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Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

2月25日 

https://www.kochinews.co.jp/article/161481/
高知医療センターで違法残業 医師不足で月250時間超 
2018.02.19 08:00 高知新聞

 高知医療センター(高知市池)の心臓血管外科の医師2人が2016年度、労使協定で定められた上限を超え、月250時間を上回る残業をしたとして、高知医療センターを運営する高知県・高知市病院企業団が昨年3月、高知労働基準監督署から是正勧告を受けていたことが分かった。企業団は「過重労働は医師の健康を害することにつながる。負担軽減に努める」とするが、背景には医師不足や診療科ごとで医師が偏在している現状があるとしている。



https://www.nikkei.com/article/DGXMZO27075050Z10C18A2AC1000/
医師が月268時間残業 高知の病院に是正勧告  
2018/2/19 11:05 日本経済新聞 中国・四国 社会

 高知医療センター(高知市)の男性医師2人が2016年度、労使協定(三六協定)の上限である月250時間を超えて最長で月268時間残業したとして、運営する高知県・高知市病院企業団が、高知労働基準監督署から是正勧告を受けていたことが19日、企業団への取材で分かった。

 企業団によると、医師2人は心臓血管外科に所属。労使協定では特別な事情がある場合、医師は月250時間までの残業を年6回まで可能と規定。昨年2月の労基署の調査で、医師2人が16年度に計4回、上限を上回っていたことが判明した。過労死で労災認定される目安「過労死ライン」は月100時間の残業とされる。

 是正勧告は昨年3月7日付。企業団の古味勉企業長は「医師不足に加え、心臓血管外科は特に専門的な技術を要し、交代勤務や複数の主治医を置くといった対策を取ることが難しい」と説明。「当直明けはできるだけ早く帰宅するよう呼び掛けるなど改善に努めたい」としている。〔共同〕



http://www.sankei.com/life/news/180219/lif1802190006-n1.html
医師偏在解消へ認定制度 「医師少数区域」の勤務推奨 院長になる評価基準に 都道府県知事の権限も強化 
2018.2.19 07:00 産経新聞

 政府が今国会に提出予定の医療法と医師法の改正案の全容が18日、分かった。医師が少ない地域で勤務した医師を厚生労働相が認定し、認定を受けた医師を病院経営の責任を担う管理者(院長など)になる際の評価基準にする認定制度の創設などが柱。医師の少ない地域での勤務を促し、地域間で医師の人数に差がある「偏在」を解消する狙い。医師偏在の度合いを示す指標を導入し、医師の配置調整にも乗り出す方針だ。

 認定制度は、医師不足が問題となっている地域医療を支えるため、こうした地域で勤務する医師に、インセンティブ(動機付け)を与える仕組み。医師不足地域で勤務した医師自身が認定申請し、厚労相が認定証明書を交付する。認定する際の勤務期間は今後検討する。平成32年4月1日の施行を目指している。

 医師偏在に関する指標はこれまで、一般的に「人口10万人対医師数」が用いられているが、医療ニーズや将来の人口動態などは考慮しておらず、医師偏在対策の「モノサシ」になっていないとの指摘がある。このため、新たに導入する指標では将来の人口動態を踏まえた上で、医療ニーズに基づき、地域や診療科ごとに医師が多いか少ないかを客観的に把握できるようにする。

 都道府県の権限を強化するのも柱の一つ。各都道府県は医師偏在に関する新たな指標を踏まえ、医師の確保対策や目標を明記した「医師確保計画」を策定し、3年単位で見直す。都道府県内の「医師少数区域」と「医師多数区域」を指定し、多数区域から少数区域に医師が配置されるように調整する。

 このほか、都道府県知事が大学の医学部に対し、定員の一部に地域枠や地元出身入学者枠を設けたり、その枠を拡充したりするよう要請できる権限を与える。厚労省の調査によると、大学医学部の入学者のうち地元出身者が卒業後も、その都道府県に定着する割合は約8割に上っており、こうした傾向を踏まえた対策だ。都道府県の権限強化は31年4月1日の施行を予定している。
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http://www.yomiuri.co.jp/local/kagoshima/news/20180221-OYTNT50192.html
医師4割過労死ライン 鹿児島市立病院 
2018年02月22日 読売新聞 鹿児島

 鹿児島市立病院で、2014~16年度に在籍した常勤医師延べ192人(管理職を除く)のうち、約4割が「過労死ライン」とされる長時間の時間外労働をしていたことがわかった。一部では労使協定を上回る違法残業も判明。医師の長時間労働が全国的な問題となる中、労働環境の改善が求められそうだ。

 読売新聞が、同病院に在籍する医師の勤務状況などを情報公開請求した。

 開示資料によると、14~16年度に延べ190人が時間外労働をしており、75人が過労死ラインを超えていた。内訳は救急科が15人で最も多く、形成外科6人、消化器外科5人と続いた。多くは月80時間以上の残業が連続し、長時間勤務が常態化している実態が浮き彫りになった。

 また、年間1000時間以上の残業は救急科に10人、泌尿器科に5人、形成外科に3人など計28人。救急科には年間1926時間に上る残業をしていた医師もおり、14年度は月131~203時間に上った。人員不足で業務が集中したことなどが原因という。

 同病院によると、労働基準法36条に基づいて労使が結ぶ「36(サブロク)協定」では、医師の残業時間の上限を「月45時間、年360時間」に設定。15年度からは、繁忙期に限り「月150時間、年1150時間」に延長できるとする特別条項を付けた。しかし、15、16年度は、11人がこの基準を上回る違法状態となっていた。

 医師の長時間労働を巡っては、新潟市民病院(新潟市)の研修医が16年1月に自殺し、労災認定されたことが明らかになるなど、各地で問題化。厚生労働省は昨年8月、有識者による検討会を設置し、医師の業務を他職種に移管しての負担軽減などを議論している。

 鹿児島市立病院では、医師の長時間勤務について、所属長が面談して上層部に報告書を提出するよう求めたり、産業医との面談を勧めたりしている。

 同病院総務課は「2015年の病院移転に伴い、関連業務が増えたことも要因に挙げられる」と説明。その上で「全国的な医師不足の中、医師確保のためにあらゆる手を尽くし、救急医は以前よりも人員を増やした。今後も国の動向を見守りながら対応したい」としている。



https://www.hokkaido-np.co.jp/article/167011
滝川市立病院、小児科診療を縮小 4月から 救急・入院常勤医減で 
02/24 11:07 北海道新聞

 【滝川】市立病院は23日、小児科の夜間・休日の専門医による救急外来診療と入院患者の受け入れを4月から縮小することを明らかにした。派遣元の札幌医科大の医師不足などで常勤医が減り、現行の診療体制が維持できなくなった。救急外来は小児科医以外の当直医による診察を続けるが、専門的な診療や入院が必要な場合は他医療機関を紹介する。

 市議会厚生委員会で報告した。説明によると、小児科は現在、札医大から派遣された常勤医2人と、市立病院が雇用する嘱託医1人の計3人体制。このうち常勤医1人が3月末に転出、もう1人の常勤医も7月末に退職することになった。

 市立病院は札医大に医師の派遣を求めたが、医局員が不足している上、滝川に近い砂川市立病院に既に派遣しているため、滝川市立病院への後任の派遣は困難と回答した。



http://www.medwatch.jp/?p=18936
勤務医の時間外労働上限、病院経営や地域医療確保とのバランスも考慮―医師働き方改革検討会 第7回(2) 
2018年2月20日|医療計画・地域医療構想 MedWatch

 医師の働き方改革を進めるためには、医師の勤務実態の正確な把握をした上で、タスク・シフティング(業務の他職種への移管)やタスク・シェアリング(業務の共同)、女性医師支援などを行う必要があり、勤務医の特性も考慮した時間外労働の上限を設定する必要がある。その際、「医療機関の経営」や「地域医療の確保」「国民の理解」などを総合的に検討しなければならない―。

 厚生労働省の「医師の働き方改革に関する検討会」(以下、検討会)は2月16日、こうした内容を盛り込んだ「中間的な論点整理」(以下、中間まとめ)を行いました。

 検討会では今秋(2018年秋)ごろまでに、より具体的な議論を本格化させ、来年(2019年)3月を目途に最終報告書をまとめる予定です。なお、円滑な議論に向けて労働時間上限などに関する「医療界案」が近く提示される見込みです。

ここがポイント!
1 宿日直許可の現行基準、実態に合っておらず見直すべきか
2 タスク・シェア等進めるために、病院の集約化を検討すべきか
3 労働時間上限、病院経営や地域医療の確保とも密接に関連
4 円滑な議論に向け「医療界案」の提示を日医の今村構成員が宣言

宿日直許可の現行基準、実態に合っておらず見直すべきか

 お伝えしているように検討会では、医師への「罰則付きの時間外労働の上限規制」の適用の在り方や、そもそもの「医師の働き方改革」などに関する議論を行っています。今般、これまでの議論を整理し、具体的議論の素材となる中間まとめを行いました。

 まず「医師の働き方改革」に関連の深い論点を見てみましょう。

 中間まとめでは、まず、我が国の医療が「一人ひとりの医師の崇高な理念(極めて長時間の労働を行うという、いわば自己犠牲)により支えられてきた」ことを確認した上で、「我が国の保健医療が、医療従事者の負担と倫理観に過度に依存したシステムであってはならない」と強調。医師の働き方改革を早急に進めることが必要と宣言しています。

 こうした基本認識に立って、(1)医師の勤務実態(2)勤務改善の環境―について現状と今後の方向性を示しています。

 前者の(1)勤務実態については、▼社会情勢、働き方、テクノロジーが変化してきている中、応召義務の在り方をどう考えるか▼自己研鑽には「一般診療における新たな知識習得のための学習」「学位取得するための研究や論文作成」「専門医取得するための症例研究や論文作成」などさまざまあるが、労働時間該当性をどう考えるか▼宿日直許可の基準について、実態などを踏まえてどう考えるか―といった点が今後の重要論点になります。

 このうち自己研鑽については、「医師は患者に対して質の高い医療を提供するために、使用者の指示とは関係なく自己研鑽に努める倫理観を強く持っており、労働に該当するかどうかの切り分けが困難である」「労働ではなくあくまで『自己研鑽』である」との意見が出ており、最終報告書に向けた議論が白熱すると予想されます。

 また宿日直については、現在▼夜間業務が、少数の要注意患者の定時検脈のような「軽度または短時間の業務」のみにとどまる▼夜間に十分睡眠をとり得る―といった場合には労働時間に含めないという基準が設定されています。しかし、医療現場での宿日直の実態をみれば、こうした基準に合致するケースは少なく、規定通りに考えれば「宿日直であっても労働時間に含まれる」ことになってしまいます。このため岡留健一郎構成員(福岡県済生会福岡総合病院名誉院長、日本病院会副会長)は、「現状に合っていない基準の方を見直すべき」と強く求めています。

 一方、福島通子構成員(塩原公認会計士事務所特定社会保険労務士)は、「現行基準は医師の健康管理に資するもので、変えるべきではない」と主張。ただし「宿日直時間のうち休憩時間などを労働時間から除外する運用を行ってはどうか」といった旨の提案も行っています。もっとも「宿日直のうち、どの程度の休憩時間があるのか」というデータはなく、厚労省が現在行っている「タイムスタディ調査」で把握できるのか、結果発表が待たれます。
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厚労省は、当直時の休憩時間などの実態を把握するため、病院勤務医のタイムスタディ調査を実施している

 なお、自己研鑽に関連して、「大学病院を一般病院と同列に考えるべきか」という問題意識を持つ構成員が少なくないことも分かりました。大学病院は、「治療」のほかに「教育」「研究」の役割も担っており、こうした点を考慮すべきか、どうかという点です。

 山本修一構成員(千葉大学医学部附属病院病院長)や猪俣武範構成員(順天堂大学付属病院医師)ら大学病院関係者だけでなく、裵英洙構成員(ハイズ株式会社代表取締役社長)ら多くの構成員が「大学病院では教育や研究を行っており、ガバナンスの仕方も違う。医師一律に働き方改革を検討するではなく、特性に応じた働き方改革の検討を行うべきではないか」との見解を示しています。もっとも、これを敷衍していけば「救急医療の基幹となっている病院」「臨床研修医や専門医を目指す専攻医を多く抱える病院」なども、重要な役割・特性を担っており、どこまで「機能や特性を考慮すべき」なのか、難しい論点となりそうです。

タスク・シェア等進めるために、病院の集約化を検討すべきか

 後者の(2)勤務環境の改善については、▼健康管理の充実▼タスク・シフティング(業務の他職種への移管)▼タスク・シェアリング(業務の医師間での共同)▼女性医師の支援▼ICT活用▼都道府県に設置された医療勤務環境改善支援センターの改善―などが、論点に挙げられています。

 このうちタスク・シフティングについては、あわせて固められた「緊急的な取り組み」にも盛り込まれており、継続した「業務移管」が重要であることが分かります(関連記事はこちら)。この方向に異を唱える構成員はいませんが、森本正宏構成員(全日本自治団体労働組合総合労働局長)は「業務を移管される側の医療関係者への影響も大きく、その意見も十分に踏まえるべき」と注文を付けています。

 またタスク・シェアリングについては、「同一医療機関内での複数主治医制やシフト制の導入」「地域の複数の医療機関による時間外対応の体制整備」などが例示されました。後者は地域医療ネットワーク構築ともいうべきもので、地域によっては相当程度進められており、さらに2018年度の診療報酬改定では在宅医療分野でも評価されることになっています(関連記事はこちら)。

 一方、前者の複数主治医制などを導入するには「医師の確保」が個別医療機関に求められ、解決しなければならない課題がいくつもあります。例えば、地方では医師不足・偏在が指摘されており、鶴田憲一構成員(全国衛生部長会会長)は「大学が医師確保のために、地方に派遣した医師を引き上げれば、地方の医療が疲弊するは明らか」と述べ、全国ベースでの検討が必要となりそうです。

さらに、山本構成員は、「各診療科に1、2人の医師がいるだけという小規模病院では医師が疲弊し、十分な医療提供は行えない。公的病院に限定してもよいが、集約化を検討すべきである」と訴えました。

 この点、病院の集約化、つまり再編・統合を行えば、医師1人当たりの業務負担は減少します。また、米国メイヨ―クリニックとグローバルヘルスコンサルティング・ジャパンとの共同研究では「「症例数の集約化が、医療の質の向上につながる」ことが明らかになっており、近い将来、各地で検討しなければならない重要テーマの1つとなります。

 ただし、病院の集約化には、地域住民が「医療へのアクセスが阻害される」と感じてしまうこともあり、地域住民の理解を得ながら慎重に進める必要があります。この点について戎初代構成員(東京ベイ・浦安市川医療センター集中ケア認定看護師)は、「自分(地域住民)が重症化した場合に、交通機関を利用してどの程度の時間内に一定の医療機関に運んでもらえるのか」が分かるようなツールがあれば、集約化への理解は得やすいのではないかと提案しています。

労働時間上限、病院経営や地域医療の確保とも密接に関連

 次に、検討会に課せられた重要ミッションである「医師の時間外労働の上限規制」について、中間まとめの内容を見てみましょう。

 検討会では、労働時間上限が「医師の生命・健康を守る」ことから導かれる点に鑑みて、「脳・心臓疾患の労災認定基準である【月100時間・2-6か月の各月平均で80時間】を超える上限設定は好ましくないとの指摘が一方であります。工藤豊構成員(保健医療福祉労働組合協議会事務局次長)は、「医療安全確保のためにも、スタッフが疲弊してしまうような緩やかな上限を設けるべきではない」旨を述べ、この点を改めて強調しています。

 他方、医療提供の現状(例えば、救急医療や時間外診療、緊急手術など)を考慮すれば、「現状と著しく乖離した労働時間の上限規制を設ければ、病院経営・地域医療が確保できなくなってしまう」という問題点もあります。例えば「厳しい上限規制の下でも、十分な救急医療を提供しなければならない」と考えれば、シフトを組むための医師を確保しなければならず、人件費増で病院経営は窮地に立たされるでしょう。逆に「上限規制を守り、病院経営を確保しよう」と考えれば、「救急医療提供を控える」という選択をせざるを得ず、地域医療の確保が困難になるでしょう。

 さらに、ここで考えなければいけないのは「国民の意識改革」も必要であるという点です。救急医療で言えば「軽症であるにもかかわらず、救急車をタクシー代わりに利用する」というモラルハザードが指摘され、ここまでいかずとも「空いているので、日中の受診を控え、夜間や休日に受診する」患者も少なくないと指摘されます。

 中間まとめでは、▼病院経営を確保するために「財政的支援等」が必要である▼地域医療の実態、医療機関の役割や診療科等ごとの多様性を踏まえる必要がある▼行政や保険者も交えた国民の意識改革を進める必要がある―といった意見があることを紹介しています。

円滑な議論に向け「医療界案」の提示を日医の今村構成員が宣言

 このように、労働時間の上限設定や働き方改革を進めれば、非常に幅広い分野に影響が生じ、逆に言えば幅広い分野からのサポートが必要となり、論点それぞれが非常に重要なものです。このため今村聡構成員(日本医師会副会長)は、「医療界が自主的に組織をつくり、まず、そこで上限などの具体案を作成して提案したい。残り少ない時間(2019年3月までの1年強)を考えれば、それをベースに検討会で議論してはどうか」と提案。厚労省医政局総務課の榎本健太郎課長は「中間まとめには、時間をかけて議論すべき論点と、速やかに整理しなければならない論点とが含まれている。これらを厚労省で整理して、他の検討会も含めて議論してもらう。今村構成員の自主的な取り組みは、検討を前に進めることができ、非常にありがたい」とコメントしています。

 近く、具体的な上限時間などの「医療界案」と言うべきものが提示されることなり、その内容に注目が集まります。



https://www.gifu-np.co.jp/news/kennai/20180222/201802220907_31622.shtml
東濃2病院、統合協議 病床稼働率改善へ 
2018年02月22日09:07岐阜新聞

◆東濃厚生と土岐市立総合

 岐阜県土岐市、瑞浪市、JA岐阜厚生連(岐阜市)でつくる東濃中部の医療提供体制検討会は21日、東濃厚生病院(瑞浪市)と土岐市立総合病院について、「一病院化(統合)が最も適当」とする結論を出した。統合の時期は未定で、今後、市や病院の担当者が具体的な協議を重ねていく。

 両市は土岐医師会の下、一つの医療地域を構成。両病院の病床数は計620床だが、全国的な医師不足の影響で、病床稼働率が全国と県の平均を下回り、過剰病床となるなど課題を抱えている。

 昨年7月、東濃厚生病院を運営するJA岐阜厚生連から「医療提供体制の在り方について検討したい」と両市に申し入れがあり、同9月に検討会を設置。両市の副市長や担当部長らが両病院の医療体制について中長期的な視点で検討してきた。

 第3回会合までに「一病院化」や「二病院での連携」などの方向性が出され、今月8日に土岐市で開かれた第4回会合では、大学医局や土岐医師会に意見を聴取。土岐、瑞浪市には今後の人口減少も含めて約400床程度の病床が必要で、病床整理の方向性として「一病院化が最も適当」と判断した。また、統合までの間、両病院が協力し、急性期や回復期の患者を分ける病床機能分担を図ることも決めた。

 加藤靖也土岐市長は「検討結果を尊重し着実に進めていきたい」、水野光二瑞浪市長は「市民や議会に丁寧に説明し、理解を求めていく」とコメントした。



http://www.chunichi.co.jp/article/mie/20180221/CK2018022102000009.html
松阪市民病院、民間病院との統合検討 市長「議論したい」 
2018年2月21日 中日新聞 三重

 高齢化に伴い、リハビリや在宅復帰を目指す回復期病床の不足が懸念される中、松阪市は市民病院と市内の民間病院との再編を検討している。市は済生会松阪総合病院との統合で、市民病院を回復期医療へ特化させることも視野に入れているが、二病院や市民の合意を得る段階にはなく、市は「議論を深めたい」としている。

 医療法改正に伴い、県は昨年三月、少子高齢化に備える地域医療構想をつくった。構想によると、二〇二五年に同市と多気郡、大紀町の一市四町の医療圏では、救命治療などの急性期病床が一六年より五百七十八床過剰となる一方、回復期が三百四床不足するという。

 急性期を減らして回復期を増やすため、市は昨年六月、市民病院や医師会、市民の代表らと検討会を設立。市民病院、済生会、松阪中央総合病院の医療分担のあり方を考えてきた。

 九月の第三回会合で済生会との統合案が提案された。十一月の第四回で、市は二病院からの聞き取り結果を報告。済生会は「市民病院との統合は選択肢の一つ。否定するものでない」と前向きで、中央総合は「まずは三病院の協議をしたい」と慎重だったという。

 その後、三院で協議が続いている。三院の意向も踏まえ、検討会は三月にも答申を出す。四町は検討会に参加していない。

 済生会は二〇年のオープンを目指し、四月から新病棟を建設する予定だった。取材に「市側から統合の話があった。市の決定によっては病棟の規模を変える必要があり、建設の一~二年延期を考えている」とした。一方、中央総合は「統合ありきではなく、三病院のそれぞれの役割を考えたい」としている。

 二十日の市議会本会議の代表質問では、議員から「統合ありきでは」との批判もあった。竹上真人市長は統合案は「可能性の一つ」とした上で「重要な問題なので、市民病院の現状や県の医療構想を市民に広く発信してしっかり議論したい」と述べるにとどまった。市は三月以降、市民病院の経営状態などについての住民説明会を開く。

 (作山哲平)



http://www.sankei.com/region/news/180223/rgn1802230057-n1.html
混迷深める神奈川県立がんセンター重粒子線治療騒動 医師退職発端、理事長反撃も 
2018.2.23 07:03 産経新聞

 県が約120億円を投じたがん専門病院「県立がんセンター」(横浜市旭区)に併設する世界初の重粒子線治療施設をめぐって、医師の退職が相次ぎ治療継続の危機が迫るなど混乱に陥った。医師確保にこぎつけて4月以降も治療継続が決まったものの、病院を運営する県立病院機構の土屋了介理事長を解任する方針を示した県に対して、土屋氏は「(解任は)違法だ」と主張するなど“泥仕合”の様相を呈している。背景を探った。(川上朝栄)

                   ◇

 県によると、県立がんセンターの放射線治療科に長年勤務していた1人の女性医師が昨夏、退職したことが問題の発端だった。

 ◆医師4人が追随

 重粒子線治療の施設基準を満たすためには、重粒子線治療について一定期間の研修経験を持つ「責任医師」と常勤医師ら2人以上が必要だが、土屋氏によると、女性医師は研修期間が3カ月間ながらも書類には2年間と記載。このことについて土屋氏は「虚偽記載」と認定し、女性医師に対して1年間の派遣研修を命じた。

 一方、女性医師は「県立がんセンターでの勤務実績も認められる」と主張し、虚偽認定を真っ向から否定。派遣後の待遇などにも不満を抱いた末に退職した。女性医師に師事していた複数の医師も「自分たちが同じ目に遭うかもしれない」と動揺が広がり、同科の医師6人のうち4人が今年1月末までに退職する意向を示したという。

 そのままでは2月以降の診療継続は不可能となることから、黒岩祐治知事は昨年12月の記者会見で「本当に由々しき事態」として、収束に向け、医師確保に奔走するとともに、調査委員会を立ち上げた。

 ◆「違反追認」と主張

 県は1月24日に一連の騒動を「(機構と病院の)コミュニケーション不足」とする調査結果をまとめ、幕引きを図ったが、ここから土屋氏の激しい“反撃”が始まった。

 「事実をねじ曲げている」。土屋氏は2月2日に弁護士を引き連れて反論会見を開き、語気を荒げた。機構と病院との間で意見の相違があったとする調査結果に反論。「女性医師は公的資格を詐称していた」として、調査結果は「違反を追認したものだ」と非難を浴びせた。

 さらに「(機構は独立行政法人であり)法令違反がない限り、県の指導監督権がない」(弁護士)として、調査そのものにも疑問を呈し、さらに中島正信副知事らから辞職を促されたとまで言及した。

 ◆緊急声明を提出

 “土屋氏解任”に向け、事態が一気に動き出したのは5日のことだった。この日、土屋氏が突然、病院長更迭の人事を発表すると、機構の副理事長らが、「反論会見や病院長更迭は土屋氏が独断で行った」として、黒岩知事に「理事長解任を求める緊急声明」を提出。知事が土屋氏と面会し、「引き続き病院長として医師確保を継続させること」などを要請したが、土屋氏は「知事の要請は違法だ」と拒否。知事は解任の手続きを進めることを決断したという。

 知事は「県民の命を置き去りにした争いになっている」と指摘した上で、「任命責任があり、県民に深くおわびする」と述べた。がん患者らに救いの“光”をもたらすはずだった重粒子線施設だが、騒動勃発後、転院を余儀なくされたがん患者もでている。

 4月以降は群馬大から常勤医師3人が派遣されることが決まり、治療継続の見通しは立ったものの、解任手続きに向けて県が22日に行った聴聞の後に取材に応じた土屋氏は「法的措置も辞さない」とするなど強気の姿勢を示す。

 施設の今後について、不安要素は拭い切れていないのが現状だ。

                   ◇

【用語解説】重粒子線治療

 ピンポイントで炭素イオンをがんの病巣に照射することで、がんを切らずに治すことができる。治療可能な施設は平成27年12月に治療を開始した県立がんセンターを含め、国内5カ所。



https://news.nifty.com/article/item/neta/12111-41516/
聖路加病院、賃金未払い発覚でボーナス遅配…労基署、「聖域」病院の長時間労働を一斉摘発 
2018年02月19日 00時00分 ビジネスジャーナル

 昨年12月に発表された「2017年ブラック企業大賞」の「大賞」は引越社だったが、「業界賞」は意外な“企業”の受賞となった。

 それは新潟市民病院だ。受賞理由は以下の通り。

「貴院は2016年1月、当時37歳だった研修医を過労自殺に追いやりました。研修医が亡くなる前の残業時間は月平均で過労死ラインの二倍に相当する187時間、最大で251時間に及び、これは本年のノミネート企業中最多です(以下略)」

 新潟市民病院は1973年に設立され、「人間性豊かな医療人の育成をめざします」「患者さんに信頼される、ぬくもりのある医療をめざします」とうたう、市民のための公立総合病院である。この病院で後期研修中だった研修医の木元文さんは2016年1月24日夜、自宅近くの公園でアルコールとともに睡眠薬を飲み、低体温症で死亡した。

 電通の高橋まつりさんの自殺からちょうど2カ月後のことだった。自殺前、家族に「人に会いたくない」「病院に行きたくない」「気力がない」などと語っており、警察により自殺と断定された。遺族は6月、自殺は長時間労働による過労が原因として新潟労働基準監督署に労災を申請。17年3月、労災と認定された。

 申請から認定まで9カ月半を要したのは、木元さんの労働時間の把握に時間がかかったためだ。同病院は残業時間を最大で月80時間以内とする「36協定」を結んでいたが、電子カルテの操作記録などを調べた結果、時間外労働時間は15年8月には最長251時間にも達し、同月を含め4カ月連続で200時間を超える過酷な労働の実態が明らかになった。

 新潟市民病院は、労使協定の上限を超える残業があったとして、09年にも新潟労働基準監督署から是正勧告を受けた札付きの“ブラック病院”だ。同病院は木元さんの自殺後、新たに労使協定を改定したが、改訂内容はこれまで最大月80時間だった残業時間を、最大月100時間まで残業できるように逆に上限を引き上げた。事実上の“是正拒否”で、遺族感情を逆なでするものだった。

●ずさんだった医師の勤務時間管理を改革

 昨年3月、政府は電通過労自殺事件を受けて、「働き方改革実行計画」を発表。労使が合意した場合でも、特例として時間外労働は月100時間、年間720時間とする上限付き罰則規定を労基法改正案に盛り込んだが、医師については5年間、その適用が猶予されている。医師不足のなかで、時間外労働に歯止めをかけると医療が成り立たなくなるからだ。

 政府の「働き方改革実行計画」の発表を受けて、日本医師会の横倉義武会長も定例記者会見で「医師の雇用を労働基準法で規律することが妥当なのか。勤務時間の規制に抵触しようと、目の前の患者さんを救ってほしいというのが多くの国民と医療者の思いだ。新たに厚労省に設置される検討会でも、日医が議論をリードしていきたい」と述べた。

 実際に弊害も出ている。聖路加国際病院が昨年6月から、勤務医の長時間労働を抑制するため、土曜日の外来診療科目を34から14に減らした。15年6月に東京・中央労基署の立ち入り調査を受け、勤務医の残業時間が月平均95時間に達しており、夜間や休日の時間外割増賃金も未払いだったとして是正勧告を受けたためだ。

 同病院は過去2年間にさかのぼり、総額十数億円の未払い賃金を医師らに支払ったが、それが病院経営を直撃した。夏のボーナス支給が初めて遅配になったのである。土曜日の外来縮小も是正勧告に従うためで、病院関係者の間に激震が走ったとされる。ジャーナリストの溝上憲文氏は次のように語る。

「いま政府は働き方改革で、36協定を結んでいても、残業時間に罰則付きで上限を設けようとしています。しかし、医師は患者の診療を断れないという『応召義務』があることから、医師に限ってはその改正の適用を5年間猶予することになっています。聖路加は是正勧告で未払いの割増賃金を一気に払わされて、それが経営に大きなダメージを与えた。

 大学病院や大きな総合病院は労働時間管理がずさん。もともとそういう組織的な体質が前提にある。だから、病院は労基署がやろうと思えばいつでも摘発できる存在だったのです。最近、大きな病院に労基署が入り、是正勧告が相次いで出されているのは、これまで敢えて臨検や立ち入り調査をしてこなかった病院を、これ以上放っておけなくなったからです。

 その背景にあるのは、医師が高年収だということです。これまで、たとえば外資系の社員などの場合、管理職でなくても、年収1500万円以上とかなら、長時間労働を労基署は見逃してきた。裁量権があるのでつつかないという暗黙の容認があった。それが、許されなくなった。昨年7月に最高裁の判決が出たからです。

 この最高裁の判決の影響が大きかったですね。今までは労基署も“なあなあ”で認めていた高年収の医師の長時間労働に関して、未払い残業代も含めて的確に調べるべきだと、それが行政側にも浸透して、徹底的に調査するようになった。結果的に多くの病院が労基署の是正勧告を受けているのでしょう」

 その判決とは、神奈川県内の民間病院に勤務していた40代の男性医師が、未払いの時間外手当の支払いなどを求めた訴訟で、最高裁第2小法廷(小貫芳信裁判長)が昨年7月7日、時間外手当は年俸1700万円に含まれるとした一審、二審判決を破棄し、東京高裁に差し戻した判決のことを指す。

 最高裁は「雇用契約では時間外手当を1700万円の年俸に含むとの合意があった」と認めながら、同時に「どの部分が時間外手当に当たるかが明らかになっておらず、時間外手当が支払われたとはいえない」と判断したのである。

●置き去りにされる医師の長時間労働

 下の表は、昨年1年間に労基署が調査に入り、是正勧告や改善指導が出された病院の一覧だ。36協定を結ばずに長時間労働させていた病院、36協定を結んだ上で特例として長時間残業を定めていた病院などまちまち。是正勧告の内容も、長時間労働だけでなく、未払いの残業代の支払いにまで及んでいることが見て取れる。

 厚生労働省も労基署を動かして取り締まるだけでなく、都道府県を通じた問題解決にも動き出している。

「報道等でさまざまな医療機関に労基署が入って、是正勧告や改善指導が行われているのは確かです。医師が特に他の業種と比べても時間外の長時間労働をしているという実体はすでにデータとしてあるので、たとえばこの上限が5年後に医師にも適用されたとき、今から対応しておかないと、医療機関はいきなり違法状態になってしまいます。そういうわけにはいかないので、昨年7月、都道府県に設置されている医療勤務環境改善支援センターに、問題のある病院に積極的に関与して、長時間労働の是正等、勤務環境の改善をお願いしたところです」(厚労省医政局医療経営支援課)

 同時に、厚労省内に「医師の働き方改革に関する検討会」を立ち上げ、18年度末までに結論を出すことになっている。検討会はこれまでに6回開催されており、医師の出退勤時間の客観的な把握、タスク・シフティング(業務移管)など、論点となるおおまかな骨子案がようやくまとまったところだ。

 働き方改革関連法案は秋の臨時国会に提出され、早ければ19年春から施行される。医師は施行後5年間適用を猶予されるが、運送業と建設業も業界団体からの強い要望により5年間猶予されることが決まっている。猶予と言えば聞こえはいいが、要は置き去りということである。
(文=兜森衛)



https://www.m3.com/news/general/587893
医師の残業代支払い命じる 年俸に含まず、500万円 
その他 2018年2月23日 (金)配信共同通信社

 年俸制で働いていた医師の男性が、残業代に未払いがあるとして、病院を運営する神奈川県内の法人に計725万円の支払いを求めた訴訟の差し戻し控訴審判決で、東京高裁は22日、制裁に当たる「付加金」を含め、計546万円の支払いを法人に命じた。

 一、二審は医師の職業上の特性から「年俸に残業代を含む」としていたが、最高裁が昨年7月、「時間外賃金は、通常の賃金と明確に区別できなければならず、含まない」と判断し、審理を高裁に差し戻していた。

 高裁の白石史子(しらいし・あやこ)裁判長は最高裁判決を踏まえ、年俸に残業代は含まれていないと指摘。未払い分を273万円と算定した。病院側は「男性の労働時間を知る余地がなく、悪質とは言えない」と主張したが、判決は「労働時間を管理していないのは病院側の事情にすぎない」と退け、付加金支払いも命じた。

 判決によると、男性は2012年4月、病院側と年俸1700万円の雇用契約を結び、午後5時半~9時に残業をしても賃金は年俸に含むとする合意を結んでいた。



  1. 2018/02/25(日) 11:30:59|
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2月18日 

http://www.sankei.com/life/news/180217/lif1802170027-n1.html
埼玉・草加市立病院 産科を9月に休止 医師不足で 
産経新聞2018.2.17 12:10

 埼玉県草加市は16日、同市立病院の産婦人科の医師数が昨年末時点で5人から3人に減ったことを受け、9月から同科を一時休止すると発表した。現在、在籍する3人のうちの2人が年齢や健康上の不安を抱えており、24時間365日の診療体制の維持が困難になったという。

 同病院によると、8月に同病院で分(ぶん)娩(べん)を予約している妊婦については9月以降同科が休止することを伝える。患者には外来診療で対応する。

 同病院は引き続き、同科の医師の確保を進めるとしている。



https://www.asahi.com/articles/ASL2J6F25L2JUTNB011.html
基準満たさず腹腔鏡手術69件 埼玉・草加市立病院 
米沢信義2018年2月17日00時12分 朝日新聞

 埼玉県草加市立病院は16日、国の基準を満たさないまま、子宮がんの腹腔鏡(ふくくうきょう)手術を5年間に計69件実施していたと発表した。腹腔鏡手術より金額の低い手術をしたことにして診療報酬を請求していたという。請求額は約1億円で、健保組合などの保険者への返還を検討している。

 病院によると、腹腔鏡手術は主に非常勤のベテラン医師が担当し、2012年度から昨年度までに計69件を手がけた。腹腔鏡手術の診療報酬を請求する際、国の基準は常勤の病理医を配置するよう求めているが、同病院は基準を満たしていなかった。

 診療報酬は、点数の低い開腹術をしたとして請求。患者には腹腔鏡手術を施したと説明し、開腹術分の手術代を請求していた。

 これまでに患者の急変などの事故はなく、患者に新たに負担を求めることもしないという。高元俊彦事業管理者は「診療報酬の請求について認識不足があった」と陳謝した。(米沢信義)



http://www.yomiuri.co.jp/national/20180216-OYT1T50116.html
基準満たさず腹腔鏡手術、開腹として不正請求も 
2018年02月17日 07時46分 読売新聞

 埼玉県の草加市立病院は16日、必要な基準を満たしていないにもかかわらず、子宮がんの腹腔ふくくう鏡手術を行い、開腹手術をしたとする不正請求をして診療報酬を受け取っていたと発表した。

 2012年度からの累計で不正請求は69件、受け取った診療報酬と患者側の支払い分は計約1億円という。

 問題があったのは、58人に対する子宮体がん手術と、11人に対する子宮頸けいがん手術。国の基準では、早期の子宮体がんの腹腔鏡手術は、経験豊富な常勤医が配置されている場合に限り保険適用が認められている。子宮頸がんの場合は保険適用外だ。

 発表によると、同病院は保険適用の条件を満たしておらず、非常勤の男性医師(48)がすべて担当していた。高元俊彦・病院事業管理者は、この医師に手術を許可した理由を「良性腫瘍の腹腔鏡手術の施術例が多数あり、高度な技術があると判断した」と説明。手術を受けた患者から術後の異常の訴えはないという。不正請求をしていた理由としては、「開腹手術として請求できると解釈していた。診療報酬請求について理解不足だった」と述べた。



http://www.saitama-np.co.jp/news/2018/02/17/03_.html
手術名変えて診療報酬請求、草加市立病院が発表 保険適用の基準満たさない腹腔鏡手術を開腹手術として請求 
2018年2月16日(金) 埼玉新聞

 草加市立病院は16日、産婦人科の子宮がんの腹腔(ふくくう)鏡手術69件について、保険適用に必要な国の基準を満たしていなかったため、開腹手術として診療報酬請求していたと発表した。病院は「開腹手術として請求して問題ないと判断していた。医療行為自体に問題はない」としている。

 病院によると、同院では2012年度から累計で子宮体がん58件、子宮頚(けい)がん11件を腹腔鏡で手術していた。子宮がんの腹腔鏡手術は、国の基準として、常勤の病理医の配置などが定められているが、同院では非常勤の医師が派遣されていたなど、保険を適用して腹腔鏡手術をする基準を満たしていなかった。そのため腹腔鏡手術ではなく、開腹手術として診療報酬を請求していた。

 昨年9月、退職する産婦人科の女性医師が診療報酬請求事務の問題を指摘。病院は手術を担当した別の医師から話を聞き、有識者らによる委員会で検討したところ、有識者から診療報酬請求上、問題があるとされた。

 同院は厚生労働省に請求ミスを申し出るとともに、昨年9月以降は腹腔鏡手術を中止している。

 高元俊彦病院事業管理者は「担当医師は開腹術として請求して問題ないと判断していた。医療行為自体に問題はないが、このようなことが見過ごされてきたことに責任を感じている」と話した。

 会見で同院は女性医師を含め2人の退職者が出るなど、産科診療の継続が困難となったため、9月から産科を一時休止することも明らかにした。



http://news.livedoor.com/article/detail/14309090/
医師少ない日本に世界一病院が多いという謎 
2018年2月16日 11時0分 東洋経済オンライン

日本の医療を支える仕組みで、最も特徴的といえるのが「国民皆保険制度」です。社会保険方式の1つで、簡単に言えば、すべての人から少しずつおカネ(保険料)を徴収して、その集めたおカネを、医療を必要としている人に再分配するという仕組みです。

「皆」という字からわかるように、原則として日本では望むと望まざるとにかかわらずこの制度が適用されます。たとえば、自家用車を運転するとき、事故を起こさないという自信があれば保険に入らないという選択ができますが、「自分は病気にかからないから病院のお世話になることはない!」と思っていたとしても、給与から保険料が差し引かれるのを止めることはできません。

日本では誰でも医療機関にかかることができる

この皆保険制度のお陰で、日本では「誰でも・どこでも・いつでも医療機関にかかることができる社会」を実現しています。

僕はかつて脳神経外科の医師として働いた経験を持っています。ここまで患者さんの負担を抑えながら医療の質の高さと、アクセスのしやすさを両立している仕組みを持っているのは、日本だけだと言っても過言ではないでしょう。しかし、医師になってしばらくして日本の医療が危機的な状況にあると知りました。

拙著『脳外科医からベンチャー経営者へ ぼくらの未来をつくる仕事』でも指摘していますが、日本の医療の問題点の1つが国民皆保険制度です。今後維持できないのではないかという懸念が至るところで叫ばれ、中には「すでに破綻している」という見方もあります。

日本の医療費、年間いくらかご存じですか?

厚生労働省の発表では2015年にはおよそ42兆円のおカネが医療に使われています。あまりに額が大きすぎてピンと来ないかもしれません。このおカネは誰に使われていて、誰が負担しているのでしょうか。

42兆円のうちのおよそ6割が65歳以上の患者さんに使われています。75歳以上の患者さんで見ると全体の4割弱の医療費が使われています。人口に占める75歳以上の割合は13%程度ですから、いかに高齢者に対して医療費が使われているのかがよくわかると思います。

ただし、年齢が上がれば上がるほど病気をして医療を必要とする確率が上がるのは当然のことですので、高齢者が医療費を多く使っていることは不自然なことではありません。今後、高齢者の人口が増えることは明白であり、また高額な新薬も増えるだろうと考えると、医療費が増えていくことは防ぎようがありませんし、道理であるともいえます。

誰が負担しているのか

問題は、その42兆円を一体誰が負担しているか、です。日本の国民皆保険制度は、給与などから一部支払われる「保険料」と、患者が病院の窓口で支払う「患者自己負担」で支えられるのが原則です。
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しかし、その内訳を見てみると、保険料は全体の5割、患者自己負担は1割にすぎません。残りの4割は税金などの公費が支えているのです。「日本の医療財政は保険制度としては半分破綻している」と言う人がいるのはこのためです。

僕はこの事実を自分が研修医だったときに知って驚愕しました。医学部ではこのような医療経済のことを教えてくれません。もちろん、医療はインフラ、セーフティネットという意味合いを大きく持った産業ですので、国などが一部を支えることはおかしくありません。

しかし、保険の仕組みから考えれば、財源に補助が入らなければいけないのであれば、保険制度として自立していませんし、その補助の割合が4割となればなおです。

もし仮に、全てを保険料できちんとまかなうとしたら、僕たちは保険料をどのくらい納めなければいけないのでしょうか? 実際のところ、会社員の保険料は個人と会社が折半して負担しており複雑なのですが、ここでは「社会全体で見て、働いている人あたりどのくらい医療費を負担しなければいけないか」ということを考えてみます。

仮に現在の日本の就労人口を6000万人とならしたとすると、42兆円÷6000万人=70万円。つまり理論的には、働いている全ての人が年間70万円、月に5万円以上の社会的負担をすることで維持される仕組みが現在の国民皆保険制度なのです。

もちろん給与や家族の有無などで負担額は異なってきますが、「日本の医療費42兆円」という数字が、もう少し手触りをもって感じられると思います。

現状の保険料ですら高いという声は聞かれますが、現在、私たちが無意識にその恩恵を受けている医療制度は、本来このくらいの負担がなければ維持できないのです。

「医療費を支える人が減り、使う人が増える」

そして、少子・高齢化が進んでいる日本では、「医療費を支える人が減り、使う人が増える」のは明らか。2025年には医療費は50兆円を超える予想で、就労人口が5000万人とすると、1人あたり年間100万円の負担が医療を支えるためには必要になります。

先に述べた通り、医療は国全体のセーフティネットですので、実際には消費税などの税金による補助の増大が現実的ですが、これも国民全体が公的に負担しているおカネに変わりありません。

国民皆保険で支えられている日本の医療財政が、限界を迎えていることは明らかです。今の日本の医療をどうやったら持続可能なものとして維持していくことができるのかを、改めて考えていかなければいけません。

日本ではいたるところで医師が足りない、と叫ばれ医師の過重労働が問題となっています。

僕は初期研修医、脳外科医として働いていた経験がありますが、当時を今振り返ると「まあよく働いていたなあ」と思います。当時の感覚として、休日、残業という概念は全くありませんでした。問題だとは思いますが、自分の所定労働時間というものが存在していたかどうかすら知りません。

しかし、驚くことに、「医師が足りない、足りない」と叫ばれている日本ですが、病院の数はおよそ9000施設あり、これは世界ダントツの1位です。
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病院数世界2位のアメリカが5000ちょっとであることを考えると、日本の病院が「異常なほど」と言っていいくらい多いのが、よくわかると思います。医師が不足しているのであれば、病院の整理・統廃合を行い限られた医療資源を最大限に活用できるような環境を整えるべきです。

日本は世界で最も多くの病院を抱える国

しかし、現状は真逆。日本は世界で最も多くの病院を抱える国なのです。

医療現場で働いていた当時、僕は当直するたびに、“小さな病院がたくさん散在するのではなく、しっかりとした大きな病院が必要十分にあるほうが、病院スタッフ1人ひとりの負担は減るし、病院の設備や維持にかかるコストも割安になるし、ゆくゆくは患者さんのためになるのではないか”とずっと感じていました。

僕は比較的マンパワーに恵まれた病院で働いていましたので、人手不足を実体験で痛感したわけではないのですが、同じエリアに小規模の病院があったりすると、“なんでみんながバラバラにやっているのだろう”といつも疑問に思っていました。

たとえば、大きな病院まで車を飛ばしても1時間くらいかかってしまう、というようなエリアには、小規模でもある程度救急を受け入れられるような病院は必要だと思います。

しかし、大きな病院まで車で○分もあれば行けてしまうようなエリアのなかで、いくつもの病院が救急を受け入れるのは効率的とはいえませんし、近いエリア内で多くの病院がCTやMRIなどの高額の医療機器を導入して利用することも、全体としてみたら合理的でありません。

病院が多数散在しているということを、医師の数からも具体的に考えてみます。

たとえば、脳神経外科において、専門医は日本全体で約7000人登録されています。専門医を取る前の若手脳外科医は1学年300人×5年分として約1500人程度と推定されますので、計8000~9000人程の脳外科医が日本にいることになります。

一方、脳神経外科を標榜している病院は、日本全体で約2500病院存在しています。仮にすべての脳外科医がクリニックではなくて病院で働いているとしても、1病院あたり平均3~4人しかいない計算となります。

現場にいた僕の感覚ではありますが、計3~4人の脳外科医のチームでは、提供できる医療はかなり限られてしまいます。脳外科の手術には最低でも3人ほどの医師は必要ですし、その間の外来や病棟や救急対応を行う医師も必要です。

日本には3人程度の脳外科医チームで踏ん張っている病院が同じエリアに複数存在していることがありますが、このような3つの病院がくっついて、脳外科チームをつくったほうが患者さんのためにも働く側にとってもいいだろう、と思ってしまいます。

日本の医療の特徴

また、病院の数だけでなく、日本の医療の特徴として、民間病院を中心とした医療提供体制があります。

日本の約9000の病院のうち、約7割が民間病院(私立病院)で、3割が公的な病院です。普段はあまり気にしないと思いますが、病院は「◯◯会」のような医療法人が経営している病院に代表されるような民間病院と、「市立〇〇病院」や「国立〇〇病院」のような公的な病院の、大きく2つの種類に分けられます。

日本の社会保険のように公的な仕組みで医療財政をまかなっている国(ドイツ、フランス、イギリスなど)では、大半の病院が公的病院となっており、医療の提供体制が統制されています。イギリスでは医療は税金を財源としているため、医師は公務員です。

一方で、医療財政が民間の医療保険で成り立っている国の代表がアメリカです。アメリカでは75%が民間病院となっていて、医療はインフラというよりもサービスという側面が強くなります。

つまり、日本は公的な仕組みで医療の財政が成り立っている一方で、その財政を使って医療を提供する病院の多くが民間という、世界的にみると特殊な状況で成り立っているのです。民間病院の経営努力により、日本の医療費が抑えられているという現状もありますが、政府や公的な制度によって病院の数を規制することは難しくなります。



http://www.chunichi.co.jp/article/mie/20180215/CK2018021502000035.html
ふるさと納税で医師を いなべ市、民間病院に制度活用 
2018年2月15日 中日新聞 三重

 地方の医師不足が問題となる中、いなべ市は2018年度、ふるさと納税制度を活用し、市内の民間病院の医師確保を目的とした寄付金を募る。市によると、民間病院の医師確保に限って同制度を利用するのは初めて。

 市によると、目標額は三千万円で、同市北勢町阿下喜の「三重北医療センターいなべ総合病院」への内科医の派遣に役立てる。県内外の医学部のある大学と交渉し、寄付金で地域医療を研究する講座を設置、代わりに内科医3人を3年間派遣してもらう計画だ。寄付金の不足分は市が支出する。

 寄付はインターネットのふるさと納税総合サイト「ふるさとチョイス」を通じ一万円から募集する。返礼品はペンやバッジなどの記念品を想定し、医師確保の経過はサイトを通じて報告する。市政策課の担当者は「返礼品競争ではなく、制度本来の古里を応援する趣旨から医師確保という目的に絞り、寄付者の充足感や共感につなげたい」と説明する。

 いなべ総合病院は1953年10月に開院し、JA三重厚生連(津市)が運営する。市内唯一の総合病院で内科、皮膚科、産婦人科など22科がある。内科医は以前は十一人いたが、退職に伴い今年4月には3人となるため、診療態勢に支障が出かねないと病院が市に相談した。

 同病院の奥田聖貴事務部長は「地方の病院にとって医師不足は課題。地域医療を存続させるために、より多くの支援をお願いしたい」と話す。日沖靖市長は「寄付を通じ、いなべ出身の人に故郷の医療の現状を知ってもらいたい」と強調する。

 (高島碧)



http://www.chunichi.co.jp/s/article/2018021190095630.html
土岐市病院、4月から外来制限 内科初診、常勤医不足で 
2018年2月11日 09時56分 中日新聞 岐阜

 岐阜県土岐市の市立総合病院(病床数350)の内科が4月から当面の間、医師不足のため、紹介状がない患者の初診外来を休止することが分かった。

 関係者によると、内科の外来は紹介状があるか、既に通院中の患者で、電話予約した場合のみ診察する。

 同院の内科の常勤医師は昨年4月時点で14人だったが、他病院への移籍に伴い、今年4月から8人に減る。病院全体の医師数も、34人から25人に減少する見込み。

 土岐市は医師確保のため、市立総合病院と、隣接する同県瑞浪市でJA岐阜厚生連が運営する東濃厚生病院との統合を、瑞浪市などと検討している。3月末までに結論を出す見通し。

 厚生労働省は、大規模な総合病院に行く前に、近所の医院や診療所などで受診することを患者に推奨。総合病院側も、診療所などの紹介状の提示を求めることが増えている。

 病床数が500を超える大規模病院の場合、初診外来で紹介状のない患者に対し、特別な料金の支払いを求めるケースもある。

(中日新聞)
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http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20180215_12
18年度は12人が県内病院配置 本県奨学金養成医師 
(2018/02/15) 岩手日報

 県関係の奨学金養成医師42人が2017年度に初期研修を終え、現時点で12人が18年度から県内の公的病院に配置される見通しとなった。前年度当初に比べ2人多い。大学院進学などで配置猶予を希望するのは25人で、進路が「未定」は2人。養成医師の本格的な現場配置3年目となる18年度の配置数は計33人に上り、医師不足の改善効果が徐々に広がっている。

 県によると、18年度から新たに現場配置を希望する「3期生」12人の医療圏別配置先は盛岡5人、岩手中部4人、胆江、気仙、宮古が各1人。配置と未定、猶予のほか、3人は奨学金返還を予定している。

 これに対し、16年度に配置が始まった「1期生」、17年度の「2期生」の養成医師は計59人。このうち18年度の現場配置希望は21人で、猶予は31人。未定は7人だが、配置に前向きな医師もおり、調整を続ける。
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https://mainichi.jp/articles/20180214/ddl/k32/040/459000c
島根大病院
医師派遣にデータ 透明性確保目指す 人件費や充足率など 来年度から /島根
 
毎日新聞2018年2月14日 地方版 島根県

 島根大学医学部付属病院(出雲市塩冶町)は、県内の医療機関への医師派遣について、来年度から人件費や地域の医師充足率などのデータを活用することを明らかにした。島大病院は「派遣先の病院と教授との個人的な関係で決めるのではなく、客観的なデータに基づいて、公平で透明性の高い医師派遣をしたい」としている。【山田英之】

 島大病院は今年度、42人の医師を各地に派遣している。来年度は4月時点で32人の派遣を予定し、年度途中にも派遣する医師を増やすという。

 島大病院では2016年3月、教授らによる医師派遣検討委員会を設置。県内の地域や診療科ごとの医師不足や医師偏在の問題解消に向けて、各医療機関からの派遣要請を審議している。

 派遣医師数は、地域ごとの常勤医数▽医師充足率▽地域や診療科ごとの医師の年代▽島大病院各診療科の診療費用請求額や医師の人件費から算出した派遣可能医師数--などのデータを分析して決定する。

 また、透明性を確保するため、県や「しまね地域医療支援センター」の担当者を、学外から委員に加えた。委員会メンバーの小村浩二・県健康福祉部次長は「県内の病院や診療所の医師充足率は80%に達していない。県西部は50~60代の医師が多く、医師の高齢化は厳しい状況になっている」と語る。

 井川幹夫病院長は「医師の偏在は大きな課題。地域や診療科ごとの偏在の解消に向けて、島大病院は役割を果たす使命がある」と話している。【山田英之】



https://www.kobe-np.co.jp/news/iryou/201802/0010989767.shtml
長時間勤務や人手不足… 病院の問題、神戸で意見交換 
2018/2/16 06:50 神戸新聞

 勤務医を中心に医師の長時間労働が問題となる中、医療職場の改善を考えるワークショップが15日、神戸市中央区の三宮研修センターであった。兵庫労働局などが初めて企画。市内外から集まった看護師や病院事務局長ら23人が、働きやすい職場を目指して意見を出し合った。(末永陽子)

 政府が昨年まとめた「働き方改革実行計画」では、医師は罰則付きの時間外労働規制の対象となったが、応召義務などから適用は5年間の猶予期間が設けられた。厚生労働省による調査では、勤務医では男性の4割、女性の3割で1週間の労働時間が60時間を超えていたという。兵庫県内でも、当直や救急をこなす医師の過労、看護師不足などが課題となっている。

 この日、4班に分かれて行われたワークショップでは、各病院に共通する課題が浮き彫りに。長時間労働に加え、所属する部署によって残業時間や有給取得率に偏りがある▽慢性的な人手不足▽上司からのパワハラ▽非正規の増加-などが出た。「激務で離職する若者が多く、残された看護師がさらに忙しくなるという悪循環に陥っている」など、深刻な現状を報告する声もあった。

 解決策として、書類作成を代行する「医療クラーク」の採用、時間給や週休3日制の導入、管理職の意識を変えるための研修が提案された。



https://mainichi.jp/articles/20180215/ddl/k28/010/411000c
川西病院
公設民営化で基本協定案 市が議会特別委に示す /兵庫
 
毎日新聞2018年2月15日 地方版 兵庫県

 川西市が公設民営化を進める市立川西病院を巡り、市議会市立病院整備調査特別委員会が14日開かれ、市は指定管理者に内定した医療法人「協和会」(同市)と交わす基本協定案を示した。市は指定管理者の選定議案として16日開会の市議会に提出、4月の協定締結を目指す。

 現在の川西病院は2019年度から、新設の「市立総合医療センター(仮称)」と「北部診療所」は21年度から運営委託する予定で、今回示されたのは川西病院に関する基本協定案。

 基本協定案と細則を定めた仕様書の案によると、指定管理者は現行の13診療科3専門センターの維持に努め、市は指定管理者の業務実施状況を定期的にモニタリング調査する。指定管理料は年間2億5000万円を見積もり、地方交付税交付金を充てる。運営上の赤字や資金不足は補填(ほてん)しないと明記した。

 委員会では、市議から「診療科を維持する担保がない」と指摘があり、市側は「協和会は6病院を運営し、医師を確保できると見込んだうえで指定管理者候補に選んだ。一般的な医師不足で診療科が閉鎖することはない」と回答した。

 21年度から運営委託予定の新病院については今夏までに基本構想を固め、改めて協定を結ぶ。【石川勝義】

〔阪神版〕



https://news.mynavi.jp/article/20180214-584390/
長時間労働で疲労困憊の医師たち。医療現場の労働環境は改善できるのか? 
2018/02/14 07:30:28 マイナビニュース

医師の過重労働の実際・・・4割は週60時間以上の勤務

今、医療現場での医師の過重労働が問題となっています。

週60時間以上勤務する医師の割合は、常勤医師の39%に達しています。診療科別にみると、産婦人科53%、臨床研修医48%、救急科約48%、外科系約47%となっており、日常的に緊急性を要する診療科の長時間勤務が目立ちます(平成28年厚生労働省調べ)。

全産業で週60時間以上勤務する従業者の割合は約7.8%ですので(平成28年総務省「労働力調査」)、やはり医師の長時間労働が際立つ結果となっています。

24時間365日人命を預かる仕事ですから、医師に求められる責任の程度は、他の業種とはまた異なってくるのは当然かもしれません。しかし、医師も人間です。いかに高い志を持っていようと、緊張感を保ちながら長時間休みなく診療にあたるのは不可能です。医療現場を支える医師たちの労働環境を改善するにはどうしたらよいのでしょうか。

雇用者(病院)側の問題…高額な給与が医師の労働者性を薄くしている

医師と病院の間で交わされる雇用契約は、慣例的にあいまいで不明瞭なことが多く、そもそも医師が労働者として認識されていないような風潮すらあるように感じます。

医師という職業が、高度な知識・技能を要し、雇用される段階でプロフェッショナルとして扱われることや、給与が他の業種に比べて比較的高額であることが、医師の労働者性を薄くしてしまっている要因かもしれません。

しかし、病院の指揮命令下で働く勤務医は、まぎれもなく労働者であり、病院側には医師の労働を管理・監督する義務があります。もちろん病院が勤務医に残業をさせれば残業代を支払う義務も生じます。

昨年7月に、定額の年俸制で働く医師について、年俸が高額だからといって、基本給と残業代が区別されていなければ、その年俸に残業代は含まれないとする最高裁の判断が下されました。

このことは、医師の給与の多寡にかかわらず、病院は残業を管理し残業代を支払わなければならいということであり、医師であっても労働者としてきちんと取り扱わねばならないという意味を持ちます。医師と病院の雇用関係について、今一度認識を改めなければならないでしょう。

医師側の問題…一人の医師がかかえる仕事量が多すぎる

医師になるためには、受験競争を勝ち残って医学部へ入り、6年間勉強の末に国家試験に合格し、さらに、卒業後も2年間研修医として実務を身に着けなければなりません。本人の努力に加え、経済的な負担もかなりのものです。医師の報酬が高いのも頷けます。しかし、報酬が高いということは雇用する側にすればコストがかさむということです。

医師の長時間労働が問題となっている背景として、一人の医師にかかる仕事量が多すぎることがあります。もし、これを複数人でシェアできる状態であればどうでしょうか。

医師業界全体として、医師になるためにかかる金銭的負担を下げる取り組みや、医師の報酬レベルの見直しなどをしていかなければ、新たに医師になる人も増えませんし、雇用環境も変化していかないように思います。

医師が大都市に集中しがちな状況の改善も求められる

また、医師が大都市周辺部に集中し、人手不足となった地方の医師の労働環境を圧迫していることも改善を要する問題です。

これまでは、人の命を守るという崇高な職業理念と高額な報酬により、少々負担の多い現場であっても医師は魅力ある職業でした。しかし、過酷すぎる労働環境がそれらの魅力を消し去ってしまえば、医師を志望する人も減ってしまうでしょう。

医師法には「医師は原則、診察、 治療の求めを拒むことはできない」と規定されています。人命を預かる仕事であるが故の大切な規定ですが、医師の過重労働の一因ともされています。責任感だけで過重労働に耐え続けても身体がもちません。医師自身も、自らのワークライフバランスを守るためにできることは何かを考える時期がきています。

(大竹 光明:社会保険労務士)



http://www.chugoku-np.co.jp/column/article/article.php?comment_id=410822&comment_sub_id=0&category_id=142
「多死社会」の医療 在宅推進まだ物足りぬ 
2018/2/17 中国新聞

 2025年問題が差し迫っている。団塊の世代全てが後期高齢者となる節目の年で、その後には医療や介護のニーズが爆発的に高まる。今のままでは病院のベッドが不足し、収容しきれなくなる事態に陥りかねない。
 1年間に亡くなる人の数は、既に17年で推計134万人と戦後最多を記録している。問題の25年に150万人を超え、ピークの40年には170万人近くになると見込まれる。
 自宅や介護施設でも終末期の医療を受けられるよう、「多死社会」に即した選択肢づくりを急ぐ必要がある。
 厚生労働省が先ごろ決めた4月からの診療報酬の改定方針も、入院中心の医療から在宅医療への転換をさらに加速し、医療と介護との連携を強める内容となっている。
 大きな柱は、かかりつけ医の役割強化である。訪問診療や夜間・休日に対応する医師には初診時の報酬を上乗せする。介護施設での「みとり」を支えるため、特別養護老人ホームに医師が出向いて患者をみとった場合も報酬が出るようにした。
 いずれも、身近な地域で医療や介護を受けられる態勢づくりに沿うもので、一歩前進であるのは間違いない。
 ただ、報酬アップによる誘導には限界があろう。これまでの改定でも在宅医療には手厚くしてきた。にもかかわらず、日常的な訪問診療に取り組む病院は全体の約30%、診療所では約20%にとどまる。みとりまで担っているのは病院、診療所ともに約5%にすぎない。
 24時間対応の負担が二の足を踏ませているのは間違いない。今回、複数の診療所でネットワークを組み、往診に当たる場合の報酬を新設している。在宅医療に一歩踏み出すきっかけになるよう期待したい。
 それでも、医師頼みの構図は変わらない。忘れてはならないのが、医師の過重労働である。在宅医療の推進で、長時間労働や休日返上を押し付けることがあってはならない。
 とすれば、医療と介護との一層の連携は殊更欠かせない。
 同時改定となった介護報酬でも新しく、みとりに取り組む介護施設への加算が設けられた。着実に連携の足場を固めていくほかない。
 私たち患者や家族も、連携を取るべきだろう。
 「入院しないと不安」といった、行き過ぎた医療依存の意識はないか、自己点検をする必要がある。
 その点、広島県医師会などが患者に呼び掛けているアドバンス・ケア・プランニングの試みは参考になりそうだ。「先生に任せるけえ」と医師任せではなく、どんな治療を望み、何をしてほしくないか、医師と語らいながら伝えておく。そんな積み重ねは、かかりつけ医を育むことにもつながるだろう。
 終末期は「住み慣れた自宅で」との志向はもともと根強い。内閣府の意識調査でも、最期を迎えたい場所として55%が自宅を挙げる。実際には十数%しかなく、開きを埋めるのは医療と介護、そして患者や家族との連携にほかなるまい。
 みとりや在宅医療について学ぶ場を地域で増やし、リテラシー(理解し、考える力)をどれだけ高められるか。患者、家族の努力も不可欠である。



http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201802/20180217_33003.html
<岩手県立高田病院>地域医療の拠点再び 高台に新築、来月診療開始 
2018年02月17日土曜日 河北新報

 東日本大震災の津波で全壊した岩手県立高田病院(陸前高田市)が海抜51メートルの高台に新築され、現地で16日、落成式が開かれた。3月1日に診療を始める。これにより、震災で被災した岩手の県立病院は大槌、山田の両病院と合わせて3病院全てが再建された。
 新病院は鉄筋コンクリート2階で、延べ床面積は4265平方メートル。総事業費は37億7600万円。診療科は震災前と同じ8科で、病床は10床減って60床となった。職員は常勤医7人を含め72人。震災を教訓に、3日分の電力を供給するための発電機と燃料を備えた。
 高田病院は気仙医療圏で慢性期の患者や訪問診療に力を注ぐ方針。田畑潔病院長は「最期まで気仙で暮らせるよう、信頼される医療を提供する」と述べた。
 旧病院は津波で4階まで浸水。患者と職員の計22人が犠牲になった。震災発生から2日後には拠点をコミュニティー施設に移して救護活動を開始した。2011年7月に仮設診療所で診察を再開した。
 新病院は旧病院から約2キロ北東の内陸に移転。敷地内に旧病院の銘板を設置して震災を後世に伝える。



http://www.medwatch.jp/?p=18857
医療を将来に引き継げるかの重要な岐路、自覚持って地域医療構想を実現させよ―厚労省 
2018年2月13日|医療計画・地域医療構想 MedWatch

 現在、医療制度や国民皆保険制度を将来に引き継げるか否かの重要な岐路に差し掛かっている。その自覚を持って地域医療構想の実現に向けて取り組んでほしい―。

 厚生労働省医政局地域医療計画課の佐々木健課長は、2月9日に開催した2017年度の「医療計画策定研修会」で、都道府県の担当者にこうに呼び掛けました。

ここがポイント!
1 佐々木課長「課題は地域ごとでも、岐路に立たされている点は全国共通」
2 公民の役割分担、診療実績を踏まえて地域ごとに検討せよ
3 非稼働病床の削減など知事権限の行使も必要

佐々木課長「課題は地域ごとでも、岐路に立たされている点は全国共通」

 いわゆる団塊の世代が2025年に全員75歳以上の後期高齢者となることから、医療・介護ニーズが今後急速に増加していくと予想され、現在の医療提供体制では十分に対応できなくなってしまうと考えられています。そこで、各都道府県において「一般病床・療養病床という大きなくくりだけでなく、医療機能(高度急性期、急性期、回復期、慢性期)ごとの必要病床数」などを定めた地域医療構想が策定されています(すでに全都道府県で策定済)。

 一方、各病院・有床診療所には「自院の病棟がどの機能を持つと考えているのか、また将来持たせようと考えているのか」を毎年報告する義務が課せられています(病床機能報告)。

 両者(地域医療構想と病床機能報告結果)には、大きな隔たりがあり、これを地域の医療関係者等が集う「地域医療構想調整会議」における議論の中で埋めていくことが、地域医療構想の実現に向けて極めて重要となります。具体的には、調整会議での話し合いを通じて「自院は急性期機能を担っているが、将来、地域の急性期患者は減ってしまう。将来的には回復期や慢性期機能に転換していくべきである」と病院自身が考えることが求められます。

 都道府県には、地域医療構想調整会議を各地域で開催し、医療関係者同士の協議をまとめる役割が求められています。厚労省は、各都道府県に向けて「地域医療構想調整会議をどのように運営すればよいか」をさまざまな場面を通じて、周知していく考えです。

 1つ目が、まさに2月8日開催の「医療計画策定研修会」、もう1つが2月7日に発出した通知「地域医療構想の進め方について」です(通知の内容については後述します)。

 1つ目の医療計画策定研修会の冒頭で佐々木地域医療計画課長は、「地域医療構想の達成に向けた課題が地域ごとに異なることもあり、進捗状況にばらつきが出ている」と指摘。その上で、「日本の人口動態などを考えると、今の医療制度・国民皆保険制度を守り、地域医療を守り、将来世代にバトンを渡せるかどうかの岐路に立っているということは全国共通だ。そうした段階であると自覚して、厚労省と一緒に責任を持って進めてほしい」と都道府県に呼び掛けました。

公民の役割分担、診療実績を踏まえて地域ごとに検討せよ

 厚労省の2つめの通知「地域医療構想の進め方について」では、主に次のような取り組みを都道府県に求めています(関連記事はこちら)。

(1)各医療機関が「2025年時点でどのような役割を担い、そのためにどのような病床(医療機能ごとの病床数)を有する方針か」を、地域医療構想調整会議で議論してもらい、合意に至った分を毎年度取りまとめる
(2)過去1年間に一度も患者が入院していない病棟(非稼働病棟)がある場合、その病床削減について地域医療構想調整会議で議論してもらう
(3)病床新設が申請された場合、地域医療構想調整会議で議論してもらう

 (1)の各医療機関の方針をどう協議するかは、大きく▼公立病院▼公的医療機関等▼その他の民間医療機関―で異なります。地域の基幹病院として機能することが多い「公立病院」「公的医療機関等」に関しては、今年度中(2018年3月末まで)、その他の民間医療機関については遅くとも来年度末(2019年3月末)までに「今後、地域でどのような役割を担うのか」を協議してもらうことになります。この点、厚労省医政局地域医療計画課の担当者は、「協議の結果をまとめるまでには時間がかかるかもしれないが、期限までに必ず議論をスタートさせるようお願いしたい」と訴えました。

 また、公立病院や公的医療機関等は、補助金が交付されるなど財政補填が行われるほか、税制上の優遇措置が設けられていることから、「民間医療機関では担えない分野」に重点的に取り組むことが求められます。ただし、「救急医療などの提供体制が厚い民間医療機関が複数ある」地域もあれば、「民間医療機関がほとんどない」地域もあり、厚労省医政局地域医療計画課の担当者は、「各医療機関の診療実績などを共有しながら、その地域に合った役割分担の在り方を話し合ってほしい」と求めました。まさに「地域ごとに医療提供体制を再構築していく」ことが求められると言えるでしょう。

非稼働病床の削減など知事権限の行使も必要

 都道府県知事には、「稼働していない病床の削減を要請・勧告(対民間医療機関)および命令(対公的医療機関等)」する権限が与えられています。それを踏まえて(2)については「非稼働病棟を持つ医療機関に、地域医療構想調整会議に出席のうえ、▼病棟を稼動していない理由▼再稼働させる予定の有無―などを説明してもらい、再稼働させる必要性や、非稼働のまま維持する必要性が乏しい場合は、病床削減を要請・命令する」よう求めています。

 また(3)の病床新設を申請した医療機関について、都道府県には「病床新設を認める代わりに、将来不足する医療機能を提供する条件を付ける」権限などが与えられています。地域医療構想調整会議での協議では、病床新設を申請した医療機関に「新設する病床で担う医療機能」などを説明させ、▼医療機関が説明したとおりの医療機能を新設病床で担わせれば、その医療機能の病床数が、地域でますます過剰になってしまう▼他医療機関の今後の機能転換の方針を踏まえても、病床不足が見込まれる医療機能が別にある―ような場合、知事権限を行使することが求められるでしょう。



https://www.m3.com/news/iryoishin/586685
シリーズ 医師の働き方改革とキャリア
次回以降「本丸」の上限規制など議論
医師の働き方改革に関する検討会
 
レポート 2018年2月16日 (金)配信水谷悠(m3.com編集部)

 厚生労働省の医師の働き方改革に関する検討会(座長:岩村正彦・東京大学大学院法学政治学研究科教授)は2月16日の第7回会議で、「医師の労働時間短縮に向けた緊急的な取り組み」と「中間的な論点整理」をまとめた。この日に出た意見も踏まえて文言の調整を行い、近く通知などの形で医療機関に実施を求める。

 厚労省医政局医事課医師養成等企画調整室室長の堀岡伸彦氏は会合後、「(検討会の)後半戦は『本丸』の(時間外労働時間の)上限規制の話に入らないといけない。具体的な時間の議論もしていただく」と述べた(資料は厚労省のホームページ、前回会議の記事は『働き方改革の緊急対策、労働時間管理など5項目は「当然」』を参照)。

 緊急的な取り組みは次の6項目から成る。
(1)労働時間管理の適正化
(2)「36協定」の自己点検
(3)既存の産業保健の仕組みの活用
(4)タスク・シフティング(業務の移管)の推進
(5)女性医師等に対する支援
(6)医療機関の状況に応じた取り組み

 討論で出た意見はほとんどが中間整理についてのものだったが、(5)について岡山大学医療人キャリアセンターMUSCATセンター長の片岡仁美氏が「育児は女性だけの話ではないので、男女共同参画の意味で項目名から『女性』を外してはどうか」と提案。岩村座長は「考え方はその通りだが、項目名としては『女性』があった方が分かりやすいのでは」と応じ、片岡氏も同意した。

 厚労省の堀岡氏は会合後に報道陣に対し、特に(4)の重要性を強調。2007年12月28日付け医政局長通知では「関係職種間で適切に役割分担を図り」としていたところを「原則医師以外の職種により分担して実施」と強い表現をしているとして、医療機関が推進するよう求めた。

 中間整理については、前回会議で骨子案を提示した後に構成員から厚労省に寄せられた意見を基に修正した案が提示された。「地域医療提供体制の確保の観点」の項目で「集約化の議論」との文言が削除されたことについて、千葉大学医学部附属病院病院長の山本修一氏が「集約化には微妙な問題があるのは承知しているが、小規模な自治体立病院が少人数で、かつ赤字を出しながらやっている実態がある。集約化をしなければ十分な医療ができず、医師は疲弊する」と指摘。「公的病院の集約化」などの表現で復活させることを求めた。

 次回以降の議論の主な論点となる時間外労働時間の上限規制では、順天堂大学医学部附属順天堂医院医師の猪俣武範氏が、大学の医師は臨床に加え研究、教育も担っていることを強調し、「次代の医療へのイノベーションを制限しない形でお願いしたい。特性に応じた検討をしてほしい」と要望。青葉アーバンクリニック総合診療医の三島千明氏も「診療科や専門分野で必要な時間も違う。各科や専門分野ごとに検討が必要だ」と述べた。

 「健康管理措置の充実」については、全国衛生部長会会長の鶴田憲一氏が「医師は健診の受診率が一番悪い」と指摘。日本医師会副会長の今村聡氏も「医師は医師に相談しないという調査結果も出ている。教育、養成課程で、医師自身が健康でなければいけないことを教えないといけない。これは中期的に大事だ」と同調した。

 16日の検討会には、厚労省副大臣の高木美智代、牧原秀樹両氏も出席。高木氏は最後に「この検討会は入り口だ。一朝一夕ではできないと思うが、できることから取り組んでいただけるよう、お願いしたい」と述べた。



https://www.mixonline.jp/Article/tabid/55/artid/59513/Default.aspx
高知県の近森病院 院長を懲戒解雇 県条例違反の疑い報道を受け 
公開日時 2018/02/13 03:50 ミクス OnLine

 高知県高知市の社会医療法人近森会近森病院は2月9日の臨時理事会で、同院の院長に係る不祥事の報道を受け、近森正康院長の懲戒解雇を決定した。院長が男子中学生にみだらな行為を行ったとして県の青少年保護育成条例違反の疑いで8日に逮捕されていた。新院長は近森正幸理事長が兼任する。

 近森会の近森正幸理事長は8日付で、「患者様をはじめご家族の皆様に、大変なご迷惑とご心配をおかけして誠に申し訳ございません」とお詫びした。また9日の臨時理事会後には、「患者様をはじめご家族の皆様や多くの方々に、改めましてお詫び申し上げますとともに、医師をはじめ職員一同は、これまで通り誠心誠意、患者さまへの診療に専念致す所存でございますので、何卒ご理解をお願い申し上げます」とコメントしている。

 近森病院は、高知県の地域医療において、医療連携、病棟連携、チーム医療などの各分野で先進的な取り組みを行い、高い実績を誇っている。同院は救命救急医療に特化し、近森リハビリテーション病院などとの「垂直統合」で入院患者の在宅復帰を推進している。加えて、地域医療連携を徹底し、より密接な「アライアンス連携」を進めるなど、地域包括ケアのモデル施設として全国の病院経営者から注目を集めていた。近年は新たなビジネスモデルにも挑戦しており、多職種によるチーム医療への転換の実績も高く評価されてきた。こうした病院改革の実績を背景に、2017年1月には近森正康氏を院長に据え、組織改革に着手していた。



http://www.yomiuri.co.jp/editorial/20180211-OYT1T50101.html
診療報酬改定 「在宅」支える体制作りを急げ 
2018年02月12日 06時00分 読売新聞

 団塊の世代が全て75歳以上になる2025年に向けて、効率的で質の高い医療提供体制への転換を着実に進めたい。

 18年度の診療報酬改定の内容が決まった。

 超高齢社会の医療ニーズに合わせ、病院中心から在宅重視への流れを加速させることが主眼だ。高コストの重症者向け病床は、要件を厳しくして絞り込みを図った。退院支援を担う回復期向け病床や在宅医療の報酬は手厚くした。

 高齢化に伴い、生活習慣病や認知症が増えた。高齢者の多くが複数の持病を抱える。手術などの集中治療で完治を目指す医療から、慢性病患者の暮らしを支える医療への転換が急務である。

 現状では、重症者向け病床が過剰になり、症状の重くない高齢患者らを多数受け入れている。適切なリハビリや在宅ケアがあれば、退院可能な人も少なくない。

 限られた人材と財源を配分し直し、医療の質向上と費用抑制を両立させることが大切だ。それが、高齢者の希望にも適かなうだろう。

 入院の報酬については、重症者の割合、治療やケアの内容などの実績評価も導入した。実情に合ったきめ細かな報酬体系に変えるのは、合理的である。

 看護師配置が基準の現行方式では、診療内容と報酬が必ずしも合致しない。報酬の高い重症者向け病床に病院が固執し、削減が進まない要因になっている。報酬見直しを病床再編につなげたい。

 在宅医療では、かかりつけ医の普及に重点を置いた。初診料に上乗せをつける。複数の診療所が連携して24時間対応する体制を整備した場合の加算を新設する。タブレット端末などを用いた「遠隔診療」の報酬も明確化した。

 病院との役割分担を図るため、紹介状なしで受診した患者に追加負担を求める病院の範囲は拡大する。患者の大病院集中や重複受診を減らす狙いは妥当だ。有効に機能させるには、かかりつけ医の質と量の確保が欠かせない。

 6年ぶりの介護報酬との同時改定となる今回は、介護との連携強化も大きなテーマだ。入退院時やリハビリでの情報共有、在宅や施設での看取みとりなど、様々な報酬を充実させた。現場での積極的な取り組みが望まれる。

 診療報酬による誘導だけでは、改革には限界がある。都道府県では、25年を見据えた地域医療構想を具体化するため、医療機関などとの調整が本格化する。今回改定の理念を実現できるかどうか、都道府県の力量も問われる。



https://www.m3.com/news/iryoishin/585800
シリーズ  中央社会保険医療協議会
地域包括ケア病棟入院料1は180点引き上げ
「自宅などから入棟1割以上」など要件に
 
レポート 2018年2月13日 (火)配信水谷悠(m3.com編集部)
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 2018年度診療報酬改定では、地域包括ケア病棟で、自宅などでの急変時に対応できるよう、入院料1で「自宅などから入棟した患者の割合が1割以上であること」との算定要件を追加し、点数は180点引き上げる。また、急性期一般病棟などと同様、基本的な評価部分と在宅医療提供など診療実績に係る評価部分を組み合わせた体系に見直す。

 入院前の居場所で患者の状態、手のかかり具合が異なるため、従来の「救急・在宅等支援病床初期加算」(150点)は自宅などからの入院と、自院や他院からの転棟、転院など「急性期後」を分けて評価し、前者は「在宅患者支援病床初期加算」として300点、後者は「急性期患者支援病床初期加算」として150点を加算する(資料は、厚生労働省のホームページ)。

2018年度診療報酬改定!徹底解説
◆地域包括ケア病棟入院料1:2738点(現行2558点)
 (生活療養を受ける場合にあっては)2724 点
【算定要件】(診療実績の評価に係る新要件)
ニ:当該病棟に入棟した患者のうち、自宅などから入棟した患者の占める割合が1割以上であること。
ホ:当該病棟において自宅等からの緊急入院患者の受け入れが3カ月で3人以上であること。
ヘ:以下の a、b、c または d のうち少なくとも2つを満たしていること。
 a. 当該保険医療機関において在宅患者訪問診療料の算定回数が3月で20 回以上であること。
 b. 当該保険医療機関において在宅患者訪問看護・指導料、同一建物居住者訪問看護・指導料または精神科訪問看護・指導料Ⅰの算定回数が3月で 100 回以上、または同一敷地内の訪問看護ステーションにおいて、訪問看護基本療養費または精神科訪問看護基本療養費の算定回数が3月で500 回以上であること。
 c. 当該保険医療機関において、開放型病院共同指導料(1)または(2)の算定回数が3月で 10 回以上であること。
 d. 介護保険における訪問介護、訪問看護、訪問リハビリテーション、介護予防訪問看護または介護予防訪問リハビリテーション等の介護サービスを同一敷地内の施設等で実施していること。
ト:当該保険医療機関において、厚生労働省「人生の最終段階における医療の決定プロセスに関するガイドライン」等の内容を踏まえ、看取りに対する指針を定めていること。

地域包括ケア入院医療管理料1     2738点(現行2558点)
 (生活療養を受ける場合にあっては) 2724点
地域包括ケア病棟入院料2       2558点
 (生活療養を受ける場合にあっては) 2544点
地域包括ケア入院医療管理料2     2558点
 (生活療養を受ける場合にあっては) 2554点
地域包括ケア病棟入院料3       2238点
 (生活療養を受ける場合にあっては) 2224点
地域包括ケア入院医療管理料3     2238点
 (生活療養を受ける場合にあっては) 2224点
地域包括ケア病棟入院料4       2038点
 (生活療養を受ける場合にあっては) 2024 点

◆在宅患者支援病床初期加算:300点(1日につき)
当該病棟または病室に入院している患者のうち、介護老人保健施設、介護医療院、特別養護老人ホーム、軽費老人ホーム、有料老人ホーム等または自宅から入院した患者に対し、治療方針に関する患者またはその家族等の意思決定に対する支援を行った場合に、入院した日から起算して14日を限度として、在宅患者支援病床初期加算として、1日につき300点を所定点数に加算する。

急性期患者支援病床初期加算は、現行の救急・在宅等支援病床初期加算と同じ150点で、要件も同様となる。

2018年度診療報酬改定!徹底解説 https://www.m3.com/special/news/shinryohosyu_kaitei.shtml



http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/eye/201802/554864.html
記者の眼 従来とは一線を画す新たな医師偏在対策 
2018/2/15 土田 絢子=日経ヘルスケア

 多くの地域で長年の課題とされてきた医師不足。この課題に対して、国は2008年度から大学医学部の入学定員を増やしたり地域枠を設定するなど手を打ってきたが、一向に解消していない。今でも人口10万人対医師数を見ると最多の徳島県(315.9人)と最少の埼玉県(160.1人)の間には約2倍の開きがあるし(2016年の医師・歯科医師・薬剤師調査)、外科や産婦人科では長時間労働が常態化しているが、それらの診療科を選択する医師数はあまり増えていない。全国的に医師数を増やしても、都市部などの地域や一定の診療科に医師が集中し、その他の地域や診療科は医師不足のままになってしまうからだ(図1)。

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図1●医師偏在の現状 (出典:1月22日厚労省「医療計画の見直し等に関する検討会」資料)※クリックすると拡大表示します

 そこで医師偏在を抜本的に是正するため、新たな一手が打たれようとしている。昨年12月21日に厚生労働省「医療従事者の需給に関する検討会」が策定した「医師需給分科会 第2次中間取りまとめ」の提言である。関連する医療法や医師法の改正法案はこれから国会に提出され、実行に向けた検討が進められる。これらの内容が実現すれば、地域の医療提供体制の再編に関する議論に大きな影響を及ぼすだろう。

 提言の主なポイントは、(1)医師偏在の状況の徹底的な「見える化」、(2)医師の少ない地域での勤務を促す環境整備、(3)外来医療機能の不足・偏在等への対応、(4)医師養成過程への都道府県の関与、(5)都道府県の体制整備――の5つ。地域や診療科における医師の多寡を誰もが分かるよう可視化して医師や関係者に気づきを促し、必要な協議を通じて具体的な対策に結び付けることが重視されている。協議や対策は都道府県が主体となって行う。以下、この5つのポイントを説明していこう。

 (1)「医師偏在の状況の徹底的な『見える化』」は、国が「医師偏在の度合いを示す指標」を新たに導入し、医師が多い、少ないといった多寡を地域ごとに明らかにして全国ベースで客観的に比較できるようにする狙いがある(図2)。現在、「人口10万人対医師数」が地域ごとの医師数の比較に一般的に用いられているが、医療ニーズや将来の人口・人口構成の変化、患者の流出入といった要素は勘案されていない。新たに導入される指標はこのような項目も考慮したものとなる見込みだ。

 指標を基に都道府県は「医師少数区域(仮称)」と「医師多数区域(仮称)」を指定し、「医師確保計画」を医療計画の中で策定する。

 医師確保計画は、都道府県における医師確保の総合的な方針を示したもので、確保すべき医師数の目標値や、それを達成するための医師少数区域への医師派遣のあり方、医師養成過程を通じた医師の地域定着策などが記載される。計画の期間は3年で、PDCAサイクルの下で目標の進捗管理が図られる。

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図2●医師偏在の度合いを示す指標の導入 (出典:1月22日厚労省「医療計画の見直し等に関する検討会」資料)

 (2)「医師の少ない地域での勤務を促す環境整備」は、医師少数区域での勤務に関する負担を軽減して、医師に魅力を感じてもらえるような環境整備を指す。例えば、医師少数区域の医師が定期的に休暇を取得したり中核病院で研鑽することができるよう交代勤務の医師を派遣したり、専門外の症例に関して医師間で遠隔相談ができるようにする。また、医師少数区域で働く医師の希望に沿った中長期的なキャリアプログラムを都道府県や大学病院、医療機関などが協力して作成する。

 一方、医師少数区域内の指定された医療機関で一定期間以上勤務した医師を厚生労働大臣が認定する制度を創設する。1月24日に開催された社会保障審議会・医療部会では、この認定医を「認定社会貢献医(仮称)」と呼称し、広告可能事項に追加したり、地域医療支援病院などの管理者として評価するといった案が示された(図3)。

 なお、都道府県の要請に応じて医師を派遣する病院に対して経済的インセンティブを付与する方針も打ち出されている。

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図3●医師少数区域での勤務の環境整備 (出典:1月24日厚労省「社会保障審議会・医療部会」資料)

 (3)「外来医療機能の不足・偏在等への対応」は、無床診療所の開設が都市部に偏り、医療機関間の連携が個々の医療機関の自主的な取り組みに委ねられている現状への対策。まず、(1)で説明した医師偏在の指標により「地域ごとの外来医療機能の偏在・不足」を明らかにして、新たに開業しようとしている医療関係者にその情報を提供する(図4)。その際、地域ごとの疾病構造や患者の受療行動の特性など、どのような内容を「外来医療機能の偏在・不足」情報として可視化するかは事前に地域の関係者で協議する。

 加えて、地域での外来の機能分化・連携の方針(救急医療提供体制、グループ診療、医療設備・機器の共同利用など)についても協議する。議論の場としては、おおむね二次医療圏ごとに設置されている地域医療構想調整会議が活用できるとされた。
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図4●外来医療機能の不足・偏在などへの対応 (出典:1月22日厚労省「医療計画の見直し等に関する検討会」資料)

(4)「医師養成過程への都道府県の関与」は、「医学部」「臨床研修」「専門研修」の各過程において都道府県が医師偏在対策のために介入できる仕組み作りをいう。地元出身の医学部入学者はその都道府県に定着する割合が約80%と高いことが明らかになっているため、医師養成段階から医師偏在の解消に向けた取り組みを促す。

 例えば医学部に関しては、医師が少ない都道府県の知事が、管内の大学に対して地元出身の入学者枠の設定・増員を要請できるようにする。臨床研修に関しては、大学病院を含めた臨床研修病院の指定および募集定員の設定権限を国から都道府県に移管する。専門研修に関しては、国や都道府県が地域医療の観点から日本専門医機構などに対して意見を述べられるようにする。

 また、若い医師が将来の診療科別の医療ニーズを踏まえて診療科を選択できるよう、診療科ごとに将来必要な医師数の見通しを、国全体、都道府県ごとに明確化して国が医師に情報提供する(図5)。
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図5●「専門研修」における医師確保対策 (出典:1月22日厚労省「医療計画の見直し等に関する検討会」資料)

 以上述べた(1)~(4)の取り組みを都道府県が推進する上では都道府県の体制整備が重要だが(先述の5番目のポイント「都道府県の体制整備」)、それに関しては、都道府県の医療審議会が医師確保計画を策定し、「地域医療対策協議会」が具体的な方針を協議する場として提案された。

 地域医療対策協議会は2006年の医療法改正により都道府県の医療従事者の確保対策を議論する場として設置されたが、現状では未開催の都道府県もあり十分に活用されていない。しかも、都道府県によっては地域医療支援センター運営協議会、へき地医療支援機構や新専門医制度に関する都道府県協議会など、医師確保に関する会議体が乱立している。

 そこで地域医療対策協議会は医師確保計画で定められた内容を具体的に協議する機関と明確に位置づけられ、構成員を改めて機能を強化する方針が示された。併せて、ほかの各種会議体は原則として廃止される。

 そして地域医療対策協議会の決定事項を実行する部隊としては「地域医療支援センター」が位置づけられる。厚労省の第2次中間取りまとめでは、同センターの機能を高めるため、大学医学部・病院と連携する、医師の派遣先が理由なく公立・公的病院に偏らないよう医師派遣の方針を明確化する、といった方向性が示された(図6)。
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図6●都道府県の体制整備 (出典:1月22日厚労省「医療計画の見直し等に関する検討会」資料)

 これらの内容を実現しようという厚労省の本気度は高い。昨年12月の経済財政諮問会議では加藤勝信厚生労働大臣が医師偏在対策の内容を議長の安倍晋三首相らに説明。関連する医療法・医師法の改正案を今年の国会に提出するとした。現在調整中ではあるが、目安となる施行スケジュール案も示されており、例えば、医師確保計画の策定や外来医療機能の偏在・不足等への対応は2019年4月、医師少数区域の一定期間の勤務経験を有する医師の認定制度は2020年4月などとされている。

 これらの内容が実現すれば、都道府県を中心に医師の偏在解消が進むことになりそうだ。一方で、既にスタートしている入院病床の適正配置を進める地域医療構想も主体は都道府県。将来的には各都道府県で医師確保計画と地域医療構想を通して、医師の配置や外来、入院病床は整合的に検討されることになるだろう。

 もちろん、取り上げた内容には様々な意見が出ると想定され、実現に向けた関係者間の調整は難しい局面もあるだろう。それでも、これから少子高齢化や人口減がますます進む日本で、医療提供体制の再編は待ったなしの段階に差し掛かってきている。医師の働き方改革にも対応しなくてはならない。“自然な成り行き”では医師の偏在解消が望めないことは確かであり、制度改革に向けた建設的な議論の必要性は高い。



http://www.medwatch.jp/?p=18852
新専門医制度、現時点で医師偏在は助長されていない―日本専門医機構 
2018年2月13日|医療計画・地域医療構想 MedWatch

 新たな専門医制度の専攻医登録状況を見る限り、専攻医は適正に配置されている。現時点で、医師偏在が助長されているとは認識していない―。

 日本専門医機構の松原謙二副理事長(日本医師会副会長)は、2月9日の定例記者会見で改めてこのようにコメントしました。

専攻医の勤務先をリアルタイムで把握する仕組みに基づいた議論が重要

 2018年度からの新たな専門医制度全面スタートに向けて、現在、専門医を目指す研修医(専攻医)の登録が行われています。

 日本専門医機構では、昨年(2017年)11月15日までの1次登録での採用状況(7791人分)を既に公表しています。現在、2次登録が終了し、その精査が行われています。

この専攻医登録結果について、例えば全国自治体病院協議会は▼群馬県、山梨県、高知県では外科領域の専攻医が1名しかおらず、将来、大学病院ですら外科手術ができない都道府県が現れるかもしれない▼10自治体で脳神経外科領域の専攻医がゼロ名、2自治体で皮膚科領域の専攻医がゼロ名などとなっている—などの点を踏まえ、「医師偏在が助長されているのではないか」と問題提起を行っています(関連記事はこちらとこちら)。

これに対し、松原副理事長は「登録状況を見る限り、専攻医は適正に配置されており、大きな問題が生じているとは認識していない。日本専門医機構の理事会にも、病院団体から参加を得ており、こうした旨を説明している」と改めてコメントしました。

もっとも、現在の専攻医登録データを基にした議論には限界があります。厚生労働省の「今後の医師養成の在り方と地域医療に関する検討会」(検討会)では、「専攻医が実際にどこに勤務しているのか」が十分に把握されていないことが問題視されました。X医師が「▼A県の基幹施設▼B県の連携施設―で研修を行う」という専門医養成プログラムに登録したとします。登録はA県の基幹施設で行うため、X医師はB県の連携施設で勤務している間も「A県で勤務」とカウントされてしまうという問題です。また、大都市(例えば東京都)には専攻医が集中しがちですが、近隣県の連携施設での研修をプログラムに組み込んであれば、「大都市に集中しているように見えるが、近隣県への医師配置も同時に達成できている」ことになります(関連記事はこちら)。

日本専門医機構は、こうした問題点について「専攻医がリアルタイムで、どこに勤務しているのかを把握する仕組み」を構築する考えを明らかにしており(関連記事はこちら)、2月9日の定例会見では▼東京都の研修プログラムが、近隣県をどの程度カバーしているのかを明確にする▼基本領域学会に、リアルタイムでの専攻医把握に関するスケジュールを提示してもらう—方針が固まったことが報告されました。

この仕組みに基づけば、全自病の指摘するように「医師偏在が助長されている」のか、日本専門医機構の主張どおり「大きな問題は生じていない」のかが明確になるため、この仕組みやそれに基づくデータに注目が集まります。



http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/blog/nhc/201802/554872.html
病院が地域で生き残るための「切り札」は?
2018改定で加速! 診療実績ない病院は淘汰へ
 
2018/2/16 日経ヘルスケアon the web

 2018年度診療報酬改定は、病院の規模や受け入れる患者像に応じた機能分化をさらに促進します。中小病院は地域の医療需要の変化を的確に捉えた上で、早期に自院の機能を見直すことが大きな経営課題です。

 医療・介護の経営誌『日経ヘルスケア』は、2月号の特集「中小病院の生き残り戦略2018」で、軽度急性期や急性期後の機能を整備して経営力をアップさせた地域密着型の病院のケースを紹介しました。

地域の医療需要や病院の規模に見合った機能選択を

 2018年度診療報酬改定の全貌が明らかになりました。改定の基本方針の一つが、「医療機能や患者の状態に応じた入院医療の評価」です。人口構造や疾病構造の変化により入院医療のニーズが多様化する中、医療機能の分化・強化や連携を推進し、地域に必要な医療を効果的・効率的に提供できる体制を整備する狙いがあります。

 こうした基本方針の下、入院医療においては多くの入院料が再編・統合(表1)。看護職員配置や平均在院日数などの「基本的な診療にかかる評価」(基本部分)と、重症患者割合や在宅復帰率などの「診療実績に応じた段階的な評価」(実績部分)の2階建ての構造になります。重症患者を受け入れたり、早期に退院させるといった「アウトカム」が問われ、一定の診療実績を上げられなければ高い入院料は算定できなくなるのです。

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表1 2018年度診療報酬改定における入院料の再編・統合の概要(中央社会保険医療協議会資料を基に編集部作成)

 2018年度改定では病院の規模に応じた機能分化の推進も色濃く打ち出されました。これまで「病床数500床以上」が要件とされていた診療報酬については、原則「400床以上」に基準が引き下げられます。そのため2018年4月以降、400床以上の病院でも地域包括ケア病棟入院料の届け出が1病棟に制限。一方、同入院料に上位ランクが新設され、要件には「病床数200床未満」が盛り込まれます。

 今後の病院運営を考える上では、地域の医療需要や病院の規模に見合った機能を選択することが一層重要になってくるといえそうです。

際立つ10対1病棟の稼働率低下

 ただ、現在の病院の運営状況に目を向けると、200床未満の中小病院が厳しい環境に置かれていることが分かります。厚生労働省が示した一般病棟入院基本料の区分別の病床稼働率の推移を見ると、多くの区分で稼働率が低下。特に落ち込みが目立つのが10対1入院基本料です。厚労省の資料によると、10対1病棟を持つ病院の約9割が200床未満の中小病院であり、こうした病院が稼働率低下に直面している実態がうかがえます。

 それでは今後、200床未満の中小病院が生き残る上では、どんな戦略が考えられるでしょうか。急性期病院として生き残るのであれば、脳神経外科や整形外科などの専門に特化する道がありますが、そうでなければ肺炎や熱発のように高度な医療資源の投入を必要としない医療を担ったり、在宅医療を手がけるなどして、地域に密着した病院を目指すことになるでしょう。

 具体的には、地域の高齢者を主な対象とした軽度の急性期医療(いわゆる「サブアキュート」)に加え、急性期を脱した患者の受け入れ(いわゆる「ポストアキュート」)、リハビリ機能を担うことが求められます。脳血管疾患や骨折などの後に自宅生活に戻れるよう、リハビリを提供する回復期の機能を担ったり、退院後に必要な介護サービスを利用できるよう、介護との連携機能も期待されます。

地域包括ケア病棟の要件見直しでさらに競争激化?

 サブアキュートやポストアキュート、回復期の機能を担うに当たっては、病棟再編が必要になることもあります。一般病棟からの転換先として最も有力なのは地域包括ケア病棟でしょう。

 2018年度改定では、地域包括ケア病棟を届け出る要件に「同一敷地内に訪問看護ステーションがあること」が追加されます。従来は在宅療養支援病院、在宅療養後方支援病院(直近1年間に在宅患者の緊急受け入れ実績3件以上)、二次救急病院、救急告示病院──のいずれかを満たす必要がありました。要件の選択肢が広がることで地域包括ケア病棟への転換がますます進み、競争が激化する可能性が高いため、病棟再編を検討する場合は早期の決断を迫られそうです。

 地域にリハビリを担う病院が少なければ、回復期リハビリ病棟への転換も選択肢の一つになり得ます。ただし、回復期リハビリ病棟の届け出病床数は2016年時点で7万9000床を超え、回復期リハビリテーション病棟協会が目標とする「人口10万人当たり50床」を既に上回っており、既に「量的整備」から「質的整備」のフェーズに入ったといえます。

 「回復期リハビリを担う病院」と周辺の医療機関や患者に認識してもらうためには、早めに意思決定した方がいいかもしれません。一方、一般病棟からの転換が増えれば既に回復期リハビリ病棟を運営している病院にとっては競争激化は避けられず、一層質の高いリハビリを提供することが求められそうです。

 病床稼働率が低下する中、中小病院が生き残るには2018年度改定の内容や地域の医療需要、医療提供体制を踏まえて自院の機能を見直す必要があります。今回の特集記事では、将来の医療・介護需要の予測や地域の医療提供体制の動向などを基に、各病院がどのような戦略を立てて病棟を運営しているのかを解説しました。



http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201802/20180215_61032.html
双葉郡の2次救急担う 医療センター4月23日開院 福島・富岡 
2018年02月15日木曜日 河北新報

 福島県は富岡町に整備を進める「ふたば医療センター付属病院」(30床)を、4月23日に開院する方針を明らかにした。東京電力福島第1原発事故で被災した双葉郡の2次救急を担うとともに、入院を通じた食事指導にも当たり、帰還した住民らの健康を守る。
 救急科と内科を開設する。平日は院長と非常勤医師4、5人、休日は非常勤医師2、3人を配置。第1原発の廃炉作業などに携わる関係者や住民らの救急外来に24時間対応する。
 入院による食事指導などは地域の糖尿病患者らを対象に実施。服薬方法なども指導する教育プログラムを用意する。
 出動が多い県所有のドクターヘリが使えない事態を想定し、多目的ヘリを民間から借りる形で導入。病院のヘリポートに常駐させ、患者搬送にとどまらず、患者家族の移送や医薬品の運搬などにも利用する。
 医療センターは付属病院内に入り、同病院と、2016年2月に開所した「ふたば復興診療所」(楢葉町)を管轄する。
 双葉郡内の医療機関は原発事故前、歯科などを含め80カ所にあったが、現在は仮設なども合わせて12カ所で、入院機能を持つのは1病院のみ。18年度の開設も2病院にとどまり、施設と医療・介護人材の確保が課題となっている。



https://www.m3.com/news/general/586756
震災7年:とうほくの今 陸前高田・津波で全壊、高田病院が高台に再建 90人態勢で来月1日開院 /岩手 
地域 2018年2月17日 (土)配信毎日新聞 岩手

 東日本大震災の津波で全壊し、患者と職員計22人が犠牲になった陸前高田市の県立高田病院が高台に新築され、16日に落成式が行われた。大槌病院、山田病院と合わせ、被災した県立3病院がすべて再建された。3月1日に開院する。【藤井朋子】

 同市気仙町にあった旧高田病院は、最上階の4階まで浸水して全壊。患者16人と職員6人が亡くなった。その後、同市米崎町の仮設施設で2011年7月に診療を、12年2月に入院を再開している。

 新病院は、海から約2キロ離れた同市高田地区の山を切り崩した造成地で、海抜51・2メートルの高台にある。鉄筋コンクリート2階建てで、延べ床面積は4265平方メートル。総事業費は約28億8100万円。

 診療科は、内科▽外科▽小児科▽整形外科▽婦人科▽眼科▽耳鼻咽喉(いんこう)科▽リハビリテーション科――の8科で、病床数は震災前より10床少ない60床。常勤医は7人で、非常勤の職員を含む90人態勢で再スタートする。今後、病院の隣に市の保健センター(仮称)が整備され、連携して地域医療を支えていく。

 落成式には、達増拓也知事らが出席。陸前高田市の戸羽太市長はあいさつで「目指すのはノーマライゼーションという言葉の要らないまち、誰もが安心して暮らせる社会だ。この病院がその拠点になってほしい」と期待を寄せた。

 県医療局によると、仮設病院は現在、1日平均約180人が外来で受診し、その多くが高齢者という。新病院のX線テレビ室では、喉の形やのみ込み方に問題がないか調べる嚥下(えんげ)造影検査ができ、のみ込みやすい体位や適した食べ物の硬さなどを検討できる。また、院内に子どもたちが遊べるキッズルームも設けた。

 田畑潔院長(57)は「高齢の方が最後まで気仙で暮らせる地域づくりを支えながら、子どもたちも大切にする病院にしたい」と話した。



https://www.m3.com/news/general/586588
市立伊勢総合病院 院長と事業管理者を分離へ 経営改善に専念 三重 
地域 2018年2月17日 (土) 伊勢新聞

【伊勢】慢性的な赤字経営が問題となっている伊勢市立伊勢総合病院の運営体制を改善しようと、三重県伊勢市は経営担当の病院事業管理者が院長を兼務する現在の体制を改め、院長と管理者を分離させる方針を固めた。市議会3月定例会に条例改正案を提出する。可決されれば来年度中に新たな管理者を設け、新管理者は経営改善に専念する。

市が15日の市議会教育民生委員会で報告した。管理者は市長が任命した特別職で医師免許は不要。人事や予算編成など、病院経営において大きな権限を持つ。一方、院長は院内の医療行為の管理責任者で医師が務める。市は経営を効率化するため、平成16年4月から管理者が院長を兼ねている。

ただ、伊勢病院は16年度から本業の医業収支が毎年赤字となっている。16年度の医業収支は約2500万円の赤字だが、28年度の赤字額は9億5千万円まで増加。そのため、市議会からは管理者と院長を分離し、新管理者は経営改善に専念するよう求める声が度々上がっていた。

県内の市立病院では亀山市立医療センターが管理者と院長を分けている。



https://www.m3.com/news/general/586102
高知県の室戸病院存続を 住民3063人が市に署名提出 
地域 2018年2月14日 (水) 高知新聞

 1月末に閉院した室戸病院(高知県室戸市元甲)の存続や地域医療の確保を求め、地区の住民有志が市民3063人の署名を集めて13日、室戸市に提出した。

 室戸病院は内科や眼科、皮膚科などを備えた総合病院として、多くの市民に長年利用されてきたが、経営不振に伴い閉院した。署名は元地区の杉本忠士さん(72)らが中心となって1月中旬から集めてきた。

 この日、杉本さんらは市役所に小松幹侍市長を訪ね、署名を手渡した。

 小松市長は閉院までの経緯や、地域医療について県などと協議を続けている旨を報告。室戸中央病院(同市室津)と協定を結び、室戸病院が担ってきた内科外来を2月から引き継いでいることも説明した。

 住民たちは「『総合病院があってほしい』という声が多くある」「救急や入院は、田野(病院)、あき(総合病院)まで行かんといかん。とても困る」と切実な思いを伝えた。

 小松市長によると、市内の他の医療機関で医療サービスの拡充を図ることが当面の対策といい、「地域の医療を守るために全力で取り組む」としている。
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https://www.m3.com/news/general/586100
【新潟】十日町の上村病院、3月閉院 医療スタッフ不足や患者数減少で 
地域 2018年2月14日 (水) 新潟日報

 新潟県十日町市田中の一般財団法人上村病院が3月末で閉院し法人を解散することが分かった。医療スタッフ不足や患者数減少による収入減が理由。4月以降は同じ敷地内の福祉施設を運営する社会福祉法人が診療所を開設し、外来診療を継続する。入院中の患者約20人は、3月中旬までに全員退院する見通し。

 上村病院によると、現在の常勤医師は歯科も含め4人。看護師は二十数人で慢性的なスタッフ不足が続いていた。また、2014年に社会福祉法人「清津福祉会」を新設し、それまで病院内で運営してきた介護療養型医療施設と、併設の介護老人保健施設を、15年に特別養護老人ホームに転換。これに伴い計約200床のベッド数が現在の45床に大幅減少。病院収入も減った。16、17年度の2年間で計約3億円の赤字を見込む。

 現在45床の稼働率は50%割れを続けていることもあり、病院継続は限界と判断した。

 4月以降は、清津福祉会が「上村診療所」を開設し、外来を受け付ける。内科、外科、整形外科など9診療科と健康管理センターを設け、医師配置は現体制を維持。送迎バスも引き続き運行する。同福祉会の特養「桜湯の里」「桜湯の里2号館レインボー」は継続。十日町市から移管される「中里なかよし保育園」も予定通り4月に開園する。

 上村斉理事長・病院長は「すべてがこれまで同様というわけにはいかないが、地域住民の暮らし、医療と福祉、介護と子育てに役立てるよう精いっぱい努力する」とコメントした。



https://www.m3.com/news/general/586106
獨協日光医療センター新病院「5年以内に開院したい」 寺野理事長 
大学 2018年2月14日 (水) 下野新聞

 獨協医大を運営する獨協学園の寺野彰(てらのあきら)理事長は13日、下野新聞社の取材に応じ、日光産業団地(日光市森友、土沢)への移転・新築を目指している同大日光医療センター(同市高徳)について、5年以内に開院したい意向を示した。

 整備費は100億~150億円程度とし、県西部の地域医療を担い続けるには行政の支援が不可欠との考えを強調した。また小児科や産婦人科の設置も検討していることを明らかにした。

 新病院の役割について、寺野理事長は「最先端設備を置く(集中的な治療などに対応する)急性期病院」と説明。現在のセンターは16診療科で199床(ベッド)備えるが、「県から小児科、産婦人科新設を要望されている。(県の調整による増床で)230~240床程度になる可能性が高い」との見方を示した。医師や看護師向けの寮や、ドクターヘリ用のヘリポートを設ける考えも示した。



  1. 2018/02/18(日) 12:18:17|
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2月11日追加

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180207-00007394-bengocom-soci
「はぁ、おめえ何様なんだよ」福生病院職員、上司のパワハラで提訴 上司自ら命じた録音が証拠に
2/7(水) 18:00配信 弁護士ドットコム

公立福生病院(東京都福生市)の男性課長(50代)が、上司からのパワハラで精神疾患にかかり、休職を余儀なくされたなどとして2月7日、病院の運営元を相手に損害賠償約550万円を求めて東京地裁立川支部に提訴した。

訴状によると、パワハラが始まったというのは2016年秋ごろから。机を叩くなど威圧的な態度で、長時間罵倒されるなどしたという。男性は精神疾患にかかり、2017年4~7月まで休職している。

男性は東京管理職ユニオンに入り、病院側に団体交渉を求めたが、病院側が謝罪などを拒んだため、提訴に至ったとしている。

男性によると、上司は「何度も言わせるな」と、叱責時の録音を命じていたという。音声は裁判の証拠として提出されており、提訴後の記者会見で、その一部が再生された。まくし立てるような語調で、次のような発言があった。

・「はぁ、おめえ何様なんだよ。俺より上司か?」

・「日本語通じんのか、おめえは」

・「この病院から去ってほしいよ」

中には、次のように「確信犯」的な発言も。

・「普通はみんな嫌がって、これで行くとノイローゼになるけど、お前はならないところを見ると、よっぽど図々しいか、てめえのことしか考えてねえ人間だよ」

●パワハラで辞めた人、何人もいる

男性は現在職場復帰している。業務上、上司との接触が減ったため、叱責されることはないという

ただし、「被害者は私だけではない。昔からパワハラがひどく、やめた人、被害を組合に訴えている職員も何人もいる」と述べ、「パワハラをなくして、良い病院にしたい」と裁判の目的を語った。

なお、上司自身を訴えなかったことについて、男性の代理人の上田貴子弁護士は、「裁判例上、公務員の場合は国家賠償法が適用される(編注:福生病院は公立)。上司に(損害賠償を)請求しても棄却される可能性があったため」としている。

一方、福生病院は「訴状が届いていない」としてコメントを控えた。ただし、この上司については、今年1月に「行き過ぎた言動があった」として、訓告処分にしているという。懲戒処分の一種で口頭注意に近いものだそうだ。

弁護士ドットコムニュース編集部



http://www.sankei.com/affairs/news/180207/afr1802070058-n1.html
パワハラで組合提訴 公立福生病院職員「長時間罵倒された」
2018.2.7 23:18 産経新聞

 「うそつき」「狂ってる」など長時間にわたり上司から大声で怒鳴られるパワーハラスメントを受けたとして、公立福生病院(東京都福生市)の事務職員の男性が7日、病院を運営する福生病院組合(管理者=加藤育男福生市長)に慰謝料など約550万円を求める損害賠償請求訴訟を東京地裁立川支部に起こした。

 訴状などによると、男性は平成17年から同院で働き始め、25年に医事課長に昇任。28年秋ごろから上司に当たる事務次長の男性から「ばかのまま何年もやってる」「生きてる価値なんてない」などと長時間にわたり罵倒されるパワハラを受け、29年4月に適応障害のため休職。4カ月後に復職したが、謝罪や再発防止の措置が不十分という。

 7日会見した男性は、「パワハラを受けた職員は他にもいる。パワハラをなくし、患者さんのための良い病院にしていきたい」と訴えた。

 福生病院組合は「訴状が届いていないのでコメントできない」としている。

 福生病院は福生、羽村、瑞穂の2市1町で作る一部事務組合「福生病院組合」が運営する公立病院。



  1. 2018/02/11(日) 22:26:27|
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2月11日 

http://www.sankei.com/column/news/180209/clm1802090001-n1.html
【主張】
診療報酬改定 医師不足と偏在に答えを
 
2018.2.9 05:03 産経新聞

 団塊世代がすべて75歳以上となる「2025年問題」に対応するには、医療費抑制を図っていかざるを得ない。

 診療報酬を定める上でも、医療の在り方の見直しが求められている。

 詳細が固まった今回の改定の最大の特徴は、高コストとなる入院から在宅医療に移行させようとさらに踏み込んだことにある。

 具体的には、かかりつけ医の初診に加算する仕組みを新設した。また、複数の診療所が連携し、24時間対応する体制を整えた場合の報酬を手厚くした。

 高齢化が進む中で慢性疾患の患者数は増える。身近な診療所と先端医療を担う大病院の役割分担を明確化し、両者が連携する体制を推進することが急務である。

 問題は、それらの前提となるかかりつけ医の整備が遅れていることだ。改定を体制づくりを推し進める契機としてもらいたい。

 かかりつけ医に求められる大きな役割は看取(みと)りにある。日本は「多死社会」に突入する。現在は病院で亡くなるケースが多いが、やがて対応しきれなくなる。

 今回、医師とケアマネジャーの連携強化を促した。特別養護老人ホーム(特養)で外部の医師が看取った場合、高い報酬を得られるようにしたのも前進だ。

 とりわけ特養の実態は非常勤医のみのところが多く、夜間に入所者の容体が急変した際に救急搬送することが課題となっていた。

 もっとも、厚生労働省が描く在宅医療へのシフトが、報酬改定で直ちに実現するわけではない。

 医師の不足や偏在は深刻化している。診療所が1カ所しかない地域では、24時間体制の実現は難しい。医療提供体制の立て直しを同時に進めなければならない。

 パソコンなどを通じて診療する遠隔診療の保険対象拡大にしても、医師が個別に対応すべき状況は変わらない。

 医師の過労も問題化している。限られた時間で医師が効率的に診療するには、看護師や介護職員、事務スタッフが行える仕事を移していくべきだろう。

 紹介状なしで大病院を受診する際の患者負担金について、徴収対象の病院を広げた。大病院への集中解消のため、やむを得ない。

 一定の効果を期待しつつも、診療報酬による誘導には限界がある。厚労省にはさらに改革を進めてもらいたい。



https://www.mixonline.jp/Article/tabid/55/artid/59505/Default.aspx
中医協 18年度診療報酬改定を答申 診療実績を報酬体系で評価 地域包括ケアへの布石
公開日時 2018/02/08 03:54 ミクスオンライン

中医協(田辺国昭会長)は2月7日、2018年度診療報酬改定について加藤勝信厚労相に答申した。昨年末の予算編成過程で薬価・材料を1.740引き下げ、診療報酬本体を0.550引き上げる方針を決定した。これを踏まえて年明けの中医協は個別改定項目への財源配分の議論を行った。焦点となった入院医療の報酬体系については、今後の人口減少や高齢化の進展など地域の実情を見据え、診療実績に応じて病院経営者自らが病床機能の転換を判断できるよう見直した。一方、外来医療については、地域包括ケアシステムの中核を担う「かかりつけ医」の機能を診療報酬で評価し、地域の急性期病院や訪問看護ステーション、介護施設と連携できる医療提供体制を構築する。さらに医療ICT関係では、「オンライン診療料」、「オンライン医学管理料」を新設し、情報通信機器を活用した診療を評価する。

2018年度診療報酬改定は、2025年に到来する超高齢社会に向け、今後の方向性を決定づける“分水嶺”に位置づけられる。政府は、2025年の医療需要を策定すべく、47都道府県に「地域医療構想」を策定させた。首都圏を除くほぼすべての道府県が人口減少に直面し、その結果、医療需要そのものに大きな変化をもたらすことが明らかになっている。特に入院医療については、急性期病床の需要が減り、空床に伴う病院経営の悪化が予想される。一方で、救急搬送される脳卒中や心筋梗塞などの患者について、処置後の受入れ先となる回復期リハ病床の絶対数が不足している。さらに、在宅と病院の連携を前提とした病床機能の整備を唱える声も高まっていた。今回の診療報酬改定は、まさに病床機能の再編・統合を病院経営者自らが判断し、地域の実情に応じ、必要な機能転換を促す狙いが込められているのだ。

◎急性期一般入院基本料 重症患者割合300-診療実績評価を導入

こうした背景を踏まえ、入院医療は、基本的な医療の評価部分と診療実績に応じた段階的な評価部分の2つの評価を組み合わせた新たな体系に見直した。具体的には、看護配置7対1と10対1が再編・統合された急性期一般入院基本料は入院料1~7の7段階に区分された。現行の7対1に相当する入院料1については、点数を1591点に据え置いた。ただし、医療看護・必要度を見直し、これに応じた重症患者割合を現行の250以上から300以上(DPCデータベースでは250以上)に基準を引き上げた。平均在院日数は18日以内、在宅復帰・病床機能連携率も8割以上、医師数も入院患者の10/100以上、看護配置も7対1を求めるなど、厳しい要件を定めた。

一方で、新設する入院料2は1561点(重症患者割合:290以上、DPCデータベース:240以上)、入院料3は1497点(同:280以上、230以上)で、平均在院日数は21日以内とした。そのほか、200床未満の医療機関には経過措置を認めるものの、DPCデータの提出を求めることを要件とした。看護配置も10対1が基本となる。一方で、現行の10対1に該当する入院料4~7は点数を据え置いた。

なお、それぞれの病院は診療実績に見合う入院料を選択できる。先述したように、入院料1は急性期病院として高めの要件を設定しており、これを満たさない病院は必然的に入院料2~7を選択する。ただし、現段階で入院料2~3を選択する病院は、入院料1(7対1)の届出実績が必要なため、入院料4~7(10対1)から入院料2~3を直接届け出ることはできない。

◎地域包括ケア病棟入院料、回復期リハビリテーション病棟入院基本料

一方、地域包括ケア病棟入院料・入院医療管理料については、入院料1~4に区分される。看護配置は13対1を基本とする。加えて、実績部分の評価(入院料1、3)として、自宅等からの入棟患者割合(1割以上、10床未満は1人以上)、自宅等からの緊急患者の受入れ(3月で3人以上)、在宅医療の提供、地域医療機関との連携、介護サービスの提供、看取りに対する指針の策定などを求めた。この結果、入院料1は2738点、入院料3は2238点となる。

回復期リハビリテーション病棟入院基本料については、新入院料1~6に区分される。看護配置は15対1を基本に、PT2人、OT1人を配置。実績部分の評価として、リハ病棟のアウトカム評価の実績を入院料1、入院料3、入院料5の点数に上乗せした。このほか、重症者割合は入院料1、2で3割以上、入院料3、4で2割以上。在宅復帰率は入院料1~4で7割以上とする。

◎かかりつけ医 緩やかなゲートキーパー機能を評価

今改定で、病床機能と同レベルで重要視されたのが、「かかりつけ医」の機能評価と言える。主に外来機能を担う、かかりつけ医を軸に、専門医療機関、介護施設、訪問診療、かかりつけ歯科医などとの連携を診療報酬で評価した。いわば、地域における“扇のかなめ”的な役割として、かかりつけ医に緩やかなゲートキーパー機能を持たせることを意味する。

具体的には、かかりつけ医機能をより一層推進する観点から、地域包括診療加算について在宅患者に対する 24 時間対応等に係る施設基準を緩和した。今改定では、従来の地域包括診療料とは別に「地域包括診療料Ⅰ」(1560点)と「認知症地域包括診療料1」(1580点)を設けた。施設要件として、現行の算定要件にある常勤医師2名以上の配置を、常勤換算2名以上と改め、常勤医師は1名以上に緩和した。また、診療料1の算定に際しては、「当該医療機関での外来診療を経て訪問診療に移行した患者数が10人以上」という実績評価を導入した。

このほか地域包括診療料等の要件である患者の受診医療機関や処方薬の把握について看護師等が実施可能であることを明確化した。さらに、かかりつけ医と入院医療機関等が連携して行う医薬品の適正使用に係る取組について、「薬剤適正使用連携加算」(30点)として評価する。そのほか、かかりつけ医が、生活習慣病や認知症などで、専門医療機関への受診の要否の判断を初診時に行えるようにするため、「機能強化加算」(80点)を新設する。このほかにも、かかりつけ医とかかりつけ歯科医の間の情報共有を評価するほか、がん患者に対しての治療と仕事の両立のため産業医と情報共有や連携を評価する。

そのほか病院との連携では、入退院支援を評価する。仮に住民が近隣の病院に入院しても、住み慣れた地域で継続して生活できるよう、入院前から関係者との連携を推進するなど、切れ目ない支援を評価する。医療疎開などを防ぐ狙いもある。これに伴い、現行の退院支援加算を「入退院支援加算」に名称を変更する。さらに地域連携診療計画加算の算定対象を拡大するほか、支援の対象となる患者要件を追加した。
さらに、紹介状なしで大病院を受診した患者については、現行の一般病床500床以上の規定を「許可病床400床以上」の地域医療支援病院に見直す。なお特定機能病院はこれまで通り含まれる。

◎医療ICT オンライン診療料・70点、オンライン医学管理料・100点

医療ICTの関係では、情報通信機器を活用した診療について、対面診療の原則の上で、有効性や安全性等への配慮を含む一定の要件を満たすことを前提に、診療報酬上の評価を新設する。具体的には、有効性や安全性等への配慮を含む一定の要件を満たすことを前提に、オンライン診療料(70点・1月につき)、オンライン医学管理料(100点・1月につき)を新設する。

このほか関係機関間・医療従事者間の効率的な情報共有・連携を促進する観点から、感染防止対策加算や退院時共同指導料等について、連携会議や情報共有等にICTを活用することができるよう、要件を緩和する。



http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201802/CK2018020702000262.html
【政治】
在宅医療・みとり推進 診療報酬改定 かかりつけ医を強化
 
2018年2月7日 東京新聞

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 厚生労働省は七日、医療機関に支払う診療報酬の四月からの改定内容を決めた。高齢者が住み慣れた地域で最期まで暮らせる仕組みづくりを掲げており、介護と連携して在宅医療や施設でのみとりを進める。高齢で慢性疾患を抱える患者の増加を背景に、ニーズに合わせた病床再編を促し、かかりつけ医の役割を強化する。医療費抑制につなげたい考えだ。

 加藤勝信厚労相の諮問機関である中央社会保険医療協議会(中医協)が答申した。

 高齢化で死亡者が増えており、自宅や介護施設でのみとりをしやすくする。現在、特別養護老人ホーム(特養)の患者を外部の医師がみとる場合、特養が介護報酬の加算を取ると医師は診療報酬の加算を受けられないが、医師も報酬をもらえるようにして訪問診療の担い手を増やす。

 情報通信技術(ICT)を活用してテレビ電話などで患者を診る「遠隔診療」の報酬を新設。過疎地や離島といった医療機関や医師が不足している地域で在宅でも診療を受けられるようにする。

 身近な診療所にかかりつけ医として日常的な診察を担ってもらい、先端医療を担う大病院との役割分担をさらに進める。今回の改定では、訪問診療や夜間・休日に対応するかかりつけ医を対象に初診時に八百円を上乗せする(自己負担は最大三割)。一方、紹介状なしで大病院を受診した人に五千円以上の追加負担を求める制度は、対象病院を五百床以上から四百床以上に拡大。二百六十二カ所から約四百十カ所に増える。

 重症患者向けの「急性期病床」は現在、看護師の配置人数が多いほど高い報酬を支払っている。重症者の割合や治療内容で段階的に配分する仕組みに改め、ニーズが高い慢性疾患を抱える人向けの病床への転換を促す。病院前で営業する「門前薬局」は、利益が大きい大手薬局グループの報酬を引き下げる。

 診療報酬は原則二年に一回改定され、二〇一八年度は昨年末に全体で0・9%(薬価制度の改革分を含めると1・19%)のマイナスと決まった。今回は三年に一回の介護報酬との同時改定。

◆医療と介護 連携不可欠
<解説> 厚生労働省が診療報酬改定で、在宅医療や介護施設でのみとりの強化に取り組むのは、団塊の世代が全員七十五歳以上になる二〇二五年が目前に迫り、変化する医療ニーズへの対策が急務となっているからだ。この課題をクリアするには、医療と介護の連携強化が不可欠だが、目新しい政策が打ち出されたとは言い難い。

 今後、加齢による慢性疾患を抱えて暮らす高齢者が増え、重症患者向けの急性期病床よりもリハビリや在宅医療の体制整備が求められる。既に日本は「多死社会」に突入し、十年も待たずに年間の死者が百五十万人を超える。現在は八割近くが病院で亡くなっているが、病院でのみとりの対応も間もなく限界が来る。

 二五年を前にした診療報酬と介護報酬の同時改定は、実質的に今回が最後となる。中医協では、委員がそれぞれの団体の利益を主張するばかりで、連携強化の議論が深まることはなかった。高齢者が暮らし慣れた地域で住み続けることができる「地域包括ケアシステム」の実現に向け、厚労省を中心に、医療と介護の垣根を低くする努力を続けるべきだ。 (共同・筋野茜)

<診療報酬改定> 公的医療保険を利用して受ける医療サービスの対価として、病院や薬局などに支払われる公定価格「診療報酬」を見直すこと。手術や検査など個別に単価が決まっており、原則2年に1回改定される。医師や薬剤師の技術料や人件費に当たる「本体部分」と、薬や医療材料の価格である「薬価部分」を合わせた全体の改定率は政府の予算編成で決まる。個別の単価は中医協の検討を経て決定する。



http://toyokeizai.net/articles/-/207487
「新専門医制度」は医師にも患者にも"迷惑"だ
地方の医師不足を助長、新制度は問題だらけ

井艸 恵美 : ライター 2018年02月07日 東洋経済オンライン

より腕のいい医師から、よりレベルの高い治療を受けたい――。患者ならば誰もがそう願うはずだ。その判断材料を「専門医」という肩書に求める患者もいるだろう。専門医の取得は義務ではないが、医師の9割が取得を目指すという。

この専門医をめぐって、大きな動きが起こっている。従来の専門医取得のしくみを見直した「新専門医制度」(以下、新制度)が2018年4月から始まるのだ。実はこの制度、開始が1年延期され、やっとスタートにこぎつけた。だが、いまだに批判の声が鳴りやまない。

新制度の内容は後述するとして、今回、現役医師に新制度についてアンケート調査を行うと、740が「反対」だった。「制度自体がわかりにくく見切り発車という感が否めない」「医療のためというより既得権益のためのように感じる」「勤務地や専門の選択の自由が制限される」などの理由があがった。

既得権益の「政治闘争」で混迷する新制度

医学生の間にも不安が広がる。

「専門医にはなんとなくなるものだと思っている人が多い。新制度が始まったから早めに専門を考えないといけないと言われるが、何をしていいかわかりません」(医学部3年生)

なぜ、新制度はここまで混迷しているのか。東京大学大学院医学系研究科国際保健政策学教室教授の渋谷健司医師は「専門医の質の担保という目的に地域の医師偏在問題が混ざり合い、結局、既得権益同士の政治闘争のようになってしまいました。一番かわいそうなのは巻き込まれた若手医師です」と言う。

渋谷医師が指摘するように、そもそも新制度の狙いは、専門医の質を向上させることだ。

従来の専門医は各学会がそれぞれの評価基準で認定していたため、その基準は学会によってまちまちだった。そこで「日本専門医機構」(以下、機構)という第三者機関が認定することで、専門医のレベルを標準化するしくみをつくった。

その一つが「研修プログラム」だ。新制度で専門医を目指す医師は初期臨床研修を終えた後、19の基本領域で3年間の研修プログラムを受ける。この基本領域の専門医を取得した後、さらに細分化した領域(サブスペシャルティ)の専門医を目指す。

ところが、この研修プログラムを実施できる施設が大学病院や都市部の大きな病院に限定されていたことに批判が集中した。

一つは大学医局の復権が起こるというもの。かつて大学卒業後は医局に入るのが王道だったが、2004年から導入された「臨床研修マッチング」によって、初期研修医は全国の病院から研修施設を選べるようになった。

その結果、大学よりも一般病院で研修を受ける医師が増加している。しかし専門医を取得できるのが大学中心となれば、現場で鍛えられてきた若手医師は、大学に戻らざるを得なくなる。ゆえに大学病院が「強さ」を増してしまうのでは、という懸念だ。

大学病院に若手が集中、地方の医師不足を助長

同時に、都市部に医師が集中することで、地方の医師不足が助長されるのではないかという不安の声が、地域の医療機関からあがり始めた。地域による医師数の偏在は今に始まった問題ではないが、新制度が若手医師の所属病院を左右するとなれば、医師不足にあえぐ地域の中小病院は黙っていられない。

こうした批判が相次ぐなか、延期の決定打となったのは、2016年6月に発表された厚生労働大臣談話だ。当時の塩崎恭久大臣は、地域医療への影響を踏まえた新制度への懸念を示した。

厚労省医政局医事課の堀岡伸彦さんは「この談話は大きかった」と話す。

「本来、専門医は国の制度ではないので厚生労働省が関わる法的根拠は薄いですが、医療法という枠組みの中で国は地域医療に責任を持っています。医師の偏在を加速させないために調整を図るのは厚労省の役割です」

機構は制度の開始を2018年に延期することを決め、地域医療に配慮をした制度の見直しを図った。結果、専門医資格を目指す専攻医の都市部への集中を防ぐため、5都府県(東京、神奈川、愛知、大阪、福岡)の専攻医の採用を調整し、過去5年間の採用実績の平均を超えないようにする方針が決まったのだ。

2017年12月、新制度による初の専攻医の採用結果が出た。機構は「眼科などの一部の診療科を除き、都市部への専攻医の集中は起こらなかった。過去5年の採用実績を超えた診療科は調整する」と発表。特に東京都では眼科の応募者が集中したという。

定員調整で採用にあふれた医師は、別の地域の病院に移る、研修を1年後に延期するなどの対応に迫られることになる。

こうした専攻医数の調整だけでなく、内科や小児科などの専攻医数が多い診療科は大学病院以外の研修施設を設置する、地域の関連病院への一定期間の勤務を義務化するなど、地域医療に配慮した基準の見直しが行われた。

いい意味で「地域医療への歩み寄り」。だが、本来の目的である「専門医の質の向上」という点では反対意見もある。
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医師会の反対強く、新制度で本質的な議論進まず

「医師の地域偏在という社会問題と、質の高い専門医の育成を結びつけるべきではありません」

こう話すのは、筑波大学医学医療系地域医療教育学教授の前野哲博医師だ。前野医師は新制度で新たに誕生する「総合診療専門医」の育成に携わる。総合診療専門医とは、子どもから高齢者まで地域の医療をまるごとみるジェネラリストだ。高齢化で慢性的な病気を抱える人が増加するなか、医療だけでなく介護も含めた地域包括ケアが推進されている。その要となるのが、総合診療専門医だ。

だが、その育成には時間がかかりそうだ。理由は、こうだ。「総合診療医の本質的な議論はあまり進みませんでした。というのも、開業医の入会率が高い日本医師会の反対が強かったのです。トレーニングを受けた総合診療医が町に増えれば、今いる開業医は自分たちのパイがなくなるのではないかという不安があるからです」(渋谷医師)

新制度下の一次募集で集まった総合診療の専攻医は全国で158人。総合診療医への注目が高まっているにもかかわらず、その数は伸び悩んだ。前野医師は「一番の障壁は、へき地勤務」と言い切る。

新制度で総合診療専門医は、東京都や神奈川などの都市部では離島などのへき地へ1年間勤務することが義務づけられた。

「若手医師を強制的に地域に行かせるのではなく、医療資源の乏しい地域でもやっていける実力をつけてから地域で活躍してもらうべきです。もちろん指導態勢が整っていればへき地でもかまいませんが、今回はそのことよりも『へき地かどうか』という条件のほうが優先された。良医を育てる環境を壊してまで地域に医師を配置するのは本末転倒です」(前野医師) 

専門医の研修期間は3年とはいえ、20代後半の修業の場をどこでいかに過ごすかはその後のキャリアを左右する。都内の大手民間病院で外科専門医を目指す26歳の男性はこう話す。

「外科はどれだけ自分で執刀できるかが勝負です。大学病院よりも民間病院のほうが症例を積めるので、この病院を選びました」

制度に巻き込まれアホらしい

4月から大学付属の医療センターで内科専門医の研修を受ける27歳の女性は言う。

「新制度で内科のハードルが上がり、別の科に希望を変えた人もいます。内科は症例提出の件数が増えたので、一つの病院でいろんな症例を見られる大きな病院のほうが有利だと思います」

一方で専門医取得にこだわらず、独自のキャリアを歩む若手医師もいる。
「制度に変に巻き込まれ、アホらしいなと思ってしまって」

こう話すのは、福島県南相馬市の民間病院で働く山本佳奈医師(28歳)だ。

山本医師は1年前まで初期研修医として南相馬市立総合病院で働いていた。研修修了後も南相馬市で働きながら産婦人科の専門医を目指したいと思っていたが、そこには専門医研修を受けられる病院がなかった。専門医を取得するには大学病院に行くしかなかったが、地域に残ることを選んだ。

「実際に医療過疎地で働かないと、その地域の実情や患者さん、家族の声はわかりません。一人前になるには主治医としてひとりでも多くの患者さんをみるしかないと思っています」

山本医師は現在、南相馬市の大町病院で唯一の内科常勤医として働いている。ときに周辺病院の先輩医師に協力を仰ぎながら、外来と入院病棟の両方をこなす。若手の医師としては重責に思われるが、徐々に病院スタッフや患者の信頼を得つつある。

「地域で働くことを強制されたらやる気を失いますが、魅力ある地域には若い人が集まるし、多くの症例も積めます。やりたいという人は私以外にもいると思うんです」

山本医師が師事する医療ガバナンス研究所理事長の上昌広医師は、今後の医師のキャリアについてこう話す。

「今は自分でキャリアを考えないといけない時代です。誰もが専門医を取るならば、それは単なるワン・オブ・ゼムです。自分だけの付加価値を見つけていけなければ国際競争の中では生き残れません」

強制的に行かせても長期的には定着しない

上医師は若手医師のへき地への強制配置にも反対する。

「強制的に行かせても長期的には定着しません。特に医師の偏在の原動力は女性医師です。女性医師は将来子どもの教育を優先し、都市部に戻ってくる傾向が強いからです」

専門医資格を取るまでの期間は、妊娠や出産など女性のライフイベントと重なることも多い。地域の関連病院への派遣やへき地勤務は、専門医取得の障壁になりかねない。必要なのは、地域で長く働き続けられるような労働環境と柔軟な選択肢だ。

前出の渋谷医師は「制度に巻き込まれるより、うまく活用してほしい」と話す。

「プロとしていかに自分が自立して生きるか、どういうキャリアを積みたいのかを自分の頭で考えることです。大学病院にいたら安泰という時代はもう終わりました」

新制度は始まったばかりだ。これから医学部に入る学生が専門医研修を受けるころには、制度に変更があるかもしれない。ただ、旧来の慣習と利権を捨て去って前に進まなければ、若手医師の未来と医療を受ける患者の利益にはつながらないだろう。

本記事は朝日新聞出版 『AERA Premium 医者・医学部がわかる 2018 』(AERAムック)からの転載です



https://www.m3.com/news/iryoishin/580712
未来の医師たちへ―医師のリアルと2035年の医療
2035年、医師は「都会で過剰、地方で不足」◆Vol.2
強制力を持った医師配置、6割が「導入されず」

スペシャル企画 2018年2月4日 (日)配信高橋直純(m3.com編集部)

Q 2035年の医師の需給バランスはどのようになるとお考えですか。
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 医師の需給バランスは現在も最もホットなトピックスの一つで、全国的に医師不足が指摘されているが、2035年では「都市部では過剰で、地方では不足している」と予想する医師が全体の70.5%で最も多かった。次いで「全国的に医師が過剰になっている」が16.4%で、「全国的に医師が不足している」の10.9%より多かった。

 その他では以下のような意見が寄せられた。

・専門医は過剰になるが、かかりつけ医として総合診療が出来る医師が不足する。
・専門医は余る。
・都市部ではバランスが取れるが、地方ではますます不足する。
・都市部の高齢化により都市部で不足、地方は人口減のため過剰になる。
・奴隷のように働く医者は不足、サボる医者は過剰。
・必要とされる科は不足し、それ以外は過当競争になる。

Q 地域や診療科の医師偏在を解消するための強制力を持った医師配置の制度が導入されているとお考えでしょうか。
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 医師の配置を巡っては、厚生労働省は現在、「医師少数区域」での勤務経験を有する医師を認定し、地域医療支援病院などの管理者(院長)の要件とすることなどを議論している。
 2035年に強制力を持った医師配置の制度が導入されているかについては、59.70が「導入されていない」と予想。「導入されている」は17.10にとどまった。

◆回答者の属性
診療科
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http://www.kyoto-np.co.jp/top/article/20180209000015
医師、月150時間残業容認も 過労死ライン超す協定
【 2018年02月09日 08時40分 】京都新聞

京都滋賀の主な自治体、大学病院の三六協定
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 京都府南丹市の京都中部総合医療センターと同府綾部市立病院が過労死ライン(月100時間、複数月平均80時間超)の残業を認める労使協定(三六協定)を結んでいたことが分かった。両病院とも「医師不足の中、救急態勢を維持する」ことを理由に挙げ、センターは産婦人科医に月150時間、綾部は全医師に月90時間以内に残業時間の上限を設定していた。医師の働き方改革と地域医療確保の両立の難しさが浮き彫りとなった。

 京都新聞社が京都府、滋賀県内の自治体病院、大学病院で救急患者を受け入れる25病院に協定の有無や上限時間を調査した。京都府京丹後市立の弥栄病院、久美浜病院、滋賀県長浜市立湖北病院は協定を締結せずに残業をさせていたことも分かり、両市とも労働基準法に違反していることを認めた。

 京都中部総合医療センターの産婦人科は24時間態勢で患者を受け入れるが、常勤医は3人しかいない。「現在70時間超の残業はないが、医師が減った時に備えている。住民ニーズに応えるには仕方がない」という。綾部市立病院も「残業超過を理由に急患を断るわけにはいかない」と回答した。

 滋賀医科大付属病院は昨年1月、協定の上限を超えて残業させたとして、大津労働基準監督署から是正勧告を受けた。このため、月60時間以内だった協定を4月から過労死ラインギリギリの月100時間未満、複数月平均80時間未満に引き上げた。働き方改革に逆行する改定だが、病院は「実態に合わせないと協定が絵に描いた餅になる」。また9病院で月80時間以内に設定され、勤務医の厳しい労働実態が明らかになった。

 政府は過労死ラインや年間720時間を超える残業をさせた事業所に罰則を適用する労働基準法改正案を通常国会に提案する。この基準に当てはめると、京都市立病院など7病院の協定が超過する。日本医師会などが「地域医療が崩壊する」と慎重意見を出し、医師は5年間、適用が除外されることになった。全国自治体病院協議会は「医師不足地域で自治体病院は急患を一手に引き受けている。規制を強行すれば、診療科縮小や救急を休止する病院が続出する」と危ぶむ。

 信楽中央病院を運営する滋賀県甲賀市は「調査したが、協定があるのか、ないのか分からなかった」とした上で、「常勤医は全員管理職で、非常勤の医師も残業はなく、協定は必要ない」とした。



http://www.sankei.com/west/news/180209/wst1802090036-n1.html
医師らに上限超える残業させた岐阜大病院、是正勧告後も34人が残業
2018.2.9 11:29 岐阜新聞

 岐阜大学が労使協定(三六協定)の上限を超える時間外労働を医学部付属病院の医師を含む職員らにさせたとして、岐阜労働基準監督署から昨年に是正勧告を受け、その後も医師ら34人を協定の時間を超えて時間外労働させていたことが9日、病院への取材で分かった。

 病院によると、昨年1月の労基署の立ち入り検査で、職員が上限の月45時間を超えて時間外労働していることが判明し、岐阜大学が同月18日付で是正勧告を受けた。

 病院は各部署に注意喚起して改善するよう促したが、院内調査の結果、昨年4~11月に医師や薬剤師、技師ら34人が上限を超えていた。うち医師数人は月100時間を超えて勤務していることもあった。

 病院は「勤務時間を確認し早めの退勤を促すなどしているが、医師不足のため早急に効果が出ない」としている。



https://news.nifty.com/article/domestic/society/12180-648807/
人不足と高齢化で患者激増 医師の労働環境は世界最低レベル
2018年02月04日 16時00分 NEWSポストセブン

 厚生労働省は「過労死ライン」を残業月80時間と定めているが、昨今それをはるかに上回る医師の過酷な勤務実態が次々と明らかになっている。1月13日、東京・渋谷の日赤医療センターで医師の残業時間を「過労死ライン」の2倍にあたる月200時間まで容認する労使協定を結んでいたことが発覚した。

 1週間後の1月20日、東京・三鷹の杏林大学医学部付属病院でも複数の医師が労使協定を超える残業をさせられていたとして、昨年10月に三鷹労働基準監督署から是正勧告と改善指導を受けていたことが明らかになった。約700人の医師のうち約20が「過労死ライン超」の残業をしていたという。

 ほかにも北里大学病院、藤田保健衛生大学病院、国立循環器病研究センター、札幌医科大学病院など全国の病院で医師の長時間労働やずさんな労務管理が指摘されている。

◆30時間連続勤務も珍しくない

 NPO医療制度研究会副理事長の本田宏医師は、「これは氷山の一角」と指摘する。

「慢性的な医師不足と高齢化による患者激増により、医師は重労働になる一方。世界のなかでも日本の医師の労働環境は最低レベルです」

 これまで人命を守る医師は聖職者とみなされ、その使命感から労働条件は度外視されてきた。だが大手広告代理店・電通の新入社員高橋まつりさんが2015年に過労自殺した件で社会の意識は変わりつつある。安倍政権が「働き方改革」を掲げたこともあり、医師の働き方にもスポットが当たり始めた。

 医師でジャーナリストの森田豊さんは、「多くの医師は過労死ラインを超えて働いている」と話す。

「日本の病院では長時間労働が常態化していて、朝8時に出勤後、外来診察、当直をこなした後、そのまま再び日勤に突入して、30時間を超える連続勤務となることも珍しくありません」

 人間は24時間睡眠しないと飲酒でほろ酔いになったのと同じ程度に判断力が低下するといわれている。医師の激務で最も危惧されるのは「医療ミス」の発生だ。病院経営に詳しい医療サービスアドバイザーの武田哲男さんが指摘する。

「医療ミスの多くは、医療従事者の疲労による注意力や判断力の低下から生じる『ヒューマンエラー』です。頭がボーッとした状態で医療行為を行うと、誤診したりカルテを間違えたりする。実際に激務で疲弊した医師が乳がんの手術で右と左の胸を間違えたなどの実例がある。医師の労働環境はわれわれの命に直結する重大な問題です」

 勤務医の労働組合である全国医師ユニオンが勤務医1800人に行った「勤務医労働実態調査2017」によると、医療過誤の原因のトップは「医療スタッフ同士のコミュニケーション不足」で以下、「慢性疲労による注意力不足」「医療スタッフの人員不足」と疲労や人手不足をあげる回答が続く。当直明けの翌日勤務については、約8割が「集中力や判断力の低下」を認め、その際実際にミスが増えたと答えた医師は約3割に達した。

 欧米では過重労働と医療ミスの関係性が認められており、医師の長時間勤務は規制されているが、日本は前述の通り、医師の過重労働がまかり通っている。

※女性セブン2018年2月15日号



https://news.nifty.com/article/domestic/society/12180-648792/
人口あたりの医師数トップの京都はがんの早期治療環境整う
2018年02月04日 07時00分 NEWSポストセブン

 男女において罹患数が最も多いのが胃がんだが、女性の胃がんにおける「IM比」(がんの生存率を示す数値。『がんに罹った患者数』÷『死亡者数』で算出。値が大きいほど、がんになっても亡くなりにくい)の都道府県別トップは3.02の京都府だ。しかし、京都府は、医師の数が多いという特徴がある。

 深刻な医師不足で地域間の医療格差が指摘されるなか、京都府は人口10万人当たりの医師数が308人で日本一。最も少ない埼玉県と比べると、その差は2倍。

「歴史的な経緯として、京都市内の2つの大学附属病院が、消化器内科の臨床に力を入れてきました。加えて、京都には国が指定するがん診療連携拠点病院と、府が指定したがん診療連携病院などの医療施設が充実しています。身近な病院や診療所で医療を受けることができる機会が多いことが影響しているのではないでしょうか」(京都府健康対策課、以下「」内同)

 がんになったら早期に適切な治療を受けることが求められるが、京都にはその環境が整っているということ。

 だし文化が根づいている京都では、胃がんのリスクを高めるといわれる塩分の摂取量も高くない。

「京都では薄味の料理が好まれるため、塩分摂取量はあまり多くありません。ただ、野菜の摂取量が少ないので、増やしていきたいと考えています。京の家庭の味として受け継がれてきた“おばんざい”は野菜が多く使われているので、おいしさと健康の両立を目指した“おばんざい弁当”の普及を図っているところです。

 また、胃がんの原因の1つといわれるピロリ菌の感染に関しても、全国的に珍しい除菌治療費の助成事業や高校生へのピロリ菌検査事業を行っています」

 さらに、がんに関する教育にも力を入れている。

「子供の時からがんの知識や正しい生活習慣の理解を深めることががんの予防・早期発見に有効です。京都では行政と学校が協力し、中学校や高等学校での禁煙教育に力を入れてきました。府の喫煙率は低く、2016年の国民生活基礎調査によると、男性の喫煙率は全国で最下位。医師とがん経験者が学校で授業を行う“生命のがん教育推進プロジェクト”にも取り組んでいます」

※女性セブン2018年2月15日号



http://www.yomiuri.co.jp/national/20180209-OYT1T50006.html?from=ycont_top_txt
中核99病院、医師の違法残業などで是正勧告 
2018年02月09日 09時18分 読売新聞

 地域医療の中心となる全国約350の病院のうち、少なくとも99病院が2016年1月以降、医師の違法残業などで労働基準監督署から是正勧告を受けていたことが、読売新聞の調査でわかった。

 病院側は長時間労働の理由を、医師不足や正当な理由なく診療を拒めない「応召おうしょう義務」があるためなどと説明。医師の厳しい労働実態と労務管理の難しさが浮き彫りになった。

 読売新聞は今年1月、大学病院など全国85の特定機能病院をはじめ、救命救急センターや総合周産期母子医療センター、基幹災害拠点病院(救急センターは昨年8月、その他は昨年4月現在)として認定されている計349病院にアンケート調査を実施。8日までに約8割の288病院から回答を得た。

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http://www.medwatch.jp/?p=18822
2018年度診療報酬改定、「病院に厳しい」―全自病 
2018年2月9日|2018年度診療・介護報酬改定 MedWatch

 2018年度診療報酬改定で創設される7つの【急性期一般入院料】では、7対1と10対1の中間的評価に当たる入院料などの施設基準や点数設定が厳し過ぎる。本体改定率はプラスでも、病院の経営環境はいっそう厳しくなる―。

 全国自治体病院協議会の邉見公雄会長(赤穂市民病院名誉院長)は、2月8日の定例記者会見でこのように述べました。

ここがポイント!
1 「病院に厳しく、診療所に手厚い」と指摘
2 対策なしに医師の働き方を変えれば、偏在が強まる
3 脳外領域などで専攻医ゼロの自治体が現れる
4 公精協、全自病・中島副会長が会長に

「病院に厳しく、診療所に手厚い」と指摘

 メディ・ウォッチでお伝えしているとおり、2018年度診療報酬改定では急性期から慢性期までの多くの入院料が再編・統合され、7対1・10対1入院基本料を再編・統合した7つの【急性期一般入院料】などが創設されます。

 このうち、現在の7対1入院基本料に相当する【急性期一般入院料1】(現行7対1と点数が同じ)では、重症患者割合の基準が250から300(重症患者の定義などが見直されることから、現行の重症患者割合で26.60に相当)へと引き上げられます。基準に満たない病棟では、7対1と10対1との中間評価に当たる【急性期一般入院料2】(現行7対1より1日30点低い)や【急性期一般入院料3】(同100点低い)などへの移行を迫られます(関連記事はこちら)。

 邉見会長は、これら急性期一般入院料の点数や施設基準が「厳し過ぎる」と指摘。その一方で、「かかりつけ医機能」を担う診療所などで初診時に算定できる加算【機能強化加算】(80点)が創設される(関連記事はこちら)ことなどから、「病院に厳しく、診療所に手厚い感が否めない」との見解を示しました。

 その一方で、テレビ電話会議システムなどのICT技術を活用した診療を評価する【オンライン診療料】や【オンライン医学管理料】が創設される点について、「患者が無理をして通院する回数を減らすことができ、良かった」と述べています(関連記事はこちら)。

対策なしに医師の働き方を変えれば、偏在が強まる

 ところで邉見会長は、勤務医の長時間労働是正に向けた「緊急対策」が求められていることについて「医師の偏在解消が先だ」と改めて強調しました。

 医師の長時間労働の是正(働き方改革)に向けて現在、「時間外労働の罰則付き規制」の在り方や、労働時間短縮策が、厚生労働省の「医師の働き方改革に関する検討会」で議論されています。この検討会では月内(2018年2月中)に、勤務医の労働時間を短縮するために「医療機関がすぐ実施すべき対策」(緊急対策)を取りまとめる予定ですが、厚労省は、対策の実施に向けた検討を今から進めておくよう、全自病などに宛てて事務連絡を発出しています(関連記事はこちら)。

 「緊急対策」としては例えば、【a】法定労働時間(1日8時間・週40時間)を超えて時間外労働させる労働者(勤務医ら)との間で、雇用主(病院管理者ら)が結んでおかなければならない協定(労働基準法36条に基づくため36協定と呼称される)の締結状況を確認する【b】1人の患者の主治医を医師複数名が担当する「複数主治医制」を導入できるか検討する―ことなどが求められます。

 邉見会長は、【a】の36協定の確認などに取り組む必要性を認めた一方で、【b】の複数主治医制などは、雇用する医師数が多い病院でなければ実施できないことから、「このままでは、医師の多い病院に、さらに医師が集中する。医師不足に苦しむ病院の傷口に、塩を塗り込むようなものだ。まず偏在対策が必要だ」と訴えました。

脳外領域などで専攻医ゼロの自治体が現れる

 会見では末永裕之参与(小牧市病院事業管理者)から、2018年度に全面スタートする新専門医制度が、医師の地域偏在を悪化させる懸念が改めて表明されました。

 2018年度から全面スタートする新専門医制度では、医師の地域偏在の悪化を引き起こさないための対策の一つとして、東京都、神奈川県、愛知県、大阪府、福岡県の5都府県で、研修を受ける「専攻医」の採用数に基本領域ごとの上限(過去5年間の後期研修医採用実績などの平均値以下)が設定されています(大都市での不足も懸念される外科・産婦人科・病理・臨床検査の4領域を除く)。

 4月から研修を受ける専攻医の採用は、▼昨年(2017年)11月15日までの「1次登録」▼1月15日までの「2次登録」▼2月15日からの「3次登録」(「2次登録」までに研修先が決まらなかった医師のみが対象)―を経て決まります。これまでに、「1次登録」で7791名の採用が決まり(うち18名が辞退)、現在は、「2次登録」に応募した569名の中から採用者の選考が進められています。

 全自病では、「1次登録」で7791名が採用された段階で、外科領域の専攻医が1名しかいない都道府県がある(群馬・山梨・高知の3県)ことなどから「今後、大学病院でも外科手術ができない都道府県が現れるかもしれない」との懸念を示していました(関連記事はこちら)。

 末永参与は、最新のデータ(「1次登録」の採用者数+「2次登録」の応募者数)でも、▼脳神経外科領域:10自治体▼皮膚科領域:8自治体▼小児科領域:2自治体―などで1名もいないことなどを問題視。「どうしても専攻医が大都市に集中してしまうのであれば、専門研修が終わった後に、適切に配置する仕組みも考えなければいけない」と危機感を示しています。

公精協、全自病・中島副会長が会長に

 また、中島豊爾副会長氏(岡山県精神科医療センター理事長)からは、「日本公的病院精神科協会」(公精協)の会長に、中島副会長が就任する旨が公表されました。

 公精協は、精神科病棟を持つ公立・公的病院で構成する病院団体として先月(2018年1月)設立されました(関連記事はこちら)。中島副会長は、「さまざまなデータを集めて公表し、日本の精神科医療のレベルを上げていきたい」と意気込みを語りました。4月に法人登録を行い、公精協会長に就任します。



https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20180205-OYTET50014/
ニュース・解説
奈良県の2病院に労基署が是正勧告…残業超過や手当未払い

2018年2月5日 読売新聞

 奈良県西和医療センター(奈良県三郷町)が、労使協定(36協定)の上限を超えて医師を働かせ、時間外手当の一部が未払いだったとして、昨年8月に奈良労働基準監督署から是正勧告を受けたことがわかった。

 同センターによると、医師との間に特段の事情がある場合、最長月80時間の残業を可能とする協定を締結していたが、同労基署が医師の労働時間を調査したところ、上限を超えて働いたり、超過時間分の時間外手当の一部が未払いだったりした。同センターは、すでに未払い分として38人に計約3000万円を支払っており、「医師不足で長時間勤務になりがちだが、再発防止に努めたい」としている。

 このほか、奈良県立医科大病院(同県橿原市)が、時間外手当の一部が未払いの医師が複数いるとして、昨年9月に葛城労働基準監督署から是正勧告を受けたことも判明した。未払いの賃金は今後、支払うという。同病院は「勧告を 真摯しんし に受け止め、改善したい」としている。



http://news.nicovideo.jp/watch/nw3272913
神奈川県のがん医療を壊す黒岩知事の暴走
2018/02/06 15:15プレジデントオンライン

神奈川県立がんセンターで、放射線治療医が大量退職し、治療の継続が難しくなっている。原因はセンター内での派閥対立だ。2月5日、黒岩祐治知事は、同センターを運営する県立病院機構の土屋了介理事長を解任した。だが土屋理事長は大量退職の穴埋めに奔走していた功労者で、むしろ混乱を招きかねない。患者不在の派閥対立はいつまで続くのか――。

■本当に「医師間のパワハラ事案」なのか?

神奈川県立がんセンターが危機に陥っている。放射線治療医が大量退職し、治療の継続が難しくなったのだ。

きっかけは、昨年8月、中山優子放射線治療部部長(当時。現国立がん研究センター放射線治療科医長)が退職したことだ。残りの5名のうち、3名が1月末までに退職した。

神奈川県は調査委員会を立ち上げ、1月24日に調査結果を発表した。配布資料の中で中山医師らの主張を引用し、「退職医師らが退職を決意した最も大きな理由は、放射線治療科に長年勤務していた医師が外部機関に研修派遣され、退職に至った」と述べ、この事件を「コミュニケーション上の大きな問題」と認定した。そして「派遣の理由や必要性についてしっかりとした説明責任を果たし、病院現場との意思疎通、コミュニケーションを徹底していれば、今回の事態を防ぐことも可能であった」と結んだ。

さらに、「医師間のパワーハラスメント事案」があることを認め、「病院機構の内部規定に則った対応がされていない」と土屋了介・神奈川県立病院機構理事長の対応を批判した。

この主張だけを聞くと、現場の医師をいじめる土屋理事長を、神奈川県庁が懲らしめたように映る。ところが、実態は正反対だ。

私は、改革派の土屋理事長を引きずり降ろすため、既得権者である中山部長や神奈川県庁幹部が策動したのが真相だと思う。2月5日、神奈川県の黒岩祐治知事は土屋理事長を解任すると発表した。患者不在の迷走はどこまで続くのだろうか。

■土屋理事長にしゃべられると困る人がいる

昨年12月8日の午前、首藤健治・神奈川県副知事から携帯電話に連絡が入り、その夜、彼は私のオフィスに訪ねて来た。そして、「土屋先生は問題がある。このままではもたない。(土屋降ろしに)自らの進退をかける」と言った。

首藤氏は灘中学・高校剣道部の2年先輩で、37年のお付き合いだ。嘘は言わないだろう。私は、この時、土屋理事長と神奈川県庁が抜き差しならない関係に陥っていることがわかった。調査は非公開で、8人のメンバーのうち7人は県の役人だ。県の調査が「土屋理事長追い落としの結論ありき」であることが分かる。もちろん、こんなことは許されない。県民視点に立って、公正に評価されなければならない。

神奈川県は、この点を突かれたくない。1月29日、この問題を県議会で取り上げる予定で、自民党が土屋理事長と大川伸一・神奈川県立がんセンター院長を参考人に招致したが、当日になって招致はキャンセルとなった。土屋理事長にしゃべられると困る人がいたようだ。

当日、質問に立った小川久仁子県議(自民党)は「(退職した中山)医師のわがままではないか。県民視点で指導してくれたのなら、それは正しいことではないか」と批判した。

彼女が中山医師を批判した理由は、中山医師が「経歴詐称」をしていたからだ。


■経歴を詐称する人物は信用できない

神奈川県立がんセンターでは「先進医療」である重粒子線治療に取り組んでいる。この治療について、厚労省は施設基準として、施設責任者には1年間の療養経験が必要としている。だが中山医師は放射線医学総合研究所(放医研、千葉県)に3カ月出張した経験があるだけだった。中山医師は放医研で2年間、客員研究員を務めているが、大部分の期間を県立がんセンターで勤務しており、これでは基準を満たさない。この点を指摘された中山医師は「当該外部機関に確認した上で記載した」と説明したが、「経歴詐称」であることは明らかだ。だが、神奈川県はこの主張を追認し、申請書類を厚労省に提出した。

彼らの理屈が通用しないことは誰でもわかる。療養に従事しない客員研究員の期間を臨床経験に加えていいはずがない。それに、「確認」は、共同申請者である「当該外部機関」ではなく、厚労省に対して行うべきだ。

私は経歴を詐称する人物は信用しない。ほかでも嘘をついている可能性が高いからだ。多くの研究不正事件で、ひとつでも不正が見つかった研究者は、その後、数多くの不正が露見することが多い。

■なぜ医道審議会で処分を検討しないのか

中山医師は、神奈川県立病院機構が開設した重粒子線治療センターの責任者になりたかったのかもしれない。だが、平気で「嘘」をつく無資格者に治療されては、患者はたまらない。厚労省に「嘘」をつくのだから、患者をだましていてもおかしくない。

この件を報告された厚労省は調査を開始した。無資格者の治療なのだから、本来、医道審議会で処分を検討すべきだ。2015年、聖マリアンナ医大の精神保険医の資格不正取得事件では、医道審議会での答申を受けて、3人が医業停止、15人が戒告となっている。

2014年に神奈川県立病院機構の理事長に就任し、中山医師の経歴詐称について知った土屋理事長は、外部から有資格者である野宮琢磨医師を招聘し、重粒子線治療科の部長に任命した。そして、中山医師が資格をとれるように、放医研での研修を命じた。

ところが、中山医師はこれに納得せず、退職。同調した若手医師も集団退職した。退職した若手医師にも、彼らなりの言い分があるだろうが、患者を見捨てたことは事実だ。世間知らずの医師たちの「わがまま」と見なすのが妥当だろう。

■神奈川県庁にパワハラを調査する権限はない

どこも報じないが、招聘された野宮医師は、中山部長から「パワハラ」を受けていたことが明らかになっている。「報復を恐れた本人は届け出ずに我慢していた」(県立がんセンター関係者)が、予想外の方向に事態が進むのをみて、神奈川県の調査委員会に資料ととともに提出した。ところが、神奈川県はこのことを公表しなかった。

2月2日、神奈川県の不誠実な対応に業を煮やした土屋理事長は、県庁記者クラブで記者会見を開いた。そして、過去の経過を説明した。また、2人の副知事から辞職を迫られたことを明かした。

実は、神奈川県の問題はお手盛りの調査委員会だけでない。そもそも県立がんセンターは独立行政法人である神奈川県立病院機構が運営しているもので、神奈川県には一般指揮監督する権限がない。神奈川県庁にはパワハラを調査する権限も、副知事が理事長の辞職を迫る権限もない。その根拠は地方独立行政法人法だ。

同法の17条では、「職務上の義務違反があるとき」には、神奈川県知事が県立病院機構の理事長を「解任することができる」と明記されている。

他に介入できる点については、同法122条に規定されており、その条件は「法令若しくは設立団体の条例若しくは規則に違反し、又は違反するおそれがあると認めるとき」である。

独法に詳しい政府関係者は「パワハラは法令違反ではなく、神奈川県が独法に介入する理由にはならない。まして、副知事が理事長に退任を迫るなど論外」と言う。

■神奈川県が横浜市大の提案を拒絶した理由

神奈川県のパワハラ認定も一方的だった。2月2日に配信されたエムスリーの記事「神奈川県病院機構、県に真っ向から反論、医師退職問題」によると、神奈川県庁の調査報告書では、「病院機構の監査・コンプライアンス室が医師間のパワハラ事案(筆者注放射線科内部のパワハラ)を認定している」が、これは事実とは異なる。

土屋理事長の説明によれば、病院長から報告を受け、監査コンプライアンス室にヒアリングを指示した。この人物は神奈川県警のOBで、この手の問題への対応には慣れている。彼は「ハラスメントに認定しうる」と判断したが、被害医師からパワハラを訴える医師はいないことを確認したため、「ハラスメントの要件は満たさない」と判断し、土屋理事長に報告した。専門家は、パワハラ認定は、あくまで当事者の意向を優先しているようだ。土屋理事長は、加害医師に対して口頭で注意した。適切な対応だと思う。

神奈川県の問題は、これだけではない。放射線科医不足も、もとは神奈川県庁がまいた種だ。重粒子線治療施設の計画が持ち上がり、放射線治療医を確保することが必要となったのは2009年。このとき神奈川県立がんセンター内に横浜市大大学院を設置し、放射線科医を育成する話が提案された。

しかし神奈川県は横浜市大の提案を拒絶した。当時のことを知る県立がんセンター関係者は「中山部長が『横浜市大に頼らなくても、医師は自分たちで確保できる』と言った」という。土屋理事長によれば、「14年に神奈川県立病院機構に赴任したとき、横浜市大幹部から『いろいろと経緯があって、先生には協力できない』と言われた」そうだ。土屋理事長は、「今回、はじめて全貌がわかった」という。

■120億円の施設が止まれば、引責辞任がスジ

神奈川県が立ち上げた医師確保対策委員会(委員長首藤健治副知事、大川病院長と県職員7人で構成)も、奇妙な存在だった。神奈川県は土屋理事長に対して「医師確保はこちらでやるから、そっちは動かないでほしい」と指示した。こんなことは、県と独法の関係を考えればありえない。神奈川県の越権行為だ。

このことを記者会見で追及された黒岩知事は「緊急事態だから」と苦しい説明をしたが、緊急事態だから超法規的に動いていいという道理はない。

神奈川県がやるべきことは、独法への支援だ。一般指示や医師確保ではない。ところが神奈川県はいまだに県直営病院の意識でいる。だからこそ、県庁に「医師確保対策委員会」という組織まで作った。これが、病院機構も神奈川県も責任をとらない「無責任体制」を招いた。

120億円を費やした重粒子線治療施設が止まれば、責任者は引責辞任するのがスジだ。ところが、県立がんセンターの大川院長も、2人の副知事にも、そんな覚悟はないようだ。

■「神奈川の仲間割れに巻き込まないでほしい」

私には、大川院長は「土屋憎し」だけで動いているように見える。大川院長は、院内で「医師派遣を求めた群馬大と東京大学から『土屋理事長が怖いので、辞めないと人は出せない』と言われた」と報告している。

こんな発言を信じる人はいないだろう。飲み屋の愚痴でもあるまいし、大学が「××さんが怖くて」などというはずがない。現に、今回、県立がんセンターに残ったのは東大医局に所属する若手の女性医師だ。

群馬大学のある教授は、土屋理事長に対して、大川院長の発言を明確に否定したという。知人の群馬大学出身者は「腹腔鏡事件で世間から批判されている現在、理事長が嫌いだから医師を出さない、引き上げるなんて言うことはあり得ない。神奈川の仲間割れに巻き込まないでほしい」という。

■放射線治療医の派遣を調整したのは土屋理事長

現場は、こんな体たらくなのに、神奈川県は手柄だけは誇りたいようだ。1月24日の記者会見で、県内外の大学、医療機関に派遣を要請した結果、3月末までは常勤医4人、非常勤医6人の計10人を確保できたと明かした。黒岩知事は自ら病院に足を運び、電話をかけたそうだ。「最終的にトラブル前よりも増えた」といって、派遣元として福島県立医大など4施設の名前を挙げた。

私はあきれはてた。今回、神奈川県立がんセンターの支援に動いているのは3人の専門医を派遣する福島県立医大だが、この派遣を調整した人物こそ土屋理事長だからだ。

医師の派遣は、土屋理事長が福島医大の竹之下誠一理事長に依頼したことで実現した。竹之下理事長と私は、福島での医療支援活動を通じ、知り合った。とても信頼できる人物であり、今回、私が2人をつないだ。竹之下理事長は、放射線科医大量離職の背景をすぐに理解し、「優先すべきは患者さんです。医師同士の仲たがいのどちらかにくみする気は一切ありません」と言って、放射線治療科の鈴木義行教授につないでくれた。昨年12月13日、土屋理事長は福島県立医大を訪問し、鈴木教授に医師派遣を依頼した。鈴木教授は快諾し、今回の運びとなった。私も、土屋理事長に同行し、両者の会談に同席した。

その後、土屋理事長が竹之下理事長に携帯電話でお礼を伝えた。そこで竹之下理事長から「うちは県立医大です。そちらの黒岩知事から、内堀福島県知事に一本電話を入れてもらえませんか」と付け加えた。これが、黒岩知事が記者会見で話した手柄の背景だ。おそらく、黒岩知事は、こうした経緯を副知事から聞いていないのだろう。

■「土屋先生がいなくなったら、辞めた部長が戻ってくる」

神奈川県庁の問題は、これだけではない。首都圏の大学病院の准教授が、空席の部長に応募してきた。私の知る限り、実力・経験ともに申し分ない。少なくとも経歴を詐称するような人物ではない。

ところが、神奈川県の知事室は「この人物は前の職場でパワハラのうわさがある」という理由で、採用しないように指示してきた。これも越権行為だし、パワハラは単なるうわさ話だ。この准教授には処分の前歴はない。

現在、神奈川県立がんセンターが求めるのは、核になりえる管理職だ。この点で、彼は格好の人材だ。うわさ話のレベルでむげに断るなどあり得ない。県立病院機構の職員は「土屋先生がいなくなったら、辞めた部長が戻ってくるんでしょう」という。

神奈川県立病院機構の混乱を調べていると、患者視点の欠落にがくぜんとする。経歴詐称がばれて、徒党を組んで退職した部長に同情の余地はない。厳格に処分すればいい。

■副理事長らが「理事長解任」を求める緊急声明を送付

神奈川県は遵法意識をもつべきだ。2月2日、土屋理事長は県立がんセンターの大川院長を解職し、企画情報部長とする辞令を交付した。これは懲戒処分でなく、人事異動だ。法的な問題はない。ところが、大川院長や県の関係者はこれに抵抗した。県立がんセンター職員によると「大川院長は黒岩知事に人事異動の取り消しを求めて陳情にいき、土屋理事長の指示で院内に掲示された人事異動の張り紙は、事務職員の手ではがされた」という。

そして、2月5日には、神奈川県立病院機構の康井制洋・副理事長以下、6名の幹部が「神奈川県立病院機構土屋了介理事長の解任を求める緊急声明について」という書面を、黒岩知事や県議に送った。このなかに大川氏も名を連ねている。(※編注:記事の末尾で、関係者から入手した「緊急声明」の書面を掲載しています)

同日、黒岩知事は、土屋理事長を呼び出し、大川院長の解任を取り消すように求めたが、土屋理事長が聞き入れなかったので、彼を解任した。黒岩知事は「県知事の指示を聞けないなら、罷免する」と伝えたそうだ。前述したように、知事が独立行政法人の理事長に指示を出すことは法の趣旨に反することだ。知事の権限は任命と罷免で、指示ではない。

独法制度に詳しい前出の政府関係者は「理事長の方針に反対だからといって、知事に理事長解任を申し立てるなど、全くの権限逸脱です。おそらく、県の上層部と機構幹部が通謀してやったのでしょう」という。

■病院機構は法令を無視する「無法地帯」と化した

経歴を詐称する、辞令を拒否する、張り紙を無断ではがす。独法制度のルールを平気で破る。法令を無視し、「無法地帯」と化している。県立がんセンターの職員はみなし公務員なのだから、法令や規則に違反する人物は淡々と処分すればいい。混乱を引き起こした幹部は、しかるべき責任を負うべきだし、副知事は「進退をかける」と言っていたのだから、約束を果たすべきだ。

神奈川県庁と県立がんセンターの暴走は目に余る。暴走を止められるのは県議会だ。県議会では調査委員会の調査結果に対して、公平な立場から質疑が展開されている。しっかり対応すべきだ。

また議会と並んで重要なのがメディアの役割だ。テレビや新聞の県政担当記者には、正確な事実を報じてもらいたい。患者不在の騒動の詳細を、県民に周知してもらう必要がある。

医療は社会的な営みだ。健全な民主主義がなければ、維持できない。神奈川県に必要なのは、県民視点での情報開示、開かれた議論である。

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上 昌広(かみ・まさひろ)
医学博士。1968年兵庫県生まれ。1993年東京大学医学部医学科卒業、1999年東京大学大学院医学系研究科博士課程修了。虎の門病院血液科医員、国立がんセンター中央病院薬物療法部医員、東京大学医科学研究所特任教授など歴任。2016年4月より特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所を立ち上げ、理事長に就任。医療関係者など約5万人が講読するメールマガジン「MRIC」編集長。
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http://diamond.jp/articles/-/158392
神奈川がんセンターで重粒子線治療が継続危機、裏に構造的問題
2018.2.6 週刊ダイヤモンド

 神奈川県議会の厚生常任委員会は1月29日、県立がんセンター(横浜市)の放射線治療が非常事態に陥っている問題を終日にわたり議論した。地域がん医療の拠点である同病院で放射線治療医が相次いで退職、がんの放射線治療に支障が生じているのだ。

 医師の不足で新規受け入れを制限するなど、すでに患者に影響が及んでいる。先進医療に指定された重粒子線治療は、人員配置の要件を満たせず継続できなくなる危機に直面。建設に約120億円を投じて2015年に開設された重粒子線施設が、稼働停止でただの箱になりかねない。

 神奈川県は急きょ、県幹部らをメンバーにして、原因究明を目的とした調査委員会を昨年12月に、放射線治療医を確保するための対策委員会を今年1月に、それぞれ立ち上げた。

 対策委員会は1月24日、他の医療機関に派遣の協力を仰ぎ2月と3月は医師を確保できたと報告。同日に調査委員会による調査結果も提出され、パワーハラスメント事案への対応に不満があったことや、コミュニケーション上の問題があったと報告された。

 これに対し、県議たちは29日の議会に所管の県幹部らを招き、原因の調査および報告内容が不足しているなどと追及した。県議たちは調査が核心に触れていないと感じたのか、さらに病院長、病院を運営する県立病院機構の理事長、事態の対応に当たっている副知事を参考人招致する要望を出した。

 これを受けて当日に応じた参考人は副知事だけ。他の人物は姿を現さなかった。

渦中の参考人参加できず

 彼らは逃げたのか──。実はそうではなかった。

 参考人招致を要望された機構の土屋了介理事長は出席の意思があったという。となると、話をされると不都合が生じる者にこの日の参加を阻まれたということになる。

 議会でのやりとりの中で、県は人材の確保や養成のために横浜市立大学など医学部を持つ地元大学との連携を検討する意向を見せた。しかし、人材の安定的な確保は重粒子線施設開設時の重要テーマだったはずだ。

 なぜ開設時に実現し得なかったのか。なぜ危機に陥るまでに連携できなかったのか。そうした深層を捉えて議論ができるだろうメンツが、議会では“不自然”にそろわなかった。

 もっとも、話はこれで終わらない。参考人出席を阻まれた土屋理事長が議会後に口を開き、開設前にあった横浜市大からの連携の申し出に積極的でなかった放射線医の意見が全体の決断に影響を与えたことなどが明らかになってきた。

 4月以降の医師の確保がまだ決まっていない中で目先の対処も重要だが、“病巣”にメスを入れない限り、問題は解決しない。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 臼井真粧美)



http://japan-indepth.jp/?p=38324
「上昌広と福島県浜通り便り」
南相馬の医療崩壊 求められる改革

上昌広(医療ガバナンス研究所 理事長)
 投稿日:2018/2/7 Japan In-depth

【まとめ】
・多くの病院の経営が悪化しており、精神科を除く一般病院の利益率はマイナス4.2%だった。
・いわき市内の「ときわ会グループ」、その中核の常磐病院が急成長している。
・南相馬市の医療が崩壊の瀬戸際に。経営状態悪い市立総合病院は「救急医療」に特化すべき。


 五十嵐北斗君という若者が、私が主宰する「医療ガバナンス研究所」でインターンを始めた。笑顔が素敵な好青年だ。五十嵐君は中央大学商学部の4年生。今春、卒業予定だ。実は、彼には大学生とは別の顔がある。「trimy」というベンチャー企業の社長だ。医学生向けの初期臨床研修向けのマッチングサイト「ホクトレジデント」を運営している。ベンチャーキャピタルから資金を調達して立ち上げたらしい。私のところに来たのは、サイトの作り込みについて相談するのが目的だ。

 彼は研修医のマッチングについて随分と調べていた。名門病院はほぼ知っていたし、研修医が抱える問題も熟知していた。商学部の学生のレベルを超えていた。私は彼の経歴を聞いて納得した。世界で初めて全身麻酔を用いた手術を成功させた華岡青洲の縁戚だという。1966年に有吉佐和子が発表した『華岡青洲の妻』で描かれた一族だ。親族は北海道で病院を経営している。五十嵐君は医者に囲まれて育ち、病院経営を肌感覚で知っているようだ。

 では、彼にどのようにアドバイスしたのだろうか?私は「君のサイトで病院の経営状態を紹介したらどうだろう」と勧めた。幸い、大学病院をはじめ、多くの大病院が財務諸表を公開している。大学生が就職活動をする際、もっとも注目するのは企業の経営状態だろう。慢性的な赤字で、改善の目途がたたない企業に就職するのは、よほど奇特な学生だけだ。ところが、医学生の間で、このことは議論されない。

 我が国では診療報酬は、厚労省が全国一律に決めている。社会保障費を抑制するため、診療報酬が据え置かれ、多くの病院の経営が悪化している。厚労省が発表した2016年度の「医療経済実態調査」では、精神科を除く一般病院の利益率はマイナス4.2%だった。前年度より0.5ポイント悪化していた。

特に深刻なのは、物価が高い都市の総合病院だ。少子化が進み、不採算となる小児科や産科を抱え、「選択と集中」することが出来ない。日本医大、東京女子医大、聖路加国際病院、亀田総合病院などが赤字経営であることは有名だ(参考:プレジデント、FACTA)

最近、三井記念病院が債務超過に陥っていることも明らかとなった(参考:選択 2018年1月号))。高い医療レベルを維持するには、投資が欠かせない。赤字病院には余裕はない。このような病院は、医学生は避けるべきだ。

 ところが、現実は正反対だ。昨年のマッチングでも聖路加国際病院や亀田総合病院が上位に入った。中間発表では、それぞれ定員24人、28人に対して、59人、48人が応募した。投資余力のない病院に大勢の若手医師が集まっている。一般企業ではあり得ないことだ。

この状況は都心の名門病院に限った話ではない。地方では、別の形で若手医師が不適切な病院に配置されている。東日本大震災以降、私は福島県浜通りの医療支援を続けている。震災からもうすぐ7年となるが、健全な形で病院を維持していくには、つくづく「経営」が重要だと痛感する。

 現在、浜通りの医療機関で急成長しているのは、いわき市内の「ときわ会グループ」だ。その中核が常磐病院(一般床150、療養床90)である。泌尿器科・人工透析を中核としたグループで、1982年に常盤峻士医師がいわき市内に「いわき泌尿器科病院」を開設したのがきっかけだ。その後、成長を続け、2010年4月にはいわき市立常磐病院を譲り受けた。現在、グループ全体で2つの病院、一つの有床診療所、5つのクリニック、さらに介護施設、訪問看護ステーション、幼稚園なども経営している。

 筆者が知り合ったのは、東日本大震災の時の透析患者の搬送をお手伝いしたことがきっかけだ。これ以降の躍進は目覚ましい。震災前8名だった常勤医は、この4月には25名になる。うち内科医は9名だ。このグループの特徴は、経営が安定し、しっかりと投資していることだ。それが、医師集めに貢献している。

震災後、即座に内部被曝検査(ホールボディーカウンター)を導入した。ロボット手術であるダヴィンチシステム、PET-CTがん検診、さらに加藤茂明・元東大分子生物学研究所を雇用し、基礎研究室まで立ち上げた。2017年度は32本の英文論文・レターが英文医学誌に掲載された。これはやる気のある医師や看護師にとって、大きなアピールになる。

昨年は前徳島県立中央病院長の永井雅巳医師が赴任した。この4月には日本の血液界を代表するような教授が、大学を辞してときわ会に移籍する。ほか数名の二十代、三十代の医師がやってくる。彼らは「ときわ会なら、新しいプロジェクトにチャレンジできる」という。

人口34万5209人(2018年1月1日現在)のいわき市で、医師は不足している。人口10万人あたりの医師数は199人で、長崎県の五島列島より少なく、対馬と同レベルだ。世界的にはリビアやメキシコと同水準だ。成長の余地が残されている地域に、優秀な経営陣がいるのだから、全国からやる気のある医師が集まるのもむべなるかなだ。

対照的なのが、南相馬市立総合病院だ。同院が位置する相双地区の人口10万人あたりの医師数は110人。全国平均の半分以下で、世界的にはアルバニアやチリと同レベルだ。この地域の医療が崩壊の瀬戸際にある。問題は内科だ。家庭の都合などで、常勤医師の退職が続いた。今春から常勤の内科医は1名となる。

昨年4月、同院の院長に就任した及川友好医師は医師確保に努めるが、問題は容易に解決しそうにない。その理由は、南相馬市立総合病院の経営状態が悪いからだ。

2016年度の決算では、医業収益は約34億1744万円なのに、医業費用は42億5471万円もかかっている。補助金・交付金収入は4億7454万円だ。

さらに固定比率(固定資産/自己資本)は3510、固定長期適合率(固定資産/自己資本+固定負債)は1340もある。自治体病院の平均は710だ。2017年に完成した脳卒中センターなどの固定投資(総事業費58億円)が大きくのしかかっている。

この状況で、さらに人工透析を始める(8床)。1月21日の市長選挙で敗退した桜井勝延市長の肝煎りの政策という。これは、おそらく病院のためにも、患者のためにもならない。人工透析クリニックの経営者は「この規模で始めても、黒字にはならないし、医師や看護師は確保できない。医療事故のリスクがある」という。

南相馬市立総合病院がやるべきは、病院が持続可能なように、診療科を見直すことだ。その際、地域から何を求められているか、具体的に考えるべきだ。

私は市民病院しかできないことは、「救急医療」だと思う。この中には一般外科、脳外科、整形外科、循環器内科、小児科などが含まれる。幸い、一般外科は3人、脳外科は6人、整形外科は2人、循環器内科は2人、小児科医は1人の常勤医がいる。さらに、この病院は初期臨床研修指定病院で、最大8名の初期研修医がいる。

私は「救急医療」に特化し、その他の診療科を削減するしかないと思う。内科は、初期研修医と彼らの教育に熱心な指導医を中心に体制を整備し、足りなければ、6名もいる脳外科医にサポートして貰えばいいだろう。

周辺の病院と競合する人工透析や、開業医と競合する診療科は撤退すべきだ。さらに、専門技量を身につけたい若手内科医を強制的に配置して、内科医不足の数合わせをすべきではない。彼らの成長を損ね、数年後には我が身に返ってくる。嫌気がさして、他の地域にでていくかもしれない。南相馬市の医療の発展を願うなら、いまこそ彼らに投資して、専門的な技量を身につけて貰うべきだ。この判断ができるか否かは、及川友好院長と門馬和夫・新市長にかかっている。

病院経営者の中には、自らの失敗を棚に上げ、他者に負担を押しつける人が少なくない。厚労省の審議会の委員の中には「若手医師に地方での勤務を義務化すべきだ」と主張する者までいる。犠牲になるのは、いつも若手医師だ。「医師を派遣して欲しい」と言われ、ダメ病院に派遣される。

やるべきは、若手医師の派遣ではなく、駄目なリーダーを退場させることだ。南相馬市は市長が交代した。今こそ、過去の問題を総括すべきだ。

残念ながら、これが難しい。我が国の病院は情報開示に消極的で、現状が市民に伝わらないからだ。市民の支持がなければ、働かない医師や事務員などの「抵抗勢力」の利権に切り込むことは出来ない。この点で、冒頭にご紹介した五十嵐さんの取組に期待したい。初期臨床拠点病院だけでなく。広く一般病院も調査してもらいたい。

相双地区は、今後も人口が減少する。縮小する町で如何に医療提供体制を維持するか、難しい問題だ。今回、ご紹介したのは、私がみた被災地の医療の現状だ。患者と現場の医師以外の様々な思惑が交叉し、患者と現場が犠牲になっていることがお分かりいただけただろう。私は、被災地と付き合い続けたいと思っている。どうすべきか思案している。



https://mainichi.jp/articles/20180210/ddl/k14/010/198000c
黒岩知事
県立病院機構理事長解任へ 「任に適さない」 /神奈川

毎日新聞2018年2月10日 地方版

 県議会の2018年第1回定例会が9日開会し、黒岩祐治知事は本会議の提案説明で、放射線専門医が相次いで退職の意向を示した県立がんセンター(横浜市旭区)を運営する県立病院機構の土屋了介理事長について、解任手続きを進めていることを報告した。黒岩知事は「病院長の更迭や対応を踏まえ、任に適しないと認められ、理事長の解任を決意した」と述べた。

 県は先月から、同センターの大川伸一病院長らと連携し、来年度以降の診療継続のための医師探しを進めてきた。しかし、土屋理事長は今月2日付で大川病院長の降格人事を発令。これを受け、一部の機構幹部や職員が5日、黒岩知事に理事長解任を求める要請文を提出した。黒岩知事は「混乱を収束させ、センターと医師確保に全力で取り組み責任を果たす」と述べた。

 第1回定例会の会期は3月23日まで。総額1兆8328億円の18年度一般会計当初予算案や条例案など計97件を提出した。【堀和彦】



http://www.sankei.com/life/news/180207/lif1802070036-n1.html
神奈川県立がんセンターの医師確保 県が病院機構の理事長解任へ 病院長の降格人事公表で混乱招く? 
2018.2.7 12:08 産経新聞

 神奈川県立がんセンター(横浜市)で医師が相次ぎ退職し、重粒子線治療の継続が危ぶまれている問題で、県は安定的な医師確保に支障があるとして、運営する県立病院機構の土屋了介理事長を解任する方針を明らかにした。

 神奈川県によると、土屋氏は医師確保の責任者であるがんセンターの大川伸一病院長の降格人事を内部手続きなしに公表するなどして病院内の混乱を招いた。黒岩祐治知事は報道陣に対し、「診療継続に深刻な影響を懸念している」と述べた。

 土屋氏は取材に「知事の判断は法律に違反している」と反論した。

 がんセンターでは昨年末までに医師が相次ぎ退職する意向を示し、全国5カ所でしか実施していない重粒子線治療の継続が危ぶまれていた。県は先月24日、3月末までは医師確保ができたと発表。4月以降も継続するため、県とセンターは県内外の医療機関に医師の派遣要請を続けている。



http://www.medwatch.jp/?p=18826
病院の統合・再編へ「地域医療介護総合確保基金」から優先補助―厚労省 
2018年2月9日|医療計画・地域医療構想 MedWatch

 地域医療構想の実現に向けて、2018年度の地域医療介護総合確保基金を「病院の再編・統合」に優先して配分する―。

 厚生労働省は、2月9日に開催した2017年度の「医療計画策定研修会」で、都道府県の担当者にこのような方針を示しました。

 各地でさまざまな病院の再編・統合が進んでいますが、財政的な補助が行われることになり、さらに再編・統合が加速化する可能性があります。

ここがポイント!
1 地域医療構想を実現するための機能転換など、基金で費用補助
2 病床削減に伴う改修費用や処分費用なども補助の対象

地域医療構想を実現するための機能転換など、基金で費用補助

 2025年には、いわゆる団塊の世代が全員75歳以上の後期高齢者となるため、今後、医療・介護ニーズが急速に増加していくと予想され、こうしたニーズに現在の医療提供体制では十分に対応できないと考えられています。そこで、各都道府県において「一般病床・療養病床という大きなくくりだけでなく、高度急性期・急性期・回復期・慢性期といった機能ごとの必要病床数」などを定めた地域医療構想が作成されています(すでに全都道府県で作成済)。

 一方、各病院・有床診療所には「自院の病棟がどの機能を持つと考えているのか、また将来持たせようと考えているのか」を毎年報告する義務が課せられています(病床機能報告)。

 両者(地域医療構想と病床機能報告結果)には、大きな隔たりがあり、これを地域の医療関係者等が集う「地域医療構想調整会議」における議論の中で埋めていくことが、地域医療構想の実現に向けて極めて重要となります。具体的には、調整会議での話し合いを通じて「自院は急性期機能を担っているが、将来、地域の急性期患者は減ってしまう。将来的には回復期や慢性期機能に転換していくべきである」と病院自身が考えることが求められます。

 ところで、機能分化を進める中では、構造設備の見直しなども必要となるため各都道府県に設定されている地域医療介護総合確保基金から補助が行われます。

 2月9日の医療計画策定研修会では、厚労省医政局地域医療計画課の担当者から、地域医療介護総合確保基金について、▼医療機関の機能転換について、地域医療構想調整会議で合意できている場合に、優先して配分する▼医療機関が再編・統合する場合には、「単一の医療機関の機能転換」よりも優先して配分する―考えが示されました。

 例えば、「急性期機能が過剰な地域において、急性期機能を担う300床のA病院と同じく300床のB病院が再編・統合して500床のC病院となる」場合、急性期のベッドを100床削減することが可能となり、地域医療構想の実現に一歩近づくことになります。この場合、新病院(500床のC病院)建設のために大きなコストがかかりますが、▼例えば薬剤を購入する際に、A・Bが個別に購入するよりも、Cとして購入したほうが、バイイングパワーが強くなり、購入費を抑えられると見込める▼1病院当たりの医師数が増え、手術件数増加による治療成績の向上や、「当直明けの勤務を別の医師に任せる」ような負担軽減策などを講じることができる―といった利点があると考えられます(関連記事はこちらとこちらとこちら)。

病床削減に伴う改修費用や処分費用なども補助の対象

 また「単一の医療機関が機能転換する」ケースでも、地域医療介護総合確保基金からの補助が行われます。機能分化を進めることが、地域医療構想の実現に直結するためです。2月9日の医療計画策定研修会では、次のような費用が補助の対象になることが説明されました。

▼病床数を減らす結果、使わなくなる病棟・病室の改修費用
 病床削減について地域医療構想調整会議で合意できていれば、教育研修棟に改修したり、建物のワンフロアを職員の休憩スペースに改修するための費用が対象となる。おおよそ、「鉄筋コンクリート」の場合は単価が20万900円/平米、「ブロック」の場合は17万5100円/平米までであれば補助される。ただし、改修する建物が、地域医療構想策定後に取得したものの場合は対象から外れる

▼病床削減や機能転換の結果、不要になる建物や医療機器の処分費用
 不要となった建物・医療機器の撤去にかかる費用補助や、「帳簿上の固定資産としての価格」と「売却価格」の差額補填などに活用できる。ただし、地域医療構想策定後に取得した建物や医療機器は対象から外れる。また、医療法人の役員に売却する場合などは、▽売却価格が市場価格と大幅にずれていないことが、複数の不動産鑑定士らの鑑定によって確認できる▽購入者が使用する▽売却した後は使わない―をすべて満たすことを条件に、活用を認める
 
【更新履歴】病床削減に伴う改修費用や処分費用について、「地域医療構想策定前に取得した建物」などは地域医療介護総合確保基金の対象外であるとしていましたが、「地域医療構想策定後に取得した建物」の誤りです。お詫びして、訂正させていただきます。記事は訂正済です。
 



https://www.mixonline.jp/Article/tabid/55/artid/59504/Default.aspx
【解説】2018年度診療報酬改定 地域包括ケアで機能分化・強化に動き出す医療機関
公開日時 2018/02/08 03:53 ミクスオンライン

「高度急性期、急性期、回復期、慢性期という4つのカテゴリーに収斂していく。人口構造が変化し、急性期病床は空床が出てくる。そうした中で、各医療機関が選択することであるべき姿に収斂する。それを後押しするのが今回の診療報酬改定だ」-。日本医師会の横倉義武会長は2月7日、中医協が2018年度診療報酬改定を加藤厚労相に答申したのを受け、日本医師会館で開いた会見でこう話した。18年度改定では、入院基本料を医療資源投入量と診療実績に応じた段階的な評価へと抜本的に見直した。これまで診療行為に応じた報酬体系であったこともあり、急性期病院は様々なメニューを揃えた総合デパート方式とも揶揄されてきた。18年度改定を皮切りに各医療機関が自らの強みを発揮し、それ以外の医療機関と連携する形へと動き出すことになる。地域包括ケアシステム構築へ向けて、入院医療は急性期病院の転換を皮切りに大きく動き出すこととなりそうだ。

◎新たな医療提供体制に歩みだす 「それに寄り添う診療報酬改定だ」横倉日医会長

「18年度は各都道府県で策定される地域医療構想が実行に移され、それに向けて新たな医療提供体制に歩みだす。今改定は、それに寄り添う診療報酬改定だ」-。横倉会長はこう語る。間近に迫った今年4月は、診療報酬・介護報酬・障害福祉サービス等報酬のトリプル改定にとどまらず、第3次医療費適正化計画、第7次地域医療計画がスタートするタイミングでもある。

これまで政府が最も医療資源、そして医療保険財政を投入してきたのが看護配置7対1に代表される急性期病床だ。7対1入院基本料と10対1入院基本料との間には診療報酬上で300点の格差があった。10対1への転換は、看護師の雇用を含め、病院経営へのダメージも大きかった。一方で、人口構造が変化する中で、急性期病床はすでに稼働率が低下しているとの声も医療現場からはあがっている。今後はさらに高齢化に伴って、脳・心血管疾患の発症やその後のリハビリテーションや肺炎、骨折などの増加も見込まれる。こうした中で、18年度改定では、7対1と10対1の中間的な点数を新設した。点数の格差が縮まることで、医療機関の転換を促す。ここでひとつポイントとなるのが、新たな点数である入院料2、3を算定に際して、重症患者の割合の判定について診療実績データ(DPCデータ)を用いることを要件化したことだ。

地域医療構想の策定も相まって、自身の医療機関の実診療データをベンチマークすることで、医療機関自ら病床機能の転換について判断することを後押しする。この姿は、2025年度の改定に向けて、「過渡期」との見方を全日本病院協会の猪口雄二会長は示す。

厚労省は将来の姿として、すでに看護配置10対1を基準として診療実績を評価する、入院料を5段階とする姿を示した。今後は各医療機関が、自ら医療ニーズに合致した、医師、看護師、薬剤師、OT、PT、STなどの人員配置を選択する姿へと移行することとなる。これにより、医療費も自然と適正な範囲へと抑制される姿を描く。

◎ますます重要性を増すネットワーク型医療

こうした中で、医療機関同士や訪問看護ステーション、保険薬局などとの連携の重要性を増す。18年度改定では、地域包括ケアシステムの要の役割を担う、かかりつけ医に手厚い評価を行ったが、それだけでなく、看護師や薬剤師、ケアマネジャーなどの多職種連携、医療連携に手厚い配分を行った。

患者の入院前に入院生活におけるオリエンテーションや持参薬の確認、褥瘡・栄養スクリーニングなどを外来で実施し、支援を行った場合の点数として、「入院時支援加算」を新設。あわせて、退院時共同指導料についても医師、看護師に加え、薬剤師やOT・PT、ST、社会福祉士(MSW)が共同指導する場合も評価対象とするよう見直した。入院前から入院、退院までを一貫し、がんや認知症患者であっても住み慣れた地域で継続して生活できるよう促す。

看護配置7対1を確保する医療機関では、看護配置を見直し、訪問看護ステーションを併設するケースの増加も見込まれる。多死時代を迎える中で、在宅での看取り、ターミナルケアの重要性が増す中で、役割を発揮することも期待される。さらには、複数の疾患を合併し、ポリファーマシーに陥る高齢者が増加する中で、医療機関と保険薬局の連携による医薬品の適正使用を促すことも視野に入る。地域の実状に合致した連携体制が構築されることで、これまで以上にネットワーク型の医療が重要性を増すことになる。

2013年度に「税と社会保障一体改革」の方向性を示した安倍政権は、一貫した改革路線を貫いている。高齢化のピークを迎える2025年に向けて、地域包括ケアシステムを構築すべく、様々な施策を繰り出してきた。診療報酬改定も2014年度、16年度、18年度と歩みを進めている。冒頭にも書いたが、この4月はトリプル改定のほかに、地域医療計画もスタートする。都道府県の保健ガバナンスも強化され、いよいよ地域包括ケアシステムの外堀が完成することになる。

18年度改定を取材して、ひとつ見えたことがある。先の薬価制度抜本改革の時も感じたが、薬価にしても診療報酬・調剤報酬にしても、既定路線の延長に我々は存在しないということだ。逆に、この3回の診療報酬改定を取材して、その延長線上にある医療の姿の輪郭が見え始めてきた。すでに2020年度改定にむけた改革議論の火蓋は切られたと見るべきだろう。(望月英梨)



http://biz-journal.jp/2018/02/post_22256.html
連載  上昌広「絶望の医療 希望の医療」
内科・外科志望医が激減、眼科志望医ゼロの県も…新専門医制度失敗で地方の医療崩壊
 
文=上昌広/特定非営利活動法人・医療ガバナンス研究所理事長
2018.02.08 Business Journal

 日本の地域医療の崩壊が加速する。原因は、今春から始まる新専門医制度だ。従来、専門医の資格は、日本内科学会や日本外科学会、あるいはその下部組織である日本循環器学会や日本心臓血管外科学会などが独自に認定してきた。学会によって質にバラツキがあることが問題視され、中立の第三者機関が認定することが求められた。そのために立ち上がったのが、一般社団法人日本専門医機構(吉村博邦理事長)だ。

 専門医機構は、主要な19領域の診療科を対象に、専門医を認定することとなった。厚生労働省もこの組織を支援してきた。厚労省の目的は専門医のレベル向上に加え、都道府県や病院ごとの専門医育成の枠を制限することで、医師の地域偏在や診療科の偏在を是正することだった。今年の通常国会に提出する医療法改正案では、専門医機構と連携し、都道府県等の調整に関する権限を明確化し、診療領域ごとに地域の人口、症例数に応じた地域ごとの枠を設定する方針だ。

 昨年12月15日、専門医機構は新専門医制度の1次募集の結果を公開した。新制度には7791人の医師が応募した。初期研修を終える医師の約9割となる。基礎研究や厚労省など行政職に進む一部の医師を除き、今春3年目を迎える若手医師のほとんどが、新専門医制度のカリキュラムに応募したことになる。

 この結果を仙台厚生病院の遠藤希之医師と齋藤宏章医師が分析した。専門医機構は専門研修の充実に加え、診療科と地域偏在を是正することを目標に掲げていた。ところが、結果は正反対だった。

 遠藤医師らは、今回の応募者と、厚労省が発表している「平成26年都道府県別医籍登録後3―5年目の医師数」を比較した。この調査では、比較対象を何にするかが難しい。従来の学会は任意参加であり、日本内科学会の会員数が正確な内科医の数を示しているわけではない。私もそうだが、日本内科学会に所属しない内科医が大勢いる。ところが、新専門医制度が始まり、内科医を志す若手医師は、日本内科学会への加入が実質的に強制されることとなった。このため、過去数年間の日本内科学会の新規登録会員数と、今春の応募者を比較することは妥当ではない。
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https://www.m3.com/news/iryoishin/583347
自見氏、吉田氏、岡本氏の鼎談
医師議員「医療提供体制の見直し、待ったなし」◆Vol.3

スペシャル企画 2018年2月9日 (金)配信聞き手:橋本佳子(m3.com編集長)、まとめ:高橋直純(m3.com編集部)

――2025年にむけて、医療提供体制の在り方について、議論も進んでいます。
吉田統彦氏(眼科)
 ソフト・ハードともに見直すべきです。国立、公立、公的病院の役割についても、これからどういう役割を担っていくべきか。私はそもそも民間でできるものは民間ですべきだと考えております。公的病院は政策医療に特化して、赤字になるのはしょうがない、結核医療がその典型です。そういった部分のハードの見直しも必要だと思います。


岡本充功氏(内科)
 人口が減る中で、どこでどういうサービスを展開できるかを、国民の皆さんと冷静に議論しないといけない。どこでも全てがありますというのは、残念ながらできないということを説明していくのも政治家の仕事だと思います。国民の皆さんにどういうサービスが提供できるか、医療だけでなくインフラ整備も含めて、冷静に我が国の在り方を考えていく必要があると思います。

自見はなこ氏(小児科)
 全く同感です。私たちは医師なので、例えば末期癌の方に「今後10年、20年元気に生きられます」とムンテラをしないのと同じように、この国の形がずいぶん、そして急速に変わっていく中で、本当の話をしなくてはいけない時期に入っています。明らかな人口減少の中で、どういう社会を、特に地方で作るかを公的医療機関の在り方もフラットに俎上に載せて、地域医療構想の中で話していく必要があります。

 ただ、なかなか議論としてかみ合っていないところが現実的にあります。福岡県などは過去に県立病院を民間移譲している一方で、岩手県のように沿岸は今も全て県立病院という地域もあります。地域の実情もあり、全国一律にはできないですが、国の財政状況もあり、待ったなしでもあり、そろそろみんなで素直な話をすべきだと思います。

――地域医療構想の作成に当たっては、調整会議という仕組みもありますが、どういう仕組みがあれば率直な議論ができるのでしょうか。
自見
 私は地方議員の先生と勉強会をすべきだと思います。市立病院、県立病院は市議、県議の先生が非常に強いステークホルダーですので、そういった先生と率直に話し合うべきです。

吉田
 公的病院に過度な負担がかかりすぎているので、もうちょっと上手く機能するための国立、公立、公的で分けた機能分化をしつつ、できるだけ私立病院を生かした方が日本の医療にとっては良いのではないでしょうか。効率的な医療運営と地域の産業、雇用を担うという意味では民間病院が優れているのはどこを見ても明らかです。様々な民間病院が地域の医療を守りながら、雇用、産業となっています。税金も納めています。

 私の選挙区は名古屋ですが、似たような規模の病院が多く、公的病院が3つ並んでしまっているのは変えていかなくてはならないでしょう。市立病院、県立病院は抜本的な話し合いが必要です。公的病院は税金が免除されており、公立病院は、税金が補填という形で入っています。

岡本
 私も「国立病院改革をしてくれ」とずっと言っていて、国立病院の職員の皆さんには大変つらい思いをさせたかもしれないし、裁判にもなり、正直言っていろいろ思うところもありますが、現に今の国立病院の経営実態は大幅に改善しました。

 公立病院もやり方を考えていけば、経営状態はだいぶ変わると思います。もちろん、今更どうにもならない建設費などコストもありますが、調達費用などを工夫をすることで一定程度の財務状況の改善ができるはずです。それをどう広げていくかは、まさに自見先生がおっしゃるように地元議会、病院、役所が話し合う中で、答えを見つけていくしかないでしょう。

――どのような議論が求められるのでしょうか。
岡本
 議論しなくてはいけないポイントとして、看取りを誰がするかという点でしょう。これから先も医師のみなのか、医師以外にも認めていくべきかという議論も必要だと思います。受診間隔を延ばして開業医の先生方に在宅の看取りに関与してもらうという仕組みを作ることもあるでしょう。このままでは、病院以外から医師の数が足りないという声があがるような気がします。

 特定看護師の時にも議論がありましたが、医師でなければならないことは何なのか。いったん決着していますが、もう一度振り返って、特定看護師が在宅、診療所でなにができるかを考えていく必要があります。医師会の立場は違うかもしれませんが。

吉田
 
 AI(人工知能)の話も盛んにされるようになりましたが、カナダは広い国土の割には人口も少なく、医療提供体制もそれほど整っていない国ですが、患者さん自らがCTAS(Canadian Triage and Acuity Scale; 緊急度判定支援システム)に入力していくと緊急度の判定をしてくれます。日本版のJTASができています。そういったものを使いながら、今のような状態から変わっていくのでしょうね。

自見
 人口減少・偏在は切実な問題です。能登半島に行った時に聞いた話ですが、地域枠ができて8年が経ち、3人の医師が来てくれたが、地元の住人が少なくなってしまって3人も医師がいらなくなってしまったと。これが日本の現状だと思います。そういった現実を見据えながら、日本の医療提供体制を守っていく必要があります。また医療資源を効率的に活用していくために医療ICTをこのタイミングで積極的に発展させていく必要があります。

 今日は先生方と率直に意見交換ができてとても良かったです。医師として日本の医療を守り、発展させるため一緒に協力していけたらと思います。ありがとうございました。



http://www.tokyo-np.co.jp/article/chiba/list/201802/CK2018021002000132.html
【千葉】
東千葉MC、全面開業は8年遅れ2025年度 東金市議会中期案可決
 
2018年2月10日 東京新聞

 東金市丘山台の地域中核病院「東千葉メディカルセンター(MC)」の全面開業が、当初計画から八年遅れとなる二〇二五年度にずれ込む見通しとなった。少子化で入院患者数の減少が見込まれ、小児科病棟の開業時期を見直すなどしたため。九日の東金市議会臨時会は、東千葉MCの一八~二一年度の中期計画案を可決した。

 東千葉MCは、東金市と九十九里町が設立した地方独立行政法人「東金九十九里地域医療センター」が運営する。一七年十二月現在で二十診療科、二百四十三床。今月十四日には九十九里町議会臨時会で同案が提案される。

 東千葉MCは一四年四月に一部開業。当初は一七年四月に全面開業する予定だったが、必要な看護師を確保できず、全面開業を二一年度に延期していた。

 東金市によると、今回の計画案では、少子化に伴う入院患者減で、小児科病棟の二一年度中の開棟が困難となったことや、開業できていない泌尿器科・眼科・耳鼻咽喉科の三科について「地域の医療需要や医師確保、収益性などを考慮しながら、慎重に検討する」ことなどを盛り込んだ。

 東千葉MCの一七年度の累積赤字は約五十七億三千四百万円に上る見込み。県は建設費を含めて約八十五億六千万円を財政的支援している。 (黒籔香織)



https://www.m3.com/news/iryoishin/585308
3次募集は2月16日から、5都府県は全領域で“締め切り”
2019年度は9月1日から専攻医登録を予定
 
レポート 2018年2月9日 (金)配信橋本佳子(m3.com編集長)

 日本専門医機構は2月9日の理事会後の記者会見で、2018年度から開始予定の新専門医制度の専攻医の3次登録を2月16日から実施すると説明した。登録期間は3月5日まで。3月14日まで採用選考を行い、3月15日に採用通知をする。ただし、5都府県(東京、神奈川、愛知、大阪、福岡)の全19の基本領域での募集は行わない。

 2019年度開始予定の新専門医制度についてのスケジュール案も公表。4月末までに研修プログラムの申請・変更等を受け付け、各基本領域学会による1次審査、都道府県協議会における協議、日本専門医機構による2次審査を経て、9月1日から専攻医の登録を開始する予定だ。

 新専門医制度をめぐっては、地域医療に影響を来さないことが求められる。日本専門医機構副理事長の松原謙二氏は、1月の厚生労働省の「今後の医師養成の在り方と地域医療に関する検討会」で、5都府県のシーリングなどに用いたデータを公表すると回答していた(『「5都府県シーリングのデータ公表」、松原・専門医機構副理事長』を参照)。

 9日の記者会見でも、松原副理事長は、「2次募集の採用結果がフィックスした時点で、公表する」と説明。2次募集の採用結果通知は、2月15日に予定している。2019年度の新専門医制度について、大きな制度変更等が必要と考えているか否かとの質問に、松原副理事長は、「恐らく今あるデータで見れば、このまま変更なく行けると思う」と回答。今後、東京都の基幹病院から関東他県などの連携病院に、どの程度専攻医を派遣するかなどについて、各基本学会に調査を依頼する予定であり、「そのデータを見て将来どうすべきかについては議論を続ける」(松原氏)。

 サブスペシャルティについては、日本専門医機構理事長の吉村博邦氏が素案を出し、それをたたき台として検討していく方針。なお、病気療養中だった吉村氏は9日の理事会から復帰した。



http://www.minpo.jp/news/detail/2018021049058
style="font-size:x-large;">「ふたば医療センター病院」4月23日診療開始 富岡 
( 2018/02/10 08:53 )福島民報

 富岡町に新設される県立「ふたば医療センター付属病院」は4月23日に診療を始める。9日、福島市で開かれた避難地域の医療提供体制検討会で県が示した。東京電力福島第一原発事故で失われた双葉郡の二次救急医療機能を回復させるとともに、近隣の診療所などと連携して地域医療を支える。
 新病院は富岡町本岡字王塚地区に整備される。救急科と内科を設け(1)救急搬送(2)地域の医療機関の診療時間外(夜間・休日)の来院(3)他の医療機関で入院が必要と判断された-の各ケースに対応する。高度医療の必要な重篤者は福島医大付属病院などに搬送する。
 常勤の院長に就く田勢長一郎氏(福島医大付属病院ふたば救急総合総合医療支援センター副センター長)のほか、福島医大付属病院の医師19人が非常勤で勤務する。平日の日中は4~5人、休日の日中は3~4人、平日、休日とも夜間は2人体制とする。病床数は30床。より高度な医療機能を備えた病院への患者の搬送、医師の移送に使える多目的医療用ヘリコプターを導入する。
 通院治療の段階まで回復した患者を郡内の医療機関に紹介するほか、訪問診療や訪問看護をサポートする。原発事故後、増加傾向にある糖尿病患者の教育入院プログラムの実施なども検討している。
 双葉郡では東日本大震災前、4つの病院が入院・手術の必要な二次救急医療を担っていたが、原発事故の影響で全て休止している。



https://www.m3.com/news/iryoishin/585173
全自病邉見氏「病院に厳しく、診療所に手厚く」
2018年度改定、働き方緊急対策には反論多数
 
レポート 2018年2月9日 (金)配信水谷悠(m3.com編集部)

 全国自治体病院協議会は2月8日に定例記者会見を開き、2018年度診療報酬改定の答申について、邉見公雄会長は「点数を見たら、病院はますますしんどくなると思う。全体的に、病院に厳しく、診療所に手厚い感が否めない」と危機感を示した(『2018年度診療報酬改定、加藤厚労相に答申』)。

2018年度診療報酬改定!徹底解説
 邉見氏は、かかりつけ医に関する項目の算定要件については、診療所の医師1人で満たせるが、7対1入院基本料は1人でできず、チームでするものだと指摘。「7対1入院基本料で減る分が、かかりつけ医・歯科医・薬局に行っている。地域包括ケアシステムの推進が基本方針の一番にあるからだろうが、病院にはあまりにもしんどい」と話した。

 評価できる項目としては、「メリハリの『ハリ』の部分は、オンライン診療。患者が大勢に抱えられて診療に来なくても良くなるのはいいと思う」と述べた。医師事務作業補助体制加算についても、「医師が一番楽になる項目だ。点数はもう少しほしいが、良かった」と評価。算定要件が厳しくなったが、既に加算を取っている病院は満たせるとの見方を示し、「次の改定でまた付けてくれるのではないか」と期待も示した。

 全自病副会長の中島豊爾氏は、認知症治療病棟入院料で患者の入院期間が31日を超えても加算が付くよう変更があったことについて、「普通はもっと早く退院しないといけない。31日を超えても何点と付くのはおかしい」と疑問を呈した。

「働き方緊急対策」の説明に反論多数
 2月8日には常務理事会を開催し、厚生労働省の担当者から医師の働き方改革の緊急対策と中間整理について説明があり、出席者からは「気の毒になるくらい」(邉見氏)の反論があったという(『働き方改革の緊急対策、労働時間管理など5項目は「当然」』を参照)。邉見氏は、医師の地域偏在、診療科偏在の問題を先に解決しなければ、「傷口に塩を塗るような改革になってしまう」と強調。他の出席者からも、「やれることはやるが、根本的なことを解決しなければ、救急や地域医療が崩壊する」などの意見が上がったという。



https://www.m3.com/news/iryoishin/584801
横倉日医会長、2018年度改定「60点より少し上に」
三師会が合同会見、「限られた財源でより良い配分に」
 
レポート 2018年2月7日 (水)配信橋本佳子(m3.com編集長)

 日本医師会会長の横倉義武氏は2月7日、日本歯科医師会、日本薬剤師会との合同記者会見で、同日答申された2018年度診療報酬改定について、「前回改定に引き続き、少ない改定財源でもそれなりの評価ができたと認識している」との見解を示した。診療報酬本体の改定率0.550は「60点」との評価だったが、その60点の財源で、「中医協委員の先生方、中川(俊男)副会長を中心に、より良い配分をしてくれたと理解している。60点より少し上に行ったと思う」と一定の評価をした。

 日歯会長の堀憲郎氏も、「改定率の時点では60点という評価だった。限られた財源の中では、70-75点ぐらいまでできたのではないか」、日薬会長の山本信夫氏の代理で出席した副会長の森昌平氏も、「調剤報酬の改定率は65点と評価したが、0.190という改定率の中では、自分たちが目指す方向性を改めて示すことができたのではないか」とそれぞれ述べた(『2018年度診療報酬改定、加藤厚労相に答申』、『横倉・日医会長、「改定率は60点、希望は0.76-0.78%だった」』を参照)。

 横倉会長は、具体的な改定のポイントとして、(1)外来医療の機能分化とかかりつけ医機能の評価、(2)医療従事者の負担軽減と働き方改革の推進、(3)医療と介護の同時改定、(4)薬価制度の抜本改革、(5)医療技術の適正評価、(6)入院評価体制の見直し――の6つを挙げた。

 入院評価体制の見直しでは、7対1入院基本料をはじめ、一般病棟の入院料が再編・統合されたことが特徴。横倉会長は、「高度急性期、急性期、回復期、慢性期と4つのカテゴリの中に、徐々に在るべき姿に収斂していくだろう。これを後押しするのが、今改定」とした。ただし、「病棟運営を考えた時に、本来は7対1くらいの看護職員の配置が必要。7対1(入院基本料)を一つのターゲットとして減らそうという今回の方向性はいかがなものかとは思っている」とも述べた(『「7対1」点数据え置き、重症度割合は新定義で300』を参照)。

 外来関係では、初診料に「機能強化加算」(80点)が新設されるなど、かかりつけ医機能を評価する方針が明確に打ち出されたことが特徴(『かかりつけ医機能「機能強化加算」80点、初診3割アップ』を参照)。「今改定が日医が進める、かかりつけ医機能の充実という方向性に合致しているか」との質問には、「かかりつけ医機能の評価については、(地域包括診療料・加算が)4年前の前々回改定で新設され、前回改定で要件が緩和された。今改定では、かかりつけの先生方が困難に思われている、24時間対応の問題、複数医師の要件が見直され、かかりつけ医機能が発揮しやすくなっていると思っている」とし、加算の新設を含め、「日医が考えるかかりつけ医機能の方向に合致していると考えている」と横倉会長は回答した。

 「今改定は、開業医に対するどんなメッセージだと受け止めているのか」との質問には、横倉氏は次のように答えた。「地域に密着した医療をしっかりやってほしいというメッセージだと思っている。今後人口構成が変わり、高齢者が増えてくる。今まで通院できた患者が通院できなくなってくる。しかし、それだけの入院医療を提供できないのも事実であり、在宅医療も含めて、『地域でしっかりささえる』という方向性が今改定で打ち出されたと受け止めている」。改定で対応が不足した点については、「専門的な技術の評価をもう少しすべきだったのではないかと考えている」と回答。

 日歯の堀会長は、歯科報酬について、「口腔の機能の維持、向上に資する歯科医療」と「国際的に見て低く抑えられている、我が国の歯科医療への対応」という二つを重点課題として議論してきたと説明。前者については、かかりつけ歯科医機能について一定の整理がなされたとし、今後も引き続き具体的な方向性の検討が必要だとした。後者については、「一定の引き上げがあった」としつつも、「今後も段階的な対応を求めていく」と表明。その他、医科歯科の連携推進に向け、患者の診療情報を共有する「診療情報連携共有料」の新設などを評価した。

 日薬の森副会長は、0.190という調剤報酬の改定財源の中で、「既存点数の合理化、適正化を図りつつ、評価すべき部分に配分できた」とした。「医薬分業が本来在るべき姿から乖離している」との指摘や、門前薬局への締め付けなど、「非常に厳しい状況の中で、議論が進められた」と振り返りつつ、「対物業務」から「対人業務」への構造的な変換、薬剤服用歴管理指導料やかかりつけ薬剤師指導料の評価、地域医療に貢献する薬局の評価、ポリファーマーシーへの取り組みの評価などを挙げ、「地域包括ケアシステムにおける薬局薬剤師への期待と受け止めている。薬局薬剤師として取り組むべき方向がさらに明確になったと認識している」と述べた。

 地域医療構想に「寄り添う」改定

 横倉会長は、2018年度改定全般について、「超高齢社会に対応する上で最重要課題である地域包括ケアの推進に向けて、地域における医療資源を有効に活用しながら、継続して改革を進めるためにも、適切な財源配分を行うことが必要。今改定では、前回改定に引き続き、少ない改定財源でもそれなりの評価ができたと認識している」と評価。

 さらに「改定とは本来、その時代を反映して、在るべき姿に是正していくもの。しかし、折しも2018年度は、地域医療構想が実行に移され、2025年の医療提供体制の構築に踏み出していく時期であり、それに寄り添う形で今回の報酬改定が行われた」とした。

 「(昨年の)12月12日に、堀会長、山本会長とともに、自民党本部を訪問し、二階(俊博)幹事長と岸田(文雄)政調会長、吉田(博美)参議院幹事長に対して、医療従事者への手当等のために、前回本体改定率0.490を上回るプラス改定をすることを要望した。三師会会長がそろって自民党に要望したのは、歴史上初めて」というエピソードも披露。

 その上で、「今改定の影響を適正なタイミングで検証しつつ、2025年に向けた新しい医療提供体制に寄り添った改革をしていくべき」とした。

 さらに今後について、「骨太方針2018に続いて、いろいろな議論が予想される」と見通した。「社会保障費が過度に抑制されることがないようにしなければいけない。さらに2019年10月には100への消費増税が予想されるため、今年末に策定される2019年度税制改正大綱が重要な意味を持つ。医療等にかかる消費税問題の抜本的な改革に向けて、医療界としての方向性を打ち出した上で、しっかりと対応していく」との決意を示した。

 オンライン診療、「対面診療が原則」

 2018年度改定の各論では、入院料に用いる重症度、医療・看護必要度が、2016年度改定に続いて見直された点について、「現場の混乱を考えると、(見直しは)いかがなものかと主張してきた」とし、次のようにコメント。「今回2つの項目が評価対象に上乗せになり、該当患者割合も上げることになった。評価のための研修をしっかりやっていかなければいけないものの、看護師、医師がベッドサイドで本来業務に集中できるような仕組みを作ってもらいたい。(重症度、医療・看護必要度の)評価のために、相当長い時間が取られるのは、いかがなものか。その意味でも頻回の見直しはすべきではない。ある一定の評価基準を設けたら、しばらくの間、それを使うことが必要」。

 新設された「オンライン診療料」については、離島などでのニーズはあることは認めつつ、「対面診療が基本という大原則は崩してはいけない」と釘を刺した(『オンライン診療料70点、医学管理料100点』を参照)。患者の安全をいかに担保するかが重要であり、それに則った形にする必要性を強調した。



http://www.medwatch.jp/?p=18739
有床診療所の減少続く、2018年度同時改定で歯止めがかかるのか―医療施設動態調査(2017年11月) 
2018年2月6日|医療計画・地域医療構想 MedWatch

 昨年(2017年)10月末から11月末にかけて、病院の一般病床数が309床増加した一方で、療養病床は320床減少した。また有床診療所は、前月から25施設・306床減少し、7236施設・9万8537床となった―。

 このような状況が、厚生労働省が2月5日に公表した医療施設動態調査(2017年11月末概数)から明らかになりました(厚労省のサイトはこちら)。

ここがポイント!
1 有床診、前月から25施設減少し、2017年11月末は7236施設に
2 有床診療所のベッド数、前月から306床減少し、2017年11月末には9万8537床に
3 介護サービスを提供する有床診療所、高い報酬の要件緩和や加算の新設で経営を下支え

有床診、前月から25施設減少し、2017年11月末は7236施設に

 厚生労働省は、毎月末における全国の病院・診療所数の増減を「医療施設動態調査」として公表しています(前月末の状況はこちら、前々月末の状況はこちら、さらにその前の月末の状況はこちら)。

 昨年(2017年)11月末の状況を見ると、全国の医療施設は計17万9314施設で、前月末から13施設増加。うち、病院の施設数は、前月末よりも3施設減少して8411施設となりました。種類別に見ると、▼一般病院:7354施設(前月比2施設減)▼精神科病院:1057施設(同1施設減)—という状況です。一般病院のうち、「療養病床を有する病院」は3790施設で、前月末から3施設減少し、「地域医療支援病院」は557施設で、同じく1施設増加しました。

 一方、医科診療所は10万1981施設(前月比12施設増)で、うち有床診療所は7236施設となり、前月末から25施設減少しています。

 有床診療所は、2年前(2015年11月末)には7905施設(厚労省のサイトはこちら)、1年前(2016年11月末)には7575施設(厚労省のサイトはこちら)あったので、2015年11月末から16年11月末までの1年間で330施設、さらに昨年(2017年)11月末までの1年間で339施設減少しています。有床診療所の施設数は、2016年11月末以降、次のように推移しています。

▼2016年11月末:7575施設
 ↓(25施設減)
▼2016年12月末:7550施設
 ↓(27施設減)
▼2017年1月末:7523施設
 ↓(38施設減)
▼2017年2月末:7485施設
 ↓(21施設減)
▼2017年3月末:7464施設
 ↓(38施設減)
▼2017年4月末:7426施設
 ↓(29施設減)
▼2017年5月末:7397施設
 ↓(17施設減)
▼2017年6月末:7380施設
 ↓(17施設減)
▼2017年7月末:7363施設
 ↓(21施設減)
▼2017年8月末:7342施設
 ↓(25施設減)
▼2017年9月末:7317施設
 ↓(56施設減)
▼2017年10月末:7261施設
 ↓(25施設減)
▼2017年11月末:7236施設

 この1年間は、1か月当たり28施設強のペースで減少が続いています。後述するように、2018年度診療報酬改定によってこの流れが止まるのか、今後の調査結果に注目する必要がります。

有床診療所のベッド数、前月から306床減少し、2017年11月末には9万8537床に

 次に、医療施設の病床数を見てみましょう。医療施設全体では昨年(2017年)11月末で165万4758床あり、前月末と比べて780床減少。このうち病院の病床数は155万6157床で、前月末から474床減少しました。病床種類別に見ると、▼一般病床:89万1609床(前月比309床増)▼療養病床:32万5859床(同320床減)▼精神病床:33万1664床(同380床減)—などという状況です。

 一方、有床診療所の病床数は前月末から306床減少し、9万8537床となりました。2年前(2015年11月末)には10万6890床(厚労省のサイトはこちら)、1年前(2016年11月末)には10万2737床(厚労省のサイトはこちら)であったことから、2016年11月末までの1年間で4153床、昨年(2017年)11月末までの1年間で4200床減少しています。2016年11月末以降、有床診のベッド数は次のように推移しています。

▼2016年11月末:10万2737床
 ↓(287床減)
▼2016年12月末:10万2450床
 ↓(305床減)
▼2017年1月末:10万2145床
 ↓(448床減)
▼2017年2月末:10万1697床
 ↓(335床減)
▼2017年3月末:10万1362床
 ↓(489床減)
▼2017年4月末:10万873床
 ↓(407床減)
▼2017年5月末:10万466床
 ↓(226床減)
▼2017年6月末:10万240床
 ↓(221床減)
▼2017年7月末:10万19床
 ↓(282床減)
▼2017年8月末:9万9737床
 ↓(206床減)
▼2017年9月末:9万9531床
 ↓(688床減)
▼2017年10月末:9万8843床
 ↓(306床減)
▼2017年11月末:9万8537床

 この1年間、1か月当たり350床のペースで減少が続いています。

介護サービスを提供する有床診療所、高い報酬の要件緩和や加算の新設で経営を下支え

 ところで、有床診療所の減少が続く要因の1つは、厳しい経営環境だと指摘されます。有床診療所の中でも、とくに「在宅医療の拠点」「在宅・介護施設への受け渡し」「終末期医療提供」などの機能を果たす施設は、地域包括ケアシステムの重要な構成要素となります。そこでは、厚労省は2018年度の次期診療報酬・介護報酬改定において、有床診療所の「地域包括ケアモデル」(医療・介護併用モデル)での運用を支援する考えです。

診療報酬では、▼介護サービスを提供する有床診療所では、報酬の高い入院基本料1-3までの要件を緩和する▼介護サービスを提供する有床診療所で、要介護者の入院受け入れを、新たに【介護連携加算】として評価する▼在宅復帰機能の高い有床診療所を評価する【有床診療所在宅復帰機能強化加算】について、平均在院日数要件を緩和する—といった見直しが行われます(関連記事はこちら)。

また介護報酬では、▼食堂を持たない有床診療所でも、短期入所療養介護事業所の指定を受けられるよう要件を緩和する▼利用者専用病床を1床確保すれば、看護小規模多機能型居宅介護の「宿泊室」の設備基準を満たしていると見なす―などの見直しが行われます(関連記事はこちら)。

こうした見直しが有床診療所経営にどのように影響するのか、さらに有床診療所数の減少に歯止めがかかるのか、今後の動向に注目する必要があります。



https://www.nikkei.com/article/DGXMZO26534270V00C18A2CN8000/
中部
愛知県がんセンター愛知病院、岡崎市に移管へ
 
2018/2/5 21:15 日本経済新聞

 愛知県は5日、赤字経営が続く県がんセンター愛知病院(岡崎市)を2019年4月をめどに岡崎市に移管する方針を発表した。同市が運営する岡崎市民病院と統合し、診療科の統廃合などで効率化を図る考えだ。

 大村秀章知事は同日の定例記者会見で「より充実した地域医療につなげるため、一体的に運営することが効果的だ。(統合の方針について)17年度内の合意を目指していく」と話した。

 県がんセンター愛知病院は1954年開院で病床数は276床。県東部の三河地域のがん治療の拠点病院として、高度で専門的な医療を提供してきた。ただ、人件費がかさむなどして、16年度は4億3千万の赤字を計上していた。



https://www.asahi.com/articles/ASL256X1ZL25UCLV00Z.html
「入院より在宅」促進 診療報酬改定、遠隔診療も拡大
水戸部六美
2018年2月10日23時44分 朝日新聞

 医療機関で治療を受けたり、薬を出してもらったりする時の4月からの値段が7日、決まった。医療ニーズが急増する「2025年問題」を乗り切るため、患者がなるべく入院せずに住み慣れた自宅や施設で治療を受けられる体制づくりを一層加速させる内容だ。遠隔診療の対象も広がる。

 中央社会保険医療協議会(中医協=厚生労働相の諮問機関)がこの日、医療サービスの公定価格となる診療報酬の個別の改定内容を決め、答申した。診療報酬は2年に1度見直す。政府は昨年末、全体で1・190引き下げると決定。治療代などの「本体」は0・550引き上げ、薬代の「薬価」などは1・740引き下げるとした。中医協はこの範囲に収まるよう値段を決めた。原則1~3割の患者の自己負担額も変わる。

 今回の改定は、団塊の世代がすべて75歳以上になる25年を強く意識したものになった。今の年約42兆3千億円から健康保険組合連合会の推計で約57兆8千億円に膨らむとされる国民医療費をいかに抑えるかが課題だ。患者の急増で入院中心では受け皿が足りなくなる恐れもある。

 在宅の患者を支えるための柱は、24時間診療に応じられる新たな仕組みだ。地域の複数の診療所などが連携し、24時間連絡がついて往診できる体制を築いたら報酬を患者1人当たり月2160円加算する。

 スマートフォンやパソコンを通じて診察する遠隔診療は、保険対象を拡大する。対面診療と適切に組み合わせ、診察や日常生活の指導などをした場合の報酬を新設する。糖尿病といった生活習慣病患者の利用などを想定し、訪問診療や外来の代わりとしても使ってもらう狙いだ。1回当たりの治療代は安くなり、生活習慣病なら対面の2割ほどになる。

 国民医療費の4割ほどを占める入院費の新たな抑制策も打ち出した。急性期向けで患者7人に対して看護職員1人と最も配置が手厚く、報酬が高い「7対1病床」は高齢化による慢性疾患患者の増加でニーズが下がっているが、なかなか減らない。次に手厚い病床との入院基本料の差額が大きいためで、二つの基準を残しつつ基本料を7段階に細分化し、診療実績も加味して支払う基本料を決める。

 多死社会の本格化を前に、いまは8割が医療機関で亡くなっている「みとり」に備える見直しもした。6年に1度の同時報酬改定となった介護とも連携。患者の住み慣れた特別養護老人ホーム(特養)で外部の医師がみとった場合、医師側も特養側も報酬を受け取れるようになる。(水戸部六美)
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https://www.sankeibiz.jp/macro/news/180206/mca1802060500004-n1.htm
公立病院の62%が赤字 16年度、6年連続で拡大 
2018.2.6 05:00 SankeiBiz

 全国873公立病院の2016年度決算を集計すると、61.7%に当たる539病院の経常収支が赤字だったことが5日までに、総務省の調査で分かった。前年度より3.3ポイント増え、6年連続で拡大。病院が受け取る診療報酬のマイナス改定や、医薬品などの価格上昇が影響した。

 公立病院は、民間では採算が取れない離島や山間部の地域医療を担っているケースが多く、自治体が特別会計を設けて運営している。総務省の有識者研究会は昨年末の報告書で、民間のノウハウを持つ外部人材の登用や経営の見直しを提言。これに沿って同省は自治体に改善を促す方針だ。

 赤字病院の割合は、医師不足が深刻化した06年度に74.3%となり、国は07年に病院の統合・再編を含む効率化を要請。10年度の赤字割合は46.1%まで減ったが、その後は地方の人口流出などで経営が再び悪化した。全病院の収支を合算すると16年度は831億円の赤字となり、15年度の542億円から1.5倍に拡大した。

 小規模な病院ほど、自治体の一般会計からの繰入金に依存する割合が高く、経営の維持が難しくなっている。

 病院の数と病床数(計21万23床)は、統合が進んだり、患者数の減少から病院として扱われない診療所に移行したりした結果、いずれも06年度(975病院、23万3874床)から減少傾向が続いている。



http://www.saga-s.co.jp/articles/-/179096
医師常勤の診療所を 伊万里市が要望書 病院移転 
2/8 7:55 佐賀新聞

 伊万里市山代町の伊万里松浦病院が長崎県松浦市へ移転する問題で、伊万里市は7日、病院を運営する独立行政法人地域医療機能推進機構(東京)に対し、常勤医師を配置した診療所機能の存続などを求めた。

 塚部芳和市長と前田久年市議会議長らが北九州市にある機構の九州事務所を訪れ、要望書を手渡した。

 要望の内容は「市の財政負担が伴わないサテライト診療所の設置」「健診車による市民および市内企業への健診継続」「施設取り壊し後の跡地の管理」の3点。診療所については、常勤医師の配置や移転前と同様の診療時間の確保なども求めている。

 塚部市長は「移転により市民が健康の維持に不安を抱えることがないよう、ぜひ実現してほしい」と述べた。移転後のことを巡っては、機構側が市に要望書を出すよう求めていた。今後両者で協議していく。



https://www.m3.com/news/iryoishin/584690
「外来で入院生活・退院後の経過を説明」、点数新設
地域包括ケア推進に向け各種情報連携も評価

レポート 2018年2月7日 (水)配信橋本佳子(m3.com編集長)

 2018年度診療報酬改定の「重要課題」となった「地域包括ケアシステムの構築と医療機能の分化・強化、連携の推進」では、住み慣れた地域で継続して生活できるよう、入院予定の患者に対し、外来で入院に関する説明をした場合の「入院時支援加算」200点(退院時1回)を新設するほか、入院早期から退院後までの切れ目のない支援を評価している実態に合わせて「退院支援加算」を「入退院支援加算」に名称を変更するなど、さまざまな改定を行う(資料は、厚生労働省のホームページ)。

 在宅復帰率についても定義等を見直し、急性期一般入院料1、7対1特定機能病院入院基本料等については「在宅復帰・病床機能連携率」に名称を変更、その他の入院料に係る指標は「在宅復帰率」とする。4月から新設される「介護医療院」は「自宅等」の扱いとする。

 医科と歯科の連携を推進する観点から、かかりつけ医とかかりつけ歯科医が連携した場合の「診療情報連携共有料」120 点を新設。医師と看護職員以外の医療従事者が共同指導する場合も、「退院時共同指導料」の算定を可能にするなど、退院後の診療等の療養に必要な情報提供も評価する。

◆入院時支援加算 200点(退院時1回)(新設)
【算定対象】
(1) 自宅等(他の保険医療機関から転院する患者以外)から入院する予定入院患者であること。
(2) 入退院支援加算を算定する患者であること。

【施設基準】
(1) 入退院支援加算の届出を行っている保険医療機関であること。
(2) 入退院支援加算1 、2または3の施設基準で求める人員に加え、入院前支援を行う担当者を病床規模に応じた必要数、入退院支援部門に配置すること。
(3) 地域連携を行うにつき十分な体制が整備されていること。

【留意事項】
 入院の予定が決まった患者に対し、入院中の治療や入院生活に係る計画に備え、入院前に以下の内容を含む支援を行い、入院中の看護や栄養管理等に係る療養支援の計画を立て、患者及び関係者と共有すること。
① 身体的・社会的・精神的背景を含めた患者情報の把握
② 褥瘡に関する危険因子の評価
③ 栄養状態の評価
④ 持参薬の確認
⑤ 入院中に行われる治療・検査の説明
⑥ 入院生活の説明
⑦ 退院困難な要因の有無の評価




https://www.m3.com/news/general/585364?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD180210&dcf_doctor=true&mc.l=274929382
日医大6.6億円申告漏れ、国税指摘 謝礼計上せず 
2018年2月10日 (土)配信朝日新聞

 学校法人・日本医科大学(東京都文京区)が、2017年3月期までの7年間で計約6億6千万円の申告漏れを東京国税局から指摘されたことがわかった。このうち約2千万円は、付属病院の医師の派遣先からの謝礼などを計上していなかったとして所得隠しと認定されたという。同大は「ほとんどは解釈の違いによるものだが、指摘に従い修正申告した」としている。

 関係者によると、申告漏れの大半は学校法人などの非課税制度をめぐるもの。公益目的事業に関係するとして申告した管理費の一部を、課税対象の収益事業に関係すると認定された。

 さらに、同大は各地の医療機関からの求めで付属病院の医師を派遣しているが、派遣先が支払った謝礼や紹介料などの一部を、学校法人の口座ではなく、派遣された医師が所属する医局の口座で受け取っていた。民間企業からの委託研究費などの一部もこうした口座に入っていたという。

 国税局は、これらの入金は収益事業で法人所得として申告すべきだったと認定した模様だ。



https://www.m3.com/news/general/584751
 **  
島大病院が医師派遣拡充 18年度常勤7人増32人県西部に重点
2018年2月11日 (日)配信山陰中央新報

 島根県内の医師不足の解消に向け、島根大医学部付属病院(出雲市塩冶町)が2018年度、地域病院への医師派遣を拡充する。4月に常勤医として、前年同期より7人多い32人を新たに派遣。医師不足が深刻な県西部に重点を置く。今後も派遣要請に積極的に応え、地域医療を支える。

 同病院によると、22の地域病院から新規派遣と、開業などによる離任に伴う補充、派遣医師の交代を合わせて、110人を4月に派遣するよう要請があった。院内の専門委員会(委員長・井川幹夫院長)で対応を検討し、新規派遣15人、補充6人、交代11人と決めた。

 新規派遣の圏域別の内訳は、浜田7人▽大田2人▽松江3人▽雲南と出雲、隠岐が各1人―とし、県西部に半数以上の9人を充てる。補充は出雲が3人、松江と雲南、大田は各1人。要請に対する充足率は29%となり、114人の要請に対して25人を派遣した前年同期を7ポイント上回る。

 県内では、新人医師が自由に研修先を選べる新臨床研修医制度の導入により04年度以降、医師の県外流出と高齢化が進んだ。

 県によると、17年10月現在で1138人の常勤医がいたが、必要な医師数に対する充足率は77・0%にとどまった。浜田は71・1%、大田71・0%、益田73・7%と、特に県西部が低い。このため溝口善兵衛知事は同年11月、島根大の服部泰直学長に常勤医の派遣充実を求めた。

 島大病院の常勤医数は増加傾向にあり、同年10月現在で320人。18年4月には新たに専攻医(後期研修医)が37人入る予定。中堅医師の育成を強化する狙いもあり、派遣の拡充を決めた。



https://www.m3.com/news/general/585266
福井大病院オペ延期 医療物資届かず 緊急以外で 
2018年2月9日 (金)配信福井新聞

 大雪の影響で医療物資が届かず、県内の一部の医療機関では手術や受診に支障が出ている。

 福井大医学部附属病院(永平寺町)は、輸血用血液や滅菌した使い捨てのシーツなど予定していた医療物資が届かない上、出勤できない医師や看護師がいることから8、9の両日、緊急を要するもの以外の手術を延期した。外来についても、一部の診療科で予約患者に対し可能な限り延期を要請した。

 同病院は「医療物資が補充できないので不足する可能性がある。手術を予定していた(緊急以外の)患者に連絡し延期をお願いした」と説明。「治療を待っている患者がいるので、一刻も早く物資を届けてほしい」としている。

 国立病院機構あわら病院(あわら市)も予約患者に延期を要請、坂井市立三国病院は一部診療科を急きょ休診した。

 在宅医療が専門のオレンジホームケアクリニック(福井市)は、患者の体調を電話などで確認した上で、6~8日に予定していた定期的な訪問約70件を見合わせた。9日の再開も難しい状況で、担当者は「外出や通院が困難な患者を支えるのが在宅医療の本来の役割なのに、非常に歯がゆい。道路状況が改善しなければ定期訪問がおぼつかない」と話した。

 県済生会病院(福井市)と公立丹南病院(鯖江市)は、金沢方面からの一部の医薬品配送が遅れたものの大きな混乱はなかった。



https://www.m3.com/news/general/585213
子ども死亡率、米が最悪 先進20カ国中 
2018年2月9日 (金)配信共同通信社

 【ワシントン共同】欧米や日本など20の先進国で2001~10年の子どもの死亡率を比較し、米国が群を抜いて高かったとする研究報告を、米ジョンズ・ホプキンズ病院(メリーランド州)などのチームが8日までに米医学専門誌に発表した。

 米国の子どもの死亡率は1960年代から他国よりも高い水準を記録し続けている。銃乱射事件や交通事故、早期新生児死亡などが原因で、チームは「政府による対応が必要だ」と警告している。

 20カ国で01~10年、20歳未満の死亡率を比較すると、米国は1歳未満の乳児では平均より75%高く、1~19歳では57%高かった。乳児に関しては平均より50%以上高かった国は米国だけで、日本は25%以上低かった。

 15~19歳の死因では、最も割合が高かったのは交通事故と銃による襲撃。他の19カ国との比較で、米国の若者は交通事故で2倍、銃で82倍も多く死亡したとの結果が出た。



  1. 2018/02/11(日) 10:08:53|
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2月4日 

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO26477860S8A200C1ACYZ00/
沖縄北部、医師不足深刻に 名護市の医療拠点、整備急務 
九州・沖縄 社会
2018/2/2 21:30日本経済新聞 電子版

 沖縄県名護市が位置する県北部では医師不足が深刻だ。拠点病院で一部の診療科が休診になったり、急患を遠方まで搬送せざるを得なかったりと、利用者は不便を強いられている。名護市長選でも新たな基幹病院の整備などが取り沙汰されるが、先行きは不透明だ。有権者からは「命の問題。政治に振り回されることなく対策を進めて」との声が出ている。

 「すぐに代わりの医師を見つけるのは難しい。診療再開のメドは立たない」。名護市にある沖縄県立北部病院の担当者は頭を抱える。医師の退職に伴い、今月から眼科を休診せざるを得なくなったためだ。

 県北部医療の中核の一つの同病院だが、若手医師の流出などが続き医師不足にあえぐ。昨年8月には夜間の緊急外科の患者を受け入れる日を限定するなどした。急な出産となった妊婦への対応も体制が整わないままだ。

 急患でもわざわざ遠方の県中部の病院に搬送される患者も少なくない。県によると、人口約10万人の北部医療圏から中南部の病院に流出する患者数は2割を超える。

 こうした現状は医療現場の疲弊にもつながっている。細胞の働きが低下する難病と糖尿病を併発し、県立北部病院に長年通う山入端保さん(56)は「人手不足で現場が苦しんでいると医師から悩みを打ち明けられることが増えた」と話す。

 山入端さんは自身の闘病体験を生かし、難病患者やその家族を支援するボランティア活動をしている。医療関係の知り合いも多いが、過酷な勤務を見るにつけ、持病の発作が起きても救急車を呼ぶのをためらうほどだという。「医師には患者の悩みに寄り添うゆとりも必要なはずだが、今の体制では不可能。このままでは医師も患者も不幸になるばかりだ」と警鐘を鳴らす。

 名護市には県立北部病院のほかに、北部地区医師会病院もある。限られた人材が分散し、地域全体として効率的な医療体制が取れないという問題が指摘されており、約4年前から有識者や医師らから両病院の統合を求める声が出ている。

 翁長雄志知事は昨年12月、両病院を統合して新たな基幹病院を整備する方針を表明。もっとも「(統合には)病院職員の身分の取り扱いなど課題が多い。これまで政治に振り回されてきた側面もあり、本当にこれで統合が進むかは不透明だ」(医師会幹部)と、先行きは見通せていない。

 名護市長選では現職の稲嶺進氏(72)と新人の渡具知武豊氏(56)がともに基幹病院設置を訴え、主張に大きな違いはない。ただ米軍普天間基地(宜野湾市)の名護市辺野古移設を巡る翁長知事と政府の対立を映し、稲嶺氏が「知事との協調」、渡具知氏が「国からの支援」を打ち出す構図が目立つ。

 1月下旬、8歳の娘が体調を崩し入院するため県立北部病院を訪れた母親(39)は「病院整備は命に関わること。(政治の事情で)どこと協力するか選ぶのではなく、患者のため団結して解決して」と訴えた。



http://www.kyoto-np.co.jp/local/article/20180201000067
産科・小児科医不足課題に 長岡京市が「地域医療ビジョン」印刷用画面を開く 
【 2018年02月01日 11時13分 】京都新聞

 京都府長岡京市は、10年後の地域医療の在り方を示した「地域医療ビジョン」の中間案をまとめ、13日からパブリックコメント(意見公募)を予定している。市内の現状について、周産期や救急の医療を担う産科医や小児科医の不足を課題に挙げ、誘致に向けた対策や病院間連携の必要性を強調。中核病院の済生会京都府病院(同市今里)に求める役割を明記した。

 中間案では、正常分娩(ぶんべん)や軽度異常分娩を扱う市内の診療所が1985年の7カ所から2カ所に減少しており、産科医療機関の不足を課題の一つとした。市内の出産年齢は上昇傾向でハイリスクの出産が増加する一方、重症新生児を受け入れるNICUは4床にとどまり、不足を指摘した。

 また、外来で帰宅可能な軽度患者の一次救急医療に関し、乙訓休日応急診療所(同市今里)で内科医と小児科医の確保が困難になっていると言及。小児外科の一次救急を担う外科医の在宅当番医制では、専門的な判断が求められる場合などで受け入れ困難なケースが出ているとした。対策として重度患者の救急を担う病院との連携強化などを掲げた。

 同ビジョンは、府が京都市と乙訓2市1町を一体の医療圏域と設定する中、長岡京市独自の将来像を示し、医療の充実につなげるため策定する。乙訓医師会や地元医療機関の代表でつくる懇談会の意見交換を踏まえ、市が中間案をまとめた。

 パブコメの開始に合わせて市ホームページで中間案を掲載する。



http://www.tokyo-np.co.jp/article/ibaraki/list/201802/CK2018020102000168.html
【茨城】 筑波大と自治医大、医師派遣 筑西の新病院 合同で臨床教育センター 
2018年2月1日 東京新聞

 筑西市で十月に開院予定の「県西部メディカルセンター」で、筑波大と自治医科大(栃木県下野市)が、合同で医師を派遣し、臨床教育センターを設置することが三十一日、決まった。複数大学による合同の教育センターは珍しいといい、医師不足の解決などが期待される。

 両大学によると、教育センターには、両大学から最大で計八人の医師が派遣される予定。派遣医は教育センターの教員として研修医を指導するほか、診療にもあたる。

 筑西市によると、複数大学による教育センター設置は、県内では初めて。二つの大学の特色を生かした教育や研修を展開できるほか、医師の安定的な確保などのメリットがあるという。

 西部メディカルに再編されることになっている筑西市民病院内に四月に設置され、活動をスタートする。

 この日、市役所で開かれた協定締結式で、筑波大の永田恭介学長は「地域医療に寄与できると確信している」とあいさつ。自治医大の永井良三学長は「医療教育は、地域での実践が重視されるようになっている。教育センターは、そうした場として極めて重要」と語った。

 県西は医師不足が深刻で、筑西市と桜川市は九年前から、県と協力して中核病院の整備を進めてきた。西部メディカルは、重症患者を受け入れる施設として十月に開院する予定となっている。 (越田普之)



https://www.m3.com/news/iryoishin/583822
神奈川県病院機構、県に真っ向から反論、医師退職問題(2月3日追記)
土屋機構理事長「副知事2人から辞職迫られた」
 
2018年2月2日 (金)配信高橋直純(m3.com編集部)

 神奈川県立がんセンター(大川伸一病院長)で放射線科医が一斉退職した問題で、神奈川県が1月24日に公表した調査報告書に対して、センターを運営する神奈川県立病院機構理事長の土屋了介氏は2月2日、記者会見を開き、事実と異なる記載があり、結論ありきの調査だったとして「反論」を提出したことを明らかにした。反論書では「偏波的、拙速に作成された『監査結果報告書』をなぞる程度で調査報告書が作成された」と強く非難している。

 また、土屋氏は神奈川県副知事2人に辞表を出すよう求められたが、県知事に面会すると任期まで継続するよう指示されたなど、県内部での混乱があると指摘、「知事に正確な情報が上がっているのか、大変危惧される」と述べた。機構独自に新たに一連の問題を調査する委員会を設置することも表明。土屋氏が理事長任期満了となる2018年3月末までに調査を終える方針を示した。

 会見後に大川病院長を更迭したことも明らかにした(『大川がんセンター病院長を更迭、神奈川県立病院機構』を参照)。

県の調査「結論ありき」

 神奈川県は放射線治療医の一斉退職問題が表面化した2017年12月に、「神奈川県立病院機構の医療の提供体制に関する調査委員会」(委員長:県保健福祉局長)を設置。2018年1月24日に黒岩祐治知事が調査委員会の報告書を公表した(『医師退職の原因「不本意な研修やパワハラ対応の不備」』を参照)。1月29日には神奈川県議会に首藤健治副知事が出席し、事情を説明している(『「退職医師はわがままでは」、県議会で指摘』を参照)。

 土屋氏は会見を開いた理由を、1月29日の県議会に出席し事情を説明する予定だったが、直前に出席しないよう言われたと説明。「両者の意見を付け合わせていただいて、法令に基づいた判断をしてほしいのが心からの願い」だったが、議会の場でそれが叶わなかったため、2月2日の会見直前に県保健福祉局長に反論書を提出したと述べた。

 土屋氏は副知事2人から、今回の問題で責任があると追求され、辞表を求められた経緯も明らかにした。調査委員会の委員長が県保健福祉局長であり、「上司(副知事)が結論を持っているのに、その部下から逆らう結果は出てこない。結論ありきだった。第三者が入るべきだった」と指摘した。反論書は県の見解を求めるものではないが、「県の主張を否定しているので、このままでも県も困ると思う。ご回答をいただけるだろう」との見方を示した。機構顧問弁護士の井上清成氏も、調査委員会の報告書について「見込みを付けて予断と偏見に充ち満ちている。そこら辺が出ていたので、(真相究明の)大きな側面が欠落している」と指摘している。

 会見での主張を盛り込んだ反論の概要は以下の通り。

神奈川県病院機構の反論

■調査の経緯
・地方独立行政法人に対する県の調査は、法律違反、または違反するおそれのある行為に対してでなければならないが、監査結果報告書では具体的記載がなく不十分である。
・監査に際し、監事は退職する医師からのみ聴取し、理事長、病院長、監査コンプライアンス室長には質問書のみで聞き取りを行っていない。監査は偏波的、拙速だったことは明らか。
・監査結果を基に調査委員会が設置され、機構は監事が聴取しようとしなかった真実が明らかになると期待したが、結果は監査結果報告書をなぞる程度だった。

■医師退職の理由について
・退職した医師が重粒子線治療の経験年数を2年間とした記載した問題では、退職医師は放射線医学研究所での客員研究員の実績も参入できると主張しているが、年に数回会議に出席する程度で、「療養実績」とはできない。厚生局、厚生労働省に確認した上で、「7カ月」に修正して、書類を提出している。
・この点は調査委員会にも再三指摘したが、両論併記を採った。法令違反に両論などなく、県が違反を追認する認定を行ったものである。

■パワハラの認定
・調査報告書では「病院機構の監査・コンプライアンス室が医師間のパワハラ事案を認定している」と記載しているが、事実に反する。
・病院長からの報告を受けた理事長の指示によって監査コンプライアンス室長がヒアリングを行い、「ハラスメントに認定しうる得る」と考えたが、被害医師からパワハラを訴える意志がないことを確認した。そのため「ハラスメント」の要件を満たさないと判断し、理事長に報告した。理事長は口頭で、加害医師に対して注意をした。
・認定権限のない監事や委員会による独自の認定は越権行為である。

■調査報告書に記載されていない重要な事項について
・放射線治療医不足を招いた原因としては、県議会でも大学との連携不足が指摘されたが、その点は機構も指摘していたが報告書には反映されていない。2009年度に県立がんセンター内に横浜市大大学院を設置する提案がされていたが、県病院局自身が横浜市大との連携を拒絶していた。

副知事2人が土屋氏に辞職を要求

 土屋氏は2017年12月6日に筆頭副知事の中島正信氏と医師でもある首藤健治副知事が機構を訪れ、「今まで大変世話になったが、今回の問題の責任は土屋氏にあるので辞めてほしい」と言われたと説明。12月7日には国立がん研究センターで同僚だった上昌広氏(医療ガバナンス研究所主宰)から電話があり、「首藤副知事が尋ねてきた。何が悪いことをしたのか?」と問い合わせがあったという。

 12月9日に首藤氏と2人で会った際には「知事に辞表を持って行けば良いのか」と尋ねると、首藤氏は頷いたという。12月11日の黒岩知事との面会では、土屋氏は辞表を用意していたが、黒岩知事は事態に対処すべく任期満了までは続けてほしい旨を語ったという。土屋氏が副知事から辞表を求められたと説明すると驚いた様子だったという。土屋氏は「知事に正確な情報があがっているのか、大変危惧される」と述べた。

 黒岩知事に対しては、「良好な関係を続けていきたい。知事から不愉快な思いを受けたことはない」と強調。特に、常勤医師を派遣してもらえることになった徳洲会湘南藤沢徳洲会病院については、当初は非常勤の予定だったとし、「フルタイムのご支援をいただけるのは知事のおかげと感謝している」と述べた。一方で、県全体に対して、「法令に準拠しているのか、副知事以下の動きに疑いがある」と批判した。

パワハラ事案は「20分間の叱責」

 個人情報に当たるとして県が詳細を明らかにしていなかった「パワハラ事案」についても説明した。放射線治療部内でのカンファレンスの時間変更をめぐって、加害側の医師が「きつい言葉で20分間叱責した」ことが当たるという。

 被害を受けた側の医師が直接、監査・コンプライアンス室に被害を訴えることはなかったが、病院長を通じて土屋氏の耳に入り、理事長の職権として調査が始まった。清水岩雄同室長は当事者を含む9人にヒアリングを行い、「ハラスメントに認定しうる」と判断したが、被害者から「訴えたり相談する意思がない」ことを確認したため、「ハラスメント」と認定しなかった。監査・コンプライアンス室の報告を受けた土屋氏は、加害医師に対して注意、指導を行った。

 県の調査委員会報告書では、機構がパワハラを認定し、その対応が機構内規に違反していることや一連の対応に対する医師の不信感が退職につながったと指摘している。機構の反論書では「機構本部は十分な対応を行っているのであるから、医師らの退職の間に関連はない」と反論している。  また、パワハラをめぐっては、病院機構監査監事による監査結果報告書でパワハラを認定しているという。清水氏は監事にはパワハラを認定する権限がないとした上で「被害者のみに聞いて認定している。どうして被害者のヒアリングだけで認定できるのか」と疑問視した。

一斉退職の原因、「親元がやめて不安に」

 医師が一斉に退職した原因について、土屋氏は「2017年8月に辞めた部長が取り仕切っていた。親元が辞めて、不安で辞めていったと解釈している」と説明した。年度途中で医師が辞めたことについては「医師免許を持った者が年度途中に辞めるのは想像だにできなかった。年度途中に辞めることに対して医師のモラルを教育していくことになる」。機構の責任については「個々の人事の問題なので、病院長のところで止まると考えている」とした。

 2017年8月に辞めた元部長の医師については、「(重粒子線治療でエビデンスを作っていくという機構の方針について)十分な理解がなく、周りの医師を巻き込んで臨床試験に協力しないと発言した」と説明。県の調査報告書では「反省も含めて1年間の研修を命じた」と記載されたことについては、「懲罰的な意味は全くない。法令遵守については反省してほしいと指導したが、派遣自体は無関係」と説明。研修期間中はがんセンターを離れるから「病院長付の部長」にした対応について、「それを懲罰的に感じたかもしれないが、そういう意図はない」と述べた。

放射線科医確保、横浜市大との連携不可欠

 放射線科医の確保をめぐっては、土屋氏も「10人以上の医師が必要で、がんセンター単独では不可能であることはこの10年で明らか」として、横浜市立大学との連携が不可欠との考えを示した。2009年度に横浜市と横浜市立大学から、がんセンター内に大学院設置を提案する要望書が出されていたが、当時の放射線科治療部長は県に「横浜市大からの派遣に気を遣って譲歩する必要はない」との報告をし、県病院局長も知事に対し「市大には派遣余力がない」と報告していたという。土屋氏は「大変失礼な態度だった。県民の期待を裏切る元凶だった」と指摘した。

 4月以降の医師確保に関連して、部長職の公募に対して応募があり、1月に面接の予定もあったが、がんセンターや県から「当該医師はパワハラの風評がある」として面接をやめるように言われたという。土屋氏が確認を取ったところ確かに風評はあったが、事実は確認されなかったという。

 県の調査報告書ではコミュニケーション不足が指摘している点では、「十分とっていたつもりだったが、指摘自体は同感で、もっとコミュニケーションの時間を作りたい。ただ、どのコミュニケーションが足りなかったかの指摘がない。具体的に何かが報告書から分からない」と述べた。



http://www.yomiuri.co.jp/osaka/news/20180203-OYO1T50009.html
奈良2病院に是正勧告…労基署、残業超過などで 
2018年02月03日 読売新聞

 奈良県西和医療センター(奈良県三郷町)が、労使協定(36協定)の上限を超えて医師を働かせ、時間外手当の一部が未払いだったとして、昨年8月に奈良労働基準監督署から是正勧告を受けたことがわかった。

 同センターによると、医師との間に特段の事情がある場合、最長月80時間の残業を可能とする協定を締結していたが、同労基署が医師の労働時間を調査したところ、上限を超えて働いたり、超過時間分の時間外手当の一部が未払いだったりした。同センターは、すでに未払い分として38人に計約3000万円を支払っており、「医師不足で長時間勤務になりがちだが、再発防止に努めたい」としている。

 このほか、奈良県立医科大病院(同県橿原市)が、時間外手当の一部が未払いの医師が複数いるとして、昨年9月に葛城労働基準監督署から是正勧告を受けたことも判明した。未払いの賃金は今後、支払うという。同病院は「勧告を真摯しんしに受け止め、改善したい」としている。



https://www.m3.com/news/iryoishin/583128
3人の医師国会議員が語る日本の医療の課題と未来◆Vol.1
自見氏、吉田氏、岡本氏の鼎談
 
スペシャル企画 2018年1月31日 (水)配信聞き手:橋本佳子(m3.com編集長)、まとめ:高橋直純(m3.com編集部)

 医療政策における主戦場が政治の場に移りつつあるのは、多くの医療者が感じているところだろう。その中で、医師出身の国会議員には、現場の思い、実態を政策に反映させるために、ますます期待が高まる。m3.com編集部ではこのほど、自由民主党の自見はなこ氏、立憲民主党の吉田統彦氏、希望の党の岡本充功氏の3人に、医師養成の在り方や偏在対策、働き方改革について議論していただいた(2017年12月8日に鼎談。全3回の連載)。

――まず、先生方のご経歴、特に医師としての修業時代についてお聞かせください。

自見はなこ氏(小児科)

 2004年に東海大医学部を卒業しました。初期臨床研修必修化の第1期生で、そのまま大学に残りました。大学に残ったのは、東海大医学部付属病院は創立当時からスーパーローテート制だったこともあり、教育風土が出来上がっていたことと、救急が一次から三次救急まで充実していたこと、そして、実習で慣れ親しんだ先生方のすでに知っている人間関係の中で研修したいと思ったからでした。市中病院に行った同期と比べても全く遜色なく、むしろすごく良かったと思っています。外科を半年回ったのも今となれば、大変有益でした。

 その後、池上総合病院で内科の後期研修をしました。その理由は単純で、医師としてもう少し成長して一人前になりたかった、感覚として、専門に入る前に、一人で内科のICUを管理できるようになりたかったからです。東海大学の関連病院で黒川清先生が理事長でしたが、とにかく野戦病院。初めての後期研修医で、私以外が皆10年目以上のベテランだったので、ここだったら可愛がってもらえるだろうと考え(笑)、飛び込んでみました。ほとんどの期間は、循環器内科を回りました。

 認定内科医を取得した後は、東大の小児科に入局しました。小児科に行くことは、初期研修の終わりの時に決めました。東海大に残る選択肢もあったのですが、都内には東海大の関連病院で小児科がありませんでした。父が政治家で家族の生活の拠点が東京でした。都内で勤務せざるを得ないと思って、都内の大学の小児科に入ろうと思って、黒川先生に相談しところ、東大小児科を紹介してもらい入局しました。

岡本充功氏(内科)

 1996年に名古屋大学を卒業して、愛知県内の安城更生病院で初期研修をしました。名大は当時からスーパーローテート制で、大学に残る人はほとんどいませんでした。その後は名大血液・腫瘍内科(当時は第一内科)に入局して、引き続き安城更生病院で働きました。2000年まで働き、2000年4月に大学院に入り、一宮市立市民病院に移りました。大学院生になってしばらくは市中病院で働いていました。2004年ごろに博士号、専門医を取得しました。

 専門は初期研修の中で決断しました。父親を早くに癌で亡くしたので、腫瘍の治療を研究したいと思い、外科、婦人科を含めて考える中で、研究して治療に結びつけるのでは、血液・腫瘍内科が最もフロントランナーとして走っている気がしたので、選びました。

吉田統彦氏(眼科)

 私も岡本先生と同じ名古屋大学を1999年に卒業し、名古屋第二赤十字病院で初期研修を行いました。ものすごく忙しい病院でした。医師の働き方について議論になっていますが、当時は月に7回か8回当直し、しかも当時は救急車の受け入れ数は日本で10本の指に入っていましたから、全く寝られず。そのまま翌日も21時ぐらいまで仕事をしていましたから、過酷でした。

 初期研修が終わった後は名大病院、大学院に入って、分子生物学的な研究をしました。専門を決めたのは初期研修の最後のころ。候補になったのは眼科と外科、血液内科で、最後まで悩みました。患者さんが自分の介在によって良くなることが明らかな科がいいなと思い、眼科を選びました。現実はどの科もそうじゃないんですけど(笑)。

 2005年に博士号を取り、その後すぐ眼科専門医も取りました。医局人事で、江南市の厚生連昭和病院(現・江南厚生病院)、東京医療センター(旧・国立東京第二病院)で勤務しました。その後は、渡米して、ジョンズホプキンズ大学ウィルマー・アイ・インスティテュートで研究と臨床をしました。

 過酷な研修医の生活は今の年齢でやると命に関わると思いますが(笑)、でも日本の医療の中ではオーソドックスな、恵まれているとも言える教育を受けてきたのだと思います。

――2017年度は医師養成の在り方を巡って議論が盛んでした。初期臨床研修でも外科や産科を復活することが決まりました。

岡本
 名大は昔からスーパーローテートで、その後のいろんな疾患の理解をする上でも重要だったと思います。今の研修を見直すにしても、ストレート研修でない方法があった方が良いと主張してきました。

自見
 初期研修の初年度の人間ですが、東海大は地方(神奈川県伊勢原市)にある大学病院で、病院を設立する際の地元との約束事で、一次からの救急を受けることが決まっていました。3つのチームがあり、8名程度の医師のチームで24時間当番になりますが、三次救急から一次救急まで診るので、症例数も幅広く、また土地柄、重症例も多かったです。今も同じかはわかりませんが、東海大学は大学病院の中では、紹介率が少ない分、一般病院で診るような症例もありつつ、大学病院での専門性を要する疾患の症例もあり、ファーストコールは全て研修医と決まっていましたので、体育会系ではありましたが、指導医の下で研修は充実していました。救急の3カ月、外科の半年は臨床まみれで楽しかったです。今回の初期研修の見直しに当たって、外科必修化にこだわったのは自分の経験から、一般臨床能力を高めるには外科は重要だと感じたということもあります。

吉田
 スーパーローテートは絶対良いと思います。ただ、今行われている初期研修より、名古屋大式の方がより普遍的な知識を得ることができるので良かったと感じています。

自見
 今の医師養成課程は無駄が多いことも問題です。2004年に医師になった人間として、1年半前に国会へ送っていただき、もう臨床研修制度が必修化されて10年以上は優に経つのに、これまで厚労省、文科省が定期的に医師の養成について両省で合同会議を開いていなかったことには、正直なところ憤りを覚えました。医師のキャリアデザインに一貫性を持たせて欲しいと働きかけ、ようやく2017年2月に医学部教育のモデルコアカリキュラムと、初期研修の整合性を取る形で、共通のゴールセットが定まりました。

 医学生が実施できる医行為を定めている、通称“前川レポート”も、四半世紀ぶりに見直すことになりました(『医学生の医行為、四半世紀ぶりに見直しへ、今年度中に整理』を参照)。CBTテスト、国家試験の整合性も取るべきで、国試のために6年時に実習から離れて、予備校の提供する座学ばかりに時間を費やすような現状は、改めるべきです。医学部生5-6年生の臨床実習と初期研修2年間の計4年間で、一般診療能力が高い医師を養成しますよと宣言するくらいの改革が必要です。

吉田
 自見先生のお考えを実現するには、国家試験の改革が必要ですね。今は基礎から臨床まで全部が対象ですが、それをやめて2年修了時に、米国のように基礎をクオリファイした学生だけが次に進んで、3年からは臨床の知識、クリニカルスキルに関するテストを課していく方がより効率的な人材育成ができると思います。

自見
 イギリス系の国では、医学部は全て国立ですが、国家試験がなくて、医学部卒業したことで、医師資格を与えています。役所からかなり抵抗があると思いますが、そういった形も検討し、大学でもっと落ち着いて学べる、臨床にも集中できる環境作りも真剣に議論した方がいいと思います。CBTとの整合性の中で国家試験撤廃になるのか、OSCEを国家試験化していくのか、別枠の議論としてあると思いますが、いずれにしても、もう少し落ち着いて、安心して、医学部生には臨床実習をしてほしいです。

――医師不足という声に対応するため、地域枠の拡大や医学部新設がされました。

吉田
 国会でも質問しましたが、もし医師を増やすなら、自治医大のような大学であるべきでした。自治医大の定員を増やした方が良かったです。

 人材育成で言うと、アメリカのようなメディカルスクール型、四大を卒業したあとに文系理系にかかわらず、4年で卒業できる医学部を作る方が有益だったと思います。米国では法曹から医師になる人がかなりいます。医師と弁護士のダブルライセンスを持っている人も結構いて、ジョンズホプキンズ時代はそういった学生を指導していました。メディカルスクールを作ることで、幅広い人材ができるはずです。数の議論では言えば、今以上に増やす必要はないでしょう。

岡本
 そういう議論もありましたね。昔を振り返ってもしょうがないですが。民主党時代に「第2自治医大」という話もありました。地域枠出身の医師がだいぶ増えてきましたが、そこで育った医師がその後どう成長するかを検証すべきと今も言っています。数の問題ではないです。

吉田
 おっしゃる通り、数の問題ではなく、地域と科の偏在が原因です。需給バランスはどんどん悪くなっていますよね。今の制度、医師養成の仕組みのままでは、医療過疎地域を守ることができません。本来すべきは医学部定員の増加や新設医大ではなかった。少なくとももっと仕組みを整えてからやるべきだったと思います。人口が減る一方で、AI診療などが導入されようとする中で、無計画に新設医大を作ったことは、今の与党は非常に責任が重いと思います。



http://ibarakinews.jp/news/newsdetail.php?f_jun=15175707588985
茨城県内自治体 産科医確保へ独自策
開業支援や奨学金 効果は未知数 「広域性が必要」
 
2018年2月3日(土) 茨城新聞

深刻化する産婦人科医不足の解消に向け、茨城県内の自治体による独自の取り組みが出始めている。水戸市は、2018年度に産婦人科と小児科の新たな医療施設開設を支援していく方針を打ち出した。坂東市は既に開業支援や奨学金を導入した。医師の高齢化などが課題となる中で、各自治体は産婦人科の機能を維持しようと対策を模索している。(水戸支社・前島智仁)

■県内は217人

「体力的に、夜間の当直勤務が難しくなってきている」。昨年12月、石岡市の冨田産婦人科医院は分娩(ぶんべん)の受け付けを休止した。1986年以降、同医院で分娩を担ってきた冨田雅弘院長(70)は「出産年齢が高くなっていることもあり、他の診療に比べてリスクの高い分娩を高齢の医師が続けることは困難。(開業医が)1人でお産を担う時代ではなくなっている」と、休止の理由を話した。

同医院による分娩受け付けの休止で、石岡市内で開業・勤務する産婦人科医はいなくなった。市保健福祉部の担当者は「出産、子育ては人口増加を考える上でも、市の大きな課題。医師会など関係機関と協議し、医師の確保を進めていきたい」と危機感を抱く。

厚生労働省の医師・歯科医師・薬剤師調査(2016年12月末現在)によると、県内で開業・勤務する産婦人科医は217人。市町村別では、常陸太田、那珂、鉾田など計20市町村で産婦人科医の人数がゼロとなっている。

■平均年齢63歳

水戸市は18年度、産婦人科と小児科を対象に、診療所など新たな医療機関の開業資金を支援する計画を打ち出す。市内で一定期間開業することが条件で、1施設程度の開業を想定する。市の3カ年実施計画(18〜20年度)の中で、単年度事業として盛り込んだ。

このほか、産婦人科や小児科、救急科の医師として就業を目指す医学生に、修学資金支援も行う計画。開業支援と同様、研修後は市内で勤務することを条件に返済を免除する。年に2人程度を支援する見込みだ。

市内で診療を行っている産婦人科は、17年8月現在で公的病院を含め11施設に上る。ただ、過去20年間、新規開業はなく、「この3年間で4施設が閉院、または診療を休止している」(市保健センター)。

同センターによると、市内で開業医として勤務する産婦人科医の平均年齢は63・7歳。市議会文教福祉委の意見交換会で、市医師会の原毅会長は「あと10年持たない病院も多い」と指摘するなど、新たな産婦人科医の確保は喫緊の課題となっている。

■申請ゼロ

産科・産婦人科の開業医の不在が29年間続く坂東市は14年度、県内に先駆けて医療機関の開業支援を導入し、開業資金のほか、医学生向けの奨学金貸し付け制度を設けた。

これまでに開業資金に関する申請はなく、新規の開業には至っていない。市健康づくり推進課は「申し込みの受け付けは継続しているが、最近は問い合わせもほとんどない」とする。

県医療人材課によると、これまでに神栖や常陸大宮など4市でも奨学金制度を実施していた例があるものの、開業支援は坂東市が初めてという。

開業支援を立ち上げる水戸市保健センターの小林かおり所長は「医療体制充実は広域的に行う必要があり、市独自による医師確保策の効果は未知数。それでも、新たな開業を待っているだけでは医師確保は進まない」と話した。
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(G3註:オリジナルよりレイアウト変更)



https://mainichi.jp/articles/20180202/ddl/k32/040/494000c
医師数
県内、過去最多 充足率77% 奨学金制度、効果表れ 診療科別に偏在も /島根
 
毎日新聞2018年2月2日 地方版 島根

 県は、昨年10月現在で県内の病院や公立診療所などに勤務する医師の実態調査の結果をまとめた。医師の充足率は前年比1・5ポイント増の77%だった。06年の調査開始以降、医師数は過去最多になったが、医療の高度化によって業務量が増え、必要数も過去最多となった。一方、診療科別では眼科53・9%、リハビリテーション科58・7%、救急60・1%となるなど、診療科によっては医師が偏在し、慢性的な不足状態が続いている。【長宗拓弥】

 県医療政策課によると、県内51病院、40診療所から回答を得た。必要数は今年4月1日に必要な人数を尋ねた。非常勤医師は勤務状況に応じて小数点で示した。

 教育機関の島根大医学部付属病院を除いた医師数は969・7人(前年比29・5人増)。ただ、必要数は1260人(同14・1人増)で291人の不足となった。

 診療科別では、16診療科で必要数を満たした診療科はなく、5診療科で充足率70%を下回っていた。一方、精神科(充足率90・1%)、麻酔科(同86・1%)、脳神経外科(同83・6%)は高い水準にあった。

 入院も含めた一般的な医療が域内で完結できるとされる2次医療圏別の充足率は、松江81・3%▽雲南70・1%▽出雲76・6%▽大田71・0%▽浜田71・1%▽益田73・7%▽隠岐92・4%。益田以外の地域では前年から回復した。充足率を診療科別でみると、大田・耳鼻咽喉(いんこう)科10%▽益田・耳鼻咽喉科14・3%▽松江・救急17・5%など不足が顕著な地域があった。

 県は医師の確保を目指し、06年に医師確保対策室を創設。医学生向けの奨学金制度を設け、島根大を中心に32人の推薦枠があり、医学生に6年間で748万~1069万円貸与している。

 奨学金は卒業後12年間に県内の医療機関で初期臨床研修(2年)を受け、その期間も含めた9年間を県内で勤務すれば返還を免除する。地域の偏在を改善するため、4年間は松江、出雲両市以外の医療機関での勤務などを求めている。

 県医師確保対策室の児玉信広室長は「対策の効果が表れつつある。ただ、診療科別の偏在は医師の職業選択の自由もあり、コントロールできない。大学と課題を共有しながら改善に努めたい」と話す。

 一方、県は看護師についても同様の調査をまとめた。51施設が回答し、看護師数は6275人(前年比107人増)で必要数は6513人(同34人増)。充足率は前年比1・2ポイント増の96・4%だった。

 ◆2017年の県内医師の充足率
診療科   医師数  必要数 充足率
内科群   354  458  77
精神科    87   96  90
外科群   125  162  77
整形外科   76   99  76
脳神経外科  25   30  83
皮膚科    14   20  74
泌尿器科   26   38  68
産婦人科   44   58  75
眼科     14   26  53
耳鼻咽喉科  13   19  68
リハビリ科  21   35  58
放射線科   30   38  78
麻酔科    46   54  86
救急     13   21  60
その他    32   40  80
合計    969 1260  77
 県調べ。単位は人(充足率は%)。
 小数点以下切り捨て



http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201801/CK2018012902000118.html
専門医研修 都市に集中 外科「10人未満」27県 
2018年1月29日 朝刊 東京新聞

 若手医師に分野ごとの高度な知識や技術を身に付けてもらうため、四月から新たに始まる専門医養成制度で、医師が希望する研修先が大都市に集中し、地域に大きな偏りがあることが二十八日、分かった。外科は東京での研修希望者が百七十人に上る一方、青森、高知など二十七県は十人未満、内科でも九県が十五人以下だった。指導医の数など、研修機関としての基準を満たす病院が地方に少ないことが背景にある。
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 新たな制度は大学の医学部教授や公的機関の代表で構成する一般社団法人「日本専門医機構」(二〇一四年設立)が運営。研修先登録結果は同日までに機構が公表した。

 若手医師は研修終了後も即戦力としてとどまることが多く、地域偏在が続けば地方ではさらに医師の確保が難しくなる。専門家は「研修先の基準見直しなど、早急な対策が必要だ」としている。

 制度の対象は医師国家試験に合格し、国が義務付けている二年間の初期臨床研修を終えた若手で、希望する診療科と、研修先の医療機関を選ぶ。

 診療科ごとに研修プログラムが決まっており、例えば外科では消化器官や心臓などさまざまな部位の手術を執刀医として百数十例経験する必要がある。研修終了後、試験と合否判定は各学会が行い、機構が専門医認定する。患者は病院を選ぶ際に、治療水準を判断する目安にできる。

 一八年度の登録結果によると、外科希望者が十人未満だったのは二十七県で、群馬、山梨、高知は一人しかいなかった。東京が百七十人と圧倒的に多く、大阪六十九人、愛知五十一人、神奈川三十八人が続いた。内科も同様の傾向だった。

 研修の中心となる基幹病院は、指導医の数や年間手術件数といった厳しい基準があり、大都市の大学病院や大病院が多い。結果を分析した仙台厚生病院の遠藤希之(まれゆき)・医学教育支援室長は「当初から地方の病院では専門医(の認定)取得が難しいという批判があった。早急に制度全体を見直さなければ手遅れになる」と指摘する。

 専門医はこれまで各学会が独自に認定していたが、基準がばらばらで「医師の質や統一性に問題がある」として新制度が導入された。

◆偏る原因、議論を

<日本病院会の相沢孝夫会長の話> 「医師不足」「地域偏在」が言われるようになって久しいが、いまだにどの地域にどれくらいの医療体制が必要なのか、正確に検討、把握されていないのが実態だ。今回の登録結果を受け「大都市に偏っているから定員を地方に振り分けよう」という短絡的な対応に終始するべきではない。なぜ偏っているのか、根本的原因をもう一度正面から議論し、必要な医師の数だけでなく、医師を育てる基盤をどう整えていくのか、総合的に考えていく必要がある。

<専門医> 日本では国家試験に合格して医師免許を取得すると、基本的な診療ができるように2年間の臨床研修が義務付けられている。その後は各地の病院などで本格的に働き始めるが、特定の診療科で高度な知識や治療技術を身に付けるため「専門医」の認定を目指す人が多い。これまでは各学会が独自に認定していたが、基準が異なり、領域も100以上に細分化していたため、2014年に第三者機関の「日本専門医機構」が発足。外科や内科など基本的な19診療科について学会の養成プログラムをチェックし、専門医を認定する制度が18年度に始まる。



https://www.m3.com/news/iryoishin/582923
「5都府県シーリングのデータ公表」、松原・専門医機構副理事長
新専門医制度に関するデータ開示求める声、相次ぐ
 
レポート 2018年1月29日 (月)配信橋本佳子(m3.com編集長)

 厚生労働省の「今後の医師養成の在り方と地域医療に関する検討会」(座長:遠藤久夫・国立社会保障・人口問題研究所所長)は、1月29日の第6回会議で、2018年度開始予定の新専門医制度の「専攻医の採用・登録状況」について議論、日本専門医機構理事長の吉村博邦氏の代理で出席した、同機構副理事長の松原謙二氏(日本医師会副会長)は、「東京に専攻医が集中しているように報道されているが、それは間違っている。内科の専攻医減少という報道も違う」と説明、その上で構成員から5都府県のシーリングに用いたデータ等の開示を求める声が上がったことから、「なるべく早く対応する」と回答した(資料は、厚労省のホームページ)。

 新専門医制度は、地域や診療科の医師偏在を増長させないことが求められ、5都府県(東京、神奈川、愛知、大阪、福岡)の14の基本領域(外科、産婦人科、病理、臨床検査、総合診療を除く)では、過去5年間の専攻医の採用実績を超えないというシーリングがかかる。しかし、シーリングに用いたデータをはじめ、新専門医制度の影響を検討するために必要なデータは、1月19日の日本専門医機構の記者会見でも、本検討会でも開示されなかった(記者会見は、『「大都市集中、内科激減は間違い」、日本専門医機構』を参照)。

 遠藤座長は、新専門医制度は新たな制度であるため、「やりながら、さまざまな調整をしていけなければならない」とした上で、「透明性が重要という指摘があった。日本専門医機構には、この場で必要なデータについては開示してもらいたい」と要望した。

 シーリングのデータを求めた一人が、東京大学大学院国際保健政策学教授の渋谷健司氏。松原氏の説明に対し、「かなり定性的なスペキュレーション。今回の懸案は、都市部のシーリングの在り方。どんな制御が働いたのかを数字で明らかにしないと、この問題は収束しない」と強調。これに対し、松原氏は、「スペキュレーションなので、証明したいと思っている」とし、各学会に4月以降、精査を求めると回答。渋谷氏は「4月以降のフォローアップも必要」としたものの、1次募集時の採用人数を決める際、各基本領域は何人を過去の専攻医の採用実績としたのか、その根拠は何か、またどのようなシーリングがかかったのかなど、使用した実データの公表を求めた。

 奈良県の荒井正吾知事の代理で出席した、同県医療政策部長の林修一郎氏も、渋谷氏と同様に、「どのようにシーリングをかけたのか、次年度の設定の前にきちんと議論しなければいけない」と指摘。さらに医学部入学定員は、2009年度、2010年度に「地域枠」を中心に大幅に増え、臨床研修では大都市(5都府県)以外の採用割合が増加傾向にあるものの、厚労省が毎年実施する2年目の臨床研修医を対象としたアンケートと、新専門医制度の1次、2次登録者数を比較した結果、「後期研修では、大都市以外の採用割合が増加傾向にあったが、新専門医制度ではこうした傾向が見られない」と指摘した。「地域枠の医学生に、県は相当なお金を投じており、その成果がやっと出てくると期待した。過去数年と同じ傾向であれば、それでいいという結論ではなく、少なくとも臨床研修と同等に(地方の専攻医が)増えているかを議論しなければいけない」と提起した。

 松原氏は、「何も資料のないところから始め、今の形で何とかやっている」と理解を求めるとともに、「早くデータを出したいと思っている。なるべく早く対応したい」と回答。新専門医制度で、専攻医の地域別、診療科別の数が把握できるようになったとし、「今年、来年、再来年と積み上げ、これらのデータを基に議論していきたい」と強調した。

 林氏はさらに、都道府県協議会から、「地域医療従事者や女性医師への配慮に関して、各学会の研修カリキュラム制の具体的な仕組みを明らかにする」など、さまざまな意見が出ているものの、「日本専門医機構から、いまだ回答がなく、対応が明らかになっていない。回答はもらえるのか」と問題視。松原氏は「早く出すように言っているが、十分に対応できていない」とし、お詫びの言葉を述べ、今年3月末までに回答すると明言した。

 専攻医数、三師調査と比較できず

 新専門医制度をめぐる質疑応答に先立ち、まず松原氏は、12月の1次募集の採用結果と2次募集の状況を説明。1次募集では7791人が採用、その後、辞退者もいるという。2次募集登録者は、569人。「大都市部への専攻医集中を避けることが大命題だった」とし、専攻医の過去5年間の採用実績について、「各学会にお願いし、各学会から出された数値を日本専門医機構は採用した」と説明。

 その上で、2016年の「医師・歯科医師・薬剤師調査」(三師調査)による卒後3~5年目の医師数(地域別、診療科別)と、1次、2次募集の専攻医数と比較し、地域偏在の状況を口頭で解説した。これまでは2014年の三師調査データしか公表されていなかった(『「内科15.2%減、外科10.7%減」、専攻医の領域別割合』、『京都50.8%増、東京50.0%増、専攻医の地域差は拡大』を参照)。ブロック別に見ると、関東ブロック(1都6県のほか、山梨県、静岡県)は両者の比較で増えているが、「そう大きな差ではなかった」とした。同ブロックの専攻医増加率として「1.44%」という数字にも言及したが、その詳細は示されなかった。東京都は2次募集の登録者数は、内科16人を含む計60人。

 松原氏は、三師調査と新専門医制度の専攻医数を比較しても、地域偏在を議論できない理由として、(1)三師調査は、全ての医師が回答するわけではない、(2)専攻医数には、卒後4年目以降の医師も含まれる、(3)専攻医は基幹病院に登録、連携病院に派遣される仕組みのため、現在の勤務地を調査する三師調査と相違が生じる――などを挙げた。(3)の関連で、東京都には大学が多く、関東各県、さらには静岡県や山梨県にも医師を派遣している現状を説明。さらに内科専攻医については、1次登録採用者数と2次登録者数は計2659人で、認定内科医試験の受験者数から再受験者数などを差し引くと、ほぼこの数値に近くなるとし、「内科の専攻医が減少したという報道も違う」と述べた。いずれも1月19日の記者会見とほぼ同様の趣旨の説明だ。

 なお、総合診療の専攻医は、1次募集採用数の153人に加え、2次募集の登録が30人。そのまま採用が決まれば、計183人になる予定。

 研修プログラム制、「大学医局の復権か」

 29日の第6回検討会では、新専門医制度が採用する研修プログラム制も議論になった。福島県相馬市長の立谷秀清氏は、基幹病院から連携病院に専攻医が派遣される仕組みは、「基幹病院に人事権が発生する。大学医局の復権ではないか」と批判。派遣先として選択されない病院は医師不足に陥る上、「基幹病院で相当がっちりやらないと専門医を取得できない。取得できなければ医師としてやっていけないなどの恐怖心を医師たちに植え付けた」とし、研修カリキュラム制でも専門医取得をできるだけ可能にするなどの配慮が求められるとした。

 この点については、日本精神科病院協会常務理事の森隆夫氏も、「基幹施設が人事権をコントロールすることになっている」と問題視した。「大学医局への入局」と「研修プログラムの選択」は異なる問題であるとし、連携施設が専攻医を採用した場合には、連携施設での研修を担保できるようにすべきと指摘した。

 そのほか、議論は医師の地域、診療科偏在そのものの問題にも発展。地域医療機能推進機構理事長の尾身茂氏、聖路加国際病院副院長の山内英子氏は、各地域の医療ニーズ、それを踏まえた必要医師数、専門医数を明確にする必要性を指摘、厚生労働科学研究で進めている研究結果が明らかになる時期を質した。厚労省医政局医事課は、「将来の医療ニーズをどう推計するか、テクニカルな難しさがあることも見えてきた。(医師偏在対策の)さまざまな制度改正を行う中で、その一環として検討していく」と述べるにとどまった。

 40都道府県が日本専門医機構に意見提出

 厚労省は専門医に関する都道府県協議会の活動実績も報告。2017年11月現在、47都道府県全てで設置済み。うち40都道府県で、日本専門医機構に意見等が提出された。「日本専門医機構から各都道府県協議会への情報提供の時期、内容等」「日本専門医機構の役割」「基幹施設、連携施設等の追加」「募集定員」「総合診療領域における一次審査等に関する」など多岐にわたる。しかし、奈良県の林氏によると、日本専門医機構からの回答はないという。

 さらに林氏は、「本来は、日本専門医機構、あるいは学会がチェックすべき研修プログラムの内容を、県が代わりに行った。都道府県協議会が本来の活動ができるように、検討してもらいたい」と求めた。



http://www.tonichi.net/news/index.php?id=65767
蒲郡市民病院 休床病床きょう再開
救急医療「今後もこだわった運営を」/地域の事情に応じた体制整備へ
 
2018/02/01 東日新聞

 蒲郡市民病院(平田町)は2月1日から、休床していた60床を再開させ、全382床での病院運営を行う。医師不足などにより、2008年から患者の受け入れ体制などを縮小。昨年度から経営状況や稼働率が回復しており、再開を決めた。担当職員は「今後も蒲郡の地域の事情に応じた体制を整備し、基幹病院の役割を果たしていきたい」と語る。

 病院は1997年に、同町に新築移転。計382床で運用を始めた。2008年に医師不足のため、診療制限や患者の受け入れ体制を縮小し、322床での運用を続けていた。

 市民病院の常勤医師の数は16年4月が40人、17年4月が44人で、今年4月にも増員が決まっている。常勤医師の増員などにより、17年4月~12月までの病床の稼働率は約78%。10月~12月の3カ月間は約82%と高い状況が続いている。

 今年4月からは、人間ドック事業を開始。検査で入院する患者の増加も見込まれることから、休床病床の再開を決めた。

 受け入れ体制の縮小を始めた当時は、60床ある4階の東病棟を閉鎖。13年以降は、各病棟へ休床する部屋を分散させていた。休床病床の再開により、患者のスムーズな受け入れが可能となり、各科医師の負担軽減の効果も期待される。
救急医療も維持して市民を支える
 近年に市消防本部の救急車は、年間に3000件前後の救急搬送を実施。そのうち、搬送先の90%以上が市民病院だった。

 病院は経営状態が悪化した際にも、採算が取りづらい救急医療を堅持。受け入れができない患者は、近隣市町の病院へ搬送されることになる。一刻を争う症状の市民を守るため、救急医療を担う機関としての使命感も高めている。担当職員は「民間の医師と連携しつつ、今後も救急医療にこだわった運営を続けたい」と話している。



http://www.saga-s.co.jp/articles/-/176278
公立病院の62%赤字
16年度、医薬品価格上昇
 
1/31 16:11 佐賀新聞

 赤字決算の公立病院の割合
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 全国873公立病院の2016年度決算を集計すると、61・7%に当たる539病院の経常収支が赤字だったことが30日、総務省の調査で分かった。前年度より3・3ポイント増え、6年連続で拡大。病院が受け取る診療報酬のマイナス改定や、医薬品などの価格上昇が影響した。

 公立病院は、民間では採算が取れない離島や山間部の地域医療を担っているケースが多く、自治体が特別会計を設けて運営している。総務省の有識者研究会は昨年末の報告書で、民間のノウハウを持つ外部人材の登用や経営の見直しを提言。これに沿って同省は自治体に改善を促す方針だ。

 赤字病院の割合は、医師不足が深刻化した06年度に74・3%となり、国は07年に病院の統合・再編を含む効率化を要請。10年度の赤字割合は46・1%まで減ったが、その後は地方の人口流出などで経営が再び悪化した。全病院の収支を合算すると16年度は831億円の赤字となり、15年度の542億円から1・5倍に拡大した。

 小規模な病院ほど、自治体の一般会計からの繰入金に依存する割合が高く、経営の維持が難しくなっている。



http://www.medwatch.jp/?p=18621
新専門医制度、偏在対策の効果検証せよ―医師養成と地域医療検討会 
2018年1月30日|医療計画・地域医療構想MedWatch

 来年度(2018年度)から全面スタートする新専門医制度では、医師の地域偏在を助長しないように5都府県に専攻医採用の上限を設定したが、その数字や算出根拠となるデータを明らかにして、上限設定によって実際にどの程度偏在を抑えられたか検証する―。

 1月29日に開催された「今後の医師養成の在り方と地域医療に関する検討会」(以下、検討会)で、松原謙二参考人(日本専門医機構副理事長、吉村博邦委員:日本専門医機構理事長の代理出席)が、このような考えを明らかにしました。公表されたデータを基に、新専門医制度が医師の地域偏在を本当に助長しないか、検討会などで確認することになります。

ここがポイント!
1 専攻医の偏在防ぐため、東京などでは採用者数「過去の実績の平均以下」に
2 上限値など確認し、今後の偏在対策に生かす
3 医学生が臨床実習中に「実施すべき医行為」を明確に

専攻医の偏在防ぐため、東京などでは採用者数「過去の実績の平均以下」に

 2018年度から新たな専門医制度が全面スタートします。専門医の養成・認定はこれまで各学会が独自に行ってきましたが、「質の担保」「国民への分かりやすさ」を目指し、学会と日本専門医機構が協働して、統一的な基準で養成・認定する仕組みへと変わります。

 ただし、「質を追求するあまり、専門医を養成する施設の基準が高くなり、地域間・診療科間の医師偏在が助長されてしまうのではないか」との声が医療現場に根強く、日本専門医機構、学会、都道府県、厚生労働省が重層的に「医師偏在の助長を防ぐ」こととしています

 偏在が生じる原因の一つとして、「医師の大都市集中」があげられます。これを新専門医制度が助長しないよう、東京都、神奈川県、愛知県、大阪府、福岡県の5都府県では、基本領域ごとの専攻医採用数を「過去5年間の後期研修医採用実績等の平均値以下に抑える」ことになっています(上限設定)。ただし、大都市においても不足が懸念される外科・産婦人科・病理・臨床検査の4領域では、この上限から除外されます。

上限値など確認し、今後の偏在対策に生かす

 日本専門医機構では、昨年(2017年)11月15日までの1次登録での採用状況(7791人分)を公表しています。その後18人が辞退したほか、今年(2018年)1月15日までの2次登録に応募した569人について、採用者の選考が進められています。2次登録の応募状況などはまだ公表されていませんが、1月29日の検討会で、松原参考人は「現時点では5都府県での上限が遵守され、都市部への専攻医集中が抑制されている」と説明しています(関連記事はこちら)。

1次登録での採用専攻医数(基幹施設の所在地・診療領域別)。7791人のうち18人は採用を辞退したという
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 しかし、検討会の渋谷健司構成員(東京大学大学院国際保健政策学教授)は、「採用者数の上限がどのように設定され、専攻医の地域選択にどのような制御が働いたのか、数字で明らかにすべき」と指摘。その数字などに基づいて「偏在が明らかになった場合には、学会や日本専門医機構に是正を求めるとともに、今後の専攻医偏在対策に生かすべき」と主張しています。

 渋谷構成員の指摘を受けて、松原参考人は、▼各領域の5都府県の上限値▼上限値の根拠―などのデータを、次回の検討会に示す考えを述べています。

 領域ごとの上限値は、各基本領域学会が算出していますが、「5都府県それぞれで上限値は何人なのか」が明示されておらず、四病院団体協議会(日本病院会、全日本病院協会、日本医療法人協会、日本精神科病院協会で構成)なども公開を求めています(関連記事はこちら)。上限値などを踏まえた検討会での議論が注目されます。

医学生が臨床実習中に「実施すべき医行為」を明確に

 ところで、専門医研修をめぐって立谷秀清構成員(相馬市長、全国市長会副会長)からは「後期研修医として専攻医に来てもらうが、基本的な診療能力が備わっていない」との批判が以前からなされています。この背景には、▼初期臨床研修のプログラムが必ずしも十分に統一されていない▼大学医学部在学中の臨床実習中に学ぶべき医行為が十分に学べていない―という2つの課題があるようです。初期臨床研修までの養成過程を充実させれば、後期研修において「医師として」活躍できると期待されるのです。

 この点について、厚労省と文部科学省は共同して、医師の養成過程の見直しに着手しました。例えば後者の「臨床実習中に実施すべき医行為」については、臨床実習内容の実態調査結果を踏まえた上で、今年度内(2018年3月末まで)にも明確化させる考えです。

厚労省と文科省は、医師の養成過程を一体的に見直す(図 略)

今年度(2017年度)の厚生労働科学特別研究事業で、臨床実習での医行為実施の実態を調査している。今後、この調査結果を踏まえて「臨床実習中に実施すべき医行為」が明確化される(図 略)

 現在、「医学生が実施してもよい医行為」(1991年)をベースに各大学において、医学生に「臨床実習でどのような医行為を実施させるか」を決めていますが、今後は、上記の「臨床実習中に実施すべき医行為」の中で示される▼実施すべき医行為▼実施が望ましい医行為▼実施すべきでない医行為―の具体例をもとに、臨床実習の内容を充実させていくことになるでしょう。

「医学生が実施してもよい医行為」は、1991年に取りまとめられた「臨床実習検討委員会最終報告」で例示されている(図 略)



https://www.m3.com/news/iryoishin/583348
「臨床医学論文、日本は30位以下」と警鐘鳴らす、福原京大教授
第1回稲門医学会学術集会シンポジウム「医療×ビッグデータの最前線」
 
レポート 2018年2月1日 (木)配信橋本佳子(m3.com編集長)

京都大学大学院医療疫分野教授福原俊一氏

 京都大学大学院医療疫分野教授の福原俊一氏は、1月28日都内で開催された稲門医師会主催の第1回稲門医学会学術集会のシンポジウム「医療×ビッグデータの最前線」で、「データベース研究が医療の質に与えるインパクト」と題して講演、日本の臨床医学コア・クリニカルジャーナル120誌の合計論文採択数で、日本は30位以下に低迷しており、「わが国の医学アカデミアは、岐路に立たされている」と警鐘を鳴らした。

 日本の臨床研究低迷の理由として、臨床医の統計解析や英語力の不足が指摘されることが多い。しかし、福原氏は「研究デザイン学」が体系的に教えられなかったことこそが問題であると指摘し、イギリスの遺伝統計学者である故Ronald A.Fisherの「データを集めた後に統計家に相談するのは、確定診断のために死体解剖を依頼するようなものだ」という言葉を紹介した。
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(提供:福原氏)

 さらに福原氏は、臨床研究をめぐる問題として、「臨床研究=臨床試験」ではない点も強調。昨今は診療情報やレセプト情報などのビッグデータの研究での活用が可能になったため、むしろ観察研究こそ大きな可能性を秘めているとした。日本の学会では基礎研究、あるいは症例報告に関する演題が多く、時々臨床試験も見られるものの、日本で少なく、海外で圧倒的に多いのは分析的観察研究だという。「1990年代後半に、EBMという“黒船”が日本にやってきて医学・医療に良い影響を与えたが、一方で、誤解されて受け入れられ、RCTでなければ強いエビデンスではないという教条主義が日本に蔓延し、刷り込みが行われた」と問題視した。

 分析的観察研究の事例として、福原氏自身が約20年にわたって関わっている、12カ国、2万人を超す透析患者を対象とした観察研究である「DOPPS」(Dialysis Outcomes and Practice Patterns Study)や、福島県南会津地区住民の運動機能、排尿機能、睡眠、物の見え方(QOL)などを測定し、その後のメタボ発症、転倒や受療行動などを追跡するLOHAS(Locomotive Syndrome and Health Outcomes in Aizu Cohort Study)の成果を紹介した。

 シンポジウム「医療×ビッグデータの最前線」には、横浜市立大学医学部臨床統計学教授の山中竹春氏も登壇、「医療分野では、ビッグデータが集まってきて、思いもかけない分析ができるところまで来ている。臨床試験も重要だが、観察研究の時代に入ってきているのだろう」とコメント。患者データの名寄せができ、患者の長期経過も異なる医療機関の情報をつないで分析できるようになれば、さまざまな分析が可能になるとし、「医療ビッグデータの環境構築によって、臨床研究のやり方が根本的に変わる時代が来る」と見通した。

 山中氏の講演テーマは「産官学連携を踏まえた医療データの利活用に関する横浜の取り組み」。NDB(ナショナルデータベース)を活用した、がん腫別の外来化学療法の治療実態や看取りの実態などのほか、高齢者増に伴い増加が見込まれる救急需要予測などの結果を紹介した。横浜市立大では、今年4月から「データサイエンス学部」を設置し、医療分野を含む多領域のデータサイエンス人材の育成に取り組むことを紹介した。山中氏によると、同学部の設置は、医学部や附属病院を有する大学として全国初という。

 稲門医師会は、早稲田大学卒業後、他大学医学部に入学、医師免許を取得するなど、早稲田大関係の医療者で構成する団体(『「早稲田・稲門医師会」、136人で発足』を参照)。1月28日の学術集会には、医療法人社団鉄祐会理事長の武藤真祐氏、東京大学大学院医学系研究科国際保健政策学教授の渋谷健司氏、日本医師会会長の横倉義武氏の3人が基調講演したほか、シンポジウム、口演・ポスター発表が行われた。

 臨床医学の論文シェア、日本は2.64%

 福原氏が紹介したのは、北海道大学第一内科教授の西村正治氏の分析。各臨床領域のトップジャーナルである「Core Clinical Journals」をPubMedで調べた結果、臨床医学の論文採択数のうち、日本人による論文は、2000年代前半は年2200~2300本(約5%のシェア)だったが、2010年代は年1500本程度に減少した。2012年の場合、全論文採択数のうち日本人の論文が占める割合は2.64%にとどまる。一方で、米国は20%ものシェアを長期間持続している。

 日本の臨床研究の低迷改善に向け、前述のように福原氏は、「研究デザイン学」を教育する重要性を指摘。研究デザインとは、「構造化抄録形式の『研究の基本設計図』完成までのプロセス」であると説明。福原氏の教室では、優秀な大学院生でも、A4判1枚の研究の基本設計図をデザインするのに、約半年かけるケースが少なくないという。「研究デザインを発表させては、皆でディスカッションを行う。このプロセスの繰り返しが大事。研究の基本設計図を作成すれば、大学の倫理委員会に提出する研究プロトコルは、分厚いものでも1カ月ほどで作成できる」(福原氏)。

 分析的観察研究でエビデンス

 福原氏が講演で強調したもう一つの論点は、分析的観察研究の重要性。観察研究のうち、比較対照を置いて分析するのが分析的観察研究で、要因とアウトカムの測定タイミングと観察の向き(要因⇒アウトカムか、アウトカム⇒要因か)によって、コホート研究、症例対照研究、横断研究に分類できる。

 福原氏がSteering Committeeの一人として携わってきた「DOPPS」は、12カ国、2万人を超える透析患者に関する分析的観察研究。診療の実態・ばらつき(うつの診断の有無、シャント形成方法、透析時間、水質など)、診療のばらつきとアウトカム(イベント発生率、死亡率など)との関連性などを分析することによって、さまざまなことが明らかになってきており、「JDOPPS(日本のDOPPS)の結果が、世界の診療や日本の医療政策を変えた」(福原氏)。例えば、日本の透析は、諸外国に比べて、エンドトキシン濃度が低く水質が良く、それが日本の透析患者の死亡率の低さと関連している、シャントも日本の方法が良好な患者予後と関連している、ことなどが示されている。透析時間については、長いほど生命予後が優れるため、診療報酬も透析時間に応じた体系に改善された。

 福原氏は、「研究の参加施設、参加医師」は、「単なるデータ提供者から、リサーチ・クエスチョンの発案者、研究者」になるべきと期待を込めるとともに、若手臨床研究医の育成の重要性を強調し、講演を締めくくった。福原氏は、データベース研究等の振興と人材育成をミッションに掲げる日本臨床疫学会の代表理事を務め、第2回年次学術大会(2018年9月29、30日、京都大学)の会長も務める。



http://www.chunichi.co.jp/s/article/2018013090123413.html
時間外労働で春日井市民病院に是正勧告 名古屋北労基署 
(中日新聞)2018年1月30日 12時34分

 愛知県春日井市の春日井市民病院が、時間外労働を可能にするための労使協定(三六協定)がないのに、医師をはじめとする病院職員に時間外労働させていたとして、名古屋北労働基準監督署から是正勧告を受けていたことが分かった。勧告は昨年11月17日付。残業代は市の条例に基づき支給されていた。

 市によると、地方公務員は残業のための労使協定締結は必要ないとされるが、病院など現業職場の職員は該当しないという。春日井市民病院は「市役所の職員同様、病院も必要ないと認識していた。年度内には締結する予定」と説明している。

 また、昨年4~9月の時間外労働は、事務職員6人と医療技師1人が1カ月に100時間超、最大は医療技師の134時間だったこともあり、名古屋北労基署から過重労働による健康障害の防止に努めるように求められたことも分かった。

 同病院は「人員不足や昨年春の電子カルテへのシステム移行で業務量が増えた。各部門に労働時間を減らすように通達した」としている。



http://www.medwatch.jp/?p=18682
DPC病院や地域医療支援病院は病床稼働率の維持に苦労、規模が適正か検討しては―厚労省 
2018年2月2日|医療・介護行政全般 MedWatch

 病院の機能別に病床稼働率を見ると、地域医療支援病院やDPC病院では、年々下がってきているが、新規入院件数は増加している―。

 こういった状況が、厚生労働省が2月1日に公表した2016年度の「病院機能別 制度別医療費等の状況」から明らかになりました(厚労省のサイトはこちらとこちら)。「在院日数の短縮に新患獲得が追いついていない」状況であり、地域の医療ニーズに比べて現在の病床規模が適正なのか、という点も検討する必要がありそうです(前年度の記事はこちら)。

ここがポイント!
1 1日当たり入院単価、特定機能病院で7万2141円、地域医療支援病院で6万436円
2 平均在院日数、75歳以上の後期高齢者や国保加入者で長い
3 稼働率は低下傾向、「適正な病床規模はどの程度か」を検討する必要あり

1日当たり入院単価、特定機能病院で7万2141円、地域医療支援病院で6万436円

 「病院機能別 制度別医療費等」は、病院を▼特定機能病院▼地域医療支援病院▼DPC病院—などの機能別に分類し、また患者が▼被用者保険▼国民健康保険▼後期高齢者医療制度―など、どの医療保険に加入しているのかで分類し、医療費を詳しく分析するものです。どの医療保険制度に加入する人が、どの機能病院にどれだけかかり、どれだけの医療費がかかっているのかなどが分かります。病院経営的には「どういった患者を積極的に受け入れれば、収益向上につながりやすいのか」といった視点で分析結果を眺めることができるでしょう。

 まず病院機能別の1日当たり医療費(いわば単価)を見ると、医科入院では▼特定機能病院7万2141円(前年度に比べて1788円・2.5%上昇)▼地域医療支援病院6万436円(同802円・1.3%上昇)▼DPC病院5万6470円(同450円・0.8%上昇)▼療養病床のみの病院2万1584円(同107円・0.5%上昇)―などとなっています。いわゆる高度急性期・急性期機能を持つ病院ほど、単価が上昇していることが分かります。

 また、療養病床のみの病院を除けば、「病院機能に関わらず『未就学児』で単価が高い」状況にあります(▼特定機能病院では8万8230円で、当該病院における医科入院全体よりも1万6089円・22.3%高い▼地域医療支援病院では7万1719円で、同じく1万1283円・18.7%高い▼DPC病院では7万2106円で、同じく1万5636円・27.7%高い)。

 逆に、75歳以上の後期高齢者では、療養病床のみの病院も含めて「病院機能に関わらず単価が低い」状況です(▼特定機能病院では6万9485円で、当該病院における医科入院全体よりも2656円・3.7%低い▼地域医療支援病院では5万4941円で、同じく5495円・9.1%低い▼DPC病院では4万9597円で、同じく6873円・12.2%低い)。

 また医科入院外に目を移すと、単価(1日当たり医療費)は▼特定機能病院2万4527円(前年度に比べて1251円・5.4%上昇)▼地域医療支援病院1万9581円(同552円・2.9%上昇)▼DPC対象病院1万8098円(同360円・2.0%上昇)▼療養病床のみの病院7376円(同4円・0.1%低下)―などとなっています。

 入院と異なり、未就学児では単価が低く、例えば▼特定機能病院で1万7594円(当該病院における医科入院全体よりも6933円・28.3%低い)▼地域医療支援病院で1万4055円(同5526円・28.7%低い)▼DPC病院で1万2017円(同6081円・33.6%低い)—などという状況です。

 逆に国民健康保険の加入者では単価が高く、▼特定機能病院で2万6647円(同2120円・8.6%高い)▼地域医療支援病院で2万1314円(同1733円・8.9%高い)▼DPC病院で1万9826円(同1728円・9.5%高い)—などとなっています。

1日当たり医療費は病院の機能によって異なる、さらに患者の属性(どの医療保険に加入しているか)によっても特徴がある(図 略)

 
傷病種類や診療報酬の支払方式(包括か、出来高か)なども勘案した、詳しい分析に期待したいところです。

平均在院日数、75歳以上の後期高齢者や国保加入者で長い

 次に、平均在院日数を見てみましょう。

 ▼特定機能病院16.3日(前年度に比べて0.4日短縮)▼地域医療支援病院15.2日(同0.2日短縮)▼DPC病院16.6日(同0.2日短縮)▼療養病床のみの病院169.7日(同8.3日短縮)―などとなり、短縮傾向が続いていることが分かります。

 未就学児では、在院日数が短い傾向にあります(地域医療支援病院では8.5日(同0.2日短縮)、DPC病院では9.1日(同0.1日短縮))が、特定機能病院では重篤な症例などが多く14.9日(同0.2日短縮)と比較的長めです。

 逆に在院日数が長いのは75歳以上の高齢者です(▼特定機能病院では17.3日、当該病院における医科入院全体よりも1.0日長い▼地域医療支援病院では19.0日、同3.8日長い▼DPC病院では21.7日、同5.1日長い▼療養病床のみの病院では175.1日、同5.4日長い)。

 また70歳未満でも、国保加入者は被用者保険加入者に比べて在院日数が長い傾向にあります(▼特定機能病院では2.4日▼地域医療支援病院では4.1日▼DPC病院では4.2日▼療養病床のみの病院では62.2日―長い)。国保加入者では「無職者」が増加しており、退院困難な患者が増えていることも予想されます。2018年度の次期診療報酬改定では、【入退院支援加算】(退院支援加算から名称変更)の算定対象患者に「生活困窮者」などが追加されますので、例えば無職者への入退院支援をこれまで以上に強化することで、「加算の算定」「在院日数の短縮」などにつながります。診療報酬改定に限らず、医療政策情報を積極的に収集し、かつ現場の業務に結び付けていくことが重要です(関連記事はこちらとこちらとこちらとこちらとこちらとこちら)。

多くの機能で、新規入院患者数の増加(新患獲得)、平均在院日数の短縮がみられる(図 略)

稼働率は低下傾向、「適正な病床規模はどの程度か」を検討する必要あり

 さらに、病床の稼働率に目を移してみると、次のように推移しています。

【特定機能病院】▼2013年度:82.2% → ▼14年度:82.0% → ▼15年度:82.8% → ▼16年度:82.9%

【地域医療支援病院】▼2013年度:81.9% → ▼14年度:81.4% → ▼15年度:81.2% → ▼16年度:80.5%

【DPC病院】)▼2013年度:80.3% → ▼14年度:80.0% → ▼15年度:80.3%→▼16年度:80.1%

平均在院日数が減少傾向にある中で、多くの病院では病床稼働率低下に苦しんでいる状況がうかがえます。

地域医療支援病院やDPC病院では、病床稼働率が減少傾向にある(図 略)
 
 在院日数の減少は「空床の拡大」を意味し、同時に新規入院患者を多く受け入れなければ、病院経営は厳しくなっていきます。しかし、新規入院件数が前年度に比べてどれだけ増加(あるいは減少)しているのかを見ると、▼特定機能病院3.1%増▼地域医療支援病院6.5%増▼DPC病院4.3%増▼療養病床のみの病院5.5%増―などとなっており、多くの病院(DPC以外の一般病院ではマイナス6.6%)では、新規入院患者に向けた努力をしていることが伺えます。
 さらなる努力を検討することはもちろん重要ですが、地域の患者数は限られており、かつ大都市を除けば患者数そのものが減少している(人口が減少傾向にある)中では、努力にも限界があるでしょう。

 稼働率上昇が見られない地域医療支援病院やDPC病院では、「現在の規模(ベッド数)が適正なのか、地域の医療ニーズに比べてベッド数が多すぎないか」という点も含めた検討が必要です。



https://www.m3.com/news/iryoishin/583340
医師の働き方改革、「医師とは何か」の議論を◆Vol.2
医師国会議員:自見氏、吉田氏、岡本氏が鼎談
 
スペシャル企画 2018年2月3日 (土)配信聞き手:橋本佳子(m3.com編集長)、まとめ:高橋直純(m3.com編集部)

医師国会議員:自見氏、吉田氏、岡本氏が鼎談
・3人の医師国会議員が語る日本の医療の課題と未来◆Vol.1
・医師の働き方改革、「医師とは何か」の議論を◆Vol.2

――医師として現場で働く中ではどのような問題を感じましたか。

岡本充功氏(内科)
 一番は、ドラッグラグの問題です。自分自身も大学院生の時に臨床研究や治験の手伝いをしており、血液・腫瘍内科は当時から全国的な臨床試験を行う組織を持っており、そこの事務局が名古屋大学にあり、さまざまな臨床試験のプロトコールを作るお手伝いをしていました。政治に参加しようと思ったのもドラッグラグが一番大きかったです。現場でできることは限られており、議員になって、日本でも臨床試験や治験がよりスムーズに行われる環境を作ろうとして、相当力を入れてきました。当選時に比べてだいぶ短くなったと思います。

吉田統彦氏(眼科)
 海外で研究、教育をしていたこともありますが、国産の医療機器、薬品を作って、国民の命と健康を守るとともにグローバルな競争力を持たせる必要があります。医療機器だけで毎年1兆円弱が海外に支払われており、次々と開発される高価な医薬品についても、どうやって保険診療に組み込んでいくかも含めて、考えていかなくてはならないと思います。

自見はなこ氏(小児科)
 最も問題を感じたのは女性医療職のことです。20代の医師の3割強は女性ですが、看護師、薬剤師など含めると、医療職の75%が女性だという統計があります。今まで医師、看護師、薬剤師、歯科医師など個々の団体で考えていた女性の働き方について、医療職全体を横断的に考えていく時期になりました。超党派の「女性医療職エンパワメント推進議員連盟」で事務局長を務め、12月には加藤勝信厚労相に意見書を提出します(編集部注:12月15日に提出、『「女性医療職エンパワメント推進議員連盟」、加藤厚労相に決議文』を参照)。

 女性の働き方について、現場で働いている人たちは忙しくて調整などはできず、男性管理者は知りもしない、致し方ないのですが、気づきもしません。看護師は約160万人いますが、実際には外数で、約72万人が働いていません。人が足りないと嘆くのではなく、女性医療職が働きやすい環境を作れるかどうかは、医療界全体にとっての分岐点となるような死活問題です。そして、女性にとって働きやすい環境は男性も当然働きやすいはずですし、そうならなければいけません。道のりは長いですが、家で子どもと一緒に晩ご飯を食べられる社会が理想です。

――女性に限らず、2017年は医師の働き方改革の議論が多方面からなされました。

自見
 まず2017年3月の「働き方改革実現会議」の取りまとめが出た時点で、医師については特別に2年間の検討期間と約5年間の適用猶予期間をいただきました。それを受けて、医師の働き方改革については昨夏から厚労省で検討委員会ができていますが、最も問題なのは構成員の中に首長さん達が入っていないことです。新専門医制度の時もそうでしたが、最終的に日本では、社会保障制度の下に国民医療を提供していますから、地域における医療の最終的な責任者は首長さんになります。国家であれば安倍首相です。ですが、働き方について、狭い了見で議論がされているのではないかと危惧しています。

 地域医療とのバランスの兼ね合いがどうしたって出てくるのに、その検討の場に首長が入らないことは、今後の議論の一つの混乱の一因になってくるだろうと思います。また、医師の実際の業務を減らしていく話し合いの過程で、医師以外の職種が行った業務に対する責任の所在などの論点整理も必要です。さらに、私は自分のことを労働者と思って働いたことは一度もありませんが、一方で、医師は労働基準法から言えば、がちがちの労働者です。今までの習慣上のことと、法的な枠組み、その根底にある「果たして医師とは何だろう」という議論がないまま進んでいるようにも映ります。

 ご承知のように私と同じ小児科医である中原ドクターが過労死で亡くなりました。こういったことは、二度とあって欲しくないと思います。これからも、もちろん勤務環境改善に全力で取り組みますが、では、夜中に急変した患者さんを診に行くことが労働時間にカウントされ、それが超過したら病院に罰則がかかるのか。あるいは自分が経験させていただいた貴重な症例をまとめる時間も労働とカウントされ、土・日曜日の学会も労働時間かといった議論になってしまいます。自己研鑽と労働の切り分けをどこで区切るのか。

 医師の働き方改革については、議論を重ね、医師だけに適用する高度プロフェッショナル制度は選択肢としてあり得るのか、業務分担時の責任の論点整理も含めて、もう少し幅広く俎上に載せ、国民を巻き込んで議論し、柔軟に考えないと、経営者も当事者の医師も困り、現場は行き詰まると思います。そういった中で、小児科医として思うのは、小児科は本当にチームワークが得意だということ。チームでやっているから当直明けも帰れます。チームワークを良くしていくと患者の満足度も上がります。科を超えてチーム医療を徹底することで、今の人数でかなりの部分が上手く行くだろうと思っています。ただそれには医療資源の集約化など地域医療構想そのものにも触れる部分が出現することを予想し、医療資源の元々かなり乏しい地域に対しては、別の施策が必要になります。

岡本
 医師、患者双方の意識改革をしなくてはいけないと思います。医師も人間ですので、長時間労働が及ぼす体への影響から無理をするようなことを控えていかなくてはならない。患者さんにも医師の過重労働に理解を求めたいです。主治医による対応を求めることが多いですが、チームで医療ができることを知ってほしいです。

 一方で、高度プロフェッショナル制度導入、裁量労働制を拡大するという議論の中で、これに医師を入れてしまうかどうかについては、一定程度、注意が必要です。単純に年収が高いからと、医師を入れるとせっかくの改革の機運を無くすことになります。ややもすると、そうするのではないかと懸念しております。これが答えだとなると、医師の働き方改革はなんだったのかとずっこけてしまいます。

自見
 全く同感です。この議論で忘れてほしくないのは、新しく医師になる世代では、女性が約4割ということです。これはビッグファクターです。管理者の先生方や決定権を持つ方々は、まだまだ専業主婦の奥様を持つ人が多いです。今は約4割が女性であることを忘れては議論は進みません。

吉田
 そもそも日本の医師は働き過ぎです。ただ、海外の医師が働いてないわけではなく、海外の有名な医師は朝6時から外来をやったりしています。一般的には一人一人の患者を診る時間も長く、予約もきっちり機能しています。そして特に米国では給与は極めて高く、いろいろ守られています。

 どちらが幸せかというと、圧倒的に日本の方が患者は幸せで、医師はアメリカです。値段が全然違います。診療レベルは日本が高いことの方が多いです。最先端の極めて特殊な治療はアメリカでしかできないこともありますが、一般的な医療は数字上も日本が優れています。今の制度が維持できるなら圧倒的に日本の方が患者さんは幸せです。

 ヒラリー・クリントン氏は、本当は日本型の医療を米国に入れたかったそうですが、「日本の医療は聖職者並みの医師の自己犠牲に支えられている」といった言葉とともに断念したわけです。



https://www.m3.com/news/iryoishin/583639
厚労省の「働き方改革の論点整理」に対案提示へ
地域医療を守る病院協議会、「緊急的な対策」は対応
 
レポート 2018年2月1日 (木)配信水谷悠(m3.com編集部)

 5つの病院団体で組織する「地域医療を守る病院協議会」は2月1日の記者会見で、厚生労働省の「働き方改革に関する検討会」が2月に打ち出す方針の「中間的な論点整理」について、対案を示す方針を明らかにした。全国自治体病院協議会会長の邉見公雄氏は「地域偏在をなくす前に働き方改革を先にやると、『アベコベミクス』になってしまう。反対ばかりではなく対案を出していきたい」と説明。ただし、時間外労働についての労使協定「36協定」を点検することなど「緊急的な対策」については、「われわれもやらないといけない」と述べた(厚労省検討会は、『働き方改革の緊急対策、労働時間管理など5項目は「当然」』を参照)。

 2月1日の協議会では、新専門医制度についても議論。日本専門医機構の理事でもある邉見氏は、専攻医の4.5人に1人が東京に集まってしまったとして、「都道府県からおしかりを受けている」と明かした。専攻医の診療科ごとの応募状況を少ない順にまとめた資料を示して「群馬と高知は外科が1人。この人たちが働き盛りになる10年後に、この県で手術ができるのか。小児科は徳島と佐賀でゼロだ。ここでお母さんが子どもを産もうと思うのか」と嘆いた。対策としては、ある程度の強制的な措置や、それに基づいて地方に行く医師を支える仕組みも大切などの意見が出たという。

 全国国民健康保険診療施設協議会会長の押淵徹氏は、総合診療について、「制度が成熟するまでには時間がかかる」と指摘。日本専門医機構の「総合診療専門医に関する委員会」が長く開かれていないことを問題視し、早期開催を求める要請書を国診協副会長の金丸吉昌副会長と連名で、近く同機構に提出する意向を示した。



https://mainichi.jp/articles/20180203/ddl/k18/040/269000c
小浜病院
医師2人欠員 退職続き 地域に影響、後任探し急ぐ /福井
 
毎日新聞2018年2月3日 地方版 福井県

 昨年11月、女性看護師へのつきまとい行為で懲戒処分を受けた50代男性医師が退職した杉田玄白記念公立小浜病院(小西孝病院長)=小浜市大手町=で、先月末にも30代男性医師が退職したことが2日、分かった。現在、医師2人が欠員状態で、既に地域の医療体制にも影響が出ており、病院は後任探しを急いでいる。

 小浜病院によると、50代医師は急性心筋梗塞(こうそく)、30代医師は透析が専門。30代医師は「一身上の都合」で退職した。

 冬場は心筋梗塞のリスクが高まるが、50代医師退職後の昨年12月に6人、先月も5人の患者を小浜病院で受け入れられず、京都府舞鶴市の病院などへ搬送した。両月合わせて前年よりも2~3人増えたという。

 一方、透析の専門医はもう1人いるため、患者に迷惑をかけないよう勤務シフトを考慮しながら対応するという。【高橋一隆】



https://www.m3.com/news/iryoishin/582937
医学生の医行為、「3類型」に分類、厚労科研
卒前・卒後のシームレスな医師養成、5つの柱で遂行
 
レポート 2018年1月30日 (火)配信橋本佳子(m3.com編集長)

 厚生労働省は、1月29日の「今後の医師養成の在り方と地域医療に関する検討会」(座長:遠藤久夫・国立社会保障・人口問題研究所所長)の第6回会議で、厚生労働科学研究費補助金による「医学部の臨床実習において実施可能な医行為の研究」の進捗状況を説明した。主任研究者は日本医学会連合会長の門田守人氏が務め、2017年度中に結論を出し、それを基に、同省と文部科学省は、医学生の医行為を定めた1991年の“前川レポート”を四半世紀ぶりに改訂する予定だ(資料は、厚労省のホームページ。『医学生の医行為、四半世紀ぶりに見直しへ、今年度中に整理』を参照)。

 本研究では、全国の医学部を対象に、臨床実習で医学生が行っている医行為を調査し、臨床実習における医行為を(1)指導医の指導・監視のもとに実施すべきもの、(2)指導医の指導・監視のもとに実施が望ましいもの、(3)原則として指導医の実施の介助または見学にとどめるもの――に分類する。分類を踏まえた上で、医学生が行うことができる医行為の範囲を整理し、明確化する。「臨床実習において、今までなぜ医学生による医行為が進まなかったのか、その現状や今後の方針も各大学に調査する予定」(厚労省医政局医事課)。

 さらに厚労省は、「総合的な診療能力を持つ医師のシームレスな養成」の方針も説明。(1)医学生が行うことができる医行為を整理し、初期実習の充実(2017年度中に取りまとめ)、(2)臨床研修において、基本的な診療能力を身に付けるため、外科、産婦人科、小児科、精神科も必修化(2020年度を目指して改革)、(3)医学生の共用試験(CBT)の位置付けの整理((1)とセットで検討)、(4)医学教育において、「Post CC OSCE」の正式実施(2020年度からの正式実施に向けトライアルを実施)、(5)医師国家試験の出題傾向として「臨床実地問題」により重点を置く(既に一定程度進行、さらに対応を検討)――の5点だ。

 卒前・卒後の一環した医師養成を進めるため、医学教育、医師国家試験、臨床研修の改訂時期を将来的に揃える方針も提示した。

医学教育充実で臨床研修の短縮要望も

 卒前・卒後の一環した医師養成に関連して構成員から出たのは、医学教育を充実させることで、卒後2年間の臨床研修を短縮、あるいは省略できるのではないか、という意見だ。

 福島県相馬市長の立谷秀清氏は、臨床研修に続き、新専門医制度の開始により、さらに3年間研修を行うようになれば、「社会に出る時期がそれだけ遅れる」とし、「医学教育を充実させることにより、臨床研修でやるべき相当部分が、医学教育でこなせるのではないか。専門研修は2年間前倒しができる」と指摘した。

 聖路加国際病院副院長の山内英子氏も、医学教育の充実に伴い、臨床研修が組み込まれれば、「将来的に臨床研修がなくなることもあり得るのか」と質問。厚労省医政局医事課長の武井貞治氏は、「医学教育改革に伴い、当然、臨床研修も変わってくるだろう。シームレスな医師養成を考える中で、しっかり検討していく」と答えた。

 一方で、臨床研修の短縮に慎重姿勢を示したのは、東京大学名誉教授の桐野高明氏。「いかに医学教育を充実させ、診療参加型の臨床実習の時間を増やしても、それでは基本的な診療能力は獲得できず、医療の高度化、複雑化にも対応できない。一方で医師を早く養成すべきという意見もあり、どちらがいいかは相当な議論が必要だろう」と指摘。

 日本精神科病院協会常務理事の森隆夫氏は、「医学生は今、かなり疲弊している。医学教育では、教えることがどんどん増えているので、その中で臨床実習を充実させるとなると、パンクする人も出てくるだろう」と警鐘を鳴らした。

 これに対し、東京大学大学院国際保健政策学教授の渋谷健司氏は、知識面の教育を今のやり方で進めるのではなく、取捨選択して必要最小限の知識に限り、それ以外は医学生が現場で考え、自分で解決策を見いだす教育への転換が求められると提案した。



https://www.asahi.com/articles/ASL2145WZL21UBQU00L.html
病院統合構想の関連予算案、弘前市議会が可決 
佐藤孝之2018年2月1日15時00分 朝日新聞

 青森県弘前市にある市立病院と国立病院機構弘前病院を統合する中核病院構想をめぐり、市議会臨時会が31日開かれ、市が提案した関連予算案など2議案がいずれも賛成14人、反対11人の賛成多数で可決された。これを受け、市は諮問機関を2月中に設け、中核病院と地域包括ケアシステムのあり方を諮問する。

 中核病院構想は、調整役の県が一昨年10月に国立病院機構の主導で整備する案を示し、協議が始まった。しかし、葛西憲之市長が昨年12月、「市が整備、運営の主体になる」と表明し、同時に中核病院を核とした地域包括ケアシステムを構築する方針を打ち出した。

 市がこの日提案したのは、医療コンサルタントへの業務委託料など計978万円の補正予算案と諮問機関設置の条例案。葛西市長は「短命脱却と健康寿命延伸などの課題解決に向け、地域包括ケアシステムの構築とその中心になる中核病院の整備計画を策定するため」と提案理由を述べた。

 ログイン前の続き質疑後の討論で、最大会派「自民・公明・憲政」(12人)を代表して工藤光志議員が「整備の方向性が定まらないことに不安が広がっている。計画を早く示し、国立病院機構などと合意形成しないといけない」と賛成を表明。これに対し、共産党(3人)の千葉浩規議員が「整備、運営の基本方針が明らかにされていない」、無所属の石岡千鶴子議員が「地域包括ケアシステムと中核病院は切り離して考えるべきだ」と述べるなど反対意見も出たが、採決で可決された。

 葛西市長は可決後、報道陣に「丁寧な説明をしたことで、市の取り組みへの理解が進んだと思う。議論が進めば、医師の確保など様々な好影響も出てくる。本日の議論を真摯(しんし)に受け止め、しっかり進めていきたい」と語った。



https://www.m3.com/news/iryoishin/583918
大川がんセンター病院長を更迭、神奈川県立病院機構
土屋理事長「大川病院長に2度辞職を求められた」
 
レポート 2018年2月3日 (土)配信高橋直純(m3.com編集部)

 神奈川県立がんセンターで放射線科医が一斉退職した問題で、センターを運営する神奈川県立病院機構理事長の土屋了介氏は2月2日、記者会見後に、大川伸一病院長を更迭する人事を同日付で発令したことを明らかにした(会見の内容は『神奈川県病院機構、県に真っ向から反論、医師退職問題(2月3日追記)』を参照。)。

2月2日付の人事発令は以下の通り。
金森平和:神奈川県立がんセンター病院長代行(がんセンター企画情報部長)
小林寿光:神奈川県立がんセンター病院長補佐(神奈川県立病院機構みらい臨床研究支援センター長)
大川伸一:神奈川県立がんセンター企画情報部長(がんセンター病院長)
※括弧内は発令前の所属

 がんセンターの病院長は当面の間、不在となる。病院管理者は病院長代行の金森氏が務める。土屋氏は「責任を明確にし、人心を一新し、管理体制を強化すべく、体制整備の第一弾として人事異動を発令した」と説明している。

 2月2日の記者会見では、土屋氏は副知事2人から辞職を求められたことを明らかにしたが、その前段階として、2017年11月に大川病院長から2度、「先生が原因だから辞めてほしい。先生がパワハラをしたから4人が辞める」と言われたことがあると説明した。土屋氏は「(辞めると言っている4人の医師とは)ヒアリングだけで、直接接したことがない」として、全く身に覚えがないと説明している。

 土屋氏によると、辞任を求めた背景として大川病院長は「医師派遣を求めた群馬大と東京大から「土屋理事長が怖いので、やめないと人を出せない」「土屋理事長がいる限り、一月いっぱいで引き上げる」と言われたから」と説明したという。土屋氏が後日、群馬大教授を訪問した際に直接確認したところ、明確に否定されたという。東大についても土屋氏が「『私がやめたらどういう体制で人を出してくれるのか』と聞くと、下を向いてしまった」と説明した。



https://www.m3.com/news/iryoishin/581264
日病会長、「医師は普通の労働者と違う」
産婦人科学会フォーラム、現状を議論
 
レポート 2018年1月22日 (月)配信水谷悠(m3.com編集部)

 日本産科婦人科学会は1月21日、東京都内で「拡大医療改革委員会」兼「産婦人科医療改革公開フォーラム」を開催し、産婦人科医や弁護士らが産婦人科の現状や医師の働き方改革について議論した。講演した日本病院会会長の相澤孝夫氏は「今の働き方改革で本当にいいのか。医師も労働者だが、高度な『知識労働者』。普通の労働者とは違うことを強調しなければいけない」と述べ、医師の特殊性に応じた改革が必要だと強調した。

 相澤氏は、病院の職員は医師を筆頭に、ピーター・ドラッガー の言う「知識労働者」(英語でKnowledgeworker、日本で言う『プロフェッショナル』)であり、労働時間や病院に忠誠を誓うのではなく、成果や達成に対して忠誠心があり、知識・思考を生産手段として問題解決を行うことを生きがいとして仕事をするもの、との考えを披露。その中でも特に医師は高度な知識労働者であって管理を忌避し、成果を出すためには働きがい、やりがいを持って働けるようにすることが大事だと強調した。

 一方で社会的な風潮として労務管理の重要性が高まっている中で、日病会長として各病院を回り、人事部門に「時間外労働が80時間を超えた医師と話をしているか」などと尋ねても、「人事が医師の所へなんて行けない、と答えが返ってくる」と言い、医師に関する労務管理が難しい現状を明らかにした。時間外勤務時間が長くなる要因の一つである当直・日直については、「これを労働時間に入れられたら、(時間外勤務手当の支払いで)病院はお手上げだ」と指摘する一方で、当直明けの勤務の軽減などの対策はすぐにでもできると述べた。

川人弁護士、「5年間猶予は疑問」

 過労死弁護団全国連絡会議幹事長の川人博氏は、東京都内の公的医療機関の産婦人科に勤務していた30代男性医師が2015年7月に自死し、2017年7月に労災認定された件を改めて紹介(『産婦人科後期研修医の自死、労災認定 代理人弁護士「産婦人科医療がそうさせている」』を参照)。その上で、医師の働き方改革に向けて次のような提言をした。

 まず、「とりわけ過労死が出るのは建設業、運送業、そして医師ら医療従事者で、上限規制の例外を設けるのはおかしい。罰則付き上限規制を5年間猶予するのははなはだ疑問だ」と述べ、医師についても労働時間規制をしっかりとかけることを主張。また、医師の増員や医師以外でもできる業務の移譲、応召義務の削除または軽減のほか、「(時間外に説明を求めるなど医師の負担が大きい事例で)患者を聖域に置かずに 適切な対応をすること」や、「医療事故・訴訟に関連するストレスをいかに軽減するか」、「『俺たちの若い頃は…』などと言って長時間勤務を正当化するような医療機関側の意識の改革」などを挙げた。

 総合討論では、川人氏が改めて、「産婦人科は国家的な要請のある分野だ。診療報酬を改善し、産婦人科をやることが医療機関の安定につながるよう学会から厚生労働省に求めてはどうか」と提言。また、診療科の偏在を解消するためには、ある程度、誘導するような制度も必要との見解を示した。

 フロアからは、横浜市立大学の医師が「働き方改革をする前提として、医師は自分がどういう雇用条件で働いているのか、知らないケースが多すぎると思う。そこから始めないと、問題点すらあぶり出されてこない」と提案。宮崎県の県立病院医師が「産婦人科ってこんなに優遇されているよと若手に話しても、興味を示さない。就業の自由をあまり縛るのもどうかと思うが、ある程度国家政策として、数そのものを増やすことも含めてやってほしい」と述べた。

 最後は相澤氏が「『お上がそう言うならそうなのか』という感じで、こうしてほしいというようなことを医療界からあまり言ってこなかった。あれができない、これができないと言うばかりでなく、何をやっていけばいいのか議論して変えていくべきだと考えている」と総括した。



https://www.m3.com/news/iryoishin/582543
マッチングに「研究医育成枠」を検討、臨床研修部会
過去2カ年強、研修医の1.2%が研修中断
 
レポート 2018年1月27日 (土)配信高橋直純(m3.com編集部)

 厚生労働省の医道審議会医師分科会医師臨床研修部会(部会長:桐野高明・東京大学名誉教授)は1月25日、医師臨床研修マッチングにおいて、臨床研修と基礎研究を両立するための「基礎医育成・研修コース」を設置し、一般のマッチング枠・募集定員とは別枠にすることについて議論した。3月中にまとめる、2020年度からの見直しに関する報告書にも盛り込まれる見通し(資料は、厚労省のホームページ)。

 厚労省事務局は研究医養成をめぐる現状の課題として、▽基礎医学系の大学院博士課程入学者に占める医師免許取得者の割合が低下▽基礎医学論文数は、国際的に見て日本は低調であり、基礎研究分野の国際競争力は相対的に低下傾向▽基礎医学研究を行う医師であっても、診療(健康診断等を含む)を行う場合は、臨床研修を修了する義務がある▽臨床研修病院の募集定員については、基礎医学に従事する予定の医師も含め設定されている――と指摘。

 医学部でのMD-PhDコース(医学部在学中から大学院を見越した研究活動をできる)の設置も進んでいるが、臨床研修期間中は研究から離れざるを得ない状況もあることから、「臨床研修と研究をより円滑な形で行き来できる仕組みを構築することが必要」とする見直し方針を示した。

 具体的には、「基礎医学に意欲があり、基礎系の大学院に入学する者(MD-PhDコースを含む)」を対象に、一大学につき原則1人(基準に応じて変更)を基礎枠限定の選考を行い、初期研修と基礎研究を同時にできるようにする案を提示した。48週の選択科目の期間に基礎系の研究室に通うことを認めるというもの。事務局は「臨床的な到達目標を満たす範囲で、研究をしてもらうということ」と説明している。

 順天堂大学学長の新井一氏は「制度が導入されれば基礎系に行くモチベーションが高まるのでは」、和歌山県立医科大学学長の岡村吉隆氏も「どっぷり研修をやっていると基礎への意欲が薄れていく。研修中に基礎の教室に行けるのはすごく良いと思う」と歓迎した。

 一方で、参考人として出席した聖路加国際病院長の福井次矢氏は「臨床研修必修化の前から基礎系に進むMDは減っている。原因は研修制度以外にあるということ。大きな潮流についてアタックしないとだめだと思う」と指摘、理学系の学生も減っているとの指摘もあった。

 3月に提出する医師臨床研修部会報告書にむけて引き続き議論する。

研修医の1.2%が研修中断

 事務局は2015年度から2017年度(7月まで)中に、研修医の1.2%(2006~2009年度は平均1.3%)が研修の中断を経験していると報告。大学病院、市中病院ともほぼ同様の数値だった。

 その理由としては「病気療養」が37.4%、「妊娠・出産・育児」が9.9%、「研修内容への不満」が4.1%、「家族等の介護」が2.4%、「研修体制の不備」が0.3%、「その他」が45.9%だった。「病気療養」では「メンタルヘルス上の事情を有する研修医が多い」、「その他」では「プログラム変更、自己都合及び研修医同士のトラブル等が多く挙げられる」と付記している。

基幹病院「年間入院患者数3000人以上」の是非

 今年度中に提出する「医師臨床研修部会報告書」をめぐっては、基幹型臨床研修病院の要件について再び議論となった。「年間入院患者数3000人以上」が指定基準とされている一方、それに満たない病院については、訪問調査の結果によって指定が認められてきた。3000人以上を満たす病院でも訪問調査が必要ではという意見や、病床の機能分化が進む中で3000人という基準そのものを見直すべきではという意見も出た。



  1. 2018/02/04(日) 10:22:58|
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