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Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

4月27日 震災関連

http://www.tohoku.ac.jp/japanese/2012/04/tohokuuniv-press20120427-01.html
東北大、巨大津波が大震災被災のみ以上に糖尿病高血圧を悪化させることを解明
巨大津波は、大震災被災のみの場合以上に糖尿病、高血圧を悪化させる

2012年4月27日 10:00 東北大学 プレスリリース

 大震災により糖尿病や高血圧のコントロールが悪化することは知られてきました。これは生活環境が大きく変化するためです。今回、東北大学大学院医学系研究科の小川晋准教授を中心とするグループの研究により、巨大津波により患者のみならず医療施設も被害を受けることで、さらにこれらのコントロールが悪化することが明らかになりました。これはその患者の医療情報が消失するためです。大震災後、特に巨大津波被災後の病状悪化を防止するため、医療機関の被災の回避、医療情報消失防止が重要であることが示されました。
 本研究成果は、英国医学雑誌British Medical Journal Openの電子版に公開されました。


【研究内容】
 背景:大地震が血糖や血圧(BP)のコントロールを悪化させることは知られています。しかし巨大津波が、地震以上にその後の血糖やBPのコントロールに影響をおよぼすのかは不明でした。わたしたちは2011年3月11日、東日本大震災(M9)による巨大津波の被害を被りました。

 目的:巨大津波が、地震以上に震災後の血糖やBPコントロールに及ぼす影響とその原因を明らかにすること。

 方法:津波被害の大きかった岩手県陸前高田市の陸前高田病院(津波により壊滅)に通院する患者で震災前後のデータのある63名を対象に震災前と4ヶ月後のbody mass index(BMI)、血糖、HbA1c、収縮期(systolic)BP(SBP)、拡張期(diastolic)BP(DBP)と治療薬の服用状況などの変化を比較しました。さらに津波被害に遭遇したTsunami(+)群(n=28)(平野部に居住)と津波被害に遭遇しなかったTsunami(-)群(n=35)(高台もしくは内陸部に居住)に分け、これらの因子の変化を比較しました。

 結果:Tsunami(+)群もTsunami(-)群もいずれもBMIは減少、BG、HbA1c、SBP、DBPは増大、服用薬剤数は減少しました。BMI以外のこれらの変化は津波(+)群の方で大きいことがわかりました。女性ではTsunami被災の有無に関係なくBPが大きく上昇していました。考察:Tsunami(+)群では、津波により患者が所有する治療情報(投与薬剤の記録)だけでなく病院に保存されていた治療情報までもがすべて流失したため、津波後、震災前の治療(薬剤投与)再現が困難となり、震災前に行われていたその患者の合った治療が施行できなくなったことが血糖血圧のコントロールをより悪化させたと考えられます。また震災後では女性のストレスが大きい可能性が考えられます。

 結論:津波により患者情報のすべてが失われるため、震災後の治療が困難となります。病院の立地場所も含めて、津波などの大災害に備えた患者の診療情報の管理が重要であることが浮き彫りになりました。

 本研究は、保険診療の中で得られたデータを患者の承諾を得てレトロスペクティブに解析したものであり、特定の研究費等の支援は受けていません。


【論文題目】
 English Title:Effects of the Great East Japan Earthquake and huge tsunami on glycemic control and blood pressure in patients with diabetes mellitus.
 「東日本大震災と巨大津波が糖尿病患者の血糖と血圧に及ぼす影響」
 掲載誌名:British Medical Journal Open


表.津波被害の有無による血糖コントロール及び血圧コントロールの震災前後の変化の違い。
BMI: body mass index、HbA1c (JDS): 糖化ヘモグロビンA1c、SBP: 収縮期血圧、DBP: 拡張期血圧
p1: 津波被害なしの震災前後の比較、p2: 津波被害ありの震災前後の比較、p3: 震災前における津波被害なしと津波被害ありの比較、震災前の各因子の数値は津波被害なし群も津波被害あり群も差がない。また津波被害なし群、津波被害あり群いずれも震災後の各因子の数値はBMIを除いて悪化していた。さらに震災後のこれらの数値は津波被害なし群よりも津波被害あり群でより悪化していた。
P4: 震災後における津波被害なしと津波被害ありの比較。Pの値が0.01未満で有意な差が認められる。
20120427.jpg



http://www.yakuji.co.jp/entry26290.html
「東日本大震災―こころのケア支援プロジェクト」
2012年4月27日 (金) 薬事日報

◆ファイザーは日本トラウマティック・ストレス学会と共同で、昨年7月から東日本大震災被災者へのPTSD(心的外傷後ストレス障害)の治療を支援することを目的に「東日本大震災―こころのケア支援プロジェクト」を展開している
◆両者は岩手県、宮城県、福島県の被災地でトラウマケアの病態、診断、治療について医療従事者を対象に講演会を実施。それと共に、このほど、岩手、福島で医療従事者が必要としている情報に関する調査を実施した
◆それによると、被災地における医療従事者のニーズには違いがあることが判明している。岩手では不眠や認知行動療法など、より具体的なケアに関心が集まり、福島では放射能によるストレス、さらに子どものPTSDについて関心が高いという結果となっている
◆大震災から1年以上が経過したが、復興が劇的に進展しているとは言い難い。時の流れと共に、各被災地に即した復興支援が求められているとも思う。調査結果を踏まえ、長期的なケアを見据えている両者の取り組みに期待したい。



  1. 2012/04/28(土) 05:50:52|
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