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Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

3月25日 

https://www.m3.com/news/iryoishin/592036
いよいよ開始!新専門医制度の一期生調査
卒後2年目の医師、93.2%が新専門医制度へ◆Vol.1
不参加理由は「キャリアプランに合わず」が最多
 
医師調査 2018年3月24日 (土)配信橋本佳子(m3.com編集長)

 2018年度から開始する新専門医制度については、専門医の質、地域医療への影響など、さまざまな面から医療関係者の高い関心を集めている。
 m3.com編集部では、新専門医制度の一期生に当たる医学部卒後2年目の医師296人を対象にこの2月から3月にかけて、新専門医制度に関する調査を実施した。質問項目は、専門研修実施の有無、研修施設の選定理由、新専門医制度の影響や改善すべき点など。一期生のリアルな声をお届けする。

 まず新専門医制度のプログラムに登録し、専門研修を開始するかを調査した結果、296人の回答者のうち、93.2%に当たる276人が開始すると回答した。日本専門医機構は3月16日、計8409人が新専門医制度に登録したことを公表しており、卒後2年目の医師の約9割が専門研修を開始するという結果とほぼ一致する(『新専門医制度の一期生8409人、「東京で研修」は21.7%』を参照)。

 一方、専門研修を実施しない医師20人に、その理由を複数回答で聞いたところ、「臨床を続ける上で、自分のキャリアプランに合わない」(6人)が最も多く、以下、「大学院に進学(研究)」(4人)、「希望プログラムに入れず、次年度を目指す」(3人)、「臨床を続ける上で、専門医資格の必要性がない」(3人)、「臨床以外の道を目指す」(2人)、「専門医資格取得が困難」(1人)と続いた。「その他」(4人)の理由は、「1年留学をするから」「大学でのプログラムが卒後5年目から始まるため」など。

Q.今年4月から新専門医制度のプログラムに登録、研修開始(n=296)
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【調査概要】
・調査対象:m3.com医師会員:296人
・回答者プロフィール
 性別:男217人、女性79人
 年代:卒後2年目
  2018年4月からの新専門医制度に基づく研修:開始276人、開始せず20人
  (開始276人の勤務先:大学病院本院82人、大学病院分院12人、市中病院177人、その他5人)
・調査時期:2018年2月16日~3月11日



https://www.m3.com/news/general/592408
津 2次救急の機能を充実 永井病院が増築棟完成祝う 三重 
2018年3月24日 (土)配信伊勢新聞

【津】三重県津市西丸之内の医療法人永井病院の増築棟が完成した。平成27年に完成した病棟の北側に、救急外来患者に対応する処置室や集中治療室を1カ所にまとめた5階建ての棟を増築。2次救急病院としての機能を充実させた。16日に記念式典があり、関係者が完成を祝った。

永井病院は昭和22年の創立以来、2次救急病院の役割を担ってきた。津市で年間約1万3700件に上る救急要請のうち、1300―1600件を受け入れている。

高齢化で増加が予想されることから、受け入れ体制の充実に向けた整備に着手。旧施設の解体と並行し26年に外来棟、同27年に病棟と手術室を整備した。

増築棟は、これまで1カ所だった救急患者の処置室を2カ所とした。3カ所に分かれていた集中治療床は集中治療室として一つにまとめ、専従スタッフが1カ所で対応できるようにした。透析室を拡張し、回復期の入院患者専用リハビリ室も新設した。

永井盛太理事長(49)は式典で「津市の二次救急の柱となって急性期の医療に対応できるよう貢献したい」とあいさつ。来賓の伊藤正明三重大付属病院長、前葉泰幸津市長らと共にテープカットした。

今後は3次救急を担う三重大病院と連携し、若手医師の教育にも力を入れる方針。星野康三院長(45)は「年間200件以上(救急要請が)増えても安心して医療が受けられる体制を作りたい」と語った。



https://www.m3.com/news/general/593207
転機に立つ医療 病床削減 「住民のため」の再編必要 
その他 2018年3月24日 (土)配信長崎新聞

 団塊世代が75歳以上になる2025年を前に、長崎県の医療が転機に立っている。県は国の制度に基づき、25年に実現すべき医療提供体制を示した「地域医療構想」を16年に策定。医療再編に向けた協議は18年度に本格化する。超高齢社会に対応すると同時に、社会保障を維持するため医療費抑制を図る国の狙いが背景にある。離島や過疎地域が多く、人口減と高齢化のスピードが他を上回る長崎県の医療はどうなるのか。

      ◆

 「CPAです。高齢の女性だそうです」

 職員が耳打ちしてくれた。先月、長崎市新地町の長崎みなとメディカルセンター1階の救急科。CPAは心肺停止状態を指す。医療用エプロンや手袋を着け、器具をそろえる医師、看護師ら。慌ただしさが増した。約30分後、到着した救急車から患者を乗せたストレッチャーが運び込まれた。医師が両手で患者の胸元を何度も押し、心肺蘇生を施す。人と医療機器が取り囲み、処置は長い間続いた。

 同センターは旧長崎市立市民病院を現地で建て替え、14年2月に救急科を含む1期棟が開院。16年7月に全面開院した。救急医療に力を入れ、16年度は救急車4千台以上を受け入れた。本年度もこれを上回るペースで推移している。

 同市消防局管内の17年の救急搬送人員は約2万3千人で、65%の約1万5千人を高齢者が占める。出動件数は10年連続で増加。原口正史副院長は「高齢化で救急対応のニーズが増し、役割は大きくなっている」と話す。

 軌道に乗り始めた新病院。だが、14年制定の医療介護総合確保推進法で導入された地域医療構想により、近い将来、病床減や機能転換などの見直しが必要になる恐れがある。

 県地域医療構想は、県内8区域で25年以降に必要な病床数を推計。県全体で16年の約2万1千床に対し、25年は約1万7千床が適正とした。同市を含む長崎区域では、救急患者ら向けの「急性期」病床が16年の計約3800から3分の2程度に減る見通し。

 国は都道府県に対し、18年度中に地域医療構想の実現プランを固めるよう求める一方、構想実現に向け公的医療機関へ命令・指示したり民間に要請・勧告したりできる権限を与えた。国は医療の効率化の方向性を固めた上で、実現に取り組む責任は地域に負わせた格好だ。

 同センターの一般病床494の内訳は現在、高度急性期54、急性期440。現時点で25年まで現状維持の計画だが、公立病院は構想実現への積極的な関与を求められる立場。運営する長崎市立病院機構の兼松隆之理事長は「ベッド削減ありきではなく、住民が困らないためどうすべきか考えなければならない」と語る。

◎メモ

 地域医療構想 2025年以降の地域医療体制の将来像や必要な機能別の病床数を示した都道府県の構想。16年度までに全都道府県が策定。長崎県など41道府県は病床が過剰とされ、全国で13年の134万床余りから25年までに約15万6000床減の見通し。国は高度医療に偏った病床の再編や在宅医療の推進で、実現を目指している。都道府県は本年度策定した新医療計画(18~23年度)に構想を組み込み、推進する仕組み。



https://www.m3.com/news/iryoishin/593270
医療従事者の需給に関する検討会
2020年度以降の医学部定員、5月にも結論
医療法改正案の行方など考慮、1~2年度分先行で議論
 
2018年3月23日 (金)配信水谷悠(m3.com編集部)

 厚生労働省は3月23日、「医療従事者の需給に関する検討会」の第18回医師需給分科会(座長:片峰茂:長崎大学前学長)に、2019年度までの暫定増員が終了した後の2020年度以降の医学部定員について、今年5月をめどに結論を得たいとの方針を提案した。複数の構成員から、2019年4月の施行を目指して今月閣議決定されたばかりの医師偏在対策を盛り込んだ医療法改正案や、2019年3月までに結論を得るとされている「医師の働き方改革」の行方など不確定要素が多い状況で将来的な方針を出すことへの懸念が示される一方で、受験生に対する影響への配慮も必要であることから、1~2年度分の定員を先行して議論し、5月までに結論を出す方向でまとまった。


 厚労省は、4月中旬に開催する予定の次回会議で医師需給推計を提示し、数回の議論で結論を出すとの日程を提示。片峰座長は「タイトなスケジュールだ。医師偏在対策や働き方改革の行方など、複雑な要因がある」と指摘。全日本病院協会副会長の神野正博氏も「推計と言われても、前提条件が分からない中で議論をするということでいいのか」と疑問を呈した。

 厚労省医政局医事課担当者は、2020年度の受験生への影響を考慮すると、今年5月には医療従事者の需給に関する検討会として結論を出す必要があると説明する一方で、2020年度以降の中長期的な方向性もそれまでに出すのは難しいとの認識も提示。日本医師会副会長の今村聡氏が「今までは一度決めたら数年間、放置していた。1年ごとに、どのような養成をするか見るべきではないか」と提案し、とりあえず5月に1年度か2年度分の結論を出す方向となった。

 医師の働き方改革との関係については、岩手医科大学理事長の小川彰氏が、医師の地域偏在対策の影響がまだ分からない状況で医師の働き方改革の議論が進むことへの懸念を示し、「議論されているような方向で進めば地域医療は崩壊し、最終的には国民が割を食う。医療従事者の需給に関する検討会と、医師の働き方改革に関する検討会の話し合いの場を設けるべきではないか」と主張。働き方検討会の構成員でもある今村氏は「意見交換に反対するわけではないが、両方に参加している構成員も複数いる(編集部注:今村氏含め5人)し、中間的な論点整理にある、地域医療崩壊を招くことがあってはならないとの記載は構成員皆の総意だ」として、双方の会議体で、ある程度、共通の認識はあるのではとの見方を示した。医政局医事課担当者は会議後、意見交換の場の設定については今後検討する考えを示した。

需給推計、2016年の方法に働き方改革など加味

 厚労省は、医学部定員の決定の前提となる医師需給推計について、2016年の第1次中間取りまとめで、最低でも2019年度までは臨時増員を続けることを決めた際の方法をベースとし、働き方改革の議論や最新のデータを加えて行うことを提案(第1次中間取りまとめは『偏在対策「強力」に、「医師の働き方ビジョン」も策定』を参照)。労働時間の上限規制が導入されたと仮定して、週55時間、週60時間、週80時間と3パターンを提示し、AI(人工知能)やIoTの活用など、医師の働き方改革によって平均労働時間がある程度短縮することなども盛り込む方針。



https://www.m3.com/news/iryoishin/592778
真価問われる専門医改革
社会医学系、指導医・専門医3000人超へ
厚労省の「医系技官プログラム」新規認定、研修プログラムは計72
 
2018年3月21日 (水)配信橋本佳子(m3.com編集長)

 社会医学系専門医協会は3月21日、理事会後の記者会見で、新たに指導医447人、専門医142人、計589人を認定したことを公表した。現時点まで認定・登録を終えたのは指導医2217人、専門医254人の計2471人であり、今回の認定者が登録手続きを終えれば、社会医学系の指導医・専門医数は、3000人を超える。

 同日の理事会ではそのほか、「厚生労働省医系技官プログラム」も含め、新たに6つの研修プログラムを認定した。認定済みのプログラム数は計72に上り、社会医学系専門医の研修プログラムを持つのは、山形県を除く46都道府県にわたる。e-ラーニング形式での講習の運営方針のほか、2019年夏に第1回専門医試験を実施することも決定した。

 社会医学系専門医協会は2015年9月に発足、2016年12月に一般社団法人化した。2017年度から社会医学系専門医の養成に取り組んでいる(『社会医学系専門医・指導医2514人認定』などを参照)。今回は、指導医497人、専門医154人がそれぞれ経過措置認定を申請した。うち認定したのは、指導医447人、専門医142人。

 認定した6つの研修プログラムのうち、1つは前回条件付きで認定された研修プログラム。「厚生労働省医系技官プログラム」が新たに申請、認定されたことについて、社会医学系専門医協会理事長の宇田英典氏(全国保健所長会会長)は、「非常にシンボリックで、意義がある」と受け止めた。厚労省は2016年12月、都道府県等に対する事務連絡『公衆衛生医師の確保と資質向上にむけた「社会医学系専門医制度」の活用について』を出し、専門医制度を積極的に活用するよう求めていたからだ(『社会医学系専門医協会、700人超す医師登録』を参照)。厚労省と地方厚生局が基幹施設となり、環境省、国立高度専門医療研究センター、国立病院機構、国立保健医療科学院などを連携施設とする広域都道府県にまたがる、3年間の研修プログラム。

 その他、認定された研修プログラムは、北海道、宮城県、石川県、新潟県、山口県で、県もしくは地元大学等が基幹施設となる。ユニークなのが北海道で、道が基幹施設だが、その下に、道、札幌市、旭川市、北海道大学、札幌医科大学、旭川医科大学が運営する6つのサブプログラムを持つ。

 e-ラーニング形式を導入するのは、7科目、計49時間の講義の受講に代えることを可能とするため。準備ができた科目から順次開始する。2018年末、もしくは2018年度末までには全7科目について、e-ラーニング形式による受講が可能になる見通し。



https://www.m3.com/news/iryoishin/592492
真価問われる専門医改革
日本専門医機構、総合診療専門医に「弊害」もたらす - 丸山泉・日本プライマリ・ケア連合学会理事長に聞く
学会として経緯検証、機構や日医など関係団体に申し入れ予定
 
インタビュー 2018年3月21日 (水)配信聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

 新専門医制度がいよいよこの4月からスタートする。現行制度との大きな相違の一つが、19番目の基本領域に、総合診療専門医が位置付けられた点だ。同領域には、約180人の専攻医が登録した。
 日本プライマリ・ケア連合学会理事長の丸山泉氏は、「その数は満足できるものではない」と述べつつ、それ以上に、総合診療専門医の制度設計の経緯やその内容に疑義を呈し、「日本専門医機構内部でどんな議論があり、どのように対応してきたのかを検証することで、学会として責任を果たす時期に来ていると思う」と語る。同学会としてこの4月から検証を始め、その結果を基に同機構や関係団体に問いかけていく予定だ(2018年3月16日にインタビュー)。

――総合診療専門医の登録者数は180人前後と聞いています。

 日本プライマリ・ケア連合学会の家庭医療専門医のプログラムに入っていたのは、年200人くらいでした。19番目の基本領域としての専門医に位置付けられるという新たな展開を踏まえて増加を予想していましたが、180人という数字はそれより少なく、決して満足できるものではありません。総合診療という領域は、臨床研修医に浸透しているはずであり、日本の将来の医療を考えると「発展的構築」をすべきなのに、数の面ではそうなりませんでした。

 もっとも、指導医、指導体制や研修場所などを考えると、質を担保した上で総合診療専門医を養成できるのは、年200~300人が上限だと考えていました。これよりは少ないものの、専門医の養成は、質の担保が前提であることを考えると、現時点では無理のない数字とも言えます。

――日本専門医機構は、総合診療専門医の養成に当たって、一定の条件を定め、日本プライマリ・ケア連合学会の指導医以外も指導医になれるようにしました。指導医数は増え、指導体制のキャパシティーは拡大しているのではないでしょうか。

 あまり拡大していません。指導医資格を取得することと、現実に指導ができることは、必ずしも一致しません。われわれの推算では、結果的には、日本プライマリ・ケア連合学会の家庭医療専門医の「ver.2」の研修プログラムに携わっていた指導医のもとに、新専門医制度の総合診療領域の専攻医の9割以上が集まっています。われわれの実績が評価されたことは間違いありません。供給側ではなく、「受け手」の論理が大事。専攻医にとっては、自分のライフワークを左右するわけですから、どんな専門研修プログラムを選択するかが、当然ながら重要になります。

 専門医の養成は、日本専門医機構がルールを作り、「はい、始めましょう」と言ってできるものではないことが証明されたとも言えるでしょう。専門医養成の基盤があり、それを徐々に改善していく以外に、専門医制度の質向上の道はあり得ません。

――では登録者数が伸び悩んだ理由をどうお考えですか。

 専門研修に入るのは、20代後半の医師が中心。若手であっても彼らは日本の医療の将来の課題を見据え、「総合診療専門医は、ポテンシャルが高く、やりがいがある」ことをよく知っています。しかし、私が見聞きした範囲ですが、かなり強いネガティブなキャンペーンが展開されたと承知しています。

 その主体は、内科の先生方だと思います。ネガティブというと悪いイメージですが、組織運営上、理解できる動きです。総合診療専門医の果たすべき役割に「総合病院での包括的診療」がありますが、その点が総合内科あるいは内科専門医が果たすべき役割と重なり、内科として取り込みたい若手医師が総合診療領域に流れるという不安があったのではないでしょうか。内科医局などを運営するためには、若手医師が一定程度必要だからです。その動きを跳ね返すだけの力が、われわれの領域にはまだないということ。

 さらに最も大きいのは、総合診療専門医の運営を主導している日本専門医機構のあり方による「弊害」だと思います。

――「弊害」とは何でしょうか。総合診療専門医は、学会が直接的に関与する他の18の基本領域とは異なり、専攻医の募集をはじめ、日本専門医機構が担当しました。

 われわれにとっては、大事な歴史的な転換点にあります。折々に、誰がどんな発言をし、日本専門医機構内部でどんな議論があり、どのように対応してきたのかを検証することで、学会として責任を果たす時期に来ていると思います。具体的には厚生労働省の「専門医の在り方に関する検討会」以降の動きを、関係者の言質も含めて明らかにしていきます(編集部注:同検討会は、2013年4月に報告書をまとめ、新専門医制度発足のきっかけとなった)。

 2014年5月に日本専門医機構が発足した当初は、他の18の基本領域も含めて、同機構がかなりの部分を担当することになっていました。それが途中で、他の18基本領域は学会にほぼ任せる形になり、総合診療専門医だけが切り離され、そのまま日本専門医機構が運営を担当することになりました。

 そうした状況下で、2016年7月に日本専門医機構の執行部が刷新されたのを機に、総合診療専門医の在り方が変わってしまいました。その変わり方は尋常ではなく、一度は「ぶち壊れた」とも言えます。

――どのように変わったのでしょうか。

 一番の問題は、それ以前も良かったとは言えませんが、総合診療専門医をめぐるガバナンスが非常に悪化したことです。事務能力も低下しました。制度設計が具体化するにつれ、事務作業は増えますが、事務能力とのバランスがどこかの時点で取れなくなり、事務能力の不足が顕在化してきました。その上、透明性の担保、ディスクロージャー(情報開示)が行われなくなりました。

 「やるべきことをやらなかった」ことも挙げられます。総合診療専門医に関しては、委員会やワーキンググループが設置され、制度設計を進めるはずでした。われわれ日本プライマリ・ケア連合学会としては、委員会等を通じてしか意見が言えませんが、開催回数は減り、2017年5月を最後に開かれなくなりました。

 さらに、日本専門医機構に、総合診療専門医の本質である「ジェネラル」の意味、その教育の方法論を理解されている方がいないという大きな問題もあります。

――総合診療専門医の制度設計や運営のためのガバナンスが低下した結果、どんな問題が生じてきたのでしょうか。

 日本専門医機構は、若手医師の将来を決定する非常に大事な組織です。そこに求められるものは、公正性、透明性です。このことが担保されていないことで、関係者間の猜疑心を大いに生み出すようになってしまいました。

――総合診療専門医については、基幹病院について「後出し」とも言える整備基準が追加されたことなどを指しておられるのですか(『四病協、総合診療専門研修プログラムの1次審査に疑義』、『「1次審査不合格、大変遺憾」、専門医機構に説明求める』などを参照)。

 「後出し」の事実については存じていますが、どの時点で、あるいはどの場で、どのような手続きで「後出し」と言える状況になったのかの確認はしていません。例えば、「(専門研修プログラムの審査をめぐって)日本専門医機構から電話があり、指示を受けて対応した」とも聞きます。これが現実であれば、極めて「ゆゆしきこと」です。立場が対等であるという関係性が保障されていれば、「健全な意見交換」になるかもしれませんが、「片方が決定権を持ち、もう片方は持たない」という関係性の中で、そうした行為は採るべきではありません。

 総合診療専門医の専門研修プログラムの内容についても、問題があります。日本専門医機構としての最近の発信を聞いていても、この領域の本質を理解しているとはとても思えません。総合診療専門医をどのようなプロセスで養成すべきなのか、世界的に共通言語として確立していますが、その核心部分からずれた発言をされていることに驚きを覚えています。

――それは、総合診療専門医の本質である「ジェネラル」の部分を、複数の診療科をローテーションすれば習得できると考えられていることでしょうか。
 端的に言えば、その通りです。それ以外にも、総合診療の専門研修の位置付けを軽視し、「内科をしっかり学べば、総合診療はおのずから習得できる」というニュアンスにも問題を感じます。断片化された内科領域が、多疾患合併の患者への包括的ケアや、生活を基盤とした在宅医療を含むケアに対して十分対応できていない現実があります。その反省が総合診療を基本領域として位置付ける基盤になったにもかかわらず、そうした歴史的経緯や文脈を理解しているようには思えません。

――日本プライマリ・ケア連合学会として、これまでの経緯を可能な限り検証し、不明な点は日本専門医機構に確認を求め、問題があれば改善を求めていくことになりますか。

 日本専門医機構だけではなく、機構と関わる関係団体には正式に申し入れ、回答を求めることになると思います。検証し、歴史に残しておかないと、同じ過ちを繰り返すことになりかねません。もしとんでもないことがそこで行われたのであれば、沈黙しているわけにはいきません。

――そこにおける関係団体とは、日本専門医機構に理事を出している団体ということですか。

 その通りです。

――いつ頃までに、検証等を終える予定でしょうか。2019年度開始の新専門医制度については、4月末までに研修プログラムの申請・変更等を受け付け、9月から登録開始予定です(『3次募集は2月16日から、5都府県は全領域で“締め切り”』を参照)。このスケジュールは念頭に置かれますか。

 まずは検証が先だと思います。日本プライマリ・ケア連合学会の理事会で最終決定したわけではないですが、現時点の私の個人的な考えとしては、4月から具体的な検証作業を開始して、事実関係を確認し、報告書をまとめ、公表したいと考えています。この公表をもって、日本専門医機構への質問に代えるとともに、この問題に関心を持っている方々、メディアを含めて、問いかけたい。6月に本学会は執行部の任期が切れますが、それまでには一定の作業を終えたいと考えています。

 私は今まで沈黙を保っていましたが、日本の将来、また総合診療の必要性、魅力を感じ、頑張ってきた医師たちへの学会理事長としての責任があります。

――このタイミングで声を上げる理由は。

 今まで“人質”に取られていたわけです。つまり専攻医の登録を終える前に声を上げると、無用な不安を現場に与えてしまいます。

 総合診療専門医の養成は、20、30年先の日本の医療を見据えて考えるべき問題です。今の医師偏在の問題をどう解決するかは、日本の喫緊の課題ですが、別の問題です。この辺りの整理も必要です。地方の医療をどう支えるかは重要な問題であり、私どもの学会の長年の議論の中心であり、他学会に比して多くの会員がそこで頑張っていると自負しています。

 しかし、専門医制度の基本は質です。互いにリスペクトし合える専門医でなくてはなりません。「医師偏在の解決策として総合診療専門医を」という発想そのものが、将来、この問題の解決を量的にも質的にも困難にすると考えています。

 最後に申し上げますが、日本全国の地域医療の課題を一番知る立場にあるのは、日本医師会です。今を知るからこそ、将来の日本の医療を展望できるわけです。それなのになぜ日本医師会は、この総合診療専門医をめぐる問題の重要性を理解されないのでしょうか。日本医師会からの代表者が、日本専門医機構の役員になっており、一般国民の多くは、日本専門医機構のガバナンスの中心は、日本医師会だと考えています。日本医師会はなぜこの問題について黙っているのでしょうか。その責任は重いと思います。



https://www.m3.com/news/iryoishin/592673
「労基署、謙抑的に対応を」地域医療病院協議会
労働基準局長宛ての要請文を公表
 
レポート 2018年3月20日 (火)配信高橋直純(m3.com編集部)

 5つの病院団体で組織する「地域医療を守る病院協議会」は3月20日、厚生労働省労働基準局長に提出した「医療機関に対する労働基準監督の対応のあり方について(要請)」を公表した。3月14日の会議で議決し、3月16日に厚労省宛てに郵送した。(『医師の働き方「検討中、労基署は控えて」、地域医療病院協議会』を参照)

 要請文は山越敬一・労働基準局長宛てで、全国自治体病院協議会、JA全厚連、日本慢性期医療協会、全国国民健康保険診療施設協議会、地域包括ケア病棟協会の 5団体の会長の連名。「現在、病院勤務医の勤務実態等を取り巻くさまざまな諸課題が検討会で議論されているところであり、労働基準監督署は、これらの状況等にも十分配慮しつつ、謙抑的に対応いただくよう要請する」と求めている。

 協議会は、前述の5団体で2017年9月に設立。

要請文の全文は以下の通り。

【医療機関に対する労働基準監督の対応のあり方について(要請)】
 医師の働き方改革に関する検討については、厚生労働省において、「働き方改革実行計画」(平成29年3月28日働き方実現会議決定)に基づき、「医師の働き方改革に関する検討会」(以下「検討会」という。)を設置し、医師に対する時間外労働規制の具体的なあり方、労働時間短縮のための施策等について検討が進められているところである。

 この検討会においても、病院勤務医の長時間労働の実態が明らかにされ、その要因としては、急変した患者等への緊急対応、手術や外来対応等の延長、勉強会等への参加といった自己研鑽に関するものが挙げられるなど、医師には上司の命令ではなく、患者の求めに応じ質の高い医療を提供したいという個々の医師の職業意識の高さや応召義務があり、一般労働者と異なる特殊な労働環境にあることも指摘されている。

 また、労働時間と自己研鑽の区分の統一的なルールがないことや、医師の宿日直許可基準が現在の急性期医療の実態に沿ったものとなっていないとの指摘もあり、医療機関の現場において混乱が生じないよう、国における速やかなルール作りや基準の見直し等が必要と考える。

 ついては、これらの点を含め、現在、病院勤務医の勤務実態等を取り巻く様々な諸課題が検討会で議論されているところであり、労働基準監督署は、これらの状況等にも十分配慮しつつ、謙抑的に対応いただくよう要請する。



https://www.m3.com/news/iryoishin/590451
医療機能分化「言葉だけでなくシステム確立を」 - 島弘志・日病副会長に聞く◆Vol.2
「働き方改革」、少し配慮されていい方向に
 
インタビュー 2018年3月19日 (月)配信聞き手:橋本佳子(m3.com編集長)、まとめ:水谷悠(m3.com編集部)

――外来医療では、かかりつけ医の機能強化も大きなポイントです。

 全体としては「地域医療構想に寄り添う」という話ですが、そもそも地域医療構想自体が全国的に確定していないし、なかなかうまくいかない中で、かかりつけ医と専門医療機関の連携をはっきりと強調するということが打ち出されています。

――かかりつけ医は、日本医師会が打ち出しているものに沿ったものとお考えですか。
 日医と四病院団体協議会が提言した、「かかりつけ医とはこうあるものだ」というところですね。これまで制度上は一応あっても実際に名乗れる医療機関が少なかったのですが、今回の要件緩和で、200床未満のいわゆる中小病院と診療所がかかりつけ医として地域住民の病気やけがに対してファーストコンタクトをして、専門的な医療が必要と判断したら、専門医療機関に紹介する形を作りたいということはしっかり読み取れます。そこは大切なところです。医療機能の分化、強化、連携は言葉だけじゃなくて、システムが確立されれば、効率性も質も高まるし、無駄な医療費を投入せずに済むという意味で、大切なシステムだと思っています。

――初診料に機能強化加算が新設されて80点の設定となりました。
 難しいですね。800円、3割負担で240円上乗せになるので、加算を取るとその分、患者の自己負担が増えるので、開業の先生方でもあえて取らないところも多いのではないかという話も聞きます。ただ、点数云々は別にして、「何でも大病院に行ってください」という時代ではなく、専門性を高めたところが適切な医療を提供できる、かかりつけ医がそことの連携を果たせる。そういうところが制度として確立するかは見ていかなければいけないと考えています。

――働き方改革も大きなテーマですが、診療報酬改定であまり手厚く評価されたわけではないですね。
 専従要件緩和や常勤換算といった現場が困っているところを、少し配慮していい方向にいっていると思います。病院団体の要望が少し通りました。人員の確保がキーワードですが、医療機関は国家資格集団なので、そう簡単に確保できるわけではありません。女性の割合も増えて、結婚や出産後に常勤で戻れればいいですが、そうでなくても非常勤で合算となってくれば、働きやすくなる。それはいい方向だと思います。今回の改定で評価できる点です。

――医師事務作業補助体制加算は点数が引き上げられました。
 今の状態で見ると、雇えば雇うほど赤字になります。加算分では給料を払えていません。医師事務作業補助者をたくさん雇用している医療機関では医師の負担を軽減できていることはエビデンスがありますから、引き上げはいいことです。ただ、医師の負担を軽減した分、生産性が高まって病院の収益が上がるということになればいいですが、それがありません。考えられる理由はいくつもありますが、一つは人が増えてないことです。楽になった感はあるが、人数は変わっていません。ゆとりができるから、医師の仕事の中身、クオリティーは高まると思います。患者への気配りや、他の職種と話し合う時間などは間違いなく上がっています。ただ、お金の話をするといやらしいかもしれませんが、病院の収入には結び付いていません。

――負担が減った分、別のことができるほどではないということでしょうか。
 残業は減っていませんから。そこで、病院の運営責任者は医師事務作業補助者をどのくらい雇用しているか、どういう目的で雇っているか。医師についてはどういう風に負担が軽減されているか、実際にどういうをことやってもらっているか。もう一つは補助者を管轄している責任者の考え方。これについて、日本病院会で4月から6月にかけて調査を行います。


――今回の改定について、早急に影響度を検証しなければと思っているところはありますか。
 前回2016年度改定で本体が0.49%プラスであったにもかかわらず、赤字病院が増え続けています。今回0.55%プラスで歯止めが利くかというと、分かりません。医療の質を担保するのにはお金が必要で、黒字ではない状態では将来に対する人にも物にも投資できません。

――医療経済実態調査を踏まえれば、1%くらいは欲しいところでしょうか。
 それくらいあれば、経営は改善すると思いますが、その分、医療費もかかります。医療法には国民の義務(編集部注:第6条2項の3)をうたっていますが、それを国民は知りません。国民へのアピールを徹底的にやらないで、一方的に医療費削減のために締め付けて、医療機関が経営できなくなっていくというのはおかしいでしょう。

――ニーズの変化への対応も必要になってきます。
 地域医療構想が走っていますから、バランスが大事です。自施設が地域の中でどういう役割を果たすべきか十分に理解できていて、10年後、20年後、30年後とやっていくつもりなら、ニーズが変わるのは読めるはずなので、それに柔軟に対応出来る組織を作れるかがこれから先の分かれ目だろうと思います。

 医療は患者のためのもので、患者がゼロなら医療はいりません。地域医療構想がうまくいかないのも、その辺りに原因があります。2次医療圏を中心に、ということになっていますが、2次医療圏に住んでいる人が5万~6万人のところもあれば、何十万人のところもある。それを同じように議論できるでしょうか。自分の医療圏で治療を受ける人もいれば、ほとんどの人は隣の市に行くというところもある。皆が自分の医療圏で医療を受けないなら、その医療圏は施設ゼロでいいわけですが、そこに存在している医療施設を基に、というのが第一義になっている。そこに存在しない患者のことを前提に話しても、結論は出るのかということです。

――その先のあり方は、調整会議の話し合いをいかに進めるかということでしょうか。
 まずは経営です。両輪として、質の高い医療を提供するということと、経営と両方ができてないと先に進めません。そこがアンバランスなところが多いと思っています。医療の現場としては経営がちゃんとできないということは制度がおかしいと言いたくなります。

――先生が院長の聖マリア病院も1000床以上の大病院ですが、改定の影響はどのように見ていますか。また、体制の見直しなどをお考えですか。
 今、病床を減らしています。最大で1420床ありましたが、近代化計画に合わせて減らし、今は1097床くらいです。でもそれよりも、一番困っているのは、労働基準監督署が入ってきていることです。そこが、頭が痛いところです。



https://www.m3.com/news/general/593206
長崎大学病院「禁煙実践」の看板設置 持ち込みも禁止へ 
2018年3月23日 (金)配信長崎新聞

 長崎大学病院は22日、同病院敷地内の禁煙だけでなく、たばこと喫煙関連具の持ち込み自体も禁止する「タバコフリーホスピタル」の実現に向けて、「禁煙実践病院」と書かれた看板を長崎市坂本1丁目の同病院ロータリーに設置した。

 看板設置は、東京五輪・パラリンピック開催の2020年の「タバコフリーホスピタル宣言」に向けた取り組みの一つ。同病院は、受動喫煙防止のため、08年から敷地内を全面禁煙とした。ただ、たばこを持ち込み敷地外で喫煙する病院関係者も出ており、病院周辺で受動喫煙が起きている現状もあるという。

 同日、除幕式があり、河野茂長崎大学長と増崎英明長崎大学病院長が除幕。増崎病院長は「みなさんに禁煙の重要性を分かってもらい、受動喫煙の予防につなげたい」と語った。



https://www.m3.com/news/general/593098
日本の論文割合転落で訂正 
2018年3月23日 (金)配信共同通信社

 オランダの学術出版大手エルゼビアは22日、14日に公表した主要国の論文数などを比較した報告書の内容の一部を訂正した。世界の全論文に占める日本の論文数の割合がインドに抜かれて5位から6位に転落したのは2016年としていたが、正しくは15年だった。

 エルゼビア広報は、データの分析に不備があったとしている。

 報告書では、12~16年に世界で発行された全論文に占める、主要12カ国それぞれの論文数の割合を比較。各国がシェアを維持したり、伸ばしたりする中、日本の減少が顕著だった。



https://www.m3.com/news/general/591680
研究費当たり論文数最下位 出版社の主要国調査で日本 
2018年3月15日 (木)配信共同通信社

 オランダの学術出版大手エルゼビアは14日、主要国の科学研究費や論文数を比較した結果、日本の研究費は米国、中国に次ぐ3位だが、一定額当たりの論文数では最下位だったとする報告書を公開した。研究への投資が論文などの成果に結びついていない現状が浮かび上がった。

 報告書では、主要9カ国の2012年から16年の官民合わせた研究費を調べ、100万ドル当たりの論文数を計算した。日本は12年から最下位で、論文数の減少傾向が続き、16年は0・7と低迷。1位カナダ(3・8)、2位英国(3・7)に水をあけられ、中国(1・1)や韓国(0・9)にも及ばなかった。

 世界で発行されている全論文に占める、その国の論文数のシェアを12カ国で比べると、日本は12~15年に5位だったが、16年にはインドに抜かれて6位に転落。他国はシェアを維持したり、伸ばしたりしており、日本の減少が目立った。

 日本の研究費は8割が企業によるもので、エルゼビアは「産業界では研究が強力に進められている」と評価。一方で、日本の研究者は海外との共同研究が少なく国内にとどまりがちなことが、論文数などで低迷している原因だと分析している。



http://www.shimotsuke.co.jp/news/tochigi/top/news/20180322/3002497
獨協日光医療センター移転に10億円規模支援へ 日光市 
その他 2018年3月22日 (木)配信下野新聞

 獨協医大日光医療センター(日光市高徳)の移転計画で、日光市が移転先の用地について支援する方針を固めたことが21日までに、複数の関係者への取材で分かった。同大が希望している日光産業団地(同市森友、土沢)の土地取得を支援する見通しで、支援額は10億円規模になるとみられる。

 県西地区の地域医療を担う中核病院存続のため、大枠の支援方針として近く表明する。

 同市では4月に市長選を控えており、現執行部は大枠を示すにとどめる。このため現時点では、財政支援や用地譲渡といった具体的な支援方法や、財源などについては未定だ。



https://www.m3.com/news/general/592669
【茨城】神栖2病院再編 鹿島労災の調査費削除 市議会、修正案を可決 
2018年3月20日 (火)配信茨城新聞

神栖市議会予算決算常任委員会(石井由春委員長)は19日、神栖済生会病院と鹿島労災病院の再編統合に絡み、2018年度一般会計予算案のうち、鹿島労災病院の建物についての利活用調査費896万5千円を削除する修正案を賛成多数で可決した。

修正案は、構成委員(議長を除く全議員)のうち委員長と欠席1人を除く18人で採決。賛成11人、反対7人で可決した。22日の定例会最終日で委員長報告と討論の後、採決が行われる。

修正案を提出した議員は「建物の利活用計画が策定されていない中で、時期尚早」などと理由を説明。「大規模な医療施設を取得し整備するのは、将来にわたり市財政に大きな負担となる恐れもある。築後40年ほどで調査に値するかも疑問」とした。質疑や反対討論では、「地域の医療資源をどのように確保、利活用していくかが市の最大の懸案事項。統合までの時間もあり、市民の安全を守る活用方法があるのかは十分検討に値する材料だ」との意見が出た。

両病院は19年4月1日に統合予定。統合で同年3月31日で廃止する鹿島労災の建物について、市は施設構造や改修時の経費などの利活用調査費を新年度予算案に計上している。



https://www.m3.com/news/general/592444
県立北部病院 夜間救急外科を制限 医師不足で週2日に 
2018年3月19日 (月)配信琉球新聞

 【名護】名護市大中の県立北部病院(知念清治院長)が、医師不足のため4月1日から夜間(午後5時~翌日午前8時)の外科救急診療を、現在の週4日から週2日に制限することが16日、分かった。県立北部病院は2017年8月にも外科医が退職し診療制限が行われた。北部病院の久貝忠男副院長は「医師の後任が見つからず悪循環に陥っている」と述べた。

 現在4人いる外科医のうち1人が3月末で退職し、3人になる。外科の一般診療は現状維持できるように検討中だが、医師不足のため今後は一般診療も制限される可能性が出てくる。

 さらに産婦人科の医師も現在の4人から4月1日から3人になり、6月1日から2人に減ることが決まった。これまで緊急性の高い妊婦などは受け入れてきたが、3月からは受け入れを断っている。県立北部病院は「本格的に患者を受け入れられない状況が出てきた」と話している。

 県立北部病院は、昨年8月、外科医が1人退職し、外科の日中の一般診療だけでなく、夜間緊急外来を週7日から週4日に制限した。2月1日からも眼科が休診しており、短期間での診療制限や休診が著しい。

 外科医の退職により夜間当直の1人当たりの回数が増加することになり、医師の過重負担は避けられない状況だ。

 久貝副院長は「北部地域の医療体制が崩壊する可能性がある。外科医が不足していくと地域医療に支障を来すことは間違いない。人材確保を最優先にしているが、改善するめどは立っていない」と話した。



https://mainichi.jp/articles/20180322/ddl/k14/040/011000c
県立がんセンター
先進医療の課題 放射線専門医退職問題 「医師不足」深刻さ露呈 施設少なく、治療経験積めず /神奈川
 
毎日新聞2018年3月22日 地方版 神奈川県

 県立病院機構が運営する県立がんセンター(横浜市旭区)で、放射線治療の専門医が相次ぎ退職意向を示した問題。国が「先進医療」に位置づける重粒子線治療の存続が危ぶまれたが、同センターが医師探しに奔走して来年度の診療体制を何とか確保した。騒動の過程で露呈したのは放射線専門医の全国的な人手不足だ。総事業費約120億円が投じられた最新鋭の施設の将来に向け、「担い手不足」という根本的な課題をどう克服するのか。【堀和彦】

知事が説得

 重粒子線治療は、加速器でエネルギーを高めた重粒子線で病巣を塗りつぶすように狙い撃ちする治療法。周辺細胞へ与える影響が少ないことが長所で、従来の放射線治療では治りにくいがんにも効くと期待される。
 国は重粒子線治療を保険診療が併用できる先進医療に位置づけ、医療機関に専従の常勤医2人以上の配置を要件として定める。昨年、専門医の相次ぐ退職に直面した同センターは、県内外の医療機関に医師の派遣を要請してきたが、交渉は不調が続き、一時は診療継続も危ぶまれた。

 見かねた県は今年1月、「医師確保対策委員会」を設置し、本格的な医師探しに乗り出した。当初は難航したが、黒岩祐治知事ら県幹部が派遣元を口説いて回り、専門医をなんとか確保。県内がん患者にとっての「頼みの綱」は、首の皮一枚でつながった。

常勤医不在38%

 放射線の医療現場は、専門医の慢性的な「担い手不足」にあえぐ。日本放射線腫瘍学会によると、放射線治療専門医は全国に1176人おり、県内は69人(2月末現在)。一方で放射線治療施設は全国に約830施設ある。同学会の2013年の調査では、常勤の専門医がいない施設は全国で38・2%に上る。

 同学会の試算では、専門医1人がみる年間患者数を200人とすると、現状の2倍以上の2500人の専門医が必要になるという。同学会は「医学生、研修医へのアピールや各臓器別学会への参加、大学への働きかけなどに取り組んでいる」としている。

育成にも課題

 経験を積める医療現場に乏しく、人材育成の機会も限られる。重粒子線治療について国は、「責任医師」に専門施設での2年以上の治療経験などを求めている。しかし、全国で重粒子線治療を実施する施設はまだ5カ所のみだ。

 放射線医学総合研究所(千葉市)は、1993年に当時世界初となる重粒子線治療の専用施設を開発。以来、国内外の施設と連携して治療の普及に努め、国内の4施設と稼働予定の2施設から医療スタッフを受け入れてきた。同センターでも放医研で治療のノウハウを学んだスタッフは多い。

 重粒子線がん治療普及推進ユニット長の北川敦志さんは、医師不足について「特殊な治療なので習う場所が少ないが、施設が増えればイレギュラーにも対処できる」と話す一方、「医師が増えないと施設は増えない」とジレンマを吐露する。今後は医療機関との人材交流を一層密にしていくという。

 放医研を所管する文部科学省は07年から「粒子線がん治療に係る人材育成プログラム」を策定。放医研など全国8機関で医師や技師を養成し、5年間で約40人を輩出した。だが、その後はこうした取り組みはなく、一過性に終わった国の施策が専門医不足の一因という見方もある。

連携がカギ

 県内でも、同センターの重粒子線治療を巡って横浜市は09年、県に人材育成の必要性を指摘し、同センター内に横浜市立大大学院を併設して医師を派遣する案などを提案した。だが、県が難色を示し、最終的に破談に終わった。機構の土屋了介前理事長は今年1月、毎日新聞の取材に「横浜市大と組んだ長期戦略が必要」と述べ、連携に意欲を見せていた。だが、今回の問題への対応を巡って今月、理事長職を解任された。両機関の連携は課題のままだ。

 先月の県議会で黒岩知事は、専門医の人材育成について「県内外の大学や医療機関と人材確保の仕組みを作っていく」と方針を打ち出した。「人手不足」という業界の積年の課題を前に、行政がどのような一手を打てるのかは未知数だ。



http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201803/20180322_43003.html
地元で産めぬ不安拡大 かづの厚生病院の分娩機能、今秋休止 医師確保へ官民連携図る 
2018年03月22日木曜日 河北新報 秋田

 秋田県鹿角市で唯一分娩(ぶんべん)が可能な「かづの厚生病院」は昨年2月、産婦人科医を派遣している秋田大など3大学の意向で「里帰り出産」の新規受け入れを中止した。さらに大学側は常勤医の派遣を継続できないと通告したため、今秋には分娩機能自体が隣接する大館市の市立総合病院に集約される。大館までは夏場でも車で40分以上かかり、地域に「出産を諦める人が増えるのではないか」と懸念が広がる。(秋田総局・渡辺晋輔)

<「土台なくなる」>
 「妊婦が置き去りにされている」。鹿角市文化の杜交流館コモッセで今月上旬開かれた「お産ができる鹿角を望む住民集会」で、分娩施設が地域からなくなることに約120人の出席者から不安の声が相次いだ。
 人口約3万1500の市は移住・定住や子育て支援に力を入れる。厚生病院で3人を出産した主婦大森雅子さん(34)は「市内には子育てサークルが多く、3人目、4人目を産む人が多い」と話す。
 分娩機能集約化には「産める環境があるから人が住む。地域が縮小する不安と住み続けられるのかという不安がある」と漏らした。
 主催団体の一つで、昨年2月に設立された「鹿角の産婦人科を守る会」の代表を務める会社員安保大介さん(36)は「出産できる施設はいわば地域の土台。子育て環境が充実していても土台がなくては話にならない」と危機感を募らせる。

<出生数減も一因>
 厚生病院には秋田大と岩手医科大が、大館市立総合病院には弘前大がそれぞれ常勤の産婦人科医を派遣している。集約の背景には大館・鹿角地域の出生数減少や深刻な医師不足がある。
 県や鹿角市、隣接する小坂町などは分娩機能の維持を繰り返し要望した。しかし大学側は「安全な出産体制を整備するには、分娩を取り扱う施設を集約してスタッフを充実させるしかない」と回答。方向性は覆らなかった。
 県によると、産婦人科医と年間分娩件数は大館市立総合病院が4人、約500で、厚生病院は2人、約200。集約後は大館市立総合病院に常勤医6人、分娩件数は約700となる見込みだ。
 県は集約後を見据え、大館市立総合病院の機能強化に向け分娩室増設などの整備費約7300万円全額を市に補助する。集約は施設整備が終わる今年秋ごろになる。

<地域が意思表示>
 一方、鹿角市は新年度から医師確保対策を専門に担う地域医療推進員1人を配置する。児玉一市長は13日の市議会3月定例会一般質問で「分娩機能は必要不可欠な都市インフラ。自分たちで医師を見つけるしかない」と答弁し、県や厚生病院、市民団体と連携して取り組む考えを示した。
 先例になるのが、住民団体「鹿角の医療と福祉を考える市民町民の会」の取り組みだ。
 会は常勤の精神科医が不在になる事態を受け2006年に設立された。精神科医を募るチラシを全国の道の駅に置き、今春に大阪の医師が厚生病院に勤務するきっかけをつくった。会長の西文雄さん(68)は「地域が意思表示をしなかったら医師はいなくなっていた」と振り返る。
 産婦人科を守る会代表の安保さんは「住民の医療に対する意識を『受ける』から『支える』に変えていきたい。諦めずに市の手助けをしたい」と話す。

[かづの厚生病院]17診療科、稼働病床207床。2017年4~12月の入院患者3万6182人、外来患者10万5850人。このうち産婦人科は入院1858人、外来5018人。16年度の分娩件数220。分娩機能の集約後も、妊婦健診や産婦人科の外来診療は継続する。



https://www.asahi.com/articles/ASL3N3WJML3NUBQU006.html
医療従事者の給与削減、提案へ 赤字続く市立旭川病院 
渡辺康人2018年3月20日15時00分 朝日新聞

 深刻な赤字が続く市立旭川病院(478床)の経営再建策の一環として、市は医師や看護師ら医療従事者の給与削減を近く労働組合に提案する方針を固めた。病院側は市議会で「2~3年の限定で身を切ることで(職員の)了解を得る覚悟だ」と説明した。3月末から4月上旬にかけて労組に提示し、新年度中に実施に踏み切りたい考え。

赤字の旭川市立病院、経費削減の抜本策

 2億円程度の削減効果を試算している。旭川市が一部の職場に限定して給与削減するのは初めてで、道内でも珍しいという。市は他職場との関係もあることから、一般事務職員については対象に含まない考えだ。

 同病院は2009年度以降、ほぼ毎年数億円規模の単年度赤字が続き、一時は約30億円あった「貯金」が底をついて16年度から資金不足に陥った。17年度も約7億円の単年度赤字となる見込みで、このままだと毎年数億円ずつ累積赤字が膨らみ続け、年間医療収益の20%(約20億円)を超えた段階で経営が国の管理下に置かれる。市としてはこれを阻止したい考えだ。

 同病院の赤字は、医師不足から整形外科と呼吸器内科の入院受け入れを休止している影響が大きく、市は連携協定を結ぶ旭川医大に常勤医師の派遣を要請し続けてきた。市側の議会答弁によると、医大は協議の中で市立病院の自助努力が前提だとし、医大がかつて職員給与や病床の削減で赤字脱却を図った実績を挙げて「身を切る改革」の必要性を伝えているという。

 青木秀俊・病院事業管理者は16日に開かれた市議会予算等審査特別委員会の答弁で、「医大から市立病院の身の切り方が足りない(と受け取られている)ことが基本にあると重々理解している。職員との話し合いで進めていく覚悟だ」と述べた。



http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/225378
「医療体制の崩壊も…」 沖縄の北部病院、外科の夜間救急制限 週4日→2日へ 
2018年3月20日 07:25 沖縄タイムス

 沖縄県立北部病院(知念清治院長)が4月1日から、外科の夜間救急診療(午後5時~翌日午前8時)を現在の週4日から週2日に制限することを決めた。4人いる外科医のうち、派遣医1人が任期満了を迎え、3人となるため。知念院長は「医師1人当たりの当直負担を考えると、現状維持は難しい」と説明する。

 同病院の外科は昨年8月にも医師1人が退職し、日中の外来制限措置を取った。外科の夜間救急受け付けは現在、月、水、金、土の週4回。これが4月からは金と土の週2回となる。受け入れ制限のしわ寄せは今後、北部地区医師会病院にいくと考えられ、「北部地域の医療体制の崩壊につながりかねない」(知念院長)危機的状況という。

 北部病院では4月から、産婦人科でも医師が1人減り3人体制となる。3月に入り、すでに受け入れを数件断るなど現場は逼迫(ひっぱく)している。

 内科では消化器担当医が1人減の2人に、人工透析担当医も応援がなくなり1人となる。小児科も2019年度から医師不足が懸念されている。知念院長は「医師確保に向け県とも調整を続けているが状況は厳しい」と話した。
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https://dot.asahi.com/dot/2018031300077.html?page=1
奨学金を受給するも途中で返還 医学部受験「地域枠入試」の理想と現実 
庄村敦子2018.3.21 07:00 アエラdot.

 入る前も入った後も何かとお金がかかる医学部。地域で働けば返還免除になる奨学金や、成績優秀者に大学が給付する奨学金など、学費の負担を軽減する制度を上手に活用したい。医学部志望生向けのAERAムック『AERA Premium 医者・医学部がわかる2018』では、主な地域枠入試の入試方法や募集人数などを徹底調査。受験生は地域に残ることをアピールするが、はたして実情は。

*  *  *
 地域医療を担う医師不足を解消するために1997年度から始まったのが「地域枠」だ。約20年が経ち、現在ほとんどの大学が導入している。2016年度には71大学(1617人)にまで増えた。この数は地元出身者のための地域枠だけでなく、出身地にとらわれず将来地域医療に従事する意志を有する者を対象とした入学枠も含まれる。中には入試時には特別枠は設定していないが、入学後の募集で地域医療に資する奨学金と連動するものもある。

■入試で合格しやすく受験の機会が増える

 地域枠は受験生にとって、どのようなメリットがあるのか。

 まずあげられるのは、合格しやすいということだ。推薦とAO入試の地域枠は倍率が低いなどの理由で、一般入試よりも入りやすい。万が一不合格でも、一般入試にチャレンジできるので受験の機会も増える。

 もうひとつのメリットは、卒業後の一定期間、指定された医療機関や診療領域で働けば、奨学金の返済が免除となるものが多いことだ。

 東北医科薬科大学の「修学資金枠A方式」は、返済免除になれば、学費が国公立大学並みになる。同制度で入学した2年生の奈良井大輝さんはこう話す。

「三つの大学に合格し、父からは島根の自宅から近い関西の私大を勧められました。でも東北の復興のために役立ちたいという思いと、浪人したぶん学費の負担は軽くしたかったため東北医科薬科大学に決めました」

 奨学金の額はさまざまだが、中でも、額が大きいのが09年度に始まった「東京都地域枠入学試験」だ。現在は順天堂大学と杏林大学が各10人、東京慈恵会医科大学が5人募集している。

 出願資格は都内在住か、都内の高校などを卒業・卒業見込みの者。医師免許取得後、東京都が指定する医療機関で、小児医療、周産期医療、救急医療、へき地医療のいずれかの領域で奨学金貸与期間の1.5倍(9年間)以上働けば、各大学の6年間の修学費全額と生活費720万円の返還が免除となる。ただし、定められた勤務を遂行しない場合には、10%の利率で返済しなくてはならないため、注意が必要だ。

 17年春、1期生の5人が2年間の初期臨床研修を終えた。3人が周産期医療、2人が小児医療を選んだという。同試験の立ち上げから担当してきた東京都福祉保健局医療政策部医療調整担当課長の田口健医師は、感慨深そうにこう話す。

「入学した1期生が、指定した診療領域に進むまで8年。長かったですね。まずはホッとしていますが、返還免除まであと6年数カ月あります。9年間働いて立派な医師、よき先輩となってほしい。奨学金は都民の税金です。4領域しか選べないため、覚悟を持って受験してほしいですね」

■最初から地域に残るつもりがないのに…

一方で、地域枠では奨学金を受給したものの途中で返還するケースも増えていて、大きな課題になっている。

 厚生労働省が実施した「平成29年臨床研修修了者アンケート」によると、途中で返還した理由(複数回答可)として、2.4%が「もともと地域医療に従事する気はなく、最初から返還する予定だった」と回答している。

 この回答を裏づけるように、ある医学部予備校の関係者が打ち明けた。

「最初からその地域に残るつもりがないのに、一般入試よりも比較的入りやすいため『地域枠入試』で入学するケースはあります。保護者は『学費を先に払うか、後で払うかの違い』と言っていますね」

■地域への定着を目指し地元出身者に限定

 面接対策をしている受験生は地域に残ることをアピールするが、実情は違うようだ。ある国立大学の医学部長はこう語る。

「面接時に、受験生が『卒業後、離島で働きたい』『地域に残ります』と言っても、卒業すると出身地に帰る学生が多いため、未来については聞かないことにしました。主に高校時代について質問しています」

 同アンケートは、臨床研修修了後に大学と同じ都道府県に勤務する割合も調べている。地域枠全体の入学者が68%に対し、地元出身者(大学と出身地が同じ都道府県の者)は78%に上り、地元出身者の定着率のほうが高いという結果が出た。

 この結果を受け、厚生労働省が「地域枠」の出願資格を地元出身者に限定するよう通達した。現在、都道府県知事が地元医学部に「地元出身者枠」の設置・増員を要請することを可能とする法案化も進んでいる。

「18年度入試では、17年度には出身地による制限がなかった名古屋大学後期の『緊急医師確保対策枠』、大阪市立大学の『大阪府指定医療枠』、愛知医科大学の『愛知県地域特別枠』などが、出願資格の出身高校や居住地を地元に変更しました。今後、出願資格を変更する大学は増えると思います」(メディカルラボ・可児良友本部教務統括)

 多くの都道府県が医師の定着に悩む中、島根県は特殊な取り組みをしている。島根大学の地域枠入試では、地域の医療機関や福祉施設での実習が受験資格として義務づけられているのだ。

「地域枠推薦入試」では、生まれ育った地域が島根県内のへき地等に該当し、地元に帰って医療に貢献する強い意志のある者が対象となる。出身地にある医療機関と福祉施設で実習をするとともに、各施設長の面接評価を受け、市町村長による面接も受ける必要がある。 

一方、「緊急医師確保対策枠推薦入試」は、県内の医療に貢献する強い意志がある者が対象で、出身地は問わない。島根大学が指定する県内の医療機関で実習し、担当者の評価を受ける。さらに病院長や県担当者による面接もある。

 島根大学の並河徹医学部長は、こう語る。「病院長・福祉施設長や、自治体首長による面接評価があるうえ、志願者が実習の活動記録や感想文などを書くため、地域医療に貢献する強い意志があるか、医師としての資質を備えているかを確認できます」

 地域枠の他にも、返還不要の「給付型奨学金」や学費が減免される特待生制度もある。入試や入学後にいい成績を修められるよう、努力しよう。(文/庄村敦子)

※AERAムック『AERA Premium 医者・医学部がわかる2018』より抜粋



https://www.nikkei.com/article/DGKKZO2821304016032018TCC000/

「画像診断報告書」相次ぐ確認不足
重要情報共有されず/再発防ぐ 対策続々
 
2018/3/19付日本経済新聞 朝刊

 コンピューター断層撮影装置(CT)などで撮影した検査結果を記載する「画像診断報告書」の内容が医師間で共有されず、がんの治療が遅れ、患者が亡くなる事例が相次いでいる。大学病院が死亡事案を公表しているが、氷山の一角との指摘もある。どの病院でも起こりうる課題として医療界は危機感を強めており、対策に動き出している。

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 2015年10月、70代の男性は強い貧血で東京慈恵会医大病院(東京・港)に救急搬送された。消化管からの出血の疑いでCT検査を実施し、放射線科医は肺がんが疑われることから「短期間でのfollow(フォロー)が望まれます」と画像診断報告書に記載した。

肺がん見落とす

 だが、救急医から病棟医、外来医へと担当医が変わる中で、この重要情報が共有されなかった。男性の肺がんの発覚は1年遅れ、17年2月に亡くなった。

 同病院は年間約8万5千件のCTや磁気共鳴画像装置(MRI)の検査を行う。このうち約1割は「要経過観察」や「要精査」が必要で、検査結果に見落としがあれば患者に重大な影響を及ぼす可能性がある。

 丸毛啓史院長は「今後も起こりうる問題」と話す。医師間で重要情報を確実に伝え、共有する教育や研修を強化するが、それだけでは防ぎきれないことから様々な仕組みを整備する。

 その一つが診療情報室の職員が医師に報告書の内容を把握したか連絡することだ。17年10月から実施しており、18年4月には担当者を現在の1人から3人程度へと増やす予定。例えば画像診断報告書に「半年後に再検査が必要」と書かれていれば、実際に実施されたかどうか追跡していく。

 現在の大学病院の医師は専門性が高くなったが、その一方で日常的に治療する臓器以外は必ずしも詳しくはない。このため、主治医が予期しない重要な病気などを検査で見つけた場合、画像診断部の医師は見落としが起きないよう主治医に直接連絡することを周知している。

 さらに画像診断報告書は必要に応じて患者に交付してきたが、原則すべての患者に渡すようにする。検査を依頼した医師向けに書かれた通常の報告書を患者が理解するのは難しいため、4月からは患者用にかみ砕いて書いた報告書を渡す予定だ。医師が見落としたり忘れたりしてしまうのを患者からの指摘で防ぐのが狙いだ。

 画像診断報告書の確認不足は、同病院だけの問題ではない。医療事故情報を収集する日本医療機能評価機構(東京・千代田)によると、15年1月~17年9月の間に同様のミスが32件起きていた。医師の経験年数をみると、▽1~5年▽11~15年▽26~30年――がともに7件で、医師のキャリアに関係なく起きていた。

 名古屋大病院医療の質・安全管理部の長尾能雅教授は「医療の進歩がもたらした新たな課題だ」と指摘する。

 経済協力開発機構(OECD)によると、人口1千人当たりのCTの撮影回数は、日本は231回(14年)と加盟国の中で2番目に多い。放射線科医の読影術も向上し、昔だと分からなかった病気が見つかるようになる一方で、報告書内の重要情報を見落とすリスクも高まった。

 厚生労働省も事態を重くみている。17年度の医療法に基づく医療機関への立ち入り検査では、医療安全対策の確認ポイントの一つとして、画像診断報告書の確認不足の問題を例示。さらに17年11月、画像診断報告書の確認を徹底するよう通知を出した。

 国立がん研究センター中央病院(東京・中央)や、がん研有明病院(東京・江東)も対策の検討に動き出している。

未読管理システム

 名古屋大病院でも画像診断報告書の見落としが起きたことを踏まえ、医師が報告書に目を通したか把握する既読・未読管理システムを導入した。未読が30日以上続くとその医師が所属する医局長に伝え、さらに60日以上がたってもまだ未読だと医療の質・安全管理部に通知が行く仕組みを整備した。

 この管理システムの導入で「未読のまま放置される報告書はなくなった」と長尾教授は強調するが、「万全ではない」とも話す。現状の管理システムでは、医師が報告書の内容を正しく理解したかどうかは分からない。IT(情報技術)を駆使してこの問題をどう克服するかが今後の課題だという。

 東京慈恵会医大病院の肺がんの見落としで亡くなった男性は、亡くなる前に医療過誤原告の会(東京都東村山市)の宮脇正和会長に病院の抜本的改善などを求めて動くよう頼んだ。宮脇会長は「重大なミスが起こりうることを前提に、患者も一緒になって医療安全に取り組んでいくことが大切だ」と話している。

(辻征弥)



http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/52585
機能不全の地域医療、“経営戦略”で変革に挑戦
シリーズ「商いの原点」~医療法人三つ葉(愛知県)後編
 
2018.3.19(月) 嶋田 淑之 JB Times

 日本の高齢化率は27.4%(2017年)に達し、「超高齢社会」が進展する中、国の方針により要介護者の在宅率は上昇し続けている。しかるに、全国各地では経営難に起因する病院の統廃合が加速化し、在宅要介護者やその家族のニーズの増大に逆行するかのように、十分な医療サービスが提供されにくい状況になってきている。

 大都市部においても状況は芳しくない。夜間や休日に主治医の診療を受けることは困難であり、救急車を呼んでも、たらい回しにされた挙句、患者の医療情報をもたない病院の当直医におざなりの対応をされることも多い。

 医療サービスの質も量も問われるこうした現代日本において、全国的な注目を集めるクリニックがある。名古屋市にある「三つ葉在宅クリニック」(医療法人三つ葉)である。その代表は舩木良真医師(39)。

 常勤医師8人、非常勤10人。他に医療ソーシャルワーカー、診療サポート、医療事務、ドライバー、システムエンジニア、総務などスタッフ62人。

 名古屋市内の8区をカバーし、患者数は約1000人に達する。患者の年代は、80代が最多で、70代、90代と続く。病状に合わせた定期的な往診に加え、夜間・休日を含めた彼らへの緊急往診は年間2000件を超える。

きっかけは“地域医療の機能不全”

「名古屋大学医学部在学中は研究医になるつもりでした」と語る舩木氏。しかし、研修医1年目、日本の医療の在り方に深刻な疑問を感じたという。

非常に多くの高齢者が救急外来にやってきて、病院側は彼らを帰そうと躍起になる。本来、大病院は急性期の患者に高度医療を施す場所なのに、高齢者は地域の医院・クリニックへの信頼感が薄いため、どんな問題であれ、すべて大病院に頼ろうとする。

 高齢化率が急速に上昇し続ける中、地域医療が時代の変化に対応できず機能不全を起こしているとすれば、由々しき事態である。

 舩木氏は、2003年、諸外国を視察して回った。

「北欧とニュージーランドで、“コミュニティ・ケア”を目の当たりにしました。高齢者が(病院や施設ではなく)“地域”でそれまで通りの日常生活を営みながら医療を受けているのです。

 成熟した国家では、自分の生き方を自己決定する。日本においても、高齢者が“人生の最後の時期をどう過ごすのが幸せか”を自ら決める時代が来ると考えました。私だったら自宅で過ごしたい。そういう人は多いに違いない。在宅医療に大きなニーズが存在すると」

 ここでのキーワードは“地域”である。“家庭”が単位になると、今まさに日本で社会問題化しているように、「介護離職による経済的破綻」「老々介護による共倒れ」、そしてそれらの帰結としての自殺や無理心中などを招来してしまう。

 あくまでも、地域の医院・クリニック、ケアマネージャー、訪問看護ステーション、介護事業者などが、(日本の現状とは異なる)強固な連携を構築し、家族の負担を最小限に減らしつつ、高齢者の切実なニーズに対応したサービスを提供することが肝要だ。

 舩木氏は、イノベーティブな在宅医療サービスを創出すべく、ビジネススクールに入学し、ベンチャー企業の成功パターンなどを学んだ(前編「医療界で『三方よし』を実践するMBA医師」参照)。そして、2005年、周囲の猛反対を押し切って、志を同じくする仲間たちと「三つ葉在宅クリニック」を開設した。

薬価を知らない医師が多い日本の現状

 業務プロセスの特性として「看護師がひとりも在籍していない」こと、そして、これがクリニック内に“勉強会文化”を定着させたことは前編で述べた通りである。

 この“勉強会文化”は、実は別の業務プロセス革新の成功を担保している。それは、「同クリニックとして、製薬会社のMR(医薬情報担当者)とはほとんど会わない」という、従来の医療機関では考えられなかった業務プロセス革新である。

 MRは、自社の医薬品の副作用等に関する情報を医療機関から収集しつつ、同時に、自社の新製品などに関する情報を医療機関に提供し、購入への動機づけを行う。

「MRの方々は、新しい医薬品や値段の高い医薬品の方がよく効くと主張する傾向があります。しかし、論文などを読み込めば、決して彼らの言う通りではないことが判明します。はっきり言って、5円の医薬品と1000円の医薬品を比較した場合、効果・副作用ともに大差ないケースもあるのです」

 それなのに、日本の医師の多くが、残念ながらMRに依存してしまっていると舩木氏は嘆息する。それは、ひとえに、自らエビデンスに当たるなどの自己研鑽ができていないからだという。

 三つ葉在宅クリニックでは、MRにほとんど会わない代わりに、医師たちが自ら勉強することで、必要な(しかも正しい)情報を得る。“勉強会文化”の定着がそれを可能にしているのだ。

「私たちにとって何よりも大切なのは、患者さんにとって最適なことをいかに低価格で提供し、それを通じて患者さんの幸せをいかに実現するかということです。そのためには、“費用対効果”ということを常に意識し検証し続けることが重要です。にもかかわらず、現実には、日本の医師のほとんどが薬価を知りません。費用対効果をまったく考えずに処方しているのです」

「不安マーケティング」に乗せられるな

 米国のドナルド・トランプ大統領が離脱の大統領令に署名したため、いったんは雲散霧消したかに見えたTPP。ところが、その後、アメリカを除く11カ国による協議の結果、2017年11月に大筋合意が確認され、2018年3月8日にチリで11カ国による署名式が行われた。それどころか、トランプが再加入を匂わせるなど、きな臭い昨今の状況である。

 日本では、TPP正式加盟に先駆け、混合診療が解禁された。今後は、患者10割負担の自由診療枠が徐々に拡大していくと見られ、医療格差が生まれるのではないかと懸念されている。

「私たちは、いずれこうした日が訪れることを予期し、“費用対効果”を徹底的に追求してきました。『高コスト→高品質な医療サービス』『低コスト→低品質な医療サービス』なら、誰にでもできる。しかし、『低コスト→高品質な医療サービス』にはイノベーションが必要です。私たちは、まさにこの戦略を推進してきたわけです。

“TPP時代になったら富裕層以外まともな医療を受けられない”ということはありません。必要最低限の金銭負担で、まっとうな医療サービスを受けられることは実証済みです」

 ただし、それには条件がつく。日本の医師たちが、MRに過度に依存することなく、自己研鑽に励み、自らエビデンスに当たり、医療サービスの費用対効果を徹底追求する姿勢を持つことだ。

 舩木氏は、これからの時代、患者サイドも、“費用対効果”の意識を持つことが大切だと言う。

「“これだけお金をかければこんな素晴らしい医療サービスが受けられる。でも、これっぽっちしかお金をかけないとこの程度の医療サービスしか受けられない”という形で、米国系多国籍企業がマーケティングを仕掛けてくる可能性があります。万一、こうした価値観が日本社会に蔓延するようなら、日本の医療はズタズタになってしまうと私は危惧しています。そうした“不安を煽るマーケティング”に乗せられてはなりません」

 全国の医師の自己研鑽はもちろんだが、国民一人ひとりも、自ら勉強し、“費用対効果”に対する自分なりの視点を持つことが今、求められているようだ。



http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201803/20180323_53056.html
<日本海ヘルスケアネット>来月設立へ 庄内北部の包括ケア充実 
2018年03月23日金曜日 河北新報

[くりや・よしき]東北大医学部卒。仙台市立病院などを経て1988年酒田市立酒田病院。98年に同病院長。2008年に独立行政法人「山形県・酒田市病院機構」の初代理事長兼日本海総合病院長。14年から酒田地区医師会長も務める。71歳。北秋田市出身。

 山形県医療審議会は22日、県・酒田市病院機構など酒田市内の医療・福祉関連9法人が参画する地域医療連携推進法人「日本海ヘルスケアネット」の設立を認める方向で一致した。知事の認定を経て、東北初となる地域医療連携推進法人が4月初旬にも発足する。代表理事に就く予定の栗谷義樹・同病院機構理事長(71)に展望を聞いた。
(酒田支局・亀山貴裕)

◎山形県・酒田市病院機構 栗谷義樹理事長に聞く

<スタッフ派遣も>
 -審議会が新法人設立を認めました。今後どのような取り組みを進めますか。
 「最終的には知事の認定が必要だが、9法人で1年半重ねてきた議論がようやく実る。地域医療連携推進法人となれば、職員の相互派遣や共同研修、医療機器の共同利用、病床機能ごとの役割分担など非常に多くのことが可能になる」
 「介護士や看護師の確保策を例に挙げると、比較的知名度が高い病院機構で募集・採用し、ある程度キャリアを積んだ段階で人手不足の連携施設に出向してもらうことはあり得る。機構としては余剰スタッフを抱えるが、連携する回復期病院や介護・福祉施設の体制が整えば、地域包括ケア体制の充実という意味で結果的にプラス効果が生じる」
 -患者のメリットは。
 「利用者側の個々のメリットとなると、説明が難しい。地域で必要とされる医療、介護、福祉サービスを将来にわたって提供し続けるための基盤づくりと考えてほしい」
 「少子高齢化で社会保障費が増大する中、病院や介護施設は非常に厳しい時代を迎える。これまで競合してきた法人同士が協調へ転換し、施設間の資源を有効活用することで、医療崩壊など最悪の事態を避けられる確率が高まる」

<統合協議が素地>
 -地域医療連携推進法人は東北で初めて。酒田で実現できるのはなぜですか。
 「庄内北部では10年前、県立病院と酒田市立病院の統合という大きな出来事があった。医師会や病院、行政との間で非常に難しい議論が交わされ、統合後も日々の連携や利害調整で率直に、時に厳しい話を重ねてきた。そこで生まれた信用が素地となり、新法人設立に至ったと考えている」
 -参加法人は全て庄内北部。鶴岡市を中心とした南部との連携はありますか。
 「国の定めた連携推進区域は二次医療圏が基本原則で、できない理由はない。庄内全体の人口は28万弱から、2025年には24万まで減るという推計が出ている。急性期医療に用いられる医療機材は高価で、生活圏を同じくする庄内の各病院が重複投資を続ければ共倒れになりかねない」
 「これまでは北部と南部の病院が共同で運営するという意識は薄かった。南北の連携は私たちの次の世代の課題になるだろう」

[地域医療連携推進法人]地域の医療機関や介護施設のネットワーク化により、業務連携や医療機能の分担を促し、質の高い効率的な医療提供体制を地域で確保する。厚生労働省が2017年4月、地域医療構想を実現するための一つの選択肢として制度化。全国で愛知県や広島県などの4法人が認定を受けるが、関東以北では事例がない。



http://www.medwatch.jp/?p=19684
新専門医制度、東京で専攻医多いが、近隣県を広くカバーする見込み―日本専門医機構 
2018年3月19日|医療計画・地域医療構想 MedWatch

 2018年度からの新専門医制度スタートに向けて、専門医を目指す専攻医の1次・2次登録結果をみると、東京都に多く登録しているように見える。しかし、研修の1年目から地方病院へ配属される医師も十数%程度おり、関東一円を広くカバーすることになる。新専門医制度によって「医師偏在が助長されている」とは言えない―。

 日本専門医機構は3月16日の理事会に、このような資料を提示しました。今後も、専攻医の動向(どこの地域に配属されているか)などを調べるとともに、大都市部への集中が起こらないような「都道府県別の専攻医上限数」(シーリング)を常に調整していくことになります(関連記事はこちらとこちら)。

ここがポイント!
1 数字上は東京都に専攻医が集中しているが、プログラム上、一定割合が地方派遣される
2 東京都の研修プログラム、一定割合が「近隣県の連携施設での研修(派遣)」を予定
3 自治体サイドは依然として「医師偏在助長」を懸念し、制度改善の申し入れも

数字上は東京都に専攻医が集中しているが、プログラム上、一定割合が地方派遣される

2018年度からの新専門医制度全面スタートに向けて、専攻医の登録が進んでいます。日本専門医機構では、「専攻医登録の推測結果」(3次予定等を含めた4月以降に勤務する都道府県、基幹病院ベース)と、「初期臨床研修地」(3月まで勤務する都道府県、主に基幹病院ベース)との比較結果を発表しました。次のような状況が明らかになっています(初期研修医数と合計と、専攻医数合計は合致しない)。

▽北海道:初期研修医338名、専攻医296名 → 4月から▲42名
▽青森県:初期研修医82名、 専攻医61名 → 4月から▲21名
▽岩手県:初期研修医66名、 専攻医62名 → 4月から▼42名
▽宮城県:初期研修医114名、専攻医158名 → 4月から+44名
▽秋田県:初期研修医84名、 専攻医60名 → 4月から▲24名
▽山形県:初期研修医74名、 専攻医55名 → 4月から▲19名
▽福島県:初期研修医95名、 専攻医85名 → 4月から▲10名
▽茨城県:初期研修医155名、専攻医129名 → 4月から▲26名
▽栃木県:初期研修医128名、専攻医120名 → 4月から▲8名
▽群馬県:初期研修医78名、 専攻医79名 → 4月から+1名
▽埼玉県:初期研修医286名、専攻医228名 → 4月から▲58名
▽千葉県:初期研修医338名、専攻医268名 → 4月から▲70名
▽東京都:初期研修医1350名、専攻医1825名 → 4月から+475名
▽神奈川県:初期研修医569名、専攻医497名 → 4月から▲72名
▽新潟県:初期研修医95名、 専攻医100名 → 4月から+5名
▽富山県:初期研修医72名、 専攻医54名 → 4月から▲18名
▽石川県:初期研修医93名、 専攻医110名 → 4月から+17名
▽福井県:初期研修医49名、 専攻医39名 → 4月から▲10名
▽山梨県:初期研修医53名、 専攻医37名 → 4月から▲16名
▽長野県:初期研修医129名、専攻医112名 → 4月から▲17名
▽岐阜県:初期研修医117名、専攻医97名 → 4月から▲20名
▽静岡県:初期研修医194名、専攻医115名 → 4月から▲79名
▽愛知県:初期研修医446名、専攻医449名 → 4月から+3名
▽三重県:初期研修医120名、専攻医102名 → 4月から▲18名
▽滋賀県:初期研修医91名、 専攻医89名 → 4月から▲2名
▽京都府:初期研修医230名、専攻医283名 → 4月から+53名
▽大阪府:初期研修医602名、専攻医650名 → 4月から+48名
▽兵庫県:初期研修医366名、専攻医342名 → 4月から▲24名
▽奈良県:初期研修医112名、専攻医104名 → 4月から▲8名
▽和歌山県:初期研修医90名、専攻医72名 → 4月から▲18名
▽鳥取県:初期研修医40名、 専攻医45名 → 4月から+5名
▽島根県:初期研修医52名、 専攻医37名 → 4月から▲15名
▽岡山県:初期研修医176名、専攻医215名 → 4月から+39名
▽広島県:初期研修医169名、専攻医148名 → 4月から▲11名
▽山口県:初期研修医68名、 専攻医46名 → 4月から▲12名
▽徳島県:初期研修医52名、 専攻医60名 → 4月から+8名
▽香川県:初期研修医61名、 専攻医48名 → 4月から▲13名
▽愛媛県:初期研修医91名、 専攻医86名 → 4月から▲5名
▽高知県:初期研修医59名、 専攻医50名 → 4月から▲9名
▽福岡県:初期研修医380名、専攻医451名 → 4月から+71名
▽佐賀県:初期研修医64名、 専攻医58名 → 4月から▲6名
▽長崎県:初期研修医73名、 専攻医83名 → 4月から+10名
▽熊本県:初期研修医101名、専攻医102名 → 4月から+1名
▽大分県:初期研修医71名、 専攻医64名 → 4月から▲7名
▽宮崎県:初期研修医44名、 専攻医37名 → 4月から▲7名
▽鹿児島県:初期研修医94名、専攻医94名 → 4月から増減なし
▽沖縄県:初期研修医148名、専攻医107名 → 4月から▲41名

 数字だけを見ると、▼東京都(+475名)▼福岡県(+71名)▼京都府(+53名)▼大阪府(+48名)▼宮城県(+44名)▼岡山県(+39名)—などで医師が増加し、静岡県(▲79名)や神奈川県(▲72名)、千葉県(▲70名)埼玉県(▲58名)などで医師が大きく減少することになり、「都市部への一極集中」が進んでいるのではないか、とも思われます。

 しかし機構では「ある都道府県の初期研修医が、どの都道府県で専攻医となるか」(逆に見れば、ある都道府県の専攻医が、どの都道府県で初期研修を受けていたか)という分析も行っています。

例えば、東京都の専攻医1825名について見てみると、1115名が「東京都」で、710名が「東京都以外」で初期研修を受けています。710名の内訳を見ると、▼神奈川県165名▲千葉県132名▼埼玉県101名▼静岡県51名▼茨城県34名▼栃木県28名▼北海道15名▼福岡県15名▼沖縄県15名―などとなっており、近隣県(上位6県)で72.0%が占められています。

またこの分析からは、「全国から東京都に一極集中している」のではなく、「複数の府県(福岡県、大阪府、岡山県など)に近隣県から医師が移動している」状況も伺えました。例えば、福岡県には▼山口県から16名▼東京都から12名▼長崎県から11名▼佐賀県から10名―が、大阪府には▼兵庫県から68名▼京都府から22名▼奈良県から17名▼和歌山県から11名―、岡山県には▼広島県から21名▼兵庫県から11名▼香川県から9名―の医師が移動しています。

東京都の研修プログラム、一定割合が「近隣県の連携施設での研修(派遣)」を予定

 さらに機構の松原謙二副理事長(日本医師会副会長)は、「例えば東京都の研修プログラムについて問い合わせたところ、20-10数%は1年目から関東地方をはじめとする近隣県の医療機関(連携施設)で研修を受ける(つまり勤務する)ことが分かった」と説明。つまり、東京都で専攻医登録した1825名のうち20%から10数%にあたる300名程度は、2018年度には東京都以外で勤務することになるのです。さらに、研修の2年目、3年目になれば地域医療を学ぶために、さらに多くの割合の専攻医が地方勤務に就くと予想されます。

 こうしたことを総合して松原副理事長は、「数字上は東京都に専攻医が集中しているように見えるが、多くの医師が東京都から近隣県に派遣される形となる」「東京都以外で医師が増加したところ(大阪府や福岡県)も同様と考えられる」と説明しています。

例えば東京都には、多くの専攻医が集中していますが、ほとんどは「もともと東京都で初期研修を受けていた」医師であり、残りの医師の多くは「近隣県から東京都に移動した」医師です。一定割合(現時点では20-10数%)の医師は、近隣県に派遣される(研修プログラムで規定)ことになり、「地域医療が崩壊する」とは考えにくいというのが機構側の見解と言えます。

もっとも松原副理事長と山下英俊副理事長(山形大学医学部長)は、例えば静岡県で大きく医師が減少する点について、「静岡県から東京都に51名の医師が移動することになる。これを東京都の研修プログラムで『東京都から静岡県に派遣する』などの形で、どこまでカバーしていくのかを十分に注視していく必要がある」旨も強調しています。静岡県以外でも、上記で見たように神奈川県(▲72名)、千葉県(▲70名)埼玉県(▲58名)などで医師が大きく減少し、同様に、「これらの減少が、個別研修プログラムの中でどこまでカバーされるのか」注意深く見守っていくことが重要です。その他の地域でも「実際に医師減少分が派遣等でカバーされるのか」を確認することが必要でしょう。

さらに松原・山下両副理事長は、「これまでのカリキュラム制による研修(年限や研修施設を定めず、一定の症例数などを経験することで専門医試験の受験資格を得られる仕組み)では、専攻医がどこに勤務しているのか分からなかったが、新専門医制度でプラグラム制を軸としたことで、専攻医の勤務地が『見える化』できた」と、新専門医制度の創設意義を改めて強調。

また、医師偏在を助長しない仕組みの1つである「大都市部の専攻医上限」(シーリング)についても、今回、初めて都道府県別のデータが揃ったことから、「毎年、状況をチェックして適宜、上限数を調整していく」ことが明らかにされています。

自治体サイドは依然として「医師偏在助長」を懸念し、制度改善の申し入れも

 もっともこれらのデータでも、自治体サイドの「医師偏在が助長される」と言う懸念は払しょくできていないようです。3月16日の理事会では、井戸敏三理事(兵庫県知事)から▼専攻医登録数(採用数)上限について、初期臨床研修医と同じく1.1倍(2年目初期臨床研修医ベース)とする▼診療科ごとの募集定員設定を検討する▼連携施設での研修期間を1か所につき「原則6か月以上」に見直す―などの改善提案が行われています。本提案は、加藤勝信厚生労働大臣にも行われています。

なお、3月16日の理事会では、▼内科のサブスペシャリティ領域として13領域(▼外科のサブスペシャリティ領域として6領域—を機構として認証することが決まりました。今後、各基本領域についてどのサブスペシャリティ領域とするのか(サブスペシャリティ領域の専門医資格を取得するためには、該当する基本領域の専門医を取得することが前提となる)、順次決定していくことになります。


  1. 2018/03/25(日) 09:42:00|
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3月11日 

https://www.asahi.com/articles/ASL374SXDL37UBQU00N.html
医師不足でお産施設、集約へ 秋田の住民に危機感
加賀谷直人2018年3月7日16時00分 朝日新聞

 鹿角・小坂地域で唯一お産ができるかづの厚生病院(秋田県鹿角市)の分娩(ぶんべん)機能が今秋、大館市立総合病院に集約される。産婦人科医を派遣している秋田大学などの医師不足が理由だ。人口減少対策として移住を推進する鹿角市にとって大きな痛手で、市や住民は医師を探す取り組みを始める。

小児・産婦人科の医師確保へ新制度 水戸市

 鹿角市で4日、「お産ができる鹿角を望む住民集会」を市民団体が開いた。参加した出産を控えた女性や住民からは、集約化に対する切実な声が相次いだ。

 「暴風雪の時、救急車は大館に着くのか。ましてや乗用車だとどうなるのか」「妊婦が置き去りにされている。鹿角がなくなる不安がある」……

 市内から大館市までは1時間以上かかる地域も多い。冬季のみならず遠隔地での出産に不安は強い。

 鹿角・小坂地域の産婦人科医療はこれまで、かづの厚生病院が中核病院として担ってきた。秋田大学と岩手医科大学が、産婦人科に常勤医を1人ずつ派遣して支えてきた。

 だが、遠い鹿角市に医師を派遣する負担や医師不足を理由に一昨年12月、秋田大などは同地域に住民票がない人の「里帰り出産」を中止すると通告。昨年2月に実際に中止され、さらに分娩機能の集約も求められた。県や市などは再考を繰り返し求めたが、今秋からの実施が決まった。

 ログイン前の続き集約化で分娩が約200件増える大館市立総合病院は増設工事を実施し、今秋までの完成をめざす。工事終了までは、かづの厚生病院の分娩機能は維持されるという。集約後の外来診療態勢については協議中だ。

 市は集約化はやむを得ないとする一方、産婦人科医を探して、分娩機能再開をめざす考えだ。新年度に医師確保を担う非常勤職員を配置し、県とも連携して首都圏などで活動する。

 住民も危機感を共有している。4日の集会では、住民の手で医師を探すなどの行動案を採択した。集会を主催した市民団体の一つ、「鹿角の産婦人科を守る会」の安保大介代表は「住民の力で波紋を大きくしよう」と参加者に呼びかけた。



https://www.m3.com/news/iryoishin/590848
日本vs.米国、医師2732人を徹底調査!
「日本の医療、問題ありすぎ、どこから手を付ける?」◆Vol.15
【日本】自国の医療制度の課題

スペシャル企画 2018年3月10日 (土)配信橋本佳子(m3.com編集長)

 日本の医師に「自国の医療制度の課題」を尋ねたところ、さまざまなキーワードが挙がった。その内容は、医師不足、医師の勤務環境・働き方、新専門医制度、大学、医療事故、診療報酬、医療費、国民皆保険、政治・行政・団体の在り方、医療の在り方など、多岐にわたり、「ありすぎて、どこから手を付けていいのか分かりません」との意見も見られた。

◆医師不足
・地方、分野別の必要医師数の確保。(35-39歳男性、公立病院)
・医師の適正配置が困難であること。医師を疲弊させない適正な受診者数で経営的に成り立つ保険点数が確保されていないこと。(45-49歳女性、診療所勤務医)
・研修医制度の見直し。この制度で巷から医師が消えました。基準看護の見直し。この制度で看護師が消えた。(55-59歳男性、公立病院)
・医師不足、医師の時間外における免責、医師の応召義務、医師法21条の見直し、安楽死や尊厳死の合法化、看護師業務の拡大、等々。(60-64歳男性、公的病院)
・医師をサポートする職種を考えていくことが必要。医師を増やしても医師のモチベーションは下がってしまう。(65-69歳男性、民間病院)
・地方の医師が少ない。仕事がきつい科(外科、産婦人科など)の医師が少ない。(70-74歳男性、診療所勤務医)
・医師数を行政主導で増やし続けていること。数が増えても地域医療は良くならない。(70-74歳男性、公的病院)

◆医師の勤務環境、働き方
・医師の過労問題、救急外来のコンビニ受診。(25-29歳男性、公的病院)
・給与体系や訴訟対策など医師の立場の確保、患者の質の維持。(30-34歳男性、大学病院)
・大学の給料が安すぎ。バイトに行く意味が分からない。バイトに行かずに暮らせるくらい給料を上げるべき。(40-44歳男性、大学病院)
・楽な科と多忙な科でそれほど報酬に差がないためか、マイナー科へひかれる人が多いように感じる。(40-44歳男性、民間病院)
・主治医制がメインであること。当直を正式な勤務と見なしていないこと。(40-44歳女性、民間病院)
・資格を取るまでの課程を考慮した待遇の区分けができていない。(45-49歳男性、公的病院)
・法的に強制的に休暇を取らせることをしない。(45-49歳男性、大学病院)
・医師個人の裁量に頼る部分が多すぎて燃え尽きてしまう。(45-49歳男性、公的病院)
・医師の自己犠牲に頼りすぎてきた。医療にはカネがかかる、ということをまずは政治家が理解し、それを国民全体に教育し、正当なコストを払う覚悟をすべき。(50-54歳男性、開業医)
・勤務医の労働条件。昔と比較して随分楽になったとは思うのだが、それでも過労死が後を絶たない現状は改善すべき。ただし、一方で時間だけを無駄に拘束し、内容のない労務を残業とみなす風潮と慣習は問題である。(50-54歳女性、開業医)
・主治医制度による医師の時間的、精神的な拘束。(50-54歳男性、民間病院)
・法的に医師が守られていない。(60-64歳男性、公立病院)
・医師の職業上のプライドが低くなってきていると思われ、その原因は金銭的な評価が高く成ってきているためと思われます。(70-74歳男性、民間病院)

◆新専門医制度
・専門医制度に見られる画一化、縦割り化。(35-39歳男性、民間病院)
・新たな専門医制度への移行は中止すべきである。また、医療費抑制ありきの行政、医療費亡国論が医療体制の崩壊につながりかねない。(60-64歳男性、民間病院)

◆大学
・医局制度の崩壊による地域医療の崩壊。(45-49歳男性、民間病院)
・大学病院は研究機関として、臨床は民間病院で、それぞれ役割を設けて手厚く補助し育成する。今の予算では研究は何もできない。(50-54歳男性、民間病院)

◆医療事故
・待遇改善、医療訴訟をはやらせた責任、医療事故についての刑事罰追及という訳の分からない考え方の是正等々。(30-34歳男性、民間病院)
・医療事故と言われるものに対する医師個人の保護。不可抗力で起こった事態に対しての訴訟リスクを考えると、防衛的に診療しなければならないか、と頭をよぎることはある。(45-49歳男性、公立病院)

◆診療報酬
・高額な抗がん剤などをいかに制限できるか。(25-29歳男性、公立病院)
・労働が過酷な科の診療報酬を上げるべき。(35-39歳男性、民間病院)
・診療報酬の是正と医療従事者の待遇改善。(40-44歳男性、民間病院)
・新薬などの薬価が高すぎ、このまま保険医療を継続していくのが困難ではないかと考える。(40-44歳男性、公立病院)
・薬価の問題(特に抗がん剤)。(50-54歳男性、民間病院)

◆医療保険制度、医療費
・保険財政に由来する問題点を、現場に負担させている点。不要なことや、適応がないことができないことを現場の人材だけでなく、普段から広報しておくことが望ましい。仮に患者さんが目にしていなくても理解を求める時に説明しやすいのではないか。(35-39歳男性、大学病院)
・医療従事者に医療費の削減のため負担を強いており、医療費の増大を全て医者のせいにすること。(40-44歳女性、公立病院)
・医療費増大が医者のせいにされること。マジメな病院ほど、赤字になること。(40-44歳男性、公立病院)
・明らかに能力の低下した医師が排除できない。また当たり前のように報酬が受け取れる体制はおかしい。(45-49歳男性、民間病院)
・保険料未払いの患者が皆保険の恩恵を受け続けていること、高齢者医療費が高すぎること。(50-54歳男性、公的病院)
・総額の抑制は必要であり、次の2点が重要。(1)高価な薬品と機器・材料の値下げ(一方で開発に関わる研究の助成は拡大すべき)、(2)医療機関と人材の適正配置。また、低所得者の自己負担に関しては、今の軽減策では不十分。(50-54歳男性、民間病院)
・社会保障費を無理矢理、ある一定範囲内に抑え込もうとしていること。(55-59歳男性、公立病院)
・臨床現場に即した、正当な保険請求のできる保険制度。(60-64歳男性、開業医)
・無料で医療を受ける人が多すぎること。(60-64歳女性、民間病院)
・保険制度を支える少子化+高齢化による財源の先細り。(60-64歳男性、開業医)
・当然ながら、医療費が高騰しており世代間の負担が不公平であること。これまでの医療が患者教育を怠けてきたつけがあること。(60-64歳男性、診療所勤務医)
・財政の先行きに不安があり、現在の医療制度を続けるならば、保険制度が破たんすることが考えられます。(60-64歳男性、公的病院)
・医療保険制度は、国民に最低限以上の医療を保証したもので、最高のレベルまで公的医療保険で面倒を見るのは行き過ぎ、先端医療や高額医療は民間保険に任すべき。(60-64歳男性、開業医)
・ありすぎて、どこから手を付けていいのか分かりません。戦後間もないころまでは、今の皆保険制度は、恐らく世界最高でした。今は機能不全を起こしています。(65-69歳男性、その他)

◆自由診療
・混合診療の解禁。医療報酬の減額による病院収支の悪化。(40-44歳男性、公的病院)
・自由診療を一般病院でも併用できるように。(45-49歳男性、公立病院)
・混合診療をもっと導入すること。医療にはお金がかかるということや医療は安全ではないことを一般人に認識させる必要がある。(60-64歳男性、民間病院)

◆生活保護
・生活保護が多すぎる。不正受給も多い。(30-34歳男性、公的病院)
・国民皆保険の破綻、生活保護者の医療費負担がないこと。(40-44歳男性、民間病院)
・生保の医療費無料が財政を圧迫している。(40-44歳女性、大学病院)
・生活保護者の厳密な認定、これがほとんど諸悪の根源。(55-59歳男性、民間病院)

◆政治、行政、団体の在り方
・臨床をよく知らない医系官僚に決定権がある。医師会の発言力が弱い。(50-54歳 女性、開業医)
・医師会の影響を受けすぎ。(50-54歳男性、民間病院)
・場当たり的な医療行政ではなく、もっと筋の通った一貫性のある医療行政を希望。(55-59歳男性、開業医)
・将来的展望に立った行政を行わせる政治的な判断。(60-64歳男性、大学病院)
・厚生労働省が、医療現場の問題を具体的に把握する必要があると思います。(60-64歳男性、民間病院)
・経済財政諮問会議の意見が偏向的。(60-64歳男性、公的病院)

◆医療の在り方
・不必要な医療が行われて財政が圧迫されている。(25-29歳女性、民間病院)
・必要のない医療行為や治療が数多くある。(50-54歳男性、公立病院)
・無駄な受診、無駄な検査の抑制。(50-54歳女性、開業医)
・無駄な医療をいかに防ぐか。(60-64歳男性、民間病院)
・統一した診断、治療方法、Manual化されてない。(60-64歳男性、民間病院)
・超高齢者の延命処置。生活保護者の喫煙や大量飲酒も、生活習慣改善しないため受診を繰り返され、見ていて何とかならんかと思う。(60-64歳男性、民間病院)
・終末期医療に医療資源が使われすぎている。(65-69歳男性、診療所勤務医)
・末期の高額医療のムダを減らすこと。(65-69歳男性、開業医)

◆高齢者医療
・高齢社会において、医療介護福祉に費用かかかる中、公費でどこまで負担するのか、どこまでサービスを提供するのかということ。(30-34歳男性、大学病院)
・高齢者の自己負担の増額は必須である。反発を和らげるためには、高齢者の収入の確保(年金と労働環境を含む)と一体で進める必要がある。(50-54歳男性、民間病院)
・高額医療の保険支出が多すぎる。高齢者からも相応の医療費負担をさせるべきである。(70-74歳男性、民間病院)
・老人の急激な増加に伴う給付水準の低下。(60-64歳男性、民間病院)

◆患者関連
・患者の安易な医療機関受診、複数医療機関の処方内容が各々の担当医で共有できないこと。(40-44歳男性、大学病院)
・患者負担額が安すぎるため軽症患者の受診機会が多くなり、薄利多売のような状態です。今後高齢者がさらに増えてくる過程で、これでは医師が何人いても医師不足になります。セルフメディケーションでは治らない本当に医療の必要な患者の診療で報酬を得られるようにすれば医師不足は補えると思います。(45-49歳男性、民間病院)
・予防医療に対して国民・企業の関心が低い。(50-54歳男性、民間病院)
・必要以上に医療サービスを享受しようとする(例えば軽症なのに救急車を呼ぶ、無料だから薬を多くもらうなど)人が出てこないようなシステムの構築。(75-79歳男性、診療所勤務医)

【調査概要】
日本
・調査対象:m3.com医師会員 1582人
・回答者プロフィール
 性別:男性1430人、女性152人
 年代:20代 54人、30代 209人、40代 360人、50代 615人、60代 293人、70代以上 51人
 勤務先:大学病院 176人、公立病院 232人、公的病院 115人、民間病院 551人
     診療所(勤務医) 173人、開業医 299人、その他 36人
・調査時期:2017年8月21日~8月25日(一部、9月に追加調査)

米国
・調査対象:M3USA医師会員 1150人
・回答者プロフィール
 性別:男性 797人、女性 353人
 年代:20代 33人、30代 385人、40代 264人、50代 253人、60代 184人、70代以上 31人
 勤務先:Academic / Teaching Hospital 319人、Ambulatory Surgery Center 7人、
     Community Hospital 252人、Private, office based practice 501人
     Public Clinic (outpatient facility) 55人、other 16人
・調査時期:2017年8月16日~8月31日



https://mainichi.jp/articles/20180306/ddm/004/070/028000c
医学部「地域枠」制度見直しを=山本佳奈・元南相馬市立総合病院内科医
毎日新聞2018年3月6日 東京朝刊

 東日本大震災から7年がたとうとしている。だが、福島県・浜通りにおける医師不足は深刻なままだ。私が勤務した南相馬市の人口10万人当たりの医師数は169人と、全国平均の249人を大きく下回る。私自身、昨年秋に内科の常勤医がいなくなった同じ市内の病院に出向した。多い日は100人もの患者さんの外来診察をしたり、非常勤医師が週1度やってくる診療科の外来日に大勢の患者さんが待合スペースを埋める様子を見たりしたが、この地域が医師不足であることを痛感した。

 地方の医師不足は、浜通りに限った話ではない。全国の地方の医師不足は深刻化して久しい。都市部への医師偏在を解決するため、国や都道府県が主導して多くの医学部に「地域枠」を設置した。地域枠とは、医学部入学と引き換えに、医師になったらへき地医療に従事することを誓約する仕組みだ。多くの場合、月20万~30万円の奨学金を得る一方、医師になったら9年間、当該自治体で働く「約束」をする。地域枠の拡大に伴い、2017年度には医学部定員の18%を占めるに至った。

 だが、この「地域枠」には問題が多い。自治体の多くは、奨学金を10%以上の年利で貸し付ける。そのため、地域枠の学生の借金は医学部卒業時に2000万~3000万円に上る。ただし、自治体が指定した医療機関で一定期間勤務すれば、奨学金の返済は免除される。

 憲法は就業の自由を認めており、就業場所は強制されないはずだ。だが、10%もの年利で奨学金を学生に押しつけ、勤務先や居住地を選ぶ自由を奪っている。米国も同様の制度があるが、義務労働の期間は短い。例えばアラスカでは医師不足の地域で3年働けば借金は免除される。日本の地域枠のある医学生は「年利に関する記載が入学願書になく、よく分からなかった」と話す。「9年間の勤務義務や高い年利を考えれば、もっと良い条件の奨学金があったかもしれない」と話す医学生もいる。

 さらに、厚生労働省は最近、離脱者(当該自治体以外で勤務する医師)を防ぐため、臨床研修の補助金減額などを講じて、全国の病院に借金を返済した医師を含めて雇用しないよう事実上の指示をした。この結果、地域枠の学生は借金を返しても希望する病院で働けなくなった。

 私は地方、それも震災で大きな打撃を受けた地域で働いたが、インターネットや交通手段が発達しており、場所に不便さは感じなかった。地域枠に関係なく、専門医資格を取得するための専門研修に福島県内で取り組む若手医師もいる。若手医師が希望する研修を受けられるような魅力的な体制を病院側が充実させれば、若手医師に勤務地を強制する必要はなくなるのではないだろうか。

 「地域枠」の存在は「へき地は強制された人が行くところ」という誤った印象を与えている側面もある。現行の「地域枠」は、医師偏在を解消するための数合わせに過ぎない。地域医療の問題を認識し、地域医療に取り組む医師を集めるにはどうすべきか。今一度立ち止まって考えるべきではないだろうか。

 ■人物略歴

やまもと・かな
 1989年大津市生まれ。2月まで福島県・南相馬市立総合病院や同市の大町病院勤務。



http://www.sanin-chuo.co.jp/www/contents/1520300768542/index.html
益田市医師会若手研修に共鳴 開業医ら親身に指導
2018年3月6日 山陰中央新聞

 地域の医師不足解消を目指す島根県益田市医師会が企画した若手医師の研修制度「親父(おやじ)の背中プログラム」で、4月に勤務医2人が赴任することが決まった。開業医らが親身になって指導し、経験や技術を伝える仕組みに地域医療を志す若者が共鳴した形で、制度定着へ向け幸先の良いスタートを切りそうだ。

 県によると、赴任するのはそれぞれ三重県、北海道の病院に勤めている28歳、36歳の男性内科医で、当面は2年間にわたり、同医師会病院に所属する傍ら、地域に出向いて会員の開業医からへき地医療に必要な総合診療医としての知識、経験などを学ぶ。



http://www.sanyonews.jp/article/677841
新見でドクターネットワーク設立 地域医療発展へ交流や情報交換
(2018年03月05日 09時22分 更新)山陽新聞

 新見市出身やゆかりの医師、医学生らでつくる「市ドクターネットワーク」が発足した。会員は岡山県外を含む37人(2月末現在)。医師不足が叫ばれる中、交流や情報交換を通じ、地域医療の発展を目指す。

 市内の医療機関に勤務する若手医師9人が発起人となり、市とともに昨夏から準備を進めてきた。

 2月24日に市内であった設立総会には13人が出席。2018年度の事業として独自のホームページ開設や会員制交流サイト(SNS)のフェイスブックで会員を募るほか、年4回ニュースレターを発行することとした。将来的には地元へのUターン就職先を紹介するなど環境整備を進める。事務局は市市民課に置く。

 発起人の一人で会長に選ばれた溝尾妙子医師(渡辺病院)は「医師は少ないが、顔の見える関係で連携ができており、地域医療のポジティブな面を発信したい」と話していた。

 市によると、市内の医師数は31人(14年末現在)。人口10万人当たりに換算すると98・2人で県平均(299・3人)の約3割にとどまっている。



http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201803/20180305_43038.html
分娩機能集約に不安 鹿角で妊婦ら参加の住民集会
2018年03月05日月曜日 河北新報

 かづの厚生病院(秋田県鹿角市)が分娩(ぶんべん)機能を休止し大館市立総合病院(大館市)に集約される問題について、鹿角市民らが危機感を共有する「お産ができる鹿角を望む住民集会」が4日、鹿角市文化の杜交流館「コモッセ」で開かれた。二つの市民団体の主催で、約120人が参加した。
 かづの厚生病院は秋田大と岩手医科大から、大館市立総合病院は弘前大からそれぞれ医師の派遣を受けている。しかし出生数の減少や医師不足などから、大学側は大館・鹿角地域の分娩機能を大館市立総合病院に集約する方針を打ち出している。このため秋田県は大館市立総合病院の分娩室を増設する計画で、完成する今秋以降に機能が集約される予定。
 住民集会では妊婦や出産経験者ら6人が壇上に並び、地域で分娩できなくなる不安を口々に語った。大館市まで車で40分以上かかるため、妊娠6カ月の女性は「2人目、3人目を考えた時、不安を感じる」と訴えた。
 鹿角市は、新年度から医師確保を専門とする地域医療推進員を置く。今回の主催団体の一つ「鹿角の産婦人科を守る会」の安保大介代表は集会の冒頭「集約は大学の意向であり、鹿角で二度と分娩ができなくなることではない」と述べ、「市も産科医確保の取り組みを始める。住民一人一人の力をまとめて大きな力にしていくことが必要だ」と協力を呼び掛けた。



http://www.medwatch.jp/?p=19529
在宅医療の推進に向け「病院と在宅医療の協働体制構築」等をマイルストーンに置いてはどうか―全国在宅医療会議ワーキンググループ
2018年3月8日|医療計画・地域医療構想 MedWatch

 関係団体同士が協働して在宅医療の普及・促進に向けた取り組みを進める際、「地域の病院と在宅医療との共同体制の構築」や「ICT等最新技術の活用」「在宅医療実践に関する研究・教育」といった旗印を掲げ、より協働しやすい環境を整備してはどうか―。

3月7日に開催された「ワーキンググループ」で、厚生労働省からこういった提案がなされました。

ただし構成員の一部から疑問の声も出ており、今後、厚労省と新田國夫座長(全国在宅療養支援診療所連絡会会長)とで調整し、どのような形で4月開催予定の親組織「全国在宅医療会議」に報告するか、詰めていくことになりました。

ここがポイント!
1 在宅医療推進に向けて、7項目の中間目標・マイルストーン設置案を厚労省が提示
2 中間目標は、「KPIに基づいて進捗管理を行う」ような目標とは異なる

在宅医療推進に向けて、7項目の中間目標・マイルストーン設置案を厚労省が提示


 全国在宅医療会議は、「国民1人1人の希望に応じて入院医療と在宅医療を柔軟に選択できる」ような体制の整備に向けて、行政や各団体の目指すべき方向を揃え、また各組織の動きがその方向からずれていないかなどをチェックするための組織です(関連記事はこちら)。

在宅医療の推進に向けて、(A)在宅医療に関する医療連携モデルの構築(B)在宅医療に関する普及啓発モデルの構築(C)在宅医療に関するエビデンスの構築―の3点を重点項目と定め((A)と(B)をセットとし、2点を重点分野とすることもある)、行政(国、都道府県、市町村)と関係団体(医師会や病院団体、学会等)とが、互いに「どのような取り組みをすでに行っており、これから取り組んでいく予定なのか」を共有しています(関連記事はこちら)。

もっとも、上記(A)から(C)の重点項目・重点分野、非常に大きな概念であり、具体的な取り組みに落とし込んでいく際に、「「自団体の取り組み方向は誤っていないか」「他団体と協働して取り組んだほうが効果的かつ効率的な部分があるのではないか」といった疑問が生じます。また取り組みを進める上で、例えば「専門職同士の連携が十分でない」「そもそも専門職が地域で不足している」といった課題も浮かび上がってきています。

さらに団体間で、取り組み状況には「差」がありますが、これを放置せず、できるだけ足並みを揃えていくことが円滑な在宅医療の普及・促進のためには重要と言えます。

そこで全国在宅医療会議の下部組織である「全国在宅医療会議ワーキンググループ」(以下、ワーキング)では、▼2025年に向けた長期目標▼2020年に向けた中期目標—を設定し、団体同士が他団体の動きも見ながら協働していく方針を固めました(関連記事はこちら)。

さらに今般、厚労省医政局地域医療計画課の松岡輝昌・在宅医療推進室長は、中間目標として次の7項目を定め、関係団体同士が協働して在宅医療の普及・促進に向けた取り組みを進める際の「旗印」としてはどうかとワーキングに提案しました。例えば地域の医師会と病院団体が合同会議を開く際などに、「まず中間目標(1)の『地域の病院と在宅医療との協働体制の構築』に向けた議論から進め、その後(2)の『行政との連携』などを考えていくこととしてはどうか」という筋道をつけやすくする狙いがあります。

【中間目標】
(1)地域の病院と在宅医療との協働体制の構築
(2)行政と関係団体との連携
(3)関係団体同士の連携
(4)ICT等最新技術の活用
(5)国民への在宅医療に関する普及・啓発
(6)在宅医療に関わる関係者への普及・啓発
(7)在宅医療実践に関する研究および教育

 また、この7つの中間目標は、現場にあるさまざまな課題を解消し、上記(A)から(C)の重点項目の達成に向けた「マイルストーン」(経過点)の意味合いも持ちます。

例えば、地域には▼地域の病院と在宅医療との「水平連携」が不足している▼「かかりつけ医の在宅医療の参画」といった在宅医療推進を支える体制が十分でない―といった課題があることが関係団体から指摘され、これを解消していくために(1)の「地域の病院と在宅医療との協働体制の構築」という中間目標が設定されました。前述のように、この中間目標達成のために、地域の医師会と病院団体が、まず合同会議などを開催し、医療資源(在宅医療を提供する診療所等はどの程度あるのか、在宅医療を支える機能を持つ病院はどれだけ設置されているのか)や地域性などを十分に考慮し、「地域で実際に機能する」体制を練っていくことが求められると言えるでしょう。

在宅医療の推進に向けて、厚労省が提案した「中間目標」案(図 略)

中間目標は、「KPIに基づいて進捗管理を行う」ような目標とは異なる

この中間目標に対し、西澤寛俊構成員(全日本病院協会名誉会長、常任理事)は、「地域で関係団体が共通認識を持つために非常に重要だ」と述べ、厚労省の労をねぎらいましたが、さまざまな疑問・注文の意見も出されています。

鈴木邦彦構成員(日本医師会常任理事)は「すでに在宅医療の普及・推進に向けて、現場は取り組みを行っている。全国在宅医療会議が『方向』を示すことは理解できるが、『いつまでに何をすべき』と指示されても困る」と指摘。この点、松岡在宅医療推進室長は、「期限や数値を盛り込むものではなく、各団体が具体的な取り組みを行う際に、『うちはこの分野にはまだ乗り出していないな』などと気づいてもらうような指標と考えている」旨を説明し、例えば「●年までに●床整備する」とKPIを設け、進捗管理するような目標とは異なる点を強調しています(上述のようにマイルストーンである)。

また、川越雅弘委員(国立社会保障・人口問題研究所社会保障基礎理論研究部長)は、「(1)から(7)は手段であり、目標としてはイメージしにくい」と指摘。さらに、アバウトな書きぶりであり、他団体と協働する際に「具体的にどうこの中間目標を利用すればよいのか分かりにくい」との指摘もありました。

こうした意見・注文を受け、中間目標の確定は「新田座長預かり」とし、厚労省と文言や構成等を再検討した上で、親組織「全国在宅医療会議」(4月開催予定)に報告することとなりました。

全国在宅医療会議およびワーキングの当面のスケジュールイメージ(図 略)
 
あわせて重点項目の(B)「在宅医療に関する普及啓発モデルの構築」に向けて、ワーキングの下に小グループを設けることが決まっています。
国民の多くは、医療・福祉関係者「以外」であり、在宅医療について普及・啓発していくことは極めて難しいテーマです。この点、厚労省医政局の武田俊彦局長は「国としてはキャンペーンを行うこともできるが、大雑把なものとなってしまう。講演会などは市町村などで開催してもらうことになるが、『本当に来てほしい人』に足を運んでもらうには、地域包括ケアシステムに根差した医療・福祉関係者から声をかけてもらうことが必要であろう。国・自治体・関係団体などで得意な分野は異なっており、どう組み合わせるかを考えていく必要がある」と述べ、小グループでは、「普及・啓発のためには、どういった取り組みが必要か」「取り組みの中で、だれがどの部分を担うのか」といった点の議論に期待を寄せました。単に「2025年の地域包括ケアシステム構築に向けて時間がない。国がリーダーシップをとって、国民に対し、在宅医療の重要性などを普及・啓発すべきである」といった話をどれだけ行っても、実のある対策はとれないでしょう。

松岡在宅医療推進室長は、「人選を含めて、なるべく早く小グループを稼働させ、意見をまとめる必要がある」とコメントしています。

 
なお、一部構成員からは、いまだに本ワーキングと「在宅医療及び医療・介護連携に関するワーキンググループ」(医療計画の見直し等に関する検討会の下部組織)とのすみ分けに関する疑問が出されています。この点について武田医政局長は、前述のように「全国在宅医療会議とワーキングは、在宅医療の推進に向けて、行政や各団体の目指すべき方向を揃え、また各組織の動きがその方向からずれていないかなどをチェックする会議体であり、ここで共有した理念等をもとに、医療計画の見直し等に関する検討会等で、具体的な整備目標(まさに医療計画)などを検討する」旨を確認。松岡在宅医療推進室長は「両会議体の所掌などを整理した資料」を準備する考えも示しています。

全国在宅医療会議では、上述の重点分野(A)から(C)を2025年に向けて構築していきますが、松岡在宅医療推進室長からは、例えば▼(A)の「医療連携モデル構築」は早期に進める必要があり、モデル構築後は「普及」がテーマとなるので、構築論議は不要になる▼(C)の「エビデンス」は常にアップデートしていく必要があり、議論に終わりはない―といった考えが示されています。下のようにグラデーションで議論のイメージを図示することができるでしょう。

2025年に向けた、全国在宅医療会議の検討スケジュール(図 略)



https://www.nikkei.com/article/DGXMZO27763570W8A300C1CC1000/
看護師紹介料 病院が悲鳴 1億円超支払う施設も
2018/3/6 20:02日本経済新聞 電子版

 看護師不足が深刻化する中、病院などが人材紹介会社に支払う高額な手数料に頭を悩ませている。日本医師会総合政策研究機構(日医総研)によると、2016年度の手数料総額は1医療機関あたり548万円。3年間で1億円以上を支払った病院もある。決められた看護師の数を割り込めば診療報酬を減額されるため、各医療機関は人材確保に躍起になっている。

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 「また辞めてしまったのか」。昨年11月、神奈川県内の総合病院で行われた理事会で、顧問税理士の男性(46)は深いため息をついた。配られた稟議(りんぎ)書には、4人の看護師を採用するため、紹介会社に約400万円の手数料を支払ったと記されていた。

 約200床の急性期の総合病院。診療報酬の基準となる看護師配置を維持するには、代わりをすぐ雇う必要があるが「求人広告を出しても応募はない」。

 男性が理事を務める同県内の別の病院(約400床)はさらに負担が重い。医師や看護師らを合わせた紹介手数料は年間約1億2千万円に上り、年間収入の1%を超える。「有資格者は限られており、病院の多い都市部ほど人手不足が深刻。紹介会社を頼るほか手立てがない」と嘆く。

 日医総研が昨年末に発表した全国調査によると、16年度までの3年間に紹介会社を通じて看護職員を採用した医療機関は、回答した844施設のうち53.3%。16年度に支払った手数料総額は平均548万円で、14年度から約81万円増えた。3年間の手数料総額が1億円を超す病院も5施設あった。

 看護職員が「不足している」「今は足りているが不足することがよくある」と回答した医療機関は66.7%に上った。過去3年間に看護職員の欠員が発生した医療機関は40.7%あった。

 背景にあるのは慢性的な看護職員不足だ。日本看護協会(東京)によると、病院勤務の看護職員は計99万人(15年)。00年から約3割増えたが、急速な高齢化に追いつかない。入院患者7人に対し看護師1人を配置する「7対1」の基準を満たさなければ診療報酬が減額されるため、医療機関にとっては切実だ。

 一方で、就職を希望する看護職員向けのインターンシップや職場見学などの「職業体験プログラム」を設ける医療機関は53.1%。現役を退いた潜在看護職員向けに復職支援プログラムを導入した医療機関も19.7%にとどまる。

 調査を担当した日医総研の堤信之主任研究員は「紹介手数料の原資は国民が支払う診療報酬で、本来は医療の質向上に充てるべきだ。日本看護協会などが運営する無料の人材紹介を強化するなどの対策が急務だ」と指摘する。病院経営に詳しい高崎健康福祉大の木村憲洋准教授は「離職者が多い病院は労働環境に課題がある可能性もあり、院内で検証が必要だ」と訴えている。



https://www.m3.com/news/iryoishin/589909
医療界全体で課題共有する第一歩 - 迫井正深・厚労省保険局医療課長に聞く◆Vol.1
入院・外来から薬価まで“オーバーホール”

インタビュー 2018年3月9日 (金)配信聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

 “2025年問題”を見据え、介護報酬と同時改定となった2018年度診療報酬改定。地域包括ケアシステムの構築が重要課題となり、医療と介護の連携が柱になったほか、一般病棟の入院基本料の再編、かかりつけ医機能の強化など、入院と外来ともに注目すべき改定が行われた。
 今改定を担当した厚生労働省保険局医療課長の迫井正深氏に、改定のポイントや改定の意図を読み解くための根底にある考え方などをお聞きした(2018年2月19日にインタビュー。計6回の連載)。

――2018年度診療報酬改定の改定率は全体で0.55%、医科は0.63%でした(『「2018年度改定、ネットでマイナス1.19%」、大臣折衝で決定』を参照)。この改定率で十分な改定が可能だったのかどうか、受け止めをまずお聞かせください。

 財政状況、一方で医療提供体制についても、それぞれ基本的に厳しい状況にあります。あり余るほどの財源をいただけるとは想定していませんでしたが、いかなる改定率であろうとも、厳しいなら厳しいなりに、メリハリを付けて改定を行うのが、私の立場です。


「診療報酬の『枝葉』ではなく、『木の幹』をぜひ見ていただきたい」(迫井正深課長)
――「医科:歯科:調剤」の改定率が「1:1.1:0.3」である点は、今回も変わりませんでした。これは規定路線なのでしょうか。

 各科配分は合理的な内訳を整理した上で設定されたものです。したがって、配分の変更は、関係者の合意の下で行う必要があり、かつ政治的な関心が高いので、一定の政治プロセスも必要になるでしょう。

――2016年度改定を担当された前医療課長の宮嵜雅則氏は、「前回、前々回の改定で取り組んだことを今改定で一歩進めていく。あるいは前回改定の修正すべき点は修正し、次回2018年度の同時改定につなげていく」と説明されていました(『2016年度本体改定財源、前回の5倍 - 宮嵜雅則・厚労省保険局医療課長に聞く◆Vol.1』などを参照)。迫井課長は、2025年、さらにはその後を見据え、今改定をどう位置付けておられますか。

 前回改定を引き継ぎながら、現在の医療が抱えているさまざまな課題の解決に向けて、将来目指すべき方向性とその実現のために必要な対応を確認したのが、今改定です。

 人口の急速な少子化・高齢化が進展し、疾病構造が変わってきた、そしてこれからも変わる――。これらの変遷が見えてきている中で、変わっていかなければいけないという問題意識は、多くの医療者が持っていると思います。入院で言えば地域医療構想、外来であればかかりつけ医機能の充実です。在宅医療や終末期医療についても、全て在宅という意味ではなく、一定のニーズに応えていく必要があります。

 ところが、入院、外来、在宅のいずれも、なかなか変革ができない。医療ニーズが大きな変化を遂げる中で、今後進むべき道が分かっていても動きにくい。何が障害やネックとなっているのか――。その課題をひも解くのが、今改定であり、皆さんが個別には感じておられる課題認識を、医療界全体で共有する第一歩になってほしいと思います。診療報酬の「枝葉」ではなく、「木の幹」をぜひ見ていただきたい。

 薬価制度についても同様です。総ざらいして、これほどオーバーホールしたのは初めてのことではないでしょうか。新薬創出・適応外薬解消等促進加算についても、イノベーションにドライブをかけるために必要ではあっても、メリハリが弱かったのではないかと言われており、長期収載医薬品の在り方とセットで見直しました。もちろん、同加算や後発医薬品の薬価の在り方など、今後の推移を見る必要はありますが、考え方は首尾一貫しています。日本を創薬力のある企業を育成する産業構造を持った国家にしたいという方向性を皆で確認したわけです。

――今言われた「将来目指すべき方向性」とはいつ頃を想定しているのでしょうか。

 2025年は一つのマイルストーンですが、その姿は見えてきています。次は2035年、2040年、さらには2060年など、各節目で目指すべき課題は絶えずシフトしていきます。社会保障、医療は常により良きものを目指していくべき永遠のテーマです。

――全体で見た場合、どんな医療機能を持つ病医院が収入アップ、あるいはダウンするか、予想されていますか。大型門前チェーン薬局については、報酬が下がるのは確実だと思いますが。

 入院、外来、在宅、そして調剤とそれぞれで報酬を設定しているので、一概には言えないでしょう。先ほども触れましたが、今回、入院基本料は大幅に再編しました。外来についても、基本診療料をいかに位置付けるかという議論の中で、初診料の加算という形でかかりつけ医機能を評価しました。各医療機関はそれぞれ入院、あるいは外来機能を担っている中で、プラス評価が重なったケースもあれば、プラス評価が適正化評価と相殺されたケースもあると思います。



https://www.m3.com/news/iryoishin/590536
医師臨床研修部会
2020年度からの初期研修の見直し案を了承、7科必修化へ
質向上のため訪問調査の対象拡大、3月中にパブコメ開始

レポート 2018年3月8日 (木)配信高橋直純(m3.com編集部)

 厚生労働省の医道審議会医師分科会医師臨床研修部会(部会長:桐野高明・東京大学名誉教授)は3月7日、2020年度からの初期臨床研修の見直しに関する報告書案を了承、パブリックコメントを経て、2018年4月中には確定したものが公表される。外科・小児科・産科・精神科が必修に戻り、計7科が必修になるほか、医学部モデル・コア・カリキュラムとの整合を図り、都道府県が臨床研修病院の指定・募集定員設定を行うようになる。年間入院患者数3000人以上の基幹型臨床研修病院でも、訪問調査の対象となることも盛り込まれた(資料は、厚労省のホームページ)。

 2004年度の臨床研修必修化後、厚労省はおよそ5年ごとに内容を見直す報告書を作成している。事務局は、3度目の見直しとなる2020年度からのポイントを(1)卒前卒後の一貫した医師養成、(2)到達目標の見直し、(3)臨床研修病院の在り方、(4)地域医療の安定的確保――などと説明している。

 報告書の目次と、その概要は以下の通り。

1 卒前卒後の一貫した医師養成について
 ・医学教育モデル・コア・カリキュラムと整合的な到達目標を作成

2 到達目標・方略・評価について
 ・目標、方略、評価に分けて整理・簡素化
 ・経験すべき症例を必須29症候、26疾病に厳選
 ・必修診療科を内科、救急、外科、救急、産婦人科、小児科、精神科、地域医療の7科目とする

3 臨床研修病院の在り方について
 ・訪問調査を見直し、改善の見られない病院は指定取り消しの対象へ
 ・現在は対象外となっている年間入院患者数3000人以上の病院も対象へ
 ・プログラム責任者養成講習会の義務化
 ・第三者評価を強く推奨し、次回の見直しでの義務化を前提に検討

4 地域医療の安定的確保について
 ・募集定員を2025年度に1.05倍に
 ・大都市圏の定員を圧縮し、それ以外の地域では確保
 ・地域枠等の一部のマッチングを分けて実施
 ・都道府県が臨床研修病院の指定・募集定員設定を行う

5 その他
 ・大学病院に基礎研究医養成枠を設置

 委員や参考人からは「研修医自身、患者、医療制度に与えたアウトカムの検証をした方が良い」、「協力型病院が基幹型臨床研修病院になる際の要件について明確化すべき」などの指摘があったが、大筋で了承が得られた。今月中にパブリックコメントを実施し、4月には確定したものが公表される見通し。



http://www.chunichi.co.jp/article/mie/20180308/CK2018030802000042.html
専門医が少なく「転院搬送」多発 上野総合市民病院
2018年3月8日 中日新聞 三重

 伊賀市消防本部の二〇一五~一七年の救急出動件数のまとめで、上野総合市民病院(四十九町)は、搬送された患者を別の病院に搬送する「転院搬送」が年平均百六十七件あったことが分かった。同規模で民間の岡波総合病院(上野桑町)と比べて四倍以上多い。背景に循環器、脳神経科系の専門医が少ないことがあるという。今月七日の市議会で、市側が明らかにした。

 この問題で一般質問した森川徹市議(自民爽風ク)は「専門の得手不得手があるのはしょうがない。消防と病院がもっと連携すべきだ」と、搬送前に救急隊と病院が情報共有を緊密にする必要性を訴えた。市民病院の副院長は「患者さんごとに症状は千差万別。消防と転院搬送の事後検証もしており、今後も連携していく」と答弁した。

 市民病院は、転院搬送した患者も「受け入れ件数」として換算し、受け入れ率(救急当番時間帯)97%などとしていた。市議は「転院搬送の患者はカウントすべきでない」と修正を求めた。

 消防本部によると、市民病院の救急搬送数(救急当番時間帯を含む)は一五年が二千四百二十九人(うち転院搬送百四十九人)、一六年は二千七百四人(同百六十二人)、一七年は二千三百二十七人(同百九十人)だった。平均で全体の7%近くを占めている。

 市民病院によると、転院搬送の対象となる心筋梗塞や脳卒中などの患者らは、初期処置の後、岡波や滋賀医科大の付属病院などへ搬送しているという。

 「伊賀の地域医療を守る会」事務局長の杉本博之さん(61)は「一刻を争う救急事案だけに、専門医がいない場合は、あらかじめ救急隊に伝え、経由時間を節約すべきだ」と指摘する。

 (飯盛結衣)



http://www.medwatch.jp/?p=19429
2017年、大規模病院で病床利用率低下、適正病床数の検討も進めては―日病、公私病連の調査結果から
2018年3月6日|医療現場から MedWatch

 2017年6月における病院の平均在院日数は14.84日で、前年同月より0.09日短縮。病床利用率は73.18%で、同じく0.11ポイント向上しており、病院全体では「平均在院日数の短縮と病床利用率向上」を両立できている。ただし大規模病院では利用率が低下傾向にあり、紹介患者の確保を強化するとともに、「適正な病床規模」の検討も進める必要がある。また、100床あたりの総収支差(総収益-総費用)は依然赤字基調であり、全体の約7割が赤字となっている―。

 こういった状況が、日本病院会と全国公私病院連盟が3月1日に公表した2017年の「病院運営実態分析調査の概要」から明らかになりました(日病のサイトはこちら)(前年の記事はこちら)。

ここがポイント!
1 大規模病院は急性期、中小規模病院は後方病床に「機能分化」が進んでいる可能性
2 大規模病院では病床利用率が低下、適正な病床数の検討を進める余地も
3 2017年、大規模病院で外来患者数が減少、外来の機能分化が進んでいる可能性
4 病院経営は赤字基調、人件費等の増加で7割の病院が赤字
5 入院患者の1日当たり単価、心臓血管外科15万1500円、小児外科10万6100円

大規模病院は急性期、中小規模病院は後方病床に「機能分化」が進んでいる可能性

 この調査は、両病院団体に加盟している病院について、毎年6月分(項目によっては6月末日)を対象に行われており、2017年調査では918病院から回答を得ています。設立母体別の内訳は、▽自治体:469(調剤客体の51.1%)▽その他公的:216(同23.5%)▽私的:196(同21.4%)▽国立・大学付属等:37(同4.0%)―となっています。

 まず平均在院日数を見ると、病院全体では14.84日で、前年(14.93日)から0.09日短縮しました。

 一般病院の平均在院日数を病床規模別に見てみると、次のような状況です。
▼全体:14.21日(前年から0.01日短縮)
▼700床以上:12.60日(同0.01日延伸)
▼600-699床:11.79日(同0.28日短縮)
▼500-599床:11.78日(同0.37日短縮)
▼400-499床:12.88日(同0.10日延伸)
▼300-399床:13.97日(同0.03日短縮)
▼200-299床:17.46日(同0.34日短縮)
▼100-199床:23.43日(同1.27日延伸)
▼99床以下:23.44日(同0.15日延伸)

700床以上の超大規模病院でわずかに、また200床未満の中小規模病院で若干、平均在院日数が延伸していますが、全体としては「短縮傾向」が伺えます。

病床規模別に一般病院の平均在院日数をみると、全体として短縮傾向にあるようだ(図 略)
 
 一般に、大規模な病院では急性期入院医療を提供し、中小規模病院では急性期後の患者に対する後方病床の機能を担っていると言えます。今般の結果からは、「大規模病院はさらに急性期に特化し、中小規模病院では後方機能を充実させている」と見ることができるかもしれません。今後、「入院基本料別の分析」などが期待されます(関連記事はこちらとこちら)。

大規模病院では病床利用率が低下、適正な病床数の検討を進める余地も

 次に病床利用率を見ると73.18%で、前年同月(73.07%)に比べて0.11ポイント向上しました。

 一般病院の病床利用率を、病床規模別に見ると次のような状況です。
▼全体:73.22%(同0.23ポイント向上)
▼700床以上:76.81%(同0.38ポイント低下)
▼600-699床:75.33%(同1.49ポイント低下)
▼500-599床:75.98%(同1.01ポイント向上)
▼400-499床:72.13%(同1.23ポイント低下)
▼300-399床:72.54%(同1.72ポイント向上)
▼200-299床:71.32%(同0.08ポイント向上)
▼100-199床:71.89%(同0.83ポイント向上)
▼99床以下:67.38%(同0.85ポイント向上)

病床規模別に一般病院の病床利用率を見ると、大規模病院で前月に比べて低下してしまっている(図 略)
 
 メディ・ウォッチでもたびたびお伝えしていますが、病院の収益性を高めるためには平均在院日数を短縮するとともに病床利用率を向上させることが不可欠です(関連記事はこちら)。単月の結果から断定することは困難ですが、今般の結果からは、「600床以上の大規模病院では両立できず、400床未満の比較的規模の小さな病院で両立できている」と考えることができそうです。
今後も同様の傾向が続くようであれば、一般に大規模病院で提供する「高度急性期」のニーズが減少し、中小規模病院で提供する「急性期後(post acute)・軽度急性期(sub acute)」ニーズが増加している可能性が伺え、600床以上の病院では「地域連携の強化による、重症患者の紹介確保」をさらに進める必要があり、あわせて「地域の医療ニーズを踏まえた適正な病床規模」の検討も行っていく必要があるでしょう。

2017年、大規模病院で外来患者数が減少、外来の機能分化が進んでいる可能性

 次に患者数の推移を見てみましょう。2017年6月における1病院当たりの入院患者は前年同月(7378人)に比べて153人増の7531人、外来患者も138人増の1万2266人となっています。

 一般病院の入院患者数を病床規模別に見てみると、次のようになっており、病床利用率と似た傾向が伺えます。
▼700床以上:2万151人(同2人増)
▼600-699床:1万5679人(同432人減)
▼500-599床:1万3244人(同126人増)
▼400-499床:1万336484人(同148人減)
▼300-399床:7803人(同178人減)
▼200-299床:5612人(同74人増)
▼100-199床:3506人(同76人増)
▼99床以下:1437391人(同46人増)

2017年6月の入院患者数、中小規模病院で増加が目立ち「急性期後患者の積極的受け入れ」が進んでいる可能性がある(図 略)
 
 また外来患者数は、次のようになりました。
▼700床以上:3万4762人(同2180人減)
▼600-699床:2万5417人(同1792人減)
▼500-599床:2万2942人(同540人増)
▼400-499床:1万7188人(同319人減)
▼300-399床:1万2574人(同519人減)
▼200-299床:9059人(同293人増)
▼100-199床:5926人(同158人増)
▼99床以下:2652人(同149人減)

2017年6月の外来患者数、大規模病院で減少しており、「紹介状なし患者からの特別負担徴収義務」などが効果を与えている状況が伺える(図 略)
 
厚生労働省は「大病院は専門・紹介外来に特化し、一般外来は中小病院やクリニックが担当する」という外来機能分化を進めています。また病院経営という面で見ても、スタッフの負担や収益性などを考慮すれば「大病院で軽症の外来患者を多く受け入れる」ことは決して好ましいことではありません。

今般の結果からは「600床以上の超大規模病院において、外来患者が減少している」状況が伺えます。2016年度診療報酬改定では「特定機能病院・一般病床500床以上の地域医療支援病院において、紹介状なしに外来を受診する患者から特別負担(初診時5000円以上、再診時2500円以上)徴収を義務付ける」ことが導入され(2018年度改定で400床以上の地域医療支援病院にも拡大)ましたが、その効果も一定程度現れていると見ることができそうです。

機能分化をさらに進め、大病院での高度治療が必ずしも必要ではなくなった患者は、地域の中小病院・クリニックへの逆紹介を進めていく必要があります(関連記事はこちら)。

病院経営は赤字基調、人件費等の増加で7割の病院が赤字

 さらに、回答病院のうち629病院(平均302床)について、2017年6月における100床当たりの収支に目を移すと、総収益は1億9896万1000円で、前年同月(1億9413万9000円)に比べて482万2000円・2.5%増加しています。一方、総費用は2億1095万円で、前年同月(2億650万1000円)に比べて444万9000円・2.2%の増加。依然として赤字基調(赤字額は1198万9000円で、前年より37万3000円の微減)です。

 収益の内訳を見ると、大きなものは▼入院収入:1億2919万1000円(同335万3000円・2.7%増)▼外来収入:5877万6000円(同168万7000円・3.0%増)―などとなっています。

 一方、費用の内訳は、▼給与費:1億725万1000円(同309万5000円・3.0%増)▼材料費(医薬品・医療材料):5265万8000円(同63万9000円・1.2%増)▼委託費:1599万円(同49万3000円・3.2%増)▼減価償却費・1361万3000円1364万6000円(同3万3000円・0.2%減)―などとなっています。

2017年6月、病院の支出は前年同月よりも増加しており、給与費や材料費などで増加が大きい(図 略)

2017年6月、病院の収益は前年同月よりも増加したが赤字基調は変わっていない(図 略)
 
2017年6月の医業収益を100とした場合、医業費用は106.2で「医業だけに絞っても赤字」となります。また、給与費が55.1、材料費(医薬品・医療材料)が27.0と言う状況です。

2017年6月の医業収益を100とした際、収益・支出の各項目がどの程度になるかを見ると、医業費用は106.2。医業だけでも赤字であるとことがわかる(図 略)

2017年6月の医業収益を100とした際、入院収益が66、外来収益が30といった比率である(図 略)
 
 また黒字病院と赤字病院の比率を見ると、2017年は黒字31.0%、赤字69.0%となりました。赤字病院の比率は、前年に比べて3.9ポイント減少しましたが、7割が赤字と言う厳しい状況は変わっていません。
 なお、注目される「医師の負担」に関連する事項として(関連記事はこちらとこちらとこちら)、「医師1人・1日当たり患者数」を見ると、入院の平均は4.3人で前年同月から0.2人減少しました。患者数が多いのは、▼精神科14.6人(同1.1人減)▼リハビリ科12.5人(同1.3人減)▼整形外科8.1人(同0.1人増)▼肛門外科7.3人(同0.5人減)—などの診療科となっています。

医師1人当たりの入院患者数を診療科別に見ると、▼精神科14.6人(同1.1人減)▼リハビリ科12.5人(同1.3人減)▼整形外科8.1人(同0.1人増)▼肛門外科7.3人(同0.5人減)—などで多い(図 略)

また外来の平均は7.5人で前年同月から0.1人減少しました。患者数が多いのは、▼肛門外科17.0人(同2.9人減)▼皮膚科16.3人(同1.0人減)▼眼科15.0人(同0.5人減)▼整形外科11.5人(同0.2人減)▼泌尿器科11.2人(同0.3人減)▼耳鼻いんこう科10.8人(同0.6人減)—などの診療科です。

医師1人当たりの外来患者数を診療科別に見ると、▼肛門外科17.0人(同2.9人減)▼皮膚科16.3人(同1.0人減)▼眼科15.0人(同0.5人減)▼整形外科11.5人(同0.2人減)▼泌尿器科11.2人(同0.3人減)▼耳鼻いんこう科10.8人(同0.6人減)—などで多い(図 略)
 
入院患者の1日当たり単価、心臓血管外科15万1500円、小児外科10万6100円

 最後に、DPC病院について、主な診療科別の入院患者1人1日当たり診療収入(つまり単価)を見てみると、次のような状況です。
▼総数:5万9600円(同900円増)
▼内科:4万8100円(同200円増)
▼呼吸器内科:4万5500円(同2000円増)
▼循環器内科:9万4800円(同5800円増)
▼消化器内科:4万9500円(同800円増)
▼皮膚科:4万3000円(同4300円増)
▼小児科:6万6700円(同2600円増)
▼外科:6万6200円(同1000円増)
▼呼吸器外科:8万9200円(同2600円減)
▼心臓血管外科:15万1500円(同1万1600円増)
▼消化器外科:7万2900円(同1600円減)
▼整形外科:5万8200円(同300円増)
▼小児外科:10万6100円(同8700円減)
▼リハビリ科:4万4100円(同7000円増)

診療科による増減があり、「心臓血管外科では大幅向上」「小児外科では大幅減少」などが目立ちます。

診療科別に入院患者の単価(1人・1日当たり診療収入)を見ると、心臓血管外科15万1500円、小児外科10万6100円などで高い(図 略)




http://www.yomiuri.co.jp/local/kanagawa/news/20180308-OYTNT50126.html
病院機構理事長を解任…医師大量退職で
2018年03月08日 読売新聞

 県立がんセンター(横浜市旭区)で、放射線治療科の医師が相次いで退職した問題で、黒岩知事は7日、センターを運営する県立病院機構の土屋了介理事長を解任したことを明らかにした。これに対し、土屋理事長は強く反発している。


 県は、土屋理事長が県の調査委員会の報告書に対して、機構内部の意見を集約せずに反論書を作成・公表したり、機構内部で十分な検討を行わないままセンターの病院長を降格させたりしたと指摘。医師確保や診療継続に支障をきたしかねない状況に陥らせたとしている。

 県は2月22日に土屋理事長の聴聞を実施し、「理事長として十分な資質を有していないと言わざるを得ない」と結論づけた。

 黒岩知事は「やむを得ない決断で、任命責任を重く感じている」とした上で、「すばらしい医療体制を作ることで県民の信頼を取り戻したい」と述べた。

 年度内は副理事長が理事長職を代行するといい、県は新理事長の人選を進める。

 土屋理事長は7日、「処分に強い憤りを覚える」とし、「処分取り消しを求めて法的手続きを取りたい。私は一つも間違ったことはやっていない」などとするコメントを出した。



https://www.m3.com/news/iryoishin/590142
医学部5年生で留年増、厳しくジャッジか
全国医学部長病院長会議「医学生の学力に関するアンケート調査」◆Vol.1

レポート 2018年3月10日 (土)  大西裕康(m3.com編集部)

 全国医学部長病院長会議が、医学生の留年率や休学者数、退学者数などを調べるため毎年実施している「医学生の学力に関するアンケート調査」の結果から、1年生、3年生、5年生の留年率が上がっていることが分かった。5年生での留年増は、各大学が進めている臨床実習を始める時期の早期化が一因として挙がっている。また、絶対数は少ないものの休学者数は4年生でやや増え、退学者数は1年生でやや増加した。

 最新の数値となる2016年度について、経年変化を追える53大学(国立30校、公立2校、私立21校)が回答した結果などをまとめ、同会議が3月5日の定例記者会見で公表した。2016年度の留年者割合(入学定員増を補正)は1年生が181.8%(前年度比18.2ポイント増)、2年生136.5%(同8.6ポイント増)、3年生113.8%(同10.8ポイント増)、4年生119.2%(同16.4ポイント減)、5年生134.1%(同9.7ポイント増)、6年生100.3%(同3.3ポイント減)だった。

 留年率について同調査を実施した同会議の「医学生の学力問題検討ワーキンググループ」で座長を務める福島統氏(東京慈恵会医科大学教授)は、5年生の留年増について「気にしているのは臨床実習が早まっている点。より短い期間で基礎を学ばなければならず、クリニカルクラークシップがもっと一般的になると今までと違う評価基準も出てくる」と指摘。「職場に向かって適正度を高めるのが診療参加型臨床実習なので、(新しい体制に)適合できていない人が出てきているかどうかは、注意深く見ていかないといけない」と述べた。

 同会議の新井一会長(順天堂大学学長)も、臨床実習の評価が影響している可能性に言及。「どう評価するかというパフォーマンス評価は課題。一般論では、実習を評価するので、以前はほぼフリーパスだった5年生から6年生への進級を大学が厳しくジャッジしようという姿勢が影響している可能性はある」との見方を示した。

 休学者と退学者は変化が追える50大学(国立28校、公立2校、私立20校)の回答を集計。休学者数は全体的に横ばい傾向が続いているが、4年生(定員50人増の学年)では前年比31人増の125人。一方、2年生(定員65人増の学年)は同23人減の102人だった。

 退学者は1~3年生が数十人規模で横ばい、4~6年生は10人程度の規模で横ばいだが、1年生は同4人増の49人で、4年連続で増えた。

「脱ゆとり世代」と「ゆとり世代」、違いに有意差なし
 毎年実施している同調査で、今回は最初の「脱ゆとり世代」が2017年度に3年生となっていることを踏まえ、「ゆとり世代」の学生と違いがあるかを調べた。ただ、調査からは両者に有意な差は認められなかった。

 福島氏は、「今年は脱ゆとり教育の学生を迎えて3年目なので、変化があるか聞いてみたが、結論は、有意な差はなかった」と説明。脱ゆとり世代の学生については自由記載で回答を求めたが、「『良い』『悪い』『特に変わらない』など全部あった。教員も職員も変化を認めていないようだ」と述べた。

「脱ゆとり教育の学生」に関する自由記載抜粋

【学務系職員】
・学生の窓口として、日常の業務において学生に対応するに当たって、「ゆとり教育」を受けてきた学生と、「脱ゆとり教育」を受けてきた学生との間に違いを感じることはありません。

・自主性、主体性が無くなってきているように感じられる。協調性はあるように思われる。他人任せの傾向が強いように感じられる。
・「ゆとり教育」と「脱ゆとり教育」の学生を見て、学習に対する積極性が低くみられるのに対し、「脱ゆとり教育」の学生は学習に対して積極性を感じる。

【1~3年までを担当する教員】
・変化は感じていない。むしり「ゆとり教育」「脱ゆとり教育」にかかわらず、理科離れがあるように感ずる。

・学習態度は、いわゆる「ゆとり世代」の方が積極的で、現在の3年生以下の学年の方が受け身の傾向があるように思う。講義実習に関して、教員への質問などは相当減った。知識学力が不十分でも、「ゆとり世代」"では臆せず教員に話しかけたり、質問してくる傾向があった。

・現在の医学部3年生については、(これまでの学生と比べ)講義や実習などでの参加態度が非常に良くなっていると感じています。



https://www.m3.com/news/general/590894
県病院機構:前理事長が提訴へ 県に解任取り消し求め /神奈川
2018年3月11日 (日)配信毎日新聞社

 県立がんセンター(横浜市旭区)などを運営する県立病院機構の理事長を7日に県から解任された土屋了介前理事長が9日、県庁で記者会見を開き、県を相手取り解任処分の取り消しを求めて提訴する考えを明らかにした。機構幹部ら6人に対しても名誉毀損(きそん)などにあたるとして訴える方針。

 同センターの重粒子線治療施設の専門医が昨年に相次ぎ退職した原因について、県は土屋氏が外部に研修に出していた医師が退職した影響などを挙げていた。これに対し、土屋氏は当該医師が先進医療を行う「責任医師」の要件である経験年数を国に虚偽申請していたなどと反論。県は土屋氏が機構内部で集約せずに反論文を公表し、明確な理由を説明せずに病院長の降格人事を断行したことなどから解任に踏み切った。

 土屋氏は「法律違反はない」と解任理由に真っ向から反論し、「黒岩祐治知事や病院長が当該医師に資格がないことを知りながら責任医師の名称を使用させた」などと主張した。また、2月に土屋氏の解任を求める声明文を発表した康井制洋副理事長ら6人を「事実に基づかない一方的な主張で医師にあるまじき行為」と批判した。【堀和彦】



https://www.m3.com/news/general/590728
県立2病院、経営効率化へ病床削減 中央・河北、来月から
2018年3月9日 (金) 山形新聞

 県病院事業局は8日、中央と河北の2病院について、病床数を見直す方針を明らかにした。県立病院の経営効率化を図るためで、中央は50床、河北は24床をそれぞれ削減する。4月1日から実施する。

 新沢陽英病院事業管理者がこの日、県議会厚生環境常任委員会で報告した。

 同事業局によると、中央の病床利用率は80・6%(2016年度決算値)。平均在院日数の短縮や空床の増加などによる病床利用率の低下を理由とし、12ある一般病棟のうち一つの病棟を閉鎖して病院全体の660床から610床に減らすことにした。入院前からの相談や、入院時からの退院支援などを一元的に行う患者サポートセンター(仮称)の設置に向けた体制を強化し、18年度は試行的に実施する考えも示した。

 河北の病床利用率は75・4%(同)。入院患者数の減少を踏まえ、二つの一般病棟をそれぞれ60床から48床とし、病院全体で186床から162床に減らす。さらに夜勤体制、外来や手術室での看護体制の見直しによって人員配置の適正化を図る方針も明らかにした。



https://www.m3.com/news/general/590263
県立4病院 黒字化は困難 17年度見通し 患者減少で減収
2018年3月7日 (水) 上毛新聞 群馬

 厳しい経営環境が続く群馬県立病院全体の収支は2017年度も赤字となり、現行計画で目標に掲げる黒字転換が困難であることが6日分かった。患者の減少による減収が主な理由。県は「高度医療などの強みを生かして患者増を図り、引き続き経営の改善を目指す」としている。

 県立病院は心臓血管センター(前橋市)、がんセンター(太田市)、精神医療センター(伊勢崎市)、小児医療センター(渋川市)の4病院。病院事業会計の17年度補正予算案で、約8億7000万円の赤字となる見通しが示された。県は病院運営の指針となる第3次病院改革プランで17年度の黒字化を目指していたが、達成は困難となった。



https://www.m3.com/news/general/590089
川西病院:指定管理者議案を可決 公設民営化で市議会委 /兵庫
2018年3月6日 (火) 毎日新聞社 兵庫

 川西市が進める市立川西病院の公設民営化計画を巡り、市議会建設公企常任委員会は5日、市内の医療法人「協和会」を指定管理者と決める議案を賛成多数で可決した。26日の本会議の採決を経て、正式決定する見通し。

 委員会では委員長を除く市議8人のうち6人が賛成し、共産と自治市民クラブに所属する2人が反対した。赤字経営が続く川西病院には、市が年間約10億円を補助し、累積負債は昨年3月末現在で約40億円。

 賛成の市議からは「現在のままでは市民病院として存続不可能」という意見や、新病院を市北部から中心部に移すことを踏まえ、「北部の医療体制をしっかり維持してほしい」などの注文が出た。

 反対した市議は、2016年12月に協和会が指定管理者制度による連携を申し入れた結果、市が病院経営改革案を制度導入に向け舵(かじ)を切ったと言及。公募に応じたのが協和会だけで「出来レースだ」と指摘した。

 市側は協和会の連携申し入れが転機だったと認めつつ、公立病院を維持させるためであり、「指定管理者は公募で決めると協和会に伝えてあった」と説明した。

 住民でつくる「川西市北部に総合病院の存続を求める会」が昨年12月、市に1万2900人分の公設民営化の反対署名を提出。この日1524人分の署名を追加で出した。【石川勝義】

〔阪神版〕



https://www.m3.com/news/general/589928
緊急性なければ搬送せず 消防庁、判定マニュアル作成へ
2018年3月6日 (火) 朝日新聞

 全国的に出動が増えている救急車を有効活用するため、総務省消防庁は、救急現場で緊急性がないと判断された人を搬送しない際の、隊員の対応マニュアルや教育体制の整備を新年度から進める。こうした対応は一部の地域で取り組んでいるが、トラブルを懸念する声が出ていた。今年度末にまとめる検討会の報告書に方針を盛り込む。

 2016年の救急出動は10年前より97万件多い621万件、増加傾向が続く。10年で救急隊も全国で約300隊増えたが、現場到着にかかる時間は約2分延びている。出動数が多い都市部や1回の出動に時間がかかる過疎地などは、一刻を争う患者搬送が遅れかねず、地域によっては全ての救急車が出払う事態が起きている。

 こうした中、緊急度の高い人を把握し、出動態勢を手厚くしたり、適切な医療機関を選んだりする、緊急度判定を導入する消防本部が増えてきている。

 総務省消防庁の昨年度の調査では、全国の消防本部の74・9%が、救急現場で緊急性が低いと判断された人に、救急車以外の手段を勧める取り組みが「必要だと思う」と回答。同庁は昨年度の報告書で「緊急度を判定し、救急搬送の要否を判断することが求められる」と対応を促した。

 ただ、救急搬送が必要な人への「判断ミス」があった地域もあり、運ばない判断への慎重論は根強い。同庁の昨年度の調査でも、96・7%の本部が、後で容体が悪化した際の責任問題を不安に挙げた。

 こうした状況から、18年度に患者への説明、搬送しなかったときのアフターケア、記録の残し方などのマニュアルをつくるとともに、職員の教育体制づくりを目指す。速くて正確な判定のための技術開発も同庁の研究班(班長=森村尚登・東京大教授)が進める。19年度にいくつかの消防本部と協力してモデル地域で検証する方針だ。(阿部彰芳)

     ◇

 〈救急の緊急度判定〉 119番通報の時は通信指令員が患者の訴えや状態をもとに判断し、救急現場では隊員が患者を観察し、呼吸、脈拍などの情報も踏まえて決める。判定の過程や留意点をまとめた手順書を総務省消防庁が公表しているほか、独自に手順を決めている地域もある。同庁の報告書では、緊急度が低ければ「時間的余裕があるため、自力での受診が可能」としている。



https://www.m3.com/news/general/589929
「緊急でない」判断、誤りだったら…搬送現場のジレンマ
2018年3月6日 (火) 朝日新聞

 一刻を争う患者に救急車を優先したいが、緊急でないという判断に誤りがあったら――。救急搬送の現場にはジレンマがにじむ。

 緊急度判定に取り組む栃木県のある消防本部では、緊急性が明らかに低ければ、救急車を出さなかったり、現場で患者にタクシーなどの利用を促したりしている。「現場で搬送しないと判断する場合は車内で血圧などを測り、根拠を残すようにしている」と担当者。ただ判断は隊員に任されており、「国が一定の基準を示してくれれば参考になる」と期待する。

 総務省消防庁の今年度の調査では、732消防本部のうち279本部が救急現場で緊急度判定を実施。緊急でないと判断した際、84%は「本人の同意があれば搬送しない」、38%は「説明して搬送しない」を複数回答で挙げた。

 一方、判定をしていない453本部のうち83%は「(搬送せずに)容体が悪化したときの責任問題」を理由の一つとした。今後、実施するなら、「対応マニュアル」や「隊員の教育体制」が必要とする本部が8割に上った。背景には救急搬送しなかった男性が後で意識不明になったり、119番した大学生のもとに救急車を出さずに遺体で発見されたりする問題が過去に起きたことがある。マニュアルの整備などは現場の懸念を軽減するのが狙いだ。



https://www.m3.com/news/general/589797
【愛知】医師の残業、最大月178時間 労基署が是正勧告
2018年3月5日 (月) 中日新聞

 名古屋市立東部医療センター(千種区)が、労使協定(三六協定)で定めた時間外勤務の上限(月150時間)を超えて医師を働かせていたとして、名古屋東労働基準監督署から是正勧告を受けていたことが分かった。勧告は昨年11月30日付。

 センターによると、医師4人が昨年4~9月に上限を超え、最大178時間に達した。いずれも若手で、外科系などを担当していた。同期間に「過労死ライン」とされる月80時間超の時間外勤務をしていた医師も、後期研修医を含めて約100人のうち47人が確認された。残業代はすべて支払っているという。

 労基署の勧告を受け、センターは時間外勤務の多い診療科に勤務体制の改善を求めたほか、当直明けの医師が所定の終業時間前に帰宅できる制度を導入。今年1月に上限を超える医師はいなくなったとしている。

 センターは以前から医師の確保に苦労しており、2月1日時点で10人の欠員が出ている。管理課の担当者は「医師不足の中、時間外勤務が一気に減ると、診療体制を維持するのが難しくなる。医療クラーク(医師事務作業補助者)を増やすなどして、労働環境の改善を進めたい」と話している。

 東部医療センターは病床数498床。2月、一般の救急病院で対応できない重篤な患者に、24時間体制で高度医療を提供する「救命救急センター」に愛知県から指定された。



https://www.m3.com/news/general/589659
東北に根付く人材を 37年ぶり新医学部の試み 被災地の医師確保
2018年3月5日 (月) 共同通信社

 2016年に医学部が新設された東北医科薬科大(仙台市)では、幅広い視野で診断する「総合診療医」を目指し学生が学んでいる。東日本大震災の復興支援として37年ぶりに認められた医学部。東北に根ざし、地域医療を担う医師の養成が与えられた使命だ。

 2月上旬、仙台市内の小松島キャンパスに約50人の1年生が集まっていた。「院内感染対策でチームを動かす上で必要なことは何」「担当者間のダブルチェックも大切」。チーム医療を体験する病院実習の成果を班ごとに発表し、熱心に議論する姿があった。

 現在いる学生は16、17年に入学した200人。地域に残る医師を育てようと、1学年の定員100人中55人を「修学資金枠」とし、東北の医療機関に10年程度勤務すれば奨学金の返還を免除する。東京都出身の松野大輝(まつの・だいき)さん(20)もその一人。「町が津波にのみ込まれるニュース映像が印象に残っている。被災地ではより一層、医師が必要とされており、宮城で働きたい」と語る。

 授業では東北6県の病院と連携し、お年寄りが住み慣れた地域で医療や介護を受ける「地域包括ケア」など、現場の医療に触れるカリキュラムを組む。土地ごとの医療の特性を把握し、愛着を持ってもらうため、研修は同じ病院で繰り返す。

 さらに、地方の病院で働きながら専門医の資格を取得できる環境を整え、卒業後の能力向上も支援する計画だ。

 東北だけでなく全国的にも都市部に医師が集中し、問題となっている。

 東北医科薬科大の医学生のうち、東北出身は約3割にとどまる。東北に根付かせるため、独自の仕組みを打ち出す試みは緒に就いたばかりだ。

 東北医科薬科大の医学教育推進センター長を務める大野勲(おおの・いさお)教授は、医師が地域に定着しない理由を「医学部の大半が都市部にあるので卒業後、なじみのない地方で働くとカルチャーショックが大きいのも背景だろう。地域に赴任することを使命と捉え、その土地を理解し、総合的な診療をできる人を育てていきたい」と話している。



  1. 2018/03/11(日) 13:38:28|
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3月4日 震災関連 

http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201803/20180302_33044.html
<点検・再始動 復興の理想と現実>医療・福祉(1)岩手県立山田病院 診療再編遠のく住民 
2018年03月02日金曜日 河北新報

 東日本大震災や東京電力福島第1原発事故で被害を受けた岩手、宮城、福島3県では、再建された施設や事業が当初の復興計画通りにいかないなど、なお課題を抱えるケースが少なくない。震災から7年。どこに問題があり、修正策はあるのか。これまでの歩みを振り返りながら点検する。第1部は医療福祉の現場で真の復興への道筋を探った。

 「病院の建物は立派になったのに、頼りの訪問診療が受けられない」
 東日本大震災で甚大な被害を受けた岩手県山田町で、同じ80代の夫を介護する女性は不安を訴える。
 被災した県立山田病院は2016年9月、高台に建物を再建した。入院ベッドは10床減らして50床で再開。訪問診療は見直され縮小となった。女性の夫は訪問の対象から外れた。
 夫は寝たきりに近く車椅子での移動もやっと。移送サービスはあるが、経済的負担が新たに増す。老老介護世帯が多い復旧途上の町で、再建した山田病院の「態勢転換」は患者らに波紋を広げた。この女性には医療が遠のいたように映る。

<300件が10件に>
 山田病院は震災後、仮設診療所で外来診療を再開し、訪問診療を拡大。24時間態勢で在宅のみとりに応じ、14~16年は町の在宅死の割合が県内最高となる先進例として注目された。
 訪問診療の拡大は「病床復旧までの特例的な対応」と位置付け、17年度以降は自力歩行や車椅子で移動が可能な患者には通院を促した。訪問は平日の診療時間内に限定し、月最大300件を超えた件数は10件(今年1月)に激減した。
 患者、家族の不安が高まる中、山田病院は「そもそも医師が足りない。通院して適切な検査を受けた方が早期回復につながる場合もある」と理解を求める。
 常勤医は他の病院との兼務を含め3人。震災前は受け入れた時間外の救急対応も行っていない。宮本伸也院長(60)は「医師が疲弊すれば、必要な訪問診療すら行えなくなる恐れがある」と強調する。

<下回る利用率>
 民間病院が少ない岩手で、県立病院は地域医療の要だ。町内唯一の病院の入院機能維持と、震災後高まった訪問診療の住民ニーズの間で生じる「ずれ」。震災から7年の歳月は、慢性的な医師不足に急速な人口減が重なり、病院を巡る環境を変化させた。再建後の病床利用率は40%台前後で、皮肉にも震災前を下回る。
 悪循環の修正策は何か。医療と福祉の連携、合意形成の在り方が重みを増す。
 介護事業者の一人は「通院手段の確保や家庭事情に配慮した態勢が伴わないまま、訪問診療縮小が短期間で一方的に決まった」と受け止める。通院介助などを担うヘルパーも不足。「行政を交え、時間をかけた態勢づくりが必要だった」と明かす。
 「被災した山田町にはどんな医療が必要か。住民不在のまま再編が先行した」とみるのは、住民有志でつくる「山田町の地域医療を守る会」の佐藤照彦会長(77)。「病院はハード整備で終わりではない。地域に根差す医療が実現されるよう、県や町も引き続き取り組むべきだ」と訴える。
(報道部・菊池春子)



http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201802/20180228_53034.html
<震災7年>3.11後方支援の教訓 「人工透析をできませんか」慢性患者を受け入れ 
2018年02月28日水曜日 河北新報

 東日本大震災の発生直後、医療機関の対応は迅速を極めた。第1陣の山形県立中央病院(山形市)の災害派遣医療チーム(DMAT)が仙台医療センターに向かったのは、2011年3月11日午後4時40分。山形県が宮城県から要請を受けて66分後のことだ。

◎再生への仙山連携(2)医療

<異なったニーズ>
 10分後に日本海総合病院(酒田市)、午後5時28分に山形済生病院(山形市)、午後5時半には公立置賜総合病院(山形県川西町)が次々とDMATを派遣。しかし、被災地の医療ニーズは当初の想定と大きく異なっていた。
 山形DMATの指揮を執った県立中央病院の森野一真副院長が振り返る。
 「津波から逃げられたか否かで生死が分かれ、外傷患者が少なかった。山形県に求められたのは慢性疾患の患者への対応だった」
 13日からは、石巻市や宮城県南三陸町を中心に津波で通院先と生活の場を失った患者や高齢者の受け入れ要請が相次ぐ。森野副院長らは山形県内の病院に病床の捻出を求める一方、搬送手段の検討を急いだ。

<透析減呼び掛け>
 「山形で人工透析をできませんか」。山形県地域医療対策課には気仙沼市近郊の被災者から電話があった。
 患者は週数回の人工透析が欠かせないが、電気と大量の水が必要なだけに被災地の医療機関はどこもままならない状態だった。
 県内35医療機関で組織する山形腎不全研究会事務局の矢吹病院(山形市)は13日、会員に被災患者の受け入れを要請。地理的に近い村山地域を中心に、各医療機関は透析の頻度を可能な範囲で減らすよう地元の患者に協力を呼び掛け、受け入れ枠を作った。
 収容可能な施設と被災患者のマッチングは、両県のコーディネーターが担った。医療機関同士のやりとりも行われたが、情報が入り乱れるケースもあったという。
 矢吹病院の伊東稔副院長は「広域災害では県単位の情報交換が重要。平時から医療、自治体関係者のネットワークを整備すべきだ」と話す。

<難手術 チームで>
 山形大病院は震災から3日後の3月14日、東北大病院(仙台市)から循環器系の重症患者の手術依頼を受けた。地震被害で手術室が使えないという。患者と担当医は翌日、ヘリコプターで山形市に到着。救急車で山形大病院の集中治療室に運ばれ、両大合同チームが17日、難手術に当たった。
 他にも、震災で手術が完遂できなかった重症の乳児や網膜剥離の患者らが運び込まれ、治療や緊急手術を施した。滅菌装置が壊れた東北大病院に代わり、使用済み手術器材の滅菌処理も行い、処理済みの器材を次々に返送した。
 医師派遣や患者の受け入れなど、内陸部で被災地医療の砦(とりで)となった東北大病院を、山形大病院がさらに後ろで支えた形だ。
 山形大病院の地震被害は軽微だったが、当初は生活物資やガソリンが不足。職員に備蓄食料を分配し、通勤に支障が出ないよう、近くに臨時の宿を確保するなどの措置を取った。
 山下英俊医学部長は「地域医療はもちろん、後方支援でも大学病院は最後の砦。多様なニーズに応えるには医薬品などの確保に加え、職員を守ることが大事になる」と説明する。
[メモ]震災直後、山形大病院、新庄病院など6病院がDMAT8チーム延べ43人を宮城県に派遣した。山形県内の病院が宮城県から受け入れた入院患者は2011年3月21日~5月12日に240人。人工透析患者は3月14~20日に入院と外来を合わせて134人だった。山形大病院は3月12日~4月11日、東北大病院などから高度医療が必要な入院患者ら16人を受け入れ、6件の手術を行った。
          ◆         ◆         ◆
 東日本大震災で壊滅的な被害を受けた宮城が、発生直後から再生に向けて歩みだせた陰には、奥羽山脈の西に広がる山形からの迅速かつ幅広い支援があった。窮地にある宮城を救うため、復旧復興を下支えするため、「隣人」たちは何を考え、どう行動したのか。被災と支援を巡る教訓を仙山圏に探る。(山形総局・須藤宣毅)



http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201803/20180303_13021.html
<点検・再始動 復興の理想と現実>医療・福祉(2)石巻市立病院 包括ケア後退に懸念 
2018年03月03日土曜日 河北新報

 復興は理想にとどまるのか。今が正念場だ。
 東日本大震災で被災し、2016年9月に移転再開した石巻市立病院(180床)。被災者支援と連動して市が進める「石巻版地域包括ケア」の推進母体として、在宅医療をはじめ総合診療の拠点を目指す理念を掲げた。医師確保など態勢整備に時間を要し、「本格稼働」には至っていない。
 「訪問診療や半島部への支援など、出向く医療を充実させなければならないが、院内業務で手いっぱいな面があった」。椎葉健一院長(64)は再開後の約1年半を振り返る。

<目標を下回る>
 市は震災後の課題に対応し、医療、福祉、保健などのサービスを一体的に提供する地域包括ケアシステムの導入を打ち出した。被災地最大規模の仮設住宅団地がある開成・南境地区をモデルに、住民の認知症や健康状態の悪化に多職種連携で対応。市全域での展開を目指し、市立病院を医療の中心的立場と位置付けた。
 一方、病院は建設場所を巡る議論の曲折などで、約5年半の休止期間を経て再開した。医師の多くは他院に移ったまま戻らず、常勤医は現在、目標の20人を下回る16人。再開当初の病床利用率は50%前後と低迷し、収入も伸び悩んだ。「手術件数が頭打ち状態の影響が大きい」として、麻酔科医の確保などを急いだ。
 新年度、医師増員の見通しだが、病院経営に重点を置くかのような流れを懸念する関係者は少なくない。
 地域包括ケアの動向を注視する山口荘一郎市議(41)は「今後の急激な高齢化を見据えれば、包括ケアの態勢づくりを今やらないと間に合わない」と指摘。「在宅医療など地域に出る医師を増やし、実際に動ける態勢をつくることが重要。当初の理念を後退させてはならない」と訴える。

<専門医育成を>
 石巻市内には石巻医療圏で急性期医療に特化する石巻赤十字病院(464床)がある。同病院は震災後、病床を62床、医師を30人以上それぞれ増やした。市立病院について金田巌院長(70)は「公立として地域ニーズにどう応えるか、方向性を明確にすべきだ」と役割分担の意義を強調する。
 理念の具現化には人材育成も鍵を握る。市立病院開成仮診療所と市包括ケアセンター所長を務める長(ちょう)純一医師(51)は、宮城県が支援し16年に誕生した東北医科薬科大医学部の卒業生が初期研修を終える6年後を見据え、在宅医療を担う総合診療専門医の育成強化を提起する。
 先進的な地域医療で知られる佐久総合病院(長野県)に長年勤務した長医師は「市は入院や在宅医療を担う病院に加えて離半島部の診療所も運営する。必要な勉強ができる態勢を整えれば医師は集まる」と強調。「地域枠の奨学生らを総合医に養成するには県の主体的な取り組みも必要。関係機関が連携し、持続的に人材確保できる体制を築くべきだ」と指摘する。(報道部・菊池春子)



  1. 2018/03/04(日) 10:39:20|
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3月4日 

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO27574280R00C18A3L60000/
全国ワースト2位の茨城県、医師不足解消へ躍起
(北関東フォーカス)
 
北関東・信越
2018/3/2 1:31日本経済新聞 電子版

 人口10万人あたりの医師数(2016年末時点)は180.4人で全国ワースト2位――。そんな茨城県で医師不足の解消に向けた動きが広がっている。県や市町村は18年度の予算案に県外からの医師誘致や修学金の支援制度といった医師確保策を盛り込んだ。つくば市では地元医療機関と組んで中高校生向けの「模擬医療体験」を始めた。若い世代の医療への関心を高めようとしている。

 1月下旬、平日の午後6時すぎ。つくばエクスプレス(TX)つくば駅近くのビルの多目的スペースに授業や部活動を終えた中高校生35人が集まってきた。部屋の中には看護師が控え、点滴スタンドなどがずらりと並ぶ。つくば市が筑波メディカルセンター病院と連携して17年度の事業として始めた「つくばメディカル塾」だ。

 中高校生には放課後、看護師にとっては仕事が忙しい時間帯の合間をぬって模擬の医療実習を無料で体験できる。「超音波診断装置での内臓の観察」「病理標本を用いたがん細胞の判別」などテーマ別に1年間で6回の講座を用意した。

 最終回となった1月下旬のテーマは「看護の仕事」。現役の看護師の指導を受けながら、点滴など本物の医療器具に触れながら体験できる。点滴の手順や患者の様子についての説明を熱心にメモを取る参加者も多い。注射針をシリコン製の模擬血管に挿入したり、点滴を受けている患者の歩行を介助したりと参加者は熱心に模擬体験に取り組んだ。

 「体験型だからこそ、実際の医療現場の雰囲気を感じてもらいやすい」(筑波メディカルセンター病院の軸屋智昭病院長)。中高校生のうちに「リアルな医療現場」を感じることができる貴重な機会。医療従事者をめざす気持ちを高めやすい。

 メディカル塾での体験を終えた県内の高校2年生の坂本凜さんは「看護の道への憧れや期待がより膨らんだ」と満足そうに話した。30人前後の定員に対し2倍以上の応募者が出るなど好評だったメディカル塾。18年度も引き続き実施していく予定だ。

 茨城県としても医師確保を重点課題に位置づけている。大井川和彦知事は2月23日に「茨城県医師不足緊急対策行動宣言」を発表。関連費用として約22億円を18年度予算案に計上した。

 その目玉の施策のひとつが病児保育支援体制の拡充だ。病児保育施設の整備というハード面ではなく、医師が電話1本でベビーシッターや保育ママなどを利用できるソフト面の体制を充実する。

 大井川知事は「医師が県内に定着するうえで最も大きな問題になっているのは女性医師の子育て環境だ」と強調する。子供が急に発熱しても簡単には診療時間の間は対応できないのが実情だ。こうしたことから非常勤として働くケースも多いという。今回の施策ではこうした問題が少しでも減るようにするのが狙いだ。

 このほか、医学部への進学を希望する人向けに県内の金融機関と連携して県が修学期間の利子負担を肩代わりする教育ローンも創設した。県外から医師を誘致するほか、医師や医療従事者向けの研修体制の強化にも取り組む方針だ。



https://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/article/397867/
「当番医強制は違法」提訴 津久見の開業医「診療の自由制限」 
2018年03月01日 06時00分
=2018/03/01付 西日本新聞朝刊=」

 大分県津久見市で診療所を開業する40代男性医師が、市医師会が休日や夜間に救急患者を輪番で受け入れる当番医制度を会員に強制するのは「独占禁止法などに違反する」として、規定の無効確認を求めて大分地裁に提訴したことが28日分かった。

 訴状などによると、市医師会は昨年7月、当番医について「特段の事情がない限り、受けなければならない」という規定を決議した。

 これに対し、男性医師は当番医制度は必要としつつも「医師には診療の時間や場所を決める自由が保障されている。当番で医療スタッフの確保を迫られるなど、強制による負担は極めて大きい」と主張。医師会の規定は、事業者団体は、構成事業者の活動を不当に制限してはならないと定めた独禁法(8条4号)に抵触するとして提訴した。現在は、当番医の輪番から外れている。

 市医師会などによると、市内には15医療機関があり、眼科などの単科や70歳以上の医師を除いた11機関が当番医の対象。診療所は平日夜間(午後5~10時)と、日祝日(午前8時半~午後5時)の当番医を1カ月に3、4回担当する。報酬は、市の委託料を分配する形で夜間は7千円、休日は8500円が支払われる。

 市医師会事務局は「訴状が届いていないため詳細は分からないが、当番医への協力を引き続き依頼したい」と困惑。市医師会に所属する他の医師は「津久見市は医師が少なく、任意にして離脱者が増えれば、当番医制度が立ちゆかなくなる」と懸念を示した。

   ◇    ◇

■医師不足や高齢化背景 若手、地方を敬遠

 大分県津久見市の開業医が当番医の強制を「違法」と訴え、輪番を外れた背景には、医師の偏在や高齢化という地域医療の疲弊がある。九州では医師の負担を考慮し、小児科の夜間救急対応を縮小する動きも。現場からは「どこも同じ状況だ」と悲痛な声が上がる。

 「うちの病院は私1人で当番医を務めており、このままでは医療事故のリスクが高い」。提訴した男性医師は訴状で危機感を吐露する。津久見市医師会に所属する医師は、15機関の28人。市の人口はピーク時の半分以下の約1万7千人に減っており「今後、医師が増える見込みはない」(市健康推進課)状況だ。

 同県竹田市の救急病院、竹田医師会病院では「マンパワーが不足している」として、救急受け入れを断る例が増え、市民が不安を訴える事態になっている。

 「(2004年度導入の)新たな臨床研修制度に伴う都会への医師偏在が背景の一つだ」。医療関係者は指摘する。新制度では、それまでの大学病院の医局による差配でなく、新人医師が研修先を自由に選べるようになり、地方は敬遠された。最近は、救急対応が多い小児科や内科を避ける傾向があるという。

 宮崎市では、夜間の小児患者に対応する市夜間急病センター小児科を運営する同市郡医師会が、医師不足や高齢化を理由に「将来的な継続が難しい」として市などと協議している。

 センターは、地域の小児科の開業医約20人と宮崎大病院小児科の医師約10人が月1、2回の当直を交代で担当する。開業医の平均年齢は50代半ば。センターの高村一志所長は「4月以降は当直勤務を組むのも厳しい。続けたいが、自分たちの健康に関わる」と話す。

 小児科医の不足は都市部も例外ではない。福岡市は「医師不足で当直の頻度が高くなり、ゆとりがなくなった」として16年4月に、市内6カ所の急患診療施設のうち3カ所で小児科の診療を取りやめた。

 地域医療に詳しい原土井病院(福岡市東区)の原祐一医師は「当番医の問題は今後、他の地域でも間違いなく顕在化する」と指摘。行政の補助金を増やし、医師数に比較的余裕のある地域から当番医を招くなど、早急な対策の必要性を訴えた。



http://www.sankei.com/region/news/180226/rgn1802260019-n1.html
茨城県新年度予算案、医師不足解消へ22億円 医学生にゼロ金利ローン 
2018.2.26 07:04 産経新聞

 大井川和彦知事は、深刻な状況となっている県内の医師不足に危機感を強め、「県医師不足緊急対策行動宣言」を表明し、本格的な対策に乗り出した。平成30年度当初予算案に総額22億7643万円の政策パッケージを盛り込み、医師確保に全力を挙げる構えだ。 (鴨川一也)

                   ◇

 大井川知事は30年度当初予算案を発表した23日の記者会見で「人が住むのに医療機関が整っていることは最低限の環境だ。この問題に県民一丸となって取り組みたい」と強調した。28年の人口10万人に対する医師数で、茨城は189・8人と全国平均の251・7人を大きく下回る。都道府県別では14年以降ワースト2位が続いている。

 政策パッケージで目玉になるのが、医学部進学者向けの「実質金利ゼロ」の教育ローン創設だ。常陽銀行など県内金融機関と提携し、在学中最大6年間に生じる利子を県が負担。医師を目指す学生をバックアップし、卒業後は県内医療機関で一定期間勤務してもらう。

 また、県ゆかりの医師らの「UIJターン」の推進や、医科大新設・誘致の調査検討、外国人医師の受け入れ促進など「県外からの医師確保強化事業」に1億401万円を計上した。

 このほか、子育て中の医師が病気にかかった子供を預けられる仕組みの構築など「魅力的な医療勤務環境整備事業」=3824万円▽医師偏在解消に向けた「地域医療支援センター事業」=4331万円▽「ICT(情報通信技術)活用による医療体制強化支援事業」=2830万円-などを盛り込んだ。

 大井川知事は記者会見で「(ワーストの)埼玉は東京に近いこともあり、本当の不便度では茨城が一番厳しい環境にあるのではないか」と述べ、医師不足解消の必要性を強調した。」



https://www.nikkei.com/article/DGXMZO27624590S8A300C1000000/
羽島市民病院に是正勧告 医師違法残業で岐阜労基署 
中部 日本経済新聞
2018/3/2 18:34

 岐阜県羽島市の市立羽島市民病院が時間外労働を可能にするための労使協定(36協定)の上限を超える違法残業を医師にさせたとして、岐阜労働基準監督署から是正勧告を受けていたことが2日、病院への取材で分かった。外科の男性医師は昨年1月、103時間の残業をし、1カ月の時間外労働が「過労死ライン」とされる100時間を超えた。

 病院によると、勧告は昨年2月24日付。勧告前の協定では残業時間の上限を月45時間とし、特別条項では年6回まで月85時間を上限とする残業を認めていたが、男性医師は85時間を超える残業があった。病院が昨年2月、医師の勤務時間を労基署に報告して勧告を受けた。

 病院は救急医療に対応するため残業時間が月100時間に近くなることもあるとして、勧告後の昨年4月、特別条項の上限を月100時間とする協定を結び直し、外来診察や当直に入る医師を増員した。「医師不足が課題となっている。さらに人員を増やすよう努力する」と話している。

〔共同〕



http://www.medwatch.jp/?p=19330
医師の働き方改革に向け、議論の方向を再確認してもらうための提言行う—四病協 
2018年2月28日|医療現場から MedWatch

 医師の働き方改革に向けた議論が進められているが、目に見える表面の部分だけの議論や、一律に労働時間制限を行うような議論を行っていたのでは、本来目指すところと異なる方向に進んでしまう。医療機関の特性、1人1人の医師の状況を踏まえて、「ある程度の、自由に差配できる」仕組みを目指す方向で議論すべきである—。

 2月28日に開催された四病院団体協議会の総合部会で、こういった内容の提言・意見書を近くまとめる方針が固められました。総合部会後に記者会見を行った日本病院会の相澤孝夫会長は「提言・意見書を加藤勝信厚生労働大臣に提出する」考えも明らかにしています(関連記事はこちら)。

ここがポイント!
1 病院の事情、医師の状況など踏まえ、ある程度自由に労働時間等を差配できる仕組みを
2 我が国の専門医の在り方を根本から議論するために、四病協の委員会を設置

病院の事情、医師の状況など踏まえ、ある程度自由に労働時間等を差配できる仕組みを

「我が国の医療提供体制は、医師による『極めて長時間の労働』という自己犠牲の上に成り立っているが、このままでよいのか」という問題意識の下で、医師の働き方改革が必要とされています。

一方、医師にも「罰則付きの時間外労働規制」が適用されることとなりましたが、医師には応召義務が課せられるなどの特殊性があり、「医師への規制適用の在り方」を検討することが求められています。

厚生労働省は、この2点(医師の働き方改革、医師への規制適用の在り方)を議論する場として「医師の働き方改革に関する検討会」(以下、検討会)を昨年(2017年)8月に設置。検討会は2月27日に、これまでの議論を整理した「中間的な論点整理」と、各医療機関で直ちに実施すべき「医師の労働時間短縮に向けた緊急的な取組」をまとめています(関連記事はこちらとこちら)。

検討会では今後、▼タスク・シフティング(他職種への業務移管)▼タスク・シェアリング(医師間での業務共同)▼女性医師支援―などの「働き方改革」、「勤務医の特性も考慮した時間外労働規制の適用方法」を議論し、来年(2019年)3月に最終取りまとめを行います。

この検討会論議に関して、日本病院会・全日本病院協会・日本医療法人協会・日本精神科病院協会で構成される四病院団体協議会(四病協)では、「今のままの方向でよいのか」と疑念を呈し、意見をまとめて近く加藤厚労相に提出する方針を2月28日の総合部会で固めました。

具体的な意見のすり合わせはこれから行われますが、相澤・日病会長は「目に見える表面の事象だけを踏まえて議論を続けてしまうと、『医師が健康被害を起こさず、かつ医療の質を担保しながら、国民に適正な医療を提供する』という本来の目的とは異なる方向に進んでしまう。国は一律のライン(労働時間上限など)を決めているが、▼個々の病院の事情▼個々の医師の状況—はさまざまであり、各病院が個別医師の状況を見て、『ある程度、自由に差配できる』仕組みに向けた議論が必要である」と、大枠の考えを述べています。

 個々の病院の事情としては、例えば「大病院か中小病院か」「救急を担っているか」「都市部の複数病院がある地域に位置するか、地方で当該病院1つで地域医療をカバーしているか」など、さまざまな点があります。

また個々の医師の状況としては、例えば「初期臨床研修医か、専門医を目指す専攻医か、専門医として独り立ちしているか」「どの診療科に所属しているか」「体力は十分か」「年齢はどの程度か」「家族構成はどうか(独身か、子どもがいるのか、親の介護などを行っているか)」など、やはりさまざまな要素があります。

四病協では、こうした事情を踏まえた「柔軟な仕組み」の創設に向けた議論を、加藤厚労相に要望・提言していく考えです。相澤・日病会長は「アメリカでは、民間の第三者機関(病院団体)が、例えば『後期研修医(専門医を目指す専攻医)は、この程度の労働時間上限を設けてはどうか』といった提言をしている」ことを紹介し、四病協がこうした提言を行う組織を目指していることが伺えます。

我が国の専門医の在り方を根本から議論するために、四病協の委員会を設置


また、四病協では、▼新たに専門医制度に関する委員会を立ち上げ、少し根本に遡って「専門医の在り方」を検討し、提言する▼これまで各団体で行っていた「診療報酬に関する調査」を合同で行う(日病・全日病・医法協の3団体合同、日精協は独自実施)―方針も固めました。

専門医制度については、2018年度からの全面新制度実施に向けて「専攻医登録」が進められていますが、四病協内部には▼外科の専攻医が1人のみという県もある(群馬県、山梨県、高知県)▼専攻医登録の状況などを日本専門医機構に問い合わせても十分な答えが返ってこない―などの点を問題視し、「現在の仕組みの手直しでは、十分な改善は無理ではないか」といった意見も出ていると言います。相澤会長は「2019年度研修に向けた研修プログラム登録などがこの5月(2018年5月)から始まるようで、そこには四病協の議論は間に合わないと思う。もう少し長期で、根本から『我が国の専門医制度の在り方』を議論することになろう」と見通しています(関連記事はこちら)。



http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20180227_7
広田診療所に常勤医 陸前高田、4月1日着任 
(2018/02/27) 岩手日報

 昨年1月から不在となっていた陸前高田市広田町の国保広田診療所の常勤医師に、千葉県内の市立病院に勤めていた60代医師が就くことが26日、分かった。4月1日に新所長として着任する予定。東日本大震災から間もなく7年。津波で全壊した同診療所は昨年6月に再建され、待望の常勤医師も決まったことで地域に安心が広がる。

 新たな常勤医師は地域医療への思いが強く、認知症予防、緩和ケア、終末期医療などに力を入れている。1月に同市に訪れ、広田地域を視察。地域住民を代表して広田地区コミュニティ推進協議会の役員も同席し、地域の健康づくり活動について熱心に聞かれたという。

 同診療所は10年以上にわたり広田地区の医療を支えた近江三喜男医師(現田野畑村診療所長)が2016年12月末で辞職。市が後任を募集していたが、1年3カ月不在が続いた。

 高台の広田地区コミュニティセンター隣に本設施設が完成し、現在は県立高田病院や大船渡病院、雫石町在住の医師が交代で週3日診療している。4月からは常勤医師での体制に移る。



https://www.m3.com/news/iryoishin/588779
相澤日病会長「地域の医療機能考えるきっかけの一つ」
入院医療再編で見解、「重症度」には疑念
 
2018年2月27日 (火)配信水谷悠(m3.com編集部)

 日本病院会会長の相澤孝夫氏は2月27日に定例記者会見で、2018年度診療報酬改定で入院医療の評価体系の再編・統合が行われることについて、「入院基本料で方向付けがなされた。地域に合った医療機能をどうしていくのかを考えていく一つのきっかけになるのではないか」との見解を示した。2月24日の日病の常任理事会では「急性期、地域一般、療養病棟ができたということで、明らかな厚労省の方向性が出たのではないか」、「急性期一般入院料で段階を付けたことで病院としては選択肢が増え、今後経営を維持しながら地域に見合った医療を病院として提供していくことが考えやすく、やりやすくなった」などの意見があったという。

 一方で、「重症度、医療・看護必要度」については「本当に急性期の病態を表すものかどうかはいささか疑念が残る」と指摘。従来の重症度、医療・看護必要度を基に、EFファイルやHファイルを見るのではなく、「急性期を示す病態はこうで、その中で、重症さ大変さがこういうところで示されると、根本的にデータを見ながら議論したほうがいいのではないか」 との意見があったことを紹介した。ただ、急性期の実態や患者の状態を示すインジケーターはどんなものがあるかという意見はなかなか出なかったと言い、「日病としても議論していく必要がある」と述べた。

 常任理事会では、2次医療圏について、「今の医療圏で完結していくのはかなり難しいのではないか。患者の移動もあり、人口構造の変化も著しい」との意見も出て、日病の医療政策委員会で検討していくことを明らかにした。相澤氏は、患者が病院を選択する結果として、実態として都道府県を越えて医療圏を構成しているところもあると指摘。「地域の医療体制を医療法で決めて医療計画にしていくと決まっているが、県に丸投げでいいのかも含め、日病の考え方をきちっと示していくことを医療政策委員会にお願いした」と述べた。

 この他、今回の診療報酬改定で加算や施設要件が増えたことについて、「簡潔にすると言いながら、ますます複雑怪奇になっていくのはいかがなものか」、「専従要件、常勤要件の緩和は、働き手が少ない中で、病院が工夫しながら一定の医療の質を担保するにはありがたい」などの意見があったことを紹介した。



https://www.m3.com/news/iryoishin/588783
四病協、「働き方改革」の声明を作成へ
全日病・猪口氏「時間だけ厳しくすれば崩壊」
 
レポート 2018年2月27日 (火)配信水谷悠(m3.com編集部)

 四病院団体協議会の「病院医師の働き方検討委員会」は2月27日の会議で、医師の働き方改革の議論についての声明を今後発表する方針を決めた。厚生労働省の医師の働き方改革に関する検討会がまとめた中間的な論点整理についての見解を示すもので、委員の猪口雄二・全日本病院協会会長がたたき台を作成し、それをもとに検討する。猪口氏は「労働時間だけを厳しくすれば、特に救急、産科や僻地医療は崩壊すると危惧している。医師の仕事の特殊性ということもある」と述べた。

 6月以降、厚労省の「医療従事者の需給に関する検討会・医師需給分科会」に働き方検討会の中間的な論点整理が提出される見通しで、四病協の声明はそれに間に合うように出す方針。病院医師の働き方検討委員会委員長で日本病院会副会長の岡留健一郎氏は、医師の働き方改革の議論は「地域、診療科の偏在や新専門医制度とも密接に絡んでくる」と指摘した。



http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20180224_7
産科と小児科に特例 県関係奨学金養成医師の義務履行 
(2018/02/24) 岩手日報

 県関係の奨学金養成医師の配置調整を担う配置調整会議(座長・小林誠一郎岩手医大副学長)は産婦人科か小児科を志す養成医師に対し、義務履行の全期間を基幹病院の地域周産期母子医療センターで勤務することを特例で認める方向となった。中小規模の地域病院は両診療科がないケースもあり、医師が専門性を高められる環境を整え、履行後の県内定着にもつなげる。

 養成医師は基本的に、初期研修終了後の6~9年の義務履行で基幹病院と地域病院の両方で勤務する。新たな特例では、本来の地域病院勤務の期間も基幹病院の地域周産期母子医療センターで勤務し、現場で専門性を磨くことができる。

 主な勤務先は県立病院と北上済生会病院、盛岡赤十字病院の同センターと、センター協力病院(県立釜石)の計10病院とする方向で、調整を進めている。

 県によると、2018年度に配置調整対象となる養成医師101人(履行猶予予定なども含む)のうち現時点で3人が産婦人科、4人が小児科を希望し、早ければ19年度から特例対象者が出る見通し。沿岸勤務は他の診療科と同様、2年間義務付ける。



http://www.chunichi.co.jp/article/gifu/20180303/CK2018030302000036.html
月103時間、違法残業 羽島市民病院、昨年に是正勧告 
2018年3月3日 中日新聞 岐阜

 羽島市の羽島市民病院が、労働基準法に基づく労使協定(三六協定)で定めた「月八十五時間」の上限を超える時間外勤務を医師にさせたとして、岐阜労働基準監督署から是正勧告を受けていたことが分かった。勧告は昨年二月二十四日付。

 病院によると、労使間では医師の時間外勤務の上限を「月四十五時間」とし、特別条項で年六回を限度に「月八十五時間」まで認める協定を結んでいた。病院側が昨年一月の勤務状況を労基署に報告した際、男性外科医師一人が、国が過労死ラインとする「月百時間」を超える百三時間の残業をしていることが発覚した。

 病院は勧告後、救急医療センターがあることなどを理由に、特別条項の上限を「月百時間」に引き上げた。さらに、非常勤医師を五人増員したほか、医師の書類作成などを補助する「医療クラーク」を増やすなどした。

 羽島市民病院事務局の担当者は「医師不足は全国的な課題。病院でも増員に努力しているが、すぐには確保できない」と話した。



https://www.m3.com/news/iryoishin/589518
有床診の特例開設、「調整会議の協議」が前提
厚労省WG、「ノー」と言えば事実上開設困難に
 
2018年3月3日 (土)配信橋本佳子(m3.com編集長)

 厚生労働省「医療計画の見直し等に関する検討会」の「地域医療構想に関するワーキンググループ」(座長:尾形裕也・東京大学政策ビジョン研究センター特任教授)と「在宅医療及び医療・介護連携に関するワーキンググループ」(座長:田中滋・慶應義塾大学名誉教授)は3月2日、合同で会議を開催、都道府県知事が「有床診療所の病床設置の特例」に該当するかどうかを判断する際に、地域医療構想調整会議の協議を経るプロセスを踏むことを了承した。特例に該当すれば、病床過剰地域でも「届出」での有床診開設が可能だが、調整会議が「ノー」と言えば、事実上、難しくなる見通しだ。

 併せて、2次医療圏(構想区域)で追加的な病床を検討する場合、一般病床等ではなく、有床診療所の設置の検討を促すことも決めた。厚労省は、これらを盛り込んだ通知を、都道府県に対し、発出する予定。

 現在も僻地等で有床診を開設する場合、「許可」ではなく、「届出」でも可能。この4月から「有床診の病床設置の特例」として、地域包括ケアシステムにおける有床診の役割を期待し、在宅医療の提供や在宅患者の緊急時の受け入れ機能を有するなど、特例に該当する場合は「届出」の対象に追加する。さらに医療計画の病床規制の対象外とするため、病床過剰地域でも、有床診の開設が可能となる(文末を参照)。

 法律上は、都道府県知事は、特例に該当するか否かを判断するために、「都道府県医療協議会の意見を聴く」ことが要件。その前段階として、調整会議の協議を経るプロセスが入ることになる。調整会議が特例に該当しないと判断した場合、医療審議会や知事がその判断を覆すハードルは高い。

 調整会議が関与する仕組みになったのは、「ベッド数をできるだけ増やさないように調整している中で、有床診を突然開設できる特例ではないか。経済力がある法人が、訪問看護ステーションも併設するなど多機能の有床診を開設したら、地域医療の“市場荒らし”のようになる可能性がある」(全国有床診療所連絡協議会専務理事の玉城嘉和氏)、「病床を減らすかどうかを議論している際に、オーバーベッドでも一律に開設を認めると、問題が起きてくる」(全日本病院協会副会長の織田正道氏)などの懸念が生じているため。

 日本医師会副会長の中川俊男氏は、「有床診の開設は、『届出で可能』という表現が誤解を招く。都道府県知事が、地域にとって必要がない、つまり特例に該当しないと判断した場合は、届出を認めない。その判断の手助けとして、届出の対象になり得るかを、調整会議、医療審議会がそれぞれ意見を言うことができる仕組みではないか。いずれもノーといったら、事実上、難しくなる」との解釈を示し、厚労省の見解を質した。

 厚労省医政局地域医療計画課は、法律上、調整会議や医療審議会の意見に強制力はないため、特例の対象になるか否かについては、「地域のニーズを踏まえて、特例かどうかを(都道府県知事が)判断する」と回答。「届出する場合は、保健所に相談に来ることになるだろう。まずは調整会議で説明してもらう。地域の実情を把握している調整会議の中で議論し、調整会議の意見を踏まえて、医療審議会が最終的には意見を言うことになっている」などと説明した。

 調整会議、都道府県により進捗に差

 そのほか、2日の会議では、「調整会議における議論の進捗状況」と「在宅医療の充実に向けた取り組み」についても議論した。

 2017年度から地域医療構想の実現に向けて、調整会議の議論が本格化した。ただし、全341構想区域の状況には地域差がある。例えば、公立、公的病院については、「新公立病院改革プラン」「公的医療機関等2025プラン」を策定し、プランの妥当性等を調整会議で議論することになっているが、策定したプランの全てについて議論を開始した都道府県もあれば、全く議論を開始していない地域もある。

 厚労省医政局地域医療計画課は、「2017年度と2018年度に集中的に検討することが政府として示されている」とし、各都道府県に進捗状況を“見える化”するほか、都道府県への働きかけや研修などの支援を通じて、進めていく方針を説明。

 中川氏は、「進めたいといっても、何かをしないとなかなか進まない。どんな具体的な支援をしていくのか。このままでは、何年経ってもダメだろう」と指摘し、具体的な支援策を次回検討会までに提示するよう、厚労省に求めた。

 2017年度から開始する第7次医療計画は、1期6年だが、その中間年に見直しを行う。その際、地域医療構想や介護保険事業計画と整合性が取れた形で、在宅医療の提供体制を整備することが求められる。そのため、厚労省が都道府県における在宅医療に係る取り組み状況(在宅医療提供体制、在宅医療に関する協議の体制、主な施策など)を毎年度確認するほか、在宅医療における整備目標の策定プロセスの検証等を行う。これらを踏まえ、中間見直しに反映が必要な事項を整理する。

◆有床診療所の病床設置に関する特例
 地域包括ケアシステムを推進する上で、有床診療所の役割がより一層期待されるため、2018年4月1日から、病床設置が届出により可能になる範囲等を見直すとともに、届出による病床設置の際の医療計画への記載を不要とすることとする。
① 都道府県知事が、都道府県医療審議会の意見を聴いて、医療法第30条の7第2項第2号に掲げる医療の提供の推進のために、必要な診療所その他の地域包括ケアシステムの構築のために以下の機能を有し、必要な診療所として認めるもの。
ア 在宅療養支援診療所の機能(訪問診療の実施)
イ 急変時の入院患者の受け入れ機能(年間6件以上)
ウ 患者からの電話等による問い合わせに対し、常時対応できる機能
エ 他の急性期医療を担う病院の一般病棟からの受け入れを行う機能(入院患者の1割以上)
オ 当該診療所内において看取りを行う機能
カ 全身麻酔、脊髄麻酔、硬膜外麻酔または伝達麻酔(手術を実施した場合に限る)を実施する(分娩において実施する場合を除く)機能(年間30件以上)
キ 病院からの早期退院患者の在宅・介護施設への受け渡し機能
② 都道府県知事が、都道府県医療審議会の意見を聴いて、僻地の医療、小児医療、周産期医療、救急医療その他の地域において良質かつ適切な医療が提供されるために必要な診療所として認めるもの。
③ ①または②の診療所については、一般病床に加え、療養病床の場合であっても、届出による設置または増床を可能とする。



https://www.m3.com/news/general/589280
大学 vs 教授 解雇巡る法廷バトル次々 学長権限強まり 
2018年3月2日 (金)配信朝日新聞

 私立大学の教授らが解雇を巡り、大学側と訴訟などで対立するケースが相次いでいる。教職員組合によると、2014年に学長権限を強めた改正学校教育法が成立した後に目立つようになったという。

 名古屋芸術大(愛知県北名古屋市)を懲戒解雇された元教授2人は17年12月、解雇無効などを求めて提訴した。元教授は大学を運営する学校法人名古屋自由学院の教職員組合の正副委員長だ。

 訴状によると、元教授は17年10月、教職員用メールボックスに組合ニュースを投函(とうかん)したところ、就業時間内に組合活動をしたなどとして処分されたと主張している。元教授は「組合活動などを理由に解雇されたのは不当。大学内での自由な言論、表現活動、妥当な協議が非常に困難になっていることの象徴だ」と訴える。2月19日に第1回口頭弁論があり、学院側は請求棄却を求めた。取材に対しては、「訴訟継続中のためコメントできない」と文書で回答した。

 全国162の私立大の教職員組合が加盟する日本私立大学教職員組合連合によると、17年は少なくとも北海道や千葉県など計15大学で教職員の解雇をめぐる訴訟や不当労働行為の救済申し立てなどがあった。私大教連の担当者は「改正学校教育法が成立してから増えた」と話す。

 法改正は、グローバル競争力の強化など大学改革を進めやすくすることを目的に学長の権限を強めるのが狙い。14年8月には、文部科学省が「学長のリーダーシップの下で、戦略的に大学を運営できるガバナンス体制を構築することが重要」と全国の大学に通知した。

 私立大では、私立学校法で最終的な意思決定機関とされる理事会の権限が強まった。学長選の廃止や、教授会の審議なしでカリキュラムや学部を再編する動きが広がっている。



https://www.m3.com/news/general/589166
過労死ライン超残業の医師、月平均5・9人 滋賀の病院 
2018年3月1日 (木)配信京都新聞

 医師の長時間労働が社会問題となるなか、滋賀県の近江八幡市立総合医療センター(同市土田町)で2016年10月から17年7月にかけて、労災認定の際の目安といわれる「過労死ライン」(月100時間)を上回る時間外労働をした医師が月平均5・9人いたことが28日、分かった。

 市議会定例会の答弁で病院事業管理者の宮下浩明院長が明らかにした。調査は16年1月に新潟市民病院(新潟市)の研修医が過労自殺したことなどを受け、院長と研修医を除く92人を対象に行った。労使協定(三六協定)で月最大80時間の残業時間を定めているが、最長156時間を記録した外科医もいたという。

 同センターは「早急に対応の必要がある」と判断、昨年8月に面談などを通して医師の健康状態を調べたところ、全ての医師が「体力、気力ともに健全だった」としている。宮下院長は「医師の事務作業を代行することで負担軽減に努めている」と説明した。



https://www.m3.com/news/general/589408
専門医研修が3割減 県内希望 前年度比 外科と整形は1人 
2018年3月2日 (金)配信上毛新聞

 若手医師に分野ごとの知識や技術を身に付けてもらう専門医養成制度で、4月から 群馬県内で研修を希望する医師が 前年度より約3割少ない71人にとどまることが分かった。外科や整形外科はわずか1人で、県は1日の県議会本会議で「将来の 医療提供に支障を及ぼしかねない深刻な問題」と言及。医師が定着しやすい環境の整備に力を入れる。

 日本専門医機構(東京)が公表した第1次の研修先登録結果(昨年12月時点)によると、県内で研修を受ける予定の医師は内科23人、救急科5人、小児科4人、産婦人科2人―などだった。外科が1人しかいない都道府県は他に山梨、高知だけ。同じ北関東の栃木12人、茨城11人と比べると、少なさが際立っている。

 専門医の減少は、各病院で実施できる手術数の減少など医療サービスの低下につながる恐れがある。県は2月、専門医を目指す医師を対象にアンケートを実施。志望先を決めた動機を分析し、対策に生かす。若手への助成制度も充実させ、定着しやすい環境を整える考えだ。

 専門医養成制度を巡っては、指導体制が整った都市部の病院に医師が流出するとの指摘がある。県医師確保対策室は「実際に県外へ出てしまう医師がいるかは現時点では分からない」とし、今後、機構から開示されるデータを精査する。

 患者団体でつくる県難病団体連絡協議会の水沼文男会長(63)は、現状でも地方と都市の医療格差を感じることがあるとし「患者が安心できるよう、医師が『群馬にいたい』と思える政策に力を入れてほしい」と要望する。

 4月に始まる同制度は初期臨床研修を終えた若手医師が対象で、希望する診療科と研修先の医療機関を選ぶ。専門医はこれまで各学会が独自に認定していたが、基準が異なり領域も細分化していた。新制度では第三者機関の日本専門医機構が学会の養成プログラムをチェックし専門医を認定する。



https://www.m3.com/news/general/589373
医師残業、最大178時間 名古屋の病院に是正勧告 
その他 2018年3月2日 (金)配信共同通信社

 名古屋市立東部医療センター(同市千種区)が、時間外労働(残業)に関する労使協定(三六協定)の上限を超えて医師を働かせていたとして、名古屋東労働基準監督署から是正勧告を受けていたことが2日、分かった。月150時間の上限に対し、最大で178時間に上っていた。勧告は昨年11月30日付。

 同センターは、一般の救急医療機関では対応できない患者に対し、24時間体制で高度な医療を提供する愛知県の救命救急センター。

 センター管理課によると、昨年4~9月に上限を超えて勤務した医師が4人いたことから、是正勧告を受けた。いずれも外科などに所属する若手医師。

 勧告を受け、外科や整形外科など残業時間が多い診療科に対し、特定の医師に業務が偏らないようにするなどの改善を求めた結果、今年1月には上限を超える医師がいなくなったという。2月からは当直明けの勤務も見直したとしている。

 杉原忠司(すぎはら・ちゅうじ)管理課長は「医師の欠員が続いているので、引き続き確保に努めるとともに労働環境の改善に努めたい。(過労死ラインとされる月100時間を超える)150時間の上限も、今後の状況を見た上で、見直せるか検討したい」と話している。



  1. 2018/03/04(日) 10:37:28|
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Google Newsでみる医師不足 2018年3月2日

Google Newsでみる医師不足 2018年3月2日
Google (日本語) での検索件数 _ _ _ キーワード 医師不足 過去一か月のニュース 12,100
Google (English) での検索件数 _ _ _ Key word: Doctor shortage, past month 17,600
First 5 in Google in English 


Doctor shortage puts pressure on Okanagan walk-in clinics
Globalnews.ca‎ - March1, 2018 8:57 pm カナダ ブリティッシュコロンビア州

Waits of two to three hours have become all too familiar at Okanagan walk-in clinics but fears are growing the situation will get worse before it gets better.
“We are definitely short of family doctors, there's no question and it's going to get worse over the next few years,” Dr. Michael Koss, leading physician with the Central Okanagan Division of Family Practice, said.
A 2014 survey done by the Central Okanagan Division of Family Practice showed that 38 per cent of family doctors were set to retire in the course of nine years.


Team Approach May Help Curb Nationwide Doctor Shortage
NBC 5 Dallas-Fort Worth‎ - 5:16 AM CST on Feb 27, 2018 米国 テキサス州

Need to see a doctor? Take a seat. It could be a while: 29 days on average for a new patient to see a family-medicine physician compared with 19 and a half days in 2014.
Part of the problem is a shortage of primary care physicians in the United States compared to other developed nations.
Patients are feeling the crunch "both in terms of the wait time to see a doctor, the wait time in the waiting room and then sometimes feeling like the doctor is distracted and over worked in the office,” said Lauren Friedman, Consumer Reports Health Editor.


SHS Doctor Shortage Leads To Longer Appointment Wait Times
The Student Life‎ - March 2, 2018, 3:12 a.m. 米国 カリフォルニア州

Student Health Services currently has just two physicians on staff and no director, leading to longer appointment wait times for some students.
In March 2017, former director Dr. Jenny Ho left SHS to pursue other professional opportunities. Another staff physician, Dr. Nayan Shah, replaced her in fall 2017, but he has also since left, according to Denise Hayes, The Claremont Colleges' vice president for student affairs.
When Jessica Hjelle SC '21 went to SHS earlier this semester to check on issues with her lungs, she ended up staying for more than two hours while waiting for a doctor.


Uni strives to meet doctor shortage crisis
Bangkok Post‎ - 1 Mar 2018 at 07:25 タイ

King Mongkut's Institute of Technology University Ladkrabang (KMITL) has established a faculty of medicine to help Thailand keep up with a demand for doctors as the country becomes an ageing society.
The faculty is set to accept its first batch of 50 students from March 5 to March 26. Its six-year Bachelor's programme will be taught completely in English.
Sirindhorn Hospital and Ladkrabang Hospital will be the main sites of clinical practice for its students.
KMITL president Suchatvee Suwansawat said the demand for doctors and medical professionals in Thailand is likely to increase as the percentage of the Thai population aged 65 years or older increased to 11% in 2017 and more than a quarter of the population is expected to fall into this age group by 2040.


BC doctors seeking a better work-life balance, and that could be hurting care: Vancoucer MD
Globalnews.ca‎ February 28, 2018 7:27 pm カナダ ブリティッシュコロンビア州

McConville said the problem isn't technically a “doctor shortage,” arguing that there has actually been an increased supply of doctors in the medical system in recent years.
The problem, McConville argued, is that those doctors are increasingly unwilling to work grueling hours, and are cutting back on shifts as they seek a better work-life balance.
“So that potentially reduces the availability in terms of the total hours of physician man-time or woman-time available,” McConville said.


(他に10位以内のニュースは、米国 (ウィスコンシン州、メリーランド州、ニューヨーク州、ジョージア州)、インド、からも)


  1. 2018/03/03(土) 09:01:54|
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