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Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

2019年 明けましておめでとうございます

2019年、新年あけましておめでとうございます。
2019.jpg

亥年は英語では豚年のようです。亥なら Boar とするはずです。
亥を野生の猪としているのは日本だけらしく、朝鮮半島、中国本土、いずこも「豚」だそうです。
西遊記の猪八戒もイノシシではなくブタですね。
そんなわけで、豚は富と繁栄の象徴であり、ゆっくりではあるものの勤勉の象徴といわれています。
医療界もゆっくりでいいから、ゆとりのある世界になって欲しいものです。
本年もまた、できる限り医師育成、医療供給に関するニュースを拾って行きます。
医学部定員増はさほどの効果をあげられそうにありません。
新専門医制度は地方の医師不足にますます拍車をかけています。
働き方改革は地域医療に強烈なパンチとなって地域医療崩壊に拍車をかけるのは眼に見えています。
大局的に展望できる人たちが医療政策に関わって欲しいものです。
       ドクター爺さん

          亥猪猪亥 
          亥猪猪亥 
猪猪猪猪猪亥亥亥亥亥亥猪猪亥亥亥亥亥亥猪猪猪猪猪
猪猪猪猪猪猪猪猪猪猪猪猪猪猪猪猪猪猪猪猪猪猪猪猪
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  1. 2018/12/31(月) 08:59:44|
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Google Newsでみる医師不足 2018年12月31日

Google Newsでみる医師不足 2018年12月31日
Google (日本語) での検索件数 _ _ _ キーワード 医師不足 過去一か月のニュース 8,410
Google (English) での検索件数 _ _ _ Key word: Doctor shortage, past month 14,200
First 5 in Google in English 


https://www.pe.com/2018/12/01/to-cure-californias-doctor-shortage-look-abroad/
To cure California's doctor shortage, look abroad
Press-Enterprise‎ - December 1, 2018 at 4:00 pm (米国 カリフォルニア州)

The Claremont Colleges, a group of seven schools in Southern California, recently announced plans to open a new medical school focused on training students for careers as primary care physicians in underprivileged communities throughout eastern Los Angeles County and the Inland Empire.
This is welcome news. But California needs many more physicians than one additional medical school can supply. Already, nearly 8 million Californians live in federally designated “health professional shortage areas” that lack a sufficient number of primary care physicians. Those shortages may expand, as the state’s population grows and ages.



https://thehill.com/opinion/healthcare/421105-cure-doctor-shortage-with-aprns
Here's how to cure the doctor shortage
The Hill‎ - 12/14/18 03:00 PM EST (米国)

America has an alarming shortage of primary care physicians, and the problem is worse in rural areas. As the Houston Chronicle noted, new medical schools won't solve the problem. Here in Texas, 54 counties have 27 doctors to care for more than 255,000 people, who are scattered over more than 60,000 square miles.
Advanced practice registered nurses (APRNs) can help.
According to the Texas Department of Rural Affairs, 231 of 254 counties are designated Partly or Whole-County Medically Underserved. Texas ranks 47th out of 50 for adequacy of primary care services. Texas also has the highest uninsured rate in the country at 17.3 percent.



https://pilotonline.com/opinion/columnist/guest/article_b9afea92-0303-11e9-bff9-b73f04de4d11.html
G. Richard Olds: US must look overseas for more doctors
Virginian-Pilot‎ - 2018/12/30(米国 バージニア州)

A DISCOURAGING NEW REPORT by UnitedHealth Group says that 44 million Americans live in counties with a shortage of primary care physicians. This shortage will grow worse as our population ages and thus requires more medical care.
Doctors who have been educated abroad — including many American citizens who went to medical school overseas — are eager to fill the gaps in the U.S. physician workforce. And they're doing so in increasing numbers. Given the depth of the U.S. doctor shortage, the United States will need even more of them.



https://www.heartland.org/news-opinion/news/non-physician-health-care-providers-can-alleviate-doctor-shortage-study-shows
Non-Physician Health Care Providers Can Alleviate Doctor Shortage, Study Shows
The Heartland Institute‎ - DECEMBER 6, 2018 (米国)

At present, 13 percent of Americans live in a county with fewer than one primary care physician (PCP) per 2,000 patients. Over the next decade, the PCP shortage is expected to worsen, as 30 percent of these physicians will retire while the significantly increase as the population ages.



https://www.deccanherald.com/doctors-shortage-hits-services-707261.html
Napoklu CHC: Doctor shortage hits services
Deccan Herald‎ - DEC 09 2018, 22:16PM IST (インド)

The community health centre in Napoklu has only two doctors for all the patients who visit it and this is proving a major problem for the centre.
.. Zilla Panchayat member Padiyammanda Murali Karumbaiah told DH, “At present, two doctors are serving at the CHC. Doctors are not keen on serving in rural areas. The issue of shortage of doctors was raised in the gram sabha and it will be brought to the notice of the higher authorities.


(他に10位以内のニュースは、米国ニューヨーク州、イスラエル、カナダ、オーストラリア、米国、からも)


Should read:
https://qswownews.com/med-school-doctor-shortage/
Free med school won’t solve the doctor shortage
By QS Asia News Network - December 4, 2018

The New York University School of Medicine had recently eliminated tuition for all current and future students in attempt to resolve the challenge of doctor shortage faced by the nation. It is believed that by reducing the immense amount of financial debt will allow more students to seek careers in the medical field. They will also be more inclined to become primary care providers in underprivileged areas. However, student debt is not the real reason for the decline in the number of doctors. According to the latest prediction by the Association of American Medical Colleges, there will be an inadequacy of up to 120,000 doctors by 2030, an increase of approximately 14 percent from 2017. Further, nearly 60 percent of regions that lack primary care are within the rural region.
. . . . .


  1. 2018/12/31(月) 06:00:38|
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12月23日 

https://www.m3.com/news/iryoishin/649357
消費税問題「解決してない」、地域医療を守る病院協議会
「偏在対策、働き方改革より先に取り組んで」
 
レポート 2018年12月21日 (金)配信岩崎雅子(m3.com編集部)

 5つの病院団体で組織する「地域医療を守る病院協議会」は12月21日、記者会見を開き、消費税補填問題に関して、「我々は解決したとは思っていない」と見解を示した。同協議会は9月、消費税補填方法の再検討を求める要望書を厚生労働省に提出しており、「追加で要請が必要なものはタイミングを見て再度提出する」としている。

 自民党・公明党が公表した「2019年度与党税制改正大綱」で、診療報酬での補填と特別償却制度の拡充・見直しが行われることを受け、日本医師会は「消費税問題は解決と考えている」などの見解を示していた(『「非課税下での消費税問題は全体で解決」、三師会と四病協が合同会見』を参照)。

 全国自治体病院協議会副会長の中島豊爾氏は、「補填率がほぼ100%になると言っているが、計算式が示されておらず納得できない。我々の団体としては解決したとは思っていない」と強調。全国厚生農業協同連合会理事長の中村純誠氏は、「損税が医師不足に輪にかけて経営の負担になっている。抜本的な改善を望んでいたがまるで改善できず遺憾であり、大変残念」と述べた。

 また、医師の偏在問題にも言及。同協議会は医師の働き方改革に関しても要望書を提出している(『消費税問題、働き方改革で要望へ』を参照)。中村氏は「医師の働き方改革が偏在をより助長する」と指摘し、「一定の地域の勤務を義務化する管理者要件やタスク・シフティングなど、要望した10項目と検討結果を精査していきたい」とした。全国国民健康保険診療施設協議会会長の押淵徹氏は、「医師の働き方改革より先に医師の偏在対策に取り組むべきではないか」と要望した。



https://www.medwatch.jp/?p=24090
医療の消費税問題、「非課税」の中での対応には限界、「次の方策」を早急に検討―日病協 
2018年12月21日|医療現場から MEDWATCH

 医療の消費税問題について、「消費税非課税の中で診療報酬での補填で対応する」現在の仕組みには限界があることが明確になった。2019年10月の補填状況を詳しく見ていくとともに、早急に「次の方策」を検討していく―。

 12月21日に開催された日本病院団体協議会の代表者会議において、こういった点で意見が一致したことが山本修一議長(国立大学附属病院長会議常置委員長、千葉大学医学部附属病院長)から報告されました。
 
消費税非課税の中では、消費税負担の償還(いわば還付)は税理論上不可能
 保険医療については「消費税は非課税」となっているため、医療機関等が納入業者から物品等を購入する際に支払った消費税は、患者や保険者に転嫁することはできず、医療機関等が最終負担しています(いわゆる「控除対象外消費税」と呼ばれる)。このため、物価や消費税率が上がれば、医療機関等の負担が大きくなるため、1989年の消費税導入時から「医療機関等の消費税負担を補填するために、特別の診療報酬プラス改定を行う」(以下、消費税対応改定)こととなっています(消費税導入時の1989年度、消費税率引き上げ時の1997年度、2014年度)。

 しかし、診療報酬の算定状況は個別医療機関で異なるため、「個別医療機関の補填の過不足」がどうしても生じてしまいます。このため三師会(日本医師会、日本歯科医師会、日本薬剤師会)と四病院団体協議会(日本病院会、全日本病院協会、日本医療法人協会、日本精神科病院会協会で構成、以下、四病協)は、「医療界が一致団結できる具体的対応」として次のような仕組みを導入することを今年(2018年)8月29日に提言(関連記事はこちら)。厚生労働省も同様の税制改正要望を行いました(関連記事はこちら)。

(1)特別の診療報酬プラス改定(消費税対応改定)による補填を維持する

(2)個別の医療機関ごとに、▼診療報酬本体に含まれる消費税補填相当額▼控除対象外消費税の負担額(医薬品・特定保険医療材料を除く)—を比較し、医療機関の申告に基づいて「個別の過不足」に対応する

 しかし12月14日にまとめられた与党税制改正大綱では、「診療報酬の配点を精緻化することで、医療機関種別の補填のバラつきは是正されるが、実際の補填状況を継続的に調査し、必要に応じて診療報酬の配点方法を見直すことが望まれる」旨を記載するにとどめ、医療界の要望については言及を避けました(自由民主党のサイトはこちら)。

 この点について、四病協に加え国立大学附属病院長会議や全国公私病院連盟、全国自治体病院協議会、国立病院機構、日本慢性期医療協会なども参画する「日本病院団体協議会」の代表者会議では、「消費税非課税制度の中では、やむを得ない。ベストな解決であった」との見解で一致しました。

 上記の医療界の要望は、個別医療機関が収めた消費税について、いわば「還付」を求めるものです。しかし、税理論上「非課税のままで還付を認めることはできない」とされています。したがって、(2)のような仕組みの創設はそもそも不可能であった、とも考えられ、「非課税制度の中では、やむを得ない」という見解につながっています。

 もっとも、現行の診療報酬による手当では「個別医療機関の補填のバラつき・過不足」を解消することはできません。2019年10月の消費税率引き上げに向けて消費税対応改定を検討する中央社会保険医療協議会では「配点の精緻化」を行い、医療機関種類別の補填バラつきは相当程度解消される見込みですが、上述のとおり「点数の算定状況が個別医療機関で異なる」ために、個別医療機関における補填のバラつきは解消できない、つまり「消費税非課税の中で、診療報酬での対応には限界がある」のです(関連記事はこちらとこちらとこちらとこちら)。

 今後、高齢化が進行し、社会保障の充実などが求められる中では、安定財源である消費税に着目した税率のさらなる引き上げが検討されます。このため日病協では「消費税非課税の中での対応に限界があることが明確になった。『次の方策』について早急に検討していく」考えでも一致しています(関連記事はこちら)。

 『次の方策』は、医療の消費税問題を抜本的に解決するための方策と言え、どのようなものなのか、いつまでに方針を固めるのか、などは未確定ですが、例えば、従前より病院団体内部で検討されている「ゼロ%の消費税を診療報酬に『課税』する」仕組みなどが考えられそうです。この場合、消費税が「課税」されているため、消費税負担の償還(還付)を求めることが理論上可能になります。もちろん、ゼロ税率課税とし還付を求めるためには、「支払った税額を正確に把握するために、▼帳簿の保存▼取引の相手方が発行した請求書などの客観的証拠の保存―が必要となる」(いわゆるインボイス制度)など、検討・解決すべき課題も多々あります。今後の検討に注目が集まります。なお、日医は12月14日に「長年の懸案が解決された」との見解を示しており、「次の方策」についてはコメントしていません(日医のサイトはこちら)。

 また前述のとおり2019年10月には消費税率が引き上げられ、これに伴った消費税対応改定が行われる予定です。これについて日病協では、「来年(2019年)6月頃には2018年度の病院決算状況が明らかになる。これに新点数(2018年度中に告示される見込み)を適用し、医療機関種類別の補填バラつき・過不足が本当に解消しているのか検証する」考えも示しています。
 


https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20181219-OYTET50067/
医師の働き方改革巡り、健康確保策を点検…第三者機関設置へ 
2018年12月19日 読売新聞

 長時間労働が常態化している医師の働き方改革を巡り、厚生労働省は19日、残業時間の上限を一般労働者より緩和する代わりに健康確保策が確実に実施されているかチェックする第三者機関を設ける方向で検討に入った。年明けにも具体的な議論を始める方針だ。


 来年4月施行の働き方改革関連法で、労働者の残業の上限は最大年720時間となる。医師については医師不足地域に配慮し、5年の経過措置を設けたうえで、上限は省令で別に定める。

 厚労省は今年度内に残業の上限を決める方針で、現在、一般の医療機関で働く医師は年960時間とする方向で調整中だ。地域の中核的な医療機関の医師や、経験を積む必要がある研修医ら特定の医療機関の医師は上限をさらに緩和する。

 ただし、健康確保のため、終業と始業の間に9時間の休息を求める「勤務間インターバル」や、連続勤務は28時間までとする制限を設ける。上限を緩和する特定の医師には義務化を検討している。

 しかし、健康確保策の実施が順守されるか疑問視する声もある。このため、自民党のプロジェクトチームが18日、実施を促す第三者機関の創設を求める中間提言案を公表。日本医師会も必要性を指摘していた。

 第三者機関は、都道府県などが地域の医療機関の労務管理を支援する「医療勤務環境改善支援センター」などで検討する。



https://biz-journal.jp/2018/12/post_25995.html
連載 上昌広「絶望の医療 希望の医療」
山形大学医学部、女子合格率が男子の半分以下…国立大医学部の調査をしない医学界の闇
 
文=上昌広/特定非営利活動法人・医療ガバナンス研究所理事長
2018.12.22 Business Journal.

 医学部入試における男女差別が社会の関心を集めている。今夏、東京医科大学の不正入試が発覚して以降、不祥事が続出した。11月22日には神戸大学で、奨学金と引き換えに、卒業後9年間を県内の医師不足地域で勤務することが義務づけられている地域枠で、へき地出身者に最高で25点(入試は1200点満点)も加点されていたことが明らかとなった。神戸大学は同日に記者会見を開いたが、地域枠の定員は10人で、今年は38人が応募したという。当落線上の受験生にとって大きかっただろう。神戸大学は来春以降、この優遇措置を止める。

 来年度の医学部受験は、これまでとは大きく変わりそうだ。入試シーズンが迫り、医学部を目指す受験生は気が気ではないだろう。では、医学部受験はどうなるだろうか。もちろん、男女差別はなくなり、卒業生の子弟やへき地出身者への優遇措置はなくなるだろう。果たして、これでよくなるだろうか。私は、そうは思わない。それは、世論の反発を受けて、「不正入試」をやめても、医学部のガバナンスは何も変わらないからだ。それを象徴するのが、11月16日、全国医学部長病院長会議が開いた記者会見だ。
 東京新聞は「性別や浪人年数、年齢といった属性により、医学部入試の合否判定で扱いに差をつけることは認められないとする規範を公表した。強制力はないが、これに反する行為が判明した場合は同会議からの除名を含む処分の対象にし、来春の新入生を対象とした入試から適用するとした」と報じた。

 前出の神戸大学の記者会見は、全国医学部長病院長会議の記者会見の1週間後に開かれており、後者が圧力となった可能性が高い。ただ、私は前出の東京新聞の記事を読み、この記者会見こそ、医学部のガバナンスの欠如を象徴していると感じた。

決定プロセスへの疑問

 違和感を抱いたのは以下の3点だ。

 第一は、記者会見の主体である全国医学部長病院長会議とは何かということだ。

 そのホームページには、「全国における国公私立大学医科大学長、医学部長又は附属病院長を会員として、医育機関共通の教育、研究、診療の諸問題及びこれに関聨する重要事項について協議し、相互の理解を深めるとともに意見の統一をはかり、わが国における医学並びに医療の改善向上に資することを目的」とすると明記されている。今回も「意見の統一」をして、その結果を記者会見したのだろう。

 ただ、これは異様だ。大学の意志決定機関は理事会である。当然だが、受験対応は理事会マターである。単科の医科大学では、医学部長が理事会を仕切っていることもあろうが、総合大学は違う。医学部長だけで医学部受験のやり方はきめられない。
 東京大学では、医学部長は理事会のメンバーですらない。また、東京大学の受験生は一旦、教養学部に入学するため、入試対応は教養学部の教員が中心となる。医学部長が独断で理科三類の入試のあり方を変えることはできない。理科一類と工学部、理科二類と理学部、農学部などの関係を考えれば、ご理解いただけるだろう。

 いったい、医学部長たちはどのような議論を経て、今回の声明に名を連ねたのだろうか。それぞれ所属する組織で議論し、機関決定したのだろうか。学問と組織運営は違う。学問は大いに自由に議論すべきだが、組織決定は所定の手続きを経なければならない。大学という組織の中間管理職にすぎない医学部長が、個人の資格で徒党を組んで、外部に発表することは、まともな大人のやることではない。

医学部のガバナンス改革が急務

 第二は、なぜ、女性差別について、国立大学を調査しないかだ。医学部入試では、国公立大でも男女の合格率に大きな差があったことが知られている。ハフィントンポストによると、2018年度の入試で、女子の合格率が男子の半分以下だった大学が6つ存在し、このうち3つは国立(山梨、岐阜、新潟大学)だった。この数字は異様だ。多くの読者は、女性受験生差別があったと考えるだろう。

 また、今回の記者会見には、2人の山形大学関係者が出席した。山下英俊・医学部長と嘉山孝正・山形大医学部参与だ。10月19日に河北新報は、以下のように報じている。

「山形大医学部の男女の合格率格差は過去6年間の平均で1.29倍と東北の国公立大医学部の中で最大だった。単年度では2015年度に女子の合格率がわずかに上回り0.95倍となったが、13年度には全国79国公私立大で最大の1.99倍となっていた。」

 山下氏、嘉山氏がまずやるべきは、自らが所属する大学を調査し、その結果を公表することだ。第三者による調査が望ましい。そして、他の大学にも検証を呼び掛けることだ。

 このような背景を知ると、彼らの動きの見え方も変わる。知人の全国紙の記者は「(山下氏、嘉山氏は)今回の記者会見で、この件は解決済みにしたいのでしょう」と批判する。もちろん、問題を指摘された他の国立大学も同様だ。全国医学部長病院長会議は、なぜ自主的に調査しないのだろうか。
 第3の疑問は、記者会見で説明した嘉山氏だ。嘉山氏は山形大医学部参与だ。医学部長ではない。彼が医学部長を務めたのは2010年までだ。なぜ、このような人物が会見するのだろうか。私は嘉山氏とは旧知だ。実力・実績ともに申し分ない。現在も山形大学や全国医学部長病院長会議を仕切っているのは医学界で有名だ。もし、嘉山氏に意見があるなら、彼個人が自分の意見として発表すればいい。全国医学部長病院長会議のような「肩書」に頼る必要はない。

 このような背景を知ると、全国医学部長病院長会議の実態がわかる。特定の人物が組織の権威をかたり、自らの意見を訴えているだけだ。大した議論をすることなく、声の大きいものの意見が通る。これこそ、医学部や大学教授が仕切る医学界が抱える問題だ。

 組織のガバナンスとは、リーダーがダメな時に、被害を最小限に食い止めるためのものだ。だからこそ、手続きが大切なのだ。ところが、医学部では一部の人間が正式な機関決定を経ず、徒党を組んで決めてしまい、それを記者会見まで開いて世間に訴える。この滑稽さをメディアも報じない。11月21日付日経新聞は社説で「医学部の入試指針を順守せよ」と掲載し、嘉山氏たちの主張を支持した。

 こうして時代錯誤の男女差別が続いてきた。いまこそ、医学部および医学界のガバナンスを考え直すべきときだ。
(文=上昌広/特定非営利活動法人・医療ガバナンス研究所理事長)

●上昌広(かみまさひろ)
1993年東大医学部卒。1999年同大学院修了。医学博士。 虎の門病院、国立がんセンターにて造血器悪性腫瘍の診療・研究に従事。
2005年より東大医科研探索医療ヒューマンネットワークシステム(後に先端 医療社会コミュニケーションシステム)を主宰し医療ガバナンスを研究。 2016年3月退職。4月より現職。星槎大学共生科学部客員教授、周産期医療の崩壊をくい止める会事務局長、現場からの医療改革推進協議会事務局長を務める。



http://blog.livedoor.jp/dannapapa/archives/5003980.html
今の医師の働き方 現状の無理を通そうとしていることが全て 
中村ゆきつぐのブログ2018年12月16日 07:50

ついに10大学になった医学部不正入試問題。皆さんは一体どう思いでしょう。この問題に対しあの川越救急クリニックの上原先生がFBでコメントされています。

>さて、この一連の報道で一番の問題は何なのでしょう?合否判定が不正だった?女性軽視??多浪生軽視?医学界の闇???

今マスコミが一番問題にしているところです。特に女医問題含めてこの手の話は弱者に対する強者の差別という焦点ではっきりしやすいテーマです。また入試平等の正当性については補助金ももらっていますから叩きやすいですよね。(それでも金曜日の夕方NHKが少し総合的に報道していたことは期待してます)

>どうも世間やマスコミ各社の論調を見ているとこの辺りを問題視しているようですが、根本に迫る報道は皆無です。一番問題にして欲しい部分・・・『なぜどの大学も男子を確保したがっているのか?』『なぜ多浪生は避けられるのか?』を検討していないのです。

上原先生があげたこの問題、なぜこのようなある意味差別がまかり通っていたのか。今の医師の働き方問題になります。

人件費が高い医師を最低人数で回している大学病院含む総合病院。それこそ途中で休んで欲しくないし、そして長期間、いや短期間でも健康被害をおこさずにギリギリまで働いてほしいと利益上常に考えています。50台で入学し60前に卒業して36時間不眠不休の当直業務をこなしている最中に倒れてしまっては、それこそ労働管理上絶対に困るわけです。

またはっきり言えば男性と女性は生理学的に異なります、生理が月に1回存在しますし、妊娠すればある程度の長期離脱が余儀なくされます。今回の女性選別、かなりの大学が共通しておこなっていたというのは一部の悪徳業者が特殊にやっていたわけではありません。ツイッター界で有名な産婦人科医ダビトラさんのツイートです。

タビトラ
@tabitora1013
受験差別をしてきた医学部各位、長時間オペに向かう体力がないとかコミュ力がどうとかわけのわからない大喜利釈明してないで、女医は妊娠や結婚、子育てで抜ける、早退欠勤するから迷惑なんだよって実際に医療の現場で言ってるそのままを言ってええんやで?
13,637 10:52 - 2018年12月12日

8,164人がこの話題について話しています

そう、今の医療における労働環境、利益環境を特に変えたいと思わない上層部たちが、この女性含めた若手医師の労働ブラック環境を経営者の当然の権利と続けているのです。

地方の医師の働き方、以前書いた記事の内容が報道されている記事です。(勤務医、残業上限を年960時間 働き方改革、厚労省調整)医師不足の地域で一所懸命働いている医師を犠牲にして、労働時間も守ってあげずに奴隷のようにとりあえず黙って働けという今の状況を続ける、まさにこのような地方の奴隷のような医師を今後もつくるための入試における女性と多浪選別なのです。

なぜ現場の声が届かないのか。それは若手を守ろうという上司の行動が出てこないからでしょう。自分の立場を守り、組織の改善を行わなかった歴史が、このような理不尽な行為を当然と思う思想を生んだのです。(日大アメフト部事件、レスリング事件と同じ構図かもしれません)

そこには病院学会、医師会も関与しています。正直自分たちは汗をかかず、楽して下を働かせれば今までどおりなんの問題もない。自分たちの時代はそうだった、何を甘えたことを言ってるんだという経験則からきています。そして自分たちはもう時間がそれほどないから無理して変えなくていい。

はっきり言います。あなたたちの時代の臨床の仕事量と、今の若い人の臨床の仕事量は全く違うからね。昔は一晩かからなきゃ出ない検査が今は1時間で出る時代だよ。

昔は家で休めた時間に病院に待機しなければいけない今の先生たち。それを昔と同列に考えてはいけないんだよ。人間は生き物。ロボットじゃないからね。

時代は変わっている。医学も変わっている。そんな中働き方を変えないと心や体がもうもたないんですよ。その結果事故が起きたら、当たり前だけど患者を守ることができない、だから医師は逃げる。そして残る焼け野原を必死に守る中年医師。

都会だけ良くてもどうしようもないんだけど、団塊の高齢者が少なくなるのを待って、そして田舎の生活を捨てさせればいいと思っているのかな?多分絶対厚労は言わないだろうけど。



https://www.nishinippon.co.jp/nnp/syasetu/article/474383/
不適切医大入試 医学界全体で差別なくせ 
2018年12月20日 10時49分  西日本新聞朝刊=

 医学部医学科を置く大学の9校に1校が、特定の受験生を優遇するなど不適切な措置を実施していた。不当な入試の横行に憤りを禁じ得ない。

 文部科学省が全国81校に実施した緊急調査の結果を発表した。不適切とされたのは、最初に問題が発覚した東京医科大のほか、順天堂大(東京)、福岡大など9校に上る。聖マリアンナ医科大(神奈川)も不適切な可能性が高いと指摘された。

 9校のうち東京医科大など3校で、男性に一律に加点するような「女性差別」が確認された。浪人生を不利に扱う措置は福岡大など6校が行っていた。

 各校は早急に、不当に不合格とされた受験生の救済や補償に誠実に取り組んでほしい。

 他にも国公立を含め10校以上で、面接評価に「保護者が同窓生」のコメントがあるなど、疑惑を招きかねない事案が見られたという。今回の発表で、医学部入試の不透明さが一掃されたとは言えまい。指摘を否定した聖マリ医大を含め全大学で改めて過去の入試を検証すべきだ。

 全国医学部長病院長会議は11月、性別や浪人回数で差を設ける入試を不適切とする一方、一定の条件で同窓生の子弟枠を容認する規範を示した。

 子弟枠が寄付金目当てに使われる懸念はないのか。医師の養成には公費が投じられる。特定の受験生を有利にする措置に国民の理解が得られるのか。さらに議論を深める必要があろう。

 不適切入試の背景には医療現場のさまざまなひずみがある。

 女性医師は結婚や出産に伴い離職しがちで、それが現場の医師不足を招く一因との指摘がある。仮に事実としても女性差別で解消を図るのは言語道断だ。

 厚生労働省の2014年のまとめでは、日本の女性医師の比率は、経済協力開発機構(OECD)の加盟国で最低である。現状を直視し、医療現場のワークライフバランスの是正など、女性医師が無理なく定着できる環境整備を急ぐべきだ。

 神戸大は地域特別枠で過疎地域の出身者に、金沢医科大は北陸3県の高校出身者らに加点していた。九州も医療過疎地を抱えており、地域医療体制を守りたいという意図は理解できるが、募集要項にない基準に基づく得点操作は明らかに不当だ。

 どんな人材を入学させるのか。大学には自治に基づく裁量がある。ただ、「公正かつ妥当な方法」で行われるべき入試が、医療現場の都合で内密に操作されていいはずがない。医学界全体で問題を重く受け止め、医療を志す受験生、現場の医師、信頼できる医療を望む国民の誰もが納得できる、適正な入試実現の努力を求めたい。



https://www.m3.com/news/iryoishin/648390
シリーズ 医師の働き方改革とキャリア
「連続勤務は28時間まで」「勤務は9時間のインターバル」
時間外労働の上限緩和は「医師の健康確保措置」が義務
 
レポート 2018年12月17日 (月)配信橋本佳子(m3.com編集長)

 厚生労働省は12月17日の第14回「医師の働き方改革に関する検討会」(座長:岩村正彦・東京大学大学院法学政治学研究科教授)に、医師の時間外労働の上限を「一般則」よりも長時間とする条件として、「勤務時間と次の勤務時間までには、9時間のインターバル(休息)を確保」「連続勤務は28時間までとし、当直明け後の勤務間インターバルは9時間×2日分の18時間」とすることを提案。

 管理者の立場の構成員は、「現場感覚から言うとかなり厳しい」などと述べ、地域医療への影響を懸念した一方、現場の医師などからは、「過労死水準」を容認する時間外労働の上限設定を問題視したり、「ブラック認定されたら、さらに医師が集まりにくくなる」との声が上がった(資料は、厚労省のホームページ)。

 厚労省は、2024年4月から適用する医師の時間外労働の上限として、(1)「達成を目指す水準」を定めるとともに、(2)地域医療確保、(3)医療の質の維持・向上の観点(技能向上)から、経過措置としてさらに長時間の時間外労働を認めることを検討している(『医師の時間外労働上限「地域医療確保」「技能向上」で2階建て提案』を参照)。勤務間インターバルと連続勤務時間制限は、(1)では「努力義務」、(2)と(3)では「義務」となる。健康が維持されているかを把握するため、面接指導・健康状態の個別的モニタリングも必要。

 17日の会議で厚労省は、医師の負担軽減策として、「民間保険会社が医療機関に求める診断書等の簡素化等に関する研究会」の進捗状況を報告したほか、看護師の特定行為研修制度に、研修の質を確保しつつ、効率的に研修ができるよう、2019年度から頻度が高い特定行為をパッケージ化して研修できるようにすることも提案。

 診断書等については、研究会の議論を踏まえ、一般社団法人生命保険協会が「診断書様式作成にあたってのガイドライン」を2018年度末を目途に改定する予定だ。

 特定行為研修制度のパッケージ化について、厚労省は「外科術後管理領域」「術中麻酔管理領域」「在宅・慢性期領域」の3案を提示。この案は支持されたが、特定行為は「医師の包括的な支持の下」で行うため、より主体的に行為が行えるよう、米国のナース・プラクティショナーのような新たな資格の検討を求める声が上がった一方、あくまで現行の法制度内でできることを検討すべきとの意見が対立。厚労省医政局総務課長の北波孝氏は、「現行法の中で、何ができるかを中心に考えていく必要がある」と述べた。

 本検討会は、今年内に骨子をまとめる予定。第13回までの議論をまとめた「骨子案のたたき台」も提示された。医師の時間外労働の上限を3区分で考えることについては賛否が分かれており、両論併記となっている。12月19日に予定されている検討会では、これをさらに深めるとともに、17日の「上手な医療のかかり方を広めるための懇談会」の「国民プロジェクト5つの方策」も説明予定(『「国民全体が医療危機に取り組むべき」デーモン閣下、宣言発表』を参照)。

 「現場感覚から言うとかなり厳しい」
 勤務間インターバルや連続勤務時間制限は、医師の時間外労働で例外を認める代わりに、医師の健康確保措置として導入される。インターバルの間に、オンコールを受けた場合などは、別途休暇を取得する「代償休暇」の対象とする。連続勤務時間制限は、米国卒後医学教育認定協議会(ACGME)を例に、「24時間+引き継ぎ4時間」=「28時間」とした。

 社会医療法人ペガサス理事長の馬場武彦氏は、「勤務間インターバルや連続勤務時間制限は、医師の健康確保からは必要だが、現場感覚から言うと、かなり厳しい。診療への影響がかなり大きく出るのではないか」と述べ、「地域医療を守ることができるのか」と疑問を呈した。

 千葉大学医学部附属病院院長の山本修一氏も、必要性は認めたものの、「難易度が高い手術は長時間に及び、翌日も朝早くから患者を診なければいけない。いきなり導入されても難しい」などと指摘し、「目標値としてはいいが、どのようにしてこれを徹底していくかという議論を並行して進めてもらいたい」と求めた。

 「今の勤務時間と変わるのか」
 一方で、現場の医師の立場から、東京女子医科大学東医療センター救急医の赤星昂己氏は、「現場で働いているからこそ、(勤務間インターバルの)9時間が適用されると、厳しいということは分かる」と述べた一方、「今の勤務と何が変わるのか」と疑問を呈した。厚労省案では、経過措置の期限が明確ではない上に、時間外労働が具体的に進むかは未知数。経過措置を認める代わりに、タスク・シフティングを義務化するなどの検討も必要だとした。

 順天堂大学付属病院医師の猪俣武範氏も、経過措置を設けるのは、やむを得ないとしても、タスク・シフティング、医師の偏在や医療提供体制などについて強力に見直さないと「あまり変わらない」と指摘。「経過措置の対象となる医療機関には、働き方改革を推進していることを『見える化』してもらいたい」。

 “ブラック認定”されたら?

 医師以外の第三者の立場からも、異論が相次いだ。早稲田大学法学学術院教授の島田陽一氏は、「一般則」でも時間外労働の上限の例外が認められるが、「医師の場合は、恒常的なこと」と指摘し、勤務間インターバル等では、「上乗せの追加的な措置として、弱いのではないか」と述べた。

 保健医療福祉労働組合協議会事務局次長の工藤豊氏は、医師の健康と地域医療の両方を確保していかなければいけないと認めたものの、「きつい病院に医師が来るのか、そこに対する配慮が必要だろう」とコメント。地域医療確保の観点から、時間外労働の上限時間数の経過措置を設ける場合、その「対象医療機関」は特定される。「過労死水準を超えるような時間数を認めるのは論外。いかに一般則に近い時間外労働とするかが重要」と付け加えた。

 ハイズ株式会社代表取締役社長の裴英洙氏からは、「(経過措置対象として)“ブラック認定”されると、ただでさえ医師が集まらない病院は厳しくなる。経営努力不足による場合は致し方ないが、地方ではいかに努力しても難しい場合がある」との意見も上がった。

 「将来を見据えた働き方の議論を」
 特定行為研修制度のパッケージ化について、山本氏は、「外科医や麻酔科医の負担が軽減されるので、期待している」と述べたものの、研修指導に当たる医師にあまり負担のかからない制度設計を求めたほか、特定研修を受ける看護師へのインセンティブなども求めた。

 「この程度のタスク・シフティングでいいのか、もう少し真剣に現場の方のことを考えてもらいたい。この検討会が若い医師に希望を与える提言をしないと、現場が疲弊しきってしまう」と危機感を募らせ、より踏み込んだタスク・シフティングを求めたのが、東京大学大学院医学系研究科国際保健政策学教室教授の渋谷健司氏。「医師を増やせないなら、もっと薬剤師や看護師が能動的にできる仕組みを」と述べ、ナース・プラクティショナーなどの検討を提言。塩原公認会計士事務所特定社会保険労務士の福島通子氏も、渋谷氏の意見を支持。

 これに対し、日本医師会副会長の今村聡氏は、「新しい資格については大事な議論なのでやってもいいが、そもそも今ある資格をきちんと活用するのが大前提」と釘を刺した。対象となる特定行為を徐々に広げることは支持したものの、「新たな資格を作る議論と、今ある資格を活用していくことは別の議論」。

 福岡県済生会福岡総合病院名誉院長で、日本病院会副会長の岡留健一郎氏は、救急救命士、臨床工学技士、薬剤師など、医師に近い職種について、「何を移譲できるか、本格的な議論に入る」と説明した。各資格法は、各種行為を実施する際に、「医師の指示の下」という条件があることも指摘。

 これらの意見を受け、北波課長は、米国と日本は制度が異なっているなどと断った上で、「日本は、現行法で基本的には医師の指示がなければ、診療の補助行為はできないという制度になっている。医療従事者の教育体制も含めて、総合的に考えなければいけないので、タスク・シフティングという文脈だけでは検討できない」と述べ、「現行法の中で、何ができるかを中心に考えていく必要がある」と求めた。

 それでも渋谷氏は、「現行制度の下で、というのは分かるが、将来に向けた働き方の議論をすべき。検討課題の中に、将来の方向性を入れることは大事だろう。それが若い人へのメッセージになる」と譲らなかった。



https://www.medwatch.jp/?p=23975
将来、地域医療支援病院の院長となるには「医師少数地域等での6-12か月の勤務」経験が必要に―医師需給分科会 
2018年12月17日|医療計画・地域医療構想 MedWatch

 医師偏在を是正する方策の1つとして、「医師少数地域・区域で一定期間勤務した医師を認定し、将来、医師派遣機能などを持つ地域医療支援病院等の管理者(院長)となるための要件とする」制度が2020年4月からスタートします。

 12月12日に開催された「医師需給分科会」(「医療従事者の需給に関する検討会」の下部組織)で、この制度の詳細に関する議論が本格的に始まりました。医師少数地域等での勤務期間について「6-12か月」とする考え方や、妊娠・出産・育児などで当該勤務が中断した場合には、前後の期間を通算することを認める考え方などが、厚生労働省から示されました(関連記事はこちらとこちらとこちらとこちらとこちら)。
 
ここがポイント!
1 医師少数地域等での勤務経験を「認定」する仕組みが2020年4月からスタート
2 医師少数地域等での勤務期間中に、地域医療連携や在宅医療などの経験を
3 地域医療支援病院以外にも、院長要件に「医師少数地域等での勤務」を盛り込むべきか

医師少数地域等での勤務経験を「認定」する仕組みが2020年4月からスタート

 医師の地域偏在・診療科偏在が大きな課題となり、今年(2018年)7月に成立した改正医療法・医師法には、例えば次のような医師偏在対策が盛り込まれています。

(1)医師少数区域等で勤務した医師を認定する制度の創設
(2)都道府県における医師確保対策の実施体制の強化(新たな「医師確保計画」の策定など)
(3)医師養成過程を通じた医師確保対策の充実
(4)地域の外来医療機能の偏在・不足等への対応
 
 このうち(1)は、「医師少数地域・区域で一定期間勤務した医師を認定し、将来、医師派遣機能などを持つ地域医療支援病院等の管理者(院長)となるための要件とする」制度で、2020年4月からスタートします(関連記事はこちら)。12月14日の医師需給分科会では、▼医師少数地域等での勤務期間をどの程度とすべきか▼認定するためにどのような経験を求めるべきか▼認定医師を管理者要件とする仕組みはどうあるべきか―という点について議論を行いました。議論は始まったばかりで、構成員の意見を踏まえながら制度の詳細を固めていくことになります。

 まず「医師少数地域等での勤務期間」について、厚労省は「連続する6-12カ月の間で設定してはどうか」との考えを示しました。先進的な実事例(沖縄県立中部病院等から離島への派遣期間:2年)や自治医科大学による医師派遣事業(1年)、新専門医制度における総合診療専門医の僻地等研修期間(東京、神奈川、愛知、大阪、福岡の5都府県では12か月、その他の地域では6か月)などを勘案したものです。

 この期間設定については、「地域住民・患者と顔の見える関係を構築する必要があり、同じ医療機関に最低でも1年以上の勤務経験を求めるべきではないか」といった、長期間の勤務を求める意見(松田晋也構成員:産業医科大学教授、鶴田憲一構成員:全国衛生部長会会長ら)と、「東日本大震災の折には、さまざまな医療支援チームに交替で来ていただいたが、長くても2週間程度であった。しかし、地域の住民・患者は心から感謝した。医師少数地域では、1人でも短期間でもよいので医師に来てほしいと考えている」といった、派遣される医師の負担を考慮し、短期間の勤務でよしとする意見(小川彰構成員:岩手医科大学理事長)とか出ています。

また今村聡構成員(日本医師会副会長)は、「地域枠で医学部に入学し、医師少数地域等で勤務する経験の浅い若手医師では、1年程度の勤務が必要となるが、臨床経験を積み、次のキャリアとして院長の要件を得るために、医師少数地域等に勤務するベテラン医師では、より短期間の勤務でよいのではないか」と指摘し、一定の弾力的な運用を認めるべきと提案しています。

いずれも頷ける意見で、今後、さらに検討が深められます。また、後述する「認定資格を院長要件とする対象病院の範囲」とも大きく関係します(対象病院が少なければ長期間の勤務は逆効果となり、対象病院が多ければ長期間の勤務を課すほうが効果的となる)。

また、勤務期間の計算に当たっては、原則として、「同一の医療機関に週32時間以上(育児・介護休業法の短時間勤務の場合には30時間以上)勤務する」との考えも示されました。地域準民・患者との顔の見える関係構築のためと言えます。なお、初期臨床研修(臨床医となるための卒後2年間の研修)では、「複数の診療科をまわる(スーパーローテート等)」ことが原則となるため、この期間は「医師少数地域等の勤務期間」に含めない方向で検討が進められています。

ただし、こうしたルールをあまりに厳密に適用することは、例えば子育て中の女性医師などにとって非常に高いハードルとなってしまいます。このため厚労省は、▼妊娠▼出産▼育児▼傷病―などで中断した場合、「中断前後の期間を合算できる」仕組みも設ける考えです。この場合、勤務期間を、連続勤務よりも一定程度長くすることが考えられそうです。

これに関連して、山内英子構成員(聖路加国際病院副院長・ブレストセンター長・乳腺外科部長)は、「例えば心臓外科の名医が、将来、地域医療支援病院の管理者(院長)を目指す場合などに、手術を待つ患者を置いて、同様に、連続数か月の医師少数地域等での勤務を求めるべきだろうか。『数年間、週末を利用して医師少数地域等に赴き、自身のスキルを活かして心臓病患者の手術を行う』といった形態も認めてよいのではないか」との提案を行いました。後述する「医師少数地域等での経験」にも関連する重要な提案と考えられます。

医師少数地域等での勤務期間中に、地域医療連携や在宅医療などの経験を

 また、医師少数地域等での勤務期間に、次のような経験を積むことを認定の要件する考えが厚労省から示されています。

▽個々の患者の生活背景を考慮し、幅広い病態に対応する継続的な診療や保健指導に関するもの(地域の患者への継続的な診療、診療時間外の患者の急変時の対応、在宅医療など)

▽他の医療機関との連携や、患者の地域での生活を支援するための介護・福祉事業者等との連携に関するもの(退院カンファレンスや地域ケア会議への参加など)

▽地域住民に対する健康診査や保健指導等の地域保健活動に関するもの(健診や保健指導など)

いわゆる「総合診療」経験を求めるもので、これらの項目に対し、下記のような注文こそついたものの、構成員から反論は出ていません。これらを軸に整理していくことになるでしょう。

こう考えると、上記の山内構成員の提案した「週末に自身の専門性を活かす」業務は、やや方向性が違うようにも思われ、本制度とは別の枠組みを検討することが必要になりそうです。

注文としては、小川構成員が強調した「臨床判断」が注目されます。小川構成員は、「例えば、高齢者が草刈り中に鎌で顔を切ってしまった場合、専門外であっても、地域の医師がすぐに縫合するほうがよい。しかし、同じことが10代の少女に起こった場合、専門外であれば、地域の医師は何もせず、時間をかけても形成外科の専門医のもとに搬送して処置しなければならない。こうした臨床判断を行える能力が求められる」と強く訴えています。

また裵英洙構成員(ハイズ株式会社代表取締役社長)は、将来、地域医療支援病院の管理者要件となることに鑑み「限られた医療スタッフを、どうマネジメントしていくか」という点を必要な経験の1つとすべきと提案しています。

なお、神野正博構成員(全日本病院協会副会長)は、「医師少数地域等で(上記のような)経験を積むというよりも、そうした能力を身につけてから医師少数地域等に赴いたほうがよいのではないか」とも提案しています。

 ところで、医師少数地域等では「一時的ではなく、交替等によって継続して医師が勤務してくれる」ことが重要でしょう。今後、都道府県で作成する「医師確保計画」の中で、継続した医師確保が可能となるよう、大学等からの医師派遣に、この認定制度等も組合せ手、重層的に盛り込み、取り組むことが期待されます(関連記事はこちら)。

地域医療支援病院以外にも、院長要件に「医師少数地域等での勤務」を盛り込むべきか

 このように「医師少数地域等で一定の勤務をした医師」は、厚生労働大臣に「認定」されます。将来、「医師派遣・環境整備機能を有する地域医療支援病院」の管理者(院長等)に就くためには、この「認定」資格が要件の1つとなります。ある側面からは「インセンティブ」(院長になれる道が開ける)となり、別の側面から「義務」(経験をしなければ院長になれない)となるものです。

 どういった病院が「医師派遣・環境整備機能を有する地域医療支援病院」に該当するのかは、厚労省の別の検討会(特定機能病院及び地域医療支援病院のあり方に関する検討会)で議論が始まったばかりで、まだ具体的な要件や施設数などは見えてきません(今年(2018年)9月末時点で地域医療支援病院は571施設あり、これが上限となる)。

医師需給分科会では、「医師少数地域等での勤務」をより推進するよう、「地域医療支援病院以外の病院にも、認定資格を管理者(院長)要件に据えるべきではないか」といった声も少なくありません。厚労省は、「医師需給分科会で、どこまで対象病院を広げるべきか、データ等も踏まえて議論してもらう」考えを示しています。今年度(2018年度)中に、医師少数地域等の設定がなされるため、おそらく来年度(2019年度)からこうした議論も行われることでしょう。ただし、あまりに対象病院を広げることは、改正医療法・医師法の射程から外れることになります(例えば「すべての医療機関について、管理者(院長)は認定医師でなければならない」とすることなどは、改正法を審議した国会でも想定されていない)。

この点、例えば「対象病院があまりに少ない」場合には、「医師少数地域等で勤務するメリット」が小さくなる(もちろん地域医療での勤務自体が、重要な経験であることは疑いがない)ため、前述の「期間」や「経験」を厳しくすることは逆効果(医師少数地域等での勤務を希望する医師が増えない)となりかねません。逆に「対象病院を多くする」ことは、「医師少数地域等で勤務するメリット」の増加につながります(院長になるために、医師少数地域等での勤務を希望する医師が増えると考えられる)が、あまりに広げることは、上記の問題とともに、「後継者問題」等にも大きな影響を及ぼします。多面的な議論が必要でしょう。

なお、地域医療支援病院等の院長において「認定」資格が要件化されるのは、認定制度がスタートする2020年4月以降に初期臨床研修を受ける医師からとなります(数十年後に院長職に就くイメージ)。これまでに初期臨床研修を終えた、あるいは来年(2019年)から初期臨床研修を受ける医師については、「医師少数地域等での勤務経験」がなくとも、医師派遣・環境整備機能を有する地域医療支援病院の管理者に就くことが可能です(もっとも、要件化はされていないが、医師偏在等を是正するために医師少数地域等に赴くことは推奨される)。



https://www.m3.com/news/iryoishin/649506?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD181222&dcf_doctor=true&mc.l=369953964
シリーズ 地域医療構想
地域医療構想、実現を阻むのは「首長」
地域医療構想WG、村上山形大教授「公立病院で政治的影響」と指摘
 
レポート 2018年12月21日 (金)配信橋本佳子(m3.com編集長)

 厚生労働省の「地域医療構想に関するワーキンググループ」(座長:尾形裕也・九州大学名誉教授)の第17回会議で12月21日、山形大学大学院医学系研究科医療政策学講座教授の村上正泰氏は、地域医療構想の協議で感じる課題として、「公立病院においては政治的影響があり、首長などの意向に判断が左右される」ことを挙げ、調整会議で話し合っても、それが実現しにくい現状があると指摘した(資料は、厚労省のホームページ)。

 村上氏は、「病床利用率が低下しても、少ない人口の範囲内でそれぞれが病院の体裁の維持に固執し、ダウンサイジングや再編・統合には消極的」と説明。依然として「拡大路線」を志向する首長の存在が、地域医療構想実現の阻害要因になっているとした。

 奈良県立医科大学教授の今村知明氏も、「ほぼ同じ課題を感じている」と述べ、「首長にどこまで踏みとどまってもらえるかだ」と指摘した。ダウンサイジングや再編・統合の協議が始まると、反対運動、さらには落選運動が起きたり、反対派が首長に当選したりするという難しさがあるとした。

 全国自治体病院協議会会長の小熊豊氏からは、「信じられない。そんな首長がいるのか」との声も上がった。「今は人口減だから、ダウンサイジングしようという動きがある。地域に必要な医療を維持するには、再編統合等が必要。自分の一存で決めるなんて、考えられない」(小熊氏)。

 日本医師会副会長の中川俊男氏も、村上氏が紹介したような公立病院の動きは、「地域医療構想策定ガイドラインに抵触しているのではないか」と問題視。さらに「公立病院の改革は、首長の権限の範囲内にしなければいけないのか、と思ってしまう」と述べつつ、「しっかりと考える首長もいれば、次の選挙を気にする首長もいる。いくら新公立病院改革プランを出して協議を求めても、『無理だな』と考えてしまいがちだが、諦めずに頑張る必要がある」と関係者に呼びかけた。

 地域医療構想は2016年度中に全都道府県で策定を終え、地域医療構想調整会議において2017年度と2018年度の2カ年程度、集中的な検討を進めることが求められている。来年度以降、その具体的な対応方針の検証や構想実現に向けた課題等を整理していくことになる。

 第17回会議では、村上氏と同様に地域医療構想アドバイザーを務める産業医科大学公衆衛生学教室の村松圭司氏、大阪府私立病院協会会長の生野弘道氏へのヒアリングを行った。次回以降、都道府県担当者や公立・公的医療機関本部等へのヒアリングを実施、今年度内に、検討・課題等の整理のための考え方を整理する予定。厚労省はヒアリングの視点の例として以下を挙げた。


ヒアリングの視点の例
・ 構想区域の実情を踏まえた公立病院・公的医療機関等の具体的対応方針の評価をどのような手法で行うか。
・ 民間医療機関との競合や、医療機能の散在等、将来の病床数の必要量と病床機能報告の集計結果の単純比較では測ることができない地域の課題をどのように把握し、評価に反映するか。
・ 公立病院・公的医療機関等でなければ担えない医療機能への重点化を進める上での課題は何か。


 日本医療法人協会会長代行の伊藤伸一氏は、今後の進め方は了承、「公立・公的医療機関でなければできない役割について、定量的なデータを示すことができないか。合意されたプラン(新公立病院改革プラン、公的医療機関等2025プラン)が地域医療構想に資するものかを検証する必要がある。そのためにも関係者の課題が分かりやすくなる一定の指標が必要」と要望。

 中川氏も、「公立・公的と民間が競合しているのか否かが分かる指標が必要」と述べ、例として主要な術式を挙げた。「公立・公的と民間で、それぞれ何例実施しているかが分かり、民間でも十分にこなせるなら、競合していることになる」。ただし、指標は、あくまで実態把握が目的であり、病床機能報告制度の際の目安等にしないよう釘を刺した。実態把握の結果は、調整会議に参加していない医療機関等にも伝わるよう、公立医療機関を所轄する総務省等にも速やかに伝える必要があるとした。

  DPCデータを基に患者動向で「競合」を分析

 地域医療構想アドバイザーは、地域医療構想調整会議の事務局が担うべき機能を補完する役割を担う立場で、都道府県からの推薦に基づき、厚生労働省が養成する。

 村上氏は、地域医療構想に関する山形県での取り組み状況と課題を紹介。DPCデータ活用し、患者動向を把握するなど、地域ごとの受診行動の特性なども踏まえた議論を重ねているほか、従来からある「蔵王協議会」と連携して進めているのが特徴だ。

 山形県には、4つの2次医療圏(構想区域)があるが、例として挙げたのが、「置賜2次医療圏」。急性期医療を担う4つの病院について、DPCデータを基に、「全入院」「救急搬送入院」「予定入院・手術」に分け、患者動向を分析。その結果、競合する米沢市立病院と、民間の三友堂病院が「地域医療連携推進法人」を設立し、米沢市立病院が急性期医療、三友堂病院が回復期医療を担うという役割分担を進める計画となった。市立病院の改築に合わせ、三友堂病院が同じ敷地に移転、一体的な運営を予定しているという。「開設主体は違うので、完全な統合にはハードルが高いことから、連携法人を作って協力体制を構築した」(村上氏)。

 「蔵王協議会」は、山形大学をはじめ、県下の医療機関で組織する団体で、臨床研修体制の整備、医師の適正配置などが主な事業。「医療提供体制の検討に当たっては、人材の問題と切り離せない。特に医師をどれだけ配置するかによって病院の機能が大きく変わってくる」と村上氏は述べ、医療提供体制と医師の配置をリンクさせながら、議論していると説明した。

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(2018年12月21日の「地域医療構想に関するワーキンググループ」、村上氏資料)
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(2018年12月21日の「地域医療構想に関するワーキンググループ」、村上氏資料)

  「単なる報告会になりがち」「分っていても、当面は様子見」

 村上氏は、「地域医療構想の協議で感じる課題」として、(1)制度的問題、(2)公立病院における政治的影響、(3)調整会議の機能――に分けて、提示。(2)の中で挙げたのが、「首長などの意向に左右される判断」。

 「地域の患者数自体が減少し、病床利用率が低迷していても、『それは医師が少ないから』と言って、医師の増員を求めるなど、ダウンサイジングには消極的」と指摘。

 ある公立病院の事例では、新築、移転の際に、話し合いの場では、「現状維持、あるいはダウンサイジングが必要」という意見が出ていた。しかし、病院を設置している自治体の長の最終的な判断によって、病床は減らしたものの、救命救急センターを新設、診療科も10近く増やす予定になったという。「地域医療構想と、ややずれると感じられることが、首長の意向によって出てくる」。

 日本病院会副会長の岡留健一郎氏が、「地域医療構想アドバイザーとして強く言えないのか」と尋ねると、村上氏は「病床利用率が低下している中小規模の公立病院について、再編統合を急がなければいけないという共通認識が医療関係者の間に出ていても、首長の選挙前だからといって動かない。選挙が終わってもなかなか動かず、結局、また次の選挙の時期が来てしまう。公立病院のガバナンスは大きな問題」と指摘した。

 その他、村上氏は、県の医療政策担当部局と病院事業担当部局の連携不足で、足並みが揃わないことも指摘。「医療政策担当部局の職員も、ローテーションで変わるので、あまり詳しくない人が担当になると、また基本的なところからやらなければいけないという問題もある。ノウハウの蓄積と部局間の連携が必要だが、それができていない」。

 調整会議の問題については、「単なる報告会になりがち」「分っていても、当面は様子見」などを挙げた。「議題が病床機能報告の結果報告や、病床の削減や機能転換の方針を決めた病院からの報告に終始してしまい、中身のある調整ではなく、単なる報告会になりがち。地域全体での整合的な検討にならない」と村上氏は述べた。「オフィシャルな調整会議で議論しようとしても、なかなか率直な意見交換になりにくい。それを補うために議論しているのが蔵王協議会。調整会議で話し合えないところを、一歩踏み込める枠組みが必要ではないか」。



https://www.medwatch.jp/?p=24065
公立・公的病院の機能分化、調整会議での合意内容の適切性・妥当性を検証―地域医療構想ワーキング 
2018年12月21日|医療計画・地域医療構想 MedWatch

 今年度(2018年度)中に、各地域医療構想調整会議において「地域の公立病院・公的病院等の機能改革等」に関する議論を終え、改革内容に関する合意を得ることになっている。ただし、その合意内容が、「議論が尽くされた十分なもの」なのか、それとも「形式的な議論を経ただけのもの」なのかを検証していくことも重要となる。その検証に当たっての評価軸を固める必要がある―。

 地域医療構想ワーキンググループ(「医療計画の見直し等に関する検討会」の下部組織、以下、ワーキング)で、こういった議論が始まりました。
 
12月21日に開催されたワーキングでは、議論の素材を得るために、地域医療構想アドバイザーや医師会・病院団体などからヒアリングを行い、そこでは「地域の特性等を踏まえる必要がある」「単なる数合わせに終わってはいけない」といった意見が出されています。
さらに、「関係者で改革に向けた合意を行っても、自治体病院の開設者である首長が『選挙』を意識して、合意をひっくり返してしまう」というケースもあることに、多くの構成員から批判も出されました。

ここがポイント!
1 地域の特性を踏まえた公立・公的病院改革の検証が必要
2 構想区域の類型化を進め、類型ごとに評価指標を設定してはどうか
3 公立病院改革、首長がネックとなるケースもある

地域の特性を踏まえた公立・公的病院改革の検証が必要

 冒頭に述べた通り、地域医療構想の実現に向けて今年度(2018年度)中に、各地域医療構想調整会議(以下、調整会議)において「地域の公立病院・公的病院等の機能改革等」に関する議論を終え、改革内容に関する合意を得ることになっています。骨太の方針2017(経済財政運営と改革の基本方針2017―人材への投資を通じた生産性向上―)で、「個別の病院名・病床数を掲げ、機能転換に向けた具体的対応方針を速やかに策定するため、2017・18年度の2年間程度で集中的な検討を促進する」旨が指示されたことを受けたものです(関連記事はこちらとこちら)。

 今年(2018年)9月末の合意状況を見ると、ベッド数ベースで公立病院では39%、公的病院等では52%となっています。残された期間で各調整会議の議論を加速していく必要があり、これまでに「都道府県単位の調整会議を設置し、都道府県での方向を揃える」「地域医療構想調整アドバイザー(例えば地元大学医学部の社会医学研究者など)を配置し、調整会議の議論を活性化する」「地域の実情を踏まえた、高度急性期や急性期等の定量的基準を定める」ことなどの方策がワーキングで打ち出されました(関連記事はこちらとこちらとこちらとこちらとこちら)。厚生労働省は「今年度(2018年度)中に合意を得なければならない点について、改めての周知等を行う」ことも検討しており、100%の合意が得られることが期待されます。
 
 ただし、「合意」がゴールではありません。その「合意」に基づいて、実際に機能分化・機能転換や病床削減(ダウンサイジング)、再編・統合などが進み、各地域の医療ニーズにマッチした医療提供体制が構築されることが重要です。

しかし、調整会議の中には「具体的方針の策定を急ぐあまり、機能転換等を多数決で決定している」事例もあるようです。これでは、「真の合意」とは言えず、その内容が実現されるのか疑問も生じます(実現段階で異論が出て頓挫してしまう可能性もある)。また地域のパワーバランスで「不適切な合意」がなされる可能性もあるかもしれません(関連記事はこちら)。

そこでワーキングでは、「合意」内容について、例えば「調整会議の議論のプロセスは適切であったか」「内容が適切か」などを事後に検証する必要があると判断。現場の意見を踏まえて、「検証のための評価指標・評価軸」を検討していくことになりました。12月21日のワーキングでは、▼山形大学大学院医学研究科医療政策学講座の村上正泰教授(地域医療構想アドバイザー)▼産業医科大学公衆衛生学教室の村松圭司講師(地域医療構想アドバイザー)▼大阪府私立病院協会の生野弘道会長―の3参考人から現場の意見を聴取しました。

3参考人からは、地域医療構想の実現や調整会議の議論活性化、公立病院改革の推進も含めた幅広い意見が出されましたが、注目すべきは「地域の特性を十分に配慮すべき」という点で一致している点です。ワーキングの構成員からも同様の指摘が出ており、今後の重要なキーワードになることでしょう。

山形大の村上参考人は、「地域によって▼地理▼歴史▼所属する医師―の状況は区々であり、公表データや厚労省からのデータブック(非公表)だけでなく『地域独自のデータ』に基づいた議論を行うこと。地域の状況を熟知した地元の専門家を活用すること」が重要と強調しています。その際には、地元大学医学部の社会医学・公衆衛生学等の研究者をアドバイザーなどとして招聘し、「医療提供体制の整備」と「医師確保・配置」とを一体的に検討することも有用です。「医師の配置」は「病院の機能」を大きく左右するため、重要な医師供給源となる地元大学医学部との連携が重要となるのです。

また、村上参考人は、地域医療構想を実現するためには「全体最適」の視点が欠かせないとも指摘します。例えば「地域医療構想の実現に向けて、急性期のベッドを回復期・慢性期に転換していくことが必要」とされたとして、「各病院の急性期病床を回復期等に転換していく」手法も考えられますが、「A病院とB病院を再編・統合し、急性期機能に特化したX病院と回復期・慢性期機能を持つY病院とする」という大胆な手法も考えられます(すでに山形県や奈良県をはじめ、再編・統合が進んでいる自治体も少なくない)。

ただし再編・統合に当たっては、非常にセンシティブな議論も必要となるため、「オフィシャルな調整会議」では難しい面もあります。そこで山形県では、山形大学・医師会・病院団体・自治体などで構成される「蔵王協議会」でフランクな議論を行い、「オフィシャルな調整会議」の議論を補完していると言います。再編・統合に限らず、こうした「オフィシャルな調整会議」を補完する会議体の設置を村上参考人は提唱しています。

なお、再編・統合に関連して山形県米沢市では、公立の「米沢市立病院」と民間の「三友堂病院」とが、「地域医療連携推進法人」を設立し、米沢市立病院側が急性期に特化、三友同病院サイドが回復期・慢性期機能を充実させる計画が進んでいることも報告されました。再編・統合には、「合併」だけでなく、「地域医療連携推進法人の設立」という方策もあり、さらに「連携推進法人を設立せず、機能分化を連携して進める」だけでも大きな効果があり、その好事例となりそうです。 

構想区域の類型化を進め、類型ごとに評価指標を設定してはどうか

 産業医大の村松参考人は、すでに厚労省が公表しているデータをもとにするだけでも「相当な分析が可能」であることを紹介。例えば、厚労省は構想区域(主に2次医療圏)ごとに、個別病院の機能別病床数や流入・流出患者割合、「5疾病5事業および在宅医療」実施状況などを一覧で示しており、ここから「公立・公的病院を中心とした機能分化・連携がどれだけ進んでいるか」を一目で把握するグラフを作成することができます。これを地域の関係者で共有することで、「どこで進捗が遅れているのか」などがより分かりやすくなり、円滑な議論が進むと期待されます。

また村松参考人は、「構想区域」の類型化を行うことを提案しています。例えば、公立・公的病院には「救急医療」機能を持つことが期待されます(もちろん民間も重要な役割を果たしている)。そこで、地域によっては、「人口規模や救急搬送体制などが似通った地域の先進事例」を参考に、救急医療機能の整備などを考えることがあるでしょう。

しかし、類似した地域であっても、さまざまな要素が関係し「実は状況が大きく異なる」ことも少なくないのです。その場合、いかに先進事例とは言え、十分な参考資料とならないこともあります。この点について、厚労省医政局地域医療計画課の担当者は「構想区域の類型化を国で検討しようと考えている」ことを明らかにしています。全国のデータをもとに「A県のa区域と、B県のb区域は、●●機能については同じグループに属するので参考にしてほしい」といった情報を示すイメージです。
地理的には医療圏AとCが近いが、さまざまな要素を考慮すると、実は「AとDが類似している」ことなどが判明する。その場合、「AとD」(水色部分)、「BとG」(薄橙色部分)、「CとF」(緑色部分)、「E」(橙色部分)などと医療圏を類型化し、類型ごとに評価指標を考えていくことが有用である
地理的には医療圏AとCが近いが、さまざまな要素を考慮すると、実は「AとDが類似している」ことなどが判明する。その場合、「AとD」(水色部分)、「BとG」(薄橙色部分)、「CとF」(緑色部分)、「E」(橙色部分)などと医療圏を類型化し、類型ごとに評価指標を考えていくことが有用である
 
さらに村松参考人は、▼病床機能報告データを核とした構想区域内の医療資源▼DPC・NDBデータを用いた診療実績▼人工配置や地理的情報▼「離接する区域の医療提供体制」などの外部環境(流入・流出などを考える際に極めて重要)▼将来推計人口▼将来患者推計―など、さまざまなデータを活用した「指標」の作成も提唱しています。例えば、「地域の医療職の平均年齢」を見れば、「●●地域では高齢の医師が多く、2025年には相当数の医師がリタイヤする」ことなどが分かるかもしれません。この場合、地域医療構想の実現に向けて、「医師確保」を最重要テーマの1つに掲げなければならない、といった評価等が可能になるでしょう。
 
上記の「類型」毎に指標を定めることも考えられそうです。
 
一方、生野参考人は、「大阪府では、全国に比べて民間病院の比率が大きい」ことを改めて紹介。こうした地域では、「民間の地域医療支援病院等が担う部分」を除いた部分を、公立・公的病院が担う、補う、といった姿勢で、地域医療構想の実現に向けた検討を行っていく必要があると強調しました(関連記事はこちら)。

この点に関連し、小熊豊構成員(全国自治体病院協議会会長)は「都市部など、民間病院と競合する公立・公的病院は高度先進的な医療に特化せよ、との指摘もあるようだ。しかし、高度先進的な医療を支える、いわば『裾野』の医療も併せて提供しなければ病院は成り立たない」と指摘。これには中川俊男構成員(日本医師会副会長)も「いわゆる『裾野』の医療も提供しながら、その中で高度先進的な医療も相当程度担う、というのがあるべき公立・公的病院の姿である」とコメントし、一律「公立・公的病院は高度先進的医療に特化しなければならない」とすることは誤った考えであることを明確にしています(関連記事はこちら)。

なお、中川構成員は「公立・公的病院と民間病院が競合する」場面を明確化する必要があるとも指摘しています。公立・公的病院は「公立・公的でなければ担えない機能への特化」が求められていますが、例えば、ある術式の手術について、地域における民間病院と公立・公的病院とのシェアを見て、「民間病院も十分に実施しており、かつ余力がある」場合には、「公立・公的病院と民間病院とが競合している」とも考えられ、こうしたデータを集積・解析していくべきと中川構成員は提唱しているようです(関連記事はこちら)。

この点、厚労省は中川構成員の指摘・提唱に理解を示したものの、どこに焦点を合わせるべきか(心臓疾患であればどの術式を対象にするのか、など)を検討する必要があるとの考えも示しています。

公立病院改革、首長がネックとなるケースもある

 ところで村上構成員(山形大学大学院教授)は、調整会議の議論の中でも、とくに「公立病院の改革」においては「首長」(市町村長や県知事)の存在がネックになるケースもあると指摘しています。

 例えば調整会議において、医療ニーズ等を踏まえ「●●市立病院はダウンサイジングが必要である」「●●市立病院と▲▲町立病院とを統合し、機能分化を促すべきである」という方針が固まったとしても、首長が次の選挙等を勘案し、この方針をひっくり返すことがあるのです。

 選挙等においては、「我が自治体でも、高度急性期医療を提供するために●●市立病院を改築し、最新の医療機器を整備する」などと公約で打ち出すことがあり、また、それが集票に効果的であったりします。しかし、地域全体、県全体、日本全体にとって、そうした高度急性期医療の確保が適切かどうかは、専門家が集う調整会議でこそ決めるべきでしょう。

 多くの構成員からも、「自分の地元でもそうした事例がある」とのコメントがあり、多くの医療関係者が「将来の医療提供体制のあり方」を真剣に考える中で、「票欲しさ」の首長の判断に忸怩たる思いを持っているようです。中川構成員は冗談交じりに「公立病院改革は首長権限の外におくしかない」などと述べています。

 もっとも小熊構成員は「今どき、そういったことを言い出す首長がいるのだろうか。地域の人口減少(患者減少)を受け、公立病院はダウンサイジングを進めている」とも指摘。現に山形県では、2008年4月に、市立の「旧市立酒田病院」と、県立の「旧日本海病院」が再編統合するなど、地域医療提供体制を真剣に考えている首長も、決して少数派ではないことにも留意が必要です(関連記事はこちら、メディ・ウォッチでは合併の立役者となった日本海総合病院の栗谷義樹院長(当時)から詳しいお話しを伺っています)。
 
ワーキングでは、年明けにも都道府県担当者や公立・公的病院本部からヒアリングを行い、その後、「検証」に向けた論点整理などを議論します。
 


https://www.m3.com/news/iryoishin/648938
シリーズ 医師の働き方改革とキャリア
働き方骨子案たたき台「現場の医師の声盛り込むべき」副座長が苦言
次回会議で具体的な上限時間と骨子案提示へ
 
レポート 2018年12月20日 (木)配信水谷悠(m3.com編集部)

 厚生労働省の「医師の働き方改革に関する検討会」(座長:岩村正彦・東京大学大学院法学政治学研究科教授)は12月19日の第15回会議で、17日の前回会議で示した骨子案のたたき台について引き続き議論した。事務局資料の「第14回までの議論のまとめ(骨子案たたき台)」について副座長の渋谷健司・東京大学大学院医学系研究科国際保健政策学教室教授 が、前回会議で出た若手医師や看護師らの構成員の意見が盛り込まれていないことについて「なぜ反映されていないのか、誰の意見を尊重するのか。現場ではないか」と問題視した。岩村座長はこの日の議論を踏まえ、次回会議で骨子案を示すよう事務局に指示。ただし、時間外労働上限を骨子案に盛り込むのは難しいとして、別に議論のための数字の案を出すよう求めた(資料は、厚労省のホームページ。第14回の会議は『「連続勤務は28時間まで」「勤務は9時間のインターバル」』を参照)。

 渋谷氏が問題視したのは、次の記述。

 タスク・シフティングの推進に向けて、現行資格制度を前提とせずに今後の検討を行っていくべきとの指摘があった一方で、医師の働き方改革のために資格制度を検討することへの疑問も示された。

 渋谷氏は、「これは前回の議論をまとめたものなのか」と切り出した。東京ベイ・浦安市川医療センター集中ケア認定看護師・戎初代氏の「目の前の患者を救うのに、医師の指示がないからどうしようかと躊躇している」という発言や、特定非営利法人架け橋理事長・豊田郁子氏による「医療界がNPを含め本当にタスク・シフトをやるなら国民は協力するはずだと確信を得た」との発言、また東京女子医科大学東医療センター救急医・赤星昂己氏の「中間整理が出されて1年経つが、自分の働き方は変わっていない」といった発言を挙げ、「こういう重要な意見をあえて入れないのは意図的なのか」と事務局に問い質した。

 厚労省医政局総務課長の北波孝氏は「つづめれば両論あったということを書かせていただいた」と答弁したが、渋谷氏はさらに「厚労省はどこを向いているのか。両論併記というが現場の声が入っていない。『何も変わらない』というメッセージを与えかねない」と苦言を呈した。日本医師会副会長の今村聡氏は、「現行の資格を持っている人が本当に役割を果たせているか。まずは現行の資格でやれることを議論していただきたい。その上で将来的には、ということだと思うが、そこまで踏み込むとなかなか議論がまとまらないのではと思っていることはご理解いただきたい」と述べた。

「改革のため経済的な支援」、「現場でどうにもならない、集約化を」

 千葉大学医学部附属病院病院長の山本修一氏は、「管理者の意識改革」との記述について、非常に重要だと指摘。「戦後の長い医療制度の整備の中で、初めて医師個人の働き方にスポットライトが当たった。この機会を逃すべきではない」と述べる一方で、「どう考えても経費は増えるという不安はものすごく大きい。まして消費税があのような形で決着をしてしまった。不安は非常に大きい。改革を推し進めるための経済的な支援はぜひ入れていただかないと」と要望した。

 社会医療法人ペガサス理事長の馬場武彦氏(日本医療法人協会副会長)も、17日の会議後、団体へ持ち帰って議論したところ、「勤務環境改善のために努力して受け入れるべきだ」とおおむね意見をまとめることができたが、「経過措置の上限は緩やかで、高い水準であることが必須だと考える。将来あるべき水準に持って行くのは大事だが、当面は柔軟性を持たせた水準でなければ地域医療に大混乱をもたらす」と述べた。

 ハイズ株式会社代表取締役社長の裴英洙氏は、医療機関向けのコンサルティング事業で地方を回っている立場から、「ミクロ、つまり経営現場・臨床現場でなんとかなるレベルではないと感じる。マクロのレベルで、機能分化や連携は当然ながら、集約化、地域医療提供体制の再構築に則った推進力がないと」と指摘した。


 会議冒頭では、関連する「上手な医療のかかり方を広めるための懇談会」の結論について、座長を務めた渋谷氏が報告。「国民総力戦」と銘打ったパンフレットの市民、行政、医師/医療提供者、民間企業それぞれのアクションのうち、民間企業について、今村氏が「企業にどうやって働きかけるかが非常に重要だ」と指摘。保健医療福祉労働組合協議会事務局次長の工藤豊氏も「企業の社会的責任という点から、さらに取り組みを進めてほしい」と述べた。渋谷氏は、両者の意見に賛意を示し、「企業にはともすれば従業員の健康を守るのは『コスト』だという意識があるが、今はむしろ投資の対象に健康そのものがなりつつある。健康を守ることで企業の価値が上がる、そういう時代になりつつある」と応じた(『「国民全体が医療危機に取り組むべき」デーモン閣下、宣言発表』を参照)。



  1. 2018/12/23(日) 09:12:37|
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12月2日 

https://www.cbnews.jp/news/entry/20181129201451
医師不足地域への勤務義務付けや専門医数の制限を
全国自治体病院協議会などが要望書

2018年11月29日 20:35 CB News

 全国自治体病院協議会は、医師の確保などに関する国への要望書を公表した。同協議会や全国知事会を含めた10団体が取りまとめたもので、医師の地域偏在を解消するため、「専門医数の制限や一定期間医師不足地域への勤務の義務付けなどを講じ、医療提供体制の均てん化施策を早急に実行することが必要」としている。【新井哉】

 医師の地域偏在については、医師不足地域での「一定期間の勤務」を、病院・診療所の管理者や診療科長になる要件として定めることを要望。また、地域ごとの診療科別の必要医師数を明らかにし、偏在解消の実効性を高める必要性を挙げている。

 精神科医の地域偏在も取り上げている。「精神科病床は、在宅医療とともに二次医療圏での取り組みが不可欠」とし、深刻化している病院勤務医の不足や地域偏在について、「抜本的な対策」を講じるよう求めている。

 医師の働き方に関しては、▽医師の偏在是正▽医師の応召義務の解釈と範囲の明確化▽自己研鑽と労働時間を区別する基準の明示▽医師の勤務負担軽減と国民の理解―などを検討するよう要望。女性医師の勤務環境に関しては、「出産、子育てなどで休職復帰するための働きやすい環境の整備を図る」とし、医師不足の解消につなげる方向性を示している。



https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201812/20181201_11032.html
<栗原市>文字診療所廃止へ 医師不足、12年から休診
2018年12月01日土曜日 河北新報

 宮城県栗原市は30日、2012年10月から休診していた同市栗駒の文字診療所を12月末で廃止する方針を明らかにした。恒常的な医師不足と施設の老朽化が原因。関連の条例案を市議会12月定例会に提出する。
 市議会全員協議会で発表した。市によると、今年秋に地元の行政区長や自治会長に説明し、同意を得た。患者については既に実施している鶯沢診療所(栗原市鶯沢)への送迎を続ける。
 文字診療所は1932年に旧文字村が開設し、現在の施設は72年に改築。医師の不足に伴い92年に診療態勢が週1回となり、12年から休診していた。
 市の担当者は「医師確保が難しい現状では廃止はやむを得ないと判断した。送迎バスの運行を継続するなど、患者に配慮していきたい」と述べた。
 12月定例会で市はこのほか、小中学校のエアコン設置費など8億5908万円を追加する18年度一般会計補正予算案、市発注工事で発生した官製談合の管理監督責任として千葉健司市長を減給20%(1カ月)、千葉章副市長を減給10%(同)とする条例案など48議案を提出する。



https://www.asahi.com/articles/ASLCY046CLCXUBQU018.html
医学部の地域枠、2割が欠員 医師不足の解消狙うも
阿部彰芳2018年11月29日09時00分 朝日新聞

 地域で働く医師を確保する「地域枠」のために臨時的に医学部増員が認められた66大学のうち、半数の33大学で今年度の地域枠定員を満たさなかったことが、厚生労働省と文部科学省の調査でわかった。欠員は2割近くに上り、多くが一般学生の入学枠に流用されたとみられる。

新専門医制度で東北の医師不足に拍車 研修で若手が流出
 臨時増員による今年度の地域枠定員は計1014人。調査によると、地域で一定期間働くことなどを条件に都道府県が貸す奨学金を187人(18%)が受け取っていなかった。厚労省は、奨学金の貸与がなければ、基本的に地域枠の学生とみなせないとしている。

 国は地域の医師不足を解消するため、2008年度から医学部を臨時的に増員して地域枠を増やせる制度を開始。厚労省によると、臨時定員の地域枠の募集数は08~18年度で計8956人で、うち1393人(16%)は奨学金を受け取っていなかった。

 地域枠は、一般枠とは別に募集定員を設ける「別枠」と、一般枠と共通で選抜した人の中から募る「手挙げ」がある。奨学金貸与は別枠が95%だった一方、手挙げは69%と低く、厚労省は20年度入試から地域枠の募集方法は別枠に限る方針を決めている。



https://www.nikkei.com/article/DGXMZO3828500028112018CR8000/
22医学部で2割超の欠員、地域枠 半数で未充足
2018/11/28 17:48 (2018/11/28 22:01更新) 日本経済新聞

地方での医師不足解消に向け、都道府県から奨学金の貸与を受ける代わりに、卒業後、その地域で一定期間働く大学医学部の「地域枠制度」に関し、厚生労働省は28日、2018年度分を調べた結果、全国の22大学が設けた募集枠で定員の2割を超える欠員が出ていたことを明らかにした。地方勤務を希望する学生が少ないことなどが原因。地方と都市部の医師偏在を解消するための措置が問題解決に結び付いていない現状が明らかになった。

地域枠がある66大学のうち、半数の33大学で計187人分の枠が埋まっていなかった。

制度が導入された08年度から18年度の通算では、学生を勤務地の制限のない「一般枠」に振り分ける不適切な運用もみられた。医学部定員は地域枠に限り、臨時の定員増が認められており、厚労省と文部科学省は制度の趣旨に反するとして、改善とともに制度の厳粛な運用を求めている。

厚労省によると、定員の8割未満だったのは、東北大(定員33人中17人、充足率52%)、千葉大(20人中4人、20%)、信州大(18人中2人、11%)、久留米大(5人中0人、0%)など。

地域枠入試では、地域枠と一般枠を区別して選抜する「別枠方式」と、一緒に選抜し入試前後に希望者を募る「手挙げ方式」がある。今回の調査で、別枠方式だと、地元出身者に限定しない募集でも、9割以上が埋まっていることが判明。充足率が低かった信州大や千葉大、東北大は手挙げ方式で、入学後に希望者を募る「事後型」だった。

厚労省は10月、過去11年間で計約2600人分の地域枠が埋まっていなかったと発表。文科省と合同で調査し、今回初めて大学名まで明らかにした。厚労省は既に、20年度以降に入学する学生の選抜に関して、別枠方式に一本化するよう都道府県へ通知。文科省も、充足率が低い医学部の地域枠については、定員を削減する方針を決めている。

調査結果は、28日に東京都内で開かれた、医師の偏在対策を議論する厚労省の有識者会議で報告された。〔共同〕



https://www.m3.com/news/iryoishin/644465
シリーズ 医療従事者の需給に関する検討会
医師確保「少数区域は多数区域から」、可能か?
厚労省、医師確保計画の「医師確保の方針」等を提案

レポート 2018年11月28日 (水)配信橋本佳子(m3.com編集長)

 厚生労働省は11月28日の「医療従事者の需給に関する検討会」の第24回医師需給分科会(座長:片峰茂・長崎大学前学長)で、都道府県が策定する医師確保計画における医師確保の方針や、医師偏在対策の実効性確保策を提案、構成員から異論は出なかったものの、「医師が多い区域から少ない区域へと、医師を駒のようにもってくることができるのか」などの指摘が挙がった。医師確保計画は、基本的には個々の医療機関の採用活動を縛ることはできないことも判明、計画の実効性が不安視された(資料は、厚労省のホームページ)。

 都道府県は2019年度から、二次、三次医療圏について医師確保計画を策定する。その内容は、医師数が「少数」「中程度」「多数」のいずれの区域に該当するかによって異なる。医師偏在指標を算出し、二次医療圏別、もしくは三次医療圏別に、指標が「下位○%」、もしくは「上位○%」という基準を定め、いずれの区域に該当するかを判断する。「○%」の数字は今後決定される。「少数」と「多数」の中間に位置するのが、「中程度」区域(『必要医師数「2036年」時点で推計、「地域枠」は別枠の入試で』を参照)。

 厚労省案は、医師少数三次医療圏の医師確保計画は、他の医師多数三次医療圏からの医師確保を可能とするもの。反対に、医師多数三次医療圏の場合は、他の三次医療圏からの医師確保は行わない。また「現時点」と「将来時点」という時間軸を踏まえ、「現時点」のみ医師少数区域である場合には、短期的な施策のみを、「現時点」と「将来時点」のいずれも医師少数区域の場合には、短期的・長期的両方の施策を用いる。

 二次医療圏の医師確保計画も、同様の考え方で進める。その際、二次医療圏単位では、医師少数区域に該当しない圏域内に、離島や山間部等のへき地などを「医師少数地区」と定めることが可能。
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(2018年11月28日医師需給分科会資料)
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(2018年11月28日医師需給分科会資料)
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(2018年11月28日医師需給分科会資料)
 日本医師会副会長の今村聡氏は、「全体としての方針は賛成したい」と述べた上で、「三次医療圏間の調整は、実際にはどのように行うのか」と質問。厚労省医政局地域医療計画課は、「(医師確保に関連する)データベースは厚労省が構築するが、調整は各都道府県が行う。国としてどんな支援が可能かをもう少し考える」と回答。今村氏は、「そこが大事であり、具体的にどの県にお願いするのかなど、現実的には難しい。そこが機能しないと意味がない。しっかりとした仕組みを作ってもらいたい」と要望した。

 日本精神科病院協会常務理事の平川淳一氏も、「医師が多い区域から少ない区域にもってくるのが基本的な考え方だが、医師を駒のように動かすことができるのか」と指摘した上で、例えば、医師多数区域にある医療機関が、医師少数区域に勤務する医師を採用することが可能かと質問。厚労省は、「個々の医療機関が行う医師の確保の話ではない。都道府県単位で動かしていく場合の計画」と説明し、個々の医療機関の医師採用活動に制限や禁止を加えるものではないとした。

 医療法上、医療機関は「都道府県の地域医療対策協議会で、協議が整った事項(医師確保計画の実施に必要な事項)等について、協力する努力義務(公的医療機関は義務)がある。「個別医療機関の医師採用活動も、医師確保計画に従う」との「協議」が整わない限り、制限や禁止を加えることはできない。

 なお、この点については、岩手医科大学理事長の小川彰氏から、「二次医療圏、三次医療圏のいずれでも、構成しているのは、個々の医療機関。医師多数区域にあっても、医師不足の病院が、医師少数区域から医師を採用することが許されるなら、全体のスキームが崩れてしまうのでは」との指摘も挙がった。

 「医師少数区域に指定せず」は例外的か?

 医師確保計画には例外もあり、医師が少ない医療圏でも、周辺の医療圏で対応が可能な場合、「医師少数区域」に指定しないことも可能だ。厚労省医政局地域医療計画課は、「あくまでも例外的」と説明。医師確保計画については都道府県が説明責任を負うことから、指定しないことはハードルが高いと見られる。

 これに対して、慶應義塾大学商学部教授の権丈善一氏は、「長期的には、(人口減少時代には)コンパクトシティーを考えなければいけない。医師少数区域でも、医療へのアクセスを担保できることについて説明責任は果たさなければいけないものの、いい方向に向かう規定ではないか」と指摘。

 国立がん研究センター中央病院呼吸器内科病棟医長の堀之内秀仁氏も、「医師を集約化して、タスクシェアができて、なおかつ医療へのアクセスを確保する。これを良い方向に発展させる仕組みが欠けている」と指摘し、「例外的ではなく、好事例を取り上げていくことが必要ではないか」と提案した。

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(2018年11月28日医師需給分科会資料)

 地域偏在対策、カギは地域枠

 医師確保計画は、2018年度内に厚労省が策定ガイドラインを作成、公表。都道府県は2019年度内に計画を策定、公表し、2020年度から医師偏在対策を開始する。その後、PDCAサイクルを回し、改善を図っていく。医師偏在対策は、(1)短期的な対策(医師派遣や定着促進など、医師養成以外の施策)、(2)長期的な対策(大学医学部に対する地域枠・地元出身者枠の増員等)――に大別できる。

 意見が出たのが、地域枠の在り方。今村氏は、地域枠の卒業生が地域に定着するために、都道府県が地域枠の学生や医師に働きかけ、相談やアドバイスに応じる必要性を指摘。

 堀之内氏は、医師偏在対策としてインパクトがある施策は何かと質問。厚労省医政局医事課は、臨床研修を実施した都道府県でその後も勤務する傾向があることから、地域枠の学生に対し、出身大学の地元に残るよう働きかけていくことの大切さを説明した。

 続けて堀之内氏は、「臨床研修から、リタイアするまで、その地域に骨を埋める覚悟が若い人にできるか。敬遠されるのではないか」と質問。厚労省医政局医事課は、医師不足等の地域に限らず、3次医療機関などの基幹病院で勤務したり、国内外の施設に留学できるようなキャリアプランを都道府県が作成するなどの工夫が必要だと回答した。



https://www.medwatch.jp/?p=23674
医師多数の3次・2次医療圏では、「他地域からの医師確保」計画を立ててはならない―医師需給分科会(1)
2018年11月28日|医療計画・地域医療構想 MedWatch

 新たな医師偏在指標に基づき、今後、3次医療圏単位・2次医療圏単位で「医師多数地域」「医師少数地域」「医師中程度地域」(多数地域・少数地域以外)を定め、各都道府県において「医師確保計画」を定めることになる。その際、「医師多数地域」が、さらに他の地域から医師を確保することになれば、医師の地域偏在が助長されてしまうため、「医師多数地域」の計画では「他地域からの医師確保をしてはならない」こととしてはどうか―。

 11月28日に開催された「医師需給分科会」(「医療従事者の需給に関する検討会」の下部組織)で、こういった方針が概ね固められました。後述するように、個別病院のリクルート活動などを規制するものではありませんが、医師偏在がまったく是正去れない状況が続けば、「別の規制」を求める声も出てきそうです。

 医師需給分科会は、さらに詳細に医師偏在対策の内容を詰め、厚生労働省は、それをもとに今年度(2018年度)内に「医師確保計画」策定ガイドラインを固める考えです。
 
ここがポイント!
1 地域の医師配置状況に応じた「医師確保計画」を策定
2 「他地域からの医師確保」不可は医師確保計画の話で、個別病院を縛るものではない
3 将来の医師配置状況も踏まえ、「医師派遣」や「地域枠」などを組み合わせて医師確保
4 地域医療構想とマッチするように「医師確保計画」を定めることが必要

地域の医師配置状況に応じた「医師確保計画」を策定

 医師の地域偏在・診療科偏在が大きな課題となっています。政府(厚生労働省)は、「医師需給分科会」と「医療従事者の需給に関する検討会」の議論を踏まえた、改正医療法・医師法(今年(2018年)7月成立)に、次のような医師偏在対策を盛り込みました。

▼医師少数区域等で勤務した医師を認定する制度の創設
▼都道府県における医師確保対策の実施体制の強化(新たな「医師確保計画」の策定など)
▼医師養成過程を通じた医師確保対策の充実
▼地域の外来医療機能の偏在・不足等への対応

このうち「医師確保計画」は「医療計画」の一部として、都道府県が作成し、実行するものです。2020年度から稼働する(医師確保計画に沿って、各都道府県で医師確保対策を進める)予定で、▼今年度(2018年度)中に、厚労省が「計画作成」のための指針(ガイドライン)を定める▼来年度(2019年度)に、ガイドラインを拠り所に各都道府県で計画を作成する▼2020年度から実行する―というスケジュールが描かれています。
 
日本全国で見ると、▼地域ごとに「勤務する医師が、相対的に多数なのか、少数なのか」(充足しているかは別問題とされる)を客観的指標に基づいて把握し、「医師が相対的に多数配置されている地域」と「医師が相対的に少数しか配置されていない地域」を定める → ▼各地域において「医師確保の目標値」と「具体的な医師確保策」を計画の中に盛り込み、医師確保を実行する―という流れで、医師偏在対策を進めていきます。これまでに、前者に関する「医師が多数過少数かを把握するための客観的指標」(新たな医師偏在指標)、「医師が多数の地域、少数の地域の設定に関する考え方」などが既に固められており(関連記事はこちらとこちらとこちら)、11月28日の会合では、後者のうち「具体的な医師確保策」の考え方について議論を行いました。

医師の養成には時間がかかる(学部教育に6年、初期臨床研修に2年、後期臨床研修(新専門医研修)に3年など)ため、現時点では、医師に「医師が多数いる地域」から「医師が少数しかいない地域」へ移動してもらうことが「具体的な医師確保策」の主軸となります(短期的施策)。その際、当然のことですが、「医師多数地域が、さらに他の地域から医師を確保する」ようなことがあれば偏在が助長されてしまいます。

このため医師需給分科会では、各地域の医師配置状況(多数なのか少数なのか)に応じて、次のように「具体的な医師確保策」の策定方針を変える必要性を確認しました。

(1)医師少数の3次医療圏・2次医療圏においては、「他の地域からの医師確保(派遣など)」を可能とする(下2図の向かって左側の地域)
(2)医師多数の3次医療圏・2次医療圏においては、「他の地域からの医師確保(派遣など)」は認めない(下2図の向かって右側の地域)
(3)医師中程度(少数・多数以外)の3次医療圏・2次医療圏においては、必要に応じて「他の地域からの医師確保(派遣など)」を可能とする(下2図の中央の地域)
 
 例えば、東京都などは(2)の「医師多数」と判断されると思われますが(未確定、多数と判断されない可能性もある)、その場合、医師確保計画の中に「近隣県から医師派遣を求めていく」方策などを盛り込むことは認められなくなるでしょう(ただし計画は認可されるものではないので、そうした計画は立てないでほしいとの要請が行われる見込み)。
 また(3)の医師中程度となる県では、県内に「医師多数」の地域や「医師少数」の地域が混在することが考えられますが、「県内での医師移動だけでは、医師少数2次医療圏の医師確保が難しい」場合には、「近隣県等からの医師派遣を求める」といった方策を医師確保計画に盛り込むことになるでしょう。

 一方、(1)の医師少数となる県では、他自治体からの「医師確保」などを積極的に求める計画を作成することになります。厚労省では「全国の医師データベース」を構築し、「どの地域に医師派遣を要請すればよいか」(専ら医師多数地域へ派遣等を要請することになる)などを把握しやすくする環境を整えるとともに、少数地域の取り組みを支援していくことになります。詳細は、今後さらに検討されます。

「他地域からの医師確保」不可は医師確保計画の話で、個別病院を縛るものではない

 なお、これらは「医師確保計画」に関するものであり、個別医療機関の医師確保に関する行動が縛られるものではありません。例えば、ある病院が、医師多数地域に所在していたとしても、「●●科の医師が不足している」「◆◆科を新設しよう」などと考え、他地域(それが医師少数地域であっても)から医師をリクルートしてくることなどは可能なのです。この点について小川彰構成員(岩手医科大学理事長)から「個別病院の動きを規制できないのであれば、医師偏在の是正は全く進まないのではないか」といった指摘がありましたが、厚労省は「現時点で規制等は考えていない」とコメントしています。

たしかに、「どういった経営方針を立て、どういった人事計画を立てるのか」などは個別病院の極めて広範な自由裁量が認められ(日本国憲法第22条から導かれる「営業の自由」で保障される)、個別病院の医師リクルート行動を規制することは非常に難しいと考えられます。しかし、個別病院があまりに自由に行動し「医師確保計画が全く意味をなさない」事態が明らかとなれば、「別の規制を求める」声も出てくるかもしれません。地域医療構想も含めた「医療提供体制の確保」(当然、医師偏在の是正も包含される)を勘案した人事計画なども考えていくべきでしょう。

将来の医師配置状況も踏まえ、「医師派遣」や「地域枠」などを組み合わせて医師確保

 また「医師確保の進展」や「地域の患者数の変化」などにより、例えば、現時点では「医師少数」地域であるが、将来は「医師少数」でなくなると予想される地域が出てきます。

 こうした地域では、現時点の「医師少数」状態を改善するために、▼医師の派遣▼医師の定着促進—といった医師確保策(短期的施策)を実施することが必要ですが、将来は医師が一定程度充足するため「大学医学部の地域枠・地元枠設定」などの長期的施策の必要性は低くなります。

 このように、地域ごとに「現時点」と「将来時点」とを勘案した「具体的な医師確保策」が必要となり、医師需給分科会では次のような整理を行いました。

(i)現在「医師少数」で、将来も「医師少数」にとどまると想定される地域
→短期的施策(医師派遣等)と長期的施策(地域枠・地元枠等)を組み合わせて実施する

(ii)現在「医師少数」だが、将来は「医師多数」や「医師中程度」になると想定される地域
→短期的施策(医師派遣等)を実施する

(iii) 現在「医師多数」「医師中程度」だが、将来は「医師少数」に陥ると想定される地域
→長期的施策(地域枠・地元枠等)を実施し、将来に備える

(iv)現在「医師多数」「医師中程度」で、将来も「医師多数」「医師中程度」にとどまると想定される地域
→短期的施策・長期的施策のいずれも実施する必要性は低い

 もっとも、(ii)や(iv)のように「将来、医師多数等になる」と想定される地域であっても、その圏域の中に「医師不足地域(例えば無医地区や準無医地区など)があり、そこに医師を配置しなければならない」といった場合には、地域枠や地元枠を設け(長期的施策)、医師を養成していくことは十分に認められます。例えば、「医師多数」と判断されると思われる東京都の大学医学部でも、「離島などで地域医療に従事する医師を養成する必要がある」と考えて地域枠・地元枠を設けることは否定されません。決して(ii)や(iv)の地域で「地域枠・地元枠を設定してはならない」わけではない点に留意が必要です。

なお、地域枠・地元枠の中には、「他県からの要請を受けて」設定されるケースもあります。例えば、医師が不足する青森県から、東京都の医学部に「将来、青森県の医療機関に従事する医師を地域枠として養成してほしい」と要請する場合などです。今後、地域枠はさらに複雑になっていくと想定され、「設置状況、学生の充足状況、将来の地域医療への従事状況」などをしっかり把握していく必要がありそうです。この点、別稿で述べるように「2020年度選抜から、地域枠は一般枠とは『別枠』とする」ことが定められています。

地域医療構想とマッチするように「医師確保計画」を定めることが必要

 医師が少数な地域(医師が少数となる2次医療圏を「医師少数区域」、より小さな地域で医師が少数となる場合(市町村単位など)には「医師少数地区」と呼ぶ)については、一般に、上記のように医師確保策を講じることが考えられますが、地域によっては、医師確保が必ずしも「医療機能の分化・強化、連携を進める地域医療構想とマッチしない」ケースも出てきます(関連記事はこちら)。

例えば、ある県で「急性期医療機能をY地域にあるA病院とB病院に集約して、充実を図る。他地域(X地域とする)には、交通集団の確保やサテライト病院・診療所で対応する」といった内容の地域医療構想が策定され、関係者間で合意されたとします。その場合、必然的に医師についてもA・B病院(Y地域)に集約することとなり、他地域(X地域)が「医師少数」となってしまう可能性があります。これに対し、機械的に「X地域は、医師偏在指標に基づければ『医師少数区域』となる。Y地域からの医師派遣が必要となる」と判断したのでは、当該県の地域医療構想と矛盾することになってしまいます。
 
厚労省は「地域医療構想の実現に沿った医師確保計画を認める」としており、こうした場合、県で「X地域は医師少数地域に指定しない」と判断することが認められます。ただし、逆に「医師少数地域の要件を満たさないが、県で医師少数地域に指定する」ことは認められません。
この考え方について、堀之内秀仁構成員(国立がん研究センター中央病院呼吸器内科病棟医長)や権丈善一構成員(慶應義塾大学商学部教授)は「医療機能の分化、連携の強化、医師の改革などの視点で、医療資源集約は好ましい方向とも思える。例外ではなく、推進すべき」旨の見解を述べています。医療資源の均てん化は重要な視点ですが、一方で「我が国は、先進諸国に比べてベッド数が多く、それが『病床数当たりの医師数不足』『症例の分散』を招き、医師の過重労働を生み、医療の質向上を阻んでいる」という指摘もあります。グローバルへルスコンサルティング・ジャパン(GHC)と米国メイヨークリニックやスタンフォード大学との共同研究では、「症例数と医療の質(例えば医療安全)は相関する」ことが明らかになっており、両構成員の指摘は今後の重要テーマの1つとなることでしょう。
  
なお、医師少数地区(医師が少数な町村など)での医師確保については、医師派遣などを進めると同時に、「移動診療」や「遠隔診療」(神野正博構成員:全日本病院協会副会長が提案)なども活用していくことになります。当該地区では「患者が少数で医療機関経営が困難」なことが強く想定されるためです。

こうした医師確保計画を各都道府県が作成した後には、「それをいかに実行し、成果を上げていくか」が重要となります。11月28日の医師需給分科会では、この点も議論されており別稿でお伝えします。



https://www.nikkei.com/article/DGXMZO38368720Q8A131C1CN0000/
救急医の宿直回数基準超え 愛知県病院に労基署指導
2018/11/30 13:03 日本経済新聞 中部 社会

愛知県大府市のあいち小児保健医療総合センターが救急医に基準を超えた回数の宿直をさせていたことが30日、分かった。労働基準監督署の指導を受け、センターを運営する県は医師を増やして改善する方針だが、救急医のなり手は不足しており確保の見通しは立っていない。

厚生労働省の通達で、労基署の許可を受けた医療機関は、待機や病室巡回など軽度な業務に限り、医師らに週1回宿直させることができる。

センターによると、救急棟を整備した2016年2月以降、5、6人の救急医が日替わりで宿直を担当。多い人は月6回以上になることが常態化しているとして、17年12月に半田労基署から指導を受けた。

センターは研修医2人を加えた8人体制に変えたが、実際には研修医の宿直時は緊急事態に備えて別の医師1人が院内で待機していた。同労基署は今年8月、回数超過が改善されていないとして再度指導した。

現在センターは医師を募集しているが見つからず、月4回を超える宿直は時間外勤務としている。担当者は「幅広い診療内容に対応できる救急医は確保が難しい」としている。〔共同〕



https://www.m3.com/news/iryoishin/643738
シリーズ 真価問われる専門医改革
新専門医「改善に努力」「医療崩壊の序曲」「現場の声聞いて」
「現場からの医療改革推進協議会」第13回シンポジウム

レポート 2018年11月26日 (月)配信橋本佳子(m3.com編集長)

 一般社団法人医療ガバナンス学会が事務局を務める「現場からの医療改革推進協議会」の第13回シンポジウムで11月25日、新専門医制度をテーマに医師ら4人が講演した。

 日本専門医機構副理事長で、日本医師会副会長の今村聡氏は、同機構の事務局体制について、「事務局長が不在で、(事務局のトップが)事務局長代行のままであるなど、事務局体制が脆弱だという指摘は、その通りだ」と認め、今後、改善に努める方針を示した。新専門医制度に対しては、出産・育児中の医師などでは、研修プログラム制に代わり、研修カリキュラム制も可能だが、「利用されていない現実があり、改善点は多いと考えている」と述べた。専門医の広告、専門医の更新、サブスペシャルティの認定要件、広報という課題にも早急に取り組んでいくと表明した。

 仙台厚生病院(仙台市青葉区)の医学教育支援室長の遠藤希之氏は、地域医療の関連から新専門医制度を問題視した。外科専門医には6つのサブスペシャルティがあるが、2018年度の場合、47都道府県中、18県では外科専攻医が6人以下、内科でも13県では専攻医が20人以下であるなど、専攻医の地域偏在を示すデータを紹介。「地域医療崩壊の序曲が始まっている」と警鐘を鳴らした。遠藤氏は日本専門医機構の事務局体制も問題視したほか、「研修プログラム制を全面的に見直し、循環型研修は廃止」を提言した。

 坂根Mクリニック(茨城県つくば市)院長の坂根みち子氏は、新専門医制度では研修プログラム制や循環型研修が導入され、所定の期間内で基幹施設と連携施設を循環しなければいけないことから、出産・育児中の女性医師などでは、専門医取得が難しくなっていると指摘。研修カリキュラム制の柔軟な運用、循環型研修の原則の廃止などを求め、脚気やハンセン病の歴史などを振り返り、現場からの意見が「権威」に潰されれば、「同じ轍を踏むことになる」と警鐘を鳴らした。

 そのほか、ハンガリーSemmelweis大学医学部6年の濱田通果氏が、「ヨーロッパでの専門医制度の在り方」とのテーマで講演した。

 今村氏「広告、更新、サブスペシャルティ、広報活動」が課題

 最初に登壇した今村氏は、まず新専門医制度をめぐるこれまでの経緯を振り返った。制度初年度に当たる2018年度については、妊娠・出産・育児、介護などの事情を抱えていたり、地域枠で入学した医師などでは、研修カリキュラム制も可能だが、「それができることを知らない医師が多い。きちんとした情報発信ができていなかったと改めて感じた」と受け止めた。日本専門医機構からの各種データ公表が遅いことも認め、「現場の先生方からは、どんな状況になっているのか、という指摘をいただいている。きちんとフィードバックしなければいけないという認識は持っている」とコメント。

 2019年度研修開始分については、専攻医の採用人数の上限であるシーリングが、5都府県のうち、東京都のみが約5%減になった(『専攻医の東京都2019年度シーリング決定、各領域5%減』を参照)。「やはり東京都に集中する傾向が見られた。5%が今回ギリギリの調整で、東京都以外は前年と同じ」(今村氏)。

 専攻医募集開始は、10月22日からとなり、当初予定の9月よりも遅れた一因としては、通常国会で成立した医師法・医療法改正を挙げた。同改正では、厚労大臣が、都道府県の意見を踏まえ、日本専門医機構に意見・要請を行うことが可能になった(『「厚労相の16の意見・要請」に回答・了承得る、日本専門医機構』を参照)。もっとも、厚労大臣の意見・要請は、医療提供体制に重要な影響がある事項等に限られ、専門医の質そのものに関するものは対象外だ。

 厚労大臣から今年度に出された意見・要請は、計16項目。これに加えて、(1)専門医の広告に関する課題(大臣告示の改正)、(2)更新の課題(学会専門医から機構専門医への移行)、(3)サブスペシャルティの認定要件の決定、(4)広報活動(専門医制度の国民への周知)――にも早急に取り組んでいくと表明した。

 遠藤氏「地域医療崩壊の序曲が始まっている」

 続いて登壇した遠藤氏は、地域医療の観点から、新専門医制度への影響を考察。例に挙げたのが、岩手県の両磐医療圏(一関市、平泉町)と奥州市、および隣接する宮城県の地域で、人口約35万人が住むエリア。岩手県立胆沢病院(奥州市)には産婦人科の常勤医はおらず、小児科は常勤医1人。岩手県立磐井病院(一関市)が、「岩手県南唯一の産婦人科入院が可能で、小児科ICU施設を持つ病院」(遠藤氏)。

 医師不足の状況にある中、「新専門医制度にものすごく期待していたようだが、2018年度の岩手県の産婦人科専攻医は1人、小児科専攻医も1人。これでは循環型研修で大学等から回ってくる専攻医も期待できない。これが地方の実態」と遠藤氏は指摘。2018年度研修開始分については、小児科専攻医が3人以下は11県、産婦人科3人以下は12県、内科20人以下が13県、外科6人以下が18県であるなど、「地域医療崩壊の序曲が始まっている」と警鐘を鳴らした。

 遠藤氏は、日本専門医機構の事務局体制についても、「機構から流出した内部資料によると、機構には山ほどの問い合わせや意見が来ている。ところが大部分は、いい加減な回答、もしくは無視」と問題視。47都道府県、基本領域の各学会、各学会に所属する基幹・連携施設、指導医、専攻医などから多数の問い合わせがあるにもかかわらず、事務局体制が脆弱であり、対応できていないと指摘した。

 その他、新専門医制度が混乱している例として、都内での研修にいったんは内定したものの、他県への変更を余儀なくされたりした専攻医の事例なども紹介。最後に遠藤氏は、「解決の第一歩」として、「機構は即解散、基幹施設のプログラム制を全面的に見直し、循環型研修は廃止」を挙げた。

 坂根氏「子育てしながらの研修が難しくなった」

 坂根氏は、自身のパートナーも医師で、自らが3人の子育てをしながら、循環器専門医を約16年かけて取得した経験を紹介。医師同士の結婚が多く、かつ働き方改革がいまだ途上の医療界では、子育てや家事の負担が女性医師に偏りがちであることから、「女性医師にとっては、結婚して子どもも持つがキャリアは諦めるのか、あるいは結婚をしないのかという二者択一しかない」と現状を問題視した。

 新専門医制度においては、研修カリキュラム制の代わりに、研修プログラム制が原則となった。「これまでは何年かかってもカリキュラム基準を充足した時点で専門医試験の受験が可能だったが、研修プログラム制では、年次ごとに定められた一定のプログラムに則って研修することが求められる。子育てしながらの専門医研修が非常に難しくなった」。2018年9月時点で、「内科、皮膚科、外科、産婦人科、眼科、脳神経外科では、研修カリキュラムを用いた研修者数は0人」というデータも紹介。

 さらに基幹施設と連携施設をローテーションする循環型の研修体制も問題視。「米国の例を参考に、研修プログラム制が採用されたが、米国は90%が単独施設での研修だと聞いている」と坂根氏は述べ、日本の場合、循環型研修では大学病院が中心となっているケースが多いことから、「良質な民間の研修病院を潰した」とも指摘した。

 日本専門医機構の事務局体制については、遠藤氏と同様にその脆弱性を問題視。同機構の理事長、副理事長、理事計25人のうち、女性は1人であることから、「子育てをしながら、研修することについて、リアリティーを持って考えることができるのかと懸念している」。

 最後に坂根氏は、脚気やハンセン病の歴史などを振り返り、新専門医制度でも、現場からの意見が「権威」に潰されれば、「同じ轍を踏むことになる」と警鐘を鳴らした。

 そのほか、濱田氏は、「ヨーロッパでの専門医制度の在り方」と題して、ハンガリー、スロバキア、チェコ、ドイツ、そして日本の5カ国で医師1人ずつインタビューした結果を紹介。EUでの研修制度の良い点として、「EU内であれば、専門医資格を他国でも使える」などを挙げる一方、「給料が安い国も多い。残業は多めの科が多く、医師の社会的地位が低い国もあり、都市部や経済の豊かな国に若い医師が移動する可能性もある」ことから、「何を求めるかで働く国を変えるという発想は、日本国内で医師の偏在が生まれるのと同じかもしれない」と指摘した。



https://www.cbnews.jp/news/entry/20181130202207
消費税問題、「全ての医療機関に公平な仕組みを」
日病協

2018年11月30日 20:35 CB News

 日本病院団体協議会(日病協)の代表者会議は30日、控除対象外消費税の問題を解消するための「考え方」をまとめた。全ての医療機関に公平な対応策が講じられるよう新たな仕組みを求める内容で、2019年度の与党税制改正大綱の取りまとめに向けて、日病協は与党などに要望として働き掛ける方針だ。【松村秀士】

 「考え方」では、医療界が個々の医療機関に対応可能な新たな仕組みを創設することで合意しているとした上で、病院団体として、全ての医療機関に公平な仕組みがつくられ、それが速やかに実現することを強く要望するとした。

 また、法人税によって控除対象外負担を控除する方法については、法人税が非課税の公立病院や社会医療法人といった公益性が高く、地域医療の中核を担う医療機関には対応できないと指摘。この方法を取った場合、それらの公益性の高い医療機関の存続が難しくなるとし、「不公平にならないような実効性のある対策が必要」と強調した。

 さらに、こうした対応が実現しない場合は、控除対象外消費税の問題を抜本的に解決するため、引き続き検討するよう求めている。

 この問題の解消を巡っては、日病協を含めた四病院団体協議会と三師会(日本医師会、日本薬剤師会、日本歯科医師会)が8月、新たな仕組みの創設を盛り込んだ提言書を公表。個別の医療機関で診療報酬本体に含まれる消費税補填相当額と、控除対象外消費税の負担額を比較した上で、医療機関の申告に基づいて補填の過不足に対応することを提言している。



https://www.medwatch.jp/?p=23730
医療の消費税問題、「法人税で個別医療機関の補填過不足を調整する」仕組みは認められない―日病協
2018年11月30日|医療現場から MedWatch

 医療における「控除対象外消費税」問題を抜本的に解決するために、現在の「特別の診療報酬プラス改定による補填」を維持した上で、個別医療機関等ごとに「補填の過不足に対応する」仕組みの創設が必要だが、その際「法人税によって控除対象外消費税を控除する」ことは、法人税非課税となっている公立病院や社会医療法人病院などにおいて問題は解消されないため、認められない―。

 多くの病院団体で構成される日本病院団体協議会の代表者会議は、11月30日にこういった声明「控除対象外消費税問題解消に向けての考え方」を取りまとめました。近くまとまる2019年度の税制改正に向けて、自由民主党などに早急に働きかけていくことになります。
 
法人税での対応では、法人税非課税の公立病院や社会医療法人病院では補填がなされない

 保険医療については「消費税は非課税」となっているため、医療機関等が納入業者から物品等を購入する際に支払った消費税は、患者や保険者に転嫁することはできず、医療機関等が最終負担しています(いわゆる「控除対象外消費税」と呼ばれる)。このため、物価や消費税率が上がれば、医療機関等の負担が大きくなるため、1989年の消費税導入時から「医療機関等の消費税負担を補填するために、特別の診療報酬プラス改定を行う」(以下、消費税対応改定)こととなっています(消費税導入時の1989年度、消費税率引き上げ時の1997年度、2014年度)。

 しかし、診療報酬による対応では、例え初再診料や入院基本料などの「基本料」に増点を行ったとしても、算定状況が個別医療機関で異なるために、「個別医療機関の補填の過不足」を解消することはできません。今般、2019年10月予定の消費税率引き上げ(8%→10%)に向けて、消費税対応改定の精緻化が中央社会保険医療協議会で議論され、「病院種別の補填の過不足」には相当程度対応できることが明らかになりましたが、「個別医療機関の補填の過不足」は調整のしようがないのです(関連記事はこちら)。

このため三師会(日本医師会、日本歯科医師会、日本薬剤師会)と四病院団体協議会(日本病院会、全日本病院協会、日本医療法人協会、日本精神科病院会協会で構成、以下、四病協)は、「医療界が一致団結できる具体的対応」として次のような仕組みを導入することを今年(2018年)8月29日に提言しました(関連記事はこちら)。厚生労働省も同様の税制改正要望を行っています(関連記事はこちら)。

(1)特別の診療報酬プラス改定(消費税対応改定)による補填を維持する

(2)個別の医療機関ごとに、▼診療報酬本体に含まれる消費税補填相当額▼控除対象外消費税の負担額(医薬品・特定保険医療材料を除く)—を比較し、医療機関の申告に基づいて「個別の過不足」に対応する

 このうち(2)の「個別の過不足への対応」について、一部では「法人税によって控除対象外消費税負担を控除する仕組み」が議論されているようです。しかし、法人税が「非課税」となっている公立病院や社会医療法人など、「公益性が高く、地域医療確保の中核をなす医療機関」では、この仕組みによっては対応がなされないことは火を見るよりも明らかです。

 そこで四病協に加えて、国立大学附属病院長会議や全国公私病院連盟、全国自治体病院協議会、国立病院機構、日本慢性期医療協会なども参画する「日本病院団体協議会」の代表者会議では、「すべての医療機関が不公平とならないような実効性のある対策が必要」との声明をとりまとめました。さらに、こうした実効性のある対策が実現しない場合には、「引き続き、控除対象外消費税問題の抜本的な解決に向けて検討する」よう求めています。

 2019年度の税制改正大綱が近く取りまとめられるため、日病協では、早急に自由民主党(12月3日に党としての税制改正大綱をまとめる予定)をはじめとする関係者に、この声明を伝達し、対応を求める考えです。

 なお、医師の働き方改革に向けて、厚生労働省は11月19日の「医師の働き方改革に関する検討会」において、勤務医の行う「研鑽(自己研鑽)」と「労働」とを峻別するとともに、「勤務終了後に病院内にとどまり、研鑽を行う場合には、上司の許可を得る」などといった手続きを行うことで、過重労働に歯止めをかける考え方を提示しました(関連記事はこちら)。しかし、日病協の代表者会議では「現場が混乱しかねない」という意見が相次ぎ、厚労省に「より簡便な手続きについて、具体的な案を提示してもらうよう、再考を求めていく」点で一致しました(関連記事はこちら)。

 

https://www.saga-s.co.jp/articles/-/307224
赤字の伊万里有田共立病院、健全化へ負担増
伊万里市と有田町

11/27 9:30 佐賀新聞

 伊万里有田共立病院(西松浦郡有田町)を共同運営する伊万里市と有田町は、7億円余りの累積赤字を抱える病院の収支改善計画をまとめた。経営健全化の取り組みに向け、市町それぞれの年間負担金を約4200万~3200万円増額する。

 病院は2012年の開院初年度から赤字経営が続き、17年度決算での累積赤字は7億1870万円に達している。開院当初は17年度から黒字転換する計画だったが、黒字化の見通しが立たないことから改善計画の策定に取り掛かっていた。

 計画では19年度からの黒字化を目指し、収入確保や経費節減に取り組む。不足している医師の確保も課題で、安定した収益を出すためには市町負担金の増額が必要とした。

 年間負担額は伊万里市が1億7137万円から2億1382万円、有田町が1億7186万円から2億462万円に増額される。本年度から適用し、両市町は12月議会に提案する補正予算に追加負担分を計上する。



https://www.m3.com/news/iryoishin/644493
シリーズ 医療従事者の需給に関する検討会
2018年度の地域枠充足率81.6%、24府県が「8割未満」
厚労省調査、義務年限終了率高いのは「別枠方式」

レポート 2018年11月28日 (水)配信橋本佳子(m3.com編集長)

 厚生労働省は11月28日の「医療従事者の需給に関する検討会」の第24回医師需給分科会(座長:片峰茂・長崎大学前学長)で、「地域枠履行状況等調査」(確定版)の結果を公表した。2018年の臨時定員増員と関連する地域枠の定員、計1014人のうち、奨学金貸与者数は827人で、充足率は81.6%にとどまることが明らかになった。充足率が8割に満たないのは、47都道府県中、24府県(22大学、38プログラム)に上る。臨時定員増員と関連する地域枠を持つのは、66大学(資料は、厚労省のホームページ)。

 臨時定員増員が始まった2008年度以降の地域枠の実績を見ると、定員に対する奨学金貸与実績は、入試を一般枠と別に行う「別枠方式」95%、入学前後で地域枠希望者を募る「手挙げ方式」69%、義務年限終了までの推定履行率は、「別枠方式」94%、「手挙げ方式」84%。いずれも「別枠方式」の方が高く、地域枠卒業生の地元定着策としては、「別枠方式」の方が有効であることが示された。

 「別枠方式」の内訳を見ると、義務年限終了までの推定履行率は、地元の高校卒業生等に限定する場合は96%、限定しない場合でも91%で、「手挙げ方式」よりも高い。

 厚労省は10月、2020年度以降の臨時定員増員は、「別枠方式」により選抜を行う場合のみ認める方針を通知済み。地域医療介護総合確保基金を地域枠学生の奨学金として使用する場合、地元出身者に限定されている。今回の調査結果を踏まえ、基金の使途も再検討される可能性がある。

 「地域枠履行状況等調査」は、厚労省が今年9月から10月にかけて、47都道府県を対象に実施した。その暫定結果は、10月の医師需給分科会で報告された(『必要医師数「2036年」時点で推計、「地域枠」は別枠の入試で』を参照)。

 神戸大地域枠の過疎地出身者加点、「募集要綱未記載で不適切」

 認定NPO法人ささえあい医療人権センターCOML理事長の山口育子氏は、10月の医師需給分科会で、「手挙げ方式」を問題視した自身の発言について、「埼玉医科大学では、手挙げ方式でも100%充足していると聞いた」と補足説明。その上で、神戸大学で、医学部推薦入試の地域特別枠で、募集要項に明記せずに過疎地等の出身者に加点していたことについて、「文部科学省は、不適切だと言っているが、過疎地等出身者の優遇は不適切だと言っていいのか。募集要項に書けば許されるのか」と質問。

 文科省高等教育局医学教育課長の西田憲史氏は、「神戸大学が実際に行っていたことについて、不適切と考えているのは、第一に募集要綱に記載していなかったからだと思っている」と回答した。文科省は、地元出身者の方が、地元に定着し、地域医療に従事する率が高いことから、「地域枠で、地元出身者を選抜することを推進している立場」であると説明。全国医学部長病院長会議が11月に発表した「大学医学部入学試験制度に関する規範」から、「地域枠といえども性差で一律的に合否判定に差異をつけることは不適切となります。しかし、その他の要件に関しては、社会に説明できる範囲内で、入学試験要項に明確に記載すれば施行できます」との記載を引用した(『AJMC、「大学医学部入学試験制度に関する規範」公表』を参照)。



https://www.medwatch.jp/?p=23669
病床過剰地域で「大胆なダウンサイジング」を進めよ―経済財政諮問会議
2018年11月29日|医療・介護行政全般 MedWatch

 病床過剰地域における「医療機関の大胆な病床のダウンサイジング支援」を講じるとともに、地域医療介護総合確保基金の配分について大胆なメリハリをつける必要がある―。

 11月20日に開催された経済財政諮問会議では、有識者議員からこういった提言が行われました。

地域の人口動態などを客観的に勘案し、「真に必要な病床規模」を考えることが重要

医療技術の高度化、高齢化の進行などに伴って医療費をはじめとする社会保障費は、今後も増加を続けると予想されます。一方、2040年にかけて高齢者人口の増加は鈍化するものの、「生産年齢人口」が急激に減少していくことから、社会保障制度の基盤が極めて脆くなってしまいます。このため、安倍晋三内閣では、さらなる「社会保障改革」の検討を進めています。

 経済財政諮問会議の有識者議員(▼伊藤元重議員:学習院大学国際社会科学部教授▼高橋進議員:日本総合研究所チェアマン・エメリタス▼中西宏明議員:日立製作所取締役会長兼執行役▼新浪剛史議員:サントリーホールディングス代表取締役社長—)は、11月20日の会合において、「社会保障改革に当たっての当面の重点事項」として、次のような事項を改めて進言しました。

▽地域医療構想の実現に向けて、「機能分化等の合意協議が遅れている公立・公的病院」への対応を促進するとともに、病床過剰地域における「医療機関の大胆な病床のダウンサイジング支援」を講じる

▽地域医療介護総合確保基金の配分について大胆なメリハリをつけるとともに、取り組みや成果の見える化を求め、PDCAサイクルを機能させる

▽調剤報酬を「サービスに応じた」体系にシフトすべく、薬剤師に対する生活習慣病予防、栄養学等の研修を強化する

▽国民健康保険における「法定外繰入」などの解消方策を可視化するとともに、民間事業者等に「予防・健康づくり等に係る包括委託や運営権」を与える仕組みを導入する

▽「人生の最終段階の医療・ケア」の在り方について、ITを活用し、本人の意思を関係者間で随時、共有・確認できる仕組みを構築する

このうち「病床のダウンサイジング」については、地域医療介護総合確保基金において▼自主的なダウンサイジングに伴い不要となる病棟・病室等を他の用途へ変更(機能転換以外)するために必要な改修費用▼自主的なダウンサイジングに伴い、不要となる建物(病棟・病室等)や不要となる医療機器の処分(廃棄、解体、売却)に係る損失(財務諸表上の特別損失に計上される金額に限る)—が助成の対象となっています。「大胆なダウンサイジング支援」「地域医療介護総合確保基金の大胆な配分のメリハリ」という有識者議員の指摘を踏まえれば、こうした部分への大幅な傾斜配分が来年度(2019年度)以降、行われる可能性もあります。
 
地域によっては既に、さらに近い将来、日本全国で「人口減少」が進んでいきます。こうした状況の下では、新規患者の獲得が困難となるため、「病院等の病床稼働率を維持するために、退院を伸ばす(つまり在院日数を短縮させない)」という操作が行われがちです。不要な在院日数の延伸は、医療費の高騰につながる(現在の入院料は1日当たりで設定されているため)だけでなく、▼ADLの低下や院内感染のリスクを向上させる▼患者の社会復帰・職場復帰を遅らせ、経済的な困難をもたらす―という弊害もあります。

 基金の活用も視野に入れて、「真に必要な病床数はどの程度なのか」を、▼地域の人口動態(つまり将来の患者数)▼自院の状況▼近隣の他院の状況―を踏まえて、客観的に推計しなおすことが重要でしょう。



https://www.medwatch.jp/?p=23693
入試要項に明記してあれば、地域枠における地元の「僻地出身者優遇」などは望ましい―医師需給分科会(2)
2018年11月29日|医療計画・地域医療構想 MedWatch

 各都道府県で2019年度に作成し、2020年度から実行する「医師確保計画」について、その実効性を確保するために、例えば「都道府県と地域医療対策協議会による立案段階からの情報共有」「地域枠学生のフォロー」「的確・迅速な効果の把握と、次期計画への反映」などを行うこととする―。

 11月28日に開催された「医師需給分科会」(「医療従事者の需給に関する検討会」の下部組織)では、こういった点も確認されています。

 また地域枠学生について、「入学試験要項に明記」してあれば、例えば「地元の僻地出身者を優先的に入学させる」ことなどは、医師偏在の是正に向けて「望ましい」方向であると確認されています。
 
ここがポイント!
1 「医師確保計画」、都道府県と地域医療対策協議会で立案段階から情報共有を
2 地域医療対策協議会で定めた「医師確保策」、地域医療関係者はこれに協力を
3 地域枠は「一般入試とは別枠」で実施を

「医師確保計画」、都道府県と地域医療対策協議会で立案段階から情報共有を

 お伝えしているように、医師の地域偏在・診療科偏在が大きな課題となる中で、医師需給分科会では「医師確保計画」の策定に向けた議論を続けています。地域ごとに「勤務する医師が、相対的に多数なのか、少数なのか」(充足しているかは別問題とされる)を客観的指標に基づいて把握し、各都道府県で「医師確保の目標値」と「具体的な医師確保策」を盛り込んだ「医師確保計画」を作成し、医師確保を実行するというものです(関連記事はこちらとこちらとこちらとこちら)。

医師確保については、次のようなサイクルを回しながら進めていくことになります。

(1)各都道府県において、国の定める指針(医師確保計画策定ガイドライン)を拠り所に、「医師確保計画」を作成する(最初は2019年度)
   ↓
(2)計画に沿って、具体的な医師確保策を実行する(2020年度から)
   ↓
(3)医師確保策の効果などを把握、検証し、次期計画に活かす
 
11月28日の医師需給分科会では、「医師確保計画」の考え方とともに、(1)から(3)の各段階で「実効性を確保するために、どのような方策をとるべきか」という議論も行いました(前者の「医師確保計画」の考え方については、既に(関連記事は別稿でお伝えしています)。

 まず(1)の計画作成段階では、当然とも思われますが、▼国において的確な指針(医師確保計画策定ガイドライン)を策定する▼都道府県において指針を的確に踏まえて、計画を作成する―ことが重要です。厚労省は、都道府県が2019年度から計画作成作業を円滑に行えるよう、▼今年度(2018年度)中に医師需給分科会で議論を取りまとめ、指針(医師確保計画策定ガイドライン)を作成する▼2019年度には、さまざまな機会(医師確保計画作成研修会など)を活用して国が都道府県を支援する―考えを示しました。

 地域において「医師が客観的に多数なのか、少数なのか」を判断するための「新医師偏在指標」については、早急に各種調査結果を取りまとめ、やはり今年度(2018年度)中に都道府県に示されます。ここに、各都道府県における「患者の流出入」状況を加味し、「どの地域が医師少数区域や医師多数区域に該当するか」を設定することになります。
 
 また実効性のある計画を作成するために、厚労省は「医師確保計画の『立案』段階から、地域医療対策協議会と情報共有を行う」ことを求めています。地域医療対策協議会(地対協)は、各都道府県の▼特定機能病院▼地域医療支援病院▼公的医療機関▼臨床研修指定病院▼診療に関する学識経験者の団体(医師会、歯科医師会)▼大学等▼社会医療法人▼国立病院機▼構、地域医療機能推進機構▼地域の医療関係団体(病院団体、薬剤師会、看護協会等)▼関係市町村▼地域住民を代表する団体—が参画し、「地域の医療従事者の確保・育成に関する事項」について協議する組織です(新専門医制度に関する意見なども取りまとめる)。地域の実情を踏まえた計画作成に向けて、地対協の役割がますます重要になってきます。

地域医療対策協議会で定めた「医師確保策」、地域医療関係者はこれに協力を

 また(2)の計画実行段階では、「どれだけ効果のある医師確保策を講じられるか」が鍵となります。厚労省は、医師確保策を▼医師派遣や地域定着などの「短期的施策」▼大学医学部における地域枠・地元枠設定などの「長期的施策」—に区分けし、地域に状況に応じて両者を効果的に組み合わせることが重要としています。
 
 具体的な医師確保策については、前述の地対協などでも議論されることになりますが、改正医療法では、医療関係者に対し「地対協で協議が整った事項に協力する」努力義務を課しています。例えば、ある県において「医師多数のA地域から、医師少数のB地域へ医師を派遣する」旨の計画が定められた場合、A地区の大学病院などは「医師の派遣」についてできる限りの協力をすることが求められることになります。

 この点、「大学病院や地域の基幹病院に対し、一定の強制力をもって医師派遣を求めるとともに、財政支援を行ってはどうか」(鶴田憲一構成員:全国衛生部長会会長)、「地域枠のキャリア形成プログラムの中に、国内・海外留学などを盛り込むなど、『地域に縛られるわけではない』点を強調すべき」(堀之内秀仁構成員:国立がん研究センター中央病院呼吸器内科病棟医長)などの提案も行われています。

さまざまな好事例をもとに、各都道府県で工夫を凝らすことが重要でしょう。

地域枠は「一般入試とは別枠」で実施を

 また厚労省は、医師確保効果の高い「地域枠・地元枠」の学生が、より地域に定着してくれるよう、例えば▼一般の学生とは「別枠」で選抜する▼地域枠のブランド化を図る▼都道府県担当者が個々の地域枠・地元枠学生と「顔の見える関係」を構築し、希望に沿ったキャリア形成プログラムを作成する▼地域枠・地元枠学生の「同窓会組織」を設立し、不安や悩みの解消に努める▼学部時代から、地域医療の意義や魅力を伝える―ことなどを行ってはどうかと提案しました。

 この点に関連して、地域枠選抜について、厚労省と文部科学省が「全大学の状況」を調査したところ、「地域枠と一般枠とを分けずに入試を行い、入学後に『地域枠を希望する学生』を募る」などの形で実施しているところが一定程度、あることが分かりました。こうした方式では、地域枠を設定して医学部の入学定員を増加したにも関わらず「十分に学生を確保できていない」(地域枠が充足していない)ケースが少なくなく、また「奨学金を返済し、地域枠から離脱する」(地域医療への一定期間従事を放棄する)学生の割合も高いため、厚労省では「地域枠選抜は、一般入試を別枠で行うこと」を要請しています(関連記事はこちら)。

 なお、地域枠学生への奨学金貸与について、地域医療介護総合確保基金を活用することも可能ですが、現在は「地元(都道府県)出身者であること」が要件の1つとなっています。ただし、厚労省の分析によれば「地元出身者でなくとも、『一般入試と別枠の地域枠』で選抜された学生は、離脱率などが低く、医師偏在対策としての効果が高い」ことが分かりました。将来的に「地元出身者」以外にも、地域医療介護総合確保基金を活用した地域枠学生への奨学金貸与が認められるかもしれません。

 ところで、一部大学では「地域枠選抜において、僻地などの出身者を優遇する」仕組みが導入されているようです。この点について厚労省・文科省は「地元出身者の優遇などを改正医療法などでも推進している。入学試験要項などに明記すれば、僻地出身者の優遇などは合理的であり、望ましい方向である」との考えを示しています。

一方、(3)の「効果の把握・検証」は、PDCAサイクルを回す上でも非常に重要です。効果の低い策を漫然と実施することは許されません。

厚労省は、▼地域の医師数をできるだけ正確・迅速に把握できるような調査・集計方法を検討し、「新医師偏在指標」に反映する▼好事例に関する情報共有の仕組みを構築する▼国が都道府県の医師偏在対策をフォローアップし、改善状況を可視化する―などの考えを示しています。

 

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181130-00010005-nishinpc-soci
「ぎりぎり」週の勤務100時間も…医師の働き方改革、鍵握る患者側の理解
11/30(金) 10:40配信 西日本新聞

 医師の長時間労働是正に向け、論点の一つとなっているのが患者の意識改革だ。厚生労働省は10月、「上手な医療のかかり方」を考え、広めるための懇談会を初めて設置した。正当な理由なく診療を拒めない「応召義務」がある医師の働き方改革には、不要不急の受診を減らすなど、患者側の理解が鍵を握る。

 「救急医療の維持はぎりぎりです」。10月中旬、厚労省であった第2回懇談会。東京女子医大東医療センター救命救急センターで後期研修中の赤星昂己(こうき)医師は訴えた。

 救急センターでは、8人の医師が365日24時間態勢で患者を診ている。赤星さんの場合、週の勤務時間が100時間に及ぶこともあり、完全な休日は月に2日程度。連続24時間以上働いても仮眠や食事がほとんど取れないこともある。

「ぎりぎり」週の勤務100時間も…医師の働き方改革、鍵握る患者側の理解

 ある日の夜間当直。日中は50人以上を診て、救急車4台を受け入れた。夜間も10~30分おきに急患に対応した。明け方に交通事故で右腕を負傷した人が救急搬送されてきた際、右と左を間違えてエックス線検査を依頼しそうになった。

 「夜間受診した11人中10人は風邪や下痢症状だった。本当に夜間でなければならなかったのか。左右を取り違えそうになったのは単純ミスなのか」と、過労による医療ミスへの不安をにじませた。

「時間外受診は患者も医師もお互いに損です」

 赤星さんは「時間外受診は患者も医師もお互いに損です」と続けた。受診料は割り増しで、完璧に検査はできない。薬も数日分しか処方できず、疲弊した医師が診る可能性もある。「救急医療を安全なものとするため、皆さんの理解と協力が必要です」

 医師の疲弊によって地域医療が崩壊する-。そんな危機的状況を、市民の意識改革で変えたケースがある。宮崎県延岡市では2002年以降、県立延岡病院で医師の退職が目立ち始め、診療科の閉鎖が相次いだ。夜間・休日の急患が10年あまりで約3倍に増えたことが大きな要因だった。

 09年、自治会や商工会議所が中心となり、署名活動をスタート。県に医師の補充を求めた上で、市民には安易な時間外受診を控えることなどを呼び掛けた。署名は1カ月で人口約13万人(当時)を超える約15万筆が集まった。

 市は「地域医療を守る条例」を全国で初めて制定し、かかりつけ医を持つ、適正な受診-などを市民の責務として明記した。同時に、不安を解消するため、医師や看護師による「救急医療ダイヤル」を設置し、受診の必要性を相談できるようにした。この結果、時間外受診はピーク時から半減したという。

 市地域医療対策室の吉田昌史総括主任は「市民による啓発で危機感が広がり、医療はサービスではなく、限りのある資源だと伝わった。地域医療を守ることが自分ごとになり、行動につながった」と説明する。

 「突然の高熱や嘔吐(おうと)で、不安になるのは当たり前。子どもの病気について知らないからです」

 10月、東京都杉並区の子育て支援施設に集まった母親約40人に、森さくらさん(37)は語りかけた。一般社団法人「知ろう小児医療守ろう子ども達の会」の副代表。07年から乳幼児の保護者向けに子どもの病気を学ぶ講座を開いており、約5千人が受講した。

 きっかけは、代表の阿真(あま)京子さん(44)が友人の小児科医から「寝ないで24時間働き続けるパイロットの飛行機に子供たちを乗せたいでしょうか」というメールを受け取ったこと。休日や夜間の救急外来に来る小児患者の9割以上が入院の必要のない軽症者だ。

受診抑制の心配も

 「子どもに安全な医療を受けさせるためにも、不要不急な受診は避けたい。時間外に受診するのは親たちが不安だから。救急にかかるべき時と、家で様子を見ていい時を学び、判断できるようになることが大切」と阿真さん。会が協力して作った受診の目安を示す冊子を乳児健診で手渡したところ、急患が大きく減った自治体もある。

 厚労省は12月、懇談会の議論をとりまとめる。今後は上手な医療のかかり方を広めるウェブサイトをつくるほか、小児救急電話相談「#8000」などの周知徹底、働く人が診療時間内に受診できるように企業に協力を求める‐などの取り組みを進める方針だ。

 ただ、こうした動きに懸念の声もある。「日本難病・疾病団体協議会」の代表理事で、膠原(こうげん)病患者の森幸子さん(58)は「受診抑制につながらないよう、啓発の方法を工夫してほしい」と訴える。難病の診断は難しく、森さんも診断まで4年かかり、病院を転々とした。

 森さんは「秩序を守った受診姿勢は大切だが、症状が急変しやすく、時間外受診が欠かせない人、大きな病院でなければ診断がつかない人もいる。患者に配慮した視点を忘れないでほしい」と話した。



(参考12.1付けの米国のニュース)
https://www.nbcnews.com/nightly-news/burnout-among-physicians-pervasive-problem-can-lead-major-medical-errors-n941346
Burnout among physicians a pervasive problem that can lead to major medical errors
Dec. 1, 2018 / 5:41 AM GMT+9
By Kate Snow and Alexa Keyes NBC News

"We've created a system that's taking people who care a lot, and ... making them angry, and apathetic and depressed."

When Dr. Cori Poffenberger curls up on her couch after a long day at work, there's no relaxing. She is an emergency room physician, and at night spends hours filling in patient charts and reviewing test results.

Poffenberger's evening electronic record keeping comes after a full day of seeing patients, teaching medical students, preparing dinner for her family, and putting her children to bed. This after office hours work is what doctors call "pajama time," and experts say it is a leading cause of physician burnout.

"I went into emergency medicine because I wanted to help people," said Poffenberger. "And we've created a system that's taking people who care a lot, and who really feel passionately about this, and making them angry, and apathetic and depressed."

Doctor burnout is a pervasive issue, with more than half of U.S. physicians experiencing "substantial symptoms" of job burnout, according to a 2017 National Academy of Medicine paper.

Dr. Tait Shanafelt, a co-author of the paper, has become a national leader in efforts to curb physician burnout. In 2017, Stanford Medicine hired him as its first chief wellness officer. His job is to find solutions — how do you balance demanding patient portals, long hours and unrelenting record keeping — and still keep up staff morale?

"They're no longer really being empowered to be a doctor, they're becoming a clerk," said Shanafelt. "The answer is not yoga, granola, and getting more sleep."

Shanafelt is taking a holistic approach, with the goal of allowing doctors to focus primarily on their patients as opposed to administrative work.

"We are losing the connection to the meaning and purpose in what we do, which is trying to provide care for patients," he said. "Instead of that, we're actually trying to please an insurance company."

Shanafelt recommends leaders in the medical industry design organizational systems in a way that encourages staff engagement, build and cultivate a community among physicians, remove sources of frustration and inefficiency, and bolster individual wellness.

Poffenberger is all too familiar with burnout. She left a previous job at a community hospital after realizing she was starting to feel apathy toward her patients — a sign of burnout.

"I felt like I had nothing left to give," she said. "A lot of times, that feeling of being appreciated for all you're giving is not there. And then you just, you know, you wonder what's the point?"

Combatting burnout is a high-stakes effort for doctors and patients alike. The suicide rate for physicians is among the highest of any profession, according to a survey by Medscape; more than twice that of the general population.

"We send this message oftentimes that we expect you to be superhuman," said Shanafelt. "That often prevents physicians from asking for help, being vulnerable. And we do need to create safe spaces with low stigma, low barrier, to seek help for physicians."

Physician burnout is dangerous for patients, too.

"Doctors feel that there's a very strong relationship between burnout and the quality of the care they provide patients," said Shanafelt.

According to an analysis of a national study of physicians led by Stanford, more than 10 percent of the doctors admitting they had committed what they considered to be a "major medical error" in the three months before taking the survey.

Hospitals around the country are making changes. At Stanford, Dr. Megan Mahoney oversaw a revamp of family medicine clinics. Now, a so-called scribe deals with records and takes notes during patient visits.

"For the first time in my career I'm able to actually have direct eye contact with my patients," said Mahoney, saying the change has been "transformational."

Allowing doctors to be doctors again, says Shanafelt, is an important step in reversing burnout.

One of Shanafelt's goals is to reduce the clerical burden physicians face, and "allow the physician to focus their time and attention on caring for patients."

Back in the Stanford ER, there's a new reward system for doctors who work extra hours. Poffenberger signs up for ready-to-make meal kits, which means more time with her family.

"I don't want to leave emergency medicine, because I love it," she said. "I just want to make it better."



https://www.m3.com/news/kisokoza/642828
県医師会の役割「郡市区町村の在宅医の課題を行政へつなげること」-神奈川県医師会 在宅医療担当久保田毅理事に話を聞く◆Vol.1
2018年11月28日 (水)配信m3.com地域版

 「誰もが元気でいきいきと暮らしながら、必要なときに身近な地域で質の高い医療・介護を安心して受けられる神奈川」とスローガンを掲げている神奈川県。県医師会として在宅医療にどのように取り組んでいるのか。神奈川県医師会の在宅医療担当の久保田毅理事に伺った話を2回にわけて紹介する。

(2018年10月25日インタビュー、計2回連載の1回目)
――在宅医療の取り組みで、県医師会として力を入れていることをお聞かせください。

力を入れているということではなく、ごく当たり前のことですが、郡市町村と県の行政をつなぐ、ということです。政令指定都市はそこで自己完結できますが、そうではない郡市町村で抱えている問題や課題、意見を県へ届け、アピールするということです。県医師会というのは県行政との窓口の役割であるのです。当たり前のことですが、最も重要なことですね。

 例えば、地域包括ケアシステムの推進は、県行政が主体としてやっています。県医師会は県と定期的に面談をして情報共有をしています。大事なのは担当者をはっきりさせることです。郡市医師会はすでに担当理事が決まっていることが多いのですが、行政では、医療と介護の担当は大抵分かれて運営されています。基礎自治体では地域包括ケアシステム推進課も作られており、まずは窓口を明らかにすることからですね。

 在宅医療は喫緊の問題ですので、県医師会では昨年11月に在宅医療担当理事を配置し、今年の4月から在宅医療対策委員会を設置しました。この委員会には、郡市医師会の在宅医療担当理事だけではなく、県庁の高齢福祉課課長と医療及び地域包括ケアの課長、県病院協会の副会長と理事に出席していただくように、強く希望し、調整しました。行政や関係団体と情報を共有し、問題や課題を共有する。これは初めのステップですね。

――神奈川県が推進している事業とはどのように関わっているのでしょうか。
 県が進めている事業の1つに、2015年10月からスタートしている在宅医療トレーニングセンター事業があります。県の運営補助により、県医師会が事業を進めています。県医師会と県行政で、何とか在宅医療を増やそうとして一生懸命に連携して取り組んでいます。

 在宅医療に携わる多くの職種の方々に活用してもらえるように研修プログラムを用意し、運営しております。内容、回数ともに、年度を重ねるごとに充実し、現在、50種類ほど準備しております。多職種連携がテーマの場合もあれば、単一職種での研修プログラムもあります。在宅トレーニングセンターのスケジュール表はぎっしり詰まっており、2017年度は約70回の研修が開かれました。

 よく言われている顔の見える関係づくり、有機的な連携というのは、現場の方が活発にされていますし、自治体レベルで行う方が現実的です。県が提供するのは、スキルアップのための研修の場という意味合いの方が大きいですね。

 スキルアップ研修に加えて、在宅トレーニングセンターの研修企画の1つとして、研修医や若手の勤務医向けの研修会を、県内の研修指定病院とともに進めております。これは、なかなか在宅医療にまで目を向ける機会の少ない若手に向けて、多職種と一緒に、どのように在宅医療にかかわっていくかを学んでいただく研修会です。

 若手のときから、在宅医療にかかわる機会をもち、在宅医療で何ができるかが分かっていれば、在宅医療を目指す医師が増えるだけでなく、病院から在宅医療へ患者さんを戻すときにも役に立つ研修にもなっていると思いますね。

◆ 久保田毅(くぼた・たけし)
内科久保田医院(平塚市)院長。1984年三重大学医学部卒業、脳神経外科医・救急医として横浜市立大学医学部病院、神奈川県立こども医療センター、平塚共済病院、横浜市立大学救命救急センターなどを経て、地域のかかりつけ医として開業。



https://www.sankei.com/region/news/181201/rgn1812010023-n1.html
きょうから休診の「石川島記念病院」、来年9月に診療再開 東京
2018.12.1 07:01地方東京 産経新聞

 中央区内に3カ所ある第2次救急指定病院の一つで、12月1日から休診を決めている「石川島記念病院」(中央区佃)が、来年9月に診療を再開する見込みであることが30日、分かった。

 同病院は、医療法人社団「健育会」が運営しているが、経営悪化を理由に診療休止を決めていた。

 同病院によると、休診期間は、新しい診療体制を整えるために必要な施設設備の改修、準備などに充てるという。

 これまでの心臓循環器疾患を中心とした診療から、内科・整形外科・リハビリテーション科を中心とした診療を行うことになる。

 同病院は昭和6年、「石川島造船所健康保険組合病院」として開設。平成20年に「IHI東京病院」へ改称し、24年に健育会が承継した。第2次救急指定病院として、年間約800人の救急患者を受け入れている。

 同病院は「新たな診療体制で、これまで以上に地域に必要な医療を推進していく」としている。



https://www.m3.com/news/iryoishin/644350
シリーズ m3.com意識調査
医学部入試の同窓子弟枠、賛否が拮抗
内部進学生枠は52.3%が「あり」

レポート 2018年11月30日 (金)配信岩崎雅子(m3.com編集部)

 医学部入試をめぐって、全国医学部長病院長会議(AJMC)は11月16日、「大学医学部入学試験制度に関する規範」を公表した(『AJMC、「大学医学部入学試験制度に関する規範」公表』を参照)。性差で一律に差異を設けることは「不適切」とする一方、同窓生子弟枠と内部進学生枠は、「公正に行われた場合」実施可能とした。本調査では、同窓生子弟枠に関して、m3.com医師会員の40.8%が「あり」、45.4%が「なし」と回答し、賛否が拮抗していることが明らかとなった。内部進学生枠は52.4%が「あり」と回答した。

Q 大学医学部入試の同窓生子弟枠は?
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 同窓生子弟枠に、m3.com医師会員の40.8%が「あり」、45.4%が「なし」と回答。「あり」と回答した会員の34.2%は「基準を明確にしなくても可」だった。開業医と勤務医では回答に差が見られ、開業医は「あり」が44.8%で、「なし」の41.7%を上回った。一方、勤務医は「なし」が46.5%と、39.5%の「あり」を上回り、「なし」と答えた割合が全体より高かった。薬剤師とその他医療従事者、歯科医師は、過半数が「あり」と回答した。

Q 大学医学部入試の内部進学生枠は
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 内部進学生枠には、m3.com医師会員の52.4%が「あり」と回答。「あり」と回答した会員の26.7%は「基準を明確にしなくても可」とした。開業医と勤務医は、「あり」が約52%、「なし」が約34%と、回答比率がほぼ同数だった。薬剤師、その他医療従事者、歯科医師は「あり」と回答した割合がいずれも6割を超えた。

Q 同窓生子弟枠と内部進学生枠について、ご意見があればお書きください

【同窓生子弟枠「あり」】
・家の事情で医師になる人の場合、診療科や勤務先が明確になっていることが多い印象。つまり、医師としてしっかり働いてくれるので、それはそれでいいのかな、と思います。【その他医療関係者】
・地方の過疎化が進んでいる中で、地域医療を支える開業医の子どもの枠がほしい。はっきり言って、地方での新規開業はほとんどなく、既存の医院も後継者がなく廃業をしている現在、継承をする後継者を育てないと地域医療の崩壊はますます進むと思われる。【開業医】
・表沙汰にならなかっただけで、昔から普通にあった話でしょう。メリットがあるから続いていると思います。【開業医】
・同窓生子弟枠を完全になくすと、代々続く開業医は死滅することになるのでは?それが地域医療に良いこととは思えないのですが……。国はそんなこと関係ないのでしょうねぇ……。【勤務医】
・あって当然。ないと考えられていた方が不自然。【開業医】
・あっても、特に問題ではない。要は、卒業できることと、国家試験に合格すること。【勤務医】
・基準が明確なら医学部という特殊性につき問題ないと思う。【勤務医】
別にいいんじゃないでしょうか……。ただ、出身大学を明確にする義務は生じると思いますが。【勤務医】
・地方の大学医局は、同門の子弟が医局員の大きな割合を占めている、というより、そこをあてにしないと地方大学は回らない。内部進学は知りませんが。【勤務医】

【私立なら「あり」。寄付金もあるし…】
・私学であれば、一定要件を満たせば、進学優遇はありと思います。税金が投入されていても、同窓生も同様に、投資してますので。【開業医】
・私立の学校なら基準を明瞭かつ公表しておけば、運営方針は自分で決定する権利があると思う。【勤務医】
・私立校に関しては多大な寄付金等を納めているのである程度は仕方なし。【勤務医】
・やはり寄付金とかは必要でしょうから、私立なら公にすればありでしょう。【勤務医】
・私立は、ある一定の学力があればどの受験生を合格させようと大学内の裁量で決めてよいと思います。それが不満ならば、国公立を目指せばよいだけ。【勤務医】
・同窓や内部進学の何が問題なのか。一般の私立中高でも同窓優先入学はある。【看護師】
・私立としては、寄付金を集めるために同窓生枠を作るのもやむなしと思う。【勤務医】
・私立のカラーでもあり、特に悪いことではないと思う。あえて明確にすることでもない。【開業医】

【私立は「あり」でも国公立は「なし」】
・同窓生子弟枠と内部進学生枠に関しては、私立大学では適切に行われていれば、容認できる。公立大学では容認できない。【開業医】
・私立の医学部であればある程度は許容されると思う。国公立は公平性を保つべきである。【開業医】
・国公立大学では認められないが、私学では認められるべきことであり、私学で認められなければ、「何のための同窓」ということになるのではないだろうか。【勤務医】
・大学が欲しい人材を選ばなければ、大学自体の信用が落ちる。一般企業なら、そうしていても当たり前だと思う。国公立はだめ。【その他医療関係者】

【同窓生子弟枠は「なし」】
・ともに不要。一般試験一本で行くのが公正。お手盛りの端緒である。【開業医】
・国立大学の入学試験は、さまざまな不公平がある世の中で唯一といっていい公平なものであったと思うし、これからもそうであってほしいです。【勤務医】
・公平性に欠ける。堂々と試験で勝負したらよい。【勤務医】
・そんなものが必要な人物に医者になってほしくない。【勤務医】
・同窓生子弟枠と内部進学生枠──。言葉のあやにすぎない。要は裏口入学を認めるか、認めないかに尽きる。どんな理由を付けても、裏口に入学は良くない。【開業医】
・そもそも大学医学部は、国家資格の医師を育成する機関であり、その入り口は公平かつ、実力で、その候補者を選ぶべきであると思います。特に同窓生子弟枠などは、国家試験受験資格の抜け穴的斡旋としか思えません。【開業医】
・贈収賄や不正入試の温床になるでしょう。あってはいけないと思います。【開業医】
・そういう訳の分からないものを設定すると、また入試汚職の温床になる。【勤務医】
・どのくらいまで認めるかなど基準を決めがたい部分も多く、また言葉で規制しても不正が入り込む温床となる可能性が否定できない。またそのような制度の必要性についても、学生を受け入れる大学側の論理にすぎないものであり、社会一般には理解されがたいものと考える。【勤務医】
・国民に広く理解が得られる基準があるとは思えないので、「なし」という選択肢が最も現実的だと考えます。【勤務医】
・同窓生子弟枠について認めるなら、拡大解釈すれば出生で人生が左右されることになる。中国共産党の世界と同じでないか。【その他医療関係者】

【税金投入しているのだから…】
・税金投入されているのでまずいです。【開業医】
・国から補助金を受けている以上、優遇枠を設けることは許されない。【開業医】
・学校としては良いと思います。ただし、国からの補助金は辞退すべき。【開業医】
・純粋に「私立」で、補助を受けていない施設だけであれば、考えなくもない。国公立は幾分かの割合で税金を使用されているはずなので、個人が能力以外で優遇される根拠はないと思う。【勤務医】

【内部進学生枠は「あり」】
・内部進学に失敗し、翌年外部受験で他大学医学部に入学した経験あり。内部進学もトップ3%に入らないと医学部に行けなかったため熾烈な競争だった。決して外部受験生に劣るとは思わない。【開業医】
・医学部以外でも系列の大学に進学できる制度は普通にあるので、問題ないと思います。【開業医】

【その他】
・同窓生子弟枠と内部進学生枠は全く次元の違う話では?【勤務医】
・何とも言えない。不公平だとは、思う。しかし、目くじら立てすぎのとことろもある。その背景として、医学部をそんなにありがたがる風潮にも問題があると思う。【勤務医】

【調査の概要】
調査期間:2018年11月19日(月)~26日(月)
対象:m3.com会員
回答者数:3248人(開業医:655人/勤務医:2088人/歯科医師:19人/看護師:39人/薬剤師:298人/その他の医療従事者:149人)
回答結果画面:医学部入試、同窓生子弟枠と内部進学制枠はあり?



https://www.m3.com/news/iryoishin/642406
シリーズ 無給医の実態2018
無給医「無給どころか金払え」「奴隷であることを認識」◆Vol.6
「2004年度以前」に無給医をしていた医師の意見

医師調査 2018年11月25日 (日)配信高橋直純(m3.com編集部)

Q:無給医にまつわる諸問題についてご意見をお聞かせください。

「現在」無給医の経験が「ある」と回答した医師のコメントを紹介する。
※m3.com編集部:編集部として確認が取れていないため大学名、病院名は、伏せ字にしました。ご了承ください。

・仕事をしている人間に対して経済的対価が支払われない、医療保険や雇用保険などの制度の適応外になることがおかしい。【2004年度以前・卒後23年目】

・賠償保険は学会のものに加入済み。一番下っ端で受け持ちはするけど何の権限もなく執刀もさせてもらえない丁稚の時代でした。土日も順番で日直してました。毎朝の採血点滴当番があるので、早朝から晩まで勤務でした。まともに常勤で給料が貰えたのは関連病院に出た40前からです。大学研究室勤務は非常勤(日雇い)の身分でした。文部教官には任用されませんでした。【2004年度以前・卒後35年目】

・ただ働きするのが当たり前であった時代です。そのため、逆に今の世代がうらやましくもあることが問題となり、ひいては世代間の問題となります。(よく言う我々の頃は・・・などの前時代を肯定的に取る発言など)労働環境の改善は当たり前ですので、いいのですが、それによるしわ寄せ(前時代勤務者が逆に負担が増え、収入が減ること)はやめていただきたいと思います。【2004年度以前・卒後24年目】

・バイトがあるからやっていけた。無ければ生活は無理である。【2004年度以前・卒後19年目】

・開業医に比較し高度医療への報酬が少ない事、教育への投資が少ない事が原因だと考える。【2004年度以前・卒後18年目】

・医学部附属病院の診療は、医師のボランティア労働で成り立っている。他のコメディカル(看護師、放射線技師、事務職)は公務員常勤であるが、医師で常勤なのは、教授、准教授、講師、助手だけで、常勤医のマンパワーだけで、病院の外来、病棟、学生への教育をこなすことは不可能です。現在は、多少は労働環境が改善されたとは思いますが、今も、土日や夜間の医療業務は、非常勤医師のボランティア労働によって、医学部附属病院は成り立っていると思います。【2004年度以前・卒後22年目】

・医師定数が決まっていて、高度医療機関で働きたい医師が多くなり、一人でも「タダでも良いから勉強させて欲しい」と言ってしまうとこうなってしまうと思う【2004年度以前・卒後21年目】

・大学院生が大学に学費を納付して、その附属病院で無給無休で診療している――というのは、世間一般の人には理解しがたいと思う。【2004年度以前・卒後17年目】

・研修医制度が始まった頃で、地方の大学病院での勤務を希望する研修医が非常に希少だったためか、大学院生として実験動物の世話(えさやり、掃除など)や集計・統計処理などの学会・論文のための作業をしながら、病棟で主治医をしていました。患者さんの病態が悪ければ病院に泊まるのは主治医だから当たり前、もちろん時間外給や当直料ももらえませんでした。学会出張も自腹で、家族に仕送りしてもらったり、貯金を切り崩して生活していました。「医者なんだから(お金をもらえなくても)患者を診れるだけでも幸せと思え」当時の帝王型の教授がよく言ってました。【2004年度以前・卒後19年目】

・外勤先の給与からも「医局が紹介してるんだから」と言う理由で8%搾取されていました。多分法に触れるんじゃないでしょうか。無休医の問題は労働力の搾取、ピンハネによる金銭的な搾取など、色々な面で大きな問題を抱えていると思います。【2004年度以前・卒後23年目】

・大学院時代はやむを得ないを思って働いていました。【2004年度以前・卒後17年目】

・大学院生が無給どころか、学費を払ってただ働きするのは、どこでも一緒でしょう。嫌でしたが、学位のために我慢していました。バイト先である程度いい条件をつけるように、大学と関連病院とで話はついていたのだと思います。【2004年度以前・卒後24年目】

・5月に医師免許をもらってからの研修医時代は、研修医の給与総額÷病院全体の研修医の数で給与が支給されていたので、研修医の数が多い5月には給与が少なく16万円くらい、3月になるに従って研修医が他の病院に派遣されて研修医の数が減り給与が20万円くらいまで増えてました。毎年3月30日に退職させられて、3月31日は無給で働いて、また4月1日再雇用されていました。なので研修医になってからも年1日は無給でした。【2004年度以前・卒後22年目】

・バイトで何とか維持できていたが、体はしんどかった。若かったので(能力も低いし)こんなものかなとも思う。でも、今この年になってオンコール(呼ばれた時だけ時間外手当が付く。救急車とカーチェイスしながら病院へ行く)のほうがしんどいです。【2004年度以前・卒後25年目】

・医学部を卒業し大学院への進学を強くすすめられた。実態は、学生の身分で通常診療を行うため、報酬を払う必要がない無給医要員であった。関連病院でのアルバイトと奨学金で生活を維持したが、アルバイト先の病院で当直し徹夜になり、帰りの運転で事故にあったとしても何の保証も得られなかった。結婚し子供もできたが、年収は200万円程度で、児童手当をもらっていた。妻の年収が350万。そこから国民年金、国民健康保険、学会年会費、医局費、さらには学位取得時のお礼として教授に50万円程度渡す慣習も残っており、自分は奴隷である事を認識させられた。【2004年度以前・卒後23年目】

・慣習的なもので議論すら出来ない状況でした。【2004年度以前・卒後21年目】

・大学では研修という名の無給・無休勤務でした。休みは1年で一日のみでした。【2004年度以前・卒後23年目】

◆調査の概要
調査期間:2018年11月13日~11月16日
調査送付対象:49歳以下のm3.com医師会員
回答者数:431人



https://www.m3.com/news/general/644896
社説:医学部地域枠 医師確保へ抜本改革を
地域 2018年12月1日 (土) 京都新聞

 地方での医師確保のために設けられた大学医学部の「地域枠制度」が機能不全に陥っている。

 厚生労働省などの2018年度分調査で、地域枠がある全国66大学のうち、半数の33大学で計187人分の枠が埋まっていなかったことが分かった。

 22大学では、定員の2割を超える欠員が出ていた。地方勤務を希望する学生が少ないことなどが原因という。

 地域にとって医師の存在は、まさに命綱だ。現状では、地方と都市部の医師偏在の解消につながっておらず、抜本的な見直しが必要と言わざるを得ない。

 08年度に導入された地域枠制度は、都道府県から奨学金の貸与を受ける代わりに、卒業後、その地域で一定期間働く。各大学の医学部は近年、地域枠に限り、定員増を認められてきた。

 だが、地域枠を満たすことができなかった一部の大学では、学生を勤務地の制限のない「一般枠」に振り分けたところもあった。制度の趣旨と反した運用が続けられてきたといえる。

 選抜方法にも問題があり、入学後に希望を募る「手挙げ方式・事後型」では、08~18年度通算の充足率が6割にとどまった。不適切運用の温床になっていた可能性があり、早急に対策が求められる。

 一方で、地域枠と一般枠を区別する「別枠方式」だと、今回調査では地元出身者に限定しない募集でも9割以上が埋まっていた。厚労省は別枠方式への一本化を都道府県に通知している。

 問題の背景には、医学部を志望する若者たちのへき地での勤務を忌避する意識がある。だが、もっと学生目線に立った制度の在り方も問われるのではないか。

 厚労省の有識者会議では「地域枠は学生の立場に立っていない。そもそも高校生に30代までの進路を決断させることに無理がある」との指摘があった。

 「入り口」だけでなく「出口」の改善にも目を向けたい。

 本年度から新しい専門医養成制度が始まったが、大都市に比べて地方には専門医の経験を積める研修先が少ない。若手医師は研修終了後も「即戦力」として都市部にとどまりやすいとされる。

 医師不足の地方では、1人で何役もこなさねばならず、過酷な労働環境が不安視されている。

 そうしたことが若い人に地方医師として働く展望を持ちにくくさせていないか。待遇改善を含め、より力強い誘導策を検討する必要もあるだろう。



  1. 2018/12/02(日) 05:59:01|
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