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Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

1月27日 

http://www.chunichi.co.jp/article/mie/20190126/CK2019012602000031.html
医師不足、ふるさと納税で支援を いなべ市が寄付募る 
2019年1月26日 中日新聞 三重

 いなべ市唯一の総合病院「いなべ総合病院」(北勢町阿下喜)の医師不足解消を目的に、市が「ふるさと納税」で、寄付金を募る取り組みを始めた。市担当者は「ぜひ支援を」と呼び掛けた。寄付募集は2月28日まで。
 医師の偏在化が進み、昨年、同病院の内科医は11人から3人にまで減少。市内に一つしかない総合病院が立ちゆかなくなれば、地域医療の崩壊につながる懸念があり、医師確保が急務となっている。
 同病院は医師確保の手段として近隣医療系大学に「寄付講座の開設」を依頼。寄付講座は、研究教育のために地域医療の現場を提供することで、医師派遣をしてもらう仕組み。市は寄付講座開設の予算措置を講じる方針だが、市の財政事情も厳しいことから、寄付金を原資の一部に充てたい考え。
 今回のふるさと納税は返礼品は伴わない。ただ、納税した寄付金は「地域医療を守る」ために使われることが明確なため、市健康推進課の担当者は「地域医療の支援をしたいという意識の高い人に共感してもらえると思う」と話す。
 寄付の受け付けは昨年11月末から始まり、1月25日時点で、165人から300万円余りが集まっている。
 (梅田歳晴)



https://www.asahi.com/articles/ASM1Q3JTFM1QULBJ007.html
小児科医2人の確保、最優先枠で 茨城県の医師不足対策 
佐藤仁彦 2019年1月22日14時00分 朝日新聞 茨城

 日立製作所日立総合病院(茨城県日立市)で休止が続いている地域周産期母子医療センターの再開に向け、県は、同院への小児科医2人の補充を、医師確保に取り組む最優先の枠に追加したと発表した。

 県は昨年、最優先で医師招請に取り組む県内の基幹医療機関を五つ(必要医師数は計15人)選んでおり、同病院はその一つ。

 同センターは、リスクの高い出産や新生児の治療に対応するため設けられたが、人手不足のため、2009年から休止している。県は先月、筑波大から同院に産婦人科医4人が派遣されることが決まったと発表。最優先枠の必要医師数は15人から11人に減ったが、今回の追加で13人になった。

 県医療政策課によると、同院で常勤の小児科医は現在5人。同課は「センター再開には、看護師など他のスタッフも充実させる必要があり、まだ数年かかる。まずは大学病院に狙いを定め、医師派遣の交渉を進めたい」と話している。



https://www.47news.jp/3193331.html
第5部「綱渡りの医師確保」
(1)まるで野戦病院   連続30時間超、過酷勤務
 
2019.1.22 17:00 早川和慶、葛西謙  47news 共同通信

 「夏バテの症状は出ていませんか?」。北海道最南端の松前町にある町立松前病院。当直明けで外来診察に入った副院長の吉野光晴(43)が、高齢の男性患者に笑顔で語り掛けた。前日の午前8時からの勤務が続くが、疲れた表情を見せずに診察をこなす。

 かつて城下町として交易で栄えた同町だが、現在の人口は約7400人。1985年と比べると半数以下に減り、過疎が進む。近隣エリアを含め、町立病院が、24時間態勢で患者を受け入れている唯一の医療機関だ。

当直時間帯に訪れた女児を診察する町立松前病院副院長の吉野光晴
 入院患者約80人、外来患者も1日200人に上るが、常勤医師は5人だけ。他の病院からの応援がシフトに入るものの、週1回は泊まり勤務が回ってくる。急患が相次ぎ、仮眠が取れないことも珍しいことではない。

 この日、吉野が帰宅できたのは午後5時を過ぎてから。翌日は、午前8時からの通常勤務が待っている。この病院での勤務は2018年で15年目。「医師が少ないから仕方がない」と淡々と話すものの「年齢とともにきつく感じます」と苦笑いを浮かべた。

 病院も、人手不足を受け、外科や眼科などは月に数日、札幌医大などから専門医に来てもらっている。しかし、65歳以上の人口が増えるにつれ、心筋梗塞などで運び込まれる患者は増加しており、救急搬送は20年間で2倍になったという。

 常勤医師たちは「何でも科」と称して、専門外の診療にも当たる。入院患者の容体が急変すれば、当直でなくても駆け付ける。週末の呼び出しが重なると、1カ月近く休日が取れないこともある。過酷な勤務を、ある病院職員は「まるで野戦病院」と例えた。

 16年に前院長が運営方針を巡り、町と対立し退職した際には、7人いた常勤医師が4人となり、病院の存続が危ぶまれた。1人増えて5人になったとはいえ、綱渡りの状況が続いていることに変わりはない。

 松前病院がなくなれば、多くの患者は、車で約2時間かかる函館市まで通わなければいけない。「そうなれば、地域の生活が成り立たなくなる」と院長の八木田一雄(48)。「医師が減り、勤務が過酷になる。それを嫌って若い医師が都市部に集中する。悪循環が止まらない」。医師確保は難航している。(敬称略)
   ×   ×   ×
 毎年約4千人のペースで医師は増えているのに、都市部や特定の診療科目に集中し、必要とされるところに行き渡っていない。超高齢社会で医師の適正配置が求められる中、どうすれば問題を解決できるのか。現場を歩き、実情を探った。

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        最多の徳島県は最も少ない埼玉県の約2倍だ

 医師の偏在 医学部の定員増を受け、全国の医師は約31万9千人と30年前の1・7倍に増えたが、一部の地域や診療科目では医師不足が続いている。2004年から導入された臨床研修制度で、地方に医師を供給していた大学病院の医局の力が低下したことや、訴訟リスクや勤務の過酷さから産科など特定の診療科で志望者が減ったことが原因とされる。人口10万人当たりの医療機関で働く医師数は、最多の徳島県が315・9人で最下位の埼玉県の約2倍。診療科別では、内科医などは増えているが、産科医や外科医は横ばいが続く。厚生労働省は、一部の病院の管理者になる際の評価項目に不足地域での勤務経験を加えたり、地域ごとに将来の医師ニーズの見通しを明確化したりするなどの対策をまとめ、実行を進めている。



https://www.47news.jp/3193334.html
第5部「綱渡りの医師確保」
(2)「新人」獲得に試行錯誤  研修先に選ばれる努力
 
2019.1.22 17:01 兼次亜衣子  47news 共同通信

 医師免許を取得して間もない新人医師が2年間、病院で働きながら学ぶ臨床研修制度。初任地として縁ができれば、定着も期待できるため、医療機関にとっては医師確保と密接に結び付く。研修先として選ばれようと、各地で試行錯誤が続けられている。

 「皆さんのバックアップはしっかりします」
「研修以外にもさまざまなイベントがあります」。秋田大(秋田市)で開かれた医学部生向けの臨床研修病院の説明会。秋田県内にある13の病院関係者がマイクを手に約40人の学生に訴えた。

 数分ずつのプレゼンテーションを終えると、それぞれのブースへ。「初期医療から重症患者まで診られる。経験が積める」「当直明けはしっかり休める。ホワイトな病院だよ」。研修中の先輩が優しく語り掛ける。病院関係者に話を聞くと「地元の医学生と接するチャンス」「今年はゼロだったから気合が入る」。言葉に切迫感がにじんでいた。

 かつて新人医師は、卒業した大学の付属病院で経験を積むのが一般的だった。大学病院では、教授を頂点とする医局が強い力を持ち、へき地に若手医師を送り出す役割も果たしていた。

 しかし、2004年に新制度が始まり、臨床研修先を希望できるようになると、研修医は診療機会に恵まれ、先端医療も学べる都市部の病院に集中。地方の医師不足の一因となったとされる。

 そんな中で増えているのが、卒業後の一定期間、その地方で勤務する代わりに奨学金が貸与されるなどの条件がある、大学医学部の「地域枠」だ。17年度時点で70以上の医学部が地域枠を設け、定員の2割を占めるようになった。

 ただ、地域枠の学生が他の地域に流出するケースも出始めている。地域枠で入学した人を、他地域の病院が研修医として採用した場合、補助金の減額を検討するとの通知を厚生労働省が出す事態となっている。

 秋田県と同じように高齢化が進む中山間地を抱える福島県では、県立医大が県、病院と連携。いろんな病院で経験を積むことができる自由度の高いプログラムを提供するほか、第一線で活躍している医師を県外から招いたセミナーも開催する。
 県立医大出身の研修医、宍戸理紗(24)は「充実している。地域枠じゃなくても、福島に残ったと思う」。教授の大谷晃司(54)は「地域枠制度がなくなったとしても選んでもらえるよう、魅力的な研修を続けるしかない」と話している。(敬称略、年齢・肩書は取材時点)



https://www.47news.jp/3193338.html
第5部「綱渡りの医師確保」
(3) 紹介・派遣、行政が本腰  全国最少の埼玉
 
2019.1.22 17:02 清田拓  47news 共同通信

 人口10万人当たりの医師数が160・1人と全国で最少の埼玉県。県内でも、地域で医師数に偏りがあるだけでなく、産科医や小児科医が足りないという事情を抱える。地域、診療科の偏在解消に向け、県は確保対策に本腰を入れ始めている。

 10万人当たりの医師数を比べると、川越市を含む地域が約217人に対し、秩父地域は約143人。秩父は人口の3割を65歳以上が占めるようになり、高齢者医療のニーズも高まっているが、医師の平均年齢は50歳を超え、将来の医療に不安もささやかれる。

 2018年7月中旬の夜、地域医療の中核を担う秩父市立病院を訪れると、当直医の大坪隆(54)が電話に向かって声を張り上げている場面に出くわした。「ライン(静脈)を確保して」。間もなく、踏切事故で意識不明となった男性が運び込まれた。

 次々と指示が飛ぶ。男性の処置を終えても「頭を切った」「子どもの具合が…」などと救急の電話は鳴りやまない。大坪は「今日は眠れませんね」と言うと次の受け入れ準備に入った。

 不足地域で続く過酷な勤務。県も手をこまねいているわけではない。

 定められた期間を県内で勤務すれば、返還免除となる奨学金制度を整備し、10年間で医師を約2千人増やすことに成功。大学病院の医局が担っていた医師供給のコントロールタワーの役割を果たそうと、13年には「県総合医局機構」を創設し、医師会や県の主導で、医師の紹介・派遣に乗り出した。

産婦人科医らを対象にした研修会。妊婦の模型を使って処置の手順を確認した
 診療科偏在を解消しようという取り組みも始まっている。医師の割合が全国最下位の産科医、下から2番目の小児科医を育成しようと、17年4月に、地域医療教育センターをさいたま市中央区にオープン。県内で働きながら、先端医療に触れたり、スキルアップを図れたりする場を提供するようになった。

 18年7月にセンターで開かれた産婦人科医らを対象にした研修会。妊婦が異常出血をしたとの想定で訓練が行われ、参加者は割り当てられた立場に応じて処置の流れを確認していた。県の担当者は「あらゆる事態に対処できるようになれば、地域の医療水準の向上につながる」と話す。

 医師の育成には時間がかかり、問題は一気に解決できるものではない。「医師数は着実に増えている。これからは足りないところに配置することが重要となる」。知事の上田清司(70)が言葉に力を込めた。(敬称略、年齢・肩書は取材当時)



https://www.47news.jp/3193340.html
第5部「綱渡りの医師確保」
(4) 枠を超え、羽ばたく人材を  「へき地専門」育成
 
2019.1.22 17:03 兼次亜衣子  47news 共同通信

 「内科の先生が勉強しに来ているから、一緒に見せてもらいますね」。島根県益田市の神崎耳鼻咽喉科医院。院長の神崎裕士(68)が高齢の女性患者に声を掛けると、そばにいた内科医、上垣内隆文(29)が内視鏡で鼻や喉の状態の確認を始めた。「そのまま続けて」。モニターを見ている神崎の指示に、上垣内が従った。

 へき地で働く医師の育成を目指す会社「ゲネプロ」(千葉県旭市)が益田市医師会と一緒に始めた医師研修「親父の背中プログラム」の一場面だ。若手医師が地元の病院で原則2年間働きながら、さまざまな診療科のベテラン開業医からノウハウを学ぶことができる。三重県内の病院で働いていた上垣内も応募し、医師6年目で赴任した。

 「来た球を全部打ち返すことができるような医師を育てたい」と話すのはゲネプロ代表の斎藤学(44)。自身も医師で、沖縄本島や鹿児島県の離島での勤務経験もある。「往診できないようなところにいる患者には、どうすればいいんだろう」。福岡県内の医療機関で働いていた時に感じた疑問が、同社を立ち上げるきっかけだ。

 斎藤は2015年、広大な国土を抱え「へき地医療の先進国」と言われるオーストラリアに飛んだ。現地では、初期医療から外科手術、分娩までこなす「へき地専門医」が存在し、時には飛行機やヘリコプターを使い「フライングドクター」として患者を搬送する。

 医療現場や同国のへき地専門医育成プログラムを目の当たりにし「(へき地医療をテーマにした人気漫画の主人公)Dr.コトーが、コトーチルドレンをたくさん育てている」と深い感銘を受けた。

 18年度から始めた「親父の背中」も、実践を通じ医師を育てるオーストラリアのやり方に通じるものがある。英語力をアップできるプログラムも用意。オーストラリアでの短期研修も受けられるようにしている。

 益田市で学ぶ上垣内も「診察技術がアップしてきた」と手応えを感じている。「病気だけでなく、生活背景もケアすることに興味がある」と話し、将来、へき地での勤務も希望する。

 「優しくて何でも診てくれる地元医師に憧れ、医療を志したケースは多い。へき地で働きたい人は一定数いるはずだ」と斎藤は語る。当面の目標は、地域医療を支える熱意と実力を兼ね備えた人材による全国的なネットワークをつくることだ。「離島やへき地へ行くハードルを下げ、医師が、地域の枠を超えて羽ばたけるようにしたい」(敬称略、年齢・肩書は取材当時)



https://www.47news.jp/3193369.html
第5部「綱渡りの医師確保」
(5)全国自治体病院協議会・小熊豊会長   地域と歩む総合医増やせ
 
2019.1.22 17:04 早川和慶  47news 共同通信

 深刻化する医師の偏在問題について、約880の公立病院が加盟する全国自治体病院協議会の小熊豊(69)会長に聞いた。

 ―地方の医師不足が続いている。

 「へき地の病院を中心に、絶対的な人手不足による、悲鳴に近い声が聞こえてくる。実際に、外来の診療時間を減らすなど、診療を縮小する病院が相次いでいる。働き方改革を進める必要がある中で、地域医療をどう守るべきなのか。重要な局面となっている」

へき地を中心に絶対的な人手不足だ
 ―原因は何か。

 「2004年に臨床研修制度が始まり、新人医師が研修先を自由に選べるようになった影響は大きい。規模が小さい地方の病院では、予算や設備の関係で専門性の高い医療ができず、若い医師が、高度な症例を経験したいと考えて都市部に集中するようになった。18年4月から始まった新専門医制度で、その傾向が進まないか懸念している」

 ―解決策は。

 「以前は、大学の医局が半ば強制的に地方の病院に医師を派遣するケースが多かった。本人の意向を無視して地方で働かせることは許されないが、1~2年程度の短期間ならへき地に勤務してもいいという医師は一定数はいる。国が先導し、期限付きでもいいから医師を常に循環させ、不足する病院が出ないようにする制度を確立するべきだ」

 ―人手が足りない病院で働く医師にとって必要なことは何か。

総合診療医をより多く養成するべきだ
 「小規模な病院では『自分はこの分野しかやらない』という人がいては、治療が成り立たない。患者を幅広い時間帯で受け入れ、医師が休みを取るには、仕事をカバーし合うことが必要だ。小規模な病院では、手に負えない重症患者は大きな病院に移せばいい。さまざまな症状に対応できる総合診療医の充実が重要になる」

 ―高齢化が進む中、地域医療は、どんな役割が求められるのか。

 「高齢患者の特徴は、高血圧など慢性的な疾患で通院し続ける人が多いことだ。完全に治すというよりは、病気を持ちながら生きていく人たちの支えになる必要がある。複数の病気がある人もおり、幅広い知識でケアできる総合診療医をより多く養成するべきだ。患者や家族と信頼関係を築くなど、地域に密着した医療に幸せを感じられる医師が増えてほしい」

 おぐま・ゆたか 1950年生まれ。北海道早来町(現安平町)出身。北海道大医学部卒。砂川市立病院で院長を務め、2018年6月に全国自治体病院協議会会長に就任。



https://www.m3.com/news/iryoishin/655502
「7法人7色」、地域医療連携推進法人が初会合
厚労省、人材派遣等が主、病床再編はこれから
 
レポート 2019年1月25日 (金)配信橋本佳子(m3.com編集長)

 厚生労働省の地域医療連携推進法人連絡会議が1月25日開催され、全国7つの地域医療連携推進法人、地元自治体や医師会の代表者らが出席して現状を紹介、意見交換をした。同法人の制度は2017年度からスタート、各法人が集まる会議は初めて。

 もっとも、地域医療連携推進法人の制度創設から約2年が過ぎたが、認定されたのは7法人にとどまる上、人材派遣や人事交流、共同研修が主な事業で、病床に関する変動・病床の融通については計画中の法人があるものの、実現はこれからで、有効に機能しているとは言い難い。7法人の形態や運営の現状もそれぞれ異なる。法人の定義、役割の明確化を求める声も挙がった。

 地域医療連携推進法人は、「地域医療構想」達成のための選択肢の一つ。地域の医療機関相互の機能分担・連携を推進するのが創設趣旨。

 日本海ヘルスケアネット代表理事の栗谷義樹氏は、当初は、「非営利ホールディング(HD)カンパニー型医療法人」として議論がスタートした経緯を踏まえ、「選択肢が広くなった代わりに、趣旨が曖昧になった。しかし、既に始まっている地域の過疎化など、外部環境が厳しくなった時に、どんな役割を果たすべきなのかを明確にしないと、予算付けなども曖昧になる」と指摘した。同ネットは、栗谷氏が理事長を務める山形県・酒田市病院機構の日本海総合病院を中心に地元三師会も参加する法人で、地域の医療機関が共存しつつ、医療の効率化を図ることを目指す(『「迫り来る未来の危機」に対応、地域は運命共同体 -栗谷義樹・山形県・酒田市病院機構理事長に聞く◆Vol.1』などを参照)。

 備北メディカルネットワーク代表理事の中西敏夫氏は、地域医療連携推進法人は「地域医療構想調整会議よりも、ガバナンスが利いた形で病床機能の在り方を話し合う場」と指摘した。「法人の定款については、もう少し緩やかに考えてもらいたい。同じような形で実施できるところは他にもある」と述べたほか、日本赤十字社など本社機能を持つ法人が、地域医療連携推進法人にどのように参画するのかなどの課題もあるとした。

7つの地域医療連携推進法人、地元医師会、行政らが参加。
 1月25日の会議に出席したのは、下記の7法人(カッコ内は、認定年月日)。

山形県:日本海ヘルスケアネット(2018年4月1日)
福島県:医療戦略研究所(2018年4月1日)
千葉県:房総メディカルアライアンス(2018年12月1日)
愛知県:尾三会(2017年4月2日)
兵庫県:はりま姫路総合医療センター整備推進機構(2017年4月3日)
広島県:備北メディカルネットワーク(2017年4月2日)
鹿児島県:アンマ(2017年4月2日)

 厚労省医政局長の吉田学氏は、連絡会議開催の趣旨を、「意見交換が、後に続こうと議論しているところへの示唆になるのではないか。また今の制度の使い勝手はどうか、行政の支援が十分かどうか、さらに地域医療構想を各地域で進めるためのソリューションの一つとして作った制度を進化させてしていくために何をすればいいのか、ご意見をいただきたい」と説明。

 藤田医科大学らの「尾三会」、30法人に
 7法人の形態等はさまざまだ。尾三会以外は、人口減少や医師不足に悩むなど、地域の事情が異なり、おのずから取り組みも違う。

 藤田医科大学が中心となり、「大学発」の法人として注目されたのが尾三会。当初22法人でスタートしたが、現在は30法人に増加。

 理事の湯澤由紀夫氏(藤田医科大学病院の病院長)は、高度急性期から慢性期、在宅医療までの医療レベルの標準化を目指し、医師、看護師を含めた人材交流や育成に取り組んでいると紹介。地域医療連携推進法人には、各法人から徴収した会費の50%以上を、事務経費ではなく事業費用として使用しなければいけない規定があるため、医薬品の共同購入、医療事故調査等に関する業務連携などにも取り組んでいるとした。「最初の1年目は、法人としての事業をいかに立ち上げるかという焦りがあった。2年目以降は、患者の流れをどう作るかという本来業務の在るべき姿を見据えて取り組んでいる」(湯澤氏)。

 亀田が公的病院を支えるアライアンスも
 日本海ヘルスケアネットは公立病院が核となっているのに対し、房総メディカルアライアンスは、民間病院が公立病院を支える法人。代表理事を務めるのは、社会福祉法人太陽会理事長で、医療法人鉄蕉会亀田総合病院院長も務める亀田信介氏だ。

 亀田総合病院と太陽会が経営する安房地域医療センターの間にある3カ所の自治体立病院は、医師が3、4人しかおらず、疲弊しているという。その一つ、南房総市富山国保病院がアライアンスに参加。「以前から我々が医師派遣をしてきたが、公立に民間から医師を派遣するのは、面倒。地域医療連携推進法人によりスムーズになる」と亀田氏。今後、富山国保病院は一般病床から地域包括ケア病床に転換予定だ。

 亀田が公的病院を支えるアライアンスも
 「はりま姫路総合医療センター整備推進機構」は、県立姫路兵庫県立姫路循環器病センター(330床)と社会医療法人製鉄記念広畑病院(392床)を統合し、はりま姫路総合医療センター(一般病床720床+精神病床16床)を設立するのが目的。同機構理事の八木聡氏は、「県立病院と民間病院の統合に向けて、この法人を活用している。法人制度の本来の目的ではないかもしれないが、全く異なる設立主体が統合する場合には、この法人の制度は非常に有効ではないか」と説明。将来の院長候補が代表理事となり、両者の交流を進めていくことを通じて、一つにまとまっていくという機運が高まっているという。



https://mainichi.jp/articles/20190122/ddm/005/070/030000c
社説  医師の働き方改革案 これで過労死が防げるか 
毎日新聞2019年1月22日 東京朝刊

 厚生労働省は「地域医療の核となる医療機関の勤務医」の残業時間の上限を、「年1900~2000時間」とする案をまとめた。

 過労死の労災が認められる目安は年960時間なので、その2倍まで認めることになる。一般労働者の基準からかけ離れた案であり、容認できない。

 勤務医の長時間残業は常態化している。にもかかわらず是正の動きは鈍い。厳しい上限を定めると病院の運営に支障が出ることを懸念する医療界の反対が強いためだ。患者の立場からすれば、急に医師の残業時間を制限すると、必要なときに病院で受診できなくなる恐れがある。

 しかし、過労やストレスで毎年70~90人の医師が自殺していることを重く受け止めなければいけない。病死も含めると毎年100人もの医師が過労で死亡している。特に若い研修医のメンタルヘルスに関する調査では、4割程度が抑うつ状態にあるという調査結果がある。

 それなのに、厚労省案では「専門性や技能などを高めようとする若手医師」については、「検討中」として残業時間の上限を提示することすらできなかった。

 しかも「年1900~2000時間」は2035年度までの暫定措置とし、36年度以降は一般勤務医と同様年960時間にするという。暫定措置を長期間続けるのは許されない。段階的にでも改善すべきだ。

 医師は検査や治療だけでなく、診療報酬に関する事務、患者や家族への対応などにも多くの時間を割いている。事務職や医療ケースワーカーにもっと仕事を委ねるべきだ。

 高齢化に伴い、複数の慢性疾患を持った高齢の患者が多くなっている。米国では医師不足から単純な医療行為を行えるNP(ナースプラクティショナー)という上級看護師の制度がある。日本でも看護師の役割をもっと広げるべきではないか。

 患者の意識を変えることも必要だ。小児科の救急外来を受診する9割が入院の必要ない軽症の患者という調査結果もある。特に夜間や休日の対応で医師は疲弊している。

 緊急に治療が必要かどうかを判断する電話相談などの充実も有効だろう。さまざまな方策を駆使し、医師の負担軽減を図るべきだ。



https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20190121-OYTET50009/
開業医多い地域での新規開業に新ルール、医師の偏在解消へ…来年4月から 
2019年1月21日 読売新聞

 医師が都市部に集中する「偏在」の解消を目指し、開業医が多い地域で新たに開業する医師に対して、地域で不足する在宅や救急などの医療への参加を求めることになった。厚生労働省がルールを定め、2020年4月から実施する。

 厚労省によると、診療所は全国で約10万に上り、全医療機関の9割以上を占める。近年、診療所数は増加傾向にあるが、新規開設は人口が多い都市部に偏る傾向がある。

 厚労省は19年度中に、医師の年齢なども加味した偏在指標を作成する。都道府県は、地域ごとにどの程度、医師が充足しているかを示し、開業を希望する医師が把握できるようにする。

 すでに医師が足りている地域で開業する場合、その地域で不足している医療に参加してもらう。強制力はないが、参加への同意が得られなければ、事情を聞いたうえで、診療所名や理由を都道府県のサイトなどで公表する方針だ。



https://www.kobe-np.co.jp/news/tajima/201901/0012012356.shtml
浜坂病院のあり方、検討委が報告書 看護師集約など提言 
2019/1/27 05:30神戸新聞NEXT

 公立浜坂病院(兵庫県新温泉町二日市)の将来のあり方を考える検討委員会は26日、第4回会合を同町浜坂の町商工会館で開き、同町に提出する報告書をまとめた。医師や看護師不足の状況や厳しい町財政も踏まえ、周辺の医療機関との連携や地域の病院としての機能強化を求めた。また、具体策として、介護老人保健施設「ささゆり」の病床を減らし、浜坂病院に看護師を集約する案も提言した。

 報告書では、同病院を取り巻く現状や利用者が増加に転じていることなどを挙げている。近隣の鳥取市や豊岡市に高次機能病院があるため、「役割分担さえ明確にすれば、『ミニ総合病院』を作る必要から解放される」などとした。

 一方、同病院が担うべき役割として日常的な病気への対応や健診などを挙げた。また在宅での医療や介護を支える機能に特化する重要性も盛り込んだ。このほか、老健施設の病床を現在の80床から40床に減らし、看護師らを病院に集約。「住民の安心と安全を確保する」とも提言している。

 検討委員会は浜坂病院などに勤務経験のある石田岳史・さいたま市民医療センター副院長を委員長に、開業医や公立豊岡病院、町自治連合と町婦人会の代表ら11人で、昨年10月から議論を重ねてきた。会議の中で、昨年1月に休止した訪問看護を再開し、訪問リハビリに力を入れる方針なども確認された。この日は、報告書案の中身や文言などを了承した。

 石田委員長は「報告書をたたき台に、町や住民、議会などで十分に話し合い、より具体的な方針や進め方などを決め、取り組んでほしい」。西村銀三町長は委員の協力に感謝した後、「報告書を基にみんなで力を合わせ住民の安全や健康を守っていきたい」と話していた。(小日向務)



https://www.m3.com/news/iryoishin/655190
「あらゆる機会にかかり方啓発」が最重要
医療提供者に必要なアクション、「意識改革」
 
レポート 2019年1月26日 (土)配信岩崎雅子(m3.com編集部)

 医療危機への対策として、市民や医療提供者、行政がやるべきアクションを示した「上手な医療のかかり方を広めるための懇談会」(座長:渋谷健司・東京大学大学院医学系研究科国際保健政策学教授)(『「国民全体が医療危機に取り組むべき」デーモン閣下、宣言発表』を参照)。本調査では、「医師・医療提供者がやるべきこと」に示した6つのアクションで最も取り組むべきものについて質問したところ、m3.com会員の29.4%が「あらゆる機会に医療のかかり方を啓発」と回答。「健康管理に努め、きちんと休暇を取る」が24.8%で続いた。

Q 懇談会が示した「医師・医療提供のアクション例」の中で、最も取り組むべきことは?
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 医師・医療提供者が最もやるべきアクションについて、医師会員の32.2%が「あらゆる機会に医療のかかり方を啓発」と回答。2番目に回答率が高かったのは、「健康管理に努め、きちんと休暇を取る」の24.2%だった。開業医と勤務医で最も選択率に差があったのは「健康管理に努め、きちんと休暇を取る」で、開業医の方が9ポイント高かった。勤務医は「電話相談や医療情報サイトの質を保つ」や「管理者が働き方改革と地域医療継続に取り組む」と答えた割合が開業医より高く、特に「タスク・シフティングの推進」を求める声は開業医よりも6.5ポイント高かった。

Q 上記以外で効果があると考えるもの、やってほしいこと、成果を上げている具体的な取り組みなど、ご意見があればお書きください。

【医療のかかり方の啓発を】
患者教育は大切な業務です。【勤務医】
できるだけ地域の相談会などで講演を行い、啓発活動をやるべき。【勤務医】
市民講座や学校などでの医療提供者による講座・講義をどんどん行う。【薬剤師】
病気の時だけではなく、健康管理のための医学知識などをかかりつけ医から常に学ぶ。【勤務医】
時間外の患者サービスには制約があることを、マスコミにもしっかり伝えていく必要がある。【勤務医】
人間は情報で動く。情報を流すことで人間の行動が変わる。【勤務医】
各職能団体に全員が加入して、現場の意見が政治の世界に届くようにしなければ、このままでは何も変わらない。【看護師】

【働き方に関する意識改革が必要】
慢性疲労や睡眠不足でまともな仕事ができるはずもないことを徹底すべきだ。【開業医】
自分の健康があってはじめて、他人への気遣いができると思う。【勤務医】
残業前提ではなく、定時に帰宅することを当然視するよう発想を転換する(特に上司側)。【勤務医】
長時間勤務の美徳化をやめてほしい。いつまで経っても男性主導の業界が変わらず困る。【勤務医】
働く側、雇用側に働き方改革を実践する意識を植え込む必要がある。【勤務医】
医師も人間である限りは、休息が必要であることを自覚すること。【勤務医】
医師が自ら過剰勤務をやめる。そうしないとこの国は動かない。【勤務医】

【変えてほしい仕組みは?】
悪意のある患者から医療従事者を守る取り組み。【開業医】
医療の集約化、効率化。医療費抑制が決まっている中、コスパを良くするより他ない。【勤務医】
無駄な薬や検査を減らす。【勤務医】
労働組合を作って、労働基準法遵守を訴えて活動する。【勤務医】
保育園の確保。学童保育の充実。当直をやってくれる人を金銭面でしっかり評価する。【勤務医】
医療コンサルティング専門部門を立ち上げてほしい。【勤務医】
チーム医療ができるところは行う。1次急患センターの初期診療に集中させ、そこから2次受診に回す体制づくり。【勤務医】
主治医制の廃止、チーム制の啓発。【勤務医】
高齢者医療の充実。往診を機能させて在宅死、施設死を増やす。病院死が多いのは資源の無駄遣い。【勤務医】
電子カルテの質を高める(さまざまな病院に外勤で行っていますが、ひどい病院の電子カルテは、非常に時間のロスが多いです)。【勤務医】
診療情報提供書の記載内容充実 or カルテ共有。【勤務医】
AI導入。【薬剤師】
医療事務などを充実させ、書類作成にかかる業務を軽減させてほしい。【勤務医】
患者「様」としての対応をやめる。【勤務医】
医師会や学会が団結して行う、国に対する正当な要請。【勤務医】

【まずは患者】
まずは患者の意識改革だと思う。【開業医】
患者の意識改革が必要です。【勤務医】

【諦めの言葉も】
分からない。【勤務医】
思い浮かばない。【勤務医】
特になし。やっぱり無理だから。【勤務医】
もう諦めました。【勤務医】
科目ごとで異なるので何とも意見が難しいです。【開業医】

【調査の概要】
調査期間:2018年12月26日(水)~2019年1月9日(水)
対象:m3.com会員
回答者数:2092人(開業医:313人/勤務医:1195人/歯科医師:15人/看護師:34人/薬剤師:472人/その他の医療従事者:63人)
回答結果画面:医療現場を守るために、医師・医療提供者がやるべきことは?



https://www.m3.com/news/iryoishin/654728
シリーズ m3.com意識調査
時間外上限「2000時間」、医師の半数が「長すぎる」
「医師だけ特別枠おかしい」「例外なき改革を」
 
レポート 2019年1月27日 (日)配信水谷悠(m3.com編集部)

 厚生労働省が1月11日、医師の働き方改革に関する検討会に、病院勤務医の時間外労働の上限として休日を含み年間960時間、さらに2035年度末までの経過措置として、「地域医療確保暫定特例水準」を設け、労働時間短縮や健康確保策の義務化など要件を付し、対象医療機関を限定した上で「1900~2000時間程度」に設定する案を提示した(『時間外上限「地域医療確保暫定特例水準」1900~2000時間』を参照)。

 この上限案についてm3.com医師会員に聞いたところ、全体で50.1%が「長すぎる」と回答。「長い」も12.8%、「特例を設けるべきではない」が17.0%で、一部の医師の長時間労働を許容する案に否定的な回答が多くを占めた。

Q1: 「地域医療確保暫定特例水準」の上限1900~2000時間についてどうお考えですか
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 「長すぎる」は勤務医が50.1%、開業医が50.3%とほとんど同じだったが、「長い」は勤務医13.8%、開業医8.6%と違いが出た。「適正」は勤務医7.0%、開業医6.1%で全体でも6.9%とわずかで、「短い」と「短すぎる」はほとんどいなかった。

Q2: 時間外労働の上限や長時間労働、地域医療提供体制の確保など今回のテーマについて、ご意見をご自由にお書きください。(任意)

【医師だけ特例はおかしい】
医師だけ特別枠は納得がいかない。【勤務医】
例外なき改革を望みます。【開業医】
長い目で見た早急な対策が必要なので、1割の無理している人を“救う”当たり前の基準が必要。【勤務医】
医師の命を軽視した地域医療なんぞ、速やかに崩壊させるべきだろう。【勤務医】
国が長時間労働を容認していることになる。医師はいくら働いても病気にならないと思っているのでしょうか。地方の救急病院は若手が行かなくなり、中堅の医師は疲弊して辞めていく。地方医療は崩壊しますね。【勤務医】
医師だけ特別扱いをしなければいけないということは制度に問題があるということ、そこを素直に認めた上で、どうしても制度を当てはめると立ち行かないのであれば、恒久的に医師には特別な特権(ないしは報酬)を付与して施行すべきでは、と思いますが。【開業医】

【やむを得ない】
上限2000時間は長すぎると思うが、地域医療体制の維持には必要。【勤務医】
医師の時間外労働の定義は極めて難しい。病院での勉強は時間外労働で、自宅での勉強は余暇、とか。嫌ならいつでも辞められるから、基本的に医者は労働者ではなく、病院勤務医も個人事業主に近い。医療は医師の善意で成り立っているのを理解しているので、世間の人たちは敬意を込めて医者を先生と呼んでいる。今の医師の社会的立ち位置を保ち続けたければ、医者はある程度は「医は仁術である」と自己犠牲の精神で仕事を続けた方がよいと思う。誤解を恐れずに、批判を覚悟の上で語ってみました。【勤務医】

【そんなところで働けるのか】
みんなが行きたがらないところへ行ったら、2000時間の時間外ありって悲しすぎる。【勤務医】
月に160時間以上の時間外勤務だと、地域医療を希望する医師がいなくなるんじゃないですか?【勤務医】
労働時間の規制がほとんどかからない地域に行きたいだろうか?医師不足になり、さらに深刻な問題が生じる可能性があると思う。上限を甘くするのであれば、一般の時間外労働時間を超えた部分については、国からの補助で通常よりも高い手当てを設けるなど何らかの対策を検討してもらいたい。【勤務医】

【時間外手当の議論が必要】
時間の上限だけ決めてもその計算方法や手当が曖昧なままでは、病院管理者がいくらでも恣意的に運用することが可能です。例えば、診療密度の高い当直、大学勤務医の外勤、オンコールなどの計算はきちんと決めておくべきでしょう。また、時間外勤務が適用されない管理者の定義、時間外手当ての額もきちんと決めておくべきです。【勤務医】
上限を設けることで、結果的に超過勤務手当が支給されないサービス残業が常態化する事を危惧する。【勤務医】

【勤務環境是正が必要】
時間外労働を考えるとき、主治医制にある医師のオンコール体制についても議論してほしい。いつなんどきも拘束される現状はかなり異常であり、是正が必要と考える。【勤務医】
長時間労働は医師を疲弊させるのみで、敢えて実行すれば医療の質が低下するのは明らかです。【勤務医】

【自分でやってみろ!】
こんなことを言い出した者や賛成したものが、2000時間の時間外労働をすべきである。【開業医】
【強制的な医師配置が必要】
地方病院勤務を、全ての若手医師の義務とする仕組みの確立。【勤務医】

【議論のためのデータが足りない】
医師過剰なのかどうか 救急体制に必要な人員はいくらなのか そのための医療費確保はどうするのか 明確にしないと何も議論できない。【開業医】

【厚生労働省ではだめだ】
「毎月勤労統計」もまともに調査できない厚労省に、こんな課題を任せるのは危険です。【開業医】

【短い】
示された時間で、現場は運営できるのでしょうか?現場の運営を考慮すれば「短い」ように思います。現在の状態をありのままに広く世に示し、それが是か非か、改善策も含めて議論すべきです。時間だけ示しても改善に繋つながりません。医療に関するさまざまな制度や仕組みが、医師を過労状態に留めているように思います。医師という特殊な専門的職務に付帯する医師の使命感や善意に依存している制度や仕組みもあるように思います。【開業医】

【調査の概要】
調査期間:2019年1月12日 (土)~1月19日 (土)
対象:m3.com医師会員
回答者数:2174人 (開業医 : 429人 / 勤務医 : 1745人)
回答結果画面:時間外「地域医療確保暫定特例水準」1900~2000時間、どう思う? 



https://www.m3.com/news/iryoishin/654973
シリーズ 医師の働き方改革とキャリア
日医会長「全医師に暫定特例水準を強いるものではない」
「これまでおざなり、医師の健康確保により重きを」
 
レポート 2019年1月23日 (水)配信水谷悠(m3.com編集部)

 日本医師会会長の横倉義武氏は1月23日の定例記者会見で、厚生労働省が「医師の働き方改革に関する検討会」で提示した時間外労働上限の「地域医療確保暫定特例水準1900~2000時間」案について、「正しく伝わっていない側面があった。全ての医師に暫定特例水準で働くことを強いるものではないと確認したい 」と述べ、「2000時間働かされるのか」などの批判の打ち消しに努めた。

 2000時間という数字については、「(改正労働基準法が医師に適用されるまでの)5年間で減らすべきだ。5年後には960時間を上限とするくらいの環境を整備するべきだ」と述べた(厚労省案については『時間外上限「地域医療確保暫定特例水準」1900~2000時間』などを参照)。


 医師の働き方改革に当たっては、医師の健康への配慮と地域医療の継続性の2つを両立することが重要との考えを示し、「現状はものすごく地域医療の確保に重点を置いた形で、医師の働き方はおざなりになっていた。5年間で医師の健康管理の方により重きを置いていくことが必要だ」と述べた。環境改善には個々の医療機関の努力だけでは難しく、「地域ぐるみでやらないと、一つの病院ではなかなかできない。地域の医師会の役割も大きくなってくる」と説明した。

 厚労省案の基となった2016年の調査で、時間外労働が年間1920時間超の医師が勤務医の約10%に当たる約2万人いたことについては、「調査後の取り組みにより徐々に少なくなっていると思われる」と指摘。その上で、地域医療を守る最後の砦として頑張っている2万人を最優先で守ることに焦点を当て、追加的健康確保策を取りつつ、地域医療への影響を最小限に食い止めていかなくてはならない」と話した。

 改正労基法で規定された、上限を超えた場合の罰則については、「生命の危機に瀕している急病患者の受け入れ要請や、手術が通常より長時間に及んでしまった場合など、避けることができない状況では、上限を超えても罰則が適用されない仕組みが必要だ。罰則適用で地域医療が崩壊することがないような制度設計にするべきだ」と述べ、例外を設けることを求めた。

 日医に対し、「これでは勤務医の健康を守れない」、「5年間何も変わらないのではないか」、「2000時間も働かせるのか」などの声が多く寄せられていることも紹介。2009年に「医師が元気に働くための7カ条」と「勤務医の健康を守る病院7カ条」のリーフレットを作成して配布していることやワークショップの開催などで勤務環境改善に取り組んできており、「医療の安全と質を確保するために、勤務医の勤務環境改善をさらに進めるよう、改めて医療界に取り組み推進を求めていく」と強調した。

 医師の勤務環境改善の関連で、 いわゆる「無給医」の存在については、「私も大学時代のある時期は無給医であった。本来あるべきではないが、技能や知識を習得する対価として労働で払うというのが無給医だ。技術や知識を教えてもらう対価は払う、その代わり働いた分は給料をもらう仕組みにしていかなければいけない」と述べた。



https://www.m3.com/news/iryoishin/654444
>「時間外上限2000時間」案、変更の可能性も
勤務時間は通算、「アルバイトも含む」
 
レポート 2019年1月22日 (火)配信水谷悠(m3.com編集部)

 厚生労働省の医師の働き方改革に関する検討会は1月21日の第17回会議で、前回に引き続き時間外労働時間の上限について議論した。前回厚労省が提示した「年間1900~2000時間」の案を作る根拠となった2016年の調査データについて、集計時にその後の「働き方改革」での議論による「自己研鑽」の扱いの変化などが考慮されていないことから、こうした要素を反映すれば「1920時間超えの医師が1割」とされた分析に変化が出るのでは、との提案が構成員から出された。厚労省は集計を見直した上で、上限案を提示し直す可能性も示した(資料は厚労省のホームページ、前回の議論は『時間外上限「地域医療確保暫定特例水準」1900~2000時間』を参照)。

「上限2000時間」案、変更も
 副座長で東京大学大学院医学系研究科国際保健政策学教室教授の渋谷健司氏は、2016年の「医師の勤務実態及び働き方の意向等に関する調査」について、「そのときは勤務時間=労働時間で集計したと思う。1920時間以上が1割だったが、もしかしたらその値が減ってきているのではないか、勤務時間の分布として過大評価されているのではないか。可能であれば再集計して報告をいただければ参考になる」と提案した(『「大学病院こそ危機意識を持ち、10年後に960時間を目指す」と宣言を - 渋谷健司・東大教授に聞く』を参照)。

 厚労省医政局医事課医師養成等企画調整室室長の堀岡伸彦氏は、「データは当時の実態を表していたが、確かに自己研鑽の議論などがないまま勤務時間を取っていて、法的な労働時間とある程度乖離があるのは事実だ」と回答。調査結果のデータを精査し直す考えを示した。会議後、報道陣から精査した結果次第で上限案の変更があり得るかどうかを問われ、変更の可能性があるとの認識を示した。

 渋谷氏はまた、時間外労働の上限規制を加えることで、医療機関の機能分化や集約化が進む可能性もあり、地域医療構想に対して補完的に働くことも考えられると指摘した。

上限はアルバイトも含んだ時間
 青葉アーバンクリニック総合診療医の三島千明氏は、「複数の医療機関で働く医師も多く、アルバイトなどが勤務時間に含まれずに2000時間にさらに上乗せされるという懸念も広まっている」として、上限はアルバイトなども通算したものになるのかどうかを事務局に質問。厚労省医政局医療経営支援課長補佐の渡邊由美子氏は、「労働時間は複数勤務の場合は通算した時間で考える。2000時間にはアルバイトは含まれる」と答弁した。

 これについて、千葉大学医学部附属病院病院長の山本修一氏は、大学病院医師のほとんどがアルバイトをしている現状を指摘。「大学病院は病床当たりの医師の数が多い一方で、人件費が低く抑えられることで経営が成り立つ仕組みに、診療報酬上なっている。アルバイトに行かないで食べていける仕組みになるならいいと思う」と指摘。また、アルバイトの医師で地域医療が支えられているという側面もあるため、「アルバイトも上限に含むのは当然だが、アルバイトに出せなくなったらそれはそれで困る」とも述べた。

「2000時間働かせるわけではない」
 塩原公認会計士事務所特定社会保険労務士の福島通子氏は、「上限2000時間」の数字に対して「そこまで働かせるのか」などと批判が強まっていることについて、「上限規制についてこの検討会で議論してきたことをきちんと理解した意見や報道ではない。2000時間の労働を容認するかのような話になっているが、36協定で違反にならないための上限時間だ」と指摘。

 労働基準法で認められているのは1日8時間、1週40時間の勤務であり、それを超える場合は36協定の締結が必要で、時間外勤務は原則1カ月45時間、1年360時間まで。「これを超えて特別な事情があり、労使が合意した場合に、刑事上の責任を問わないということであり、決してそこまで働かせていいと言っているのではない。労働時間を短くする努力を全力でしなければならないのは当然のことだし、絵に描いた餅にならないよう計画をきちんと出させてモニタリングするのが大事だ」と述べた。

 事務局の職員らはこの発言中に何度も深くうなずいており、渡邊氏は「暫定特例水準で指定された医療機関に勤務する医師が、全てその水準の労働を許容されるということではない。福島構成員の説明がその点で非常に分かりやすく、事実関係を間違いなくご説明していきたい」と述べた。

 日本医師会副会長の今村聡氏も、「この検討会の詳細な議論が現場に理解されていない。なかなか難しい。前回迫井(正深)審議官の厚労省の意見表明もあったが、そういうものも現場に伝わっていない。勤務医の健康な働き方のためにはでき得る限り早く一般労働者と同じレベルまで下げていくのは絶対に必要だと思っている」と述べた。

上限近くにとどまりかねない
 自治労総合労働局長の森本正宏氏は、年間1920時間という数字は月に160時間の時間外労働を12カ月続けることを意味すると強調。「現在1割を超える医師がその勤務をしているという実態を踏まえて話しているわけで、大きく体制が変わらない限り、地域医療を守るために懸命に働いており、上限に近い数字にとどまることになりかねない。暫定特例水準の解消が2035年度末とあるが、こういった長時間労働の状態にある医師への対応を早急にして、解消するべきだ」と主張した。



https://www.medwatch.jp/?p=24470
カリキュラム制での新専門医研修、必要な単位数と経験症例を基本領域学会で設定―日本専門医機構 
2019年1月22日|医療現場から MedWatch

 今年度(2018年度)から全面スタートした新専門医研修は、「プログラム制」が原則となっていますが、専攻医の状況を踏まえて「カリキュラム制」(単位制)での研修も可能とされています。

 ここで言う「プログラム制」とは、「年次ごとに定められた研修プログラムに則って研修を行う仕組み」で、基幹施設と連携施設で研修施設群を作り循環型の研修が行われます。プログラム制を原則としている理由について、日本専門医機構では、これまでに「初めての基本領域の研修では、集中的に必要な標準治療を学ぶ必要がある」と説明。「国民に分かりやすく、質の高い専門医を養成する」という新専門医制度の基本理念に則ったものと言えるでしょう(関連記事はこちら)。

ただし、医師免許取得後に定められた医療機関での勤務が求められる自治医大出身の医師や、出産・育児・介護などで一時休職しなければならない医師では、このプログラム制に沿った研修が困難となります。厚生労働省の「今後の医師養成の在り方と地域医療に関する検討会」では、こうした医師でも新専門医資格を取得できるよう、「カリキュラム制」(単位制)による研修も可能とすることを強く要望していました(関連記事はこちら)(後に「医道審議会・医師分科会・医師専門研修部会」でも要望、関連記事はこちら)。ここで言う「カリキュラム制」(単位制)とは、期限の定めを設けずに研修を受け、基準を充足した時点で専門医資格取得を可能とする仕組みのことです。

日本専門医機構では、この要望等を踏まえ「カリキュラム制」(単位制)による研修も可能であることを、新専門医制度の根幹規定である「新整備指針」に明記(関連記事はこちらとこちら)。ただし、カリキュラム制(単位制)研修の仕組みが明確でなかったため、1月18日の理事会で「考え方」を決定。この「考え方」に沿って、各基本領域学会で「カリキュラム制(単位制)の詳細を定める」ことになりました。

1月21日に記者会見を行った日本専門医機構の寺本民生理事長は、「カリキュラム制(単位制)の考え方」について、次のように説明しました。
 
【カリキュラム制(単位制)の概要】
(1)基本領域学会が専門医資格取得に必要な「単位数」「経験すべき症例」を決める
(2)専攻医は「必要な単位」を、期間を定めず取得できる
(3)専攻医が「必要な単位」を取得し、症例を経験をした時点で当該基本領域学会と日本専門医機構が、「研修修了」の旨と「新専門医の受験資格」を認定する
(4)(3)の認定を受けた専攻医はプログラム制の専攻医と同様に、新専門医の筆記・面積試験を受験する
 このうち(1)の「単位」については、「フルタイムで換算した1か月間の医療機関勤務」を「1単位」とカウントすることが決まりました。「3年間」の研修プログラムを設定している基本領域では(3年間が最も多い)、カリキュラム制(単位制)を選択した場合、「36単位以上」(フルタイムで換算して36か月(=3年間)以上)の医療機関勤務が必要となります。育児等でフルタイムでの勤務が難しい場合、例えば「半日勤務」が続く場合には、フルタイムに換算した場合には「2か月」間の医療機関勤務が「1単位」となります。このため、カリキュラム制(単位制)での研修は比較的長期間になると想定されます。この点、「カリキュラム制(単位制)では研修の期限を定めない」こととなっているものの、日本専門医機構では「10年、20年といった長期間の研修は好ましくない(医療技術、標準治療のあり方が大きく変化してしまう)。常識的な範囲(5年、6年程度)で研修を終えてもらうことが必要」との考えも示しています。

 また(1)の「経験すべき症例」の詳細なども、各基本領域学会で定めることになります。

 
【カリキュラム制(単位制)の対象】
▽義務年限を有する医科大卒業生(自治医科大学卒業生など)
▽地域枠等の出身医師(やはり地域の医療機関での勤務が求められる)
▽出産・育児・介護等で休職離職する医師
▽ダブルボード(2つ目以上の新専門医資格を取得する)を希望する医師(すでに1つ目の新専門医資格取得において原則プログラム制での研修を受けている)
▽留学を希望する医師
▽その他、相当の合理的理由あると認められる場合(例えば、パワーハラスメントなどの被害を受けているなど、日本専門医機構と各基本領域学会に相談することになる)

 地域枠出身者や、既に妊娠し出産予定のある医師などは、「初めからカリキュラム制(単位制)を選択する」ことになりますが、研修の途中でカリキュラム制(単位制)へ移行することも可能です。前者については専攻医の登録システムの中で把握可能ですが、後者は現行システムでの把握が困難であり、現時点で「カリキュラム制(単位制)の希望者」がどの程度になるかは未知数です。今後、システム改修なども検討される見込みです。

 
寺本理事長は、カリキュラム制(単位制)の概要等について、「新整備指針」の改訂も視野に、関連規定に組み込むことも考えています。

なお、すでにカリキュラム制(単位制)での研修を受けている専攻医についても、可能な限り「考え方」に沿った研修を受けることが求められます。



https://www.medwatch.jp/?p=24481
2019年のGW10連休、都道府県ごとに必要な医療提供体制の確保を―厚労省 
2019年1月23日|医療計画・地域医療構想 MedWatch

 今上天皇陛下が今年(2019年)4月30日に退位され、皇太子殿下が5月1日に新たな天皇に即位されます。これに伴い、政府は4月27日から5月6日まで「10連休」とすることを決定しました(天皇の即位の日及び即位礼正殿の儀の行われる日を休日とする法律)。

 この点、10連休における医療提供体制(とくに救急医療)の確保が重要となることから、厚生労働省は1月15日に通知「本年4月27日から5月6日までの10連休における医療提供体制の確保に関する対応について」を発出し、都道府県知事に対し、地域の医療関係者等と十分に協議・調整し、以下のように医療提供に支障のない体制を確保するよう求めています(厚労省のサイトはこちら(通知本文)とこちら(情報共有シート))。

(1)10連休において必要な医療対応が可能な体制を構築する

(2)2月中旬を目途に、「都道府県内の10連休における医療提供体制に関する情報」(▼二次救急に対応する医療機関▼三次救急に対応する医療機関▼精神科救急に対応する医療機関▼在宅当番医制度や休日夜間急患センター等の初期救急提供体制▼外来診療を実施する医療機関▼開局する薬局に関する情報―など)を、2次医療圏ごとの協議会や地域医師会・個別医療機関等への照会などを行い、各医療機関等の承諾を得た上で、把握する
10連休対応通知 190115の図表
 
(3)「都道府県内の10連休における医療提供体制に関する情報」を、10連休までに、「医療機能情報提供制度」「都道府県・市町村等の行政機関のホームページ」「広報誌」などを通じて、医療関係者や卸売販売業関係者、住民等に十分に周知する。この点、医療関係者・卸売販売業関係者に対する情報共有は可能な限り早期に行うとともに、医療提供体制の確保に万全を期すため、「病院群輪番制度」「在宅当番医制度」などに参画していない医療機関等の参画を促すことなどが必要である

(4)医療機関等と協議の上で、「『病床が満床となり患者の引受先が必要になる』などの事態が発生した場合に備えた対応方針」を予め定めておくよう、各医療機関等に求める

(5)「10連休中に行政機関や地域の医療関係者等の間で連絡を取ることができる体制」(処方箋に疑義が生じた場合等の連絡・相談体制等も含む)を確保しておく

(6)在宅医療を実施する医療機関に対し「10連休中に自施設が休診する場合、往診等の対応を行ってくれる医療機関」を確保できるよう、地域医師会を通じて事前に調整する

(7)在宅医療を実施する医療機関に対し、在宅患者へ「10連休中の自施設の連絡先」「自施設が休診時の対応先である医療機関の連絡先」を周知しておくよう指導する。特に、▼人工呼吸器▼酸素供給装置―等を使用する在宅患者には「当該機器の取扱事業者の連絡先」も併せて周知するよう指導する

(8)必要な医薬品、医療機器等が医療機関等に供給されるよう、医療機関等と卸売販売業者等との間で適切な情報共有・連携を図るよう、関係者に周知する



https://www.m3.com/news/iryoishin/655313
2019年度医学部入試、センター試験速報!
東京医大など不適切入試の影響は?偏差値・志望者 最新動向
 
レポート 2019年1月25日 (金)配信m3.com編集部

 駿台予備校とベネッセコーポレーションは1月23日、1月19、20日の大学入試センター試験に関する自己採点集計「データネット2019」(45万3777人分を集計、センター試験の志望者数の78.7%)や判定基準の偏差値順位、倍率などを公表した。受験生はこれらの結果などを参考に、最終的な出願大学を決め、2月6日までに出願する。国公立大入試はこの後、2月25日から二次試験を開始し、3月中旬までに中期試験、後期試験が行われる。

東医大は、センター利用枠の志望者6割減
 2019年度の医学部医学科入試動向としては、文部科学省が入試に関する調査で「不適切な事案」「不適切である可能性が高い事案」として公表した計10大学の志望者数が注目される。センター試験が影響するのは国立の神戸大と、私立大の中でセンター利用枠の定員を設けている東京医大、昭和大、福岡大、順大の計5大学だ。

 特に注目を集めている東京医大では、44人の追加合格を認めたため2019年度入試の定員枠を同数減らし(センター利用定員は15人以内⇒12人以内)、センター枠の志望者数が2018年度(407人)比で60.0%(244人)減の163人となった。

 他の私立大を見ると、昭和大(センター利用定員12人)の志望者数は、2018年度比37人減(10.5%減)の314人で、文科省による「不適切判定」の影響を受けた可能性がある。

 一方、福岡大(センター利用定員10人)は2018年度比1人増(0.2%増)の492人と、「不適切判定」による変化が見られなかった。センター利用枠が8種類ある順大では、2018年度は設けていなかった「後期センター利用」(同定員5人、2019年度志望者数74人)を除く7枠中、併用枠(同定員20人、同志望者数 42人減の249人)と埼玉枠(同定員15人、志望者数は2018年度比6人減の9人)の2枠で志望者数が減った。


表1 2019年度大学入試センター試験後の私立大学(医学部医学科)の志望者(合算)の状況 (表 略)

 神戸大(センター利用定員92人)は、志望者の倍率が2018年度比0.7ポイント減の3.5倍とやや落としたものの、合格可能性60%以上を示す「B判定基準偏差値」では計50の国公立大医学部医学科中10位(他の6大学と同率) で、上位を維持した。

国公立大医学部、最高倍率は旭川医科大が2年連続
 センター試験受験者のうち、計50の国公立大学(前期入試)が第一志望の人数は、2018年度比692人減の1万4195人。全体の倍率は0.15ポイント減の3.91倍となった(2019年度前期入試の定員は計3635人)。

 定員に対する志望者数が多く、高い倍率を示したのは、一桁程度の定員になっている「地域枠」等を除くと、最高は、前年度に引き続き旭川医科大(定員40人)の7.9倍(2018年度9.6倍)だった。次いで弘前大(定員50人)の7.6倍(2018年度6.9倍)、 横浜市立大(定員58人)の6.6倍(2018年度6.4倍)、秋田大(定員55人)の6.5倍(2018年度8.6倍)、宮崎大(定員50人)の6.5倍(2018年度7.0倍)などと続いた。

 一方、志望者数が定員に満たなかったのは、志望者が「0人」だった鳥取大・鳥取枠(定員5人)のほか、横浜市立大学・医療枠(定員17人)0.1倍、筑波大学・全国枠(定員10人)の0.3倍、横浜市立大学・診療枠(定員5人)の0.4倍となった。昨年は志望者数が定員に満たず倍率が0.3倍だった大阪市立大学・指定枠(定員5人)は1.2倍。

 2018年度よりも倍率が上昇した大学は、定員が少ない地域枠等を除くと、九州大、鹿児島大、熊本大、愛媛大、徳島大、福島県立医科大などの順。地域枠等だけで見ると、筑波大・茨城県枠、弘前大・定着枠、香川大などが高かった。

B判定基準ベスト5以下に変化
 B判定基準の偏差値順位では、1位の東京大から2位の京都大、3位の大阪大、4位の東京医科歯科大と、ベスト4は昨年と同じだったが、5位以下は変化。5位は九州大で昨年から1つ順位を上げた。6位は同率で昨年9位だった名古屋大、同7位だった東北大、同4位だった広島大、同11位だった大阪市立大と、4大学が並んだ。


表2 2019年度大学入試センター試験後の国公立大学(医学部医学科)第一志望者の状況(前期日程) (表 略)

表3 2019年度大学入試センター試験後の国公立大学(医学部医学科)第一志望者の状況(後期日程) (表 略)
【掲載データについて】
1)データは、駿台予備校とベネッセコーポレーションが運営する大学入試センター試験自己採点集計「データネット」の公表数値より抜粋。「B判定基準」が高い順に掲載。 2) 今年度のデータネットの集計数は453,777人であり、センター試験の志望者数に対する集計率は78.7%。 3)各大学の学部は、医学科を持つ学部の前期入試を対象に集計。東京大学については、理科三類を集計。 4)定員数については、一部の募集単位については「約」の数値のため、上下する可能性がある。 5) 判定の基準は、A=合格可能性 80%以上 B=合格可能性 60%以上 C=合格可能性 40%以上。 4) 「B判定基準」は各募集単位の個別学力検査の教科・配点で集計した判定値を表示。※センター試験のみの場合や個別学力検査で教科試験以外のみを課す場合は空欄。 5)第一志望者数、「B判定基準」(合格可能性60%以上)は、ベネッセがセンター試験後に実施する自己採点結果と志望大学調査(参加者数453,777人)を集計した数値。私立大は、第一志望以外の登録数も合算して掲載。

 私立大学の一般入試についても、「データネット」上で今後最新の出願状況などが順次公開されていく予定となっている。

私立大学医学部難易度(偏差値)一覧 (表 略)



https://www.m3.com/news/iryoishin/581264
シリーズ 医師の働き方改革とキャリア
日病会長、「医師は普通の労働者と違う」
産婦人科学会フォーラム、現状を議論
 
レポート 2018年1月22日 (月)配信水谷悠(m3.com編集部)

 日本産科婦人科学会は1月21日、東京都内で「拡大医療改革委員会」兼「産婦人科医療改革公開フォーラム」を開催し、産婦人科医や弁護士らが産婦人科の現状や医師の働き方改革について議論した。講演した日本病院会会長の相澤孝夫氏は「今の働き方改革で本当にいいのか。医師も労働者だが、高度な『知識労働者』。普通の労働者とは違うことを強調しなければいけない」と述べ、医師の特殊性に応じた改革が必要だと強調した。

 相澤氏は、病院の職員は医師を筆頭に、ピーター・ドラッガー の言う「知識労働者」(英語でKnowledgeworker、日本で言う『プロフェッショナル』)であり、労働時間や病院に忠誠を誓うのではなく、成果や達成に対して忠誠心があり、知識・思考を生産手段として問題解決を行うことを生きがいとして仕事をするもの、との考えを披露。その中でも特に医師は高度な知識労働者であって管理を忌避し、成果を出すためには働きがい、やりがいを持って働けるようにすることが大事だと強調した。

 一方で社会的な風潮として労務管理の重要性が高まっている中で、日病会長として各病院を回り、人事部門に「時間外労働が80時間を超えた医師と話をしているか」などと尋ねても、「人事が医師の所へなんて行けない、と答えが返ってくる」と言い、医師に関する労務管理が難しい現状を明らかにした。時間外勤務時間が長くなる要因の一つである当直・日直については、「これを労働時間に入れられたら、(時間外勤務手当の支払いで)病院はお手上げだ」と指摘する一方で、当直明けの勤務の軽減などの対策はすぐにでもできると述べた。

川人弁護士、「5年間猶予は疑問」
 過労死弁護団全国連絡会議幹事長の川人博氏は、東京都内の公的医療機関の産婦人科に勤務していた30代男性医師が2015年7月に自死し、2017年7月に労災認定された件を改めて紹介(『産婦人科後期研修医の自死、労災認定 代理人弁護士「産婦人科医療がそうさせている」』を参照)。その上で、医師の働き方改革に向けて次のような提言をした。

 まず、「とりわけ過労死が出るのは建設業、運送業、そして医師ら医療従事者で、上限規制の例外を設けるのはおかしい。罰則付き上限規制を5年間猶予するのははなはだ疑問だ」と述べ、医師についても労働時間規制をしっかりとかけることを主張。また、医師の増員や医師以外でもできる業務の移譲、応召義務の削除または軽減のほか、「(時間外に説明を求めるなど医師の負担が大きい事例で)患者を聖域に置かずに 適切な対応をすること」や、「医療事故・訴訟に関連するストレスをいかに軽減するか」、「『俺たちの若い頃は…』などと言って長時間勤務を正当化するような医療機関側の意識の改革」などを挙げた。

 総合討論では、川人氏が改めて、「産婦人科は国家的な要請のある分野だ。診療報酬を改善し、産婦人科をやることが医療機関の安定につながるよう学会から厚生労働省に求めてはどうか」と提言。また、診療科の偏在を解消するためには、ある程度、誘導するような制度も必要との見解を示した。

 フロアからは、横浜市立大学の医師が「働き方改革をする前提として、医師は自分がどういう雇用条件で働いているのか、知らないケースが多すぎると思う。そこから始めないと、問題点すらあぶり出されてこない」と提案。宮崎県の県立病院医師が「産婦人科ってこんなに優遇されているよと若手に話しても、興味を示さない。就業の自由をあまり縛るのもどうかと思うが、ある程度国家政策として、数そのものを増やすことも含めてやってほしい」と述べた。

 最後は相澤氏が「『お上がそう言うならそうなのか』という感じで、こうしてほしいというようなことを医療界からあまり言ってこなかった。あれができない、これができないと言うばかりでなく、何をやっていけばいいのか議論して変えていくべきだと考えている」と総括した。



  1. 2019/01/27(日) 09:24:29|
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1月13日 

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO39816960Z00C19A1EE8000/
医師残業規制で厚労省原案 医師不足地域は「年1900~2000時間」  
2019/1/9 20:41日本経済新聞 電子版

厚生労働省が2024年4月から適用する医師の残業時間の上限規制の原案がわかった。医師不足の地域の病院などでは「年1900~2000時間」まで容認する案だ。連合など関係団体に示して調整を進めているが、一般労働者の上限規制を大幅に上回るため、議論は難航が予想される。

4月施行の働き方改革関連法では一般労働者で年720時間以内、単月100時間未満などの残業時間の上限規制を課す。医師も規制対象だが、厚労省は医師向けの独自ルールを今年度中に固め、5年後に適用する。

一般の医師の残業時間の上限は休日労働込みで960時間とする方針。その上で地域医療に欠かせない病院などに勤務する医師は特例で上限を緩める。原案では特例は35年度末までの経過措置とする方針。勤務間インターバルなどの健康確保措置も義務付ける。



https://www.asahi.com/articles/ASM193TS2M19ULBJ008.html
医師の残業上限、年2000時間も検討 救急など特例で 
姫野直行、阿部彰芳 2019年1月10日05時01分 朝日新聞

 2024年度から勤務医に適用される残業時間の罰則つき上限について、一部の特定の医療機関に勤める医師では年1900~2千時間の水準とする案を厚生労働省がまとめたことがわかった。35年度末までの特例として検討する。一部の医師が続けている長時間労働を追認する形となり、異論も出そうだ。

 対象は、地域医療への影響が懸念され、救急・在宅医療など緊急性の高い医療に対応する全国の施設を想定。業務がやむなく長時間になる医師に限る。ほかの一般勤務医の上限は年960時間とする。新年度以降、企業に適用される上限は、休日労働を含めて年最大960時間。特例ではこれらの2倍もの長い残業が認められることになる。

 医師の働き方改革を議論する検討会に11日に提案し、年度末までに結論を出す方針という。

 案では、複数の月で平均80時間超という脳・心臓疾患の労災認定基準の残業時間を考慮し、勤務医は年960時間を上限とする。

 この上限まで残業を減らすと診療に大きく影響する場合に特例を認め、年1900~2千時間程度以内で検討する。この場合、月平均約160時間となり、1カ月だけで精神障害の労災認定基準に匹敵する。特例は医師不足や勤務環境の改善を進めながら段階的に引き下げることも検討する。月当たりの上限はいずれも100時間とするが、例外を認める。

 年2千時間という突出した長さの背景には、医師の1割が年1920時間超の残業をしている実態がある。こうした医師が一人でもいる病院は全体の3割、大学病院や救命救急センターがある病院に限ると9割に上る。規制が始まれば、医療機関は上限超えの勤務医をゼロにすることが求められるが、医師は急に増やせず、一部は対応しきれないとみられているためだ。
 医師の都道府県間の偏在を解消する目標時期を36年としていることなどから、特例は35年度末までとしているという。
 15年度の調査では、自殺や死を毎週または毎日考える医師が3・6%いるとされる。医師の健康を確保するため、特例を適用する場合、終業から始業までに最低9時間の休息をとる勤務間インターバルや連続勤務を28時間までとする制限を義務づける方針。(姫野直行、阿部彰芳)



https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190107-00000013-kobenext-life
医学部入試での女性差別、なぜ起きたか 女性医師から「差別やむなし」の声も… 
1/7(月) 18:00配信 神戸新聞NEXT

 東京医科大学を皮切りに昨年、相次ぎ明らかになった医学部入試での女性差別。「年齢を重ねると女性は医師としてのアクティビティ(活動)が下がる」「女子の方がコミュニケーション能力が高く、男子を救うために補正した」といった大学側の釈明に、怒り心頭の女性は多いだろう。ところが、当の女性医師たちの反応はちょっと違うようだ。「差別やむなし」との声もある。どうしてなのだろうか。(論説委員 小林由佳)

 「自分も含め周囲の女性医師は『差別というより合理的な対応だよね』というのが正直な感想。女性が多くなると現場は回らない」

 こう話すのは兵庫県内の病院に勤める40代の女性内科医Aさんだ。月に5、6回の当直をこなす。子育て中の同僚女性は時短勤務のため、男性やAさんら独身女性がカバーする。周囲は夫婦ともに医師のケースが多いが、育児負担は妻に偏りがち。時短女性が増えたことで、他の医師が疲弊する例をいくつも見てきた。

 「診療科や地域によっては医師不足がかなり深刻になっている。長時間働ける男性が重宝されるのはある意味当然」。Aさんの口調は淡々としていた。

     ◇

 東京医大による女子受験生の一律減点が発覚した昨年8月、あるアンケート結果がネット上で話題になった。同大学の点数操作を「理解できる」「ある程度理解できる」と答えた医師が65%に上ったのだ。女性医師向けのウェブ雑誌「joy.net(ジョイ・ネット)」が会員を中心に調査し、103人が回答した。

 コメント欄には「実際に妊娠・出産で周囲に迷惑をかけた」「女性は離職率が高いから仕方ない」といった意見も。編集長の岡部聡子さんは「予想外の結果に驚いた」というが、生の声を聞くうちに、多くの女性医師があきらめの境地になっていると感じた。

 要因は過酷な勤務状況。大病院では当直明けの通常勤務で30時間以上働くことは珍しくない。主治医には患者の容体急変時に駆けつける「オンコール」対応が求められる。約1万人の女性医師が回答した日本医師会の2017年調査では、25%が「過労死ライン」といわれる月80時間以上の超過勤務をこなしていた。

 「頑張り抜いて適応する女性もいるが、そういう人は同性に厳しい。多くは努力しても環境は改善されず、無力感に陥る。その結果、入試で女性が差別されても仕方ないと思ってしまう」と岡部さんは分析する。

     ◇

 神戸市立医療センター中央市民病院救急救命センターは「断らない救急」を掲げる。専任医12人の半数が女性で、1人は産休中だ。

 当直明けは昼ごろまで勤務し、翌日は必ず休むなど長時間労働の防止を徹底している。有吉孝一センター長(52)は「私生活を大事にしてこそいい医療ができる」と力を込める。

 かつては「患者を受け入れ過ぎ」との不満もあったというが、スタッフを増やし、専用の集中治療室を設けるなど改善してきた。女性医長の柳井真知さん(42)は「環境整備も重要だが、生活とのバランスを重視する上司の存在が大きい」と語る。

 ウェブ雑誌編集長、岡部さんは「差別入試の背景には、医師の偏在や厳しい労働実態がある。大学を批判するだけでは根本的な解決につながらない」と訴える。

 主治医を複数制にしたり、医師の事務作業を減らしたりといった医療現場の改革が求められている。同時に、緊急度の低い「コンビニ受診」を控えるなど、患者側の意識改革も問われているといえそうだ。


■長時間労働強いる風潮に「NO」を

 ジェンダー(社会的、文化的な性差)を切り口に共生社会のあり方を研究する神戸大学大学院の稲原美苗准教授(臨床哲学)に、医学部の差別入試について聞いた。

 -学生の反応は。

 「授業で取り上げたところ、男女とも『許せない』という反応だった。でも、差別は医療界に限った話ではない。例えば企業の総合職は女性にとって狭き門。就職活動で初めて性差別を感じた、とショックを受ける女子学生もいる。若者には自分の問題として捉えてほしい」

 -背景をどう見る。

 「『男性が主に稼ぎ、女性は家庭を守る』という意識に女性自身がまだまだ縛られている。仕事も家事・育児もと頑張って疲弊している。周囲の同僚も人手不足や長時間労働にうんざりしており、子育てなどで制約のある社員につい毒舌を吐いてしまう」

 -どのように改善していけばよいか。

 「本来は、こんな状況はおかしいから変えようという議論になるべきなのに、『長時間働けない人が悪い』といった自己責任論になってしまう。そんな風潮が強まっているからこそ、『それって本当に個人の責任?』と声を上げる必要がある」

(聞き手・小林由佳)



https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201901/20190109_11026.html
<登米市病院事業経営問題>特別委設置へ 医師と資金不足「常任委では抱えきれず」 
2019年01月09日水曜日 河北新報

 宮城県登米市議会は8日、議会運営委員会を開き、市病院事業の経営問題などに関する特別委員会を設置する方向で検討を始めた。
 市議会教育民生常任委員会から昨年12月27日に特別委設置の要望が出された。調査項目案として(1)経営形態を含めた今後の病院事業のあり方(2)今後の地域医療のあり方-が挙げられた。
 議運委で「医師不足や多額の資金不足など常任委だけの議論では抱えきれない大きなテーマだ」などの声が上がり、特別委設置の方向で検討することを申し合わせた。調査項目や委員会構成などについて市議会全体で意見集約し、今春にも特別委設置を決める方針。
 同市では市立2診療所が医師不足のため休診。市病院事業会計の2017年度決算で7億5300万円だった資金不足が、18年度決算では計12億3500万円に膨らむ見通しで、一般会計からの多額の繰り入れが必要な事態となっている。



https://www.swissinfo.ch/jpn/%E5%8C%BB%E7%99%82%E6%94%BF%E7%AD%96_%E9%AB%98%E9%A1%8D%E3%81%A7%E8%A4%87%E9%9B%91-%E3%82%B9%E3%82%A4%E3%82%B9%E5%8C%BB%E7%99%82%E5%88%B6%E5%BA%A6%E3%81%AE%E3%81%82%E3%82%89%E3%81%BE%E3%81%97/44657752
医療政策
高額で複雑?スイス医療制度のあらまし
 
Sibilla Bondolfi
2019-01-07 08:30(swissinfo.ch)

スイスでは医療費が急増し、このままでは立ち行かなくなる。誰もがそう考える中、スイスインフォは火急となったこの問題を今後シリーズで取り扱っていくことにした。まずは、スイスの医療制度について概観する。

スイスの医療制度は国営と民間経済のミックスだ。健康保険会社は民営で、その市場は厳しく規制されている。一方、医療機関には民営と公営の両方がある。

また、実際の医療供給は州の管轄だが、連邦レベルの法律が規定している分野もある。このように、スイスの医療制度はかなり断片化されており、組織的にも全体的な把握が難しい。世界でも突出したスイスの医療費支出には、こういった状況も関係している。

だが、種々の比較調査によると、品質のレベルや供給網はその分しっかりしている。医療機関の密度は高く、英国などのような国営医療サービス(ボックス参照)と異なり、スイスでは診察の予約に何カ月も待つ必要はない。

患者の負担も大
スイス国民は全員、基礎医療保険への加入が義務付けられており、自分で選んだ健康保険会社に月々の保険料を支払う。そのため、健康保険会社の間には競争がある。保険料の月額は会社や州によって異なり、低額所得者には居住している州から補助金他のが支払われる。健康保険会社は疾病を持つ人や高齢者であっても、全ての人に対し基礎保険の加入を認めなければならない。但し種々のオプションを追加できる補完的な医療保険は、任意の契約が認められる。

被保険者は年間最低300フラン(約3万円)の医療費を自己負担する。この免責額は2500フランを上限とし、免責額が高くなるほど保険料の月額は低くなる。例えば、最高免責額である2500フランを選んだ場合、被保険者はこの金額に達するまで治療代や薬代を自己負担し、それを超えると健康保険会社が負担する。

免責額に達した後も、被保険者は最高700フランまで治療代や薬代の1割(薬によっては2割)を自己負担しなければならない。また、入院した場合は毎日15フラン支払う。

病院の資金繰りは多角的

それでも病院経営が困難な場合は、州が援助を行う。入院の場合は費用の55%を州が、45%を健康保険会社が負担する。外来の場合は、健康保険会社が全額負担する。そのため、州は患者をなるべく早く退院させようとするが、この「入院の前に外来へ」という今の傾向の評価は割れており、患者の退院が早すぎるケースは「流血の退院」などと呼ばれている。

各州は病院のリストを作成しており、掲載されている病院は基本医療保険を介して清算し、補助金を受けられる。その代わり、これらの病院には適確な医療の供給が義務付けられている。州は各病院の治療の重点や専門を定め、全病院が全分野を扱わないように規制する。こうして「需要に応じた病院での治療」を計画すると同時に、費用削減を狙う。

医師の監視

健康保険会社(基礎医療保険)が補償するのは、「効果的で経済的な治療」に対してのみ。その具体的な要項は法律の規定やリストに定められている。争いが生じた場合は、健康保険会社に治療代や薬代の負担義務があるかどうかを法廷が判断する。

医療機関の請求金額は、健康保険会社と医療機関の間で結ばれる、国の承認を得た治療費協約や、法律もしくは当局により明確に定められている。現在、外来には個別治療料金表「Tarmed」が用いられ、入院には包括払いが適用されている(SwissDRG)。

スイスの医療保険制度、貧困の一因か?

スイスの医療保険制度は、世界で最も優れたものの一つとして知られている。だが、 医療問題が多くの国で議論される現代において、スイスの同制度は低所得層にも高所得者にも適したものなのだろうか?

健康保険会社はまた、「経済性検査」と呼ばれる制度の一環で開業医の監視も行っている。薬の処方や治療の費用が同分野の他の医師より高額であることが統計上明らかになると告訴され、場合によっては報酬を返却しなければならない。このようにして、医師の違反を取り締まっている。過去には何億フランもの払い戻しを求められたケースもあり、家庭医や皮膚科医、婦人科医などの開業医にとっては、医院の運営が左右される大きなリスクとなる。

外国に頼らざるを得ないスイス

スイスでは医療従事者が不足しているため、このような「経済性検査」による戒めの効果はより一層高まる。特に不足が甚だしいのは、家庭医、助産婦、看護師など。そのためスイスは外国人に頼るしかないが、教育レベルの違いなどが問題となっている。

医療従事者不足が深刻化した理由は二つある。大学医学部の定員制と医師数の制限だ。スイスの大学では現在、人間医学、歯科学、獣医学、整骨療法の各学科で定員制を採用している。ここで学べるのは、適性試験の上位を占めた学生のみだ。

医師数の制限はスイス政府の方針だが、意見が分かれる対策でもある。医療費の増加に歯止めをかけることを目的として(医師の密度に比例して医療費も増加する)、2002年に初めてスイスで新たに医師として働く人の数を制限した。現行の制限策は19年に終了する予定で、議会や内閣ではその後の規制についての議論が続いている。

ところ変われば医療制度も……

医療制度にはさまざまなモデルがある。英国、イタリア、デンマーク、キューバなどの国々が採用しているのは、税収を財源とする国営医療サービス。米国などは自由市場経済を適用し、民間の健康保険会社に一任している。ドイツやフランスのモデルは社会保険モデルと呼ばれ、法律で加入が義務付けられた保険を財源としている。

どのモデルにも長所と短所がある。例えば、英国では税金が財源であるため、患者は保険料も治療代も払う必要はないが、その代償として診察まで長期間待たされたり、近くに医療施設が無かったり、ときには満足のいかない治療しか受けられないこともある。診察日を待つ間に患者が死亡するといった医療制度の荒廃もメディアでは報じられている。

それに対し、スイスのような保険モデルは患者の負担が収入にかかわらず一律であり、高額かつ不公平だと見なされている。

(独語からの翻訳・小山千早)



https://www.sankeibiz.jp/macro/news/190110/mca1901100650001-n1.htm
【経済インサイド】高くついた妊婦加算凍結 社会保障改革で医師会に大きな借りか 
2019.1.10 06:50 Sankei Biz

 「今回のようなことは名称を含めて誤解を招いた。そういうことがないような(診療報酬の)点数設定をしてほしい」-。平成31年度予算案の閣議決定を目前に控えた昨年12月19日夕、東京・本駒込の日本医師会(日医)本部で記者会見した横倉義武会長は、妊婦が医療機関を外来で受診した際に請求される「妊婦加算」が凍結されたことに苦言を呈し、今後の見直しに注文を付けた。この日の午前、中央社会保険医療協議会(厚生労働相の諮問機関、中医協)で妊婦加算の凍結が了承されたが、日医としては渋々受け入れた格好だった。

 “小泉発言”で社会問題化

 妊婦加算は、妊婦の外来の受診に当たり、胎児への影響を考慮した薬を処方するなど「丁寧な診療への評価」を目的として、今年4月の診療報酬改定で導入された。問診で「妊娠中」と答えるなどした女性が対象で、妊婦が外来を受診すると、初診で750円、再診で380円が上乗せされて医療機関に支払われる。妊婦の窓口負担(原則3割)は初診で225円、再診で114円増える。深夜や休日、診療時間外はさらに上乗せされる。通常の妊婦健診では加算されない。

 ところが、周知不足で制度自体を知らない女性も少なくなく、9月ごろからインターネットを中心に「妊婦税だ」「少子化対策に逆行する」などと不満を訴える声が続出。運用面でも、投薬を伴わないコンタクトレンズの処方といった妊娠と直接関係のない場合や、診察後の会計の際に妊娠していることが分かって加算されたケースなどに批判が集中した。

 問題が永田町にまで波及してきたのは予算編成が本格化した11月以降だ。同月29日の自民党厚労部会で、小泉進次郎部会長は「このまま放置するわけにはいかない」と厚労省に対応を要請。発信力の高い小泉氏の発言の影響もあり、マスコミで連日取り上げられ、一気に社会問題化した。

 高い代償

 医療界としては、妊婦の診察には一定のリスクがあり、産婦人科以外では診察を避ける医療機関が出ていることを踏まえ、妊婦加算の導入により妊婦診察のモチベーションづくりにつなげる狙いがあったが、そうした真の目的は十分に理解されないまま、事実上の廃止へと話は一気に進んだ。厚労省は運用の厳格化で乗り切ろうと調整に動いたものの沈静化せず、安倍晋三首相まで事態打開に乗り出すことに発展した。安倍首相は12月13日にタイ・バンコク出張中の横倉会長に電話を入れ、何とか凍結の了解を取ったのだった。

 調整の過程では、医療機関に支払われる加算は維持した上で、妊婦の窓口負担分(約10億円)を公費で穴埋めして無償化する案も検討されたが、制度設計に時間がかかることなどから見送られた。来年に参院選や統一地方選という大型選挙を控え、事態が長引けば選挙に悪影響を及ぼすのは必至で、多少強引でも年内に幕引きする必要があった。

 ただ、永田町や霞が関の世界では、利害関係者の間で何か借りができたら、相手にそれ相応のお返しをするのが常識だ。政府・与党としては「首相」という最高の切り札を使ったことで、日医などに“首相案件”にふさわしい高い代償を払わなければならなくなったともいえる。

 参院選後に影

 かつて鳩山由紀夫政権時代、廃止されていた生活保護の母子加算をめぐり、深夜の首相公邸に当時の長妻昭厚労相と山井和則厚労政務官が約60億円の全額復活を鳩山首相に直談判したケースの再現とも映る今回の展開に、自民党内からは「なぜ、たかが10億円くらいの話に首相を使ったんだ」(幹部)と批判の声も上がっている。

 31年度予算案では、高い資金力と集票力を持つ日医に配慮し、地域医療・介護の態勢強化で設けられている「地域医療介護総合確保基金」の200億円積み増し、医療機関のIT化推進のための基金300億円の創設を盛り込んだ。地域医療介護総合確保基金は横倉会長のイニシアチブで導入された経緯もあり、業界関係者の間では「横倉基金」とも呼ばれているが、日医幹部は「そちらを増やされても、妊婦加算凍結の件は別の話だ」と強調する。

 夏の参院選が終われば、負担増を含む社会保障制度改革の議論が本格化する見通しだ。日医など業界団体の権益への切り込みも避けられない情勢だが、今回の妊婦加算凍結で生じた“貸し”を日医側から「ここで返してほしい」と要求される可能性もある。社会保障制度改革をめぐり、妊婦加算の凍結が「たかが10億、されど10億」になるのか。(桑原雄尚)



https://www.mixonline.jp/Article/tabid/55/artid/66857/Default.aspx
厚労省 10月の消費増税に伴う初・再診料の上乗せ率は5.5% 14年度改定前ベースに 
公開日時 2019/01/10 03:52 ミクスオンライン

厚生労働省は1月9日、中医協診療報酬調査専門組織「医療機関等における消費税負担に関する分科会」に、2019年10月に予定する消費増税に伴う診療報酬改定について、初・再診料の上乗せ率は5.5%となることを報告した。現行点数ではなく、2014年度改定前の点数をベースとするため、単純計算で初診料は約3点、再診料は約1点引き上げることになる。同省は、19年度政府予算案の編成過程で、増税に伴う診療報酬本体の改定財源として約4700億円を確保しており、この範囲内で財源配分を検討し、最終的な診療報酬点数を決定する。

同省は、消費税率を5%から8%に引き上げた際に十分な補填がなされていなかった経緯を踏まえ、8%引上げ時を一度リセットし、2014年度改定前の診療報酬点数をベースに点数の引上げを行う。改定財源については約4700億円確保した。内訳は、医科約4000億円、歯科約400億円、調剤約300億円。これまでの議論のなかで、高度急性期・急性期病院で補填不足が大きかったことなどを踏まえて補填を精緻化すべく、財源配分を検討してきた。

初・再診については上乗せ率5.5%。2014年度改定前の初診料270点をベースに単純計算すると284.85点で、現行点数から約3点アップ。再診料については14年度改定前の69点をベースに72.795点となり、現行点数から約1点アップする。

一方で、入院料は「入院基本料」と4分類からなる「特定入院料」から構成する。急性期・地域一般入院基本料は上乗せ率4.9%、特定機能病院入院基本料は8.8%の上乗せ率となる。最も上乗せ率の低いのが療養病棟入院基本料で1.5%。ただ、医薬品や医療材料を包括する点数については、2017年度医療経済実態調査の結果を踏まえて上乗せ分を別途加味する。同省はそのため、マイナスになることはないとの見方を示している。

この日の検討会では、中川俊男委員(日本医師会副会長)が「2014年度改定の問題は4年半放置された。より迅速に実態を把握し、期中での対応なども検討すべき」と述べるなど、増税に伴う診療報酬改定後、早期の検証を求める声があがった。



https://www.nikkei.com/article/DGXMZO39814300Z00C19A1EE8000/
初診料を30円前後引き上げへ 消費増税対応で  
2019/1/10 1:31 日本経済新聞

厚生労働省は9日、10月に予定する消費税増税に伴い、初診料を今の2820円から30円ほど引き上げ、2850円前後にする方針を明らかにした。2回目以降の診察にかかる再診料は720円から730円前後になる。実際に患者が支払う金額はこのうち1~3割。医療費は非課税だが、医療機器の仕入れには課税されるため、増税分を賄えるようにする。

同日に開いた中央社会保険医療協議会(厚労相の諮問機関)で方針を示した。

医療サービスの公定価格である診療報酬は非課税なため、増税分を上乗せするため10月に改定する。診療報酬は全体で0.88%の引き上げとなる。保険料や自己負担、税金を含めた医療費に換算すると年間で約4100億円になることも報告した。

内訳は医師の技術料にあたる本体部分が0.41%のプラスで1900億円。薬価などが0.47%のプラスで2200億円。

初・再診料の最終的な値上げ幅は、財源が過不足にならないよう、入院基本料などほかの料金の値上げ幅と調整しながら決める。



https://www.medwatch.jp/?p=24317
医療事故の原因究明に向けた院内調査、「外部の第三者」の参画も重要テーマ―医療安全調査機構 
2019年1月11日|医療・介護行政全般 MedWatch

 医療事故調査制度について、医療機関の認知度は高いが、遺族(国民)の大半は知らない。また、院内調査や事故などに関する説明について、医療機関側と遺族側とで受け止め方に大きな違いがある。そうした中で、調査の公正・中立を確保するために、医療機関・遺族の双方から「外部の第三者」参画が提案されている―。

 日本医療安全調査機構(以下、機構)が1月9日に公表した「医療事故調査制度に係るアンケート調査」結果から、こういった状況が明らかになりました(機構のサイトはこちら)。

ここがポイント!
1 医療機関からは「院内調査報告書の様式提示」「事故判断の基準明確化」などの改善提案
2 遺族の大半は医療事故制度を知らず、院内調査の理解・納得も十分ではない

医療機関からは「院内調査報告書の様式提示」「事故判断の基準明確化」などの改善提案

 2015年10月から、医療事故調査制度がスタートしました。すべての医療機関等において、院長など管理者が予期しなかった「医療に起因し、または起因すると疑われる死亡・死産」のすべてを医療事故調査・支援センター(機構がセンターに指定されている)に報告する義務を課すものです。

 機構では、報告された医療事故を調査・分析し、積極的に「再発防止策」を打ち出すとともに(再発防止策はこちら(中心静脈穿刺)とこちら(血栓塞栓症)とこちら(アナフィラキシーショック)とこちら(気管挿管)とこちら(腹腔鏡手術)とこちら(胃管挿入))、報告状況を毎月公表しています(2018年12月分の報告状況に関する記事はこちら)。

 そうした中で、「医療事故調査制度がどこまで浸透しているのか」、特に「一般国民がどこまで整理を知り、理解しているのか」という点で課題が浮上しており、今般のアンケート調査実施につながりました。

 調査は、医療機関の医療安全管理者に対し▼医療事故調査制度の認知度▼医療事故調査制度への意見や感想―などを、遺族(国民)に対し▼医療事故調査制度の認知度▼院内調査結果への遺族の理解・納得感▼医療事故調査制度への意見や感想―などを聞いています。医療機関からは80件、遺族からは23件の有効回答が寄せられました。数こそ少ないものの、制度に関する率直な意見を把握する重要な調査結果と言えます。

 まず医療機関に対する調査結果を見てみると、事故が発生する前から「制度を詳しく知っている」との回答が75.0%を占め、制度の周知を相当程度進んでいると考えられます。
 
また医療事故調査制度の課題(改善点)や感想については、「報告すべき医療事故かどうか」の判断が難しいという声が上がっています。上記のとおり「院長などの管理者が予期しなかった、医療に起因し、または起因すると疑われる死亡・死産」が報告対象ですが、例えば「『医療に起因する』とは死亡の主因ということか」「合併症か、予期せぬ死亡かの判断が難しい」「医療安全管理者と施設管理者の見解が異なるケースもあり、判断基準をより明確にすべき」などの意見が寄せられています。また、「報告対象ではないと考えられるが、『遺族の心情』に鑑み、報告した」事例もあることが分かりました。

「報告すべき医療事故か否かの判断」については、機構や医療事故調査等支援団体(医師会や病院団体、大学病院など)が支援を行っていますが、事例を踏まえた「さらなる明確な判断基準」作成なども期待されます。

また、「判断」以外での支援依頼は回答の67.5%にのぼります。依頼内容は、▼院内調査に必要な専門家の派遣(依頼内容の38.5%)▼報告書作成(同18.8%)▼院内調査の進め方(同16.2%)▼遺族への対応(同12.0%)▼調査手法(同8.5%)―などが多くなっています。

事故が発生した医療機関では、「センターへの報告」や「院内調査」とともに、遺族への説明を行うことが必要です。遺族への説明者としては、事務担当者が最多(説明者を決めていた医療機関の44%)ですが、▼医療安全担当看護師(同26.7%)▼医療安全担当医師(同9.3%)▼院長(同6.7%)▼主治医(同5.3%)―が担当したケースも少なくありません。

遺族への連絡対話で留意した事項としては、▼遺族の心情を理解するよう心がけた(回答の38.4%)▼遺族の疑問に応えるように心がけた(同26.8%)▼定期的に連絡するよう心がけた(同23.2%)―などが多くなっています。また、遺族側から連絡を拒否された医療機関もあり、その場合「定期的に連絡を試みる」ケースもあれば、逆に「心情に配慮し連絡を控える」ケースもあるようです。

また、医療事故調査制度を構築する上で大きな争点となった「遺族への説明に当たり、院内調査報告書を提示するか」(制度上は「提示までは不要」という形で決着した)という点について、回答医療機関の61%は「院内調査報告書を提示している」と回答しています。積極的な情報開示姿勢を伺うことができるでしょう。

なお、医療事故が訴訟に発展したケースは1.3%(1件)にとどまっていますが、より大規模な調査結果が待たれます。

さらに、院内調査を通じて「大変であった」事項としては、▼報告書の作成(何をどう書けばよいかが分からない、など)▼当該医療従事者への対応(聴取時間もかかり、医療従事者の心情への配慮も必要である、など)▼遺族への対応(遺族へ不快な思いをさせてしまったなど)▼医療事故の判断―などが上がってきています。回答医療機関からは「報告書の見本・様式の提示」などを求める提案もなされています。

また院内調査等を通じた改善点としては、▼診療記録の記載・保管・運用(カンファレンス記録や検査記録、同意書等):回答医療機関の63.8%▼インフォームド・コンセントの在り方(病状・リスクの説明、治療法の選択、説明内容の記録等):同57.5%▼マニュアルの検討(規定、手順・マニュアルの見直し、クリニカルパスの整備等):53.8%▼職員・患者間のコミュニケーションの在り方:52.5%▼ルールや安全情報の周知 (現場への周知の徹底、院内啓蒙等):51.3%▼職員に対する安全教育、研修:51.3%▼多職種間の情報・リスクの共有:45.0%▼診療体制の構築(指示命令系統、連絡体制、勤務体制等):35.0%▼他の診療科との連携:23.8%―など、広範に及んでいます。「医療事故の再発防止」という目的に向けた取り組みが進んでいると言えるでしょう。
 
さらに、他医療機関に対し、▼院内の医療事故報告体制を構築しておく▼途中経過等を遺族に伝える▼院内調査において外部委員導入は公正・中立の点から重要であるが、進捗計画などを定めておくとよい▼職員への精神的支援を行う―などといったアドバイトもなされています。

遺族の大半は医療事故制度を知らず、院内調査の理解・納得も十分ではない

 次に遺族側への調査結果を見てみると、医療事故調査制度については「医療機関からの説明で初めて知った」との回答が70.0%を占めています。「以前から知っていた」という方も一部おられますが、「国民の大多数は医療事故調査制度を知らない」と認識すべきでしょう。
 
行政や機構、医療団体などに「さらなる制度の周知」に向けた取り組みを期待したいところですが、効果が出るまでには長い時間がかかります。このため、医療機関側は「遺族は医療事故調査制度を知らない」という前提に立った対応が必要となります。

遺族サイドによる、事故医療機関側の対応評価については、▼事故の状況説明を「理解できた」(十分+まあまあ)人が65.2%、「理解できなかった」人が4割弱▼十分な連絡がなかったと感じた人が65.2%▼院内調査結果の説明を「理解できた」(十分+まあまあ)人が61.0%、「理解できなかった」人が4割弱▼院内調結果に「納得した」人が43.5%、「納得できない」人が過半数▼院内調査が「遅い・長い」と感じた人が56.5%▼院内調査結果の説明後に、医療機関に対する気持ちが「良い」方向へ変化した人が13.0%、「変わらない」人が39.1%、「悪い」方向へ変化した人が43.5%―などとなっています。上述の医療機関側と「受け止め方」が大きく異なりますが、「身内を亡くしている」という心情、医学・医療に関する知識等の不足を考慮すれば、受け止め方に差が出てくることは当然かもしれません。
 
また遺族側の要望としては、「医療関係者でない第三者を入れて院内調査を行うべき」などといった意見もあります。医療機関側の調査でも「外部委員の導入」を促す声もあり、十分に参考にすべきテーマと言えるでしょう。

医療機関側が十分な説明を行い「理解」を得たとしても、それが「納得」につながるとは限りませんが、説明を真摯に行うことは医療機関に課せられた「重要な責務」であることに疑いはありません。遺族からは厳しい意見もありますが、「医療事故調査制度は良い仕組みで、今後、医療安全が進むと思う」という声が出ていることも事実で、医療安全確保等に向けた医療機関の積極的な取り組みに期待が集まります。



https://www.m3.com/news/iryoishin/652672
シリーズ 医師の働き方改革とキャリア
時間外上限「地域医療確保暫定特例水準」1900~2000時間
2024年度から適用、2035年度末までに解消目指す 
 
2019年1月12日 (土)配信水谷悠(m3.com編集部)

 厚生労働省は1月11日の第16回「医師の働き方改革に関する検討会」(座長:岩村正彦・東京大学大学院法学政治学研究科教授)に、診療に従事する勤務医の時間外労働時間の具体的な数字として「年間960時間、月100時間(例外あり)」と、地域医療を適切に確保するための「地域医療確保暫定特例水準」として「年間1900~2000時間、月100時間(例外あり)」を提案した。いずれも休日労働を含む数字で2024年度から適用し、「地域医療確保暫定特例水準」は2035年度末までに解消することを目指すもので、次回以降も引き続き議論する(資料は、厚労省のホームページ)。

 厚労省はこの日の議題として、ここまでの議論に関する「とりまとめ骨子(案)」と時間外労働時間の上限を提示し、この順番に議論した。前回(2018年12月19日)の会議で骨子案のたたき台を議論し、岩村座長がそれを基に骨子案と数字の案をそれぞれ用意するよう事務方に指示(『働き方骨子案たたき台「現場の医師の声盛り込むべき」副座長が苦言』を参照)。

 骨子案には勤務医に適用する上限水準(A)、地域医療を適切に確保するための水準(B)、一定の期間集中的に技能の向上のための診療を必要とする医師を対象とする水準(C)を設けて、BとCはAよりも高い水準とする枠組みが記載された。Bが「年間1900~2000時間、月100時間(例外あり)」で、Cについては、今回は具体的な時間数は示さなかった。

 だが、骨子案の議論中に連合総合労働局長の村上陽子氏が、「A、B、C(の枠組み)そのものについて合意していないし、時間が入っていない段階で議論するのは難しい。要件もよく分からない。義務が果たされなかった場合にどうなるのかも判然としない。議論には参加するが、中身が分からないまま賛同するものではない」と表明。その後の時間数の議論の中でも、この考えを再度述べて念を押した。

 骨子案はあくまでここまでの議論を整理するもので、A、B、Cの枠組みを含め制度面について決定するものではないため、厚労省医政局長の吉田学氏が「ここをベースにして対応したい」と述べ、岩村座長も「文章を確定させたい」と引き取り、この日に出された意見に基づいて細かな文言の修正をした上で骨子案の議論は終了した。

「暫定特例水準」は2035年度末解消
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(2019年1月11日医師の働き方改革に関する検討会資料)
 厚労省の提案ではA、B、Cいずれも月の上限を超える場合の面接指導と就業上の措置(労働時間短縮や当直回数減など)を講じることを義務とする。Aの「年間960時間、月100時間(例外あり)」は全ての診療従事勤務医に適用される水準で、連続勤務時間制限28時間と勤務間インターバル9時間確保、長時間の手術や急患対応などで休息を適切に取れなかった場合にその分を積み立てて別途休暇を取得させる「代償休暇」を努力義務とする。

 医師需給は「労働時間を週60時間(年間時間外労働960時間)に制限、7%のタスク・シフティング」などの仮定を置くと、2028年頃に均衡すると推計されている(『医師需給2028年頃に均衡、「週60時間程度に制限」で』を参照)が、改正労働基準法が医師にも適用される2024年度の段階では約1万人のギャップ(医師不足)がある。医師が健康を害することを防止した上で地域医療提供体制を確保する「経過措置」として、Bの地域医療確保暫定特例水準「年間1900~2000時間、月100時間(例外あり)」を設定する。解消時期については、マクロで医師需給が均衡したあとも医師偏在解消のための取り組みが必要とされ、都道府県単位で解消する目標が2036年とされていることと、第8次医療計画が2024~2029年度、第9次医療計画が2030~2035年度となっていることから、2035年度末に設定する。

 1900~2000時間の根拠は、病院の常勤勤務医の時間外勤務時間が、1920時間を超える医師が約1割いて、それが1人でもいる病院が全体の約3割、大学病院の約9割、救急機能を有する病院の約3割、救命救急センター機能を有する病院の約8割と、必ずしも一部に偏ってはいないこと、2024年度以降の上限が罰則付きで「絶対に超えてはいけない」基準となることなどを挙げた。BとCは、Aの健康確保に関する努力義務を「義務」と強くすることで、健康確保を図る。

 上限時間の議論の冒頭、岩村座長は「労働時間を減らすことだけではなく、日本の医療提供体制をどうするかと合わせて考えないと実現できない」と指摘。日本医師会副会長の今村聡氏と日本病院会副会長の岡留健一郎氏からは、「2000時間」の数字が9日に報道されたことを受けて「数字だけが出ると、『そこまで働かせるのか』という誤ったメッセージになる」(今村氏)などと、報道が先行したことへの苦言が呈された。

 ハイズ株式会社代表取締役社長の裴英洙氏は、時間を設定したあとにするべきこととして、「ふたを開けてみるとうまくいかないというのはままある。その間の定点観測をどの程度やるか、また、医師はハッピーだがその他の職種や患者がアンハッピーではだめで、好ましくない『副作用』が出た場合の検証の場も必要だ」と指摘。

 千葉大学医学部附属病院院長の山本修一氏は「一時的であれ、医療の質が低下することが許容されるのか。(1920時間超の)1割は医療の高度化によって生じている部分がある。この人達がいることで救える命があることも直視しないといけない」と述べた。一方、自治労総合労働局長の森本正宏氏は「2000時間は(960時間の)2人分働いていると認識する必要がある。長すぎる。短くする検討を」と事務局案に反対を表明した。

 東京女子医科大学東医療センター救急医の赤星昂己氏は、救命救急センターが数人の医師で回っているという自身の経験に照らし、「現場では勤務間インターバルは不可能だ。そうすると、集約化となる」と指摘。また、BやCの医療機関が指定されて公表された場合に、上限時間が長いことから医師に避けられてしまうのではないかという懸念も示した。

 議論の最後には、副座長で東京大学大学院医学系研究科国際保健政策学教室教授の渋谷健司氏が、「国民が安心して医療にかかることができる制度を守って、今の若い医師が希望を持てるような方向性を出したいと思っている。(出席者の中で)医師の立場で政策を進める立場にいる最高責任者は迫井(正深)審議官だが、厚労省としてはどこを目指しているのか、改めて伺いたい」と異例の質問をした。迫井氏は、「目の前にあるのは難しい2つの困難な課題だ。お医者さんの命、健康を守っていこうという問題意識と努力、一方で救われる命が救われないことがないようにという、医療の提供体制を守っていこうという為し難い二つの課題の両立のために努力するということでは構成員も私達厚労省も一致していると思う」などと答弁した。



https://www.m3.com/news/iryoishin/652667
消費税問題「課税も含めた議論必要」、猪口全日病会長
四病協の賀詞交換会、厚労相、日医会長らもあいさつ
 
レポート 2019年1月12日 (土)配信橋本佳子(m3.com編集長)

 四病院団体協議会の賀詞交換会が1月11日、都内で開催され当番団体としてあいさつした全日本病院協会会長の猪口雄二氏は、「病院を取り巻く問題はある」とした猪口氏は、消費税問題について、「日医と与党政治家の力もあり、一応決着したことになる。ただ今後を考えると、個々の医療機関にとって、きちんとした対応をすることは少し難しい。(診療報酬の)課税を含めて新たな視点に立った消費税の解決を議論する必要がある」と述べ、消費税問題は未解決との認識を示した。

 2019年10月からの消費増税への対応として、昨年末の与党税制改正大綱で、診療報酬は非課税のまま、増税対応分を上乗せするとともに、医療用機器の特別償却制度、地域医療介護総合確保基金の増額等で対応することが決まった(『 「非課税下での消費税問題は全体で解決」、三師会と四病協が合同会見』を参照)。診療報酬への上乗せ額の詳細は今後決まるが、「病院団体として、検証を行っていきたい」(猪口氏)。

 「病院を取り巻く課題はいろいろある」と語る猪口氏は、医師の働き方改革にも言及。厚生労働省の「医師の働き方改革に関する検討会」では、時間外労働の上限規制の議論が正念場を迎え、この日の賀詞交換会の直前にも開催された。猪口氏は、上限規制について「地域医療を崩壊させず、どうやって守るかという観点から決めてもらいたい」と述べるとともに、時間の問題だけでなく、宿日直、自己研鑽、インターバル規制なども合わせて議論する必要性を指摘。

 さらに地域医療構想についても触れた。11日に開かれた全日病の各支部長が集まる会議の場で、各地区で実りのある地域医療構想、調整会議になっているかを聞いたところ、猪口氏は「手を挙げた支部はなかった」と明かした。

 将来を見通した課題として、挙げたのは人口減少。「特に若者が減るのは明らか。医療界に入ってくる人口は減ってくる。一方、診なければいけない高齢者は増えてくる。その中でどのように医療を守っていくか、今までのように同じ形で行くことは多分できない。外国人労働者という話もあるが、それとてものすごい数ではない」。こう語る猪口氏は、AI(人工知能)やロボット等も活用する必要性を指摘。「未来に向けた病院運営を考える足がかりの年になるのではないか」と述べ、あいさつを締めくくった。

 賀詞交換会では、三師会会長のほか、根本匠厚労相、加藤勝信・前厚労相、細田博之・衆院議員、羽生田俊・参院議員などの政治家、厚労官僚があいさつ。

根本匠厚労相
 根本厚労相は、地域医療構想、医療提供体制の再構築、地域包括ケア、医師偏在対策、医師の働き方改革などについて言及。医療提供体制については、「医師を取り環境が変化する中で、他の医療機関とも適切な連携の下、必要な役割を担ってもらいたい」と、各病院への対応を求めた。医師の働き方改革については、時間外労働の上限規制のほか、労働時間短縮策としてタスクシフティングなどについて、今年度内に取りまとめると述べるにとどまった。

横倉義武日医会長
 日本医師会会長の横倉義武氏は、この5月に平成から新たな時代に入る「時代の変わり目」になることから、「医療界も大きく変わって行かなければ行けない年」とあいさつ。医師以外の職種の時間外労働の上限規制はこの4月から適用されることを踏まえ、「病院にとって大変な努力が必要な年。病院にはさまざまな専門職がおり、その専門職をサポートする一般職の方もいる。病院の運営自体を、地域に合わせた形でもう一度、考え直さなければいけない」と指摘。「医師会では、それぞれの地域で休日当番制や輪番病院制の構築を、行政とともに進めているが、医師会単位でできる地域はだんだん減って来て、広域的な体制を組まなければいけないという議論もスタートしなければいけない」との認識を示した。その他、今年はラグビーのワールドカップが開催されることから、2020年の東京オリンピックを控え、外国人医療の体制を構築していく必要性も求められているとした。



https://www.m3.com/news/iryoishin/652408
シリーズ 平成の医療史30年
医療の「機能分化」「標準化」進んだ30年【平成の医療史30年◆厚労行政編】
診療報酬改定と医療法改正の両輪で - 鈴木康裕・厚労省医務技官に聞く◆Vol.1
 
スペシャル企画 2019年1月12日 (土)配信聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

 医療は規制が強い分野。その舵取りをするは、言うまでもなく厚生労働省だ。医療、それを支える医療行政が複雑、高度化する中、2017年7月に事務次官級のポストとして新設されたのが医務技監、その初代に就任したのが鈴木康裕氏だ(『医療行政が直面する「三つの境」越える - 鈴木康裕・厚労省医務技監に聞く◆Vol.1』を参照)。鈴木氏に、平成時代の医療や医療行政の「過去」と「現在」、そして「将来」、エピソードを交えながら語っていただいた(2018年12月20日にインタビュー。全3回連載)

――日本の医療提供体制の変化をどのように見ておられますか。

 日本の世帯の核家族化が進むと、自宅で面倒を見ることができない高齢者が増えてきます。日本がこれまでどう対応してきたかという視点からは、3つのフェーズに分けることができます。。

 一つは、1990年代(平成2年)頃まで。医療(病院病床)を増やし、吸収してきました。しかし、1983年に当時の厚生省保険局長だった吉村仁氏が「医療費亡国論」を提唱し、1985年の第1次医療法改正で病床規制が導入されました。実際にその効果が現われるようになったのが、1990年頃です。

 一方で1989年(平成元年)には、ゴールドプランが策定され、介護サービスの整備が本格化。「介護の社会化」を進めるために、2000年(平成12年)に創設されたのが、介護保険制度です。2010年(平成22年)頃までは、病床の代わりに、老人保健施設などの介護施設系のサービスが増え、対応してきました。しかし、介護保険制度も財政が逼迫し、「公」では見きれなくなってきたので、「民」、つまり有料老人ホームと2011年に制度化されたサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)が最近は著しく増えています。

 もう一つ、別の見方があります。西田在賢先生(静岡県立大学大学院教授)の分析です。1961年の国民皆保険制度の開始以降、2011年(平成23年)でちょうど半世紀。前半の25年は、病院数・病床数の「量的拡大」の時代です。1986年以降の後半の25年が「質的向上」の時代で、全体の数はむしろ減少。1993年(平成5年)の第2次医療法改正で創設したのが、特定機能病院と療養型病床群。その後の医療法改正や診療報酬改定では、医療(病床)の機能分化が進められます。平成の30年間は、この後半の機能分化の時代に重なり、今はその延長線上にあるわけです。
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(提供:石川誠氏)

――2000年(平成12年)の第4次医療法改正では、それまでの「その他の病床」が、一般病床と療養病床の2つに分けられ、2000年代の診療報酬改定では、機能分化が進められました。

 中でも機能分化、そして「質的向上」において、2003年(平成15年)に特定機能病院で導入されたDPCは画期的であり、DPCが果たした役割は大きいと思います。それに先立ち、1998年(平成10年)から国立病院など10病院で「急性期入院医療の定額払い方式」の試行が始まりました。

 画期的という理由の一つは、今まで慢性期医療に導入されていた包括払い制を、急性期医療にも導入したこと。もう一つの理由は、入院期間の短縮と医療の標準化が進んだことです。DPC導入当時、例えば急性虫垂炎の手術にしても、入院期間や医療のプロセス、医療費は、病院によりものすごくばらついていました。DPCの包括評価部分の1日当たり点数は、3段階の設定になっています。15年経った今では、急性期医療を担う病院の8割強がDPC病院になり、第一段階のところにほぼ収束しています。

――2008年(平成20年)の診療報酬改定では、7対1入院基本料が導入されました。

 中医協での議論で、「7対1の算定は、どのくらいの病床数になるのか」との質問に、当時の厚労省は「2万床くらい」と回答しています。しかし、「長瀬効果」(給付率等の変化で、医療費水準が変化すること)だと思うのですが、実際には30万床を超えました。どんな重症度の患者が入院しているかに関わらず、看護師を募集して7対1入院基本料を算定する動きが広がったのです。

 入院基本料は、看護料、入院時医学管理料、室料という3つを統合して設定されましたが、看護師の数でほとんど点数が決まっていました。もちろん、看護師数は大事。けれども、看護師を集めれば高い点数を算定できる仕組みは、ある意味、入院医療の在り方、病院の経営をゆがめてしまったと言えるでしょう。

 これは今回の2018年度(平成30年)改定でかなり改正されました。私は「固定費」と表現していますが、10対1入院基本料の部分を支払い、その上に「変動費」として「重症度、医療・看護必要度」で加算するのは合理的で、入院医療を評価する一つの回答だと思います。

――2000年代は診療報酬改定で機能分化が進められ、2010年代に入ると医療法改正も相次ぎ、病床機能報告制度や地域医療構想が導入されました。

 財源およびその配分を決めるのが診療報酬、病床機能や人員体制などを定めるのが医療法。両者がうまくかみ合わないと、医療はいい形にならないのだと思います。

 ただその中で、診療報酬改定による医療費のコントロールの重要性は今後も変わらないと思います。

 2000年(平成12年)から2017年(平成29年)までの18年間を見ると、2000年を「100」とした場合の各セクターの一般歳出の変化を見ると、公共事業は一時5割を切り、今でも63.3。教育はお子さんが減ったこともあり、82.1。

 一方、社会保障関係費全体では、193.7。内訳を見ると、医療(173.2)は、マクロ経済スライド制が導入された年金(225.2)と同程度に、診療報酬改定でコントロールされているのは、注目すべき点です。(改定を担当する厚労省保険局)医療課だけで改定をしていれば、もっと上がったのかもしれませんが(笑)、首相官邸や財務相との議論を重ねており、それが一定の価格メカニズムとして機能しているのです。

 より高齢者増の影響を受ける介護は、ものすごく伸びており、239.3。今後の課題は、介護保険についてどのように価格コントロールメカニズムを入れるかです。ただ労働集約的な介護では、職員の処遇改善を進めているので難しい一面がもあります。

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(提供:鈴木氏)
――改革のスピード感はいかがでしょうか。社会の変化は早くなっています。一方、厚労省内でも、さまざまな審議会、検討会が設定され、議論が進んでいますが、結論を得るには時間がかかっているように思います。

 霞が関の中でも、厚労省は批判を浴びやすい省庁です。医療や年金など国民生活に直結することを担当しているからです。最近では、妊婦加算が問題視されました(編集部注:2018年度診療報酬改定で新設されたものの、2019年1月から凍結。『妊婦加算、2019年1月から「大臣の定める日まで」凍結』を参照)。また省単独で決めることは難しく、医師会、患者代表、関係業界など関係各者に意見を聞きながら、全体の総和として政策を決定していく必要があります。合意形成に時間がかかるプロセスは、民主主義のコストと言えます。

 2017年7月、「日・ASEAN保健大臣会合」が開催されました。日本の高齢化の教訓を尋ねられ、当時の塩崎厚労相は次のような内容を答えられました。

 1973年の田中内閣の際に、老人医療費の自己負担無料化が導入されました。当時の高齢化率はまだ7%台ですが、今や28%。その後、1983年に定額負担化、平成に入り、2001年(平成13年)に定率負担(1割)に変更されました。つまり、老人医療費への定率負担化に、30年かかっています。これは何を示しているか。参院選は3年ごと、衆院選も含めると、ほぼ毎年、あるいは1年おきに国政選挙が行われます。民主主義社会において、特に投票率が高い高齢者に負担を強いる政策を導入しようとすると、合意形成に時間がかかり、改革のタイミングも難しいという特性があります。

鈴木 康裕(すすき やすひろ)氏
 厚生労働省医務技監。1984年慶応大学医学部卒、同年厚生省入省。1998年WHO(世界保健機関)、2005年医政局研究開発振興課長、2008年新型老健局老人保健課長、2010年保険局医療課長、2012年防衛省衛生監、2014年厚生労働省大臣官房技術総括審議官、2016年6 月厚生労働省保険局長、2017年7月より現職。



https://www.nikkei.com/article/DGXMZO39839430Q9A110C1000000/
「行政の危機意識低い」6割超 10連休医療提供で医師会  
2019/1/10 9:35 日本経済新聞

皇太子さまの新天皇への即位に伴って4月27日から5月6日まで10連休となることに関し、日本医師会が都道府県医師会を対象に行った調査で、6割以上が「行政の危機意識が低い」と回答したことが10日までに分かった。医師会が公表した。地域医療への影響を調べるため、昨年12月、各都道府県の医師会に書面で調査。40の医師会から回答があった。

10連休での医療提供態勢について、医療や福祉、消防などを担う都道府県部局の危機意識を尋ねたところ、38の医師会が回答。「極めて低い」「低い、不十分」が6割以上を占めた。行政との情報共有や連携については37医師会が回答。「極めて不十分」「不十分」が合わせて約7割と低評価だった。

一方、期間中の救急医療態勢については、過半数の医師会が「ゴールデンウイークと同様」の対応と回答した。

小玉弘之常任理事は「地域医療の予算や計画は行政が担っている。危機感を高めてもらうよう国から周知してもらいたい」と話している。〔共同〕



https://www.nikkei.com/article/DGKKZO3979171008012019EE8000/
医師業務 移管義務付けへ 厚労省、長時間労働対策で 地域の中核病院対象に 
2019/1/9付日本経済新聞 朝刊

厚生労働省は地域医療に欠かせない病院に対し、医師の業務の一部を他職種に移管する「タスク・シフティング」を義務付ける検討に入った。こうした病院の医師には今後適用する残業時間の上限規制を当面緩める。健康を守るため、業務負担軽減など対策を講じる。

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「睡眠時間がとれないこともある。無意識に集中力が低下していることもあるかもしれない」。都内の救命救急センターに勤務する若手医師はこう話す。わずか8人の医師で365日24時間対応しなくてはならない。常に長時間労働になりがちで、夜間は外来と救急車で運ばれる患者を1人でみる状態だという。

医師の過重労働は他の業種よりも深刻だ。だが残業時間を一般労働者並みに規制すれば、医療の提供体制が損なわれる恐れがある。

厚労省は2024年4月に適用する医師の残業時間の上限規制について、一般の医師は休日労働込みで年960時間とする方向だ。ただ、全般に取り入れると地域医療が崩壊する恐れがある。そこで厚労省は地域医療を保つために欠かせない病院には経過措置として、残業時間の上限を960時間より長くする。

そうした病院には終業から次の始業まで一定の休息を確保する「勤務間インターバル制度」など、医師の健康を守る措置を義務化する方針だ。タスク・シフティングもその一つとして追加する検討に入った。

電子カルテの入力などを医療クラーク(医師事務作業補助者)に分担したり、医療行為の一部を看護師が処置したりする。厚労省は、病棟と集中治療室の業務の6割を看護師やクラークなどと分担すれば、週100時間の勤務のうち、25時間を減らせると見積もる。

分担を着実に実施しているかを医療機関ごとに点検するための第三者機関を新たに設ける考えだ。あわせて医師の働き方改革を進める病院に対し、引き続き20年度も診療報酬を手厚くする検討も進め、病院の働き方改革を後押しする。

診療報酬は、患者が保険証を持参した上で医療機関で受診したときに払う治療代金のこと。政府が全国一律で定める公定価格で、08年度から働き方改革を進める病院には診療報酬を手厚くすると基本方針にある。

ただ、業務を移管するために病院は医師以外の職種の採用人員を増やさねばならない。医療クラークを配置し、報酬が上乗せされても人件費は賄えないとの指摘もある。診療報酬の上乗せ額や医師の健康を守る新たな仕組みを設けるかなどで検討が進むとみられる。

厚労省によると20~30歳代の外科医の約4割は週に100時間の勤務(月240時間、年2880時間の残業に相当)をしている。



https://www.m3.com/news/general/652750
クローズアップ2019:残業規制、厚労省案 医師の「献身」に依存 上限2000時間、一般労働者の2倍 
行政・政治 2019年1月13日 (日)配信毎日新聞社

 ◇「地域」盾に日医主張

 昨年6月に成立した働き方改革関連法で適用除外になっていた医師の残業規制について、厚生労働省は11日に地域医療を支える勤務医は年1900~2000時間を上限とする案を示した。一般労働者の約2倍に当たり、過労死した人の遺族や労働団体などの反発は避けられない。一方、医師不足地域では、医師の「献身」で救急など過酷な現場を支えている実態があり、規制を不安視する声も上がる。医師の働き方改革には、負担の軽減や偏在の是正が不可欠だ。

 「医師は人の命を扱うため、精神的な負荷は高い。一般労働者より残業規制は厳しくてもいいぐらいだ」。2016年に過労自殺した新潟市民病院の後期研修医の女性(当時37歳)の遺族側代理人を務める斎藤裕弁護士は、厚労省の規制方針に憤る。

 新潟労働基準監督署の認定によると、女性は亡くなる4カ月前の15年9月にうつ病を発症。直近1カ月間の残業は約177時間だった。朝7~8時に出勤し、深夜に帰る日々。午前2時ごろ退勤しても、翌朝7時台には戻った。当直の日は、わずかな休憩だけで翌日午後3時まで働き続け、休みは1日だけ。関わった手術は約4時間の大腸切除を含め36件に上り、女性は「医者にならなきゃよかった」と家族に漏らしていた。こうした危険水域で働く勤務医は、女性に限ったことではない。同病院で過労死ラインとされる月80時間超の残業をしていた後期研修医は27人中20人。月200時間以上の医師もいた。全国で見ても、厚労省の16年調査で4割の勤務医が月80時間超だった。

 今回の厚労省案は「働き方改革」どころか、過重労働を容認しているように読める。一般勤務医の上限は他の労働者と同様に年960時間(月平均80時間)だが、地域医療の核となる医療機関に従事する医師はその約2倍。そのレールを敷いたのは、日本医師会(日医)と、日医の支援を受ける自民党だ。

 日医には勤務医も加入しているが、活動の中心は病院経営者や開業医で、使用者団体の側面が強い。勤務医の労働時間が縛られると人員確保や人件費の負担が膨らむことを意味する。

 厚労省関係者によると、自民党の厚労族議員の間では、高収入の専門職を労働時間規制から外す「高度プロフェッショナル制度」の医師版導入を求める声もあったという。法改正が必要で国会対応が難しいとして見送られたが、日医は水面下で残業の上限を年2000時間と訴え続けてきた。

 厚労省内でも、地域医療への影響を避けたい医療部門は日医の意向をくんで調整に動く一方、労働部門は規制の例外を作るのに難色を示した。綱引きは緊迫化し、予定していた昨年末の提案は見送られたが、最終的に「病院を閉じろというのか」と詰め寄る族議員に押し切られた形だ。

 約20年前、小児科医の夫を過労自殺で亡くした中原のり子さん(62)は問い掛ける。「こうしている間にも、医師の突然死は相次いでいる。政治的な思惑に左右されていいのですか?」【熊谷豪、南茂芽育】

 ◇負担軽減、方法限られ

 厚労省が提示した上限の範囲にある月160時間(年1920時間)以上の残業をしている勤務医は、16年調査で約1割に上る。何の手も打たなければ、規制後は上限超過分の労働力が不足することになり「医療提供体制は守れるのか」といった懸念は同省の有識者検討会でも相次いだ。

 実際、既に一部医療機関では、働き方改革に合わせた「自衛策」も広がりつつある。毎日新聞が昨年6月、大学病院など全国85の特定機能病院を調査したところ、少なくとも21病院が診療体制や患者サービスを縮小するか、縮小を検討していた。深夜帯の軽症患者の受け入れをやめたり、患者や家族への説明を平日の勤務時間帯に限定したりと、比較的影響の小さい対策にとどまるものの、ある病院幹部は「上限に達したからといって代わりの医師がいるわけではなく、病院を閉じない限りは(規制を)守れない」と強調する。

 新潟市民病院でも、女性研修医の過労自殺後、紹介状のない患者の原則受け入れ停止や、病状が安定した患者の近隣病院への転院促進などで医師の勤務時間を減らした。

 だが、こうした対応は患者の不利益にもつながるだけに、際限なく拡大できるものではない。医療体制維持と医師の過労防止は、どうすれば両立できるのか。

 厚労省が進めようとしている対策の一つに、一部の医療行為や患者への説明を看護師に移管したり、電子カルテ入力を医療事務に任せたりする「タスク・シフティング」がある。看護師の裁量拡大には日本看護協会も基本的に前向きだが、17年の同協会調査によると、厚労省が目安としている「3交代制で月8回」以上の夜勤をこなしている看護師は3割に上る。ここでも人員不足は深刻だ。

 地域や診療科間の偏在是正も課題となる。厚労省調査では、産婦人科や救急科、外科などの勤務医は半数前後が月80時間(年960時間)以上の残業をしている。特に医師不足の地域では、交代要員も少なく過労が常態化しやすい。村上正泰・山形大教授(医療政策学)は「地域医療を担う病院は『労働条件が厳しい』と敬遠され、医師確保が難しくなる悪循環に陥りかねない。重症患者向けの急性期医療は集約し、かかりつけ医との機能分担を進めて負担を減らすべきだ」と訴える。【酒井雅浩】



https://www.m3.com/news/general/652519
前橋に集中で7医療圏の急患「流出」 医師適正配置を提案へ ぐんま地域医療会議 
地域 2019年1月11日 (金)配信上毛新聞

 県内に10ある2次保健医療圏のうち、前橋、藤岡、富岡を除く7医療圏が、急性疾患や症状が重い急性期患者を診察しきれず、患者が他の医療圏で受診する「流出」状態であることが、県の分析で分かった。前橋は「流入」が顕著で、医療機能の偏在が浮き彫りになった。分析を踏まえ、医療関係者で構成するぐんま地域医療会議(議長・須藤英仁県医師会長)は、今月中にも医師の適正配置方針を公表する。

 本県の65病院と、隣接する茨城、栃木、埼玉、長野各県の計58病院の2016年度の患者データから各医療圏の状況を分析した。発生患者数が診療患者数を上回る状態を「流出」、逆の状態を「流入」とした。患者データを広域で分析するのは初めてという。

 高崎・安中は消化器や循環器をはじめほぼ全ての疾患で全患者を診察しきれず、7617人が他医療圏で受診した。次いで流出数が多かったのは吾妻で3265人。桐生3187人、沼田1519人などと続いた。

 一方、前橋赤十字病院をはじめ急性期患者に対応できる病院が多い前橋は最多の1万8707人が流入。藤岡は2770人、富岡は822人が流入した。

 10医療圏の合計では診療患者数が発生患者数を3575人上回り、県レベルでは流入の状態だった。医療過疎地とされる埼玉県北部の2医療圏は約3万人が流出し、本県の医療機関が支える実態が浮かび上がった。自治医科、独協医科両大学の病院がある栃木県南部は流入が約2万3千人に上り、群馬県民も多く受診しているとみられる。



https://www.m3.com/news/general/652481
医学部総定員は9420人 埼玉医大で地域枠1人増 
行政・政治 2019年1月11日 (金)配信共同通信社

 文部科学省は11日、2019年度の国公私立大81校の医学部入学総定員を、18年度より1人増の9420人とする計画を公表した。

 定員増は(1)都道府県が地域での勤務を義務付け、代わりに奨学金を出す「地域枠」の設置(2)複数の大学が連携して研究医の養成拠点形成を目指す―場合などに認められている。

 文科省によると、埼玉医科大(埼玉県毛呂山町)が地域枠により1人増員する予定で、11日に大学設置・学校法人審議会に諮問した。

 医学部の総定員は21年度までは現状を維持し、22年度以降は人口減などに伴い減らす方向で検討する。

 地域枠を巡っては、厚生労働省が昨年、過去11年間で計約2600人分の定員が埋まっていなかったと発表。学生を勤務地の制限のない「一般枠」に振り分ける不適切な運用もあった。厚労省は、20年度以降に入学する学生の選抜に関して、地域枠を別枠方式にするよう通知している。



  1. 2019/01/13(日) 15:30:40|
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1月6日 

https://www.asahi.com/articles/ASLDX563RLDXUBQU00V.html
病状説明は平日昼間に 医師不足が背景、働き方改革 
岡林佐和 2019年1月1日12時00分 朝日新聞

 長野県内に五つの病院を展開する独立行政法人・長野県立病院機構は、患者やその家族への病状や治療方針の説明を原則として平日の日中に行うことを決めた。深刻化する医師の長時間労働の負担を軽くするための「働き方改革」の一環だ。

 対象は信州医療センター(長野県須坂市)、こころの医療センター駒ケ根(長野県駒ケ根市)、阿南病院(長野県阿南町)、木曽病院(長野県木曽町)、こども病院(長野県安曇野市)の県立5病院。これまでは家族らが日中は働いていたり、遠方に住んでいたりといった事情のある場合、夜間や休日に病状などの説明をするケースもあった。だが、今後は緊急時などをのぞき、医師や病院職員の勤務時間に当たる月~金曜の午前8時半~午後5時15分に説明することとした。

 深刻化する医師の長時間労働を減らすため、病状説明を平日昼間に限定する取り組みは厚労省が昨年2月、緊急に行うよう各病院に通知。これを受け、長野県立病院でも病院ごとに取り組みを進めてきたが、「地域密着でやってきた病院からは、なかなか利用者に言い出しにくい」と改革が進まなかった。そこで県立病院機構として方針を打ち出すことにしたという。

 同機構の人事課は「県内は医師不足も深刻。医師が疲弊して診療が継続できなくなっては元も子もないので、地域の医療を守っていくために理解、協力を求めていきたい」としている。



https://www.m3.com/news/iryoishin/650100
シリーズ 2018年の医療界:1000人アンケート
2019年、医療界は良くなる?◆Vol.7
厚労行政への期待は悪化傾向
 
医師調査 2019年1月5日 (土)配信水谷悠(m3.com編集部)

Q: 2019年の医療界は、2018年と比べて良くなると思われますか?
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 全体で「とても良くなる」と「良くなる」を合わせて13.7%。2015年が7.9%、2016年が8.0%、2017年は10.2%と、増加傾向にある。「変わらない」が46.8%で、半分近くになるのは例年通り、「悪くなる」と「とても悪くなる」は合わせて39.5%で2015年は56.3%、2016年は46.4%、2017年は41.0%で、こちらは徐々に減ってきている。医療界が良くなるという期待を、少しずつではあるが持てるようになってきているのだろうか。いずれの年も、開業医の方が悪くなると考える割合が高いのは共通している。

Q: 今後の厚生労働行政への期待を教えてください。
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 厚労行政への期待は、「期待している」と「少し期待している」を合わせて全体で30.9%。2015年は35.1%、2016年は33.2%、2017年は32.5%で、厚労行政への期待は年々薄れている。



https://www.m3.com/news/iryoishin/650101
シリーズ 2018年の医療界:1000人アンケート
2019年、仕事上の目標は?◆Vol.8
論文掲載、昇給、職場変更・・・
 
医師調査 2019年1月5日 (土)配信水谷悠(m3.com編集部)

Q: 2019年の仕事上の目標を教えてください。(1つ以上、3つまで)
 開業医、勤務医とも「特にない」が突出した回答だった。勤務医では国内外の学術誌への論文掲載や職場を変えること、昇給などが多かった。開業医でも同様だが、「外国語の資格試験に合格」と「引退」が勤務医に比べて多かった。
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「医療介護関連の資格取得」の具体的な内容と、「その他」の主な回答は次の通り。

【医療介護関連の資格を取得】
障害者スポーツ医。【53歳男性】
認知症サポート医【64歳男性】
ケアマネジャー。【59歳女性】
【医師以外の仕事を始める】
音楽を勉強する。【50歳男性】
芸術家。【55歳女性】
農業。【42歳男性】
【その他】
在宅医療を推進する。【59歳男性】
ゲノム医療の推進。【63歳男性】
定年後も働き甲斐のある職場を見付けたいです。【61歳男性】
時代の流れに遅れないように、m3の情報を毎日拝見します。【60歳男性】
定年を迎えるのでフェードアウトの準備をします。【65歳男性】
健康状態を整える。【55歳男性】
無事故。【48歳男性】
無事に1年を過ごす。【52歳男性】
無事に業務を遂行する。【47歳男性】
仕事の整理。【65歳女性】
できるだけ長く働きたい。【64歳男性】
後継を育てる。【62歳女性】
継承の準備。【59歳男性】
新しい医療を知りたい。【63歳男性】
病棟再開。【61歳男性】
新たな臨床研究を行う。【55歳男性】
仕事をうまくやる。【41歳男性】
診断・治療能力の向上。【68歳男性】
今まで通りしっかり仕事と研究を続ける。【58歳男性】
学会を成功させる。【64歳男性】
実際的な知識を増やす。【52歳女性】
地域包括ケアの推進。【63歳男性】
専門医を機構基準で更新。【39歳男性】
小児医療保健の充実。【64歳男性】
借金完済。【59歳男性】
集患して収入を上げる。【53歳男性】
自己研鑽に励む。【56歳男性】
専門領域の患者数で日本一になる。【49歳男性】
耳鼻科指導医。【60歳男性】
医業類似行為の適正な運用。【64歳男性】
職場環境の整備。【45歳男性】
健康の維持。【63歳男性】
セミリタイアする。【60歳男性】
地域医師会副会長としての様々な仕事。【57歳男性】
現状維持のみ。【67歳男性】
仕事をもう少し頑張って好きな旅と車を買う。【63歳男性】
地域のために引き続き頑張る。【45歳男性】
現状維持。【62歳男性】
外国人対応能力。【62歳男性】
経営の安定化。【61歳男性】
院内の教育。【55歳男性】
健康で仕事継続。【57歳男性】
医院の建て替え。【56歳男性】
ブラインドタッチ。【57歳男性】
収益改善。【61歳男性】
健康でいられること。【59歳男性】
確実に業務を行う。【66歳男性】
法人の事業拡大。【46歳男性】
科研費取得。【60歳男性】
職場の経済的安定化。【54歳男性】



  1. 2019/01/06(日) 06:41:46|
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