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Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

2月27日 医療一般

http://www.asahi.com/edu/articles/SEB201302270007.html
医療の現場で職場体験 医師など目指す高校生
2013年2月27日18時37分 朝日新聞

稼働直前の最新機器を見学する高校生=県立宮崎病院放射線科
 医師や薬剤師、看護師を目指す宮崎西高の1年生18人が26日、県立宮崎病院で職場体験をした。普段は立ち入ることのできないエリアで、夢を実現させた先輩の話を聞き、仕事について理解を深めた。

 生徒らはマスクをつけ、薬剤部や放射線科、機能訓練(リハビリ)室、手術室を訪ねた。それぞれ薬剤師、診療放射線技師、理学療法士、医師から説明を受け、最新機器を見学。働く際の心がけも教わった。

 理数科の三浦夏琳(かりん)さんは「いろいろな職種の人が協力して一人の命を救っていることがわかり、心強い」。県内の山間部で幼少期を過ごし、具合の悪い時に受診できず困った経験から、地域医療に携わる医師になりたいという。

 同校によると、職場体験は他に警察や消防、学校、結婚式場などでも実施。1年生が自ら希望の職場を探し、対応を依頼しているという



http://www.dreamnews.jp/press/0000069567/
『「地域医療支援機関」への医師転職マッチングとアレンジ』のサービスを開始
メディカルキューブ 株式会社 2013年02月27日 14:00

医師専門の転職・求人・開業サポートサイト「お医者さんはろおわあく」を運営するメディカルキューブ株式会社は、地域の医療機関に勤務される医師が、その医療機関の周辺での開業を積極的に支援する「地域医療支援機関」への転職のマッチングとアレンジのサービスを開始いたしました。
医師専門の転職・求人・開業サポートサイト「お医者さんはろおわあく」を運営するメディカルキューブ株式会社は、地域の医療機関に勤務される医師が、その医療機関の周辺での開業を積極的に支援する「地域医療支援機関」への転職のマッチングとアレンジのサービスを2013年2月23日より開始いたしました。

■背景
これまで医療機関にとって、勤務されておられる医師がその地域で独立開業する事は「患者の奪い合い」という観点から好ましいことではありませんでした。
1997年(平成9年)4月の医療法の第3次改正で、地域の「初期的なかかりつけ医療」と「設備スタッフを要する医療」との分離が図られ、「地域内の診療所」と「核となる病院」との病診連携が制度化されました。
この制度により、地域医療支援病院として制度化された医療機関では、近隣のクリニックとで
・「患者の紹介」の目標化
・「病診連携」を目的とした周辺クリニックとの連携強化
がされるようになりました。
その流れの中、「将来独立開業を計画している医師」の方の転職というあらたなニーズが発生しています。

■サービスの概要
そこで、メディカルキューブ株式会社では、「地域医療支援体制」のある機関の求人情報発信と、転職へのマッチング、アレンジのサービスを開始しました。
医師専門の転職・求人・開業サポートサイト「お医者さんはろおわあく」上で,全国の地域医療支援体制のある医療機関の情報を掲載、受付・問合せフォームより相談、アレンジ依頼ができます。

利用例)
地方出身者が首都圏の医大に進学、そのまま首都圏で医師となったが、郷里にiターンしクリニック開業を計画しているが、人脈、環境、支援体制がない地方での開業は極めて難しい。

しかし、まず郷里の勤務医師の開業支援体制が整っている医療機関に就職し、数年後その医療機関からの支援を受けた形でクリニック開業することができれば、大きなリスク低減となる。

「お医者さんはろおわあく」サイト上で、開業を検討している地域の「開業支援体制がある医療機関」を検索、問合せ・アレンジ依頼。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/39332.html
【中医協】診療所医師の過半数が一般名処方- 加算新設後の半年間で
( 2013年02月27日 22:30 )キャリアブレイン

 厚生労働省は27日に開かれた中央社会保険医療協議会の総会で、今年度の後発医薬品の使用状況調査結果(速報)を明らかにした。それによると、2012年4月の診療報酬改定で後発医薬品の使用促進策として導入された「一般名処方加算」に関連して、一般名で処方せんを発行した経験のある診療所の医師は56.5%で過半数だった。病院に勤務する医師では35.4%だった。

 一般名処方加算は、12年度改定で医療機関向けの後発品使用促進策として新設されたもの。医師が医薬品を製品名ではなく、一般名で処方した場合、処方せんの交付1回につき2点が算定できる。

 調査結果によると、一般名処方に対応できるオーダリングシステムを導入している診療所は33.2%、病院は22.6%。
 このうち、システムを導入している病院の68.2%が一般名による処方せんの発行に対応しており、15.2%が対応を検討していた。また、導入していない病院も含めた全体では、一般名での処方せん発行に対応している病院は39.9%だった。

 また、一般名処方の経験がある医師のうち、厚労省が整備した一般名処方の記載例を示す「一般名処方マスタ」に収載されている医薬品のすべてを一般名で処方している割合は、診療所で26.9%、病院で21.6%。病院、診療所ともに収載されている医薬品の3割未満との回答が最も多く、それぞれ38.9%、54.3%だった。
 このほか、一般名処方に伴う事務的な負担の変化を見ると、「増えた」(「とても増えた」「少し増えた」の合計)とした診療所の医師は56.0%、病院は45.1%。「ほとんど変わらない」がそれぞれ38.0%、40.1%だった。

■調剤体制加算、算定薬局が増加

 12年度改定では、保険薬局向けの後発品使用促進策として、「後発医薬品調剤体制加算」の要件も見直した。同加算は、直近3か月の医薬品の調剤数量に占める後発品の割合に応じて、3段階で評価するが、この割合と点数を変更。最も加算点数が高い同加算3の後発品の割合と点数について、「30%以上、17点」から「35%以上、19点」に引き上げた。また、同加算2は「25%以上、13点」から「30%以上、15点」、同加算1は「20%以上、6点」から「22%以上、5点」とした。

 調査結果によると、同加算3を算定している薬局が29.4%で、同加算1が20.9%、同加算2が15.3%と続いた。2年前の前回調査と比較し、同加算3を算定している薬局が5.4ポイント(前回24.0%)、同加算1が4.1ポイント(同16.8%)それぞれ増加する一方で、同加算2は0.9ポイント(前回16.2%)減少した。
 また、同加算のいずれかを算定している保険薬局は計65.6%で、前回の57.0%から8.6ポイント増加した。

 この調査では、昨年8月31日から10月22日にかけて実施。全国の保険薬局1113施設、診療所506施設、病院323施設、医師458人、患者1332人が回答した。【津川一馬】



http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=73512
医療センター常勤医3人退職へ…宮崎・西都市
(2013年2月27日 読売新聞)宮崎

 宮崎県西都市が出資する第3セクター「西都児湯医療センター」の常勤医4人のうち、内科医2人を含む3人が3月末までに退職することが分かった。

 医師確保のめどは立っておらず、4月以降は内科の診療ができなくなる恐れがあるという。

 同センターの常勤医は循環器内科医2人と脳神経外科医2人。センターによると、循環器内科医の1人が1月中旬、「一身上の都合で2月末で退職する」との辞表を提出。宮崎大医学部から派遣されている脳神経外科医は3月末で派遣期間が終わるが、同大から後任の派遣予定はないという。

 さらに、常勤理事の内科部長を務める循環器内科医が22日付で辞表を提出。3月末で辞めるとしており、辞表には「17日の緊急理事会が非公開になり、医師確保に向けた具体的な対応策が議論されなかった。市民には申し訳ないが、この先、市民目線での病院運営は難しい」という趣旨の内容が書かれていたという。

 同センター関係者は「このままでは内科は休診にせざるをえない。脳神経外科も1人になれば急患の受け入れは難しくなる」と話している。同センターはベッド数91床で、年間の外来患者数は約1万5000人。



http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/miyagi/news/20130226-OYT8T01558.htm
ドクターヘリ、県が導入へ
(2013年2月27日 読売新聞)宮城

 村井知事は26日の県議会代表質問で、医師や看護師を乗せて救急現場へ飛ぶ「ドクターヘリ」の導入を進める方針を明らかにした。広域防災拠点として整備を検討している宮城野原公園総合運動場(仙台市宮城野区)に、ヘリポート付きの基幹災害拠点病院「国立病院機構仙台医療センター」を建て替えることになったのを機に、導入を決めたという。東北6県では、本県だけが財政難などを理由に配備していなかった。

 県医療整備課などによると、県はまずドクターヘリ1機の配備を目指す。今後、ヘリが待機する「基地病院」の選定や、病院間の協力態勢構築のほか、医師や看護師の確保、ヘリと救急車が合流する「ランデブーポイント」(離着陸地点)の選定などを進める。関係者によると、運用開始には数年かかるという。ドクターヘリは、患者の搬送時間を短縮できるうえ、離島や山間部から患者を搬送しやすくなる。震災時、全国から被災地に16機のドクターヘリが集まり、計155人の患者を搬送した。



http://www.chunichi.co.jp/article/living/life/CK2013022702000156.html
進む専門職連携教育 地域医療センター、大学医学部で取り組み
2013年2月27日 中日新聞

 高齢者の在宅医療や在宅のみとり、認知症ケアが増える時代に向けて、医師、看護師、薬剤師、理学療法士などがチームで関わっていくための教育が注目されている。IPE(専門職連携教育)の実践で知られる岐阜県揖斐川町の揖斐郡北西部地域医療センターと、三重大医学部の取り組みを紹介する。 (編集委員・安藤明夫)
 今月十四日夜、雪山に囲まれた揖斐川町。医療センターの会議室は、約五十人の学生や地域の人たちで熱気に包まれた。
 この日のテーマは、心不全などを抱え、認知機能も低下して老人保健福祉施設でリハビリ中の女性(79)の在宅復帰支援の事例。同センターに来たばかりの研修医が「日中は仕事で、お父さん、介護の主役になれないね」と口火を切る。看護学生が深くうなずく。
 家の見取り図を眺め「ここの段差が気になります」と、研修中の理学療法士が指さした。「夜中にふらついて転倒が予想されるから、ミンザイ(睡眠薬)をうまく使いたい」とベテランの訪問看護師。地元のケアマネジャーは「施設にいる間に、この方の行動を観察したいですね」。
 事例は、同センターが支援したケースを、家族の了承を得て教材にしている。本人の病歴や日常生活動作の状態、性格、家族の健康度、在宅医療への熱意などのきめ細かい情報が盛り込まれている。
 若手中心の十人前後のグループ二つで、支援方法を議論し、発表する。見学者たちは、その感想を述べる。
 最後に、同センターの理学療法士、小林修さんが、実際の支援について説明した。周到な準備で臨んだものの、六日間で家族介護が限界。施設に戻ってから体力が落ち、みとり期に入った…。現実の重みに、うつむく学生もいた。
 岐阜大医学部二年の藤原希実さん(21)は「家族をひっくるめて、患者さんの医療があることを実感しました。大学でも症例検討をやっていますが、多職種で話し合うと深みがまったく違う」。
 同センターは、年間百人以上の研修医と、医学、看護、介護、リハビリ分野の学生を受け入れて、連携教育に力を入れてきた。センター長で医師の吉村学さんは「若手が壁をつくらずに交流し、ベテランも初心に戻って連携の楽しさを学ぶ。それが次世代のケアをやりやすくする。患者さんが残してくれた教訓を、学習に生かしていきたい」と話す。
 IPEに取り組む大学も増えてきた。三重大医学部では今月二日、家庭医療学の後藤道子助教、吉本尚助教が中心となって、三重、愛知両県の六大学合同のケース検討会を開いた。三重大の医学生のほか、看護学、心理学、薬学などの学生計五十九人が集まった。
 模擬患者がアルコール依存症で入院治療中の男性にふんし、学生たちの質問に答えた。その後、学生たちは支援方法を話し合った。
 依存症の患者は入院して断酒治療を受けるが、退院後に再飲酒してしまう場合も多く、支援が難しい。学生たちは家族関係の悩みなどに耳を傾け、解決法を話し合い、断酒会の会合への参加などを促していった。
 吉本さんは「断酒会という言葉を初めて知った医学生も。多角的な視点の大切さが分かったと思います」と手応えを語った。
<IPE> Interprofessional Educationの略。日本では1989年に東京慈恵医大で始まった。一部の大学の取り組みにとどまっていたが、在宅医療を担う総合診療医などの人材育成が求められる中、IPEを取り入れる医学系大学が増えている。



http://www.m3.com/iryoIshin/article/167084/?portalId=iryoIshin&pageFrom=openIryoIshin
医師不足への処方せん
医学部新設の推進を決議、自民議連
文科省告示改正を要望、地域への定着図る方法も模索

2013年2月27日 池田宏之(m3.com編集部)

 自民党の「東北地方の医学部の新設を推進する議員連盟」(大島理森会長)は2月27日、東北地方に医学部の新設を求める決議を、出席した議員の全会一致で決議した。今後、自民党内の部会や政調会長の承認を経て、医学部の新設を認めていない文部科学省告示の改正を目指す。この日の議連の会合では、新しく設置された医学部の卒業生が東北に残るように縛りをかけることを求める声も上がった。

 決議では、医学部の新設を「東北地方の震災復興にあたって、医療体制の整備を重要課題と位置付ける」としていて、「特例」であることを強調。また、「卒業した医師が地域に定着し、地域医療に従事するための方策を踏まえたコンセプト設計を行う」とし、卒業生が、地域で働くことを前提としている。2013年度予算で新設の準備を行うための予算を確保し、計画の策定に速やかに着手するよう求めている。

 医学部の新設は、2003年の文部科学省告示第45号の「大学、短期大学、高等専門学校等の設置の際の入学定員の取扱い等に係る基準」で、「医師、歯科医師、獣医師、教員及び船舶職員の養成に係る大学等の設置又は収容定員増でないこと」となっており、医学部の新設を実質的に禁じている。

 この日の会合には、議連33人中、大島会長のほか、平沢勝栄氏や秋葉賢也厚労副大臣ら15人が出席し、14人は代理が出席した。冒頭で、宮城県石巻市長の亀山紘氏が、震災後の医師不足を訴え、「医師不足や偏在解消に向けて、市は20年間活動してきたが、対応してもらえなかった」などと話し、医学部の新設を求めた。議員は、医学部新設に理解を示した上で、新設に反対している地元医師会に対して「あくまで震災復興の旗印。医師会と対立するつもりはない」(出席議員の秘書)というスタンスとなっている。

 臨床の現場を担う医師が、大学の新設で取られることについては、「大きな影響は出ない」という見方。卒業生に東北に定着してもらうための方策としては、出席議員から「縛りをかける方法や奨学金を増やすなどの方法が考えられる」という意見が出た。場所については、「議連としては関知しない」(出席議員の秘書)としている。



http://mainichi.jp/select/news/20130228k0000m010050000c.html
東北医学部議連:政府に新設を求める決議採択
毎日新聞 2013年02月27日 20時08分

 国内で30年以上も新設されていない大学の医学部について、自民党の「東北地方に医学部の新設を推進する議員連盟」(大島理森会長)は27日、政府に新設を求める決議を採択した。来月中にも同党の文部科学、厚生労働の両部会に諮り、党方針への格上げを目指すという。

 決議では、新設を認めていない文科省告示について、東日本大震災で被災した東北では特例として1校新設できるよう改正を求めている。

 文科、厚労省は既存学部の増員で対応する方針で、日本医師会や東北大、福島県立医大、岩手医大は「医師を新設学部の教員に振り替える必要が生じ、医師不足が加速する」と両省に慎重な対応を要望している。【井崎憲】



http://sankei.jp.msn.com/region/news/130228/nar13022802030003-n1.htm
経営統合で効率化進める 県立奈良と三室病院 地方独立行政法人化へ
2013.2.28 02:03 産經新聞

 荒井正吾知事は27日の定例会見で、県立奈良病院(奈良市)と県立三室病院(三郷町)を平成26年4月に経営統合し、地方独立行政法人化を目指すと発表した。県の直営から外して民間の経営手法を採用し、事業の効率化を進めるのが狙い。

 25年度中に法人設立を総務省に申請。理事長には前県立医大付属病院長の榊壽右(としすけ)・県医療政策参与を起用する方針。

 これまで治療方針などの専門分野に対し、県の行政職ではコントロールしにくかったが、法人化で病院経営に詳しい人物をトップに据えることで、経営の安定化や経営責任の明確化などを図る。2病院を一体運営することで、人員不足も補う。

 2病院は、いずれも累積赤字はないが、三室病院では医師不足で21年から分娩(ぶんべん)を休止している。

 県は今後、高齢化に対応した診療や、三室病院の建て替えなどを検討していく。



http://www.m3.com/iryoIshin/article/166319/?portalId=iryoIshin&pageFrom=openIryoIshin
病院医療に限界を感じGPへ- 澤憲明・英国総合診療専門医に聞く◆Vol.3
3000人の専門医枠に希望者6000人

2013年2月28日 聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――先生はいつ頃からGP (General Practitioner)を目指すようになったのでしょうか。

 僕は医学生の時代は、内科に興味があり、実はGPにはあまり関心を持っていませんでした。始めは循環器専門医を目指していたのですが、初期研修医として病院医療を経験してから変わってきたのです。

 2年目の研修で経験したのが、ノーザンプトンの急性期病院。急性冠症候群、喘息・COPD急性増悪、上部消化管出血、急性混乱や転倒などの患者さんがたくさん入ってくる。僕らは急性的な処置をして帰す。しかし、また病院に戻ってくるのです。喫煙をやめないとか、インフルエンザワクチンや肺炎球菌ワクチンを打っていないとか、アルコールを大量に飲んでいるとか、薬を指示通りに飲んでいないとか……。よく話を聞くと、処方された薬についてもあまり理解していない。

 ある時、1週間有給を取って、地域の診療所に見学に行ったのです。すぐに「あ、これだ。僕がやりたいことはここにある。自分に合っている」と思った。地域に患者さんを支えていく存在がいないと、人は変わらない。その人の生活を支えていく存在がいないと、その人の健康と幸福に貢献できない。病院医療に限界を感じると同時に、コミュニティ医療に可能性を見たのです。もちろん、病院医療もすばらしいのですが、僕の中では「工場の中で働いている」感じがありました。

――日本は専門性志向が強い傾向にあります。

 イギリスは日本と違って、GPも専門医として確立しています。ジェネラル・プラクティス(ファミリープラクティス)への関心の高まりは、世界的な流れです。

 GPは、赤ちゃんから高齢者まで全てを診る。その点にも興味があった。患者さんの病気を治すよりも支える、患者に寄り添う姿勢にも共感しました。患者、家族と喜怒哀楽を共にするのが、僕を支える大きな喜びになります。臨床推論やコミュニケーション、社会的なアプローチのスキルなど、それまで学んできたことが全てプライマリ・ケアで必要とされることだった。今まで目指してきた医師像にも合っていた。こうした背景もあり、GPに関心を持ちました。

――初期研修後にGPのプログラムに入られたわけですね。

 はい、プログラムは3年ですが、プログラムに入る前に、筆記試験や臨床試験があります。イギリスでは初期研修プログラムを無事終える医師が毎年大体7500人くらいいますが、GP研修プログラムにはそういった研修医以外にも、転科を望む他科の後期研修医やコンサルタントといった医師など、毎年合計で大体6000人くらいからの応募があります。しかし、定員は約3000人なので、約半分に選別されます。合格しなければ、他科のプログラムに行ったり、今の仕事を続けたり、また1年後に受け直すこともできます。

――GPの定員は年々増やしている状況でしょうか。

 昔は3000人よりもずっと少なかった。しかし、地域医療、プライマリ・ケアを充実させていかないと良質で効率的な医療の提供が難しくなるということで、2000年に始まったNHS Planと呼ばれる10カ年計画に沿って、GPの養成数を段階的に増やしてきました。これはグローバルな流れと言えるでしょう。

――GPの専門医取得のための研修を始められたのは。

 2009年で、修了したのは2012年です。研修先は初期研修と同じくマッチング方式で決めます。まずどこの地域で働きたいかを決める。僕はリーズを選びました。イギリスで3番目に大きい都市で、結構何でもそろっているけれど、田舎の雰囲気で落ち着いた街です。

――3年間のGP養成のプログラムの内容を教えてください。

 英国家庭医学会(Royal College of General Practitioners: RCGP)は、これからの時代に必要とされるGPの理想像「GP Curriculum Documents」を数年かけて作成し、2007年から全く新しい専門医認定制度を発足させました。それ以前は、3年間のGPのプログラムを終えるだけでGPになれた。しかし、制度の変更により、先ほどもお話したようにプログラムに入る前に選別があり、修了時にもGPの専門医になるための試験があります。これからは「総合診療専門医の資格」がないとGPとして働くことができなくなったのです。

 3年間のプログラムは1年半ずつ分かれています。傾向としては前半の1年半が病院で、初期研修で経験した診療分野を踏まえ、研修する診療分野を決めます。僕の場合は、初期研修では内科を回ったので、救急、小児科、精神科などを研修しました。残る1年半が診療所、特に最後の1年は同じ診療所です。診療所の研修は、基本的に一対一で、「GP trainer」と呼ぶ指導医が付き、その人に弟子入りする感じです。

 研修開始から2週間経った頃から、自分で独立した診察室を持ち、診察を始めます。最初は一人の患者さんを30分くらいかけて診る。午前中の外来が終わったら、カルテを基に指導医とディスカッションします。分からない時は、診察中でも指導医を呼んで診てもらうこともあります。徐々に慣れてくると診察時間も一人当たり10分程度になり、3年目の最後の頃は、午前と午後にそれぞれ15人くらい診ていました。昼休みの時は、ペーパーワークをやったり、訪問診療も一人で行きます。1日2、3人くらいは診る。

――専門医を取得する際の試験はどのような内容なのでしょうか。

 専門医の筆記試験は、GP研修の2年目から受験できます。1年に3回試験があって、自分の希望の時期に受けます。3年目には、臨床試験を受験できるようになる。

 臨床試験は、模擬患者を一人10分、13人診察する試験です。10分を前半と後半に分け、5分で診断し、後半の5分はそれを説明する。GPとして専門的にトレーニングされる技能に、医療面接技法があります。診断の過程では、症状の詳細や相手の希望をいかに聞き出すかが問われます。イギリスでは、臨床推論を大切にしていますので、問診がとにかく重要ですが、「エンパワーメント」という姿勢も非常に大事にしているからです。患者さんに情報を提供し、選択の自由を与えることが重要です。

 例えば、頭痛の患者さんがいるとします。実はお父さんが脳出血でお亡くなりになっていて、自分もそうかもしれないと思っていても、イギリス人はなかなか言わない。しかし、何かを不安に思っていると文章の表現や声のトーン、ボディーランゲージに自然と現れるので、微妙かもしれませんが、それを見逃さずに引き出すことが求められます。

 説明する際にも、「大丈夫」では済みません。「脳内に出血があると、こうした症状が出る可能性が高い。しかし、あなたにはそうした症状はない」「CTを撮るのもオプションの1つであるかもしれませんが、今の症状ではあまり有益ではないかもしれません」「こうした症状が出てきたら、検査が必要なのでまた来てください」と、相手の理解度や希望も確かめながら、セルフケアも含め医療参加を促しながら説明していく。それをやるのが後半の5分です。

――5分で説明するのは結構大変です。

 そうですね。13人連続で診察するのですが、決して簡単ではありません。ベルが鳴ると、患者さんが試験官と一緒に入ってくる。試験官は1人です。10分の診察が終わると、またベルが鳴る。何を話していたとしても、そこで終了。1分くらい経つとまた別の患者さんが入ってくる。それを13回繰り返す。試験官もずっと同じ患者さんと回るのです。全体のレベルが分かるように、13人の研修医を見ます。試験する側も大変で、一定のスタンダードで評価できるよう、試験官への教育なども厳しく行われています。臨床試験の結果は、得点化されて、最終的に一定以上の点数であれば合格となります。

――専門医試験で不合格となる人はどれくらいいるのですか。

 筆記試験、臨床試験ともに合格率は70%くらいです。複数回受験することも可能ですが、中には何回トライしてもGPの専門医になれない人もいます。

――専門医になれない場合には。

 以前はいますが、新しい制度になった以降、これからの後期研修医は専門医資格を取らないとGPにはなれません。ホスピタリストの場合は、コンサルタント(上級専門医)の資格を取得できなくても、働くことはできます。

――先生がイギリスに行かれた当初と今では、GPへの評価、ステータスが違うとお考えでしょうか。

 ブレア政権による医療制度改革で、GPのステータスはすごく変わったと思います。医学教育も変わり、プライマリ・ケアの教育を充実させ、GPを増やすように舵を切った。専門医制度も変わりました。僕がイギリスに行った1998年の一年前にブレア首相の労働党が政権につき、2000年から本格的な改革が始まったわけで、これらの改革を実施した後に僕はそれぞれ経験したわけで、ブレア政権が変えてくれたレールを僕がたどったことになり、本当にタイミングが良かったと思っています。

――専門医試験に合格して、GPとしての仕事を始めたのは。

 2012年の秋ぐらいからです。

――初期研修医、「GPは自分に合っている」と思った時と、ご自身が実際にGPとして診療を始めた時との相違はありますか。

 思っていたより、難しいというのが実感です。GPは本当に奥が深い。後期研修の3年間でこれから成長していくための基礎はできたと思うのですが、もっと勉強していかないとダメだと思います。そこにやりがいを感じています。

 ――「GPは奥が深い」というのは。

 GPは、患者に寄り添い、患者の医療ニーズと包括的に対話していかなければいけません。例えば、腰痛で来た時に、腰痛だけに対処すればいいわけではない。他のところも診なくてはいけない。奥行きがあり、患者と患者の生活を想う自分の想像力の分だけマネジメントの幅が広がってくる。患者さんが外来に来られた時に、患者をアドボケートする立場、医療サービスの案内役であるGPとしてできることが無現にある。その中から、この患者さんが何を必要としているかを引き出し、選択していく。そのプロセスが非常に面白い。辛い時や落ち込むこともありますが、毎日が充実しています。総合診療(家庭医療)が天職であると実感できることをとても幸運に思います。



http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20130226/244204/?top_updt&rt=nocnt
待合室には誰もいないのに大人気のクリニック
北海道苫小牧市の医療法人社団北星会・その2

内藤 耕  
2013年2月28日(木)日経メディカルオンライン

 大きな病院と違いスケールメリットの追求による効率化が難しい一般診療所。そんな中で、無床一般診療所を多店舗展開しているのが、北海道苫小牧市に本拠を置く医療法人社団北星会である。前回は診療所スタッフの接遇などについて書いた。今回はITを活用した待ち時間の短縮などに触れていく。

 医療機関で患者が抱える最大の不満は長い待ち時間である。特に北星会の本拠がある苫小牧市は東西に長い地理的特徴を持っており、ほとんどの患者は自動車で通院する。また水曜日は周辺の病院の多くが休診になるのでどうしても患者数が増える。そこで苫小牧にある北星会の2つの診療所ではオンライン受付のシステムを自ら開発し、体調を崩した患者は自宅や外出先から診療所のホームページにアクセスして受付ができるようにしている。

 オンライン受付の申し込みフォームには、「喉が痛い」「咳がする」「鼻水が出る」といった症状を書き込める簡単な問診票がついていて、申し込み時に病状を送信できるようにしている。診療所では、スタッフが常にオンライン受付状況を確認しながら、オンライン受付を行った患者の予約番号をメールで送信する。

ホームページで診察中の患者の受付番号が分かる

 診察は受付番号順に原則行われる。北星会のホームページにはリアルタイムで診察中の患者の受付番号が掲示されており、患者はそれを見ながら余裕を持って来院することができる。これにより、患者が診療所に到着してから診察まで時間は短くなる。「待合室には誰もいないが、30人待ちということもある」と理事長を務める島野雄実医師は話す。

 簡単な問診もオンライン受付時に行ってしまうので、到着後の受付は短時間で済み、病気で苦しむ患者の負担軽減にもなっている。この問診票のデータは受付のスタッフによって電子カルテに貼り込まれ、医師も患者の状況を素早く理解できるようにしている。

 患者が内科を訪れたものの、医師の判断で皮膚科に行くことになった場合は、内科があるとまこまい北星クリニックから至近のとまこまい北星皮膚科クリニックに予約を入れて患者に移動してもらう。もう一方の診療所から来た患者は最優先で診察できるよう受付番号を優先するルールを設けている。これは既に受付で待った患者が再度待つことがないようにするための配慮である。このように北星会では、電子カルテとオンライン受付で診療所間の情報交換を密接にできるようにし、それぞれのクリニックの連携を深めて、患者のメリットにつながるようにしている。

 大きな病院は電子カルテをオーダリングシステムとして使う。一方、北星会は小規模な診療所であるため、電子カルテの役割は記録媒体である。そのため医師の入力作業は多い。1つの画面で画像だけでなく、様々な情報とカルテを紐付けている。また北星会は家庭医としての役割を目指していることから、家族全員分のデータも電子カルテから引っ張れるようにしている。

 北星会は情報共有を重要視している。そのためにITをフル活用している。院内ではパソコンが20台以上も稼働しており、ネットワークでつないでメモ帳をオンラインで共有し、どこのパソコンでも必要な情報を見ることができるようにしている。

ITと同時に人を介した情報伝達を重視

 一方で情報トラフィックという考え方に基づいて、足で情報を伝えていくことも怠らない。人を介して部署と部署の間で必要な情報を伝えるのだ。そのため、診察室にバック動線をつくり、患者とスタッフの動きを分離して効率的に患者の情報を必要な部署に伝えて情報共有していく。情報トラフィックを活性化させ、情報がきちんと流通するようにしておけば、何か問題が起こりそうな時にも的確に対応できるようになる。的確な対応ができれば、たまたま来てくれた患者も北星会のファンになってくれる。

 北星会ではスタッフが1人の患者にだらだら話をすることはない。医師が長い時間をかけて説明しても専門的になり、なかなか理解されない。事務スタッフは逆に専門家ではないので細かい話ができない。だから診療中は医師が、終了すれば看護師が、患者が診療所を出るときには受付にいる事務スタッフが必ず何か話しかける。場合によってはリーフレットを渡して説明することもある。患者との間で何度も接点を設け、同じ内容の説明を繰り返せば大事な話が記憶に残るからだ。


患者が移動するところとは別にスタッフ用の動線を作り、スムーズに情報を共有できるようにしている
 地方都市では、患者が満足しなければ診療所を経営し続けることはできない。悪い情報が流れれば、それはあっという間に広がってしまい、経営に悪い影響を与えてしまう。だから北星会は情報の提供方法に気を使っている。

 現在、北星会が力を注ごうとしているのが肥満治療専門の診療所である。北星会では、肥満治療を生活療法と考えている。もし栄養指導ばかりに偏ると、患者は治療を継続しない。楽しい生活ができなくなり、また仕事に支障が出ると感じて患者の多くに拒否感が出てしまう。そのため、これまでの一般的な肥満治療のアプローチと異なり、肥満の原因となる生活習慣の指導を重点的に行うようにしている。野菜を多く食べてもらうためには、料理を作ることが不可欠だ。しかし、忙しく働いている人にとって、買い物や調理に時間を割くことは難しい。場合によっては、生活パターンを変えていく必要がある。

 肥満治療の患者に対しては「診察」という雰囲気を作らない。特に著しい肥満の患者は、既に様々な医療機関で「食べ過ぎないように」と言われている。だから、北星会の管理栄養士は相手の気持ちになって一緒に考える「カウンセラー」として働く。北星会の診療所の多店舗展開は、情報トラフィックなどによる診療所運営の仕組みの確立と、新たな診療分野を切り開けるかにかかっている。そういった意味でも、通常とは異なる肥満治療のノウハウ化が今後の大きなポイントになりそうだ。



  1. 2013/02/28(木) 05:45:48|
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