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地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

11月29日 

http://sp.yomiuri.co.jp/economy/20161129-OYT1T50153.html?from=ytop_main4
DeNA医療サイト、誤り指摘で記事の公開中止
2016年11月29日 23時37分 読売新聞

 IT大手ディー・エヌ・エー(DeNA)は29日、健康や医療に関する同社のインターネットサイト「WELQ(ウェルク)」の記事の公開を中止すると発表した。

 同サイトは、外部ライターなどから集めた記事を掲載していたが、内容が誤っているといった指摘が相次いでいた。

 DeNAは同サイトを2015年秋に開設した。独自に編集した記事や外部ライターに依頼したもののほか、ネット利用者からも記事を募り、一般的な美容や健康に加え、高度な専門知識が必要な医療関連の情報も提供してきた。DeNAによると、同サイトを月1回以上閲覧する利用者は延べ2000万人にも上るという。同社にとっては、閲覧数が伸びるほど広告収入が増える仕組みだった。

 だが、今月に入り、記事の内容の誤りや、他のサイトの記事を無断で掲載しているのではないかとの指摘が相次ぎ、対応を検討していたという。

 今後は、医師や薬剤師など専門家による監修体制を整え、問題がないと判断した記事から順次掲載を再開するという。

 同社は「多大なるご迷惑をおかけし、深くおわびする」とのコメントを出した。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/50086.html?src=catelink
医師の勤務実態などで約10万人を調査へ- 厚労省、ビジョン策定に反映
2016年11月29日 20時00分 CB News

 厚生労働省は29日、医師の勤務実態や働き方の意向などを把握するため、約10万人の勤務医を対象に全国調査を実施すると発表した。同省によると、「これほど大規模な医師への働き方の調査は初めて」としている。【松村秀士】

 厚労省の「医療従事者の需給に関する検討会医師需給分科会」が今年6月に公表した中間とりまとめでは、医師の働き方や勤務状況などの実態について、より精度の高い推計を行った上で、将来の医療提供体制のあり方と医師の新しい働き方を示すビジョンを策定すると明記。さらに、医師の働き方や勤務状況などの現状を把握するため、今年度中に「新たな全国調査を行う」とされた。

 また、先月に開かれた厚労省の「新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会」では、医師の勤務実態などについて詳細に把握すべきとの意見が出た。

 こうした指摘などを踏まえ、厚労省は来月8日から14日にかけて、全国の病院や診療所に勤務する医師約10万人を対象に、勤務実態やキャリア意識などに関する全国規模の調査を実施する。

 主な調査内容は、▽出身地や出身医学部の所在地、家族構成、年収 ▽他職種との役割分担やキャリア意識といった将来の働き方 ▽将来の勤務地の意向―など。厚労省は早ければ来年1月にも調査結果をまとめ、同ビジョン検討会に報告して、その議論に反映させる方針だ。



https://www.m3.com/news/general/481268
医師の勤務実態調査へ 厚労省、10万人規模
2016年11月29日 (火) 共同通信社

 厚生労働省は29日、今後の医師需給の検討に生かすため、医師の勤務実態などに関する全国調査を実施すると発表した。勤務医や開業医計約10万人を対象に、1週間の勤務状況やキャリア形成に関する希望などをアンケートする。

 塩崎恭久厚労相は同日の記者会見で「医療を囲む環境には大きな変化が起きている。(有識者会議で)調査の分析結果を議論し将来の医療ビジョンや医師需給を考えてもらいたい」と述べた。

 厚労省によると、調査は12月8~14日の1週間で実施。病院や診療所計約1万2千施設を無作為に選んで調査票を送る。毎日の勤務実績を記録してもらうほか、将来の働き方についての希望や地方で勤務する意欲があるかなども尋ねる。

 医師の勤務実態を正確に把握することで医師需給の推計に生かすほか、女性医師の勤務環境改善や、地方の医師不足是正のための基礎資料とする。来年1~2月に将来の医療ビジョンに関する有識者会議で結果を報告する。



http://www.medwatch.jp/?p=11375
専門医整備指針の改訂案に対する全自病の声明、同様の見解である―日病・堺会長
2016年11月29日|医療・介護行政をウォッチ MedWatch

 新たな専門医制度の整備指針案に対して、日本医師会の横倉義武会長や全国自治体病院協議会の邉見公雄会長が「地域医療への更なる配慮」を求める要望などを出しているが、日本病院会も同様の見解である―。

 日本病院会の堺常雄会長は、28日に開いた定例記者会見でこういった考えを明らかにしました。

 総合診療専門医については、基本領域を「家庭医」「病院の総合診療医」共通のプログラムとし、サブスペシャリティ領域で個別のプラグラムを設定することなども提案しています。

ここがポイント!
1 日病執行部の中にはプロフェッショナルオートノーミーの限界を指摘する声も
2 総合診療専門医は「家庭医」と「病院総合診療医」の2タイプ、サブスペで特化した研修を


日病執行部の中にはプロフェッショナルオートノーミーの限界を指摘する声も

 「地域の医師偏在を助長しないようにすべき」との医療現場の指摘を受け、新たな専門医制度の全面スタートが1年延期(2018年4月から)されました。日本専門医機構の新執行部は、この1年の間に課題を解決することとし、新専門医制度の骨格となる「整備指針」の改訂に向けた議論を行っています。18日には機構の吉村博邦理事長(地域医療振興協会顧問、北里大学名誉教授)から、次のような改訂方向が報告されています。

▼研修プロセスを重視する「プログラム制」以外にも、到達目標で評価する「カリキュラム制」も可能にする

▼「研修施設群」の要件を柔軟にし、指導医がいない施設でも一定の条件を満たせば連携施設に準じた施設とし、研修養成施設となることを認める

▼専門医の認定や養成プログラムの1次審査などは各学会が同機構の基準に沿って行い、機構が「基準に則っているか」の2次審査行う

 これに対し、日医の横倉会長や全自病の邉見会長は「地域医療への配慮が十分でない」とし、「都道府県ごとに大学病院以外の医療機関も含め、複数の基幹施設を認定する」「ことなどを求める要望を行っています。

 28日の日病定例記者会見で堺会長は、「質の担保」を前提として、指導医がいない施設も養成施設となれることを認めてよいのではないかなどの感想を述べた上で、「日医や全自病と同様の見解である」ことを表明しました。ただし「定数の設定」や「マッチングの導入」は是非とも必要としています。

 また日病の常任理事会では「専門医の質の担保」が重視され、「医師の地域偏在など専門医の『量』の議論だけでなく、長いスパンで『質』の担保を図る必要がある。地域偏在については専門医制度だけでは解決できないが、入り口(地域別・診療科別などの定数)をコントロールしていく必要がある」との意見が出されたことが紹介されました。なお定数については、「個別サブスペシャリティ領域の定数を設定し、それを積み上げて基本領域の定数を考えるべき」との指摘も出ています。

 なお、専門医制度は日本専門医機構と学会とが協働して制度構築・運用していくことになっていますが、日病の常任理事会では「プロフェッショナルオートノーミーと言いながら、さまざまな課題を解決できていない現実がある。行政の関与を一定程度認めるべきではないか」との指摘も一部出されたといいます。

 さらに堺会長は、専門医制度をめぐる動向を俯瞰して「大学や学会への回帰という先祖返りが起きているように見える。国家的な視点、地域医療の視点を持った議論が必要ではないか」とコメントしています。

総合診療専門医は「家庭医」と「病院総合診療医」の2タイプ、サブスペで特化した研修を

 また堺会長は総合診療専門医について、大きく「家庭医」と「病院で総合診療に携わる医師」の2タイプがあることを改めて強調。両者の業務は重なる部分もあれば、異なる部分もあります。例えば、へき地で家庭医として活躍する医師はお産(分娩)に携わる機会が少なくないですが、病院で総合診療に携わる医師ではごくごく限られます(専ら産科医師が対応するため)。また、地域包括ケア病棟などで総合診療に携わる医師は、在宅患者の急変等に対応する機会があり、家庭医に比べて、より「救急医療との連携」が必要となってきます。堺会長は、病院の総合診療医に特に求められる役割として、▼外科における術前術後の管理  ▼地域包括ケア病棟における入院患者の総合管理  ▼ERでの初期対応  ▼初期研修医を含めた若手医師の教育・研修―などを例示しています。

 日本専門医機構では総合診療専門医の養成も1年延期しており(2018年度から機構プログラムでの養成開始)、2017年度については日本プライマリ・ケア連合学会による家庭医療専門医の養成プログラムを受講した専攻医について「不利にならないような配慮を行う」としています。この点について堺会長は、▼1階部分(基本領域)は両者(家庭医と、病院の総合診療医)に共通するプログラム ▼2階部分(サブスペシャリティ領域)はそれぞれに特化したプログラム―という形の仕組みなども検討する必要性を強調しました。



http://this.kiji.is/176150205837608440?c=110564226228225532
誤診の乳房切除で和解へ
兵庫・高砂市が謝罪

2016/11/29 10:57 共同通信

 兵庫県高砂市が運営する高砂市民病院による検体の取り違えで乳がんと誤診され、右乳房の一部を切除した20代の女性が、市に約1850万円の損害賠償を求めた訴訟で、市は29日、女性へ謝罪し、約620万円を支払う内容で和解する方針を明らかにした。12月21日に成立する予定。

 市によると、大阪地裁が提示した和解案に対し、双方が今月25日に合意した。今後の安全対策に万全を期すことなどの内容なども盛り込まれた。

 訴状などによると、女性は14年4月、病院での病理検査で乳がんと診断された。別の医療機関で切除手術を受けたが、がん細胞が検出されず、病院が誤診していたと判明した。



http://www.saitama-np.co.jp/news/2016/11/29/05.html
校医の大量辞任…吉川市長が登録制導入の意向 医師会と関係改善
2016年11月29日(火) 埼玉新聞

 今年3月に吉川市の小中学校医らが大量辞任していた問題で、吉川市と吉川松伏医師会が「定期予防接種で同医師会非加入の医療機関と市が個別に委託契約を締結しないこと」「市民の健康増進に取り組むこと」の合意を巡り、中原恵人市長は28日、定例記者会見で、予防接種医療機関登録制度の導入の意向を示した。

 中原市長は「医師会に加入していない医療機関に登録してもらい、(市民が医師会に非加入の医療機関で公費予防接種を受けたとしても)市民はいままでと変わらず利用できるようにする。市民の利便性は下げない」と話した。

 市は予防接種の業務を医師会に委託しており、医師会非加入の医療機関では受診者が一時、予防接種の費用を立て替えなければならなかった。2015年の市長選で中原市長が当選後、市は医師会非加入の医療機関と個別契約を結んでおり、市議会では市と医師会の関係悪化が指摘されていた。

 松伏町と医師会が既に締結している災害協定についても、今回の医師会との合意による関係改善で、中原市長は医師会と協定締結を進める意向を示した。



http://www.medwatch.jp/?p=11379
一般病床数、療養病床数ともに3桁の減少―医療施設動態調査(2016年9月)
2016年11月30日|医療・介護行政をウォッチ MedWatch

 今年(2016年)8月末から9月末にかけて、病院の一般病床数は162床、療養病床は197床減少。有床診療所数は27施設減少し、7629施設となった―。

 このような状況が、厚生労働省が毎月公表している医療施設動態調査から明らかになりました。

ここがポイント!
1 有床診の施設数、徐々に減少ペースが鈍化しているように見えるが
2 病院の一般病床は162床減、療養病床は197床減


有床診の施設数、徐々に減少ペースが鈍化しているように見えるが

 厚生労働省は毎月、全国の病院・診療所の増減を「医療施設動態調査」として公表しています。今年(2016年)9月末の医療施設総数は、全国で17万8920施設となり、前月に比べて92施設増加しました。施設数増加の最大の要因は「無床の一般診療所」の増加で、8月末時点に比べて93施設増えています。また歯科診療所も33施設の増加となりました。

 病院の施設数は、前月に比べて7施設減少し8442施設となりました。種類別に見ると、一般病院が7380施設(前月に比べて7施設減少)、精神科病院は1062施設(同増減なし)という状況です。

 一般病院の中で、療養病床を持つ病院は3827施設で、前月から4施設減少、地域医療支援病院は536施設で、前月から1施設増加しました。

 診療所に目を移すと、有床診は7629施設で、前月から27施設減少しました。2年前の2014年9月末には8532施設、1年前の2015年9月末には7961施設であったことから、2014年9月末から2015年9月末の1年間で571施設減、2015年9月末から2016年9月末の1年間で332施設減少した計算です。

 また2016年に入ってからの有床診施設数の推移を見てみると、次のようになっています。

▼2016年1月末:7834施設
 ↓(23施設減)
▼2016年2月末:7811施設
 ↓(45施設減)
▼2016年3月末:7766施設
 ↓(26施設減)
▼2016年4月末:7740施設
 ↓(24施設減)
▼2016年5月末:7716施設
 ↓(18施設減)
▼2016年6月末:7698施設
 ↓(27施設減)
▼2016年7月末:7671施設
 ↓(15施設減)
▼2016年8月末:7656施設
 ↓(27施設減)
▼2016年9月末:7629施設

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前月(2016年8月末)から病院の一般病床・療養病床ともに3桁の減少となった

 
 徐々に有床診の減少ペースが鈍化しているようにも見えます。暦月の減少数にはやや幅があるため、前述のように「1年間の推移」など、比較的長いスパンで動向を見ていく必要があるでしょう。2018年度からスタートする第7次医療計画では、病床過剰地域において有床診が一般病床を届け出られる特例を拡大することになっています。こうした取り組みや、2016年度の診療報酬改定で減少スピードがどこまで鈍化するのか、今後の推移を見守る必要があります。

病院の一般病床は162床減、療養病床は197床減

 病床数に目を向けると、2016年9月末の全病床数は166万4525床で、前月から840床減少しました。

 このうち病院の病床数は156万1005床で、前月に比べて505床の減少です。種類別に見ると、一般病床は前月から162床減少して89万1398床に、療養病床は197床減少して32万8161床となりました。精神病床も前月に比べて128床減少しています。

 有床診療所の病床数は前月から335床減少し、10万3451床となりました。2014年9月末には11万3919床、2015年9月末には10万7626床となり、2014年9月末から2015年9月末の1年間で6293床減、2015年9月末から2016年9月末の1年間で4175床減少したことになります。施設数と同様に減少ペースが落ちてきており、今後の動向に注目が集まります。
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病院の病床数は減少傾向にあったが、2016年度に入ってから減少傾向にブレーキがかかったように見える
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療養病床は2016年度に入ってから減少のスピードを上げていたが、やはりブレーキがかかったように見える



http://mainichi.jp/articles/20161129/ddl/k29/040/594000c
生駒市立病院
患者数、計画の85% 2年目上半期 /奈良

毎日新聞2016年11月29日 地方版 奈良県

 昨年6月に開院した生駒市立病院の今年度上半期の利用患者数は外来が1日平均で112人と計画の85%、入院は同85人で87%だったことが、このほど開かれた病院の管理運営協議会で報告された。患者数は想定の半分の水準だった初年度実績を踏まえた計画値に届かず、市は「市民や地域医療機関への積極的な情報提供が必要」としている。

 報告によると、整形外科の常勤医が確保できたため、外科系の入院患者が23人と前年度からほぼ倍増。一方、救急患者を受け入れた880件のうち38件が他の医療機関に転送された。転送率は前年度より下がったが、脳神経外科の常勤医が確保されていないことが転送の要因の一つだ。

 地域連携については、他医療機関からの紹介患者の割合は41・2%で、前年度より9・6ポイントアップ。一方、患者を地域の医療機関に逆に紹介した割合は14・2%だった。【熊谷仁志】



http://mainichi.jp/articles/20161129/ddl/k37/040/500000c
損賠訴訟
「帝王切開で障害」控訴審 日赤病院と和解 高松高裁 /香川

毎日新聞2016年11月29日 地方版 香川県

 高松赤十字病院(高松市)で生まれた男児の脳に重度の障害が残ったのは不適切な判断で帝王切開手術をしたことが原因だったとして、同市の男児と両親が病院を運営する日本赤十字社(東京都)に損害賠償を求めた訴訟の控訴審は28日、高松高裁(生島弘康裁判長)で和解が成立した。

 和解内容は双方とも非公表としているが、原告側は「納得できる内容だった」と取材に答えた。また、高松赤十字病院の網谷良一院長もコメントを発表し、「1審判決は産科・新生児医療の現場に大きな混乱をもたらす内容だったが、高裁の和解勧告で適切に是正された」とした。

 1審判決(2015年4月)によると、2003年2月、三つ子を妊娠していた母親が腹痛で高松赤十字病院に入院。胎児1人の死亡が判明し、緊急の帝王切開手術を受けて2人が生まれたが、1人に脳性まひなどの障害が残った。高松地裁は「帝王切開による早産が原因」とし、原告の請求通り約2億1100万円の賠償を命じた。病院側が控訴していた。【待鳥航志】



https://www.m3.com/news/iryoishin/480962
シリーズ: 降圧剤論文問題と研究不正
「ずさんな試験の責任は研究者らが負うべき」、白橋被告側弁護士
検察側、懲役2年6月、罰金400万円を求刑

2016年11月28日 (月) 高橋直純、軸丸靖子(m3.com編集部)

 ノバルティスファーマ社の降圧剤を巡る京都府立医科大学での医師主導臨床試験の論文データ改ざん事件で、薬事法(現医薬品医療機器法)違反(虚偽広告)に問われた元社員とノバ社に対する第37回公判が、11月25日に東京地裁(辻川靖夫裁判長)で開かれ、検察側は白橋伸雄被告に懲役2年6月、同社に罰金400万円をそれぞれ求刑した。白橋被告弁護人、ノバ社弁護人はともに無罪を主張した。白橋被告の弁護人は「ずさんな試験の責任は研究者らが負うべき」と訴えた。 2015年12月16日の初公判から、ほぼ1年となる次回12月15日に結審する見通し。判決は2017年3月16日の予定。

検察側「厳重処罰が必要」
 検察側は論告で、今回の事件を「『降圧を超えた効果』があるというプロモーションを行うため、試験データを自社に有利に改ざんして、虚偽の図表等を研究者らに提供して虚偽の論文を作成させ、投稿・掲載させたという前代未聞の悪質事案である」と指摘。本件は薬事行政への信頼、日本の臨床研究の国際的信頼を失墜させたとし、「一般予防の見地から厳重処罰が必要である」とした。

 白橋被告個人については、社内での評価や地位を得るために研究者らを利用して論文を作成させたとし、「犯行動機は極めて自己中心的で、その経緯にも酌量の余地はない」と指弾。 さらに、論文に疑義が呈された後は、口裏合わせなどの隠ぺい工作を行い、現在でも事実を全面的に否認し、「反省の情が全く見られず、厳しい非難に値する」と述べた。

 ノバ社には、「本件は被告人が統計解析を一人で担当したことが原因で発生したと認められるところ、そのような状況を作り出したのは被告会社であった。適切な管理・監督を行わず放置していたもので、その責任は大きいと言わざるを得ない」と指摘した。

 さらに検察は、個別の争点について、これまでの議論を基に、(1)白橋被告がKyoto Heart Study(KHS)で、非ARB群のイベントを水増ししたか、(2)それは意図的か、(3)意図的な改ざんの場合、本件公訴事実の対象となるCCB論文、CAD論文においてどのように影響するかを認識していたか、(4)CCB論文において、恣意的な群分けをしながら、論文記載の「12カ月以上使用している」という基準として図表やデータを研究者に提供したか、(5)CCB論文において意図的な改ざんを加えたデータを提供したか、(6)研究者らが作成した記事(論文)の記述につき、被告人が記述したと言えるか、(7)論文が薬事法66条1項の「記事」の「記述」に当たるか、(8)論文を作成、投稿、掲載する行為が薬事法66条1項の「記事」の「記述」に当たるか、(9)被告の改善行為が、ノバ社の業務に関連するか――に整理。いずれも立証されていると主張した。

「立証がなされたとは到底言えない」白橋被告弁護人
 検察の論告に対し、白橋被告の弁護人は、直接証拠は存在せず、全ての状況を通じて、状況証拠による立証活動しかなされておらず、「合理的な疑いを差し挟む余地のない程度の立証がなされたとは到底言うことはできない」として無罪を主張した。個別の争点についても「イベント数の水増しをした事実はない。仮に水増しされていたとしても第三者による行為である」、CCB論文の群分けについては「恣意的ではなく、一定の基準に基づいている。一定の基準と『12カ月以上』という論文の定義は、一致していないとは言えない。仮に一致していないと評価されるとしても、研究者らは、被告が行った群分けの実際の基準を認識していた」などと訴えた。

 検察側の立証に対しては、「個々の証拠力の低さを物量でカバーしようとするもので、質より量を重視したものと断じざるを得ない。証明力の低い証拠をどれだけ多数積み上げようとも、有罪にすることはできない」と問題視した。

 KHSについては「極めてずさんな臨床試験で、それに加担した自身の社会的責任を否定するものではない」としつつ、「ずさんな試験の責任は研究者らが負うべきものであって、補助したにすぎない被告人一人にその責めを負わせるべきではない」と主張した。

「業務に関したものではない」ノバ社側
 ノバ社側の弁護人は「KHSに不正があり、本件論文の記述に虚偽があるとすれば、さまざまな不正が不可分一体化した結果に他ならない」と主張している。特に白橋被告が研究者らを利用したとする「間接正犯」という検察側の論理構成について、「事務局医師らが、被告の道具として利用され、支配されていたとは到底言えない」と訴えた。

 また、仮に白橋被告によるイベントの水増しなどが存在したとしても、「被告人個人の判断に基づく個人的な行為であって、被告会社の業務の一環ではなく、被告会社の『業務に関した』ものではない」と強調した。

 最後にノバ社主任弁護人は 「本件は被告人の改ざんの有無が問題になっているが、研究不正が刑事罰に問われる問題かということもまた問われている。KHSが不適正な試験であったことは事実であり、ノバ社の問題意識が希薄であったことも反省すべきである。しかし、拡大解釈による訴追は学術研究の自由を妨げるものとなる」と述べた。



https://www.m3.com/news/general/481299
病院勤務犬 僕はミカ 患者癒やす優しい目 介助犬は断念……見つけた天職
2016年11月29日 (火) 毎日新聞社

 身体障害者を助ける介助犬の適性はなかったが、全国でも珍しい病院の「勤務犬」に転身、入院患者の癒やしの存在として活躍する犬がいる。スタンダードプードルの「ミカ」(6歳、雄)。聖マリアンナ医科大病院=川崎市=で週2回活動する。【釣田祐喜】

 黒い巻き毛に覆われた愛らしい姿で、心身の病や出産などで不安を抱えた人を勇気づける。担当医が先月、神戸市であった日本身体障害者補助犬学会で取り組みを発表した。

 勤務犬は、同病院小児外科の長江秀樹医師(41)らが導入。きっかけは2012年、白血病で入院していた子供に「犬と遊びたい」と頼まれたこと。病棟で犬と面会を実現させた。

 長江さんは13年、日本介助犬協会(横浜市)の高柳友子事務局長に相談した。たまたま協会で訓練中だったミカは繊細な性格で介助犬としては不向きとされた。だが、体をなでられると喜ぶなど、人と触れ合うのが好きで、協会は「動物介在療法に向いている」と判断。病院への貸与を決めた。

 担当の看護師が自宅で世話しながら、ミカの心身の調子を日々確認。病院の職員証も発行され、昨年4月から活動を始めた。医師でもある高柳さんによると、治療のパートナーとして特定の犬を病院で定期的に活動させるのは珍しいという。

 ミカは「出勤日」に産科、小児病棟などで1日当たり5~6人の患者と会う。今月14日の出勤日。産科病棟の病室では、切迫早産で入院中の女性(36)がミカと長江さんを迎えた。空きベッドに座ったミカの腰を女性がさすると、ミカは気持ち良さげに横たわった。女性は「点滴を何度も取りかえて憂鬱になりがちだが、ミカちゃんに触ると気持ちが落ち着き、頑張れる」とリラックスした表情。

 長江さんは「人では難しい、患者の『やる気のスイッチ』をミカは押せる」。ミカを訓練した日本介助犬協会の桜井友衣さんは「介助犬でなくても、新しい仕事で大切な役割を果たしている。ミカに『すごい』と伝えたい」と語る。


  1. 2016/11/30(水) 06:20:38|
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11月28日 

http://www.cabrain.net/news/article/newsId/50077.html
専門医整備指針の改訂案「学会回帰を懸念」- 日病・堺会長
2016年11月28日 22時30分 CB News

 新専門医制度の骨格となる「整備指針」の見直しで、専門医を目す専攻医の一次審査を各学会が担うことなどが提案されていることについて、日本病院会(日病)の堺常雄会長は28日の記者会見で、「われわれの懸念は学会に回帰することだ」と指摘。学会間で審査にバラつきが生じ、結果的に専門医の質の低下につながる恐れがあることに懸念を示した。【松村秀士】

 専門医の養成をめぐっては、従来の学会主体から、第三者機関の日本専門医機構(機構)が養成プログラムの評価や認定を行うことを柱として、2017年4月からの新制度の開始を目指して準備が進められてきた。しかし、新制度が導入されれば、指導医や症例数が多い大病院や都市部の病院への医師の偏在が深刻化しかねないなどとして、医療現場から延期を求める声が根強かった。そのため、機構は新制度の全面スタートを1年延期することを決めた。

 また機構では、新制度に向けて専門医を育成する研修基準などを定めた「整備指針」の改訂を検討しており、専攻医の一次審査については各学会が行い、二次審査は機構が担うことなどを提案している。

 28日の会見で堺会長は、「整備指針」の改訂案について、「学会に振り子が戻ったような感じだ」と述べ、審査のバラつきをなくし、専門医の質を担保する新制度の主旨に反するとの考えを示した。その上で、「もう少し機構が力を出していただきたい」とし、専攻医のすべての審査を機構が担うべきとした。

■新専門医、「定員を設けるべき」で一致

 26日に開かれた日病の理事会では、新制度であらかじめ研修施設ごとに専門医の定員を設けるべきとの見解で一致したという。

 会見で堺会長は、「入り口での数のコントロールが必要」と述べ、大病院や都市部の病院への医師の偏在をなくために、専門医の募集定員を事前に設ける必要があるとした。



http://news.livedoor.com/article/detail/12340597/
知られざるファミレス、病院の好対照な“モンスタークレーマー”神対応とは…
2016年11月28日 6時0分 週プレNEWS

出産した女性教師に謝罪文を強要したり、修学旅行の行き先を変えろ!と校長に迫ったり…。

週プレNEWSで取り上げた、あまりに一方的で独善的な苦情の数々は想像以上のモンスターっぷりだった(参照記事『妊娠した女教師に謝罪文を強要、遠足中止に激怒! モンスターペアレンツがますます悪質化!!』、『修学旅行をやり直せ! 勝手に独自行動して悪質化する“モンスターペアレント2世”の出現』)。

だが、多くの企業や公共機関が理不尽な苦情に悩まされるなか、悪質クレームにうまく対応している事例もある。

例えば、某ファミレスチェーンの「苦情対応マニュアル」は外食業界で注目されている。このマニュアルは2014年にマクドナルドで多発した異物混入事件を受けて全面改訂されたもの。同社ファミレス店の店長がこう明かす。

「品質管理を徹底しても異物混入は完全に防げません。なので、大事なのはクレームへの初動対応。ここを誤ると客は怒りを増大させ、話がこじれる。このマニュアルは、苦情被害を最小限にすることに重点が置かれています」

その内容を端的にいえば、非常に細かく、徹底的だ。

「例えば『料理に髪の毛が!』と苦情が入れば、まずは丁重に謝罪した上で、作り直すか否かをお客さまに伺います。ここでのポイントは、料理の代金の話はしないことです。作り直しの場合、最初に出した料理はもちろん、作り直した料理の分の代金もいただきません。しかし、いきなりその話をすると『そんなつもりで言ったんじゃない!』と怒る客が多いのです。

料金の話題は、再調理した料理をお客さまが半分ほど召し上がったときに振ります。『これはおわびの気持ちです。料金はいただかない形でお願いしたいのですが』と頼み込む。もし、お客さまが金は払うと言った場合は店対客ではなく人対人の関係を意識して『私の気持ちなんです』とお伺いを立て、それでも払うと言われたら『お言葉に甘えます』と頂戴する。

その後、駐車場まで見送り、そこでもお客さまの顔色が優れないようなら、胸ポケットに用意している割引券を手渡し、次回の来店につなげます。 このマニュアルを徹底したことで苦情がこじれて本部対応となるような案件が激減しました」

総合病院の外来では「医師が冷たい」「1時間も待たさせて3分で診療終了かよ!」といったクレームが頻発する。その矛先は医師本人ではなく、看護師や事務員に向かうパターンが大半だ。 話がこじれると、治療費を払わずに帰ろうとしたり、看護師に暴力を振るったり、「ここはヤブ医者ばかりだ」と叫んだりとモンスター化する患者もいるようだ。

だが、関東に本拠地を置く大手医療グループのクレーム対応術はなかなかスゴい。同グループに籍を置くベテラン看護師がこう打ち明ける。

「診療の障害になる苦情トラブルにはクレーム担当職員が応対します。ここからはあくまでウチの病院のやり方なのですが、その職員はわざと苦情者を怒らせるように仕向け、言ってしまえば“警察沙汰”にしてしまう。首尾よく事が運べば、院内に常駐する警察OBの保安対策員が現場に駆けつけ、110番通報。患者が暴れ回ったら、すぐに取り押さえ、警察に引き渡します」

命を預かる病院だからこそ、その環境を壊すモンスター患者には手厳しい。

「警察が介入するような苦情トラブルを起こした人はブラックリストに載せて院内で共有。次回以降の来院時に受け付けを拒否する場合もあります」

モンスター患者に毅然(きぜん)とした態度で接する病院の手法。常に平身低頭を貫く接客で客の怒りを鎮めるファミレスの手法。対照的なふたつのスタイルは、職場によって有効なクレーム対策は違う、ということを示している。



http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/s003/201611/548996.html
シリーズ◎医学部探訪
東北医科薬科大◆徹底した地域密着型の実習で東北への定着目指す

2016/11/28 加納亜子=日経メディカル

 今年4月、「東北地方の地域医療を支える」ことを最大の使命とする新たな医学部が開学した。地方の大学が卒業生の地元定着率向上に四苦八苦する中、どのように地域医療を担う人材を育成していくのか――。37年ぶりとなる新設医学部の挑戦が始まった。

「東北地方の医療に貢献しようとする意欲・志を育て、大学として支援していきたい」と高柳氏は意気込む。

 「医学部新設に手を挙げてから様々な業務に忙殺されていたが、無事に医学部の入学生100人を迎え入れることができ、安堵している」──。今年4月に執り行われた医学部の入学式をこう振り返るのは東北医科薬科大学理事長兼学長の高柳元明氏だ。

 医学部新設に向け、議論が大きく進んだのは2013年11月。国が特例として1校のみ医学部新設を認める方針を示し、公募を実施した。その際に国から提示された医学部の役割は、(1)震災からの復興、(2)今後の超高齢化への対応と東北地方における医師不足解消、(3)原発事故からの再生──だった。

 公募には3団体が応募。2011年3月に起きた東日本大震災からの復興に資することと実現可能性の高さから、東北医科薬科大学(当時は東北薬科大学)が開設主体に選ばれ、2016年4月の開学が決定した。

開学後も続く医師引き抜きへの懸念

 東北地方への医学部新設が議論に挙がった頃から、「新設医学部の教員募集により、地域の医療機関から医師が引き抜かれる可能性がある」と懸念する声には根強いものがあった。そしてそれが開学後の今も続いている。同大学が開学後の今年7月に開催した東北地方の行政、医学部、医師会などが新設医学部の在り方を話し合う「教育運営協議会」では、岩手医科大学理事長兼学長の小川彰氏が「医学部の新設により東北の地域医療に影響が及べば、これまで取り組んできた地域医療が壊れてしまう。そうなってから立て直すのは不可能だ。新設医学部が東北6県の地域医療に影響を及ぼさないことを何らかの形で担保していただきたい」と発言している。

 一方、期待を寄せる意見もある。開学決定前は医学部新設に強く反対していた日本医師会長の横倉義武氏は同協議会に出席し、「東北6県が協力し、新設医学部のスタートに向けて取り組んでいることを知り、非常にうれしく思っている。ぜひ良い医学教育を行い、ひいては東北地方の医療の向上に実りあるものにしていただきたい」とコメントしている。

 これら不安と期待の声を受け止めつつ、高柳氏は「開学に向けて大学のスタッフは一丸となって取り組んできた。開学後も、地域で活躍する総合的な診療能力を持つ医師を育てるという目標を達成し、社会からの期待に応えられる医学部を創るため、邁進しなくてはならない。日々、身の引き締まる思いだ」と話す。

 地域医療を担う医師の育成を目指し、同大学が打ち出した地域定着策は大きく2つ。修学資金(奨学金)制度と、早期から地域で行う参加型臨床実習(地域医療実習)の導入だ。

 同大学の修学資金制度は、A方式とB方式の2種類がある(表1)。A方式は、学生に宮城県などの自治体が3000万円を貸与する代わりに、指定された医療機関での10年間の勤務を義務づける。卒後、医師を受け入れる医療機関が貸し出した額を返還する「資金循環型」の仕組みだ。

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表1 地域定着策として導入した2つの修学資金制度
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 修学資金制度を長期にわたり継続させることを目的に、東北地域医療支援機構を立ち上げ、そこに宮城県などが拠出した基金を蓄え、その資金を基に循環型の修学資金制度を運用する方法を採った。

 一方のB方式は、宮城県以外の東北5県の修学資金制度を活用し、それに加えて同大学が1500万を貸与する。卒後は修学資金を貸与した県が指定する医療機関で、一定の義務年限を勤務すれば返済は不要という「資金費消型」だ。

 開学前は、過去3年間の各県における修学資金制度の利用状況から「定員が埋まらないのではないか」と危惧する声もあったが、初年度の入試ではA方式・B方式の全ての枠で定員を満たす結果となった。「東北医科薬科大学の修学資金制度は、医学部に入学したいと思う学生にとって、非常に魅力的な仕組み」と今年4月に入学した第1期生のOさんも話す。

 入試の出願時には奨学金貸与の有無やその種類により第3希望まで希望を募り、選抜を実施。志願倍率は24.6倍(志願者数÷募集定員)、実質競争倍率は7.7倍(受験者数÷合格者数)だった。「入試の仕組みが複雑なため、混乱が生じるのではないかと不安視していたが、結果としては県外を含め、A方式の入試枠を第一志望とする応募が多く集まった」と同大学医学部長の福田寛氏は語る。

 入学者の内訳は、入学者100人のうち東北地方出身者は31人にとどまり、関東地方の出身者が40人と最多となった。「学生のほとんどが浪人を経験しており、留年はできないという気持ちからか、学生同士で勉強会を自主的に開くなど、真面目な学生が多い」と同大学1年生のTさんは話す。

 初年度の入試結果について、河合塾麹町校チーフの梅田靖彦氏は「修学資金制度にメリットを感じ、他大学との併願をした受験生が多かった印象だ。河合塾の調べでは、岩手医科大学、埼玉医科大学、昭和大学との併願が多い傾向にあった」と言う。また、国立大学と併願した受験者も多かったことから、「受験者層は優秀な人が多かったようだ。河合塾ではA枠の人気が高く、東京慈恵会医科大学、順天堂大学と同レベル、一般枠は昭和大学や東邦大学と同レベルとみており、来年も同程度の難易度になると予想している」とも付け加える。

 「卒後の地域定着の向上を考えると、もう少し東北出身者を増やす必要がある。今後は本学を受験する学生を東北地方から掘り起こしていきたい」と福田氏は話している。


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第1期生が抱く将来像

「どの地域でも求められ、活躍できる総合診療医になりたい」

 修学資金制度は、入学者にとって大学選択の決め手の1つになったようだ。A方式の宮城県枠での入学を選んだOさんは、「祖父が脳出血を起こして入院したことをきっかけに、家族が体調を崩したときに、どの疾患でも対処できる総合診療医になりたいと考え、医学部を目指した」と語る。「2年浪人したこともあり、なんとか大学に拾ってもらったという気持ちだ。これ以上、親に学費面で迷惑をかけられないという思いもあり、入学を決めた」と言う。

 東日本大震災でのドクターヘリ部隊の活躍に感銘を受け、医師を目指すことを決めたTさんも、「サラリーマン家庭で1浪していることもあり、親の負担が減る本学の修学資金制度は非常にありがたい仕組みだと感じている」と話す。その中でも岩手県の修学資金枠は「義務年限が最も短く、総合的な診療能力を身に付けられるよう初期臨床研修後のキャリア形成支援が既に構築されているので、B方式(岩手県枠)での入学を決めた」と言う。卒後については、「どこで医療を行うことになっても、その場所で求められる医療を行える医師になりたい」とTさんは意気込む。

 地域からの期待は高く、「実習先の医師や地域住民から期待を寄せられるたびに、第1期生として何をするにも大学の印象や歴史を創る立場になるのだと、気を引き締めなければならないと感じている」とTさんは話す。

 一方で、「気軽に将来の医師像やキャリアの積み方などを聞ける先輩がいないことや、卒後のキャリア支援の仕組みなど、まだ決まっていないことも多く、不安に思うときもある」とOさん。

 だが、「新設医学部だからこそ、1年次から地域の診療所や薬局の見学ができるなど、他大学とは異なる経験を積める面もある。座学や実習などを通して多くの学びを得て、地域の方々に求められる医師になりたい」とOさんは話している。
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地域実習のカギは「繰り返し」

 修学資金制度に加え、同大学が卒後や義務年限後の地域定着率を向上させるために導入したのが、早期からの実習だ(図1)。少しでも早い時期から地域医療の現場を見てほしいという観点から、1年次の前期は大学付属病院や仙台市内の診療所での診療見学、看護師・薬剤師などの業務見学などを経験する。2年次以降は東北6県計19カ所にある「地域医療ネットワーク病院」を繰り返し訪れ、その病院の連携先となる介護施設や診療所を見学し、地域医療における医療機関の役割や地域包括ケアの仕組みを学ぶカリキュラム、そして東日本大震災の被災地で災害時医療や被災後の仮設住宅での健康対策などについて学ぶ実習が計画されている。

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図1 東北医科薬科大学の6年間のカリキュラム
(*クリックすると拡大表示します)

 4年次後期から6年次前期にかけては、繰り返し見学をしてきた地域医療ネットワーク病院に2週間滞在して行う「地域総合診療実習」や、付属病院や高度先進医療機能を持つ関連教育病院での「診療科臨床実習」、宮城県内に2施設ある地域医療教育サテライトセンターでの滞在型の「地域包括医療実習」などを行う。

 これらの実習を実現する目的で、同大学は地域医療教育サテライトセンターを新設し、教育関連病院、地域医療ネットワーク病院を結ぶネットワークを形成。基幹病院と地域の医療機関とを回る循環型のプログラムを組んだ。同じ施設に繰り返し滞在することで、「地域の疾病構造や地域包括ケアの取り組みを学び、患者の視点で診療する大切さを実感し、身に付けてもらいたい」と同大学医学教育推進センター長の大野勲氏は話す。

 とはいえ、他の地域で生まれ育った学生が見知らぬ地域になじむのは容易ではない。「まずはどのような地域かを知ってもらいたいと考え、東北6県の県庁に各地の風土を紹介してもらうところから始めた」と大野氏。学生には各県の発表を聞いた後に見学先の希望を聞き、それを踏まえて5~6人のチームを組織。見学の後に実習先を決め、その研修先に2年次以降、実習のたびに通う仕組みにする。

 実習は、修学資金枠の学生と一般枠の学生を混ぜて1つのチームにし、1年次から6年次まで同じメンバー、同じ地域で実習をさせる仕組みで運用するという。大学で医学教育を受けながら、同じ地域に繰り返し滞在して実習することで、「地域の臨床医や住民と関わる機会を作り、その土地の医療環境や住民の特性を知ることで、地域医療の醍醐味や医師としての使命感、将来像を考えるきっかけをつかんでもらいたい」と大野氏は話す。

診療・教育の充実に向け教員の確保が課題

 現在は、来年度から始まる地域医療実習に向けて、東北6県の行政、医師会、大学、実習先となる医療機関などと調整を重ねている段階だ。大学を悩ませている課題は、教員数の不足。「東北6県に連携先の医療機関があるため、足しげく通うにはそれだけの人数と時間が必要になる。実習準備を進める人員が充分にいるとは言えない状況だ」と大野氏は吐露する。

 教員数の不足については、福島県立医科大学総括副学長の阿部正文氏も「今の教員数では、講義は行えても実習を行うには足りず、かなり厳しい状況ではないか」と7月の教育運営協議会で指摘している。福田氏も「医学教育体制と大学病院としての診療体制を充実させる観点からすれば、まだまだ教員が不足している」と話す。

 しかし、追加で教員の公募をしようにも、同大学の開学の条件に「教員採用によって地域医療に影響を及ぼさないようにすること」が含まれているため、東北地方からの臨床医の採用は避けなければならない立場にある。そのため、同大学は臨床系を中心に1年当たり15人ずつ教員を増やし、5、6年間に分散させて少しずつ充実させたいという方針を示している。

 まずは予定している実習を確実に実施し、充分な教育・診療体制を構築していくため、東北地方の自治体、大学、医師会、医療機関と協議・連携しながら、教員を必要数確保することが求められている。


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「診療所での実習で将来の選択肢を広げてもらう」

 仙台市医師会医政広報部長の長野正裕氏に聞く

 1年次の学生に、将来の進路の1つである実地医家(開業医)の業務を知ってもらいたい──。東北医科薬科大学からこうした仙台市医師会への要請を受け、当院も今年5月からの診療所実習の受け入れを決めた。当院を訪れた学生は1人。医師と医学生が1対1で診療現場を見学してもらう実習を行った。

 開業医は、来院した患者の診断・治療以外にも、在宅・訪問診療や市民健診、予防接種、各種癌検診、学校医・産業医活動といった事務作業など、様々な業務を抱えている。医師の子息・子女であれば、ある程度は開業医の働き方を知っているかもしれないが、そうでない学生は開業医が働く姿を目の当たりにする機会は少ないはずだ。

 臨床医学の授業を受ける前の、まだ細かな医学知識を身に付けていないうちから、住民の最も身近で診療や健康管理を行う開業医の取り組みを見学してもらえることは、医学生にとっても卒業後の進路の幅を広げるきっかけになるのではないかと思っている。地域医療に従事する医師の育成を目指して校風を築こうとしている新設大学の第1期生の実習に携われたことは貴重な経験だ。

 元々が薬学の単科大学だったこともあり、これから取り組む1年次後期の実習では、医薬連携として処方箋を受け取った患者が保険薬局に行き、薬剤師の服薬指導を受けて薬剤を受け取るまでの一連の流れを見せる実習が始まると聞いている。こうした取り組みをはじめ、東北医科薬科大学には、学生が薬剤師や看護師、栄養士といったコメディカルスタッフとの連携に関心を持てるよう、共同での実習やカンファレンスを開くなど、多職種連携の重要性についても学ばせる環境を引き続き構築してもらいたいと願っている。(談)
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http://www.medwatch.jp/?p=11341
新専門医制度、整備指針の改訂案は了承されていない―日病協・神野議長
2016年11月28日|医療・介護行政をウォッチ MedWatch

 新専門医制度の「整備指針」改訂について、日本専門医機構の理事会で了承は得られていない―。

 日本病院団体協議会(日本病院会や全日本病院協会など13の病院団体で構成)の神野正博議長(全日本病院協会副会長)は、25日の代表者会議終了後の記者会見でこのように述べ、新執行部の対応に疑問を呈しました。

毎年の薬価改正は、「毎年の診療報酬改定」にもつながり、受け入れられない

 新たな専門医制度は、専門医の認定と、専門医を養成するプログラムの認証を日本専門医機構(以下、機構)が統一した基準で行うことを柱とし、2017年4月からスタートする予定でした。しかし、養成プログラムについて「ハードルが高すぎ、地域の医師偏在を助長する可能性が高い」などの批判が強く、機構の新執行部は新制度の全面スタートを1年延期することを決定。その間に、医療現場が指摘されているさまざまな課題を解決することとしています(関連記事はこちらとこちらとこちらとこちら)。

 機構では、新専門医制度の骨格となる「整備指針」を改訂すべく、基本問題小委員会を設置し、議論を重ねています。18日には、吉村博邦理事長(地域医療振興協会顧問、北里大学名誉教授)ら執行部が記者会見を行い、整備指針について次のような見直しを行うことを理事会で概ね了承した旨が明らかにされました。

▼研修プロセスを重視する「プログラム制」以外にも、到達目標で評価する「カリキュラム制」も可能にする

▼「研修施設群」の要件を柔軟にし、指導医がいない施設でも一定の条件を満たせば連携施設に準じた施設とし、研修養成施設となることを認める

▼専門医の認定や養成プログラムの1次審査などは各学会が同機構の基準に沿って行い、機構が「基準に則っているか」の2次審査行う


 しかし、機構の理事でもある神野議長は「18日の理事会では、整備指針改訂案について了承するか否かという議決は行っていない」と説明し、吉村理事長ら機構の新執行部の会見内容に疑問を呈しました。

 整備指針見直しに向けては、医師会や病院団体から「地域医療への配慮が不十分」という指摘・要望が出ており(関連記事はこちら)、今後の機構の論議に注目が集まります。


 神野議長は、このほか、財務省などが要求している「毎年の薬価改正」について、▼レセコンなどのシステム改修に向けた負担が大きい ▼DPC点数を始め、診療報酬本体の毎年改定にもつながってきてしまう―として、代表者会議では「とても受け入れられない」という見解で一致したことも明らかにしています。なお、今回のオプジーボの緊急薬価引き下げについては「メーカーの新薬開発意欲を削ぐことを懸念する意見も出ている。個人的には最適使用推進ガイドラインの整備などで使用量を適正化できたのではないかと思っている」と述べ、中医協や背後での議論が乱暴であったとの見解を明らかにしています。

 さらに、財務省などから、社会保障費の伸びを抑制するために「かかりつけ医以外を受診した場合の定額負担導入」や「入院患者への光熱水費負担導入」などが提案されている点について、「乱暴である」「議論の透明性が確保されていない」という批判が各病院団体の代表者から出ている点も紹介しました(関連記事はこちらとこちらとこちら)。



https://medical-tribune.co.jp/news/2016/1128505791/
薬価制度の抜本改革、年内に基本方針を〔CBnews〕
諮問会議で安倍首相

CBnews | 2016.11.28 15:21

 政府は25日、経済財政諮問会議(議長=安倍晋三首相)を開き、薬価制度の見直しに向けて意見を交わした。安倍首相は、制度の抜本改革の基本方針を年内に取りまとめるよう、塩崎恭久厚生労働相と麻生太郎財務相に指示した。

 この日の会合では、民間議員が薬価制度の抜本改革に向けた意見書を提出。原則2年ごとの薬価改定については、医薬品の流通価格を国が毎年調査し、薬価との間の下落分を毎年度予算に適切に反映させる「毎年改定」の仕組みを設けることなどを求めた。

 また、塩崎厚労相は今後の検討の方向性として、効能の追加などに伴い、市場規模が一定以上に拡大した場合は、年4回の新薬の保険収載を最大限活用し、柔軟に薬価を見直すことや、市場環境の変化で一定以上の薬価差が生じた品目に関しては、少なくとも年1回、通常の改定の時期に限らずに薬価を改めることなどを示した。

 さらに塩崎厚労相は、今年春に試行的に始まった費用対効果の評価による価格設定の本格導入も掲げ、「費用対効果によっては、薬価の引き上げの導入も検討したい」と語った。

 麻生財務相は「今後、高額薬剤が登場してくると、薬価制度の抜本改革は避けられない」とした上で、「厚労大臣と相談して薬価制度の見直しに取り組み、国民の負担軽減につなげていきたい」と述べた。

 このほか菅義偉官房長官は、がん治療薬「オプジーボ」の適応拡大に伴い、患者数が急増したことに触れ、「適応拡大の際の価格の見直しは必須だ。毎年の価格調査と改定が必要だ」と主張。安倍首相は「民間議員の提案も踏まえ、薬価制度の抜本的改革に向けて諮問会議で議論し、年内に基本方針を取りまとめていただきたい」と求めた。

「2年に1回の薬価改定が大原則」―日病協議長

 これに先立ち、13団体でつくる「日本病院団体協議会」は代表者会議を開き、「1年ごとの薬価改定はとても受け入れ難い」との認識で一致した。

 終了後の記者会見で神野正博議長(日本社会医療法人協議会副会長)は、「薬価が下がった分だけDPC(の点数)も下げなければならないという議論になると、結果的に毎年全面改定と同じような流れになる。それはおかしいのではないか」と述べ、「2年に1回の薬価改定が大原則だ」と強調した。

(2016年11月28日 敦賀陽平・CBnews)



https://www.m3.com/news/general/480786?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD161128&dcf_doctor=true&mc.l=192339949&eml=3f492a08f1681d66441569ec02c0b51e
中津川市民病院に賠償命令 誤診でまひ、9千万円
2016年11月28日 (月) 共同通信社

 病院の誤診で下半身にまひが残ったとして、岐阜県恵那市の男性(51)が中津川市民病院を運営する同県中津川市に約2億5千万円の損害賠償を求めた訴訟で、名古屋地裁は25日、市に9774万円の支払いを命じた。

 朝日貴浩(あさひ・たかひろ)裁判長は、後遺障害の慰謝料や障害がなければ得られたはずの収入などを認めた。一方で、現在介護している妻が高齢となった後に男性の介護サービスを雇う費用などは認めなかった。

 判決によると、男性は2011年4月、同病院で磁気共鳴画像装置(MRI)を使った検査を受け、椎間板ヘルニアと診断された。実際には化膿(かのう)性椎間板炎で、適切な治療が受けられず、感染症が進行し下半身にまひが残った。

 病院は医療過誤を認めており、賠償額が争点となっていた。中津川市民病院の安藤秀男(あんどう・ひでお)院長は「判決文を十分検討し、速やかな解決に向けた対応を考えたい」としている。



https://www.m3.com/news/iryoishin/480772
柳原病院事件、電車の“わいせつ事件”と同列に扱うな!
稲門医師会シンポ、「医療の特殊性踏まえた判断スキーム」必要

2016年11月28日 (月) 橋本佳子(m3.com編集長)

 稲門医師会・稲門法曹会は11月27日、乳腺外科医が準強制わいせつ罪で逮捕・起訴された「柳原病院事件」をテーマに合同シンポジウムを開催、電車内などでのわいせつ行為とは異なり、医療現場で起きている事件の特殊性を理解してもらうことが裁判のポイントになるとの指摘が相次いだ。

 司会を務めた、浜松医科大学医療法学教授で、医師兼弁護士の大磯義一郎氏は、「電車の痴漢行為では、女性に触るのは『異常』だが、医療行為の中で女性に触るのは、『正当業務行為』であり、電車の痴漢における判断フレームを、そのまま医療行為に用いることは不当」と問題視した。

 弁護士の趙誠峰氏も同様に、「医療の特殊性」を強調。通常の診療過程で患者に触れる機会はいくらでもあるほか、一般のわいせつ事件では「被害者」の供述が重視されがちだが、医療の場合、術後麻酔下にあるなど、「被害者」の供述の証拠価値が異なると指摘。わいせつ性を裏付けるには、客観証拠が必要になり、DNAなどでは強い証拠にはなり得ず、総合的な判断が求められると訴えた。

 国立病院機構横浜医療センター副院長兼手術部長の鈴木宏昌氏は、麻酔科医の立場から、PACU(麻酔後ケアユニット)における麻酔覚醒時せん妄に関する論文を引用し、手術部位によって相違があり、「乳癌手術」と「腹部手術」では、せん妄リスクが高まる研究結果を紹介した。

 シンポジウムは、同様の事態に巻き込まれた場合、いかに医療者が対応すべきかとの議論に発展。柳原病院事件の乳腺外科医の代理人弁護人を務める上野格氏は、「患者に言われれば、防ぎようがない。第三者を付ける以外にないのではないか」として、看護師の同席や、特にせん妄状態が生じてきたような場合には、録画や録音をするのが有用と提案した。

 もっとも、この提案に対しては、「ナースを付けるとか、録音・録画するのは、現場で無理」と指摘する意見も、フロアから上がった。「現場の医師たちは、今回の事件はあり得ないと思っており、この問題を医療の現場に投げ返さないでもらいたい。これは司法の問題であり、警察、検察、裁判官の想像力のなさが医療を滅ぼしかねない。もっと現場の医療を学びに来てもらいたい」。坂根Mクリニック(茨城県つくば市)院長の坂根みち子氏は、こう訴えた。

 柳原病院事件とは、柳原病院(東京都足立区)で、非常勤の乳腺外科医が2016年5月10日に乳腺外科の手術を受けた女性患者に対し、乳首をなめるなどの行為をしたとして、準強制わいせつの疑いで、8月25日に逮捕・勾留された事件。9月14日に起訴され、11月30日に東京地裁で初公判が予定されている。

 医療現場を踏まえた判断スキーム必要

 稲門医師会は、早稲田大学卒業後に、他大学で医師や歯科医師、薬剤師、看護師の資格を取得した医療関係者で構成。11月26日現在で、会員数は約285人(『「早稲田・稲門医師会」、136人で発足』を参照)。

 最初に登壇した大磯氏は、「医療行為と電車の痴漢との相違」を強調した。電車の痴漢行為は、女性に触るのは、『異常』だが、医療行為の中で、女性に触るのは、『正当業務行為』であり、そもそも電車の痴漢における判断フレームをそのまま用いることは不当。同列に扱うこと自体、おかしい。電車の痴漢のフレームを医療現場に持ち込むのは問題」と訴えた。

 もっとも、電車の痴漢でも、以前は女性の「この人、痴漢」の一言で、逮捕・起訴、有罪まで進むケースが多かったが、「最近は裁判所もやりすぎかもしれないとして、揺れ動いている」(大磯氏)ため、女性の証言を鵜呑みにせず、検討を加える傾向が出てきたという。「世間が問題視するようになると、裁判官は慎重な審議をするようになる」と大磯氏は述べ、裁判官の考えを変えるためにも、本事件に対し、声を上げる必要があるとした。

 大磯氏はそのほか、本件が与えた影響も大きいと指摘。乳腺外科医は、逮捕時、実名で顔写真付きで報道されたため、誹謗中傷の嵐になった上、8月25日の逮捕以来、いまだ勾留が続いている。「普通に日常生活を送り、診療していた医師が逮捕されると、収入が途絶える。精神的なダメージも大きい。捜査は終わったはずなのに、これ以上、いったい何を隠滅する恐れがあるのか」などと大磯氏は、逮捕や長期勾留を問題視。今後、無罪になっても既に多大な負担を強いられており、仮に一審で有罪、上訴になれば裁判は長期化、有罪が確定すれば行政処分が待ち受けている。

 さらに大磯氏は、本事件が診療現場に及ぼす影響も大きいとした。「電車の痴漢は、(他人に触らないように)手を上げていれば回避できるが、医療の場合は、異性に対する診療を萎縮して、悪い結果が生じ、今度は業務上過失致死傷罪容疑で訴えられるのか」と大磯氏は問題提起。「何をしていれば、違法の誹りを受けないのか、無理を強いるのではなく、医療現場を踏まえた判断スキームを議論することが必要」(大磯氏)。

 乳癌手術は麻酔覚醒時せん妄の危険因子

 次に登壇した国立病院機構横浜医療センターの鈴木氏は、入院中や術後などのせん妄の発生頻度や乳癌手術の特異性などについて講演。

 鈴木氏が提示した中で、興味深かったのは、「PACU(麻酔後ケアユニット)でのせん妄とその後の経過」に関する論文。PACU入室時のせん妄発生率は310、PACU入室中のせん妄発生率は160といった研究があるほか、別の「PACUでの麻酔覚醒時せん妄(術前不安と長期向精神薬等の患者を除く)」について研究では、手術部位によって相違があり、オッズ比が高いのは、「乳癌手術」(7.024)、「腹部手術」(3.376)だ。

 これらを踏まえ、鈴木氏は、乳癌手術が、麻酔覚醒時せん妄の危険因子になる理由を考察。乳癌手術の特徴として、(1)体表面の手術で侵襲度は低いが、皮膚切開は大きい、(2)患者の990は女性で、不安、緊張感は強く、心理的負担は大きい、(3)麻酔後、執刀まで時間がかかる(審美性を考えた皮膚切開方法を検討するのに時間を要するなど)、(4)術中出血を抑える方法を講じる(アドレナリン局注や血圧コントロールなど)――などがある。麻酔管理上も、(3)の時は、低侵襲時であり、麻酔は浅く管理することから術中覚醒があり得るほか、アドレナリン使用による中枢神経興奮や循環動態の変更、術中血圧を下げる(麻酔を深くする)必要がある――などの特徴があるという。

 「医療現場のわいせつ事件の特殊性」、検討が必須

 最後に登壇した弁護士の趙氏は、大磯氏と同様に、「医療現場のわいせつ事件の特殊性」を踏まえた対応の必要性を強調した。

 「普通のわいせつ事件では、被害女性の供述だけでほぼ逮捕され、起訴、有罪判決となる。女性の供述を裏付ける指紋やDNAなどの客観証拠はあればいいが、必ずしも必要ではない」。こう語る趙氏は、医療現場での事件には特殊性があり、(1)女性の供述(供述自体が、手術直後で麻酔の影響下、痛みや発熱の状況下、意識の低下などの状態で行われる)、(2)わいせつ性(通常の診療過程で、触れる機会はいくらでもあり、行為からわいせつ性は結び付かない)――という視点を踏まえて、検討する必要性を強調した。

 準強制わいせつ罪の成立要件の一つとして、「わいせつの意図」の有無がある。普通のわいせつ事件では、触ったりするなどの行為自体で、わいせつ行為があったと判断される。一方、医療現場では、「治療において患者に触れることは必要であり、行為の外形と、わいせつな意図は必ずしも直接結び付かない。したがって、わいせつ性を裏付ける別の客観証拠が必要だと私は思う」(趙氏)。

 「客観証拠」として、証拠価値が高いのは、精液。一方で、指紋や皮脂、DNAの証拠価値は低いとした。これらの中間にあるのが、唾液だ。柳原病院事件では、患者の体表から乳腺外科医のアミラーゼやDNAが検出されたとも言われている。

 「医療現場での事件は、普通のわいせつ事件のように女性の供述を信頼した判断は危険で、それが医療現場にもたらす影響、弊害が大きい。わいせつ性を直接裏付ける客観証拠がない場合には、例えば、当該行為が医療のルーチンの業務だったのか否か、『被害者』の供述の信用性の程度など、わいせつ性があったかを総合的に検討することが必要」と、趙氏は強調した。

 「よく起訴したな」が率直な感想

 3人の演者の講演後のディスカッションで、趙氏は、「麻酔から覚めようとしている時の話をベースにした事件であり、警察や検察にとっては、かなりリスキー。よく逮捕、起訴したな、というのが率直な感想」と述べた。一方で、「事件から逮捕まで100日以上経過している。医師の逮捕は、世の中から批判を受けるのは当然であり、警察は、検察の意向も踏まえて、起訴できるという見込みを持って逮捕していると考えられる」とも付け加えた。

 司会の大磯氏が、「明日から皆が安心して医療ができるためにはどうすればいいのか」と問いかけると、それに答えた一人が、弁護士の上野氏。今回手術の以前にも、乳腺外科医はこの患者に対し、手術をしたことがあり、一定の医師患者関係は築かれていたと考えられるほか、女性は自身の仕事上、跡を残さないように、と繰り返し依頼しており、そのために乳腺外科医は複数回写真を撮影したことなど、事件の背景を紹介。その上で、今回のような問題を回避するには、「第三者を付ける以外にないのではないか」と述べ、看護師が同席したり、せん妄状態にあると考えられる場合に、録音・録画するほか、それが難しい場合にはすぐにカルテに記載するなどの対応が求められるとした。

 「警察、検察、裁判官の想像力のなさが医療を滅ぼす」

 これに対し、鈴木氏は、「院内の録音・録画は、患者の同意がないとできない。倫理委員会の承認が必要になってくるのではないか」とコメント。一方で、フロアからは、何らかの問題が生じた場合には、倫理的な対応以前の問題であり、トラブル防止の観点から録音・録画を認めているとの発言もあった。

 さらに前述のように、坂根Mクリニックの坂根氏は、「ナースを付けるとか、録音・録画するのは、現場では無理」と指摘。そもそも現場の医師達は、(術後35分程度での)今回の事件のようなわいせつ行為はあり得ないと思っている、と訴えた。「これは司法の問題であり、警察、検察、裁判官の想像力のなさが医療を滅ぼしかねず、もっと現場の医療を学びに来てもらいたい。この問題を医療の現場に投げ返さないでもらいたい」。坂根氏はこう訴え、学会や医師会などの団体が、法務部門をより充実させ、司法に訴えかけていく必要性も強調した。

 そのほか、フロアからは、警察が専門的な観点からの意見を求めるため、別の乳腺外科医から事情聴取していると紹介し、「強い味方であり、一方で敵になりかねないのは同業者」との指摘も上がった。鈴木氏は、「トンデモ鑑定医がいることは間違いない。そうしたこともあって、まともな医師は鑑定書などを書きたくなくなる」という現状も紹介。

 いつき会ハートクリニック(東京都葛飾区)院長の佐藤一樹氏は、自身が東京女子医大事件で業務上過失致死罪に問われた際、無罪に導いた一つが、関係学会の意見書であるとし、専門的な評価が求められる場面では、学会が関与する必要性を指摘した。



https://www.m3.com/news/general/480896
後遺症の男性、さいたま市立病院を提訴 1・4億円賠償で和解へ
2016年11月28日 (月) 埼玉新聞

 低酸素脳症を発症して後遺症が残ったのは適切な処置を怠ったためとして、さいたま市立病院(さいたま市緑区三室)を運営する同市を相手取り東京地裁に損害賠償請求訴訟を起こしていた元入院患者との和解案に合意し、市が和解金約1億3985万円を支払う議案を提案することが25日、分かった。30日開会の市議会12月定例会に提案する。

 同病院庶務課によると、原告は2009年8月24日に同病院で低酸素脳症を発症した浦和区の30代男性。男性は20代だった同年8月13日に救急搬送されて同病院に入院した。11日後の24日に低酸素脳症を発症。同課は治療の経過や「後遺症が残った」こと以外を公表していないが、原告側は「病院が適切な処置を取らなかった」と主張し、同市に対し約2億3722万円の損害賠償を求め、14年5月に民事提訴していた。

 市側は争っていたが、同地裁が今年8月に提案した和解条項案に今月7日に合意した。市側は過失の有無についての認識を一切示さず、市立病院は「医療行為中に起きたことで、後遺症が残ったことに対し遺憾に思っている」とコメント。今回の和解について、清水勇人市長は25日の定例会見で「誠に遺憾。今後起こらないよう、しっかり対応していきたい」と述べた。



https://www.m3.com/news/general/480783
群馬県立病院に是正勧告 残業代未払いカルテで発覚
2016年11月28日 (月) 共同通信社

 群馬県立心臓血管センター(前橋市)が、残業代の未払いがあり労働基準法違反に当たるとして、前橋労働基準監督署から是正勧告を受けていたことが25日、分かった。患者の電子カルテが夜間に更新されていたのに、職員が更新した時間帯の残業を申告していなかったことが労基署の調査で判明し、未払いが発覚したという。

 センターによると、勧告は8月26日付。センターは管理職を除く正規職員約300人について、4~8月の残業時間を調べ直し、不足分を今月21日に支払ったとしている。

 経営に影響がないことなどを理由に、センターは対象人数や総額を明らかにしていない。担当者は「引き続き勤務時間の適正な把握に努める。正しく記録し、自己申告するよう周知したい」としている。

 県立小児医療センター(渋川市)も、就業規則を10年以上労基署に届け出ていなかったとして9月、是正勧告を受けた。規則は作成していたが「届け出る必要があるとは知らなかった」としている。



https://www.m3.com/news/general/480785
後遺障害で4千万円賠償 豊橋市、手術で左足首まひ
2016年11月28日 (月) 共同通信社

 豊橋市民病院(愛知県豊橋市)は25日、2014年に40代男性の左膝骨折を治療する手術をした際、担当医師が誤って神経を切断したとして、男性に損害賠償約4100万円を支払うと発表した。同病院は市が運営している。男性は左足首に障害が残った。

 病院によると、男性は13年12月、階段から転落して骨折し、ボルトで固定する手術を受けた。約1年後、左膝のボルトを抜き、膝を曲げやすくする手術の際に担当した30代の整形外科の医師が誤って神経を切断した。

 手術後のリハビリで回復しないため、別の病院で受診したところ、神経の切断が分かった。男性は足首がうまく動かせず、歩行が不自由な状態となった。男性と病院の弁護士が話し合い10月、和解で合意。豊橋市は12月議会に賠償支払いの議案を提出する。



http://www.asahi.com/articles/ASJCX5F04JCXUTFK006.html
70歳以上医療費、自己負担増へ 年収370万円未満も
生田大介
2016年11月29日05時00分 朝日新聞

70歳以上の医療費の自己負担上限(月額)
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 厚生労働省は70歳以上が支払う医療費の自己負担上限(月額)について、住民税を払っているすべての人を対象に引き上げる方針を固めた。すでに引き上げ方針を決めている現役世代並みの所得がある人に加え、年収約370万円未満の約1200万人も対象になる。来年8月から順次、見直していく。

 30日に開く社会保障審議会(厚労相の諮問機関)の部会で提案し、与党と調整した上で年内に決める。

 医療費は「高額療養費制度」により収入に応じて毎月の自己負担額の上限が定められている。上限を超えた分は公的な医療保険などが負担する仕組みで、医療費の負担が重くなりがちな70歳以上は70歳未満より上限が低く設定されている。

 今回の見直しは、膨れあがる社会保障費を抑えるため、一定の収入がある高齢者に負担増を求める狙いがある。厚労省は年収約370万円以上の現役世代並みの所得層のほか、年収約370万円未満で住民税を払っている所得層(東京23区で単身なら年金収入が年155万円以上)も引き上げ対象に追加する。この所得層は約1243万人と対象者が多く、財政の削減効果が大きいためだ。

 ログイン前の続き引き上げ幅は、70歳未満の上限に合わせる。年収約370万円未満の場合、現在の4万4400円の上限が2017年8月から5万7600円になる。年収約370万円以上の人も70歳未満に合わせて3段階に上限を設定。引き上げは18年8月から実施する。例えば年収約1160万円以上の人が月100万円の医療費を使えば、8万7430円の上限は25万4180円と大幅な引き上げになる。

 一方、高齢者は外来受診の回数が多いため、70歳以上には個人ごとに使った外来医療費の月額上限を下げる「外来特例」がある。年収約370万円以上の人は特例を廃止する。年収約370万円未満では1万2千円の上限をいったん17年8月に2万4600円に倍増。翌18年8月には特例の廃止も検討する。

 政府は来年度の社会保障費の自然増を1400億円程度抑えることをめざしている。今回の見直しを実現すると、年650億円以上の予算削減効果があるとしている。(生田大介)



http://biz-journal.jp/2016/11/post_17303.html
連載 平野雅章「FP相談1600件でわかった全体最適マネー術」
「医療保険は不要」を疑え…年々増加する医療費自己負担、貯蓄ゼロ世帯は要注意

文=平野雅章/横浜FP事務所代表、CFP、1級ファイナンシャル・プランニング技能士
Business Journal 2016.11.29

 雑誌の保険特集などで必ずといってよいくらい目にするのは、「医療保険は必要ない」とする内容の記事である。私も多くの記事を読んでいるが、こうした医療保険不要論の根拠の多くは、次の3点に集約されているように思う。
(1)高額療養費制度があるから、医療費の負担がそれほど大きくなることはない
(2)女性特約や健康祝い金など無駄なものが多い
(3)保障対象外などで給付金がもらえない、もらえても少額なことがある

高額療養費制度があるから医療費はカバーできる?

(1)で挙げた高額療養費制度とは、同一月にかかった医療費の自己負担額が高額になった場合、一定の金額(自己負担限度額)を超えた分を、健康保険あるいは国民健康保険で負担してくれる制度である。自己負担限度額には収入による区分があり、3万5400円から26万円程度とかなり幅がある。会社員で税込年収600万円の場合、通常は自己負担限度額が9万円程度の区分になる。
 さらに、健康保険組合によっては自己負担額をさらに減らしてくれる「付加給付」の制度を設けているところもあるため、人によって実際に自己負担する金額は大きく異なる。
 また、手元のお金にどの程度の余裕があるかは人により差が大きく、医療費負担というリスクへの許容度が人により大きく異なることも考える必要がある。金融広報中央委員会が行っている2016年の「家計の金融行動に関する世論調査」(2人以上世帯調査)では、金融資産がないと回答した世帯は30.90にも達している。収入が高い人が多い私の相談客のなかでも、貯蓄ゼロ世帯は珍しくない。従って、一律に医療保険の要不要を判断すること自体に無理があり、個別に判断すべき内容である。
 そして、不要論の多くは現在の高額療養費制度に基づいた判断を示しているが、高額療養費制度は直近でも06年10月と15年1月に改定され、自己負担限度額は徐々に高くなってきている。さらに、自己負担限度額とは別に支払いが必要な費用の改定もある。たとえば入院時の病院の食事代は1食260円だったのが、16年4月から360円になり、18年4月からは460円になることが決まっている。
 高齢化や財政の問題から自己負担しなければならない金額が、今後も高くなっていくことには疑う余地がなく、そのような視点からの判断も必要ではないだろうか。

医療保険の無駄な特約や保障対象外の問題

(2)で挙げた「女性特約や健康祝い金など無駄なものが多い」は、商品や特約の“選択”の問題であり、医療保険そのものを否定するのは論理の飛躍といえるだろう。そのような手厚い保障はパッケージプランの例にすぎず、大部分の医療保険は入院と手術の保障だけというようにシンプルな設計でも加入できる。
 また、(3)の「保障対象外などで給付金がもらえない、もらえても少額なこともある」は、保険が契約である以上、あらかじめ定められた通りに支払われるのは当然なことともいえる。保障内容の理解が不充分で加入の判断が歪んでいるということであれば、販売側の説明の問題を議論すべきだが、医療保険そのものの要不要とは別の問題だ。
 また、たとえば医療保険の手術給付金は、以前の医療保険では保険会社が定める88種類の手術のみを対象としており、公的医療保険制度で手術と認められるものでも対象外となることがあった。しかし、現在販売されている医療保険のほとんどは公的医療保険制度で手術と認められるものを手術給付金の対象とするように変わっている(一部例外もある)。保障対象をよりわかりやすくする改善も継続的に行われているのだ。
 保険は保険料から運営コストが費消される分、確率的には加入者が損をする可能性が高いものであり、なるべく加入しないに越したことはないのは事実。「医療費の自己負担が将来的に増加する可能性も考慮した上で、貯蓄で充分対応できるのであれば加入する必要性は低く、それが難しければ医療保険に加入せざるを得ない」というのが妥当な結論ではないだろうか。
(文=平野雅章/横浜FP事務所代表、CFP、1級ファイナンシャル・プランニング技能士)


  1. 2016/11/29(火) 06:08:09|
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11月27日 

http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201611/20161127_11031.html
医療費減免打ち切り 高齢被災者受診控えも
2016年11月27日日曜日 河北新報

 東日本大震災復旧・復興支援みやぎ県民センター(仙台市)など4団体は、被災者を対象に実施したアンケートの結果から、医療費窓口負担の一部免除が打ち切られた高齢者らに医療機関での受診を控える動きが広がっていると発表した。

 免除対象だったのは、国民健康保険と75歳以上の後期高齢者医療保険加入者のうち、震災で主な生計者が亡くなるなどした非課税世帯。2015年度で国からの追加支援が終わり、仙台市など大半の市町村が免除を打ち切った。石巻市など9市町は免除を継続する。
 アンケートは21市町の災害公営住宅と仮設住宅全2万戸に調査票を配布。680人から回答があった。平均年齢は70.14歳で、免除継続は139人、打ち切られたのは505人。「現在受診していない」との回答は75人で、うち70人が経済的負担を理由に挙げた。
 免除打ち切りに伴い、受診回数を減らすか中断すると答えたのは153人(26.4%)に上った。市町村によって継続、打ち切りの措置が異なることについては567人(90.0%)が「納得できない」とした。
 センターは「仮設住宅から災害公営住宅に移った人も家賃負担の発生など負担は重く、被災者の生活再建はまだ途上だ。岩手県は来年12月まで補助継続を表明しており、宮城もやるべきだ」と訴えた。


  1. 2016/11/28(月) 06:24:33|
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11月26日 

http://mainichi.jp/articles/20161126/ddl/k37/010/412000c
高松市
病院に初の貸し付け 経営難、一般会計から7.8億円 /香川

毎日新聞2016年11月26日 地方版

 高松市は25日、経営難が続く高松市民病院(同市宮脇町2、417床)に対し、7億8000万円の運転資金を一般会計から貸し付ける方針を明らかにした。病院事業会計への貸し付けは初めて。12月開会の市議会に提案する補正予算案に盛り込む。

 市民病院経営企画課によると、運転資金は25日現在で約5億6000万円。経費や人件費の支払いなどで今年度末にも底を尽きる見通しであることから、市は資金を貸し付けることにした。償還期間は2021年度から20年間。

 経営難の原因は患者の減少だ。今年4~9月の入院患者数は1日平均145人で06年度の半数以下に減った。外来患者278人も4割の水準にとどまっている。

 市民病院の昨年度の経常損益は6億800万円の赤字で過去10年で最悪となった。今年度も厳しい経営が続いており、経営企画課は「医師の確保でどれだけ入院患者を増やせるかにかかっている」としている。【岩崎邦宏】



http://www.asahi.com/articles/ASJCV0347JCTUBQU014.html
元ノバルティス社員に懲役2年6カ月求刑 論文不正事件
塩入彩
2016年11月26日06時05分 朝日新聞

 製薬大手ノバルティスの高血圧治療薬「ディオバン」に関する論文不正事件で、薬の効果を示す臨床データを改ざんしたとして薬事法(現医薬品医療機器法)違反(虚偽記述・広告)の罪に問われた同社元社員、白橋伸雄被告(65)の公判が25日、東京地裁であった。検察側は「社内で評価を得るために、自社に有利になるようデータを改ざんした」として懲役2年6カ月を求刑。法人としての同社に対しても、罰金400万円を求刑した。

ノバルティス論文不正の真相は 裁判で医師らが証言
 白橋被告の弁護側は「被告がデータを改ざんした直接的な証拠はない。症例の水増しなどは第三者によるものだ」と無罪を主張。同社も被告による改ざんを否定した上で、「仮に被告による水増しがあったとしても、会社は指示していない」と無罪を訴えた。

 白橋被告は、京都府立医大がディオバンの効果を調べる研究で、データの解析などを担当していた。検察側は、データを改ざんした図表を被告が医師らに提供し、虚偽の内容の論文を書かせた、と主張した。

 一方の弁護側は、「被告より医師の方が水増しする動機があった」と指摘。被告が作った図表に間違いがあったとしても過失などで「意図した改ざんではない」と反論した。



http://mainichi.jp/articles/20161126/ddq/041/040/010000c
医療過誤
誤診でまひ 岐阜・中津川市に9774万円賠償命令 名地裁

毎日新聞2016年11月26日 中部朝刊

 病院の誤診で下半身にまひが残ったとして、岐阜県恵那市の男性(51)が中津川市民病院を運営する同県中津川市に約2億5000万円の損害賠償を求めた訴訟で、名古屋地裁は25日、市に9774万円の支払いを命じた。

 朝日貴浩裁判長は、後遺障害の慰謝料や障害がなければ得られたはずの収入などを認めた。一方で、現在介護している妻が高齢となった後に男性の介護サービスを雇う費用などは認めなかった。

 判決によると、男性は2011年4月、同病院で磁気共鳴画像化装置(MRI)を使った検査を受け、椎間板(ついかんばん)ヘルニアと診断された。実際には化膿(かのう)性椎間板炎で、適切な治療が受けられず、感染症が進行し下半身にまひが残った。

 病院は医療過誤を認めており、賠償額が争点となっていた。



http://www.tokyo-np.co.jp/article/saitama/list/201611/CK2016112602000148.html?ref=rank
【埼玉】
さいたま市 1億3900万円支払いへ 医療事故、男性側と和解

2016年11月26日 東京新聞

 さいたま市は、同市立病院(緑区)に入院中に重い後遺症を発症した男性に対し、和解金一億三千九百万円を支払うと発表した。
 市によると、男性は浦和区在住で当時二十代。二〇〇九年八月十三日に入院し、十一日後に低酸素脳症を発症、後遺症を残した。
 男性側は発症は病院側が適切な処置を採らなかったからだとして、一四年五月に市に二億三千七百万円の損害賠償を求め、東京地裁に提訴した。市は適切な治療をしたと主張を続けたが、今年八月に地裁から和解を提案され、今月七日に和解案に合意した。
 市立病院の大沢教男庶務課長は「人道的立場から患者と家族の心情を考慮した」と和解理由を説明。「後遺症が残ったことは遺憾に思っている」とコメントした。男性の入院理由や治療内容については、明らかにできないという。
 市は和解に関する議案を市議会十二月定例会に提出し、議決後に正式に和解する。 (井上峻輔)



https://www.m3.com/news/iryoishin/480394?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD161126&dcf_doctor=true&mc.l=192212075
シリーズ: 奈良・勾留医師死亡事件
告発から9日目の受理、「異例に早い」と担当弁護士
不起訴なら検察審査会の審議要求を予定

2016年11月26日 (土) 橋本佳子(m3.com編集長)

 奈良県の山本病院に勤務していた男性医師(当時54歳)が、勾留中に死亡した事件で、岩手医科大学法医学講座教授の出羽厚二氏が、奈良県警察本部に提出した特別公務員暴行陵虐致死容疑の告発状が11月24日受理された(『勾留中の男性医師死亡、法医が刑事告発したわけ』を参照)。

 出羽氏の代理人弁護士を務める小泉哲二氏は11月25日、m3.comの取材に対し、「告発状は受理されると想定していたが、こんなに早いとは思っていなかった。告発しても半年くらい放置されることもあるが、今回は11月15日の提出から9日目の受理で異例に早い。メディアに取り上げられたこともあり、奈良県警としては、きちんと対応をしないと、批判の声が上がると考えたのではないか」と答えた。

 その上で、「正式な刑事裁判になると、私は自信を持っている」と小泉弁護士は話す。「奈良検察庁に送致後、不起訴になっても、我々は検察審査会に審査を求める予定だ。検察審査会は一般国民から構成される。関係書類を見たら、起訴相当と議決するだろう」。検察官は起訴相当となった場合に、起訴か不起訴かを改めて判断しなければいけない。不起訴となっても、検察審査会が改めて起訴相当と議決したら、必ず起訴される仕組みがある。「検察審査会が威力を発揮する事件だと考えている」。

 小泉弁護士は11月24日に奈良県警と話したところ、出羽氏の事情徴収を相談された。できるだけ早い時期に応じる予定だという。

 男性医師の遺族は、奈良県を相手に、損賠賠償を求めて係争中だ。今年9月26日に結審、12月末に判決の予定だが、小泉弁護士は、採用されていない意見書がある上、男性医師の勾留中の様子が分かる「留置記録」が開示されていないなどから、近く改めて弁論再開の申し立てを行う予定だ。「男性医師の全身には、打撲傷による皮下出血が及んでいる。仮に、留置施設内で自傷行為をしていたら、すぐに分かり、止められる」(小泉弁護士)。県側が出した医師の意見書には、「胡坐など長時間の同一姿勢により自分の体重で圧迫した場合などにも横紋筋融解症は生じる」などとし、強圧・打撲による筋挫滅による横紋筋融解症を否定している。

 男性医師の遺族は、「告発については、『なぜ今ごろ』という声も聞く。しかし、これまで精一杯、資料開示を求めてきても、なかなか開示されず、時間がかかった」と振り返る。「私はいまだ県から死亡について、きちんとした説明を受けていない。急性心筋梗塞という病死なら、それを証明する説明をしてもらいたい。留置記録を見て、勾留中、どんな様子だったのか知りたい」。



https://www.m3.com/news/iryoishin/480398
シリーズ: 安倍政権の医療制度改革
安倍首相「薬価制度改革の基本方針、年内に取りまとめ」
「年4回の新薬収載の機会、最大限活用」と塩崎厚労相

2016年11月26日 (土) 橋本佳子(m3.com編集長)

 安倍晋三首相は経済財政諮問会議の11月25日の会議で、薬価制度の抜本改革に向けて、同会議で議論し、年内に基本方針を取りまとめるよう指示した(資料は、内閣府のホームページ)。民間議員は、改革のポイントとして、薬価の毎年改定、算定の透明性の確保、研究開発の促進などを挙げ、塩崎恭久厚労相はさらに踏み込んで、「新薬収載の機会(年4回)を最大限活用して、柔軟に薬価を見直し」「少なくとも年1回、これまでの改定時期に限らず薬価を見直し」を検討課題に掲げた。

 これらの提言を受け、麻生太郎財務相は、「今後、高額薬剤が登場してくると、薬価制度の抜本改革は避けられない。毎年改定など貴重な意見をもらった」、菅義偉官房長官は、「薬価の毎年改定と新薬創出・適用外薬解消等促進加算制度の強化が重要」などと発言。薬価制度の改定については、中央社会保険医療協議会の審議事項でもあり、二つの場で年末に向けて議論が進むことになる。

 そのほか、同日の会議では、一人当たり医療費の地域差半減に向けて、地域医療構想および医療費適正化計画の実行を担保するため、都道府県の権限強化について議論したほか、「2017年度の予算編成の基本方針」も答申した。基本方針は、来週の閣議で決定される見通し。

 「早急に政府基本方針を策定」
 塩崎厚労相が提出した資料では、オプジーボ(一般名ニボルマブ)の薬価を緊急的に50%引き下げる対応を行ったことを説明(『オプジーボ、来年2月から50%引き下げへ』を参照)。「イノベーションの推進」と「国民皆保険制度の持続性」の両立を目指した薬価制度の抜本改革の進める観点から、以下の5つの検討の方向性を挙げ、「早急に政府基本方針を策定する」とした。

塩崎恭久厚労相の提出資料(2016年11月25日経済財政諮問会議)
1. 収載後の状況の変化に対応できるよう、効能追加等に伴う一定規模以上の市場拡大について、新薬収載の機会(年4回)を最大限活用して、柔軟に薬価を見直し

2. 市場環境の変化により一定以上の薬価差が生じた品目(後発品を含む)について、少なくとも年1回、これまでの改定時期に限らず薬価を見直し

3. 薬価算定方式(原価計算方式・類似薬効比較方式)の正確性・透明性の向上とイノベーション評価の加速化を図るとともに、医療保険財政に大きな影響を及ぼし得るバイオ医薬品について、研究開発支援方策(バイオシミラーについては、価格付けの方針数量シェア目標を含む)を早急に策定

4. 外国価格のより正確な把握を含め、外国価格との調整を大幅に改善

5. 費用対効果評価による価値に基づき、上市後の薬価引上げを含めた価格設定を本格導入(費用対効果評価の本格導入を加速化)

 オプジーボの教訓生かし、制度改正を
 民間議員の薬価制度の抜本改革についての提案でも、その背景として「今回のオプジーボ問題を通じて、薬価制度が抱える問題の一部が明らかになった」と指摘。「経済財政諮問会議において、厚生労働省と連携しつつ、年内に薬価制度の抜本改革の基本方針を取りまとめるべき」と、同会議主導での議論を求めている。

 改革の具体案としては、オプジーボを念頭に、薬価設定当初と異なる事態に迅速に薬価改定するため、「患者数見込みの拡大に反比例する形で薬価引き下げるルール」「高額医薬品を対象として、保険収載後においても内外の価格差が一定幅(例えば2倍以上)を超えている場合には薬価改定」などを提言。薬価算定の透明性の確保のため、「製造総原価の詳細内訳の公表を義務付け」「費用対効果評価の本格導入」を求めた。

 さらに後発医薬品については、既収載品の3~4割程度に下げるほか、流通価格を適切に反映するため、現在は2年に1回実施している薬価改定について、毎年薬価調査を行い改定することで、流通価格の下落実勢を毎年度予算に適切に反映すべきとしている。



https://www.m3.com/news/general/480143?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD161126&dcf_doctor=true&mc.l=192212080
横浜・入院患者連続殺人:第三者検証委設置へ 大口病院中毒死で横浜市 /神奈川
2016年11月26日 (土) 毎日新聞社

 横浜市神奈川区の大口病院で入院中の2人が中毒死した事件を受け、市は24日、第三者による「市医療安全業務検証委員会」を設置すると発表した。院内トラブルを把握した後や、定期立ち入り検査の際の、市の病院への対応などを検証する。30日に初会合を開く。

 市には事件前、匿名で院内のトラブルを訴えるメールが届いていた。市は病院の定期立ち入り検査で、トラブルの詳細を確認せず、口頭で再発の防止を求めたが、その後に2人の中毒死が発生した。

 第三者委員会は、医療や法律の専門家など9人で構成。市健康福祉局の担当者へのヒアリングなどを基に当時の対応が適切だったのかを検証し、課題を洗い出した上で、行政の役割について提言する。報告書は来年3月上旬にまとめる予定。【水戸健一】



https://www.m3.com/news/general/480195
医療療養病床の光熱水費1日370円、全患者から徴収へ
2016年11月26日 (土) 朝日新聞

 厚生労働省は長期療養を目的とする医療療養病床の光熱水費について、原則すべての65歳以上の患者から1日当たり370円を徴収する方針を固めた。現在は軽症の高齢者ら約5万人のみから320円を徴収しているが、対象は最大約20万人に拡大。早ければ来年度から実施する。30日の社会保障審議会(厚労相の諮問機関)の部会で提案する。

 病院の光熱水費は原則、自己負担を求めていない。だが、高齢者や難病患者が長期入院する医療療養病床の平均入院期間は5カ月半ほどと長く、「住まい」になっているとして、原則として患者全員からの徴収に踏み切る。徴収額は光熱水費の基準額が370円の介護保険施設に合わせる。

 現在の徴収対象者は65歳以上の患者のうち、比較的症状が軽い人など「医療区分1」に該当する約5万人。今後は比較的症状が重い「医療区分2、3」の約16万人も加える。難病患者らを除外するかどうかは調整する。治療目的で短期の入院が原則の一般病床などは、徴収を見送る方針だ。

 政府は来年度の社会保障費の自然増を6400億円から5千億円程度に圧縮することをめざしており、光熱水費の見直しで80億円程度抑制する。(生田大介)



https://www.m3.com/news/iryoishin/480414
シリーズ: 医師臨床研修部会
専門医の取得希望92.6%、2016年度研修医調査
厚労省中間報告、医師偏在解消のカギは「臨床研修地」

2016年11月26日 (土) 橋本佳子(m3.com編集長)

 厚生労働省は、11月24日の医道審議会医師分科会医師臨床研修部会(部会長:桐野高明・東京大学名誉教授)で、「2016年臨床研修修了者アンケート調査結果概要(中間報告)」を公表、臨床研修修了後のキャリアパスに関する設問では、専門医取得の希望は92.6%に上る明らかになった。一方、医学博士の取得希望は41.5%にとどまり、若手医師の専門医志向が改めて確認された(資料は、厚労省のホームページ)。

 大学医局の入局予定は、全体では74.2%と7割を超える。ただし、臨床研修実施場所で見ると差があり、大学病院で研修した医師は88.7%と高い一方、臨床研修病院で研修した医師は63.6%にとどまる。

 勤務希望地と、医学部所在地もしくは臨床研修地との関係を見ると、臨床研修地の方が、その後の勤務地を左右することが分かる。「臨床研修地と希望勤務地が同一都道府県」の医師は74.9%と高いが、「医学部所在地と希望勤務地が同一都道府県」の医師は51.8%と半数だ。医師の地域偏在解消には、研修医がどこで臨床研修を行うかが、言い換えれば、制度としては都道府県別などの研修医の定員設定、臨床研修病院側としては魅力のある研修体制作りがカギとなる。

 都道府県別の分析では、例外的な医師の動向となっているのは、東京都。都内の大学医学部卒業者を100%とした場合、出身地が都内の割合は39.6%。一方、「医師1年目(臨床研修を行った都道府県)」が都内の割合は54.2%と約半分になるが、「将来の希望(臨床研修後に希望する都道府県)」の割合は64.8%に上がる。いったんは都外に出て臨床研修を行うものの、後期研修でまた都内に戻ってくる医師が少なくないことが分かる。他は、「医師1年目」「将来の希望」と徐々に低下する都道府県が大半だ。

 臨床研修前後で、将来希望する診療科の変化については、研修後に増加する診療科は、麻酔科(希望人数割合3.0%→4.4%)、精神科(同3.7%→4.1%)など。一方、研修後に減少する診療科は、内科系(同36.5%→34.2%)、外科系(同12.0%→10.1%)など。

 「臨床研修修了者アンケート調査」は、毎年実施している調査。2016年は、2016年3月末までに臨床研修を修了予定の研修医7768人を対象に実施。調査期間は2016年3月1日から3月31日、回収数は6034人(回収率77.7%)。

 今回の調査では、新たに指導医アンケートを実施した。調査対象は、臨床研修病院に属する全ての指導医。回収数は2万2349人で、2003年度以前(臨床研修必修化前)の臨床研修修了者は84.2%、2004年度以降の臨床研修修了者は12.5%、その他・無回答3.2%。具体的項目を挙げ「臨床知識・技術・態度を今まで修得する期間があった」という回答割合は、2004年度以降の臨床研修修了者の方が多く、臨床研修制度の必修化が幅広い基本的な診療能力を身に付ける機会になっていることが明らかになった。

 「意図的アンマッチで希望地域に勤務」
 24日の医師臨床研修部会では、議論になったのが、医学部の「地域枠」について。

 「奨学金受給者」(709人、うち「地域枠」入学者は、184人)を対象に行った質問では、「臨床研修中における地域等への従事」について、「必ず求められている」「全体の期間に臨床期間中が含まれているが、必須ではない」の合計は63.6%。「臨床研修修了後における地域等への従事」は、「必ず求められている」「求められているが、全体の期間のうち一部」の合計は84.4%。

 これらのデータからは、奨学金や「地域枠」が、特定の都道府県への医師定着に一定の効果があるように見える。しかし、委員からは、意図的にマッチングに参加せず、マッチング終了後に、定員に満たない臨床研修病院の2次募集に応募するなどして、希望の勤務地に行く例があると紹介された。

 桐野座長は、「マッチングは紳士協定でやっている。こうした“裏ルート”が本当にあるのであれば、問題」と問題視し、制度的な対応の検討も必要だとした。厚労省医政局医事課によると、現状では「お願いベース」で、応募する医学生側、採用する病院側、それぞれに「地域枠」であるかどうかを確認するよう求めているという。



https://www.m3.com/news/iryoishin/480050
シリーズ: m3.com意識調査
オプジーボ薬価改定、世代ごとに認識に差
「もっと下げるべき」35歳未満43%、65歳以上64%

2016年11月26日 (土) m3.com編集部

 m3.com意識調査「オプジーボ薬価50%引き下げは妥当?」で、「賛成」と回答した人は全体の83%と、賛成が多数を占める結果になった。世代別に見ると、35歳未満では20%が「反対」であったのに対し、65歳以上の「反対」は12%と、世代別にやや差異が出る結果だった。

(回答総数は1862人、35歳未満:274、35歳-49歳:766、50-64歳:714、65歳:108)

全ての調査結果はこちら⇒オプジーボ薬価50%引き下げは妥当?
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 50%という引き下げ幅については、全体の54%が「もっと引き下げるべき」と回答し、「下げすぎ」との意見は19%。

 世代別では、世代が上がるほどに「もっと引き下げるべき」の回答割合が上がる傾向があり、35歳の43%に対し、65歳以上では64%が「もっと引き下げるべき」と回答した。
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 「賛成」に関する意見としては、「医療財政の面からも対象者の拡大に応じて薬価の引き下げは妥当」、という声が目立った一方で、「反対」に関する意見としては、「国が自ら決めたルールを反故にしている、順序が違う」という声や、「今後の新薬開発にも影響が出るのでは」といった声が上がった。

自由意見はこちら→「最初の薬価が問題」「超法規的措置は妥当だったか」



https://www.m3.com/news/iryoishin/480054
シリーズ: m3.com意識調査
「最初の薬価が問題」「超法規的措置は妥当だったか」
オプジーボ薬価50%引き下げは妥当?

2016年11月26日 (土) m3.com編集部

Q3: 今回のオプジーボの薬価改定について、ご意見があればご記入ください。

調査結果はこちら→オプジーボ薬価改定、世代ごとに認識に差がつく

<賛成>

・全体として医療経済的な観点からは薬価の引き下げは賛成です。
 ただ、特定の薬品に限定しての、かなりの下げ幅での薬価改定は不公平感も強く、会社としては「やってられない」という感覚になるでしょう。
 そもそも医療費の高騰を防ぐ方法は、結果的には医師の良心と良識にかかってくると私は考えています。処方するかどうかを決めるのは医師なわけですから、一言で言うと「それだけの価格の薬を使って助ける価値があるのか」というコストパフォーマンスを考慮する医療が必要です。
 治療が奏功しある程度の寿命が得られた場合に、社会に対して貢献し得る患者は医療費をかけても治療するべきです。一方、医療費をかけて治療し寿命を得たのに、結局生活保護や各種支援、年金などで社会収支としてマイナス(大きくマイナス)とならざるを得ない場合は、ある程度以上のステージの腫瘍の時点で、BSC(本来サポートやケアにも費用はかかるので、それにも議論は必要ですが)にするべきと思います。
 人命の価値を何で決めるのか、という場合に医療費という費用面が問題になる以上、やはり収入(=納税など)で評価せざるを得ないでしょう。納税額=収入額で決めるのはどうなのか、という議論、人には芸術や発想としての無形の貢献が、という意見は分かりますが、ある程度社会に影響を与えることが出来る人材にはそれなりの収入がついてくることが多いので、結局は収入額(=国や医師が把握しやすいという意味では納税額でしょう)でラインを分け、治療群を絞って医療を行うのが現実的な選別法ではないかと思います。
 それを自分なりの信念、ライン引きをもって行うのが医師の良識だと思いますが、現状システム上も法律上もそうした判断に対してバックアップがなく、むしろ異端扱いされることも多いと思います。今後はどの対象にどの医療を行うのか、という議論を深めていかなければ、本質的に医療費の増大を解決することはできません。薬価改定そのものには賛成ですが、より一歩二歩と踏み込んだ議論が必要と思います。 【勤務医】

・薬価決定に際して、メーカーから出されている、開発費を考慮することはもちろん必要と思うが、回収を急ぐあまり高価な設定に関しては,一考を要するのではないでしょうか。今回のように適応が当初の設定数を急速に増えると予想される場合には特に大事だと思います。それと審査委員の薬剤に対するきちんとした見識だと思います。【勤務医】

・製薬会社は企業経営にかかわる問題だとしているが、予想以上に売上が伸びていることから彼らが主張していることは理解できない。このまま、不当に高額な薬剤が出続けると製薬会社は潤うかもしれないが、国民皆保険制度が崩壊する。彼らはそのことを理解すべき。高額な薬剤を使う場合には自費にするなどの制度改定が必要。【勤務医】

・そもそも厚労省はなぜこんな高価な薬を保険収載したのか?厚労省こそが今回の問題の責任者だと思う。贈収賄があったとまでは思わないが、理由を聞きたいものである。半額でも医療保険制度を揺るがす出費になるだろう。保険収載から外せばいいだけの話でしょう。【勤務医】

・価格としては妥当だが、そのプロセスに大きな疑問がある。「超法規的措置」が妥当だったかどうか内省してもらいたいし、今後、類似の事案が生じることもあると思うので、薬価改定の方法を早急に見直してほしい。【勤務医】

<反対>

・まずは医療費(特に薬剤費)の無駄遣いを削ってから、この結論にすべきだと思います。
 厚労省と日本医師会(特に開業医)は、自分の身を削るべきだと思います。効果が明らかな薬剤と不明な薬剤は、自己負担比率を変えるなどするべきです。
 風邪薬、鎮痛剤、湿布などは市販薬とすべきで、QOL薬剤の自己負担比率は上げるべきでしょう。その上でこのような結論にしないと、新薬は日本での上市を避ける方向に動くでしょう。【勤務医】

・ルールはルールですから決まっていることを、途中で変えてしまい、方針をぶれさせてはいけない。そもそも、最初の薬価が高すぎたとは思います。そこを低く抑えるべきだった。諸外国は、見通すことができ、薬価が抑えられたにもかかわらず、その辺りを見通せなかった担当の方々を、大幅減俸することが、先だと思います。途中変更したのでは、今後の製薬開発が低迷することと思います。【勤務医】

・国民の利益という錦の御旗に掲げているのであろうが、後出しジャンケンのように、ルールを守らないのは国家権力(官僚)の横暴ではないのか。もともとの薬価の決め方に問題があった。予想以上に医療財政を圧迫してしまったという責任は小野薬品にはない。こんなことが罷り通るようでは、共産主義国家と同じだ。今後、他の分野でもこれと類似したことが益々起こってくることを危惧する。【開業医】

・事前に定められた規則を破るのは悪しき前例を作ることになる。民主主義社会において時に有権者は愚かな選択をすること、そして、実際に国家存亡の秋を迎えようとしていたことを自民党は骨肉に染みるほど味わったのに、またもや同じ過ちを繰り返そうとしている。
 民共合作という、まさに自由主義、民主主義の敵がまかりまちがって政権を取る万が一の可能性をも考慮に入れて、システムとして、濫用を未然に叩き潰す必要があると思う。悪しき前例を残してはならない。【開業医】


・たくさん売れたことで値段を下げられることは、公益性のある医薬品であろうと資本主義国家の考えとしておかしい。突然の値下げでは会社経営にも影響するだろう。売れすぎや価格が高くて社会保障費を圧迫するというが、開発には多額の費用がかかっている。今後も薬価削減ばかりされると、日本で新薬が開発されなくなったり、海外とのドラッグラグが大きくなることが心配である。【薬剤師】


  1. 2016/11/27(日) 05:38:10|
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11月25日 

http://news.biglobe.ne.jp/domestic/1125/jbp_161125_6140936107.html
日本一のブラック企業「病院」、人材が海外流出 低賃金でこき使われる若手医師、将来の開業もはや夢に
上 昌広
JBpress11月25日(金)6時40分

画像:(図1)医師の労働時間
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(図1)医師の労働時間

画像:(図2)内科常勤医1人あたりの救急患者受け入れ数
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(図2)内科常勤医1人あたりの救急患者受け入れ数

 電通の過剰労働問題が話題だ。女性社員の自殺について、厚生労働省は強制捜査を行い、書類送検する予定という。
 実は、電通以上に過剰勤務が状態化している職場がある。それは病院だ。特に若手医師が置かれた状況は劣悪だ。
 少し古いが2006年の国立保健医療科学院のタイムスタディーをご紹介しよう。この研究によれば、週の平均労働時間は、20歳代の男性医師が85時間、女性医師が78時間だ(図1)。
 法定労働時間は週40時間であり、残業が週20時間(月80時間)を超えると過労死の認定水準に達すると見なされている。この状況は早急に見直すべきだ。
 ただ、それは極めて難しい。若手医師のサービス残業を念頭に医療システムが設計されているからだ。下手にいじると、日本の医療が崩壊しかねない。

低賃金でこき使われる若手医師

 日本の医療の制度設計の問題は「医師が肉体労働者」であることを考慮していないことだ。部長や教授のような管理職になる一部の医師を除き、医師が最も働けるのは20代後半から30代半ばまでだろう。前出の調査でも残業時間は年齢とともに単調減少している。
 ところが給与は年功序列だ。大学病院の場合、20〜30代の年収は300万〜600万円、40〜50代で800万〜1000万円くらいだ。市中病院では、それぞれ600万〜800万円、1500万円くらいだろうか。病院経営は「若手が働き、年寄りを養う」構造になっている。
 経営を効率化するには、若手を確保し、年寄りを辞めさせるのがいい。以前から、働けないロートル医師は、病院幹部から肩たたきされて開業したり、中小病院の管理職になっていた。
 このやり方はプロ野球経営と似ている。毎年オフになれば、ドラフト会議で有望な若手を獲得する一方で、働きの悪いベテラン選手は肩たたきされる。コーチや解説者になれる一部の選手を除き、野球とは全く別の第二の人生を歩む。多くの場合、収入は激減する。
 医師がプロ野球選手と違うのは、「現役」の勤務医よりも、「引退後」の開業医の方が収入が高いことだ。人にもよるが、開業医の年収は2000万〜3000万円程度だ。
 この差は、開業医の方が勤務医より、よく働くとか、提供する医療行為の付加価値が高いからではない。厚労省が定める診療報酬が、開業医に有利になっているだけだ。
 例えば、心停止の患者に心臓マッサージをしても、その対価は30分まで2500円で、それを超えると30分ごとに400円が加算されるだけだ。
 一方、風邪の患者に3分診療すれば4000円程度を得ることができる。この格差は、戦後、日本医師会が自民党の強力な支援団体であり続けた名残だ。
 そして、このような医師の人事管理を担ってきたのが大学医局と、そのOBたちが仕切る地元の医師会だった。
 この体制が維持される限り、医師が若い頃に安い給与で働いても、年をとって開業すれば「元が取れる」仕組みになっていた。このように考えれば、医師のキャリアの実態は、実力勝負のスポーツ選手とは程遠く、終身雇用を念頭に置いた高度成長期の会社組織と変わらない。
 ところが、近年、この戦略が通用しなくなっている。一部の地域で、開業医の数が充足し、新規開業の余地がなくなったからだ。

開業する夢も消え・・・

 診療報酬は全国一律の公定価格なので、診療報酬が抑制されれば、物価の高い都市部ほど経営は不安定になる。この結果、都市部の勤務医は開業せず、勤務医を続けることになる。
 1990年に40.3歳だった勤務医の平均年齢は、2014年には44.2歳に上昇している。一方、開業医の平均年齢は、58.5歳から59.2歳と大きな変化はない。
 これが都市部の病院で、若手医師の待遇を悪化させる1つの要因だ。中年医師が辞めないため、若手は、いつまでも「専修医」や「後期研修医」という肩書きでの勤務を強いられる。
 このような立場の医師の多くが、有期雇用であり、研修終了後の雇用継続は経営者の判断に委ねられる。圧倒的な買い手市場であり、一部の病院では違法な状態となっている。
 例えば、聖路加国際病院では、サービス残業が常態化していたことが発覚した。給与も低く、30代前半の医師の年収は約400万円だ(『選択』10月号より)。
 今春、労働基準監督署(労基署)が入り、未払いの残業代を支払うこととなった。同病院の財務は悪化し、今夏のボーナスは1割程度カットされ、支払も遅れたという。これが前年度まで約130億円の利益を上げていた名門病院の実態だ。
 若い勤務医をブラック労働から解放するにはどうすればいいのだろう。
 この状況は容易には改善しない。聖路加国際病院のケースが示すように、若手医師に正当に給料を払えば、多くの病院は赤字になってしまうからだ。
 問題の抜本解決には、医師が生み出す付加価値に給与体系を合わせるしかない。アスリートのように引退後は自力で生きるか、あるいは看護師のように本給を下げて、手当てでの支払を増やすかだ。いずれにせよ、中年以降は収入が減る。
 このような改革をするには、開業医優遇の診療報酬のあり方や、医師・看護師の業務独占の緩和、さらに医学部新設や医学部定員増が必要だろう。ただ、いずれも痛みを伴う改革だ。様々な業界関係者の既得権が絡み合い、容易には実行できない。
 では、そこまで待っていられない若手勤務医はどうすればいいだろうか。
 私は、研究室に出入りする若手医師たちに「男性の場合は40代以降、女性の場合は出産後のセカンドキャリアを考えるように」と指導している。ちょうど、アスリートが現役引退後のセカンドキャリアを考えるのと同じだ。
 その際に重要なことは、中年以降に役立つ特技を身につけること、将来にわたり信頼できる仲間を持つこと、および今後需要が高まる分野での仕事にチャレンジすることだ。
 特技については、専門性が高く、年を取ってもできるものがいい。できれば1人でもやれる方がいい。その意味で内視鏡や、白内障や乳がんの手術はお奨めだ。
 自分にやる気があれば、国内外、どこでも診療科を立ち上げることが可能だ。ベトナムで白内障手術を行っている服部匡志医師など、その典型例だ。

若い時代に働く場所が医師の未来を左右

 一方、心臓外科や膵頭十二指腸切除などの大型の手術は、その限りではない。初期投資が大きく、やれる施設は限られる。そのような施設のスタッフ医師の枠は、すでに飽和している。
 高齢化が進む我が国で、侵襲的な手術を受ける患者が増加するとは考えにくく、既存の教授や部長など管理職のポジションを確保するしかない。もし、確保できなければ潰しはきかない。
 診療科と同じく、働く場所も重要だ。
 現行の全国一律の診療報酬制度が続く限り、首都圏などの都市部の将来は暗い。病院の経営は悪化し、ブラック労働が常態化しているのに、若手医師が集まり過ぎて、経験を積めないからだ。
 図2は常勤内科医1人あたりの年間の救急患者受け入れ数だ。赤が2015年度の研修病院マッチングでトップ10に入った施設だが、何れも経験が積める病院とは言いがたい。
 働くなら、医師が少なく、かつ物価が安い地域がいい。私が注目するのは、福島県や宮城県など東北地方の太平洋側だ。冬場でも雪が降らず、東京からも近い。さらに、民営化される仙台空港を使えば、数時間で関西や福岡にも行ける。
 この地域からは、仙台厚生病院、ときわ会常磐病院(福島県いわき市)などの成長著しい病院が出ている。
 このような病院は、診療を通じて得た収益を、将来投資に充てている。ダヴィンチなど先進機器を積極的に導入し、人材にも投資する。
 仙台厚生病院は天野篤・順天堂大学教授を非常勤で雇用し、手術を指導してもらっている。ときわ会常磐病院は、論文不正の責任を取って東京大学分子細胞生物学研究所の教授を辞職した加藤茂明氏の基礎研究室を開設し、若手医師の論文指導を担当してもらっている。このような病院では実績が上がりやすい。
 さらに民間施設であることも大きい。選挙のたびに経営方針が変わり、役人が意思決定する国公立病院と違い、経営陣と信頼関係を構築できれば、長期的なお付き合いも可能だ。
 病院が成長し続ける限り、自らの居場所は確保できる。有期雇用の後期研修とは雲泥の差だ。どの病院で修業するかで、医師としての人生は大いに変わってくる。
 最後は「今後の成長分野」についてだ。私は、若い医師が生き残るには、海外、特にアジアとの連携が必須だと考えている。

中国や東南アジアを目指す若手医師たち

 中国をはじめ、アジアで医療ニーズが高まることは言うまでもない。現在、習近平政権は医療改革の真っ只中で、規制緩和を実行中だ。
 民間病院で外国人医師の診察が可能になったらしい。知人の上海在住の女性は「非常勤で上海の民間病院に勤務してくれる医師を紹介してほしい」と言ってきた。上海までは片道3時間。先方では、向こうのスタッフがアテンドしてくれる。知人の医師を紹介したところ、早速、上海に見学に行くことが決まった。
 このような状況は上海だけではない。フィリピン、ベトナム、インドネシアなども同様だ。医療ニーズが高まっているが、それに対応できる医師がいない。
 『ランセット』など医学誌は、今後、経済成長し、販売拡張が期待できる中国・東南アジアからの寄稿を歓迎する傾向がある。私の個人的な経験からも、このような国との共同研究の論文は受理されやすい。
 若手医師が生き残るには、論文を書かねばならない。「ブラック労働」が常態化している首都圏の病院よりも、アジアの病院は、若手医師にとってはるかに魅力的な職場だ。
 これまで、我が国は「医療ツーリズム」と称し、海外からの患者の受け入れに熱心だった。今後は、元気な若手医師は海外に出て行くことになるだろう。
 我が国の医療提供体制が崩壊の瀬戸際にある。ところが、厚労省は、この問題に真摯に取り組んでいない。「医師不足は軽微で、医師遍在が問題である」と主張し、若手医師の地方での勤務を義務化しようとしている。
 もちろん、こんな弥縫策では対応できない。高度成長期に適合した医療提供体制を、低成長でグローバル化した現代に適合させなければならない。
 そのためには、机上の空論に時間を浪費するのではなく、地道な試行錯誤を繰り返し、蓄積したノウハウを共有しなければならない。オープンでフラットな議論が必要だ。



https://dot.asahi.com/wa/2016112200204.html
院長が“お山の大将”だから…いまだ続く「ドクハラ」の実態
(更新 2016/11/25 07:00) DOT 朝日

 本来、医師と患者は二人三脚で治療を進めるもの。だが、医師の心ない言葉や態度で患者が傷つく、“ドクターハラスメント(ドクハラ)”がいまだ存在する。

 難治性の体の痛みでクリニックに通っていた40代の女性は4回目の診療時、自分の耳を疑う言葉を医師から浴びせられた。治療について質問すると、強い口調で、

「あなたが今の医学ではわからない状態になってることを知りなさい! そこでどうするんだ! 俺に何をお願いするんだ!」

 と怒鳴られたのだ。

 診療室のベッドに横たわったまま体を硬直させる女性に、医師はさらにたたみかけた。

「治療によってどう体調が変化したのか知りたいんですよ! 治療との因果関係を知りたいんですよ! あなたはどれだけ非協力的か」

 このような医師の一方的な物言いは20分ほど続いた。ただならぬ空気を感じた夫は待合から診療室へ。付き添われてクリニックを出た女性は涙が止まらなかった。

 医療界において、インフォームド・コンセント(説明と同意)が当たり前になった昨今。さすがにこの女性のような度を越したケースはまれだが、医師の“言葉”に傷つき悩む患者もいる。

 実際、どれくらいの患者がこのような目に遭っているのだろうか。

 医療従事者と患者の間のコミュニケーションギャップの解消や関係構築などに取り組む認定NPO法人ささえあい医療人権センター「COML(コムル)」では、患者からの相談を電話などで受け付けている。2014年度にあった1168件の相談のうち、「説明不足」が290件、「コミュニケーションのとり方」が216件と、言葉に関連するものが多くを占めていた(複数回答あり)。

 具体的に医師の言葉に傷つけられた相談事例として、次のようなものがあった。

▽医師の意に沿わないことを言うと急に怒りだす(病院よりは診療所で多い)

▽医師が一言で患者をねじ伏せる(「命を助けたのに、何の文句があるんだ」と言われたケースも)

 コムルの山口育子理事長は、こう話す。

「近年、病院は医療安全の対策とともに、コミュニケーションや接遇について厳しく言われており、大きな医療機関では研修を実施しています。昔はよく見られたふんぞりかえっているような医師がいると、トラブルになりますから」

 山口理事長によると、言葉のトラブルは、大きな医療機関よりは規模の小さなクリニックで目立つという。

「そういうクリニックでは、院長がいわゆる“お山の大将”なので、ダメ出しできる人はなかなかいない。自らを戒める気持ちを持っていない院長は、患者さんへの対応も良くないという印象があります」

 医療問題に詳しい早稲田大学大学院法務研究科の和田仁孝教授は、医師の置かれている環境にも問題があるのではと考察する。

「言葉の捉え方については、患者と医師それぞれの性格なども関わってきますが、日本はOECD(経済協力開発機構)諸国の中で、1千人当たりの病床数が平均の約2.2倍、1人の医師当たりの外来患者はドイツなどより数倍多い。医師が患者の声にじっくり耳を傾けている時間がないのです。そういった環境の中で、医師は患者に説明することを求められるので、どうしても説明不足になったり、口調がきつくなったりしがちです」

 それが患者とのコミュニケーションギャップや暴言を生む要因になっていると見る。

 こうしたトラブルについては、各自治体の保健所などにある「医療安全支援センター」で、保健師、看護師の資格を持ったスタッフが相談を受け付けている。東京都の「患者の声相談窓口」では、毎年、相談実績をホームページ上で公表している。15年度は「コミュニケーションに関する相談」は469件、「コミュニケーションに関する苦情」は1687件。特に後者は、苦情全体の35.1%と最も高かった。

 東京都の担当者(福祉保健局医療政策部医療安全課長代理)は、こう説明する。

「医師や医療関係者とうまくコミュニケーションがとれるように、患者さんには助言や説明をします。また、患者さんの意向があれば、医療機関へ連絡することもあります。ただ、私たちは病院に対して患者さんの要望を伝えることはできても、命令する権限は持っていません。当事者の話し合いによって解決していただくのが基本です」

 そもそも医師が心ない言葉で患者を傷つけたり、高圧的な態度で患者に接したりするドクターハラスメントは00年ごろから問題視されており、裁判で争われたケースもある。

 医師と患者のコミュニケーションギャップについて、前出の山口理事長は次のように説明する。

「医師の暴言に関する相談は、患者さんの意識の高まりとともに、90年代半ばから増えてきて、90年代後半がピークでした。医学部の教育でも、積極的に取り入れられるようになったこともあり、00年代半ばから医師の暴言に関する患者さんからの相談自体は減ってはきています」

 前出の和田教授はその理由をこう述べる。

「現在の医師は以前のように医学的な対応だけでなく、人間的な対応も求められていて、両方できるのが当たり前になってきています」

※週刊朝日 2016年12月2日号より抜粋



http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201611/20161125_61005.html
<いわき市>病院の奨学金 半額補助
2016年11月25日金曜日 河北新報

 福島県いわき市は医師不足解消策として、市内の病院が医学生に修学資金(奨学金)を貸与する事業に対し、半額を補助する制度を設けた。経費を盛り込んだ一般会計補正予算案を市議会12月定例会に提出する。
 市によると、自治体が医学生に修学資金を貸与するケースはあるが、病院の貸与事業に補助を出すのは「全国的にも例がない」(地域医療課)という。
 本年度の対象は市立総合磐城共立病院。同病院は医学生が卒業後、修学資金を借りた年数と同じ期間、同病院に勤務すれば返済を免除している。市は本年度利用している医学生15人の修学資金1年分の半額、計2100万円を補助する。
 制度は来年度以降も継続する予定で、対象の病院は公立、私立を問わない。
 市地域医療課は「病院の負担を軽減し、より多くの医師確保につなげたい。貸与事業に取り組む病院が増える効果も期待できる」と説明している。



http://news.biglobe.ne.jp/domestic/1125/mai_161125_7736913824.html
<ノバルティス事件>元社員に懲役2年6月求刑
毎日新聞11月25日(金)22時31分

 製薬会社ノバルティスファーマの降圧剤「バルサルタン」を巡る臨床研究データ改ざん事件の東京地裁(辻川靖夫裁判長)での公判で、検察側は25日、医薬品医療機器法違反(虚偽記述・広告)に問われた元社員、白橋伸雄被告(65)に懲役2年6月、同社に罰金400万円をそれぞれ求刑した。検察側は「我が国の臨床研究への信頼を失墜させた前代未聞の悪質事案」と批判。被告側は改めて無罪を主張した。次回12月15日に結審見通し。

 検察側は論告で、白橋被告がデータを独占管理する立場だったと指摘。「社内での評価や地位を得るため、医師に虚偽の論文を書かせた。動機は極めて自己中心的だ」と厳しく非難した。同社については「売り上げ拡大のために臨床研究の中立性を損なわせ、白橋被告を放置した責任は大きい」とした。

 これに対し、白橋被告側は「故意にデータを改ざんした事実を示す証拠は皆無」と反論。同社側も「業務として被告に指示をしたことはない。監督に過失はなく無罪だ」と強調した。

 起訴状によると、白橋被告はバルサルタンの効果を検証した京都府立医大の臨床研究でデータ解析を担当。医師らが2011〜12年に発表した論文で、別の降圧剤を服用した患者グループの脳卒中の発症例を水増しするなどし、虚偽に基づく論文を海外誌に投稿させたとされる。【近松仁太郎】



http://mainichi.jp/articles/20161125/ddq/041/040/005000c
筋弛緩剤紛失
東京の日大病院で3本

毎日新聞2016年11月25日 中部朝刊

 日大病院(東京都千代田区)は24日、毒薬指定されている麻酔用の筋弛緩(しかん)剤「エスラックス」の50ミリグラム入り瓶3本を手術室の冷蔵庫から紛失したと明らかにした。9人分の致死量に当たるという。病院は事故調査委員会を設置し、医師、看護師から聞き取りをするなど経緯を調べている。

 筋弛緩剤を巡っては、千葉県印西市の日本医科大千葉北総病院で同じエスラックスの瓶5本が紛失しているのが22日に明らかになっている。



http://www.medwatch.jp/?p=11325
薬剤名が表示されていない注射器による「薬剤の誤投与」事例が発生―医療機能評価機構
2016年11月25日|医療・介護行政をウォッチ MEDWATCH

 患者に準備した注射器に薬剤名を表示しておらず、誤った薬剤を患者に投与してしまった―。

 このような事例が、2013年1月から16年9月までに3件報告されていることが、日本医療機能評価機構の調べで明らかになりました(機構のサイトはこちら)。

 機構では、▼注射器には必ず薬剤名を表示する ▼投与直前に薬剤名を確認する― ことを徹底するよう呼びかけています。

注射器には薬剤名を必ず表示し、投与前に再確認の徹底を

 日本医療機能評価機構は、注意すべき医療事故やヒヤリハット事例の内容をまとめた「医療安全情報」を毎月公表しています(関連記事はこちらとこちらとこちら)。15日に公表された「No.120」では「薬剤名の表示がない注射器に入った薬剤の誤投与」がテーマに取り上げられました。

 ある病院では、小児患者にMRI検査を行うため、医師が病棟で全身麻酔剤のチトゾールを注射器に小分けにして検査室に持参しました。院内のルールでは「注射器に薬剤名・患者氏名を明記する」ことになっていますが、それをしていませんでした。一方、診療放射線技師は、その注射器に他の技師が準備した造影剤が入っていると思い込み、医師へ手渡し、医師は「少し量が多いな」と思ったものの、確認せず患者に投与。投与直後に患者の呼吸数が低下し、間違いに気付いたといいます。

 また別の病院では、看護師が、痰の排出を助けるビソルボン注の急速静注と、血栓塞栓症予防薬のヘパリンの持続静注を更新するために、(1)薬剤名のラベルを貼ったビソルボン注の注射器(2)ビソルボン注の投与前後に注入する生理食塩液20mLの注射器(3)ラベルのないヘパリン1万単位+生理食塩液(合計20mL)―の3本の注射器の入ったトレイをもって病室に向かいました。その看護師は(3)のラベルのない注射器に生理食塩液が入っていると思い込み、(1)のビソルボン注を投与する前後に全量投与してしまいました。後に別の看護師がトレイ内に(2)の生理食塩液が残っているのを発見し、誤ってヘパリン調製液を投与したことに気付いたといいます。

 このほか、ガスター注射液(上部消化管出血の抑制)を意図して、誤ってフェンタニル注(麻酔用鎮痛剤)を投与してしまった事例も報告されています。

 薬剤の誤投与や、重篤な健康被害、ひいては死亡事故に結びつく可能性も高く、再発防止に向けた取り組みを早急に実行する必要があります。

 機構では、▼注射器には必ず薬剤名を表示する ▼投与直前に薬剤名を確認する― ことを徹底するよう強調しています。



http://mainichi.jp/articles/20161125/ddl/k19/040/117000c
富士吉田市立病院
前病院長、懲戒処分の取り消し求める /山梨

毎日新聞2016年11月25日 地方版

 富士吉田市立病院の歯科口腔(こうくう)外科でパワーハラスメントと診療拒否があったとして、同病院の歯科医師と病院長が懲戒処分された問題で、管理責任を問われた前院長で市立看護専門学校校長の樫本温氏(61)は24日、処分の取り消しを求めて市の公平委員会に不服申し立てをした。

 同日、審査請求書を郵送で事務局に提出した。前院長は、代理人の高橋茂樹弁護士を通して、「懲戒(減給と院長解職)処分は極めて不当であり、到底承服できない」とのコメントを発表した。【小田切敏雄】



http://www.medwatch.jp/?p=11321
地域の医師偏在を助長しないよう、改めて専門医制度の整備指針を見直すべき―全自病
2016年11月25日|医療・介護行政をウォッチ MedWatch

 専門医の養成を行う基幹施設を事実上大学病院に限定するような基準を改め、従来から専門医養成を行ってきた医療機関は連携施設となれるようにするべきである―。

 全国自治体病院協議会(邉見公雄会長)は22日、こういった声明(専門医制度整備指針に関する声明)を発表しました。

都市部の専攻医定員は、過去3年間の実績平均を超えないようにすべき

 新たな専門医制度は、専門医の認定と、専門医を養成するプログラムの認証を日本専門医機構(以下、機構)が統一した基準で行うことを柱とし、2017年4月からスタートする予定でした。しかし、養成プログラムについて「ハードルが高すぎ、地域の医師偏在を助長する可能性が高い」などの批判が強く(関連記事はこちらとこちら)、機構の新執行部は新制度の全面スタートを1年延期することを決定。その間に、医療現場が指摘されているさまざまな課題を解決することとしています(関連記事はこちらとこちらとこちら)。

 しかし、全自病では機構における議論について「最大の懸念である地域の医師偏在に全く応えていない」と批判し、次のような事項を「専門医制度整備指針」に反映されるよう要望する声明を行ったものです。なお、これらの項目は、日本医師会の横倉義武会長が行った要望と同じ内容です。

(1)基幹施設の基準は、都道府県ごとに大学病院以外の医療機関も含め、複数の基幹施設が認定されるものとする(整形外科では75%、脳神経外科では85%の基幹病院が大学病院となっている)

(2)従来の学会認定制度の下で専門医を養成していた医療機関が専攻医の受け入れを希望する場合は、連携施設となれるようにする

(3)専攻医ローテートは、原則として「6か月未満で所属が変わらない」ようにする(特別な症例を経験するために必要などの事情があれば別)

(4)専攻医の集中する都市部の都府県に基幹施設があるプログラムは、原則として「募集定員が過去3年間の専攻医採用実績の平均を超えない」ようにする

(5)専攻医採用は、基幹施設だけでなく、連携施設でも行えるようにする(連携施設で採用した専攻医に関しては、連携施設で責任をもって管理できるよう指針を改訂すべき)

(6)プログラムの認定にあたっては、各都道府県協議会において、医師会、大学、病院団体などの地域医療関係者の了解を得る

(7)研修期間について、▼妊娠・出産・育児などの理由によって中断することを認める ▼6か月までの中断であれば、残りの期間で必要な症例などを埋め合わせることで研修延長をしないですむようにする ▼6か月以上の中断であっても、研修復帰後に中断前の研修実績は引き続き有効とする



http://www.qlifepro.com/news/20161125/combined-use-of-generic-and-generic-human-error-induced-concern.html
先発品と後発品の併用採用、ヒューマンエラー誘発懸念-阪大病院・木下氏ら
2016年11月25日 AM10:30 QLifePro/薬事日報

 有効性や安全性の観点から免疫抑制剤について先発品と後発品を併用して採用することにより、医師や薬剤師が安全な医療を提供しにくくなっていることが、木下徳康氏(大阪大学病院中央クオリティマネジメント部・薬剤部)らの検討で分かった。19日に千葉市で開かれた第11回医療の質・安全学会学術集会で報告された。
同院では、後発品の有効性・副作用情報の少なさや適応に差があることを理由に、一部薬剤で先発品と後発品を併用して採用している。その一つが免疫抑制剤だが、免疫抑制剤の後発品は移植患者に使用した場合のデータが少なく、先発品との生物学的同等性には疑問があるとの報告もある。そのため、全ての臓器移植が可能な同院では、移植患者に必ず先発品を使う方針を打ち出す一方、自己免疫疾患患者には後発品を使用する方針のもと、先発品と後発品を採用している。

 今回、木下氏らは、この方針が遵守されているかどうかと、後発品採用による病院収益について検討を行った。免疫抑制剤のミコフェノール酸モフェチル、タクロリムス、シクロスポリンの3剤を対象に、昨年5月から今年2月までの入院患者について調べたところ、実際には後発品が多数の移植患者に使用されていることが分かった。

 木下氏は「医師が処方するとき、薬剤選択画面に先発品と後発品が同時に表示され、どれが後発品か医師に情報が伝わっていない」と原因を考察。「大学病院で医師の出入りも激しく、移植患者に先発品を使用する方針が十分に周知されていなかったのではないか」とした。

 また、免疫抑制剤の先発品と後発品の外観が類似しており、薬剤師の調剤時に何件も間違えが発生している状態だったことから、先発品と後発品の併用採用は医師や薬剤師にヒューマンエラーを誘発しかねず、安全な医療を提供しにくい状況にあることが分かった。

 また、先発品と後発品の使用率を比べたところ、ほとんど後発品は使用されておらず、使用割合は4~12%だった。また、後発品の採用による増収は約89万円にとどまった。

 これらを踏まえ、木下氏は「後発品の採用時には安全な医療の提供と経営面、医療者のエラー防止の三つの観点から採用を決める必要がある」と指摘。後発品の採用時は収入面だけで判断するのではなく、安全な医療を提供し続けるためには、薬剤の管理者である薬剤師が積極的に関わる必要があるとの考えを示した。



https://news.nifty.com/article/magazine/12107-20161125-2016112200203/
勾留中に暴行死? 奈良県警告発したのは時津風部屋暴行事件の“立役者”
2016年11月25日 07時00分 週刊朝日

遺族からの経過説明を求める声に、桜井署の警部は、「警察はなにも知らん!」と机をたたきながら対応したという 

 遺体を引き取った遺族は、右ひざ下の黒ずんだ大きなあざを見て衝撃を受けたという。

「その姿はいつか写真で見た小林多喜二の遺体にそっくりでした。悲しみより先に、『警察で亡くなったら、みんなこんな姿で返されるのだろうか……』と、とっさにそう思いました」

 11月15日、岩手医科大の出羽厚二教授(法医学)が、奈良県警を告発した。罪状は特別公務員暴行陵虐致死容疑。「勾留中に死亡したのは、取り調べ時の暴行による急性腎不全などが原因」と訴える。

 亡くなったのは医師の塚本泰彦氏(当時54)。奈良県大和郡山市の「山本病院」(現在は廃院)に勤務当時、手術ミスで患者を死亡させたとして、2010年2月、業務上過失致死容疑で逮捕され、奈良県警桜井署の留置場に勾留された。だが、19日後に突然死亡したのだ。奈良県立医大は死因を「急性心筋梗塞(こうそく)」とし、病死と判断した。

 遺族は死に至るまでの経過説明を求めたが、ようやく面談にこぎつけた桜井署の警部は、「警察はなにも知らん!」と机をたたきながら対応したという。納得いかない遺族は13年、奈良県を相手に民事裁判を提起。大相撲時津風部屋の暴行死事件で被害者の力士を解剖し、愛知県警が「事件性なし」とした当初の判断を覆した出羽教授に、解剖結果の再検証と鑑定意見書の作成を依頼した。

 出羽教授は「亡くなる前日の検査データから総合的に判断すると、死因は急性心筋梗塞ではなく、筋挫滅に伴って腎不全を起こし、さらに肝不全、呼吸不全を起こした多臓器不全です。つまり、取り調べ時の暴行が原因になったとしか考えられないのです」と主張。

 一方、奈良県警は訴訟で、「暴行は一切ない」と全面否定し、右ひざ下に残っていた大きなあざについては、「床にあぐらをかいて座る際、右ひざを折り曲げながら地面に落とすように座り、床に打ち付けられるような形となった」などと反論。だが、出羽教授は「尻にまったくあざがないのは不自然」と指摘する。

 奈良県警は本誌に対し「告発の相談を受けたが、受理を検討中」と回答。出羽教授はこう述べる。

「法医学者の使命感から告発を決断した。事件を再検証し、時津風部屋の事件と同様、適正な処理がなされることを期待したい」

※週刊朝日 2016年12月2日号



https://www.m3.com/news/iryoishin/479998
シリーズ: 初期臨床研修制度
最多は東北大、臨床研修の協力型病院数
8割強は「10施設以下」、基幹型による格差大

2016年11月25日 (金) 橋本佳子(m3.com編集長)

 厚生労働省は、11月24日の医道審議会医師分科会医師臨床研修部会(部会長:桐野高明・東京大学名誉教授)に、臨床研修病院の「病院群」に関する資料を提示、1030の基幹型病院のうち、8割強は協力型病院数が10施設以下である一方、残る2割弱は11施設以上で、最多の東北大学病院は計81に上るなど、基幹型病院による開きが多いことが分かった。

 ただし、基幹型と協力型の連携状況が分からず、実際に研修医が行っているのかなど、中身まで踏み込んだデータを求める意見や、「協力型として名前を連ねることで、宣伝効果がある」ことなどから、次期の臨床研修制度の見直しの際、協力型病院の実態や質をチェックする仕組みの導入を求める意見も出た。

 協力型病院数、2位岡山大、3位熊本大

 病院群に関する資料は、今年8月に臨床研修病院の新規指定(持ち回り決裁)の際に、既存の「病院群」についての検証を求める意見が出ていたという。

 1030の基幹型臨床研修病院のうち、協力型病院が「1~5」のケースが最も多く620施設、「6~10」が195施設、「0」が35施設で、10施設以下が計850施設で、全体の82.6%を占める。11施設以上が180病院で、トップは東北大学病院81施設(県内32、県外49)。以下、2位岡山大学病院72施設(同33、39)、3位熊本大学医学部附属病院71施設(同56、15)、4位福島県立医科大学附属病院66施設(同58、8)、5位旭川医科大学病院63施設(同58、5)などと続き、大学病院が上位を占めた。

 大学病院以外での最多は、18位の三重県立志摩病院で44施設(同25、19)。三重県は、41位国立病院機構三重中央医療センター30施設(同28、2)、44位桑名東医療センター29施設(同26、3)など、MMC(Mie Medical Complex)を組み、全基幹施設同士がネットワークを組み研修体制を敷いていることから、複数施設が上位に並んだ。

 病院群、「2次医療圏内で構成」が原則

 これらのデータに対し、岩手医科大学理事長・学長の小川彰氏は、「協力型病院数の数だけを分析しても、分からない。どんなシステムで連携しているのかについて、もう少し分析が必要」と指摘。日本医師会常任理事の羽鳥裕氏も、実際に個々の研修医がどんな施設を回り、研修を終えたのかなどの検討を求めた。

 山形大学医学部長の山下英俊氏は、「臨床研修の病院群は、患者のやり取りをする範囲の中で構成することが原則だったのではないか。患者を送る側、あるいは患者を受け取る側、これら両方の立場を経験できる研修体制なのかをチェックしてもらいたい」と、掘り下げた分析に向けた具体例を提示。「地域の医療のネットワークを実感させるかが、病院群の狙い。不足する経験症例を補うために、病院群を使っているところはないのか」(山下氏)。

 「協力型病院として名前を連ねることで、宣伝効果がある。(臨床研修の)実績がないものはチェックすべき」と求めたのは、和歌山県立医科大学理事長・学長の岡村吉隆氏。

 これらの意見に対し、厚労省医政局医事課は、「実績のない協力型病院が問題視されているのは、以前からの課題」と認めた上で、2015年度の臨床研修制度の見直しの際に、「臨床研修病院群は、原則、同一の二次医療圏内又は同一の都道府県内にあることを基本とする」とされたことを説明。

 そのほか、社会医療法人財団董仙会理事長の神野正博氏は、自身が経営する恵寿総合病院(石川県七尾市)が東京の病院と連携している例を紹介。東京の病院側は地域医療を、一方の恵寿総合病院は同病院では経験できない高度な医療をそれぞれ経験してもらうことが目的であり、患者連携にとどまらない病院群の形成もあるとした。山下氏は、「要は連携する意味が分かればいい」とコメント。

 桐野部会長は、「次期の臨床研修制度の見直しにおいて、協力型病院についても、情報を出すよう求めることは可能か」と厚労省に問いかけた。協力型病院の質、ひいては病院群の質をいかに担保するかが、今後の検討課題となった。



https://www.m3.com/news/general/480022
愛知県の5千万円賠償確定 勾留中治療受けられず失明
2016年11月25日 (金) 共同通信社

 愛知県警で勾留中、適切な治療が受けられず失明したとして、名古屋市の男性(45)が県に損害賠償を求めた訴訟で、最高裁第3小法廷(大谷剛彦(おおたに・たけひこ)裁判長)は、県の上告を退ける決定をした。22日付。県に約5千万円の支払いを命じた二審判決が確定した。

 確定判決によると、男性は2011年1月、窃盗容疑で逮捕されて勾留。目の不調を訴え、同5月に精密検査が必要と診断されたが、7月まで受けられず、糖尿病の合併症で左目を失明した。

 一審名古屋地裁判決は請求を棄却。二審名古屋高裁は、5月の診察に立ち会った警察官が医師から失明の可能性を指摘されながら「症状は進行しない」と上司にうその報告をしていたことを挙げ、「正確に報告する義務を怠った」として県の責任を認めた。



http://www.tonichi.net/news/index.php?id=56861
神経切断で後遺症残る男性と和解
不幸繰り返さない安全な医療取り組む/豊橋市民病院

2016/11/26 東海日日新聞

 豊橋市民病院は25日、市内の男性(49)に行った左ひざ関節の手術で誤って神経を切断し、左足首に機能障害が残る医療事故が起きたと発表した。同病院は過失を認め、男性に賠償金4189万7570円を支払うことで和解した。

 同病院によると男性(当時47)は2014年11月、左ひざの骨折治療で止めたボルトを外し、関節を曲げやすくする手術を受けた。その際、執刀した整形外科の20代の医師が誤ってひざの裏側にある神経を切断し、翌日、左足首にまひの症状が出た。執刀医もミスに気付かず、男性は1週間後に退院した。

 その後もまひが改善しないため、名古屋大学附属病院を受診。15年6月に同病院で受けた手術で、神経が切れていることが分かった。神経の移植手術を受けたが、左足首の動きが不自由になり、歩きづらくなったという。以前の仕事はできなくなり、週3回リハビリ治療を行っている。執刀医は医師免許取得後4年目で、この種の手術は初めてだった。神経を切ったことに「気付かなかった」と話しているという。

 25日に会見した豊橋市民病院の黒釜直樹事務局長は「今後、二度と同様な不幸を繰り返さないよう安全な医療に取り組む」と陳謝した。市は損害賠償支払いに関する議案を、市議会12月定例会に提出する。



https://news.nifty.com/article/domestic/society/12159-1126m040102/
医療過誤:豊橋市民病院、男性側と賠償支払いで合意
2016年11月25日 20時41分 毎日新聞

 愛知県豊橋市民病院は25日、2014年に男性患者(当時47歳)の左膝骨折を治療する手術をした際、誤って神経を切断したことを明らかにした。男性は左足に後遺症が残った。同病院は男性側と損害賠償金4189万円を支払うことで合意、関連議案を28日開会の市議会に提出する。

 同病院によると、男性は13年12月、左膝を骨折し、患部をボルトとプレートで固定する手術を受けた。約1年後にボルトなどを外し、膝が動くようにする手術をした際、20代の整形外科医が誤って神経を切断した。男性は翌日、神経にまひの症状が見られたため、リハビリを続け、1週間後に退院。その後も症状が改善しないため、別の病院で受診し、神経の切断が判明した。

 男性は15年6月に神経の移植手術を受けたが、足首をうまく動かせず、歩行が不自由な状態という。

 同病院の黒釜直樹事務局長は「医師の手術の修練を重ね、再発防止につなげたい」と話した。【石塚誠】



http://www.nikkei.com/article/DGXLZO09970130V21C16A1TJC000/
バイエル薬品、ネット講習会で学術情報提供
2016/11/25 23:56日本経済新聞 電子版

 ドイツ系製薬会社のバイエル薬品(大阪市)は国内で学術関連の情報提供を強化する。11月末から医師や研究者を対象に、インターネット上で研究データの分析や臨床試験の進め方などについて講習会を始める。営業現場で自社の薬だけでなく最先端の研究事例や治療法の紹介にも力を入れることで、医療関係者からの信頼向上につなげる。

 ネット講習会は学会の幹部級の研究者などを呼び年4回ほど開催する。参加する医師らは質疑応答ができ、料金は無料。映像はいつでも閲覧できる。学術会議や討論会も検討している。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/50067.html?src=catelink
薬価制度の抜本改革、年内に基本方針を- 諮問会議で安倍首相
2016年11月25日 22時00分 CB News

 政府は25日、経済財政諮問会議(議長=安倍晋三首相)を開き、薬価制度の見直しに向けて意見を交わした。安倍首相は、制度の抜本改革の基本方針を年内に取りまとめるよう、塩崎恭久厚生労働相と麻生太郎財務相に指示した。【敦賀陽平】

 この日の会合では、民間議員が薬価制度の抜本改革に向けた意見書を提出。原則2年ごとの薬価改定については、医薬品の流通価格を国が毎年調査し、薬価との間の下落分を毎年度予算に適切に反映させる「毎年改定」の仕組みを設けることなどを求めた。

 また、塩崎厚労相は今後の検討の方向性として、効能の追加などに伴い、市場規模が一定以上に拡大した場合は、年4回の新薬の保険収載を最大限活用し、柔軟に薬価を見直すことや、市場環境の変化で一定以上の薬価差が生じた品目に関しては、少なくとも年1回、通常の改定の時期に限らずに薬価を改めることなどを示した。

 さらに塩崎厚労相は、今年春に試行的に始まった費用対効果の評価による価格設定の本格導入も掲げ、「費用対効果によっては、薬価の引き上げの導入も検討したい」と語った。

 麻生財務相は「今後、高額薬剤が登場してくると、薬価制度の抜本改革は避けられない」とした上で、「厚労大臣と相談して薬価制度の見直しに取り組み、国民の負担軽減につなげていきたい」と述べた。

 このほか菅義偉官房長官は、がん治療薬「オプジーボ」の適応拡大に伴い、患者数が急増したことに触れ、「適応拡大の際の価格の見直しは必須だ。毎年の価格調査と改定が必要だ」と主張。安倍首相は「民間議員の提案も踏まえ、薬価制度の抜本的改革に向けて諮問会議で議論し、年内に基本方針を取りまとめていただきたい」と求めた。

■「2年に1回の薬価改定が大原則」―日病協議長
 これに先立ち、13団体でつくる「日本病院団体協議会」は代表者会議を開き、「1年ごとの薬価改定はとても受け入れ難い」との認識で一致した。

 終了後の記者会見で神野正博議長(日本社会医療法人協議会副会長)は、「薬価が下がった分だけDPC(の点数)も下げなければならないという議論になると、結果的に毎年全面改定と同じような流れになる。それはおかしいのではないか」と述べ、「2年に1回の薬価改定が大原則だ」と強調した。


  1. 2016/11/26(土) 05:46:24|
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11月24日 

https://www.m3.com/news/general/479701
奈良県警、法医の告発受理 「勾留中に暴行死」
2016年11月24日 (木) 共同通信社

 奈良県警は24日、逮捕後に桜井署で勾留中だった男性医師=当時(54)=が死亡したのは、取り調べ時の警官による暴行が原因として、岩手医大の出羽厚二(でわ・こうじ)教授(法医学)が提出した特別公務員暴行陵虐致死容疑の告発状を受理した。

 県警は「法と証拠に基づき適切に捜査する」としている。

 告発状によると、手術ミスの業務上過失致死容疑で逮捕された医師は2010年2月14~24日ごろ、取り調べ中に頭部や胸部、上下肢を殴打され、急性腎不全などの多臓器不全で死亡した。下肢に広範囲の皮下出血があり、暴行による打撲で生じたとしている。容疑者は特定していない。

 当時の司法解剖では、医師の死因は急性心筋梗塞と判断された。

 出羽教授は遺族の依頼を受け、遺体の鑑定書を調査。今月15日に告発状を提出していた。



https://www.m3.com/news/iryoishin/475143
シリーズ: 『「50歳以上ドクター」の悩みと未来』
医学博士号、50歳以上は6割、若手は1割◆Vol.7
若手医師は専門医志向強まる

医師調査 2016年11月24日 (木)配信高橋直純(m3.com編集部)

Q 医学博士号の取得について教えてください。
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 医学博士号(博士号(医学))の取得状況を尋ねたところ、「取得済み」は50歳以上では64%に達した一方で、35歳以下では9%、「取得希望・準備中」の36%を足しても、計45%に留まり、若手医師の「博士号」離れが見て取れた。50歳以上の開業医、勤務医の別では、ほとんど傾向に差はなかった。

Q 専門医の取得について教えてください。
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 専門医については、50歳以上、35歳以下がともに「取得済み」が40%となった。一方、「取得準備中」「興味はある」を足すと、50歳以上が32%に対し、35歳以下では56%で、若手医師の「専門医」志向がうかがえた。

 50歳以上の開業医、勤務医の別では、「取得済み」では開業医、「取得準備中」が勤務医に多かった。「全く興味がない」は開業医が25%で、勤務医の9%より大幅に高かった。



https://www.m3.com/news/general/479628
高齢者負担拡大で国費圧縮 医療1千億、介護400億 所得に応じ、政府・与党 17年度、現役保険料増も
2016年11月24日 (木)配信共同通信社

 2017年度予算編成で政府、与党は23日、社会保障費の伸びを医療分野で1千億円程度、介護分野で400億円程度抑える方向で調整に入った。所得が比較的高い高齢者の負担軽減措置の縮小が柱。一方、大企業社員に介護保険料の負担増を求めるなどして、国民の理解を得たい考えだ。

 政府は財政健全化のため17年度、国費で賄う社会保障費を1400億円圧縮する目標を設定しており、達成に向け来月上旬にも具体的な実施時期や対象者数を固める。

 医療費の自己負担が高くなりすぎないように月ごとに上限を設けている「高額療養費制度」では、70歳以上で一定以上の所得がある人の上限額を引き上げる。高齢者は受診する頻度が高いとして、外来医療費の上限を現役世代より低額に抑える特例もあるが、低所得者を除き縮小。数百億円が抑制される見通しだ。

 75歳以上の後期高齢者医療制度では、専業主婦ら扶養家族だった人や低所得者の保険料を最大9割軽減している特例を、新たに75歳になる人から一部廃止する方針。既に軽減を受けている人についても数年間で段階的に保険料を引き上げ、17年度は200億~300億円の削減を見込む。

 療養病床に長期入院する患者のうち、医療の必要性が比較的低い人の光熱水費を現在の1日320円から370円に引き上げる。難病患者を除き、費用を徴収する範囲を医療の必要度が高い人にも広げる考えだ。

 超高額の抗がん剤「オプジーボ」は来年2月、薬価を半額に下げると既に決定。約180億円の削減効果がある。

 中小企業社員が入る協会けんぽへの国庫補助金は、財政に余裕があるとして300億~400億円減らす。

 介護保険では、40~64歳が支払う保険料の計算方法を見直し、収入に応じた「総報酬割」という仕組みを数年かけて段階的に導入する。17年度は数百億円の削減となる。

 介護サービスの利用者負担月額に上限を設ける「高額介護サービス費制度」で一般的な所得の人の上限額を引き上げる。

 ※政府の社会保障費抑制方針

 政府は、国の政策実行に必要な経費が税収などの基本的な歳入でどれだけ賄えているかを示す基礎的財政収支(プライマリーバランス)を2020年度までに黒字化するとの財政健全化目標を掲げている。これに基づき、高齢化などに伴う社会保障費の自然増を16~18年度の3年間で1兆5千億円に抑える方針で、年平均5千億円が目安。厚生労働省の17年度予算の概算要求では自然増を6400億円と見込んでおり、1400億円圧縮する必要がある。



https://www.m3.com/news/general/479703
柔道整復師ら21人行政処分 免許取り消しなど
2016年11月24日 (木)配信共同通信社

 厚生労働省は22日、刑事事件で有罪判決が確定したり、療養費を不正に請求したりした柔道整復師ら21人を免許取り消しや業務停止とする行政処分を発表した。12月6日に発効する。

 免許取り消しは、勤務先の整骨院で施術を受けに来た人に対し、わいせつな行為をしたとして準強制わいせつの罪が確定した北九州市の李栄煥(イ・ヨンファン)柔道整復師(37)。

 経営していた接骨院で療養費を不正請求した詐欺罪や、収賄罪で有罪が確定した鹿児島県南大隅町の元町議宇野仁一(うの・じんいち)柔道整復師(65)は業務停止5年とした。

 処分の内訳は、免許取り消しが1人、業務停止3カ月~5年が19人、名称使用停止6カ月が1人。



http://mainichi.jp/articles/20161125/k00/00m/040/052000c
日大病院  筋弛緩剤3本を紛失…東京
毎日新聞2016年11月24日 19時49分(最終更新 11月24日 22時07分)

 日大病院(東京都千代田区)は24日、毒薬指定されている麻酔用の筋弛緩(しかん)剤「エスラックス」の50ミリグラム入り瓶3本を手術室の冷蔵庫から紛失したと明らかにした。9人分の致死量に当たるという。病院は事故調査委員会を設置し、医師、看護師から聞き取りをするなど経緯を調べている。

<千葉の病院でも>筋弛緩剤5本が紛失 盗難の疑い

 病院によると、19日午後2時ごろ、看護師が手術で使用する患者11人分の筋弛緩剤55本を薬剤師から受け取り、患者ごとに袋に分けて処方箋と一緒に手術室の鍵付きの冷蔵庫に入れた。21日午前9時半ごろ、麻酔科医が取り出そうとすると、1人分の3本が袋ごとなくなっていたという。(共同)



http://www.asahi.com/articles/ASJCT019CJCSUBQU01N.html
日大病院、筋弛緩剤を紛失
2016年11月25日00時31分 朝日新聞

 日本大学病院(東京都千代田区)は24日、手術の麻酔に使う筋弛緩(しかん)剤3本を紛失したと発表した。成人9人の致死量にあたるという。盗難の可能性もあるとして、警視庁神田署に届け出た。

 病院によると、紛失した筋弛緩剤は「エスラックス50ミリグラム」。毒薬に指定されている。21日の手術に使うため、19日午後2時ごろに看護師が薬剤部から受け取った患者11人分の計55本を、手術の準備室にある鍵付き薬品用冷蔵庫に保管。21日午前9時半に麻酔科医が冷蔵庫を開けたところ、担当患者分の3本がないことに気付いたという。

 冷蔵庫は常に施錠され、鍵は麻酔科医用と看護師用が1本ずつあった。保管から紛失発覚までに麻酔科医7人、看護師9人が鍵を扱える立場にいた。過って廃棄した可能性もあるという。

 病院は、筋弛緩剤は手術当日に薬剤部から受け取るように改め、薬品冷蔵庫専用の防犯カメラの設置を検討しているという。東京都にも紛失を報告し、22日に都の立ち入り検査を受けた。

 筋弛緩剤の紛失は今月、日本医科大学千葉北総病院でも発覚した。厚生労働省の担当者は「医療機関の安全を揺るがす事案が相次ぎ、誠に遺憾。各医療機関は薬の安全管理を徹底してほしい」と話している。



http://www.sankei.com/affairs/news/161124/afr1611240031-n1.html
愛知県の5千万円賠償確定 勾留中治療受けられず失明
2016.11.24 20:03 産経ニュース

 愛知県警で勾留中、適切な治療が受けられず失明したとして、名古屋市の男性(45)が県に損害賠償を求めた訴訟で、最高裁第3小法廷(大谷剛彦裁判長)は、県の上告を退ける決定をした。22日付。県に約5千万円の支払いを命じた二審判決が確定した。

 確定判決によると、男性は2011年1月、窃盗容疑で逮捕されて勾留。目の不調を訴え、同5月に精密検査が必要と診断されたが、7月まで受けられず、糖尿病の合併症で左目を失明した。

 一審名古屋地裁判決は請求を棄却。二審名古屋高裁は、5月の診察に立ち会った警察官が医師から失明の可能性を指摘されながら「症状は進行しない」と上司にうその報告をしていたことを挙げ、「正確に報告する義務を怠った」として県の責任を認めた。



http://www.medwatch.jp/?p=11315
第7次医療計画の作成指針の議論が大詰め、厚労省が叩き台示す―医療計画見直し検討会
2016年11月24日|医療・介護行政をウォッチ MedWatch

 2018年度からの第7次医療計画に向けて、厚生労働省の「医療計画の見直し等に関する検討会」の議論が大詰めを迎えています。

 24日の検討会では、厚労省から意見取りまとめに向けた叩き台が示されました。基準病床数の算定式や、5疾病・5事業や在宅医療の整備や進捗状況の評価に向けた考え方が示されています(関連記事はこちらとこちら)。

 検討会では年内に意見を取りまとめ、年明けに厚労省から告示や関係通知が発出されますが、「医師需給」問題などは結論が年明けにまとまるため、「何段階かに分けた告示」が公布される可能性もあります。

ここがポイント!
1 基準病床数では、「平均在院日数の地域差是正」などを織り込む
2 脳卒中対策、構成員からは「排泄の自立」を勘案するよう求める意見も

基準病床数では、「平均在院日数の地域差是正」などを織り込む

 第7次医療計画は2018年度から6年間を対象としたものとなります。都道府県では2017年度中に計画を作成し、その拠り所となる指針などが今年度(2016年度)中に示される見込みです。

 検討会では指針策定に向けた「意見」(厚生労働大臣が意見に沿って指針を策定する)の整理を進めており、24日には厚労省から「叩き台」が示され、これに基づいた意見交換を行いました。叩き台は、大きく(1)医療計画全体(2)5疾病・5事業および在宅医療のそれぞれの連携体制―の2つのパートで構成されます。

 (1)の医療計画全体では、2025年に向けて▼病病連携、病診連携▼歯科との連携▼薬局との連携▼訪問看護ステーションとの連携―を進めることを確認。その上で、事実上の「地域における病床数上限」となる基準病床数の算定式について具体的に記載しています。

 準病床数の算定式については、これまでにメディ・ウォッチでお伝えしているとおり「病床利用率」や「平均在院日数」の考え方を一部見直すことになります。

 特に平均在院日数については、地域差の是正を進めることとしており、これまでの「経年変化」に加えて、▼平均在院日数の経年推移▼各地方ブロックの差異▼将来のあるべき医療提供体制の構築に向けた取り組み―の要素を勘案することになります。

 現在は、全ブロックともに一律に「平均在院日数が計画期間中に10%短縮する」ことを見込んでいますが、2018年度からは ▼平均在院日数が全国平均を下回るブロックでは、自ブロックの変化率 ▼平均在院日数が全国平均を上回るブロックでは、「全国値+α」と自ブロックの変化率を比較し、より大きな変化率―を見て、各ブロックの平均在院日数が設定されることになります。

 また、告示では具体的な平均在院日数が示されるにとどまり「α」の実態が個別に示されることはありませんが、厚労省医政局地域医療計画課の担当者によれば、直近6年間の平均在院日数の短縮率は全国平均で11%程度(全国値)、ブロックによっては13%程度となっており「全国値+α」は12%程度(激変緩和のため13%と11%の間をとるイメージ)になることが想定されています。

 なお、「医療資源投入量の少ない患者」(1日175点未満)の取り扱いについては、平均在院日数短縮に織り込むことが前回会合で了承されており、具体的に「どれだけの在院日数短縮として見込むか」は、今後、厚労省内で精査されることになります。

 ところで基準病床数については、ICUやHCUなどの取り扱いが注目されます。現在、都道府県によってICUなどを基準病床数の「内数」に入れて考えているところと、「外」と考えているところとあります。これは医療提供体制の整備において不公平を生むため、2018年度からは「原則として、基準病床数の内数と考える」(つまりICUなどのベッド数も既存病床数としてカウントする)ことが検討されています。もっとも、すでに整備されているICUなどは、この対象からは除外される見込みです。厚労省医政局地域医療計画課の担当者は「多様な治療室の類型が存在しており、診療報酬における施設基準などを参考にしながら、定義も含めて検討していく」との見解を示しています。

脳卒中対策、構成員からは「排泄の自立」を勘案するよう求める意見も

 (2)の5疾病・5事業などについては、厚労省の他検討会(例えば、がんについては「がん対策推進協議会」や「がん診療提供体制のあり方に関する検討会」など)の議論を踏まえて、必要な見直しが行われます。また第6次医療計画で求められているPDCAサイクルを回しやすくするために、評価指標の見直しも行われます。

 大きな方向は11月9日の前回会合ですでに固められています。

 例えば5疾病のうち「脳卒中」については、▼標準的治療の普及(脳血管内治療の科学的根拠の確立など) ▼一貫したリハビリの実施(発症早期のリハビリ推進と、回復期・維持期リハビリへの間断なき移行など) ▼合併症予防の推進(誤嚥性肺炎予防のための口腔ケア実施に向けた医科歯科連携など)―といった方向が示されています。

 また指標としては、新たに ▼脳梗塞に対する脳血管内治療(K178-4『経皮的脳血栓回収術など』の実施件数 ▼脳血管疾患より救急搬送された患者の圏域外への搬送率 ▼嚥下機能評価の実施件数―を追加するほか、 ▽要介護認定患者のうち、脳卒中を主な原因とする患者の割合▽脳卒中患者のうち、地域連携診療計画加算の算定率―などを指標化できないかさらに検討するとしています。

 この点について齋藤訓子構成員(日本看護協会常任理事)は、「排泄の自立」の重要性を訴え、2016年度診療報酬改定で新設された『排尿自立指導料』の算定件数などを新たな指標に加えて進捗状況を評価してはどうかと提案しています。

 排泄の自立の重要性は、例えば日本慢性期医療協会の武久洋三会長らも強調しており、今後、積極的に検討していくべきでしょう。ただし、新設された診療報酬項目は概して算定件数が少ないため、それを評価指標として「なぜ進まないのか」という背景の分析にまで到達することは難しいようです。

 また在宅医療については、▼医療・介護サービスが地域の実情に応じて補完的に提供されるよう、都道府県や市町村関係者の『協議の場』を設置し、介護保険事業計画などと整合的な目標を検討する ▼協議の進め方やサービス付き高齢者向け住宅の整備計画、療養病床の動向など、在宅医療提供体制を考える上での留意事項について国から都道府県に示していく ▼在宅医療にかかる圏域設定や課題把握を徹底する ▼多様な職種・事業者が参加することを想定した施策(地域住民への啓発、入院医療機関に対する在宅療養可能な患者像の研修、入院医療機関とかかりつけ医療機関などとの情報共有のための協議など)を進める ▼医師会との連携などにより「在宅医療・介護連携推進事業」への支援を行う―といった方向が示されました。在宅においては、とくに「医療・介護連携」が極めて重要になり、こうしたテーマは社会保障審議会・介護保険部会などでも議論されています。

 さらに、評価指標については、▼在宅患者訪問診療料、往診料を算定している医療機関数 ▼24時間体制をとる訪問看護ステーション数 ▼歯科訪問診療料を算定している医療機関数 ▼在宅患者訪問薬剤管理指導料や居宅療養管理指導費を算定している医療施設数 ▼退院支援加算、退院後訪問指導料を算定している医療機関数 ▼ターミナルケア加算を算定している医療機関数―などを新たに設定し、在宅医療の実績を見ていく考えを明確にしています。

 なお、5疾病・5事業などの医療計画の進捗状況を評価する指標について、厚労省医政局地域医療計画課の担当者は ▼各都道府県の状況を比較するために必要な項目は必須 ▼都道府県が自身の状況を確認するための項目(任意)―とグルーピングする考えを示しています。



http://www.huffingtonpost.jp/haruka-sakamoto/university_global_b_13195250.html
チェコの大学生活からグローバル化について考えたこと
坂本遙  チェコ共和国・国立パラツキー大学医学部生
投稿日: 2016年11月24日 15時07分 JST 更新: 2016年11月24日 15時07分 JST ハフィントンポスト

私はチェコの医学部のインターナショナルコースに所属している現在二年生の大学生です。チェコでの学生生活の中で、自分が"日本人"であると自覚する出来事を度々経験しました。また、"外国人である"故に怖い思いをしたこともあります。

日本は2020年のオリンピックへ向け外国人の誘致に取り組んでいます。2017年には国際的な医療人材の育成を目的とした国際福祉医療大学が開設する予定で、グローバル化に拍車がかかっています。私は留学生活を通して、グローバル化していく世の中では、自国の文化を知り、他の文化に興味を持つ事が大切だと考えるようになりました。

バルカン半島は「ヨーロッパの火薬庫」と呼ばれていました。この事からも分かるように、ヨーロッパは陸地続きの土地柄、島国の日本と比べて民族主義の影響を受けています。1960年代、チェコはチェコスロバキアとして存在し、ソ連の衛星国でした。

当時の首都・プラハでソビエト大使館付属学校に通っていた米原万里さんの著書『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』から当時の様子を垣間見る事が出来ます。作中では著者の3人の友人だった、ギリシャ人・ルーマニア人・ボスニア人の少女達の消息を辿る様子が描かれています。作中からは当時のヨーロッパの雰囲気や、彼女達の日常生活や人生に民族主義が影響を及ぼしていたことを読み取る事が出来ます。そして三人は出身地(所属民族の国)とは異なる地で生まれ育っています。

大学内には彼女達のように、育った国と出身が異なる友人が多いです。彼らに共通しているのは、所属民族に対して誇りを持っている点です。UKで育った人だとしても、英語以外に出身地の母語を話せる人がほとんどです。渡航直後は、彼らが自身の出身に対し誇りを持っている事が理解できませんでした。

所属民族に対し誇りを持っている背景には、彼らが"ある民族に属している"という自覚を持っていることが関与していると思われます。渡航直後の私は、自分が日本人であるという自覚はありませんでした。海外で生活をしているうちに徐々に自分の所属を意識するようになりました。

初めて自分が日本人だと意識した最初の出来事は、入学試験の時でした。私の通うパラツキー大学は入学試験のために大学の先生が来日します。昨年は5人の受験生がいましたが、驚いた事に、試験監督である先生が試験開始数分後に教室の外に出て行きました。

私は日本の大学入試も経験していますが、日本では不正行為に対して厳重に対策されていました。試験後、なぜ退出したのか尋ねてみると、このような回答が返ってきました。「日本人と台湾人はカンニングをしない。試験官がいると緊張するだろうから、教室の外に出た」と。

大学は、日本人はまじめに勉強するからもっときてほしい、と主張しています。入学後も大学では「日本人」に対し好感を持つ人が多い事も度々実感しています。

ある時、チェコ語の授業中にレントゲン(ドイツ語)を自国の言葉どう呼んでいるか話題になったことがあります。日本では、医療用語にドイツ語が少し使われているという話をしました。その話の後に、ポーランドの子に日本はドイツと仲が良いから、と言われました。発言した子はただ茶化していただけなのは分かっていましたが、私は第二次世界大戦のことを思い出し気まずい気分になりました。日本人として歴史を意識した出来事でした。

ヨーロッパは植民地を多く所有していた歴史もあり、人の行き来が日本より盛んです。この歴史背景の影響は、異文化に対して寛容な面がある反面、人種差別が身近な問題として存在している点に現れていると思います。チェコで生活する中で、日本人だから、と特別に差別された経験はないです。でもそれは、日本で育ったため、人種差別を意識したことがなく気づきにくいのかもしれません。

人種差別が身近に存在することを知った出来事がいくつかありました。私の住むオロモウツでは黒人やイスラム教の人が石を投げられる事件が過去に発生しています。大学内には宗教の関係でスカーフを頭に巻いている女性も複数います。彼女達のように見かけで別の人種だと分かる人が攻撃の対象となりました。

そして同級生の中には些細な事に対して人種差別だ、という人もいます。例えば、電車の乗車賃の割引に対してです。ISIC割引(外国人学生への割引)よりチェコ人学生への割引の方が安かったため、racismだと主張していました。

また、私がポーランド旅行時、バスに乗せてもらえなかった話をしたときも、それはracismだ、と言われました。私はバスを間違えていたので乗せてもらえなかったのだと思っていました。友人に指摘されて、英語で話したから乗せてもらえなかった可能性もあったことに気がつきました。この友人はインド育ちでUKに移住した人なので、人種差別には敏感なのかもしれません。

また、EUによる難民受け入れの政策に対しての抗議活動が度々プラハやオロモウツでありました。オロモウツはチェコ国内で6番目に大きい都市で、人口は約10万人です。日本の都市で比べてみると、宮沢賢治の出身地である岩手県花巻市の人口に近いです。こぢんまりとした田舎の都市で治安もよいです。

しかし、2015年10月31日と11月7日、2016年10月7日にメインの広場で移民への抗議活動がありました。2016年5月13日にはネオナチの集会が公園で行われました。大学から、外国人学生は活動日に広場や公園には近づかないように、と警告がきました。

これらの活動は、自分がチェコでは外国人であると強く意識した出来事でした。そして人種によって攻撃対象となりうることの恐怖を初めて、少しではありますが実感しました。民族主義の考えを強く持ちすぎ、他者への理解を欠いてしまう場合、このような排他的な姿勢(人種差別)も出てきてしまうのだと思います。

大学内では異なる文化を持った学生同士が互いを尊重し合っている場面が見受けられます。イベントで出される食事や学食のメニューは宗教の関係上食べられない食材がある人がいることを考慮して用意されます。友人と食事に行く時は食べられない食材を確認し合います。

同級生は日本の文化に興味を持っている人が多く、日本語を教えてほしいと言われる事も多いです。また、私の在籍するパラツキー大学には日本語学科があり、そこに在籍するチェコ人と交流する機会もあります。彼らの多くが、「日本語の響きがきれいだから日本語を学び始めた。」と言っていました。

同級生やチェコ人との会話の中で、文字(漢字、ひらがな、カタカナ)やオトマノペ、言葉遊びについて度々話していました。日本語を紹介しているうちに、日本語は独特な言語であり、素敵だと思うようになりました。なぜ、彼らが日本の文化に興味を持つのか尋ねてみることで、日本の文化に関して新たに知ったこともありました。

日本にいると、他の文化にふれる機会が少ないせいか、違いを意識することがあまりないように思います。多文化が溢れる環境に身を置いたことで自国の文化を見つめ直す機会を得られました。その結果、日本のことをもっと知り、何か尋ねられた際は答えられるようになりたいと思うようになりました。これらの経験を通して、違いを認識し受け入れていこうとすることで、自分の所属民族への誇りも生まれるのだということが分かりました。

それと同時に、自国の文化に興味を持ってもらうことの嬉しさも知りました。そのことに気づいてから、私は相手の国について普段から機会があるとき、尋ねるようにしています。尋ねると、皆嬉しそうに話をしてくれます。

互いの文化に興味を持つ事で、名前一つでも話は広がります。自分の名前に使われている漢字が持つ意味を教えたり、相手の名前の音に漢字をあてはめてみたりすることができます。話し相手が台湾人ならば、中国語ではこの漢字はこういう意味だ、と教えてくれます。

出身がインドのUKから来た人ならば、ヒンドゥー語ではどう書くのか教えてくれます。大学内の同じ勉強グループの人は、毎日日本語で挨拶してくれ、私はそれがとても嬉しいです。私も挨拶やお礼を出来る限り彼らの母語で覚えて返すようにしています。

ヨーロッパは多文化共生の実現と人種差別が身近に存在している地です。この環境に身を置き経験したことを通して、冒頭で述べた考えにいたりました。私は、グローバル化していく世の中でコミュニケーションを取る際は、自分のことを知り、相手に興味を持ち理解しようとする姿勢が大切だと考えています。これは、今後日本が外国人を受け入れていく上でも、日本人同士でコミュニケーションを取る上でも、大切なことではないでしょうか。



http://this.kiji.is/174363935371937268?c=39546741839462401
肺がん見落とし、21歳男性死亡
愛知・一宮市立病院、遺族と和解

2016/11/24 12:39 共同通信

 愛知県一宮市の市立市民病院は24日、悪性腫瘍の肺転移を調べる精査を怠り、2013年に当時21歳の男性患者が肺がんで死亡したと明らかにした。市は医療ミスを認め、男性の両親に約2400万円の損害賠償金を支払うことで和解した。

 病院事務局によると、男性は03年、12歳の時に県内の病院で皮膚がんの切除手術を行った。その後、市民病院の定期検査で09年と10年に肺に影が見つかったが、がん検出のための検査で異常がないと判断し、定期的な受診を求めなかった。

 12年、別の病院から転移性肺がんの疑いを指摘され、精密検査で既に病状が進行していたことが判明した。



https://www.m3.com/news/iryoishin/479807
シリーズ: 奈良・勾留医師死亡事件
告発状受理、「皆様のお力添えのおかげ」

【寄稿】出羽厚二(岩手医科大学法医学講座教授)
2016年11月24日 (木) m3.com

 奈良県で勾留中の医師が死亡した事件で、遺族が奈良県に損害賠償を求めた民事訴訟の意見書のほか、本事案を容疑者不詳のまま、奈良県警察本部に刑事告発したのが、岩手医科大学法医学講座教授の出羽厚二氏(『勾留中の男性医師死亡、法医が刑事告発したわけ』を参照)。
 m3.com医療維新で取り上げたところ、m3.com内外でさまざまな議論が展開されている。出羽氏に現時点での議論の受け止めを綴っていただいた。

 まず私は臨床経験が乏しく、病理の知識は標準以下の人間です。鑑定依頼が殺到する実力派の鑑定医ではありません。時津風部屋事件も、法医学の人間であれば誰も間違えることはないレベルの事例だったと思います。今回の奈良の事例も医学的常識、もしくは一般的な常識として誰もが「おかしい」と思われるレベルのことだと思っています。

 法医学の人間が、警察を告発するのは「お行儀が悪い」ことと自覚しておりますが、そうでもしないとこの大きな問題が解決できないと思い、今回の告発に至りました。奈良県警の起こしたと思われる事件を奈良県警に告発するという奇異というか皮肉な状況ですが、他に告発先がありません。あるとすれば奈良の検察庁ですが、弁護士と相談の上であえて奈良県警にいたしました。予想では門前払いと思っていましたが、本日24日午前10時過ぎ奈良県警に告発状が受理されました。皆様のお力添えのおかげです。心より感謝申し上げます。最後にはしっかりと捜査がされて真相が解明されることを願っています。

 この件は書類送検されるでしょうから、最悪でも検察審査会までは持ち込めると思います。この男性医師の死亡事例は「留置所=矯正施設での死亡例」ということで、法務省の通達では検察官が自ら検視をしなければいけない事例です(矯正施設等に収容中の者が死亡した場合における検視等に関する取扱い及び検視調書等関係書類の保存について:平成15年11月27日 法務省刑総1291号依命通達)。通常の警察官による検視は代行検視と呼ばれ、検事の代わりに警察官がしているものです。つまり「こういう場合、警察官が疑われるのだから検事が自ら調べろよ」という意味なのです。ですから本件の最初の「見逃し」の責任は検察庁にあります。

 山本病院事件は、医療に携わるものとして重く悲しい出来事でした。亡くなられた男性医師は2006年の3月末から勤務を開始し、6月16日に逮捕容疑となった男性患者の肝臓腫瘍切除術に関与しました。勤務して3カ月未満です。またこの後間もなく病院を辞職しています(正確な勤務期間は遺族が年金手帳で調べる予定です)。もちろんこの事件には責任はあります。山本病院は1999年7月1日に開院し、2009年7月1日に院長と事務長が詐欺容疑で逮捕されるまでの10年間存続しました。

 しかし、開院直後から生活保護者を食い物にした医療に対して、匿名の多数の投書が奈良県に届いたと言われています。当然山本院長と数カ月勤務した男性医師では一連の事件に対する関与の度合いが異なります。「生活保護者を食い物にした医者にはバチが当たって当然」という声があるようですが、山本院長と男性医師を同一視してはいけないと思います。もっとも、山本病院事件と今回の勾留中の死亡は別問題として考えるべきであり、どのような罪を犯した被疑者と言えども、暴力的な取調が許されるはずはありません。男性医師の死亡により、肝臓手術死亡事件の全容の解明も、彼自身の弁明の機会も永遠に失われてしまいました。

 次に「逮捕容疑を認めている被疑者に警察が、なぜ過酷な取調をするのか」という疑問も当然あると思います。これはあくまで私の推測ですが、奈良県警と奈良地検の間の意見の対立が背景にあったと考えます。2009年9月9日、奈良県警は前記の肝臓腫瘍切除術に対して「傷害致死容疑」で山本病院の家宅捜索をしました。しかし、山本院長、男性医師の2010年2月9日の逮捕容疑は「業務上過失致死」でした。奈良地検が故意犯である「傷害致死」の適用に強行に反対したからと言われています。「不要な手術だった」との医師側の認識を裏付ける証拠がなかったからです。両者は一時険悪な雰囲気になったと言われています。2007年10月30日に奈良県より相談を受けてから2年以上に及ぶ捜査をした奈良県警の内部には、不満がたまったことでしょう。その間の捜査では慣れない医学用語に悪戦苦闘したはずです。奈良県警の欲しかったものは「不要な手術だった」との供述だったのではないでしょうか、あるいは山本病院の他の死亡事例に対する供述です。このような事情が過酷な取調に繋がったのではないかと思っています。

 山本病院事件のことは『ルポ医療犯罪』(出河雅彦著、朝日新書)に詳しく書いてありますので、御一読をお薦めいたします。

 「現代の警察官が死亡に至るようなリンチを働くか」という疑問もあるでしょう。私は当然殺意を持って暴行を加えたとは思っておりません。しかし、机の下で脚を蹴るなどの強圧的な取調があったのだろうと考えています。男性医師が死亡して一番狼狽したのは取調をしていた警察官自身のはずです。「死んでしまうほど強く蹴った覚えはないのに・・・」と思ったのではないでしょうか。しかし、顔などの目立つところを殴らず脚をけるのは、計算された悪質な行為と思います。

 「なぜ暴行を受けていることを接見時に訴えなかったのか」という疑問もわきます。任意の取調から5カ月、逮捕されて19日目の死亡です。容疑者として長期の取調を受けている者の心理状態は推し量れません。最後の弁護士の接見は2月17日です。誰かに違法な取調を訴える最後の機会は死亡前日の2月24日のC病院の受診時でした。しかし、24日の意識状態は既に低下していたと考えられます。C病院では心電図検査をしていないのに、頭部のCTは施行しているからです。23日には取調中に失禁しています。

 以上のような推測は法医学者がする筋合いではないことは十分承知していますが、私の告発を機に、さまざまな議論が沸き起こっていることを知り、書かせていただきました。

 最後に民事訴訟の原告側の意見書を書いた医師は私を含めて4人おります。救急医、循環器内科医、法医2人です。残念ながら我々が見ているのは、コピーされた司法解剖時の不鮮明な写真と限られた資料だけです。C病院の医師の話を聞いているわけでも、直接標本を見ているわけでもないことをご理解ください。

 最後の最後に、小林多喜二の死因は「心臓麻痺」とされ、遺族からの解剖依頼を帝大(東大)、慶応、慈恵が断ったとされています。「心臓麻痺」は「急性心不全」「心筋梗塞」と名前を変えてなお亡霊のように漂っています。



https://www.m3.com/news/iryoishin/479797
第7次医療計画の基本方針、「意見とりまとめ」案を議論
一般病床の平均在院日数の変化率、「11%+1%」で計算

2016年11月24日 (木) 橋本佳子(m3.com編集長)

 厚生労働省の「医療計画の見直し等に関する検討会」(座長:遠藤久夫・学習院大学経済学部教授)は11月24日の第7回会議で、2018年度から始まる第7次医療計画の基本方針に関する「意見のとりまとめ」(たたき台)について議論した。細かな修正・追加を求める意見は出たものの、過去の議論を集約した内容であり、基本的内容については異論はなかった(資料は、厚労省のホームページ)。今年内に再度議論、厚労省はそれを踏まえて基本方針案を策定、告示事項についてはパブリックコメントを募集する。告示、通知等は今年度内に出す予定。

 24日の会議では、一般病床の基準病床数算定に用いる平均在院日数の考え方も、明らかになった。基礎となるのは、直近6年間の平均在院日数の変化率で、全国平均は11%。各地方ブロックの平均在院日数の地域差是正が目的のため、平均在院日数が全国平均を上回っている(長い)場合は、「全国値(11%)+α」と当該ブロックの変化率を比較し、より高い変化率を用いる(『平均在院日数の地域差是正、基準病床数の算定式了承』を参照)。「直近6年間で最も変化率が大きいブロックの場合は、13%。全国平均の11%との間を取り、12%とする予定」(厚労省医政局地域医療計画課)。したがって、「α」は1%となる。

 医療計画では、一般病床と療養病床のほか、結核病床と精神病床の基準病床数も算定する。結核病床については厚生科学審議会結核部会で算定方式は変更しないことを決定。結核患者数は減少しており、一般病床と併せて結核病床を持つユニット化、高齢患者が多く合併症を有する結核患者への対応病床整備など、医療提供体制の見直しを進める方針。

 一方、精神病床については、厚労省の検討会で、入院医療から地域移行なども踏まえて、算定方式の見直しを検討している。その結論を待って、医療計画の基本方針に反映させる。なお、奈良県立医科大学教授の今村知明氏からは、一般病床の基準病床数は現行の考え方を変更していないが、精神病床の基準病床数は、地域医療構想の「病床の必要量」の考え方を取り入れている点を質す意見が出た。厚労省医政局地域医療計画課は、「そもそも一般病床と精神病床の基準病床数の算定式は異なる」と前置きした上で、一般病床は平均在院日数の短縮を、精神病床は将来の医療需要をそれぞれ見込んでいるものの、いずれも将来の医療提供体制の構築を目指すという点では整合性が取れていると説明。

 ロコモ、フレイル、具体的施策は?

 「意見のとりまとめ」(たたき台)は、(1)医療計画全体に関する事項、(2)5疾病・5事業および在宅医療のそれぞれの医療連携体制等に関する事項――という2つの柱から成る。複数の文言修正・追加の意見のほか、これまでの議論での指摘された事項を確認する意見などが出た。

 第7次医慮計画の変更点が、「5疾病・5事業」の一つである、急性心筋梗塞。「心筋梗塞等の心血管疾患」に変更し、対象疾患を広げるほか、急性期に限らず、回復期や慢性期も含める(『医療計画の5疾病対策、「回復期から慢性期」重要』などを参照)。

 人口の高齢化に伴い増加する疾患の追加を求める声が挙がったが、見送られ、「ロコモディブシンドローム、フレイル、肺炎、大腿骨頸部骨折等については、他の関連施策と調和を取りながら、疾病予防・介護予防等を中心に、医療・介護が連携した総合的な対策を講じることが重要である」との記載にとどまった。今村氏は「各論では全く触れていない。実際にはどのように対応するのか」と指摘。

 これまでの議論の過程で、浮上したのが、ICUやCCUを既存病床数に含めるか否かの取り扱いが、都道府県によって違う点だ(『ICUとCCU「既存病床数」に含めるか否か、結論出ず』を参照)。「都道府県により、取り扱いが違うという問題意識がある。まず現状を調査し、対応を検討する」(厚労省医政局地域医療計画課)。今後、ICUやCCUを新規に作る場合の取り扱いが規定される見通し。

 「5疾病・5事業および在宅医療」については、実効性を持たせるため、第6次医療計画からPDCAサイクルが導入された。その徹底に向け、指標も見直す。現行でも200以上の指標があり、「指標が多く、都道府県は手一杯ではないか」(日本病院会副会長の相澤孝夫氏)との指摘に対し、厚労省医政局地域医療計画課は、各都道府県の取り組みが比較できる指標と、それ以外の指標に仕分けをして提示する方針であると説明。

 なお、「医療従事者の確保等」については、「新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会」、「医療従事者の需給に関する検討会」等での議論を踏まえ、必要な見直しを行うこととする、という記載にとどまった。ビジョン検討会は、11月24日にも開催されたが、今年内は「中間取りまとめ」にとどまる見通しで、この部分が今年度内の告知・通知予定の基本方針に、どのように盛り込まれるかは未定(『「労働時間の基準設定」、NP・PA活用で働き方改革』を参照)。



https://www.m3.com/news/iryoishin/479784
シリーズ: 医師不足への処方せん
「労働時間の基準設定」、NP・PA活用で働き方改革
働き方ビジョン検討会第4回、構成員プレゼン

2016年11月24日 (木) 橋本佳子(m3.com編集長)

 厚生労働省の「新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会」(座長:渋谷健司・東京大学大学院医学系研究科国際保健政策学教室教授)は11月24日、第4回会議を開催、第3回会議に続き、構成員がプレゼンテーションした。本検討会は、(1)地域で市民と患者の生活を支える、(2)専門性の追求と人生の選択の両立、(3)生産性と質の向上、(4)経済活力(イノベーション・国際化)への貢献――という4つの視点で議論をしており、24日の会議では、(2)から(4)についての提案だった。

 (2)に関するプレゼンは、現場、行政、経営という3つの視点から検討する必要性を指摘、「本人意思の明確化」「制度的環境の整備」「技術的環境の充実」「働く場所の改革」という4つのメッセージを打ち出した内容。特に、女性医師の就労継続を重要課題とし、具体的施策として、「労働時間の基準設定」のほか、NP(Nurse Practitioner)、PA(Physician Assistant)の活用など、医療の担い手の見直しなどを挙げている。また経営者の理解がないと、医師らの働き方は変わらないことなども指摘。

 「労働時間の基準」では、米国の医師卒後臨床研修プログラムの評価・認証などを行うACGME(Accreditation Council for Graduate Medical Education)の例を紹介。ACGMEは、(1)1週間の労働時間を80時間、(2)継続しての24時間以上の勤務の禁止、(3)1週間に1日は休日、(4)3日に1回以上の当直を行ってはいけない――などの規則を定めている。

 (3)と(4)は関連したテーマ。「財源の有効活用」「専門性の拡張」「連携による空間デザイン」「共有による時間の運用」という4つの切り口で、生産性を向上させ、人口減少社会下の医療を乗り越える施策を盛り込んでいる。その中で重要視されたのが、「あらゆる情報を活用する」という視点。各種情報を収集、データ化して、それらをつなげば、結果的に、医療者の働き方や偏在の解消、生産性の向上につながるとの考えだ。

 本検討会は、今年内に中間的な取りまとめを行う予定。次回はこれまでのプレゼンを踏まえ、論点を整理、それを基にさらに議論を深める。

 なお、2018年度からの第7次医療計画策定のための基本指針の見直しが現在進められている。基本指針に関する告示や通知は2016年度内に出す予定で、その中に「医療従事者の確保等の記載について」との項目がある。この部分は、本検討会や「医療従事者の需給に関する検討会」の「医師需給分科会」の議論待ちだが、2016年度内に一定の結論がまとまるかは微妙な情勢。場合によっては、2017年度に入ってから基本指針が改訂される可能性もある(『第7次医療計画の基本方針、「意見とりまとめ」案を議論』を参照)。



http://www.saitama-np.co.jp/news/2016/11/25/10.html
腸閉塞の男性、医療事故で死亡…蕨市立病院 遺族に2567万円補償
2016年11月24日(木) 埼玉新聞

 蕨市は24日、腸閉塞(へいそく)で市立病院に入院した市内の無職男性(67)が死亡した医療事故で、男性の遺族に対し補償として2567万円を支払う内容の示談が成立したと発表した。議会の同意を得て支払われる。

 市によると、男性は2014年10月20日午前、おう吐を訴えて入院。深夜におう吐が激しくなり、翌21日午前0時20分に死亡が確認された。直接の死亡原因は吐しゃ物が気道に詰まったことによる窒息死だった。同病院の50代の医師は軽い腸閉塞の可能性があると判断し、翌日に精密検査を行う予定だったという。

 男性の姉ら遺族に対し病院側による説明が行われたが、遺族側は納得できないとして15年11月から病院側に補償を求め、交渉が行われてきた。当初の診断とその後の措置について、全体として不十分な点があったと病院側が認め、和解が成立した。

 同病院の伊藤浩一事務局長(54)は「この医療事故を重く受け止め、同じことが二度と起こらないよう務めたい」と話している。



http://www.nikkei.com/article/DGXLZO09857930T21C16A1MM8000/
薬価を毎年改定へ 後発薬値下げ、医療費抑制
政府調整

2016/11/23 2:00 日本経済新聞

 政府は薬の公定価格(薬価)を決める仕組みを見直す調整に入る。原則2年に1回の薬価改定を毎年実施し、価格を柔軟に引き下げる案が軸。新薬の原価など根拠となるデータの公表を義務付けたり、後発医薬品の価格を抑える方策も議論する。国の薬剤費支出を抑える狙いだ。

 25日の経済財政諮問会議(議長・安倍晋三首相)で民間議員が見直し案を提示する。諮問会議は厚生労働省などと連携して改革の方針を取りまとめる。

 価格の安い後発薬の普及で薬全体の流通価格は下落傾向にあるが、改定が2年に1回のため市場の実勢を反映しづらい。民間議員は国が負担する薬剤費の膨張を抑制するため、毎年薬価を下げられるようにしたい考え。下げすぎた場合は翌年の薬価調査で調整する。

 医師会や製薬業界はこれまでも「価格調査などの負担が増す」などの理由で毎年改定に反対しており、見直しに抵抗も予想される。

 民間議員は薬価の透明性向上に向け、製造原価の内訳や患者数の見込みなど詳細の公表を義務付けることも訴える。超高額のがん治療薬オプジーボのように、海外の2倍以上高い薬は速やかに公定価格を見直す仕組みも求める。厚労省も中央社会保険医療協議会(中医協)で見直し策を議論し、2018年度の薬価改定時に導入する方針だ。

 後発薬の価格は原則新発薬の5割に設定されている。民間議員は「国際的にみて高すぎる」と指摘し、20年度までに後発薬の普及率を80%に高めるため新発薬の3~4割に引き下げるべきだと提起する。

 製薬業界の研究開発投資促進も課題に挙げる。薬の効能に応じて一定額を加算するといった価格改定のルールをつくり、研究開発の意欲を高めるよう求める。


  1. 2016/11/25(金) 05:51:31|
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11月23日 

https://www.m3.com/news/iryoishin/474884?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD161123&dcf_doctor=true&mc.l=191707484
シリーズ: 『「50歳以上ドクター」の悩みと未来』
50歳以上、4割が今も医局に所属◆Vol.6
所属経験なしは6%、U35世代と差

医師調査 2016年11月23日 (水)配信高橋直純(m3.com編集部)

Q 医局の所属状況と意識について教えてください。
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 医局への所属状況を尋ねたところ、全体では39%が現在も所属していると回答。一方で、開業医は28%、勤務医は47%と差がついた。また、今年5月に掲載したU35 世代への調査と比べると、「所属経験なし」がU35では22%に対し、50歳以上では6%にとどまっていた。
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 理由別に集計してみると「メリットを感じている」は50歳以上では29%だったのに対し、U35では43%、「メリットもデメリットも感じない」はそれぞれ63%と39%、「デメリットを感じている」は8%と18%だった。医局に所属している割合が高いU35 のほうが、メリットもデメリットも強く感じていることが見て取れた。



https://www.m3.com/news/iryoishin/479434
シリーズ: 真価問われる専門医改革
「大学以外でも基幹病院に認定を」、全自病
「専門医制度整備指針に関する声明」を公表

2016年11月23日 (水) 橋本佳子(m3.com編集長)

 全国自治体病院協議会は11月22日、日本専門医機構で現在検討されている「専門医制度整備指針」改訂案について「今までの議論やいったん立ち止まって再検討するに至った最大の要因である地域の医師偏在に全く応えていない」と指摘する内容の声明を公表した(資料は、全自病のホームページ)。各基本領域の基幹施設の基準は、大学病院のみ認定されるような基準とすることなく、都道府県別に、大学病院以外の医療機関も含め複数の基幹施設が認定される基準とするよう変更を求めている。

 「専門医制度整備指針」の改訂案は、11月18日の日本専門医機構の理事会で議論されたが、一般には公開されていない。理事会後の記者会見で、同機構は、基幹病院と連携して専門医研修に取り組む施設の要件を緩和するなど、地域医療への配慮を念頭に置いた改訂を進めているとし、年内に指針を取りまとめる予定と説明(『新専門医「整備指針」、地域医療に配慮し12月に改訂』を参照)。

 全自病の会長を務める全自病会長の邉見公雄氏は、日本専門医機構の理事でもある。11月18日の理事会には、日本医師会から7項目から成る「要望書」が提出された。全自病の声明は同要望を「全面的に支援」するとし、7項目のそれぞれについて補足説明する内容だ。

 特に強く要望しているのは、「基幹施設の基準」の見直し。「大学病院のみ認定されるような基準とすることなく、原則として、都道府県ごとに、大学病院以外の医療機関も含め複数の基幹施設が認定される基準とすること」を求めている。

 「現在でも各学会の提出しているプログラム整備基準は、昨年のものと基本的には何ら変わっていない」「現在の基準のままだと地域医療を支える多くの病院が独自に専門医を養成することができなくなり、都心部にしか存在しない大学病院にほとんどの専攻医が集中することになり、現在危ういところでバランスを取っている地域医療が崩壊する懸念があり」と指摘。その上で、現状でも大学病院以外でも、専門医を養成する実力のある地域の病院はたくさんあり、専門医養成を行っている研修施設の約25%は自治体立病院が占めることから、「大学病院以外の病院でも責任を持って専門医を養成できるよう、現在のプログラム整備基準を緩和することを整備指針の中に明記する」ことを要望している。

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「専門医制度整備指針に関する声明」(2016年11月22日)

1.基幹施設の基準は、大学病院のみ認定されるような基準とすることなく、原則として、都道府県ごとに、大学病院以外の医療機関も含め複数の基幹施設が認定される基準とすること。
2.従来の学会認定制度において専門医を養成していた医療機関が専攻医の受け入れを希望する場合は、連携施設となれること。
3.専攻医のローテートについては、特別な症例を経験するために必要になるなどの事情がなければ、原則として、6カ月未満で所属が変わらないこと。
4.専攻医の集中する都市部の都府県に基幹施設があるプログラムは、原則として、募集定員が過去 3 年間の専攻医の採用実績平均を超えないこと。
5.専攻医の採用は、基幹施設だけではなく、連携施設でも行えること。
6.プログラムの認定に当たっては、各都道府県協議会において、医師会、大学、病院団体等の地域医療関係者の了解を得ること。
7.研修期間については、妊娠、出産、育児等の理由により中断することができ、かつ、6カ月までの中断であれば、残りの期間に必要な症例等を埋め合わせることで、研修を延長しないで済むこと。また、6カ月以上の中断の後研修に復帰した場合でも、中断前の研修実績は、引き続き有効とされること。
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https://www.m3.com/news/iryoishin/476930
再発防止策は年明け、年報は3月頃 - 木村壯介・日本医療安全調査機構常務理事に聞く◆Vol.2
「司法解剖12件」の扱いなどは今後の検討に期待

2016年11月23日 (水) 聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――まだ制度の趣旨が各医療機関に十分に理解されているとは言えないとのことですが、制度の普及啓発のほか、センターの役割としては、院内調査報告書を「整理、分析」し、医療事故を報告した医療機関の管理者にその結果を報告することなどがあります。

 今年6月の医療法施行規則の改正以前は、医療機関から報告書を受け取るだけだったので、報告書はどんな内容であっても、医療機関に聞き直すことはできませんでした。外部委員の有無が書いていなかったり、「再発防止策はない」との記載があればいいですが、何も書いていなければどんな検討をしたのかも分かりません。しかし、施行規則改正後は、医療機関の管理者の了解を得た上で、我々センターが確認・照会ができるようになりました。


「院内で起きた予期しない死亡を、刑事事件として扱うべきか、医療事故調査制度で調査をすべきかについては、はっきりとした線引きがなされていないので、今後検討が必要」(木村壮介氏)
――当該医療機関に、センターによる整理・分析の結果を報告したケースはあるのですか。

 確認・照会はしていますが、報告したケースはまだありません。当該医療機関に対しては、個別の事例ではなく、一般化・普遍化した内容を報告するという原則は施行規則改正後も変わっておらず、再発防止策を検討してからになります。

――当該医療機関の個々の院内調査結果について、レビューした結果を返すことはしない。

 通知でその解釈が示され、当該医療機関に対して、個別事例ではなく、一般化・普遍化した報告を行うとされています。

――センター業務として、「医療事故の再発防止に関する普及啓発を行うこと」があります。事故報告をした医療機関が受け取るものと、それ以外の医療機関に対して提供する再発防止策は同じものと、という理解になりますか。

 今のところあまり変わらないと思います。今後、医療事故全体の統計的な数値を年報として出すとともに、複数起きている事故の再発防止策をまとめる予定です。

 再発防止策のテーマとしては、中心静脈穿刺の事故や、肺血栓塞栓症が死因となった事故を選び、検討を進めています。アナフィラキシーショックについても検討予定です。

 その以外の事故も今後取り上げる予定ですが、例えば5年後に、何らかの事故について検討するため、改めて過去の院内調査結果を見直した際に、その内容が十分整っていなければ、より良い再発防止策を検討することは難しい。

 6月の施行規則改正で確認・照会ができるようになったものの、どの程度までやるかは記載されていないのです。将来を見据え、結果を受け取った時点で1例1例しっかりとした確認・照会を実施したいところですが、相当の人員が必要になるため、今の体制では難しい。

――今はどの程度、確認・照会をしているのですか。

 今は院内事故調査結果を受け取った旨を電話で連絡します。その際に、外部委員の人数など基本的事項で記載がなかった点のほか、結果まで時間がかかった場合には、その理由を聞くなど、簡単な事項をお聞きする程度で、「これが起きた原因はどう考えていますか」といった突っ込んだ質問はしていません。そのためには知識と経験を持ったスタッフが分析をして、専門医の意見なども聞かなければいけないでしょう。本当はそれが必要ですが、我々がどこまでやるべきかは、今検討している最中です。

――中心静脈穿刺の事故と肺血栓塞栓症が死因となった事故については、2017年の年明けには、再発防止策をまとめる予定とのことです。中心静脈穿刺の事故は、これまでも日本医療機能評価機構の「医療事故情報収集等事業」などで、再発防止策が検討されてきました。医療事故調査制度で、どんな新たな知見が加わるのでしょうか。

 「医療事故情報収集等事業」は、データの流れが一方的です。医療機関にとっては報告すれば終わり。一方、本制度では、個々の事例について、「再発防止のために、専門的な見地から検証させていただきたい」と説明し、当該医療機関に協力を要請し、詳しい内容を聞くことが可能です。死亡事例では出血傾向のある患者が多いので、抗凝固剤を使っている患者では特に注意するなど、穿刺事故の予防から、穿刺事故後の対応に至るまで、より詳しい知見が得られると考えています。

――年報はいつごろまとめる予定ですか。

 医療事故調制度の開始は、2015年10月であり、これまで開始6カ月の2016年3月、開始1年の9月までのデータを公表してきました。今後は暦年でデータを集計、2016年1年間の年報は、2017年3月頃までにはまとめる予定です。これまで公表してきた内容よりは、もう少し解釈を含めたものを出したいと思っています。

――例えば、どんな解釈を加える予定でしょうか。

 これまではデータは公表してきたものの、コメントはあまり付けていません。年報では、データをどう解釈するかなどある程度踏み込めたらと、考えています。

――解釈という意味では、「開始1年の動向」において、事故発生から、センターに報告するまでの期間が、制度開始から「前半6カ月」の21.9日から、「後半6カ月」の41.2日に延長したというデータが報告されました(『センターへの事故報告が長期化、平均41.2日、判断に苦慮か』を参照)。その理由をどうお考えでしょうか。

 幾つかの要因が考えられますが、やはり「迷っている」のだと思います。

――制度への理解が進むと思われる「後半6カ月」の方が、迷いが少なくなる、とも考えられるのですが。

 個々の医療機関にとっては初めての経験がほとんどで、制度への理解が進むのには、もう少し時間がかかるのではないでしょうか。「迷っている」こと以外、理由を見い出すことは難しいところです。施行規則が改正された今年6月以降、報告まで時間がかかった事例については、その理由を聞いたりしています。「複数の機関に相談して、長くなってしまった」「いったんは医療事故には該当せず、報告しないと決定したものの、その後に遺族からいろいろ言われ、もう一度、検討し、報告することにした」などのケースがありました。

 医療機関の中には、「裁判になった時に、医療事故調査制度できちんと調査していることが、有利になる」という意見があります。遺族との間で、裁判などの話が出たため、後から報告するケースもあることは確かです。

――11月2日の会見では、解剖の実施は、院内調査を終えた161件中52件で、「解剖率32.2%」の解釈を問う質問もあり、「病死の際の解剖率は5%未満であり、それよりは高い」と回答されていました。

 ただ、52件のうち、司法解剖が12件あります。

――司法解剖の12件は、医師法21条に基づき、異状死体として警察に届け出た事例でしょうか。

 そうだと思います。院内で起きた予期しない死亡を、刑事事件として扱うべきか、医療事故調査制度で調査をすべきかについては、はっきりとした線引きがなされていないので、両方に届出、報告をしているのでしょう。司法解剖の場合、詳細な結果は遺族でも教えてもらえないケースがあり、教えてもらえる場合でも時間がかかることがほとんどです。また本制度の調査結果と、司法解剖の結果が異なる場合もあり得ます。この辺りは、今後検討が必要と考えています。



https://www.m3.com/news/general/479403
大阪の病院でも点滴袋に穴
2016年11月23日 (水) 朝日新聞

 大阪府立成人病センター(大阪市東成区)は、入院患者に投与していた点滴袋1袋に穴があいているのが見つかり、使用前のもう1袋から液漏れが見つかったと22日発表した。大阪府警は通報を受け、器物損壊や威力業務妨害容疑などにあたるか調べている。

 同センターによると、21日正午ごろ、9階病棟に入院中の60代男性に1リットル入り生理食塩水の点滴をしたところ、看護師が点滴袋から液が漏れていることに気づいた。



https://www.m3.com/news/general/479408
医学生飲酒時、研修医も同席 千葉大集団強姦事件
2016年11月23日 (水) 朝日新聞

 千葉大学医学部(千葉市中央区)の男子学生3人が集団強姦(ごうかん)致傷容疑で千葉県警に逮捕された事件で、学生らが女性と酒を飲んだ店に、3人を指導する立場の研修医も一緒にいたことが関係者への取材でわかった。同大は22日、医学部内に調査委員会を設置した。

 同大の渡辺誠理事らはこの日記者会見し、「逮捕は報道で知った。事実とすれば非常に残念。逮捕された学生も、被害者も把握できていない」と話した。

 関係者によると、3人は医学部5年の20代の男子学生で、9月下旬、千葉市内の飲食店で女性を泥酔させ、店内や、うち1人の自宅で、酒に酔った女性に性的暴行を加えてけがをさせた疑いがあるという。



http://mainichi.jp/articles/20161123/k00/00e/040/199000c
千葉大生集団強姦
「人間として間違い」 千葉大生ら憤り

毎日新聞2016年11月23日 15時09分(最終更新 11月23日 16時33分) 千葉県

 女性に集団で性的暴行をしたとして、千葉大医学部5年の20代の男子学生3人が集団強姦(ごうかん)致傷容疑で逮捕された。患者に寄り添い、命を救う医師の卵が、女性の体も心も傷つけたとされる事件に、学生や教員からは「人間として間違っている」「学生への教育を考え直す必要がある」との声が上がった。

<「魂の殺人」性犯罪>被害者、厳罰化の答申評価 複雑な思いも
 医学部がある千葉市中央区の亥鼻キャンパスでは22日、看護学部3年の女子学生(20)が「ニュースで知ってびっくりした。医学部生とも関わりがあるが、優秀でみんないい人だと思っていたのに……」と驚いた様子。医学部3年の男子学生(22)は「医学部だからではなく、人間として間違っている」と憤った。

 教員の男性は、千葉大の学生だった寺内樺風被告(24)が2年近く少女を監禁したなどとして未成年者誘拐や監禁の容疑で逮捕された事件に触れ、「3月に監禁事件が発覚したばかりで、もう驚きもない。レベルの低い大学ではないが、このような事件が起きてしまう。大学は学生への責任ある教育や支援のあり方をもう一度捉え直さないといけない」と語った。

 この日午後2時から記者会見した渡辺誠理事と中山俊憲・医学部長は、午前中に調査委員会と処分を検討する懲戒委員会を設置したことを明らかにした。事件は飲食店で開かれた学生らの飲み会で起きたが「報道で初めて知った」「逮捕された学生が特定できていない」などと説明し、調査の具体的方法や期間は明言しなかった。

 中山医学部長は「非常に驚きを持って捉えている」などと第三者的な発言にとどめていたが、報道陣から当事者としての受け止めを何度も問われ、「事実であるとすれば非常に残念で、社会的責任を感じている」と述べた。被害者支援や再発防止策については「調査結果を待って対応したい」「真摯(しんし)に対応したい」と繰り返した。【渡辺暢、田ノ上達也、信田真由美】



http://www.news-kushiro.jp/news/20161123/201611234.html
産婦人科医招へい、市立根室病院
2016年11月23日 釧路新聞

  市立根室病院は12月1日から、産婦人科の医師1人を招へいする。同病院では常勤医として勤務することになっており、暫定診療となる12月は、月~木で一般診療と妊婦検診(予約)を行う。待望する分(ぶん)娩(べん)再開はかなわないものの、長谷川俊輔根室市長は、「他院の協力が得られれば、出産経験のある経産婦の方から分娩できる可能性も出てくる」と期待を寄せた。  市立根室病院では産科医師の不足により、2006年9月から出産ができない状態が続いている。根室の事情を汲み、11年に産婦人科医1人が赴任したものの、医療体制が整わず分娩は扱わなかった。その医師(71)も体調面の不安から10月末で退職、産婦人科医師がいない状態だった。



http://www.chunichi.co.jp/s/article/2016112390100557.html?ref=rank
肺がん見逃し男性死亡 一宮市民病院、2400万円賠償で和解
2016年11月23日 10時05分(中日新聞)

 愛知県一宮市の市民病院が県内の男性患者の転移性肺がんを見逃し、患者が死亡していたことが分かった。市は過失を認め、遺族に2400万円の損害賠償金を支払うことで和解したと22日、発表した。

 市によると、男性は2003年、12歳のときに皮膚がんの切除手術を県内の大学病院で受けた。その後、同市民病院で定期検査を受け、09年8月のコンピューター断層撮影(CT)検査で右肺に8ミリ程度の陰影が見つかった。だが、皮膚科の担当医師はがんではなく、炎症と判断した。

 男性は21歳になった12年11月、体調不良で県外の病院を受診して転移性肺がんが発覚。13年2月に死亡した。

 15年に遺族が市に損害賠償を求めて名古屋地裁に提訴。市は、担当医師が呼吸器内科などの医師に相談するべきだったと過失を認め、今年8月に和解した。

 松浦昭雄院長は「注意義務違反があった。見逃しが起きない体制づくりを目指したい」とコメントした。
  1. 2016/11/24(木) 05:41:25|
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11月22日 

http://www.asahi.com/articles/ASJCR2411JCRUBQU003.html
千葉大医学部生3人を逮捕、集団強姦致傷の疑い
2016年11月23日06時36分 朝日新聞

 女性に集団で性的暴行を加えてけがをさせたとして、千葉県警は、千葉大学医学部(千葉市中央区)5年生の20代の男子学生3人を集団強姦(ごうかん)致傷容疑で21日に逮捕した。3人は酒に酔った女性を介抱するように装い、飲食店内の周囲から見えないスペースに連れ込んで性的暴行を加えた疑いがあるという。関係者への取材でわかった。

 関係者によると、3人は9月下旬、千葉市内の飲食店で女性を泥酔させ、介抱するふりをして店内で性的暴行をした後、1人の自宅に女性を連れていき、室内でも性的暴行を加えてけがをさせた疑いがある。学生らが酒を飲んだ席には、3人を指導する立場の研修医もいたという。

 同大は22日、医学部内に調査委員会を設置。同日に記者会見した渡辺誠理事は「逮捕は報道で知った。事実とすれば非常に残念。逮捕された学生も被害者も把握できていない」と話した。



http://www.asahi.com/articles/ASJCQ312YJCQUDCB005.html
介抱を装い性的暴行か 集団強姦致傷容疑の千葉大生
2016年11月22日13時32分 朝日新聞

 千葉大学医学部(千葉市中央区)の男子学生3人が集団強姦(ごうかん)致傷容疑で逮捕された事件で、3人は酒に酔った女性を介抱するように装い、飲食店内の周囲から見えないスペースで性的暴行を加えた疑いがあることが関係者への取材でわかった。同大は22日、医学部内に調査委員会を設置した。

 3人は千葉大医学部5年生の20代の男子学生で、千葉市内で9月下旬、女性に集団で性的暴行を加えてけがをさせたとして、今月21日に逮捕された。

 関係者によると、3人は飲食店で女性に酒を飲ませて泥酔させ、介抱するふりをして店員や他の客から見えないスペースに女性を連れ込み、性的暴行を加えた疑いがある。また、学生らが酒を飲んだ席には、学生3人を指導する立場の研修医も一緒にいたという。

 3人はその後、うち1人の自宅にタクシーで女性を連れていき、室内でも性的暴行を加えたとされる。県警は関係者から事情を聴くなどして、当時の詳しい状況を調べている。

 千葉大の広報担当者は「報道を受けて事実関係を調べており、現段階では情報がない」としている。



https://www.m3.com/news/general/479174
【山梨】富士吉田市立病院問題 背景は?
2016年11月22日 (火) 山梨日日新聞

 富士吉田市立病院の歯科口腔外科の歯科医師が、正当な理由なく診療を断ったなどとして、市が院長と歯科医師を懲戒処分とした問題は、医師側が「事実無根だ」と反発、双方が対立する異例の事態になっている。問題が浮上した背景は病院が2013年4月に同科を開設した際、開業医との役割分担などを巡り、富士吉田歯科医師会との間に生じたトラブル。医師側は法廷闘争を辞さない構えを見せており、対立は長期化する様相を呈している。歯科医師不在となった同科は年末まで約120件の予約をキャンセル。利用者からは「あおりを受けるのは一般市民」とため息が漏れる。〈清水一士〉

 「歯科医師会からの申し入れを受け、詳細な調査をしないまま出された『結果ありき』の処分だ」。市が処分を発表した16日、懲戒免職となった大月佳代子歯科医師は、集まった報道陣を前に憤りをぶちまけた。



https://www.m3.com/news/general/479023
欧米の製薬団体が反発 オプジーボ値下げ
2016年11月22日 (火) 朝日新聞

 患者1人で年約3500万円かかる新型がん治療薬「オプジーボ」の薬価を来年2月から緊急的に500引き下げるとした厚生労働省の方針に対し、欧米の製薬団体は21日、「日本での新薬の研究開発に深刻な影響を及ぼすことが懸念される」と反発する声明を出した。欧州製薬団体連合会と米国研究製薬工業協会の連名。日本国内では、欧米の薬も厚労省が定めた価格で販売されている。



https://www.mixonline.jp/Article/tabid/55/artid/54854/Default.aspx
EFPIA、PhRMA両会長名で声明 「薬価論議はイノベーション評価から外れている」
2016/11/22 03:50 ミクスオンライン

EFPIAのカーステン・ブルン会長とPhRMAのパトリック・ジョンソン会長は11月21日、抗がん剤オプジーボの薬価を緊急的に50%引き下げる決定を日本政府がしたことについて共同声明を発表した。声明では「最近の薬価に関する動向がイノベーションを評価する方向から外れている」と批判。欧米の製薬団体としては、日本の薬価制度の安定性と予見可能性を取り戻す活動を日本政府と共同で取り組む方針を示した。

声明によると、今回のオプジーボの緊急薬価改定に加えて、短期間に度重なる突然の政策変更が行われたことについて、「日本における将来の新薬の研究開発に深刻な影響を及ぼすことが懸念される」と指摘。日本政府に対しては、産業界とパートナーシップを組んで長期的に持続可能な制度を共同して検討することが望まれるとした。

一方、高額薬剤問題で議論の俎上に上った「最適使用推進ガイドライン(GL)」の適用に言及し、コスト削減だけを理由に償還制度を科学的決定から大きく乖離させる恐れがあると懸念を表明した。

さらに、中医協における議論で、将来の医薬品の承認について、「日本の患者へのベネフィットよりも経済財政的要素を重視することを懸念させるような提案がある」と批判。「今後とも、医薬品の承認は経済財政的要素と切り離された形で、臨床試験と科学的な観点に基づいて行われることを厚労省が確認することを求める」とした。



http://www.47news.jp/feature/medical/2016/11/post-1604.html
知って防ごう薬剤耐性菌 身近な治療に影響じわり 適正使用啓発に政府本腰 「医療新世紀」
2016年11月22日 (火) 共同通信社

 抗生物質(抗菌薬)が効かない細菌、薬剤耐性菌が各国の医療現場で広がり、大きな問題になっている。新しい抗菌薬の開発は低調なため、抗菌薬を「本当に必要なときに正しく使う」適正使用で、耐性菌の出現や拡大を抑えることが大切だ。医療者と市民双方への啓発活動を展開している世界保健機関(WHO)や欧米保健当局に倣い、日本も11月から啓発に本腰を入れることを決めた。

 ▽年70万人死亡

 耐性菌が出現し拡大するメカニズムは完全には解明されていない。だが医療現場で感染症の原因となる細菌を確かめずに安易に抗菌薬を使ったり、治療の途中で薬の服用をやめたりといった不適切な使用を続けると、耐性菌が増え治療が困難になることはほぼ確実だ。

 海外では、既存の抗菌薬のほとんどが効かない強力な耐性菌が急速に広がり、医療に深刻な影響を及ぼしている。英政府が委託した調査チームの推計によれば、耐性菌による世界の死者は年間約70万人に上る。有効な対策が取られなければ、2050年にはこれが1千万人に膨らむという。

 国内でも耐性菌は1980年代以降、免疫が低下した重症患者が多い病院内で深刻な問題になってきた。しかし、免疫で細菌を排除できる健康な人にとっては、それほど大きな脅威とは捉えられてこなかった。

 ▽切り札を多用

 だが近年、抗菌薬で簡単に治療できていたありふれた病気が、治りにくくなる例が増えている。

 大半の子どもが3歳までに一度はかかるといわれる中耳炎もその一つ。肺炎球菌やインフルエンザ菌などが原因だが、5~7割が耐性菌という報告もある。このため日本耳科学会などは、軽症例では3日間は抗菌薬を使わずに経過観察することや、使う抗菌薬の種類を絞り込むことを推奨する診療指針を作成した。

 最新の指針の作成委員長を務め、現在は千葉市で耳鼻科医院を開業する工藤典代(くどう・ふみよ)医師は「10人に1~2人は治りにくい子がいる。原因には複数の要素が絡むが、中でも耐性菌は重要だ」と話す。

 ぼうこう炎を起こす大腸菌も、第1選択薬とされるキノロン系抗菌薬への耐性菌が年々増加。治療の選択肢がじわじわと狭まっている。

 三重大病院薬剤部の村木優一(むらき・ゆういち)副部長を中心とする厚生労働省研究班は、日本の抗菌薬使用には他の先進国と異なる特徴があるのを見つけた。幅広い種類の細菌に有効な「切り札」的な抗菌薬の使用が多いのだ。

 こうした抗菌薬は、多用すると善玉の細菌まで殺して新たな耐性菌を生むきっかけになる可能性が指摘されている。

 ▽「念のため」

 WHOは今年11月14~20日を耐性菌問題の啓発週間と定め、抗菌薬の適正使用や、手洗いなどで感染症を予防する大切さを啓発している。抗菌薬に気軽に頼る風潮はかなり広がっているという。

 日本でも、ウイルスが原因である風邪の多くに抗菌薬が処方されているとの研究がある。国立国際医療研究センター病院(東京)の大曲貴夫(おおまがり・のりお)国際感染症センター長はその背景をこう解説する。

 「医師は心情的に、熱の原因がはっきりしない患者さんをそのまま帰しにくい。もし細菌が原因なら悪化するかも...と考えるからだ。結果として『念のため』と抗菌薬を処方することになる」

 患者にも「抗菌薬があれば安心」という意識はある。これをどう変えていけばいいのだろう。

 「医療側は、細菌感染を疑ったら必要な検査をした上で最小限の処方をする、患者側も『それは何の薬?』と自分の医療の中身に関心を持つ。そこから少しずつ進めていくしかないのでは」と大曲さんは話す。(共同=吉本明美)



http://www.saitama-np.co.jp/news/2016/11/21/09.html
【埼玉】校医の大量辞任…対立の医師会と吉川市長「市民の健康増進」で協力へ
2016年11月22日 (火) 埼玉新聞

 吉川市の小中学校校医や介護認定審査会委員の医師が大量辞任した問題で、市と吉川松伏医師会は20日までに、「市民の健康増進に取り組む」ため協力するとの合意を結んだ。中原恵人市長と平井真実同医師会長が4日に会談し、合意内容を書面で取り交わした。

 吉川市の小中学校校医や介護認定審査会委員の医師が大量辞任した問題で、市と吉川松伏医師会は20日までに、「市民の健康増進に取り組む」ため協力するとの合意を結んだ。中原恵人市長と平井真実同医師会長が4日に会談し、合意内容を書面で取り交わした。

 市と同医師会が10日付で、双方のホームページ上に「合意事項」の内容を掲載した。合意は5項目に上り、両者が健康診断や介護認定審査会の事業などに協力、連携を図り「市民の健康増進に取り組む」としている。

 今年3月、同医師会会員の複数の医師が市内の校医や介護認定審査会委員を辞退。健康診断が規定の期間内に実施できるかや、介護認定審査会が適正に行われるかなど、関係者から不安の声が広がっていた。

 市議会ではこれまで、中原市長と医師会の対立が指摘されてきた。一般質問では、定期予防接種の委託契約を巡り、市が医師会会員以外の医療機関と契約を結んでいたことなどが取り上げられた。

 合意書面の中で、定期予防接種について「市は今後、医師会に加入していない医療機関と個別に委託契約を締結しない」としている。

 市や同医師会によると、今回の合意に基づき、両者は市内学校の健康診断や介護認定審査会の事業を円滑に実施するために協力。地域包括ケアシステムの構築や災害時の医療救護活動などでも連携を図るという。

 埼玉新聞の取材に対し、中原市長は「吉川松伏医師会との連携を図りながら、市民のさらなる健康づくりを推進したい」。同医師会は「今後も行政からの各種依頼事業に対して、会員の先生に協力をお願いし、市民の医療や健康増進に取り組みたい」とそれぞれコメントしている。



http://www.saitama-np.co.jp/news/2016/11/22/08.html
【埼玉】栗橋病院の移転に30億円支援 加須市長が表明、補正予算案に計上
2016年11月22日 (火) 埼玉新聞

 加須市の大橋良一市長は21日、済生会栗橋病院(久喜市小右衛門)との「覚書」に基づき、市への急性期病床移転に際して30億円を支援する用意があると発表した。「医療体制確保基金」へ新たに5億円を積み増しするとして12月補正予算案に計上する。

 急性期病床は、症状が重篤な患者に対して、高度で専門的な医療を提供する。同病院と同市は3月15日、覚書の中で「加須市が建設候補地を確保し、支援内容を提示する」とした。

 同市は、東武伊勢崎線加須駅南口から約500~700メートルの上高柳、礼羽地区の約4万平方メートルの用地の地権者29人の仮同意を取得した。誘致が決まれば約3億5千万円で取得し、病院に支援する方針。ほかに、30億円の支援を行うとしている。

 同病院では7月1日に病院の現状と課題、施設整備のあり方などについて協議する栗橋病院あり方検討委員会を設置。これまで3回、協議を行っている。

 12月に開催予定の第4回委員会では、各委員から病院に対して、支援内容や病院機能などについての具体的な提案が予定されている。委員会は来年3月までに栗橋病院施設整備基本構想(案)を策定したいとしている。

 一方、久喜市では同病院の一部移転について反対を表明している。



http://www.huffingtonpost.jp/2016/11/22/labor-japanese-uni_n_13137908.html
国立大学の若手教員、「任期つき雇用」が急増 人件費削減の影響か
朝日新聞デジタル
投稿日: 2016年11月22日 10時47分 JST 更新: 2016年11月22日 10時50分 JST JAPANESE PROFESSOR

国立大の若手教員、任期つき雇用が急増 今年度は63%

 全国86の国立大学の40歳未満の若手教員のうち、5年程度の「任期つき」の雇用が急増し、2016年度は63%に達したことが文部科学省への取材でわかった。こうした傾向は04年度の国立大の法人化後に強まっている。主に教員給与にあてる国の運営費交付金が減り、特定の研究ごとに若手を雇う例が増えたためだ。長い時間がかかる基礎研究への影響を懸念する声も出ている。

 こうした現状について、文科省は「人件費を抑えるため、身分が不安定な任期つき雇用を増やさざるを得ない国立大が増えている」とみる。理系だけでなく人文社会系でも、若手が長期的な研究テーマに取り組みにくく、短期的に成果が出る研究に偏る可能性もある。

 文科省によると40歳未満の若手教員は、データを取り始めた07年度には約1万8千人おり、うち「任期つき」は約6900人で39%だった。その後、任期つきの若手は増え続け、16年度は約1万7千人のうち約1万1千人で若手全体の63%を占めた。

国立大学40歳未満の「任期つき」「任期なし」教員数の推移
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(朝日新聞デジタル 2016年11月22日 05時02分)



http://www.asahi.com/articles/ASJCC7WLKJCCUTIL04X.html
国立大40歳未満教員、「任期つき」が6割 人件費抑制、法人化後に増加傾向
水沢健一、川口敦子
2016年11月22日05時02分 朝日新聞

 全国86の国立大学の40歳未満の若手教員のうち、5年程度の「任期つき」の雇用が急増し、2016年度は630に達したことが文部科学省への取材でわかった。こうした傾向は04年度の国立大の法人化後に強まっている。主に教員給与にあてる国の運営費交付金が減り、特定の研究ごとに若手を雇う例が増えたためだ。長い時間がかかる基礎研究への影響を懸念する声も出ている。

 こうした現状について、文科省は「人件費を抑えるため、身分が不安定な任期つき雇用を増やさざるを得ない国立大が増えている」とみる。理系だけでなく人文社会系でも、若手が長期的研究テーマに取り組みにくく、短期的に成果が出る研究に偏る可能性もある。

 文科省によると40歳未満の若手教員は、データを取り始めた07年度には約1万8千人おり、うち「任期つき」は約6900人で390だった。その後、任期つきの若手は増え続け、16年度は約1万7千人のうち約1万1千人で若手全体の630を占めた。

 さらに、東京大など7旧帝国大と筑波大、東京工業大の計9大学について文科省が調べたところ、傾向は同じで、07年度の40歳未満の若手教員約7400人中、任期つきは約2800人(380)。それが16年度は約7200人の若手のうち、650に当たる約4700人が任期つきだった。

 国立大の全教員では、任期つき教員は07年度の約1万5千人から16年度は約2万4千人に増加。全体に占める割合は250から370に上がった。

 国立大は、任期なしの教員の人件費は国からの運営費交付金に頼っている。だが、国立大の法人化後、厳しい財政状況を背景に運営費交付金は約1500億円削減され、多くの国立大が任期なしの若手教員の新規雇用を抑制。代わりに、特定研究ごとに支給される科学研究費補助金(科研費)などで任期つき教員を雇う傾向が強まっている。

 任期つきの場合の待遇は大学によってさまざまだ。また、任期が切れた場合、実績がかわれて任期なしの職を得るケースもあるが、実際には少なく、任期つきの職場を転々としたり、一般企業に就職したりするケースもあるという。(水沢健一、川口敦子)

 ■育成に影響、研究環境づくりを

 岡田哲男・東京工業大理学院長の話 3~5年といった任期では、そのプロジェクトに合わせた論文や技術などの業績は上げられるが、自分のテーマをじっくり研究できないという問題がある。ノーベル賞受賞者が出ている素粒子や天文学など基礎研究の分野では、産業界からの支援も見込みにくい。基礎研究は、10年以上かけないと成果が出ないこともある。真の研究者を育てるためには、国の財政支援など落ち着いて研究できる環境づくりが大切だ。



https://www.m3.com/news/general/479078
【産業医大】穴あき点滴袋発見、産業医大病院に立ち入り調査
2016年11月22日 (火) 読売新聞

 北九州市八幡西区の産業医科大学病院で20日、点滴袋1個に穴が開いているのが見つかった事件で、北九州市は21日、同病院の状況確認のため、医療法に基づく立ち入り調査を行った。

 市によると、点滴袋3個に穴が開いているのが見つかった10月の事件後、病院側がまとめた再発防止策の順守状況や今回の事件の経緯などを調べたという。

 点滴袋に穴が見つかったのは、10月と同じA病棟9階のナースステーション。再発防止策で設置した監視カメラは、20日は保安点検のため停電中で作動しておらず、福岡県警は、内部の事情に詳しい人物の犯行の可能性もあるとみて器物損壊容疑で捜査している。



https://www.m3.com/news/general/479041
双葉病院訴訟、終結 和解2件成立 原発避難後に患者死亡
2016年11月22日 (火) 朝日新聞

 東京電力福島第一原発の事故で避難後、死亡した双葉病院(福島県大熊町)の入院患者2人の遺族が東京電力に各3300万円を求めた2件の訴訟の和解が、東京地裁(東亜由美裁判長)で成立した。7日付で、東電が当時62歳と67歳だった男性患者2人の遺族に対し、1200万円と1600万円を支払う内容。

 訴状によると、男性患者2人は原発事故による避難指示が出た後の2011年3月15~16日に自衛隊に救出されたが、長距離の移動を強いられ、67歳の男性は3月23日、62歳の男性は4月18日に死亡した。

 遺族側の代理人弁護士によると、同様の訴訟は東京地裁や福島地裁などで計10件起こされていたが、今回の和解ですべてが終結したという。東京地裁ではこれまで5件の判決でいずれも東電に賠償を命じていた。遺族側代理人弁護士は「亡くなってから時間が経過し、話し合いでの解決を望む声が強かった」と述べた。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/50038.html
医師確保、奨学金貸与者にバーチャル教育も- 総務省研究会が地域の取り組み収集
2016年11月22日 10時00分 CB news

 公立病院の医師不足を改善する方策はあるのか―。総務省の研究会が現場の取り組みや課題、改善策などの収集を始めた。関係者へのヒアリングでは、奨学金を貸与した医学生を対象にしたバーチャルメディカルカレッジ(仮想医科大学)を創設して人材を確保する県がある一方、公立病院からの医師派遣要請に応じられない県もあるといった地域の格差が浮き彫りになった。総務省は「持続可能性のある病院経営」の検討を研究会に促しており、格差の実態や公立病院が抱える構造的な問題を明らかにしたい考えだ。【新井哉】

■「貸与人数は全国一」、百人超が勤務開始

 公立病院をめぐっては、赤字病院の閉院や再編・統合が進んでおり、2014年の病院数(地方独立行政法人を含む)は04年(999病院)と比べて約120減の881病院となっている。指定管理者制度の導入といった経営形態の見直しが進んでいるが、自治体から財政的な援助を受けながらも慢性的な経営赤字を解消できない病院が少なくない。

 こうした状況を受け、研究会は公立病院の抱える地域格差や構造的な問題などを把握した上で、公立病院改革の推進策の方向性を報告書に盛り込む方針だ。17日に開かれた研究会の2回目の会合では、地方独立行政法人静岡県立病院機構の田中一成理事長と平戸市民病院(長崎県平戸市、100床)の押淵徹病院長らが、現場が直面している問題や改善策などを述べた。

 静岡県の医師確保対策について、田中理事長は「奨学金の貸与人数は全国一」と胸を張る。同県の07年度の貸与者は17人だったが、09年度から新規の貸与枠を毎年100人に増員。14年度からは120人に拡大した。すでに貸与の効果が現れており、これまでに121人が県内の医療機関で勤務を開始。また、勤務期限を満了した42人のうち35人が県内に定着したという。

■バーチャルカレッジで県外への流出防止

 医師確保対策ではソフト面にも力を入れている。14年に奨学金を利用した医学生を対象にした「バーチャルメディカルカレッジ(仮想医科大)」を開設した。ネット上で医療現場でのキャリアを積むために必要な「臨床機能」、研究や学会発表に必要な「調査・研究機能」にアクセスしてもらい、在学中から地域医療への志をはぐくんでもらう狙いがある。メールマガジンや動画などによる医学生への情報発信に加え、対面式の夏季セミナーでは手術支援ロボット「ダヴィンチ」を使用した婦人科のがんの腹腔鏡手術などの最先端の手技を紹介。セミナー会場には県内の臨床研修病院がブースを設け、県外への人材流出を防ごうと懸命だ。

 ただ、県の現状は厳しい。二次医療圏ごとの人口10万人当たりの医師数は全国40位となっており、医師確保は地域医療の中核を担う病院の「最重要の使命」だ。県単独の財政措置で医師を確保するのは限界があるため、国に対して奨学金の交付税化を求めている。

 専門医の確保にも不安が残る。県内では医科大のある西部に専攻医が偏重する傾向があるため、新専門医制度が導入された場合、専攻医の東西格差が進む可能性もある。

 また、公立病院は、大学病院に比べて研修プログラムの領域をそろえられないといった課題がある。例えば、県西部の浜松医科大では基本領域(19領域)を全てそろえられるが、中部の県立総合病院では対応できるのは6領域、東部の沼津市立病院は2領域にとどまる。

■医師確保が困難、地域包括ケアの危機も

 「県や大学の支援を受けられず、医師の確保が困難」。地域の公民館や体育館での出張健診や在宅ケアを行っている平戸市民病院の押淵病院長は、常勤の医師7人のうち2人が辞めるため、地域包括ケアの実践が困難な事態に直面していることを訴えた。

 平戸市は、農業や漁業の就業者の割合が長崎県や全国の平均より高く、要介護者の出現は、労働力の損失だけでなく、家族の介護負担といった「二重の労働力損失」になる。要介護者をなるべく増やさないためにも、出張健診や医師による健康講話が欠かせない。また、「総合診療医」を育成するには、へき地や中山間地は最適の現場となっているが、医師の退職によってこうした院外での活動が制限される可能性があるという。

 「地域包括ケアシステムの構築には公的医療機関の存在は重要」(押淵病院長)だが、長崎県の地域枠の医師の配置先が県病院企業団となっているため、企業団が運営する島原病院や離島が優先され、企業団に参加していない平戸市民病院には配置されないという。研究会は次回の会合でも関係者へのヒアリングを行い、今後検討する内容を整理する方針だ。



http://mainichi.jp/articles/20161123/ddm/012/040/048000c
バルサルタン
降圧剤研究、改ざんの有無争点 地裁公判大詰め

毎日新聞2016年11月23日 東京朝刊

 製薬会社ノバルティスファーマの降圧剤「バルサルタン」を巡る臨床研究データ改ざん事件の公判が、東京地裁で大詰めを迎えている。検察側が25日、医薬品医療機器法違反(虚偽記述・広告)に問われた元社員、白橋伸雄被告(65)に論告求刑した後、12月に結審し、来年3月に判決が言い渡される予定だ。公判では無罪を主張する被告側と証人出廷した医師らの主張が食い違い、研究のずさんな実態も浮き彫りになっている。

 昨年12月に始まった公判では、論文の基となった虚偽のデータや図表を白橋被告が意図的に作成したかどうかが争点となった。検察側は白橋被告が使っていた記録媒体から、バルサルタンに有利な結果が出るように症例が水増しされた複数の電子データを発見しており、これを「改ざんの途中経過を示す証拠」としている。白橋被告はこの指摘について「分からない」「覚えていない」などとあいまいな答えを繰り返した。また、患者のデータが論文の定義通り分類されず、事実と異なっている点は認めたが、「臨床研究の事務局を務めた京都府立医大の医師の指示通り作った」と主張し、自身による改ざんを否定した。

 一方、名指しされた医師は法廷で「統計解析の経験はなく、白橋被告に任せていた。改ざんされた病名などはでたらめな内容で、医師なら決して書かない」と主張。弁護人から記入漏れがあった患者のデータに加筆したと指摘されると、「病院の報告に忠実に加筆した。バルサルタンに有利に変えたものはない」と答えた。

 また、公判では臨床試験に協力した関連病院の医師が10件以上のデータを虚偽報告していたことも判明。医師は「研究責任者の府立医大教授に人事で優遇されたかった。バルサルタンに有利な結果が出れば教授が喜ぶと考えた」と証言した。

 こうした状況を踏まえ、弁護側は「複数の医師が、個々の立場で問題行動に及んだために事件が起きた」と主張。「データ全体を把握し、意図的に虚偽の論文を執筆させることができたのは白橋被告だけだ」とする検察側に反論している。

 起訴状によると、白橋被告は臨床研究のデータ解析を担当。医師らが2011~12年に発表した論文で、別の降圧剤を服用した患者グループの脳卒中の発症例を水増しするなどし虚偽に基づく論文を海外誌に投稿させたとされる。【近松仁太郎】

 ■ことば
バルサルタン
 製薬会社ノバルティスファーマの降圧剤で、商品名はディオバン。東京慈恵会医大、滋賀医大、千葉大、名古屋大、京都府立医大で臨床研究が行われ、同社は5大学に計11億円の奨学寄付金を提供。研究成果がまとめられた論文は販売戦略に活用され、累計1兆円超を売り上げた。名大を除く4大学の調査委員会は、データの不正操作の可能性を指摘。研究者が関与した可能性も言及したが、多くは公訴時効が成立していた。同社元社員の白橋伸雄被告(65)は5大学全ての試験でデータ解析などに関わった。



http://www.excite.co.jp/News/release/20161122/Atpress_116714.html
正職員のままで医師のキャリアを継続できる「短時間正職員制度」を開始
@Press 2016年11月22日 10時30分 (2016年11月23日 04時58分 更新)

 社会福祉法人 三井記念病院(所在地:東京都千代田区、院長:高本 眞一)はこのたび、短時間勤務を希望するすべての医師正職員を対象に「短時間正職員制度」を開始しました。少子高齢化社会が進むなか、当院では本制度導入によって、正職員=フルタイムという従来の雇用システムからの脱却を目指し、出産、育児、介護など様々なライフイベントに直面した際も、医師がキャリアを中断することなく働き続けられる環境づくりを行ってまいります。

■「短時間正職員制度」導入の背景
 本制度導入のきっかけは、当院職員の声でした。当院でも、他の世代に比べて30代の離職率が高く、その理由を調査してみたところ、出産や育児をきっかけに退職を選択していることが明らかになりました。また、少子高齢化社会を迎えた昨今では、家族の介護が必要になる職員が今後増えることも予想できることから、当院で働く医師にも、短時間でも正職員として働くことができるフレキシブルな制度が必要であると判断しました。

■「短時間正職員制度」の特長
 当院の「短時間正職員制度」では、個々の事情に合わせてフレキシブルに設定することができます。当院で働くフルタイム正職員の医師の標準勤務時間は、午前8時30分から午後5時(休憩1時間を除く)までの7時間30分と土曜日月1回程度(午前8時30分から午後12時30分の4時間)および祝日数日の勤務ですが、短時間正職員の場合、例えば、7時間30分勤務を6時間勤務にして1日当たりの勤務時間を短縮する、週5日勤務を週4日勤務にして休日を増やすなど、時間や日数を調整することが可能です。…
 本制度は、当院のすべての医師正職員を対象としており、男女どちらでも利用することができるようになっています。育児や介護に限らず、どのような理由であっても本制度を利用することができます。また、短時間正職員のまま働き続けることも、制度が不要になった場合はフルタイムの正職員に戻ることも、個人の状況に合わせて適宜選択することが可能です。

■今後の展望
 看護師職員に対する短時間正職員制度は全国で2割程度といわれており、医師を対象にした短時間勤務制度はほとんどなく、都市部の市中病院である当院が採用することで、同様の制度が国内の病院にも広く浸透していく一端を担えれば幸いです。本制度の導入で、短い時間でも当院をメインに懸命に働きたいという医師を、病院全体でサポートし、様々なライフイベントに直面しても医師がしっかりしたキャリアを継続できる環境を整備してまいります。

■病院概要
病院名 : 社会福祉法人 三井記念病院
理事長 : 岩沙 弘道
院長  : 高本 眞一
所在地 : 〒101‐8643 東京都千代田区神田和泉町1番地
開院  : 1909年
病院類型: 一般病院/二次救急指定
病床数 : 482床/ICU 7床・CICU6床・HCU21床
URL   : https://www.mitsuihosp.or.jp/



http://www.asahi.com/articles/ASJCR01WKJCQUDCB01R.html
筋弛緩剤5本、手術室からなくなる 千葉・印西の病院
2016年11月23日01時07分 朝日新聞

 千葉県印西市の日本医科大学千葉北総病院は22日、院内の手術室で保管していた筋弛緩(しかん)剤5本がなくなったと発表した。

 同病院によると、21日午後6時ごろ、手術室の薬品保冷庫内を確認したところ、筋弛緩剤「エスラックス」(50ミリグラム)5本がなくなっていることに気付いたという。同日午後2時40分ごろ、薬品保冷庫に補充した際には異常はなかったという。院内を調べたが見つからなかった。病院は盗まれた可能性もあるとして22日、印西署に届け出た。

 別の医療機関によると、筋弛緩剤1本で成人数人分の致死量に相当するという。



http://www.huffingtonpost.jp/haruka-sakamoto/czech-doctor_b_13141626.html
チェコの医学部で学ぶ選択
坂本遙 チェコ共和国・国立パラツキー大学医学部生

投稿日: 2016年11月22日 17時02分 JST 更新: 2016年11月22日 17時02分 JST

私は、チェコにある国立パラツキー大学の英語コースで医師を目指し、様々な国から集まった同級生と学んでいます。将来は、ヨーロッパで学んだ医師として、日本を中心に活躍していきたいと考えています。チェコ共和国は日本ではあまりなじみがない国だと思います。チェコで学ぶ日本人の医学生として、チェコのことも含め、様々な視点から情報を発信していきたいと思います。

チェコを選んだ経緯

私が医師になると決めたのは、高校2年生の12月です。それまでは、外国語学部や国際関係学部、もしくは海外の大学に進みたいと考えていました。

高校2年生の夏に行った修学旅行を機に進路に迷い始めました。親友が修学旅行中に風邪をひいていたことがきっかけです。ただの風邪でも日常生活の何気ない幸せが奪われることに気づき、病から人の笑顔を守る立場になりたいと考え始めました。

医学部に現役で合格することはできず、他学部で生命医科学を学び始めましたが、医師になりたいという気持ちを捨てきれませんでした。2ヶ月通ったのち休学して、医学部再受験のため勉強を始めました。

勉強の日々を送る最中、偶然、海外の大学医学部へ進学するという進路を知りました。日本の私大医学部より学費が安く、より実践的な授業が多いカリキュラムであること。そしてもともと海外の大学や国際関係に興味を持っていたことから、ヨーロッパで学ぶ事にチャレンジしようと決めました。

複数の海外大学医学部に合格しましたが、少人数教育をしているチェコのパラツキー大学を選びました。

受験直前の高校2年生で文系から理系へ進路を変えると決めた時、そして海外の医学部に進学すると決めた時、色々な人に心配されました。心配する声を否定し続けていましたが、実際は自信がありませんでした。

言葉の壁への不安や、海外の大学の厳しさに対する恐怖心を抱きながら、私のパラツキー大学生生活は始まりました。自信はありませんでしたが、やりたいと思った事に挑戦してみてよかったです。大変な事も多々ありますが、チェコでの生活は想像していたよりも楽しく、この進路を選択してよかったと思っているからです。

チェコとオロモウツの紹介

チェコは海に接していない内陸国で、中欧に位置しています。北西はドイツ、北東はポーランド、南はオーストリア、東はスロバキアに面しています。首都であるプラハの歴史地区は世界遺産に登録されていて、おとぎの国・絵本の国と称されています。国土は日本の約1/5で、九州と同じくらいの大きさです。
 
私が通っているパラツキー大学は、チェコで6番目に大きい都市・オロモウツにあります。プラハからオロモウツは電車で約2時間の距離です。チェコには世界遺産が12個ありますが、そのうちの一つの聖三位一体像がオロモウツの街の中心にあります。人口は10万人ほどで学生が多く、落ち着いた雰囲気を持つ街です。

チェコの特産品としてビールとボヘミアンガラスが挙げられます。ビールの消費量が世界一と言われていて、ビールの製造所を独自で持つビールバーもあるほどです。

海がないため、肉料理がメインの食事です。鮭やタラを購入する事ができますが、高額です。レストランでは、魚料理は肉料理の1.5倍以上の値段です。

チェコはEU加盟国ですが、独自の通貨・チェココルナを使用しています。日本に比べると物価は低いです。特に果物や野菜は安く、例えばオレンジなら日本の1個分の値段で1キロ(約8個)も買うことができます。

パラツキー大学

パラツキー大学はチェコで2番目に歴史のある総合大学で、1573年に創立され、約440年の歴史を持つ大学です。遺伝学のメンデルを輩出したことでも知られています。医学部は1753年から設立されました。医学部と歯学部の英語コースは、1993年から開始しました。英語コースの学費は1万ユーロ/年(約114万円*)で、日本の私大医学部よりも低額です。

英語コースには約300人、チェコ語コースには約2,000人の医学生が所属しています。英語コースにはイギリス・台湾・イスラエル・ポーランド・スペイン・ポルトガル・シンガポール・マレーシア・フランス等から学生が集まっています。現在、日本人学生は全学年で13人います。

大学は24時間年中無休で開いているため、好きなときに自習室を使う事が可能です。大学の受付には必ず人がいて、夜間や休日は学生証を提示しなければ中に入れないため、安全面も確保されています。また、解剖室が月〜木の7時〜16時まで開放されているので、ご遺体を使いながら自習する事ができます。私も一年生の時は友達と教え合いながら勉強していました。

大学にはチューターシステムがあり、病気になった時や些細な事でも何か困った時に相談できる先生がいます。教務課も相談しに行くと助けてくれます。そして、パラツキー大学は先輩の面倒見が良い大学です。上級生が下級生に向けて勉強を教える機会を作ったり、新学期は一年生のために街案内をしたり勉強のアドバイスをします。
 
入学したばかりで不安だらけだった頃、大学に向かうバスの中で解剖の教科書を開いていたら、上級生が声をかけてくれました。教科書を譲ってもらったり、試験対策を教えてくれたり、不安に思っている事を尋ねてくれたりと、助けてもらいました。大学内で顔見知りの先輩に会うと、最近調子はどう?勉強は大丈夫?と声をかけてくれます。先輩方は国籍を問わず心強い存在です。

(*1ユーロ≒114円で換算しています。学費はユーロでおさめています)

カリキュラム

医学部は日本と同じく6年制で、高校卒業後に直接入学します。2年間で基礎医学を学び、その後の4年間で臨床医学を学びます。4年生からは大学病院での実習がメインになります。その為、3年生まで週に2回チェコ語の授業があり、日常会話や医療会話を習います。また、2年生の夏期に看護実習、3年生の夏期に内科実習が義務づけられています。

6年間で学ぶ科目の大部分は決められていますが、optionalとelectiveと呼ばれる選択科目からそれぞれ5・7単位ずつとることが決められています。選択科目には、画像診断や抗生物質の治療の臨床事例といった臨床が中心の科目や、遠隔医療や実験・研究に必要な知識を学ぶ科目があります。

大学は学年制で、パラツキー大学の場合一年次は単位を1つでも落とすと退学になります。(二年次以降は留年となります。)毎年35〜500の学生が一年次に退学しています。私の学年は、75人中28人が退学になりました。

授業は講義とプラクティスと呼ばれる実習の二つで構成されています。プラクティスは約12人のグループごとに受けます。講義は任意参加ですが、プラクティスは1000出席しなくてはいけない決まりです。学期毎にプラクティスの授業でcreditをもらいます。Credit取得の条件は科目によって異なり、1000の出席の他に、数回の小テストに受かること、プレゼンテーション、レポートの提出等が課せられます。

学期の終わりにfinalと呼ばれる試験があり、これに受かると単位を得る事ができます。Creditの取得がfinalの受験資格となります。Finalは講義と実習を合わせた範囲から出題されます。口頭試問の形式が多いです。Finalの受験日は、科目毎に提示された試験日から自由に選ぶことができます。その為、自分で試験日程を組むことになります。試験は3回まで受け直す事ができます。

患者としてのチェコの病院の体験

個人の歯科医院、大学病院の歯科、外傷科、皮膚科の診察を受けたことがあります。私が加入している外国人用の医療保険は、年間保険料が6000czk(約2万5千円*)と負担が軽いですが、大学病院での診察は無料でした。(歯科の例で述べると、虫歯の治療の際に銀歯なら無料、セラミックの場合は有料と治療の選択によっては異なる場合もあります。)

大学と個人の歯科医院の違いは予約の取りやすさと保険が適応されるかどうか、でした。個人の歯科医院は数日以内の予約が可能でしたが、大学の歯科は1-2週間待たなければいけませんでした。そのかわり個人の歯科医院では治療費を自費で払いました。

診察を待つまでの応急処置として、薬局で液状の麻酔薬を購入できることをチューターの先生に教えてもらいました。液体を30秒〜1分間口に含み、軽い局所麻酔として使えるものでした。日本にはこのようなものはないので、驚きました。

外傷科と皮膚科の外来では、最近日本でも増えてきている電子カルテを使用していました。日本とは異なり診察後、医師がパソコンに書き込んだ内容を印刷して渡してくれます。この紙には、
 ・ 問診内容(病歴、いつ、どのように症状が出たのか等)
 ・ 診断結果
 ・ 治療の内容(薬の使用回数、冷やして安静にする等のアドバイス)
が記載されています。これらの情報が患者さんの手元にも残るのは、便利な仕組みだと思いました。

外来の診察時間は7時から15〜16時までで、日本の一般的なクリニックより2時間ほど前倒しの時間帯です。

(*1czk≒4.25円で換算しています)

他学部との交流

パラツキー大学はエラスムス(ヨーロッパ内での交換留学のような制度)の学生を受け入れています。ESN UP Olomouc(Erasmus Student Network International of Palacky University)はパラツキー大学の学生が組織する団体です。ESNは外国人学生のサポートを行い、様々なイベントも運営しています。

勉強の余裕がある時には、Language exchange とNational presentationというイベントに参加しています。Language exchangeでは様々な言語で交流する機会を持てるので、チェコ語や英語の練習はもちろん、他の言語にもふれる事ができます。National presentationでは各国の生徒が自国を紹介するプレゼンを行い、魅力を伝えられたか競います。プレゼンの後には各国のお菓子や食事の試食会も行われます。

また、パラツキー大学には日本語学科があり、そこに所属する学生と交流する機会もあります。彼らと話しをすることで、日本語の独特さに気づかされたりすることも多々あります。ことわざをチェコ語と日本語で教え合ったり互いの言語の紹介をしたりするのは楽しいです。

卒業までの道のりは楽ではなく、将来どのような医師として活躍できるのか未知な点も多いです。ヨーロッパで学んだことを生かすのも殺すのも、自分次第だと考えています。私の名前には「日本から遙かなた離れたアルゼンチンで生まれた子が、世界の架け橋となる役割を担ってほしい」という意味があります。名は体を表す、と思っていただけるような人になりたいです。ヨーロッパで学べる環境を生かして広い視野を持ち、成長していきたいと思います。



http://www.medwatch.jp/?p=11300
自治体病院においても再編・統合の早急な検討が必須―2016地域医療再生フォーラム
2016年11月22日|医療・介護行政をウォッチ MedWatch

 今後、我が国の人口減少が進む中で、地域で医療機関が際限なく消耗戦を続ける愚は終わりにすべきである。自治体病院においても機能分化・連携の推進に向けて『再編・統合』を重要な選択肢の1つに位置づけ、早急に検討していく必要がある―。

 22日に開かれた自治体病院全国大会2016「地域医療再生フォーラム」で、稀有な「自治体病院の再編・統合成功事例」として名高い日本海総合病院の統括医療監で山形県・酒田市病院機構理事長の栗谷義樹氏は、このように強調しました(関連記事はこちらとこちら)。

ここがポイント!
1 自治体病院が再編・統合して機能分化、結果として経営や医療の質が向上
2 地域医療において消耗戦・撤退戦は終わりにすべき
3 地域医療構想・病床機能報告から地域の将来像をいかに予想できるかが鍵

自治体病院が再編・統合して機能分化、結果として経営や医療の質が向上

 山形県立の旧日本海病院と、山形県酒田市立の旧市立酒田病院が2008年4月に再編・統合、主に急性期医療を担う日本海総合病院(山形県・酒田市病院機構)と主に回復期・慢性期医療を担う酒田医療センター(同)に生まれ変わりました。

 この背景には、合併して誕生しました。その背景には、「旧市立病院施設の老朽化」と「県立病院の経営不振」がありましたが、合併の立役者となった栗谷統括医療監はその先の「病院を取り巻く地域医療などの変化」を見据えていたようです。

 合併におけるご苦労や合併後の成果などは、以前にメディ・ウォッチでも詳しくお伝えしているように、機能分化(日本海総合が急性期を、酒田医療センターが回復期・慢性期を担う)が推進され、日本海総合病院においては次のような改善を実現しています。

▼手術件数の増加(統合前に比べて年間925件増)
▼紹介率・逆紹介率の向上
▼平均在院日数の短縮(合併前の2007年:17.3日→2015年:11.7日)
▼常勤医師・研修医の増加
▼入院単価の増加(2007年:3万9373円→2015年:6万2990円)
▼外来単価の増加(2007年:8957年→2015年1万471円)

 こうした改善によって、経営状況も大幅に好転(経常利益は2007年度の▲2億5600万円から、2015度には9億7500万円)。さらに、2016年度からはDPCのII群病院となっています。

 厚生労働省医政局地域医療計画課の佐々木健課長は、「地域での機能分化・連携をうまく進めることで、経営的にも地域医療を守っていけることが分かる好事例である。機能分化・連携を進めるためには、地域医療構想調整会議での話し合いが重要となる。まず調整会議に地域の医療関係者間で、場合によっては住民も含めて、2025年に向けて地域医療をどう守っていくべきかを話あっていただき、それをベースに役割分担の議論を進めてほしい。簡単に進む議論ではないが、何もしなければ『共倒れ』になってしまう。議論の素材となるデータは厚労省からも積極的に提供していく」と述べ、機能分化・連携の重要性を訴えました。

地域医療において消耗戦・撤退戦は終わりにすべき

 ただし栗谷統括医療監は、これだけの成果を収めながら「地域では過疎化、高齢化がさらに進行する。将来が見えない。これから地域医療の中で、壮大な『撤退戦』が生じる」と危機感を募らせます。

 2025年には、いわゆる団塊の世代(1947-49年生まれの人)がすべて75歳以上の後期高齢者となるため、これから慢性期医療や介護のニーズが飛躍的に高まると予想されます。しかし、同時に我が国では「人口減少」も進んでおり、これは患者数が減少していくことを意味します。

 そこで栗谷統括医療監は、山形県・酒田市病院機構(日本海総合病院・酒田医療センター)と4つの医療法人・社会福祉法人によって「地域医療連携推進法人」を構築できないか検討していることを発表しました(関連記事はこちら)。

 栗谷統括医療監は、今のままでは地域で際限なく消耗戦・撤退性が続いてしまうとし、▼医療法人などの非営利性を厳格化した上で、地域独占を一定程度許容する▼地域で病院がグループ化し、病床や診療科の設定、医療機器配置の効率化を行う▼個別病院はもとより、地域で医療提供体制・医業費用を効率化できる仕組みを構築する―ことなどを提案しています。

 この点について、「地域医療構想策定ガイドライン」の作成に尽力(前厚労省医政局医師確保等地域医療対策室長)した文部科学省高等教育局医学教育課の佐々木昌弘企画官は、「病院単独ではなく、いわば『地域連結決算』で地域医療を考えていかなければいけないことが明確になった。さらに、医療従事者1人1人が、地域医療における自分のポジションを考えることが重要である。現在、文科省では医師のモデルコアカリキュラム改訂を検討しており、医学生の教育レベルでも地域医療の重要性を考慮しなければいけない。これまで以上に自治体病院を始めとする、地域の病院で臨床の実習を行いやすい仕組みを検討していく」との見解を示しています。

 グローバルヘルスコンサルティング・ジャパン(GHC)では、かねてから「病院単独で生き残ることが難しくなる。今後は、さまざまな形で病院の再編・統合を進める必要があり、また進めざるを得なくなる」ことを訴えています。単純なM&Aでは地域医療を守ることはできず、地域医療の実態を踏まえたきめ細かい再編・統合が必要となります。

 なお、栗谷統括医療監は、例えば高齢で寝たきりのアルツハイマー患者に、高額な骨粗鬆症治療が行われているケースなどを紹介し、「高齢者に過剰・不適切な医療を提供している実態を是正しなければ、我が国の医療制度が崩壊してしまう」とも訴えます。この点について厚労省の佐々木地域医療計画課長は、「医療の内容について点検していく必要がある」とした上で、「実態を詳しく調べ、その上で慎重に検討する必要がある」とコメントするにとどめています。

地域医療構想・病床機能報告から地域の将来像をいかに予想できるかが鍵

 文科省の佐々木企画官は、前述のとおり「地域医療構想策定ガイドライン」の作成に尽力されました。22日のフォーラムでは、地域医療構想は「地域住民のための医療連携」を実現するに当たっての『戦略』であり、さらに『戦術』として地域医療連携推進法人などがあることを紹介(関連記事はこちらとこちら)。

 地域医療構想では、地域における高度急性期・急性期・回復期・慢性期の機能ごとの病床の必要量など、2025年のあるべき医療提供体制の姿を定めます。地域では、調整会議(地域医療構想調整会議)を設け、そこに地域の医療関係者が集って、機能分化に向けた話し合いを進めていくことになります。

 厚労省では、調整会議での話し合いを促進するためのツールとして ▼病床機能報告制度(各病院のデータベース) ▼医療介護総合確保基金(総論賛成の場合の個別病院の誘導) ▼都道府県知事の機能転換命令権― などを用意しています。佐々木企画官は「有力者の『鶴の一声』ではなく、データを基にした話し合いを進めることが期待される」と述べ、さらに「地域医療構想や病床機能報告制度について、未だに『病床削減ツール』と言われることもあるが、そうした方は話し合いを促進させるためのツールの使い方が分かっていないのではないか」と警鐘を鳴らしています。

 さらに佐々木企画官は、「調整会議」での話し合いが最重要ポイントになることを改めて強調。当初は様子見で積極的かつ具体的な機能分化論議が行われないと予想されますが、地域医療構想と病床機能報告制度といたツールを用いて、地域の医療提供体制の将来をどれだけ予想した上で様子見をしているか、が極めて重要です。



http://www.jiji.com/jc/article?k=000000083.000010134&g=prt
【医師アンケート調査】「ピロリ菌の検査と除菌をしていますか?」について医師の半数が「検査を受けた」、感染していた医師の8割以上が「除菌した」と回答
時事ドットコムニュース  11月23日

[メドピア株式会社]
医師10万人以上(国内医師の3人に1人)が参加する医師専用コミュニティサイト「MedPeer(メドピア)」(https://medpeer.jp)を運営するメドピア株式会社(東京都渋谷区、代表取締役社長:石見 陽)は、会員医師を対象に「ピロリ菌の検査と除菌」についてのアンケートを実施いたしました。

<調査背景>
ヘリコバクター・ピロリ(以下ピロリ菌)感染と胃がん発症の関連を明らかにするエビデンスが蓄積され、予防医療としてのピロリ菌検査と除菌が重視されていますが、一般の方々への認知はまだ十分でないと言われています。そこで、医師自身はピロリ菌の検査(感染診断)や除菌を受けているのかについて調査いたしました。

■調査結果
(回答者:MedPeer会員医師4,498人、調査期間:2016/10/3~2016/10/9)
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医師のピロリ菌の「検査受診率」は49.80。受診していない医師の71.30が今後「受診を希望」。

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検査を受けた医師のピロリ菌「感染率」は39.00。感染していた医師の86.50はピロリ菌を「除菌」。

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回答医師のコメントを見ると、ピロリ菌感染の有無による胃の違いを患者で実感しているため自身も受けたという声や、ピロリ菌感染や胃がんの家族歴(身内にいるか)によって受診を判断している医師もいた。
感染が見つかり除菌に成功した医師からは、「便通がよくなった」「食後の胸やけがなくなった」など、体調が改善したという声が挙がった。

「検査を受け、感染はなかった」 1,367名
・医師3年目の時、上司の先生にカメラをやってもらいました。胃に入った瞬間、「あ、いないね」と言われました(笑)。(30代、消化器内科)
・内視鏡検査をしていると、ピロリ菌感染の有無で明らかに違う。除菌、未感染者の増加で最近は胃癌にお目にかかることが激減しました。(50代、一般内科)
・日本の上水道環境が整った1960年代あたりからヘリコバクター・ピロリの感染率は下がっています。20~30代ぐらいでは感染者の方が少ないでしょう。万一、感染があるようなら除菌すべきだし、採血などで済む話なので早く調べた方がよいと思います。(50代、一般内科)

「検査して感染が見つかり、除菌した」 755名
・ピロリ菌陽性で除菌しました。除菌後、腸内フローラが変化したようで、すごく便通がよくなり、体調がよくなりました。経験すると、患者にも説明しやすくなりますね。(50代、一般内科)
・食後の胸やけや二日酔いの時の嘔気嘔吐がほとんどなくなり、とても快適です。人生の苦しみの何割かがなくなったと感じるほどです。(40代、泌尿器科)
・父親が60才で胃がんになりました、私も心配ですのでチェックしたら陽性でした。1次除菌は失敗しましたが、2次除菌がうまくいきました。(50代、一般内科)
・消化器専門ですが、感染胃と未感染胃では雲泥の差があるのですぐに除菌をしました。幸いまだ若いので胃炎の程度は軽くてよかったですが。(30代、消化器内科)

「検査して感染が見つかり、除菌には失敗した」 55名
・過去に2次除菌まで行いましたが失敗です。新しい薬での除菌をトライしてみようと思っています。(50代、アレルギー科)
・2次除菌する予定ですが、1週間の禁酒がつらいので、やっていません。(60代、循環器内科)
・除菌2日目に、1晩中下痢となり、中断しました。共存していくことにしました。(60代、循環器内科)

「検査して感染が見つかったが、除菌はしていない」 63名
・普通はやるしかない状況ですが、抗生剤の一つにアレルギーがあるので除菌しておりません。患者様には除菌をお勧めしているのですが。(60代、消化器内科)
・60歳までは内視鏡検査。その後に長い付き合いの友との別れを検討します。(50代、小児科)
・このご時世、そろそろ下痢を覚悟して、除菌しようと考えております。(50代、消化器内科)

「検査を受けていないが、今後受けたいと思う」 1,550名
・知り合いの消化器の先生に、ピロリ菌がいるとどこかの時点で胃癌になるとの話を聞いてからは、ピロリ菌いるなら除菌したいと思います。(30代、放射線科)
・なかなか時間がなくて内視鏡の予約取れません。でもいずれ検査しようと思います。胃がんの一番のリスクですしね。(40代、循環器内科)
・胃カメラを受けたが、萎縮性胃炎の所見がなく、検査は受けていません。胃カメラに所見が出てきたら受けたいと思います。(60代、一般内科)
・両親とも陽性なので自分も陽性の可能性があると考えていますので、近いうちに受けたいです。(40代、神経内科)

「検査を受けていないし、今後も受けようと思わない」 624名
・2人に1人が持っている菌を、わざわざ除菌する気はない。それよりも生活習慣を正すことの方が重要である。不適切な生活習慣の上では、除菌だけで胃癌撲滅はあり得ないと思う。時間をかけて指導するのは、投薬するより大変な労力をかけてしまうが、医療とはそれが本来の姿ではないか?(60代、一般内科)
・現在63歳で、これまで胃潰瘍や、十二指腸潰瘍の既往なし。家族歴にも潰瘍・胃がんの既往なし。なので検査は受けません。(60代、感染症科)
・胃内視鏡検査で萎縮性胃炎が見られないので特に検査を受けていません。(50代、一般内科)

■調査概要
調査期間:2016/10/3 ~ 2016/10/9
有効回答:4,498人(回答者はすべて、医師専用コミュニティサイトMedPeerに会員登録をする医師)
調査方法:MedPeer内の「ポスティング調査」コーナーにおいて、医師会員からご投稿頂いたテーマをもとに、以下の質問を投げかけました。
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■引用・転載時のお願い
本調査結果の引用・転載時には、必ず下記のとおりクレジットを明記いただけますようお願い申し上げます。
・医師専用コミュニティサイト「MedPeer」調べ、と明記ください。
・WEB上での引用に際しましては、「MedPeer」に https://medpeer.jp へのリンク付与をお願い致します。



https://www.joetsutj.com/articles/90590772
上越地域医療センター病院でたん詰まり死亡 市が2200万円支払い和解へ
2016年11月22日 (火) 18:31 上越タウンジャーナル

新潟県上越市営の上越地域医療センター病院で昨年(2015年)1月、短期入所を利用していた市内の成人女性が、たんがのどに詰まったことにより心肺停止となり、その後に死亡した。市は見回りなどの頻度が少なかったことなどにより、結果として死亡という事態に至ったとして、女性の遺族に損害賠償金2200万円を支払う。関連議案を来月の市議会に提案する。

女性は、宿泊を伴う短期入所を利用していたが、たんが詰まって心肺が停止している状態で発見された。救命措置で心拍が再開したものの、自発呼吸ができない状態だったため、県立中央病院に転院搬送されたが、4日後に死亡した。

市によると、女性が短期入所を利用する際には、頻回に見回りをしてたんの吸引を行うということだったが、実際には巡回やたんの吸引の頻度が少なかったことなどから、市は「結果として死亡という重大な事態に至った」と責任を認め、謝罪と再発防止、2200万円の損害賠償金の支払いなどを内容に和解する。

来月の市議会12定例会での議決後は、速やかに示談する予定だという。



http://www.sankei.com/life/news/161123/lif1611230008-n1.html
高額療養費、中所得高齢者を負担増 厚労省の医療改革案
2016.11.23 05:00 産経ニュース

 厚生労働省が検討している医療保険制度改革の全体像が22日、分かった。毎月の患者負担に上限を設ける「高額療養費制度」について、一定所得がある70歳以上の負担上限を現役世代並みに引き上げるほか、75歳以上が加入する後期高齢者医療保険制度で、中所得者に対する軽減措置を廃止するのが柱。政府・与党内で調整し、12月上旬に具体案を固める方針だ。

 高額療養費制度では、70歳以上で一定所得があるが、住民税が課される年収370万円未満の「一般所得者」の負担上限(4万4400円)を、69歳以下の一般所得者と同じ5万7600円に引き上げる。70歳以上には外来診療だけに別の上限額を設ける仕組みもあるが、存続させる方向で調整している。

 また、後期高齢者医療制度の保険料は、所得に応じて支払う「所得割」と、加入者全員が負担する「均等割」で構成されている。年金収入が年153万円超の人に課される所得割では、年金収入211万円以下で一律5割の軽減となっており、この特例を廃止する。

 均等割の9割軽減(年金収入80万円以下)、8・5割軽減(同80万円超から168万円以下)の特例は低所得者に配慮し継続する。会社員だった人の妻らが同制度に加入した場合の保険料軽減の特例は廃止する方向だ。

 改革による財政効果は高額療養費制度で約300億円、後期高齢者医療制度で約200億円。高額ながん治療薬「オプジーボ」の値下げ(約180億円)、協会けんぽの補助金削減(約300億円)などを加え、最終的な医療費の抑制額は計約1千億円となる見通しだ。

 介護保険制度に関しては、40~64歳の保険料の算定方法について、収入に応じた「総報酬割」を段階的に導入することなどで約400億円を捻出する。



http://mainichi.jp/articles/20161123/ddm/016/100/029000c
精神障害者
就労・住居「地域包括ケア」構築へ 厚労省検討会

毎日新聞2016年11月23日 東京朝刊

 厚生労働省の有識者検討会は、精神障害者が地域で安心して暮らせるよう、治療だけでなく就労や住まいなど幅広い支援を提供する「地域包括ケアシステム」の構築を目指すとの意見を大筋でまとめた。各自治体が定める2018年度以降の医療計画や障害福祉計画などに反映させる。

 地域包括ケアは医師や福祉職員らさまざまな専門職が連携し、医療、介護、健康づくり活動などを地域の中で一体的に提供する仕組み。病院が地域の相談支援事業者と連携することで、長期入院者が退院する際の住まいの確保や、スムーズな就職活動が期待できる。認知症やうつ病、依存症などさまざまな疾患について、対応できる病院や診療所を明確化することなども盛り込んだ。



http://www.nikkei.com/article/DGXLZO09857930T21C16A1MM8000/
薬価を毎年改定へ 後発薬値下げ、医療費抑制
政府調整

2016/11/23 2:00日本経済新聞 電子版

 政府は薬の公定価格(薬価)を決める仕組みを見直す調整に入る。原則2年に1回の薬価改定を毎年実施し、価格を柔軟に引き下げる案が軸。新薬の原価など根拠となるデータの公表を義務付けたり、後発医薬品の価格を抑える方策も議論する。国の薬剤費支出を抑える狙いだ。

 25日の経済財政諮問会議(議長・安倍晋三首相)で民間議員が見直し案を提示する。諮問会議は厚生労働省などと連携して改革の方針を取りまとめる。

 価格の安い後発薬の普及で薬全体の流通価格は下落傾向にあるが、改定が2年に1回のため市場の実勢を反映しづらい。民間議員は国が負担する薬剤費の膨張を抑制するため、毎年薬価を下げられるようにしたい考え。下げすぎた場合は翌年の薬価調査で調整する。

 医師会や製薬業界はこれまでも「価格調査などの負担が増す」などの理由で毎年改定に反対しており、見直しに抵抗も予想される。

 民間議員は薬価の透明性向上に向け、製造原価の内訳や患者数の見込みなど詳細の公表を義務付けることも訴える。超高額のがん治療薬オプジーボのように、海外の2倍以上高い薬は速やかに公定価格を見直す仕組みも求める。厚労省も中央社会保険医療協議会(中医協)で見直し策を議論し、2018年度の薬価改定時に導入する方針だ。

 後発薬の価格は原則新発薬の5割に設定されている。民間議員は「国際的にみて高すぎる」と指摘し、20年度までに後発薬の普及率を800に高めるため新発薬の3~4割に引き下げるべきだと提起する。

 製薬業界の研究開発投資促進も課題に挙げる。薬の効能に応じて一定額を加算するといった価格改定のルールをつくり、研究開発の意欲を高めるよう求める。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/50046.html
胃潰瘍治療薬、重大な副作用に銅欠乏症- 厚労省が添付文書への追記指示
2016年11月22日 19時00分 CB news

 厚生労働省は22日、胃潰瘍の治療で投与される「ポラプレジンク」(商品名・プロマック顆粒150、同D錠75など)について、添付文書(使用上の注意)の重大な副作用の項目に銅欠乏症を追記するよう製造販売業者に指示した。貧血などで輸血が必要となった症例が報告されており、厚労省は同日、都道府県などに対し、医療機関・薬局への周知を求める通知を出した。【新井哉】

 同剤は胃潰瘍に効能・効果があり、胃粘膜の損傷した部位に浸透して細胞を保護する。

 厚労省によると、2013年4月以降、銅欠乏症に関連する副作用報告が9例あり、このうち同剤の使用と因果関係が否定できない症例が8例あった。

 銅は魚介類や肉、野菜などの食品を介して人体に取り込まれる。ただ、亜鉛や鉄を過剰に摂取した場合、銅の吸収が阻害され、貧血や血液中の赤血球・血小板などが減少する「汎血球減少」が引き起こされる。

 厚労省は、同剤に含まれた亜鉛によって銅欠乏症となり、重篤な「汎血球減少」や貧血で輸血が必要となったケースがあったことを指摘。こうした症例を踏まえ、同剤を使用する際は、患者の症状や臨床検査値に注意を払うことに加え、異常を認めた場合は適切な処置を行うことを求めている。



http://www.medwatch.jp/?p=11310
胃潰瘍治療などに用いるポラプレジンク、銅欠乏症による汎血球減少や貧血の副作用―厚労省
2016年11月22日|医療・介護行政をウォッチ MedWatch

 厚生労働省は22日、胃潰瘍治療などに幅広く用いられている「ポラプレジンク」(プロマック顆粒ほか)について、銅欠乏症の副作用があり、栄養状態不良患者では▼汎血球減少▼貧血―などが発症するおそれがあるとして、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には適切な処置を行うよう、医療機関に注意を呼び掛けています。本剤は、臨床現場において胃潰瘍治療以外にも幅広く使用されているため、特段の留意が必要です。

糖尿病治療薬のネシーナ錠などには、類天疱瘡の副作用も

 今般、新たに重大な副作用などが判明したのは7つの医薬品で、厚労省は製薬メーカーに対して「使用上の注意」を速やかに改訂するよう指示しています。7医薬品と、新たな「重大な副作用」などは次の通りです。臨床現場ではご留意ください。

(1)胃潰瘍治療などに用いる「ポラプレジンク」(販売名:プロマック顆粒15%ほか)
  ▽新たな【重大な副作用】:銅欠乏症(本剤に含まれる亜鉛により、銅の吸収が阻害され、栄養状態不良の患者で銅欠乏症に伴う汎血球減少や貧血が報告されている)

(2)外皮用の殺菌消毒剤である「ホルマリン」(販売名:ホルマリン「ヤマゼン」ほか)
  ▽新たな【禁忌】:(歯科領域の場合)本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  ▽新たな【重大な副作用】:(歯科領域の場合)ショック、アナフィラキシー(蕁麻疹、そう痒、呼吸困難、血圧低下などの異常が認められた場合には適切な処置を行う)

(3)歯科用鎮痛鎮静剤・歯髄覆とう剤の「ホルマリン・グアヤコール」(販売名:ホルマリン・グアヤコールFG「ネオ」ほか)、「ホルマリン・クレゾール」(販売名:ホルマリン・クレゾールFG「ネオ」ほか)、「クレゾール・ホルマリン・チョウジ油・酸化亜鉛」(販売名:パルパック)
  ▽新たな【禁忌】:本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  ▽新たな【重大な副作用】:ショック、アナフィラキシー(蕁麻疹、そう痒、呼吸困難、血圧低下などの異常が認められた場合には適切な処置を行う)

(4)痛風や高尿酸症治療に用いる「アロプリノール」(販売名:ザイロリック錠100、リボール細粒200ほか)
  ▽新たな【重大な副作用】:薬剤性過敏症症候群(初期症状として発疹、発熱が見られ、さらに▼リンパ節腫脹▼白血球増加▼好酸球増多▼異型リンパ球出現▼肝機能障害―などの臓器障害を伴う遅発性の重篤な過敏症状が現れることがある。また、1型糖尿病(劇症1型糖尿病を含む)を発症し、ケトアシドーシスに至った例も報告されている。なお、ヒトヘルペスウイルス6(HHV-6)などのウイルスの再活性化を伴うことが多く、投与中止後も発疹、発熱、肝機能障害などの症状が再燃あるいは遷延化したり、脳炎などの中枢神経症状が現れることがある)

(5)糖尿病治療に用いる「アログリプチン安息香酸塩」(販売名:ネシーナ錠6.25mgほか)、「アログリプチン安息香酸塩・ピオグリタゾン塩酸塩」(販売名:リオベル配合錠LDほか)、「アログリプチン安息香酸塩・メトホルミン塩酸塩」(販売名:イニシンク配合錠)、「テネリグリプチン臭化水素酸塩水和物」(販売名:テネリア錠20mg)、「リナグリプチン」(販売名:トラゼンタ錠5mg)
  ▽新たな【重大な副作用】:類天疱瘡(水疱、びらんなどが現れた場合には、皮膚科医と相談し、投与注視などの適切な処置を行う)

(6)悪性腫瘍による高カルシウム血症や多発性骨髄腫による骨病変および固形癌骨転移による骨病変などに効能効果のある「ゾレドロン水和物」(販売名:ゾメタ点滴静注ほか)
  ▽新たな【重大な副作用】:ショック、アナフィラキシー(蕁麻疹、そう痒、呼吸困難、血圧低下などの異常が認められた場合には適切な処置を行う)

(7)単純疱疹や帯状疱疹の治療に用いる「ファムシクロビル」(販売名:ファムビル錠250mg)
  ▽新たな【慎重投与】:ファンコニー症候群(低リン血症、低カリウム血症、代謝性アシドーシスなどを主症状とする近位腎尿細管障害)


  1. 2016/11/23(水) 09:59:00|
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11月21日 

https://www.m3.com/news/iryoishin/478796?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD161121&dcf_doctor=true&mc.l=191062155&eml=3f492a08f1681d66441569ec02c0b51e
勾留中の男性医師死亡、法医が刑事告発したわけ
出羽岩手医大教授、「結論ありきの死因に疑問」(2016/11/21 追記)

2016年11月21日 (月) 橋本佳子(m3.com編集長)

 「死亡した男性医師の司法解剖の鑑定書は、急性心筋梗塞という結論が先にありき、という内容だった。これに対し、奈良地裁に提出した原告側の4人の医師の意見書は、いずれも急性心筋梗塞を発症したとの結論を否定している」

 こう批判するのは、岩手医科大学法医学講座教授の出羽厚二氏だ。その矛先は、山本病院(奈良県)の男性医師(当時54歳)が、肝臓腫瘍切除術に伴う医療事故で、業務上過失致死罪容疑で2010年2月6日に逮捕され、19日目の2月25日に心肺停止に陥り、死亡した事案の司法解剖の鑑定書、およびそれを基にした奈良県警など関係者の対応だ。司法解剖の鑑定書による死因は、急性心筋梗塞。これに対し、出羽氏の意見書では、取り調べ中に、頭部、胸部、上肢・下肢に鈍体による殴打で傷害を負い、横紋筋融解症を発症、それが原因となり急性腎不全などの多臓器不全で死亡したと判断している。

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検視調書に掲載されていた男性医師の解剖時の写真。右外側大腿部から右外側下腿部を中心に皮下出血が見られる。上肢{左右とも}にも皮下出血を認めている。

 勾留中の死亡を問題視した遺族は、約9683万円の損害賠償を求めるため、2013年2月19日に奈良県を提訴。出羽氏ら4人の法医学や救急の医師が、原告側の依頼を受け、意見書を提出した。裁判の一番の争点は、男性医師の死因が病死、つまり急性心筋梗塞であるか、あるいは殴打がきっかけとなった死亡かだ。後者であれば、取り調べを行った奈良県警の責任が問われかねない。本民事裁判は、2016年9月26日に結審したが、原告側は、男性医師の留置所の様子が分かる「留置記録」がまだ裁判に提出されておらず、4人の意見書のうち、1人分が現時点では証拠として採用されていないことから、裁判を再開し、審議を尽くすよう求めている。

 その最中の11月15日、出羽氏は、本事案は刑法195条1項(特別公務員暴行陵虐罪)、196条(特別公務員職権濫用等致死傷罪)に当たるとして、容疑者不詳のまま、奈良県警察本部に刑事告発した。

 「告発状は現時点では、受理されていない。恐らく受理は難しいのではないか」と出羽氏は、苦笑気味に話す。「しかし、取り調べ中の死亡が、闇から闇に葬られてはいけない。今回の事案は、取り調べの可視化以前の問題。勾留中の被疑者に対し、取り調べに当たって、暴行を加え、死に至らせるような前時代的な不祥事を発生させてはならないとの使命感から、告発を決意した」。

 出羽氏は民事裁判で審議を尽くせない懸念があり、仮に告発状が受理されなくても世間に問題提起する意味から、告発に踏み切った。男性医師の司法解剖を行ったのは奈良県立医科大学。「司法解剖には、奈良地検の検察官や奈良県警の警察官らが立ち会っていることが、民事裁判の過程で明らかになっている」(出羽氏)。今回の告発は、司法解剖を担当した医師も含め、司法解剖の在り方を問う意味もある。

 「意見書の依頼、最初は引き受けるか否か迷った」
 出羽氏は、2007年の「時津風部屋の力士暴行事件」の解剖を担当したことで知られる。同事件では、時津風部屋の親方らが、部屋の力士に暴行を加えて死亡、当初は「虚血性心疾患」として処理されようとしたものの、当時、新潟大学に在籍していた出羽氏が、力士を解剖し、「多発外傷によるショック死」と発表、大きなニュースとなった。

 今回の事件の当事者である男性医師は、山本病院への着任から約3カ月後の2006年6月16日、助手として入った肝臓腫瘍切除術の医療事故で患者が死亡、2010年2月6日に業務上過失致死罪容疑で逮捕された(執刀医の院長は、2012年11月、大阪高裁で控訴棄却、業務上過失致死罪で禁固2年4カ月の実刑判決が確定)。

 前述のように男性医師の遺族は、2013年2月19日に奈良県を提訴。出羽氏のもとに意見書の依頼があったのは、2014年の夏頃だという。司法解剖の鑑定書や検査データなどを見た出羽氏は最初から「急性心筋梗塞という死因はおかしい」と思ったものの、警察などが絡む事件である上、法医学の医師同士の同僚評価(ピアレビュー)につながることなどもあり、「やはり最初は引き受けるかどうか迷った」という。

 遺族側が意見書を依頼したのは、出羽氏を含め、計4人。しかし、時期的に最後に当たる今年8月26日付けの意見書は、急性心筋梗塞との剖検診断が、妥当なのか、否かを検証した内容だったが、民事訴訟法第157条に定める「時機に遅れた攻撃的防御」であり、訴訟の完結を延ばす行為に当たるとして採用されていない。「急性心筋梗塞か否かが問われている裁判で、この意見書が採用されないのはおかしい」(出羽氏)。

 一方、奈良県側が医学的な検証資料として提出しているのは、司法解剖の鑑定書や同解剖を実施した意見書のみだ。

 クレアチニンキナーゼ、死亡前日に1万4280U/L

 告発人代理人弁護士であり、遺族の民事訴訟の代理人も務める小泉哲二氏は、(1)奈良地検は、2月25日の男性医師の死亡当日に、司法解剖の結果が出ていない段階で、死因は急性心筋梗塞であると発表、(2)遺族が民事裁判前に入手した解剖記録や解剖時の遺体写真は、裁判で明らかになった鑑定書や写真とは相違(不足)がある――など、男性医師死亡後、今に至るまでの経緯に不審な点があると指摘する。

 これらの追及に加えて、医療界として検証が必要なのは、男性医師の死因だ。「幸いなことに、逮捕時、および死亡前日の診療記録がある」と出羽氏は説明する。

 男性医師は逮捕の前年、2009年2月、くも膜下出血(前交通動脈瘤破裂)で、コイル塞栓術を受けていた。翌2010年2月6日の逮捕後、死亡に至るまで計3つの病院を受診している。しかし、CK(クレアチニンキナーゼ)が1万4280U/Lと異常な高値を示した24日の受診後も、入院せず、留置所に戻り、翌25日に死亡した。

男性医師の逮捕後の臨床所見
2月6日:A病院:心電図検査で異常なし。「血圧は157/94mmHgとやや高めであるものの、その他特に大きな異常は認めず」
2月13日:B病院:左側頭部打撲後、CT撮影
2月24日:C病院(カルテから抜粋。カッコはカルテ記載のまま)
 ・高血圧(降圧剤、「現在内服できていない」)、狭心症あり、食事あまりできていない
 ・右下肢に皮下出血、左下肢にも数カ所、皮下出血あり「打撲によるものか?」
 ・「強度に反抗的、言うことを聞かず、やっとのことで、レビンチューブ挿入」   「効果が出れば、尿も出て元気になるが、尿が出なければ、明日病院に必ず」
 ・頭部CT撮影(異常所見なし)、心電図検査せず
 ・CK:1万4280U/L、クレアチニン:3.06mg/dL、尿素窒素:71.2mg/dL、AST:178U/L、ALT:69U/L、LDH:807U/L、カリウム:3.5mEq/Lなど。
・点滴2000mLの輸液(ソルデム3Aを1000mL、ソルデム1を1000mL)、経鼻栄養
2月25日:C病院:救急搬送、来院時CPA(心肺停止)、死亡確認
 司法解剖の死因「急性心筋梗塞」、出羽氏らは否定
 司法解剖鑑定書では死因は「急性心筋梗塞」、一方、出羽氏の意見書はそれを否定する内容であり、遺族が依頼した他の3人の意見書も「急性心筋梗塞」を否定。その後、司法解剖を担当した法医学の医師が、出羽氏の意見書を反論する内容の意見書を提出している。その抜粋は、以下の通りだ。

【司法解剖の鑑定書の死因:2010年4月27日】(一部抜粋)
 本屍の死因について考察すると、本屍の外表には頭部、胸部および上下肢に損傷が認められるが、それ自体の損傷では死因とはならない。(中略)組織学的所見から考察されることは、急性腎不全の原因として横紋筋融解症が考えられる。(中略)本屍において筋肉の障害部位として考えられるのは、右下肢に広範囲の出血が認められることから、右下肢への打撲などの外力が作用したことが考えられ、このために同部位の筋肉が障害されたために横紋筋が遊離したものと考えられる。しかし、腎臓の障害の程度は比較的軽度で死因とは考え難い。(中略)
 一方、本屍には急性心筋梗塞の初期像が認められ、また以前からの心筋障害の存在をうかがわせる間質の線維化を認めることから、本屍の死因は急性心筋梗塞と考えるのが妥当である。(中略)本屍においても、冠状動脈の硬化狭窄が認められたため、心筋が虚血状態になったものと判断される。このことは間質の線維化が認められたことからもうかがえる。

【岩手医科大学法医学教授の出羽厚二氏の意見書:2014年11月21日】(一部抜粋)
 結論から先に記述すれば、死因は、急性心筋梗塞ではなく、筋挫滅に伴い腎不全を起こし、さらに肝不全、呼吸不全を起こした多臓器不全である。
 裁判の論点の一つとして、高いCPK(CK)の値が心筋梗塞に由来するものか、筋挫滅に由来するものかが争われていると理解している。
 もしも心筋梗塞が起こっていたとしたならば、心筋梗塞の発症からCPKが上昇するまでには、ハリソン内科学によれば、4~8時間を要するので、2010年2月24日の受診の数時間前には心筋梗塞が起こっていたということになる。(中略)2月25日朝の死亡時には心筋梗塞発症から1日程度は経過していることになる。そうであれば解剖時には肉眼的には心臓の断面では心筋は黒く見え、組織学検査では心筋の壊死、好中球の浸潤がみられたはずである。
 (中略)しかし、解剖記録には心臓の肉眼内部所見として「心筋:出血などの特変を認めないがやや蒼白調である」と書いてあり、組織学的所見として「心臓において脂肪組織が心筋内に浸潤し、間質の浮腫、横紋筋の消失、巣状の線維化を認める」とあるだけである。この所見は心筋梗塞発症から約1日経過した所見とは考えられない。(中略)また、被告第1準備書面に「2月25日、午前7時00分に起床し、自ら立ち上がり、布団を運んで片付け、洗面をした後に、房内に戻ったが、この時点で同人に全く異常が認められなかった。しばらくして、男性医師(原文では実名)がいびきをかき始めたことから、担当警察官が房内に立ち入り、呼びかけたが、同人はこれに応じず、同人に呼吸が認められなかったことから、安全体位を取らせて気道を確保し、心臓マッサージを開始するとともに、119番通報したものである」との主張があるが、前日の24日に心筋梗塞を発症していたとすれば、心筋梗塞を発症しておりながら、丸一日経過した翌25日の朝になって、突然倒れたということになる。無痛性の心筋梗塞は糖尿病患者、高齢者には認められるものの稀であり、胸痛を訴えることなく、心不全の症状を示さず「布団を片付け洗面をした」というのは臨床経過として不自然である。
 逆に心筋梗塞が2月25日の朝の7時頃発症したとすれば、解剖記録に記載された所見は、「急性心筋梗塞の初期像」と考えて矛盾しないが、そうなると、急性心筋梗塞がまだ発症していないはずの前日のCPKの高値を、心筋梗塞によるものとしては説明できない。また腎不全、肝不全を示すデータの説明もできない。
 これをまとめると、心筋梗塞が2月24日の受診前に発症していたとすれば、臨床経過と解剖の所見がこれと矛盾し、25日の朝の7時頃発症したとすれば、前日のCPKの高値と腎不全、肝不全の原因が説明できなくなるのである。
 したがって2月24日の受診時には、心筋梗塞は発症していなかったと考えざるを得ないので、検査報告書の値CPKの高値は、心筋梗塞以外の原因を求めるのが妥当である。
 CPKの上昇は、骨格筋の崩壊によっても生じるが、2月24日の受診時より前に受けた打撲、強圧によって高度の骨格筋の崩壊が生じ、CPKが14280と高い数値を示す結果となったと考えるのが妥当である。
 「高度の骨格筋の崩壊は、横紋筋融解症、ミオグロビン尿症を引き起こし、急性腎不全を起こし、さらに肝不全、呼吸不全を起こし多臓器不全となって、死亡した」と考えるのが一元的で合理的である。なお、ミオグロビン尿症については解剖記録においても言及されている。
 「CPKの上昇と腎不全は下肢の皮下出血によるもので、それとは別に心筋梗塞が発症して、短時間に心肺停止になった」と考えるのでは多元的でありすぎる。

【司法解剖を担当した法医学の医師の意見書:2015年4月27日】(結論部分、一部匿名化)
・皮下出血の最も強かった下腿部の前部の骨格筋の組織検査において、強圧や打撲による筋挫滅や炎症などなく、腎臓のミオグロビン染色でも、ミオグロビン円柱は証明されなかったので、横紋筋融解症による急性腎不全は否定される。
・解剖の結果、腎臓と肝臓の障害は死因とは考えられない。
・男性医師は、急性心筋梗塞で死亡したと判断される。C病院のカルテおよびA病院のカルテからは、狭心症から急性心筋梗塞になったと考えても矛盾する検査所見は認めない。
・また横紋筋融解症であっても、下肢の強圧や打撲による筋挫滅でなく、むしろ同一姿勢を長時間取っていたための四肢の循環不全によるものと考えられるが、横紋筋融解症によって急性腎不全が生じたことは考えがたい。また、急性心筋梗塞と横紋筋融解症との併存があったとしても何ら矛盾はない。

【追記】2016年11月21日、以下の点を追記しました。
・2月24日にC病院を受診した際の検査データとして、「カリウム:3.5mEq/L」を追記しました(本文中に記載したのは、検査結果の一部です)。



https://www.m3.com/clinical/news/478718
高齢者運転事故受けて学会が提言
日本老年精神医学会、改正道交法の施行に向けて対策示す

日本老年精神医学会 2016年11月21日 (月)

 日本老年精神医学会はこのほど、高齢者による交通死亡事故のニュースなどが相次いでいることを受け、坂口正芳警察庁長官らに対し改正道路交通法(道交法)に関する提言を行った。運転免許証の自主返納や高齢者講習会での対策などを示しており、国には社会の安全を担保しつつ、高齢者の尊厳を守り、生活の質を保証する法の整備を急ぐよう求めている。

 同学会は、提言の中で2015年度の交通安全白書で四輪車乗車中事故死者の43.8%を高齢者が占めるほか、最近は児童を含む歩行者を巻き込んだ高齢運転者による死亡事故のニュースが後を絶たないと指摘。2017年3月の改正道交法施行に合わせた提言を行うと説明している。

 提言は、(1)道路交通インフラの安全対策、高齢運転者を支援するハードウェアの開発促進、(2)運転免許証の取り消し・自主返納に対応する「生活の質」の保証、(3)高齢者講習会での実車テスト等について、(4)「認知症」と一括されていることの問題点-の4点。(1)では、高速道路パーキングエリアなどでの逆走防止用ゲートの設置を呼び掛け、(2)では運転免許証の自主返納によって高齢者やその家族の生活の質が下がらないよう、収入に応じたタクシー利用券やバス乗車パスの支給などを提案している。

 特に(1)と(2)については「速やかに実行されることが重要」として、運転免許証の取り消しや自主返納の施策のみに終始するのではなく、「道路交通に関するハード・ソフト両面の整備が喫緊の課題」と訴えている。



https://www.m3.com/news/iryoishin/478705
柔整問題「帰り道、何度も後ろ振り返った」、厚労省検討会委員
臨床整形外科学会シンポ、「数が増えると質が低下する」との指摘も

2016年11月21日 (月) 高橋直純(m3.com編集部)

 日本臨床整形外科学会のシンポジム「柔道整復療養費、問題点の整理」が11月20日に東京都内で開催された。基調講演で、厚生労働省の柔整問題検討会の委員を務める相原忠彦氏は 、検討会の場で柔整関係者から詰め寄られたり、厚労省の担当者から委員交代を示唆されたりするなどの苦労があったと振り返りつつ、「公の場で話すことは意義がある」と語った。柔道整復師の養成カリキュラムを検討している北村聖氏(国際医療福祉大教授)は、問題の背景に柔整の養成学校が急増したことがあるとし「数が増えると質が低下する」と指摘した。

 厚労省社会保障審議会柔道整復療養費検討専門委員会委員を務める相原氏(相原整形外科院長)は「適正な柔道整復療養費のあり方」と基調講演し、2012年度の設置時から委員を務める専門委員会の議論の状況を説明した(『柔整問題、厚労省の検討委は「ガス抜き」-相原忠彦・柔道整復療養費検討専門委員会委員に聞く◆Vol.1』 を参照)。専門委員会を所管する厚労省保険局保健医療企画調査室長はこれまでに5人いたが、担当者によって熱意が違うと説明。理由もなく2年間休会だったり、相原氏が求める資料提出を認めず「次の委員はないでしょうね」と言ってきたりすることもあったと言う。診療報酬改定について議論した2014年の第3回委員会では、事務局が提出示した改定率は0.00%だったが、最終的には全体改定率の半分の0.68%で決着。「何かの力が働くことがよく分かった」と振り返る。

 相原氏が議論の俎上に載せるために資料提出を求めたのは、「亜急性の外傷」という概念の是非。2007年の厚労省通知で柔整療養費の対象となる負傷は「急性または亜急性の外傷性の骨折、脱臼、打撲、捻挫など」と示されている。日本外科学会や日本整形外科学会などは2014年に日本医師会の要請に応える形で「『亜急性』は傷病の時間的概念で、急性期と慢性期の間の時期と表記するのが一般的。外傷は全て急性で、『亜急性の外傷』という表現は医学的にない」との見解を示している。相原氏は「亜急性の外傷」を認めることが不正を生み出す原因になっているとして、委員会での議論を繰り返し求め、日医からの提出資料として「亜急性外傷問題の解決への医学的見解」を出すことを要望したが、厚労省の担当者は長く、認めなかった。

「帰り道、何度も後ろを振り返った」
 担当者が変わったことで、2016年7月の第6回委員会で資料提出がようやく認められた。この時の議論では、柔整関係者が「エビデンス、エビデンスと言っても、医師もエビデンスがないことやっているだろう」などと執拗に相原氏につめより、座長から退場を命じられる場面もあった。座長を務めているのは中医協会長経験もある遠藤久夫・学習院大教授で、「審議会で退場を命じたことは初めての経験」と話したという。一連のやり取りは議事録からは削除されている。相原氏は「会場を出てから、帰り道は何度も後ろを振り返った」と振り返る。

 8月の第7回委員会では厚労省が作成した議論の整理案に、「在宅医療・在宅介護を推進し、高齢者が住み慣れた地域で継続して生活できるよう地域包括ケアシステムを構築する中で、柔道整復師の担う役割は重要である」との一文が盛り込まれたことに、保険者側が反発し議論が紛糾。厚労省の対応に不満を持つ保険者側が、柔整問題の改革工程表を作成するよう求めた。

 相原氏は4年間の議論について、壁は厚いとしつつ、「医療関連のマスコミが公平に報道してくれるようになった。公の場で話すことは意義がある」と語った。座長の角南義文氏(日本臨床整形外科学会医療システム委員会アドバイザー)は「相原氏を辞めさせてくれという圧力もあったが、それを乗り越えてやっていただいている」と話した。

「数を増やすと質が下がる」北村氏
 同じく基調講演をした、厚労省で議論が進む柔道整復師学校養成施設カリキュラム等改善検討会の座長を務める北村聖氏(国際医療福祉大教授(医学部長予定者))が、9月に公表した報告書の内容について説明した。養成施設は1998年度の14施設定員約1100人から2016年度には109施設約8600人に急激に増加している。養成数を増やすことについては「医師も同じだが、数が増えることで、これまで養成していたより質の悪い人が入ってくる。必ず質の平均は下がる」との認識を示した。

 急増の背景には、1998年の福岡地裁判決で、それまでの需給バランスを考えた設置認可を、規則さえ満たせば認めるようにしたことがあると指摘。判決理由に「柔道整復師の数が増大することは、(中略)国民にとって利益になることはあっても、不利益にはならないものである」と書かれている点を挙げて、北村氏は「医学部定員は、(時限的な枠の増設など)微妙な按配でやっているのに、柔整は一気に増えており、問題の根底にあると認識している」と述べた。

 2018年度入学者から適用される予定のカリキュラム改定案では、現行の85単位から99単位以上にすることを求める。3000時間近い学習時間が求められ、現在は午前、午後の2部制、学校によっては夜間も含めた3部制もあるが、「抑制を求めたものではないが、夜間はなくなり、2部制も辛くなるだろう」と説明した。新たに「職業倫理」「社会保障制度」などを学ぶことを求める。

 会場から問題視する指摘が相次いだのが「柔道整復術適応の臨床的判定(医用画像の理解を含む)」という項目。エコーなどの画像を利用することについて、「看護師が超音波検査(エコー)を使っても医師が最終的に判断する。柔整は自身で完結させるが、診断に当らないか」という質問に対し、北村氏は「言葉遊びみたいだが、厚労省では『診断』ではなく『判断』の助けに使うことになっている。骨折と診断することはできないが、骨折の可能性があるとして医師に紹介するという判断。画像を使うことによるメリットがあるのでは」と答えた。

 北村氏講演の座長を務めた、日本臨床整形外科学会会長の田辺秀樹氏は、北村氏に「現実は(柔整による)健康被害がたくさんあるので、その辺りを踏まえて委員会活動を続けてほしい」とまとめた。

領収書と申請書の金額が違うことも
 基調講演の後は、保険者側や会場の参加者も交えて活発な議論が展開された。愛知県医療健康保険組合の原公美氏は「支払い側からみた問題点」と題して、同組合が進める患者への照会文書での調査や啓発活動などを紹介した(同組合の『接骨院・整骨院にかかるとき』を参照)。原氏は保険者と整形外科医の連携が必要とし「柔整審査会に参加し、我々が譲らないという姿勢を示すことが重要」と訴えた。

 同学会医療システム委員会副会長の松本光司氏は「受領委任払い、何が問題か」として、厚労省が認めている療養費支給申請書の白紙委任(患者に月初に署名を求める)について「白紙小切手を施術者に渡すことと同じで、不正請求の温床になっている」と指摘。施術を受けるたびに署名を求めるように申請書の様式を変えることを提案した。

 会場の保険者からは、領収書の発行が義務付けられているにも関わらず、毎回発行されることはほとんどなく厚労省も野放しにしている実態があると報告された。別の保険者も領収書をチェックしたら、申請書と金額が一致しないケースが多数見つかったと指摘し、毎回、患者の署名を求める様式が望ましいと述べた。

 相原氏は医師国保でも、怪我でないことが分かっているとみられるのに柔整にかかっている事例があることを問題視。「患者からしたら、安くマッサージを受けられてなぜだめなのかとなってしまう。保険者が被保険者を教育することが重要」と指摘した。



https://www.m3.com/news/general/478804
産業医大病院で点滴また穴 内部犯行か、福岡県警捜査
2016年11月21日 (月) 共同通信社

 20日午後0時25分ごろ、北九州市八幡西区の産業医大病院のナースステーションで、点滴袋1個に穴が開けられているのが見つかった。点滴は21日に使用する予定で、患者に影響はなかった。同病院では10月にも同様の事件があった。福岡県警折尾署は内部関係者による悪質ないたずらとみて、当日ナースステーションなどを出入りした10人前後から事情を聴いている。

 10月の事件では、同じナースステーションなどにあった点滴袋3個に針で刺したような穴が開けられ、薬品保管庫などの鍵束と鎮痛剤2本が紛失しているのが見つかった。この後にナースステーションに防犯カメラが設置されたが、今月20日朝から保安点検のため病棟の一部が停電しており作動していなかった。停電は事前に職員らに知らされていた。

 署によると、今回の穴開きは病棟9階のナースステーションで看護師2人が点滴袋を点検中に見つけ、針で刺したような穴が一つあった。点滴袋は発覚の約1時間前に、薬剤を保管する地下の部署から鍵付きの台車で運ばれた。

 市の担当者は21日、病院に入り薬品の管理体制などを調べた。

 佐多竹良(さた・たけよし)院長は「10月に同様の事件が発生して以来、再発防止に全力を尽くしてきた。深くおわび申し上げます」とするコメントをホームページに掲載した。

 病院のホームページによると、内科や外科、小児科などがあり、病床数は678床。高度医療を提供する特定機能病院として、厚生労働省から承認されている。



https://www.m3.com/news/iryoishin/478330
シリーズ: 真価問われる専門医改革
新専門医「整備指針」、地域医療に配慮し12月に改訂
カリキュラム制も可能、基本領域専門医「取得望ましい」に緩和

2016年11月19日 (土) 橋本佳子(m3.com編集長)

 日本専門医機構は11月18日の理事会で、新専門医制度の骨格となる「専門医制度整備指針」(2014年7月策定)を改訂し、研修プロセスを重視する「プログラム制」以外にも、基本領域のダブルボードの取得が容易になるよう、到達目標で評価する「カリキュラム制」も可能にするほか、地域医療への配慮から「研修施設群」の要件を弾力化し、指導医がいない施設でも加わることを認めるなどの見直しを行う方針を決定した。「プログラム制」は、2017年度から開始予定だった新専門医制度の特徴であり、大きな変更と言える。

 卒後2年間の臨床研修修了後、従来は19の基本領域の「いずれかの専門医資格を取得」としていた点も緩和、「取得が望ましい」とするほか、サブスペシャルティの専門医については「医師の自主的な判断で選択」という位置付けにする。

 さらに専門医制度の運営における日本専門医機構と各領域の学会の役割分担も明確化。専門医の新規認定・更新や専門研修プログラムの1次審査などは各学会が同機構の基準に則って行い、その2次審査を同機構が行うといった体制に変更する(『内科と外科のサブスペシャルティ取得、「短縮」も』を参照)。

  「専門医制度整備指針」改訂案は、12月9日の次回理事会に諮り、12月16日の社員総会で最終決定する。その後、各基本領域の学会は、改訂で修正された点を踏まえ、領域別の「専門研修プログラム整備基準」を改訂。各研修施設はそれを基に、専門研修プログラムを見直すという流れになる。

 理事会後に会見した日本専門医機構理事長の吉村博邦氏によると、18日の理事会では「専門医制度整備指針」と、基本領域とサブスペシャルティの在り方について主に議論したという。

 吉村理事長は「今後、医学の進歩などを鑑みて見直すこともあり得るが、基本領域は、総合診療専門医を含めて19とする」と改めて確認。その上で基本領域の専門医は、基本は「プログラム制」だが、「ダブルボードも認めており、カリキュラム制でも研修が可能になるよう、柔軟性を持たせる形で、整備指針の改訂を進めている」と説明した。一定期間の研修が要件になる「プログラム制」ではなく、研修の到達目標で質を担保する「カリキュラム制」の方が、例えば、救急領域の専攻医が、脳神経外科や麻酔科などの領域での研修・専門医取得などが容易になる。

 サブスペシャルティについても「カリキュラム制」が可能。内科領域は13、外科領域は4のサブスペシャルティとそれぞれ連携プログラムを検討中だ。それ以外のサブスペシャルティに関しても今後、関係する基本領域とサブスペシャルティが合同で、専門医制度の仕組みや医師像、研修プログラムなどを検討する予定。「日本専門医機構は、各サブスペシャルティの専門医の基準を早急に作成する。それを基に、各領域から提出された制度を検証し、適切と思われる領域については、サブスペシャルティとして認めていく」(吉村理事長)。日本専門医機構は、前身の日本専門医制評価・認定機構の時代に、内科系13と外科系4の領域も含め、29のサブスペシャルティを認めていたが、基準を満たせば、その数は増える。なお、総合診療専門医とサブスペシャルティとの関係については、総合診療専門医そのものの議論がまた途中であり、未定だという。

 日医、「専門医制度整備指針」改訂で「要望書」
 さらに吉村理事長は、「専門医制度整備指針」改訂に当たって、各団体から要望が挙がっていたために、柔軟性を持たせ、地域医療に配慮するなどの対応をしたと説明。「大学以外でも基幹施設になることができ、従来、専門医研修をやっていた病院が外れないようにしたほか、女性医師が妊娠・出産等で中断した場合などでも対応できるようにした。(整備指針を)頑なに設定した点に問題があったので、見直す。ただし、努力はするが、新専門医制度のみで、医師の地域の偏在を是正するのは難しい」(吉村理事長)。

 日本専門医機構副理事長で、日本医師会副会長の松原謙二氏は、同会が11月18日付けで「専門医制度整備指針」改訂についての「要望書」を提出したことを紹介。(1)都道府県ごとに、大学病院以外の医療機関も含め、複数の基幹施設を認定、(2)従来専門医を養成していた医療機関が専攻医の受け入れを希望する場合は、連携施設となれる、(3)専攻医のローテートは、原則6カ月未満では所属が変わらないようにする、(4)都市部の都府県に基幹施設がある研修プログラムは、原則として募集定員が過去3年の専攻医の採用実績平均を超えない、(5)専攻医の採用は、基幹施設だけでなく連携施設でも行える、(6)研修プログラム認定は、各都道府県協議会で、医師会、大学、病院団体等の地域の医療関係者の了承を得る、(7)妊娠などによる6カ月までの研修中断であれば、残りの期間で必要な症例を埋め合わせることで研修期間を延長せずに済み、6カ月以上の中断でも復帰後は中断前の研修実績を有効とする――という7項目だ。これらを反映した改訂にすることを理事会で了承した。

 同機構副理事長の山下英俊氏は、(2)の関連で、「改訂前の整備指針では、指導医あるいは専門医がいることが連携施設の条件になっていたが、地域の病院にはいないケースがある。研修プログラムで教育内容が担保されるのであれば、連携施設に準じる施設として研修施設群に加わることができるようにしたのが変更点。ただし、研修プログラム管理は必ずやってもらう必要があり、それは基幹施設が担当し、指導医がいない施設に対しては、基幹施設が支援するなどの対応はしてもらう」などと述べ、地域医療に配慮した新専門医制度に変更したと説明した。



https://www.m3.com/news/general/478838
<始まる医療再編>住民交え「痛み」議論を
2016年11月21日 (月) 河北新報

 人口減少と高齢化が急速に進む社会で地域医療をいかに守るか。山形県庄内北部で始まった医療再編の動きを取材し、切迫感を抱いた。働き手不足や国民医療費の膨張を背景に全国でも医療提供体制の見直し議論が進む。山積する課題は病院や行政だけでは解決できない。住民一人一人が医療を次世代につなぐために何ができるか、主体的に考える機会と捉えてほしい。

 「今後15~20年で日本は経験のない高齢社会を迎える。病院単体ではなく地域全体で今より格段に『燃費の良い』医療提供体制を構築しなければ、地域に医療を残せない」

 酒田市の基幹病院を運営する地方独立行政法人「山形県・酒田市病院機構」の栗谷義樹理事長は語る。

 機構は9月中旬、市内の複数の医療・社会福祉法人と職員の相互派遣や医薬品の共同購入ができるグループづくりに着手した。重複する機能の解消を視野に入れ、できるだけ無駄のない地域完結型の医療と介護体制を目指す。

 酒田市も市立八幡病院の入院ベッド(病床)を無くし、機構に移管・統合する方針を示した。地域住民に不満の声はあるが、医師や看護師が不足し、市から年間2億5000万円もの繰入金が出ていることを考えれば、やむを得ないのかもしれない。

 そもそも医療制度自体が行き詰まりつつあるからだ。

 国民医療費は昨年度、概算で41兆5000億円に達した。厚労省推計によると、高齢化と医療技術の進歩で25年度には61兆円に及ぶ。現役世代2.3人で高齢者1人を支える人口構成は60年に1.3人で1人になる。労働力人口は全体で減るが、医療・福祉分野は30年までに新たに200万人前後が必要とされる。

 国の医療政策に詳しい政策研究大大学院の島崎謙治教授(社会保障政策)は「問題を先送りにすれば財政・人的制約は厳しくなり、政策的な選択肢が狭まる。残された時間はほとんどない」と話す。

 国は、都道府県ごとに策定する地域医療構想をベースに、病床の再編と在宅医療の拡充に乗り出した。医療人材の効果的な配置と公費支出の抑制を狙う。

 9月に策定した山形県は全県で1万余りの病床について、既に過剰とされる急性期を中心に10年間で2割減らす目標を盛り込んだ。青森県は弘前市内二つの総合病院の統合など津軽地域の公的病院の再編を提案した。

 医師不足と過疎化が進む地方で医療を守るのは容易でない。「痛み」が避けられない状況になるかもしれない。だからこそ、行政や医療機関は余力のあるうちに住民を交え、地域医療の在り方や展望を共有する場を多く持つべきではないか。

 09~11年に岩手県が取り組んだ県立病院・地域診療センターの無床化を取材した。地域の将来を考えた住民有志が医療・介護の受け皿を残そうと動き、医療施設内に特別養護老人ホームを設けるケースがあった。

 病気や介護の予防など個人で取り組めることもある。「感情論」ではなく、本当に支援が要る人が医療と介護を受けられる社会に向け、行政、医療、介護関係者と住民にそれぞれ何ができるのか。同じテーブルで突き詰めていくことが必要だ。

[地域医療構想]団塊世代が75歳を過ぎる2025年を見据え、都道府県が将来の医療需要や適正な病床数を推計し、目指す医療提供体制などを定めるビジョン。病床を緊急性の高い順に高度急性期、急性期、回復期、慢性期に分類し、医療機関の自主的な減床や見直しを促す。国全体では1割超の削減が目標。実現のため2次医療圏ごとに医療・福祉団体や市町村でつくる調整会議を設ける。



https://www.m3.com/news/general/478743
双葉病院訴訟、和解が成立 死亡患者遺族と東京電力
2016年11月21日 (月) 共同通信社

 福島県大熊町の双葉病院に入院し、福島第1原発事故後に避難先で死亡した患者2人の遺族が、東京電力に各3300万円の損害賠償を求めた訴訟は、東京地裁(東亜由美(ひがし・あゆみ)裁判長)でいずれも和解が7日付で成立した。死亡したのは当時62歳と67歳の男性で、和解は東電がそれぞれの遺族に1200万円と1600万円を支払うとの内容。

 遺族側は、原発事故で長時間の移動を伴う避難を強いられ、体調が悪化したとして提訴。東京地裁では、同様の訴訟が他に5件起こされ、いずれも東電に賠償を命じる判決が既に確定している。

 東電は「亡くなった方のご冥福を心よりお祈りし、遺族にお悔やみ申し上げる。和解成立は事実だが、詳細は回答を控える」としている。



https://www.m3.com/news/general/470337
点滴3袋に穴、投与中も 鎮痛剤2本と鍵束盗難 北九州の大学病院
2016年10月24日 (月) 共同通信社

 福岡県警折尾署は21日、北九州市八幡西区の産業医大病院で点滴袋3個に針で刺したような穴が開けられ、薬品保管庫などの鍵束と鎮痛剤15ミリグラム入りの容器2本が紛失しているのが20日に分かったと発表した。穴の開いた点滴袋1個は患者に使用されたが、21日夕の時点で健康の異常はみられないという。署は窃盗、器物損壊事件として捜査。点滴袋を押収し、異物が混入されていないか調べる。

 事件はいずれも9階で発生。使用中だった点滴袋は看護師が準備をしていた20日午後11時ごろには異常が確認されず、約30分後に液漏れが見つかった。当時は鎮痛剤などの紛失の通報を受けた複数の警察官が病院におり、外部関係者は夜間のため原則院内に入ることはできなかった。署は内部事情に詳しい人物が関与している可能性もあるとみている。

 佐多竹良(さた・たけよし)院長は記者会見を開き「深くおわび申し上げる」と謝罪した。

 署などによると、病院関係者が20日午後6時半ごろまでに、薬品保管庫から鎮痛剤が、ナースステーションから薬品保管庫などの鍵束がそれぞれ紛失していることに気付き、午後8時すぎに110番した。その後、看護師が、個室の男性患者(58)に投与中の点滴袋から液が漏れているのを発見。他に未使用の2個の液漏れも見つかった。3個ともこの日の日中に薬剤を保管する地下の部署からナースステーションに移されていた。

 紛失した鍵束のうち2個の鍵は医療用麻薬を保管する金庫用で、今年7月にも別の病棟のナースステーションからパーキンソン病の治療薬1錠が紛失していたことも判明。この薬は覚醒剤の原料になるという。

 九州厚生局と市の担当者は21日病院に入り、薬品の管理体制を調査。今後立ち入り検査が必要かどうかを判断する。

 9階には消化管内科などの患者計38人が入院していた。



https://www.m3.com/news/general/478805
病棟の停電、事前に周知 内部犯行か、点滴穴開き
2016年11月21日 (月) 共同通信社

 北九州市八幡西区の産業医大病院のナースステーションで20日、不審な穴の開いた点滴袋が見つかった事件で、保安点検のため病棟の一部が当日停電になると事前に職員に知らされていたことが21日、福岡県警折尾署への取材で分かった。

 このナースステーションでは10月にも穴の開いた点滴袋が見つかり、防犯カメラが設置されたが、停電で作動しなかった。署は、内部関係者の犯行の可能性が高いとみて当日ナースステーションなどに出入りしていた10人前後から事情を聴いている。

 市の担当者は21日、病院に入り薬品の管理体制などを調べた。

 署によると、問題の点滴袋は20日午前11時半ごろ、薬品を保管する地下の薬剤部から数十人分の薬剤やカルテと共に、鍵付きの台車で9階のナースステーションに届けられた。正午ごろに看護師が台車の鍵を開け、午後0時25分ごろ、点検中に点滴袋の穴を見つけた。

 署に対し薬剤部の職員は「台車に入れる時に異常はなかった」、看護師は「台車の鍵は首からぶら下げていた。誰にも渡していない」とそれぞれ説明しているという。



https://www.m3.com/news/general/478840
【神奈川】総合的病院の公募に2法人 逗子市
2016年11月21日 (月) 神奈川新聞

 逗子市は18日、建設を目指す総合的病院の公募について、募集を締め切った同日までに2法人から応募があったと明らかにした。外部の有識者らでつくる選考委員会の審査を経て、12月上旬に平井竜一市長が進出病院を決定する。

 市内には総合的病院がなく、市は在宅医療の後方支援病院や救急搬送の時間短縮、小児科や産科の充実を目指して誘致に乗り出した。横須賀・三浦の2次保健医療圏は今年3月末時点で、基準病床に対して既存病床が175床不足している。県は病床割り当てのための申請を12月9日まで受け付けており、それまでに市が進出病院を選ぶ必要がある。割り当ては来年3月末ごろ決定する見込み。



http://www.saitama-np.co.jp/news/2016/11/21/09.html
校医の大量辞任…対立の医師会と吉川市長「市民の健康増進」で協力へ
2016年11月21日(月) 埼玉新聞

 吉川市の小中学校校医や介護認定審査会委員の医師が大量辞任した問題で、市と吉川松伏医師会は20日までに、「市民の健康増進に取り組む」ため協力するとの合意を結んだ。中原恵人市長と平井真実同医師会長が4日に会談し、合意内容を書面で取り交わした。

 吉川市の小中学校校医や介護認定審査会委員の医師が大量辞任した問題で、市と吉川松伏医師会は20日までに、「市民の健康増進に取り組む」ため協力するとの合意を結んだ。中原恵人市長と平井真実同医師会長が4日に会談し、合意内容を書面で取り交わした。

 市と同医師会が10日付で、双方のホームページ上に「合意事項」の内容を掲載した。合意は5項目に上り、両者が健康診断や介護認定審査会の事業などに協力、連携を図り「市民の健康増進に取り組む」としている。

 今年3月、同医師会会員の複数の医師が市内の校医や介護認定審査会委員を辞退。健康診断が規定の期間内に実施できるかや、介護認定審査会が適正に行われるかなど、関係者から不安の声が広がっていた。

 市議会ではこれまで、中原市長と医師会の対立が指摘されてきた。一般質問では、定期予防接種の委託契約を巡り、市が医師会会員以外の医療機関と契約を結んでいたことなどが取り上げられた。

 合意書面の中で、定期予防接種について「市は今後、医師会に加入していない医療機関と個別に委託契約を締結しない」としている。

 市や同医師会によると、今回の合意に基づき、両者は市内学校の健康診断や介護認定審査会の事業を円滑に実施するために協力。地域包括ケアシステムの構築や災害時の医療救護活動などでも連携を図るという。

 埼玉新聞の取材に対し、中原市長は「吉川松伏医師会との連携を図りながら、市民のさらなる健康づくりを推進したい」。同医師会は「今後も行政からの各種依頼事業に対して、会員の先生に協力をお願いし、市民の医療や健康増進に取り組みたい」とそれぞれコメントしている。



http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2016112102000139.html
【社説】 医療事故調1年 なぜ届け出が少ないか
2016年11月21日 東京新聞

 医療事故の再発防止を目指す医療事故調査制度がスタートして一年たったが、年間の報告件数は当初予想の三割以下にとどまっている。肉親を失った遺族の心情に寄り添う仕組みにしたい。
 「まだまだ、医療従事者が制度を理解しても、真剣に取り組んでもいないし、遺族側も疑問点をぶつけていくという風土になっていない」。「患者の視点で医療安全を考える連絡協議会」代表の永井裕之さん(75)はこう指摘する。
 永井さんは十七年前、医療事故で妻を亡くした。東京都立広尾病院で、点滴中に誤って消毒液が投与された。病院側は事故を隠蔽(いんぺい)したが、最終的に関係者は刑事責任を問われた。
 永井さんはその後、連絡協議会を立ち上げ、医療事故調査制度の実現を求めてきた。そして昨年十月、ようやくスタートした。
 死亡事故が発生したら医療機関は第三者機関である「日本医療安全調査機構」に届け出なければならない。その後、自ら院内調査を行い、結果は遺族に説明。遺族は不服があれば、機構に調査を求めることができる、というのが主な仕組みだ。
 しかし、事故の届け出件数は一年間で三百八十八件と、厚生労働省が想定していた年千三百~二千件を大幅に下回っている。
 背景の一つに「医療事故とは何か」という定義の問題がある。調査の対象となるのは「予期しない死亡、死産」とされているだけで、具体例は示されていない。しかも、医療事故にあたるかどうかの判断を下すのは医療機関側だ。病院側が、面倒な院内調査や報告は避けたいと考えれば、おのずと届け出件数は少なくなる。
 現在は複数の医療団体が独自のガイドラインを作成している。中には、薬の取り違えなど明らかな医療ミスが起こった場合でも、取り違えは一定の確率で起こるなどとして「予期できない死ではない」と主張している団体もある。
 厚労省は六月、届け出基準の統一を目指し、医師会などによる協議会を設置することを決めたが、議論の難航は必至だ。
 このほか、遺族が事故だと思っても病院などが認めない時に相談する窓口を第三者機関に設けることになった。ただ、第三者機関は遺族からの相談を医療機関に伝えるのみ。より中立性を高めるため、第三者機関が助言や指導ができるようにするべきではないか。
 公正、透明で国民に信頼される制度に育てることが求められる。



http://www.medwatch.jp/?p=11281
自治体病院で看護必要度の経過措置終了後に7対1病床が3685床減少―全自病
2016年11月21日|医療・介護行政をウォッチ MedWatch

 昨年(2015年)10月1日から今年(2016年)10月1日にかけて、自治体病院においては7対1の届出病床数が3685床減り、7万111床となった。また「病棟群」を選択した病院は3病院にとどまり、その804床のうち357床で10対1を選択している(残り457床は7対1)―。

 全国自治体病院協議会が17日の記者会見で公表した2016年度の「診療報酬改定影響率調査結果」(第2報)で、こういった状況が明らかになりました。

地域包括ケア病棟などへの機能転換や、ダウンサイジングが進む

 2016年度の診療報酬改定では、7対1入院基本料の施設基準、とくに「一般病棟用の重症度、医療・看護必要度」(看護必要度)の項目が大幅に見直され、重症患者割合(看護必要度の基準値を見直す患者の割合)が従前の15%以上から25%以上に引き上げられるなど、厳しいものとなりました(関連記事はこちらとこちら)。

 厚生労働省は病院経営を考慮し、「改定前(2016年3月31日)に7対1を届出ている病院では、今年(2016年)9月までは、重症患者割合は満たすものと扱う」との経過措置を設けています。したがって、10月以降の状況こそが、2016年度改定の影響を考える上で重要であり、今般、全自病が会員病院を対象に調査を行ったものです。

 調査では、今年3月31日時点で7対1入院基本料・特定集中治療室管理料(ICU)・ハイケアユニット入院医療管理料(HCU)のいずれかを届出ていた272病院を対象に、改定前(2015年10月1日)と経過措置終了後(2016年10月1日)とで届出入院料がどう変化したかを調べています(有効回答数は250病院)。

 経過措置終了後の7対1届出病院数は、改定前に比べて4病院減少し、229病院となりました。ベッド数に着目すると、経過措置終了後の7対1病棟の病床数は7万111床で、改定前(7万3796床)に比べての3685床・5.0%減少しています。全体の4割弱の病院では重症患者割合が27.5%未満であり、7対1の施設基準を安定的にクリアすることが難しいようです(前述のように基準値は25%以上)。

 ただし、経過措置後も引き続き7対1を届出ている病院のうち、32%は機能転換または病床削減を行っています。

 減少した7対1のベッドが、どの入院料に移行(機能転換)したのかが気になります。全自病の調べでは、とくに「地域包括ケア病棟入院料1」の病床数が改定前から経過措置後にかけて2219床(減少分3685床の約60%に相当)増加していることが明らかになっており、「7対1から地域包括ケアへの移行」が進んでいると考えられます。また、調査対象全体で病床数が679床減少していることから、ダウンサイジングが進んでいる状況も伺えます。

 また2016年度改定で経過的に設けられた「病棟群単位の入院基本料」を選択した病院は3病院・804床にとどまり、その内訳は「7対1が447床(55.6%)、10対1が357床(44.4%)」となっています。病棟群単位の入院基本料は、例外的に「7対1と10対1」の混在を可能とするもので、7対1から10対1へ移行する際のクッションとなります。病棟群を選択しても、後に7対1の施設基準を満たせば全病棟を7対1に戻すことができますが、再度、病棟群を選択することはできません。このため病院側では「使い勝手が悪い」と考えているようです。

 なお、7対1から10対1にダイレクトに移行した病院は、1病院・190床にとどまっています。

 さらに今回の調査では、経過措置後も7対1を届出ている病院の99%が三次救急・二次救急の指定を受けている状況も分かりました。


 こうした結果を踏まえて全自病診療報酬対策委員会・改定影響小委員会の森田眞照委員長(市立ひらかた病院長)は、「急性期機能の維持・充実や回復期機能の強化など、会員病院が担う医療提供体制が大きく変化している」とコメントしています。



https://www.m3.com/news/iryoishin/475540
シリーズ: 改革進む医学教育
臨床実習、「学生用電子カルテ」も用意◆福井大学Vol.2
教員の負担軽減、実習の充実目指す

2016年11月21日 (月) 橋本佳子(m3.com編集長)

 「臨床実習への同意が取れた患者とそうでない患者がいる。その記録を残し、どのように医学生に割り振り、担当してもらうか。各医学生が既に学んだ症例と、未経験の症例と照らし合わせながら、アサインする作業は非常に大変」

 「学生が個々の症例の臨床実習を通して何を学んだのか。病院で運用しているカルテのデータは参照しつつも、『学生用カルテ』を用意して実際に記載してもらわないと、真に診療参加型の臨床実習にはなりにくい」

 「どの診療科で、どんな症例を担当し、どんな医行為をしたのか、あるいは未経験の症例は何かなどを記録として確実に残していかないと、医学生一人一人の評価やフィードバックができない」

 「2023年問題」に対応し、診療参加型の臨床実習を「72時間以上」実施するためには、カリキュラムを見直すだけでなく、運用上、さまざまな手間、困難が生じ、書類業務も膨大になる。この問題を解決するために、福井大学が開発を進めているのが、BS-LMS(Bed Side-Learning Management System)だ。数年前から開発を始め、2017年度から試行的運用を開始する予定だ。2016年度入学の1年生から、新カリキュラムを適用しており、臨床実習に入る2019年度からの本格稼働を目指す。

 BS-LMSの開発を担当する、福井大学病態解析医学講座放射線医学領域教授の木村浩彦氏は、「当大学の医学教育改革は必ずしも進んでいたわけではないが、BS-LMSは他の大学にない先進的なシステム」と誇る。「臨床実習の時間数が増えれば、教員の負担は重くなる。それをいかに軽減するかが重要。BS-LMSを用いれば、教員の準備や学生の評価などの負担が軽減される。学生自身にとってのメリットも大きく、臨床実習では何が求められるかが明確になり、どんな症例を経験し、どこまで学習したかが記録として残るため、学生自身の振り返りが容易になる。このようなアクティブラーニングを支援、後押しできるシステムにしたいと考えている」(木村氏)。

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福井大学のBS-LMSの概要(図提供:木村氏)

 教員とのチャット機能も検討
 BS-LMSは、学務情報システム(学生・教員情報、カリキュラムの内容など)、電子カルテ(患者一覧、学生記載カルテ情報、実習スケジュール情報など)、情報基盤センター(統一認証サーバー、メールアドレス)など、各種関連システムと連動させる。その際、患者の同意の有無、学生の患者情報の閲覧・記載の設定など、患者のプライバシーには十分に配慮する。

 BS-LMSの活用で、(1)教員等による臨床実習スケジューリング(どの学生に、どの患者を割り当てるか)、(2)学生による電子カルテ記載(学生は、許可された患者について、学生用電子カルテに記載)、ポートフォリオ作成、(3)教員による学生用電子カルテ参照・評価(学生の記載内容に対して、指導教官がコメント記入)――などが可能になると想定している。

 (2)のカルテは、大学病院で用いている本番用、学生が閲覧できる参照用、学生が記入できる学生用と三つに分かれる。学生は、自分が担当した患者について学生用電子カルテに記載でき、検査のオーダーなども可能だ。BS-LMSには、学生が記入した内容を教員に転送する機能があり、教員は学生がどんな処置をしたかなどを確認し、評価することができる。「チャット機能も付けて、『なぜこうした対応をしたのか』など、教員と学生が本音でやり取りできる機能も付ける予定だ」(木村氏)。

 BS-LMSに先んじて、福井大学では2008年度から画像関連の教育システムの構築が進んでおり、木村氏の専門の放射線領域では、学生が知っておくべき画像症例を集めた「放射線科100選」をデータベース化している。各症例には、簡単な現病歴や身体所見、治療歴などが記載されており、学生は自ら経験した症例、あるいは未経験症例を自習することができる。本システムもBS-LMSと連動させ、今後拡充予定だ。

 さらに、学生の臨床実習の記録が蓄積されば、個々の学生だけでなく学年全体の評価なども可能になる。「学年全体の臨床実習等の状況を評価することで、実習カリキュラムは十分なのか、どんな改善をすればいいのかなども見えてくるだろう。そこまで発展させることができれば、理想的だと考えている」(木村氏)。


  1. 2016/11/22(火) 05:59:01|
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11月20日 

https://www.m3.com/news/iryoishin/478523
シリーズ: 群馬大学腹腔鏡死亡事故
「ミスをした人を罰する」、エラー防止の最大の障害
医療の質・安全学会、上田・群大外部調査委員会委員長が警鐘

2016年11月20日 (日) 橋本佳子(m3.com編集長)

 第11回医療の質・安全学会学術集会が11月19日、千葉市で開催され、群馬大学医学部附属病院の肝切除術に伴う医療事故の外部調査委員会の委員長を務めた、奈良県総合医療センター総長の上田裕一氏がシンポジウムに登壇、調査の経緯や苦労に触れつつ、同事故のように、手術の「質」が問題視される場合には、クリニカル・ガバナンスを確立し、再発防止につなげる重要性を強調した。

 手術事故では、とかく外科医個人の手術手技が問題視されがちだが、上田氏は、診療科、ひいては病院全体の問題として捉える必要性を説く。例えば、合併症が起きても、それが相次ぐと「慣れ」が生じ、注意喚起につながりにくくなるため、「集団的注意深さ」が求められるほか、臨床指標を設定し、「質」を測定するなどのクリニカル・ガバナンスが大切だとした。さらに各病院単位ではなく、学会レベルでの取り組みも重要であり、全国規模の全症例登録のデータベースを作成して、「見える化」を進め、手術成績の向上につなげる必要性を強調した。

 2016年7月に外部調査委員会が報告書をまとめた直後、群大は執刀医と担当教授の処分を行ったが、この点も上田氏は問題視(『群大、執刀医と教授を解雇処分』を参照)。「我々の調査は、責任追及を目的とはしていない。しかし、調査報告書を公表した直後に、医師が懲戒処分された。罰せられた人が出た施設で、今後、どれだけ事故報告が出るのか。(医療事故対応に関する)カルチャーが変わらない限り、“セカンド・ビクテム”(第二の犠牲者)が生じる」と警鐘を鳴らし、米ハーバード大学のDr.Lucian Leapeの言葉も引用した。

 「エラーを防止する上で、唯一で最大の障害は、『私たちはミスをしたという理由で人々を罰する』ということである」

 外部調査委員会の報告書には、6人の委員全員が署名している。上田氏は群大事故を含め、これまで計18件の医療事故調査を経験している。「今回ほど、力を入れ、また丁寧に議論してまとめた報告書はない」と上田氏は述べ、事故の教訓を生かすために、本報告書の検証を期待した。

 メディア報道先行で苦労
 上田氏の講演テーマは、「群馬大学病院医療事故調査で“私”が学んだこと」。上田氏は名古屋大学医学部附属病院の副院長として、医療安全を担当するなど、これまで医療事故調査にかかわってきた経験を踏まえ、群大事故を振り返った(『“名大事件”が群大事故調査の手本 - 上田裕一・群大“事故調”委員長に聞く◆Vol.1』を参照)。

 「群大事故の報告書をお読みになった方はどのくらいいますか」。上田氏は講演の冒頭で、会場の参加者に問いかけ、報告書に目を通すよう呼び掛けた。

 続けて、上田氏は「外部調査委員会は特殊な事情でスタートした」と、事故調査立ち上げの経緯と苦労を語った。群大事故は当初、外部委員を交えた院内職員中心の体制で調査を行い、2015年3月に「執刀医に過失あり」との記載がある報告書をまとめた。しかし、世間の批判を受けたことなどから、「過失あり」との記載を消去、外部調査委員会が新たに発足した経緯がある(『死亡事故の背景、「手術数の限界を超え、悪循環」』などを参照)。その上、古い事故は2009年度の事例であり、長い経過が過ぎているほか、メディアの関心も高く、「報道が先行した医療事故調査は苦労することが多い。最終報告に至るまで多くのメディアが注目した」(上田氏)。調査の第三者性を担保するためには、「異なる専門領域」「異なる地域」の委員に依頼する必要もあり、群馬県から離れた奈良県の上田氏に委員長の依頼が来たという。

「死亡事例以外も検証」が特徴
 上田氏らが取り組んだ調査には幾つかの特徴があるが、その一つが調査対象となった肝切除術に伴う18の死亡事例のみではなく、「経年的に手術の変遷、手術実績を概観する」という視点から、死亡事例が生じた期間における成功事例も含めて検証した点だ。

 群大第二外科における2009年度から2014年度までの開腹による肝切除術は計109例で、うち死亡は10例、腹腔鏡(補助)下肝切除術は計103例、うち死亡は8例。時系列的に見ていくと、症例数の累積に伴い死亡率は安定するほか、同時期に複数の重症患者を抱える時期に死亡例が続いたり、腹腔鏡下手術を始めた2010年度から死亡例が続くなどの状況が見えてくる。死亡事故が相次いだ理由などを探るためには、「一例一例のカルテを見るのではなく、全体を見ることが必要」(上田氏)。

 さらに死亡率などの統計的な分析は可能だが、さらに専門的な調査、分析を行うには、事故の関係学会による調査が必要という。群大事故の場合は、日本外科学会が、外部調査委員会が対象にした事例以外の死亡事例も含めて調査を実施した。「群大事故は、手術の質を評価するものであり、「専門学会の協力と支援がなければ調査は不可能だった」と上田氏は振り返る。

 客観的な質評価の指標、必要
 診療科の専門性が細分化していくほど、他領域や他科の医師にとって見ると、他の医師の評価は難しく、自分のコメントに責任を持てず、口出しができない状況があるため、「医療安全管理部門がどこまで介入できるかが問われている」と上田氏は指摘する。

 とはいえ、患者の取り違えや誤薬などの医療事故とは異なり、手術の診療水準の評価は難しい。そこで求められるのが、クリニカル・ガバナンスという視点だ。これは、上田氏らが今回の調査の際に参考とした、イギリスのブリストル王立小児病院事件(手術後の死亡が相次いだ同病院で、特別調査委員会が1984年から1995年の12年間の診療内容を調査)の調査報告書に記載されている概念だ。「提供される専門的医療サービスの質のチェックやモニターと関係者への説明責任に対する体系的なプロセス」であり、「より良い診療を促進し、悪しき診療を防ぎ、容認できない診療を発見することであり、医療組織と医療の質と安全で規律付けるための仕組み」と定義付けられる。

 上田氏は、(1)行った治療がデータベース化されているか(死亡率、術後合併症など治療の質を評価する指標が蓄積されているか、(2)少なくとも重篤な合併症が生じた場合には、病院全体として症例検討会を開催して評価するだけでなく、診療所の問題点が広く共有されているか――などと問いかけ、「医療従事者の認識と『報告する組織風土』が問われている」と語った。

 米ハーバード大学経営学者、Michael E. Porterの言葉も引用、「医師は自分がどのチームに属するか、あるいはかかわるかを理解し、それがチームとして機能するようにしなければいけない」「外科においては、医療の価値は、外科医だけではなく、麻酔科医や放射線科医、看護師、熟練した技師などによっても左右される」と述べ、医師個人や病院には組織として取り組む姿勢が求められるとしたほか、「真の実績評価を可能にする唯一の存在である学会が、患者にとっての医療の評価を改善するプロセスを主導しない限り、学会は自らの役割を果たしていないことになる」と指摘し、症例データベース構築などの取り組みを期待した。

 肝臓内視鏡外科研究会では、2015年10月から前向きに全症例登録制度を開始した。2016年6月までの実績では、死亡率(部分切除、外側区域切除、亜区域切除、区域切除、葉切除)は、術後30日以内0.14%、90日以内0.27%、適応拡大した術式(亜区域切除、区域切除、葉切除)の死亡率は、術後30日以内0.92%、90日以内1.83%などのデータをまとめている。「質」に関する指標を設定、測定する仕組みの構築により、手術適応が厳格になることもあり、手術成績の向上が期待できるという。

 「○○科の患者さんではなく、病院の患者さんと考える必要がある」。講演の随所で、医療事故を組織の問題として捉え、チームとして対応する必要性を説く上田氏。最後は前述のように米ハーバード大学のDr.Lucian Leapeの言葉を引用し講演を締めくくった。

 「エラーを防止する上で、唯一で最大の障害は、『私たちはミスをしたという理由で人々を罰する』ということである」



https://www.m3.com/news/iryoishin/474875
シリーズ: 『「50歳以上ドクター」の悩みと未来』
勤務先への満足度、年齢とともに上昇?◆Vol.5
U35世代より勤務先への不満少なめ

医師調査 2016年11月20日 (日) 高橋直純(m3.com編集部)

Q ご自身の勤務先の環境に満足していますか。
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 勤務先の環境への満足度では、全体で「大いに満足」が4%、「満足」が31%、「普通」が50%となった。開業医と勤務医では大きな違いはなかったが、今年5月に掲載したU35世代と比べると、「普通以上」はU35世代では70%で、85%だった50歳以上の世代の方が勤務先への不満が少ない傾向が見て取れた。



https://www.m3.com/news/general/478512
現役並み所得の高齢者、医療負担の上限引き上げ
2016年11月20日 (日) 読売新聞

 政府が2017年度からの実施を検討している社会保障制度の見直し案が分かった。

 一定の所得がある高齢者の医療と現役世代の介護保険の負担を増やすことが柱だ。具体的には、現役世代並みの所得(年収約370万円以上)のある70歳以上の医療費の自己負担上限額を引き上げるほか、大企業の会社員らの介護保険料を引き上げる。高齢化で膨らむ社会保障費の抑制を目指す。

 医療分野では、毎月の医療費の自己負担に上限を設けている「高額療養費制度」について、現状では、原則として所得にかかわらず69歳以下より低い上限となっているが、現役世代並みの所得があれば引き上げる。対象の所得層は約160万人と見込まれている。



http://economic.jp/?p=68423
医療機関の8割で導入予算・運用予算が1000万未満 医療分野のICT化に課題
2016年11月20日 19:25 エコノミックニュース

エス・エム・エスが病床数20床以上の医療機関に勤務する事務長(108人)を対象に「第4回 医療関連ICT実態調査アンケート」を実施した

 エス・エム・エスが病床数20床以上の医療機関に勤務する事務長(108人)を対象に「第4回 医療関連ICT実態調査アンケート」を実施した。同社によれば、医療関連ICTシステム導入・検討状況の調査では、「医事会計」「自院ホームページ」「画像管理」「栄養・給食管理」で半数以上が導入済みとなっていたほか、新規導入を検討しているシステムとして、「電子カルテ」「オーダリング」「看護業務支援」が上位となった。特に電子カルテに関しては導入検討率が導入率を上回っており導入意欲が高いことが明らかになった。導入済み、新規導入検討システムとして割合が低かったものには、「在宅医療連携支援」「眼科」など、そもそもサービス提供を実施していない医療機関の割合が高いものや、それ以外のものでは「手術管理支援」「経営管理」「透析管理」「物品物流管理」といったものがあり、ICT化へのニーズの低い分野が明らかになった。「地域医療連携支援」に関しては、導入済みの割合は低かったものの新規導入を検討している医療機関が導入率を上回る10.2%あり、地域包括ケアシステムの実現に向けて今後力を入れる必要性を感じている医療機関が出てきていることがうかがえる。

 医療関連ICTシステムの導入・運用予算については、年間の導入予算・運用予算ともに約8割が1000万円未満との結果となっており、こうした予算の制限から、最低限必要なシステム以外での普及が進みにくい構造となっていることがわかる。こうした導入・運用コストの負担から医療のICT化の推進が進んでおらず、クラウドを活用した低廉なモデルの普及が求められている。しかし、クラウドサービスに関してはセキュリテー面・安定性での課題があるほか、カスタマイズにより異なるシステム同士の情報連携面で不安があるようだ。無料のクラウドサービスを導入する可能性については、「検討の余地あり」との回答が電子カルテで92%、地域連携支援で97%、栄養・給食管理で94%と高い導入意欲を示す一方、実際の導入で求める要件として、電子カルテで「安定性」「セキュリテーの堅固さ」「スムーズなデータ移行」「導入済みの他システムとの連携」が、栄養・給食管理で「セキュリテーの堅固さ」「院内他システムとの連携」が挙がっている。また、どちらに関しても「実績」が求められており、先駆的にシステムを導入して成果を出す医療機関の事例増加が、システム普及のためのポイントとなりそうだ。(編集担当:久保田雄城)


  1. 2016/11/21(月) 05:39:54|
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