Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

4月23日 

http://mainichi.jp/select/news/20140424k0000m040011000c.html
 腹腔鏡手術:3人死亡の調査結果、遺族説明なく 千葉 
毎日新聞 2014年04月23日 17時54分 千葉

 がん手術の県内の拠点で何があったのか。千葉県がんセンター(千葉市)で2012年以降、同一の男性医師による腹腔(ふくくう)鏡手術を受けた患者3人が短期間に死亡した問題。県は22日、外部有識者による第三者委員会を設置して原因究明に乗り出すとしたが、センターが実施した「院内医療事故調査委員会」の調査結果すら遺族に説明できていない。準備不足からか、県の「緊急会見」はあいまいな説明に終始した。【岡崎大輔、味澤由妃】

 記者会見した県病院局経営管理課によると、患者3人はいずれも高難度とされる腹腔鏡手術を受けた後に死亡したが、術式については男性医師が所属する消化器外科内の担当医らで協議して決め、実際の手術時には他に2人医師が立ち会っていたという。だが、同課は、男性医師について具体的なキャリアなどは明らかにせず、「ベテラン医師」と述べただけ。医療過誤だったかどうかについても「判断は難しい」として、第三者委に委ねる姿勢を繰り返した。

 死亡1例目の女性(76)=12年9月=と、2例目の男性(57)=13年1月=のケースについては、外部の医師も入れた院内の医療事故調が調査し、報告書を昨年8月にまとめた。同課によると、この報告書は「必ずしも医療ミスによる死亡事故とは言えない」とした上で、「新しい手術方法のメリットとデメリットについて、患者への説明が十分に行われたという記録がなく、院内の倫理委員会での承認もなかった」と問題点も指摘した。だが、こうした調査結果は遺族らに説明されていない。

 報告書は、1例目と2例目の手術が行われた際、新しい術式を採用する際に院内の倫理委に諮るというルールがセンターになかったとも指摘。「今後、腹腔鏡手術を行う際は倫理委の承認は必須」としたが、センターは同手術は既に一般的な術式だとして、3例目の手術についても倫理委の承認は得なかったという。

 そのほか、3例で腹腔鏡手術の保険適用が申請された妥当性についても、県は「(可否は)第三者委に委ねる」と繰り返した。センターの事故調の報告書は1、2例目について「適用外」との趣旨の記載が残されている。



http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG2302X_T20C14A4CR8000/
 地方公務員の二重払い手当36億円 会計検査院、11年度調べ  
2014/4/23 22:02 日本経済新聞

 会計検査院は23日、2011年度の地方公務員の特殊勤務手当などに関する実態調査をまとめた。15道府県と174市町村を調べたところ、給与などと重複する「二重払い」の手当が約36億円あり、09年に廃止された自宅所有者への住居手当も約125億円に上った。

 国家公務員に認められない手当や特別休暇なども多く、検査院は必要性の検討や制度の見直しなどを求めている。

 調査は04年度の実態を調べた前回調査(06年発表)に続き2回目。特殊勤務手当の総額は約17%減の約570億円だったが、千葉県や福岡県など71自治体で前回より増えた。

 検査院は、基本給などと別に支給される特殊勤務手当について(1)国家公務員にはない手当(2)給与などと内容が重複する「二重払い」の手当(3)日割りなどが適当なのに月額で支給される手当――に3分類。

 (1)は約354億円と前回より22%増える一方、(2)が約36億円、(3)は約136億円でいずれも減少した。「二重払い」では保健所の勤務医らに対し、給与とは別に「医師研究手当」を支給するケースなどが目立った。

 自宅所有者への住居手当は、調査対象の自治体の約58%が11年度も存続。千葉県や大阪府など5府県では人事委員会が廃止勧告したにもかかわらず続けていた。



http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201404/0006892564.shtml
 医師詐称の男性に109万円返還請求 三木市 
2014/4/23 21:43 神戸新聞

 神戸市西区の男性(55)が、医師免許を持たないのに医学博士や医師を名乗り講演活動などをしていた問題で、三木市は23日、2007年から7年間にわたり、男性に計49件の講師依頼をしていたと発表した。市は同日、男性と面談し、謝金として支払った計109万円の返還を求める確約書を交わした。

 市によると、07年6月~14年3月、公民館の講座や小学校のPTA向け集会のほか、市が民間に委託した講演会などで、謝金は1回1万5千円~6万円だった。

 市は男性と、5月2日までに全額返還するという確約書を交わし、履行されれば刑事告訴をしない方針。薮本吉秀市長は「受講した市民に対し、大変申し訳なく思っている」と謝罪した。

 また、兵庫県の外郭団体「県健康財団」も2012~13年度の計14回、男性に講演会の講師を依頼し、約40万円を支払っていた。

 同財団は「履歴書を信用し、講師として登録していた」と話しており、近く男性と講演料返還などについて話し合うという。(中川 恵、堀内達成、岡西篤志)



http://digital.asahi.com/articles/ASG4R31Y9G4RPIHB002.html?_requesturl=articles%2FASG4R31Y9G4RPIHB002.htmlamp;iref=comkiji_txt_end_s_kjid_ASG4R31Y9G4RPIHB002
 警告音70分気づかず…容体急変、患者死亡 兵庫の病院 
2014年4月23日19時27分 朝日新聞デジタル

 兵庫県洲本市の県立淡路医療センター(441床)で昨年11月、心不全で入院していた男性(当時77)の容体の急変を知らせる警告音に看護師が約70分間気づかず、男性が亡くなっていたことが分かった。県や病院は「死亡との因果関係はない」としているが、対応が遅れたことについて遺族に謝罪したという。
 病院によると、男性は昨年11月11日に入院。同16日午前6時38分ごろ、容体の異変を伝える心電図モニターの警告音がナースステーションで鳴った。夜勤の看護師3人は、この男性を含め41人の患者を受け持っており、他の患者の警告音への対応や病室の見回りのため、ナースステーションを離れていた。
 男性の警告音が鳴ってから72分後、看護師の一人が採血のために男性の病室を訪れ、意識がないのに気付いた。医師が救命措置を施したが、午前10時45分に死亡が確認された。病院は死因について「心不全」と説明している。
 院内の医療事故防止対策委員会は異常の発見が遅れた点を認める一方、男性がもともと重篤で、すぐ対応してもわずかな時間の延命しかできなかったと判断。死亡との因果関係を否定している。
 病院では患者への配慮から、ナースステーションの警告音の音量を15段階のうち8に設定していたが、事故後は音量を最大まで上げ、連動して鳴るPHSを看護師が携帯することにした。福田善計(よしかず)総務部長は「警告音に気づけなかったのは不適切だった。再発防止策を講じ、このような事故が起きないようにしていく」としている。



http://sankei.jp.msn.com/region/news/140423/chb14042321320001-n1.htm
 「重く受け止める」 患者3人死亡で千葉県がんセンター病院長   
2014.4.23 21:32 産経新聞 千葉

 千葉県がんセンター(千葉市中央区仁戸名町)で同一の医師による手術直後にがん患者3人が死亡した問題で、センターの矢島鉄也病院長が23日、県庁で報道陣の取材に応じ「3人の方が亡くなったことは重く受け止めている。外部の方にしっかり調査・検証していただいて、なぜ事故が起きたのか把握したい」と話した。

 院内の事故調査委員会では、2件の死亡事故について「必ずしも医療過誤とはいえない」と結論づけているが、矢島病院長は「自分たちだけで判断するのではなく、客観的な意見を聞かせていただかないといけない」と説明。法律など医学以外の専門家らの検証も必要との考えを示した。

 事故調査委の結果は、患者の遺族に伝えられていなかった。この点についても「当時の状況が分からないが、きちんと説明する選択肢が取れたのではないか」と言及。「患者、家族が望むならば、公表する方向に持っていくといったルールを作ることが大事だ」と述べた。

 この問題で県は、5月中に第三者検証委員会を設置し、医療ミスの有無などについて詳しく検証する。



http://www.cabrain.net/news/article.do?newsId=42570
 選択療養制度、「導入には反対」- 四病協・総合部会、5月末めどに意見集約へ 
( 2014年04月23日 20:48 )キャリアブレイン

 四病院団体協議会(四病協)の総合部会が23日開かれ、政府の規制改革会議が検討している「選択療養制度」(仮称)の導入に反対する考えで一致した。今後、5月28日の次回総合部会までに四病協を構成する各病院団体が同制度に関する意見を取りまとめ、その後、四病協として意見を集約する方針だ。【松村秀士】

 規制改革会議は、現在の保険外併用療養費制度の「評価療養」「選定療養」に続く第3の枠組みとして「選択療養」(同)を検討している。これについて、23日の総合部会では、新たな枠組みは安全性や有効性を確保する仕組みが不明確であり、評価療養の対象を広げることでドラッグ・ラグの解消などに対応すべきだとの考えで意見が一致したという。

 総合部会終了後に記者会見した日本精神科病院協会(日精協)の山崎學会長は、「基本的には日本医師会の意見と同じ」とし、改めて反対姿勢を示した。

■メディカルスクール制度の早期導入を要望へ

 同日の総合部会では、メディカルスクール制度の早期導入を求める要望書を安倍晋三首相あてに提出することを決めた。具体的には、4年間の医学教育を行う大学院レベルのメディカルスクール(医師養成機関)の創設を要望。大学教育課程の修了者で、臨床医になって患者を救いたいという使命感や意欲のある人をメディカルスクールで育成するような仕組みづくりの必要性を訴えていく意向だという。



http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140424/plc14042403100006-n1.htm
【主張】
 医療費の抑制 数値目標は有力な手段だ
 
2014.4.24 03:10 [主張] 産経新聞

 高齢化や技術の高度化で膨張を続ける医療費の抑制に向け、政府が都道府県ごとに医療費の「数値目標」を設定することを検討する。

 レセプト(診療報酬明細書)の電子データを使い、医療費がかかり過ぎている地域やその原因を洗い出す。医療費が少ない都道府県を「標準」とし、改善に向けた行動につなげようという試みだ。

 現在約36兆円の医療給付費は、団塊世代が75歳以上となる2025年には5割増の54兆円に増えると試算されている。健保財政は悪化の一途だ。現状への認識を国民が共有する上でも、何らかの数値目標設定は有力な手段となる。

 麻生太郎財務相が経済財政諮問会議で提案し、安倍晋三首相が「社会保障を安定させ、次世代に引き継ぐための骨太の方針を掲げてほしい」と指示を出した。健保や国レベルの目標値を求めることも念頭に置いている。

 転院先が見つからないなどの理由で、必ずしも必要のない入院を続けるケースがある。飲みきれないほどの投薬、検査の重複など改める課題は少なくない。後発医薬品の普及も不十分だ。

 政府は病院機能の再編など、都道府県の医療行政に関する権限強化を図ることにしている。数値目標の設定で「無駄」を減らせるのであれば歓迎したい。

 注意すべき点は「何割カット」といった削減ありきの手法ではうまくいかないことだ。客観的データに基づき、分かりやすく説得力ある説明を重ねることが、国民の理解を得る最低条件だろう。

 麻生氏は目標値の達成度合いに応じて、保険者が後期高齢者医療制度に拠出する支援金を加減算する仕組みの導入も挙げた。だが、最初からペナルティーを科す印象を与えては反発が強まるだけだ。まずは、頑張ったところにインセンティブを与えることを考えてはどうか。

 医療の内容は患者ごとに異なるもので、見た目の数字だけで説明できない部分も多い。住民の年齢構成の違いや食文化による地域差も生じる。人口あたりの医師数や病床数も影響する。こうした事情にも目配りし、丁寧な議論を経て導入の是非を判断してほしい。

 目標値設定で、真に必要な医療が受けられなくなるのでは本末転倒となる。そのことを政府は忘れてはなるまい。



http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS2302G_T20C14A4EE8000/
 混合診療、見えぬ着地点 政府内での対立が解けず  
2014/4/24 1:09 日本経済新聞

 成長戦略の立案に向けた医療制度改革を巡り、政府内での対立が解けない。23日に開いた規制改革会議で、保険外診療と保険診療を併用する混合診療の規制会議の改革案に対し、厚生労働省は慎重な対応に終始した。総論で一致する医療費の削減も各論では議論の遅れが目立つ。安倍政権は医療改革を戦略の柱とする考えだが、着地点を見いだしにくい状況だ。

 団塊の世代が退職し高齢者が増える日本では、医療費支出は確実に膨らむとみられている。逆に見れば医療は国内でも数少ない市場が広がる産業。最先端の医療が日本で生まれれば新薬の開発につながる可能性がある。規制緩和でカギとなるのが混合診療の拡大だ。

 日本では混合診療は原則として禁止。厚労省が安全を確認した一部の先端医療だけが認められている。政府の規制改革会議は適用を広げるため、客観的に判断して安全な治療法で医師と患者が同意すれば混合診療の対象とする「選択療養」を提唱した。厚労省側は「医師と患者の同意を軸に考えると、安全性が十分に検証されない恐れがある」と慎重だ。

 規制改革会議は23日、専門の研究者の評価で安全を確保するうえに、選択療養が広がれば患者の利点が大きいと主張。岡素之議長(住友商事相談役)は記者会見で「患者の希望をもとにした治療を目指すことでは厚労省と一致できた」と議論の進展に期待を示した。

 しかし、会見中も官僚が「困難な病気に立ち向かうという点では厚労省と規制会議の意見が同じ」と微修正。厚労省は国が主導して症例や治療法を定める今の混合診療の拡大で十分との姿勢をまだ崩していない。

 厚労省は「弱い立場の患者に医師が高額の医療を押しつける可能性がある」と懸念する。患者団体にも「おかしな医療を押しつけられる」との声があり、規制緩和への賛成が多数というわけでもない。政権側は混合診療の拡大を成長戦略の目玉の一つとする考えだが、患者保護の観点があるだけに、早期に結論を出すのは簡単ではない。

 経済財政諮問会議でも医療改革が議論されている。麻生太郎財務相は都道府県ごとに医療費の目標を決めて医療支出を抑える仕組みを提案。民間議員らも薬価の改定期間を従来の2年から1年に見直すように提言した。

 昨年の成長戦略で焦点となったのは、医療研究の司令塔となる新組織の創設と、インターネットによる一般用医薬品の販売解禁。医療制度の根幹にかかわる議論にはなかなか進まなかった。

 6月の成長戦略の改定まで2カ月を切った。原則論にとどまったままでは成長戦略での書きぶりが玉虫色になり、具体策は2015年度予算編成に持ち越されるケースも出てきそうだ。



http://sankei.jp.msn.com/region/news/140423/chb14042321380003-n1.htm
 香取市長選 2つの公立病院のあり方争点に 千葉 
2014.4.23 21:38 産経新聞 千葉

 20日に告示された千葉県香取市長選には、旧佐原市助役で元国土交通省企画官の新人、石引庄一氏(57)と、3選を目指す現職の宇井成一氏(55)=自民、民主、公明推薦=の2人が、いずれも無所属で立候補した。選挙戦では主に、老朽化が進む「国保小見川総合病院」(南原地新田)の建て替え方針について、両候補の主張が対立している。

 同病院は香取市と東庄町による一部事務組合が運営する。現在の本館は昭和47年3月に建てられ、42年が経過。3年前の東日本大震災で目立った被害は受けなかったが、これまでに耐震診断は行われておらず、市民からは早期の建て替えを求める声が上がっている。

 市内には、もうひとつの公立病院「県立佐原病院」(佐原イ)がある。県などが公立病院の統合を含めた地域医療のあり方を検討していることから、小見川総合病院に近い小見川地区や山田地区の住民らが、病院の存続と早期建て替えを求める署名運動を展開し、昨年4月に陳情書を市に提出した。

 今回の選挙戦では、両候補とも公約の最優先に、小見川総合病院の建て替えによる存続を掲げた。場所も現在地で一致しているが、建て替え後の規模については主張が異なる。

 石引氏は「総合病院としての機能を維持した現状規模」での建て替えを訴える。また、佐原病院は救急機能充実と緩和ケアの増床を県に要望し、「千葉第2がんセンター」を目指すとしている。

 宇井氏は「身の丈に合った規模で建て替える」と主張。並行して佐原病院を増床し、総合病院として建て替える計画も進める。両病院で医師を共通化することで、医師確保や経営の安定化を図るという。

 投開票は27日。(年齢は投票日時点)

G3注:千葉県立佐原病院 241床 国保小見川総合病院 170床



http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=97059&cx_text=11&from=ytop_os_txt1
 偽ドクターがFMで健康番組…「医学部を中退」 
(2014年4月23日 読売新聞)

 医学博士などの肩書でFMラジオで番組を担当したり、講演を行ったりしていた神戸市西区の男性(55)が、経歴を偽っていたことが判明した。

 男性は読売新聞の取材に「医学博士でも医師でもない」と認め、「学んだ知識の範囲内で話しており、問題はないと考えていた」と話した。FM局は番組を打ち切り調査を行っている。

 男性はホームページに、「東京大学医学部を卒業、ニューヨーク州立大学博士課程修了」と虚偽の経歴を紹介。2006年10月から、兵庫県三木市のFM局で週1回の30分番組を出演料なしで担当、健康法などについて話していた。

 今年1月、経歴が虚偽だとする情報提供を受け、同局が男性に確認を求めたが、明確な回答がなく、3月に番組を打ち切った。

 また、同市や同県加西市などの依頼を受け、医学博士の肩書で健康などについての講演会を開催。三木市は昨年度計4回の講演について各回約2万円の謝礼を支払っていた。男性によると、講演収入は年間数十万円あったという。

 FM局は「詐称が事実なら、リスナーに説明したい」とし、三木市も、「調査を行い、対応は弁護士と相談する」としている。

 男性は、「東京の私立大医学部を中退した。以前、知人の代わりに講演した際に知人の肩書が使われ、これをその後も使っていた。求められれば、講演などの謝礼は返す」と話した。



http://mainichi.jp/shimen/news/20140423dde041040026000c.html
 東日本大震災:福島第1原発事故 常設の病院再開 避難区域内で初−−南相馬 
毎日新聞 2014年04月23日 東京夕刊

 東京電力福島第1原発事故に伴い、避難区域に指定されている福島県南相馬市小高区の市立小高病院が23日、外来診療を再開した。同市は2016年4月に帰還困難区域以外の避難指示を解除する目標を掲げており、住民の帰還に向け環境を整備する狙いがある。避難区域内で常設の医療機関が診療を再開するのは初めて。

 同病院は原発事故後の11年3月13日に入院患者を別の病院にすべて移して以来、機能を停止していた。本来の病院棟は配管などが傷んで使えないため、敷地内のリハビリ施設を改修して活用。当面は月、水、木の週3日、7人の非常勤医師が交代で、内科と外科の診療にあたる。一時帰宅者のけがや体調の急変、除染作業員の熱中症などへの対応を想定している。

 この日は、08年まで同病院長を務めた高橋哲之助医師(71)が診療を担当。「住民の方が一人でも多く帰って来る助けになれれば」と話した。避難区域では、同県浪江町に仮設の診療所が設置されている。【高橋隆輔】



http://dot.asahi.com/wa/2014042200045.html
 患者2人が保険外の腹腔鏡手術で死亡 千葉県がんセンターの事故調報告書全文入手! 
(更新 2014/4/23 07:00) 週刊朝日記事

 大学病院を舞台にした人気のTBSドラマ「アリスの棘(とげ)」(上野樹里主演)では、治療より自分の研究を優先し、リスクの高い手術を行った結果、患者を死に至らしめ、医療事故の隠蔽に奔走するエリート医師らの姿が描かれている。現実の医療現場でもドラマを彷彿とさせる問題が起こっていることが、本誌の調査でわかった。

 医療事故の舞台となったのは、がん専門病院として国内で3番目に古い歴史をもつ、千葉県がんセンター(矢島鉄也病院長)。

 ここに「院内医療事故調査委員会報告書」と題された文書がある。同センターで2012年9月と13年1月に起きた医療事故についてまとめられたもので、本誌による情報公開請求によって開示されたものだ。A4サイズで10ページ、最終ページには報告した日付として「平成25年8月」と書かれている。

 だが、その内容は読むことができない。開示された文書の9割以上が「個人の権利権益を害する恐れのある情報であるため」との理由で黒く塗りつぶされているからだ。特に、肝心の医療事故についての記述は、その内容がまったく判読できないように加工されている。

 報告書作成の目的の一つに「再発防止」が掲げられているにもかかわらず、これほどまで内容が伏せられているのはなぜか。

 その理由を確認するために、本誌は黒塗りにされる前の“真の報告書”を入手した。すると、そこには同センターが公表していない2人が死亡した医療事故と、医療費の不正請求の実態が、記されていた。

 報告書の1ページ目には、委員会が立ち上がった理由についてこう書かれている。

<短期間に続けて起こった腹腔鏡下膵切除術後の出血死であることを重く受け止め、病院長は日本肝胆膵外科学会に専門家の派遣を依頼し、外部専門家委員2名を含めた院内医療事故調査委員会を招集した>

 わずか4カ月の間に2例の医療事故を起こしたのは、同センターの消化器外科に所属するA医師(男性)。

 膵臓がんの腹腔鏡下手術では、日本での第一人者の一人だ。腹腔鏡下手術についての論文も次々に発表し、日本肝胆膵外科学会の高度技能指導医にも指定されている。いわば、同センターのエース外科医である。

(本誌・西岡千史)

※週刊朝日  2014年5月2日号より抜粋



http://dot.asahi.com/wa/2014042200050.html
 院内手続き無視し、不正請求も エース医師はなぜ、暴走したのか 
(更新 2014/4/23 07:00) 週刊朝日記事

 患者2人が死亡したのは、保険適応外の手術だったにもかかわらず、保険診療の対象となる開腹手術をしたと、千葉県がんセンターが診療報酬を請求していることが、わかった。同センターの医療事故報告書、内部資料から判明した。手術を執刀した同センターの消化器外科に所属するA医師(男性)を直撃し、話を聞いた。

――医療保険が適用されない手術なのに、診療報酬を請求していた理由は?

「腹腔鏡と開腹で両方あわせて手術していたのです。千葉の保健所に問い合わせて、全部を腹腔鏡でやったら問題だけど、(腹部の)中を見て、転移があるかどうかを見て、最後はおなかを開けて(開腹手術を)したら一応いいだろうと。言質はいただいています」

――腹腔鏡、開腹手術を混合させれば、混合診療になる。そうなれば、患者の10割負担となるはずで、結果的に不正請求になる。

「これはあくまで(保健所長の)私見なので、今後は先進医療で進めるしかないかなと、みんなで相談しています」

――腹腔鏡下膵頭十二指腸切除術は保険の対象ではありません。

「『開腹すればいい』と言われたんです。ただ、こういうことがあったので、現在はやっていません」

――腹腔鏡だけで手術を終えるつもりだったのでは?

「腹腔鏡で観察して、ある程度やったところでおなかを開けてやる。ずっとそういうやり方だったので」

――あなたは処分は受けたのでしょうか。

「そのような形はなかったです」

――事前に院内倫理審査委員会を通さなかった理由は。

「私は昔から腹腔鏡の手術をやっていて、前の病院のときもやっていたので。そこは(報告書の指摘で)全部(委員会を)通してやれと言われました」

――ご遺族の方にお話は?

「今はしていませんが、事故調査委員会の結果が出たということは、もっと上の先生が報告しているはず」

――それはいつごろでしょうか。

「去年の秋ごろには行っているはずです」

――私どもが遺族に聞いた話では、調査報告は届いていないとのことですが。

「僕は上からそう聞いたので……。報告書が説明されていなかったら問題があります。それは確認します」

――患者には、腹腔鏡下手術について手術前にどう伝えていたのですか?

「先進医療みたいな形として、こういう方法もありますよという話をしてあります。ただ、実際には(症例が)少ないということと、長期のデータは出ていないという話もしてあります。患者さんにも選んでもらっています」

――遺族は、腹腔鏡を用いた手術をすることは聞いていたが、保険適用されていない手術だとは知らなかったとのことですが。

「説明が十分だったかと言われると、こっちはわかっていただいていたつもりでも、患者さんの遺族は十分にわかっていなかった可能性がある。そこはちゃんとしなければと、反省しています」

(本誌・西岡千史)

※週刊朝日  2014年5月2日号より抜粋



http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=97040
 [社説]混合診療 拡充は患者の選択肢を広げる 
(2014年4月23日 読売新聞)

 政府は「混合診療」の対象を拡大することを決めた。安倍首相の指示を受け、厚生労働省が具体策の検討を始めた。

 患者が効果的な先端治療を受けられるよう、早期に実施する必要がある。

 混合診療とは、公的医療保険で認められた検査や薬とともに、保険適用が認められていない治療法を併用することだ。厚労省は、有効性や安全性に疑問がある治療法が横行しかねないとして、原則禁止としてきた。

 海外では広く使われていながら、国内では承認されていない薬を試したい。そう願う難病などの患者は少なくないだろう。

 だが、現行の仕組みでは、未承認薬を使う場合、本来なら保険が適用される検査や入院費用まで全額自費となってしまう。混合診療の制限は、患者に過度の経済的負担を強いているとの批判が多いのは、もっともだ。

 現在、混合診療が例外的に認められているのは、高度がん放射線療法の重粒子線治療や、家族性アルツハイマー病の遺伝子診断など、約100種類にとどまる。

 厚労省は、適用範囲を広げ、重い病状の患者に限って、抗がん剤などの未承認薬を新たに混合診療の対象にする方針だ。細胞・組織を培養する再生医療や、未承認の医療機器を使った治療を対象に加えることも検討している。

 患者にとって、治療の選択肢が増える。医師も新しい治療法に積極的に取り組むようになる。混合診療の適用拡大には、こうした効果が期待できるだろう。

 政府の規制改革会議は、混合診療を利用しやすくする方策として、「選択療養制度」の創設を提言した。患者と医師が合意すれば、混合診療の実施を認める内容だ。厚労省の方針よりも適用範囲を幅広くとらえている。

 ただ、規制改革会議の案で懸念されるのは、医師が丁寧な説明をしないまま、混合診療の実施について患者の同意を得ることだ。

 患者が入手できる医療情報には限りがある。科学的な根拠のない治療が患者に押しつけられる事態は避けねばならない。

 どこまでを混合診療の対象とするのか。政府にとって、その線引きは大きな課題である。具体策として、海外の臨床試験で効果と安全性が確認された医薬品や、国内外の学会が推奨している治療法を認めることが考えられよう。

 政府は、患者の利益を最優先し、安全性の確保にも配慮した仕組みを構築してもらいたい。



http://www.m3.com/iryoIshin/article/207927/
レポート 医療維新
医師不足への処方せん
 分娩扱う女性医師、「3人に1人子育て中」
産科婦人科学会の「理事長推薦企画」で発表
 
2014年4月23日(水) 橋本佳子(m3.com編集長)

 第66回日本産科婦人科学会学術講演会で4月19日、理事長推薦企画として「ギネジョの底力、ギネメンの胆力」が開かれ、女性産婦人科医の中で分娩を取り扱っている医師の割合や、その中で子どもを持つ医師の割合が増加傾向にあるなど、妊娠や出産を経ても就業を継続しやすい環境が整いつつあるという調査結果が報告された。分娩を取り扱う女性医師のうち、子どもがいる割合は36.3%に上る。

 理事長で、京都大学産科婦人科教授の小西郁生氏は、企画の冒頭で、「女性産婦人科医が就業を継続していくには、二つのことが大切」とあいさつ。一つは、院内保育などのシステムを整えていくこと、もう一つは、個々の医師によって就業環境などが異なるため、さまざまな経験を共有することだ。

 その企画趣旨を受けて、30代後半から40代前半の女性3人、男性2人の計5人の産婦人科医が、子育てと仕事を両立させている自らのキャリアのほか、若手医師へのメッセージや今後の展望について講演した。院内保育など就労支援の充実だけでなく、周囲の理解、協力を得るためには「自分の“売り”になる知識・技術を身に付ける」重要性を異口同音に強調(『ギネジョの底力、ギネメンの胆力』を参照)。同時に、産休・育休取得や当直免除などは、大学病院など産婦人科医が一定数以上いる病院でないと難しい現実も浮き彫りになった。

 大学病院の方が研修指導病院より充実

 産婦人科医の就労状況に関する調査は、日本産科婦人科学会幹事長で、日本医師会総合政策研究機構の研究部長を務める、澤倫太郎氏が実施した。

 調査対象は、大学の産婦人科教室(分院も含む118施設、回答数75施設、63.6%。対象医師総数4661人)、研修指導病院531施設(回答数282施設、53.1%、対象医師総数583人)。調査期間は、2013年11月から2014年1月。卒後2年目から22年目の産婦人科医の実態を調べた。

 澤氏は調査結果の一部を紹介。前回調査(2006年調査)と比較可能な卒後16年目までの分析を見ると、全女性産婦人科医の中で、分娩を取り扱っているのは77.1%で、11.1ポイント増加した。ほぼ全ての経験年数で増加しており、例えば10年目では52.6%から67.4%に増加。分娩を取り扱う女性医師のうち、子どもがいる割合も、26.3%から36.3%に増えている。

 就労支援策については、院内保育(病児保育)、当直の軽減・免除、時間短縮勤務、複数主治医制、代替医師の確保、ベビーシッタ―などの保育支援に関して調査した。

 実施率が高いのは、「医師の子弟が利用可能な院内保育」。大学病院は33.3%から70.8%と2倍強に増加。開設者主体別では、国立大学(87.5%)や公立大学(83.3%)の方が、私立大学(54.1%)よりも高かった。一方、代替医師の確保や保育支援の実施率は低かった。

 就労支援策の実施率を、出産育児ステージ別で見ると、大学病院の方が、研修指導病院よりも高い傾向が見られた。例えば、「子育て中(子どもが就学前)」の女性医師に対する支援策の場合、「当直の軽減・免除」(大学病院77.3%、研修指導病院52.5%)、「時間短縮勤務」(同69.3%、39.0%)、「複数主治医制」(41.3%、22.3%)という結果だ。

 もっとも、日本産科婦人科学会の新規入会者数は、一時は増加したものの、ここ数年減少傾向にある。卒後臨床研修開始から3年目の2005年は329人、2010年には491人に増加したものの、2011年450人、2012年420人、2013年は390人に減少。2000年代半ば、福島県立大野病院事件などもあり、“産婦人科の危機”に直面した同学会は、就労環境などの改善や、産婦人科医の魅力を伝えるなどして若手医師のリクルートにいち早く着手したものの、他の外科系学会も後を追う形でさまざまな取り組みを行うようになった。現役として働く産婦人科を増やすには、就労環境の改善と、若手医師リクルートの両輪で進めることが今後の課題と言える。

 「周産期や腫瘍」希望が増加

 そのほか、「ギネジョの底力、ギネメンの胆力」では、2004年度の臨床研修の必修化前後の世代の比較では、必修化後の方が、既婚率や子どもを持つ男性医師の割合が高いという、別の調査結果も報告された。

 この調査結果を報告したのは、独協医科大学産科婦人科教授の北澤正文氏。調査は、2007年から2010年の4年間に誕生した産婦人科の専門医1324人を対象に実施。2007年と2008年の専門医は、2004年度から必修化された臨床研修制度前の世代、2009年と2010年の専門医は必修化前の世代に当たる。回答数1002人(回答率75.7%)のうち、女性は642人で、64.1%を占める。

 必修化前後を比較すると、勤務先は、大多数が分娩を取り扱う施設であり、有意差はなかった。

 一方で、必修化前後で相違があったのは既婚率。必修化後の専門医の方が、年齢的には若い世代が多いと思われるが、既婚率は56.9%で、必修化前の専門医よりも有意(P=0.0344 )に高かった。男女別では、女性では有意差がなかったが、男性の必修化後の専門医の既婚率は平均66.6%で、有意(P=0.0473)に高値であり、既婚男性における子どもを持つ医師の割合も必修化後の方が有意に高かった(P=0.0016)。「臨床研修で給与がある程度、保証されるようになったからではないか」(北澤氏)。

 「専門医取得後に希望する専門領域」は、女性医師の場合は、必修化後の方が有意に周産期や婦人科腫瘍を選択する傾向にあった(P=0.0007)。男性医師の場合には必修化前後で差は見られなかった。ただし、「5年後に希望する就労状況」では、分娩を取り扱う施設を希望する医師も多く、「若き医師たちの心意気を感じる結果だった」と北澤氏は期待を込めた。



http://www.m3.com/iryoIshin/article/207928/
レポート 医療維新
医師不足への処方せん
 「ギネジョの底力、ギネメンの胆力」
産科婦人科学会の「理事長推薦企画」で5人が講演
 
2014年4月23日(水) 橋本佳子(m3.com編集長)

 第66回日本産科婦人科学会学術講演会で4月19日に開催された理事長推薦企画、「ギネジョの底力、ギネメンの胆力」では、30代後半から40代前半の女性3人、男性2人の計5人の産婦人科医が、「私の履歴書」「私からのメッセ―ジ」「夢の途中」という切り口から、講演した( 『分娩扱う女性医師、「3人に1人子育て中」』を参照)。

【4人を出産、病棟主任も経験:本田智子・熊本大学産科婦人科助教】

 最初に登壇したのは、1999年熊本大学卒業で、同大産科婦人科学助教の本田智子氏。当初は、「母性<医師」というバランスだったものの、2002年に結婚し、2003年の第一子出産に伴い、「母性>医師」に変化。計4人の子どもを持ち、2012年4月から2年間は、産科病棟主任を2年間勤めながらも、今は、「母性=医師」とバランスが取れた状態にあるという、自身のキャリアを紹介。

 当初は、「出産後はパート勤務でも」と思っていたものの、4人の子どもの出産後、3カ月から8カ月の育休取得後に復帰。医局や家族の協力、保育園や家事代行サービスなどさまざまな支援を受けつつ、常勤医として仕事を継続した。夫も産婦人科医だが、約10歳も年上なので、キャリア形成の時期が重ならないことが幸いしたという。

 仕事と育児の両立は、「子どもにさびしい思いをさせているのではないか」「医師としては、どんどん遅れていっているのではないか」「皆に迷惑をかけていないか」など、葛藤の日々だった。産科病棟主任の打診が来た時は迷ったものの、担当教授からは「全てが今後の医師としての糧になる」、夫からは「やらずに諦める前に、やってみたら。協力は惜しまないから」とのエールもらい、引き受けることを決心。「怒涛の2年間だったが、どんな夜中でも、電話一本で集まってくれる。救急対応に困ったことはない」(本田氏)という、上司から後輩まで医局全体の優れたチームワークで乗り切った。

 自らの経験を振り返り、若手医師に対しては、「現状維持では後退するばかりである」とのメッセージを送る本田氏。自身は、生殖内分泌領域で研さんを積み、専門医取得を目指すとともに、後輩たちのロールモデルの役割を果たせたらという思いがあり、「生涯現役」でありたいと語った。

【男性医師初の育休取得:米田哲・富山大学産科婦人科講師】

 二番目に登壇したのは、1996年富山医科薬科大学(現富山大学)卒業の富山大学産科婦人科講師で、2人の子どもを持つ米田哲氏。富山大学医学部の中で、男性医師で初めて育休を取得した経験を紹介した。

 育休取得に当たっては、大学の総務課や医局に相談したところ、担当教授は「取ったらええやん」の一言で了承。妻も同大病院に勤務する産婦人科医のため、医局員からは理解が得られやすい状況にあった。取得前は、土日曜日の日当直を進んで交代、医局員の負担を減らす努力もした。

 育休中は、苦労の連続で、育児と家事をこなす大変さを実感したという。その経験は、臨床医としての仕事に生かされ、「ハイリスク妊婦とのかかわりに大きな変化が生じた。死産を経験する妊婦への声掛けもスムーズにできるようになった」(米田氏)ほか、妊婦の家族背景をまず確認する習慣が付き、妊婦への細かな配慮をするようになったという。

 富山大学産科婦人科では、2006年から複数主治医制を導入、2007年には「女性医師の産休・育休に関する申し合わせ事項」を決め、不平等感をなくすなど、就労環境を整えているが、米田氏は、「環境整備は最低限にすぎない。大学医局でお互いを支え合う気持ちを持つことが重要」と指摘する。同科では環境整備後、出産を経験した17人の女性医師のうち、15人が完全復帰、2人がパートの形での復帰だった。

 若手医師に対しては、「あらゆる支援を駆使し、協力体制に感謝しつつ、可能な限りの努力を怠らない」というメッセージを送る米田氏。今後は、切迫流産の治療戦略等に関するこれまでの取り組みを論文にまとめるとともに、産婦人科医療の安定にも尽力していくという。

【育児中と大学院を両立:安彦郁・京都大学産科婦人科助教】

 三番目の登壇者は、京都大学産科婦人科助教の安彦郁(あびこ かおる)氏。2000 年大阪大学卒業で、専門は婦人科腫瘍。1児の母。会社員の夫は、神戸勤務のため、京都に住み、夫は「長距離通勤担当」、安彦氏は「保育園送り迎え担当」と役割分担している。

 2000年に京都大学産科婦人科に入局後、関連病院で研修を積み、2005年に結婚、2009年に第一子出産。その際、「育児とサブスペシャリティ取得を両立できる環境を探す」ために、所属医局教授である、日本産科婦人科学会理事長の小西郁生氏に相談。「大丈夫。大学院のがんプロフェッショナルコースに入学したらいい。のんびり研究もできて、腫瘍専門医も取れる。ゆっくりやったらいいよ」との答えが返ってきたという。

 「日本語の大丈夫には、意味が二つあるらしい。“平気”と“耐えられる”。明らかに後者だったと後から気付いた」。安彦氏は聴衆の笑いを誘った。産後4カ月から研究開始。大学院1、2年目は大学敷地内の保育園に子ども預け、学会はどんなに遠方でも日帰り。大学院3、4年目になると、定期バイトや修練が本格化し、ベビーシッターや病児保育などを駆使して乗り切った。「家族旅行は、学会だった」と安彦氏。

 大学勤務のメリットとして、仕事は多いものの「もともと出張などで代診が多く、担当医制度が緩いので、急な休みに対応しやすい」ことを挙げる。一方、「時間外に働くことが前提になっている」点がデメリットだった。しかし、週1回の「研究室カンファレンス」は、2008年までは18時からで、子どもの保育園の迎えのために途中退席をせざるを得なかったが、徐々に変更され、2013年からは週3回にわけたものの、15時または17時からで、短時間に終える体制に変更したため、全ての発表と討論に参加できるようになったという。

 安彦氏は、女性の就労支援について、管理者の意識改革の重要性を指摘するとともに、若手医師に対しては「自分の価値を上げる努力を」とメッセージを送った。安彦氏自身は、今後臨床、研究、家庭、そして趣味の音楽と、いずれも諦めずに取り組んでいくという。

【米国留学時、夫が育休:永田知映・国立成育医療研究センター研究所】

 四番目に登壇したのは、3月までは東京慈恵会医科大学産婦人科助教で、この4月から国立成育医療研究センター研究所の臨床研究教育部臨床研究教室室長代理に就任した永田知映氏。

 2001年大分医科大学(現大分大学)卒業後、九州大学の産婦人科で研修を受け、2002年に結婚。2003年から救命救急センターで1年間研修。2004年に慈恵医大産婦人科に入局した。専門医取得後、公衆衛生学に興味を持った永田氏は、2008年から2010年まで、米国エモリー大学の公衆衛生大学院に留学。この2年間、医師である夫が育休を取得、2児の子育てを担当した。

 夫婦の「仕事と家事のバランスとストレス」を比較すると、出産・育児、留学までの間は、永田氏自身の家事の負担が大きかったものの、留学の間は家事の負担は夫に。今は、双方がほぼバランスが取れているという。

 安彦氏と同様、永田氏は「自分の“売り”になる知識・技術を身に付ける」重要性を強調。女性医師が就業を続けるには、保育園、家事代行サービスなどだけでなく、「パートナーのコミットメント、パートナーの職場の理解はもっと大事」と述べ、「背中を押し、引き上げてくれる、上司・メンター存在が、次に進めるのかのカギ」になるとした。中期目標としては臨床研究に携わる人材育成、長期目標として医療政策のエビデンスとなるような研究を行い発信することをそれぞれ掲げ、講演を終えた。

【地方大学で邁進:中山健太郎・島根大学産科婦人科講師】

 最後の登壇者は、島根大学産科婦人科講師の中山健太郎氏。1996年東京医科大学卒業。同科は、一時は医局員9人、うち3人は育休・出向で、実働6人の時期もあった。医師・研究者として憧れた先輩リーダーや、刺激を受けた同世代研究者の名前を上げながら、「日本一の田舎県」(中山氏)ながらも、生まれ育った島根県で、診療、教育、研究に邁進してきた日々を紹介した。

 卵巣癌の発生機構の解明と臨床応用の研究に力を入れ、2004年には米ジョンズ・ホプキンス大学に留学、これまで欧文誌に掲載された論文は114編に上る。臨床面でも業績を伸ばし、同科の婦人科腫瘍班主任に就任時は、婦人科腫瘍の手術件数は年約30件だったが、2014年は年約80件まで増えた。

 多くの多忙な日々ながら、元内科医で、今は基礎研究者の妻と1人の娘との時間を大切にする。健康維持のため毎日1kmは泳ぎ、地域の仲間とサッカーを楽しむ。

 そんな中山氏が、大きな落胆を味わったのは、教授選。前教授が2013年度末に定年退職するため、中山氏ともう一人の講師が争ったが、結果的には他大学から来た医師が新教授に就任した。「ポジションに固執するだけが、人生の全てではないと思えるようになった。第2の人生に向けて再スタートする」と中山氏は述べ、さらなるパワーアップに向けて充電中だという。



http://www.yomiuri.co.jp/science/20140423-OYT1T50096.html?from=ycont_top_txt
 金沢大病院、臨床試験めぐり倫理指針違反か 
2014年04月23日 14時26分読売新聞 金沢

 金沢大学付属病院(金沢市)は22日、同大医学系研究グループががん患者に対して実施した治療法の臨床試験で、厚生労働省の定める「倫理指針」に違反する可能性のある行為があったと発表した。

 試験期間終了後も、新たな患者に臨床試験を行うなどしたという。

 同大によると、違反行為が疑われているのは、同大医学系機能再建学の土屋弘行教授のグループが実施した骨や筋肉にできたがんの治療法「カフェイン併用化学療法」の臨床試験。

 同大倫理審査委員会で2008年3月~12年3月の期間で承認され、カフェイン剤を抗がん剤と併せて投与し、有効性などを検証していた。だが、グループは試験期間が過ぎた後も約50人の患者に対し、臨床試験を継続。昨年12月に前病院長の富田勝郎氏の指示で中止されたが、公表はしていなかったという。

 また、グループは同委員会の適格基準を満たさない患者にも試験を行ったほか、10年3月に適格基準外で臨床試験を受けていた患者1人が死亡した際、同委員会に報告しなかった。当時、医療事故とは判断されなかったという。

 金沢大で記者会見した並木幹夫・病院長は調査委員会を設け、1~2か月後に中間報告をまとめる意向を示した。



http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201404/20140423_61010.html
 楢葉に仮設診療所設置へ 双葉地方町村会、福島県に要望決議 
2014年04月23日水曜日 河北新報

 福島第1原発事故で大半が避難区域にある双葉地方町村会(会長・渡辺利綱大熊町長)は22日、福島県郡山市内で会合を開き、県に対して双葉郡南部の楢葉町内に仮設診療所の設置を求めることを決めた。県は帰還に向けた医療環境整備の必要性を認め、町村会の正式要望を受けて2015年度の開設を目指す方針。
 町村会は2月下旬の会合で、公的な医療機関を設置すべきだと一致。県に対し、設置に向けた方向性や考え方を説明するように求めていた。
 会合で県の担当者は、診療所開設が復旧復興の後押しとなる点を説明。医療環境整備により住民帰還の促進につながることや、復興作業員の労働衛生管理の面でも有益であるとの理由を示した。同郡8町村の首長は設置場所を楢葉町と決め、県に要望することを申し合わせた。詳細な場所や診療態勢は8町村や同郡医師会などによる検討委員会で決める。
 楢葉町の大半は避難指示解除準備区域でインフラ復旧も進む。交通の中心部で、町内2カ所の医療機関が休止中で競合がないことなどから、適地と判断した。
 松本幸英楢葉町長は、5月下旬に帰町を判断する考えを示している。会合終了後、松本町長は「帰還の後押しになり歓迎している。町民から医療環境に関する意見が寄せられていた。双葉郡全体の復興の後押しになる」と述べた。渡辺会長は「郡民が安心して生活する上で重要だ」と話した。
 町村会はいわき市内にも郡立の診療所を整備する方針だ。双葉郡民約2万3000人が同市に避難しており、既存の医療機関の混雑緩和を図る。



http://www.47news.jp/CN/201404/CN2014042301000966.html
 自社薬品には寄付金禁止 製薬協が会員社に通知 
2014/04/23 09:41 【共同通信】

 ノバルティスファーマの降圧剤ディオバンの問題で、業界団体の日本製薬工業協会は23日までに、大学などが自社医薬品に関する臨床研究を行う場合、その支援方法として奨学寄付金を提供することは禁ずるとの通知を会員社に出した。

 自社製品の臨床研究への資金や物品などの提供は、契約締結を通じて行う。研究機関への労務提供も禁止した。

 奨学寄付金は、企業が使途を限定せずに研究者側に提供するため、「研究の中立性に疑念を抱かせる」と批判する声が上がっていた。



http://www.47news.jp/CN/201404/CN2014042301000865.html
 欧州製薬大手が事業再編 グラクソとノバルティス 
2014/04/23 06:55 【共同通信】

 【ロンドン共同】英グラクソ・スミスクライン(GSK)とスイスのノバルティスの欧州製薬大手2社は22日、包括的な事業再編で合意したと発表した。GSKがノバルティスに抗がん剤部門を最大160億ドル(約1兆6400億円)で売却する一方、インフルエンザ関連を除くノバルティスのワクチン部門を最大71億ドルで買収する。

 世界の主要製薬各社は主力薬の特許切れに伴う売上高減少に直面。再編はそれぞれの得意分野に注力することで収益力強化を狙う。

 両社は一般用医薬品(大衆薬)で合弁会社設立でも合意。新会社の売上高は約100億ドルで大衆薬分野で世界最大級となる見通し。



http://www.ytv.co.jp/press/mainnews/TI20138992.html
 公立病院で結核集団感染 熊本・玉名市 
(04/23 21:50)  読売テレビ NEWS&WEATHER

 熊本県玉名市の公立病院で結核の集団感染が確認された。去年12月に結核と診断され、その後死亡した患者から12人が感染し、うち2人が発病しているという。

 結核の集団感染が確認されたのは、玉名市の公立玉名中央病院。去年11月上旬に入院した熊本県荒尾市の70歳代の男性が12月下旬に結核と診断されたが、年明けに転院先の熊本県外の病院で死亡した。その後、この男性と濃厚接触した可能性がある家族や看護師などの病院のスタッフ、同じ病室にいた入院患者計56人を調査したところ、このうち2人が発病、10人が感染していることがわかった。熊本県は23日付で集団感染として厚生労働省に報告した。

 結核は、結核菌が人から人に空気感染するもので、感染から発病までに時間がかかるのが特徴。熊本県内では毎年300人前後が発症しているが、医療機関での集団感染が確認されたのは2006年以来、8年ぶり。


  1. 2014/04/24(木) 07:25:05|
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