Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

5月22日 

http://mainichi.jp/shimen/news/20140523ddm012040066000c.html
東京女子医大病院:手術後死亡の男児両親が被害届提出へ
毎日新聞 2014年05月23日 東京朝刊

 東京女子医大病院(東京都新宿区)で2月に首の手術を受けた後に死亡した埼玉県内の男児(当時2歳)の両親が22日、厚生労働省で記者会見し、「死亡は医療ミスが原因」として警視庁に近く被害届を提出すると明らかにした。

 両親や弁護士によると、男児はリンパ管の手術を受けた後、集中治療室(ICU)で人工呼吸器を使って呼吸管理中に鎮静剤「プロポフォール」を投与され、3日後に死亡した。同剤は人工呼吸中の小児に使用してはならないとされるが、大人の許容量の約2.7倍が投与された。病院は火葬後に警視庁に届け出ており、異状死の24時間以内の報告を義務づけた医師法にも抵触するとしている。



http://digital.asahi.com/articles/ASG5Q5GRZG5QUTIL03J.html?_requesturl=articles%2FASG5Q5GRZG5QUTIL03J.htmlamp;iref=comkiji_txt_end_s_kjid_ASG5Q5GRZG5QUTIL03J
「心電図異常を見逃した疑い」 女子医大、急死男児の親
2014年5月22日23時00分 朝日新聞デジタル (アピタル)


 東京女子医大病院(東京都新宿区)で首の手術を受けた男児(当時2)が3日後に死亡した事件で、男児の両親が22日、都内で記者会見を開き、「病院側が心電図の異常などを見逃した疑いがある」と指摘した。事件は警視庁が業務上過失致死容疑で捜査している。

 病院は「会見内容を把握していないのでコメントできない」としている。

 両親と代理人の弁護士の説明では、死亡前日の2月20日に心電図が心臓の異常を示したのに対応が取られず、担当医らは尿の変色から心臓の筋肉が破壊される病気の疑いを別の医師から指摘されながら詳細な検査を怠った可能性があるという。病院の説明や病院関係者の情報から判断したという。

 代理人は「この時点で何らかの対応をしていれば男児は死亡しなかった」、埼玉県に住む40代の父親は「原因究明してもらい、責任をとるべき人にとってほしい」と語った。

 代理人によると、診療記録には担当医らが手術後、集中治療中の小児への投与が原則禁じられている鎮静剤を成人の基準の約2・7倍の量を継続的に投与したため、急性循環不全を起こして死亡した可能性があると記されていたという。



http://www.m3.com/iryoIshin/article/217458/
レポート 医療維新
医師ら10人の被害届提出へ、女子医大事故
遺族が会見、「原因分析と再発防止」求める

2014年5月22日(木) 橋本佳子(m3.com編集長)

 東京女子医科大学病院で、小児の鎮静には禁忌のプロポフォールを鎮静に使用、嚢胞状リンパ管腫の2歳10カ月の男児が死亡した事故で5月22日、遺族と弁護士が会見、警察に被害届を出す予定であることを説明するとともに、「私たちは病院と対立するつもりはない。原因究明と再発防止をしてほしいだけ。このような不幸な事故、医療ミスが繰り返されることがないようにしてもらいたい」と述べ、病院の対応を求めた。

 男児は今年2月21日に死亡、女子医大病院は2月25日に牛込警察署に届け出ていた。22日に会見したのは、この日に警察による遺族への事情聴取が予定されており、その席で被害届を出す予定だったため。しかし、事情聴取は延期された。被害届への記載が予定されているのは、医師をはじめ計10人。業務上過失致死傷罪、異状死の届出を定めた医師法21条違反、「自然死および病死」とした虚偽死亡診断書作成に当たる可能性を念頭に置いた内容だという。

 女子医大病院では現在、外部評価委員を含めた「医療安全管理特別部会」を設置、調査を進めており、5月末までには報告書をまとめる予定になっている。男児の父親は、「病院と対立しない」としているにもかかわらず、被害届を出す理由について、「病院の事故調査報告書案を見たが、その中に間違っている点が幾つかある。報告書が独り歩きし、警察や報道機関が動くことは問題。誤った方向に行かないように、警察には我々の意見を聞いてもらいたい」との思いを語った。被害届を出すに至ったのは、「病院長に、何度も原因究明をお願いしたが、病院長は私たちの電話を一切拒否し、話すことが許されたのは事務職員のみ」(男児の父親)など、事故後の対応への不信感もあると見られる。

 同席した弁護士の貞友義典氏は、「刑事事件として動き始めているのは分かるが、どんな形で進んでいくかが不安だった。両親が調べてもらいたいと思っていることを警察に伝えないと、両親が考えていることと全く違う方向で捜査が行われ、どこかで幕引きが図られるのではないかという意味でも、被害届を出す」と説明した。

 遺族らの会見を受け、女子医大病院でも22日、調査経過を公表。「医療安全管理特別部会」はこれまで3回開催しており、報告書は厚生労働省に提出するほか、遺族の了解を得て、ホームページに掲載する予定だという。その後、第三者のみで構成する事故調査委員会を立ち上げ、検証経過を精査するとしている。さらに、「警察への報告については、当院としては適切に行ったものと考えている」とし、医師法21条違反には当たらないとの見方を示している。

 小児鎮静に禁忌のプロポフォールを使用

 2歳10カ月の男児は、嚢胞性リンパ管腫で、2014年2月17日に入院、翌18日の午前中にリンパ液を抜き、ピシバニールを注入する手術を実施。プロポフォールによる全身麻酔下で行われ、手術自体は7分ほどで終了した。その後、男児はICUで管理。その際、気管挿管のための鎮静剤としてプロポフォールを使用していた。プロポフォールは、小児麻酔の適応はあるが、小児への集中治療における人工呼吸中の鎮静は禁忌とされている。予定では1日程度のICU管理だったが、急性循環不全などに陥り、2月21日の夜に死亡した。女子医大では、翌22日に病理解剖を実施。25日に地元の牛込警察署に届け出を行っている。

 女子医大病院では、本事故について3月4日と4月17日の2回、ホームページ上で経過を説明している。

 「心電図と尿の異常に気付かなかったのか」と弁護士

 遺族および貞友弁護士は、手術自体は成功したものの、術後管理上の問題が、業務上過失致死傷罪に当たる可能性があるとしている。具体的な点として、貞友弁護士は、(1)プロポフォールを使う必要があったのか、他の方法で管理できなかったのか、なぜ長期に大量に使ったのか、(2)心電図異常に気付き、なぜ適切な対応をしなかったのか、(3)ICUでの管理中、「尿の色がおかしい」と他科の医師が指摘しているのに、なぜ対応しなかったのか――などを挙げる。「心電図と尿の異常が分かった段階で、適切な対応をしていれば、助かったかもしれない」(貞友弁護士)

 (1)のプロポフォール使用は、主治医の耳鼻咽喉科医ではなく、ICU担当の麻酔科医が決定したという。遺族が22日の会見で配布した資料によると、体重約12kgの男児に、約70時間の間に、約7000mgのプロポフォールが投与されたという。成人の最大投与量の約2.7倍に当たると試算している。

 被害届に記載する職員数は、医師をはじめ10人の予定だという。「警察がどこに過失があると考えるかによって、過失を問われる医師は変わってくるので、関係者全員を対象としている」と貞友弁護士は説明する。

 遺族によると、病院による説明会は、3月1日、4月19日の2回開かれたという。男児の父親は、「プロポフォールを使用しているのを病院から初めて聞いたのは3月1日」と説明。「3月1日の説明会の時に、『原因究明をして、悪いことがあったなら、謝ってほしい』とお願いした。しかし、電話1本、院長につないでくれない。病院長が『原因究明する、陣頭指揮を執る』、その一言を言ってもらいたかった。しかし、事務職員に電話ができるだけで、『上に伝える』と言うのみ。病院と対立するつもりはない。原因究明してくれればそれでいい」と語っている。



http://www.yomiuri.co.jp/national/20140522-OYT1T50111.html?from=ytop_main6
女性医師「気力衰えた」と辞職…診療所休診へ
2014年05月22日 14時26分 読売新聞

 三重県伊賀市は21日、同市平田の「市国民健康保険山田診療所」が7月から休診することを明らかにした。


 同診療所の50歳代の女性医師が「気力、体力が衰えた」と辞職を申し出たといい、市は代わりの医師が見つかり次第、診療所を再開したいとしている。

 同診療所は1993年4月、大山田保健センターに併設して開設。診療時間は月~金曜日の午前9時~正午と午後2~5時(木曜日は午前中のみ)。市によると、昨年度の診療人数は延べ4463人で、多くは高齢者だという。

 今回辞職する女性医師は、診療所の二代目の医師として2002年1月に着任し、内科と整形外科の診察を行っていた。今年2月、女性医師が辞職を申し出て、市は慰留していたが、今月10日、改めて辞職の意向を確認し、退職が決まった。

 市は地元の住民自治協議会の役員に、診療所の休診を報告。通院していた患者を、同じ大山田地区にある市国民健康保険阿波診療所(猿野)や、開業医(畑村)などに紹介する。

 市大山田支所は「これから公募で医師を確保するなどし、週1日でも2日でも、早急に再開したい」としている。



http://www.chibanippo.co.jp/newspack/20140521/194245
新たな専門医制度始める 認定機構設立、質の向上へ
2014年05月21日 08:48 千葉日報

 大学病院長で構成する団体と日本医師会、日本医学会連合は21日までに、内科や小児科などの基本分野の専門医を認定する「日本専門医機構」(東京)を設立し、新たな専門医制度を始めた。2017年度から医師研修を実施し、20年度にも誕生する。専門医の質を高め、時代に即した良質な医療を提供するのが目的という。

 これまでは各学会が独自の基準で専門医を認定しており、医師の質への懸念や統一性に欠けるとの指摘があった。

 新たな専門医制度では、初期の臨床研修を終えた医師が19の基本分野から専門を一つ選び、養成プログラムに基づき約3年の研修を受けた後、専門医の認定を受ける。



http://medical.nikkeibp.co.jp/inc/mem/pub/opinion/orgnl/201405/536504.html
私の視点
いつき会ハートクリニック院長・佐藤一樹先生に聞く
なくならない「医師法第21条」への誤解
東京女子医大病院での鎮痛剤投与による男児死亡事故の報道から

聞き手:満武里奈
2014/5/22=日経メディカル

 今年3月、東京女子医科大学病院は同院ホームページに「予期しない死亡事例」が発生したことを発表した。頭部手術を実施した2歳男児が集中管理中に急性循環不全に陥り死亡したというもの。その後の院内調査検討会で、鎮静のために投与したプロポフォールが作用した可能性が認められたことから、外部評価委員を加えて調査を行っている。一方、警視庁は業務上過失致死容疑も視野に入れ、関係者から事情を聴いているという。4月入り、一部マスコミは同事例について「医師法第21条の違反では」と報道した。いつき会ハートクリニック院長の佐藤一樹氏は今回の事故をどのように見たか。話を伺った。


さとう かずき氏〇1991年山梨医大卒、東京女子医大循環器小児外科入局。1999年同科助手、2002年千葉こども病院心臓血管外科医長、同年綾瀬循環器病院勤務。2009年綾瀬ハートクリニックを開設。2011年いつき会ハートクリニックに名称変更。心房中隔欠損症の女児が術中の医療事故で死亡した2001年の東京女子医大事件では逮捕・勾留されたが、2009年4月に無罪が確定。2007年には冤罪の元になった報告書の撤回や謝罪などを求め、大学を提訴し、2011年に和解が成立。大学側が賠償金を支払い、『衷心から謝罪』した。

 まず、残念ながら、今回起きたような集中治療室での鎮静剤使用による心抑制あるいは呼吸抑制の事例はこれまでに何度となく繰り返されてきたことです。こうした死亡事故が再び起きてしまったという事実を受け止め、真摯に対応しなくてはならない――ということは誰もが同じ考えだと思います。

 この男児に使用した鎮痛薬はプロポフォールですが、添付文書上では「小児(集中治療における人工呼吸中の鎮静)」が禁忌となっています。しかし、手術中で使用した後に、隣にある集中治療室でも継続使用してしまう医師もいるのかもしれません。同じような薬剤が他にもある中で、あえて禁忌薬を使用したという背景には「切れ味がよい」など何かしらの理由があったのだと推測されます。

 一部マスコミでは「内部告発」として様々なことが書かれており、その1つとして体重あたりの薬剤投与量が多かったのではと報道していますが、こうした内容はあくまで推測でしかありません。現時点で分かっているのは、同院がホームページで公表していることだけです。

朝日新聞の書いた「医師法第21条」の定義は間違っている
 今回この事件をめぐる報道を見ていて感じた問題点は2つです。1つ目は、医師もメディアもいまだ「医師法第21条」をしっかりと理解していないということ、2つ目は、こうした医療事故を刑事事件として立件しても決して医療安全にはつながらないということです。

 1つ目の「医師もメディアもいまだ医師法第21条をしっかりと理解していない」という点ですが、4月に掲載された朝日新聞の記事を読み、医師法について誤ったことが書かれているのが非常に気になりました。男児の火葬後に病院がこの死亡事例を警察に届け出たことに対し、「異状死の24時間以内の届け出を義務づけた医師法に触れる可能性がある」と書いていたのです。

 まず、医師法第21条は異常死を規定した法律ではありません。それどころか「異状死の24時間以内の届け出を義務づけた医師法」は存在しないのです。

 医師法第21条は「医師は、死体または妊娠4月以上の死産児を検索して異状があると認めたときは、24時間以内に所轄警察署へ届け出なければならない」と規定しています。

 この条文はそもそも、犯罪捜査への協力のために作られたものであって、決して診療関連死に関する規定ではありませんでした。死体に異状が見られる場合、それが犯罪の痕跡である可能性があるため、届け出を義務付けたものなのです。

 死因を特定するために医師が死体の外表を検査しますが、この「死体の外表検査」で異状を認めたときにのみ届け出るよう求めています。医師は診療経過を振り返る必要はなく、目の前の死体の外表の検査1点のみに集中すればよいということなのです。

 今回の東京女子医大病院での死亡事例も、医師法には違反していません。複数のマスコミが、遺体火葬後に警視庁に報告したことを問題視する報道をしていますが、全く違反ではないのです。なぜなら、体表に異状がなければ警察への届け出る義務はないからです。同院では病理解剖を行った後に遺族に遺体を引き渡しており、外表に「異状」を示す所見がなかったことが推測されるわけです。当然、体表に異状を示す所見がなければ、警察に報告する義務は存在しないのです。

 にもかかわらず、マスコミが誤解に基づいて騒いでいるわけです。一般紙の影響力はとても大きい。だからこそ、誤った情報を発信している現状を危惧しています。法律が分からず書いているのか、分かった上である方向に誘導しようという意図を持って書いているのか――。いずれにしてもマスコミも医師も医師法についてもう少ししっかりと理解する必要があるでしょう。マスコミが誤った情報を発信してしまっていること。それが今回の死亡事例の報道における一番の問題点ではないかと思います。

国立病院には「届け出」の指針あり
 ただし、国家公務員の場合、実は届け出の義務があるケースがあり、話は複雑です。刑事訴訟法の239条第2項では「官吏(国家公務員のこと)または公吏(地方公務員のこと)はその職務を行うことにより、犯罪があると思料するときは告発をしなければならない」と規定されています。

 さらに、2000年に作成された国立病院を対象とする「リスクマネージメント・マニュアル作成指針」では「医療過誤によって死亡または傷害が発生した場合または疑いがある場合、施設長が速やかに所轄警察署に届け出る」ことを求めています。ただし、法律的な拘束力はありません。

 21条とリスクマネージメント・マニュアル作成指針を比較すると、この2つが全く異なるものであることが分かります。届け出の対象は、医師法第21条だと「死体」、リスクマネージメント・マニュアル作成指針だと「死亡または傷害(その疑い)」です。さらに届け出の主体は「検案した医師」に対し「施設長」、届け出内容も「検案での異状」に対し「医療過誤」、届け出時間は「24時間以内」に対し「速やか」にといった具合に全く異なります。

 つまり、国立病院では、医師法第21条だけでなく、リスクマネージメント・マニュアル作成指針も関係していますから、外表に異状がなくともリスクマネージメント・マニュアル作成指針に準拠して届け出る可能性があるということです。

 しかし、繰り返しになりますが、国立病院以外は外表異状に基づき、警察に届け出るという考え方でよいことになります。

 医療事故に関連したガイドラインとしてはこの他に、日本外科学会が2002年にまとめた「診療行為に関連した患者の死亡・傷害の報告について」があり、患者の死亡だけでなく、重大な傷害に対しても、診療に従事した医師が速やかに所轄警察署に報告することが望ましいとしています。しかし,その後に、医師だけでなく法律家からも手厳しい批判を受け、現在では同学会ホームページで閲覧できない状態になっています。

警察に届け出ても再発防止にはつながらない
 私が強く訴えたいのは、医療事故を起こしたことに対し、刑事罰を与えても再発防止や医療安全につながらないということです。

 ここでご紹介したいのは英国での医療事故に関するデータですが、抗癌剤のビンクリスチンの誤投与で患者が死亡するという事例が少なくとも15件起き、医師の起訴は5回となっています。このうち1件は1990年に無罪となりましたが、2001年の1件は8カ月の実刑でした。つまり、刑事責任追求しても、同じような事故が繰り返されているということなのです。

 東京女子医科大学病院で起きた事件とほぼ同時期に、国立国際医療研究センターで造影剤誤投与による患者死亡が発表されていますが、こちらの事例についても、残念なことにこれまでに何度も同じような事例が繰り返され、裁判されています。

 基本的に、警察に届け出るということは、犯罪として取り扱うよう自らお願いしているようなものです。例えば、異状死体として届け出をすると、監察医務院が置かれている5地域(東京都特別区、大阪市、名古屋市、横浜市、神戸市)はそこで解剖が実施されますが、それ以外の地域では何らかの犯罪捜査の名目で司法解剖を行うことになるからです。もし、医療事故で「医療過誤」と評価された場合、刑法上は業務上過失致死傷罪として捜査機関に取り扱われ、有罪になる可能性があります(刑法第211条)。「業務上必要な注意を怠り、人を死傷させた者は、5年以下の懲役もしくは禁固または50万円以下の罰金に処する」としています。

遺族に当事者が確実な事実を正確に伝えることが重要
 医療事故が起きたときに最も大切なことは、患者とのコミュニケーションをしっかりとはかることだと私は考えます。少なくとも、その時点で分かっている事実は可能な限りお伝えする必要があるでしょう(憲法38条自己負罪拒否特権)。この時、紙などの文書で説明するのではなく、当事者が直接会話することが基本だと思います。相手の顔をみて、理解度を確認しながら、しっかりと説明することが重要なのです。

 普通、小児が亡くなるという事態となれば、親が怒るのは当然で、コミュニケーションが成立しないことも多いに考えられます。それでもしっかりと患者側とコミュニケーションをとることが重要です。納得していただくことは難しいでしょうが、コミュニケーションを十分にはかることで、やがて遺族も事実を受け入れることができるかもしれません。ただし、「納得する」ことだけが優先されてしまった場合、納得させるための報告となり、事実は曲げられる可能性があるので注意が必要です。

 さらには、院内で再発防止のための方策を検討するほか、その他の施設でも同様の医療事故が繰り返されないようにするために国を挙げて検討しなければならない課題もあります。検討する際には、人間工学の観点から、医療事故防止策を考える専門家が必要だと考えます。例えば、禁忌例を示す文字を全ての面に赤字で印刷するなどして必ず操作者の目に入るようにするといった視認性の工夫をするなど、人間工学、医療安全工学の観点からの対策が欠かせません。

 もちろん遺族には告訴する権利がありますが、裁判をして特定の医師が裁きを受けるという流れにして終わらせてしまうのではなく、国民としては二度と起こらないような医療安全システムを構築する方向に向かうことが必要だと私は考えています。

医療事故調「報告書」の取り扱いに注意を
 医療事故調査制度をめぐる法案は今年2月に閣議決定されており、今国会で可決する見通しです。その後は、厚労省のガイドライン研究班で、医療事故調査制度の詳細なルールを取り決めていく予定と聞いています。この研究班に私もメンバーとして入ることになりました。

 現状の法案では、病院、診療所または助産所で「予期せぬ死亡事故」が発生した場合、民間の第3者機関に報告するほか、事故の原因究明と再発防止を目的とした院内調査を実施することが義務づけられています。院内調査結果は、民間の第3者機関だけでなく、遺族に公表して「報告」することが求められており、遺族が調査結果に納得しなかった場合は、第3者機関に対して再調査を依頼できます。

 この「報告」が報告書を渡すことなのか、それとも報告書の内容を説明することを指すのかは、これからつめていくことになりますが非常に重要な点です。ただし、遺族への説明の際に「報告書」があると、医療紛争につながりやすいと私は考えています。報告書を外部組織である警察に渡しやすくなるためです。これからの議論にはなりますが、いずれにしても医療事故調査制度の創設にあたっては、「報告書」に関する取り決め、取り扱いに細心の注意を払わねばなりません。

 また、報告書は当事者である医師も確認し、事実と異なるなど問題点がある場合はその意見を添付できるようにすることも必要でしょう。責任問題となれば、組織内でも管理者側と当事者側で利益相反が生まれますので配慮が求められます。

 医療事故を考える時、そこには様々な立場の人がいて、その数の分だけ「事実」が存在します。真相に迫るためには、複数の事実から判断することが求められます。まずは何が事実なのかを確認することから始めないといけません。こうした難しさがあることを肝に銘じて医療事故調査制度のあり方について考えることが必要です。

 繰り返しになりますが、一度「刑事事件」としてしまうと「個人」を責めるだけで話が終わってしまい、決して再発防止にはつながりません。そこに勤務体制やシステムの問題が存在するならば見直さないとなりません。個人を責めても、結果として同じような医療事故は繰り返されてしまうだけなのです。再発防止につながる医療事故調査制度になるよう、ガイドライン研究班の1人として全力を挙げて取り組んでいきたいと思います。



http://www.47news.jp/CN/201405/CN2014052201000695.html
野口英世のNPO設立 「偉大な先駆者」たたえる
2014/05/22 08:21 【共同通信】

 【ニューヨーク共同】福島県出身の細菌学者、野口英世の功績を後世に伝えることなどを目的にしたNPO「ニューヨーク野口英世記念会」が設立され、命日の21日、記念式典がニューヨーク・ブロンクス地区で開かれた。出席者からは「偉大な先駆者」(参加した医師)をたたえる声が相次いだ。

 海外留学がまれだった1900年に渡米した野口は現在のロックフェラー大学から黄熱病の研究のため渡ったガーナで亡くなった。式典は青々とした芝生が広がる霊園の一角にある野口の墓の前で開かれ、米国日本人医師会の関係者ら約20人が参加した。



http://www.m3.com/iryoIshin/article/216068/?portalId=iryoIshin&pageFrom=openIryoIshin
インタビュー 医療維新
“事故調”の届出、刑罰追加の懸念 - 田邉昇弁護士に聞く◆Vol.2
管理者の責任追及への発展も危険

2014年5月22日(木) 聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――今国会に提出されている“医療事故調”の法案では、「医療に起因する、あるいは起因すると思われる死亡・死産であって、当該管理者がその死亡・死産を予期しなかったもの」を第三者機関に届け出る仕組みになっています。これはどう解釈すればいいのでしょうか。

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田邉昇弁護士は、“医療事故調”について、制度の詳細を規定するガイドラインの作成動向を注視する必要性を説く。
 法案では「医療機関の管理者が予期しなかったもの」と規定されています。医療機関の管理者は医師ですが、個別の診療の全てに関与しているわけではありません。個別事例について、管理者が具体的に死亡・死産の予期の可能性を判断するのは無理であり、それを求めるのは、そもそもおかしな話。したがって、管理者に求められるのは、「一般的な事例の知見として、そうしたことが予期できるかどうか」という判断になります。例えば、整形外科の手術後に、急に患者が死亡した場合、「肺塞栓か」とは医師であれば誰でも予期できるでしょう。急な死亡自体は全て、医師である管理者は予期していたということになりますし、誤薬についても、多数の誤薬事件の報道があるのですから、当然予期していた事件ということになります。

 もっとも、個別事例と一般的な事例の予期について、両者の間に線を引くことは難しい。引こうとすれば、恣意的な線の引き方になります。今後、厚労省は、届け出基準などについてガイドラインを作成するとしていますが、果たしてどこまで具体的に定めるのでしょうか。類型を適当に作って、例えば、「手術時に、血管損傷が起きたら、予期しなかった、とすべきだ」などとしたら、現場感覚とは異なるガイドラインになってしまう。血管損傷が予期できるかどうかは、やはり個別事例によって異なります。

 法律論から言えば、国民に義務を課す法律の構成要件を、行政機関のガイドラインで規定するのは、かなり危険なことです。刑法上は普通はやらない方法ですが、今回の改正医療法の“医療事故調”の届け出については、今の法案では刑罰が伴わないので、かまわないと思っているのかもしれません。まずガイドラインで定める。それが浸透し、既成事実になり、「このようなものを届けましょう」というのが、医師の中の規範化された段階で、刑事罰にする。このような流れを狙っているのだと思います。

――後から刑罰を追加することが予想される。

 はい。ガイドラインで届け出対象が定められると、マスコミが「届け出数が少ない」「悪徳病院が、届け出るべき事例を隠している」などと批判するようになると、「刑事罰を科して義務化していないから問題だ」という風潮になる。まずガイドラインを作り、あとは緩やかな罰則を作り、どんどんその罰則を強化する。これは当然予想される流れであり、厚労省も当然、考えているのではないですか。

 さらに、もう一つ、怖い点があります。例えば、キシロカイン10%の投与で、患者が死亡した事案があるとします。キシロカイン10%をいまだに救急カートに置いていること自体が問題であり、置いていたとすれば、管理者がその管理責任を問われ、業務上過失致死罪を科される可能性があります。管理者自身が届け出ることによって、自分の刑事責任を負わされることになると、黙秘権の問題がまた生じてきます。管理過失は広範ですから、黙秘権の保障の範囲も広範で、届け出の強制は許されないというべきです。

――“医療事故調”も、届け出制としている限り、入口の部分から様々な問題が生じる。

 だから届け出の基準はガイドラインに委ね、刑事罰は置かないとしているのでしょう。(厚労省が2008年にまとめた、“医療事故調”の)第3次試案の時は、医師法21条改正が念頭にあったため、届け出に対しても刑事罰的な考え方が入っていた。今回はあえて入れなかったのでしょうね。しかも、届け出ないことに対して、何のペナルティ―も科していない。届けた後で、調査に応じない場合には、名前の公表という非常に緩やかな規定がありますが、実効性はまずないでしょう。「そんな緩やかな規定であれば、届け出なくてもいい」という解釈もできる。

――「届け出なくてもいい」という判断ができるものの、一方で、ガイドラインでどう定められるか、今後刑罰が追加される怖さもある。

 今の医療現場には、「医療事故はシステムで論じるべきであり、個々の医師の責任を問うのはおかしい」という声が強い。そうなると、システムを構築できる管理者に処罰を科す話にもなる。JR西日本の福知山線の脱線事故、明石花火大会の歩道橋事故などでも、管理責任がある人を処罰しようという動きがあるでしょう。

 これは、捜査機関としては、手間はかかるけれど、権限が拡大する話でもあります。医療事故では、今まではカルテなど関係書類しか押さえられませんが、管理責任を問うとなると、院長室まで入れるようになり、全ての記録を押収できるようになるからです。システムの「問題」としても、それを誰が、どのような形で問うかは大きな問題です。



http://mainichi.jp/area/miyazaki/news/20140522ddlk45040600000c.html
ノロウイルス:宮崎江南病院の17人検出 患者ら計46人に症状 /宮崎
毎日新聞 2014年05月22日 地方版 宮崎

 宮崎市は21日、宮崎市大坪西1の独立行政法人地域医療機能推進機構「宮崎江南病院」で、入院患者45人と職員の計46人が下痢や嘔吐(おうと)などの症状を訴え、うち17人からノロウイルスを検出したと発表した。重症者はなく、症状は安定しているという。

 市によると、症状を訴えたのは2〜97歳の入院患者の男女45人と、30代の男性調理師。19日午後に入院患者と調理師の計2人が下痢の症状を発症し、20日も30人が同様の症状を訴えたため検便した。同病院は感染拡大防止のため、施設内の消毒などをしたほか、21日から入院患者の受け入れを停止している。【菅野蘭】



http://nk.jiho.jp/servlet/nk/gyosei/article/1226577419468.html?pageKind=outline
厚労省検討会  治験活性化計画見直しで「CRC養成カリキュラム」案も
( 2014年5月22日 ) 日刊薬業WEB

「臨床研究・治験活性化に関する検討会」で楠岡構成員は、CRC養成カリキュラムを紹介した
 厚生労働省の「臨床研究・治験活性化に関する検討会」が22日、開始から3年目を迎えた「臨床研究・治験活性化5か年計画2012」の中間見直しの議論を本格化させた。論点の洗い出しに向け、各構成員からは同計画に基づくこれまでの取り組みが報告され、楠岡英雄構成員(国立病院機構大阪医療センター院長)は、質の高い臨床研究コーディネーター(CRC)を養成するために作成したカリキュラムの内容を紹介した。



http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20140521/353146/?bpnet
地域医療連携システムの市場規模は2020年度には2.4倍に、シード・プランニングが予測
大下 淳一=日経デジタルヘルス2014/05/21 18:34

 シード・プランニングは、地域医療連携システムの現状と今後に関する調査を実施し、その結果をまとめた。同システムの金額ベースでの市場規模は、2020年度には2013年度比で約2.4倍に伸びると予測している。

 地域医療連携システムは、地域ぐるみで質の高い医療・介護・福祉サービスを行うためのネットワーク基盤である。現在、全国各地で地域医療連携体制の構築が進んでおり、それを支えるシステムとして同システムの整備が進められている。今回の調査では同システムの市場動向を把握するとともに、2020年までの市場規模を予測している。

 シード・プランニングの調査によれば、2013年における地域医療連携システムの市場規模は約76億円だった。これが2020年度には約180億円に伸びると同社は予測する。

 同社によれば、厚生労働省の「地域医療再生基金」など、国の助成金を資源に、地域医療連携ネットワークは2011年以降に急増している。同基金の交付完了に伴って、2015年をピークにネットワーク構築意欲は衰える見通しという。ただし、消費税増税を財源とする新たな基金「医療・介護サービスの提供体制改革のための新たな財政支援制度」の創設などにより、2020年に向けては引き続き全国でネットワーク構築が進むと予想されるという。

 地域医療連携システムを採用するネットワーク数は、2013年度には135と推定されるとする。これが2020年度には223に増えると同社は予測している。


  1. 2014/05/23(金) 06:20:04|
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