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地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

6月11日 

http://www.asahi.com/articles/ASG6C3RZ6G6CUTIL018.html
ノバルティス元社員を逮捕 論文不正、薬事法違反の疑い
2014年6月11日18時30分 朝日新聞デジタル 

 製薬大手ノバルティスの高血圧治療薬ディオバンに関する臨床研究の論文にデータ不正があった事件で、東京地検特捜部は11日、京都府立医大の論文データを不正に操作したとして、同社元社員の白橋伸雄容疑者(63)=神戸市=を薬事法違反(虚偽記述・広告)の疑いで逮捕し、発表した。一連の論文不正問題は、製薬会社の元社員が刑事責任を追及される事態に発展した。

ノバルティス元社員、取材では関与否定 論文不正
 白橋元社員は逮捕前、朝日新聞の取材に「データ操作は一切していない」と容疑を否認していた。

 特捜部の発表などによると、白橋元社員は京都府立医大がディオバンの効果を調べるために実施した研究で、大学から依頼されてデータの解析を担当。論文を執筆する医師らに不正に操作したデータを2010~11年に提供し、海外の医学雑誌に論文を掲載させた疑いがある。

 データはディオバンの効果を高める方向に改ざんされており、特捜部は白橋元社員が同社の広告に利用するために虚偽の論文を作成させたとみている。

 ディオバンは、ノバルティスが00年から国内で販売する高血圧治療薬。02~10年に京都府立医大のほか、東京慈恵会医大、滋賀医大、千葉大、名古屋大の計5大学が臨床研究を実施。京都府立医大と慈恵医大の論文は、ディオバンが他の高血圧治療薬より、脳卒中や狭心症を防ぐ効果が高いと結論づけた。だが昨春、これらの論文作成に同社の白橋元社員が関与していたことが発覚。京都府立医大などが、論文に不正や不適切なデータ操作があったとの調査結果を公表した。

 この問題では、厚生労働省が今年1月、ノバルティス日本法人に対する同法違反容疑での告発状を東京地検に提出。特捜部は2月に、同社や京都府立医大などを家宅捜索していた。

■ノバルティス「厳粛に受け止めている」

 ノバルティスは元社員が逮捕されたことについて、「事実を厳粛に受け止めている。引き続き捜査に全面的に協力していく。さらなるご心配とご迷惑をおかけすることになり、改めて深くおわび申し上げる」とのコメントを出した。

■京都府立医大「重く受け止めたい」

 ノバルティス元社員の白橋伸雄容疑者の逮捕を受け、京都府立医大は11日、「正式に連絡を受けていないが、逮捕されたということであれば重く受け止めたい。引き続き捜査に協力するとともに再発防止に努めたい」とコメントを出した。

 白橋容疑者は高血圧治療薬ディオバンの効果を確かめる臨床研究のうち、京都府立医大などの研究にかかわっていた。

     ◇

 〈ディオバン〉 年間売上高1千億円超の人気薬。「ディオバンは他の薬より効果が高い」とする京都府立医大などの論文を、ノバルティスが医師向けの広告に繰り返し利用。同医大など5大学の論文を使った雑誌広告などは、2006年以降で495種類に及ぶ。



http://www.yomiuri.co.jp/national/20140611-OYT1T50120.html?from=ycont_latest
新型出生前検査で陽性、確定診断受けず2人中絶
2014年06月11日 18時15分 読売新聞

 妊婦の採血でダウン症などの胎児の病気を調べる新型出生前検査で、病気の疑いがある「陽性」と判定された妊婦2人がその後の確定診断を受けずに人工妊娠中絶をしていたことが読売新聞の取材でわかった。


 新型検査は「陽性」と出ても実際には病気ではないことがあり、検査指針で「医師が十分説明し、理解を得ること」と定めている。検査実施病院を認定する日本医学会は事態を重く見て、病院に詳細な報告を求めた。今後、再発防止に向けた対応を協議する。

 新型検査は例えばダウン症の場合、「陽性」と出ても35歳の妊婦なら20%が、42歳では5%は実際にはダウン症ではないとされる。確定には羊水検査など腹部に針を刺して調べる検査が必要だが、従来の血液検査に比べて精度が高いため、新型検査の結果のみで中絶する恐れが懸念されていた。



http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtpronews/1406/1406040.html
薬事法違反で元社員逮捕,ノバルティスファーマが声明
[2014年6月11日] MT Pro / Medical Tribune

 アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)バルサルタンの医師主導臨床試験問題をめぐり,ノバルティスファーマは本日(6月11日),東京地検特捜部が薬事法違反容疑で同社元社員の白橋伸雄容疑者を逮捕したとの報道を受け,同社は同日公式サイトで声明を発表した。

「この事実を厳粛に受け止めております」

 同社は,同容疑者の逮捕について大変お騒がせして申し訳ございませんとし,以下の声明を発表した。

 弊社の元社員が逮捕されたことにつきまして,この事実を厳粛に受け止めております。当社としては引き続き捜査に全面的に協力してまいります。皆さまにさらなるご心配とご迷惑をおかけすることになり,あらためて深くお詫び申し上げます。

薬事法第66条で誇大広告を規定

 違反容疑が持たれている薬事法は,医薬品などの効能や効果などについて「虚偽又は誇大な記事を広告し,記述し,又は流布してはならない」(薬事法第8章「医薬品等の広告」,第66条第1項)とするもの。これに違反した場合は,2年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金,あるいは併科となる。

 バルサルタンの医師主導臨床試験のデータ操作に対する原因究明と再発防止を検討する厚生労働省の「高血圧症治療薬の臨床研究に関する検討委員会」は,昨年(2013年)10月に公表した「中間取りまとめ」(関連記事)の中でバルサルタンに関する広告が薬事法の誇大広告に抵触する可能性があるとして,厳しい対応を求めており,厚労省は今年1月,同容疑者と同社を東京地検に告発した。

(田上 玲子)



http://www.m3.com/iryoIshin/article/223482/?portalId=iryoIshin&pageFrom=openIryoIshin
レポート 医療維新
混迷する”医療事故調”の行方
医師法21条、「医療事故の届出想定せず」、厚労相
小池議員の質問に対し答弁、参院厚生労働委員会

2014年6月11日(水) 橋本佳子(m3.com編集長)

 参議院厚生労働委員会で6月10日、田村厚労相は、異状死体の届け出を定めた医師法21条の解釈について、「医療事故等を想定しているわけではない。これは法律制定時より変わっていない」と答弁した。その上で、2004年の都立広尾病院事件の最高裁判決は「外表を検案して、異状を認めた場合」、いわゆる外表異状説で判断していること、2012年の厚生労働省検討会で、当時の田原克志医事課長も外表異状説を基に説明していることを挙げ、外表異状説が厚労省の解釈であるとした(『「診療関連死イコール警察への届出」は誤り』を参照)。

 これは、“医療事故調”の設置などを盛り込んだ、医療・介護総合確保推進法案に対する、共産党の小池晃議員の質問への答弁。

 さらに田村厚労相は、同法案で創設する医療事故調査制度は、責任追及や紛争解決を目的とした制度ではないと明言。医療事故を調査する第三者機関である、医療事故調査・支援センターの役割について、「(警察に)届け出たり、行政処分の対象という形で、報告書をまとめたりすることはしない」と説明した。医療事故の報告書は、「誰がどのようなことをやったという個人名や、過失がある、責任があるなどの書き方にはしない」とし、制度の詳細は、今後策定するガイドラインで定めていくとした。

 小池議員は、今回質問した背景を、「医師法21条については2000年代、『医療事故は警察に届け出なければいけない』と曲解、拡大解釈され、福島県立大野病院事件などもあり、何とかしなければいけないと長年思っていた」と説明。先の「田原課長発言」は、この拡大解釈を正す重要な発言であるものの、厚労相の国会答弁という法律に準じる形で残す必要があるとの考えから、質問したという。

 「今回の厚労省の答弁は、医師法21条の解釈について、疑問の余地をなくしてくれたという点で、私自身、高く評価している。『医療事故が生じたら、警察に届けなくてはいけない』と不安に思っている先生がいるが、この問題は解決できたので、安心していい。何かあれば、今回の国会答弁を引用してもらいたい」。小池議員は、こう語るものの、最終的には医師法21条そのものを改正し、異状死体の届け出から、医療関連死を除くことが必要だと考える。

 さらに小池議員は、“医療事故調”の法案について、制度の詳細はガイドラインで規定されることになっていることから、「大事な問題をガイドラインに委ねること自体に疑問がある。ガイドラインによってかなり性格が変わり得るが、あくまで今国会の議論を反映しなければいけない。責任追及の仕組みにならないよう、監視をしていかなければいけない」と強調している。

【参議院厚生労働委員会(2014年6月10日)小池議員の質問】

小池議員:医療事故の調査制度について、第三者機関は我々が求めてきた制度だが、今回の制度には懸念もあるので、正したいと思う。今回の制度は、大臣も繰り返して言っているが、再発防止と医療の安全が目的であり、責任追及ではないということだが、再発防止と言うと、原因究明が必要になる。原因究明となると、直ちに責任追及に結びついていく可能性もある。その懸念が、医療界にもある。大臣はここにどう答えるのか。安全性の向上、再発防止という政策目的と、責任追及が今回の制度ではどう遮断されているのかいないのか、説明していただきたい。

田村厚労相:平成20年に、医療安全調査委員会設置法案、大綱案を示したが、この中では医師法21条を免除するために、公的な第三者機関で、故意や重度の過失があった場合には、警察に報告、届け出る。また行政処分の対象にもなってくる。これでいろいろな議論をしたが、やはり医療関係者をはじめ、いろいろな方々から異論が出たので、今般の法案になったわけだ。医師法21条に関しては、対象にしていない。そもそもそのような話ではなく、あくまでも民間の第三者的な機関、つまり医療事故調査支援センターが、(警察に)届け出たり、行政処分の対象という形で、報告書をまとめたりすることはしない。報告書を受け取った場合にも、もちろん遺族の方々にはお渡しするが、その内容は、誰がどのようなことをやったという個人名や、過失がある、責任があるなどの書きっぷりにはしない。これはガイドラインで具体的に定めていきたいと思うが、そのような責任追及というガイドラインにはせず、あくまで医療の事故、どのような理由で事故が起こったのか、さらには原因究明の後、再発防止の参考資料として、使っていく内容にしたいと考えている。

小池議員:再発防止の問題だが、報告書の中に、個別ケースの再発防止策が書かれていると、結果回避義務違反に問われる可能性があると言われている。(厚労省医政局)局長に聞くが、再発防止策については、一定の事例が集まった段階でまとめて、個々のケースが特定できないようにした上で公表するといった配慮が必要だと思う。

原医政局長:医療事故調査・支援センターでは、再発防止にかかる普及啓発を行うこととしている。ご指摘のように、一定の事例が集積された段階で、類似事例についてまとめて普及啓発策を提案することも有効な手段であると考えている。ただ、具体的にどのような形でやるかについては、今後ガイドラインを策定する中で検討する予定なので、責任追及や紛争解決を目的とした制度ではないことを踏まえて、医療従事者の氏名や過失の有無など個別の事例が特定できないような形での配慮は十分にしていきたいと思っている。

小池議員:条文の中には、第三者機関に対する公費負担の規定はないが、やはり国が十分な責任を果たす必要があると思う。遺族の費用負担が、事故調査を躊躇させるものではあってはならないと思うが、この点はどう考えるか。

原医政局長:特に医療事故調査・支援センターが調査にかかる場合に、その費用をどうするかについては、(厚労省の)検討会の段階では、当然ながら遺族や医療機関の申請に基づき行うものであるから、一定のそれぞれの負担は必要だろう。そのほか、一般的な支援センターの運営には、学会や医療関係団体からの支援、あるいは国からの補助金等々が必要だとされている。その上で、遺族から費用をいただくにしても、その検討段階では調査を申請した医療機関や遺族の負担を求めるものの、制度の趣旨を踏まえ、申請を妨げることとならないよう、十分に配慮しつつ、負担の在り方について検討することとされているので、その観点で検討していく。

小池議員:最後に大臣に医師法21条について聞きたい。2001年4月3日の当委員会で、私の質問に対して、当時の医政局長は、「医師法21条は、医療事故そのものを想定した規定ではない」と答弁した。しかし、その後の動きの中で、拡大解釈が広がった。改めて医師法21条についての厚労省の解釈を述べていただきたい。

田村厚労相:医師法21条だが、死体または死産児、これについては、殺人、傷害致死、さらには死体損壊、堕胎等の犯罪の痕跡をとどめている場合があり、司法上の便宜のために、それらの異状を発見した場合には、届け出義務を課している。医師法21条は、医療事故等々を想定しているわけではなく、これは法律制定時より変わっていない。ただ、一方で、平成16年4月13日の都立広尾病院事件の最高裁判決において、「検案」とは医師法21条では、「医師が死因等を判定するために、外表を検査すること」としている。一方で、これは、自分の患者であるかどうかは問わないということなので、自分の患者であっても、検案の対象になる。さらに、医療事故に係る調査の仕組み等のあり方に関する検討部会の平成24年10月26日では、出席者から質問があったため、わが省の担当課長から、このような話があった。「死体の外表を検査し、異状があると医師が判断した場合には、これは警察署長に届ける必要がある」。一連の整理をすると、このような流れの話だ。

小池議員:これで、医師法21条が「何でも医療事故を届け出るものではない」ということが、きちんと確認されたと思う。私はこれはきちんと法改正をすべきだと思う。併せてやはり今回の法全体で言うと、これはむしろ逆に、医療を崩壊させることになり、医療事故を起こすようなことになりかねないと私は思っているので、この医療事故の問題は改めて切り離して議論する。法案としても、そのような処理を求めたい。



http://mainichi.jp/shimen/news/20140611dde041040029000c.html
バルサルタン:臨床試験疑惑 ノ社元社員逮捕(その1) 医師と製薬、癒着にメス
毎日新聞 2014年06月11日 東京夕刊

 ◇ヒット薬、疑惑続出 データ解析請け負う
 降圧剤バルサルタン(商品名ディオバン)の臨床試験を巡る事件で11日、製薬会社ノバルティスファーマの元社員、白橋伸雄容疑者(63)が薬事法違反容疑で逮捕された。ノ社が試験への不透明な関与を認めて謝罪してから1年。この間、臨床試験をした5大学のうち4大学がデータ操作の可能性を認めた。医師と製薬業界の根深い癒着。東京地検による解明が始まった。

 一連のバルサルタンの臨床試験は、血圧を下げるだけでなく、脳卒中予防などの効果がとりわけ大きいかを京都府立医大など5大学が検証するものだった。ノ社は各大学の試験の論文を使って大々的な宣伝を繰り広げ、バルサルタンは2000年の発売から累計売り上げ1兆2000億円を超す国内有数の大ヒット薬に成長した。

 ところが、府立医大の論文については、京都大病院の由井芳樹医師が12年4月に医学誌で統計的なおかしさを指摘するなど、専門家から科学的な疑問が相次いで投げかけられてきた。府立医大チームの論文を掲載した日本循環器学会は、試験責任者の松原弘明教授(当時)の事情聴取に踏み切り、同年末に「重大な問題がある」と論文を撤回した。

 昨年3月、撤回されたこれらの論文のデータ解析に白橋容疑者がひそかに関与し、ノ社から1億円を超す奨学寄付金が松原教授の研究室に提供されていたことが毎日新聞の報道で発覚し、社会問題化。白橋容疑者は東京慈恵会医大など他の4大学の臨床試験にも関与していたことが明らかになっていた。

 昨年7月以降、府立医大、慈恵医大、滋賀医大、千葉大が論文を検証し、データ操作されていた疑いが次々に判明。厚生労働省は大臣直轄の有識者検討委員会を設けて白橋容疑者ら関係者を聴取したが、データ操作への関与を認める者はおらず、今年1月に薬事法違反(誇大広告)容疑で刑事告発した。

 今後の焦点はノ社の組織的な関与がどこまで解明されるかだ。主に数種類ある降圧剤のうち、バルサルタンを含む「ARB」と呼ばれる降圧剤は、00年前後にノ社など数社が発売。ノ社はライバル社のARBとの差別化を目指し、他の薬には無い効果を「証明」する臨床試験を大学研究者らと計画していった。

 こうした中で各大学に白橋容疑者を「統計の専門家」として紹介したのは、白橋容疑者の同僚らだったとされる。一方で、ノ社は5大学に11億円を超す奨学寄付金を提供。これらは当時の社長らが決裁していた。【八田浩輔、河内敏康】

 ◇厚労省幹部「ついに逮捕か」

 「ついに逮捕されたか」。バルサルタンの臨床試験疑惑で、東京地検に告発状を出していた厚生労働省の幹部は当然と受け止めた。関係者からは白橋容疑者だけでなく、ノ社幹部や研究者側の関与について、真相究明を期待する声が相次いだ。

 厚労省は告発状で容疑者を特定せず「氏名不詳」としたが、広告担当の役員クラスの責任者らを想定していた。広告や営業担当ではなく、臨床試験に関わった白橋容疑者が逮捕されたことに、幹部は「疑惑のキーマンであることに間違いはないが、どのようにかかわったのか。捜査の行方を見守りたい」と話した。厚労省は今後、ノ社に対し薬事法に基づき業務停止処分などの行政処分を検討する。

 疑惑では、市民団体「薬害オンブズパースン会議」も東京地検に刑事告発した。代表の鈴木利広弁護士は「日本の臨床研究を健全化させるために徹底した原因究明をしてほしい」と話した。

 疑惑を調査するために設置された厚労省の有識者検討委員会委員で、NPO法人「臨床研究適正評価教育機構」の桑島巌理事長は「元社員の逮捕は当然予想されたこと。捜査で元社員だけでなく、企業ぐるみの関与や研究者側との共謀があったのか解明が待たれる」と語った。【桐野耕一、高島博之、堀智行】

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 ◇ノバルティスファーマを巡る主な動き

2013年

3月28日 毎日新聞が「バルサルタン臨床試験に社員が関与。大学側に1億円寄付」と報道

5月22日 ノ社が「社員の関与は不適切だった」と謝罪

  27日 厚生労働省が厳重注意

6月 3日 ノ社が社長らの報酬カットを発表

7月11日 京都府立医大の試験にデータ操作と判明

  29日 ノ社が論文を薬の宣伝に利用したことを陳謝。社員を臨床試験に関与させないとの再発防止策

  30日 慈恵医大の試験にデータ操作と発表

9月26日 ノ社のスイス本社社長が来日し厚労相に陳謝

  30日 厚労省の検討委員会が「誇大広告の恐れ」と中間報告

14年

1月 9日 厚労省がノ社を薬事法違反(誇大広告)容疑で刑事告発

  中旬  白血病治療薬の臨床試験への社員関与が報道で表面化

  23日 白血病治療薬試験への社員の関与を謝罪

4月 2日 ノ社の社外調査委員会が「バルサルタン問題の反省生かされず」と発表

6月11日 東京地検がノ社元社員の白橋伸雄容疑者(63)を薬事法違反容疑で逮捕



http://mainichi.jp/shimen/news/20140611dde041040073000c.html
バルサルタン:臨床試験疑惑 ノ社元社員逮捕(その2止) 組織関与どこまで
毎日新聞 2014年06月11日 東京夕刊

 ◇白橋容疑者「会社に裏切られた」

 統計解析の知識を基にバルサルタンの臨床試験に関わってきたノバルティスファーマの元社員、白橋伸雄容疑者(63)。これまで各大学や厚生労働省の調査に応じつつも「統計解析のアドバイスをしただけ。データ操作はしていない」などと、強く不正への関与を否定してきた。

 白橋容疑者は、大学の工学部を修了し、ノ社の前身である製薬会社に入社した。当初は医薬品の営業を担当。その後、同じ営業所にいた後輩から統計学を学んだという。医師の相談に繰り返し応じるうちに専門性を高め、いつしか「統計の専門家」として社外でも知られる存在になった。元同僚らは「学究肌」と評すが、千葉大の調査では、統計解析方法の根本的な間違いが指摘された。

 ノ社に勤めつつ2002年から11年間、大阪市立大の非常勤講師となったが、同大によると、この間に行った講義は1回程度だけだった。この肩書でバルサルタンの臨床試験の論文に登場していたことが疑惑を深めることとなった。

 一連の論文はバルサルタンの売り上げに大きく貢献し、09年に社長賞を受賞している。定年退職後も契約社員としてノ社に残っていたが、昨年春に疑惑の中心人物に浮上すると同年5月に退職。このころ、知人男性に「会社が自分のせいにしようとしている。裏切られた」と不満げに話したという。この知人は白橋容疑者について「以前、バルサルタンの試験結果を使った宣伝の在り方を批判していた。その彼がデータ操作したなんて考えられない」と話した。ある研究者は「出しゃばって仕切るタイプではなかった」と振り返る。【河内敏康、八田浩輔】



http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/140611/crm14061113170008-n1.htm
「会社ぐるみの可能性高い」「医療の側の不正徹底調査を」厚労省委員
2014.6.11 13:17 産經新聞

 ノバルティスファーマの元社員、白橋信雄容疑者(63)の逮捕を受け、厚生労働省の幹部は「告発から5カ月。しっかり捜査をしていただいたのだろう。今後の推移を見守りたい」と話した。誇大広告をした社員を不詳として告発に踏み切った厚労省だが、白橋容疑者の逮捕については、「白橋容疑者ひとりで終わるかどうか、今後どう発展するか分からない」と慎重な見方を示す。捜査の状況を見守り、今後ノ社への行政処分も検討するという。

 一方、一連の論文を使った広告が誇大広告に当たる疑いがあるとする報告をまとめた厚労省有識者委員会の委員を務めた臨床研究適正評価教育機構の桑島巌理事長は「委員会で聴取したとき、白橋容疑者は関与を否定した。強制力がなくそれ以上調べられなかったが、一連の問題は会社ぐるみで行われた可能性が高い。これで真相が明らかになるのではないか」と期待を寄せる。

 さらに「誇大広告には医師などの専門家が協力していた。医療の側が不正に関与していなかったか、製薬企業と癒着がなかったか、徹底して調べてもらいたい」と注文をつけた。



http://www.yomiuri.co.jp/national/20140611-OYT1T50033.html?from=ytop_main7
伝え方研修したら…難治がん告知、患者うつ軽く
2014年06月11日 10時00分 読売新聞

 再発がんなど治療困難ながんの告知は、患者とのコミュニケーションの研修を受けた医師が行うと、がん患者のうつの程度が低かった、との研究結果を厚生労働省研究班が10日、米国臨床腫瘍学会誌電子版に発表した。


 医師向けのコミュニケーション研修の効果が、患者への大規模な調査で確認されたのは世界で初めて。

 研究は、2006~07年、国立がん研究センターの中堅医師30人を、研修を受けるグループ、受けないグループに分けて実施。各医師が受け持つ患者計601人に心理検査を行い、難治がん告知後のうつの程度などを数値化し比べた。

 研修は2日間。〈1〉ときどき沈黙し、相手が考える時間を設ける〈2〉「はい」「いいえ」の答えで終わる質問ではなく、自由な発言を引き出す問い方を心がける――などの面接技術を学ぶ。

 その結果、うつの程度を調べる心理検査(最高21点)で、未研修の医師が受け持った患者の平均は、受診を勧める基準(5点以上)を超える5.32点だったが、研修した医師の患者は4.59点と低かった。

 分析した国立精神・神経医療研究センターの藤森麻衣子・自殺予防総合対策センター室長は「コミュニケーション力は性格など個人の資質と思われがちだが、学習で向上する部分も大きい。研修を広めたい」と話す。




http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/article/knp/column/20140605/665631/?bpnet
Vol.025 経営に役立てるFM
患者の満足度を追求する聖路加国際病院
<導入事例>01.医療機関のFM

2014/06/11 ケンプラッツ

患者の満足度に徹底して目を向け、施設や設備の向上につなげる

【導入の歩み】
QI(品質指標)の導入によって医療の質を“見える化”し、その専門チームがFM (Facility management) も担い、ホスピタリティの向上を図ってきた。
【主要な狙い】
QIをもとに国際認証を取り、常に高い医療の質を維持し、環境面を含めて患者満足度を高める。さらに多角的な診療やサービスに備える。
【組織の体制】
施設課を中心に多様なメンバーによるチームをQIセンター内に編成し、細かい気付きや患者の不満を、中長期の施設管理や設備更新に生かす。

 「掃除方法に問題はないか」「掃除のしにくさは何が原因か」「患者の不満につながらないか」など、患者の入室時間も間近な病室で数人の職員が問題の指摘や確認、その対策や解決方法を議論する。メンバー個々の立場から発言が続く。これはEOC(Environment of Care:医療環境管理)チームによる活動の一環で、月2回、ミーティングと院内ラウンドを行っている(EOCチームの写真)。備品や機器の管理、院内感染予防、防災・セキュリティー、患者や職員の快適性などについて、PDCAに則って実施してきた。

 さらに、福井次矢院長の司会で毎朝「患者ご意見対応ミーティング」を行い、「中長期の視点を持ち、かつ迅速に患者の困っている状況を改善している」と聖路加国際メディカルセンター施設課マネジャーの小室克夫氏は、患者第一の姿勢であることを強調する。

他に先駆けて「臨床指標」を策定
 聖路加国際病院(以下聖路加)は1980年代に大規模な再開発に着手した。92年に開設に至った新病棟の設計には米国の病院コンサルタントなども参画し、医療施設そして病院建築としても画期的なものとして脚光を浴びた。

 都内でも屈指の“ブランド病院”として知られる。全病室がシャワー・トイレ付きの完全個室という点は現在でも珍しい。520ある病床のほとんどが差額ベッドだが、平均在院日数が約9日で、稼働率は9割近くを維持している。

 聖路加のFMの取り組みにおいては、QI(Quality Indicator:品質指標)の考え方が大きな役割を担う。医療の質を“見える化”し、これを全体最適化のために用いる。

 医療を客観的に評価する方法は「臨床指標」などとも呼び、欧米では早くから導入が進んだ。聖路加は2007年に国内では他に先駆けて90の指標を測定・公表し、以後、毎年冊子にして出版してきた。その項目は、病院の利用状況や各種の報告・記録、手術・処置に関するもの、患者満足度に関するものなど広範で、かつ詳細にわたる。

医療の“質”をファシリティでも保証
 聖路加ではQIを、FMに相当する活動を含むQuality Improvement(品質改善)の一環としても位置付けている。その推進のために、施設課、人事課、ナース、薬剤部、教育研修部などの兼務を含む14人でQIセンターと呼ぶ組織を構成している。施設課が主導する冒頭のEOCチームによる院内ラウンドは、その主な活動の一つだ。

 医療価値や患者満足度、職員意識の向上のほか、日々の活動で得た情報を中長期の施設管理、設備更新に反映させる意味合いもある。問題点の解決や対策には、「関係各署の間で情報を伝達し、協力し合う必要がある。QIセンターのおかげで、その対応が迅速、かつ適切なものになった」(小原氏)。

 「QIセンターの発足は、JCI(Joint Commission International)の受審が一つのきっかけだった」と同センターの小迫氏は言う。JCIは米国が本部の国際医療機関認証で、世界90カ国以上で632、国内では聖路加を含め、10の医療機関が認証を受けている(14年4月現在)。グローバルな基準での“お墨付き”を得るわけだが、3年ごとの審査ではハード面だけでなく、カルテのレビューなど病院運営全体にチェックが入る。高いレベルで質を維持するためには、不断の努力が欠かせなくなる。

 聖路加は、大手町フィナンシャルシティ内に12年、外国人ビジネスマンをメインターゲットにしたクリニック兼会員制医療支援施設「聖路加メディローカス」を開設した。今後、収益性の高いメディカル・ツーリズム(医療観光)などに対応するためにも、国際的なレベルの医療品質、そしてFMの持続がカギになってくるはずだ。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/42967.html
群馬県ドクターヘリ、代替機で運航再開- 16日間運休、長野から越境出動2件
( 2014年06月11日 17:55 )キャリアブレイン

 群馬県のドクターヘリが故障し運休していた問題で、県は10日から代替機による運航を再開した。9日に運航再開の予定だったが、天候不良のため、整備工場からの空輸が遅れていた。故障した機体は11日現在、修理中で、機体の整備が終わり次第、再配備する方針だ。【新井哉】

 県医務課によると、先月25日にドクターヘリの機体に不具合が発生し、運航を休止。防災ヘリのドクターヘリ的な運用や、ドクターカーの臨時運用で対応したほか、越境出動した長野県ドクターヘリの支援を受けるケースもあった。

 16日間の運休中に、防災ヘリのドクターヘリ的運用が9件、長野県のドクターヘリによる対応が2件、前橋赤十字病院・前橋市消防局や高崎総合医療センターのドクターカーによる対応が9件あったという。

 故障機については、修理が終わり次第、愛知県内の整備工場から東京ヘリポートまで空輸し、運航会社の格納庫で代替機の資機材を積み替える予定。群馬への再配備は12日以降になる見通し。

 県の担当者は「代替機の配備で通常の体制に戻った。代替機は、これまで使ってきた機種と同じで運航に支障は出ていない」と話している。



http://www.hokkaido-np.co.jp/news/chiiki/544763.html
苫小牧市立病院、休止病棟再開へ 48床分の一部 看護師数が回復
(06/11 16:00)北海道新聞

 【苫小牧】苫小牧市立病院は、看護師不足のため2012年9月から休止している1病棟48床を、10月から一部再開する。初任給の増額などの対策で看護師数が回復傾向にあることが要因。再開する病床数については、今月と8月の看護師の採用試験の結果などを踏まえて最終決定する。

 同病院には全9病棟(382床)あり、すべての入院患者に十分に対応するためには、夜勤が可能な看護師が少なくとも260人程度必要とされる。ただ、退職者や産休・育休による休職者が相次いだことなどで近年、夜勤可能者が230人前後で推移。このため、12年9月に東4階病棟48床を休止した。

 13年度に看護師の初任給を2万2千円増額したほか、看護学生に学費を貸し付け、同病院で勤務すると、返済が免除される学資金制度の枠を拡大するなどした。

 一連の取り組みに加え、今年3月末で閉鎖した道立苫小牧病院からの転籍者もおり、看護師を今春、近年の4月1日付の採用人数としては最多となる30人を採用。6月1日現在、夜勤可能者は255人に達した。

 さらに、採用試験を今月7日に実施したほか、8月上旬にも行う。10月までに新たな退職者や休職者が出る懸念はあるものの、同病院事務部は「試験で何人採用できるかによるが、一部での再開は可能と判断した。急性期を担う2次医療機関としての役割を果たしたい」とする。

 一方、同病院の全9病棟は重症患者向けの「急性期病床」だが、国は現在、同病床を削減し、リハビリを充実させた「地域包括ケア病棟」を拡充する方針を示している。そのため、同病院は再開する病棟については、地域包括への移行も含めて検討する考え。ただ、地域包括の場合、リハビリスタッフの配置や施設の改修が必要になるという。(野口洸)



http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=99926
宮城県が医学部構想を公表
(2014年6月11日 読売新聞)

 宮城県は10日の県議会保健福祉委員会で、文部科学省に申請した県立医学部構想の概要を公表した。

 構想が国に認められた場合、栗原市内に整備するキャンパスの使用開始の目標時期を2018年4月とした。

 県は申請が認められた後、キャンパスの用地取得や施設整備のための予算確保に着手する。15年3月に国に設置認可を申請し、16年4月の開学を見込んでいる。学生は、キャンパスが使えるようになる18年4月まで、宮城大(大和町)で教養課程を学ぶ。また、県は医学部の教員らスタッフが260人以上になるとの見通しも明らかにした。

 この日は、県議会に構想を説明する初めての場となり、委員の県議からは「申請前に我々に話がなく、議会軽視だ」などの声が寄せられたが、構想自体に反対はなかった。

 一方、文科省は、新設する大学医学部を1校に絞るため、有識者からなる構想審査会の初会合を16日に開く。申請した東北薬科大と脳神経疾患研究所、県の構想について書類審査や意見聴取を行い、夏までに選ぶ。



http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/news/20140610-OYT8T50214.html
予防接種ミス、年2千件超…注射器再使用14件
2014年06月10日 17時29分 読売新聞

 市区町村の予防接種で、接種回数やワクチンの種類を誤るなどの間違いが全国で年2000件以上あることが、厚生労働省研究班(研究代表者=多屋馨子けいこ・国立感染症研究所室長)の調査で分かった。


 接種にきた家族に一度使った注射器を刺すなど感染につながりかねない誤りが14件あった。研究班は再発予防に関する冊子を作成し、医療機関に確認徹底を呼びかけている。

 予防接種は12の病気が対象で、高齢者のインフルエンザ以外は全て子ども向け。種類が増え、0~1歳に接種が集中している。研究班は全市区町村に、2011年に起きた間違いについて調査。1350市区町村(77%)が答えた。

 結果は、計2194件の間違いが医療機関から自治体に報告されていた。接種の遅れなど時期のミスが半数だったが、別のワクチンを注射した間違いが301件、倍の薬液を注射したなど量のミスが229件あった。健康被害は確認されていないが、リスクはあった。



http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/140612/crm14061204300001-n1.htm
もたれ合い根深く 社員と研究者不正論文続々
2014.6.12 04:30 産經新聞

 ノバルティスファーマをめぐっては、データ操作の発覚を“火種”に不正や疑惑が相次いで明らかになった。個人情報保護法や薬事法違反などの疑いが指摘され、4月に社長が引責辞任する事態となった。

 東大などが行った白血病治療薬「タシグナ」の臨床研究では、ノ社の営業担当社員が複数関与し、個人情報を含む全患者のデータを不正に入手していたことが発覚。個人情報保護法違反の疑いが指摘された。

 データの回収には上司がコーヒーチケットなどの賞品を出し、社員に回収数を競わせるなどしており、ノ社が設置した第三者調査委員会は4月、調査報告書で「ゲーム感覚で競争の対象にする発想は倫理観の欠如」と厳しく断罪した。

 回収したデータには改竄の形跡はなかったが、ノ社側が解析して研究者に提示するなど、もたれ合いの関係を続けていた。一方、患者データに書かれた副作用などの情報は放置し、国への報告義務を怠った薬事法違反の疑いも浮上。データ操作事件が問題になった後には、研究への関与を示す関係書類を廃棄するなど、証拠隠滅も行っていた。

 また、別の白血病治療薬「グリベック」などを使った東大や東京医大が中心に行う4件の臨床研究でも、社員がスライド作成を手伝うなどの不適切な関与をしていたことが判明。一連の問題を受けて4月に行われた社内調査では平成14年以降、同社の製品を使った患者の副作用情報約1万件について、社員が医師らから独自に収集しながら放置していたことが分かった。薬事法に違反する行為がなかったかノ社で調べている。



http://mainichi.jp/shimen/news/20140612ddm001040157000c.html
偽りの薬:バルサルタン事件/上(その1) 「彼は研究者側の先生」
毎日新聞 2014年06月12日 東京朝刊 毎日新聞

 「お前が全部やった話だ!」。バルサルタンの臨床試験に関する論文に不正があると指摘され、関係者が集まった場で、執筆に関わった研究者が白橋伸雄容疑者(63)に詰め寄った。「何を言ってるんだ。図表をコピーする時に間違えたんじゃないのか」。反論する白橋容疑者に同調する研究者は一人もいなかった。

 関係者によると、大阪工大出身の白橋容疑者は、ノバルティスの前身の製薬会社で「MR」と呼ばれる営業担当者をしていたが、社内の派閥争いに敗れ、研究支援にかじを切った。独自に統計学を学び、社内で重宝がられると、社外でも名が広まった。医師らが集まる勉強会で統計の講義を任されるほど信頼を獲得、京都府立医大を含む5大学でバルサルタンの臨床研究に関わった。ノ社の元幹部は白橋容疑者を「会社よりも、向こう(研究者)側にいる『先生』」と説明した。

 ノ社は各大学の医師らが執筆した論文を基に宣伝を展開する。専門誌には、血を連想するとしてタブー視された「赤」を基調とした広告が次々と掲載された。バルサルタンの売り上げは2000年の発売から累計1兆2000億円を突破、白橋容疑者は09年に社長賞を受賞した。

 だが、毎日新聞が昨年3月に疑惑を報じたことをきっかけに、ノ社は昨年5月に「社員の試験への関与は不適切だった」と謝罪に追い込まれる。直前にノ社を退社した白橋容疑者は、知人に「会社に裏切られた」と漏らした。周囲に潔白を主張し続けたが、特捜部の捜査の照準は次第に白橋容疑者に合わされていった。



http://mainichi.jp/shimen/news/20140612ddm041040054000c.html
偽りの薬:バルサルタン事件/上(その2止) 組織の関与ないのか 疑念、一層深く
毎日新聞 2014年06月12日 東京朝刊

 <1面からつづく>

 ◇異例の告発端緒に

 「データの改ざんができる立場ではない。会社から臨床試験をサポートするよう命じられ、一生懸命やっただけ」。昨年8月に始まった厚生労働省の検討委員会の聞き取りに対し、白橋(しらはし)伸雄容疑者(63)は淡々と関与を否定した。やり取りは約2時間。ある委員は「記憶が薄くなっているが、いかに改ざんに関係がないかという説明だった。データをいじる理由もないと述べていた」と振り返る。

 検討委員会の聞き取りに対し、大学側もデータ改ざんへの関与を否定した。「話を聞いても任意なので、本当かどうか検証しようがない」。強制力を伴わない調査には限界があった。

 今年1月9日、同省はノバルティスファーマ社と「氏名不詳」の個人を薬事法違反容疑で刑事告発した。容疑者すら特定しないまま、捜査機関に真相解明を「丸投げ」する異例の対応だった。

 告発を受理した東京地検特捜部は今年2月、白橋容疑者が臨床試験に関わった5大学を家宅捜索。試験に協力した病院から、数千件に上るカルテを集めるなどの捜査に乗り出した。厚労省は告発しながら、カルテのような基本的な資料すら集めていなかったためだ。

 各大学はそれぞれ内部調査の結果を明らかにしていた。「身内の調査など信用できない」。特捜部は独自にデータ分析を行うなど、手間のかかる捜査を強いられた。5月の連休明けには全国からの応援検事を動員して捜査を本格化させる。100人以上の関係者から事情を聴き、白橋容疑者による故意の改ざんの疑いがあることを突き止めていった。

 「白橋容疑者がノ社の社員だと最初から知っていたが、第三者機関として解析に携わるということだったので、信頼してしまった」。京都府立医大の論文を執筆した医師は釈明する。白橋容疑者のデータ改ざんの動機については「他の大学の試験で(ノ社にとって)良い結果が出ていたから、こちらの結果も良くしようと思ったのではないか」と推測しているという。

 一方で、データ解析のプロセスに関わったある関係者は「白橋さんはおとなしい人で、改ざんに積極的に関わるとは思えない。本当に改ざんの主人公なのか、大学側の関与はないのか」といぶかる。京都府立医大には、ノ社側から3億円を超える「奨学寄付金」が提供されていた。事件の背景に「薬とカネ」の疑惑がつきまとう。

 同大は昨年7月、不正な「データの操作」があったと認めたが、実行者を特定できていなかった。論文を執筆した医師側は改ざんを知らなかったのか、ノ社の組織的関与はなかったのか。特捜部は今後、白橋容疑者の取り調べを本格化させ、疑惑の全容解明に乗り出す方針だ。

    ◇

 バルサルタンの臨床試験疑惑に、東京地検特捜部の捜査のメスが入った。事件の背景を追う。



http://mainichi.jp/opinion/news/20140612k0000m070133000c.html
社説:製薬元社員逮捕 医師との癒着の解明を
毎日新聞 2014年06月12日 02時32分

 製薬会社ノバルティスファーマの降圧剤「バルサルタン」(商品名ディオバン)を巡る臨床試験疑惑が、刑事事件に発展した。

 東京地検特捜部は元社員を薬事法違反(虚偽広告)容疑で逮捕した。京都府立医大の臨床試験データをバルサルタンに有利になるように改ざんし、論文に掲載させていた疑いが強まったためだ。今後は、ノバルティスの組織的な関与や医師、大学側とのかかわりが焦点となる。捜査当局には、医師と製薬会社の根深い癒着を徹底して解明してもらいたい。

 疑惑が指摘された臨床試験は、バルサルタンについて、他の降圧剤よりも脳卒中予防などの効果が大きいかどうかを国内5大学が検証するものだった。ノバルティスは「効果あり」との論文を宣伝に多用し、バルサルタンは累計売り上げ1兆2000億円を超す大ヒット薬になった。

 ところが、5大学すべてでこの元社員が肩書を伏せたまま論文のデータ解析に関与していたことが発覚。各大学が調査に乗り出し、府立医大、東京慈恵会医大、滋賀医大、千葉大でデータ操作された疑いが判明した。ノバルティスは当時の社長らの決裁を経て、5大学に計11億円を超す奨学寄付金を提供していた。

 こうした金銭の流れは強い癒着ぶりを感じさせる。

 厚生労働省が設置した有識者検討委員会の調査では、関係者いずれもがデータ操作への関与を否定したため、同省は今年1月、容疑者不詳のまま刑事告発に踏み切った。

 元社員は、知人男性に「会社が自分のせいにしようとしている。裏切られた」と話していたという。検討委によれば、ノバルティスも、寄付金が臨床試験のために使われることを期待していたことは認めている。常識的には、元社員が個人の意思で操作をしたとは考えにくい。

 複数の大学で、データ操作の疑いが発覚したことも疑惑を深めている。臨床試験には多くの研究者らがかかわっている。だれも改ざんを見抜くことができなかったのか。医師側の関与は本当になかったのか。

 製薬会社は、同じ薬効を持つ他社製品と差別化するため、自社製品の副次的効果を臨床試験で見つけ出そうとする。そこに医師と製薬会社のもたれ合いも生まれる。バルサルタン疑惑はその典型例といえる。

 日本製薬工業協会は、自社の薬が対象の臨床試験に絡み、医師側への奨学寄付金の提供禁止を加盟社に通知した。厚労省も臨床試験の法的規制に関する議論を始めた。バルサルタン疑惑が問題となっている今こそ、制度改革を進め、もたれ合いを断つ好機だ。国や医学界、製薬業界は再発防止に全力を挙げてほしい。



https://www.mixonline.jp/Article/tabid/55/artid/48100/Default.aspx
ディオバン問題 薬事法違反で東京地検がノバルティス元社員を逮捕
公開日時 2014/06/12 03:52 ミクスオンライン

ARB・ディオバン(一般名:バルサルタン)をめぐる臨床研究不正問題で、ノバルティスファーマ元社員の白橋伸雄容疑者(63)を東京地検特捜部は6月11日、薬事法違反(誇大広告)の疑いで逮捕した。容疑は、京都府立医科大学などで実施された「KYOTO HEART Study」のサブ解析で、2群間の割付や脳卒中の発生率、統計学的有意差を示すP値の操作などディオバン群で良好な成績となるようデータ操作を行い、虚偽のデータに基づいた論文をWeb上に掲載させた疑い。薬事法66条第1項では「虚偽または誇大な記事を広告し、記述し、又は流布してはならない」とされており、東京地検はWebサイトに掲載された論文を通じ、虚偽の記述が広まったことを問題視している。


問題視されている論文は、2011年10月に「Clinical and Experimental Hypertension」誌のオンライン版に掲載された「Combination Effect of Calcium Channel Blocker and Valsartan on Cardiovascular Event Prevention in Patients with High-Risk Hypertension;Ancillary Results of the KYOTO HEART Study」。

同論文は、「KYOTO HEART Study」のサブ解析として実施された。日本人高リスク患者3081例におけるディオバンとCa拮抗薬併用の有用性を検討することが目的。Ca拮抗薬投与の有無で、Ca拮抗薬投与群1224例(ディオバン+Ca拮抗薬群:773例、Ca拮抗薬単剤群1034例)、Ca拮抗薬非投与群(ディオバン単剤:744例、プラセボ:480例)にわけ、治療効果を比較した。Ca拮抗薬の服用は、12か月以上と定義づけ、12か月未満の服用例はCa拮抗薬非投与群としている。

主要評価項目である複合心血管イベントの発生率は、Ca拮抗薬投与群7.6%、Ca拮抗薬非投与群8.1%。Ca拮抗薬投与群で有意な抑制効果がみられており(p=0.037)、特に急性心筋梗塞で有意な抑制効果が示されている(p=0.0299)。また、ディオバン+Ca拮抗薬群は、Ca拮抗薬単剤に比べ、有意な抑制を示した(p=0.0013)。そのほか、Ca拮抗薬非投与群では、ディオバン単剤群でプラセボ群に比べ、脳卒中抑制効果が高いことも示されていた(p=0.0052)。

これに対し、東京地検では、白橋容疑者が2010年10月~11年9月までの間に、▽Ca拮抗薬投与群は12か月以上と定義づけられているが、割付時にはこれが守られず、Ca拮抗薬投与群、Ca拮抗薬非投与群に割り付けた、▽ディオバン非投与群での脳卒中のイベント数の水増しした、▽P値の操作、▽論文掲載時の虚偽の図表の作成――などの改ざんを行ったとみて捜査を進めている。論文中のCa拮抗薬併用による複合心血管イベント抑制効果(p=0.0370)や、ディオバン単剤群の脳卒中抑制効果(p=0.0052)は虚偽とみられている。

急性心筋梗塞や脳卒中の発生率については、KYOTO HEART Studyの外部調査委員会の本解析についての調査結果でも、“解析用データセット”と研究に携わった医師がデータを入力した“Web収集用データセット”との間に発生率に違いがあることが指摘されていた。

ノバルティスは同日、「事実を厳粛に受け止めている。引き続き捜査に全面的に協力する。更なるご心配とご迷惑をおかけすることになり、改めて深くお詫びする」とコメントしている。

◎桑島氏「すべての製薬企業、医師が襟を正すべき」

以下、弊誌取材に対する有識者コメント

臨床研究適正評価教育機構・桑島巖理事長
(厚労省・高血圧症治療薬の臨床研究事案に関する検討委員会委員)

「今回の問題は、検討委員会でもある程度予測はしていた。ただ、個人の問題ではなく、企業が関与したことには疑いがない。一連の問題に協力し、誇大広告に加担した医師側の責任も免れられない。医師側も製薬企業側も責任追及は拡大するだろう。今回の問題を受け、ノバルティスに限らず、すべての製薬企業、医師もこれを機会に襟を正すべきだ。特に製薬企業と医師との関係については襟を正す必要があると考える」

「このサブ解析では、(臨床研究不正解明の発端となった)KYOTO HEARTなど3研究と同様、48か月後の血圧値の平均値が4群すべてで一致している。誤ったデータが公表されることで、一番迷惑を被るのは患者だ。医療財政上の影響も大きい。今後は、全貌解明を進め、国際的に日本の臨床試験の信頼を取り戻すことが重要だ。そのためには、二重盲検下、GCP基準に則った質の高い臨床試験の実施が必要と考える」

【解説】ディオバン問題からみる製薬業界と医療界の構造的癒着 健全な連携構築を
「何人も、医薬品、医薬部外品、化粧品又は医療機器の名称、製造方法、効能、効果又は性能に関して、明示的であると暗示的であるとを問わず、虚偽又は誇大な記事を広告し、記述し、又は流布してはならない」。薬事法第66条第1項にはこう記載されている。
66条への抵触が疑われるケースとしては医薬品の広告、記事広告などが想定されるが、刑事事件にまで発展した今回のケースでは、虚偽データに基づいて執筆された論文がWebを通じ、広く伝播された点が問題視された。

◎エックスフォージ市場浸透 論文発表時期と一致 

ここで、論文公表時2011年10月のマーケットに目を向けてみたい。ブロックバスターに成長を遂げたディオバンだが、09年度の1400億円を境に、10年度は1344億円、11年度は1201億円と減少の一途をたどる。1000億円を超える高い売上高は維持したものの、苦戦を強いられていた。

この減収を補うべく、成長が期待されたのが、ディオバンとCa拮抗薬・アムロジピンの合剤であるエックスフォージだ。ノバルティスはディオバン単剤ではなく、合剤を含めた“ディオバンファミリー”としてプロモーションを展開。合剤を含めた売上高でディオバンの売上高を維持する戦略を敷いた。
エックスフォージは、10年4月16日に発売、同年12月には長期処方も解禁されている。論文公表時の11年は、長期処方解禁後で伸長が期待されていた。実際、エックスフォージは11年度に139億円、12年度に224億円、13年度に262億円と伸びをみせる。
同論文で示されたディオバンとCa拮抗薬の併用による脳卒中や心筋梗塞などの抑制効果は、エックスフォージの有用性と重なる。同剤の市場浸透を図る上で、有用性の訴求することは必須だったタイミングで同論文が公表されていることへの恣意性は否めないだろう。

弊誌の取材で確認できた範囲では、パンフレットや基本資材などのプロモーションツールには、KYOTO HEART Studyの本解析は用いられているものの、同論文の図表などは掲載されていない。

しかし、2012年3月号の日経メディカルに掲載されたノバルティスファーマ提供の記事広告では、KYOTO HEART Studyの主任研究者である京都府立大学循環器・腎臓内科部門教授(当時)の松原弘明氏が同論文について解説している。

「Ca拮抗薬を併用した方が有意に予後は良いこと、そしてCa拮抗薬にディオバンをadd-onすると一層予後が改善することが分かりました」「KYOTO HEART StudyそしてJIKEI HEART Studyの良好な成績は、ディオバンとCa拮抗薬との併用が好影響を与えたためだと思います」、「ARB/Ca拮抗薬合剤は、(KYOTO HEART Studyなど)ディオバンのclinical evidenceからみて推奨されるべきもの」――。
同論文に基づいた合剤・エックスフォージの有用性を強く発信している。

今回指摘された虚偽データに基づいた論文掲載への加担という観点からは、製薬企業の責任は免れられない。しかし、製薬企業のいわば“広告塔”として、虚偽データを発信、多くの臨床医の処方に影響を与えた医師の責任はどうか。今後捜査が継続されるデータ改ざんへの関与だけでなく、医師側の責任も重い。

事件の背景には、医師と製薬企業の構造的課題がある。生活習慣病などマスマーケット市場で、製品を訴求する上でエビデンスに基づいた差別化戦略が必須だった。そして医師側も、製薬企業に協力し、研究を実施することで、自身の成果だけでなく、名声、地位、金銭など多くのものを得ることができた。しかし、こうした時代は終わりを告げなければいけない。

今回の問題は、ノバルティスファーマ一社、ましてや個人の社員の問題ではない。製薬業界、医療界全体の問題として業界を挙げて取り組むべきだ。今回の問題を契機に、臨床研究の体制構築だけでなく、健全な形での製薬企業、医療業界の連携、そして医療の発展の形の構築に向けた議論が進むことに期待したい。
(Monthlyミクス編集部 望月英梨)



http://www.yomiuri.co.jp/local/miyagi/news/20140611-OYTNT50457.html
石巻市立病院建設費 140億円
2014年06月12日 読売新聞

 石巻市の亀山紘市長は11日、JR石巻駅前に再建する市立病院の建設費が、当初見込みの2倍近くの約140億円に上るとの見通しを明らかにした。国や県の支援が得られない場合、病院の規模縮小も検討する考えを示した。


 沿岸部にあった市立病院は津波被害を受け、2016年夏に開院予定。市によると、昨年6月時点の建設費は約74億円の見込みだったが、今年5月の見積もりでは、建設資材や人件費の高騰などで約140億円に膨れあがる見通しとなった。

 病院は地域医療再生臨時特例交付金を使って再建する予定だが、国は交付金の増額に難色を示している。村井知事も9日の記者会見で「県の一般財源から赤字分を補填ほてんするのは不可能」との考えを表明した。

 亀山市長は「国や県に支援を要望し続けるしかない」と述べた。市の担当者は「規模を縮小すると設計を変更しなければならない。開院が遅れる可能性もある」と話している。


  1. 2014/06/12(木) 06:13:52|
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