Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

9月29日 

http://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/article/278299
地方の勤務医は過重労働 宮崎県立全病院で当直違法状態
2016年09月29日16時43分 (更新 09月29日 16時56分) 西日本新聞

 宮崎県内の県立3病院全てで、医師が夜間や休日の当直時に労働基準法が定める業務内容を超えて診療に当たっていることが、西日本新聞の取材で分かった。本来、軽度な業務を行う当直時に、通常業務と同様に救急患者に対応するなどしており、日勤から翌日の日勤まで長時間勤務に就いていた。勤務医の過重労働は医療事故につながると以前から問題視されてきたが、地方の中核病院でも医師不足から違法状態を解消できないでいる実態が浮き彫りになった。

 県によると、3病院のうち県立宮崎病院(宮崎市)では2015年度、当直医は1日3人で、夜間の午後5時から翌日午前8時まで1日平均11・2人の救急患者の診療に当たっていた。延岡病院(延岡市)は当直医2人で同9・5人、日南病院(日南市)は1人で同4・9人だった。

 労働基準法では、当直業務は病棟巡回など軽度な内容に限定している。だが、3病院の当直医は、救急患者の診療など事実上の通常業務をこなし、翌日も日勤する30時間超の連続勤務だったという。宮崎病院は10年、夜間や休日の勤務が過重として、労働基準監督署から当直と認められず、通常業務と見なされたという。解消に有効とされる交代制勤務の導入は、医師不足で実現できない状態だ。

 3病院は労使協定で、医師の時間外労働の上限を月間70~80時間とすることで合意しているが、「手術時などは時間外労働が協定を上回る」(病院関係者)こともあるという。

 厚生労働省は宮崎の実態を「労基法違反の恐れがある」と指摘。同県病院局は「違法性は認識しているが、救急対応などで続けざるを得なかった。交代制勤務の導入は医師の大幅増員が必要で難しい」としている。

    ◇      ◇

 ●国も“黙認” 是正が急務

 勤務医の労働組合「全国医師ユニオン」によると、医師が労働基準法や労使協定を超えて働く実態は、宮崎県に限らず全国的傾向で、事実上黙認されているのが実情だという。

 「当直時、多い日は一晩で救急車が10台来た」。宮崎県立病院に勤務経験のある50代の男性医師は打ち明ける。地方の病院では医師不足のため夜間や休日に急患対応で呼び出されることも多く、「知人の医師には、地方勤務を敬遠する人もいる」。別の30代男性医師は「当直明けの手術は危ないと思うが、労働基準法を守っていては医療現場は回らない」と漏らす。

 ユニオンの植山直人代表は「医療の必要性から国は違法労働を黙認し、病院も医師不足で勤務医に長時間労働をさせざるを得ない。悪循環だ」と訴える。

 国は医師不足解消策として2008年度以降、医学部定員を約1600人増員したが、厚生労働省の有識者会議は人口減少で将来は医師が余ると試算しており、増員措置がいつまで続くかは不透明な状況だ。

 大阪大大学院の水島郁子教授(労働法)は「このまま当直勤務を前提とする働き方を維持できるかは疑問。国は病院行政の強化と医師偏在の是正を、責任を持って行うべきだ」と指摘する。

=2016/09/29付 西日本新聞朝刊=



http://www.excite.co.jp/News/column_g/20160929/Postseven_452546.html
医師にとって一番困るのは「症状をはっきり話せない患者」
NEWSポストセブン 2016年9月29日 07時00分 (2016年9月29日 07時33分 更新)

 3時間待ちの3分診療──これが、日本の病院の常識なのだという。「わずか3分の診療時間で、いかに医師に病状を伝えるかは、患者の会話術次第」と話すのは、松戸神経内科と東京高輪病院に勤務する現役医師・高橋宏和さん。つまり、3分間で病状をしっかり伝えられないと、“損する患者”になりかねないというわけだ。
「いちばん困る上に、多いのが、症状の経過をはっきり話せない患者さん。調子が悪いから病院に来たのに、いつから悪くなったか覚えていない、わかっていない人がいます。同じ腹痛でも、それが昨日からなのか、先週からなのか、1か月前からなのかで診断が変わってくる。症状もさることながら、“経過”が重要なんです」(高橋さん)
 そのほか、「白くて丸い薬をのんでいる」と言うだけで薬の名前がわからない、ということもよくあるそう。
 患者からもらう情報が医師の判断の大きな根拠になる。その根本があやふやでは、きちんとした診断はできない。
 また、なんでも医師に決めてもらおうとする患者も多いという。

「どう治療をするかは、それぞれの人生観や事情で変わってきます。例えば、抗がん剤を使えば寿命が3か月延びる場合、それで孫の顔が見られるなら、多少の副作用があっても使おうと思うかもしれません。しかし、副作用に苦しんでまで生きたくないなら使わない、ということになる。このどちらを選ぶかまで、医師に決めさせようとする。医師は医学的な意見は言えますが、最終的にどうするか決めるのは患者さんであるべき。それが決まらないと治療も進められません」(高橋さん)

 アメリカの病院で臨床に携わる医師・上野直人さんは、いい医療を受けるためには患者自身が自分の病気のことをよく知るべき、と釘をさす。
「最初の診察で医師が病気について説明し、次に来た時にその内容を聞いてみると、全くわかっていない患者さんが多い。本人が病気を理解していないと、治療はうまくいきません」
 特に、致命的な病の場合、病気を理解することが、とても重要になる。
「今は研究が進み、治療法の選択肢が増えています。しかし、すべての治療法が絶対的というわけではなく、またすべての医師が名医でもありません。だから、全部お任せにするのはとても危険。アメリカの一部の患者さんは病気のことをよく勉強していますが、日本では患者さんが医師任せの傾向にあり、自分で勉強しようという意識が低いと感じます」(上野さん)
 自分の病状を明確に話すこと、そして病気について勉強することが、「得する患者」への第一歩なのだ。
※女性セブン2016年10月13日号



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/49696.html
日医が見解、医療費を「物」から「人」に- 薬価の毎年改定には反対
2016年09月29日 11時00分

 日本医師会(日医)の横倉義武会長は28日の記者会見で、厚生労働省が公表した2015年度の概算医療費が41兆4627億円(前年度比3.8%増)となり、増加分の4割近くが院外処方のみの薬剤料だったことなどを受け、「医療費は医療従事者の人件費などの『人』から医薬品をはじめとする『物』への流れができている。もう一度、『物』から『人』に配分されるよう医療費の在り方を主張していく」と述べた。【君塚靖】

 日医では概算医療費の伸びの内訳を分析したところ、15年度の全体の伸びの3.8%のうち、院外処方のみの薬剤料の寄与分は1.5%を占め、医科入院外が1.1%、医科入院が0.8%だった。

 また、概算医療費の伸びには、15年度に薬価収載された高額なC型肝炎治療薬の影響が大きいと推測し、薬効分類別でC型肝炎治療薬が分類される「抗ウイルス剤」の医療費の3.8%増への寄与度を算出したところ、1%程度だったことも分かった。

 横倉会長は、薬価改定のあった14年度に前年度比2.4%増だった院外処方のみの薬剤料の伸びが、薬価改定のなかった15年度に同11.3%増に拡大していることを問題視しながらも、「診療報酬改定のない時に薬価を下げるのは、診療報酬の改定財源を確保できないので認められない」として、薬価の毎年改定には改めて反対する姿勢を強調した。

 その上で横倉会長は、「薬価改定のない年になぜ、薬剤費が上がっているのかを突き詰めなくてはいけない。薬価改定のない年に薬価収載された薬剤費の算定方法が本当に正しいのかを含めて、薬価の決め方をしっかり議論すべきではないか」と述べた。



http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201609/20160929_63033.html
<病院贈収賄>医師赴任前から業者と知り合い
2016年09月29日木曜日 河北新報

 いわき市立総合磐城共立病院(福島県いわき市)の診療材料器具納入を巡る贈収賄事件で、収賄容疑で福島県警に逮捕された心臓血管外科主任部長の医師近藤俊一容疑者(50)=いわき市内郷御台境町=が、同病院に勤務する以前から贈賄側企業の代表と知り合いだったことが28日、捜査関係者への取材で分かった。
 関係者によると、近藤容疑者は2008年7月、県内の別の病院から磐城共立病院に赴任。贈賄容疑の引地仁容疑者(57)=福島市栄町=を代表とする医療機器販売会社「アイビー」(福島市)が同病院に器具を納入し始めたのは09年度からで、それ以前の取引実績はなかった。同社は昨年度、約2億8000万円分の器具を同病院に納入している。県警は、近藤容疑者が旧知の間柄だった引地容疑者の会社を取り立てていたとみて、院内での職務権限などを調べている。
 近藤容疑者の逮捕容疑は、器具の納入でアイビーに便宜を図った謝礼として13年10月から今年7月まで、いわき市内のマンションの賃料など約547万円を引地容疑者に肩代わりさせた疑い。



http://www.yomiuri.co.jp/local/kanagawa/news/20160928-OYTNT50217.html
中毒死、第三者委で検証へ
2016年09月29日 読売新聞

 横浜市神奈川区の大口病院で入院患者2人が中毒死した事件を受け、同市は、点滴作業を含む同院の医療体制が適切だったかなどを検証する第三者委員会を設置する方針を固めた。市議会側は、12月の議会常任委員会で検証結果の報告を求める方針。

 第三者委のメンバーは医療や法律の専門家らを想定。設置時期は未定で、市幹部は「事件の容疑者が内部か外部かによって検証内容が異なるので、捜査の進展を待ちたい」としている。

 市などによると、同院では4月以降、看護師の飲み物に異物が混入されたり、看護師のエプロンが切り裂かれたりするといったトラブルが続発。市には7月5日と8月12日、一連のトラブルを知らせる病院関係者からとみられるメールが届き、市は、9月2日に定期立ち入り検査を実施した際、病院側を「警察に相談することも検討してほしい」と口頭指導した。

 こうした市の対応について、市議の一人は「市に届いたメールは、患者に危害が及ぶ可能性も否定できない内容だ。情報提供から3週間も待たずに検査に入れなかったのか」と疑問視する。

 また市には、入院患者の八巻信雄さん(88)が9月20日に中毒死した直後にもメールが届いたが、内容が「点滴に漂白剤らしきものが混入される事件が発生」などと具体的だったのに、すぐに警察に通報したり、病院に確認したりしなかった。

 このため第三者委では、同院の医療体制に加え、一連の市の対応が適切だったかも検証するという。10月にも予定される臨時立ち入り検査の結果も踏まえ、最終的に再発防止策をまとめ、医療機関向けの研修にも生かすとしている。



http://news.biglobe.ne.jp/domestic/0929/jj_160929_8492324431.html
医療や内部事情に熟知か=関係者100人以上聴取へ—横浜患者殺害・神奈川県警
時事通信9月29日(木)18時23分

 横浜市神奈川区の大口病院に入院していた男性患者2人が中毒死した事件は30日で発覚から1週間。神奈川県警は手口などから、医療に知識があり、同院の内部事情に詳しい人物の犯行との見方を強めている。院内で使われている消毒液を無差別に点滴に混入した可能性があり、100人以上の関係者から順次、話を聴いていく方針だ。

 ◇4階で48人死亡
 関係者によると、同院では7月1日から、最初に中毒死と判明した八巻信雄さん(88)が亡くなった今月20日明け方まで、八巻さんらの病室があった4階で計48人の患者が亡くなった。病院側も通常より多いとの認識だったが、「院内感染を疑った」(高橋洋一院長)ため、八巻さんの死亡まで警察に届け出ず、大半が火葬されていることから死因の検証も今や困難という。
 4階では4月から看護師の服が切り裂かれたり、飲料に異物が入れられたりするなどのトラブルが続出していた。しかし、病院側はこれも警察に通報していなかった。
 八巻さんの死亡後、4階では少なくとも28日まで、亡くなった人は1人も出ていないという。

 ◇注射器扱いに慣れ?
 18日夜に死亡した西川惣蔵さん(88)と八巻さんの遺体からは中毒死の原因となった界面活性剤の成分が検出。同院で使用されている消毒液に含まれるものと同じ種類だった。2人の点滴袋に目立った損傷はなかったが、県警が4階にあった未使用点滴約50袋を調べた結果、約10袋についてゴム栓部分の保護シールに注射針で刺したような小さな穴を発見。いずれも目立たぬように栓の縁部分に集中しており、点滴や注射器の扱いに慣れた人物の関与が疑われている。 
[時事通信社]



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/49709.html
デパスなどの処方上限は30日- 中医協が了承
2016年09月29日 18時00分 キャリアブレイン

 中央社会保険医療協議会(中医協)は28日の総会で、来月中旬に新たに向精神薬に指定される精神安定剤「エチゾラム」(商品名「デパス」など)と睡眠障害改善剤「ゾピクロン」(同「アモバン」など)の診療報酬上の1回の処方日数について、30日を上限とすることを決めた。【敦賀陽平】

 精神神経用剤や抗不安剤のうち、乱用などの恐れのある薬物については、法律が規定する「向精神薬」に指定され、内服薬の処方日数は健康保険法の「療養担当規則」などで、「14日分」「30日分」「90日分」のいずれかを上限にすることになっている。

 向精神薬などの指定に関する改正政令が来月14日に施行されるのに伴い、新たに指定される3つの物質のうち、エチゾラムとゾピクロンは公的医療保険の対象となっているため、今回、中医協で対応を協議した。

 厚生労働省が昨年5月の保険薬局の調剤医療費について調べたところ、エチゾラムとゾピクロンの処方日数は、「30日以内」が共に全体の85%前後を占め=グラフ=、平均処方日数はエチゾラムが27.0日、ゾピクロンが26.8日だった。
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 患者や医療現場への影響を懸念する「日本精神科病院協会」から、30日分までの処方を求める要望書が出ていたことなどを踏まえ、同省は処方日数の上限を30日にすることを提案し、総会がこれを了承した。



http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/eye/201609/548427.html
記者の眼
医療費「41.5兆円」で日本の財政は大丈夫?

2016/9/29 土田 絢子=日経ヘルスケア

 厚生労働省は9月13日、2015年度の概算医療費が41.5兆円に達したと発表した。医療費は13年連続で過去最高を更新しており、しかも2015年度は前年度からの伸び率がプラス3.8%(約1.5兆円増)と、過去5年間で最も高い伸びを示した(表1)。なお、この3.8%のプラス分のうち、1.2%は人口の高齢化、1.4%は薬剤料によると推計されている。薬剤料はC型肝炎治療薬のソバルディ(一般名ソホスブビル)やハーボニー配合錠(一般名レジパスビル・ソホスブビル配合剤)といった高額薬剤の販売による影響が大きかったとみられている(図1)。

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表1●医療費の動向(厚生労働省) 2015年度は医療費が41.5兆円に上り、伸び率が3.8%と高かった。※クリックすると拡大表示します。

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図1●医療費の伸びの要因(第336回中医協総会資料) 2015年度の3.8%の医療費の伸びのうち高齢化の影響は1.2%で、薬剤料の影響は1.4%。全体の3.8%のうち0.77%は化学療法剤による影響が占めていた。※クリックすると拡大表示します。 

 このニュースに接して真っ先に感じたのが「医療費の高騰によって日本の財政は一体どうなってしまうのだろう」という不安だ。そこで、国の資料や、経済財政諮問会議の民間議員を務める伊藤元重氏(学習院大教授)の「日本の財政と医療」と題する日本医療・病院管理学会における講演などを参考にしつつ、医療費、社会保障費の現状について考えてみた。

 まず2016年度一般会計予算を調べると、歳出総額は96兆7218億円。歳入のうち35.6%は公債金(つまり借金)に頼っており、相変わらずの借金体質だ。国の財政を「1年間の支出が967万円の家計」に例えると、月収52万円に対して、毎月新たに29万円の新規借り入れを行っている状態だという(財務省『日本の財政関係資料』)。

 これまでも長年にわたって借金に依存する状態を続けてきたため、国債や借入金、政府短期証券などを合わせた国の借金残高は2016年6月時点で1053兆4676億円にも達した。これは名目国内総生産(GDP)の2倍強に達するレベルで、よく知られている通り主要先進国の中で最悪の水準だ(図2、図3)。財務省の資料には、「将来世代に大きな負担を残す」「現在の債務残高の水準と財政構造が持続不可能である現状を正面から受け止める必要がある」などと記されており、暗たんたる気持ちになった。

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図2●対GDP比債務残高の国際比較(財務省2016年4月『日本の財政関係資料』) 日本は突出して対GDP比債務残高が高い。※クリックすると拡大表示します。

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図3●日本の国債残高の累積状況(財務省2016年4月『日本の財政関係資料』) 普通国際残高は増加の一途をたどっている。※クリックすると拡大表示します。

 このように国の債務が増大した主要な要因の一つが医療・介護・年金などの社会保障費となっている。社会保障費は先に紹介した2016年度一般会計予算の歳出のうち33.1%も占める(図4)。社会保険料収入は伸びないにもかかわらず給付は増え続けており、財源の多くを借金に依存している状態だ。社会保障以外の支出(対GDP比)は、OECD諸国の中で最低水準にあるそうだ。医療・介護・年金以外にも、これから社会を担う若い世代を育てるための教育や公共事業、防衛など重要な分野は幾つもあるが、それらの経費は諸外国に比べて低く抑えられているのだ。

 しかも社会保障費は今がピークではない。団塊の世代が75歳以上になる2025年に向けて、より膨らんでいってしまう(図5)。75歳以上の高齢者は医療や介護を大幅に必要とするため、医療費や介護費の伸びが大きいと予測されている。なお、マクロ経済スライドが導入されるなどした年金に比べて医療は抜本的な改革がまだなされていないとの見解もある(日経ビジネス「社会保障非常事態宣言」)。

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図4●2016年度一般会計予算の歳出内訳(財務省2016年4月『日本の財政関係資料』) 社会保障費が33.1%と多くを占めている。※クリックすると拡大表示します。

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図5●社会保障費の今後の伸び(財務省2016年4月『日本の財政関係資料』) 2025年に向けて医療費や介護費の伸びが大きい。※クリックすると拡大表示します。



https://medical-tribune.co.jp/news/2016/0929504852/
高額薬の保険適用、「対象とすべき」が7割〔CBnews〕
医療政策機構が調査

CBnews | 2016.09.29 14:00

 日本医療政策機構の調査で、がんなどの治療に使われる高額医薬品の公的医療保険の適用について、回答者の7割が「適用の対象とすべき」と考えていることが分かった。保険適用する場合は新薬の価格を見直すことに9割超の人が賛成しているという。

 画期的な新薬は効果が高い半面、数百万円を超える治療費がかかり、医療保険財政への影響が懸念されている。特に2年前に「根治切除不能な悪性黒色腫」の治療薬として薬価収載された抗がん剤「オプジーボ」は、昨年末に「切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」に適応が拡大したことに伴い、売上高の大幅な伸びが予想されており、中央社会保険医療協議会の部会で薬価の見直しが検討されている。

 こうした状況を踏まえ、日本医療政策機構は8月、全国の20歳以上の1000人を対象に、インターネットによる調査を実施した。高額医薬品を公的医療保険の対象とすべきかどうか尋ねたところ、調査対象者の71%が「対象とすべき」と答えた。

 年齢別では、20歳代の81%が「対象とすべき」と回答。雇用形態別では、正規雇用と非正規雇用を比べた場合、正規雇用の方が「対象とすべき」と考える人の割合が約10ポイント高かった。

 また、新薬の保険適用の選択肢として、▽新薬の価格を見直す ▽適用する患者を年齢で制限する(75歳以上には適用しない) ▽効き目のある患者にのみ適用する ▽薬剤使用のルール(ガイドライン)を設け、適切に使用する ▽新薬にかかる費用に関係なく患者全員に適用する-の5つを挙げて賛否を尋ねた。

 新薬の価格を見直すことについては、「大いに賛成」(43%)と「やや賛成」(51%)を合わせて全体の9割超が「賛成」と回答。他の選択肢も「賛成」が約5-8割を占めた。

(2016年9月29日 新井哉・CBnews)



https://www.google.co.jp/?gws_rd=ssl#q=%E5%8C%BB%E7%99%82&tbs=qdr:d,sbd:1&tbm=nws&start=80
大洗町
財政難、救急車更新できず 消防指揮車で患者搬送も /茨城

毎日新聞2016年9月29日 地方版 茨城県

 大洗町消防本部が老朽化した救急車と消防ポンプ車を更新できずにいる。町の財政難で費用を工面できないためだ。赤い車体の消防指揮車を救急車代わりにして患者を搬送した事例もあった。更新予定はなく、当面はだましだまし使うことになりそうだ。

 28日の定例議会で飯田英樹議員が消防体制をただし、田山圭佐消防長らが答えた。

 答弁などによると、町消防本部所有の救急車は2台。うち1台は2001年に配備した車両だという。

 通常は13〜15年で更新する。15年度に更新する計画もあったが資金がなく断念した。エンジンに不具合が生じたため、5月16日から1週間のつもりで修理に出したところ、部品に経年劣化があって計13日間、町の車両は1台のみとなった。

 この間の救急搬送要請は39件。うち7件が出動中で、やむなく消防指揮車に医療用の資機材を積んで現場に急行した。患者が重症の場合は近隣市町に応援要請するつもりだったが、幸い軽症で、消防指揮車で足りたという。修理後は経年劣化の不安を抱えながら、使用を続けている。

 消防ポンプ車も古い車両がある。町内の消防9分団に各1台が配備されているが、うち3台は22年以上が経過。しかも約25年たったという1台は一部ポンプが故障中で、貯水槽やため池などからくみ上げができない状態だという。

 新車の導入費は救急車3000万〜4000万円、ポンプ車は2000万円が相場とされる。だが財政難のため購入基金への繰り入れができず、残高は110万円のみ。国の補助(2分の1)を活用しても賄えない。

 小谷隆亮町長は「いずれ更新に向けて取り組むが、救急車も手入れしながら乗れば支障はないと思う」と答弁した。【根本太一】



http://www.qlifepro.com/news/20160929/a-result-of-medical-expenses-increase-factor-analysis-survey.html
国保医療費パネルデータを用いた医療費増加要因分析調査の結果を発表-IHEP
2016年09月29日 PM12:30  QLifePro

1983〜2012年までの30年間の国保医療費のパネルデータから分析

医療経済研究機構は9月27日、自主研究事業として、2013~2015年度に国民健康保険医療費パネルデータを用いた医療費増加要因の分析を実施、その概要について発表した。

医療費問題は、医療政策の根幹をなす重要な政策課題だが、その原因として高齢化や病床数、所得や医療技術の進歩など多数の要因が指摘されながらも、要因間での相対的重要性については明確になっていなかった。そこで同調査研究では、1983〜2012年の30年間にわたる国民健康保険医療費のパネルデータ(都道府県別年次データ)を用い、1人当たり国保医療費の増加要因として、高齢化、悪性新生物死亡率、脳血管死亡率、1人当たり県民所得、特別養護老人ホーム定員数、民生委員訪問回数、病床数、医師数、平均在院日数、保健師数を選別し、1人当たり国保医療費を目的変数とするパネルデータ分析により、1人当たり国保医療費の増加要因を分析した。

その結果、1人当たり国保医療費の増加要因変数の中では、医師数(係数0.94)が最も影響が大きいことが明らかとなった。これは1人当たり国保医療費のみならず、老人医療費(後期高齢者医療費を含む)、一般国保(非老人)医療費、入院医療費、入院外医療費を通じて、最大の増加要因となる変数となった。次いで、県民所得(0.65)、悪性新生物(0.33)、平均在院日数(▲0.24)、病床数(0.12)、保健師数(0.10)、高齢化率(0.10)と続いた。それぞれの要因に対する係数は、各要因変数が10%増えると1人当たり国保医療費が何%増えるかという弾力性を表すとしている。

地域枠を残した医学部定員削減など医療費抑制のための提案も

最大の要因変数である医師数も、その係数が「1」を超えていないため、圧倒的な影響を有する要因変数とはいえないこと、また多くの要因変数の係数が有意であるために医療費は多数の要因が絡んで増えることが明らかとなった。これらの結果は、医療費抑制には”魔法の杖”がないことを意味するという。

これらの結果を受けて、調査研究者である同研究部長の印南一路氏は、医療費適正化に向け、3点の提案を行っている。
医師数が医療費増加の最大の要因変数であるが、単純な医学部定員の抑制への転換を促すものではなく、地域偏在・診療科偏在問題の同時解決をも考えると、地域枠を残しながらの医学部定員削減、保険医定員制を導入することなどが望まれる。
病床数は現在漸減しているが、病床の減少は1人当たり国保医療費の減少につながっており、医療費抑制上は病床規制を継続、あるいは強化する意義がある。
平均在院日数は、老人入院医療費・入院外医療費の抑制には役立つが、老人医療費合計では効果がなく、一般国保医療費、および国保医療全体ではむしろ医療費増加要因となっているため、病床種別(機能別)の平均在院日数の短縮化が必要である。
なお、同調査結果は、「都道府県別パネルデータを用いた医療費増加要因の分析報告書(2015年7月)」「GISを用いた医療・介護サービスの需要と供給の将来推計報告書(2016年3月)」また「再考・医療費適正化―実証分析と理念に基づく政策案」印南一路編著(有斐閣、2016年)にまとめられている。(大場真代)



http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2016092901001644.html?ref=rank
70歳以上高額医療の負担増検討 上限引き上げ、厚労省
2016年9月29日 20時42分 東京新聞

 厚生労働省は29日、社会保障審議会の部会を開き、毎月の医療費の自己負担に上限を設ける「高額療養費制度」について、70歳以上の負担上限額引き上げの議論を始めた。年内に結論を出し、早ければ2017年度に実施する。
 公的医療保険からの高額療養費の支給額は13年度で約2兆2千億円と、10年間で約1・6倍に増加。膨らみ続ける医療費を抑制するのが狙いで、委員からは負担増を容認する発言が多数を占めたが、高齢者への配慮から与党内には異論がある。
 部会では、所得ごとに異なる自己負担の上限額が、いずれも現役世代より70歳以上が低いなどと厚労省が説明。負担増の検討を求めた。
(共同)



https://www.m3.com/news/general/463177
横浜の中毒死病院、事件後は死亡者減る 患者全員検査へ
2016年9月29日 (木) 朝日新聞

 横浜市神奈川区の大口病院で点滴に異物が混入され、入院患者2人が相次いで中毒死した事件で、神奈川県警は事件が起きた4階に現在も入院している患者十数人について、血液検査を始めた。他の階の患者についても病院が検査を実施する。無差別に患者が狙われていた疑いがあり、体内に界面活性剤の成分が入っていないかなど、入院患者全員の健康状態を調べる。

 捜査関係者によると、18日に死亡した西川惣蔵(そうぞう)さん(88)と、20日に死亡した八巻(やまき)信雄さん(88)は4階の同じ部屋に入院していた。事件発覚後に4階に残っていた約50個の点滴のうち10個前後に小さな穴が開けられており、消毒液が混入された疑いが出ている。こうした状況から、県警は他にも健康被害がないか確認することにしたという。

 病院関係者によると、病床数は85で、2~3階にも入院患者がいる。最大で約40人を収容できる4階では7月以降、9月20日までに48人が死亡。1日に4~5人が亡くなることもあったが、県警によると、事件が明らかになった23日以降は亡くなる人は目立って減っているという。

 一方、横浜市は事件を受け、大口病院の医薬品管理やトラブル対応などについて調べるため、10月にも臨時の立ち入り検査を実施する。法律や医療の専門家ら第三者で構成する検証組織も立ち上げ、病院や市の対応は適切だったのか、再発防止策も含めて議論する。

 市は7~8月、看護師が飲もうとした飲料への異物混入などについて、事情を知る人からメールで告発を受けていたが、9月2日に定期立ち入り検査に入るまで対応を取っていなかった。(飯塚直人、大森浩司)



https://www.m3.com/news/general/463002
医療事故調、遺族に不満も 一部で再発防止策・聞き取りなく
2016年9月29日 (木) 朝日新聞

 死亡事故が起きた医療機関が自ら原因を調べ、遺族や第三者機関に報告する「医療事故調査制度」が、10月1日で運用開始から1年を迎える。報告数は予想を下回り、調査が尽くされたのか疑問なケースもある。専門家は調査を支援する仕組みを整える必要性を指摘する。

 「なぜ母は亡くならなければならなかったのか、まったくわからない」

 東京都の山本祥子さん(44)は今年3月、食道がんで入院中の母(当時68)が急死したことを受けて病院が実施した調査の報告書を手渡された。

 母は昨年10月、静岡県内の病院に入院。1週間の抗がん剤治療の後、吐き気が治まらず、予定していた一時退院が延期となった。骨髄機能が落ち、入院から17日後に死亡した。

 山本さんは、病院から調査を始めることを伝えられた。病院の調査委員会から聞き取りをされることもないまま、調査結果をまとめた報告書を示された。

 A4用紙2枚。容体急変の経緯は書かれておらず、骨髄の機能低下は「原因不明」とされた。再発防止策の記載もなかった。「誰のための報告書なのか」と山本さんは憤る。4月、第三者機関の医療事故調査・支援センターに再調査を依頼した。

 センターを運営する日本医療安全調査機構(東京)によると、今年8月までに提出された報告書は139件。事故原因の背景の記載がない例や、死因が検討されていない例もあるという。3月までの半年分の報告書49件の分析では、6件(12%)に再発防止策の記載がなく、遺族の意見の記載があったのは15件(31%)にとどまった。

 機構の木村壮介常務理事は「報告書の質に差が出ている」と話す。九州大学病院医療安全管理部の後信(うしろしん)教授は「記載すべき内容を明確化し、院内調査を支える仕組みを整えるなど、適切な調査ができる環境づくりが必要だ」と指摘する。

 調査の届け出数は8月までの11カ月間に356件。当初の想定の年間約1300~2千件と比べ、大きな差がある。調査するかどうかは「予期せぬ死亡」と医療機関側が判断する必要があり、基準が明確でないことも影響している。遺族が調査を希望しても、その判断は医療機関側に委ねられているため、被害者団体からは不満の声が出ている。

 ■届け出基準を統一化

 事態を改善しようと厚生労働省は6月に省令を改正。機構は、遺族から調査の要望を受けた場合、事故を起こした医療機関にそれを伝えるようにした。また、報告書の内容を機構がチェックし、医療機関に問い合わせができるようにした。届け出基準の統一化も進めている。

 調査態勢を整えるのが困難な小規模病院や診療所を支援する地域もある。

 藤田保健衛生大学(愛知)は3月、「藤田あんしんネットワーク」を発足させた。加盟する医療機関で医療事故が疑われる事案があれば、大学病院で医療安全担当をしていた看護師が連絡を24時間受け付ける。遺体の病理解剖や画像診断なども大学が協力する。

 福岡県医師会は2012年7月から、県内の医療機関の院内事故調査委員会に、治療していた患者の病気に詳しい医師を大学病院などから派遣している。12年7月~昨年9月、計16件の医療事故を支援した。

 (福宮智代、小川裕介、黒田壮吉)

 ◆キーワード
 <医療事故調査制度> すべての病院や診療所は、患者の「予期せぬ死亡」が起きたら、第三者機関の「医療事故調査・支援センター」に届け出たうえで原因などを調査し、結果を遺族とセンターに報告する。遺族は結果が不服ならば、センターに再調査を依頼できる。センターは独自に調査をして、結果を遺族と医療機関に報告する。



https://www.m3.com/news/iryoishin/462968
「医科技術料の割合、減少傾向」日医が医療費分析
高額薬剤の期中改定には反対の姿勢

2016年9月29日 (木) 高橋直純(m3.com編集部)

 日本医師会の横倉義武会長は9月28日の定例記者会見で、9月13日公表の2015年度の「医療費の動向」に対する日医の見解を説明。医科技術料の構成比が減少傾向に ある一方、薬剤料は増加している状況を問題視し、医療費の配分を「モノからヒトへ」と訴えた。また、高額薬剤の期中改定については、「毎年改定は反対である」と述べた。

 9月28日の中央社会保険医療協議会総会では、2015年度の「医療費の動向」が議論された(『ソバルディとハーボニー、2015年度の医療費増の主要因』を参照)。日医が外来医療費の構成比を分析したところ、2001年度と2015年度を比べると医科技術料が50.1%から44.2%に減少する一方、薬剤料は29.0%から36.2%に拡大していた。

 医療機関における費用の構成比では、2004年度は49.1%(厚労省推計)だった人件費が2014年度には47.0%(日医推計)に低下。医薬品費、材料費は計27.3%から計28.4%に増加している。中医協で問題視された2015年度の薬剤料の大幅な伸びは、高額なC型肝炎治療薬の影響が大きいと分析。横倉会長は医療費の配分が「この10数年は『ヒトからモノへ』という流れだったが、2017年度予算折衝では『モノからヒトへ』と主張していく」と話した。

 また、病院・診療所の従事者数は2002年の252万人から2014年には304万人と1.2倍以上伸びてことを指摘し、「地方創生のためには医療を重要視すべきだ」と主張した。

 質疑応答では、高額薬剤の期中改定の是非について「毎年改定は反対である。技術料の改定は2年に1度であり、改定財源は薬価の引き下げ分から出すことが続いてきた。(期中改定では)改定年にしっかりとした技術料の財源確保ができない」と説明した。

 診療報酬改定のない年に薬剤費の伸びが大きいことについても「(理由を)突き詰める必要がある。薬価の決め方の在り方を議論すべきだと思う」と述べた。



https://www.m3.com/news/general/463178
抗癌剤を年3億円以上廃棄 - DVO実施でコスト削減効果
2016年9月29日 (木) 薬事日報

 バイアル単位で保険請求されている注射用抗癌剤の廃棄金額を薬価ベースで算出したところ、1年間で総額3億3862万円に上ることが、国立がん研究センター中央病院薬剤部と慶應義塾大学大学院経営管理研究科の調査で明らかになった。国のがん医療の拠点である同院における抗癌剤廃棄率は8.9%、廃棄金額が最も大きかったのはベバシズマブで約6000万円に達した。さらに、注射用シクロホスファミドについて単回使用バイアルの複数回使用(DVO: drug vial optimization)を実施した結果、3カ月で廃棄率が0.5%減少し、薬剤使用量等のコスト削減につながったことが分かった。

 高額薬剤の問題が大きな議論となっている中、日本では抗癌剤の薬剤費請求が実際の使用量ではなく、バイアル単位で行われているため、廃棄分が医療費の無駄になっている可能性が指摘されてきた。こうした状況を受け、同院では注射用抗癌剤を調製した時の廃棄状況を調査すると共に、日本では導入されていないDVOを実施し、その運用方法や経済的効果を検証した。

 同院で2014年11月から昨年10月までの1年間に調製したバイアル製剤の注射用抗癌剤61剤について、調製件数、使用バイアル数、薬価ベースの使用金額と廃棄金額を算出した。その結果、調製した総件数は5万4168件、使用バイアル数は14万4287バイアル、1件当たりの平均使用バイアル数は2.7バイアルとなり、使用金額は総額38億2521万円、そのうち廃棄額は総額で3億3862万円、廃棄率は8.9%に上ることが明らかになった。

 廃棄金額が多かった薬剤を見ると、最も多かったのがベバシズマブで約6000万円に達した。次いでニボルマブで約4000万円、オキサリプラチンとエリブリンが約2000万円などとなった。また、廃棄率で見たところでは、ボルテゾミブ、ビンブラスチン、アクラルビシンが30%台後半と高く、ブスルファン、アザシチジンが続いた。高薬価の分子標的薬、新薬で廃棄金額が高く、廃棄率は化学療法剤で高い傾向がうかがえた。

 一方、同院では、今年4月から6月までに調製した抗癌剤シクロホスファミドについて、単回使用のバイアルを閉鎖式接続器具(CSTD: closed system drug transfer device)により複数回使うDVOを実施し、注射用抗癌剤の廃棄量を減らせるかどうか検証した。DVOに当たって、シクロホスファミドは全て500mgバイアルに統一。CSTDを用いて調製し、溶解液を分割使用する場合の使用期限は調製の同日中とした。薬剤費の保険請求はバイアル単位ではなく、薬剤の使用量単位として検討を行った。

 その結果、今年4~6月までシクロホスファミドの調製を行った570件において、バイアルを複数回使うDVOを実施した場合、DVOを実施しなかった場合に比べて使用金額は使用量単位で13万4841円、廃棄金額は8532円減少したことが分かった。廃棄率としては0.5%とわずかに減少した。また、調製に使ったCSTD数は1231個と、DVOを実施しなかった場合に比べて368個減少し、46万7360円相当の削減につながった。

 研究グループは、DVO導入の検討結果を踏まえ、「シクロホスファミドの廃棄率はわずかに減少させる程度だったが、薬剤使用量やCSTD数の減少により、病院コストの削減ができた」と分析。年間約208万円の経済的効果が得られたとの推計を示した。

 その上で、DVOを導入し、抗癌剤の使用量に応じて薬剤費の保険請求を行う場合、廃棄分は病院負担となることから、運用の工夫などにより廃棄量をできる限り減少させる必要があると課題を指摘した。


  1. 2016/09/30(金) 05:55:46|
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9月28日 

http://www.medwatch.jp/?p=10545
医療費の伸びの相当部分が「薬剤料の伸び」、薬価制度の抜本改革を早急に議論せよ―中医協総会で日医の中川委員
2016年9月28日|医療・介護行政をウォッチ メディウォッチ

 2015年度(平成27年度)の医療費は、前年度に比べて3.8%伸びているが、そのうち2%程度は薬剤料の伸びと推計できる。今後、薬価制度の抜本的な見直しを早急に検討する必要がある―。

 28日に開かれた中央社会保険医療協議会・総会で、診療側の中川俊男委員(日本医師会副会長)はこのようにコメントしました。

ここがポイント!
1 抗ウイルス剤の薬剤料が急増、ハーボニーやソバルディの影響
2 DPCの病院情報、10月1日公表が原則だが、柔軟な対応も

抗ウイルス剤の薬剤料が急増、ハーボニーやソバルディの影響

 メディ・ウォッチでもお伝えしているとおり、厚生労働省が15日に公表した2015年度の概算医療費(国民医療費の98%に相当)は41兆5000億円となり、前年度に比べて3.8%という高い伸びを示しました。

 28日の中医協総会では、厚労省保険局調査課の山内孝一郎が、2015年度概算医療費について詳しく説明。それによると、対前年度3.8%のうち0.7-08%は、画期的なC型肝炎治療薬であるハーボニーやソバルディなどの抗ウイルス剤(院外処方分)によるものと推計されます。また山内調査課長は「院内処方も含めると、さらに割合は大きくなる」としたものの、「2016年度の薬価見直しによって、ハーボニーなどは巨額再算定(特例の市場拡大再算定)によって3割超の薬価引き下げが行われており、その影響がどうなるかは今後も注視していく必要がある」と説明しています。

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抗ウイルス薬の薬剤費については、2014年度から2015年度(この間にハーボニーやソバルディが保険収載された)にかけて3.6倍に増加している

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抗ウイルス薬の薬剤費の動向を見ると、ハーボニーやソバルディが保険収載された2015年度(平成27年度)から爆発的に増加していることが分かる

 なお、IMSジャパン社のデータによると、ソバルディの売上高(薬価ベース)は▽2015年7-9月に435億円▽同年10-12月に643億円▽16年1-3月に391億円▽同年4-6月に246億円、ハーボニーの売上高(同)は▽2015年10-12月に1101億円▽16年1-3月に1517億円▽同年4-6月に698億円―となり、山内調査課長は「両医薬品とも2016年度の巨額再算定による薬価引き下げを超えた減少となっており、ピークは過ぎたのではないか」ともコメントしました。

 この点について診療側の中川委員は、「日本医師会総合政策研究機構(日医総研)の分析によれば、3.8%の概算医療費の伸びのうち、院外処方の薬剤料だけで1.5%程度、院内処方を含めれば2%程度になっており、医療費の伸びの相当部分は『薬剤料の伸び』であることが明らかになっている。今後、薬価基準制度の抜本的な見直しを早急に検討すべきである」と強く求めました。

 中医協では、薬価専門部会を中心に「オプジーボなどの超高額薬剤の薬価制度見直し」を当面の最重要検討テーマに掲げています。その後、2016年度改定に向けて、薬価制度全般に関する議論が行われそうです(関連記事はこちらとこちらとこちらとこちらとこちら)。

DPCの病院情報、10月1日公表が原則だが、柔軟な対応も


 28日の中医協総会では、次のようなテーマについて議論し、了承しています。

(1)2017年度のDPC機能評価係数II「地域医療指数(体制評価指数)」などを設定するため、2016年度の定例報告では、新たに▼A246【地域連携診療計画加算】(退院支援加算の加算)とB009【地域連携診療計画加算】(診療情報提供料Iの加算)の算定状況(2016年度改定で従前のB005-2【地域連携診療計画管理料】などが廃止されたため)▼10月1日時点での病院情報の公表状況―について報告を求めるとともに、「地域がん登録」「新型インフルエンザ等対策にかかる地方公共機関の指定」については報告を求めない(関連記事はこちらとこちらとこちらとこちら)

(2)麻薬及び向精神薬取締法の向精神薬に指定されたエチゾラム(販売名:デパスなど、精神安定剤)とゾピクロン(販売名:アモバンなど、睡眠障害改善剤)について、診療情報上の処方日数上限を30日に設定する(現在は上限なし、10月13日の告示などにおいて適用日を明確にするが、厚労省は11月1日からを念頭に置いている)

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エチゾラム(販売名「デパス」など)とゾピクロン(販売名「アモバン」など)について、1回の処方日数が30日に制限されることとなった

(3)新機能の医療機器として、腹部切開創下、腹膜損傷部位(腹壁、腹部臓器、子宮、子宮付属器の損傷部位など)について、術後癒着を防止する『アドスプレー』を保険収載する(1ml当たり7300円、12月1日収載予定)

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術後癒着を防止する『アドスプレー』の概要、シート状の癒着防止材が届かない奥の部位にもアクセスできる

(4)皮膚筋炎の診断補助を行う新たな臨床検査として、『MESACUP anti-MDA5テスト』(血清中の抗MDA5抗体の測定)、『MESACUP anti-T1F1 -γテスト』(血清中の抗T1F1-γ抗体の測定)、『MESACUP anti-Mi-2テスト』(血清中の抗Mi-2抗体の測定)を保険収載する(ELISA法で実施した場合に270点、10月1日収載予定)

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皮膚筋炎の検査から治療までの流れ

(5)新たな先進医療として、微小肺病変に対する『切除支援気管支鏡下肺マーキング法』(CTで病変部位を確認してマーキングを行い、そのマーキングに沿って肺葉の縮小手術を行う)の保険外併用を認める(報告事項)

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微小肺病変に対する『切除支援気管支鏡下肺マーキング法』の概要

 (1)は、2017年度の地域医療指数を設定するために、必要な報告を求めるものです。このうち「病院情報の公表」については10月1日現在での病院ホームページによる公表が要件となりますが、厚労省保険局医療課の担当者は「ホームページの準備は10月1日までに完了しているが、院内の決済待ちで10月1日に公表できないような病院については、柔軟に対応する。ただし、地方厚生局でホームページの準備状況などを提示することが必要である」旨を説明しています。


 なお28日の中医協総会では、2016年度改定の効果・影響調査(結果検証特別調査)の調査票も了承しています。これについては、別途、お伝えいたします。

 

http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201609/20160928_63014.html
<病院贈収賄>業者15年度だけで2.8億円取引
2016年09月28日水曜日 河北新報

 いわき市立総合磐城共立病院の診療材料器具などの納入を巡る贈収賄事件で、贈賄容疑で逮捕された引地仁容疑者(57)が経営する「アイビー」(福島市)の同病院に対する納入実績が昨年度だけで約2億8000万円に上ることが27日、病院への取材で分かった。
 病院によると、納入したのは、バネ状の金属を取り付けた人工血管(ステントグラフト)や人工弁など心臓血管、循環器系の材料が中心。病院全体の診療材料の納入額約28億円の1割を占める。
 診療材料や医療機器は各科の主任部長が必要なものを提出し、専門の委員会が購入するかどうかを決定。診療材料は半期ごとに指名競争入札を行うのが基本という。
 収賄容疑で逮捕された近藤俊一容疑者(50)は心臓血管外科主任部長に加え、2010年度から診療材料の購入を決める委員会の委員を務めていた。福島県警は、近藤容疑者がこうした立場を利用したとみて捜査している。
          ◇         ◇         ◇
 いわき市立総合磐城共立病院(福島県いわき市)で使う診療材料器具の納入で便宜を図ったなどとして、福島県警は27日、収賄の疑いで同市内郷御台境町、同病院心臓血管外科主任部長の医師近藤俊一容疑者(50)を、贈賄の疑いで福島市栄町、医療機器販売会社「アイビー」代表引地仁容疑者(57)をそれぞれ逮捕した。



http://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/editorial/105593.html
論説
医療事故調査制度1年 相互不信解消にまだ遠い

(2016年9月28日午前7時30分) 福井新聞

 【論説】診療に関わる患者の予期せぬ死亡を対象にした「医療事故調査制度」がスタートして間もなく1年。医療機関の届け出を年間千〜2千件とした当初の想定に反し、356件(8月時点)と低調だ。必要な報告をしているのかという患者・遺族側の懸念は拭えず、相互不信の解消にはほど遠い。

 医療事故の遺族らは、公平、中立、透明性の高い調査と納得する説明を求め、これらを実現する仕組みの必要性を長年訴えてきた。

 制度は昨年10月から運用を開始。調査対象の範囲や報告書の取り扱いを巡る課題を積み残したとはいえ、まず創設にこぎ着けたことは評価できる。制度を大きく育ててほしいという遺族側の願いは切実だろう。だが「内容は医療従事者に配慮したもの。病院側の誠実な運用がなければ変わらない」と遺族側の不安は解消に向かっていない。

 制度は、患者が亡くなる事故があった場合、病院が第三者機関の「医療事故調査・支援センター」(厚生労働省指定)へ発生の報告をする。病院自らが調査を行い、結果は遺族説明とセンターへの報告書提出が義務付けられている。

 課題の一つがこの院内調査である。厚労省検討会でも議論となったように、当事者だけの調査では医療ミスが仮にあったとしても正直に報告されない懸念がある。医師会など外部者を院内調査に加えるよう求めているが、義務ではないところに不信感を芽生えさせる要素がある。第三者を複数人入れて透明性、公正性を担保することが重要だ。

 また遺族には説明すれば報告書を渡す義務はない。医療側から医師責任を追及する制度であってはならないとの強い訴えがあったからだ。医療ミスの責任がわかる書面では裁判になれば証拠に利用されかねない。

 もう一つ大きな課題が調査の対象要件とされる「予期せぬ死亡事例または死産」だ。死亡リスクを事前に説明しカルテにも記載してあれば「予期していた死」と判断され、医療事故ではないことになる。その後の調査も行われない。

 判断するのは病院であり、形式的な説明しか受けていないのに「予期していたため調査対象外」とされる恐れが否定できない。患者の死に不審な点があれば家族は病院に原因をしっかり尋ね、事前に説明されていたかどうか確認したい。

 届け出が低調な一因に、病院が調査対象の判断に苦慮している現実がある。このことが、難しい患者は受け入れないといった現場の萎縮につながれば、患者側には不幸なことである。厚労省は届け出基準を統一運用するために都道府県に1カ所「支援団体等連絡協議会」を設置する方針だ。

 患者と病院の信頼がよりどころとなるこの制度は、まだ「よちよち歩き」(相澤孝夫日本病院会副会長)の段階。信頼と工夫で優れた医療文化を目指したい。



http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201609/CK2016092802000241.html
医療事故調査制度で過失認定 病院反発、遺族が提訴
2016年9月28日 夕刊 東京新聞

 胸腔(きょうくう)鏡手術のミスで女性が死亡したとして、愛知県東浦町の遺族が八月、刈谷豊田総合病院(同県刈谷市)側に六千五百万円の損害賠償を求める訴訟を名古屋地裁に起こした。十月で開始一年を迎える国の医療事故調査制度のモデル事業を活用、さまざまな医療ミスが認定されたが、賠償額などで病院側と隔たりが生じ、遺族側が提訴に踏み切った。専門家は「病院側が調査結果に真摯(しんし)に向き合わないと遺族の理解を得られず、制度の利用も進まない」と警鐘を鳴らす。
 訴状によると、亡くなった稲垣絹江さん=当時(75)=は二〇一三年十一月、トヨタグループや刈谷市などが運営する同病院で胸の腫瘍を摘出する胸腔鏡手術を受けた。担当医が誤って大静脈を傷つけ、輸血措置も不十分だったため、大量出血による脳症や多臓器不全で半月後に死亡した。
 原告代理人弁護士によると、夫の寛治さん(81)ら遺族は、厚生労働省が昨年十月にスタートさせた医療事故調査制度の前身に当たるモデル事業を利用。厚労省が指定する第三者機関の日本医療安全調査機構(東京)と病院側が共同で調査し、手術ミスから事前の検査・説明不足まで幅広く認める結果が出た。
 病院側は調査終了後の昨年二月、寛治さんらへの賠償について「顧問弁護士や保険会社と相談したところ、百万円にも満たないと言われた」と説明。病院独自の判断として口頭で五百万円を提示したが、その後の交渉では法的過失を一切認めなかったという。
 刈谷豊田総合病院と代理人弁護士は取材に「現時点で話せることはない」とコメントしている。

<医療事故調査制度> 医療事故への社会的関心が高まる中、医療法に基づき全国約18万の医療機関全てを対象に昨年10月に始まった。診療中の予期せぬ死亡事故について、日本医療安全調査機構への報告や院内調査などが義務付けられている。モデル事業は、制度開始の前段階として2005年から昨年まで東京や愛知など12都道府県で実施。病院側が主体となる調査手法や遺族への結果説明など共通点が多い。
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http://www.asahi.com/articles/ASJ9X2G5ZJ9XUBQU001.html
群大病院で研修第1希望は9人、1桁は初めて
仲田一平 2016年9月28日07時35分 朝日新聞

 来年春から研修医として勤務する医学生の受け入れ先を決める「マッチング制度」で、群馬大学医学部付属病院(前橋市)を第1希望とする学生は募集定員63人に対し、中間公表時点で9人だった。群大病院で1桁になるのは2003年度の制度開始以降初めて。

 全国約120の大学病院(関連施設含む)の中で内定者の定員充足率がワースト2位だった前年の状況を下回る低水準だ。県は医療事故の影響で敬遠した学生が多かったとみている。

 制度の運営主体で、日本医師会などでつくる「医師臨床研修マッチング協議会」が22日現在の状況を中間公表としてまとめた。10月6日に希望順位の登録を締め切る。第2希望以下も含む登録内容や病院側の採用希望状況に基づいて組み合わせ、20日に最終結果が発表される。

 協議会によると、すでに採用試験を終えている病院が多く、中間公表の時点から実際の内定者が大幅に増える例は少ないという。

 群大病院の第1希望者は中間公表で11年度の30人(実際の内定者32人)を境に減少し、医療事故発覚後の15年度は12人(同14人)へ急減。今年度はさらに3人減った。

 群大病院は「非常に重く受け止めている。質の高い医療を提供し、患者や医学生ら関係者の信頼回復に努めたい」とのコメントを発表した。

 臨床研修医を受け入れる県内14病院の合計でみると、第1希望者は中間公表で86人。13病院が募集し、81人(同83人)だった前年より5人増えたが、162人の定員を大きく下回る。すでに定員を上回っているのは済生会前橋病院(前橋市)と高崎総合医療センター(高崎市)、太田記念病院(太田市)の3病院のみだ。

 県医師確保対策室の江原昭二室長は「研修医の不足は将来的に県内で活躍できる医師の不足を招く」と懸念する。特に群大病院は地域の中核病院へ医師派遣機能を担っており、群大で若い人材が不足すれば、群大から医師の供給を受けていた診療科の閉鎖など地域医療の衰退を招きかねない。

 県によると、大学医学部への進学人数が多い学年は、研修医として県内の病院で採用される人数が多い傾向にあるという。医療現場の見学会や東京で開かれる医学生向けの説明会でのPRなど県は医療分野に関心がある高校生やUターンを検討する県内出身者らへのPRを強化する方針だ。



http://www.sankei.com/life/news/160928/lif1609280036-n1.html
医療費2年連続の40兆円超え 過去最高更新は8年連続
2016.9.28 19:01 産経ニュース

 厚生労働省は28日、平成26年度に病気やけがの治療で全国の医療機関に支払われた医療費の総額(国民医療費)が、前年度比7461億円増(1・9%増)の40兆8071億円になったと発表した。前年度に続き40兆円を超え、8年連続で過去最高を更新。厚労省は高齢化や医療技術の高度化などが増加の要因と分析している。

 国民1人当たりでは6400円増(2・0%増)の32万1100円。65歳未満は1900円増の17万9600円だったのに対し、65歳以上は100円減の72万4400円だった。

 診療種類別では▽入院15兆2641億円(全体の37・4%)▽入院外13兆9865億円(34・3%)▽薬局調剤7兆2846億円(17・9%)▽歯科2兆7900億円(6・8%)。財源別でみると▽保険料19兆8740億円(48・7%)▽公費15兆8525億円(38・8%)▽患者の自己負担4兆7792億円(11・7%)-だった。

 国民医療費は、国民が1年間に保険診療の対象として使った治療費の集計値。医科、歯科に加え、薬の調剤費や訪問看護の費用、入院時の食事代や生活にかかった費用なども含まれる。



http://www.asahi.com/articles/ASJ9X51XTJ9XUTFK00J.html
14年度の医療費40兆8千億円 8年連続過去最高更新
生田大介2016年9月28日20時42分 朝日新聞

 2014年度に国内で使われた医療費は40兆8071億円だった。前年度より1・9%増え、8年連続で過去最高を更新。厚生労働省が28日に公表した。医療費が多くかかる高齢者が増えたことと、高額な医療機器や薬剤の増加が要因だという。1人当たりの平均額は32万1100円だった。

 公表されたのは公的保険の対象となる医療費の総額で、患者の自己負担や公費負担、保険からの給付の合計。保険対象外の治療や健康診断、予防接種などの費用は含まない。

 1人当たりの医療費は、65歳未満が17万9600円だったのに対し、65歳以上が72万4400円と4倍になった。後期高齢者医療制度に入る75歳以上では、90万円を超えた。

 都道府県別にみると、最も多い高知県(42万1700円)は、最も少ない埼玉県(27万8100円)の1・5倍だった。人口比での病床や医師の数が比較的多い西日本のほうが、医療費も大きい傾向にあった。

 かかった医療費の財源別の内訳は、保険料が49%、公費が39%(国が26%、地方が13%)、患者負担が12%。診療種類別では、医療機関での入院が37%、外来が34%で、医科診療費が計72%を占めた。歯科診療費は7%、薬局調剤費は18%だった。いずれも前年度比で2%前後の伸びだった。

 15年度の医療費は速報値で41兆5千億円。今後も医療費は伸び続ける見通しとなっている。(生田大介)



http://www.medwatch.jp/?p=10554
2018年度改定に向け、看護師の夜勤時間の変化や地域包括診療料の算定状況など調査―中医協総会
2016年9月28日|医療・介護行政をウォッチ メディウォッチ


 2018年度の次期診療報酬・介護報酬同時改定に向けた基礎資料を得るために、「チーム医療」や「在宅医療・訪問看護」について今般の2016年度改定の効果・影響を調べる。とくに「チーム医療」については、夜間における看護職と看護補助者の配置人数や夜勤専従者数、さらに夜勤時間の変化などを詳細に調査する―。

 こういった方針の下に設計された、2016年度改定の結果検証特別調査の調査票案が、28日に開かれた中央社会保険医療協議会の総会で概ね了承されました(関連記事はこちら)。

 10-12月に調査を実施し、年明けの1月から3月にかけて順次、調査結果が厚生労働省から報告されます。

2016年度改定の効果・影響、16年度に5項目、17年度に4項目に分けて調査

 診療報酬改定は2年に一度行われますが、それぞれが全く別個というわけではなく、「前回の改定の効果・影響を踏まえて、次の改定内容を検討する」という具合に、一定の関連を持っています。このため、前回改定の効果・影響に関する調査が、改定後に行われます。

 また2016年度の診療報酬改定では、例えば一般病棟用の重症度、医療・看護必要度や在宅医療の報酬体系など、大きな見直しが行われました。そこで中医協総会では、改定内容を了承(答申)すると同時に、例えば「チーム医療が思うように推進されているかなどを調査せよ」といった、いわば次期改定への宿題事項である「附帯意見」を示しています。

 5月18日の中医協総会では、2016年度改定の効果・影響を調べるために9つの調査項目を固め、2016年度には次の5項目について調査を行う5月18日の中医協総会では、2016年度改定の効果・影響を調べるために9つの調査項目を固め、2016年度には次の5項目について調査を行うことになっています。

(1)夜間の看護要員配置における要件などの見直しの影響、および医療従事者の負担軽減にも資するチーム医療の実施状況

(2)かかりつけ医・かかりつけ歯科医に関する評価などの影響、および紹介状なしの大病院受診時の定額負担の導入の実施状況

(3)重症度や居住形態に応じた評価の影響などを含む在宅医療・訪問看護の実施状況

(4)精神疾患患者の地域移行・地域生活支援の推進や適切な向精神薬の使用の推進などを含む精神医療の実施状況

(5)後発医薬品の使用促進策の影響、および実施状況


 28日の中医協総会には、この5項目について具体的な調査票案が提示され、概ね了承されました。

 (1)のチーム医療については、2016年度改定で▽医師事務作業補助体制加算の充実▼看護補助者の配置に関する評価▽ICUへの薬剤師配置の評価▽栄養サポートチームにおける歯科医師との連携の評価▽入院基本料の施設基準である看護師の月平均夜勤時間の計算方法見直し―などが行われました(関連記事はこちらと【こちらとこちら)。

 これらの影響を見るため、厚労省は▼病棟に配置されている看護職員・看護補助者それぞれの人数や夜勤専従者の人数▼夜勤の状況(回数、長さ、受け持ち患者数、シフトの組み方など)の変化▼病棟における夜勤時間数別の看護職員の人数▼医師負担軽減に向けた取り組み▼看護職員の個別業務とその「負担感」―などを詳しく調べることにしています。

 また(2)では、2016年度改定において「かかりつけの医師、歯科医師、薬剤師などの評価」(地域包括診療料の施設基準緩和や認知症地域包括診療料・小児かかりつけ診療料の創設など)を行ったほか、大病院(特定機能病院、一般病床500床以上の地域医療支援病院)における紹介状なしの外来患者への特別な定額負担(初診時5000円以上、再診時2500円以上)の導入などを行いました(関連記事はこちらとこちら)。

 そこで、今般の特別調査では▼地域包括診療料などの算定状況(算定していない場合にはその理由も含めて)▼地域包括診療料算定患者の状況(疾患、出来高算定となる500点以上の画像診断などの有無、内服薬数など)▼小児かかりつけ診療料への取り組み状況(患者が同意しない場合にはその理由も含めて)▼定額負担の実施状況(導入・金額変更で困ったことなども含めて)▼200床以上の病院で徴収可能な紹介状なし患者の特別負担の状況―などを詳細に調べる考えです。

 さらに(3)の在宅医療については、2016年度改定で ▽重症患者の評価を充実する▽同一施設の居住する患者への訪問診療について「同一日に複数」という設定方法を見直す ▽在宅時総合医学管理料(在総管)などを月1回の訪問でも算定可能とする ▽機能強化型訪問看護ステーションなどについて、要件に「小児患者への対応」などを加味する―など、大幅な報酬体系の見直しが行われました(関連記事はこちらとこちら)。

 これらを踏まえ、今般の特別調査では▼訪問診療を実施した患者の状況(要介護度、認知症の状況、精神疾患の有無、医師が実施した診療内容、医師以外の職種が実施している医療内容など)▼訪問看護ステーションと他の医療機関などとの連携状況―などが調べられます。

 また(5)の後発品の使用状況は、毎年度調査されているもので、従前の調査に倣って▼後発品の使用量▼使用促進に向けた課題と解決策―などを調べるほか、診療所について「有床・無床の別」「院外処方率が5%以上か否か」でケース分けして、後発品促進に向けた方策を探ります。

 この点について支払側の幸野庄司委員(健康保険組合連合会副会長)は、「特別調査は2018年度改定を射程に入れているが、政府は2017年央に後発品割合を数量ベースで70%以上にするとの目標を立てており、目標達成が当面の重要課題となる。すると、2017年4月頃に調査結果が示されたとして、そこから対策を取るのでは遅すぎるのではないか」との旨を指摘。厚労省保険局医療課医療保険医療企画調査室の矢田貝泰之室長は、「報告は2017年1から3月と幅を設けており、後発品使用状況の結果は早めに報告する」と答弁しています。早ければ、年明け早々にも速報値が示される見込みです。

 

https://medical-tribune.co.jp/news/2016/0928504837/
麻疹ワクチン、大学病院の一部で接種困難に
患者増で在庫不足、小児優先も

CBnews | 2016.09.28 16:30

 麻疹(はしか)の患者増加に伴い、大学病院の一部で麻疹ワクチン(MRワクチン)の接種が困難になっている。特に患者の報告が相次いでいる地域ではワクチンの確保が難しくなっており、十分な免疫を持っていない小児への接種を優先する大学病院も出てきた。

 麻疹の患者報告が相次いだ関西や関東の一部地域では、接種希望者の増加にワクチンの供給が追い付かず、関西医科大香里病院(大阪府寝屋川市)は「ワクチンの在庫が非常に少なく接種困難」との見解をホームページに掲載した。

 ワクチン接種外来を設けている順天堂大医学部附属練馬病院(東京都練馬区)も「ワクチンの供給が全国的に不足している」とし、麻疹ワクチンの予防接種を当面実施しない方針を示している。

 ワクチンの在庫がある大学病院では小児の予防接種の1期(1歳)と2期(小学校入学の前年)を優先する動きが広がりつつある。北里大北里研究所病院(同港区)は、予防接種については小児の予診票(無料券)を持っている人に限定。東京女子医科大東医療センター(同荒川区)も、流通が安定するまで「小児の定期接種のみ」と制限している。

 国立感染症研究所によると、全国の今年の患者報告数(18日時点)は130人。都道府県別では、大阪が52人で最も多く、以下は千葉(21人)、兵庫(18人)、東京(14人)、埼玉(6人)、神奈川と和歌山(共に3人)などの順。年齢別では20歳代と30歳代が全体の6割を占めている。

(2016年9月28日 新井哉・CBnews)



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/49697.html
腹腔鏡手術の医療事故、病院経営を直撃- 群馬大病院と千葉県がんセンター
2016年09月28日 16時00分 キャリアブレイン

 腹腔鏡手術の医療事故を起こした群馬大医学部附属病院と千葉県がんセンター(がんセンター)の収益が悪化している。会計検査院が群馬大病院の医療事故の影響を試算したところ、2015年度は前年度に比べて入院と外来を合わせて約8億円減少したことが判明。がんセンターも収益減となっており、千葉県は外部有識者による医療安全監査委員会を設置するなど、失った信頼を取り戻そうと懸命だ。【新井哉】

■入院・外来患者減、臨床研修医も集まらず


 今月公表された会計検査委員の報告書では、群馬大病院で肝臓の腹腔鏡手術で患者が相次いで死亡した医療事故問題の経緯を精査。さらに入院・外来患者数や特定機能病院の承認取り消しなどに伴う影響額を試算した。

 医療事故の報道前(14年4-10月)と報道後(15年4-10月)の同じ期間を比較したところ、患者数は入院で6420人、外来で1万8855人減少していたことが判明。入院と外来を合わせて約6億7000万円減少していたという。

 医療事故に伴い、特定機能病院の承認を取り消された影響も取り上げ、「承認の取り消しがなかったと仮定した場合と比較して計2億4476万円減少していた」と指摘。このほか、厚生労働省から質の高いがん診療ができないとして15年4月以降、がん診療連携拠点病院の指定が更新されなかったことも分析したところ、拠点病院の加算が算定できなくなったことなどが影響し、計8602万円減少したことが判明した。

 会計検査院は、群馬大病院が先進医療として実施している「重粒子線治療」の患者の受け入れを停止した影響額にも言及。患者の取り扱いがゼロとなった15年6月の1カ月間、1億円近い施設維持費がかかっていたとの試算も示した。

 医療事故の原因となった外科専門分野では、臨床研修医が集まらない深刻な事態に陥ったことも調査で浮き彫りになった。外科専門分野では15年度の募集定員25人に対し、受け入れ人数はわずか1人(充足率4.0%)。医療事故の報道前の14年度の充足率(28.0%)と比べて大きく減少している。

■患者減を含めた影響額は10億円超

 入院・外来の患者減による約8億円の減収を含めた影響額は10億円を上回った。会計検査院は「医療事故は、安心、安全で高度の医療の提供に対する信頼を傷つけるだけでなく、経営にも影響を与えている」と指摘。臨床研修医や先進医療にかかわる取り扱い患者の減少を踏まえ、「教育・診療機能」にも影響が出ているとの見解を示している。

■死亡後も医療事故続出、監査委が状況確認へ

 腹腔鏡手術を受けた患者の死亡が続出したがんセンターでも、入院・外来患者の減少に歯止めがかからない。千葉県が公表した15年度の病院事業会計の決算見込みによると、入院患者数(9万1123人)と外来患者数(13万4290人)は、問題が表面化する前の13年度と比べていずれも1万人以上減少。13年度に4731件あった手術数も15年度は約15%減の4014件にまで落ち込んだ。ほぼ同じ時期に「脳卒中ホットライン」を設けて手術数を増やし、収益増となった県救急医療センターと対照的な結果となっている。

 死亡事案が明らかになった後も安全管理体制に疑問符が付きかねない医療事故が相次いでいる。昨年12月には、乳がんの患者に対し、他の患者の病理検体の検査結果を基に手術を行った医療事故が発生。今年2月にも泌尿器科で行われた腹腔鏡下腎摘除術で使用したガーゼを体内に残すといった医療事故が明らかになっている。

 こうした事態を受け、県は外部の専門家らで構成する医療安全監査委員会を立ち上げ、がんセンターを含む県立病院の医療安全体制の状況を確認することを決めた。また、法令に違反した「不正行為」を未然に防ごうと、医療安全に関する内部通報制度を設け、通報相談窓口が事実関係の調査を行う方針も示している。

 ただ、医療事故によっては、医療法に基づき第三者機関(医療事故調査・支援センター)が実施する医療事故調査と、県の医療安全監査委員会の状況確認が平行して行われる可能性もある。県の関係者は「この2つの取り組みは重複しない」との見解を示しているが、医療事故の防止につなげるといった目的は同じで、現場の医療従事者が同一事項の説明を再度求められる「縦割り行政」の弊害も懸念される。

 群馬大病院とがんセンターは、患者の信頼を取り戻せるのか。いくら管理者が改革を打ち出しても、現場の医療従事者に医療安全管理の意識が浸透しなければ改善は見込めないだろう。

 がんセンターでは、インシデント・アクシデント報告の件数に占める医師の割合が今年度(4-7月)は昨年度に比べて約1.5倍に増えており、医師の医療安全に対する意識が徐々に変わってきたことがうかがえる。安全管理の意識向上に加え、インシデント・アクシデントを報告しやすい環境を構築し、原因分析や改善策の立案につなげられるかどうかが信頼回復の鍵を握りそうだ。



https://www.m3.com/news/general/462790
診察せず高価な薬処方疑い 大阪、医師の女逮捕
2016年9月28日 (水) 共同通信社

 診察せずに高価な薬の処方箋を渡したとして、大阪府警生活環境課は27日、医師法違反の疑いで、大阪市住吉区、医師更谷優子(さらたに・ゆうこ)容疑者(55)を逮捕した。

 逮捕容疑は昨年9月~今年1月、勤務先の堺市の診療所で、40代と80代の女性を診察していないのに、処方箋4通を知人の薬剤師の男(66)=詐欺罪で公判中=に渡した疑い。更谷容疑者は「診察したと思う」と容疑を否認している。

 同課によると、2人にそれぞれ漢方薬「サフラン」など数種類を大量に処方したよう装っていた。薬剤師の男は、この処方箋を使って計約1058万円の調剤報酬を得ていた。不正に受け取った報酬の総額は6千万円に上り、同課は更谷容疑者が一部を受け取っていたとみて調べている。



https://www.m3.com/news/iryoishin/462890
シリーズ: 中央社会保険医療協議会
ソバルディとハーボニー、2015年度の医療費増の主要因
両剤含む抗ウイルス薬で「0.7~0.8%」の医療費増

2016年9月28日 (水) 橋本佳子(m3.com編集長)

 厚生労働省は9月28日の中央社会保険医療協議会総会(会長:田辺国昭・東京大学大学院法学政治学研究科教授)に、2015年度の「医療費の動向」を公表、同年の医療費は41.5兆円で初めて40兆円を突破、2014年度と比べ、3.8%増となったと説明した(資料は、厚労省のホームページ)。

 過去数年に比べて高い医療費の伸びになったのは、調剤医療費の増加が要因だ。中でもC型肝炎治療薬である、ソバルディ(一般名ソホスブビル)とハーボニー配合錠(レジパスビル/ソホスブビルの配合錠)の薬剤料の伸びの影響が大きい。

 同省によると「約40兆円の概算医療費に対して、おおむね0.7~0.8%が、昨年秋以降に使用が増えた、C型肝炎治療薬を含む抗ウイルス薬の薬剤料の増加が要因」(保険局調査課長の山内孝一郎氏)。ただし、「0.7~0.8%」は院外処方分であり、「院内処方される場合も含めると、もう少し大きいのではないか」と山内課長は説明した。2016年度薬価改定で、両剤とも「特例拡大再算定」の対象になり、31.7%の大幅な薬価引き下げとなったため、「2016年度以降、どのように推移していくかを見て行くことが必要」(山内課長)。

 これらの医療費の分析に対し、さまざまな視点から問題提起したのが、日本医師会副会長の中川俊男氏。まず3.8%の医療費増について、診療報酬改定がなかった2011年度(対前年度比3.1%増)や2013年度(同2.2%増)と比較しても高いと指摘。その上で、山内課長が言及したように、薬剤料の分析は院外処方に限った場合であり、日医が分析中のデータでは、院内処方を含めると、抗ウイルス薬の増加は1%程度になると述べ、薬剤料の伸びを問題視した。

 その上で中川氏は、ソバルディとハーボニー配合錠の売上を質問。厚労省は、IMSのデータを説明。薬価ベースで四半期ごとに、ソバルディ(2015年5月薬価収載)は、433億円(2015年7-9月)、643億円(同10-12月)、391億円(2016年1-3月)、246億円(同4-6月)、ハーボニー配合錠(2015年9月薬価収載)は、1101億円(2015年10-12月)、1517億円(2016年1-3月)、698億円(同4-6月)とそれぞれ推移している。

 「(売上の)ピークは過ぎたと考えていいのか」との中川氏の質問に対し、厚労省保険局医療課薬剤管理官の中山 智紀氏は、ソバルディとハーボニー配合錠の薬剤料は、2016年度薬価改定の31.7%の引き下げを上回るペースで減少、つまり薬価だけでなく数量も減少しているとし、引き続き2016年7月以降のデータを見て行くとした。

 中川氏は、「高額薬剤が、公的医療保険制度を翻弄していると以前言っていたが、こうしたデータをリアルタイムに把握、公表して、拙速な議論に走らないようにやっていくことが必要ではないか」と厚労省に求めた。さらに現在、中医協で議論が進む抗PD-1抗体製剤のオプジーボ(一般名ニボルブマブ)についても、年間医療費が「1兆7500億円」に達するとの推計もある中、「この金額がいまだに独り歩きをしている。この数字は過大であるという明確なメッセージを発するべきではないか。これにより議論がおかしな方向に行っている」と中川氏はコメントした(『オプジーボ、「緊急的な対応」で薬価引き下げか』を参照)。

 中山薬剤管理官は、「重大な問題だと思っている」とし、オプジーボの販売元である小野薬品工業の公表データなども踏まえ、分析していくと答えた。

 さらに中川氏は、「医療費の伸びの大半は、薬剤費であることが明らかになったのではないか。今の中医協の最大の懸案は、薬価の在り方であり、原価計算方式と類似薬効比較方式などの見直しを早急にやる根拠が明らかになった」とも指摘し、政府の方針として社会保障費の自然増が年5000億円に抑制される中、薬剤料の問題が中医協の重点課題であると提起した。

 2015年度の「医療費の動向」では、後発医薬品割合なども明らかになっている。2015年4月の58.8%から、2016年3月には63.1%に増加した(数量ベース)。2015年の「骨太の方針」で掲げられた後発医薬品の使用割合は、「2017年央までに70%以上」であり、今後も使用促進が必要な状況にある。

 後発医薬品使用促進の医療費への効果は、2014年度の場合でマイナス0.5%。中川氏は、2015年度の後発医薬品の薬剤料が8500億円であるのに対し、それを促進するための調剤報酬の伸びも大きい現状について問題提起。日本薬剤師会常務理事の安部好弘氏はどの部分の技術料が増えているかなど、丁寧な分析と議論を求めた。

 抗ウイルス剤、1185億円から4139億円に大幅増

 2015年度の医療費は、2014年度と比較で3.8%増。医療費は診療報酬改定の影響を受けるため、改定がなかった年度と比較すると、2011年度3.1%増、2013年度2.2%増などと比較しても高い伸びとなった。

 診療種別にみると、入院1.9%増、入院外3.3%増、歯科1.4%増、調剤9.4%増であり、「過去の傾向に比べても調剤の伸びが高く、入院外もやや高く、結果としてやや高い医療費の増加となった」(山内課長)。

 調剤の伸び(院外処方分)を分析すると、処方せん1枚当たりの調剤医療費は7.3%増。内訳は技術料1.4%増で過去数年とそれほど変わらないが、薬剤料9.2%と高い伸びとなっている。

 薬剤料の8割以上を占める内服薬について薬効分類別にみると、ソバルディなどを含む抗ウイルス剤が対前年度比で248.1%増と非常に高い伸びで、薬剤費は2014年度の1185億円から、2015年度は約3000億円増加し、4139億円になった。約40兆円の医療費に対して、この約3000億円は、0.7~0.8%に該当する計算になる。

 厚労省が9月15日の経済財政諮問会議の経済・財政一体改革推進委員会 「社会保障ワーキング・グループ」に提出した資料「医療費の伸びの要因分析」では、2015年度の医療費の伸び3.8%について、「人口増の影響」がマイナス0.1%、「高齢化の影響」が1.2%増、「その他」が2.7%と説明。2.7%のうち、薬剤料が1.4%、「抗ウイルス薬を含む化学療法剤」が0.77%となっている。



https://www.m3.com/news/iryoishin/455785
シリーズ: 島根大“事故調”事件を検証
主治医へのヒアリング、1回5分のみ◆Vol.3
「事実認定に誤り」、高裁に指摘されたわけ

2016年9月28日 (水) 橋本佳子(m3.com編集長)

 「2回目の吸引分娩が失敗した12時22分頃には、手術室に帝王切開の準備を依頼しており、その後の吸引は、同41分に手術室の準備完了の連絡を待つまでに行われたものであって、吸引分娩に過度にこだわりすぎていて、その結果、帝王切開への切り替え時期が遅れたものとも認められない。この点、被控訴人病院の医療事故調査委員会は、上記遅れを指摘しているが、前提となる事実認定に誤りがあり、指摘は適切ではない」

 広島高裁判決で、こう指摘された島根大病院の「医療事故調査委員会」の報告書。島根大病院は、2006年9月7日の事故後、「医療問題専門部会」や「特殊事例検討委員会」を開催し、本件事故について検討し、「医療事故調査委員会」を立ち上げて詳しく調査することを決定、2007年8月9日に報告書をまとめている(経過は、『島根大“事故調”、患者と医師の悲劇◆Vol.1』を参照)。

 「医療事故調査委員会」の委員は7人。島根大病院の当時の副院長2人(うち一人が委員長を務める)、法医学教授、副看護部長のほか、外部委員として弁護士1人と産婦人科医2人、計3人が加わった。

 島根大“事故調”事件には、主治医だった産婦人科医、当時の同大産婦人科教授の宮崎康二氏など、複数の産婦人科医が関わっている。

 では広島高裁判決で指摘された、「前提となる事実認定に誤り」とは何か。「医療事故調査委員会」の報告書と高裁判決の事実認定(『院内事故調、「事実認定に誤りあり」◆Vol.2』を参照)を比較すると、医師らの行為の時間経過や医学的判断などに、幾つかの食い違いがある。

 例えば、2回目の吸引分娩とクリステレル圧出法の実施時期。高裁判決では9月7日の12時22分、報告書では12時25分。分娩室にいた医師が、緊急帝王切開手術のために、手術室や麻酔科に連絡を取ったのは、高裁判決では12時22分頃、報告書では12時37分頃。裁判所が採用したのは、島根大病院側の主張や、産婦人科医らの証言。島根大病院は、「医療事故調査委員会」の報告書の内容と、裁判での主張を変えたのだった。

 緊急帝王切開手術に切り替えるタイミングが、裁判の争点になっていただけに、時間経過は重要な事実認定になる。報告書では、次のように記載している。

 「突然胎児心拍が一時的に確認できなくなり、さらに胎児徐脈が遷延するという想定外の状況の中で、娩出まで30分を要する帝王切開に切り替えるタイミングについて完璧かつ的確な判断を下すことは容易なことではないかもしれない。後方視的にみると帝王切開への治療方針の変更は遅くとも12時25分に行った第2回目の吸引分娩とクリステレル圧出法が不成功に終わった時点で決定すべきであったと思われる」

 高裁判決では、12時22分頃、手術室と麻酔科に連絡を取り、準備を始めていたと判断。その上で、冒頭のように、「医療事故調査委員会」の報告書の誤りを指摘している。

院内事故調査報告書と裁判所での島根大の主張の比較(m3.com編集部作成)
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 「報告書が訴訟のきっかけであれば不幸」
 では、島根大病院は裁判で主張をなぜ変更したのか。広島高裁判決で誤りを指摘される「医療事故調査委員会」の報告書がなぜまとめられたのか――。

 島根大病院には取材できなかったが、高裁判決では、「パルトグラム(分娩経過記録)および電子カルテの記載と、証人(産婦人科医)との供述に齟齬があるものの、パルトグラムおよびこれを参考に記載された電子カルテの記載には、CTG(分娩監視装置)の記録と明らかに整合しない部分があり、また、12時10分から12時22分までの間に、一度も控訴人(妊婦)に有効陣痛がなかったとも考えにくいことから、パルトグラムおよび電子カルテの記載は信用できない」など、本来証拠となる記録類の信用性を疑問視する記載が幾つかある。

 主治医だった産婦人科医、宮崎元教授らが裁判所に提出した「陳述書」を見ると、「医療事故調査委員会」は当事者らの意見を十分に聞いておらず、またカルテ記載も適切にできなかった状況が伺える。

 二人の「陳述書」から、まず事故調査の在り方について言及した部分を抜粋する。

◆主治医
 島根大学が作成した医療事故調査委員会の報告書は、(1)破水直後の児心拍数について、12時8分~9分の児心拍数が80~100bpmとされている点、(2)クリステレル圧出法を施行した時期と回数が異なること、(3)手術室と麻酔科に連絡をした時期が12時38分とされていること、(4)CTGの内臓時計の時刻が5分遅れていたことを考慮していないこと、(5)児に胎勢の異常があったとされていること、(6)自然破裂の徴候が見逃されていること、など、私からみても不十分なところがあったと思います。
 医療事故調査委員会で私が事情を聞かれたのは、2006年11月20日のみの1回です。時間は5分程度だったと思います。

◆宮崎元教授
 本件について、大学当局は、医療事故として調査委員会を開催し、報告書を作成しました。しかし、この調査は次に述べる通り、不十分なものでした。
(1)事故調査委員会の開催手続きについて
 事故調査委員会は合わせて3回開催されたのみです。私は2回呼び出されましたが、一方的に質問され、それに答えたのみでした。説明しようとしても、遮られ、全く聞いてもらえませんでした。1回の聴取時間は15分程度でした。
(2)調査報告書の内容について
 この調査報告書は事実関係を正確に把握しておりません(クリステレル圧出法等の実施時期や回数、手術室に連絡したのは12時37分としているが、12時22分すぎである、CTGの内蔵時計が5分遅れていたことを考慮していない、児が反屈位でない、など)。
(3)結論
 事故調査は不十分なものでした。私を陥れようとしているのではないかと勘繰りたくなるほどでした。私は大学当局に対し再三再四、事故調査のやり直しを求めました。私は大学の事故調査で完全に無視されました。
 私は、島根大学産婦人科のトップとして誇りを持って仕事をしていますが、このような大学の対応に不信感を持っています。
 今でも、私は○○さん(妊婦)の分娩のことを思い出し、どうすれば不幸な転帰を避けられたのか真剣に考えておりますが、当時の状況では、避ける方法はなかったと思います。
 もし、大学の作成した報告書が本件訴訟提起のきっかけとなったのであれば、大変不幸なことです。
 私は、この陳述書で、医師の良心に従い、正確な事実をきちんとお伝えしなければならないと思っています。

 患者家族への説明が後手に、カルテ記載も不十分だったわけ
 島根大事件では、主治医から患者家族への説明が後手に回り、カルテ記載に誤りがあったことが、主治医の「陳述書」からうかがえる。以下、主治医の「陳述書」から、関連する部分の一部を抜粋する。

◆主治医から患者家族への説明について
 私はICUへかかってきた電話で、安全管理室から呼び出しを受け、担当の先生に詳しく事情を説明しました。(中略)なお、午後6時すぎ、患者さんのご主人およびお母様から、経緯についての説明を求められたようですが、私は安全管理室におりましたので、宮崎教授と○○先生が対応してくださったようです。

◆カルテ記載について
 私は、20時30分頃、安全管理室での説明を終え、病棟に戻って電子カルテの入力をしようとしたところ、患者さんのご主人から電話がかかってきました。(中略)その後、20時50分頃、ご主人が3階病棟に現れました。その時、カルテを入力しているところでした。電子カルテの記載内容は保存せず、そのままにしていました。
(中略)電子カルテの本格稼働が始まったのは2006年9月1日で、その操作方法や記載のルールについて、まだ十分に浸透していませんでした。
 私は当日の診療内容は日付が変わるまでに必ず入力しなければいけないものと理解しておりましたので、手元にある資料のみで、焦ってカルテの入力をしました。仮に、記載に間違いがあれば、後日、他の先生と相談の上で、訂正をすればよいと考えておりました。
 このとき参照した資料は、助産師が作成したパルトグラムのみでした。CTGや麻酔記録を参照したり、他の医師や看護師と事実関係を確認しながら入力することもできませんでした。時間の経過はパルトグラムに合わせました。
(中略)およそ23時30分すぎころから書き始め、およそ14分で書き終えたことになります。一応のメモのつもりでした。
 日付が変わってしまいましたが、その後、手術後の経過を記載しました。(中略)午前2時頃まで、病棟でカルテを記載していたことになります。
 カルテの12~13ページの私が記載したものですが、次に述べる通り、誤りがありました。誤りには気付いていましたが、安全管理室の指導により、訂正はしませんでした。



https://www.m3.com/news/iryoishin/462895
「裁判になれば、事故調制度は停止を」医学部長会議が申し入れ
「医療安全の確保という制度の目的」から外れると説明

2016年9月28日 (水) 高橋直純(m3.com編集部)

 全国医学部長病院長会議は9月27日の定例記者会見で、日本医療安全調査機構に申入書を提出したと報告した。裁判になることが明らかになる場合には、医療事故調査制度に則った事故調査を停止すべきと訴えている。

 申入事項の6番目では、「事故調査報告書が係争の具として利用されることが明らかな場合には、医療安全の確保という制度の目的に鑑みて、貴機構において今回の法に規定される作業は行わない。係争の手段として行われる事象は全て、この法の埒外にて処理すべきである」と記載されている。

 「大学病院の医療事故対策委員会」委員長の有賀徹氏(昭和大学名誉教授、独立行政法人労働者健康安全機構理事長)は、「大学病院は今までも真摯に事例の検討を行ってきた」とし、院内調査はこれまで通り行うとした上で、裁判が想定される場合は、「医療安全の確保という制度の目的」から外れるとして、日本医療安全調査機構による医療事故調査制度に則った事故調査は行うべきでないと述べた。

 「係争の具として利用されることが明らかな場合」とは、実際に提訴された場合だけでなく、「患者との信頼関係が崩れて、何らかの形で申し入れが来ている状況はこれから裁判だなということが明らか」と説明した。

 9月23日に機構に提出した。

【日本医療安全調査機構への申入の内容】

1)医療事故調査制度は、改正医療法の趣旨に鑑みて、警察への届出に代替するものでないこと、および係争の手段でないことについて確認する。

2)大学病院ではいわゆるアクシデントについて、今までも真摯に事例の検討を行ってきた。それは“法的に定義された医療事故”であるか否かを問わない。上記の協力関係においてもこの方針の通りであるが、貴機構への報告事例は“法的に定義された医療事故”である。

3)都道府県医師会には各種支援団体を取りまとめる協議会の設置が求められている。各地に所在する大学医学部、同附属病院はこの観点でも都道府県医師会と協力体制を組む。

4)医療事故の判断並びに調査の主体は管理者にある。報告の責任も管理者の下にある。調査の展開にあっては主体的ないし自律的な方法を阻害してはならない。中立性などの“相対的な価値”を以て、外部から不要な干渉をすることは許されない。

5)各地に所在する大学医学部、同附属病院と都道府県医師会とが支援団体として協力する際にも、上記1)、2)、3)、4)の諸原則を遵守する。このことにより、地域医療において医療者と患者・家族らとの信頼関係を強化することは、先の法の趣旨と調和ないし共鳴する。

6)未来に渡って予測することは不可能であるが、現に事故調査報告書が係争の具として利用されることが明らかな場合には医療安全の確保という制度の目的に鑑みて、貴機構において今回の法に規定される作業は行わない。係争の手段として行われる事象は全て、この法の埒外にて処理すべきである。



https://www.m3.com/news/general/462780
75歳以上、保険料上げ検討 後期高齢者医療の特例廃止 来年度から9百万人対象
2016年9月28日 (水) 共同通信社

 厚生労働省は27日、75歳以上の後期高齢者医療制度で、低所得者ら916万人の保険料を最大9割軽減している特例を廃止し、2017年度から段階的に保険料を引き上げる方向で検討に入った。法令で定める軽減幅は最大7割で、現在は税金を使ってさらに安くしているが、本来の規定通りにする。増え続ける医療費を賄うため高齢者にも負担を求め、世代間での公平性を高めるのが狙い。

 政府は17年度から特例軽減を原則的に廃止すると15年にいったん決定していたが、消費税増税の再延期のあおりで扱いが宙に浮いていた。厚労省は年末の予算編成に向け、詰めの議論に入りたい考えだ。ただ保険料負担が約5倍に増える人もいることから、高齢者の反発を懸念する与党から異論が出る可能性もあり、調整は難航しそうだ。

 厚労省は29日に開く審議会で「激変緩和措置を設けつつ、原則的に(法令上の)本則に戻していくべきではないか」と提案し、議論を求める。

 特例軽減の対象は75歳以上の約1600万人のうち所得が低い747万人と、74歳まで会社員らに扶養されていた169万人。国費945億円と地方負担159億円を投じ負担を軽くしている。

 扶養家族だった人の場合、現在月380円の保険料が特例廃止により最大で1890円と5倍増となる。ただ、所得に関係なく特例が適用される上、1人暮らしを続けてきた人らは対象外で不公平との指摘もある。

 特例廃止は、消費税増税に伴い実施予定だった介護保険料の軽減拡充や年金生活者支援給付金とセットで実現することになっていた。しかし、これらの低所得者対策は実施の見通しが立っておらず、負担を和らげる代替策も検討する。

 厚労省はこのほか、毎月の患者負担に上限を設ける「高額療養費制度」についても、高齢者の優遇措置を見直したい考えだ。70歳以上の大半が現役世代より負担が軽く、高所得者を中心に負担上限引き上げを議論する。

 ※後期高齢者医療の特例軽減

 75歳以上の医療保険料は現在、全国平均で月5659円(見込み)。低所得者については保険料の定額部分を2~7割軽減すると法令で規定されているが、予算措置で最大9割引きにする特例がある。また、74歳まで会社員や公務員の扶養家族だった人は75歳から2年間だけ5割軽減のはずが、特例により無期限で9割軽減されている。2008年度に後期高齢者医療制度がスタートした際、高齢者の反発をかわそうと自公政権が特例軽減を導入した。特例に充てた国費は16年度までの累計で7243億円。



https://www.m3.com/news/iryoishin/462901
シリーズ: 中央社会保険医療協議会
デパスやアモバンなど「投薬上限は30日」
麻向法の「向精神薬」への新規指定で対応

2016年9月28日 (水) 橋本佳子(m3.com編集長)

 中央社会保険医療協議会総会(会長:田辺国昭・東京大学大学院法学政治学研究科教授)は9月28日、精神安定剤のエチゾラム(商品名デパスなど)、睡眠障害改善剤のゾピクロン(同アモバンなど)について、投薬期間の上限を「30日」と定めることを承認した(資料は、厚生労働省のホームページ)。

 これら2剤が新たに「麻薬及び向精神薬取締法」(麻向法)に規定する「向精神薬」に指定され、投薬期間の上限を新たに設ける必要が生じたための対応だ。麻向法の政令公布は10月14日のため、厚労省は10月13日までに、「30日」の上限の適用開始日を通知等で示す方針。10月後半か、11月初めからになる見通し。

 「向精神薬」の投薬期間の上限は、14日、30日、90日のいずれかに設定する。今回の2剤の「30日」は、投薬実態や関係団体の意見を踏まえて設定した。

 投薬期間の上限設定に当たって、2015年6月審査分の「調剤メディアス」を基に投薬期間の実態を調査した結果、エチゾラムは平均27.0日、85%が「30日以内」、ゾピクロンは平均26.8日、84%が「30日以内」だった。

 日本精神科病院協会の「要望書」では、「十分な周知期間を設けた上で、30日分を限度とした制約まではやむを得ないものである」としていた。



https://www.m3.com/news/general/462501?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD160928&dcf_doctor=true&mc.l=180378105&eml=3f492a08f1681d66441569ec02c0b51e
米沢市、市立病院と民間統合視野、医療連携の協議開始 
2016年9月28日 (水) 毎日新聞社

 米沢市は26日、建て替えを検討している同市立病院(同市相生町、病床数322床)と民間病院、三友堂病院(同市中央6、190床)の統合を含む医療連携の協議を始めたことを明らかにした。市議会市立病院建替特別委員会で、市立病院事務局の担当者は「今年度中に一定の方向性を出したい。その後、現在の病院建替基本構想を練り直すこともあり得る」と述べた。

 同事務局によると、医師不足により両病院とも深夜の当直体制が厳しくなっているという。特に市立病院では5月中旬に精神科の閉鎖により、拍車がかかったという。

 これを受けて市内の救急医療体制の維持を目的に、昨年から三友堂病院と事務レベルの協議を開始。先月、中川勝市長が改めて三友堂病院に医療連携の話し合いを申し入れ、合意したという。診療科のすみ分けや統合を選択肢として、近く本格的な協議に入る考え。

 26日に記者会見した中川市長は、20日に厚生労働省に地域の医療連携に関する相談をした際、「再編統合という手法が出た」と述べた。

 県は、人口減少に対して2025年を見据えた地域医療構想を今月中に示す予定だが、地域では医療連携の模索が始まっている。【佐藤良一】



http://www.qlifepro.com/ishin/2016/09/28/why-does-not-apply-the-brakes-to-the-withdrawl-of-perinatal-care-of-japan/
世界に冠たる日本の周産期医療が、なぜ縮小?
宗田 聡 産婦人科医

2016年9月28日 Q Life Pro

先日厚生労働省から、最新である平成27年度の「医療施設調査」報告がまとめられました。

(参考)厚生労働省 医療施設調査 概況
http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/79-1a.html

ニュースにもなっていましたが、産婦人科や産科を標榜する病院、一般診療所はともに減り続けており、1990年の数値と比べどちらも半数近くまで数を減らしています。

出生数が減っているのである意味仕方ない、という見方もあるかもしれません。ただ、私が上記の施設数と、人口動態統計で公表されている出生数の数字からざっくりと計算したところ、こんな結果も出ています。オレンジ色の分娩数の変化はこの25年間で約20%の減少となっていますが、青色の産婦人科施設総数の変化は45%も減少しています。

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分娩総数と産科、産婦人科施設総数(一般病院)の減少率比較
(クリックで拡大されます)
つまり、子どもの出生数の減少率をかなり上回るスピードで産婦人科施設の数が減っているのです。

また、ほぼお産を扱わない一般診療所にいたってもすさまじいペースで減っていて、すでに一昨年の時点で、産婦人科または産科を標ぼうする施設数は全医療施設数に対して3.5%にまで落としています。町中にあるクリニックの中で、産婦人科の存在自体がすでにレアなものになってしまったということであり、言い換えれば、妊娠したい、妊娠した、といったときの相談先さえ不足しています。核家族が定着した中でのこういった状況が、妊娠や子育てで悩む女性たちにとって気軽に医療機関を受診できない背景となっており、我々医療側も苦しんでいる彼女たちに寄り添うことがなかなかできない原因の一端となっているとも考えられます。

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(クリックで拡大されます)
周産期医療の資源はすでに持ちこたえられる限界点近くまで逼迫しているというのが、偽らざる、そして決して誇張でもない事実だと思います。そして、こんな状況では医療の質の低下が懸念されますが、決してそんなことはありません。むしろ日本の周産期医療のパフォーマンスは驚くべきものです。

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各国の妊産婦死亡率(出産10万対)推移(クリックで拡大されます)
こちらでお分かりのように、ほぼ、ここ四半世紀にわたり、同時に強烈な施設数の減少をともないながらも、世界トップクラスの成績を残し続けています。間違いなく日本の周産期医療は世界に誇れるものです。しかし、現実は最初にお示ししたように、施設数の減少に歯止めがかからず、増やす展望も今のところありません。少子化を打破するときのインフラとも言える産婦人科施設のこうした実状をいかに改善するか、素晴らしいパフォーマンスを維持しているこの医療体制を持続可能にするにはどうしたらよいのか、待ったなしの議論とアクションプランが必要だと思います。



https://www.mixonline.jp/Article/tabid/55/artid/54656/Default.aspx
中医協総会 期中薬価引下げの機運高まる 診療側・薬価制度の抜本的な見直し迫る
2016/09/29 03:51 ミクスオンライン

厚生労働省は9月28日の中医協総会に、2015年度の概算医療費が対前年度比3.8%増の41.5兆円、中でも薬剤費はC型肝炎治療薬の薬剤料が医療費の伸びを牽引したと報告した。診療側の中川俊男委員(日本医師会副会長)は、薬剤料の伸びを抑制するために、薬価制度の早急、かつ抜本的な見直しを迫った。その上で、財務省から社会保障費の伸びを自然増で見込まれる6400億円から5000億円に抑制することを求められていると指摘。「必要な医療費として伸びるのは問題ないし、そうするのが医療だ」とした上で、「医療費の伸びのほとんどが薬剤費ということであれば、我々が中医協でやることは明らかになった」と述べた。年末の予算編成に向け、抗がん剤・オプジーボなどを対象にした期中の薬価引下げを含めた“緊急的な対応”への気運が一気に高まった。

◎C型肝炎治療薬の薬剤料寄与率は「1%前後」 中川委員

2015年度の概算医療費は対前年度比3.8%増の41.5兆円。特に、調剤が9.4%と大きく伸び、医科入院外も3.3%増となった。調剤医療費は、処方せん1枚あたり7.3%増、薬剤料(調剤医療費ベース)は9.2%増となった。2011年度の薬剤料は7.2%増、13年度は6.8%増で、診療報酬改定のない年と比較しても伸びたことになる。中でも、C型肝炎治療薬を含む抗ウイルス剤の薬剤料が249.1%と大きく伸長した。医療費ベースでみても、C型肝炎治療薬を含む化学療法剤が0.77%押し上げた。

診療側の中川委員は、日医総研の推計として、「入院外の院外処方分だけの薬剤料でも1.5%。院内処方分を加えると、ほぼ2%になるのではないか」と述べ、急激に薬剤料が膨らんでいると指摘し、C型肝炎治療薬の処方が「1%前後の寄与率ではないか」と述べた。

その上で、「国民医療費の伸びの大半は薬剤費だということが明らかになったのではないか。現在、中医協で最大の課題として議論されている薬価の決め方、原価計算方式と類似薬効比較方式ともに、抜本的な見直しを早急にやるべきだ」との考えを示した。

薬剤料の伸びを牽引したC型肝炎治療薬だが、IMSデータ(薬価ベース)によると売上高は、ハーボニー配合錠が発売直後の2015年10~12月に1101億円、16年1~3月には1517億円を売上げたが、これをピークに4~6月では698億円まで減少している。ソバルディ錠も同様に、2015年7~9月の433億円、643億円(同10-12月)から、391億円(16年1~3月)、246億円(同4~6月)と推移している。

両剤ともに、2016年度薬価改定で特例拡大再算定の対象となり、大幅な薬価引下げとなったことも大きく影響した。厚生労働省保険局の中山智紀薬剤管理官は、ハーボニー配合錠、ソバルディ錠ともに、「特例拡大再算定による薬価の引き下げ率以上に下がっていることから、ピークは過ぎた。数量としても減っている」との見方を示した。


抗がん剤・オプジーボについても中川委員は触れ、医療費が年間1兆7500億円まで膨らみ、医療保険財政を圧迫しかねないと指摘されていることから、「1兆7500億円という推計が独り歩きしている。その数字は過大だと明確なメッセージを発信してもらえないか。議論がおかしな方向に行っている」と指摘。リアルタイムでのデータ把握、なども厚労省側に求めた。

◎後発医薬品使用体制加算で早くも火花

一方で、後発医薬品の促進による医療費の伸び抑制は、年間0.2~0.5ポイントであることも示された。後発医薬品の数量シェア80%目標が示される中で、推進する後発医薬品体制加算なども伸びていることが推測される。診療側の中川委員は、「後発品の使用促進にかかわる調剤報酬が年間1000億円。後発医薬品の8500億円の金額ベースの使用に対して1000億円の調剤報酬がついている状況はどうなのか」と後発医薬品使用体制加算の在り方について言及した。


これに対し、診療側の安部好弘委員(日本薬剤師会常務理事)は、後発医薬品の薬剤料(調剤医療費ベース)が2014年度の7195億円から2015年度には8502億円まで跳ね上がったと説明した。一方で、後発医薬品薬剤料は895円から1038円と微増にとどまっていることや、後発医薬品割合(数量ベース)で55%以上、65%以上の薬局が増加していることなどから、後発医薬品の使用促進が現場で浸透しているとの見方を示し、「効果をきちっと踏まえて議論していただきたい」と述べ、詳細な分析に基づいた丁寧な議論を求めた。

◎デパス・アモバン 投薬期間上限を30日間に

そのほか、この日の中医協総会では、政令の一部改正で新たに向精神薬に指定された精神安定剤・エチゾラム(製品名:デパス等)と睡眠障害改善剤・ゾピクロン(製品名:アモバン等)の投薬期間の上限を30日間とすることも了承された。10月13日までに通知の発出、11月1日に施行される見通し。



http://www.medwatch.jp/?p=10564
新専門医制度のサブスペ領域や総合診療専門医、きちんと議論尽くすべき―四病協
2016年9月28日|医療・介護行政をウォッチ メディウォッチ

 新専門医制度におけるサブスペシャリティ領域について、内科の13領域、外科の4領域以外の領域についてきちんと検討していく必要がある。総合診療専門医については、養成プログラムなどのハードルを上げすぎず、1年間議論をして良い制度にしていく必要がある―。

 28日に開かれた四病院団体協議会の総合部会で、こういった議論が行われたことが、部会修了後の記者会見で、日本病院会の堺常雄会長から明らかにされました。

ここがポイント!
1 総合診療専門医、「家庭医」と「病院で総合診療を提供する医師」の2タイプ
2 医療資源投入量、絶対的な基準ではなく「ある程度の物差し」と理解すべき

総合診療専門医、「家庭医」と「病院で総合診療を提供する医師」の2タイプ

 メディ・ウォッチでもお伝えしているとおり、新専門医制度については「来年(2017年)度からの一斉スタート」が1年見送られ、日本専門医機構の新執行部が新たに立ち上げた基本問題検討委員会で、例えば ▼サブスペシャリティ領域 ▼総合診療専門医―などについて、改めて検討が行われることになりました(関連記事はこちらとこちら)。

 サブスペシャリティ領域については、旧執行部で29領域とする方針が固められましたが、新執行部体制になってから「一度、立ち止まって考え直す」こととなり、現在、内科系の13領域【(1)消化器(2)循環器(3)呼吸器(4)神経(5)血液(6)内分泌・代謝(7)糖尿病(8)腎臓(9)肝臓(10)アレルギー(11)感染症(12)老年病(13)リウマチ】と、外科系の4領域【(1)消化器(2)呼吸器(3)小児(4)心臓】については、「基本領域に近いため、基本領域とサブスペシャリティ領域で連動した養成プログラムを学会で構築する(後に専門医機構の定めた方針に則っているのかを確認)」ことになっています(関連記事はこちら)。

 日本病院会、全日本病院協会、日本医療法人協会、日本精神科病院協会で構成される四病院団体協議会(四病協)でも、この問題について検討。細部領域まで含めると130程度の学会があるため、改めて専門医機構で「どの領域をサブスペシャリティ領域とするか」という議論がなされます。

 また新専門医制度の目玉の1つとも言える「総合診療専門医」については、従前から日病の堺会長が提唱しているように、「地域の家庭医」と「病院で総合診療に携わる医師」の2タイプがあることを四病協でも確認(関連記事はこちら)。すると、後者の「病院で総合診療に携わる医師」にとって、現在、検討されている総合診療専門医のハードルはやや厳しいのではないかという指摘も出ているようです。

 これまで、専門医機構では「総合診療専門医の到達目標」として、▼人間中心の医療・ケア(家族志向型医療・ケア、患者・家族との協働を促すコミュニケーションなど) ▼包括的統合アプローチ(健康増進と疾病予防、継続的な医療・ケアなど)▼連携重視のマネジメント(医療機関連携および医療・介護連携、組織運営マネジメントなど) ▼地域志向アプローチ(保健・医療・介護・福祉事業への参画、地域ニーズの把握とアプローチなど) ▼公益に資する職業規範 ▼診療の場の多様性(外来、救急、病棟、在宅)―といったコアコンピテンシーを示していますが、「病院で総合診療に携わる医師」に、これらすべてを求めることは難しく、「少しハードルが厳しい」と考えられているようです(関連記事はこちら)。

 もっとも堺日病会長は、「時間をかければよい制度になる」と述べており、専門医機構でのこれからの議論に期待を寄せています。

医療資源投入量、絶対的な基準ではなく「ある程度の物差し」と理解すべき

 ところで現在、厚生労働省では2018年度からの新たな医療計画に向けて、基本方針策定論議を進めています。その中で「基準病床数にも、医療資源投入量の考え方を一部導入する」ことが検討テーマにあがっています(関連記事はこちら)。

 この点について堺日病会長は、「そもそも『患者像などを医療資源投入量だけで判断してよいのか』という問題があるが、基本方針策定までに時間がない。医療資源投入量は絶対的な基準ではなく、『ある程度の物差し』であるという理解をすべき」との見解を示しました。

 

http://www.sankeibiz.jp/macro/news/160929/mca1609290500002-n1.htm
医療費、8年連続最高の40.8兆円 14年度
2016.9.29 05:00 Sankei Biz

 ■国民1人当たり32万1100円

 厚生労働省は28日、2014年度に病気やけがの治療で全国の医療機関に払われた医療費の総額(国民医療費)が、前年度比7461億円増(1.9%増)の40兆8071億円だったと発表した。国民1人当たりでは6400円増(2.0%増)の32万1100円で、いずれも8年連続で過去最高を更新した。

 高齢化が進んだことや、医療技術が進歩して治療費が膨らんだのが主な要因。国民医療費が国民所得に占める割合は11.2%だった。年齢別では、65歳以上の医療費は23兆9066億円で全体に占める割合は前年度比0.9ポイント増の58.6%となり、過去最大だった。

 医療費を賄う財源の内訳は、国民や企業が負担する保険料が19兆8740億円で全体の48.7%。患者の自己負担は4兆7792億円で11.7%、国と地方を合わせた公費は15兆8525億円で38.8%だった。

 診療種類別では、医科診療が29兆2506億円で全体の71.7%。薬局調剤は7兆2846億円、歯科は2兆7900億円だった。



http://mainichi.jp/articles/20160929/ddm/002/040/095000c
医療費
14年度平均、1人32万円 高齢化で最高更新、総額40.8兆円

毎日新聞2016年9月29日 東京朝刊

 厚生労働省は28日、2014年度に病気やけがの治療で全国の医療機関に支払われた医療費の総額(国民医療費)が、前年度比7461億円増(1・9%増)の40兆8071億円だったと発表した。国民1人当たりでは6400円増(2・0%増)の32万1100円で、いずれも8年連続で過去最高を更新した。

 高齢化が進んだことや、医療技術が進歩し治療費が膨らんだのが主な要因。国民医療費が国民所得に占める割合は11・2%。年齢別では65歳以上の医療費は23兆9066億円で、全体に占める割合は前年度比0・9ポイント増の58・6%となった。
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 医療費を賄う財源の内訳は、国民や企業が負担する保険料が19兆8740億円で全体の48・7%。患者の自己負担は4兆7792億円で11・7%、国と地方を合わせた公費は15兆8525億円で38・8%だった。

 診療種類別では、医科診療が29兆2506億円で全体の71・7%。薬局調剤は7兆2846億円、歯科は2兆7900億円だった。

 国民医療費は、保険診療の対象になる治療費用の推計。保険外の診療や健康診断、正常な出産などの費用は含まれない。

 労災分などを除いた国民医療費の98%程度をカバーする概算医療費は、15年度分を今月13日に公表済みで、41兆4627億円に達している。



http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/16/030200012/092800018/?rt=nocnt
医論・異論 from 日経メディカル
週刊誌の医療ネガティブキャンペーンどう思う?
冷静に受け止めるも「説明に時間とられる」に怒り

高志昌宏=シニアエディター
2016年9月29日(木)日経メディカル

 今年上半期、一部週刊誌が「医者に言われても受けてはいけない手術・飲み続けてはいけない薬」といった大きなネガティブキャンペーンを張った。今回の「医師1000人に聞きました」では、そのキャンペーンで日常診療にどのような影響があったかを聞いた。日経メディカルOnlineの会員医師3587人が回答した(アンケート期間:8月19日~29日)。

問1:日常診療でこのキャンペーンによる影響がありましたか
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問1●一部週刊誌で「医者に言われても受けてはいけない手術・飲み続けてはいけない薬」といったキャンペーンが続き、話題となっています。先生の診療では、この一連の報道による影響がありますか
 まず、日常診療でこのキャンペーンによる影響があるかを尋ねたところ、「大いにある」が7.2%(254人)、「若干はある」が29.3%(1037人)と、計3分の1以上(36.4%)を占めた(右図)。その一方、「ない」との回答も42.5%(1506人)に上り、影響があるとした回答の合計と拮抗した。「どちらともいえない」は21.0%(745人)だった。なお、百分率は「現在、診療はしていない」と回答した45人を除外して算出した。

 次に、具体的にどのような影響があったか、自由記述方式で尋ねた。書き込まれた内容は多岐にわたり一般化は難しいが、「説明すれば患者は納得し、実際に薬を中断した患者は少なかったが、そのためにかなりの時間を要し、ただでさえ多忙な日常診療がさらに圧迫された」というのが多数意見と感じた。

 実際に自己判断で薬をやめた患者がいて検査値が悪化したとか、手術を勧めても拒否されたとの回答は、数は少ないもののいくつか寄せられた。これに対して、「自己判断で患者が降圧薬を中止したが、その後も血圧は安定していて、本当に薬は不要だったのかもしれないケースを経験した」との回答も1件あった。

 このような自己判断による休薬に対して、「最後は患者が自分で判断すること」と半ば突き放す意見が散見されたが、「自分に相談してくれず、偏った情報から自己判断して治療を放棄してしまった患者がいるはず」と、去ってしまった患者の存在を心配する指摘も多かった。

問2:具体的には、どのような影響がありましたか

・10人ほどの患者が雑誌の切り抜きを持ってきて、「薬を飲んでて大丈夫か」と聞いてきた。(40歳代勤務医、脳神経外科)

・3人ほどから「私の飲んでいる薬が週刊誌に載っていましたが、どうなんでしょうか?」と尋ねられた。うち2人は、重要性や副作用の頻度、万が一副作用が出た時の対処法など、こちらが詳しく説明し分かってもらえました。しかし1人は、何を言っても聞いてくれず、週刊誌の方を信じて薬を止めてしまいました。最終的には患者さんの判断なので、自己責任でする分にはしょうがないです。(50歳代勤務医、外科)

・長く通っている人は内服中止などの問題はないものの、相談を受けた結果として診療時間が延びた。外来が長くなった分を請求したいくらい、腹が立っている。(50歳代勤務医、内科)

・ずっと高コレステロール血症で内服されている患者から、今後の治療の要否について質問されました。「飲む方が良いというエビデンスがある一方、飲まないほうが良いという明確なエビデンスはなく、また副作用については定期的にフォローしていますが、最終的に決めるのはあなたです」というような話をしました。今は継続治療しておられます。(50歳代勤務医、内科)

・「あの記事は本当か?」という質問は多いが、薬をやめたり拒否した患者はいない。(60歳代診療所勤務医、内科)

・手術を提案しても週刊誌を出されて拒否された。(30歳代勤務医、消化器外科)

・飲んではいけない薬に入っていた薬剤を中止し、脂質や血糖コントロールが非常に悪化した患者がいた。(40歳代勤務医、代謝・内分泌内科)

・当院に転院したばかりの患者さんが、自己判断で降圧薬を中止した。だが中止後も血圧は安定していたため、本当に不要だったのかもしれない。(40歳代開業医、代謝・内分泌内科)

・あの記事が噴飯ものであることを説明。大半は理解していただけたが、薬価が高いことに不満があった患者さんはジェネリックに変更した。(60歳代開業医、内科)

・以前はマメに(このような記事を)読んでいましたが、今は気にしません。中にはそういう話をされる方もいますが、自分の考えをお話しさせていただいています。(50歳代開業医、整形外科)

・危険な薬を出していると誤解され、良好だった医師・患者関係にひびが入った。(60歳代開業医、消化器内科)

・患者に直接的に言われることはないが、不信感を持たれている可能性はある。(30歳代勤務医、麻酔科)

 最後に、今回のキャンペーンに対して、どのような印象を持っているかを聞いた。偏った情報を一方的に流す週刊誌に対する憤りが圧倒的だったが、アンジオテンシン2受容体拮抗薬を使った大規模臨床試験で指摘された一連の不正や腹腔鏡手術での事故などを例に、医療側としても襟を正すところがあり、反面教師として捉えるべきという意見も多かった。また、今回の騒動をきっかけに、患者が自分の治療にもっと関心を持ってくれるとありがたいという意見もあった。

問3:先生は、このキャンペーンに対してどのような印象持っていますか

・外来での患者からの問い合わせは思っていたほど多くはなく、いずれもきちんと説明すれば納得してもらえた。だが最も懸念されるのは、問い合わせすることなく勝手に服薬、通院を止めてしまう患者が必ずいるであろうこと。(このようなネガティブキャンペーンは)言語道断。売れている薬剤というのは、有効性の立証されている優れた薬剤がほとんど。特に脳心血管疾患の2次予防目的に服用中の患者が自己中断し、後遺症を残す疾患を再発したら誰が責任を取るのか。科学的根拠のない記事を興味本位に書き立てる無責任な姿勢に怒りを覚える。それを支持するとして名を出している、れっきとした医師にも唖然とする。(50歳代勤務医、循環器内科)

・他の業界で、例えば「ソバはアレルギーが出る場合があるので食べてはいけない」などというキャンペーンをしたら、訴訟を起こされるのではないか。なぜ医師会が週刊誌の名前を挙げて全面的に抗議しないのか不思議です。(50歳代診療所勤務医、代謝・内分泌内科)

・雑誌を売るためなら、人の健康を犠牲にしても構わない人々がいることが信じられない。(50歳代開業医、内科)

・記事内容と見出しが異なり、見出しにより患者に誤解を招いている。(30歳代診療所勤務医、代謝・内分泌内科)

・(キャンペーンの)記事をほぼ読みました。全てが嘘ではないが、論拠のないコメントも散見され、全体にマイナス面のみを取り上げており、一般の人たちの不安と不信をあおるような記事になっていると思いました。もっとも、医者の言うがままに治療を受けたり、何かあるとすぐに病院、すぐに薬といった傾向が強い、日本人の気質を考え直す1つのきっかけにもなると思います。(20歳代勤務医、精神科)

・患者が自分の病気や症状を自ら勉強するきっかけになってくれればいいと思う。また、安易に薬の処方を希望する患者が減ってくれればいいと思う。(40歳代勤務医、消化器内科)

・最近、高齢者の慢性疾患に対する薬が、統計的に有意というエビデンスのみで、幅を利かせているような気がします。急性期の症状を緩和するような薬は効果がすぐ分かりますが、慢性疾患の薬は、実際にコストに見合った効果があるのか、不明なものも多いと思います。週刊誌の内容は必ずしもうなずけるものとは言えなくても、考えさせられる点も、もちろんあります。ただし、週刊誌に影響されて処方は変えてはいません。このような機会をきっかけに、学会やマスコミが、どこが正しくてどこがおかしいのか議論することになればいいと思いますが、いつもそのような方向に進まないのが残念なところです。(60歳代診療所勤務医、代謝・内分泌内科)

・問題提起としてはいいと思います。医師の説明不足が問われていると思います。(60歳代勤務医、外科)

・いつの時代でもこういうことは話題になるので、気にしていない。(50歳代診療所勤務医、小児科)

・扇動するのはマスコミの常。(50歳代勤務医、泌尿器科)

・こういうネガティブキャンペーンのあとは、たいがい何らかのとんでもない政策を国は打ってくるので、興味深くはあります。(40歳代勤務医、精神科)

・診療は医師と患者さんとの信頼関係で成り立っていますので、十分に説明してもそのような記事を信じる方は、無理に治療を勧めても納得してくれないでしょう。それは仕方がないと思います。(50歳代開業医、眼科)

・乳腺外科専門医です。(1)手術の要否、(2)手術方法(温存か全摘か)、(3)補助薬物療法(特に化学療法、遺伝子抗体療法)などについて、セカンド・オピニオンを繰り返し求められています。当方の説明に対して懐疑的な態度を示されるのは残念。医師・患者関係のもろさを感じています。癌などの病気は、症例ごとに進行度も生物学的性格も異なり、治療法にしても、手術術式の適応や薬物適応の選択も異なっています。基礎的知識に乏しい患者に対して、権威ある学者のふりをして偏った意見を押し付けるのは、極めて不適切と考えます。(70歳以上勤務医、外科)


  1. 2016/09/29(木) 06:21:26|
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9月27日 

https://www.m3.com/news/iryoishin/462497
「勤務医は依然不足」、日病が医師偏在対策で見解
「臨床研修後の地方勤務の義務化」「保険医を更新制」など

2016年9月27日 (火) 高橋直純(m3.com編集部)

 日本病院会の堺常雄会長は9月26日の定例記者会見で、議論が進む医師偏在対策についての日病常任理事会での議論を報告した。また、日病の役員等が経営する78病院に対して新専門医制度に関するアンケートを実施することを明らかにした。10月中に報告する見通し。

 常任理事会は9月24日に開催された。堺会長は、まず現状認識として、「医師の総量不足か、偏在なのかでは、病院としては不足している」として、日病の試算では現状の1.2倍(4万人程度を追加)の医師が必要と指摘。その上で、現状のペースで医師を養成する必要があるとし、特に「専門医が多すぎるので、総合診療専門医とは言わないが、総合診療医の育成やチーム医療の推進が必要」と訴えた。

 地方での医師不足に関連しては、近年増加している地域枠学生について、「地方ではその地域以外の学生が来て、近い将来に元の地域(出身地)に戻っている。大学側では偏差値の議論になるが、地域枠に関しては地元出身だけに限定できないかという意見が出た」と紹介した。

 また、中間結果が公表されたばかりの医師臨床研修マッチングについては、「全国医学部長病院長会議はマッチングが『諸悪の根源』と言うが、首都圏、大都市圏では定員制限がかかっている。2003年は6都府県で研修する医師の割合が51.3%だったのが、2016年には42.6%になり、地方の医師採用数が増えている」と説明。初期研修が終わって大学に勤務する医師は2010年の51.9%から2014年に54.4%に増えているとし、今後も地域、大学に戻る医師が増えることが想定されると指摘した。専門医制度に関連しては、「マッチング制度の導入」、「臨床研修後の地方勤務の義務化」「保険医を更新制にし、地域貢献を要件に課す」などの対策も提案されたという。

 質疑応答では、専門医制度を偏在対策に活用しようという意見が出ている点について、堺会長は「(後期研修も)地域住民を通じた研修で力を磨くことが重要。大都会でないと到達目標が達成できないようでは厳しいのでは」と述べた。また、厚労省の審議会で、日本専門医機構の役割・権限の法制化が提案されたこと(『「専攻医の定員、専門医機構や県の権限法制化」を検討』を参照)を受けた「専門医機構はそれに耐え得る組織か」という質問に対しては、「耐え得るものと期待している。1年間立ち止まったので、ぜひ頑張ってほしい」と答えた。

 また、自民党の国会議員で組織する「医師偏在是正に関する研究会」が結成されたこと(『「医局復活で、医師偏在解消を」との意見も、自民党研究会』を参照)について、「気を遣っていただいているようだが、大学医局の復活が近道という意見は、必ずしも当たっていないのでは」とけん制した。



http://mainichi.jp/articles/20160927/ddl/k06/010/074000c
米沢市
医療連携の協議開始 市立病院と民間統合視野 /山形

毎日新聞2016年9月27日 地方版

 米沢市は26日、建て替えを検討している同市立病院(同市相生町、病床数322床)と民間病院、三友堂病院(同市中央6、190床)の統合を含む医療連携の協議を始めたことを明らかにした。市議会市立病院建替特別委員会で、市立病院事務局の担当者は「今年度中に一定の方向性を出したい。その後、現在の病院建替基本構想を練り直すこともあり得る」と述べた。

 同事務局によると、医師不足により両病院とも深夜の当直体制が厳しくなっているという。特に市立病院では5月中旬に精神科の閉鎖により、拍車がかかったという。

 これを受けて市内の救急医療体制の維持を目的に、昨年から三友堂病院と事務レベルの協議を開始。先月、中川勝市長が改めて三友堂病院に医療連携の話し合いを申し入れ、合意したという。診療科のすみ分けや統合を選択肢として、近く本格的な協議に入る考え。

 26日に記者会見した中川市長は、20日に厚生労働省に地域の医療連携に関する相談をした際、「再編統合という手法が出た」と述べた。

 県は、人口減少に対して2025年を見据えた地域医療構想を今月中に示す予定だが、地域では医療連携の模索が始まっている。【佐藤良一】



http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201609/20160927_63041.html
いわき市立病院で贈収賄容疑 医師ら2人逮捕
2016年09月27日火曜日 河北新報

 いわき市立総合磐城共立病院(福島県いわき市)で使用する医療機器などの納入を巡って便宜を図ったとして、福島県警は27日、収賄の疑いで同市内郷御台境町、同病院の医師近藤俊一容疑者(50)を、贈賄の疑いで福島市栄町、医療機器販売会社役員引地仁容疑者(57)を逮捕した。
 近藤容疑者の逮捕容疑は、病院で使う医療機器や診療器具の納入で、引地容疑者の会社に便宜を図った謝礼として2013年10月から今年7月まで、自宅とは別にあるマンションの賃料約521万円と15年9月に出掛けた旅費など約26万円を引地容疑者から受け取った疑い。県警は両容疑者の認否を明らかにしていない。
 県警によると、マンションは引地容疑者の会社が契約し、近藤容疑者が使用していたという。
 磐城共立病院のホームページによると、近藤容疑者は心臓血管外科主任部長。福島県立会津総合病院などを経て08年7月から磐城共立病院に勤務している。



http://news.livedoor.com/article/detail/12071553/
抵抗できない女性患者にわいせつ行為の疑い、47歳病院医師を逮捕 長野
2016年9月27日 17時5分 産経新聞

 長野県警長野中央署は27日、抵抗できない状態の女性患者にわいせつな行為をしたとして、準強制わいせつの疑いで、長野市栗田の栗田病院に勤務する医師、伊藤樹(たつる)容疑者(47)=千葉県松戸市=を逮捕した。

 逮捕容疑は昨年12月21日夜、同病院内で、抵抗が不可能な状態にあった、長野県北信地方の10代の女性患者に対し体を触るなどのわいせつな行為をしたとしている。女性の関係者から同署に届け出があった。

 栗田病院によると、伊藤容疑者は昨年から精神科で勤務しているという。勤務医が逮捕されたことについて、同病院は「現在正確な情報を収集中で、警察が捜査中でもあり、コメントは差し控える。皆様にご迷惑をおかけしたことについて心からおわびする。今後、状況を見極めながら可能な限り説明責任を果たしていく」とコメントした。



http://www.chunichi.co.jp/s/article/2016092890001617.html
患者にわいせつ行為した疑い 長野の精神科医を逮捕
2016年9月28日 00時16分(中日新聞)

 患者にわいせつな行為をしたとして、長野中央署は27日、準強制わいせつの疑いで、長野市の栗田病院医師伊藤樹(たつる)容疑者(47)=千葉県松戸市竹ケ花西町=を逮捕した。

 逮捕容疑では、昨年12月21日夜、病院内で抵抗できない状態にある北信地方の10代の女性患者の体を触るなどしてわいせつな行為をしたとされる。署は認否を明らかにしていない。

 病院などによると、伊藤容疑者は昨年4月から精神科に週4日勤務、女性は入院していた。



http://www.medwatch.jp/?p=10528
新公立病院改革プラン、2015年度中の策定は76病院で全体の8.8%―総務省
2016年9月27日 メディウォッチ |医療・介護行政をウォッチ

 今年(2016年)3月末時点で、新たな公立病院改革プランを作成している病院は76で、全体(867病院)の8.8%にとどまっており、2016年度中に策定予定の病院が769で、全体の88.7%となっている―。

 総務省は21日に、こうした状況を発表しました(総務省のサイトはこちらとこちらとこちら)。

ここがポイント!
1 経常収支黒字化目標などを2015・16年度中に全公立病院で策定
2 愛媛県立中央病院や日本海総合病院など76病院で策定済


経常収支黒字化目標などを2015・16年度中に全公立病院で策定

 公立病院については、2015年度または16年度中に「新公立病院改革ガイドライン」に沿った改革プラン(新公立病院改革プラン)を策定することが求められています。

 ガイドラインでは、新改革プランにおいて各病院が(1)地域医療構想を踏まえた役割の明確化(2)経営の効率化(3)再編・ネットワーク化(4)経営形態の見直し―という4つの柱を立て、それぞれについて具体的な計画と目標を設定するよう指示しています。

 (1)の役割については、具体例として ▼山間へき地・離島などの過疎地などにおける一般医療の提供 ▼救急・小児・周産期・災害・精神などの不採算・特殊部門に関わる医療の提供 ▼県立がんセンター、県立循環器病センターなど民間医療機関では限界のある高度・先進医療の提供 ▼研修の実施等を含む広域的な医師派遣の拠点―などの機能を示しています(関連記事はこちらとこちら)。

 また(2)の経営の効率化では、対象期間(プラン策定年度または次年度から2020年度まで)中に経常黒字化する数値目標を定める(著しく困難な場合には、経常黒字化を目指す時期と道筋を明らかにする)ことを掲げ、目標達成に向けて ▼民間的経営手法の導入 ▼事業規模・事業形態の見直し ▼経費削減・抑制対策 ▼収入増加・確保対策―などを具体的に示すよう求めています。

 さらに(3)の再編・ネットワーク化においては、とくに ▼施設の新設・建替等を行う予定の病院 ▼病床利用率が特に低水準(過去3年間連続して70%未満)の病院 ▼地域医療構想などを踏まえ医療機能の見直しを検討することが必要な病院―について「再編・ネットワーク化の必要性について十分な検討を行う」(つまり統合などを行う)よう指示。

 また(4)の経営形態については、これまでどおり ▼地方公営企業法の全部適用 ▼地方独立行政法人化(非公務員型) ▼指定管理者制度の導入 ▼民間への譲渡―などを検討するよう要求しています。

愛媛県立中央病院や日本海総合病院など76病院で策定済

 総務省が2016年3月末(つまり2015年度末)の新改革プラン策定状況を調査したところ、すでに策定済の病院は76で全体の8.8%にとどまっています。もっとも策定に取り組んでいる病院は628(全体の72.4%)で、策定済と合わせて全体の81.2%・704病院が何らかの形で新改革プラン策定に着手していることがわかりました。

 残りの163病院・18.8%では、プランの「検討中」にとどまっています。

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新改革プラン策定が求められている867病院のうち、2015年度に策定済は76件だが、策定に着手している病院は628件あり、全体の8割超で何らかの着手をしていることがわかった

 都道府県別に新改革プランの策定状況を見ると、▼東京都(2015年度策定済が8病院・47.1%) ▼香川県(同5病院・41.7%) ▼大阪府(同7病院・30.4%) ▼神奈川県(同6病院・30.0%)―などでは、比較的順調に進捗していることが分かります。

 一方、▼佐賀県(2015年度末に策定に着手しているのが4病院、50.0%) ▼奈良県(同6病院・54.5%) ▼埼玉県(同8病院、57.1%) ▼石川県(同10病院・58.8%) ▼山梨県(同9病院・60.0%)―では、やや進捗に遅れが見られます。
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スライド2
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都道府県別の策定状況(その2)
 

 なお、既に策定済の病院は、▼市立札幌病院(北海道) ▼奥州市総合水沢病院(宮城県) ▼日本海総合病院(山形県) ▼栃木県立がんセンター(栃木県) ▼東京都立墨東病院(東京都) ▼みなと赤十字病院(神奈川県)▼国民健康保険小松市民病院(石川県)▼福井県立病院(福井県)▼長野県立こども病院(長野県) ▼美濃市立美濃病院(岐阜県) ▼岡崎市民病院(愛知県) ▼彦根市立病院(滋賀県) ▼京都市立病院(京都府) ▼大阪府立成人病センター(大阪府) ▼加古川西市民病院、同東病院(兵庫県) ▼府中市民病院(広島県) ▼下関市立市民病院(山口県) ▼高松市民病院(香川県) ▼愛媛県立中央病院(愛媛県) ▼高知県・高知市病院企業団立高知医療センター(高知県) ▼長崎みなとメディカルセンター市民病院(長崎県) ▼那覇市立病院(沖縄県)―などです。

 

https://medical-tribune.co.jp/news/2016/0927504824/
医師事務、名称は「臨床支援士」で統一を〔CBnews〕
医師事務研が決議

CBnews | 2016.09.27 13:25

 NPO法人「日本医師事務作業補助研究会」はこのほど、札幌市内で通常総会を開き、医師の事務作業などを支援する医師事務作業補助者について、「臨床支援士」という職種名で統一する決議を採択した。

 医師事務作業補助者は、診断書や紹介状の作成など、主に医師の事務作業をサポートする職種。勤務医の負担を軽減するため、2008年度の診療報酬改定で人員体制を評価する加算が新設され、今年4月の改定では、大学病院など特定機能病院も対象に加わった。

 現在、診療報酬上は医師事務作業補助者という名前が使われているが、「医療クラーク」や「医療秘書」など、医療機関によって呼び名が異なる。このため、同研究会では昨年5月から、新たな職種名について検討していた。

 同研究会の矢口智子理事長(金沢脳神経外科病院・診療支援部副部長)は、「近年、チーム医療の中で、『医師と多職種』『医師と患者さん』をつなぐ調整役としての役割も求められています。まずは研究会内で使用し、将来的に全国に普及させたい」と話している。

(2016年9月26日 敦賀陽平・CBnews)



http://toyokeizai.net/articles/-/137729
横浜市病院中毒死事件、「連続殺人」で捜査
何者かが点滴に消毒液を混入

読売新聞 2016年09月27日

病院前には外来患者の休診を知らせる貼り紙も(26日午後7時51分、大口病院で)

横浜市神奈川区の大口病院で20日未明、入院患者の八巻(やまき)信雄さん(88)が点滴への混入物により中毒死した事件で、神奈川県警は26日、別の男性患者1人も中毒死と判明したと発表した。

八巻さんと同様、消毒液に使われる界面活性剤の成分が男性の体内からも検出された。県警は、何者かが2人の点滴に消毒液を混入させるなどした疑いが強いとみて、連続殺人事件として捜査を進める。

県警の発表によると、新たに中毒死と判明したのは、横浜市青葉区梅が丘、西川惣蔵(そうぞう)さん(88)。高齢患者が多い同病院4階の八巻さんと同じ病室に13日から入院し、18日午後7時頃に死亡した。

4階では、18日から八巻さんが死亡した20日未明までの間、西川さんを含む男女3人(80~90歳代)が死亡。医師はいずれも病死と判断していた。

しかし、3人とも火葬前で遺体が残っており、県警が司法解剖や薬物検査を行い、死因を調べ直していた。

その結果、西川さんの体内から、八巻さんと同じ界面活性剤の成分が検出され、県警は殺人事件と断定した。残る2人については、改めて病死と確認されたという。



http://www.j-cast.com/healthcare/2016/09/27279026.html
患者を「様」づけしたら横暴になった 呼び方ひとつで相手を見下すように
2016/9/27 17:30  J-CAST ニュース

病院で患者に「様」をつけて接していたら、一部の患者の態度が横柄になったという投書が、2016年9月20日の朝日新聞(大阪)朝刊に掲載された。問題化したため、以前の「さん」づけに戻したら患者も軟化したという。

実は国の主導で、全国の病院で患者への「様」づけが促された時期があったが、「さん」づけに戻す院が増えているようだ。

暴力、セクハラと「モンスターペイシェント」化

新聞投書は、京都府の63歳の作業療法士が寄せたものだ。勤務先の病院の方針で、患者の名前を「様」づけで呼び始めたが、一部の患者はスタッフに暴言・暴力をはたらき、セクハラ行為をするほどにまで態度が悪化したという。病院内で議論の末、以前の「さん」づけに戻したら、患者の態度も徐々に変化し、「様」づけ前に戻ったとのこと。

投書者は、「日本のサービス業は素晴らしく、『お客様は神様』のような対応を受けることが多い」から、患者は無意識のうちに横柄になってしまったと見ている。「神様」のように扱われた患者が、病院スタッフとの間に上下関係を見出してしまったのだろうか。

実は患者への「様」づけは、厚生労働省の医療サービス向上委員会が2001年、医療機関に求めたのが節目となり、全国に広まった。

ところが、「様」づけに違和感を覚える病院が徐々に出てきたようだ。日本医療学会はウェブサイトで15年7月31日、「様」づけによって「『患者は顧客』であるといった言葉が当たり前のように広まった」とする記事を掲載。医療施設は国民皆保険にもとづく国民全員の「公共財」であるはずが、「私物化し、ちょっとしたことでも直ぐに苦情を行動に移される方」が一部で出始めたという。それが「円滑な日常診療を妨げ、多くの患者さんに迷惑を掛けてしまう結果となっている」とした。

「ごく一部のモンスターペイシェントと呼ばれる患者さんの対応に病院が振り回されてしまっているのが現状」
と憂慮し、そのため「数年前から徐々に元のように『・・さん』呼称に戻ってきているそうである」という。

「一部の間で『誤った権利意識』や『変なお客様意識』を助長」

国立病院機構・宇都宮病院は、「様」から「さん」に敬称を改めるとする文書を12年11月1日付でウェブサイトに発表した。その理由に「一部の人の『誤った権利意識』や『変なお客様意識』を助長している、との指摘もあります」「当院への投書の中にも『患者様』の呼び方を改めるべきとの意見があり、連携している医療機関からも同様の意見が寄せられています」といった点をあげている。

医療法人桜桂会・犬山病院(愛知県犬山市)は、加藤荘二院長名義で、「『患者様』から『患者さん』へ」というお知らせを08年4月に病院ウェブサイトに掲載した。そこで、

「医療はサービス業であり、患者さんは顧客(お客様)で、外来等の窓口に限ればデパートやホテルと同じように『様』でもおかしくはないでしょう」
としつつも、特に治療が長期にわたる場合は患者との関係に

「水平性(対等性)が要求されますが、『様』では上下関係が意識されたり他人行儀となったりで、治療への一体感が生まれません」
と主張している。加えて、「日常生活指導等をしたり、時には本人の意に反する入院(医療保護入院)をさせたり、さらには隔離や拘束することもある等、『様』づけでは実態には合いません」という理由から、「『さん』づけが自然で程良い呼び方と思われます」という。

敬称だけで心理はどう変わるのだろうか。「様」と「さん」ではないが、「さん」「くん」「ちゃん」それぞれが与える印象を比較検証した文献が、2011年の日本心理学会第75回大会で発表され、ウェブサイトにも掲載された。

検証では、敬称だけが異なる大学生の150文字程度の紹介文を、242人に読んでもらった。内訳は「さん」79人、「くん」78人、「ちゃん」79人で、紹介文はすべて同内容だ。すると、「さん」づけだった人には「厳しい」「大人びた」「かわいくない」「ユーモラス」という印象が多かったのに対して、「くん」だと「優しい」「生真面目」、「ちゃん」になると「フレンドリー」「かわいい」「幼い」と変わった。敬称によって、それだけで印象や態度を変えてしまうのかもしれない。

朝日新聞 9月20日 大阪版 投書記事
客も人 気持ちいい関係大事
   作業療法士  ●●●●(京都府 63)


 10年くらい前のことである。当時勤務していた病院で,患者さんの名前に「様」を付けて呼びましょうということになった。世の中の流れがそうだったのだ。
 呼び方を変えた後、一部の患者さんの態度に変化が現れた.横柄になり、スタッフへの暴言や暴力、その上セクハラまで行われ始めた。医療はホテルのようなサービス業とは室が異なるのだから「様」で呼ぶ必要は無いのではとの議論の末、従来通りの「さん」に戻した。すると患者さんに再び変化が現れ.元に戻った。
 日本のサービス業は素晴らしく「お客様は神様」のような対応を受けることが多い。5日の声欄でベトナムの留学生も指摘していたが、客としては知らず知らずのうちに態度が横柄になっていきやすい、客対スタッフである前に人対人である。人として向き合い、気持ちよく関係を気付いていきたいと改めて思った、



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/49688.html
麻疹ワクチン、大学病院の一部で接種困難に- 患者増で在庫不足、小児優先も
2016年09月27日 18時00分 キャリアブレイン

 麻疹(はしか)の患者増加に伴い、大学病院の一部で麻疹ワクチン(MRワクチン)の接種が困難になっている。特に患者の報告が相次いでいる地域ではワクチンの確保が難しくなっており、十分な免疫を持っていない小児への接種を優先する大学病院も出てきた。【新井哉】



https://www.m3.com/news/iryoishin/458390?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD160927&mc.l=180193362&eml=3f492a08f1681d66441569ec02c0b51e
シリーズ: 私の医歴書◆北村惣一郎・国立循環病研究センター名誉総長
「専門医と診療報酬を連動」はとん挫◆Vol.27

2016年9月27日 (火) 橋本佳子(m3.com編集長)

――2005年からの日本専門医認定制機構の代表理事の時代、各学会の専門医制度を標準化するため、厚生労働省に法制化をかけ合ったこともある北村氏だが、構想はとん挫した。
 専門医制度を第三者的な立場で運営、認定するためには、医師に対しても、それを納得させるもの、つまりは専門医が得られるものは何かを考えることが必要。法律も、指針もないところで、学会が運営している専門医制度を標準化して第三者的に行うには、何らかのメリットを付けないと難しい。しかし、当時もそして今も、取得を難しくする半面、いまだにメリットが見えない。実は当時、厚労省保険局医療課長から診療報酬と連動させることは可能という話があった。厚労省からは、全専門医に加算を付けるのは無理なので、「優先順位があれば可能」と言われた。優先順位というと私も外科系が先だろうと思った。この頃、社会問題化していた心臓外科。東京女子医大学のほか、東京医科大学の心臓外科でも医療事故が相次いでいた。いずれも特定機能病院の承認取消という事態にまで至っていた。

 新聞でも数多く取り上げられ、専門医による手術で医療事故が生じたことから、「名ばかり専門医」などと、新聞でもだいぶ叩かれた。以前の心臓血管外科の専門医は、技術審査やNCDのような症例登録のデータベースはなく、各自が「心臓弁膜症の置換術18例、冠動脈バイパス術20例」などと書いて出し、筆記・面接試験に合格すれば、それで通っていた。

 それを改め、外科系専門医は、ビデオ審査、あるいは実際の手術を見学するなどして審査を厳しくし、審査に合格した専門医の手術については、例えば、2500点加算しましょうとか、そんな話まで出ていた。けれども、「北村は心臓外科やないか」と、「あいつは自分の科だけに、メリットを付けようとしている」などと、陰でささやかれるようになって、白紙になってしまった。

 私の専門がたまたま心臓外科だっただけで、利益誘導の意図は全くなく、社会問題化していた心臓外科専門医を高質化する例として取り上げたにすぎない。それが理解されず代表理事を降りた。次の代表は内科系から選ばれたが、現在再び混乱状態となってしまった。

――長年、専門医養成に携わり、日本専門医制・評価認定機構の代表理事を務めた立場として、専門医はどうあるべきか、また今の専門医制度をめぐる混乱をどう見ているのか。
 専門医制度は第三者的に評価し、社会に対して、医療の透明性を高める仕組みであることが必要。学会が身内を審査すると、どうしても利益相反が生じてしまう。しかし一方で、第三者的に評価する以上は、専門医を目指す医師たちにもメリットが要る。ただし、全ての専門医に一斉にやるのは難しいから、試行的に専門医に対して点数を付けてみる。この基本的な考えは、私が代表理事を務めていた時代から、変わっていないが、「一部だけにメリットを付けるのは、絶対に反対」という声が生じる。

 しかも、今の日本専門医機構は、私の時代とは異なり、学会だけでなく、医師会や病院団体なども入り、さらに利害の調整が難しくなっている。臨床系だけではなく、社会医学系や基礎医学系でも、専門医を作る動きが出てきた。将来、専門医に対し、何らかのメリットが付くのではないか、と考えているからだろう。

 その上、厚労省も以前と違い、費用を一部負担するようになった。厚労省には、専門医の領域別と地域別の数、分布を把握し、調整したいという意図があるのだろう。

 同時に、専門医制度を機に、大学の力を復権させたいという動きも出てきた。大学の人事力が弱くなったのは、2004年度に初期臨床研修が必修化されて以降のこと。初期研修医が、各病院に自分でアプライできる仕組みができ、大学派遣という形態が崩れた。医師が勝手に自分で行き先を決めてしまうから、大学の権限が無くなった。それを取り返す絶好の機会だと考えている大学がある。

 今回の新専門医制度では、地域の中核的な市中病院であっても、大学から、「基幹病院は、大学だけにしてもらいたい」といった連絡が来たと聞く。大学病院が基幹病院になるから、その関連病院になってほしいということ。けれども、今の時代、市中病院であっても、一つの大学からの医師派遣で成り立っているところはほとんどなく、複数大学の出身者が混在しているから、それは難しい。国立病院機構、JCHO、日赤、済生会なども専門医研修に取り組んでいる。私は大学に対しては、「人事権を取り戻そうとして、囲い込み的なことをしていたら、病院や病院団体から反発が来る」と言っていたら、その通りの事態になった。

 さらには、自治医大の問題も絡んでくる。自治医大の卒業生の義務年限は9年。へき地などの勤務になったら、専門医はなかなか取得できなくなる。新専門医制度をめぐっては、解決すべき課題が多数ある。日本専門医機構は医学会だけでなく、医師会・各種病院団体から代表が出て理事長も代わり、再出発することになったが、この10年は何だったか新しい事業内容を明確にして考えよう。今までは、専門医は学会中心で行われてきたが、今後はどうなるか楽しみ。やはり努力する者、医師にはメリットも付けたいところだ。


  1. 2016/09/28(水) 05:49:30|
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9月26日 

https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20160926-OYTET50040/
ニュース・解説
地域ごとの医師偏在、解消狙い指標導入…厚労省方針

2016年9月26日 読売新聞

 医師偏在の実態を把握するため、厚生労働省は医師の過不足を地域比較できる指標を新たに導入することを決めた。

 国や都道府県が地域ごとの医師の偏りを的確にとらえ、有効な対策を検討するために活用する。厚労省は、早ければ2018年度の導入を目指す。

 指標は、各地域にいる医師数と患者数を基本に、地域の面積、山間地や離島の有無、特定の診療科だけを開設する病院の有無といった地域事情を加味して算出する。都道府県が生活圏ごとに指標を計算し、医師の過不足を明らかにする。都道府県や診療科ごとの算出もできるようにする。

 過不足が分かれば、若手医師の臨床研修先となる病院の定員を調整したり、医学部の地域枠卒で地元での勤務が求められている医師に不足地域での診療を要請したりすることが可能になる。この指標により、対策の効果を測ることもできる。



http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/47961?page=2&utm_source=nifty&utm_medium=feed&utm_campaign=link&utm_content=next
ドイツが嗤う日本の専門家教育 過疎地にも必ず家庭医がいるデンマークと無医村の多い日本
伊東 乾
2016年09月26日 07時00分 日本ビジネスプレス

 10月8日に行います国大協・大学改革シンポジウムの案件でドイツ側(ミュンヘン工科大学)とやり取りをしている中で「なぜ日本には高等教育に戦略が皆無なのか?」という素朴な疑問を寄せられます。

日本の高等教育に戦略がない?

 文科省や大学経営陣が下手に耳にすると怒りだしそうな表現ですが、これは海外から見ると文字通りで、人材育成に関して国としてのビジョンがほぼ、ない。

 例えば医者不足、弁護士不足といった話が出、医学部や法科大学院の定員をいじったりすることはあっても、それで本当に問題を解決するところまでプロフェッショナルを育成する制度設計まで話が進むか、と言えば・・・全然解決していませんよね。

 ドクターヘリは飛ぶようになったけれど、今もって無医村は無医村、過疎地は過疎地。

 東京にはやたらたくさんの弁護士事務所があり、司法修習の教官から「ここにいる人の何割かは以前なら絶対に司法試験に合格していなかった人が混ざっています」とか嫌味を言われます。

 一方、地方に行くと法曹は圧倒的に人材が不足して、特定の街の弁護士事務所がオーバーフローといった状況が大きく変わったという話は聞かない気がします。

 違う、という方がおられましたら、どうか実例をお教えください。以下では「残念な日本の現状」を前提に、高等教育と次世代人材育成において「日本には戦略が欠如している」と言われるゆえんを、検討してみたいと思います。

医局崩壊と研修医
 医師が一番分かりやすいので、ここから話を始めましょう。人間の健康や病気、生命に関わることですから、誰もが社会的な必要性を認める職掌であるからです。

 日本の医療制度は、国際的に見れば良い方だと思います。国民皆保険、医療サービスは充実し世界有数の長寿国にもなった。

 と同時に少子高齢化や医療費のパンク懸念など、別の問題も生み出している。

 こういう観点はグローバルに論じられますが、医療関係者の次世代人材育成という点では必ずしも問題解決に直結したシステムが確立されているとは言えません。

 かつて存在したインターンをつけ替えるような「医局支配」は「研修医制度」が導入されて「崩壊した」と言われます。

 かつて、戦後の日本では医学部卒業後、臨床現場での徒弟見習い期間を経て医師国家試験の受験資格が与えられる、という時代があり、この間は学生でも医師でもなく、若い医者の卵たちは実質ただ働きさせられていました。

 学園紛争華やかなりし時代、医学部から蜂起の手が上がった背景には、この通称インターン制度、実質的なただ働き強要の体制への疑問や抗議があった。


 この徒弟制度的な医師法は1968年に改正されますが、学園紛争のピークはその後も続き、髪の長かった全共闘が普通のオジサンになる頃には、無償奉公の徒弟制度はなくなり、医学部卒業直後から医師国家試験は受けられるようになった。

 しかし、医師免を取った後2年間、臨床研修に努めるようにという「努力研修」なる不可思議な制度が残存、免許はあるけど手取りは低い医師の人身が、医局都合であちこち張りつけ変えられるという時代が1970年代からほぼ1世代分続きました。

 私が物心ついた時期は、まさにこの世代で、従兄弟や先輩、友人など医学部に行った人たちは研修医時代、数万円程度の報酬に抑えられる大学病院だけでは食べていけないので、あちこちでアルバイトをしながら食いつないでいました。

 そういう不安定な身分でアルバイト兼業などではなく、法で定めてしっかりした研修を義務づけ(バイト禁止)、その代わりに病院も研修医にきちんとした給料を支払うというの2004年以降の現行の制度になっています。

 かつては「医局の支配」で、行きたくもないとんでもない所に飛ばされる人などもいたのが、そういうこともなくなり、若い医師たちが主体的にキャリアを積むことができるようになった・・・。

 という側面もあるでしょう。が、同時に、医局がそれなりにバランスを判断して、そこそこの地方都市などでも、いわば「シマ」である病院に大学病院は若い医師を送り出していた。

 しかし2004年以降の制度では、臨床研修指導医の資格を持った医師がいて、かつ指導の設備(と症例数)が整った病院しか、給料の出る研修指導病院には指定されず、結果的に田舎の病院には指導医も研修医も行けない、行かないという状況ができるわけです。

 以前なら医局のローテーションで若い医者が送り込まれたような地方に医師が行かない。診療科目によってはほとんど医療の体をなしていないという科も出てくる。

 医師が不足しているといった声は、結局臨床現場から出てくるわけですが、だからと言って医学部で定員を増やしても、本当の意味での人材育成という観点からすれば、研修医が全国まんべんなく派遣配置されるといった状況にはないので、結局問題の解決には直結していない。

 縦割りされた行政のある一部だけで「善処した」で終わっているのではないか?

 こうした状況をもって「戦略不在」と言われても、日本としては一言も返す言葉がないことになってしまう。

保険制度の光と影~デンマーク「家庭医制度」を参考に

 逆の状況を考えてみましょう。北欧など高度福祉国家とよばれる地域では、一方で税率70%といった状況がありながら「医療費原則無料」「国民すべてに一人ひとり主治医」が張りつけられている、といったシステムが成立しています。

 デンマークに導入されている「家庭医制度」はその1つで、必ずしも欧州本土での国土は広くありませんが、島嶼部が多く、グリーンランドもデンマーク領、島が多い国情を考える必要があるでしょう。

 下手な制度を作れば「無医村」ならぬ「無医の離島」だらけにもなりかねない。そういう地政的な事情の中で、あらゆる国土の部分に医師がまんべんなく分布するような政策=国策というか戦略というか、が実施されているわけです。

 これがバイキングの文化伝統なのか、定かには知りませんが、何であれ地方の切り捨てというような話にはなっていない。

 しかし、問題がないわけではないようです。例えば「家庭医」とソリが合わないといったこともあるでしょう。いわゆるプライマリ・ケア、何でも見れるジェネラリストである「家庭医」の手に余る専門医療を受けようとすると、何カ月も順番を待たねばならな・・・などなど。

 必ずしもデンマークの制度がすべて良い、とか、家庭医制度を日本に、という話をしているわけではありません。

 問題は、医療現場で発生している人材不足を、高等教育と原版の人材育成とを合わせ、就労者の手取りなどまで含め、「ひと・もの・かね」が循環するという、最低限の当たり前が成立している、国の戦略として当たり前のことを当たり前と言っているのにほかなりません。

 日本はどうか。医療1つとっても、上記のようにまともに成立しているとは言えないでしょう。まして、他の専門では、最初から崩壊しているといった方が当っている。

 日本で「法学部」を出ただけの22歳の青年を、誰も法律の専門家として扱いません。そのように処遇しない、されない、端的にはそのような報酬を支払うシステムになっていない。誰もが知る通りです。

 学部だけ「経済学部」を出ても誰も22歳の青年を経済の専門家とはみなしません。

 その最悪のパターンが芸術、とりわけ私の専門、西欧古典音楽の人材育成は、社会システムとして循環する体をなしていません。

 西欧古典音楽の専門家を1人育てるのには、医者1人とあまり変わらないお金がかかって珍しくありません。

 例えばピアノ、試みに今、スタインウエイの価格をネットで検索したところ、あえてここにはリンクしませんが、最安値のものが920万円ほど、2100万といった値のものが並んでいました。

 でも、ピアノはまだ高が知れています。バイオリンやチェロの名器を手に入れようとすれば、家一軒では足りない場合も少なくない。

 これは単に楽器を買うというだけの話で、教育以前の準備です。レッスン料、発表会、もろもろ、もろもろ・・・。凄まじい出費になっても何の不思議もない。

 で、食べていけるシステムがあるかと言うと・・・。現在の日本社会には、端的に言って存在していないわけですね。

 国としての戦略は全くない。例えばそういう高等教育と社会の人材育成におけるアンバランスを、誰も正面から問うことをあえてしない。

 必然的にドイツ人から「不思議の国、日本」と言われてしまうわけです。



https://dot.asahi.com/aera/2016092300262.html
医学部37年ぶりの新設組、セールスポイントは「個性」
by 塚崎朝子
(更新 2016/9/26 11:30) dot.asahi / AERA

 30年以上、認められてこなかった医学部の新設が今春、来春と2年続けて実現する。さまざまな期待がかけられる一方、課題も見え隠れしている。

 2016年春、杜の都・仙台に国内で37年ぶりの医学部が誕生した。5年前の東日本大震災で地域医療も被害を受けた東北地方を支援する特例として、単科大学の東北薬科大学が新設。東北医科薬科大学に改称した。

 100人の定員に対し、初年度の実質の受験倍率は7.7倍と高かった。目玉は、医師を東北地方に定着させるための修学資金だ。

●関東からも多数入学

 学費は6年間で総額3400万円かかるが、これを国公立大並みの400万円に抑えられる返還不要の奨学金を35人分用意した。卒業後10年程度は東北地方に勤務するという条件を付け、宮城県の枠(定員30人)に加え、他の東北5県の枠(同5人、各県1人)もあり、東北地方の医療を担う志があれば、出身地を問わず出願できる。卒業生を受け入れる病院が返済することで、資金を循環させる仕組みだ。最大で800万円以下に抑えられる枠も20人分設けた。

 カリキュラムでは、地域医療に重きを置く。東北6県に実習先となる19の地域医療ネットワーク病院を配し、繰り返し訪ねる滞在型学習が特徴だ。災害医療も重視し、原発事故時の対応を学ぶシミュレーション訓練なども採り入れる。

 初代医学部長の福田寛氏は、「自治医科大学を除けば、地域医療をトップに据える唯一の大学として使命を果たしたい」と意気込む。

 16年度の1期生のうち、東北出身者の割合は受験者・合格者とも全体の3割強。人口の多い関東圏の学生が多い。彼らが東北に定着してくれれば、医師不足に悩む地域の朗報になる。

 医学部を新設しようという機運は、大震災の前から国内で高まっていた。05年ごろ、救急患者のたらい回し、自治体病院の閉院または診療科の廃止など、いわゆる医療崩壊が表面化。日本はOECD諸国に比べて人口当たりの医師数が少ないことも問題視された。

 09年に政権に就いた民主党は、「医学部定員を1.5倍に増やすこと」をマニフェストに掲げた。厚生労働省の実態調査で勤務医の絶対数不足が明らかになると、文部科学省は医学部新設の是非を論議する専門家会議を設置した。そんなときに、東北を大震災が襲った。

 被災地を含む地方自治体から打診を受けた文科省は13年末、東北地方で1校に限り医学部新設を認めた。そんな中で、東北福祉大学、宮城大学など仙台で存在感がある大学を退けて、東北医科薬科大学が開学した。

●「大先輩」に頼りつつ

 同大は1939年、東北・北海道地区唯一の薬学専門学校として設立されて以来、77年の伝統を持つ。06年に薬剤師養成課程が6年制になると、研修の充実のため、年金財政の「お荷物」だった東北厚生年金病院(466床)の譲渡を受け、単科の薬科大学として全国初の附属病院を設置していた。その実績がモノを言った形だが、医学部附属病院には600床が必要とされるため、16年にNTT東日本東北病院(199床)の経営も譲り受けた。

 仙台には、長らく東北の地域医療を支えてきた東北大学があるが、旧帝大の一つとして世界レベルを目指す役割も期待されている。福田学部長は「地域医療の負荷の一部を肩代わりし、すみ分けを図っていきたい」と強調した。

 医学部を新設するときの心配の一つが、教員の確保だ。特に、学生に教えられる経験豊富な中堅医師は地域の病院との取り合いになりかねない。「後任の人材がいるかなど、採用者の人選には特に慎重を期し」(福田学部長)、新たに着任した183人の教員の3分の1に当たる61人(うち臨床系43人)を、東北大学医局出身者で確保した。

●国際的な人材を育てる

 8月末には、国際医療福祉大学医学部を来春、千葉県成田市の国家戦略特区に新設することが認められた。37年ぶりだった今年から2年連続の新設になる。

 位置づけは、東北とはかなり異なる。「国際的な医療人材の育成のための医学部」だ。

 医学部入学定員140人のうち、20人は東南アジアを中心とした留学生を受け入れる。国際的に活躍できる医師育成のため、講義の大半は英語で行い、6年次には全員に4週間以上の海外での臨床実習を課す。

 5千平方メートル超と世界最大級の「医学教育シミュレーションセンター」や、専任教員25人による「医学教育統括センター」を設ける。診療参加型臨床実習を、4年生から90週間実施するのも売りだ。

 同大で医学部設置準備室長を務める池田俊也氏は、「既設の大学で実現できなかった新しい医学教育が実現できる」と意欲的だ。

 学費は6年間合計で1850万円と、全国の私立大学医学部では最低水準に抑えた。校舎や新病院の整備費用はかさむが、これには国際空港という特別な財源を持つ成田市が支援。医学部・附属病院の用地は、市が約33億円で取得・造成し、大学に無償貸与するほか、校舎建設にも45億円を補助する。16年4月にはひと足先に成田看護学部・成田保健医療学部が開学し、敷地内に医学部校舎、そして、20年の開院予定で附属病院(640床)を市内に整備予定だ。

 栃木県大田原市に本校がある同大は1995年開学。四つの附属病院を含む全国10病院と医療福祉施設などをグループ内に抱え、薬剤師、看護師、放射線技師、理学療法士……と、数多くの医療専門職を養成する学部を持つ。医師も自前で育てたいと、医学部設置準備委員会を10年に立ち上げていた。

 副医学部長に就任予定の吉田素文氏は、「全国に先駆けて医療関連職種の連携教育が行われていたが、医学部の参加で飛躍的に前進する」と語る。

 新たな附属病院は、国際空港に近い立地を生かし、外国人観光客の医療ツーリズムを当て込んでいる。

 一方、地元の千葉県は人口当たりの医師数が、埼玉県や茨城県に次いで少ないが、養成した医師の一定割合は千葉県に残る可能性もある。

 国内の医学部定員は、1970年代の医学部新設ラッシュ後、8200人超とピークを迎えた。その後、医師余りの見通しが出て、約7600人まで削減。08年に国公立大学に臨時枠が設けられてから再び定員増に転じ、15年は9134人。07年に比べると1509人増と、医学部15校分増に相当する。ここに2校の新設が加わることになる。

●10年後にらんだ施策を

 そんな政府の動きに対し、日本医師会や全国医学部長病院長会議は、一貫して医学部新設に反対を唱え続けてきた。大きな理由の一つが、医学生の学力低下、そして医療の質低下への懸念だ。

 日本医師会の推計では、25歳人口に占める医師国家試験合格者は、75年で512人に1人だったが、2015年には162人に1人になっている。

 全国医学部長病院長会議相談役で日本私立医科大学協会会長を務める寺野彰氏は、「最大の反対理由は、医学部を新設すると医師数の調整が難しくなること。既設大学の定員増でしのげば、減らすことは容易だが、医学部を潰すことは難しい」と訴える。

 別の国家資格をみても、人数の調整が難しいことがわかる。歯科医余りが起き、歯学部は定員割れにあえいでいる。続々とつくられた法科大学院は、司法試験の合格率が低く、合格しても弁護士業務の広がりは頭打ちという厳しい環境から、募集停止に追い込まれた大学もある。

 加えて、医学部を設立するには、他の学部にない複雑な事情がある。設備などに多大な費用がかかり、そこには税金投入という国民負担も生じる。さらに、医学部を出て一人前の医師になるには、入学から10年はかかるため、速効性はない。

 新設2校には、そんな逆風を乗り越え、「被災地支援」「国際的人材の育成」という存在意義を発揮してもらうことを期待したい。(ジャーナリスト・塚崎朝子)

※AERA 2016年10月3日号



http://blogos.com/article/191780/
外表に異常がなくても警察届け出は必要だ
ももちゃん
2016年09月26日 05:37 BLOGOS

10倍のインスリン投与、80代女性死亡 長崎の病院
朝日新聞 9月23日


 国立病院機構長崎川棚医療センター(長崎県川棚町)は23日、80代の女性患者に糖尿病治療薬のインスリンを必要量の10倍投与する医療ミスがあったと発表した。女性はその後死亡。解剖ができておらず因果関係は不明だが、病院側は女性が回復傾向にあったとして、過剰投与と死亡に「なんらかの影響があった」とみている。病院側はミスについて県警に届け出た。
 医療センターによると、女性は糖尿病などを患い、8月8日に入院。インスリンを含む栄養補給の点滴を受けていた。8月30日夜に、20代の看護師が医師の指示の10倍の量のインスリンを点滴で投与。女性は点滴から約8時間後の31日朝に死亡が確認された。看護師は専用の注射器を使わず、センターの手順で定められている複数人でのチェックも怠っていた。看護師は点滴を通してのインスリン投与は初めてだったが「自分一人でもできると思った」と話しているという。また、女性の血糖値を測定せずに架空の数値をカルテに記録していたことも判明。看護師は「女性の状態が安定していたので異状はないと思って測定しなかった」と話しているという。
 医療センターは、医療事故調査・支援センターに報告し、第三者による検証を行うという。

<患者中毒死>死亡患者の点滴に泡…界面活性剤を検出
毎日新聞 9月24日


 横浜市神奈川区の大口病院で入院患者の八巻信雄さん(88)が点滴に異物を混入され殺害された事件で、八巻さんが死亡した後、点滴袋の液体が泡立っているのを看護師が見つけたことが24日、神奈川県警への取材でわかった。病院は不審な点として県警に通報。県警の司法解剖などの結果、八巻さんの体内や点滴袋から界面活性剤の成分が検出された。県警は界面活性剤でできた泡とみて調べている。
 同病院では点滴袋をフロアごとのナースステーションで管理し、施錠のない場所に保管していたことも分かった。4階のナースステーションには、界面活性剤の成分が含まれる物品が置かれていたという。捜査関係者によると、ナースステーションに運び込まれる前の点滴袋は病院内の薬剤庫で保管され、薬剤師がフロアごとに翌日に使うものを用意。看護師らが担当するフロアのナースステーションに運んでいた。
 県警によると、4階に入院していた八巻さんの心拍数が低下し、アラームが作動したのは20日午前4時ごろ。4時55分に八巻さんの死亡が確認され、女性看護師が点滴の泡に気付いた。病院によると、看護師が午前3時過ぎに心拍や血圧を確認した際、八巻さんに異常はなかったという。捜査関係者によると、点滴袋に破れなどはなく、注射器を使用するなどして界面活性剤が混入された可能性がある。
 界面活性剤は水と油を混ざりやすくさせる物質で、洗剤や化粧品に含まれるほか、医療器具の洗浄や消毒に用いられる。大量に摂取すると中毒症状を起こし、死亡することもある。八巻さんと同じ4階に入院し、18日以降に死亡した80~90代の男女3人のうち、男性2人は点滴を使用していた。県警は点滴袋の残留物を調べるとともに3人の死因を詳しく調べている。【国本愛】



ここのところ、病院内で医療事故によって死亡したり、殺害された疑いのある事件が連続して発生した。診療関連死に関連して、警察を医療現場から排除しようという試みがなされ、その結果、外表に異常がなければ警察に異状死届け出は不要との、デマといってよいくらいの言説が流されているが、そんなことがまかり通っては、医療現場は犯罪見逃しだらけになるだろう。

長崎の事件は、これまでの判例からすれば、かなりの確率で看護師が業過致死で有責になるケースと思われる。しかし、すでに遺体は火葬され、解剖できないので、昨年新設された事故調から出される報告書を使って、警察と検察は有罪か否かを判断するのだろう。この点は、大野病院事件に似た手続きが取られるのではないかと思われる。解剖していないので、当然の結果として、インスリン投与による低血糖発作以外の死因について全く検討できないことになるが、そうした中途半端な手続きで、刑事的な責任を取らされたり、逆にうやむやとなってしまうようなことを遺族や医療者はどう考えるのだろうか。

今回の事例がそうであるが、昨年から実施されている医療事故調査制度では、解剖が法医解剖と異なり、承諾解剖に設定されており、解剖されないケースのほうが圧倒的に多くなると考えられる。その場合、真相究明ができなかった理由は遺族のせいになるか、承諾を取れなかった医師のせいになる可能性がある。解剖ができない場合は死後CT検査などを行うべきともされるが、そんな検査では中毒の診断などできない。行政側は誰も責任を取らないので、いい気なものだが、遺族や医師にとっては深刻な問題を生み出しかねない。

ケースによっては、遺族の怒りが収まらず、看護師のみならず、病院全体に隠ぺい体質があったと考えて警察に告発する場合もありうるだろう。そのような場合、広尾病院事件がそうであったように、病院側に悪気がなくとも、また、医師が直接薬物投与に関与しなくとも、医師がなんらかの罪に問われかねない事態に陥りうる。

そうならないよう、もしものときにどうするべきかは、今後再考すべきだろう。

神奈川のケース、今回は看護師が点滴の袋に泡が立っているのに気付いたので、さすがに気付かれて、解剖や薬物検査が実施されるようだが、ほかにも発生していなかったのだろうか。

日本以外のどんな国でも、末期がんなどで、あと何日かで死ぬだろうと予測していたケースが、思った通り亡くなった場合は、明らかな病死なので、警察への届け出なく、死亡診断書を発行できるが、そうでない場合はすべて警察届け出をすべきこととされている。諸外国においては、病院で突然予期せずに死亡したものは明らかな病死とはいえないので、警察届け出を行うべき事例とされている。

しかし、日本では、予期せず死亡した場合でも外表に異常がなければ届け出なくてよいなどと主張するものもいたりして、届け出るべき異状の定義がかなりあやふやになっている。この病院以外の病院も含め、老人が予期せず死亡したケースが、過去に存在したにも関わらず、警察に届け出をしていなかった可能性もあるかもしれない。もっと隠れたケースが存在するのではないかと考えると、自分の老後が恐ろしくもなる。高齢化社会を迎えるにあたって、政府としてももっと真剣に、異状死の届け出について、考えるべきなのではないか。



http://www.medwatch.jp/?p=10501
2016年度診療報酬改定で病院は「増収減益」、看護必要度要件は12.4%の病院で満たせず―日病
2016年9月26日|医療・介護行政をウォッチ

 2016年度診療報酬改定後、病院の経営状況を見ると、改定前に比べて収益は増加しているが利益は減少(増収減益)し厳しさを増している。7対1病院の12.4%は、新たな重症度、医療・看護必要度を満たすことができず、今年(2016年)10月以降も「すべての病棟で7対1を継続する」と考えている病院は8割弱にとどまる―。

 こういった状況が、26日の日本病院会の定例記者会見で発表されました。

 日病では必要に応じて追跡調査なども検討し、12月中旬には最終報告(2016年度の診療報酬等に関する定期調査)を行う予定です。

ここがポイント!
1 材料費とくに医薬品費が大きく伸び、病院の「収入」は増加したが、「利益」は減少
2 10月以降も「全病棟で7対1を維持する」のは79.1%にとどまる
3 医師キャリア支援センターの機能、地域の「協議の場」に設置できないか


材料費とくに医薬品費が大きく伸び、病院の「収入」は増加したが、「利益」は減少

 この調査は日病の会員を対象に行われたもので、2016年度改定後(16年6月)と改定前(15年6月)の状況比較などを行っています。

 2016年度は医科本体について0.56%のプラス改定となったため、診療収益は56.4%の病院で増加(増収)しました。診療単価を見ると、入院では59.8%の病院が、外来では69.8%の病院で増加しています。

 一方、経常利益を見ると、56.3%の病院で前年同月に比べて減益となっており、赤字病院の割合は60.6%(前年同月は56.5%、5.1ポイント増加)となっています。

 こうした状況について日病の堺常雄会長は「急性期機能を維持するための人件費や設備投資が必要であり『増収減益』となった。病院経営は年々厳しくなっている」とコメントしています。

 なお、費用について詳しく見てみると、材料費(医薬品、診療材料)が前年に比べて大きく伸びています。稼働病床100床当たりで見ると、医薬品は前年同月に比べて5.3%(診療材料を加味した材料費全体では4.6%)増加しています。この要因について、例えばハーボニー錠(C型肝炎治療薬)など超高額薬剤の影響が想像されますが、日病の診療報酬・病院経営検討委員会の永易卓委員(若草第一病院事務局長)は、「委員会では詳細な分析をすべきとの指摘も出ている。調査すべきという意見で固まれば追跡調査などを実施し、12月中旬の最終報告に盛り込みたい」と述べるにとどめています。

10月以降も「全病棟で7対1を維持する」のは79.1%にとどまる

 次に、2016年度改定で大幅な見直しが行われ、注目を集めている「7対1病院」の状況を見てみましょう。

 2016年度改定では一般病棟用の重症度、医療・看護必要度(以下、看護必要度)についてC項目の新設など大きな見直しが行われた上で、7対1の施設基準について「看護必要度を満たす患者割合が25%以上」などの厳格化も行われました(関連記事はこちらとこちらとこちら)。

 この新たな看護必要度要件(新基準で25%以上)を満たしているかどうかを見てみると、2016年6月単月では290病院(新基準で看護必要度をチェック)のうち87.5%にとどまっています(▼40%以上が1.7%▼35-40%が3.4%▼30-35%が24.8%▼25-30%が57.6%▼20-25%が10.3%▼15-20%が2.1%)。看護必要度要件は単月で満たせずとも、すぐに7対1を返上しなければいけないわけではありませんが、「12.4%が満たせていない」状況について日病は重く受け止めています。

 200床以上に限定すると90.6%で25%以上が確保されていますが(▼40%以上が1.9% ▼35-40%が3.5% ▼30-35%が25.7% ▼25-30%が59.5% ▼20-25%が8.2% ▼15-20%が1.2%)、200床未満では経過措置である「23%以上」(病棟群単位を選択しない場合)を満たす病院は81.9%にとどまっており(▼31%以上が18.2% ▼29-31%が21.2% ▼27-29%が6.1% ▼25-27%が18.2% ▼23-25%が18.2% ▼21-23%が9.1% ▼19-21%が3.0% ▼19%未満が6.1%)、規模の小さい病院で厳しいようです。

 また今年(2016年)9月までは経過措置が設けられ、今年3月末に7対1を届け出ている病院では「9月まで看護必要度要件を満たす」とみなされます(極論すれば9月までは看護必要度を満たす患者がゼロでもよい)。しかし、10月以降は子の経過措置が切れるため、7対1病院は本格的に「病床戦略」を立てなければいけません。この点、「10月以降も全病棟で7対1を継続する」と考えている病院は79.1%と8割を切っていることが分かりました。日本病院団体協議会の調査でも「7対1病院の2割協で地域包括ケア病棟などへの移行を決定・検討している」ことが分かっており、これと整合性のとれた結果です。

 それ以外の病院では、▼すべて7対1以外へ移行する病院が0.3% ▼一部を7対1以外へ移行する病院が12.5% ▼すべて・一部の病棟で減少する病院が1.8%―などとなっています。「病棟群単位の入院基本料」については、届け出が確認できたところが1病院ありますが、詳細は12月の最終報告を待つ必要がありそうです。

 10月移行にどういった届け出がなされるのか、各種の調査が注目を集めそうです。

 このほか、▼療養病棟入院基本料2のうち、新施設基準(医療区分2または3の患者が50%以上)を満たす病院は55.9% ▼回復期リハビリテーション病棟の新アウトカム評価基準(リハビリの実績指数が27以上)を満たす病院は71.5% ▼特定機能病院・一般病床500床以上の地域医療支援病院における紹介状なし患者の特別料金は、初診の中央値5400円、再診の中央値2700円―といった状況なども明らかになっています。

医師キャリア支援センターの機能、地域の「協議の場」に設置できないか

 26日の記者会見では、堺会長から「医師偏在対策」に向けた見解も発表されました(関連記事はこちらとこちら)。

 堺会長はまず「日病では、以前に現在の1.2倍の医師が必要(4万人程度の増員)と推計した。ただし単純な増員ではなく、医療提供体制の効率化も進めるべきとの指摘があり、当面は厚生労働省の主張する『現状維持』とし、偏在対策を進める必要がある」と指摘。

 その上で、日本医師会と全国医学部長病院長会議会長が共同提案している「医師キャリア支援センター」(提案では各大学医学部に設置)について(関連記事はこちらとこちら)、地域医療構想の実現に向けて地域の関係者が集って議論する「協議の場」にその機能をもたせてはどうかと提案。今後、日医などと意見調整をしていく考えを示しました。

 またやはり日医などが「偏在是正に向けて一定の規制を受け入れる」との考えについて、▼臨床研修修了後に、地域で一定期間診療に従事することを義務づける ▼保険医の更新制(地域貢献を要件として課す)を設ける―ということも1つの方法であるとして、検討に値するとの評価をしています。

 さらに初期臨床研修については、「地方での研修医や、研修修了後に大学に戻る医師が増加しており、『諸悪の根源』ではない」との見解も示しています。

 医師の地域・診療科偏在の是正に向け、年末にかけて厚労省の審議会で議論が精力的に行われます。医療関係者の意見がどのようにまとまるのかも含めて、注目が集まります。

 なお、日病では78病院(役員・支部長の在籍する病院)を対象に専門医制度についてアンケートを実施します。堺会長は、「新制度の開始はいつからが適当か」「総合診療専門医はどの程度養成すべきか」といった点について「これまできちんと議論してこなかった」とし、病院経営者の生の声を踏まえて、今後の専門医制度改革に臨む考えです。



https://www.m3.com/news/iryoishin/462026
シリーズ: 医師不足への処方せん
1位聖路加、2位虎の門、3位横浜市立市民、2016年度中間マッチング
市中病院、大学分院の「1位希望人数」ランキング

レポート 2016年9月26日 (月)配信橋本佳子(m3.com編集長)

 2017年度からの初期臨床研修先を決める、2016年度医師臨床研修マッチングの「中間公表」の結果が9月23日に公表された。

 全国の市中病院と大学病院分院のうち、「1位希望」として登録した人数を基にランキングすると、1位は聖路加国際病院(2015年度は2位)、2位は虎の門病院(同3位)、3位は横浜市立市民病院(10位)となった。いずれも2015年度の「中間公表」と比較して、順位を上げている。特に横浜市立市民病院は10位から躍進、「1位希望人数」も、2015年度の40人から2016年度は54人へと大幅に増加(大学病院本院のランキングは、『医科歯科、東大、京大の「三強」不変、2016年度中間マッチング』)。

 一方、2年連続で1位だった国立病院機構東京医療センターは4位に順位を下げた。同じく上位常連組の国立国際医療研究センターは、造影剤誤投与事故と募集定員の縮小が相まって、2015年度は順位を落とし、8位になったが、「1位希望人数」は2015年度と同数ながらも、2016年度は5位となった。

 2015年度の上位10位以内だった病院のうち、11位以下になった中で目立つのは、沖縄県立中央病院。2015年度6位(1位希望人数は48人)から、2016年度29位(同28人)で、順位と「1位希望人数」ともに大幅ダウン。

 「1位希望人数」が20人以上だった病院は、2015年度は59病院だったが、2016年度は66病院に増加した。

 定員充足率が最も高かったのは、8位の武蔵野赤十字病院(420.0%)、以下、9位の川崎市立川崎病院(400.0%)、24位の済生会横浜市南部病院(322.2%)など。

表1 医師臨床研修マッチングの市中病院・大学病院(分院)ランキング
(「1位希望人数」が20人以上の市中病院、医学部を持つ大学・医科大学の分院を、人数が多い順にランキング。同数の場合は、「充足率」が高い順に掲載。2015年順位の「-」は、「1位希望人数」が 20人未満。※は大学病院分院)
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https://www.m3.com/news/iryoishin/458388
シリーズ: 私の医歴書◆北村惣一郎・国立循環病研究センター名誉総長
専門医制、「10年前と同じ議論が展開」◆Vol.26
2016年9月26日 (月) 橋本佳子(m3.com編集長)

――厚労省の審議会等の委員、委員長、関係団体の専門委員、スーパーバイザーやプログラムディレクターなど、心臓外科医や所属施設のマネジメント以外にも、数多くの要職を務めてきた北村氏。その中で、印象に残っている仕事は何だろうか。

数多く経験した公務の中で、苦労したのは、日本専門医認定制機構の代表理事の仕事だという(撮影:近藤宏樹)。
 国立循環器病センターの総長時代は、週に2~3日は東京に日帰り出張していた。会議の時間はだいたい2時間であり、そのために往復5時間かけて行っていたことになる。大阪に戻っても、いったん自宅に帰り、そこから車でセンターに来て、午後8、9時頃から総長室でひと通り書類に目を通すなどして仕事をし、それから帰宅。翌日はまた東京に日帰りといった日々が続いた。

 一番、しんどかったのは、2005年から今の日本専門医機構の前身に当たる、中間法人日本専門医認定制機構の代表理事を務めた時だ。前任者の酒井紀先生(東京慈恵会医科大学名誉教授)から、引き継いだ。

 それ以前に私は、心臓血管外科専門医認定機構を作り、代表理事を務めていた。これは日本心臓血管外科学会、日本胸部外科学会、日本血管外科学会の3学会をまとめ、一つの専門医制度を作るために発足させた組織。厚生労働省が2002年4月から広告できる専門医の外形基準を定めたため、心臓血管外科専門医認定機構ではその要件を満たすための組織作りを行った。当時、血管外科学会は専門医制度を持っておらず、年配の先生からは「試験を受けるなんて、できへん。何とかせい」とも言われたけれど、そこはやはり試験を受けてもらう必要があり、別の委員会で試験問題を作り、年配の先生方にも受けてもらった。それで無事、「3学会構成認定機構」が法人化された。

 日本専門医認定制機構の代表理事への就任要請は、そんな経験もあったためだと思う。ただ、心臓血管外科の場合は、同じ心臓血管領域の診療に従事する医師仲間だから、「この領域をより良くしよう」という共通の思いがあり、それほど大きな問題はなかったけれど、今度は全領域にまたがる問題。代表理事は2005年から3年近く務めたけれど、実際にやってみると「医者ほど、まとめるのに難しい職種はない」と思った。今また、新専門医制度が見直し議論されているけれど、10年前と同じような議論が繰り返されている。

 各学会の立場を代表して理事長たちが集まり、会議をしたが、皆が「自分たちの損になるような制度は、容認して帰るわけには絶対にいかない」と考えていた。それまで学会が運営してきた専門医制度を、第三者機構の立場で認定しようとすると、学会が握ってきた権限が揺らぐ。専門医制度は、受験料や認定料などを徴収するため、それが数百人、数千人規模に上ると、学会にとっては大きな収入源。この財源で学会運営が可能になっている面がある。それを第三者に取り上げるとなったら、抵抗が生じるのは当然のこと。

 「専門医制度を法制化して、その下で動けるようなことはできないか」と厚生労働省に相談したこともあった。日本は「役所が言っているから、予算が付くから」と言えば、まとまりやすい。法律でなくても、関係省庁のガイドライン的なものでもいい。うまく厚労省を巻き込めないかと相談したら「No」で、「先生、厚労省は専門医制度には関わりたくない」と、明快な答えが返ってきた。(日本医学会会長の)高久(史麿)先生も、「厚労省と専門医関連でつながりを作るのは難しい」と言われていた。

 厚労省は、医学会よりも、医師会重視。日本医師会医学賞という賞がある。これは医学会が選考し、賞金は医師会から出ている。各学会は、学会名、あるいは学会に貢献した人の名前を付けた賞を出しているけれど、日本医師会医学賞が、各学会の賞を超える最初の賞と位置づけられている。国の方も、「日本医師会医学賞を受賞していない人には、なかなか紫綬褒章は出せません」といった事情が内々にある。日本医師会医学賞を受賞するのは、毎年3人。各学会の先生方の中には、アンチ医師会が結構おり、日本医師会医学賞は欲しがるけれど、その賞を出している医師会は嫌いという。だから各学会、医学会は、日本医師会から独立して法人格を持ちたいと考える。けれども、日本医師会の定款には、「医学会を置く」と書いているから、簡単に抜け出すことができない。そこで「連合」という名前をつけて法人化した(『日本医学会の新法人、4月に発足へ』を参照)。私はこれには懐疑的だった。「新法人医学会連合には明確な目標や事業計画がないじゃないか」「連合としては、いったい何をするのか」が疑問だった。医療安全も、専門医制も、保険関係も、日本学術会議第2部も、それぞれ別の機構があるからだ。でも結局は、従来と同じことをやっているだけ。こうした事情も、今回の新専門医制度の問題に絡んでいる。



http://www.sankei.com/column/news/160926/clm1609260001-n1.html
【主張】
医療費削減 健康管理策にも力を注げ

2016.9.26 05:01更新 産経ニュース

 医療機関に支払われた医療費が昨年度41兆5千億円に上り、13年連続で過去最高を更新した。

 前年度比1兆5千億円増で、伸び幅も過去一番である。

 高齢化に加え、高額な医薬品が登場したことなどが要因だ。こうした伸びをそのまま許せば、やがて医療保険制度は成り立たなくなる。早急に手立てを講じなければならない。

 厚生労働省は、高額薬について2年に1度の改定期を待たずに値下げするルールの導入、医療機関の窓口負担の上限額などを見直し、高齢者にさらなる負担を求める対応策を検討している。

 少子化で支え手となる若い世代は減っていく。支払い能力に応じて負担し、優先度の高い人に重点配分する仕組みへと踏み込んでいかざるを得ない。

 安倍晋三政権には、聖域を設けず医療保険制度改革を推進するよう求めたい。

 ただ、薬価を極端に引き下げれば製薬会社の開発意欲をそぐ。患者の負担増にもおのずと限度はある。保険制度改革だけで医療費を抑制しようとすることには無理がある。

 改革の手綱を緩めることはできないが、その他の方策にも取り組まなければならない。

 例えば、病床削減や病床機能の再編である。都道府県は人口の将来推計に基づき「地域医療構想」の策定を進めているが、病院同士の利害がぶつかり、構想通りに実現するか危ぶまれている。

 医療の必要性が低い患者の「社会的入院」もなくならない。

 厚労省は受け皿として地域包括ケアシステムの整備を進めている。だが、十分に普及していないのが実情だ。検査の重複などの無駄も残っている。こうした課題の解決には、首相の強力なリーダーシップが欠かせない。

 医療費の抑制にとって、さらにポイントとなるのは国民の健康増進だ。病気を早期に発見し、ひどくなる前に治療に結びつけば、患者の肉体的負担も軽く済む。

 健康診断や人間ドックを受診しやすい環境づくりのみならず、一人一人が食事や運動不足に気を配り、適切な休息をとるという日常生活での注意を心掛けたい。

 保険制度が揺らいでしまったら困るのは国民自身である。医療費膨張を自らの問題ととらえ、官民挙げて取り組んでいきたい。



http://mainichi.jp/articles/20160927/k00/00m/040/098000c
患者中毒死
「悪意ある者の行為防げない」医療現場に波紋

毎日新聞2016年9月26日 22時45分(最終更新 9月26日 22時50分)

 横浜市神奈川区の大口病院で点滴に異物が混入され入院患者が殺害された事件は、患者の命を預かる医療の現場に波紋を広げている。病院では、ミスによる医療事故への対策に万全を期すことが求められる一方、悪意のある者の故意に基づく行為を防ぐことには限界があるとの指摘もある。

 NPO法人「医療ガバナンス研究所」の上昌広理事長は「犯罪を防ぐためにどれだけのコストをかけることができるか。すべての規模の病院を同列で議論するのは難しい」と指摘する。多くの医療機関は経営が厳しい中、ぎりぎりの人員で当直態勢をやりくりしているという。

 大口病院の事件では、ナースステーションに運び込まれた点滴袋の保管場所は施錠されておらず、だれでも触れられる状態だった。上理事長は「点滴はいつでも使える状況にしておく必要がある。看護師は夜中のナースコールで病院中を駆け回っている。鍵をかけさえすれば犯罪を防止できるわけではない」と話す。

 東京都八王子市内の病院の看護部長も、今回の事件について「医の倫理からすればありえないが、故意があれば防ぎようがない」と話す。

 ナースステーションは鍵がかからない構造の病院が多いといい、治療上必要な麻薬などの危険物は個別にカギをかけて管理しているという。界面活性剤を含む消毒液などは医療機器の洗浄のため院内に常備されており、市販もされている。消毒液を鍵がかかるところで管理することは可能だが「外から持ち込むこともできるので現実的でない」という。

 大阪府豊中市内の病院に勤務する看護師(43)は「事件を聞き、病院のセキュリティーの甘さが恐ろしいと感じた」という。「ナースステーションには、消毒剤よりもっと危険な薬物がいくらでもある。施錠できるナースステーションは今ではほとんどなく、だれでも入れてしまう。こうした事件はどこの病院で起きてもおかしくない。完全に防ぐのは難しいだろう」と危惧する。

 多くの病院は、患者との面会を理由に不特定多数の人々が入ることができる。加藤良夫・南山大法科大学院教授(医事法)は「無防備な部分がどうしてもできてしまう。犯罪を完全に止めることは難しいが、だからこそ、点滴の管理方法を見直すなど、できることから対策を立てていくしかない」と語る。【近松仁太郎、山本浩資、有田浩子】



http://mainichi.jp/articles/20160927/k00/00m/040/047000c
患者中毒死
別の患者も中毒死 連続殺人に発展か

毎日新聞2016年9月26日 20時02分(最終更新 9月26日 21時37分)

横浜の大口病院 司法解剖で界面活性剤成分が検出

 横浜市神奈川区の大口病院で入院患者の八巻信雄さん(88)が点滴に異物を混入されて殺害された事件で、神奈川県警は26日、八巻さんと同じ病室に入院していた別の男性患者1人も死因が中毒死だったと発表した。八巻さんと同様に点滴の投与を受けており、遺体から界面活性剤の成分が検出された。点滴に異物が混入されて殺害された疑いがあり、県警は連続殺人事件の可能性もあるとみて捜査している。

 県警によると、新たに中毒死と確認されたのは、横浜市青葉区の無職、西川惣蔵さん(88)。13日に入院し、4階にある八巻さんと同じ病室に入っていた。点滴を受け、18日夕に容体が悪化し、午後7時に死亡が確認された。西川さんが18日に投与されたとみられる点滴袋が複数捨てられているのが見つかっており、県警は、袋に残った内容物の鑑定を進めている。

 同病院の4階では八巻さんの他に18日から20日にかけて80〜90代の男女3人の入院患者が相次いで死亡。当初はいずれも病死と診断された。だが20日に死亡した八巻さんの点滴に異物が混入されていたことが判明したのを受け、県警が3人の遺体を司法解剖していた。その結果、3人のうち西川さんについて中毒死と判明した。もう一人の80代の男性と90代の女性については病死で、県警は事件との関連性はないとみている。

 西川さんは寝たきりの状態で、死亡する直前まで栄養剤を含め複数の点滴を投与されていた。死亡時に装着されていた点滴は17日午前に病院の薬剤部から4階ナースステーションに搬入されたもので、八巻さんの点滴や、その他の患者の点滴と一緒に鍵のかからない場所に保管されていた。

 八巻さんの遺体や投与された点滴からは、医療機器などの消毒液に含まれる界面活性剤の成分が検出されている。県警は、点滴袋がナースステーションに搬入された17日以降、消毒液が点滴に混入されたとみて調べている。使用されていない約50個の点滴袋が4階ナースステーションに残されており、県警はこれらにも異物の混入がないか調べている。【国本愛、村上尊一】



https://www.m3.com/news/iryoishin/462176
「増収減益」、2016改定の影響を日病が調査
赤字病院の割合は56.5%から60.6%に増加

2016年9月26日 (月) 高橋直純(m3.com編集部)

 日本病院会は9月26日、会員病院を対象とした「2016年度診療報酬等に関する定期調査」の中間集計を報告した。

 2016年6月と2015年6月の単月を比較した中間結果では、診療収益では56.4%の病院で増収、診療単価は入院では59.8%、外来で69.8%の病院が単価増となった。一方で、経常利益の比較では、赤字病院の割合が56.5%から60.6%に増加した。前年より減益となった病院は全体の56.3%を占めた。稼働100床当たりでは、医業収益は1.7%増、医業費用では2.1%増だった。医業費用では、材料費4.6%増、給与費1.8%増が目立った。

 診療報酬・病院経営検討委員会の永易卓氏は中間報告の総括として「増収減益」と説明。「増収は各病院の経営努力。長期入院の患者を後送する、在宅に復帰させていただくことに取り組み、単価アップしたことなどが大きな要因だろう。救急を頑張っていることもある。費用については単月の数字で、いろいろな要因が考えられ一概には言えない」と述べた。

 2016年度診療報酬改定について、堺常雄会長は「一応プラス改定だったので増収になったが、高機能を維持するには人材確保、設備投資が必要で、病院経営は年々厳しくなっていると感じている」と述べた。

 一病院当たりの診療収益では、56.4%の病院で増収。病床区分別では、一般病院が2.04%増となったのに対し、療養・ケアミックスおよびその他病院は低くなっている。また、病床規模が多いほど、収入増の病院の割合が高くなっていた。1日1人当たりの入院の 診療収入(単価)では全体で1.65%増、そのうちDPC対象病院では1.82%増、対象外病院で0.97%、外来で3.80%増となっている。一方で、患者数は入院で54.8%、外来で66.4%の病院で減少した。

 一般病棟・特定機能病院一般病棟・専門病院における7対1入院基本料の算定割合は、488病院のうち68.6%を占めた。病床規模別では、100-199床で33.0%、200-299床で66.7%、300-399床では86.3%、500床以上では92.9%だった。

 重症度・医療・介護必要度は、2016年度改定で導入された新基準を満たす病院は全体の87.5%。内訳は200床以上で90.6%、200床未満で81.9%となった。大病院での紹介状なしの初診時定額負担の中央値は、改定前の3240円から5400円に増加。200床以上の一般病院では79.9%が徴収しており、中央値は2160円だった。

 調査は2016年7月14日から開始、9月30日まで実施する。中間報告では9月23日までに分析が終わった分を対象とした。会員2460病院のうち、682病院(27.7%)が回答、そのうち有効回答数は527病院だった。最終結果は12月に公表予定。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/49682.html
収入増も、材料費などの影響で「増収減益」- 改定の影響調査、日病が中間報告
2016年09月26日 21時00分 キャリアブレイン

 日本病院会(日病)は26日、今年度の診療報酬改定に関する定期調査の中間報告を発表した。入院と外来を合わせた診療収益(6月時点)が増加した病院は56.4%(前年同月比1.82ポイント増)を占める一方、経常損益が赤字の病院は60.6%(同4.1ポイント増)、医業損益が赤字の病院は67.2%(同2.9ポイント増)に上った。医薬品などの材料費や人件費が膨らんだためで、全体では「増収減益」となった。【敦賀陽平】

 診療報酬改定後の病院経営への影響を継続して検証するため、日病では毎年6月時点の会員病院の診療収益などを調べている。今回の調査は7-9月、2460病院を対象に実施し、23日時点で527病院から有効回答を得た。病床規模別では、「100-199床」が135病院で最も多く、開設主体では「自治体」が全体の3割を占めた。

 診療収益が増えた病院の割合は、入院が52.9%(前年同月比1.23ポイント増)、外来は61.5%(同3.16ポイント増)に上った。また、患者一人当たりの一日の入院診療収入(単価)が増えた病院は、DPC対象病院が63.4%(前年同月比1.82ポイント増)、DPC対象病院以外の病院は51.8%(同0.97ポイント増)だった。

 さらに、医業損益の状況について調べた結果、回答した485病院の稼働病床100床当たりの経常損益は765万円の赤字で、前年同月から比べると94万円増え、赤字がさらに膨らんだ。

■10月以降も7対1継続は8割
 調査では、一般病棟、特定機能病院(一般病棟)、専門病院における7対1入院基本料の算定状況についても聞いた。精神病棟などを持つ病院を除いた488施設のうち、同基本料を算定している病院は全体の68.6%を占め、病床規模が大きくなるほど、算定する病院の割合が高まる傾向が見られた。

 また、今回の改定で見直された「重症度、医療・看護必要度」(以下、看護必要度)の新基準(25%以上)の現状を調べたところ、6月時点で新基準に切り替えていた290施設のうち、新基準をクリアしていた病院は全体の87.5%に上り、このうち「25%以上30%未満」(57.6%)で最も多かった。

 これを病床規模別で見ると、「200床以上」(257病院)では90.6%を占めたのに対し、「200床未満」(33病院)では63.7%にとどまった。200床未満の病院に関しては、次の診療報酬改定までの間、基準を「23%以上」に緩和する経過措置が設けられているが、「23%以上25%未満」と回答した病院は18.2%だった。

 看護必要度に関する一部の経過措置は9月末で終了するが、10月以降も7対1入院基本料の届け出を継続する病院は、回答した335病院の79.1%を占め、次いで「一部の病棟で同基本料以外の届け出を行う」(12.5%)などと続いた。

 調査を担当した日病の定期調査作業小委員会の永易卓委員長はこの日の記者会見で、「特に急性期の病院は、長期入院の患者さんの在宅復帰などに大きく取り組んだことが、単価がアップした大きな要因だと考えている」と述べ、医療機関の経営努力が増収につながったとの見方を示した。

 材料費と人件費が伸びた原因については、「職員数は変わっていないが、定期昇給などで公的から私的に至るまで、人件費のアップは相当な額になっている。多くの職員を抱えないと、急性期の医療が提供できない。高額な薬剤や材料も必要になるので、その結果、人件費や材料費が上がったと思う」と述べた。

■新専門医制度でアンケート実施
 会見ではまた、堺常雄会長が新専門医制度に関するアンケート調査を実施することを明らかにした。日病の役員と各ブロックの支部長が経営する78病院が対象で、新制度の開始時期や「総合診療専門医」の養成数など21項目について、9月末までに回答を求める。10月下旬に開く理事会で調査結果が報告される見通しだ。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/49669.html
7対1病棟を変更、病院全体の2割超- 「病棟群」は15病院、日病協調査
2016年09月23日 20時00分 キャリアブレイン

 13団体でつくる「日本病院団体協議会」(日病協)は23日、7対1病棟(一般)を持つ病院を対象に行った春の診療報酬改定に関する動向調査の結果をまとめた。次の改定が予定されている2018年4月までの間、別の病棟などに変更する意向を示している病院の割合は、既に届け出を終えた病院を含め、全体の21.59%だった。【敦賀陽平】

 今回の改定では、患者の重症度を測る指標となる「重症度、医療・看護必要度」(看護必要度)の項目が大幅に見直され、7対1病棟では、看護必要度を満たす患者の割合が、「15%以上」から「25%以上」に引き上げとなった。現在、7対1病床は約37万床に上り、一般病床の半数超を占めるため、病院経営への影響が懸念されている。

 厚生労働省によると、昨年4月時点で一般病棟7対1入院基本料を届け出ている病院は全国で約1530病院。日病協では今年7月の約1カ月間に、7対1病棟(一般)を持つすべての会員病院を対象に調査を実施し、全体の約6割に当たる894病院(約28万6000床)から有効回答を得た。

 今年4月から18年4月までの間に、一般病棟7対1入院基本料を他の入院料などに「変更した(する予定)」と回答した病院は193施設=表=。変更先では、一部の病棟を地域包括ケア病棟入院料に変更する病院が112施設とトップで、その理由(複数回答)としては「看護必要度の基準を満たせなくなった」(56施設)が最も多かった。

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 112施設を病床規模別で見ると、「200-399床」が全体の約6割を占めた。また、月末までに同入院料への変更を終えると回答した病院は68施設で、「来年3月まで」は36施設、「来年4月-18年4月」は8施設だった。

■新基準、7割超が「改定前にクリア」
 一方、看護必要度に関する質問に回答した892施設を対象に、看護必要度への対応状況について聞いた結果、「改定前から基準をクリア、ただし対策を講じた」(334施設)と「改定前から基準をクリア、その後も対策は不要」(307施設)を合わせ、全体の7割超は改定前から新基準を満たしていたことが分かった。

 看護必要度の新基準を満たせない場合の経過措置として、同省は10対1病棟との混在を認める「病棟群単位」の届け出を新設したが、今回の調査で、7対1病棟からの変更先として挙げた病院は15施設にとどまり、月末までに届け出を終える病院はわずか3施設だった。

 病棟群単位の届け出をいったん検討したものの、最終的に見送った182病院に対して、その理由を聞いたところ(複数回答)、届け出の変更が1回に限られるという制度上のルールを挙げた病院が92施設で最も多かった。

■「病院が頑張っている姿が見て取れる」
 改定前に新基準をクリアしていた病院が多数を占めたことについて、取りまとめ役となった原澤茂副議長(全国公私病院連盟常務理事)はこの日の記者会見で、「多くの病院がさまざまな対策を講じ、基準をクリアする努力をしていることが自由回答で見られた。医療の質を担保し、地域医療のニーズに合わせるというところも含め、病院が頑張っている姿が見て取れると思う」と述べた。

 原澤副議長はまた、「調査結果は病床数の話で、稼働率に関する質問は出さなかった。内容に少し問題があった。厚労省などが出すいろんなアンケートを見ながら実態を考えたい」とも語った。

 病棟群単位の届け出数が15施設にとどまったことに関して、神野正博議長(日本社会医療法人協議会副会長)は、「日病協は単に、7対1、10対1、13対1のミックス型を要望していた。(18年度の)診療報酬の要望事項に入れるかどうかはこれからの議論だが、(要望としては)ありなのではないか」との認識を示した。



https://medical-tribune.co.jp/news/2016/0926504817/
インスリン10倍投与、糖尿病患者死亡...看護師のカルテに虚偽
yomiDr. | 2016.09.26 11:20〔読売新聞〕

 長崎県川棚町の国立病院機構・長崎川棚医療センターは23日、糖尿病を患う入院中の女性患者(80歳代)に、看護師(20歳代)が誤って指示量の10倍のインスリンを点滴で投与し、死亡する事故が起きたと発表した。

 看護師は、点滴を使ったインスリン投与が初めてで、決められた手順を踏まず、カルテには虚偽の血糖値を記入するなどしていた。

 センターによると、事故は8月31日に発生。看護師は、血糖値を下げるインスリンを注射器を使って点滴に注入した際、指示量は0・1ミリ・リットルだったのに1ミリ・リットルを入れ、午前0時30分頃に投与を始めた。同8時50分頃、病室を訪ねると、患者は心停止状態だったという。

 看護師は、点滴を使ったインスリン投与の経験がなく、専用の注射器ではなく、1目盛りの量が10倍の一般の注射器を使っていた。この日は、2人で行う投与前の確認を怠っていたほか、定時(午前6時)の血糖値測定をせず、カルテに虚偽の数字を記入していた。

 患者の心拍監視装置も故障していたため、心拍数低下時に作動するアラームも鳴らなかった。

 投与前の確認を2人で行わなかった理由について、看護師は「(同じ夜勤の同僚に)点滴に注入するのが初めてだと知られたくなかった」と話しているという。

 センターは遺族に謝罪し、第三者機関「医療事故調査・支援センター」にミスを報告するとともに、県警に相談した。宮下光世(こうせい)院長は「死因は特定できていないが、過剰投与と関連があるとみている。心からおわび申し上げたい」と述べた。

 医療事故の被害者らでつくる市民団体「医療の良心を守る市民の会」(事務局・千葉県浦安市)の永井裕之代表は「看護師がミスを起こした背景を明らかにし、病院の体制の見直しにつなげる必要がある。一個人の責任にしてはならない」と指摘した。

(2016年9月26日 読売新聞)



http://www.asahi.com/articles/ASJ9V2PXKJ9VUBQU00S.html?iref=com_apitop
シリーズ:特集
国保病院、改革へ厳しい道のり

古沢孝樹 2016年9月26日08時14分 朝日新聞

 岐阜県関ケ原町にある国民健康保険関ケ原病院(88床)は、町の財政援助を受けながら65年以上にわたり地域医療を支えてきた。診療報酬の改定や医師不足、患者の減少もあり、小さな町が支えるのは困難を極めている。ここにきて病床数を20床未満の診療所にすることで、何とか存続させようという改革案が住民に示された。

■病院の今

 「赤字のために繰り入れしても経営の立て直しが厳しい」

 先月28日、関ケ原ふれあいセンターであった町民対象の説明会。約600人を前に、西脇康世町長は来年4月をめどに、病院を診療所に縮小する方針に理解を求めた。

 町の一般会計の規模は40億円ほど。このうち、病院会計の繰り入れは約6%に当たる2億5千万円。9月定例町議会では、さらに2億5千万円を追加で投資する補正予算案が可決された。

 人口約7400人の町にとって、一般会計の1割を超える財政負担はあまりにも重い。町の財政が上向く要素は見当たらず、担当者は「将来、財政破綻(はたん)しかねない」と危惧する。

 住民説明会では特段、診療所への縮小案に反対意見は寄せられなかった。だが、これまでの町のかじ取りについては「何もしてきていない」と厳しい声が上がった。

 事実、町が対応を本格化させたのはここ数年だ。2012年度に独立行政法人化を、15年度には指定管理者制度の導入をそれぞれ検討したが、実現しなかった。

 今年4月、島崎信院長が就任すると、病院は町とともに本格的な改革に着手する。5月から4回開催した「関ケ原町病院運営審議会」の中で、病床数を中心に改革案を練り上げた。「町民福祉の点で、町財政の支出は避けられない。町民の理解を考慮し、無床ではなく一定の有床とすべきだ」と提言。無床を避けたい西脇町長の考えと一致した。

■なぜ赤字なのか

 そもそも、関ケ原病院はなぜ赤字なのか。

 病院によると、02年ごろから診療報酬の引き下げの傾向が続き、新臨床研修制度が導入された04年以降、都市部の病院に医師が集中することで医師不足も生じたことが大きいという。

 ピーク時に22科あった診療科は18科に減り、常勤の医師数も19人から現在は8人にまで落ちこんだ。昨年度、入院患者は1日平均107人とピーク時の約3分の2、外来患者では211人とピーク時の半分以下に落ち込み、負の連鎖が続いている。

 県医療整備課や市町村課によると県内102病院のうち、公立は12自治体に15病院ある。いずれも「台所事情」は苦しく、一般会計からの繰り入れで運営する。関ケ原病院の黒字は、15年度までの20年間で1996年度と2001年度のみ。累積赤字約18億4千万円、病院の建て直しなどによる起債残高は約12億円(15年度末)にのぼる。

■改革、厳しい道のり

 関ケ原病院が改革案通りに進んだとしても、赤字の解消に向けた道は険しい。

 職員の退職に伴う一時的な人件費の増加や設備の更新に加え、19年度には大部分の起債の償還を迎える。それでも島崎院長は「ピンチをチャンスに変えたい」と話す。

 15年度の外来患者のうち、町民は約54%しかなく、入院患者にいたっては約35%しかない。「町民のための医療機関」であることを改めて意識し、望むべき地域医療のあり方を再構築することが、喫緊の課題だと考える。

 全国的に見ても、在宅医療や介護の必要性が増しているという。「交通弱者」の高齢者が通院を諦め、適正な医療を受けられないケースもある。そこで町は、「訪問診療」に活路を見いだそうとしている。

 島崎院長は「医療事情は地域によって様々だが、病院難民ともいえるようなケースは、都市部でも起こりうる。(関ケ原町でいえば)小回りのきく住民サービスを提供するため、病院と自治体が今以上に連携を密にして、新しい地域医療の形を模索する必要がある」と指摘する。



https://www.m3.com/news/general/462046
院内犯否定できずと院長 白衣姿で遺族に哀悼
2016年9月26日 (月) 共同通信社

 横浜市神奈川区の大口病院で24日、高橋洋一(たかはし・よういち)院長が記者会見し「ご遺族に哀悼の意を表する。一日も早い真相究明を願っている」と述べ、白衣姿で頭を下げた。犯人が院内の人物の可能性も否定できないとした上で、高齢者施設での虐待事件などが相次いでいることに触れ「今回がその流れで起きているならば残念だ」とも漏らした。

 高橋院長は、殺害された八巻信雄(やまき・のぶお)さん(88)以外の死者について「コメントできない」としたが「これ以上行き先がない方を受け入れており、亡くなる方が多い」と、病院は終末期医療の場だと明かした。八巻さんも会話ができない重篤な状態だったという。

 病院側の説明では、夜間は警備員が表玄関におり、裏側の職員用出入り口は施錠され鍵は警備員が管理していた。表玄関には、防犯カメラが設置されている。

 八巻さんがいた4階の病棟には当時、普段通り2人の夜勤の看護師がいた。うち1人が八巻さんの病室を担当し、少なくとも2時間ごとに巡回。異常を知らせるアラームが鳴る1時間前の20日午前3時ごろの段階で、心拍数などの数値に異常がないと確認した。

 看護部長の女性は事件について「非常に残念で、ショック。本当に申し訳ない」と語り、うつむいた。

 会見は表玄関横の駐車場で開かれ、3人の弁護士のほか事務部長と看護部長も参加した。50人以上の報道陣が集まった。



https://www.m3.com/news/general/462031
現場に戸惑い、届け出低調 責任追及に警戒感も 「医療事故調査制度1年」
2016年9月26日 (月) 共同通信社

 診療に関連した患者の予期せぬ死亡を対象とする医療事故調査制度の開始から10月1日で1年となる。医療機関が自ら第三者機関へ届け出て、事故原因を究明する取り組み。患者側との信頼構築につながると期待されるが、届け出件数は想定の半分にも満たない。医療側からは「予期せぬ」の判断を巡る戸惑いや、責任追及への警戒感も。狙い通りに機能するには時間を要しそうだ。

 ▽判断に苦慮

 「病院では患者が突然亡くなることもあるが、届け出が必要なケースかどうかの判断が難しい事案が少なくない」。これまで、制度上の院内調査の対象となる事案はないという埼玉県の総合病院。それでも院長は運用に神経をとがらせる。

 制度は、患者の予期せぬ死亡や死産に関し、第三者機関「日本医療安全調査機構」への届け出とともに院内調査の実施を規定。その対象とするかどうかは、当該医療機関の管理者が、死亡リスクなどに関する患者側への事前説明や診療録への記録を確認して判断することになっている。

 機構は制度開始前、年間の届け出は千~2千件とみていたが、今年8月までの11カ月間で356件。当初から懸念された通り「『予期せぬ』の範囲の捉え方に現場が戸惑っている」との見方があり、遺族関係者からは複数の医療団体が別々に指針を示している状況を問題視する声も出ている。

 この総合病院は現在、院内に検討チームを設置。医療事故があった場合の対応に関し、調査委員会の発足や外部委員の招集方法などを定めたマニュアルを作成中という。

 ▽訴訟リスク

 一方で、院長は「もともと医療には不確実性が伴うが、その点の理解がなかなか広がらない」と嘆く。院内調査が遺族側による責任追及のきっかけになるのではないかとの意識が拭えないと本音を明かし、「判断に迷う事案ならば、そもそも届け出はしないという医療機関はあるかもしれない」と話す。

 こうした状況を踏まえ、厚生労働省や機構は、制度の趣旨はあくまで再発防止にある点を周知するため医療機関向けの説明会などで啓発を図っているが、訴訟リスクへの警戒感は根強く、機構の関係者からは「理解が浸透するにはまだ時間がかかる」との声が上がる。

 ▽見直し

 厚労省は6月、制度を定めた医療法の関係省令を改正。医師会などで構成する連絡協議会を各都道府県に一つずつ設置すると決めた。現場の相談窓口を統一し、死亡事案に関する情報を共有することで届け出判断のばらつきを防ぐ狙いだ。

 ただ機構によると、制度に基づく協議会が既につくられているのは全都道府県の半数程度とみられる。設置時期や運用は各地域に任されているため進捗(しんちょく)状況は地域ごとに異なり、本格的に機能するのはこれからだ。

 厚労省の検討部会で委員を務めた認定NPO法人ささえあい医療人権センターCOMLの山口育子(やまぐち・いくこ)理事長は「届け出が必要なのに医療機関が独自に『必要ない』とし、患者側も制度の内容を深く知らずに声を上げないケースがある。国民全体の理解を深めていく必要がある」。調査結果に関する報告書の交付義務がない点などに遺族らは不満を示しており「1年たって何が足りないか見えてきた。今後も状況に合わせて見直していくべきだ」と話す。

※医療事故調査制度
 全国18万カ所の医療機関や助産所などを対象とする仕組みで、医療法に盛り込まれている。診療や治療に関連した患者の予期せぬ死亡や死産が起きた場合、第三者機関に指定された「日本医療安全調査機構」(東京)への届け出や院内調査、遺族に対する調査結果の報告を義務付けた。ただ遺族への調査報告書の交付は「努力規定」にとどまっている。調査結果を不服とする遺族は、機構に再調査を依頼できる。機構は報告を基に、事故が多い症例の再発防止策を検討する。



https://www.m3.com/news/iryoishin/462146
シリーズ: 降圧剤論文問題と研究不正
白橋被告への質問が終了、年内に結審へ
ノバ社・府立医大論文改ざん事件、第36回公判

2016年9月26日 (月) 高橋直純(m3.com編集部)

 ノバルティスファーマ社の降圧剤を巡る京都府立医科大学での医師主導臨床試験の論文データ改ざん事件で、薬事法(現医薬品医療機器法)違反(虚偽広告)に問われた元社員とノバ社に対する第36回公判が、9月23日に東京地裁(辻川靖夫裁判長)で開かれ、ノバ社元社員の白橋伸雄被告への質問が行われた。白橋被告への質問もほぼ終了し、11月中に論告求刑が行われ、年内は結審に至る見込み。

 検察側は、「不存在」などとしてきたカルテが公判中の調査で見つかった問題(『57例の「不存在」カルテが現存、検察が謝罪』を参照)で、新たに4例のカルテが見つかったことを報告した。

 この日の公判でも公訴事実に含まれる、バルサルタン(ディオバン)とCa拮抗薬の併用効果を調べた CCB論文の群分けについての質問が集中した。論文ではCCB投与群の定義を「研究期間中のCCBの使用期間が12カ月を超える場合」となっているが、白橋被告は研究開始時の投薬状況のデータがなかったことから、無作為化前の投薬状況から研究開始時点を「推定」し、群分けをしたと説明している(『併用薬剤の使用状況は「推定」、KHS 』を参照)。検察側は「論文の定義に従って群分けをしたと言えるのか」と質問すると、白橋被告はKHSでは12カ月を最低観察期間としていることから、「間違っていない。定義には『12カ月』としてか書いていないので、その一点で定義に従っている」と釈明した。裁判官は白橋被告に「どうして『推定した』と論文に記載しなかったのか」という質問。「あまりにもデータがない中で推定したことが問題になるかと思ったから」と答えた。

 白橋被告は「推定」で群分けをしたということを、公判が進む中で2016年5月頃に思い出したと説明している。一方で、論文作成当時の状況については「明確な記憶はないが事務局の男性医師Aらと何度も相談した」と述べており、裁判官は「なぜもっと早く思い出すことができなかったのか」と尋ねた。白橋被告は「定義通りに12カ月使用しているかどうかという議論が進んでおり、記憶も明確でなく、その前提で分析をするする中で、違和感をあって気付いた」などと説明した。

 また、検察側は白橋被告のUSBメモリなどから押収された複数の解析用データを時系列に整理しながら、イベント発生数が増減している点について確認。白橋被告は「分からない」「使っているファイルが何か分からない」などと答えた。また、「主論文の図表を統一的に説明できるデータはないのか」という質問には「はい」と答えた。

 この日の最後に、辻川裁判長が本裁判の論定を整理した紙を、検察側、弁護側医に配布。次回公判までにその紙に沿って双方の主張を整理することを求めている。また、次回公判では、「不存在」とされていたにもかかわらず新たに見つかったカルテについての、弁護側の見解を記した書面の証拠調べなどが行われる。その後、11月には論告求刑、年内には結審する見通しとなっている。



https://www.m3.com/news/general/462158
逮捕医師の釈放求め署名活動始まる
2016年9月26日 (月) 高橋直純(m3.com編集部)

 自身が執刀した女性患者に対してわいせつな行為をしたとして、準強制わいせつ罪で8月25日に逮捕、9月14日に起訴された東京都内の男性医師(40)が現在も勾留されていることに対して、東京都足立区の柳原病院の同僚医師らが中心になって、早期釈放を求める署名活動を始めた。

 署名活動を行っているのは、問題となった手術で逮捕、起訴された男性医師とともに執刀した同病院の常勤医師などで、暫定的に「外科医師を守る会」(名称変更の可能性あり)を結成した。

 東京地裁は勾留理由開示公判で「罪証隠滅の疑い」があるとして、男性医師の勾留を認めている。署名用紙では「医師の長期に及ぶ身体拘束は、現場の医療に混乱を及ぼし、医師や医療関係者に不安を与え、医療の委縮につながるばかりか、多くの患者の生命や健康にさえ損害を及ぼす重大事態です。4回にわたる家宅捜索も済み、関係証人の取り調べも終わり、全ての証拠が集められ、証拠隠しや口裏合わせの余地はありません」と訴えている。

 起訴前に提出した 嘆願書で約1000筆の署名が集まっていることもあり、目標を5000筆とし、東京地裁に定期的に釈放請求とともに提出する。呼びかけ人として名前と肩書を出すことができる人も求めている。医師や医療従事者に限らず、広く募集している。署名用紙などについての問い合わせは柳原病院事務(03-3882-1928)。

 また、「外科医師の早期釈放を求めます」 というネット署名活動も行っている。



https://www.mixonline.jp/Article/tabid/55/artid/54635/Default.aspx
厚労省・磯部課長 医薬品の使用・選択は「事実上メーカーに支配」 医師・薬剤師の協同で最適使用実現を
公開日時 2016/09/27 03:52 ミクスオンライン

厚生労働省医薬・生活衛生局医療機器審査管理課の磯部総一郎課長は9月25日、都内で開催された日本女性薬局経営者の会(JLIPA)で講演し、医薬品の使用・選択が「事実上メーカーに支配されているのでは」と述べ、製薬企業のMRを通じたディテーリングに問題意識を示した。今後の医薬品使用・選択の方向性については、医師と薬剤師がそれぞれの職能を発揮して協同し、最適な薬剤を選択することが中心となる姿に改めるべきだと強調した。一方、製薬企業は、これまでの個々の医師に注力したプロモーションから、「医療機関や地域」を軸とした活動にすべきだとした。情報提供を行う必要はあるものの、MRを介す必要はなく、情報収集、副作用報告を中心とした活動に改めるべきだとした。

磯部課長は、MRからのディテーリングが処方に影響を与えていることを問題視。「よく訪問しているMRがいい奴だとかいう理由で薬が選ばれていたらおかしい」と強調した。その上で、医薬品の使用・選択に際しては、医療機関や地域で、医師と薬剤師が、個々の医薬品の特徴や比較などの「情報を取捨選択し、専門的なディスカッションをして進めるのがあるべき姿」(文末の関連ファイル参照)との考えを表明した。こうした方向性を実現するためには、「インセンティブをつける仕組みを作ることで、こういうことがし得るのではないか」との考えも示した 。

一方で、製薬企業は「情報提供を行う必要はあるが、(MRが)行く必要はない」と述べ、MRを介さずに情報提供を行うことが必要だとの考えを示した。さらに、MRを増やして営業活動を行った企業に対して薬価を引き下げる、いわゆるMR減算の仕組みなども一考だとした。

また、「ジェネリックは極端にMRを減らすビジネスモデルの試金石だと思った」と述べた。


◎地域包括ケア時代の薬剤師像 生活の一部に存在する医療専門職として役割発揮を

今後の薬局像については、地域包括ケアシステムの中で、「医療者でありながら、商店街にあるというのは大きい」述べた。生活の一部である商店街に、医療に根差した専門職がいることで、「患者は、(求めるサービスが)医療か介護かもわからない。そういう人たちに手を差し伸べてあげる立場にいるのが薬局だ」と述べ、日常生活に根差した場所に存在する薬剤師が、地域包括ケアシステムの中で要の存在となることに期待感を示した。

これまでに検討事項にあがったものの、実現には至っていないが、慢性疾患でのリフィル処方せん調剤や箱渡し調剤などは薬局の業務を変える最大のチャンスとの見方も示した。


  1. 2016/09/27(火) 07:30:14|
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9月25日 

http://mainichi.jp/articles/20160925/ddr/041/040/004000c
横浜・患者中毒死
点滴に界面活性剤 死亡患者の袋内に泡

毎日新聞2016年9月25日 北海道朝刊

 横浜市神奈川区の大口病院で入院患者の八巻信雄さん(88)が点滴に異物を混入され殺害された事件で、八巻さんの体内と点滴袋から界面活性剤の成分が検出されていたことが捜査関係者への取材でわかった。八巻さんの死亡確認後、看護師が点滴袋に残った液体に微量の泡を見つけ、異変に気付いた。神奈川県警は界面活性剤が泡になったとみて調べている。【国本愛】

 捜査関係者によると、点滴袋に破れなど目立った異常はなく、注射器を使用するなど目立たない方法で異物が混入された可能性があるという。

 県警によると、20日午前4時ごろ、八巻さんの心拍数低下を知らせるアラームが鳴り、4時55分ごろに死亡が確認された。その後、女性看護師が、八巻さんの点滴内が泡立っているのに気づき、病院が県警に「点滴に異物が混入された可能性がある」と通報した。看護師が19日午後10時に点滴を交換した際には、点滴袋の異常に気付かなかった。病院によると、看護師が20日午前3時過ぎに血圧や心拍数を確認した際も八巻さんに異常はなかったという。

 捜査関係者などによると、点滴袋は病院の薬剤庫で保管され、薬剤師が毎日、翌日に使うものを用意。看護師らが担当フロアのナースステーションに運んで管理する。ナースステーションでは施錠のない場所で保管されていたという。八巻さんが入院していた4階のナースステーションには、界面活性剤の成分が含まれる物品も置かれていた。

 八巻さんと同じ4階に入院し、18日以降に死亡した80〜90代の男女3人のうち、18日に死亡した男性2人は点滴を使用していたという。県警は、点滴袋の微量の残留物を調べるとともに、3人の死因を詳しく調べている。
職員飲み物に異物/服切り裂き

 大口病院の高橋洋一院長らが24日、病院前で記者会見し、八巻さんが入院していた同病院4階で今年、職員のペットボトル飲料に異物が混入するなど3件のトラブルが発生していたことを明らかにした。病院はいずれのトラブルも把握していたが、「院内で対処すべきだ」と考え、警察へは通報しなかったという。

 院長らの説明によると、今年8月、同病院を退職する職員から4階で勤務する職員へ差し入れられたペットボトル飲料に異物が混入された。飲もうとした看護師が気付き、事務部長が飲料を口に含んだところ、漂白剤のようだったという。春ごろには、4階のナースステーションの壁に掛けられていた看護師の服が切り裂かれていた。6月には、入院患者1人のカルテ数枚が医師の机の上からなくなり、5階の看護部長の机から見つかったという。

 高橋院長らは「看護師らに聞き取りをしたが、いずれも職員間の嫌がらせに過ぎないとして警察には相談しなかった」と説明した。

 高橋院長は会見の冒頭、「八巻さんとご遺族に深い哀悼の意を表する」と述べた。入院患者が殺害されたことについては「施設職員による高齢者への虐待など、信じがたい事件の報道があるが、勤務している若い人がそうした感情を持っているとしたら理解できない」とし、事件については「捜査に全面的に協力している。私は職員を信じている」と話した。【藤沢美由紀】

 ■ことば
界面活性剤
 水と油を混ざりやすくする働きを持つ物質で、洗浄や消毒などの作用がある。主に石油などを原料として作られている。家庭では台所用や洗濯用の洗剤、シャンプー、化粧品などに使われ、医療現場では器具の洗浄や消毒などに用いられている。大量に口から摂取した場合は、腹痛や嘔吐(おうと)、下痢、吐血などの中毒症状を起こし、血液中に入った場合は赤血球の細胞膜を破壊するなどして死に至ることもある。



https://www.m3.com/news/general/461490
茨城)県西総合病院に常勤外科医復活 筑波大が派遣
2016年9月24日 (土) 朝日新聞

 今春から常勤外科医のいない状態が続いている桜川市の県西総合病院で、新たな外科医が来年4月から勤務することになった。現状では外科手術ができず、入院患者や救急患者の受け入れも困難だ。筑波大から外科医3人の派遣が決まり、来年4月から常勤で診療にあたる。

 県西総合病院は桜川、筑西両市でつくる一部事務組合が運営する。12の診療科があり、医療機関の少ない桜川市で、長年にわたり地域医療を支えている。外科部門は千葉大との関係が深く、3人の常勤外科医は千葉大からの派遣だった。

 今年1月に3人の引き揚げが決まり、4月から常勤外科医がゼロになった。同時に、消化器内科の常勤医が退職。外科手術ができず、入院が必要な消化器疾患の受け入れも不可能になった。救急車の搬送件数も減り、2015年度4~9月は300件余り受け入れたのが、今年度同期は100件余り下回るという。

 病院によると、筑波大から派遣が決まった3人の外科医は、いずれも20年以上のキャリアがあるという。中原智子院長は「消化器系の外科手術には対応可能」とし、「ベテラン外科医が来てくれることは地域にとっても心強く、期待も大きい」と喜ぶ。

 県西総合病院と、隣接する筑西市の筑西市民病院は新中核病院に再編され、18年10月に筑西市内に開院予定だ。地域での2次救急医療の完結を目指すが、3人の外科医は新中核病院でも勤務するという。

 県西総合病院は、関係機関と協力して消化器内科の常勤医確保に力を注ぐ。中原院長は「すぐには『24時間365日救急患者受け入れ』とはいかないが、態勢確立に努める。新中核病院の開院まで、地域医療をしっかりと支えていかなければならない」と話す。(吉江宣幸)



https://www.m3.com/news/iryoishin/461725
シリーズ: 降圧剤論文問題と研究不正
VART撤回の経緯を説明、日本高血圧学会
「honest errorは本人が言うこと」と説明

2016年9月25日 (日) 高橋直純(m3.com編集部)

 日本高血圧学会は9月23日に開催したプレスセミナーで、同学会誌「Hypertension Research」に2010年に掲載された千葉大学のディオバン研究「VART Study」の主論文が撤回された経緯を説明した。

 Hypertension Research編集長の石光俊彦氏(獨協医科大学循環器・腎臓内科教授)はhonest errorとして撤回した是非について、「不正がないことを証明するのは悪魔の証明。ものすごく難しい。不正があることを証明するには一つでも証拠があればできるが、それが今のところ認められていない」と説明した。

 石光氏によると、千葉大教授だった責任著者の小室一成氏(東京大学大学院医学系研究科器官病態内科学講座循環器内科学教授)から2016年4月に訂正が出されたが、学会は訂正されたグラフなどでは元の論文の矛盾を説明できず認められないと判断。幾度かのやり取りを経て、小室氏が8月にhonest errorとして撤回を申し出たという。石光氏は「honestというのは本人が言うことであって、それを否定することができなければその通りに記載せざるを得ない」と述べた。

 日本高血圧学会としては、新事実が出ない限りは、論文撤回を持ってVART Studyに対する対応は終了となる。梅村敏理事長は「不正があったとは証明はできないので、今の対応(小室氏に対して2015年3月に「厳重注意」としている)だと思う。手持ちの資料で断言することはサイエンティフィックにもできない」と説明した。

 VAERT Studyでは主要エンドポイントでは有意差がないものの、副次エンドポイントではディオバン群に有意に低下した結論になっている。ディオバン群に有利になるような意図的なデータの脱落があるという疑義が呈されている点について、石光氏は「大幅な脱落は、心エコーなどは多くの症例でできる検査ではなく、経過の中で多数の症例に施行できないのは、ある程度予想されること。J-CLEAR(臨床研究適正評価教育機構)の谷明博先生による『ディオバン群で心筋重量が高かった症例が意図的に除外されているのでは』という指摘については、元データが残っていないので検証することができない」と説明。有利になったかどうかについては「そもそも症例数が半分以下になっているので、両群を比べただけでは不正な操作が行われたとは断定できない」との見解を示した。

 また、現存しているデータの作成には、現在、東京地裁で薬事法違反で公判が進んでいるノバルティスファーマ社元社員の白橋伸雄氏が関与していると指摘した上で、「データが論文と一致しないことも問題となっている」と述べた。



http://www.yomiuri.co.jp/life/book/review/20160920-OYT8T50035.html
『医師の感情』 ダニエル・オーフリ著
評・柴田文隆(本社編集委員)
2016年09月26日 05時24分 読売新聞

不安と恐怖を直視する

 医師は、感情に溺れず常に冷静であることを求められる。一方で、血の通わない診断ロボットになるな、患者に寄り添える人であれと教育される。だが医師も生身の人間だ。

 救えなかった命に対する自責の念、自信喪失、激務による心身の疲労、最善を尽くしても避けられない訴訟への恐怖……。こうした危機にさらされながら、医師が誠実さを失わず、燃え尽きず、成長していくのは容易でない。

 米国最古の公立病院で内科医として働く著者は言う。この不安と恐怖は「度を超さなければ、他人のケアにあたるうえで欠かせない畏敬の念と緊張感を保つ役割を果してくれる。私達たち医師は不安や恐怖をきちんとしまいこんでおかなくてはならないが、その感情を殺してしまってはいけないのだ」と。臨床の現場で医師たちが日常的に襲われるこうした感情の問題は、個々の医師に解決を丸投げしてすむような問題ではない。社会システムとしての医療、患者の利益を考える時、目をそらしてはならないテーマなのだ、と著者は考える。

 本書では、医師の心の問題を病院ぐるみで支援し成果を上げた事例なども紹介されている。だが無論、この問題に即効薬はない。

 全ての患者に共感できるスーパー医師を望んでも仕方ない。著者にも、頻繁に来院しては「今までで最悪の腹痛」「最大の頭痛」と毎回訴える常連さんがいる。著者は共感することの難しさを率直に認めたうえで、なお「そのうちの一つが本当になにか深刻な、命にかかわるような異常のサインである可能性がないとは言えない」と注意を怠らない。この職業的愚直さこそ、患者への慈しみなのだと思う。

 医療とは聴診器の両端で人と人がなす共同作業だ。「患者がどのような病を患っているかを知るよりも、どのような患者が病を患っているのかを知ることの方がはるかに重要である」という言葉が心に残る。堀内志奈訳。

 ◇Danielle Ofri=内科医。ニューヨーク大医学部准教授。雑誌に寄稿、ノンフィクション、エッセーの著作も。

 医学書院 3200円


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9月24日 

http://www.minyu-net.com/news/news/FM20160924-114100.php
研修医、福島県希望87人 マッチング中間結果、病院間格差が課題
2016年09月24日 10時16分 福島民友新聞
  
 医師臨床研修マッチング協議会(東京都)は23日、医学生らの来年度からの卒後臨床研修先を決める「マッチング」(組み合わせ決定)の中間結果を発表した。臨床研修を担う県内18病院を「1位希望」に選んだ医学部生らの合計は87人(前年比3人減)で、18病院の定員の合計(154人)に占める割合は56.5%にとどまった。希望者が1人もいなかった病院も2カ所あり、病院間格差も課題となっている。

 県医療人材対策室は過去最多だった前年(90人)と同水準だったことを「18病院で組織するネットワークの取り組みの成果」と評価する一方で「今後も支援を継続していく」と、県内病院のPRや各病院での体験研修の取り組みに力を入れる考えだ。星総合病院(郡山市)と福島医大会津医療センター付属病院(会津若松市)で1位希望者数が定員を上回り、寿泉堂綜合病院(郡山市)と竹田綜合病院(会津若松市)は定員と同数だった。

 卒後臨床研修は、医学部生らに卒業後2年間、各診療科での研修を義務付ける制度。同協議会は医学部生らから提出された希望順位表などに基づきマッチングを行う。最終結果は10月20日に発表する。研修医の3分の2が研修後も県内にとどまるとされ、医師不足解消を目指し県や各病院は確保に努めている。



http://www.asahi.com/articles/ASJ9R35VPJ9RULBJ004.html?iref=com_latestnews_03
医療・健康・福祉(アピタル)
がん患者の「ゲノム医療」、専門医師を養成へ 厚労省

福宮智代2016年9月24日14時54分 朝日新聞デジタル

 がん患者らの遺伝子情報を診断、治療、予防に生かす「ゲノム医療」を推進しようと、厚生労働省は専門医師の養成や患者向けの相談支援体制の強化に乗り出す。来年度の政府予算の概算要求に、研修費など3400万円を盛り込んだ。

 全国に約400あるがん診療連携拠点病院の一部では、遺伝性がんの診断で患者の相談にのったり、治療のための研究について説明したりする「遺伝カウンセラー」や「臨床研究コーディネーター」がすでに配置されている。しかし、遺伝子検査への関心が高まり、人材不足が指摘されている。

 さらに最近は、生活習慣による遺伝子の変化とがんとの関連や、治療薬の効きやすさの目安などを、遺伝子情報から知ることができ、医療機関から検査結果の説明や治療への活用について、具体的な体制を求める声が上がっていた。

 そこで、厚労省は来年度、主に医師を対象に、遺伝子情報や検査結果の見方、治療に生かす方法について情報共有する研修会を始める。看護師やソーシャルワーカーらが患者から遺伝子検査の相談を受ける際の窓口や対応方法も検討する。(福宮智代)



http://mainichi.jp/articles/20160925/k00/00m/040/057000c
横浜中毒死
トラブル3件通報せず…職員飲料に異物

毎日新聞2016年9月24日 21時37分(最終更新 9月24日 22時17分)

院長が説明
 横浜市神奈川区の大口病院で入院患者の八巻信雄さん(88)の点滴に異物が混入され殺害された事件で、同病院の高橋洋一院長らが24日、病院前で記者会見し、八巻さんが入院していた同病院4階で今年、職員のペットボトル飲料に異物が混入するなど3件のトラブルが発生していたことを明らかにした。病院はいずれのトラブルも把握していたが、「院内で対処すべきだ」と考え、警察へは通報しなかったという。【藤沢美由紀】

 院長らの説明によると、今年8月、同病院を退職する職員から4階で勤務する職員へ差し入れられたペットボトル飲料に異物が混入された。飲もうとした看護師が気付き、事務部長が飲料を口に含んだところ、漂白剤のようだったという。ペットボトルの上部に注射針程度の大きさの穴が開いていた。健康被害はなかった。

 春ごろには、4階のナースステーションの壁に掛けられていた看護師の服が切り裂かれていた。6月には、入院患者1人のカルテ数枚が医師の机の上からなくなり、5階の看護部長の机から見つかったという。

 高橋院長らは「看護師らに聞き取りをしたが、いずれも職員間の嫌がらせとして警察には相談せず、誰がやったかを特定することもしなかった」と説明した。

 高橋院長は会見の冒頭、「亡くなった八巻さんとご遺族に深い哀悼の意を表する」と述べた。

 入院患者が殺害されたことについては「施設職員による高齢者への虐待など、信じがたい事件の報道があるが、勤務している若い人がそうした感情を持っているとしたら理解できない」とし、事件については「警察の捜査に全面的に協力している。私は職員を信じている」と話した。



http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201609/CK2016092402000245.html?ref=rank
点滴から「界面活性剤」 横浜・病院殺人 遺体からも検出
2016年9月24日 夕刊 東京新聞

 横浜市神奈川区の大口病院で点滴に異物が混入され、入院患者の八巻(やまき)信雄さん(88)が中毒死した事件で、点滴袋や遺体から、洗剤などに使われる界面活性剤が検出されていたことが、捜査関係者への取材で分かった。界面活性剤は医薬品などにも広く使われており、神奈川県警は事件に市販されているものが使われた可能性もあるとみている。
 界面活性剤は、物質と物質を混じりやすくさせるもの。油汚れを分解し水に溶かし込む作用があり、せっけんや洗剤などに使われる。
 県警によると、死亡した八巻さんは十四日に入院後、四階の部屋で点滴を受けていた。三十代の女性看護師が十九日午後十時ごろ、点滴を交換した後、二十日午前四時ごろ心拍低下を知らせるアラームが鳴り、約一時間後に中毒死した。最初に点滴した看護師が点滴の袋を確認したところ、中身の異常に気付いた。点滴の袋には、目立った穴や破れはないという。
 病院は午後七時から午前八時の間、関係者以外の立ち入りを禁止している。八巻さんが死亡した当時、病院には看護師やヘルパー、警備員の計六人がいたほか、同じ部屋に患者五人がいたといい、県警は看護師らから事情を聴いている。

 また同じ四階に入院していた患者のうち、十八日には点滴を受けていた八十代の男性二人が、八巻さんが死亡する約二時間前の二十日未明には点滴を受けていない九十代女性が死亡。医師の診断では三人とも病死とされたが、県警は司法解剖して死因を調べ、事件性の有無を確認している。
 一方、横浜市には、病院スタッフの飲料に漂白剤が入れられるトラブルが伝えられていた。同市医療安全課によると、八月中旬、別の部署に「八月十二日、病院のスタッフが漂白剤混入の飲料を飲んで唇がただれた」とメールがあった。このため、同課が病院に事実確認したところ、飲料に漂白剤のようなものが混入したことや、看護師のエプロンが切り付けられたことが確認されたという。
 県警神奈川署にも八月、関係者からトラブルについて相談があったといい、県警は事件との関係を調べている。



https://www.m3.com/news/iryoishin/461645
シリーズ: 地域医療構想
ICUとCCU「既存病床数」に含めるか否か、結論出ず
地域医療構想に関するWG、「病床の必要量」関連は整理

2016年9月24日 (土) 橋本佳子(m3.com編集長)

 厚生労働省の「医療計画の見直し等に関する検討会」の「地域医療構想に関するワーキンググループ」(座長:尾形裕也・東京大学政策ビジョン研究センター特任教授)の第3回会議が9月23日に開催され、医療計画における「基準病床数」と、地域医療構想の「病床の必要量」の関係や、各地域における地域医療構想調整会議の議論の進め方を整理した、ワーキンググループとしての案を了承した。2018年度からの第7次医療計画の基本方針策定に向け、議論を進める「医療計画の見直し等に関する検討会」に近く報告する。

 ただし、ICUやCCUなどの病床を、「既存病床数」としてカウントするか否かなど、第2回会議からの継続検討事項については結論が出ず、本ワーキンググループの構成員の間で持ち回り等で議論した上で、「医療計画の見直し等に関する検討会」に上げる。

 2025年の医療提供体制に向けた地域医療構想は、医療計画の一部。医療計画上の「病床過剰地域」で増床が難しい地域において、「病床の必要量」が、将来も「既存病床数」を上回ると見込まれる場合の扱いが、焦点の一つだった。高齢化の進展等に伴う医療需要の増加を毎年評価するなど、「基準病床数」を確認、必要に応じて見直し、増床が可能になるよう対応する。これは、第2回の会議で議論した内容だ(『病床過剰地域でも「病床の必要量」の整備可能に』を参照)。

 そのほか、(1)基準病床数の算定に当たっては、計画策定時における夜間人口(第7次医療計画策定時は、2016年の住民基本台帳、もしくは2015年の国勢調査)を用いる(ただし、今後急激な医療需要の増加が見込まれる地域では、前述のように別途対応)、(2)一般病床の基準病床数の算定に当たっては、従来通り退院率と平均在院日数を用いるが、平均在院日数には地域差を適切に反映、(3)患者の流出入は都道府県間で調整――などの方針を決めた。

 地域医療構想調整会議は、「病床の必要量」を達成するための「協議の場」。第2回会議に提出された資料では、まず「公的医療機関等の役割」から議論する表現になっていたが、それを改め、公的か私的かという開設主体を問わず、「一定規模の病床を有し、地域の救急医療や災害医療等を担う医療機関の役割を検討する」方針とした。

 「地域医療構想に関するワーキンググループ」は当初から3回の会議で議論を終える予定だったため、二つの議題を積み残した。

 「ワーキンググループで議論を」
 第3回「地域医療構想に関するワーキンググループ」で議論になったものの、結論が出なかったのは、2点ある。日本医師会副会長の中川俊男氏が、いずれの点についても、ワーキンググループで議論すべきと主張、「医療計画の見直し等に関する検討会」に上げる前に、構成員の間で持ち回り等で一定の議論をすることで落ち着いた。本ワーキンググループは当初から、第3回で終了する予定だった。

 論点の一つは、ICUやCCUなどを「既存病床数」として取り扱うか否かだ。医療法施行規則上、ICU等は、一時的な患者受け入れを想定して、「同一病医院内に、その患者を収容する病床が別途確保されている場合」には、「既存病床数」として算定しない。しかし、その運用は、都道府県によって相違があることが、第2回会議で問題視された。

 奈良県立医科大学医学教授の今村知明氏によると、以前はこの医療法施行規則が厳格に運用されてきたものの、ここ数年は「既存病床数」に含めて対応するケースが多いという。

 厚労省は、(1)ICU等のほかにも、NICUなど多様な治療室の類型があり、現状を踏まえた見直しが必要、(2)ICU等の治療室には、救急外来から直接入室する場合、病棟の予定手術の後にICU等に入室する場合など、さまざまな場合がある――とし、「ICU等の治療室については、実態の運用状況に沿った取り扱いの明確化が必要ではないか」と整理。

 これに対し、「どのように見直すか、はっきりさせてもらいたい」と問いかけたのが中川氏。全国自治体病院協議会会長の邊見公雄氏は、「別途病床が確保されている」という理由で、ICU等が削減されたりすれば、地域医療にとっては、非常に大きな問題と懸念した。中川氏も続いて、別途病床が確保されているか否かなどは、ICU等の日々の運用によっても異なるため、「既存病床数」に入れるか否かの判断は容易ではないと指摘、地域医療に大混乱を招きかねない重要な議論であるとし、ワーキンググループでの議論を求めた。

 厚労省医政局地域医療計画課長の佐々木健氏は、「実態の運用状況に沿った取り扱いの明確化」は、明確化した以降にICUを新設する場合などに適用するものであり、既存のベッドを取り上げるようなことは考えていないと説明。そもそも運用状況が不明のため、その把握が先決であるとした。厚労省医政局長の神田裕二氏も、都道府県により不公平があっては問題でるとし、「実態を把握して整理し、その上で議論してもらいたい」と述べ、理解を求めた。

 「医療資源投入量」
 もう一つの論点は、厚労省が「一般病床の基準病床数の算定に当たって、医療資源投入量の少ない患者の取り扱いは、入院経過中における医療資源投入量の変化やその患者像等も踏まえつつ、平均在院日数の考え方と併せて今後整理」とした点。

 この点も第2回会議で議論になっていた。「医療資源投入量」は、地域医療構想で、高度急性期、急性期、回復期、慢性期の区分の際に用いるレセプト点数から見た指標で、慢性期に相当する医療需要は、療養病床あるいは在宅医療で対応することになっている。厚労省医政局地域医療計画課は、第2回会議で、「ここに該当している患者が、どんな経過を辿るのかを調べることによって、整理ができないかと考えている」と説明。在宅医療で診る患者が多ければ、平均在院日数の短縮、ひいては基準病床数の減少が想定される。

 佐々木課長は、「医療資源投入量」の少ない患者がどんな病態にあるかを検討しないと議論ができず、在宅医療に移るか否かという見込みすら立てられないとし、「結論ではない。今データを集めており、引き続き議論するという意味で、このような表現にした」と説明。

 それでも、「基準病床数の算定式に、医療資源投入量は全く関係がないはず。なぜここに出てくるのかが腑に落ちない。基準病床数と『病床の必要量』は整合性を取るものではないが、この表現では取るように見えてしまう」‘(中川氏)、「基準病床数と『病床の必要量』は違う。ここにあえて文言を入れる必要があるのか」(全日本病院協会副会長の織田正道氏)、「医療資源投入量が、医療必要度と関係するかは分からない。例えば、手術を控え、検査が終わった時点では、医療必要度は高いが、医療資源投入量は少ない。現場から遊離している」(邊見氏)などの異論が相次いだ。

 尾形座長は、「データがないと実質的な議論ができていない」とし、厚労省と相談して表現等を見直し、本ワーキンググループの構成員に諮ると述べ、議論を終えた。



http://univ-journal.jp/9790/
国際医療福祉大学 ミャンマー政府と医学部奨学金制度を設置
2016年9月24日 大学ジャーナルオンライン

 国際医療福祉大学は、2016年9月16日、ミャンマー保健スポーツ省と、2017年4月に成田市に新設する医学部に優秀なミャンマー人学生が留学するための特別奨学金制度設置についての合意書を締結。成田キャンパス内で開かれた調印式には、ミャンマー政府のミン・トゥエ保健スポーツ相と国際医療福祉大学の高木邦格理事長が出席した。

 特別奨学金制度は、ミャンマー保健スポーツ省が推薦する学生を国際医療福祉大学が最終選考し、合格者2名までに対し、医学部を卒業するまでの6年間、入学金や授業料、教材費、生活費など1人当たり計3,000万円の奨学金を供与するというもの。ミャンマー側からはさらに、ミャンマー教育省が推薦する学生から2名を選抜し、同様の奨学金を与える予定。

 この制度は、ミャンマー人学生が日本の医学を学び、母国ミャンマーの保健医療分野の発展に寄与することが目的。そのため奨学生には日本の医師国家試験合格や日本と母国で、医師として6~9年間勤務することが義務付けられる。

 調印式後、ミン・トゥエ保健スポーツ相は「このような温かい援助をいただき、心の底から喜んでいます。これを機にミャンマーと国際医療福祉大学およびグループの関連病院との関係が一層、深まることに願っています」と大学に感謝の意を表明。これに対し、高木理事長は「新設医学部の卒業生がミャンマーで活躍され、医療事情の向上にお役に立てるなら、とても光栄なことです。今回の調印を励みに、世界水準を上回る医学教育にまい進していきたい」と述べた。

 2017年4月、成田市に新設される医学部では、1学年の定員140名のうち、アジア各国などから優秀な留学生20名を受け入れ、アジアの医学界に貢献できる人材を育成する計画。今回のミャンマー人留学生に対する奨学金もその計画の一環。国際医療福祉大学ではミャンマーのほか、すでにベトナムとモンゴルの留学生計7名を選考し、医学部奨学金を与えることを決めている。今後、カンボジアやインドネシアなどアジアの他の国々でも現地の政府・大学と協力し、同様の制度を始める予定だという。



http://mainichi.jp/articles/20160925/ddm/041/040/127000c
横浜・患者中毒死
飲料に異物・看護師服切られる・カルテ紛失 トラブル今年3件、院長説明 病院、通報せず

毎日新聞2016年9月25日 東京朝刊

 横浜市神奈川区の大口病院で入院患者の八巻信雄さん(88)の点滴に異物が混入され殺害された事件で、同病院の高橋洋一院長らが24日、病院前で記者会見し、八巻さんが入院していた同病院4階で今年、職員のペットボトル飲料に異物が混入するなど3件のトラブルが発生していたことを明らかにした。病院はいずれのトラブルも把握していたが、「院内で対処すべきだ」と考え、警察へは通報しなかったという。【藤沢美由紀】

 院長らの説明によると、今年8月、同病院を退職する職員から4階で勤務する職員へ差し入れられたペットボトル飲料に異物が混入された。飲もうとした看護師が気付き、事務部長が飲料を口に含んだところ、漂白剤のようだったという。ペットボトルの上部に注射針程度の大きさの穴が開いていた。健康被害はなかった。

 春ごろには、4階のナースステーションの壁に掛けられていた看護師の服が切り裂かれていた。6月には、入院患者1人のカルテ数枚が医師の机の上からなくなり、5階の看護部長の机から見つかったという。

 高橋院長らは「看護師らに聞き取りをしたが、いずれも職員間の嫌がらせとして警察には相談せず、誰がやったかを特定することもしなかった」と説明した。

 高橋院長は会見の冒頭、「亡くなった八巻さんとご遺族に深い哀悼の意を表する」と述べた。入院患者が殺害されたことについては「施設職員による高齢者への虐待など、信じがたい事件の報道があるが、勤務している若い人がそうした感情を持っているとしたら理解できない」とし、事件については「警察の捜査に全面的に協力している。私は職員を信じている」と話した。

「点滴に混入物」横浜市にメール
 横浜市は24日、八巻信雄さんが死亡した今月20日に「点滴に漂白剤らしきものが混入された事件が発生した」と伝えるメールを受け取っていたことを明らかにした。今年7、8月に同市に送られたメールと同じ人物からのメールとみられる。20日のメールは神奈川県警への通報をうかがわせる記述があったため、市は病院への事実確認や県警への通報などの対応は取らなかったという。

 八巻さんは20日午前4時55分ごろ、入院中だった大口病院で死亡が確認された。市医療安全課によると、この日の正午前に「事件」を知らせるメールを受信。メールには「今回は(病院が)警察に通報するようだ」とあったため、市は病院への問い合わせなどはしなかった。同課は「患者が死亡したと読み取れず、重大なことという認識がなかった」とも理由を説明した。

 大口病院を巡っては、7月5日に横浜市が「看護師のエプロンが切り裂かれた事案と患者のカルテが紛失した事案が発生した」というメールを受信していたことが分かっている。さらに、8月12日には「病棟で漂白剤らしきものが飲み物に混入し、それを飲んだ看護師の唇がただれた」とのメールも受信。市は9月2日に病院に対して医療法に基づく定期的な検査を実施。実際に病院内でトラブルがあったことが確認できたため、口頭で再発の防止を求める注意をしていた。【水戸健一】

大口病院での出来事 ※いずれも今年
春ごろ
ナースステーションの壁に掛けられていた看護師の服が切り裂かれる
6月
カルテが医師の机からなくなる
8月
ペットボトル飲料に漂白剤のような異物が混入される
9月14日
八巻信雄さんが大口病院に入院
____18日
八巻さんと同じ4階に入院中の80代の男性患者2人が死亡
____19日
午後10時ごろ______30代の女性看護師が八巻さんの点滴を交換
____20日
4階に入院中の90代の女性患者が死亡
午前4時ごろ_______八巻さんの心拍数が低下しアラームが作動
午前4時55分______八巻さんの死亡を確認
午前10時45分ごろ_病院が「亡くなった方の点滴に異物が混入された可能性がある」と神奈川県警神奈川署に通報
____21日
司法解剖で八巻さんの遺体から異物を検出
____23日
県警が点滴への異物混入による殺人事件と断定し、捜査本部を設置


  1. 2016/09/25(日) 06:00:55|
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9月23日 

https://www.m3.com/news/iryoishin/461454
シリーズ: 医師不足への処方せん
医科歯科、東大、京大の「三強」不変、2016年度中間マッチング
「1位希望人数」が20人以上増減した大学も

2016年9月23日 (金) 橋本佳子(m3.com編集長)

 2016年度医師臨床研修マッチングの「中間公表」の結果が9月23日に公表された。防衛医科大学と今年4月に医学部を新設した東北医科薬科大学を除く、全国79の大学病院本院を「1位希望」として登録した人数でランキングすると、1位東京医科歯科大学、2位東京大学、3位京都大学で、2015年度の「中間公表」と全く変わらなかった(2015年度のデータは、『不動の医科歯科、東大人気、2015年度中間マッチング』を参照)。

 中間公表の時点で、定員数に対する「1位希望人数」の割合(定員充足率)が100%を超えたのは、2015年度は4大学だったが、2016年度は3大学。昨年に続き、5位の大阪医科大学(120.0%)、6位の順天堂大学(111.3%)の2大学のほか、14位の昭和大学(107.7%)も100%を超えた。

 上位20位の中で、2015年度と比べて、大幅に順位を上げたのは、奈良県立医科大学(16位⇒8位)、東京女子医科大学(48位⇒12位)、昭和大学(39位⇒14位)、自治医科大学(34位⇒14位)、香川大学(30位⇒17位)、宮崎大学(39位⇒17位)など。

 一方、下位を見ると、山口大学、弘前大学、秋田大学、群馬大学、琉球大学など、地方の国立大学が目立つ。

 「1位希望人数」が、2015年度と比べて20人以上増えたのは、12位の東京女子医科大学(25人⇒48人)のみ。一方、20人以上減ったのは、16位の九州大学(61人⇒41人)、45位の北里大学(61人⇒26人)、47位の久留米大学(51人⇒25人)の3大学。

 なお、今年4月に医学部を新設した東北医科薬科大学は、募集定員5人に対し、「1位希望人数」は1人だった。

 医師臨床研修マッチングの最終結果の公表は、10月20日に公表予定。

表1 医師臨床研修マッチングの大学病院(本院)ランキング
医学部を持つ医科大学・医科大学(東北医科薬科大学、防衛医科大学を除く)、計79の本院分集計。「1位希望人数」が多い順にランキング。
同数の場合は、「充足率」が高い順に掲載。2016年順位のカッコ内の矢印は、2015年との比較。
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https://www.m3.com/news/general/461461
10倍のインスリン投与、80代女性死亡 長崎の病院
2016年9月23日 (金) 朝日新聞

 国立病院機構長崎川棚医療センター(長崎県川棚町)は23日、80代の女性患者に糖尿病治療薬のインスリンを必要量の10倍投与する医療ミスがあったと発表した。女性はその後死亡。解剖ができておらず因果関係は不明だが、病院側は女性が回復傾向にあったとして、過剰投与と死亡に「なんらかの影響があった」とみている。病院側はミスについて県警に届け出た。

 医療センターによると、女性は糖尿病などを患い、8月8日に入院。インスリンを含む栄養補給の点滴を受けていた。8月30日夜に、20代の看護師が医師の指示の10倍の量のインスリンを点滴で投与。女性は点滴から約8時間後の31日朝に死亡が確認された。看護師は専用の注射器を使わず、センターの手順で定められている複数人でのチェックも怠っていた。看護師は点滴を通してのインスリン投与は初めてだったが「自分一人でもできると思った」と話しているという。また、女性の血糖値を測定せずに架空の数値をカルテに記録していたことも判明。看護師は「女性の状態が安定していたので異状はないと思って測定しなかった」と話しているという。

 医療センターは、医療事故調査・支援センターに報告し、第三者による検証を行うという。



https://www.m3.com/news/general/461466
点滴袋の異常に気づき、病院が通報 横浜の殺人事件
2016年9月24日 (土) 朝日新聞

 横浜市神奈川区大口通の大口病院(高橋洋一院長)で20日、入院中の高齢の男性患者が死亡し、司法解剖の結果、死因が中毒死だったことが神奈川県警の調べでわかった。県警は23日、何者かが点滴から異物を体内に入れた殺人事件と断定し、特別捜査本部を神奈川署に設置した。

 捜査1課によると、殺害されたのは横浜市港北区新吉田東3丁目の無職八巻信雄さん(88)。4階の一室に14日から入院していた。

 19日午後10時ごろ、30代の女性看護師が八巻さんに栄養補給のための点滴を実施。20日午前4時ごろ、心拍数が低下していることにこの看護師がアラームで気づき、同日午前4時55分に死亡が確認された。その後、点滴袋の異常にこの看護師が気づき、病院が警察に通報したという。

 当時、8人部屋に計6人が入院しており、八巻さんは寝たきりの状態だった。

 翌21日に司法解剖した結果、八巻さんの体内からは異物が検出されたという。18日以降、同じ4階では八巻さんのほか、90代の女性、80代の2人の男性が亡くなっており、県警はいずれも司法解剖を実施。状況に不審な点がないかなど、慎重に調べている。

 大口病院はJR横浜線の大口駅から徒歩3分の住宅街にある。地下1階地上5階建てで、当時は52人の入院患者と6人のスタッフがいた。4階には18人の患者がおり、当直の看護師2人が担当。夜間は警備員が常駐し、関係者以外は出入りができないという。

 ウェブサイトによると、特定医療法人財団「慈啓会」が運営。診療科目は内科、小児科、整形外科、リハビリテーション科の四つ。急性期から症状が落ち着いてくる「亜急性期」や、長期療養が必要な「慢性期」の入院患者を主に受け入れているといい、病床数は85床。

 4階の一室に90代の母親が入院しているという横浜市都筑区の女性(58)は、21日昼にお見舞いに訪ねた際に、捜査員が病院内の廊下やナースステーションで指紋採取のような作業をしているのを見た。看護師に「何かあったんですか」と尋ねたが、「分かりません」と言われたという。

 面会時間は通常は午後8時まで。だが21日午後7時ごろに再び面会に行くと、「面会謝絶」の貼り紙があり、面会できなかったという。女性は「ショックです。病院側には何があったのか明らかにして欲しい」と話した。

 70代半ばの両親が約3年前から入院しているという横浜市泉区の40代女性は、「びっくりした。うちの父も数カ月前から点滴を打っている」と話した。

 八巻さんの近所の人によると、八巻さんは体調が悪く、家族がタクシーを呼んで病院に通う姿をたびたび見かけた。妻を亡くし、近くの息子の家に身を寄せていたようだという。

■病院内で発生した異物混入などによる殺人・殺人未遂事件

〈1991年〉神奈川県伊勢原市の東海大医学部付属病院で、主治医の元助手が、末期がんだった男性患者(当時58)に塩化カリウムを注射して死亡させたとして殺人の疑いで逮捕。裁判で「安楽死」が争点となったが認められず、元助手は執行猶予つきの有罪判決

〈2001年〉仙台市のクリニックで、准看護師の男が入院していた小学6年生の少女の点滴に筋弛緩(しかん)剤を混入して殺害しようとした殺人未遂の疑いで逮捕。男は殺人罪などで無期懲役の有罪判決

〈2008年〉京都市の病院に入院していた五女(当時1)の点滴に、古くなったスポーツドリンクを注入したとして、京都府警が母親を殺人未遂の疑いで逮捕。06年には入院中の四女(当時8カ月)の点滴にも水道水を注入して殺害していたとして殺人容疑で再逮捕。母親は傷害致死罪などで懲役10年の有罪判決



https://www.m3.com/news/iryoishin/461460
小松医師、厚労省・千葉県の職員2人を提訴
公務員の「言論抑圧」を問題視、個人責任を問う

2016年9月23日 (金) 橋本佳子(m3.com編集長)

 元亀田総合病院(千葉県鴨川市)副院長で、『医療崩壊』(朝日新聞社、2006年に上梓)の著者として知られる小松秀樹氏は9月23日、厚生労働省の幹部職員と千葉県の医系技官の2人に対し、不法行為に関する25万4000円の損害賠償請求を求めて東京地裁に提訴した。

 小松氏が亀田総合病院に勤務していた時代、補助金支給をめぐる厚労省や千葉県の対応などを問題視していた小松氏の言論を封じるために、同病院を経営する医療法人鉄薫会の経営者に対して、小松氏を懲戒解雇処分するよう求めたことが提訴理由。小松氏は2015年9月25日付で懲戒解雇されている(『小松氏に懲戒解雇処分、「到底納得できず」』を参照)。

 懲戒解雇処分についても無効であるとして、「未払給与相当額」など計1957万3335円を求め、医療法人鉄薫会と関連の社会福祉法人太陽会を9月13日付で千葉地裁館山支部に提訴している。

 小松氏は、「行政のチェック機能を果たし、行政の健全性を保つためには、言論の自由が保障されていなければならない」と提訴理由を説明。

 代理人を務める弁護士の井上清成氏も、小松氏の言論を封じ締めようとした厚労省と千葉県の職員の行為は、「職務上としては、絶対としてあり得ない」と指摘。公務員の職務に関連した行為の責任は、国家賠償法により国などが負うが、今回の場合、被告2人の行為は職務とは関係がなく、個人の法的責任を問えると判断したという。損害賠償請求額の内訳は、慰謝料20万円、弁護士費用5万4000円。

 小松氏は2014年4月から3年間の予定で、医療法人鉄薫会および社会福祉法人太陽会と契約していたため、懲戒解雇処分から2016年3月末までの「未払給与相当額」を鉄薫会に、「未払顧問料相当額」を太陽会に求めたのが、もう一つの提訴だ。労働契約法上、懲戒解雇処分をする場合、使用者は、1月前の予告、あるいは1カ月分の給与の支払い、あるいは労働基準監督署の「解雇予告除外認定」を受ける必要がある。小松氏の場合、これらの要件を満たさずに懲戒解雇処分された。処分後に1カ月分の給与を受け取っているため、「未払給与相当額」は5カ月分。1957万3335円の内訳は、「未払給与」と「未払顧問料」の相当額967万3335円、慰謝料800万円、弁護士費用190万円。

 2人の公務員を訴えた裁判の第1回口頭弁論の期日は未定。民事裁判の場合、原告、被告ともに尋問が行われるのが一般的。法廷での証言を含め、今後の展開が注目される。なお、小松氏は今回の補助金支給をめぐる問題で2015年11月、千葉県の職員2人を、公務員職権濫用容疑などで、千葉地検に告訴・告発している(『千葉県の職員2人を、公務員職権濫用容疑などで』を参照)。告訴・告発は、受理されたものの、現時点で結論は出ていない。

 小松氏が「言論抑圧」を受けたとするのは、2013年度から2015年度までの3年間にわたり、亀田総合病院内の「地域医療学講座」に支払われた、地域医療再生臨時特例交付金をめぐる動き(『亀田総合病院、『医療崩壊』小松氏の言論抑制』を参照)。3年間で計5400万円交付される予定だった。2013年度1137万7000円、2014年度1800万円、2015年度2462万3000円という内訳だ。

 ところが2015年5月に千葉県から、2014年度分については、2015年3月30日付で1800万円の交付決定通知が出ていたにもかかわらず1500万円に減額するほか、2015年度の補助は打ち切ると通告された。これを問題視した小松氏が、ネット上で実名を挙げて問題提起したほか、調査依頼と厳正対処を求める文書原案を作成し、知り合いの厚労官僚に相談をしていた。小松氏は、この動きを封じようとしたのが、厚労省と千葉県の職員であり、文書原案が千葉県職員から医療法人鉄薫会理事長に送付される事態となり、ひいては懲戒解雇処分につながったと見る。

 井上弁護士は、「内部通報や情報公開請求を行った人に関して、関係者に通報すること自体が問題になる」などと述べ、2人の公務員の責任を問う構えだ。



http://medg.jp/mt/?p=7016
Vol.212 新専門医制度は搾取する
小松秀樹
2016年9月23日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行  http://medg.jp

●教育は職業訓練の機会を搾取する

教育制度は、被教育者を社会に参入させやすくするものでなければならない。教育制度自体が参入障壁になったのでは、社会の害にしかならない。参入、転出を容易にできるようにしなければ公正さを担保できない。社会に貢献できるようになるまでの期間は、可能な限り短い方がよい。そのためには、教育内容の情報量を少なくする努力を怠ってはならない。ネットで調べたらすぐ出てくる情報を、覚えさせる必要はない。自立した学習能力を持たせることが教育の最大の課題である。権力的で無能な教育者は、被教育者に隷属を強い、教育内容を増やし、教育期間を長くしたがる。
インドの世界的IT企業Zohoのシュリダー・ベンブCEOは、貧しい高卒の少年を教育して、短期間で指導的技術者に育成することに、自分と会社の存在意義を見出している。
われわれがそのひとの人生をかえることのできるような、そんなひとを採用するのですよ。スタンフォード卒の人材を採ってもね、彼らはまたほかの仕事を見つけますから。Zohoにとってそういう人材はあまり価値がない。でもわれわれが採用するような人材にとって、私たちの存在は意味のある大きな変化をつくり出すことができるんです。
Zohoでは採用時に成績は見ませんし、学位も考慮しません。学歴不問です。今も高卒の人材を採用して、自社でトレーニングするんですよ
適性テストを実施し、場合によっては面接もして採用した人を「Zohoユニバーシティ プログラム」に送り込みます。社内で「Zoho ユニバーシティ」と呼んでいるんですが、そこで採用者を一年半トレーニングする。インドでは、専門や学校にもよりますが、17、18で高校を卒業しますから、その人達が入ってくれます。
(「私が博士号を取っていなければ、会社は今の10倍になっていたでしょうね」
http://cybozushiki.cybozu.co.jp/articles/m000889.html)

教育システムは人々から、職業的には必要ない人々からさえも金を巻き上げている。
もし18歳から22や23歳の若者を大学に入れてしまったら、経済的価値を生んだかもしれない貴重な4年間はただ失われて経済は悪化しかねない。(「人は学歴を欲しがり、教育は職業訓練の機会を搾取する」
http://cybozushiki.cybozu.co.jp/articles/m000891.html)

故宇沢弘文氏は、世界的経済学者であるが、優れた教育者としても知られていた。彼は日本の大学院制度の在学期間の長さを問題視していた。

現行の大学院制度は、前期2年の修士課程と、その上に後期3年の博士課程と、合わせて5年を必要最低限の在学期間としていますが、これはまったく非常識極まりない長期間で、世界にその例はありません。
大学院の学生として、経済的な裏付けもないまま、苦しい勉学と研究に従事し、しかも将来の職業的保障もまったくない不安定な状態で、大学を卒業してから五年間という長い年月を若者たちに強制するという、この新制大学院の制度ほど非人間的なものはないように思われます。(『日本の教育を考える』岩波新書)

日本専門医機構は新専門医制度をどう位置付けていたのか。池田康夫前理事長は、従来の専門医制度について、以下のように総括していた。

各学会が独自で制度設計をして専門医を認定してきた
学会専門医制度が乱立し、専門医の質の低下への懸念が生じている

さらに、専門医制度改革の基本理念を次のように説明していた。

「公の資格」として、国民に広く認知されて評価される制度
「プロフェッショナル集団としての医師」が誇りと責任を持ち、患者の視点に立ち自律的に運営する制度

日本専門医機構は、日本医師会、日本医学会、全国医学部長病院長会議などからなる第三者機関との位置づけだった。機構が専門医の認定と養成プログラムの評価・認定を行う。学会や行政から独立した第三者とはいうものの、実質的に厚労省が仕切っているというのが関係者での共通認識だった。「公の資格」は官の支配する資格と理解されるが、質の高さを保障するものではない。自律、プロフェッショナルオートノミーを高らかに主張する団体が、実質的に厚労省によって設立され、支配された。

日本専門医機構の枠組みに対し、多くの学会が猛反発し、有力な学会が社員として制度設計や運営に参加することになった。そもそも、プログラムは学会が作成することになっていた。学会は専門領域別大学教授連合ともいえるものなので、全国医学部長病院長会議と基本的な利害が一致する。かくして、新専門医制度は厚労省と大学教授の思惑が色濃く反映されるものになった。厚労省は新専門医制度を、病院と医師を支配する道具と考え、大学教授は支配下の医師を増やそうとした。いずれも、現場の実情や人権を配慮することがなかった。実施すると結果がどうなるのか、想像する責任感がなかった。多様な専門家を効率的に育成し、より長期間社会で働いてもらおうという基本が無視された。必然的に、医師に長期間の隷属を強いる搾取の体系となった。

新専門医制度は基本領域とサブスペシャルティ領域の二段階にするとされた。基本領域の専門医資格を取得したのちに、サブスペシャルティ領域の専門医を取得する。また、専門医の養成は単独の大学や病院ではなく、グループで実施される。初期研修を終えた医師を専攻医として基幹大学、基幹病院が採用し、連携病院と共に養成する。連携病院に専攻医が派遣される。従来の医局と同様、若い医師を長期間人事的に支配できる。

新専門医制度は、2017年4月、開始予定だったが、厚労省と大学の思惑に対するブレーキがなかったため、矛盾が大きくなった。医師の偏在を助長するとして自治体関係者から反対された。医師の給与や身分保障が不十分であること、出産、育児に対する配慮がなかったことから、若い医師、とくに、女性医師に嫌われた。四面楚歌の中、2016年6月、日本専門医機構は、2017年度の全面実施断念に追い込まれた。

●画一化は医療水準を下げる

厚労省、とくに医系技官は、あらゆる局面で、現場に全国一律のやり方を強いる。強引に、現実離れした規範を押し付ける。新専門医制度は、若い世代のすべての医師の行動を、何年にもわたって画一的様式に縛り付ける。若い医師の貴重な時間を奪い、成長のチャンスを削ぐ。

医師は医師免許取得後、2年間の初期研修を義務付けられている。この2年間、診療科をローテイトしながら研修する。新専門医制度では、内科専門医を取得するためには、初期研修終了後、3年間の研修が義務付けられることになっていた。サブスペシャルティに進むのはこの後になる。医師としての基本を学び、内科専門医としての経験と知識を修得した上で、サブスペシャリティの訓練に進むべきだという幻想に基づいた制度である。

内科専門医になるためには、経験症例のサマリー提出、筆記試験などをクリアしなければならない。「70もの中分野を全て経験し、13領域全てに亘る29症例のレポートと主治医として担当した200症例の記録を提出」(遠藤希之 MRIC vol.152, 2016 年7月4日)することが求められた。いじめに近い。経験すべき疾患には、発症率10万人当たり1.15という稀な疾患まで含まれていた。

内科では、現在でも最低年限で専門医資格を取得するのは少数でしかないが、これがさらに長くなり、サブスペシャルティ専門医の取得が2~3年遅れると懸念されていた。

循環器内科で不整脈のアブレーション治療をする医師に、膨大な内科の全領域の診療能力は不要である。お客さん扱いで多くの診療科をまわっても、かけた労力・時間に見合った能力が得られるとは思えない。内科専門医の資格を取得したとしても、アブレーションを担当しながら、広汎な診療能力を維持できるはずがない。そもそも、若い時期でなければ、技術的に難しい手技を修得できない。自分で扱えない疾患について、相談すべき専門家が誰かを知っているだけで十分である。

●大学病院

診療科によっては、研修できる基幹病院が大学病院だけという県が20にもなるという。一般的に大学病院は研究重視で、医療水準が低い。筆者の専門とする泌尿器科領域では、かつて、手術が稚拙だったために患者の生命が奪われる事態が珍しくなかった。筆者は、医局に所属したが、大学病院には最初の1年しかいなかった。手術が望ましい水準に達していなかったので、大学で訓練を受けたくなかった。外部の症例が多い病院で、他科の手術を見学し、ときに参加させてもらった。上司や他科の医師と相談しながら、泌尿器科手術を少しずつ改良していった。当時、医局の辺境には、自分を訓練する方法を自分で選択できる自由があった。5年目には、大学病院で行われていたあらゆる手術を、大学病院より高い水準でこなせるようになった。9年目には山梨医科大学で手術を主導することになった。

一方、ある知人が所属していた大学外科医局では、9-10年目にならないと手術の執刀医になれなかった。医局の手術方法を踏襲することを強いられた。能力に関係なく、年限だけで執刀医資格を決めていた。これでは手術技量が向上するはずがない。医局は、手術技量の向上の阻害要因として機能した。

筆者が虎の門病院に入職した当時の秋山洋院長は、食道がんの手術を実用レベルに高めた外科医である。若いころ、日本中の大学、病院、世界の病院を見学し、議論して回った。大学医局から異端児としてつまはじきにされたことなど、往時の苦労を何度も聞かされた。

今も手術は危険である。患者安全のためには、病院が日常的に自らの医療水準をモニターし、システムとして安全対策を講じなければならない。一般的に、大学病院は、患者安全を含めて医療水準向上の取り組みが遅れている。群馬大学で多くの患者が腹腔鏡下肝切除術後に死亡したことが問題になった。群馬大学病院は、安全システムを構築していたが、形ばかりで機能していなかった。病院が、各診療科をコントロールしようとしていなかった。難手術や新しい手術は誰もができるわけではない。病院にとって初めての手術を導入するための適切なプロセスを用意しておくべきだった。

筆者は、病院にとっての新規医療技術導入のルールを作成したことがある。保険診療として認められたものでも、その病院で初めてのものは、ルールに従う必要がある。新しい技術導入を、病院が現場を支援しつつ、安全に導入する。必要があれば、外部の専門家の協力を求める。問題があれば院長が差し止める。下手な外科医に執刀を禁ずるのは、本人のためでもある。人事も対応手段である。群馬大学病院は、病院管理の不備を個人の善悪の問題にすり替え、現場担当者を処罰することで病院の利益を守ろうとした。大学病院にありがちな対応である。このような病院に長期間若い医師を縛り付けるのは適切でない。

進歩は画一性からではなく、多様性から生まれる。医療機関ごとに実施している医療内容、財務状況、得られる人材が異なる。患者安全を高める適切な方法は病院ごとに異なる。多様性が許容されなければ、創意工夫は生まれない。統制による画一性からは、責任逃れの意識は生まれても、自由な発想で医療水準を高めようという意思は生じない。旧共産圏では、医療は進歩を阻まれ、惨憺たる状況になった。

新専門医制度がそのまま施行されていたら、統制医療がますます強化され、様々な領域で医療水準を下げることになっただろう。

●悪辣な教育者を想定する

社会システムはめったに期待通りには機能しない。教育する側に問題があることを想定しておく必要がある。とくに、長期間の隷属を強いる教育システムでは、悪辣な教育者、病院経営者は若い医師を潰してしまう。

筆者は『医療の限界』(新潮新書)に以下のように書いた。

一般的な話ですが、無能な人間が権力を持ち、しかも勤勉だとひどく有害です。無能な権力者はせめて怠惰であってほしい。それと同じで、教育する側に問題がありうることを想定して、教育システムは逃げ道のある簡素なものがよいと思うのです。

筆者は、苦境に陥った医療関係者や医療過疎に悩む自治体関係者から相談を受けることがある。ある病院で、後期研修医とその上司の関係が険悪になった。研修医が病院の上層部に相談したところ、パワハラ委員会に訴えるよう勧められた。これに従ったところ、パワハラ委員会は、研修医に問題があるという前提で固められていた。病院は何が起こったかに興味を示すことなく、研修医を切るという最も安易な方法で処理しようとした。筆者は詳細な事実関係を知る立場にはないが、研修中の医師と指導医や病院の間で対立関係が生じたとき、正当な扱いを受けるのは不可能だと確信する。

紛争を裁判所で処理するには多大な労力が必要である。個人に経済的、精神的損失をもたらす。紛争に発展しないまでも、被教育者は理不尽な隷属を強いられやすいので、裁判以外の救済方法を用意しておく必要がある。そもそも、病院が裁判のように善悪を判断し、それを確定させるのは不可能である。しばしば、二次紛争に発展する。裁判所でも正しい判断を下すのは難しいが、裁判所は無理やり紛争を終結させるための権限と手続きをもっている。被教育者側の自由意志で、不利益をこうむることなく簡単な手続きで転出できるようにしておけば、被害が多少緩和される。それでも、統一的で長期間に及ぶ強制的教育システムは、人権を侵害し、多様性を奪う。

●最大の被害者は大学エリート

新専門医制度がそのまま施行されていたとすれば、大学エリートはどのようなキャリアパスをたどるのか。初期研修が2年。内科専門医を取得するのに5年(最低年限は3年だが5年程度必要と予想されていた)。サブスペシャルティの専門医資格を取るのに3年。さらに、大学院で博士号を取得するのに4年。大学での出世には留学が必須であり、これに3年。杓子定規にやれば、修業期間が17年に及んでも不思議ではない。修業期間中に、中年になり体力、知力が衰え始める。診療実務に責任者として携わらないまま40歳を超える。キャリアアップの武器になるような手技を修得する時機は失われている。大学医局にぶら下がって生きるしかない。

この間、非正規雇用の期間が長くなる。給与はわずかである。大学によっては、今なお無給で働かせるところもある。アルバイト頼みの、地に這うような生活を強いられる。非正規雇用だと、共済年金や厚生年金にも加入できない。年金は国民年金のみである。それも年金保険料を自分できちんと支払っていなければ、満額支給されない。正規職員に採用されたとしても、大学の給与は低い。勤続年数が短くなるので、退職金もわずかである。

医療費を下げる圧力が継続しており、給与は下がり続けている。大学のエリート医師が、老後、路頭に迷う時代がそこまで来ている。

●結論

統一的で強制的な専門医制度は、多様性を奪い医療水準を低下させるのみならず、若い医師を長期間隷属させ、未来を奪う。医師の活動総量を小さくし、国民に不利益をもたらす。新専門医制度の設計に関わった多くの医療関係者の誰もが、この制度の異様さに気付いていなかった。関わった大学教授に、指導者に求められるべき教養が欠如していたためである。

近年、中国、韓国の躍進と対照的に、日本の医学研究の信頼性は低下し続けている。日本を代表する医学者たちが、日常的に不正を行っているのではないかと思われ始めた。バルサルタン事件、SIGN試験問題などの不祥事を東京大学は、きちんと解決していない。最近告発された医学論文不正疑惑では、東大病院長を務めた医師(現日本内科学会理事長)が論文の共著者になっていた。今後の推移が注目される。バルサルタン事件に関与した東大教授は、その後、日本循環器病学会理事長に就任した。理事長を選任した学会役員の見識が疑われる。東京大学をはじめとする大学の知的退廃が、専門医制度をはじめ、日本の医療に暗い影を落としている。



https://www.m3.com/news/general/461411
「股のぞき」に知覚賞 立命教授らイグ・ノーベル
2016年9月23日 (金) 共同通信社

 【ニューヨーク共同】ユニークなテーマに取り組む世界の研究者に贈られる今年の「イグ・ノーベル賞」の授賞式が22日、米東部ケンブリッジのハーバード大で行われた。上半身をかがめて股の間から物を見たら、普段の見え方からどんな変化があるかを研究した立命館大文学部の東山篤規(ひがしやま・あつき)教授(心理学)らが「知覚賞」を受賞した。

 東山教授は「一般的には興味を持たれない分野なのに、賞をもらえて驚いた。褒めてやろうと言ってくれるのは素直にうれしい」と話した。日本人のイグ・ノーベル賞受賞は10年連続。

 東山教授は「視覚による空間知覚」などが専門で、2006年の論文「股のぞきの世界 大きさの恒常性の低減と見かけの距離の短縮」などの研究が評価された。

 京都府宮津市の天橋立を「股のぞき」の姿勢で眺めると、空と海が逆転して特徴的な風景が見えるといわれるように、姿勢によって物の見え方が変化することは昔から知られている。

 東山教授らは多数の学生ボランティアで実験。頭部が胸より下になる「股のぞき」の姿勢では、見える風景の距離感が正確につかみにくくなることを証明した。

 人間は子供の頃から頭部を上にした姿勢で大きさや距離の知覚を身に付けるため、条件が大きく異なる姿勢では知覚の精度が下がることが原因として考えられるという。

 東山教授は受賞講演の冒頭、「まず私がやってみせましょう」と宣言して壇上で「股のぞき」を実演。司会者に促され、ほかの部門で受賞した研究者たちや観客らも同じポーズを取り、会場は大きな笑いに包まれた。講演は、上半身裸の男性が照明役として脇に立って行われた。

 イグ・ノーベル賞は論文の共同執筆者で大阪大大学院の足立浩平(あだち・こうへい)教授(行動統計科学)との共同受賞。論文の構想は東山教授が主導した。



http://www.asahi.com/articles/ASJ9Q4QJ1J9QUTIL00G.html
医療・健康・福祉(アピタル)
「鑑定留置」裁判員導入後に急増 医師不足、育成が急務

藤原学思、市川美亜子
2016年9月23日13時18分 朝日新聞

鑑定留置の件数の推移
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 刑事責任能力を判断するため、精神障害などの疑いがある容疑者や被告を数カ月にわたって病院などで拘束する「鑑定留置」が急増している。市民が裁判員として加わるようになり、判断しやすくする狙いが検察側にある。ただ、鑑定に携わる医師は不足しており、学会などが人材育成を急いでいる。

■責任能力、判断しやすく

 「精神鑑定のおかげで、責任能力について迷わず判断できた」。今年3月に東京地裁であった裁判員裁判。自宅マンション13階から長男(当時5)を投げ落としたとして、女(36)が殺人などの罪に問われた。裁判員を務めた男性は、被告人席の女の身ぶりや表情を注意深く見守った。

 女は精神科への通院歴があったことなどから、起訴前と起訴後に計2度の鑑定を受けていた。鑑定結果は鑑定医が法廷で説明。その結果をふまえ、弁護側は「障害の影響があり責任の非難は軽減される」と訴えていたが、検察側は「(被告の)障害は、過度に有利にくむべき事情ではない」と主張した。裁判員裁判では、難しい専門用語をわかりやすく言い換える配慮もされている。

 裁判員の男性は「身近に同じような障害のある人がいないので、自分の感覚だけで判断するのは難しかった。鑑定書類を読み、鑑定医の証言を法廷で聞いて、総合的に考えた」。判決は懲役11年。「障害の程度は軽度で犯行に影響したとは認められず、責任を軽減する事情として重視できない」との判断だった。

 最高裁によると、鑑定留置が認められた件数は2009年に裁判員制度が始まる前は年間250件前後だったが、その後は急増。14年は564件だった。起訴前に検察側が請求する鑑定と、起訴後に裁判所が職権で行う鑑定があるが、特に増えているのは起訴前の件数だ。今年7月に相模原市の障害者施設で起きた殺傷事件でも、起訴前に容疑者が鑑定留置された。

 ある検察幹部は「法廷で被告の様子がおかしいと感じると、裁判員は責任能力を疑う。検察が鑑定した上で起訴すれば、犯行当時に責任能力があったとわかってもらえる」。別の検察幹部は「取り調べの録音・録画が進み、弁護人は自白が任意にされたものかを争点にしにくくなり、責任能力を争うようになった。検察として先手を打つ意味合いもある」と打ち明ける。

 こうした検察側の狙いを、弁護側も注視する。日本弁護士連合会で責任能力をめぐる対策チームの委員を務める田岡直博弁護士はこう分析する。「検察側は起訴するケースを絞り込み、裁判員裁判での立証の負担を減らしているのだろう。鑑定で有利な結果を得て確実に有罪に結びつける一方で、危ない橋は渡らない」

 田岡弁護士は「責任能力を争うスキルで、弁護側は検察側に立ち遅れている」と認める。弁護側が独自に依頼する「私的鑑定」を増やす必要性もあるとしつつ、「どんな鑑定結果についても裁判員を説得できるよう、研修などを通して態勢を強化したい」と話す。

■医師育成追いつかず

 急増する鑑定に、医師の育成が追いついていない。日本司法精神医学会理事の五十嵐禎人(よしと)・千葉大教授は「経験の浅い医師にも依頼が増えた。質が落ちている可能性は否定できない」と語る。

 五十嵐教授によると、鑑定医には特別な資格は要らないが、精神障害を診断したり、犯行に与えた影響を分析したりするスキルが必要だ。学会では14年、鑑定医の認定制度を始め、これまでに約30人が認定された。過去に担当した鑑定書5件の提出を求めるなど経験を重視している。

 大学院で養成する動きもある。東京医科歯科大の大学院は昨秋、国内で初めてという「犯罪精神医学専門チーム」を設けた。今春から若手の精神科医2人が週1回、ベテラン鑑定医の岡田幸之(たかゆき)教授のもとで犯罪精神医学を研究したり、実例を分析したりしている。

 岡田教授は「犯罪を扱う精神医学者は非常にマイナーな存在。国内での教育の場はほとんどなかった」と話す。「1人の患者と長時間向き合って判断する仕事のやりがいを知ってもらい、ごく限られた医師に依頼が偏る現状を変えたい」(藤原学思、市川美亜子)

     ◇

 〈鑑定留置〉 精神状態などを調べるため、逮捕後の容疑者や起訴後の被告の身柄を数カ月にわたって病院などで拘束すること。刑事訴訟法に基づく手続きで、検察官が請求して裁判所が認める場合と、裁判所の職権による場合がある。鑑定では、成育歴や生活状況のほか、犯行の動機が了解できるかや計画性、違法性の認識などについて調べられ、その結果は捜査や裁判で刑事責任能力を判断する材料となる。勾留期間中に半日から1日で行われる「簡易鑑定」とは区別される。



http://mainichi.jp/articles/20160923/ddl/k25/040/279000c
フォーラム
自治体病院考える 市民ら400人 野洲 /滋賀

毎日新聞2016年9月23日 地方版 滋賀県

 JR野洲駅前での市立病院建設計画が進む野洲市で22日、地域医療のあり方などを考えるフォーラム「新しい自治体病院をめざして」が開かれた。市民ら約400人が参加した。

 市や市自治連合会などでつくる実行委の主催。京都大元総長の井村裕夫・先端医療振興財団名誉理事長(85)が基調講演し、「超高齢化社会に向け、医療機関と企業やNPO、行政が協力して個人の健康を守っていかなければならない」と指摘。患者がリハビリ中に利用できる宿泊施設や、病気を予防するための医療拠点などが重要になると語った。また、市が計画する新病院について「高齢者の健康を守るために指導的な立場で関与するような未来型の病院ができればいい」と期待を述べた。

 県内外の医療関係者らによるパネルディスカッションもあり、片岡慶正・大津市民病院長は「公立病院に求められるのは公共性、持続性、経済性の三つの柱。市民の皆さんが病院を支えてほしい」と呼びかけた。駅前での病院建設に反対があることに関して、福田正悟・守山野洲医師会長は「高齢者が1人で安全に通院でき、他市に住む家族も訪れやすい。利便性から駅前が最適だと思う」と話した。【村瀬優子】



http://www.medwatch.jp/?p=10485
基準病床数の設定にあたり、「医療資源投入量」を考慮すべきか―地域医療構想ワーキング
2016年9月23日|医療・介護行政をウォッチ

 医療計画における基準病床数の設定について、「病床過剰地域であるが、将来に向けて病床の必要量が既存病床数を大きく上回る」ような場合には、基準病床数を毎年見直すことや、特例措置で対応する―。

 こういった方針が、23日に開かれた地域医療構想に関するワーキンググループ(以下、ワーキング)で固まりました。近く、親会議である「医療計画等の見直しに関する検討会」に報告されます。

 ただし、基準病床数の中で「医療資源投入量の少ない患者」の取扱いをどうするかというテーマについては意見が固まっておらず、親会議に議論の場を移すことになります。

ここがポイント!
1 病床の必要量が今後増大する地域では、基準病床数の毎年見直しなどで対応
2 医療資源投入量が少ない患者、実像を精査した上で、親検討会で議論
3 地域医療構想の実現に向け、調整会議ではまず「各医療機関の機能の明確化」を
4 ICUなどの病床数、既存病床数にカウントすべきか、除外すべきか

病床の必要量が今後増大する地域では、基準病床数の毎年見直しなどで対応

 大阪府や東京都など、今後も高齢化が著しく進行する地域で生じる「既存病床数が基準病床数(事実上の病床整備上限)を上回っているために地域で増床ができないが、新たに定めた地域医療構想の『病床の必要量』(2025年において必要となる病床数)は既存病床数を超えている」という問題が浮上しています。これにどう対応するかが、ワーキングでの大きな検討テーマになっていました。端的に言えば「医療計画の『基準病床数』と、地域医療構想の『病床の必要量』の関係をどう考えるか」ということです(関連記事はこちら)。

 厚労省は、8月31日の前回会合で次のような考えを提示。今般の(9月23日)の会合で了承された格好です。

(a)高齢化の進展などに伴う医療需要の増加を毎年評価するなど、基準病床数を確認する

(b)医療法第30条の4第7項の「基準病床数算定時の特例措置」(▼急激な人口増 ▼特定疾病の罹患者の異常増―などがある場合には基準病床数を増やせる)で対応する

 ただし、23日の会合で厚労省は、(a)(b)によって増床する際にも、▼機能区分(高度急性期、急性期、回復期、慢性期)ごとの医療需要 ▼高齢者人口のピークアウト後を含む医療需要の推移 ▼疾病別の医療供給の状況、各医療圏の患者流出入、交通機関の整備状況などの地域事情 ▼都道府県内の各医療圏の医療機関の分布―など、地域の実情等を十分に考慮し、検討をする必要があるともしています。現在の人口動態の傾向が続けば、東京や大阪でもいずれ医療需要は減少するため、安易な増床は「将来の病床過剰」を招いてしまいます。(a)(b)においても、慎重な増床が求められる点に留意が必要です。

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今般の方針を踏まえると、医療計画期間における基準病床数の算定は図のようになる

 さらに、基準病床数の計算式について、「ベースとなる人口は『医療計画策定時の夜間人口』を用いる」(従来どおり)、「平均在院日数については、地域差を適切に反映させたものとする」(従来から一部変更)、「患者の流出入については、特に必要な場合に都道府県間で調整を行う仕組みとする」(従来から変更)、「病床利用率については、地域医療構想と同様に一定の値を定め、都道府県の実情を一定程度、勘案できることとする」(従来から一部変更)などの方針も固められました。2018年度からの医療計画において、計算式が見直されることになるでしょう。

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基準病床数の算定式

医療資源投入量が少ない患者、実像を精査した上で、親検討会で議論

 ところで、厚労省は「基準病床数の設定において、医療資源投入量の少ない患者をどう考えるか」という論点も示していました。

 地域医療構想策定ガイドラインでは、「医療資源投入量」を指標として患者の医療ニーズを高度急性期(3000点以上)、急性期(600点以上)、回復期(175点以上)に区分しており、1日当たりの医療資源投入量が175点を下回る患者については、「慢性期」「在宅医療等」での対応を念頭に置くこととしています(関連記事はこちらとこちら)。

 すると、仮に「医療資源投入量が175点未満となった患者をすべて在宅に移行する」という方針が決まった場合、「一般病床の基準病床数を減少する(平均在院日数が短くなるため)」という選択肢が浮上します。このため上記の論点が浮上したのですが、厚労省医政局地域医療計画課の佐々木健課長は「医療資源投入量の少ない患者の実像を分析している途中であり、ワーキングで具体的な議論をしていただける状況にない。親会議(医療計画の見直し等に関する検討会)で議論してもらうこととしてはどうか」と提案しました。

 例えば「退院間際で医療資源投入量が著しく少ない患者」であれば在宅や外来への移行が考えられますが、「抗がん剤治療のインターバルで資源投入量が少ない患者」では在宅などへの移行は非現実的です。こうしたデータを整理し、親会議で改めて検討してはどうかとの提案内容です。

 しかし、ワーキングでは「そもそも、基準病床数を計算するにあたり、医療資源投入量を勘案すべきではない」(中川俊男構成員:日本医師会副会長)、「資源投入量と医療の必要性とが相関するかは分からない」(邉見公雄構成員:全国自治体病院協議会会長)といった指摘が相次ぎ、この論点については「厚労省と尾形裕也座長(東京大学政策ビジョン研究センター特任教授)との間で練り直し、その後、構成員に確認してもらう」ことになりました。
地域医療構想の実現に向け、調整会議ではまず「各医療機関の機能の明確化」を

 また23日のワーキングでは、地域医療構想を実現するための「協議の場」(地域医療構想調整会議)での議論の進め方例も固められました。大枠は以下のとおりですが、地域によって異なる進め方をしても一向に構いません。この「進め方例」も親会議に報告されます(関連記事はこちら)。

▼構想区域における医療機関の役割を明確化し、関係者が共有する(公的医療機関や地域医療支援病院、特定機能病院、その他の構想区域における中心的な医療機関の役割、それ以外の医療機関の役割をそれぞれ明確化し共有するほか、新規参入医療機関や規模を拡大する医療機関にも方向性を共有してもらう)

  ↓

▼病床機能分化・連携に向けた方策を検討する(医療機器などのストラクチャーの共同利用やマンパワー確保、地域住民への啓発などを具体的に検討する)

ICUなどの病床数、既存病床数にカウントすべきか、除外すべきか

 さらに23日のワーキングでは、「既存病床の補正方法」見直しについても議論しました。

 現在、医療法施行規則では、▼放射線治療病室 ▼無菌病室 ▼集中強化治療室(ICU) ▼心疾患強化治療室(CCU)―の病床については、当該病室での治療終了後の入院のための病床(例えばICU退室後の一般病床など)が同一病院内に確保されている場合には、既存病床数にカウントしないという規定があります(規則第30条の33第1項第2号)。

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基準病床数は地域における病床整備の上限であるが、一定の特例措置が設けられている

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ICUなど(2号)では、バックベッドがあれば既存病床数にカウントしない規定となっている

 しかし、都道府県によっては必ずしもこの規定どおりに運用されていない可能性があることから、厚労省は今般、「実態に沿った取り扱いの明確化」を検討してはどうかと提案しました。合わせて、新生児特定集中治療室(NICU)や脳卒中ケアユニット(SCU)など、多様な治療室類型があることを踏まえた見直しも検討することになります。

 この点について佐々木地域医療計画課長は、「既存のベッドを取り上げるようなことは考えていない。今後、新たにNICUなどを整備するにあたり、既存病床数に含めるべきなのかどうかなど、ルールを統一化してはどうかと考えている」と説明。また厚労省医政局の神田裕二局長は「都道府県によって不公平があってはいけない。実態を見て整理し、その上で議論していただきたい」とコメントしました。

 なお既存病床数の補正については、▼介護老人保健施設は既存病床数に算定しない▼療養病床を介護老人保健施設に転換した場合は、次の基準病床数を算定するまでの間、既存病床数に算定する―という新方針案が厚労省から示され、こちらは概ね了承されました。

 

http://www.cabrain.net/news/article/newsId/49669.html
7対1病棟を変更、病院全体の2割超- 「病棟群」は15病院、日病協調査
2016年09月23日 20時00分 キャリアブレイン

 13団体でつくる「日本病院団体協議会」(日病協)は23日、7対1病棟(一般)を持つ病院を対象に行った春の診療報酬改定に関する動向調査の結果をまとめた。次の改定が予定されている2018年4月までの間、別の病棟などに変更する意向を示している病院の割合は、既に届け出を終えた病院を含め、全体の21.59%だった。【敦賀陽平】

 今回の改定では、患者の重症度を測る指標となる「重症度、医療・看護必要度」(看護必要度)の項目が大幅に見直され、7対1病棟では、看護必要度を満たす患者の割合が、「15%以上」から「25%以上」に引き上げとなった。現在、7対1病床は約37万床に上り、一般病床の半数超を占めるため、病院経営への影響が懸念されている。

 厚生労働省によると、昨年4月時点で一般病棟7対1入院基本料を届け出ている病院は全国で約1530病院。日病協では今年7月の約1カ月間に、7対1病棟(一般)を持つすべての会員病院を対象に調査を実施し、全体の約6割に当たる894病院(約28万6000床)から有効回答を得た。

 今年4月から18年4月までの間に、一般病棟7対1入院基本料を他の入院料などに「変更した(する予定)」と回答した病院は193施設=表=。変更先では、一部の病棟を地域包括ケア病棟入院料に変更する病院が112施設とトップで、その理由(複数回答)としては「看護必要度の基準を満たせなくなった」(56施設)が最も多かった。

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 112施設を病床規模別で見ると、「200-399床」が全体の約6割を占めた。また、月末までに同入院料への変更を終えると回答した病院は68施設で、「来年3月まで」は36施設、「来年4月-18年4月」は8施設だった。

■新基準、7割超が「改定前にクリア」

 一方、看護必要度に関する質問に回答した892施設を対象に、看護必要度への対応状況について聞いた結果、「改定前から基準をクリア、ただし対策を講じた」(334施設)と「改定前から基準をクリア、その後も対策は不要」(307施設)を合わせ、全体の7割超は改定前から新基準を満たしていたことが分かった。

 看護必要度の新基準を満たせない場合の経過措置として、同省は10対1病棟との混在を認める「病棟群単位」の届け出を新設したが、今回の調査で、7対1病棟からの変更先として挙げた病院は15施設にとどまり、月末までに届け出を終える病院はわずか3施設だった。

 病棟群単位の届け出をいったん検討したものの、最終的に見送った182病院に対して、その理由を聞いたところ(複数回答)、届け出の変更が1回に限られるという制度上のルールを挙げた病院が92施設で最も多かった。

■「病院が頑張っている姿が見て取れる」

 改定前に新基準をクリアしていた病院が多数を占めたことについて、取りまとめ役となった原澤茂副議長(全国公私病院連盟常務理事)はこの日の記者会見で、「多くの病院がさまざまな対策を講じ、基準をクリアする努力をしていることが自由回答で見られた。医療の質を担保し、地域医療のニーズに合わせるというところも含め、病院が頑張っている姿が見て取れると思う」と述べた。

 原澤副議長はまた、「調査結果は病床数の話で、稼働率に関する質問は出さなかった。内容に少し問題があった。厚労省などが出すいろんなアンケートを見ながら実態を考えたい」とも語った。

 病棟群単位の届け出数が15施設にとどまったことに関して、神野正博議長(日本社会医療法人協議会副会長)は、「日病協は単に、7対1、10対1、13対1のミックス型を要望していた。(18年度の)診療報酬の要望事項に入れるかどうかはこれからの議論だが、(要望としては)ありなのではないか」との認識を示した。



https://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20160923_8
地域包括ケア病床が増加 県内、リハビリなどに専念
(2016/09/23) 岩手日報

 手術などを終えて病状が安定した患者の在宅復帰を支援する「地域包括ケア病床」が県内で増えている。東北厚生局によると1日現在で県内6市町の10病院が開設し、県立千厩病院が10月にも導入する見込み。最長60日の入院期間で、リハビリや治療に専念できるのが特徴だ。急性期病床の充実に対し回復期病床が不足する中、高齢者が住み慣れた自宅や入所施設に安心して戻るための受け皿として期待されている。

 県立東和病院(花巻市)は5月から一般病床10床を地域包括ケア病床に転換した。「いくらか歩けるようになった。元気になったら家で農業をしたい」。ベッド上で花巻市東和町の女性(92)は笑顔を見せた。女性は自宅で転倒し、大腿(だいたい)骨を骨折。県立中部病院(北上市)で手術を受けた後、東和病院の地域包括ケア病床に移った。理学療法士らのサポートを受け歩行訓練など在宅復帰に向けたリハビリを続ける。

 国は増大する医療費を抑えようと、入院が長期間になると診療報酬が低くなる仕組みとし、早めの退院を病院に促してきた。一方、地域包括ケア病床は最長入院期間を60日とし、患者が安心して在宅復帰できるよう2014年度に制度を見直した。

 東北厚生局によると、県内では川久保病院、国立病院機構盛岡病院、盛岡市立病院、中津川病院、盛岡友愛病院(盛岡市)、南昌病院(矢巾町)、一関病院(一関市)、奥州病院(奥州市)、県立大船渡病院(大船渡市)、県立東和病院(花巻市)の10病院が計334床を設置している。
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https://www.oita-press.co.jp/1010000000/2016/09/24/JD0054980111
12市町村で赤字 14年度の国保収支
9月24日 大分合同新聞朝刊

 2018年度から財政運営の主体が市町村から県へと移管する国民健康保険事業。県が同事業の14年度単年度収支をまとめたところ、県内18市町村のうち12市町村で赤字になっていた。赤字は13年度より2自治体増えており、「財源の一部を一般会計から繰り入れ、黒字化している自治体もある。財政運営はどこも厳しく、県民一人一人が国保事業について考えてほしい」と呼び掛ける。

 県によると、赤字額が最も大きかったのは大分市で約3億2300万円。同市の担当者は「加入者の人数は減り、高齢化も進んでいる。医療の高度化もあり、医療費は13年度に比べて11億円増えた一方、保険税収入は3億円減っていた」と説明。赤字は13年度からの繰越金で埋めた。
 約2億8600万円の赤字だった佐伯市も「加入者は約千人の減。医療費は約4千万円増えていた」。基金などから3億1千万円繰り入れ対応した。
 黒字額が大きかったのは中津市で約4300万円だった。同市によると、14年度は市独自の判断で国保会計に一般財源を投入する法定外繰り入れを2億2千万円実施。「このうち1億3千万円は赤字を補塡(ほてん)する目的だった。他の自治体と同様、財源の確保に苦慮している」と担当者。
 各市町村は国保会計の改善に向け、保険料の収納率のアップや医療費の適正化などに取り組んでいる。収納率は13市町村で13年度を上回っていた。
 1人当たりの医療費は年々上がっており、14年度は杵築市を除く全市町村で13年度を上回り、県平均では40万円(13年度比1万4168円増)に達していた。
 国保事業は運営主体が県に移管された後も、各市町村は保険税率や保険給付の決定、保険証の発行、保険税の徴収などの役割を担う。県は各市町村が県に納める国保事業納付金の額を決めるほか、統一的な運営方針を示し、市町村事務の効率化、標準化を推進する。
 県国保医療室は「国保は医療のセーフティーネットであり、将来にわたって安定的に存続させねばならない。加入者の高齢化により医療費は年々増加しており、健康づくりや疾病予防の取り組みを積極的に進めてほしい」と話している。



https://medical-tribune.co.jp/news/2016/0923504797/
内保連と外保連が内視鏡試案、全268術式〔CBnews〕
合同のデータ作成は初

CBnews | 2016.09.23 17:50

 「内科系学会社会保険連合」(内保連)と「外科系学会社会保険委員会連合」(外保連)は、軟性内視鏡を使った手術や検査などの標準的なコストを割り出した「内視鏡試案」(第1.1版)をまとめた。軟性内視鏡の技術料の適切な評価につなげることが目的で、術式の数は全体で268項目に上る。内保連と外保連が、診療報酬の要望に向けた基礎データを合同で作成したのは今回が初めて。

 内視鏡試案が作られた発端は3年前、日本消化器内視鏡学会が内保連に行った要望だった。内視鏡が目覚ましく進歩する中、医師の技術評価の在り方も課題として浮上し、学会側は、内視鏡の技術料について検討する委員会の設置を内保連側に求めた。

 内保連の運営委員会が協議した結果、外保連と一緒に話し合うべきだとの結論に達し、外保連側もこの提案を受け入れたため、内視鏡試案の作成に向けた合同のワーキンググループ(WG)が立ち上がった。

 座長には、東大医学部附属病院で光学医療診療部長を務める藤城光弘氏、副座長には日大医学部附属板橋病院の呼吸器内科長、高橋典明氏がそれぞれ就任。また、日本泌尿器科学会、日本耳鼻咽喉科学会、日本膵臓学会、日本呼吸器学会など、関連する23学会の代表者も委員として参加した。

 WGは今年夏までに8回にわたる会合を重ね、内保連や外保連の関連する委員会などにも意見を求めながら、今月14日に内視鏡試案を取りまとめた。

内視鏡の洗浄消毒費は一律2823円

 外保連では以前から、手術に必要な時間や医師数、縫合に使用する糸などのコストを集計し、標準的な技術料を算出するなど、科学的な根拠に基づく診療報酬の実現を目指してきた。こうしたデータをまとめた「外保連試案」は精緻化が進み、2010年度の診療報酬改定以降、国が手術料などを検討する際の基礎データとして使用している。

 内視鏡試案は、外保連試案の「手術試案」「処置試案」「生体検査試案」のうち、内視鏡に関連する術式の項目が細かく分かれたり、新たな術式が加わったりしている。その結果、術式の数は手術が162項目、検査が86項目、処置が20項目となる。

 例えば、現行の手術試案の「早期胃悪性腫瘍内視鏡的治療」の場合、内視鏡試案では、▽内視鏡的胃悪性ポリープ切除術▽内視鏡的胃悪性腫瘍粘膜切除術▽内視鏡的胃悪性腫瘍粘膜下層剥離術―の3つに分かれる。早期胃悪性腫瘍内視鏡的治療の技術度は「D」(A-Eの5段階)だが、内視鏡試案ではそれぞれ「C」「C」「D」となるなど、術式名の変更に伴って評価も変わる。

 各術式の技術料は、手術・処置・検査の難易度や時間、医療スタッフの数といった手技に関する費用に診断に必要な時間などのコストを上乗せした総額、検査室などの「室使用料」(部屋代)、医療機器と医療材料の費用、そして内視鏡の洗浄消毒費を足し合わせている=表=。消化器内視鏡の場合、胃の生体検査に関しては、5000円を別途加算する。

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 現行の外保連試案の技術料との間で食い違いが生じないよう、「手技」「診断」「検査」でコストを別々に算出している。最大のポイントは、全術式に室使用料と洗浄消毒費が入っている点だ。洗浄消毒費(現在の検査試案では1000円)については、関係学会の意見を踏まえ、一律2823円をプラスする。

 ただ、手術と処置については、診断後に行われることが多いため、診断に関する人件費は「0円」を基本とするほか、部屋の利用料が医療機器のコストに必ずしも直結しない手術室は、「室使用料」の対象から除外する。

内保連と外保連をつなぐ「かけ橋」に

 外保連の手術委員会の川瀬弘一委員長(聖マリアンナ医科大・小児外科病院教授)は、「消化器内科を中心に、内科の技術にも外科的な要素がどんどん入っている。内保連と外保連はこれまで、同じ術式に対して異なる技術料を求めていたが、今後、同じ根拠に基づいて国に要望していきたい」と話す。

 WG座長の藤城氏は、「内保連と外保連は今まで、必ずしも同じ方向に向かっていなかった。内視鏡試案が、内保連と外保連をつなぐ、一つのかけ橋のようになってくれればうれしい」と語った。

 18年度の診療報酬改定に向け、WGでは今後、山王病院(東京都港区)の清水伸幸副院長(外科部長)を座長に、内保連試案のさらなる精緻化に取り組む方針で、次の「第1.2版」は、来年秋にまとめる「外保連試案2018」に盛り込まれる見通し。第1.1版は、現行の「外保連試案2016」の別冊として、11月下旬に発行される予定だ。

(2016年9月21日 敦賀陽平・CBnews)


  1. 2016/09/24(土) 09:44:16|
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9月22日 

https://www.m3.com/news/iryoishin/456155?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD160922&dcf_doctor=true&mc.l=179245051
シリーズ: 群馬大学腹腔鏡死亡事故
「報告書で遺族の納得は得られると思う」- 上田裕一・群大“事故調”委員長に聞く◆Vol.5
執刀医のインフォームド・コンセントは不十分

2016年9月22日 (木) 聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)、高橋直純(m3.com編集部)

――医療事故が起きた場合、ご遺族側が、調査結果に納得しなければ、民事裁判に訴えるか、警察に届け出て、刑事的に調べてもらうという行動をされるケースもあります。この辺りを予防する視点は、今回の群馬大の報告書にも込められていますか。

 民事裁判の場合、鑑定人を立てて鑑定書を書いてもらうことになるでしょうが、この報告書がある程度のレベルを超えていれば、報告書を見て民事的な話は進むのだと思います。

 一方、刑事告訴されると大変なことになります。せっかく福島県立大野病院事件以来、刑事告訴はほとんど見られなくなったのに、「もう一度振り子が戻されるのではないか」という気持ちは常にありました。ただ、(群馬大の事故の場合、手術時も、また事故後も)説明が若干不十分だったとは思います。ご家族に説明に行こうとすると、メディアに流れるため、「どうすればいいのか」と関係者は思っているとは感じましたね。


今回の群馬大の事故が、約6年間問題視されなかったのは、皆が「自分を安全地帯に置いているから」と、上村裕一氏は考える。

――今回、この外部委員会の報告書と、日本外科学会の医学的評価報告をきちんと読んでいただければ、ご遺族は納得されると思いますか。

 はい、なぜ死亡したかは分かり、納得していただけると思います。皆さんは群馬大を信頼しておられて、手術を受けたけれども、亡くなられた。その後、千葉県がんセンターの腹腔鏡事故をきっかけに、群馬大でも問題が顕在化し、死亡例が相次いでいることが分かり、不信感が芽生えてきた。

 報告書にも書きましたが、心に落とし込んで納得したにもかかわらず、数年経った後に問題を蒸し返すことになり、調査をする我々としても本当に申し訳ないという気持ちがあります。

――遺族にヒアリングされていますが、皆さんはどんな状況だったのでしょうか。怒り心頭だったご遺族は。

 お怒りになっている方は本当に少なかった。ただし、「こんなに死亡例があることは知らなかった」とは言われました。

――外部委員会の第1回会議後の2015年8月末の記者会見で、「インフォームド・コンセントが適切かだったかなどを遺族にも聞く方針と説明されていました(『群大、新たな事故調が始動「負から正の遺産に」』を参照)。

 一般的に、手術に対する患者さんの希望は強い。「手術をすれば治る」「手術で切除できない場合に、抗癌剤や放射線療法が行われる」と考えている患者さんは多いのが現実です。患者さんは「外科で切除できない」となると「見捨てられた」と思ってしまいがちですが、かえって手術する方が弱ることもあり得るわけです。インフォームド・コンセントの文化が育っていない難しさもありますが、「手術をしない」というオプションがあることも言わなければいけない。腹腔鏡手術では、「低侵襲」と説明すると、患者の受けはよく、キャッチコピーのように使われがちという問題もあります。

 今回の群馬大のケースについて言えば、インフォームド・コンセントが未熟でした。手術以外のオプションや、何も治療しない選択肢なども含めて説明することが必要ですが、この辺りがなされていないことが一番気になりました。「先生が言われる方法が一番なので、お任せします」「何の疑いもありませんでした」と患者側は考え、外科医の方は「紹介元の先生が説明して、これがベストな選択とされたのだから、それに応えるのが、外科医の務めだ。忙しい中で、それ以外の説明する時間もなかった」と考えたのでしょう。

 また外部委員の中で強い意見が出たのは、保険適用外の治療法であることを、きちんと伝えていない点です。腹腔鏡下肝切除術において、保険適用されているのは、肝部分切除と外側区域切除のみで、それ以外は安全性が確立されていないとして、保険適用外でした。血管などの損傷が起きると、腹腔鏡では対応できないなどの理由からです。しかし、群馬大では、導入当初は、「腹腔鏡補助下手術」として行い、主は開腹手術であるとして、保険請求していました。その後、右葉切除を腹腔鏡下で実施するようになりましたが、肝部分切除として保険請求していました。「この辺りをきちんと説明していれば、手術を断った患者さんもいたのでは」という意見も外部委員会では出ました。

――先ほど、先生は調査に当たって、「担当医は隠したりしていなかった。なぜ6年間も、何も問題にされていなかったのか」と言われました。それは改めてなぜだと思われますか。

 これは報告書に書けなかったことですが、皆が「自分を安全地帯に置いている」からでしょう。「知らなかった」と言えば、安全でしょう。

――「見ても見ないふり」のような。

 恐らくそうだと思います。それはヒアリングしていて、思いました。

――そうしたカルチャーは、群馬大に限らず、どこにでもある。

 どこにでもあると思います。「頭がいい人が多い」組織になればなるほど、「ある」と私は思います。また関東と関西の相違もあり、どちらかと言えば関西では声を上げる人が多いのでは。

――カルチャーを改善する、あるいは何らかの問題が生じた時に、次にすぐ手を打てるカルチャーを作るためにはどうすればいいとお考えですか。

 奈良県の天理から、全く違う環境である名古屋大学に初めて行き、定年後に、ここ(奈良県立総合医療センター)に来たという、私の個人的な経験から考えてみます。天理は、奈良の田舎のコンサバティブな地域ですが、海外を経験した人が何人か入ってきたり、他大学の人がたくさん異動してくるうちに、カルチャーが変わってきました。

 あるカルチャーの中に、異なる経歴を持った人が一人来た時に、その人が言うことを、「そんな無理なことを言って」と取るか、それぞれの組織に合うか、合わないかで判断するか、その人が言う方向に変ろうとするか、あるいは全く無視するか……。いずれかを選択するわけですが、どうしても組織が均一になればなるほど、同じ方向を向き、変化を嫌がる傾向にあります。組織の均一性は、「まとまる」という点ではいいですが、どうしても皆が同じ方向を向きがちであり、それは脆弱な組織です。

 「混ざる」「異なる考えの人が少し入る」ことは、厄介かもしれないけれど、「そんな見方もあるのか」といった気付きにつながり、「井の中の蛙」ならずに済みます。そんなことを、勤務先が変わる度に感じていました。

――組織が均一で皆が同じ方向を向いていれば、それが続けられる。

 そうです。8月24日の朝日新聞が、「三菱自動車と群馬大学」を比較した社説に書いていました。いずれも組織としての問題があると指摘しています(編集部注:「業務も、不祥事の内容もまったく異なるのに、両者の病巣はおどろくほど重なる」などと記載)。



https://www.m3.com/news/iryoishin/461114
東大の「患者申出療養」、条件付きで第1例目承認
腹膜播種陽性等の胃癌への抗癌剤治療、10月にも開始

2016年9月22日 (木) 橋本佳子(m3.com編集長)

 厚生労働省の患者申出療養評価会議(座長:福井次矢・聖路加国際病院院長)は、9月21日の第3回会議で、患者申出療養の第1例目を条件付きで承認した。東京大学医学部附属病院が実施施設となる、腹膜播種陽性または腹腔細胞診陽性の胃癌に対する「パクリタキセル腹腔投与および静脈内投与並びにS-1内服併用療法」で、標準治療である「S-1+シスプラチン併用療法」を対照とした第3相試験では有意差は認められなかったものの、有効性が示唆されている(資料は、厚労省のホームページ)。

 本併用療法は、先進医療制度下で行われた第3相試験で、適格基準外だった患者からの申出。第3相試験が今年11月に終了するため、同試験の対象となった患者約30人も患者申出療養を利用して、治療を継続できる見通し。

 患者申出療養は今年4月からスタートした制度だ。治験あるいは先進医療で行う治療の適格基準外などの患者が、当該治療を希望する場合、その相談を受けた臨床研究中核病院などが作成した書類を基に国に対して申請、一定の審査等を経て承認されれば、「保険外併用療養制度」を活用し、当該治療を受けることが可能になる(『患者申出療養、ハードルは「時間」と「費用」』などを参照)。どんな治療法、いかなるケースが第1例目となるかが注目されていた。

 厚労省が、患者申出療養の申請を受け付けたのは9月7日。申請日から原則6週間以内に、審査等を経て、厚労省が告示し、患者申療養の実施に至るルールがあり、10月中には開始される見通し。「条件付き」となったのは、東大病院の実施計画よりも対象患者を少し絞り込むよう、適格基準と除外基準の一部変更を求めたため。開始から1年間で、100人を対象に実施し、主要評価項目を有害事象発現状況、副次評価項目を全生存期間、奏功割合、腹腔細胞診陰性割合として評価する。

 東大病院で実施する場合、患者の自己負担額(平均的投与回数である24回の場合)は、「パクリタキセル腹腔投与および静脈内投与並びにS-1内服併用療法」に係る費用(保険給付されない費用)が44万6000円、その他の療養にかかる保険給付部分の自己負担(3割換算)は44万4000円だが、後者には高額療養費制度が適用されるため、実際の負担額はそれよりも少ない。

 もっとも、21日の患者申出療養評価会議では、適格基準と除外基準の一部変更のみで申出が承認されたが、臨床研究として実施し保険収載を目指すという患者申出療養の特性上、課題も幾つか浮き彫りになった。

 一つは、「治験の対象外でも治療を受けたい」といった患者の思いにいかに応えるかという問題。対象患者を限定した方が有効性等のエビデンスは出やすい。対象患者を広げれば、思いに応える範囲は広がるが、安全性の面で懸念が高まる上、保険収載に向けたエビデンス作りは難しくなり、適格基準と除外基準をいかに設定するかが重要な検討課題となる。今回の申出は、第3相試験で一定の知見が蓄積された治療法だが、今後、エビデンスが不足している治療法についての申出があった場合、検討が難しい場合も想定される。

 もう一つは、保険収載の見通しだ。第3相試験では、生存期間の中央値は「パクリタキセル腹腔投与および静脈内投与並びにS-1内服併用療法」群が17.7カ月、「S-1+シスプラチン併用療法」群の15.2カ月よりも2.5カ月延長したが、主要評価項目である全生存期間のFAS(Full Analysis Set)対象の主解析で、統計的有意差は示されなかった。理由の一つが、患者の割り付けが完全ではなく、両群間で腹水量に偏りがあったため。腹水量を調整し、Cox層別比例ハザード回帰分析した結果、腹水量が多い症例ほど生存期間が短くなる傾向が見られた。その上、標準治療に割り付けられた患者の一部が追加でパクリタキセル腹腔投与を希望したため、このクロスオーバーが解析結果に影響を与えた可能性も否定できないとされている。

 治験のデータでは不十分のため、今後、厚労省の「未承認薬・適応外約検討会議」に申請、未承認薬実用化スキームを利用し、公知申請というルートでの保険適用を目指すことになる。保険適用が認められれば、患者申出療養から保険診療に移る予定だが、実施期間の1年を超えた時点で認められなかった場合、延長か否かの検討が必要になる。

 そのほか、21日の会議では、厚労省が患者申出療養の体制整備に向けた現状を報告。臨床研究中核病院や特定機能病院における患者申出療養の相談窓口を設置済みは、74病院、設置予定は11病院。施設名称に加え、連絡先も追加し、厚労省のホームページに掲載している。臨床研究中核病院等から寄せられ、厚労省が情報共有している患者申出療養の候補は、40件程度。

 国立がん研究センターの調べに基づく、患者申出療養の候補になり得る「国内で医薬品医療機器法上、未承認または適応外である医薬品等のリスト」(2016年7月4日)の71品目も公表。「国内の治験、臨床研究などについての情報を患者が得るのは容易ではない。患者はどこにアクセスできればいいか、その情報を得やすい体制を整えてほしい」(全国がん患者団体連合会理事長の天野慎介氏)、「抗癌剤だけでなく、難病などの医薬品についてのリストも必要」(国立循環器病研究センター医学倫理研究部倫理研究室部長の松井健志氏)などの声が上がった。

 「治験終了後の患者」も患者申出療養で対応
 「パクリタキセル腹腔投与および静脈内投与並びにS-1内服併用療法」について、主担当として評価した、がん研究会有明病院院長の山口俊晴氏は、腹膜播種陽性または腹腔細胞診陽性の胃癌は、予後が不良であり、第3相試験で、従来の治療よりはやや有効であることが示唆されることから、「絶望的な患者にとっては、こうしたデータを見ると、魅力的に見え、患者申出療養もあり得るだろう」と述べたほか、治験後も治療継続を希望する患者を患者申出療養で救うことは「理にかなっているのではないか」と指摘。同時に、適応外の「パクリタキセル腹腔投与」は技術的な面は成熟しているものの、安全性や有効性については検証が必要だとした。

 ただ一方で、副担当として評価した、京都府立医科大学生物統計学教授の手良向聡氏からは、「『患者の申出を起点』とする制度の趣旨に照らし合わせると、治験終了後の患者を入れることをどう考えるかが懸念点。新たな先進医療が立ち上がることと、どう違うのか」との問いかけも上がった。また、二つ目の懸念事項として、「レジメンは未承認で、効能効果が不明。承認された際にどんな適応になるかが分からない。結果的には、『適』としたが、この段階で対象患者を広げた場合、安全性への懸念が残る」と述べた。

 「患者の思いに応える」と「保険適用に向けたエビデンス作り」
 手良向氏が言及したように、議論になったのは対象患者について。東大の病院の実施計画では、第3相試験よりも適格基準を拡大し、「85歳未満の症例」(第3相試験では、20歳以上75歳未満)、「Performance Status(PS、ECOG scale)0~3」(同0~1)」などとなっていた。最終的には、(1)PSは0~2、(2)20歳未満については、患者本人への説明、同意取得の際に配慮、(3)卵巣以外の遠隔転移を有する症例は、「除外基準」に追加(当初の実施計画では含まれておらず)――などの変更を求めた。

 国立病院機構名古屋医療センター院長の直江知樹氏は、「有効性を証明するためには、患者の適格基準を絞った方がエビデンスが出る。しかし、絞ると対象外となる患者が出てくる。広げると、安全性が損なわれ、クレームが出てくることになる。どこまで適格基準を広げるのかがポイント」などと述べ、判断の難しさを指摘。日本医師会常任理事の石川広己氏も、「患者の思いに応えることが、この制度の本質」と指摘しつつ、将来の保険収載につなげるためのエビデンス作りも課題になるとした。

 「患者申出療養は、コントロールがない中で、どのように有効性を証明するのか。安全性の評価しかできない」と問題提起したのは、大阪大学大学院医学系研究科臨床統計学教授の新谷歩氏。

 大分大学医学部臨床薬理学教授の上村尚人氏も、「安全性のデータは出るが、有効性については患者申出療養によって決定的なデータが出るとは思えない。既にあるデータに基づき、かなりの確率で保険収載されるなら、枠組みとしてはすっきりする」と述べつつ、第3相試験等では有効性のデータが出ない場合、「患者申出療養をどう位置付けるかを考えるのは難しい」と指摘した。

 そのほか「患者の思いに応える」ことと、「保険収載に向けたエビデンス作り」をめぐり、さまざまな意見が出た。福井座長も、「保険収載のための質の高いデータは、ここからは出ない」と認めつつ、「臨床研究の厳密性をどこまで担保するのかということと、患者の意向のバランス」とコメント。

 厚労省保険局医療課は、「患者申出療養のデータだけで、保険収載の可否を判断するものではない」であるとし、保険収載の可否はあくまで中央社会保険医療協議会で議論する説明。同課課長の迫井正深氏は、石川氏の指摘の通り、患者申出療養においては、治験などの対象から外れた患者の思いにどう応えるかが課題であるとし、今回の「パクリタキセル腹腔投与および静脈内投与並びにS-1内服併用療法」は、先進医療下で一定のエビデンスがある中で実施することなども踏まえ、患者申出療養の第1号であり、本制度を少しずつ形にしていくという方針を示し、議論を収めた。



https://www.m3.com/news/iryoishin/461145
シリーズ: 医師不足への処方せん
国際医療福祉大学、新設医学部の説明会に約760人
教育体制や「私立医学部の最低水準の授業料」アピール

2016年9月22日 (木) 橋本佳子(m3.com編集長)

 国際医療福祉大学は9月22日、2017年4月に千葉県成田市に新設する医学部の入試説明会を都内のホテルで開催、約760人の高校生らが参加した。6月にも説明会を開催したが、8月末に正式に医学部の設置認可が下りた後の開催は初めて(『2017年4月に医学部新設へ、国際医療福祉大学』を参照)。今後、大阪市のほか、成田市で説明会を開催する。

 学長の大友邦氏は、「高度な総合的診療能力と国際性を兼ね備えた医師の養成を目指す」と医学部新設の狙いのほか、現在は8学部、21学科を持ち、1995年の開校以来約1万9000人の医療関係の国家資格者を排出してきた実績を説明、その上で新設医学部の特徴をアピールした。

 約300人のうち約半数は海外での臨床・教育経験を持つ教員、4つの附属病院のほか介護施設を持つなど多彩な施設での計90週の診療参加型の臨床実習、6年次には全員が最低4週間海外実習を行うカリキュラム、5000m2超の広さの「世界最大級」(大友氏)の医学教育シミュレーションセンターなど、ハード、ソフトの両面にわたり教育体制を充実させているほか、学生納付金(授業料など)は6年間で1850万円に抑え、「私立医学部の中では、一番低い水準」(大友氏)であり、成績上位者の減免措置を設けている。

 医学部定員は140人で、内訳は一般入試100人、大学入試センター試験利用入試20人、留学生特別選抜入試20人。一般入試の場合、1次選考を1月24日(理科2科目、数学、英語、小論文)、2次選考を1月31日から2月5日にかけて行う。特徴は2次選考の個人面接で、約30分を2回行う。出願時に、「志望理由書」のほか、語学や資格などの取得状況や課外活動等の実績を記載する「活用実績報告書」も提出、これらを基に面接する予定。

 学生納付金(入学金、授業料、実験実習費、施設整備費)は、6年間で1850万円。「医学部特待奨学生制度」を設け、一般入試20人、センター試験利用入試5人の成績上位者には授業料相当額(1140万円)を給付するため、対象者の学生納付金は6年間で710万円で済む。

 6年次全員が海外実習を経験
 説明会には、大友氏のほか、副医学部長就任予定の吉田素文氏(前九州大学大学院医学教育学講座教授)、同大教授で医学部設置準備室長の池田俊也氏が登壇した。

 大友氏は、留学生が140人中、20人を占めることに触れ、「アジアなどからの留学生を受け入れる予定で、将来は各国の医療福祉のリーダーになるような人材を養成していく。留学生との交流は貴重な機会であり、国際性が身に付く」とメリットを強調。また4つの附属病院を中心にして多様な関連施設を有するほか、5番目の附属病院として、2020年度に成田市に640床規模の国際医療福祉大学成田病院が完成予定であると説明した。

 吉田氏はカリキュラムの概要を説明。1年次から医療面接・身体診察を導入するほか、2年次は専門科目の授業は全て英語で行い、4年次の最初から臨床実習を開始、その期間は計90週に及び、6年次に全員が最低4週間以上の海外実習を行うなどの特徴を挙げた。ただし、3年次からは全ての英語は日本語になる。共用試験(CBTとOSCE)は日本語で行われることなどが理由だ。英語教育を重視する方針には変わりはなく、5年次にはUSLMEのステップ1受験を受験するよう全員に推奨するほか、6年次には英語による国際臨床能力評価テストと臨床実習後OSCEを課す。

 池田氏は大学入試の概要を説明、「学力だけが突出している方が合格するわけではない」とし、個人面接に十分な時間をかけて選考することを強調した。「新しい考え方に基づいて、ゼロから作り上げたカリキュラム」と述べ、「専門職業人として、『共に生きる社会』の実現に貢献する強い意志を持つ」など、国際医療福祉大学のアドミッション・ポリシーに合致する受験生の出願を期待した。



http://www.saga-s.co.jp/column/ariakesyou/358455
平成の薩長土肥
2016年09月22日 05時00分 佐賀新聞

 薩長土肥の元気がいい。佐賀をはじめ、鹿児島、山口、高知の4県がタッグを組んだ観光キャンペーンの話である。薩長が同盟を結び、坂本龍馬とお龍が日本初の新婚旅行に出かけた1866年から今年は150年の節目だという ◆歴史ファンの旅心をくすぐること間違いなし。明治維新150年の再来年までに4県を周遊してもらうスタンプラリーも始まった。先日は「ニッポンの旅の夜明け」と題して、全日空(ANA)と新たな航空チケットの構想も発表した ◆会見では大隈重信に扮(ふん)した山口祥義佐賀県知事らが「びっくりするような運賃」「このチケットで来た人にサプライズがあるかも」などとアピール。観光の夜明けは大賛成だが、この4県について、ちょっと気になるデータがある ◆1人当たり医療費が全国で最も高いのは高知の65万8千円で、次いで山口、佐賀、大分、鹿児島といずれも62万円超。なぜか薩長土肥が名を連ねている。全国平均は51万3千円、最も少ない千葉県は43万1千円だから、ずいぶん医療費がかさんでいる ◆医療体制がしっかりしている証なら結構だが、ベッド数や高齢者の多さが影響しているようだ。膨らむ一方の医療費をどう抑えるかは、現代日本の国家的課題でもある。平成の薩長土肥には、この分野の“夜明け”も示してほしいものだが。(史)

G3註:「薩長土肥」幕末維新期、明治新政府軍の主力となった西南4藩の略称。 摩藩(鹿児島県) 州藩(山口県) 佐藩(高知県) 前藩(佐賀県) 戊辰戦争後は藩閥を形成し、政府内の要職を独占した。(はてなキーワード)



https://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20160922_11
精神病棟、入院患者減で58床休止 県立一戸病院
(2016/09/22) 岩手日報

 一戸町一戸の県立一戸病院(小井田潤一院長)は来年1月から、現在4病棟225床ある精神病棟のうち、1病棟58床を休止する。入院患者の減少に伴う機能再編で、3病棟167床となる。小井田院長を含む常勤医4人体制は変えず、看護師は他の精神病棟や退院後の訪問看護、在宅医療の強化などに振り向ける。

 同病院によると、精神科の1日平均入院患者数は2008年度の200人(病床利用率88・9%)から年々減少し、15年度は163人(同72・3%)、16年度は8月末現在で154人(同68・4%)となっている。

 精神医療については国が「入院医療から地域生活中心へ」という基本的方策を示していることもあり、同病院でも訪問看護などを推進している。今後も入院患者の増加が見込めないことから、病床数や病棟機能の見直しを行った。

 再編後は ▽休止病棟の機能を追加する病棟の職員体制強化 ▽専任の看護職員を配置する在宅医療班を新たに編成 ▽外来看護職員の増員―に取り組む。同病院の宮好和事務局長は「県北の精神医療の拠点として機能を維持し、限られた医療資源を効果的に活用したい」としている。



http://mainichi.jp/articles/20160923/ddm/041/040/128000c
腸内細菌
大規模DB化 多様な病気との関連解明へ 国際医療センター

毎日新聞2016年9月23日 東京朝刊

 国立国際医療研究センター(東京都新宿区)と東京大の研究チームが、人間の腸内細菌の大規模なデータベース(DB)作りに乗り出した。健康な人や病気を持った人など数千人分のデータを集めることが目標で、腸内細菌の種類や数とさまざまな病気との関連を解明し、治療や予防法の開発に役立てたい考えだ。

 人間の大腸には約1000種類の細菌が約100兆個いると考えられ、難病の多発性硬化症やアレルギー、生活習慣病など多くの病気との関連が指摘されている。しかし、まとまった規模のデータがないため、裏付けることが難しい。

 研究チームは、受診や健康診断で同センター病院を訪れ、大腸の内視鏡検査を受けた人から便を提供してもらう。細菌のゲノム情報を解析し、一人一人の菌種の構成や各細菌の機能を明らかにする。飲酒や喫煙、食事や運動の習慣、既往歴、服用している薬などの情報も集める。同センター病院消化器内科の永田尚義医師は「糖尿病や肥満との関連、服用している薬が細菌に与える影響なども調べたい」と話す。【藤野基文】


  1. 2016/09/23(金) 05:49:49|
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9月21日 

http://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/society/105110.html
病理医不足が深刻、全国最少の県 登録12人の福井、嶺南は常勤ゼロ
(2016年9月21日午後5時00分) 福井新聞

 病理医は患者の組織や細胞を調べ、病気の種類、性質、広がり具合を最終診断する。治療を左右する重要な役割だが、日本病理学会のホームページなどによると、福井県内で登録されている専門医は12人と都道府県別で最も少ない。嶺南の医療機関には常勤医がいない状況だ。

 ■医者の中の医者

 胃や大腸の内視鏡検査を行うと、進行しているがんは肉眼で一定の確認はできるが、最終的な診断は病理医が行う。福井大医学部附属病院(永平寺町)の今村好章・病理診断科長は「悪性腫瘍にもさまざまな種類があり、最終診断は組織を顕微鏡で見なければ分からない。診断で治療方針が変わる場合があり、病理医がいなければ次の段階に進めない」と説明する。

 手術中に行う「術中迅速診断」は、患者から採取した組織を十数分で調べ、がんかどうかを確定したり、切除範囲を決めたりする。乳がんは乳房を温存する手術が増えており、病巣を取り残すと再発につながり、病理医の判断が問われる。

 遺伝子レベルで薬の効果などを判定する「分子病理診断」や、感染症の原因が細菌かウイルスかを確かめるのも治療に大きく関わる。今村科長は「直接患者と接する内科医や外科医のように前面には出ないが、チーム医療の中で非常に重要な仕事。病理医は“医者の中の医者”ともいわれる」と強調する。

 ■年間1万件超

 病理専門医の数は石川県36人、富山県25人と、北陸3県でみても福井県の少なさが目立つ。常勤医がいない杉田玄白記念公立小浜病院(小浜市)や国立病院機構敦賀医療センター(敦賀市)には、福井大の医師が週1、2回出向いて、診断に当たっている。これらの医療機関では、術中迅速診断が必要な症例の手術を病理医が来る日に行うなどの制約を受けている。

 どの医療機関も常勤医を長く募集しているが、なかなか希望者が集まらないという。日本病理学会に登録している専門医は全国で2300人余り(8月18日現在)なのに対し、一般病院の数は7400を超えており、人手不足は全国的な課題だ。国民の2人に1人ががんになるといわれ、高齢化に伴って今後も患者は増えていく。福井大医学部附属病院では病理診断件数が年間1万件を超えており、右肩上がりの状況という。

 福井県と福井大は15年度に病理医を含むがん専門医を育成する研修プログラムを始めた。今村科長は「大学では病理医が徐々に増えているが、これまでは医学生も含め、一般に役割が知られておらず、志望者も少なかった。病理医を主人公にした漫画やドラマも発表されており、多くの人に役割を知ってほしい」と訴えている。



http://news.biglobe.ne.jp/domestic/0921/ym_160921_3929944732.html
群大病院、組織責任認める意向…遺族に伝える
読売新聞9月21日(水)15時35分

 群馬大学病院の手術死問題で、病院側が組織としての過失責任を認める意向を一部の遺族に伝えていることがわかった。
 病院は責任を認めた上で必要な補償を行う方針だ。遺族側の弁護団によると、医療事故を巡り、病院側が、医師が行った医療行為の適否だけでなく、組織自体の過失責任を認めるのは異例という。
 群馬大病院は今年7月に調査報告書が完成したのを受け、死亡した50人の遺族に調査結果を個別に説明しており、近く終了する。
 弁護団によると、代理人を務める7遺族への個別説明に際し、「執刀医らの医療行為、診療科長(教授)の監督行為、病院の構造・組織の不備」をいずれも問題として病院組織の責任を認めるか尋ねた。これに対し田村遵一病院長らは「指摘の通り。病院の管理体制が悪かった」などと組織の責任を認め、補償する考えを伝えた。執刀医や教授の今後の対応にかかわらず、病院としては補償を行う方針。



http://www.medwatch.jp/?p=10453
わずか1年で改善成果、好生館の院内を動かし加速させる6つの戦術
2016年9月21日| GHCをウォッチ

 「福岡赤十字病院」(福岡市南区)で7月28日開催した「病院ダッシュボード」のユーザー会で、「佐賀県医療センター好生館」(佐賀市)の改善事例が発表されました。「病院ダッシュボード」導入からわずか1年で、院内を動かして改善成果を示した同院。短期間で円滑な改善活動を推進できた背景には、大きく6つの戦術がありました。


ここがポイント!
(1)大方針を定める
(2)継続的な組織活動とする
(3)分析ターゲットの明確化
(4)キーマン(医師)を巻き込む
(5)院外の情報を有効活用する
(6)「仕組み化」でさらに広める
(7)「看護必要度分析」など紹介


(1)大方針を定める

 好生館は、450床35診療科でII群のDPC対象病院。年間退院患者数は1万2962人(2015年度)、平均在院日数10.4日(同)の高度急性期病院になります。14年4月に中川原章理事長が着任すると、経営に「ICTやビッグデータなどの情報を最大限に活用する」と宣言。その具体策の一つとして「病院ダッシュボード」を14年9月に導入しました。

 一方、EBM推進の観点からクリニカルパスを積極的に運用しており、15年度の適用率は61.0%と高水準です。ただ、期間IIを超える入院日数のパスがあったり、DPC包括の検査や画像診断が過剰に含まれるパスがあったりするなど、「経営的な観点を加味したクリニカルパスの見直しが十分に行われてきたとは言いがたい状況」(医療情報部医療情報係長の長友篤志氏)でした。

 そこで長友氏が考えたのは、大方針を「クリニカルパスの見直し」に定めたことです。改善活動にはさまざまな視点や手法がありますが、効率的に改善を推進していくためには、ある程度の絞り込みも必要です。「クリニカルパスが積極的に運用されている当院の状況を考慮すると、クリニカルパスを見直す方法が一番の近道」と考えたわけです。

(2)継続的な組織活動とする

 次に考えたのは、改善活動を推進していくための組織体制です。改善活動は、一部署の単発的な取り組みでは難しいこともあります。病院経営の改善は、院内のさまざまな部署や人と連携しなければ実現しません。そのため、軸となるのは医療情報部であっても、組織の継続的な取り組みと位置付けられるにはどうすべきかを、大前提に考えたのです。

 そのため、まずは幹部会議に対して率直にその必要性を提案。提案は承認され、15年1月からクリニカルパス委員会の所掌事務として位置付けることが決定しました。その後、同年3月にクリニカルパス委員会にて、今回の取り組みの具体的な進め方が確認され、「病院ダッシュボード」導入から7か月にして、ようやく取り組みの下準備が完了しました。

(3)分析ターゲットの明確化

 組織体制が固まれば、具体的な分析作業に入っていけます。まず、分析する上で決めたのが、「期間II超え割合が概ね40%を超えるDPCコードおよびそれに適用されているクリニカルパスの分析」にターゲットを絞り込むということです。改善の必要性が高いターゲットにあらかじめ絞り込むことで、効率的かつ効果的な改善活動を実施するための道筋ができます。

 その際に特徴的なことは、DPCコード別、クリニカルパス別に症例数や期間II超え割合を可視化できるアプリケーションを独自に作成したことです。複数の重要データを一元管理できる「データウェアハウス」に格納された「入院データ」「クリニカルパス適用データ」「DPCデータ」を、経営の意思決定などに用いる「ビジネスインテリジェンス」システムにロードすることで可視化するというものです。

 その上で、「病院ダッシュボード」を用いて在院日数の状況、医療資源の投入状況などについて、規模や設立母体の類似した病院との間で細かくベンチマーク分析を実施。課題を抽出し、改善提案を整理していきました。

(4)キーマン(医師)を巻き込む

 課題を抽出し、いくら素晴らしい改善提案ができても、改善活動の推進につながるとは限りません。作成する資料が分かりづらかったり、伝わらないプレゼンテーションだったりすると、思うような成果をあげることはできないでしょう。さらに、診療科ヒアリングであれば、改善提案をするのは医師であることが多いですが、医師を説得するには同じ医師から伝えてもらうことが有効です。特に、その医師が改善活動におけるキーマンであれば、その効果は絶大です。好生館では、診療科ヒアリングにはクリニカルパス委員長(耳鼻いんこう科部長)を交え、各診療科部長へのヒアリングを実施しました。

 その結果、15年3月の取り組み着手以降、16年6月までの1年3か月の間に、12診療科に対して16種類のクリニカルパスの改善提案を行うことになりました。単純計算で、1か月に1つのパス改善提案をしている計算になります。これら実績は、15年10月開催された「第54回全国自治体病院学会」でも報告されたほか(関連記事『医療と経営の質を同時に改善、病院ダッシュボードユーザーの事例報告次々』)、16年6月発行の医療系雑誌「ITvision」にも掲載されています(ITvisionのページはこちら)。

(5)院外の情報を有効活用する

 院外の情報も有効活用しました。例えば、「心臓カテーテル検査パス」の改善事例では、現行の「3日パス」に加えて、入院当日に心臓カテーテル検査を実施する「2日パス」を新規に作成し、並行運用することを提案しました。その際、他施設における「2日パス」の運用例を併せて紹介。こうすることで、循環器内科のキーマンの理解を得ることができました。

 その結果、パス見直し後の平均在院日数は0.3日短縮の3.0日、期間II超え割合は3.3ポイント減少の6.5%に、平均検査金額は4914円減少の3万115円、平均画像診断金額も1124円減少の1474円に改善されました。

(6)「仕組み化」でさらに広め

 さらに好生館では、毎朝、従業員たちのスケジュール管理などを行うグループウェアで、各診療科の期間II超え状況を、リアルタイムの値で発信し、地域連携による早期の転退院を呼びかけています。看護必要度についても、リアルタイムでクリア状況を発信し、院内一体となって重要度を高く保つよう働きかけています。

 改善活動は、一度改善したら終わるものではありません。折に触れて、改善の成果が保たれているかどうか、現状を確認することが必要です。ただ、多忙な日常の中での振り返りは難しいこともあるので、こうして「仕組み化」することで、現状を確認し、改善の機運を高め、維持することにもつながります。

「看護必要度分析」など紹介

 この日のユーザー会では、GHCから「病院ダッシュボード」を利用するための初級編と中級編の講演も実施。初級編では、コンサルタントの薄根詩葉利が、参加者と一緒に操作をしながら基本的な操作方法を解説しました。中級編はマネジャーの冨吉則行が担当。「16年度診療報酬改定の対応解説を軸に、病院ダッシュボードの新機能で看護必要度データの精度向上などに役立つ「看護必要度分析」の紹介などもしました。

解説を担当したコンサルタント
冨吉 則行(とみよし・のりゆき)
株式会社グローバルヘルスコンサルティング・ジャパンのコンサルティング部門マネジャー。
早稲田大学社会科学部卒業。日系製薬会社を経て、入社。DPC分析、人財育成トレーニング、病床戦略支援、コスト削減、看護部改善支援などを得意とする。金沢赤十字病院(事例紹介はこちら)、愛媛県立中央病院など多数の医療機関のコンサルティングを行う。「コンサル視点が瞬時に分かる」をコンセプトに開発された次世代型病院経営支援ツール「病院ダッシュボード」の営業統括も務める(関連記事「病院が変化の先頭に立つために今できるたった3つのこと」)。解説を担当したコンサルタント
薄根 詩葉利(うすね・しより)
株式会社グローバルヘルスコンサルティング・ジャパンのコンサルタント兼カスタマーサポート担当。
国際医療福祉大学医療福祉学部卒業。高度急性期病院の診療録管理室勤務を経て、GHCに入社。診療情報管理士の資格を持ち、DPC分析全般を得意とする。「コンサル視点が瞬時に分かる」をコンセプトに開発された次世代型病院経営支援ツール「病院ダッシュボード」のカスタマーサポートも務める(関連記事『データ軸にパス見直し、および入院医療の外来化を推進、II群病院の維持に貢献―病院ダッシュボードユーザー会』)。



http://www.medwatch.jp/?p=10455
アンプルや包装の色で判断せず、必ず「薬剤名」の確認を―医療機能評価機構
2016年9月21日 | 医療・介護行政をウォッチ

 アンプルや包装が類似していたため、誤った薬剤を患者に投与してしまった―。

 このような事例が、2012年1月から16年7月までに4件報告されていることが、日本医療機能評価機構の調べで明らかになりました(関連記事はこちらとこちらとこちらとこちら)(機構のサイトはこちら。

 機構では、まず「アンプルや包装の色が類似した薬剤がある」ことを認識し、実際に「薬剤名」を確認する手順を院内で定め、遵守するよう呼びかけています。

「茶色のアンプル」「赤い包装シート」だけで判断してしまった事例が発生

 日本医療機能評価機構は、注意すべき医療事故やヒヤリハット事例の内容をまとめた「医療安全情報」を毎月公表しています。このほど公表された「No.118」では「外観の類似した薬剤の取り違え」がテーマに取り上げられました。

 ある病院では、手術中に患者が吐き気などを訴えたため、医師が「プリンペラン」の処方を口頭で指示。医師Bは「プリンペランは茶色のアンプルである」という認識で薬剤を取り出し、1人で準備、投与しました。その後、患者の血圧が著しく下がり(処置済)、術後に確認したところ、使用していないはずの「ペルジピン」の空アンプルがあり、薬剤の取り違えが判明しました。

 また別の病院では、患者が外来受診後に、院外の薬局で内服薬を処方されました。患者がその薬を服用していたところ、▼ 食欲不振 ▼ 倦怠感 ▼ 歩行困難 ▼ ―といった症状が出たため入院。持参薬を確認したところ、藥袋の記載は「ワーファリン錠」でしたが、中には「ラシックス錠」が入っていました。保険薬局の薬剤師が、同じ棚にあった「赤いPTP包装」からラシックス錠をワーファリン錠と思い込んで調剤し、監査でも間違いに気づかなかったことが分かりました。

 このほかに、「セレネース注」と「サイレース静注」、「ラシックス注」と「プリンペラン注射液」について、同じ茶色のアンプルであったために誤投与してしまった事例が報告されています。

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アンプルの色が似ている、包装シートの色が似ているために、薬剤の取り違えが生じている

 このように「アンプルの色」や「包装の色」が類似している薬剤は取り違えの可能性が高く、薬剤の誤投与は大きな健康被害につながりかねません。

 機構では、まず「アンプルや包装の色が類似した薬剤が存在する」ことを認識するよう指摘。その上で、「アンプルや包装の色で判断せず、薬剤を手にとった際に、『薬剤名を確認』する手順を院内で定め、それを遵守する」よう強く求めています。

G3註:遮光アンプルの例 
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https://medical-tribune.co.jp/news/2016/0921504788/
短時間で病名・治療法提示...精度増す「AI」 心強い味方
yomiDr. | 2016.09.21 11:45〔読売新聞〕

 人工知能(AI)が、医療現場でも注目されている。

 既に患者の画像から病変を見つけたり、画像を基に臓器を立体的に再現したりする技術が実用化されている。遺伝子など患者の情報を基に膨大なデータから病名や治療法を探し出す臨床研究では、まれなタイプの病気を見つけて、治療に役立てる成果を出している。

 AIは、人間のように知的な活動ができる機械のこと。医療現場で実用化されているAIには、大量のデータを基にコンピューターが自ら学ぶ機械学習という手法が使われている。

 富士フイルムが製品化したがんの画像診断支援システムは、コンピューター断層撮影法(CT)で撮った患者の画像を入力すると、あらかじめ数千枚のがんの画像を"予習"したコンピューターが、類似画像と診断情報を数例示す。画像診断医など専門医の判断と8〜9割が一致するという。

 また、臓器の典型的な大きさや形状などの基本情報を覚えさせ、患者のCT画像数百枚を入力すると、臓器の立体像を血管まで再現し、病巣の大きさや体積を計算できるシステムもある。手術の手順検討や治療の選択に使われている。

 自治医科大学は、医療機器メーカーと共同で、診断支援のAI「ホワイト・ジャック」を開発した。問診票や診察内容から、病名や確定診断に必要な検査法、薬の候補を助言して、一人で大勢の患者を診る地域のかかりつけ医らを支援する。今年度中に同大病院で試験運用を始める。

 病院を訪れた患者は、人型ロボットの手元にあるタブレット端末に、名前や年齢、症状、既往症を入力。この情報はAIに送られ、腹部の痛みに対して「虫垂炎」など、候補となる10〜20種類の病名が医師に示される。AIは、病気に関する研究成果などを基に判断しており、石川鎮清教授は「患者が少ない病名も挙げるので、診断の見落としを減らせる」と期待する。

 AIの進歩は、コンピューターの性能アップと大量のデータの蓄積に加え、2012年頃から成果を上げた「ディープ・ラーニング(深層学習)」と呼ばれる新たな手法で加速した。最近は、囲碁でトップ棋士に打ち勝ち、車の自動運転でも注目されている。

 深層学習も機械学習の一つで、データ量が増えるほど精度が上がる。さらに、学習を重ねるほど答えを出す時間が短縮する。

 東京大学医科学研究所は、深層学習できる米IBM社のAI「ワトソン」に、2000万本以上の論文、1500万件以上の薬剤関連の情報を学ばせ、患者の遺伝情報から、がんの発症に関わる遺伝子や治療薬の候補を提示させる臨床研究を行っている。人間だと2週間かかる遺伝情報の分析をわずか10分でこなす。

 既に70人以上の患者に、分析結果を提供して、診療に役立てている。極めてまれなタイプの白血病と判明した女性は、医師の判断で治療薬を変更して、病状が回復、退院することができた。

 同研究所病院の東條有伸副院長は「がんに関して、毎日、遺伝子変異などの新しい情報がたくさん出ている。最適の治療を迅速に患者に届けるために、今後、AIの役割はますます大きくなるだろう」と話す。

最終判断は誰の責任に?

 帝京大学の澤智博教授(医療情報学)は「AIはブラックボックスで、どのようにして結論に至ったのか、わからない。予想外の結果が出た場合、医師がどう修正するのか、判断が難しいケースもある。将来的にAIに最終判断を任せた場合、誰の責任になるかも不明確だ」と指摘する。

(2016年9月21日 山田聡、米山粛彦・読売新聞)



https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20160921-OYTET50005/
群大病院「組織的責任」認める…手術死問題で遺族に説明、補償意向も
2016年9月21日 読売新聞

 群馬大学病院の手術死問題で、病院側が組織としての過失責任を認める意向を一部の遺族に伝えていることがわかった。

 病院は責任を認めた上で必要な補償を行う方針だ。

 遺族側の弁護団によると、医療事故を巡り、病院側が、医師が行った医療行為の適否だけでなく、組織自体の過失責任を認めるのは異例という。

 群馬大病院は今年7月に調査報告書が完成したのを受け、死亡した50人の遺族に調査結果を個別に説明しており、近く終了する。

 弁護団によると、代理人を務める7遺族への個別説明に際し、「執刀医らの医療行為、診療科長(教授)の監督行為、病院の構造・組織の不備」をいずれも問題として病院組織の責任を認めるか尋ねた。これに対し田村遵一病院長らは「指摘の通り。病院の管理体制が悪かった」などと組織の責任を認め、補償する考えを伝えた。執刀医や教授の今後の対応にかかわらず、病院としては補償を行う方針。

 2004年に発覚した東京医大の心臓手術死問題など、病院が問題を認めた過去の事例では、医師の医療行為を不適切として補償するのが一般的で、組織の過失責任を認めた例は極めて珍しいという。

 弁護団の梶浦明裕事務局長は「組織の問題が被害を生み出したという実態と、再発防止を望む遺族の気持ちに即した解決につながる第一歩」と話し、今後は、「執刀医や教授が真実を語るかどうかで、行政処分の要望や刑事告訴などの対応を検討する」としている。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/49654.html?src=catelink
患者申出の第一例、来月に東大病院で開始へ- 厚労省の有識者会議が大筋了承
2016年09月21日 21時00分 キャリアブレイン

 今年4月に始まった患者申出療養制度について、厚生労働省の有識者会議は21日、東大医学部附属病院が申請した抗がん剤の併用療法に関する実施計画を大筋で了承した。胃がんが腹膜に転移した患者に対して、腹腔と静脈への投与と内服を組み合わせる治療で、同病院では1年の期間中に100人の症例数を予定している。今後、官報告示を経て、来月中旬までにスタートする見通しで、同制度を利用した治療の第一例となる。【敦賀陽平】



http://mainichi.jp/articles/20160922/ddm/002/040/100000c
患者申し出療養制度
初承認 混合診療、例外拡大 抗がん剤治療の負担軽減

毎日新聞2016年9月22日 東京朝刊

 保険適用されない薬や治療法と保険診療を併せて受ける混合診療を例外的に認める「患者申し出療養制度」の申請を審査する厚生労働省の評価会議は21日、胃がんの腹膜(内臓を覆う薄い膜)への転移に対する抗がん剤の腹部投与の治療法について承認した。新制度での承認は初めて。10月にも東大病院で実施される。

 承認されたのは、抗がん剤の「S−1」と「パクリタキセル」による治療。パクリタキセルを腹部に直接投与することで治療効果が高まると期待されるが、直接投与は保険が適用されない。全額自己負担なら170万円程度掛かるとされるが、患者申し出療養制度の適用により、患者負担は90万円程度となる見込み。

 この治療法は、以前からある混合診療の例外措置「先進医療」で既に実施され、患者の生存期間の延長がみられている。しかし、対象者に基準があり、希望しても受けられない人がいた。今後は東大病院なら審査なしで、他の医療機関でも東大病院と連携することで2週間の審査で承認され、希望者は迅速に治療を受けられるようになる。同病院は年間100人程度を予定している。

 厚労省によると、先進医療を受けられなかった患者から申し出があり、東大病院が実施計画を作成。同病院の申請を厚労省が9月7日に受理していた。21日の評価会議では、対象者に関し、肺や脳など離れた部位への転移のある患者には実施しないなど計画の一部修正を求めた上で、申請を承認した。【細川貴代】

 ■ことば
患者申し出療養制度
 保険の使えない薬や治療法と保険診療を併せて行う混合診療は原則禁止され、保険が使えず全額自己負担になる。患者の申し出を受けて医療機関が国へ実施を申請する「患者申し出療養制度」は例外として保険診療部分が3割などの自己負担で済む。申請から原則6週間以内に厚生労働省の評価会議が承認の可否を判断する。これまでの例外措置「先進医療」は承認まで半年程度かかっていた。



https://www.hokende.com/news/detail_5204.html
アクサ生命から「患者申出療養制度」に対応する商品が登場
2016-09-21 21:00:00 保険市場TIMES

業界では初となる商品

アクサ生命保険株式会社(以下「アクサ生命」)が、有配当タイプの新商品である『患者申出療養サポート』(正式名称:患者申出療養給付保険(無解約払戻金型))の発売を開始している。

『患者申出療養サポート』では、患者からの申し出により日本では未承認の医薬品や医療技術などを保険診療と併用するようにできる制度である「患者申出療養制度」に該当する療養を受けた場合、その技術料と同額の給付金を支払うという。

アクサ生命によると、このような商品の発売は業界では今回が初めて。

90歳まで契約は自動更新

「患者申出療養制度」により、がんなどの難治性疾病においては「治療の選択肢」が増える一方、対象となる治療は技術料が高額で患者の金銭的負担が重くなることも予想されるということを背景にアクサ生命では商品を開発。契約は健康状態とは関係なく、90歳まで自動更新される。

ただし、所定の医療保険等と同時加入することが前提になっているため、単体での契約は不可とのこと。



http://mainichi.jp/articles/20160921/k00/00e/040/214000c
統合失調症
注射治療薬「2年で85人死亡」 安全性は

毎日新聞2016年9月21日 11時37分(最終更新 9月21日 14時48分)

因果関係は不明、迫られる検証

 統合失調症の治療薬ゼプリオンが、販売開始約2年で85人の死亡が報告されている。死亡と薬との因果関係はわかっていない。日本ではあまり普及していない注射タイプの薬で、1度打つと1カ月効き目が続く利点がある。再発を抑える効果が期待されるだけに、安全性のさらなる検証が必要だ。

 ゼプリオンは2013年11月に販売が始まった。以後26カ月間で、医薬品医療機器総合機構(PMDA)に85人の死亡が報告された。心肺停止、心筋梗塞(こうそく)などの症例が並ぶが、はっきりした死因はわからない。精神医療の関係者らでつくるNPO法人「地域精神保健福祉機構(略称コンボ)」は今年6月、厚生労働省に対し、使用者全例の調査や原因究明などを求める要望書を出した。

 多数の死亡報告は、新聞や週刊誌でも取り上げられた。製造販売元のヤンセンファーマはどう受け止めているのだろう。

 服用患者の死亡率は、一般的な統合失調症の患者と比べても高くない、とヤンセン社は主張する。「統合失調症患者の死亡率は年間1000人中10〜13人。ゼプリオンは4.35〜8.03人なので範囲内です」。また当初の71の死亡症例を社内で分析したところ、特定できた死因は自殺14▽窒息3▽がん3−など24例で、通常の統合失調症患者と変わりなかったという。66%にあたる47例は原因不明だが、そもそも統合失調症の患者の死亡は原因不明が多いと指摘する医師もいる。

 死亡患者には、他の抗精神病薬が併用されていたケースがあった。医療関係者は、併用が悪影響を与えたとみる。

 発売後に死亡報告が相次いだため厚労省は14年4月、ヤンセン社に対し、医療関係者に安全性速報(ブルーレター)を出すよう指示した。ブルーレターでは、他の飲み薬と併用せず、複数の薬が必要な不安定な患者には使わないことなどを、注意喚起している。ヤンセン社はこの時、他の抗精神病薬と併用せず単剤で使うよう注意する項目を添付文書に加えた。

 精神薬理に詳しい北里大名誉教授の村崎光邦さんは「興奮が強いから(抑えよう)、と使った人がいるのでは」と処方に問題があったとみる。「日本の精神医療の現場では多剤大量の薬を処方する傾向がある。飲み薬と併用すると血中濃度が上がりすぎ、危険」とも指摘した。

 村崎さんは、併用注意の呼びかけが遅かったともみる。「製薬会社は発売時に、薬の併用はだめとはっきり言うべきだった。ドクターにきちんと使い方を伝えておくべきだった」と振り返った。厚労省医薬食品局安全対策課は「適正使用を徹底してもらい、今は死亡症例の報告の頻度は下がっている」と話す。

 臨床試験ではゼプリオンの単剤だけが処方された。試験に携わった横浜市立大の平安良雄教授(精神医学)は「社会復帰を支えてくれる薬」と評価する。統合失調症の患者は服薬を中断しがちで「仕事をしたい人にとって、毎日薬を飲むのは非常にストレス」と説明する。「月に1度ですむので飲み忘れもなく、好評。再発率が低い実感もある」と話した。

 横浜市で開業する坂本将俊医師は、患者から不安の声も出たが、病状が安定して副作用もなかったためゼプリオンを処方し続けている。「統合失調症の多くは自分が病だという認識がなく、薬を中断しがち。ゼプリオンは体内に確実に入るので、患者の命と社会生活を守る可能性が高い」。ゆっくり効くため、他の薬がもたらす眠気やふらつきなどの副作用も少なくなったとの声も出ているという。

 ヤンセン社は年内に、2年間にわたり服用患者を観察した調査の中間報告をまとめる。村崎さんは「死因や死亡率がはっきりするので、使い方さえ間違わなければ問題ないのか、薬自体に問題があるのかがわかる。結果を見て検証したい」と期待する。【坂根真理】

 <抗精神病薬>主に統合失調症向けの薬。統合失調症は脳内の神経伝達物質が変調をきたすことで、妄想や幻覚などを引き起こす病。抗精神病薬は神経伝達の流れを抑え、興奮や不安を鎮め、意欲を高めるとされる。のどの渇き、ひどい便秘、眠気やだるさ、体重増加、高血糖、起立性低血圧などの副作用が出ることがある。



https://www.m3.com/news/general/460865
医師起訴、病院が「不当、速やかな釈放を」と見解
2016年9月21日 (水) 高橋直純(m3.com編集部)

 自身が執刀した女性患者に対してわいせつな行為をしたとして、東京地検が準強制わいせつ罪で東京都内の男性医師(40)を起訴した問題で、東京都足立区の柳原病院は9月20日、「起訴決定に抗議するとともに、医師を速やかに釈放するよう求める」と訴える「公式見解」を病院ホームページに掲載した(声明は9月17日付け)。

 病院の説明によると、逮捕された男性医師は一貫して否認している。期日前証人尋問では、患者に関わった医師と看護師が「逮捕された医師に何ら嫌疑がない」と証言した。また、「多くの医療関係者や患者の方々から、当院の見解を支持する声や、医師の名誉回復を願う声などの激励が寄せられている」とし、700余人の早期釈放・不起訴を求める嘆願書を東京地検に提出している。これまでに二度の病院に対する家宅捜索が行われ、20数点の資料が押収されていることも明らかにした。

 公式見解で、病院は改めて「無実の事案であり、逮捕勾留は自白の強要を目的としたもので、起訴は客観的証拠に基づかない不当なものであると私たちは考えます。麻酔によるせん妄状態の患者証言のみを根拠とした医師の逮捕・起訴が許される事になれば、医療現場に混乱と萎縮を招き、正当な医療行為や診療行為に大きな制約が付され、ひいては患者に重大な不利益が生ずることになりかねません。この様な社会的にも大きな影響を及ぼす起訴決定に強く抗議し、医師の速やかな釈放を求めます」 と主張している。

 また、8月27日付けの勾留状と9月14日付けの起訴状では、罪状が変わっている点について、「逮捕勾留の根拠とされた被疑事実から時刻や行為の内容が大幅に変えられ、起訴ありきの考えをうかがわせるもの」と訴えている。

■勾留状と起訴状の要旨

勾留状
 5月10日、右乳腺腫瘍摘出手術を執刀後、女性患者が手術後の医療行為と誤信し抗拒不能となっていることに乗じ、強いてわいせつな行為をしようと企て、同日午後2時45分ごろから、午後2時50分ごろまでの間、同病院408号室において、ベッド上で全身麻酔からの覚醒中であり仰向けで寝ている女性患者に対し、看護師を介して手術後の診察であることを申し向け診察中、女性患者の着衣をめくり、やにわに左乳首を舐め、患者が気付いたため一端退室し、その後更に、同日午後3時7分ごろから3時12分ごろまで、患者に対し「傷口を診る」旨を申し向けて、左手で女性患者の着衣をめくり左乳房を見ながら、右手を自己のズボン内に入れて陰茎付近をさすり自慰行為をする等、もって同人の面前において抗拒不能に乗じてわいせつな行為をしたものである。

起訴状
 5月10日、右乳腺腫瘍摘出手術を執刀後、女性患者が手術後の医療行為と誤信し抗拒不能となっていることに乗じ、わいせつな行為をしようと考え、午後2時55分から午後3時12分までの間、同病院408号室において、ベッドに横たわる女性患者に対して、診察の一環として誤信させ、着衣をめくって左乳房を露出させたうえで、その左乳首を舐めるなどし、もって女性患者の抗拒不能に乗じてわいせつな行為をしたものである。



https://www.m3.com/news/general/460813
遺伝情報で治療法検索…患者10万人分をデータベース化へ
2016年9月21日 (水) 読売新聞

 患者の遺伝情報から関連する病気や治療法を一括で調べられるデータベースの構築を国立研究開発法人・日本医療研究開発機構が始めた。

 日本人の遺伝情報の研究成果を検索できるように一つにまとめ、インターネットで公開する。遺伝情報を基に最適な治療を行う未来のゲノム医療の基盤になると期待されている。

 遺伝情報検索データベースとして来年度に試作版を作り、2018年度からの運用を目指す。予算は今年度から5年間で約80億円。

 現在、遺伝情報で薬の効果を予測したり、病名を割り出したりすることが一部できるようになってきている。米国では約17万件の遺伝情報を収めたデータベースが運用され、日本の医師や研究者も参考にしている。ただし遺伝情報には人種差もあり、日本人のデータベースが求められている。

 日本人の遺伝情報と病気の関連は、大学や研究所が数十万人分の情報を基に数多くの論文を発表しているが、遺伝情報に関する研究成果は未整理のまま分散しており、診断や治療に使える状態になっていない。

 計画では、研究成果をがん、難病などの専門家が評価。それを基に匿名の患者10万人分の遺伝情報などを入力。通常の配列と異なる遺伝子変異の名前で検索をかけると、考えられる病名や治療法が見られるようにする。

 役立つ情報を優先して表示できるよう人工知能の利用も検討している。



https://www.m3.com/news/general/460818
胸腔鏡手術後に死亡」 75歳女性遺族が病院提訴
2016年9月21日 (水) 共同通信社

 2013年11月に愛知県刈谷市の「刈谷豊田総合病院」で同県に住む女性=当時(75)=が胸腔(きょうくう)鏡手術を受けた後、死亡したのは担当した医師のミスが原因として、遺族が病院側に計約6500万円の損害賠償を求める訴えを名古屋地裁に起こしたことが20日、分かった。提訴は8月10日付。

 訴状によると、女性は13年11月13日、腫瘍を摘出するため、胸に小さな穴を開け小型カメラなどを入れる胸腔鏡手術を受けた。この際、医師が誤って大静脈を傷つけたため、大量出血による脳症や多臓器不全で同月29日に死亡したとしている。

 同病院は刈谷市やトヨタグループなどでつくる法人が運営。病院側は取材に「一切、コメントできない」としている。

 遺族の代理人弁護士によると、遺族は、医療機関が「院内調査」する国の医療事故調査制度のモデル事業を利用。この調査の中で病院側は医療ミスを認めていたが、遺族には「法的過失はない」と主張したため提訴に踏み切ったとしている。

  1. 2016/09/22(木) 10:48:20|
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9月20日

https://www.m3.com/news/general/460444?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD160920&dcf_doctor=true&mc.l=178839685&eml=3f492a08f1681d66441569ec02c0b51e
群馬大病院が補償の意向 手術死問題で遺族に
2016年9月20日 (火) 共同通信社

 群馬大病院で同じ男性医師(退職、懲戒解雇相当)の手術を受けた患者が相次いで死亡した問題で、病院側が一部の遺族に対し、補償金を支払う意向を示していることが16日、分かった。補償の動きが明らかになったのは、初めて。

 遺族側関係者によると、一部の遺族に対し、病院側に問題があったと認め、補償金を支払う考えを伝えたという。

 第三者調査委員会が「病院全体のガバナンスに不備があった」などとする報告書を大学側に提出。大学側は8月から遺族に個別に説明を始めていた。

 男性医師と元上司の教授(諭旨解雇)は手術の経緯などを直接遺族に説明する意向を被害対策弁護団に伝えており、弁護団は「医師らの説明も聞き、補償に応じるか、訴訟を起こすかなどを検討したい」としている。

 群馬大病院では男性医師の腹腔(ふくくう)鏡や開腹の手術を受けた18人の死亡が2014年に判明。その後の病院の調査でさらに12人の死亡も明らかになった。



https://www.m3.com/news/iryoishin/460591
東大、医学系教授ら6人、22報の論文不正疑惑、本調査
2通の匿名の告発文を受け、予備調査から移行

2016年9月20日 (火) 橋本佳子(m3.com編集長)

 東京大学は9月20日、論文不正疑惑の指摘を受けた同大学の6人、計22報の論文について、本調査を開始すると発表した。東大の科学研究行動規範委員会規則では、今後30日以内に本調査を開始、150日以内に結論を出すことを原則としている。調査委員会の委員長は、総長が副学長を任命、委員や専門委員で構成する。総数は明らかになっていないが、半数以上は学外の委員とする(資料は、東大のホームページ)。

 東大は8月14日付、および8月29日付の匿名で論文不正疑惑を指摘する文書を受け取り、8月22日および9月1日から、それぞれ本調査に入るか否かの予備調査を開始した(『東大、医学系4教授、11の論文不正疑惑を予備調査』、『東大、論文不正疑惑の第二弾受け予備調査』参照)。

 m3.comが入手した資料によると、本調査の対象となるのは、8月14日付が、医学系教授が主催する4研究室の計11報の論文、8月29日付が医学部と分子細胞生物学研究所(分生研)の2人の教授の研究室の計11報の論文。匿名のグラフ等に捏造および改ざんの疑いがあると指摘していた。掲載誌は、NatureやCell、NEJMなどのトップジャーナルが多く、22報の掲載期間は、2003年から2015年にわたる。



https://www.m3.com/news/general/460471
ベルギーで未成年安楽死 国内初と報道
2016年9月20日 (火) 共同通信社

 【ウィーン共同】ベルギー紙ニュースブラット(電子版)は17日、同国で初めて未成年の安楽死が実施されたと伝えた。ベルギーは2014年、医師による安楽死を未成年にも認める法律を施行。年齢制限がない点で世界初の法律とされる。

 隣国オランダも未成年の安楽死を認めているが、12歳以上に限定している。

 同紙によると、北部オランダ語圏フランデレン地域の死期が間もない患者だったとされるが、年齢や性別は明らかにされていない。

 ベルギーは成人(18歳以上)の安楽死を02年に合法化。成人の場合は精神的苦痛も理由として認めるが、未成年は肉体的な苦痛があり、死期が間もない患者に制限し、親の同意も必要とする。



https://www.m3.com/news/general/460564
熊本市民病院、赤字3億6千万円 15年度決算
2016年9月20日 (火) 熊本日日新聞

 熊本市は2015年度の病院事業会計決算をまとめた。熊本市民病院は、医師退職の影響で患者数が減り、純損益が3億6091万円の赤字。前年度は会計制度見直しによる引当金計上で赤字となったが、実質的な赤字は7年ぶり。

 植木病院は新たに施設基準を満たしたことで診療報酬が加算され、11年ぶりに5384万円の黒字を計上した。

 2病院と芳野診療所を合わせた病院事業の総収益は、前年度比3・7%減の144億1309万円。総費用は28・4%減の147億2015万円だった。純損益は3億706万円の赤字。累積欠損金は73億1100万円となった。

 市民病院の延べ患者数は入院が3・5%減の12万2752人。外来が9・0%減の16万4907人だった。乳腺・内分泌外科の医師4人が同時期に他院に移ったほか、精神科の医師1人が退職したことで、患者数が減った。

 植木病院の延べ患者数は入院が3・5%減の3万6397人。外来が15・6%減の2万8124人だった。患者数が減った一方で、医師事務作業補助者を新たに雇用するなど、国の施設基準を満たして診療報酬が加算され、黒字を達成した。

 芳野診療所の延べ患者数(外来のみ)は2・1%増の2912人で、収益は5621万円だった。一般会計で赤字を穴埋めするへき地診療所のため純損益はない。



https://www.m3.com/news/general/460515
麻薬所持疑いで医師逮捕 警視庁
2016年9月20日 (火) 共同通信社

 麻薬や危険ドラッグを自宅で所持したとして、警視庁新宿署は20日までに、麻薬取締法と医薬品医療機器法違反の疑いで、東京都健康長寿医療センター(板橋区)の非常勤医師、加藤智史(かとう・ともふみ)容疑者(39)=中野区=を逮捕した。

 逮捕容疑は7日午前10時ごろ、自宅マンションで「ケタミン」と呼ばれる麻薬を含む粉末(0・36グラム)と、指定薬物を含む危険ドラッグの錠剤1錠(0・22グラム)を所持した疑い。

 新宿署によると、別の薬物事件の捜査過程で、加藤容疑者が麻薬を所持している疑いが浮上。自宅を捜索したところ、台所の引き出しの中の封筒から麻薬と危険ドラッグが見つかった。同署が入手先などを調べている。

 医療センターは「事実関係を確認中で、事実であれば、厳正に対処する」とコメントしている。



https://www.m3.com/news/general/460553
地域医療推進へ新型医療法人 山形で設立へ
2016年9月20日 (火) 河北新報

 山形県と酒田市が出資する独立行政法人「山形県・酒田市病院機構」(酒田市)と同市内の医療・社会福祉法人の計5団体が、持ち株会社型の新医療法人「地域医療連携推進法人」の設立準備を進めていることが19日、分かった。

 診療報酬と介護報酬が同時に改定される2018年度までの発足を目指す。施設間の機能分担、医薬品の共同購入といった業務の連携を進め、経費削減と医療の質の向上を図る。東北で設立に向けた動きが表面化したのは初めて。

 日本海総合病院を擁する同機構と、共に医療法人の健友会と宏友会、介護老人保健施設を運営する社会福祉法人光風会、訪問看護ステーションを担う酒田地区医師会が今月13日、設立に向けた協議会を設けた。

 厚生労働省が年内に公布予定の関係政省令を待って共同購入や医療機器の共同利用、医療従事者の共同研修などの具体的なルール作りに着手する。

 参加法人は連携推進法人の認定を目指す一般社団法人を合同で立ち上げ、その「社員」として意思決定に参画する。地域の声をより反映させる仕組みづくりも検討するという。

 全国では岡山、石川両県などで連携推進法人の設立に向けた検討が進むが、東北では目立った動きがなかった。

 山形県・酒田市病院機構は、旧県立日本海病院と旧市立酒田病院が2008年に統合して発足。医療機関連携のモデルケースになった。庄内地域では患者の電子カルテや画像データをオンラインで共有するシステムが普及するなど、ソフト面でも医療機関の連携が進んでおり、連携推進法人設立の下地となっている。

 山形県・酒田市病院機構の栗谷義樹理事長は「人口減少と高齢化が進む中で地域の保健・医療を守るには医療機関同士の利害を調整し、競合から協調に移す必要がある。連携推進法人の設立はその大きな一歩となる」と話す。

[地域医療連携推進法人]人口減少社会を見据え、医療・介護施設間のネットワーク化を通じて質の高い効率的な医療提供体制を促すため、厚労省が制度化。歴史や伝統を有する各団体の枠組みを残しつつ、地域の医療介護の利害調整や業務連携の円滑化が期待できる。2017年4月以降、都道府県知事が法人認定できる。



https://www.m3.com/news/general/460512
医療事故調査110番 制度1年、遺族に対応
2016年9月20日 (火) 共同通信社

 診療に関連した患者の予期せぬ死亡事案を対象とした医療事故調査制度の開始から1年となる10月1日、弁護士らでつくる「医療事故情報センター」(名古屋市)が全国の遺族の相談に応じる「医療事故調査制度110番」を実施する。院内調査が必要として医療機関から第三者機関に届け出た件数が、当初の想定を大幅に下回る現状を踏まえた取り組みという。

 受付時間は午前10時から午後3時。センターは「医療機関が本来必要な報告をしていないケースが多数あるのでは、との懸念が拭えない」と説明。家族の死亡が「予期せぬ事案」だったのではないかと考える遺族からの問い合わせを受け、経緯や事実関係を確認した上で地域ごとの弁護士の窓口を案内する。

 制度は、医療機関や助産所など全国18万カ所が対象。患者の予期せぬ死亡や死産があれば、第三者機関「日本医療安全調査機構」(東京)への届け出や院内調査、遺族に対する調査結果の報告を義務付けている。

 制度開始前、年間の届け出は千~2千件とみられていたが、今年8月までに356件と低調。対象とするかどうかの判断が医療機関側に委ねられ、現場が対応に苦慮していることが一因との指摘もある。そのため厚生労働省は届け出基準などを統一運用するための連絡協議会設置の方針を決めている。

 また制度上、遺族への調査報告書の交付は「努力規定」にとどまっており、1日の「110番」では院内調査や報告・説明に関する遺族からの相談も受け付ける。電話は052(951)1731。



https://www.m3.com/news/general/460561
【兵庫】診療所化撤回求める 日高医療センター
2016年9月20日 (火) 日本海新聞

 但馬地域の医療関係者や住民などでつくる「地域医療をまもる但馬の会」は、公立豊岡病院組合立日高医療センター(兵庫県豊岡市日高町岩中)の病床廃止による診療所化の撤回を求める署名運動への参加を、但馬の住民に呼び掛けている。署名は同組合の12月議会に陳情書として提出する予定。

 同医療センターは震度6~7の地震で「倒壊または崩壊の危険性がある」と指摘を受けており、有識者などでつくる委員会が現地建て替え後の在り方を検討している。

 同病院組合は委員会の報告を加味しつつ、7、9両月の組合議会などで99病床を全廃して診療所化し、眼科医療は豊岡病院、回復期・慢性期の入院は出石医療センター、人工透析は豊岡、八鹿両病院へ受け入れを依頼する案を提示。早ければ来年3月の議会に議案として提出する見通しとしている。兵庫県内の公立41病院のうち、診療所化が諮られているのは同医療センターが初めて。

 まもる会は16日、豊岡市役所で会見。千葉裕代表(たじま医療生活協同組合理事長)は、医療機能の集約を繰り返せば地域医療が崩壊すると強調。「独居老人や交通弱者の高齢者が安心して暮らすためには身近に病院が必要。病院がなければ町の構造が変わる」と力を込め、回復期の病院としての機能も担う同医療センターの現状や必要性を訴えた。

 署名活動は既に実施しており、まもる会の構成団体や同町の区長会のほか、趣旨に賛同する域外の医療団体などに声掛け。地域内外から広く署名を集め、11月12日に同町で開く住民集会までに署名を集約する。「自治体と住民が苦労して設置した公立病院を守り、病院機能を維持していきたい」と話している。



https://www.m3.com/news/general/460452
柔道整復師の養成、厳格化 不正問題受け報告書案
2016年9月20日 (火) 共同通信社

 柔道整復師による療養費の不正受給事件が相次いでいることを受け、柔整師養成の見直しを議論している厚生労働省の有識者検討会は16日、養成施設の卒業に必要な単位数の引き上げや職業倫理教育の必修化など、カリキュラムの厳格化を盛り込んだ報告書案を大筋で了承した。

 報告書案によると、卒業に必要な単位数を現行の85から99に引き上げ、不正受給の防止に向けた職業倫理教育のほか、社会保障制度に関する知識などを学ぶ時間を新たに設ける。施術能力の向上を図るため臨床実習も拡充する。

 現在は、資格取得のための最低履修時間数が定められていないが、今後は基準を設け、2750時間以上の学習を必要と定めた上で「各養成施設が独自のカリキュラムを追加することが望ましい」とした。

 厚労省は来春までに省令を改正し、2018年度から新カリキュラムでの養成を始める方針。

 柔整師を巡っては、接骨院で患者に施術したように装い、診療報酬に当たる療養費を不正受給したとして、柔整師や暴力団組長らが逮捕される事件が起きるなど、問題が相次いでいる。



https://www.m3.com/news/general/460567
京都・亀岡市立病院黒字化を模索 本年度中に新改革
2016年9月20日 (火) 京都新聞

 亀岡市立病院が抜本的な経営改革に乗り出した。市の一般会計からの繰り出しを受ける中、赤字が続いているためで、国が公立病院に求めている新改革プランを本年度中に策定する方針だ。急性期の病院としては小規模なため採算性の改善に向けた道のりは険しいが、回復期機能の強化など利用者目線の見直しを実現できるかが鍵になりそうだ。

 2015年度の経常収支は3億5千万円の赤字で、過去最大となる見通し。赤字は10、11年度を除き04年の開業以来続いている。背景には地方の病院に共通する医師不足をはじめ、患者数の減少や人件費の増加がある。

 常勤医はここ数年退職が相次ぎ、14、15年度は12人体制に縮小した。現在は15人に戻ったが、一般内科医はゼロ、小児科医は1人で、入院に十分対応できていない。常勤医だけではカバーできない診療科や当直に、常勤医よりも時間給が高い非常勤医が入っていることなどが人件費の増加につながっている。

 患者の動向も見逃せない。丹波2市1町には救命救急や集中治療に対応した高度急性期を担う病院がなく、京都市などへの患者の流出が続いている。市立病院によると、市内に住所がある入院患者の半数以上が京都市や長岡京市といった近隣自治体の病院を利用しているという。

 急性期を脱した患者を受け入れる回復期病床も不足気味で、回復期の患者も市外に流れているとみられる。

 市立病院は8月下旬、外部の有識者を交えた経営審議会を立ち上げ、今後の方向性の検討を始めた。丹波地域では高齢化に伴い、リハビリテーションを伴うことが多い高血圧や心疾患、骨折などが増えると推測され、病院側は「在宅機能に近い回復期機能の強化が求められる」との考えを示す。

 その一環として市立病院は、急性期の治療後、在宅や介護施設への復帰に向けた医療や支援を行う「地域包括ケア病床」を3月に10床開設した。一般病床をその分減らし、90床とした。ただ、地域包括ケア病床をさらに増やすには、理学療法士らを増員する必要があり、新たな負担がのし掛かる。

 桂川孝裕市長は本年度、国からの交付税措置分を除き、一般会計から病院事業会計への繰り出しを初めてゼロにした。市立病院は公立として救急や小児医療といった採算性が低い部門も担うため、市は独自に毎年3億円前後を繰り出してきたが、財政健全化を図るため、13年度から徐々に減らした。

 桂川市長は「今後2年間で病院事業の全体的な見直しと収支バランスを整えることを求めている」と厳しい姿勢を見せる。しかし現状は厳しく、本年度に入院や外来の収益だけで黒字化するのはきわめて難しい状況だ。

 国は新改革プランで、それぞれの病院が地域医療圏で果たすべき役割の明確化を求め、病院の再編・ネットワーク化についての検討も促している。亀岡市立病院も2市1町の南丹医療圏における役割を見直す方向で、場合によっては診療科や診療内容の再編成にまで踏み込んだ議論に発展する可能性もある。

 病院事業管理者を兼務する玉井和夫病院長は「5年、10年と持続できる病院形態を考えないといけない」とし、中長期の経営環境や地域での役割を重視したプランを検討する考えを示している。



https://www.m3.com/news/general/460568
小児医療センター、新都心に年末開院 周産期充実へ前進
2016年9月20日 (火) 埼玉新聞

 県立小児医療センターの新病院がさいたま市中央区のさいたま新都心に完成し、12月27日にオープンする。産婦人科や救急医療などの総合的医療機能を持つさいたま赤十字病院も小児医療センターに隣接して移転され、両病院の連携による周産期医療の充実や救命救急機能の強化などが期待される。上田清司知事は「さいたま新都心から小児医療の新時代が始まる。象徴的な病院になる」と述べた。

 小児医療センター建設課などによると、新病院では新生児集中治療室(NICU)を15床から30床に倍増する。さいたま赤十字病院は産婦人科に母体胎児集中治療室(MFICU)を9床新設。両病院が情報共有を図り、分べん・手術での医師の立ち会い協力やリスクの高い新生児受け入れなどで連携し、ハイリスクな出産に対応する医療体制を構築する。両病院の手術室などの階は渡り廊下でつながっており、迅速な対応が可能になる。

 両病院は、産科と新生児科による周産期の高度な医療を提供する「総合周産期母子医療センター」に指定される。県内では埼玉医科大総合医療センター(川越市)に続き2カ所目。

 救命救急機能の強化では、小児医療センターに小児救命救急センターを整備し、小児集中治療室(PICU)を14床新設。さいたま赤十字病院の高度救命救急センターと連携しながら、集中治療が必要な小児救急患者の受け入れ体制が強化される。

 さらに小児医療センターには無菌病棟を28床新設し、白血病など無菌状態での医療機能を強化。小児感染症に対応する専用個室18床やエックス線による心臓・血管撮影装置を備えた手術室も新設する。

 小児医療センターの新病院は地上13階、地下1階建てで、延べ床面積は6万5448平方メートル。現病院(さいたま市岩槻区)と比べ約2・4倍の広さになり、来年1月5日から外来診療を開始する。診療科数は18。

 さいたま赤十字病院は地上14階、地下2階建てで、延べ床面積は現病院(さいたま市中央区)より約1・6倍広い6万7334平方メートル。来年1月1日にオープンし、同4日から外来診療を始める予定。診療科数は24。

■日赤と連携、課題克服

 県内医療で特に課題となっているのが、周産期医療と救急医療。隣接して移転されるさいたま赤十字病院との一体整備により、課題克服に向け一歩前進することになる。

 県保健医療政策課によると、昨年、県内在住で妊娠6カ月以降の妊婦が救急搬送された件数は1095件。うち他県に搬送されたのは12・2%の134件に上った。リスクの高い出産になると、新生児集中治療室(NICU)などの機能を持つ病院への搬送が必要になり、県内病院が満床なら他県に運ばれる。

 現在、県内には10病院に計128床のNICUがある(4月1日現在)。県は本年度中に県全体で計150床にすることを目指している。新病院では30床を整備し、県南東部を中心に受け入れ体制の強化や搬送時間の短縮が期待される。

 また、両病院は、広範囲のやけどや指肢切断などの特殊疾患患者を受け入れる「高度救命救急センター」、重篤な小児救急患者を24時間体制で受け入れる「小児救命救急センター」にも指定される。いずれも現在は川越市の埼玉医科大総合医療センターのみが指定されている。

 同課は「救急分野でも他県に搬送されている患者数は多いとみられる。県内医療は荒川を挟んで県内を半分に分けると東部が弱い。新病院の完成で県内医療の機能強化が図られる」としている。



https://www.m3.com/news/general/460445
検体取り違え乳腺切除 山形、女性患者2人
2016年9月20日 (火) 共同通信社

 山形県立中央病院(山形市)は16日、いずれも乳腺腫瘍がある女性患者2人の検体を取り違え、それぞれに乳腺の一部切除手術をするミスがあったと発表した。2人は既に退院し、現時点で健康への影響は確認されていないとしている。

 病院によると、患者は県内に住む40代と80代の女性。2人は6月、乳房の組織の一部を針で採取する検査を受けた。取り違えに気付かないまま40代女性は「浸潤性乳がん」、80代女性は「葉状腫瘍」と診断され、7~8月に乳腺の一部を切除した。

 その後、80代女性から切除した乳腺に診断とは別のタイプの腫瘍が確認され、同じ日に検査を受けた40代女性の検体と取り違えていたことが判明した。

 星光(ほし・ひかる)副院長は記者会見で「本来やるべきでない手術をし、大変なご迷惑をお掛けした。精神的なケアも含め適切に対応したい」と話した。外部の専門家らによる事故調査委員会を設置し、詳しい経緯を調べる。



http://news.livedoor.com/article/detail/12040371/
2030年には47万人が「死に場所難民」に! 病院でも家でも死ねない人が続出
2016年9月20日 7時0分 dot.(ドット)

場所別にみた死亡者数の推移 (c)朝日新聞社
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「2025年問題」という言葉を知っているだろうか。団塊世代がすべて75歳以上になり、医療・介護の提供体制が追いつかなくなる問題だ。遠い未来のように感じるかもしれないが、2020年の東京五輪から、たった5年後のことなのだ。

 この問題に強い危機感をもった朝日新聞横浜総局は、特別取材班を立ち上げ、2013年11月から神奈川版で「迫る2025ショック」を連載。多くの反響を受け『日本で老いて死ぬということ』(朝日新聞出版)という一冊の本にまとめることとなった。取材班キャップを務めた朝日新聞記者である佐藤陽氏に、2025年問題の重大さについて、改めて寄稿してもらった。

*  *  *
「受け入れるベッドはありません。どこか、ほかの病院を探して下さい」

 ある夜、Aさんは、容体が急変した寝たきりの父親(85)を救急搬送しようと119番通報した。救急隊員がいくつもの病院を当たったが、どこも受け入れてくれなかった。近くの救急病院には、Aさんの父親と同じように、「看取り」をする高齢者たちが長蛇の列を作っていたのだ。

 実はAさんは、自宅で父親を看取ろうと、何人もの「在宅医」に訪問診療をお願いした。自宅で亡くなる場合、かかりつけ医がいないと「不審死」として扱われ、警察に届けないといけないからだ。だが、「今の患者さんで手いっぱい」と、すべて断られていた。最後は、救急車でお願いしようかと思ったが、この結果だった。

 Aさんは思った。「もう病院でも家でも死ねない時代になったのか。道端で死ぬしかないのか……」――。

 これは、現段階では架空のストーリーだが、2025年以降には実際に起きる可能性の高い問題だ。事実、厚生労働省は「2030年には約47万人が、死に場所が見つからない“死に場所難民”になる可能性がある」と警告している。つまり、自宅や病院、介護施設で亡くなることが、難しくなるということだ。

「2025年問題」には、社会保障費のさらなる膨張と、医療・介護の人材不足という大きな2つの問題が横たわる。今は75%の人が病院で亡くなっているが、これだけ高齢者が増えると、病院のベッドだけでは圧倒的に足りなくなる。ならば「自宅で最期を迎えたい」と望んだとしても、今のままでは在宅医や訪問看護師、訪問介護ヘルパーの数は、足りない。

 だが、行政や医療関係者の動きは鈍い。対策をとろうと国や自治体、医師会などが本格的に動き出したのは、わずか数年前だ。国は、「住み慣れた地域で最期まで」をスローガンに、在宅医療・介護の充実を軸にした「地域包括ケアシステム」の構築を急いでいる。

 神奈川県横須賀市は、その中でも比較的早い、2011年度から市や医師会が中心になり「在宅療養連携会議」を立ち上げ、対策を議論してきた。地域を4ブロックに分け、拠点病院を中心に在宅医を増やすための取り組みをしたり、市民に在宅医療に関する「出前講座」を開いたりしてきた。厚生労働省の担当者も「行政、医師会、病院が一体となり在宅医療の対策を進めるのは珍しく、今後のモデルケースになる」と評価する。

 ただ、こうした「先進的な自治体」は、どちらかというと少数派だ。関東のある地方都市のベテラン在宅医は、こう愚痴をこぼす。「地方都市では、いまだに高齢化問題への対応より、ハコモノ開発のほうに予算がかけられてしまう。役所幹部や議員、医師会の意識は、低い」。こうした自治体間、地域間の意識の差をどう縮めていくかが大きな課題といえる。

 一方で、「希望の光」も見えている。こうした超高齢社会の近未来図に危機感を抱き、行動をする「熱い人たち」の存在だ。横浜市では、在宅医と介護施設のケアマネが協力し、施設での看取りを実現させた。他にも、口から食べられなくなった高齢者にとろみをつけたお酒やおつまみを提供する「介護スナック」を始めた「三鷹の嚥下と栄養を考える会」、地域のキーパーソンや医師・看護師を中心に、様々なイベントや勉強会でゆるくつながっている埼玉県幸手市、認知症の高齢者を地域ぐるみで見守る福岡県大牟田市……。各地域で、2025年問題に立ち向かおうとする「芽」が出始めている。

 2025年に向け、これらを大きな「木」に育てていかないといけない。ただ、それは一部の「熱い人たち」だけでは、難しい。ピラミッドの頂点にいる「熱い人」たちだけでなく、ピラミッドの真ん中にいる「プチ熱い人」たちを巻き込んでいくことが大切だ。そのためには、あまり堅苦しい勉強会だけでなく、介護スナックのように少し「ゆるい」形のイベントをもっと増やしたほうがいいと思う。参加しやすい形にして、そこにプチ熱い人たちが加わってくれば、2025年問題は決して恐れることではなくなるはずだ。(朝日新聞記者・佐藤陽)



https://news.nifty.com/article/domestic/society/12152-200573/
厚木市立病院、12億円の赤字 設備更新が経営圧迫
2016年09月21日 05時00分 カナロコ by 神奈川新聞

 厚木市はこのほど、2015年度の市立病院事業会計決算書をまとめた。単年度赤字額は前年度より約4億7500万円減の12億9500万円で、赤字は4年連続。全面建て替え工事は来年3月に完了予定だが、設備更新の負担増が経営を圧迫している。

 決算書によると、15年度の事業収益は87億2500万円で前年度比0・6%の増加、事業費用は100億2千万円で4%減少した。

 差し引きの赤字相当額は12億9500万円。前年度に過去最多だった17億7千万円を下回ったが、累積赤字は25億7800万円に膨らんだ。

 同事業会計は、法改正により地方公営企業会計基準(新会計基準)を適用、民間並みに変更されて2年目。12年度に整備がスタートした新病棟建設費や購入した医療機器の減価償却費の増加などで厳しい財政状況が続いている。

 市は地域医療の充実のため、前年度より8900万円増の10億9500万円を一般会計から繰り入れた。市監査委員は審査意見書で前回同様に「経営指標が低下し、今後も注視すべき経営状況にある」と指摘している。

 市は17年度から5カ年の新たな病院経営計画を策定中。経営健全化に向けて現行計画で19年度とした黒字転換目標の見直しなどが焦点となる。



http://machida.keizai.biz/headline/2283/
町田の団地に医療・介護・福祉の複合施設 「世代間交流の拠点」目指す
2016年09月20日 町田経済新聞

 木曽山崎団地エリアに10月1日、医療・介護・福祉などの複合施設「グランハート町田」(町田市山崎町)がオープンする。運営は、一般社団法人グランハート町田。

 居住者の高齢化が進む同エリアで、地域が元気になる「世代間交流の拠点」として、医療・介護・福祉などに関する専門サービスに加えて、「住民が交流できる仕組み」を提供するという。

 敷地面積は約1470坪。診療所や薬局などが入居する「クリニックモール」、デイサービスや保育ルーム、カフェ&レストランなどが入居する「医療関連複合サービス棟」、特別養護老人ホームの3棟で構成。

 複合施設の特長を生かし、医療機関で低栄養状態と診断された地域住民に対する栄養指導型の食事提供、元気な高齢者による子ども食堂やフードバンクの運営、在宅医療を含めた地域医療・介護の推進、健康データや薬剤情報などの利用者情報の一元管理といった、異なる業種が共同で事業を行う「新しい試み」にも取り組むという。

 「地域が元気になる『新しい概念の施設』を町田から世界に発信したい」と広報担当者。

 営業時間は8時~21時。



http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG19HAY_Q6A920C1000000/
医療事故調査制度開始1年、「110番」実施 弁護士ら
2016/9/20 12:44 日本経済新聞

 診療に関連した患者の予期せぬ死亡事案を対象とした医療事故調査制度の開始から1年となる10月1日、弁護士らでつくる「医療事故情報センター」(名古屋市)が全国の遺族の相談に応じる「医療事故調査制度110番」を実施する。院内調査が必要として医療機関から第三者機関に届け出た件数が、当初の想定を大幅に下回る現状を踏まえた取り組みという。

 受付時間は午前10時から午後3時。センターは「医療機関が本来必要な報告をしていないケースが多数あるのでは、との懸念が拭えない」と説明。家族の死亡が「予期せぬ事案」だったのではないかと考える遺族の問い合わせを受け、経緯や事実関係を確認した上で地域ごとの弁護士の窓口を案内する。

 制度は医療機関や助産所などが対象。患者の予期せぬ死亡や死産があれば「日本医療安全調査機構」(東京)への届け出や院内調査、遺族に対する調査結果の報告を義務付けている。制度開始前、年間の届け出は千~2千件とみられていたが、今年8月までに356件と低調だ。

 制度上、遺族への調査報告書の交付は「努力規定」にとどまっており、1日の110番では院内調査や報告・説明に関する遺族の相談も受け付ける((電)052・951・1731)。

〔共同〕



http://www.fuji-news.net/data/report/society/201609/0000003991.html
富士市立中央病院 平成27年度9764万円損失
(2016-09-20 17:00) 富士ニュース

富士市立中央病院(高島町)の平成27年度決算は、収益的収支で9764万円の純損失となった。同病院では、主に患者数の減少に伴う入院収益の大幅な減少が原因とみている。

前年度繰越欠損金42億6740万円と合わせ、43億6504万円を翌年度繰越欠損金とする。今後も地域の基幹病院として高度で質の高い医療を提供し医療環境などの変化にも柔軟に対応できるよう、経営基盤の強化を図る考え。



http://gendai.ismedia.jp/articles/-/49590
現役医師たちの内部告発「とんでもない医者と病院の実態、話します」
手術ノルマの存在、薬の乱用、人格…

2016.09.20 週刊現代

本当は多くの医師が胸にわだかまりを持ち、不信感を抱いている、医療現場の様々な問題。普段はおおっぴらにできない、疑問、義憤、独善が噴き出す「本音」を一気に公開する。

本音の「内部告発」

「避けられる手術を避けようとしない」

「手術適応(手術をするか否かの判断)の甘さによる過剰手術」

「大病院ほど看護師が自分の仕事の範囲を制限している」

「(医師が)カルテをよく読んでいないような印象を受ける」

「患者さんの意向を考慮せずに、医師主導で何でも決定する雰囲気(がある)」

「手術適応を吟味せず手術が行われることは、戒めるべきだ」

これらはすべて、現役の医師たちが医療現場で働くなかで抱いた、正直で率直な感想である。

普段、医師たちは患者を安心させるため、患者に対しては医療現場の内実をおおっぴらに話すことはない。しかしその「建て前」の裏側には、この国の強大な医療システムに対する不信感、分かってはいても口に出せない疑問、義憤といった「本音」が隠されている。

これまでこうした本音は闇のなかにあった。しかし本誌が医師100人超に〈医療現場にいて「これは問題だ」と思う点〉について尋ねたところ、医師たちからは、冒頭のようなとんでもない医療現場の実態について、本音の「内部告発」が返ってきたのである。

最終ページの表には、医師たちの回答をそのまま掲載した。いったいどんな告発がなされているのか。

「ノルマ」が存在する!

まず最も驚くべきは「ノルマ」の存在だ。

病院は、やってきた患者それぞれの症状に応じて治療を行うのが本来の役割だ。しかし、医師に手術のノルマがあれば、その達成のため、本当は必要のない患者に手術を勧めるという、あってはならない事態が起こる。

今回の調査で、実態が浮き彫りとなったのは、(1)「前立腺がんのロボット手術にてノルマがある」(番号は表と対応。以下同)。泌尿器科の医師が、前立腺のロボット手術について解説する。

「前立腺がんのロボット手術は、腹腔鏡手術を行う際の鉗子をロボットが操作するもの。出血量が少なく、早期の社会復帰が見込まれ、合併症のリスクが開腹より低いとされています。ロボットが基本的な技術を補完してくれ、保険適用も認められています」

しかし、いくらリスクが小さいとはいえ、手術にノルマが課された場合、必要のない手術が無理やり行われる可能性が高い。前出の泌尿器科医が言う。

「前立腺がんは進行が遅く、死に至る危険性も低い。待機療法も選択肢に入れるべきものです。ノルマのため、無理に手術が行われては本末転倒。

ノルマが課せられてしまうのは、ロボット手術の機械が高価だからです。機械の維持費を捻出し、かかった費用を取り戻すために、ロボット手術で手術数を稼ごうとするのだと思います」

また、ロボット手術といえどもすべてが自動というわけではなく、術者の技術も問題となる。実際、'10年9月には、名古屋の病院で胃がんの手術にロボットを用いた際、執刀医が操作を誤って、76歳の男性が死亡している。

ノルマが厳しくなれば、経験の浅い執刀医が操作を行う可能性が増え、医療過誤の危険性も増す。病院の経営のために、患者の命が危険にさらされてしまうのだ。

患者に内緒で研修医が手術!?

これまであまり指摘されていなかった実態も、告発によって浮き彫りとなった。(9)「手術を引き受けた医師が、全身麻酔がかかった後にネーベン(研修医)に手術を命じる」という。消化器外科の医師が言う。

「研修医による医療過誤事件は少なくない。医師が『私が手術をする』と言いながら、研修医に手術を任せているとしたら、大いに問題があります。大きな病院では、治療と同時に、研修医の指導もしなくてはならない。手間を省くため、患者に説明をしないなど言語道断でしょう」

'14年には、都内の病院の研修医が78歳の女性の脊髄造影検査をしていたところ、誤った造影剤を脊髄に投与してしまい、女性が急性呼吸不全によって死亡する事件が起こった。

この研修医は過去に一度、造影検査をしたことがあったため、油断して検査に臨んでしまったと見られている。

医療現場に人材が枯渇していることも大きな問題だ。とくに(2)「麻酔医不足」は深刻である。富永ペインクリニック院長の富永喜代氏が言う。

「そもそも、地理的な偏在などによって医師自体が不足していますが、なかでも麻酔科医の不足は大きな問題です。麻酔科医がいないと手術ができず、ほかの科への影響も大きい。麻酔科医ひとりあたりの担当する手術や負担が増え、労働時間が増えると、施術が乱れる可能性が高まります」

実際、都内の麻酔科医は、「一人で同時に5~6人の患者の麻酔をすることもある」と言う。こうしたなかで起きるのが、麻酔のミスだ。埼玉では、'02年、歯の治療のために局所麻酔を受けた4歳の女の子が死亡。医師がアレルギー症状に気づかず、女の子を放置した結果だ。

「アメリカの学会報告では、外科医など専門外の医師が麻酔を行ったケースで、麻酔による死亡事故が多い」(前出・富永氏)とされる。日本でも、局所麻酔であれば麻酔科医不在で行う場合があるという。多くの病院で事故が起こるリスクが高まっている。

抗生剤の乱用

薬についても、現場からの告発は多い。何より問題となっているのが、不必要な薬の処方である。(6)「認知症の患者さんに、診断もせず、意味もなく、たくさんの薬を処方する」など、処方の仕方に懸念を抱いている医師は多数いる。

とくに医師たちが強く指摘するのが、(34)「抗生剤の乱用」である。

薬剤師の宇多川久美子氏が解説する。

「風邪に対する抗生剤の処方は大きな問題のひとつ。抗生剤は、細菌感染による症状に効果のある薬で、ウイルス感染の風邪に対しては効果がない。実際、海外では風邪に抗生剤が使われることはほとんどありません。

ところが日本では、『とりあえず』と、あたかも風邪薬であるかのように使われている。意味のない処方です。

医師は『二次感染を防ぐため』と説明することが多いですが、安易に処方すると、抗生物質の耐性菌ができてしまうリスクもあります」

「技術」以外にも問題が…

同僚たちの手術の技術について不安を抱く医師も少なくない。(44)「手術の下手な医師を早い段階で捕捉し、再教育を命じることができるようなシステムがない」といった声があるのだ。

こうした制度上の不備が顕著に現れるのが、高い技術を必要とする腹腔鏡手術だ。現状では下手な医師が手術を続けているために、群馬大で腹腔鏡手術によって8名が死亡した事件や、千葉県がんセンターで同じく11人が死亡した事件が起こってしまう。そして、(16)「なんでもかんでも、腹腔鏡手術という風潮は良くないと思います」という指摘が出てくる。

では、「技術」だけが問題かといえばそうではない。医師の「コミュニケーションの仕方」「人格」について指摘する声も聞こえてくる。(4)「医者の性格」、(45)「患者への説明の仕方」などだ。

たしかに、(24)や(25)のように、日本は「フリーアクセス」。誰でも自由に好きな医療機関を受診でき、それゆえに医師の負担も大きくなる。

だが、そんななかでも、良心的な医師たちは、(48)「患者に対する説明不足は万年の問題」と、自分たちの問題に真摯に向き合っている。

しかし一方で、医師が患者を軽んじていることを裏づけるかのような回答も見られた。本誌の問いかけに対して、

(5)「患者が何も知らないくせに難癖をつけてくるようになったこと」

(56)「客なのだから患者のほうが偉い、と思っている患者が増えてきた」

といった、患者の不安を頭ごなしに否定する回答があった。そうした傲慢な姿を目にするからこそ、(22)「過信している医師を止めることは難しい」という諦めにも似た声が上がるのだろう。

現場にいる医師が、同僚、職場にこれだけ問題を感じている。患者は自衛せざるを得ない。
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「週刊現代」2016年9月3日号より


  1. 2016/09/21(水) 06:27:57|
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