Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

10月30日 

https://www.m3.com/research/polls/result/157?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD161030&dcf_doctor=true&mc.l=186729792
意識調査
結果「医師の処方権 vs薬剤師の調剤権」

カテゴリ: 医療 回答期間: 2016年10月19日 (水)~25日 (火) 回答済み人数: 2246人

 10月19日の中医協総会で議論になったのが、医師の処方権と薬剤師の調剤権の在り方。健康保険組合連合会理事の幸野庄司氏が、「薬剤師の調剤権を医師の処方権の間に格差があることを問題視し、同等に近づけるため、2018年度診療報酬改定の重点課題とする」旨を、この10月の日本薬剤師会の学術大会で講演したのがきっかけ。
  この発言を問題視したのが、日本医師会副会長の中川俊男氏。今回は薬の処方と調剤をめぐり、医師と薬剤師の皆様にお聞きします。

【調査結果】医師と薬剤師、意識の違いが鮮明に(2016年10月30日掲載)

  「後発医薬品への変更可」から「後発医薬品への変更不可」と、処方せんの欄が変更されるなど、診療報酬改定の度に、後発医薬品の利用促進が進められています。

  「変更不可」の欄をなくすべきとの意見もありますが、Q1の通り、勤務医と開業医を問わず、医師の7割以上は「必要」と回答。一方、薬剤師は6割が「不要」と回答。

  「処方せんは一般名処方」を原則とすべきか否かを尋ねたQ2では、開業医の63%、勤務医でも48%が「原則とすべきでない」と答えた一方、薬剤師は74%が「原則とすべき」。

 高齢患者の増加に伴い、複数の医療機関を受診、結果的に服薬管理が徹底されず、重複投薬あるいは残薬が問題になることがあります。保険薬局で残薬を確認した場合、どう確認すべきかを質問したところ、医師と薬剤師の間だけでなく、医師の間でも勤務医と開業医の間ではやや意見の相違が見られる結果となりました。「医師に疑義照会して対応」と回答したのは、開業医52%、勤務医36%、薬剤師18%です。ただ、「場合による」との回答も約3割を占め、「疾患あるいは薬の種類によっては調節可」と考える医師が、少なくないことが分かります。

 最後にお聞きしたのが、「リフィル処方せん」の是非。2018年度診療報酬改定に向けた議題の一つになりそうですが、「認めるべき」「どちらかと言えば認めるべき」の合計は、薬剤師の71%。これに対し、勤務医は48%、開業医ではさらに少なく23%にとどまります。

 m3.com医療維新で、自由意見に寄せられた結果をご紹介します。

Q1 処方せんの「後発医薬品への変更不可」の欄、必要?不要?
10301_2016103106150886e.jpg
開業医 : 446人 / 勤務医 : 981人 / 薬剤師 : 819人
※2016年10月25日 (火)時点の結果

Q2 「処方せんは一般名処方」を原則とすべき?
10302_20161031061506a4c.jpg
開業医 : 446人 / 勤務医 : 981人 / 薬剤師 : 819人
※2016年10月25日 (火)時点の結果

Q3 保険薬局にて「患者の残薬」を確認、どう対応すべき?
10303_20161031061505bdc.jpg
開業医 : 446人 / 勤務医 : 981人 / 薬剤師 : 819人
※2016年10月25日 (火)時点の結果

Q4 病状が安定した患者の「リフィル処方せん」(繰り返し同じ処方せんを用いること)、認めるべき?
10304_20161031061503785.jpg
開業医 : 446人 / 勤務医 : 981人 / 薬剤師 : 819人
※2016年10月25日 (火)時点の結果

Q5その他、「医師の処方権」や「薬剤師の調剤権」、医薬分業についてご意見があれば、ご自由にお書きください。
 (次項)



https://www.m3.com/news/iryoishin/471485?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD161030&dcf_doctor=true&mc.l=186729793
シリーズ: m3.com意識調査
後発薬処方で「適応外」、その責任は?
「医師の処方権 vs薬剤師の調剤権」◆自由意見1

レポート 2016年10月30日 (日)配信橋本佳子(m3.com編集長)

Q:その他、「医師の処方権」や「薬剤師の調剤権」、医薬分業についてご意見があれば、ご自由にお書きください。

【後発医薬品への「変更不可」の欄】

◆勤務医
・薬剤師の調剤権を認め、先発品など特定の薬剤を医師が指定できないならば、それによって引き起こり得る患者の不利益(副作用や効果が薄いなど)も、薬剤師が責任を取って診るようにする。「何かあったら医師に相談」のCMは迷惑。
・後発薬品への変更は、薬剤師の権限でもよいが、責任を持つべき。
・ジェネリック推進により、既に医師の処方権は侵害されている。後発品可とした場合は薬局の判断で変更されている。薬局で納入された差益の高いジェネリックの使用で副作用があった場合に、誰が責任を取るのかが問題である(どうせ医師ですが……)。調剤料が不当に院外薬局で高いのが納得できない。

◆開業医
・当院院内ですが、漢方と滅多に出ない薬は処方せんです。不整脈、降圧剤も先発とジェネリクの違いは明白です。AG(オーソライズド・ジェネリック)を増やすべきだと思います。患者さんを診察しないで投薬を決める、それくらいなら全部OTCにした方がすっきりする。全部自己責任。調子の悪い人だけ、医療機関を受診。
・後発品全てが先発品と同等の適応症を取得しているわけではない現状で、「適応外処方」となった場合の責任は誰が取る?

◆薬剤師
・門前薬局で務めているものです。後発品に関しては、後発品の特徴を捉えて処方しているドクターは、経験上、皮膚科、眼科ぐらいだと思います。あとは実際問題、メーカーとの付き合い等が原因で「変更不可」を打っていると思います。大病院でもいまだ一般名が普及していないところもあり、変更不可を打たれると、時間帯によっては手配できず、その日のうちに患者さんに薬を渡せません。そういう病院の処方を受けると、変更不可にどう見ても意味が見いだせない時には、本当に患者さんの事考えているのか?と思ってしまいます。実際、どうしても在庫が直ぐに手配できず、「変更不可」が打ってある処方せんでも、ダメもとで疑義照会をかけると、あっさりOKが出ることもままあります。
・先発品に変更不可のチェックを入れる医師が多く、その理由も記載されない。特に乳児医療費用不要の処方薬が非常に多い。先発品希望ならば、後発品との差額を支払わせるべきと考える。
・後発品加算の足切りがどんどん上がり、薬剤師として後発品変更にいくら努力しても、処方箋欄の『変更不可』で何もできなくなってしまうという薬剤師の調剤権の弱さ……。日本は薬剤師の社会的な立ち位置も含め、弱すぎるのではないかなあと感じます。
・先発医薬品で「後発医薬品への変更不可」はまだいいが、後発医薬品の銘柄指定で変更不可はやめてほしい。よほど重要な理由があるならいいが、疑義照会するとあっさり変更できたりすると、病院と製薬メーカーの癒着ではないかと感じる。
・薬に関しては、医師が先発、後発、銘柄を決めるのではなく、全て薬剤師が患者と応対し、決めていく姿が本来の医薬分業である。
・後発品などの概念をやめて、先発品の特許が切れれば全て薬価の半額などと決めれば、後発品への変更における処方権や調剤権など議論しなくてもよいのでは?義務化して加算を止めれば、さらに医療費の節約になると思う。
・現時点では、後発品により消化管吸収性が異なることは明らかであり、患者治療を優先するのであれば、患者に合った医薬品を処方すべきである。ただ、漫然と処方している医師が多いことも事実ではあるが、患者のカルテを見ずに判断するほど、薬剤師の力量はない。

【一般名処方】

◆勤務医
・医師が薬剤を名指しできない制度は、医師は患者の治療に対し責任を負う義務があるにもかかわらず、患者の治療に最後まで責任を持つ権能を持たないことを意味し、権利・義務の対称性が保たれておらず、破綻していることは明らかです。自分にとって変えたい部分だけ主張し、その変更に伴う周りへのしわ寄せに一切の注意を払わず、図々しくもこのような破綻している制度を提起するという行動は全く了解不能です。
・一般名処方の場合に、先発品とジェネリック品で副作用の頻度に差があるとされております。その場合には薬剤の副作用の責任の所在がどこになるのか、よく分かりません。医薬品副作用救済機構においてどのように規定されているのかもよく分からないので、製品名で処方するのが責任の所在確認としては一番いいような気がします。

◆開業医
・患者の病状を鑑みて処方薬を指定して処方することは、医師の義務であり、また権利でもあります。調剤の段階で、薬剤師が勝手に他のジェネリックに変更することは、医師の処方権の侵害とも考えられます。日常診療で、ジェネリックで先発品とは異なる現象が起きることは度々経験しています。薬剤を一般名で処方して、どの薬剤が調剤薬局で処方されているかを医師が了解していないことは、恐ろしい現象とも感じています。

◆薬剤師
・一般名の薬剤に相当する、規格違いや合剤への変更も、疑義照会なしに変更できれば、患者さんとどのように薬を使うか?という話ができるようになると思います。そうすれば、もう少し患者さんが薬剤師との対話に意味が持てるようになるのではと思います。処方通りに薬を用意し、説明してくれるだけと思っている患者さんは多いと思います。でも、値段や飲む錠数の節約などができれば、医療費抑制や、コンプライアンス向上に役立つかと。大きい規格があるにも関わらず、小さい規格を何錠も処方するドクターもいますし。
・後発品への変更を行う場合、同一成分でも医薬品ごとに適応病名が異なるため、医師への確認が必要となる事例が生じる。処方せんに病名を書き、医薬品は一般名で処方し、適応病名が統一されればよいと考える。処方せんでは、医師の意図が全て読めるわけではい。しかし、ポリファーマシー、残薬を考えれば調剤権はもう少し力を持ってよいと考える。



https://www.m3.com/news/iryoishin/471486?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD161030&dcf_doctor=true&mc.l=186729794
シリーズ: m3.com意識調査
「残薬管理、疑義照会が前提」「リフィル処方、責任は?」
「医師の処方権 vs薬剤師の調剤権」◆自由意見2

レポート 2016年10月30日 (日)配信橋本佳子(m3.com編集長)

Q:その他、「医師の処方権」や「薬剤師の調剤権」、医薬分業についてご意見があれば、ご自由にお書きください。

【疑義照会】

◆勤務医
・残薬確認に関して、「医師に疑義照会せず、薬剤師の判断で対応」とするのは、わざわざフェールセーフのためのダブルチェックを行わないという意見であり、医薬分業の趣旨を没却するもの。医療の質向上という最終目的を唾棄する態度に、強く人格を疑う。リフィル処方せんについても、同様。
・調剤はあくまでも処方せんに基づいて行われるべきもので、処方せんを超えた判断は許されるべきで無い。多剤服用が問題視されているが、薬剤師からのフィードバックが心もとない現状を整理すべき。調剤権云々ではなく、調剤料に見合った医師への情報提供・疑義照会をしっかりしてもらいたい。
・診断、処方を決めるのは医師の義務であり、権限です。調剤薬局が、患者の健康を無視して、勝手に薬剤を変えるのは、許せません。

◆開業医
・知らないところで勝手に残薬処理をされ、医療機関の特定疾患処方管理加算(65点)が減算される事例が出ている。医療機関に非はないのに、理不尽な査定が堂々とまかり通っている。中医協や日医はもっと声を上げるべき。
・患者の責任において服用中断してよい薬剤と、キチンと服用していることを前提に次の治療戦略につなげていく薬剤がある。また、薬局から突然疑義照会されても対応できない(他患者治療中、勤務時間外、カルテが手元にないetc.)。疑義照会の医科対価はどう請求する?
・処方ミスを防ぐ意味で、薬剤師からの疑義照会は積極的に受諾するべきだと思っており、実際役立つ場面も多々あり、助かっている。経済性追求も大事だが、安全性が第一。

◆薬剤師
・例えば、処方せんでアムロジン2.5mg2錠を朝食後に服用支持がある場合、ジェネリックならアムロジン錠5mg1錠に変更可能なのに、先発品では5mg錠にできない。この場合は現在の規則では、医師の疑義照会が必要な理由が分からない。価格的にも2.5mgを2錠出すより、5㎎1錠出す方が患者さんのメリット(価格、服用数の減少)も大きい。
・先日、容態の安定している患者様に処方日数を伸ばしてほしいと言われたので、医師へ疑義照会したところ、自分の処方に口を挟むなと言われました。容態も、安定していて血圧の薬1剤のみの患者様だったので、こんな患者様の場合、薬剤師の判断で、日数調整など行えたら、医療費も安くなるのではと、思いました。どちらにしても、日頃から疑義照会をして、いろいろな場面で薬剤師が医師をヘルプしていることは、事実だと認めてほしいですね。
・残薬は診療上の問題です。しかし、患者さんは服用していないことを伝えられえないのです。薬局からの問い合わせへの回答を待たずに、調整後の報告だけで済ませたい。医師との力関係があり、根本的には強制分業による解決しかないです。
・残薬があり疑義照会するが、医師の方でそのままでと指示がある。余っているから疑義照会している。削除、日数の変更は薬剤師の調剤権として認めてほしい。当然、病院、医師に対し、事後報告を必要とする。それによって患者を待たせなくて済み、患者も安心する。医師に話にくいと言う患者は多い。そのまま調剤を指示する医師は医療費削減を意識しているのか……。

【リフィル処方】

◆勤務医
・リフィル処方せんは、本当に患者の病状が安定しているのかの判断の責任の所在を誰がするのかはっきりさせてほしい。「患者の病状の安定している」ことの判断の責任を薬剤師、もしくは患者が自己責任で負うことであれば認めてもいいが。
・「リフィル処方せん」はいざ問題が生じた際にどこに責任が行くかが不明です。患者が望んでいたとしても、問題が起こったときは、患者は非を認めませんし、強いもの叩きの風潮のある近年の日本では病院か医師に責任を向けられてしまうので、病院や医師の自己防衛の面からは認めるべきではない、となってしまいます。

◆開業医
・病状が安定しているか否かは医師が責任を持って判断すべきであり、リフィルでもし問題が起これば薬剤師が責任を負えるのか疑問であろう。
・リフィル処方せんの「病状が安定した」は誰が判断するのですか。薬剤師が「診断」して、一見元気そうなら「安定した」ですか?もし病状が悪化したのを見逃していたなら、その責任をどうやって取るのですか?!
・漫然投薬の温床。他人への譲渡の危険。治療診断戦略を乱す。リフィル可能な薬剤と不可の薬剤を指定する?仮にそうしてもリフィル可能な薬剤だけで構成される処方せんは少ないのでは?結局、受診しないといけない。投与量・服用量等の医師処方せんの過誤チェック、併用禁忌薬のチェック、アレルギー歴の管理、複数医療機関からの重複投与チェック、服薬コンプライアンス等の患者指導etc。これだけでも「かかりつけ薬剤師」の仕事は大変なのでは?返戻、譲渡・転売、漫然投薬、重大疾患の治療機会の喪失などの責任全てを薬剤師が被っていただける?

◆薬剤師
・リフィルに関しては、現場で結構無診察処方に出くわすことを思うと、なぜ反対するのかが、もはや意味不明です。大学病院でも横行していますから。でも、仮にOKになったとして、運用方法もかなり厳しいかと思います。お金稼ぎたいドクターは、無診察処方を続けると思うので。
・慢性疾患において、「今日は薬だけなの」というケースが多々見られることから、結局ほかの体調不良等の訴えがなければ、漫然とDO処方を繰り返されているケースが多く、医師側もリフィルを強く否定できるだけの言い分はないと思う。
・薬剤の選択権はある程度薬剤師にゆだねるべきだと思う。リフィル処方せんは症状が安定していると判断するのは誰なのか?金儲けに一生懸命な門前の薬剤師のレベルにあまりにも差がありすぎて、任せられない感がある。リフィル処方せん導入後の患者の症状の変化に対して薬剤師が責任を持てるなら導入しても良いと思う。
・薬剤師の能力はまだリフィル処方せんに耐え得るところまで行っていない。かなり限定した薬剤師の資格にする必要があると思う。



http://president.jp/articles/-/20483
連載 命を紡ぐ 現場の声
9割が延命治療を拒否!平穏死をかなえる「リビング・ウィル」

長尾 和宏
一般財団法人日本尊厳死協会・副理事長 長尾和宏 取材・構成=田中響子
ライフ 2016.10.30  PRESIDENT Online

いまや、自分の死に方すら、自らが望むようにはいかない時代になっています。日本尊厳死協会の副理事長を務める医師の長尾和宏先生に、「自分の望む最期を実現する」方法をお伺いしました。

延命治療が行われる背景とは
「91.1%」――、この数字はNHKの朝の情報番組内で紹介された、日本人が「延命治療を行わないでほしい」と希望する割合です。これだけの数の人が延命治療を避けたいと願っているのに、その願いがかなって自分の希望通りの方法で死を迎えることができるのは、わずか数%しかいません。とても残念ですが、これが今の日本の現実です。

希望と現実がこのように大きく乖離する理由はいくつかありますが、そのひとつに親子間での死生観の違いがあります。

戦争経験がある80~90代はいくつかの死を見てある程度の覚悟ができている人が多く、延命治療を望む人は少数です。一方、戦後生まれの平和で豊かな時代に生きてきた子の世代は、死を見る機会が少なく、老いのために親が衰弱していく現実を受容できないケースをよく経験します。

老衰が進行し死が徐々に近づくに従い、食べる量も減っていきますが、これは動物の宿命です。しかし実際に親がそうなると混乱する子ども世代が多く、どれだけ親が延命治療を望んでいなくても胃に穴をあけて人工的に栄養を流し込む胃ろうを選択される人が少なくありません。しかしながら、もし栄養を入れすぎると、徐々に最期に向かって省エネモードになっている体に無理な負荷をかけることがあります。

医療者は、相反する親子の思いの間に挟まれ何度も話し合いますが、最終的には延命治療を施さざるを得ない場合があります。そうしなければ訴訟問題に繋がることもあるからです。老衰への延命治療には疑問を感じている現場の医師が少なからずいますし、医療者側も決して金目当てで延命治療をするわけではないのですが……。

また「延命治療=緩和医療をしない」でもありません。人は誰でも痛みを和らげる緩和医療を受ける権利を有していて、医療者はそれに応える義務があります。

尊厳死、安楽死、平穏死の違い
尊厳死と安楽死という2つの言葉がありますが、この2つの言葉はしばしば誤解・混同されます。尊厳死とは「不治かつ末期の状態になったときに延命処置は行わないが、痛みをとめる緩和医療はしっかり受けて、人間としての尊厳を保ちながら安らかな死を迎えること」で、安楽死は「まだ終末期ではなくても、本人の希望を受けて薬剤で死なせること」です。自然な死を見守るのか、意図的に死期を早めるのかの違いですが、誤った報道をしばしば目にします。欧米ではよく安楽死のニュースが出ますが、日本では安楽死は認められていません。

最近は、平穏死という言葉がよく出てきます。これは『「平穏死」のすすめ』を書かれた石飛幸三先生(「延命治療をしないで穏やかに人生を終える『平穏死のすすめ』」http://president.jp/articles/-/18599)が提唱する造語で、自然死、尊厳死とほぼ同義語です。平穏死の方が尊厳死よりより親しみやすい言葉だと思うので、私も「平穏死」を使っています。

リビングウィル(LW)の表明の仕方
自分が望まない延命治療を受けないためには、元気なうちに「リビング・ウィル(LW、尊厳死の宣言)」を書いておくことが大切です。LWとは「いのちの遺言書」とも呼ばれ、延命処置お断りという意思表示をする文書です。ちなみに、LWとエンディンングノートと遺書は別のものです。エンディングノートは遺産処理やお墓など死の周辺の希望を記しておくもので、遺書は亡くなった後のことですで、死んで初めて効力が発生します。LWは、死ぬまでのこと、つまり死ぬまでに自分が受ける医療について記した文書です。たとえ生きていても、もはや意思表示ができなくなる場合もあるので、そうしたケースを想定して書かれるものと考えてください。

一般財団法人・日本尊厳死協会は、LWの啓発・普及と保管を行う市民団体です。1976年に発足し、今年で40年目になりました。全国に約12万人の会員がいます。私は現在、協会の副理事長および関西支部長を拝命しています。

協会では2000円でLWを表明する会員になります。会員は万が一に備えてお財布やバッグなどに常にLWカードを持ち歩いています。LWに興味のある方は、協会に問い合わせください。

LWは元気で意思表示できるときに表明してください。もし認知症が進行して判断が難しくなったりすると表明できなくなりますので、できるだけ早めに作成することをお勧めしています。具体的には協会が用意した尊厳死の宣言書に署名・捺印するだけで簡単です。協会ではLWの原本を保管しており、LW表明についての問い合わせにも対応します。ご家族や身近な人にLWのコピーを配っておくこともお勧めします。もし気が変われば、LWはいつでも撤回できます。

アメリカでは国民の41%がLWを書いています。一方、日本は約12万人ですから、人口のわずか0.1%程度にすぎません。残念ながら日本ではいまだ死はタブーで、LWを書いて最期の医療を自己決定するという文化が成熟していません。しかし高齢化は今後ますます進みますし、医療も発達しているので、LWの意義が高まっていくでしょう。現場の医療者もLWがあるととても助かります。

長尾和宏(ながお・かずひろ)
医療法人社団裕和会理事長、長尾クリニック院長
東京医科大学卒業後、大阪大学第二内科に入局。95年兵庫県尼崎市で開業。複数医師による365日無休の外来診療と24時間体制での在宅医療に従事。メデイアでの発信が多い。「平穏死・10の条件」(ブックマン社)、『病院でも家でも満足して大往生する101のコツ』(朝日新聞出版)、『病気の9割は歩くだけで治る』(山と渓谷社)など著書多数。
日本尊厳死協会 電話 03-3818-6563 http://www.songe--nshi-kyokai.com



https://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20161030_8
北上の横川目診療所、廃止へ 31日、最後の診療
(2016/10/30) 岩手日報

 北上市和賀地区の横川目診療所が31日の診療を最後に廃止になる。同地区に二つしかない診療所の一つが廃止され、地域の利用者は約10キロ離れた江釣子地区への通院を余儀なくされる。高齢化が進む地域の住民は「通院を我慢する人が増える」などと懸念し、市に医療体制の維持を求める。

 市や同市の医療法人社団「敬和会」(金沢重俊理事長)によると、同診療所は1988年、国保診療所として開所した。2006年3月、医師の体調不良などで廃止。敬和会が翌月、市の依頼で施設を借り受け開設した。

 移行後、週3日午前診療を続けた後、10年から週2日になり、今年9月下旬から医師の高齢化などで週1回になっていた。当初1カ月約300人いた通院患者は現在約100人だった。

 敬和会は、存続策を検討したが、体制の維持が困難と判断し市に9月末報告。「急な休診は患者に迷惑をかけるためけじめをつけた。クリニックや他病院の紹介、訪問診療などで対応したい」と説明する。



http://www.asahi.com/articles/ASJBY7FQ2JBYUBQU00C.html
残薬減らし医療費削減を 舞鶴薬剤師会
福家司
2016年10月30日06時00分 朝日新聞

 京都府の舞鶴薬剤師会(木戸勝之会長)は、飲まれずに自宅などに眠っている薬を有効利用しようと、「ブラウンバッグ事業」を始めた。医療費の節約と患者負担の軽減につなげるのがねらい。府内初の試みで、12月まで実施する。

4月から始まる「かかりつけ薬剤師」 上手に使うコツ
 慢性疾患の薬を中心に、薬が正しく飲まれずに大量に残されているケースがある。舞鶴薬剤師会は、こうした薬を市内の37カ所の薬局に持ってきてほしいと、市民に呼びかけている。

 受け取った薬局は、処方した医療機関に連絡。薬が有効期間内であれば、次回は残っていた分の薬を処方しないよう医療機関に求めることで、処方量を減らすことを目指す。

 薬を持参する時に使ってもらおうと、薬剤師会は不織布の「ブラウンバッグ」を2千枚作った。舞鶴薬剤師会の桐村昌典副会長は、①継続して同じ薬を飲んでいる ②複数の医療機関から多くの薬を処方されてい る③介護を受けている、といった患者は特に残薬が多いと予想。こうした患者に「事業の効果が期待される」と話した。

 事業は、厚生労働省の「患者のための薬局ビジョン推進事業」として、府薬剤師会から舞鶴薬剤師会へ委託し、地元医師会や公的3病院などの協力で実施する。

 問い合わせはヘイワ薬局(0773・77・1078)。



http://mainichi.jp/articles/20161030/ddm/016/040/019000c
ドクター元ちゃん・がんになる
院外でゆったり本音を=金沢赤十字病院副院長・西村元一

毎日新聞2016年10月30日 東京朝刊

 10月10日、英国で生まれたがん患者のための相談施設「マギーズ・キャンサー・ケアリング・センター(マギーズセンター)」の一つとして、東京・豊洲(東京都江東区)に「マギーズ東京」がオープンしました。日本初のマギーズセンターです。

 マギーズセンターは病院の建物の外にあるため気軽に訪れることができ、患者や家族に居心地の良い空間を提供するのみならず、患者に寄り添いながらさまざまな状況で必要な意思決定を支援するなど、既存の医療機関にある「がん相談支援センター」や、患者同士が集まる「がんサロン」などとは異なる新たな患者支援の形になると期待されています。

 私がその存在を知ったのは2010年です。初めは「同じような施設が金沢にあったらいいな」と、あこがれる程度でした。しかし、この連載でも取り上げているように、医療者とがん患者、その家族との間のコミュニケーションの難しさを強く感じることが増え、病院の外、つまり生活の中に医療者と患者、家族との交流の場があり、医療者も白衣を脱いで参加して「本音」で対話ができれば、医療者と患者、家族、住民のズレを小さくできるのではないかと考え始めました。

 私は10年、金沢の仲間たちとともに「がんとむきあう会」を設立し、がんと向き合いながらも病人ではなく、その人らしくいることができる場作りを目指す活動に取り組んでいます。その仲間たちと「金沢一日マギーの日」と名付けたイベントを企画し、医療者と患者、家族が交流できる機会を毎年作ってきました。

 15年3月、自分自身ががん患者となりました。そして、他の患者の皆さんと話してみると、そのような「場」の必要性をさらに痛感することになりました。私の病状が落ち着いた15年12月からは毎月2~3回、仲間が所有する金沢市内の町家の一部を借り、「金沢マギー」を定期的に開催しています。

 金沢マギーには、毎回10人あまりの患者、家族が集まり、さまざまな悩みなどを話します。そこでよく出る訴えに「がん患者がゆっくりと安心して話したり、話を聞いてもらえたりする場所がない」があります。最近は病院で開く「がんサロン」が各地に広がっていますが、やはり「病院の中」という環境のため「圧迫感」があり、自由な話はしにくいようです。

 街中にもいろいろなサロンのようなものがあります。しかし、多くはがん以外の病気や生活の悩みにも対応しているため、「がんの悩みについて、どれくらい分かってもらえるか不安で、あまり自分のことは話せない」という人がいます。患者会も増えていますが、「医療者が同席していない中で話していると、患者同士の一方的な意見が多くなって心配になる」という声を聞きます。

 そこで、私たちはより積極的な取り組みを計画することにしました。=次回は11月27日掲載

 ■人物略歴
にしむら・げんいち
 1958年金沢市生まれ。83年金沢大医学部卒。金沢大病院などを経て、2008年金沢赤十字病院第一外科部長、09年から現職を兼務。13年から、がん患者や医療者が集うグループ「がんとむきあう会」代表。



http://www.igaku-shoin.co.jp/paperDetail.do?id=PA03197_05
短期集中連載[全3回]
オバマケアは米国の医療に何をもたらしたのか?
■第2回 オバマケアの「デザイン」

津川 友介(米国ハーバード公衆衛生大学院(医療政策管理学)リサーチアソシエイト)
週刊医学界新聞  第3197号 2016年10月31日

(前回からつづく)

 政策が目的とする成果を達成するためには,科学的根拠に基づいた政策(Evidence-based policy)を「デザイン」することが必要不可欠である。臨床医学が病態生理とエビデンスを組み合わせるEBM(科学的根拠に基づく医療)を通じて患者の健康を最大化するように,医療政策学では理論(主に医療経済学の理論)とエビデンスを融合させること(図)で医療の質の向上や,医療費抑制をめざす。昔はデータが少なく医療政策学のエビデンスも乏しかったため,実務者の経験を基に政策をデザインするのが現実的であったのかもしれない。しかし,現在では理論もエビデンスも十分に存在するため,欧米では科学的根拠に基づいた政策のデザインがスタンダードとなっている。

図 EBMと科学的根拠に基づく政策(筆者作成)
10305_20161031061502b91.jpg

オバマケアの「デザイン」における研究者の役割

 オバマケアによって米国は皆保険制度を達成した。もちろん制度設計上は,全ての国民を公的医療保険へ強制加入させることが最も簡単な方法であった。しかしそれでは既存の民間医療保険会社を廃業に追い込んでしまうことになるため,オバマ大統領は民間医療保険の市場に規制をかけつつ皆保険をめざす共存の道を選んだ。そのためには医療経済学の理論やエビデンスを基にした綿密にデザインされた制度が必要であった。そこでオバマ大統領は第一線で研究を続けている医療経済学者や医療政策学者にその「設計図」を描くよう依頼した。

 保健福祉省長官(日本の厚労大臣に相当する)のシンクタンクとも呼ばれるASPE(office of the Assistant Secretary for Planning and Evaluation;註)には,ハーバード大のリチャード・フランク(医療経済学者)やアーノルド・エプスタイン(医療政策学者)が政治任用の高官として勤務し,この他にも多くの医療経済学者・医療政策学者がオバマケアの設計にかかわった。ASPEでは常勤の研究者が毎日のようにデータ解析と政策評価を行っている。つまりオバマケアは,米国の最高の学者たちによる理論とエビデンスの結晶を,オバマ大統領をはじめとした政治家や官僚が実現した法律だととらえることができる。

医療経済学の知見がどのようにデザインに生かされたのか?

 オバマケア最大の挑戦は,国が保険加入を強制することなく皆保険制度を達成することであった。医療経済学の知見から,障壁となるのは「逆選択」と「リスク選択」という2つの「選択」であることが知られていた。よってオバマケアはさまざまな手段によりこの2つの選択を抑制しようとした。

1)逆選択
 医療保険に加入することによって得をするのは,病気になるリスクが高く,高額な医療サービスを使う人である。逆に健康でほとんど病院に行かない人にとっては,医療保険の還付額よりも保険料の方が高くついてしまう。一般的に不健康な人ほど,保険料が高いものの還付も手厚い医療保険に加入する傾向があり,この現象を「逆選択(Adverse selection)」と呼ぶ。

 医療保険は健康な人と病気の人を共にカバーして,病気の人の治療コストを皆で広く浅く負担することで初めて成り立つ。医療保険に入るかどうかを個人の自由にすると,健康な人は医療保険に加入しなくなり,加入者は病気を持っている人ばかりになる。そして医療費を使う人の割合が増えれば,保険制度を維持するためには保険料を上げざるを得なくなる。

 保険料が上昇すると,医療保険の加入者の中で比較的健康な人たちが,使っている医療サービスの量と比べて保険料が高すぎるということで翌年から保険に加入しなくなってしまう。医療保険の加入者に占める重症な病気を持った人の割合は年を経るごとに増え,保険料は徐々に高くなっていく。最終的には保険料が高くなりすぎて保険会社が提供できるプランがなくなり,医療保険の市場自体が消滅する。

 このように,逆選択によって市場自体が成り立たなくなってしまうことをハーバード大の医療経済学者デイビッド・カトラーは「逆選択の死の循環(Adverse selection death spiral)」と名付けた。この現象は1990年代半ばにハーバード大の職員向けの医療保険で実際に認められた1)。

 オバマケアはさまざまな手段を用いて逆選択が起こらないようにした。個人に対しては個人加入義務(Individual mandate)を課し,医療保険を買うだけの収入があるにもかかわらず加入しなかった場合には税金が高くなるようにした。米国では連邦政府の権力の範囲は憲法によって規定されているため,民間企業から医療保険を購入することを国が国民に強制することはできない。しかし国には課税徴税権があるため,医療保険を購入しない人へのペナルティーを罰金ではなく税金であると解釈することで,個人加入義務は合憲であると最高裁は判断した2)。

 個人だけではなく雇用者にも皆保険制度を達成するために責任を課した。50人以上の従業員がいる企業にはその従業員に医療保険を提供する義務〔雇用者に従業員への保険提供の義務(Employer mandate)〕が生じることとなり,医療保険を提供しないと雇用者に罰金が発生するようになった。

2)リスク選択
 医療保険会社は,保険料と使われた医療サービスに対する還付額の差額で利益を得る。よって,保険会社はできるだけ健康上のリスクが低く,利益になる顧客にしか保険プランを売らないようにしようとする。このように利益になる健康な顧客だけをいいとこ取りすることを「リスク選択(Risk selection)」と呼ぶ。

 そのため,オバマケア導入前は医療保険には厳しい加入審査(Medical underwriting)があった。この審査結果によって基礎疾患のある人や健康状態が悪い人には高額な保険料が設定され,場合によっては加入拒否されることもあった。オバマケアによって加入審査は禁止され,全ての人が健康状態にかかわらず保険に加入できるようになった〔保険発行保証(Guaranteed issue)〕。

 たとえ保険に加入できるようになっても,保険会社が自由に保険料を設定できれば,不健康な人の保険料を高額にして事実上加入させないようにできる。これを防ぐ目的で,オバマケアは地域料率方式(Modified community rating)という保険料の算定方法を導入した。これにより,保険会社は保険料を決めるにあたりその地域のリスクを考慮することはできるものの,個々人の健康リスクに応じて保険料を変えることが禁止された。

 さらには,高齢者の加入を妨げることがないように,高齢者の保険料を若年者の保険料の3倍以内に抑えることが義務付けられた。オバマケアが唯一許したのが喫煙による差別化である。喫煙者には保険料を50%までであれば高くしてもよいとされた。

 こんなに規制を加えたら保険会社が倒産してしまうのではないかと思う読者もいるかもしれない。それを防ぐ仕組みもある。それらは頭文字をとって3 Rと呼ばれる。

・リスク補正(Risk adjustment)
健康な加入者の多い医療保険プラン(低リスクプラン)から,不健康な加入者の多いプラン(高リスクプラン)へ保険料の再分配を行う。年齢,性別,基礎疾患などが計算式に含まれる。この仕組みは恒久的になる予定。

・再保険制度(Reinsurance)
高額な医療費がかかる加入者がいると拠出基金(Contribution funds)から保険会社に対して補助金が出る。オバマケア導入によって急激に保険料が上昇することを防ぐ目的で,2014~2016年の期間限定で導入。

・リスク回廊プログラム(Risk corridor)
医療保険プランの利益や損失が一定の範囲に収まるように国が調整する。2014~2016年の期間限定で導入。

 この3 Rは保険会社間で勝ち組と負け組を作らないような制度設計となっている。加入者はどの保険プランにも自由に入れるようになった代わりに,保険プラン間で保険料の再分配が行われるため,保険会社は健康な人をえり好みする必要性が少なくなる。オバマケアは,民間医療保険をうまく生かしながら,規制を介して日本のような社会保険制度に近いシステムの達成をめざす制度であるととらえることもできる。

 オバマケアが医療経済学の知見を取り入れ,いかに2つの「選択」に対処したかを説明した。オバマケアは既存の市場を破壊することなく皆保険制度を達成しようとしているため,極めて複雑な制度になっている。先進国ではすでに何らかのインフラが存在している場合が多く,ゼロから作り上げることができることはまれである。例えば,英国のように医療費を税金で全てカバーし,全ての病院を国営にするような大改革を日本で行うのは現実的ではない。そういった点で,米国のように既存の市場や制度を生かし,医療経済学の理論やエビデンスを取り入れて巧みにコントロールする「次世代型の医療改革」は,日本にとっても示唆に富むものなのではないだろうか。

(つづく)

註:ASPEは保健福祉省長官の政策立案のアドバイザーであり,医療政策の調整,法整備,戦略的計画の立案,政策研究,政策評価,経済分析を担当する(公式ウェブサイトより)。

◆参考文献
1)Cutler DM, et al. Paying for health insurance:The trade-off between competition and adverse selection. The Quarterly Journal of Economics. 1998;113(2):433-66.
2)N Engl J Med. 2012[PMID:22809363]



http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10101/371689
大町町立病院、民営化を検討
経営移譲打診受ける

2016年10月30日 09時46分 佐賀新聞

 杵島郡大町町の水川一哉町長は28日、町立病院の民営化を検討していることを明らかにした。町民への説明会で新武雄病院(武雄市)から経営移譲の打診があっていることなどを伝えた。参加者からは町立での存続を求める声が上がった。

 「町立病院が来年3月で閉鎖される」などの話が広がり、町が同日夜、町公民館で説明の場を設けた。約250人が集まった。

 水川町長は建物が築後40年で耐用年数を超え、耐震基準を満たしていないことを説明、「建て替えが課題だが町財政を考えると困難」とした。患者数は1日平均外来数が2007年度の180人から15年度は92人に減り、病床利用率も現在は64・6%で、ピーク時から20ポイント以上落ち込んでいるため「本年度は8千万円の赤字」と見通しを示し、「病床削減など国の方針も考えると数年で廃院も視野に入る」とした。

 民営化について「廃院を避けるため診療所を残して有償譲渡することで複数の医療機関と協議している」とした。新武雄病院には内科、眼科、整形外科のある診療所開設を求めていることや、別の病院と指定管理運営の話もしたが、建て替えが必要で厳しいことなども説明した。

 出席者からは「入院施設がなくなるのは問題」「民間は利益が出ないと撤退する」「性急な話。時間をかけて検討すべき」などの意見が出た。水川町長は「まだ話を聞いている段階。条件などさらに詳しいことが分かってくればあらためて説明したい」と話した。

G3註:大町町立病院 一般病床60床 15対1
10306_201610310615244d1.jpg


  1. 2016/10/31(月) 06:21:19|
  2. 未分類
  3. | コメント:0

10月29日 

https://www.m3.com/news/general/472088
レーザー手術やけど、腸内ガスに着火か 東京医大調査委
2016年10月29日 (土) 毎日新聞社

 東京医科大学病院(東京都新宿区)で4月、手術中の女性患者が大やけどを負った火災で、同病院は28日、患者の腸内ガスがレーザー手術器の照射により着火し、手術用の布(ドレープ)に燃え移ったことが原因だった可能性が高いとする外部調査委員会の報告書を公表した。

 火災は今年4月15日、同病院の手術室で、産科・婦人科の医師がレーザー手術器を使って女性患者の手術を行っていた際に発生した。ドレープに火が付き、患者は腕や足などに大やけどを負った。

 報告書によると、レーザー手術器は正常に作動し、異常加熱や漏電など誤作動は確認されなかった。また手術前の準備などにも問題はみつからなかった。

 こうしたことを踏まえ、報告書は、腸内ガスが何らかの原因でレーザー照射により着火し、ドレープが燃えた可能性が高いとしている。報告書は、過去に同様の事故がないことなどを理由にこうした原因について「可能性の域を脱することができない」とも述べた。

 そのうえで報告書は、安全対策を講じるとともに、他の医療機関などに周知することを病院に求めた。病院の担当者は毎日新聞の取材に「今後も患者の治療などについて誠意を持って対応していく」としている。

 警視庁新宿署は医師から事情を聴くなど火災の原因を調べている。【神保圭作】



https://www.m3.com/news/general/472108
横浜入院患者連続殺人、大口病院に13項目指導 来月18日まで、市に改善報告書
2016年10月29日 (土) 毎日新聞社/神奈川

 横浜市神奈川区の大口病院で入院患者2人が中毒死した事件に関連し、横浜市は28日、事件後の臨時立ち入り検査で院内の問題点が明らかになったとして、13項目について行政指導して改善を促した。病院は11月18日までに改善報告書を提出する。

 市が改善を促したのは、入館時だけでなく、退館時も記録をとり、面会証を導入する▽ナースステーションが無人とならないように看護師の増員を検討する――など13項目。職場でのトラブルなどによる職員の心理的な負担を測る検査の導入も促した。病院を巡って、事件前に院内のトラブルを知らせるメールが市に寄せられていた。

 医療法に基づいて改善を求めた項目は、院内感染を疑ったときは感染対策委員会を開き、議事録を残す▽カルテを紛失したときは患者の家族に説明する――など三つだった。

 一方、7月から9月20日に4階の病棟で48人が亡くなった点の検証は「医療法に基づいて確認ができない」として断念した。

 市は年に1度、市内の病院に定期的な立ち入り検査をするが、事件を受けて大口病院に今月11日に臨時立ち入り検査を実施した。院長、看護部長ら幹部に事件後の安全管理体制についてヒアリング。点滴や消毒液を施錠して保管▽防犯カメラの設置▽警備員の増強――などの取り組みの説明を受けた。

 大口病院は今月21日に初診を除いた外来の診療を再開。入院の受け入れは行っていないという。【水戸健一】



https://www.m3.com/news/general/472107
筋弛緩剤紛失、茨城・古河の病院で50ミリグラム、3人分の致死量
2016年10月29日 (土) 毎日新聞社

 茨城県古河市の友愛記念病院は28日夜、医薬品医療機器法(旧薬事法)で毒薬に指定されている筋弛緩(しかん)剤「エスラックス」50ミリグラムが院内から紛失したと発表した。大人3人分の致死量に当たるといい、盗難の恐れもあることから警察や保健所に紛失を届けるとしている。

 同病院によると、紛失したエスラックスは薬品用保冷庫に入れていた。最後に確認された28日午前9時20分ごろから、紛失に気づいた午後0時20分ごろまでの約3時間の間に持ち出された可能性があるという。同病院は茨城県民生活協同組合が運営。県の地域がん診療連携拠点病院の指定を受けている。【鈴木加代子】



http://www.sankei.com/life/news/161030/lif1610300015-n1.html
オプジーボ、250以上値下げを検討 日本は薬価見直しせず高止まり 厚労省
2016.10.30 05:00 産経ニュース

 高額ながん治療薬「オプジーボ」について、厚生労働省が海外の価格を参考にするルールを応用し、現状より250以上の薬価引き下げを検討していることが29日、分かった。

 厚労省は5日、予想を大きく上回って売れた薬の価格を見直す現行ルールを特例的に用い、最大で25%引き下げることを厚労相の諮問機関、中央社会保険医療協議会(中医協)に提案。しかし、塩崎恭久厚労相は6日の参院予算委員会で、日本では100ミリグラム約73万円のオプジーボが欧米では半値以下と答弁。14日に開かれた経済財政諮問会議では民間議員らが50%以上の引き下げを求めた。

 こうした要望に応えるため、厚労省は引き下げ幅を最大25%から25%以上とすることで調整。11月9日に開催予定の中医協の専門部会に提案する。平成30年に予定される次回の薬価改定を待たず、来春にも特例的な大幅値下げが実施されそうだ。

 小野薬品工業(大阪)が販売するオプジーボの価格は、日本では100ミリグラム約73万円で、体重60キロの肺がんの患者が1年間使うと年3500万円かかる。全国の医師らで構成する全国保険医団体連合会(保団連)は9月6日、会見でオプジーボが米国で約30万円、英国で約15万円であるとの試算を発表。日本の価格はあまりに高額で、緊急に値下げするよう要望した。

 医療保険で使える薬の価格「薬価」は、厚生労働相の諮問機関「中央社会保険医療協議会(中医協)」が了承して決まる。しかし、中医協に提出される薬価原案を作る会議は非公開で、どのような議論があったかは不明。保団連は「途方もない薬価を算定した」と厚労省を厳しく非難した。

 オプジーボの価格はなぜ日本で突出して高いのか。厚労省によると、欧米で販売されている薬に値段をつける際は欧米での価格を参考にするが、オプジーボは日本で最初に“値付け”が行われた。その際に「途方もない薬価」がついた理由は2つある。

 1つは、オプジーボがこれまでにない働きを持つ新薬だったことだ。画期的な薬と評価され、評価が値段に反映された。

 もう1つは、オプジーボが患者が年470人と想定される「悪性黒色腫(メラノーマ)」という市場規模の小さいがんに対して最初に承認されたことだ。オプジーボには似た薬がなく、薬を使うことが想定される患者数で材料費や開発にかかった費用を割る方法で値段が付けられた。

 しかし、その後に数万人の患者がいる肺がんに適応が拡大。現行制度は適応拡大による薬価見直しを行わないため、高い価格で据え置かれているのだ。

 ただ、薬価は日本より安いといっても、海外では日本と同じように使えるわけではない。欧米でオプジーボを販売する米製薬企業ブリストル・マイヤーズスクイブによると、英国では悪性黒色腫には公的な医療保険が適用されるが、肺がんではまだ使えない。公的保険の適用に費用対効果が厳しく判断されるからだ。

 小野薬品の担当者は「日本の価格が高いのは事実だが、米国では製薬企業が薬価を決めるなど各国で制度が違い単純比較は難しい。民族の体格差もあり100ミリグラムの価格差と実際に患者に投与される平均的な価格差は異なる」と話す。

 中医協では平成30年に予定される次回の薬価改定を待たず、来春にも特例的な引き下げを行う方向で議論が進む。だが、そもそも日本発の革新的新薬の開発は安倍政権の成長戦略のひとつ。現行ルールにない特例による引き下げには、「企業の開発意欲をそぐ」(製薬企業幹部)、「日本の薬価制度への信頼を低下させる」(米製薬団体幹部)との批判も上がっている。(道丸摩耶)



http://mainichi.jp/articles/20161030/ddm/001/040/067000c
ストーリー
産科医たちの挑戦(その1) すべての子に家庭を

毎日新聞2016年10月30日 東京朝刊

 白い肌着に包まれた赤ちゃんをそっと両腕に抱くと、父親になる男性(40)の顔がほころんだ。「かわいい。こっち見てるよ」。母親になる妻(45)は、思わず目頭を押さえた。

 埼玉県熊谷市の産婦人科医院「さめじまボンディングクリニック」。柔らかな朝の日差しに照らされた病室で、約3週間前に生まれた赤ちゃんの「バースデーセレモニー」が開かれた。ある女性が出産後、「どうしても育てられない」と養子にすることを決め、この日、養親になる夫婦に託された。4年間の不妊治療でも子を授からなかった夫婦にとって待望の赤ちゃん。約10人の職員が立ち会い、新しい家族の誕生を祝った。

 目を真っ赤にした助産師が、この場にいない生みの母を代弁するように「この子の幸せを祈っています」と頭を下げた。望まない妊娠で初めは自暴自棄だった女性とおなかの赤ちゃんを職員は数カ月間支えてきた。「ハッピーバースデートゥーユー」の歌声が響く中、赤ちゃんは新しい母の胸に体をぴったり付け、その顔をじっと見つめていた。

 「この子は、あなたたちのところへ行きたいという気持ちがどの赤ちゃんよりも強かったから、ここにたどり着いたと思います」。鮫島浩二院長(64)が語り掛けると、新しい父は「この子のすべてを受け入れます」と応えた。家庭裁判所に申し立て、半年以上の試験養育で特別養子縁組が認められれば、戸籍上「実子」と同じになる。

 特別養子縁組は、親元で暮らせない原則6歳未満の子どもに安定した養育環境を与えるための制度だ。院内に事務局がある「あんしん母と子の産婦人科連絡協議会」は、全国22の医療機関が妊婦のSOSに即応して心と体をケアし、虐待予防の観点などから必要であれば、選択肢の一つとして無償で縁組をあっせんする。

 あっせんの多くは児童相談所やNPO法人などが手掛けており、病院・診療所の連合体は異色だ。

 生まれてくるすべての赤ちゃんに家庭を--。使命感に突き動かされる産婦人科医たちの挑戦を追った。<取材・文 黒田阿紗子>



http://mainichi.jp/articles/20161030/ddm/010/040/064000c
ストーリー
産科医たちの挑戦(その2止) 二つの命に寄り添う

毎日新聞2016年10月30日 東京朝刊

 ◆「望まぬ妊娠」母子のはざまで
「縁組」広がる連携


 猛暑で知られる埼玉県熊谷市の郊外に、洋館のような診療所がある。2006年に開院し、年間約1000件のお産を扱う「さめじまボンディングクリニック」。ボンディングは英語で「絆づくり」を意味し、患者は親しみを込めて「さめボン」と呼んでいる。

 1階の職員通用口の前に、院内の案内図には書かれていない病室が二つ。望まない妊娠をした女性などのために用意された部屋だ。ある年の瀬、ここに20代の女性が入った。

 「貯金、所持金がない臨月の妊婦です。一度も病院に行っていません」

 院内に事務局を置く「あんしん母と子の産婦人科連絡協議会」(あんさん協)へのメールがきっかけだった。妊婦が県内にいることを知った鮫島浩二院長(64)は「お金のことは何とかなるから。とにかく来て」と電話で伝え、職員が最寄り駅まで迎えに行った。「育てられない」と言葉少なに話す女性に、鮫島院長はゆっくりと言って聞かせた。

 「それでも何とかしないといけないと思ったから、連絡をくれたんですよね。私たちはあなたを支えますから、血のつながった唯一の母親であるあなたが、おなかの子をちゃんと愛して、産んであげてください。養子にするかは、それからのことです」

 子宮口が少し開いており、そのまま入院した。昼になっても頭から布団をかぶった女性を、助産師と看護師は近くの荒川の土手へ連れ出した。住まいは勤めていた風俗店の寮。子どもの父親は誰か分からない。父子家庭で育ち家族とは疎遠。散歩をしながら女性は少しずつ話し始めた。初日の出を病院の屋上で迎えたり、新生児室で授乳を体験したりするうちに、笑顔も見せるようになった。

 年明けに出産。女性は「育てたい」と言った。児童相談所や保健師、生活保護の担当者、暴力団の介入を案じて警察も交じり、支援策を話し合った。乳児院に預け、自立してから迎えに行く道もある。だが、女性は泣きやまない赤ちゃんを「殴ってしまいそう」とも口にした。2週間悩み続け、「養子」を選んだ。

 あんさん協には月10~20件の相談がある。中高生や性犯罪の被害者もおり、大半は中絶できる21週を過ぎている。鮫島院長の妻で事務局長のかをるさん(59)は、知られることを恐れ、来院しないケースを一番心配する。「自宅で一人で産もうとするのは本当に危険。逆子や、胎盤の位置の問題などは健康診断をしないと分かりません。病院なら助かる命を失い、最悪の場合、殺人や保護責任者遺棄致死の罪に問われることもあるんです」

 特別養子縁組制度の歴史は比較的浅く、1988年に始まった。当時、鮫島院長は東京都内の総合病院の若手勤務医。知人に「赤ちゃんを養子に迎えるのを手伝って」と頼まれ、出産した高校生の意思を確認した上で知人に引き渡し、家庭裁判所に意見書を出した。戸惑いつつも「産婦人科医はこんなこともできるのか」と少し驚いた。「中絶を望む人たちと、不妊外来に一生懸命通う人たち。このギャップと、縁組につながりを感じたんです。そういう人たちと接する産婦人科医だからこそ、やる意味が大きい」

 親元で暮らせない子の多くは、当時も今も乳児院や児童養護施設に預けられる。だが、鮫島院長は大学時代のボランティアの経験などで、施設での養育に違和感を持っていた。「人に無関心の子と、妙になれなれしい子の差が極端。いろんな面で問題が出やすいのではないか」。幼い時に主な養育者が定まらない環境で育つと、人との距離感が不安定になる「愛着障害」だ。大人になっても対人関係に苦労する傾向があるといわれる。

 「施設より家庭で」との思いから、遠方まで出かけ、かをるさんとともに特別養子縁組の相談に対応した。06年に開院してからは職員総出で母子や養親を支援した。手伝った縁組が50件を超えた頃、一診療所での対応に限界を感じた。

 産婦人科の開業医がサービスの向上を目指す「HIS研究会」に加わったのは08年。創設者の一人が、出産の取り扱いが全国一多い熊本市の福田病院の福田稠(しげる)理事長(70)だ。研究会に参加するうち、鮫島院長は「意識が高い一流の病院ばかり。手を組めば多くの人を助けられる」と直感した。虐待死の背景に望まない妊娠があることを訴え、「一緒にやりましょう」と口説いて回った。

 ただ、医師が単独で動くにはネックがあった。縁組の相談員として、国は社会福祉士か児童福祉司が最低2人関わるよう定めていた。「鮫島先生に心動かされた」という日本医師会の今村定臣(さだおみ)常任理事(68)は国への働き掛けに協力。12年4月、医師、助産師、看護師らを有資格者に加える通知改正にこぎつけた。医療機関が関与しやすくなる環境が整った。

 同年6月、さめボンで開かれた研究会。鮫島院長は壇上から福田理事長を指名した。「特別養子縁組のあっせんに、まず熊本の福田病院こそ加わるべきでしょう」

 「熊本の」という言葉に意味があった。同市には、07年に慈恵病院が設置した新生児を匿名で預かる「こうのとりのゆりかご」(通称・赤ちゃんポスト)がある。これも親が育てられない子を助ける取り組みだが、残念ながら0歳児の虐待死の減少には至っていない。

 慈恵病院の蓮田太二理事長(80)とは、幼い頃に家庭教師をしてもらった間柄という福田理事長は「蓮田先生が善意で動かれたことをよく知っています。ゆりかごができたことで、私も新生児の虐待死に問題意識を持ちました」と話す。ただ、ゆりかごは「最終手段」。運営を見ながら「預けなくて済むように、何かできることはないか」と考え始めていた。「その気持ちを鮫島先生は突いてきた。やられた、と思いましたよ」

 その頃、ある民間あっせん事業者が養親に数百万円の手数料を求めていたことを問題視する報道が相次いでいた。鮫島院長は会のメーリングリストで、信頼される仕組み作りを呼びかけた。「他人に相談できず妊娠生活を過ごし、わらにもすがる思いでやってきた二つの命を守るのは我々の責務です。トコトン逃げないで、二つの命を守ることに挑みましょう」。各地の医師が次々と手を挙げた。

 13年9月、HIS研究会の3分の2の20施設で「あんさん協」は発足した。現在は16道府県22施設に増え、このうち福田病院、さめボン、田中病院(山口県周南市)、神野レディスクリニック(滋賀県彦根市)、森産科婦人科病院(北海道旭川市)の5施設が特別養子縁組のあっせん事業者として届け出ている。

 あんさん協が選ぶ養親は、自治体に里親登録をした45歳以下。健診と2回の面接、家庭訪問で審査する。埼玉県社会福祉士会推薦の有資格者が最終面接に同席し、元児童相談所長ら外部識者にサポートしてもらう独自の仕組みも作った。

 選ばれた養親は、分娩(ぶんべん)台で赤ちゃんと対面するところから始める2泊3日の教育入院で、もく浴や授乳の仕方を教わる。こうして新たな家庭を得た赤ちゃんは3年間で43人。長期ケアした妊婦は110人に上る。

 特別養子縁組は、国内で年間500件ほど成立している。しかし、養子にせざるを得ない状況とは何か、養親になる条件は何か、明確な基準はない。あんさん協のように外部の目を入れ、全国に拠点を持って連携する仕組みは例がなく、多くは児童相談所と民間が、それぞれに生みの母から相談を受け、養親を見つけているのが実情だ。鮫島院長は「特別養子縁組は本来、国がやるべきこと」と思っている。

 「すべての都道府県に支援の拠点病院をつくり、国と連携する体制ができれば、あんさん協はなくなっていい」
養親に託す「ごめんね」

 さめボンでは、子どもを養子に出した女性に手のひらほどのクマのぬいぐるみを贈る。目を閉じ、手を合わせる姿は、別れた母子の幸せを祈るようにも見える。子どもの代わりにクマを連れ帰った生みの母は、今どうしているのだろう。

 「いろいろです」。看護師長の長嶺悦子さん(49)は複雑な表情を浮かべた。「夢ができて進学した人や、定期的に近況を伝えてくれる人がいる一方、音信が途絶えた人、望まない妊娠を繰り返した人もいます」。最近、よく顔を出す人がいると聞き、紹介していただいた。

 埼玉県内に住む女性(26)は、あんさん協ができる前の10年春に女の子を出産し、養子にした。3年前に結婚して、今は2歳の男の子の母親になっていた。

 「うちの子、超かわいいよ。見る?」。院内の一室でスマートフォンの写真を見せながら、ふと、親指が止まった。生まれたばかりの赤ちゃんの写真が4枚。「これはね、1人目の子」。機種変更をしても必ず手元に保存している。

 中学生の時に母が病死し、父から虐待を受けた。高校を中退し、家に帰らず勤め先のキャバクラの事務所で雑魚寝した。妊娠したのは19歳の時。周りに「太った」と言われ、たまたま受診したのがさめボンだった。生理不順と思い込んでいたが、妊娠9カ月。別れた交際相手は後に既婚者と知った。「育てたいけど仕事もなくて、生活が無理。未成年だから部屋も借りられない」。切迫流産で入院し、出産の4日後、養子にすると決めた。

 退院後は、アルバイトをかけ持ちした。「働いている時は他のことを考えなくてよかった」から。居酒屋チェーンの店長を任されるまでになった。「もう一度、ここから始めたい」と2人目もさめボンで出産した。

 養子と決めた時の心境を聞くと、女性の声色が変わった。

 「心から納得していたかと言われると、そうじゃない。そんな単純じゃない。でも、やっぱり仕方がなかった。会いに行きたい、通りすがりの人としてでいいからって、今も衝動に駆られる」

 子どもが望まない限り会わないのが、あんさん協のルール。ただ、裁判資料を見れば、養親の住所は分かる。「それでも、会いに行ってないの?」と問いかけると、黙ってうなずいた。「あの子、育ての親と時々ここに来てるんだよね。スタッフと話してると、仲良くやってるって分かる。私だけじゃなくて、あの子のことを思ってくれる親がいる。それって、すごく幸せだと思うから」

 担当だった助産師とは、今もメールをやり取りする。話題はもっぱら育児。「かわいいけど、一日中2人でいるのはすごいストレス。でも、あの子のママもこんなに大変だったんだろうな、育ててくれてありがたいなって分かるようになった。あの時のことがあったからこそ、絶対にこの子は私が守らなきゃって思う」

 あの子は来年、小学生になる。別れの時、さめボンを介して養親に「いつか子どもに読ませて」と手紙を託した。

 この手紙を読んでる時はいくつになっているのかな。ママは、あなたをけっしてすてたりはしてないよ。あなたの幸せを考えての答えだったの。

 ママがあなたをうんだ時はまだ19歳なんだよ。結婚もしてないし仕事もしてない。未熟だった。大人になったあなたが私の事をどう思うかはわかりません。でも、私のおなかをえらんできて、私をママにさせてくれてありがとう。そして一緒に大人になれなくて、生活できなくてごめんなさい。

 わかれる時、私はすごく泣いた。何度も何度もあなたにごめんねとくりかえした。

 私の子どもにうまれてくれて、ありがとうございました。

 私は、この原稿を書いていて悩んだ。「望まない妊娠」という表現だ。おなかの子に配慮し「予期せぬ妊娠」と書きかえることもある。でも、それでは妊婦の抱える困難が伝わらない気がする。

 子どもを託された養親たちは昨年、自助グループ「星の子の会」を作った。会長の早川岳人さん(47)は「いつか、子どもが出自を詳しく知りたいと言ったら『鮫島先生の所に行きなさい』と言うつもりです」と話す。

 その日のために、事務局には支援した子どもの名前を記した分厚いファイルが、ずらりと並んでいる。つらい境遇の中でも出産まで一つの命を守り抜いた母親の手記や、医師、助産師、看護師たちによる克明な記録--。たとえ、きっかけが「望まない妊娠」であっても、たくさんの人たちに望まれて生まれてきたことを示す、確かな証明だと思う。

 ◆今回のストーリーの取材は
黒田阿紗子(くろだ・あさこ)(東京医療福祉部)
 2006年入社。新潟支局を経て東京本社社会部で警視庁や厚生労働省などを担当し、今年4月に新設された医療福祉部に配属された。子どもの養育や貧困の問題を取材する。2歳児の母。



http://mainichi.jp/articles/20161029/ddl/k25/010/605000c
東近江市
薬の重複処方に注意して 高齢者にリスト試験送付 全国に先駆け /滋賀

毎日新聞2016年10月29日 地方版

 複数の医療機関で類似の薬を重複して処方されている人に注意喚起しようと、東近江市は国民健康保険に加入する一部の高齢者に処方薬のリストを送る試みを始めた。対象は今年6月の1カ月間に複数の医療機関で受診し、6種類以上の薬を処方された60~74歳の1152人。27日、受診した医療機関と薬局名、外来診療で処方された全ての薬のリストを送付した。健康被害を防ぐ適正な服薬を促し、市の医療費負担も軽減する狙いだ。

 リストには薬の名前、服用量などが一覧表示され、成分が似ている薬には欄外に「○」印を付けて分かりやすいよう工夫した。同封の説明書で、リストを基に医師や薬剤師に薬の内容を照会することを推奨し、飲み合わせが悪い薬の服用も防止できるとしている。入院中と歯科から処方された薬は除外した。

 市が負担する医療費は、今年7月のC型肝炎の新薬認可や、薬価上昇などの影響で増加傾向にある。保険年金課によると、リスト送付は全国初の本格運用に向けての試み。受診者と医師、薬剤師が情報を共有し適正な処方を行えば医療費の3割削減も可能という。

 今回の効果を検証し改善点などを整理した上で、年内には75歳以上の後期高齢者を対象に試行し、来春には今回の対象者に2回目のリスト送付をしたいという。小椋正清市長は「多くの薬を服用する危険性に気付くきっかけになれば」と話している。【金子裕次郎】

対象者に送られた薬のリストの見本。成分が似ている薬には表の右に「○」印が付けられている
1029_20161030061436d1a.jpg



http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201610/20161029_23048.html
<損害賠償訴訟>弘前大病院側が請求棄却求める
2016年10月29日土曜日 河北新報

 弘前大医学部付属病院でがん治療を受けていた女性=当時(63)=が死亡したのは、医師が腎機能障害について注意義務を怠ったためだとして、青森市の遺族らが弘前大に慰謝料など約5890万円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が28日、青森地裁であり、病院側は請求の棄却を求めた。理由は追って明らかにするとしている。

 訴えによると、女性は2009年7月から、放射線や抗がん剤治療のために同病院を受診。10年4月の検査で右の腎臓に水腎症などが見つかり、12年12月中旬の検査でがんはなくなったとされたが、同27日に自宅で容体が急変し、13年1月に死亡した。腎機能に関する検査は12年8月に実施されて以降、亡くなる直前までなかった。



http://www.excite.co.jp/News/market/20161029/Moneyzine_214628.html
医療施設、病床数は減少も施設数は増加 国民医療費も増加を続け、家計を圧迫
MONEYzine 2016年10月29日 14時00分 (2016年10月30日 05時30分 更新)

 医療費の増加が懸念される中、病床数は減少しているものの医療施設は増加。国民所得に占める医療費の比率も11.200に上昇した。

 厚生労働省は9月26日、医療施設動態調査(平成28年7月末概数)の結果を発表した。医療施設動態調査は、病院や診療所などの「医療施設」の分布や整備の実態を明らかにし、医療行政の基礎資料を得る目的で実施されている。

 平成28年7月末の医療施設の総数は17万8,745施設で、10年前の平成18年10月1時点より3,801施設増加した。内訳をみると、病院が8,445施設で同498施設減少、一般診療所が10万1,412施設で同2,803施設増加、歯科診療所が6万8,888施設で同1,496施設増加した。一方、病床数の総数は166万5,629で、同12万1,020減少した。内訳は病院の病床数が156万1,540で同6万5,049減少、一般診療所の病床数が10万4,015で同5万5,883減少、歯科診療所の病床数が74で同88減少した。

 病院や診療所の病床数は、基準病床数制度によって制限を受けている。各都道府県が地域で必要とされる「基準病床数」を全国統一の算定式により算定し、既存の病床数が「基準病床数」を超える地域では、病院の開設や増床を許可しないなどとなっている。そのため、病床数は10年前と比較して大きく減少しているが、医療施設そのものは増加傾向にあるようだ。

 国民医療費も増加している。厚生労働省が9月28日に発表した平成26年度の国民医療費の概況によると、平成26年度の国民医療費は前年度比1.90増の40兆8,071億円、人口1人当たりの国民医療費は前年度比2.00増の32万1,100円となっている。10年前の平成16年度をみると、当時の国民医療費は32兆1,111億円、国民1人当たりの医療費は25万1,500円。また、国民全体が得る所得の総額「国民所得」に占める医療費の比率は、平成26年度が11.200で、平成16年度の8.680から上昇している。

 増加する医療費の抑制を目指して病床数は管理されているものの、医療費の増加傾向は止まらない。家計に占める医療費の割合も年々高まっており、医療費の増加は国の財政だけでなく、家計も圧迫しつつあるようだ。


  1. 2016/10/30(日) 06:17:18|
  2. 未分類
  3. | コメント:0

10月28日 

http://medg.jp/mt/?p=7082
Vol.234 医療ガバナンス学会 (2016年10月28日 06:00)
群馬大学病院事件を防ぐ;新規診療許可制度私案 ~標準から逸脱した医療の早期発見のために~

元亀田総合病院副院長
小松秀樹
2016年10月28日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行  http://medg.jp

 群馬大学病院事件の第三者調査委員会は、結論部分で、以下の課題を提示した。
 「日常診療の中に標準から逸脱した医療が登場した場合、それを早期に発見し、より安全な医療へと是正する自浄的な取り組みをするにはどうすればよいか」
 筆者はこのための一つの手段として、新規診療許可制度を提案する。すべてを解決するのは不可能だが、多少なりとも現状を改善できれば幸いである。

●新規診療許可制度
 新規診療許可制度は、個別病院内で、申請・審査・許可・実施・結果報告を一連の流れとして制度化するものである。うまく機能すれば、新規診療を開始するにあたって、病院管理者は有害事象の総和が大きくなる前に問題を把握できる。より早期に対応することができる。
 文末に新規診療許可制度私案を示した。この制度は、医療として有用だと認定されたものを導入するための制度であり、医療としての有用性を検証するものではない。
 かつて、ある大学病院で下顎骨が短くなった症例に対し、骨延長術を実施したが、まっすぐな延長器を使用したために失敗した。別の病院で、日本で承認されていない弯曲した延長器を輸入して、自由診療として治療し成功した。これは臨床試験ではない。器具が日本で承認されていないだけであって、具体的患者を治療するための診療である。このような事例をできるだけ簡単に審査しようとするのが、新規診療許可制度である。
 診療が正当なものであるかどうかは、審査制度が整っていると判断される他国の保険制度の判断を援用するものとした。日本で保険診療が認められている診療行為について、実施することが適切であるかどうか、いちいち病院で審査しないのと同じである。
 新規診療許可制度では、日本で保険診療として認められているものも、病院で初めての侵襲を伴う医療は新規診療として申請することを求めた。
 この制度は新しい医療に積極的に取り組んでいる病院のためのものである。基本的姿勢は、有用な医療を実施しやすくするために、医師を支援することである。ルール全体を通して、手続きと判断を分かりやすく、簡便にした。見学や研修、指導者を招いたりするのを病院が積極的に支援する。必要な薬剤や器具の輸入を手助けする。新たな診療を導入するのに、病院が支援することで把握しやすくなり、安全性も高まる。
 取り締まりや抑圧のための制度と見なされると、隠される可能性がある。医師からの反発が強くなり、ルールそのものが葬り去られる可能性がある。このため、医師にメリットをもたらすものとした。
 結果報告を初回だけにしたのは、手続きを簡便にするためである。侵襲の小さい診療について、詳細な報告を何度も求める必要はない。実質を伴わない煩雑な報告は反発を招き形骸化する。そもそも、診療の結果に対し、問題がないかチェックするのは、ルールに書く必要のない病院管理者の権限である。大きいリスクが予想される診療行為については、管理者は制度にこだわらず、自身の権限で、成績を注意深くフォローすればよい。管理者は制度に頼らず、常に病院の活動に問題がないか把握しなければならない。

●新規診療許可制度私案

I.目的
 臨床目的として行われる新規診療について、迅速に審査する。臨床研究の適否を審査するものではない。

II.新規診療技術の分類
1. 世界で初めての診療技術
 十分な準備の下、臨床研究として許可を得て実施する。基礎的実験など膨大な準備が必要である。
2. 外国で臨床試験段階の診療技術
 追試の臨床試験として実施する。臨床研究として許可を得て実施する。
3. 外国で実用化されている診療技術
 審査体制の整っている国、西欧あるいは合衆国の公的医療保険の対象となっているものを対象とする。
 国内未承認医療機器・医薬品の使用、あるいは、承認されている医療機器・医薬品の保険適応外使用を含む。
 日本で臨床試験が行われている場合、行われようとしている場合、可能な限り臨床試験に参加させてもらうべく努力する。
 臨床試験に参加することが不可能な場合、あるいは、日本で臨床試験が実施されていない場合、原則として自由診療として実施する。
4. 日本で評価療養として既に認められている診療技術
 評価療養としての実施を目指す。
5. 保険診療に含まれるが、病院として初めての侵襲を伴う診療技術

III.上記内容の1、2については臨床研究審査委員会で審査する。3、4、5については、別に定める規定に従って組織化された新規診療審査チームの審査を経て院長が許可する。

IV.準備と手続き
1.準備
1)必要がある場合、準備のために先行施設で当該技術を見学する。あるいは研修を受ける。
2)資格が設定されている場合、可能なら資格を取る。
3)動物を使った研修があれば研修を受ける。他にも受けられる研修があれば、可能な限り受ける。
4)新規医薬品などでは、研修は必ずしも必要はない。

2.申請と許可
1)以下の内容を簡潔に申請書に記載し、事務局に提出する。
(1)新規診療の内容:診療行為の名称、機器、医薬品の名称、目的、概要、利点、リスク、先行施設での成績。
(2)申請に至るまでの準備状況。(新規医薬品では不要)
(3)指導者の招聘。(新規医薬品では不要)
 エキスパートの招聘が必要かつ可能な場合、病院が、指導者を招聘し、指導者による診療行為も病院の賠償責任保険の対象とする。
(4)指導者を招聘しない場合、その理由を記載する。
(5)患者への説明文書:
 実施前に患者には、新規診療であること、準備状況に加えて、支払い方式(自由診療、評価療養、保険診療)と予想される自己負担金額について説明する。通常のインフォームド・コンセントにおいて、院内ルールで要求されている項目についても説明し、文書で合意を得る。
2)事務局が書類を確認する。新規診療分類3については、事務局で、外国で公的医療保険として実施されているかどうかを示す資料を添えて、新規診療審査チームに回付する。抗がん剤などについては、米国では適応疾患が必ずしも固定されていない。当該国の定評ある三次資料の判断に従う。一次資料を集めて、診療の適否を個別に判断することはしない。

3.許可
 新規診療審査チームが審査の上、院長が許可する。院長は、必要があれば専門家の助言を得る。

4.結果報告
1)初回症例の診療行為実施後、有害事象と治療経過をまとめ事務局、新規診療審査チーム経由で病院長に報告する。
2)報告には招聘した指導者の役割分担、当院職員の役割分担を記載する。
3)今後の方針を記載する。
4)インシデントが発生した場合、通常通り医療安全管理室に報告する。インシデントには生じうる合併症も含める。
5)初回症例だけの報告を求めているが、これは、医師の負担を軽減するためであり、以後の成績をモニターしないということではない。リスクの大きい医療については、公式、非公式にモニターを継続する。

注:日本の医師は批判受容力に乏しいことがあり、モニター制度に対し、ヒステリックな反応をすることがある。また、内科医は手術の実情を知らないまま、善悪の判断をしたがる可能性がある。病院管理者による非公式モニターは、有用であり、反発も少ない。

5.継続と差し止め
 問題があれば、院長が差し止める。

V 個人輸入
 個人輸入が必要な場合には、別に定める規定に従って必要な書類を薬剤部に提出する。



https://www.m3.com/news/iryoishin/471830?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD161028&dcf_doctor=true&mc.l=186363497&eml=3f492a08f1681d66441569ec02c0b51e
シリーズ: 安倍政権の医療制度改革
「保険医の定数設定」なども可能に、国・県の権限強化を
財制審・財政制度分科会、医師偏在対策で提言

2016年10月28日 (金) 橋本佳子(m3.com編集長)

 財務省の財政制度等審議会財政制度分科会は10月27日、「経済・財政再生計画 改革工程表」に盛り込まれた社会保障分野の制度改革案を議論、医師の地域・診療科偏在については、特定地域・診療科での診療従事を医療機関の管理者の要件にしたり、保険医の配置・定数の設定などの規制的・実効的な是正策が講じられるよう、国と都道府県の権限を強化すべきと提言した(資料は、財務省のホームページ)。

 医療機関の管理者要件と絡めた医師の偏在対策は、NPO法人「全世代」がこの10月にまとめた提言にも盛り込まれた内容だ(『「医師不足地域での勤務」、保険医療機関の責任者の条件』を参照)。

 社会保障審議会医療部会をはじめ、厚生労働省の審議会・検討会でも、医師不足問題の中心的議題は、偏在対策(『「医学部定員、2020年度以降も増員」をけん制』などを参照)。本分科会は、2008年度以降、増員してきた医学部定員については、「医師需給の見直しを踏まえた精査・見直しを進めていくべき」と指摘しており、医師不足については、絶対数の問題から、地域・診療科偏在の問題に重点がシフトしている。

 そのほか、本分科会では、病床の機能分化については、(1)地域医療構想の病床機能ごとの定量的な基準を、次期病床機能報告時まで明確化、KPIに沿って進捗管理を行う、(2)地域医療介護総合確保基金の対象は、病床機能の転換等に直接資するものに重点化、(3)民間病院に対して他施設への転換命令を付与できるよう、医療保険上の都道府県の権限を強化――などを提言。介護療養病床については、予定通り2017年度末で廃止することなども求めている。

 医療費の地域差半減に向け、予防などの取り組みの横展開に加え、(1)NDB等で明らかになる医療費の地域差(疾病別、診療行為別)の「見える化」を進め、医療関係者相互や都道府県における検証・検討、(2)都道府県等がその是正を図る際に採り得る手段の整備、(3)地域差是正に取り組んだ都道府県へのインセンティブ措置の導入――なども提言。

 本分科会は、10月4日にも社会保障分野について議論した(『財政審、薬価の期中改定や高齢者の負担増を求める』を参照)。社会保障分野の各論の議論は27日で終え、今後は11月に取りまとめる予定の「建議」に向けた全体の議論を進める。

 生活保護、「頻回受診」是正で医療機関にも指導
 27日の議論では、生活保護受給者についても踏み込み、頻回受診の適正化、後発医薬品の使用促進、高額薬剤を転売目的で入手するなど不正受給への対応を提案。

 頻回受診者については、本人に指導し、それでもなお改善しない場合には、例えば一定の自己負担を求める措置を講じるよう提言。頻回受診者が著しく多い医療機関に対しても、内容を審査し、個別指導を徹底し、医療扶助の適正化を進めるよう求めている。

 後発医薬品については、政府目標と同様に、使用割合を2017年央までに75%とするとともに、80%以上とする時期を2018年度とするよう提言。使用促進のため、医師等が後発医薬品の使用が可能と判断しても、なお先発医薬品を患者が希望する場合は、後発医薬品との差額について一定の自己負担を求める改革案も盛り込んだ。

 分科会の資料では、生活保護受給者の対策を打ち出した背景を分析している。

 頻回受診者とは、「同一傷病について、同一月内に、同一診療科目を15日以上受診している月が、3カ月以上続いている」者。2014年度の場合、頻回受診者は1万5462人、うち指導対象者は3809人、その結果、改善したのは1749人で、改善者数割合は46%と半数に満たなかった。「生活保護受給者は、自己負担がなく医療が受けられることから、患者(生活保護受給者)と医療機関の双方に、モラルハザードが生じやすい」と指摘。

 後発医薬品については、「一般名処方が行われた医薬品で、後発医薬品を調剤しなかった理由」として、「患者の意向」が67.2%を占め、最も多い点を問題視。さらに、後発医薬品の使用割合(数量ベース)が、最も高い沖縄県では77%だが、最も低い和歌山県では54%と開きが大きいという分析も提示している。



https://www.m3.com/news/iryoishin/468077
診療報酬の「経済誘導」は限界 - 迫井正深・厚労省保険局医療課長に聞く◆Vol.3
専門医、かかりつけ医も「枠組み」が先

2016年10月28日 (金) 聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――そのほか今、フレームワークとして見直すべき部分はどこでしょうか。

 診療報酬というより、医療の在り方の話になりますが、在宅医療がそうです。この点も私が(厚労省医政局)地域医療計画課にいた時につくづく感じたことですが、なぜ在宅医療を進めるのか、もう少しひも解いて検討する必要があると思います。

 多くの患者さんにとって、在宅医療が選択肢にない、あるいは在宅で、どんな医療を提供してもらえるのか、どんな点がいいのか、あるいは悪いのかが理解されていない。少しずつ変わってきてはいると思いますが、在宅医療の良さ、あるいは限界を関係者が理解し、進めましょうということ。これは医政(厚労省医政局)がまず担うべき仕事になります。

 その上で、先ほどの地域医療構想の話と似ていますが、在宅医療を患者さんが選び、医療者がそれを提供する際に、きちんと診療報酬が付いてくる形にすることが必要です。

 在宅医療の中でも特に今、対応が必要になっているのは、人生の最終段階を迎える局面についての評価。病院だけでなく、特別養護老人ホーム、あるいは居宅などで、最終段階をどう迎えるのか、それを医療の側がどう支えるのか。これらの場所で、過不足ない医療的なケアが伴わないと、スムーズに最終段階を迎えられません。

 繰り返しになりますが、これらを考える局面に来ている以上、診療報酬で誘導するのではなく、下支えする準備をしておく。在宅医療をどう使うかは、現場の医療機関の判断と国民の選択です。


専門医についても、目指すべき制度の確立が先決であり、診療報酬の議論が先決することはないという。
――ではなぜこれまで診療報酬による「経済誘導」が強調され、それが実施されてきたのでしょうか。医療の在り方を考える切迫性に欠けていたのでしょうか。

 これはよく言われる話で、診療報酬による誘導はよく「効く」、すぐ効果が出るのは確かです。見かけ上、ダイナミックに物事が変わっていく。しかし、近年学んだことがあります。それは、診療報酬で誘導する時には、「お金で動く人」がいることは否定できず、「実態先行」になるとは限らないということ。

――結果的にでき上がった医療提供体制は、在るべき姿ではない可能性もある。

 クオリティーが高く、再現性を持って医療を継続してもらうためには、単に診療報酬を付ければ済む問題ではなく、それらを実現するための人材、スキル、テクノロジー、さらに一番大事なのは志、これらが揃うことが必要。診療報酬で動かし、すぐに効果が出ても、それは長続きしません。特に最近、医療保険財政が厳しいので、診療報酬による誘導の限界が露呈するというか、分かりやすくなってきたのだと思います。

――外来医療についてはいかがでしょうか。制度改正の議論では、「かかりつけ医以外」を受診した場合の定額負担の導入が検討されています。これは患者負担増の問題だけにとどまらず、かかりつけ医の制度化にもつながる議論だと思います。

 かかりつけ医の話は、患者側の視点だけでなく、日本のドクターの生涯モデル、キャリアパスをリアリティーを持って検討する議論にもつながると思います。かかりつけ医の中心的担い手である開業医は、皆、同じではありません。システムを組んで動かす以上は、どんな教育を受けたドクターが、いかなる医療を担っていくかという視点から考える必要があります。

 言うまでもなく、ほとんどの開業医は皆、勤務医経験者です。一定期間の病院勤務の経験があり、病院の近くか、ご自身の地縁のある場所など、場所はさまざまですが、開業される。病院勤務医の経験を前提とした開業医の経験やノウハウを生かす、かかりつけ医の在り方を考えていく必要があると思います。

 これは私の立場の仕事というより、医療界全体で、国民も交えて考えていただきたいこと。その結果、かかりつけ医の役割、医師の養成の仕方などについて、コンセンサスを得ることがまず必要。そのコンセンサスを広く、広報していくことも大切です。

――かかりつけ医といっても、人によってイメージするものが違う。ジェネラルに幅広く診る医師もいれば、専門特化している医師もおられます。その中で、「かかりつけ医」を位置付け、点数化、あるいは負担を変えるのは、制度設計的にも難しいと思います。

 その通りです。ですから、今お話した通り、診療報酬以前の問題として、医療界でまずは議論してコンセンサスを得て、広報するという取り組みをしていただいた上で、診療報酬でそれを裏打ちすることになるのだと思います。

――ただ、診療報酬上では既に、地域包括診療料があります。この点数の考え方は。

 かかりつけ医が持つ機能の全てを評価している点数ではなく、地域で期待されている医師としての基本的な役割に着目して整理した点数です。もちろん、改定の度に進化させていくことが必要で、現場にとってさらに望ましい方向を目指していきます。

――「医師のキャリア」にも言及されましたが、例えば、専門医資格を診療報酬で評価することはあり得るのでしょうか。

 これも診療報酬以前の問題として、今は医師の専門性をどう評価するのか、医師の専門性を高めるためにはどんなトレーニングを積むべきかなどの基盤を整理するという、“生みの苦しみ”の段階にあると思います。専門医制度が一定程度、実用段階にならないと、診療報酬の話にはなりません。診療報酬の議論が下手に先行して、現場を振り回すことはよくありません。

――「専門医とは何か」について、国民のコンセンサスが得られたら、診療報酬でどう評価するかという話になる。

 そうだと思います。



https://www.m3.com/news/general/471822
愛知医科大が釈明、精神保健指定医:「意図的不正ではない」 取り消し
2016年10月28日 (金) 毎日新聞社

精神保健指定医:「意図的不正ではない」 取り消し、愛知医科大が釈明 /愛知

 精神保健指定医の資格不正取得問題で、厚生労働省から指定医ら7人の資格を取り消された愛知医科大(長久手市)は27日、記者会見を行い、「意図的な不正ではなかった」と釈明した。

 問題を巡っては、資格取得に必要な症例リポートを同僚間で使い回していたなどとして、全国の医師89人が資格を取り消された。この中に同大の7人(指定医3人とその指導医4人)が含まれていた。

 同大によると、症例リポートは、一度取り上げられた患者については、他の医師が再び取り上げることは許されていない。しかし同大では2007~11年に同大病院に入院した精神疾患の患者計5人について、3人の医師がそれぞれの症例リポートで重複して取り上げ、指導医4人も承認していたという。

 会見した同大病院の羽生田正行病院長は「3人のリポート間に文章のコピーなどはなく、論文として内容は適切だった。ただ結果的に信頼を失墜させ、おわび申し上げる」と述べた。【月足寛樹】



https://www.m3.com/news/general/471807
「極めて遺憾な事態」 厚労相、指定医大量処分で
2016年10月28日 (金) 共同通信社

 塩崎恭久厚生労働相は28日の記者会見で、精神保健指定医89人が資格を不正取得したなどとして資格取り消し処分を受けた問題について「精神科医療に対する国民の信頼を揺るがす極めて遺憾な事態だ」と述べた。

 塩崎厚労相は、精神障害のある患者の措置入院の要否などを判断する指定医は「個人の尊厳に配慮した精神科医療を提供する上で重要な役割を担う」と強調。

 資格認定の仕組みに関し「診断や治療の経験を確実に審査できる手法の導入など再発防止をしっかりやっていく」との考えを示した。



https://www.m3.com/news/iryoishin/471023
シリーズ: 医師不足への処方せん
医師の働き方ビジョン検討会、「患者の価値中心」が第一
検討のたたき台整理、今年内に中間報告

2016年10月26日 (水) 橋本佳子(m3.com編集長)

 厚生労働省の「新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会」(座長:渋谷健司・東京大学大学院医学系研究科国際保健政策学教室教授)は10月25日、第2回会議を開催、今後の検討のたたき台として、(1)患者の価値中心、(2)キャリアデザインに中立的、(3)生産性と質の向上、(4)経済活力(イノベーション・国際化)への貢献、(5)地域住民の生活を深く支える――という5つのビジョンを提示した。(1)と(5)はオーバーラップするため、実質的に4つのビジョンとして整理される見通し。

 今後、各ビジョンについて議論を深め、2016年内に中間報告、2016年度内に最終報告をそれぞれ取りまとめる方針(資料は、厚労省のホームページ)。

 これらのビジョンには現時点では言及していないが、医師の偏在対策や専門医についても、「検討のスコープから外さない」(厚労省医政局医事課長の武井貞治氏)。

 ビジョン検討会については、社会保障審議会医療部会と、「医療従事者の需給に関する検討会」の「医師需給分科会」が、医師の偏在対策や医師需給に関して議論していることから、その位置付けが曖昧との指摘が出ている(『「医学部定員、2020年度以降も増員」をけん制』を参照)。

 会議後にブリーフィングした武井課長は、ビジョン検討会は、「医師需給分科会」の中間取りまとめを踏まえて発足したものであり、社保審医療部会と「医師需給分科会」は、まず医師の偏在対策について2016年内をめどに議論すると、改めて説明。医師需給については今後、厚生労働科学研究費補助金による研究班で現状等の調査を実施する。2016年度内にまとまる同調査の結果と、ビジョン検討会の最終報告を踏まえて、「医師需給分科会」で将来推計を行う。

 もっとも、医師の偏在対策については、本ビジョン検討会の中間報告、社保審医療部会と「医師需給分科会」の議論は、同時並行的に進むため、「省として、整合性は図っていく」(武井課長)ものの、いまだこれらの関係性については不透明な部分が残る。

 ITによる医師の働き方の変化も視野
 第2回会議で示された5つのビジョンは、10月3日の第1回会議の議論を踏まえたもの。それぞれについて「目指すべき姿」と「課題・イッシュー」を整理している。

 厚労省医政局によると、特徴の一つが、医療提供側ではなく、「患者の価値中心」というビジョンを第一に掲げている点だという。このビジョンの「目指すべき」姿として、(1)患者の複合的なニーズ・多様な価値観に応え、患者の価値を常に維持向上させる能力と、それを育成するキャリアが構築できる、(2)多様な職種、住民とのチームで患者と向き合う、(3)治療に関して、患者・家族の意思決定や意向を尊重し、巻き込むためのコンピテンシーが確保される、(4)疾病予防や重症化予防等のため、患者の意識を高めながら参加を促す――が並ぶ。また「地域住民の生活を深く支える」では、「まちづくり」の視点も盛り込んでいる。

 そのほか、医師の働き方を考える上での医療機関のマネジメントの重要性、医療技術やITの進歩による医師の生産性の向上や働き方の変化などについても、今後の論点になる。



https://www.m3.com/news/iryoishin/471132
シリーズ: 社会保障審議会
「かかりつけ医」以外で「定額負担」、反対多数
医療保険部会、「かかりつけ医」定まらず、制度化無理

2016年10月26日 (水) 橋本佳子(m3.com編集長)

 社会保障審議会医療保険部会(部会長:遠藤久夫・学習院大学経済学部教授)は10月26日の会議で、「かかりつけ医」以外を受診した場合に、定率負担に加え、定額負担を求める医療制度改革案を議論、遠藤座長が「微妙な違いはあったが、積極的な賛同を示した人はいなかった」と総括したように、本部会の結論は「見送り」で落ち着く見通しだ(資料は、厚生労働省のホームページ)。

 本部会は、2015年6月の「骨太の方針2015」、同12月の「経済・財政再生計画 改革工程表」の指摘事項についての議論を一巡、次回以降、再度議論を重ね、2016年末までに結論を得て、法改正を要する改革案は、2017年通常国会に法案提出予定。

 各委員の意見の反対理由として一致したのは、「かかりつけ医」の普及は必要であるものの、そもそも「かかりつけ医」の定義が、現時点では定まっていないため、制度設計自体に無理があるという点だ。「かかりつけ医や家庭医など、さまざまな名称が使われ、定義がはっきりしない中での検討は時期尚早」(連合副事務局長の新谷信幸氏)が代表的な意見だ。

 全国後期高齢者医療広域連合協議会会長(多久市長)の横尾俊彦氏からは、「2次、3次医療を担う医療機関に患者が集中していることが、まず問題だったのではないか。『医療の機能分担を図るために、定額負担を求める』と記載すれば、議論が変わったのではないか」との指摘も上がった。

 健康保険組合連合会副会長の白川修二氏は、「改革工程表」で、「後期高齢者の窓口負担の見直し」が検討項目に挙がっていることに触れ、「今年中ではないが、いずれ議論しなければいけないテーマ。今回の案には反対だが、もっと広く捉えて、定額負担、あるいは保険給付7割の在り方について、議論を進めていくことが必要」と提案した。

 今回の議論は、「骨太の方針2015」で、「かかりつけ医の普及の観点からの診療報酬上の対応や外来時の定額負担について検討」と打ち出されたのがきっかけ。

 2016年度診療報酬改定では、(1)特定機能病院、一般病床500床以上の地域医療支援病院については、定額負担徴収の義務化(初診5000円以上、再診2500円以上)、(2)地域包括診療料・加算の要件の緩和――などを実施。残る課題として、「改革工程表」では、「かかりつけ医」以外受診での定額負担について、「2016年末までに結論」を出すように求めていた。

 「保険給付7割」の原則にも反する
 「かかりつけ医」以外受診での定額負担に、「賛成」との言葉を使ったのは、日本商工会議所社会保障専門委員会委員の藤井隆太氏。しかし、「総合診療専門医との関係なども含めて、かかりつけ医をどう定義するのか」との留保付きだ。定額負担徴収には、かかりつけ医を含めた医療提供体制の整備が必要とした。

 経団連社会保障委員会医療・介護改革部会長の望月篤氏も、「保険財政の健全化の観点から、外来時に定額負担を広く求める」が基本的な考えながら、「かかりつけ医の定義や実務上の可能性を検討した上で、実現可能なら、それも一つの方策」と述べるにとどまった。

 それ以外の委員は、全面的に反対だった。

 連合の新谷氏は、二つの理由から反対。一つは、「保険給付割合は将来にわたり、7割を維持」と定めている2002年の同法等改正法の附則2条に反するという理由だ。もう一つは、前述のように、かかりつけ医、家庭医などさまざまな名称が使われ、定義がはっきりしない中での検討は時期尚早という理由。「地域包括ケアシステムの構築に向けて、かかりつけ医の役割の普及させて行くことは必要だが、誰がそれを担うのか、その合意形成が重要」(新谷氏)。

 日本医師会副会長の松原謙二氏は、保険給付割合を7割としたのは、「それ以上の負担は求めない」という議論の結果であると説明。特定機能病院等の定額負担徴収は、まずかかりつけ医を受診するという、外来の機能分化のほか、大病院の勤務医の外来負担軽減という意味があるとし、今回の定額負担の議論は趣旨が異なり、「筋が非常に悪く、ぜひ考え直してもらいたい」と求めた。

 日本歯科医師会常務理事の遠藤秀樹氏も、保険給付割合の原則に反するという理由のほか、特定機能病院等の定額負担徴収の効果を見た上で、かかりつけ医をどう位置付けるかを検討すべきと述べた。

 一方、保険者の立場の委員も、かかりつけ医の定義が先決との考え。健保連の白川氏は、「疾病ごとにかかりつけ医を複数持っているのが現状であり、皆のかかりつけ医の概念は違う。この制度を導入して、国民の納得が得られるとは思えない」などと述べ反対。

 「かかりつけ医」、イギリスのGP?
 定額負担の議論に関連して、「かかりつけ医とは何か」の検討を求める意見も出た。白川氏は、新専門医制度において、総合診療専門医が基本領域の専門医として誕生する予定であることから、「総合診療専門医が、患者情報を一元管理するような体制にしないといけない。いろいろな疾患に対応できる幅広い知識を持った医師の育成を目指しているので、それを待った方がいいという期待がある」とコメント。

 全国健康保険協会(協会けんぽ)理事長の小林剛氏は、イギリスのGP (General Practitioner)の紹介を、厚労省に求めた。

 東海大学教養学部人間環境学科教授の堀真奈美氏は、複数の委員がイギリスのGPを念頭に置いた発言をしたことから、「かかりつけ医のイメージについて、ある程度、共通理解があるのではないか」と述べ、かかりつけ医を通じてアクセスした場合と、それ以外の方法でアクセスした場合の負担の在り方を議論するよう提案。

 これに対し、松原氏は、十分な専門性を持った医師が開業して、かかりつけ医機能を担っているのが、日本の医療制度であり、イギリスのGP のような、患者と医師が「一対一」という制度を持ってくることは問題であるとした。



https://www.m3.com/news/general/471696
生活保護でも医療費負担 過剰受診抑制へ財務省提言
2016年10月28日 (金) 共同通信社

 財務省は27日の財政制度等審議会分科会で、公費で全額賄う生活保護受給者の医療費に関し、医療機関への過剰受診が続く場合などに一定の自己負担を導入するよう提言した。自治体全体の収支見通しを示す地方財政計画では歳出が恒常的に過大計上されていると分析し、経費の絞り込みを求めた。ともに2017年度以降の予算編成で歳出膨張を防ぐのが狙いだ。

 生活保護受給者に自己負担のないことが過剰な受診を生みやすいと指摘。行き過ぎた受診だと医師が認めた人が改善指導にも従わない場合は、自己負担や受診回数制限の導入を検討するよう厚生労働省に促した。

 政府は安価なジェネリック医薬品(後発薬)の処方を推進しており、後発薬で対応できるのに先発薬を使い続ける生活保護受給者に差額の自己負担を求める案も示した。異論も予想され、実施時期ははっきりしない。

 地方財政計画は総務、財務両省が折衝して毎年度策定し、自治体に配る地方交付税の算定根拠になっている。財務省は計画の歳出額が近年は実質的に決算額を上回っているとして経費の見直しや、リーマン・ショック後に景気対策で設けた「歳出特別枠」の廃止を総務省に要請。地方税収の上振れ分を翌年度に精算する仕組みを設け、交付税や地方の借金の圧縮に充てることも提案した。



https://www.m3.com/news/general/471785
地域に必要な医療を 高知市で医師が取り組みを発表
2016年10月28日 (金) 高知新聞

 地域医療の在り方を探る「へき地医療を考える会」がこのほど、高知市の高知県民文化ホールで開かれた。医療と介護が連携した地域包括ケアシステムなどをテーマに、地域で働く医師が日頃の取り組みを発表した。

 基調講演では、厚生労働省の地域医療構想策定支援専門官で医師の伴正海さんが講演した。団塊の世代が75歳以上になる2025年に向けて策定が進む地域医療構想について、国の動向を紹介。「これからは『医師がやりたい医療』ではなく、『地域に必要な医療』が求められる。まちづくりと共に医療、介護を考えてほしい」と呼び掛けた。

 梼原病院の池田幹彦院長は、地域包括ケアシステムに先進的に取り組む高岡郡梼原町について、「行政と医療が『住民の命を守る』という共通目標を持ち、密接に連携してきた」と紹介。病院スタッフと住民との座談会にも触れ、「病院の現状を住民に理解してもらい、住民の意向も聞きながら、共に地域医療をつくりあげたい」と語った。

 高知県地域医療研究会(会長=夕部富三・いずみの病院院長)の主催。県内の医師ら約20人が参加した。



https://www.m3.com/news/general/471826
佐野市民病院:民営化、根拠などを審議 市政策審
2016年10月28日 (金) 毎日新聞社

佐野市民病院:民営化、根拠などを審議 市政策審 /栃木

 佐野市民病院の経営形態について諮問を受けた佐野市政策審議会(委員長・三橋伸夫宇都宮大教授、委員17人)は27日、第3回会議を開き、市側の民営化方針の根拠などについて審議した。

 市側は、官公庁施工の病院建設の場合、建築単価が民間施行の場合の1・5倍になることなど民営化のメリットを説明し、理解を求めた。次回(11月8日)は、答申の取りまとめに入る。【太田穣】



http://www.tokyo-np.co.jp/article/tochigi/list/201610/CK2016102802000170.html
【栃木】「民設民営」踏襲の付帯条件付け答申 佐野市民病院民間譲渡で市の政策審議会
2016年10月28日 東京新聞

 佐野市が民間譲渡する意向を明らかにした市民病院(同市田沼町)に関し、市政策審議会(会長・三橋伸夫宇都宮大教授)は二十七日、病院の経営形態を市の方針と同じ民設民営とするよう、付帯条件を付けて市に答申することを決めた。
 この日の会合で、病院で働く現在の医療法人の職員や患者、市民の不安が大きいとの意見が委員から相次ぎ、対応を付帯条件に盛り込むことにした。
 市民への説明会開催について質問も出たが、審議会事務局は「どこの医療法人に譲渡するか決まり次第、情報提供していきたい」と答えた。 (稲垣太郎)



http://www.medwatch.jp/?p=10993
民間医療機関へ「病床機能の転換」命令できる権限を都道府県に付与せよ―財政審
2016年10月28日|医療・介護行政をウォッチ MEDWATCH

 病院・病床の機能分化・連携を進めるため、「民間医療機関に病床機能の転換を命令できる権限」を都道府県に付与するべきである―。

 27日に開かれた財政制度等審議会・財政制度分科会で、財務省はこのように提案しました(関連記事はこちらとこちら)。

憲法で定められた「営業の自由」などに抵触する可能性あり、慎重な議論が必要

 いわゆる団塊の世代(1947-51年の第1次ベビーブームに生まれた方)がすべて75歳以上になる2025年に向けて、医療(とくに慢性期医療)・介護のニーズが急速に高まるため、病院・病床機能の分化・連携の推進や地域包括ケアシステムの構築が急務とされています。病院・病床の機能分化に向けては、現在、各都道府県で地域医療構想の策定が進められています。
10281_20161029055108ac0.jpg


 地域医療構想では、地域ごとに高度急性期・急性期・回復期・慢性期病床の必要量や、機能分化を進めていくための方策を記載します。後者の機能分化を進める方策の一つとして「都道府県知事の権限」行使があります。具体的には、▼病院の開設、病床数の増加等の許可の際に、不足している医療機能を担うという条件の付与▼過剰な医療機能への転換に対する中止命令(公的医療機関等以外の医療機関に対しては要請)▼不足している医療機能に係る医療提供の指示(公的医療機関等以外の医療機関に対しては要請)―などです。

地域医療構想の実現に向けて、都道府県知事には一定の権限が付与されている
10282_201610290551139e4.jpg

地域医療構想の実現において、都道府県知事の権限行使は謙抑的かつ慎重に行使される
10283_20161029055112cd1.jpg

 このように、公的医療機関等に対しては都道府県知事が強力な権限を行使することができますが、民間医療機関には「要請」できるのみです(関連記事はこちら)。

 しかし、民間医療機関が地域の医療提供体制の大半を担う地域もあり、そこでは「調整会議」での協議などで自主的な機能分化を待つ必要がありますが、「果たして機能分化が自主的に進むのだろうか」との疑問の声も小さくありません。そこで今般、財務省は「保険医療機関の指定などにあたり、民間医療機関に対する他施設への転換命令などを付与するなど、医療保険上の指定に係る都道府県の権限を一層強化すべき」と提言しているのです。

 なお、都道府県知事が民間医療機関に機能転換命令を行うことは、憲法で保証された「営業の自由」(第22条第1項から導かれる)や「財産権」(第29条)に抵触する可能性が極めて高く、慎重な議論が必要です。


 このほか財務省は、▼地域医療構想の実現に向け、病棟ごとの診療行為を分析し、高度急性期・急性期・回復期・慢性期の機能毎の定量的な基準を次期報告(2017年10月)までに明確化し、KPIに沿って進捗管理を行う ▼医療介護総合確保基金の使途を「機能転換などに直接資するもの」に重点化する ▼都道府県毎の診療報酬(高齢者の医療の確保に関する法律第14条)に向け、国で運用ガイドラインを策定する ▼特定地域・診療科での診療従事を医療機関管理者の要件とすることや、保険医の配置・定数の設定など、医師配置などにかかる規制も含めた実効的な偏在是正策が講じられるよう、国・都道府県の権限を強化する ▼医療費の地域差半減に向けた、見える化・インセンティブ付与を行う ▼後発医薬品の使用促進や、糖尿病性腎症重症化予防など医療費の適正化に取り組む保険者へのインセンティブ措置を強化する ▼医療扶助(生活保護者)における頻回受診の適正化や後発品の使用促進を行う―ことなども要望しています。



http://techon.nikkeibp.co.jp/atcl/event/15/101600083/102800047/
デジタルヘルスDAYS 2016
日本医療を救うのは「患者と医師の最適マッチング」

近藤 寿成=スプール
2016/10/28 15:42 日経BP

 全ての患者に最適な医療を提供する――。「デジタルヘルスDAYS 2016」(2016年10月19~21日、主催:日経BP社、協力:日経デジタルヘルス)のオープンシアターに、クリンタル 医師 代表取締役の杉田玲夢氏が登壇。患者と名医をマッチングする自社サービスの概要と、その効果による日本医療へのメリットを紹介した。

 近年、相次ぐ医療事故や医療ミスによって、「患者の医療に対する不信感は強まっている」(杉田氏)。しかし、「良い病院の判断基準が分からない」「そもそも判断するための情報もない」「仮に情報を得られたとしても専門過ぎてわからない」といった理由から、適切な病院選びは一般人にとってハードルが高いのが現状だ。そこでクリンタルは、「悩める患者の水先案内人として、最適なタイミングで最適な名医を受診できる世の中の実現を目指している」(杉田氏)。

 現在、クリンタルは、(1)名医検索サイト、(2)名医紹介サービス、(3)健康相談チャット」という3つのサービスを提供する。

 (1)の名医検索サイトは、全国20万人の医師から、厳選した有数の専門医や街の名医の情報を検索できるサービス。有数の専門医については、特定の疾患や治療法における日本トップレベルの専門家(スペシャリスト)を選定しており、現在は約4000名を掲載する。選定基準は、定量的な手術数や論文数といったデータと、業界内での評判という2つの方向性を重視。「その両方を担保しているドクターだけを選んでいる」(杉田氏)。

 一方、街の名医はスペシャリストというよりもジェネラリストというイメージで、一定の質を超えているクリニック医師を約3万5000人掲載する。また各医師の情報には、「予約の取りやすさ」といったアクセシビリティなど、独自に収集・保有する情報も含まれている。

 (2)の名医紹介サービスは、患者がパソコンやスマートフォンを通じて病状や受診希望などを伝えると、その病状や希望に合わせて、受診できる最適な名医を提案してくれるコンシェルジュサービスだ。名医検索サイトとの違いは、「医療の質とアクセスのバランスまでを踏まえた提案をする点にある」(杉田氏)。

 例えば、胃がんになった患者はトップ10レベルの医師に手術してもらいたいと考えるが、そのような名医は手術までに何カ月も待たされるケースが多い。そこでクリンタルは、状況に応じてトップ20で比較的すぐに手術できるような医師を提案。「検索だけではカバーできない価値をこのサービスで提供している」(杉田氏)。

 (3)の健康相談チャットは、2016年11月にアプリのリリースを予定するサービス。スマートフォンのアプリ上で、看護師や医師に最適なタイミングで受診するための健康相談ができる。クリンタルは病院や医師の紹介を主な事業としているため、「いわゆるトリアージを想定したサービス。相談内容に応じて受診の必要性をメインに回答している」(杉田氏)。

 これに加えて健康相談チャットでは、高血圧や糖尿病など慢性疾患を抱えてる患者に対して、クリンタル側からプッシュ通知で必要な情報を提供するサービスも想定する。これにより、通院からのドロップアウトや服薬の飲み忘れなどを防ぐのが目的だ。


すべての病院が同じ機能を持つのは無理がある

 では、これらのサービスを通じてどのような課題を解決していくのか。クリンタルは3つのコンセプトを掲げる。第1が、「全ての患者に最適な医療を提供する」ことだ。

 厚生労働省のデータによれば、入院患者の約半数は「医師による紹介」で現在の病院を選んだという。これ以外では「以前に来たことがある」「医師や看護婦が親切だった」などの理由も多いそうだが、杉田氏は「これは最適ではない」と考える。

 例えば、「医師による紹介」は近くのクリニックで紹介状をもらい受診するケースが多いが、杉田氏によれば「クリニックの医師は、自分の出身大学や所属する地方の医師会で顔見知りの医師を紹介するケースがほとんどだ」という。地域や大学という狭い範囲に限定されてしまうため、「それが最適かどうかには疑問符が付く」と指摘する。

 そういった意味では、患者が質の高い医療を提供する病院に受診するのは、かなり難しいといえる。そこでクリンタルは、先ほど紹介したサービスで、質も踏まえた病院や医師の提案をしようというわけだ。

 次に掲げるのは「病院全体における、医療の質向上」だ。現在の地域医療を見てみると、「地方都市では総合病院が乱立傾向にある」(杉田氏)。そして、各病院としては「この医療圏の患者は我々がすべて守る」という高い志で奮闘しているわけだが、結果としては限られた患者と医師を奪い合うことになっているため、どの病院も経営赤字に陥ってしまう。このような状況を「病院の志は高いが、状態としては不健全」と杉田氏は嘆く。

 一方で、カナダにはヘルニアの手術だけに特化したショールダイス病院がある。この病院は年間7000例以上の手術を行っており、手術費用は一般病院で3550米ドルかかるところを2300米ドルで済ませている。しかも、再発率が全米トップクラスの0.5%以下と、圧倒的な質の確保とコストダウンを達成しているのが特徴だ。このデータから「すべての診療科を持つよりも、一部に特化した方が効率も質も上がることが見て取れる」(杉田氏)。

 これを踏まえて杉田氏は、「すべての病院が同じ機能を持つのは、少し無理があるのではないか」と疑問を投げかける。そして、地方都市の総合病院も特定の診療科を強化し、それぞれが例えば周産期センターや循環器センター、呼吸器センターとなって、同じ医療圏にある各病院が連携しあうという「補完する地域医療」の実現を提案する。

 「補完する地域医療」の実現に際して、クリンタルのサービスはまず特定の疾患に優れた名医のいる病院に患者を集めることができる。患者が集まれば医師も集まるため、そこで医師はさらに研鑽されるというサイクルが出来上がる。これを確立できれば、「日本の医療の質と効率を上げられるのではないか」と杉田氏は考える。

 最後にクリンタルが掲げるのは「日本の医療費の削減」だ。これは、先ほどのショールダイス病院の例を見てを明らかで、質を上げれば効率が上がり、医療費も下がる。また、厚生労働省のデータによれば、手術数が多い病院ほど、平均入院日数も短くなる傾向にあることがわかっている。クリンタルのサービスを利用した場合のシミュレーションデータによれば、「入院日数は10~30%程度短縮でき、1入院あたりの医療費も5万~15万円程度削減できる」(杉田氏)そうだ。

 もちろんこれは机上の空論ではなく、米国で実施されている同様のサービスによって、10万人の従業員に対して1000万米ドル(約10億円)の医療コスト削減を達成したという。厚生労働省の罹患率データなどを基に計算した場合、1万人あたりで約3000万円の医療費削減になるとの試算もある。仮にこれが日本全国に広まれば、「数千億円レベルのインパクトを生み出すことができる」と杉田氏は見る。


  1. 2016/10/29(土) 05:54:31|
  2. 未分類
  3. | コメント:0

10月27日 

https://www.m3.com/news/iryoishin/471106
シリーズ: 社会保障審議会
スイッチOTC化の医療用医薬品、「給付率引き下げ」反対
医療保険部会、市販品類似薬全般の議論求める声

2016年10月26日 (水) 橋本佳子(m3.com編集長)

 社会保障審議会医療保険部会(部会長:遠藤久夫・学習院大学経済学部教授)は10月26日の会議で、スイッチOTC化された医療用医薬品に着目して、保険給付率を引き下げる是非を議論、反対意見が多く、本部会では見送る方向で意見が一致した(資料は、厚生労働省のホームページ)。

 スイッチOTC化された医療用医薬品に係る保険給付率の在り方は、2015年12月の「経済・財政再生計画 改革工程表」で、「2016年末までに結論」を出すように求められていた。

 もっとも、反対理由は立場によってさまざま。保険者の立場の委員からは、スイッチOTC化された医療用医薬品に限らず、市販品類似薬の保険給付の在り方全体について議論すべきとの意見や、セルフメディケーション推進からの議論を求める声が出た。

 2015年6月の「骨太の方針2015」では、「市販品類似薬に係る保険給付について、公的保険の役割、セルフメディケーション推進、患者や医療現場への影響等を考慮しつつ、見直しを検討する」とされていた。時期は不明だが、この視点からの議論は今後も続きそうだ。

 「セルフメディケーションの視点から議論を」
 「保険給付率を下げると、保険で使える高薬価の薬にシフトする可能性があり、安全性が確立した安い薬が保険で使いにくくなる。またスイッチOTC化に抑制がかかる」と述べ、反対したのは、日本薬剤師会副会長の森昌平氏。

 連合副事務局長の新谷信幸氏は、健康保険法に定められた給付率の視点から反対。2002年の同法等改正法の附則2条は、「保険給付割合は将来にわたり、7割を維持」と定めている。「特定の医薬品、特定の分野が、先例になり、(給付率の変更に)穴を開けていくことになることを危惧している。7割給付を維持する観点から、慎重に検討してもらいたい」(新谷氏)。

 これに対し、健康保険組合連合会副会長の白川修二氏は、保険者の立場から、「医療用医薬品が、スイッチOTC化されたら、保険給付から外すのが原則だと思う」「高額薬剤の登場で、医療保険財政は深刻な状況にある。高額薬剤は、保険給付しないと、国民が使用できない」などと述べ、医療保険維持の観点から、スイッチOTCに限らず、市販品類似薬の保険給付範囲という、より広い視点からの議論を求めた。

 経団連社会保障委員会医療・介護改革部会長の望月篤氏も、10月18日に経団連が、市販品類似薬の保険給付引き下げなどを盛り込んだ提言をまとめたことを紹介、湿布薬やうがい薬を保険給付の対象としていることに疑問を投げかけた。

 全国健康保険協会(協会けんぽ)理事長の小林剛氏は、「どのような考えで、スイッチOTCのみを対象とするのか」と指摘。2017年1月から、セルフメディケーション税制(スイッチOTC医薬品の購入費用について、所得控除を受けることができる税制)が新設されることを踏まえ、セルフメディケーション推進の観点から、スイッチOTCの利用推進を図っていく必要性を指摘した。

 法政大学経済学部教授の菅原琢磨氏は、学者の立場からコメント。スイッチOTC薬の有無といった視点で議論すべきではなく、医薬品をどう位置付けていくかを議論すべきと述べ、スイッチOTC化された医療用医薬品の保険給付率を下げることは、短期的には財政効果はあるものの、製薬企業がスイッチOTC化を進めなくなる可能性があるので、長期的な財政効果はないと指摘。一方で、セルフメディケーション推進の観点からのスイッチOTC薬の利用促進については、議論する意義があるとした。



https://www.m3.com/news/general/471406
伊万里有田共立病院、地域医療支援病院に 6カ所目、県承認へ
2016年10月27日 (木) 佐賀新聞

 佐賀県医療審議会地域医療対策部会(部会長・池田秀夫県医師会会長、14人)は26日、西松浦郡有田町の伊万里有田共立病院を、地域のかかりつけ医を支援する「地域医療支援病院」にすることを了承した。これを受け、県が承認する。県内6カ所目で、県内五つの2次医療圏全てで支援病院ができることになる。

 伊万里有田共立病院は、一般病床が202床、感染症病床が4床あり、救急医2人体制で処置室や集中治療室などを整備している。地域医療機関からの紹介率は57・2%、症状が落ち着いてからの逆紹介率が72・9%となっている。部会は、医療法で定める承認要件を満たしていると判断した。

 地域医療の中核を担う支援病院は、紹介患者に対してかかりつけ医と共同診療を行い、医療機器の共同利用を実施するほか、24時間体制で重症救急患者を受け入れ、地域の医療従事者に対する研修などで資質向上に取り組む。患者は地域で一貫した治療を受けることができ、支援病院側も入院診療の点数が加算される。

 県内では、県医療センター好生館、国立病院機構佐賀病院、国立病院機構東佐賀病院、唐津赤十字病院、国立病院機構嬉野医療センターが承認されている。

 このほか、鳥栖市にある二つの診療所について、出産や透析入院医療体制の強化に限定して、増床を認めた。



https://zuuonline.com/archives/125623
医師への暴力が社会問題化 まるで戦場のような中国の病院
Written by TakanoYusuke
2016/10/27 ZUU online

中国では、日本ならとても考えられない通達がしばしば出回る。今回、最高検察庁の発表した「全面履行検察職能為推進健康中国建設提供有力司法保障的意見」もその一つだ。

近年検察機関は、人民群の健康と生命の安全、とりわけ食品・医薬品、生態環境、医療衛生の領域に関する違法犯罪の摘発に力を入れているとした上で驚くべきことを表明した。
それは「医者を始めとする医療関係者への暴力取締まりに力を入れる」である。

医療関係者への暴力犯罪
最高検察庁偵査監督庁の責任者は、正常な医療秩序と医療に当たる人員の安全を保障する必要がある。そのため各級検察機関は、捜査方法を刷新して臨み、良好な効果を追及しなければならない、とした。

実際、どのようなことが起こっているのであろうか。2015年〜2016年5月の約1年半、メディアで報道された医療関係者への障害事件は60件である。原因は、予約した高名な先生に診察してもらえない(11件)、患者の精神状態が不安定だった(10件)、診察・治療内容が気にくわない(10件)、患者が死亡してしまった(9件)、運営の方法や態度が悪い(9件)、治療効果が不満(8件)、などである。

攻撃対象となったのは、医者41人、看護師16人、被害者複数人が3件だった。また50%以上の31件は、最もランクが上の大総合病院で起こっている。筆者もテレビニュースで病院内暴力事件を見ている。

街を代表する総合病院で、患者が突然暴れ出し、書類や備品が派手に飛び散った。しかし負傷者は出なかったはずで、この統計には入っていないだろう。負傷者のカウントされる事例は、氷山の一角と見て間違いない。中国の病院は戦場そのものである。

恐怖の重点取締り項目
また最高検法律政策研究室のR主任は“平安な医院”をつくるため、司法は犯罪者への懲罰、医務人員の権益、を保障しなければならないとして、以下の6点を重点取締り項目に挙げている。

1 ニセ医者の医療行為、不法採血や献血、伝染病治療への妨害など、正常な医療行為への妨害
2 故意殺人、故意傷害、侮辱、誹謗、不法拘禁など医療関係者の合法権益を侵す行為
3 職業的犯罪団の取締り。“血頭””黒診療所”などの組織が、ニセ医者による診療や、売血、不法な人体組織(臓器)売買など。
4 不特定の患者、医療関係者を狙った、悪意に満ち、残忍な手段の脅迫行為
5 医療事故とそれに当たらないケースとの正確な判定
6 医療機構の正常秩序に対する攪乱行為

いずれも目を覆うような内容ばかりだが、実際に起こっているのだ。民間伝承にもとづく伝統の私製薬品や、無認可の国外薬品についても触れられ、これらの薬品を処方することは傷害行為となると警告している。たしかにこの種の輩は非常に多い。

抜け落ちている医療関係者側の問題
これら最高検察庁の意見は、医療機構自体の問題点や、改革の方向性にはふれておらず、片手落ち感は否めない。

先のデータ上では、予約しても診てもらえない(11件)運営方法や態度が悪い(9件)、合計20件、全体の3分の1は、病院側に起因している可能性の高いものだ。病院としては、上の1〜6のような悪意に常にさらされているわけで、上品な対応ばかりしていられない、と言い返すかもしれない。

しかし病院には、初診料を払わないと診察しない、傲慢な態度と決めつけ診断、高額な治療(手術など)への誘導、組織論理優先の運営、など目に見える問題だけでも山積みだ。まるで病院自体が中国社会の病理そのものである。

日本人が急病で中国の病院へ搬送されたとしよう。筆者は、帰国できる体力がある限り、即刻帰国して治療すべきとアドバイスする。(高野悠介、中国貿易コンサルタント)



http://www.nagasaki-np.co.jp/f24/CO20161027/ec2016102701001427.shtml
生活保護でも医療費自己負担 過剰受診抑制へ財務省提言(10/27 17:04)
10月27日 長崎新聞

 財務省は27日の財政制度等審議会分科会で、公費で全額賄う生活保護受給者の医療費に関し、医療機関への過剰受診が続く場合などに一定の自己負担を導入するよう提言した。自治体全体の収支見通しを示す地方財政計画では歳出が恒常的に過大計上されていると分析し、経費の絞り込みを求めた。ともに2017年度以降の予算編成で歳出膨張を防ぐのが狙いだ。

 生活保護受給者に自己負担のないことが過剰な受診を生みやすいと指摘。行き過ぎた受診だと医師が認めた人が改善指導にも従わない場合は、自己負担や受診回数制限の導入を検討するよう厚生労働省に促した。



http://www.asahi.com/articles/ASJBW4QYJJBWUBQU00J.html
サービス職の男性、脳疾患・心疾患の死亡が高リスク
小川裕介
2016年10月27日14時14分 朝日新聞

 男性では、飲食店員や美容師などサービス職が脳卒中や心筋梗塞(こうそく)で若くして死亡するリスクが他の職業よりも高い——。国立国際医療研究センターの和田耕治医師(産業保健学)のチームが研究成果をまとめ、国際医学誌(電子版)に発表した。米国でも同様の傾向があるという。

 人口動態統計や国勢調査の結果をもとに、2010年に死亡した25〜59歳の男性のうち、脳卒中などの脳疾患で亡くなった約2300人と、心筋梗塞や解離性大動脈瘤(りゅう)など心疾患が原因の約2800人を、11種類の職業別に分析した。無職の人は除き、女性は調べなかった。

 統計学的な調整を加えて計算したところ、介護職員や飲食店員、美容師、看護助手、旅行ガイドなどのサービス職が脳疾患や心疾患で亡くなるリスクが最も高かった。脳疾患で販売職の4・6倍、心疾患で3・7倍だった。管理職、農林漁業職、建設・採掘職、輸送・機械運転職が続いた。

 和田さんは「職業によって、過労死と関連する脳卒中や心筋梗塞で早く亡くなるリスクが異なることが明らかになった。リスクの高い業態では、労働時間の短縮やストレスの低減、禁煙など、より積極的な対策をとってほしい」と話している。

http://www.jad-journal.com/article/S0165-0327(15)30823-5/abstract
Wada K, Eguchi H, Prieto-Merino D, Smith DR.
Occupational differences in suicide mortality among Japanese men of working age.
J Affect Disord. 2016 Jan 15;190:316-21. doi: 10.1016/j.jad.2015.10.032. Epub 2015 Oct 28.
10274.jpg



http://www.jiji.com/jc/article?k=2016102700756&g=eco
地方交付税抑制を要求=医療費地域差の半減推進−財政審
(2016/10/27-18:10) 時事通信

 財務省は27日、財政制度等審議会(財務相の諮問機関)を開き、地方交付税交付金の抑制などについて議論した。財務省は、地方財政が全体として国より良好な状況にあることを示し、交付金算定の基準となる地方財政計画が過大になっている現状の見直しを求めた。社会保障関係費に関しては、医療費の地域差を半減する政府目標の実現に向けた取り組みの必要性を強調した。
 地方の税収は、2012年度から増収が続き、総務省は17年度の地方税収を過去最高の41兆5000億円と見込む。地方の「貯金」に相当する財政調整基金などの積立金も過去10年で1.6倍に増加するなど、厳しい国の財政とは対照的だ。
 総務省の17年度概算要求で、地方交付税交付金は前年度比7307億円増の16兆118億円。これは国・地方が約9000億円ずつ折半負担する赤字債発行を前提としており、予算編成でどこまで圧縮できるかが課題となっている。



http://www.asahi.com/articles/ASJBV7JVJJBVUBQU00Q.html
不正の背景、地域医療への影響懸念
2016年10月27日06時00分 朝日新聞

 「不正がここまで広がっているとは。制度を根本から見直す必要があるのではないか」。精神疾患の人を支援するNPO法人「地域精神保健福祉機構」の島田豊彰専務理事は憤る。

精神保健指定医、89人資格取り消し 不正取得で厚労省
 厚労省によると、精神科などで働く医師は約1万6千人。うち、指定医の資格を持つのは約1万4700人。精神科医にはごく一般的な資格だ。不正の背景には、措置入院の判断など指定医にしか認められていない医療行為が多く、少しでも早く資格をとりたいという医師側の事情もある。

 病院側には、経営上の利点もある。厚労省によると、通院で精神療法を受ける場合の初診料は、一般の医師の1・5倍の診療報酬が得られる。また、5人以上の常勤の指定医がいると「精神科救急入院料」が得られるという。

 ある大学の精神科教授は「精神科病院や大学病院の1カ所だけで指定医を取ろうとすると、様々な症例を経験することが難しい」と指摘する。資格取得に必要な8症例のうち児童・思春期の精神障害の患者は大学病院に集まる一方、依存症の患者は専門的に診療する地域の病院などに集まりやすい傾向があるとされる。

 複数の指定医の取り消し処分が決まった医療機関では、精神科救急ができなくなるなど、地域医療に影響が及ぶ可能性もある。

 京都府立医大病院は8人が取り消し処分を受けた。府によると、現在も約半数が同病院に勤めるが、担当者は「府立医大が医師の養成や派遣を担っており、一度にこれだけ多くの医師が取り消し処分を受ければ、中期的に影響が出る恐れがある」と気をもむ。今後について「精神科救急や措置入院に影響が出ないよう、京都市と連携して対応を検討していきたい」と話した。ある自治体の担当者は「地域で措置入院の手続きが滞りかねない。また、不正取得した医師の判断ですでに入院している人の処遇をどうするか、という問題も生じてくる」と懸念する。

 指定医7人が資格取り消しとな…(この先有料記事)



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/49899.html
在宅医療の受け皿整備、自治体が方針検討を- 財政審分科会で財務省
2016年10月27日 22時00分 CB News

 財政制度等審議会(財務相の諮問機関)の分科会は27日の会合で、医療提供体制の改革について議論した。この中で財務省は、団塊世代が75歳以上になる2025年に向けて在宅医療などの対象患者の受け皿を準備するため、対応する医療機関や介護施設などを整備する方針などを自治体が検討する仕組みづくりを提案した。【佐藤貴彦】

 25年に向けて医療提供体制を整備するため、各都道府県が、地域ごとの将来の需要に見合った病床数などを定める「地域医療構想」の策定作業を進めている。同構想には、高度急性期と急性期、回復期、慢性期の4つの機能ごとに病床数を整備していくことで、今より効率的に医療を提供できるようにする狙いもある。また病床数の必要量は、入院しないで自宅などで治療を受ける患者の増加を見込んで推計している。今年度末までに全都道府県で策定される見込みだ。

 財務省はこの日の会合で、同構想が見込む在宅医療などを受ける患者の増加に対応するため、在宅医療を提供する医療機関や介護施設、高齢者住宅などの見通しを立て、整備を進める必要があると指摘。そうした患者の受け皿の整備方針などを、都道府県と市町村が調整・検討すべきだとした。

■知事の医療保険上の権限強化なども提案

 さらに、地域医療構想の実現に向け、医療機関同士の協議を進めるための制度改革も提案した。

 将来を見据えた病院の機能の転換は、自主的に進められるのが原則だが、話し合いで転換が進まない場合、都道府県知事が指示し、公立病院などの医療機関に転換を促すことができるルールになっている。しかし、医療法人などが運営する民間の医療機関には指示ができない。

 財務省は、民間医療機関に転換を命令できるように、都道府県の医療保険上の権限を強化すべきだとした。

 また、医療機関で実施されている診療行為のデータを病棟ごとに分析し、各機能の「定量的」な基準を定めることも提案した。

 そのほか、地域医療構想を踏まえた医師の需給のあり方にも言及。働く地域や診療科の偏在を是正するために都道府県の権限を強化し、保険医の定数設定といった「実効的な対策」を講じられるようにすべきだとした。

■在宅医療増やす政策、医療費への影響は?

 会合は非公開で行われたが、終了後に記者会見した吉川洋分科会長(立正大経済学部教授)は、都道府県の権限を強化する財務省案に賛同する委員がいたことを明らかにした。

 また委員から、在宅医療を受ける患者を増やす政策が医療費全体に及ぼす影響が明確でないと問題視する声が上がったことも紹介した。



https://www.hokende.com/news/detail_5288.html
経団連、「かかりつけ医」機能明確化など医療・介護制度改革に関する考え方を表明
2016-10-27 21:00:00 保険市場タイムズ

経団連が「かかりつけ医」機能などでの考え方を表明

一般社団法人 日本経済団体連合会(経団連)は10月18日、医療・介護制度改革について、政府の社会保障審議会などにて行われている「改革工程表」で示された給付の適正化・効率化にかかる項目を中心に着実に実行する必要があるなど、改めて考え方を示した。

既に経団連は、2015年5月に「財政健全化計画の策定に向けた提言」を公表しており、その中で社会保障制度全般に対する考え方を示してもいたが、今回は「かかりつけ医」機能の明確化などを含め、考え方をとりまとめたものとなっている。

「医療保険における患者負担の適正化」などを提言

今回の提言では、「改革工程表」に示された改革項目のうち本年末までに結論を得るべき施策を中心に、給付や負担の適正化・効率化についての考え方として、「医療保険における患者負担の適正化」、「薬剤費の適正化」、「介護保険における給付の重点化・効率化」の3点を挙げている。

「医療保険における患者負担の適正化」では、現行、療養病床の一部入院(医療区分Ⅰ)を対象としている入院時の居住費(光熱水費)負担について、原則他の病床の入院患者についてもの適用見直しを提言する。

また外来受診については、頻回受診の防止や保険財政の健全化を促す観点から、現行の定率負担に加え、一定額を患者が追加的に負担する制度を導入すべきとし、「かかりつけ医」機能を明確にするとともに、「かかりつけ医」以外を受診した際に定額負担を求めることが考えられるとした。

「薬剤費の適正化」は国を挙げての取り組みが必要

「薬剤費の適正化」では、後発品の使用促進に関する政府目標の確実な達成に向け、国を挙げての取り組みを引き続き進めていくことが必要という。

また、給付の重点化や公平性の確保を図る観点から、湿布やうがい薬等の市販類似薬については保険償還率の引き下げや保険給付の適用外とすべきとしたほか、国民のセルフメディケーションの意識を高めるため、さらなる医療用医薬品のスイッチOTC化などにも取り組むべきとした。

さらに、高額薬剤について、収載当初の前提が変化していることを踏まえ、薬価の早急な見直しを行い保険財政の安定性を確保することが必要とした上で、薬剤費の適正化と併せ、引き続き革新的新薬に対する適正な評価など、製薬産業のイノベーション創出を推進する政策について十分考慮していくべきと指摘している。

介護納付金の総報酬割導入は公平性を欠くため反対表明

「介護保険における給付の重点化・効率化」では、制度の持続可能性確保の観点から、軽度者に対する給付のあり方を見直すことで、重度者への給付に重点化していくことは不可避としている。

この他、介護納付金の総報酬割の導入については、健保組合に加入する組合員や企業にとって極めて重い負担となるなどの理由から公平性を欠くなどとし、反対を表明している。



http://ryukyushimpo.jp/kyodo/entry-383916.html
生活保護でも医療費自己負担 過剰受診抑制へ財務省提言
2016年10月27日 17:04(共同通信)

 財務省は27日の財政制度等審議会分科会で、公費で全額賄う生活保護受給者の医療費に関し、医療機関への過剰受診が続く場合などに一定の自己負担を導入するよう提言した。自治体全体の収支見通しを示す地方財政計画では歳出が恒常的に過大計上されていると分析し、経費の絞り込みを求めた。ともに2017年度以降の予算編成で歳出膨張を防ぐのが狙いだ。

 生活保護受給者に自己負担のないことが過剰な受診を生みやすいと指摘。行き過ぎた受診だと医師が認めた人が改善指導にも従わない場合は、自己負担や受診回数制限の導入を検討するよう厚生労働省に促した。



http://www.medwatch.jp/?p=10971
介護療養などの新たな転換先、一般病床からの転換も認めるべき—四病協
2016年10月27日|医療・介護行政をウォッチ

 介護療養病床などの新たな転換先となる「新たな介護保険施設」について、一般病床からの転換も認めるべきである—。

 26日に開かれた四病院団体協議会(日本病院会、全日本病院協会、日本医療法人協会、日本精神科病院協会)の総合部会で、こういった点を求めていくことが確認されました。総合部会終了後の記者会見で日本病院会の堺常雄会長が明らかにしています。

 社会保障審議会の「療養病床の在り方等に関する特別部会」(以下、特別部会)でも、この点が重要な論点となっており、今後の議論に大きな影響を与えそうです。

ここがポイント!

1 療養病床特別部会で、厚労省から新たな転換先の具体案示される
2 大規模医療法人の外部監査義務化に向け、四病協で監査マニュアルの検討始める

療養病床特別部会で、厚労省から新たな転換先の具体案示される

 メディ・ウォッチでもお伝えしているように、介護療養病床や看護配置4対1などを満たせない医療療養病床の新たな転換先の議論が特別部会で進んでいます。26日には、厚生労働省から「医療内包型の『新たな介護保険施設』を創設するとともに、同一建物内での医療機関と特定施設などとの併設も認める」という叩き台が示されました。

 この議論の中で注目される論点の中に、新たな施設類型などには「療養病床からの転換のみを認めるべきか、一般病床からの転換や新設を認めるべきか」というテーマがあります。26日にもこの点が議論になり、特別部会の加納繁照委員(日本医療法人協会会長)から「一般病床からの転換も認めるべき」との要望が出されています。

介護療養に生活機能をプラスアルファした新たな介護保険施設を創設し、利用者像によって2つに区分する考えが示された
10272.jpg

医療外付け型では、同一建物内でも医療機関と居住スペースの併設を認めることになる
10273.jpg

 この点について日病の堺会長は、「病院・病床の機能分化が進む中で、高度急性期病床、急性期病床は、それほどの量が必要とされなくなっていく。一般病床からも、無理のない形で転換を望むところには、転換する流れを阻害するべきではない」という点で四病協・総合部会の議論が一致したことを明らかにしました。

 厚労省では、医療内包型の新施設類型を「介護保険法の本則」に規定したい考えを明確にしており、新施設類型は「恒久的」な施設となりそうです。この場合、「転換を療養病床に限定する」ことは困難であり、四病協が主張するように一般病床からの転換も認められることになるでしょう。ただし、厚労省は「まず、設置期限の切れる介護療養病床からの転換を進める」という考えも示しており、今後は「いつから、一般病床などに門戸を開くか」が重要な争点になりそうです。

大規模医療法人の外部監査義務化に向け、四病協で監査マニュアルの検討始める

 また26日の総合部会では、次のような点についても確認されたことが日病の堺会長から明らかにされています。

▼大規模な医療法人(負債50億円または収益70億円以上の医療法人、負債20億円または収益10億円以上の社会医療法人、社会医療法人債を発行する社会医療法人)で来年(2017年)4月から外部監査法人などによる会計監査が義務付けられることを見据え、四病協で「監査マニュアル」の整備に向けた検討を進める(関連記事はこちらとこちら)

▼医療機関自らが検体検査を実施する場合の基準制定(臨床検査技師法の改正など)が検討されているが、現在でも日本医師会の「臨床検査精度管理調査」などが実施されており、一度立ち止まって「我が国の検査の品質・精度に問題があるのか」を確認してほしい。検査基準の制定は、当面、ゲノム医療に限定すべきである

 このうち前者について日病の堺会長は、「2014年3月に厚労省は『医療法人会計基準』に関する医政局長通知(医療法人会計基準について)を発出しているが、これは四病協の策定した『医療法人会計基準に関する検討報告書』を追認したものである。これと同様に監査に関する基準・マニュアルを検討していく方向を固めた」旨を説明しています。



https://www.m3.com/clinical/news/471315
降圧薬4種、気分障害の影響に差【米国心臓学会】
スコットランド25万例超の観察研究

2016年10月27日 (木) m3.com

 汎用されている4種の降圧薬による気分障害への影響は異なるとの新しい研究結果が発表された。米国心臓学会(AHA)が10月10日、Hypertensionの掲載論文を紹介した。

 研究グループによると降圧薬と気分障害のリスクを検討した研究は初めて。スコットランドの大規模二次医療施設を受診した40-80歳の患者52万5046例のデータを収集し、レニン-アンジオテンシン(RA)系阻害薬、β遮断薬、カルシウム拮抗薬またはサイアザイド系利尿薬を使用していた高血圧患者14万4066例とこれら4種の薬剤を使用していない11万1936例を抽出。基準日から5年にわたるうつ病や双極性障害といった気分障害による入院の割合を比較した。

 対象降圧薬開始から90日以降において299件の気分障害による入院が報告された。そのほとんどは大うつ病性障害と診断されており、降圧薬開始から入院までの平均期間は2.3年だった。

 使用降圧薬別の解析では、β遮断薬とCa拮抗薬使用群はRA系阻害薬群に比べ、気分障害による入院リスクが2倍上昇していた。RA系阻害薬群の同入院リスクはその他の降圧薬群、あるいは降圧薬非使用群の中で最も低かった。サイアザイド系利尿薬群の同入院リスクは降圧薬非使用群と同程度であった。また、他の併用薬があった場合、気分障害のリスクは上昇する傾向が認められた。

 研究グループは今回の結果の再現性を確認する必要はあるが、RA系阻害薬が気分障害を有する患者に考慮できる可能性が示されたと述べている。
http://hyper.ahajournals.org/content/68/5/1132.full
10271.jpg



http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS07H5X_X21C16A0EE8000/
医師の地方定着へ新奨学金 厚労省、返済免除も
2016/10/28 2:00日本経済新聞 電子版

 厚生労働省は地域によって医師の数が偏らないよう新たな奨学金を作る。地域医療への貢献を条件とする「地域枠」で入学した医学生は6年間借りた場合、9年以上卒業した地域で働けば修学資金を返さないでよくする。従来の都道府県の制度とは別に全国共通の制度を作り、地方に医師を導く。全国の医師の経歴を自治体が参考にできるデータベースも整える。

 年末までにまとめる医師の偏在対策の一つとして同制度を盛り、2017年度から導入する。

 国の新たな修学資金制度は毎月一定額を医学生に貸し出す。最大3千人が対象。具体的な貸出額は各都道府県が独自に実施している修学資金制度をもとに決める。月10万〜20万円とする都道府県が多く、国の制度もおおむね同水準になる見通しだ。

 利用した医学生は借りた期間の1.5倍以上の期間、医師が足りない地域の診療所などで働くと返済が免除になる。

 都道府県が実施する修学資金制度は返済免除になる期間や貸し出しの条件などが異なる。例えば、群馬県は同県内の病院で10年間働くことが返済免除の条件だ。期間の短い宮城県は6年間で免除になる。厚労省は各地の医師不足地域での勤務を義務付ける。全国で統一した基準を設け、より地域に定着する制度にしたい考えだ。

 医師不足解消を担う各都道府県の「地域医療支援センター」の育成カリキュラムと連携することを条件にする。

 地域枠は医学部の定員の一部を割り当てている。文部科学省の調べでは15年度時点で1541人。医学部定員数の17%を占める。地域枠が全国で広がり始めたのは06年度ころからだ。

 04年度に導入した臨床研修制度で、自ら研修先の病院が選べるようになった結果、大都市病院に集中した。医師不足に危機感を強めた地方で有効な対策として普及した。

 厚労省によると、地域枠で入学した医師は臨床研修終了後に出身大学と同じ都道府県にある医療機関で働く割合が68%。地域枠でない医師の51%よりは高いが、ペナルティーの金利込みでお金を返して他の地域で働く医師も少なくない。

 14年時点の医師数は31万人で10年前に比べ、15%増えた。ただ、都道府県により最大2倍の差がある。人口10万人あたりの医師数は全国平均が234人。都道府県別で最も多いのは京都で308人だ。一方、最も少ない埼玉は153人にとどまる。福島(189人)や岩手(192人)、青森(193人)など東北も少ない。

 厚労省は医師の偏在を解消するため、全国の医師の診療科や勤務地など経歴を登録したデータベースも作る。医師不足に悩む都道府県が医師確保策を検討する際の基礎データにする。

 ▼地域枠 大学の医学部が地元の医師確保に向け、入学者の定員の一部を割り当てている。返さないでいい修学資金を支給して、一定期間の地元の診療所などの勤務を卒業生に義務付けることが多い。全国で70の大学が導入している。



http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/series/miyaoka/201610/548819.html
宮岡等の「精神科医のひとりごと」
医師の初期研修、精神科を学ぶべき理由

宮岡等(北里大学医学部精神科学主任教授)
2016/10/28 日経メディカル

精神科薬をめぐる最近の問題
 最近、精神科を専門としない医師による精神科薬の不適切使用に時に出会う。まず、薬物療法を行うべきかどうかという判断で、安易に処方を始める非精神科医がいる。「うつ病は抗うつ薬で治る」「認知症は早期の薬物療法が必要である」など、医学というより製薬企業の宣伝と考えるべきかもしれない情報を批判なく受け入れて、処方する医師が増えたのかもしれない。「薬物療法が本当に必要な症例かどうか」と判断する基準に関する教育は不十分である。

 精神科薬の副作用もあまり理解されていないように思う。痛みに使えるようになった抗うつ薬や、不眠に対して用いやすいとされる睡眠薬を、副作用を軽視して安易に用いている医師が少なくない。高齢者に対して開始時の投与量が健康成人並に多く、眠気やふらつきなどの副作用が出ている場面にもよく出会う。精神科薬が精神疾患以外にも用いられる機会が増えた現状では、どこかで副作用や有害事象を徹底的に教育すべきである。

初期研修の変遷
 医師が将来専門とする分野を問わず、基本的な診療能力を身につけることができるよう、2004年度から初期臨床研修が必修化された。最初は内科、外科、救急(麻酔科を含む)、小児科、産婦人科、精神科、地域保健・医療が必修科目で、小児科、産婦人科、精神科は少なくとも1カ月の研修が必要となっていた。

 その後見直しが行われ、2010年度からは必修科目が内科、救急、地域医療の3科目となり、筆者の専門である精神科は、外科、麻酔科、小児科、産婦人科とともに、選択必修科目となった。選択必修科目はこの5科目の中から2科目を選択し、少なくとも1カ月研修すればよいことになった。

 精神科研修が必須であった頃、研修施設で指導に当たる者として、「たとえ1カ月でも、研修医はこれほどの知識を吸収し、臨床能力が向上するものなんだ」と予想外の効果を実感していたので、選択必修科目になった時、非常に残念に思った。また、診療科ごとの差はありそうだが、初期研修の目的の1つは、「自分が診療に当たる患者さんの中に、医療が対応すべき疾患が潜んでいる可能性がある。それを見出し、さらに自分の専門内か専門外かを適切に判断できるようになること」であると考えていた。

 当時、「小児科や産婦人科領域は、性別や年齢から自分の専門外であることが分かりやすい。しかし、精神疾患の患者はどの科の患者の中にもいて、メンタルな問題があることを医師が判断できなければそのままになる可能性がある。専門的治療が必要かどうかの判断ができるように、どの医師も精神科の教育をしておくべきだ。また精神科研修には、せん妄のようにあらゆる診療科の医師が知っておいた方がよい病態が含まれる」と何かの会議で自分が発言したことを覚えている。

初期研修における精神科研修は活用できる
 冒頭に記したような問題の予防に、初期研修における精神科研修を活用できるのではないか。後期研修医になってから、薬の説明会などを利用して知識を増やすという考え方もあるが、多少なりとも製薬企業が資金提供している研究会は、現状では情報が偏っているという前提で接するべきである。だから専門外の医師が用いる機会の多い薬剤に関する本来の専門科は初期研修に含めた方がよいともいえる。

 初期研修で、自診療科の研修期間をできるだけ長く取りたいというのはあらゆる診療科の願いであるが、このような問題があることを考えれば、1カ月でいいので初期研修の中で精神科研修を必修にしてほしい。もっとも1カ月であれば、前提として「1カ月で学べる精神医学」とでも呼ぶべき研修 用テキストを作るなどして、現状の精神科初期研修プログラムの多くはもっと練らないといけなくなる。

 一方、多剤大量処方を含む不適切治療は、実は精神科医に多いという指摘もあるので、精神科医に対する薬物の相互作用や副作用の適切な教育というのも、喫緊の課題であろう。



https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20161027-OYTET50019/
コラム イグ・ノーベル・ドクター 新見正則の日常
「あったらいいな」…理想の病院、クリニック

2016年10月28日 読売新聞/ YomiDr

 今日は理想の病院やクリニックについて書きますね。「こんな病院やクリニックがあったらいいな」という僕の私見です。

 医療で一番大切なことは、施される医療の質ですが、そこはなかなか判断する基準がありません。極端なことを言うと、手術をする先生は、その素行や、身なりや、言動や、私生活などどうでもいいですよね。手術だけ上手にやってくれればいいのですから。 美味おい しいラーメンを出してくれれば、どんなに古い建物でも、サービスが悪くても、また行列しても、ラーメンの味で勝負だという理屈と同じです。そしてラーメンは1日に10軒でもはしごできます。一口食べれば美味しさはわかりますから。ですから比較的評価は当たっています。ところが、医療の本質の良し 悪あ しはなかなか比較できないのです。今回はそんな本質とは離れたハード面やソフト面のお話です。

きれいで新しい建物を

 まず、建物はきれいで新しい方がいいですね。古いと気が 滅入めい りますね。治療が同じであれば、どこで施されても同じだという意見もありますが、そうでしょうか。1泊から数泊で終わるような簡単な病気はどこでもいいかもしれません。でもある程度の入院期間が見込まれる大病であれば、明るく、 清々すがすが しく、そして気が晴れる病室が、暗くて、沈んでいて、重苦しい雰囲気の病室よりもいいに決まっています。当然に治り方は違うように思えます。廊下は広い方がいいですね。廊下には絵などが掛けてあるとおしゃれですね。お庭があると入院中の息抜きになりますね。

待ち時間、何とかならない?

 さて、待ち時間です。「3時間待ちの3分診療」などと 揶揄やゆ されますが、多くの患者さんをさばいて薄利多売で利益を上げている医療構造からして、致し方ない側面もありますが、なんとかならないでしょうか。まずは3時間待っても苦にならないような工夫ができます。たとえば自分の順番が近づいたら携帯電話にお知らせが来るとか、院内専用の通信機器を持ってもらって、そして好きなところで時間を潰して頂いて、10分ぐらい前に待合に来てもらうという作戦です。これらは、実はすでに行われています。

 待ち時間をなくすためには、予約診療を正確に行えばいいのですが、予約診療をしても待たされることは、よく耳にします。それはキャパシティ一杯に、またそれ以上に予約をいれるから起こることで、1時間に2人ぐらいを診療する体制にすれば待ち時間もなくなります。ところが、1時間に10人以上が予約で入っていることも、 希まれ ではありません。そうであれば、自宅に医者に来てもらうことも一つの方法です。在宅医療では通常、月に2回ぐらいの訪問診療を行っています。医師が決まった時間に患家に来てくれるのです。これであれば、だいたいの時間がわかっていれば少々待っても腹は立ちません。ちなみに往診は予定外の診察で、訪問診療は予定された診察です。

 また、最近は体を触らない、そして患者の顔を見ないでコンピューターばかりを見ている診療もあります。患者を触らないのであれば、テレビ電話での診療でも代用可能です。昨年8月に厚生労働省は従来の方針を大転換して、遠隔診療を基本的に認めました。もちろん保険診療も利用できます。つまり、これからは、検査の結果を聞くとか、著変がないので同じ薬がほしいなどという状況では、病院に出向かなくても、テレビ電話での診察が可能で、処方箋や実薬が後ほど送られてくるという診療スタイルが実際に始まっています。

 初診も再診以上に待ちますよね。先ほどの遠隔診療について、厚生労働省は初診でも認めました。つまり最初に対面する必要はないということです。そうであれば、病院に行った方がいいか迷った時は、まず遠隔診療で症状を訴えて、そして来院の必要があれば、来院して診察や検査を受ける、来院の必要がなければ病院の患者数が減りますので、実際に診察する患者さんの混雑を緩和できますね。

クロークが便利、トイレも広く…

 そして、病院やクリニックにクロークがあるといいですよね。特に病院では荷物をもって、移動するのは大変です。雨の日に傘を持って、冬にコートを持って移動することは大変です。ホテルには当然にクロークがあります。もちろんそれを利用しなくてもいいのですが、あれば便利ではないですか。こんな当たり前のことも病院ではなかなかできません。あってもコインロッカーという施設が大多数と思います。

 トイレはだいぶ改善されました。多くの病院は洋式の洗浄機付きの便座となりました。ところがトイレは狭いですね。ある程度の広さは必要と思っています。トイレに気を配っている病院は基本的に他のいろいろな要素にも気を配っている病院と思って間違いありません。

職員の態度に気を付けて、説明は迅速に

 医療従事者の態度は大切ですね。エレベーターで職員の私語が多い病院は落第です。また職員が横に並んで廊下を我が物顔で 闊歩かっぽ している病院も落第です。職員は廊下の端を一列で歩く病院は素晴らしい教育がされています。また職員の白衣や仕事着が汚れている病院も落第ですよ。

 いろいろな検査をして、例えば採血、単純X線写真、超音波検査、CT検査、MRI検査、PET検査、心電図などなどの結果が 直す ぐにわかるといいですね。最近はダブルチェックをすることが多く、その道の専門家がチェックしてから、そのコメントを参考にして主治医がお話しします。多くの病院では後日来院してもらって説明していますが、できれば当日に読影結果がわかると良いですね。チェックする医者の数が十分であれば、それも可能です。実際に即日にダブルチェックの結果を含めて説明する病院もありますよ。もしも、後日になるのであれば、これも大した異常がなければテレビ電話で「異常ありませんでしたよ」で十分ですね。

 僕の友人のアメリカのオフィスは、ホテルのようでした。患者が少なく、スペースが広いので、患者さん同士が顔を合わせることも希でした。間接照明で、1人に30分から1時間の診察、診察の前には担当の医療従事者でコンシェルジュのような人が、いろいろとお話を聴いてくれます。病院に来ると憂うつになる日本とは別世界ですね。国民皆保険が崩壊し、混合診療が普及すると予想され、そして患者負担が5割になれば、少々お金を払っても付加価値を期待する人々のクリニックが増えるかもしれませんね。

 人それぞれが、少しでも幸せになれますように。



http://www.chunichi.co.jp/article/living/life/CK2016102802000002.html
安全な包装容器導入を 相次ぐ子どもの薬誤飲
2016年10月28日 中日新聞

 乳幼児の医薬品誤飲事故が後を絶たない。予防の基本は保護者が注意することだが、従来のような啓発だけでは限界があるとして、子どもが開封しにくいように工夫した「チャイルドレジスタンス」(CR)と呼ばれる包装容器導入に向け、関係団体が検討を始めた。専門家は「誤飲の実態を広く知らせ、予防意識を社会全体で育てるべきだ」と指摘する。

 「中毒110番」で、誤飲の相談を全国から受ける日本中毒情報センターには、子ども(五歳以下)の医薬品誤飲の情報が年に八千件以上寄せられる。医師が処方する医療用医薬品の誤飲が増加傾向。何でも口に運び、大人のまねをする一〜二歳の事故が七割程度を占め、降圧剤や向精神薬の誤飲では少量でも重症化した事例がある。
10275.jpg

 厚生労働省などは「医薬品は子どもの手が届かない所に保管を」などの注意喚起を繰り返してきたが、誤飲は減っていない。

 昨年十二月、消費者庁の消費者安全調査委員会がCR包装容器導入の本格的な検討を厚労省に求める報告書を公表。委員会は医薬品を封入する包装シートの見本を使って開封実験を行い、子どもは開けにくいが高齢者には使用困難でない包装容器を実現できる可能性はあると結論付けた。

 子どもの誤飲防止策を研究してきた国立成育医療研究センター(東京)の石川洋一薬剤部長は「CR包装容器の製造自体は難しくないが、保護者はもちろん社会全体がCRは必要だと認識しないと普及は難しい」と話す。

 理由の一つは、大人でも慣れるまでは多少の開けにくさなどを感じること。ただ「事故を防ぐ目的の容器だと知れば、使ってもいいと考える人が多い」と石川部長は話す。

 CRはコスト増にもなる。厚労省研究班の代表として、薬の包装容器の見直し策を検討した土屋文人(ふみと)・日本病院薬剤師会副会長(国際医療福祉大特任教授)は、薬の製造段階で包装を変えるほかに、「薬局での調剤の機会を活用する道も考えられる」と指摘する。

 例えば、家に乳幼児がいるなど必要な人だけに、薬の包装シートにCR化シートを貼るなど「個別に安全策をプラスする方法は、費用負担の面からも理解を得やすいのでは」と土屋副会長は言う。製薬会社でつくる日本製薬団体連合会は八月、厚労省の要請を受け、安全性委員会で検討を開始した。

 家庭への啓発にも課題がある。親向けに子どもの病気の啓発活動をする「知ろう小児医療守ろう子ども達の会」代表の阿真(あま)京子さん(42)は「『注意しよう』などの漠然としたメッセージでは親の心に響かない」と指摘する。

 どういう状況で誤飲が起きたか、防げたのはどんな場合か、具体的で詳細な情報が有効だ。阿真さんによると、誤飲した子どもの親は自責の念が強く、「親同士が集まる場でも体験を積極的には語らない」。共有されにくい情報をいかに集め、効果的に伝えるかが問われている。

 (吉本明美)

  1. 2016/10/28(金) 05:59:00|
  2. 未分類
  3. | コメント:0

10月26日 

http://news.biglobe.ne.jp/domestic/1026/mai_161026_2175365225.html
<精神保健指定医>49人と指導医40人資格取り消し発表
毎日新聞10月26日(水)21時7分

 精神障害者を強制的に入院させるかどうかを判断する精神保健指定医の不正取得に関わったとして、厚生労働省は26日、指定医49人とその指導医40人を資格取り消し処分にしたと発表した。同省の医道審議会は、処分が出る前に指定医の辞退届を出した6人と資格申請中の4人を合わせた99人を不正と認定。今後、医師法に基づき全員に医業停止などの行政処分も検討する。

 発表によると、取り消しになった89人は資格申請時、12都府県の26病院で勤務していた。京都府立医科大病院(8人)、兵庫医科大病院(7人)、愛知医科大病院(同)などが多く、地域別では兵庫県の医療機関が最多の28人に上った。いずれも資格取得に必要な症例リポートを、自身が診察していないのに同僚のリポートを使い回して国に提出。指導医も確認を怠った。

 相模原市の障害者施設殺傷事件で容疑者の措置入院判断をした医師1人を含む6人は、不正なリポートを提出したなどと認定されたが、資格を返上しているため今回の処分対象から外れた。

 厚労省によると、医師89人は現在、19都道府県で勤務している。複数の自治体から、措置入院や精神科救急の態勢などで「影響が出る可能性がある」と懸念する声が出ているという。

 昨年4月、聖マリアンナ医科大学病院(川崎市)で、診察していない患者の症例リポートを使い回すなどし、指導医を含め指定医23人が資格取り消しになった。厚労省は2009年以降に資格申請した3374人についてリポートをデータベース化し、同様の不正がないか調べていた。【熊谷豪】



http://news.biglobe.ne.jp/domestic/1026/mai_161026_1520535573.html
<精神保健指定医>指定取り消しの医師は次の通り
毎日新聞10月26日(水)20時54分

 精神保健指定医の指定を取り消される医師は次の通り(当時の所属医療機関名、医療機関所在地、氏名。敬称略)

 ◇不正な申請をした医師  ▽愛知医科大病院=宮沢利和、長谷川裕記、野口貴弘 ▽明石土山病院(兵庫県)=伊藤毅、財田一也、宗和将志、田中健一、藤田学 ▽けやきの森病院(神奈川県)=坂口貴子 ▽宇治おうばく病院(京都府)=大田壮一郎 ▽横浜市立大付属市民総合医療センター=近藤友子 ▽岡山県精神科医療センター=池上陽子 ▽京都府立医科大付属病院=酒井雄希、水原祐起、西沢晋 ▽群馬県立精神医療センター=清野うらら、鈴木雄介 ▽高知大医学部付属病院=山内祥豪、須賀楓介 ▽林精神医学研究所付属林道倫精神科神経科病院(岡山県)=鎌田豪介 ▽昭和大学横浜市北部病院=山田英介、田村利之 ▽兵庫県立光風病院、神戸大医学部付属病院=岡崎賢志 ▽神戸大医学部付属病院=田中知子 ▽聖マリアンナ医科大病院(神奈川県)=橋本知明 ▽千葉大医学部付属病院=田所重紀 ▽都立松沢病院=浅野未苗 ▽都立多摩総合医療センター=金田渉、石井民子 ▽東香里病院(大阪府)=赤沢美歩 ▽国立病院機構琉球病院=海江田保彦 ▽兵庫医科大病院=浅野真紀、吉崎晶絵、岩永伴久、北浦寛史、浜田優一朗 ▽兵庫県立光風病院=井上由香、横山紘子、佐々木雅明、小泉千晶 ▽北里大東病院(神奈川県)=大林拓樹、田沼竜太郎、竜田彩 ▽湊川病院(兵庫県)=江口典臣、三家英彦、志村政幸、平岡やよい ▽藍野花園病院(大阪府)=守谷真樹子、實松麻由子

 ◇確認を怠った指導医  ▽愛知医科大病院(愛知県)=松原桃代、木村仁、多羅尾陽子、鈴木滋 ▽原病院(群馬県)=原淳子 ▽明石土山病院(兵庫県)=太田正幸 ▽けやきの森病院(神奈川県)=堤康彦 ▽宇治おうばく病院(京都府)=岡崎信也 ▽横浜市立大付属市民総合医療センター=近藤大三 ▽岡山県精神科医療センター=河本泰信 ▽京都府立医科大付属病院=中前貴、柴田敬祐、北林百合之介、成本迅、松本良平 ▽群馬県立精神医療センター=須藤友博、大舘太郎 ▽厚生会道ノ尾病院(長崎県)=畑田けい子、立木均 ▽高知大医学部付属病院=藤田博一 ▽済生会横浜市東部病院=吉邨善孝 ▽林精神医学研究所付属林道倫精神科神経科病院(岡山県)=井上慶郎 ▽昭和大横浜市北部病院=工藤行夫 ▽神戸大医学部付属病院=山本泰司 ▽聖マリアンナ医科大病院(神奈川県)=御園生篤志 ▽千葉大医学部付属病院=佐々木剛、白石哲也 ▽都立松沢病院=野中俊宏 ▽都立多摩総合医療センター=西村隆夫 ▽東香里病院(大阪府)=井家上譲 ▽国立病院機構琉球病院=原田聡志 ▽兵庫医科大病院=大原一幸、奥田嘉男 ▽兵庫県立光風病院=葛山秀則、関口典子 ▽北里大東病院(神奈川県)=大石智、高橋恵 ▽湊川病院(兵庫県)=田淵実治郎、山口道彦 ▽藍野花園病院(大阪府)=川島文雄



http://this.kiji.is/163963403088791030?c=110564226228225532
「盗撮数百回」医師を解雇  福島県立医大
2016/10/26 19:51 共同通信

 福島県立医大は26日、福島市内の付属病院の内外で女性のスカート内などの盗撮を繰り返したとして、医学部助手の冨田重博医師(28)を同日付で懲戒解雇処分にしたと発表した。大学の聞き取りに「数百回やった」と話している。

 大学や福島署によると、冨田医師は今年7月、福島市内のコンビニで女子高生3人のスカート内を、靴に仕込んだ小型カメラで盗撮した疑いで摘発された。同署が任意で取り調べをしている。

 このほか、昨年の秋ごろから付属病院で看護師や患者のスカート内を盗撮したり、県内の別の病院で健康診断中に、胸ポケットに入れたペン型カメラで女性の胸部を盗撮したりした。



http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS26H7M_W6A021C1EE8000/
高齢者長期入院「療養病床」14万床を介護などに転換 3年で
2016/10/26 19:58 日本経済新聞

 厚生労働省は高齢者らが長期入院する「療養病床」のうち約14万床を18年度から新しい形の介護施設などに転換する。3年以内の移行を目指す。

 受け皿の新施設には3案あり、医療機能を備えた施設では容体に応じて医師や看護師らの数が異なる2種類を、容体が安定した人向けには医師の常駐は要件とせず、有料老人ホームに近い施設をそれぞれ想定している。

 厚労省は26日社会保障審議会の特別部会で、療養病床の受け皿になる新施設案と移行計画を示した。委員からは賛成意見が多かった。年末までにより具体的な要件などを決める。



http://www.medwatch.jp/?p=10960
かかりつけ医は普及すべきだが、外来定額負担には反対、かかりつけ医の定義も曖昧―社保審・医療保険部会
2016年10月26日|医療・介護行政をウォッチ MedWatch

 「かかりつけ医以外の外来を受診した場合の、別途の定額負担」を導入しても、かかりつけ医の普及にはつながらないのではないか。そもそもかかりつけ医の定義が明確でない―。

 26日に開かれた社会保障審議会の医療保険部会では、委員からこういった指摘が相次ぎました(関連記事はこちらとこちら)。

 骨太方針2015などで検討を指示されたテーマですが、医療保険の専門家は「却下」という結論を出したと言えます。

ここがポイント!
1 ほとんどの委員が「かかりつけ医以外受診での外来定額負担」に反対
2 スイッチOTC薬の給付率引き下げ、別の高額薬剤にシフトしてしまうのでは

ほとんどの委員が「かかりつけ医以外受診での外来定額負担」に反対

 安倍晋三内閣が2015年6月に閣議決定した骨太方針2015(経済財政運営と改革の基本方針)では、「かかりつけ医の普及」を目指し、外来の定額負担について検討するよう厚生労働省に指示。同年12月に経済財政諮問会議が決定した「経済・財政再生アクションプログラム」でも、同様の指示がなされています。

 具体的には、「患者がかかりつけ医以外の外来を受診した場合に、現行の1-3割の定率負担とは別に『定額負担』を導入する」ことの是非が検討テーマとなります。

1026.jpg
経済・財政再生計画 改革工程表(抜粋2)、かかりつけ医以外の外来受診について定額負担の導入を2016年末までに検討するよう求めている

 しかし26日の医療保険部会では、ほとんどの委員がこのテーマについて「反対」を表明しました。

 反対の理由として、まず「『かかりつけ医』の定義が不明である」という点があげられます。日本医師会と四病院団体協議会(日本病院会、全日本病院協会、日本医療法人協会、日本精神科病院協会)では、2013年8月に、かかりつけ医とは「なんでも相談できる上、最新の医療情報を熟知して、必要な時には専門医、専門医療機関を紹介でき、身近で頼りになる地域医療、保健、福祉を担う総合的な能力を有する医師」と定義しました。しかし、ほとんどの委員は「共通認識になっていない」「定義があいまいである」と指摘しています。

 また多くの委員があげた反対理由の2つ目に、「仮にかかりつけ医がいたとして、『かかりつけ医以外』を受診した場合の定額負担をどう運用するのか」という点があります。例えば、高齢者では「眼科のかかりつけ医は●●先生、内科のかかりつけ医は◆◆先生」といった具合に、多くのかかりつけ医を持つ方も少なくありません。逆に若者は「かかりつけ医を持っていない」ケースも少なくありません。こうしたケースでは、どのように定額負担を課せばよいのかが極めて難解です。

 さらに、新谷信幸委員(日本労働組合総連合会副事務局長)や松原謙二委員(日本医師会副会長)らは、2002年の健康保険法等改正法の附則第2条に反するとも指摘します。附則第2条では「将来にわたって7割の給付を維持する」とされており、ここに定額負担が導入されれば、この規定を反故にすることになってしまうからです。

 この点、2015年の健保法等改正、2016年度の診療報酬改定で導入された「紹介状を持たずに特定機能病院などを受診した場合の定額負担(初診時5000円以上、再診時2500円以上)」は本規定に反しないかが気になりますが、松原委員は「身近なクリニックなどを受診し、紹介状を書いてもらえば定額負担は発生しない」ことから、本規定との齟齬はないとの見解を示しています(関連記事はこちらとこちら)。

 また白川修二委員(健康保険組合連合会副会長)や菊池令子委員(日本看護協会副会長)らは「定額負担を課すことで、かかりつけ医の普及が進むのか」という点にも言及しています。

 ただし、ほんとの委員は「外来の機能分化を進めるために、かかりつけ医の普及を促進することは極めて重要」との見解も強調しています。上記の大病院における定額負担や、2014年度診療報酬改定で導入された地域包括診療料・地域包括診療加算は、外来医療の機能分化を進めるものです。高機能の大病院に軽症患者が数多く受診することは、「高機能病院でなければ受けられない医療が必要な患者」のアクセスを阻害し、医療従事者の過剰負担を招くため、機能分化が求められていますが、まだ十分とは言えないようです。

 今回の外来定額負担は医療保険部会として「却下」の烙印を押されましたが、外来機能分化をさらに進める方策を練って行く必要性は薄れていません。

スイッチOTC薬の給付率引き下げ、別の高額薬剤にシフトしてしまうのでは

 26日の医療保険部会では、「スイッチOTC化された医療用医薬品の保険給付率を下げるべきか」というテーマについても議題となりました。やはり骨太方針2015などで指示されているテーマです。

 スイッチOTCとは、医療用医薬品としての使用実績などを踏まえて、「その成分は安全性が比較的高く、OTC(一般用医薬品など)として適切である」と判断された医療用医薬品のことです。最近では、消炎鎮痛剤のロキソプロフェンナトリウム水和物(外用)(ロキソニンゲルなど)がスイッチOTC化されました。一般用医薬品は全額自己負担であるのに、同じ成分の医療用医薬品では1-3割の自己負担で済んでいることなどに鑑み、骨太方針では▼公的保険の役割▼セルフメディケーションの推進―などを考慮して、見直しを検討するよう求めています。

 このテーマについては、さまざまな角度からの反対意見がありました。

 薬剤の専門家である森昌平委員(日本薬剤師会副会長)は、「仮にスイッチOTCの給付率を下げれば、かえってより高額な医薬品へのシフトが生じてしまい。安価で安全性の高い医薬品の使用が阻害されてしまう。スイッチ化にもブレーキがかかるのではないか」と指摘し、反対姿勢を明確にしました。

 また前述の外来定額負担と同様に、「将来にわたって7割の給付を維持する」との規定に反するとの指摘もあります。

 一方、白川委員は「そもそもスイッチOTCは保険給付から除外すべきである」と指摘した上で、超高額薬剤を含めた薬剤の保険給付そのものという大きなテーマで議論する必要があると指摘しています。

 このようにさまざまな意見があり、医療保険部会としての合意は形成できていません。



https://medical-tribune.co.jp/news/2016/1026505355/
救命技術、チームで競う...地域医療の向上狙い〔読売新聞〕
yomiDr. | 2016.10.26 14:58

 医師、看護師、救急救命士がチームを組み、救急現場での迅速かつ適切な対処の仕方を競う「福岡メディカルラリー」が今年で10回目を迎えた。競技形式で技術の向上を図るとともに、病院と近隣の消防機関の連携を強化し、地域の救急医療体制の底上げにつなげる狙いがある。

 メディカルラリーは、1990年代にチェコで始まったとされる。国内では2002年に大阪府で始まり、九州は07年に福岡県で初めて開催された。

 10回目となる福岡メディカルラリーが22日、福岡市東区の九州大馬出キャンパスで開かれた。福岡県内の病院・消防本部のチームに、福井、兵庫、鹿児島、沖縄各県からの参加を含めた18チームで競った。

 1チームは、医師、看護師、救急救命士の6人で構成。複数の患者がいる現場や屋外での事故現場など、キャンパス内に設けられた五つの模擬救急現場を順番に巡った。どんな「現場」かは事前に知らされておらず、ボランティアがふんする患者役や家族役などから詳しい状況を聞き取り、制限時間内での判断や処置の適切さを競った。

 1年目の研修医(25)は「初めての経験で勉強になる」といい、別のチームの医師(31)は「練習のために2か月前から、メンバーで何度も集まったことで、顔の見える関係が一層深まった」と語った。

 競技委員長を務めた福岡市民病院救急科長の野田英一郎さん(46)は「参加者には研修医など若手の医師も多い。病院では日頃経験できない現場を知ることで、救急の志を持った医師の養成にもつながれば」と話していた。



http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/area/doto/1-0330960.html
北見市夜間急病センター、常勤医確保に苦心 道外から非常勤医、経費が運営を圧迫
10/26 07:00 北海道新聞

 北見市夜間急病センターで、常勤の嘱託医が1人しかいない状況が1年以上続いている。同センターは年中無休で、常勤医の勤務は年間110日。それ以外の日は非常勤医を充てているが、市内の医師だけではまかなえず、札幌や道外から招く医師が交代で診療に当たっているのが実情。交通費や人件費が膨らみ、赤字増の一因にもなっており、市は常勤医確保に尽力するが、見通しは立っていない。

 同センターは午後7時から翌朝7時までの1次救急を担う。市が自前で運営するようになったのは2011年度から。1997年度までは北見医師会に、その後2010年度までは北見赤十字病院(日赤)にそれぞれ委託していた。日赤が内科医の大量退職を背景に受託返上を希望し、市が直営する形態となった。

 余裕を持って勤務のローテーションを組めるよう、市は複数常勤医の体制を目指す。一時的に常勤医が3人いたこともあるが、通常は1、2人。昨年8月に1人が自己都合退職したことで常勤医が1人となった後、補充できないまま1年が経過した。無休を維持するための非常勤22人のうち、13人を東京や京都など道外の医師に頼っている。年間600万円を超す交通費や、人件費が運営を圧迫。市は本年度、前年度比5%増の8697万円の赤字を見込んでいる。

 市地域医療対策室によると、同センターの昨年度の受診者数は3404人(前年度比116人増)。市の直営化以降は1日平均9~11人ほどで推移し、オホーツク管内のほか十勝、釧路方面から来る患者もいる。

 市は地方に医師を派遣する北海道地域医療振興財団などを通じて求人活動中だが、吉報は届いていない。同対策室は「なるべく早く常勤医をもう1人確保し、安定運営につなげたい」としている。(権藤泉)



http://www.jiji.com/jc/article?k=2016102600729&g=eco
定額負担に反対相次ぐ=かかりつけ医以外受診-社保審部会
(2016/10/26-17:49) 時事通信

 社会保障審議会(厚生労働相の諮問機関)の医療保険部会が26日開かれ、患者に身近な「かかりつけ医」以外の医療機関を受診した場合に定額負担を求める制度の導入について議論した。出席者からは「時期尚早」と反対の声が相次いだ。
 厚労省は、必要以上に受診したり、過剰に薬の処方を受けたりする問題を受け、気軽に相談しやすい「かかりつけ医」の普及を進めている。今年4月には、紹介状なしで大病院を受診した場合は初診時に5000円以上の追加負担を求める制度を導入しており、大病院以外でも新たに一定額の負担を求める案を示した。
 委員からは、医療費抑制の観点から賛成する意見があった一方、「疾病ごとに違う医療機関に通っているのが現状で、国民は納得しない」などと反対する意見が続出した。



http://www.sankei.com/west/news/161026/wst1610260001-n1.html
【ビジネスの裏側】
製薬会社の営業、受難の時代 ジェネリック医薬品普及と新薬減少でMR人員過剰に

2016.10.26 07:00 産経ニュース

 新薬に関する専門的な情報や研究成果などを医師らに伝える、製薬会社の医薬情報提供者(MR)が減少している。安価なジェネリック医薬品(後発薬)の普及が進み、各社とも経営効率化に迫られていることなどが要因だ。インターネットによる情報提供サービスや人材派遣の充実といった効率化もMR削減に拍車をかけている。(阿部佐知子)

減少するMR

 MRは、業界団体の実施する試験をパスした専門職。高給で安定した職種との見方が一般的だ。

 だが、公益財団法人のMR認定センターの調査によると、平成27年度の国内のMRは前年度比533人減の6万4135人。2年連続の減少となった。25年度は過去最高の6万5752人だったが、その後2年で計1617人減少した。

 要因として挙げられるのが、MRを必要とする新薬が減っていることだ。基本的な疾患では有効な治療薬がほぼ出そろった一方で、研究開発費の上昇などにより新薬の発売は低迷している。

 さらに政府が医療費抑制のため、新薬よりも後発薬の普及に力を入れていることも逆風だ。普及率を現状の約6割から平成32年度末までに80%に引き上げる目標を掲げている。後発薬はすでに医療現場に浸透しており、新薬のような細かな情報提供は必要ない。売り込みはMRではなく、医薬品卸販売担当者(MS)で可能だ。

派遣型は増加

 大日本住友製薬は約10年ぶりに早期退職を募集した。多田正世社長は「(MRの人員)過剰な体制になっていることは事実」と話す。27年に早期退職を実施した田辺三菱製薬の広報担当者は「政府の後発薬推進政策がある以上、今後も厳しい環境であることは変わらないだろう」とみる。

 総数が減る中、比率が高くなっているのが「コントラクトMR」という派遣型だ。新製品立ち上げ時など必要に応じて人員を確保できるメリットがある。業界団体の日本CSO協会の調査では、27年10月時点の人数は3835人で、調査を開始した21年の2倍以上となっている。

 MR全体に占める比率は5・9%。英国では18・2%、ドイツで14・4%となっており、さらに拡大する余地はありそうだ。

職場改善で女性進出

 かつてMRは、医師らの求めにいつでも応じられるようにするため勤務が長時間に及ぶことが多った。また、一度の契約で収益も大きかったため、高額の接待が行われていたとされる。このため女性には敬遠されがちだったという。

 しかし、状況は大きく変化。医薬品医療機器総合機構は、医薬品や医療機器の安全性に関する特に重要な情報を電子メールで配信する「医薬品医療機器情報配信サービス(PMDAメディナビ)」を提供。病院勤務者を中心に約14万件登録されている。MRが駆けつける必要性は小さくなってきた。

 また、製薬会社の業界団体は24年に、医師らへの過剰な接待をなくすため、金額に上限を設けるといった自主規制を強化した。

 こうした職場環境の変化を背景に女性MRは増加傾向にある。27年度は前年度より55人増の9200人と過去最多となった。外資系を中心に長く勤める女性が増えている。



https://www.m3.com/news/iryoishin/471023
シリーズ: 医師不足への処方せん
医師の働き方ビジョン検討会、「患者の価値中心」が第一
検討のたたき台整理、今年内に中間報告

レポート 2016年10月26日 (水)配信橋本佳子(m3.com編集長)

 厚生労働省の「新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会」(座長:渋谷健司・東京大学大学院医学系研究科国際保健政策学教室教授)は10月25日、第2回会議を開催、今後の検討のたたき台として、(1)患者の価値中心、(2)キャリアデザインに中立的、(3)生産性と質の向上、(4)経済活力(イノベーション・国際化)への貢献、(5)地域住民の生活を深く支える――という5つのビジョンを提示した。(1)と(5)はオーバーラップするため、実質的に4つのビジョンとして整理される見通し。

 今後、各ビジョンについて議論を深め、2016年内に中間報告、2016年度内に最終報告をそれぞれ取りまとめる方針(資料は、厚労省のホームページ)。

 これらのビジョンには現時点では言及していないが、医師の偏在対策や専門医についても、「検討のスコープから外さない」(厚労省医政局医事課長の武井貞治氏)。

 ビジョン検討会については、社会保障審議会医療部会と、「医療従事者の需給に関する検討会」の「医師需給分科会」が、医師の偏在対策や医師需給に関して議論していることから、その位置付けが曖昧との指摘が出ている(『「医学部定員、2020年度以降も増員」をけん制』を参照)。

 会議後にブリーフィングした武井課長は、ビジョン検討会は、「医師需給分科会」の中間取りまとめを踏まえて発足したものであり、社保審医療部会と「医師需給分科会」は、まず医師の偏在対策について2016年内をめどに議論すると、改めて説明。医師需給については今後、厚生労働科学研究費補助金による研究班で現状等の調査を今実施する。2016年度内にまとまる同調査の結果と、ビジョン検討会の最終報告を踏まえて、「医師需給分科会」で将来推計を行う。

 もっとも、医師の偏在対策については、本ビジョン検討会の中間報告、社保審医療部会と「医師需給分科会」の議論は、同時並行的に進むため、「省として、整合性は図っていく」(武井課長)ものの、いまだこれらの関係性については不透明な部分が残る。

 ITによる医師の働き方の変化も視野

 第2回会議で示された5つのビジョンは、10月3日の第1回会議の議論を踏まえたもの。それぞれについて「目指すべき姿」と「課題・イッシュー」を整理している。

 厚労省医政局によると、特徴の一つが、医療提供側ではなく、「患者の価値中心」というビジョンを第一に掲げている点だという。このビジョンの「目指すべき」姿として、(1)患者の複合的なニーズ・多様な価値観に応え、患者の価値を常に維持向上させる能力と、それを育成するキャリアが構築できる、(2)多様な職種、住民とのチームで患者と向き合う、(3)治療に関して、患者・家族の意思決定や意向を尊重し、巻き込むためのコンピテンシーが確保される、(4)疾病予防や重症化予防等のため、患者の意識を高めながら参加を促す――が並ぶ。また「地域住民の生活を深く支える」では、「まちづくり」の視点も盛り込んでいる。

 そのほか、医師の働き方を考える上での医療機関のマネジメントの重要性、医療技術やITの進歩による医師の生産性の向上や働き方の変化などについても、今後の論点になる。



https://www.m3.com/news/general/470993
マッサージ不正請求9億円 高齢者の保険食い物に 75歳以上、はり・きゅうも 訪問距離、回数水増し
2016年10月26日 (水) 共同通信社

 高齢者向けが大半を占めるマッサージ、はり・きゅう治療で、施術者が回数や訪問距離を水増しするなどして、75歳以上が加入する健康保険に療養費(治療費)を不正・不適切に請求し、返還を求められたケースが2011年度からの5年半で約4万8千件、約9億円に上ることが25日、共同通信の調査で分かった。

 あん摩マッサージ指圧師やはり師、きゅう師は国家資格で、筋肉のまひや神経痛などの施術は、医師の同意があれば健康保険の対象となる。75歳以上の療養費は患者負担(原則1割)のほか、現役世代を含む保険料と税金で賄われており、不正な事業者の食い物になっている形だ。

 背景には高齢化で患者数が増え、自宅や老人ホームへの訪問施術にビジネス目的で参入する事業者が相次いだことがある。厚生労働省は近く対策を打ち出す方針だが、施術者が患者の代わりに療養費を請求することが多く、不正が発覚しにくい構造のため、実効性を疑問視する声も出ている。

 不正の手口は、(1)高く設定されている出張料(往療料)を狙い、訪問距離を実際より長くして請求(2)高齢者の記憶が曖昧なことにつけ込み、施術回数を水増しして申告(3)保険適用に必要な医師の書類を偽造―など。

 調査は9~10月、75歳以上が加入する47都道府県の後期高齢者医療広域連合を対象に実施した。

 不正・不適切な請求をした施術所は計200カ所。返還請求額は11年度の約1億4400万円から、15年度は約2億1千万円に増えた。16年度も既に約8700万円に上っており、5年半で計約9億200万円。広域連合が刑事告訴した例は少なく、返還は約4億8200万円にとどまる。

 都道府県別では、和歌山が約1億5800万円と最多で、大阪が約1億2200万円、神奈川が約1億200万円と続いた。一方で、東京、千葉などの都市部や、北海道、長野、熊本など15都道県は「なし」と回答。調査や返還請求に消極的な広域連合もあるとされ、今回明らかになった不正は全体の一部にすぎないとみられる。

 ※療養費

 都市部などで営業するマッサージ店と異なり、国家資格のあん摩マッサージ指圧師、はり師やきゅう師の施術には、健康保険から療養費が支給される。ただし対象は脳出血後のまひ、神経痛など一定の疾患で、医師の同意も必要。本来は患者がいったん全額を施術者に支払った後、自己負担を除いた分を健康保険から受け取る「償還払い」が原則だが、施術者が患者負担分を受け取り、代わりに療養費を請求する「代理受領」のケースが多い。療養費を巡っては、整骨院などの柔道整復師による不正も相次いでいる。



https://www.m3.com/news/general/470996
モラル低下、業者荒稼ぎ 医師やホームと結託も 「表層深層」マッサージ費用不正9億円
2016年10月26日 (水) 共同通信社

 マッサージ、はり・きゅうの療養費(治療費)を狙った「高齢者ビジネス」が横行している。老人ホームなどで多数の患者を紹介してもらい、1度の訪問で出張料(往療料)を荒稼ぎするなど手口は巧妙。高齢化の進行で患者が増え続ける中、事業者のモラル低下に歯止めがかからない。

 ▽ATMのよう

 訪問施術を受け入れてもらうため有料老人ホームの事務長に月10万円のリベート、不正が発覚しないようホーム職員と口裏合わせ...。

 2012年に和歌山市内の事業者が療養費の返還を求められたケース。75歳以上の人が加入する和歌山県の後期高齢者医療広域連合の調査では、こんな実態が明らかになった。

 実際にホームを訪れたのは1人だけだったが、3~4人が施術したことにして、出張料を水増し請求。保険適用に必要な医師の同意書は、ホームと協力関係にある医師が押印した白紙の書類を用意し、施術者側が勝手に作っていたという。不正に受け取った療養費は約1億1千万円。事務長への"袖の下"にも、国民の保険料や税金が間接的に回っていた形だ。

 多額の不正受給は今年に入ってからも、静岡県で約6700万円の事例が発覚。ある広域連合の元職員は「会社員の健保組合に比べると、広域連合のチェックは甘い傾向にあり、一部の事業者からは申請書を送ればお金が出てくる現金自動預払機(ATM)のように見られている」と話す。

 ▽無料体験

 多くの関係者が問題視するのが、ビジネス目的で参入してきた新規の事業者だ。「経営者が『もうかりそうだ』と目を付けて、マッサージ師などの資格がある人を多数雇い、巧みに制度の抜け穴を突いている」(マッサージ師団体幹部)。広域に展開するチェーンやフランチャイズもある。

 「無料体験」で患者を獲得する手法も広がっている。関西地方のマッサージ師は「業界では、保険が適用されるケースでも、あえて患者負担分を徴収しないことがよくある」と証言。75歳以上の患者は原則1割を負担するが「健康保険から9割分の療養費が入ってくれば、利益を出せるからだ」と明かす。

 だが患者の一部負担金は健康保険法などで定められ、徴収しないのは本来なら違法。患者が「タダなら受けたい」と考え、不要な施術を招く恐れもある。

 ▽主張が対立

 マッサージ、はり・きゅうの療養費はここ数年、大きく伸びているが、整骨院などの柔道整復に比べるとまだ4分の1ほど。規模が小さく、問題が見過ごされてきた。

 制度的な不備もある。マッサージなどの療養費については、施術者の指定・登録や行政の指導監督権限が法令で定められていないため、チェックが行き届かない。厚生労働省は不正防止策を検討しており、近く工程表を示す方針だ。

 療養費は本来、患者が全額を支払った後、健康保険に自分で請求する仕組み。ただ患者の負担が大きいため、施術者側が代わりに請求する「代理受領」が広く認められている。

 全日本鍼灸マッサージ師会の往田和章(おおた・かずあき)副会長は「行政側が施術者と契約を結ぶ正式な制度に変え、指導監督する形が適当だ」と提案する。厚労省も同様の考えだが、健保組合などは「すでに同様の制度を取り入れている柔道整復師の療養費でも不正は続いており、対策に逆行する」と反発し、主張が対立している。



http://www.tomamin.co.jp/20161044027
地域医療に理解深める 厚真中で体験学習会
(2016年 10/26)苫小牧民報

手術衣を試着し、医療機具に触れる生徒たち
 小中学生に医療への関心を高めてもらう、地域医療を担う青少年育成事業「医療体験学習会」が24日、厚真中学校で開かれた。厚真町、町教育委員会、北海道、道教育委員会、道医師会の共催。63人の全校生徒は道医師会の長瀬清会長の講演やさまざまな医療機具に触れる展示、体験コーナーを通じて地域医療の現状などについて理解を深めた。

 地域での医師不足を踏まえ、市町村や道、道医師会が連携して将来の道内の地域医療を担う人材を育成しようと、小中学生を対象に2012年度から実施。今年度は厚真町を含めて4カ所で開く計画で、9月にオホーツク管内美幌町、今月5日には北見市で開催され、11月に釧路管内厚岸町でも学習会が予定されている。

 講演で、長瀬会長は健康と寿命や抗生物質の発見、医療機器の進歩、遺伝子などに触れた医療の歴史などについて説明。合わせて、道内各地域で医師、看護師、薬剤師など医療従事者が不足している状況を解説した。

 この後、生徒たちは4グループに分かれて医療体験。電子内視鏡システム、腹腔(ふくくう)鏡手術トレーニングシステム、超音波エコー、手術衣試着、医療器具展示の各体験コーナーを順番に回った。2年生の佐藤翔音君(14)はエコー検査を体験。「自分の体の中が見られて面白かった」と話していた。



http://www.yomiuri.co.jp/local/gunma/news/20161026-OYTNT50294.html?from=ycont_top_txt
医学生、県内で研修希望 低迷  群馬
2016年10月27日 読売新聞

◆来春 募集定員のほぼ半分に

 医学部を卒業したばかりの医師を対象にした「医師臨床研修制度」で、来春、県内の医療機関を研修先に希望している医学生は、募集定員162人に対し、87人にとどまることがわかった。県は、手術死問題が起きた群馬大学病院への希望者が減っていることが影響しているとみている。

 研修先を調整する「医師臨床研修マッチング協議会」が明らかにした。大沢知事は26日の記者会見で、「県内の医療機関への医師の派遣は目に見えて不足する」とし、危機感を募らせた。

 同制度は、大学を卒業したばかりの医師が、医療機関で2年間の研修を行うもので、2004年度に始まった。県内の医療機関への希望者は、14年度の103人(定員153人)が最多だった。

 県内最大の受け入れ先である群馬大病院への希望者は14年度、28人だったが、同年秋に手術死問題が発覚し、15年度は14人に半減。今年度は2人増えて16人だった。

 県医師確保対策室の江原昭二室長は「医師の確保に成功した他県などの事例を参考にしながら、対策を考えていきたい」と話している。



http://www.iza.ne.jp/kiji/life/news/161026/lif16102622090020-n1.html
廃止の療養14万床、3年で新施設に移行 30年度から
2016.10.26 22:09 産経ニュース

 厚生労働省は26日の社会保障審議会(厚労相の諮問機関)の特別部会に、高齢者らが長期入院する「療養病床」のうち、平成29年度末までに廃止する予定の約14万床について、30年度から3年以内に順次、新しい類型の介護施設などに転換させる方針を示し、賛成意見が多数を占めた。年末までに経過措置などを決め、来年の通常国会に関連法の改正案を提出する。

 入院患者は容体や病院の動向により他の施設に移動する可能性もあるが、経過期間があるため、すぐに退院を求められることはない見通し。自己負担額は大きく変わらないとみられる。

 厚労省案では、医師や看護師が常駐する「医療内包型」は重症度により2種類を想定。一方、容体が安定している人が対象の「医療外付け型」は、医療機関が併設する介護付き有料老人ホームに似た形を想定している。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/49879.html?src=catelink
日医が小児在宅医療の検討委員会発足- 来年度中に答申取りまとめへ
2016年10月26日 23時00分 CB News

 日本医師会(日医)は26日の記者会見で、小児在宅医療の在り方を検討する委員会を発足させたことを明らかにした。周産期や小児医療の進展で、小児の死亡率が減少する一方で、障害や慢性疾患により長期の在宅療養を必要とする患児が増えているとの現場の声を受け、実態を把握した上で、小児在宅医療の提供体制についての提言などをしていく方針だ。【君塚靖】

 この委員会の名称は、「小児在宅ケア検討委員会」。日医で初めて、小児在宅医療に特化して本格的に議論する。小児期だけでなく、思春期や若年成人のAYA(Adolescent and Young Adult)世代も対象となる。来年1月に第1回の会合を開催し、関係者からヒアリングをする予定だ。来年度中の答申の取りまとめを目指している。

 委員会は、田村正徳・埼玉医科大総合医療センター小児科教授や前田浩利・医療法人財団はるたか会理事長ら10人の委員で構成される。日医の松本吉郎常任理事が担当役員となる。

 同日の記者会見で、委員会の論点について松本常任理事は、「小児在宅医療に対応する医療機関の拡充や人材育成に向けた方策、小児の地域包括ケアシステムの在り方、都道府県医師会や郡市区医師会の役割などになる」と述べた。


  1. 2016/10/27(木) 05:53:24|
  2. 未分類
  3. | コメント:0

10月24日 

https://www.m3.com/news/iryoishin/470644
専門医研修プログラム6割が問題、日病調査
「大学の圧力でプログラム提出の自粛」の不満も

2016年10月25日 (火) 高橋直純(m3.com編集部)

 日本病院会の堺常雄会長は10月24日の定例記者会見で、日病役員が経営する79病院に対して行った「新たな専門医の仕組みに関するアンケート」の最終集計結果を報告した。新たに全面的に導入される予定の「研修プログラム制」については、「問題あり」が63.6%(42病院)と大勢を占めた。自由意見では「大学からの圧力によるプログラム提出の自粛」といった意見が出た(中間報告は『「勤務医は依然不足」、日病が医師偏在対策で見解』を参照)。

 2017年度の予定だった新専門医制度の開始が延期されたことについては65.7%(44病院)が賛成とし、複数選択での理由では「大学病院、大病院への集中」(47病院)、「日本専門医機構のガバナンス欠如」、「グランドデザイン不足」(37病院)、「地域・診療科偏在助長」(36病院)と続いた。日本専門医機構の新体制について堺会長は「新体制になって見える化が進んだが、関係者との相互理解がまだ足りないと思う」と注文を付けた。

 新たに全面的に導入される予定の「研修プログラム制」については、「問題あり」が63.6%(42病院)と6割を超えた。その理由は、「大病院・大学病院への集中」「要件のハードルが高い」「中小病院への配慮不足」「研修内容が細かく範囲が広すぎる」などが上がった。

 大学医局との関係では「ある」が98.5%(65病院)となり、医局からの派遣人数は「51人以上」が19病院と最も多かった。自由記述の問題点では「大学のコントロール下にあり、厳しい現実がある」「大学からの圧力によるプログラム提出の自粛」といった不満が並んだ。

 初期臨床研修修了者全員が基本領域の専門医を目指すという原則に対しては「賛成」(32.8%)、「反対」(28.4%)、「どちらとも言えない」(38.8%)と回答が拮抗した。専門医制度を通じた「地域偏在・診療科偏在の軽減は可能か」という質問には、「不可能」が52.2%(35病院)が半数を超え、「一部可能」が44.8%(30病院)だった。日病が導入を提案しているマッチングについては「賛成」が51.5%(34病院)、「反対」が27.3%(18病院)となった。

 総合診療専門医の養成数の希望は、専門医全体に対しては「1割程度」が36.9%(24病院)、「3割程度」が27.7%(18病院)、「2割程度」が24.6%(16病院)となった。基本19領域のダブルボードは68.7%(46病院)が認めるべきと回答した。

 専門医と標榜科の関連では「専門医取得者の標榜科のみ標榜できる」が53.7%(36病院)、「自由標榜(現行と同じ)」が25.4%(17病院)、「専門医研修コースの履修修了者も標榜できる」が20.9%(14病院)だった。専門医の差別化については、「診療報酬上で評価すべき」が40.3%(27病院)、「必要はない」「どちらとも言えない」が29.9%(20病院)だった。

 調査は2016年9月27日から10月5日までの間、日病役員病院79病院を対象に実施し、67病院から回答があった。53病院(79.1%)が後期研修を実施しており、 48病院(71.6%)が「基幹型、基幹型+協力型」として臨床研修病院の指定を受けている。



https://www.m3.com/news/general/470721
【北海道】分娩休止中の市立根室病院 産婦人科医退職へ 11月から外来も
2016年10月25日 (火) 北海道新聞

 【根室】市立根室病院(東浦勝浩院長)は24日、唯一の産婦人科医が10月末で退職すると発表した。後任の産婦人科医の着任時期は未定で、平日5日間のうち、月、木曜の産婦人科外来は、11月以降は休診となる見通しだ。

 市立根室病院は、大学病院から産婦人科医の派遣が途切れた2006年9月から出産の扱いを休止している。11年3月に橋爪毅昭(たけあき)医師(71)が着任し、外来と妊婦健診などを担当。市内の産婦人科医は橋爪医師だけで、1人では出産再開は難しく、このため市内の妊婦は、釧路市や根室管内中標津町などで出産している。

 病院側は、再開可能な体制にするため、さらなる産婦人科医の招へいに努めてきた。だが、体制が整わないうちに、橋爪医師は体調面などを理由に10月31日付で退職することになった。



https://www.m3.com/news/general/470732
【新潟】研修医内定者、3年ぶり前年割れ 来春から県内勤務 5病院は0
2016年10月25日 (火) 新潟日報

 県内の病院で来春から研修医として働くことが内定した医学生は98人で、2015年度の内定者数に比べ4人減ったことが24日までに分かった。全国では内定者が219人増え8906人になったが、本県では3年ぶりの減少となった。県医師・看護職員確保対策課は「減少した理由を分析し、改善を目指す」としている。

 日本医師会などでつくる「医師臨床研修マッチング協議会」が発表した。協議会は医学生と病院のマッチングを行うシステムを運営している。本県でこのシステムに登録している20病院のうち、15病院で内定者が出た。20病院の募集定員の合計は15年度より5人多い202人だった。

 全国の募集定員は1万1195人。厚生労働省によると、内定者のうち、研修先が東京、大阪など大都市を抱える6都府県以外の割合は58・3%(5194人)で過去最大となり、全国的には分散傾向が進んだ。

 本県で定員に達したのは長岡赤十字(定員10人)、県立新発田(同8人)、県立中央(同8人)、信楽園(同4人)、糸魚川総合(同6人)の5病院。希望者がいなかったのは県立がんセンター新潟、柏崎総合医療センター、新潟労災、村上総合、木戸の5病院で、15年度より3病院増えた。

 県内の病院に医師を派遣する役割を持つ新潟大学医歯学総合病院は、15年度と同じ22人が内定した。

 医学生が県内の病院を研修先に選べば、2年間の研修終了後も本県で働き続ける可能性が高まるとして、県などは研修医の確保に力を注いでいる。

 県外で学ぶ本県出身の医学生に対しても、県と研修先の医療機関が07年度に「良医育成県コンソーシアム」を結成し、県内での研修を勧誘している。

 この組織の代表を務める鈴木栄一・新潟大医歯学総合病院長は「今後も学生への働きかけと研修病院の魅力向上に努めたい」と話した。



https://www.m3.com/news/general/470726
【和歌山】紀南病院組合が5期連続黒字
2016年10月25日 (火) 紀伊民報

 和歌山県の公立紀南病院組合は、2015年度決算を公表した。通常の事業活動の損益を表す経常収支は約1億6958万円の黒字。黒字決算は5期連続となる。ただ、入院収益は減少傾向で、看護学校建設にも大きな出費が必要。経営の安定化に一層の努力が求められる。

 経常収入は118億6599万円、支出は116億9640万円。臨時に発生する特別利益、特別損失を加えた純損益は2億5504万円の黒字となった。

 病院経営の根幹となる医業収益は前年度比1・3%減の106億4424万円。紀南病院では患者数の減少で入院収益が減少した。こころの医療センターは精神科医不足の影響で、入院、外来とも収益が前年度を下回った。一方で、手術件数の減少や原油安などで支出も0・4%減少した。



https://www.m3.com/news/iryoishin/470453
「人と違うことをやる」、ノーベル医学・生理学賞の大隅氏
第54回日本癌治療学会学術集会で特別講演

2016年10月25日 (火) 橋本佳子(m3.com編集長)

 横浜市で開催された第54回日本癌治療学会学術集会で10月21日、2016年のノーベル医学・生理学賞を受賞した、東京工業大学科学技術創成研究院特任教授の大隅良典氏が特別講演した。テーマは、受賞理由となった「酵母から始まったオートファジー研究」。

 ノーベル賞受賞の決定は、10月3日。大隅氏は、「私自身は前と全く変わっていないと思っているが、『こんな生活があるのかな』というほど、多忙で、非常にプレッシャーのある生活」と率直に近況を明かしながら、講演を始めた。

 「How many red blood cells are made in just a second in our body?」

 東京大学の教養学部で教えていた時代、最初の講義でこう問いかけていたという。答えは、「人間の体内で作られる赤血球は、1秒間に300万個」。

 「人間の体を構成するタンパク質は、2、3カ月でほぼ全てが入れ換わる。これが機械と生物の大きな違い」「遭難しても、人間は10日くらい生き延びることができる。その間も、(栄養を摂取しなくても)タンパク質の合成は行われている」。そんな例を挙げながら、タンパク質の分解、合成がダイナミックに行われている生物の面白さを伝え、そこに関係しているオートファジーは、生物にとって身近な、かつ必須の機能であることを、大隅氏は自身の研究を踏まえて紹介した。

 大隅氏は現在、71歳。この4月からは東工大の科学技術創成研究院に籍を置き、オートファジーの研究を続けている。講演の最後は、予定の講演時間を少しオーバーしたため、駆け足で現在の研究内容を紹介、これまでの共同研究者のリストを何枚ものスライドにわたり提示して、約40分にわたった講演を締めくくった。

 「酵母でもまだ分からないことがある。酵母に固執して、オートファジーのメカニズムを問いかけていきたいと思っている」(大隈氏)

 大隅氏の論文、引用指数、最高は3229
 特別講演の座長を務めたのは、九州大学消化器・総合外科教授の前原喜彦氏。大隅氏の講演は、ノーベル賞受賞前から決まっていたという。前原氏は大隅氏の略歴を紹介。

 大隅氏は、1945年は福岡市生まれ。1967年東大教養学部卒、1974年に米国ロックフェラー大学に留学、1996年から基礎生物学研究所教授、2009年から東工大特任教授、2014年同大栄誉教授、2016年から同大科学技術創成研究院細胞制御工学研究ユニットの特任教授。

 2013年には、トムソン・ロイターの引用栄誉賞を受賞。「オートファジーに関する論文で、最も多いサイテーションインデックス(citation index)は3229。1000以上の論文を5つ以上持っている。サイテーションインデックスを合計すると、約3万5000という驚異的な数になる」。前原氏はこう紹介した上で、オートファジーの研究が、癌の原因究明や新しい治療法の開発につながると期待を込めた。

 「ごみ貯め」に注目したのがきっかけ
 講演では、随所に大隅氏の研究に対する姿勢がうかがえた。「人と違うことをやる」「こだわり続ける」という信念だ。

 大隅氏が酵母を用いたオートファジーの研究を始めたのは、1988年、東大教養学部に、独立した研究室を構えた時だ。「新しいことをやりたいと思った。何の変哲もない、vacuole(液胞)に興味を持った。液胞は、当時は『ごみ貯めだ』と言われていたが、細胞内の大きな部分を占めており、とてもいろいろなことをしているに違いないと思った」(大隅氏)。

 酵母の液胞内には、さまざまな加水分解酵素がある。過剰あるいは異常のタンパク質はリン脂質とともに集まり、「オートファゴソーム」を形成、液胞と膜融合して液胞内部に取り込まれ、分解される。動物細胞で、液胞と同様の役割を果たすのが、リソソーム。大隅氏は、オートファゴソームの形成や、液胞との膜融合がどのようにして起こるのかなどを研究していくことになるが、その道のりは平坦ではなかった。

 「オートファジー(Autophagy)」は、「Auto(Self)」と「Phagy(Eatingm)」のギリシャ語を組み合わせた造語。この言葉が最初に使ったのは、Christian de Duve、1962年のことだ(de Duve は、1974年にノーベル医学・生理学賞受賞)。

 しかし、最初は電子顕微鏡でしか、オートファジーの現象を捉えることができなかったこと、また研究者の関心は、蛋白質の「合成」に集まり、「分解」への注目度が低かったことなどから、オートファジーの研究はあまり進まなかったという。

 どちらかと言えば、マイナーだった研究分野において、大隅氏は研究を続け、酵母のオートファジーのミュータント(突然変異体)などを用いて研究を進めた。1992年に酵母においてオートファジーを初めて観察、1996年にはオートファジーに特異的に関係遺伝子(ATG遺伝子、現時点では18種類が同定)のクローニングに初めて成功した。

 大隅氏らが他に先駆けた研究を進めることができたのは、「多くの研究者は、エッセンシャル(必須)な遺伝子に興味を持っていたが、ノンエッセンシャルな遺伝子には関心がなかった」(大隅氏)からだ。

 オートファジー関係遺伝子も、必須の遺伝子だが、「通常状態での成長に必須の遺伝子」という視点で探索していると、見いだしにくい。大隅氏は発想を変え、酵母を、アミノ酸の原料になる窒素源がない状態、つまり栄養飢餓状態に置き、その動きを光学あるいは電子顕微鏡で観察してオートファジーの現象を「可視化」したほか、遺伝子レベルでの研究につなげたのだった。

 オートファジー、「飢餓」時のみにあらず
 実は最初は、オートファジー関連遺伝子をクローニングしても、どんな機能を果たしているのかが分からず、苦労した時期が続いたという。ただ最終的には酵母のオートファジーに関わる18の遺伝子の同定。その後、全世界的にオートファジーの研究が進み、酵母、植物からヒトでも同様の遺伝子が同定されてきた。オートファジーは、生物に幅広く見られる現象であることから、「真核生物の進化の過程で、非常に初期にオートファジーという現象が獲得されたことを示している」(大隅氏)。

 酵母のオートファジー関係遺伝子の同定で、分子生物学的手法での研究が可能になった頃から、研究が非常に進展した。生後間もないマウスを使った実験では、オートファジー関係遺伝子が欠損していると、育たないことが分かった。哺乳動物では、誕生直後の蛋白質合成に当たって、オートファジーの仕組みが働いているわけだ。オートファジー関係遺伝子欠損のマウスの実験では、蛋白質の凝集が見られるなど、オートファジーと肝がんとの関係も示唆されている。

 「最初は、オートファジーは飢餓に関係すると考えていたが、実はさまざまな高次生理機能に関わっており、がん化にも非常に大きな影響があることが分かってきた」(大隅氏)

 オートファジー、研究論文は年5000本超
 大隅氏が今に至るオートファジーの研究を始めてから、28年。「一つの領域が立ち上がるのには、これくらいの時間がかかる」。オートファジーの研究は、ここ数年、急速に進展し、多くの研究者が手がけるようになり、関連論文は、約10年前の年約350本から、今は年5000本を超す。

 それでもオートファジーの研究はまだ解明すべき部分が多く残されているという。「私自身は、『何が、いったい、いつどのように壊れるか』をもう一度、酵母に問いかけてみたいと思っている」。



http://www.nikkei.com/article/DGXLASFB20H3I_U6A021C1L72000/
さいたま新都心に新たな医療拠点 妊娠・出産への設備や機能強化
2016/10/25 7:00 日本経済新聞

 埼玉県立小児医療センターとさいたま赤十字病院がともにさいたま新都心(さいたま市)に移転し、この年末年始に新拠点が開業する。両病院では妊娠、出産に関する設備充実に加え、連携により機能を強化する。埼玉県は医師や救急機能の不足が指摘されており、両病院には医師の育成や産科医療機関の支援も含めた新たな医療拠点として期待が高まる。

 小児医療センターは13階建てで316床、赤十字病院は14階建てで632床。両病院は隣接した敷地に一体的に整備され、6階まではつながっている。小児医療センターは12月27日、赤十字病院は来年1月1日に新拠点での業務を始める。

 両病院の一体整備で最も重視したのは「総合周産期母子医療センター」の機能だ。ハイリスクな出産に対応できるよう、赤十字病院は産婦人科母子胎児集中治療室(MFICU)9床を新設した。小児医療センターでは新生児科新生児集中治療室(NICU)を15床から30床に拡大。超未熟児や心臓疾患のある赤ちゃんを分娩後すぐにNICUで受け入れられる。

 第2の目的は子供から大人まで高度な救命救急の「最後のとりで」となること。集中治療室(ICU)など22床を持つ赤十字病院が「高度救命救急センター」として重篤な患者の救命や蘇生を行う。

 小児医療センターは14床の小児集中治療室(PICU)を備え、「小児救命救急センター」として集中治療が必要な子供を受け入れる。

 小児医療センター内には入院中の子供の付き添い家族の滞在施設「ドナルド・マクドナルド・ハウス・さいたま」や、県立けやき特別支援学校なども整備され、療養環境をサポートする。

 両病院は地域医療への支援も担う。県は「遠隔胎児診断支援システム」を導入。県内の産科医療機関が、先天性疾患の疑いがある胎児の超音波画像などを専用回線で送り、両病院などの医師が診断を支援する産科医療ネットワークを構築する。

 また、「地域医療教育センター」(仮称)を小児医療センター内に整備。シミュレーターなどを活用した研修で、県内の医師や看護師のスキルアップを支援する。当初は小児科、産科、救急科で始め、将来的には分野を拡大。高度な研修環境を整えることで研修医を呼び込み、医師の確保につなげたい考えだ。



http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201610/20161025_13053.html
初めてのメス緊張 小中生が模擬外科手術
2016年10月26日水曜日 河北新報

 小中学生に医療への関心を高めてもらおうと、外科手術を模擬体験する「ブラック・ジャック セミナー」が15日、仙台市宮城野区の仙台オープン病院であった。

 医療用品大手ジョンソン・エンド・ジョンソン(東京)と同病院の共催。宮城県内の小学4年~中学3年の計約40人が参加した。

 子どもたちは手術室に入り、腹腔(ふくくう)鏡手術の具体的手順や器具の使い方について医師らから説明を受けた。実際の手術の様子を映したモニター画像にも見入り、繊細な技術と集中力が必要なことを学んだ。

 超音波の振動を使ったメスで鶏肉を切る体験や臓器に見立てたビーズを鉗子(かんし)でつかむ練習も行った。

 将来看護師になりたいという仙台市西山中1年柳帆乃さん(13)は「メスを持つのは初めてで、難しそうだと思ったけど慣れると楽しかった。看護師を目指す気持ちが一層強まった」と話した。



http://www.zaikei.co.jp/releases/411647/
小学生対象「職業体験 in 近大堺病院」 来て、見て、やってみよう!病院でのお仕事体験
プレスリリース発表元企業:学校法人近畿大学
2016-10-25 14:00: 財経新聞

近畿大学医学部堺病院(大阪府堺市)において、抽選で選ばれた近隣の小学生30人を対象に「職業体験 in 近大堺病院」を平成28年(2016年)10月29日(土)に開催します。過去3回の開催は参加者に大変好評で、今年で4回目の開催になります。

【本件のポイント】
●地元の小学生に、本格的かつ実践的に医療を体験してもらい、早くから医療分野への興味・関心を育む
●地域に根づいた病院としての地域貢献と、次世代の医療人の育成
●子供たちが、自分の将来像、希望する職業をしっかり考える機会を提供

【本件の概要】
近畿大学医学部堺病院は地域に根づいた病院として、病院の中の様々な職種を近隣の小学生に、体験してもらう「職業体験 in 近大堺病院」を実施します。手術着を着て外科医体験、頭に額帯鏡をつけて耳鼻科医体験、AED、心臓マッサージなどの救急医体験、胃カメラを用いた内視鏡医体験、注射や点滴の看護師体験、処方箋に従った調剤体験、その他盛りだくさんの内容を用意しています。例年応募多数のため、抽選で選ばれた近隣の小学生が職業体験をします。
本学ではこのような体験を通じて、次世代を担う小学生が「医療」への興味・関心を高め、夢と希望のある将来像をしっかり持ち、勉強に励むきっかけになればと毎年実施しています。

■日時:平成28年(2016年)10月29日(土) 13:00~16:00
■会場:近畿大学医学部堺病院
    (大阪府堺市南区原山台2-7-1、泉北高速鉄道「栂・美木多駅」から徒歩約8分)
■対象:近隣在住の、抽選で選ばれた小学校高学年生30人(保護者同伴)
    ※既に募集は終了し、抽選で選ばれた子供たちが参加します。



http://ryukyushimpo.jp/kyodo/entry-382515.html
マッサージ不正請求9億円 高齢者の保険食い物に
2016年10月25日 18:09(共同通信)

 マッサージ、はり・きゅう療養費の主な不正・不適切事例
1024.jpg

 高齢者向けが大半を占めるマッサージ、はり・きゅう治療で、施術者が回数や訪問距離を水増しするなどして、75歳以上が加入する健康保険に療養費(治療費)を不正・不適切に請求し、返還を求められたケースが2011年度からの5年半で約4万8千件、約9億円に上ることが25日、共同通信の調査で分かった。

 あん摩マッサージ指圧師やはり師、きゅう師は国家資格で、筋肉のまひや神経痛などの施術は、医師の同意があれば健康保険の対象となる。75歳以上の療養費は患者負担(原則1割)のほか、現役世代を含む保険料と税金で賄われており、不正な事業者の食い物になっている形だ。



http://www.asahi.com/articles/ASJBT5QR8JBTPTIL02B.html
病院元職員、1200万円着服容疑で再逮捕 大阪府警
2016年10月25日18時52分 朝日新聞

 大阪府東大阪市の市立東大阪医療センター(旧市立総合病院)をめぐる医療費不正事件で、大阪府警は25日、同病院の元医事課総括主幹繁田敬治容疑者(58)=詐欺容疑で逮捕=を還付金約1200万円を着服した業務上横領容疑で再逮捕し、発表した。府警は認否を明らかにしていない。

 捜査2課によると、繁田容疑者は総括主幹だった1~3月、病院の窓口職員から預かった患者13人分の医療費の還付金の現金計約1200万円を着服した疑いがある。窓口職員に医療費を払い戻す虚偽の申請書を提出していたという。

 繁田容疑者は病院から別の部署に異動後に還付金をだまし取ったとする詐欺容疑で逮捕され、処分保留になっている。着服した金は交際女性への贈り物や遊興費に使ったとみられるという。



http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/clinic/scout/201610/548763.html
医師ヘッドハンティングの舞台裏
ヘッドハント不成立でも医師との付き合いが続く理由

武元 康明(半蔵門パートナーズ)
2016/10/26 日経メディカル

 「この会社は、転職の実績を上げるため、私には合わない病院だと思っても押し込もうとするのではないか」――。転職に関わる会社のサービスを利用する際、そんな不安を抱く医師もいらっしゃるのではないでしょうか。

 弊社では、そうした強引なことは一切しておりません。誰のためにもなりませんし、そこまでしなくてもよい理由があるのです。

「急がば回れ」が生む好循環
 1つには、その時は紹介に至らなくても、お付き合いが続いたりして、長い目で見れば結局、転職につながることがあるからです。

 私はエグゼクティブサーチ、いわゆるヘッドハンティングの仕事を通じて、これまでに1800人以上(2016年10月現在)の医師の方々にお目にかかりましたが、実際に転職まで至ったのはその中のほんのわずかです。ただ、結果的に入職にこそ至らなかったものの、その後、ご自身の転職の話とは関係なく、幾度となくお会いしている先生が何人かいらっしゃいます。中には10年以上の付き合いという先生もいるほどです。

 ある先生ははっきり「転職の意思はないが、今後の医療政策や経営に興味があるのでぜひ情報交換をしたい」とおっしゃいます。そうしたお付き合いは、私どもとしても大歓迎です。我々の提示した案件に限らず、先生方の日々の臨床業務、生活に何かしら有益な情報を提供することを何より大切に考えています。

 それに「急がば回れ」ではありませんが、そうしていると結果的に“良い話”を頂けることが多く、好循環が生まれています。我々はそれを再帰性と呼んでいます。

 例えば、ある先生からは「転職を考えている知り合いがいるから、相談に乗ってほしい」と声を掛けていただきました。また別の先生はその後、移られた病院で採用を一手に任されることになり、我々と新たに取引を始めていただいたこともあります。おかげさまで、その病院には今までに複数の先生をご紹介しています。

成功報酬ではなく前払いにしている理由
 我々がそうした動きを取れるのは、医師1人の採用が決まるにつき手数料いくら、という完全成功報酬制ではないことも大きいと思います。弊社では、採用の決定にかかわらず、契約時点(スカウト活動開始)から費用を頂くリテイナー方式(前払い制)を取っています。求人側の医療法人などのクライアントから前もって、活動に伴う人件費や候補者となる先生方へ送付する手紙の費用をお支払いいただくことで、いろいろな意味でゆとりを持って取り組むことができるのです。

 候補者の先生には、転職を勧めるというよりは、まずは変革期にある今の医療情勢や医療政策、特に病院の統廃合に関する情報を提供しつつ、転職の意思があるのかないのかを探り、もし転職する気持ちがあるのであれば選択肢の1つに加えてくださいとお話ししています。

 前払い方式という方法は、クライアントである病院側にとっては不慣れな方式で、先に支払うことに不安に感じる方もいらっしゃるようなので、医療法人から新規で問い合わせがあった際には、かなり詳しい資料をお送りしています。

 以前はほぼ総額のみを提示していましたが、ある経営者の「無形のサービスを提供するビジネスは、根拠に則り有形として見せることができるかどうかが重要」という一言をきっかけに、実際に契約した案件をベースにスカウト活動に伴う原価計算を行い、そのコスト内訳を概算ではありますが明示するようになりました。

 そもそもヘッドハンティング(サーチ/スカウト型)という形態は、成功報酬方式ではとても成り立ちません。成約までに時間が掛かりますし、先ほども触れたように手紙の送付コストはかなりのウエートを占めます。スカウト対象となる先生に手紙を送付し、返信がなければ5回を上限として送付し続けることにしていますが、その手紙1通当たりのコストは約1000~4000円です。

 お目にかかった先生から時々、申し訳なさそうに「せっかく来ていただいたのに期待に応えられそうにない」といった言葉を掛けられることがあります。そんなときは、当社のビジネスの仕組みが成功報酬型ではないことをご説明し、気になさらなくてよい旨をお話しします。その仕組みを知っていただくと信頼感も生まれるようです。

 転職は、人生でそう何度も経験することではありません。やはり相性や適性は大事です。「ここには向いていない」と思えば、はっきりやめたほうがいいと助言しますし、先生方も相性の面で多少なりとも懸念する部分があれば、どんなに条件が良くても、一度立ち止まって慎重に検討されることをお勧めします。

武元康明(半蔵門パートナーズ株式会社代表取締役)



http://biz-journal.jp/2016/10/post_17004.html
連載  鷲尾香一「“鷲”の目で斬る」
九州・四国県人は入院日数長い&新規入院多い?関東人の医療費の少なさ鮮明

文=鷲尾香一/ジャーナリスト
2016.10.26  Business Journal

 少子高齢化の進展が日本にとって最大の社会問題となり、医療費は大きな財政負担となっている。では、一人にかかる年間の医療費はどの程度なのだろうか。
 厚生労働省が発表した「2014年度医療費の地域差分析」から、「国民健康保険」「後期高齢者医療制度」、両者合算の医療費について、都道府県別に一人当たりの医療費が多い都道府県と少ないそれの上位5位を取り出してみた。さらに、各項目については「入院」「入院外と調剤」「歯科」とその合計で上位5位を取り上げた。
 その結果、非常に興味深い傾向が見られた。まず、特徴的なのが「歯科代」だ。歯科代が高いのは、国民健康保険でも後期高齢者医療制度でも、大阪府がトップ。さらに、同様に兵庫県と広島県も国民健康保険と後期高齢者医療制度で上位5位に入っている。
 一方、傾向が明らかなのは、医療費が多い都道府県としては九州と四国の県が多く、逆に少ない都道府県としては関東の都県が多いということ。また、沖縄県も医療費が少ない。では、各項目ごとにみてみよう。

市町村国民健康保険:都道府県別1人当たり実績
(単位:千円)

(1)医療費が多い
入院       入院外+調剤    歯科       合計
鹿児島県 181   香川県  209   大阪府  29   島根県  406
大分県  180   広島県  207   広島県  28   山口県  406
島根県  179   山口県  205   岡山県  27   香川県  400
佐賀県  176   島根県  204   兵庫県  27   大分県  396
長崎県  176   岡山県  198   香川県  27   佐賀県  394

(2)医療費が少ない
入院       入院外+調剤    歯科       合計
東京都  101   沖縄県  136   沖縄県  17   沖縄県  284
愛知県  102   茨城県  161   青森県  20   茨城県  286
茨城県  103   群馬県  164   福井県  20   東京都  291
埼玉県  106   東京都  165   栃木県  21   栃木県  297
千葉県  107   千葉県  167   鹿児島県 21   千葉県  298

 国民健康保険は、入院で医療費が多いのは島根県を除くと、すべて九州。一方、入院外+調剤では香川県を除くとすべてが山陰・山陽地域となっている。厚労省によると、「鹿児島県や佐賀県では平均在院日数が長く、大分県では新規入院発生率が高い」としている。
 
 一方、医療費が少ないのは、入院では愛知県を除くとすべて関東、入院外+調剤でも沖縄県を除くとすべて関東となっている。

後期高齢者医療制度:都道府県別1人当たり実績(単位:千円)

(1)医療費が多い
入院       入院外+調剤    歯科       合計
高知県  685   広島県  501   大阪府  48   福岡県  1164
福岡県  654   大阪府  479   広島県  41   高知県  1129
沖縄県  618   福岡県  470   福岡県  40   北海道  1079
鹿児島県 605   愛知県  465   東京都  39   長崎県  1072
北海道  604   兵庫県  460   兵庫県  37   広島県  1053

(2)医療費が少ない
入院       入院外+調剤    歯科       合計
新潟県  343   新潟県  366   青森県  19   新潟県  737
岩手県  350   富山県  375   鹿児島県 22   岩手県  752
静岡県  354   沖縄県  375   富山県  22   静岡県  783
青森県  365   長野県  376   石川県  22   千葉県  790
千葉県  369   岩手県  377   沖縄県  22   秋田県  793

 では、後期高齢者医療制度ではどうか。こちらは、比較的に地域的な強い傾向はなく、医療費が多い都道府県として、北海道から九州、沖縄県まで出ている。厚労省によると「高知県や北海道では平均在院日数が長く、沖縄県は新規入院発生率が高い」という。

市町村国民健康保険+後期高齢者医療制度:都道府県別1人当たり実績(単位:千円)

(1)医療費が多い
入院       入院外+調剤    歯科       合計
高知県  362   広島県  311   大阪府  35   高知県  658
鹿児島県 336   香川県  300   広島県  33   山口県  645
山口県  330   島根県  288   福岡県  31   佐賀県  628
大分県  325   山口県  288   兵庫県  30   大分県  627
長崎県  321   佐賀県  284   愛知県  29   鹿児島県 625

(2)医療費が少ない
入院       入院外+調剤    歯科       合計
千葉県  178   沖縄県  188   沖縄県  18   千葉県  431
埼玉県  181   千葉県  227   青森県  20   埼玉県  438
神奈川県 184   埼玉県  231   福井県  21   沖縄県  442
東京都  184   群馬県  233   鹿児島県 21   茨城県  442
茨城県  184   茨城県  235   石川県  21   栃木県  450

 国民健康保険と後期高齢者医療制度の合算が大きいのは、九州・四国の県が多い。合計では九州で長崎県、大分県、鹿児島県、四国で高知県が上位5位に入っている。厚労省では「高知県や鹿児島県では平均在院日数が長く、長崎県では新規入院発生率が高い」と分析している。
 一方、医療費が少ない都県では、関東が圧倒している。入院では上位5位までのすべてが関東、入院外+調剤では沖縄県以外は関東、合計でも沖縄県以外は関東勢という結果になっている。
(文=鷲尾香一/ジャーナリスト)



http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/eye/201610/548783.html
過剰医療にメス!日本版Choosing Wiselyが始動
内海 真希=日経ドラッグインフォメーション
2016/10/26  日経メディカル

 Choosing Wisely(チュージング・ワイズリー)という言葉を聞いたことがあるだろうか。これは2012年、米国内科専門医認定機構財団(ABIM Foundation)が始めたキャンペーン。ざっくり言えば、「根拠に乏しいにもかかわらず実施されている過剰な医療行為をEBMの観点から見直す」という活動だ(同財団のウェブサイトはこちら)。

 日本では従来、日本医療の質・安全学会(理事長:高久史麿氏)がワーキンググループを立ち上げ活動していたが、2016年10月15日、学会から独立した組織として「Choosing Wisely Japan」が発足した。発起人には、七条診療所(京都市左京区)所長で佐賀大学医学部総合診療科名誉教授の小泉俊三氏、地域医療機能推進機構(JCHO)本部総合診療顧問の徳田安春氏、米国内科学会日本支部長で大船中央病院(神奈川県鎌倉市)特別顧問の上野文昭氏、NPO法人ささえあい医療人権センターCOML理事長の山口育子氏らが名を連ねている。

各学会が根拠に基づき「過剰な医療行為」をリストアップ
 同日に都内で開かれたキックオフセミナーでは、Choosing Wisely Canadaの代表を務めるカナダ・トロント大学内科学教授のウェンディ・レビンソン氏が講演を行った。同氏によると、2012年に米国でChoosing Wiselyキャンペーンが始まった当初、参加する医学会は9学会だったのが、現在では70以上に上る。

 Choosing Wiselyキャンペーンに賛同した学会は、各自、見直すべき過剰な医療行為を、根拠文献とともにリストアップする。例えば米国内科学会は、「無症候性で冠動脈疾患の低リスク患者に対する運動負荷心電図によるスクリーニング検査は行わない」「非特異的な腰痛に対する画像検査は行わない」などといった5つの提言を掲げている。

 過剰な医療行為には、検査だけなく治療も含まれる。例えば米国小児科学会は、「明らかなウイルス性疾患(副鼻腔炎、咽頭炎、気管支炎、細気管支炎)に対して抗菌薬は使うべきでない」と、抗菌薬の適正使用を呼び掛けている。この理由として同学会は、「ウイルス性疾患への不必要な抗菌薬投与は、薬剤耐性化を招いたり、医療費や有害事象の増加を引き起こす」と説明し、根拠となる4つの文献を引用している。

 学会により、リストアップする提言の数は異なるが、共通する“お作法”は、「Don’t~(しない)」「should not~(すべきでない)」「~is not necessary(必要でない)」といった否定文で示すこと。レビンソン氏は、「医療の現場では、under use(未活用)の問題も存在するが、Choosing Wiselyはあくまでover use(過剰医療)を対象とした啓発活動。混乱を避けるために否定文に統一している」と説明する。

「この医療行為、本当に必要?」と自問自答するきっかけに
 そもそも、医療従事者は患者に対し、なぜ過剰な医療行為を行ってしまうのか。レビンソン氏は、背景にある医療従事者の心情として、(1)「少しでも不安を取り除きたい」という患者の要望に応えたい、(2)新たに登場した検査や治療方法に期待している、(3)何もしないよりはましだろう、(4)今までその方法でやってきた、(5)行わなかったことにより罪を問われるのを避けたい、(6)検査を行うほど儲かる――などを挙げた。上記に例示したような各学会の提言は、「この患者にとって、この医療行為は本当に必要か?」と医療従事者が自問自答するきっかけとなり、過剰医療を踏みとどまらせるためのよりどころとなるわけだ。

 もっともChoosing Wiselyキャンペーンの最終目標は、患者が価値ある医療を受けられるよう、医療従事者と患者の対話を促し、意思決定を共有すること(Shared Decision Making)にある。対話を促すためには、患者側の理解を得たり、意識を変えたりすることも不可欠だ。そのため各学会には、不必要な医療行為の内容やその理由のほか、どのような場合にその医療行為が本当に必要となるかについて、患者向けに分かりやすく説明するよう推奨している。

 レビンソン氏は講演の中で、Choosing Wisely Canadaが作成した患者向けの啓発ポスターを紹介。大量のマスタードが掛かったホットドッグの写真とともに、「More is not always better」というキャッチコピーを掲載したユーモアたっぷりの啓発ポスターは、会場の笑いを誘った。診察室に掲示し、キャンペーンの知名度向上と患者の意識改革に一役買っているそうだ。

 現在、Choosing Wiselyキャンペーンは、英国やイタリア、カナダ、オーストラリアなど17カ国以上に広がっている。経済開発協力機構(OECD)は加盟国の医療制度や実績などについて比較したリポート「Health at a Glance(図表で見る保健医療)」を2年に1度作成しているが、2015年版では、Choosing Wiselyキャンペーンが広がりつつあり、各国でMRI・CT検査、抗菌薬やベンゾジアゼピン系薬の適正使用が注目されていることについて言及している。

 日本では、近年、特に高齢者に対する多剤併用(ポリファーマシー)や、抗菌薬の過剰な使用について注目が集まっている。人口100万人当たりのCTスキャン・MRIユニットの保有台数も世界一だ。過剰医療による有害事象を回避することはもちろん、膨張し続ける医療費をできるだけ抑えるためにも、国民と医療従事者のそれぞれが、当事者意識を持って、できることをすべき時に来ている。

 レビンソン氏は、「Choosing Wiselyキャンペーンは、国や保険者から強制されるものではない。医療従事者が主導して行ってこそ、他の医療従事者や患者から大きな信頼感を得られる」と話す。どこまでが適正な医療で、どこからが過剰な医療行為かを評価するのは容易ではなく、さらにそれを一般国民に分かりやすく説明するのは骨の折れる仕事だ。だが、それこそがプロフェッショナルとしての医療従事者の責務ともいえるだろう。日本でも、多くの学会がChoosing Wiselyキャンペーンに賛同し、医療の適正化はもちろんのこと、医療従事者と患者の対話がこれまで以上に進んでほしいと思う。
 



http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201610/20161025_63027.html
<原発ADR>福島・広野の病院 東電と和解
2016年10月25日火曜日 河北新報

 福島県広野町の高野病院を運営する医療法人社団養高会は24日、東京電力福島第1原発事故で増大した経費などの支払いを東電に求めた和解仲介手続き(ADR)で、原子力損害賠償紛争解決センターによる和解が成立したと発表した。和解は20日付で、東電が約6400万円を支払う。

 高野病院は第1原発の南約22キロに位置する。町内は当時、緊急時避難準備区域に指定されたが、107人が入院していた病院は、双葉郡内で唯一診療を継続。約80人いた職員は事故直後は13人まで減少した。

 東電に求めていたのは、職員確保のため賞与とは別に支給した期末手当や県外採用者に対する家賃補助といった経費増大分。慰謝料なども請求した。

 県庁で記者会見した病院の高野己保(みお)事務長は「地域医療を守るためだけに賠償を求めてきた」と話した。
 東電は「和解内容に基づき、真摯(しんし)に対応したい」と述べた。


  1. 2016/10/26(水) 05:47:00|
  2. 未分類
  3. | コメント:0

10月24日 

https://www.m3.com/news/general/470316?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD161024&dcf_doctor=true&mc.l=185187165&eml=3f492a08f1681d66441569ec02c0b51e
「精神指定医」不正取得で数十人処分へ…厚労省
2016年10月24日 (月) 読売新聞

 精神障害者の強制入院などを判断する「精神保健指定医」の資格を不正に取得したとして、厚生労働省は全国の数十人の医師について、資格の取り消しなどの処分を行う方針を固めた。昨年、聖マリアンナ医大病院(川崎市)で発覚した不正取得問題を機に、同省が調査していた。26日に開かれる医道審議会の専門部会に諮り、答申を踏まえて最終決定する。

 同省によると、聖マリアンナ医大病院では、実際には診察していない患者の症例を使い回し、組織的に虚偽リポートを提出していたことが発覚。同病院の医師11人と、指導役の指定医(指導医)12人の計23人の資格が取り消された。

 事態を重くみた同省は、2009~15年に資格を取得した計約3500人について調査。保管していた症例リポートと患者のカルテなどを照合し、計約100人の指定医から事情を聞くなどした結果、数十人が十分な診察をしていない患者の症例リポートを提出していたと判断した。事情聴取の対象になったことを知り、自主的に資格を返上した医師もいるという。

 指定医は、患者の意思に関係なく強制的に入院させる措置入院や、医療保護入院を判断できる精神科医。精神保健福祉法は、指定医として著しく不適当と判断した場合は、資格取り消しや職務停止を命じることができると定めている。



https://www.m3.com/news/iryoishin/468076
地域医療構想が先、報酬は「下支え」- 迫井正深・厚労省保険局医療課長に聞く◆Vol.2
DPCは軌道修正、「在るべき医療」目指す体系に

2016年10月24日 (月) 聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――先ほど「フレームワーク自体を見直さなければいけない」という話があり、薬価制度のほか、DPCを挙げられました。

 DPCの調整係数(編集部注:診療報酬改定前年度の医療費実績の一部を担保するための医療機関別の係数)については、機能に応じた評価への変更が求められ、2010年度改定で調整係数を段階的に廃止する方針が決まり、2012年度改定から調整係数の機能評価係数IIへの置き換えが進められています(『DPC、調整係数の廃止期限変更、2018年度まで』などを参照)。

 だから本当は次のステージに向けた議論をしなければいけないのですが、個別の機能評価係数の議論が中心になっているように見えるのが、残念です。

 DPCでは、I群(大学病院本院)、II群(本院に準じる病院)、III群(それ以外の病院)に分けて、各群を報酬設定の単位としています。群ごとに、医療機関が目指すべき、あるいは追及している医療の在り方が異なる前提であり、各群の機能を報酬でいかに評価するかが、DPCのもともとの発想です。DPCは、医療機関の機能分化と連携を推進する一助にもなるように設計している枠組みです。

 大学病院本院をはじめ、特定機能病院に代表される施設で目指すべき医療とは何か。その一方で、地域医療中心の施設もある。各群に属する医療機関の特性を、機能評価係数に反映させるような評価の仕方を、次のステップとして進化させる必要があります。

――今は各医療機関が担っている機能を評価する点数設定に重点が置かれ、本来、果たすべき役割を考え、それに向けて進むような設定にはなっていない。

 はい。今は、「この病院はこんな医療をやっているにもかかわらず、評価として反映されていないから、機能評価係数をこう直すべき」といった議論になってしまっています。「DPCとは何か」というメッセージを十分に発信しきれていなかった、現場に伝える努力が不足していた反省があると思うのです。

 日本の医療システムの中の保険医療機関として、DPC病院が果たすべき役割は何か、目指すべき医療が先にあり、それをいかに評価するかという議論を進めていきたい。

――DPCは今、3群に分かれています。それぞれが目指す役割を踏まえ、3群の分け方自体を変える必要もあるのでしょうか。

 それも「変更ありき」の議論ではありません。「群によって、報酬単価が本来変わり得る」という設定で、分けています。各群で、求められている医療を明確にして、それに沿って報酬を設定する。結果として、今と同じ群分けでいいならそのままであり、進化させるなら進化させる、ということなのだと思います。

――今、各都道府県で地域医療構想の策定が進められています。構想とDPC病院は、どのように関連してくるのでしょうか。

 その点は、(迫井氏の前職の厚労省医政局)地域医療計画課長時代にもよく聞かれたことです。

 その時の経験も踏まえて今、強く感じているのは、「医療提供体制は、各地域でそれぞれ構築していく以外にはない」ということ。「日本の人口の高齢化はものすごいスピードで進展し、高齢者のケアニーズが高まっている」といった話は、マクロ的にはいいでしょう。

 しかし、地域包括ケアシステム、地域医療構想など、「地域」という言葉を付けているのは、「地域差があるという前提で物事を考えないと、リアリティーがない」という発信なのです。地域医療構想は、地域の医療関係者が集まって、在るべき姿を考えて、皆でそこに向かっていく取り組みです。

 言い換えれば、「共倒れや過当競争はやめていただきたい。そんな余裕は今の日本にはない」ということ。無駄の排除も含めて、効率的な医療を皆で提供してください、という大事なフレームワークが地域医療構想であり、「どの病床を削るか」といった話では、決してありません。

 地域医療構想は、地域でしっかり運用して、動かして使ってもらうことに意味があります。地域で話し合った結果が、報酬で裏打ちされることが重要なのであり、地域の実情を全然考えずに、霞が関で設定した診療報酬が誘導することは、地域医療構想のコンセプトにはありません。「経済誘導ありき」で地域の医療を形作るわけではないのです。

――その辺りは難しいかと思います。「地域医療構想と診療報酬の連動」という議論があり、高度急性期、急性期、回復期、慢性期の4つの医療機能について、どのように診療報酬で評価するのか。「下支え」とはどんな意味になるのでしょうか。

 「連動させるかどうか」は、イエス、ノーで答えられるような話ではありません。医療機関の機能や特性を大きく4つに区分し、その4つの特性に沿った報酬を設定することは、必要だと思います。「連動するから、問題だ」という話にはならないと思います。

 各地域で、それぞれの医療機関が機能を選択して、お互いに連携していくのに、「報酬が付いていかず、ペイしないから、その機能を担いません」となれば、それは報酬が足を引っ張っている話であり、そうならない報酬設定を目指します。これも「連動」に当たるでしょう。

 けれども、診療報酬の設定が先になり、地域の実情を全く勘案せずに、マクロ的に見て、平均在院日数を短縮したり、特定の機能の病床が多いから絞り込むといった話が先行して、地域医療構想が振り回される仕組みにはなっておらず、またそれをやってはいけません。この意味では、「連動」しません。



http://www.nishinippon.co.jp/feature/attention/article/284174
地方の勤務医 過重労働 宮崎県立全病院で「違法当直」
2016年10月24日 17時35分 西日本新聞

 宮崎県内の県立3病院全てで、医師が夜間や休日の当直時に労働基準法が定める業務内容を超えて診療に当たっていることが、西日本新聞の取材で分かった。本来、軽度な業務を行う当直時に、通常業務と同様に救急患者に対応するなどしており、日勤から翌日の日勤まで長時間勤務に就いていた。勤務医の過重労働は医療事故につながると以前から問題視されてきたが、地方の中核病院でも医師不足から違法状態を解消できないでいる実態が浮き彫りになった。

 県によると、3病院のうち県立宮崎病院(宮崎市)では2015年度、当直医は1日3人で、夜間の午後5時から翌日午前8時まで1日平均11・2人の救急患者の診療に当たっていた。延岡病院(延岡市)は当直医2人で同9・5人、日南病院(日南市)は1人で同4・9人だった。

 労働基準法では、当直業務は病棟巡回など軽度な内容に限定している。だが、3病院の当直医は、救急患者の診療など事実上の通常業務をこなし、翌日も日勤する30時間超の連続勤務だったという。宮崎病院は10年、夜間や休日の勤務が過重として、労働基準監督署から当直と認められず、通常業務と見なされたという。解消に有効とされる交代制勤務の導入は、医師不足で実現できない状態だ。

 3病院は労使協定で、医師の時間外労働の上限を月間70~80時間とすることで合意しているが、「手術時などは時間外労働が協定を上回る」(病院関係者)こともあるという。

 厚生労働省は宮崎の実態を「労基法違反の恐れがある」と指摘。同県病院局は「違法性は認識しているが、救急対応などで続けざるを得なかった。交代制勤務の導入は医師の大幅増員が必要で難しい」としている。

 ●国も“黙認” 是正が急務

 勤務医の労働組合「全国医師ユニオン」によると、医師が労働基準法や労使協定を超えて働く実態は、宮崎県に限らず全国的傾向で、事実上黙認されているのが実情だという。

 「当直時、多い日は一晩で救急車が10台来た」。宮崎県立病院に勤務経験のある50代の男性医師は打ち明ける。地方の病院では医師不足のため夜間や休日に急患対応で呼び出されることも多く、「知人の医師には、地方勤務を敬遠する人もいる」。別の30代男性医師は「当直明けの手術は危ないと思うが、労働基準法を守っていては医療現場は回らない」と漏らす。

 ユニオンの植山直人代表は「医療の必要性から国は違法労働を黙認し、病院も医師不足で勤務医に長時間労働をさせざるを得ない。悪循環だ」と訴える。

 国は医師不足解消策として2008年度以降、医学部定員を約1600人増員したが、厚生労働省の有識者会議は人口減少で将来は医師が余ると試算しており、増員措置がいつまで続くかは不透明な状況だ。

 大阪大大学院の水島郁子教授(労働法)は「このまま当直勤務を前提とする働き方を維持できるかは疑問。国は病院行政の強化と医師偏在の是正を、責任を持って行うべきだ」と指摘する。

この記事は2016年09月29日付で、内容は当時のものです。



http://www.medwatch.jp/?p=10910
総合診療医の養成に向け、プロジェクトチーム発足へ―日病・堺会長
2016年10月24日|医療・介護行政をウォッチ Med Watch

 総合診療医が不足している状況に鑑みて、日本病院会では日本赤十字社や済生会などと連携し、総合診療医の養成に向けたプロジェクトチームを発足させる―。

 日本病院会の堺常雄会長は、24日に開いた定例記者会見でこのような方針を発表しました。22日の常任理事会で固められたものです(関連記事はこちらとこちらとこちらとこちら/a>とこちら)。

 ただし、総合診療医は、新専門医制度の下にある「総合診療専門医」とは直接リンクしたものではなく、病院において「総合的な診療に携わる医師」というイメージです。今後のプロジェクトチームの動きが注目されます。

ここがポイント!
1  すでに臨床現場で活躍する医師を対象に、総合診療能力を高めてもらうことが目的
2  新専門医について役員病院にアンケート、2020年まで延期し課題解決求める声も多数


すでに臨床現場で活躍する医師を対象に、総合診療能力を高めてもらうことが目的

 22日に開かれた日病の常任理事会では、医師の需給や医師の教育をテーマとした議論が行われ、その中で「総合診療医が足りない。日赤や済生会などでは、自前で総合診療医を養成する動きがあるようだ。日病でも養成をしていくべきではないか」との声が多数出され、委員会やプロジェクトチームの発足が決まりました。

 堺会長は「養成に向けた素案はまだないが、総合診療専門医を指導する総合診療医が地域にいないと思う。すでに指導医向けの講習会なども行われており、それが日病でも実施できないか、日赤や済生会などの会員病院とも連携して検討していきたい」との考えを24日の会見の席で述べています。

 もっとも、「日病の会員病院が取り組みやすい形としていきたい」とも堺会長は述べており、家庭医療専門医などの養成を行っている日本プライマリ・ケア連合学会などと連携した「総合診療専門医の養成」に乗り出すかどうかは現時点では未定です。堺会長は「初期臨床研修を終え、これから総合診療専門医を目指す医師を対象とするのではなく、すでに会員病院などで活躍し、総合診療に携わりたいと考える医師を対象に、総合診療の能力を高めてもらうほうがよいのではないか」とのイメージも語っています。

新専門医について役員病院にアンケート、2020年まで延期し課題解決求める声も多数


 また24日の会見では、「新たな専門医の仕組みに関するアンケート」集計結果も発表されました。これは、日病の役員病院(79病院)を対象に緊急に実施されたもので、67病院が回答しています。結果を眺めると、次のような状況が明らかになっています。

▼初期臨床研修に基幹型・基幹型+協力型として参加しているのは48病院・71.6%

▼現在、後期研修医の研修を行っているのは53病院・79.1%

▼基幹施設として新専門医制度の研修プログラムを提出したのが37病院、連携施設として研修プログラムを提出したのが50病院

▼新専門医制度の開始延期には44病院・65.7%が賛成(開始時期は、日本専門医機構で決定された「2018年から」が22病院・33.8%、「19年から」が13病院・20.0%、「20年から」が30病院・46.2%)

▼研修プログラム、研修施設認定の仕組みに「問題あり」と考えているのが42病院・63.6%(大学病院などへの集中、認定のハードルが高い、地域・診療科偏在が是正するなどの理由)

▼新専門医制度の改革のみで地域・診療科偏在が軽減できると考えているのは32病院・47.8%にとどまり、半数超(35病院・52.2%)は「軽減は不可能」と考えている

▼新専門医制度へのマッチング導入については、賛成が34病院・51.5%

▼専攻医の給与について、連携施設での勤務中は「初月から連携施設が支払うべき」と考えるのが48病院・71.6%

▼総合診療専門医の養成期間3年について、「2年間を総合診療専門医全般の研修、残り1年は家庭医、病院総合医などの研修に充てるべき」との考えが23病院・34.3%、「3年間すべてを総合診療専門医全般に充て、家庭医・病院総合医などの研修はサブスペシャリティとすべき」との考えが19病院・28.4%、「家庭医・病院総合医などに区分すべきでない」との考えが15病院・22.4%

▼総合診療専門医の養成数について、「専門医全体の1割程度」との考えが24病院・36.9%、「2割程度」との考えが16病院・24.6%、「3割程度」との考えが18病院・27.7%

▼基本19領域でのダブルボードを認めるべきとの考えが46病院・68.7%

▼専門医資格と標榜科の関係について、「専門医を取得した診療科のみを標榜できるようにすべき」との考えが36病院・53.7%、「自由標榜」(現行どおり)が17病院・25.4%

▼専門医資格を診療報酬で評価すべきとの考えが27病院・40.3%

 このように、日病の役員病院間でも新専門医制度については見解が大きく異なっている部分もあります。日本専門医機構では、基本問題検討委員会を立ち上げ、総合診療専門医やダブルボード、基本領域とサブスペシャリティ領域との関係などをこれから再整理していく考えですが、議論すべき課題は山積しています。こうしたことから、上記にあるように、「2020年まで新専門医制度の一斉スタートを延期すべき」との声が少なくないのでしょう。

 また、今回のアンケートでは日本専門医機構に対して「学会の移行に沿った方向になりつつある」「オールジャパンというが、このままでは同じ轍を踏むことになる」といった厳しい意見も出されています。この点について堺会長は「日本専門医機構の出す情報と、医療現場が受け取る情報との間にギャップがあるのではないか」と見ており、日本専門医機構からのさらなる情報提供が期待されます。

 なお、日病に対して「積極的に発言していくべき、制度設計から関わるべき」とのエールが多数ある一方で、「日本の病院の将来を構築する視点での検討会がない。存在価値が問われる」という非常に厳しい意見も出されており、堺会長は「真摯に受け止めたい」とコメントしています。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/49868.html
日病、病院総合医に関する検討の場を設置へ- 公的病院などとも連携
2016年10月24日 20時00分 CB News

 日本病院会(日病)の堺常雄会長は24日、記者会見を開き、病院総合医について内部で検討する場を新たに設けることを明らかにした。今後、委員会を立ち上げ、日本赤十字社や済生会、厚生連などとも連携しながら、病院の医師を有効に活用するための方策などを話し合う方針だ。【敦賀陽平】

 病院総合医をめぐっては、独立行政法人「地域医療機能推進機構」(JCHO) が先月、「JCHO版病院総合医」の育成プログラムを来年春に開始することを明らかにしている。

 22日に開かれた理事会では、「自前で総合医を育成する動きがある中、日病として何もしないのか」といった声が上がり、出席した理事全員が、内部に検討の場を設けることで一致したという。

 堺会長は会見で、「現在病院にいる人の活用から考えたい。新たに専攻医(研修医)になる人に、『入りなさい』というわけではない」と述べた。

■新専門医制度の開始、「20年以降」が最多

 堺会長はまた、日病の役員が所属する病院を対象に行った新専門医制度に関するアンケート調査の結果を公表した。新制度の導入が医師の地域や診療科の偏在の解消につながるかどうか尋ねた質問では、「不可能」と回答した病院が全体の52.2%を占め、開始時期については、「2020年以降」(46.2%)が最多だった。

 新制度の開始時期の延期に関しては、「賛成」が全体の6割超に達し、その理由を複数回答で聞いたところ、大学病院などに研修医が集中することを懸念する病院が47施設で最も多かった。また、研修医と受け入れ先の病院の希望を事前にすり合わせる「マッチング」の導入については、「賛成」が半数超を占めた。

 また、専門医と診療科の関係について尋ねた質問では、現行の自由標榜制ではなく、専門医資格の診療科の標榜に限定するよう求める病院が半数超に達し、資格の取得者が働く医療機関は「診療報酬上で評価すべき」と回答した病院が40.3%でトップだった。

 調査は先月末から約10日間にわたって行われ、67病院から回答を得た。医療法人などの民間病院が回答全体の約4割を占め、400床以上の病院が半数超だった。



https://www.m3.com/news/iryoishin/470437
日病が「総合診療医」養成を検討
「シニアグループ」対象で、総合診療専門医とは住みわけ

2016年10月24日 (月) 高橋直純(m3.com編集部)

 日本病院会の堺常雄会長は10月24日の定例記者会見で、総合診療医を養成するための検討会やプロジェクトを会内に立ち上げる考えを示した。22日に開かれた理事会での議論を報告した。

 理事会では専門医の在り方が問題となり、「足りないのは、総合診療医や総合診療を教える医師」との声が多く出たという。日病としても養成に取り組む必要があるとの意見が出され、「挙手をしたらほぼ全員」(堺会長)となった。既に会員病院の日本赤十字社や済生会病院、地域医療機能推進機構(JCHO)などでは自前で養成しようという動きがあることから、日病としても連携して講習会等を開催する考え。

 新専門医制度で19番目の専門医と位置付けられる総合診療専門医との違いについて、堺会長は「総合診療専門医は初期臨床研修が終わってこれから専門医になる人。こちらは既に医師として活躍していてやってみたいという人や適性がある人で、シニアグループ。すぐに活躍できる人を考えている。新たに専攻医になる人をこちらに呼び込むというものではない」と説明した。時期にはついては「できるだけ早くやりたい」としつつ、未定とした。

 また、理事会での厚生労働省の医師需給分科会に関する議論についても報告した。堺会長は「医師を(現状以上のペースで)増やせる状況なら増やしてほしいが、今後は病院が少なくなることが想定され、7対1病床も厳しい状況で無条件に増やせるのかなという懸念がある」とし、地域や診療科の偏在対策が重要になると指摘。考え方の視点として(1)専門医制度を含む医学教育、(2)医療計画、(3)保険医、管理者要件――の3点を挙げた上で、医師需給分科会と厚労省の「新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会」の関係について、「そんなに違いはないと思うが、どういう関係になるのか見えないのが苦労するところ」とコメントした。

 地域医療機能推進機構理事長の尾身茂氏が提案している保険医登録を2段階に分け、保険医療機関の管理者になるためには、「医師不足地域への一定期間勤務を要件」とする案については(『診療科別の「専攻医研修枠」、JCHO尾身氏が提案』を参照)、「プロフェッショナルフリーダムを認めると同時に地域のニーズに応える義務があるとしており、まさにその通りだと思うが、最近なかなか難しいのはそのようなことを忘れがちで、自分の権利を主張する傾向が強い気がする。その辺りを考慮する必要がある」との見解を示した。



http://univ-journal.jp/10189/
文部科学省が医学部定員を18人増やす計画を発表
2016年10月24日大学ジャーナルオンライン

 文部科学省は、2017年度に国立の長崎大学と埼玉医科大学など私立4校合わせて医学部定員を計18人増やす計画を明らかにした。これとは別に国家戦略特区の千葉県成田市で国際医療福祉大学の医学部新設が認められており、国内医学部の総定員は9,420人になる。

 文科省によると、定員増を申請したのは、長崎大学2人、埼玉医科大学1人、順天堂大学7人、日本医科大学2人、川崎医科大学6人。

 文科省は地方の医師不足を解決するため、2019年度まで一定の定員増を認める方針。私立大4校が申請した計16人分の増員は、松野博一文科相から大学設置・学校法人審議会に諮問された。長崎大学分とともに同審議会の意見を求める。

 文科省は医学部の定員枠を徐々に拡大しているが、地方や一部診療科の医師不足は依然深刻なままで、医師の偏在が大きな社会問題に浮上している。2年間の臨床研修が2004年に必修化されるまで、大学病院での研修者は卒業生全体の7割を占めていたが、2016年度も42.6%と低水準にとどまっている。多くの卒業生が研修先に都会の病院を選び、大学へ戻らなくなったからで、呼び出しや緊急手術、残業を嫌う最近の若者気質も一部診療科の医師不足に拍車をかけている。

 今回の定員増はそうした傾向に歯止めをかけようと計画したものだが、どこまで効果があるかは疑問とする声も医療関係者らから上がっている。

参考:【文部科学省】平成29年度からの私立大学医学部の収容定員の増加に係る学則変更認可申請一覧



http://www.huffingtonpost.jp/hideki-komatsu/fukushima_medicalschool_b_12614528.html
福島県立医大は専門医の育成機関として適格か
小松秀樹
投稿日: 2016年10月24日 15時24分 JST 更新: 2016年10月24日 15時24分 JST ハフィントンポスト

日本人は、行政による一元支配を好む。しかし、一元支配は民主主義と相性が悪い。権力の乱用を防止して、民主主義を守るためには、権力が一つの機関に集中するのを避ける必要がある。立法、行政、司法の三権分立は最も有名なチェック・アンド・バランスの方法であるが、権力分立の概念とそれが必要とされる範囲は広い。

地方自治が行われるのは、中央政府と地方の利害が必ずしも一致しないからである。日本国憲法92条は、住民の意思によって地方自治を行い(住民自治)、中央政府に対抗すること(団体自治)でチェック・アンド・バランスを期待している。
民間でも、個人や法人が複数の機能と権限を持つと、しばしば権利の侵害が常態になってしまう。

教える側と教えられる側の権威勾配を当然とする日本の習慣は、教育者の被教育者に対する権利侵害を許容し、あるいは、被教育者の進歩を抑圧しがちである。とりわけ、教育と人事権を単一の組織が担うと人権侵害が生じやすい。日本には、徒弟に伴う人権侵害の歴史がある。このため、労働基準法は「徒弟の弊害排除」について規定している。

第69条 使用者は、徒弟、見習、養成工その他名称の如何を問わず、技能の習得を目的とする者であることを理由として、労働者を酷使してはならない。

悪名高い日本の外国人研修制度も、研修ということばが人権侵害を促進した側面がある。この制度は安価な労働力確保のために利用されることが多く、パスポート取り上げ、時間外労働、補償金・違約金による身柄拘束、最低賃金法違反、性暴力など人権蹂躙が頻発した。追い詰められた外国人労働者による殺人事件まで発生している。アメリカ国務省の人身売買に関する年次報告書に記載されるなど国際的に問題にされている。

●「生きがいと価値の提示」と「医局の命令」

南相馬市では、原発事故後、医師、看護師など医療従事者の半数が離職した。南相馬市立総合病院では医師数が、震災前の12名から4名にまで減少した。福島県立医大の医局から派遣された医師が、相双地区の病院を離職し、福島県立医大、あるいは、他の地域の関連病院に異動したり、福島県立医大の医局そのものを辞めて、他県に異動したりした。

南相馬市立総合病院は、初期研修を行う臨床研修病院になることと、魅力的な活動の実施と発信によって全国から医師を確保しようとした。現在、南相馬市立総合病院の医師数は震災前の2倍をはるかに超えた。集まっている医師の大半は県外出身である。浜通りに医師を集めるのに、「生きがいと価値の提示」が「医局の命令」より有効だった。

●医育機関と人事権

南相馬市立総合病院には初期研修医が集まり続けている。その中の一人、山本佳奈医師が、産婦人科医として南相馬に残ることを決意した。南相馬で研修できるのか。福島県には、産婦人科の研修基幹病院は福島県立医大病院しかない。彼女はふくしまこども女性医療支援センターの高橋俊文教授に問い合わせた。高橋教授は産婦人科医であり、福島県立医大病院の産科・婦人科にスタッフとして名前を連ねている。

高橋教授からの返事によれば、産婦人科の専門医制度では、研修基幹病院とその協力病院での研修だけが研修期間として認められる。決定的なのは、人事権である。「南相馬の産婦人科は単独では専攻医(筆者注 専門医研修プログラムで研修を受ける医師)はとれない施設です(現在および将来も)。福島県立医科大学の研修プログラムで派遣されるのであれば可能という解釈でいいと思います。しかし実際は産婦人科が1名しかいない病院に専攻医を派遣することはありません。もしあっても1~3ヶ月以内の短期でしょうね。」

研修基幹病院が専攻医の人事権を持つ。専攻医に選択権を認めていない。これでは従来の医局と同じか、もっと悪い。専攻医に隷属を強いる制度である。

従来、日本の多くの病院は、医師の供給を大学の医局に求めてきた。医局は、今も日本の最大の医師紹介機関である。医師の派遣主体は、大学ではなく、個々の医局である。医局は、自然発生の排他的運命共同体であり、法による追認を受けていない。この意味でやくざの組織に似ている。派遣病院は縄張りとして、医局の支配下にあるものとみなされる。

医局出身者以外、あるいは別の大学から院長を採用したり、他の医局の医師を採用したりするだけで、医師を一斉に引き揚げることがある。全国で、医師の供給を大学だけに求めてきた病院が苦境に陥っているのは、医師にとって魅力的な病院にするための努力が欠如していること、医局員の数がニーズに対し相対的に減少したことに加えて、医局が医局外の医師の参入障壁になっているためである。

●制度の多様性

筆者は1974年、大学の泌尿器科医局に入ったが、大学では、合理性より、古めかしい因習が重んじられていた。大学病院には最初の1年だけしか勤務しなかった。自分で自分を鍛える方法を選択できる環境を求めて努力した。患者数が多く、合理的な議論が可能な病院を渡り歩いた。

手術では患者の生命が奪われることがある。筆者は、手術を怖いと思うと同時に、当時の日本の水準を受け入れたくなかった。手術水準の向上の契機を、泌尿器科以外の外科系診療科と世界に求めた。大量の手術書と論文を読んだ。泌尿器科のみならず、消化器外科、血管外科、甲状腺外科、産婦人科の手術書は筆者の愛読書だった。

アメリカ、ヨーロッパの高名な泌尿器外科医の手術を観察させてもらった。教えを乞うのではなく、世界最高水準とされる人たちの技術と考え方を、自分の目で見て、評価するのが目的だった。良い点もあったが、悪い点も目についた。自分の到達点を確認することができ、努力の方向に確信が持てた。

未来に向かって医療は変化する。新しい手術や新しい考え方を導入し、発展させるのは30代の若い医師である。50代、60代の教授の出番はない。指導者は必ずしも必要ではない。指導者より環境がはるかに重要である。専門医研修を受ける医師の能力、望ましい専門医像は多様である。当然、教育環境も多様であるべきである。将来の医療の進む方向を変に固定させないためにも、専門医制度自体が複数あった方が望ましいし、国家権力からも独立しているべきである。

●人事支配による経済的利益と医師の参入障壁

大学病院が、医師の人事を支配することは、大学の権力拡大のみならず、経済的権益にもなる。

福島県立医大の地域産婦人科支援講座は、いわき市の寄付講座である。2014年1月1日に設置された。いわき市からの寄付額は年間5000万円。2014年1月1日から3月31日までについては、1名の産婦人科医師が磐城共立病院に派遣されていた。ただし、この1名はそれまで磐城共立病院に在職していた医師だった。2014年4月1日以後、寄付講座からの常勤医派遣数が1名増えて、2名になった。医局員を寄付講座から派遣すること、すなわち、医師の人事を支配することで、大学と産婦人科学講座は利益を得ている。

寄付講座は参入障壁としても機能する。寄付講座が支配する診療科で、寄付講座に所属する医師と、外部から参入した医師が同等に扱われると誰も思わないからである。

いわき市の税金が、福島県の税金を使って設立されている大学病院に吸い上げられている。福島県の税金を使って設立されている大学病院によって、磐城共立病院の医師調達コストが高騰した。福島県の税金を使って設立されている大学病院が、磐城共立病院への産婦人科医の参入障壁になっている。

●「中間搾取の排除」

いわき市は、寄付講座が学問的業績を挙げるのを支援するために寄付したのではない。医師派遣への見返りである。素直に見れば、寄付講座の収入は本来、磐城共立病院に派遣された医師の労働の対価に含まれるべきである。派遣された医師側からみると、自分の給与の一部が県立医大に吸い上げられている。

労働基準法はこうした問題も想定して、「中間搾取の排除」を規定している。

第6条 何人も、法律に基いて許される場合の外、業として他人の就業に介入して利益を得てはならない。

寄附講座は法に基づいていたとしても、中間搾取に相当しかねない危うい制度である。筋の悪い制度であることは間違いない。

●病院の専制支配

さらにひどい話がある。震災前、南相馬市立総合病院から、心臓カテーテルなどの技術を持った循環器内科の医師が、福島県立医大の医局に引き揚げられ、地域の急性心筋梗塞患者に対処できなくなった。困った院長が、県外の病院に医師の派遣を依頼した。赴任してくれる医師が見つかり、話がまとまったところで、福島県立医大の医局から横やりが入った。医師を引き揚げるが、他から採用することはまかりならぬという。南相馬市立総合病院はこれに従った。

福島県の税金を使って設立されている大学病院の循環器内科が、南相馬市立総合病院への循環器内科医の就職を妨害した。

筆者はこの件について、2012年、メールマガジンMRICに「医師参入障壁としての医局: 医師を引き揚げるが、他から採用することは許さない」と題する文章を投稿して批判したが、福島県立医大からは何の反応もなかった。明らかな不祥事であるが、福島県立医大は不祥事として処理していない。反省していないので、今後も同様のことが生じる。

南相馬市やいわき市の住民は、福島県立医大から被害を被っている。県民として異議を申し立てる正当な理由がある。
福島県立医大病院は、様々な人事上の問題を引き起こしてきた。専門医制度が人事権をもつとすれば、福島県立医大病院は、専門医制度の研修基幹病院として不適格である。

●専門医制度は専門医の育成に特化すべし

福島県の状況は、単一の機関が専門医教育と人事権を地域で独占的に持つと、専制を招き、結果として、医師の権利を侵害し、地域の病院と住民に不利益をもたらすことを示している。専門医の育成と人事権を分離して、専門医制度は専門医を育成することに特化すべきである。研修の質を高め、日本の医療の質を高めるためには、基幹病院と協力病院の紐づけをなくす必要がある。専攻医の発意と病院との合意で研修先を決めるべきである。

ドイツの職人が全国を渡り歩いて技術を高めるように、医師も自らを高めるために、それぞれの目標をもって全国を歩けばよい。世界を歩けばよい。各病院は、研修環境を改善し、医師のモチベーションを高める努力をしなければならない。基幹病院による専制支配からは、質の高い研修は生まれない。未来の医療は生まれない。

(2016年10月24日「MRIC by 医療ガバナンス学会」より転載)



http://www.qlifepro.com/news/20161024/national-medical-data-integration-in-people.html
厚労省「PeOPLe」-既往歴、服薬歴を一元管理、国民の医療データ統合へ
2016年10月24日 AM11:00  QLifePro

厚生労働省は、健康な時から病気や介護が必要な状態になるまでの国民の基本的な保健医療データを統合した情報基盤「PeOPLe(ピープル)」を整備し、2020年度を目標に段階的に運用を開始し、25年度までに本格運用をスタートさせる予定。薬剤師や医師などの医療専門職が服薬歴や既往歴を把握し、効果的な治療法を提案できるようになるほか、全ての患者や国民もアクセスでき、活用できる開かれた情報インフラとして健康管理などに活用してもらう狙いだ。

塩崎恭久厚生労働相の私的懇談会「保健医療分野におけるICT利活用推進懇談会」が提言をまとめた。情報基盤“ピープル”は、性別や年齢などの基本情報や既往歴、服薬歴、アレルギー、副作用等の患者データを統合し、医療用のIDを活用して管理するというもの。データは薬剤師や医師などの医療専門職が共有することにより、過去に処方した薬を把握して効果的な治療法を提案できるようになるほか、処方された後発品について効果があったかどうか判断することや、在宅医療の現場で医師、薬剤師、看護師など医療者間の情報共有を円滑にし、効率的できめ細かな対応ができるとしている。

救急搬送時や災害時に、かかりつけではない医療機関を受診した場合や発作などで患者本人が意識を失っているケースでも、データベースに蓄積されている患者情報をもとに最適な治療が受けられるようになる。患者自身もデータベースである“ピープル”にアクセスできるようにすることで、病気を予防するための生活習慣など、健康管理に役立つ情報を提供する。ただ、個人情報を取り扱う観点から“ピープル”への参加には本人の同意が必要としている。

また、統合したデータを産官学が活用できる「データ利活用プラットフォーム」も同時に整備する。製薬企業や研究機関、自治体などの利用者のニーズに応じて、データを匿名化して提供する。

利用者には、人工知能(AI)を活用してデータの質向上や効率化を行い、革新的創薬の実現や医薬品の安全対策などの成果として、社会に還元してもらう考えだ。



https://www.rodo.co.jp/news/7779/
産業医制度見直し 保健チーム形成し多様化に対処 厚労省が検討会報告書
2016.10.24【労働新聞】

 厚生労働省は、「産業医制度の在り方に関する検討会報告書」(案)をまとめた。

 過重労働、メンタルヘルス、疾病治療と職業生活との両立など健康確保対策の多様化に対応するため、産業医を始め歯科医師、看護職、衛生管理者、心理職などが産業保健チームを形成し、連携して取り組む必要性を訴えている。医師による面接指導を充実させる方策として、対象労働者の業務に関する情報提供を事業者に義務化すべきと提言した。…



https://www.m3.com/news/iryoishin/470462
シリーズ: 医師不足への処方せん
「医師不足地域での勤務」、保険医療機関の責任者の条件
NPO法人「全世代」私案、塩崎厚労相にも説明

2016年10月24日 (月) 橋本佳子(m3.com編集長)

 NPO法人「全世代」は10月24日、医師の地理的遍在の対策として、専門研修を終えた後の一定の時期に、保険医療機関の責任者になる条件として、医師不足地域での勤務を一定期間義務付ける私案を公表した。本私案は10月14日に、塩崎恭久厚労相に説明済み(資料は、同NPO法人のホームページ)。

 医師免許取得時には「一種登録証」を、医師不足地域での勤務後に「二種登録証」をそれぞれ付与する。ただし、保険医登録証を現在保持する医師については、経過措置として「二種登録証」を交付する。

 この私案の実現には、「然るべき法律改正が必要」と思われるものの、(1)医師の地理的偏在が短期間に改善、(2)一部の医師だけに地域医療の負担を負わせる状態が改善――などの効果が期待できるという。

 NPO法人「全世代」は、2015年10月に発足。本私案は、地域医療機能推進機構理事長の尾身茂氏をはじめ、計26人の医療者から成る「医療分科会」で検討を重ねてきた。医師の診療科偏在は、日本専門医機構が議論しているとし、今回の私案は医師の地理的遍在に焦点を絞った内容。なお、尾身氏は厚生労働省の「医療従事者の需給に関する検討会」の「医師需給分科会」では、診療科偏在についても提言している(『診療科別の「専攻医研修枠」、JCHO尾身氏が提案』を参照)。

 「医師、社会的責務果たすことを期待」
 私案はまず前提条件して、(1)医療は保険料と税金で大部分が賄われている、(2)医学部教育には、国公私立を問わず、多額の税金が投入されている――ことから、「医療は国民共有の財産として運営されていることは明らか」「医師には、公共の福祉、地域のニーズに貢献する社会的責務を果たすことが期待されている」と指摘。

 その上で、基本的な考え方として、「若手医師のみならず、全ての世代の医師が可能な範囲で協力して行くことが求められている」ことを挙げている。

 地域医療構想圏、3つに区分
 私案は、(1)全国レベルの情報を集約、都道府県地域医療構想圏(2次医療圏)レベルでの医師不足地域を確定、(2)その後、どの医療機関に勤務してもらうか、いかなる支援体制を構築するかなど、具体的な取り組みは各医師不足地域が責任を持って行う――という2つのステージでの実施を提案。

 (1)では、地域医療構想圏をA 、B 、C(Cが最も医師不足が深刻)の3種に区分(都道府県は、これらの加え、島しょや過疎地域に限定した特殊地域Sを設ける)。その上で、保険医登録を全国共通に一本化、「一種登録証」は医師免許取得時に全員授与。「二種登録証」は、臨床研修修了後の医師不足地域での勤務実績(文末を参照)によって授与する。

 (2)の通り、医師不足地域内で、どの医療機関に勤務するかは、当該医師個人の考えを十分に尊重し、決定する。マッチング制の導入、複数医療機関のネットワーク化による受け入れなども想定されるが、都道府県地域医療構想圏の地域医療構想調整会議が、都道府県の地域医療協議会と連携して、責任を持って行う。

 「一種登録証」「二種登録証」の効力・定義については、「選択肢A」(一種登録証のままでも、通常の保険診療を継続的に行うことが可)、「選択肢B」(一種登録証のままで保険診療をできる期間を、例えば10年と規定し、更新を必要とする)という2つの選択肢があるとした。

【勤務実績の例】
地域医療構想圏A 新規の保険医登録の実績にならない
地域医療構想圏B 2年の勤務実績により二種登録証を授与
地域医療構想圏C 1年の勤務実績により二種登録証を授与
特殊地域 S 6カ月の勤務実績により二種登録証を授与



http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/lancet/201610/548761.html
海外論文ピックアップ Lancet誌より
医師の燃え尽きは介入で減らせる
対象者と介入方法の組み合わせが今後の課題

大西 淳子=医学ジャーナリスト
2016/10/25 日経メディカル

 米国の医師の50%前後に燃え尽きが認められるという報告もあり、状況は深刻化している。米Mayo ClinicのColin P West氏らは、燃え尽きに対する様々な介入の利益について検討していた研究の系統的レビューとメタアナリシスを行い、個人を対象とする介入も、構造的または組織的な介入も、医師の燃え尽きを減らすのに一定の効果があると報告した。詳細は、Lancet誌電子版に2016年9月28日に掲載された。

 医師の燃え尽きは、提供される医療や医師自身の安全(精神面の健康の悪化や自動車事故の危険性など)に悪影響を及ぼす。燃え尽きを減らす、または予防するためのアプローチは複数あるため、それらに関するデータを分析し、さらなる研究の方向性を見いだす必要があると考えた著者らは、系統的レビューとメタアナリシスを実施した。

 MEDLINE、Embase、PsyINFO、Scopus、Web of Science、Education Resources Information Centerに2016年1月15日までに登録されていた研究の中から、妥当性を裏付けるエビデンスが示されている燃え尽き指標(主にMaslach Burnout Inventory:MBI)を用いて、医師特異的な燃え尽きに関するデータが提示されていた研究を抽出した。RCTやコホート研究がメインだが、介入前後の状況を比較していたシングルアームの研究も対象に加えた。医学生や医師以外の医療従事者を対象にしていた研究は除外した。

 評価項目は、燃え尽きの有病率、情緒的消耗感(emotional exhaustion)のスコア(0~54点)と、高レベルの情緒的消耗感の有病率、脱人格化(depersonalization)のスコア(0~30点)と、高レベルの脱人格化の有病率の介入による変化とし、ランダム効果モデルを用いてプール解析した。

 抽出した2617本の論文のうち、フルテキストが入手でき、介入の効果を対照と比較しており、検証されたスコアで数値化して評価しているという条件を満たしたのは、15件のRCT(716人が対象)と、37件のコホート研究(2914人が対象)だった。RCTのうちの3件は職場環境での構造的介入(勤務時間やローテーションの短縮、作業過程の修正など)、12件は個人を対象とする介入(ストレス管理とセルフケアトレーニング、コミュニケーションスキルの訓練など)について評価しており、全て介入終了直後と介入前の変化を比較していた。5件はその後も19週間から4年弱の追跡を行っていた。1件以外はMBIを評価指標として用いていた。

 37件のコホート研究のうち17件は構造的介入、20件は個人を対象とする介入について報告していた。介入結果の評価後も追跡を継続していたのは4件で、追跡期間は1カ月から2年の範囲だった。3件以外の研究はMBIを評価指標として用いていた。

 燃え尽きの有病率を報告していたのはRCT5件とコホート研究9件で、燃え尽き有病率は介入により54%から44%に低下していた。絶対差は10%(95%信頼区間5-14%、I2=15%)。個人を対象とする介入より、構造的または組織的介入の方が効果は高かった。6件は、レジデントに対する労働時間の制限の効果を検討しており、燃え尽き有病率は62%から50%に低下していた(絶対差は12%、95%信頼区間6-17%、I2=28%)。2件が個人を対象とするマインドフルネス・ベースの介入またはストレス管理に焦点を当てた介入について評価していた。有病率は34%から28%に低下していたが、絶対差は6%(-2から14%、I2=0%)で有意ではなかった。

 RCT12件とコホート研究28件が、情動的消耗感のスコアの変化を報告していた。プール解析したところ、介入によりスコアは23.82点から21.17点に低下、絶対差は2.65点(1.67-3.64点、I2=82%)だった。このスコアは、構造的または組織的な介入と、個人を対象とする介入による差がつかなかった。

 RCT11件とコホート研究25件が、脱人格化スコアについて報告していた。介入によりスコアは9.05点から8.41点に低下、絶対差は0.64点(0.15-1.14点、I2=58%)だった。構造的または組織的な介入と、個人を対象とする介入の間に有意差は見られなかった。10件がマインドフルネス・ベースの介入またはストレス管理に焦点を当てた介入について評価しており、他の介入法よりも大きなスコア低下を報告していた(8.54点から6.53点に低下。絶対差は2.01、95%CI1.34-2.67、I2=0%)。

 分析対象になった52件の研究のうち、47件(90%)は、介入による有害事象はなかったと報告していた。ネガティブな影響としては、4件の研究が勤務時間の短縮によりレジデントの教育とスキルに悪影響が出たと報告している。

 これらの結果から著者らは、構造的または組織的な介入も、個人に焦点を当てた介入も、医師の燃え尽きを減らすのに有意義だったとしている。今後はどんな医師たちにどのような介入を組み合わせれば最も効果的かを調べる研究が必要だと結論している。

 原題は「Interventions to prevent and reduce physician burnout: a systematic review and meta-analysis」、概要はLancet誌のウェブサイトで閲覧できる。
http://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(16)31279-X/abstract


  1. 2016/10/25(火) 06:04:56|
  2. 未分類
  3. | コメント:0

10月23日 

https://www.m3.com/news/iryoishin/460507?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD161023&dcf_doctor=true&mc.l=185127624
シリーズ: 医療裁判の判決詳報
研修医、非専門医の急性心筋梗塞見落としの責任は?
長崎地裁の和解を詳報 、5300万円請求に対し解決金400万円

2016年10月23日 (日) 高橋直純(m3.com編集部)

 長崎市立市民病院(現・長崎みなとメディカルセンター市民病院)で診察に当たった研修医らが適切な診断を行わなかったことが原因で患者女性(死亡時63歳)が直後に死亡したとして、遺族が病院を運営する市立病院機構に約5300万円の損害賠償を求めた訴訟は2016年6月、長崎地裁(田中俊行裁判長)で和解が成立した。病院側が解決金400万円を支払い、遺憾の意を示し、医療安全体制を構築する内容だった。

 ポイントとなったのは、診察に当たった研修医、および循環器専門医でない内科医が、結果として急性心筋梗塞の兆候を見逃したことをどのように判断するか。

 原告(遺族)、被告(病院側)が裁判に提出した資料から双方の主張を詳報する。

※以下の内容は、原告、被告が裁判所に出した訴状、答弁書、準備書面などでの主張の要旨であり、裁判所が事実として認定したものではない。

原告側訴状の要旨
原告
死亡した女性の夫と二人の子供

概要
 吐き気、胸部不快感、冷汗を訴えて来院した女性(死亡時63歳)について、心電図の異常所見を見落とし、急性冠症候群の発症を疑って循環器専門医に相談したり、入院させて経過観察を行ったりするべき義務を怠り、漫然と帰宅させ、死に至らしめた損害賠償を求める。

事案概要
1 患者女性は2010年9月26日夕刻、家族とドライブに行って帰宅した際、自宅駐車場で突然、顔面蒼白になり、胸の苦しみを訴え嘔吐したため、駐車場から直接、長崎市立市民病院(以下、被告病院)に赴いた。

2 30分ほど待たされ、その間も胸の違和感を訴え続け、トイレで嘔吐までしている。4時5分にA医師(研修医)の診察を受け、吐き気、胸部不快感、冷汗を訴えた。A医師は、血液検査、心電図検査を行った後、ウイルスの量が多いようなので「ウイルス性腸炎ではないか」と発言し、整腸剤、抗生物質および吐き気止めを処方した。夫からの「胸の苦しみは心筋梗塞でないのか」という問いかけに対して、同席した年配のB医師(糖尿病専門医)は「血液検査、心電図でも異常は見られない。今すぐ命の危険性があるという状態ではないので、明日も具合が悪かったら来てください」と述べていた。A医師もこれに従った。

 その後、処方されるまで待合室で横になっていた。A医師が心配そうに様子を見にきた時にも、女性は胸の不快感を訴え続け、トイレで嘔吐した。その様子を見ていたA医師の指示で、10分ほど診察室のベッドで横になった後、午後5時35分ころに帰宅の道に就いた。

 午後6時ごろ、女性は薬を服用したが一向に改善せず、嘔吐を繰り返した。その後、意味不明な言葉を発する等の異常が見られたため、午後8時半に夫が救急車を呼び、午後9時に再び被告病院を受診した。

 夫らはC医師(循環器専門医)から検査の結果、女性は心臓破裂、急性心筋梗塞であり、非常に危険な状態であるから、すぐに長崎大学病院に移送する必要があると説明された。この移送の際にC医師から長崎大学病院への診療情報提供書において「本日16時に当院内科外来を受診しています。その際はいったん帰宅となっています(後で心電図を見ますとその際に既に急性心筋梗塞を発症していたようです)」と記載されている。

 女性は午後10時半ごろに長崎大学病院に搬送され、治療を受けたものの、心破裂、急性広範囲前壁心筋梗塞により、翌27日午前6時41分に死亡が確認された。

被告病院の責任
1 責任原因
 患者女性は9月26日、被告病院との間で、適切かつ最善の医療を提供することを目的とした診療契約を締結した。被告病院は不完全な履行を行い、女性に損害を与えた。

2 不完全履行
ア A医師は、吐き気、胸部不快感、冷汗を訴えて来院した女性について、心電図の異常所見を見落とし、急性冠症候群の発症を疑って、循環器専門医に相談したり、入院させて経過観察を行ったりすべき義務を怠り、漫然と帰宅させたという不完全履行がある。

イ 女性は吐き気、胸部不快感、冷汗を訴えているところ、この場合に疑うべき疾患として、消化器疾患など様々あるが、その一つに急性心筋梗塞も含まれる。特に患者女性は高血圧、糖尿病という心筋梗塞の危険因子となる持病を有しており、その持病については医師に説明していたのであるから、なおさら疑いを持つべきであったと言える。急性心筋梗塞を含む急性冠症候群は、早期の診断・治療が不可欠であり、ひとたび診断・治療が遅れると死に至る重大な疾患なのであるから、安易に除外診断することは許されない。

ウ 最初の診断時に心電図検査を行っているが、この心電図に置いてST上昇が認められ、またT波増高が認められている。このT波増高については、ガイドラインでも「心筋逸脱酵素がいまだ上昇していない心筋梗塞超急性期においても、心電図ではT波の先鋭・増高を認めることが多く、これが診断のカギになる」(急性心筋梗塞の診察に関するガイドライン(1358ページ))とされているように、急性心筋梗塞を疑うべき典型的な波形であるとされている。

 この点に関し、病院は心電図の自動解析装置においては、ST上昇には該当していなかったのであるから、やむを得ないという反論する可能性がある。しかし、蘇生ガイドラインによれば、「コンピュータによるECG(心電図)自動解析が経験豊かな臨床家による判断に置き換わるものではなく、それと併用して用いられるべきであろう」とされており、自動解析装置の結果に依拠すれば、免責されるものではない。また、自動解析装置においてもT波増高には該当しているのだから、やはり疑いを持つべきであったと言えるのである。

 また「1回の心電図では診断確定に至らないことがあるので、経時的に記録することが必要である」(今日の治療指針)とされているにもかかわらず、1回の心電図検査を行っただけで帰宅させている。

エ 女性を最初に診断したA医師は循環器の専門医ではなかったかもしれないが、そのことによって免責されるということもできない。「冠動脈の血流を完全に遮断することとT波の増高に引き続き、典型的な心電図が変化であるST上昇が発生する」や「1回の心電図では診断確定に至らないことがあるので、経時的に記録することが必要である」「クレアチンキナーゼの発生には、心筋梗塞の発症から時間がかかる」などということは、研修医向けのマニュアルにさえ記載されている基本的記事項である(『研修医当直御法度症例帖』)。

 また、A医師は急性心筋梗塞の確定診断を早期に行わなければならなかったわけでなく、発症を疑って循環器専門医に相談したり、患者を入院させて経過観察を行ったりすべきであったにすぎないのであるから、非専門医に対する過酷な要求とは言えない。

オ なお、病院は血液生化学検査において異常がなかったから急性心筋梗塞の疑いを持つことができなかったと主張する可能性もあるが、前述の通り、心筋壊死を示すクレアチンキナーゼは、心筋梗塞の発症後3時間後から上昇が認められ、トロポニンTは発症後2時間後から上昇が認められるのであるから急性期の診断には限界があるのであって、血液検査において異常がなかったからと言って急性心筋梗塞を除外診断してよいわけではない(『研修医当直御法度症例帖』49ページ)。

3 因果関係
 9月26日午後4時5分の段階で、発症を疑って循環器専門医に相談したり、患者を入院させて経過観察を行ったりしていれば、長崎県急性心筋梗塞24時間診察可能機関である被告病院において、速やかに再灌流療法などの急性心筋梗塞に対する治療を施すことによって、女性を救命することは十分に可能であったはずである。よって、医師らの不完全履行によって死亡に至ったのは明らかである。

4 損害
63歳で死亡するに至った女性の損害
1 収入額 主婦業であり、H22賃金センサスの全年齢女性平均額である345万9400円になる。
2 生活費控除額 30% 
3 就労可能年数 平均余命の半分である12.835年を就労可能年齢とする。13年とした場合のそのライプニッツ係数は9.3936となる。
4 遺失利益 345万9400円 ×(1-0.3)×9.3936 =2274万7354円
葬儀費用 150万円
慰謝料  2400万円
弁護士費用 482万円
合計 5306万7354円

答弁書(訴状への反論)
・A医師は「ウイルスの量が多いのでは」と言っていない。「ウイルス性腸炎ではないか」とは言った。夫から「胸の苦しみは心筋梗塞ではないか」との問いかけはされてない。
・B医師が、血液検査、心電図で異常が認められないと言ったのは認める。「今すぐ命の危険性があるという状態ではない。明日も具合が悪かったら来てください」とは説明していない。症状に変化があれば再度受診するよう説明した。
・「A医師が心配そうに様子を見に来た時に」は否認する。見に行った事実はなく、偶然、見かけたので、ベッドで休むように声をかけたが、ベッド上安静にて症状は軽減した。
・胸部不快感は「胸部に何か違和感がある」「ムカムカする」程度の訴えであり、胸痛はなく、主症状は吐き気であった。意識清明、顔面蒼白でなく、歩行は可能で全身状態は良好であり、急性心筋梗塞の典型的な臨床症状ではなかった。「病院は安易に除外診断」をしたものではない。

心電図について
・ST上昇は心電図の自動解析装置で判定されておらず、また、急性心筋梗塞時に典型的に生じるとされる凸のパターン(上方に凸の形でST上昇が認められる)ではなく、下に凸のパターンであり、対側性ST低下も欠いており、非特異な所見である。T波増高は急性心筋梗塞の超急性期に現れることもあるが、健常者でも認め得るものである。

医師の専門性について
・A医師は当時研修医であり、B医師は糖尿病を専門とする内科医である。いずれも循環器の専門医ではない。原告は『「冠動脈の血流を完全に遮断することとT波の増高に引き続き、典型的な心電図が変化であるST上昇が発生する」とか「1回の心電図では診断確定に至らないことがあるので、経時的に記録することが必要である」「クレアチンキナーゼの発生には、心筋梗塞の発症から時間がかかる」などということは、研修医向けのマニュアルに記載されている』と主張しているが、記載されている症例は「前胸部の締め付けられる感じ」が「約30分ぐらいは持続していた」症例であり、急性心筋梗塞の典型的臨床所見を前提に記載されているが、本件では、急性心筋梗塞の典型的な臨床症状は存在しなかった。

病院の主張
1 診療経過
主訴 吐き気、胸部不快感、冷汗(ただし、来院時は冷汗-)
診察時、意識清明で、呼吸静音、心雑音なし
心電図T波増高
血液検査、白血球、CPKは基準値内、トロポニンT陰性
医師はウイルス性腸炎と診断し、女性は17時35分に帰宅
帰宅後に様子がおかしいとの電話があり、再診説明したところ、21時7分に救急車で来院
心破裂、急性広範囲前壁心筋梗塞の診断で長崎大学病院に転送

2 急性心筋梗塞を診断できなかったことが医療水準を下回るものではないこと
(1)臨床症状
 「典型的なAMIの症状は、胸骨後面、もしくは左前胸部を中心とした疼痛あるいは絞扼感で少なくとも30分以上持続し、多くは数時間継続する」「強い不安感と強烈な胸痛あるいは胸部絞扼感により冷汗を伴う苦悶様の表情を呈し、顔面は蒼白で、手足の抹消には冷感がある」とされる。女性が訴えていたのは、「胸部に何か違和感がある」「むかむかする」程度であり、胸痛はなく主訴は吐き気だった。冷汗も来院時には消失していた。また、意識清明、顔面蒼白でなく急性心筋梗塞の典型的な臨床症状ではなかった。

(2)心電図所見
 ST上昇は心電図の自動解析装置で判定されておらず、また、急性心筋梗塞時に典型的に生じるとされる凸のパターン(上方に凸の形でST上昇が認められる)ではなく、下に凸のパターンであり、対側性ST低下も欠いており、非特異な所見である。T波増高は急性心筋梗塞の超急性期に現れることもあるが、健常者でも認め得るものである。心電図でも急性心筋梗塞の典型的所見は乏しい。

(3)血液検査
 急性心筋梗塞診断時に重要とされる血清心筋マーカーであるクレアチンキナーゼ(CPK)は基準値内であり、トロポニンTも陰性である。「白血球増多は心筋マーカーの上昇よりも早く出現するため、診断的価値がある」「白血球数は非特異的であるが、発症早期に上昇する」とされるが、白血球数も基準値内である。また発症「数時間以降には」上昇するとされるAST、LDHもいずれも基準値内である。血液検査結果で、急性心筋梗塞を疑わせる結果は何ら存在しない。

(4)小括
 臨床症状、心電図所見、血液検査結果からして、急性心筋梗塞の所見は極めて乏しく、循環器専門医ではない内科医が急性心筋梗塞を疑えず、ウイルス性腸炎と診断したことはやむを得ず、医療水準を下回るものではない。

原告準備書面
担当医が循環器専門医ではなかったことについて
・被告病院は一般の開業医ではなく、循環器専門医などを擁する地域総合病院である。また、救急告示医療施設であり、長崎県急性心筋梗塞24時間診察可能機関でもある。そのため急性心筋梗塞の患者に対することができる十分な体制が整っていたというべきである。かような被告病院の特徴を踏まえるならば、担当医師がたまたま循環器専門医ではなかったとしても直ちに医療水準を軽減させるべきではない。
・仮に医療水準を低減させるにしても、典型的な症状や心電図であり、研修向けマニュアルや看護師向けのテキストにさえ、記載されている基本的事項である。

被告準備書面
担当医が循環器専門医ではなかったことについて
・検討すべきは医療施設の規模の問題でなく、担当医師の専門性である。大病院であれ、開業医であれ、循環器内科を専門としない医師にとっては、循環器内科専門医に比較すれば、循環器疾患についての知識・経験が少ないことに変わりはなく、本件のような典型的所見を欠き、診断が困難な急性心筋梗塞について医師の責任を問う場合には、医師が専門医でないことを十分考慮しなければならない。

裁判所からの求釈明についての回答
・循環器内科医のC医師は、長崎大学病院宛ての診療情報提供書において、「(後で心電図を見ますとその際に既に急性心筋梗塞を発症していたようです)」と記載している。C医師は患者が2度目に来院した際に、急性心筋梗塞に伴う心破裂と診断された状況を認識した上で、事後的に被告病院への1回目の来院時の心電図を確認すると典型的ではないが、ST上昇が認められること、カルテに記載してある1回目の来院時の主訴(吐き気、胸部不快感、冷汗)も事後的に考えると、急性心筋梗塞発症時の症状として矛盾しないことから記載した。

 1回目来院時にA、B医師は、急性心筋梗塞の典型的な所見などを総合的に考慮し、ウイルス性腸炎の可能性が高く、急性心筋梗塞を含む虚血性心疾患は考え難いと判断した。

当直体制
26日午後4時ごろの当直医師体制
内科系医師1人(B医師)、外科系1人、循環器内科1人(C医師)、研修医1人(A医師)だった。

自動解析装置の精度
「前壁・中隔心筋梗塞(急性)」については、自動解析装置の感度は96.08%とされ、その診断精度は極めて高く、診断結果が前壁心筋梗塞でありながら、自動解析装置では陰性と判断された(偽陰性の判定)された本件は、3.92%という低い確率で生じ得ることが生じた例といえる。

裁判所からの求釈明についての回答
仮に、C医師が診察をした場合について
 C医師は「記録上の各所見からは急性心筋梗塞の診断はできないが、カルテの主訴と心電図での典型的ではないがST上昇が認められることからすると、急性心筋梗塞の可能性は排除できないので、患者を帰宅させず、初回心電図から30分後に再度の心電図検査と心エコー検査を実施することはしたのではないかと考えられるが、患者の実際の臨床所見によるところはあり、患者を直には診察していないので、確定的な意見は述べられない」とのことだった。

和解文
1 原告らに解決金400万円を支払う
2 本件経過を重大かつ真摯に受け止め、遺憾の意を表明するとともに今後の医療安全体制の構築に取り組むこととする
3 原告らは医師、看護師、その他職員に対し、一切の民事、刑事、行政責任を追及しないこととする



https://www.m3.com/research/polls/result/155
シリーズ: m3.com意識調査
結果研修先、選ぶのは大学病院or市中病院?

カテゴリ: 医療 回答期間: 2016年10月11日 (火)~18日 (火) 回答済み人数: 1540人

 初期臨床研修先を決めるマッチングの最終結果が10月20日に公表されます。近年は大都市、市中病院の人気が高まる傾向が続いていますが、もし現在の医学部生だとしたらどのような選択をするでしょうか。
医学部生だったら?研修先は「市中病院」が47%

 10月20日に公表された2016年度医師臨床研修マッチングの最終結果では、大学病院に研修先が決まったのは全体の42.7%で、大学病院離れが下げ止まったようでした。「もし現在の医学部生だったら」という仮定で研修希望先をお尋ねしたところ、大学病院は42%、市中病院が47%で、僅差で市中病院が人気を集めるという現在の医学部6年生と同様の傾向が見て取れました。 内訳をみると、大学病院では、出身大学が32%、他大学が10%。市中病院では大学と同じ都道府県が25%、大学と異なる都道府県が22%と拮抗しました。

 複数選択で尋ねた研修先を選ぶ基準では、プログラム(研修)内容(1105人)、症例の数や多様性(807人)、先輩からの評判(633人)、給与などの待遇(528人)、同期がたくさんいること(241人)、大都市であること(215人)、研究のしやすさ(201人)、出身地であること(198人)、インターネット等での評判(191人)同期が少ないこと(48人)――の順になりました。

 良い研修先の見分け方については、医療維新でご紹介します。

研修先の選び方、「最初はハードさが重要」「症例数より考え方を」

Q1 もし現在の医学部生だった場合、初期臨床研修病院先として希望するのは?
10231.png
※2016年10月18日 (火)時点の結果

Q2 もし現在の医学部生だった場合、初期臨床研修病院を選ぶ基準は?【複数】
10233.png
10232.png
開業医 : 308人 / 勤務医 : 1035人 / 看護師 : 13人 / 薬剤師 : 154人 / その他の医療従事者 : 30人
※2016年10月18日 (火)時点の結果

Q3研修先として良い病院の条件や見分け方について、ご意見があればお書きください【任意】
(次項)



https://www.m3.com/news/iryoishin/469758
シリーズ: m3.com意識調査
研修先の選び方、「最初はハードさが重要」「症例数より考え方を」

2016年10月23日 (日) 高橋直純(m3.com編集部)

Q 研修先として良い病院の条件や見分け方について、ご意見があればお書きください。
調査結果はこちら⇒医学部生だったら?研修先は「市中病院」が47%

【大学病院】
・とにかく、出身大学で研修しましょう!そして、大学院へ入りましょう!

・大学病院なら出身学生の残留率。

・症例数も欠かせない条件だが、まだ右も左も分からないうちは、偏りのない系統だった指導ができる指導医や環境が大事だと思います。そういう意味では、大学病院が教育の面ではリードしているのではないでしょうか?診療や研究の基礎ができてからでも、市中病院での症例経験は遅くはないと考えます。長い医師生活の最初はやはり焦らずじっくりと、いろんな意味での基礎力習得を目指すべきだと考えます。

・研修後の医師としての長い将来を考えると、いかに多くの優れた先輩医師と巡り合えるかという点を考えると、市中病院という今現在だけの経験値を選ぶより、多くの専門があり、多くの先輩医師がいる大学病院がいいと思います。

・行けるのであれば、都会の有名大学を目指します。

・市中病院は症例が多いが、教育という面で手薄感は否めない。大学病院は症例は少ないが、教育は行き届くと思われる。駆け出しの際に必要なのは、まず症例数の多さより少ない症例を深く掘り下げることである。

【市中病院】
・臨床研修制度開始第一期だったので、何も情報も無い中で手探り状態にて研修先探しを行いました。大学病院では、コメディカルを含めた職員間の連携に大きな疑問があると共に、一般疾患に対する診察等には不向きだと思い、市中病院を選びました。その時のつながりで今まで色々な職場を経験しましたが、今でもその時の選択で良かったと自信を持って言えます。所詮、大学病院では奴隷として扱き使われるだけで、医者としての技量や能力向上には何ら役に立たないと今でも確信しています。

・やはり倍率の高いような病院は、人気があるだけあって評判もいいし、良い教育もしていると思う。

・将来、実力のある臨床医になろうとする者にとっては、初期研修では、医師不足で少し忙しすぎるような地域の基幹病院が最適の研修病院である。最初に楽をすると、次に忙しさに耐えられない。最初は苦労する方がよい。

・学閥がないことが重要 力を付けても出身大学の壁でポジションをもらえないことが多々ある 地方大学ほど力が無いのに医局支配が強く、都内は比較的学閥に支配されていない職場があるので、これも地方から医師が上京してくる一因と思われる。

・大学はあり得ない。日雇いの大学院生に指導させて、スタッフは全く教育しない。

【先輩、卒業生、職員の様子、病院の体制】
・過去に研修した先生が、その後どんな医師になっているか。

・働いている職員の表情評判。

・1学年上の研修医が自分の1年後と考える。自分と同程度のモチベーションの人達がいるところを選ぶといいと思う。

・出身者が戻る、残っている人が多い病院。研修医が救急外来を任されていて、かつ見守られている状態。

・医者が医者の仕事に専念できること。研修先ではコメディカルが少なくて、本来なら看護師や看護助手、放射線技師やMSWのやっているような業務までやらされていました。

・研修医が1人でしなければならない状況作り。困ったときのサポート体制。

・勤続年数が長い先輩が多いこと。そうでない場合は労働条件が過酷だと予想できる。

・患者さんの口や体がきれないこと。

・勤務時間に応じて給与が出る、適当な休暇がある病院。医師の定着率も一考に値すると思います。

・救命救急において、北米型ERを取り入れるなど積極的に急患を受け入れている医療機関は、比較的症例数が多かったり多様性を持っていると考えられる。

・研修できる科目があること、常勤医または指導医がいることが必須です。市中病院ではない科目があり、大学病院に依頼して行ったりすることになります。症例数の多さだけでなく、希少疾患も含めた疾病の多様性が人を鍛えます。

・どのくらいやらせてくれるかが大事。自分の時代では、大学での研修では何もやらせてもらえなかった。採血要員とNsにまで、あごでこき使われていた。都内の優良な病院で研修してきた同期はエコーも内視鏡検査まで指導してもらっていて、実力の差を感じた。どれだけ任せてもらえるか、度量、器の大きさが大事な要因だ。

・できれば発症から転帰までしっかり追えるところ。

・どのように働きたいか、どのように生活したいか、ですね。医学者としては初期研修で厳しい忙しい病院に行き、たくさん経験を積むことは大切です。一方で、2年間という短くはない時間を過ごす以上、自分の家族を含めたQOLも大切になります。個人的にはマイナーに行くと決めている人や、子供や妻がいてマイルドに働きたいというニーズに適した病院がもっと選べてもいいと思います。

・ハードでも研修内容がいい病院には研修医が集まる傾向が高い。内容がしっかりして教育されているからにほかならない。研修医のときにハードな研修をしないとおそらく一生ものにはならないような気がします。

【指導体制】
・指導医が沢山いること、指導体制がしっかりしていること。大学病院では、オーベンの研究のための意味の無い検査が多かったという印象がある。指導体制がしっかりしていなくて、研修医が即実践で鍛えられたという側面はあるが、患者のためにも指導体制が最も重要。

・たとえそれが少数でも、優れた指導医がいること。看護師や病院スタッフも研修医の教育に関わっているという意識を持っている施設であること。

・研修医のやる気を助長するような制度(例えば、BLS ACLS PALS ICLS JATECなど、研修医で受験できる資格の受験費用を病院が負担する制度のある病院や、JAMEP受験を奨励している病院など)は好感が持てる。

・論文数。臨床、教育レベルの目安の一つ。

・初期研修では体系だった症例経験が重要で、後期研修はどちらかと言えば、何にでも対応できるよう野戦的な研修病院がいいのではないでしょうか。

・カンファレンスがしっかりしているところ。見分けるのは知り合いの先輩からの情報が一番よいと思います。一例一例をしっかり診られてから、症例数多数の病院にいく流れの方がよいと思います。

・市中病院は救急が盛んだったり、手技をやらせてもらえるとかいうけど、そんなの初期研修の時には必要ない。3年目以降にやればよい。それよりもカンファレンス等をしっかりしているところを選んで、学ぶ姿勢とかを勉強した方がよい。

・ガイドラインや教科書ばかりではなく、考える力のつく研究マインドを滋養できるプログラム、すなわちそういう指導者が存在することが必須条件と思います。

・考え方をちゃんと指導してもらえるかどうかが重要。いくら症例が多くても考え方が論理的でないと変なくせが付くだけ。

【その他】
・絶対他流試合すべき、ド田舎では勉強できないです。

・プログラムはフレキシブルである程度しっかりしていること。指導医クラスが大切。(レベルと人間性も)僻地は色々な意味で余程の研修医でないと厳しい。地域によっては鬱になり、経歴にダメージを負うかもしれません。

・都市部の大病院、大学。専門医資格のためほとんどの医師はそうするしかない。

・充実した研修をすれば銭は後からついてくる!目先の銭で研修先を選ぶな!

・内科医がたくさんいること。

・やはり必ず見学や実習に複数回行くこと。単なるイメージや他人の評判だけでは、自分自身に合うかどうかは絶対に分からない。初期研修で医師としての考え方や生き方が決定するとも言われます。しっかり見極めたい。

・特定の大学のカラーが強くないところを選びます。

・研修病院のトップだけの面接では、研修医がかわいそうです。研修医にも指導医を選ぶ権利を与えてほしいと思います。

・見分ける必要はないと思います。郷に入っては郷に従えです。社会人一年生として、全てが勉強なのです。研修を、良くできるかどうかは、病院や研修内容ではなく、自分次第なのです。そもそも、このアンケート自体が、ナンセンスですね。

・自分が研修医を指導する立場になって分かってきたことがたくさんあって、自分が研修医の立場で魅力的に思えていても、後になったらそれは枝葉末節であったなと思えることが多くある。そういった意味で研修先はよく考えてもらいたいし、研修が終わっても多くの病院を経験すればいいところや悪いところはいろいろと見えてくると思う。決して給与や休日の多さだけで選んではいけないと思う。

・良いか悪いかは、自身がどのような医師になりたいかによって変わると思います。賛否両論あるでしょうが、大多数が大学病院に所属していた時代の方が、地域医療は守られていたと思います。今は条件が良い、症例豊富などの病院に人は集まりますが、その先がなければ、開業を選ぶ人が多く、条件の悪い病院は医師確保が難しくなっています。医局に属し、御礼奉公という名で条件が悪くても数年はそのような病院で働く医師がいることで守られてきた地域医療があると思います。



http://blogos.com/article/195120/
埼玉の医師が少ない!6年前から何か変わった?若い先生を犠牲にする前に何かすることあるんじゃない
中村ゆきつぐ
2016年10月23日 10:38  BLOGOS

JBPRESSにこのような記事が出ました。(日本で最悪の医療過疎地、埼玉県 南米チリと同水準、産科は医療崩壊の危機に直面 )今までもたくさんの記事が出ていますが、6年前私が選挙に立候補した理由の一つです。

東京近郊であれば、東京の病院まで1時間以内に通える場所が交通機関が発達した埼玉は多いです。そして勤務先の近くの病院に通っている方も大勢います。今後団塊の世代が定年になった場合、仕事場の東京の病院から地元の埼玉の病院に転院されてくる方が増えてくるでしょう。埼玉には今以上の患者の増加と混乱が予想できます。ただそうすると東京の病院に患者減少に伴う余裕が出てくる可能性があります。結果一時期混乱するでしょうが東京に集中する医師は分散し、地域偏在は解消すると考えているようです。事実東京は利益を得るために患者の奪い合いが始まりだしたと聞いています。

もちろんそれではすぐに効果は出ないため、記事の中にもある「保険医登録制度」で見直しを提言し、若い医師たちに居住の自由や専門選択の自由を捨てさせて地域を守ることが厚労省主体に検討されています。またこの部分と並行して、今まで学会主導だった専門医を地域診療とリンクさせ、地域で働くことを義務付け、さらに厚労省出向の機構に上納金を納めさせるといった新専門医制度施策も企てていましたが、現場からの反対を受け混乱しています。(迷走する専門医制度に懸念噴出、専門医機構、認定料など新方針)医局を研修医制度で破壊したのに、自分たちのためまた復活させようとしたのですから当たりまえですが。

>実態がしっかり把握されず、「医師不足は地方」というイメージだけで議論がなされることがなく、地元埼玉の産科医不足がいち早く解消されるよう切に願います。

産科医の数が減少したということが最近報道されました。(産科医、7年ぶり減少…産婦人科医会「危機的」)そう、全体でも足りない、それこそ東京でも足りないのに、配分するとき考慮ではダメ。やはり専門の偏在を考えなければいけません。

ただそれは強制という名の下で行うのなら、自治医大、防衛医大のように最初に契約しないといけません。後出しジャンケンで、お前らは俺たちの言うことを聞けばいいのでは巷のブラック企業と何が違います?それでなくとも労働基準法違反の当直をなし崩し的に行っている医師たちに、今度は職業選択や居住の自由の権利まで奪おうというのではさらにみんな逃げていきます。

どうしても一つのことだけに注目しても解決はできません。全体を見ながら何をすべきなのかの施策が必要です。少なくとも全体の医師数は増えてきています。しかし産科を始めしんどい専門に医師は増えていません。(「しんどい医療」とは ではどうすれば)

厚労省が医療者適正配置に関し会議を開いています。(新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会)今年中に提案がなされる予定です。でもその中身は少し悲しい限りです。

国会答弁で雇用のミスマッチに対して、1 インセンティブ、2 ハローワーク、3 教育とされているのに、医師には合わせてくれるつもりはなさそうです。そして医師たち自身も調整できない結果患者が損をします。

もっと全体みようよ。研修医制度改変でどうして地域医療が衰退したのか。そこから考えなきゃ。そして自分たちは汗かかず、若い医師たちに教育の機会を減らし、家族の環境も制限し、仕事量にかかわらずインセンティブは同じという施策を作るお偉いさん。絶対ダメだと思う。



http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161023/k10010740621000.html
旧社会保険病院や労災病院 薬品調達などで不適切契約
10月23日 6時21分 NHK ニュース

厚生労働省所管の独立行政法人が運営する各地の病院が薬や備品を調達する際などに、厚生労働省の通知に反して、入札をしないまま特定の業者を選ぶなどの不適切な契約を結んでいたことが会計検査院の調べでわかりました。
厚生労働省は旧社会保険病院や労災病院を運営する独立行政法人に対して、6年前に出した通知で、物品の購入や業務委託などで一定の金額がかかる契約を業者と結ぶ際は原則、入札を行うよう求めています。

しかし、会計検査院が調べたところ、地域医療機能推進機構が運営する全国6つの旧社会保険病院では大量に使う薬を調達する際、支払い総額は入札が必要な金額になっているのに、安い単価で発注して入札を行わないまま納入業者を決めるなど厚生労働省の通知に反する形でおよそ6億円の契約を結んでいたことがわかりました。

また、別の独立行政法人が運営する兵庫県尼崎市の労災病院も、病室に設置する冷蔵庫やテレビなどをリースした際、契約を部屋ごとに70以上に分割して1件当たりの金額を抑える方法ですべて同じ業者に発注し、昨年度までに3000万円以上を不当に支払っていたということです。
会計検査院はこうした不適切な契約の見直しを求める方針で、病院や運営する独立行政法人は「現段階ではコメントしない」などとしています。



http://www.excite.co.jp/News/chn_soc/20161023/Recordchina_20161023018.html
世界一の医療環境を誇る日本、高効率の診察や薬剤師の行き届いた指導―中国紙
レコードチャイナ 2016年10月23日 15時30分 (2016年10月24日 05時01分 更新)

世界保健機関(WHO)の最新の「世界保健報告」によると、医療水準や医療サービスの受けやすさ、薬の費用負担の公平性など、さまざまな分野において、日本は高水準で、「世界で最も医療環境が整っている国」と称されている。生命時報が伝えた。

■病院の大きさにかかわらず同じ医療水準

日本の病院は大きく分けて4種類ある。体調を崩した際、大抵まず行くのが各コミュニティーにある診療所。そこで見てもらってもよくならない場合、その病院で紹介状を書いてもらい、専門病院で治療を受ける。もし、深刻な病状の場合、大型総合病院に行って治療を受ける。それに加えて、対応人数が20~50人のクリニックもあり、あまり待たずに診察してもらえるため、患者にとっては便利な存在だ。

2002年、厚生労働省は国民の健康維持と現代病予防を目的として「健康増進法」を制定した。その中でも重要なのは、国民のためにバランスの取れた医療環境を構築することだ。そのため、日本では、各種専門病院が各都市の各地域にあり、患者が受診のために遠くまで出かけなくて済むようになっている。

上記の4種類の医療機関の医療の質を同レベルにするために、日本の政府はクリニックに対する定期検査を重視し、その経営範囲や医療水準、医師の資質、最新設備の導入などを厳しくチェックしている。

■効率のよい診察

診察の効率を保つため、医師は通常、看護師3~5人の助けを得る。患者が来ると、看護師が医師の指示に従って、採血を行ったり、血圧を測ったり、問診をしたり、身体検査をしたりする。また、大抵、診察室の隣で各種検査を受けることができるため、受診時間の短縮にもつながっている。検査の結果が出ると、看護師はそれを医師に見せると同時に、所見を伝え、患者の病状について意見を交換する。その後、医師が患者に病状を伝え、処方箋を出す。その後、看護師は処方箋を見せて、患者に薬の服用の仕方などを詳しく伝える。このようにすることで、患者は15-20分で受診を終え、薬をもらって帰途に就くことができる。中国のように、患者が検査結果を自分で持って、医師のもとに戻って来て、他の患者の受診を妨げるような状況は見られないのだ。

■病院と薬局が別々、必要な分だけ処方

欧米諸国と同じく、日本の病院には通常、薬局がない。薬局があるのは、200人以上の患者を収容できる総合病院ぐらいだ。その理由は、日本では薬品は全て政府が統一して管理しているからで、どこの薬局で買っても、同じ薬ならほぼ同じ値段だ。

患者が医師が出した処方箋を持って薬局に来ると、薬剤師が医師の指示に基づいて、必要な分だけ薬を準備してくれる。例えば、一箱30個入っている薬であっても、医師が20個と指示していれば、薬剤師は20個だけ取り出し、服用方法が書かれた袋に入れて渡してくれる。また、薬のお金を払った後、薬剤師が別室で、服薬指導をしっかりと行ってくれる。

このような整った医療条件があるため、日本人の生活の質は非常に高く、世界一の長寿国となっている。2015年のWHOの「世界保健統計」によると、14年の日本人の平均寿命は女性86.83歳、男性80.50歳で、ともに過去最高を更新した。日本は20年連続で世界一の長寿国の地位を維持している。(提供/人民網日本語版・編集/KN)


  1. 2016/10/24(月) 05:33:12|
  2. 未分類
  3. | コメント:0

10月22日 

https://www.m3.com/news/iryoishin/469566?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD161022&mc.l=185057450
シリーズ: 医師不足への処方せん
15大学がマッチ率100%、人気の二極化進む
2015年度から倍増、2016年度臨床研修マッチング最終結果

2016年10月22日 (土) 橋本佳子(m3.com編集長)

 10月20日に公表された、2016年度の医師臨床研修マッチングの最終結果を大学病院本院別に分析すると、募集定員に対するマッチ者数の割合(定員充足率)が100%になったのは、15大学で、2015年度の8大学から約2倍になった。4大学だった2014年度と比べると、約4倍。

 定員充足率が80%以上は46大学、80%未満は33大学。2015年度は80%以上37大学、80%未満42大学で、それぞれ9大学増減。大学病院で研修する医師の割合は全体では42.7%で、低水準が続いているが、その中でも募集定員を満たす研修医が集まる人気大学と、それ以外の大学との二極化が進んでいることが伺える(マッチングの全体結果は、『大都市圏以外に過去最多の研修医、2016年度マッチング最終結果』を参照)。

 分析対象は、今年4月に医学部を新設した東北医科薬科大学と防衛医科大学校を除く、79大学の本院。定員充足率が、90%台は16大学(2015年度18大学)、80%台は15大学(同11大学)、70%台は9大学(同14大学)、60%台は6大学(同7大学)、50%台は7大学(同9大学)、50%未満は11大学(同12大学)。

 最も多くのマッチ者数を集めたのは、東京大学(127人)、以下、東京医科歯科大学(119人)、京都大学(81人)と続く。いすれも定員充足率は100%であり、9月末の中間公表の時点でも、「1位希望人数」のトップ3に入った人気大学だった(『医科歯科、東大、京大の「三強」不変、2016年度中間マッチング』を参照)。

 「出身大学での研修」、横ばい
 自大学出身者が、マッチ者に占める割合が100%だった大学は、旭川医科大学、岩手医科大学、山梨大学、金沢医科大学の4大学。昨年は岩手医科大学と高知大学の2大学だった。

 一方、自治医科大学を除き、30%未満だったのは、大阪大学(28.6%)、九州大学(27.7%)、東京大学(27.6%)、慶應義塾大学(27.3%)、神戸大学(25.0%)、東京慈恵会医科大学(19.1%)、新潟大学(18.2%)、名古屋大学(12.5%)、横浜市立大学(9.8%)、計9大学で、2015年度の9大学と同じだった。
10221_2016102305535056d.jpg
10222_2016102305535394b.jpg
10223_20161023055353401.jpg

表 大学病院の2016年医師臨床研修マッチングの最終結果(3分割の画像、それぞれクリックで拡大)
・医学部を持つ大学・医科大学、計79の本院分を集計(防衛医科大学校病院と、2016年4月に医学部新設の東北医科薬科大学病院を除く)。
・「充足率」が高い順にランキングを作成。同数の場合は、「マッチ者数」が多い順に掲載。



https://www.m3.com/news/iryoishin/469929
シリーズ: 安倍政権の医療制度改革
安倍首相、社会保障改革の検討、「加速化」指示
塩崎厚労相、医師の偏在対策「直接的な規制も検討」

2016年10月22日 (土) 橋本佳子(m3.com編集長)

 安倍晋三首相は、10月21日の経済財政諮問会議で、薬価制度改革や専門医等の調整を行う権限を都道府県に付与するなど、民間議員からさまざまな社会保障改革案が提案されたことを踏まえ、塩崎恭久厚労相に対し、「改革の議論の具体化に向けた検討を加速してもらいたい」と指示した。厚生労働省の社会保障審議会などで制度改革の議論が進むが、経済財政諮問会議でも、今年末の2018年度予算編成に向けて、社会保障改革について今後2、3回議論する予定(資料は、内閣府のホームページ)。

 民間議員から提言された改革案は、「給付と負担の適正化」や「1人当たりの医療費の地域差半減」に向け、薬価制度の見直しなど薬剤費の伸びの抑制や、医療費適正化計画の実現などを求める内容。同計画については、「目標と実態が大幅に乖離している」と問題視、医療費適正化に向けたガバナンスの確立を求め、専門医等の定員調整や病床調整等を行う権限の都道府県への付与、NDBデータを用いた医療費の地域差要因の見える化などを提言している。

 塩崎厚労相は、これらの提言に対し、「正面から受け止めて取り組みたい」と検討を進める方針を表明。専門医等の定員調整に関連して、医師の偏在対策については、直接的な規制を含めて改革を進める方針を示した。ただし、そうした取り組みを進める際には、今後の医療についてのビジョンが必要であるとし、現在検討を進めていることも説明した。塩崎厚労相の発言は、この10月に発足した「新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会」の議論を指すと見られる。同検討会については、10月20日の社保審医療部会で、位置付けが曖昧であるなど、問題視する意見が出ていた(『「医学部定員、2020年度以降も増員」をけん制』を参照)。

 経済財政諮問会議が今期、社会保障改革について議論するのは、10月14日に続き、2回目。14日の会議では、オプジーボ(一般名ニボルマブ)の薬価引き下げなどが提言された(『オプジーボ、「50%以上の引き下げ」求める声も』を参照)。塩崎厚労相は21日の会議では、薬価と適正使用の両面から検討を進めていると説明。ただし、民間議員からは、オプジーボに限らず、「他に同様の問題がたくさんあるのではないか」との指摘が挙がったため、オプジーボの薬価下げ幅の議論には至らず、厚労省が高額薬剤についての現状を取りまとめて、改めて議論することになった。

 民間議員が21日の経済財政諮問会議で、提出した資料は、「給付と負担の適正化に向けて」や「1人当たりの医療費の地域差半減に向けて」、およびこれらの参考資料。

 会議後に会見した、石原伸晃内閣府特命担当大臣は、民間議員の榊原定征氏からは「給付と負担の適正化に向けて、薬価制度の抜本的改革、保険者や介護事業者のインセンティブ強化等による医療介護の効率化、世代間、世代内の不公平の是正が必要」、新浪剛史氏からは「1人当たりの医療費の地域差半減に向けて、都道府県が責任を持って取り組む仕組みの構築、伸び率の大きい大都市圏における重点的な取り組み、個人へのインセンティブ強化による健康予防を実行すべき」などの発言があったことを紹介。

 そのほか、「医療費適正化の目標設定や実行について、誰が責任を持って実施するのか、ガバナンスが重要」「内閣官房の医療・介護情報の活用による改革の推進に関する専門調査会と連携して、政府一体として改革に取り組むべき」「薬価については検討課題が多いので、抜本的な取り組みが必要」などの意見が挙がった。



https://www.m3.com/news/general/469867
医療費節減の試算発表 内閣官房
2016年10月22日 (土) 朝日新聞

 医療の無駄遣いをやめる「医療費適正化」を進めることで、2023年度時点で約6千億円を節減できるという試算を内閣官房が21日、発表した。内訳は、後発医薬品のシェア(15年9月で56%)を80%に引き上げ=約4千億円▽糖尿病の重症化予防=約800億円▽必要以上に多くの種類の薬を処方する「多剤投与」の見直し=約600億円▽特定健診や保健指導の実施率向上=約200億円。



https://www.m3.com/news/general/469930
予算編成:社会保障費の抑制焦点 医療・介護、負担増に反発 政府・与党の議論本格化
2016年10月22日 (土) 毎日新聞社

 2017年度予算編成で、伸び続ける社会保障費を抑制するための医療・介護保険制度の見直しに向けた議論が本格化している。高齢者らに直接の負担増を求める見直し案に対しては、強い反発が出ていることから、どこまで切り込めるかが焦点となっている。【小倉祥徳、阿部亮介】

 「5000億円の(抑制)目標の達成に向けて、社会保障改革を前倒しして実行すべきだ」。21日開かれた政府の経済財政諮問会議で、麻生太郎財務相は社会保障費抑制に向けた強い決意を見せた。

 高齢化に伴い増大を続ける社会保障費は、国の一般会計歳出の約3割を占め、最大の財政圧迫要因となっている。このため、政府は16~18年度に社会保障費の伸びを年5000億円程度に抑える目標を掲げ、6400億円の伸びが見込まれる17年度予算編成では、1400億円の削減が求められている。

 16年度は、医療の公定価格である診療報酬の8年ぶりのマイナス改定によって、医療機関の報酬に切り込むことなどで抑制目標を達成。しかし、17年度は同様の大きな制度改正がないため、財務省が今月4日に示した抑制案では、医療や介護の利用者に負担増を求める見直し策が並んだ。

 なかでも財務省が最大のターゲットとするのが、毎月の医療費の自己負担に上限を設ける高額療養費制度と、75歳以上を対象とした後期高齢者医療制度。高額療養費制度では、70歳以上の対象者の負担を増やす案を提示しており、後期高齢者制度では、低所得層の負担を軽減する特例措置の廃止を求めている。

 この二つで1400億円のうち大部分を確保したい考えだが、負担増となる高齢者に配慮して、年収などで対象者を絞り込むことも検討されており、削減額が大幅に圧縮される可能性もある。

 超高額のがん治療薬「オプジーボ」の値下げを巡っては、省庁間の対立がある。製薬業界に配慮する厚生労働省は17年度の値下げ幅を最大25%に抑えたい意向だが、財務省や官邸は一段の値下げを求めており、調整が続いている。

 実施に向けて難航が予想されるのが、介護保険で通常は自己負担が1割のサービスについて、一部の対象者の負担を2割に引き上げる案だ。要介護度の低い利用者が対象になるが、19日開かれた厚労省の社会保障審議会の部会では、NPO団体などから「利用者のほとんどが年金生活者で、預貯金を取り崩して生活している」などと反発する声が相次いだ。また、14日に開かれた公明党の部会でも、「介護が必要な人の負担を増やすのは問題だ」などと反対する意見が出た。

 年明けの衆院選が取りざたされる中、高齢者らに負担増を求めることに与党内の反発が強まる可能性もあり、社会保障費の抑制目標の達成に向けて難しい調整が続きそうだ。



https://www.m3.com/news/iryoishin/469941
後発薬促進、重複・多剤投与是正等で「0.6兆円」抑制
政府の専門調査会、2023年度医療費を推計

2016年10月22日 (土) 橋本佳子(m3.com編集長)

 政府の社会保障制度改革推進本部の「医療・介護情報の活用による改革の推進に関する専門調査会」は10月21日、2023年度の医療費推計や地域差分析の結果などを盛り込んだ第2次報告案を公表した(資料は、首相官邸のホームページ)。

 入院医療費は、地域医療構想に基づく病床機能の分化・連携の推進の成果を反映すると、第3次医療費適正化計画の最終年度に当たる2023年度は、19.8兆~20.1兆円と推計。

 一方、2023年度の入院外・歯科医療費は30.3兆円に上ると推計されるが、後発医薬品の普及(数量シェア80%)、特定健診(70%)・特定保健指導(45%)、糖尿病の重症化予防(40歳以上の糖尿病1人当たりの医療費の平均を上回る都道府県について、平均との差を半減)、重複・多剤投与(3医療機関以上、15剤以上の薬剤投与を是正)などの取り組みで0.6兆円抑制でき、約29.7兆円に収まると見込んでいる。

 第2次報告案では、都道府県別および2次医療圏別に、医療費の地域差も分析している(2013年10月1カ月分のレセプトデータ)。

 75歳以上の糖尿病の1人当たりの医療費が最も高いのが広島県で1600点を優に超える一方、熊本県では約1000点にとどまるなど、地域差は大きい。

 さらに糖尿病の傷病名が記載されたレセプトを分析すると、(1)同一月内に、4医療機関以上受診している患者(平均は1.12)、(2)同一月内に、同一医療機関を10日以上受診している患者(平均は2.05日)――についても、都道府県間で大きな開きが見られた。

 そのほか、後発医薬品の普及率、時間外加算(全年齢・全疾患の初再診において、最小の長野県と最大の佐賀県では、1.5倍の差)をはじめ、各種診療報酬点数の算定率の地域差などの分析結果もまとめている。

 同専門調査会は、都道府県が策定する第3次医療費適正化計画(2018年度~2023年度)の目標設定のための標準的な算定方式などに検討を進めてきた。第2次報告案は、この算定方式の考え方やそれに基づく推計結果のほか、医療費の地域差の「見える化」などのデータを公表、各都道府県による医療費適正化の取り組みにつなげるのが狙い。今後、厚生労働省は11月初め頃に、第2次報告案の考え方も盛り込んだ、医療費適正化基本方針を改定する予定。



https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20161022-OYTET50002/
「精神指定医」不正取得で数十人処分へ…厚労省
2016年10月22日 読売新聞

 精神障害者の強制入院などを判断する「精神保健指定医」の資格を不正に取得したとして、厚生労働省は全国の数十人の医師について、資格の取り消しなどの処分を行う方針を固めた。昨年、聖マリアンナ医大病院(川崎市)で発覚した不正取得問題を機に、同省が調査していた。26日に開かれる医道審議会の専門部会に諮り、答申を踏まえて最終決定する。

 同省によると、聖マリアンナ医大病院では、実際には診察していない患者の症例を使い回し、組織的に虚偽リポートを提出していたことが発覚。同病院の医師11人と、指導役の指定医(指導医)12人の計23人の資格が取り消された。

 事態を重くみた同省は、2009~15年に資格を取得した計約3500人について調査。保管していた症例リポートと患者のカルテなどを照合し、計約100人の指定医から事情を聞くなどした結果、数十人が十分な診察をしていない患者の症例リポートを提出していたと判断した。事情聴取の対象になったことを知り、自主的に資格を返上した医師もいるという。

 指定医は、患者の意思に関係なく強制的に入院させる措置入院や、医療保護入院を判断できる精神科医。精神保健福祉法は、指定医として著しく不適当と判断した場合は、資格取り消しや職務停止を命じることができると定めている。



http://www.shimotsuke.co.jp/category/life/welfare/medical/news/20161022/2486671
小山近郊5市町の14病院が連携へ 医療充実目指し「協議会」設立
10月22日 朝刊 下野新聞

 地域の医療資源を最大限に生かした医療体制を実現しようと、新小山市民病院を中心とした3市2町の計14病院は21日、「小山市近郊地域医療連携協議会」を設立した。

 医療費の増大が避けられない超高齢社会。各病院が情報共有を密にし転院をスムーズにすることなどで急性期や回復期、慢性期といった患者の状態に応じた適切な医療を提供するとともに、医療費の抑制を目指す。

 協議会を構成するのは小山市内7病院、下野市内2病院、野木町内2病院、上三川町内1病院の県内計12病院のほか、茨城県結城市内2病院。結城市内の病院も含め各病院がそれぞれの特徴を生かした役割分担をし、住民の生活圏に合わせた医療体制の充実を図る。

 21日夜、小山市内で各病院の責任者らが出席し協議会の設立総会が開かれた。

 会長に選出された新小山市民病院の島田和幸(しまだかずゆき)病院長は「患者に対して最適な医療やケアを提供するためには個々の医療機関や介護施設がしっかりと連携することが必須。互いの情報交換を活発にし、現実の体験を積み重ねて小山市近郊の医療ネットワークを形成したい」などと話した。



http://www.zaikei.co.jp/article/20161022/333309.html
かかりつけ医以外の受診に定額負担を、経団連
2016年10月22日 21:11  日本経済新聞
記事提供元:エコノミックニュース

 日本経済団体連合会は医療・介護制度改革として、年末までに結論を得るべき課題だとしたうえで、医療保険での患者負担について「複数の慢性疾患を有する患者の対応や医療機関の機能分化を推進する観点から『かかりつけ医』機能を明確にした上で『かかりつけ医』以外を受診した際、定額負担を求めること」などを21日までに提言した。

 また薬剤費についても「湿布やうがい薬等、長らく市販品として定着している市販類似薬について、保険償還率の引き下げや保険給付の適用外とすべき」としたほか「国民のセルフメディケーションの意識を高めるため、医療用医薬品のスイッチOTC化などにも取り組むべき」としている。

 高額薬剤については「収載当初の前提が変化していることを踏まえ、薬価の早急な見直しを行い、保険財政の安定性を確保することが求められる」とした。

 介護保険給付についても「介護保険の給付(総費用)は2016年予算ベースで約10兆円だったが、2025年には約20兆円に、75歳以上の人口は2015年の1646万人から2025年には2179万人になると見込まれている」とし「制度の持続可能性確保の観点から、軽度者に対する給付のあり方を見直すことで、重度者への給付に重点化していくことは不可避」とした。

 具体的検討例として「要支援者に対する介護予防給付(通所リハビリテーション等)並びに軽度要介護者に対する生活援助サービス(調理、洗濯、掃除等の日常生活の援助)について、早急に地域支援事業への移行を促すか、給付率の引き下げを行い、要介護度3以上の利用者を対象に給付の重点化を図っていくべき」とした。

 また「福祉用具貸与・住宅改修について、給付の重点化の観点から軽度者には全額自己負担化も含め保険給付率を引き下げる方向で見直していくことが求められる」などとしている。(編集担当:森高龍二)


  1. 2016/10/23(日) 05:57:02|
  2. 未分類
  3. | コメント:0

10月21日 

http://www.cabrain.net/news/article/newsId/49861.html
不足地域で働く医療者にインセンティブを- 諮問会議の民間議員が提言
2016年10月21日 22時00分 CB News

 政府の経済財政諮問会議(議長=安倍晋三首相)は21日の会合で、社会保障改革をテーマに議論した。この中で同会議の民間議員が、医療資源が足りない地域に転勤する医療従事者や、そうした地域で働くつもりの学生などに、金銭的なインセンティブを設けることなどを検討すべきだと提言した。医療従事者の偏在を是正して、医療費の地域差を縮めることが目的。さらに、医療費の適正化や、将来に向けた医療提供体制の再編を進めるため、都道府県の権限を強める案なども示した。【佐藤貴彦】

 政府は、財政を健全化させるための計画の中で、都道府県別の一人当たり医療費の差を半減させる目標を掲げている。

 民間議員はこの日、地域差の半減に向けた具体策を提案。その一つとして、医療資源が不足する地域に異動する医療従事者に助成金を渡すことや、そうした地域で医療に従事するつもりの人に対する奨学金を充実させることなどについて検討すべきだとした。

 さらに、医療費の適正化や、将来の需要に合わせた医療提供体制の再編を、都道府県が責任を持って進めるための仕組みが不可欠だと主張。将来の需要に合わせた必要病床数と現状との差を解消していくため、病床を調整する権限を強めるとともに、専門医などの定員を調整する権限を付与することを提案した。また、交付金を大胆に傾斜配分するなどして、都道府県が医療費適正化に熱心に取り組むように促すべきだとした。

 医療費適正化に関しては、人口が多い東京や神奈川、大阪、愛知、埼玉、千葉、兵庫、福岡の8都府県で、重点的に取り組む必要性も指摘した。

■患者側の取り組み促す提案も

 そのほか、患者側の取り組みを促す施策も提案した。具体的には、特定健診やがん検診などを受診した人の保険料が安くなる仕組みや、かかりつけ医以外で初診を受けた際に追加料金が発生する仕組みなどを導入すべきだとした。

 また、ドラッグストアなどで販売されているOTC医薬品と類似する薬の一部について、医師から処方を受けた患者に追加料金を支払わせることで、市販の薬の購入を促すことなども提案した。

 経済財政諮問会議は、来年度の政府予算のあり方などについて議論している。安倍首相は会合で塩崎恭久厚生労働相に対し、こうした提言を踏まえて改革の具体化に向けた検討を加速させるよう指示。また、社会保障改革について、同会議でさらに検討する方針も示した。



http://www.medwatch.jp/?p=10874
「ビジョン検討会設置は聞いていない」医師需給の新たな推計方針に不満噴出―社保審議・医療部会(2)
2016年10月21日|医療・介護行政をウォッチ MedWatch


 医療従事者の将来需給について、「働き方の変化」などを勘案してより詳細に推計することになりましたが、20日に開催された社会保障審議会の医療部会では、議論の進め方について委員から不満が噴出しました(関連記事はこちら)。

 厚生労働省は、IT技術などの進展による労働内容の変化を踏まえるほか、新たにタイムスタディ調査を行うなど、より精緻に「働き方の変化」を踏まえることが必要である点を強調し、委員に理解を求めています。

新たな働き方のビジョンまとめ、新データも収集して、改めての需給推計

 安倍晋三内閣が昨年(2015年)6月に閣議決定した骨太方針2015(経済財政運営と改革の基本方針2015)」は、「人口構造の変化や地域の実情に応じた医療提供体制の構築に資するよう、地域医療構想との整合性の確保や地域間偏在等の是正などの観点を踏まえた医師・看護職員等の需給について検討する」よう厚労省に指示しています。

 厚労省はこれを受け、「医療従事者の需給に関する検討会」、さらに下部組織として医師、看護師、リハビリ専門職それぞれの将来需給を推計する分科会を設置。医師については、医学部入学定員設定の関係もあるため、一足先に議論を進め、今年(2016年)5月に次のような推計結果を示すとともに、医学部入学定員増特例措置の一部を当面継続する方針を固めました(関連記事はこちらとこちらとこちら)。

▽上位推計(医師需要が最も大きくなると仮定):2033年頃に約32万人で需給が均衡し、2040年には医師が1.8万人過剰となる

▽中位推計(一定程度、医師需要が大きくなると仮定):2024年頃に約30万人で需給が均衡し、2040年には医師が3.4万人過剰となる

▽下位推計(医師需要が最も小さくなると仮定):2018年頃に約28万人で需給が均衡し、2040年には医師が4.1万人過剰となる

将来の医師需給の試算結果、早晩、供給量が需要量を上回ることが明確に(上位推計でも2033年以降は医師供給過剰になる見込み)
10211_201610220549314cc.jpg

 ただし、議論の中で「高度急性期などの医師労働時間は、より適正化(短縮する)ことなどが考慮されるべき」との指摘があり、分科会では ▼医師の働き方・勤務状況などの現状を把握するための全国調査を行う ▼新たな医療の在り方を踏まえた医師の働き方ビジョン(仮称)の策定―を行い、改めて「医師需給推計の精緻化」を行うことを軸とする中間まとめを行っています(関連記事はこちら)。

 厚労省は今般、この中間まとめに沿って、「新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会」(ビジョン検討会)を設置。ビジョン検討会の結論を踏まえて、医師などの将来需給推計を改めてより精緻に行うことを決めました。

 しかし20日の医療部会では、中川俊男委員(日本医師会副会長)や山口育子委員(ささえあい医療人権センターCOML理事長)らから、「ビジョン検討会の設置や、改めての推計などは医師需給分科会で一度も議論されずに決定された」「ビジョン検討会は非公開で開催される」といった点について不満が噴出。さらに、議論の際に厚労省医政局の神田裕二局長が不在で合ったため、中川委員は「局長は医療部会を軽視しているのか」という旨の発言まで行いました。

 これに対し、厚労省医政局総務課の中村博治課長は、前述のように医師需給分科会で「新たな働き方のビジョン」を策定し、精緻な需給推計を行うという中間まとめの趣旨に沿っていることを説明。さらに、同局医事課の武井貞治課長も「女性医師、勤務医などにどういった働き方がふさわしいのかをビジョン検討会で議論してもらい、さらにタイムスタディ調査を実施し、新たな就労データを入手し、精緻に推計したい」と述べ、理解を求めています。

 したがって、例えば医師需給分科会では、当面「偏在の是正」に向けた対策を練り、ビジョン検討会が報告書をまとめた(来年2月予定)後に、改めて需給推計の議論を行うことになります。

医療提供体制に係る改革公定表、ビジョン検討会のとりまとめ後に、医師・看護師などの需給推計の議論を行うことが示されている

10212_201610220549334f9.jpg
 
 なお、中川委員は「新たな需給推計の裏には、医師を増やそうという意図があるのではないか。医師が近い将来、過剰になることは明白であり、そうなれば何が生じるかは歯科医師や弁護士の状況を見れば分かる」とも指摘。これに対して加納繁照委員(日本医療法人協会会長)は「病院では医師不足が深刻であり、『数年後に過剰になる』と言われても、現状ではとても負担に耐えられない」と述べ、当面の医師養成数増に期待を寄せており、医療提供側の内部でも見解に大きな相違があります。

 

http://www.chibanippo.co.jp/news/politics/358956
医学部定員18人増へ 成田の新設含め
2016年10月21日 11:49 | 千葉日報

 文部科学省は20日、長崎大と私立大4校が2017年度に医学部入学定員を計18人増やす計画を公表した。これとは別に、海外での医療協力に貢献する人材育成を目指すとして、国家戦略特区に指定された成田市で、国際医療福祉大の医学部新設(定員140人)が認められており、17年度の総定員は9420人になる見込み。

 文科省は地域の医師不足解消のため、19年度まで医学部の一定の定員増を認める方針。私立大4校が申請した計16人分は、松野博一文科相が20日、大学設置・学校法人審議会に諮問した。長崎大の2人分についても意見を求める。

 定員増は(1)都道府県が地域での勤務を義務付け、代わりに奨学金を出す「地域枠」の設置(2)複数の大学が連携して研究医の養成拠点形成を目指す-場合などに認められている。



http://gendai.ismedia.jp/articles/-/49984
大学病院の逆襲!ならば言おう「町医者ほど怖いものはない」
現役医師150人のホンネ

2016.10.21 週刊現代講談社

平気で専門外の看板を出す

「『週刊現代』は、大学病院は危ない、ガバナンス(組織の統治)が機能していない、新しい研究のために患者をモルモットにしているなどと、批判していますが、とんでもない。私から言わせれば、町医者で診てもらうほうがよっぽど怖いですよ」

こう憤るのは、ある大学病院の医師だ。この医師の言い分は正しいのか―ー。

今回本誌は、医師たちの本音を探るため、150人を超える現役医師に「町医者(開業医)に関する問題点」についてアンケートを実施。大学病院や民間病院で働く「勤務医」からはもちろん、開業医自身からも、町医者の問題点について様々な意見が寄せられた。上の表にはその結果を掲載した。

大学病院の医師たちが指摘したのは、まず町医者の医療に関する「知識不足、勉強不足」だ。

(1)「勉強の機会が少ないこと。問題のある対応をしても、後処理を大病院の医師に任せる」、(2)「診断や治療が正確でないケースがある」、(3)「町医者の場合、新しい治療法やガイドラインについていけていない医師が非常に多い」(数字は表と対応、以下同)。

大学病院のように新しい研究にばかり重きが置かれるのも考え物だが、町医者のように毎日患者を診ることに追われて、ただ独善的に漫然と、旧来の治療法を続けられるのも困る。

実際、開業医自身からも(5)「最新の医療知識を得る機会が少ない」との声が挙がっている。

当然ながら医者は、自分の専門以外の分野に対しては知識が伴っていない。にもかかわらず、町で見かける多くの開業医が、「○○科+内科+小児科」といったようにダブル、トリプルで看板を掲げている。なぜそんなことが許されるのか。

関西の大学病院に勤務する医師が語る。

「実は医師免許さえあれば、専門分野でなくとも、自由に何科でも開設することができるのです。

たとえば皮膚科や泌尿器科などのマイナーな科だけでは、患者が集まりません。そこで開業医としては、少しでも客(患者)を増やすために、『皮膚科+内科』など複数の看板を出すのです。ただこういう町医者は、内科の専門医ではないので、注意が必要です。腹痛の患者をただの食あたりと診断したが、実は急性虫垂炎(盲腸)だったなんていう誤診も事実、あります」

最近では在宅医療、終末医療の看板を掲げる町医者も増えている。だが、先頃亡くなった大橋巨泉さんの在宅医が、元々、皮膚科が専門だったように、専門外の医者が看板を掲げているケースは多々ある。

アンケートでも(17)「他科の病気に適当な治療をして悪化させることがある」、(18)「開業したら突然他科の領域まで診察し始める傾向がある」などの意見が寄せられた。

開業医の一番の目的は「儲ける」こと。そのためには患者に不利益があろうと、お構いなしというわけだ。

医療ジャーナリストの田辺功氏は「開業医の問題は、経営と医療が切り離されていないことにある」と語る。

「本来、医者は患者に必要な治療を行うことが仕事です。ところが経営者になれば儲けることが仕事になる。

公的な大規模病院であれば委員会や理事会が経営を行い、各科の専門医がそれぞれ治療を行っている。アメリカでは開業医そのものが少なく、病院の契約医として働くシステムが浸透しています。

一方で日本の開業医は経営と医療を同じ人物が兼ねていることがほとんど。他に監視する人がいないので、不要な医療を重ねれば重ねるほど儲かるというわけです」

さらにアンケートでは、「町医者は薬を出し過ぎている」との指摘も散見された。(27)「儲けるため死ぬまで患者を薬漬けにする」、(29)「必要のない薬をずっと出し続けている」、(30)「生半可な知識でどんな薬でも処方する」。

ある大学病院の医師が憤る。

「単なる風邪なのに、患者に確認もとらず抗生物質、解熱剤、咳止めなど、5~6種類もの薬を出してくる町医者には要注意です。はっきり言って不必要な場合がほとんど。そもそも風邪に有効な薬なんてないんです。安静にしているのが一番。

薬の飲みすぎは、副作用のリスクを高めるだけです。にもかかわらず、なぜ医者は抗生物質を出したがるかというと、単純に儲かるから。患者の満足度を上げるために意味もなく出しているのです。

また薬同様、診療報酬点数を稼ぐために、すぐ点滴をしようとする医者もいる。風邪は開業医にとってはボッタクリができる最高の病気なんです」

とにかく儲かる生活習慣病


さらにひどい例になると、患者の自己負担がないからといって、高齢の認知症患者や生活保護者に大量に薬を処方する町医者もいるという。

個人病院で働く看護師が、内情を明かす。

「生活保護の患者さんのカルテを見ると、腹痛、頭痛などこれでもかというほど症状が書かれています。処方できる量が国で制限されているのですが(基本的には一度に7種類まで)、カルテの日付を改竄してまで、睡眠剤や向精神薬など大量の薬を処方しています」

患者の中には、このように違法に処方された薬をインターネットなどで販売する輩もいる。町医者はそうした不法行為の手助けをしているとも言えるのだ。

また前出の田辺氏によれば、「診療報酬の水増し」を行っている町医者もいるという。

「今年の3月に美容クリニックを経営するタレント女医が逮捕された件はその典型的なケースです。生活保護者に架空の医療費請求をする手口もある。

最近では医師と医薬品卸会社が共謀して中国人ブローカーに睡眠薬などを横流ししていた事件も発覚。開業医は個人や一族経営の場合がほとんどで口裏を合わせやすく、不正が起こりやすい環境にあります」(田辺氏)

こういった不正を防ぐために国は、近年「基本的に一度に処方できる薬は7種類まで」と制限を設け、これを超えると、逆に診療報酬点数が減る制度に改定した。

また「院外薬局」が増えたため、昔のように開業医が薬価差益(薬を割引価格で購入し、患者には正規の値段で処方すること)で儲けることができなくなりつつある。

しかし、それでも「町医者が出す薬の量は減っていない」のはなぜか。

「同じ用法の薬を数種類にわけて処方箋を書くことで、7種類の制限を逃れ、儲けている医者もいます。

ただそれ以上に、町医者は新しい知識を得る機会も少なく、しかも全員が内科の専門ではないので、自分の診断に不安があるんです。だからとりあえず薬を出し、結果、多剤多量になってしまう」(別の大学病院の医師)

開業医は病院に来てもらわなければ始まらない世界。そのため(23)「開業医は再診料を得るために長期処方をしない」、(28)「再診料を稼ぐために頻繁な受診を患者に強いる」という。さらに勤務医たちからは(25)「(開業医は)医療報酬で恵まれすぎ」との指摘もあった。

どの病院でも、がん、糖尿病、高血圧などの患者を一人診察すれば「特定疾患療養管理料」が加算される。金額は入院ベッドが100床未満で1470円、100~199床の病院で870円と、病院が大きくなるにつれて下がる。それが開業医になれば、逆に2250円と跳ね上がるのだ。

さらに糖尿病や高血圧の薬を出せば、病床数が200床未満の病院においては月に1回、患者一人に対して「生活習慣病管理料」が加算される。脂質異常症だと650点。高血圧症は700点、糖尿病では800点(1点=10円)が医師の懐に入ることになる。

つまり、町医者にとっては、生活習慣病患者を作り出し、抱え込むことがもっとも安定した収益となるのだ。

困ったら大病院に「丸投げ」

こういった町医者優遇の背景には、開業医の多くが所属する「日本医師会」の存在がある。

「日本医師会の会員数は約16万7000人。医療界の中でも、非常に強い政治力をもつ組織です。そのため開業医に不利な医療制度の改善をしようとすると、横やりが入るので、中々改革が進まない」(都内大学病院の医師)

その他に、開業医が儲ける手段としてよく使うのが「無駄な検査」。回答にも(41)「過剰診療がある」、(43)「公的病院よりも収益を重視せざるを得ないため、無駄な検査が増える」などの声が挙がった。

採血、レントゲン、内視鏡、尿検査など様々な検査を行い、診療点数を稼ぐ。そして「結果が出るのは来週なので、その時にまた来てください」と言って再診させるのは、悪徳町医者の常套手段だ。

前出とはまた別の大学病院の医師は、「内視鏡検査時に不必要な生検(胃や腸の組織をとる検査)をする町医者が非常に多い」と語る。

「手技料、病理診断料などの保険点数が加算されるので、生検は儲かるんです。ただ、無駄な生検によって消化管出血を引き起こすこともある。私は腫瘍があっても悪性の疑いが強くないと、生検をすることはまずありません。それが良心的な検査医のスタンスです」

アンケートでは町医者による「手術の未熟さ」も散見された。(44)「医者としての腕がないのに手遅れになるまで患者を手放さない。どうしようもなくなって患者を大学病院に搬送してくるケースが山ほどあります」、(46)「術後の縫合不全で感染症になった」、(55)「自分では治療しきれないのに、専門医に紹介しない町医者がいる」など。

前出の田辺氏が語る。

「大病院は複数の医師が在籍しており、手術技量は他の医師の知るところとなります。医者同士の競争もあるので常に手術の技術を磨かなければならない。ところが小規模なクリニックであればその医師以外には看護師や事務スタッフがいるだけなので、手術の技量が分かりにくいのです。

ただ実際に手術を受けた近所の人には噂レベルですぐに知れ渡ります。だから近所の住民が寄りつかずに遠方からの患者ばかりのクリニックは気をつけたほうがいいですね。手術は下手でも宣伝が上手な可能性はありますから」

しかも開業医の場合、大規模病院と違い、管理、指導する人間がいないので、(56)「独りよがりになりやすい」、(59)「世界が狭くなり、自分が一番偉いと思いがち」との意見も多く見られた。

それでいて(60)「困ったら大病院へ丸投げ」するというのだから、大学病院の医師たちが怒るのも無理はないだろう。

もちろんすべての開業医に問題があるわけではない。中には儲けより、患者のことを第一に考える医者もいる。

だが、町医者を信用し過ぎたために、手遅れになって困るのは、ほかでもない患者自身だ。あなたの町の医者は大丈夫ですか。

「週刊現代」2016年10月15日・27日合併号より



http://mainichi.jp/articles/20161021/ddl/k42/040/282000c
酒気帯び運転
医師に罰金30万円 厳原簡裁 /長崎

毎日新聞2016年10月21日 地方版 長崎県

 対馬市の医師が7月、未明に呼び出しを受け、病院に向かう途中で酒気帯び運転で検挙された事件で、厳原区検は18日、同市厳原町久田、医師で県対馬病院診療技術部長の久保田元容疑者(59)を道路交通法違反罪(酒気帯び運転)で略式起訴した。厳原簡裁は19日、久保田被告に罰金30万円の略式命令を出した。【今手麻衣】

〔長崎版〕



http://www.asahi.com/articles/ASJBP24D5JBPUBQU001.html
療養14万床再編案 医師常駐2種類・容体安定なら個室
2016年10月21日09時25分 朝日新聞

 高齢者らが長期入院する「療養病床」のうち約14万床を新しい介護施設などに転換させる計画で、厚生労働省は3種類の施設案をまとめた。医療の必要性に応じて、医師が常駐するタイプから医師のいない個室タイプまで3段階に分類。医療機関に2018年4月からの転換を促すが、2年以上の経過措置も認める。
10213_20161022054933596.jpg

 療養病床は医療費を抑える目的で、17年度末までの廃止・転換が決まっている。全国の約27万床のうち、「介護型」の6万1千床と「医療型」のうち比較的症状の軽い患者が入院する7万6千床が対象。社会保障審議会(厚労相の諮問機関)の特別部会で議論し、来年中に法整備する。

 厚労省案では、医療ニーズの高い人は医師が常駐する介護施設に移る。入居者1人当たりの床面積は8平方メートルで、療養病床の6・4平方メートルより少し広くなる。

 このタイプは2種類で、医師の配置に差をつける。認知症など比較的症状の重い人向けの施設は医師1人で48人を担当し、看護師と介護職員がそれぞれ1人で6人をみる。より軽症な人向けの施設は医師1人の担当を100人とする代わりに、看護師か介護職員1人で3人をみるようにする。

 一方、比較的容体が安定している人が移る施設は居住性を重視。終末期まで入居できる特別養護老人ホームに近づけ、病院の機能を縮小する。入居者1人当たりの床面積は13平方メートル以上で個室。特養の基準の10・65平方メートルより広い。医師は常駐しないが、看護師か介護職員1人が担当する入居者は3人で、特養と同じ水準。医療機関を併設する形にして、医療サービスも受けやすくする。

 部屋代や食費などは3施設とも入居者の自己負担だが、医師常駐型の施設では低所得者向けの補助も検討する。

■解説 10年ごしの再編計画に現実味

 2006年度に厚労省が打ち出した療養病床の廃止計画が、ようやく現実味を帯びてきた。

 療養病床は、たんの吸引といった医療も必要な患者が使うベッド。廃止計画は、医療の必要性が低い人も在宅で対応できず退院しない「社会的入院」を続け、医療費が膨れるという批判が背景にある。だが、医師が1人しかいない老人保健施設などへの移行案に医療機関側は反発。当初、11年度末だった期限は、17年度末までに延期された。

 今回の厚労省案は、医療機関側が求めてきた「医療ニーズに対応できる施設」に一定程度、応えた。期限が迫るなか、新施設の整備が医療機関の経営を圧迫しないように、2年以上という長い経過措置も設けることとした。入院している患者の行き場がなくならないように、スムーズな移行に向けた調整が欠かせない。



http://www.sakigake.jp/news/article/20161021AK0024/
元教授、秋田大双方に賠償命令 医療機器購入・懲戒処分訴訟
2016年10月21日 掲載 2016年10月22日 0時10分 更新 秋田魁新聞

 医療機器の購入を巡り損害を被ったなどとして秋田大(山本文雄学長)が医学部付属病院中央検査部長だった元教授(65)に損害賠償を求めたほか、諭旨退職の懲戒処分は違法などとして元教授が同大に損害賠償を求めた訴訟の判決で、秋田地裁(齊藤顕裁判長)は21日、元教授に約694万円、同大に約165万円の支払いを命じた。



https://www.m3.com/news/general/469671
点滴3袋に穴、投与中も 鎮痛剤2本と鍵束盗難 北九州の大学病院
2016年10月21日 (金) 共同通信社

 福岡県警折尾署は21日、北九州市八幡西区の産業医大病院で点滴袋3個に針で刺したような穴が開けられ、薬品保管庫の鍵束と鎮痛剤15ミリグラム入りの容器2本が紛失しているのが20日夜に分かったと発表した。穴の開いた点滴袋1個は患者に使用されたが、21日朝の時点で健康の異常はみられないという。署は窃盗、器物損壊事件として捜査、九州厚生局も薬品の管理体制を調べている。

 署によると、病院の男性職員が20日午後6時半ごろに鍵束と鎮痛剤がなくなっていることに気付き、午後8時すぎに110番した。その後、病室を巡回していた看護師が、個室の男性患者(58)に投与中の点滴袋に穴が開いているのを発見。他に未使用の2個にも穴が見つかった。

 佐多竹良(さた・たけよし)院長は記者会見を開き「深くおわび申し上げる」と謝罪した。紛失した鍵束のうち2個の鍵は医療用麻薬を保管していた金庫用で、今年7月にも別の病棟のナースステーションからパーキンソン病の治療薬1錠が紛失していたと明らかにした。この薬は覚醒剤の原料になるとしている。

 薬品保管庫と、穴の開いた点滴袋が使われた病室は9階にあり、この階には消化管内科と肝胆膵内科の患者計38人が入院していた。

 病院のホームページによると、内科や神経科、小児科などがあり、病床数は678床。

 産業医大は「解明に向け捜査に全面的に協力する。事態を重く受け止め、再発防止に向けて病院職員の教育・指導を一層強化する」とのコメントを出した。

※産業医大病院

 労働者の健康管理を担う産業医の養成などを目的とする産業医大(北九州市)が開設。1979年に診療を始めた。内科や整形外科、小児科、眼科といった診療科、がんセンターなどがある。労働者の健康管理、リハビリ、メンタルヘルスにも取り組んでいる。高度医療を提供する特定機能病院として、厚生労働省から承認されている。



https://www.m3.com/news/general/469751
釈放求める署名は2万筆、医師だけで1000超
2016年10月21日 (金) 高橋直純(m3.com編集部)

 東京都足立区の柳原病院で自身が執刀した女性患者に対する準強制わいせつ容疑で乳腺外科医が逮捕、起訴された事件で、医療関係者有志で作る「外科医師を守る会」が10月20日に東京地裁に提出した署名が約2万筆だったことを同病院が明らかにした。

 署名は外科医の早期釈放を求める目的で、10月19日時点での総数は1万9463筆。職業記入で分類すると、医師が1159筆、看護師が1198筆、その他医療職が1720筆、医療者以外が1万1955筆だった。インターネットによる署名は3431筆。団体としても49団体が署名をしているという。

 柳原病院は「引き続き世論を高め、1日も早く釈放を勝ち取るために、署名やネットURLの拡散、様々なご支援ご協力をよろしくお願い致します」と訴えている(病院のホームページで署名用紙をダウンロードできる)。


  1. 2016/10/22(土) 05:56:48|
  2. 未分類
  3. | コメント:0
次のページ