防止策をまとめた院内事故調査の中間報告書は5月30日に関東信越厚生局と東京都、さらには遺族に渡しているが、遺族の承諾が得られないことから、現時点では公表できないという。注目される男児死亡とプロポフォールとの因果関係について、女子医大病院副院長で医療安全担当の上塚芳郎氏は、「臨床症状から、因果関係があったのではないかとみている」と説明。「医療ミスかどうか」との質問に、病院長の永井厚志氏は、「現在警察が捜査中なので、捜査の行方を見守りたい。現時点では申し上げることができない」と述べたものの、「今回の事例については、遺族に対する補償は必要だと考えている」との見方を示した。


 今後は、外部委員だけから成る事故調査委員会を設置し、さらに検証を続ける予定で、永井院長は、外部調査の報告書では「責任追及」にも言及する見通しだと語った。「院内事故調査には限界がある。医療安全の専門家や弁護士など、外部の先生方で検討していただき、その結論を待って、最終的に報告書をまとめたいと考えている」(永井院長)。

 今回の事故については、所轄警察署への届け出が、男児の死亡から4日後になったことを問題視する声がある。この点について同大病院の顧問弁護士である井上清成氏は、「異状死体の届け出は、医師法21条ではなく、女子医大病院の医療安全マニュアルに基づく任意の届け出」と説明。井上氏は、6月10日の参院厚生労働委員会の田村厚労相の答弁を引用し、異状死体の届け出は、外表異状説に基づいて行うべきであり、今回の事故は届け出対象に含まれないとした(『医師法21条、「医療事故の届出想定せず」、厚労相』を参照)。

 さらに女子医大では、事故調査と並行して、小児の人工呼吸管理の鎮静を目的としたプロポフォールを使用した症例についても調査。2009年から2013年の過去5年間で計63人に使用されており、うち12人が投与後、数日から3年程度の間に死亡している。永井院長は、「院内調査をした限りでは、プロポフォールに起因した死亡例はないと思われる。その多くは感染症で死亡している」と説明。この点についても今後、外部調査を行い、精査を進める。

 今回の事故対応については、6月5日に女子医大医学部長の高桑雄一氏らが独自に会見するなど、女子医大の内部抗争的な様相も呈している。吉岡理事長は、「内部抗争とも言われ、大変残念に思っている。遺族に、さらなる心配と迷惑をかけたことは大変遺憾」と謝罪した。その上で、「教育には多様性が重要であり、女子医大も外部の様々な領域から人が集まる組織。多様性の中でぶつかることは大切だが、発散だけでなく、収束することが必要であり、それに向けて強い意志で臨む」と述べ、自身が責任を持って事態の収拾に取り組むとした。

 ICUでの診療科間の連携に問題

 吉岡理事長によると、この日の記者会見は、今回の医療事故に対する経過のほか、高桑医学部長が会見したことなどについて説明することが目的。

 ただし、中間報告書が公表されないため、医療事故の原因分析結果などについては説明されず、曖昧な点も残った。上塚副院長は、公表に対し、遺族の了解が得られない理由について、「遺族が考えていることが全て盛り込まれていなかったため。また遺族としては、誰の行為でそうなったのか、その人物を特定してほしいという考えだが、院内事故調査は個人の責任追及ではなく、原因分析して、再発防止策を検討するのが目的であるため、その同定はしていないことも理由だろう」と説明した。

 事故の焦点の一つが、小児の鎮静用では禁忌のプロポフォールを、誰の判断で使用やその量を決定し、家族にどのように説明していたかという点だ。女子医大病院におけるICU管理とも関係する問題でもある。

 死亡した男児の主治医は、耳鼻咽喉科だが、ICUでの管理は集中治療部が担当。上塚副院長は、「プロポフォールの使用は、集中治療部の判断で投与した」と説明。永井院長は、「主治医が全ての責任を負う。薬剤の処方についても、主治医が責任を持ち、家族にも説明すべきだが、それが欠けていたのではないか」と指摘。主治医の権限の在り方や、診療科間のコミュニケーションの問題が、今回の事故の背景にあるとした。これらの点は、中間報告書に改善策も含めて記載されているという。

 そのほか、(1)禁忌薬使用時の管理の徹底(電子カルテで禁忌薬についてはアラームが出る設定にし、患者の同意を得たかを記入するなど)、(2)ICUでの薬剤師の専従化――などの再発防止策も、中間報告書に盛り込む予定。

 永井病院長が説明した事故の主な経過は以下の通り。永井院長は、遺族へのお詫びとともに、「二度とこうした医療事故を起こさないように、全教職員の心構えと組織の改革を断行しなければならない」と述べている。

【プロポフォール投与事故の経過】
2013年
6月    男児が女子医大病院の耳鼻咽喉科を初診。
2014年
2月17日 男児が入院。
2月18日 男児が手術(頸部の嚢胞性リンパ管腫に対し、ピシバニール注入療法を施行)。気管挿管のまま、ICUに移り、鎮静剤として、フェンタニルとプロポフォールを投与。
2月21日 突然、心臓の障害が起き、午後に容態が急変し、19時59分に死亡。
2月22日 病理解剖を実施。
2月24日 前院長を長とする事例検証会を開催。
2月24日 関東信越厚生局と東京都福祉保健局に報告。
2月25日 牛込警察署に届け出。

3月1日 第1回家族への説明会(事例検証会の内容説明)。
3月1日~20日 医師、看護師、薬剤師らにヒアリング。
3月6日 第1回医療安全管理特別部会を開催(6人に外部評価委員も参加した院内調査委員会。事実経過の確認。
3月25日 第2回医療安全管理特別部会を開催(事故の発生要因、病理結果、画像診断追加情報の共有)。

4月19日 第1回家族への説明会(第1回、第2回医療安全管理特別部会の内容説明)。

5月1日 第3回医療安全管理特別部会を開催(事故の事実経過再確認、原因究明と再発防止策)。
5月9日~27日 医師、看護師、薬剤師らにヒアリング。
5月30日 中間報告書を、関東信越厚生局と東京都福祉保健局に提出、遺族にも説明。



http://mainichi.jp/shimen/news/m20140612dde041040048000c.html
殺人未遂:透析患者のチューブ抜く 容疑で49歳医師逮捕−−東京・町田
毎日新聞 2014年06月12日 東京夕刊

 人工透析中の患者の医療用チューブを引き抜いて殺害しようとしたとして、警視庁町田署は12日、東京都町田市中町1の病院「医療法人社団三友会あけぼの第二クリニック」の腎臓内科医、橋爪健次郎容疑者(49)=同市小川1=を殺人未遂容疑で逮捕した。

 逮捕容疑は、11日午後8時20分ごろ、同クリニック内のベッドで人工透析を受けていた市内の50代の男性患者に対し、透析用監視装置と体をつなぐチューブを抜いて出血させ、殺害しようとしたとしている。町田署によると、橋爪容疑者は約25分後、衣服に血液が付着した状態で車で同署に出頭。「誰かを殺して死刑にしてもらおうと思った。誰でもよかった」と容疑を認めているという。

 男性はチューブを抜かれたことにすぐ気づき、周囲の医療スタッフが応急処置をしたとみられ、容体に変化はないという。橋爪容疑者は男性の担当医だったが、2人の間に個人的なトラブルは確認されていない。【黒川晋史】



http://www.yomiuri.co.jp/national/20140612-OYT1T50075.html?from=ytop_ylist
死刑願望の医師、患者の透析チューブ引き抜く
2014年06月12日 15時47分 読売新聞

医師が殺人未遂の疑いで逮捕された「あけぼの第二クリニック」(東京都町田市中町で)

 人工透析中の男性患者の透析チューブを引き抜き、殺害しようとしたとして、警視庁町田署は12日、東京都町田市中町の「あけぼの第二クリニック」所長で、腎臓内科医師の橋爪健次郎容疑者(49)(東京都町田市小川)を殺人未遂の疑いで逮捕した。

 橋爪容疑者は調べに対し、「相手は誰でも良かった。死刑になりたかった」と話しているという。男性は自分ですぐに異変に気づき処置され、命に別条はなかった。

 発表によると、橋爪容疑者は11日午後8時20分頃、同クリニック3階の人工透析室で、人工透析をしていた50歳代の男性患者の透析チューブを引き抜き、殺害しようとした疑い。

 橋爪容疑者は事件直後に、自分で車を運転して同署に出頭。その際、着ていた普段着には血液が付着していたという。

 橋爪容疑者は男性の担当医。人工透析の装置側につながっている透析チューブを引き抜き、そのまま部屋を出て行ったという。男性は血液が流れ出していることに気づき、近くの医療スタッフが処置するなどし無事だった。

 同署によると、橋爪容疑者は当日、出勤日だったとみられる。事件があった人工透析室には当時、約10人の患者が透析を受けていたほか、医療スタッフも複数いた。

 同クリニックの職員は読売新聞の取材に「詳細な状況は説明できない」と話している。

 同クリニックは、外来で血液透析を専門に行う施設として、1999年に開設された。2010年には、人工透析中の女性(当時73歳)が大量出血して死亡した事故があり、勤務していた男性看護師が今年2月、業務上過失致死の疑いで東京地検立川支部に書類送検されている。

 週3回人工透析に通う町田市の女性(72)は「1年5か月前から橋爪先生が担当だった。血圧などを測ると、『高めなのでお薬出しましょうね』と優しい口調で、丁寧に診察してくれた。2日前にも会ったが、変わった様子はなかった」とし「悪いうわさも聞いたことはない。悩んでいる様子もなく、信じられない」と話していた。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/42981.html
代替医確保などで復職しやすい環境を- 女性循環器医支援で提言、循環器学会
( 2014年06月12日 16:52 )キャリアブレイン

 日本循環器学会は、増加傾向にある女性循環器医が継続的に活躍できるよう勤務環境改善を求める提言をまとめ、ホームページ上で公表した。提言には、出産・育児・介護休暇中の代替医を確保するためのシステムの構築が盛り込まれ、一歩踏み込んだ内容となった。【坂本朝子】

 同学会の女性会員数の割合は、今年3月の時点で12.7%を占め、30代では18.9%、20代では22.6%と、若い世代で比較的多い。一方で、40代は15.1%、50代は8.0%、60代は4.9%、70代以上は4.2%と、年代が上がるほどその割合は減少。長く働き続けるのが難しい状況が示唆された。

 同提言は、このような状況を踏まえ、同学会の男女共同参画委員会が作成したもので、▽出産・育児・介護との両立支援(院内・病児保育の積極的活用、短時間勤務など柔軟な勤務体制の推進、代替医確保システムの構築など)▽キャリアアップ支援(各支部の地方会での託児サービス提供、復職時の研修やスキルアップセミナーの開催など)-の2項目で構成。循環器分野における男女共同参画の推進を図っていくとした。

■大阪府医師会で、代替医確保システムのWG 設置

 今年3月まで男女共同参画委員長を務めた大阪市立大大学院医学研究科の上田真喜子教授は、キャリアブレインの取材に対し、「休暇や勤務体制が整備されつつある中、復職しやすいように、産休や育休中の代替医を確保することが重要と考えた」と話し、各地域の医師会などと連携して地域で協力し合えるシステムを構築する必要性を訴えた。

 既に、上田教授が理事を務める大阪府医師会では、その動きを具体化させており、府内の5大学に協力を求め、今年4月には「産休・育休中の代替医師を確保するための運用システム」を検討するための「循環器内科」ワーキンググループ(WG)会議を立ち上げた。委員長には阪大循環器内科の彦惣俊吾准教授が、委員長代理には大阪市立大大学院医学研究科の杉岡憲一講師が就任した。

 現在、府内の循環器学会認定研修施設100施設ほどに、代替医へのニーズを把握するためのアンケート調査を実施しており、今後、具体的な検討に入る。上田教授は、「まだまだ時間はかかると思うが、できるだけ早く(システムの構築を)実現させたい」と今後の展開に意欲を見せている。



http://mainichi.jp/shimen/news/20140612dde041040038000c.html
バルサルタン:臨床試験疑惑 ノ社元社員、大学側に解析PC送る 疑惑発覚後、責任転嫁狙い?
毎日新聞 2014年06月12日 東京夕刊

 降圧剤バルサルタン(商品名ディオバン)の臨床試験を巡る薬事法違反事件で、東京地検特捜部に逮捕された製薬会社ノバルティスファーマ元社員、白橋伸雄容疑者(63)が、論文の不正疑惑が指摘され始めた2012年10月ごろ、パソコン(PC)と統計ソフトを京都府立医大に送付していたことが、関係者への取材で分かった。研究者側は「改ざん疑惑を大学側に押しつけるつもりだったのではないか」と指摘している。【山下俊輔、石山絵歩】

 府立医大の関係者は大学の調査などに、臨床試験のデータ解析は白橋容疑者に任せていたと説明しており、PCとソフトはいずれも、白橋容疑者が同大の臨床試験データ解析に使用したものだった可能性がある。特捜部もこの事実を把握しているとみられる。12日午前にはノ社本社を改めて家宅捜索し、法人としての同社の関与も含め改ざんの経緯の解明を進める。

 同大関係者によると、大学に送られてきたのは基本ソフト(OS)がウィンドウズのPC1台と、統計ソフト。白橋容疑者は自分の名前ではなく、任意の研究会の名義で送ってきたという。

 府立医大チームは04年に約3000人を対象とする大規模な臨床試験を開始した。09年8月に、「バルサルタンは降圧効果だけでなく、脳卒中予防の効果がある」と結論付けた論文を欧州心臓病学会誌に発表。11年3月と12年9月には関連論文を日本循環器学会誌で発表していた。

 だが同年10月、循環器学会に対し、専門家から論文のデータの不自然さを指摘する通報があり、学会は調査を開始した。PCとソフトが送られてきた時期は、この時期と符合する。

 臨床試験に関わった医師は「こちら(大学)でデータ解析をやったことにしようと考えたのではないか。この時に、白橋さんが改ざんしたんだと思った」と話す。一方で白橋容疑者側は「疑惑が発覚した後、大学側から『解析の検証をしたいので、統計ソフトを送ってほしい』と依頼があったので送った」と説明している。



http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201406/20140612_73025.html
ドクターヘリ 運航ルール緩和了承 北東北3県、年内にも適用
2014年06月12日木曜日 河北新報

 青森、岩手、秋田の北東北3県のドクターヘリ広域連携について、青森県は11日、医療関係者らでつくる県ドクターヘリ運航調整委員会を開き、3県でまとめた運航ルールの緩和案を示した。7月にも3県で正式決定し、年内にも新ルールを適用したい考え。
 現行では、他県に出動要請できるのは、自県ヘリが天候や事案対応中で使えない場合に限られる。緩和案では、医師が基地病院との距離や症状を考慮し、自県より他県から出動する方が効率的だと判断した場合、要請できるとした。
 青森県は2012年10月から、東北で唯一、ドクターヘリを2機運用している。昨年度は、出動件数が717件で前年度より177件増えた。このうち75件は1機体制では対応できなかったケースだという。
 委員長の吉田茂昭県立中央病院事業管理者は「ヘリは救命救急の強力なツールだ。多くの県民に利用してもらえるようにしたい。青森は、北海道との運航連携も考えていくべきだ」と話した。



http://www.m3.com/iryoIshin/article/223727/
レポート 医療維新
医師不足への処方せん
成田医学部、東北より早い可能性、市幹部が答弁
市長「国際医療福祉大と」、公募は否定的

2014年6月12日(木) 池田宏之(m3.com編集部)

 政府が主導する千葉県成田市を含めた「東京圏」の国家戦略特区において、医学部新設を含めた医療関連新事業創出が検討されている中、6月11日の成田市議会では、医学部新設を巡る質問が出た(「成田・国際医療福祉大学の医学部新設、再浮上」を参照)。東北地方における医学部新設が、2016年4月以降となり、スケジュールが後ろにずれこんでいることの影響を聞かれた同市企画政策部長の根本欣治氏は、「東北より先になる可能性がある」との認識を示した。馬込勝未市議の質問に答えた。

 規制改革のメニューとして、医学部新設が許可された際の事業者選定については、「国が原則公募」との方針を示しているのに対して、小泉一成市長は、特区の構想を共同提案したことなどを理由に、「規制改革で、医学部新設が認められた場合、国際医療福祉大学と協力して事業を進めたい」との意向を示した。質問した同市市議の伊橋利保氏は、原則通り公募の実施を求め、「応募された中から、最も知名度の高い大学が望ましいのでは」と注文を付けた。

成田と東北の同時新設は否定

 文部科学省の下村博文大臣が3月の国家戦略特別区域諮問会議に示した資料では、「国家戦略特区における医学部の新設については、東北地方における医学部の新設の動向に配慮し、検討を行う」とされている(資料は、首相官邸のホームページ)。東北における医学部は、当初2015年4月に開校される可能性があったが、文科省へ応募した3グループはいずれも2016年4月新設を目指している(『南東北、東北薬科、宮城県が名乗り』を参照)。

 馬込氏は、医療界から教員の確保による地域医療への影響を懸念する声が出ていることを踏まえ、「東北は震災復興が目的であり、優先される事情がある」と指摘して、成田市の考え方を質した。根本氏は、医学部新設を同時に進めた場合、2校分の影響が出ることを踏まえ、「同時に進めることはない。ただ、東北地方の新設が遅れれば、成田が先になる可能性があることもあるという認識」として、成田の医学部新設の方が早く実現する可能性に言及した。

「国際医療福祉大なら相乗効果」

 医学部新設が決まった際に、計画を進めるパートナーとして、小泉市長は、「国際医療福祉大学」と明言。その理由について、小泉市長は、構想の共同提案者であったことのほかに、同大学が進めている看護学部など5学科を持つ医療系大学(2016年4月開学予定)について触れて、「連携で相乗効果が見込まれる」と付け加えた。現状では盛り込まれていない規制改革メニューについても、「追加提案ができるので、積極的に追加提案していく」と意欲を見せる場面もあった。

国際人材育成「カムフラージュ」と批判

 馬込氏は、構想に示された医学部の定員についても、質問。特区における医学部について、文科省が出した資料では「世界のトップレベルの研究者を輩出したり、新興諸国で活躍する医師の養成など、既存の医学部等とは次元の異なる際立った特徴を有する大学」としている(『成田・国際医療福祉大学の医学部新設、再浮上』を参照)。対して、成田市と国際医療福祉大学が出した構想では、1学年140人のうち、20人のみが海外向け人材で、残り120人は「地域医療に貢献する」旨の内容となっている。

 馬込氏は、「特区の趣旨と(市の計画が)異なるのでは」と質問。小泉市長は、地元自治体の首長が、計画を定める「区域会議」のメンバーとして入る予定である点に触れて、「市の提案内容が計画に反映されるように務めていく」として、両者に食い違いがある点を認めた。

 馬込氏は、全国医学部長病院長会議からの「(国際向け人材の)20人はカムフラージュで、(地域医療向けの)120人は、一般の医学部新設を意図していると思われる。国家戦略特区からかけ離れている」との意見を紹介した上で、「(国際的に活躍する人材の育成という)最大の理由の柱が崩れることになるのでは」と批判。根本氏は、「最初から提案している内容で、カムフラージュということはない」と反論した。

 医学部新設に当たり「関係者の意見を踏まえる」となっていることから、「関係者」の定義についての質問も出た。馬込氏は「住民や(新設に反対している)日本医師会、千葉県医師会、全国医学部長病院長会議は入るのか。反対が多ければ新設はしないのか」と質問。小泉市長は「医学部新設は国が最終的に判断するので、動向を注視する」として、正面から答えなかった。



http://www.fukuishimbun.co.jp/nationalnews/CO/health/847643.html
女子医大理事長らに総退陣要求 社会的責任果たさずと
(2014年6月12日午後7時44分) 福井新聞

 東京女子医大病院で首を手術した2歳男児が死亡した医療事故で、同医大の笠貫宏学長らが12日午後、東京都内で記者会見し、病院側が調査結果の報告書を公表しないのは社会的責任を果たしていないなどとして、吉岡俊正理事長や理事ら三十数人に総退陣を求める文書を送ったと明らかにした。
 笠貫学長は、2001年に女子医大病院で心臓手術を受けた女児が死亡した医療事故で、カルテが改ざんされた事案に触れ「隠蔽体質は今も変わらない」と主張、「新たな組織で抜本的な改革に取り組むことが必要だ」と述べた。会見には高桑雄一医学部長らも同席した。



http://www.nikkei.com/article/DGXNASGG1201T_S4A610C1EA2000/
再生医療研究、再構築が急務に STAP拠点解体
2014/6/12 23:33日本経済新聞 電子版

 2000年以降、日本の再生医療研究の中核拠点だった理化学研究所の発生・再生科学総合研究センター(CDB)が解体的な出直しを迫られることになった。米欧や韓国などは国をあげて、万能細胞を使った治療の実現へ研究を加速している。理研のみの問題にとどまらず、国全体として再生医療研究の体制を早急に再構築しなければならない。

 理研CDBでは世界初となる、iPS細胞を使った臨床研究が進行している。目の難病患者のiPS細胞を作製、網膜細胞に育てて移植手術する。「STAP問題が患者に不安を与えてはならない」と複数の研究者から聞いた。

 今回の不正問題の原因が、小保方晴子研究ユニットリーダーだけでなくCDBの組織や運営法にあったのは明らか。しかし、iPS細胞の応用研究をはじめ、生命誕生や成長、生体内の様々な働きのメカニズムに関する優れた研究を積み重ねてきたのも事実だ。

 政府は来春に医療研究を統括する新機構を発足、再生医療を柱の一つに据える方針。研究不正対策にも力を入れるという。

 CDB解体後の受け皿や大学などとの連携をどうするか。理研任せにせず、日本全体の研究水準の底上げへ向けた戦略づくりが求められる。(編集委員 安藤淳)



http://www.47news.jp/CN/201406/CN2014061201001748.html
山形の市立病院が転嫁抑制打診 消費増税、勧告の見通し
2014/06/12 20:39 【共同通信】

 山形市の市立病院済生館は12日、消費税転嫁法に抵触したとして、4月に公正取引委員会の立ち入り検査を受けたと明らかにした。医療用品業者に対し、納入価格への増税分上乗せを抑えるよう打診していた。公取委からは、是正を求める勧告を17日付で出すと連絡を受けたという。

 市議会に12日、経緯を報告した。病院の説明によると、2014年度上半期に購入するガーゼや注射器などの価格交渉に当たり、山形県内を中心とする29社に1月7日、打診のメールを送っていた。

 メールの内容は、立ち入り検査後に撤回。業者と交渉し直して、適正な価格で購入したという。



http://mainichi.jp/shimen/news/20140612dde041040043000c.html
東京女子医大病院:禁止鎮静剤投与 小児12人死亡 「こんなにあるとは」遺族側、真相究明求める
毎日新聞 2014年06月12日 東京夕刊

 東京女子医大病院(東京都新宿区)が禁止された鎮静剤プロポフォールを小児に投与していた問題で12日、新たに12人が死亡していたことが明らかになった。都内で記者会見した病院側は調査に乗り出す方針を示したものの、因果関係は否定した。子どもたちはなぜ命を落としたのか。既に死亡が発覚している2歳男児側の代理人や他の医療事故被害者たちは徹底した真相究明を求めた。

 亡くなった2歳男児の両親の代理人、貞友義典弁護士は「他にもこんなに死亡例があるとは……」と驚きをあらわにした。貞友弁護士によると、プロポフォールの投与後に男児の様子がおかしくなった際、医師は母親に「安全な薬なので安心してください」と答えたという。また、「尿の色や心電図など、明確な異常が何度もあり、適切な処置がなされれば助かったと思われる場面が何度もあった。多くの死亡例を医療スタッフが認識、共有していたら、亡くなることもなかったのでは」と述べた。

 医療過誤遺族らでつくる「医療過誤原告の会」の宮脇正和会長は「あぜんとするしかない。麻酔医は使ってはいけない鎮静剤と分かっていながら使用し、周りのスタッフも分かっていながら指摘せず、長年放置されていたのだろう。病院側は医療行為に責任を持つ体制ができていない」と批判した。

 医療事故で2003年に5歳の長男を亡くし、新葛飾病院(東京都葛飾区)で患者相談や医療安全管理に携わる豊田郁子さん(46)は「12人の死亡でプロポフォールとの因果関係がないと言われても、遺族は疑問を感じるだろう。遺族はまず何が起こったかを知りたいと考える。病院側は今からでも真摯(しんし)な対応が必要だ」と話した。

 記者会見で永井厚志病院長は、死亡した12人について「多くは感染症で亡くなられているので投与との関係がない可能性が高い。投与から亡くなられるまでに数年たっているケースもある」と説明。

 これまでに「(2歳男児以外の)死亡例がない」とした点については「あくまでも当該科が調べた結果なので、第三者の検証でより精査する必要がある」と述べた。【大迫麻記子、鳥井真平、金秀蓮】

==============

 ◇鎮静剤が原因とみられる主な死亡医療事故 
1998年1月 北九州市内の病院で胃カメラ検査前に鎮静剤などを投与した23歳女性が死亡
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
2001年2月 信州大病院(長野県)で別の患者の鎮静剤を注射し50歳代男性が死亡
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
  02年2月 筑波大病院(茨城県)の腎移植手術で鎮静剤投与直後に40歳代男性が死亡
   −−−−−−−−−−−−−−−−−−−
     7月 国立嬉野病院(佐賀県)で処方の17倍の速さで鎮静剤を投与され60歳代男性が死亡
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
  03年6月 東和病院(東京都)で鎮静剤を過剰投与し85歳女性が死亡
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
  06年4月 岸和田市立岸和田市民病院(大阪府)で鎮静剤の呼吸抑制の副作用で84歳男性が死亡
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
  08年3月 函館市立函館病院(北海道)で鎮静剤を投与した膵臓(すいぞう)疾患の70歳代男性が心肺停止、約1年後に死亡
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
  11年8月 北九州市立医療センターで鎮静剤「ミダゾラム」の副作用で73歳男性が死亡



http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=100014
薬価改定…現行の2年ごとから、毎年改定への動き
(2014年6月12日 読売新聞)

 薬価の改定をめぐって、現行の2年ごとから毎年改定に改めてはどうかとの論議が起きています。医療費抑制を目指す財政側からの動きで、医療側からは反発する声もあがっています。

 公的医療保険がきく薬の値段は、国が定める公定価格です。新薬が出た場合には、類似の薬効の薬の価格をもとに、画期性があるかどうか、外国との価格差はどうかなどを考慮して価格が決められます。類似の薬がない場合は、製造費や流通、販売経費を基に算出する原価計算方式が用いられます。

 ただし、医療機関などは公的な薬価よりも安い値段で仕入れようとしますので、市場での実際の取引価格は、診療報酬上で請求する薬価よりもいくらか安くなります。この差が薬価差益と呼ばれるものです。

 薬価を実勢価格に近づけるために行われているのが薬価改定です。現在は診療報酬改定に合わせて、2年に1度行われています。このため、薬価は2年ごとに少しずつ下がっていくのが普通です。取引価格と数量を基に算出された加重平均値に調整幅(改定前薬価の2%)を加えたものが新しい薬価となります。

 2年ごとの改定を毎年にしようという動きには、公的薬価と実勢価格の開きのタイムラグを少なくすることで、診療報酬における薬剤費を抑えようとの狙いがあるとみられます。(田村良彦)



http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201406/20140612_13026.html
石巻市立病院 「開院遅らせられぬ」市長、財政支援要請へ
2014年06月12日木曜日 河北新報

 宮城県石巻市がJR石巻駅前に再建する市立病院の建設費が計画当初の2倍に高騰している問題で、亀山紘市長は11日の定例記者会見で「開院を遅らせられない」と述べ、国や県に早急な財政支援を求める考えを示した。
 東日本大震災で全壊し、移転再建される市立病院の建設費は昨年6月の基本設計段階で約70億円だったが、人件費や資材の高騰のため4月の実施設計で約140億円に跳ね上がった。
 亀山市長は「災害復旧事業として国、県から全額支援してもらわければ難しい」と訴え、同様に病院建設費の高騰に直面する気仙沼市、南三陸町とともに要望活動を展開したいという。
 2016年7月に予定する開院時期の見直しや事業規模縮小の可能性については「縮小は避けたいが、一日も早く市民の医療環境を整えなくてはならない」と強調した。今月20日開会の市議会6月定例会中に財源の見通しを詰め、追加の予算案を提出する方針。



http://medical.nikkeibp.co.jp/inc/mem/pub/blog/nhc/201406/536942.html
コラム: 日経ヘルスケアon the web
高齢者住宅の訪問診療から医療機関が撤退…
“在宅医療崩壊”の「その後」はどうなった?

2014/6/12

 2014年度診療報酬改定で、有料老人ホームなど高齢者住宅への訪問診療関連の点数が大きく引き下げられました。直後の4月に現場は“在宅医療が崩壊する!”と大混乱に陥りましたが、その後はどうなったのでしょうか? 医療・介護の経営誌『日経ヘルスケア』の6月号は、特集「高齢者住宅の在宅医療 点数大幅ダウンの衝撃」で改定後の医療機関・高齢者住宅の経営への影響と対策をリポートしました。


批判を受けて厚労省は緩和策を講じたが…
 在宅医療に熱心に打ち込んできた医師たちの間には、今回の報酬改定への不満がうずまいています。一方、高齢者住宅側からも、「医師から『訪問診療に行けなくなるかもしれない』と言われ、非常に困っている」という不安の声が上がっています。

 これらの声の原因は、同一建物に住む患者(同一建物居住者)に同じ日に訪問診療を行った場合の診療報酬が、大幅に引き下げられたこと(以下、同一建物減算)です。具体的には、個人宅やグループホームなどの入居者を月に2回訪問した場合に算定できる「在宅時医学総合管理料(在医総管)」と、特定施設などの入居者に月2回の訪問診療を実施した場合に算定できる「特定施設入居時等医学総合管理料(特医総管)」に、同一建物居住者を対象にした低い点数が新設されたのです。

 その結果、月に2回、特定の日に集中的に入居者の各居室を回るやり方の診療では、改定前の約4分の1の点数しか算定できなくなり、同一建物居住者に対して算定する訪問診療料2の点数も、改定前の半分になりました。

 厚労省は、「入居者の大半は外来で診療できるのに、点数の高い訪問診療料や医学総合管理料を算定しているから適正化を図った」という立場です。しかし現場からの反発が大きかったことから、3月5日に緩和策を出しました(表1)。訪問診療を月2回行う場合、例えば月1回は同じ日に対象患者すべての居室を回り、もう1回は各入居者への訪問日が重ならないように分散して訪問し、訪問診療料1を算定すれば、これまで通りの在医総管、特医総管の高い点数を取れるというものです。

0612.jpg
表1 同一建物への訪問診療関連の点数引き下げ問題の経緯

1人開業医の撤退相次ぐも、現場の知恵で医療確保
 この緩和措置を受けて、医療機関はどう動いたのでしょうか? 4月以降の状況を見ると、医師1人の診療所を中心に、高齢者住宅への訪問診療を取りやめたケースが少なからずありました。厚労省が示した緩和策を活用するには連日の訪問が必要で、1人の医師が外来をこなしつつ実行するのは困難だからです。ただし、その後は代わりの在宅医が何とか穴を埋めているようです。

 一方、医師が複数いる医療機関でも、厚労省の緩和策をどこまで活用できるかで、同一建物減算の影響が大きく変わります。あるクリニックは緩和策を実行に移し、当初予想された月250万円の減収幅が月100万円程度に抑えられたそうです。その半面、「巡回に伴う負担が増大した」との悩みも聞かれます。

 また、別の医療機関は訪問先の高齢者住宅と交渉し、検査が必要な入居者については個別診療で対応してもらうことにしました。改定前は、月2日の診療日に集中的に診察。その合間を見て、採血、超音波や心電図などの検査を実施していましたが、改定後は、従来通り月2日の集中診療を行いつつ、検査の必要な患者は別の日にさらに1回訪問することで、訪問診療料1を算定し、同一建物以外の特医総管を算定可能にしたのです。

 取材を通じて、各医療機関は何とかダメージを最小限に抑えようと努力を重ねていることが分かりました。詳しい内容は、日経ヘルスケア6月号をぜひご覧ください。

 それにしても、在宅医療の報酬は複雑です。診療する場所や患者の状態によって、算定できる報酬が細かく規定されており、実際に従事している在宅医や事務職の中でも完全に理解している人は多くないと聞きます。


 そこで、日経ヘルスケア編集部は6月24日、
書籍
『たんぽぽ先生の
在宅報酬算定マニュアル』改訂版
を発行いたします。

 2012年に刊行してベストセラーになった本書の内容を、2014年度診療報酬改定に完全対応してアップデートしました。質の高い在宅医療を提供するためには、診療・介護報酬、訪問看護療養費の各制度が複雑に絡み合う算定ルールを正確に理解することが不可欠です。在宅専門診療所のパイオニア、たんぽぽクリニックの永井康徳氏が算定の“ツボ”を平易に解説します。

 ご興味のある方は、ぜひ一度、ご案内ページをチェックしてみてください。

あの「連携の熊本」が様変わり!
 さて少々脱線しましたが、日経ヘルスケア6月号では、特集「選別と淘汰を迫る『在宅復帰』新時代」も読み応え十分です。

 2014年度診療報酬改定では7対1入院基本料の算定要件として「自宅などへの退院(患者)割合」が設けられました。急性期以外でも、地域包括ケア病棟や療養病棟で在宅復帰率による評価が新設。各ステージで連携先確保のための相手探しが始まり、地域の医療連携の流れが変わる潮目を迎えています。記事では、新たな連携のあり方を模索する、先進的な医療機関・介護事業者の取り組みを探りました。

 病棟構成の変更やグループ戦略の見直しに着手した有力医療機関と、在宅復帰要件を満たす連携先が「同盟関係」を築き始めた事例を一挙に紹介しました(↓コチラ)。

≪7対1病院≫
法人内に「自宅等」の退院先を整備 ● 菊名記念病院(横浜市港北区)
≪ケアミックス病院≫
入院患者の早期在宅復帰に各科が協力 ● 山元記念病院(佐賀県伊万里市)
≪慢性期病院≫
在宅医療を担う開業医を回って関係築く ● 鹿島病院(松江市)
≪高齢者住宅≫
急性期病院からの紹介が4割の有老ホーム ● コスモス(前橋市)
≪複合型サービス≫
ナースステーションでの事業説明会で関係強化 ● セントケア和歌山(和歌山市)
≪訪問介護≫
医行為研修の修了ヘルパー増やし差別化 ● グレートフル(さいたま市北区)

DPCデータの提出はこんなにカンタン!
 特集以外にも、6月号はリポートやコラムが盛りだくさんです。

◎リポート
誰にでも分かるDPCデータ提出入門
今改定で加算要件が見直し、データ提出の必須化に向け早めの対応を

◎リポート
介護職の医行為で経営力アップ!
事業者自ら育成して戦力化し、ケア向上や運営効率化目指す

◎リポート
激変間近! 転換求められる小規模デイ
通常デイや小規模多機能のサテライトへの移行なども有力候補に

◎コンサルタント 工藤高の病院経営最前線
包括報酬嫌いの頑固な理事長 病棟転換を決断させたものとは?

◎ヘルスケア経営 ほぼやれやれ日記
住民との交流は簡単ではないけれど… 「和太鼓イベント」で一歩踏み出す

◎実践!経営者のための人事・労務入門
退職の申し出は撤回できる?

◎総合経営医Dr.ハイの「院長、ちょっと待って!」
広告に金をかけても患者は増えません

◎院長力を磨く! 診療所経営駆け込み寺
スタッフに一体感がない 理念を浸透させる具体的な方法は?

◎病医院トラブル110番日記
小額訴訟を起こしてきた生活保護の患者

◎はりきり院長夫人の七転び八起き
たかが、されど言葉遣い 侮るなかれ!

◎ベテラン・ケアマネの「少し言わせて」
そのリハビリ、本当に必要ですか? 「漫然リハ」やめ、目標設定と情報共有を

◎バンカーズ・アイ
再生目指す長期損益計画づくり 増収策と経費削減策を盛り込む

◎医療・介護スタッフ賃金速報

 『日経ヘルスケア』にご興味のある方は、ぜひ
★6月号のご案内ページ
または
★定期購読のご案内ページ
をご覧ください。

『日経ヘルスケア』ではこのほか
★1冊購入サービスも提供しております。

 また、ご購読を検討される皆さまのために
★特別編集版の無料プレゼントキャンペーンも実施中です。

 ぜひ一度、各ご案内ページをチェックしてみてください。

日経ヘルスケア編集長 村松 謙一



http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20140602/561002/?ST=management
被災地の創造的復興に「バイオバンク」構築で寄与したい
東北メディカル・メガバンク機構 機構長 山本雅之氏(東北大学大学院医学系研究科教授)インタビュー

2014/06/13
大下 淳一=日経デジタルヘルス (筆者執筆記事一覧)
出典:日経デジタルヘルス 2014年6月3日  
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)

 東北地方沿岸部に甚大な津波の被害をもたらした東日本大震災から約3年が過ぎた。被災地では今、地域医療の復興と、大規模なデータ収集に基づく個別化医療の実現を目指すプロジェクトが動き始めている。東北大学が主導する「東北メディカル・メガバンク機構(ToMMo:Tohoku Medical Megabank Organization)」である。医療情報と遺伝情報を集積したバイオバンクの構築をうたう同プロジェクトの詳細を、東北メディカル・メガバンク機構 機構長を務める山本雅之氏(東北大学大学院医学系研究科教授)に聞いた。

(聞き手は大下 淳一=日経デジタルヘルス)

今回のプロジェクトを始動した経緯を教えてください。

 震災で失ったものを“復元”するだけでは真の復興にはつながらない。そう考えて、被災地の創造的復興につながるプロジェクトとして構想したのが、東北メディカル・メガバンク機構です。

 東北地方の地域医療はこの度の震災で大きな打撃を受けました。地域の中核を担う大規模病院が津波で流されてしまった事例もあります。地域医療を立て直すとともに、震災から立ち上がろうとしている地域住民の健康をどのように長期的に見守っていくか。こうした観点から、大規模な地域住民コホートを柱とする今回のプロジェクトを立ち上げたわけです。被災地に新たな産業を興こし、雇用を生む取り組みとしてもふさわしいと考えました。

 このプロジェクトでは、医療情報と遺伝情報を組み合わせた「バイオバンク」の構築を目指します。個別化医療の実現などに向けた、社会の共通インフラになるものと言えるでしょう。各地に設けた「地域支援センター」を核に、血液検査やMRI検査による医療情報の収集と、遺伝情報の収集を並行して進めていきます。

震災で見えた、従来の地域医療の課題とは何だったのでしょう。

 震災で家を失い、避難所や仮設住宅に移った住民の中には、慢性疾患を抱えている人も少なくありません。ところが、そうした人のカルテは津波で失われてしまっているわけです。これは紙のカルテだから起こったこと。その点で、電子カルテ、特に地域共有型の電子カルテシステムを構築することの重要性を認識させられました。この取り組みが従来は非常に遅れていたのです。

 コホート研究を進める上でも電子カルテの不在は大きな障害となります。住民の方々は統計的には将来、何らかの病気になるリスクを抱えている。我々の狙いは、追跡調査によってその疾患と遺伝的要素や環境的要素の相関を明らかにすることです。そうした追跡調査には電子カルテが欠かせません。地域医療における情報共有基盤の構築をプロジェクトのもう一つの柱に掲げたのは、そうした理由からです。

 大きく二つあります。第1に、被災地住民の健康を見守りながら進める(健常者を対象とする)前向きコホートという点です。こうした取り組みは世界的にも例がありません。宮城県と岩手県の沿岸部の住民を対象に、15万人分のコホートを確立することを目指します。

 第2に、7万人を対象に出生段階からの「三世代コホート」の確立を目指す点です。三世代とは子供とその親、そして祖父母を指し、この血縁者間で疾患などの相関を明らかにします。出生段階から行う三世代コホート研究というものもまた、世界に類を見ません。

 この研究手法には、遺伝的要素や環境的要素と疾患の相関を明らかにしやすいという特徴があります。血縁関係にない人々を母集団としてこうした解析を行う場合、明確な傾向を明らかにするためには非常に多くのサンプル数が必要です。これに対し、三世代コホートでは血縁関係を利用することでサンプル数を大幅に減らせるのです。

 加えて、子供の疾患は幼い時期から症状が出やすいという特徴があり、解析に向いています。この特徴はアトピー性皮膚炎や小児喘息、自閉症の傾向などいずれにも共通しています。

現時点で、コホート研究への参加者はどれほど集まっていますか。被災地でこうした研究への参加者を集うことには、困難を伴うのではないでしょうか。

 2014年3月末時点の数字ですが、宮城県では地域住民コホートで約1万1000人、三世代コホートで約5000人が集まっており、岩手県では約8000人が集まっています。ほぼ計画通りに集まってきており、2015~2016年には15万人を達成したいと考えています。

 被災地だからコホート研究は大変だろうというのは“東京的”な発想ではないでしょうか。被災地は今、たくましく復興を遂げつつある。震災で甚大な被害を受けた宮城県石巻市でも、市立病院の再建計画がまとまったところです。我々の機構からは、こうした復興をサポートするメンバーを沿岸部の各地に派遣しています。

今後、15万人分もの遺伝情報をどのような手段で解析し、どのような形で活用するのでしょうか。

 ゲノムコホートでは、収集した生体試料は外部に提供しても、自ら解析は行わないというケースがしばしば見られます。これに対し我々は解析までを自ら手掛け、その結果を研究機関や企業に提供できる体制を構築したい。そしていずれは調査に参加してくれた住民に、個々の遺伝情報を何らかの形でフィードバックしたいと思っています。

 ですから、遺伝情報をどのような手法で解析し、その結果をどのように提供するかは、今回のプロジェクトの重要なテーマになります。少なくとも、遺伝子の塩基配列の情報をそのまま住民に返す、といったことは考えていません。調査参加者にとって解釈しやすく、しかも何らかの生活改善につなげられる形にするつもりです。



http://mainichi.jp/shimen/news/20140613ddm041040047000c.html
偽りの薬:バルサルタン事件/中 学内の異議、封印 責任者の教授「分かるだろ、僕の気持ち」
毎日新聞 2014年06月13日 東京朝刊

 「白橋氏が臨床試験に関与しているのは問題だ」。京都府立医大の教授室。降圧剤バルサルタン(商品名・ディオバン)の臨床試験に関わった男性医師が、試験の責任者だった松原弘明教授(当時、昨年2月に退職)に異議を唱えた。松原氏は突然、男性医師を抱き寄せると、耳元で諭すようにささやいた。「分かっているだろ、僕の気持ちは」

 臨床試験には製薬会社ノバルティスファーマ元社員、白橋伸雄容疑者(63)が参加していた。製薬会社の社員が試験に関われば、自社に都合の良い結果を出そうとしかねない。こうした「利益相反」の危うさに気付いた医師による上司への忠言だったが、松原氏が口止めをしたことで問題は封印された。

 大学病院の教授の権限は強大だ。同大関連病院の医師は「医師を派遣する人事権を握る上司に、臨床試験に関わった医師らが逆らえるはずがない」と明かす。「ノ社のストーリー通りにしろという松原氏の雰囲気が、研究者の間に広がっていたのではないか」。事件の背景をそう推測する医療関係者もいる。

 「第三者的な立場で関わっていると信じていた」。松原氏は毎日新聞の取材に釈明した。実際には試験のデータはバルサルタンに有利なように改ざんされ、白橋容疑者は逮捕された。

 府立医大には、ノ社側から3億円超の奨学寄付金の提供があった。だが、臨床試験の論文には「関与したスポンサーはない」と記載。毎日新聞の報道で疑惑が発覚するまで、臨床試験への白橋容疑者の関与を否定してきたノ社と同様、府立医大側もノ社との利益相反を隠し続けた。

 バルサルタンをPRする医療専門誌の広告記事は、研究者らが座談会形式でその効能を評価するものが多い。学会の有力研究者たちが名を連ね、顔写真付きで掲載されている。学会ぐるみで、ゆがめられたデータに基づく効能をPRしてきた実態が浮かぶ。

 厚生労働省の検討委員会委員を務めたNPO法人「臨床研究適正評価教育機構」の桑島巌理事長は「宣伝記事に登場する顔ぶれは、すべて高血圧学会幹部の『お仲間』たち。彼らに共通して言えるのは、研究ばかりやってきた人たちだ」と指摘する。臨床試験に製薬会社が入り込む背景を「研究ばかりやってきた医師が、臨床の現場を知っているふりをしようとして無理が生じた」と分析した。

 製薬会社の営業担当社員は、診察の合間を縫って医師に接触を図る。大学病院では日常的な光景だが、行き過ぎれば公平さが失われる。「たくさん金を出してくれてデータ解析もやってくれるのなら、本音では、ぜひお願いしますと言いたくもなる。ノ社は、目立ちすぎたからばれてしまったというだけではないのか」と、ある医師は打ち明けた。

 潤沢な資金を持つ製薬会社と、その金を使って研究成果を出そうとする医師。癒着を招く構造は根深い。

     ◇

 東京地裁は12日、白橋容疑者について21日まで10日間の勾留を認める決定を出した。



http://www.yomiuri.co.jp/science/20140612-OYT1T50144.html
小保方氏に厳しい処分・再生研解体を…改革委
2014年06月13日 01時24分 読売新聞

 STAPスタップ細胞の論文問題で、6人の外部有識者で作る理化学研究所改革委員会(委員長・岸輝雄東京大名誉教授)は12日、小保方晴子ユニットリーダーが所属する発生・再生科学総合研究センター(神戸市)の解体・廃止を求める提言を理研に提出した。


 幹部の責任意識が低く、研究不正を防げなかった組織の構造的な欠陥を改めることは困難と判断した。

 センターは日本を代表する再生医療研究の拠点。改革委は解体の意味について、再生医療研究を続けるかどうかを再検討し、理研内の他の研究拠点との統合も視野に入れるなど、抜本的な出直しを図ることと説明している。こうした事態を招いた責任は重いとして、竹市雅俊センター長と笹井芳樹副センター長は更迭すべきとした。

 さらに理研本部が、STAP論文の徹底調査を避けていることを問題視。「事実解明に関する積極性を欠き、責任の所在が明らかになることを恐れている」と指摘し、隠蔽体質があるとの見方を示した。コンプライアンス(法令順守)担当の米倉実理事と、研究担当の川合真紀理事を交代させるべきとした。

 研究不正の再発を防ぐ組織改革案としては、外部の専門家による「調査・改革監視委員会」の設置や、理事長直轄の「研究公正推進本部」の新設などを要求した。意思決定の仕組みも改め、現在の理事会に加えて、外部有識者が参加する「経営会議」が必要とした。研究現場では、実験ノートの管理を徹底する仕組みを作り、共著者同士の責任を明確にすることを促した。

 一方、理研が進める検証実験についても、進め方が不適切で、STAP細胞自体が捏造ねつぞうではないかという疑問に答えられないと指摘。不正を行った小保方氏は極めて厳しい処分が必要だが、厳格な監視下で小保方氏自身に再現実験を行わせ、細胞の有無をはっきりさせるべきだとした。期間は1年程度との目安を示した。



http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG1204U_S4A610C1CR8000/
「小保方氏採用に問題」 理研の自己点検検証委
2014/6/12 23:37 日本経済新聞

 理化学研究所の小保方晴子研究ユニットリーダーが所属する発生・再生科学総合研究センター(神戸市、CDB)の自己点検検証委員会(鍋島陽一委員長)は12日、STAP細胞の問題を受けてまとめた報告書を公表した。小保方氏の採用方法が異例だったとしたうえで、論文の共著者である笹井芳樹副センター長の過剰な秘密主義が一連の研究不正を生んだと指摘した。

理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(12日午後、神戸市)
画像の拡大
理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(12日午後、神戸市)
 自己点検委はSTAP論文で小保方氏の研究不正を認定したことを受け、4月8日に竹市雅俊センター長が設置した。理研外の専門家で構成、先端医療振興財団先端医療センター長の鍋島氏が委員長を務めた。同委員会がまとめた結果は、外部有識者による理研の改革委員会(岸輝雄委員長)に報告され、改革委の提言に反映された。

 報告書は研究不正と認定されたSTAP論文がどのように作られたか、研究ユニットリーダーに小保方氏がどのような経緯で採用されたかなどについて検証した。

 小保方氏を採用する手続きに問題があったとした。STAP細胞研究の秘密性を保持するために若手研究リーダーに課せられた英語による公開セミナーを省略、通常は英語による面接も日本語で実施するという例外的な措置がとられたという。応募書類が締め切りまでに提出されていなかったことも明らかにした。

 論文執筆の場面では笹井氏の関与が不適切に働いたと分析。小保方氏の過去のデータを全て信用し、再検討・再検証することなく、結果的に多くの誤りを見逃した。外部からの批判を遮断した閉鎖的状況での「囲い込み状態」によって、小保方氏の研究者としての経験を積む機会も妨げたとした。

 鍋島委員長は12日の記者会見で「全てのことを調べられたかというと、そうではない」と述べた。小保方氏への直接の聞き取りができなかったことなどを具体例としてあげた。



http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/blog/massie/201406/536900.html
コラム: 池田正行の「氾濫する思考停止のワナ」
トンデモ医事裁判を支える人々~その1~

2014/6/13 日経メディカル

 車を運転する人が保険に入るのは、好むと好まざるとに関わらず、交通事故に巻き込まれることを心配しているからです。東日本大震災以来、地震、原発、津波の心配をする人も増えました。では、医事裁判についてはどうでしょうか?

科学も医療を知らずに医師を裁く人々
 今国会に関連法案が提出された医療事故調査制度では、制度設計に関わった厚生労働省の医系技官に対して、大いに不満を持っている読者もいるでしょう。「医師免許を持っていても、現場を知らない役人どもが何を言うか」というわけです。しかし、そんな読者も、医療事故調の出口である医事裁判が、医師免許はおろか、解剖学一つ学んだことのない人々によって支配されている事実を明確に意識しているでしょうか?

 警察官も検察官も裁判官も、解剖学を学んだこともなければ、家庭医学書を通読したこともありません(35万人に及ぶ日経メディカルオンライン読者の中で、彼らに系統的に科学や医療を教えた経験のある人がいたら、ぜひ私に教えてください)。その彼らが、100年以上前にできた刑法を使って、医師を業務上過失で逮捕し、取り調べ、送検し、起訴し、有罪とならないまでも、キャリアに取り返しのつかないダメージを与える1)。それが現代の医事裁判です。言われてみれば当然の、そんな事実に今まであなたが気付いていなかったとしたら、それは取りも直さず、医事裁判に対するあなたの当事者意識の欠如・思考停止の結果です。

業務上過失では医療過誤の原因究明はできない
 例えば、自分が突然出張先で倒れた場面(もちろん原因不明)を考えてみれば、どんな診療行為にも複数の情報源、複数の人による複数の判断が関わることが容易に理解できます。ましてや裁判沙汰になるような医療過誤では、必ず複数のシステムエラーと複数のヒューマンエラーが複雑に絡み合って生じます。ところが、業務上過失はあくまで特定の個人を罪に問うものです。

 業務上過失では、病院や病棟というシステムや、検査機器を逮捕し取り調べることはできません。医療過誤の際に、患者やその家族が求める真相究明と事故再発防止は、業務上過失では不可能なのです。それどころか、業務上過失は、チーム医療の中で生じる医療過誤の責任を、すべて特定の個人だけに押しつける冤罪(えんざい)を必然的に創り上げてしまうのです。にもかかわらず、警察官も検察官も裁判官も、業務上過失により全ての医療過誤の原因が完全に究明できて、患者やその家族の期待に応えられると本気で信じています。このような誤った使命感・万能感により、自分は科学や医療のことは何も知らないという自覚を喪失したまま、彼らは一路立件・有罪にまい進するのです2)。

 肋骨が何本あるかも知らない刑事が業務上過失致死でベテラン心臓血管外科医を取り調べ3)、調書を自作し(肋骨の本数も知らないのですから、本人から調書が取れる訳がありません)、肋骨が何本あるかも知らない検察官・裁判官が、起訴し判決文を書く。それは決して、三谷幸喜の書いた脚本の筋書きではなく、現実です。今日も同様の悲劇が日本国中で起こっています.

 科学も医療も知らない警察官・検察官・裁判官たちが一旦走り始めたら、だれも彼らを止めようとはしません。それどころか、多くの人々が彼らをあおり、彼らの誤った使命感を自らの利益確保のために利用します。扇情的な見出しで売り上げ増を目論むメディアはもちろん、逮捕者周辺の医師たちも、問題となった医療過誤の原因究明などそっちのけ、見て見ぬふりをするのはまだいい方で、これ幸いとばかりに逮捕者だけに責任を押しつけて自分たちの利益を守ろうとする輩も出る始末です3)。

こんな裁判にだれがした?
 こんな医事裁判に誰がしたのでしょうか?一義的な責任はもちろん警察官や検察官や裁判官達に給料を払い、彼らの仕事から利益を享受するはずだった「出資者=納税者=一般市民」、つまり我々自身にあります。裁判という極めて重要な社会インフラから利益を受けるのは我々自身です。そもそも警察官も検察官も裁判官も全て公務員ですから、我々一般市民に奉仕する義務があります。にもかかわらず彼らは特高(戦前の特別高等警察)気取りで被疑者を締め上げ4)、創作した自白調書だけで業務上過失致死、時には殺人に被疑を切り替えてまで5)血祭りに上げようとします。

 彼らをそこまで増長させたのは我々自身です。ジャーナリストたちではありません。警察や検察の報道発表を垂れ流し、イレッサの教訓から何も学ばず、ノバルティス社を刑事告発するような脳天気なオンブズパーソンを褒めたたえ、製薬企業に対する攻撃記事を売りつける一方で、いかがわしい民間療法業者から広告料を巻き上げて収益を確保する6)。

 そんな彼らを「バカなマスコミ」と言いつつも、我々はそのばか者たちに警察・法曹の監視を丸投げしてきました。解剖学一つ学ぶことなく特高気取りで悪徳医師物語創作に励んできたトンデモ公務員たちと、彼らを褒めたたえ、彼らの創作物語を売りまくってきた卑劣なジャーナリストたち。トンデモ医事裁判を支えてきた一義的な責任は、そんな連中を野放しにしてきた我々自身にあるのです。

【参考資料】
1)刑事訴追、そのとき医師は… 不起訴でも医師の代償大きく.日経メディカル.2008年7月号
2)刑事訴追、そのとき医師は… 医師の刑事免責はあり得ない.日経メディカル.2008年7月号
3)佐藤 一樹.刑事事件の経験を語る(1)事故責任を押し付けた大学に最も怒りを感じる 日経メディカル 2008年7月号.
4)市川 寛.検事失格~私はこうして冤罪をつくりました~.毎日新聞社 には次のような下りがあります。
「市川君ね、僕が特捜部にいたころなんかはね、生意気な被疑者がいると、机の下からこうやって被疑者の向こうずねを蹴るんだよ。特別公務員暴行凌虐罪をやるんだよ」。部長は自ら机の下の隙間から足を突き出しながらこういった。
5)岸 和史 刑事事件の経験を語る(2)安全管理システムに欠陥 死因究明の前に世論形成 日経メディカル 2008年7月号
警察官が創作した調書への署名を岸氏が拒否すると、「業務上過失致死を殺人の被疑に切り替える」と恫喝されました
6)池田正行「氾濫する思考停止のワナ」.ノバルティス社刑事告発が意味するもの


  1. 2014/06/13(金) 05:27:08|
  2. 未分類
  3. | コメント:0
<<6月13日  | ホーム | 6月11日 >>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する