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Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

Google News でみる医師不足 2018年8月31日 

Google Newsでみる医師不足 2018年8月31日
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Letter: Betsy Shea-Taylor: More than one reason for growing doctor shortage
The Providence Journal‎ - Aug 29, 2018 at 5:58 PM

Students, including those entering Brown’s Warren Alpert Medical School, must ask themselves if they feel capable of handling the greatest challenge they will ever face: those of us who employ doctors.


Ohio bill would give advance practice registered nurses independence from doctors
Updated 1:23 AM; Posted 12:13 AM, Aug 30, 2018 cleveland.com‎

Rep. Theresa Gavarone, a Bowling Green Republican, said House Bill 726 addresses primary care physician shortages throughout the state. But the medical association disputes there are shortages. Advanced practice registered nurses, called APRNs, diagnose and treat diseases and can prescribe medicine.

APRNs must enter mandatory collaboration agreements with doctors under Ohio law, said Jesse McClain, president of the Ohio Association of Advanced Nurse Practitioners -- which supports the bill.


US Doctor Shortage? American Café July 31, 2018
Voice of America‎ - 2018年7月31日

A recent study projected that by 2030, there could be a shortage of more than 121,000 doctors in the U.S. Many of those missing physicians would be primary care doctors. Is there a doctor shortage? If so, what can be done about it? We talk to a pair of experts in the medical field about the issue on this week's show.


Commentary: The fix to Texas's doctor shortage lies abroad

Dr. G. Richard Olds - Special to the American-Statesman
MyStatesman.com‎ - 2018年8月18日 テキサス

The Lone Star State is suffering a severe shortage of doctors. On a per-capita basis, Texas has fewer primary care physicians than all but three states. About 20,000 primary care doctors currently practice in Texas — but the state will need 6,000 more by 2030 to meet the needs of its growing population.


Wanted: Rural Doctors
U.S. News & World Report‎ - 2018年8月23日

He could go back home to Tuscaloosa and practice medicine in a hospital or clinic, or he could shun city life – and a likely higher salary – to work in the Alabama countryside, helping address a nationwide shortage of physicians in rural areas.


(他に10位以内のニュースは、オーストラリア、米国 (全米3, ネブラスカ州)、からも)



  1. 2018/08/31(金) 06:24:27|
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8月26日 

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO34605740V20C18A8MM8000/
残業規制、医師は緩く 救急・産科は上限見送りも
2018/8/26 1:30日本経済新聞 電子版

 厚生労働省は医師に限定した残業規制を2024年度に導入する方針だ。残業時間の上限を一般の労働者に19年4月から順次適用される年720時間よりも緩く設定。救急救命や産科など長時間の対応が必要な診療科にはさらに例外規定をつくる。一般労働者と同じ規制だと医師不足などで医療現場が混乱しかねないため、独自のルールが必要だと判断した。

 医師の長時間労働は他産業に比べても深刻で労働環境の改善が必要だ。しかし一般労働者向けの残業上限規制をそのまま適用すると、現場の医師不足に拍車がかかるなど、医療の質が保てなくなる懸念があった。

 正当な理由なく患者の診療を拒めない「応召義務」が医師法で定められるなど医師という職業の特殊性もあり、政府は残業規制の制度設計の過程で医師への適用を24年度まで延期。残業抑制策のあり方を別途検討し、今年度中に結論を出すことにしていた。

 厚労省は医師の残業上限は一般労働者の年720時間よりも緩くする方向だ。厚労省内では「最大でも年960時間」との意見がある。

 さらに業務の性質上、長時間労働になりがちな救急や産科などで働く医師には例外規定を設け、規制を一段と緩める方向だ。こうした診療科には上限そのものの設定を見送る可能性がある。ただ例外扱いになる場合でも、産業医との面談など健康確保措置を義務付け、労働時間の正確な把握など長時間労働を抑える仕組みを整える。

 医師の働き方改革を進める観点から「応召義務」は見直す。今は医師個人の義務と規定されているので、診療時間外の対応なども当然視される一因になっていた。厚労省は応召義務を「組織として果たすべき義務」に改める。複数の医師や看護師などが連携して対応するチーム医療を想定し、医師個人への負担を和らげる。

 一般労働者向けの枠組みでは努力義務となっている勤務間インターバル制度の導入も積極的に促す。医療界の一部が要望している医師向けの裁量労働制などの仕組みの創設は見送る方向だ。



https://www.medwatch.jp/?p=22111
専門研修修了医(certified doctor)と臨床経験を十分に積んだ専門医(specialist)は区別すべき―四病協
2018年8月22日|医療現場から MedWatch

 初期臨床研修終了後3年程度の研修(後期研修)を修了した医師は「(認定)専門研修修了医師:certified doctor」と位置づけ、十分な臨床経験を積み、science・art・coordinate能力を持つ「専門医:specialist」とは区別すべきである。現在、「19の基本領域(内科、外科、総合診療)に関する専門医」以外にも、さまざまな「専門医」が存在しており、国民に分かりにくくなっており、専門医制度を今一度見直す必要があるのではないか―。

 日本医療法人協会、日本病院会、全日本病院協会、日本精神科病院協会で構成する四病院団体協議会(四病協)は8月22日に総合部会を開き、こうした提言を取りまとめました。

ここがポイント!
1 臨床経験を十分に積んだ重層的で多様な専門医(specialist)を認証すべき
2 東京以外の大都市(大阪、愛知、福岡、神奈川)では医師不足、シーリングは必要なのか
3 2014年度改定における「消費増税改定の補填不足」、日病協として対応を検討

臨床経験を十分に積んだ重層的で多様な専門医(specialist)を認証すべき

 新専門医制度は、数多ある専門医資格を国民に分かりやすいものとし、かつ質を担保するために、「専門医の研修プログラム認証や、専門医の認定を各学会と日本専門医機構が共同して行う」ことなどを柱とし、2018年度から全面スタートしました。

「地域の医師偏在等を助長する可能性がある」などの懸念があることから、これまでに▼東京都・大阪府・愛知県・神奈川県・福岡県の5大都市圏では定員上限を設ける(ただし外科などの医師不足が懸念される診療科では除外)▼地域医療対策協議会(いわば「地域医療の課題を吸い上げる場」、各都道府県に設置)から寄せられる意見などを踏まえた、制度見直しを行う―などの対応が図られてきていますが、地域医療の現場や自治体関係者などから、今なおさまざまな課題が指摘されています。

 四病協内部でも、新専門医制度を巡ってはさまざまな意見が出ており、「専門医制度の在り方検討委員会」(神野正博委員長:全日病副会長)を設置し、改善に向けた提言を検討してきました。8月22日の総合部会では、次のような提言内容が了承されています。神野検討委員会委員長は、「病院団体ではこういう意見を持っている」ことを明らかにすることで、より良い専門医制度へ改善されることを期待しています。

(1)国民視点から専門医制度の見直しを求める

(2)初期臨床研修終了後3年程度の研修は「専門研修制度」とし、その研修を修了した医師を「(認定)専門研修修了医師:certified doctor」、その後、臨床経験を10年程度積み、必要な研修等を修了してscience・art・coordinate能力を兼ね備えるに至った医師を「専門医:specialist」と位置づけ、両者を明確に区別する

(3)後者の「専門医:specialist」研修は、「いつからでも」「どこでも」適切な指導者のいる機関で、カリキュラム制(年限や研修施設を定めず、一定の症例数などを経験することで専門医試験の受験資格を得られる仕組み)に基づく技術研修と学習、さらに厳格な資格審査で認証する

(4)医師のキャリアパスに則った重層的で、多様性のある専門研修(例えば、▼研究者専門医(specialist、以下同)▼急性期専門医▼予防・健診専門医▼在宅医療専門医▼高齢者医療・介護専門医—など)を確保する。研修の提供、専門医の認証は限られた機関である必要はなく、例えば「四病協の認証」もありうる

(5)専門研修を受けない医師に対しては、所属病院、病院団体、医師会が「質の担保のための研修」を提供する(四病協でも研修必修化に協力する)
 
 日本専門医機構では、専門医を「ある基本診療領域の疾病などについて、すべて理解し、きちんと患者に説明できる医師」と定義していますが、国民は「いわゆるスーパードクター」をイメージしがちです。また、「専門医」の名称は日本専門医機構・関係学会が独占しているわけではないため、「19の基本領域、今後、認められるサブスペシャリティ領域」以外にも「いわゆる専門医」が乱立する可能性があります。
 このため四病協では、「国民に分かりやすい」制度とする必要があるとし、上記(1)(2)のように▼(認定)専門研修修了医師:certified doctor(現在の新専門医資格取得者に相当するイメージ)▼専門医:specialist—に区別することを提言しているのです。

 また(3)(4)は、後者の「専門医:specialist」を養成・認証する際の基本的な考え方を示したものと言えます。現在は、国民の多くが、心臓疾患や脳血管疾患といった急性期医療において卓越した技術を持つ医師を「スーパードクター」と認識しがちですが、(3)(4)の専門医が誕生することで「基礎研究分野のスーパードクター」「在宅医療分野のスーパードクター」(こうした分野で卓越した知見・技術を持つ医師はすでに数多く存在する)なども広く浸透していくことが期待できそうです。

東京以外の大都市(大阪、愛知、福岡、神奈川)では医師不足、シーリングは必要なのか

 ところで、現在の新専門医制度については、日本専門医機構において「来年度(2019年度)の専攻医(新専門医資格の取得を目指す研修医)募集」に向けて、制度改善論議が急ピッチで進められています。

 例えば「専攻医の東京一極集中は否定できない」との指摘を踏まえ、▼2019年度における東京都の専攻医定員数は2018年度採用数から5%削減して設定する▼大阪府・愛知県・福岡県・神奈川県―の定員は2018年度を踏襲する(過去5年間の後期研修医の採用実績数などの平均値以下に抑える)—方針が8月3日の理事会で概ね固められました。今後も、「地域偏在を助長しない」ような対策が検討されます(関連記事はこちら)。

 この点について日本医療法人協会の加納繁照会長は、「医療現場の肌感覚では、東京以外の地域では『医師が不足し、減少傾向にある』と感じる。今後も高齢者増に伴って医療需要が増加する中で、東京都以外の大阪府・愛知県・福岡県・神奈川県の『専攻医定員の上限』(いわゆるシーリング)が本当に必要なのか、エビデンスベースで改めて議論する必要がある。地域の医師偏在の是正はもちろん非常に重要なテーマだが、同じように大都市における医師確保も重要なテーマだ」と強調しました。今後、日本専門医機構等に対し「提言」を行っていくことになりそうです。
 
2014年度改定における「消費増税改定の補填不足」、日病協として対応を検討

 このほか8月22日の四病協総合部会では、次の点についても議論が行われました。

▽「訪日外国人への適切な医療の確保」に向けた検討が始まるが、医療現場の声を十分に吸い上げる必要がある

▽来年度(2019年度)の税制改正に向けて、例年と同様の要望(消費税問題の解消、事業税非課税措置の延長など)を行う

▽2014年度の消費増税対応診療報酬改定における「補填不足」の原因を究明し、医療現場への適切な対応を行う

 
 訪日外国人対応については、例えば、▼「支払いにおいてクレジットカード等の活用」が議論される模様だが、カード決済の手数料を医療機関が負担する点についてどう考えるのか(病院の利益率を考慮すればカード活用をするほど赤字になる)▼社会医療法人の認定要件との整合性などをどう考えるか(例えば、保険診療収入等が80%超との要件があるが、外国人への自由診療を拡大すると、要件クリアが難しくなるケースもある)—といった点について、十分な検討が必要であるとの見解で一致しています(関連記事はこちら)。

 また2014年度の消費増税対応改定については、先般「補填不足」(特定機能病院では補填率が60%強にとどまった)が明らかになりましたが、四病協では「徹底した原因究明」と「補填不足への対応」を厚労省に要望していく考えです(他の病院団体も含めた「日本病院団体協議会」としての要望を、近々に行う考え)。その際、「過去の補填不足分を踏まえて、今後の診療報酬プラス改定などで相応の上乗せを要望する」のか、などについては、今後、検討することになります(関連記事はこちら)。



https://www.m3.com/news/iryoishin/624676
真価問われる専門医改革
四病協、新たに二階建て「専門医制度」を提言
「(認定)専門研修修了医師 certified doctor」と「専門医specialist」

レポート 2018年8月23日 (木)配信高橋直純(m3.com編集部)

 四病院団体協議会は8月22日に総合部会を開催し、同協議会専門医制度のあり方検討委員会での議論の結果として「専門医制度への提言 社会はいかなる専門医を必要としているのか」を公表した。現在の基本領域の専門医を「(認定)専門研修修了医師 certified doctor」とした上で、その後に多様な認定主体による「専門医specialist」の二階建てにするという内容だ。

 全日本病院協会副会長の神野正博氏は「池の水面に小さな石を投げたということ。こういう意見があるということで議論を進めていきたい」とし、厚生労働省や今月24日の日本専門医機構の理事会にも提出する考えを示した。

提言の骨子は以下の通り。

(1)国民視点から、専門医制度の見直しを求める。すなわち、臨床研修終了後の3年程度の研修は「専門研修制度」とすべきであり、そのプログラムされた専門研修を修了した医師は「(認定)専門研修修了医師 certified doctor」とすべきである。
(2)science, art, coordinate能力を兼ね備える専門医specialistは、十分な臨床経験の後に取得すべきものであり、いつからでも、どこでも適切な指導者がいる機関でのカリキュラム制に基づく技術研修と学習、そして厳格な資格審査によって認証すべきである。
(3)医師のキャリアパスに則り、重層的なかつ多様性のある専門研修を確保すべきであり、その提供と認証者は限られた機関である必要がなく、例えば四病院団体協議会としての認証もあり得る。
(4)専門研修を受けない医師に対して、所属先や病院団体、医師会は質の担保のための研修を提供すべきである。四病院団体協議会は医師の倫理や安全、最新の知見等の必須化等に協力を惜しまない。

 提言は、はじめに~現状認識、(1)国民の視点からの専門医とは、(2)医師の視点からの専門医specialist、(3)病院の視点からの専門医specialist、(4)現行専門医制度に乗らない医師の質の確保、(5)地域偏在解消の視点から、(6)提言--の7つのパートで構成している。

 国民が期待する専門医は「その専門を名乗る領域の文字通りスペシャリスト、一人前であり、一通りの診断から治療(手術を含む)を自らの手と責任で実行可能な医師であろう」として、「決して、臨床研修後の3年足らずの専門研修で認証certifyされるものではなく、10年程度の臨床経験は必須と理解すべきではないだろうか」と問題提起している。現在の基本領域の専門医に当たる「(認定)専門研修修了医師 certified doctor」については、地域偏在対策として、「国がリーダーシップを取って定め、さらに地域医療対策協議会等の議論を経て定員制を敷くことが求められる」としている。

 「専門医specialist」については、「基礎的な経験を十分に踏まえた後に多重的に取得可能な専門性であると理解すべきなのである」とし、時間を限らないカリキュラム制で研修できるようにすべきとしている。総合診療専門医については、日本専門医機構が所管するのは 「問題点が山積」としており、カリキュラムの提供と認証者については、「限られた機関である必要がなく、例えば四病院団体協議会としての認証もあり得る」という。

 日本医療法人協会会長の加納繁照氏は、東京都以外の4府県で も専攻医の定員にシーリングを残すとする日本専門医機構理事会の決定について、「私自身は疑問視している。4府県では必要な医師がどんどん減っている。高齢者が増えるのに正しいのかを議論してほしい」と要望。機構理事でもある神野氏は「二期目の理事会の積み残しがたくさんある。そのために「検証検討委員会」ができたので、そこでの議論になる」と指摘した(『2019年度、東京の専攻医5%減が努力目標』を参照)。



https://www.huffingtonpost.jp/yuto-maeda/hospital-20180820_a_23505223/
赤穂市民病院からの手紙 −地域周産期医療崩壊の序曲−
第2の故郷である兵庫県のためにも、自分も可能な限りの貢献をしていきたい。

前田裕斗 神戸市立医療センター中央市民病院産婦人科後期研修医
2018年08月20日 13時23分 JST | 更新 2018年08月20日 13時23分 JST BLOG ハフポスト

 ある日職場に兵庫県は赤穂市民病院から自分宛の手紙が届いた。「常勤医師の退職に伴い2017年9月から分娩取扱を休止している。地域住民、妊婦からは分娩取扱再開の要望が多く、医師確保に奔走しているが上手くいかない。どんなことでもいいから情報提供をお願いしたい。」読んで非常に驚いた。曰く、私が昨年度までの神戸中央市民病院在籍中に書いた前稿「意外な医療過疎地域、兵庫〜関西修行記 vol.2〜」を見て連絡してきたとのことだ。しかし受け取った私は産婦人科4年目、今年専門医になるただの若造なのだ。どうしてこのような切迫した状況になってしまったのだろうか。

 赤穂市と聞くと忠臣蔵・赤穂義士の話を思い出す人も多いだろうが、兵庫県の中でも最も西の岡山との県境にある西播磨地区に属する。県境とはいうが、近隣の大都市である兵庫県、姫路へは約40km、岡山へは約60kmと毎回の妊婦健診を近隣へ受けに行くにはアクセスがいいとは言えない位置だ。元々西播磨地区は医師が少ない。2014年に兵庫県で働いていた産婦人科医師数は神戸市159人、阪神154人に対し、東播磨62人、中播磨49人。そしてなんと西播磨は11人だった。それでも2016年まで赤穂市民病院には4人の産婦人科常勤医がいたが、このうち3人が2017年8月までに退職。緊急時の対応が困難なことから同年9月に分娩取扱を休止した。

 医師確保のために地域行政がまず働きかけるのは、当然大学だ。赤穂市民病院は神戸大学産婦人科学教室の関連施設として同教室のHPにも記載がある。しかし、神戸大学からの医師派遣は実現しそうにないという。おそらく、大学も人手が足りていないのだろう。現に神戸大学関連病院で地域周産期における最重要拠点の1つである兵庫県立こども病院でさえも医師数が減り、規模が縮小されていると聞く。産科は緊急症例に対応するため、そして毎晩当直医が必要になることから最低2人以上のスタッフを確保するのが望ましいが、それだけの医師を派遣することは他関連病院の兼ね合いもあり難しいのが実情と考えられる。

 さらにここへ追い打ちをかけるのが「新専門医制度」だ。新専門医制度とその問題点についてここでは詳しく語らないが、この制度では、若手医師は専門医取得のため大学病院か同等規模の基幹施設で主に研修し、連携施設となった病院でさえも6−12ヶ月しか所属することはない。このためそもそも赤穂市民病院自体が若手医師を独自に雇うことはほぼ不可能であるし、たとえ若手医師が送られてきても、病院ごとの文化に適応しまともに働けるようになる前に他へ移ってしまうことになる。

 さらに新専門医制度による兵庫県で産婦人科研修を始める医師数の減少が拍車をかける。厚労省の調査では、兵庫県の2012-2014年における医師3-5年目の後期研修医数は102人であった。即ち、毎年約34人が兵庫県で産婦人科として研修を開始したこととなる。一方2018年の研修開始者は14人と半数以下となってしまった。来年以降も同様の傾向が続くかどうかはわからないが、もし続いた場合はさらに医師不足は進行し、医師確保は困難となることが予想される。なお、新専門医制度で地方の若手医師数が減ること、その原因については様々な議論がすでに尽くされており、別稿を参照されたい。

 また、昨今の分娩施設集約化の流れも問題の一つだ。2016年に次々と報道された無痛分娩で出産した母体の死亡例についての報道を皮切りに、安全性の確保を錦の御旗に分娩施設集約化の流れが興っている。安全性の確保は確かに大切だが、そのために人員を集約化すれば現在分娩を取り扱う地域の中小病院から医師がいなくなることは必定だ。一方で助産師、看護師へのtask shiftingや、ITの活用などいかに人員数を変えずに業務の効率化、安全性の確保を行うかについての議論は依然として行われていない。

 赤穂市には元々赤穂市民病院と赤穂中央病院の2病院が分娩を取り扱っており、2016年度の分娩は計648件。市民病院は249件、赤穂中央病院は399件だった。隣接する岡山県も含めて市外の利用者が約6割を占めていたようで、赤穂市だけでなく西播磨地区近くの住民が利用していたと予想される。一般的な産婦人科の感覚として、650人の分娩を一つの病院で回すには最低でも3−4人以上の産科医が必要だ。現時点では姫路や岡山へ妊婦が流出することで、市民病院から最も近い赤穂中央病院の妊婦受け入れ制限などには至っていないが、今回の赤穂市民病院と同じような事態がいつ起きないとも限らない。赤穂市民病院の分娩取扱休止に伴い、姫路市以外の西播磨地域で出産できるのは、赤穂中央病院と公立宍粟総合病院(宍粟市山崎町鹿沢)の2病院のみとなった。将来、西播磨地区では分娩できない未来がきてしまうかもしれない。

 長くなったが、今回のことをまとめれば以下のようになる。

・赤穂市民病院の分娩取扱中止・医師確保が困難となった事態は、西播磨地区の産婦人科医不足を背景に偶発的に起きたことであるが、新専門医制度・分娩集約化と言う産科医療全体の流れの中で生じており、他地域でも全く同様の事態が生じる可能性がある。

・赤穂市は西播磨地区において1つの周産期医療拠点である。今回の分娩取扱中止を契機に西播磨地区全体の周産期医療が崩壊する危険性も考えられる。

 この問題をどのように解決すればよいのだろうか。理想的には日本の産婦人科医療全体が安全性を保ちながら効率化し、人員をすべての地域に循環させることが望ましい。しかし残念ながら現在では絵に描いた餅であり、効率化が進むとしても多大な時間がかかると予想される。人材の速やかな確保には個人的なつながりをたどること、そして病院や地域全体からの、赤穂という地域や、赤穂で働くことの利点を感じられるような情報発信が必要だ。第2の故郷である兵庫県のためにも、自分も可能な限りの貢献をしていきたい。

(2018年8月14日MRIC by 医療ガバナンス学会より転載)



https://www.m3.com/news/iryoishin/624059
「医師の働き方改革」、単なる時短にあらず◆Vol.1
医療の近代化が目的、「やらされ感」満載では失敗の懸念

スペシャル企画 2018年8月21日 (火)配信司会・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

 厚生労働省の「医師の働き方改革に関する検討会」の議論が今秋以降、最終局面を迎える。7月の同検討会では各種調査結果のほか、日本医師会が主導してまとめた「医師の働き方改革に関する意見書」が公表され、議論の素材はおよそ出揃ったと言える。
 日医副会長の今村聡氏と、2017年4月に報告書をまとめた「新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会」の座長を務めた、東京大学大学院医学系研究科国際保健政策学教室教授の渋谷健司氏という2人の検討会のキーパーソンに、医師の働き方改革をめぐるこれまでの議論や今後の方向性などを語っていただいた(2018年8月9日に対談。全5回の連載。文中、敬称略)。

――まず先生方は研修医時代、どんな生活を送っていたのか、お聞かせいただけますか。

今村 大学卒業後、研修したのは、三井記念病院(東京都千代田区)の麻酔科です。出身は秋田大学ですが、あまり大学には行っていなかったため、先生方に顔を知られず、「お前、俺の医局に来い」とは言われなかったので、東京に出ることになりました(笑)。虎の門病院(東京都港区)や東京警察病院(当時は東京都千代田区)も考えたのですが、三井記念病院にいた尾本先生(埼玉医科大学名誉教授の尾本良三氏)から、「日本でも有数の心臓外科がある病院だから、ここに来れば充実した麻酔の研修ができる」とオルグされ(笑)、決めたのです。

 外科系が強い病院なので、麻酔科は完全に「従」。夕方4時か5時になると、翌日の手術予定がようやく分かり、「明日、今村君。このオペの麻酔に入って」と決められる状況でした。予定が立たない日々でしたが、昔はそれが当たり前。最初の1年間は、外科の研修医たちと一緒に、ほとんど病院に泊まり込んでいました。勉強熱心な先生方が多く、「救急患者が来た」となると、皆がテンション高く集まってきたため、麻酔科医は患者さんになかなか近寄れず、「血圧が測れないんですけど……」と外科医の間をかき分けながら仕事をしていたのです。

 1年くらい経った後のある日の朝、不整脈が出たこともあります。「なぜこんなに脈が乱れているのだろう」と思いましたが、睡眠不足だったんですね。1年目は、メチャクチャ働きましたが、2年目くらいから次第に余裕を持って働けるようになりました。

渋谷 東大の医局には入らずに、初期研修は新設の帝京大学の市原病院(現帝京大学ちば総合医療センター)麻酔科を選びました。森田先生(後に帝京大学麻酔科教授、帝京大学附属病院の元病院長の故森田茂穂氏)がいたからです。学閥に関係なく色々な人が集まるベンチャー企業のような雰囲気がありました。麻酔、救命救急と集中治療を研修したのですが、森田先生は、「集中的に働き、思いっきり遊べ」という発想の持ち主。救命救急と集中治療はシフト制を敷きやすく、メリハリはあったものの、実際には仕事漬けの日々で、ほぼ病院に住んでいました。しかも、当時の私大病院の給与は安く、初任給は4万円。週給かと思ったら、月給。びっくりしましたね。生活費を稼ぐために、土日の当直やバイトをせざるを得なかったのです。まさに「ブラック企業」(笑)。

 印象深かったのは、新東京病院(千葉県松戸市)でのバイト。当時は天野先生(現順天堂医院院長の天野篤氏)が部長で、須磨先生(心臓血管外科の第一人者の須磨久善氏。現財団法人心臓血管研究所付属病院スーパーバイザー)が助っ人で来ていて、お二人のオペに入ることがありました。もちろんオペは素晴らしかったですが、休むこともなく術後も患者へ寄り添い、その対応が素晴らしかった。「現場にはたたき上げの、すばらしい先生方がいる」ことに驚き、医局に入らなかった自分も勇気付けられました。麻酔科で研修したのは、麻酔科医になりたかったからではなく、森田先生のコネを使って海外で臨床研修をしたかったのと、いろいろな分野を見たかったから。コメディカルを含め、さまざまな科と働いたり、野戦病院で多くの修羅場を経験したことは、すごく勉強になりました。

今村 私も麻酔科で研修したのは、いろいろな科を見たかったからです。学生の頃に、話を聞いて外科系に興味を持っても、本当にそれぞれの科が何をやっているかは、実際に見てみないと分からなかった。結局は、「面倒くさがり屋」なので、そのまま麻酔科に居着いてしまいましたが(笑)。


渋谷 学生時代、十数時間に及ぶ脳外科のオペに立ち会ったことがあります。「お前だけだよ、ずっと立ちっぱなしで最後まで残ったのは」と言われ、「大丈夫です、ボート部だから」と答えたら、「お前、脳外科に入れ」と誘われた。当時は、情報もなく、周りの医学生はそんな感じで進路を決めていましたね。けれども入局したら、一生そこにいるのが基本。それが嫌で、森田先生のところに行ったのです。「来るものは拒まず、去るものは追わず」の先生で、「お前、海外に行きたいんだろう?」「はい、そうです」。そんな感じで決めました。今、考えれば、のどかな時代だった。

――先生方の特に1年目は、まさに「レジデント」の生活。渋谷先生が研修医だった時代からも30年近く経っています。その後、医師の働き方は、徐々に変わってきたのか、あるいは変化の節目があったのか。その辺りは、どう受け止めておられますか。


今村 ずっと同じ病院に勤務して見ているわけではないので、一概に言えないですね。また今も、病院によって状況は違うと思うのです。

 私が2006年に日医の常任理事になってからのことを言えば、ある日、日医の役員会で、「今、勤務医の働き方について、いろいろデータが出てきているのに、日医は何もしなくていいんですか」と尋ねたところ、「日医の会員には経営者もいるのだから、そこに触れるのは難しい」といった雰囲気でした。

 しかし、2年経った頃に、精神科のある先生から、「医師の健康を守るのは、医師会の重要な役割。海外では医師会が主導的にこうした問題に関わっている」と指摘され、2008年から日医内に「勤務医の健康支援に関するプロジェクト委員会」を設置し、私も関わるようになりました。

 同委員会が勤務医1万人を対象に行ったアンケートでは、「希死念慮を持つ勤務医が5%」という衝撃的な結果でした。「このデータを出したら、『こんなに不健康な医師から、国民は医療を受けている』と言われる」との声も上がりましたが、データはオープンにしました。

 つまり、医師会の中でも、その辺りから相当に雰囲気が変わってきたのだと思います。今回問題が顕在化したのは、「電通の過労死問題」など、他の業界の影響が大きいでしょう。

――2000年代後半と言えば、「医療崩壊」という言葉が使われるようになった時期。

渋谷 小松秀樹先生が『医療崩壊』を上梓したのも、2006年です。当時、"たらい回し"などと医療界が叩かれ、その原因として医療費抑制や医師不足などが挙げられました。以前から医師の過重労働や長時間勤務があったものの、それは当たり前だという意識があったことは否めません。ここに来て他のセクターの影響を受け、医療界にもある意味「法のメス」が入り問題が顕在化し、議論がわき起こっているように思います。しかも今は、医師の人権意識も高くなっています。

――渋谷先生が厚生労働省の「保健医療2035」(2015年6月に報告書)をまとめた時、医師の働き方改革はどの程度、意識されたのでしょうか。

渋谷 働き方というより、医療の在り方の議論が中心でした。しかし、今の働き方改革も、単に「時短」といった話ではなく、医療の提供側が健康に働くことで、質の高い、価値のある医療をいかに患者に提供するかが目的。本質は「保健医療2035」と同じなのです。何のために働き方改革を実施しているのか、その目的を考えないと結局、「労基署が入って、面倒くさい」「政府が決めたから、仕方なくやる」など、「やらされ感」が満載の働き方改革になってしまう。それでは、改革が失敗しかねません。

 働き方改革をテコに、昔ながらの慣習やシステムの残る医療の在り方を近代化するのが改革の目的だと思います。研修医や、やる気のある医師は、時にはがむしゃらに働いてもいいと思うのです。しかし、女性医師も増えており、皆に同じように長時間労働を強いる時代ではないのです。そんな病院には、医師は集まらなくなるでしょう。



http://blogos.com/article/319487/
いい医療を行うためには 赤字と補助金
BLOGOS 中村ゆきつぐ2018年08月21日 18:03

北海道の市立旭川病院のニュースです。(医療従事者の給与削減、提案へ 赤字続く市立旭川病院)(ここは血液内科があるんですよね。)

>病院側は市議会で「2~3年の限定で身を切ることで(職員の)了解を得る覚悟だ」と説明した。近く労組に提示し、新年度中に実施に踏み切りたい考え。

旭川市を守っている医療従事者の方には本当申し訳ないと思います。病院側と言っているのは市の職員でしょうか。以下の文章をを読む限り、この市は何もわかっていないようです。

>市は他職場との関係もあることから、一般事務職員については対象に含まない考えだ。
自分たちの給料は落とさず医療者だけの給料を落とす。そんなことをして医療者がこの病院に残ると考えているのでしょうか。まして市の職員の給料体系ですから医療者の給料もそこまで高くはないと思われますが。


この病院、整形外科含めた医師不足から赤字となり、支援を依頼している旭川医大に

>医大は協議の中で市立病院の自助努力が前提だとし、医大がかつて職員給与や病床の削減で赤字脱却を図った実績を挙げて「身を切る改革」の必要性を伝えているという。

と言われたみたいですが、正直この議事録を読む限り本当に旭川にこの病院が必要なのか少し疑問は感じています。

そして旭川医大と市立旭川病院の一番の違いを別の記事で説明します。(救急は「ブラックでないと無理」なんてことはない。断らない、スタッフを犠牲にしない、日本一の救急はこうして可能になった)

この記事をみてちゃんとやればいい医療ができるのではとお思いの皆さんに、この一文を載っけます。

>とはいえ、病院経営的には完全な赤字部門。
神戸市立医療センター中央市民病院を、阪神・淡路大震災を機に生まれた「医療産業都市構想」の中核に据える神戸市から、年間8億円の補助をもらうことでなんとかやっていけている。

旭川市、この額しっかりみてください。所詮今の診療報酬では急性期を含むいい医療をやろうとすると病院経営は赤字になり、大学病院等が何とか黒字になっているのは補助金が入っているということを理解して市民病院の立て直しを計らないと全く意味をなさないのです。

多分このままでは旭川市民病院は潰れるのかな。役所が何もわかっていない典型です。



https://www.zaikei.co.jp/article/20180820/460761.html
東京医科大学の女子一律減点、医師の65%が「理解できる」
2018年8月20日 13:55財経新聞  記事提供元:エコノミックニュース

エムステージが医師を対象に東京医科大学の女子一律減点に関するアンケート調査を実施。「理解できる」とした医師は65.0%。理由は仕方ないという諦めの声が多数。今後医療業界に必要なことは働き方改革。

 東京医科大学の女子一律減点が議論を呼んでいる。女子一律減点は女性差別だとする者がいる一方、女性医師の離職率が実績において高くなっている以上、制度維持のためにはしかたがないという意見もある。

 医療コンサルタント業のエムステージが医師の男女103人に対して東京医科大学の女子一律減点に関するアンケート調査を実施し、その集計結果を公表している。

 女子一律減点に関する意見を聞いたところ、「理解できる」が18.4%、「ある程度は理解できる」が46.6%、「あまり理解できない」が3.9%、「理解できない」が31.1%で、「ある程度は理解できる」が最も多く、「理解できる」と「ある程度は理解できる」を合わせると65.0%医師が程度の差はあれ「理解できる」と回答している。

 「理解できる」と答えた者の意見を見ると、「実際自分も、家事育児をするために仕事を調整して、できないことも多い」(小児科医)。「医療システムの問題として、激務は事実。また、妊娠出産での欠員を埋めるようなバックアップシステムが不十分であることも事実」(小児科医)。「男性医師が深夜12時過ぎまで働いたり、当直の肩代わりなど、現実の負担増を考えると東京医大がやったことも必要悪として気持ちはわかる。」(放射線治療)。「現状で、女子の離職率や勤務制限があるのは事実であり、男性や未婚女性への負担が大きくなっているから」(放射線科)などとなっており、現状を考えた場合しかたないという意見が目立った。

 「理解できない」と答えた者の意見を見ると、「どうしたら復帰できるか、医局を離れないようになるかを変えるべき」(産婦人科)、「女性医師が産休育休後に復帰しやすい職場環境を整えないと医師不足は進むばかり」(精神科)などとなっており、現状を改善するべきだという意見が多かった。

 今後医療業界に必要なことを尋ねると、「コメディカルの増員」(放射線治療)、「全て医師が抱え込む権力一極集中を辞めて、ナースプラクティショナーなどへの権利依託」(内科)、「男女に対してフレキシブルな働き方を認める必要がある」(産婦人科)、「保育園やシッターサービスの拡充、主治医制の撤廃」などとなっており、制度・組織改革、働き方改革が必要であるとの意見が目立った。(編集担当:久保田雄城)



https://the-liberty.com/article.php?item_id=14822
東京医科大が批判され、防衛大(女子募集12%)が批判されない理由
2018.08.23 The Liberty web

《本記事のポイント》
防衛大の募集枠でも女子は12%、大阪電気通信大は女子に加算
東京医科大の問題は「非公表の男性優遇」「医師事情の認知不足」
大括りな「差別反対!」ではなく、冷静な議論を


東京医科大学のいわゆる「不正入試問題」が、世間を騒がせている。

同校は入学試験の際に、男子受験生を優遇し、女子受験生の合格者数を抑えるよう得点操作をしていた。

これが「女性差別である」として、大炎上している。

防衛大の募集枠でも女子は12%

一方、入試で"あからさまな男女差別"を行いながらも、特に問題になっていない学校もある。

その一つが、防衛大学校だ。

極端な例に見えるかもしれない。しかし、「東京医科大の、何が本当の問題だったのか」を炙りだすには有効な比較対象だ。

例えば、同校の「第66期学生の一般採用試験(前期日程)」の募集人数を見てみる。すると、定員300人のうち女子の募集人数は35人と、約12%しかない。

女子受験生が定員割れを起こしているわけではない。女子の受験生は3670人であり、そのうち合格者は188人。3500人ほどの女子受験生が涙を呑んでいる。

しかしそれが「不正な差別だ」と社会問題になることはない。


大阪電気通信大は女子に加算していた

こうした例は他にもある。

大阪電気通信大は2016年、公募推薦入試において「女子受験生に点数加算して優遇すること」を公表。一部で話題になった。

もちろん賛否両論あり、本欄としても積極的に評価はしないが、炎上することも、「不正」と言われることもなかった。

こうした例を見ると、東京医科大の件で問題視されたのは、厳密に言えば"特定の性別を多く合格させようとしたこと"でなかったことが分かる。


問題は「非公表の男性優遇」「医師事情の認知不足」

では何が問題だったのか。

もちろん筆頭に挙げられるのが「男性優遇を公にしていなかったこと」だろう。

必死で勉強してきた女子受験生にしてみれば、「騙された」という感情を持って当然だ。

男女に適用する合格基準・ルールを分けるのであれば、防衛大や大阪電気通信大のように、そのことを公表して"土俵も分ける"べきだった。

もう一つ浮かび上がってくる問題は、「医学部で男性優遇をする事情が、社会の共通認識になっていなかったこと」だ。

防衛大については、「自衛官という職業が、どちらかといえば男性の方に適性がある」ということが、ある程度世間に納得されている。

大阪電気通信大についても、「社会的な弱者などを優遇する『アファーマティブ・アクション』というものがある」という共通認識がうっすらとあった。

一方、東京医科大についても「系列病院の医師不足に対応するため」という事情があったとされている。

「女性の医師は、どうしても離職率が高くなる」「外科医など、体力的にハードな分野で人が足りなくなる」といった現実は、関係者からも聞こえてくる。

しかし防衛大や大阪電気通信大のように、医師不足の事情や深刻さは共通認識となっているわけではない。

その理解を求めるどころか、説明さえないまま点数操作がなされていた。これは一種の「怠慢」であり、「根拠の薄い男性優遇なら、偏見で女性を下に見る『差別』であって、『区別』ではない」「公共の幸福につながるわけでないなら、『法の下の平等』『職業選択の自由』に反する」と批判されても、甘んじなければならないだろう。

大括りな「差別反対!」より冷静な議論を

今回の件で本当に問題だったのは「公表しなかったこと」であり、今後論点とすべきは「男性優位にする事情が、社会的に納得されるか」だろう(さらに事情の根源を探れば、最終的に「政府の医学部定員抑制が医師不足を招いた」という問題に行き当たる)。

いずれにせよ、防衛大や大阪通信大と比較すると、「女性差別反対!」といった大括りな批判ではなく、冷静な議論が求められることが分かる。

(HSU未来創造学部 瀧川愛美/馬場光太郎)



http://www.sankei.com/life/news/180823/lif1808230002-n1.html
画像診断ミス、ベテラン医師も見落とし 情報過多、経験関係なく 「追いつけぬ目」進むAI開発
2018.8.23 05:00 産経ニュース

 画像診断でがんなど病変の見落としが続発している問題で、見落としは医師の経験年数に関係なく発生していることが22日、医療事故情報を収集する日本医療機能評価機構の調べで分かった。背景には、画像診断技術が高度化したことで医師が扱う情報量が著しく増加し、ベテラン医師でも追いつけていない現状がある。人の目に全面的に頼らず、人工知能(AI)による診断開発も進んでおり、厚生労働省は抜本的な再発防止対策に乗り出した。

検診年420万人

 同機構は、平成27~29年の3年間に発生した32件の画像診断による病変見落としを調査。医師に職種経験年数を聞いたところ(複数人介在を含む)、1~5年=7人▽6~10年=6人▽11~15年=7人▽16~20年=4人▽21~25年=4人▽26~30年=7人と、ほとんど偏りはなかった。

 32件のうち「撮影目的の部位のみ確認した」が27件で、「医師の目が広範囲に届いていなかった」と指摘する。

 こうした病変の見落としは近年、相次いでいる。東京都杉並区では40代女性が肺がん検診でがんを見落とされ、6月に死亡した。市区町村が公的資金で行う肺がんの検診は40歳以上が対象で年1回行われる。厚労省によると、肺がん検診は27年度に全国約420万人が受診している。

1回で数百枚撮影

 「画像診断の検査数が増加し、診断書の中に記載されている情報量が多く、主治医自身がその結果を消化しきれなくなっている」

 日本医学放射線学会は7月19日、異例の見解を出した。見落としの要因は画像診断を担う放射線科医と主治医の連携不足などに加え、医療の高度化に伴う情報量の増加もあるというのだ。特に画像診断の検査では息を1回止める間に数百枚以上の撮影が可能となったが、主治医が自分の担当領域を見ることに腐心し、十分な知識のない他の領域に映った病変の発見に及ばない恐れも出ている。

 東京慈恵医大病院では病変見落としで患者が死亡したケースを踏まえ、診断報告書を主治医が確認し、必要な対応をしたかスタッフが2回、医師に確認する仕組みを導入した。今春からさらに診断報告書を全患者に手渡すことも始めた。

 ただ、同病院だけで年間約8万5千件の画像診断があり、情報処理には時間がかかる。名古屋大病院の長尾能雅(よしまさ)教授(医療安全)は「技術向上で異常が見つかりやすくなった半面、フォローするシステムが追いついていない」と指摘する。

0.004秒判断

 理化学研究所と国立がん研究センターの研究グループは7月20日、米ハワイの学会で、AIを使って早期胃がんを発見することに成功したと発表した。

 理研光量子工学研究センターの横田秀夫チームリーダーによると、早期胃がんは炎症との判別が難しく、画像では専門医でも発見しにくいというが、「熟練医に迫るところまで精度を高めた」。がんの80%を見つけ、かかった時間はわずか0.004秒だった。

 医療系IT企業「エムスリー」(東京)などは医療機関のニーズが増えているとして、今秋までにAI診断の支援システムの構築を目指している。

 ただ、将来的にAIが導入されても、AIが指摘したことを患者に伝えるのは医師だ。人為的なミスを見逃さない包括的なシステムが求められている。

 同機構や厚労省は24年から複数回、病変見落としを注意喚起する文書を発布。それでも続発していることから、厚労省は適切なシステムの構築に向けて今後2年間の研究調査を専門家に依頼している。



https://ironna.jp/article/10470
教授に媚び製薬会社にたかる「白い巨塔」が差別を生んだ
上昌広(医療ガバナンス研究所理事長)2018/08/20 IRONNA

 東京医科大が世間の注目を集めている。裏口入学が状態化していたことに加え、8月2日、入試で女性受験者の点数を一律に切り下げていたことが明らかになった。このことは海外でも報じられ、言うまでもなく前代未聞の不祥事である。

 報道等によれば、東京医大による女子合格者の抑制は2006年から始まったという。2010年の医学科の一般入試では、女子の合格者数が69人と全体(181人)の38%に達したことに強い危機感を抱いたらしい。大学関係者は取材に対し、出産や子育てを抱える女性医師は男性医師ほど働けないと説明している。特に、外科系の診療科では「女3人で男1人分」との言葉もささやかれていたという。

 私が驚いたのは、メディアのこのような論調に誰も疑問を呈さないことだ。今回、問題が発覚したのは東京医大の入試である。東京医大病院の就職試験ではない。どうして、入試の合否の基準に卒業後の働き方が考慮されるのだろうか。

 医師不足が深刻な社会問題となっている昨今、確かに彼らの言い分は一定の説得力を持つ。男性と比較して、女性が働き続けるのは困難を伴う。激務の医療現場ならなおさらだろう。

 ただ、この問題は医療界に限った話ではない。医療界でも看護師は同じ問題を抱える。日本看護協会をはじめ、看護師の業界団体も、この問題に取り組んで来た。安倍政権も女性活躍を目指して多くの政策を立案している。

 医学部医学科以外で、卒業後に大学で学んだ技術を用いた仕事に就かないから、入試で差別する、というばかげた主張がまかり通ることはない。

 なぜ、こんなことが真剣に議論されるのだろうか。それは東京医大の場合、医師国家試験に合格した卒業生の大半が、東京医大病院をはじめ系列の病院で働くことになるからだ。つまり、大学入試が「東京医大グループ」への就職試験を兼ねていることになる。おそらく、このような形で運用されているのは、大学の学部では医学部だけだろう。

 医学部教授は学生を指導する教員であると同時に「病院の経営者」でもある。病院経営の観点から考えれば、給与が安くてよく働く若手医師をできるだけ多く確保したいというのが本音である。

 東京医大に限らず、若手医師の待遇は劣悪だ。東京医大のホームページ(HP)によれば、東京医大病院後期研修医(卒後3から8年程度の若手医師)の給料は月額20万円だ。これに夜勤手当、超過勤務手当てなどがつく。この給料で、新宿近辺でマンションを借りて生活しようと思えば、親から仕送りをもらうか、夜間や休日は当直バイトに精を出すしかない。

 しかも、この契約は3年間で満了となり、その後は一年契約となる。さらに常勤ではなく、仮に妊娠した場合、雇用が契約されるか否かは、東京医大に委ねられる。

 大学病院経営の視点から考えれば、女性より男性が安上がりであることは間違いない。男性はめったに産休などをとらず、待遇面での不満や特別な事情でもない限り一生働き続けるからだ。入学試験の成績が多少悪かろうが、男性を合格させたいという考えも理解はできる。

 実は、このような主張も屁(へ)理屈だ。女医に限らず、女性は出産・子育ての時期に一時的に仕事を離れることが多い。これを「M字カーブ」という。

 少し古いが、2006年の長谷川敏彦・日本医科大学教授(当時)の研究を紹介しよう。この研究によれば、医師の就業率は男女とも20代は93%だが、30代半ばで男性は90%、女性76%と差がつく。メディアは、このことを強調する。

 ただ、これは今回の不正入試の本当の原因ではない。東京医大が主張する通り、入学者の4割が女性になったことが問題で、これを全国平均の3割に抑えたとしても、それで増加する医師はわずか1人である。その程度の効果しかないのに、東京医大の幹部が不正のリスクを冒したのはなぜなのか。

 問題の本質は、結婚や出産した女性医師が職場を変えることだ。本件に関して言えば、東京医大病院や関連病院を辞めてしまう、ということである。

 例えば、東京医大の内科系診療科の場合、HPに掲載されている循環器内科など8つの内科系診療グループのスタッフに占める女性の割合は、教授・准教授で5%、助教以上のスタッフで22%、後期研修医で37%だった。女性は年齢を重ねてキャリアが上がるにつれて、東京医大病院で働かなくなっていることが分かる。

 医師の平均的なキャリアパスは24歳で医学部を卒業し、2年間の初期研修を終え、その後、3~5年間の後期研修を受ける。その時点で30代前半になる。

 その後のキャリアは雑多だ。東京医大の場合、「臨床研究医」などの医局員を経て、助教、講師へと出世していくようだが、速い人であれば40歳代前半で准教授となる。

 大学病院は教授を目指した「出世競争の場」である。主任教授になれば、医局員の人事を差配し、製薬企業や患者から多くのカネを受け取る。東京医大のある内科教授は、2016年度に115回も製薬企業が主催する講演会の講師などを務め、計1646万円もの謝金を受け取っていたことが明らかになっている。

 大学で出世するためには、安月給でも土日返上で働き、論文を書かねばならない。一方、私大医学部の経営者は、医師の名誉欲を利用する。知人の私立医科大の理事長は「大学の肩書をつければ、人件費を3割は抑制できる」と打ち明けてくれた。

 ところが、女医にはこの作戦は通用しない。医師の世界で男性は保守的、女性は進歩的なケースが多い。食いっぱぐれのない医師は、親が子供に勧める職業の一つである。男性医師の多くは親や教師の勧めに従順に従って、医学部に進む。だが、女性は違う。苦労を知りながら、「女だてら」に医師になる。多くの女医は、狭い医局の世界で出世争いに汲々(きゅうきゅう)とする男性医師を見て嫌になり、医局を辞めていく。

 週刊ポストは8月10日号で、製薬企業からの謝礼が特に多い主要医学会の幹部医師50人の実名を公開した。その中に含まれる女性医師はわずか1人だった。

 大学病院から女医が去って行くのは、勤務体系が劣悪という理由だけではない。診療や研究そっちのけで、教授に媚(こ)び、製薬企業にたかる体質に嫌気が差しているからだ。東大医学部を卒業した知人の女性医師は「男性は本当に肩書が好きですね。私たちには分からない」と本音を漏らす。

 国民の視点に立てば、女医はどこで働いてもらってもいい。彼女たちが育児と両立しやすい職場に移ればいい。象牙の塔を離れ、市中で診療してくれるのは、むしろ有り難いことだ。

 彼女たちが大学病院を辞めて本当に困るのは、経営者だけである。とりわけ、彼らは「女性は使えない」と思い込んでいる。だからこそ、女子受験者を一律減点し、入学を制限しようとしたのである。

 大学教育とは一体何なのか。むろん学生を育てることである。それは医学部だろうが、他学部だろうが関係ない。ところが、東京医大は学生を自らが経営する大学病院の「労働者」としてしか見ていない。

 この問題を解決するには、情報公開を徹底するしかない。さらに、大学病院を医学部から分離する、あるいは卒業生の入局を制限するなどの対応が必要だろう。

 これは学生にとってはプラスである。進学校から医学部に進み、そのまま入局して、一生母校の医局にいたら、まともな人間になるはずがない。不正に関与した東京医大の幹部はまさに反面教師である。

 近年、大学医学部で不祥事が続発している。今こそ、学生教育という本来の目的に立ち返り、徹底的に議論し改革を促すべきだ。



https://www.asahi.com/articles/ASL8N41MCL8NUBQU00C.html
過疎地診療の充実、でも…岐阜・高山の医師「この後は」
永持裕紀 2018年8月20日15時00分  朝日新聞

 長野県境に近い岐阜県高山市高根町の市営診療所。その所長を、医師の川尻宏昭さん(49)は4年余り務める。高根の人口約330人のうち約55%が65歳以上。慢性期の患者の名前と症状は、すべて頭の中に入る。

土地代は0円、青森県最小の村が移住を募集

 赴任前は名古屋市の国立病院機構名古屋医療センター総合内科医長。父の出身地の高山で生まれて岐阜市で育ったが、過疎地診療に迷いはなかった。長野県で地域医療に尽くした医師、若月俊一氏の著作にふれたことが、高校生時代に医師を志した契機だったから。

 診療に加え、「市地域医療統括担当参事」として、市営6診療所の運営や高山全体の医療体制作りも考える。充実感を感じる一方で、個人としてはこんな思いが時に胸をよぎる。「自分の後は、どうなる?」

 少子高齢化、人口減少が進む中、将来の担い手をどう確保するかは、医療分野だけでなく、高山の様々な業種に共通する課題だ。

 市の「人口ビジョン」(2015年策定)は、市総人口が約9万7千人(00年)をピークに、いまから22年後の40年にはその7割に減ると予測。根拠として、次のように分析した。

 死亡数が出生数を上回る自然減のほか、転出による「社会減」が深刻。10代後半から20代前半までに進学、就職で高山を離れ、その後戻って来ない人が増えている――。

 さらに約800人の高校3年生を対象にしたアンケートで衝撃的な結果が出た。「将来高山に住み続けることを、親、親戚から勧められたことがあるか」という問いに、「何も言われていない」が68%だった。

 華麗な高山祭で内外に知られながら、実は市民の多くはこの地を、「住むに足る」と考えていないのかもしれない。こうした結果も参考にしながら、市がいま力を入れるのが「インナーブランディング」だ。

 企業が自社ブランド、つまり値打ちや持ち味を社員に浸透させる活動の高山市版は、「高山の魅力」を市民に知ってもらう活動だ。

 市などが昨年設立した「大学連携センター」は、多様な分野の市外研究者や学生に町の魅力を解明してもらうこともねらう。国宝「安国寺経蔵」などがある国府町では、住民と市が共同で、歴史遺産の「見せ方」を検討している。

 もっとも魅力発掘や再認識だけでは若い層を働き手として呼び込む力にならない。例えば、進出ラッシュが続く基幹の観光業は人手不足に悩むが、Uターンを考える若者に、「労働条件が厳しい」と敬遠される。

 「人手不足の業種で、賃金や福利厚生での待遇改善に向け、企業と話していく。これらが民間任せだった点は(2期までの)僕の反省点」。3選出馬に向けた5日の記者会見で、国島芳明市長はこう語った。

 医師の川尻さんは11月、医療従事者をめざす高校2年生を対象にした対話集会を開く。川尻さんや看護師など市内の医療スタッフが自分の仕事を説明するほか、将来戻ってくる際に何が決め手となるか若者から聞き取って、今後の医療行政の参考にするつもりだ。

 とにかく人をつながねばならないという使命感や「戻ってきてほしい」という期待。様々な思いを込めた、初めての試みとなる。



https://www.nikkei.com/article/DGKKZO3451443023082018EE8000/
業務移管で医師負担減 厚労省、人件費・ICT活用を補助
2018/8/24付日本経済新聞 朝刊

 厚生労働省は医師の働き方改革を進めるため、業務の移管やICT(情報通信技術)の活用などに取り組む医療機関に経費を補助するしくみをつくる。診察や治療だけでなく事務作業や服薬指導などを担って負担になるケースがあり、看護師ら医師以外に任せるよう促す。医師の長時間労働は深刻な問題で、地域医療の質を保つためにも改善策を後押しする狙いだ。

 週60時間を超えて働く雇用者の割合は医師が約42%に達し、他職種に比べて高い。一因に受け持つ業務の多さがある。検査手順や入院に関する説明、事務作業、服薬の指導などを担う例がある。

 本来、看護師や薬剤師などが担当する業務だ。人手不足などが原因で業務の移管が進んでいない。厚労省はきちんと移管を進めている医療機関を対象に、追加的に必要となる人件費などを補助する事業を始める。

 補助の対象にはICT関係の機器も加える。医師や看護師の働き方や勤怠管理を詳細に把握できるようにし、業務の効率化につなげる。2019年度予算の概算要求に関連経費を計上する。

 医師の長時間労働の原因には、診療時間外に説明を求めてくる患者や家族の対応をあげる声もある。このため、厚労省は国民向けに適切な医療機関のかかり方の啓発活動を始める。日本医師会など医療関係の団体や、健康保険組合なども協力して広く周知活動を展開する。

 医師の働き方改革を進めるため、労務管理の改善に関する病院長への研修も実施する。集中治療室(ICU)にいる患者の生体情報を中核となる医療機関に集約することで、中核医療機関にいる専門医が各医療機関の研修医に指示を出し、専門医が多くの病院で常駐する必要性を減らす事業も検討する。



https://www.yomiuri.co.jp/local/aichi/news/20180820-OYTNT50275.html
公立2病院 経営統合案
移転の半田と常滑、協議会で

2018年08月20日 読売新聞

 半田運動公園に移転が決まった半田市立半田病院と、同公園から約3キロにある常滑市民病院(常滑市)との経営形態などを話し合う2回目の協議会が19日、半田病院であり、両病院を経営統合し、地方独立行政法人で運営する案などが示された。

 協議会では、経営統合案のほか、病床数を新半田病院が約400床(現在499床)、常滑市民病院を約250床(同267床)とし、半田は急性期医療に特化、常滑は回復期医療や地域包括医療などに機能分担する案も示された。出席者は経営統合案に理解を示した上で、「病院運営は両市以外に近隣自治体にも協力を求めるべきだ」、「両病院間の交通手段を整えることが大事」、「両市民や近隣自治体への説明会を開く必要もある」などの意見が出た。

 協議会は両市の副市長や両病院長、地元医師会代表らで構成。次回は9月17日に開かれる。
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  1. 2018/08/26(日) 10:11:31|
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8月19日 

http://blogos.com/article/317988/
女子受験者差別は「医師不足」懸念 その根底にある発想とは
THE PAGE 2018年08月14日 18:00

 女性受験者と4浪以上の受験生には一切加点せず――。東京医科大の入試不正問題で、大学の内部調査委員会が8月7日に発表した調査結果では、女子らの合格者数を抑えるために10年以上前から点数操作を繰り返してきた実態が明らかになりました。「女性は出産などで医療の現場を離れることが多く、医師が不足する恐れがある」というのが理由でした。こうした点数操作は明らかな女性差別であり問題視されていますが、医療現場の現実として理解を示す見方も一部であります。

 労働社会学が専門の和光大学教授でジャーナリストの竹信三恵子氏は、そもそもこの問題の根底にある発想を変える必要があると指摘します。竹信氏に寄稿してもらいました。

         ◇
 東京医科大学の入試不正をめぐり、大学側が女性受験者の点数を一律に下げていたことが衝撃を与えています。女性であるだけで減点、というあまりにもあからさまな女性差別が批判を浴びるのは当然のことですが、その根にある「日本型女性活躍」の問題点は、見過ごされがちです。それは、政府の「働き方改革」の底流にもある「女性活躍=男性並みの働き方」という考え方です。

女性は「アクティビティ」が下がる

 7日に発表された同大の調査委員会報告書に、「女性は年齢を重ねると医師としてのアクティビティが下がる、というのがかかる得点調整を行っていた理由のようである」という記述があります。記者会見ではこの点について、「女性が結婚・出産で育児をしなければいけなくなると長時間勤務等ができなくなるという意味」(調査委メンバー・植松祐二弁護士)、と説明されました。

 日本企業の標準的な労務管理は、人員をぎりぎりまで削減して人件費を削り、仕事量は減らさずに社員の長時間労働で埋めるというものです。これでは、残業ができなかったり、子どもの病気で休まざるを得なかったりする社員が増えると、他の働き手の負担増で埋めるしかなく、手いっぱいの状況に新たな負担がのしかかることになります。

 日本特有と言われる「マタニティハラスメント(マタハラ=妊婦や母親社員に対する嫌がらせ)」も、人員削減の中で、育休の負担を社員たちの仕事量の増大と自助努力で解決させる労務管理が背景にあります。こうした労務管理の転換ができないため、様々な組織で暗黙の女性排除が起きることになります。

 10年ほど前まで働いていた新聞業界でも、女性記者から「人事担当者から、成績で採用すると女性が2割を超えてしまう、なんとか合法的に抑制できる手立てはないかと相談された」と聞いたことがあります。女性は育児などで転勤が難しいからというのです。いまでも若い女性記者たちから、そうした業界の空気はなくなっていないと聞きます。

 ここで問題なのは、まず、すべての女性の転勤が難しいわけではないということです。最近では地方の実情を取材したいと地方通信局に異動を希望し、ゆったりした自然の中で子育てした女性記者もいます。保育所も地方都市なら空きがあることが少なくありません。男性でも、介護を抱えて転勤が難しい記者はいます。重要なことは、面談で社員のライフスタイルをじっくり聞き出し、それに沿ったプランをつくること、さらに、地方転勤でその後のキャリアが不利にならないような人事システムにすることです。

平等求めるなら男性と同等に働くべき

 今回の不正入試は、そんな社会の「ニーズ」に、大学がきわめて素直に、臆面もなく応えてしまった結果といえるでしょう。

 背景には、人件費を下げることで国際競争に勝つ、という手法を繰り返してきた戦後の日本社会があります。人員を増やさずに長時間労働で対応させ、これをサービス残業とするやり方は、事実上の時給の引き下げです。

 日本の製造業は、1980年代までは、こうした手法を繰り返してかろうじて国際競争をしのいできました。ただ、それ以後のアジア諸国の工業化やグローバル化の中で、いまや同じやり方で人件費競争に勝とうとすれば、過労死覚悟の長時間労働を引き受けてもまだ足りません。

 1985年に制定された男女雇用機会均等法も、「平等を求めるなら男性と同じに働くべきだ」という経済界の要請で女性保護が撤廃され、家庭を顧みない男性と同じ働き方を受け入れる女性だけが「総合職」として、男性正社員並みの待遇を受けられるつくりになりました。そんな働かせられ方の中で子育てができないと退職してパートになる女性が増え、これも「低賃金のパート」として人件費の引き下げに貢献しました。

 少子高齢化が進み、働き手も育児や介護などのケア労働を同時並行で担わなければならない時代が来ています。にもかかわらず、妻がいなければやっていけない「妻付き男性モデル」や、ケア労働を考慮しない「ケアレス・パーソンモデル」の働き方に合わせることができる女性でなければ認めてもらえないという労務管理が、いまも基本的には続いています。

働き方改革が求める「女性活躍」の中身

 いや、日本も変わろうとしている、「女性活躍」政策を推進しているではないか、という意見もあるでしょう。確かに、そうした努力や工夫は、様々な職場で懸命に積み重ねられています。ただ、昨今の政府にはむしろ、「脱ケアレス・パーソンモデル」に逆行するような施策が目立ちます。

 「働き方改革」では、残業の上限規制として、2~6か月間の平均残業時間の上限が80時間まで、繁忙期は1か月100時間未満までという、過労死基準すれすれの残業時間規制が労基法に書き込まれました。

 労働時間規制から一定の条件の働き手を外す「高度プロフェッショナル人材制度」も導入されました。「高プロ」は、自由に働ける制度とPRされてきましたが、裁量労働と異なり、条文には自分の裁量で労働時間を選べることさえ規定されていません。4週に4日の休みを取ることは決められていますが、労基法で決められている1日の労働時間規制はもちろん、休憩時間や週末ごとの休みの義務付けからも外されています。

 家庭と仕事の両立には1日単位の労働時間規制が不可欠です。そのための制度として期待された「業務間インターバル規制」(1日の終業と翌日の始業の間に一定の間隔をあける規制)は、努力義務にとどまり義務化されませんでした。7月に閣議決定された新「過労死防止大綱」には、2020年までに企業の10%以上にこの制度を導入する目標が盛り込まれましたが、これではどの企業に勤めたかで働き手間の格差が開いていくことになります。

 この労働時間制度の下では、ケア責任を抱える多くの女性たちは働き続けられません。「年齢を重ねると女性はアクティビティが下がる」とは、こういう現象を指しています。高齢社会で介護負担が増大している今、今後、この現象は男性にも及ぶでしょう。

 一方、「同一労働同一賃金」は、国際的には職務内容で「同一」かどうかを判断するのが原則です。ところが「働き方改革」で示されたガイドラインでは、「職務内容」だけでなく、「職務内容・配置の変更範囲」(異動や転勤の範囲)、「その他の事情」に照らしても判断できるとされています。

 転勤の負担に対しては、転勤手当として賃金とは別建てで報いる方法もありますが、ガイドラインの考え方だと、転勤できなければ仮に業務内容が全く同じでも賃金全般に差がつくこともあり得るということになります。2016年に取材した自動車部品メーカーの太平洋工業のように、転勤の有無で賃金全体を決めることは社員の職務そのものに対するモチベーションを下げると考え、社員の面談を通じて転勤ができない状態かどうかを判断し、転勤については手当で報いるという方式を取っている例もあります。

 2016年の「パートタイム労働者総合実態調査」では、「正社員と職務(業務の内容及び責任の程度)が同じパート」のうち「人事異動等の有無や範囲が正社員と同じパート」は、1.5%(会社に対する調査)に過ぎません。家族のケア責任があるためにパートを選ぶことが多い女性は、ほとんど「同一賃金」の対象から外れてしまうことを、この数字は示唆しています。

 2015年6月に開かれた「経済の好循環実現に向けた政労使会議」のサイトでは、トヨタの「カイゼン」方式を利用した「A病院」での生産性向上の事例が紹介されています。看護師など職員の作業時間や歩行を計測・録画し、作業ごとに1秒単位でグラフ化するなどして分析、無駄のない作業を実現するため導線(職場内での動く経路)を改善するといった製造業方式の効率アップ作戦です。

 男性型職場の製造業で行われてきた「無駄を省く」規律強化や人員削減などが、医療やスーパーなど女性の多いサービス業界でも求められ始めたということでしょう。効率化自体は決して悪いことではありませんが、問題解決の発想自体は「女性活躍=男性並みの働き方」であることが、ここからも見えてきます。

女性医師比率の国際比較

こうした女性の働かせ方は、グラフのように、35歳から44歳の働き盛りで女性医師の比率が極端に低い状況を生んでいます。そんな職場風土を解決しなければ、東京医科大のようなあからさま女性差別は見えなくなったとしても、女性排除は地下に潜って残り続ける恐れがあります。文科省は「入試の募集要項に男女比の調整を明記していれば、大学の責任で特定の受験者を優先して合格させることはできる」(8月3日付「朝日新聞」)としていますから、最悪の場合、男女別定員を明示してすませる医科大学が増えることさえあり得るでしょう。

人員不足を「根性」で埋める日本型の限界

 米カリフォルニア大学ロサンゼルス校の津川友介助教授は、2016年12月19日投稿のブログで「女性医師の方が、男性医師よりも患者の死亡率・再入院率が低いことが明らかに」と題して、自らの調査を紹介しています。2011年から2014年の間に、米国の急性期病院に入院した65歳以上の患者約150万人の経過を分析した結果、女性医師が治療した方が男性医師より、入院後30日以内の死亡率や再入院率が低かったというものです。

 津川氏はさらに、過去の研究では女性医師の方が、ガイドライン遵守率が高く、患者とより良好なコミュニケーションを取り、より専門家にコンサルテーションすることなどが報告されているとし、これらが原因かもしれないと考察しています

 長時間の肉体労働に耐えられる力だけでなく、ケア的な能力の必要性を示唆する研究です。

 こうした多様性を実現する職場づくりのヒントになるのが、13年前に取材した、大阪厚生年金病院(現大阪病院)の試みです(2005年6月8日付「朝日新聞」)。当時の清野佳紀院長は「女性を敬遠しているだけでは解決にならない」と実態調査を行い、医師の子育て支援制度が不十分な日本では30代の女性医師の3~4割が退職していることを突き止めました。そして、女性医師の増加率が男性を年々上回るのに30代女性医師が働き続けられなければ、働き盛りの医師の不足が加速し、過重労働や病院の閉鎖もあり得ると危機感を抱きます。

 この解決を目指して、フレックスタイムや、希望に合わせてフルタイムと同等の待遇で短時間勤務ができる仕組みを導入した結果、女性の退職はほとんどなくなり、応募者も増えたというものでした。
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 こうした上層部による「上からの取り組み」によって女性の医師を3割以上確保できれば、次は一線で働く人々の「現場からの力」が動き出す可能性が高まります。1970年代に大手企業をコンサルタントとして観察した米国の研究者、ロザべス・モス・カンターは、少数派がその組織に影響力を及ぼすには3割以上は必要と述べています(Men & Women of the Corporation(1977年、邦訳『企業のなかの男と女』 生産性出版)。つまり、3割超えを達成することで、転勤、長時間労働、子どもが病気でも休まない、という働き方に否定的な人々が影響力を持てるようになり、女性目線での活躍しやすい働き方が可能になるということです。

 2018年8月9日付「BuzzFeed Japan」に掲載された日赤医療センター第一産婦人科部長、木戸道子医師へのインタビューは、その好例を示しています。ここでは、日勤から引き続き夜勤に入る過酷な勤務をやめ、夜勤は午後8時に出勤、翌朝9時まで、とします。そして、午後5時の日勤の終業時間から夜勤担当が来るまでの時間帯をつなぐため、午後8時までの居残り担当を決める「変則2交代勤務制」を取っています。「夜勤は医師の成長の機会」と前向きに位置づけて過酷な長時間労働を改善し、女性医師も参加しやすい仕組みづくりを行ったわけです。

 3人の子を持つ木戸医師の主張のポイントは「スーパーウーマン」を基準にしないこと。そのために、現場の工夫だけでなく、一定の人員の確保が不可欠として、国や行政の対応も求めています。人員不足の穴を社員が「根性」でふさぐ働き方に女性も合わせる「日本型女性活躍」の限界を実感したからこその意見、といえるでしょう。

 東京医科大事件の罪は、差別という人権侵害に加え、「活躍=男性並みの働き方」を前提にした病院側の「ニーズ」に応えるとして、入試という最初の関門で3割超えへの道を塞いでしまったことにあります。明らかになったのは、こうした男性並みの長時間労働を前提とした問題解決の発想や労働モデル自体を変え、働いている人たちの実状から始める必要があるということです。その意味で今度の事件は、入試の公正さと同時に、その出口となる職場の「活躍」のあり方の再考をも迫っているといえます。

■竹信三恵子(たけのぶ・みえこ) ジャーナリスト、和光大学教授(労働社会学)。1976年、朝日新聞社に入社。編集委員兼論説委員(労働担当)などを経て2011年から和光大学現代人間学部教授。2009年、貧困ジャーナリズム大賞。著書に「ルポ雇用劣化不況」(岩波新書、日本労働ペンクラブ賞)、「ピケティ入門~『21世紀の資本』の読み方」(金曜日)など



https://www.huffingtonpost.jp/2018/08/16/new-york-university-medical-school-tuition_a_23503845/
医学部の学費が全額無料に。ニューヨーク大学が画期的な奨学金を発表
しかも、学生全員が対象です

2018年08月17日 12時30分 JST | 更新 2018年08月17日 12時55分 JST Haffington Post WORLD
Satoko Yasuda

アメリカの名門大学の一つとして知られるニューヨーク大学が、医学部の学生全員を対象に、学費を全額支援する奨学金を支給すると発表した。

現在在学中の学生と、今後入学する学生に支給され、成績や収入などに関係なく全ての学生が利用できる。ニューヨーク大学医学部の年間学費(2018年)約600万円が、実質全額無料になる。

このニュースは8月16日、臨床実習を始める医学部の学生たちに白衣を授与する「白衣授与式」で発表された。

■ 高い学費が、医師不足を招いている

アメリカ医科大学協会によると、2017年にアメリカの医師の75%が学費のために借金を抱えており、私立大学卒業の医師の借金は平均2240万円だった。

多大な借金を背負う可能性があることで、能力のある学生が医学部を避けるようになり、医師不足を招いているという。

「借金が原因で、医学部を避ける可能性があります。その中に、がんの治療法を見つける人材がいるかもしれません。私たちの大学にとっても社会にとっても、良い志願者を集めることはとても大切なことなのです」と、ニューヨーク大学の入学・学費支援部のラファエル・リヴェラ副部長は述べる。

高額な学費は医者の多様性不足も招いている。卒業後に高い収入を得られる分野へと進む人が増え、家庭医、地域診療、小児科医、研究など、高収入が望めない分野の人材不足を招く。

リヴェラ副部長は、奨学金でそういった問題に対処できると話す。

また、医学部長のロバート・グロスマン博士は「卒業後に実習期間もある医学部生は、医学部の学費を背負うことでとても厳しい状況におかれています。私たちは、(奨学金を)道義的な義務だと考えました」と述べる。

この奨学金の実現に、同大学は11年間取り組んできた。そして必要とされる660億円のうち、これまでに約498億円を集めた。そのうち約110億円は、大手ホームセンター「ホーム・デポ」の創立者による寄付だった。

同大学によると、学費を全額補助する奨学金は「アメリカのトップ10にランクインしている医学部で、ニューヨーク大学だけ」という。



https://www.oricon.co.jp/article/526572/
「病院大好き日本人」が招いた「医師のブラック労働」 東京医大問題は日本の縮図
2018-08-16 09:58 ORICON NEWS

東京医科大で行われていた、女子と3浪以上の受験生を不利にする得点調整。背景の1つには、勤務医の厳しい労働環境がある。

「残業代がかかるから、業界内では医師も『高プロ(高度プロフェッショナル制)』にすれば良いって意見も聞きました。でも、(要件の)104日も休みを取らせたら、現場が回りませんから。そんな声もなくなったようです」

こう語るのは、行田協立診療所の所長で全国医師ユニオンの植山直人代表。医師ユニオンは8月10日、東京医大の入試問題を受け、「女性医師も男性医師も働きやすい社会に変えていくべき」とする声明を発表し、医師の増員などを訴えた。

ユニオンによる勤務医の労働実態調査の結果も交え、東京医科大問題の背景を植山代表に聞いた。

●医師の完全な連休「新婚旅行と親類の葬式くらい」

ーー読売新聞の初期報道では、女性医師は出産などで離職しやすく、人手不足を補うための「必要悪」だったという病院関係者のコメントがありました。医師ユニオンも背景に「医師不足」があると指摘していますね。

人口千人あたりの臨床医の数を見ると、OECD平均3.3人(加重平均2.9人)に対し、日本は2.4人と少ない(2016)。1960年代はさほど差はなかったんです。しかし、日本は1980年代以降、医師の数を抑制してきました。

その結果、医師がバカンスを取れる国もあるのに対して、日本では常勤医の約4割が過労死ラインを超えて働いています。日本でちゃんとした連休が取れるのは、新婚旅行と身内が亡くなったときくらいでしょう。

厚労省の調査によると、子どものいる20~40代の女性医師の勤務時間は、他の医師と比べて短いようです。日本に限らず、各国で見られる傾向ですが、医師が足りていれば現場は回ります。

現在は、特に大学病院の人手が不足しており、それが今回の不正の背景にあると見ています。

●大学病院「タイムカード」利用はわずか5%

ーーなぜ大学病院の人手が足りていないのでしょう?

大学病院は、臨床・教育・研究の3つが求められるので業務量が多いのです。加えて、収入が少ないため外部のクリニックでアルバイトをしている医師もいます。

全国医師ユニオンでは2017年、5年ぶりに勤務医の労働実態調査を行い、今年2月に最終報告書を発表しました(母数1803人)。

たとえば、労働時間管理の方法を見ると、全体では「自己申告」が半数超で「タイムカード等」は27.5%でした。しかし、大学病院でのタイムカード利用はたったの5.5%でした。

労働基準法が守られているかという問いについても、「守られていない」は全体で38.5%でしたが、大学病院では59.4%もありました。

大学病院は高度医療に専念して、業務量を減らせると良いのですが、国からの補助は減っているので、研究費を稼ぐため、一般外来をなくせないという事情もあるようです。

補助の話でいくと、医師国家試験の合格率が低いと、減額される可能性があります。3浪以上の受験生の点数を下げた背景には、この点も含まれるかもしれません。

●若手は「労働環境」で診療科を選ぶ…診療科の偏在問題

ーー今回の入試不正問題を受けて、診療科によって女性医師の割合が違う「偏在」問題も指摘されています。働き方の過酷さやそれに由来する根強い女性差別が影響しているようですが…。

ユニオンのアンケートでは、9割以上が「診療科の偏在と労働環境に関係がある」と考えています。

その点を考慮して診療科を選んだ人は27.7%にとどまりましたが、若い世代になるほど割合が高い傾向にありました。50代だと20.9%なのですが、20代だと55.1%が労働環境を考慮したと答えているんです。

女性に限らず、労働環境を変えないと診療科の若手を揃えるのが難しくなっているといえそうです。

ーー環境改善のインセンティブにもなりそうですが、キツいところはよりキツくという悪循環にもなりそうですね。

成績順に診療科が振り分けられる国もあるようですが、日本では診療科の選択は自由です。労働環境の改善が前提になりますが、大学側が学生の適性を把握し進路指導を行うことも必要となるでしょうし、偏在が起こらないようなルールをつくる必要もあるでしょう。

偏在は、診療科レベルではなく地域レベルの問題もあります。しかし、現状では地域ごとにどの診療科に何人ぐらいの医師が必要なのか、という試算もありません。国民のために医療があるわけですから、ニーズを計測したうえで、納得いくような議論ができればと思っています。

そもそも「偏在」と言っても相対的なもので、医師が余っている地域や病院、診療科はないんですけどね。

●「ブラック社会」を支える医師のブラック労働 患者の意識改革も必要

ーー現状でできる改善策はありますか?

当直とオンコール(院外待機時間)はなくせないので、長期的には医師を増やして、看護師のような交代制勤務を確立するしかないと思います。

直近で行くと、まずは無駄な作業を減らすことです。ユニオンの調査で、この2年間の業務量の変化を聞いたところ、「増えた」が43.8%で「減った」(16.2%)を大幅に上回りました。なにが原因だったかというと、診療時間や文書作業、会議の増加です。

診療時間については、日本の医療へのアクセスの良さがあるでしょう。たとえば、海外だと自然治癒が大事にされることがあります。でも、日本では「とにかく病院」です。

インフルエンザの「タミフル」という薬がありますよね。あれは全世界の75%を日本で消費しています。使っても、熱が下がるのが1日短くなるくらいで、飲まなくてはいけない薬ではない。

でも、日本人は「会社を休めないから」と病院に行って、検査して、薬をもらわないと気が済まない。製薬業界との関係もありますが、医療費という点でも、国民の意識を少しずつ変えて行く必要があるでしょう。

ーー文書作業や会議についてはどうでしょう?

事務作業については、個人情報の承諾書など必要なものが増えています。また、診療報酬が変わっても、既存の数字がそのまま変化するわけではなく、新しいものが足される形が取られやすいので、作業が増えます。

事務作業などをアシストする「医療クラーク」といったスタッフの増加など、広い意味の医療補助が必要だと思っています。

医師と他職種間での「タスク・シフト(業務移管)」や「タスク・シェア(業務の共同化)」については、患者の理解が必要ですし、看護師など医療従事者は全体的に過重労働なので反対意見もあることに留意が必要でしょう。

●5年猶予された「医師の残業規制」 検討会への期待は薄く…

ーー「働き方改革関連法」の残業規制ですが、医師への適用は5年猶予となりました。

猶予期間を終えた後も、本当に単月100時間、複数月80時間などが適用されるかは不安に思っています。当直を何回かやれば、超えてしまうわけですから。

たとえば、トラックの運転手は現状でも1日13時間(例外でも16時間)を超える拘束は認められていません。しかし、医師は現状、「過労運転」状態で人の命を預かっています。

医療過誤の原因を勤務医に聞いたところ、1位は「スタッフの連携不足」(57.7%)でしたが、差のない2位は「疲労による注意力不足」(56.4%)でした(複数回答)。

現在、厚労省で「医師の働き方改革に関する検討会」が開かれていますが、出席している医者は病院経営者らで、医師の労働者代表がいません。病院としては、労基法が守られていなくても問題になりづらい、現在の方が都合が良いわけです。当然、研修医の声なんかは届きづらいでしょうね。

(弁護士ドットコムニュース)



https://news.yahoo.co.jp/byline/ishiwatarireiji/20180815-00093152/
早稲田大学医学部の誕生も?~東京医大事件の今後のシナリオを検証してみた
石渡嶺司 | 大学ジャーナリスト
8/15(水) 2:46

裏口入学に続き不正入試まで

名門だった東京医科大はもはや、女性差別の象徴的な存在にまでなってしまいました。

7月4日に文部科学省・佐野太局長(当時)が逮捕。私立大学支援事業の見返りに自分の息子を入学させた、いわゆる裏口入学です。しかも大学理事長・学長(当時)が関与する組織的なものでした。

大学の経営幹部が関与する裏口入学事件は2001年の帝京大学事件、2004年の神奈川歯科大学事件以来のことです。

そもそも、裏口入学というキーワード自体、聞かなくなったところでの事件であり、大きな話題となりました。

この裏口入学事件が落ち着いたところに、出たのが女子・多浪の受験生に対する得点調整、いわゆる不正入試が8月に発覚。

この不正入試事件も理事長・学長(当時)が関与する、組織的なものであったことが明らかになっています。

裏口入学・不正入試、どちらも大学としてはあってはならない事件です。それがほぼ同時期に発覚してしまいました。

それでは東京医科大学は今後どうなるのでしょうか。

2001年の帝京大学事件では49億円の返還・減額

まず、補助金の返還・減額から。

2001年の帝京大学事件では、2003年の毎日新聞記事で49億円の返還命令が出た、とあります。

帝京大学寄付金事件 元会長に有罪判決 「口利き料隠し、悪質」--東京地裁

2003.04.14 毎日新聞大阪夕刊

帝京大学(東京都板橋区)の入試をめぐり、受験生側から集めた寄付金を隠し、所得税約1億4000万円を脱税したとして、所得税法違反の罪に問われた学校法人「帝京学園」(同)元会長、冲永嘉計(よしかず)被告(59)に対し、東京地裁は14日、懲役1年6月、執行猶予4年、罰金3500万円(求刑・懲役1年6月、罰金4200万円)を言い渡した。伊名波宏仁裁判長は「受験生の父母の心情につけ込み、口利き料を要求し、全額を秘匿した悪質な犯行」と非難した。

(中略)

冲永被告は、冲永荘一・元帝京大総長の実弟。国税当局は「帝京育英財団」(愛媛県大洲市)が集めた寄付金のうち、複数の関連財団に分散して簿外処理した約65億円を所得隠しと認定し、重加算税を含め約27億円を追徴課税した。「口利き」が発覚した宮路和明衆院議員は副厚生労働相を辞任、文部科学省は帝京大に対し、過去5年間の補助金49億円余の返還命令を出した。

東京医科大学の補助金は例年、約23億円。5年間で115億円。不正入試を実施していたとされる8年分だと184億円。

仮に50%減額でも57億円~92億円。

まして、裏口入学だけでなく、不正入試もあるため、全額カット、ということも考えられます。

そうなると、補助金の返還命令だけで、少なく見ても57億円。多ければ184億円にもなります。

損害賠償は受験料だけで10億円超えも

次に不正入試の損害賠償について。

関西テレビ8月12日配信 入試で“女子”や“多浪”の受験生を不利に…法律上、大学側に『詐欺』の可能性 受験料返還も

関西テレビ配信の動画記事(放送は関西テレビ8月8日『報道ランナー』内「そこが聞きたい!菊地の法律ジャッジ」)では、菊地幸夫弁護士が詐欺罪から、

大学側は詐欺となる可能性があり、受験生は受験料を返してもらえると思います。
と、コメント。

受験料は6万円。東京医科大学は志願者数が例年3000人前後います。

1000人が返還を請求、認められれば、それだけで6000万円。これが8年間だと、4.8億円。1000人どころか2000人が返還請求をしてそれが8年分だと、9.6億円にもなります。

さらに人数が増えれば10億円を超える可能性すらあるのです。

不正入試被害者は数百万円どころではない

さらに深刻なのが、不正入試によって不合格扱いとなった受験生です。

こちらは少なくとも1人あたり数百万円(×8年分)はかかります。

過去の例で言えば、2017年に起きた大阪大学の採点ミス事件があります。一般入試の採点ミスで追加合格となった学生に対しては、「追加合格者にこれまで通った大学や予備校の授業料などの補償、慰謝料」(2018年3月7日付読売新聞夕刊)とあります。

この金額が数百万円程度と見ることができます。

同じ採点ミスだと、入学後の話として鹿児島大学歯学部事件があります。卒業試験の採点ミスから留年した元学生が鹿児島大学を提訴。

2015年3月4日朝日新聞西部本社版朝刊記事によると、

卒業試験の採点ミスで留年させられ歯科医になるのが遅れたとして、鹿児島大学歯学部の学生だった歯科医の男性=霧島市=が、鹿児島大を相手取って4159万円の損害賠償を求めた訴訟で、男性側は、大学に374万円の支払いを命じた2月18日の鹿児島地裁判決を不服として控訴した。3月2日付。
とあります。

その後、2016年に和解が成立。原告側の元学生、被告側の鹿児島大学とも和解内容は明らかにしていませんが、控訴後の損害賠償額が2200万円と当初の4159万円から減額しています。

それで和解ですから、鹿児島地裁判決の374万円と同額か、それ以上、と見るのが自然でしょう。

この鹿児島大学事件、他の元学生も提訴しており、こちらは2520万円の損害賠償に対して800万円で和解(2011年12月17日付熊本日日新聞朝刊「鹿児島大歯学部の卒業試験操作訴訟、800万円支払いで和解 鹿児島地裁 裁判」)。

しかも、採点ミスはまだしも、東京医科大学の不正入試事件は悪質さ、という点では前代未聞です。

そのため、1人あたり数百万円どころか500万円ないし1000万円以上となってもおかしくはありません。

仮に1人あたり500万円として、年10人×8年分で4億円。1人当たり1000万円なら8億円。人数が年20人であれば、16億円にもなります。

一時的には支払えるが、長期的には立て直しは困難?

まとめますと、補助金の返還が57億円~184億円。

損害賠償が受験料と合わせて14億円~26億円。

合計すると、71億円から210億円にもなります。

東京医科大学は今のところ預金が277億円あります。そのため、補助金返還・損害賠償の累計が210億円だったとしても支払いは可能です。

ただし、預金の相当額が消えることになりますし、長期的にはイメージの悪さから附属病院への来院者数も減少。医療収入が大きく落ち込むこともあり得ます。

そうなると、東京医科大学単独での生き残り・再建は長期的にはかなり難しいことが予想されます。

総合大との合併で偏差値上昇の例も

そこで考えられるシナリオが、総合大学による買収・合併です。

実際、2000年代に入ってからはいくつか、前例があります。

共立薬科大学(薬学部)
 2008年に慶應義塾大学と合併(構想は2006年発表)
 現・慶應義塾大学薬学部

聖和大学(教育学部)
 2009年に関西学院大学と合併(構想は2006年発表)
 現・関西学院大学教育学部

聖母大学(看護学部)
 2014年に上智大学と合併(構想は2011年発表)
 現・上智大学総合人間科学部看護学科

こうした合併は、結果としてはいずれも成功しています。

共立薬科、聖和、聖母の3校とも合併したことで、受験生の人気が上昇。偏差値が引き上がることになりました。

   駿台予備学校・河合塾偏差値/志願者数/競争率
2004年
共立薬科大学 57・60.0/3739/10.2
聖母大学 42・50.0/293/7.6
聖和大学教育学部 42・47.5/366/3.8

2018年
慶應義塾大学薬学部(6年制) 60・65.0/2440/4.0
上智大学総合人間科学部看護学科 57・57.5(学科別)/380(一般入試のみ)/4.6
関西学院大学教育学部 54・57.5(全学文系)/2316/3.9 

※データは『旺文社臨時増刊 全国大学内容案内号』2004年・2018年版から引用


合併した総合大学としても、多様な学部学科を揃えれば、それだけスケールメリットを出すことができます。

では、どの総合大学が合併に動くでしょうか。

そもそも、医学部の単科大学を総合大学が買収・合併する、という事例はこの30年間、ありません。前代未聞の事態といっていいでしょう。

そのため、関西や東北など他地域の私大、あるいは、東北・中四国・九州など医師不足に悩む地域の国公立大学が動くということも可能性としてはゼロではありません。

ちなみに、私立大→国公立大への転換は高知工科大学など公設民営大学では次々と進んでいます。公設民営大学以外の私立大学でも成美大学→福知山公立大学(2016年)などの例があります。

ただ、現実的な可能性で言えば、在京の総合大学でしょう。その中でも医療系学部・薬学部をすでに設置している大学だと、既存学部との連携効果が期待できます。

    医学部なし・医療系学部ありの総合大学
上智大学 総合人間科学部2005年/看護学科は2014年
駒澤大学 医療健康科学部2003年
創価大学 看護学部2013年
大東文化大学 スポーツ・健康科学部2005年
東京理科大学 薬学部1960年
文京学院大学 保健医療技術学部2006年
武蔵野大学 薬学部2004年 看護学部2006年
目白大学 保健医療学部2005年/看護学部2006年
帝京平成大学 ヒューマンケア学部2004年/健康メディカル学部2002年/健康医療スポーツ学部2008年
帝京科学大学 医療科学部2007年
東京医療保健大学 医療保健学部2005年/東が丘・立川看護学部2010年/千葉看護学部2018年/和歌山看護学部2018年

上記の大学11校のうち、帝京平成大学・帝京科学大学はグループ校の帝京大学に医学部があります。

ただ、同じ学校法人が医学部のある大学を複数経営してはならない、というわけではありません。

東京医療保健大学は総合大学ではないのですが、2005年の開設以降、看護系学部を拡大。2018年には千葉・和歌山にそれぞれ看護系学部を開設しています。

いずれも、既存学部との連携効果を考えれば、東京医科大学の買収・統合は十分にあり得ます。

早稲田は悲願で新総長も構想あり

医療系学部を持つ総合大学でなくても、もし東京医科大学を買収、医学部が新設できれば、他学部も含めて人気が上昇します。格も上がりますし、数百億円以上、買収費用がかかるとしても、それを高い、とは考えない総合大学は少なからずあります。

医療系学部がなくても、医学部新設が悲願でもある総合大学と言えば、私大の雄・早稲田大学。

大隈重信が早稲田大学を開設したときは資金難。その後も何度か、話が出ては消えています。

西原春夫元総長によると、約100年も前に、理工学部と医学部両方の開設を目指して募金を集めたところ金額が足りず、理工学部を選んだ経緯がある。西原氏が総長だった80年代も、多くの校友から「医学部を持ってくれ」「『早稲田付属病院』で死にたい」という声が寄せられていた、という。

「当時、複数の有力な単科医科大学から合併の申し入れがあったんです。ものすごく強く希望した大学もあったが、OBからの反対など相手側の要因でつぶれるのが常でした。ただ、当時と今の状況はまた違いますから、今後のことはわかりませんけどね」

「AERA」2006年12月4日号 「『慶応大薬学部』の実力 早慶『医薬』合併バトルと『次』の全予測」

が、早稲田大学は医学部新設の布石とも取れる動きを2000年代以降に進めています。

   早稲田大学と医学関連の動き
2000年 東京女子医科大学と学術交流協定を締結
→2010年に大学院共同教育課程を開設
2007年 先進理工学部生命医科学科を開設
2008年 筑波大学と連携協力協定を締結/理工系3学部と筑波大学医学群との連携で両分野に精通した人材養成
2011年 茨城県、早稲田大学・鎌田薫総長(当時)に新設医学部を同県内の県畜産試験場跡地(笠間市)に設置するよう橋本昌知事(当時)の書簡を提出
2011年 神戸大学医学部と連携協定を締結
2012年 茨城県議会、早稲田大医学部の県畜産試験場跡地への誘致を求める決議案を賛成多数で可決
2016年 稲門医師会を設立
2018年 医学部新設をマニフェストに盛り込んだ田中愛治教授が総長に当選

東京女子医科大学、筑波大学、神戸大学とそれぞれ協定を締結。理工系3学部と医学部(群)との人材交流・養成を進めています。

早稲田大学が医学部新設を表明していないのに、茨城県は誘致を県議会で決議しています。

2016年の稲門医師会とは、早稲田大学を卒業後、医学部に入り直し、医師となった卒業生を中心とした卒業生組織です。

早稲田大学はこの稲門医師会についてのリリースを出していますが、そのタイトルは「医学部のない早稲田大学に『稲門医師会』が誕生」

それぞれ細かい動きを見ていくと、医学部新設を相当意識していると見るのが自然でしょう。

そして、7月の総長選挙に当選した田中愛治教授はマニフェスト第3弾の「『世界で輝くWASEDA』に何が必要か? CHANGE for Waseda!」の中で「医学部の検討」という項目を入れています。

「世界で輝く WASEDA」を実現するためには、生命医科学の研究・教育を抜本的に拡充する必要があります。新たに医学部を本学が増設することは全国医学部長病院長会議の承認が必要なため、ほぼ不可能と言われています。したがって、実行可能性を見極めつつも、単科医科大学を吸収合併する戦略に絞って考えていく必要があります。

水面下で動く大学

すでに早稲田大学は東京女子医科大学、筑波大学、神戸大学と連携協定を締結。特に東京女子医科大学との合併は2000年代からずっと噂されていました。

が、そもそも大学合併は水面下では様々な動きがあります。

早稲田大学は2000年代以前、合併相手は日本医科大学と言われていましたし、共立薬科大学と合併した慶應義塾大学は、他の薬科大学と統合を検討していました。

慶應のケースだと、とある単科薬科大学と統合発表の直前まで話は進んだのですが、創業者一族の大反対でとん挫した、という経緯があります。

そのため、早稲田大学が東京医科大学と合併しても、それが不自然とか不義理、ということは特にないのです。

早稲田大学以外の総合大学も、東京医科大学の合併は検討に値します。

そのため、今後、水面下で様々な動きがあることでしょう。

あるいは、総合大学からのラブコールを振り切って、単独の生き残りを東京医科大学は検討するかもしれません。今後の展開に注目です。



https://dot.asahi.com/dot/2018080900083.html
連載「ちょっとだけ医見手帖(山本佳奈医師)」
東京医大「女子差別」で露わになった医学部の闇 現役女性医師が憤激

山本佳奈2018.8.15 07:00dot.

 日々の生活のなかでちょっと気になる出来事やニュースを、2人の女性医師が医療や健康の面から解説するコラム「ちょっとだけ医見手帖」。今回は、東京医科大入試の「女子差別」について、NPO法人医療ガバナンス研究所の内科医・山本佳奈医師が「医見」します。

*  *  *
 東京医大が入学試験において女子受験生を一律減点し、恣意的操作を行っていたことが発覚しました。それに加え、浪人生も不利に扱う点数操作が遅くとも2006年入試から続けて行なわれていたことも、調査によって報告されています。さらには、一般入試だけでなく、推薦入試や地域枠入試でも操作があった可能性があるといいます。裏口入学に続く、前代未聞の不祥事であり、海外でも報道され注目を集めているこの問題について、お話ししたいと思います。

 東京医大は、女子の合格者数を3割程度に抑えていた理由として、女性は結婚や出産で医師を離職するケースが多いことや、短時間勤務になりやすい女性医師を増やしたくないこと、さらには緊急手術が多く勤務体系が不規則な外科系の診療科では、「女3人で男1人分」と、出産や子育てを経験する女性医師は男性医師ほど働けないことをあげていました。系列の病院で勤務する医局員不足を懸念しての「必要悪」であり、「暗黙の了解」であったといいます。

■東京医大の言い分を聞いて愕然

 私は、東京医大の言い分を聞いて愕然としました。医学生を、自らが経営する病院で働く労働力としか考えていないと思ったからです。

 一般に、女性の労働力率は、結婚や出産期に当たる年代にいったん低下し、育児が落ち着いたころに再び上昇することが知られています。これを「M字カーブ」といいます。女性医師も例外ではありません。平成18年度厚生労働科学研究「日本の医師需給の実証的調査研究」によると、女子医師の就業率は、医学部卒業後減少傾向となり、卒後11年目(36歳)で76.0%まで落ち込んだ後、再び回復しています。

■同期医師との給与格差が3倍に

 確かに、結婚や出産を機に大学病院をやめる女性医師はいますが、多くは復職しています。ベビーシッターを雇いながら勤務を続ける医師もいれば、出産後すぐに復帰して第一線で働く医師もいます。さらに、多くの女性医師は、職場や働き方を変えながら医師を続けています。いや、生活を考えれば、そうせざるを得ないのです。東京医大の後期研修医の月収は20万円。残業代などがつくそうですが、これでは生活できないからです。東京医大の経営者にしてみれば「退職」なのですが、当事者の女性医師からしてみれば「転職」なのです。東京医大の経営者は、自分のところで働く医師にしか関心がないのでしょう。

 私の大学の同期の事例を紹介したいと思います。彼女は、初期研修医中に出産し、産休を取ったのち復職しました。現在、後期研修医4年目として大学病院に勤務していますが、月収は20万円ほど。子育て中であるため当直はせず、定時勤務にしてもらっているものの、定時では当然ながら帰宅できず、なんとか保育園のお迎えに行っているといいます。また、残業代は出ないため、生活はギリギリ。一方、同期の男性医師は、医局の関連病院に勤務しているため、給与は3倍ほどあるそうです。彼女の大学病院での仕事は、検査や手術の立会いと入院管理。専門医を取得するまで頑張りたいけれど、このままでいいのか不安だ、といっていました。

■「裏口入学させればずっと働く医局員を確保」

 今回の東京医大での事件を知り、私は、医学部の入試の目的は、労働力を選別し囲い込むことだと考える様になりました。大学経営者にとっては、卒業後医師として自らが経営する大学病院や系列病院で働いてくれる人を選ぶ採用試験なのです。入試の合否の基準に卒後の働き方が入っていることが、その証左です。この点で、裏口入学は意味があったのでしょう。コネ入社と同じで、医師になるための「切符」をくれた大学には頭が上がらず、医局員として一生働かざるを得ないのですから。大学の経営者にしてみれば、裏口入学させてあげるだけで、謝礼を得るだけでなく、ずっと働いてくれる医局員を確実に確保することができます。お安いご用なのでしょう。

 実は、これは入試に限った話ではありません。医学部は教育機関ですが、学生を「将来の労働力」と見なしていると感じることが多いのです。これは東京医大に限った話ではありません。

 こんなことがありました。

 医学生時代、各科で実習する度に入局説明会や歓迎会に誘われました。そこで、「女医は医局に入らないと仕事を続けられない」と繰り返し言われました。ある外科を研修しているときには、女性医師が「女を捨てた」と言われているのを耳にしました。外科は出産や子育てなどはできないのだな、と学生ながら感じました。別の科では、オンオフがはっきりしているから女性も働きやすいよ、としつこく言われたこともありました。一番驚いたのは、産婦人科の40代の女性医師が、「私が結婚した当時は、子どもは産まないで必死に仕事をしなさい、と結婚式のお祝いの言葉で言われるような時代。それに比べたら今は良くなったほうよ」と言っていたことでした。典型的な「男社会」の中で、女性医師が生きて行くのは大変だと、その時、肌で感じたことを覚えています。

 医局の勧誘だけでなく、今春導入された「専門医制度」も医師や医局員不足対策として「囲い込み」をしているにすぎません。専門医制度では、若手に「専門医」という肩書きをチラつかせ、医局員として働かせています。専門性とは一生かけて取得していくものではないのでしょうか。数年で取得できるはずがありません。まして、学会費を支払い、学会に参加し、決まった症例数と決まった年数をクリアすれば取得できるなんて、どう考えてもおかしな話です。「専門医」って何なのでしょうか。

 ただし、これは教授からすればありがたいことなのです。最も働いてくれる30代前半までの医師を、専門医取得と称して囲い込む。そして、後期研修を終えれば、「雇い止め」し、新たな若手を「教育」という名のもとで縛り付ける。一般的なら、こんな有期雇用は認められないでしょう。

■「女子差別」問題が浮き彫りにした医師の囲い込み

 女子受験生を一律減点し、恣意的に減らしていたことは「女子差別」であることに間違えはありません。けれども、根底に隠れている問題は、日本では「医学教育」という名の下、大学において入試や専門医の名を語った医師の囲い込みや就職活動が行われているという現状があることです。大学は本来、学生の味方です。優秀な人材を低コストで調達したい企業とは利益が相反することがあります。ところが、このことが全く認識されていないのです。

 そもそも、医学教育に大学附属病院は必須ではありません。周辺の病院に協力してもらえばいいのです。米国では当たり前に行われている医学部と大学病院との分離を考える時期にきているのではないでしょうか。



https://www.m3.com/news/iryoishin/623356
シリーズ 真価問われる専門医改革
総合診療の専攻医に上限設定、「1プログラム2人まで」
申請受付8月30日まで、5都府県は1年以上のへき地等勤務を条件

2018年8月17日 (金)配信橋本佳子(m3.com編集長)

 日本専門医機構は8月16日、総合診療専門研修プログラムの申請受付を8月17日から開始することを公表した。期限は8月30日まで。「専攻医希望定員数」を原則、1プログラムにつき「2人/年」以内と制限が新たに加わるなど、2017年度の基準とは幾つか異なる点があるので、申請に当たっては注意が必要だ。2人以上の定員数を希望する場合は、希望する理由や根拠を「希望理由書」に記載、提出することを求めている(詳細は、日本専門医機構のホームページ)。

 2018年4月から総合診療の研修を開始した専攻医は、184人(2018年3月15日現在)。新専門医制度では、地域および診療科による専攻医偏在を防ぐため、5都府県(東京、神奈川、愛知、大阪、福岡)に、14基本領域(19の基本領域から、外科、産婦人科、病理、臨床検査、総合診療を除く)に、専攻医の募集定員の上限がかかる。

 総合診療については、地域を問わず、募集定員の上限が新たに設定された上、加えて5都府県の定員数についても、「地域医療の配慮の観点から調整することがある」とされた。

 6月に公表された総合診療専門研修プログラムの整備基準では、「プログラム全体での、専攻医の年間受入数の上限は、総合診療専門研修IおよびIIを提供する施設で指導に当たる総合診療専門研修特任指導医の総数の2倍」などの基準はあったが、「2人/年」以内という制限はなかった(整備基準は、日本専門医機構のホームページ)。

 また地域医療に配慮するため、東京、神奈川、愛知、大阪、福岡の5都府県においては12カ月以上、他の都道府県においては6カ月以上の「へき地・過疎地域、離島、医療資源の乏しい地域での研修」を条件とする。総合診療専門研修プログラム整備基準では、「へき地・過疎地域、離島、医療資源の乏しい地域での1年以上の研修が望ましい」となっており、5都府県以外は基準が緩和されたと言える。「医療資源の乏しい地域」については、都道府県(地域医療対策協議会)の意見を受け、検討の予定。

 郵便およびE-mail双方での提出が必要。「新規申請」の場合は、新たに申請書類を提出、2017年度認定されたプログラムで修正箇所がある場合には、その箇所が分かるように修正して提出する。



https://www.m3.com/news/iryoishin/617751
シリーズ 大学医学部「地域枠」の今
「地域枠」、義務年限なしでも「地元」に定着 - 旭川医科大学◆Vol.2
キャリアの多様性認め、柔軟な対応必要

スペシャル企画 2018年8月14日 (火)配信聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

(旭川医科大学学長の吉田晃敏氏、同大入学センター・センター長の坂本尚志氏へのインタビュー。本文中、敬称略。経緯は、Vol.1を参照)

――旭川医大の「地域枠」は「入試の特別枠」で、義務年限付の奨学金貸与枠とは異なります。卒業後、地域に定着してもらうためには、入試における学生の選抜がまず重要になります。

坂本 地域枠には「AO入試北海道特別選抜」と、「推薦入試道北・道東特別選抜」があります。AO入試の2018年度の入学定員は37人で、160人の応募、推薦入試は10人定員に34人の応募です。いずれも、「卒後に原則として旭川医大病院で初期臨床研修を受け、後期臨床研修も同大病院を中心に受け、将来は北海道または道北・道東の地域医療に貢献する」ことを、入学生に「確約」してもらいます。

 AO入試は「面接配分の多い一般入試」と考えていただいていいと思います。一般入試では900点満点のうち面接点は150点満点。これに対し、AO入試では1900点満点のうち、個人・集団面接や課題論文は合計で700点満点、大学入試センター試験が1200点。この点数配分に本学の意思が表われており、本学のアドミッション・ポリシ-に沿っているか、北海道の医療に貢献する意思などを確認します。推薦入試は、センター試験を課し、本学の合格基準点(合計点900点中、675点)以上の者を対象とします。高校等の評点平均値が4.3以上、個人・集団面接で600点、課題論文300点で900点満点です。

吉田 本学の特徴は、AO入試の枠を多く取り、選抜方法も工夫していることです。集団面接では、行動力や実行力を試すために、グループワークをしてもらいます。毎年テーマを設定し、その中から課題を見付けるところから始まり、それを解決する能力を評価するのです。

 面接についても、推薦入試やAO入試をスタートした当初は2日間、泊まり込みで実施しました。複数の教員がチームを作り、複数回面接しました。その後、面接結果を教員の側にもフィードバックしたり、教員側のFD(ファカルティ・ディベロップメント)も繰り返し行いました。教員の側にもどんな視点で学生を選べばいいか、共通理解が得られるようになり、面接にも客観性が保たれるようになりました。

――入学後の教育においては、どんな工夫をされているのでしょうか。2009年度には地域医療教育学講座を設けています。

吉田 工夫には二つあると思います。一つは、皆が医学科の授業に付いていけるよう、特に理系の基礎学力の充実を図ること、もう一つは、地域枠で入学した志が変わらないようにフォローすることです。

 これは一般枠の学生も対象ですが、1年生と2年生を対象に、学年担任とは別に「グループ担任制度」を導入しています。学生10人程度を1グループとして、臨床医学の教員を一人ずつ配置し、いろいろな相談に乗るようにしています。加えて1年生から3年生までの各学年に、臨床系の教授を「アドバイザー」として配置、つまり学年担任、グループ担任、アドバイザーが協力しながら、キャリア支援に取り組んでいます。さらに私自身、学内で学生に気軽に声をかけたり、「地域枠の口約束は、反故にする」と言っていた学生を、懸命に引き留めたこともあります。

 さらに年に1回は、「合同入局地域枠説明会」も開催しています。主催は、復職・子育てなどを支援する二輪草センタ-と、卒後臨床研修センターです。今年も「女性医師として仕事を続けるコツ」「地域枠先輩医師はどうキャリアを積んでいる?」という講演などを行いました。

坂本 講義ですが、国立大学の場合、入試区分の違いによって差を付けてはいけないので、全く同等に扱います。将来、どんな地域で、どの専門分野の医師になるとしても、地域医療の基本は必要です。地域医療教育学講座が中心となり、1年、2年生の地域医療の早期体験実習をはじめ、6年間の一貫した地域医療教育に取り組んでいます。

――北海道の義務年限付の奨学金貸与を受けた学生の辞退率はどのくらいなのでしょうか。

吉田 2009年度入学から2018年度入学まで計143人が貸与を受け、これまでに辞退したのは5人にとどまります。本学の「地域枠」の卒業生はまだ出始めたばかりですが、ほとんどが旭川医大病院で臨床研修をしています。本学の地域枠の場合、キャリアの自由度は高いこと、また地元出身者は卒業後も地元に残る割合が高いことから、結果的に本学に残っているのだと思います。後期研修やその後も本学を含む北海道または道北・道東での医療に従事するのが基本ですが、継続して本学等にいる必要はなく、途中で東京の病院に行っても、あるいは海外留学しても構いません。臨床医学から基礎医学に進んでもいい。

 これに対し、北海道の奨学金を受けた卒業生は自由度が少なく、「卒後9年間のうち、5年間を知事が指定する医師確保が困難な道内の公的医療機関等(指定公的医療機関等)に勤務すること(その他4年間は、道内の臨床研修病院等で研修を行う)」という義務が付いています。3年目には多くの医師が自分の専門領域の研修に進みます。例えば、外科志望の医師が3年目に、200床未満など小規模の病院にいきなり出されても、指導医がいなければ専門研修はできず、また手術を任されても、盲腸の手術すらできないでしょう。私の専門領域の眼科でも同様で、指導医がいる病院は限られます。結果的に専門医取得が遅れかねません。

 義務年限を課すなら、多様なキャリアを選べるようにし、「卒後9年間」ではなく、「トータルで9年」で義務を果たす形にしないと、希望者を確保するのは容易ではないのです。この点は、何度も北海道に改善を働きかけているのですが、道内の自治体も奨学金の原資を拠出しているので、「早くうちの地域の病院に医師を」という要望が強いのでしょう、なかなか意見は通りません。意に沿わない病院に行かされたら、キャリアを犠牲にするか、奨学金を返済するかの選択を迫られるわけです。

坂本 本学には、先ほどの二輪草センタ-と卒後臨床研修センターのほか、専門医育成・管理センターがあり、地域枠か一般枠かを問わず、卒業生のキャリア支援を行っています。医師によって、希望や能力、キャリアに対する考え方は異なり、「親元に帰らなければならない」など、家族環境によって勤務地を変更しなければならない場合もあります。私は、各医局自体も、個々の医師のニーズに見合った研鑽が積めるよう、キャリアを支援できる組織だと考えています。

 さらに本学は、高大連携事業として「地域医療を支える人づくりプロジェクト事業」にも取り組んでいます。これは将来の地域医療を担う人材を養成するのが目的です。2008年度には、北海道大学医学部、札幌医科大学とともに、北海道教育委員会と調印を行いました。道内の高校に、講師を派遣して「医学部出前講座」を実施したり、毎年夏に道が開催する「メディカル・キャンプ・セミナー」では、大学病院を案内したり、現役医学生との交流や講演を行っています。高校が地元の医療機関と連携して学生にボランティア活動などをさせたくても、きっかけがつかめない場合もあります。そうした場合に本学がその間を取り持つこともあります。「地域の病院と高校との間で、学生を教育し、将来的に地元に戻ってもらえれば」という、息の長い取り組みです。



https://www.m3.com/news/iryoishin/622728
医療維新 シリーズ m3.com意識調査
「募集時に方針明記すべき」「必要悪」「働かない女医が多すぎる」- 意識調査「女子受験生の点数一律減点」◆Vol.2-男性医師の回答編
「日本の医療を守るためには仕方が無い

レポート 2018年8月17日 (金)配信長倉克枝(m3.com編集部)

 東京医科大学が医学科の一般入試で、女子受験者の点数を一律減点し、合格者数を調整したとされる問題(『シリーズ 東京医大・入試操作疑惑』などを参照)について、医学部(医学科)入試で女子受験者の点数一律減点についてどう思うか、自由回答でm3.com会員に聞いた(回答数は4657人、うち医師は3466人)。Vol.2では「男性医師」の回答を紹介する。

 医学部医学科入試で女子受験者の点数を一律減点し、合格者数を調整することについて男性医師の47.5%が「あり得ると思う」、40.5%が「あり得ないと思う」と回答した。一方、自由回答では、「あり得ないと思う」「あり得ないと思う」「どちらとも言えない」のいずれでも、「募集時に告知なしで一律減点をするのは良くないが、医療現場の現状を鑑みると女性合格者数の調整は仕方がない」とする意見が多かった。

【あり得ると思う】

裏口入学は論外であるが、合否判定基準は大学の方針であるため、それを問題視すること自体論点がずれていると思います。【開業医】
問題の根本は医療の現場での労働環境の劣悪さ、人手不足にある。女性にも働きやすい環境をなんて医療の現場では夢のまた夢の話だ。【開業医】
本音は皆分かっているのに、建前は差別してはいけないという。男性医師は医局時代に、女性医師の尻拭いを少なからず経験しているはず。特に人事面で!!【開業医】
褒められたことではないが、日本の医療を守るためには仕方が無い。【開業医】
別に問題ないと考える。女医は、婦人科、乳腺外科、小児科に行ってください。国のため。男医のため。【開業医】
被害者ぶった論調ばかりだが、女性医師は扱いづらくすぐに辞めたがる人が多いことは事実。女性を減らすことには大賛成だが、そのためには入試での数学の比重を上げるだけでよい。姑息な点数操作は大反対。しかし、これでは 裏口入試もしにくくなってしまうのだろう。【開業医】
男性医師が女性医師のバックアップも担っている現在の医療環境を考えれば、男性医師が女性医師の4~5倍必要と思われても仕方がない。男性医師がバックアップしなくても良い医療環境に少しずつシフトさせ、それに伴い少しずつ女性医師を増やしていかなければいけない。それを無視して、いきなり女性医師を男性と同数にすると、医療現場が成り立たなくなる。従って、女性医師数を制限する必要があり、暗黙の了解のもとに女性受験者を減点していたと考えられる(これでも社会情勢・医療環境の変化に伴い、30年前に比べ多少は女性比率を増やしてきている)。しかし、黙って減点していることは反省する必要があり、来年度からは堂々と男女差を付けた男女別の募集人数を募集要項に載せて受験してもらえばよいと思います。【開業医】
男女関係なく夜勤、当直などをこなし、女医もいっぱい働けば医療水準は維持できるし、それがきつくて嫌なら医師にならなければよいのではないか。地域医療は維持するのは難しいと思うけど、特に離島は女医は行きたがらない。【開業医】
大本をたどれば、国の方針だから、全国の大学でやっていることです。女医がメインでは、日本の医療は崩壊しちゃいますが、国民の承諾は得られないでしょう。【開業医】
多くの私大医学部では入試の2次後の家族相談会で、当落線上の上・下20人以上を親と一緒に呼び出して、例えば「あと合格までに2点足りません。大学への賛助金や寄附金があればなんとかなるのですが」と言われます。1点いくらとは絶対言わないわけですが、どうしても医師になってほしい開業医の親としては、この話をされると必ずお金を出します。相場は1点1000万ー2000万円で、私の知り合いは合計3600万ほど寄附してめでたく合格したと言っていました。山の持ち主で一山売って工面したと言っていました。この息子はいま内科医をしております。あと2つの私大医学部も同じように2次試験後の相談会?で数千万円を払って合格しています。私大は、なんでもありだと思います。どこでも同じような調整は絶対にしています。【開業医】
女性医師の専攻科目に偏りがあり、女性医師の離職や休職が、残された医師に負担を与えることになることは事実。女性医師の労働環境の改善を図ることが重要であるが、それが困難で時間がかかる現実の政策を考えると入試による調整が必要となることもやむを得ない。女性医師の労働環境改善のためには医師を増やすしかないが、現状の給与水準を維持したまま医師を増やすことは医療費のさらなる支出は困難であることを考えると不可能。給与水準を下げると、訴訟のリスクなどのバランスから医師になることを志す者が確保できないだろう。【開業医】
女医の増加が医師不足の遠因であるので、数学物理必須の入試にすべきである。【開業医】
女医が増えれば、外科系の科は成り立たなくなる。夜間当直などで、外人や泥酔した患者に対応できるか。【開業医】
実際、同期生の半分以上の女医さんが、10年以内に勤務医を辞め、パート医になっている現実をみ見ると、制限して当然かと思いますが。【開業医】
私立大学であればその学校の方針で行うのだから、法的に違反しない限り外部から強制することはできない。女性よりも低点数の男性が合格しても卒業すれば国家試験があり、医師としての能力がなければ医師免許証がでないです。国立であれば国の方針に従うべきです。 【開業医】
私学は入学者を選択する権利がある。しかし秘密にしてはいけない。男性を入れない、女子医大もあるではないか。女性に対する一律のルールがあるならば、公表するべきであった。この問題の根は深い。女性を不利にした背景には、医師の長時間過重労働がある。医師数を抑制する政策、応召義務や24時間対応を歓迎する国民、医師の過労死を甘受してきた医療界。長期在職して長時間働く医師を求められた大学。結果としてであれ、女性を秘密裡に差別してきたことを正す、良い機会が得られた。抜本的な改革を期待する。【開業医】
私の娘は医学部生だが、娘が受験するときにそういったことは予備校での情報として流れており、既知の事実であった。今さら驚かない。女性だけでなくても浪人生などについても同様のことは言われていた。今さら、マスコミが大騒ぎすることでもない。そもそも、成績が良いから医学部などという選抜方法が間違っているのであり、医師に必要な才覚や人間性などの方が大切である。人間性というのは、見た目の取っ付きの良さや見せかけの優しさではなく、本当に医療としての真実を追求し、患者にとって何が必要なのかを真剣に考える能力であり、マスコミや評論家が持ち上げる見た目の優しさやその場しのぎの治療をするタレント性では断じてない!そういった意味で、学力ばかりを変重して女医が増えると、勉強だけができる医者が増えるばかりである。女子受験者の一律減点というのは、日本の医療を正常化する一つの方法であると考える。【開業医】
今の受験制度自体がコツコツ真面目にやる女性優位になっている。医師の枠を増やしても、女性医師が増え過ぎては医師不足は解消されないので、調整はありだと思う。【開業医】
医師を一人養成するのに、私立国公立を問わず、国民の税金が数千万円から1億円以上かかっていると聞いている。ならば医師は生涯全力で働き続け、40年くらいかけてそれを国民に還元する義務を負っているし、国民はそれを期待して税金を投入することを認めている。医者を途中でやめたり、間引き勤務したりするのは言語道断で、またあまりに長い浪人や年長者、入学してからの留年・国試浪人も望ましくないと言える。もちろん患者にとっては、女性医師が一定数必要だと思うが、生物学的に男性医師より労働量に負けるのはどうしようもない。 したがって、女医の比率が増えすぎると医師不足を招き、医療崩壊につながるのは必定だ。かといって女医の労働環境を整えるのは、それにもコストがかかり、医療費の増大を招く。かわりに医者の給与レベルを下げると、医師志願者のレベルが低下し、藪医者ばかりになって、医療の質が低下する。つまり国民は、それと引き替えに命の危険が増大する。いずれにせよ、医者を養成するのに莫大な税金が投入されていること、医者の労働環境を整備するにはコストがかかり、国民医療費の上昇に結び付くこと、医療の質を保証するには医者の報酬を下げるわけにはいかないこと、以上を踏まえて冷静に議論すれば、おのずと結論が導き出されるだろう。たまたま槍玉に上がった当事者を、世間の風潮に乗って一方的に非難し、あたかも正義の味方になった気分でいても、本質的な問題は何も解決できない。【開業医】
もし必要であればその旨を公開し、男子学生のみを募集すれば良い話。受験料を支払う側から見れば詐欺であり、損害賠償請求を起こされても文句は言えないだろう。また、このような問題は東京医大1校にたまたま見られた特殊な問題ではなく、広く(おそらく私学中心に)広がっている氷山の一角にすぎないのではないだろうかと推測される。【開業医】
55才男性開業医  我々の研修医の時代は毎晩12時まで病棟に残って、先輩医の患者さんの対応アシストするのが当たり前。月~土までそんな生活、日曜日は解剖に呼ばれて、ご遺体をお送りする役目をさせられました。時間外労働200時間なんて当たり前。当然女医さんは当医局には一人も入られませんでした。女医さん問題を議論するなら、絶対的な勤務医不足を議論するべきだが、消防士のように24時間勤務の後、48時間休み体制をすれば良いが、そのためには現在の勤務医師の3倍は医師数が必要になろう。医師を増やすイコール社会保障費の増大となることは国はやりたくない。永遠に解決しないと思います。女医さんを増やすと、過酷な当直をやる医師の数が相対的に減少し、現場は回らない。当直医不足で救急車受け入れ不可能な病院が多発し、医療崩壊が再発します。 【開業医】
理想だけを言えばダメである。ただし、女性医師のうち、無視できない割合がフルタイムで働けなくなることを考慮すれば、合格者数の調整はむしろ必要な対策である。 【勤務医】
優秀な女医もたくさんいるが、現状では男性医師の方が部下として助かることが多い事実は否めない。私学の発展を優先したい事情は分かるが、方法が間違っていたように思う。【勤務医】
問題なのは、男女関わらず縁故があれば優遇されて合格しているという事実。男女云々の議論は本当に重要な問題点から目を逸らさせるために利用されていると思われる。【勤務医】
目に見えるようにやっていたのは、すごいというか駄目でしょう。医師は気力・体力も必要な要素なので、医学部試験に800Mメートル走とかを入れて点数化するのがよいと思う。【勤務医】
面接で減点したり、女子受験生が苦手とする理数系の科目を多くすれば、目的は達成できたはず。学力試験での減点は不公平。【勤務医】
免許取得後の女医の下劣な在り方を見据えれば大賛成!【勤務医】
本来あってはならないこととは思うが、女性医師の増加により人員不足が生じ、負担が増えている方もいる現実もあることを考えると、全面的に非難できない部分もあると思われる。【勤務医】
病院経営の観点から行うのであれば、医師採用の時点で女性を排除すればよい。【勤務医】
必要悪だと思う。そうせざるを得ない社会的な状況も勘案するべき。【勤務医】
入学試験=就職試験なので、男女比を調整できるのは当然。世間の言う男女平等を振りかざして是正することは、最終的に国民の不利益につながる。【勤務医】
働き方改革が進まない限り、致し方ないと思う。男性医師への負担が多すぎる。【勤務医】
働かない女医が多すぎるという現実から鑑みて仕方ないことだと思います。 【勤務医】
働かない女医がわんさか増えても、患者に迷惑で同僚にも迷惑です。もっと女子を抑制すべきでした。税金の無駄使いです。【勤務医】
「当直はしません。救急は診ません」のような女医ははっきり言って迷惑。残された医師にしわ寄せが来るだけ。女医支援枠があること自体が、男性に対する差別である。女性の眼科や皮膚科の医師が増えるだけ。自分の家族の主治医が、当直や救急の経験が少なかったら、いざという時不安になりませんか?ということで、やる気のない女医ははじめから排除してほしい。【勤務医】
当然だろう。労力と多額の金銭を使って教育したのちに、研修後医師をやめて主婦になる女医には本当にな泣かされます。結婚し育児をしたいなら違う道を選ぶべきだろう。入学の段階で女子を一定数に減らすのは、私学の学風を維持するためには必要です。偽善的なマスコミの意見は聞きたくない。【勤務医】
東京医大が人材確保のために、と言っていた論理は私大においては許されるもののように思います。女子が一人も入れないなら、はじめから募集の段階で男子に限ればいいのでしょうが、入れる人もいるわけですから。企業の入社試験でも実際には男女の採用に差があるはずですし。【勤務医】
怒られると思いますが、医療の現場では逆セクハラ、マタハラで男性医師に負担がかかっています。入試時にきちんと働ける医師になれるか、自分の生活をある程度犠牲にしても患者のために出できるかが男女とも問われているのだと思います。ただ、一律は問題だと思います。【勤務医】
点数だけで合否を決めるとは規定しておらず、そもそも試験点数は面接や内申書なども含めそれぞれの大学の考えに会う人間をセレクションする一つの参考資料にすぎない。一律減点といえば聞こえは悪いが、東京医大が自前で育てられない、育てたくないと考えた層を入学させないと意思表示しただけで、医学界全体としての大きな問題だとは思わない。【勤務医】
男性医師に比べて女性医師の定着率が低いことは事実であるが、だからといって得点調整を行うことには同意できない。フェアでないばかりか旧態依然とした体制の崩壊をすこしでも先延ばしにするために行うことが目的であり、意味も見いだせない。社会構造や意識の変化によって、医療業界も構造変化を行うべきで、子育てをしながらでも病院に戻ってこられるような方策を考えるのが本来の道あろう。【勤務医】
男女平等社会がうたわれて久しいこの時代に、時代錯誤の典型のような事態とも思われるが、私学の個性を尊重するという観点から考えれば、一概に否定しない。独自の文化、建学の理念を明確に打ち出して、公表の下に存在するなら、時代や社会的背景の中で自然淘汰されてゆくものだと考える。親方日の丸の最高学府が多数存在するのであるから、独自の理念を掲げて、私学としての存在を確立して行かれるのであれば、それは否定しない。【勤務医】
男女平等のきれいごとから言えばあり得ない事ですが、現実現在の医療界は男性医師の犠牲の上に成り立っているのも事実です。私学であるので、入学者を種々選択するのは当たり前のことと思います。【勤務医】
大学の選考基準は大学が決めることで自由です。ただし、それを明示せず、女子学生から受験料を回収したことは、組織的な詐欺行為に当たる可能性があります。女子が多くなることで、専攻科に偏りが生じて、外科などの医師不足が加速している実態を示して、現行のまま、女性合格者を少なくすることが望ましいと考えます。【勤務医】
大学で医局長をやっていた時、医局員の7割りが女医になり、妊娠・子育てが重なり当直が組めなくなったことがある。患者さん側も建前だけで論じていると困ることになると思うんだけどな。【勤務医】
女性医師の働き方を考えるのが急務と考えられるが、現実的には、当直などの厳しい業務は男性医師が負担する割合が多いと思う。一律の男女平等をうたっても、影響を受ける現場のことは何も考えられていない。受験要項などに男女で定員を設ける、東京女子医大のような大学を増やすなどすれば良いのでは無いか。【勤務医】
女性医師が増えることによってますます、医師不足が助長されると思います。それは女性医師に能力があるとかないとかという問題ではなく、妊娠出産などで生物学的に働けない時期がありますし、育児中は子供の急病などで出務できなくなる可能性もあります。男性医師をある一定の割合で確保することは必要であると思います。女医さんと一緒に働いている男性医師からの悲鳴もたくさん、ここの投書欄にもありますしね。入口規制をしても仕方ないことではないでしょうか?なんでも平等という風潮もどうかと思われます。【勤務医】
女性が妊娠出産後に職場復帰しやすい環境が作れること。復帰する意欲があり、実際に復帰して仕事を全うする女医が増えること。労働環境が楽な科への偏りがないこと。これらがなされれば、調整などは必要ないだろう。地方の医者を増やそうと作っている地方枠からも結局都市へ出てくる者がいる。地方枠の受験者の留年率や国試合格率はその他の受験生に比べ低いという話も聞いたことがあり、女性云々でなく、そのような枠も有意義であるとは感じない。【勤務医】
受験者に知らせずに行うことはあってはならないことだが、経営面からみれば、分からなくもないと言える。しかし本来なら目先の受験者数調整をするのではなく、医師となった女医がどうしたらより良い環境で継続的に働けるのかを考え、そのような場を提供してあげるのが上層部の役割だと思う。【勤務医】
私立大学なので、そこは大学側の裁量に任せて良いのではないかと思う。もちろん、勝手にやるのは受験生側にとってはかなりの不利益になるので、その旨を公表することが前提だが。産休などで休まない医師確保のために男性医師を多めに作り出すことは、地元に残る医師を作るために地元採用枠を設けるのと50歩100歩だと思う。そして男性医師が育休をとる可能性がほぼないと考えられているところが悲しい。【勤務医】
現在では、多くの女医さんが市中病院や医局内にも在籍しておりますが、そのうち男性医師と同様にフルタイムや当直を含めて働いてくれる医師になる方は1-2割に満たないのでは無いでしょうか?女子は賢い(少なくとも入試制度という土俵においては優秀です)なので、普通に学力試験の素点勝負では女医が多くなってしまうのは仕方ないことですが、医師不足や働き方改革で激動する昨今において、最終的に子育てしながらアルバイト医師になったり、離職する可能性が極めて高い女医を多く育成することには、国の医師養成事業として問題が出てくると思います。私学国立に関わらず、医師育成には国費がかかっているので、受験・入学する側にも、ある程度の覚悟が必要とされる時代になるのではないでしょうか?【勤務医】
学問の自由、機会の平等という点からは、当然、あってはならない。しかし、医学部を職業訓練校の側面からみれば、眼科、皮膚科などへの偏在、休職、離職に対する対応・人員の確保の困難さ、年齢とともに低下する活動性などの統計上の数字があるとすれば、医療や病院機能の安全な維持を考慮することも必要かもしれない。しかし、もちろん、倫理的に許される方法においてである。【勤務医】
医師は、ほかの営業や販売などの業種と同様に考えるのではなく、時間外や緊急など、これからさらに高齢者社会を迎えるにあ辺り、これらの出動が増えると思われます。仕事環境の充実の努力がされていないなどの某団体のコメントもありますが、私たち、特に外科系は切り上げて帰るよりは、体力を持ってともに働いたり、交代ができる人材が必要です。女性の医師は必要ですが、それには結婚・出産の時期や配偶者の協力(医師では困難では)を考えて医師を目指せばいいと思います。これは、男女差別ではなく、区別です。【勤務医】
医学部入試は就職試験に近い一面があるので、大学毎、個別に検討した上で、男女別に合格者数を決めて明示し、それを法律上違反とならないことを裏付けさせれば良い。そのためには法律改正も必要かもしれない。【勤務医】
どこの医局も女性医局員の処遇については頭を悩ませていると思います。地方は嫌、自宅から楽に通える範囲など、希望は男性医局員以上に強いと思います。特に地方の国立大学医学部を卒業して、地元ではなく首都圏などに来られた女性医師の方は、この傾向が強いように思います。医療の公的な面を考慮すると、卒業後15年程度は社会貢献を考えて、ある程度は地方勤務や救急などもやっていただけないと将来的には日本の医療情勢は厳しいものになりますね。こうした意味で、私立大学については運営上、ある程度自由度が許されても致し方ない点がありますが。理想としては、一律減点は廃止し、面接などで卒業後の進路についてや、地域医療、救急医療、老人医療に対する考え方を質問して、判定材料の一つにする方法がベターでしょう。【勤務医】

【あり得ないと思う】

募集の段階から女子の合格者の人数を提示しておくべきです。【開業医】
秘密裏に行うから問題になるのであって、女子に対する敷居が高いことを、入試要項に盛り込んでおけば問題ないと思います。【開業医】
入試ではあり得ないことだが、医師採用の立場であれば、ある程度理解できる。【開業医】
男尊女卑そのもの。言語道断です。一般的に女子の方が成績が良いと聞いている。貴重な人材を無きものにしているのは日本の損失。出産・子育時の日本社会の対応・認識遅れが如実に出ている。これでは日本は発展していかない。家事・子供は夫婦二人で行うべき。【開業医】
大学が女子の入学を減らしたいのであれば、減点する旨を募集要項に記載するか、男女別々に募集すべきである。東医大は学生募集をいったん、中止して開学以来、過去の全ての入試結果を見直し明らかにして上で入試を厳格化した再出発してほしい。【開業医】
多くの優秀で真面目で有能な女医に対する無塾である。私(男)は多くの優秀で真面目で勤勉な女医を知っている。また受験は個人の資格であり、その資格の差を性別・人種・その他の違いにより一律原点というのは明らかな差別と考える。【開業医】
心臓カテーテルなんかには、使えないし、当直問題もあるけど、エコー、他レントゲンを要しない患者さんには女医さんの方が真面目で優れていることが多い気がします。【開業医】
女性医師はライフスタイルを考慮してもらえるが、男性医師はたとえ育児に参加したくてもまた激務で体調を崩しても勤務体系を一切考慮してもらえないことが多いと感じる。女性、男性に関わらず最低限の仕事はした上で、それ以上は各々の事情や体力などに合わせた勤務ができやすくすることを考えた方が良いと思った。【開業医】
女性医師が子育てをしながら働ける環境を作っていくことが必要。男女の入学試験で差別をすることは許されないという自覚が、大学関係者にか欠けている。教育に携わる資格はない。【開業医】
女性が多くなることで維持できない医局こそ改革が必要でしょう。【開業医】
女子大や男子校は認められているのであるから,募集時に合否の方針を明確にすれば男女差をつ付けることそのものは、全否定はされないと思う。しかしひそかに女子や多浪生に不利な操作をしていたのであるなら,あまりに不公平と思う。自分が受験生だったらたまらない。【開業医】
実際問題として、平均的な男女の就労可能時間が異なるので(当然個々の違いはあるが、9時5時の女医のために、大学病院時代は憤りを感じていたので)、その考えは理解できるが、それを実行するのは全く法的に許されるとはお思わない。よくこれが許されるような大学かと思う。【開業医】
歯科医師が定員を増やしても、女性を増やせば、開業するがほとんど男性であろうから、歯科医院は増えないと考えていた節がある。結果、歯科医師過剰時代となった。ペーパードクターも増えるだろう。しかし労働条件で性差をつ付けない風潮のもとでは、医療経済を変革してしまうことにつながる。【開業医】
一般入試での女子の一律減点は問題あり、面接などで合否を決定すべき。【開業医】
医療現場の現状、女性の社会進出、特に医師など特殊資格を持った女性の活躍が必要な時代なのに、その傾向に逆行した考え方で古臭い慣例(?)にとらわれている。【開業医】
医師不足の原因は女医が増えたためと思われるが、女医が勤務できる環境作りが不可欠であると思います。調整は本末転倒。【開業医】
以降の就労の見通しを確認してく必要があり、一律行うべきではないと思う。女性の比率が高くなっている現状もあり、志望科の限定勤務を条件(地域指定枠の科別版のようなもの)なども検討してもいいが、男性も同様に行うべき。【開業医】
いかにも日本的だと思う。建前としては平等性をうたい、本音のところではこういうことを平気で行う。女子は働かないから、などというのは論点のすり替えである。問題は、裏で恣意的に大学入試の操作をして良いのか、ということで、これが良いなら例えば親の職業を見て減点するなどということもまかり通ってしまう。ともあれ、今回は東医大を受験し落とされた女子は訴訟したら良いのではないかと思う。【開業医】
裏で不正をするのではなく、初めからそういう決まりで入試を行えば良い。おそらく誰も受験しに来ないだろうが・・・。【勤務医】
裏でやっていたことは大問題だが、今の日本の医療界をみ見ると、女子の合格数を制限することについて100%問題だと言えるかは難しいかもしれない。共学の学校としては問題あるのだろうが、医学部に入るのはそれ以降の就職までほぼ決まるような形なので、それを考慮して男女比を決めることについては道義的や法的にどうなのだろうか。【勤務医】
あらかじめ、男女別の定員を決めて対応しなくちゃいけない時代でしょう。【勤務医】
面接試験で適性などの項目で、判断すべき項目だと思う。【勤務医】
法的、倫理的、社会常識的に決して許されない。お産で辞められるから男性を優先などというのは、昭和の時代の企業経営者に囁かれた勝手な言い分。女性医師には、十分な産休を。男性医師にも、育児休暇を。医業には、ルーチンワークが多くある。業務の効率化による時間短縮により達成すべき。【勤務医】
募集要項の時点で、男女の定員数を個別に設定する、合否は性別も含めて総合的に判断すると明記しておく、などするのがよい。【勤務医】
募集要項にない操作を行ったのだから、どんな弁解をしても不正行為に違いない。明確な女性差別。憲法違反でもあると思います。裏口入学の件もあり、この大学の体質は人間を扱う学部として失格でしょう。医師不足への対策として(と弁解されていますが)こんな愚かな行為しか考えつかなかった大学理事会・教授会に、まともな人は誰もいなかったのだろうか、と空恐ろしくなります。同じ医師として、こんな無見識な連中が医学界の一翼を担っていることが恥ずかしい。過去の卒業生が気の毒ですが(差別されるべきではありませんね)、大学としては存在意義なし。ここまで腐っている大学は廃校でよいと思います。【勤務医】
物理と数学を必修にして生物を不可にすれば、自動的に女子の合格者は減る。【勤務医】
不公平きわまりないので、即刻中止かついままでの受験者に謝罪および受験料返金をすべき。【勤務医】
必要悪だというのなら、最低限入試要項等で説明しておく必要があります。そのう上で、批判されるならきちんと反論していく必要があると思います。【勤務医】
入試で性差により差別されることは、あり得ないことだと思う。ただ大学側が主張する女性医師の将来的な働き方に期待が出できないと言うことに関しては多くの男性医師も抱いている不満の一つであると理解している。女性医師側も自分たちのキャリア(働き方)に関して更に深く考えていかなければ成らないのでは?この問題は私たち医師側に一つも問題提起をしてくれていると思います。【勤務医】
点数減点や加点はあってはならない。しかし、女性医師は優秀であっても多くが実戦から離脱しあるいは効率の良いアルバイト医になっているのが現状。はっきり言って男性医師も含めてだが、国費の無駄になっている感が否めない。もちろん男性医師以上の業績を挙げ、子育てや家事も手を抜かないスーパーな人材も少なくはない。従って、調整はしかるべきだが、明言の上で2次試験で調整をするべきであった。【勤務医】
男性医師の中でも人間性に問題がある人がいる。女性、男性で区切るのでは無く、患者から求められる人材かどうかで区切るべき。どうしても男性女性の割合を決めたいなら受験の段階で女性枠、男性枠に分けて受験生を応募してやるべき。少なくとも裏でコソコソ点数調整されるのは間違っている。【勤務医】
男性医師が欲しいならその旨を公表して、点数減点することも公表すべき。勝手に減点するのは不公平すぎる。【勤務医】
単に点数だけで評価すると女子の方が割合が増え、調整が必要となることはやむを得ない。しかし一律の減点は不公平であり、例えば面接の点数を厳しくする、適性を厳格に評価するなどの方法を取るべきである。【勤務医】
大学側が欲しい人材を取るために、合格選考が不明瞭な部分があることは当然である。しかし女性というだけで一律に原点がなされていたこと、それが公になってしまったことは大きな問題であり、全国の医学部でもうこのような不明瞭な選考ができなくなると考えられる。背景には妻に家事と子育てを任せきりにできる男性医師しか、医療業界に入り込めない大きな壁を作っていることがある。多くの善良な、利他的、献身的な医師によって成り立っていた医療制度が変わろうとしている。子育て女性も働くことができる職場環境にすることが求められるが、給与そのままというわけにはいかず、一律給与は下がると考えた方がよいであろう。【勤務医】
女子の一律減点も、高額寄付者の裏口入学も、募集要項に明記して堂々とやればいい。それなら法律上は問題ないでしょう。ただし、そんな大学病院には、受験生も患者も医療者も集まらないでしょうけど。【勤務医】
女医は当直をしない、マイナー科に多く行くという問題を入学試験で調整するのは誤り。当直料を上げる、マイナー科の給与は下げるなどの方法で解決すべき。【勤務医】
女医のリタイア率を考えると、何らかの調整があって良い。現状では外科系など成り立たない。国がきちんと労務管理できるように指導すべき。【勤務医】
受験料が一律なのに差を付けることを前もって知らせていないのは詐欺です。最初から明示すべきです。他の私学にもありそうですね。数年間の補助金・入試中止勧告など厳罰が必要です。【勤務医】
医学部の女子学生数を制限することについては、さまざまな議論があると思う。女医の勤務環境を整えることが先決であるとは言え、現実的には女医の割合が50%を超えると問題があると思う。最近の男の子の覇気のなさを考えると、私学などでは、互角に戦わせると、女子学生が半数以上になることは間違いないと思う。このような背景のもとに何をすべきか考えると、入試要綱に女子学生枠を明記するのが正当と思う。それがだめなら、女子の不得意な物理、数学の出題を増やすならば、フェアに調整可能か。【勤務医】
どうしても人数制限したいなら男女別に入学者数を公表し、同数でないならば人数制限にする理由を明記して募集すべきである。募集要項に述べていない合格基準は全てだめ。【勤務医】
た確かに私の回りには仕事をしない女性医師がたくさんおり、そのため私の仕事が増えて迷惑を被っていますが、医学部医学科入試で女子受験者の点数を一律減点するというのはあり得ないと思います。現在の日本社会は男女平等です。時代錯誤だと思います。【勤務医】
そもそも、量的・質的な医師としての存在が男子の方が女子よりも大きいという前提がおかしい。【勤務医】
あり得ないことですし、あってはいけないことですが、現場を最も知っている医師の立場からすると、感覚的に理解できます(もちろんいけないことですが)。ならば、世の中に女子医大があるように、「男子医大」もしくは「ほとんど男子医大」でも作って募集要項に「当大学は諸般の事情により女性の受け入れを20%以内に制限しています」と書けばいい。【勤務医】
ありえ得ないのですが、子供の受験を考えて、今のシステムが本当に医者に向いている人間が合格するようになっていない。今の受験システムに女性は優位なのでしょうね。【勤務医】
【どちらとも言えない】
点数を減点するという行為がそもそも間違っている。女子の人数を制限したいなら女子の定員と男子の定員を決めて募集要項に明記すれば良いと思う。女子の定員を制限するのは時代遅れと言う人がいるが、逆に今となっては時代の最先端とも言える。女医が増えすぎて色々な科でやはり支障が出てきているのは否めない現実だからである。女性医師が増えすぎることに対する一つの警鐘を誰が鳴らすかという問題である。【開業医】
大学の方針であり自由だと思うが、あらかじめしっかり減点することを公表する必要はあると思う。男子学生を増やしたいのであれば、男子の定員、女子の定員をあらかじめ決めてもいいと思う。何事も透明性を高くして正々堂々とするのが大事ではないでしょうか。 東京医大は昔から同窓会がしっかりしているようだが、自分達の利益ばかり追求していては、大学は腐っていくであろう。大学はもう一度医科大学としての使命をしっかりと共有していく必要があるであろう。まずは普通の大学になりましょう。【開業医】
大学の入試については、問題の正解を公表しない大学、合格基準を公表しない大学は国立、公立、私立のいずれにも関わらず、何らかの操作をしている可能性があると思います。東京医大も合格基準を公表しているなら、このようなことはできなかったと思います。私学ですから、合格基準が女子に不公平でもやってよいと思いますが、その時点で社会的に批判されるでしょうね。【開業医】
女性医師が男性医師と全く同一の条件で働くことが結果的にできていないのであれば、入試要項に明記した上で合格者調整をすることは致し方ないと思います。【開業医】
女性の医師が多くなりすぎることには、問題がある。しかし、入学試験で女子だけ減点というやり方は、許容できない。入試の募集要項に、入学者、男子○名、女子○名募集、と男女採点基準に違いがあることを知らせるようにする、あるいは、女子医があるぐらいなので「東京男子医大」に名称変更しては。【開業医】
私たちの時代には女性医師が20-30%程度でした。なので当直、出張等でなってからはかなり優遇されていました。「差別的な意味ではなく、女子だからしょうがないね」(正月、連休は当直できない、遠い年単位の出張は嫌だとか)と。合格者を調整しないのならば、やはり昔のように医局年数に義務年限を入れて女性の”特権”をなくすしかありません。半分が女性医師だとそれを受け止めるのは無理ですから。やり方としては今はやりの地域枠的にして授業料を値上げし、奨学金で相殺する等が公平かも知れませんね。あとアドミッションポリシーに卒後10年以上は継続して医師を続ける等を入れて。ちなみにうちの子供は女子だけです(含む医学部)。【開業医】
医師となって将来的にどのように医療・医学に貢献できるかは、医療が社会的共有財産と言われる昨今では考えなくてはいけない問題です。また医師や所属科の偏在を生んでいる状況では、それなりに医師として公共的にも貢献できる医師が望まれます。また附属病院の多い大学はそれなりに医療に貢献しているわけですが、医師の確保も懸念材料です。分院の少ない私立大学病院では人材確保にはやや有利でしょう。女性医師の増加は、残念ながらこれらの問題に寄与していない部分も多いと考えます。女性医師の働く環境をうんぬんといいますが、人の命を預かる医療の現場で考慮できることには限界があります。試験制度を見直して、しっかりとした医師としての人格と姿勢を入学点数にできる方法を見出すことも必要でしょう。【開業医】
実際、臨床現場では、急に複数の女医さんの休職が重なることがあり、当直がなかなか決まらなかったり、当直回数が増えたり、人数が少なくなれば、外来や手術件数(手術街の時間が長くなる)などの問題が起こります。人数の多い診療科であれば、何とかなるかもしれませんが、当直が多い、人気の無い診療科ではかなり厳しいです。かりに女医を減らしたいなら、女性何名/男性何名と募集をすればよいのではないかと思います。しかし、これを問題にするより、いかに産休などの時にサポートするかでしょう。しかし、妊娠可能な年齢の女性が、仮に全員同じ時期に妊娠したら、どうなるのでしょうか…【勤務医】
日本の医療業界の現状を考慮すると、男性医師の方が重宝されているのかもしれない。実際に、男性の方には、産休や育休はなく、長時間労働も厭わない人が女性よりも多いと思われる。そういう点で、男性の方が女性よりも、労働力として扱いやすい面はあり、医療業界として男子生徒を優遇したいという意図があったことは否定できないし、短絡的に批判はできない。しかし、やむを得ない事情があったにせよ、それは入試という比較的にフェアプレーが要求される土俵において、影に隠されていた男女差別であることに変わりはない。また、少なくとも入学試験での高得点を取得できる優秀な人材を失っていたことは、日本の医学界にとっても損失であり得るかもしれない。この問題が明るみになった以上は、やはり、世間の意見や論調に合わせて変化はせざるを得ないだろう。ただ、女子の割合が増えることに関して、今までも懸念されていた問題に関する解決策は用意するべきだと思う。時代の要請に従い変革は起こるものであるが、医療現場がそれに合わせて、いかに変化していくかが今後の課題であろう。【勤務医】
点数調整を行うことは、受験生に対し絶対に行ってはいけないことと思う。しかし女性医師が増えることで関連施設の人数確保に制限が出てしまうこと、診療科の偏在が生じてしまうことを懸念する大学側の気持ちも分からなくも無い。【勤務医】
女医さんが将来的に妊娠出産などのライフイベントから、仕事から離れる機会があったり、場合によっては医師をやめてしまう可能性は少なくとも男性よりはあると思う。ただ、男女雇用機会均等法があるのだから、恣意的な点数調整は良くないとは思う。以上の状態だが、周囲でも仕事をやめた女医がいるので、医者は個人としてどう生きるか以上に社会のために奉仕する立場でもあると思うので、いくら有能でも、女性はこの仕事に向かないのではと思ってしまうが、どうなのだろうか。最近、自己実現的な風潮が強すぎて、キャリアパスといった言葉が飛び交い、自分の都合で仕事から離れる人も多い。こんな世の中でいいのかなと思う。【勤務医】
学力試験の点数を減点するのはあり得ない。小論文や面接点で調整するのが一般的と思われる。【勤務医】
一律減点というのは個人の努力を無視しているようで、容易にはうなずけません。しかしながら、実際の医療現場では、女医さんと男性医師とではどちらが重宝されるかというと男性です。当直や残業、地方の病院への派遣などで性別による格差は厳然と存在することが多いと思います。正直に言えば自分の職場に女医さんはいてほしくありません。現時点では、場合によっては男性医師に不利な性差別が存在したりします。その部分の格差の解消も図ってもらわないと、多くの男性医師は今回のこの問題について、単純に「あり得ない」とは思わないのではないでしょうか。【勤務医】

【調査の概要】
調査期間:2018年8月2日(木)~8日(水)
対象:m3.com会員(医師、歯科医、看護師、薬剤師、その他医療従事者)
回答者数:4657人
回答結果画面:「医学部入試で女子受験生を一律減点、どう思う?」



https://www.medwatch.jp/?p=22015
介護経験者、「長生きは必ずしも良いことではない」と考える人が多くなる―社人研
2018年8月16日|医療・介護行政全般 MedWatch

 介護経験者と未経験者で、「長生き」に関する意識を比較すると、介護経験者では「長生きは必ずしも良いことではない」と考える人の割合が多くなる。また、健康上の問題を抱える人では、そうでない人に比べて「長生きは必ずしも良いことではない」と考える割合が多くなる―。

 国立社会保障・人口問題研究所(社人研)が8月10日に公表した、2017年の「生活と支え合いに関する調査」結果から、このような状況が明らかになりました(社人研のサイトはこちら)。

ここがポイント!
1 社会保険・社会保障の在り方を考える上で、国民の意識を把握することが重要
2 「仕事が多忙」などの理由で医療機関にかかれない人が7.1%
3 就業者では健診受診率が高いが、高齢者や非就業者では低い
4 20歳代では、生活困難に「自助努力」で対応せよと考える人がやや多い
5 介護経験者では、「長生きは必ずしも良いことではない」と考える人が多くなる

社会保険・社会保障の在り方を考える上で、国民の意識を把握することが重要

 我が国には、年金・医療・介護といった公的社会保険制度、生活保護などの社会保障制度が整備されています。これらは「国民の連帯意識」(互いに助け合う、支え合うという意識)を基礎としており、国民の大半の意識が大きく変容した場合には、制度の根幹が揺らいでしまいます。

そうした中で社人研では、が「社会保障制度の喫緊の課題はもちろん、長期的なあり方、社会保障制度の利用と密接に関わる個人の社会参加のあり方などを検討するための基礎資料を収集する必要がある」とし、昨年(2017年)7月に、18歳以上の個人および世帯を対象に▼暮らし向き▼人と人とのつながり▼就労の状況▼「長生き」の評価▼医療機関等の受診状況―などを調べました。有効回答数は1万369人・1万9800世帯となっています。

調査結果は膨大であり、メディ・ウォッチでは「医療」に関連の深い部分を中心に結果を眺めてみます。

「仕事が多忙」などの理由で医療機関にかかれない人が 7.1%
 まず過去1年間における医療機関の受診状況を見てみましょう。過去1年間に病気やケガをした人のうち、「必要だと思うのに医療機関に行けなかった」経験のある人が 7.1%いました。

 これを▼就業の状況▼年齢―で区分して見てみると、「65歳未満で仕事をしている」人では11.1%が、必要であるのに医療機関に行けなかった経験を持っていますが、「65歳未満でも仕事をしていない(かつ探していない)」人では7.5%に、「65歳以上でも仕事をしている」人では4.9%に、「65歳以上で仕事をしていない」人では2.0%にとどまりました。また、65歳未満で、仕事をしていないが、仕事を探している人では11.3%と最も高くなっています。
 
 さらに「必要であるのに医療機関を受診しなかった」理由については、「仕事などが多忙で時間がなかった」が最も多く64.8%、次いで「お金が払えなかった」19.9%、「近くに医療機関がなかった」9.2%となっています。
 「多忙さ」ゆえに、現役世代の一定割合が医療機関を受診できていない状況が伺えます。高血圧症や糖尿病などの罹患者であれば、適切な受診機会の喪失は重症化につながることを意味します。この点、2018年度の診療報酬改定では【オンライン診療料】などが創設され、「多忙さゆえの未受診」の回避に一役買うことが期待されています(関連記事はこちらとこちらとこちら)。

就業者では健診受診率が高いが、高齢者や非就業者では低い

 一方、過去1年間に健康診断を受診しなかった人は、全体では29.7%となっています。年齢階級別に見ると、40-64歳では比較的未受診者が少なく、30代以下および65歳以上の高齢者で未受診者が多くなっています。とくに、85歳以上の高齢者では49.2%が過去1年間に健康診断を受診していません。

 また▼就業の状況▼年齢―で区分してみると、「65歳未満で仕事をしていない、かつ仕事を探している」人で未受診率が最も高く58.1%、次いで、「65歳以上で仕事をしていない人」37.9%となっています。
65歳未満で求職中の人の6割近くが、過去1年間に健診を受けていない
65歳未満で求職中の人の6割近くが、過去1年間に健診を受けていない
 
 会社勤めなどをしている場合、健診受診の機会が多くなっており(受動的に受診)、これが疾病の早期発見に大きく貢献していると考えられます。逆に仕事をしていない場合などには、能動的に受診しなければなりません。もっとも、高齢者においては「医療機関を定期的に受診しており、それがために健診を受けない」という人もいるかもしれません。健診の精度等確保という問題も含めて、総合的に考える必要があるでしょう。
20歳代では、生活困難に「自助努力」で対応せよと考える人がやや多い
 次に、社会保険制度・社会保障制度の基礎となる「支え合い」に関する意識を見てみましょう。社人研では、さまざまな角度から調査を行っています(例えば、日ごとの会話や手助けを求められる人の有無など)が、メディ・ウォッチでは「生活上の困難の解決方法」に焦点を合わせてみます。

「生活上の困難の解決方法」については、男女で若干の違いがありますが、6割強の人が「地域の人々が互いに協力する」ことと「自助努力」の双方が必要と考えていますが、2割強の人は「自助努力」をより重視していることが分かりました。

 年齢階級別に見ると、20歳代で「自助努力」を重視する人が3割近くなっています。時間とともに意識が変化していくのか(若いうちは自助努力を重視するが、高齢になると互助・共助を重視するようになるのか)、意識の変化はないのか、今後も経年的に調査していく必要がありそうです。
 
 なお、社会保障制度の利用について、年齢が高くなるほど「所得や保険料負担に関わらず、誰もが必要に応じて利用できるべき」と考える人の割合が増加してくることも分かりました。医療保険や介護保険では、所得などの負担能力に応じた負担(応能負担)と、受益に応じ者負担(応益負担、一部負担など)を組み合わせていますが、こうした意識の変化によって組み合わせの手法を変えていくことも必要になってくる可能性があります(例えば、応益負担をより高めるべきと考える人が多くなれば、患者一部負担などを引き上げる方向での検討が必要なと)。
 
介護経験者では、「長生きは必ずしも良いことではない」と考える人が多くなる

 最後に「長生きの評価」について見てみましょう。

 男女ともに、「長生きは良いことだ」と考える人が7割近くを占めていますが、「あまりそうは思わない」人も3割近く、「まったくそうは思わない」人も4%程度います。

 年齢階級別に見ると、「長生きが良いことだとは思わない」人の割合が多くなる傾向にあります。
 
 また健康状態と、「長生きの評価」との関係を見ると、健康上の問題が大きくなるほど、「長生きを必ずしも良しとしない」人の割合が多くなります。
 
 さらに介護をしている人では、「長生きを必ずしも良しとしない」人の割合が多くなります。過去に介護経験を持つ人でも同様です。
 
 個人の価値観も大きく反映されるテーマですが、例えば「介護」などは制度の整備によって一定程度、意識変革を促すことが可能でしょう。「長生きを良しとしない」人が増えれば、例えば高齢者への医療・介護給付に厳しい状況が生まれかねません。この点、「健康寿命の延伸」「介護サービスの拡充」によって意識の変革を促すことで、「長生きは良いことだ」と考える人がより多くなれば、社会連帯の意識が強化され、社会保険・社会保障制度の基礎も強くなっていくことでしょう。
 

  1. 2018/08/19(日) 23:13:40|
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8月12日 

http://blogos.com/article/317328/
東京医科大学の女子受験生差別 女性に限らず医師が活躍できる場を作ることこそ国の責務
猪野 亨2018年08月11日 12:03 BLOGOS

 裏口入学で一気に有名になった東京医科大学ですが、それに止まらず、女子受験生に対しては一律に減点して、合格者の男女比を操作していたというのですから、驚きです。
 裏口入学でカネを出した人に下駄を履かせる動機ははっきりしていますが、女子受験生を一律に不利に扱うのは、卒業後に医師として働くのは系列病院が多いということで、女性の場合、出産、育児で早々に医師をリタイヤしてしまうという背景があります。
 このような公正さに欠くようなやり方が許されないことは言うまでもありませんが、平成の世が終わろうとしているこの時代に未だにこのような前近代的なことが行われていたのです。人生を狂わされてしまった人たちも決して少なくないでしょう。公正と思われていた入学試験で組織的な不正が行われていたのですから、ひどいものです。

 ところで女性医師の産休や育休によるリタイヤは、これ自体、既に医師人口、つまり医師養成数を考える上では大きな問題にはなっていたことです。
「医療従事者の需給に関する検討会 医師需給分科会(第1回)」(2015年12月10日)

 昨年も同様に検討が行われています。
「女性医師キャリア支援モデル普及推進事業に関する評価会議」

「平成29年度女性医師キャリア支援モデル普及推進事業に関する評価会議 資料」

 今後も女性の医師の割合が多くになることは必然的なことであり、それに対する対策を検討することは当たり前なのですが、現実には未だに対策らしい対策が出てきていないというのが現状です。
 医学の進歩の早さからすれば、数年も現場から離れてしまっては医師として復帰することが困難なことは自明のことです。
 復職のための支援で足りるはずもなかったのです。

参照
「東京医大・女性差別の背景にある「医師の過酷労働」、「患者拒めない」応召義務など論点に」(弁護士ドットコム)

 もう1つ問題なのが、こうして下駄を履かせてもらった層でも医師国家試験にも合格しているということです。
 入試選抜が機能しているのかという問題です。入試さえ通ってしまえば医師国家試験にも通ってしまうでは問題があります。
 医師養成では、医師国家試験の受験資格として医学部を卒業していることが必要ですが、医師養成数は医学部の定員ということになります。
 一定の入試による選抜機能が果たされているということが医学部の質を確保することになっていますから、本来、合格させてはならない層まで合格させてしまうことには問題があります。
「医学部新設解禁 法科大学院と同じ道を歩もうとしている」

 医療現場での医師不足は、医師の数を増やせばいいという問題ではなく、待遇を改善することによってこそ、解決されるべき問題なのです。
 勤務医や地方の医師不足において求められているのは、医師の待遇の改善です。数だけ増やすというやり方は使い捨ての医師を増やすだけですし、入試選抜機能も低下させることにつながります。

 女性の医師も同様です。現場に残って欲しければ、求められているのは待遇の改善です。
 もとよりこれは各病院の努力によって達成できるものではなく、国が責任をもって行うべきことです。
 特に医師養成は国が費用を掛けて行っているのですから、簡単にリタイヤされてしまうのは社会の損失でもあります。女性に限らず、医師として活躍できる場を作ること、それが国の責務です。
 開業医を優遇することではありません。



https://www.jiji.com/sp/article?k=000000025.000019504&g=prt
医師の65.0%が東京医科大学の女子一律減点に「理解できる」
2018年08月08日14時01分 jiji.com
企業プレスリリース

女性医師のワークライフを応援するWEBマガジン「joy.net(https://www.joystyle.net/)」を運営する株式会社エムステージ(東京都品川区、代表取締役社長:杉田 雄二)は、医師に対して東京医科大学の女子一律減点に関するアンケート調査を実施しました。


■ポイント
・東京医科大学の女子一律減点に「理解できる」「ある程度は理解できる」とした医師は65.0%
・一定の理解を示す医師の中には、周りに負担をかけているため仕方ないという諦めの声が多数
・妊娠・出産・育児を経る医師が働き続けることのできない医療現場に課題がある
・今後医療業界に必要なことは、根本的な働き方改革

■調査結果
<1>東京医科大学の女子一律減点に「理解できる」「ある程度は理解できる」とした医師は65.0%。

Q. 東京医大の入試において、女子を一律減点していることについてご意見をお聞かせください。
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<2>「理解できる」のは、女性医師の妊娠・出産・育児による職務への影響が、男性医師や未婚女性医師へ負担を与えているという不公平感から。周りに負担をかけているため仕方ないという諦めの声が多く聞かれました。点数操作はあるものだと思っていたという医師も一定数見受けられます。一方、「理解できない」医師からは、妊娠・出産・育児で辞めざるを得ない女性医師がいるという根本的な問題を解決すべきとの意見が多数。公表していない点数操作は詐欺と怒りの回答や、不正に落とされた受験生を慮る声もありました。
Q. 上記のようにお答えになった理由について、お聞かせください。

■「理解できる」「ある程度は理解できる」の回答者
“許容はできないが、やっぱりこういうこともあるのかという気持ち。実際自分も、家事育児をするために仕事を調整して、できないことも多いので、働ける男性を優先されることについて、大きなことを言えない。誰もが勉強できる、研修できる、仕事できる風潮に少しずつ変わってほしい。”(小児科)

“医療システムの問題として、激務は事実です。また、妊娠出産での欠員を埋めるようなバックアップシステムが不十分であることも事実です。不合格となられた女子学生の皆様は悔しい思いをされていると思いますし、できれば見えないところでの一律減点などはしてほしくありませんが。”(小児科)

“女性の権利としては認めるし、悪いのは彼女たちではなくてシステムなのもわかる。男性医師が家庭のことをやれ、というのもごもっとも。だが、我々男性医師が深夜12時過ぎまで働いたり、当直の肩代わりなど、現実の負担増を考えると東京医大がやったことも必要悪として気持ちはわかる。“(放射線治療)

“現状で、女子の離職率や勤務制限があるのは事実であり、男性や未婚女性への負担が大きくなっているから。”(放射線科)

“そういうものだと、予備校時代から言われていた。だから女子学生は何倍も努力して、成績もトップ層にならなければ受からないと言われていた。だからそのつもりで勉強していた。”(呼吸器外科)

■「理解できない」「あまり理解できない」の回答者
“出産や結婚で復帰できない状況がおかしい。女医の割合が増えてきてそのような理由で医局を離れる状況を問題視するのであれば、どうしたら復帰できるか、医局を離れないようになるかを変えるべきです。”(産婦人科)

“女性だから離職を前提にすることがそもそも間違いで、時代に逆行している。男性医師は子供が産まれても妻に家事育児の一切を丸投げしていることが多いし、女性医師が産休育休後に復帰しやすい職場環境を整えないと医師不足は進むばかり。”(精神科)

“東京医大だけの問題ではなく、そもそも女性医師が働きやすい現場でないのが問題。患者の意識も医療現場もそういう社会背景が、試験での選別で明らかになっただけ。”(心臓血管外科)

“同じ受験料を取り、合格の傾斜配点を先に示しているのならばありだが、そうでないなら詐欺だと思う。”(産婦人科)

“医師を志す受験生の心を折るようなひどい扱いだと思います。この不合格のせいで、医師になることを諦めた女子受験生がいたとすると本当に許せない。”(外科)

“目先のことだけ考えて根本的な解決は考えておらず、人の努力も踏みにじるもので、怒りがわきました。優秀でも女というだけで落ちる、って凄まじいことだと思います。”(総合診療科)


<3>入試だけでなく、医師になってからも妊娠・出産に際して不当な差別・扱いを受けた経験談が多数。価値を否定されるあまり、自分自身でチャンスを諦めてしまったという医師からも意見をいただきました。
一方、残された男性医師や未婚女性医師だけでフォローしなければいけない体制への不満もあり、妊娠・出産・育児を行う女性医師が差別の対象となってしまう医療現場自体に課題があると考えられます。

Q. ご自身や周りの方が医学部入試や学生時代、医師になってから受けた不当な差別・扱いがありましたら教えてください。

“医学部入試対策で、高校では公然と「女性は男性より点数を高く取らないと合格しない可能性が高いと言われていた。”(産業保健)

“医学部を目指していたころから、私大の縁故入学や女性不利なのはじゅうぶん感じていました。それでも入れる実力があればいいだけだと割り切っていました。学生時代も、特に外科系の医局は女子というだけであまり熱心に勧誘されることがなく、悔しい思いをしました。外科系の医局説明会に行って、入局に関する大事な話をする前に女性だけ先に帰らされたこともありました。”(外科)

“卒業式などで、「女性は結婚や出産ですぐやめる。これまでにどれだけのお金をかけて税金で育ててもらったと思っているんだ。絶対にやめることのないように。」と言われた。ひとくくりに考えられていることに腹が立った。”(非開示)

“研修医の時に妊娠しました。産休ギリギリまで当直もやり、みんなと同じように勤務したのに、事あるごとに「研修医なのに妊娠するなんて」「だらしない」などと言われました。初期に切迫流産で数日休んだ時には「流れてしまえばいい」とまで言われ、どうしてここまで言われなければいけないのかと悲しかったです。”(内科)

“職場と相談し計画出産したが、産休の代替があるはずがなくなり、産休後の仕事もなくなった。”(非開示)

“うちの病院にいる間は妊娠しないでね、と言われたことがあります。”(整形外科)

“月経困難で、緊急手術に入れそうになかったとき、理解のない医師からは非難・笑いのネタとなった。「腹痛でオンコール変わってくださいなんて、俺だったら明日からクビですね笑」”(心臓血管外科)

“「どうせ教えても無駄になるんだから、女のお前には何も教えてやる気にならない」と面と向かって言われたりした。余りにも言われ続けたので、自分でも「結婚や出産で戦力外になる可能性もある」と思うと特別な経験が出来る機会を本当は挑戦したいのに辞退したりした。”(非開示)

“妊娠中の先輩女医のフォローをするのは医局全体ではなく男性若手医師、非妊娠女性若手医師。残された若手に何も説明もなく、当たり前のように当直をふやされている。妊娠したもの勝ちな雰囲気が否めない。”(頭頸部外科)


<4>今後医療業界に必要なこととしては、ワークシェアや男性の育児休暇取得、主治医制撤廃など、働き方の改革への意見が多く挙げられました。そのためには患者の意識改革も必要になります。
Q. 今回のような不当な性差別等が起こらないために、医療業界にどのようなことが必要だと思われますか。ご意見をお聞かせください。

“働き方改革というか、医者でなくてもできる診断書などの書類仕事やデータまとめなどの仕事を、医療事務などコメディカルにさせて、日常診療に集中させる。病院はコメディカルが少なすぎる。“(放射線治療)

“価値観の変換。全て医師が抱え込む権力一極集中を辞めて、ナースプラクティショナーなどへの権利依託。また、作業効率を重視した仕事内容。当直明けの強制帰宅。長く働く=良い医師 ではないことを徹底。”(内科)

“男性医師も休める体制にして、男性医師も育休を取るべき。男女に対してフレキシブルな働き方を認める必要があると思う。”(産婦人科)

“結婚、出産だけでなく、介護や自分自身の健康問題等で働き方のペースをいったん落としたり、休む期間が発生することは誰にでもありうることです。男女関係なく、はたらき方の選択肢を増やすことが、不当な差別を減らすことにつながるように思います。もちろん、前提として、権利だけを主張せず自分のできる範囲でベストを尽くすというのは大切だと思いますし、自分も心がけています。”(内科)

“保育園やシッターサービスの拡充(医療業界に限った話ではないが)。主治医制の撤廃(医者は24時間365日患者ファーストであるべき、という国民の意識から変えなければならない)。“(外科)

■調査概要
東京医大入試での女子一律減点についてのアンケート
集計期間:2018年8月3日(金)~2018年8月6日(月)
有効回答数:103名
調査対象:男女医師
調査方法:インターネット調査
※本調査結果の引用・転載時には、【エムステージ「joy.net」調べ】とクレジットを明記ください。

■女性医師のワークライフを応援するWEBマガジン「joy.net」とは
URL:https://www.joystyle.net/
女性医師とつくるワークライフ応援ガイド。キャリアインタビュー、女性医師による連載、育児・家事情報、リフレッシュ情報などラインナップは多岐に渡ります。女性医師の”生の声”にこだわった情報を、女性医師とともに提供しています。

■会社概要
商号  : 株式会社エムステージ(M.STAGE CO.,LTD)
代表者 : 代表取締役 杉田 雄二
事業内容: 医師人材総合サービス事業(厚生労働大臣許可13-ュ-010928)/医療機関の経営支援事業/
企業向け産業医サポート事業/企業向けヘルスケアマーケティング事業/メディア運営
設立  : 2003年5月9日
資本金 : 6,250万円
所在地 : 〒141ー6005 東京都品川区大崎2-1-1 ThinkPark Tower5階
URL  : https://www.mstage-corp.jp/


http://news.livedoor.com/article/detail/15144062/
東京医大だけが悪いのか 女性医師が語った医療現場の「疲弊」と「本音」
2018年8月11日 7時0分 文春オンライン

 東京医科大学が、男子学生の数を確保する目的で、入試で女子受験生に一律減点措置を講じていた一件は、一大学の不祥事にとどまらず、日本の医学界全体を巻き込む大きな問題に発展している。

【現役男子20点、女子0点】東京医大の「得点調整」一覧

 明らかな女性蔑視であって許されることではない、という意見が大半を占める一方、医療という仕事の特殊性や、日本の医療界のおかれた実情を考えるとやむを得ないことなのではないか、とする擁護派の声も少なからずある。

 そこで、実際に臨床の最前線で活躍する医師に、匿名を条件に、今回の問題についての正直な意見を聞いてみた。

「あなたが男性だったら正規合格でした」
 都内の大学病院の内科系診療科に勤務する女性医師Aさん(40代)は、自身の受験生時代、すでに「東京医大は女子が受かりにくい」と言われていたことから、同大を受けなかったという。

「あまり成績の良くなかった友人(女子)が、『親が東京医大のOBなので、1次さえ通過できれば受かるんだ』と言っていて、実際に受かったんです。他の医学部はすべて不合格だったようですが……」

 そんなAさんは、別の私学の医学部に補欠合格する。その時こう言われたことを覚えている。

「これは人数の問題なんです。あなたが男性だったら補欠ではなく正規合格でした」

 ただ、当時のAさんはその説明に違和感を持つこともなく、「そんなものなのか……」と納得していたという。

地方の国立大学でも……
「東京医大と同様のことは、私大に限らず国公立でも行われていると思う」と語るのは、首都圏の大規模民間病院の外科系診療科に勤務する女性医師Bさん(30代)。ある地方の国立大学医学部の話をしてくれた。

「1次試験に受かっても、東京から受験している女子受験生は2次試験で落とされる、という話を聞いていました。地元出身者なら卒業後も大学に残ってくれるけれど、東京や大都市出身者だと、卒業と同時に帰ってしまうから。あと、首都圏の別の私立医大では、100人の合格者の中で女子の枠は5人だけ――と言われていました。事実、当時その大学は本当に女子が少ないことで有名でした」

 ちなみにその私立大学は、現在でこそ女性の合格者の割合が3割台まで上昇しているようだが、それでも東京医大のそれと大差ない。

医学部が女子の入学に制限をかける背景とは
 都内の公立病院で外科系診療科に勤務する女性医師Cさん(40代)も、自分が受験生だった時代は、国立も私立も当たり前のように“女子制限”があったと話す。

「女子に対する不当な配点を感じるだけでなく、面接では『親御さんが地方公務員で、医学部の授業料を払えますか?』と質問されたりしました。さすがに今ではありえないと思いますが……」

 医学部が女子の入学に制限をかける背景には、外科系のハードな診療科に進みたがらない、結婚や出産などによる離職率の高さなどが理由に挙げられる。実際はどうなのか。

「その通りですよ」と答えるのは、関東地方の大学病院の外科系診療科に勤務する女性医師のDさん(30代)。

「妊娠出産で休職すれば、当然残った他の医師がカバーしなければならず、ただでさえ厳しい勤務状況はより苛酷になる。復職後も育児を理由に以前と同様の仕事ができなくなることが多いのは事実です」

上司から「ここにいる間だけは妊娠しないでくれ」
 首都圏の公立病院で内科系診療科に勤務する女性医師のEさん(50代)も同様の意見だ。「3~4人の医師で成り立っている診療科で1人抜けたら、残された医師にとっては大変な負担増です。それまでできていた診療ができなくなることだって考えられる。以前、ある関連病院に出向した時には、そこの上司から『ここにいる間だけは妊娠しないでくれ』と頼まれたものです」

 一般社会ならパワハラやセクハラとして糾弾されそうな話だが、Eさん自身も事情を理解しており、「はい、もちろんです」と答えたという。

「今回東京医大が『自分たちの関連病院に医師が足りなくなると困るから』という言い方をしたことでバッシングが強まったようですが、女性医師のウエートが高まり続ければ、社会全体で病院勤務医が足りなくなる危険性は十分考えられる。事実、私の医学部の同級生は60人中18人が女性医師ですが、病院勤務医として継続している女性医師は私の他に1人しかいません」

 残る16人は、パート勤務や開業の道を選んだか、あるいは医師の資格を持ちながら専業主婦になったのか――。これが男性医師であれば、今も病院に勤務している可能性は大きい。膨大な教育費を投じて育てた医師が医療現場を離れていくということは、社会資源の損失でもある。

「感情論ではなく、社会全体の問題として議論すべき問題でしょう」と訴えるEさんの言葉は重い。

 これまでの日本の医療界は、こうした問題を暗黙の了解とし、医師の努力に依存することで成り立ってきた産業なのだ。取材で病院勤務医と話をしていると、よくこれだけの激務の中で、体を壊したりメンタルダウンしたりしないものだ、と感心することが少なくない。男性でさえ厳しい世界で、女性が生き残り、活躍し続けることの苦労は並大抵のものではない。

女性医師ならではのメリットも少なくない
 一方、医療には、女性医師ならではの優位性もある。

「昨年、ハーバード大学から出たデータによると、内科の病院勤務医において、男性医師よりも女性医師が担当した患者のほうが死亡率が低かった――という結果が出ました。女性医師のほうがガイドラインなどの客観的データを、より忠実に診療に適用しているからではないか、という考察がされています」(前出のCさん)

「手先が器用な人が多いので、手術手技は安定している。また男性に比べて几帳面な人が多いので、病棟管理などでの手抜きが少ない」(同・Bさん)

「乳腺外科や産婦人科、女性の泌尿器疾患など、デリケートな部分の診療では、女性医師のほうが受診しやすい、というメリットがあります。また、看護師や薬剤師、技師などのスタッフとのコミュニケーションの面でも、女性医師のほうが有利だと感じることが多い」(同・Dさん)

 男性医師だけ、女性医師だけに偏るのではなく、バランスよく、適材適所に配置されるのが理想なのだが……。

「当直などの面倒な仕事から逃げる人がいるのは事実」
 今回話を聞いた医師全員に、「今回の東京医大の問題についてどう思うか」という同じ質問をした。東京医大の行為を完全に肯定する医師はゼロだったが、「絶対に許されない」という意見を、「好ましいことではないがやむを得ない事情もある」という回答が上回った。

「医師の総数は決まっている中、女性医師が増えることで実働している医師の数は減り、結果として現場にいる医師の負担が増えて、疲弊を招いていく」(Cさん)

「女性であることを振りかざして、当直などの面倒な仕事から逃げる人がいるのは事実」(Aさん)

 女性医師自身の口からこうした意見が出る背景には、「医療崩壊」が目前に迫っていることを肌で感じている病院勤務医の苦悩があるようだ。

外科部門はすでに人手不足が深刻化している
 この点について、男性医師にも意見を求めた。

 東京都立駒込病院外科部長の本田五郎医師が、「男性医師のほとんどが同じ意見だと思うので」と、あえて実名で語ってくれた。

「心臓外科、肝胆膵外科、食道外科などの仕事がきつい外科部門は、男性医師も含めて若手から敬遠され、すでに人手不足が深刻化している。女性医師が増えることで、このような診療科別医師数の偏在に拍車がかかる可能性がある。実際に体力的な不安を考えてこうした部門を敬遠する女性医師は決して少なくない」

 多くの女性医師も指摘するように、女性が臨床医、特に外科系の診療科に進むと、結婚、妊娠、出産というライフイベントのたびに、周囲にしわ寄せが行くのは事実だ。

「外科という部門は、外科医同士の熾烈な競争があり、それに勝ち抜くための努力をし、高い技術を身に付けた者が勝ち残ることで周囲が納得する世界。そのためには、事の善し悪しは別として、自分の生活を犠牲にして頑張る姿勢が求められる。妊娠や出産がそうした犠牲の対象外として特別扱いされる昨今の風潮の中で、女性医師の休暇や早退によって他の医師たちの負担が大きくなるだけでなく、彼女らの態度によっては熾烈な競争に不公平感が生じているのも事実です」(本田医師)

 自分の生活を犠牲にして働くことを前提にして考えることが正しいと言うつもりはない。

 ただ、これまでの日本の医療が、多くの医師の滅私の精神の上に成り立ってきたことは事実であり、その恩恵を受けているのは私たち国民である――ということも忘れてはならない。

「“医師も人間である”という意識を持ってもらいたい」
 今回の問題で東京医大が考えを改め、入試改革に取り組むべきであることは確かだ。

 自分が不利な立場であることを知らされることなく、男子と同額の受験料を支払って試験に臨んでいた女子受験生たちは、言ってみれば詐欺に遭ったようなものだ。

 そんな不当な差別を受けることのないよう、公正な判定が行われる仕組みづくりを構築してほしい。

 一方で私たちも、単に大学を責めるだけでなく、疲弊しきっている病院勤務医、崩壊寸前の医療提供体制の現状を「自分のこと」として理解する必要があるだろう。

「女性医師が妊娠出産で離職した場合でも他の医師に過剰な負担が生じないような、余裕のある労働環境を整えることが急務。そのためには患者の側にも、コンビニ受診を控える、時間外に軽症で受診するなら相応の対価を支払うなど、“医師も人間である”という意識を持ってもらいたい」(前出の女性医師Dさん)

病院勤務医の労働環境を改善する必要があるが……
 話がとっ散らかってしまったので整理する。

 東京医大の「女子制限」の思想の背景には、医師になった後の女性の離職率の高さがある。

 女性医師の離職率が高いのは、病院勤務医の激務が、女性ならではのライフイベントに対応できないという事情がある。

 その問題を解消するには、病院勤務医の労働環境を改善する必要がある(これまではこの部分を「医師の努力」に依存してきた)。

 そのためには、日本の手厚い社会保障制度に甘えてきた医療消費者の側にも意識改革が必要――ということだ。

 それをせずに、医師の努力を求めるだけでは、大学とて女子受験生の受け入れを制限せざるを得なくなり、そこだけを「許さない」と声高に叫んでいたのでは、日本の医療は遠くない将来確実に崩壊する。そもそも医師になろうとする者もいなくなる。

 刻苦勉励の末にようやく医学部に入っても、あるいは国家資格を得て医師になっても、医療現場の疲弊ぶりを見ればやる気をなくすのも無理はない。その結果、目先の利く者、優秀な者ほど手にした資格を生かして美容外科など自由診療の道に走るだろう。結果として日本の医療水準は低下していく――。

 極論と言われるかもしれないが、筆者は意外に真剣に、そんな不安を持っている。

(長田 昭二)



https://www.oricon.co.jp/article/522649/
医師の「異常な働き方」を見直し、「男女ともに働きやすい社会を」 医師ユニオンが声明
2018-08-10 14:36 ORICONNEWS

東京医科大学で、女子と3浪以上の受験生の入試得点を操作する不正が明らかになったことを受け、全国で働く勤務医の労働組合「全国医師ユニオン」は8月10日、「東京医科大学における女性受験生差別問題に関する声明」を発表した。

声明では「今回の女性差別問題の背景には医師不足の問題があり、この医師不足が医師に過重労働を強制しています」と指摘し、受験制度の透明化、医師の労働環境の改善などを訴えた。

●「異常な過重労働を勝ち残った医師たちが、自らの成功体験を肯定」
声明の中で、医師ユニオンは主に3つの要望を表明した。

1つ目が入試制度について。「面接や小論文などの個別評価は明確な基準がなく試験官の主観に左右されるため女性差別を証明することが困難」だとして、文部科学省に対し、全大学において不正が行われていないか調査を求めるとともに「内閣府が責任を持って文部科学省が厳格な調査を行うよう指導する必要がある」と厳しい見解を示した。

次に、患者のため長時間働いて当然という「医師聖職論」が医師の過重労働の要因になっているとして、医療界の意識の変革も呼びかけた。「異常な過重労働を担って勝ち残った医師たちが、自らの成功体験を肯定し、他人に押し付ける構図が今も根強く残っています」と述べた。

●「女性医師も男性医師も働きやすい社会に」
そして最後に、問題の根底にある「医師不足」と、それに伴う長時間労働への抜本的な取り組みを求めた。

声明によると、日本における人口当たりの医師数はOECD諸国より3割程度少ない。医師不足に加えて膨大な仕事量のために過重労働を強いられ、常勤医師の4割近くが過労死ラインを超えて働いている。こうした「異常な働き方」が、女性医師を減らすことにもつながっていると指摘した。

東京医科大学で行われた不正入試について「今回の事件は入学試験の不正操作による女性差別の問題ですが、その背景にあるのは大学の医師不足です」「女性医師比率が上昇する中で、政府が医師増員を適正に行ってこなかったツケが、今この様な形で問題化したと言えます」とも指摘する。

そこで「今こそ女性活躍のためにも抜本的医師増員を行うことで、女性医師も男性医師も働きやすい社会に変えていくべき」と訴えた。

(弁護士ドットコムニュース)



http://blogos.com/article/316865/
【東京医大・女性「差別」入試】やるべきは「区別」でしょ!
中田宏2018年08月10日 07:01 BLOGOS

東京医科大学の女子減点問題は、8月7日に内部調査委員会が結果を公表して不正を認めました。

その手法は全受験生の点数に係数を掛けて一律に減点した後、女子や多浪生には加点を少なくしていました。

得点調整
全員0.8の係数をかける

属性に従い、次のように加点

属性 加点
現役、1浪、2浪の男子 20点
3浪男子    10点
女子、4浪男子    0点

すなわち有利だったのは男子で現役から二浪までということでした。

多浪生もこのような扱いになったのはその後の医師国家試験に受かりにくい傾向があったからのようですが、それにしても募集要項では平等ながら試験で不平等に扱うとはとんでもないことです。

女子についてはもうはっきり女性差別で、そんなに女子を入れたくないならば東京女子医科大学のようにこの際、東京医大をやめて東京「男子」医大にすると議論すればよかったのではないでしょうか。

といったところで実は当の女性医師からはこの件に理解を示す声が多いというNHK NEWS Webの記事を見ました。

女性医師の6割「東京医大の女子減点に理解」背景に無力感か
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180808/k10011568421000.html

あるアンケートに女性医師103人が今回の東京医大の対応について以下の通り回答しています。

理解できる   18. 4%
ある程度理解できる 46. 6%
合計     65%

その理由は
納得はしないが理解はできる

女子減点は不当だが、男性医師がいないと現場は回らない
休日、深夜まで診療し、流産を繰り返した。周囲の理解や協力が得られず、もう無理だと感じている
などが挙げられていて、すなわち医療現場の現状からこれやむを得ないと考えている女性医師が多いということなんでしょう。

実は救急医療の現場で同様の話を実際に聞いたことがあります。
「はっきり言って男じゃないと務まらない」
というものでした。

昼夜を問わず真夜中だって患者は運ばれてきます。
力仕事で看護師がどんなにいても医師も一緒になって暴れる患者を押さえつけたり、叩かれたり、ぶちのめされたりしながら治療をしなければなりません。
薬物中毒の患者もいます。
あちこち患者が発生するたびに走り回っていて、妊娠したことにも気づいていない女性医師が流産することもあるでしょう。

「だから男性医師だけでいい」わけではもちろんありません。
これこそ働き方改革が必要です。

これから先はどんな分野でも女性の労働力が必要ですし、医療現場では女性疾患は女性医師が診療することも重要です。
医療現場全体は医師不足の診療科もあります。
そういうところに女性医師がローテーションを組めるようにして、救命救急のような過酷な現場は男性医師が担っていく。
男女「差」別ではなくて「区」別です。

こういう働き方改革を考えるべきでしょう。



https://www.buzzfeed.com/jp/natsusato/tokyoidai-tabitora?utm_term=.ermkozMAj#.gi1v8PXYp
東京医科大学の不正の衝撃 お産の現場を担う産婦人科医として伝えたいこと
現場ではもうどうしようもない。打開策を考える余力ももうない。

2018/08/07 12:23 BuzzFeed
Natsu Sato

朝目が覚めると、SNSをチェックすることが多いのですが、「東京医大、女子受験生を一律減点」の見出しに、「は?」「え?」となり、一気に目が覚めてしまいました。

その後、読売新聞によると、全受験生から一律に減点し、現役や2浪までの男子受験生には20点加点、3浪の男性学生には10点加点、4浪以上の男子と女子には加点なしという点数操作をしたと報道されています。

女性受験者に不利な点数操作が行われていた東京医科大学

事前に知らされていない上での減点も、面接などそういう曖昧な基準でのことではなく、小論文とはいえペーパーテストで点数を削っていたことも衝撃でした。

言葉は悪いですが、「きったねー!」というのがまぁ、率直な感想です。

そして、憤る人の多い中、医療者の中には、「前からあると思ってた」「まぁそうなるべくした理由がある」といった、積極的な賛成とまではいかずとも大して驚きもしていない意見が散見されました。

女性であるというだけで疎まれるーーそのショックでちょっと人間不信になりそうです。そして、これから医学部へ進もうと考えている女の子はどういう気持ちなんだろうとか、いろんな感情が心の中でぐるぐるしていました。

医療界の実情
私は産婦人科医なので他の科とはまた違うのですが(内科と救急、整形外科や心臓外科など科によって状況は全然違うと思われるので一般化はできない気がします)、私が産婦人科医となって以降、新たに入局してくる女医の数は男性を上回りました。

現在は産婦人科を選ぶ医師の6割が女性となっています。

産婦人科を選ぶ女性の割合は6割を超えている
日本産科婦人科学会


産婦人科はご存知の通りお産や帝王切開など手術も扱うため、365日24時間最低2人は勤務もしくは待機しています。手術は1人ではできませんので。さらに手が足りないときは3人目以上が呼ばれることもあります。

ただしお産や緊急手術にかかる時間は例えば脳外科や心臓外科などと比べて比較的短時間で済むのも特徴であろうと思われます。帝王切開であれば手術時間は1時間程度です。

意外とうまくいってる施設がそれなりにあるのは、オンオフが切り替えやすいからかもしれません。長時間手術や術後管理にかかりきりになる他の外科系の診療科とはそのへんが異なります。

土日や夜に働ける人が少ないという共通の問題
診療科によって少しずつ事情は異なるものの、どこの科でも共通しているのは「土日と夜働ける人が少ない」ことであろうと思います。

私も当直表を作っている時は各自の要望に応えつつ組むことは大変苦労するので病みましたし、現職場で当直表を作っている医師も不公平のないよう作ることに難渋しています。

日本は妊産婦や新生児の死亡率の低さを世界に誇っていますが、地域でハイリスクの妊婦や急変した妊婦を引き受ける「周産期母子医療センター」でも充足人数とされる人員がきちんといる施設はそう多くはありません。

常に長い勤務時間、人手不足の中、綱渡りでの医療が行われています。そういう状況下で、病欠や妊娠出産によりさらに人手が減るとなったときに、正直、「またか…」とは思うのはわかります。

お産は深夜でも土日でも待ったなしに始まる

人員は補充されませんし、のしかかる負担がわかりきってるし、いつ戻ってくるかわからないし。誰かが抜けるたびにみんなそういう思いをしています。

女性医師であれば妊娠できる年齢にはリミットがあります。(誰かが妊娠したら今は妊娠できないな......)となります。また違う誰かが妊娠する。また時を逃す、とがっくりしている人もいると思います。

みんな被害者、立ち去っていく医師も
それは制度の問題であって、私が学生の頃から医者は余ると言われていて、医師の数を増やそうという雰囲気はさほどありませんでした。医師国家試験の合格率もある程度コントロールしているという話もありました。

医学部定員を増やそうにも教室のキャパもなく教員もいません。結果、1年に卒業する医者の数は限られていて、圧倒的に数の少ない中で戦わざるを得ない。

大学病院では臨床も研究も学生と研修医の教育も当直もオンコール(呼び出し待機)もする。給料は低い。もう無理! という状況下で働いてるわけだから、みんなが言うなれば被害者みたいなもんです。

産婦人科では男女問わず、分娩を担う病院勤務から負担が少ないクリニックなどに転職する「立ち去り型サボタージュ」は明らかに多いと思います。

激務の施設を離れ、基本的に当直や呼び出しのない、なおかつ自由診療で収入もある不妊クリニックへ流れています。

開業医で比較的ローリスクの妊婦さんのみ扱う施設への移動、お産を取り扱わず婦人科診療のみを行う人も増えていると思います。その結果、さらにきつい職場はさらにつらくなるという負のスパイラルです。

なぜ過重労働なのか、アクセスの容易さと医師の職業倫理と
忘れもしない、学生の時、生理学の先生が女性でしたが、大学の一期生でした。彼女の時代は妊娠したら医局をやめさせられていたということで、臨床には進めず、生理学教室に進んだと話していました。

また、出産して戻ってきた女医の復帰プログラムのようなものがなく、現場を去った人もたくさんいます。子育てがひと段落しても戻れる場所がない。尻拭いしてやっているとまで言われることもある。

そういった過去の積み重ねが医師不足を招き、今の世代を苦しめていることが一つあります。

それから、今回のことで諸外国と比較され、日本の医療体制が劣っているという説もありましたが、医療機関へのアクセスの容易さも過重労働の要因となっています。

医師は自分では抜け出せない過重労働に苦しんでいる

専門医に受診するまでに数ヶ月かかることはさほどなく、救急は軽症の患者もいつでもかかれるようになっています。大病院では夜通し手術の行われていることも珍しくはありません。その都度患者やその家族に説明をし、治療にとりかかり、常に裁判への不安も抱えています。

他の職種と異なり、今の人員で過重労働をやめれば医療の質が落ちることが懸念されています。そこで医師の職業倫理として過重労働を甘受せざるを得ない。患者を見捨てるのかと言われたら働いてしまう。

時間外に患者を診ることをやめ、手術をしない。これがなされれば過重労働はなくなっていくでしょう。ただし医療の質は落ちますし場合によっては死者も増えるでしょう。


なにか方策はあるのか
では、女性医師を減らして男性の割合を増やせば解決するのかというと、そんなに単純な話ではないだろうと思います。

男性と女性の募集人数をあらかじめ7:3とか公表すればいいのではないかという意見もありましたが、じゃあそこで男性はきつい科を選択してもらうことも条件にしなければ多めにとる意味はないでしょう。

「女医の人数は削ったから、男性は救急とか心臓外科とか新生児科行ってね」とか、「当直余計にしてね」と言って、男性医師の皆さん、容認できますか? そんなこと現実にできるかというと無理でしょう。

今の状態はもう本当は医療は崩壊していて、瀕死の兵隊が撤退もできず、でもここでひいたら国が守れないと言って竹槍で応戦しているみたいなものです。

現場ではもうどうしようもない。打開策を考える余力ももうない。

今回の東京医大の件は、今の状況に対する現場のどうしようもなさを浮き彫りにして、瀕死の兵隊同士で殺し合いを始めちゃった感じです。怒りの矛先を間違えるとみんな不幸になるからもうやめましょう。

でももう我らは考えられないしがんばれない。現場からは以上です。現場と言っても個人的な観測範囲と感想です。

強いて言えば、ハイリスクな妊婦を診る周産期母子医療センターの医師は重点的に増やしてほしい。そして、採血や薬を取りに行くとか、食事を運ぶとか医師でなくてもできる仕事は他に任せるなど、医師の業務を見直していただきたい。

最後に、事前に告知なく女子学生を減点した東京医大はどういう言い訳しようとも許されないことだけは言っておきたいです。受験料と、女性の活用を支援する国の事業でもらった国の補助金を返還してください。

佐藤ナツ 産婦人科専門医
東京都出身。200×年、国立大学医学部卒。現在、総合病院産婦人科と総合周産期母子医療センターで勤務中。ツイッターでは「タビトラ」名義でつぶやいている。



http://www.chugoku-np.co.jp/local/news/article.php?comment_id=454429&comment_sub_id=0&category_id=256
得点操作、前理事長指示か 東京医大、女子合格者抑制
2018/8/5 中国新聞

 東京医科大が医学部医学科の一般入試で女子受験者の合格者数を抑制していた疑惑で、文部科学省の私大支援事業を巡る贈賄罪で在宅起訴された医科大の前理事長臼井正彦被告(77)が得点の操作を指示していたとみられることが5日、関係者への取材で分かった。前文科省局長佐野太被告(59)=受託収賄罪で起訴=の息子を不正に合格させた経緯などをまとめる内部調査報告書に盛り込まれる見通し。

 医科大は調査を弁護士に委託しており、6日の理事会に報告された後、結果を公表するとみられる。不正入試の実態がどこまで明らかになるかが焦点となる。

 医科大の医学部医学科の一般入試では、マークシート方式の1次試験と面接や小論文による2次試験が課される。

 関係者によると、医科大では過去に、女子受験者の1次試験の結果に「90%」「85%」などの係数を掛けて一律減点していたという。調査報告書は今年の入試でも得点操作があったと指摘し、詳細な方法が説明されるもようだ。一連の操作は臼井前理事長の指示だったとされる。

 医科大関係者は「女性は結婚や出産を機に職場を離れるケースが多いため、女子合格者を全体の3割前後に抑え、系列病院の医師不足を回避する目的があった」と話している。

 募集要項に出願要件や定員などは記載されているが、男女別の定員は明記されていない。受験者側に得点操作の説明はなかった。



http://biz-journal.jp/2018/08/post_24318.html
聖マリアンナ医大、昨年から2浪以上の女子入学者がゼロに…大学側「意図はありません」
文=兜森衛   2018.08.06 ジャーナリズム Business Journal

 裏口入学をめぐる文部科学省前局長の汚職事件で揺れる東京医科大学が、女子受験生に対する一律減点により女子合格者数を意図的に低く抑えていたと報じられている。8月2日付読売新聞によれば、2011年から一般受験の一次試験(英語・数学・理科)で女子受験生の得点に一定の係数をかけることで減点し、女子合格者を意図的に3割前後に抑制していたという。

 女性医師が結婚、出産などで離職して系列病院で医師が不足する事態を防ぐためだというが、文科省は2002年に「私立大学における入学者選抜の公正確保等について」と題する以下の文部科学事務次官通知を出している。

「入学者選抜に関し一切の疑惑を招くことのないよう、下記の点に留意し、更に入学者選抜方法の改善及び経理の適正な処理に努めるとともに、入学者選抜の管理運営体制全般について十分に点検を行い、必要な点について早急に改善されるよう強く要請します」

 今回の件を受け、他の医科大学や大学医学部でも同じような行為が行われているのではないかという見方も広まるなか、聖マリアンナ医科大学の女子入学者が2017年度以降、現役と1浪だけになっていることが一部で注目されている。

 聖マリアンナ医大のHP上に掲載されている「現浪別構成比」というデータで女子入学者数を見ると、16年度までは2浪、3浪、4浪以上も入学しているが、17年度と18年度は現役と1浪だけで、2浪以上はゼロとなっている。また、18年度の現役の入学者数は17年度の2倍となっている。

【各年度の女子入学者数。( )は2浪以上】
・14年度:45人(16人)
・15年度:39人(14人)
・16年度:49人(23人)
・17年度:40人(0人)
・18年度:45人(0人)

 その理由について、聖マリアンナ医大教育課入試係に話を聞いた。

「私どもは成績順で取っております。一般入試は一次が英語、数学、理科2科目の400点満点、二次は小論文100点と面接100点を最終的にトータルして合否結果を出しています。2017年度と2018年度はたまたま現役と1浪の方が合格しただけ。意図はありません。当大学は在学生に占める男女の割合も6対4で女子の比率が高いのが特徴。データを見ると現役生と1浪が多く見えますが、これは昨年から推薦入試の制度を変えたためです。

 今までは指定校推薦だけで20人の募集枠でしたが、昨年から一般公募制の推薦入学試験も導入して10人増員した関係で、推薦だけで30人の募集枠になったのです。昨年は推薦の合格者が5名増えて35名になったため、結果的に現役生が増えてしまったように見えますが、推薦制度を変えたことによるもので、一般入試で現役と1浪を優遇しているわけではありません。

 二次試験の面接でも女子に結婚、出産について聞くことはありません。うちは聖マリアンナという名前からも女子大と思われるような大学ですし、もともと女性が比較的多い大学だと思っております。学生に女性が多く、そのまま女性が大学に残ってくれるので、ほかの大学より女性教員の数も多い。それに、申し込めば一次試験の不合格者に対して成績の開示もするので、受験の透明性も確保できていると思っております」

 東京医科大の問題を受け、聖マリアンナ医大も思わぬかたちで注目を集めてしまったようだ。
(文=兜森衛)

ニュースサイトで読む: http://biz-journal.jp/2018/08/post_24318.html
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https://www.m3.com/news/iryoishin/622125
シリーズ 東京医大・入試操作疑惑
「入試での女性・多浪差別の有無」、文科省緊急調査
全81医学部医学科の過去6年分対象、8月24日まで

レポート 2018年8月10日 (金)配信水谷悠(m3.com編集部)

 東京医科大学の入学試験で女子や多浪の受験生を一律減点するなどの不正が行われていた件で、文部科学省は8月10日、同様の事例がないかどうか医学部医学科を持つ国公私立大学81校に対する緊急調査を開始した。過去6年分の募集人員志願者数、受験者数、合格者数、入学者数を男女別、年齢別に問い、男子の合格率が女子を大幅に上回っている場合には大学としてその理由をどう考えているかを記載させるなどの内容。8月24日までにメールで提出するよう求めており、9月以降に公表する予定。2019年度の入試についても、別途調査を行う方針も示している。

 同省は「各医学部医学科を置く国公私立大学学長」宛てに、8月10日に発出した事務連絡で、「医学部医学科の入学者選抜における公正確保等に係る緊急調査」を依頼した。

 冒頭で、同省の前科学技術・学術政策局長が受託収賄容疑で逮捕、起訴されて「行政の公正性に疑念を持たせる事態を生じさせたことは大変遺憾」と改めて表明。一方で、東京医科大学の入試不正についても、極めて不適切と考えられる事態が判明したとし、大学設置基準や大学入学者選抜実施要綱で公正かつ妥当な方法で入試を行うことが求められていることを改めて指摘した。

調査の項目は次の通り。

入学者選抜に関する学内規則・マニュアル等の整備状況について(2018年度入試時点、いずれも一般、AO、推薦の方式ごとに回答)
(1) 入学者選抜に関する学内規則・マニュアル等を整備していますか。
(2) 採点や合否判定の基準は、明確に定めていますか。
(3) 採点や合否判定の際、受験者の氏名は匿名化されていますか。
(4) 採点や合否判定の際、受験者の属性(性別、年齢等)はマスキングされていますか。
(5) 不合格者等から入試成績の開示請求があった際には、開示していますか。

各年度別の入学者選抜の実施結果(2013年度から2018年度)
(1)  各年度別の募集人員、志願者数、受験者数、入学者数(一般、AO、推薦、その他の入試方式別。男女別。年齢別=17歳以下、18歳、19歳、20歳、21歳、22歳以上)

(2) 実施結果に対する大学としての分析

男性の合格率が女性の合格率を上回っている場合、その理由について大学としてどのように考えているかを年度ごとに記載してください。
年齢ごとの合格率が年齢によって大きくかい離している場合、その理由について大学としてどのように考えているかを年度ごとに記載してください。

入学者選抜の詳細な実施状況について
(1) 特定の受験者に対して、募集要項等での事前説明のない特別な加点等を行ったことはありましたか。(方式ごとにはい、いいえで回答)

(2) (1)で「はい」と答えた場合、いつ、どのような内容かを具体的に記入してください。

(3) 性別により合否判定に至る取り扱いに差異を設けたことはありましたか。(方式ごとにはい、いいえで回答)

(4) (3)で「はい」と答えた場合、いつ、どのような内容かを具体的に記入してください。

(5) (3)で「はい」と答えた場合、性別による取り扱いの差異について募集要項等で周知していましたか。(方式ごとにはい、いいえで回答)

(6) 年齢により合否判定に至る取り扱いに差異を設けたことはありましたか。(方式ごとにはい、いいえで回答)

(7) (6)で「はい」と答えた場合、いつ、どのような内容かを具体的に記入してください。

(8) (6)で「はい」と答えた場合、年齢による取り扱いの差異について募集要項等で周知していましたか。(方式ごとにはい、いいえで回答)

(9) 性別・年齢以外の受験者の属性により合否判定に至る取り扱いに差異を設けたことはありましたか。(方式ごとにはい、いいえで回答)

(10) (9)で「はい」と答えた場合、いつ、どのような内容かを具体的に記入してください。

(11) (9)で「はい」と答えた場合、取り扱いの差異について募集要項等で周知していましたか。(方式ごとにはい、いいえで回答)

(12) 上記の他に、募集要項や学内規定・マニュアル等に定めていない採点・合否判定の手続きを行うことはありましたか。(方式ごとにはい、いいえで回答)

(13) (12)で「はい」と答えた場合、いつ、どのような内容かを具体的に記入してください。

(14) (1)(3)(6)(9)(12)で「いいえ」と答えた場合、募集要項や学内規定・マニュアル等に沿って採点・合否判定の手続きが行われたことを示す資料(例えば、各受験者の試験結果と合否結果の一覧、教授会や合否判定会議の資料等)は保存されていますか。(方式ごとにはい、いいえで回答)

(15) (14)で「はい」と答えた場合、どのような資料が、過去何年分、保存されているか具体的に記入してください。



https://www.m3.com/news/general/622403
医学部入試、77%で合格率に男女差…読売調査
大学 2018年8月12日 (日)配信読売新聞

 東京医科大が女子受験生らの合格者数を抑制していた問題を受け、読売新聞が医学部をもつ全国81大学に男女別の志願者数や合格者数などを尋ねたところ、回答した76校の77・6%に当たる59校では、今春の一般入試で男子の合格率が女子より高かったことが分かった。男女ごとの全志願者に対する合格率は、男子8・00%に対し女子6・10%と1・9ポイント低かった。東京医科大以外はすべて、性別による得点操作を否定した。

 読売新聞は今月初め、東京女子医科大を除く81校にアンケート方式などで▽選抜方法▽過去5年の一般入試における男女別の志願者数と合格者数▽性別などによる得点操作の有無――を聞いた。北里大は回答せず、東京大、帝京大、富山大、福島県立医科大は男女の内訳を公表しなかった。



https://www.m3.com/news/iryoishin/621747
医師不足、最も足りないのは「当直帯」
地域の医師不足「医師の地域的偏在による相対的な人数不足である」

レポート 2018年8月10日 (金)配信高橋直純(m3.com編集部)

 川越救急クリニック副院長の木川英氏によるオピニオン投稿『医師が過剰になるって本当?救急現場からの疑問』に連動して実施した意識調査では、医師不足が起きている時間帯としては「当直帯」が最も多かった。

 調査結果を受けた木川氏のオピニオン投稿はこちら⇒『実感とは異なる「地域間医療格差がない日本」』

Q 全国的に見て、医師不足とは?
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 医師不足について「全国」の状況を尋ねたところ、「特定の科目の医師が不足している」が半数以上を占めた。次いで多かったのが「全ての科目で医師が不足している」だった。

Q ご自身の勤務地域で、時間帯や曜日で医師不足は起きていますか?
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 最も医師が不足していたのは「当直帯(19時頃-翌朝)」で、「日曜日」が続いた。

Q ご自身の勤務地地域で、診療科目による医師不足は起きていますか?
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 地域ごとの医師不足については、「医師の地域的偏在による相対的な人数不足である」とする回答が最も多く、「医師の診療科目の偏在による相対的な人数不足である」が続いた。



https://www.m3.com/news/iryoishin/621744
シリーズ Dr.木川の「川越救急クリニックから見えた医療の現実」

実感とは異なる「地域間医療格差がない日本」
『医師が過剰になるって本当?救急現場からの疑問』の調査結果を振り返る

オピニオン 2018年8月10日 (金)配信木川英(川越救急クリニック副院長)

 前回のコラム、アンケート(『医師が過剰になるって本当?救急現場からの疑問』)でご回答をくださった方々、本当にありがとうございます。さまざまな立場や観点からのご意見やご指摘、大変勉強になりました。まずは、振り返りたいと思います。

『医師過剰になっている』
 既に大都市部では、医師の絶対数自体が過剰になっている状況をご指摘いただきました。特に開業医は過剰であって、開業の認可を行政が締められるのなら、適正化するだろうが、新規開業はかなり困難な地域もあるようです。やはり、私の勤務する川越救急クリニックは埼玉といえども大都会東京から離れており、そのようなことを全く感じることができませんので、ギャップにただただ驚いております。

 また、コンビニ受診ではなく、本来受診する必要がない人がたくさん受診することが問題で、これを正常化すれば、現在でも医師はかなり余ることになるというご意見をいただきました。確かに実感として、それはあると思いました。患者側の倫理観の問題も絡んできますので、「正常化」するためにどのような方策があるかが私には思いつきませんでしたので、方策があればご教授いただきたいです。

『数字的な観点からの医師過剰』
 日本の人口は2010年の1億2000万人強をピークに下降しており、2045年には1億700万人に減少すると試算されています。一方、現在の医学部入学定員は年間9000人強で、亡くなる方も考慮すると医師数は年間4000~5000人増加しています。

 その結果、2008年には人口1000人当たり2.17人の医師数であったものが、2012年には2.3人、2016年には2.45人に増加しており、人口当たりの医師数は異常なほどハイペースで増加しているのが現状です。OECDの平均値は人口1000人当たり2.8人ですから、2025年にはそれに追いついてしまうので、医学部減員に一刻の猶予もないというデータ試算をご教授いただきました。

 確かに、数字上はそうなるとは思っていましたが、数字だけでは判断できない、医師個々人の実力や技術不足、やる気不足という観点での実感が私にはありました。ただ、アンケート結果を見るとこれは大きな問題ではない、医師数自体が増えていくことが問題、と捉えている先生方が多いことも勉強させていただきました。

『女性医師』
 ちょうど、東京医大で女子受験生の点数を一律減点したという問題が噴出していますが、現場の声を聞かせていただきました。

「医師数は増えても女医が増えれば実戦数は減る」
「女医の働きぶりを見た男性医師は自己犠牲的に働くことに違和感を覚え、自分のために働くようになる」

 育児中の女医さんは、日中しか働かない場合が多いようです。そのため、男性医師が当直やオンコールをせざるを得ません。総医師数はいたとしても、当直やオンコールができる人が少ないということで医師不足なのではないでしょうかというご意見をいただきました。

 私は実質引退している、医師免許を持っている高齢医師を頭数に入れていることが問題になっていることは思いつきましたが、この観点は思いつきませんでしたので、大変参考になりました。ただし、それと女子受験生の点数を減点することは別問題だと思いましたが。

『都市部と過疎地』
 山村、離島など過疎地では絶対的に医師不足であり、集中する都市部では医師過剰になっています。救命救急センターや母子周産期センターを有する地域の中核病院で働く勤務医の立場では、とても医師不足が解消するとは信じがたい。都市部と過疎地では問題点が異なっていることも多くのご意見をいただきました。やはり、この議論をする時は単なる過剰や不足を論じても、現場現場で全く違う声が聞こえてくることを踏まえないといけませんね。

『科目の偏在』『夜間休日は仕事したくない』
 昔は希望者の少なかった皮膚科医とか精神神経科医が多いのは、QOL重視時代のせいですね。逆に仕事がきつい外科系は少なく、少子化時代を反映して、産婦人科医、小児科医も減ってきています。

 これも、実感としまして「当直があり忙しい科目」「拘束時間が長い科目」は敬遠される傾向がありましたので、偏在はどの地域でも起きていそうですね。

 患者さんが専門医の受診を希望されることも原因と思います。夜間休日は、専門医がいないので一般の人からは医師不足と見えてしまうのかもしれません。確かにアンケートでも日曜日の医師不足を感じるご意見が多かったです。

 概ね、私自身が想定していたものと合致しましたが、未知の知見も多々ありましたので、非常に勉強になりました。ありがとうございました。

 また例によって振り返りが長すぎましたが(むしろ振り返りがメインですが)、ここからが今回のテーマです。

Lancet(2018年5月23日オンライン版)の記事です。

【概要】:世界疾病負担研究(GBD)2016のデータを用いて、世界195カ国・地域の医療機関へのアクセスおよび医療の質を評価する定量的指標「Healthcare Access and Quality(HAQ)インデックス(範囲0~100)」が発表された。2016年の日本のHAQは94であり、195カ国中12位であった。最も地域間格差が小さかったのは日本で4.8であり、全都道府県のHAQが90を超えており、国内全地域でHAQが90を超えていたのは日本だけであった。国内の地域間格差は小さく、都道府県を問わず高い水準を達成できていることが示された。

 医療機関へのアクセスと質に関しての考察でしたが、これだけを見ると日本には「地域偏在」はないことになりました。また、「医療の質」も担保されていることになりました。HAQでは国内では最大でも5-6%にとどまるという結果です。

 振り返りでも考察いたしましたが、現場での実感と明らかにギャップがあると思います。アクセスに関しましては、日本の医療機関受診は基本的にフリーアクセスですし、色々な医療機関があるので、病院や診療所を受診すること自体は容易かと思います。私は神奈川、青森、埼玉などで勤務してきましたが、1日に3カ所の医療機関を受診する方、毎日のように同じ症状で違う医療機関を受診する方、異常に遠方から受診される方など、さまざまな患者さんがいらっしゃいました。こういう事案がHAQに影響しているか分かりませんが、病院数が多いことが良い評価につながったのでしょうか。何軒も受診されている方もいらっしゃるのに、どこの病院を受診しても差が付かないというのはあるのでしょうか。

 今回の私のアンケートを踏まえて、何かデータはないかと探していたところ、この論文を見つけましたが、私の持つ実感と論文の結果があまりにかけ離れていましたので、ご意見やお考えをいただきたくご紹介させていただきました。


木川英(川越救急クリニック副院長)
2005年東海大学医学部卒後、神奈川県茅ケ崎徳洲会総合病院初期研修医、2008年青森県八戸市立市民病院救命救急センター。2013年から川越救急クリニック。院長の上原と共に、地域の救急医療を変えようと日夜色々なモノやコト(行政や法律、病魔や睡魔)と戦っている。



http://news.livedoor.com/article/detail/15140799/
抗がん剤39日間連続投与、副作用の影響で死亡
2018年8月10日 14時21分 読売新聞

 国立病院機構関門医療センター(山口県下関市)は10日、70歳代の男性患者に対して抗がん剤を過剰に投与する医療ミスがあり、男性が副作用の影響で死亡したと発表した。

 同センターによると、男性は2月中旬、土手から転落して足を骨折するなどして入院。男性は他の病院で脳腫瘍の治療を受け、抗がん剤を服用しており、親族がセンターに持参した。

 センターによると、この抗がん剤は5日間連続で投与後、23日間投薬期間を空けることになっている。しかし、医師は3月下旬まで39日間連続で投与した。

 男性が口の中から出血したことから血液検査を実施。白血球や赤血球が減るなどしており、過剰投与が判明した。男性は感染症が悪化して6月上旬、多臓器不全などで死亡した。

 センターは、医師や薬剤師らが抗がん剤の処方について認識が不足していたとしている。この日、記者会見したセンターの林弘人院長は「ご遺族に心からおわび申し上げ、再発防止に努めます」と陳謝した。



https://www.medwatch.jp/?p=21946
地域医療構想を先取る!病院再編を行う上での考え方~統合・連携の先駆者から学ぶ~
2018年8月9日|GHCをウォッチ MedWatch

 2025年には、いわゆる団塊の世代がすべて75歳以上の後期高齢者となるため、今後、医療・介護ニーズが飛躍的に増加していきます。こうしたニーズに的確に応えるために、「地域包括ケアシステムの構築」や「病院・病床の機能分化・連携」が進められています。

 後者に関しては「地域医療構想の実現」が重要テーマとなっており、その中では「まず公立病院・公的病院等が地域で果たすべき役割を明確にし、統合・再編も含めた機能分化を進める」ことが地域医療構想調整会議での最初の検討課題となっています。

ここがポイント!
1 再編・統合の基本は「垂直」「水平」の2軸
2 急性期から慢性期までの垂直統合型モデル 済生会滋賀県病院・守山市民病院
3 地域全体の垂直統合型と急性期の水平統合モデル 済生会滋賀県病院
4 2病院のキーマンが登壇するセミナー開催!

再編・統合の基本は「垂直」「水平」の2軸

 病院の統合・再編は、「機能の異なる複数の病院を再編・統合する垂直統合」と「同機能の複数病院を再編・統合する水平統合」の2軸で考えることができます。

 前者の「垂直統合」は、例えば急性期機能に重点を置いた病院と、リハビリなど回復期機能に重点を置いた病院を統合し、「急性期から在宅復帰まで」を一体的に診る病院の構築を目指すケースが考えられます。

 一方、後者の「水平統合」では、例えば、複数の病院に分散してしまっている急性期の医療資源(マンパワー等)を集約し、救急患者の受入れ体制の確保・充実、より高度な急性期医療の提供などを目指すケースです。

 病院再編・統合の具体例として、弊社のコンサルティングをご利用されている済生会滋賀県病院(滋賀県)・守山市民病院(同)と魚沼基幹病院(新潟県)の事例を見ていきましょう。

急性期から慢性期までの垂直統合型モデル 済生会滋賀県病院・守山市民病院

 「急性期から在宅復帰まで」を一体的に診る「垂直統合」の事例として済生会滋賀県病院と守山市民病院の事例を紹介します。

 滋賀県の湖南医療圏では、全体的に回復期病床が不足という課題がありました。こうした中、済生会滋賀県病院は、急性期後の後方連携先が少なく、転院調整不良が発生。一方、守山市民病院では十分な医師確保ができず、救急受け入れが厳しい状況が続いていました。そこで、守山市民病院が済生会グループ入りすることで、済生会滋賀県病院と統合。済生会滋賀県病院としては、後方連携先確保により急性期機能への特化が可能に、守山市民病院としては、機能分担による効率的で質の高い回復期を軸にした医療提供体制を構築しました。

地域全体の垂直統合型と急性期の水平統合モデル 済生会滋賀県病院

 次に、垂直統合だけでなく、急性期機能を水平統合させた魚沼基幹病院の事例を紹介します。

 魚沼地域の医療提供体制は病院再編前、県内7圏域中で最低の医師不足地域で、三次救急および高度医療は他圏域に依存。施設間で機能分担と連携ができておらず、周辺病院の老朽化も進んでいるという状況でした。

 それが再編により、主要4病院の高度急性期機能を集約させた新病院である魚沼基幹病院を新設(図表)。集約後の既存病院は、亜急性期以降の患者を引き受けたり、容態が悪化した患者を受け入れたりする役割に特化することで、魚沼地域全体の医療提供体制として▽医師育成と医師派遣による協力体制の構築▽三次救急医療や高度医療の確保▽医療情報の共有と機能分化に基づく医療提供体制の構築▽病院経営効率化と経費削減――などの成果に結びつきました。

2病院のキーマンが登壇するセミナー開催!
 グローバルヘルスコンサルティング・ジャパンは9月8日、病院統合の先駆事例として、上記の済生会滋賀県病院の三木恒治院長、魚沼基幹病院の内山聖病院長をお招きし、病院統合・連携に関するセミナー「地域医療構想を先取る!病院再編を行う上での考え方 ~統合・連携の先駆者から学ぶ~」を開催します。

 魚沼医療圏、湖南医療圏における病院再編・統合の事例を、実際に実現させたキーマンたちが演者として登壇し、医局、県議会との調整や医師確保の苦労など、具体的なエピソードやノウハウをお話し頂きます。お申し込みは、こちらから。

https://www.ghc-j.com/event/seminar/180908.html




https://www.m3.com/news/iryoishin/621939
シリーズ m3.com全国医学部長・学長アンケート
臨床実習重視の教育改革を評価も、人員不足など課題山積
医学部長・医科大学長アンケート-Vol.8- ◆ 医学教育【その2】

スペシャル企画 2018年8月10日 (金)配信大西裕康(m3.com編集部)

 「医学部長・医科大学長アンケート2018」として実施した調査結果を紹介する当企画のVol.8では、医学教育が抱える問題点などに関する自由記述の回答を紹介する。

Q.「CBT」「OSCE」「スチューデント・ドクター制度」の導入、「postCC OSCE」 の正式実施に向けた検討と、引き続き医学教育の改革について検討が進んでおります。現状の医学教育の問題点、あるべき医学教育についてお考えを教えてください。

 臨床実習を充実させて卒後に即戦力となる人材の育成強化を進めるべきとの意見のほか、大学で身につける臨床能力の質を保証するため何らかの対策が必要と訴える意見、まずは教育体制を支える人員や資金の不足を解消した上で教育改革に取り組まなければ実現は難しいと危惧する意見が集まった。アクティブラーニングの積極的導入など、学生の主体性を引き出す教育に改める必要性を指摘する声もあった。

[臨床実習の充実で卒後即戦力に]

【山形大学・山下英俊 医学部長】 卒前の臨床実習から国家試験、初期臨床研修、専門医研修が一連のものとして連続して行えるような制度が必要と考えます。特に、卒前の臨床実習の充実により、卒業したらすぐに救急医療の現場で活躍できるような臨床能力を獲得する医学教育が必要です。卒業後は専門医になるために、幅広い臨床能力を磨きつつ、自分の専門に集中するような医師育成の仕組みとして専門医研修が整備されていく必要があります。

【大分大学・守山正胤 医学部長】 全国医学部長病院長会議で議論されているように卒前卒後教育のシームレス化を進め、初期研修制度を抜本的に見直すことで、一人前の医師を早く医療現場に送ることを推進すべきである。国はもうそろそろ新臨床研修制度が誤りであったことを素直に認めて一刻も早く廃止すべきである。そのための法改正(医師法16条の2)を行うべきである。

【徳島大学・丹黒章 医学部長】 より実践的な考える臨床実習を行いたい

[大学による臨床能力評価の質保証で対策を]

【東京慈恵会医科大学・松藤千弥 学長】本学は、クリニカルクラークシップを充実させ、今は計40週のカリキュラムです。それと併せ、5年間かけて準備を進め、2017年度から「postCC OSCE」を2日間、計100人の臨床教員を動員して、全学生を対象に実施しました。「postCC OSCE」は医学生の実技を評価するには有用なものの、非常に手間がかかるのも事実であり、医師国試に実技試験を追加するのは難しいでしょう。大学が自らの卒業生に責任を持つという意味で、各大学が「postCC OSCE」を行い、臨床能力を評価することが必要だと思います。また医師国試ですが、CBTでは臨床推論のベースとなる知識を問う試験なので、それとは切り離して臨床実習を学んだことを問う問題を重視していくべきだと考えています。時々、臨床実習で遭遇しない疾患が出題されることもあるので、それは専門研修で問えばよく、ベーシックな疾患を基本に限っていいでしょう。ボリューム的には今の試験が妥当かと思います。

【富山大学・北島勲 医学部長】「スチューデント・ドクター制度」の導入、「postCC OSCE」の導入や、分野別認証評価受審など改革が実施されているが、制度としての外堀が固まっても、実質が未熟な現状下にある。大学の教員削減が進む中、教員の負担が深刻な状況になっている。わが国では、診療参加型臨床実習は不十分で「態度」「技能」をしっかり習得するためには、卒前から卒後臨床研修まで一貫した教育研修と評価システム(国家試験を含む)を再構築する必要がある。

【香川大学・上田夏生 医学部長】
・臨床実習の延長が求められており、香川大学でも来年から選択実習を27週行う予定である(計69週)。しかし、診療科の負担は大きくなり、実習の十分な質保証ができるかという懸念がある。
・「PostCC OSCE」については、機構提供の課題を3課題行うという想定で進められているが、これを一日で行うと試験室、評価者、医療面接模擬患者を相当数確保しなければならず、場合によっては夕方遅くまでかかる可能性があり、関係者の大きな負担になる。また、機構課題に加えて自己課題も3題行うことを求められようとしており、これも教員をはじめ関係者の相当な負担になることは間違いない。
・医学教育分野別評価が開始されており、香川大学も本年度に受審予定であるが、教員や事務方に対して、準備に相当な負担がかかっている。この評価はカリキュラム策定・運用側の評価であるが、昨今の医学生を見ていると、カリキュラム改革より、医学生の意識改革の方が優先事項のように思える。これを今後どのように進めていくかが大きな課題である。

【大阪医科大学・大槻勝紀学長】 4年生までに医学の基礎と臨床に必要な知識を身に付けさせCBTで知識を評価し、Student Doctor制度を進級の要件にすべきと思います。そのためにも5、6年生でのクリニカルクラークシップを充実させ、技能、態度を重視し、評価することが大切だと考えます。

【匿名希望・国公立大】 海外の医学教育と比べて、問題が大きいのは臨床実習の内容で。アメリカとは医療保障制度が異なる日本では、臨床実習の対象となる患者の背景もアメリカと異なり、アメリカと同等の内容で診療参加型臨床実習を行うことは極めて困難である。日本における患者の意識を十分に考慮して、医学生の医行為レベルを決める必要がある。この点について、患者団体など一般の人々の意見を広く集めて議論することが必要と考えている。

【匿名希望・国公立大】 「PostCC OSCE」に合格した学生に対しては、その医行為を法的に担保し、現在の初期臨床研修で行っていることを前倒しすべきだと思います。

【匿名希望・国公立大】  医学生の医行為が示されましたが、理想と現実のギャップを埋める工夫等が必要です。卒前教育を卒後にシームレスに移行することが理想ですが、医師国家試験がこれを阻んでいると感じます。

[まずは人的・資金的な手当が必要]

【福井大学・内木宏延 医学部長】 「postCC OSCE」について、人員、施設、経費の確保が十分担保できるかどうか不透明である。臨床実習における患者からの同意取得に当たり、医師によるインフォームドコンセントや事務手続きの負担が従来に比べ増加している。

【匿名希望・国公立大】
<現状の医学教育の問題点>
・医学部の教員は「教育」と「研究」と「臨床」の3つの役割を担っているが、評価が得にくい「教育」より脚光が浴びやすく業績となる「研究」に比重を置く教員が年々増えている。
・シミュレーション教育やTBLなどのアクティブ・ラーニングの導入については、指導できる教員の人数確保が課題である。
・「postCC OSCE」の正式実施に関して、試験室数、評価者数等、多数を必要とする課題が多く課されると、実行不能な大学が多く出てくる可能性がある。

<あるべき医学教育>
・「CBT」「OSCE」「スチューデント・ドクター制度」「postCC OSCE」などは、新しい評価の試みであり、現在の指導的立場の教員は、自身の学生の時はこれらの試験は受けていないため、指導的立場の教員に新しい評価制度を十分に理解してもらう必要がある。
・臨床研修教育を意識した卒前の医学教育が必要と考える。さらに卒前教育から卒後教育へシームレスな連携が重要と思われる。
・医学生は専門知識の修得は必須項目であるが、将来、患者や医療従事者との円滑なコミュニケーシ
ョン能力や、専門的知見を広い観点から深く理解する能力も求められるため、医学教育では教養教育に加え、医の倫理、医療統計、医療経済、医療安全などの医学・医療に特化した専門準備教育を導入する必要があると思われる。

【匿名希望・国公立大】 「OSCE」の実施を含む臨床実習における臨床系教員の負担は、10年前に比し倍増したと言っても過言ではない。これ以上の負担増は、教員の疲弊を招くだけでなく、臨床系教員の大学離れを助長しかねない。負担増を防ぐ意味で、「postCC OSCE」の実施はその運用方法・内容も含めて慎重に議論する必要がある。

【匿名希望・国公立大】 現在の医学教育の改革の方向性は妥当と考える。その上で、医学教育は決して丁稚教育ではなく、将来、医師として人間として見識に優れた、大木に育つポテンシャルを育むべきものであることを忘れてはならない。一方、国立大学法人の運営交付金削減で人材、資材の観点からも教育環境は劣化しており、求められる高度な医学教育の遂行に限界を感じる。

【匿名希望・国公立大】 制度の導入にマンパワーが追いついていないと感じる。

[学生の主体性を引き出す教育に]

【産業医科大学・東敏昭 学長】 自ら学び考える力と同時に、方法や手技を身をもって学ぶことに今後の改革がつながるか否かが課題と考える。

【匿名希望・国公立大】 学生の、自ら学ぶ態度を引き出すような教育が必要だと考える。参加型臨床実習の中で十分に学ぶためには、受動的な態度ではなく、能動的積極的に学ぶことが望まれる。そのためには、低学年からのアクティブ・ラーニングは是非とも必要であるとともに、アクティブ・ラーニングという授業を設定するよりも、学生自身のアクティブに学ぼうとする態度を養成することが必要である。受動的に参加する授業で十分に満たすには、あまりに時間が足りない現状を鑑みると、教員・学生の意識改革とともに学習法の改革が必要だと考えている。

【匿名希望・私立大学】 ほとんどの課題について対応して、新しい医学教育を実践しています。アクティブ・ラーニングが最も重要と思います。

[知識偏重は回避を](一部再掲)

【岩手医科大学・佐藤洋一 医学部長】 医学教育そのものというよりは、歯科医師や薬剤師と同様に国家試験が「競争試験」になっていることが問題です。そのため、知識偏在の受験勉強をせざるを得ません。一方ではプロフェッショナリズムが叫ばれていますが、それに応えるカリキュラムを構築する時間的余裕が無いのが実情と思います。

【広島大学 秀道広 医学部長】公共心の養成、感性の鍛錬をいかに担保するかが課題と思う。

【匿名希望・国公立大】
・医学部は「医学」を学ぶ場所であり医師養成専門学校ではない。その意味で、医学教育が知識技術習得にシフトし過ぎることなく、新しい医学・医療を開拓する人材の養成という役割も担い続ける必要がある。

【匿名希望・私立大学】 医師国家試験のあり方の抜本的な改革なしでは、真の医学教育の改善は不可能。必ず1割を落とす試験を行っている限り。

[研究者養成、医師の多様性容認も必要]

【匿名希望・国公立大】
・医師研究者の激減と我が国の医学論文発表数の減少が大きな問題となっている。その原因として、医師の研究離れや博士号の価値の相対的低下が挙げられる。医学部入学から大学院修了までの一貫した教育研究体制を整え、一定の卒業生が必ず研究に従事する仕組みが必要であると思われる。

【匿名希望・私立大学】
・明確な目標(医師像)の設定と医師の多様性の容認が必要
・医学教育の国際基準と我が国独自の手法の共存

【匿名希望・私立大学】 現在、医学教育が大きく変わりつつある段階なので、一定程度実施した段階で再検討する。



https://www.yomiuri.co.jp/economy/20180809-OYT1T50019.html
原発周辺、医療機関の7割弱赤字…人件費が高騰
2018年08月11日 13時40分 読売新聞

特集 福島原発

 東京電力福島第一原発の周辺地域で、これまでに稼働を再開した医療機関24か所のうち7割弱の経営が2017年度決算で赤字だったことが8日、分かった。被災地で働く医師や看護師らの人件費が高騰して経営を圧迫しており、国が億単位の交付金を支出して赤字を補填ほてんしている。
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 医療機関の経営状況は同日、福島市で開かれた福島県主催の検討会で示された。原発事故の避難指示などが出された12市町村のうち、現在稼働している病院や診療所、歯科診療所は31か所。原発事故前の3割にあたる。

 検討会では、このうち赤字補填の対象外となる企業内診療所など7か所を除いた医療機関についてまとめた。各機関の具体的な赤字額は明らかにしていない。

 今年4月に双葉郡で唯一の2次救急病院「ふたば医療センター付属病院」(富岡町)が開設された。この影響で、双葉地方広域圏の消防本部管内の救急搬送のうち60分以上かかった割合は47・1%となり、昨年に比べ17ポイント減った。

 検討会では、さらに救急医療体制の充実を図るため、医療用ヘリの運航を10月にも開始する方針が示された。同付属病院に常駐させ、ドクターヘリより緊急性の低い搬送などを担当する。



http://blogos.com/article/316782/
地方病院の存続 もう感情だけで反対するのは無理
中村ゆきつぐ2018年08月09日 09:39 BLOGOS

各地方での医療において廃止、制限のニュースが朝日新聞から出ています。(八代市民病院、廃止へ 熊本地震で閉鎖中)(妊産婦の受け入れ中止へ 医師派遣なくなる宮崎の病院)

たまたまなのか九州2県ですが、公立病院のあり方、そして田舎の医師派遣、そして産婦人科医の細かな問題が挙げられます。そしてこれは病院単位で解決するのはもう不可能です。

それこそ厚労省は病床を減らす方向で動いています。(各都道府県の地域医療構想について)この方針がうまくいくためには前提条件として優秀なかかりつけ医が必要ですが、多分質のいいかかりつけ医の確保はまず間に合わないでしょう。また地域の交通の便も考慮する必要があります。

個人的には実臨床において高度急性期 急性期 回復期 慢性期の完全なる区別ができない(高齢者の癌治療など)ため、今回のように病院が無くなるときには、がん難民の時のように実際は大きな混乱が起きると思います。(慢性期と医師が判断しても患者たちが高度急性期の治療を望むなど)

ちなみに今回の事例、すでに反対が出てきています。(熊本の八代市立病院、入院病棟の存続求め市民が署名運動)
>「存続を求める会」は「市立病院がなくなると、終末期の患者の受け入れ先がなくなる」などと訴えている。
ただこの理由を見るとこの会は今の医療について、そしてこの統合について何も知らないでただなんとなく反対しているなとは思います。病床は無くなるわけではなく他の病院に移行するのですから。

病院廃止といえば夕張の例があります。それこそいまだに病院を潰したら健康になったは言い過ぎだと思っていますが、医療で治るものは医療で介入するけど、医療で治らないものにはケアでいくということは割り切る必要があることを自分も理解しています。(その際、今のケア目的で病院に入院している人を医療的には一過性に切らなければいけませんが)

血液内科領域の取り扱い含めて(かなり狭い分野です)ある意味厚労省がここまでわかって言っているとは正直思えません。



https://www.nikkei.com/article/DGXKZO33855910W8A800C1TCR000/
老いる患者、医療どう変わる(複眼) 武田俊彦氏/荒井正吾氏/武久洋三氏/野口晴子氏
時論・創論・複眼

2018/8/7付日本経済新聞 朝刊

 先の国会で改正医療法・医師法が成立した。医療の地域間の偏りを是正し、都道府県ごとに病院や医師の配置見直しを促す狙いだ。高齢化と人口減で医療のニーズは変わり、医療機関側の対応が急がれる。ただ、総論賛成でも自治体間や病院間の調整はなかなか進まない。厳しい財政の下、医療のミスマッチを解消し、効率化させる道は。

◇  ◇

■数量調整から役割分担へ 前厚生労働省医政局長 武田俊彦氏

たけだ・としひこ 1983年東大法卒、旧厚生省入省。7月末まで医政局長として医療提供体制の見直しを指揮。58歳

 今回の法改正は医療提供体制を適切に組み替えるのが主眼だ。団塊世代が75歳以上になる2025年をにらんで、都道府県がつくる「地域医療構想」を推進するのが柱となる。

 患者が高齢化し以前のように手術後に元の生活に戻るのでなく、術後も完治しない人は多い。リハビリが重要だ。自宅で暮らしつつ具合が悪くなれば入院する人も増える。個別疾患の治療に集中する従来の急性期病院では対応しきれない。

 従来はベッド数の規制で量を制御しようとしたが、今は機能転換に重心が移った。ただ、日本は病院の8割が民間なので強制的に機能を変えさせられない。

 高齢化の速度は地域で異なるので、全国一律ではなく都道府県主導で取り組む必要がある。国の役割は地域の医療データを整備・提供して支援することだ。

 県など自治体と病院が協議し、役割分担を進める調整会議がカギを握る。地域の病院が互いの診療実績などのデータを共有し、周辺の病院と比べた自院の競争力を認識できるようになる。中小病院が自前で全て対応するより病院が連携して役割分担する方が効率的で、医療の質も上がる。

 病院同士で実際に調整するのは難しいが、以前と異なり病院は地域の人口減で患者が減ることを現場で実感し、生き残るには変わる必要があると自覚している。複数の病院が協力しやすい地域医療連携推進法人という仕組みもつくった。

 介護との連携も重要だ。在宅系施設を整えれば、自宅で独りで暮らせなくなった高齢者も地元に住み続けることができる。療養病棟などから転換する「介護医療院」が在宅系施設として今年度から始まった。

 改革プラン策定は公立病院が率先すべきだが、事情は地域で異なる。民間病院のない地方では救急医療を担いつつ、在宅医療も手掛ける公立病院もある。一方で東京など都市部は民間の大病院が密集し、公立病院の役割と適正規模を改めて線引きする必要がある。

 医療提供体制は県単位が望ましい。だが、地域別の診療報酬は適正に診療している医師にも影響するなど副作用があるので個別に判断すべきだ。

◇  ◇

■診療報酬、地域で設定も 奈良県知事 荒井正吾氏

あらい・しょうご 1968年東大法卒、旧運輸省入省。海保庁長官、参院議員、外務大臣政務官などを経て2007年から現職
 奈良県は病院の機能分化にいち早く着手した。複数病院から受け入れを断られた妊婦が亡くなった2006年の事故がきっかけのひとつだ。

 当時、県南部は3つの公立病院に医療資源が分散し、拠点機能が曖昧だった。機能を集約した「断らない病院」を新設し、診療成績を改善。他の病院は回復期の患者や療養向けに切り替えた。拠点病院の立地や人事の調整など苦労したが、資金調達は市町村と協力して乗り越えた。

 民間病院の機能分化も課題だ。中小病院の多くが迅速な処置が必要な急性期を標榜している。なかには救急の看板を掲げるのに実際は救急の受け入れが少ない病院もある。急性期の看板にこだわるのは過去の医療政策が急性期の診療報酬を上げてきた影響が大きい。

 医療の過不足を国が診療報酬一本で調整するのは限界がある。診療報酬の変更が地域の医療にゆがみを生むこともある。関係業界の利害調整で決めれば済む話ではない。変更の結果どうなったかを地域単位で検証すべきだ。

 医療は需要も提供体制も地域差が大きく、現場の知恵が欠かせない。治療を終えた高齢患者が退院後どんなケアを受ければ幸せか。医療、介護、生活支援を一体で考え、地域実態に応じて支えるのが行政の役割だ。奈良県では山間集落が多くドクターヘリが有効だ。ヘリ発着場など町づくりから市町村と考えていく。

 医師の調整が必要な場合もある。ある地域の内科医が多過ぎても、不足地域に配置転換できない。過剰な診療で医療費が膨らめば、国民健康保険の保険料が上がり住民負担は増す。例えば食生活の改善で高血圧を防げれば健康寿命が延びて本人も幸せで結果的に医療費も抑えられる。ただ高血圧薬をどんどん処方するだけの医療機関では困る。

 医療費の伸びが想定を超えた時は地域別の診療報酬による調整も選択肢になりうる。医療機関の報酬が減ると警戒する声もあるが、逆に医療費を想定より抑制できれば地域で必要な医療投資に回せる。公的医療保険の財源は税金と保険料であり、費用対効果を考えるのも行政の責任だ。

◇  ◇

■増える「慢性期」対応に遅れ 日本慢性期医療協会会長 武久洋三氏

たけひさ・ようぞう 1966年岐阜県立医大卒。平成医療福祉グループ代表。病院や介護老人保健施設を経営。社保審委員。76歳

 日本では入院患者の過半は75歳以上で複数の慢性疾患を抱えている人が多い。総合診療医が必要だが、自分の専門以外の経験が乏しく、適切に治療できない医師は多い。2004年の新研修制度まで40年近く、自分の専門科だけ診る研修制度が続いた影響だろう。

 病院の体制は需要とズレが広がっている。患者の大半は慢性疾患を抱えているのに一般ベッドのほとんどは急性期向け。急性期の治療は約2週間で終わる。人気の病院は次の患者がすぐ入院するが、そうでない病院はベッドが空かないよう入院を続けさせる。14年まで診療報酬制度に抜け穴があり、急性期報酬を受けとりつつ入院が90日を超す患者を抱える病院もあった。日本の入院期間が海外と比べ長いのはこうした「社会的入院」があるからだ。

 高齢者に最適なリハビリや栄養管理を提供できない病院も多い。身体が弱い高齢者は入院後2週間以上ベッドに寝たままだと身体機能が衰える。手術直後からリハビリすれば改善するが、できない病院もある。

 病院が急性期を名乗りたがるのは経営のためだ。急性期の診療報酬は患者1人一日4、5万円に対し、慢性期はほぼ半分。急性期を標榜しないと外来患者が減り、看護師も集めにくい。

 だが環境変化で病院は対応を迫られている。介護保険の導入で居住系施設ベッドが120万も増えた。病院ベッドが倍になったような話だ。病院が患者を選ぶ時代から患者が病院を選ぶ時代に変わり、病院のM&A(合併・買収)が急増。入院での受け入れを止め、外来専門に切り替える病院もある。

 診療報酬で医療の効率化を目指す方向は明確になっている。急性期病院は手術実績などデータ基準を満たす必要がある。慢性期病院も患者を抱えず治療するのが役割だ。データで実力を「見える化」すれば、患者も病院を選びやすくなる。

 診療報酬には工夫の余地がある。診療行為の量で報酬を決めると、病院は自らの報酬増を優先した診療行為を選びかねない。成果報酬を導入し、実績に応じて報酬が変わる仕組みにすれば患者に最適な診療・リハビリを促すだろう。

◇  ◇

■細る現役世代、ひずみ直視を 早稲田大教授 野口晴子氏

のぐち・はるこ 1988年早大卒。ニューヨーク市立大博士課程修了。2012年より現職。専門は医療経済学。中医協公益委員。53歳

 医療体制の見直しは高齢者の需要変化に即して介護と一体で進めるべきだ。政府は医療・介護ケアの在宅シフトを進めてきたが、高齢単身世帯の急増で今後は調整が要る。住居が広域に点在する地方で各戸を訪問しケアを提供するのは難しい。一部自治体が実施したように、独り暮らしの難しい高齢者が住み替えできる集合住宅を整え、そこにケアを届ける工夫も必要だ。

 そこでは医療や介護を担う現場スタッフの連携が重要になる。一部地域では中核となる医師のリーダーシップで介護事業者と協力し患者本位のケアを提供している。だが多くの地域は医療と介護の提供者がそれぞれ縦割りのケアを続け、効率が悪い。自治体が調整力を発揮するのが望ましい。

 費用対効果の視点も欠かせない。中央社会保険医療協議会は高額な薬剤の登場を踏まえ、生活の質を維持しつつ1年延命するのに公的保険でもつべき費用の上限について国民の意識調査を検討した。人命に値段はつけられないなどの反対で実施は見送られたが、必要な視点だったと思う。

 日本は高齢者の負担を軽く設定してきたため医療や介護はタダに近いような錯覚がある。実際は高齢者本人が負担しないコストを現役世代が代わりに負担し、少子化で支え手が減るので肩代わり負担は一段と重くなる。意識調査すればこうした問題の理解が進んで、政策の選択肢は広がる。

 費用対効果も医療と介護を一体で考えることが大事だ。医療保険の生活習慣病対策は個人による運動などを軸とする。だが生涯医療費をどの程度抑えるかは分からず、むしろ高齢者の身体機能を保つ対策で介護費を抑える方が確実かもしれない。政策判断にはデータがいるが、今はデータがないので議論に入れない。

 米国では高齢者向けの公的保険メディケアが病院の診療報酬データを集め、加入者が受けた診療内容と結果、コストを分析している。個別病院の結果も提供し、地域ごとに病院の診療実績を比べられる。日本も同様にデータを分析すべきだが、政府は体制整備に及び腰だ。行政官や政治家が裁量余地を保ちたいのではないか。

◇   ◇

<アンカー>計画の効果検証 効率化への一歩

 地域医療構想の起点は2013年の社会保障制度改革国民会議報告書だった。高度医療を担う拠点病院に医師ら医療資源を集めて効率化。質の向上とコスト抑制を実現するのと並行して退院後の在宅ケアも整える。病院でなく住み慣れた地域で人生を全うする社会を目指す理念だ。だが、5年たっても動きは鈍い。

 個々の病院が調整に動かない理由は様々だ。空きベッドが増えても、「急性期の旗を降ろせば研修医が来なくなる」と話す病院長は多い。自治体病院の赤字を穴埋めしている県や市町村も再編には及び腰だ。

 厚労省は過去の医療計画でも旗を掲げ地方に指示を出したが、その達成度や効果を検証していない。政策で重要なのは掛け声ではなく何を実現したか。超高齢化が目前の今こそ、医療効率化へ国も地方も知恵を絞る時だ。

(編集委員 吉田ありさ)



https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180809-00000001-kobenext-l28&pos=2
後輩の腕で「注射の練習」 消防士長を厳重注意
8/9(木) 5:55配信 神戸新聞NEXT

 兵庫県明石市消防局に勤務する30代の男性消防士長が3月中旬、後輩の消防士を点滴の「練習台」として注射針を2回、腕に刺していたことが、同局への取材で分かった。傷害罪に当たる可能性があり、報告を受けた上司が口頭で厳重注意した。

 消防士長は、医師の指示を受けた上で注射や点滴などの医療行為ができる救急救命士を目指し、4月に養成学校への入学を控えていた。

 同局によると、消防士長は当直勤務中の仮眠室で、20代の男性消防士に練習台になることを依頼し、同意を得たという。救急用資材の点滴針を使っており、消防士にけがはなかった。消防士長は「二度とやりません」と謝罪した。

 救急救命士法に基づく資格があったとしても、医師の許可なく注射をするのは違法という。山本徹消防局長は、神戸新聞社の取材に対し「同意があったとしても傷害罪に当たる可能性があり、不適切だ。指導を徹底する」と話した。(藤井伸哉)



https://www.m3.com/news/general/620505?portalId=mailmag&mmp=RA180811&mc.l=314539998&eml=3f492a08f1681d66441569ec02c0b51e
特定機能病院:「診療縮小」4分の1、実施・検討 医師の過労対策
その他 2018年8月3日 (金)配信毎日新聞社

 高度医療を提供する大学病院など全国の特定機能病院のうち、少なくとも4分の1に当たる21病院が診療体制や患者サービスを縮小するか、縮小を検討していることが、毎日新聞のアンケートで明らかになった。国が進める働き方改革に伴い、医師の長時間労働を是正するためとみられる。ただ、診療制限は患者サービスに直結するだけに、是正に踏み切れない実態も浮かんだ。

 特定機能病院は通常の病院に比べ勤務医などが多く、医療提供体制が充実している。そこで政府の働き方改革の影響を調べるため、毎日新聞は6月に全国85の特定機能病院にアンケートし、55病院が回答した(回答率65%)。

 政府が一般労働者の残業規制を盛り込んだ「働き方改革実行計画」をまとめるなど働き方改革が広がった昨年4月以降の取り組みを尋ねたところ、診療体制を縮小していたのは5病院だった。杏林大病院(東京都三鷹市)は、泌尿器科など一部診療科で深夜帯の軽症患者の受け入れを中止。東京医科大病院(東京都新宿区)は全診療科の当直体制を縮小し、千葉大病院(千葉市)も救急診療は緊急性が高い場合に限るとホームページで公表している。

 また、信州大病院(長野県松本市)は患者家族への病状の説明を原則、平日の勤務時間内に制限。土日や夜間は主治医に代わり、入院患者らの診療に当番の医師が当たることを原則化した。西日本のある大学病院も非公表を条件に「病状説明は平日時間内にするのを原則としている」と答えた。

 さらに、16病院が診療体制などについて「縮小予定」「縮小を含めて検討している」と回答した。具体的には「救急診療は症状が重く、緊急性の高い場合のみ対応する」「休日や夜間の診療は当直医が対応する」ことを検討しているという。

 先の通常国会で成立した働き方改革関連法は、一般労働者の残業時間の上限を「2~6カ月の平均で月80時間」などと定めた。医師にもこの規定を当てはめた場合、「現在の診療体制を維持できない」と答えたのは14病院に上り、望ましい上限を一般労働者の倍近い「150時間」とした病院もあった。【熊谷豪】



https://www.nikkei.com/article/DGXMZO3393776008082018CC0000/
西日本豪雨 社会
地域医療に打撃、3県97施設が土砂浸水被害 復旧遠く

2018/8/8 8:42日本経済新聞 電子版

 西日本豪雨は地域医療に大きな打撃を与えた。岡山、広島、愛媛の3県で土砂や浸水被害に遭った医療機関は97施設(7日時点)に上る。大規模な建物の補修や高価な医療機器の買い替えが必要なケースもあり、診療体制の完全復旧にはなお時間がかかる見通しだ。医療機関同士の協力体制も含めた地域全体での水害対策が欠かせない。

 豪雨で川の堤防が決壊し、多数の死者が出た岡山県倉敷市真備町地区では大半の医療機関が浸水した。

 「医療機器を上層階に移すなど事前に打つべき手があったかもしれない」。同地区の唯一の総合病院「まび記念病院」の事務担当者はこう振り返る。同病院は現在、施設内にあるプレハブの建物で外来診療などを続ける。

 同病院は数千万円のコンピューター断層撮影装置(CT)などが水没し、被災前の診療機能には戻っていない。入院患者は岡山市などの病院に移ってもらった。事務担当者は「復旧に向けて力を尽くしているが、見通しが立たない」と肩を落とす。

 広島県三原市の本郷中央病院は1階の天井付近まで浸水し、カルテや医療機器が水没した。建物の片付けを終え、豪雨から1カ月が過ぎた6日に浸水を免れた2階で外来診察を再開した。ただ内容は薬の処方や点滴、簡単な診察にとどまる。建物は大規模な補修が必要で、当面は応急的なものにとどめる。

 同病院の担当者は「火災や地震の対応は想定していたが、水害への備えの意識は正直なかった。被災前の体制に戻るには時間がかかるだろう」と話す。

 3県で土砂や浸水被害に遭った医療機関を県別にみると、岡山33施設、広島35施設、愛媛29施設。一部の医療機関は休診中だ。

 過去にも医療機関が水害に見舞われたケースがあった。2015年の関東・東北豪雨でも被害が続出し、茨城県内では13施設に被害が及んだ。内閣府の検証報告書によると、災害時の事業継続計画を事前に定めておくことや施設自体の浸水対策を積極的に行う必要があると指摘した。

 ただその教訓が全国的に浸透しているとは言いがたい。医療機関の災害対策に詳しい日本大の後藤浩教授(河川工学)は「医療機関は地震を想定した対策は取っているが、水害への対策意識は十分と言えない」と指摘。「近年の豪雨の増加を踏まえ、重要な医療機器や電源は水が届かない上層階に設置するなど積極的な対応を取るべきだ」と訴える。

 厚生労働省によると、地域の診療所なども含めると、西日本豪雨による詳細な被災の全容はわかっていない。同省は自治体に対して、医療機関の被害に関する詳細な実態調査を指示。調査をもとに復旧に向けた補助金の交付手続きを進める。同省は「再建には多額の費用がかかる。損害の実態を把握し、早期の支援の実行に移したい」としている。




  1. 2018/08/12(日) 12:13:48|
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8月5日 

https://www.asahi.com/articles/ASL824PXZL82UBQU00G.html
東京医大、女性受験者を一律減点「医師不足解消のため」
2018年8月2日14時10分 朝日新聞

 東京医科大学が今年2月に実施した医学部医学科の一般入試で、受験者側に説明のないまま女子受験者の点数を一律に減点し、合格者数を調整していたことが関係者への取材でわかった。こういった点数操作は遅くとも2010年ごろから続いていたとみられる。同大は、前理事長らが不正合格をめぐって東京地検特捜部に在宅起訴されており、来週にも入試に関する調査結果を公表する。

 同大医学科の今年の一般入試は、1次でマークシート方式の筆記試験を行い、合格ラインを超えた受験者だけが2次の面接と小論文などに進む仕組み。募集要項で男女別の定員は定められていなかった。

 関係者によると、同大では1次の結果について、女子の点数に一定の係数をかけて一律に減点。その結果、今年の一般入試の受験者計2614人(男子61%、女子39%)のうち、1次試験の合格者は男子67%、女子33%で、2次試験を経た最終合格者は男子82%(141人)に対し、女子は18%(30人)に下がり、男女で差が出ていた。

 関係者によると、こうした調整は長年続き、10年の一般入試の合格者の男女比で、女子が4割弱と前年を大幅に上回ったことで加速。「女性は大学卒業後に出産や子育てで、医師現場を離れるケースが多い。医師不足を解消するための暗黙の了解だった」(同大関係者)として、女子の合格者を全体の3割以下に抑える調整が行われてきたという。

 同大幹部は取材に対し「同じ点数なら男子を優先合格させる調整はしていたが、女子の一律減点は許されない」と話した。同大は取材に対し「事実関係を把握していない。内部調査を行っており、適宜公表する」としている。

 文科省の担当者は「入試の募集要項に男女比の調整を明記していれば、大学の責任で実施できる。東京医大がそうした説明をしないまま調整をしていたなら問題だ」としている。

 同大の今年2月の試験をめぐっては、私大支援事業の選定で便宜を図ってもらった見返りに文部科学省前局長の息子を不正合格させたとして、前理事長の臼井正彦被告(77)と前学長の鈴木衛被告(69)の2人が贈賄罪で在宅起訴されている。



https://www.huffingtonpost.jp/2018/08/01/toukyouika-joseisabetu_a_23494326/
東京医大だけじゃない?入試での男女差別。医師らが証言「医大全体にあるとまことしやかに噂されていた」
入試の面接で、女子学生は「結婚・出産」についての対応を聞かれていたという話も。

Shino Tanaka 錦光山 雅子 Masako Kinkozan
2018年08月02日 15時18分 JST | 更新 23時間前 ハフポスト
時事通信社

東京医科大が入試で女子受験生に対して一律に減点していたことを読売新聞などが報じた。

入試での点数操作は女性の入学人数を3割程度に抑えるためで、2010年前後に始まっていたとされる。女子学生の減点のほか、一部の男子受験生に加点することもあったという。同大によると、2018年度は、医学部医学科入学者120人のうち、女性は23人。 受験したのは男子1596人、女子1018人で、筆記がある1次試験の合格率は男子が18.9%、女子が14.5%となった。面接などの2次試験を経て最終的に合格したのは男子が8.8%、女子が2.9%だった。

東京医科大広報部はハフポスト日本版の取材に対し「現在内部調査中。不正入試事件についての捜査にも関わるので、コメントは差し控えたい」と答えた。また、8月上旬をめどに内部調査がまとめられ、公表を予定している。「結果が分かり次第、対応を検討します」と話した。

「噂はあった」

入試段階での「男女差別」が明らかになり、SNSなどでは衝撃が走っている。だが、医師らからは、女子学生の入学を抑制しようとする大学の存在は知られていた、という証言もある。

40代の勤務医で国立大医学部を卒業した男性は、私立ではなく国公立大であっても「私たちが受験生だった頃も、男子有利の大学があるという噂はありました」という。男女別だけではなく「浪人生や再受験生に対し不利な大学というのを、予備校の先生たちから説明された記憶はあります。どこまで根拠のある話かはわかりませんが、模試の偏差値と入試合否の関係から推察していたのかもしれません」と語る。

一方、「健診の現場などで女性医師のニーズは高いと感じる」と話す。その理由には、「病気でもないのに異性に見られたくない、という女性受診者が多いのでは」という。「診断能力には男女差がないと理解されているんだと思う。男性医師の診断能力が高いのだとしたら、男性医師希望という声が聞こえてきそうなものですから」

そのうえで「東京医大のいう『女性は男性の1/3』などというのは我々の実感とはかけ離れている。育児や家事で病院から離れるというのは、女性に育児や家事を押し付けているからにほかならない。女性医師に出勤してもらいたいなら、その配偶者に頑張ってもらえばいい。そのあたりは医師だけが特別ではないと思う」という。

妊娠中、教授は「この子はもう一流の循環器内科医としては望めない」

東京医科大が女子学生の合格を抑えていたとすれば、その理由は何か。報道によると、東京医科大は大学系列の病院で女性医師が結婚や出産で離職すると、医師不足につながるなどの理由を挙げているという。

だが、受験生に説明もなく、性別で差別していたことに、取材に応じた女性医師たちからは「憤りを感じる」「浅はかでその場しのぎの考えが情けない」との声が上がった。

大学病院の循環器内科に入局した女性医師は結婚して出産を控えていた時期、自分のことを「この子はもう一流の循環器内科医としては望めないね」と、教授からほかの医師に言われていたことがあるという。この背景に「医療現場に差別思想が蔓延している」現状を指摘する。

別の大学病院に勤めている育児休業中の20代の女性医師は「妊娠出産した女性医師は、医局の出世コースから遠のくというイメージが出来上がっている」という。「男性医師のほとんどは、妻が専業主婦。女性医師の妊娠出産について理解度が低すぎる。そんな医局に育休明けで戻るのはホラー」と話す。

「いくら医療先進国でも、男尊女卑の思想が染み付く日本は先進国とは言い難い。医師不足や女性医師の仕事復帰などの根本的な問題に目を背け、女子減点という浅はかでその場しのぎの考えが情けない」

「日本に帰りたくなくなった」

アメリカでがん専門医として働いている30代女性は、こう語る。

「男7割女3割の入学比率は、割とスタンダードだった。二次試験の面接で加点や減点があると聞いていた。実力があれば女子も加点があるかもと信じて多くの受験生は頑張る。でもマークシートで機械的にふるい落とされるとしたら、切なすぎる」

ただ、女性医師になってからも、ハードルは様々なところにある。

「ハラスメントは学生時代も医師になってからも続く。留学したいとか言うと『先生は女の子だから無理だよ』と言われる意味不明な世界だった」

「私は卒後4年目に渡米してアメリカでがん専門医として働いていますが、職場で性別を理由として差別を受けたことはない。いつか日本の医療に貢献したいとは思いますが、こんな現状ではますます日本に帰りたくなくなりました」

多浪受験生の間でも「男女差別」?

多浪で医学部を受験している娘をもつ母親は「多浪の女子学生も差別されていると感じる」と話す。

「聖マリアンナ医大は、昨年度から女子学生は現役と一浪だけになりました。比較的多浪に寛容といわれ、実際男子は2浪以上の入学者も多数いるにもかかわらず、です」

同大のホームページに掲載されている入試データをみると、2016年度入学まで多浪(2浪以上)の女子合格者を受け入れていたが、2017年度からは2年連続でゼロ。代わりに現役、1浪の女子学生が増えている。多浪は男子学生ばかりになった。

入試の面接で「結婚、出産」を聞かれる異常さ

この女性の娘は、2017年度に受けた、別の私立医大の入試面接で、次のようなやりとりが2度繰り返されたという。

面接官:「女性だと、結婚とか出産とか大変だと思うけど、大丈夫?」
娘:「はい」
面接官:「大丈夫?」
娘:「はい」
面接官:「本当に大丈夫?」
娘:「あ...はい」

入試面接で、女子受験生だけに結婚や出産について聞かれることは珍しくない。

2007年度に地方の国立大医学部の入学試験を受けた経験のある女性の場合は、こうだった。

女性:「頑張ります」
面接官:「具体的には?」
女性:「結婚は考えていません。実家は病院ではないので戻って就職することも考えていません。医師になったら、そこの環境で判断します」
面接官:「でも結婚したくなるかもよ」
女性:「結婚や出産より大事な役割があると思っています」
女性は振り返る。

「国立大の医学部では、特に『その大学のある地方にとどまること』を気にして、結婚・出産を聞いていた感じでした。『覚悟を見せた!』と意気揚々と面接室を出たのを覚えています」

「滑り止めに受けた私立医大では、ダイレクトに『女の人は妊娠や出産、結婚でやめる人が多い。仕事の大切さについてどう考えているか』と問われた記憶があります」

予備校でも、こうした面接に備えた想定問答を作っていたという。

「予備校の医学部受験コースは、入試面接の『模範解答集』を受験生に配布していて、『結婚出産について聞かれたら』という項目もありました。『体力があり、長く働き続ける』ことをPRしなさいと助言していた記憶があります」

「国立大学の医学部に合格したのですが、入学後の講義で、男性の教授が公然と『結婚して関東に戻って医局を離れる"食い逃げ"が多い』とまで言ってましたから。地方国立大学の"食い逃げ"が多いのは、男性も同じ。医局に残りたくなくて男性も逃げていきますよ。女性だけじゃない」

医学部の受験情報サイト「医学部受験マニュアル」によると、東京女子医大を除く医大・医学部で、女子比率が高いのは、富山大学で、女子学生の比率は54%と男子より多い。次の埼玉医科大は47%。次いで、愛知医大、東京医科歯科大学と続く。女子比率が4割以上の共学の大学は、判明している51校のうち、11校だった。51校で一番低いのは東京大で比率は16%。次いで東北医科薬科大の19%だった。

このサイトでは、「30年前の医学部における女子学生の割合が10%程度であったことを考えると、間違いなく女子医学生の割合は上がっている」としながらも現状を次のように指摘、入試対策をしっかり準備するよう呼びかけている。

「公然と女子の合格者を下げることはしなくても、女子が苦手にしがちな数学の難易度を上げたり、女子が比較的多く選択する生物の難易度を上げる、面接の配点を下げるなどにより間接的に女子の合格率を下げている大学もあるようです」



https://www.huffingtonpost.jp/2018/08/02/drtanebuarticle_a_23494408/
東京医大以外でも「女子合格率、医学部だけ低いのは不自然」女性医師が指摘 
「医学部以外の学部の入試ではすでに、女子学生の合格率が男子学生を上回ってます」

2018年08月03日 11時58分 JST | 更新 2018年08月03日 13時26分 JST ハフポスト
錦光山 雅子 Masako Kinkozan

東京医科大が入学試験で女子受験者を一律減点していたと読売新聞など各社が8月2日に報じた。

大学医学部の女子合格率の偏りは、以前から指摘されていた。

女性医師らで作る「日本女性医療者連合」のサイトには、「女性医師を『増やさない』というガラスの天井」という論考が掲載されている。

この論考を書いた、同会理事で「女性クリニックWe富山」(富山市)種部恭子院長に、今回の報道や論考について話を聞いた。

15年間も3割台前半の「不自然」

「医師国家試験」の合格者に占める女性の割合は90年代急速に増え、2000年には3割台に乗りました。この時点では、じきに4割も超え、将来的には医師の働き方も改善されていくだろうと期待していました。


ところが、2016年度まで15年間、ずっと3割前半のまま変わらずに来ています。国家試験の受験者に占める女性の割合も3割台で、合格率は女性の方が高い。

では、その上流にある医学部入試ではどうなのか、「学校基本調査」を過去にさかのぼって調べました。
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医師国家試験の男女比率の推移=「女性医師を「増やさない」というガラスの天井 ~医師・医学生の女性比率に関する分析」より抜粋

医学部だけ、女子の合格率が低いまま

下のグラフは学部別の男女の合格率を比べたグラフです。女性と男性の合格率が同じなら1.0、女性の合格率が多いなら1.0以上になります。

理学部は男女の合格率はほぼ並び、工学部はすでに女性の合格率が男性を上回っています。一方、女子の合格率が男子より低いのは医学部だけになっています。全体の流れからすれば、不自然な傾向だと感じました。
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種部 恭子さん

女子の入試合格率が低いのは、東京医科大のような私立だけではありません。国立、公立もです(下のグラフ参照)。
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医学部合格率の男女比=「女性医師を「増やさない」というガラスの天井 ~医師・医学生の女性比率に関する分析」より抜粋

日本の医療界は「男性中心のまま」

アメリカでは、病院でも研究機関でも意志決定の層に女性が日本よりもずっと多いこともあり、性別関係なく働ける環境や仕組みに改善されてきました。

ところが日本の医療界では「男女共同参画」自体、いまだにイロモノ扱いで、学会も厚生労働省も医師会も、女性医師のドロップアウトにつながっている根本的、構造的なジェンダーハラスメント問題に切り込もうとしてきませんでした。ほとんど何も変わっていないと思います。

今回の東京医大の問題では医師不足の原因が、女性医師の離職であるかのように言われているのが腹立たしい限りです。

日本の医療は、圧倒的多数の男性中心に発展してきたため、人材や労働の環境で多様性に欠けています。医師の過重労働が変わらないのも男性医師が、家事育児などの「家庭責任」を担わずにきたことも大きい。医師同士が結婚した後、キャリアからフェードアウトしていくのは、ほとんどが女性です。

日本の医療は公的資金で賄われ、診療報酬を政府がコントロールし、大学の医学部の定員も医療政策に基づいて決められています。「公共財」である医療を担う人材の選抜で、恣意的に男女比を操作しているのが事実なら、許されないことだと考えています。



https://www.huffingtonpost.jp/2018/08/03/tmu_a_23495098/
東京医大、海外メディアは「女性医師は家庭持つと職場を追われる」と報道
日本と比べてみると…。

2018年08月03日 14時43分 JST | 更新 2018年08月03日 14時43分 JST ハフポスト
ハフポスト日本版編集部

東京医科大が入試の得点を一律に減らして女子合格者数を抑えていた問題を、海外メディアも相次いで報じている。

最初に報じた読売新聞は「女性医師が結婚や出産で離職すれば、系列病院の医師が不足する恐れが背景にあったとされる」とし、大学幹部の「必要悪」との発言を報じている。

フランスのAFP通信は、この点について「一般的に高学歴であるにも関わらず、日本の女性は家庭を持つと、この国の悪名高き長時間労働によって、職場を追われてしまう」。また、安倍首相の「女性活躍(ウーマノミクス)」方針についても言及し、「進展のスピードは遅い」と指摘している。

ロイター通信は「安倍晋三首相は、『女性が輝く』社会づくりを掲げているが、少子化にも関わらず女性は現在も就労では苦戦しており、出産後の職場復帰もハードルがある」として、女性の働く環境の問題として報じている。

台湾の中央通信では、ネットでは「男子しか歓迎しないなら『東京男子医大』に名前を変えればよい」と皮肉られているとも紹介している。



https://www.yomiuri.co.jp/national/20180801-OYT1T50132.html
外科では女性医師敬遠がち「女3人で男1人分」
2018年08月02日 16時30分 読売新聞

 東京医科大(東京)医学部医学科の一般入試で、同大が女子受験者の得点を一律に減点し、合格者数を抑えていたことが明らかになった。同大出身の女性医師が結婚や出産で離職すれば、系列病院の医師が不足する恐れがあることが背景にあったとされる。水面下で女子だけが不利に扱われていたことに対し、女性医師や女子受験生からは「時代遅れだ」との声が上がる。

 「いわば必要悪。暗黙の了解だった」。同大関係者は、女子の合格者数を意図的に減らしていたことについてそう語る。

 この関係者によると、同大による女子合格者の抑制は2011年頃に始まった。10年の医学科の一般入試で女子の合格者数が69人と全体(181人)の38%に達したためだ。医師の国家試験に合格した同大出身者の大半は、系列の病院で働くことになる。緊急の手術が多く勤務体系が不規則な外科では、女性医師は敬遠されがちで、「女3人で男1人分」との言葉もささやかれているという。

(ここまで403文字 / 残り534文字)



https://www.m3.com/news/iryoishin/619997
東京医大事件「説明責任に尽きる」、山下AJMC会長
「事実確認待つ」と静観、私立大入試に「裁量は尊重」とも

レポート 2018年8月1日 (水)配信大西裕康(m3.com編集部)

 全国医学部長病院長会議(AJMC)会長の山下英俊氏(山形大学医学部長)は7月31日の記者会見で、東京医科大学の前理事長・臼井正彦氏と前学長・鈴木衞氏が7月24日に起訴されたことに関連し、私立大の入試・学生選抜について、大学の裁量権を尊重しつつも国民の納得できる制度であるべきとの認識を示した上で、「説明責任という問題に尽きる」との考えを示した。

 AJMCとして声明などを発表したり、再発防止対策に取り組む考えはあるかとの質問に対しては、「どういうことが行われたのかは報道の内容しか知らない。全体の流れ、問題点を見極めて判断することになると思う」と述べるにとどめた。

 山下氏は、大学入試に不正が入り込む余地について「まず国立大学にはルールがあり、個人(の恣意的な不正)によって、というのは効きようがない」と説明。私立大については、「将来、医師に必要な人材であるかを見極める方法は色々でいい」と指摘した上で、「国民の皆さんに納得していただける制度を、大学の裁量権を尊重しながら、(AJMCから)発信が必要であればしていきたい」と述べた。

 東京医大事件については、会見に出席した副会長の羽生田正行氏(愛知医科大学病院長)も「あくまで私見」と前置きした上で、「金銭の授受は論外だが、クリアにするなら、学生の選抜を評価する組織が公的な責任を持ってやらなければならない」との考えを示した。一方で、「一般論として入試にバイアスをかけてはいけないという話はおかしい。例えば『地域枠』は見事なバイアス。公平性を担保した上ではやっていいと思う。

入試改革は必要

 一方、山下・羽生田両氏とも、東京医大の事件とは関係なく、医学部の入試改革は必要との考えを強調した。山下氏は、「入試の問題は、今後の医学部定員をどうするかという問題と絡んで大きく動いていくと思う」との認識。現状については、「適性のある学生を選ぶために面接試験をする時、医師として頑張ってくれる、地域医療にも貢献する、そういう考えをまとめてきちんと伝える、という能力をわれわれは見極めたいが、面接する教員の負担が大きくなる」と指摘し、「入試制度自体の検討が必要」と強調。「例えば米英は長い期間、複数の先生が数時間インタビューして見極めていく」とも述べた。羽生田氏も「ある程度、一般論として、入試の在り方の検討などから入っていきたい」と述べた。



http://blogos.com/article/315331/
東京医科大学の女性差別入試は日本社会を劣化させ日本経済も衰退させるもの
2018年08月02日 18:42 BLOGOS
(井上伸)

(グラフ等 略)

 東京医科大学が2月に実施した医学部医学科の一般入試で、女性受験者の点数を一律に減点し、女性の合格者数を減らしていたことが判明しました。大学側は「女性は大学卒業後に出産や子育てで、医師現場を離れるケースが多い。医師不足を解消するため」「いわば必要悪。暗黙の了解だった」とし、女性の合格者を全体の3割以下に抑える調整が行われてきたとのことです。こうした女性差別は日本社会を劣化させ日本経済もさらに衰退させるものです。

 下のグラフは、OECDの「ジェンダー白書」に掲載されている「男女差別の解消と経済成長の見通し(各国のGDPで、単位は10億米ドル)」に、私が「男女差別が解消するシナリオでのGDP」が「男女差別に変化なしのシナリオでのGDP」の何%にあたるかを書き加えたものです(男女差別は2010年の各国水準を起点にしています)。グラフを見て分かるように、「男女差別が解消するシナリオでのGDP」が最も高くなるのが、119%の日本です。男女差別を解消すると、アメリカやフランスの109%より、経済成長が10%も日本は高くなるとOECDは見通しているのです。

 そして、OECDの「ジェンダー白書」は、男女差別を解消すると日本のように経済成長が大きくなる国は、「大きな男女差別が存在するため、結果として女性労働力の有効活用による経済成長の可能性が高くなる。逆に男女差別が小さい国では、プラス効果は限定的になる」「政府と雇用主にとって今後の重要な課題は、女性が働くことにもっと魅力を感じるような労働条件と賃金の実現を進めること」「男女がもっと平等に有償・無償労働に参加する必要があり、そのために職場慣行をそれぞれの労働への需要を満たすのに適したものに変えることが必要」と指摘しています。世界的に見ても最悪レベルの女性差別が存在する日本のような国は、そもそも経済成長そのものを妨げているわけです。それなのに、さらに女性差別を日本社会で助長する東京医科大学の行為は経済成長をも低下させるものです。

 また、世界経済フォーラムの2017年版ジェンダーギャップ指数(男女格差指数)の世界順位で、以下のように安倍政権で2017年は114位と過去最低を記録しています。

 この世界経済フォーラムの「男女格差指数(経済活動への参加・機会)」(※100に近いほど平等)とIMFの「1人当たり名目GDP(年平均為替レートベースでの米ドル換算)」(※いずれも2017年のデータ)でグラフを作ってみたものが以下です。

 上のグラフにあるように、女性が経済活動に参加する国ほど経済成長するのです。2017年版ジェンダーギャップ指数で男女平等度が2位のノルウェーのエルナ・ソルベルグ首相は、読売新聞のインタビューに以下のように答えています。



 ――なぜ男女平等か。

 「一義的には公平性の問題だ。だが、経済的な理由もある。女性が経済活動に参加すると国内総生産(GDP)が増加する。ノルウェーでは女性の77%が働くが、北海油田が産出する石油よりもGDPに貢献しているという研究もある」

 「高福祉なのになぜ経済成長が可能なのかとよく聞かれるが、公的な育児支援が充実していれば、家庭と仕事を両立できる。所得格差が大きく育児支援が貧弱な国では、保育サービスを買える裕福な女性でないと仕事もできないし、政治にも参加できない」

 ――日本では「すべての女性が輝くことができる社会」を成長戦略の中心に位置づけているが、道のりは遠い。

 「重要なのは仕事と家庭のバランスだ。どちらか一方を選ぶべきではない。選択を迫ると、子どもの数も働く女性も少なくなる」

 ――2000年にノルウェーで男女平等を取材した時、男性からもっと育児に参加したいという訴えが増えていると聞いた。

 「この20~30年、育児は男性にとってますます重要になっている。育休の父親割り当て制度など、父親が早期から育児に関われるよう法制度も整備された」

読売新聞2018年3月3日付 [編集委員が迫る]「男女不平等」幸せですか エルナ・ソルベルグ氏




 ノルウェー首相が指摘している「一義的には公平性の問題だ。だが、経済的な理由もある。女性が経済活動に参加すると国内総生産(GDP)が増加する。ノルウェーでは女性の77%が働くが、北海油田が産出する石油よりもGDPに貢献しているという研究もある」という言葉を、日本社会が理解して女性差別を解消してしかない限り、日本社会の劣化と日本経済の衰退は止まるわけがないと思います。



http://www.chunichi.co.jp/article/column/editorial/CK2018080402000117.html
社説 女性差別入試 文科省は一斉調査を
2018年8月4日 中日新聞

 身勝手にあきれる。得点操作で女性への門戸を狭めた疑いのある東京医科大は女性医師の離職率の高さを理由としているという。受験生の疑念を晴らすためにも文科省は不正に厳しく対応すべきだ。

 関係者によると、得点操作は以前から暗黙の了解として行われ、年度ごとに一定の係数を掛けて、一律に点数を減らしていたという。女子の合格者を全体の三割前後に抑える目的だったとされる。二〇一八年度、女子が合格者に占める割合は17・5%だった。

 大学は内部調査の結果を来週にも公表予定というが、受験勉強を重ねた揚げ句、何も知らされず人生を変えられた女子受験生たちにすみやかに謝罪し、救済措置や補償を考える必要がある。

 大学側は、系列病院の医師不足を避けたいという思惑があったという。結婚や出産を機に仕事を辞める女性も多いとされ、実際、医籍登録後十二年の女性医師の就業率は73%で男性より16ポイント以上低い。

 ではなぜ、女性医師は家族を持ったときにキャリアを諦めてしまうのか。背景には性別を問わず過酷な労働実態がある。一六年、厚生労働省研究班が初めて実施した大規模調査では、二十代勤務医は週平均五十五時間働き、これに当直や病院外などでの待機時間が十二時間以上加わる。

 誰もが長時間労働をしているもとでは、子どものお迎えなどの事情で早く帰る医師がいれば、その肩代わりは過重と受け取られる。仕事と家庭の両立を目指しても、上司や家庭の無理解で燃え尽きていくという現実もあるようだ。長時間労働で何とか成り立ついびつな職場を支えるために、入試をゆがめるのは本末転倒ではないか。

 ほかの大学で同様の不正はないか、文部科学省は直ちに調査する必要がある。

 幹部が同大の不正入試を巡って受託収賄の罪に問われている渦中だけに、監督官庁としてどう対応するか、人々はより厳しく見つめている。

 近年、医師国家試験合格者に占める女性の比率はずっと、30%台で推移している。入試という「入り口」で、ガラスの天井が生み出されているのではないかという疑念の声もある。

 医師として多様な人材がいた方が、患者にとっては安心につながり、医療の「質」も高まる。これを機に、性にかかわらず働きやすい環境づくりを加速するべきだ。



https://www.yomiuri.co.jp/editorial/20180803-OYT1T50127.html
社説 東医入試疑惑 受験生への説明責任を果たせ
2018年08月04日 06時00分 読売新聞

 公正・公平が大原則の大学入試で、女性という理由だけで内密に減点する。事実であるなら、受験生への背信行為だというほかない。

 入試不正を巡る汚職事件に揺れる東京医科大の今年の医学部一般入試で、女子受験者の得点を一律に減点し、合格者数を抑えていた疑惑が明るみに出た。

 関係者は認めたが、大学側は「把握していない」という。あいまいな説明では、受験生は到底、納得できまい。大学として、過去の入試を含めて調査を徹底し、事実を明らかにせねばならない。

 マークシート方式による1次試験の結果が出た後に、女子受験生の得点に一定の係数をかけて減点していたとみられる。

 今年の1次試験の合格率は、男子18・9%、女子14・5%だった。小論文や面接を経た最終合格率は、男子8・8%、女子2・9%と差が開いていた。恣意しい的操作をうかがわせる結果ではないか。

 入学定員を男女ごとに設定すること自体に問題はない。

 ただし、事前にそれを公表するのが前提となる。東京医大は、受験生には一切伏せたまま、2011年ごろから女子の得点を減らしたり、合格率を一定の割合に抑えたりしていた疑いがある。

 林文部科学相が一般論として、「女子を不当に差別する入試は、断じて認められない」との見解を示したのは当然だ。

 東京医大では、10年の入試で女子の合格者数が全体の4割近くに達した。これをきっかけに、減点などを始めたとの指摘がある。

 大学を卒業した医師の多くは、系列の病院で勤務する。関係者は「女子は結婚や出産を機に離職することが多い。男性医師が大学病院を支えるという意識が学内に強い」と説明している。

 経営判断として、医師不足への危機感があったとしても、女子を入試の段階で意図的に排除しようとする手法は許されまい。女性医師が働きやすい環境を整えるのが、大学の務めだろう。

 厚生労働省は、出産で離職した女性医師の復職に注力している。有識者会議は2月、女性医師への支援の必要性を強調した緊急提言をまとめた。東京医大の姿勢は、こういった流れにも逆行する。

 全国の医学部の入学志願者に対する入学者の割合は昨年、男子が6・6%、女子は5・9%だった。男女の差は理学部や工学部などに比べて、顕著だった。

 東京医大の事例が、氷山の一角である可能性はないのか。



https://www.asahi.com/articles/ASL842TYNL84UBQU007.html
四国電力が医学部生奨学金 原発周辺の医師不足解消狙い
前田智  2018年8月4日14時00分 朝日新聞

 四国電力は来年度から、伊方原発がある愛媛県伊方町や隣接する同県八幡浜市などでの医師確保と原子力災害に備えた医療体制を整備するため、愛媛大の医学部生を対象にした奨学金貸与事業を始める。11月をめどに財団を設立し、毎年2人、計16人に奨学金を6年間貸与する。6日に愛媛大、八幡浜市立八幡浜総合病院と連携書を締結する。

 来年度から8年間、毎年2人ずつ奨学生を募集。年間180万円を6年間(計1080万円)貸与する。奨学生が南予地域を中心とした指定医療機関に7年間勤務し、うち最後の2年間は原子力災害の拠点病院になっている市立八幡浜総合病院を中心に勤務すれば、奨学金の返済を免除する。

 診療科目に限定はなく、地域医療に関わるという気持ちを第一に選考。専門性を高めるため3年程度、四国外での研修も考慮する。

 伊方原発は1号機、2号機の廃炉がすでに決まり、3号機(運転停止中)だけが残っている。地元からも電力以外の活性化を考えてほしいと要望があったといい、玉川宏一副社長は「地域の医師不足解消は喫緊の課題で、いささかなりとも寄与できれば」と話した。



https://digital.asahi.com/articles/ASL7Z5369L7ZUBQU013.html?rm=293
新専門医制度で東北の医師不足に拍車 研修で若手が流出
角津栄一2018年8月1日15時00分 朝日新聞

 宮城県登米市の市立診療所が8月、医師不足で休診する。その背景とされるのが、今春導入された「新専門医制度」だ。若手医師が専門医の研修先として、大都市部の医療機関を選ぶ傾向が強まったという。東北地方の医療関係者は、医師不足に拍車がかかると危機感を募らせている。

 5月に登米市立登米診療所が8月から休診することが公表されると、診療継続を求める約3300人分の住民署名が提出され、6月市議会では議員から市側の対応を批判する意見が相次いだ。

 市が、医師を確保できなかった理由の一つとして挙げたのが、新専門医制度。2年間の臨床研修を終えた若手医師が、専門医研修を受ける医療機関を選ぶ仕組みだ。

 「多くの症例数や経験豊かな指導医を求めて、東京など大都市にある大学病院や著名な民間病院に流れる」と、地方の医療関係者は指摘してきたが、その恐れが現実のものとなった形だ。

「地域枠」でも研修で県外へ

 制度を運用する日本専門医機構によると、東北6県で臨床研修を終えた医師37人が東京都内の研修施設に登録した。研修医のうち地元に残る割合を示す「定着率」も宮城を除く東北5県は70%台から90%台の見通しだ。

 青森県では、県内勤務を条件とする「地域枠」で弘前大医学部に入学した若手医師十数人が、県外の研修先を選んだ。県は「地域枠で入学した医師は地域勤務を義務づけられている。研修施設に地域枠卒医師であることを周知するべきだ」と、制度の見直しを主張。東北6県も6月、地域枠卒の医師が県外の研修施設に登録できない仕組みを政府に要望した。

 「新制度は地域医療の衰退につながる」と導入に反対してきた「専門医制度の『質』を守る会」メンバーで、仙台厚生病院医学教育支援室長の遠藤希之(まれゆき)医師は「年齢が近い若い先輩がいる病院を研修先に選ぶ傾向が強い。地方での医師の高齢化が一層進む可能性がある」と指摘する。

「国の政策関与が必要」

 小児科医や産婦人科医は安心して出産・子育てをする環境に欠かせない存在だ。しかし、専門医の研修先は大都市に集中し、東北の産婦人科の研修登録者は宮城8人、山形4人、青森、秋田、福島各3人、岩手1人。人口減に悩む地方での医療環境にも影響しかねない。

 産科医不足に悩む岩手県では今春、県南部の民間病院が分娩(ぶんべん)をやめるなど分娩施設が減りつつある。県産婦人科医会顧問の小林高(たかし)医師は若手医師の呼び込み策として「専門志向が強い若い医師向けに、年に何日間か海外も含めて学会に参加できる制度を設ける。必要な予算は、国が過疎化対策として考えてもいいのでは」と提言する。

 東北は面積が広く、医療機関へのアクセスに時間がかかる地域が多い。可住地面積当たりの医師の人数は全国平均の243人を大きく下回り、岩手66人、秋田70人などとなっている。

 地域医療を支える公立病院でつくる全国自治体病院協議会の副会長で、前岩手県立中央病院長の望月泉氏は言う。「医師の偏在は都道府県の努力だけでは限界があり、国の政策関与が必要だ。欧米では専門医の数が地域ごとに決められ、質の担保と偏在を調整する制度もあり、検討の余地はある」



http://www.medwatch.jp/?p=21800
医学部卒業前の「臨床実習」強化、「医学生の医行為」の法的位置づけ明確に―医学部長病院長会議
2018年8月1日|医療現場から MedWatch

 大学医学部では、医学部を卒業し、医師国家試験に合格した時点で「全身を診ることができ、病態を理解し、緊急対応が必要か否かを判断し、必要な場合には専門医へのコンサルトを含めた適切な対応を行える」医師の養成を目指す。このためには医学部卒業前において「臨床実習」を強化することが求められ、そこでは医学生の行う医行為の法的位置づけを明確にする必要がある―。

 全国医学部長病院長会議の山下英俊新会長(山形大学医学部長)は、7月31日に開催した初の記者会見で、このような考えを強調しました。
 
 また、会見では2017年度における研修医実態調査結果も報告され、「大都市部の大学病院や旧帝国大学病院などを目指す研修医・専攻医が多いが、そこから多数の医師が関連病院に出向している」実態が再確認されています。

ここがポイント!
1 医師免許取得時点で「全身を診て、緊急時には必要な対応をとれる」医師の養成を
2 「大学病院は教育の場でもある」点を踏まえた診療報酬改定に期待
3 旧7帝大医学部に医師が集中しているが、その半数が出向し、地域医療を守っている

医師免許取得時点で「全身を診て、緊急時には必要な対応をとれる」医師の養成を

 全国医学部長病院長会議では、先ごろ、新会長として山下英俊氏(山形大学医学部長)、新副会長として羽生田正行氏(愛知医科大学病院病院長)を選出しました。

 山下新会長は、「卒然、卒後の医学教育改革を進める必要がある」ことを強調。5月の総会で次の2つの方針が確認されたことを紹介しています。
(1)大学医学部では、医学部を卒業し、医師国家試験に合格した時点(医師免許取得時点)で「全身を診ることができ、病態を理解し、緊急対応が必要か否かを判断し、必要な場合には専門医へのコンサルトを含めた適切な対応を行えることを含め、幅広い診療を行える」医師の養成を目指す

(2)(1)を推進するために、卒前教育を充実する必要があり、▼CBT(医学医療に関する知識の修状況を審査する、Computer Based Testing)・OSCE(技術や態度などを確認する、Objective Structured Clinical Examination)を公的に位置付ける▼医学生による医行為の法的担保を行う―ことなどを目指す

 山下新会長は、いわば「初期臨床研修の一部」を学部教育に前倒しすることで、初期臨床研修に入った時点で一定程度の診療を行えるようになると指摘。現在、初期臨床研修医は年間1万人誕生します。こうした研修医が、「研修の当初から一定の診療を実施でき、さらに専門的な知識・技術の修得に向けた研鑽に励む」こととなれば、地域医療に従事する医師が年間1万人増加することになり、地域の医師偏在解消に一定程度の効果があると考えられます。

 学部教育(卒前教育)・初期臨床研修・専門医研修(後期臨床研修)が、全体として前倒しされるイメージですが、日本専門医機構の前副理事長として「新専門医制度の初動」にも深く関わった山下新会長は、「新専門医制度では、当該領域について重要な症例のすべてを理解し、きちんと説明できる医師を養成することとなった。『自身の専門領域を決め、専門医資格を取得する』ことを1つのマイルストーン(到達点)として、ここから逆算して、卒前教育で臨床実習の充実が不可欠と考える」との考えも示しています。

 ただし、初期研修の一部を前倒しして、医学部教育の中に盛り込むとなれば、「医師免許を持たない、医学生が医行為を行う」ことになります。例えば「注射をする」行為1つをとっても、患者の身心に侵襲を与えるため、行為を外形的に見れば「傷害罪」の構成要件に該当しますが、医行為である場合には「正当行為」(刑法35条)として違法性が阻却されます(犯罪とはならない)。医学生が行う医行為も同様で、違法性はありません。ただし、医行為にはさまざまな種類があるため、難易度や患者への侵襲の度合いを考慮した「医学生が指導医の下で実施できる医行為」(いわゆる前川レポート、門田レポート)が定められています。

 この点、山下新会長は「大学病院であれば、経験上、臨床実習として医学生が行う医行為を適切に受け入れられる(いわば医学生の医行為に慣れている)が、一般病院では『医学生が医行為を実施して良いのか。法律上の問題はないのか』との疑問を持つケースも少なくない」と指摘。例えば、厚生労働省が「医学生の行う一定の医行為には違法性がない」旨などを通知などが、違法性阻却に関する法的な担保を行い、一般病院でも医学生が積極的に医行為を実施できる(もちろん指導医の下で)環境を整備するよう、強く働きかける考えも示しました。

「大学病院は教育の場でもある」点を踏まえた診療報酬改定に期待

 また羽生田新副会長は、病院長(病院の経営者、管理者)の立場から▼医師の働き方改革の在り方▼診療報酬改定―などの面にも注目した取り組みを行っていくことを強調。

 例えば後者の診療報酬については、「一般病棟用の重症度、医療・看護必要度」等の見直しに触れ、「大学病院では、通常の診療に加えて、医学生の教育の場でもあり、幅広い患者を受け入れなければならない。この点を考慮して看護必要度等を考えるよう、きちんと発言していく」とコメント。一般病棟では、看護必要度に基づく重症患者割合が厳格化されてきており、2018年度診療報酬改定では急性期一般入院料1(従前の7対1一般病棟)では30%以上(DPCデータを用いる看護必要度IIでは25%以上)となりました。大学病院(特定機能病院)では、これより若干緩めの「28%以上」(同23%以上)に設定されましたが、やはり従前よりは厳格化されています。すると、医学生教育のために「比較的、重症度の低い患者」を受け入れることが困難となり(逆に受け入れれば経営が困難になる)、教育に支障が出てしまうことを羽生田副会長は危惧しているのです。
 また、このほど明らかになった「消費増税の補填不足」問題についても、安定した地域医療を守るため、将来の医師を育てるために「必要な原資を確保しなければならない」点を強調しています。

旧7帝大医学部に医師が集中しているが、その半数が出向し、地域医療を守っている

 7月31日の記者会見では、2017年度の「全国大学附属病院 研修医に関する実態調査」結果が、守山正胤・地域医療検討委員会委員長(大分大学医学部長)から報告されました。そこからは、例えば、次のような状況が明らかになりました。
 
【国立大学医学部(旧帝国大学医学部を除く、以下同じ)】
▽後期研修(専門医研修)を受ける医師(いわば入局者数)は、自大学医学部の卒業生数に比べて59.5%にとどまる(自大学から100名の医師が生まれたとして、入局するのは他大学出身者も含めて60人にとどまる、というイメージ)
▽卒業生のうち、37.9%が後期研修(専門医研修)先として自大学を選び、後期研修医に占める自大学出身者の割合は63.7%となっている

【旧帝国大学医学部】
▽後期研修を受ける医師(入局者数)は、自大学医学部の卒業生数に比べて117.0%にのぼる(自大学から100名の医師が生まれたとして、入局するのは他大学出身者も含めて117人に増加する、というイメージ)

▽卒業生のうち、42.0%が後期研修先として自大学を選び、後期研修医に占める自大学出身者の割合は35.9%となっている

 ここからは「旧帝大に、他大学から多くの医師が集結している」状況が伺えます。しかし、山下新会長は「単純に旧帝大に集結する状況を批判することはできない。後期研修医1年目の出向率調査結果を見ると、旧帝大では49.3%にのぼり、他の国立大学(26.8%)の2倍近い。この旧帝大からの出向によって地域医療が守られている実態もある」と述べ、全体を俯瞰した「医師確保対策」を検討しなければならないと強調しています。
 
 

https://www.asahi.com/articles/ASL846W1RL84UBQU00F.html
妊産婦の受け入れ中止へ 医師派遣なくなる宮崎の病院
菊地洋行2018年8月4日21時00分 朝日新聞

 宮崎県串間市は1日、来年度から市民病院(同市西方、黒木和男院長)で妊婦の出産や入院の受け入れができなくなると発表した。理由は産婦人科の医師不足。非常勤医による週2、3日程度の外来診察や妊婦健診は来年度以降も続けるという。

 同病院は市内で唯一、出産を扱ってきた。来年度から市内の妊婦は、日南市など市外の医療機関に通うことになり、妊婦本人や家族の負担が増えそうだ。

 病院の平尾伸之事務長によると、産婦人科(8床)には宮崎大医学部が常勤医を派遣してきたが、4月に大学側から「来年度以降の医師派遣が困難になった」と通知があった。

 市は大学側に派遣継続を要望する一方、医師派遣会社などにも依頼してきたが、見通しが立たないため受け入れ断念を決めたという。平尾事務長は「引き続き医師確保に向けて努力するが、来年4月以降に出産する妊婦の方に知らせるため発表した」と話した



https://toyokeizai.net/articles/-/229314
「財政破綻の夕張」で起きた地域医療の現実
今、私たちが夕張市民から学ぶべき事は何か

森田 洋之 : 医師、南日本ヘルスリサーチラボ代表
2018/08/02 8:00 東洋経済オンライン

病床の削減、医師不足、医療費の高騰など、医療や医療費に関する報道が後を絶たない。そうしたなかで、医療経済学的知見から問題提起をした『医療経済の嘘』が話題となっている。
著者の森田医師はなぜ医療経済分野を志したのか――その原点は、かつて医師として赴任した「夕張市」にあった。「財政破綻」「医療崩壊」「市として高齢化率日本一」――数々の悪条件に取り囲まれた夕張市に赴任した森田医師が見た夕張における医療の現実とは。

ある日突然「病院」がなくなった夕張市

夕張市の病院閉鎖は2007年の「夕張市の財政破綻」がきっかけでした。当時は日本中の大ニュースでした。

夕張市の財政破綻で「夕張市立総合病院が閉院」となりましたが、正確には、病院がなくなって診療所になりました。具体的には、財政破綻前の夕張市には、171床の市立総合病院があったのですが、それが市の財政破綻で維持できなくなって、19床の診療所になったのです。旧病院の建物の一部を使って、小さな診療所と老健(介護施設)40床に縮小しました。

ちなみに、医療法では19床までが「診療所」で20床以上が「病院」と決まっています。細かい法律の話は置いておいて、とにかく、市内の病床数が突然約10分の1に減ったということです。さらに、それまであった外科とか小児科とか透析医療などはすべてなくなってしまいました。また、市内に数件の開業医院はありますが、入院できる医療機関はここだけです。

もちろん市外に行けば、総合病院はありますし、救急車を1時間ちょっと飛ばせば、札幌にも行けます。交通事故の大ケガとか、心臓の急な発作とか、そういう場合はドクターヘリで札幌の病院へ搬送となります(逆に言うと、ドクターヘリが出動するほど距離があるということでもあります)。

街から総合病院がなくなって、町のお医者さん的なイメージの医療だけになっちゃった、簡単に言うとこんな感じですね。

(グラフ:『医療経済の嘘』より森田医師作成)(略)

財政破綻・病院閉鎖前後の夕張市の社会・医療に関するさまざまなデータをご紹介します。

まず、数字に端的に表れたのが、医療費です。特に「高齢者1人あたりの診療費」です。

北海道全体と比較するとわかりやすいですね。

こちらの図(略)のような感じになっています。

病院閉鎖後、夕張市の医療費は減っています。

しかし、北海道の高齢者1人あたりの医療費は、右肩上がりに増えています。

これは、北海道だけの傾向ではありません。全国的にもそうですし、他の先進国でもほぼまったく同じように高齢者1人あたりの医療費は右肩上がりに増えています。

ただ、たとえ医療費が安くなっても、そのために市民の病気が増えたり、手遅れになる人が増えてしまったり、命を落とすような人が増えてしまったら、それはまったくいいことではありません。

では、病院閉鎖後に市民の健康はどうなったのでしょうか。病死者が山ほど増えたりはしませんでした。

夕張市民の死亡総数と死亡率を見てみると、実は病院閉鎖前後でほとんど変化がありません。そのグラフ(略)が下記です。

上が死亡総数つまり実数の推移で、下が男女別の死亡率の推移です。

こう言うと、「高齢者とか重い病気の人が財政破綻で市外に引っ越したからでは?」という指摘をいただくのですが、私も当初その可能性を考えました。

医療がなくなって不安なのは、高齢の方や重い病気の方々ですから。でも、いろいろデータを見てみるとそうでもなさそうでした。

というのは、まず人口動態を見ると、実は高齢者人口はまったく減っていません。財政破綻・病院閉鎖のあとも変わらず一貫して増えているのです。

また、医療が頻繁に必要な病気の患者さんの代表格が人工透析の患者さんですが、病院閉鎖で市内では人工透析もできなくなったので、市外へ引っ越す透析患者さんが多いかと思ったのですが、調べたら人工透析の患者さんも減っていなかった。

ですので、死亡数(率)が変わらなかったことや医療費が減ったことを、人口移動で説明するのは無理があります。

夕張市で増えた「死因」とは?

さらに死因別で見ると、実は男女ともに、死因第1位のガン、2位の心疾患、3位の肺炎がおおむね低下しています。

ですが、よく考えると計算が合いません。

死因上位3疾患だけでも死亡総数の相当の割合を占めるはずですから、この3疾患の死亡率がこれだけ下がっているのに総死亡率が横ばいなら、何かの死亡率が増えていなければ数が合いませんよね。実は、死亡率が増えているものがあるのです。それは「老衰」です。

老衰は病気ではなく、自然に命が枯れていく「状態」です。でも、国で決められた死亡診断書の「死因の種類」の1番には、「病死及び自然死」と書かれています。

老衰は自然死ですので立派な死因の1つです。これまでは日本人の死因のずっと下位のほうだったのですが、ここ数年で一気に上位に上がってきて、今は死因の5位にまでなっています。

でも、夕張市の場合は増え方が違います。

このグラフは、夕張市の死亡総数のうち「老衰死」の割合の推移です。ちなみに、全国平均で言うと、全死亡数の6〜7%というところです。

「財政破綻で病院がなくなって、しっかり検査できないから、『老衰』ということになっているのでしょうか?」というご意見もよくいただくのですが、実際に夕張の臨床現場にいた医者の立場から1つ言えるのは、「死亡診断書に老衰と書くのは、実は簡単なことではない」ということです。

「老衰」を受け入れるには信頼関係も覚悟も必要

検査をして病気が判明して、それが原因で患者さんが亡くなったというのはわかりやすく、医師としてご家族にも説明がしやすい。その日、初めて患者さんを診る医師でも、それなら死亡診断書を書けます。

それに比べて老衰は、あくまでも自然死という「状態」であって「病気」ではない。ですので、「老衰」であるということをご本人・ご家族に受け入れていただくためには、医療側と患者・家族側との間に信頼関係が必要で、ご家族にとっても、それを受け入れるための時間と覚悟が必要なのです。

たとえ100歳の婆ちゃんでも、それまで走り回るくらい元気だった方の急病のときは、総合病院などに行ってちゃんと検査してもらいます。

老衰と診断できるのは、たとえば超高齢の患者さんが、特に大きな病気もなく徐々に体力が弱ってこられた場合とか、あるいは介護施設などでご家族が「父はもう高齢でだんだん体力も弱ってきていますから、なにかあっても札幌で検査とかではなく、最大限夕張でできることをしていただいたら、あとは自然に看取ってください」と言われるような場合です。

医療側としてはいろいろな疾患の否定もしなければいけないし、また、その老衰を受け入れるまでの気持ちの変化にも寄り添っていくわけですから、結構時間と労力が必要な大事なプロセスです。

検査して「病名」をつけるほうが科学的・論理的だし、医師としてはかっこいいけど、それはあくまでも医者の立場からの世界観であって、だんだん体力が衰えてきた超高齢患者さんを、病名を付けずに老衰と診断する勇気も地域医療では時に必要だと、私は思うのです。

次は1年間に市民が救急車を何回呼ぶかという話ですが、夕張市は小さい市ながら独自で消防署を持っているので、このデータは簡単に把握できます。

先述のように、病院閉鎖で夕張市には救急病院がなくなってしまいました。インフルエンザとか、ちょっとした肺炎くらいなら市内の診療所で対応できますが、心筋梗塞の発作とか交通事故の大ケガとか、いわゆる重症症例は市外の病院に救急搬送されます。ということで、救急車が病院に到着するまでの時間は以前の約2倍に伸びてしまいました。

近くに救急病院もなくなった。救急車も時間がかかるようになった。すると、「何かあったら手遅れにならないように、ちょっとした症状でもすぐに救急車を呼ぶ人が増えるんじゃないか?」という予想もできます。

でも事実は真逆で、夕張市の救急出動は約半分になりました。

夕張市は人口がすごい勢いで減っていますが、前のグラフ(略)のように人口が10年で半分になったかというとそこまで減ってはいない。

しかも、救急症例の多くは高齢者です。

夕張市では総人口は減っていましたが、高齢者人口(75歳以上)は増えていました。

高齢化率もずっと上昇傾向です。それなのに救急出動件数が半分になったのは、いったいなぜなのでしょう。

在宅医療が増えた夕張市の現実

それはこのデータ(略)と関係があるのかもしれません。

介護施設での看取り率と訪問診療の患者数の推移です。上のグラフ(略)が訪問診療、いわゆる在宅医療の患者数です。

もう1つ、夕張市内には特別養護老人ホーム、「特養」とか「特老」というものですね。そこの看取り率が市内特養での看取り率です。

「病院がなくなって入院できなくなったから在宅医療に追い出されたのでは?」と考えられる方もいるかもしれません。

でも、実は私がいた頃の診療所では、19床のうち平均5〜6床しか病床は埋まっていませんでした。

ですので、入院しようと思えば簡単にできたのです。

でも患者さんの希望をしっかり聞くと、入院を希望される方がほとんどいなかった。その結果、在宅医療が増えていきました。

これが財政破綻後の夕張市で起こったことです。



https://www.nikkei.com/article/DGKKZO33628140R30C18A7LB0000/
病院同士でのやりとり視野 地域間、医師偏在の対策に
2018/8/1付日本経済新聞 地域経済

 医師の数は地域や診療科による偏りが大きく、医師不足が深刻な地域は多い。厚生労働省が発表した2016年末における各都道府県別の人口10万人当たりの医師数は埼玉県が最下位で160.1人。315.9人と最も多い徳島県の半数程度にとどまる。また医師の数が多くても、高度な専門技術を持つ人材が豊富にいるとは限らない。

 こうした中、ICTによる地域間の情報共有が、人材の育成やノウハウの共有面で果たす役割は大きい。EIZOの技術は主に、病院内で手術映像を送ることを想定しているが、将来的には手術映像の病院間でのやりとりを提案することも想定される。EIZOだけの取り組みでは難しいが、通信などのインフラが整えば、県などをまたいで即時にきれいな映像が送信できるようになる。

 病院ごとに人材の偏りがあり得意分野が違っても、映像を通じ助言することでノウハウを共有。人材育成や高度な医療の提供につなげられる。

(毛芝雄己)



https://mainichi.jp/articles/20180731/k00/00m/040/163000c
厚労省
医師働き方改革で「不急の時間外控えて」

毎日新聞2018年7月31日 06時00分(最終更新 7月31日 06時00分)

 医師の働き方改革に関連し、厚生労働省は来年度から、国民に対し「適切な医療機関のかかり方」を初めて周知する。医療機関などを通じ、身近なかかりつけ医を持つことなどを呼び掛ける。不急の時間外での診察が減るよう国民の意識を変える狙い。来年度予算の概算要求に関連経費を盛り込む。

 6月に成立した働き方改革関連法は残業時間の罰則付き上限規制を初めて設けたが、医師は2024年4月まで規制の対象から外された。一方、厚労省の16年の調査によると、病院の常勤医の4割が週60時間以上働いていた。法定労働時間(週40時間)を勘案すると、過労死の労災が認められる基準の目安となる「1カ月の残業80時間」に相当する。

 医師が長時間労働になりやすいのは「正当な理由なく患者を断ってはならない」という医師法上の「応招義務」があるからだ。厚労省は、医師の長時間労働是正には急を要しない診療時間外の診察や外来患者を減らすことが必要と判断した。

 具体的には、医療機関や自治体、健康保険組合など関係団体を通じ、病院に頼らず地域の診療所などをかかりつけ医とするよう促すほか、夜間・休日診療所の情報の提供、救急搬送などで受診する症状の目安などを周知する。企業に対しても、診療時間内に受診できる環境の整備や、従業員の家族の診療時に利用できる休暇の制度化などを求める。関係機関や企業を巻き込むことで国民意識への働き掛けを強める考えだ。

 省内に検討会を設け、国民に働き掛ける仕組み作りも検討する。例えば、小児科医不足の地域などでは深夜や軽症の受診を控え、医師の負担を軽減しようという市民の取り組みがある。こうした活動を全国に広げることなどが想定される。

 ただ、患者が必要な医療を受けにくくなる懸念もある。厚労省担当者は「過度な受診抑制にならないよう、身近なかかりつけ医を作って受診の相談をしてほしい」と話す。【酒井雅浩】



https://www.buzzfeed.com/jp/briannasacks/40-people-keep-working-at-hospital?utm_term=.hl8E3WG9r#.am35YDPoR
家を失っても患者をケアし続ける医師たちがいる 彼らは山火事で家を失った
「病院を訪れる人たちは重い病気にかかっていて助けを必要としています」

2018/08/4 07:01 BuzzFeed News Reporter
Brianna Sacks

7月23日、カリフォルニア州レディング近郊の乾燥した雑木林に駐車していた車から出火した。強風にあおられ火は燃え広がり、大規模な森林火災となっている。

レディングを含む州北中部シャスタ郡では3万8000人を超える人々が避難を余儀なくされた。この火災で消防士2人を含む6人が死亡、少なくとも800棟が焼失した。

カリフォルニア州ではこの「カー火災」以外にも、17箇所で同時に山火事が発生。1万2000人を超える消防士たちが、現在も昼夜を問わず消火活動に取り組んでいる。

27日、カリフォルニア州のブラウン知事は連邦政府に対し、支援を要請。トランプ大統領は非常事態宣言を発令し、連邦政府から各エリアへの支援を行うと発表している。

カリフォルニア州において山火事は珍しいものではなく、高温と乾燥の続く夏には毎年発生している。しかし、今年は過去10年で最悪のレベルにあると専門家は指摘している。

家を失いながらも、出勤を続け、床で眠り、患者のケアを続ける人々がいる。

カリフォルニア州レディング — 月曜日の朝、白衣を直しながら、ミシェル・ウッズ(Michele Woods)さんは患者のカルテに丹念に目を通す。

カリフォルニア州レディングにあるディグニティ・ヘルス病院に務めるウッズさんは、激しく燃え、動きを予測するのも困難な今回の火災で家を失った。しかし、同じ状況に置かれている多数の同僚たちと共に看護シフトをこなすことで、受けたショックと苦痛がいくらか和らいだという。

ディグニティ・ヘルス・ノース・ステートに務める医師や従業員約40人が、ここ1週間で家を失ったにもかかわらず、出勤を続け、床で眠り、そして約145人の患者の世話をしている。

広報担当のマイク・マンガス氏によると、患者の多くは「重病」で、より緊急の処置や治療が必要だという。

「病院を訪れる人たちは重い病気にかかっていて助けを必要としています」と緩和ケアナースとして務めるウッズさんは言う。

「病院は絶対に負けません。私たちは家族です。私たちが患者のためにしていることは、お互いのためなのです。今では互いを思いやるコミュニティーになっています」

午前3時半頃に夫と一緒に非難してから数時間後、ウッズさんは、12年間住んだ歴史ある炭鉱の町オールド・シャスタの自宅を失ったことを知った。ウッズさんの娘、義理の息子、孫息子は火災で家を失い、現在5人の家族はホテルの狭い一室で暮らしている。

「茫然としています」とウッズさんは言う。「今は、うまく言い表すことができません。できるだけいつも通りの生活に戻ることが大事で、私にとってそれは、病院に毎日出勤することです」

ウッズさんの同僚のエドワード・ザワダ医師もまた、もう妻と一緒に家のソファーに座ることも、自分が書いたり集めたりした本を開くこともないという現実と格闘している。

それでも家を失ったことを知った数時間後、救命医療を専門とする彼は病院にいた。

「働くことが私のアイデンティティーです」と70歳のザワダさんは言う。「火災のために透析治療が遅れてしまった数多くの重症患者を前にして、救うのが非常に難しいのが現状です」

彼と他の職員は「遅れを取り戻そう」と忙しく、1日にだいたい20人から30人の患者を診ているという。その間も、すでに6人の命を奪ったカー火災は広がり続けている。火災が施設に侵入する恐れがあったときには、新生児集中治療室から6人の赤ちゃんを懸命に避難させた。

彼は、「患者が優先です」と語りながらも、「喪失と次に何をすべきかを見極めることへの絶え間ない不安」に襲われ始めたことを認める。それでも、「病院が全力を尽くさなければ、うまくはいきません」とザワダさんは付け加えた。

「災害時にはただでさえ、医療従事者が不足します」とザワダさんは言う。「ですから、家を失うことで医療従事者の不足がさらに加速してしまうのがとても気がかりです」

病院の献身的な姿勢は、住民が人々や区域全体を失ってしまったことを悲しむ中、互いに団結するコミュニティーを反映している。

山火事によって4万人近くが強制的に家を追われ、高校や教会など、定員を超えて人が増え続ける仮設避難所に移ることを余儀なくされた。

食べ物や散髪の無料提供の張り紙が店にはられ、街角には服やペットフードをすぐにも必要としている人のために寄付センターがバラバラと出現している。

「この体験を通じて、私たちは人の命がいかに大切であるかにようやく気づきました」と、涙をふきながらウッズさんは語る。

「私たちはレディングを捨てません。外はしばらくの間はめちゃくちゃかもしれませんが、私たちは立ち上がり、いつものように靴を履きます。きっと何とかなるはずです」

この記事は英語から翻訳されました。翻訳:千葉雄登
https://www.buzzfeednews.com/article/briannasacks/hospital-workers-redding-carr-fire

<G3註:これが医者の本能>



https://www.m3.com/news/iryoishin/620342
横倉会長「大変な怒りを覚える」、消費税補填率調査結果
認知症薬品、「治療薬」ではなく、「進行抑制薬」に

レポート 2018年8月2日 (木)配信高橋直純(m3.com編集部)

 日本医師会の横倉義武会長は8月1日の定例記者会見で、厚生労働省の消費税率8%への引き上げに伴う診療報酬の補填状況調査結果に誤りがあった問題について、「大変な怒りを感じている。2014年度改定時で『消費税引き上げについて対応する』と示され、そしてわれわれには医療機関ごとに応ができたと報告を受けていたにもかかわらず、実際的には全くなかった」と述べた(『中川日医副会長「厚労省の二重、三重の不手際」、消費税補てん率調査にミス』を参照)。

 厚労省が2014年度の「控除対象外消費税の診療報酬による補てん状況」について再調査したところ、病院の補てん率に誤りがあったことが明らかになった。2015年11月公表データでは、病院全体の補てん率は102.36%だったが、新たな調査では82.9%と補てん不足に転じており、新たな調査結果について「特に急性期の病院に大きな補填不足がでている。会内で経緯を検証し、補填不足で経営が上手くいっていないところにどうやって補填するかは再検討して強く申し入れる」と強調。

 補填の在り方については、「診療報酬で補填をする限界があった。他の方法をいくつかの組み合わせないと、医療機関が存続できないと心配している」と述べた。

認知症薬品、「治療薬」ではなく、「進行抑制薬」に

 また、「より適切な医学・医療用語の使用について」として、薬剤について全てを「治療薬」と呼ぶのではなく、効能効果によっては「軽度改善薬」、「進行抑制薬」などと呼ぶことを提案した。横倉会長は、フランスで認知症治療薬が保険適用を外れるというニュースを受けて議論になったと説明。「治らないから保険適用から外せとなると、かえって患者さんにとっても不都合がある。誤解を与えているので、それぞれの薬の役割を明確にした方がいい」と説明し、今後、厚労省や製薬会社と議論をしていく考えを示した。



https://www.nikkei.com/article/DGXMZO3360340031072018000000/
地域枠義務放棄の研修医9人 初めて実態明らかに
科学&新技術 BP速報
2018/7/31 18:00 日経メディカル Online

 厚生労働省は2018年4月から初期臨床研修を開始した医師について、地域枠で入学し臨床研修中に従事要件があるにもかかわらず、当該府県での研修を行わずに他地域の病院で現在研修している医師が9人いることを7月26日明らかにした。臨床研修中に従事要件のある地域枠は764人で、国試不合格者1人を含めると1.3%が地域枠を離脱したことになる。これまでも地域枠の研修医が、本来研修すべき場所ではない地域で勤務しているケースがあることが問題となっていたが、実態が明らかになったのは初めて。

■雇用した病院へのペナルティー新設へ

 7月26日に行われた厚労省の医道審議会医師分科会医師臨床研修部会では、2017年度に域外の地域枠の学生とマッチングした9病院に事情をヒアリングした。各病院は、(1)貸与金を返却して地域枠から外れていた、(2)自治体や本人も含めて制度を誤解していた、(3)1次で当該県でマッチングしなかった――などをマッチングした理由として挙げた。

 また、厚労省があらかじめ地域枠を設定していた自治体からのヒアリングでは、「償還の意志があれば、法的に阻止することができず、認めざるを得ない」「在学中または初期臨床研修修了後に離脱する意志を表示している者がいる」などの意見が出された。研修医本人についても、「9人中7人は自己都合で地域枠を離脱している。2人についても特別、どうしても地域枠を離脱しなければいけない理由ではなかったと考えている」(厚労省担当者)という。

 これに対し、委員からは、「貸与金を返したことで、地域枠から離脱することは道義的に許されるのか」「お金を返せばいい、となると制度が壊れる」という意見が続出。地域枠で通常とは異なる入試の合格基準を設けていたり、推薦入試で入学したりしていることから、入学させた大学の責任を問う声もあった。他地域の地域枠卒業生を受け入れた病院に対しても、「地域医療を守る、と各病院のウェブサイトでうたっているが、自分の地域しか考えていない」(和歌山県立医科大学名誉教授の岡村吉隆氏)など、厳しい意見が出された。

 厚労省は、17年7月に医事課長通知を発出。地域枠の学生にはマッチングの際にその旨を申し出ることを求めるとともに、病院側にも従事要件と研修プログラムに齟齬(そご)がある場合は希望順位登録を行わないことを求めていた。

 にもかかわらず、地域枠を自己都合で離脱する医学生が出たことを受けて、厚労省では改めて病院側に地域枠の要件から外れた学生をマッチングしないよう周知したり、マッチング時に地域枠で入学しているかどうかをシステム上分かるようにしたりする方針を示した。また、19年度のマッチングをめどに、地域枠の学生が他地域で研修できないような仕組みを導入するとともに、理由なく域外の地域枠の学生とマッチングした病院に対して、補助金の減額や研修医の採用人数の減員などのペナルティーを導入する予定だ。

(日経メディカル 山崎大作)
[日経メディカル Online 2018年7月30日掲載]



https://toyokeizai.net/articles/-/231525
医療費膨張を煽る「誤報」はこうして生まれる
医療費を決めるのは高齢化でなく政治的判断

権丈 善一 : 慶應義塾大学商学部教授
2018/08/02 9:00 東洋経済オンライン

十年一昔より少し前の2006年、医療保険制度の大改革のころ、この国は、奇妙な話で、大いに盛り上がっていた。

1994 年に出された2025年の医療費の見通しは141 兆円で、その6年後の2000 年に試算された2025 年の医療費は81兆円、そしてさらに6年後の2006 年になされた2025 年医療費試算では65 兆円であったことを受けて、「なぜこんなにも予測の失敗を繰り返すのか。過大な予測をわざと出して、医療費抑制機運を高めようとする厚労省の陰謀ではないか!」と、みんなで盛り上がっていたのである。もちろん、この話は国会でもとりあげられていた。

過大推計は本当か

そこで、2006年12月に「医療費の将来見通しに関する検討会」が開かれ、この問題が議論されることになった(2007年7月まで)。私もこの会議に呼ばれたのであるが、それは、一国の医療費は、通常の再分配政策と同様に政治的に決められるものであって、それは所得という支払能力が決める形で現れ、高齢化のような医療ニーズが決めているわけではないという、医療経済学の常識を日頃から論じていたからであろう。

しかし、医療費は所得が決めるという話は、会議の中でみんなに理解してもらえなかった。すると、第3回目の会議の場に、事務局が作成した次の図が提出された。

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図をみればわかるように、名目経済成長率が高かった1994年に2025年の医療費は141兆円と試算され、成長率が落ちた2000年の2025年医療費見通しは81兆円、さらに成長率が鈍化した2006年時の2025年国民医療費見通しは65兆円と試算されている。

当時の試算は、過去数年間の年齢階級別医療費と将来の年齢階級別人口構成に基づいて行われていたのであるが、どうして、名目経済成長率が高かった時に試算された将来医療費は大きくなり、成長率が落ちてくると将来の医療費は小さくなっていたのか? このあたり、医療経済学者ゲッツェンの説明を借りよう。

「医療費は、(中略)グループでプールされた売買、より包括的には社会全体(普通は国家を意味する)でプールされた売買である。医療費は、あたかも家計における医療費が家族のメンバーの間でシェアされるように、市や県の間でもシェアされる。その結果、国内で利用される医療費総額の予算制約は、州や市や家計の所得ではなく、国の総国民所得となる」

総医療費の国際比較研究では、医療費は所得が90%程度を説明し、高齢化のような医療ニーズを表す指標は影響ないことは、かなり前から確認されてきたことであった(逆に、皆保険を持つ国々での国内の地域間比較では、所得は影響がなくなり、医療ニーズが効くことになる)。

この研究分野の古典とも言えるニューハウスの1977年論文には次の一文がある。「制度要因は内生的である:医療の制度要因――患者による医療費自己負担の在り方、医師や病院への医療費の支払方式、病院経営の分権・集権的性格等々――は、内生的に取り扱われるべきであり、各国は自国の所得水準に相応しい医療制度を、みずから発見するであろう」。

総医療費を決めるものは何か

「制度要因は内生的」というのは、総医療費を決めているのは医療の制度要因ではなく、総医療費がある一定の水準に収まるように医療の制度要因が決められているという話である。こうした何十年も前からわかっていた医療経済学上の常識が公の場で再確認されたのが、先の「医療費の将来見通しに関する検討会」であり、その報告書に、次が記されることになる。

「診療報酬改定率は政策的に決定されるものであるが、長期的には、タイムラグはあるものの、経済動向との間に結果として一定の関係が見られることから、医療費の伸び率を設定するにあたり(中略)将来見通しの前提となる診療報酬改定率は経済との関係を勘案して設定することも考えられる」

ここに、「タイムラグはあるものの」とあるのは、第3回「医療費の将来見通しに関する検討会」に出された次の資料に基づいている。日本の経験では、診療報酬改定時における過去の経済動向を踏まえつつ、改定率が決定されるため、経済の影響は4~5年遅れて診療報酬の改定に表れるのである(医療費と経済のタイムラグは他国でも観察されている)。

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こうした「医療費の将来見通しに関する検討会」の報告書を反映させた初めての医療費の将来見通しは、2008年の社会保障国民会議における「医療・介護費用のシミュレーション」であり、そこでは、次の方式が用いられた。

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医療費のみならず、介護費についても、将来見通しに「量×価格」の構造を取り入れたことにより、あるべき医療・介護提供体制の絵姿を先に描いて、それがどの程度の経済規模になるのか、そしてどの程度のマンパワーを必要とするのかを試算する道が拓かれるようになった。

このように、価格を分離して、医療や介護の提供体制という「量」サイドのあるべき姿を描き出す方法を準備し、提供体制のあるべき姿という、この国の大きな政策課題を集中的に議論できるようにしたのが、2006~2007年の「医療費の将来見通しに関する検討会」の報告書だったわけである。

2008年の社会保障国民会議でなされた2025年までの医療介護費用のシミュレーションは、2011年と2012年の2回にわたって改定された。そして今年の5月21日に、 初めて2040年の試算「2040 年を見据えた社会保障の将来見通し (議論の素材)」が示された。この「議論の素材」では、単価に乗じる伸び率は、前回の仮定が使用されており、その仮定とは次である。

+———————————————————
 ケース①:
 医療の高度化等による伸び率(A)
  + 経済成長に応じた改定の要素(B)
   - 薬・機器等に係る効率化要素(C)

 (A)近年の動向等から年率1.9%程度と仮定
 (B)当該年度の名目経済成長率の3分の1程度と仮定
 (C)年率0.1%程度と仮定
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+———————————————————
 ケース②:
 賃金上昇率と物価上昇率の平均 + 0.7%程度
+———————————————————

この方法においては、経済成長率や賃金、物価上昇率が仮定値から外れると、名目医療費の試算結果も変動するのは当たり前である。そうした経済前提の振れの影響を取り除くために、将来見通しは、対GDP(国内総生産)比で示された実質値でなければ意味をなさないのである。このことは、公的年金にも言えることは前回の「社会保障への不勉強が生み出す『誤報』の正体」で説明した。

政府資料では名目値はカッコ扱いだったが……

このような背景があるため、将来の社会保障給付費を議論する際に名目値で論じても「議論の素材」にはなりようがない。それゆえに、今回の試算においても、政府報告は、次のように、まず対GDP比を示し、( )内に名目値を載せているだけであった(私は名目値を表示しないほうがよいと思っている)。

「社会保障給付費の対GDP比は、2018年度の21.5%(名目額121.3兆円)から、2025年度に21.7~21.8%(同140.2~140.6兆円)となる。その後15年 間で2.1~2.2%ポイント上昇し、2040年度には23.8~24.0%(同188.2~190.0兆円)となる」

これだけの基礎知識を得た上で、一例として政府発表翌日の日本経済新聞朝刊1面トップ記事のヘッドラインを紹介すれば、「社会保障費、40年度6割増の190兆円、政府推計」。社説は、前回に紹介したように、「医療・年金の持続性に陰りみえる長期推計――社会保障給付費の長期推計は、このままだと医療・介護や年金を持続させられないおそれを映し出した」と論じていた。

毎日新聞も例に漏れず、18年から40年に公費負担の名目値が約30兆円増加することについて、「現在の消費税収は1%で3兆円程度。30兆円の税の負担額は単純計算すれば10%の規模に相当する」と、目を疑う記事。彼ら記者たちは、先述の基礎知識を持っていないことがわかる。

正確な情報を伝えている社説は、全国紙の中では読売だけであり、そこには、「対GDP比でみると1.1倍だ。際限なく膨張して制度が崩壊する、といった一般的なイメージとは異なるのではないか」とあった。

名目値では見えてこない本当の将来像

今回の試算が2040年を対象としたのは、40年ごろに65歳以上人口がピークを迎えるからである(正確には42年)。そして今回の試算でも確認されたことに、今後、65歳以上人口比率は、2018年28%から、2025年30%を経て2040年35%へと高まるにもかかわらず、公的年金給付の対GDP比は低下さえすることがある。

こうした試算結果のメッセージは、将来見通しを名目値で論じていたのでは見えてこない。そうであるのに、年金給付費が2018年56.7兆円から、2025年59.9兆円を経て2040年73.2兆円と報道し続ける記者たちのリテラシーはどうしたものか。

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将来の話は名目値で論じてはいけないということは、2006~2007年の「医療費の将来見通し検討会」の場でも、委員であった私は繰り返し言ってきた。しかし報道は、一部の例外を除いて、いまだにわかっておらず、誤ったメッセージを発する情報を流し続けてきており、その誤報を訂正することもない。

現実には、繰り返された誤報のおかげか、社会保障費抑制の方向に世論は強く傾き、日本でも所得と社会保障給付費との間に強い関係があるとはいえ、国際的には所得の割には給付費が低いまま、つまりこの国では社会保障の抑制にしっかりと成功してきているのである(以下の2つの図は、「『社会保障費が2040年に1.6倍』は本当か」より引用)。

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この国が抱える問題はまさに、国民のニーズに見合った社会保障が本当に提供されているのかということにある一方で、必要な財源確保を何十年間も先送りしてきたゆえ、今後の財政健全化のために社会保障の量的充実も相当に難しいというジレンマに直面していることにある。

そして今、このジレンマの中で、よりニーズに見合った給付を行うという意味での制度の効率化・給付の重点化を、各制度の関係者たちの協力の下に懸命に進めながら、国民の生活を守るために、可能な限りの財源の確保が模索されているのである。

ところが、メディアが不勉強のままで将来の社会保障費を名目値で論じる誤報を続ければ、考えなければならない方向とは異なるメッセージをメディアは発し続け、誤報に誘導された誤った政治的判断につながっていく。そうした危惧を書いた一文をもって本稿を閉じようと思う。

「この国では、世界一の高齢国家を突き進んでいるのに、GDP に占める社会保障給付費がなお低く、年金などは将来の方が給付のGDP 比が下がってしまい、このままでは多くの人にとって自立した尊厳のある人生を全うしてもらうのが、相当に難しくなるというのが、取り組まなければならない課題となっているわけです。将来の社会保障給付費の名目値で議論をしていると、道を誤ることになりかねません 」(権丈善一『ちょっと気になる社会保障 増補版』132~133ページ)




https://www.sankei.com/west/news/180803/wst1808030095-n1.html
【西日本豪雨】
医療機関の連携不足を克服 熊本地震の経験生かせ 倉敷・真備

2018.8.3 23:28 産経新聞

 西日本豪雨で被災した岡山県倉敷市で、地元の医療・福祉関係者が情報を収集・整理し、被災者の治療や公衆衛生の向上に着実につなげる組織「倉敷地域災害保健復興連絡会議」(KuraDRO)(クラドロ)を設置。現場が混乱し、情報伝達ミスや各機関の連携不足が生じがちな被災地で効果を上げた。平成28年の熊本地震での例を参考にした取り組みで、現在は岡山県南西部災害保健医療活動調整本部がその役割を継承。地元医療関係者は「医療機関同士の連携がスムーズに取れている」と手応えを感じている。(地主明世)

 「避難者は便秘や腰痛を訴える方が多くなっているので注意してほしい」

 7月末の朝。岡山県備中保健所(倉敷市羽島)横のプレハブで開かれた定例の調整本部会議で、集まった医師や保健師らが被災者の体調や避難所の課題などを報告し合った。参加したNPO法人「災害人道医療支援会」のメンバー、甲斐聡一朗医師は「行政に避難所などのニーズを素早く伝えられる点でも役立つ」と話す。

 調整本部は、連絡調整を行う「総括班」や医薬品の確保などを担う「衛生班」といったチームを設置。避難所で被災者を診察した医師からの情報でスムーズに医薬品を処方したり、避難所の要望に応じてクーラーを設置するなどした。医療機関と避難所をつなぐ臨時バスの運行管理も行っている。

 調整本部の前身、クラドロは「倉敷市」の「クラ」と「災害復興会議」の英字表記の頭文字から取った。立ち上げは7月9日。倉敷市に派遣された国立病院機構災害医療センター(東京)の「災害派遣医療チーム」(DMAT)の隊員が、熊本地震での経験をもとに設置を提案した。

 熊本県などによると、一昨年の熊本地震で、被害の大きかった同県阿蘇市内では保健所も被災、職員は住民らの対応に追われた。「どこでどんなことが行われているのかわからないまま、目の前の対応で精いっぱいだった」(熊本県阿蘇保健所の担当者)という。

 そこで、現地で阿蘇地区災害保健医療復興連絡会議(ADRO)(アドロ)を設置。保健所と協力し、医療機関が集まる情報共有の場を設けたことで、避難所でノロウイルスの患者が出たときも、早期対応で感染拡大を防ぐことができたという。

 倉敷市のクラドロでは当初、DMATと地元保健所が中心に情報を集約。日本医師会の災害医療チーム(JMAT)やリハビリ関連団体でつくる支援組織「JRAT」、国際医療ボランティア団体「AMDA」などが続々と到着する中、被災地の実情に沿った支援活動を後押しした。

 調整本部はそれを引き継ぎ、現在は、今回の災害で初めて派遣された「災害時健康危機管理支援チーム」(DHEAT=ディーヒート)の協力も得ながら、医療機関の復旧支援や情報収集・共有を行っている。

 災害時の医療連携に詳しい日本医師会総合政策研究機構の王子野麻代(おおじのまよ)・主任研究員は「応援に入った医療関係者と地元が一体となったクラドロなどの取り組みは、災害時の連携の新しい形として定着しつつある。外からの応援がなくなったときに急に支援が途切れないよう、被災地の行政や医療関係者が中心となることが重要だ」としている。



https://mainichi.jp/articles/20180802/k00/00e/040/298000c
西日本豪雨
地域医療、再開見えず 浸水で診療機能失う

毎日新聞2018年8月2日 12時55分(最終更新 8月2日 18時39分)


 西日本豪雨では、地域医療を担う病院の被害も各地で相次いだ。広島県三原市本郷地区では総合病院「本郷中央病院」(谷本康信院長、137床)が近くを流れる沼田(ぬた)川の氾濫で4階建て建物の1階天井近くまで浸水し、診療機能を失った。入院患者らに被害はなかったが、3週間以上が経過しても診察再開のめどはたたず、深刻な影響が続いている。

 雨が降り続いていた7月6日夕、辻誠二事務長(57)は同県竹原市内の自宅に帰宅途中、沼田川の水量を見て「多いな」と感じた。数時間後の午後10時ごろに氾濫したとみられる。

 入院患者らは2階以上にいた。病院前の県道に水があふれ、徐々に病院に迫った。職員が1階事務所にあるパソコンなどを机や棚の上に移動させ始めたところ、建物に入って来た水の水位が上がり、2階に逃げたという。県道を車で走っていた十数人も逃げ込んだ。

 病院は最大約2.3メートル浸水し、1階の診療設備が水没。停電ですぐに非常用電源に切り替わったが、空調は動かなかった。入院患者約100人と看護師や職員ら約20人はわずかな明かりの中、迫り来る水の恐怖と隣り合わせの一晩を過ごした。

 辻事務長は翌日、レジャーボートを持っていた職員と合流して水上から病院に駆け付けた。一帯の平屋建て住宅は水没し、風景は一変していた。「(病院のほか)隣のホームセンターやスーパーしか見えず、がくぜんとした」。水害は最も想定外の災害だった。

 辻事務長が乗ってきたボートは8日に水が引くまで、職員らを乗せたり、市内の系列病院からの食料や燃料を運んだりするのに水の上を走り続け、入院患者らの命綱となった。

 主要な機器は全て1階にあり、レントゲンや大腸などを撮影する医療用カメラ、カルテやコンピューターサーバーも水没した。自ら被災者でもある職員らは医療機器を運び出し、建物内の清掃に追われた。外来診療はできなくなり、入院患者のケアに専念する一方、18日からは避難所となっていた本郷生涯学習センターに設けられた救護所に医師や看護師らを派遣。被災者の健康相談に乗った。

 周辺は今も土砂に覆われ、車が走るたびに砂ぼこりが舞う。病院南隣の本郷総合運動公園には、災害ごみが人の背丈を超える高さまで積まれ、感染症も心配される。それでも空いている病室で最低限の診療が再開できないか、行政などと調整を進めている。

 今後は浸水した現在地で復旧できるかどうかも課題になる。ただ、市は病院も含めた民間施設の被害情報を集約している最中で、具体的な支援などはこれからだ。市保健福祉課は「市医師会など関係機関と連携し、最善策に向けて取り組んでいきたい」と説明するにとどまる。【松井勇人】

95医療機関が被害

 厚生労働省のまとめでは、西日本豪雨では広島に加え岡山、愛媛、長崎、京都、福岡の6府県で95の医療機関が浸水や停電、断水などの被害を受けた。

 診療機能は失われなかった病院でも、断水で職員がタンクを手に給水所を走り回ったり、人工透析患者に他の病院で透析を受けてもらうよう頼んだりしたという。外来患者は投薬に限るなど一時的に限定的な対応しかできない病院もあった。

 岡山県倉敷市真備(まび)町地区では、一般病院「まび記念病院」の1、2階部分が浸水し、入院患者や周辺住民ら約300人が一時取り残された。病院は機能停止し、入院患者76人中59人が県内の他の病院に転院。17人は退院した。

 7月18日には地元医師会などの協力で、敷地内に止めた検診車で診療を再開した。30日から病院の脇に建てたプレハブで診察しているが、検査機器が不足し、原則は掛かり付けの患者が対象だ。初診の患者らには、別の医療機関の紹介状を渡している。

 地区内の薬局も水没し、当初は薬の確保が困難だった。村松友義院長(60)は「病院の2階にあった薬を渡したり、薬の処方を翌日回しにしたりして対応した」と明かした。【飯田憲、矢追健介】



https://www.yomiuri.co.jp/local/ehime/news/20180805-OYTNT50011.html

吉田病院 命の水確保奮闘

2018年08月05日 読売新聞

 ◇豪雨断水1か月 休まず診療 全国から支援

 西日本豪雨のため断水が続いていた宇和島市の三間、吉田両地区で、代替の浄水装置による試験通水が3、4日にそれぞれ始まり、県内の断水地区は解消に向けて大きく前進した。この1か月近くの間、吉田地区の医療拠点である市立吉田病院は、様々な支援を受けて水不足を乗り越え、休診することなく患者の受け入れを続けてきた。(大北恭稔)

 吉田病院では7月7日未明、激しい雨で停電が発生した。夜勤の職員らが発電機2台を稼働させ、入院患者73人の安全を確認。周辺の道路は土砂崩れや冠水が相次ぎ、自宅にいた職員らは腰まで泥まみれになりながら駆けつけた。病院の施設に被害はなく、診療は休まなかった。

 一方、地区の吉田浄水場が土石流で壊滅的な被害を受けたため、給水が断たれた。病院で利用する水は1日に35トン前後で、貯水タンクに約4日分(142トン)の水は確保していた。ただ、近くの住民がトイレを利用したり、掃除用に水を持ち帰ったりするようになり、すぐに底をついた。

 村上幸男事務局長は「被災した人たちのことを考えると、利用を止めることはできなかった。どうすれば患者を守り、診療を続けられるのかを必死に考えた」と振り返る。

 県の紹介で陸上自衛隊に協力を要請し、9日に給水車の派遣が始まった。30トンの供給を確保してもらったが、医療に必要な水を除き、携帯トイレやアルコール消毒液の使用を推奨するなどして節水を徹底した。

 それでも給食調理用の水などは十分ではなかった。病院のホームページで「水がなくて困っている」と訴え、取引先の医療関係者らにも呼びかけたところ、支援の輪が広がり、全国から2リットル入りペットボトルの飲料水が2500ケース以上寄せられた。

 村上事務局長は「職員が強い使命感で行動し、多くの人に助けられ、患者を守ることができてよかった」と振り返っていた。



https://www.ehime-np.co.jp/article/news201808020012

へき地医療確保を目的
西予・巡回診療車 運用開始

2018年8月2日(木)(愛媛新聞)

 へき地医療確保を目的に愛媛県西予市が導入した巡回診療車が1日、運用をスタートした。初日は8人の予約があった野村地域の惣川公民館で活動。診察は週3回で月曜と水曜は惣川公民館、火曜は城川地域の遊子川公民館を拠点に、市立野村病院(同市野村町野村)のスタッフが診察する。

 市によると、惣川、遊子川両地区の診療所を7月末で閉鎖し診療車を導入。建物や医療機器の維持費用を抑え、収支改善や医療職確保を含めた診療の質向上を図る。マイクロバスに超音波診断装置や心電計、血液や尿の検査装置などを搭載しており、整備費3966万円。

 1日は同病院で出発式があり、管家一夫市長が「医療過疎地域に、将来ずっと笑顔を届けられるシステムを考えた。大災害でも機動的に力を発揮すると思う」と述べた。守田人司院長は「地域医療に貢献し信頼される病院を目指すのが病院の理念。頑張りたい」とあいさつ。医療職や技師、事務員で構成するクルー5人を代表して、内科の笠井誉久医師は「住民が安心して生活できる未来に向けて出発したい」と話していた。



  1. 2018/08/05(日) 10:52:16|
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Google Newsでみる医師不足 2018年7月31日

Google Newsでみる医師不足 2018年7月31日
Google (日本語) での検索件数 _ _ _ キーワード 医師不足 過去一か月のニュース 122,000
Google (English) での検索件数 _ _ _ Key word: Doctor shortage, past month 145,000
First 5 in Google in English 


http://www.dailymail.co.uk/news/nhs/article-5948401/Shortage-doctors-means-nurses-work-experts-warn-not-qualified-medics.html
Shortage of doctors 'means nurses will have to do their work', as experts warn there's not enough qualified medics to fill the gaps in NHS workforce crisis
Published: 00:15 BST, 13 July 2018 Daily Mail (英国)

A lack of doctors means hospital patients should expect to be treated by nurses and less-qualified medics.
The Royal College of Physicians said an NHS workforce crisis means there are ‘nowhere near enough’ doctors to fill the gaps.
It warned that the days of Sir Lancelot Spratt – the fictional surgeon who always had an entourage of junior doctors in the book, film and TV series Doctor in the House – were over.


https://www.washingtonpost.com/.../va-doctor-shortage-fueled-by- management-issues-poor-pay/
VA doctor shortage fueled by management issues, poor pay
The Washington Post July 16 (米国)

The Department of Veterans Affairs gets good grades for effort, but it still has much work to do in the recruitment and retention of physicians to serve those who faced death for their country.

When the Government Accountability Office says “challenges remain,” it means an agency has problems — in this case, too few doctors. Pay is an issue, but so is the department’s personnel management. A recent GAO report about the Veterans Health Administration, the component providing health care through 1,252 facilities, including 170 medical centers, outlines three major management troubles related to its doctor shortage:

“VHA’s data on the number of physicians that provided care at VA medical centers (VAMC) were incomplete.
“VHA provided VAMCs with guidance on how to determine the number of physicians and support staff needed for some physician occupations, although it lacked sufficient guidance for its medical and surgical specialties.
“VHA used various strategies to recruit and retain its physician workforce, but had not comprehensively evaluated them to assess effectiveness.”



www.thebubble.com/buenos-aires-province-doctor-scarcity/‎
Doctor Shortage in Buenos Aires Province: New Scandal Highlights Crisis
July 26, 2018 4:29pm The Bubble (アルゼンチン)

The incident of two Brazilians posing as doctors in a hospital in Cañuelas, located about an hour’s drive from the city of Buenos Aires, has led many to reflect on structural issues within the healthcare system in the Buenos Aires province that allowed fake medical professionals to practice undetected for so long.



https://yle.fi/uutiset/osasto/news/survey_doctor_shortage_in_south_patient_shortage_in_north/10318816
Survey: Doctor shortage in south, patient shortage in north
Yle Uutiset 23.7.2018 17:12 (フィンランド)

According to an Yle survey, eight district hospitals in Finland say they have closed fewer hospital wards this year during the summer holidays than in previous years. Yle surveyed 21 hospital districts in Finland to find out how they re-organise their functions during the summer months when many permanent staff members have long holidays.



https://www.telegraphindia.com/calcutta/cm-blames-delhi-for-doctor-shortage-248246
CM blames Delhi for doctor shortage
Telegraph India Jul 28, 2018 00:00 IST (インド)
Calcutta: Chief minister Mamata Banerjee on Friday blamed "wrong policies" of the Centre for Bengal not having an adequate number of doctors to run its health services.
"We are not getting any doctors in the state. No doctor is willing to work in the rural belt. All this is happening because of the wrong policies of the Union government," Mamata said in the Assembly.


(他に10位以内のニュースは、カナダ・オンタリオ州、米国・オクラホマ州、ウィスコンシン州、米国(*)、イスラエル、からも)


*: Educators/Mentors SHOULD READ whole article

https://www.usnews.com/education/best-graduate-schools/top-medical-schools/articles/2018-07-23/how-doctor-shortages-impact-medical-school-admissions
How Doctor Shortages Impact Med School Admissions
Genuine interest in a medical field where doctors are scarce can enhance an applicant's candidacy.

July 23, 2018, at 12:00 p.m US News

In certain parts of the U.S., a doctor is hard to find. These places are typically located in low-income communities in remote, rural locations or in inner-city neighborhoods.

Similarly, there are some medical specialties, such as psychiatry and geriatrics, where, despite growing demand for medical care, there are a shrinking number of doctors.

Premeds with a demonstrated interest in providing medical care to underserved populations can sometimes boost their medical school admissions chances by noting this interest, according to Dr. McGreggor Crowley, an admissions counselor with the IvyWise admissions consulting firm.



  1. 2018/08/01(水) 05:57:57|
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