Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

12月1日 医療一般

http://mainichi.jp/area/mie/news/20111201ddlk24040161000c.html
離島診療所医師:県外の4人応募 鳥羽市が2人採用 「へき地医療に情熱」 /三重
毎日新聞 2011年12月1日 地方版 三重

 鳥羽市が来春採用予定の離島診療所勤務の医師2人を募集したところ、県外から男性医師4人が応募していたことが30日、同市への取材で分かった。へき地医療が敬遠され、慢性的な医師不足に悩んでいただけに、市は「大変ありがたい。地域に溶け込んだ医療活動を期待している」と喜んでいる。

 市によると、応募してきた4人は53歳から63歳までの医師で、11月下旬にへき地医療に詳しい医師や市幹部らが面接した。うち宮城県の病院に勤務する53歳と名古屋市の63歳の2人を採用した。2人とも「これまでの経験をへき地医療に生かしたい」と意欲を見せているという。

 同市は離島4島と南鳥羽の鏡浦、長岡両地区に6診療所を設置し、それぞれ医師1人が常勤している。医師は県からの派遣と三重大の紹介で維持している。離島の菅島と坂手島の2診療所の医師が高齢のため、来春退職の意向を示したが、医師不足を理由に補充が困難との見通しが伝えられた。

 このため、市は10年4月から市と県のホームページに、木田久主一市長の「あるべきへき地医療活動をしてみませんか」と呼びかけた離島診療所勤務の医師募集を掲載した。昨年は問い合わせがまったくなかったが、今年に入り、4人の応募者があり、面接を行った。

 市が規定している医師の給料は、他の自治体並みで、住居は各診療所の2階に設けられており、「特に優遇されているわけではない」という。市健康福祉課の斎藤清彦課長は「応募者全員、へき地医療に情熱を持っていて、とても頼もしく感じた。市としてもサポートしていきたい」と話している。【林一茂】

〔三重版〕



http://diamond.jp/articles/-/15136
『週刊ダイヤモンド』特別レポート 【第152回】 2011年12月2日
医師へのボールペン配布も廃止
価値ある情報の提供に全力を注ぐ

──アストラゼネカ日本法人 ポール・ハドソン社長インタビュー

『週刊ダイヤモンド』  2011年12月2日

 製薬業界は2012年4月から医師への接待に対する自主規制を強化し、実質的に「接待禁止」の時代が始まる。製薬会社の営業戦略はどう変わるのか。一社で数百人から数千人を抱えているMR(医薬情報担当者)の存在意義はどうなるのか。9月に就任した英製薬大手アストラゼネカ日本法人のポール・ハドソン社長に聞いた。(「週刊ダイヤモンド」編集部 臼井真粧美)

ポール・ハドソン(Paul Hudson)/英製薬大手アストラゼネカの日本法人社長。1967年生まれ、英国出身。マンチェスター大学マーケティング修士課程修了。90年に英製薬大手グラクソ・ウエルカム(現グラクソ・スミスクライン)に入社し、複数の製薬会社を経て2006年にアストラゼネカ入社。08年から3年間スペイン法人社長を務め、11年4月から日本法人の副社長COO。9月から現職。

――来年度のガイドライン導入を前にアストラゼネカはいち早く接待をやめた。医師との接点であるMRの役割は変わるのか。

 MRはこれまで通り、医師・医療従事者とのコミュニケーションを続ける。クスリについての学術的な情報を提供するというMRの本質的な役割が変わったり、なくなるわけではない。やめるのは誤解を生じさせるような活動だ。新しいクスリを発売するときに配っていたボールペンなどノベルティを配ることもやめた。質の高い学術的な情報という価値あるものを提供する活動に徹していく。

――具体的な営業戦略は。

 デジタル媒体や講演のビデオ配信などでインターネットを通じた情報提供に力を入れる。また24時間体制で電話によるサポートを行い、「どうやってクスリを使えばいいのか」「容量はどのくらいか」といった個々の質問に随時対応する。

 時代が変わり、医師たちの行動も変わり、彼らはクスリの情報を収集する際にインターネットを活用するようになった。MRと直接会うことに積極的でない医師にも、インターネットを通じて有益な情報を提供することはできるわけだ。

――デジタルがMRに取って代わる?

 そうではない。私もMRとして働いてきた経験を持つが、当時は医師に直接会うほか、時間をかけて手紙を書いていた。ITテクノロジーが大きく進化した現代はインターネット、コンピュータを使って医師たちへ迅速に詳細な情報を届けることができるようになった。一対一で直接対面する活動を補完するのがデジタルだ。

 その点でいえば、MRがSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)で医師たちとコミュニケーションをとる時代もやってくるのではないか。もっともSNSは社内で使い始めた段階。医師たちに情報を発信する手段に使うとなれば、コメントする言葉を審査して承認するチェック機能が必要になるので、実現はまだ先だ。SNSに対するガバナンス、コンプライアンスの基盤ができれば将来は一つの手段になるだろう。

 6月に「コマーシャル・エクレセンス部門」を立ち上げており、この部門が中心となってさまざまなチャネルを統合する仕組みを構築する。対面とデジタル。この二つを戦略的に組み合わせて情報提供することが、製薬会社の中長期的な成長に不可欠となっている。

週刊ダイヤモンド



http://www.at-s.com/news/detail/100079857.html
地域医療の在り方探る 藤枝で市民フォーラム
(12/ 1 08:42) 静岡新聞

 藤枝市と県主催の「地域医療を考える市民フォーラム」が29日夜、同市茶町の生涯学習センター大ホールで開かれ、市民が安心して医療を受けるための病院や診療所との関わり方について医療関係者らが意見を交わした。
 基調講演では同市立総合病院の毛利博病院長が「地域医療のこれから」の演題で話し、超高齢化社会で医療費の増加が予測される中で「安心・安全な医療を受けるため地域住民が真剣に考えなければいけない時が来ている」と問題提起。医療難民を出さないために「急性期病院、開業医、介護施設などの地域医療連携が求められる」と解説した。
 パネルディスカッションは「いざという時のお医者さんのかかり方」をテーマに医師や行政職員、救急救命士が意見交換した。
 浜松医大付属病院の小林利彦副病院長は、疾病によって緊急性と専門性が異なるという視点と健康を自分で守る意識の必要性を強調。志太医師会の鈴木正之副会長は、かかりつけ医をもち、症状に応じた適切な医療機関で受診する意義を語り「地域医療を守る主役は、医師ではなく地域の皆さん」とメッセージを送った。
 県地域医療課の壁下敏弘課長は、子供の急な病気に対して看護師や小児科医が電話でアドバイスする静岡こども救急電話相談「♯8000」の利用方法などを説明した。コーディネーターを務めた同大地域医療学講座の山岡泰治特任教授は、医師や看護師への感謝の思いを表したりコンビニ受診を控えたりするなど、一人一人の気持ちや行動の大切さを伝えた。



http://mainichi.jp/area/iwate/news/20111201ddlk03040003000c.html
花泉診療所:入院停止問題 県立で無床化も 知事が示唆 /岩手
毎日新聞 2011年12月1日 地方版 岩手

 県立花泉地域診療センターから民間移管された一関市花泉町の花泉診療所で入院患者を受け入れていない問題を巡り、達増拓也知事は30日の定例記者会見で、県立診療所として無床化する可能性を示した。【宮崎隆、山中章子】

 達増知事は、花泉診療所を運営する医療法人の白光側が受け入れ再開の条件に挙げていた看護師増員に関して、県として応じない方針を確認。そのうえで「県立病院を地域医療センターにした当初(08年)の医療局の計画通り、無床の県立診療所とすることを視野に入れつつ、今後の検討をしていく」と述べた。

 また、同日開かれた県議会決算特別委員会では、遠藤達雄医療局長が、今月7日以降に3回行われた白光との面談について報告。白光側に「無床診療所として使うのであれば来年度の契約は更新できない」と伝えたことや、今年10月までの施設の賃貸料や医療機器の売買代金など総額約1500万円が未納となっていることを明らかにした。

 系列の社会福祉法人が運営する併設の特別養護老人ホームについては、「診療所とセットで公募した経緯から原則契約は更新しない」としたものの、「現在も入所者がいるので一関市の意見も聞きながら対応する」と含みを持たせた。同委員会では12日も白光問題について審議する。



http://mainichi.jp/area/ibaraki/news/20111201ddlk08040094000c.html
新中核病院計画:桜川市議会、予算を否決 計画策定費、議長が反対討論 /茨城
毎日新聞 2011年12月1日 地方版 茨城

 筑西、桜川両市が共同で計画する新中核病院建設問題で、桜川市は30日、計画策定費を計上した補正予算案を臨時市議会に再提案した。議長が反対討論に立つ異例の展開となり、1票差で再び否決された。両市は国の地域医療再生臨時特例交付金を見込んでいたが、交付条件の13年度着工は非常に困難になった。

 同予算案は11月10日の臨時会議案と同一で、筑西市との折半分525万円を計上した。10日には賛成派の議員が1人欠席、賛否10対10の同数で議長裁決し、否決したが、今回は相田一良議長が議長席を降りて反対討論。小高友徳副議長が議長席に座り採決し、10−11の賛成少数で否決した。市議会の会議規則では議長が討論を行った場合は、表決まで議長席に戻ることはできないと定められている。

 臨時会の冒頭、中田裕市長は「地域医療は崩壊の危機に瀕し、医師不足は深刻だ。県と話をし、最後のチャンスを頂いた。筑西市と真剣勝負で話し合い、医療の充実に努力したい」と訴えた。

 相田議長は反対討論で、建設予定地の筑西市「竹島地区」は25年前に水害に遭った場所だと指摘。「東日本大震災で国中が想定外のことを想定している中で、小貝川と勤行川に挟まれた鍋底に建てていいのか」と語気を強めた。これに対し菊池伸浩氏(共産)は賛成討論し、「消防団長から救急車の行き場がないと聞いており、真壁医師会も建設を要望している。国が金を出す中核病院をご破算にはできない」と述べた。

 採決後、中田市長は「政治的に判断することは残念だ。話し合うチャンスをなぜ与えてくれなかったのか。反対した議員は方策を提示してください」と発言した。議会終了後、中田市長は報道陣に「奇策を講じられた。対策を熟慮したい。(震災で被災した)県西総合病院の単独再建も選択肢に入れるほかない」と語った。【安味伸一】



http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/niigata/news/20111201-OYT8T01212.htm
県央の救命センター併設病院 年明けに議論
市町村長交え

(2011年12月2日 読売新聞)新潟

 8か月にわたって議論がストップしていた※県央医療圏の救命救急センター併設病院の建設について、県は11月30日夜、地元医療関係者による検討ワーキング会議の初会合を開き、年内に既存病院との役割分担案をとりまとめる方針を確認した。この案を踏まえて、地元市町村長らとの合同会議で病院の再編や併設病院の建設場所などを決めることになり、併設病院の建設に向けた議論が動き出すことになる。

 県央医療圏には、救命救急センター機能を持った病院がなく、圏外への搬送は年間で延べ約1400人、救急搬送の約2割に上っている。県は11月30日夜、24時間体制で重症患者に対応するには500床規模の病院が必要だと主張している。

 県央医療圏全体の既存病床数は2056床で、医療法に基づく基準病床数(2134床)には78床しか余裕がないため、併設病院などを建設する場合、既存病院全体で100〜200床程度削減することが避けられなくなっている。

 これに対し、180床の県立加茂病院を充実させたいと考えている加茂市の小池清彦市長は「加茂病院の縮小につながる」などと併設病院の建設に猛反発していた。

 今年2月には、建設に向けて関係者らが合意するはずだったが、小池市長に配慮して、加茂病院に救命救急センターを併設することも視野に入れ、500床から病床を減らし、300床程度とする案も合意事項に併記し、併設病院の建設計画を先送りした。

 以後、県は県央医療圏の病院再編に踏み込んで議論を進めようとしたが、小池市長は「どの病院も縮小・統廃合には応じないはず。病院再編は市町村長を交えた会議に諮るべきだ」などと反発したため、検討会議は開けないままになっていた。しかし、11月に北島智子副知事が加茂市に出向いて小池市長と会談し、地元医療関係者らで検討を進めた上で、市町村長も含めた合同会議で病院再編について話し合うことを決めた。

 12月下旬にもワーキング会議を再度行って意見を集約し、年明けに合同会議を開く。県は年度内にも併設病院の病床数や圏内の病院再編に合意を得たい考え。

 県福祉保健部の若月道秀部長は「併設病院は整備して終わりではなく、建設後は地域の病院と共存共栄するべきだ。地元の合意を得ながら建設を進めたい」と説明している。

※県央医療圏
 県内の7医療圏のうちの一つ。三条、加茂、燕、弥彦、田上の5市町村で構成される。人口10万人あたりの医師数(2008年)は魚沼医療圏(124・4人)に次いで少ない133・0人。中核的な病院が圏域内にないため、医師が集まりにくいとみられる。



http://www.m3.com/iryoIshin/article/145285/?portalId=iryoIshin&pageFrom=openIryoIshin
「勤務医負担軽減」などが柱、改定の「基本方針」了承
社保審医療部会、急性期病床群については賛否分かれる

2011年12月1日 橋本佳子(m3.com編集長)

 12月1日の厚生労働省の社会保障審議会医療部会(部会長:齋藤英彦・国立病院機構名古屋医療センター名誉院長)は、2012年度診療報酬改定の「基本方針」を了承した(資料は、厚労省のホームページに掲載)。既に社保審医療保険部会でも、了承しており(『2012年度改定の「基本方針」了承、社保審医療保険部会』を参照)、12月1日の会議で「基本方針」の最終文面が提示された。今後、中医協総会で説明されることになる。

 基本方針は、(1)病院勤務医などの負担の大きい医療従事者の負担軽減、(2)医療と介護の連携体制の強化の推進、の二つの「重点課題」と、「四つの視点」、「将来を見据えた課題」から成る。(1)は前回改定からの継続課題で、(2)は、介護報酬との同時改定を踏まえ、新たに設けられたもの。また「将来を見据えた課題」では、社会保障と税一体改革成案を受け、2025年を見据え、病院・病床の機能分化を進めていくべき、などと提案している。

 1日の医療部会では、前回会議と同様、基本方針の基本的な考え方について異論は出なかった(『「急性期病床群」創設に委員の批判相次ぐ』を参照)。日本医師会副会長の横倉義武氏は、全般的な意見として、「診療報酬や課長通知の簡素化をお願いしたい。また医師のサインを求める書類が山のようにあり、勤務医の疲弊につながっている。これらも簡素化、あるいは他の職種で代用できるようにしてもらいたい」との意見を述べた。

 また、日医副会長の中川俊男氏は、「重点課題」が、「社会保障と税の一体改革成案」を踏まえて設定している点を問題視、この部分の表現の変更を求めた。従来から中川氏は、閣議決定ではなく、閣議報告されたものにすぎない同成案をベースにした議論に異論を唱えていた。しかし、厚労省保険局医療課長の鈴木康裕氏は、同成案は、「政府与党の会議で決定され、閣議報告されたもの」とした上で、「基本方針」全体が同成案に基づくものではなく、あくまで「重点課題」にかかるものと説明、理解を求めた。

  急性期病床群、「疾病・病態、入院経路、処置内容」で規定

 そのほか医療部会では、前回会議に続き、病床区分について議論。論点は、厚労省が新たに打ち出した「急性期病床群」(仮称)を制度上、位置付けるか否かだ。

 厚労省は、改めて「急性期病床群」(仮称)は、「病床の機能分化の推進策として、都道府県による認定制度」として医療法に位置づけることを説明。一般病棟と療養病床の枠組みは維持し、上乗せ的に「急性期病床群」(仮称)を規定、一般病床の機能分化の第一歩にするとした。また「急性期病床群」(仮称)で想定する医療は、発症初期、あるいは発症様式からイメージされる従来の「急性期」と必ずしも一致せず、緊急度が低くても、高密度の医療を必要としている患者への医療も含まれるとした。

 その上で、定義をより明確にするために、「急性期病床群」(仮称)は、構造設備、人員基準などの体制だけでなく、実績の評価、つまり、(1)疾病・病態(対象とする患者が何%以上いるか)、(2)入院経路(救急医療入院が何%以上いるか)、(3)処置内容(手術を行う患者が何%以上いるか)、などの要件を想定していると説明。

 これらの要件を満たしているか否かの分析は、DPCデータなどを使う予定。「急性期病床群(仮称)は、DPC病院に限るわけではないが、DPCデータを使えば、効率的に運用できると考えている。DPC病院以外は、なるべく効率的に運用していくことを考えなければいけない」(厚労省医政局総務課)。

  「急性期病床群」、定義の曖昧さ、議論の進め方を問題視

この提案に対し、医療関係者の委員と、それ以外の委員の意見には温度差が見られた。医療関係者は、主に議論の唐突さ、議論を尽くしていない段階での提案、さらには「急性期病床群」(仮称)の定義の曖昧さなどを問題視。

 日本精神科病院協会会長の山崎学氏は、「まず検討会で議論、その結果を医療部会にかけて、その後、閣議決定し、法律改正する。この手続きを踏まず、誰が作ったのかが分からない案をいきなり医療部会にかけても、了承はできない」と議論の進め方を問題視した上で、「急性期病床群の話は、社会保障と税一体改革成案と連携している話。医療費自体を削減する道具としてしか考えられない」との見方を示した。

 「急性期病床群」(仮称)の定義そのものに疑義を呈したのが、日本病院会副会長の相澤孝夫氏。「語句の整理が必要。急性期医療と急性期病床群は、同じことを言っているようだが、違う。区別して議論すべき」。こう指摘した相澤氏は、前回の資料では、急性期病床群(仮称)が診る疾患例として、「骨折」となっていたが、今回の資料では「開放骨折」などと変化している点なども指摘、「急性期が分かっていない人が作ったのだろう。これでは医療は混乱する。どんな概念の中で日本の医療を構築していくかを、もう一度議論すべき」とした。さらに、相澤氏は、地域を支えている中小病院などは、明確に急性期、慢性期などと病床を分けているわけではない現状を踏まえ、「病床区分を進めることが、日本の医療にとって本当にいいことなのか」と疑問を投げかけた。

  急性期病床群の検討を支持する意見も

 これに対し、健康保険組合連合会理事の高智英太郎氏は、「患者にとって多少、自分が行くべき医療機関が見えてきたのではないか。病床の機能分化は、適切な医療へのアクセスにつながる。都道府県が実態を把握することが可能になるため、情報の発信の在り方も変わってくる。今は、患者はどこを受診したら良いか分からず、医療者もどこに紹介したら分からない。2025年を見据えたイメージとしては、今日の案の考え方はいい。ぜひアグレッシブな対応をお願いしたい」と検討を促した。

 全国町村会(山形県山辺町長)の遠藤直幸氏や、NPO法人がんと共に生きる会副理事長の海辺陽子氏などからも、急性期病床群(仮称)の検討を支持する意見が出た。

 これらの意見を踏まえ、発言したのが全日本病院協会会長の西澤寛俊氏。「医療提供側とそれ以外で意見が分かれているように見えるが、急に出てきて、十分な議論がない、また定義がはっきりしないことを我々は問題視しているのであり、このままではかえって混乱するのではないか」と西澤氏は述べ、急性期のリハビリも除外されているなど、「我々が考える急性期のあり方とは違う」とし、山崎氏と同様に、まず検討会で議論すべき問題であるとした。

 丁寧な議論の必要性を指摘されてもなお、厚労省医政局長の大谷泰夫氏は、「社会保障と税一体改革成案のスケジュールの中で、進めている。年末までには大枠のところは固めたい。社会保障の将来像を決める際に、病床の機能分化の流れ、方向性が入っていない改革案では、国民の了解は得られない」と求めた。大谷局長は、「改正医療法案の提出までにはまだ時間がある」とし、詳細な議論は別途進めるとしても、急性期病床群(仮称)を位置付ける方針については年末までに決定する意向だ。

  次回会議は12月8日の予定で、急性期病床群(仮称)について引き続き議論する。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/36110.html
急性期病床群、「急に出てきた」と不満の声- 社保審医療部会
( 2011年12月01日 18:21 キャリアブレイン )

 社会保障審議会の医療部会(部会長=齋藤英彦・国立病院機構名古屋医療センター名誉院長)は1日に会合を開き、現在の一般病床のうち、急性期医療を担う病床を「急性期病床群」(仮称)と区分することについて意見交換した。病床の機能分化を推進する方向性は確認したが、急性期病床群については、病院団体を代表する委員を中心に「急に病床群が出てきた」「十分な議論がない」などと不満の声が相次いだ。

 前回の会合で急性期病床群の認定制度を提案した厚生労働省は改めて制度導入の背景について、「従来の許可という規制ではなく、機能分化を後押しする仕組みとして認定制度を提案した。これにより国民・患者に対し、病院の機能を目に見えるようにし、適切な医療アクセスにつなげることが可能になる」と強調した。

 厚労省はまた、急性期病床群の対象となる患者について、「例えば、心筋梗塞によって入院した患者や、手術後の患者のように、状態が不安定であって、症状の観察などの医学的な管理や、傷の処置などの治療を日常的に必要としている場合を想定している」と説明した。

 意見交換で、委員からは「病気は複雑で、個々に違い、日々変わる。こういう区分でぶった切りにすると、患者はどこに行けばよいか分からない。わたしたちも、どこに紹介してよいか分からない」(日野頌三・日本医療法人協会会長)、「こういう病床群で分けることが、日本国民に役立つ医療提供体制になるのか」(相澤孝夫・日本病院会副会長)、「病床群に反対しているのではなく、急に出てきて十分な議論がないことを懸念している」(西澤寛俊・全日本病院協会会長)などの声が上がった。

 一方、永井良三委員(東大大学院教授)は、「病床群は、枠組みとしてはよいと思う。ただ、制度だけつくっても患者が本当に移動できるのかや、患者をどう誘導するかなどの議論が必要」と指摘。齋藤部会長は、「時代とともに機能分化していかなくてはいけない。継続して議論していくべき重要なテーマ」と述べた。



http://mainichi.jp/area/aomori/news/20111201ddlk02010226000c.html
ドクターヘリ:2機に 知事「来年度中」 重複出動可能に /青森
毎日新聞 2011年12月1日 地方版 青森

 県のドクターヘリについて、三村申吾知事は30日行われた県議会一般質問で「12年度中に2機体制での運航開始を目指したい」と述べ、2機目導入を正式に表明した。増加傾向にある重複する出動要請に応えられることになり、県内の救急医療体制が充実する。【吉田勝】

 導入の是非についてはこれまで、県ドクターヘリ運航調整委員会と県救急・災害医療対策協議会、県医療審議会で検討され、いずれも「導入が望ましい」との結論だった。これを受けて、三村知事は導入に踏み切った。

 県によると、既に複数機運用しているのは北海道が3機、長野、千葉、静岡の各県が2機。1機の運航には年間約2億円かかり、うち半分は国の補助金で賄っている。2機目を導入すれば運航経費は約4億円となる。

 県の1号機は09年3月に八戸市立市民病院を暫定基地病院として配備され、運航スタート。今年4月からは、同病院と県立中央病院(青森市)が交互に拠点を交代する共同・分担方式で運航。出動要請は09年度257件、10年度394件で、今年度は推計542件と年々増加している。

 11月21日の医療審議会では、県が「出動要請が増加するにつれて要請が重複し、不出動となるケースが大幅に増える」「基地病院から遠い地域からの要請が増え、1回当たりの出動時間が長くなる」など、1機体制で見込まれる課題を報告していた。

 この日の本会議で、三村知事は「運航開始に向け、今後は国に対して国庫補助金の確保の要望や、運航会社に対して機体とパイロットの確保の要請を行うなど、具体的な事務を進めるよう指示した」と答弁した。
 ◇八戸市長「感謝」

 三村知事が「12年度中にドクターヘリ2機体制を目指す」と表明したことを受け、かねてから2機体制を主張していた八戸市の小林真市長は報道陣の取材に対し、「本当にありがたい。知事の判断を示していただき、心から感謝している。八戸は岩手県北地域との連携も視野に入れており、期待している」と歓迎の言葉を述べた。【松沢康】



http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/kagoshima/news/20111202-OYT8T00096.htm
ドクターヘリ搬送訓練
運用開始前に病院と消防手順確認

(2011年12月2日 読売新聞)鹿児島

 今月26日のドクターヘリの本格運用開始を前に、県などは1日、ヘリコプターを使った実地訓練を開始した。訓練は22日まで24か所で行い、救急車とヘリでの傷病者の搬送手順などを確認する。

 同ヘリの基地病院となる鹿児島市立病院によると、消防本部・組合などから出動要請があった際、市立病院に待機するフライトドクター(FD)が鹿児島市の「浜町ヘリポート」まで車で移動。ヘリで傷病者を引き継ぐ離着陸地点(ランデブーポイント=RP)へ向かう。傷病者の状態を確認し、搬送先の医療機関の決定後に離陸。搬送先近くのRPで再び救急車に移され、医療機関に搬送される。

 約50人が参加した垂水市の訓練では、交通事故で男性が負傷したとの想定で出動を要請。負傷者を救急車でRPの市中央運動公園まで運び、要請から20分弱で到着したヘリに移した。その後、市消防本部の救急救命士らが、FDの吉原秀明・鹿児島市立病院救急救命センター長から指導を受けながら、ヘリへの傷病者の搬入、搬出を練習。傷病者の状態を記した引き継ぎ書についても説明を受けた。

 同本部警防課の後迫浩一郎・救急救助係長は「搬送手順の習得だけでなく、救急救命士が傷病者の容体を見極める力を伸ばし、ヘリが必要かの判断力をアップさせたい」と話した。

 吉原センター長は「傷病者の搬入・搬出はしっかり練習できた。現場とFD、ヘリ間の連絡体制についても訓練したい」と述べ、上津原甲一・鹿児島市立病院長も「ヘリは医療過疎問題の解決にも役立つ。少人数での傷病者搬送にも備え、十分な訓練をして本格運用に備えたい」と話した。



http://www.shimotsuke.co.jp/town/region/south/ashikaga/news/20111201/669128
ドクターヘリと連携訓練 足利市消防本部
(12月1日) 下野新聞

 【足利】市消防本部(森田政雄消防長)は28日、県ドクターヘリや県消防防災航空隊、足利赤十字病院20+ 件と連携し、傷病者のトリアージと搬送訓練を渡良瀬川沿いの本町緑地と五十部公園で初めて行い、約70人が参加した。

 訓練は、北関東自動車道で大型バスなど乗用車4台による多重事故が発生、死者1人重症2人を含む15人が事故に巻き込まれたと想定。消防隊や救急隊が現場に駆け付け、傷病者の重症度や緊急性を考慮し治療の優先順位を判断する「トリアージ」を実践した。

 ドクターヘリと防災ヘリは出動要請から約20分後に到着。重症者を乗せて同病院横にある五十部公園ヘリポートに向かい、同病院20+ 件に運び込むまでの流れを確認した。

 森田消防長は「新足利赤十字病院20+ 件が開院した7月以降は月平均7回ドクターヘリが飛来しており、ヘリでの搬送は増えている。もしもの際に迅速に対応できるよう常に訓練をしたい」と話した。

 この日は中国・済寧市の医療技術交流協力訪日団6人も訓練を見学した。



http://techtarget.itmedia.co.jp/tt/news/1112/01/news03.html
ワークフロー転換のベストプラクティスを紹介紙とデジタルのハイブリッド型EHRで医療現場はどう変わる?
医療機関の電子化メリットである「ペーパーレス化」だが、複雑なワークフローを完全にペーパーレス化できるシステムはない。紙とデジタルの両方を用いるワークフローを構築するのが現実的だ。

[Don Fluckinger,TechTarget] 2011年12月01日 09時00分 UPDATE

 もしあなたが病院の電子健康記録(EHR)ワークフローを管理しているなら、いまだにさまざまな紙を必要とする人がいて、そうした紙からEHRにデータを移す作業に頭を抱えているはずだ。恐らく、その人は入院患者の問診票や手術同意書を手書きしているのだろう。あるいは、病床数400床の病院、Tri-City Medical Centerのケースのように、リモートクリニックの専門医たちがEHRに接続するための相互運用性ソフトウェアを使おうとせず、患者の記録や報告書をMicrosoft Wordで作成し、プリントアウトして診療情報管理(HIM)スタッフに手渡ししているのかもしれない(関連記事:緊急医療に使えるデジタルペンは医療業界に浸透するのか?)。

 それがいま進行する医療IT改革の実態だ。複雑な病院のワークフローを完全にペーパーレス化するEHRシステムは1つもない。たとえあるにしても、ペーパレスワークフローを可能にする機能を十分活用できる病院は、まだないだろう(関連記事:効率的な紙カルテのデジタル化がペーパーレスを成功に導く)。また多くの病院で見られるように、医者が複数のEHRベンダーのシステムを利用して、物事を複雑にしている場合もある。その結果は? いまだにシステムの周辺で紙が飛び交っているのだ。

 それらの紙をスキャンしてEHRに取り込めば、医師や看護師がデジタルベースでアクセスできるようになり、有意義な利用方法を確立して、CMSインタラクティブの成果を挙げることが可能になる。Tri-Cityの医療記録運用管理者のテリー・ハーツェル氏によると、紙とデジタルの両方を利用する病院のハイブリッド型ワークフローでは、EHRシステムにスキャンする前に、全てのページにバーコードを添付することで大幅に効率を上げ、正確性を向上できるという。



http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtnews/2011/M44480361/
第44回国際外科週間(ISW 2011)
世界的な外科医不足に対して養成が必要

[2011年12月1日(VOL.44 NO.48) p.36] MT Pro

 日本では外科専門医を目指す若い医師が少ないことが問題になっている。その背景には,養成までの長い研修期間や,その後の厳しい労働条件などがあると考えられるが,外科医不足に悩む国は数多い。横浜市で開かれた第44回国際外科週間〔ISW 2011,ISS/SIC(万国外科学会)会長=Witwatersrand大学(南アフリカ・ヨハネスブルグ)外科・Kenneth D. Boffard教授,組織名誉委員長=国際医療福祉大学・北島政樹学長,組織委員長=北里大学外科・渡邊昌彦教授〕のISS/SIC/JSS Main Session「Global training in surgery: what are the realities?」では,世界の外科医養成・教育の事情が報告され,それぞれが抱える問題点や対策案が紹介された。

〜先進国の教育機関の役割〜
新興国内での専門医養成支援が重要


 メイヨー・クリニック(米ミネソタ州ロチェスター)外科のMichael G. Sarr教授は,先進国の教育機関は新興国の外科専門医養成のために,留学生の受け入れだけでなく,相手国内での専門医養成に力を入れた支援をすべきであると指摘した。

望まれる頭脳回帰と国内養成

 欧米など先進国の教育機関が新興国の専門医養成支援としてまず考えるのは,奨学金やフェローシップ,研修医制度の提供による留学生の受け入れである。しかし,この方法は,逆に新興国から先進国への頭脳流出を促進する恐れがある。事実,米国では研修終了後も自国に戻らず,そのまま移民するという医師が多いことが問題となっている。

 これらの医師は移民後も,一時帰国や研修旅行,自国の企業や行政との協力体制づくりなどを介し自国に貢献する機会はあり,こうした「頭脳回帰」の推進は重要である,とSarr教授は指摘した。

 一方,近年では,初めから新興国内の現場で,将来,指導者となる人材を養成,現地での研修医教育プログラムを開発,教授派遣や教育資材,インターネット・アクセスなどで現地の医学部を支援することにより,新興国国内に専門医養成環境を整えていこうとする方法も進められている。

 例えば,Pan African Academy of Christian Surgeons(PAACS)は,継続的な研修制度の開発と現地での専門医養成を目指して,アフリカ全土で監督付きの現地研修医教育プログラムを運営しており,現在,現地学会であるWest Africa College of Surgeons(WACS)とCollege of Surgeons of East, Central, and southern Africa(COSECSA)の承認を得て,7種のプログラムが実施されている。

 このプログラムでは,PAACS理事会の認定を受けた外科医1〜2人が各地に赴き,平均1,000〜1,100人に対して4年間の研修医教育が行われる。また,救命救急技術や内視鏡技術の訓練,他国の大学との提携,書籍や必需品の提供,ビデオや講演を介した教育機会の提供なども行われている。

 同教授は,先進国の教育機関がなすべき支援としては(1)書籍の提供(2)相手国内での教育(3)頭脳回帰の推進(4)インターネット環境が可能であれば電子教育ツールの活用提供―が考えられるとした。

〜アフリカ南東部の医療事情〜
一般外科医による専門医代行が現実的


 Walter Sisulu大学Livingstone病院(南アフリカ・ポートエリザベス)のS. S. Pillay氏は,外科には種々の専門領域があるが,医師不足が深刻なアフリカの医療者事情の下では,専門医養成よりも,まずは一般外科医による手術代行と質の向上を目指すのが現実的であると述べた。
まずは非専門医の質向上を

 南アフリカでは,2011年8月現在で3万7,333人の医師が登録されており,専門医は1万2,458人いる。しかし,そのうち外科系の専門医は150人に満たない。人口5,400万人の同国では,全専門医の割合は人口1,000人当たり0.57人と,ブラジル(1.85人)やメキシコ(1.90人)を大きく下回り,専門医の診療を受けられるのは国民の18%にすぎない。

 さらに,COSECSAによると,東アフリカ諸国に南東部マラウイ共和国を加えた全9カ国での専門医の比率は,人口26万6,000人に対し1人という状況にある。医師の資格を持たない看護師などの診療者(clinical officer)が治療を担っており,約80%の緊急手術がこれら診療者により行われている。

 このような現状を踏まえ,Pillay氏は「専門医制は必要だが,それは医師の豊富な国での話である」と指摘。アフリカ地域では,専門医に代わり一般外科医が緊急手術に対応するのが現実的であり,専門医は一般外科医による治療成績向上のための支援,監視などに当たるべきであると述べた。

〜ASEAN諸国〜
6カ国の合意で外科教育・研修を推進


 Phramongkutklao病院(タイ・バンコク)外科のNopadol Wora-Urai氏は,東南アジア諸国連合(ASEAN)における外科教育・研修の協力体制について,現状を報告した。
全体の外科医療の質改善目指す

 ASEAN諸国10カ国は総人口5億8,000万人超の一大拠点だが,外科医の数は,最も国土の広いインドネシアで人口2億2,800万人超に対してわずか2,708人,最も小さなシンガポールでは人口約484万人に対し475人と報告されている。

 インドネシア,マレーシア,ミャンマー,フィリピン,シンガポール,タイの6カ国(ASEAN 6)は,それぞれ非常に良質な外科教育カリキュラムを有しており,一般外科,血管外科,脳神経外科,泌尿器外科,整形外科の外科専門医の認定制,研修制度監視などしっかりした制度が存在している。しかし,研修内容への満足度や医学生涯教育(CME)が任意か義務かなど,どのような問題が懸念されているかは国ごとに異なる。こうした中,ASEAN 6は2015年のASEAN相互承認協定(ASEAN Mutual Recognition of Medical Practitionars)発効に向けて,地域内での外科教育や研修などに関する協力同意を結び,活動が行われている。

 例えば,タイでは2011年7月に,タイ外科学会の年次大会で外科教育と研修の重要性と手術の質の向上について論じられたほか,外科教育・研修に関する1日セミナーを開催し,欧米・オセアニアから招いた講師とともに,現在の外科研修をいかに改善していくかが話し合われた。セミナー後には,8日間かけてタイ国内全土の外科研修施設の現地調査も行われ,問題点の指摘と改善のための勧告などがフィードバックされた。

 Wora-Urai氏は「このようにASEANでは外科教育・研修の制度開発を進めており,今後も近隣諸国や対話国との協力により,外科研修制度のpeer reviewとコース内容の改善, ASEANまたはアジア太平洋地域での外科教育・研修に関するフォーラム開催などを図りながら,ASEAN 6以外の4カ国を含めた外科医療の質向上を実現していきたい」と述べた。

外科研修制度に腹腔鏡研修の組み込みを

 エアランゲン大学(独エアランゲン)外科のHermann Kessler氏は,大腸切除術を例に取り,開腹術や腹腔鏡術における研修の在り方について解説。外科研修制度に腹腔鏡研修を組み込む必要性を指摘した。
正式な研修の提供少ない

 外科の研修は,理論と実地訓練から成る。開腹による大腸切除術の場合,テキストやビデオなどでの知識習得に加え,バーチャル・シミュレーション,動物実習,死体による人体実習で「理論」を学び,学生実習からアシスタント,指導医の下での執刀と段階を追った「実地訓練」を経て,一人前の外科医として独立するのが基本ステップである。

 しかし,外科手術の成績は,研修と経験を積むほど向上するわけではなく,施設や施術者による個人差も大きい。成績を向上させるための手技や技術の研さんなど,外科医の仕事は一生を通して勉強だ,とKessler氏は述べた。

 さらに腹腔鏡手術では,開腹手術以上の技術習得が必要となる。両手の感触がほとんどない状態で長く脆弱な機具を使いこなす必要性や,2次元画像の下で組織面を正確に見極め,切除する能力が求められる。また,腹腔鏡手術の基本技術のない未経験者が,熟練者の技術を見て学ぶことができないという点も従来の開腹術とは異なる。

 そのため基礎知識の学習に加え,(1)人工的モデルを用いた練習(2)バーチャル・リアリティーの手術シミュレーターを用いた練習(3)動物実験や死体での人体練習―など種々の訓練法が取られる。しかし,同氏は「研修医期間の終了後に,腹腔鏡大腸手術についての正式な研修を提供する外科研修プログラムは非常に少ない」と指摘。「腹腔鏡大腸術の長期の成功と発展は,外科研修制度に質の高い腹腔鏡研修制度を取り入れることで実現される。腹腔鏡術成功の秘けつは,手技の標準化とシステム開発だ」と述べた。
  1. 2011/12/02(金) 06:25:18|
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