Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

Google Newsでみる医師不足 2017年4月30日  

Google Newsでみる医師不足 2017年4月30日
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First 5 in Google in English 

'Unprecedented' doctor shortage at California prison hurting inmate care, audit says
Sacramento Bee‎ - APRIL 27, 2017 3:35 PM (米国 カリフォルニア州)

The inmate diagnosed with coronary artery disease died several months after he ran out of pills from his prescription for a cholesterol drug. He did not get a refill, and he did not see a doctor in the eight months he spent at California State Prison, Sacramento.

The new report, released in late March by the state Office of Inspector General, faulted a “critical shortage” of doctors at the prison and a “seemingly unprecedented ability to recruit and retain” primary care providers.



Nova Scotia doctor shortage worsening as physicians near retirement
Toronto Star‎ - Wed., April 26, 2017 (カナダ ノヴァスコシア州)

HALIFAX—The shortage of doctors in Nova Scotia is worsening as a growing number of physicians near retirement, recruitment levels lag and health needs become more complex, a medical group warned Wednesday.

Nancy MacCready-Williams, CEO of Doctors Nova Scotia, told the legislature’s public accounts committee there are 118 doctor vacancies throughout the province.



Provincial doctor shortage crisis gets political in Kamloops
CBC.ca‎ - Apr 25, 2017 7:00 AM PT (カナダ ブリティッシュコロンビア州)

A family doctor shortage is one of the major election issues dominating the political discussion in at least one B.C. municipality. Kamloops is ground zero for the crisis, where the NDP claim as many as 30,000 patients or one in three people are without a family doctor — a figure also referenced by telemedicine provider, Medview MD.
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Doctor shortage a top election issue in Kamloops
Kamloops This Week‎ - April 27, 2017 (カナダ ブリティッシュコロンビア州)

Ask a provincial election candidate how many people in Kamloops are looking for a family doctor and you'll get an answer somewhere between 17,000 people (B.C. Liberal Kamloops-North Thompson candidate Peter Milobar) and 30,000 (Kamloops-North Thompson NDP candidate Barb Nederpel).

G3註: Kamloops:人口9万、バンクーバーから陸路360km
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Country medical school the key to solving regional doctor shortage, universities say
ABC Online‎ - Wednesday, April 26 at 14:08 (オーストラリア)

Two regional universities are ramping up a bid for their own medical school, saying a new economic assessment backs their claim that doctors who train in rural Australia are more likely to build a career there.



(他に10位以内のニュースは、南アフリカ、カナダ・ブリティッシュコロンビア州(3報)、米国・ニューメキシコ州、からも)


  1. 2017/04/30(日) 09:58:26|
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4月28日 

http://www.yomiuri.co.jp/economy/20170428-OYT1T50067.html
患者少なく市が年10億円補助、市立病院経営難
2017年04月28日 10時38分 読売新聞

 兵庫県川西市立川西病院(東畦野)の経営状況が悪化し、早急な改革が求められる事態になっている。

 医師や看護師数に比べて患者が少ないことに加え、新たに導入した施設や機器も十分に活用できていないのが原因。毎年、約10億円の補助金を出している市の担当者も危機感を募らせている。

 川西病院には現在、内・外・小児科など計13科があり、稼働中の病床は234。医師30人と看護師196人が正規職員として勤務する。

 経営悪化が表面化したのは2015年。14年度決算で、資金不足比率が25・8%に達し、国の経営健全化基準である20%を超えた。このため、経営健全化計画を作成し、総務大臣と県知事に報告しなければならない事態に陥った。

 昨年3月に市がまとめた同計画などによると、09年度初めに33人いた医師が11年度末には20人に減少。処遇改善などで、15年度初めには31人まで戻した。

 この過程で給与費が増えたが、患者の増加策が不十分で医療業務の赤字は09年度の約8億5000万円から、14年度には10億6000万円に拡大。収益に対する給与費の割合も74%と全国の公立病院の平均(56%)を大きく上回った。

 さらに、13年に行った緩和ケア病棟(21床)や無菌治療室の開設、心臓血管撮影装置の導入なども重荷となった。救急患者を断るなどして稼働率が上がらなかったためで、14年度に資金不足比率が急激に悪化した。

 危機感を強めた病院は、「補助金の適正額は2億5000万~3億円」(市担当者)とされる中、約10億円を受けているのに加え、市からさらに約7億円を借り、15年度の資金不足比率を13・8%に下げた。だが、抜本的な改革は行われず、赤字額は約9億7800万円と危機的水準のまま。このため、市が昨年12月に示した新経営改革プラン(16~20年度)でも、約10億円の補助金はなくせないとの見通しが示されている。

 公立病院はかつて、採算の取れない医療サービスを提供する役割があるとして、多少の赤字は許容される風潮があった。だが、総務省は「民間病院が多い都市部では、必要性の乏しい公立病院は廃止・統合を検討していくべきだ」と指摘。07年に経営効率化などを求める公立病院改革ガイドラインを作るなど、厳しい姿勢を示している。(脇孝之)

G3註:一般病床250床 (7:1)、第二次救急医療機関指定,  H27 総収支 △2.66億 (うち繰入金 8.55億)



https://www.m3.com/news/general/514404
高萩協同病院 小児・眼科、月内に休診 子育てに不安の声
2017年3月24日 (金) 茨城新聞

 県厚生農業協同組合連合会(JA県厚生連)が運営する高萩市上手綱の県北医療センター高萩協同病院(高橋良延病院長)は、30日で眼科の外来診療、31日で小児科の診療を終了する。高萩市議会は3月定例会最終日の22日、「地域医療が後退しないように要請する」内容の議員提案の決議を可決し、議長名で県厚生連に要請することになった。

 同病院は2006年4月に現在地に移転新築して開院。13年に泌尿器科が休診となり、現在は内科、外科、整形外科、産婦人科など10科で診療を実施している。小児科と眼科の休診は、現在の小児科医が高齢を理由に引退し、眼科医は所属病院から派遣を受けられなくなったのが原因。

 同病院では1月に眼科、小児科の診療終了を院内のお知らせ掲示板に貼り出すとともに、同病院の広報紙「リフレッシュ」(1月30日)にも掲載して患者らに伝えている。

 一方で4月から常勤の内科医は2人から3人となり外来だけでなく、入院対応が可能になるという。

 陳情は県厚生連労働組合が提出していた。陳情の採択を受けて、議員の決議では「診療体制の縮小につながるような政策方針を改め、公的医療機関として住民のニーズを反映した病院づくりを行うこと」などを求めている。

 同病院の小児科が休診すると、市内には小児科が2医院となり、市民からは「出産―子育ての医療体制」などに不安の声が出始めている。

 市は同病院建設で、06~08年度に建設費5億円、当初5年間の運営費8千万円を負担。医師確保のため10~12年度で計5千万円を補助している。15年度からは国の救急告示病院の機能を持つ公的病院に対する交付金を活用して支援している。(飯田勉)



https://www.m3.com/news/general/524720
滋賀)守山市民病院、経営移行へ 済生会と協議に合意
2017年4月29日 (土) 朝日新聞

 守山市は28日、赤字を抱える守山市民病院(守山市守山4丁目)の経営を全国で病院を運営する「恩賜(おんし)財団済生会」(東京都)に移行する協議を始める、と発表した。病院財政の悪化や、医師の確保が難しいことなどが理由で、来年4月の新病院開設を目指すとしている。

 市民病院は1982年に、私立の病院を引き継いで発足。診療報酬の改定や、医師不足による患者数の減少などから、2016年度の決算見込みで累積赤字が約18億円になるなど、厳しい経営が続いている。

 市役所で記者会見した宮本和宏市長は「最重要課題の医師の確保が思うように進まず、市直営の病院経営は限界だ」と述べた。

 加えて、医師の高齢化や近隣の病院の診療態勢の充実などから、今後も経営の好転が見込めないとし、経営の移行に向けた協議入りを決断した、と説明した。

 新病院は、独立採算制とし、運営形態は今後、済生会側と協議する。内科や外科、小児科などの診療科の堅持▽救急・リハビリ機能の強化▽済生会のネットワークをいかした医師の確保――などを前提として協議を進めることで合意しているという。

 5月に市内で市民向けの説明会を開いて、経緯などを説明する予定。

 宮本市長は「今まで以上に充実した地域医療を提供していただけると考え、経営の移行が最善策だと判断した。市民にもしっかり説明したい」と述べた。(八百板一平)



http://www.medwatch.jp/?p=13515
看護必要度で内科系疾患の評価充実を、看護配置のみでない入院料の評価を検討せよ—日病協
2017年4月28日|2018同時改定 MedWatch

 2018年度の次期診療報酬改定では、一般病棟用の重症度、医療・看護必要度について「内科系疾患の評価を充実」すべきである。また、入院料の設定は看護配置のみでなく、患者の状態像や病棟の機能をも加味してなされるべきであるが、この点については2018年度の次期改定にこだわらず検討すべきである—。

 日本病院団体協議会(日病協)の代表者会議は28日、このような内容の改定要望8項目を決定しました。原澤茂議長(全国公私病院連盟常務理事、埼玉県済生会支部長、埼玉県済生会川口医療福祉センター総長、4月から新議長に就任)と山本修一副議長(国立大学附属病院長会議常置委員長、千葉大学医学部附属病院長、4月から新副議長に就任)が、5月の連休明けに、厚生労働省保険局の鈴木康裕局長に宛てて提出する予定です。

1  病棟群の改善や、DPC重症度係数見直しなど8項目を第1弾として要望
2  病院団体も「患者の状態像や病棟機能を勘案した入医料」の導入に動き出した
3  25対1医療療養、介護医療院などへの円滑な移行のため「最低6年間」の延長を

病棟群の改善や、DPC重症度係数見直しなど8項目を第1弾として要望

 日病協は、全国公私病院連盟や国立大学附属病院長会議、日本病院会、全日本病院協会など13の病院団体で構成される協議会で、主に診療報酬に関する要望活動を行うために、各病院団体の足並みを揃える議論を定期的に実施しています。

 2018年度には診療報酬・介護報酬の同時改定が行われますが、▼控除対象外消費税(いわゆる損税)▼人件費の高騰—により病院経営が厳しい中で、「正しい医療を行う病院が適切に評価される」(山本副議長)診療報酬体系を構築する必要があるとし、28日の会議で次の8つの要望項目を決定しました。今回は第1弾の要望で「総論的」な内容にとどまりますが、10-11月頃に行う第2弾の要望では、より個別・具体的な内容を盛り込むことになります。

(1)入院基本料の評価基準見直しと、病棟群単位の入院基本料届け出の改善

(2)重症度、医療・看護必要度の評価における「内科系疾患」の評価充実

(3)DPCにおける重症度係数の妥当性確保と、他の係数の適切な評価

(4)療養病床の方向性の早期決定と、医療区分の見直し

(5)精神疾患の特性を踏まえた在宅移行の在り方と高齢化対策

(6)特定入院料における包括範囲の見直し

(7)診療報酬の簡素化

(8)ICT推進に向けた診療報酬上の適切な評価

病院団体も「患者の状態像や病棟機能を勘案した入医料」の導入に動き出した

 このうち(1)の前段にある「評価基準の見直し」では、「看護配置だけでなく、患者の状態像や病棟の機能をも加味した評価」を要望する構えです。ただし原澤議長は「では患者の状態像をどう評価するかという対案を検討してきた。例えば、手術直後には高度急性期であろうが、その後、患者が回復してくる状況を踏まえてどう入院料として設定するべきか。また疾患名で状態像を規定しようとしても、同じ疾患でも軽症から重症までさまざまである。対案を病院団体で固めることは難しく、厚生労働省で検討すべきテーマとも考えている。もっとも時間がかかるので、2018年度の次期改定で新評価基準を導入することは現実的には難しいかもしれない。」とし、要望書の中には「2018年度の次期改定にこだわらず、抜本的な見直しを検討すべき」旨が規定されます。

 なお、この日病協の見直し方針は、財政制度等審議会・財政制度分科会で示された考え方とも共通します。また米国では、看護配置をベースとする入院報酬は存在せず、患者の状態像や提供された医療内容に応じて入院報酬が支払われています(関連記事はこちら)。病院団体が、こうした考え方を積極的に導入しようと動き始めている状況に鑑みれば、そう遠くない将来、7対1・10対1といった看護配置をベースとする入院料は廃止され、「どのような患者を受け入れ、どのような医療を提供しているか」を勘案する入院料が導入されると考えられます。これまで以上に、「病院の実力」が報酬に反映されることになるでしょう。

25対1医療療養、介護医療院などへの円滑な移行のため「最低6年間」の延長を

 また(2)の看護必要度については、耳鼻科や皮膚科を抱える地域の総合病院で、7対1入院基本料の施設基準にある「看護必要度の基準を満たす患者(重症患者)割合25%以上」を満たせないところが出てくるので、内科系疾患の評価見直しを求める考えです。

 (4)の療養病棟については、懸案となっている「25対1医療療養」(療養病棟入院基本料2)について、「20対1」(療養病棟入院基本料1)や「介護医療院」(新たに創設される介護保険施設)への円滑な移行・転換に向けて、「介護療養病棟と同じく、最低6年間の経過措置延長が必要である」と要望することになります。

 さらに、(5)の精神医療に関しては、「精神病床入院患者の地域移行をあまりに推進するあまり、社会適応能力などが不十分なまま早期退院を余儀なくされ、結果として病状が悪化し再入院となるケースが多い」ことや、「長期入院患者の多くは高齢者で、認知症や他の合併症を発症している」ことなどを踏まえ、▼「精神疾患患者の個別性を踏まえた地域移行」を実現するための診療報酬上の配慮▼医療・福祉・介護の各分野における精神保健福祉法の切れ目ない支援体制整備―が求められる見込みです。

 また(8)のICT化については、すでにメディ・ウォッチでもお伝えしているとおり、安倍晋三内閣総理大臣などが提唱する「遠隔診療の評価」よりも、▼医療の質向上▼医療情報共有—に不可欠なICT化(例えば電子カルテの整備や維持・更新など)について診療報酬による評価の充実を求めていく考えです。

 

 なお、前述のとおり秋に行う第2弾要望では、より個別・具体的な項目として「病院における薬剤師業務の評価充実」などが盛り込まれる見込みです。原澤議長は、日病協の代表者会議において「院内調剤と院外処方では大きな点数の隔たりがある。薬剤師の初任給が、病院と保険薬局では15万円ほど違う地域もあり、病院薬剤師の確保が困難になっている。2018年度の次期改定で、病院内の薬剤師業務の評価充実を求める声が多い」ことを紹介しています。


  1. 2017/04/29(土) 08:57:57|
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4月26日 

https://medical-tribune.co.jp/news/2017/0425507715/
新専門医制度の整備指針、見直しも 厚労省検討会で座長が見解 〔CBnews〕
CBnews | 2017.04.25 20:05

 新専門医制度で専門医を育成する研修基準などを定めた「整備指針」が見直される可能性が出てきた。24日に開かれた厚生労働省の「今後の医師養成の在り方と地域医療に関する検討会」の初会合で、遠藤久夫座長(国立社会保障・人口問題研究所長)が、見直しが必要であれば「修正もあり得る」との見解を示した。日本専門医機構(吉村博邦理事長)の理事会で修正が必要かどうかを含めて検討する見通しだ。

 整備指針は、新制度で専門医を養成する研修施設の基準などを示すもの。従来の制度では、学会がそれぞれ基準を設けて専門医を養成してきたが、新制度では機構が第三者機関として統一の基準を示すことで、専門医の質の担保を図る。

 機構は当初、2017年度から統一の基準で養成をスタートさせる予定だったが、基準が厳し過ぎ、研修施設が都市部の大病院などに偏るといった懸念が医療界から示されたため、制度の再設計に着手。昨年12月に新たな整備指針を策定していた。

 この日の会合で、機構の吉村理事長が、基準を柔軟に運用できるよう整備指針を見直したことを強調。研修の中核を担う基幹施設については、大学以外の施設でも認定が可能なことや、専門医を目指す専攻医が都市部に集中することを防ぐ方向性などを説明した。

 この説明に対し、委員からは整備指針を含めた制度の見直しを求める意見が相次いだ。基幹施設の大学病院などに若手の医師が集まり、地域医療の現場で医師不足が起きかねないとの指摘に加え、専門医制度以外の方法で医師の技量を磨ける制度の創設を求める意見も出た。

 こうした指摘や意見に対し、吉村理事長は、新専門医制度は法律に基づくものでないことに触れ、「強制ではない」と指摘。「一人前の医師になりたい」と願う専攻医と国民が主役となる制度を目指していることへの理解を求めた。検討会の事務局を務める厚労省は、委員らの意見を集約し、制度の課題や問題点などを機構に伝える方針。次回の会合でも専門医制度が議題となる見通しだ。

(2017年4月25日 新井哉・CBnews)



http://www.asahi.com/articles/ASK4T00NJK4SUBQU012.html
3年超の研修、認める方針 専門医認定で厚労省検討会
野中良祐2017年4月25日07時57分 朝日新聞

 2018年度から開始予定の新専門医制度について議論する厚生労働省の検討会が24日、開かれた。検討会では、原則3年間とされる専門医認定に必要な研修期間について、個々の医師の状況に応じ、長期間にわたる方法を認める方針が示された。

 塩崎恭久厚労相は会の冒頭で「環境変化に柔軟に対応し、国民に良質な医療を連続的に提供することが非常に大事だ」とあいさつ。その後、指導や研修のために医師が都市部の大病院に偏りかねない課題の対策について議論した。

 厚労省側は論点として ①専門医は義務づけではないこと ②地域医療従事者に配慮したカリキュラム制の設置 ③研修の中心は大学病院のみではなく地域の中核病院などであること――の3点を提示。第三者機関として専門医を認定する日本専門医機構の吉村博邦理事長は研修期間について、仕事や生活によって3年間のプログラム制がなじまない医師には、長期間にわたるカリキュラム制での専門医取得を認める方針を明かした。

 医師や学識者のほか、自治体トップらも出席し、立谷秀清・福島県相馬市長は「地方の病院は初期研修を終えた若い医師が支えている。大学病院のプログラムに取られてしまうと、地域医療はもたない」と訴えた。

 専門医制度は、2年間の初期臨床研修を終えた医師が外科や内科、小児科などの基本領域で原則3年間の研修を医療機関で受け、日本専門医機構から認定を受ける。17年度に開始予定だったが、医師が大学病院や都市部の大病院に集中し、地方の医師不足がさらに深刻になるとの心配が高まり、開始は1年間延期されることになった。



https://www.m3.com/news/iryoishin/522080
シリーズ m3.com意識調査
「へき地勤務、多忙を極め、体調を崩しかけた」
医師の地域偏在対策について―医師の働き方改革(4)

レポート 2017年4月25日 (火)配信橋本佳子(m3.com編集長)

◆意識調査の結果解説記事 ⇒ ◆「プライマリ・ケアの担い手は専門医」、年代で差

◆意識調査のページ ⇒ ◆医師の地域偏在対策について―医師の働き方改革(4)

◆へき地勤務の経験あり
・以前、数カ月だけですが、所謂「へき地」の診療所で町で、2人しかいない医師の片割れとして働かせていただいたことがあります。その時の経験は他に代えがたいものであり、多くの先生方にも一度は経験していただきたいと思っています。しかし、期限を定めず、かつ、ただ一人の医師として「へき地」で働くことは、難しいのではないかとも感じました。
 本来ならば都道府県ごとの大学病院が派遣の義務を負うべきなのかもしれませんが、下手な大学病院よりも東京にある有名センター病院や私立病院の方が人を派遣する余力があるとも思います。ですから、地方の大学病院に限定せず、一定規模以上の研修医や専修医を受け入れる教育病院には、継続的な医師派遣を条件付けた上で、研修医や専修医の受け入れを許可する、あるいは補助金を支給するなどの対策が必要ではないかと考えます。また、派遣される医師も、専門医取得後の「御礼奉公」に限定するくらいの方が「よく分からない『へき地』に派遣されるくらいなら、初めから地元の小規模な病院で研修しよう」と考える医師も増えるかもしれませんし。【勤務医】

・医師免許取得から現在に至る17年間、地域医療に従事した経験から申し上げる。地域中核病院への医師派遣強化だけでなく、地域の開業医を含めた地方医師会との連携が必須。地域を支えるのは病院のみにあらず。地域の高齢化は開業医師も例外ではない。高齢化による医療機関閉院によって減少が進むと偏在に拍車をかけるため、後継者(継承開業も含めて)の斡旋などが必要。そもそも人口の少ない地域は利便性にも欠けているため、地域のインフラ整備や人口増加のための経済強化も必要であるため、各地方自治体の経済・商業の活性化も必要と考える。医師が不足している地方都市と都内や政令指定都市とで、診療報酬額の差を付ける(都市部で減額、地方都市で増額)ことも偏在抑制の方法の一つと考える(地方に医師が流出しすぎない程度に)。これを含めて都市・地方自治体によって、新規開業可能な枠数も設定する(都市部で減枠、地方都市で増枠、継承開業については免除)。【勤務医】

・へき地に長い間勤務し、現在は大都市の郊外の病院に勤めていますが、問題は山積です。医師が来ないにはそれなりの理由があります。住民が外部人間を排除しようとする心が狭い問題。公立系、特に県立病院の事務系は全く仕事しなかった(大学病院の方がまし)、行政同士が仲が悪いなどなど……。上司がクラッシャーということも……。とにかく来てくれ!ではダメだと思います。強制されてもモチベーション下がりまくりですから……。現時点では1年限定、その方が僻地住民の嫌なところを見ずに済むし、我慢できるのではないかと思います。【勤務医】

・30年近く、へき地医療に貢献してきたが、子供が小学校でいじめられるのを見て、ここではダメだと思い、現在、都会に出てきている。やはり、ここでも、言葉が違うためいじめられたが、それ以上に文化的な刺激が多く、自分の好きな道を選んでくれているので、それを眺める幸せを得ている。偏在対策と言っても、医師だけの偏在の問題ではなくて、周りがちゃんとフォローできるが重要ではないかと思われる。医師だけに負わせるのは荷が重いと思うが。【勤務医】

・都市部に在住し、地方の病院に毎日通勤しています。仕事に不満はありませんが、通勤距離が長く相対的に拘束時間が長いこと、その分の交通費は考慮してもらえないこと(もちろんカンパニーカーの支給などなく、マイカーの劣化も激しい)を考えると、同じ給与なら都市部で、となってしまうと思います。【勤務医】

・実際にへき地診療を2年間、月1回の割合で行い、本来の病院勤務もこなしていましたが、へき地へのアクセスの悪さと、吹雪などで帰れなくなることもあり、代替診療などのサポート態勢があれば、昔の医局からの出張と同じ感覚でできると思います。へき地診療そのものはさほど問題にするほど難しくないと思います。遠隔診療などの最先端の治療を要求すること自体が、良く分かっていない医者の意見であると思います。【勤務医】

・かつて、へき地勤務を数年間しました。転送に苦労したことや、日々の診療が多忙を極め、体調を崩しかけました。今後は、本当に勘弁です。【勤務医】
・医局に所属していた時に、交代で僻地勤務がありました。1年間で給料が良く、1人で判断することを求められストレスになりましたが、今となっては勉強になった時代でした。【勤務医】
・医療連携が如何にスムーズに取れるかが問題と思う、へき地の診療所で勤務したことがありますが、患者急変時の周辺の病院の受け入れ体制が悪いために苦労しました。【勤務医】

・現在、へき地(離島)で産婦人科開業を一人でやっています。青臭く言えば使命感とやりがいでやれているようなものですが、島からほぼ出かけられないなどの辛さはあります。行政からの支援もあまり満足の行くものではありません。具体的内容は挙げられませんが、綱渡り状態であることは確かです。【開業医】
・へき地に勤務して思うこと、それは「閉塞感」、一時期なら誰しも許容はできると思う。必ず代替者を配置すべき、へき地が好きな人は残ればよいが、恐らくそんな人は少ないでしょう。【開業医】

◆その他
・医師の偏在は、勤務している専門医の偏在(=不足)です。専門医であっても診療所開業となれば、救急医療や急性期入院治療には役に立ちません。課題は専門医の開業を防ぎ、勤務地、勤務先病院をコントロールできるか否かです。対策は病院や医師を公立、公務員化する以外に術はないと思います。民間のままで、専門医は開業禁止!!勤務する専門医は監督機関が割り振ります!!なんて不可能でしょう。仮に専門医が地方勤務を義務付けると想定して、職場を選ぶ自由はある程度残るでしょう。地方基幹病院でも赤字経営なら低賃金でボーナスカットあり、最悪倒産、給与の未払いも起こり得る。一方、黒字病院なら賃金ボーナス安定。この2択で赤字病院への強制配置などあり得ないわけです。ほとんどの医師は黒字病院での勤務を希望するはず。最近の経営状況は基幹病院も7割は赤字経営と推測されます。強制配置されるなら、残り3割の黒字病院にするか、赤字病院勤務中でも給与保証してください。そうしないと医師も強制勤務中にリストラされちゃいますよ。病院大倒産時代の入り口ですから。【勤務医】



https://www.m3.com/news/iryoishin/522081
シリーズ m3.com意識調査
研修・研究機会の担保、高給、期間限定……
医師の地域偏在対策について―医師の働き方改革(4)

レポート 2017年4月25日 (火)配信橋本佳子(m3.com編集長)

◆意識調査の結果解説記事 ⇒ ◆「プライマリ・ケアの担い手は専門医」、年代で差

◆意識調査のページ ⇒ ◆医師の地域偏在対策について―医師の働き方改革(4)

◆偏在解消策として有効な施策は?
複数の施策必要
・地方の給料を上げる。研究費を取りやすく、また研究できる施設や資金を地方自治体が出す。学会参加を奨励し、交通旅費補助。困った症例をすぐに相談できる機会、人を作る。研究グループへ地方病院勤務者も入れる。大学やがんセンター、都市部などの医師ばかりが研究面、人材面、資金面で優遇されないようにする。地方勤務は臨床ばかりでなかなか疑問が解決できず、また資金面も苦しく割りを食っている。【勤務医】

・6カ月などの期間限定で、必ず後任が見つかるとの確約と、赴任中の給与を高額にするということで、ある一定以上の応募者は見つかると思います。私も子どもから手が離れれば、一定期間を確約されるのであれば、地方に行ってもいいと思います。ただし、地方へ行った同僚などの話を聞く限り、夜間だろうが休日だろうがオンコールで呼び出されて、割に合わないという話ばかり聞くので、地方へ行こうという気が萎えてしまいます。【勤務医】

・地方病院が短期のバイトを受け入れやすいような体制とか、地方勤務、国から支給される地方勤務手当のような補助金、都会の医者が休日だけでも地方の当直をしてくれるような仕組み、そういうのがあればと思います。【勤務医】

勤務体制に配慮、生活環境を整備
・基本的な待遇,疲弊しない程度の仕事量(日中、週末、夜間、当直)に加え、週末もある程度以上は研修に出られることの担保。【勤務医】
・住環境、文化的な生活、子どもの教育機会などを犠牲にするに値する見返りがない限り、現状は打破できないと思います。きれいごとでは何も解決しません。現実的な解決策を求めます。【勤務医】
・基本的に職業選択の自由が優先だと思う。都市部に住みながら、新幹線通勤週4日で定時に終わり、給与水準が高いとかなら、需要は多いと思われる。【勤務医】
・地方に行く=救急当番がつらい、専門外でも何でも診ないといけない、が解消されることが大事だと思います。きちんと休みが確保されないことが分かりきっている田舎では働きたくありません。【勤務医】
・地域患者のコンビニ受診を控えてもらう、そして病院全体でのサポート体制。【勤務医】
・人口も偏在しているのに医師の偏在を言っても……。中山間とへき地は異なる。へき地には常勤の医師は要るのか?近くの拠点病院(100~200床の中山間地の病院)から外来勤務だけでいいのでは。今まで通りの医療システムを維持しようとするのは人口が減っている地域では無理。【開業医】

医師養成と関連付け
・地域医療枠で医学部に入学して医師になった人を、各都道府県のへき地医療にもっともっと役立てるべきだと考えます。自治医科大学卒業後の地域医療も、現状より長くすることも検討すべきです。【勤務医】
・専門医数を限定しても、専門を変えて都市部に残留する医師が増えるだけのように思います。今の臨床研修制度が始まってから地域医療が崩壊したように思われ、臨床研修制度改革が必要なのではないでしょうか。【勤務医】
・地方はどうしても医師数が少ないため、総合医が必要です。救急医と総合医がとりあえず必要と思われます。あとは交通のアクセスをよくすれば医師や患者の移動がスムーズになり、専門医もすぐに地方に行けると思います。【勤務医】
・自治医大の卒後義務期間の延長。15~20年。【開業医】

医療面のバックアップ
・これまでの政策・医学教育を鑑みて、無理だと思います。が、あえて言うと、バックアップ体制の構築ではないかと考えます。医療内容が高度化され、一人の医師にできることは限られており、当然かもしれませんが患者さんの方も高度なことを要求してきます。【勤務医】
・地方の医療を担うことになると、孤立的な医療を強いられることが多いので、なかなかその業務に就くのには二の足を踏むことが多いのではないかと思っています。最近の遠隔医療のテクノロジーを駆使することにより、その問題点をある程度カバーすることが可能と思っています。【開業医】

医師派遣の仕組み
・少数の医師で回すにしても、皆が疲弊しないようローテーションは必須。基幹病院とサテライト病院を据えて、グループ診療の採用と得意・専門分野を伸ばし、一般・総合診療力を上げるための研修システムを確立すべきだと思う。【勤務医】
・医局でなくてもいいが、責任を持って医師の勤務地をつかさどる機構が必要。【勤務医】
・医局崩壊しているため、国が医局の代わりとなる機関を作り、若い医師全員でローテーションすべき。【勤務医】

給与でインセンティブ
・報酬を上げる。勤務期間の限定。1年3000万円とか。その県でしか働けないような医師の資格を作るとか。【勤務医】
・(1)医師が来たくなるような、報酬、休日を整えること、(2)医師に対しては「確保」ではなく「招聘」という言葉であること。【勤務医】
・田舎に勤務させるにはそれなりの報酬が必要であり、年収にして5000万円出せばそれなりの人材が見つかりますよ。【勤務医】

◆一定の義務化は必要
・自由開業制度と診療科自由選択制度のままでは、はなはだ困難と考えます。自分の首を絞めると言われることを覚悟で述べます。ギルド的な医師全員加盟の医師会とし、日本で必要とされる各診療科の医師割り振りを任せる。地域配分を任せる制度なら、根本的な解決になるでしょう。ただし、従事する全医師、研究者を含め医師免許保有者の生活を保障することが裏付けとして必要です。60歳まで働けば、老後の生活を保障する制度も必要です。このような制度はドイツで動いていると聞いています。【勤務医】
・憲法違反ですが、強制割り当てしかないでしょうね。医療法人で多数の医師を雇用して派遣するシステムでも構築するしかないでしょうね。【勤務医】

・地域医療の医師不足は猶予のない問題です。生半可な対応では解決できません。大多数の医師からは厳しい非難を受けますが、保険医のある程度の矯正配置(基本的人権には十分配慮しつつ)が必要でしょう。【開業医】
・「国立大学医学部卒業生は、その道府県(またはその周辺県)に10年間勤務することを義務化する」。職業選択の自由を理由に反対する人もいるとは思いますが、医師を選択した時点で職業選択の自由は満たされております。管轄は異なりますが、防衛医大・自治医大の卒業生には、ある程度勤務先の縛りはあります。こうすることで、各都道府県に1カ所以上の国公立医大を設置した当初の目的が果たされるのだと思います。【開業医】

◆政策に問題あり
・研修医制度や専門医研修施設の都市部への集中など、厚生労働省は何を考えているのでしょうか?新規医学部を設立しても、結局女医さんが増えて余計に都市部に医者が増え、心臓血管外科や脳外科や消化器外科などは増えないので意味があるんでしょうか?現在、地方で外科医をしている私としては理解できません、お役所さんの考えることは。【勤務医】

・何を今さらという感がある。医師不足地域があり、医師過剰地域のあることはかなり前から問題になっていた。さらに言うと昭和58年頃には医師過剰時代が問題化され、それ以降、医学部の定員削減が実施されてきた。最近になってそれぞれの事情から医師が地域偏在となったり、特定の科を避けるようになった。 その結果、政府・官僚たちは種種の要因を考慮せず、医学部の定員を増やした。愚かなり!【開業医】



http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/49835?page=2&utm_source=nifty&utm_medium=feed&utm_campaign=link&utm_content=next
認定料目当てに早くも贅沢三昧、日本専門医機構
疑問符だらけの新専門医制度で破綻は免れない?

上 昌広
2017.4.26(水) JB Press

 新専門医制度をめぐる議論が迷走している。この議論をリードしている日本専門医機構が、一部の大学教授たちの利権と化し、地域医療を崩壊させる可能性が高いことを、私は繰り返し主張してきた(参照1、2)。


 最近になって、医療界以外にも、この問題の深刻さを認識する人が増えてきた。

 例えば、4月14日、松浦正人・全国市長会会長代理(山口県防府市長)は「国民不在の新専門医制度を危惧し、拙速に進めることに反対する緊急要望」を塩崎恭久厚労大臣に提出している。

 朝日新聞は4月13日の「私の視点」で、南相馬市立総合病院の後期研修医である山本佳奈医師の「専門医の育て方 地域医療に研修の場を」という文章を掲載した。

不足している産科医の育成を医局が妨害

 山本医師は関西出身。大学卒業後、南相馬市立総合病院で初期研修を行い、今春からは同院で産科を研修することを希望した。しかしながら、福島医大の産科医局出身の男性医師やその仲間が、新専門医制度などを理由に拒み続けた。

 南相馬市長も「福島医大と対立したくない」と言って、彼女を雇用しようとしなかった。最終的に、彼女は産科医を諦め、神経内科医として南相馬市に残った。

 南相馬の産科医不足は深刻だ。ところが、新専門医制度は、医局が部外者を排除する参入障壁として機能した。医局に任せると、こういう結果になる。これでは、何のための専門医制度か分からない。

 日本専門医機構(以下、機構)は、いったん白紙に戻し、ゼロから議論すべきだ。ところが、そう簡単にことは動きそうにない。

 最近、知人から、気になるコメントを聞いた。高久史麿・日本医学会会長が、2016年6月18日に公開されたエムスリーのインタビューで「立ち止まっていたら、きりがなく、財政的にももたなくなる」と語っていたというのだ。

 私は機構の財務資料を探し、友人の税理士である上田和朗氏に分析してもらった。その結果は衝撃的だった。

 平成28年3月末日現在、機構の総資産は3722万円で、総負債は1億498万円。つまり、6776万円の債務超過だ。

 機構は運転資金を得るため、日本政策金融公庫から短期で5000万円、長期で3000万円を借り入れていた。

 なぜ、こんなことになるのだろう。まだ事業が始まる前だ。機構の事業は、そんなに初期投資を要するものではない。

オフィス賃料が大手町の6倍!

 支出を見て驚いた。交通費3699万円。賃料1555万円、会議費463万円もかかっていたのだ。

 ホームページに掲載された機構の理事会の議事録を見ると、参加者の多くは東京在住だ。普通にやっていれば、こんなに交通費がかかるはずがない。

 交通費については、事業開始初年度の平成26年度にも1829万円を使っている。この年度の交通費の当初予算は1万円だった。いったい機構のガバナンスはどうなっているのだろうか。

 賃料も桁違いだ。毎月120万円も支払っている。

 私は事務所の場所を調べた。なんと有楽町駅前の東京フォーラムにあった。超一等地で、ホームページで調べると、賃料は1坪あたり12万6421円となっていた。

 オフィスビルの平均賃料は、1坪あたり丸の内・大手町で2万1500円、浜松町・高輪で1万2864円だ。機構が東京フォーラムではなく、浜松町にオフィスを借りていたら、毎月100万円程度節約できたはずだ。

 一方で、収入に関しては、当初1億2500万円の認定料を受け取る予定だったが、実際に受け取ったのは1688万円だった。入会金も70万円の予定が5万円だった。最大の収入は4600万円の補助金だ。


 収入がないのに、贅沢三昧をやっていれば、お金がいくららあっても足りない。機構は、どう考えていたのだろう。

 平成27年の臨時理事会議事録によれば、「施設認定料10万円(一施設)、専門医認定更新料(従来の学会専門医にさらに上乗せ徴収)、1人1万円で、5年後に黒字化する」と書かれている。

 つまり、新専門医制度を始めれば、認定料で安定した収入が見込め、その収入をあてにして、最初から浪費していたようだ。

専門医研修義務化なければ破綻へ

 彼らが、専門医研修の義務化にこだわったのも、高久先生が「財政的にもたない」と発言したのも宜なるかなだ。このまま新専門医制度が始まらなければ、機構は破綻するしかない。背に腹は代えられない状況に陥っているようだ。

 高久先生は、昨年6月の段階で問題を認識していたのだろう。だから、前出の発言に繋がった。税理士の上田氏は「(2009年に事件化した)漢字能力検定協会の事件を思い出しました」と言う。

 私は高久先生の意見と反対だ。機構の幹部の尻ぬぐいをするため、その乱脈経営をうやむやにして、若手医師や地方の医療機関にツケを回すべきではない。将来の我が国の医療が犠牲になる。

 専門医制度が予定通り進んでいないのは、機構が準備している制度が悪いからだ。「とにかく新専門制度をやることに決めたのだから、やるしかない」という理屈は通じない。

 まずやるべきは、機構の責任者が、これまでの経緯を説明して、責任をとるべきだ。その過程で機構が破綻しても仕方ない。自己責任である。

 それとは別に、専門医育成はいかにあるべきか、広くオープンに議論すべきだ。



http://www.medwatch.jp/?p=13443
新専門医制度、整備指針を再度見直し「専門医取得は義務でない」ことなど明記へ―厚労省検討会
2017年4月25日 MedWatch

 専門医取得は医師の義務ではない。また地域医療に従事する医師が専門医資格を取得しやすくなるようカリキュラム制を設置する。さらに、研修の中心は大学病院のみでなく、症例の豊富な地域の中核病院なども含まれる—。

 こういった点について、新専門医制度の憲法とも言える「新整備指針」を見直し、明確にする方針が、24日に開催された「今後の医師養成の在り方と地域医療の確保に関する検討会」で固まりました。日本専門医機構の理事長である吉村博邦構成員(地域医療振興協会顧問、北里大学名誉教授)も、2018年度からの新専門医制度全面スタートに向けて、5月12日開催予定の機構理事会に新整備指針の修正案を提示したいとの考えを示しています(関連記事はこちら)。

ここがポイント!
1 新専門医制度、自治体などから「地域医療への配慮が不十分」との指摘
2 「専門医取得は義務ではないが、取得が望ましい」と日本専門医機構
3 新専門医制度の法制化などを求める意見も
4 新専門医制度の当面の課題を解決後に、中長期的テーマを議論

新専門医制度、自治体などから「地域医療への配慮が不十分」との指摘

 新専門医制度は、当初、今年(2017年)4月から全面スタートの予定でしたが、「地域・診療科における医師偏在が助長する」との指摘を受け、全面スタートを1年延期(18年4月から)。その間に、さまざまな課題を解決することになっています(関連記事はこちらとこちらとこちら)。

 日本専門医機構は役員構成を刷新し、昨年(2016年)12月には新専門医制度の憲法に当たる「新整備指針」を決定しました。新整備指針では、「新たな専門医の仕組みは、機構と各基領域学会が連携して構築する」ことを明確にしたほか、地域医療への配慮として、▼「大学病院以外の医療施設も、研修施設群の基幹施設となれる」基準を設ける▼機構は、基本領域学会と協働して、医師の都市部への偏在助長を回避することに努める▼専攻医の集中する都市部の都府県に基幹施設がある研修プログラムの定員等については、都市部への集中を防ぐため、運用細則で別途定める▼常勤の専門研修指導医を置くことが困難な場合、研修連携施設に準ずる施設を基幹施設の承認のもと研修プログラムに組み入れることを認める▼機構は、各領域の研修プログラムを承認するに際して、行政、医師会、大学、病院団体からなる各都道府県協議会と事前に協議し決定する—といった点を規定しました(関連記事はこちらとこちら)。

 さらに、各基本領域学会が養成プログラムを策定する際の拠り所となる「運用細則」の暫定版を固めるなど、2018年度スタートに向けた準備を進めてきました(関連記事はこちらとこちらとこちら)。

 しかし12日には全国市長会が、(1)中小病院が危機に陥りかねない(2)医師偏在が助長されかねない(3)医師が診療活動を開始できる時期が遅れる(4)若手医師に医局生活を強いることになる—といった問題点があると塩崎恭久厚生労働大臣に緊急要望。塩崎厚労相も、こうした懸念を払拭した上で新制度を2018年度からスタートする必要があると判断し、本決定会の設置を決定しました。

「専門医取得は義務ではないが、取得が望ましい」と日本専門医機構

 検討会では、▼地域医療に求められる専門医制度の在り方▼卒然・卒後の一貫した医師養成の在り方▼医師養成の制度における地域医療への配慮—の3点を議題としますが、24日の会合では「2018年度に全面スタートする専門医制度と、地域医療の確保とのバランス確保」という目の前のテーマに焦点を合わせた議論が行われました。

 住民に最も身近な自治体である市町村の立場で出席した立谷秀清構成員(相馬市長、全国市長会副会長)は、改めて全国市長会の緊急要望の趣旨を訴えるとともに、▼地域医療に責任を負う自治体関係者を交えずに制度を組み立てるのは好ましくない▼南相馬市では東京から赴任した若手医師が地域医療を支えているが、こういう気概を持った若手医師が専門医資格を取得しやすくなる仕組みとすべき—といった点を強調しました。

 「新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会」の座長も務めた渋谷健司構成員(東京大学大学院国際保健政策学教授)は、「論文執筆などを専門医研修の内容に含めているが、これでは『医学博士』のように内容のない仕組みとなってしまう。国際標準に合致した専門医養成が求められる」と指摘。また「基本領域学会が新専門医制度の理念や整備指針に反した場合の対策を検討しておく必要がある」と提案しています。

 一方、尾身茂構成員(地域医療機能推進機構理事長)は、「自治体や住民、若手医師も巻き込んで制度を構築していくことは、新専門医制度のベースとなるプロフェッショナルオートノミーに反しないと思う」と述べ、より広範な視点で検討することを提案しました。

 こうした指摘を受け、吉村構成員は(a)専門医取得が医師の義務ではない(b)地域医療に従事する医師が専門医を取得しやすくなるようカリキュラム制を設置する(c)研修の中心は大学病院のみでなく、症例の豊富な地域の中核病院なども含まれる—点を明確にする考えを表明しました。この点、例えば(2)のカリキュラム制の設置は、運用細則には記載されていますが、吉村構成員は「新整備指針を改めて見直し、こうした点を明確にする」とメディ・ウォッチにコメントしています。後述する構成員の指摘も踏まえて、早急な新整備指針などの見直しが行われる見込みです。

 もっとも、専門医取得は医師の義務ではありませんが、吉村構成員は「例えば眼科医であれば、眼科の標準的な治療をすべて習得することが望ましい。十分な知識・技術を持たない医師がレーシック手術をして有害事象が生じているケースもあると聞く」と述べ、「専門医取得が望ましい」という点を強調しています。

 なお、ここでプログラム制とは「定められた年限と研修施設で、必要な症例数などを経験し、専門医資格を取得する仕組み」と意味し、カリキュラム制とは「年限や研修施設を定めず、必要な症例数などを経験し、専門医を取得する」仕組みです。カリキュラム制であれば「地域医療に従事しながら、自身の状況にあわせて、5年、10年と時間をかけて専門医資格を取得する」ことが可能ですが、日本専門医機構では「若いうちに集中的に標準的な知識・技術を学ぶことが重要」との考えの下、プログラム制を基本に据えています。今後の新整備指針見直しで、プログラム制とカリキュラム制とをどう組み合わせていくのか、注目が集まります。

プログラム制とカリキュラム制の違い
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新専門医制度の法制化などを求める意見も

 このほか、地域の医療提供体制構築の責任者である都道府県の立場から、荒井正吾構成員(奈良県知事、24日は同県医療政策部長の林修一郎参考人が代理出席)は「研修プログラム認定に当たっては都道府県と協議することになるが、認定後には大学病院などの基幹施設に医師配置が委ねられる。その場合、地域医療とは別の視点で医師を配置する可能性もある。国と地方自治体がしっかりと関与し、医師偏在の懸念を払拭する必要がある」とコメント。

 山内英子構成員(聖路加国際病院副院長・ブレストセンター長・乳腺外科部長)は、「当面は、機構と学会とが連携・協働して新専門医制度を構築し、運用することになるが。学会は学会員のために動く。機構は患者のために動くべきであり、将来的には切り分けを検討すべきではないか」との見解を示しています。

 また立谷構成員は、「プログラム制では、大学病院などの基幹施設での研修が一定期間義務付け、ストレートに進んでも医療現場に出る年齢が遅くなる。その間、社会人としての活動、医師としての活動を相当制限される。そうでれば、地域の代表者も含めて国家的な議論が必要である」とも述べ、新専門医制度の法制化も視野に入れるべきと提言しています。

このように、新専門医制度にはさまざまな指摘がなされていますが、桐野高明副座長(東京大学名誉教授)は、「新専門医制度には50年の歴史がある。これを踏まえて、吉村理事長の下で日本専門医機構が『質の高い専門医の養成』と『地域医療の確保』という難しい課題の両立に向け、1つ1つ改善をしている最中である」と述べ、機構の努力に対する理解も求めています。

新専門医制度の当面の課題を解決後に、中長期的テーマを議論

 今後、検討会では構成員の意見を踏まえて、日本専門医機構がどのような対応をとる方針か報告を受けることになります。

 その上で2018年度スタートに目途が立った暁には、医学部教育から初期臨床研修、後期臨床研修(新専門医制度)、さらに生涯教育の一貫性確保や、地域医療への配慮、さらに立谷構成員が提案する「新専門医制度の法制化」など、長期的な課題について改めて議論してくことになります。新井一構成員(全国医学部長病院長会議会長)や今村聡構成員(日本医師会副会長)、尾身構成員は、「専門医制度に注目しがちだが、医師養成システム全体を見て議論していかなければらなない」と述べ、長期的テーマの重要性を強調しています。



http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/t221/201704/551052.html
シリーズ◎どうなる新専門医制度
ドタバタの延期から1年、新制度はどうなった?
研修の質と地域への影響のバランスを取りつつ弾力化

2017/4/25 加納亜子=日経メディカル

 「地域医療を崩壊させることのないよう、一度立ち止まって集中的な精査を早急に行うべき」。2016年6月7日の異例の厚生労働大臣談話で、開始時期の1年延期が決まった新専門医制度。2018年度のリスタートに向け、日本専門医機構と基本領域の各学会は着々と準備を進めているが、地域医療への影響を懸念する声は根強く残っている。新専門医制度は1年の延期でどのような変化があったのか。現時点で明らかになっている変更点をまとめる。

 当初の予定では、この4月にスタートしているはずだった新専門医制度。先行きに暗雲が立ちこめ始めたのは2016年2月のこと。厚生労働省社会保障審議会医療部会で日本専門医機構理事長(当時)の池田康夫氏らが制度の概要や今後のスケジュールなどを説明したところ、「若手医師の地域偏在がさらに進む」「雇用形態や待遇に関する検討が不十分」といった指摘が相次ぎ、複数の委員から制度開始に「待った」の声がかかったのだ。

 その後、制度への不満や批判の声は鳴り止まず、6月7日に塩崎恭久厚生労働相が冒頭の談話を発出。これが決定打となり、日本専門医機構は制度開始を目前にした7月、開始の1年延期を決定した。さらに、機構自体のガバナンスの不備の指摘に対応する形で、理事を一新した。

 一方、基本領域の3学会(小児科、耳鼻咽喉科、病理科)は、地域医療への配慮について日本専門医機構と確認し、新制度に向けて整備した新研修プログラムを今年4月から前倒しで開始。整形外科、救急科、形成外科は現行制度と新プログラムを併用する形で研修をスタート。それ以外の学会は従来通りの制度での研修を続けている(関連記事)。

多くの課題を抱えた新専門医制度
 1年の延期で、新専門医制度は何が変わるのか。

 機構は制度延期の決定に際し、「新制度の導入に伴い浮き彫りになった課題」として以下の3項目を挙げていた(関連記事)。

新制度の導入に伴い、浮き彫りになった課題

(1)2017年に専門研修を始める医師(専攻医)数は8000~9000人だが、新研修プログラムで示されている各領域の定員の合計数は1万8000~1万9000人程度。多くの診療領域で過去の採用実績と定員の差が大きく、大都市に専攻医が集中する可能性が高い。

(2)診療領域によっては学会が設定する指導医・施設要件が厳しく、指導医数や症例数の不足から、これまで専門医の養成に携わっていた施設が専門研修施設群に入れないという問題が生じている。

(3)サブスペシャリティー領域やダブルボードに関する方針が定まっておらず、それらを決定してから制度を開始すべきという意見が寄せられた。

(日本専門医機構の2016年7月20日会見より)


 その他にも様々な問題が指摘されていたが、この1年、機構はこれら課題の解消に向け、検討を続けていた。まず取り組んだのが制度の骨格となる「専門医制度整備指針」の改訂(2016年12月に公表)。2017年2月には「運用細則及び補足説明」を示した。

 新整備指針でも、制度の基盤となる専門医の定義は「それぞれの診療領域において、標準的医療を提供でき、患者から信頼される医師」と変化なし。そして、機構認定の基本診療領域は、総合診療専門医を含む19領域。サブスペシャリティー領域は計29領域で、その内訳は内科系が13領域、外科系が4領域、その他が12領域と、いずれも変更はない。

 内科や外科は別として、どの基本領域を取得すればどのサブスペシャリティーに進めるのかといった議論に今のところ、進展は見られない。これらについての議論に進展は見られない。また、サブスペシャリティーとして機構が認定するか否か未定の領域数も54領域(細分化した診療領域と思われる25領域と、技術、診断、治療、病名、症状などに関する29領域)と変わりない。

 新整備指針と運用細則などから、現時点において明らかになっている改訂ポイントは主に5つと見られる。(1)基本領域研修の柔軟な運用、(2)サブスペシャリティー領域研修の基本方針、(3)施設基準緩和と定員数調整、(4)都道府県協議会の役割の明記、(5)ダブルボードの考え方――だ。

(1)基本領域研修の柔軟な運用
 新整備指針では「柔軟な運用」を重視。まず基本領域の専門医資格の位置付けについて、「いずれかの取得が求められる」としていた記載を「いずれかの取得が望ましい」と改めた。

 基本領域の研修については、以前は年次ごとに到達目標(習得すべき知識・技能・態度など)や経験症例数、指導体制などを盛り込んだ専門医育成プログラムに沿って研修を行う「研修プログラム制」のみで行うこととしていたが、新整備指針では「領域によっては研修カリキュラム制を認める」方針が示された。

 さらに、地域枠、自治医科大学卒業生などの義務年限を有する卒業生、地域医療に資することが明らかな場合で出産・育児・留学などで合理的な理由があれば、到達目標を定めて質を担保するカリキュラム制での研修を学会の判断で認めることになった。

 また、専門研修中に専攻医が留学や妊娠・出産・育児、病気療養といった特定の理由で研修が困難になった場合には、申請によって研修を中断することができる仕組みを用意。6カ月までの中断であれば、残りの期間に必要な症例などを埋め合わせれば、研修期間の延長を要しないこととなった。また、6カ月以上の中断後に研修へ復帰した場合でも、中断前の研修実績は、引き続き有効とすることを決めた。

 新整備指針ではローテート研修の期間についても変更している。研修の質を担保するために原則として基幹施設での研修は6カ月以上とし、連携施設での研修は3カ月未満にならないよう求めている。ただし、領域によって特殊な研修を積む必要がある場合などには、研修の質が低下しない範囲で3カ月以下でも認めることが示された。

(2)サブスペシャリティー領域研修の基本方針
 サブスペシャリティー領域についても、専門医資格取得の仕組みはプログラム制に限らず、カリキュラム制も認める方針に変更。関連する基本領域学会とサブスペシャリティー領域学会で検討委員会を作り、研修内容の調整などを行い制度設計・運営をすること、研修施設群の形成を必須とはしないことなどを定めた。機構は検討委員会による業務の評価・認定を行う。

 一部のサブスペシャリティー領域と基本領域学会では、経験症例や研修内容に重複があるため、プログラムの相互乗り入れなどの検討も始まっている。

(3)施設基準緩和と定員数調整
 地域医療に悪影響を及ぼしかねないという意見が根強く残っていることから、これまで後期研修医を受け入れていた医療機関が研修施設から漏れないよう、研修プログラムの中核施設となる「基幹施設」の基準を緩和。「大学以外でも基幹施設に認定される基準」にした。そして、専門研修指導医がいれば「連携施設」でも専攻医を採用できる仕組みにするよう求めた。

 常勤の指導医が在籍しない施設での研修も、地域の状況に応じて必要な場合には、期間を限定したり他の専門研修施設から随時適切な指導を受けられるようにするなど、医療の質を落とさない研修環境を整えることができれば可能とした。


 加えて、制度導入による専攻医の大都市集中を防ぐ目的で、5都府県(東京、神奈川、愛知、大阪、福岡)では定員数の上限を定める方針も示した。この定員数の上限は、原則として過去5年の専攻医採用実績の平均値を超えないものとする。

 ただし、都市部の研修施設には地域への医師派遣を担っているところも多いことを踏まえ、地域への医師派遣の実績などを考慮して具体的な数値は基本領域学会と機構での協議により定める。今後、細かい調整が行われることになりそうだ。

 定員数は当面の間は毎年、機構の基本問題検討委員会で見直す。そして、地域偏在を助長するなどの不都合が生じた場合にはさらなる調整を検討するとしている。なお、この上限設定は医師数が減少している診療科(外科、産婦人科、病理、臨床検査)を除外した形で進める。

(4)都道府県協議会の役割
 新専門医制度導入に当たり、地域の実情に合わせた研修施設群の創設、ローテートを含む研修プログラム内容や、各プログラムごとの募集定員の調整、地域枠など義務年限のある専攻医の研修については、機構と学会だけではなく、各自治体や地域の医療機関、大学、医師会による「都道府県協議会」との調整が要る。

 それらを円滑に進める目的で、新整備指針では都道府県協議会の位置づけを明記。各領域の研修プログラムの承認に当たっては「都道府県協議会と事前に協議し決定する」とした。

 各都道府県協議会から提出された研修プログラムへの修正意見は、機構の基本問題検討委員会に諮り、必要に応じて協議した後に最終的に理事会で決定することとしている。都道府県協議会がどれだけ機能するかで新制度スタートに伴う不協和音が増減することになりそうだ。

(5)ダブルボードへの考え方
 2つ目の基本診療領域専門医の取得、いわゆるダブルボードについて、機構の前体制は2015年夏頃に「禁止する予定はないが、それぞれの専門研修を受けて診療実績を積む必要があるため、複数の専門医を取得・維持することは現実には困難だろう」(池田氏)と消極的な姿勢を示していた(関連記事)。これについても、反発する意見が多く寄せられたことから新整備指針では認める方針を明らかにした。

 新整備指針では「基本領域学会の専門医となったものが、その後、他の基本領域学会専門医資格を取得すること(ダブルボード)は妨げない」と記載。その認定基準を記した運用細則では、初期臨床研修を修了し、最初に取得する専門医資格は原則として研修プログラムに所属して取得することを求めるが、次に取得する専門医資格については、「研修プログラム制、研修カリキュラム制のいずれも選択できるものとする」と記した。更新基準については、「各基本領域学会で検討する」こととしている。

 症例経験は以前と同様に、各基本領域の整備基準で登録できる要件を定め、それを機構が認定することになるが、2つ目の専門医資格を取得しやすくするため、「資格取得に必要な経験症例などが重複する場合には、相互で症例数として換算できるようにする」方針も示している。



http://www.nli-research.co.jp/report/detail/id=55570?site=nli
地域医療構想と病床規制の行方-在宅医療の体制づくりが急がれるのは、どのような構想区域か?
保険研究部 主任研究員・年金総合リサーチセンター兼任 篠原 拓也
2017年04月24日 ニッセイ基礎研究所 基礎研レター

■要旨

日本では、疾患を抱えた高齢期の患者の数が増加すると見込まれている。これに伴い、患者の健康寿命を延伸させつつ、医療費の抑制を目指して、病床機能の見直しが図られている。各都道府県は、2017年3月までに地域医療構想を策定した。今後、この構想をもとに、2018年度開始の第七次医療計画の立案が進められる。

本稿では、病床機能の変更を中心に、今後の地域医療の変化について概観することとしたい。


1――はじめに

 日本では、疾患を抱えた高齢期の患者の数が増加すると見込まれている。それに伴って、医療は、従来の、治療による完治を目指すものから、病気が軽減する寛解を目指すものへと変化が求められる。これに伴い、患者の健康寿命を延伸させつつ、医療費の抑制を目指して、病床機能の見直しが図られている。各都道府県は、地域の実状に照らして将来の病床構想を立てるべく、2017年3月までに地域医療構想を策定した。今後、この構想をもとに、2018年度開始の第七次医療計画の立案が進められる。

 本稿では、病床機能の変更を中心に、今後の地域医療の変化について概観することとしたい。1

  1 本稿は、「地域医療構想をどう策定するか」松田晋哉(医学書院, 2015年)を参考にしている。

2――地域医療構想とは

 そもそも地域医療構想とは、どういうものか。まずは、これについて、見ていくこととしよう。

1|将来の医療需要と病床の必要量を推計し、医療提供体制実現の施策を立てる
 地域医療構想としてまとめる事項は、大きく2つに分けられる。1つは、将来(2025年)の医療の必要量。これは、構想区域(原則として、二次医療圏)ごとに、所定の計算式で算定された病床の機能区分(次章にて詳述)別の床数と、在宅医療等の患者数である。もう1つは、目指すべき医療提供体制を実現するための施策。この施策は、例えば、医療機能の分化・連携推進のための施設整備策、人材確保・養成策、在宅医療の充実策などを指す。

 地域医療構想は、都道府県が医療計画2の一部として策定する。この策定を通じて、各医療機関の機能分化が図られる。また、構想の策定、実施を後押しする仕組みとして、地域医療構想調整会議、病床機能報告制度、地域医療介護総合確保基金の仕組みが整備されている。以下、簡単に見ていこう。

  2 医療計画は、医療法第30条の4により、都道府県が定めるものとされている。これまでに、1985年の第一次計画から、数年ごとに策定されてきた。2014年には、第六次計画が策定された。そこでは、メンタルヘルスや認知症の問題の深刻化を受けて、精神疾患が医療提供体制の整備計画の対象として追加された。また、地域包括ケアの推進に向けて、居宅などでの医療体制構築についても、他の疾患・事業と同様、県の数値目標等の記載が求められることとなった。地域医療構想は、医療介護総合確保推進法に基づいて、2015年度から策定することとされている。策定期限は、法律上は2018年3月末であるが、厚生労働省は2016年半ば頃までの策定が望ましいとしてきた。各都道府県は、2017年3月までに策定している。

2|地域医療構想調整会議は、地域医療構想の中身を議論する
 地域医療構想調整会議(以下、「調整会議」)は、地域医療構想を策定する際の、協議の場である。調整会議のメンバーは、地域医療を提供する医師会・病院団体と、医療費の支払側である保険者、地域医療を監督する都道府県。介護関係の検討を要することがあるため、合議内容によっては、介護関係者や介護保険の保険者としての市町村、医療・介護の保険制度を支えてサービスを受ける立場の住民の代表も加わる。そして、地域の患者数や医師数などのデータを、分析・解釈する研究者も加わる。

調整会議には、地域の医療市場を規定する側面がある。このため、医療関係者は大きな関心を持って臨む。ともすれば、議論が具体根拠を欠いたまま、観念的なやり取りに終始しかねない。また、住民の代表は、地域医療の実状がつかみにくく、議論に加わること自体が難しい場合もある。そこで、合理的な議論や決定のために、DPC、NDBデータ等3による、科学的なアプローチが有用とされている。

  3 DPCは、Diagnosis Procedure Combinationの略。診療報酬の包括評価を行うDPC対象病院の医療費等のデータを指す。一方、NDBは、National Databaseの略。2008年から国が収集している、レセプトデータや、特定健康診査等のデータを指す。

3|病床機能報告制度は、病床の現状を把握するための仕組み
 病床機能報告制度は、調整会議の議論の前提として、病床の現状を医療機関から報告するための仕組みである。この制度は、2014年より始まっており、毎年、7月1日時点の病床数を、機能別に報告する。併せて、各病院の、今後の病床の方向性についても、報告してもらうものとなっている。

4|地域医療介護総合確保基金は、地域医療・介護体制の整備費用に充てられる
 地域医療介護総合確保基金は、都道府県が設けるもので、地域医療構想の実現のために、医療従事者の確保・養成、在宅医療や介護サービスの充実などの経費に充てるものとされている。従来より、医療政策の実現には、診療報酬制度が用いられている。しかし、診療報酬は、診療の対価であり、医療体制の整備の評価には用いづらい。また、診療報酬は全国一律のものであり、地域に応じた医療政策は反映させにくい。こうしたことを受けて、2014年に、税負担による基金が設立されている4

  4 基金造成にあたり、費用の2/3は、国が負担することとされた。

3――地域医療構想の策定

 続いて、地域医療構想の策定プロセスを見ていこう。

1|地域医療構想は8つのプロセスを経て策定される
 地域医療構想策定ガイドラインによると、8つのプロセスを通じて、策定を進めていくこととされている。各都道府県は、このプロセスに従って地域医療構想を策定し、報告書として公表している。

図表1. 地域医療構想の策定プロセス
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2|二次医療圏と異なる構想区域を設定した都道府県が5つあった
 上記の3.のプロセスで、構想区域は、原則として二次医療圏であるが、患者の受療行動等を勘案して、別の区分で設定することもできる。今回、都道府県が公表した地域医療構想によると、福島、神奈川、愛知、三重、香川の5つの県で、二次医療圏とは異なる構想区域を設定している。この結果、全国で、344の二次医療圏に対して、構想区域の数は342と、若干異なる結果となっている。
3|各機能別の病床と在宅医療等について、患者数が見積もられ、そこから必要病床数が推計される
 上記の4.~6.のプロセスでは、医療需要の推計を立て、それをもとに必要病床数の推計が行われる。推計にあたり、まず、病床機能を4つに分ける。この機能区分は、DPCデータを用いて行われた5。そして、各機能間の医療資源投入量6の境界線が設定され、患者数の推計方法が定められた。

図表2. 病床機能別病床区分 (在宅医療等を含む)
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 この推計方法に基づいて、各構想区域で、域内の医療機関で発生した症例を、それぞれ、4つの機能区分に分解する7。そして、機能区分ごとに集計して、患者数を推計する。その患者数を、機能区分ごとの病床稼働率で割り算して、必要病床数を割り出す8。併せて、在宅医療等の患者数も推計される。

 なお、慢性期病床の必要数の見積もりにおいては、現在、療養病床9に入院している医療区分110の患者の70%が、在宅あるいは介護施設での医療で対応可能との前提が置かれた。併せて、療養病床の入院受療率の地域差を縮小させることが盛り込まれた。そのために、3つの具体手法が示されている11

図表3-1. 療養病床の入院受療率について地域差の縮小を図るための3つのパターン/図表3-2. 3つのパターンのイメージ
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  5 具体的には、DPCにおける、1日あたり出来高換算コストの分布状況が参考にされた。
  6 入院基本料相当分・リハビリテーション料の一部を除いた1日当たりの診療報酬出来高点数。1点は、10円に相当する。
  7 DPCの医療機関については、患者ごとに、入院日数を4つの機能に分解・集計して、それぞれの医療需要を算出。DPC以外の医療機関については、ナショナルデータベースとして収集されたレセプト(診療報酬明細書)をもとに計算する。
  8 病床稼働率は、ある一時点の病床利用率に、その日の退院患者数を加えたものとして、実績をもとに設定されている。具体的な水準は、高度急性期75%、急性期78%、回復期90%、慢性期92%、とされている。
  pan style="color:#CC0000">9 主として、長期にわたり療養を必要とする患者のための病床のこと。主に、急性期の入院治療を必要とする患者のための病床である一般病床とは、別の概念。医療保険対象の医療療養型病床と、介護保険対象の介護療養型病床の2種類がある。
  10 医療制度上、患者は、24時間持続点滴などを行う医療区分3、(医療区分3以外で)筋ジストロフィーや肺炎などを患う医療区分2、それ以外の医療区分1、の3つの区分に分けられる。
  11 2013年の療養病床の入院受療率(人口10万人あたり入院患者数)は、最小: 山形(81%)、最大: 高知(391%)、中央値: 滋賀(144%)。

4|必要病床数の推計は、病床機能報告制度結果と比較される
 上記の7.と8.のプロセスで、必要病床数の推計結果と、病床機能報告の結果が比較される。

 なお、2015年6月には、各都道府県による地域医療構想の策定の取り組みに先立って、「医療・介護情報の活用による改革の推進に関する専門調査会」(以下、「調査会」)が、2025年の必要病床数の推計結果を115万~119万床程度と公表した。これは、病床の機能分化等をせずに高齢化を織り込んだ場合の152万床程度と比べて、少ない結果であった。この結果は、一部のメディアで、病床の削減目標として取り上げられ、医療関係者を中心に波紋を呼んだ。実際には、あくまで参考値に過ぎない。

4――構想された病床体制と、現状の病床の比較結果

 2017年3月までに、都道府県の地域医療構想が出揃った。これをもとに、病床数を比較してみよう。

1|国全体では、高度急性期・急性期の一部を回復期に振り替え、慢性期病床を減少させる
 各都道府県の報告書をもとに、必要病床数を集計した。高度急性期と急性期が合計で24万床減少、回復期は24万床増加となった。即ち、高度急性期・急性期を、回復期に振り替える内容となっている。慢性期については、7万床の減少となっている。在宅医療等の患者数は、病床数合計の1.5倍となる。介護施設や高齢者住宅を含めて、在宅医療等へのシフトを進めていくことが必要と言える。

図表4. 国全体の病床等の変化
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 なお、上記の集計は、調査会の公表内容とほぼ同じ結果となっている。これは、都道府県が推計の際に、国から提供された「必要病床数等推計ツール」を用いているためであり、当然の結果と言える12

  12 調査会が公表した推計では、療養病床の入院受療率の地域差を縮小させるためのパターンA~Cについて、それぞれ推計値を示している。上記の集計結果は、地域差縮小が一番緩やかに進むパターンCのものと、ほぼ同じ水準となっている。

2|大都市型と過疎地域型で必要病床数と在宅医療等のギャップが大きい
 次に、構想区域を、大都市、地方都市、過疎地域に分けて、それぞれの病床体制を見てみよう。全国342の構想区域を、人口と人口密度により、大都市型、地方都市型、過疎地域型に分類する13

図表5. 構想区域の分類
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 大都市型は、高度急性期、急性期、慢性期の減少よりも、回復期の増加が大きく、全体の病床数は増える。在宅医療等の患者数は、病床数の1.6倍となる。在宅医療等へのシフトが必要と言える。

 地方都市型は、回復期の増加よりも、高度急性期、急性期、慢性期が大きく減少。この結果、全体の病床数も減少。在宅医療等の患者数は、病床数の1.3倍となる。入院患者数の減少が必要と言える。

過疎地域型は、回復期の増加よりも、急性期、慢性期が大きく減少。全体の病床数も減少する。在宅医療等の患者数は、病床数の1.5倍。入院患者数の減少と、在宅医療等へのシフトが必要と言える。
図表6-1. 大都市型の病床等の変化/図表6-2. 地方都市型の病床等の変化/図表6-3. 過疎地域型の病床等の変化

  13 人口100万人以上または人口密度2,000人/km2以上を大都市型、大都市型以外で人口20万人以上または人口密度200人/km2以上を地方都市型、それ以外を過疎地域型とした。なお、人口と面積は、「平成22年 国勢調査」(総務省統計局)による。

5――おわりに (私見)

 病床規制は、構想全体の一面に過ぎない。しかし、従来、病床規制によって、医療の実態(サービスの量や質)が決まってきた経緯もある。特に、この構想では、大都市や過疎地域で、在宅医療等へのシフトが求められることが示唆されている。今後、介護施設や高齢者住宅を含めて、在宅医療の体制づくりを加速させる必要があろう。引き続き、構想実現に向けた取組みに、注目が必要と考えられる。


  1. 2017/04/27(木) 06:11:20|
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4月23日 

https://www.m3.com/news/iryoishin/522066
シリーズ m3.com意識調査
「プライマリ・ケアの担い手は専門医」、年代で差
「プライマリ・ケアの確立の是非―医師の働き方改革(2)」

レポート 2017年4月23日 (日)配信橋本佳子(m3.com編集長)

 m3.com意識調査で、「プライマリ・ケアの確立の是非」をm3.com会員を対象に聞いた果、「確立が必要」との回答が勤務医65.0%、開業医62.2%でともに6割を超え、(1)まずプライマリ・ケアを担う医師を受診、(2)専門診療を必要とする場合にはその紹介で受診、という体制構築についても、賛成が反対を上回る結果となった(「プライマリ・ケアの確立の是非―医師の働き方改革(2)」)。

 その担い手については、「専門医資格取得者に限定すべきではない」との回答が勤務医58.8%、開業医63.0%という結果で、「限定すべき」との回答(勤務医24.3%、開業医17.2%)大きく上回った。日本の場合、臓器別専門医が開業後、診療領域を広げ、プライマリ・ケアの担い手になっている現状を踏まえた結果と言える。

 しかし、これらの回答結果には、年代による差が見られた。回答者数に差があり、直接的な比較はできないものの、20代と60代以上の医師では、プライマリ・ケア確立の必要性(Q1)、プライマリ・ケアの担い手を専門医資格者に限定すべき(Q2)、プライマリ・ケアから専門医への紹介体制の確立(Q3)のいずれについても、支持する意見が全体平均よりも高い傾向が見られた。

 本調査は、厚生労働省の「新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会」が4月6日にまとめた報告書を踏まえて実施。同報告書の中から、外来医療に関連する具体的施策の賛否を質問した(『医学部定員増に歯止め、「偏在対策、成果を出すラスト・チャンス」』を参照)。

◆意識調査の回答ページ ⇒ ◆プライマリ・ケアの確立の是非―医師の働き方改革(2)

Q1.プライマリ・ケア(患者の複数疾患の状況や生活環境、価値観等を理解し、総合的な適切な診断・処方や専門医療への紹介、疾病予防等を行う)を担う医師を保健医療の基盤として確立(医師会員の回答)
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Q2.将来(例えば、10年後)、プライマリ・ケアを担う医師の資格について(医師会員の回答)
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Q3.(1)まずプライマリ・ケアを担う医師を受診、(2)専門診療を必要とする場合にはその紹介で受診、という体制構築について(医師会員の回答)
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【調査の概要】
・調査期間:2017年4月8日-2017年4月14日
・対象:m3.com会員
・回答者数:860人(開業医 : 238人 / 勤務医 : 622人)
・回答結果画面:「プライマリ・ケアの確立の是非―医師の働き方改革(2)」



https://www.m3.com/news/iryoishin/522067
シリーズ m3.com意識調査
「ゲートキーパー機能必要」「制度化は反対」
「プライマリ・ケアの確立の是非―医師の働き方改革(2)」

レポート 2017年4月23日 (日)配信橋本佳子(m3.com編集長)

◆意識調査の結果解説記事 ⇒ ◆「プライマリ・ケアの担い手は専門医」、年代で差

◆意識調査のページ ⇒ ◆プライマリ・ケアの確立の是非―医師の働き方改革(2)

◆「プライマリ・ケアの確立」、基本的に賛成
・専門医制度改革は、いわゆる各科専門医の職業組合(「ギルド」)として専門医集団自体が、個々の構成員(=医師)の質の保証と、地域ごとの必要構成員数のコントロールを、(国など他者からのでは強制ではなく)自立(律)的に行うことが最大の目標と考えます。「職業選択の自由」と言う人がいますが、このことは「職業(=商売)」として成り立つために必須である=その職業を選択する選択する権利に伴う義務です。他方で在宅医療がうまくいかないことや、「救急医療の崩壊」等の原因として、「開業医」を中心として、専門医療へのゲートキーパー機能が働いていないことが大きい。
 これに対する解決策として「プライマリ・ケア(名称は総合診療でも何でも良い)の専門医のみが開業できる」とする法改正があるべきで、その前段階としてプライマリ・ケアを担う医師の専門医化がなくてはならない。
 もう一つの側面としては、病院内でも「専門医」をより機能させるためのゲートキーパーとして救急医/総合診療医が機能する方がベター。医療は本来24時間対応であるべきで、労働環境の適正化により医療安全を担保することからも、労基法の厳正な適応が求められる方向性からも、医師数の再検討が必要。現在が丁度足りていると仮定すると、前記を満たすためには医師数は3倍に増やす必要があるが、これを救急医/総合診療医を中心に増やす方が効率的である。【勤務医】
・いわゆる家庭医のようなプライマリ・ケアの充実も必要と思われるが、施設入所者のプライマリ・ケアを行うべき嘱託医に関しても最低限の質を担保するシステムが必要では?【勤務医】
・英国のGPのシステムでは、地域ごとに各住民の「かかりつけ医」(GP)が決まっていると思います。米国のFamily Physicianの例にもある通り、「二段階システム」にした方がうまく機能すると考えます。「かかりつけ医」→「各診療科専門医」→そして場合によっては、大学病院や地域の総合病院。「かかりつけ医」の養成に関しては、日本医師会のプログラムが既にあります。【勤務医】
・少なくとも開業前にはプライマリ・ケアの研修を必須にした方がいい。介護保険や地域連携も知らないような開業医は一番困る。【勤務医】

・プライマリ・ケアに造詣のある医療者の間では周知の事実ですが、ほとんどの健康面でのトラブルはプライマリ・ケアのレベルで解決可能であり、専門医療を必要としたり、高次医療機関への入院が必要となるのは、コミュニティー全体のほんの数パーセントです。したがって、プライマリ・ケア医を大幅に増やし、専門医を一定数に調整した方が医療資源的の有効活用に適切と思います。とはいえ、かつてのイギリス、サッチャー政権時代にこの制度は一度破綻していますから(CT検査が2カ月待ちとか、虫垂炎の診断が付いたのにオペは半年待ちとか、笑えない事態が多発して崩壊)、Q3((1)まずプライマリ・ケアを担う医師を受診、(2)専門診療を必要とする場合にはその紹介で受診、という体制構築)に関しては慎重に考慮せねばなりません。【開業医】
・プライマリ・ケアを担う医師は必要であるが、現今のように医学の領域が広がると、膨大な知識や種々な手技がその医師に必要となる。したがって、米国のようにどんな分野でも網羅するprimary careが可能な医療施設(病院)も必要と考えられる。上記のように考えると、プライマリ・ケア専門医のみに資格を限定すると、かえって不都合な事例が起こる。また、専門施設に一度患者を送ってしまうと、患者が複数の病気を持っていると最初の病気の診断と治療に偏ってしまう弊害が出ることもある。専門医制度とも絡んで複雑になるので、全てを網羅して検討すべきである。【開業医】
・総合医が日常的な疾患を包括的に見ることができるようになれば、より質の良い医療が提供されることになり、病状が進行する前に未然に防ぐことが可能となり、結果として身近な医療に対する信頼が構築され、安心につながり、好循環に移行される。必ずしも専門医を持つ必要はないが、総合診療に対するアップデートや自己研磨は必要であり、そのための仕組みが求められる。【開業医】

◆「プライマリ・ケアの確立」、基本的に反対
・医師が不足しているわけではなく、医師本来の業務以外の仕事が多い、保険点数が低くて働き・リスクに見合う給料が出せない、人を雇う費用が出せないなどが問題となっているのに、厚労省は問題をすり替えているだけである。現在のプライマリ・ケア+専門医療を行う開業形態で何の問題もない。【開業医】
・患者さんのフリーアクセスを損なうので、プライマリ・ケア医師の制度規定には反対です。プライマリ・ケア能力は資格ではなく、医師としての基本的技能であるので、医学教育の場で徹底してカリキュラム化されるべきです。2年間の研修医カリキュラムでも実地研修されるべきです。私の個人的経験から、専門医の研修はその後(3年目)からでも遅くはないと思います。【開業医】

◆「プライマリ・ケアの確立」、どちらとも言えず

・プライマリ・ケアと専門の間の線引きは時代や場所によって違うでしょう。医療のコンシューマーが情報にアクセスできて選択できることが大切で、医療のフリーアクセスに制限がかかりすぎない工夫が必要だと思う。【勤務医】
・移行期をどうするのか。明確な政府行政の対応がない限り、体制構築は困難と思える。過疎化したところに赴任したり、開業する医師はいないので,強制されるのは誰も好まないと思える。日本の未来像を見据えた展望がない限り、絵に描いた餅のような感じがする。【勤務医】

・医師自身の技術や知識により決めるもので、制度化をすると行政の影響が強くなり、医療のプロとしての自由度が無くなる恐れがあるので制度化には反対であり、専門医療への受診制限は診療科がたくさんあるので、賛成とも反対とも言えない。【開業医】

◆「プライマリ・ケアは専門医」に賛成
・プライマリ・ケアと言えども、現在の研修制度で地域へ出てきて、そのままプライマリ・ケア医してやっていけるでしょうか?大病院で何でも検査でき、スタッフの揃ったところでの研修だけではいかがでしょうか?もっと外に出る研修期間をある程度長くして(現在の1-2週間の研修ではアリバイ作りにしかならない)、また研修時にはある程度長期間、24時間携帯を持ちながら、必須としてやらないと(もちろん当番制で)、医師の免許だけでプライマリ・ケア医だと言われても、、そのような意味では資格は必要かとも思うが……。【開業医】
・専門医志向がこれまで助長されて来ましたが、人を全体で診てその人それぞれ持っている人生観や価値観を理解して適切な診療を紹介することができるジェネラリストの能力を持った医師の育成は、とても重要で必要なことと思っています。【開業医】

◆「プライマリ・ケアは専門医」に反対
・専門医資格化してしまうと今の開業医が大変狭い門となってしまいそうです。第一線で開業している医師はいろいろな患者さんから勉強させてもらっていますので。【勤務医】

・何でも専門医が絶対的ではない。体制を構築することがかえって医師や患者を縛ってしまうことに留意すべきです。プライマリ・ケアの中で固まるのでなく、お互いに意見を言い合える環境を作っていくべきでしょう。【開業医】
・資格があってもレベルの差が大きい。資格がなくても立派にプライマリ・ケアを担っている医師もいる。都会と地方も事情が異なる。医師会も厚労省もどこを見ているのか。眼を閉じているのかと思うことが多い。【開業医】
・初期研修を終わった時点で、基本的なプライマリ・ケアができるべき。プライマリ・ケア自体は専門医とすべきではない。その後の地域医療(より公衆衛生学的観点を持つ)なり、在宅医療のレベルからが専門医。【開業医】

◆「プライマリ・ケアは専門医」、どちらとも言えず
・専門医療機関も専門医が必要、プライマリ・ケア医も専門医が必要となったら、現時点で専門医を取得していない医師は全員引退に追い込まれてしまうので、プライマリ・ケア医に専門資格を求めるのはいかがかと思います。しかし、プライマリ・ケア医も玉石混交なのは確かだと思うので、質の担保が得られる何らかの制度は必要だと思います(原則的に標榜科の専門医が必要で、それが無い場合は、年○単位以上の講習会を義務付けるなど)。【勤務医】
・現在プライマリ・ケア医でなくとも、産業医資格と同じ程度の講習と試験を受け、専門医資格習得者とすればプライマリ・ケアを担う専門医の範囲が広がると思う。【勤務医】
・専門医制度は、地域を支えるプライマリケア制度に真逆の制度。大病院集中をむしろ加速させるだろう。プライマリケアは、非常に幅広い知識を必要とするから、こちらの認定制度を確立させるべき。【開業医】

◆患者の意識改革が必要
・かつて大学病院や地域中核病院に勤務して、今はプライマリ・ケアを中心の医療に携わっている。体制構築に関しては医師よりはむしろ患者さんの意識改革が必要かもしれない。【開業医】
・医療側だけではなく、診療を受ける患者さん側にも分かるようにしなければ混乱するだけ。現場を十分に理解していない机上の理論が最近多すぎる。【開業医】

◆その他
・プライマリ・ケアと言いながら、専門性を示す医者はたくさんいます。プライマリ・ケアと言う名目の内科というのが多い気がします。小外傷なども診れるようにならないと本当のプライマリ・ケアにはならないと思い、プライマリ・ケアを名乗るには、救急科、救命センターでの研鑽を義務とすれば良いのにと思う。救急集中治療分野で働く、プライマリケア専門医の意見です。【勤務医】

・Q2は、「家元制度に天下り」の新たなジッツを作るだけ。Q3は患者の意識の問題で、ここまで勉強しないなら、金で縛るしかないかと思うが、その揚がりが家元制度を肥やすのには反対。【開業医】


  1. 2017/04/24(月) 05:47:04|
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4月22日 

https://www.m3.com/news/iryoishin/522566
シリーズ 社会保障審議会
地域医療構想、「調整会議」の運営に注文
医療部会、「公立病院以外にも改革プラン」との提案も

2017年4月21日 (金) 橋本佳子(m3.com編集長)

 厚生労働省は、4月20日の社会保障審議会医療部会(部会長:永井良三・自治医科大学学長)で、2018年度からの第7次医療計画の策定に向け、改正した省令・告示・通知等を説明した。これらは、「医療計画の見直し等に関する検討会」の検討内容を踏まえたものだが、委員からは第7次から新たに盛り込まれる地域医療構想の実現に向けた調整会議での議論の進め方などについて、質問や意見が出た。

 地域医療構想は、2016年度中に全都道府県で策定を終え、2025年の医療提供体制構築に向けて2017年度からは地域医療構想調整会議での議論が本格化する。

 その進め方のイメージとして、厚労省は毎年秋には「機能ごとに具体的な医療機関名を挙げた上で、機能分化・連携もしくは転換についての具体的決定」するよう求めている(『2017年度下期には「具体的な医療機関名を」、地域医療構想調整会議』を参照)。この「決定」との文言を問題視し、「検討」とすべきと提案したのは、日本医療法人協会会長の加納繁照氏。今秋が病床機能転換等の期限と映りかねないからだ。厚労省医政局地域医療計画課長の佐々木健氏は、調整会議は毎年継続的に開催するものであり、「決定」は何も今年に限らないとした上で、「決定できるところは決定するということ。地域医療介護総合確保基金の活用のため、(病床転換等を行う)具体的な病院名を挙げてもらうことが必要」と説明した。

 同じく調整会議の進め方について、日本医師会副会長の中川俊男氏は、「病床機能報告や医療計画データブック等を踏まえた役割分担について確認」を毎年行う点を質問。佐々木課長は、「病床機能報告制度は、毎年10月に集計するため、直近のデータを使い、議論する場を年度初めに持ってもらう」と説明。

 さらに中川氏は、地域医療構想そのものについて、「一番重要なのは、(2025年に向けて)不足する病床機能を充足させることが目的」などと述べ、「病床削減ではない」と釘を刺した。地域医療介護総合確保基金については、使い勝手が悪いため、「財政当局と交渉してもらいたい」と要望。さらに公立病院については、「新公立病院改革ガイドライン」で、地域医療構想を踏まえた役割の明確化が求められていることから、2016年度内が期限だった改革プランの策定状況を問うとともに、各地域の調整会議でその内容を説明すべきとした。さらに国立病院機構の病院など、自治体立病院以外についても、同様のガイドライン作成を提案した。



http://www.medwatch.jp/?p=13385
医師偏在対策を検討し、早期実行可能なものは夏までに固め医療計画に盛り込む—医療従事者の需給検討会
MedWatch 2017/04/20

 「新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会」(以下、ビジョン検討会)が報告書をとりまとめたことを受け(ビジョン検討会の報告書はこちら)、医師などの需給推計や偏在対策などを議論する、「医療従事者の需給に関する検討会」(以下、検討会)および下部組織の「医師需給分科会」(以下、分科会)が半年ぶりに開催されました。

 医師需給分科会では、当面「医師の偏在対策」を議論し、▼早期に実行可能なものは夏までに具体策を固め、医療計画作成に向けた関連通知などに盛り込む▼法改正が必要な項目については、来年の通常国会提出を視野にいれて検討する—という2段構えの進め方となる見込みです。

ここがポイント!
1  昨年(2016年)の中間とりまとめ後、検討会・分科会は凍結状態に
2  ビジョン検討会報告書や最新データ踏まえて、改めて医師の需給推計を実施
3  ビジョン検討会や中間とりまとめ踏まえ、偏在対策の具体化を検討
4  「規制的手法」、ビジョン検討会では否定しており、具体化されない可能性も
5  偏在対策、早期実行可能なものと、法改正など必要なものと2段構えで検討

昨年(2016年)の中間とりまとめ後、検討会・分科会は凍結状態に

 検討会・分科会には、「いわゆる団塊の世代(1947-51年の第1次ベビーブームに生まれた方)が後期高齢者となる2025年や、その先の人口減少を見据え、医療従事者をどの程度養成していけばよいのかを推計する」というミッションが与えられました。さらに議論の過程で「とくに医師についてミクロ(地域や診療科)の過剰・不足が著しい」といった状況が大きな課題としてクローズアップされ、地域間・診療科間の医師偏在対策も重要なミッションの一つに位置付けられました。

 前者の「医師の需給」については昨年(2016年)6月に中間とりまとめが行われ、「早晩(早ければ2018年、遅くとも2033年)、医師の需給が均衡し、それ以降は医師の供給数が過剰になる」という推計結果が公表されました(関連記事はこちら)。後述するように、「医学部入学定員」をどう考えるかにおいて、極めて重要な意味を持つ推計結果です。


 後者の「偏在対策」については、昨年(2016年)末までに具体案を固め、2018年度からの新たな医療計画を作成するための指針などに盛り込まれる予定となっていました。

 しかし、中間とりまとめ後にビジョン検討会が設置され、そこで「ICTやAIの発展、地域包括ケアの推進など、医療を取り巻く環境の変化を踏まえ、『医療従事者の新しい働き方』『今後求められる医療従事者像』を固め、さらに最新のデータをベースにして需給推計を行うべき」との方針が固められました。検討会・分科会はビジョン検討会の報告書まで「凍結」という扱いになっていたのです。

 今般、ビジョン検討会が報告書を取りまとめたことを受け、20日に開催された検討会と分科会の合同会合では、「凍結」とされた経緯や、報告書そのもの、さらにはビジョン検討会の運営などについて強い批判が多くの委員から出されています。これは、同日に開催された社会保障審議会・医療部会でも同様で、その模様は別途、お伝えいたします。

ビジョン検討会報告書や最新データ踏まえて、改めて医師の需給推計を実施

 いわば「解凍」された検討会と分科会ですが、今後検討・議論すべきテーマは▼報告書や最新データを踏まえた医師の需給推計▼医師の偏在対策―の2点となります。

 前者は、ビジョン検討会の報告書で示された「医師の働き方」や、併せて実施された「医師の勤務実態及び働き方の意向等に関する調査」(いわゆる10万人調査)のデータを踏まえて、新たに医師の需要と供給数を推計しなおすものです。

 昨年(2016年)6月の推計(中間とりまとめ)をもとに、医学部入学定員の臨時増員措置を「当面(2019年度まで)、延長する」ことが決まりましたが、「2020年度以降」の考え方が決まっていません。厚労省医政局地域医療計画課の担当者は、「2018年度前半には新推計を行う必要がある」との考えを示しています。

ビジョン検討会や中間とりまとめ踏まえ、偏在対策の具体化を検討

 このように新推計には比較的時間の余裕があるため、検討会・分科会(主に分科会)における当面の検討テーマは、後者の「偏在対策」となります。ビジョン検討会は「報告書の内容を踏まえ、具体化に向けた検討を行う」よう指示しています。一方、昨年(2016年)6月の中間とりまとめにおいては、次の14項目について偏在対策の具体化を検討することが明確にされていました。

(1)医学部(地域枠の在り方など)

(2)臨床研修(募集定員配分などに対する都道府県の権限強化など)

(3)専門医(都道府県による調整権限の明確化など)

(4)医療計画による医師確保対策の強化(将来的な自由開業・自由標榜の見直しを含めた検討など)

(5)医師の勤務状況等のデータベース化

(6)地域医療支援センターの機能強化

(7)都道府県が国・関係機関などに協力を求める仕組みの構築

(8)管理者の要件(特定地域・診療科で一定期間診療に従事することを、臨床研修病院、地域医療支援病院、診療所などの管理者要件とすることを検討)

(9)フリーランス医師への対応

(10)医療事業の継続に関する税制(地域の医療機関の事業の承継に関し、中小企業と同様な優遇税制について検討)

(11)女性医師の支援(病院における柔軟な勤務形態の採用など)

(12)ICTなどの技術革新に対応した医療提供の推進

(13)チーム医療の推進

(14)サービス受益者に係る対策(かかりつけ医の情報提供など)

「規制的手法」、ビジョン検討会では否定しており、具体化されない可能性も


 厚労省医政局医事課の武井貞治課長は、「ビジョン検討会報告書で示された内容と、中間とりまとめで示された内容とがほぼ重複している」旨を説明。重複がないのは「自由開業・自由標榜の見直し」や「管理者要件」など『規制的手法』に関する部分です。中間とりまとめに向けた検討会・分科会の議論では、日本医師会と全国医学部長病院長会議会長による『医師の地域・診療科偏在解消の緊急提言』の中で、「医師の地域・診療科偏在の解決のためには、医師自らが新たな規制をかけられることも受け入れなければならない」との考えが示されたことを受け、「規制的手法」も検討対象とすることを明確にしていました(関連記事はこちら)。

 一方、ビジョン検討会の報告書では「規制的手段によらず、個々の医師のモチベーションを引き出す方策を講じるべき」との考えを示しています。

 今後の検討会・分科会での議論で「規制的手法」が検討対象となるのか、厚労省は明確にしていません。ただし、検討会・分科会を凍結してビジョン検討会で議論が進められたことや、ビジョン検討会が「本酷暑の内容を踏まえて、具体案を取りまとめるべき」と報告していることなどを考慮すれば、「規制的手法」は検討対象外になるのではないかと推測されます。

偏在対策、早期実行可能なものと、法改正など必要なものと2段構えで検討

 ところで厚労省は、検討会・分科会の議論を、▼早期に実行可能なものは夏までに具体策を固め、医療計画作成に向けた関連通知などに盛り込む▼法改正が必要な項目については、来年の通常国会提出を視野にいれて検討する—という2段構えで進める考えです。上記の14項目(ただし規制的手法を除く)のうち、どれが前者(早期実行可能)で、どれが後者(法改正が必要)なのかは必ずしも明確にされていませんが、(6)の「地域医療支援センターの機能強化」などでは法改正が必要(医療法に機能が定されているため)となります。また(5)のデータベース構築では、技術的に相当程度の時間がかかると考えられます。

 前者の具体策(早期実行可能なもの)が固まった暁には、「医療計画の見直し等に関する検討会」(必要があれば社会保障審議会・医療部会にも)に内容を報告し、了承を得た上で関連通知などが発出されることになります(関連記事はこちらとこちら)。

 なお、(3)の専門医については、新たな検討会(今後の医師養成の在り方と地域医療に関する検討会)で「地域医療に求められる専門医制度の在り方」などを検討することとなっており、また日本専門医機構でも地域医療への配慮方策などが議論されています。検討会・分科会が、これらの検討に先んじて「専門医養成に関する都道府県の権限」などを固めるとは考えにくく、これらの議論を待って(早くてもこれらと並行して)検討を行うことになりそうです。


  1. 2017/04/23(日) 06:45:42|
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4月20日 

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/49774
地方に行きたい医師を拒む"ブラック組織"の罪
JBpress4月20日(木)6時14分

 4月6日、「医師の勤務実態及び働き方の意向等に関する調査」の結果が発表された*1。これは、医師の勤務時間に加えて、勤務地の希望などを詳細に聞いたもので、全国の医師10万人を対象に配布し、1.6万件の回答があった。
 その結果、医師の約半数が地方での勤務意志があることが明らかになった。特に50代以下では、51% (5449/10650)が地方での勤務意志ありと回答した。
 この「地方」の定義は、「東京都23区及び政令指定都市、県庁所在地等の都市部以外」であり、日本の人口の約6割を占める。
 大規模な設備が必要な先端医療や希少疾患の医療は都市部でしか成立しないことを考慮すると、基本的な医療が日本中で提供できることを目標にするならば、十分な数の医師が地方での勤務を希望としていると言える。

医師の流動性を阻害する医局人事

 つまり、医師が希望どおりに勤務地を選ぶことができるならば、地方の医師不足は緩和される可能性がある。では、何がその希望を阻むのか。
 今回の調査では、地方勤務を希望しなかった医師に対して、その理由を聞いている。それによると、全世代を通じて仕事内容、労働環境という回答が多い。加えて、20代の3位、30・40代で5位となった理由が「医局の人事等のためキャリア選択や居住地選択の余地がないため」であった。
 私が注目したいのはここだ。地方の医師不足解消には、医師の流動性を高めることが解決策になる。しかし、医局がその流動性を妨げている可能性がある。
 医局とは、大学の教授を頂点とするピラミッド型の組織である。もともとは、医局は関連病院に医師を派遣するため、一定の流動性を保つ役割を果たしていた。これを根拠に、医局関係者は「医局が地域医療を支えてきた」と主張する。
 しかし実際には、溜め込んだ医師の運用は非効率で、ダブつかせることが多い。その象徴が、医局の本丸たる大学病院だ。このことは、「新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会」座長の渋谷健司先生の投稿*2にも描かれている。
 「大学付属病院での臨床実習に参加した時、私は衝撃的な光景を見た。それは、60代の医者が慣れないオペをし、その横で30代半ばの油が乗った医者が、人工心肺を冷やすために、ただひたすら氷を割る作業をしていたことだ」
*1=http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000160954.html
*2=http://www.huffingtonpost.jp/kenji-shibuya/doctor_work_life_balance_b_15857308.html
 このような、若手医師がする臨床業務と無関係の作業は、患者の車椅子を押す、入院した患者の常用薬のリストを作る、など現在でも枚挙にいとまがない。その原因は、医師が多すぎるからだ。
 医局は、医学生を在学中から勧誘できる。だから、人件費を抑えても大学病院には医師が入ってくる。とはいえ、医師が増えても患者が増えるわけではないから、臨床業務に関係ないような仕事を割り振ることになる。
 民間病院ではこうはいかない。特に昨今は医師・看護師の調達コストが上がっているため、これらの業務を他の医療職で分担するのが普通だ。
 例えば宮城県の仙台厚生病院では医療クラーク(医療事務作業補助者)の活用を進め、千葉県の亀田総合病院では臨床検査技師や薬剤師など、ほかの医療職を柔軟に運用して病棟業務で活用する、などの工夫を行っている。

効率経営と医師の成長を促す地方病院

 極端な話、外科医ならメスを、内科医ならカテーテルや内視鏡を、いかに長い時間持たせることが、医師の生産性を挙げることにつながり、ひいては病院の経営上も必須の命題である。
 近年、このような傾向は変わりつつあった。上記のような事実が知られるにつれ、効率よく臨床経験を積みやすい医局を選ぶ医師や、医局に入らずに研鑽を積むような医師が増加したからだ。
 2008年の初期臨床研修制度必修化を契機に、民間病院が積極的に情報発信を行うようになったこともあり、民間病院の中には症例数が多く若手医師でも豊富な研修を積める施設があることが知られるようになった。
 若手医師のキャリアが多様化したため、自大学の卒業生をただ取り込んでいた医局は、いまや「選ばれる存在」だ。魅力的な研修先を集める医局には今でも医師が集まるし、そうでないところは閑古鳥が鳴く。
 この時代の変化に気づかない医局はブラック化している。
 例えば、九州の某大学では、在学中に医局へ入ることを在学生に「強制」する診療科がある。そんな取り決めに意味はないし、そんな不自然なルールの押しつけがある時点でブラック臭がするが、社会経験のない学生は従ってしまう。
 そのうえで、年に1度の納会では医局から抜け出た医師の名前を挙げて吊るし上げる。辞めた当人は当然欠席しているし、痛くも痒くもないのだが、その場にいる若手医師、学生への恫喝には十分だろう。
 「うちの医局を辞めて○○地方で勤務できると思うな」という言葉を言われた研修医もいる。こうなると、やっていることは反社会勢力と変わらない。
 それに輪をかけたのが専門医制度改訂だ。
 制度改訂によって、専門研修を行える病院の要件項目が増加し、地方の中核病院でも専門研修施設の資格を満たさなくなった。その中には、症例数も豊富で、臨床成績も高く、専門研修の場として若手医師のリクルートに成功していたような病院もある。

時代に逆行する専門医制度改定

 いわば、独自の販路を開拓して利益を上げている農家を、政府に圧力をかけて販路を潰そうとするようなものだ。
 日本専門医機構の吉村博邦理事長は、「地域医療への配慮を分かりやすく示す」と主張している。しかし今回の調査では、多くの医師、特に専門医制度で影響を受ける若手の医師が地方での勤務ができない理由に「医局」を挙げている。
 つまり、医局は地域医療を支える屋台骨ではなく、医師の地方流出を阻む組織である。必要なのは、配慮ではなく、医師の束縛をやめることだ。医局以外の多様な研修先こそが、現場医師の希望をかなえ、さらには地方での医師不足緩和につながる。
 専門医制度は現在、変更へ向けて突き進んでいる。全国市長会、全国自治体病院協議会、さらには署名活動も行われて、反対への声明が出されている。
 日本専門医機構は少し意固地になっているようだが、それは大人げない。今回の調査結果が、新しい専門医制度へどのように反映されるのか、または現場医師の意見など無視して突き進むのか、興味深く見守りたい。
筆者:森田 知宏



http://ibarakinews.jp/news/newsdetail.php?f_jun=14926105357237
神栖2病院統合 済生会増築を決定 協議会
鹿島労災跡に分院

2017年4月20日(木) 茨城新聞

 医師不足で厳しい経営が続く神栖市の鹿島労災病院(同市土合本町)と神栖済生会病院(同市知手中央)の再編統合問題で、県医師会や両病院、県、市などの関係者でつくる再編統合協議会は19日、同市内で会議を開き、統合後の新病院について、神栖済生会を増築して本院とする案に正式決定した。鹿島労災跡には、19床までの診療所を分院として新築する予定で、2018年度をめどに両病院を統合する。神栖済生会の増築時期などに関しては今後検討するという。

 同日の会議で決まった基本構想によると、統合後、神栖済生会は救急医療や入院診療を担う本院とし、約350床の二次救急病院を目指す。鹿島労災の機能も継承し、災害拠点病院としての役割を担う。分院の診療科には内科、外科、整形外科、小児科などの設置のほか、介護福祉施設の併設なども検討する。

 両病院を巡っては、関係者や有識者でつくる「今後の在り方検討委員会」が昨年6月、経営基盤強化や大学などから医師派遣を受けやすい新病院の整備を柱とする報告書を橋本昌知事に提出。新病院の設立案として、(1)神栖済生会の増築(2)鹿島労災跡地に新築(3)中間地点に新築-の3案が示されていた。同8月に協議会を発足し、これまでに3回の住民説明会を開くなどして協議を進めてきた。

 これまでに協議会は、神栖済生会を増築して本院とする案について、概算事業費が最も安い約72億円(他案より約40億円安い)▽高台に立地し、津波が発生するなど災害時にも役割を果たせる▽本院の周辺人口が3案中最も多い▽鹿島臨海工業地帯に近く労働災害対応に適している-などとして最有力としてきた。

 会議は、前回に続き住民代表やコンビナート企業代表が加わり、再編3案の中から神栖済生会を本院とする案に正式に決めた。会議後、協議会長の小松満前県医師会長は「法人の違う病院の統合はハードルが高いが、大きな一歩を踏み出した。連携して地域医療構想の先頭を切ってやっていきたい」と述べた。

 保立一男市長は「救急医療の充実が最大の目標で、医師確保に向け積極的に取り組んでいきたい」とコメントした。

 これまでに、鹿島労災が位置する波崎地区の住民からは、神栖済生会を本院とする案について、「波崎地域の医療が衰退してしまうのでは」「高齢者など交通弱者にとって通院が大変になる」など、病院の存続を望む声も上がっていた。

 また、説明会に参加した住民対象の市のアンケート(回答291人)では、「どの再編案が1番いいと思うか」の問いに対し、神栖済生会の増築案が最多の46・4%で、「コストが最も安く、場所や役割も理にかなっている」「既存施設を有効活用すべき」などの意見も出ていた。 (関口沙弥加)



http://www.asahi.com/articles/ASK4N6RCZK4NUBQU00X.html
医師偏在対策の検討会に不満続出 半年ぶりに議論再開
野中良祐2017年4月20日20時16分 朝日新聞

 都市部や大病院などに医師が集中する、偏在への対策を話し合う厚生労働省の「医師需給分科会」が20日、開かれた。1~2カ月間隔で開催されてきたが、昨年10月から半年間、開かれない状態が続いていた。この間に別の検討会を設けて、同様のテーマの報告書をまとめた厚労省の進め方に有識者の委員から「納得いかない」と不満が続出した。

 分科会は2015年12月から、都道府県が策定する18年度からの医療計画に盛り込む偏在対策をまとめる検討を進めてきた。ところが、昨年10月に医師の偏在対策や勤務の見直しを同様に話し合う「新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会」が設置されて以降は開かれなくなった。

 ビジョン検討会は今月6日、業務分担を進めて新たな職種を設けることなどを提言した報告書を塩崎恭久厚労相に渡した。

 20日にあった分科会では、こうした進め方や報告書の内容に異論が相次いだ。委員の今村聡・日本医師会副会長は「かなり納得できない」と語気を強めた。他の委員も「同感だ」とした上で、「私たちの役割が変わったのか」「なぜビジョン検討会ができたのか。真面目な議論ができない」と不満をあらわにした。

 厚労省は、医師偏在対策を具体化させる際には分科会で議論を深めると説明。委員で上部組織の「医療従事者の需給に関する検討会」の座長を務める森田朗・津田塾大教授は「これまでの分科会の議論を否定するものではない」と話し、理解を求めた。



https://www.m3.com/news/iryoishin/522452
シリーズ 社会保障審議会
医師偏在対策、5月から集中的議論、医療計画に盛り込む
医師需給分科会が再開、法改正も視野に検討

2017年4月21日 (金) 橋本佳子(m3.com編集長)

 厚生労働省の第4回「医療従事者の需給に関する検討会」(座長:森田朗・津田塾大学総合政策学部教授)と第8回「医師需給分科会」(座長:片峰茂・長崎大学学長)の合同会議が4月20日に開催され、医師偏在対策について5月以降、集中的に議論する方針を確認した。法改正を伴わず実行可能な偏在対策は、都道府県が現在策定中の2018年度からの第7次医療計画に盛り込むことが可能なよう検討を進める(「『医師確保対策は“未定”、医療計画の「作成指針」』を参照)。今夏頃にはまとまる見通し。法改正が必要な項目については、2018年の通常国会等での法案提出も視野に入れて検討を行う(資料は、厚労省のホームページ)。

 医師需給分科会は2016年10月以降、「新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会」の設置を機に、議論がストップしていた(『診療科別の「専攻医研修枠」、JCHO尾身氏が提案』、『「医師需給分科会、早急に再開を」、横倉会長』などを参照)。ビジョン検討会がこの4月に報告書をまとめたのを受け、約半年ぶりに議論が再開した。

 具体的な議論は、ビジョン検討会報告書を踏まえて進める。同報告書には、女性医師支援策、地域医療支援センターの実効性の向上、専門医制度と関連付けた対策、都道府県主体の対策など、幾つかの医師偏在対策が盛り込まれている(『医学部定員増に歯止め、「偏在対策、成果を出すラスト・チャンス」』を参照)。

 医師需給分科会は2016年6月の中間報告で、14項目の医師偏在対策を打ち出していた(『偏在対策「強力」に、「医師の働き方ビジョン」も策定』を参照)。ビジョン検討会報告書の対策と重なる部分もあるが、同報告書は「規制的手段」は否定していることから、「管理者要件」(特定地域・診療科で一定期間診療に従事することを、臨床研修病院、診療所等の管理者要件とすること)は検討対象から除外される見通し。厚労省医政局医事課長の武井貞治氏は、次回以降の本分科会で、今後の議論の進め方を示すと説明。

 厚労省は4月24日に、「今後の医師養成の在り方と地域医療に関する検討会」をスタートさせる(『新専門医制度などで新たな検討の場、厚労省』を参照)。その検討課題は、(1)地域医療に求められる専門医制度の在り方、(2)卒前・卒後の一貫した医師養成の在り方、(3)医師養成の制度における地域医療への配慮――だ。

 医師需給分科会とのすみ分けについて、武井課長は、医師需給分科会は、中長期的な医師需給の見通し、医師確保対策、医師偏在対策が論点であり、特に偏在対策が当面の検討課題になる。一方、医師養成検討会は、地域医療との関連で新専門医制度をまず取り上げる。「新専門医制度については、地域医療への配慮が重要になっている」と武井課長は述べ、全国市長会の緊急要望に言及し、日本専門医機構での議論も踏まえて検討を進めるとした(『国民不在の新専門医制度を危惧」、全国市長会』を参照)。

 森田座長は、「医師需給分科会の構成員の立場」と断り、「前向きに議論していくことが必要だが、どこで何を議論していくかが少し錯綜している」と指摘し、各検討の場の結果が矛盾した内容になると混乱を来しかねないため、それぞれの役割をもう少し明確にするよう求めた。さらにビジョン検討会報告書については、「これまで我々が議論してきたことと重なる。筋を通して議論すれば、反映できるのではないか。ただ、財政面についてはほとんど触れていないので検討が必要」と述べた。


会議の冒頭、厚労省医政局医事課長の武井貞治氏は、「医療従事者の需給に関する検討会」と「医師需給分科会」の議論が中断したことについて、「多大な迷惑をかけた」とお詫びの言葉を述べた。

 ビジョン検討会報告書への異論、質問相次ぐ
 もっとも、20日の会議は、ビジョン検討会の位置付けや報告書への異論や質問が相次いだ。同日に開催された社会保障審議会医療部会でも同様だ(『ビジョン検討会の報告書、医療部会で異議相次ぐ』を参照)。

 日本医師会副会長の今村聡氏はまず、医師需給分科会の中間報告書や医師需給推計が、「エビデンスに欠ける」と指摘されていたことを問題視した。同推計では、30~50代男性の労働力を「1」とした場合、女性医師の労働力は「0.8」などとしている。しかし、ビジョン検討会の基礎データを得るために実施された厚生労働科学特別研究「医師の勤務実態及び働き方の意向等に関する調査」では、女性医師は「0.77」だった。

 今村氏は、ビジョン検討会報告書の新専門医制度に言及した記載にも疑問を呈した。日本専門医機構のガバナンスの不十分さなどにも触れているが、ビジョン検討会であまり議論をした形跡がないことから、「こうしたこと書く根拠はどこにあるのか」と報告書作成プロセスを尋ねるとともに、社会保障審議会に「専門医養成の在り方に関する専門委員会」が2016年3月に設置されたものの、5月でストップしていることから、「専門医についてはどこで議論するのか」と質問(『新専門医、予定通り開始せず、2017年度は“試行”』を参照)。

 新専門医制度の関連では、日医常任理事の羽鳥裕氏も、「機構等に確認もせず、こうした文書が出てくることは全く納得できない」と問題視した上で、「(新専門医制度が)来年4月からスタートすることを前提に、日本専門医機構は準備をしている。これはそのまま進めていいのか」と確認。今村氏は同機構の監事、羽鳥氏は同機構の理事をそれぞれ務める。

 武井課長は、ビジョン検討会報告書は、構成員の意見やヒアリングなどで出た意見を踏まえ、何度も修正を重ねた上で報告書をまとめたと説明。女性医師の労働力については、以前は限られたデータに基づく推計であり、今回は1万5677人の回答を集計するなど、サンプル数に相違があるほか、女性医師が就業継続する際の阻害要因、地方勤務意思を調べるなど「従来の調査とは違う」と説明。ただ、新専門医制度のスタート時期については言及しなかった。

 「医師数を増やす必要がない環境作り」は可能か
 ビジョン検討会報告書の内容について、全日本病院協会副会長の神野正博氏は、タスク・シフティング(医師から看護師等への業務移管)、フィジシャン・アシスタントの新設、リフィル処方など、「今まであまり触れられていなかった施策が、『敢えて医師数を増やす必要がない環境作り』の前提となっている」と指摘し、「医師を増やす必要がない環境を作るのかどうか、またこの前提がなかったら、どうなるかについても議論しなければいけない」と求めた。

 全日本病院協会会長の西澤寛俊氏は、「敢えて医師数を増やす必要がない環境作り、というが、現状では医師が少ない」と指摘、「医師の勤務実態及び働き方の意向等に関する調査」の結果について、「今、勤務している医師のアンケート。離職医師がいることを考えることが必要」と求めた。さらに医師の地方勤務意思についても、「今、地方に行くという意思ではなく、将来の意思」であるとし、どんなキャリアを描いているのか、きめ細かな分析を求めた。

 NPO法人ささえあい医療人権センターCOML理事長の山口育子氏、全国自治体病院協議会会長の邊見公雄氏、日本医師会常任理事の釜萢敏氏からも、ビジョン検討会の位置付けなどに関する質問や疑問が出された。



https://www.m3.com/news/iryoishin/522278
シリーズ 社会保障審議会
ビジョン検討会の報告書、医療部会で異議相次ぐ
中川日医副会長、「医療政策過程の大変な事態」

2017年4月20日 (木) 橋本佳子(m3.com編集長)

 厚生労働省は、4月20日の社会保障審議会医療部会(部会長:永井良三・自治医科大学学長)で、「新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会」がこの4月にまとめた報告書を説明したものの、報告書の内容だけでなく、医療行政の議論の進め方そのものにも異論が相次いだ。

 ビジョン検討会は、厚労省の「医療従事者の需給に関する検討会」と「医師需給分科会」の議論を中断して、2016年10月に発足した経緯があり、報告書がまとまった後も、いまだ関係者の理解が得られない状況が続いている(ビジョン検討会報告書は、『医学部定員増に歯止め、「偏在対策、成果を出すラスト・チャンス」』を参照)。

 口火を切り、かつ最も強く異議を唱えたのは、日本医師会副会長の中川俊男氏。「日本の医療政策の形成過程で、大変なことが起きていると思っている。厚労省は今までは、私的諮問機関も含めて審議会を通してきちんとした合意形成過程を経て、医療政策を決めてきた。それにより、公的な国民皆保険が維持されている。しかし、そうしたきちんとした議論、政策の形成過程が今回は大混乱したと考えている。元に戻さないと、大変なことになる。既に私的諮問機関があるのにもかかわらず、それを凍結して非公開の別の私的諮問機関を立ち上げるのはおかしい」と述べ、これまでの議論のプロセスそのものを問題視。

 ビジョン検討会の報告書で、「ビジョン実行推進本部(仮称)を設置し、5~10年程度の政策工程表を作成した上で、内閣としての政府方針に位置付け、進捗管理を行うよう求める」とある点については、「私的諮問機関が、審議会に指示をするのか」と疑義を呈した。報告書の中で診療報酬に言及した記載も列挙し、「私的諮問機関が、診療報酬の方向付けを行っているとしか読めない。このビジョン検討会の報告書に中医協も従うということか」などと問い、同報告書の位置付けを質した。

 厚労省医政局長の神田裕二氏は、これらの質問に対し、「上下関係とか、指示する、しないという関係ではない。会議の性格が違う。ビジョン検討会の構成員は、直接的なステークホルダーというより、有識者であり、今後の医療のあるべき姿や医師の働き方についての提言をまとめた。直接的な政策決定まではビジョン検討会では行わず、具体的な中身は、各ステークホルダーが参加した場で検討する」と回答。例えば、診療報酬が関連する事項については、「検討会の提言の熟度に応じて中医協に諮り、中医協での協議を経て、実現するかどうかを検討する」と説明。「報告書の内容を丸ごと中医協に諮るのか」と中川氏は返すと、神田局長は、「丸ごと諮ることにはならないが、個々の問題については、中医協で検討することになる」と答えた。

 NPO法人ささえあい医療人権センターCOML理事長の山口育子氏も、ビジョン検討会報告書で、「医師需給分科会において、本報告書の内容を踏まえ、その具体化に向けた検討を行い、短期的な方策を精査し、必要な制度改正案を速やかにまとめるべき」としている点に触れ、「かなり上位に立った言い方がされている」と指摘。さらに「ビジョン実行推進本部(仮称)」については、「本当に設置されるのか」などと質した。

 神田局長は、2015年6月にまとめられた「保健医療2035」では、事務次官をトップとし、厚労省幹部で組織する「保健医療2035推進本部」を設置したことから、同様な組織が想定されると説明。各テーマは個別の検討会等で議論、推進本部はその総括的な役割を担うイメージだ。ただ「現実にいつ設置するかは決まっていない」(神田局長)。

 日本病院会副会長の相澤孝夫氏は、ビジョン検討会報告書が今後の医療の方向性の一つとして、「高い生産性と付加価値を生み出す」を掲げた点について、「基本的な物の考え方がおかしい」と強く訴えた。「社会保障は、高い生産性を必要とするのか。国民に安心、満足、豊かさなどを提供するものであり、もともと生産性は低い。高い生産性を求めたら、医療職や介護職に就く人がいなくなる」。

 ビジョン検討会の議論のエビデンス作りの一環として実施されたのが、厚生労働科学特別研究「医師の勤務実態及び働き方の意向等に関する調査」(『医師10万人調査、結果公表!』を参照)。同調査の結果にも、疑義が相次いだ。全国自治体病院協議会会長の邊見公雄氏は、「医師の44%が、今後、地方で勤務する意思がある」との調査結果について、「これは実際に今、地方で働いている人の回答が含まれているデータ」と指摘。自身の経験から地方勤務の意思があっても、実際には赴任しない医師がたくさんいるとし、「現実はそれほど甘くはない。これを信じるほど、お人好しではない」と異議を唱えた。

 「医療従事者の需給に関する検討会」には、「看護職員需給見通しに関する検討会」も設置されているが、本検討会は2015年12月以来、開催されていない。同検討会の座長を務める、東京大学政策ビジョン研究センター特任教授の尾形裕也氏は、ビジョン検討会報告書で、今後の医師等の需給・偏在の在り方について、「人口構成、疾病構造、技術進歩、医療・介護従事者のマインド、住民・患者の価値観の変化等を需給の中・長期的見通しや供給体制に的確に反映」とある点について、「特に看護については、どのように反映させていくのか、中身が書かれておらず、分からない」と指摘した。

 ビジョン検討会は「屋上屋」
 中川氏が「日本の医療政策の形成過程で、大変なことが起きていると思っている」と問題視したのは、ビジョン検討会の設置経緯や位置付けが曖昧のため。神田局長とは、以下のようなやり取りがあった。

 「ビジョン検討会は、私的諮問機関か」と中川氏は質すと、神田局長は「性格としては審議会ではなく、大臣の意を受けて設置したもの。実施に当たっては、関係局が参加する形で、事務局は医政局が担当した。医政局に設定された検討会」と回答。「局長の私的諮問機関か、それとも大臣か」と中川氏が続けると、神田局長は、「大臣と相談し、事務局については医政局が行い、関係局と連携を取りながら進めた」と明言を避けた。

 医師需給分科会については、神田局長が「医政局の検討会」と説明したため、「局長の私的諮問機関を凍結して、屋上屋を重ねるように、新たに非公開のビジョン検討会を立ち上げたことはよかったと考えているのか」と畳みかけると、神田局長は、医師需給検討会の2016年6月の中間取りまとめで、医師の勤務実態調査やビジョンの策定が求められた上、塩崎恭久厚労相も国会答弁で、「基本的な哲学を定めた上で、医師需給推計などを行うべき」と述べていることから、ビジョン検討会を設置したと述べた(『偏在対策「強力」に、「医師の働き方ビジョン」も策定』を参照)。

 中川氏は、「報告書には、ビジョン検討会で議論の形跡がないものが、山ほどある」とも指摘。厚労省医政局医事長の武井貞治氏は、関係団体へのヒアリング、ネット上での議論、報告書をまとめる過程でのやり取りなどを通じて議論をしたと説明。そのほか、前述のように、中川氏は自身が委員を務める中医協でのビジョン検討会報告書の取り扱いも質した。

 「地方勤務意思あり、44%」は本当か
 「医師の勤務実態及び働き方の意向等に関する調査」については、邊見氏以外からも、詳細な質問が複数出た。

 日本赤十字社医療センター第二産婦人科部長の木戸道子氏は、「医師の44%が、今後、地方で勤務する意思がある」との調査結果について、「地方」の定義が、「東京都23区および政令指定都市、県庁所在地等の都市部以外」だっため、「吉祥寺市や三鷹市なども、地方に入るのでは」と指摘したほか、そもそも現時点で地方勤務の医師は、基本的に「地方勤務の意思あり」となるので、都市部勤務の医師の意思を把握する必要があると指摘。さらに(1)当直とオンコールの扱い(待機時間は、勤務時間に含まれていないなど)、(2)女性医師問題については、離職した医師のデータがなく、バイアスがかかった結果になっている――などと指摘し、「報告書をうのみにせず、(議論になるデータ等の)信頼性を担保した上で施策を検討してもらいたい」と求めた。武井課長は、現在離職している女性医師809人分のデータはあるなどと説明、さらに詳細な分析を行う方針を示した。

 連合総合政策局長の平川則男氏は、当直とオンコールを区別して集計していないほか、勤務時間を「診療」と「診療外」に分けて調査しているが、「診療外」に含まれる研究や自己研さんが、「指揮命令系統下であるかどうかが分からない」などの問題点を指摘した。

 4月24日に新たな検討会発足、すみ分けは?
 なお、厚労省は4月24日に、「今後の医師養成の在り方と地域医療に関する検討会」を発足する(『新専門医制度などで新たな検討の場、厚労省』を参照)。日本医師会常任理事の釜萢敏氏が、同検討会の検討課題が、(1)地域医療に求められる専門医制度の在り方、(2)卒前・卒後の一貫した医師養成の在り方、(3)医師養成の制度における地域医療への配慮――となっていることから、関係検討会・審議会との関係を質すと、武井課長は、同検討会は、地域医療の観点から見た専門医制度の在り方について議論する一方、医師需給分科会は中長期的な医師需給、医師確保対策の議論の場であり、当面は医師偏在対策について議論すると説明した。

 全日本病院協会会長の西澤寛俊氏も、日本専門医機構が議論している新専門医制度はプロフェッショナルオートノミーで運営しているものであり、卒前教育は文部科学省、臨床研修については厚労省の部会が議論していることから、「それぞれの専門家が議論しているのに、なぜ新たな検討会で議論するのか。悪い影響を与えないようにしてもらいたい」と釘を刺した。


  1. 2017/04/21(金) 07:07:15|
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4月17日 

https://www.m3.com/news/iryoishin/520407
シリーズ m3.com意識調査
勤務医の半数以上、過去1年で学会発表の経験あり
医師の所属学会数は平均4学会

レポート  2017年4月16日 (日) 高橋直純(m3.com編集部)

 m3.com意識調査「学会、所属数は?参加回数は?」において、所属学会数を尋ねたところ、医師では平均4学会だった。昨年1年間で行った学会発表の回数では、勤務医の半数以上が1回以上していた。

Q 所属している学会の数をお教えください。
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 所属学会数の平均は、医師全体で4.0、開業医で3.4、勤務医で4.2、薬剤師で1.7だった(「9以上」は9とカウント)。

Q 2016年の一年間で 実際に参加した学会(総会・地方会含む)は何回ありましたか。
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 開業医の最多は1-2回で35.9%、勤務医は3-4回で30.8%だった。

Q そのうち発表は何回行いましたか。
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 勤務医と開業医では大きく差があり、勤務医では半数以上が発表を行っていた。

Q 学会の在り方についてご意見があればご記入ください

【会場・場所について】

・専門医維持の規定に学会参加が重視されている体制を、学会に参加できない会員のことも考慮し、Webセミナーでの講習で代替するなどの配慮が必要と考えられる。【勤務医】

・今の病院は僻地というほどではないですが、研修病院が僻地であったときに気が付いたこと:僻地では学会に参加すること自体が困難です。つまり、専門医の維持は困難となり、そもそも取得不可能のことが多いです。学会開催地が地方になるとさらに困難極まります。ホテルの確保も大変。学会の基準が厳しくなればなるほど、僻地医療は崩壊します。(まず学会の重鎮の方々が僻地医療をしてください(笑))【勤務医】

・日帰りができる東京から神戸の間で開催してほしい。日曜日にも開催してほしい。【開業医】

・専門医制度が始まると出ざるを得なくなるので、交通の便がいいところで毎年開催してほしい。【開業医】

・地方から現地に赴くのは大変なので、Web参加できる地方会場を設営してほしい。【開業医】

【数が多すぎる】

・統合したらどうか?特に肝臓や胆嚢や膵臓などは区別する意味が分からない。【勤務医】

・同じような学会が多くあり、違いが分からないものもある。すなわち、学会長になれなかった教授が新しい学会を作って学会長になるので、学会が増える一方なのではないかと感じているのは私だけでしょうか?【勤務医】

・自分で調整すればよいのでしょうが、最近はマイナー系も含めて、一つの科の中でも数が多くなってきています。数を減らして集約的にする、また、ネット社会に対応して、会場に行かずに参加できる学会を作る、または、サテライト会場を都道府県ごとに設けて、それをつなぐ形での学会などもあってよいと思います。【勤務医】

・気管支鏡学会は呼吸器学会に吸収するのが妥当。総会でも演題も少ないし、症例報告が主体になっている。【勤務医】

・似たような系統の学会はできるだけまとまってほしい。あるいは、同時開催を進めてほしい。【勤務医】

【日程について】

・地方ですので、木曜~土曜開催の全国学会は、一人医長だと出席はかなり難しいです。【勤務医】

・なぜ平日ばかりにするのか?勤務医以外は参加するなということか?仕事を休まないと開業医は参加しにくい。患者にも迷惑な平日の学会は減らして土日や祝日、木曜日など医師会のある日にしては。【勤務医】

・私は開業医をしていますので、遠い場所での水曜や金曜日には学会には行けません。土曜午後か日曜の午前まで開催してもらえれば開業医の出席が増えるはずです。また専門医を維持しようと思う人も増えるのでは?【開業医】

【その他】

・日常診療に即役立つような内容、新しいガイドラインの紹介、難しいケースの対応方法など紹介してくれると助かります。【勤務医】

・老齢になると学会は出張の楽しみで、学会よりも美術館や博物館、買い物を楽しんでいます。【勤務医】

・各々が参加したい学会に出席できるように配慮していただきたい。学会の所属の有無とは関係なしに。【勤務医】

・これだけインターネットが発達した時代であっても、やはり一堂に会して対面することで学ぶことも多い。【勤務医】

・総会、地区総会、地方会、県内医会などそれぞれが重複しないような内容であってほしい。【勤務医】

・政府の進めている専門医機構はあまくだり役人の考えたあやしい機構だ。われわれは患者さんのために頑張ってやっている。専門医機構はそれにケチをつけて変えようとしている。学会はそんな専門医機構にこびへつらうことなく、対立してでも日本の医療のために頑張ってほしい。【勤務医】

・より社会全体に医療のあり方を積極的に発信していってほしい。【勤務医】

・専門医の点数稼ぎの場になっているのが残念です。【勤務医】

・(金集めの会という現実は別に)医療というあまりにも広い業界を乗り切るには、専門があってしかるべきなのでしょう。自分の会員を罰するくらいの覚悟を、学会が持っているか?専門を名乗る非学会員を糾弾できるくらいに権威を持てるか?教員や法律家など、専門性の曖昧さがある職業人も同様でしょうか?【勤務医】

・地域医療専門で職場を離れることもできず、認定医の更新も出来ないでいます。そろそろ学会は全部退会してもよいかと考えているところです。【勤務医】

・公に休めるので助かる。【開業医】

【調査の概要】

・調査期間:2017年4月3日-2017年4月12日
・対象:m3.com医師会員
・回答者数:1730人(開業医 : 312人 / 勤務医 : 1077人 / 歯科医師 : 7人 / 看護師 : 31人 / 薬剤師 : 230人 / その他の医療従事者 : 73人)
・回答結果画面:「学会、所属数は?参加回数は?」


  1. 2017/04/18(火) 05:28:44|
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4月16日 

http://www.excite.co.jp/News/column_g/20170415/Postseven_509258.html
日本の現状に即した無駄な医療5つがリスト化、今後増加
NEWSポストセブン 2017年4月15日 16時00分 (2017年4月15日 16時33分 更新)

 現役医師が自らの手で、現代医療に蔓延る「過剰診療」、「無駄な医療」の内部告発に乗り出した。それがチュージング・ワイズリー(賢い選択)だ。2012年に米国の内科専門医認定機構(ABIM)財団が「不要かもしれない過剰な検診や、無駄であるばかりか有害な医療を啓発していこう」と呼びかけたキャンペーンだ。
 その活動は拡大し、現在は全米74の医学・医療の専門学会が協力し、400以上の「無駄な医療」を指摘している。例えば、「前立腺肥大の検査をするのはほとんど無意味」、「心筋梗塞などの予防のための冠動脈CT検査は無駄」などだ。
 この活動は今やカナダ、ドイツ、イタリアなど17か国に広がり昨年10月には日本でも『チュージング・ワイズリー・ジャパン(以下、CWJ)』が立ち上がった。発起人となった七条診療所所長で佐賀大学医学部名誉教授の小泉俊三氏のほか、約20人の現役医師や医療専門家が名を連ねている。
 これまで世界に公表されてきた「無駄な医療」は、米国の学術団体によるものだけだったが、CWJ発足を契機に“日本発の項目”も出始めている。
 CWJメンバーの徳田安春医師が世話人を務める日本の総合診療指導医の勉強会「ジェネラリスト教育コンソーシアム」が、米国やカナダの学会がまとめた提言を検証し、日本の現状に即した5つの「無駄な医療」を指摘した。

【1】無症状の健康な人にPET(陽電子放射断層撮影)検診は勧めない

【2】無症状の健康な人に腫瘍マーカー検査は勧めない

【3】無症状の健康な人に脳MRI検査は勧めない

【4】自然に治る腹痛(非特異的腹痛)に腹部CT検査は勧めない

【5】医学的適応のない尿路カテーテル留置は勧めない

【1】~【4】は健康診断や人間ドックにも含まれており、まさに“健康な人”が受けている検査だ。…


CWJメンバーで、総合診療医の岸田直樹氏が指摘する。
「【1】~【3】は誤って陽性だと診断してしまう“偽陽性”のケースが多数報告されており、過剰診療に繋がってしまう。PET検診や腫瘍マーカーはそれ自体では、がんを明確に発見することができず、“がんの可能性がある”と診断した結果、胃カメラや造影剤を用いたCT検査を受けたが、結局何もなかったというような事態が少なくない。これらの検査は症状が出たり、無症状でも家族歴がある人が行なうものです。
 同じく脳MRI検査で、数ミリ単位の小さな脳動脈瘤を発見したとする。無症状なら通常は放置しておくサイズだが、存在を知った患者が治療を懇願し、結果的に『コイル塞栓術』などリスクの高い手術を選ぶケースもある」
 コイル塞栓術とは、動脈瘤にコイルなどの人工的な物質を詰めることで破裂を防ぐ治療法。その過程で医療ミスによる脳内出血を招くなどのリスクが伴う。
【4】のCT検査は医療被曝リスクを考慮して摘示された。世界のCTスキャン保有台数の国別ランキングを見ると、日本は人口100万人当たりのCTスキャン保有台数が1万3636台でトップになっている。【5】の尿路カテーテル留置だが、患者は感染症リスクを負うことになる。「医学的適応のない」とは、治療目的ではなく、「看護しやすくなる」など“医療サイドの都合”を指すもの。
 そうした検査は病気の早期発見に繋がる可能性もあるが、それ以上に過剰診療、医療ミスや合併症などのリスクの方が高いとCWJは判断し、「無駄な医療」と指摘した。「現在は5項目しかありませんが、日本に約120あるすべての学会に『無駄な医療リスト』の作成を要請していくつもりです。6月に開かれる日本医学会のシンポジウムでも、CWJについて議論されます。日本独自のリストは、今後確実に増えていくと思います」(前出・小泉氏)
 CWJでは、日本独自項目の啓発を行なうと同時に、すでに米国で報告されている項目の中から日本人にも有益だと思われるものを翻訳し、ホームページ ( http://choosingwisely.jp/ ) 上で公開している。
※週刊ポスト2017年4月21日号



https://www.m3.com/news/iryoishin/520446
シリーズ m3.com意識調査
「外来は供給過剰」、開業医の68%
「外来医療の最適化の是非―医師の働き方改革(1)」【回答結果】

レポート 2017年4月15日 (土)配信橋本佳子(m3.com編集長)

 開業医の68%、勤務医の59%は、自身の勤務地域の外来診療は「過剰」(診療科のほぼ全て、半数程度、一部の合計)と考えていることが、m3.com意識調査「外来医療の最適化の是非―医師の働き方改革(1)」で明らかになった(Q1-1)。地域ブロック別に見ると差があり、「過剰」が最も多いのは、近畿、次いで九州、北海道の順(Q1-2)。一方、東北では「過剰な診療科がない」との回答が半数近くを占めた。

 外来医療の需給ギャップを把握し、「見える化」を進める施策は、勤務医では「必要」との回答が「不要」の4倍、開業医でも2倍に上った(Q2)。

 地域の医療機関が連携して取り組む外来医療を定額支払い制(重複検査・投薬や医療ミスの回避などを目的に、病医院が自発的に連携し効率的な体制を構築した場合、参加施設全体のメリットが生じる支払方式)で評価することについては、「賛成」が、勤務医は計68%、開業医では計49%を占めたものの、容易ではない、もしくは困難とする回答が大半だった(Q3)。

 日本の医療制度は現在、自由標榜制だが、「患者の選択に資する標榜」とする施策については、勤務医で最も多かった回答は「賛成(専門医制度とリンク)」で35%を占めた。これに対し、開業医では、「賛成(専門医制度とのリンク以外の方法で)」、「賛成(専門医制度とリンク)」、「反対」が拮抗する結果となった(Q4)。

 本調査は、厚生労働省の「新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会」が4月6日にまとめた報告書を踏まえて実施。同報告書の中から、外来医療に関連する具体的施策の賛否を質問した。

◆意識調査の回答ページ ⇒ ◆「外来医療の最適化の是非―医師の働き方改革(1)」

Q1-1.外来医療(病院、診療所を問わず)について、ご自身の勤務地・居住地で「供給過剰」と思う診療科はありますか【勤務医、開業医別】。
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Q1-2.外来医療(病院、診療所を問わず)について、ご自身の勤務地・居住地で「供給過剰」と思う診療科はありますか【地域ブロック別】。
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Q2.各地域の外来医療の体制について、「需給ギャップ」(外来ニーズと医師数のギャップ)を把握し、「見える化」する仕組みは必要とお考えですか。
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Q3.外来医療に定額払い(重複検査・投薬や医療ミスの回避などを目的に、病医院が自発的に連携し効率的な体制を構築した場合、参加施設全体のメリットが生じる支払方式)の導入について
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Q4.自由標榜制を改め、患者の選択に資する標榜にすることについて
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【調査の概要】
・調査期間:2017年4月7日-2017年4月13日
・対象:m3.com医師会員
・回答者数:1096人(開業医 : 249人 / 勤務医 : 649人 / 歯科医師 : 7人 / 看護師 : 19人 / 薬剤師 : 134人 / その他の医療従事者 : 38人)
・回答結果画面:「外来医療の最適化の是非―医師の働き方改革(1)」



https://www.m3.com/news/iryoishin/520740
シリーズ m3.com意識調査
「日本の外来はクレイジー」「自由標榜、制限を」
「外来医療の最適化の是非―医師の働き方改革(1)」【自由意見】

レポート 2017年4月15日 (土)配信橋本佳子(m3.com編集長)

◆意識調査の結果解説記事 ⇒ ◆「外来は供給過剰」、開業医の68%」

◆意識調査のページ ⇒ ◆「外来医療の最適化の是非―医師の働き方改革(1)」

Q5.その他、外来医療の在り方について、ご意見、提言などがあればお書きください。

◆外来医療、過剰?不足?
・基幹病院では外来制限が必要と思います。【勤務医】
・病診連携による病院の外来抑制が必要。【勤務医】
・診療所は供給過多な地域はあると思う。救急医療に対応できる病院は足りない印象。【開業医】
・不要な投薬を防ぐ工夫をしてほしい。有効性に疑問のある薬剤の中止も含めて。【開業医】
・(1)時間外、救急に対して報酬を考慮していただきたい、(2)過剰な医療機関の密度の是正は、行政が何らかの形で関与が望ましい。地区医師会の新規開院のヒアリングに今後も任せてよいか疑問?【開業医】

・結構忙しいので、供給過剰ではないように思います。【勤務医】

◆外来医療、報酬は十分?不足?
・開業医が儲かる仕組みをやめましょう。技術の高い専門医を評価しないと診療レベルが上がりません。開業しても技術がないと稼げないようにするべきです。【勤務医】
・がんの薬物療法をやっており、外来診療を拡大させたいところであるが、入院での利益も増やしたい病院の思惑があり、外来の実施体制の整備の優先度が低い。新規薬剤は外来で投与できることが多いが、管理も難しくなっており、「患者数×管理難易度×予後改善による治療期間の長期化」=無限大、になりつつある。何とかしてほしい。【勤務医】

・欧米に比べて安すぎる初診料、再診料を少なくとも500円、3000円くらいに引き上げて、予約制でも外来が成り立つようにすべき。そうでなければ、労働基準法に準じた勤務体制での良好な医療経営は、不可能です。いつまで医者、医師会の良心に任せた過剰労働体制を続けるのでしょうか?欧米の医者からは、「日本の外来体制はクレイジー」だと言われています。【開業医】
・診療費が低いため、患者自身にもきちんと医療を受けるという意識が低いのではと思います。診療費を上げて、患者自身が金額に見合ったきちんとした医療を受けようという考えを持つことが必要ではないかと思います。診療費が上がれば、一人の医師が診療する必要がある人数が減り、今のような3分診療ではなく、時間をかけた診療も可能になり、そこに患者の厳しい目も加わることになり、医療の質の向上につながると思います。【開業医】
・かかりつけ医は総合的に地域の患者を診るべきだと思いますが、総合病院の外来軽減のためにも単科クリニックは必要だと思います。優秀なかかりつけ医には単科クリニックより有利なインセンティブを与えるべきだと思います。単科クリニックは、今まで通りに経営努力次第とすれば住み分けがなされるのでは?【開業医】

◆外来医療の見える化に賛成
・この「アンケート」中に「見える化」の用語が出てきました。賛成します。さらに、地域の保健所が地域住民の医療コンシェルジュの役割を果たすといいと思います(例「うちのバアちゃん、ここ1カ月で歩けなくなったんじゃけんど、どうしたもんかね」(医療コンシェルジュの初期問診でどうやらパーキンソン病の小刻み歩行と推察される)。「では、神経内科の『名医』のm3.com神経クリニックを受診されるのがいいですよ。お大事に」)【勤務医】
・外来医は、自身の専門分野以外で患者さんがどのような疾患で他にどこの病院等で治療されているかをきちんと把握していけば、こんな質問は出てこないのでは?【勤務医】
・常勤医なのか、非常勤医なのかを、患者に分かるように表示することを義務化するべき。【勤務医】

◆外来医療の定額制の是非
・医療費を節減するために、かぜ、歯科治療、マッサージや電気治療、腰痛治療などは自費とする。1カ月間に何度も受診することを避けるために、例えば、半年間に高血圧では何回受診しても、半年間で何円払うような、入院におけるDPCのようなものを始める。病院は院内処方とし、医療費を節減する。【勤務医】
・「あなたの給料を定額制にします」と言われたらあなたはどうしますか?現状より増えれば文句は言わないのは当然、少なくなれば拒否するだろう。財源が限られているのだから仕方が無いだろうと言うだろう。いいえ、そうではないだろう。あなた方が医療費財源を削って間違った優先順位を付けているだけである。現状でもインスリン治療をしている人の一部は赤字の部分があり、定額制こそ医療崩壊の原因となるのは必至。【開業医】

◆自由標榜制は制限を
・自由標榜はあまりよくないと感じます。【勤務医】
・開業医は自分の専門領域一つを選んで標榜すべき。あるいは専門領域が分かる形でクリニックの看板を掲げるようにしなければ、患者が混乱する。最近は「何でも屋」が増えすぎて、何が専門か分からない開業医が増えた。それに反して患者は専門性を求めている。患者の期待を裏切らない看板(標榜)を求めたい。【開業医】
・開業医の中には専門医ではない科目を診察して、薬剤処方している例が多く、問題だと思う。【開業医】

◆患者への啓発が必要
・まずはコンビニ受診をなくしましょう。救急車も有料にしましょう。できれば時間外受診も自費にすべきです。その手の費用は自己負担の生命保険特約などで補填していただきましょう。国が「自己責任」の啓蒙をきちんとすべきです。【勤務医】
・安易な時間外受診をやめてほしい。他の医療機関での検査結果等が全く分からない。それでいて高い水準を要求するのはもってのほか。なお既に新患は、他の医療機関からの紹介による予約診療にしている。採血結果や処方内容、画像診断(または画像そのもの)を付しての紹介である。その点で既に連携されている。【勤務医】
・患者教育が追い付かず、「ついで診療」が増加し,専門診療にならない。【勤務医】
・受診行動を取った人だけにとどまらない健康維持の考え方が必要。【勤務医】
・コンビニ診療の根絶が必要。無駄な医療費に直結する公費負担の徹底的な見直しをセットにやらないと無駄な外来診療は減らない。【勤務医】

◆その他
・開業医が増えて病院勤務医が疲弊するのはナンセンス。特に、単科専門医は病院に集約すべき。【勤務医】
・臓器別診療は、診療の質をある程度改善したように見える。しかし、実態は医師の臨床能力の低下につながっている。私は、カルテベースで、外来月に700人以上、年間7000人以上を診察し、入院を合わせると年間7億の利潤を生み出している。医者とは、こういうものと感じることができない医師には、専門医どころか、医師の看板を下ろしてほしい。【勤務医】
・病医院間の連携は、本来医師会のような組織が統制することが望ましいが、日本においては医師会が長年学術的に何の役割も果たしてこなかった。もっと地域医療、プライマリケアを中心に医療を率いていくべき。専門医機構など新たに作るより医師会の組織構成、強固なものにするべき。厚労省はそれを専門医数などの面で統制すべき。大学は教育に専念し、大学病院と大学を切り離すべき。医師を派遣するのは大学の役割であり、大学は厚労省のコントロールのもと、各病院へ医師偏在とならないよう派遣すること。派遣した病院は、大学に対し人件費として売り上げの何パーセントかを支払う。研究に関しては、各病院を中心とした臨床研究、大学の基礎医学教室を中心とした基礎や社会医学的研究にわけるなど。【勤務医】

・救急、産婦人科、外科、へき地みんな医者足りません。多くの医者はブラックな環境に置かれている。崇高な使命で働いているのはかわいそうだと思いませんか。【開業医】
・クリニックでできる限りの外来診療を、病院ではクリニックでできない検査を、という地域連携をしっかり実現させることが必要。一次受診はクリニックで十分対応可能だと思う。そのことを患者に理解してもらうことが大事。【開業医】
・医師の個性、能力を尊重し、患者さんに全力投球できるシステムが望ましい。制限を加えることはよくない。【開業医】
・産業競争力会議などの第三者委員会の意見に従うと、結局現場のことを分かり、さらに社会のことも分かる都道府県医師会上層部の考えと乖離してしまう。宇沢弘文先生の「社会的共通資本」の論理に基づき、職業専門団体の意見を尊重する方がいいように思う。【開業医】


  1. 2017/04/16(日) 10:48:41|
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4月14日 

https://www.m3.com/news/iryoishin/520546
シリーズ 真価問われる専門医改革
パブコメは50~60件、賛否あり、新専門医制
運用細則は修正せず、Q&Aで制度解説予定

2017年4月14日 (金) 橋本佳子(m3.com編集長)

 日本専門医機構は4月14日、理事会後に記者会見し、「専門医制度新整備指針」の運用細則についてのパブリックコメントの結果を公表、同機構副理事長の松原謙二氏は、「50~60件のパブコメが寄せられたが、賛成と反対の意見があり、今のところ大きな修正はない」との見通しを説明した。運用細則は3月の理事会で了承、3月21日から4月4日までパブリックコメントを求めていた(『新専門医制度の「運用細則」、引き続き意見募集』を参照)。

 各基本領域の学会は現在、専門医制度新整備指針と運用細則を基に、領域別の専門研修プログラム整備基準等の作成を進めている。各学会とのやり取りの過程で、運用細則の微修正はあり得るため、最終的な運用細則決定後に公表予定。

 もっとも、依然として新専門医制度を問題視する声は根強い。厚生労働省は、新専門医制度も検討事項に加えた、「今後の医師養成の在り方と地域医療に関する検討会」を今月中に発足予定(『新専門医制度などで新たな検討の場、厚労省』を参照)。日本専門医機構理事長の吉村博邦氏も、メンバーに入る。

 こうした現状を踏まえ、吉村理事長は、「日本専門医機構の現状について、必ずしも十分に理解されていない」と述べ、「専門医制度Q&A」を同機構のホームページに近く掲載すると説明した。さらに新専門医制度については地域医療への懸念が呈せられていることから、地域医療に配慮した制度設計になっている旨の文書も公表予定であり、先の検討会でも説明すると見られる。

 19の基本領域のうち、総合診療専門医については、制度設計がまだ固まっていないが、「もう少しでコンセンサスに至ると思っている。(他の基本領域と)ぜひ一緒に2018年度から始めたいと考えている」(松原副理事長)。

 新専門医制度は、専攻医の募集を8月から開始し、2018年度から開始する予定になっている(『新専門医制、8月から専攻医の募集開始を予定』を参照)。厚労省の検討会発足の動き、総合診療専門医に関する検討の遅れなどを踏まえ、予定通りに進むのかが注目されるが、松原副理事長は、「今後の進展によっては遅れるかもしれず、あるいはそのまま実行するかもしれないが、2018年度の開始に向けて全力で努力をしているところ」と明言を避けた。

 14日の理事会は、「専門医制度Q&A」の議論に大半の時間を費やした。当初、14日にも公表予定だったが、以前の制度との変更点をはじめ、より詳細かつ分かりやすく記載すべきとの意見が出て、修正後の公表に変更された。そのほか同理事会では、形成外科、産婦人科、救急科の更新基準の変更が了承された。



https://www.m3.com/news/iryoishin/520537
シリーズ 真価問われる専門医改革
「国民不在の新専門医制度を危惧」、全国市長会
塩崎厚労相に緊急要望、「地域医療を預かる首長の意見も聞くべき」

2017年4月14日 (金) 橋本佳子(m3.com編集長)

 全国市長会は4月14日、塩崎恭久厚労相に対し、「国民不在の新専門医制度を危惧し、拙速に進めることに反対する緊急要望」を提出した。「地域医療の実態を軽視した新専門医制度の議論が先行しており、このままでは国民医療の推進に大きな支障を来す」とし、地域医療を預かる責任のある首長等の意見や議論もなしに制度が構築されることを懸念した内容だ(資料は、全国市長会のホームページ)。緊急要望の提出は、4月12日に開催した同市長会の政策推進委員会で決定した。

 「日本専門医機構という、プロフェッショナルオートノミー(専門職自律)の建前のもとに、地域医療の実態を軽視した新専門医制度の議論が先行」と指摘、議論の進め方を問題視したほか、下記の6項目についても懸念があるとし、国民的議論を重ね、慎重に対応するよう求めている。

 医師など医療職の免許を持つ市長で構成する全国医系市長会は今年2月、塩崎厚労相に対し、新専門医制度に関する要望を提出していた(『「新専門医制度を危惧、拙速は反対」、全国医系市長会』を参照)。今回の緊急要望の6項目のうち4項目はほぼ一致し、基本な考え方は同じと言える。全国医系市長会の要望に盛り込まれた「総合診療医という専門医の矛盾。強引に専門医にあてはめるのは問題」の代わりに、全国市長会の要望では、「若手医師たちに義務的に医局生活を強いる理不尽」が入ったのは、「そもそも新専門医制度に反対しているため、各論ではなく、制度全体についての問題提起にしたため」(全国市長会副会長の立谷秀清・相馬市長)だ。

 なお、緊急要望が、会長代理の松浦正人・防府市長名なのは、全国市長会会長は現在は不在のため。

国民不在の新専門医制度を危惧し、拙速に進めることに反対する緊急要望
 1.中・小規模病院が危機に陥る懸念
 2.地方創生に逆行する危険と医師偏在の助長
 3.医師の診療活動開始年齢の遅延と医療コスト増大
 4.初期研修制度導入時に立ち返りPDCAで考えるべき
 5.若手医師たちに義務的に医局生活を強いる理不尽
 6.専門職自律という国民不在の議論


  1. 2017/04/15(土) 09:12:16|
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4月13日 

http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/int/201704/550973.html
共用試験CBTとの重複を省く目的
18年度の医師国家試験、100問減らし2日間に

2017/4/13 加納亜子=日経メディカル

 厚生労働省は4月13日、2018年の第112回医師国家試験について、出題数を現行の500問から400問に縮小し、試験日数も3日間から2日間へと変更することを医道審議会に諮り、正式に決定した(同省ウェブサイト)。

 この決定は2015年3月に医道審議会医師分科会医師国家試験改善検討部会から示された報告書を踏まえて判断された(過去記事:医師国家試験、100問減らし3日間から2日間へ)。

 15年3月の報告書では、2015年度から全ての医学部で臨床実習開始前の共用試験CBT(Computer based testing:コンピュータを用いた客観試験共用試験)の合格基準が統一されたこと、医師国家試験とCBTの出題内容の重複が指摘されていたことから、医師国家試験の設問数を100題程度減らすことが可能だという結論がまとめられていた。

 出題内容については、これまでの「医学総論」および「医学各論」から100題程度減らし、医師としての基本的な姿勢や基本的診療能力を問う「必修問題」と、臨床の思考過程に重点をおいた「臨床実地問題」の出題数については、現行維持する見込みだ。



http://www.niigata-nippo.co.jp/life/medical/news/20170413318217.html
県立吉田病院の診療科再編を提言
燕 検討会議が報告書

2017/04/13 11:24 新潟日報

 県病院局が改築方針を示す県立吉田病院(燕市)の将来的な医療提供体制を議論する検討会議は12日までに報告書をまとめた。医師の不足状況などに応じて現在18ある診療科の再編を検討するよう提言したほか、消化器系疾患の診療では県央地域で中心的な役割を担うよう求めた。

 検討会議は県が主催し、新潟大教授ら9人の医療関係者が吉田病院の「あるべき姿」について昨年8月から3回、議論した。

 報告書は吉田病院を、燕・弥彦地域の住民に身近な医療を提供する「地域密着型病院」と記載。本館棟が築43年を経過し、耐震化も終わっていないことから「早期の改築が望まれる」と指摘した。

 診療科については、脳神経外科と神経内科が医師を確保できずに休止し、産婦人科は分べんを取り扱っていないことを指摘。「地域の医療ニーズを踏まえ、医療資源を適切に活用し診療科の再編を検討する」とした。初診患者の窓口となる総合診療科を開設する方針も盛り込んだ。

 吉田病院には許可病床が199床あるが、患者が少ないため50床は稼働していない。稼働病床149床の平均利用率も2016年度(2月まで)は64・2%にとどまっている。報告書は「医療提供体制、患者受療動向を踏まえ病床数を検討する」とし、病床数を変更する可能性を示した。

 一方、消化器系の診療では年間5千件を超える内視鏡検査を行うなどの実績を評価し、「消化器内科と外科のさらなる充実を図り、地域における消化器疾患のセンター的役割を担う」ことを求めた。子どもの心の診療と小児慢性疾患診療、人工透析治療を維持する必要性も指摘した。

 県は報告書をベースにして2017年度、新病院の整備基本計画を策定する予定。県病院局業務課は「報告書を踏まえて整備基本計画を策定する中で改築について具体的に議論していきたい」としている。


  1. 2017/04/14(金) 06:11:03|
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