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Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

Google Newsでみる医師不足 2018年11月30日

Google Newsでみる医師不足 2018年10月31日
Google (日本語) での検索件数 _ _ _ キーワード 医師不足 過去一か月のニュース 563,000

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(2018.6から検索エンジンを SafariからOperaに変更)
First 5 in Google in English 


The solution for Canada's doctor shortage is abroad
TheSpec.com‎ - Nov 29. 2018 (カナダ オンタリオ州)

Canada has fewer doctors per capita than almost every other wealthy nation. And this doctor shortage will worsen in the coming years. Canadian medical schools aren't producing enough physicians to meet the needs of our growing population.
To ensure that patients receive timely care, government officials must welcome more physicians educated at international medical schools.
The doctor shortage threatens our nation's public health.



Doctor shortage, ACA cause longer wait at Fresno emergency rooms
HealthLeaders Media‎ - Nov 28. 2018 Health Leaders (米国 カリフォルニア州)

On any given day, as many as 400 patients go through the doors of the emergency department at Community Regional Medical Center in Downtown Fresno. It is the only Level 1 Trauma center between Los Angeles and Sacramento. But, not everyone heading to the emergency room is dealing with a life-threatening illness.



New medical schools won't cure Texas doctor shortage
Marshall News Messenger‎ - Nov 27, 2018 (米国 テキサス州)

The Houston Chronicle.
Texas has a doctor shortage. The latest report by the Texas Medical Board lists at least one doctor in 227 of Texas' 254 counties, but 24 counties have just one physician. Seventeen others only have two, and 15 counties have three doctors. The Association of American Medical Colleges ranked Texas 47th out of the 50 states in having enough physicians to serve its population. More doctors are especially needed in medically deprived rural areas. Unfortunately, Texas seems to be taking the same approach to its doctor shortage as it did by building more roads to address its snarled traffic: It’s building more medical schools. That alone won’t solve the problem.



Medicaid Expansion's Achilles Heel: the Doctor Shortage
Bacon's Rebellion‎ - Nov 28, 2018 (米国 バージニア州)

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Source: “Virginia Physician Workforce Shortage” presentation to the Joint Commission on Health Care, Sept. 2013.
Medicaid underpays its physicians, reimbursing them at only 71 percent of the rate they get paid by Medicare, and an even smaller percentage of what private insurers pay. As a consequence, only 63 percent of physicians accept Medicaid patients, and only 71 percent of those are taking new patients. So, when Medicaid expands eligibility to as many as 400,000 near-poor Virginians this year, many will find it difficult to find a primary care physician, and they’ll wind up seeking care in the emergency room, just like they always have.



Family clinic overwhelmed by requests amid NS doctor shortage
CTV News-2018/11/21 (カナダ ノバスコティア州)

Amid a shortage of doctors in Nova Scotia, a Halifax family clinic was forced to announce that it is in fact not accepting new patients after they were overwhelmed by phone calls. Family Practice Associates was inundated with requests from people in need of family doctors after posts on Reddit and Instagram suggested the clinic was accepting new patients.
“I think we got thousands of phone calls,” said Dr. Laniyi Ogunsanya. “We couldn’t do anything else.”


(他に10位以内のニュースは、米国 3(全米2, アイダホ州)、カナダ 2 からも)


他の注目記事
https://www.brinknews.com/asia/chinas-doctor-shortage-can-be-solved-by-ai/
China's Doctor Shortage Can Be Solved by AI
BRINK-2018/11/05 (中国)

According to the latest data from the Organisation for Economic Co-operation and Development, China has 1.8 practicing doctors per 1,000 citizens, compared to 2.6 for the U.S. and 4.3 for Sweden. Can artificial intelligence relieve China’s overworked doctors of some of their burdens?
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This piece first appeared on the World Economic Forum Agenda.


http://www.dailysunnews.com/news/2018/nov/14/us-health-cares-primary-problem-doctor-shortage/
US health care's primary problem — A doctor shortage
Sunnyside Daily Sun News-2018/11/12 (米国)

America’s medical system is facing a primary care crisis. To meet our nation’s needs would require almost 15,000 additional primary care doctors. Take into account the effects of aging and population growth, and the shortage will climb to almost 50,000 by 2030.
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That’s because U.S.-educated doctors who choose primary care shy away from economically marginalized communities. They’re drawn to cities and suburbs where people have private insurance, which pays more than programs like Medicaid. Of the 5,800 U.S. sub-regions with a shortage of doctors, nearly 60 percent have poverty rates above the national average.



  1. 2018/11/30(金) 05:35:47|
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11月18日 

https://digital.asahi.com/articles/ASLCD3SLDLCDUBQU001.html?rm=851
病院統合、進まないワケは 医師不足背景、大学が提案
倉富竜太2018年11月12日14時00分 朝日新聞

 地域の病院への常勤医の派遣などで、筑後地方の医療の中核を担う久留米大(久留米市)が、近接する二つの自治体病院に統合を提案している。医師不足が深刻になっており、統合すれば限られた人材を集中的に派遣できるようになる。だが、経営状態の違いもあって、話は進んでいない。

地域医療支える公立病院減少、統合や民間譲渡で存続図る

 2016年10月17日付で1通の文書が出された。差出人は久留米大の学長と医学部長。送り先は公立八女総合病院(八女市、300病床)を運営する八女市、広川町と、筑後市立病院(筑後市、233病床)を運営する筑後市のそれぞれの首長、議長だった。

 両病院に多くの常勤医を派遣している久留米大は「近い将来、両病院での診療の維持が困難になり、地域に大きな迷惑をかけることになる」と指摘。その上で、両病院が統合して400病床以上の新病院になるよう提案した。

 内村直尚医学部長は「数年前から、診療科によっては、派遣する医師の人数を減らしたり、中止したりせざるを得ない状況になっている」と事情を語る。

 2004年に始まった「新医師臨床研修制度」の影響が大きいという。同制度の導入で、医師免許取得後の2年間の研修先が自由に選べるようになった。それまで卒業した大学の病院に残るのが一般的だったが、最新の医療設備を持ち、生活も便利な都心部の大学や大手病院に研修医が集中するようになった。

 実績を反映して決まる研修医の定員は、久留米大は04~06年度が108人だったのが、15年度は42人、来年度は41人にまで減る。

 一方で、筑後市立病院の診療科は20、公立八女総合病院は31。診療科の多くが重なっているという。久留米大から派遣している医師の数は、公立八女総合病院が常勤医47人のうち43人、筑後市立病院が常勤医33人のうち30人だ(いずれも10月1日現在)。

 研修医が減ることで、大学側に余裕がなくなり、これまでのように医師を派遣することが難しくなっているという。「両病院は距離も近い。統合すれば1カ所に優秀な医師を派遣できる」と内村医学部長は語る。

 ログイン前の続き久留米大の提案に、公立八女総合病院は前向きだった。経営状況はよくなく、14~16年度は毎年7億円前後の赤字が続いた。

 一方の筑後市立病院。11年に独立行政法人化し、黒字経営が続く。今年7月、筑後市の西田正治市長は八女市の三田村統之市長に、現状での統合は難しいと直接伝えた。公立八女総合病院の経営状況や、筑後市立病院を建て替えた際の債務が残っていることが理由だったという。

 公立八女総合病院をともに運営する広川町は昨年9月、民間への譲渡を八女市に提案したという。だが、三田村市長は今年9月21日、市議会全員協議会で、八女市単独でも公立病院として維持する考えを明らかにした。「民間病院は民間企業と一緒ですから、運営が厳しくなった時に切り捨てられる可能性がある。市独自で再整備し医療設備を充実することで、久留米大も協力してくれると思う」

 静岡県では13年、掛川市立総合病院(450床)と袋井市立袋井市民病院(400床)が統合し、「中東遠総合医療センター」(500病床、掛川市)になった。同センターは「両市立病院に多くの医師を派遣していた名古屋大と浜松医大の医師不足が影響した」と背景を説明する。二つの病院が統合し、最新の設備を備えることで、医師が確保しやすくなり、13年では93人だったのが、今年4月で121人になったという。

 久留米大による統合提案から2年が過ぎたが、こちらの話は進んでいない。内村医学部長は「10年後の地域医療を見据えて統合を提案した。関係者の協議の場が設けられたら、今後の厳しい状況が理解してもらえると思っています」。

 地域医療に詳しい城西大経営学部の伊関友伸教授(行政学)は、「研修体制が充実し、ある程度の規模がなければ医師は集まらないし、勤務したがらない」と話す。病床数が1千を超える久留米大病院や聖マリア病院がある久留米市内から車で約30分圏内に両病院がある点を踏まえ、「統合しなければ、患者を奪い合って、共倒れになる可能性もある」とも指摘する。「自治体によって事情はあるだろうが、新たに400病床規模になることで、魅力を感じた若い医師が集まる」と話す。



https://www.medwatch.jp/?p=23391
医師の健康確保、「労働時間」よりも「6時間以上の睡眠時間」が重要―医師働き方改革検討会
2018年11月12日|医療計画・地域医療構想 MedWatch

 医師の健康を確保するためには、「労働時間の短縮」よりも「睡眠時間の確保」が重要である。このため、「連続勤務時間制限」と「インターバル規制」をセットで実施することが重要である―。

 11月9日に開催された「医師の働き方改革に関する検討会」(以下、検討会)で、順天堂大学医学部公衆衛生学講座の谷川武教授からこういった報告が行われました。医師の働き方改革に向けて、極めて重要な報告と言えます。
 
ここがポイント!
1 睡眠時間確保に向け、連続勤務の制限や勤務間インターバル、振替休暇などをセットで整備せよ
2 医療提供体制の確保も考えれば「タスク・シフティング」が不可欠
3 育児休業を取得できない最大の理由は、育児休業制度の「未整備」

睡眠時間確保に向け、連続勤務の制限や勤務間インターバル、振替休暇などをセットで整備せよ

 安倍晋三内閣の進める「働き方改革」の一環として、勤務医も「罰則付き時間外労働規制」の対象となります。ただし、医師には応召義務が課されるなどの特殊性があるため、「医療界の参加の下で検討の場(検討会)を設け、質の高い新たな医療と医療現場の新たな働き方の実現を目指し、規制の具体的な在り方、労働時間の短縮策等について検討し、結論を得る」こととされました。

検討会では、単に労働時間を規制するのみでなく、勤務環境の改善などさまざまな角度から「医師の働き方改革」を検討することが重要と考え、来年(2019年)3月の報告書取りまとめに向けて、次の3分野を併行的かつ統合的に議論していくこととしています(関連記事はこちらとこちらとこちらとこちら)。

(1)働き方改革の議論を契機とした、今後目指していく医療提供の姿(▼国民の医療のかかり方▼タスク・シフティング等の効率化▼医療従事者の勤務環境改善—など)
(2)働き方改革の検討において考慮すべき、医師の特殊性を含む医療の特性(応召義務など)
(3)医師の働き方に関する制度上の論点(▼時間外労働の上限時間数の設定▼宿日直や自己研鑽の取扱い―など)
 
 11月9日の検討会では、(1)のうち「医療従事者の勤務環境改善」に焦点を合わせ、我が国の睡眠医学の第一人者である谷川教授から「エビデンスに基づく医師の健康確保措置」について発表が行われました。

 谷川教授は、▼外国の研究結果▼厚労省のタイムスタディ調査結果の解析―をもとに、医師の健康確保にあたっては、労働時間の短縮よりも「睡眠時間の確保」(6時間以上)が重要と訴えました。例えば、厚労省のタイムスタディ調査を解析したところ、「高ストレス・抑うつ」の割合は、就労時間が「60時間以上」と「60時間未満」との間で、また「80時間以上」と「80時間未満」との間で有意な差は見られませんが、睡眠時間については「6時間以上」に比べて「6時間未満」では有意に増加するのです。この結果からは、「医師のストレスや抑うつには、労働時間の長短は関係ない」「睡眠時間が6時間未満になると、ストレスが高く、抑うつ状態になりやすい」ことが分かります。

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 また、夜勤等で「短時間の仮眠→救急対応などの業務→短時間の仮眠」等を繰り返すケースでは、合計の睡眠時間こそ確保していても、睡眠時無呼吸症候群と同じように「質の良い睡眠」は確保されません。

さらに、慢性的な睡眠不足となると、「主観的な眠気は感じないものの、客観的な覚醒度は低下する」という研究結果も報告されました。
 
 ところで、長時間労働の中には、▼「やりがいを持っている」ケース(ワークエンゲイジメント)▼「強迫的に働いている」ケース(ワーカホリック)—とが混在していると谷川教授は指摘します。労働者自身では、両者の峻別が困難なこともあり、例えば産業医が面談するなどして両者を峻別し、後者のワーカホリックでは「業務停止を促し、リカバリーする」ことなども重要となってくるでしょう。
 
こうした点を総合し、谷川教授は、医師の健康を確保するために、▼「連続勤務時間の上限」と「勤務間インターバルの確保」(例えば米国では8時間のインターバルが必須で、10時間以上が望ましいとされている)をセットで実施する▼振替休暇などの仕組みを導入する▼医師が面談などを行い、客観的に「睡眠不足である」旨などを示すとともに、必要があれば就業制限などを提案する―という施策を組み合わせて実施することが重要と提案しています。

 検討会委員からは、谷川教授の発表に対し「感銘を受けた」「自身の経験に照らして納得できる」との意見が数多く出されました。「時間外労働の上限規制」は、そもそも勤務医も含めた労働者の健康確保が目的です。この点、「労働時間の短縮では、健康は確保できない」ことが確認されたと言え、今後、「時間外労働の上限」(医師の特例)だけでなく、セットで実施すべき方策(連続勤務時間の上限やインターバルなど)も併せて検討していくことになるでしょう。

もっとも、救急医療を始めたとした「医療提供体制の確保」との両立も、極めて重要な視点です。ただちに「全勤務医に勤務間インターバルを●時間確保しなければならない」となった場合、現在の医療提供体制を維持するには「医師の増員」が不可欠です。しかし、慢性的な医師不足地域で、新たな医師を確保することは極めて困難です。そのためには、例えば「病院の統合・再編」によって医師1人当たり負担を軽減することなども重要な選択肢になってくることでしょう。今後の具体策検討論議が注目を集めます。

医療提供体制の確保も考えれば「タスク・シフティング」が不可欠

前述のとおり、「連続勤務時間の制限」などを実現した上で、医療提供体制を確保するためには、「医師の増員」が必要となってきますが、地方では慢性的な医師不足状態と指摘されています。このため検討会では「タスク・シフトティング」にも注目が集まっています。医師は、「医師免許保持者でなければ実施できない」業務に集中し、他職種でも可能な業務は、他職種に移管していく、というイメージです。

例えば長時間勤務の代表例ともされる外科医では、▼手術▼自己研鑽(症例検討など)—を他職種に移管することは困難なため、例えば「ICUや病棟での管理」「外来業務」「当直待機」などについて、どの部分を他職種に移管できるかを具体的に検討していく必要があります。
 
この点については、例えば「特定行為研修を修了した看護師」(一定の医行為を医師・歯科医師の包括的指示の下で実施可能)の活用などが、さらに重要になってきます。関連して委員からは▼業務の標準化(工藤豊構成員:保健医療福祉労働組合協議会事務局次長)▼医師の指示なく一定の医行為を実施できる「診療看護師」の検討・創設(山本修一構成員:千葉大学医学部附属病院院長、国立大学附属病院長会議常置委員長)属人性の高い業務は移管が極めて困難)▼各職種の業務内容の精査とタスク・シフティングの可能性の検討・検証(岡留健一郎構成員:福岡県済生会福岡総合病院名誉院長、日本病院会副会長)—などを求める声が出ています。

タスク・シフティングについては、すでに今年(2018年)2月に検討会が「医師の労働時間短縮に向けた緊急的な取組」をまとめており、そこでは▼初療時の予診▼検査手順や入院の説明▼薬の説明や服薬指導▼静脈採血▼静脈注射▼静脈ラインの確保▼尿道カテーテルの留置(患者の性別を問わない)▼診断書等の代行入力▼患者の移動―などの業務は、原則として他職種に移管し、医師が行うべきではない、との考えが明確にされています(関連記事はこちら)。
 
もっとも、四病院団体協議会(日本病院会、全日本病院協会、日本医療法人協会、日本精神科病院協会)の調査(2018年5・6月に実施)では、こうした緊急的な取り組みの実施は、▼一般病院では26.8%が実施済で、33.7%が実施予定▼大学病院では30.3%が実施済で、55.7%が実施予定―などにとどまっており(関連記事はこちら)、さらに積極的な姿勢が期待されます。

厚労省では、「緊急的な取り組み」をさらに推進するとともに、▼「時間」を意識した医療機関運営▼タスク・シフティング、タスク・シェアリング(業務の共同化)、国民の医療のかかり方、医療機関の機能分化・連携▼医療提供の維持(縮小を招かないように)—などを更なる検討課題に掲げています。

育児休業を取得できない最大の理由は、育児休業制度の「未整備」

なお、関連して女性医師支援策として厚労省は、▼院内保育・病児保育などの整備▼育児休業を取得できる環境の整備▼出産や育児における休暇を取得できるよう、新専門医制度における「カリキュラム制」の整備(年限や研修施設を定めず、一定の症例数などを経験することで専門医試験の受験資格を得られる仕組み)▼外来における「オンライン診療」の進展などを踏まえた、「入院におけるICT活用やチーム医療推進」などの検討▼男性の育児参加推進―などを今後の論点として掲げました。

この点、日本医師会の2015年調査では、女性医師が育児休業を取得しなかった最大の理由(35.5%)として「育児休業制度が整備されていない」という驚愕の結果が出ています。
 
1995年より全事業所で「育児休業」制度を整備することが義務付けられています。零細事業所等で未整備なところがあると聞きますが、病院においては、その社会的役割等にも鑑み、早急な整備が必要でしょう。



https://www.m3.com/news/iryoishin/640852
シリーズ 医師の働き方改革とキャリア
医師の働き方「死んだら元も子もない」
順大教授プレゼン、睡眠確保に留意した負担軽減策が必要

レポート 2018年11月11日 (日)配信水谷悠(m3.com編集部)

 厚生労働省の「医師の働き方改革に関する検討会」(座長:岩村正彦・東京大学大学院法学政治学研究科教授)は11月9日に第11回会議を開催し、勤務環境改善策について議論した。順天堂大学医学部公衆衛生学講座教授の谷川武氏のプレゼンテーションでは、慢性的な睡眠不足状態にある場合には脳・心臓疾患やストレス反応、抑うつ度は睡眠と有意に関連があるなどの研究を紹介。「労働自体は医師にとっては楽しいことが多く、ついついやり過ぎてしまう。だが、働き過ぎて死んだら元も子もない。せめて睡眠だけは確保しようということだ」と述べ、連続勤務時間の制限やインターバル規制などで睡眠時間確保に留意した健康確保措置が必要だと訴えた(資料は、厚労省のホームページ)。


 谷川氏は、厚労省が2017年から2018年にかけて行った病院勤務医の勤務実態調査(タイムスタディ調査)によれば、当直時でも一睡もできないことは稀で、一定程度は眠れていることが多いことを改めて紹介。一方で、米国で行われた、ディスプレイに数字が表示されたらボタンを押して反応速度を測り、客観的な「覚醒度」を調べる調査で、睡眠8時間未満、6時間未満、4時間未満、全く眠らせない群の順に反応速度は悪くなり、「覚醒度」が低下し続ける一方で、主観的な「眠気」はそれほど強くならないとの結果が出たことを説明。「全く眠らせない場合は眠気が強くなるが、4時間未満や6時間未満などの場合は慣れてしまい、『軽い眠気を感じている』程度にしか思わない。これは非常に大事なポイントだ。多くの医師は『まだいける』と思いながら無理を重ねている」と述べた。

 2017年の「国民健康・栄養調査」(医師に限らない調査)では、40代と50代で男性、女性ともに睡眠時間5時間未満が10%を超えており、「これは恐ろしいことだ。なんとか6時間睡眠を確保できるような方策が必要だ。6時間未満のときには次の日になるべく7時間寝るなどの振り替えをやることが大事だ」と強調した。

 さらに、谷川氏は、北里大学一般教育部人間科学教育センター教授の島津明人氏の研究を紹介した。そこでは、「活力」「熱意」「没頭」の三つの尺度で、仕事に積極的に向かい活力を得ている状態を評価する「ワークエンゲイジメント」という考え方が示され、谷川氏は「I want to work なのか、I have to work なのか。ワークエンゲイジメントとワーカホリックとを峻別しなければいけない」と述べた。

 岩手県立久慈病院副院長の遠野千尋氏は、外科医である自身も睡眠が5~6時間程度で、「谷川先生のお話の通りの生活をしている」と述べた上で、地方の病院では医師確保が難しいことから、勤務と次の勤務のインターバル(間隔)が取れず、取ろうとすれば「予定手術をこれまで2件行っていたところが1件になる。地域では難しい」と懸念を示した。日本医師会副会長の今村聡氏は、医療以外でも業種によって特別なルールがある場合もあり、「医師の特性を考えて、法制上位置付けるのが大事だ。医療は不確実性が大きく、それを前提に休暇を別途取らせることが必要だ」と述べた。

 ハイズ株式会社代表取締役社長の裴英洙氏は、「時間外勤務の規制がこの検討会の『一丁目一番地』だと思っていたが、インターバルも大事だ。現場と齟齬がないような案を事務局が出していただけないか」と提案。東北大学環境・安全推進センター教授の黒澤一氏は、医師の睡眠の取り方が、まとまった時間よりも細切れである場合が少なくないことから、「睡眠の総時間よりも、細切れであることをどう考えたらよいか」と谷川氏に質問。同氏は、「細切れの睡眠を集めてもうまくいかない。非常に良くない。どこかでしっかり取らないといけない」と回答した。



http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201811/CK2018111702000128.html
医学部長会議が入試規範 来春新入生対象に性や年齢差別除名も
2018年11月17日 朝刊 東京新聞

 医学部を置く国公私立の大学が参加する「全国医学部長病院長会議」は十六日、性別や浪人年数、年齢といった属性により、医学部入試の合否判定で扱いに差をつけることは認められないとする規範を公表した。強制力はないが、これに反する行為が判明した場合は同会議からの除名を含む処分の対象にし、来春の新入生を対象とした入試から適用するとした。

 医学部入試を巡っては、文部科学省の緊急調査で複数の大学で不正が疑われている。

 女子に不利な合格ラインを設定した疑惑が浮上している順天堂大は、同会議の規範を踏まえて医学部入試に関する見解を示すとしており、各大学の対応や今後の入試運用の指針となりそうだ。

 作成に当たった嘉山孝正・山形大医学部参与は記者会見で「常識的な内容。各大学に守ってほしい」と述べた。

 規範では(1)国民から見て公平であること(2)良い医療人になり得る人材を確保すること-の二つの尺度でルールを整理。これに反する入試運用は「国民の理解が得られない」との考えを示した。

 全ての入試で、性別で一律に合否判定基準に差異を設けることや得点操作をすることは許容されないと規定。一般入試では、浪人年数や年齢も同様の対応を求める。

 愛校心や意欲の高さを理由に設定する大学があるとして、卒業生の子弟枠を許容し、選抜方法を入試要項に明記し、国民の容認を得るよう求めた。推薦入試枠も評価基準の明示を求めた。

 不足地域での医師確保のために設けられた「地域枠」に関しては、自治体と地域医療に必要な人材を協議する必要があるため、入試要項に記載すれば、年齢で差をつけることも認める。

◆文科省は大学名公表を
 医学部のあるほぼ全ての大学が入る「全国医学部長病院長会議」が規範を作ったことは、長年不適切な入試を正当化してきた大学に、公正さを示す意味で評価できる。大学側の感覚が一般と乖離(かいり)していることが明らかなためだ。昭和大は不正操作を公表した際、「文科省や社会の皆さまとの理解が違った」と釈明した。一方、規範には強制力がなく、同会議に調査権限もない。小委員会の嘉山孝正委員長は会見で「除名処分は重い」「これを平気で破る学校はないと信じている」と述べたが、実効性に疑問は残る。

 また、十二月に一般入試の出願が始まり受験シーズンが本格化するが、入試不正を知り動揺する受験生への配慮は進んでいない。大学側の自主的な公表に期待するとして、文科省が不正をしていた疑いの強い大学名をいまだに公表しないためだ。順天堂大学のように規範ができてから不正への見解を示すと決めた大学もあり、自主公表は進んでこなかった。

 文科省は、今回の規範を「各大学が入試方法を判断する指標になる」と歓迎するだけでなく、自ら指導力を発揮するべきだ。 (原尚子)

<医学部の不正入試> 文部科学省の私大支援事業を巡り、同省の佐野太前科学技術・学術政策局長(59)=受託収賄罪で起訴=が東京医科大に便宜を図る見返りに息子を合格させてもらったとする贈収賄事件をきっかけに発覚。東京医大は特定の受験生への不正な加点のほか、女子や長期浪人生を得点操作で実質減点していた。昭和大も現役・1浪の受験生や卒業生親族の優遇を認めた。文科省は全国81大学の入試を緊急調査し、63校で過去6年間における女子の合格率が男子を下回っていたとの速報を公表。今年末までに調査結果をまとめる方針。
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https://www.medwatch.jp/?p=23474
検体を紛失等してしまい、「病理検査に提出されない」事例が頻発―医療機能評価機構
018年11月15日|医療・介護行政全般 MedWatch

 検査のために患者の組織など(検体)を採取したが、検体を紛失したり、破棄してしまったため、病理検査に提出されなかった―。

 こうした事例が、2014年1月から2018年9月までに19件も報告されていることが、日本医療機能評価機構が11月15日に公表した「医療安全情報 No.144」から明らかになりました(機構のサイトはa href=”http://www.med-safe.jp/pdf/med-safe_144.pdf” target=”_blank”>こちら)。
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再度の検体採取は患者に大きな負担、再採取できないケースもあることに注意

 日本医療機能評価機構は、全国の医療機関(国立病院や特定機能病院等については義務づけ)から医療事故やヒヤリ・ハット事例(事故に至る前に防いだが、ヒヤリとした、ハッとした事例)を収集し、その内容や背景を詳しく分析したうえで、事故等の再発防止に向けた提言等を行っています(医療事故情報収集等事業、関連記事はこちらとこちらとこちらとこちらとこちらとこちら)。また事故事例などの中から、とくに留意すべき事例等を毎月ピックアップし、「医療安全情報」として公表し、医療現場に注意を促しています(最近の情報はこちらとこちらとこちら)。11月15日に公表された「No.144」では「病理検体の未提出」がテーマとなりました。

 ある病院では、骨生検の後、医師が病理検体とラベルを病棟看護師に渡しましたが、看護師は病理部の受付時間が過ぎていたことから、その検体を病棟で保管することにしました。しかし、そうした検体の置き場所が定められておらず、行方不明になってしまいました。1か月後に医師が骨生検結果を患者に説明する予定でしたが、結果が出ていないことから「病理検体が提出されていない」ことに気付いたといいます。
 
 また別の病院では、下垂体腫瘍摘出術を施行する場合、通常は「摘出した腫瘍を脳神経外科医師が病理検査に提出する」手順をとっていましたが、検体を処理する医師が手術室にいないことがありました。手術後に、器械出し看護師が執刀医に「腫瘍の処理」を確認したところ、執刀医は「すでに検体が病理検査に提出されている」と思い込み、「破棄してよい」と伝えました。看護師は、腫瘍を破棄してよいか疑問に思ったものの、すべて破棄。1週間後に、医師が「検査の結果が遅れている」と思い、問い合わせたところ、病理検査に提出されていないことが判明したといいます。

 患者の疾患・状態等を把握するために検査を行ったものの、その検体を滅失してしまっては意味がありません。再度の検査は患者の身心に大きな負担となります、上記の後者事例に至っては「再検査は不可能」なため、別の手法を取らなければなりません。

 こうした事態は、例えば▼手術終了時に病理検体の有無、個数、組織名を確認する▼病理検体の置き場所を(病棟内で)定め、検体提出手順を作成する―といったルールを明確にし、かつそれを遵守することで確実に防止できます。

 各病院において、自院において「ルールがそもそも定められていない」「ルールに不明確な部分がある」「スタッフ全員が適切に認識していない(1人でも認識していないスタッフがいれば意味はない)」「認識はあるが遵守されていない」といった事態が生じていないか、改めて確認する必要があります。



https://www.m3.com/news/iryoishin/642166
地域医療支援病院、「2つの機能」追加に向け議論開始
中川日医副会長「一定の役割を終えたのではないか」との指摘も

レポート 2018年11月16日 (金)配信橋本佳子(m3.com編集長)

 厚生労働省は11月16日の「第15回特定機能病院及び地域医療支援病院のあり方に関する検討会」(座長:遠藤久夫・国立社会保障・人口問題研究所所長)に、地域医療支援病院の見直しの方向性として、(1)地域でかかりつけ医等を支援するために必要とされる機能、(2)医師少数区域等を支援する機能――という2つの機能追加を提案した。承認要件とするか、通知等で努力義務規定とするかは未定。

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(2018年11月16日「第15回特定機能病院及び地域医療支援病院のあり方に関する検討会」資料)

 今年の医療法改正で、医師確保対策として「医師少数区域等での勤務経験を厚労大臣が評価、認定」し、そのインセンティブとして「認定医師等を、地域医療支援病院の一部の管理者とする仕組み」が創設された。(2)はその関連で議論が必要な機能。ただ、構成員からは、これら2つの機能にとどまらず、地域医療支援病院に関する根本的な議論を求める声が相次いだ(資料は、厚労省のホームページ)。

 日本医師会副会長の中川俊男氏は、「(1997年の第3次医療法改正時の)設立の趣旨から考えて、地域医療支援病院は、一定の役割を終えたのではないかと思う。地域医療支援病院だけを取り上げて、『こうあるべき』などと議論するのではなく、地域医療構想の中で、どんな役割を果たすべきかを、一度、立ち止まって考えてはどうか」と提案した。地域医療支援病院の開設主体は、国公立、公的、民間のいずれもある。地域医療構想では、公立病院は「新公立病院改革プラン」、公的医療機関等は「公的医療機関等2025プラン」をそれぞれ策定し、調整会議で議論することから、「地域医療支援病院の機能は、他の公立・公的医療機関と、求められるものと同じ」であることをその理由として挙げた。「地域医療支援病院になることが、ステータスになる時代もあったが、冷静に考えると、現状ではそうではない」(中川氏)。

 政策研究大学院大学教授の島崎謙治氏も、昨年末にも本検討会で地域医療支援病院について集中的な議論をしたとし、厚労省提案の2機能の追加に限って議論するのか、既存の4つの承認要件も含めて一体的に議論するのか、疑問を呈したほか、診療報酬上での評価の在り方も射程に入れて議論していくべきだとした。

 日本病院会会長の相澤孝夫氏も、「地域医療支援病院は、病診連携を強め、地域医療を強化する目的でスタートしたが、病診連携は当たり前のことになった。今は増加する高齢患者の医療をどうするかが課題であり、そこを議論しないで旧態依然の地域医療支援病院を手直しする程度では、だめだと思う。抜本的に議論しないと、余計に変な方向に行ってしまう」と懸念を呈し、地域にどんな病院が必要で、どのように連携していくかなどを抜本的に考えることを求めた。

 健康組合連合会理事の本多伸行氏は、「中川氏から、地域医療支援病院が形骸化しているという指摘があった。地域医療支援病院によって機能にばらつきがあり、都市部と人口が少ない地域の地域医療支援病院が同じか、という疑問もある。類型化を考えているのか」と質問。厚労省医政局総務課は、「類型化は、医療法改正の医師少数区域等を支援する機能との関連で検討する課題。それ以外についても、今日いろいろ意見が出たため、整理する」と回答した。

 厚労省医政局総務課長の北波孝氏も、「昨年末に集中的に議論した内容を基に、議論を進めたいという姿勢に変わりはない」と説明。厚労科研で、「地域医療支援病院等の医療提供体制上の位置づけに関する研究」(研究代表者:伏見清秀・東京医科歯科大学)を2017年度と2018年度の2カ年にわたり実施している。本検討会は、2018年度の研究で行う調査結果がまとまる2019年3月以降に議論を深め、2019年夏に取りまとめを行うスケジュールを予定している。「3月まで検討会を開催しないわけではなく、必要に応じて日程調整し、深めるべき論点はあると思う」(北波課長)。

 16日の検討会では、厚労科研の調査票についても議論。本調査は、地域医療支援病院が担うべき4つの機能(紹介患者に対する医療の提供、医療機器の共同利用の実施、救急医療の提供、地域の医療従事者に対する研修の実施)の現状を浮き彫りするのが目的。対象は、都道府県と全地域医療支援病院。

 「同じ構想区域で、(公立・公的が多い)地域医療支援病院と民間病院の機能が競合していないか、調整会議で議論しているかなどについて、自由記載欄を設けて聞いてもらいたい」(中川氏)、「医師の派遣について、どんな機関と連携しているのかなどが分かればありがたい」(本多氏)、「紹介率、逆紹介率だけでなく、地域医療支援病院がどんな施設と連携し、ネットワークを組んでいるかが重要」(相澤氏)、「都道府県だけでなく、医師会を対象とした調査も加えてもらいたい」(産業医科大学教授の松田晋哉氏)などの意見が出た。研究班では、これらの意見を踏まえ、調査票を作成、12月にも発送予定。

 沖縄県立中部病院と茨城県にヒアリング

 地域医療支援病院である沖縄県立中部病院と、人口当たりの医師数が全国46位の茨城県へのヒアリングも実施。沖縄県立中部病院は「島医者養成プログラム」などで、離島医師の育成と派遣への取り組みの現状を紹介。茨城県は、筑波大学の地域臨床教育センターである県立中央病院や、同大の地域医療教育センターである総合病院水戸協同病院からの地域への医師派遣の取り組みなどを説明した。

 沖縄県立中部病院に対して、中川氏は、「発表はすばらしいが、地域医療支援病院だからできたのではなく、医師や県の行政が熱心だったからこそ可能なのでは」と述べ、「今後も地域医療支援病院であることが必要なのか」、「地域医療支援病院と民間病院の機能が競合していることはないか」などと質問。

沖縄県立中部病院副院長の玉城和光氏は、「地域医療支援病院であるべきかどうかは難しい」と述べ、離島支援は、同病院が5、6割が担い、他は琉球大学、県内の臨床研修病院、本州からの沖縄県勤務希望医師などで対応していると説明。地域医療構想の調整会議での議論については、「県の方からも必要なものに特化すべきという話が出ているが、どの機能をどこに集約すべきかという話はできていない」とした。
 日本医療機能評価機構専務理事の上田茂氏は、茨城県の9医療圏のうち、2医療圏には地域医療支援病院がない一方、水戸医療圏には4施設あることについて、「役割分担をしながら、機能しているのか」と質問。

 茨城県保健福祉部医療政策課長の須能浩信氏は、2医療圏については、開業医が少なく、紹介率、逆紹介率が低いことから、地域医療支援病院になれないと説明。水戸医療圏については、4カ所の地域医療支援病院、水戸協同病院など複数の施設があり、「どの病院も、建て替えの時期を迎えている。県立中央病院と水戸協同病院以外は、大学の後ろ盾がないので、再編統合も視野に入れて議論を進めている」と答えた。

 中川氏は茨城県が公立、公的病院を中心に議論しているように映るとし、地域医療構想調整会議の議論の様子を聞いたほか、「水戸協同病院が地域医療支援病院になりたくてもなれないと言うが、なぜなりたいのか」と尋ねた。

 須能氏は、「新公立病院改革プラン等は、全ての対象医療機関が策定し、今、構想会議で議論をしている。半数以上のプランが合意をされた」と説明。さらに医療資源が少ない地域では、公立、公的病院中心にならざるを得なかったとし、「公立、公的病院しか担えない医療をやるということで議論が進んでいる」とした。水戸協同病院が地域医療支援病院を目指す理由については、「やはり大きいのは、“看板”という部分と、診療報酬の点数が高い、ということだと思う」と述べた。



https://www.cbnews.jp/news/entry/20181116140714
地域医療支援病院に医師少数区域の支援機能追加
厚生労働省が検討会に提示

2018年11月16日 14:45 CB News

 厚生労働省は16日、「特定機能病院及び地域医療支援病院のあり方に関する検討会」に対し、地域医療支援病院の見直しに関する方向性を示し、医師少数区域を支援する機能を追加することを論点の一つに挙げた。今後、地域医療支援病院の医師派遣や地域医療との連携などに関する調査を行い、2019年夏ごろまでに議論を取りまとめる見通しだ。【新井哉】

 地域医療支援病院については、▽紹介患者に対する医療の提供▽医療機器の共同利用の実施▽救急医療の提供▽地域の医療従事者に対する研修の実施―を「主な機能」として求めており、「紹介患者中心の医療を提供」「原則として200床以上の病床」などが承認の要件となっている。

 今回の機能追加は、医療法改正による医師少数区域で勤務した医師を評価する制度の創設を踏まえた措置。地域医療支援病院の管理者については、医師少数区域などでの勤務経験を厚労相から評価された「認定医」であることが要件とされている。

 この日の検討会の会合で、厚労省は「医師少数区域等を支援する機能を有する地域医療支援病院の類型を設けてはどうか」と提案。具体的な支援機能として、医師少数区域などの医療機関へ医師を派遣したり、地域の医療機関に技術的な助言(24時間対応)を行ったりすることなどを挙げた。検討会の構成員からは、調査の方法などに関する質問や指摘などがあったが、明確な反対意見は出なかった。



https://www.yakuji.co.jp/entry68578.html
【日本イーライリリー】日本初の訪問型治験開始‐医師が患者宅で検査
2018年11月16日 (金) 薬事日報

高齢患者に機会を提供
 日本イーライリリーは、医師が治験に参加した患者の自宅を訪問して検査を行い、治験による治療効果を確かめる日本初の訪問型治験を開始した。急性期から慢性期に回復した患者が病院を退院し、在宅での訪問型医療・介護が日本で増えることが予想される中、治験でも患者が来院して行う検査を在宅で対応可能なものについて、訪問型治験に転換させることで、高齢患者などに治験の参加機会を提供する。現在、中枢神経系疾患領域を対象とした第I相試験を実施中で、今回の結果を踏まえ後期開発相試験への拡大や、将来的にはオンライン診療やデジタル技術を組み合わせたバーチャル治験の実装も検討する構想もある。

 都道府県が策定する地域医療構想により、回復期・慢性期患者に対する訪問型医療・介護のニーズが高まるものと見られており、2025年には日本全体で約100万人が訪問型医療の対象となる見通し。こうした医療環境の変化を踏まえ、同社では地域の訪問看護センターなどに日本の訪問医療の実施状況に関する調査を行い、医師訪問型治験の実施可能性を検討してきた。



https://www.m3.com/news/iryoishin/641617
シリーズ 中央社会保険医療協議会
「予約で患者負担徴収」は708施設、2割増加
選定療養の報告状況、予約料の最高額は5万4000円

2018年11月14日 (水)配信橋本佳子(m3.com編集長)

 厚生労働省は11月14日の中医協総会に、2017年7月時点での主な選定療養の報告状況や施設基準の届出状況を報告した。選定療養では、「予約に基づく診察」が708施設で、前年の579施設から129施設(22.3%)増加した。予約料の平均は2205円だが、最高額は5万4000円。「診療時間以外の時間における診療」も増加傾向にあり、2017年は411施設で、前年の357施設から54施設(15.1%)増えた。

 施設基準については、一般病棟入院基本料の届出病床数が年々減少傾向にある一方、療養病棟入院基本料の届出病床数は2016年よりは増加。ただ、2017年は診療報酬改定の中間年に当たるため、施設基準の届出傾向に大きな変化は見られない(資料は、厚生労働省のホームページ)。

 「診療時間外の診療」で負担徴収、411施設

 「予約に基づく診察」は、2014年477施設、2015年511施設、2016年579施設、2017年708施設と推移。予約料(保険診療に係る定率負担とは別の患者負担)は平均2205円だが、最高5万4000円、最低70円と大きな開きがある。

 「診療時間以外の時間における診療」は、2014年323施設、2015年342施設、2016年357施設、2017年411施設と推移。患者からの徴収額は平均2789円、最高額は1万6200円、最低額は200円。

 200床以上の病院の場合、「紹介状なし」の患者からは初診時に患者負担を求めることが可能。2017年は1279施設で、2016年の1305施設よりも微減。平均2960円、最高額1万800円、最低額200円。ここには徴収が義務化されている、特定機能病院と一般病床500床以上の地域医療支援病院が含まれる。なお、2018年度診療報酬改定で、地域医療支援病院については、「許可病床400床以上」と徴収義務の対象が拡大されたことから、2018年7月報告では徴収施設の増加が想定される。

 200床以上の病院は、他の医療機関(200床未満)に対し文書による紹介を行う旨の申出を行ったにもかかわらず、当該病院を患者が再診した場合も、患者負担を求めることができる。2014年101施設、2015年103施設と横ばいだったが、2016年344施設、2017年363施設と増加傾向にある。患者からの徴収額は平均2244円、最高額は8640円、最低額は210円。

 医療クラーク、後発医薬品関連の加算増加

 施設基準の届出状況を見ると、一般病棟入院基本料の届出は、2017年は4980施設(2016年比33施設減)、61万7411床(同1万3978床減)。これに対し、療養病棟入院基本料の届出は、2017年は3456施設で、2016年よりも55施設減少したが、22万2344床で2016年よりも830床増加した。

 医師の働き方改革が議論される中、医師の負担軽減策として注目される「医師事務作業補助体制加算」の届出は、2015年2528施設、2016年2728施設、2017年2778施設と増加傾向にある(同加算1と2の合計)。

 後発医薬品については、「2020年9月までに、使用割合を80%とする」ことが2017年6月に閣議決定された。入院料に対する「後発医薬品使用体制加算」は、2669施設(2016年比465施設増。同加算1~3の合計)、院内処方の診療所が算定対象の「外来後発医薬品使用体制加算」は、8512施設(2016年比1281施設増)。



https://www.m3.com/news/iryoishin/642268
医療維新 シリーズ
無給医の実態2018
49歳以下の45.9%が 「無給医」経験あり◆Vol.1
直近5年間で無給、34大学 の名前挙がる

医師調査 2018年11月18日 (日)配信高橋直純(m3.com編集部)

 医師の働き方改革を巡る議論の中で、「無給医」の存在について改めてスポットが当たっている。NHKは10月、ニュース番組の中で特集を放送した。m3.com医師調査ではその実態を探るため、49歳以下のm3.com医師会員に「無給医」経験の有無を尋ねた。

Q: いわゆる「無給医」として働いた経験はありますか?
※本調査では無給医を「医師免許を持ち、病院で診療行為を行っているにも関わらず、本給が出ていない医師のこと。部分的に手当(当直手当)が出ている場合も含む。身分は問わない(専攻医、研究生、大学院生なども含む)」と定義した。
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 調査はm3.comを通じて11月13日から16日の4日間で実施。431人から回答があり、無給医の経験があるのは45.9%(198人)だった。内訳は男性176人、女性22人、平均年齢は40.2歳だった。

Q:「無給医」として働いた経験があるのはいつ頃でしょうか?【複数選択】

※複数選択(人)
 無給医経験のある医師198人を対象に、複数選択でその時期を尋ねた。「現在」は15.7%に当たる31人、「直近から5年前(2013年ごろまで)」は56人(29.8%)だった。重複を除くと現在および直近5年間で83人(回答者全体の19.2%)が無給医を経験していた。

Q:「無給医」として働いた勤務先について教えてください。※以下、複数の勤務先で「無給医」として働いた場合は最も勤務時間が長かった勤務先での状況についてお答えください。
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 直近5年間で無給医経験のある医師83人を対象に分析すると、勤務先は74.7% が大学病院だった。勤務する大学病院は国立16大学、公立4大学、私立14大学の計34大学 の名前が挙がった。

Q:「無給医」として働いていた時の身分を教えてください。【複数選択】
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※複数選択(人)
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 複数選択で無給医時代の身分を尋ねたところ、「大学院生」が38人と最も多く、「後期研修医」と「医員」がいずれも16人で続いた。

Q:無給医にまつわる諸問題についてご意見をお聞かせください。
・健康保険も入れない。雇用保険もあるのかないのかわからない。当直手当と、病棟手伝ったときのわずかな手当のみが大学から支給。外勤でそこそこ収入はあるから良いが、体を壊したらそれが無くなり、非常に不安定。【現在・卒後10年目】

・無給医問題は必要悪だから外部のよく分かっていない人間(行政など)が口を出すとろくなことにならないと思います。名義貸し問題をすっぱ抜いた後、臨床研修制度ができた後、 地方の救急病院がどうなりましたか?【現在・卒後12年目】

・必要悪だと思う。大学病院が給料を出さない代わりにバイト先を提供して生活は十分できるようにしてくれている。バイト先も大学から医師を派遣してもらえていてWin-Winではある。この仕組がなくなるとどちらも潰れてしまう。【直近から5年前(2013年ごろまで)・卒後13年目】

・無給どころか研修費?の名目で大学にお金を払えと言われた記憶があります。医局が出してくれましたが。スーパーローテート導入時に大学院生が病棟で仕事していたり、当時は色々聞きましたが、未だに無給医がいるとは思いませんでした。【2004年度~2013年度・卒後21年目】

・賠償保険は学会のに加入済み。一番下っ端で受け持ちはするけど何の権限もなく執刀もさせてもらえない丁稚の時代でした。土日も順番で日直してました。毎朝の採血点滴当番があるので、早朝から晩まで勤務でした。まともに常勤で給料が貰えたのは関連病院に出た40前からです。大学研究室勤務は非常勤(日雇い)の身分でした。文部教官には任用されませんでした。【2004年度以前・卒後35年目】



https://www.m3.com/news/iryoishin/642110
6NC連携、1つに統合?内部で連携?
NCあり方検討会、次回で決着「研究推進の役割果たして」

レポート 2018年11月16日 (金)配信岩崎雅子(m3.com編集部)

 厚生労働省の「国立高度専門医療研究センター(NC)の今後の在り方検討会」(座長:永井良三・自治医科大学学長)は11月16日、第8回会議を開き、第7回に引き続き、組織の在り方や果たすべき役割について議論した(『6NC連携、どんな方式で? 』を参照)。

 組織の在り方として、6法人のNC(6NC)を1つの国立研究開発法人に統合する案と、6NCの各法人格を維持したまま研究業務の横断支援機能を新設する案で意見が分かれた。12月12日開催予定の次回会議で、NCの組織体制について結論を出す方針(詳細は、厚労省ホームページ)。
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(2018年11月16日「国立高度専門医療研究センターの今後の在り方検討会」資料)
 前回までの「NCが世界最高水準の研究開発をするため、横断的な取り組みにより、研究支援機能を強化する組織体制が必要」とする議論を踏まえ、厚労省はこの日、3つの組織案を示した。A案は、研究業務の横断支援機能を有する7つ目の新法人を設立。B案は、6NCを1つの国立研究開発法人として統合。C案は、6NCの法人格を維持しながら研究業務の横断的支援機能をNC内部に新設する。

 コストはA案が最も大きく、B案、C案と続く。A、B案は「高度専門医療に関する研究等を行う国立研究開発法人に関する法律」を改正する必要があり、早くても2020年の通常国会を待っての動き出しとなるが、C案は決定次第組織の中身を整理し、2021年度から本格的に始動することが期待できる。

 A案は実現可能性が低いとして、この日はB案とC案に関して議論した。日本医療機器産業連合会会長の渡部眞也氏は、「産業界の視点からすると、B案のネガティブな面が強調されることに違和感がある。企業がHD(ホールディング・カンパニー)を形成するように、司令塔を作ることはより効率的に機能する形だ」と指摘。一方、日本医師会常任理事の釜萢敏氏は、「これまでのNCの役割を見れば、独立した法人のメリットが大きい。上に新しい法人組織を作るのは現実的ではない」と反論した。

 おおむねC案に賛同する構成員が多数を占めたが、C案に対し、「中心として引っ張る役割が不明確。本当に横断研究が進むのか」など有効性を危惧する声もあった。日本医学会会長の門田守人氏が、「Bの形にして初めて統括的な研究ができる。最終的にはB案を目指すべきだ」と述べるなど、複数の構成員が、C案としてスタートしたとしても、「状況を見てB案を目指す」といった継続的議論を求めた。

 「NCの今後の在り方検討会」は6年ごとに開催されているが、本来開催頻度の規定はない。今回、C案で結論が出た場合、6年を待たずに再び検討会を開き、内部横断組織の成果を検討することもできる。座長の永井氏は「検討会をどの時期でやるかも重要。3年目などでもいいのでは」と提案した。

 NCの役割については、厚労省が今までの議論を踏まえてまとめた「NCでなければ確保できない基盤的研究に取り組む」とする報告書案におおむね合意した。東京大学医学系研究科教授の岡明氏は、「大学では難しいデータ共有を、NCにやってほしいという期待がある。データセンターの構造を打ち出してほしい」と要望。日本医療研究開発機構理事長の末松誠氏は、「データの蓄積だけではなく、データをシェアし、R&Dにつなげるシステムが必要」と述べた。

 また、組織の在り方に関わらず、「爆発的に研究推進ができるところまで持っていく必要がある」、「データシェアリングを実現するためには、強いリーダ―シップが必要」、「組織改革には明確なミッションを決める必要がある」などの声も上がった。

 座長の永井氏はこれらを受け、「データ共有という生易しいものではなく、『開発研究プラットフォームを作ろう』というもう少し強めの表現をミッションとして掲げてはどうか」と、報告書の書き方に関して要望した。

 12月12日に開催を予定している次回会議で、一定の結論を得る予定。



https://www.m3.com/news/iryoishin/642028
シリーズ 医師の働き方改革とキャリア
全自病、労働と自己研鑽を整理、会員病院に周知
根本厚労相には要望書を提出

レポート 2018年11月16日 (金)配信水谷悠(m3.com編集部)

 全国自治体病院協議会は11月15日の記者会見で、「医師の労働と自己研鑽の考え方等について」とする文書を10月26日付けで会員病院に配布したことを明らかにした。厚生労働省の「医師の働き方改革に関する検討会」での議論の内容を踏まえ、労働と自己研鑽についての目安を示すもので、会長の小熊豊氏は「働くのが当たり前と思ってやってきたが、直さなければいけないと切実に考えている。改めるためには労働と非労働をどう考えるか」と、狙いを説明した。11月14日には、医師の働き方改革に関する要望書を厚生労働大臣の根本匠氏に提出した(要望書の内容は最下部に記載)。

 取りまとめに当たった副会長の望月泉氏は、「自己研鑽をしないと、医師の質を保てない。自己研鑽ができなくなるような働き方改革は困る」と説明。今回の文書はおおまかな目安を示すもので、病院ごと、地域毎に実情が異なるため、「グレーな部分は厚労省もなかなか決められないのでは」との見方も示した。

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(2018年11月16日全自病記者会見配布資料)

========  医師の働き方改革に関する要望  ========
 現在、国において行われている医師の働き方改革に関する検討に際しては、「医師の健康への配慮」と「地域医療の継続性」を両立することを基本理念とし、以下の事項にも十分留意の上、慎重な検討を行っていただきますようお願いいたします。

 なお、当協議会においては、別添のとおり「医師の労働と自己研鑽の考え方等」について会員病院に周知し、対応を図っておりますので「医師の働き方改革に関する検討会」においてもご参照いただければ幸いです。

- - - - - - - - - - - - - - -  記  - - - - - - - - - - - - - - -

1. 医療の質の確保の観点から、時間外労働の上限規制の適用が医師のプロフェッション性を形骸化させることや医師養成の妨げとなり、医療の質・医療安全を低下させてはならないこと。

2. 医師の応召義務について、医師個人に過重な負担を強いることがないよう、その解釈や範囲を整理し、体系的に示す必要があること。

3. 医師の自己研鑽について、自己研鑽と労働時間を区分する基準や運用を示す必要があるとともに、医師としての生涯学習を阻害することがないよう留意すること。
 また、特に研修医は学習者としての側面を併せ持ち、医師としてのキャリアパスを実現するために十分な研修時間と症例数の確保は必須であることから、例えば海外の規定等も参考にし、研修医の健康に配慮した時間外労働規制を検討する必要があること。

4. 宿日直の許可基準のあり方について、「医師、看護師等の宿日直許可基準」を現代の医療提供体制の実態にあった基準に見直す必要があること。また、その検討に際しては、医師数が少ない地域、医療機関における医療提供体制の確保を考慮し、医療安全の観点からも医師の健康に配慮した対応を図ること。

5. 時間外労働規制を医師の地域偏在、診療科偏在や病院機能の違い等を考慮せずに適用すれば、救急医療、周産期医療、休日夜間診療など地域医療に大きな負の影響が生じる。医師の労働量の議論のみならず、医師の需給バランスからの議論も同時進行させていく必要があること。

6. 医師の勤務負担軽減を図るための一つの例として、一人主治医制を見直すことが考えられるが、その実現には社会全体、つまり国民や患者、家族の理解の浸透が不可欠であること。このためには、義務教育等で医療に関する項目を増やし、水や空気のように考えられている国民皆保険の危機的現状の認識の共有が必要であること。



https://www.m3.com/news/iryoishin/642029
シリーズ 医学部不適切入試
AJMC、「大学医学部入学試験制度に関する規範」公表
性差での差別は「NG」、多浪は一部容認、違反で除名も

レポート 2018年11月16日 (金)配信橋本佳子(m3.com編集長)、大西裕康(m3.com編集部)

 全国医学部長病院長会議(AJMC)は11月16日に記者会見を開き、「大学医学部入学試験制度に関する規範」を公表した。どんな入試枠であっても、性差で一律的に判定基準に差異を設ける事例は「不適切」であるとした。多浪についても一律的な差異は「不適切」だが、例えば地域枠では「各地域の状況を勘案し、社会に説明可能な範囲で入試要項に記載すれば実施可能」とした。規範は、16日の理事会で承認した。

 規範では、各大学がアドミッションポリシーに則り、入試を行う自治は認められるものの、「種々の法律や規則・通達等の広い意味での法を陵駕するものではなく、時代の社会通念や常識の域を超えてはならない」とした。この前提の下で、「公平性」(国民から見て公平であること)と「医療人確保」(国民にとって良い医療人、医学者になり得る人材を確保すること)という2つの尺度に照らし合わせ、公正な入試を行うことを原則としている。「全国の大部分の大学医学部が健全な法人として活動している中、一部の大学医学部が社会的に容認されない行為を行ってしまったことは大変遺憾」とも表明。

 2019年春の入学試験から適用する。今後、Q&A集を作成する予定。本規範を遵守しなかったと判断された場合には、同会議からの除名処分などの対象とする。東京医科大学について遡及して処分することはしない。なお、AJMCは全国80大学で組織。AJMCは医学部の新設に反対していたため、東北医科薬科大学、国際医療福祉大学は加盟していない。一期生が卒業し、医師になる時点で加盟を認める方向で検討している。

 規範を作成したAJMCの「大学医学部入学試験制度検討小委員会」委員長の嘉山孝正氏(山形大学医学部参与)は、「公平、いい医療人の確保のために、入試制度を変えてきた歴史がある。これら2つの尺度で考えることが柱。この他、アドミッションポリシーを勘案しながら、各事例(入試枠)について検証した」と説明した。「規範は、今後の社会の変遷の影響を受けると考える。本規範も経年的に検証されなければならない。今後、この規範に沿って、各大学で健全な入試が行われるだろう」(嘉山氏)。

 AJMCの「大学医学部入学試験制度検討小委員会」は、東京医科大学での入試不正問題を機に10月13日、検討を重ねてきた(『「公平 ・公正な医学部入試の在り方」、AJMCが検討』、『医学部入試、各大学が特色出せる「幅を示す」』を参照)。委員は、嘉山氏を含め、計8人から成る。

 議論になった「同窓生子弟枠」

 会長の山下英俊氏(山形大学医学部長)は、「皆の英知を集めて、自律作用を働かせて作成した。理事会で機関決定したことから、これは非常に重いものである」と位置付けを説明。嘉山氏は、「本規範は、文科省と厚労省と情報交換しながら作成した」と経緯を話し、「これを平気で破る大学はないと思う」と述べた。「規範の作成が遅かったのでは」との質問には、東京医大の件は、「われわれにとっては、“寝耳に水”」だったとし、それが規範作成にきかっけになったと答えた。

 議論になった一つが同窓生子弟枠。愛校心が強く、医師になるモチベーションがある、学力があるなどの条件で、従来から国民から認められているとし、「公平という点では満点ではないが、親が医師であれば、途中で脱落する可能性が低いと考えられる」(嘉山氏)。しかし、不正、不適切な要素が入る可能性があるため、「特定の人間の利益や権益に結び付かない制度を学内で確立する」ことで公平性の担保を求めた。「今後議論が起きれば、また議論になるだろう」(嘉山氏)。

 医学部入試の変遷も解説

 規範は、「はじめに」に続き、「1.大学医学部入学試験制度とアドミッションポリシー」、「2.大学医学部入学試験制度の歴史的概略」、「3.各論」、「4.本提言のまとめ」という構成。

 「はじめに」では、今後(2019年春の入学試験から)種々の検討を経て、AJMCの「大学医学部入学試験制度の規範」を遵守しなかったと「大学医学部入学試験制度検討小委員会」で判定された大学医学部(会員)は、検討と適切な手続きを踏み、AJMCから除名を含む処分の対象とすると明記。

 「1.大学医学部入学試験制度とアドミッションポリシー」では、医学部の特殊性として、▽卒業生のほぼ100%近くの学生が医師になり、医師国家試験に合格しなければ、製薬業界、行政などに行くにしても医学の分野においては活動がほぼ困難な学部である、▽教育費も他の学部と比較すると多額で、それを支える多くの税金が投じられている――を挙げ、理解を求めた。その上で、「入学した学生の一人の脱落もなく医療人、医学者として教育・育成しなければならない責務を負っている」とし、各大学はアドミッションポリシーに則り、入試ではさまざまな工夫をしているとの現状を説明。

 「2.大学医学部入学試験制度の歴史的概略」では、医学部入学定員や入試方法の変遷、学士編入試制度やAO入試など、入試の多様化を概観した上で、規範の基本的な考え方を提示した。

 入試の適不適の判定は、「公平性」と「医療人確保」という2つの尺度で行えば、問題点が整理できるとした。「学力試験のみの合否判定以外の要素は、時代背景や、社会の状況により変化した」とし、「不正」と「不適切」を明確に分けて考察する必要性も強調している。

「大学医学部入学試験制度に関する規範」における医学部入試の不正、不適正の例
「不正」:法令に違反した事例(贈収賄が絡むような事例、特定の人物が「枠」を使って金銭等のなにがしかの権益を得るような事例、学長や入試委員長等の特定の個人だけの判断で合否判定するような事例、合理的理由なく順番を飛ばして合否判定するような事例、合否判定以前に受験生および保護者に寄付金を依頼するような事例、など)。
「不適切」:「医療人確保」のためと考え、学内の承認を得ていても、社会的に「公平性」からかけ離れた事例、など。

 「3.各論」と「4.本提言のまとめ」では、(1)性差、(2)浪人年数(年齢)、(3)内部進学枠、同窓生子弟枠等、(4)その他の枠:推薦入試枠、学士編入枠、帰国子女枠等、(5)地域枠――に分けて、入試の適不適を整理している。

「大学医学部入学試験制度の規範」

(1)医学部入学試験においては、女性という属性を理由として合格基準に一律的に差異を設ける試験制度を施行してはなりません。試験制度としては不適切です。

(2)一般入学試験においては、入学者選抜に際して浪人年数(年齢)という属性を理由に一律的に判定基準に差異を設ける試験制度を施行してはなりません。試験制度としては不適切です。

(3)内部進学枠、同窓生子弟枠等などの選抜にあたっては、人数や選抜法などの選抜方法を入試要項に明記し、その内容が①「公平性」、②「医療人確保」に則り、内部進学枠や同窓生子弟枠等を行うに当たってのアドミッションポリシーが国民の容認が得られ、さらに、個人が金銭を含むなにがしかの利益を得ない制度を担保し、公正に行われることが必須です。さらに、特定の個人だけの判断で合否判定をすることは、いかに学内の承認があろうとも①「公平性」、②「医療人確保」の観点から国民に説明が困難ですので、不正あるいは不適切にあたります。

(4)その他の枠:推薦入試枠、学士編入枠、帰国子女枠等を採用するには、それぞれの評価方法をどの程度の比重で扱うのか等を具体的に示すことが求められている点を考慮し、入学試験要項に、試験内容を明確に記載することが必要です。さらに、特定の個人だけの判断で合否判定をすることは、いかに学内の承認があろうとも①「公平性」、②「医療人確保」の観点から国民に説明が困難ですので、不正あるいは不適切にあたります。

(5)地域枠については、学生の確実な確保のため一般枠とは別に公募しますが、その枠内での合否判定法は一般枠と同じ制度で運営されなければなりません。地域枠といえども性差で一律的に合否判定に差異をつけることは不適切となります。しかし、その他の要件に関しては、社会に説明できる範囲内で、入学試験要項に明確に記載すれば施行できます。



https://www.m3.com/news/iryoishin/638236
シリーズ 医師・看護師に聞く「タスク・シフティング」
PAも外科系で期待◆Vol.6
「医師の業務であり反対」の意見も

医師調査 2018年11月17日 (土)配信水谷悠(m3.com編集部)

Q: 医師の指示のもとで手術の助手など一定の医療行為を行う「フィジシャン・アシスタント(PA)」を新たな国家資格として検討することを求める意見も出てきています。 国家資格職としての創設について、どのようにお考えでしょうか?
111810.jpg
 医師全体では「創設するべき」が38.8%なのに対し、外科系に限ると57.7%と高い割合。看護師は31.2%で医師全体よりも低く、ナース・プラクティショナー(NP)と同様の傾向が出た。

Q: PAの国家資格としての創設について、お考えをお書きください
【任意】
【賛成】
国家資格となれば、国民に広く受け入れられやすく、安心感も増すでしょう。医療スタッフからもそのような職種として受け入れてもらいやすくなるとともに、信頼されるのではないでしょうか。【61歳男性、外科、開業医】
手術時に医師が1人の場合もあり、よい考えと思う。【57歳男性、内科、開業医】
手術スタッフの確保が大変な中において需要はあるかもしれない。【42歳男性、内科、開業医】
看護師に一定の研修と資格試験を課してPAにするのが最も近道かと思う。【68歳男性、精神科、開業医】
特定の分野に特化して普通の看護師ではできない処置を行える資格を作るのは良いと思う。医師の手助けになる。【51歳女性、看護師、民間病院】
オペ室(の業務)は特殊業務であり、オペ業務のスペシャリスト化の一環として賛成。【39歳男性、看護師、民間病院】
【反対】
これは完全に医師の業務の範疇であり反対。【54歳男性、内科、開業医】
手術は完全に看護師の領域を超えている。経験や立場などの関係性から、医師と看護師の立場が逆転することが考えられる。【35歳女性、看護師、民間病院】
【なんとも言えない】
どの程度の行為まで許可するかで違ってくると思うので、今のところはなんとも言えない。【65歳男性、外科、開業医】
手術という、何が起こるか分からない状況で、緊急事態も起こった時は特に、PAはどこまでやっていいのか混乱しそう。医師としても、どこまで求めていいのか混乱しそう。 そして、何か患者に不利益が生じた場合、医師に責任を押し付けられ、押し付けられたのでは無くても、訴訟になった場合、一般的に見て、看護師の技量不足などで看護師が訴えられそうで、不安で仕方ない。【37歳女性、看護師、公立病院】
【条件次第】
もし創設するなら手術看護師経験10年以上とかにした方がいい。【39歳女性、看護師、民間病院】
オペ室ナースは既にPA同様の業務を行っています。NP同様、働きながら資格を取得しやすい仕組みを考える必要があると思います。【45歳男性、看護師、公的病院】
【看護師が足りない】
看護師が不足していると言われている中で、現実感のない資格を増やすことに意味を感じない。【46歳女性、看護師、大学病院】



https://www.m3.com/news/iryoishin/641895
医師の地域偏在解消、「救急医の養成強化が急務」
大友・医科歯科大教授、自治体病院でも「救急医3.5人以上で常勤医増」

レポート 2018年11月15日 (木)配信大西裕康(m3.com編集部)

 東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科救急災害医学分野教授の大友康裕氏(同大学医学部附属病院副病院長・救命救急センター長)は11月15日、同大学が開いた記者懇談会で講演し、医師の地域偏在を解消する有効策として、救急科専門医の養成強化が急務と改めて訴えた。日本救急医学会が2016年に実施した調査の結果として、救急医が3.5人以上いる病院では常勤医が増加する傾向にある状況などを示しながら、救急科専門医が救急当直を担う体制があれば他の診療科医師の負担軽減につながり、特に医師不足が顕著な地方の自治体病院でも常勤医が増えると強調した(日本救急医学会の2016年調査結果などは、『「医師に選ばれる」病院に「救急医の充実」』を参照)。

 大友氏は、医師の地域偏在解消のために取り組んだ医学部の定員増などのさまざまな施策で良い結果は出ていないと指摘。「医師不足が顕著なのは地方の中核市ではない地域に位置する自治体病院であり、公的な病院は救急診療をしなければならず、それが大変な負担になっている。一方、救急の体制がしっかりしているところでは、他の診療科医師数も増えている」と述べ、救急科専門医の増加を柱に据えるべきと訴えた。救急科専門医の具体的な意義については、以下の3点を挙げた。

1.救急医療の質を保証する
2.各種専門診療科の業務効率化が図れる
3.良質な救急初期診療研修の提供


 救急医療の質保証に関しては、「救急蘇生治療に習熟」、「各種の救急初期診療の標準化」、「診断ミスにつながりやすい救急診療上のピットフォールに精通」、「救急診療中に実施する各種処置・治療のトラブルを回避する手技と合併症発生時の対処法について習熟」の4つを利点として列挙。その上で、「広い診療範囲をカバーし、地域の救急医療を支える救急科専門医を多く養成することが、医師の地域偏在の有効な対策である」と述べ、医師偏在対策などを検討している厚労省の「医師需給分科会」でも議題として取り上げるべきとの考えをにじませた。

11月1日に「災害テロ対策室」を設置
 大友氏は講演で、同大学が11月1日に国立大学として初めて「災害テロ対策室」を設置したことも報告。2020年の東京オリンピック・パラリンピックに備える一環として、自然災害のみならずテロや犯罪を含む多数傷病者の発生に対応する。JR東日本などとも連携しているという。



https://www.m3.com/news/iryoishin/641103
シリーズ 地域医療構想
「在宅医療充実に向けた都道府県の役割」、厚労省通知へ
厚労省WGが取りまとめ、かかりつけ医の記載求める声も

レポート 2018年11月12日 (月)配信橋本佳子(m3.com編集長)

 厚生労働省は、「在宅医療及び医療・介護連携に関するワーキンググループ」(座長:田中滋・埼玉県立大学理事長)の11月12日の第7回会議で、在宅医療の充実に向けて「都道府県が取り組むべき事項」を盛り込んだ、「議論の整理(案)」を提示、文言修正の上、座長一任で了承された。同省は年内もしくは年明けに都道府県に対し、通知する予定(資料は、厚労省のホームページ)。

 「都道府県が取り組むべき事項」は、下記の囲みの通り。全日本病院協会副会長の織田正道氏からは、在宅医療を進める上で、かかりつけ医が重要であるとし、その役割等の追記を求める意見が上がった。全国在宅療養支援診療所連絡会会長の新田國夫氏、日本医師会常任理事の松本吉郎氏も、織田氏の意見を支持、災害時の在宅医療対応やACP(アドバンス・ケア・プランニング)の取り組みのためにも、かかりつけ医が必要であるとした。

 金沢市保健局担当局長の越田理恵氏は、医療・介護の連携にはICTが必要になるが、市町村レベルでの整備は難しいとし、都道府県の役割として求められると提起。また「都道府県が取り組むべき事項」についての基本的考えとして、地域包括ケアシステムの構築は各地域一律ではなく、市町村がオーダーメイドで進めるべきで、都道府県はそれを支援する役割であると述べた。

 2018年度から開始した第7次医療計画では、地域医療構想において推計した将来必要となる訪問診療の需要に対応するための「訪問診療を実施している診療所・病院数に関する整備目標とその達成に向けた施策」のほか、「退院支援」「日常の療養支援」「急変時の対応」「看取り」という場面に応じた4つの医療機能を確保することが求められる。在宅医療の整備自体は、各市町村が進めるべき課題だが、それを支援する都道府県が取り組むべき事項を整理したのが今回の通知になる。12日に厚労省が提示した「議論の整理(案)」は、9月の本WGの議論を踏まえ修正した内容(『厚労省、「在宅医療の充実に向けた議論の整理」(案)を提示』を参照)。

 厚労省は通知発出後、通知内容の実施状況などをフォローアップしていくほか、2020年度の第7次医療計画の中間見直しに向けた整理、災害時の対策――について議論を続ける予定だ。

「都道府県が取り組むべき事項」
(1)第7次医療計画の改善(「訪問診療を実施する診療所・病院数に関する数値目標」を設定していない8府県については、第7次医療計画の中間見直しの際にその目標を設定、「在宅医療の整備目標及び介護のサービス量の見込み」を設定していない4府県については、中間見直しの際に按分の上、医療計画と介護保険事業(支援)計画に反映、など)
(2)都道府県全体の体制整備(本庁の医療政策部局と介護保険部局の連携の推進、年間スケジュールの策定、在宅医療の充実に向けた市町村支援)
(3)在宅医療の取組状況の見える化・データ分析(KDBシステムのデータ活用、医療機関や訪問看護ステーションへの個別調査、市町村や関係団体当との情報共有体制の整備)
(4)在宅医療に関する各種ルールの整備(入退院支援ルールの策定支援、後方支援病院等との連携ルールの策定、急変時の患者情報ルールの策定、運用)
(5)在宅医療に関する人材の確保・育成(医療従事者への普及・啓発事業やスキルアップ研修の支援、多職種連携に関する会議や研修の支援)
(6)住民の普及・啓発(人生の最終段階における医療・ケアについての意思決定支援に関する普及・啓発、在宅医療や介護に関する地域住民への普及・啓発)



  1. 2018/11/18(日) 13:11:03|
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11月11日 

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO3757802009112018MY7000/
医師の不足と過剰 桐野高明著 データ踏まえ論争に答え
2018/11/10付日本経済新聞 朝刊

日本の人口当たり医師数は先進国では少ない方とされてきた。実際、地方によって医師不足は深刻だ。一方、人口が減っていくのだから、そのうち医師は余るとの説もある。

必要以上に医師が存在すると、医療費が無駄に費やされ、国家財政に悪影響を与えるという人がいる。逆に医師は多いほど医療現場に余裕が生まれたり、競争原理が働いたりして医療の質は上がるという人もいる。一体何が正しいのだろうか。

本書は正確なデータや医師養成の仕組み、歴史などを踏まえてこのような論争に答えを出そうというものだ。著者はどちらかといえば、野放図に医師を養成するのではなく、養成数には一定の管理が必要との立場。それは法曹人口を増やそうとして設置された法科大学院の失敗や、増えすぎて経営が成り立たない歯科診療所の増加などを見ればわかるという。

とはいえ医学部の定員を一気に減らすなどの急激な変革を訴えたりはしていない。様々な要素を考慮し、慎重かつ早めに対応していくことが肝心との穏やかな主張だ。

不安定な時代に医師は手堅い職業だと、成績優秀な学生がこぞって医学部を目指す傾向が強まっている。本当にそれでいいのだろうか。若い人にもぜひ読んでもらいたい。(東京大学出版会・2900円)



https://www.yomiuri.co.jp/national/20181103-OYT1T50042.html
残業上限が月200時間、市立病院に是正勧告
2018年11月05日 08時10分 読売新聞 福井

 福井県敦賀市の市立敦賀病院が、時間外労働の上限について、労働基準法の規定の4倍を超える「月200時間」とする労使協定(36協定)を、労働組合と結んでいたとして、昨年8月に敦賀労働基準監督署から是正勧告を受けていたことがわかった。

 労基法は、時間外労働の上限を月45時間、年360時間と定めている。病院によると、昨年度の労使協定は医師について月200時間、年1600時間とし、繁忙期は月250時間とする特別条項も設けていた。

 昨年度に協定の上限を超える時間外労働はなかったが、常勤医師43人中20人が「過労死ライン」とされる月80時間を超え、最長は産婦人科医の174時間だった。勧告を受けた後の今年度についても、月197時間、年1600時間を上限とする労使協定を結んでいる。

 市立敦賀病院総務企画課は「慢性的な医師不足が要因。今後、協定を見直すとともに、医師の業務負担が軽減できるような体制作りを進めていく」としている。



https://www.m3.com/news/iryoishin/639235
シリーズ m3.com意識調査
臓器別講座の弊害「専門外を診られない」「一臓器で臨床は成立せず」
ナンバー制、臓器別それぞれの弊害を調査◆Vol.3

レポート 2018年11月10日 (土)配信高橋直純(m3.com編集部)

Q 臓器別講座の弊害を実感したことがある場合、具体的にどのような出来事でしたでしょうか。
調査結果はこちら⇒臓器別講座の弊害、年齢上がるごとに実感

・臓器別で対象疾患がストライクゾーンである場合は問題ないが、そうではなく、疾患臓器が多岐にわたる場合など、すんなり引き受けてくれない。どこが中心で見るかあやふや、どこの科も中心で診たくない。今までいた病院が悪かったのかもしれませんが、勤務医は押し付け合いばかりでした。ある程度、臨床に対しての向上心がなければ仕事が少なくても多くても給料など見返りは一緒ですからね。楽するか、自分の経歴にかかわる研究に時間を割くかですよ。【内科その他】

・医局員が少なく、自分が依頼した患者の術後の管理体制の不十分さを家族からよく不満や苦情をもらった。【内科その他】

・入院患者は、多種の病気を持っているから、専門外のことは、素人並みになってしまっている。【内科その他】

・専門外として患者の訴えを無視する医師がいる。【内科その他】

・臓器別に薬が出て結果的にポリファーマシーになる【内科その他】

・特に内科で、少しでも自分の専門を外れると全く診れないダメ医師が増えたこと。【内科その他】

・臓器別になったので、同門会がおかしくなった。【内科その他】

・重複疾患の場合、患者の押し付け合いや取り合いが発生する。【内科その他】

・内科は全身を診る分野なので、質問自体が不謹慎です。【内科その他】

・メインの教授の臓器には研究費が潤沢で、その他の臓器には研究費が回されない状況がある。【内科その他】

・初期研修医にとっては、症例が偏りすぎるように思った。【内科その他】

・相談したいときにいちいち対診を出さないといけない。【内科その他】

・全身の状態把握がおろそかになる。【内科その他】

・手術に関連する臓器のグループを、それぞれ招集しないといけない。【内科その他】

・ナンバー講座からいきなり臓器別講座にしたって、以前のナンバー講座が臓器別になっていなくて、一部の臓器が重複していたのでかえって大混乱。ナンバー講座を全て完全に解体してから臓器別にして再構築しないと弊害ばかりとなってしまう。けど、今の日本でそんなこと本当にできるのか?【内科その他】

・専門科のエクスパートを自認するかのような若手医師が増えてきており、かつ以前のナンバー内科、外科のイズムが教えられないので、人として患者を診る力に深みがない印象を持っている。【内科その他】

・その臓器担当講座の実力に問題があった場合に、他に紹介する選択肢がない.【外科系】

・田舎に行けば行くほど、一般外科が大事になるが、専門医は応用が効かない。【外科系】

・風邪薬も出せない専門医や指導医集団に、あっけにとられて、コンサルトすることすら忘れてしまつた。【外科系】

・中規模病院で麻酔科をしていて、術前検査で肝機能障害が見付かった患者さんを消化器科の一番適切そうな先生に相談したが、「僕は膵臓が専門なんだよね」と言われてしまった。内科学会認定医ってなんのためにあるの?と思いました。【外科系】

・やってみたい臓器の治療にかかわることができなかった。【外科系】

・各臓器班しばりの方が多く、その臓器の手術ができても、執刀することができない。【外科系】

・特定臓器以外を診療しない医師が居る。【外科系】

・それぞれの専門科が自科の治療法に固執するあまり、患者全体の治療方針を考えないことが多い。キャンサーボードを利用しないと、患者の治療方針を決められず対応が遅い。【外科系】

・人数が少なくなって手術件数が減った。ナンバー制で動いていたら消化器外科専門でも呼吸器の手術を手伝いに行けたが、臓器別になると手伝いに行きにくいです。【外科系】

・整形外科領域で、頚椎と腰と膝で担当医が別れていた患者が、病院に住んでいるみたいだと嘆いていた。確かに、毎週のように病院に来て、何時間も待たされてみるのは1カ所と言うのがかわいそうに感じていた。【―】

・仲が悪いので、疾患によって腕の良い方に任せるということができない。【小児科系】

・大学では学問の場ということもあり、専門化はあってもいいと思います。【小児科系】

・多臓器にまたがる疾患や病態の場合、「うちの科ではない」と断られまくる。他院からお願いしている身ではあるが、それはこちらに言わずうちわでやってくださいよ、といつも思う。【循環器科系】

・特に外科は総合的な臓器の知識、扱い方が重要な科と考える。複数の臓器が扱えるのは、専門の臓器を扱う上でもプラスになるはず。医者が不足している地域では特に問題となるだろう。【消化器科系】

・一般に一臓器で臨床は成立しない。【消化器科系】

・外科専門医のくせに、一つの臓器しか診れない(卓越した専門医と勘違いしている)医師が多い。【消化器科系】

・一人の患者の手術で多臓器を手術するとき、一つの講座だけで完結できない。【消化器科系】

・臓器別は確かに必要だが、他の科目の疾患の知識がない医者がたくさんいるので、見逃されている疾患だらけになっている。【消化器科系】

・外科医が救急患者を率先して診て当然という気運が失われた。【消化器科系】

・臨床で、うちの科ではないという若手がでてきてしまったこと。【消化器科系】

・最寄りの大学の呼吸器内科から紹介されてくる患者の糖尿病コントロールは、大概無茶苦茶。内分泌科に御老人を紹介すると、1週間後には全員誤嚥性肺炎。神経内科は首から下の病気には恐ろしく無頓着だし、循環器内科は認知症と慢性硬膜下血腫の区別が付かず、脳の画像も撮らずに抗認知症薬だけで放置している。その後始末をやらされるのが老人病院というのは、何か間違っていないか。【脳神経系】

・コンサルトするときに、その専門とする臓器しか診てくれないため、その患者全体を診る科が必要だなってずっと思っていました。最近流行の総合内科ってヤツですね。患者さんの疾患が複数臓器にまたがる疾患だった場合、何個も何個も併進する必要があり、またそういう疾患には臓器別の先生方は不慣れでした。【脳神経系】

・境界領域の疾患をどこも診てくれない。自分の領域なのに診てくれないと、合併する他疾患を診療している科が診療せざるを得ない(肺炎になっても呼吸器内科が診てくれないため、神経疾患を診ている脳神経内科の病棟に入院させざるを得ない、など)。【脳神経系】

・紹介する科をこちらがある程度絞らなければならない。【脳神経系】

・呼吸器内科を受診して、血圧が高かったら循環器内科に紹介され、そこでまた1〜2時間待たされる。【脳神経系】

・いくつかの疾患を抱えた患者のマネージメントが専門家がいないためできない。コンサルテーションで病院中を回らなければならず、馴れない病棟では苦労する。学会の時に病棟に誰もいなくなる。【糖尿病】

・臓器別講座の弊害は、臓器の特異的な所見や検査所見がないと診断できないところにある。腎障害や肝障害、神経障害、喘息など多彩な症状を呈する疾患が、例えば血管炎などと診断できるのは膠原病やリウマチ、血液、神経内科を専門にする先生だったりすることはよくあります。【糖尿病】

・腹部大動脈瘤の経過観察のため、血管外科で胸腹部造影CT。血管の3D画像も作って、著変なしと診断されました。でも直後の単純CTで、肝臓内に多発性の転移癌所見が明らかに。専門分野のことだけを判断すればいいって、うらやましいなと思いました。【精神科系】

・頭頸部、食道、胃の同時重複癌でどの科が主治医になるかでもめた。【耳鼻咽喉科】

【調査の概要】
調査期間: 2018年10月22日 (月)~28日 (日)
対象:m3.com会員
回答者数:1763人 (開業医 : 350人 / 勤務医 : 1199人 / 歯科医師 : 6人 / 看護師 : 32人 / 薬剤師 : 153人 / その他の医療従事者 : 23人)
回答結果画面:ナンバー講座、弊害を感じたことある?



https://webronza.asahi.com/science/articles/2018103100010.html
医学部受験で女子が差別される問題の本質的な背景
男子よりも強い「医師志向」と、彼女たち自身の性役割意識をめぐって

小島寛之 帝京大学経済学部教授
2018年11月05日 Web RONZA

 東京医科大学による入試不正は、受験生と保護者に大きな衝撃を与えた。女子受験生と多浪受験生は一律減点の、また、卒業生の子弟には加点のハンディキャップを課す得点操作だ。その後、文部科学省の調査によって、少なくない私大医学部が同じような得点操作をしていることが判明しており、今、社会問題として大きな拡がりを見せている。

 とりわけ、女子受験生に対する減点の理由は、単なる大学経営上の都合ではなく、いわば社会構造に立脚するものであり、深刻である。その理由とは、女性が医師になった際、専門科が偏ったり、結婚・出産・子育てで長期的に医師業務を離脱したりする、ということだ。私大は附属病院の医師に不足が生じることから、女子の入学を制限したいのである。しかし筆者は、この問題に関して、これとは別の二つの視点を持っている。
優秀な女子受験生は、東大より医学部を志向する傾向があり、
そういう医学部を志向する女子は、性役割意識が強い。
 という視点だ。ここに、問題の本質を見ているのである。

優秀な女子高生は東大より医学部を目指す

 今回の医学部の女子受験者に対する一律減点は、二重の意味でひどい仕打ちである。なぜなら、男子よりも医学部志向の強く、医師になることへの固い決意と情熱を持っている女子に対し、得点でハンデを負わせているからだ。優秀な女子は東大よりも医学部を志望する傾向がある。

 筆者が昔、塾の講師をしていた頃、女子を鍛えても塾の実績にならない、というぼやきをよく耳にした。優秀な女子は医学部を受験する傾向が強いからだ。塾の実績では東大合格者数がものを言う。だから、東大合格者を増やしたい塾側としては、女子の医学部受験を不満に思っていたのである。

 この実感は本当なのか、良い機会なのでデータで検証してみた。東大合格者がたくさん輩出する有名男子高校と有名女子高校で、東大合格者数と国公立医学部合格者数の比率をとってみたのである。表は、東大合格者と国公立医学部合格者の両方の上位校から、男子校と女子校を抜き出し、それぞれについて、

  国公立医学部合格者数 ÷ (国公立医学部合格者数 + 東大合格者数)

 を計算したものだ。
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高校別での医学部志向の傾向。「週刊朝日」のデータから筆者が作成

 表において、数字が大きいほど、「東大より医学部を志向」という傾向の高校であることを意味する。統計の取り方において、合格者の重複や進学先の数字ではないなど問題点は多いが、おおよその検証ぐらいには使えるだろう。

 医学部率が異様に高い男子校の灘やラサール、医学部率が非常に低い女子校の女子学院のように例外はあるが、おおよそ、「男子有名校に比べて、女子有名校のほうが医学部志向が高い」ということがわかる。塾の先生方の実感はそこそこ正しかったと思われる。

女子の医学部志向の理由

 それでは、優秀な女子が東大より医学部を目指す理由はなんだろうか。筆者の推測ではジェンダーの問題が大きく関わっていると思われる。 ・・・ログインして読む
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https://www.47news.jp/national/2924232.html
第1部「ポスト平成の病院改革」(5) 県境またぐ病院移転で紛糾 住民vs医師会、利害衝突 
2018.11.5 15:35 共同通信

 2025年に向け国が進める医療提供体制の再編は、自分が住む地域の病院がなくなることも、時に意味する。佐賀県と長崎県では公的病院の移転を巡り、県境をまたいで住民や医師会の利害が激しくぶつかった。

 「松浦中央病院の開設は、地域包括ケアシステムの構築を進める大きな一歩と捉えています」

 18年3月2日、長崎県松浦市議会。施政方針演説に立った市長の友田吉泰(54)は、20年にオープン予定の新病院について意義を強調した。

 松浦中央病院は、隣の佐賀県伊万里市にある「伊万里松浦病院」が移転して開設される。運営主体は、旧社会保険病院を引き継いだ独立行政法人「地域医療機能推進機構」。建物が老朽化し、伊万里市内の別地区での建て替えを考えたが、近くに別の公立病院があり、病床が過剰になるとして地元医師会が反対した。

 一方、松浦市内には救急病院がなく、救急患者の約7割が市外に搬送されていたため、住民が熱烈な誘致活動を展開。17年9月に開いた「決起大会」は参加者が会場のホールからあふれ、自治会連合会会長の向井勝正(75)が「市民はいつも不安を抱え、安心した生活を送れない」と訴えた。

 ところが、市の医師会からは反発の声が上がった。新病院が救急・重症患者向けのベッドだけでなく、リハビリ向けの回復期病床も設ける計画であることが分かり、民間病院が患者を奪われると懸念したためだ。病院経営者らが集まって地域の医療提供体制を調整する会議は紛糾した。

 会議での承認を2回持ち越した末に、新病院が回復期の病床数を減らすことでようやく決着。向井は「思いが届いてよかった」と喜ぶが、収まらないのが伊万里市側だ。病院の周辺住民は「地域が廃れる」と心配する。

 こうした利害の衝突は今後、各地で起きる可能性がある。25年に向け病院ベッドを再編する各都道府県の「地域医療構想」実現へ議論が本格化するからだ。慢性疾患を抱える高齢者が増えるのに合わせて病院ごとの役割分担を見直さないと、医療費に無駄が生じる。厚生労働省は全国341の「構想区域」で18年度内に具体的な病院名を挙げた議論に入るよう、都道府県の尻をたたく。

 ただ、多くの知事が地元医師会から選挙の支援を受けているため、担当職員は下手に動けず腰が引けがち。思うように進まない地域も多い。厚労省OBの一人は「医療政策を担える都道府県職員の育成が必要だ。知事の姿勢も問われる」と指摘する。(敬称略、年齢は取材時点)



https://www.47news.jp/national/2924225.html
第1部「ポスト平成の病院改革」(4) 消耗戦を脱却、共存の道探る 原点に県立・市立病院の再編統合
2018.11.5 15:34 千葉響子  47 News/共同通信

 「国の政策に振り回されず、地域の実情に応じた医療や介護の提供体制を主体的につくれないか」。2018年4月1日、山形県酒田市の栗谷義樹(71)ら地元の医師たちが主導して「日本海ヘルスケアネット」が産声を上げた。

 同市内の9法人が参加。重症患者対応の急性期を担う「日本海総合病院」を核に地元医師会、介護事業者も名を連ねる。

 人口減と高齢化が進む地域では、病院単体で運営していては効率化が望めず収益を上げにくい。酒田市を含む庄内地域の人口は約27万人だが、25年には15年比で3万人も減り、高齢化率は40%に近づくという。

 「この状況で何もしないって120パーセントあり得ない」。ネット設立に奔走した栗谷が言う。日本海総合病院を運営する地方独立行政法人の理事長だ。

 日本海ネットは「地域医療連携推進法人」という枠組みで、17年度にできた新制度に基づく。合併するわけではないが、病院間での入院用ベッドの機能分担や、医師や看護師の人事交流も可能になる。医療機関同士の連携がスムーズになり、地域住民にとっては急性期から回復期、慢性期と、症状に応じて受診しやすくなる利点がある。

 ただ、18年度に入っても連携推進法人の設立は全国で1桁にとどまる。「大病院の独り勝ちになるのでは」と疑心もうずまき、関係者の調整が難航しがちなためだ。

 日本海ネットには前史がある。「原点は県立病院と市立病院の統合再編だ」と、かつて酒田地区医師会で会長を務めた本間清和(70)。

 「このままでは病院は破綻し、自治体財政に深刻な影響が出ます」。本間は13年前、当時の県知事と面会し、市内の公立2病院を統合するよう直訴した。半径2キロ内に両病院が併存。重複する診療科も多く、県立病院の経営は赤字続きだった。

 08年に2病院の統合再編が実現、現在の日本海総合病院が誕生。急性期機能を集約してベッドを減らし、経営は改善した。だが周辺の他の病院では、医師の高齢化もあり「宿直回数が多く体力的に厳しい」といった声が上がる。人材を確保して地域医療を守るには病院間の連携が不可欠。収益を競う“消耗戦”から脱却し、共存の道を探ろうと栗谷らは説き続け、ネット設立にこぎ着けた。

 栗谷は「病院の『突然死』を防いだだけで、これは時間稼ぎ。うちの病院も何年持つか。期間限定のビジネスモデルだ」と話し、さらに先を見る。過疎化が進んで医療需要が縮めば、次の一手が必要になる。どこの地方も直面する課題だ。(敬称略、年齢は取材時点)



https://www.m3.com/news/iryoishin/639891
シリーズ m3.com意識調査
医師として「3浪以上は不利」「差はない」3割拮抗
多浪で「苦労の味知る」、格差「やむを得ない」

レポート 2018年11月10日 (土)配信水谷悠(m3.com編集部)

 東京医科大学の前理事長と前学長の贈賄疑惑から始まった医学部不適切入試問題では、同大が三浪以上、昭和大学が二浪以上の受験生に不利な扱いをしたことが明らかになっている。文部科学省の緊急調査でも、「不適切な可能性の高い事案」として現役生に加点して浪人生には加点しないなど、属性によって取り扱いに差異を設けていると見られる例があることが指摘された。

 浪人年数により医学生として、または医師として不利があるかどうかをm3.com医師会員に聞いたところ、全体で「差はない」が32.0%、「三浪以上は不利」が32.2%と拮抗する結果が出た。自由回答では、多浪や社会人を経ることにより、さまざまな経験を積めることのメリットを指摘する意見がある一方、入学後の成績などで差が出るとしてやむを得ないとする意見も多数寄せられた。

Q1:浪人年数により、入試の合否ではなく医学生として、あるいは医師として不利があると思いますか?

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Q2: 入試で浪人年数によって扱いに差異を設けることについて、ご意見をお書きください。
【チコちゃんに怒られる】

多浪であれば、医師になりたいという意思が極めて強いとも考えられる。医療の世界も先進医療、緩和ケア、老人医療、地域医療と多様性が求められるわけで、いろんな人材がなければ問題解決が困難なこともある。さらに、国民が70歳まで働かなければならなくなった日本で、20代そこそこで、多浪だとかいって将来を限定されることはおかしい。「ぼーっと生きてんじゃネーヨ!」とチコちゃんに怒られますよ。【56歳女性、勤務医】
【賛成】
受験勉強に費やせる時間が年単位で違うのだから、浪人生の傾斜配点は当然だと思う。3年間で実績を出せる人の方が、4年間で実績を出した人より優秀と判断するのは、そんなにおかしなことか?【38歳男性、勤務医】
私学であれば学校の判断として、入試合格ラインまで学力を付けるのに1年でできる人と3年かかる人では、入学後の学業も同様に時間がかかる可能性が高いと判断して差をつける、というのはあっても良いと思います。【42歳男性、勤務医】
あってよい。三浪以上の学生は、留年、退学率が二浪以下よりも高いから。【53歳女性、勤務医】
【反対】
不当だ。普通に公平に勝負させて選抜すべきだ。同じ理由でほぼ現役以外認めない推薦枠や地域枠も撤廃すべきだ。入試の公平性は絶対に必要だ。【58歳男性、勤務医】
浪人年数での差異を付けることは、人生経験のある、医師としての資質を秘めた人の排除となり反対です。【64歳男性、勤務医】
多浪で頑張った結果が良ければ、それに報いてあげるのが筋だと思う。 【54歳男性、勤務医】
厳密に試験のみで選抜してほしい。自身、一浪して入学しました(地方帝大)。現役生の方が優秀という気持ちも分かるが、”浪人して入学した人”の方に”苦労しただけあるな”と感じる人が多かった。【59歳男性、勤務医】
【問題なし】
受験案内に記載さえしていれば問題ない。【40歳男性、勤務医】
学校の方針だから仕方ない。マスコミや無関係の人が騒ぐことではない。【42歳男性、勤務医】
【多浪にこそ味がある】
同級生に、多浪も学卒者も、当たり前のようにいました。学内では、寧ろむしろ色々な経験者として、尊敬される方も多かった気がします。純粋に学力で、選考で、と考えていました。【60歳男性、勤務医】
本当に医師になりたい人が、苦労の味を知って選んでいるのだから、医師として科学者としても、良いことが多い。【72歳女性、勤務医】
【やむを得ない】
多浪であるほど留年率が高いというのは実感としてあります。記憶力が問われる教科が多いので、浪人を重ねるほど不利でしょう。ですから多浪を差別するのはありだと思います。大学側も留年率や国試合格率などの客観的データを示して条件を公開して傾斜配点を行えば良いのではないでしょうか。ただし、学士入学や社会人を経て入学された方はみなさんモチベーションが高く、優秀な成績で進級されていたので、そこは差を儲けなくてもよいかも知れません。【49歳男性、勤務医】
 入学にある程度の年齢制限は必要ではないでしょうか。以前歯医者として勤務後に医師を目指して医学部に入学し医師になった研修医がいましたが、医師になった時点で40歳を超えていました。体力的にも辛そうで医師になってからの勉強についていけなくて。研修医外科医局やめて、当直がない科に行きました。医師になってからも医師は勉強が必要ですので困難ではないでしょうか。あくまで私見ですが。【48歳男性、勤務医】
過去の留年率や国家試験の合格率から見て行われているところもあるので、容認されると思う。国師の合格率の順位付けを行い大学のランキングみたいになっていることがおかしいと思う。【61歳男性、勤務医】
三浪以上は入学後について行けないことが多いので、制限もやむを得ない。【68歳男性、勤務医】
浪人は、1年中真剣に受験勉強しているはず。それでも合格に2年以上かかるなら、その後の医者としての勉強について来られるか疑問です。【56歳男性、勤務医】
入学後も全員が順調に卒業にこぎつけるわけではなく、留年問題もある。卒業時年齢があまり高いのは研修医として少々問題がある!【72歳男性、勤務医】
三浪ぐらいは良いが、医者は体力勝負のところもあるので医者になった後体力的にもきついと思うし、生産性を考えるなら大学側としたら長く働ける人を医師にしたいとお思うことは当たり前のことと思います。【41歳男性、勤務医】
個々の事情はあるかかも知れませんが、何回トライしても合格できない場合は本人のためにも別の進路を目指した方が良い。【60歳男性、勤務医】
入学時の年齢にもよるのでは?ハードな研修医や専門医、当直業務などきついのではないでしょうか?【57歳女性、勤務医】
人間性には問題はないと思う。しかし、実際は、結局なかなか卒業できなかったり、国試浪人を繰り返したりしている人を知っているので、多浪してまで「医師になることが、自分の人生にとって良いことなのかどうか?」を考えた上でなら、構わないと思う。【63歳男性、開業医】
医学部は大学として学術としての場であるだけでなく、医師養成の場でもある(むしろ学部はそちらがメイン)。医師としての寿命が浪人年数分だけ短くなることを考えると、差異を設けてよいと思う。【35歳男性、勤務医】
浪人して現役とそれほど差が付かない人間であれば、合格させるメリットは少ない。伸び代の期待できる現役生(浪人すれば来年受かるような)を早々と採用して、医師養成の場に持ち込む方が、メリットがありそう。【35歳男性、勤務医】
【5浪以上なら】
五浪以上は、医者になったとしてもその後が不安なので、差を付けてもいいと思う。【33歳女性、勤務医】
【高齢の受験は無理では】
通常は浪人年数で差を設けるのは反対。ただし、60歳の浪人生の受験については医学部では…やはり無理があると思う。【61歳男性、勤務医】



https://www.medwatch.jp/?p=23391
医師の健康確保、「労働時間」よりも「6時間以上の睡眠時間」が重要―医師働き方改革検討会
2018年11月12日|医療計画・地域医療構想 MedWatch

 医師の健康を確保するためには、「労働時間の短縮」よりも「睡眠時間の確保」が重要である。このため、「連続勤務時間制限」と「インターバル規制」をセットで実施することが重要である―。

 11月9日に開催された「医師の働き方改革に関する検討会」(以下、検討会)で、順天堂大学医学部公衆衛生学講座の谷川武教授からこういった報告が行われました。医師の働き方改革に向けて、極めて重要な報告と言えます。
 
ここがポイント!
1 睡眠時間確保に向け、連続勤務の制限や勤務間インターバル、振替休暇などをセットで整備せよ
2 医療提供体制の確保も考えれば「タスク・シフティング」が不可欠
3 育児休業を取得できない最大の理由は、育児休業制度の「未整備」

睡眠時間確保に向け、連続勤務の制限や勤務間インターバル、振替休暇などをセットで整備せよ

 安倍晋三内閣の進める「働き方改革」の一環として、勤務医も「罰則付き時間外労働規制」の対象となります。ただし、医師には応召義務が課されるなどの特殊性があるため、「医療界の参加の下で検討の場(検討会)を設け、質の高い新たな医療と医療現場の新たな働き方の実現を目指し、規制の具体的な在り方、労働時間の短縮策等について検討し、結論を得る」こととされました。

検討会では、単に労働時間を規制するのみでなく、勤務環境の改善などさまざまな角度から「医師の働き方改革」を検討することが重要と考え、来年(2019年)3月の報告書取りまとめに向けて、次の3分野を併行的かつ統合的に議論していくこととしています(関連記事はこちらとこちらとこちらとこちら)。

(1)働き方改革の議論を契機とした、今後目指していく医療提供の姿(▼国民の医療のかかり方▼タスク・シフティング等の効率化▼医療従事者の勤務環境改善—など)
(2)働き方改革の検討において考慮すべき、医師の特殊性を含む医療の特性(応召義務など)
(3)医師の働き方に関する制度上の論点(▼時間外労働の上限時間数の設定▼宿日直や自己研鑽の取扱い―など)

 11月9日の検討会では、(1)のうち「医療従事者の勤務環境改善」に焦点を合わせ、我が国の睡眠医学の第一人者である谷川教授から「エビデンスに基づく医師の健康確保措置」について発表が行われました。

 
 谷川教授は、▼外国の研究結果▼厚労省のタイムスタディ調査結果の解析―をもとに、医師の健康確保にあたっては、労働時間の短縮よりも「睡眠時間の確保」(6時間以上)が重要と訴えました。例えば、厚労省のタイムスタディ調査を解析したところ、「高ストレス・抑うつ」の割合は、就労時間が「60時間以上」と「60時間未満」との間で、また「80時間以上」と「80時間未満」との間で有意な差は見られませんが、睡眠時間については「6時間以上」に比べて「6時間未満」では有意に増加するのです。この結果からは、「医師のストレスや抑うつには、労働時間の長短は関係ない」「睡眠時間が6時間未満になると、ストレスが高く、抑うつ状態になりやすい」ことが分かります。
 
 また、夜勤等で「短時間の仮眠→救急対応などの業務→短時間の仮眠」等を繰り返すケースでは、合計の睡眠時間こそ確保していても、睡眠時無呼吸症候群と同じように「質の良い睡眠」は確保されません。

さらに、慢性的な睡眠不足となると、「主観的な眠気は感じないものの、客観的な覚醒度は低下する」という研究結果も報告されました。
 
 ところで、長時間労働の中には、▼「やりがいを持っている」ケース(ワークエンゲイジメント)▼「強迫的に働いている」ケース(ワーカホリック)—とが混在していると谷川教授は指摘します。労働者自身では、両者の峻別が困難なこともあり、例えば産業医が面談するなどして両者を峻別し、後者のワーカホリックでは「業務停止を促し、リカバリーする」ことなども重要となってくるでしょう。
 
こうした点を総合し、谷川教授は、医師の健康を確保するために、▼「連続勤務時間の上限」と「勤務間インターバルの確保」(例えば米国では8時間のインターバルが必須で、10時間以上が望ましいとされている)をセットで実施する▼振替休暇などの仕組みを導入する▼医師が面談などを行い、客観的に「睡眠不足である」旨などを示すとともに、必要があれば就業制限などを提案する―という施策を組み合わせて実施することが重要と提案しています。

 検討会委員からは、谷川教授の発表に対し「感銘を受けた」「自身の経験に照らして納得できる」との意見が数多く出されました。「時間外労働の上限規制」は、そもそも勤務医も含めた労働者の健康確保が目的です。この点、「労働時間の短縮では、健康は確保できない」ことが確認されたと言え、今後、「時間外労働の上限」(医師の特例)だけでなく、セットで実施すべき方策(連続勤務時間の上限やインターバルなど)も併せて検討していくことになるでしょう。

もっとも、救急医療を始めたとした「医療提供体制の確保」との両立も、極めて重要な視点です。ただちに「全勤務医に勤務間インターバルを●時間確保しなければならない」となった場合、現在の医療提供体制を維持するには「医師の増員」が不可欠です。しかし、慢性的な医師不足地域で、新たな医師を確保することは極めて困難です。そのためには、例えば「病院の統合・再編」によって医師1人当たり負担を軽減することなども重要な選択肢になってくることでしょう。今後の具体策検討論議が注目を集めます。

医療提供体制の確保も考えれば「タスク・シフティング」が不可欠


前述のとおり、「連続勤務時間の制限」などを実現した上で、医療提供体制を確保するためには、「医師の増員」が必要となってきますが、地方では慢性的な医師不足状態と指摘されています。このため検討会では「タスク・シフトティング」にも注目が集まっています。医師は、「医師免許保持者でなければ実施できない」業務に集中し、他職種でも可能な業務は、他職種に移管していく、というイメージです。

例えば長時間勤務の代表例ともされる外科医では、▼手術▼自己研鑽(症例検討など)—を他職種に移管することは困難なため、例えば「ICUや病棟での管理」「外来業務」「当直待機」などについて、どの部分を他職種に移管できるかを具体的に検討していく必要があります。
 
この点については、例えば「特定行為研修を修了した看護師」(一定の医行為を医師・歯科医師の包括的指示の下で実施可能)の活用などが、さらに重要になってきます。関連して委員からは▼業務の標準化(工藤豊構成員:保健医療福祉労働組合協議会事務局次長)▼医師の指示なく一定の医行為を実施できる「診療看護師」の検討・創設(山本修一構成員:千葉大学医学部附属病院院長、国立大学附属病院長会議常置委員長)属人性の高い業務は移管が極めて困難)▼各職種の業務内容の精査とタスク・シフティングの可能性の検討・検証(岡留健一郎構成員:福岡県済生会福岡総合病院名誉院長、日本病院会副会長)—などを求める声が出ています。

タスク・シフティングについては、すでに今年(2018年)2月に検討会が「医師の労働時間短縮に向けた緊急的な取組」をまとめており、そこでは▼初療時の予診▼検査手順や入院の説明▼薬の説明や服薬指導▼静脈採血▼静脈注射▼静脈ラインの確保▼尿道カテーテルの留置(患者の性別を問わない)▼診断書等の代行入力▼患者の移動―などの業務は、原則として他職種に移管し、医師が行うべきではない、との考えが明確にされています(関連記事はこちら)。
 
もっとも、四病院団体協議会(日本病院会、全日本病院協会、日本医療法人協会、日本精神科病院協会)の調査(2018年5・6月に実施)では、こうした緊急的な取り組みの実施は、▼一般病院では26.8%が実施済で、33.7%が実施予定▼大学病院では30.3%が実施済で、55.7%が実施予定―などにとどまっており(関連記事はこちら)、さらに積極的な姿勢が期待されます。

厚労省では、「緊急的な取り組み」をさらに推進するとともに、▼「時間」を意識した医療機関運営▼タスク・シフティング、タスク・シェアリング(業務の共同化)、国民の医療のかかり方、医療機関の機能分化・連携▼医療提供の維持(縮小を招かないように)—などを更なる検討課題に掲げています。

育児休業を取得できない最大の理由は、育児休業制度の「未整備」

なお、関連して女性医師支援策として厚労省は、▼院内保育・病児保育などの整備▼育児休業を取得できる環境の整備▼出産や育児における休暇を取得できるよう、新専門医制度における「カリキュラム制」の整備(年限や研修施設を定めず、一定の症例数などを経験することで専門医試験の受験資格を得られる仕組み)▼外来における「オンライン診療」の進展などを踏まえた、「入院におけるICT活用やチーム医療推進」などの検討▼男性の育児参加推進―などを今後の論点として掲げました。

この点、日本医師会の2015年調査では、女性医師が育児休業を取得しなかった最大の理由(35.5%)として「育児休業制度が整備されていない」という驚愕の結果が出ています。
 
1995年より全事業所で「育児休業」制度を整備することが義務付けられています。零細事業所等で未整備なところがあると聞きますが、病院においては、その社会的役割等にも鑑み、早急な整備が必要でしょう。



https://www.m3.com/news/general/640631
県立病院検討委:4病院運営、独立行政法人で 報告書 /埼玉
地域 2018年11月9日 (金) 毎日新聞社

 厳しい経営が続く県立4病院の運営について議論する「県立病院の在り方検討委員会」が8日、さいたま市内で開かれ、契約でコスト削減の工夫ができることなどから「地方独立行政法人化が望ましい」とする報告書をまとめた。独法化後も県が引き続き運営費負担金などを支出することも求めた。

 検討委は近く、県に報告書を提出。県は年度内に新しい運営形態の方向性を打ち出す。

 対象は、循環器・呼吸器病センター▽がんセンター▽小児医療センター▽精神医療センター。4病院をまとめた病院事業会計が5期連続で赤字に陥っていることなどから、6月から検討を進めていた。【内田幸一】



https://www.m3.com/news/general/640092
むつ病院が弘大医師の車両送迎実証運行

地域 2018年11月7日 (水)配信東奥日報

 青森県むつ市のむつ総合病院は1日から、診療応援で派遣される弘前大学医学部付属病院(弘前市)の医師を車で送迎する実証運行を始め、6日、報道陣に運行を公開した。医師の移動負担を軽減し、医療態勢の充実を図るのが狙い。1カ月間の運行で効果や課題を検証した後、2019年度の本格運用を目指す。



https://www.m3.com/news/general/639855
甲府市立病院 18年連続赤字
地域 2018年11月6日 (火) 山梨日日新聞

 市立甲府病院がまとめた2017年度決算は、収入88億7324万円に対し支出が94億3807万円で、純損失額は16年度の約2・4倍の5億6484万円だった。入院、外来ともに患者数は増えたものの、薬品費の増額や医療情報システム入れ替えに伴う出費が影響した。単年度赤字は18年連続で、累積赤字は120億円を突破した。

 病院事務局によると、収入は16年度に比べて3806万円(0・4%)増えた。入院患者や紹介患者、手術件数が増加し、主な収入に当たる医業収益は5152万円(0・6%)多い79億9886万円だった。病床利用率は75・1%で、0・4ポイント上昇した。

 一方、支出は16年度比で3億7175万円(4・1%)増加。電子カルテや医事会計などの医療情報システムを入れ替えたことによる費用がかさんだほか、人事院勧告や職員数の増加に伴う給与費の増額なども影響した。純損失額は前年度より3億3369万円(144・4%)増え、累積赤字は121億9413万円となった。

 病院は16年度、新改革プラン(17~20年度)を策定。病床利用率や患者の紹介率を向上させ、20年度の単年度収支で600万円の黒字化を目指している。



  1. 2018/11/12(月) 05:57:28|
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11月4日 

http://www.chunichi.co.jp/article/fukui/20181102/CK2018110202000038.html
4機関に是正勧告、嶺南では医師不足深刻 県内公的医療機関の労働環境 
2018年11月2日 中日新聞 福井

 医師の長時間労働が深刻な問題となる中、本紙は県内の主な公的医療機関の労働環境を取材した。回答があった八機関のうち四機関が、二〇一六年度以降に労働基準監督署から長時間勤務に関する是正勧告を受けていたことが判明。うち三機関が嶺南にあり、深刻な医師不足が過酷な長時間勤務につながっている実態が浮かび上がった。

 基準に適合しない労使協定(三六協定)を結んでいたとされた敦賀市立敦賀病院。担当者は「うちが受診を断ると患者はほかに行く病院がない。医師を派遣してくれるよう県などに頭を下げるしかない」と悲鳴を上げる。中でも産婦人科は一人欠員状態の医師三人体制で、敦賀市や美浜町のほぼ全ての分娩(ぶんべん)を同院と民間病院の二院で受け入れている。最長百七十四時間と指摘された医師も産婦人科医だったという。

 嶺南ではほかに、国立病院機構敦賀医療センター(同市)、公立小浜病院(小浜市)の二機関がいずれも昨年度、過労死ラインとされる月八十時間には及ばないものの、三六協定を超えた残業があったとして是正勧告を受けていた。

 県のまとめによると、十万人当たりの実質的な医師数は二百四十六人と全国平均をわずかに上回っているが、嶺南では百六十五人。さらに開業医も減少傾向にあり患者が公立病院に殺到。丹南、奥越に比べて患者が福井市などの病院を受診しにくいため、医師一人当たりの負担が大きい。

 県によると、医師に嶺南勤務を促しやすくするための奨学金制度を〇九年度から実施。ようやく昨年度から医師の卵が現場に立ち始めている。県地域医療課の担当者は「医師の地域偏在は課題。今はまだ、全ての病院からの医師の派遣希望には応じられない」と弁明する。

 一方で嶺北では、福井大や県済生会、福井赤十字、国立病院機構あわらの四病院では長時間労働に関する是正勧告はなかった。唯一、県立病院が三六協定を超える時間外労働があったとして勧告を受けており、指摘された最長の時間外勤務は月百三十時間だった。

 県立病院では、三六協定違反を避けるための措置として、昨年度までなかった特別条項を新たに設けて年六回を限度に月百時間の時間外勤務を可能にした。また、担当する患者数が一部の医師に集中していた体制の見直しなどを進めている。担当者は「行政サービスが低下しないよう努めながら、働き方を見直していきたい」と話している。

 (梶山佑)
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https://www.asahi.com/articles/ASLC336PBLC3UBQU004.html
残業月200時間の労使協定 市立敦賀病院に是正勧告 
2018年11月3日13時00分 朝日新聞 福井

 福井県敦賀市の市立敦賀病院が昨年度、労働基準法に基づく時間外労働の上限を大幅に超えた労使協定を労働組合と結んでいたとして、敦賀労働基準監督署から是正勧告を受けていたことが、病院への取材でわかった。

法定時間越える教員、書類に追われる医師 過労死白書
 病院によると、是正勧告は昨年8月23日付。現行の労基法は、時間外労働の上限を月45時間、年360時間と定めているが、昨年度の病院の労使協定は、時間外労働の上限を月200時間、年1600時間としていた。実際に上限を超えた時間外労働はなかったが、月100時間以上が9人いて、最長は産婦人科医の月174時間だったという。

 病院は今年度、労働組合と時間外労働の上限を月197時間とする協定を結んでいる。病院総務企画課の担当者は「医師が不足している状態だが、組合とも話し合いながら、段階的に時間外労働を減らしていきたい」と話した。



https://www.asahi.com/articles/ASLBV5K4LLBVULBJ012.html
医学部「地域枠」、一般枠とは別に選抜を 厚労省が通知 
阿部彰芳2018年11月2日09時21分 朝日新聞

 医師不足などの地域で将来、一定期間働く条件がある大学医学部の地域枠学生について、厚生労働省は、一般学生と別枠で選抜する方式に限ることを決めた。地域枠学生の確実な確保が狙い。臨時的に認めている医学部の増員分が対象で、都道府県に10月25日に通知し、2020年度以降の入学者から対応を求める。

 医学部定員は国が上限を決め、08年度から地域枠用の臨時増員が認められている。だが、厚労省の調査では、増員分の1割超の学生が、都道府県が貸す奨学金を受け取っていないことが判明。返済免除を条件に地域で働いてもらう仕組みなので、厚労省は奨学金の貸与がなければ、地域枠に当てはまらないとしている。

 入学選抜は一般枠と共通で、地域枠に入る学生を募る「手挙げ」は、一般枠とは別に選抜する「別枠」よりも奨学金を貸与される人の割合、地域への定着率とも低い。このため、厚労省は、都道府県が策定する医療計画に記載する必要がある増員分の地域枠の人数は、別枠方式に限り、事前に各大学と書面で合意することとする。

 地域枠の問題をめぐっては、医師偏在の是正を求める自民党の議連(河村建夫会長)が24日、決議文をまとめ、文部科学省にも大学への指導を求めている。(阿部彰芳)



http://news.livedoor.com/article/detail/15510355/
医師増員・診療報酬増を/「働き方改革」で医療は?/東京でシンポ 
2018年10月28日 9時30分 しんぶん赤旗

 国が進める「医師の働き方改革」によって医師不足や医療崩壊など現場が抱える問題はどうなるのか考えようと27日、東京都千代田区でシンポジウムが開かれました。幅広い医療関係者でつくる「ドクターズ・デモンストレーション実行委員会」の主催。約70人が参加しました。

 厚労省の検討会は医師の時間外労働の上限の設定などの方向性を今年度中にまとめる予定ですが、医師不足を抜本的に改める議論なく進められています。医療現場で働く出席者から、医師増員を求める声が相次ぎました。

 全国保険医団体連合会の竹田智雄理事は「最大の課題は、医療の質を落とさず医師の過酷な勤務環境を改善すること。医師の労働環境を整えてこそ、安全で質の高い医療が提供できる」と主張。必要医師数が確保されるまで計画的な医師養成と、診療報酬の拡充が必要だと訴えました。

 全国医師ユニオンの植山直人代表は、医師不足のまま「働き方改革」が進められれば「深刻な地域医療の崩壊が懸念される」と述べました。全国自治体病院協議会の原義人副会長は、医師の偏在による地域格差を指摘し「地域偏在が解消されない限り医師数は足りているとはいえない。地域医療の継続性と医師の健康への配慮の両立を基本理念とし、国民的議論が必要」と強調しました。

 全日本病院協会の美原盤副会長は、同協会会員病院を対象にした医師の働き方改革アンケートの結果を示し「約半数の病院が医師増員なしには現状の救急体制が維持できないと回答した」と紹介しました。

 医療制度研究会の本田宏副理事長が司会を務めました。



https://www.nikkei.com/article/DGXMZO37102320Q8A031C1000000/
医学部の地域枠増員 一般枠に使われる実態が判明  
2018/10/30 13:00 [日経メディカル Online 2018年10月29日掲載]

厚生労働省は10月24日、医療従事者の需給に関する検討会の医師需給分科会を開催。分科会では2036年までに医師の地域偏在の解消を目指すことをおおむね了承した。また、現状の医学部入試地域枠において制度の抜け穴を用いた一般枠の増員があることが報告され、改めて、今後は地域枠を別途設けた入試を行う方針を示した。

2018年7月に改正された医療法および医師法により、医師少数区域を認定し、都道府県に対して医師確保計画を策定することを求めることが定められている。同日の分科会では、医師少数地域の医師を充足させるため、地域医療対策協議会で協議を行った上で知事が大学に対して地域枠の設置・拡充を求めることや、当該自治体で医師不足を解消できない場合には他の都道府県の大学に対して地域枠の設置・拡充を要請できるようにすることを了承した。22年4月以降の医学部入学者を対象とする。

目標医師数は、二次医療圏、三次医療圏ごとに、3年ごと(20年~24年だけは4年)に計画期間の終了時点で確保すべき目標医師数を、地域ごとの人口構成の違いや医師の性別・年齢分布などを反映した医師偏在指標を用いて算出。医師偏在指数が下位の一定の割合以下の地域の医師を、医師の派遣調整や地域枠による増加分で確保する。どの程度の割合の地域を対象にするかについては、今後議論する。最終的な解消のスケジュールは36年を設定するが、分科会では、「医師需給のピークは36年より前にくる。年度ごとにモニタリングが必要なのではないか」(産業医科大学教授の松田晋哉氏)という意見の他、「医師数の偏在だけでなく、診療科偏在まで踏み込まなければいけないのではないか」(全日本病院協会副会長の神野正博氏)という意見も出された。

■手挙げ方式の地域枠に「ずる」との厳しい声も

地域枠については現在、入学試験時に地域枠を別途選別する「別枠方式」と、一般枠と地域枠を共通で選抜する「手挙げ方式」がある。だが、同日の分科会では、文部科学省より、別枠方式では89%の入学者に奨学金を貸与し、うち93%が地域で働く義務を最後まで履行していたのに対して、手挙げ方式の場合は、奨学金の貸与は60%にとどまり、義務の履行者も82%にとどまるという調査結果が示された。地域枠として増員された医学生が一般枠として入学していることに、委員からは問題視する意見が相次いで出された。NPO法人「ささえあい医療人権センターCOML」理事長の山口育子氏は「手挙げ方式は“ずる"だ」と一刀両断。「医師需給分科会としては、緊急医師確保対策という名目での定員増だったが、なし崩しになってしまう」と主張した他、聖路加国際病院副院長の山内英子氏も、「地域医療への意志を持った受験生を切り落としている可能性がある」と指摘した。

今後、厚労省では文科省と連携しながら、地域枠の各大学の状況を実名を公表していくと同時に、なるべく早く別枠方式に統一する。ただし、厚労省では、別枠方式にすることで地域枠が埋まらなくなった場合も、一律に枠の返上を目指さず、医師の偏在状況を見ながら調整をしていく。

(日経メディカル 山崎大作)



https://medical-tribune.co.jp/news/2018/1031516881/
医学部「地域枠」定員削減へ...充足率低い大学、2020年4月入学分から 
2018年10月31日 11:49 (2018年10月31日 読売新聞)

 文部科学省は、地方の医師確保を目的に医学部の定員増を認めた「地域枠」について、充足率の低い大学の地域枠定員を2020年4月入学分から減らすことを決めた。厚生労働省は、地域枠を入試段階から別枠とする場合に限る運用の厳格化を決めており、さらに一歩踏み込んだ形になる。

 国は、医学部定員を抑制する中、医師不足が深刻な地域もあるとし、08年度から原則、地域枠に限って、臨時の定員増を認めてきた。ところが、厚労省が地域枠の実態を調べたところ、定員の1割以上が埋まっておらず、その分、一般枠の学生が増えており、見直しが求められている。



http://news.livedoor.com/article/detail/15519005/
医師、書類作成で多忙=人手不足深刻-過労死白書 
2018年10月30日 9時53分 時事通信社

 政府が30日閣議決定した2018年の「過労死等防止対策白書」で、医療関係者が書類作成事務に追われる姿が明らかになった。

 残業が発生する理由を聞いたところ、医師の57.1%、看護職員の57.9%が「書類作成のため」と答え、ともに最多となった。過重労働防止に必要な取り組みでは、医師、看護職員いずれも「増員」がトップだった。

 病院側に対する調査では、過重労働防止への取り組みとして最多の59.5%が、「医師事務作業補助者や看護補助者の増員」を挙げた。実施に向けた課題に関しては、約半数が「募集しても応募がない」と回答。医療現場でも深刻な人手不足が浮き彫りとなった。

 また、教職員への調査では、残業の理由は「業務量が多い」が69.6%、過重労働防止に必要な取り組みは「教員の増員」が78.5%で、ともに最も多かった。一方、学校に対策を聞いたところ、「会議時間の短縮」や「管理職から教員への積極的な声掛け」が上位となり、増員は6.8%にとどまるなど対応のちぐはぐさが目立った。 



https://kenko100.jp/articles/181030004701/#gsc.tab=0
「塀の中」の深刻な医療事情 
2018年10月30日 06:00 公開 健康百科 by Medical Tribune

 「刑を犯した者に手厚い医療が必要なのか」、「悪いことをした者をなぜ助けるのか」といった声は世間に根強くある。しかし受刑者の大半は有期刑であり、いずれ「塀の外」に戻ってくることを考えれば、刑務所医療※の問題はわれわれ自身の社会的な課題でもある。

 ほとんど知られていない刑務所医療の実態について、「ファイザープログラム~心とからだのヘルスケアに関する市民活動・市民研究支援」シンポジウムの発表から紹介する。

入所前に処方されていた薬剤をもらえない
 刑務所医療の問題に関連して、とりわけ深刻なのは所内の医師(矯正医官)の不足である。その背景として、医師の待遇や職業的な魅力の問題などがある。

 一方、受刑者からは「医療を受けようとしても、刑務官の段階で拒否される」、「患者としての訴えを聞いてもらえない」といった声が聞かれる。

 NPO法人監獄人権センターによれば、「外部の専門機関での診察が認められないうちに食道がんが見つかり、既にリンパまで転移していた」、「白内障で外来の医師から手術を勧められているが、いつまでも認められない」といった訴えがあるという。

 また、入所前に処方されていた薬剤をもらえないという相談も多い。精神疾患の治療薬や、鎮痛薬の処方希望が、大半を占めるという。精神的ストレスが影響を及ぼす慢性的な痛みなどは、痛みを訴えても受け入れられない状況そのものが、痛みの増強につながりかねない。

 しかし処方薬が限定され、生活リズムが確保された刑務所内の環境は、薬物乱用などの傾向のある者を健康にする最適の環境でもある。医師が適切に介入し、啓発することで、多くの違法薬物使用者の再犯率低下にも寄与すると言われている。

地域医療機関との緊密な連携を
 刑務所における医療事情を改善するためには、所内でのすべての医療を、地域医療機関が担うといった制度改革が必要とされる。これによって医師不足が解消されるとともに、所外の医師の診療が受けられ、刑務所と地域の連携が構築しやすくなるなどのメリットがある。

 フランスや英国では、このような改革が行われた結果、医療に対する被拘禁者の不満は大幅に減ったとの報告がある。日本でも、法務省による刑務所医療の改革が行われている。保安体制からの刑務所医療の独立性を確保し、厚生労働省へ管轄を移すなどの行政面での対応が求められる。

※国内に4か所ある「医療刑務所」とは異なる

(あなたの健康百科編集部)



https://www.medwatch.jp/?p=23199
消費税対応改定、「入院料への財源配分」を大きくし、病院の補填不足等を是正―消費税分科会 
2018年10月31日|2019年度消費税対応改定 MedWatch

 来年(2019年)10月に予定される消費税率引き上げを踏まえ、医療機関の負担(控除対象外消費税)を補填するために特別の診療報酬プラス改定(以下、消費税対応改定)が検討されているが、その際、医療機関の補填のバラつきを是正するために、▼直近のNDBを用いた適切な配点▼医療機関の分類の精緻化▼収入に占める「入院料のシェア」の勘案▼病院における入院料への財源配分の引き上げ―などを検討してはどうか―。

10月31日に開催された診療報酬調査専門組織「医療機関等における消費税負担に関する分科会」で、こういった方向が検討されました。12月の予算編成に向けて議論を深めていきます。
 
ここがポイント!
1 病院による「収益に占める入院料のシェア」にも着目した配点を実施
2 個別点数での対応、補填のバラつきを誘引しかねないが、支払側は検討を要望

病院による「収益に占める入院料のシェア」にも着目した配点を実施

保険医療については「消費税は非課税」となっているため、医療機関や薬局(以下、医療機関等)が納入業者から物品等を購入する際に支払った消費税は、患者や保険者に転嫁できず、医療機関等が最終負担をしています(いわゆる「控除対象外消費税」)。このため、物価や消費税率が上がれば、医療機関等の負担も増加することから、1989年の消費税導入時より消費税対応改定が行われており(消費税導入時の1989年度、消費税率引き上げ時の1997年度と2014年度)、来年(2019年)10月に予定される消費増税改定でも同様に対応される見込みです。
 
2014年度には消費税率が5%から8%に引き上げられたため、初診料や再診料、各種入院料といった「基本診療料」を引き上げる、消費税対応改定が行われました。しかし、補填状況を詳細に調査した結果、特に急性期病院を中心に、大きな補填不足・補填のバラつきがあることが分かりました(関連記事はこちら)。
 
厚生労働省が、この補填不足・バラつきの要因を分析したところ、大きく次の4つに起因していることが判明しています(関連記事はこちら)。
(1)基本料の算定回数が、「見込み」と「実績」とで異なっていた(「見込み」>「実績」であれば補填不足となる。例えば一般病棟入院基本料では、見込みに対して78.2%、特定機能病院入院基本料では、同じく88.7%にとどまった)

(2)補填(改定財源の配分、点数の引き上げ)の基礎となる課税経費率について、「見込み」と「実績」とでずれがあった(例えば、「病院:診療所」の比率が、▼2012年度は73.0:27.0→▼2014年度は76.1:23.9→▼2016年度は75.8:24.2—と変化し、病院に配分されるべき財源が相対的に小さくなり、診療所に相対的に多くの財源が配分されてしまった)

(3)病院については、例えば「一般病棟入院基本料」という大くくりで課税経費率を捉え補填を行っており、看護配置(7対1、10対1など)による細かい分類をしていなかった(分類ごとに、財源配分や点数引き上げの基礎となる課税経費率が異なっている)

(4)「収益に占める入院料等の割合」を考慮していなかった(例えば特定機能病院では、手術等を多く実施し、収益に占める入院基本料の割合(シェア)が小さいため、入院基本料への点数上乗せ効果が相対的に薄まってしまう)
 
厚生労働省保険局医療課保険医療企画調査室の樋口俊宏室長は、こうした点に次のような対応をとることで「補填不足・バラつきを相当程度解消できるのではないか」と提案しています。

(1)への対応
→直近の通年実績のNDBデータを使用して、基本料の算定回数を精緻に見ることで、より適切な配点を行う

(2)への対応
→2014年度改定では「初・再診料への配点において、一般診療所の財源をほぼ使い切る」(結果として初・再診料の増加分が大きくなる)こととしたが、これを、▼まず無床診療所において、初・再診料を「消費税負担」に見合うように引き上げる → ▼病院の初・再診料、外来診療料を診療所と同額に引き上げる → ▼残りの財源を用いて入院料の引き上げを行う―こととする
 
 病院では、初診料等のシェアが小さいため、「初診料等での補填」の効果も相対的に小さくなってしまいます。そこで、上記の対応によって「入院料により多くの財源」を充て、補填効果の大きな「入院料の引き上げ」の充実を目指すことになります(ただし、病院では初・再診料等の比率が小さいため、この対応の効果は一定程度にとどまると見込まれる)。

(3)への対応
→▼一般病棟入院基本料・療養病棟入院基本料については「療養病床の割合」で病院を分類する(例えば、許可病床のうち療養病床が6割未満の病院を「一般病棟入院基本料」届出病院とし、6割以上の病院を「療養病棟入院基本料」届出病院とする)▼精神病棟入院基本料については「精神科病院」のみとする―など、課税経費率をみる際の病院の分類を見直す。ただし、分類によりサンプル数が小さくなってしまう場合もあり、その場合には、細かい分類は行わない

(4)への対応
→病院種別や入院料別の「収益に占める入院料のシェア」を勘案して補填点数を決定する

 こうした見直し方針に特段の異論は出ませんでしたが、支払側の吉森俊和委員(全国健康保険協会理事)らは、「見直しによって補填不足・バラつきがどの程度是正されるのか、試算をしてほしい」と要望しました。

 ただし、見直しによって点数が変更されれば、「診療行動の変化」が生じ、さらに課税経費率にも影響が出てしまう(結果として、試算においてもバラつきが生じ、堂々巡りになってしまう)ため、試算をしたとしても、その結果にどこまでの意味があるのか(実態にどれだけ近いのか)は不透明です。樋口保険医療企画調査室は、どういう手法が考えられるのかも含めて検討すると答弁するにとどめています。

個別点数での対応、補填のバラつきを誘引しかねないが、支払側は検討を要望

 また、10月31日の分科会では「個別点数での対応」の是非についても議論が行われました。

 1989年・97年の消費税対応改定では「個別点数での対応」が行われましたが、その後の診療報酬改定で「引き上げを行った点数が改廃された」ため、事後に、「どの程度の補填が行われているのか」を検証することが極めて困難となっています。また、個別点数の算定状況は、同規模・同施設基準の病院でも相当程度異なるため、大きな補填のバラつきを誘発すると懸念されます。そこで、2014年度改定では「基本料での対応」が採用されたのです。

 診療報酬に占める個別点数でシェアが大きな項目(点数引き上げを行った場合に、補填の効果が大きな項目)としては、「検査」や「手術」があげられます。しかし、「検査」はDPC制度下では包括点数に含まれるため正確な実態を把握することは困難です(算定状況が明確でなく、どの程度の点数を上乗せすると、どういった効果が出るのかも見極められない)。また「手術」は、出来高算定でき、「手術件数の多い病院では、補填割合が小さい」(十分に補填されていない)という関係がありますが、病院によって手術の算定件数は極めて多様であり、「バラつきのない補填」を行うことはできないでしょう。厚労省は「個別点数での対応」には慎重姿勢を示していると見ることができそうです。また、中川俊男委員(日本医師会副会長)をはじめとする診療側委員は、「個別点数での対応」に明確に「反対」を表明しています。

しかし、支払側の委員(吉森委員や幸野庄司委員(健康保険組合連合会理事))は、「(上記4点の)見直し後にも不合理な補填不足・バラつきが残る可能性があり、その場合には『基本料での対応』にとどまらず、『個別点数での対応』も選択肢として考えるべき」と主張しています。今後も、議論が続けられることになりそうです。

なお、幸野委員は「初・再診料での対応によって、診療所の過補填(消費税負担増を上回る補填)がある」旨を指摘し、個別点数での対応を検討するよう要望しています。しかし、過補填の原因は上記(2)の「財源配分」によるところが大きく、診療側委員との議論にかみ合わない場面もありました。個別点数での対応は、上記のように「バラつきを誘発する」「事後に検証できない」という大きな課題があり、慎重に検討すべきでしょう。

 

https://www.m3.com/news/iryoishin/638712
シリーズ 中央社会保険医療協議会
「個別項目での消費税補てん」、診療側と支払側で意見対立
消費税分科会、「初再診料、病診で同一」は維持の方針
 
レポート 2018年10月31日 (水)配信橋本佳子(m3.com編集長)

 厚生労働省は、10月31日の中医協の診療報酬調査専門組織「医療機関等における消費税負担に関する分科会」(分科会長:荒井耕・一橋大学大学院商学研究科教授)で、2019年10月に予定されている消費増税への対応として、消費税の補てん不足や補てん率のばらつきをなくす対応策を提示した。

 「病院と診療所の初再診料は同一点数」という原則を維持して、初再診料、入院基本料など、基本診療料で対応する原則についてはおおむね合意が得られた。しかし、それに加えて、検査や手術料など、個別項目でも補てんするか否かについては、意見集約に至らなかった。

 厚労省は、DPCのデータなどを基に、手術料に上乗せして補てんする妥当性を検討。その結果、収入に占める「手術」の割合と、補てん率の根拠となる課税経費率との相関は見られないことなどを踏まえ、「病院ごとのバラツキが出ない個別の配点は現実的に困難。個別の配点については、事後的な検証も困難になることが見込まれるのではないか」とした(資料は、厚労省のホームページ)。

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 全国健康保険協会理事の吉森俊和氏は、厚労省の提案は基本的には支持したものの、これらを実施した結果、医療機関種別の補てん率がどの程度、是正されるか、シミュレーションが必要だとした。「その結果として、不合理なところがなければ個別項目での対応を考える必要はないと思う。完璧にするのは難しいことは分かっているが、不合理なところがあれば個別項目について議論することが必要」(吉森氏)。

 これに対し、日本医師会副会長の中川俊男氏は、「診療報酬で補てんする以上、医療機関種別で補てん率にばらつきが生じるのは当然。極力少なくする努力はすべきだが、補てん率のばらつきがなくならないからと言って、個別項目での補てんを検討すべき、というのは短絡的ではないか」と反論。1989年の消費税導入や1997年の税率引き上げの際に、個別項目で補てんした結果、その後の診療報酬改定で項目が変更され、補てん状況の把握が難しくなった事情がある上、「どの項目に、どの程度上乗せすればいいか」など作業的にも困難、といった問題を解決できないかぎり、個別項目の議論は難しいとした。

 吉森氏はシミュレーションを前提に個別項目の議論を求めたが、健康保険組合連合会理事の幸野庄司氏は、「まず診療所の初再診料の補てん率を決めて、それを病院に当てはめるということだが、そのやり方が本当に正しいのか。検査や画像診断などで、補てんすることも考えられる。(診療所について)初再診料だけで補てんすることには、違和感を覚える」と訴え、シミュレーションの結果にかかわらず、議論が必要だとした。

 中川氏は、幸野氏の主張にも反論。「なぜそこにこだわるのか。診療所の何が気になるのか」。厚労省調査によると、2014年4月の消費増税時の診療所の補てん率は、111.2%(『中川日医副会長「厚労省の二重、三重の不手際」、消費税補てん率調査にミス』、『厚労省保険局長が「お詫び」、消費税の補てん状況調査ミスで』を参照)。中川氏は、幸野氏がこの数字を念頭に置いていると想定し、この結果は消費税率が5%から8%に上がった部分についての補てん率であり、0%から5%までも含めれば、補てん率は下がるとし、「111.2%にこだわって、基本診療料以外の個別項目での補てんも検討すべきだ、というのは趣旨が違う」と強調した。「個別項目の一つ一つについて、課税経費率を出すのは、そもそも不可能」(中川氏)。

 厚労省保険局医療課保険医療企画調査室長の樋口俊宏氏は、シミュレーションについては「検討する」と引き取ったものの、2014年4月以降、診療報酬改定があり、点数自体も、また点数の算定回数も変化し、課税経費率も変わってきていることから、「きれいにやるのは、難しいかもしれない」などと難色を示した。31日の分科会に提案したのは、全体の補てん不足や医療機関種別の補てん率のばらつきの原因を一通り挙げて、それに対する対応策を提案しているとし、「相当程度、改善すると考えている」(樋口保険医療企画調査室長)。

 それでも幸野氏は納得せず、手術の分析がDPCデータだったことから、「このままでは、個別項目では補てんしないという流れになる。これ以上、データを取るのは不可能なのか」と質問。厚労省保険局医療課長の森光敬子氏は、「私どもの持っているデータの中で、DPCは、一番情報量が多いデータ。また医療機関と紐付けて取れるので、一番精緻なデータだと思っている」と答えた。

 病院の入院料の補てん不足を考慮

 厚労省の調査で、2014年4月の消費増税への対応で、消費税の補てん不足や医療機関種別ごとの補てん率のばらつきの存在が明らかになっていた。同省は、これらの問題を解決するために、(1)一般病棟入院基本料・療養病棟入院基本料について、療養病床の割合(6割未満以上)で病院を分類して課税経費率を見る、(2)病院種別ごとの入院料シェアを考慮して、消費税負担に見合う補てん割合を設定、(3)病診間で初再診料の点数差を設けずに、病院の入院料の割合を高める方法を検討――を提案。

 (1)は、「一般病院」の区分でも、一般病床と療養病床の割合によって、課税経費率が異なることから、「療養病床が6割以上か、未満か」を区切りとして、課税経費率を見ていく考え方だ。

 (2)は、入院基本料については、特定機能病院や精神科病院など、病院種別によって収入に占める入院料シェアが異なる点を考慮して、補てん点数を決定する提案だ。2014年4月の増税時は、病院種別を考慮せず、補てん点数を決定したため、入院シェアが相対的に高い精神科病院では補てん超過の傾向に、入院シェアが相対的に低い特定機能病院では補てん不足の傾向になったと考えられる。

 また、2014年度改定時は、診療所に配分される財源についてはほぼ初再診料で使い切る配点としていた。病院への対応は、まず診療所と合わせて初再診料で補てん、残る財源で入院料の補てんをしたことから、結果として入院料への財源配分が少なくなっていた。それが、病院での補てん不足の一因とされることから、(3)では、病診間で初再診料の点数差を設けずに、病院の入院料の割合を高める方法を検討する。具体的には、まず無床診療所(補てん項目は初再診料のみ)の補てんを考慮して、初再診料に配分を行うこととし、病院における初再診料と入院料の比率を変え 、入院料の割合を高める方針。

 全日本病院協会会長の猪口雄二氏は、いずれの提案も支持。特に(2)について、「(2018年度改定前の)7対1、10対1入院基本料などの急性期や、特定機能病院での補てん不足の原因は、この点だと思っている。ぜひ“シェア”という考え方を入れてもらいたい」と求め、特定入院料なども含め、細かに設定していくべきだとした。一方で、個別項目での対応は難しいとし、「まずは基本料で、どこまで精緻化されるかがカギ」と述べた。

 「診療科別のばらつき」是正が必要?

 全日本海員組合組合長代行の田中伸一氏は、「各診療科別の検証は可能か。もしばらつきがあるなら、それも是正する必要があるのではないか」と指摘。

 日医常任理事の松本吉郎氏は、「診療科と医師、疾患が一対一で対応しているわけではない。グループ(同じ診療科)の中でも、ばらつきがあり、そこまで考えていくのは意味がない」と反論。

 猪口氏は、「診療科のばらつきを是正しようとしても、最後は病院別のばらつきが生じる。診療報酬上でいくら精緻化しても、無理であり、報酬以外の対応が必要になってくる。ばらつきが残るのを前提に、どこまで精緻化できるかを話していかなければいけない」と述べた。中川氏も、「診療報酬で補てんする以上、ばらつきは生じる。個別項目で対応する作業は、天文学的になる上、さらにばらつきが激しくなる危険性が高い。同じ診療科であっても、医療機関によって内容は異なるので、報酬で補てんした上で、何らかの新たな仕組みが必要、という結論になる」と続いた。

 その他、田中氏と中川氏の間では、消費税率0%から5%までの補てんの在り方についても議論があった。田中氏は、「5%の時点で、診療報酬で措置をされているという前提で、(2014年4月以降の)補てんの過不足を踏まえたものが、今回の消費税対応だ」との認識。これに対し、中川氏は、「補てん率についての検証が可能なのは、5%以降。それ以前については決着が付いたのではなく、不問に付し、議論を蒸し返すつもりはないと言っている。我慢の上の議論をしている」と主張した。



https://www.mixonline.jp/Article/tabid/55/artid/65567/Default.aspx
地域医療連携推進法人「日本海ヘルスケアネット」 地域フォーミュラリを開始 PPIとα-GIから 
公開日時 2018/11/02 03:52 Mix on line

地域医療連携推進法人「日本海ヘルスケアネット」(山形県酒田市)は11月1日、酒田市を中心とする北庄内地域での推奨医薬品を示すフォーミュラリを策定し、運用を始めた。まずは消化性潰瘍などに用いるPPIと糖尿病などに用いるα-GIの2薬効群から開始。PPIは3成分、α-GIは2成分で、推奨後発医薬品(GE)群として1成分あたり2~3メーカーの製品を選定した。処方、調剤において推奨医薬品以外の使用は制限しない形だが、推進法人としては、医療費抑制など地域のコスト管理の取り組みの一環であり、推奨医薬品に集約されていくことを期待する。実施内容は、製薬企業や医薬品卸関係者には正式に通知されておらず、情報を入手した卸関係者は、得意先がフォーミュラリにどう対応するのか確認を急いでいる。

地域フォーミュラリは推進法人の事業。7月以降、推進法人のメンバーである山形県・酒田市病院機構の日本海総合病院、酒田地区の医師会、薬剤師会が中心に検討してきた。地域フォーミュラリを「薬剤に関する有効性、安全性および経済性を考慮した医薬品使用における指針」と位置付ける。PPIを対象にしたのは、先発品の売上が大きく、フォーミュラリ実施で薬剤費節減効果が期待できるため。α-GIは地域としてばらついている採用薬剤の一定の集約が可能と判断した。

推奨医薬品(カッコ内は規格/推奨GEメーカー)は、PPIでは▽ランソプラゾール(15mg、30mg/武田テバ、東和薬品、沢井製薬)▽ラベプラゾール(10mg、20mg/サンド、日医工、キョーリンリメディオ)▽オメプラゾール(10mg、20mg/東和薬品、共和薬品、日医工)の3成分。α-GIでは、ボグリボース(0.2mg、0.3mg:OD錠/沢井製薬、東和薬品、高田製薬)、ミグリトール(25mg、50mg、75mg/東和薬品、沢井製薬(OD錠))の2成分。患者の病態や各施設の事情もあることから、推奨品の処方、調剤を義務付けるものではない。

対象薬効群は、日本海総合病院、医師会と薬剤師会からなる「地域フォーミュラリー作成運営委員会」が選定。推奨成分とメーカーは、薬剤師会内に設置した、推進法人メンバーの薬剤師による「地域フォーミュラリー検討委員会」が決めた。地区内の調剤実績とシェア、安定供給、製品ごとの「生物学的同等性試験」「原薬の産地」「一包化の安定性と利便性」「薬価」「錠剤印字」なども含めて「有効性、安全性および経済性を総合的に検討」したという。AGの登場や原薬供給の不安定化など状況に変化があれば推奨医薬品を再検討することもあるとしている。

地域フォーミュラリに関する説明会を11月6日、酒田市内で薬剤師会会員、医薬品卸関係者を対象に開催し、選定経緯などを解説する。

今後、実施状況をみながら、生活習慣病領域を中心にフォーミュラリの対象薬効群を増やすことも検討する。

「地域フォーミュラリー協議会」設置 自治体ともコンセンサス

地域フォーミュラリの実施にあたり、酒田地区の医師会、薬剤師会、日本海総合病院と、酒田市健康福祉部の国保年金などの関係課をメンバーとする「地域フォーミュラリ―協議会」を設立し、自治体のコンセンサスを得ながら進めることにした。今回の開始も、10月22日の協議会での確認を経て行われた。

なお、推進法人は、日本海総合病院などを運営する地方独立行政法人山形県・酒田市病院機構、医療法人健友会(本間病院)、医療法人宏友会(上田診療所)、社会福祉法人光風会、医療法人山容会(山容病院:精神科専門)、社会福祉法人かたばみ会のほか、酒田地区の医師会、薬剤師会、歯科医師会の9法人からなる。全て酒田市内にある。



https://www.jiji.com/jc/article?k=2018103000589&g=eco
過剰病床の削減求める=地域医療を効率化-財務省提言 
(2018/10/30-12:23)時事通

 財務省は30日の財政制度等審議会(財務相の諮問機関)分科会で、医療機関の病床数が一部地域で過剰な状態にあると指摘した上で、ベッド数の削減を通じた地域医療の効率化を提言した。11月下旬にもまとめる財政審の建議に盛り込み、地方自治体などの取り組みを促す。
 同省は、各都道府県の一定人口当たりの病床数と、1人当たりの入院医療費の関係を分析。その結果、高知県が双方でトップになるなど、病床数の多い自治体ほど入院医療費が増大する傾向にあることが確認された。提言は「医療費は医療提供体制の強い影響を受ける」とし、各自治体が病床数などを見直す必要性を強調した。



https://www.mixonline.jp/Article/tabid/55/artid/65550/Default.aspx
財務省 地域財政の安定化へ医療構想の推進加速 都道府県のガバナンス強化を提案 
公開日時 2018/10/31 03:50 Mix on line

財務省主計局は10月30日の財政制度等審議会財政制度分科会で、地域医療構想の推進に向けて、都道府県のガバナンス強化を提案した。国は、地域医療構想の実現を通じ、急性期病床など過剰病床を適正化し、医療費を適正な水準に抑制する絵を描いた。これに対し主計局は、進捗状況に都道府県で大きな開きがあると指摘。2020年度以降の目指すべき姿として、「提供体制改革・医療費適正化のインセンティブと権限・手段を付与」することで、都道府県が「単位化」し、「住民のために持続可能な医療提供体制の構築に向けて主体的な役割を果たす」ことを求めた。

政府が6月に閣議決定した「経済財政運営と改革の基本方針」(骨太方針2018)では、公立・公的病院の再編・統合に向けた議論を地域単位で進めるよう求める一方で、病床の機能分化・連携が進まない場合は、「都道府県知事がその役割を適切に発揮できるよう、権限のあり方について速やかに関係審議会等において検討を進める」ことを明記した。さらに高齢化のピークを迎える2025年に向け、2次医療圏単位で高度急性期・急性病床、慢性期病床を「削減」、回復期を「増床」するなど、医療必要度に合致した医療提供体制を構築することを求めてきた。

◎今年6月現在の病床再編状況を報告 調整会議に「進捗管理、さらなる対応」を要請

この日の財政審に主計局は、今年6月現在の病床再編状況を報告した。高度急性期・急性期病床は目標の-21万床に対し、実績ベースで病床再編が合意されたのは、わずか-1989床に止まると指摘。同様に慢性期病床は目標の-7万床に対し、実績は-457床。回復期は+22万床に対し、実績は+2882床となっていることを報告した。その上で都道府県に設置した地域医療調整会議に対し、「進捗管理、さらなる対応」を求めた。さらに秋田県や福島県、沖縄県は、公立病院・公的医療機関でも議論がスタートしていない状況にあると指摘。主計局は、「民間医療機関も含めて具体的対応方針の策定を一層促進するとともに、病床の機能分化・連携を進めるため、都道府県の権限強化について検討すべき」と提案した。

主計局はまた、一人当たり医療費(厚労省:2015年度医療費地域差分析)の地域格差の資料を示した。全国平均の53万7000円に対し、最高額の福岡県は+10万4000円。一方で最小額の新潟県は-7万1000円に収めるなど、都道府県間でバラツキがあると指摘した。入院医旅費では病床数と相関が高く、病床数の多い高知県で突出して高いなど、医療提供体制に大きな影響を受けていると分析している。このほか、国民健康保険(国保)の運営主体が市町村から都道府県へと移管されるなかで、公費に加えて補填などの目的で市町村から毎年度3000億超の法定外一般会計繰り入れが行われていることも問題視した。

◎財政安定化を達成した都道府県にインセンティブの付与も

こうした状況を踏まえて主計局は2020年度以降の目指すべき姿を図示し、「医療計画、地域医療構想」、「医療費適正化計画」、「国保財政運営」を一体的に検討することを求めた。そのために、病床の機能分化や連携に補助金や規制を重点配分する実効手段・権限を都道府県知事などに与えることを提案した。財政安定化に寄与した都道府県にはインセンティブを与えることも検討する。

◎地域医療構想の進捗遅れに医師会の影

この日の財政審は、ニッセイ基礎研究所の三原岳准主任研究員からヒアリングを行った。同氏は、地域医療構想実現に向けて、「都道府県は病床適正化よりも提供体制構築を優先し、地元医師会との共同歩調をとった可能性」を指摘するなどと、地域医師会の関与に懸念を示した。三原氏は、地域医療構想の実状として、地域医療構想には、「過剰な病床の適正化による医療費の効率化」と「切れ目のない提供体制構築」という2つの目的が混在しているとの考えを表明。地域医療構想において、「強制的に病床削減するものではない」など、病床削減を目的としていない都道府県が29にのぼったことを指摘。「日本医師会が都道府県に対して、必要病床は削減目標ではないと明記するよう要請していたことが影響」していたとの見方を示した。

さらに、地域医療構想、国保の都道府県化、医療費適正化を明確にリンクさせたのは奈良県だけだったと指摘。「地域医療構想を医療費に絡めて説明すると、地元医師会が反発する可能性があるので、それを避けた可能性がある」などとの見解を披露した。



https://www.medwatch.jp/?p=23151
地域医療構想調整会議、多数決等での機能決定は不適切―地域医療構想ワーキング 
2018年10月29日|医療計画・地域医療構想 MedWatch

 地域医療構想調整会議の中には、病院の機能などを考えるにあたり「多数決」を採用しているところもあると漏れ聞こえてくる。病院の機能などは、データや議論をもとに、当該病院が「自主的に」転換などを考えていくもので、「多数決」などは不適切である―。

 10月26日に開催された地域医療構想ワーキンググループ(「医療計画の見直し等に関する検討会」の下部組織、以下、ワーキング)では、こういった意見が構成員から相次ぎました。
 
ここがポイント!
1 2018年度中に具体的対応方針を決定する必要があるが、「多数決での合意」は不適切
2 既存病床数などが2025年の必要病床数を上回る場合、都道府県が増床等を拒否可能に

2018年度中に具体的対応方針を決定する必要があるが、「多数決での合意」は不適切

 医療提供体制の再構築に向けて、地域医療構想の実現が急務とされています。2025年には、いわゆる団塊の世代がすべて後期高齢者となり、医療・介護ニーズが急速に増加していくことから、現在の医療提供体制では、こうしたニーズに効果的かつ効率的に応えることができないためです。

 地域医療構想の実現は、データをもとに、▼将来の地域の医療ニーズ等▼自院の状況▼他院の状況―などを客観的に把握し、地域医療構想調整会議(以下、調整会議)で議論を行った上で、各医療機関が自主的に「適切な機能」を考えていく(転換の選択肢もあれば、現状の機能を維持するという選択肢もある)ことがベースとなります。

 ただし、調整会議の議論が十分に進んでいないとの指摘もあったことから、骨太の方針2017(経済財政運営と改革の基本方針2017―人材への投資を通じた生産性向上―)では、「個別の病院名・病床数を掲げ、機能転換に向けた具体的対応方針を速やかに策定するため、2017・18年度の2年間程度で集中的な検討を促進する」旨が指示されました。この指示を受け、ワーキングでは、例えば「都道府県における4機能(高度急性期、急性期、回復期、慢性期等)の定量的基準の設定」や「地域医療構想アドバイザーの選定、養成」などの「活性化」方策が議論されているのです(関連記事はこちら)。

 その一方で、2018年度の終わりまでには、あと半年ほどしかないため、調整会議では具体的方針の策定を急ぐあまり「機能転換等を多数決で決定している」事例があることが、伊藤伸一構成員(日本医療法人協会会長代行)から報告されました。

 調整会議の要・本質は、「将来の地域の医療提供体制と自院の機能等を十分に検討し、納得(合意)して機能転換を進める」ところにあります。多数決は、この要・本質から大きく外れていることは明らかでしょう。厚生労働省も「実際には合意に至っていないにも拘らず、(多数決などで)合意済とすることは不適切である。適切な運営がなされるよう、地域医療構想アドバイザーなどに改めて依頼する」考えを示しました。

多数決を初めとする拙速な結論は、かえって「時間の無駄」となるばかりか、地域の医療機関の信頼を損ない、調整会議における実効性のある議論を阻害してしまいます(A病院について「自院は急性期を希望しているが、地域の医療機関が慢性期への転換を多数決で決めた」として、A病院が納得して慢性期に転換するだろうか?)。本質に立ち返った議論が望まれます。

 とはいえ、今年(2018年)9月末時点における調整会議の議論の状況を見ると、▼公立病院については、機能等に関する合意済はベッド数ベースで39%(6月末時点から25ポイント増)▼公的病院等については、機能等に関する合意済は同じく52%(同32ポイント増)▼全医療機関については、機能等に関する合意済は同じく19%(同12ポイント増)—にとどまっています(関連記事はこちら)。確実に進捗はしていますが、残り半年でどこまで本質的な議論を行い、機能等に関する合意が完了するのか、引き続き注目していく必要があります。

既存病床数などが2025年の必要病床数を上回る場合、都道府県が増床等を拒否可能に

 ところで改正医療法・医師法では、地域医療構想の実現に向けて都道府県知事の権限が強化されました。ただし、「民間病院に機能転換を命じる権限」などを付与されたわけではなく、「将来、病床過剰になることが確実な場合には、現時点で病床過剰でなくとも、病床の増設等を許可しない」といった権限を付与するにとどまっている点には留意が必要です(前者は、憲法第22条から導かれる「営業の自由」に抵触する可能性があり、極めて慎重な議論が必要である)。

 10月24日のワーキングでは、厚労省から、▼基準病床(医療計画)▼既存病床(実際に、現時点で何床のベッドがあるのか)▼病床の必要量(地域医療構想)—の関係と、都道府県知事との関係について下図のような整理が行われました。
 
 新たに付与された都道府県知事の権限が執行されるのは、第7次医療計画では「27医療圏」あることが分かります。

 この点に関連して中川俊男構成員(日本医師会副会長)は、「自由診療であれば、病床過剰地域であっても病院を開設してよいであろうとして、高度急性期病院を開設・増床するケースがあるようだが、大きな問題だ。厚労省は実態を把握してほしい」との注文を出しています。
 
 このほか、10月24日のワーキングでは▼介護医療院▼地域医療構想アドバイザー―の状況も報告されています。

 前者の介護医療院は、▼医療▼介護▼住まい―の3機能を持つ新たな介護保険施設です。当面は、介護療養や医療療養からの転換が見込まれています。

 昨年(2017年)の病床機能報告では、約35万床の慢性期機能を持つ療養病床・一般病床がありますが、うち介護医療院への転換を予定しているのは1万6000床あり、「医療療養のうち旧【療養病棟入院基本料2】(25対1看護)を届け出ている病棟」が多いことが分かりました。

2018年度の診療報酬改定では、医療療養の報酬体系が大きく見直され、また2018年度の介護報酬改定では、介護医療院の基本報酬や加算、構造・設備基準などが明らかになったことから、「介護医療院への転換意向」の状況が変化していく可能性があります。慢性期機能病床から介護医療院への転換は、地域医療構想実現の中でも重要な事象の一つであり、今後とも、詳細な状況が報告される見込みです。

なお、この点に関連して、今村知明構成員(奈良県立医科大学教授)は、「介護医療院への転換を希望するが、介護保険の保険者である市町村側が首を縦に振らないケースがあると聞く。地域医療構想の実現に向け、対策を考える必要がある」と指摘しています。

「介護療養→介護医療院」では問題が生じませんが、「医療療養→介護医療院」では、費用が医療保険から介護保険に移り、小規模な町村では、大幅に介護保険料が増加してしまうことが危惧され、転換に待ったをかけるケースがあると指摘されています。この点、2018年度介護報酬改定の総指揮を執った厚労省医政局地域医療計画課の鈴木健彦課長(前、老健局老人保健課長)は「現在、担当課(介護保険計画課)で対応を準備していると聞いている」旨のコメントをしています。



https://www.medwatch.jp/?p=23257
「地域別の診療報酬」特例は最終手段、まず地域住民の健康増進に注力を―日医総研 
2018年11月2日|医療保険制度 MedWatch

 財務省などは「都道府県別・地域別の診療報酬」(診療報酬の特例)の実施に向けた準備を進めよと要請するが、これは医療費適正化計画が達成できない場合の「最終手段」であり、また、「医療資源の偏在助長」などの弊害が懸念される。まず、「地域住民の健康増進」に力を入れるべきである―。

 日本医師会のシンクタンクである日本医師会総合政策研究機構(日医総研)が11月1日に公表したリサーチエッセイ「診療報酬の特例についての解釈と課題—都道府県医師会の役割を中心に―」では、こういった考えが示されました(日医総研のサイトはこちら)。

「診療報酬の特例」発動は、厚労相・都道府県・保険者協議会で慎重に検討を

高齢者医療確保法(高齢者の医療の確保に関する法律)第14条では、「厚生労働大臣が、都道府県知事と協議のうえで、医療費適正化を推進するために必要があると認めるときに、1の都道府県の区域内における診療報酬について、合理的であると認められる範囲内において、他の都道府県の区域内における診療報酬と異なる定めをすることができる」旨を規定しています。いわゆる「都道府県別、地域別の診療報酬」「診療報酬の特例」と呼ばれる規定です。

財務省や一部自治体、さらに骨太の方針2018(経済財政運営と改革の基本方針2018)からは、医療費の伸びを抑えるために、この「診療報酬の特例」について、▼具体的に活⽤可能なメニューを国として⽰す▼2018年度からの第三期医療費適正化計画の達成に向けても柔軟に活⽤していくための枠組みを整備する―よう要請があります(関連記事はこちらとこちら)。

この「診療報酬の特例」を実施するためには、次のような厳格な手続きを踏む必要があります。

(1)都道府県において、医師会等も参画する「保険者協議会」と協議のうえで、医療費適正化計画を作成・実施する(高齢者医療確保法第8条、第9条)
  ↓
(2)医療費適正化計画終了の翌年度に、厚生労働大臣が、都道府県の意見を踏まえて医療費適正化計画の実績を評価する(高齢者医療確保法第12条)
  ↓
(3)各都道府県において「保険者協議会」での議論も踏まえて、「診療報酬の特例」適用の必要性を検討する((2018年3月29日付けの厚生労働省保険局医療介護連携政策課長通知)
  ↓
(4)厚生労働大臣が実績評価を踏まえ、都道府県と協議のうえで「診療報酬の特例」適用の必要性を判断する(2018年3月29日付けの厚生労働省保険局医療介護連携政策課長通知)

 大まかに整理すれば、▼厚生労働大臣▼都道府県▼保険者協議会(地域の保険者や医師会、歯科医師会などが参画)—で、医療費適正化計画の達成状況を詳細に分析し、「診療報酬の特例」が必要か否かを慎重に判断することが求められていると言えます。

 日医総研では、この「診療報酬の特例」は、「地域の実情を踏まえつつ、適切な医療を各都道府県間において公平に提供する観点から見て合理的であると認められる範囲内」(高齢者医療確保法第14条)で、謙抑的かつ慎重に必要性を判断することが重要と指摘。さらに、医療費適正化のための「最終手段」であり、そこに至らないように▼地域の実情を踏まえた医療費適正化計画を策定する▼医師会や保険者が協力して計画を実施する▼計画の実績評価に当たっては、保険者協議会で議論を尽くす―ことが必要と強調します。

さらに、財務省等の要請に対しては、▼都道府県が予防・健康づくりをおろそかにして、診療報酬のコントロールに頼るおそれがある▼患者・医療従事者の移動によって地域医療資源の偏在が助長されるおそれがある(経済理論に照らせば、患者は単価の安い地域での受診を希望し、医療提供側は単価の高い地域への移動を希望すると考えられる)—などの弊害を指摘。医療費適正化を推進・達成するためには、まず「地域住民の健康増進」に取り組むことを重要と、強く訴えています。



https://www.medwatch.jp/?p=23184
新専門医制度は「地域で必要とされる優れた臨床医の養成」に主眼を置くべき―日病・相澤会長 
2018年10月30日|医療現場から MedWatcch

 従前の専門医制度では、例えば「個々の医師が専門領域を持ちながらも、内科や外科といった領域を超えて、カバーしあいながら地域医療を支える」形となっていた。しかし、現在の新専門医制度ではこうした形をとれない方向に進み、むしろ医師偏在を助長することになるのではないか。新専門医制度は、「地域で必要とされる優れた臨床医の養成」に主眼を置き、偏在対策は別の仕組みの中で行うべきである。こうした点について、日本病院会としての意見を表明していってはどうか―。

 日本病院会の常任理事会ではこうした懸念等が示され、今後、新専門医制度の在り方について意見を表明していく方針が固められたことが、10月30日に記者会見を行った相澤孝夫会長(社会医療法人財団慈泉会相澤病院理事長)から発表されました。
 
新専門医制度で、「質の担保」と「地域偏在の是正」を両立させることには無理がある
従前の専門医制度に対し、「学会が乱立し、各々で専門医資格を授与しているため、専門医の質が担保されているのかが不明確で、また国民にとって分かりにくいものとなっているのではないか」という課題があり、これを解決するために新専門医制度が構築されたのです。そのポイントは、▼「18領域+総合診療専門医の基本領域」を1階部分とし、その上に基本領域と関係の深いサブスペシャリティ領域(2階部分)を設け、専門医の認定は、日本専門医機構と学会が共同で行うことで「国民への分かりやすさ」を担保する▼専門研修プログラムを、日本専門医機構の策定した整備指針に則って、各学会が責任をもって作成することで「専門医の質」を担保する―などと整理でるでしょう。

 新専門医制度は、今年度(2018年度)から全面スタートし、現在、来年度の専攻医(新たな専門医の資格取得を目指す後期研修医)の登録が始まっています。

しかし日本病院会の会員病院からは、新専門医制度の施行状況を踏まえて次のような問題点が指摘されているようです。

▽従前の専門医制度に比べて、一般病院(日病の会員病院など)での研修医(専攻医)が減っている

▽内科や外科でも研修医が減少しているが、とくにそれ以外の診療科では、専門研修プログラムの基幹病院からはずれた一般病院では、自ら専攻医(研修医)を募集することができず、ゼロ人となっているところも少なくない

 
 新専門医制度には、上記のような「研修医の質を担保し、かつ国民に分かりやすいものとする」といった要請のほかに、「地域の医師偏在を助長させない」といった要請も加わりました。

 しかし、上述のように地域の一般病院では研修医(専攻医)が減り、地域偏在が助長されている面があるようです。相澤会長は、さらに「若手医師は、指導医の下で学ぶとともに、失敗を指導医にカバーしてもらいながら経験を積んでいく。しかし、新専門医制度のベースとなるプログラム制(年次ごとに定められた研修プログラムに則って、定められた施設で研修を行う仕組み)の下では、『優秀な指導医の下で研修(指導)を受ける』ことが難しくなっているのではないか」(例えば、研修プログラムの下で、必ずしも優秀でない指導医の下で研修せざるを得ないケースが出ていく可能性も否定できない)との考えも示しました。後者は「質の確保」を揺るがすものとも言えます。

 これでは、両方の要請に対して「どっちつかず」の結果に終わることも懸念されます。この背景には、新専門医制度に課せられた「2つの要請」(▼質の担保▼地域の医師偏在の是正―)を同時に達成しなければならないことがあると相澤会長は指摘した上で、後者の「地域の医師偏在の是正」は別の仕組みで対応し、新専門医制度は前者の「質の担保」、つまり「良い臨床医の育成」に主眼を置くべきではないか、と訴えました。

 この点、日本病院会・全日本病院協会・日本医療法人協会・日本精神科病院協会で構成される「四病院団体協議会」が、新専門医制度に対する意見を表明していますが(関連記事はこちら)、「日本病院会としての意見」(日病で養成を始めている『病院総合医』と、新専門医制度における『総合診療専門医』との関係、地域で求められる専門医像と、必要とされる能力など)を別途、取りまとめ、表明していくことになりそうです。今後、日病内部でさらに議論を詰めていくことになります(病院総合医の関連記事はこちらとこちら)。

 
さらに相澤会長は、地域医療においては「総合的な診療能力を持つ医師」の存在が非常に重要であるとも強調。新専門制度では、19番目の基本領域として「総合診療専門医」を位置付け、養成を開始していますが、早くとも2021年度以降にならなければ総合診療専門医は誕生しません。その間にも、地域において総合的な診療能力を持つ医師が不可欠なことは述べるまでもありません。

この点、相澤会長は「従前の専門医制度の下では、専門医は、特定の専門領域を持ったうえで、内科医も軽度の腰椎圧迫骨折などの外科領域をカバーし、外科医も肺炎などの内科領域をカバーするという形で、総合的な診療能力を持ち、地域医療を支えてきた。しかし、新専門医制度の下ではそういう形での地域医療の支え方ができなくなっていくように見える」と懸念しています。今後の動向に要注目です。



https://www.medwatch.jp/?p=23262
介護医療院は2018年9月末で63施設・4583床、6月末から3倍に増加―厚労省 
2018年11月2日|介護保険制度 MedWatch

 今年(2018年)9月末時点で、63施設の介護医療院が開設され、総ベッド数は4583床となった。介護療養と介護療養型老健施設からの転換がほとんどである―。

 こうした状況が、厚生労働省が11月1日に公表した「介護医療院の開設状況等(平成30年9月末)」から明らかになりました(厚労省のサイトはこちら)。

 6月末時点と比べて、施設数は3倍(21施設→63施設、42施設増)に、ベッド数は3.3倍(1400床→4583床、3183床増)となり、着実に転換が進んでいます(関連記事はこちら)。

ここがポイント!
1 介護療養・転換老健からの転換が多く、医療療養からは一部にとどまる
2 施設数最多は北海道・山口県の6施設、ベッド数最多は広島県の492床

介護療養・転換老健からの転換が多く、医療療養からは一部にとどまる

 介護医療院は、2017年の介護保険法改正で創設された▼医療▼介護▼住まい―の3機能を併せ持つ、新たな介護保険施設です。2018年度の介護報酬改定で単位数や構造・設備基準が設定され、この4月から各地で開設がスタートしました。

 この9月末(2018年9月末)の状況を見ると、日本全国では63施設・4583床が開設されており、3か月前(2018年6月末)の3倍の施設数・ベッド数になりました。

もっとも、2017年の病床機能報告結果からは「一般病棟・療養病棟から、全国で約1万6000床が介護医療院への転換を希望している」(2023年度の意向)ことが分かっており、「転換意向はあるが準備中」であるのか、「転換意向がある、準備も完了しているが、自治体(市町村)の認可が下りない」のか、詳しく見ていく必要もありそうです(関連記事はこちら)。

 報酬区分別・転換元別・地域別の内訳をみると、次のような状況です。

【報酬区分別】
▽機能強化型介護療養並みの人員配置等が求められる【介護医療院I型】(775-1332単位):35施設(2018年6月末に比べて22施設増)・2425床(同1743床増)
▽転換型老健施設並みの人員配置等が求められる【介護医療院II型】(731-1221単位):26施設(同18施設増)・2059床(同1440床増)
▽I型とII型の両方を設置している施設(ただし同じフロアでの混在は不可):2施設(ベッド数は上記に含まれている)
 
【転換元別】
▽介護療養(病院)から:32施設(2018年6月末に比べて22施設増)・2549床(同1928床増)
▽介護療養型老健施設(転換老健)から:20施設(同13施設増)・1382床(同753床増)
▽医療療養(2018年度診療報酬改定後の療養病棟入院基本料1・2)から:12施設(同8施設増)・383床(同286床増)
▽医療療養(2018年度改定後の経過措置型)から:5施設(同4施設増)・235床(同216床増)
▽有床診療所から:2施設(同増減なし)・24床(同増減なし)
▽介護療養(診療所)から:1施設(同増減なし)・10床(同増減なし)

 医療療養からの転換が、合計17施設・618床あります。介護療養はもちろん、医療療養から介護医療院への転換は「総量規制」(介護保険制度における地域の介護施設整備上限)の枠外となっていますが、小規模な自治体(町村)では、「医療保険適用の医療療養」から「介護保険適用の介護医療院」へ転換が生じた場合、介護費が急増し、保険料が高騰してしまうため「転換に極めて後ろ向きである」と指摘されます(下図表のように、医療療養から介護医療院への転換に一定の制限を掛けている自治体もある)。現在、厚生労働省で対応が練られており、今後の動きに注目する必要があります(関連記事はこちらとこちら)。

施設数最多は北海道・山口県の6施設、ベッド数最多は広島県の492床

【地域別】

●6施設ある自治体(2道県)(ベッド数の多い順に記載、以下同)
▽北海道:6施設(同4施設増)・440床(同252床増)
▽山口県:6施設(同4施設増)・369床(同294床増)

●5施設ある自治体(1県)
▽岡山県:5施設(同5施設増)・270床(同270床増)

●4施設ある自治体(1県)
▽富山県:4施設(同3施設増)・317床(同147床増)

●3施設ある自治体(6県)
▽広島県:3施設(同2施設増)・492床(同450床増)
▽静岡県:3施設(同2施設増)・282床(同224床増)
▽埼玉県:3施設(同2施設増)・232床(同134床増)
▽長崎県:3施設(同増減なし)・231床(同増減なし)
▽愛知県:3施設(同2施設増)・219床(同177床増)
▽徳島県:3施設(同1施設増)・109床(同58床増)

●2施設ある自治体(6県)
▽群馬県:2施設(同1施設増)・217床(同150床増)
▽石川県:2施設(同1施設増)・203床(同60床増)
▽香川県:2施設(同増減なし)・130床(同増減なし)
▽大分県:2施設(同2施設増)・104床(同104床増)
▽鹿児島県:2施設(同2施設増)・88床(同88床増)
▽佐賀県:2施設(同1施設増)・74床(同52床増)

●1施設ある自治体(12府県)
▽奈良県:1施設(同1施設増)・238床(同238床増)
▽沖縄県:1施設(同1施設増)・100床(同100床増)
▽福井県:1施設(同1施設増)・80床(同80床増)
▽茨城県:1施設(同1施設増)・60床(同60床増)
▽長野県:1施設(同1施設増)・58床(同58床増)
▽福岡県:1施設(同1施設増)・58床(同58床増)
▽島根県:1施設(同増減なし)・52床(同増減なし)
▽秋田県:1施設(同1施設増)・42床(同42床増)
▽大阪府:1施設(同1施設増)・39床(同39床増)
▽岐阜県:1施設(同1施設増)・36床(同36床増)
▽愛媛県:1施設(同増減なし)・31床(同増減なし)
▽青森県:1施設(同1施設増)・12床(同12床増)

●ゼロ施設の自治体(19都府県)
▽岩手県▽宮城県▽山形県▽福島県▽栃木県▽千葉県▽東京都▽神奈川県▽新潟県▽山梨県▽三重県▽滋賀県▽京都府▽▽兵庫県▽和歌山県▽鳥取県▽高知県▽熊本県▽宮崎県—

 最も施設数が多いのは北海道と山口県の6施設、最もベッド数が多いのは広島県の492床、2018年6月末に比べて最も施設数が増加したのは岡山県の5施設増、同じく最もベッド数が増加したのは広島県の450床増、という状況です。



  1. 2018/11/04(日) 09:18:15|
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