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Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

2月24日 

医師不足220地域で2万4千人、36年推計 偏在対策を拡充へ  
2019/2/18 22:41 日本経済新聞

厚生労働省は18日、複数の市町村を1つの地域単位として医療提供体制を整備する「二次医療圏」(全国に335)をめぐり、2036年時点の医師数の過不足を公表した。医師が必要数に足りないのは約220地域。計2万4千人が不足するとした。必要数を満たす約60地域では約4万2千人が過剰になる。

医師の少ない地域に医師を配分する偏在の解消対策を拡充する必要がありそうだ。厚労省は人口あたりの医師数を基に、地域住民の人口構成などを考慮したうえで必要な医師数を算出した。偏在の解消をめざす36年時点で二次医療圏の過不足を推計した。

推計では医師が足りない地域で、需要をすべて満たすよう医師を配置しても全体で1万8千人が余る。厚労省は二次医療圏のうち下位3分の1の約110の地域を「医師少数区域」と定め、20年度から都道府県を主体にした偏在対策を始める。医師の派遣を求めやすくしたり、地元で一定期間勤務する大学医学部の「地域枠」を拡充したりして対策を強化する。



https://www.nikkei.com/article/DGKKZO4164360022022019EA5000/
2.4万人 医師不足、2036年に「220地域」 
2019/2/23付日本経済新聞 朝刊

厚生労働省は地域ごとの医師の過不足の将来推計を18日に公表した。都道府県内の複数の市町村からなる「二次医療圏」(全国に335)でみると、2036年時点で医師が必要数を下回るのは約220地域で、計2万4千人が不足する。一方、必要数を満たせるのは少なくとも約60の地域で、計4万2千人が過剰になる。偏在を是正する対策が急務だ。

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全体で見れば1万8千人は余る計算だが、医師の配置に偏りがある。医師が少ない地域の患者は必要な医療を受けにくく、多い地域では過剰受診につながる恐れがある。

対策にあたり厚労省は人口あたりの医師数をベースに、地域の人口構造なども考慮した新たな指標を作成。現時点の都道府県ごとの指標も公表した。東京、京都など上位16を「多数」とし、岩手や新潟など下位16を「少数」と位置づけた。

4月1日に施行される改正医療法・医師法に基づき、各都道府県は19年度中に医師確保計画を作成。20年度から少数地域への医師の派遣や、少数地域で働く医師の養成など対策を拡充させる。だが偏在を解消できるかは不透明だ。



https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190218-00000114-jij-pol
「医師少数」16県を公表=偏在是正を促進-厚労省 
2/18(月) 22:50配信 時事通信

 厚生労働省は18日、都道府県や各地域の医師数の偏りの度合いを示す「医師偏在指標」について、現時点の推計を公表した。

 都道府県別では下位の岩手や新潟など16県を「医師少数3次医療圏(都道府県)」として、重点的に医師不足解消を促進する方針。同日開いた医師需給に関する有識者検討会の分科会で示した。

 推計によると、16県は岩手、新潟、青森、福島、埼玉、茨城、秋田、山形、静岡、長野、千葉、岐阜、群馬、三重、山口、宮崎。

 厚労省は2036年度の医師偏在解消を目指している。19年4月施行の改正医療法では、都道府県が複数の市区町村などで設定する「2次医療圏」ごとに、医師数や人口などを基に算出する医師偏在指標に応じ、医師少数区域・多数区域を指定。少数区域の医師確保のため重点的に対策を進める。 



https://www.m3.com/news/iryoishin/658180
シリーズ 一介の外科医、憧れの人に会いに行く:中山祐次郎・対談企画
医師不足対策は医師同士夫婦の禁止? - 外科医/漫画家・さーたり氏◆Vol.2
「仕事のためバリキャリの女性と結婚するのは無理だと思っていた」
 
スペシャル企画 2019年2月17日 (日)配信まとめ:高橋直純(m3.com編集部)

さーたり
医学部を卒業後、外科医を志し早数年。専門は消化器外科、時に肝臓・胆道・膵臓、移植外科。同期の夫と結婚し出産。現在3人の子どもの絶賛子育て中。
※コミックエッセイ『腐女医の医者道』より引用

中山:今、女性医師が増えているのは紛れもない事実で、女性医師を活用するような医療現場にさっさと変えるしかないと僕は思っていますが、それが全然動いてないという印象があります。ある特定の病院の医師は残業上限2000時間にするという案が出ていましたが(『時間外上限「地域医療確保暫定特例水準」1900~2000時間』を参照)、家庭のある人を想定しているとは到底思えませんね。

さーたり:男女関係なく。

中山:そうです。結婚しているとしても、パートナーが完全に家のことだけやってくれている専業主婦・主夫でないと2000時間の時間外労働はできない。女性活躍のまだ2段階、3段階ぐらい手前にいるんだろうなと思っていますけど。

さーたり:それに関連していうと、医師不足対策として、女性医師が男性医師と結婚しなければいいという意見もあるんです。

中山:女性医師が?男の医師と結婚しなければいい?

さーたり:そう、男の医師と結婚するとみんな辞めちゃうから。

中山:なるほど、両方ともフルタイムだと仕事と家庭を両立することができない。だから女性医師は、専業主夫をしてくれそうな男性と結婚すべきと。

さーたり:男も女も、医師以外と結婚すればいいんじゃないかという意見を目にして、へ?と思ったけど……。

中山:極端ですね。

さーたり:でも、実際周りを見てフルタイムで頑張っている女性医師は、やっぱり、ご主人が医師以外の人が多い。男性も奥さんが専業主婦だったり、違う業種の人の方が無茶ができそうな印象もあります。


中山:いや、それは結構、まじでそうですよね。僕も一昨年、35歳で結婚したのですが、なかなか結婚に踏み切れなかったのは、結婚して家事や育児が自分に来たら、外科医として仕事できねえな、とびびり続けていたというのが正直あります。自分が仕事するためには、フルタイムでバリキャリの女性と結婚するのは無理だろうと思っていました。

さーたり:だから難しいです。共働きの夫婦も増えているのに、医師の世界だけそれでいいのかというと良くない。医療現場をどうにかしないといけないですよね。

中山:だから、さーたり先生は外科医同士の結婚をされて、お子さんも3人いて、漫画も書いていて、もう、死ぬほど大変そうじゃないですか。どうやってこの5年とか10年を生きてきたのだろうと思うぐらい。すごいです。

さーたり:結局は私自身のキャリアや働き方を犠牲にせざるを得なかったということです。1人目の時は結構やれたんです。病院の近くに住んでいて、病院の近くの保育園に朝7時から夜7時まで12時間預けていました。夜の7時でも、「すいません、早く帰らせてもらいます」みたいな申し訳ない意識でした。12時間働いたから十分じゃないの?と今は思うんですけど。

中山:世間一般的には、超フルタイムですよね。

さーたり:で、2人目の時に無給になるという話を聞いて、それでも私は復帰しようと思ったんですけど、夫や周囲の人にすごい反対されて。高い保育料を払って12時間も子ども預けて、無給で、それで何が得られるのかと……。

中山:旦那さんからも?

さーたり:そうです。大学病院は、やはりちょっと異常な、周りもすごく働くし、もうそれだけという働き方しかない環境だから、無理にこだわらなくてもいいだろう、しかもお金ももらえないしという。私は戻ろうとしたんですけど……。

中山:それもすごいですね。僕も旦那さんと同じことを思います。他の病院でいいんじゃないかと。

さーたり:今となっては私もそう思います。当時は、私もそういう環境に毒されていたというか、もう、朝から夜中までいて当直もやるのがフルタイムの仕事だと思っていたので、当直免除されて12時間しか病院にいない私は時短をしているという意識でした。

中山:いや、すごい。ちょっと、だんだん目まいがしてきました。今、無給というお話がありましたが、妊娠出産とは関係あるのですか。

さーたり:2人目は9月に出産予定で、8月で産休に入ることになります。当時は有給ポジションで、産休もらって復帰するつもりでしたが、3月の時点で医局長に呼ばれて、「ポストが足りない」と言われました。後輩が何人か大学に戻ってくるけど、その子たちが無給になってしまう。だから、後輩に譲る気はないかと。

その場では「嫌です」と言ったんですけど、親しい後輩だし、医局長も別に意地悪で言っているわけではなくて、もう苦肉の策というのが分かるし、すごく悩みました。確かに私は出産で休んで、復帰後も当直とかもすぐできるわけではないので、その分やってくれる後輩に給料が行った方がいいなと思って、結局、ポストを譲る形で私は無給になったんです。

私的には、まあ、しょうがないかなという感じですが、客観的にも見たら、妊娠出産があるから降格になったという形です。実際、妊娠出産の予定がなければ、そのまま有給枠でフルタイムで働いていたはずなので。

しかも、無給医になったら給与明細がなくて、私の就労実態が証明できない。すると、保育園の申請ではねられちゃうんです。だから、バイトやブログの収入とかの書類をかき集めて出しましたが、フルタイムにはならず、待機児童になってしまいました。

中山:そんな話あります? ひどい。

さーたり:ちなみに1人目の時に引っ越しで保育園を転園するときは、夫婦とも大学院生でした。実際はフルタイムで働いてバリバリやってるはずなのに、書類上は学生扱いで、保育認定の点数が下がっちゃう。じゃあ、もう大学院辞めますと言ったら、新卒社会人扱いになると言われて、それもまた点数が下がってしまいます。引っ越し先は保育園激戦区だったので、どこにも引っ掛からないとなって幼稚園に入れました。だから、お金だけじゃなくて、地位とかそういうのも絡んでくるんで、結構、難しいんです。ちゃんと労働者として認めてほしい。

中山:恐ろしいな、ほんとですよね。その無給医問題で言うと、昨年(2018年)、NHKがニュースで取り上げて、さーたり先生も出て発言していましたよね。どのような経緯だったのですか。

さーたり:最初の入試男女差別の話で、女性医師向けメディアで発言をしたところ、NHKから取材できる人を探していると言われて、お会いしました。その時に、流れの中で無給医の話をしたらとてもびっくりされて。「え?って。今、何て言いました? 無給ってどんな字書くんですか」と(笑)。そこでNHKの記者が取り上げてくれました。

中山:ちなみに、顔出しで発言して、大学に怒られたりすることはなかったのですか?

さーたり:分院にいるからか、直接はないです。センシティブな時期だからあんまり悪口は言うなよとは直の上司には言われましたが。

中山:さーたり先生が証言をしてNHKが無給医を取り上げたので、そのことで僕もYahoo!ニュース個人に記事を書いたら、NHKが取材に来ました。

さーたり:そうですよね。

中山:僕も、友人たちから無給の話や窮状を聞いていたんですけど、1人で声を上げるのは怖過ぎてずっと黙っていました。ですが、今しか無給医問題を顕在化させるチャンスはないと思い、取材を受けました。今、文部科学省が調査していますね。大学を通した調査ですから、どこまで踏み込めるか分かりませんが。

さーたり:報道を受けて、時給1000円を払いますと言い出したらしいです。でも、私の後輩とかは、そんなお知らせ聞いていないと(笑)。でも、陰ながら私の活動を応援しますという声はたくさん来ています。



https://www.m3.com/news/iryoishin/660420
シリーズ 医療従事者の需給に関する検討会
医師最多は東京都、最少は岩手県、2倍の格差
厚労省、三次医療圏別、二次医療圏別の「医師偏在指標」公表
 
レポート 2019年2月19日 (火)配信橋本佳子(m3.com編集長)

 医師多数区域(16都府県):1位 東京都(329.0)、2位 京都府(314.9)、3位 福岡県(300.5)……

 医師少数区域(16県):47位 岩手県(169.3)、46位 新潟県(169.3)、45位 青森県(172.1)……

 厚生労働省は2月18日の「医療従事者の需給に関する検討会」の第28回医師需給分科会(座長:片峰茂・長崎大学前学長)に、三次医療圏別(47都道府県別)、355の二次医療圏別の「医師偏在指標」を公表。三次医療圏別では、医師が最も多い東京都(329.0)と、最も少ない岩手県(169.3)では、1.9倍の差があることが明らかになった。医師偏在指標の全国平均は238.3(いずれも数値は、精査中。資料は、厚労省のホームページ)。

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三次医療圏別の医師偏在指標。上位16都府県が「医師多数区域」、下位16県が「医師少数区域」(2019年2月18日の医師需給分科会資料)
 「医師偏在指標」とは、2036年に向けて医師偏在解消を目指すための指標。人口10万人当たりの医師数に加えて、5つの要素〔医療ニーズおよび将来(2036年)の人口・人口構成の変化、患者の流出入、へき地の地理的条件、医師の性別・年齢分布、医師偏在の単位(区域、診療科、入院/外来)〕を加味している。従来、医師の地域偏在を表わす指標としては、人口10万人当たりの医師数が用いられてきたが、これらの5要素を加えることで精緻化した。

 二次医療圏別でも、最多の東京都の区中央部(759.7)と、最少の秋田県の北秋田(69.6)では、10.9倍の開きがある。

二次医療圏別の医師偏在指標の上位10医療圏(2019年2月18日の医師需給分科会資料)(略)

二次医療圏別の医師偏在指標の下位10医療圏(2019年2月18日の医師需給分科会資料)(略)

 二、三次医療圏のいずれについても、「医師偏在指標」の上位33.3%を「医師多数区域」、下位33.3%を「医師少数区域」として、それぞれ位置付ける。三次医療圏は、16都府県が「医師多数区域」、16県が「医師少数区域」。二次医療圏は、335医療圏のうち、「医師多数区域」と「医師少数区域」はそれぞれ112医療圏。

 さらに厚労省は、二次医療圏別の外来医師偏在指標の公表(数値は精査中)。全国平均は105.8。上位3位は、いずれも東京都で、区中央部192.3、区西部181.2、区西南部164.9。下位3位は、福島県・相双48.1、香川県・小豆48.4、岩手県・宮古54.6。

外来医師偏在指標(上位10の二次医療圏)(2019年2月18日の医師需給分科会資料)(略)

外来医師偏在指標(下位10の二次医療圏)(2019年2月18日の医師需給分科会資料)(略)

 都道府県ではこの4月から、医師偏在指標などを用いて、医師偏在対策などを盛り込んだ「医師確保計画」を策定、2020年度から対策を本格化する。目標年度は2036年で、3年ごとに進捗状況を確認、医師の地域偏在解消を目指す。具体的な施策としては、「医師少数区域等」で勤務する医師を認定、評価する仕組みの導入や、大学医学部の地域枠の活用などが想定されている(『「医師少数区域」は「下位33.3%」、111の2次医療圏』を参照)。

 外来については、「外来医師多数区域」を設定、可視化することで開業のハードルを高めるとともに、同区域で開業する場合には、在宅医療をはじめ、「地域で不足する医療機能」を担うことなどを求める(『「外来医師多数区域」での新規開業、2020年度以降厳しく』を参照)。

 医師偏在解消進むも、12道県では5323人不足、医学部定員で調整へ
 もっとも、2036年時点で、医師偏在解消が最も進んだ場合(上位推計)でも12道県では5323人分が不足、偏在解消が進まない場合(下位推計)では34道県で2万3739人分の不足(他の都府県は、いずれも医師過剰)。都道府県を越えた医師偏在対策に加え、2021年度で期限が切れる医学部の臨時定員増をどのように設定するかが、今後の重要課題となる。

 医学部の臨時定員増は、2020年度と2021年度については、「暫定的に現状の医学部定員をおおむね維持しつつ、トータルとして現状程度の医学部定員を超えない範囲」とされた(『2018年度の地域枠充足率81.6%、24府県が「8割未満」』を参照)。2019年度の臨時定員(地域枠関係)は906人。厚労省の上位推計では、恒久定員のうち1402人を地域枠とし、加えて全国で計243人の臨時定員を行えば、都道府県レベルでの医師不足は解消されると見込んでいる。



https://medical-tribune.co.jp/news/2019/0221519066/
地域勤務医の残業時間上限、年1860時間...厚労省が見直し案〔読売新聞〕 
2019年02月21日 15:08 (読売新聞)

 医師の働き方改革について厚生労働省は20日、特例で「年1900~2000時間(休日労働含む)」としていた地域医療に従事する勤務医の残業時間の上限について、年1860時間とする見直し案を有識者検討会に提示した。当初案は過労死ラインの2倍を超える水準にあたり、批判が相次いでいた。

 特例の対象は、地域の救急医療などを担う病院で都道府県が指定する。厚労省は全国で約1400か所程度が対象になるとみている。期間は、医師不足の解消が見込まれる2035年度末まで。それ以降は、一般の医療機関や一般労働者と同じ「年960時間(休日労働含む)」とする方針だ。年960時間は、脳卒中などで労災認定される目安の「過労死ライン」(月80時間超)を踏まえている。

 厚労省は1月に特例の当初案を示したが、「過労死を招く」などとする批判が噴出。医師が自分の勉強にかける時間を除くなど、当初案の根拠とした調査を再集計した。

 また厚労省はこの日、集中的に技能を磨く研修医らに対する残業時間の上限案も示した。初期研修医や専門医を目指して研修中の医師などが対象で、本人の申し出に基づいて適用する。特例病院の上限と同じ年1860時間とし、将来に向け減らす方向としている。

 残業の上限規制は24年度から。厚労省は今年3月末までに規制の全体の枠組みをまとめる方針だ。



https://www.medwatch.jp/?p=24990
救急病院などの時間外労働上限、厚労省が「年間1860時間以内」の新提案―医師働き方改革検討会(1) 
2019年2月21日|医療計画・地域医療構想 MedWatch

 2024年4月から適用する「勤務医の時間外労働上限」について、▼原則として年960時間以内・月100時間未満▼救急医療機関など地域医療確保のために必要な特例水準として年1860時間以内―としてはどうか―。

厚生労働省は2月20日の「医師の働き方改革に関する検討会」(以下、検討会)に、新たにこういった提案を行いました。
 
ここがポイント!
1 勤務医の時間外労働は「年間960時間以下」が原則、救急医療機関などでは長い上限を
2 データ精査(労働から研鑽を除外)し、「救急医療機関等で年間1860時間」の新提案
3 B水準・1860時間にも賛否両論
4 医師働き方改革が、地域の医師偏在等を助長しないか

勤務医の時間外労働は「年間960時間以下」が原則、救急医療機関などでは長い上限を

 この4月(2019年4月)より「時間外労働の限度を、1か月当たり45時間、かつ1年当たり360時間とする原則を設け、これに違反した場合には、特例の場合を除いて罰則を課す」「労使が合意して協定を結ぶ場合においても、上回ることができない時間外労働時間(特例)を年720時間(=月平均60時間)とする」といった改正労働基準法が適用されます(看護師などにも適用される)。

ただし医師(勤務医)については応召義務などの特殊性があることから、今年(2019年)3月までに「規制の在り方」を検討会で固め、その適用を5年後(2024年4月から)とすることになっています。

検討会では、「医師でなくとも実施可能な業務を、他職種に移譲していく(タスク・シフティング)」「労働と研鑽の切り分けを明確化していく」などの方針を固め、現在、「時間外労働の上限をどの程度に設定するべきか」という詰めの議論を行っています。

この時間外労働上限(仮に労使が合意したとしても、超過が認められない)については、これまでに次のような提案が厚労省からなされていました(関連記事はこちら)。

【原則(A水準)】
年間960時間以下・月100時間未満(やむを得ず月100時間を超える場合には「産業医等による面接に基づく必要な措置(就労制限など)をとる」ことを義務化し、あわせて連続勤務28時間以内・勤務間インターバル9時間以内などの努力義務を課す)

【地域医療を確保するための特例(B水準)】(地域医療確保暫定特例水準、救急医療機関など)
年間1900-2000時間以内(やむを得ず月100時間を超える場合には「産業医等による面接に基づく必要な措置(就労制限など)をとる」こと、連続勤務28時間以内・勤務間インターバル9時間以内などを義務化する)

【技能向上のための特例(C水準)】(研修医や専攻医など)
A水準よりも長い上限を設定する(やむを得ず月100時間を超える場合には「産業医等による面接に基づく必要な措置(就労制限など)をとる」こと、連続勤務28時間以内・勤務間インターバル9時間以内などを義務化する)

 2月20日の検討会では、B水準・C水準について新たな提案がなされ、非常に活発な議論が行われました。本稿では「B水準」についてお伝えし、C水準については別稿で紹介します。

データ精査(労働から研鑽を除外)し、「救急医療機関等で年間1860時間」の新提案
 B水準の旧提案である「1900-2000時間」は、勤務医の10%程度が「脳・心臓疾患の労災認定基準における時間外労働の水準」の2倍となる年間1920時間を超えて労働を行っている(さらに1.8%の勤務医は、「脳・心臓疾患の労災認定基準における時間外労働の水準」の3倍となる年間2880時間超)とのデータを踏まえ、こうした超過重労働(上位10%)を「まず1900-2000時間程度以内に抑え、健康確保に努める必要がある」との考えに基づいて設定されました。

 検討会では、このデータについて「労働時間の中に、労働に該当しない研鑽などが含まれているのではないか」との指摘があり(関連記事はこちら)、厚労省で精査。具体的には、これまでの議論で「労働は管理者や上席の指示を受けるもの、研鑽は指示なしに行うもの」という一定のラインが引かれつつあることを踏まえ、「時間外のうち、指示のない時間」を削除しています。この結果、勤務医の労働時間はわずかながら「短い」方向にシフトしました(上位10%の時間外労働は、旧データでは1944時間、精査後の新データでは1904時間)。

これを受け、今般、厚労省はB水準の時間外労働上限として「年1860時間以下」という新たな提案を行いました(1904時間を下回り、12か月で割り切れる、切りの良い数字というイメージ)。旧提案に比べて一定程度「短い上限」となりましたが、これは、上述のようにデータの精査に基づくものと言えます。
 
 また、繰り返しになりますが、B水準の医療機関では「勤務医すべてが年1860時間の時間外労働をしなければならない」わけではありません。当該病院において、例えば「救急医療に従事する医師を対象として、年間●●時間の時間外労働が可能」という協定(36協定)を結ぶことになり、その●●時間の上限が「1860時間」となるのです(病院によって「1500時間」のことも、「1000時間」のこともある)。

 なお、B水準の対象医療機関は、都道府県で特定することになりますが、その目安として、厚労省は、(1)3次救急医療機関(2)2次救急医療機関かつ「年間救急車受入台数1000台以上」かつ「医療計画で5疾病5事業確保のために必要と位置付けられた医療機関」(3)在宅医療で特に積極的な役割を担う医療機関(4)都道府県知事が地域医療の確保のために必要と認める医療機関(小児救急医療機関や、へき地の中核医療機関など)(5)特に専門的な知識・技術や高度かつ継続的な疾病治療・管理が求められ、代替することが困難な医療を提供する医療機関(高度がん治療、移植医療等極めて高度な手術・病棟管理、児童精神科等)―というより詳しい例示を行いました(案)。(1)から(4)で約1400施設が該当する((5)は推計が困難)とみられます。

B水準・1860時間にも賛否両論

この新提案(B水準・1860時間以内)に対し、検討会委員からはさまざまな意見が出されました。

若手医師の代表とも言える三島千明構成員(青葉アーバンクリニック総合診療医)は、健康確保措置(連続勤務28時間以内や9時間以上の勤務間インターバルなど)の確実な実行などを条件に、B水準(年間1860時間以内)は「許容できる水準である。制度の建付けとしては良い」と厚労省案を評価。

他方、病院経営者でもある馬場武彦構成員(社会医療法人ペガサス理事長)は、大阪府で実施した独自調査結果(救急搬送の4割程度は、大学病院等からのアルバイト医師がいることで対応できている)も踏まえ、「地域医療を守るためには、旧提案である1900-2000時間程度の上限設定が必要である」と強く訴えました。

これに対し、労働組合の立場として参画する森本正宏構成員(全日本自治団体労働組合総合労働局長)は、「B水準は、現状の労働(超過重労働)を追認するもので、容認できない」と明確に反対しました。

賛否両論があり、今後も意見調整を進める必要があるでしょう。

 
さらに、時間外労働上限の設定をめぐって渋谷健司副座長(東京大学大学院医学系研究科国際保健政策学教室教授)は、「病院経営者サイドは『地域医療を守る』と言うが、それは患者を人質にとって、若手医師に苛酷な労働を強いているだけではないか」「そもそも、なぜ『上位10%』ラインを上限に設定するのか、その根拠が明確でない」「若手勤務医がこの上限をどう捉えているのか、きちんと検討すべきだ」と強い口調で指摘しました。

この指摘に対し厚労省大臣官房の迫井正深審議官(医政、医薬品等産業振興、精神保健医療、災害対策担当)(老健局、保険局併任)は、「勤務医の労働実態に関するデータを精査し、また地域医療の実態を踏まえて、『ここまでなら実現できる』というライン(上限)が1860時間である」「地域医療の確保と医師の健康確保は渋谷副座長の指摘するようにトレードオフの関係にはない。ただし、働き方改革を進めると同時に、守らなければならないものもある(地域医療が崩壊することは許されない)」「全病院において労務管理等を適切に行ってもらう必要がある」旨を述べ、厚労省提案への理解を求めました。しかし、渋谷副座長は「このままの議論では、副座長を辞させてもらう」とも述べており、議論が大詰めを迎える中、どのように調整が行われるのか、を進めるのか注目が集まっています。

 
働き方改革に限らず、政策には「解」がありません。仮に「解」があれば、関係者が貴重な時間を使って議論する必要はないのです。可能な限りのエビデンスに基づいて選択肢を用意し、その中から、より「納得感の高い」もの、より「実現可能性が高い」ものを探り、さらに効果を検証して「選択肢を修正していく」しかないのです。

 その「実現可能性が高い」選択肢として、今回「B水準・1860時間」が導きだされたものですが、未来永劫「B水準・1860時間」が続くわけではありません。継続した実態調査が行われ、徐々に時間短縮を行い、さらに現時点では「2036年の解消を目指す」こととされています。労働法制の研究者である荒木尚志構成員(東京大学大学院法学政治学研究科教授)は「スタートとして悪くない水準ではないか。実態法規として、健康確保措置などが盛り込まれたことは非常に大きい」と厚労省案の実現可能性の高さを評価しています。

 また岩村正彦座長(東京大学大学院法学政治学研究科教授)も、「働き方改革後の行動変容は読み切れない。まず最も苛酷な労働を行っている医師の救済に絞って、上限の設定や健康確保措置を組み合わせて医師の健康を守り、あわせて地域医療への影響も検証していく方向で検討すべきではないか」とコメントしています。

医師働き方改革が、地域の医師偏在等を助長しないか

 ところで、勤務時間の長い医師が多く在籍している医療機関として「大学病院」があげられます。大学病院長である山本修一構成員(千葉大学医学部附属病院院長)は、「これまで大学病院では労務管理の意識が薄かった。現在、個々の病院でも、大学病院の集まり(医学部長病院長会議など)でも労務管理に努めている」ことを説明しています。
 
 ただし、大学病院で徹底した労務管理を行うとすれば、「大学病院本院において、より多くの医師が必要となり、地域の病院から派遣医師を引き揚げる」ことにつながるのではないか、との懸念もあります(検討会では今村聡構成員(日本医師会副会長)が指摘)。そうした場合、「医師偏在が助長されないか」という別の問題も出てくるため、地域医療への影響を十分に見ていく必要があるでしょう。この点、地域の病院の合併・統合が極めて重要な選択肢となります。

 
 また、中井修参考人(日本病院会常任理事、岡留健一郎構成員(日本病院会副会長)の代理出席)は、「勤務医の労働時間が長くなる背景には、医師不足があり。この一因として、勤務医でいるよりも、診療所を開業したほうが、収入が良くなることがあげられると思う。病院への診療報酬財源を手厚くし、勤務医の処遇改善を図る必要がある」と述べ、医師の働き方改革は、▼医師需給▼診療報酬―とも関連する問題であると指摘しています。

たしかに、医師の働き方改革論議が決した後には、「上限を守りながら(つまり医師の健康を確保しながら)、地域医療を守るためには、医師の増員が必要である」といった方向が示される可能性もあるかもしれません。



https://www.kobe-np.co.jp/news/sanda/201902/0012091745.shtml
赤字積みあがる三田市民病院 審議会、規模拡大促す 
2019/2/24 05:30神戸新聞NEXT 三田

 兵庫県三田市は19年度予算案で、一般会計から17億円を市民病院に投入する。

 このうち9割以上の15億7千万円は、救急(3億6千万円)や小児医療(7千万円)など市民の命を守るため、もうからなくて当然の部分に充てられる。病院の建設費を30年かけて分割返済する資金(10億円)も含まれる。こうした支出は国の基準で決まっている。

 一方、補助金を投入しても赤字額が大きいため、市は国の基準外で独自に補助金を上積みしている。07年度に医師不足などから年間10億円超の赤字となり、市は経営を安定させるため、09年度から毎年約2億円を“援助”している格好だ。

 ところが18年度は約7千万円、19年度予算案では約2千万円をそれぞれ前年度から減らした。財政再建を進める市が、病院にも歳出カットを求めたからだ。

 病院はカテーテルや注射器など診療材料の調達に医師が関与し、より価格を抑えるなど地道なコストカットを進める。その一方で、ここ数年は「稼ぐ力」も高めてきた。

 開業医と連携を深め、患者を市民病院に紹介してもらうほか、より診療報酬の高い急性期の患者を多く受け入れようと「断らない救急」を徹底。70%台だった病床の利用率は16年度以降、80%を超えている。こうした取り組みは成果を挙げているが、黒字経営には至っていない。

 ただ、ベッド数が300という中規模病院には構造的な課題がある。病院経営の専門家らが1年間にわたり、市民病院の将来像を議論した審議会では「24年前の開業当初は十分な規模だったが、現状では中途半端」との声が上がった。

 若手医師の研修制度が変わり、大規模で多くの経験を積める病院に志望者が集まるようになった。大学が地域の病院に医師を派遣する時代ではなくなっている。

 また、中規模では救急対応ができる医師や診療科が限られる。三田市民病院は循環器や消化器科はいつでも受け入れ可能だが、脳神経外科は土日は対応できない。

 市内の救急搬送に占める同病院の割合は65%(17年度)にとどまり、20%以上の患者は神戸市内の病院に運ばれている。審議会は今月「現状のままでは将来にわたる存続は難しい」と結論づけ、統合・再編による規模の拡大を促した。

 病院が市から借りる5億円には返済義務がある。赤字が積み上がっても、いずれ市が面倒を見てくれる-。そんな時代は終わった。(高見雄樹)



http://www.minyu-net.com/news/news/FM20190223-353705.php
福島県・内科医...5年後579人「不足」 厚労省、外科医は136人 
2019年02月23日 12時00分 福島民友

 厚生労働省は22日、2024年に診療科ごとに必要とされる医師数に達するには、現状では内科医が1万4468人、外科医が5831人不足しているとする推計結果をまとめた。同省が診療科ごとに将来必要となる医師数を算出するのは初めて。

 47都道府県ごとの推計結果も公表。本県の診療科ごとの必要医師数で内科医は、2024年には現状より579人多い1953人が必要とされ、達成には年間97人の養成が必要。外科医は現状より136人多い523人で、年間28人を養成するべきだとしている。必要医師数の達成に向けてはこのほか、整形外科で年間19人、小児科で年間11人の養成が必要とされた。
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https://www.medwatch.jp/?p=24959
2036年の医療ニーズ充足には、毎年、内科2946名、外科1217名等の医師養成が必要―医師需給分科会(3) 
2019年2月20日|医療・介護行政全般 MedWatch

 医師偏在対策に向けた医師需給分科会(「医療従事者の需給に関する検討会」の下部組織)の論議が大詰めを迎える中で、厚生労働省は2月18日の会合に「診療科別の必要医師数の見通し」(たたき台)を提示しました。

 今後、「医師の働き方改革」や「総合診療専門医」の動向なども踏まえながらブラッシュアップし、将来的に、専門医資格取得を目指す専攻医の基本領域別定員上限の設定などに活用していくことを狙います。
 
ここがポイント!
1 診療科と疾患の紐づけを行い、将来の患者数を勘案して「必要医師数」を推計
2 診療科の偏在是正、新専門医制度の「専攻医定員」での厳格な調整が必要
3 喫緊の課題である産科・小児科の医師確保は、暫定的指標に基づいて実施

診療科と疾患の紐づけを行い、将来の患者数を勘案して「必要医師数」を推計

 地域の医師偏在対策の解消が重視され、医師需給分科会では、各地域(都道府県・2次医療圏)の医師配置状況を可視化するとともに、各都道府県で新たに「医師確保計画」を定め、実行し、2036年度に偏在を解消する方向に向けた検討を進めています(関連記事はこちらとこちら)。

しかし、「例えば産科医師が不足している地域に、皮膚科医師がどれだけ派遣されても、本当の意味での医師不足解消にはならない」ことから、「診療科別の医師偏在対策」を進める方針も確認されています。

診療科別の医師偏在を解消するためには、「診療科別の必要医師数」と「診療科別の供給医師数」を推計し、その差を埋めていくことが必要となります。

ただし、例えば脳梗塞であれば、脳神経外科や内科、さらにはリハビリテーション科で対応するなど、1つの疾患を複数の診療科で診ている実態があることから、「●●診療科の医師がどれだけ必要なのか」を推計することには多くの苦労が伴います。そこで、「診療科別の医師偏在対策」は、将来的な課題に位置付けられ、2020年度から本格スタートする医師偏在対策と同時並行的に「研究」が進められることとなりました。ただし、後述するように「産科」と「小児科」については医師確保が喫緊の課題となることから「暫定的な対策を一先ずとる」ことになっています(関連記事はこちら)。

2月18日の医師需給分科会には、「診療科別の必要医師数」の推計に関する、いわば「これまでの研究結果」が厚労省から提示されました。

上記のとおり、同じ疾患であっても、異なる診療科で対応している状況があることを踏まえ、厚労省はまずDPCデータなどを用いて、「どの疾患には、どの診療科が対応しているのか」を分析しました。例えば、脳梗塞であれば▼脳神経外科:48%▼内科:46%▼リハビリテーション科:4%▼外科:1%▼救急科:1%―などとなっています。

これを裏返しに見ると、どの診療科が、どういった割合で疾患を診ているのかが分析できます(内科では、A疾患を●%、B疾患を●%、C疾患を●%診ている、というイメージ)。

ここに、「医師・歯科医師・薬剤師調査による診療科別の医師数」や「厚生労働科学研究で明らかにされた診療科別の医師の勤務時間および全体との比率」などを組み合わせることで、「2016年時点における診療科別の必要医師数(ニーズ量)」を推測できます。

さらに、「患者調査と人口動態推計から導かれる将来の疾患別医療ニーズ」などを加味することで、「将来時点における診療科別の必要医師数(ニーズ量)」を推計することが可能となります。

大雑把なイメージを示すと、「内科の医師は2016年時点で●名いる」→「内科では、脳梗塞患者を●%、心疾患患者を●%診ている」→「内科の勤務時間を医師全体の勤務時間と比較・調整し、2016年に必要な内科医数は●名と分かる」→「脳梗塞の患者は将来◆%増加し、心疾患患者は◆%増加することが統計から推測されるので、この増加ニーズに対応するためには、内科医師は◎名必要と考えられる」といったロジックで推計する、と言えるでしょう。

また推計に当たっては「診療科別の医師の勤務時間」が、「医師全体の平均になる」方向での検討も一部行われています。例えば、救急科の医師は全体平均よりも1.21倍勤務時間が長いことが厚生労働科学研究結果から明らかになりました。これを将来、1.00倍にするためには、「より多くの救急科医師(単純計算では1.21倍の医師)が必要になる」ことから、その点も勘案した推計がなされています。ただし、現在議論中の「医師の働き方改革」については、結論が出ていないことから、現時点では勘案されず、今後の研究課題の1つに位置付けられています。

こうしたロジックに基づいて機械的に推計された結果を見ると、例えば内科や外科では、次のように大幅な医師不足状況にあるようです。
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【内科】
▽2016年時点では12万2253名分の内科医が必要だが、実際には11万2978名しかおらず、9275名分不足している

▽2024年時点では12万7446名分の内科医が必要となり、これを充足するには「年3910名分の内科医養成」が必要となる

▽2030年時点では12万9204名分の内科医が必要となり、これを充足するには「年3246名分の内科医養成」が必要となる

▽2036年時点では12万7167名分の内科医が必要となり、これを充足するには「年2978名分の内科医養成」が必要となる

【外科】
▽2016年時点では3万4741名分の外科医が必要だが、実際には2万9085名しかおらず、5656名分不足している

▽2024年時点では3万4916名分の外科医が必要となり、これを充足するには「年1587名分の外科医養成」が必要となる

▽2030年時点では3万4605名分の外科医が必要となり、これを充足するには「年1323名分の外科医養成」が必要となる

▽2036年時点では3万3448名分の外科医が必要となり、これを充足するには「年1217名分の外科医養成」が必要となる

 
 一方、皮膚科や精神科などでは、すでに医療ニーズに対し医師数が過剰となっている状況が分かります。

【皮膚科】
▽2016年時点で8376名分の皮膚科医が必要であるのに対し、実際には8685名おり、309名分過剰となっている

▽2036年時点では皮膚科医師は7270名分必要になると見込まれ、1414名の過剰になると推計される

【精神科】
▽2016年時点で1万5437名分の精神科医が必要であるのに対し、実際には1万5691名おり、254名分過剰となっている

▽2036年時点では精神科医は1万4003名分必要になると見込まれ、1688名の過剰になると推計される

 皮膚科や精神科において「現時点で医師数が過剰」と推計される背景には、「皮膚科や精神科では医師全体の平均に比べて勤務時間数が短い」ことがあります。皮膚科では医師全体平均の85%、精神科では同じく91%となっています。つまり、皮膚科医・精神科医が医師全体平均と同水準の勤務を行うと仮定すれば、計算上は同じ仕事量を85%・91%の医師数で回せる計算になるのです。

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診療科の偏在是正、新専門医制度の「専攻医定員」での厳格な調整が必要

 こうした「診療科別の必要医師数」をもとに、偏在を解消するためには、「専門科を選択する時点・場面での対策」をとるよりありません。すでに精神科として活躍している医師に、「外科が不足しているので、外科に転向してほしい」と要請することは、現実的には極めて困難でしょう。この点、医師多数地域で働くA医師に、「医師の不足するB地域で勤務してほしい」と要請する、地域偏在解消とは大きく様相が異なる点に留意が必要です。

 医師が専門科を選択する時点・場面としては、「新専門医の資格取得に向けた専攻医登録」が考えられます。この専攻医登録の時点で、「貴殿は皮膚科の専門医資格を目指し専攻医登録しているが、医師が不足している外科専門医を目指し、専攻医登録の内容を変えてはどうか」などと勧奨すること、あるいはさらに強力に「皮膚科の専攻医登録定員数を減員し、その分を不足する内科や外科に振り向ける」ことなども考えられるかもしれません。

 ちなみに、日本専門医機構が明らかにした、今年度(2018年度)の専攻医採用状況(2018年3月15日時点)と、上述の「必要医師数を充足するために、年間に養成すべき診療科別医師数」とを比較とする、次のような状況が分かります。

【内科】
2018年度専攻医採用数は2671名で、▼2016年度の維持水準(2289名)に比べ382名過剰▼2024年度の必要数充足水準(3910名)に比べ1239名不足▼2030年度の必要数充足水準(3246名)に比べ575名不足▼2036年度の必要数充足水準(2978名)に比べ307名不足―

【外科】
2018年度専攻医採用数は807名で、▼2016年度の維持水準(907名)に比べ100名不足▼2024年度の必要数充足水準(1587名)に比べ780名不足▼2030年度の必要数充足水準(1323名)に比べ516名不足▼2036年度の必要数充足水準(1217名)に比べ307名不足―

【皮膚科】
2018年度専攻医採用数は275名で、▼2016年度の維持水準(193名)に比べ78名過剰▼2024年度の必要数充足水準(115名)に比べ160名過剰▼2030年度の必要数充足水準(147名)に比べ128名不足▼2036年度の必要数充足水準(159名)に比べ116名過剰―

【精神科】
2018年度専攻医採用数は430名で、▼2016年度の維持水準(293名)に比べ137名過剰▼2024年度の必要数充足水準(208名)に比べ222名過剰▼2030年度の必要数充足水準(243名)に比べ187名過剰▼2036年度の必要数充足水準(257名)に比べ173名過剰―

 例えば、皮膚科や精神科の定員をより厳しくし(100名程度減員)、その分を内科や外科に振り向けると、計算上は「診療科別の偏在」が解消されていく見込みです。後述するように精緻化に向けた課題があるものの、「たたき台となる数字が示されただけでも非常に大きなステップである」との賞賛の声が福井次矢構成員(聖路加国際大学学長)らから相次ぎました。

  
 もちろん、このロジックの中には、「医師の働き方改革」や「総合診療専門医の動向」(総合診療専門医が増えることで、他診療科で診る疾患等の構成も変わってくる)などが勘案されていません。こうした点も研究しながら、より精緻な「診療科別の必要医師数」「診療科別の養成が必要な医師数」を推計し、新専門医制度において「診療科別の専攻医定員上限(シーリング)」設定論議の基礎資料としていくことなども検討していくことになるでしょう。

 なお、厚労省はさらに「都道府県別」の「診療科別の必要医師数」なども推計していく予定を示しています。

喫緊の課題である産科・小児科の医師確保は、暫定的指標に基づいて実施

 前述したように、「産科」「小児科」については医師確保が喫緊の課題とされていることから、両科に特化した「医師偏在指標」(産科の医師偏在指標、小児科の医師偏在指標)を暫定定期におき、新たな「医師確保計画」の中で、「産科・小児科医の確保」に向けた方針や目標数を設定し、具体的な施策を実施していく方針が2月18日の医師需給分科会で了承されています。

 将来的に、「診療科別の必要医師数」などが精緻に設定されれば、産科・小児科についてもその中で「専攻医増加」などの対策を打っていくことになるでしょう

 産科の医師偏在指標は、都道府県別・2次医療圏別の「分娩件数1000件当たりの産科・産婦人科医師数」をベースに設定され、小児科の医師偏在指標は、同じく都道府県別・2次医療圏別の「15歳未満の年少人口10万人当たりの小児科医師数」をベースに設定されます。
医師需給分科会(3)の4 190218(略)
医師需給分科会(3)の3 190218(略)
 
 この産科・小児科の医師偏在指標をもとに、下位●%(今後、設定する)を「相対的医師少数三次医療圏(都道府県)」「相対的医師少数区域(2次医療圏)」に定め、産科医・小児科医の確保を進めていくことになります。ただし、全国的に産科医・小児科医が不足している状況なども勘案し、例えば「医療圏の見直し(広域化)」や「産科医・小児科の勤務環境改善」など、幅広い医師確保策を各都道府県で検討・実施することが求められます。
医師需給分科会(3)の5 190218(略)
 
 この点に関連して鶴田憲一構成員(全国衛生部長会会長)は、産科医確保のために「適正な分娩費用の設定」(分娩費用が低すぎれば、産科医を確保する原資が不足する)などを要望しています。



https://www.m3.com/news/iryoishin/661023
シリーズ 医師の働き方改革とキャリア
「働き方改革」への姿勢で激論、厚労省検討会
「上限引き下げ反対」「現状維持と経営者の視点ばかり」
 
レポート 2019年2月21日 (木)配信水谷悠(m3.com編集部)

 厚生労働省は2月20日の第19回「医師の働き方改革に関する検討会」に、地域医療を適切に確保するための「地域医療確保暫定特例水準」を「年1860時間、月100時間(例外あり)」として再提案し、構成員の一人が「非現実的な労働時間上限設定」などとして引き下げに反対。これをきっかけに激論となった。(資料は、厚労省のホームページ。提案の詳細は『時間外上限「年1860時間」で再提案』を参照)。

「大阪でさえ、大学依存」と上限引き下げに反対

 社会医療法人ペガサス理事長で日本医療法人協会副会長の馬場武彦氏は参考資料として、医法協を含む四病院団体協議会が大阪府内の会員病院を対象に実施したアンケートの結果を提出。回答した26の医療機関で1カ月の当直のうち平均約39.5%、延べ人数ベースでは約28.9%を大学病院からの非常勤医師に頼っているとして、「比較的医師の数が恵まれていると思われている大阪府でさえ、夜間の救急は多くの部分を大学病院からの非常勤医師で支えている。非現実的な労働時間上限設定は即、非常勤医師派遣の大幅な縮小を招き、患者の生命に直接関わる。当初の事務局案通り1900~2000時間でお願いしたい」と主張した。


 これに対し、東京大学大学院医学系研究科国際保健政策学教室教授の渋谷健司氏は、「頑張る人が頑張れるようにするためには適切な労務管理が必要で、本来は医療界自らが対策をしなければならなかったにもかかわらず、できていない現状がある。だからこそ刑事罰で抑止しようという方向になっている」との認識を示した。その上で馬場氏の主張に対し、医療機関が24時間365日患者のために使命を全うする特殊性と、医師に過重労働させることを「同じ状況で議論すること自体が間違っている。医療機関のキャパシティーを超えて医療ニーズが発生しているのならそれは地域医療計画の話だ。むしろ単独の施設に責任を負わせるのは先生方が強く反対しなければいけない。患者の命を人質にして神風特攻隊的な話ばかり、現状維持と経営者の視点ばかりで、そこには医師や患者の姿がない」と厳しく指摘した。

 また、事務局案が病院勤務医の10%が1920時間以上の時間外労働をしているというデータを基にして上限時間案を提示していることについて、なぜ10%で区切ったのかを質したが、事務局からはその根拠は示されなかった。

 馬場氏は勤務間インターバルや連続勤務時間制限、医師による面談などの健康確保措置については「かなり厳しい条件だが、受け入れなければいけない」とした上で、「1900~2000時間でも絶対大丈夫とは言えないが、実現可能でかつ国民が死なないラインと思っている。絶対に医療が守られるという根拠なしに引き下げるのはおかしい。施行後に検討するべきだ。兼業も考えると、かなり高い水準が必要だ」と反論した。

 日本医師会常任理事の城守国斗氏は「今までやってこなかったから強制的にという意見も分からなくはないが、現場の人間からすると医療提供体制が一度壊れると数十年以上かかるという不可逆性がある。やってみればいいじゃないかという問題ではない」と発言。これに対し渋谷氏が、「やってみればいいなどと無責任なことは一言も言っていない。崩壊するかもしれないし、しないかもしれない。分からないので、神学論争にしかならない。どうなるか根拠が知りたいということだ。そこは誤解を解いておきたい」と述べると、城守氏は即座に「お言葉だが、全く分からないということではない。非常に過酷な労働条件の人が最大限カバーしようという割合が一定程度いて、その中で10%だと思う。決して生ぬるい改革案だとは私は思わない」と反論した。

 日本医師会副会長の今村聡氏は「何時間なら大丈夫だ、何時間なら医療崩壊するのかというエビデンスもない中の議論なので、まずは少しずつ上限を設定して、特例は必ずなくなるので、スタートの時点では余裕を持った方がいいのではないか」と長めの設定にする方がいいと提案。
「僕ではない人を副座長に選んでまとめを」と渋谷氏

 ハイズ株式会社代表取締役社長の裴英洙氏は「これまで無制限に強制労働させていた実態にメスを入れる。メスを強く入れすぎると当然出血多量になるが、何もせず放置するのが医療界をますます悪化させるのは間違いない」と述べた。渋谷氏は「960時間がゴールだというのは総意だと思う。1860時間に納得できるロジックがあるわけではないので、前に進めるのならば僕ではない人を副座長に選んでまとめていただきたいと思っている」と辞意を示した。
 岩村座長は「上位10%であるか20%であるかはおいても、いずれにせよどこかで線を引いたときに医療機関、そこで働く医師、関連職、患者たちの行動がどう変わるかが完全には読めないのがこの問題の難しいところだ。私個人は最も長時間働いていて過酷な労働条件にある方にターゲットを絞って、医師の健康と生命を守る。他方で地域医療体制の整備、これは政策の問題だと思うがそこに対応していく、その組み合わせで考えていくしかない」と述べた。

大学による医師引き揚げの懸念も

 今村氏は大学病院医師のアルバイトについて、「大学病院が労務管理をしっかりやるようになるとどうなるか。自分の病院を犠牲にして外の病院を支えることはしなくなる。今までも医師を引き揚げて地域医療に大きな影響が出るということがあった」と指摘。また、労務管理が厳格化して大学病院がアルバイトをさせない方向に向かったとすれば、若手医師が収入を得るために「(大学に)分からないところでアルバイトをするようになれば何のための働き方改革かということにもなってしまう」とも述べた。東北大学環境・安全推進センター教授の黒澤一氏も、「大学病院も背に腹は代えられないので、全く出さないわけではないが、絞ると思う」と同調した。



https://www.medwatch.jp/?p=24929
90学会・領域がサブスペシャリティ領域を希望、2019年9月には全体像固まる見込み―日本専門医機構 
2019年2月18日|医療現場から MedWatch


 現在、新専門医制度におけるサブスペシャリティ領域に、90の学会・領域(複数学会で1つの領域を構成するケースもある)から認定希望が出ている。日本専門医機構の理事会で定めた要件等に合致しているかの審査(事前審査、本審査)を行い、今年(2019年)9月にはサブスペシャルティ領域を決定し、その後に次のステップに進みたい―。

 日本専門医機構の寺本民生理事長は、2月18日に定例記者会見を行い、こうした考えを示しました(関連記事はこちら)。
 
2019年中に循環器内科など基本的学会・領域をサブスペシャリティ領域として認定
 新専門医制度は、以下の19「基本領域」(1階部分)と「サブスペシャリティ領域」(2階部分)の2層構造となっています。

【基本領域】(1)内科(2)外科(3)小児科(4)産婦人科(5)精神科(6)皮膚科(7)眼科(8)耳鼻咽喉科(9)泌尿器科(10)整形外科(11)脳神経外科(12)形成外科(13)救急科(14)麻酔科(15)放射線科(16)リハビリテーション科(17)病理(18)臨床検査(19)総合診療—の19領域

基本領域の多くでは、2年間の研修期間を設けていますが、外科や内科では「基本領域とサブスペシャリティ領域とを連動させる」構造も認められ(例えば基本領域の「内科」とサブスペシャリティ領域の「消化器内科」の研修を連動させ、基本領域の研修期間を短くし、サブスペシャリティ領域の研修を早期から長期にわたって実施する、など)、早ければ今秋(2019年秋)から「サブスペシャリティ領域」の研修がスタートすることになります(関連記事はこちら)。

日本専門医機構では、昨年12月にサブスペシャリティ領域の認定要件を次のように定め、関連医学会等に「当該要件に合致するか否か」の事前評価(自己評価)を行うよう要請しました。既に大枠は示されていますが、今回、要件等の内容が詳細に明らかにされています(関連記事はこちら)。

【サブスペシャリティ領域への認定要件】(概要)
(1)▼社会的使命▼対象となる患者像と推定数▼専門医の素養と必要な知識、実施可能となる手技▼現状で該当する社会的役割(例えば難病指定医の要件となっているか、など)―について説明可能であること【必須要件】

(2)基本領域の承認・同意があること(基本領域とサブスペシャリティ領域が1対1対応にあるカテゴリーA(内科と循環器内科など)、1つのサブスペシャリティ領域に複数の基本領域が関連するカテゴリーB(リハビリテーション科と整形外科が1つのサブスペシャリティ領域を形成するなど)、多くの基本領域が関連するカテゴリーC(緩和ケアなど)が考えられ、それぞれに承認・同意のあること)【必須要件】

(3)サブスペシャリティ領域として社会的認知に認知されていること(例えば、大学病院本院や主管型臨床研修指定病院、地域医療支援病院などの一定数で独立した診療科・部門がある、など)

(4)すべての大学病院本院に1名以上の当該サブスペシャリティ領域専門医が常勤し、全都道府県に当該サブスペシャリティ領域専門医が2名以上いることなど

(5)全都道府県に研修施設が1施設以上あり、かつ各研修施設に指導医が必要数配置されていることなど【必須要件】

(6)専門医制度創設から10年以上が経過し、明確な基準で1回以上資格更新した専門医数が一定程度いることなど

(7)日本専門医機構に承認された「客観的な試験」を行い、専門医の診療能力の質が担保できること

(8)更新基準に十分な診療実績を含めること

また、(3)の「社会的認知」については、例えば「小児がん」や「指定難病」などの希少疾患では、臨床研修指定病院や地域医療支援病院には独立した診療科・部門が設置されていないことも多いでしょう。しかし、こうした疾患の専門医がどこにいるのかと言う情報を患者・国民は渇望しているため、柔軟な要件設定(例えば地方ブロック単位で、当該診療科・部門が存在するなど)も可能となる見込みです。

さらに、具体的な指導体制や経験症例数などについては、日本専門医機構で検討中の「専門研修整備基準」で定められることになります。

 
今般、1月31日までに、90の学会・領域から「当該基準に概ね合致している」旨の返答が日本専門医機構に寄せられていることが寺本理事長から明らかにされました(基本領域学会の推す23学会も含まれる)。今後、日本専門医機構で事前審査(上記項目への記載が不十分な場合などには問い合わせも行う)・本審査を行い、4月以降、順次、サブスペシャリティ領域としての認定を進め、9月には全体像が固められる見込みです。したがって、当面、サブスペシャリティ領域は90学科・領域以下となります。

事前評価(自己評価)結果の返答を行っていない学会も16ほどあり、これらは少なくとも、今年(2019年)10月からのサブスペシャリティ領域には認定されません。寺本理事長は、「国民に分かりやすい専門医制度という考えに立ち返れば、基本的な学会(循環器内科や呼吸器内科)はサブスペシャリティ領域として認めなければならない。今年(2019年)は、このような地固めをして、後に次のステップ(今回、認定されなかった学会について、サブスペシャリティ領域として認定していくかの検討など)に進みたい」との考えを示しています。

 
なお、今年(2019年)4月からの専攻医(新専門医資格取得を目指す研修医)登録について、寺本理事長は「8500名強になる見込みで。今年度(2018年度)よりも若干増加しそうだ。新専門医制度の安定運営が一定程度行えていると考えている」旨の説明も行っています(2月15日で2次登録が完了し、現在、採否決定中。3月15日まで、空席があれば、未採用者は登録可能)。



https://www.m3.com/news/iryoishin/660479
シリーズ 今どきU35ドクター調査2018
医師偏在、新専門医制度で拍車 ◆ Vol.11
若手医師の意見、「医療崩壊が必要かもしれない」との声も
 
医師調査 2019年2月23日 (土)配信大西裕康(m3.com編集部)

 「今どきU35ドクター調査2018」として35歳以下の若手医師に考えや意見を聞いた結果をお届けしてきたシリーズ最終回は、未来の自分へのメッセージなど、今回の同調査に協力して感じたことなどについて寄せてもらった自由回答を紹介する。新専門医制度が医師偏在に拍車をかけているとの意見や、患者の受療行動を適正化するため何らかの強制力が必要との意見があったほか、今後の進路について自分自身にエールを送る回答などもあった。

Q、同調査に関するご意見・ご感想、未来の自分へのメッセージなどを、ご自由にお書きください。

【医療のあるべき姿とは】
医師の負担を平準化するべきであるが、現状は難しい。[大学勤務]
年功序列などの制度は廃止を。有害な金儲け医療をする開業医をどうにかしてほしい。[開業医]
新専門医制度では、3~5年目医師は多岐にわたる症例を集めるため都市部の大規模病院で働かざるを得なくなっており、新専門医制度が医師の地域偏在に拍車をかけているように感じます。後期研修のうち1年は地方の基幹病院も回るようにするなど、何かしら対策が必要ではないでしょうか。[大学勤務]
時間外に受診する患者が多いことは、医師の首を少なからず絞めている感じる。応召義務の解釈を広げるなどして、どうにかそこを抑制することはできないか。また、2交代制などのシフト化を進めて、体を壊さず働ける勤務形態を国全体で早くつくってほしい。というかそういう風潮をもっと推し進めていくべき。[大学勤務]
今の保険料で高額医療も受けられるのでは、今後も医療保険制度を維持するのは厳しいだろう。[病院勤務]
一度医療崩壊というきっかけが必要かもしれません。[病院勤務]
診療科別に給料を変えるべきである。[大学勤務]
AI(人工知能)の進化で医師の働き方や在り方が変わってくるのではないかと思っている。[病院勤務]
大学とは月40時間の非常勤契約しかしてないのに、当直に外来にと使われてブラックす過ぎます。[病院勤務]
透析、生保、母子家庭の医療費無料は逆差別だと思います。[病院勤務]
若手として色々意見はあるが、結局全ての決定権を掌握しているのは60歳以上の大御所であり、大御所は往々にして根性論を展開しがちなので、常に諦めの気持ちになる。[病院勤務]

【今の自分、未来の自分へ】
大学病院を辞めようとしている私、きっと良かったと思えるはず。[大学勤務]
明るい話題の少ない時代だが、未来でも楽しく働けていることを願いたい。[大学勤務]
初心忘るべからず。[病院勤務]
無理せず家族を大切に。[病院勤務]
ワークライフバランスを大事にしつつ、働いていきたい。[病院勤務]
ドロップアウトしないようにしたい。[病院勤務]
先行きは全く想像できず、今を生きています。[病院勤務]

【編集部に要望です】
結果をまとめて厚労省に送ってください。[大学勤務]
こういった若手対象のアンケートを増やしてほしい。[大学勤務]
(完)



  1. 2019/02/24(日) 09:24:45|
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2月17日 

https://news.nifty.com/article/domestic/society/12159-0216m040001/
2036年の医師不足2.4万人 厚労省試算 「偏在解消」達成できず 
2019年02月16日 06時30分 毎日新聞

2036年の2次医療圏の医師不足数合計

 厚生労働省が将来の地域の医師数を新たに試算した結果、医師の偏在を解消する目標年としている2036年でも全国335地域のうち約220地域で約2万4000人の医師不足が見込まれることが、関係者への取材で判明した。厚労省は試算に基づき青森、千葉、静岡、山口など15県を「医師少数区域」と定め、地元で一定期間働くことを義務付ける大学医学部の「地域枠」を重点的に配分するなど対策を加速させる。

 4月に施行される改正医療法は、ほぼ都道府県単位の「3次医療圏」と、県内をブロックに分けた「2次医療圏」ごとに、医師不足の地域を定めるとしている。その指標として、人口10万人当たりの医師数を基に、年齢・性別による受診率、昼夜の人口差、医師の労働時間などを考慮して、実際に働く医師数と必要な医師数を算出した。

 36年の試算では、2次医療圏で見ると奈良県を除く46都道府県で医師不足の地域があり、不足分を積み上げると約2万4000人に上る。3次医療圏全体で見ても、新潟、埼玉、福島など12道県で計約5320人が不足する。

 厚労省の有識者検討会が昨年4月にまとめた医師需給推計では、医師の残業時間の上限を過労死認定の目安の月80時間(休日労働を含む)とすると、28年ごろにその時点で必要な医師数34万9000人を満たすとしていた。今回の試算は、全体数を増やすだけではなく偏在の解消が急務であることを示す。【酒井雅浩】
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https://www.m3.com/news/iryoishin/659871
シリーズ 地域医療構想
地域医療構想、医師確保計画、働き方改革は「一体的に」
厚労省、47都道府県担当者向けの医療政策研修会
 
レポート 2019年2月15日 (金)配信橋本佳子(m3.com編集長)

 厚生労働省は2月15日、2018年度の第3回医療政策研修会と第2回地域医療構想アドバイザー会議を、47の都道府県担当者、医師会、医療関係団体を集めて都内で開催した。

 厚労省医政局地域医療計画課長の鈴木健彦氏は、現在進めている地域医療構想、この4月から始まる医師確保計画、医師の働き方改革という3つの施策は密接に連動しており、一体のものとして取り組む必要性があると説明した。2020年度からは、臨床研修病院の指定などの事務は厚労省から都道府県に移管され、地域医療における都道府県が担う役割は、今まで以上に高まる。鈴木課長は、各種施策の実施に当たって、都道府県が医師会や大学と広く連携していく必要性も指摘した。

 鈴木課長は、地域医療構想については、公的・公的医療機関等の役割の明確化する必要性を強調した。公的・公的医療機関等については、「新公立病院改革プラン」「公的医療機関等2025プラン」を策定、地域医療構想調整会議に諮り、関係者の間で合意形成することが求められる。2018年12月末までに、合意形成に至ったのは50%強にとどまることから、2019年3月までに全てのプランについて合意形成に至るよう、鈴木課長は協議の徹底を求めた。

 その際の注意点として、「具体的な対応方針の協議に当たっては、現状追認の機械的な合意にならないように」と釘を刺した。「公立・公的医療機関等でないと担えない分野に重点化をおいたプランが練られているかどうか、といった点も確認し、協議をすることが必要」(鈴木課長)。

 厚労省の地域医療構想ワーキンググループで現在、2019年度以降、合意形成に至った具体的な対応方針の検証方法について議論していることも説明(『「公の重点化」が必要な構想区域、4つのパターン例示』を参照)。「手術などの詳細な診療実績に着目して、公民の競合状況を確認することにより、本当に民間医療機関では担えない機能の重点化が図られているかどうかについて、検証することを想定している。検証の結果、例えば、重点化、将来の需要に向けた対応がなかなか確認しにくいものについては、協議の再検討を要請することも念頭に、必要な対策を講じていく予定だ」。鈴木課長はこう語り、地域医療の診療実績を可視化して、医療機関での実績が比較できるような資料も充実させていく方針であるとし、調整会議での協議の充実を求めた。

 医師偏在対策については、厚労省の「医療従事者の需給に関する検討会」の医師需給分科会で現在、取りまとめに向けた議論を進めている(『「医師少数区域」は「下位33.3%」、111の2次医療圏』を参照)。鈴木課長は、「今年度末までに、医師偏在指標も含む医師確保計画、外来医療計画、および外来医療に関する協議の場の方針を示すこととしている」と述べ、次回2月18日の会議に、地域ごとの医師偏在指標、それに基づく「医師少数区域」「医師多数区域」の結果を示す予定であるとした。

 医師の働き方改革についての議論の場は、厚労省の「医師の働き方改革に関する検討会」(『医師の健康確保措置、実施しなければ「暫定特例解除」も』を参照)。鈴木課長は、2024年4月から、医師にも時間外労働の上限規制が適用されることから、同検討会で3月までに結論を取りまとめる予定であると説明。また医師以外の医療関係者については、この4月から時時間外労働の上限規制が適用されることから、働き方改革を進めるよう求めた。「医師が仕事と家庭を両立し、健康に働き続けることができるよう、関係団体とも協力しながら着実に改革を進めていきたい」(鈴木課長)。

 臨床研修事務については、2020年度から、都道府県が地域医療対策協議会の意見を聞いた上で、臨床研修病院の指定、定員設定等を行う仕組みが導入される。「地域の実情を把握している都道府県が事務を行うことにより、県内の医師不足と言われる地域における臨床研修医の増加など、きめ細やかな対応が可能になると考えている。今後、都道府県向けの事務説明会の開催のほか、事務処理マニュアルについても提供する予定」(鈴木課長)。



https://www.nikkei.com/article/DGKKZO41275310U9A210C1EE8000/
医師不足解消へ重点地域 派遣要請しやすく
実効性には疑問の声も
 
2019/2/15付日本経済新聞 朝刊

厚生労働省は全国で医師少数地域を選定し、重点的な医師不足対策に乗り出す。近隣の複数の市町村でつくる全国335の二次医療圏のうち、医師の過不足状況を順位付けし、3分の1にあたる約110の地域を少数区域と認定。都道府県が多数区域から少数区域に医師の派遣を求めることなどがしやすくなる。2036年までに医師の偏在解消をめざすが、実効性を疑問視する声もある。

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東京都内の医師数は、16年末時点で約4万4千人。日本医師会総合政策研究機構によると、千代田区や中央区など区中央部医療圏で人口10万人あたりの医師数が1174人で全国有数の多さだ。一方、同じ都内でも青梅市や奥多摩町など西多摩医療圏は163人で、区中央部と7倍の差がある。

18年に改正した医療法・医師法では、医師偏在の度合いを示す指標をつくり、対策を進めることを規定。厚労省はこれに基づき、人口あたりの医師数をベースに、住民の男女比や年齢、近隣の医療圏への行きやすさなども考慮した値を算出する。医療圏ごとに指標の値で順位をつけ、下位3分の1を少数区域とし、上位3分の1を多数区域とする。厚労省によると、少数区域で働く医師数は全体の7%にとどまる見通し。地域住民が必要な医療を受けにくい恐れが生じているという。

少数区域や多数区域に該当する医療圏は都道府県が指定する。各都道府県が19年度中に原則3年ごとの医師確保計画を作成。医療圏ごとに目標の医師数を設定し、対策もつくる。20年度からこれに基づく偏在対策に着手する。

想定される短期的な対策は、多数区域から少数区域への医師の派遣だ。少数区域で勤務経験が一定期間ある医師を認定する制度を設け、この認定を地域医療を担う病院の管理者になる際の要件とする。

都道府県間で医師数を調整しやすくするため、少数区域での勤務を希望する医師の情報を集めたデータベースを作成する。医師が足りない都道府県が、医師が多数の都道府県に医師の派遣を求めやすくなる。一方、厚労省は多数区域でさらに医師が増えないような医師確保計画をつくるよう都道府県に求める方針だ。

長期的な対策では、大学医学部の「地域枠」などの活用が柱となる。地域枠は地元で一定期間働く代わりに奨学金の返済を免除する制度で、卒業後にへき地など医師少数区域での医療を担ってもらう。19年度から都道府県知事が大学の医学部に設置や拡充を要請できる権限を持つようになる。厚労省は、この制度が軌道に乗って卒業者が本格的に医療に従事する36年までに医師偏在の解消が進むよう働きかける。

もっとも、厚労省や都道府県が具体的な偏在対策を進めても、原則として民間の医療機関での医師の採用を制限することは難しい。計画通りに偏在を是正できるか実効性を疑問視する声もある。



https://www.47news.jp/3264607.html
医師不足対策の支援拡充、総務省
過疎地医療維持に向け
 
2019年2月12日 午後5時44分 共同通信

 総務省は2019年度、過疎地の医師不足対策に取り組む都道府県などへの財政支援を拡充する。医師の派遣費用や、先端技術を活用した遠隔医療の経費が対象。医師不足を理由とした産科・小児科の閉鎖などを防ぎ、地域医療の維持につなげたい考えだ。

 医師数は全国的には増えているが、各都道府県内では、都市部に集中し、過疎地では不足が生じている。政府は昨年、医師法などを改正し、医師不足対策に関する都道府県の役割を強化。総務省の支援は、この動きを後押しする狙いがある。

 支援対象とするのは、過疎地の公立病院に、都市部にある拠点病院の医師を派遣するケース。
(共同通信)



https://biz-journal.jp/2019/02/post_26614.html
連載 武神健之「優良健康文化をつくるために」
働き方改“悪”の危険性…厚労省、医師等の一部職種に「月160時間」残業を容認か
 
文=武神健之/医師、一般社団法人日本ストレスチェック協会代表理事
2019.02.11 Business Journal

 紆余曲折の末、本年4月から、働く人の残業時間(時間外労働時間)に上限が設けられます。いよいよ安倍政権による働き方改革が始まります。

 働き方改革により、働く人の時間外労働時間は原則月45時間、年360時間となります。特別な場合でも単月100時間未満、年720時間とすることが法律で定められました(中小企業においては、いきなりの実施は困難が予想されるとのことで、2020年4月から適用となります)。

 しかし、ワークライフバランスを推進するはずの働き方改革のなか、一部の職種においては、年間1920時間、月の平均に換算すると160時間までの時間外労働を容認する方向で、厚生労働省が調整しているとのニュースが発表されました。

 わかりやすくするために計算してみると、単月の時間外労働時間160時間とは、週休2日の場合1カ月に労働する平日が21日となるので、毎日約7時間30分の残業となります。9時から業務開始の場合、就業8時間+昼休み1時間+残業7.5時間で、午前1時30分まで働くことになります。1カ月間休みなく働く場合は、月に30日間働くとして毎日約5時間20分の残業で、午後11時20分までとなります。

 この一般的労働者よりも長時間残業が容認された職業は、「医師不足の地域や診療科に勤める医師たち」です。理由は、患者や地域医療への影響を考慮したためとのことで、厚生労働省は本年3月末までに規制の内容をまとめることにしています。

 そもそも厚生労働省は、時間外労働時間は月に45時間を超えると健康に影響が出始め、80時間以上では健康障害のリスクが増加するとして、平成18年から長時間労働者に積極的に医師面談(過重労働面談)の受診を勧奨しています。

医療過疎地の医師不足は悪化の懸念

 月160時間までの時間外労働が許容されるのであれば、残念ながらここから推測される時間外労働と健康に関することは2つです。

1. 時間外労働時間が80-100時間を超えると健康障害リスクが高まるが、一部職種においては、健康障害があって構わない。

2. そもそも時間外労働時間と健康障害リスクには、いっているほど相関はなく、月160時間までの時間外労働も健康被害はない。

 私も一人の医師として、このような働き方改革には疑問を感じずにはいられません。また、医療過疎地における医師不足事情は、このような労働環境を理由に、さらに悪化することを懸念します。

 同じ働き方改革のなかで、終業時間から始業時間までに11時間は空けて最低限の休息時間を確保するためのインターバル制度も提案されています。が、医師不足の地域や診療科に勤める医師たちに関しては、インターバル時間は7.5時間しかなく、仕事の前後に1時間ずつの食事・通勤・身支度やシャワー時間を設けると、睡眠可能な時間は毎日5.5時間となり、世界一短い日本人の平均睡眠時間6.5時間をさらに更新することになってしまいます。
 私は産業医として通算1万人以上の働く人と面談をしてきました。その経験から申しあげると、時間外労働が40時間でも健康障害を起こす人もいますし、120時間でも元気な人もいます。

 誤解を恐れずに言えば、時間外労働が多ければ「疲労」がたまります。それが健康障害につながるか否かは、個々人の体力や気力、許容度、やりがい、やらされ感、自己成長の実感や上司同僚からの承認等、残業時間以外に複数の要素があることを感じています。

 さらに、同じ働き方改革のなかで、有給休暇を最低でも年5日間は取らせることも法律で定められました。時間外労働の上限をどこまで伸ばせるかだけよりも、それと同時に、時間以外の要素のことを議論したり、有給休暇をどれだけ増やすか、強制的にするか、いっそのこと3カ月連続勤務し1カ月間連続休暇などの勤務形態を検討したほうが、まだ少しは有給休暇に希望をのせて、忙しいなかでも僻地医療に勤しむ医師たちも「夢」をみることができるのではないかと考えずにはいられません。
(文=武神健之/医師、一般社団法人日本ストレスチェック協会代表理事)

●武神健之(たけがみ・けんじ)
医学博士、産業医、一般社団法人日本ストレスチェック協会代表理事。20以上のグローバル企業等で年間1000件、通算1万件以上の健康相談やストレス・メンタルヘルス相談を行い、働く人のココロとカラダの健康管理をサポートしている。著書に『職場のストレスが消える コミュニケーションの教科書―上司のための「みる・きく・はなす」技術 』(きずな出版)、『不安やストレスに悩まされない人が身につけている7つの習慣 』(産学社)、共著に『産業医・労働安全衛生担当者のためのストレスチェック制度対策まるわかり』(中外医学社)などがある。



https://www.cbnews.jp/news/entry/20190215120650
 **  
医師の働き方改革、「不足」「偏在」対策と一体で推進を
全自病・小熊会長
2019年02月15日 12:30 CB News

 全国自治体病院協議会(全自病)の小熊豊会長は14日の記者会見で、国が進める医師の働き方改革について、医師の不足や偏在の対策と併せて進めるべきとの考えを示した。また、労働時間の短縮に向けた取り組み状況などを聞く会員病院向けの調査を改めて実施する方針も明らかにした。【松村秀士】

 小熊会長は、特定の医療機関での勤務医の時間外労働の上限を年1900―2000時間まで認める厚生労働省の特例案に触れ、「医師の健康は非常に重要だが、地域医療(の確保)も大変な問題だ」と指摘。その上で、医師の働き方改革について、「医師の不足、偏在と三者一体となって進めてほしい」と述べた。

 小熊会長はまた、会員病院を対象にした医師の時間外労働短縮に関する調査で、厚労省の検討会がまとめた「医師の労働時間短縮に向けた緊急的な取組」の項目内容を、自院でどれくらい実施できているかなどを聞く予定だと説明。「現実的に難しい項目や改善に向けて立ちふさがっている項目があると思うが、それらについて個々の病院がどういうふうに努力しているかを調査し、次に生かしたい」と強調した。

 全自病では、今月中に会員病院へ調査票を配布し、5月に予定している「ブロック会議」で結果を公表する予定だ。全自病が医師の働き方に関する調査を行うのは、今回で3回目となる。

 厚労省の検討会は、医療機関での「緊急的な取組」として、▽医師の労働時間管理の適正化に向けた取組▽36協定の自己点検▽既存の産業保健の仕組みの活用▽タスク・シフティング(業務の移管)の推進▽女性医師等に対する支援▽医療機関の状況に応じた医師の労働時間短縮に向けた取組―の6項目を挙げている。



https://www.m3.com/news/iryoishin/659613
「医師増は現実的でない、医療提供体制の改革を」
日医・医療政策シンポジウム2019「医師の地域偏在」
 
レポート 2019年2月14日 (木)配信橋本佳子(m3.com編集長)

 日本医師会は2月13日、医療政策シンポジウム2019「医師の地域偏在」を開催、『未来の年表 人口減少日本でこれから起きること』(講談社現代新書)の著者で、ジャーナリストの河合雅司氏は、日本が直面している課題は人口減少であり、「支え手不足の中で、今足りないところに医師を充足させるのではなく、地域社会や町づくりを進める中で、医療提供体制そのものを変えることが必要だろう」と発想の転換が求められると強調した。

 シンポジウムには、河合氏を含め、3人の演者が講演、その後、パネルディスカッションが行われた。世界医師会事務総長のオトマー・クロイバー氏は、人口減少は日本が進んでいるものの、他の国もそれに続いており、河合氏と同様に、医療提供体制を含めた社会の在り方を変えていく必要性を指摘した。聖路加国際大学学長の福井次矢氏は、臓器・疾患別専門医と総合診療医の組み合わせが望ましい医療提供体制であるとし、総合診療医養成の重要性を強調した。


 日医会長の横倉義武氏は、冒頭のあいさつで、2018年7月の医療法・医師法改正は、「医師偏在解消に向けた第一歩。これからの運用が非常に重要」と指摘し、国から都道府県等に対する説明と的確な情報提供が今後、重要になるとした。「医師の地域偏在を考える場合、何らかの仕組みをもって、医師の配置を考えていかなければならない」とも述べ、例えば眼科、耳鼻咽喉科などの専門科の医師を確保できない場合などを想定して、総合的に診る医師や、「Doctor to Doctor」のオンライン診療の在り方なども考えていかなければいけないと指摘。さらに患者や地域住民の医療に対する理解も深める必要があるとした。

 最後のあいさつで、日医副会長の中川俊男氏は、「未来を考えると人口減少や高齢化など心配なことが多いが、医師は国民にどう寄り添っていくのか、国民には医療のかかり方を考えていただきたい。未来に向けて資源の量に医療を合わせるだけではなく、驚異的に進む技術革新の力も借り、創意工夫して明るい未来を切り拓くことが必要」と締めくくった。

 プライマリ・ケアの担い手、看護師ではなく医師

 最初に登壇したクロイバー氏は、プライマリ・ケア領域において医師が果たす役割という視点から講演。OECDやコクラン・レビュー等で、「看護師が担うべき役割は拡大、看護師によるプライマリ・ケアは、医師によるものよりも、同等かそれ以上の患者満足をもたらす」との論文があることを紹介。ただし、看護師が提供するプライマリ・ケアは個別の行為にすぎないとし、医師が総合的に提供するプライマリ・ケアの重要性を強調。国民皆保険(Universal Health Coverage)の実現、必要な時には医師に診てもらうことができる体制のためにも、人的資源に対して適切な投資をしていく必要性を指摘した。

 続いて登壇した河合氏は、「これからは当面、少子化が進んでいく。人口減少を大前提に日本社会を考えていかなければいけない。これは避けられない未来」と指摘。人口減少は、(1)全体の人口は減るものの、2042年頃までは65歳以上の高齢者人口は増える、(2)その後は高齢者人口自体も減少する――という2段階で進むと説明。こうした状況にあって、「医療従事者を増やしていくことは理想なのかもしれないが、現実的ではない。他のセクターも不足している」と指摘。「地域自体を凝縮していく方が現実的な解決策ではないか。医療についても、今足りないところに医師を充足させるのではなく。医療提供体制そのものを変えることが必要だろう」と発想の転換が求められるとした。

 福井氏は、自身が構成員を務める厚生労働省の「医療従事者の需給に関する検討会 医師需給分科会」の議論の内容などを紹介。施策自体は評価するものの、「都道府県内での医師派遣調整」をはじめ、都道府県が主体となる施策が多く、実効性に不安があるとした。さらに医師の地域偏在解消には、幅広い診療能力を持つ総合診療医が有効であること、診療科偏在には専門研修の“入り口”でコントロールする必要性などを強調した。特に総合診療医については、医学教育において大学がジェネラリスト養成にネガティブな雰囲気があり、この点を変えることが求められるとした。

 医師が地方に行くためには?

 パネルディスカッションで議論になった一つが、医師偏在の具体的な解消策。クロイバー氏は、地方での仕事を魅力のあるものにするとともに、都市部で生活し、地方には週2、3日行くことが可能な体制などを構築することも有効だとした。

 河合氏は、町づくりと一体的に医療提供体制を考える必要性を指摘。四国の例を挙げ、商店街の中に住宅をつくり、そこに医療機関も開業するなど、「普通の暮らしの延長線上に医療があるという町づくり」が求められるとした。

 福井氏は、経済的なインセンティブもやらざるを得ないとしたが、「最も重要なのは、地域で働くことに魅力を感じるマインドセットを植え付けること」と強調した。

 横倉氏は、「地方で働く医師をどうバックアップしていくかが重要であるとし、「Doctor to Doctor」のオンライン診療を例に挙げた。さらに第一線を退いた世代が、地域医療に取り組む環境を作ることも必要だとした。



urumukechinpolove.tumblr.com
無診察で処方箋発行 地域医療、脆弱さ露呈 上小阿仁村 
2019年2月14日 秋田魁新聞

 秋田県上小阿仁村唯一の医療機関・国保診療所の内科常勤医が、不在で患者を診察していないにもかかわらず、処方箋を発行していた問題。無診察での処方箋発行は医師法に抵触する行為で、診療所を運営する村は「法に対する認識が甘かった」とする。常勤医はインフルエンザに感染し診察できなかったが、代わりの医師が診察する支援体制は整っておらず、地域医療の脆弱さも改めて浮き彫りとなった。

 村によると、内科常勤医の柳一雄所長(80)は5日午前8時ごろ、診療所内の検査でインフルエンザに感染していることが分かり、隣接する住宅へ戻った。村は4日間の休診を決め、午前10時半に村内全戸に設置されているIP端末機で知らせた。

 しかし、継続的に服用する持病の薬がなくなったという高齢者が、休診を知らせる前から診療所を訪れていた。「薬だけもらえればいい」と言う患者の体調を看護師が聞き取り、血圧測定などを行った上で柳所長に電話連絡し、処方箋を発行したという。



https://www.shimotsuke.co.jp/articles/-/133152
日光に医療連携法人 栃木県内初、4月設立へ 病床融通、包括ケアも 
2/13 9:46 下野新聞

 日光市と同市内の医療機関が連携し、安定した医療体制の確保を目指す「地域医療連携推進法人」について同市は12日、市内の11団体が3月末までに一般社団法人を設立し、福田富一(ふくだとみかず)知事に地域医療連携推進法人の認定申請を行うことを明らかにした。4月1日の設立を目指す。全国では7県で例があり、本県では初めての設立になる。

 同市議会議員全員協議会で明らかにした。昨年1月以降、日光市内の7医療法人(8病院)は県が行う「日光地域の医療連携に関する勉強会」に参加してきた。今月の勉強会で、さらに3診療所が最終的な参加の意思を示した。

 同市を加えた11団体が3月末までに一般社団法人を設立し、その法人が知事に認定を申請する。市は設立後も市内の医療機関に参加を呼び掛ける。



https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190215-00000008-mai-soci
南相馬小高病院に危機 市長と対立、唯一の常勤医が退職届 
2/15(金) 9:18配信 毎日新聞 福島

 福島県南相馬市立小高病院が4月以降、診療できなくなる恐れが出てきた。唯一の常勤医、藤井宏二医師(64)が6日、今年度いっぱいでの退職を届け出たことで、このままでは法律上、診療が認められないためだ。藤井医師はIT機器を使った在宅医療に力を入れており、同病院の入院機能再開を目指す門馬和夫市長との意見対立が退職する理由だ。ともに地域医療の充実を目指す思いは変わらないものの、打開策は見えていない。【高橋隆輔】

 同病院は99床の入院用ベッドがあったが、東京電力福島第1原発事故後、小高区に避難指示が出されて閉鎖された。2014年、避難指示解除に備えて外来診療を再開。16年4月に藤井医師が着任し、同年7月に避難指示が解除された。

 ただ、本来の病院棟は震災の揺れで損傷し、現在はリハビリ施設を改修して診療している。小高区は人口減少が進み、病院の収支も悪化した。市は17年12月、入院機能のない診療所とする議案を市議会に提案した。

 しかし、当時市議だった門馬氏は、翌月の市長選に入院機能再開を公約して立候補を表明しており、門馬氏を支持する市議たちが議案に反対し、小差で否決された。門馬市長は初当選後、入院機能再開を目指し、18年8月に市立病院改革プラン策定委員会を設置して検討を重ねてきた。

 門馬市長が小高病院の入院機能再開を目指す理由は二つある。一つは、住民の帰還を促すため。もう一つは、原発事故で受けられる支援の違いから生じた市内の3地区(小高区、原町区、鹿島区)の間の住民のわだかまりを解消したいとの思いからだ。3地区は第1原発からの距離の違いによって、東電の賠償金額や高速道路無料化の対象となるかどうかなど、支援に違いが生じ、市政の課題になってきた。震災で小高区のみになくなった入院機能を取り戻すのは、門馬市長の重視する政策の一つだ。

 一方、藤井医師は17年5月から、通院が困難な患者がパソコンやタブレット端末を利用して自宅で診察を受けられる遠隔診療を始めた。看護師が患者宅を訪ね、モニター画面を通じて診察することで、患者の生活の様子が医師に伝わるようになったという。

 藤井医師は、入院機能の再開について「患者は誰も必要と言っていない。市長はほとんど現場に来ない」と反対してきた。小高区の住民らでつくる小高区地域協議会も先月、遠隔診療・在宅医療の充実を求める一方で「医師確保や財政上の課題がクリアできない限り、入院機能は必要ない」とする提言書を門馬市長に提出した。

 また、藤井医師は「入院機能があるかどうかで建物の規格がまったく違う。入院機能再開を目標とすれば、それが実現するまで施設の再建も進まない」とも指摘。自身が市立病院改革プラン策定委員会のメンバーに選出されていないことなど、議論の進め方にも不信感を募らせている。

 策定委が6日に門馬市長に答申した内容は、当面、小高病院は無床診療所として在宅医療を推進する▽将来的な入院機能の再開を認めるものの、周辺医療機関に影響を及ぼさずに医師や看護師を確保し、市の財政負担も縮小する――などと入院機能再開に高いハードルを課したが、藤井医師には受け入れられなかった。

 退職届の提出後、両者は直接の対話の場も持ったが、藤井医師の退職の意思は変わらない。小高病院事務課総務係の高野真至係長は「常勤医の確保は喫緊の課題だが、誰でもいいというわけにはいかない。藤井先生のような熱意のある医師をまた見つけるとなると、ハードルは相当高い」と表情を曇らせた。



https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/int/201902/559826.html
日本医師会が医療政策シンポジウムを開催
医師偏在対策、都道府県の重過ぎる役割に懸念
 
2019/2/15 江本 哲朗=日経メディカル

 日本医師会は2月13日、医師の地域偏在をテーマに医療政策シンポジウム2019を開催した。登壇した聖路加国際大学学長の福井次矢氏は、国が策定を進めている医師偏在対策の大部分が都道府県に委ねられていることに対して懸念を示した。

 厚生労働省の「医療従事者の需給に関する検討会・医師需給分科会」では、主な医師偏在対策として、(1)地域枠や地域医療支援センターに所属する医師の派遣調整、(2)へき地に派遣される医師のキャリア形成プログラムの策定、(3)勤務環境の改善支援、(4)地域医療への知見を有する医師の大臣認定、(5)臨床研修病院ごとの研修医の定員設定──を挙げている。このうち、(4)以外の対策が都道府県に任されていることについて、「都道府県の実行力が偏在解消の決定的な因子となるが、質を担保できるのか」と問題提起した。

 また福井氏は、医師が地域に定着するためには、「経済的なインセンティブや資格を付与することで短期的な対策になる」とした上で、「そもそも地域でやりがいを持って働けるマインドセットを医師にいかに植え付けられるかが重要になる」と話した。

 2018年7月に成立した「医療法及び医師法の一部を改正する法律」では、医師偏在の是正のために都道府県が主体となって対策を行うこととされており、現在、医師需給分科会で具体策が詰められている。それによれば、まずは国が年齢別人口などを踏まえた医療ニーズに基づき、「医師偏在指数」を設定。2次医療圏ごとに医師偏在指数の上位3分の1を「医師多数区域」、下位3分の1を「医師少数区域」とする。都道府県は医師少数区域に対して、上記の(1)(2)(3)(5)の内容などを盛り込んだ医師確保計画を2020年4月に策定する。その後、3~4年のサイクルで見直すことが決まっている。



https://www.medwatch.jp/?p=24821
2017年度DPC退院患者調査、「医療の質」の担保を認―中医協総会(2) 
2019年2月14日|医療保険制度 MedWatch

 2017年度における「DPC制度導入の影響」を調査したところ、計画外の再入院率や再転棟率については、前年度と変わっておらず、「粗診粗療」は生じず、医療の質が担保されていることが分かった。また「平均在院日数の短縮」と「病床利用率の向上」とを両立できていることも明らかとなった―。

 2月13日に開催された中央社会保険医療協議会総会と、これに先立って開催された中医協の「診療報酬基本問題小委員会」に、こういった状況が報告されました。
 
ここがポイント!
1 計画外の再入院率等の上昇傾向にストップ、急性期病院全体で医療の質を確保
2 急性期病院全体として、「平均在院日数の短縮」と「病床利用率の向上」とを両立
3 先進医療A、多焦点眼内レンズ用いた水晶体再建術や陽子線治療などの実施が多い

計画外の再入院率等の上昇傾向にストップ、急性期病院全体で医療の質を確保

 DPC/PDPSのような包括支払方式では、診療の標準化・効率化が期待できる一方で、粗診粗療が生じはしないかという懸念が常に付きまといます。そこで厚生労働省は、DPC対象病院・準備病院等に対して詳細な診療データの提出を求め(義務化されている病院も)、これを集計・分析し毎年度公表しています【退院患者調査】。この集計・分析結果等を中医協で評価し、「経営のみを追求し、粗診粗療が生じていないか」「医療の質が下がっていないか」を確認しているのです。

 今般、中医協に2017年度の退院患者調査結果が報告されました。

 粗診粗療が生じていないか、を判断する指標としては、「再入院率」「再転棟率」があげられます。

 DPCにおいても、入院期間に応じて算定点数が逓減します。このため、収益アップのためには、「早期の退院(遅くとも当該診断群分類の平均在院日数である入院期間II以内)を目指し、回転率を上げる」ことが重要となります。しかし、この早期退院のみを考え、例えば「治療が不十分なまま」に、あるいは「患者の回復が不十分なまま」に患者を退院させれば、退院後に患者の容体が悪化し、短期間に再入院するケースが増えてきます。

 また、同じ病院の中に「急性期病棟(DPC)」と「回復期や慢性期の病棟(地域包括ケアや療養病棟など)」とを併設しているケアミクス病院では、同様の論理で「DPC病棟 → 回復期等の機能を持つ病棟」への転棟を過度に促進し、転棟後に患者の容体が悪化し、「回復期等の機能を持つ病棟 → DPC病棟」への再転棟となるケースが増えてきます。

こうしたことから、DPC病棟において十分な治療等が行われているか(=粗診粗療が行われていないか、医療の質が担保されているか)を見る指標として、「再入院率」「再転棟率」が重視されているのです。

もっとも、がん治療などにおいては、例えば「手術後、一度、退院等して十分に体力等の回復を図り、後に再入院して抗がん剤や放射線治療を行う」という具合に、「再入院・再転棟を計画的に行う」ケースもあります。こうした再入院は「粗診粗療の結果」とは言えないでしょう。

そこで、粗診粗療が行われていないかを的確に見る指標として、「計画外の再入院・再転棟率」が重要となってきます。この「計画外の再入院・再転棟率」は、2016年度から17年度にかけて大きく変化しておらず、「粗診粗療は生じていない」「医療の質は一定程度担保されている」と、厚労省保険局医療課の森光敬子課長は分析しています。

【I群(大学病院本院)】
▼計画外の再入院率:16年度・3.3% → 17年度・3.3%(増減なし)
▼計画外の再転棟率:16年度・0.00% → 17年度・0.00%(増減なし)

【II群(大学病院本院並みの医療提供を行う病院)】
▼計画外の再入院率:16年度・4.2% → 17年度・4.2%(増減なし)
▼計画外の再転棟率:16年度・0.01% → 17年度・0.01%(増減なし)

【III群(I群・II群以外の病院)】
▼計画外の再入院率:16年度・4.5% → 17年度・4.5%(増減なし)
▼計画外の再転棟率:16年度・0.08% → 17年度・0.08%(増減なし)

【DPC準備病院】
▼計画外の再入院率:16年度・4.2% → 17年度・4.1%(0.1ポイント改善)
▼計画外の再転棟率:16年度・0.19% → 17年度・0.20%(0.01ポイント悪化)

【出来高病院(データ提出加算取得病院)】
▼計画外の再入院率:16年度・4.3% → 17年度・4.2%(0.1ポイント改善)
▼計画外の再転棟率:16年度・0.30% → 17年度・0.29%(0.01ポイント改善)

 2012-15年度の「予期されぬ再入院率」については、若干の増加(悪化)傾向にありましたが、2016年度以降、この傾向にストップがかかり、「医療の質が担保されている」と見ることができそうです。

 なお、この再入院率等については、2015年度調査まで「計画的」「予期された」「予期されぬ」の3分類となっていたため、2分類に変更された2016年度以降調査との比較は困難です。

急性期病院全体として、「平均在院日数の短縮」と「病床利用率の向上」とを両立

 上述したように、DPC病院においても収益増のためには、「早期の退院(遅くとも当該診断群分類の平均在院日数である入院期間II以内)を目指す」ことが重要です。

 これを裏付けるように、平均在院日数は短縮傾向にあります。在院日数の短縮は、「病院の収益」という面だけではなく、「ADL低下の予防」「院内感染リスクの提言」「早期の社会復帰による患者のQOL向上」という面でも大きなメリットがあります。また大学病院本院以外のDPC病院に限れば、「医療の質を維持した上での在院日数を短縮」は、「診療密度の向上」(係数の高いDPC特定病院群の要件の1つ)にもつながります(逆に言えば、診療密度向上のためには、在院日数の短縮が重要となる)。
 
 しかし、単に在院日数を短縮するだけでは、「空床」を生み、逆に収益の悪化を招いてしまいます。そこで、在院日数の短縮と併せて、新規患者獲得(紹介患者の確保や、重症救急搬送患者の受入れなど)を同時に進めることが重要になるのです。

 この点、全体として病床利用率は下表のように「上昇傾向」にあることが分かりました。なかなか難しい、「平均在院日数の短縮」と「病床利用率の向上」とを、急性期病院全体として両立できている格好です。

 中医協では、診療側の松本吉郎委員(日本医師会常任理事)から「DPC病棟を退院した患者の多く(70-85%程度)は、自宅等へ退院し自院の外来を受診することになる。その後の状況についても、追跡していく必要があるのではないか」との提案がありました。森光医療課長は、他の入院医療に関する調査結果と併せて、「後の状況」を把握・分析していく考えを示しています。

 
 なおグローバルヘルスコンサルティング・ジャパン(GHC)では、間もなく、退院患者調査のデータを次世代型病院経営支援ツール「病院ダッシュボードχ」に反映させます。ご期待ください。

先進医療A、多焦点眼内レンズ用いた水晶体再建術や陽子線治療などの実施が多い

 2月13日の中医協総会では、先進医療の状況報告も行われています。
 
 先進医療には、薬事承認等を受けている医薬品・医療機器等を用いる「先進医療A」(現在28技術)と、薬事承認等を受けていない医薬品・医療機器等を用いる「先進医療B」(現在64技術)があります。
 いずれも、保険適用されていない医療技術(先進医療)について、保険診療との併用を認めることで症例を確保しやすい環境を整え、効果検証等を踏まえて「将来的な保険導入」を目指す仕組みです。

保険導入に向けて、各技術がどのような成果をあげているのか、その進捗状況を定期的に中医協でチェックすることとなっており、今般、「2017年7月から2018年6月までの実績」が厚労省保険局医療課の古元重和企画官から報告されたものです(十分な効果なく、漫然と実施することは、医療安全・医療保険財源など様々な面から許されない)。

▽先進医療A
・794施設で、2万7832人の患者に実施
・総費用は274億2000万円で、うち患者負担は85.9%にあたる235億7000万円
・実施件数・費用等が大きなものとして、▼多焦点眼内レンズを用いた水晶体再建術(2万3859人の患者に実施し、総費用170億円強、うち患者負担総額は156億円強、1件当たり患者負担は66万円弱)▼陽子線治療(1663人の患者に実施し、総費用は54億円強、うち患者負担総額は45億円強で、1件当たり患者負担は271万円強)▼重粒子線治療(1008人の患者に実施し、総費用34億円強、うち患者負担総額は32億円弱、1件当たり患者負担は313万円強)―など

 
▽先進医療B
・233施設で、707人の患者に実施
・総費用は10億4000万円で、うち患者負担は41.9%にあたる4億4000万円(入院期間等が長く、保険診療部分のシェアが大きくなり、逆に患者負担のシェアが先進医療Aに比べて小さくなる)
・総費用が数百万円から数千万円の技術が多いが、「S-1内服投与、シスプラチン静脈内投与及びパクリタキセル腹腔内投与の併用療法(腹膜播種を伴う初発の胃がん)」では、総費用が1億円強となっている(58人の患者に実施、1件当たり患者負担は8万円弱)



  1. 2019/02/17(日) 09:38:13|
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2月10日

https://www.toonippo.co.jp/articles/-/150300
むつ病院の常勤医5人増の見通し 市長発表 
2019年2月8日 東奥日報

 青森県むつ市の宮下宗一郎市長は8日、慢性的な医師不足が続いている同市のむつ総合病院に、2019年度末までに、新たに常勤医5人が赴任する見通しになったと明らかにした。弘前大学医学部から派遣を受ける。ほかに、弘大などからの非常勤医の診療応援も増える見込み。常勤医が不在だった脳神経外科は手術対応が可能になるほか、新たに腎臓内科の診療ができるようになる。



http://www.minyu-net.com/news/news/FM20190209-349714.php
小高病院唯一の常勤医が退職届 入院機能再開を巡り市長と相違 
2019年02月09日 10時25分 福島民友

 南相馬市の門馬和夫市長が目指す市立小高病院の入院機能再開を巡り、同病院の管理者で唯一の常勤医を務める藤井宏二医師(63)が、市に退職届を提出したことが8日、分かった。藤井医師は「医療過疎地域で入院機能を再開させることは非現実的」とし、小高の医療の在り方について門馬市長の考えと相違があることが理由としている。

 藤井医師は入院機能の再開を望む患者はいないとし、「在宅医療など新たな診療体制の充実を図る方が重要だ」と話し、3月いっぱいで退職する意向。

 市立病院改革プラン策定委員会が6日、医師確保などの条件付きで同病院の入院機能を再開させるとする市立病院病床再編計画の素案を門馬市長に提出。これを受けて、藤井医師は辞意を固め、市は7日に退職届を受け取った。

 市によると、医療法では病院の管理者を務める常勤医がいない場合は診療行為ができないとし、藤井医師が退職した場合、市は4月までに小高病院の常勤医を確保できなければ診療は休止となる。

 藤井医師は京都府から同市に移住し、2016(平成28)年4月に小高病院などの非常勤医として着任。翌17年4月から同病院の常勤医として勤務している。

 小高病院は東日本大震災と東京電力福島第1原発事故前、7診療科と99床を備えていた。14年に外来診療を再開させた。入院機能は医療従事者不足などにより再開していないが、遠隔診療システム(オンライン診療)の運用など在宅医療の充実を図ってきた。同病院では現在、常勤の藤井医師のほか、非常勤の医師3人が診療に当たっている。

 門馬市長は8日、「(藤井医師に)引き続き小高の地域医療のためにご尽力いただけるようお願いしたい」とコメントを発表。管理者の任命権を持つ門馬市長は今後、藤井医師と話し合いを進めながら対応を検討する。



https://www.sankei.com/region/news/190205/rgn1902050020-n1.html
桐生など3地域に医師優先配置 県や群大など不足深刻化で提案 
2019.2.5 07:04 産経新聞 地方群馬

 県や群馬大などは、県内の医療関係団体が参加する「ぐんま地域医療会議」にて、平成31年度に向けた県内の医師の適正配置方針をまとめた。医師不足が特に深刻化し、緊急の対応が必要とみられる県内3地域に医師を優先的に配置することを提案した。

 会議は、県内の医師の適正配置などに向けた方針を協議する場として、昨年3月に発足。これまでに4回会合を開き、群馬大が県内の130病院に対して行った医師の勤務実態に関する調査や県内病院からの医師配置の要望を基に意見交換などを行ったという。

 会議では、桐生厚生総合病院の外科医が流出する恐れがある桐生市▽当直可能な医師の不足で、小児二次救急輪番体制の維持が困難になっている西毛圏域(高崎・安中・藤岡・富岡)▽県立小児医療センターで産科医が不足する渋川市-の3地域に関して緊急の対応を実施することが提案された。

 調査では、消化器や循環器などの内科分野でも医師配置の要望が多かったことが判明。総合診療や整形外科の医師配置を求める要望も寄せられたという。



https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201902/20190209_11041.html
<栗原市>産婦人科・小児科開業に助成 新年度予算案、宮城県内で初めて 
2019年02月09日土曜日 河北新報

 深刻な産婦人科、小児科医不足に対応するため、宮城県栗原市は2019年度、市内で開業する産婦人科医と小児科医を対象に開設経費の一部を助成する方針を決めた。上限額は1億円で、19年度当初予算案に同額の債務負担行為を設定する。市によると、開業経費を自治体が負担して民間医を招請する試みは県内で初めて。
 対象は施設整備や医療機器の購入などで、助成額は経費の2分の1以内。新規開業のほか、現在ある施設を活用して診療所を継続する際も充当できる。期間は19~23年度で、市は各年度に1億円の債務負担行為を設定する。
 市内には産婦人科と小児科を専門とする診療所が一つずつしかなく、ともに医師が60代で、後継者の確保が課題だ。市は18年4月に助成事業の検討を始め、北海道北広島市が導入した同様の施策を参考に事業化を決めた。
 千葉健司市長は「民間医の再生は大きな課題だ。自身が選挙公約にした市立病院への産婦人科設置に向けた取り組みは継続しつつ、市民の不安払拭(ふっしょく)を図っていきたい」と述べた。



https://dot.asahi.com/toyo/2019020400056.html
「病院大淘汰」都心立地ですら安泰じゃない過酷 
井艸 恵美2019.2.5 10:30東洋経済  #病院
週刊東洋経済 2019年2/9号 [雑誌](病院が消える)

実需次第で再編すれば今の半分でも成り立つ

「医は仁術」というが、経営が安定しなければ医療の質は保てない。赤字経営を放置すれば、病院の存続自体が危うくなる。

 2月4日発売の『週刊東洋経済』は、「病院が消える」を特集。人口減少や医師不足、コスト上昇で病院の経営は厳しい。診療中止や民事再生に至った病院を追っている。

 今年1月、東京都中央区の石川島記念病院は白い仮設の壁で囲まれていた。壁には診療中止を知らせる貼り紙があり、道行く近隣住民が足を止めて眺めていた。近くのマンションに住む女性は、「自分もかかったことがあるが、休院とは知らなかった」と驚く。

 この病院は47床の入院病床があり、内科や整形外科、心臓病センターなどの診療科を設けていた。が、昨年12月から経営悪化を理由に診療を休止していた。近くに住む男性は、「突然診療をやめて困っている。この地域は高齢者が多いが、整形外科が少ない。腰を痛めた母親が通っていたが、ほかの病院を探さなければいけなくなった」。また、中央区に3つある2次救急指定病院の1つだったが、9月から救急患者の受け入れも中止していた。

 中央区医師会の遠藤文夫会長は、「廃止は寝耳。医師会にも直前まで連絡がなかった。中央区は治療後のリハビリや療養が必要な患者に対応する病院が不足している。石川島記念病院は、こうした患者の受け皿になっていた」

 昨年9月、病院側から東京都に連絡があった時点で、病院は休止ではなく廃止の予定だった。石川島記念病院は、もともと大手重工業メーカー・IHIの健康保険組合が運営していた病院だ。それが2012年、医療法人社団健育会に特例で譲渡されていた。それにもかかわらず、たった6年で休止になったのだ。病院に対し東京都は再開を要請しているが、都の担当者は憤りを隠せない。

「健育会に引き継がれたのは、特例措置だった。本来なら病院を廃止したうえで開業という流れになるが、この地域はすでに病床数が多かったため、新しい病院を設立できなかった。しかし、『地域医療を守る責任を果たす』という条件で、特例的に引き継ぎが認められた」

『週刊東洋経済』は、法人の直近3期分の財務諸表を入手した。2015年は約5億円の最終赤字、2016年は約1200万円の黒字を出しているものの2017年は17億円の最終赤字に転じていた。健育会は石川島記念病院以外にも、板橋区の竹川病院や静岡県の熱川温泉病院、神奈川県の湘南慶育病院など7病院を運営している。健育会の担当者は、病院ごとの財務の詳細は明かせないというが、石川島記念病院について「2014年に新設した心臓病センターが地域のニーズに合わず、患者が集まらなかった」と説明した。

 この病院の元職員は、こう実情を明かす。

「診療中止には驚かなった。石川島記念病院の赤字によって法人が運営する他の施設の黒字を帳消しにする状態だった。もともと高齢者向けのリハビリや療養の病院に強い法人で、心臓病治療に関しては素人。近くに聖路加国際病院などの有力病院がある中で、素人集団が心臓病センターを構えても儲からないのは当たり前だ。心臓病を手術する医師とのつながりがないから有力な医師を確保できず、周りの診療所からの紹介も得られない」

 東京都と医師会からの要請を受けて同院は、心臓病治療からリハビリや整形外科を中心にした診療に切り替えて、今年9月以降に再開を予定している。

●病院数が過剰な日本、再編と淘汰の時代へ

 この病院のように地域のニーズを見誤れば、たちまち経営が傾いて存続不可能になる。個別の経営だけが問題なのではない。日本は、世界の中で圧倒的に病院数が多い「病院過剰」国だ。人口当たりの病院数は、OECD(経済協力開発機構)加盟国中2位。しかも、患者数(人口)は長期的に減少する。一方で、人口当たりの医師数はOECDの中で26位と、医師の数は多くない。

 日本病院会の相澤孝夫会長は、「日本の病院は天空の城」だと言い切る。「地上で何が起こっているかは見ていない。アンバランスな供給体制を実需に合わせて再編すれば、病院は多くても今の半分の4000病院あれば成り立つ」。

 厚生労働省は地域医療体制の再編を目指す「地域医療構想」を掲げ、人口動態を基に2025年のあるべき日本の病床数を試算した。それによると13年度対比で約15万床過剰とされている。多くの地域で再編と淘汰は避けられない。

 日本の病院経営は厳しい。医療法人は全体の約34%が赤字経営だ。自治体立病院は自治体からの繰入金を含めなければ約9割が赤字、含めても約6割が赤字である。

 社会保障費抑制の流れを受けて、医療サービスの価格(診療報酬)は伸びない。だが消費増税によって病院側のコスト負担は増えた。患者が支払う医療費には消費税がかからないが、薬剤費など病院が払うコストには消費税がかかるためだ。

 追い打ちとなるのは、働き方改革関連法だ。医師への本格的な適用は2024年4月からだが、これまで青天井だった医師の時間外労働が是正されることになる。年々低下してきた利益率がさらに圧迫されると予想される。コスト削減や業務の効率化など生産性を上げる努力が急務である。

●患者減少、医師不足…消耗戦の末共倒れに

2017年に民事再生法の適用申請に至った岐阜市の医療法人社団誠広会は、医師不足と患者数の激減が経営悪化の一因となった。この法人が運営する岐阜中央病院は、ピーク時の2008年は年間11万人だった患者数が6万人まで激減した。「最盛期は警備員が必要なほど駐車場が埋まっていたが、最後にはがら空きになった」と元職員は話す。

 大学病院から派遣されていた医師が徐々に引き挙げられ、内科の医師は2人にまで減っていた。周囲の診療所から患者を紹介されても入院を受け付けられず、別の病院に紹介するという事態まで起こっていた。「残った常勤医師は70代。372床の病床数はとても回せない。いつまでもつかという状況だった」(元職員)。

 現在は医療法人清光会に譲渡され、岐阜清流病院として再起を図っている。清光会理事長の名和隆英医師は、「急性期病院から回復期に移行する患者の受け皿となるように、リハビリ機能を強化している」と話す。名和医師は元大学病院の勤務医で、大学とのつながりが強い。医師の確保に尽力し、現在は徐々に患者が戻ってきているという。

 日本は急病や重症患者に対応する急性期の病院が多い。地方都市では急性期の病院がひしめき合っているが、実際は患者数上位の5~6病院が大部分のシェアを占めている。中位以下の病院は現在のままの病院形態に固執すると生き残りが難しい。郊外ではすでに上位の病院でも患者数減少が始まっている。今後も消耗戦を続ければ、共倒れしかねない。

「命のために」という大義があっても、すべての病院は生き残れない。病院大淘汰の時代が迫ってきている。

(井艸 恵美 : 東洋経済 記者)



http://yamagata-np.jp/news/201902/06/kj_2019020600095.php
分娩が20年2月で終了・天童 市民病院、医師定年で妊婦健診のみに 
2019年02月06日 07:26 山形新聞

 天童市民病院が2020年2月をもって、分娩(ぶんべん)の取り扱いを終了することが5日、分かった。2人いる産婦人科医が19年度いっぱいで定年退職するため。産婦人科の医師不足を踏まえ、県と山形大医学部が始めたモデル事業「県産科セミオープンシステム」に参加し、妊婦健診のみを担う。

 同病院産婦人科の常勤医は現在、高橋秀幸医師と金子尚仁医師。外科のベテラン医師の協力を得ながら、年間170件ほどの出産に当たっている。2人とも19年度で65歳の定年退職を迎える。

 県産セミオープンシステムは「妊婦検診は近くの病院・診療所で、お産は体制が整った総合病院で」をコンセプトとした周産期システム。妊婦は妊娠した段階で共通診療ノートの発行を受け、妊娠33週までの通常健診は自宅や職場から近い病院・診療所で行い、34週以降は分娩準備のため総合病院で健診を受ける。

 今年1月、村山地域で運用を開始。市によると、分娩施設は県立中央病院、山形済生病院、山形市立病院済生館、山形大医学部付属病院の4施設、通常の健診施設は山形、天童、上山、東根、寒河江の5市の12施設からなる。通常健診を担う公立施設には、天童市民病院のほか、18年4月に分娩を休止した北村山公立病院(東根市)も名を連ねている。

 同市民病院は常勤医がいなくなる20年3月以降は、現在の常勤医2人を非常勤で再任用する方針で、妊婦健診と婦人科業務を担う。同病院事務局は「産婦人科医の不足は全国的な流れであり、分娩終了はやむを得ない。病院の機能分担により分娩は医師や設備が整った施設に任せ、われわれにできることに専念したい」としている。



https://www.medwatch.jp/?p=24685
「将来においても医師少数の都道府県」、臨時定員も活用した地域枠等の設置要請が可能―医師需給分科会(3) 
2019年2月4日|医療計画・地域医療構想 MedWatch

 2022年度以降、医学部の臨時定員増などを改めて議論することとなるが、その際には「医師が少数の都道府県では、知事が臨時定員も活用した地域枠・地元枠の設置を要請できる」が、「医師が多数の都道府県で、医師が少数の2次医療圏がある場合には、知事は恒久定員を活用した地域枠・地元枠の設置のみ要請できる」こととする―。

 1月30日に開催された「医師需給分科会」(「医療従事者の需給に関する検討会」の下部組織)では、こういった点が議論されました(関連記事はこちらとこちら)。
 
将来の医師の多寡については、必要医師数と供給数で判断する
地域の医師偏在を解消する最も有効な手段の1つとして、大学医学部の地域枠・地元枠(以下、地域枠等)があげられます。一定期間、当該都道府県での勤務を条件に、奨学金等が支給される仕組みで、2018年の改正医療法・医師法では、都道府県知事に地域枠等の設置要請権限を付与しています。

ただし、医師養成には10年程度かかる(医学部6年、初期医師臨床研修2年など)ことから、その効果が現れるまでには一定の時間が必要です。このため、新たな「医師確保計画」に基づく医師偏在対策の中では、「長期的な偏在対策」に位置付けられています(短期的な偏在対策として医師派遣や医師少数地域等での勤務認定などがある)。
 
現在、地域枠等は、医学部入学定員のうち「臨時定員増」(下図の赤色部分)の中で設けられていますが、この臨時定員増は2021年度の入学者で一旦終了し、2022年度以降の定員をどう考えていくかは、新たな需給推計に基づいて別途議論していくこととなっています(関連記事はこちら)。
 
ただし、その議論のベースとなる考え方、つまり「どの都道府県知事に、地域枠等の設置要請権限を認めるか」については、医師需給分科会で、これまでに次のような方針が固められています(関連記事はこちら)。

【後述する考えに基づいて「医師が少数である」と判断された都道府県】
▽うち、「医師が少数の2次医療圏」がある都道府県
→都道府県知事が大学医学部に対して、▼地域枠(恒久定員:上記青色部分)の設置・増員▼地元出身者枠の設置・増員▼地域枠(臨時定員:上記赤色部分、詳細は今後議論))の設置・増員―を要請できる

▽うち、「医師が少数の2次医療圏」のない都道府県
→該当なし

【後述する考えに基づいて「医師が多数である」と判断された都道府県】
▽うち、「医師が少数の2次医療圏」がある都道府県
→都道府県知事が大学医学部に対して、▼地域枠の設置・増員(恒久定員:上記青色部分)―のみ要請できる

▽うち、「医師が少数の2次医療圏」のない都道府県
→地域枠等の設置・増員要請はできない
 
 ここで、医師の「少数、多数」を判断する際には、「現時点で少数なのか、多数なのか」それとも、「将来において少数なのか、多数なのか」によって、異なる考え方をする点に留意が必要です。

 前者の「現時点で少数なのか、多数なのか」は、すでにメディ・ウォッチでお伝えしたように、新たな医師偏在指標(人口10万対医師数に地域住民・医師の高齢化などを勘案)を用いて判断します(下位33.3%が医師少数地域と判断される、関連記事はこちら)。一方、後者の「将来において少数なのか、多数なのか」を判断する際には、新たな偏在指標を「2036年時点」に置き換えることが必要です。地域枠等を考える際には、この考え方で「医師が少数・多数の地域」を判断していきます。
 
 このような考えに基づいて、「都道府県全体が医師少数か多数か」「当該都道府県の中に医師少数2次医療圏はあるか、ないか」を組み合わせ、上記の4分類となるのです。

 
 「医師が少数である」と判断され、「医師が少数の2次医療圏」がある都道府県では、前述のように、都道府県知事が大学医学部に対して地域枠等の設置を要請できます。その際に、「地域枠等を何名程度にするのか」については、2次医療圏ごとの「必要数と供給数との差」の累計で考えることになります。

 医師の必要数は、▼高度急性期・急性期・回復期・慢性期の機能ごとの推計患者数▼医師の働き方改革(時間外労働上限が厳しくなれば、必要な医師数は増加する)―などを勘案して地域ごとに推計します。一方、医師の供給数は、「医学部入学定員」をベースに推計します。

 例えばX県にA・B2つの医療圏があり、A医療圏では「必要数が供給数を10名上回っている」(将来、10名の医師不足となる)、B医療圏では「必要数が供給数よりも5名下回っている」(将来、5名の過剰となる)といった場合には、X県知事は大学医学部に対し「5名(10-5)の地域枠等を設定してほしい」と要望することが可能です。

恒久定員(上記青色部分)はもちろん、臨時定員(上記赤色部分、具体的な数等は今後検討)も活用して、地域枠等を設置することが可能です。恒久定員100名の大学であれば、例えば、恒久定員の中で3名分の、臨時定員2名分の地域枠を設けるようなイメージで、この場合、当該大学の定員は102名に増員されます(通常枠97名(100-3)、恒久定員の地域枠3名、臨時定員の地域枠2名)。
 
 
一方、「医師が多数である」都道府県のうち、「医師が少数の2次医療圏」がある都道府県では、当該2次医療圏について地域枠等設置が可能ですが、この場合には、当該県全体で見れば多数の医師が配置されているため、臨時定員を活用することはできません。恒久定員(上記青色部分)を活用してのみ、「医師が少数の2次医療圏」対応を行うことが可能となります(恒久定員が100名の大学に対し、10名の地域枠等設置を要請した場合、当該大学では通常枠90名、地域枠等10名となる)。

 
 地域枠等と医学部入学定員をクロスされた議論は、少々複雑なため、1月30日の医師需給分科会では「完全了承」とまではいかず、次回以降、改めて整理して議論することになっています。もっとも、既に医師需給分科会(2018年10月24日の会合等)で議論済の内容であり、この方向で了承されることになるでしょう。



https://ibarakinews.jp/news/newsdetail.php?f_jun=15495360609455
なめがた地域医療センター 病院規模、大幅縮小へ JA茨城県厚生連検討 
2019年2月8日(金) 茨城新聞

■入院や夜間救急中止

JA茨城県厚生連が「土浦協同病院なめがた地域医療センター」(行方市)の大幅な規模縮小を検討していることが7日、関係者への取材で分かった。今春からの入院病棟の段階的な閉鎖や、夜間救急の受け入れ中止案が浮上している。同病院は医師不足が顕著な鹿行地域に2000年開院し、救命救急を含む地域医療の中核的な役割を担っており、規模縮小となれば地域住民に深刻な影響を与えそうだ。

関係者によると、今年4月から急性期病棟を1カ所閉鎖し、20年4月からは入院患者の受け入れ自体の取りやめを視野に入れている。夜間救急の取りやめも検討している。背景には運営状況の悪化などがあるとみられる。

厚生労働省調査(16年時点)の人口10万人当たりの医師数別で見ると、鹿行医療圏は95・7人と県内で最も少なく、全国的に見てもワーストクラスとなっている。同地域の医師を確保するため、県とJA県厚生連、筑波大が連携して筑波大に寄付講座を設置し、同病院は筑波大から医師の派遣を受けている。

同病院は24時間365日体制で重い症状の救急患者を受け入れる「地域医療センター」として県が指定。行方、鉾田両市などの救急医療の中核を担う。17年の救急受け入れ件数は約1600件で、このうち約800件が夜間救急だった。

行方市の鈴木周也市長は茨城新聞の取材に、同病院の規模縮小について「正直驚いている。鹿行地域は医療機関の体制が脆弱(ぜいじゃく)で、(同センターの)救急部門や入院機能などが撤退するとなると、地域の医療を守ることができなくなってしまう恐れがある」と危機感を示し、「今後、厚生連や県に対し、地域医療を守るための対策を講じてもらうよう要望活動を行っていきたい」と話した。(成田愛、石川孝明)

★土浦協同病院なめがた地域医療センター

JAグループ茨城の県厚生連が県内6番目の病院として2000年6月、行方市井上藤井に「なめがた地域総合病院」として開院。一般病床199床。06年4月には救命救急センターを開設。鹿行地域で唯一、重篤な救急患者に対応する三次救急医療機関として、救命救急センターに準じた「地域救命センター」に県から指定されている。16年3月、土浦協同病院の移転に伴い現名称に変更し、同病院との連携を強化した。



https://toyokeizai.net/articles/-/263911
日本で「病院が足りてない町」は一体どこなのか
市町村別の全国偏差値をマップで見てみよう
 
井艸 恵美 : 東洋経済 2019/02/05 5:10

病院は身近にあって当たり前。日本は、世界的に見ても「病院天国」といってよい。しかし、人口減少や医師の働き方改革によるコストアップなど、病院を取り巻く環境は年々、厳しくなっている。

いつも行っていた病院が突然なくなる――。そんな日が現実味を増している。2月4日発売の『週刊東洋経済』では、「病院が消える」を特集している。

患者が気になるのは、「自分の住む町の医療サービスは充実しているのか」ということ。日本は人口当たりの病院数が韓国に次いで多いが、国内では偏在が起きている。病院が足りていない地域、過剰な地域はどこか。

医療経営コンサルティングの「グローバルヘルスコンサルティング・ジャパン」の協力で、①急性期病床(急患や重症な病気に対応)数、②回復期病床(急性期の後の治療に対応)数、③常勤医師数について、市町村ごとに偏差値形式で計算した。

郊外のベッドタウンで病院が不足
偏差値は、平均50と置いたうえで、それぞれのデータの平均からの隔たりを測るもの。今回の偏差値で、どの数値からが過剰あるいは不足とは言い切れないが、偏差値が70に近い、あるいは40に近いということは、医療資源(病院と医師)が全国平均よりかなり乖離(かいり)していることを示している。

本特集に併せて『週刊東洋経済プラス』で公開した二次医療圏マップ(https://toyokeizai.net/sp/visual/tkp/medicalarea/)は、人口10万人に対する、①急性期病床数、②回復期病床数、③常勤医師数、の3つについて、国の公開データを基に計算した。地域性を示すため、人口動態を基に都市区分を「大都市」「地方都市」「過疎」に分類している。

医療資源が不足している地域は、急性期病床、回復期病床、常勤医師数がいずれも、全国平均(偏差値50)より見劣りする地域だ。

埼玉県の川口市、蕨市、戸田市では、急性期が40.2、回復期が39.5、医師数は44.4といずれも偏差値が低い。また東京都八王子市、町田市、日野市、多摩市なども全国平均より低い。これらの地域はベッドタウンとして発展してきたが、病院や医師の供給が追いついていないことがわかる。

一方、病院数が過剰な地域は、急性期病床と回復期病床の偏差値が高い地域である。とくに回復期病床は西日本に多く、日本の医療の「西高東低」ぶりが表れた。

例えば、高知県の高知市、土佐市を中心とした地域の偏差値は、急性期が69.2、回復期が66.5と高い。高知県は、1日の平均外来患者数と1人当たりの医療費が全国1位になっている。過剰な供給体制が需要を生み出している可能性がある。

注目したいのは、病床数の偏差値が高いのに、医師数が低い地域だ。例えば、広島県の三原市を中心とする地域では、病床数はいずれも偏差値60を上回るが、医師数の偏差値は49.7。病院(病床)数に見合う医師がいないということだ。住民としてはやりきれないかもしれない。

千代田区、中央区、文京区…都心部で高齢者医療が不足
日本は高齢化社会がいっそう進む。今後増加する高齢者に対応する病院が不足している地域はどこか。

着目すべきは、急患や重症患者に対応する急性期病床は足りているが、治療が終えた後の回復期の病床が足りていない地域である。例えば、東京都の千代田区、中央区、港区、文京区、台東区などでは、回復期の偏差値が41.2と低い。

「国際的な統計を踏まえると、日本の急性期病床はOECD(経済協力開発機構)平均のほぼ倍だ。急性期病床が国内の平均より少ない地域であっても、国際比較では過剰という地域は多い。一方、回復期病床は、国際的な平均からすると圧倒的に足りていない。日本の平均を上回っていても、現実的には不足している地域がある点に注意したい」とグローバルヘルスコンサルティング・ジャパンの森本陽介氏は指摘している。 

体力が落ちている高齢者にとって、治療後に自宅に戻るまでの支援を行う回復期の病院は欠かせない。回復期が少ない地域では、今後、急性期病院の機能を回復期へと変えていく必要があるだろう。



https://www.medwatch.jp/?p=24721
地域医療提供体制の再編、データの背景を読まなければならない 
2019年2月5日|GHCをウォッチ  MedWatch

 地域医療提供体制の再構築を目指して、「地域医療構想」の実現に向けた議論が各地で進められているが、一般には十分な情報提供はなされていない。公表されている「病床機能報告」データからは地域における医療提供体制の「歪み」が明らかになるが、そのデータの背景までも十分に勘案した議論が必要である―――。

 こうした問題意識に基づき、グローバルヘルスコンサルティング・ジャパン(GHC)は公開データを用いた分析を実施。その結果が東洋経済新報社の発行する2月4日の「週刊東洋経済」(一部記事紹介はこちら)へ、5日の「東洋経済オンライン」へ掲載されました(データ詳細はこちら)。

ここがポイント!
1 「人口動態」「病床数」「医師数」をもとに、各地域の現状を分析
2 病床機能報告データは「病棟単位」で機能を決めるという限界がある
3 二次医療圏には合理性なし、根本から見直す必要がある
4 医療提供体制改革・働き方改革のカギ握る「IDS」

「人口動態」「病床数」「医師数」をもとに、各地域の現状を分析

 「週刊東洋経済」では「病院が消える」と題した特集を企画。そこではGHCによるデータ分析結果のほか、GHCが経営支援する相澤病院の相澤孝夫・日本病院会会長のインタビュー(記事詳細はこちら※無料会員限定記事)、旭川赤十字病院と社会医療法人宏潤会大同病院でのGHCによるデータ分析に基づく経営改善事例、GHCがサポートした魚沼基幹病院での病院統合の事例などが紹介されています。GHC創業者であるアキよしかわのインタビューも掲載されています(記事詳細はこちら※有料会員限定記事)。

 冒頭に述べたように、各地で地域医療構想の実現に向けた議論が進められています。そこでは、さまざまな診療実績データなどをもとに、医療提供体制の機能分化、連携の強化に向けた検討が行われていますが、そうしたデータは機微性が極めて高いことから一般には公開されません。

 そこでGHCでは、唯一の公開データとも言える「病床機能報告」結果をもとに、今後、各地域の動向を左右する変数と考えられる「人口動態」「病床数」「医師数」の3つを用いて地域の状況を可視化。今後の各地の動向を探る一助とすることを目指しました。データ分析結果の一部は「週刊東洋経済」の本誌に、全データ分析結果は「東洋経済オンライン」に掲載されています。

 具体的には、国勢調査の人口等基本集計と病床機能報告結果のデータをクロスさせ、人口10万人当たりの「急性期病床数」「回復期病床数」「医師数」を算出。さらに全国の二次医療圏を「大都市地域」「地方都市地域」「過疎地域」の3つに分類した上で、偏差値を用いて各二次医療圏の状況を可視化しています(文末にデータ出典と定義詳細を掲載)。その結果、各地の医療提供体制には大きな「歪み」「バラつき」のあることが再確認されました。

病床機能報告データは「病棟単位」で機能を決めるという限界がある
 ところで今回のデータ分析結果は、日本国内を対象にした相対評価であり、あくまで今後の地域の動向を占う上での参考として捉えるべきものです。このデータのみをもとに「自地域では他地域や全国平均に比べて病床が不足している。増床や病院の新設が必要である」と考えることは早計に過ぎます。

 国際統計を踏まえると、日本は先進諸国(OECD)の平均と比較して人口当たりの医師数が少なく、その一方で急性期病床数はOECD平均(人口千人当り3.7床)のほぼ倍(同7.8床※一般病床の回復期リハビリテーション病床と地域包括ケア病床を除くと7.0床)となっており、「ベッド数が多いために、患者1人当たりの医師数が少ない」状況にあることが分かっています。この、いわば「病床の分散」は、後述するように「医療の質」を低下させる要因となっています。国内平均と比べれば「急性期病床が少ない」(今回の分析結果では偏差値が低い)とされる地域であっても、国際比較すると「過剰である」という地域が多いのが実情なのです。

 ここで、データ分析結果を見る上での、重要なポイントを2点紹介しましょう。

 1つ目は、「病床機能報告」結果の限界です。病床機能報告に当たっては「当該病棟に最も多いと思われる患者の状態を、当該病棟の機能とする」というルールがあります。したがって、40床ある病棟で、21名の急性期患者が入棟し、19名の回復期患者が入棟している場合には、当該病棟の40床すべてが「急性期」と報告され、「19床分は実質的に回復期を担っている」といった点はおもてに出てこないのです(データ上は判別できない)。

 さらに、「病床機能報告」では、定性的な基準しかなく、病院自らが機能を選択します。したがって、「手術を月1に一度も実施していない急性期病棟」が存在してしまっているのです。

 一方で、地域医療構想は、地域の推計患者数をベースに、「2025年に必要となるベッド数」を算出しています。このため、病床機能報告結果と地域医療構想とは全く性質が異なり、両者を単純に比較して、「この地域では、○○機能が●●床不足している」と結論を出すのは早計に過ぎるのです。

 地域医療構想では、2025年の回復期病床ニーズは2013年度に比べて3.4倍必要と推計されており、(下図=医療・介護情報の活用による改革の推進に関する専門調査会より抜粋=参照)、現状では絶対的な不足が指摘されています。極めて大きな乖離があることから、「急性期等から回復期機能への転換」が求められている点に疑う余地がありませんが、「どの程度、地域で回復期機能が不足しているのか」は、今回のデータからは明確になっていません。

二次医療圏には合理性なし、根本から見直す必要がある
 2番目に、「患者の流出入」の勘案をしなければならないという問題があります。これは、例えば「埼玉県の患者であっても、東京都へのアクセスがよい地域の居住者は、東京の医療機関を受診・入院する」ことが珍しくないといった問題です。埼玉県は病床が少ない地域として有名ですが、本当に病床が少なく、不足しているのかどうかは、東京都への患者流出などを十分に勘案しなければ判断できないのです。

 このため、医療提供体制を考えるにあたり、もはや「二次医療圏」という概念は不適切ではないか、という意見も少なくありません。日本病院会でも、こうした点について精力的な検討が進められています。

 さらに、国際的な医療経済学の草分けでもあるアキよしかわは、この問題について20年も前に指摘しています。アキは二次医療圏について、「病院間の競争や患者の流出入の観点から、その概念と定義は形骸化しており、単なる行政上の区分けに過ぎない」と強調。約20年前の1996年に出版された『Health Economics of Japan』(東京大学出版会)では、「患者統計の個票を使い、どこに住んでいる人が、どの病気で、どの病院を受診したかを考察し、二次医療圏の受診行動の流出入を疾病別に判別することができた。その結果、患者の流出入を勘案すれば約400(当時)の二次医療圏の区分けには合理的な意味がなく、医療圏の数はその3分の1程度で十分と結論付けることができた」と訴えています。

 残念ながら、20年前の政策決定者(厚労省官僚や審議会委員となる研究者ら)には、この指摘が「難しかった」ようで、十分に勘案されることのないまま、現在も「合理的でない二次医療圏」が政策のベースとなってしまっているのです。今後の医療提供体制改革にあたっては、こうしたベースとなる考え方の見直しも必要でしょう。

医療提供体制改革・働き方改革のカギ握る「IDS」
 今後の地域医療提供体制を考える上では、「医療の質向上」を忘れることは許されません。上述のとおり、我が国では先進諸国に比べて、「ベッド数が多く、患者1人当たり(1床当たり)の医師数が少ない」という問題点があります。これは、症例数が分散していることを意味します。GHCと米国メイヨ―クリニック、スタンフォード大学との共同研究では、「症例数と医療の質は相関する」、つまり症例数の分散は、医療の質を下げてしまう、ことが分かっています。

 データ分析結果だけを見て、「我が地域では、全国より病床が不足しているようだ。早急に病院の新設や増床が必要だ」と考えるのは、かえって「医療の質低下」を招きかねない点には最大の留意が必要です。医療へのアクセスも重要な要素であることはもちろんですが、アクセス偏重は「医療の質低下」というクリティカルな弊害にもつながりかねないことを、政治・国民が十分に理解する必要があります。

 逆に考えれば、こうした事態を是正するため、つまり医療の質を向上させるには、症例の集約化を進めることが必要です。そこでは、地域において病院の再編・統合を進めていくことが重要ポイントの1つとなります。病院の再編・統合は「医師の働き方改革」においても重要なテーマで、すでに地域によっては病院の再編・統合が進められており、GHCも地域の「医療の質向上」に向けて積極的な支援を行っています。

 米国ではこの病院統合を「IDS(Integrated Delivery System)」と呼んでおり、GHCではIDSが日本国内で展開されることの意義や有用性について議論し、どのように展開すれば成功に導けるのかを長年研究をしてきました。

 IDSは約20年前に米国の各地で発生した病院の再編・統合を実現してきたサービスメニューの総称です。GHCは、米国で最も多くのIDS案件をアキよしかわと手がけてきたベテラン医療経営コンサルタントのマーティー・マイケル氏(弊社顧問)、米国のトップ病院であるメイヨー・クリニックなどからIDSの知識やノウハウを学び、国内向けのカスタマイズを繰り返することで、サービスメニューを洗練させてきました。

 再編・統合を進めていく上、最も困難なことが「診療統合」です。2月4日の「週刊東洋経済」で掲載されている魚沼基幹病院内山聖院長のインタビューでは「診療統合による病院・地域・住民の混乱」が触れられています。

 現在、GHCでは、魚沼圏域における診療統合の最適化を支援しています。

 地域医療提供体制の再編のカギを握るIDSについて、以下の関連記事、事例紹介、関連サービスを是非ご覧ください。



https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201902/20190205_61004.html
診療所と医師マッチング 福島県「医業承継バンク」開設、後継者不足解消目指す 
2019年02月05日火曜日 河北新報 福島

 福島県は4日、県内での勤務を希望する県外の医師と、後継者がいない診療所をつなぐ「県医業承継バンク」を福島市の県医師会館に開設した。定住促進などの施策を紹介して医師を呼び込み、過疎地の医療を支える診療所の減少に歯止めをかける。県によると、東北での開設は初めて。
 バンクは県医師会に運営を委託。登録してもらう県内の診療所と、勤務を希望する医師に対し、マッチングの提案や支援を行う。
 まずは、県内の診療所に承継希望の有無といった意向を確認する予定。県外からの招請を想定する医師は専用のホームページなどで募る。診療所のある地元自治体と連携し、住まいなどの定住促進策も紹介していく。
 県は2008年1月、「ドクターバンクふくしま」を開設したが、病院勤務医の紹介やあっせんが中心だった。今回は診療所の医業承継に絞った窓口を設け、東日本大震災や東京電力福島第1原発事故で細った地域医療の基盤強化を図る。
 県地域医療課によると、県内の診療所医師は、60歳以上が52.2%(16年)で、全国平均を4.9ポイントも上回る。後継者不在なども加わり、診療所は10年の1457施設から、16年には87施設減った。
 県医師会の佐藤武寿会長は「郡部の医師確保が課題だ。県出身で古里に戻ろうと考えている医師を中心に働き掛けたい」と強調。県保健福祉部の佐藤宏隆部長は「医師会と連携を強め、地域医療全体の基盤強化につなげる」と話した。



https://digital.asahi.com/articles/ASM274449M27UBQU002.html?rm=622
医師の労働時間短縮へ、病院に計画作りの義務づけ検討 
姫野直行、阿部彰芳 2019年2月7日13時00分 朝日新聞

 勤務医に残業時間の罰則つき上限が5年後に適用されることを控え、厚生労働省は、勤務医の労働時間を短縮する計画の作成を医療機関に義務づける検討を始めた。残業が長くなる要因を医療機関ごとに客観的に評価、指導する体制づくりも進める。

 医師の働き方改革を議論する検討会で6日、提案した。計画を義務づける医療機関などの詳細は今後詰め、今年4月以降の開始を目指す。

 昨年成立の働き方改革関連法で、大企業は今年4月、中小企業は来年4月から罰則つきで残業が最大年960時間に規制される。ただ、勤務医は例外扱いで上限は別途決めることになり、2024年4月から適用される。

 厚労省は先月、一般勤務医の上限は年960時間と提案。この上限では地域医療を守れない場合があるなどとして、「年1900~2千時間」という特例を設ける案も示した。

 特例は35年度末までの期限つき。医療機関を特定し、次の勤務までの休息を9時間以上確保させたり、連続勤務を28時間までに制限したりする措置を条件としている。ただ、一般労働者の2倍とする案への異論は強く、今後5年間に労働時間の短縮を進め、特例の対象を絞り込む構えだ。

 厚労省案では、特例の対象になり得るかを医療機関が検討し、短縮に向けた計画をつくる。また、ひとつの医療機関だけの対応には限界があるため、地域の実情を踏まえて長時間労働の要因や取り組み状況を評価、指導する仕組みも設ける。評価結果は医療機関や都道府県に知らせる。

 また、これらの前提として、労働時間の適正管理や働き手に残業させるための労使協定の締結を医療機関に徹底させるとしている。

 厚労省の調査によると、残業が年1920時間超の病院勤務医は推定約2万人。2880時間超は約3600人いるとみられている。1920時間超の勤務医が1人でもいる病院は全体の3割あり、大学病院では9割、救命救急センター機能がある病院では8割に上る。



https://www.yomiuri.co.jp/local/tokushima/news/20190209-OYTNT50106/
「県立中央」「徳大」病院の壁撤去 
2019.2.10 読売新聞 徳島

道路開設 行き来便利
路線バス乗り入れ検討

 隣接する県立中央病院と徳島大病院が一体となって地域医療を担う「総合メディカルゾーン構想」の一環として、県と徳島大は両病院を隔てる壁を撤去し、車で往来できる「メディカルストリート」を開通させた。4月以降、新たにバス停を設け、路線バスの乗り入れを検討する。利便性の向上によって患者の増加が見込まれ、関係者は「医療の質を向上させ、多くの期待に応えていきたい」としている。(浅野榛菜)

 両病院は、県立中央病院が前身の国立病院だった時代から隣接し、国立病院は1953年、県に移管され、県立中央病院となった。県立中央は救命救急センターを備える急性期病院として機能。一方、徳島大は、高度医療の提供と、研究の場としての役割を担っている。

 連携して相乗効果を生み出そうと県と徳島大は2005年から数度にわたって合意書を締結。地域医療を担う医師の育成や、周産期医療で協力を続けている。さらに「総合メディカルゾーン」として施設面での一体化を図り、敷地を隔てていた壁を取り壊し、16年から道路を敷設する工事に着手し、今年1月に完成した。

 これまで患者らは、互いの病院を行き来する際、約200メートルを歩く必要があり、車の場合はいったん敷地外に出て、それぞれの離れた入り口から入り直す必要があった。また、両病院で異なっていた駐車場の料金は、開通を機に統一した。

 道路の開通式が今月2日にあり、出席した飯泉知事は「両病院の中をバスやタクシーで行き交うことができる」と、妊産婦や高齢者にとって優しい医療拠点になったことを改めて喜んだ。

 総合メディカルゾーンは、近い将来に発生が予想される南海トラフ巨大地震などを想定し、災害時の医療拠点としての役割も期待されている。県病院局は「医師や関係者の往来も緊密にし、高度で困難な要請に応じられる強い拠点に育んでいきたい」としている。



https://www.nikkei.com/article/DGXMZO41038020X00C19A2L60000/
日光市と11医療機関、4月に連携法人設立へ 北関東初  
2019/2/7 22:00日本経済新聞 電子版 北関東・信越

栃木県日光市と市内の11医療機関は4月、地域医療連携推進法人を設立する。治療の段階に応じた患者の相互の紹介のほか、人材の融通や医療品の購入などに共同で取り組む。人口減・高齢化が急速に進むなか、市と医療機関が連携して地域医療を維持する狙いだ。

地域医療連携推進法人の設立は全国で8番目で、北関東では初となる。

市と市内の8病院、3つの診療所がメンバーとなって一般社団法人を設立する。事務局は日光市が務め、代表理事には設立総会を経て副市長が就任する見通し。合計病床数は1000床に迫る規模になる。

日光市の人口は2045年に15年比でほぼ半減する一方、高齢化率は50%に達すると予想されている。このため、急性期の医療需要が減る一方、がんや脳卒中からの回復期の患者は増加が見込まれる。

地域医療連携推進法人はこうした医療需要の変化に対し、各医療機関の役割を明確にする一方、患者の相互紹介や病床・人材の融通などで対応を図る。患者の奪い合いによる共倒れを避け、地域医療の維持を目指す。



https://www.medwatch.jp/?p=24756
勤務員の健康確保に向け、勤務間インターバルや代償休息、産業医等による面接指導など実施―医師働き方改革検討会(2) 
2019年2月7日|医療計画・地域医療構想 MedWatch

 医師は一般労働者に比べて長時間労働が生じやすいため、「健康確保」措置が極めて重要になる。このため、28時間以内の連続勤務時間制限や9時間以上の勤務間インターバルの設置が求められるが、医療現場の実態を踏まえれば、これらをクリアできない場面もでてくる。そうした際、事後に「代償休息」を付与することなどを医療機関に義務付けてはどうか―。

 2月6日に開催された「医師の働き方改革に関する検討会」(以下、検討会)では、こういった議論も行われました。構成員から出された意見・提案などを踏まえ、詳細な制度設計を行うことになります。
 
ここがポイント!
1 医療現場では勤務間インターバルの厳格実施が困難なケースも、代償休息制度が必要
2 月100時間超の時間外労働となる勤務医を対象に、産業医等が面接・指導
3 追加的健康確保措置はB水準医療機関の義務、未実施は「特定の取り消し」も

医療現場では勤務間インターバルの厳格実施が困難なケースも、代償休息制度が必要
 お伝えしているように、検討会では、「地域医療の確保」と「医師の健康確保」との両立を可能とする「医師の働き方改革案」策定に向けて議論を進めいます(2019年3月までに意見を取りまとめる)。これまでに、2024年4月から適用される「勤務医の時間外労働上限規制」について、厚生労働省は▼原則として年960時間・月100時間未満(いわゆるA水準)▼救急医療機関など地域医療確保のために必要な特例水準として年1900-2000時間程度以内(いわゆるB水準)―としてはどうか、との提案を行っています(関連記事はこちらとこちら)。
 
 医療には、▼不確実性(患者の急変等は完全に予見できない)▼公共性▼高度の専門性▼技術革新と水準向上—という特殊性があることから、当面、一般労働者よりも長時間上限を設定するものですが、医師の健康確保を確保するために、各医療機関に次のような措置(追加的健康確保措置)をとることを義務付けてはどうか、とも厚労省は提案しています。

【追加的健康確保措置1】
▼連続勤務時間を28時間までに制限する▼9時間以上の勤務間インターバルを設ける―ことを、A水準の医療機関では努力義務、B水準の医療機関では義務とする

【追加的健康確保措置2】
インフルエンザ流行などで「月100時間」を超える時間外労働となる勤務医に対しては、医師が「面談」を行い、その結果を踏まえて「勤務制限」(ドクターストップ)を行うことを全医療機関に義務付ける

  
2月6日の検討会では、この【追加的健康確保措置】について厚労省からより詳しい提案が行われ、これに基づく意見交換が行われました。

まず【追加的健康確保措置1】の連続勤務時間制限などは、「医師の健康を確保するためには、連続した6時間以上の睡眠が極めて重要である」との研究結果を踏まえたものと言えます。しかし、医療現場において、こうした仕組みを極めて厳格に運用することが難しい場面も出てきます。例えば、医師が手術中に「連続勤務時間が28時間となった」からといって、メスを置いてしまう、といった有り得ないケースを考えれば、厳格運用の難しさを理解できるでしょう。

このため厚労省は、やむを得ず連続勤務時間制限などをオーバーしてしまう場合には、「代償休息」を付与することを提案しています。具体的な制度設計はこれからですが、オーバー事例等が発生する都度に時間単位での休息を付与する(時間単位の休息や、インターバルの延長など)ことも、まとめて「1日分の休暇」とすることも可能ですが、オーバー事例発生の「翌月」に付与することが必要となる見込みです。

この提案に対し、労働組合を代表する立場で参画している村上陽子構成員(日本労働組合総連合会総合労働局長)は「連続勤務制限などを骨抜きにしてしまう」として、代償休息の仕組み導入に反対していますが、上述のような医療の特殊性に鑑みれば、現実的な健康確保措置の導入を考えるべきでしょう。勤務医代表として参画する猪俣武範構成員(順天堂大学附属病院医師)も「合理的な仕組みだ」と厚労省案を高く評価しています。

月100時間超の時間外労働となる勤務医を対象に、産業医等が面接・指導
 【追加的健康確保措置2】は産業医等が面接指導を行うもので、▼B水準の医療機関では、例えば月80時間の時間外労働となっている医師を対象に、「事前」に月100時間超となることを想定して面接スケジュール等を組む▼A水準の医療機関では、例えば月80時間の時間外労働となっている医師の疲労状況(睡眠負債、うつ、ストレスの状況)を検査し、基準値を超える(疲労の程度が重い)医師では事前に、そうでない医師では事後(月100時間超となった後)に面接を行う―こととしてはどうか、と厚労省は提案しています。

また、すべての医療機関で産業医を確保することが難しい状況に鑑み、当該医療機関の医師が一定の研修を受けた場合には、面接担当者になることを認めることになりそうです。ただし、院長などの「管理者」が面接を行うことは認められません(中立性を確保するため)。

この点について三島千明構成員(青葉アーバンクリニック総合診療医)は「医師にはヒエラルキーがあり、若い勤務医が上司に十分にものを言えないこともある」とし、中立性の担保を十分に行うことが重要と強調。また黒澤一構成員(東北大学環境・安全推進センター教授)は、「医師には『自分が休めば、誰が患者を診るのか』という思いがあり、実際の面接でもそう述べる」とし、「休んでも代わりの医師が確保されている」体制を組み、それを的確に伝えることが必要であると訴えています。

追加的健康確保措置はB水準医療機関の義務、未実施は「特定の取り消し」も
こうした健康確保措置は、医療機関の「義務」となります(追加的健康確保措置2は全医療機関での義務、追加的健康確保措置1はA水準では努力義務、B水準では義務)。この義務について厚労省は「医療法などの医事法制で規定してはどうか」と提案しています(医療現場は医事法制に馴染みが深く、関心も高いため、実効性が期待できる)。しかし、村上構成員らは「労働安全衛生法などの労働法制で規定するべきか」と再三指摘しています。この点、例えば「医事法制で規定されたとして、労働行政担当部局が追加的健康確保措置についてノータッチとなる」わけではなく、いずれの法制で規定されたとしても大きな違いはないようです。

別稿で述べたように、B水準医療機関として特定されていても、追加的健康確保措置が実施されていない場合には、「特定の取り消し」となります。したがって、都道府県では「追加的健康確保措置が確実に実施されているか」を確認する(例えば年1回の医療監視・指導の一環として確認するなど)ことが、各医療機関では確認のために「追加的健康確保措置の実施状況・内容を記録し、保存する」ことが求められます(関連記事はこちら)。

さらに、厚労省では、こうした記録確認等を行うことで、「産業医でない医師が面接を行う場合でも、一定の中立性が担保されるのではないか」と考えています。



https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/t301/201902/559771.html
厚生労働省「医師の働き方改革に関する検討会」
医師の健康確保措置、「代償休息」は翌月末までに取得を
 
2019/2/8 満武 里奈=日経メディカル

 厚生労働省の「医師の働き方改革に関する検討会」が2月6日に開催され、地域医療提供体制の確保の観点から「時間外労働の年間上限960時間」を満たせないケース(地域医療確保暫定特例水準の適用施設)に対し義務付けられる「追加的健康確保措置」のあり方について、さらなる事務局案が提示された。

 事務局案では、28時間までの「連続勤務時間制限」と「勤務間インターバル」(次の勤務までに9時間のインターバルを確保、当直時は18 時間)を実行できなかった場合、(1)「代償休息」として1日の休暇(8時間分)が累積してからではなく、発生の都度、時間単位での休息をなるべく早く付与する、(2)所定労働時間中に「時間休」として付与する、もしくは「勤務間インターバル」時間を延長する、(3)取得期限は代償休息を生じさせる勤務が発生した日の属する月の翌月末までとする――などの考えを示した。

 また、「面接指導」については、(1)時間外労働が「月100時間未満」の水準を超えるよりも前に実施する、(2)地域医療確保暫定特例水準で働く医師は、月の時間外労働が100時間以上となることも少なくないため、前月に時間外労働時間が80時間超となった場合はあらかじめ面接指導のスケジュールを組んでおくことを推奨する、(3)面接指導を行う医師は講習を受けてから従事する(医療機関管理者は認められない)――とする案も示された。

 一方、地域医療確保暫定特例水準が適用されない、時間外労働が「年間960時間以内」の医師の時間外労働が月80時間超となった場合は、まず睡眠および疲労の状況(睡眠負債、うつ、ストレスの状況)を確認し、これらの指標の基準値を超える者に対して「事前面接」を必須とする案も示された。

 なお、面接指導の結果によって、当直・連続勤務の禁止や時間外労働の制限、就業日数の制限等をすべき場合、医療機関管理者は医師の健康確保のために必要な就業上の措置を最優先で講じることになる。追加的健康確保措置の実施状況は事後的に確認できるよう、医療機関管理者に記録を保存するように義務を課す。実施されない場合は、地域医療確保暫定特例水準の対象から除外する。

 1月の検討会では、地域医療提供体制の確保の観点から「時間外労働の年間上限960時間」を満たせないケースについては、追加的健康確保措置を義務化した上で、時間外労働時間の上限時間を休日労働込みで「年1900~2000時間以内」に設定する経過措置(地域医療確保暫定特例水準)を取ることが事務局案として示されていた(関連記事:医師の時間外労働の上限規制案は「1900~2000時間」)。

 同日には、罰則付き時間外労働の上限時間が適用される2024年4月までの各医療機関の取り組みイメージも示した(図1)。まず各医療機関は時間外労働の実態を的確に把握した上で、自施設に適用される上限時間がどれになるのかを検討し、時間外労働の短縮幅を見極めて、医師労働時間短縮計画を作成。PDCAサイクルによる短縮を図る。なお、医療機関の努力のみによって労働時間短縮を達成できる場合ばかりではないため、都道府県は各医療機関の役割分担を含めた医療提供体制のあり方を考え、支援する。

 代償休息に関する事務局案に対し、「勤務医の立場からは、『代償休息』は追加的健康措置の選択肢の1つとしてリーズナブルと感じる。連続勤務時間制限やインターバル時間確保などの定期的な休息に比べると、肉体的な休息の効果は弱いかもしれないが、『来月はオフィシャルに休める』ということでストレス軽減につながるのでは」(順天堂大学付属病院医師の猪俣武範氏)、「(産業医として)措置する立場からすると、時間休があるのは、休みの取り方に柔軟性が保てるのでありがたい」(東北大学環境・安全推進センター教授の黒澤一氏)などの賛成の意見が医師側から上がった。一方で、「(代償休息を設定することでインターバル時間の確保よりも)代償休息の方に流れてしまう恐れがあるので、代償休息はない方が良いのではないか」(全日本自治団体労働組合総合労働局長の森本正宏氏)、「『代償休息』の管理は煩雑で、取得できないのではないか。細切れで休んでも(追加的健康確保措置として)実効性がないのではないか」(日本労働組合総連合会総合労働局長の村上陽子氏)などの意見も出て、事務局が「『代償休息』は絶対必要なものと考えている。医療の世界では『この医師でないと救えない』という事態が起こり得るので、インターバル時間中であっても呼び出されてしまう可能性がある。実態が陰に隠れてしまう(呼び出されているのに呼び出されていないことにする)ことが起きないためにも、制度として作らせていただきたい」と理解を求める場面もあった。

 また日本医師会女性医師支援センター長の今村聡氏は、「今の案はどちらかというと面接指導によるメンタル面の評価を重要視していて、身体的な評価が少し弱いのではないか。面接の際に『大丈夫です』と言われたらそれで終わりになってしまう。客観的な評価ができるよう、身体的な指標を設定することが必要ではないか」と指摘。さらに黒澤氏は、「休むように指導しても『私が休んだらまわりに影響が出てしまうので休めない。変わりの医師はいない』と言われてしまうケースがある。その医師が休んでも大丈夫だと担保をしてあげることが必要では」と話した。
時間外労働上限規制の枠組み全体の整理(案)を提示
 なお同日には、36協定上の上限時間数の設定案も整理して提示された(図2)。一般則と同等の働き方を目指すという視点に立ち、地域医療確保暫定特例水準の対象を含む医師の「平日の時間外労働」を一般則と同じく「月45時間、年360時間」と記載する案を提示した。



https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/t301/201902/559673.html
<シリーズ◎医師の働き方改革
このままでは産婦人科医がまた過労死してしまう
日本産科婦人科学会医療改革委員長の海野信也氏に聞く
 
2019/2/4 満武 里奈=日経メディカル

 厚生労働省の「医師の働き方改革に関する検討会」は1月11日、2024年4月から適用される罰則付き時間外労働の上限時間を、休日労働込みで年間960時間以内・月100時間未満とし、地域医療提供体制の確保の観点からやむを得ずこの水準を満たせない場合には「年間1900~2000時間」とする事務局案を提示した(関連記事:医師の時間外労働の上限規制案は「1900~2000時間」)。この案に対し、日本産科婦人会学会は1月18日、「『医師の働き方改革に関する検討会』へ意見と要望」を公表した。産婦人科医の労働環境改善を担当する日本産科婦人科学会医療改革委員長の海野信也氏(北里大学病院周産母子成育医療センター長)に話を聞いた。

うんののぶや氏〇1982年東京大学卒業。東京大学医学部附属病院、長野県立こども病院などを経て、2004年より北里大学医学部教授、2012年から2018年まで北里大学病院長、現在同病院周産母子成育医療センター長を務める。日本産科婦人科学会では、2005年から現・医療改革委員会の委員長。

――「『医師の働き方改革に関する検討会』へ意見と要望」を厚生労働省に出した経緯を教えてほしい。
海野 この意見と要望は、「時間外労働の上限設定においては、いわゆる過労死ラインを大きく超えないこと」を要望するものだ。

 日本産科婦人科学会は、国が医師確保総合対策を策定した2005年から産婦人科の医療提供体制の確保と労働環境改善のため、長年、検討を続けてきた。翌2006年には、福島県で妊婦が残念ながら亡くなった大野病院事件が発生したが、その年も、そしてその後も、学会として提言し続けてきた。今回、厚労省の事務局案を見て、産婦人科医の働き方の特性を踏まえた上で提言することが改めて必要と判断した。

――産婦人科医の働き方の特性とはどんなものか。
海野 産婦人科は分娩を取り扱うため、24時間体制を敷くことが求められる。しかし、そのための十分な医師数が確保できているわけではないので、当直など夜間帯の勤務拘束回数が他科よりも多く、時間外労働時間が最も長い診療科だ。

 あとは、ここ10年で女性医師が徐々に増え続け、今では45歳未満の学会会員の6割が女性となっているのも特徴だ。

 図1を見てほしい。これは日本産科婦人会学会の会員の勤務先を年齢別・男女別に調べたものだが、ハイリスク分娩と周産期救急を取り扱う「総合周産期母子医療センター」(※図表中の「総合男性」「総合女性」)と「地域周産期母子医療センター」(※図表中の「地域男性」「地域女性」)は、30代を中心とした若い世代が支えている。そして年齢を重ねるごとに分娩を取り扱わない施設で勤務する医師が増えることも分かった。

図1 日本産科婦人科学会の会員の年齢別・男女別分布(2014年時点)(略)
(2014年度の厚生労働省科学研究費補助で行われた「地域格差是正を通した周産期医療体制の将来ビジョン実現に向けた先行研究」のデータより)

 今回、厚労省が示した案は、時間外労働時間は原則960時間だが、地域医療提供体制の確保の観点からやむを得ずこの水準を満たせない場合には「年間1900~2000時間」という例外(地域医療確保暫定特例水準)を設けている。この例外が適用される対象医療機関としては「2次・3次救急医療機関」や「5疾病・5事業」に関わる医療機関などが想定されているが、「5疾病・5事業」には周産期医療が入っている。

 周産期医療体制は、各都道府県が地域医療計画に基づき、総合周産期母子医療センターと地域周産期母子医療センターを指定している。つまり総合周産期母子医療センターと地域周産期母子医療センターはこの例外規定(地域医療確保暫定特例水準)が適用される可能性がある。検討会資料によると、時間外労働が1920時間を超えて働く医師は全体の1割ほどだと見積もられているが、産科婦人科領域だけを見れば、日本産科婦人科学会の若い先生が勤務する施設のほとんどが例外規定に該当し、そこで働く産婦人科医、つまり学会に所属する若い先生の時間外労働時間の上限が過労死水準を大幅に超えた「年間1900~2000時間」となってしまわないかと危惧するのだ。
 この例外規定の期限は2036年3月末と示されている。若い産婦人科医にしてみれば、地域医療確保暫定特例水準を適用された医療機関で働くということは、この先10年間は時間外労働1900~2000時間で働くことを強いられる可能性があるということだ。そのような仕事を続けられるだろうか。

 既に産婦人科医の過労死は発生している。2017年8月に、日本産婦人科医会とともに、分娩取り扱い病院における産婦人科勤務医の労働環境改善を求める声明を出したのも、東京都内の病院で産婦人科医専門医研修を行っていた医師が、長時間労働によって精神疾患を発症し、それを原因とする過労死が労災認定されたことを受けてのものだ。

 もし1900~2000時間という例外規定が設定されたら、2036年までは、とんでもなく長い時間外労働を許容する特別条項付き36協定を結べることになり、産婦人科医の過労死の可能性を残してしまうことになる。国としてこんな労働環境を認めるのはあまりにもひどい話ではないか。そもそも働き方改革の議論はいわゆる「過労死防止大綱」を基に、過労死を防ぐという観点から議論が始まったはず。その理念が今回の医師の働き方改革の議論からは抜け落ちていると言わざるを得ない。

 厚生労働省は医師の労働時間の実態について正確なデータを示していない。学会としても、時間外労働の上限を何時間にすべきなのか、根拠をもって答えることはできないのが実情だ。でも今、日本の分娩の現場を支えてくれている若い世代の医師は、大野病院事件の後に産婦人科医になってくれた医師たちだ。過酷な労働環境を承知の上で産婦人科医になってくれた彼らのことを守りたい。だから、今回改めて「過労死ラインを大きく超えないように」と厚労省に要望した。

 厚労省は2018年3月、他職種に業務移管(タスク・シフティング)することや、自院の36協定の点検を行うことなどを求める「医師の労働時間短縮に向けた緊急的な取り組み」を発出したが(関連記事:医師の時短に向け直ちに実施すべき事項を明示)、1つの医療機関だけの努力でタスクシフトを行うことは難しい。産科医療の働き方改革を行うためには施設の大規模・重点化や新規専門医の育成、チーム医療の推進が必要だ。だから2018年9月には日本産婦人科医会とともに「産婦人科医の働き方改革の宣言・提言」を出したし、我々自身も働き方改革に積極的に取り組んでいく。検討会も、診療科や地域ごとに異なる特性を踏まえた各論も十分に議論してほしい。

 繰り返しになるが、今の事務局案では過労死が起き得る状況が温存されてしまう危険がある。それを防ぐのが国の政策のはずだ。

□参考サイト(日本産科婦人科学会)
医師の働き方改革に関する検討会への意見と要望
http://www.jsog.or.jp/modules/news_m/index.php?content_id=572



https://www.medwatch.jp/?p=24698
2019年の10連休、医療機関等は休日加算等を算定可能、また処方日数制限を超えた処方も―厚労省 
2019年2月5日|医療保険制度 MedWatch

 2019年度の10連休において、医療機関は従前どおり休日加算等を算定できる。また、旅行等に出かける患者に対し、処方日数制限を超えた医薬品の処方を行うこともでき、その場合、処方箋に「理由」記載が求められる。

 厚生労働省が1月30日に通知「本年4月27日から5月6日までの10連休等の長期連休における診療報酬等の取扱いについて」を発出し、このような点を明確にしました(厚労省のサイトはこちら)。
https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/000475441.pdf
  
 今上天皇陛下が今年(2019年)4月30日に退位され、皇太子殿下が5月1日に新たな天皇に即位されます。これに伴い、政府は4月27日から5月6日まで「10連休」とすることを決定しました(天皇の即位の日及び即位礼正殿の儀の行われる日を休日とする法律)。

 この10連休における医療提供体制(とくに救急医療)の確保が重要となることから、厚生労働省は1月15日に通知を発出し、地域の医療提供体制を確認・調整し、情報提供することを都道府県知事に要請しました(関連記事はこちら)。

今般、厚労省は、当該10連休に医療機関等が保険診療等を行った場合、休日加算等を従前どおり算定できる旨を明確にしました(平日扱いなどとはならない)。

【A000 初診料】
▼注7の加算:時間外加算(85点、6歳未満の乳幼児では200点)、休日加算(250点、同365点)、深夜加算(480点、同695点)、夜間救急の加算(230点、同345点)
▼注8の加算(小児科標榜医療機関):時間外加算(200点)、休日加算(365点)、深夜加算(695点)

【A001 再診料】
▼注5の加算:時間外加算(65点、6歳未満の乳幼児では130点)、休日加算(190点、同260点)、深夜加算(420点、同590点)、夜間救急の加算(180点、同250点)
▼注6の加算(小児科標榜医療機関):時間外加算(135点)、休日加算(260点)、深夜加算(590点)

【A002 外来診療料】(200床以上の病院で算定)
▼注8の加算:時間外加算(65点、6歳未満の乳幼児では130点)、休日加算(190点、同260点)、深夜加算(420点、同590点)、夜間救急の加算(180点、同250点)
▼注9の加算(小児科標榜医療機関):時間外加算(135点)、休日加算(260点)、深夜加算(590点)

※歯科、調剤も同様

 
 ところで、「保険医療機関及び保険医療養担当規則」では、投薬・処方箋について次のようなルールが定められています。

【投薬】
新薬や麻薬など厚生労働大臣の定める内服薬・外用薬・注射薬に関する14日・30日・90日の投与日数制限(第20条第2号ヘおよびト、第21条第2号ヘ)

【処方箋】
 処方箋の使用期間は「4日以内」とし、長期の旅行等特殊の事情があると認められる場合は、この限りでない

 10連休においては薬局等が閉まっていることも考えられ、また患者が長期間の旅行等に出かけることも少なくないでしょう。この場合、医薬品等について上記の制限を超えた日数分の投与(連休が明けるまでの日数分)を行わざるを得ないケースも出てくる可能性があります。こうした場合、医療機関等では、昭和51年(1975年)の厚生省通知「診療報酬請求書等の記載要領等について」に倣い、処方箋の「備考」欄に、当該投与日数制限を超えて投与する【理由】を記載することが求められます。

 また、処方箋の有効期間(使用期間)が4日以内のままでは、患者が当該処方箋を用いた調剤を受けられなくなることもあるでしょう。この場合、医療機関では、上記厚生省通知に倣い、処方箋の「使用期間」欄に、当該処方箋を有効とする【年月日】を記載することが求められます。

10連休対応通知(保険局) 190130の図表
0210_20190210105048579.jpg
 



https://www.m3.com/news/general/658660
塩釜市立病院:移転新築で安定経営 役割大きく存続念頭に 中間報告 /宮城 
地域 2019年2月9日 (土) 毎日新聞社

 塩釜市は、同市立病院(同市香津町)の老朽化対策や経営改善策の調査の中間報告をまとめ、議会に報告した。経営不振の最大の要因は「建物・設備の老朽化と狭隘(きょうあい)化」とし、「移転新築ができれば、安定した経営が十分可能」との方向性を示した。議会などの同意を得られれば来年度から移転先選定や新病院の構造、収支などの具体的計画に入る。

 報告によると同病院は、2014年度以降、医業収支が3億円前後の赤字で推移し、入院・外来患者数の減少も深刻▽建物3棟は建設から古くは59年、新しくても35年を経過し、老朽化による非効率性やイメージ悪化がネック▽収益ダウンの中で現場スタッフの業務負担だけが増加――と現状分析している。

 一方、塩釜地区2市3町唯一の公立病院で、急性期から在宅医療まで切れ目のない診療や「地域包括ケアシステム」の中心的病院として役割は極めて大きく医療水準も高いと評価し、病院の存続と移転を念頭に安定経営の方策を示した。

 その中で、正職員数は据え置き▽現在161床の病床を140床前後に縮小し稼働率アップ▽病棟編成を工夫し地域包括ケア病棟の拡大▽病棟の「全室個室化」検討▽診療科によらない「ユニバーサル外来」導入▽電子カルテなどICT活用――などを掲げている。規模は小さくとも特徴ある「キラリと光る病院」を目指す。

 移転新築の場合、設備・機器の更新だけでも約8億円の支出が見込まれ、建設費は少なくとも数十億円規模の大事業になる。同病院の荒井敏明・事務部長は「新病院実現には5~6年を要すると考えられる。市民の声を何より大切に、じっくり計画を練りたい」と話した。

 同病院は05年度、医業収益に対する不良債務比率が136・5%となり、全国ワースト4に悪化したのを機に有識者を交えた経営改革プランを開始。13年度に不良債務を解消できたが、その後も苦戦は続き、医業収支は17年度も2億8390万円の赤字だった。【渡辺豊】



  1. 2019/02/10(日) 10:56:21|
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2月3日 

http://www.tokyo-np.co.jp/article/gunma/list/201901/CK2019013102000169.html
【群馬】 医師不足 桐生は複数の外科医 県西部、小児科医確保へ 
2019年1月31日 東京新聞

 県内でも深刻化する医師不足に対応するため、県と群馬大病院や県内の医療関係団体でつくる「ぐんま地域医療会議」は三十日、二〇一九年度に向けた医師適正配置方針を発表した。桐生市の桐生厚生総合病院に複数の外科医、県西部の主要病院に一人の小児科医、渋川市の県立小児医療センターに一人の産科医をいずれも常勤で確保することを目指す。(菅原洋)

 同会議は昨年三月に設置され、県内の約百二十の病院を実態調査し、今回初めて方針を決めた。三十日に方針への協力を求めて各病院に通知を出した。

 桐生厚生総合病院は複数の外科医師の異動や退職が見込まれ、がん診療や救急・災害時への対応が懸念されるという。

 県西部では、高崎市の高崎総合医療センターなど設備が整った主要な三病院が小児救急の輪番体制を維持してきたが、小児科の産休や育休によって当直できる医師が不足している。

 県立小児医療センターでは、特に労働環境が厳しい産科医が全国的に不足する中、少なくとも一人を確保する必要がある。

 不足している医師は喫緊の課題とし、県内外に呼び掛けて一九年度中に充足できるように取り組む。中長期的な課題としては、総合診療、整形外科、消化器や循環器などの内科でも医師配置の要望が多かった。医師適正配置方針は今後も毎年度更新する予定。

 県庁で記者会見した群馬大病院の田村遵一院長は「大学病院だけではなく、県や医療団体と一丸になるのは全国的に先進的な取り組みだ。群馬大だけで医師不足に応じるのは不可能で、地域で安心できる医療環境を整えるため、県外へも働き掛けたい」と述べた。



https://www.yomiuri.co.jp/chubu/news/20190130-OYTNT50003/
医師不足解消進まず 
01/30 05:00 読売新聞

 投開票が2月3日に迫った愛知県知事選。県の抱える課題を現場から探る。

 「陣痛から出産まで時間があったから良かったが、早く生まれていたらどうなっていたか」

 愛知県設楽町の未就学児を持つ母親の子育てサークル「ひまわり」の会合。メンバーの女性(31)は、同町から車で約1時間半かけて浜松市の病院へ行き、次女(1)を出産した体験をこう振り返った。昨年次男を出産した女性(34)は、地元で産むのは諦め、静岡県に里帰りしたと打ち明けた。

 同町を含む東三河北部地域では、新城市民病院が2006年に産科を休止して以降、産科の空白状態が続く。受け入れ先の一つ、同県豊川市民病院産婦人科の保條説彦たつひこ主任部長(56)は「新城市からの出産は、全体の約2割を占める。新城市に産科が復活すれば良いが、一度休止すると、医師のほか助産師、看護師ら人材をゼロから確保しなければならず、再開は極めて厳しいだろう」と指摘する。

 不足しているのは、産科だけではない。県によると、県内の医師数は人口10万人あたり218・6人(2016年)で全国37位。全国平均の251・7人を大幅に下回る。名古屋市に隣接する尾張東部地域が最多の393・4人に対し、最少の東三河北部地域は128・9人で、偏在解消が課題だ。

 地方の医師確保を目的に医学部の定員を増やす「地域枠」を認めた国の方針を受け、県は09年度から、卒業後、指定地域で9年勤めれば返還免除となる修学資金制度を開始。「地域枠」で資金の貸与を受けてきた学生らは今年度で188人になった。研修を経て20年度以降、医師不足の公立病院に配置される見通しだが、初年度は5人。県によると、病院側の需要を満たすには10年以上かかるという。

 国は昨年、医療法と医師法を改正、今年4月以降は、都道府県が大学に地元出身者の定員枠の創設や増加を要請できるようになるなど、医師養成や配置に関する都道府県の権限が強化される。県は新年度、確保すべき医師数の目標などを定めた「医師確保計画」を策定する方針で「まずは現状を見極め、必要に応じて大学や病院に働きかけたい」としている。

 設楽町で開業する伊藤幸義・北設楽郡医師会長(71)は東京などで勤務後、故郷に戻り、05年に父親の後を継いで院長となった。自らの経験を踏まえ、技術を持つ勤務医らに定年後、地方で活動してもらう仕組みづくりを提案し、「子どもを産み育てられる環境がなければ若者は定着しない。地域医療の崩壊は、地域社会の崩壊につながりかねない」と警鐘を鳴らしている。(山下智寛)



https://news.biglobe.ne.jp/domestic/0130/kyo_190130_8888758702.html
医師不足地域勤務、最低6カ月に
厚労省案の優遇措置、偏在解消へ
 
2019/1/30 19:00 ©一般社団法人共同通信社

 医師が都市部などに集中する偏在問題の解消に向け、厚生労働省は30日、優遇措置の条件となる医師少数区域での勤務期間を「1年以上が望ましいが最低6カ月」とする案を有識者検討会に示した。こうした地域での勤務経験がある医師を認定する制度を設け、地域医療を担う一部病院の管理者になる際の評価項目とする方針。

 認定されるために必要な業務として、患者の生活背景を考慮し、継続的な診療をすることに加え、介護・福祉事業者との連携を図るための地域ケア会議などへの参加、地域住民の健康診査や保健指導を挙げた。



https://www.medwatch.jp/?p=24659
医師数順位が下位3分の1の地域を「医師少数区域」とし、集中的に医師派遣等進める―医師需給分科会 
2019年2月1日|医療計画・地域医療構想 MedWatch

 人口10万対医師数に高齢化状況などを加味した「新たな医師偏在指標」によって、地域の医師確保状況を順位付けし、下位3分の1(33.3%)を「医師少数区域」、上位3分の1を「医師多数区域」とする。今後、医師多数区域から医師少数区域への医師派遣を促したり、医師少数区域での勤務を評価するなどして、医師偏在対策を集中的に進める―。

 1月30日に開催された「医師需給分科会」(「医療従事者の需給に関する検討会」の下部組織)では、こういった点も固められました。
 
ここがポイント!
1 医師確保状況の低い、下位33.3%の地域を「医師少数区域」とする
2 外来医師の多い(上位33.3%)の地域での新規診療所開業、在宅医療等提供も必要

医師確保状況の低い、下位33.3%の地域を「医師少数区域」とする

 メディ・ウォッチでお伝えしているとおり、医師需給分科会では、都道府県が新たに作成する「医師確保計画」の拠り所となる指針を策定すべく、(1)医師少数区域・医師多数区域の設定(2)医師少数区域等で勤務した医師を認定する制度(3)地域枠・地元枠の必要医師数(4)外来医師多数区域の設定—などに関し、詰めの議論を行っています(関連記事はこちら)。

 このうち(2)の「医師少数区域等で勤務した医師を認定する制度」については、医師少数区域等での勤務期間を「最低6か月」とすることなどが固められています(関連記事はこちら)。

 今回は(1)(2)の「医師少数区域」等設定について詳しく見てみましょう。(3)の地域枠・地元枠については、別稿でお伝えします。

 医師偏在対策の大枠は、真に「医師が少数な地域」と「医師が比較的多数配置されている地域」を明確に定め、後者(多数の地域)から前者(少数の地域)への派遣などを促すとともに、医師が少数な地域に従事する医師を養成していく、と整理することができます。

 この「医師が少数な地域」などを判断するために、医師需給分科会では、人口10万対医師数に、▼地域の性・年齢別人口(年齢や性別によって受療率は大きく異なるため)▼地域医師の性・年齢別数(医師の年齢や性別によって医療提供量が異なるため)―などを加味した「新たな医師偏在指標」を設定しました(関連記事はこちらとこちらとこちらとこちら)。
 
 3次医療圏(都道府県)・2次医療圏ごとに、この「新たな医師偏在指標」の計算式に基づいた数値を比べることで、「A県・医療圏では、B県・医療圏に比べて相対的に医師数が多い(少ない)」と判断することできます。

 厚労省が、具体的な数値を算出して、都道府県別・2次医療圏別の医師の多寡を見たところ、従前の「人口10万対医師数」を用いた場合に比べて、「医師が少ない地域」の順位が変わっており、「新たな医師偏在指標を用いたほうが、より的確に医師が少ない地域をあぶりだせる」ことが分かりました。住民・医師の高齢化が進んだ地域、患者流入の多い地域では、当然、医療ニーズが多くなるため、より「医師が少ない」と判断される傾向があります。
 
 1月30日の医師需給分科会では、さらに、この新たな医師偏在指標を用いて都道府県・2次医療圏の状況を比較し、▼上位33.3%を「医師多数区域」とする▼下位33.3%を「医師少数区域」とする―ことを決めました。全国を「医師多数」「中程度」「医師少数」に3等分する形です。

 新たな「医師確保計画」は3年を一期とします(当初のみ2020-24年度の5年計画)が、その計画期間の間に下位33.3%の医師少数区域で集中的に医師確保対策を進め、計画終了時点(つまり3年後)に「下位33.3%の医師少数区域のすべてが、下位33.3%ラインに到達する」ことを目指します。例えば、下位33.3%ラインとなる新たな医師偏在指標が「230人」であった場合、3年後に「新たな医師偏在指標の最低値が230人」となる(230人に満たない2次医療圏がなくなる)ように、集中的に医師確保を進めるというイメージです。これを5期繰り返し、2036年度に「全国で医療需要を満たせるだけの医師確保を完了する」スケジュールが描かれています。
 
 こう考えると、2020―2024年度を対象とする最初の「医師確保計画」で最も医師確保に労力を要し(4000人超の医師派遣等が必要と見込まれ、今後精査していく)、徐々にその労力が小さくなっていく、ことが分かります(医師偏在の度合いが徐々に解消していくため)。この点について厚労省は「2024年度は、地域医療構想の実現年度となる2025年度の1年前であり、あわせて新たな勤務医の時間外労働上限も適用される。このような重要な年度に向けて、計画当初から『医師確保を進めなければならない』という強いメッセージを打ち出す必要がある」との考えを提示。今村聡構成員(日本医師会副会長)もこの考えに賛同するとともに、「仮に各地域で同じ労力を投入していけば、医師偏在がより早期に解消できることになる」と見通しています。

 どの医療圏等が下位33.3%に該当するのか、などは2月中旬予定の次回会合で示される見込みです。ここに、各都道府県で「患者の流出入」を勘案し(都道府県同士の調整が必要)、「医師少数区域」等が確定します。
 
 なお、下位・上位の基準は5期間を通じて「33.3%」が維持される見込みですが、偏在解消の進捗を見て、設定しなおされる可能性もあります。

 具体的な医師確保策としては、例えば、既にお伝えした「医師少数区域等での勤務を認定する仕組み」(この仕組みにおける「医師少数区域」は、上述した医師少数区域である)を活用するほか、医師多数区域からの派遣促進などが考えられます(関連記事はこちら)。厚労省・都道府県・医療機関や大学が、協働して、▼医師少数区域でも研鑽を積める体制の整備▼子育てしながら働ける環境の整備▼医療機関の勤務環境改善の支援―などを進めることになります。この点について裵英洙構成員(ハイズ株式会社代表取締役社長)は、「特に医師が少数の区域(最下位近辺)には、より強力な医師確保策とその支援が必要である」との見解を示しています。
 
また、時間はかかるものの「大学医学部における地域枠・地元枠の設定」は、医師確保に向けて最も効果的な施策と考えられており、医師派遣促進などとセットで進められます。

外来医師の多い(上位33.3%)の地域での新規診療所開業、在宅医療等提供も必要

 ところで、医師需給分科会では「医師が不足している地域がある一方で、都市部では診療所の新規開業が事実上、自由に認められている。これが医師配置の不均衡是正を阻害しているのではないか」と指摘されます。

しかし、「自由開業の制限」には▼日本国憲法第22条から導かれる「営業の自由」に抵触する恐れがある(保険指定拒否でも同様)▼駆け込み開設が増加する恐れがある―といった問題点があります。

そこで、まず「地域のクリニック(診療所)開設状況などのデータを示し、新規開業を考える医師が、『この地域で開業すべきか、別の地域で開業すべきか』を判断できる環境を整える」「外来医療のあり方について、地域で関係者が協議する」ことから始める、こととなりました。

ある医師がA都市での開業を考える際に、「A都市ではすでにクリニック(診療所)が多数開設されている」「地域の人口は減少傾向に入っている」などのデータを目にすれば、「A都市での開業は控えたほうがよさそうだ。病院にとどまる、あるいは医師が不足しているB地区で勤務等も視野に入れよう」と考えなおしてもらえるのではないか、という期待があります。

 具体的には、▼外来医療機能の偏在・不足などを客観的に把握できる「指標」(外来医師偏在指標)によって、「外来医師多数区域」を設定する▼外来医師多数区域で新規開業を行う場合には、「在宅医療」「初期救急医療」「公衆衛生(学校保健や産業医、予防接種等)」の機能を担うよう求める▼すべての地域で、各医療機関が、今後どのような外来医療機能を担っていくのかを検討・協議する―ことになります(関連記事はこちら)。

1月30日の医師需給分科会では、「外来医師多数区域」について、「外来医師偏在指標が上位33.3%の地域とする」ことが決められました。

都道府県は、ホームページなどさまざまな機会を通じて、「2次医療圏ごとの外来医師偏在指標」や「診療所・病院の所在マップ」などを情報提供します。地域の患者数は一定程度決まっていることから、クリニック(診療所)数が多くなれば、競争が厳しくなり(1クリニック当たりの患者数が減る)、収益も相対的に悪くなります。こうした情報を得た医師が、上記のように「この地域はクリニック(診療所)激戦区であるな。ここでの開業は控えよう」などと判断する助けをするもので、いわゆる「ビル診」や「自由診療(美容整形など)のみのクリニック(診療所)」も同様の手続きを踏むことになります。

 この取り組みに対する反論はありませんが、「診療科別の開設状況を明らかにすることでより効果が上がる」(神野正博構成員:全日本病院協会副会長、山内英子構成員:聖路加国際病院副院長・ブレストセンター長・乳腺外科部長ら)、「クリニック(診療所)の開業・廃業は頻繁に発生しており、短期間(少なくとも1年毎)で情報更新を繰り返していくとよい」(裵構成員)―などといった注文も付いています。

 医師偏在については、「地域偏在」のみならず「診療科偏在」も指摘されており、現在、厚労省で「診療科と特定疾病等の紐づけ」(●●病患者は主に○○科で診ているなど)等を踏まえた偏在状況の可視化に向けた分析が進められている途中です(具体的な議論は、この分析を待つことになる)。外来の診療科となれば、複数科を標榜しているなど、さらに複雑なため、「将来の検討課題」となりそうです(関連記事はこちら)。



https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201901/20190131_11019.html
<涌谷町>財政非常事態を宣言 病院会計が圧迫、21年度にも財調赤字の恐れ 
2019年01月31日木曜日 河北新報

 宮城県涌谷町の大橋信夫町長は30日、町財政が危機的状況にあり、このままでは2021年度にも財政調整基金(財調)が赤字になる恐れがあるとして「財政非常事態」を宣言した。
 大橋町長や町企画財政課によると、町国保病院事業会計の繰り出しが15年度以降は毎年度4億円を超え、19年度以降も同様の予算編成を続けると、21年度には財調が約425万円の赤字になる試算だという。
 同町の標準財政規模は約50億円。町によると少子高齢化に伴い病院への繰り出し金が増えているほか、自主財源の伸び悩みと社会保障費の増額で、単年度収支に不足が出ているという。新年度に新たな財政健全化計画を策定するほか、事業見直しなどを行う方針。
 大橋町長は「病院側も医師不足の中、地域の医療に貢献している。町側も身の丈に合った財政を目指す上で、町民の協力をお願いしたい」と話した。
 町国保病院管理事業者の大友和夫町民医療福祉センター長は「町や医師会との連携を深め、思い切った改革を進めたい」と述べた。




https://www.nishinippon.co.jp/nnp/oita/article/483286/
竹田市小児科医不在の恐れ 診療所医師が辞意 市民5300人署名 [大分県]  
2019年01月31日 06時00分   西日本新聞

 竹田市の唯一の小児医療機関「市立こども診療所」で所長を務める男性医師(50)が市への不信感から辞意を示唆し、診療所が2月にも休診する恐れが出ている。市内から小児科医がいなくなることを危惧(きぐ)し、女性でつくる「竹田の小児医療を守る会」は30日、診療所の継続などを求める約5300人分の署名を首藤勝次市長と医師に提出した。

 こども診療所は市内に小児科の医療機関がなかったことから、市が2009年に開設。以来、現在勤務する医師が1人で診療を担ってきた。年約1万6千人が受診し、約1千万円の黒字。老朽化に伴い、現在建て替え工事が行われている。

 市は17年12月、人手不足が続く看護師の採用などで柔軟に対応できるよう、指定管理者が診療所の運営をできるように条例を改正。市によると、指定管理者による病院の運営条件などを巡って市と医師に確執が生じ、医師は今月21日の市議会で辞意を示唆したという。

 子どもを持ち、小児科医不在を恐れる市内の女性4人は23日、「竹田の小児医療を守る会」を発足させ、診療所の継続などを求める署名活動を実施。市の人口の約4分の1となる約5300人から賛同の署名を得て、30日に提出した。

 首藤市長は「コミュニケーション不足で医師とすれ違いが生まれ、不安を与えて申し訳ない」と謝罪。市は今月から特命課長を置いて医師との関係修復などを図っていることを明らかにした。

 関係者によると、診療所は2月からインフルエンザのワクチン接種を中止する予定で、アレルギーで定期的に受診する患者には他院への紹介状を渡すなどしているという。会の古森佳代代表(50)は「診療所が無くなると片道30分~1時間以上かけて市外の病院に行かないといけない。なんとか診療を続けてほしい」と訴えた。



https://www.asahi.com/articles/ASM213SPTM21UGTB003.html
福島)中山間地の診療所減に歯止め 県が医業承継バンク 
小泉浩樹 2019年2月2日03時00分 朝日新聞

 中山間地などの診療所の後継者不足を解決するため、県と県医師会は1日、「医業承継バンク」を設置すると発表した。後継者を探している診療所の医師を登録したデータベースを作る。開業を希望する医師とマッチングをはかり、診療所の減少に歯止めをかけたい考えだ。

 県地域医療課によると、2010年には1457施設があった診療所は16年には1370に減っている。主に高齢化による医師の引退が原因だという。県内の診療所医師の高齢化率は16年で52・2%と全国平均(47・3%)より5%近く高い。

 一方で、県内診療所の医師へのアンケートで「後継者が決まっているか」と尋ねたところ、233人中、7割以上の170人が「決まっていない」と答えたという。県地域医療課は「70、80代で診療を続ける医師は多く、5年、10年で一気に減る可能性がある」と話す。

 医業承継バンクは県が委託し、県医師会に設置。バンクに登録した医師に後継者候補を紹介し、マッチングをする。県医師会は2月~3月に医業承継を希望する医師を対象にセミナーを4回開くという。

 後継者は医師向けのメルマガやネット広告を通じて情報提供し、主に県外を対象に開業を希望する医師を探すという。ただ、中山間地の診療所を希望する医師は少ないのが現状で、うまく後継者が見つかるかは未知数だ。(小泉浩樹)



https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201901/20190131_11021.html
登米市病院、独法化も検討 累積赤字膨張、経営形態見直し 
2019年01月31日木曜日 河北新報

 宮城県登米市は30日、2018年度末の市病院事業会計の累積赤字が、前年度より約6億円増えて157億円となり、資金不足が約2億4479万円増の10億4478万円に上る見通しを明らかにした。累積赤字は今後も増える見通しで、熊谷盛広市長は、病院事業の地方独立行政法人化も視野に入れ、経営形態を抜本的に見直す方針を示した。
 市医療局によると、18年度病院事業会計は医師不足などの影響によって入院・外来患者数が目標に届かず、医業収益が当初見通しより5億6561万円減の60億1005万円にとどまった。
 資金不足が新たに発生したため、金融機関から2億5000万円を一時借り入れして対応。穴埋めとして一般会計から2億3703万円を繰り入れる18年度補正予算案を2月定期議会に提出する。
 また市は19年度、一般会計から前年度比6.9%増の19億4304万円を病院事業会計に繰り入れる予算案を組んだ。
 定例記者会見で熊谷市長は「このままでは累積赤字が膨らむ一方で展望が開けない。独法化も一つの選択肢として経営形態を見直したい」と明言。医師確保の努力を続けるとともに、経営効率化や病院・診療所の集約、再編ネットワーク化を進めていく考えを示した。



https://www.m3.com/news/iryoishin/655801
シリーズ 医師の働き方改革とキャリア
産婦人科医の不安、疑問続出「5年でゼロにできるのか」
日本産科婦人科学会、働き方改革テーマに公開フォーラム
 
レポート 2019年1月28日 (月)配信橋本佳子(m3.com編集長)

 日本産科婦人科学会は1月27日、2018年度「拡大医療改革委員会」兼「産婦人科医療改革 公開フォーラム」を都内で開催した。テーマは「産婦人科医の働き方改革を実現させるための方策」。

 基調報告として登壇した、厚生労働省医政局医事課・医師養成等企画調整室室長の堀岡伸彦氏が、今まさに同省で議論の佳境を迎える医師の働き方改革について、「原則的には大多数の医師が一般の労働者と同じ考え方(休日労働込みで年間時間外960時間)の上限レベルとなる」と説明。「年1900~2000時間」の時間外労働が認められるのは、救急搬送件数が一定数以上といった「医療の不確実性」に対応しているなどの一部の医療機関で、管理者がマネジメント研修を受け、タスク・シフティングなどを行う要件を満たす場合であるとしたものの、出席者からは「5年後に、年1900~2000時間超の医師をゼロにすることは可能なのか」「宿日直の定義が曖昧」「そもそもどこまでが労働時間か」「タスクシフトは可能なのか」といった現場の不安、疑問が続出した。

 堀岡氏は「5年後にゼロにできるのか」との質問に、「できる、できない、といった話ではなく、やらなければいけない」と回答。

 「宿日直の定義が曖昧」と指摘したのは、日本産婦人科医会常務理事の中井章人氏(『「宿直」の定義が先決、時間外労働の議論に“注文” 』を参照)。「宿直」であれば、時間外労働にカウントされないが、「宿直」に該当しなければ時間外労働となる。堀岡氏は、厚労省の検討会で「病棟当直において、問診等の診察を行う」などの業務にとどまる場合は宿直に当たるなど、宿直の定義(詳細は、後述)を議論したと説明したが、中井氏は納得せず「ほとんどの産科では、(夜間の)分娩が常態化している。宿直として認められないのではないか」と問いかけた。

 日本産科婦人科学会医療改革委員会委員長の海野信也氏は、「そもそも労働時間の定義が分からない」と質問。「年1900~2000時間」を決める根拠となった厚労省研究班の調査は、「診療時間、診療外時間、待機時間の合計でありオンコールの待機時間は除外。医師が回答した勤務時間数であり、回答時間数全てが労働時間であるとは限らない」とされている。「労働時間」をベースにした検討が必要だとしたほか、実際の運用上、「労働基準監督署は、労働時間と勤務時間を分けて考えてくれるのか」との懸念も呈した。堀岡氏は、「研究班の調査は、医療機関ではなく、各医師に回答してもらった調査であること、また「就業構造基本調査」(2012年)の結果とも近いと説明。

 フロアから発言した全国医師ユニオン代表の植山直人氏は、「医師は非常に厳しい中で、努力している。憲法が守られていないのが一番の問題ではないか」と指摘し、長時間労働の現状を問題視。「医師の時間外労働の上限は、法律の趣旨に近いものであるべきで、勝手に省令で決めていいものではない」と述べたほか、学会に対しても「若手を必ず守るというメッセージを出せるのか」とも問いかけた。

 その他、「メディカル・クラークは非常に助かっているが、公的な病院だと定員の枠があり、常勤として雇用しにくい。タスク・シフティングされる人の立場も考えないといけない」、「大学ではアルバイトがなければ生活できない医師がほとんど。アルバイトも労働時間とカウントするのであれば、アルバイトができず、給与は下がる。大学から医師が去ってしまったり、大学の医師派遣先の医療機関が成り立たなくなる恐れがある」などの意見も出た。アルバイトの問題について、堀岡氏は「現状でも、アルバイトは労働時間に含まれる。今回の検討で始まったことではない」と答え、上限を超えるほどの時間外労働であれば、その分の時間外手当を受け取るはずであると指摘した。

「ポスト平成時代、サステナブルなのか」

 冒頭であいさつした日本産科婦人科学会副理事長の木村正氏は、産婦人科の特徴として、「予定が立たない、夜間のニーズがある、女性の比率が多い」などを挙げ、非常に厳しい勤務を昭和の時代に卒業した医師はこなしてきたものの、「ポスト平成の時代になって、この体制がサステナブルなのか」と問いかけた。

 「基調報告」として、最初に登壇したのが堀岡氏。厚労省の「医師の働き方改革に関する検討会」の議論の現状を説明。時間外労働の上限を「年1900~2000時間」とした根拠は、「医師の勤務実態及び働き方の意向等に関する調査研究」(2016年度厚生労働科学特別研究班)。同研究では、医師の10.5%が時間外労働が「年1920時間」(月160時間)を超す水準だった。全国平均では26%の医療機関に該当医師がいることになるが、施設による差があり、大学病院では88%、救命救急機能を有する病院では82%と高い。

 現状で「年1920時間」を超す医師は、この4月の改正労基法施行から5年後には「年1900~2000時間」以内に短縮、さらに「年960時間」を目指して短縮することが必要だと説明した。

 堀岡氏は、原則は「年960時間」であるとし、どんな医療機関でも「年1900~2000時間」が認められるわけではないと強調。「管理者のマネジメント研修やタスク・シフティングを義務にしようと思っている。医師に点滴をやらせているけれど、時間外労働が長いケースなどは許されない。限界までマネジメントしても、どうしてもできないところが認められる。また5疾病・5事業を担っていたり、ある一定以上の救急搬送件数があるなど、医療の不確実性に対応している医療機関に限定している。今は定性的に説明しているだけなので今後、細かい要件について議論することを考えている」(堀岡氏)。

「特定行為研修制度のパッケージ化」、1万人の養成目指す

 労働時間の短縮方法は種々あるが、堀岡氏は、特に「特定行為研修制度のパッケージ化」と医学部の地域枠の卒業生の地域定着を挙げた。「特定行為研修制度のパッケージ化」とは、看護師の特定行為研修は現状では個別行為について実施しているが、「外来術後管理」「術中麻酔管理」「在宅・慢性期」の3つの領域について、各領域に関連した特定行為をまとめて研修する方法。あくまで医師の包括的指示の下で行うが、「包括的指示でできる行為の範囲が拡大する」(堀岡氏)。2020年度から養成を開始、2024年度までに1万人を目指し、「医師の働き方改革を進めるために、全ての大学病院が研修機関になってもらいたい。限界まで政策的な誘導をかける」(堀岡氏)。

 「よく受ける質問」として、(1)宿日直の扱い、(2)想定される働き方の変化――などについて説明。(1)の宿日直については、「病棟当直において、少数の要注意患者の状態の変動への対応について、問診等による診察、看護師等他職種に対する指示、確認を行うこと」、「外来患者の来院が通常想定されない休日・夜間において、少数の軽症の外来患者や、かかりつけ患者の状態の変動について、問診等による診察、看護師等他職種に対する指示、確認を行うこと」であるとし、「2次、3次救急の輪番は宿日直ではない」(堀岡氏)。

 (2)については、▽「連続勤務時間制限28時間、インターバル9時間」であることから、「当直の次の日、午前中で帰れる」、▽点滴や採血、尿道バルーン、診断書の作成等は医師が原則直接手を動かす仕事ではない、はっきりと断ってください、厚労省も明示している、(3)「眠れない」当直をした場合には、当直手当ではなく。時間外手当が支払われる――と説明。医師の働き方改革を進めるためには、「労務管理とタスクシフトが両輪」であるとした。

産婦人科医の医師偏在指標、「少数区域」のみ

 「基調報告」として続いて3人が登壇。海野氏は「産科医の地域偏在指標について」について講演。この4月から、都道府県で医師確保計画の策定が始まる。「医師多数区域」と「医師少数区域」を設定、「医師少数区域」での医師増を目指すのが狙い(『医師確保「少数区域は多数区域から」、可能か?』を参照)。その際、産婦人科と小児科に限っては、診療科別の「医師偏在指標」を作成、それを基に計画を講じる。

 海野氏は、厚労省の「産科における医師偏在指標作成検討委員会」のメンバー。産婦人科医の立場としては次のように考えているという。「もともと産婦人科医は総数が不足しているという認識。医師多数区域を設定することで、(ここから他の区域に医師が移動し)この区域の周産期医療が崩壊する危険性がある。医療需要は分娩数を用い、偏在指標としては、相対的医師少数三次医療圏、相対的医師少数区域を設定するが、医師多数区域は設定しない方針」。「他区域からの医師派遣のみを対策とするのは適当ではない。必要に応じて、医療圏の見直しや医療圏を超えた連携によって医師偏在解消を図ることを検討することが必要ではないか」(海野氏)。既に2回検討委員会を開催、1月31日にも第3回検討委員会を開催予定だ。

 中井氏は、「日本産婦人科医会施設情報調査2018」を説明。宿直を除く週平均労働時間は46.2時間のため、「宿直を除く勤務時間はほぼクリアしている。結局、問題なのは宿直。労基法上は週1回、月4.3回だが、2018年の調査では5.6回であり、これを上回っている」(『「宿直」の定義が先決、時間外労働の議論に“注文” 』を参照)。「そもそも、われわれが宿直と呼んでいるものが、本当に宿直なのか、定義を明確にした丁寧な議論が必要」。

当直明けは、半数以上の施設で「通常日勤」、

 日本産科婦人科学会・医療改革委員会の重見大介氏は、「第11回産婦人科動向意識調査・タスクシフト調査」の中間報告を担当。「動向意識調査」は、産婦人科専門研修施設を対象に、2008年から毎年実施している。2018年の調査は、2018年12月11日から2019年1月4日にかけて実施、978施設の回答を集計した。「1年前と比較して、全体としての産婦人科の状況」、「1年前と比較して、自施設産婦人科の状況」などは、前回(2017年調査)とほぼ同様の結果だった。

 今回の調査では新たに、「勤務環境の現状調査」と「タスクシフト現状調査」を実施。「勤務環境の現状調査」では、(1)大都市圏で約4割、地方で7割が勤怠管理システム未導入、(2)2割弱で「オンコール手当なし」、(3)2割の施設で「当直回数上限なし」、(4)7割の施設で「週1回以上の当直あり」、(5)当直明けは、半数以上の施設で「通常日勤」、「当直明けで終業」は地方でわずか2%――などという厳しい勤務の現状、労務管理の不徹底さが浮き彫りになった。

 「タスクシフト現状調査」では約60項目を調査。「ほとんどの施設で実施」が「説明代行関連〔服薬指導(入院)〕」、「実施は少ないがシフトに前向きなタスク」としては「説明ビデオ(動画等)」などが挙がった一方、「分娩にかかわる手技関連(会陰切開)」については「ほとんどの施設がシフトするつもりはない」と回答。

 公開フォーラムでは、「基調報告」に続いて、計6人の産婦人科医が働き方改革への取り組みを紹介。産婦人科医は、女性医師の割合が増加傾向にあることから、女性医師の就労支援に関する報告が大半だった。

 最後にあいさつした、日本産科婦人科学会理事長の藤井知行氏は、「医療の質を低下させないよう、働き方改革を進めるものの、医療の集約化や時短を進めると、サービスは低下しかねない」として、例として2018年末に政治主導で凍結が決定した「妊婦加算」を例に挙げ、医師の働き方改革は国民の理解を得ながら進める必要性を強調した。最近産婦人科に進む医師が増えているのは、医学部定員増の影響があるとし、「医師の総数が増えれば、この問題は解決する」とも指摘した。



http://www.minyu-net.com/news/news/FM20190131-346925.php
「小高病院」入院機能再開へ 策定委素案、人材確保の条件付き 
2019年01月31日 09時20分    福島民友

 南相馬市の医療関係者らでつくる市立病院改革プラン策定委員会は30日、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故に伴い休止している市立小高病院(小高区)の入院機能について「当面は市立総合病院(原町区)のサテライト診療所とし、医師確保などの課題を解決した上で、19床の有床診療所として再編する」との素案をまとめた。市は素案を踏まえ、課題を解決した上で入院機能を再開させる方針。



 素案では、99床あった小高病院の入院機能を19床に縮小し、総合病院との連携、在宅医療の強化を図るとした。条件として、〈1〉医師や看護師らの人材確保策を明確にする〈2〉市財政の負担額縮小を図る計画の策定〈3〉中長期的に介護サービスなどの機能を担う施設も想定した計画の策定―の三つの対応を求めた。総合病院は70床増の300床とすることも盛り込んだ。

 小高病院は震災と原発事故前、7診療科と99床を備えていた。2014(平成26)年に外来診療を再開させたが、入院機能は震災による建物の損壊や医療従事者不足により休止している。

 同病院の入院医療を巡っては、前市長が医療従事者不足や財政赤字などを理由に17年12月の市議会で「小高病院の99床を総合病院に移管、小高病院を無床診療所として再編」とする条例改正案を提出し、否決された。門馬和夫市長は前市長の方針を転換し、小高区内の入院機能再開に向けた協議を進めてきた。

 素案は2月上旬、策定委の樋口利行委員長が門馬市長に提出する。市はその後、地域協議会やパブリックコメントなど、市民の意見を踏まえ素案を修正した上で、3月議会で市立病院再編案を報告する考え。

 南相馬市小高区の住民でつくる小高区地域協議会は小高病院の入院機能再開について、「医療人材や財源の確保ができない場合は再開を希望しない」などとする提言書を門馬市長に提出している。



https://www.medwatch.jp/?p=24581
地域医療連携推進法人、病院の再編・統合や医師確保に向けた重要ツールの1つ―厚労省・地域医療連携推進法人連絡会議 
2019年1月28日|医療計画・地域医療構想 MedWatch

 地域医療連携推進法人は、病院の再編・統合を進める際、また地域での医師確保等において極めて有効なツールである。ただし、診療報酬算定などで壁もあり、柔軟な対応ができないか検討してほしい―。

 厚生労働省が1月25日に開催した「地域医療連携推進法人連絡会議」で、こうした議論が行われました。
 
ここがポイント!
1 これまでに7つの地域医療連携推進法人が発足、先達の意見踏まえて制度改善目指す
2 病院の再編・統合の前段階として地域医療連携推進法人を設立し、人事交流等を
3 大学と地域病院との間に地域医療連携推進法人が入り、医師派遣の調整を
4 パスの共有ヤフォーミュラリ構築を進め、医療・経営の質向上を狙う
5 地域医療連携推進法人への参加で、民間病院から自治体病院への医師派遣がスムーズに

これまでに7つの地域医療連携推進法人が発足、先達の意見踏まえて制度改善目指す

 2022年からは、いわゆる団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になりはじめ、2025年には、すべての団塊の世代が後期高齢者となります。その後、2040年にかけて高齢者の増加ペースそのものは鈍化するものの、現役世代の人口が急激に減少していきます。このように少子高齢化が進行すれば、医療従事者の確保などが困難になり、限られた医療資源を、これまで以上に効率的かつ効果的に活用することが求められ、「医療提供体制改革」が極めて重要なテーマとなります。

このため、病院・病床の機能分化・連携を強化する「地域医療構想」の実現や、高齢者の在宅限界を高めるための「地域包括ケアシステム」の構築が急務となっています。その一環として、厚労省は「地域医療連携推進法人」制度を2017年4月からスタートさせました(地域医療連携推進法人制度の詳細はこちら(厚労省サイト))(関連記事はこちらとこちらとこちら)。
 
地域の医療機関等が、いわばホールディングカンパニーである「地域医療連携推進法人」を設立。そこで参加医療機関等が、それぞれ地域でどのような役割を担うかの方針を定め、その方針に沿って機能分化・連携を進めていきます。参加医療機関間では、「病床の融通」や「人事交流」「医薬品や医療機器などの共同購入」が可能となり、限られた医療資源をより効率的・効果的に活用することが可能となります。
これまでに、次の7つの地域医療推進法人が発足しています((1)-(4)は2017年度発足、(5)-(7)は2018年度発足)。
(1)尾三会(愛知県、藤田保健衛生大学病院などが参加)
(2)はりま姫路総合医療センター整備推進機構(兵庫県、兵庫県立姫路循環器病センターと製鉄記念広畑病院が参加)
(3)備北メディカルネットワーク(広島県、三次市立三次中央病院などが参加)
(4)アンマ(鹿児島県、瀬戸内町与路へき地診療所などが参加)
(5)日本海ヘルスケアネット(山形県、山形県・酒田市病院機構(日本海総合病院、日本海酒田さリハビリテーション病院)などが参加)
(6)医療戦略研究所(福島県、医療法人社団正風会などが参加)
(7)房総メディカルアライアンス(千葉県、富山国保病院、安房地域医療センターなどが参加)

1月25日の連絡会議初会合では、厚労省医政局の吉田学局長が「地域医療連携推進法人の普及・改善に向けて、先行者である7法人から、行政に期待するさらなる支援策や制度の深化などに関する提言・アドバイスをしてほしい」と要望しました。定期的に連絡会議を開き、アドバイス・提言等を踏まえて制度改善につなげていくことになります。

各法人の状況や提言などを紹介しましょう。

まず(1)の「尾三会」は、特定機能病院である藤田保健衛生大学病院が参画し、参加病院の中で高度急性期医療から回復期・在宅医療までを切れ目なく提供することを狙っています。すでに30の医療機関等が参画し、「人材育成」「人事交流」などによって医療水準の底上げ・標準化を進めるとともに、「医薬品等の共同購入」などによる経営の効率化も進めているといいます。

ただし、「地域医療構想の実現」や「地域医師会との連携」といった点に関しては、参加法人によって温度差もあるようです。また、「地域医療連携推進法人の業務において、医療連携推進業務(研修や共同購入、参加医療機関等への貸付、医療機関の開設など)の比率が50%以上」といった規定により、例えば「看護師の派遣」(大学病院から地域の中小病院等への派遣など)などにおいて若干の「使い勝手の悪さ」もあるようです。

病院の再編・統合の前段階として地域医療連携推進法人を設立し、人事交流等を

また(2)の「はりま姫路総合医療センター整備推進機構」は、兵庫県立姫路循環器病センターと製鉄記念広畑病院の再編・統合に向けた前段階として設立された地域医療連携推進法人です。

病院の再編・統合に当たっては、「医療従事者の壁」「診療内容の違い」「風土の違い」などを解消するために、十分な準備期間が必要となるため、まず地域医療連携推進法人を設立して人事交流等を進め、機が熟すのを待ち、実際の再編・統合を行うこととしたものです。機構の八木聡理事は、「地域医療の中でどういった役割を果たすべきかを職員1人1人が考えて行動するようになってきている。再編・統合の推進に向けて、地域医療連携推進法人の設立は極めて有用である」と強調しています。

大学と地域病院との間に地域医療連携推進法人が入り、医師派遣の調整を

(3)の「備北メディカルネットワークでは、これまで「大学(広島大学)と個別病院との間では、医師派遣要請等の議論が必ずしも十分できていなかった」点を踏まえ、参加病院間での医師派遣等を円滑にするために発足。医師派遣について「大学 → 地域医療連携推進法人 → 個別医療機関」といった流れの構築に向けた取り組みが進められているといいます。

いくら大学医学部とは言え、数多ある地域の医療機関の要望をすべて吸い上げ、それを調整して医師派遣を行うことは、大変な労力を要します。また、個別医療機関側が大学へ医師派遣を要請するには大きなハードルがあることは想像に難くありません。そこで地域医療連携推進法人が間に入ることで、各医療機関の要望を吸い上げて調整することが可能となり、医師派遣が相当程度円滑に進むと期待されます。

地域医療連携推進法人は、医師偏在対策においても重要ツールの1つとなりそうです。

 
一方、(4)の「アンマ」は、へき地医療を支えるための連絡協議会を核として設立されました。へき地においては、医療・介護資源が極めて限られているため、連携を強化し、相互補完を行い、機能強化を図ることが必要不可欠です。

ただし、現時点では「病院」が参加していません(クリニックと介護施設のみが参加)。病院については、設立母体が研修等を実施しているため、「地域医療連携推進法人への参加メリットが現時点では薄い」との判断があるようです。このため、連絡協議会も残し、2本立て(地域医療連携推進法人と連絡協議会)で、地域の病院や薬局、助産所等との連携を図っているといいます。今後、「病院の参加」が重要な課題であると桂和久代表理事は強調しています。

パスの共有やフォーミュラリ構築を進め、医療・経営の質向上を狙う

また(5)の「日本海ヘルスケアネット」では、かねてから地域医療連携を進めている山形県・酒田市病院機構の栗谷義樹代表理事が音頭を取り、機能分化・連携を推し進めています。▼入退院に関するクリニカルパスの共有▼病床回転率の向上▼フォーミュラリ(医薬品の処方ルール)の構築▼ポリファーマシー(弊害のある多剤投与)の解消―などの成果が出始めており、医療内容の質向上・標準化が図られるとともに、経営の質も向上してきています(関連記事はこちらとこちら)。

栗谷代表理事は、「地域全体で黒字が達成できなければ、地域医療におけるキャスティングが難しい」(1病院だけ黒字では、地域医療連携は不可能である)と強調し、現在、地域医療連携推進法人の中で「費用の連結管理を可能とする手法」を検討しているといいます。医療提供体制はもちろん、経営面についても地域連携を進める時代に入ってきたと言えるかもしれません。

なお栗谷代表理事は、「フレイル高齢者の再入院の繰り返し」が地域医療において大きな問題となっていると指摘し、地域医療連携推進法人の中での対応や手続きの簡素化などが今後の検討課題になると指摘しています。

 
また(6)の「医療戦略研究所」では、東日本大震災により「地域医療が完全に崩壊した」地域における地域医療の再構築に取り組んでいるといいます。人間関係・信頼関係が構築されている地域医師会の有志が核となって、「地域における医療・介護連携モデル」を研究・構築し、それを県内に普及することを目指しています。そのために例えば、「電子カルテデータの連結」などに向けた研究も進めています。

石井正三代表理事は、そうした連携に当たってのハードルとして、診療報酬等の厳格な「施設基準」を例示しました。地域の医療機関が連携し、例えば、重症症例に対応するために「一時的な人材(医師や看護師等)の集中的配置」を行おうとしても、診療報酬の施設基準を満たさなくなるため(当然、診療報酬が算定できなくなる)実施が困難であると強調。一定の柔軟化を検討してほしいと要望しています。

地域医療連携推進法人への参加で、民間病院から自治体病院への医師派遣がスムーズに

他方(7)の「房総メディカルアライアンス」は、医師が数名ずつしか配置されていない自治体病院への医師派遣等を行うことを目指しています。民間病院から自治体病院への医師派遣には法令の壁等がありますが、地域医療連携推進法人を設立することで、参加病院間では、設立母体の壁を越えて医師や看護師等の派遣が比較的スムーズに実施できるためです。

この点について亀田信介代表理事は、「ICTを活用した遠隔診療が進んでいく。地域医療連携推進法人への参加については、距離よりも活動内容に重きを置いて認められるような仕組みとすべきではないか」との考えを示しました。地域医療連携推進法人への参加は、都道府県をまたぐことも可能ですが、どこまで柔軟な参加を認めるべきなのか、今後、より具体的に例示することなども検討する余地がありそうです。
 
 

https://www.medwatch.jp/?p=24604
【病院総合医】育成プログラム認定施設、2019年1月に134施設へ拡大―日病 
2019年1月30日|医療現場から MedWatch

 日本病院会はこのほど、「病院総合医育成プログラム認定施設」を更新。今年(2019年)1月11日時点で、全国134施設で「病院総合医」の育成を行う体制が整ったことが分かりました(病院総合医に関する日病のサイトはこちら)(2018年1月の認定状況に関する記事はこちら。

複数疾患を抱える患者への総合診療提供や術後管理を担う【病院総合医】を養成

 本年度(2018年度)から新たな専門医制度が全面スタートし、そこでは「総合診療専門医」の養成も始まっています。総合診療専門医は、専ら「かかりつけ医」として地域におけるプライマリケア提供のリーダーになると期待されますが、「『病院』において複数疾患を抱える患者への総合診療提供や、術後管理などを行う医師」の養成が可能か、という点には疑問を持つ医療関係者も少なくありません。

このため日本病院会(日病)では、「病院において総合診療を行う医師である【病院総合医】」を、総合診療専門医(新専門医制度)とは別に養成する方針を固めました(関連記事はこちらとこちらとこちら)。

【病院総合医】について、日病の相澤孝夫会長と末永裕之副会長は「将来、病院経営幹部の1ルートとなることが期待される」と強調し、次のような医師像を描いています。
(1)多様な状態を呈する患者に包括的かつ柔軟に対応できる総合的診療能力を持つ
(2)全人的に対応できる
(3)地域包括ケアシステムにおける医療・介護連携の中心的役割を担う
(4)多職種をまとめチーム医療を推進できる
(5)地域医療にも貢献できる

日病会員病院の中で、「自院の中堅医師を【病院総合医】として育成したい」と考える施設や、「【病院総合医】を目指す医師が勤務している」施設が手をあげ、必要な研修を行える体制等が整っているかが審査されます。

審査をクリアした施設(病院総合医育成プログラム認定施設)において、【病院総合医】を目指す医師(卒後6年目以上の医師を対象)に必要な指導を実施(医師からすれば研修を受講する形、もちろん他施設との連携指導も行われる)。

【病院総合医】を目指す研修医(病院総合専修医)は2年間、▼急性中毒▼意識障害▼全身倦怠感▼心肺停止▼呼吸困難リンパ節腫脹▼認知脳の障害▼失神▼言語障害▼けいれん発作▼胸痛▼吐血・下血▼熱傷▼外傷▼褥瘡▼歩行障害▼排尿障害(尿失禁・排尿困難)▼気分の障害(うつ)―などの症例などを経験した上で、日病で「当該医師が病院総合医としての能力を保有しているかどうか」が審査されます。

【病院総合医】を目指す研修医(病院総合専修医)審査では、▼インテグレーションスキル(包括的診療の展開・実践)▼コンサルテーションスキル(必要な場合に専門診療科へ速やかな相談・依頼)▼コーディネーションスキル(多職種の連携・調整)▼ファシリテーションスキル(チーム医療の促進・実践)▼マネジメントスキル(地域包括ケアシステムや日本全体を考慮した病院運営)―の5能力を評価し、「要件を満たす」と判断されれば、【病院総合医】の資格を手に入れることができます。

 
 今般、新たに43施設が「病院総合医の研修を行える体制が整っている」と判断され、合計134施設が「病院総合医育成プログラム認定施設」となりました。今年(2019年)2月頃に【病院総合医】を目指す研修医(病院総合専修医)の登録が始まります。

【北海道】
▽市立札幌病院 ▽市立千歳市民病院(新規) ▽砂川市立病院 ▽北見赤十字病院(北海道) ▽清水赤十字病院(新規) ▽済生会小樽病院(新規) ▽札幌徳洲会病院(北海道)
【青森県】
▽十和田市立中央病院 ▽八戸市立市民病院
【岩手県】
▽岩手県立中央病院
【宮城県】
▽仙台赤十字病院(新規)
【秋田県】
▽秋田県立脳血管研究センター(新規)
【福島県】
▽かしま病院
【茨城県】
▽水戸済生会総合病院 ▽鹿島病院(新規)
【栃木県】
▽足利赤十字病院 ▽済生会宇都宮病院
【埼玉県】
▽埼玉県済生会川口総合病院 ▽戸田中央総合病院 ▽丸山記念総合病院 ▽北里大学メディカルセンター(新規) ▽埼玉医科大学国際医療センター ▽自治医科大学附属さいたま医療センター
【千葉県】
▽千葉市立海浜病院 ▽成田赤十字病院 ▽板倉病院(新規) ▽柏厚生総合病院(千葉県) ▽幸有会記念病院 ▽東葛病院(新規) ▽安房地域医療センター(新規)
【東京都】
▽東京医療センター(新規) ▽東京城東病院(新規) ▽東京山手メディカルセンター ▽杏雲堂病院 ▽玉川病院 ▽多摩南部地域病院 ▽小豆沢病院 ▽世田谷中央病院(新規) ▽立川相互病院(新規) ▽藤﨑病院 ▽立正佼成会附属佼成病院(新規)
【神奈川県】
▽横須賀市立うわまち病院(新規) ▽湘南鎌倉総合病院 ▽湘南藤沢徳洲会病院 ▽総合川崎臨港病院 ▽東名厚木病院 ▽葉山ハートセンター ▽山近記念総合病院
【新潟県】
▽新潟県立十日町病院 ▽糸魚川総合病院 ▽上越総合病院(新潟県)
【富山県】
▽富山市民病院
【石川県】
▽石川県立中央病院
【長野県】
▽市立大町総合病院 ▽飯山赤十字病院 ▽諏訪赤十字病院 ▽相澤病院 ▽相澤東病院
【岐阜県】
▽総合病院中津川市民病院 ▽美濃市立美濃病院 ▽白川病院(新規)
【静岡県】
▽藤枝市立総合病院 ▽静岡済生会総合病院 ▽NTT東日本伊豆病院
【愛知県】
▽春日井市民病院 ▽小牧市民病院 ▽西尾市民病院(新規) ▽名古屋第一赤十字病院 ▽名古屋第二赤十字病院 ▽海南病院 ▽大同病院 ▽東海記念病院 ▽NTT西日本東海病院(新規) ▽トヨタ記念病院
【三重県】
▽伊勢赤十字病院 ▽田中病院 ▽津生協病院
【滋賀県】
▽市立大津市民病院 ▽彦根市立病院(新規)
【京都府】
▽京都民医連中央病院 ▽武田総合病院 ▽洛和会丸太町病院 ▽三菱京都病院
【大阪府】
▽大阪みなと中央病院(新規) ▽市立ひらかた病院(新規) ▽阪南市民病院 ▽大阪府済生会泉尾病院 ▽松下記念病院 ▽医誠会病院(新規) ▽北摂総合病院(新規) ▽森之宮病院(新規) ▽淀川キリスト教病院
【兵庫県】
▽北播磨総合医療センター(新規) ▽明石市立市民病院(新規) ▽加古川中央市民病院 ▽姫路赤十字病院 ▽兵庫医科大学ささやま医療センター ▽三菱神戸病院
【奈良県】
▽おかたに病院(新規) ▽土庫病院(新規) ▽吉田病院(新規)
【島根県】
▽浜田医療センター(島根県) ▽島根県立中央病院(新規) ▽六日市病院(新規)
【岡山県】
▽倉敷中央病院 ▽倉敷リバーサイド病院(新規) ▽金光病院(新規) ▽水島協同病院(新規) ▽岡山旭東病院(新規)
【広島県】
▽広島共立病院
【山口県】
▽小野田赤十字病院(新規) ▽昭和病院
【徳島県】
▽徳島県立中央病院 ▽徳島赤十字病院
【香川県】
▽四国こどもとおとなの医療センター ▽さぬき市民病院(新規) ▽KKR高松病院
【愛媛県】
▽HITO病院
【福岡県】
▽福岡市民病院(新規) ▽福岡赤十字病院▽福岡県済生会飯塚嘉穂病院(新規) ▽福岡県済生会福岡総合病院(新規) ▽聖マリア病院(新規) ▽福岡記念病院 ▽宗像水光会総合病院(新規)
【熊本県】
▽熊本赤十字病院 ▽済生会熊本病院 ▽済生会みすみ病院 ▽宇城総合病院 ▽菊池中央病院 ▽くまもと森都総合病院 ▽にしくまもと病院 ▽谷田病院
【鹿児島県】
▽種子島医療センター

 

https://www.medwatch.jp/?p=24576
医師働き方改革、宿日直許可基準や研鑽などの不確定要素も踏まえた上限設定論議を―日病協 
2019年1月28日|医療現場から MedWatch

 勤務医の時間外労働の上限について、一般では年間960時間未満、地域医療確保に必要な場合には年間1900-2000時間という数字の議論が進んでいるが、「宿日直許可基準」や「労働と研鑽の切り分け」「病院の再編・統合」などが明確にならないまま上限時間だけを設定して良いのだろうか。5年後の適用段階になって、地域医療が崩壊するようなことがあってはならない―。

 1月25日に開催された、日本病院団体協議会の代表者会議では、こういった点で意見が一致していることが山本修一議長(国立大学附属病院長会議常置委員長、千葉大学医学部附属病院長)から報告されました。
1月25日の日本病院団体協議会・代表者会議後に、記者会見に臨んだ山本修一議長(国立大学附属病院長会議常置委員長、千葉大学医学部附属病院長、向かって右)と長瀬輝諠副議長(日本精神科病院協会副会長、医療法人社団東京愛成会理事長・同会高月病院院長、向かって左)
1月25日の日本病院団体協議会・代表者会議後に、記者会見に臨んだ山本修一議長(国立大学附属病院長会議常置委員長、千葉大学医学部附属病院長、向かって右)と長瀬輝諠副議長(日本精神科病院協会副会長、医療法人社団東京愛成会理事長・同会高月病院院長、向かって左)
 
ここがポイント!
1 宿日直許可基準や研鑽と労働の切り分けなどは不明確、バッファー置いた上限設定を
2 10連休、一時的な重症患者割合の低下などにどう対応するのか

宿日直許可基準や研鑽と労働の切り分けなどは不明確、バッファー置いた上限設定を

 医師の働き方改革に向けた議論が進み、厚生労働省は「医師の働き方改革に関する検討会」に、2024年4月から、勤務医の時間外労働上限を▼原則として年960時間・月100時間未満▼救急医療機関など地域医療確保のために必要な特例水準として年1900-2000時間程度以内―としてはどうか、と提案。賛否両論がありますが、この「上限時間」をどう設定するかが最重要論点の1つとなっています(関連記事はこちらとこちらとこちら)。
 
 この点について国立大学附属病院長会議や日本病院会、全日本病院協会など15の病院団体で構成される「日本病院団体協議会」では、時間設定そのものよりも「不確定要素が多い中で、上限時間だけ先に設定してよいものか」という懸念を持っているようです。

 たとえば、「宿日直」については、「労働密度がまばらで、労働時間規制を適用しなくとも、必ずしも労働者保護に欠けることのない一定の断続的労働」として、労働基準監督署長の「許可」を受けた場合には労働時間規制の適用から除外されます(時間外労働に該当しない)こ。許可すべきかどうかの判断基準(宿日直許可基準)については、現代の医療にマッチするようなアップデートがなされる予定で、大筋の合意は得られていますが、その内容はまだ確定していません(関連記事はこちら)。

 また、勤務医が時間外に行う症例検討や術式の検討などについて、「労働」なのか「研鑽」なのかを明確にするため、例えば上司が「研鑽を行う」旨を確認した上で「通常と異なる場で研鑽を行う」「白衣の着用を避ける」などし、「労働時間」との混同を避けるような取り組みを行う方向は固められましたが、詳細は明らかになっていません(関連記事はこちら)。

さらに、医療資源を集約してオーバーラップする業務内容を効率化することが生産性向上に向けて不可欠なことから、「病院の再編・統合を進めるべき」との意見が検討会で散見されており、そうした観点での検討も進められる必要がありそうです(関連記事はこちら)。

これらの要素が固まらないままに上限時間のみを確定した場合、「2024年4月の適用時点で蓋を開けてみたら(厚労省通知などを確認してみたら)、地域医療確保がままならないものとなっていた」という事態が生じかねないと各病院団体の代表者は感じているといいます。山本議長は「助かる命が、働き方改革で助からなくなってはいけない。不確定要素の明確化には時間がかかるため、バッファーを置いた上限設定を考える必要があるのではないか」とコメントしています。

10連休、一時的な重症患者割合の低下などにどう対応するのか

なお、10連休問題については、厚労省医政局長が医療提供体制を確保するよう求める通知が発出していますが(関連記事はこちら)、保険制度面では、対応方針がクリアになっていないと山本議長は訴えます。

10連休中は稼働医療機関が減ることになるため、▼一時的に入院患者数が過剰になる可能性があるが、診療報酬はその場合でも減算されてしまうのか▼容態が比較的安定した患者でも退院先・退所先が確保できず、一時的に重症度、医療・看護必要度が下がる可能性があるが、どう考えるのか(2018年度改定で1割以内変動の救済措置が廃止されている)―などの問題が生じかねません。この点について日病協では、2月中に要望書をまとめ、厚労省に提示する考えです。
 


https://www.medwatch.jp/?p=24594
常勤医師が必要か、非常勤でもよいのかを明確にした上で、「医師確保計画」策定を―日医総研 
2019年1月29日|医療現場から MedWatch

 医師確保等のベースとなる医師・歯科医師・薬剤師調査には、現在「兼務医師を重複カウントしている」などの問題があり、「兼務状況の調整」「地元のリアルタイム情報による調整」が必要となる。また、医師偏在解消に向けて都道府県が策定する「医師確保計画」に向けて、各医療機関が求める医師の「業務形態」を明確にしておく必要がある―。

 日本医師会のシンクタンクである日本医師会総合政策研究機構(日医総研)は1月22日にリサーチエッセイ「医師偏在の解消にむけたデータの活用について―『医師・歯科医師・薬剤師調査』をそのまま活用することの限界—」を公表し、このような提言を行いました(日医総研のサイトはこちら)。

三師調査の活用では、医師の「兼務」状況の調整や、地元情報に基づく調整が必要

医師の地域偏在・診療科偏在がこれまで以上にクローズアップされています。医師偏在はかねてから問題視され、さまざまな対策が採られてきましたが、必ずしも十分な効果を生んでいないと指摘されます。

このため、昨年(2018年)の通常国会で、医師偏在対策を柱の1つとする改正医療法・医師法が成立し、現在、施行に向けた詳細な制度設計が厚生労働省の「医師需給分科会」(「医療従事者の需給に関する検討会」の下部組織)で行われています。都道府県が、地域の状況を踏まえた「医師確保計画」(●年までに○人の医師を、どのような方法で確保するのか)を策定し、医師派遣や地域枠・地元枠などを活用し、偏在を解消していく方向と、その詳細が固まりつつあります(関連記事はこちらとこちらとこちら)。
 
ところで、医師偏在対策をはじめとした医師確保政策を議論する際、その基礎データの1つとして、厚労省が2年に一度実施する「医師・歯科医師・薬剤師調査」(以下、三師調査)が用いられます。施設の種類別、年齢別、性別、診療科別、都道府県別等に、医師等がどれだけ在籍しているのかを調べるものです。

例えば、医師需給分科会では、新たな医師偏在指標を固めましたが、このベースは三師調査の「人口10万対医師数」です。

また、今年度(2018年度)から全面スタートした新専門医制度については、「医師の地域偏在等を助長する恐れがある」との指摘を受け、三師調査結果との比較が行われました。

このように、非常に重要な基礎データとなる三師調査ですが、2014年までは、勤務地のみを補足するに過ぎず、例えば、A市の大学病院に勤務する医師が、B町の病院で週1回勤務するような場合、B町での勤務はカウントされていませんでした(関連記事はこちら(2014年調査に関する記事))。

そこで2016年調査では、上記例で「B町での勤務」もカウントすることとなりました(さらに2018年調査(本年(2019年)12月公表予定)では宿日直状況も把握)が、依然として次のような課題があると日医総研は指摘します(関連記事はこちら(2016年調査の関する記事))。

▽複数医療機関等で「兼務」している医師は全体の14.8%(4万6978人)おり、単純にカウント(重複カウント)すると、この分「医師が多く」なってしまう

▽重複カウントによって、2次医療圏別、市区町村別、診療科別に細分化していくと、実態との乖離が広がってしまう

 これらの課題は2018年調査では相当程度解消されますが、そのデータが示されるのは、今年(2019年)12月予定であり、当面の最新データは課題のある2016年調査となります。日医総研では、「地域別医師数の分析にあたっては兼務状況の集計結果も活用すべき」「地元(地域の自治体)が把握するリアルタイム情報をもとに三師調査を調整すべき」と提言。

さらに、前述した都道府県による「医師確保計画」策定に向けて、各医療機関で「どのような勤務形態の医師が必要なのか」(自前確保(常勤等)か、派遣(非常勤等)でよいのか、など)を明確にしておくことが重要とも付言しています。「当面は、非常勤の医師を確保できればよい」と考える医療機関が多ければ、確保すべき医師数は少なく済み、当然計画の内容も変わってくるためで、重要な視点と言えるでしょう。
 


  1. 2019/02/03(日) 10:34:08|
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Google Newsでみる医師不足 2019年2月3日

Google Newsでみる医師不足 2019年2月3日
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Google (English) での検索件数 _ _ _ Key word: Doctor shortage, past month 22,900
First 5 in Google in English 


https://globalnews.ca/news/4902782/ubc-addressing-okanagan-doctor-shortage-by-training-physicians-in-rural-communities/
UBC addressing Okanagan doctor shortage by training physicians in rural communities.
Globalnews.ca-2019/01/29 (カナダ)

The University of British Columbia (UBC) is working to address the doctor shortage in B.C.'s Interior by training doctors in communities facing shortages.
The Okanagan South UBC family practice residency program was established in 2016 and is based in Penticton.
Four Canadian medical school graduates are selected to complete their two-year residency training in the South Okanagan. While there are no guarantees, many of the residency students end up practicing medicine in the same communities in which they trained.



https://www.tmj4.com/news/local-news/patients-turn-to-telepsychiatry-in-midst-of-doctor-shortage
Patients turn to telepsychiatry in midst of doctor shortage
WTMJ-TV (press release) (blog)-2019/02/01 (米国 ウィスコンシン州)

Telepsychiatry is a growing trend connecting patients and doctors online as a way to make up for the shortage of ... Dr. Rubin is a psychiatrist for American TelePsychiatry, a Wisconsin-based company connecting doctors and patients all over the country. Dr. Rubin's office is in West Allis.
"We're working out of our homes more. We have more home officers than ever," said Dr. Rubin.



https://www.mcall.com/business/healthcare/mc-nws-doctor-shortage-coal-country-20181129-htmlstory.html
What's being done about the doctor shortage in Pennsylvania Coal Country?
Allentown Morning Call-2019/01/31 (米国 ペンシルバニア州)

The shortage of primary care doctors is similar. The biggest difference is in mental health providers: Where Carbon has 1 for 2,190 people, Pennsylvania has four. Obstetrics is affected too. The county that once had two hospitals where women could give birth hasn’t had a maternity wing for the past decade.



https://www.portpirierecorder.com.au/story/5879611/rural-clinic-success-could-be-answer-to-doctor-shortage/
Rural clinic success could be answer to doctor shortage
The Recorder-2019/01/30 (オーストラリア)

Fifth year medical students completing a year of their studies in regional South Australia could be the answer to the doctor shortage the region is currently experiencing.
Five students from the University of Adelaide will be spending 2019 in Port Pirie, Crystal Brook and Port Broughton undertaking critical experience, which will enable them to move forward in their studies towards becoming a general practitioner (GP).



https://windsor.ctvnews.ca/chatham-kent-council-acting-on-looming-family-doctor-shortage-1.4275824
Chatham-Kent council acting on looming family doctor shortage
CTV News-2019/01/30 (カナダ オンタリオ州)

But now Chatham-Kent council is acting on the looming family doctor shortage. They are allocating $100,000 in the 2019 budget to fund a physician recruitment and retention program. Funding that once existed, but eventually went elsewhere.



(他に10位以内のニュースは、カナダ(4)、米国、からも)



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