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Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

2月26日 医療一般

http://mainichi.jp/area/yamaguchi/news/20130226ddlk35040481000c.html
下関市立市民病院:労基署が是正勧告 管理職の勤務時間外手当、不当に安く支払う /山口
 ◇「勤務体系見直したい」と謝罪

毎日新聞 2013年02月26日 地方版 山口

 地方独立行政法人・下関市立市民病院(向洋町)が、管理職の医師に支払うべき勤務時間外の手当が不当に安いとして、下関労働基準監督署から昨年7月に是正勧告を受けていたことが、25日分かった。【西嶋正法】

 毎日新聞の取材に応じた同病院によると、一般の医師が残業すると残業手当が支給されるが、管理職の医師には残業手当より安い緊急措置手当(一律時給3500円)を支払っていた。このため、時給で1000〜2000円の差額が生じているという。

 昨年4月に独立行政法人化された同病院は「法人化前は市の条例に従って支払っており、昨年4月以降もその慣習のままだった。対応を改めると共に勤務体系も見直したい」と説明し、謝罪した。

 同病院は是正勧告を受け入れ、3月以降、管理職にも残業手当を支払う方針。また独立行政法人化した昨年4月〜今年2月の11カ月分も不足分を支払う。同病院の管理職の医師は約40人。不足分の総額は数千万円に上りそう。

 管理職の残業代を巡っては、管理職に残業代が支払われない「名ばかり管理職」が問題となっているが、同病院は「手当は支払っており、名ばかり管理職にはあたらない」としている。

〔下関版〕



http://www.minato-yamaguchi.co.jp/yama/news/digest/2013/0226/7.html
医師に超過時間外労働 下関市立市民病院に是正勧告
2013年2月26日(火)掲載 山口新聞

下関市向洋町の市立市民病院が、医師に上限を超える時間外労働があり手当も十分でないとして、下関労働基準監督署から労働基準法に基づく是正勧告を受けていたことが25日、分かった。同病院は指摘に基づき、約40人の医師に計約3千万円を支払うという。

同病院によると、勤務する医師62人のうち約半数が協定で定める時間外労働の上限を超過。各科の医長以上の医師に支払われる緊急措置手当(1時間3500円)が、時間外手当に換算した場合と比べて低かったという。昨年7月の同署の調査で判明した。

同病院は独立行政法人となった昨年4月から今年2月分までは、時間外手当に換算した額と緊急措置手当との差額を支払い、勤務体系などの改善策をまとめた報告書を近く同署に提出するという。同病院の大津修一事務局長は「適切な対応を図っていく」とコメントした。



http://sankei.jp.msn.com/region/news/130226/osk13022602030001-n1.htm
和泉市立病院、民間運営へ あす条例改正案提出、移転新築の方針 大阪
2013.2.26 02:03 産經新聞 大阪

 和泉市は25日、経営が悪化している市立病院(同市府中町)について、運営を民間に任せる指定管理者制度を導入することを決め、関係する条例の改正案を27日開会の定例市議会に提出する、と発表した。また、老朽化が課題の病院建物については、約500メートル南に移転新築する方針を明らかにした。

 市によると、指定管理者制度への移行は来年4月を目指し、今年7月に医療法人や大学などを想定した事業者の募集を行う。民間のノウハウを生かし、効率的な経営を目指すという。市立病院の経営は、医師不足から救急の受け入れを停止した平成18年ごろから悪化。20~27年度の市の一般会計から病院事業会計への拠出は約100億円が見込まれている。

 一方、移転先は現在地から南へ約500メートルの市民グラウンド周辺で、現在のベッド数と同規模の建物にする予定。30年度の完成を目指すという。



http://www.iga-younet.co.jp/news1/2013/02/416.html
4月から内科医1人増 「常勤換算で6人体制に」 上野市民病院
編集部 (2013年2月26日 21:53) YOU 伊賀タウンニュース

 伊賀市立上野総合市民病院は2月26日、名古屋大学からの医師派遣で内科常勤医が4月から1人増えて2人になると発表した。三木誓雄院長は、更に同大学以外の医局からも協力が得られたことを明らかにし、「入院や救急など内科の診療体制が充実する。常勤換算だと6人体制で入院も60床までサポートでき、救急も高度な治療が展開できる」と期待を述べた。【市議会議員に4月以降の診療体制について説明する上野総合市民病院の三木院長(右)=伊賀市役所で】
 26日に開かれた伊賀市議会議員全員懇談会で三木院長が議員に説明した。発表によると、同病院の内科で外来や入院、救急に携わる医師の数は4月以降、計16人に増える。

 内訳は一般内科が名古屋大学の医師5人。循環器系と消化器系は滋賀医科大の各4人、認知症を含む神経内科は名古屋市立大の3人。水曜と木曜の救急は終日、三重大学の同専門医2人で対応するという。

 このうち、名古屋大と名古屋市立大の内科医3人、整形外科分野で三重大学から骨軟部腫瘍専門医の計4人が、ピロリ菌対策や認知症、がん診療の各プロジェクトを通じ、「伊賀特任医師」として地域医療に携わる。

 一方、副院長で小児科の川口寛医師が3月末で同病院を退職することも発表。同科は後任を確保するまで休診する。三木院長は新年度からの診療体制について、「あくまで途中の段階だが、我々の病院にかなりの魅力ができてきた。最終的には常勤につながっていくと思う」と話した。



http://www.chunichi.co.jp/article/mie/20130227/CK2013022702000008.html
常勤内科医が1人増 上野市民病院、小児科は休診
2013年2月27日 中日新聞 三重

 伊賀市立上野総合市民病院は二十六日、新年度の診療体制を発表した。常勤内科医が現行の一人から二人に増える上、非常勤医師も入院患者を手厚く診ることで、常勤医換算で六人体制になる。
 一方、小児科部長を兼ねる川口寛副院長が三月末で退職するため、小児科は後任が決まるまで休診となる。
 同日の市議会議員全員懇談会で明らかになった。内科診療は、常勤医に加え、名古屋大と名古屋市立大、滋賀医科大からこれまで派遣されていた非常勤医も合わせた十六人で担当。入院患者を受け入れられる病床数も現状の二十床から六十床に増加する。
 三木誓雄院長によると、小児科の休診は、川口副院長に代わる小児科医の確保が見込めないことが要因。同病院は三重大に医師派遣を要請したが、岡波総合病院(同市上野桑町)に小児科医を派遣していることを理由に断られたという。
 (安部伸吾)



http://www.kahoku.co.jp/news/2013/02/20130226t13026.htm
訪問診療24時間体制 4月から宮城・石巻市仮診療所
2013年02月26日火曜日 河北新報

 石巻市は25日、市立病院開成仮診療所を拠点に4月、24時間体制の訪問診療を始めることを明らかにした。市議会保健福祉常任委員会で示した。
 所長の長純一医師と新たに採用する男性医師の2人が、看護師とローテーションを組む。通常の診療と両立させ、夜間や休日も対応する。隣接する市内最大の1900戸の仮設住宅団地など、原則として車で30分以内の範囲を受け持つ。
 東日本大震災で被災した市立病院に代わり、仮診療所は昨年5月に開設された。国の在宅医療連携拠点事業を受託し、震災後に着任した長医師が訪問診療を支えてきた。JR石巻駅前に再建する新市立病院でも在宅医療に力を入れることから、市は体制を強化する。
 市立病院の伊勢秀雄院長は「一人暮らしの高齢者は病院に来る手だての確保が難しい。病院からいつでもアプローチしていこうという考えだ」と説明した。
 2016年1月の予定が遅れる公算が大きくなっていた新病院の開院時期について、市側は16年7、8月にずれ込むとの見通しも明らかにした。新病院は医師18人を必要とするが、4月に採用する仮診療所勤務の医師ら2人を含めても充足は4人にとどまっている。



http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn201302270034.html
ドクターヘリ患者搬送18病院
'13/2/27 中国新聞

 広島県は26日、4月に試験運用を始める医療用ヘリコプター(ドクターヘリ)で搬送する患者の受け入れ先として、県内18カ所の病院を確保できるとの見通しを示した。いずれも地域医療の中核を担う災害拠点病院で、県は患者を素早く治療できると期待。7月からの本格運用に向けて準備を急ぐ。

 この日の県議会一般質問の答弁で、佐々木昌弘健康福祉局長が「ヘリに搭乗する医師7人、看護師9人の研修を年度内に終える。搬送先は18病院を確保できる見込みだ」と述べた。18カ所の搬送先確保は、中国地方5県では島根と並んで最多となる。

 ヘリは、広島ヘリポート(広島市西区)を拠点とし、乗り込んだ医師が救命処置をしながら患者を搬送する。搬送先は、ヘリ運用の中核を担う広島大病院と県立広島病院(いずれも南区)の2病院を優先する。

 一方、ヘリに乗り込んだ医師が最寄りの病院での治療が適切だと判断した場合は、残る16病院に運ぶと想定。16病院は県の照会に対し、ヘリでの患者搬送を受け入れる姿勢を示している。



http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20130226-OYT1T01097.htm?from=ylist
研究費で家電、がん研小児腫瘍科長を懲戒解雇
(2013年2月26日19時32分 読売新聞)

 国立がん研究センター(東京都中央区)は26日、中央病院の小児腫瘍科長、牧本敦医師(45)が国の研究費約2570万円を不正にプールし、一部を家電製品の購入などに私的流用したとして懲戒解雇したと発表した。

 発表によると、牧本医師は2007~08年度、厚生労働省から計約2億2000万円の研究費を受け取っていたが、物品納入業者に架空発注して代金を過大に払い、その分を不正にプールする「預け」の手法で裏金を作った。09年1月~11年5月にかけて、少なくとも578万円を私物のエアコンやテレビなど62点の代金に充てていた。同センターに対し、牧本医師は「たがが外れてしまった」と話しているという。同省は不正分の返還を求める。



http://www.m3.com/iryoIshin/article/166034/?portalId=iryoIshin&pageFrom=openIryoIshin
今どきの「U35ドクター」(1:仕事編)
「地域密着型で信用されたい」◆Vol.8
医師としての将来像の自由回答

2013年2月26日 島田 昇(m3.com編集部)

Q.16 医師として成し遂げたい目標やビジョンなどについての自由回答。
◆地域で活躍

・地域密着型で信用される医師を目指したい(28歳男性、大学病院)。
・地域で仕事がしたい。臨床研究もしてみたい。
・地域への教育啓蒙活動への参加(34歳男性、診療所)。
・地域医療の構築(32歳男性、民間病院)。
・地域医療に携わる勤務医(32歳男性、民間病院)。

◆プライベートも重視

・早期リタイア(34歳男性、民間病院)。
・子育てをしながら働く(30歳女性、公的病院)。
・自分のプライベートも充実できる労働環境(31歳女性、大学病院)。
・穏やかにやりたい(29歳男性、民間病院)。
・自分の生活の安定(33歳男性、国公立病院)。

◆臨床のスキルアップ

・スペシャリストであると同時に、ある程度の診療はできるジェネラリストでありたいと考えている(30歳男性、国公立病院)。
・アルツハイマー病を治せるように何らかの貢献をしたい(33歳男性、大学病院)。
・東洋医学と西洋医学の両方の視点を身につけて臨床能力を向上させたい(33歳男性、大学病院)。
・検診事業にかかわり、がんの早期発見、早期治療(34歳女性、民間病院)。
・職人として一人前になりたい(33歳男性、国公立病院)。
・外科医としての確固たる技術の獲得(34歳男性、大学病院)。
・若年者の悪性腫瘍患者の生存率の改善(33歳男性、国公立病院)。
・数多くの患者に携わる(31歳男性、公的病院)。

◆患者からの信頼

・患者やスタッフに信頼される医師を目指したい(29歳男性、民間病院)。
・常に患者にとって良い医療を提供すること(30歳男性、民間病院)。

◆研究分野で活躍

・impact factorの高い論文を書きたい(32歳男性、民間病院)。
・あいまいな領域のエビデンスの構築(34歳男性、国公立病院)。
・治療法の確立されていない疾患について、解決の糸口を見いだせるような研究を行いたい(29歳男性、民間病院)。
・新たな知見、治療法の開発を通じ、患者さんのアウトカム向上につなげる(32歳男性、公的病院)。

◆海外で活躍

・英語論文や国際学会発表を通して、世界に自分の意見を発信する(28歳男性、大学病院)。
・世界で戦える医者になる(31歳男性、大学病院)。
・WHOで働いてみたい(31歳男性、民間病院)。

◆後進を指導

・後進を育てる継続的なシステムを確立したい(34歳男性、大学病院)。
・後輩をしっかりと育てていけるだけの知識、人間性を持つように努力したい(29歳男性、公的病院)。
・目標は、その時の若手に恥ずかしい指導医にならないこと(33歳男性、国公立病院)。

◆出世

・病院長(34歳男性、大学病院)。
・現時点で開業の意思はないが、勤務医として役職に就きたい(33歳男性、民間病院)。

◆その他

・介護との両立(34歳女性、大学病院)。
・ベンチャー企業経営(33歳男性、民間病院)。
・現在の日本の医療界においては一刻も早く足を洗いたいだけです。こんな国と国民の中で医師なんてやっていられません(32歳男性、民間病院)。
・開業を軌道に乗せて、いっぱい稼ぎたい(30歳男性、公的病院)。
・専門医、学位取得は当然として、次に何を目指すのかの目標はなかなか見つからないのが現状です(33歳男性、公的病院)。
・医局やお役所や変な患者さんに悩まされずに、普通に医者として患者さんの病気をよくしたい。そんな普通のことができるシステムを作りたい(31歳女性、大学病院)。
・教科書に載るような功績(30歳男性、民間病院)。
・医療システム上の効率性の向上(34歳男性、国公立病院)。



http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/201302/529210.html
スペシャルリポート◎へき地医療をどう守る?《後編》
気軽にへき地で働いてもらえるように
Case2◎広島県庄原市、Case3◎岐阜県郡上市

二羽 はるな=日経メディカル
2013. 2. 26 日経メディカルオンライン

CASE 2
   移動診療車で患者のそばへ
   徒歩での受診が可能に

へき地医療の課題の一つに、医療機関までのアクセスがある。庄原赤十字病院(広島県庄原市)は、移動診療車を使って広い地域に散在する患者の下に医療者側がアプローチすることで、医療アクセスを改善。車を運転できない高齢者などの受診機会を増やすことに成功した。

 「前回に比べて、血糖値が高くなっていますね。しばらくは食事内容に注意して、次回は2週間後に診察に来てください」――。診察室でよく見られる光景だが、このやり取りが行われているのは車の中だ。

 庄原赤十字病院は昨年7月、移動診療車による巡回診療を始めた。市東部に位置する東城町の帝釈地区にある8カ所の集会所を午前と午後に1カ所ずつ、週に2日巡回する。住民は約2週間に一度のペースで同じ集会所で診療を受けられる(下図)。

 診療車には心電図計、エコー、一般X線撮影装置、血液・生化学検査装置など、一般診療に必要な機器を載せている(下写真)。医師、看護師、薬剤師、臨床検査技師、会計などを担当する事務職員と運転手の6人がチームを組んでいる。「巡回診療中も血液検査や一般X線撮影などができるようになり、より迅速な診断が可能になった」と庄原赤十字病院長の中島浩一郎氏は話す。

 巡回診療で診る機会が最も多いのは、糖尿病や高血圧などの生活習慣病だ。「自宅の近くで慢性疾患の診察を定期的に受けられるのが、移動診療車のメリットだ」と中島氏は話す。精査が必要と判断すれば、庄原赤十字病院などに紹介する。これまでに肺炎や脱水症、重症心不全などが見つかったという。

 この移動診療車は、庄原赤十字病院のほか市立三次中央病院(広島県)、神石高原町立病院(広島県)の3病院が共同で使用している。過疎地域の巡回診療を充実させる目的で、2010年度地域医療再生基金から4000万円が交付され、車両の購入に700万円、車両の改造に1000万円、このほか心電図計やエコーなどの購入費用に充てられた。現在、神石高原町油谷地区でも移動診療車による巡回診療が行われている。

徒歩圏内で通院可能に
 庄原市は05年3月、1市6町が合併して誕生した。面積は1247km2と広島県の約14%を占め、近畿以西の市の中では最も広い。09年に厚生労働省が行った調査によると、「半径4km以内に人口50人以上が居住しており、容易に医療機関を利用できない地区」と定義される無医地区は広島県に53カ所あり、北海道の101カ所に次ぎ2番目に多かった。このうち23カ所が庄原市にある。

 「無医地区が多い上、面積が広いため、新たに医療機関を作るのは現実的ではなかった。医療者側が近づいた方が、住民の医療機関へのアクセス向上につながると考えた」と庄原赤十字病院企画課長の和田道典氏は説明する。

 庄原市では現在、80歳以上の医師が1人で働いている診療所もあり、さらに無医地区が増える可能性がある。一方で人口が50人を切り、定義上は無医地区でなくなる地域も出てくるとみられるが、医療機関へのアクセスが悪いことには変わりない。「今後、市内の他の地域でも移動診療のニーズが出てくるはず。その時は移動診療を他の地域にも拡大したい」と庄原市保健医療課長の山田明彦氏は話す。

 庄原赤十字病院は以前から、帝釈にある巡回診療所で週1日診療を行っていた。しかし、20年前に1日20~30人ほどだった外来患者数は、近年1日3、4人ほどに減少。ゼロの日もあった。「住民のニーズがなくなったのかもしれないと考えていた」と中島氏は話す。

 しかし実際は違っていた。帝釈地区は山間部にあり、端から端へと移動するには車で20~30分ほどかかる。高齢化に伴い、「巡回診療所まで歩くには遠い」「車を運転できなくなった」といった理由で、行きたくても行けない住民が少なからずいたのだ。8カ所を巡回するようになったことで、多くの住民は巡回診療が行われる最寄りの集会所までは徒歩で通えるようになった。福祉車両を利用したり、近所の人に手伝ってもらって受診する人もいるという。

 移動診療車での診療を始めてから、外来患者数は倍増した。これまでに受診した外来患者の総数は294人。「以前はタクシーなどを利用して町内の医療機関に通院していた人の中にも、巡回診療を利用する患者が出てきた。移動診療車を導入して最初の1カ月は、1日2、3人は新患だった」と中島氏は話す。

 地域住民からは、「生活や食事などについて指導を受けたい」といった声も上がっているという。「へき地医療では、診療だけでなく生活まで包括して支えることが求められていると感じる。今後は保健師や栄養士などと協力し、こうした指導も提供していきたい」と中島氏は話す。

CASE 3
   4人の医師が5カ所で診療
   切れ目のない医療を実現

医師が短期間で交代する仕組みは、医師確保には有効だ。しかし医師が頻繁に交代すると患者情報を引き継ぎにくく、次の医師が来るまでの間、診療に空白も生じる。岐阜県郡上市は地域住民に切れ目のない医療を提供するため、複数の医師が複数のへき地診療所を受け持ち、担当を変えながら働く仕組みを構築した。

 「地域住民の立場で考えれば、ずっと同じ医師が診療を続けることが理想かもしれない。ただ、それでは1人の医師への負担が大きくなるばかりでなく、医師が去った時に診療に空白が生じ、地域住民にとってもマイナスになるのではないか」――。郡上市地域医療センター長の後藤忠雄氏はこう問いかける。

 岐阜県郡上市は2007年8月、郡上市地域医療センターを開設した。同市は04年3月に7町村が合併して誕生。もともと各町村にあった診療所を統括する組織としてセンターが作られた。

 郡上市地域医療センターには4人の医師が所属する。全員が家庭医で、内科や整形外科、眼科、耳鼻科、皮膚科などあらゆる患者を診る。このうち2人は、自治医大を卒業した義務年限期間中の医師だ。

 普段は和良診療所に3人、高鷲診療所に1人が勤務し、このほかに小那比診療所で週2日、石徹白診療所で週1日、小川地区で週1日巡回診療を行う。郡上市内のへき地診療所の診療を全てカバーするほか、市の住民健診なども担う。

郡上市地域医療センターの特徴は、診療した患者の情報を共有していることだ。和良診療所で働く3人の医師は、毎日外来診療後にミーティングを開き、当日受診した患者の症状や治療内容などを報告しあう。普段は高鷲診療所に勤務する医師も週1日は和良診療所で診療し、和良診療所に勤務する医師も週1日は高鷲診療所で診療する。

 「誰かが休んでも、その患者の既往歴などを把握している医師が代わりを務められ、夏休みや冠婚葬祭の時にも安心して休める。患者にとっても、たまたま1日だけ代診医が来るより、以前に診てもらったことのある医師に診てもらえる方が安心感があるだろう」と後藤氏。これまでにも自治医大を卒業した義務年限期間中の医師が1、2年ほどセンターに在籍していたが、異動後も患者情報が途切れることなく診療を続けられているという。

病院との機能分化を進める
 また後藤氏は、「医療の専門分化が進む中で、地域の中核病院の医師が地域医療まで担うのは難しくなっている」と指摘する。へき地では、地域の中核病院から週1日医師が派遣され診療に当たるといった形も珍しくない。しかし、病院から派遣されてくる医師の中には専門医志向が強く、他科を含めたプライマリケアに不安を感じていたり、本人がへき地での診療を希望していないケースもある。住民にとっても、専門外で診られないという理由で病院への紹介が増える可能性がある。

 そこで郡上市地域医療センターは、へき地医療拠点病院に指定されている郡上市民病院(岐阜県)や、郡上市国保白鳥病院(岐阜県)がもともと行っていた石徹白診療所と小川地区の巡回診療を引き受けることにした。「へき地診療はセンターが得意とする領域。一方、入院加療が必要な患者は中核病院でしか診られない。このため、中核病院が入院を含めた病院機能に集中できるように環境を整えたいと考えた。機能を明確に分けることで、互いが自分が提供するべき医療に専念できるようになる」と後藤氏は説明する。

 最近では、プライマリケアに特化した家庭医を目指す若手医師も増えつつある。「これまでのへき地医療は、それこそ地域に骨を埋める覚悟が必要で、そのためにハードルが高くなっていた。数人の医師で複数のへき地診療所をシームレスに支える形にすることで、1年、2年、5年といった短期間の勤務にも障害がなくなり、“軽い”気持ちでへき地で働けるようになれば、へき地で働こうと考える若手医師も増えるのではないか」と後藤氏は期待する。



http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20130226-OYT1T01103.htm
市立病院でインフル集団感染、90歳代男性死亡
(2013年2月26日19時22分 読売新聞)島根

 松江市立病院(470床)は26日、入院患者15人と職員ら11人の計26人がインフルエンザ(A型)に集団感染し、このうち、免疫不全の90歳代の男性が25日に死亡したと発表した。

 60歳代の男性の入院患者1人も高熱が続いている。

 発表によると、死亡した男性は寝たきりの状態で、病院は感染と死亡の因果関係を調べている。高熱の続く男性を除く40~90歳代の入院患者13人と20~40歳代の看護師ら11人は、快方に向かっているという。

 また、21日まで臨床実習をしていた看護学生4人からも陽性反応を検出した。



http://article.okinawatimes.co.jp/article/2013-02-26_45787
県立こども病院 28日から救急一時制限
2013年2月26日 09時55分 沖縄タイムス

 県立南部医療センター・こども医療センター(我那覇仁院長)は、電子カルテシステムの更新作業に伴い、28日午後5時から3月3日まで救急室の診療を一時制限する。救急の診療待ち時間は急患を除き、4時間程度となる見込み。昼間はかかりつけの医師、夜間は近隣の救急病院の利用を呼び掛けている。更新作業に伴い、一般外来も1日のみ全科で休診する。



http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/chiba/news/20130226-OYT8T01649.htm
乗用車型のドクターカー
(2013年2月27日 読売新聞)千葉

 松戸市立病院は26日、重症患者などが出た場合に医師を乗せて緊急出動する乗用車型の「ドクターカー」1台=写真=を3月から導入すると発表した。

 同病院によると、ドクターカーは心肺停止状態の重症患者や、救出に時間がかかる事故などで重傷者が出た場合、市消防局の要請に応じて同病院の医師を乗せて出動する。事故現場や救急車内など病院への搬送前に患者を診療できるため、救命率の向上や後遺症の軽減などが期待できるという。

 車両には心臓マッサージや血液検査、超音波検査などのための医療機器や医薬品が積まれる。フロントや屋根には赤色灯が付いており、サイレンを鳴らしながら緊急自動車として走行できる。

 出動は平日午前8時半~午後5時で、出動先は市内が対象。同病院救命救急センターの医師4人が当番制で担当する。植村研一・市病院事業管理者は「いち早く医師を現場に届けることが大切。将来的には、対応する時間や地域を拡充したい」と話している。



http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/miyazaki/news/20130226-OYT8T01545.htm
西都児湯医療センター常勤医3人退職へ
(2013年2月27日 読売新聞)宮崎

 西都市が出資する第3セクター「西都児湯医療センター」の常勤医4人のうち、内科医2人を含む3人が3月末までに退職することが分かった。医師確保のめどは立っておらず、4月以降は内科の診療ができなくなる恐れがあるという。

 同センターの常勤医は循環器内科医2人と脳神経外科医2人。センターによると、循環器内科医の1人が1月中旬、「一身上の都合で2月末で退職する」との辞表を提出。宮崎大医学部から派遣されている脳神経外科医は3月末で派遣期間が終わるが、同大から後任の派遣予定はないという。

 さらに、常勤理事の内科部長を務める循環器内科医が22日付で辞表を提出。3月末で辞めるとしており、辞表には「17日の緊急理事会が非公開になり、医師確保に向けた具体的な対応策が議論されなかった。市民には申し訳ないが、この先、市民目線での病院運営は難しい」という趣旨の内容が書かれていたという。

 同センター関係者は「このままでは内科は休診にせざるをえない。脳神経外科も1人になれば急患の受け入れは難しくなる」と話している。同センターはベッド数91床で、年間の外来患者数は約1万5000人。



http://www.m3.com/news/GENERAL/2013/2/26/166894/?portalId=mailmag&mmp=MD130226&dcf_doctor=true&mc.l=8349005
医学論文 捏造医師に罰則を 薬害オンブズマン、国へ要望書
毎日新聞社 2月25日(月)

医学論文:捏造医師に罰則を 薬害オンブズマン、国へ要望書

 医学論文の捏造(ねつぞう)や不正疑惑が相次ぎ発覚する事態を受け、民間の医薬品監視機関「薬害オンブズパースン会議」(代表・鈴木利広弁護士)が24日、第三者による調査体制の構築を求める要望書をまとめた。

 医学論文不正をめぐっては昨年6月、元東邦大准教授が執筆した少なくとも172本の論文に不正が発覚。また京都府立医大のチームが降圧剤の効果を調べた論文3本に不正の疑いが浮上し、相次いで撤回された。多くは患者を対象に薬や治療法の効果を調べる「臨床試験」に基づくもので、不正が薬害につながる恐れもある。

 要望書は不正の背景に、論文が昇進などを有利にする「成果主義」や倫理観不足があると指摘。研究者の所属機関や学会による内部調査だけでなく、第三者による調査制度を国主導で作るよう求めた。

 さらに不正が発覚した場合の懲戒処分に指針がないことも問題視。国が新たに指針を定め、悪質な不正を行った医師は厚生労働省医道審議会に諮り、医師免許取り消しなどの行政処分を行うべきだとしている。

 同会議事務局長の水口真寿美弁護士は「発覚した不正行為は氷山の一角で、医療界が自律的に再発防止に取り組む動きは鈍い。厳しく調査して処分すべきだ」と話す。要望書は26日、厚労相と文部科学相、日本医学会、日本学術会議に提出する。【久野華代】



http://www.m3.com/news/GENERAL/2013/2/25/166842/?portalId=mailmag&mmp=MD130225&dcf_doctor=true&mc.l=8299301
医学教育評価の国際基準、国内向け最新版3月公開
m3.com編集部 2月25日(月)

 国際基準に基づいた医学教育の認証評価制度の導入を目指して、文部科学省の大学改革推進事業を請け負う東京医科歯科大学などは2月22日、公開シンポジウム「国際基準に対応した医学教育認証制度の確立-医学教育認証評価制度発足に向けて」を開催した。東京医科歯科大学と同事業を推進する東京大学教授の北村聖氏は、最新の国際基準に対応した国内向けの医学教育評価基準を3月にも公開すると発表した(『医学教育の「2023年問題」への対応始動』を参照)。

 公開するのは、2012年に世界医学教育連盟(WFME)が公表した最新の医学教育分野別評価基準の日本版。医科大学の使命と教育成果、教育プログラムなど9項目から成る国際基準で、各大学はこれに基づいて自己点検評価を行い、外部評価を受けるという仕組み。WFMEが2003年に公表した評価基準の日本版は、同じく同事業を推進する東京女子医大科大学教授の吉岡俊正氏が翻訳して2012年3月に発表し、公式版として新たに同年12月に公表した。ただ、2012年にWFMEの評価基準の最新版が公表されたことに加え、2013年度から各大学で試行検証が行われる見通しであることから、3月内に最新版の内容を反映した医学教育分野別評価基準の日本版が必要だと判断した。

 認証評価の制度化に向けては、2012年10月から11月にかけて、東京女子医科大学がWFMEの西太平洋地域支部(AMEWPR)の国際外部評価を受けたことを皮切りに、2013年度から日本医学教育認証評価評議会(JACME)が国内の文科省指定の大学で認証評価を試行し、制度化の検証を実施する予定。2014年度以降、これを順次拡大していく計画だ。

 国内で先行して国際外部評価を受けた吉岡氏は、外部評価で「臨床教育の充実」と「科目ごとの試験よりも基礎医学・臓器系の統合理解の評価」が不適合とされたことを指摘し、国際基準と比較すると、国内の医科大学は臨床教育が不足がちで、基礎医学よりも専門科目が重視されている傾向にあることを示唆した。【島田 昇】



http://www.m3.com/iryoIshin/article/166829/?portalId=mailmag&mmp=MD130225&dcf_doctor=true&mc.l=8299300
「宿直扱いは違法」は当然の判決 - 藤本卓司・弁護士に聞く
各医師が声を上げ、行動し、勤務環境改善を

2013年2月23日 聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

 「医療界と法曹界の反応は全く違う」。こう語るのは、奈良県立奈良病院の2人の産婦人科医が未払いだった「時間外・休日労働に対する割増賃金」(時間外手当)の支払を求め、奈良県を訴えた裁判で代理人弁護士を務めた藤本卓司氏。最高裁は2月12日、県と原告双方の上告受理申し立てを不受理と決定、医師の宿日直が時間外勤務であるとし、割増賃金の一部支払いを命じた大阪高裁判決が確定した(『「宿直扱い」違法、最高裁不受理で確定』を参照)。法曹界では「当然の判決」とされる一方、医療界では「これまでの常識を覆す判決」と受け止められること自体に問題があると藤本氏は見る。
 今回は2004年分と2005年分の未払いに関する裁判だったが、2006年分以降についても「奈良県が態度を改めない限り、提訴を続ける」と語る藤本氏に裁判の経過や医療界への影響などをお聞きした(2013年2月22日にインタビュー)。

――2006年12月に提訴された当初は、今回の結果は予想されていたのでしょうか。


「割増賃金を支払わなくても済むような、職場環境にしてほしい、という強い思いから提訴した」と語り、労働環境の改善が目的であると説明する藤本卓司氏。
 宅直(オンコール)に対する割増賃金の支払いには難しい壁がある一方、宿日直に関しては、計算方法により金額は代わり得るものの、(割増賃金の支払いが)当然認められると思っていました。

――最高裁までは行くとお考えになっていた。

 それは行くと思っていました。

――これまで同様の裁判はなかったかと思います。

 はい、ないですね。病院側を訴えるまでには、職場に居づらくなるとか、いろいろな圧力が考えられ、なかなか踏み切れないからでしょう。

――今回、提訴できた理由は。

 県立奈良病院の産婦人科の医師全員(提訴当時は5人)が、あまりにもひどい勤務環境を何とかしなければいけないと思っていたからです。現実に(原告として)当事者になられたのは2人ですが、思いは他の医師も一緒でした。皆が団結していたから、提訴に踏み切れたのでしょう。

――2010年11月の大阪高裁判決から、最高裁が上告受理申し立てを不受理とするまでに2年強かかっています。この間、何らかのやり取りはあったのでしょうか。

 全くありません。「不受理」という連絡が突然来ただけです。もちろん、もっと早く終わる事件もたくさんありますが、この程度かかる場合も結構あり、注目を浴びた重要な事件だけに時間をかけて審理されたのだと思います。

――大阪高裁判決では、宿日直については時間外勤務として割増賃金を支払うよう命じた一方、宅直に関しては、自主的に実施しており、病院の内規に宅直は定められていないとして、「労働者が使用者の指揮命令系統下に置かれているとは言えない」とされました。この判断は覆らないと思っておられたのでしょうか。

 宅直については、大阪高裁判決で「あと一歩」のところまで来ていたので、何とかもう一歩進めてくれないか、という思いはありました。この点は残念です。

――「あと一歩」と考えたのは、大阪高裁判決で、宅直について「割増賃金の支払い義務はないものの、かなり無理な状況にあり、医師の職業意識から期待された限度を超える疑いがある」と言及されたからでしょうか。

 そうです。医師の良心、倫理観に甘えて、過酷な労働環境のままにしておくやり方が問題ではないのか、と大阪高裁判決では問いかけています。

――改めて今回の裁判を整理させてください。最初の奈良地裁の判断が、大阪高裁、そして最高裁に支持されたことになりますか。文章は違っていますが、内容は変わっていない。

 はい。

――宿日直については、診療に従事した時間以外も含めて、「時間外勤務」と見なされ、割増賃金の支払いの対象とされました。この判断は、「診療に従事した時間」の多寡により解釈が変わるのでしょうか。

 分かりやすく言えば、「ほとんど仕事がない」という宿日直であれば、「断続的労働」となり、割増賃金を払わなくて済む。しかし、医師の場合には、特に産婦人科などでは、それはあり得ない。医師の場合で、宿日直して、割増賃金を払わなくて済むような病院は、日本全国を探してもほとんどないと思います。

――病棟の見回りで済む程度なら宿日直と言える。

 だけど、そのような職場はないでしょう。

――病棟を見て患者さんの急変への対応などがあれば、宿日直とは言えない。

 もちろんです。県立奈良病院のような中核的医療施設であれば、なおさらです。

――今回の裁判で、奈良県側は、「通常の労働部分は、宿日直勤務の時間帯の22.3%」という数字を出しています。

 私たちは、22.3%でも十分だと思っています。最初から正常分娩などは外し、緊急手術などに限定して、この数字を出しています。逆に言えば、それだけ(通常の労働部分の時間を)少なくしようという方向での調査でも、22.3%の時間は働いていることを認めざるを得なかったわけです。

――宅直ですが、病院の内規に宅直が定められていれば、判決は変わったのでしょうか。

 最近になり、県立奈良病院では、宅直の一部を宿日直化しました。「第二当直」と言われているようです。病院の発想としては、自宅待機だから、手当を出せない。だから病院に待機しなさいということです。そのような扱い自体、宅直は事実上、宿日直であることを認めたようなものです。今、継続中の裁判では、この辺りを主張していきます。「第二当直」でも、手が空いている時に寝ているかというと、必ずしもそうではない。日中にできなかったカルテの整理などの仕事がある。仕事が終われば、すぐに寝れるほど人間は器用でもありません。

――結果的に病院への拘束時間が長くなったり、宿日直回数が増えてしまう。

 そうです。私たちはそもそも労働環境の改善を目指していたわけですから、これは逆行です。確かに一時期よりは県立奈良病院の産婦人科医が増えたことは事実ですが、まだ絶対的に不足していると思います。

―――宅直を内規に定めて、手当を支払っている病院もあるかと思います。

 金額と労働実態、つまり宅直でも病院に呼ばれる回数が非常に多く、いったん病院に行くと、かなり長時間仕事をするとなれば、問題になるのではないでしょうか。ただ、宅直の場合は、「労働時間」という意識が薄いので、拘束時間や実際に働いた時間をきちんと把握しているケースが少なく、その点は難しいところです。

――今回は、2004年分と2005年分の宿日直と宅直に関する裁判でした。

 その後についても提訴しています。2次訴訟が2006年分と2007年分、3次訴訟が2008年分と2009年分、4次訴訟が2010年分と2011年分です。2012年分についても準備しており、早ければこの3月中に提訴します。奈良県が態度を改めない限り、提訴し続ける予定です。

 奈良県は最高裁の判断が出たにもかかわらず、現時点では和解する意思はないと言っています。2次訴訟以降も、宿日直自体の争点は一緒であるにもかかわらずです。だから訴訟を続けるしかありません。しかも、今回決定した割増賃金の支払いは3月中になる見込みです。確かに県としては手続きは大変なのかもしれませんが、労働債権であれば、すぐに支払うのが普通でしょう。

――2次訴訟以降の判決のメドは。

 2次訴訟については、結審にほとんど近づいています。結審すれば今回の最高裁の判断が出た以上、判決までは早いと思います。3次と4次の裁判についても、審理は早くなると思います。こちらが新しいことを主張したり、法律構成を考えるのは宅直の部分だけなので。

 宅直部分の判決については、「正面から割増賃金という請求は難しいかもしれないが、過酷な環境で宅直を置かざるを得ない、しかも宅直にかなり依存しなければいけない労働環境にあること自体問題なので、例えば慰謝料請求であれば、認められる可能性もある」と評論した学者もいます。この点も踏まえ、今準備している5次訴訟では、宅直に関してはさまざまな主張をすることを検討しています。

――奈良県が対応を変えるまで、訴訟を続ける。

 ただ、以前にも申し上げましたが、誤解されている部分があります。割増賃金の支払いを求める訴訟なので、「お金が欲しいのか」と捉えられがちですが、私たちは「割増賃金を支払わなくてもいいような、職場環境にしてほしい」という強い思いから提訴したのです。ただ、県をかばうわけではありませんが、国レベルの対応がないと、なかなか難しいだろうとは思います。

――今回の裁判に対する法曹界と医療界、それぞれの反応はいかがでしょうか。

 医療界と法曹界では全く違う反応です。労働事件などを手掛ける弁護士は、「宿日直に関しては、(割増賃金が認められるのは)当たり前」という反応ですね。一方、医療界では、(地裁、高裁判決に対し)「画期的な、これまでの常識を覆す判決だ」など、反響が非常に大きい。このギャップが私は不思議で仕方がない。職業分野によってはなかなか労働基準法が守られないこともある。しかし、医師という知的レベルが高い人が集まる業界で、なぜ労働基準法すら守れないことが横行するのかが不思議です。

――しかも、長時間労働は、医療安全の面からも問題。

 そうです。労働基準法で、割増賃金をかなり高めに支払うよう求めているのは、「お金さえ支払えば、何時間でも働かせていい」という趣旨からではありません。長時間労働で労働者の健康を害したり、安全に職務が遂行できなくなることを防ぐことが目的です。現実に提訴した2人の産婦人科医は、例えば突発性難聴になるなど、健康を害しています。仮に夜通し働き、注意散漫な状態で事故を起こした場合、いったい誰が責任を取ってくれるのでしょうか。

 医師の間には、「医師は聖職。労働者ではない」、「医師には医師法の応召義務があり、求められれば必ず診療しなければいけない」などの意識があるので、「労働基準法は医師には関係ない」といった漠然とした考えが見受けられます。奈良県の主張を聞いていても、時々そう感じることがありますが、その考えは正していかなければいけない。

――医師の勤務環境の改善はどのように進めればいいとお考えでしょうか。

 私たちの裁判で司法の判断が一つ出たので、それに反する扱いは違法になるはずです。

 また労働基準監督署の問題もあります。県立奈良病院では、「(割増賃金を支払う必要のない)断続的な宿日直勤務についての許可」がまだ生きています。労基署も、病院や医師を特別な目で見て、腰が引けているように思います。しかし、大阪高裁判決では、この許可は「取り消されてしかるべき」とされた。労基署に行き、「今のままでいいのか。少なくても裁判所の考え方は違うとされたのだから、速やかに見直してほしい」ということを申し入れするつもりです。


  1. 2013/02/27(水) 05:59:07|
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