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Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

12月22日 医療一般

http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG1906E_S3A221C1CR8000/
刑務所の医師の待遇改善を 法務省検討会が報告書案
2013/12/22 22:36 日本経済新聞

 刑務所や拘置所などの医師不足対策を議論していた法務省の有識者検討会は22日までに、定年の引き上げや特別手当の新設など、医師の待遇改善を柱とする報告書案をまとめた。来年1月に谷垣禎一法相に提出し、法務省は法整備作業に取りかかる。

 報告書案は医師不足の原因として、民間の医師と比べ給与が少ないことなどから敬遠される傾向があると分析。施設外の病院での診療ができるよう、兼業許可が得やすくなるような制度も必要とした。〔共同〕




http://news.livedoor.com/article/detail/8370617/
膨張続ける調剤バブル、誰がツケを払うのか 規模の力で高収益になった調剤チェーン
2013年12月22日09時00分 東洋経済オンライン

膨張続ける調剤バブル、誰がツケを払うのか

医薬品のインターネット販売解禁を盛り込んだ薬事法改正案が12月5日の参議院本会議で可決、成立した。

これにより一般用医薬品(大衆薬)のうち28品目を除く99.8%がネット販売できるようになる。「禁じられたのはわずか28品目だけ。ほとんどの大衆薬が解禁されるのだからいいではないか」といった意見もある中で、楽天の三木谷浩史会長兼社長を筆頭とする解禁論者は猛烈に反発している。

その理由は、大衆薬のネット解禁を行った一方、医療用医薬品(処方箋薬)については薬剤師による対面販売義務づけを堅持する、という文言を附帯決議の中に盛り込んだため。この政治判断は、既得権益者である調剤薬局に配慮した結果ではないか、というのだ。

それというのも、処方箋薬の市場規模は大衆薬の15倍の約10兆円にも及ぶ。調剤薬局大手やドラッグストア大手が薬剤師を大量採用して、店舗拡大とM&Aで業績を伸ばしている様子は、「調剤バブル」とも評される状況になっている。

大手調剤薬局が巨大化する現状を、日本医師会も問題視する。薬事担当の鈴木邦彦常任理事は「医薬分業で医療機関の薬価差益はほとんどなくなり、その利益は調剤薬局に移った。調剤薬局は規模のメリットで利益が膨らむ、という分析結果が出ている。チェーン薬局に手厚い制度の見直しが必要」と政府審議会などの場で訴えている。

そもそも医薬分業は、医療機関が薬価差益で潤いすぎたという批判から、欧米の制度に倣って院内の薬局機能を分離した、国の政策だ。そこには膨張が見込まれる薬剤費の総額を抑制する目的が込められていた。しかし、今や処方箋薬10兆円のうち約7兆円が院外の調剤市場になっている(図)。

調剤市場が1兆円を超えたのは、20年前の1993年のこと。その同じ年に旭川市で1号店を出した業界最大手のアインファーマシーズは現在、全国に約600店を展開し、調剤で年間売上高約1400億円、営業利益約130億円を叩き出す。

調剤大手各社の2013年度決算は、出店増による増収効果で軒並み利益拡大が続く。今期は2年に1度の薬価基準引き下げによるマイナス影響がない点も追い風になっている。

■年商3億の店が儲かる

調剤薬局は国が定める調剤報酬によって収入が決まる。調剤報酬は調剤技術料、薬学管理料、薬剤料、特定保険医療材料料からなる。これらには報酬点数が付けられている。薬剤料には薬価差が含まれており、医療機関や調剤薬局の経営を支えてきたが、近年では極めて小さくなっている。

また、営業努力にも報酬点数が付く。後発医薬品、長期投与、在宅患者、夜間・休日といった付加サービスへの報酬加算が認められているほか、患者に「お薬手帳」の作成や更新をさせれば、これも報酬加算される。

調剤報酬は、個人経営の零細薬局が存続できる水準(処方箋1日30枚程度)に設定されているとみられる。1人の薬剤師が扱える処方箋は1日平均40枚までとの規制も、零細薬局が取り扱う枚数30~40枚を想定しているとも受け取れる。

1日の取扱処方箋枚数に応じて薬剤師の人数を調整すれば、人件費、光熱費などコストをうまくコントロールすることで、利益が増える。

東京都心のある個人薬局は、複数の診療科が入居するビルを建てて医療モールを開設。1階にある薬局が途端に儲かり出した。「利益が出すぎる。赤字事業に多角化して節税を考えている」と言う。

業界のM&A動向に詳しい専門家は、「1店舗当たり年商3億円ぐらいの業者が最も儲けている」と見ている。1日100枚の処方箋が集まる店舗を3~4人の薬剤師で分担するケースだ。さらに「年商が20億~100億円の地場のチェーンに対しては、大手がこぞって買収に名乗りを上げる」と打ち明ける。

調剤薬局が儲かるか儲からないかは、立地がすべてでもある。立地がよければ、その繁盛ぶりは際立つ。横浜市郊外の医療モール1階にある調剤薬局は、近隣に大学付属病院もあり、社員とパート合わせて薬剤師9名が対応する大規模店だ。多い月は5600枚の処方箋を取り扱う。

ここで働く事務スタッフの一人は、薬剤師が患者のために休む間もなく働く様子を横目に「繁盛ぶりに矛盾を感じることもある」と言う。「毎日のように違う科に通院し、そのつど薬局に来て大量の薬をもらっている老人を見るたびに、病院のほうで何とかするべきと思う」。

処方箋がなければ調剤薬局は薬を出せない。処方箋を安易に書く医師側のモラルに問題があるというわけだ。

通院が難しい高齢者に配慮し、長期処方が認められている。結果として、「医師が処方しすぎて、薬が余ってしまう事態が起きている」(調剤大手幹部)。

薬を余計に売る、ということでは、他人に成り済まして睡眠薬などの劇薬を二重購入し、「それをネットなどで転売して利益を得る」(同)といった事件も後を絶たない。早稲田大学商学部の土田武史教授は「現状のシステムでは、重複処方の問題は医師も薬剤師もチェックしきれない」と話す。

調剤バブルを増長する“薬漬け”の落とし穴は、いろいろなところにあるのだ。

そのバブルぶりが、最も表れるのが出店競争だ。

調剤薬局大手にとって、地域の中核病院の出入り口前に店舗を構えることこそが事業を拡大させる生命線。病院建築に詳しい大手ゼネコン幹部は「薬局の出店は、外来患者の出入り口がどこになるかがカギ。これを聞き出そうと、不動産ブローカーはあの手この手で設計者に近づいてくる」と明かす。

こうした土地の先行取得に長じるのが、アインファーマシーズと規模で双璧の日本調剤。同社は今年10月に、兵庫県の山間部・小野市に開設された北播磨総合医療センターに、非常識ともいえる高額な入札価格で出店したことが話題を集めた。

■超高値落札の不思議

今年3月末の入札で、日本調剤は4.2億円で落札。わずか78坪の敷地しかなく、1平方メートル当たり約163万円で、市内住宅地の公示地価の数十倍の超高値だ。

正面玄関前に同じ土地面積の薬局がもう1軒あり、こちらの落札者は、日本保険薬局協会前会長(現名誉会長)の岩崎壽毅氏がオーナーを務める、地元大手の阪神調剤薬局。落札額は日本調剤の約2.4倍の10億円だった。

北播磨総合医療センターは三木市と小野市の病院が統合するプロジェクトで、県下で6番目の規模となる総合病院。事業収支計画では用地関連費を12億円と見積もっていた。つまりこの新築公立病院の土地・造成財源は、調剤薬局2社がすべて支払ったうえ、お釣りまであった、という計算になる。これは偶然なのだろうか。

日本調剤の創業社長は、三津原博氏。前期の13年3月期は4割の営業減益だったが、有価証券報告書によれば「報酬等の総額」(子会社を含む)は5.9億円、12年3月期は6.5億円だった。国内屈指の高額所得者だ。

他の調剤大手社長は「一部オーナーの高額報酬が調剤薬局全体への批判を助長している」と不快感をあらわにする。確かに、日本調剤は、日本保険薬局協会から脱退しており、「独断専行で業界からは孤立している」などと同業他社から揶揄され、批判の矢面に立つ存在だ。

だが、日本調剤や三津原氏個人を責めても問題の解決にはならない。調剤薬局に大きな富をもたらす調剤報酬の仕組みそのものにメスを入れる必要がある。

財務省の財政制度審議会は、14年度の予算編成へ向けた建議で、調剤報酬体系の見直しの観点から、診療報酬本体部分をマイナス改定とすべきことを提言。14年度の診療報酬改定へ向けた攻防が白熱している。医療費の増大、国の財政悪化という形で、国民が調剤バブルのツケを負っていることはもっと認識されるべきだろう。

(撮影:尾形文繁 12月16日発売の週刊東洋経済2013年12月21日号核心リポート01より一部転載)



http://www.igaku-shoin.co.jp/paperDetail.do?id=PA03057_05
〔連載〕続 アメリカ医療の光と影  第260回
Young Invinciblesをめぐる攻防

李 啓充 医師/作家(在ボストン)
週刊医学界新聞   第3057号 2013年12月23日

 アンクル・サムは米連邦政府を擬人化した架空のキャラクターである。通常,星柄のシルクハット・赤色の蝶ネクタイ・紺色の燕尾服・紅白縦じまのズボンを身にまとった白髭の男性であるが,いま,日本ではやりの「ゆるキャラ」の先駆け的存在と言えば言えないことはない。

 しかし,日本のゆるキャラが郷土愛を象徴する愛すべき存在であるのとは違い,アンクル・サムの場合,しばしば,米連邦政府に対する嫌悪感・反感を投射する対象としてネガティブに使われることも多い。例えば,最近ある保守派グループが作成した反オバマケア・キャンペーン用のTVコマーシャルにも,アンクル・サムが「悪役」として登場する。このグループが作成したコマーシャルは,登場人物の男・女の別によって2つのバージョンがあるのだが,女性版は以下のようなストーリーとなっている。

若年層をターゲットとした反オバマケア・キャンペーン

 オバマケアのおかげで医療保険に加入することができた若い女性が医師を受診する。指示に従ってガウンに着替えて診察台で待っていると現れたのはアンクル・サム。しかも,その顔つきはいかがわしさをふんだんに漂わせた悪人面である。おぞましさに身をよじらせる患者に対してアンクル・サムが内診を施行しようとするところで画面が切り変わり「政府に医師の役をさせてはいけません。オバマケアに加入するのはやめましょう」とするメッセージが映される(男性版は内診の代わりにアンクル・サムが直腸指診を行うという設定となっている)。

 あざとさが鼻につくこのコマーシャルを作成したのは「Generation Opportunity」なる政治団体である。そのスポンサーはティー・パーティー運動等の保守派政治活動に多額の資金を提供してきたことで知られる大富豪のコーク兄弟とされているが,このコマーシャルが若年層をターゲットとして作成されたものであることは一目瞭然である。

 Generation Opportunity は,TVコマーシャル以外にも,若年層を対象としたさまざまな反オバマケア・キャンペーンを展開している。例えば,カレッジ・フットボールの試合日に合わせて大学構内にキャラバン隊を派遣,ショーツ姿の女性にビールやピザを配らせることで人寄せをした上で,「オバマケアに加入してはいけません」とする情宣活動を繰り広げているのである。

 では,なぜ,保守派グループが若年層に焦点を絞った反オバマケア活動に躍起になっているのかというと,その理由は18-35歳の若年層が多数加入するかどうかにオバマケアの命運がかかっているからに他ならない。

 米国の無保険者約4800万人のうち,若年層はほぼ4割を占めると言われている。若年層は収入が少なく保険購入の経済的余裕がないことに加えて健康に自信があるため保険加入に対するインセンティブも小さい。この年代がなぜ「Young invincibles」と呼ばれるのかというと,その理由は,「自分は病気でないからまだ保険に入らなくとも大丈夫」と判断して意図的に無保険となる道を選ぶ若者が多いからに他ならない。

オバマケア支持派にも秘策

 しかし,医療保険が制度として成り立つための必須条件が「元気な人がたくさん加入してお金を払う」ことにあるのは言うまでもない。オバマケアの公費支援によって低収入の若者たちに保険加入の道を開いたというのに,もし,彼らが「病気をしないから大丈夫」と意図的に無保険であることを続けた場合,新規保険加入者は「若くない有病者」に偏ることとなり,保険会社はその保険料を値上げせざるを得なくなる。「Young invincibles」が無保険である道を選び続けた場合保険料が急速に高騰することは避けられず,「オバマケアのせいで誰も保険に入れなくなった」という悪夢のような事態が起こりかねないのである。

 だからこそ「オバマケアつぶし」を最優先課題とする保守派は若年層を対象とした保険非加入運動を繰り広げているのであるが,これに対してオバマケア支持派も決して手をこまねいているわけではない。若年層を直接のターゲットとした加入運動を大々的に展開しているのはもちろんであるが,彼らが「秘密兵器」と期待して積極的に働き掛けているのが若者たちの母親である。世の中に子どもの健康を案じない親はいない上,「若者たちの医療・健康上の判断・行動にもっとも大きな影響を与えるのは母親である」ことはデータも明瞭に示している。しかも,財政に余裕のある親の場合,子どもたちの保険料を肩代わりすることもいとわないから一石二鳥の成果を挙げることも可能である。いわば,「Young invinciblesを射んと欲すれば先ず母親を射よ」とする戦術が採用されているのである。


  1. 2013/12/23(月) 06:59:46|
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