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地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

8月30日 

https://www.m3.com/news/iryoishin/451361
シリーズ: 真価問われる専門医改革
総合診療専門医、質とコストの両面で有用 - 尾身茂・JCHO理事長に聞く◆Vol.3
必要数の決定には「日本の国民の決断」も

2016年8月30日 (火) 聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――では、新たに基本領域の専門医として加わる総合診療専門医について、どうお考えですか。

 一つの専門領域として極めて重要だと思います。総合診療専門医の医学としての専門性は、他の基本領域とは別に存在する固有のものです。それは若い医師が内科、外科などの各診療科を数カ月単位で研修したくらいで獲得できるものではありません。マクロな視点、そして患者さんの視点、両方から考えても、総合診療専門医は必要です。

 まずマクロな視点です。欧米では、幅広くさまざまな疾患を臨床の一線で診ることができる医師と、その後方に専門医がいて、両者がうまく役割分担をしている地域と、そうではない地域では、前者の方が、医療の質、医療のアウトカムが高いというエビデンスが出ています。さらに、その2次的な効果として医療費も削減できることが分かっています。

 日本の医療機関の7、8割は中小病院です。ベッド数100~200床の病院が、日本の地域医療を支えています。しかし、ここ10年くらいの期間で見ても、例えば医師が16人くらいいた病院が、6人まで減少するなど、医師不足に直面している医療機関は多い。それはなぜか。単に「医師が足りない」「医師が都会に集中してしまう」という議論になりがちですが、実は総合診療専門医の話と非常に関係があります。

 都市部の大病院とは異なり、中小病院では、夜間は医師が1、2人のみで当直しているケースが少なくありません。しかし、例えば、「今日は小児科の先生が当直だから、小児の患者しか受診しない」という事態はあり得ないのです。発熱や腹痛を訴える高齢者、あるいは妊婦など、さまざまな患者さんが来るわけです。小児科の先生が、「私は診ることができません」と断ると、「たらい回し」と問題視される。良心的な先生ほど、「悪いことをした」と思い、ストレスを感じるようになってしまうのです。それで辞めていく。これに対し、総合診療的なトレーニングを受けた医師が当直していれば、幅広い患者に対応できます。


総合診療専門医の必要性を説く尾身茂氏。その必要数の決める際には、データ等のみではなく、「あるべき医療」についての国民の決断が求められるという。

 一方、患者さんの視点で考えてみると、特に高齢になると、複数の疾患に罹患することが多い。専門医は、自分の専門領域については、非常に深い知識と経験を持っています。しかし、患者さんは「私は肺の病気です」と訴えて受診するのではなく、「胸が痛い」「咳が出る」と訴えてきます。ところが胸が痛いからといって、心臓の病気とは限らず、それを見極められる医師がまず診ることが、疾患の見落としなどを防ぐために極めて重要です。またよく言われることですが、複数の疾患を有している患者さんが各科で処方されていたのでは、薬の種類や量は増えるばかり。ポリファーマーシーの問題に対応するためにも、総合診療専門医のように、一人の患者さんを全人的に診る医師が必要です。

 各基本診療領域の専門医の将来の必要数は、総合診療専門医をどの程度養成するかによっても変わってきます。この点の議論もしておかないと、各領域とも「もっと医師がほしい」といった意見になりがち。総合診療専門医の数を急速に増やすことはできませんが、10年、20年経った時点での医療提供体制を踏まえて、今からどんな医師を養成すべきかを議論することが必要です。

――総合診療専門医が担う医療の範囲や必要数を議論しないと、各基本診療領域の専門医の必要数は決まらない。

 そうです。総合診療専門医は、何も診療所医師に限りません。いずれは中小病院では「ホスピタリスト」として活躍する人がでてきます。全国の中小病院のニーズを聞くと、「総合診療的な能力を持っている人がほしい」との答えが帰ってきます。こうした実情は、大学病院にいるとなかなか分かりません。大学病院での医療、地域の一般病院や診療所での医療、その両方の担い手が必要なのです。この観点がないと、いくら医師の養成数を増やしても、「医師不足」は解消しません。

――尾身先生は「根拠に基づく意思決定」の重要性を指摘されています。どんなデータがあれば、今お聞きした辺りの建設な議論が可能なのでしょうか。

 大きく分ければ二つ。まず現状がどうか。現在の様々なデータを統合、分析すれば、地域別、各領域別の疾患数は相当程度分かります。それに将来の人口動態、疾病構造の変化、道路事情などをおおよそ把握することができれば、必要な専門医の数もある程度推計できます。

 ただし、総合診療専門医の必要数を決めるに当たっては、そのような推計と同時に、医療界のみならず「あるべき医療」についての日本の国民の決断が必要になります。「総合的に診る医師が必要」と同意できれば、総合診療専門医の養成に力を入れていく。医療制度の在り方を検討する際には、データも必要ですが、それだけでは決まらず、国民の価値観が入ってきます。その際、欧米諸国の現状を参考にしたり、我々の想像力を働かせることが必要です。欧米諸国では、国による違いがありますが、医師全体の2、3割は総合診療専門医が占めます。この議論を進めると、イギリスの「人頭払い制」を想起する人もいますが、そうではなくフリーアクセスは確保しつつ、限られたリソースをどう活用するかを考える時代に入ってきたということです。

――日本医師会は、医療提供体制で考えるべきは「かかりつけ医」であり、「総合診療専門医はあくまで学問的な面から評価したもの」と説明されています。先生は、地域医療の担い手としての総合診療専門医の位置付けをお考えになっている。

 過渡期の話と、将来の話を分けた方がいいでしょう。私は、総合診療専門医は19番目の基本診療領域の専門医として認められたのであり、地域医療の担い手として、総合診療専門医は重要だと考えています。ただし、その養成には時間がかかります。過渡期の対応として総合診療専門医としての正式な研修を受けていなくても、現実に総合診療的な医療をやっている医師はたくさんいるので、そういう人の役割を評価していくとともに、今後はシステムとして総合診療専門医を養成していくことが必要になっています。

――何年後かは分かりませんが、将来的には「かかりつけ医、イコール総合診療専門医」となってくる。

 じっくりと徐々にそうした体制を作り、最終的には国民が選んでいくことだと思います。



https://www.corporate-legal.jp/%E6%B3%95%E5%8B%99%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%B9/%E6%B3%95%E5%8B%99%E3%82%B3%E3%83%A9%E3%83%A0/7576
労基署が千葉県立病院に立ち入り調査、当直勤務に必要な許可について
法務コラム mhayashi
2016/08/30 18:09  企業法務ナビ(ブログ)


はじめに

日経新聞電子版は21日、千葉県立の6病院で労働基準監督署の許可を取ることなく医師を夜間、休日の当直勤務をさせている旨報じました。千葉労基署はこれらの病院の一部について立入検査を実施しました。従業員に深夜・休日の当直勤務に就かせる場合には労働基準法上、労働基準監督署長の許可を要します。今回は許可要件等を概観していきます。

事案の概要

千葉県によりますと、千葉県がんセンター(千葉市中央区)はこれまでに数回、医師を当直勤務させるための許可申請をおこなっていました。しかし勤務内容が通常業務と変わらないとして許可要件を満たさず不許可となっておりました。その後も許可を得ることなく医師に当直勤務をさせている疑いがあるとして千葉労基署が今年5月県がんセンターに立ち入り検査を実施していました。県がんセンターは無許可で当直勤務させていることにつき違法であるとの認識はあったが、医師不足により許可基準を満たす勤務体制を構築することは困難で、早急な解決は難しいとしています。同県がんセンターでは過去に腹腔鏡手術を受けた患者11名が死亡する問題が発覚しており、第三者委員会の調査では医師の過重労働や人員不足が原因である可能性がある旨指摘されておりました。千葉県立の6病院は同様に許可を得ること無く当直勤務に当たらせていることが判明しております。

労基法上の規制について

労基法32条によりますと、使用者は休憩時間を除き労働者に1日8時間、週40時間を超えて労働させてはならないとしています。この法定労働時間を超えて労働させるためには、会社の代表と労働者側の代表が書面により時間外労働を行う旨協定を結び、労働基準監督署に届出る必要があります(36条)。これをいわゆる36協定と言います。36協定を締結すれば時間外労働が無制限に行えるというわけではなく、一部例外はありますが原則月45時間、年360時間が上限となります。次に労働時間によって一定の休憩を与えることが求められます(34条)。労働時間が1日6時間を超える場合で45分、8時間を超える場合には1時間となっております。また週に最低1日の休日を与え(35条)、時間外労働や休日労働の場合には割増賃金の支払が義務付けられます(37条)。

適用除外について

これら労基法上の規制は一定の場合には適用除外となります。41条によりますと、①農林漁業に従事する場合(1号、別表1第6号、7号)、②管理監督者の地位にある者、③監視・断続的労働従事者に該当する場合は労基法4章、6章、6章の2の規定が適用除外となります。なお深夜労働に関する割増賃金(37条4項)については明文上の規定は存在しませんが実務・判例上適用除外とならず支払を要するとされております(最判平成21年12月18日)。②の管理監督者とは自己や他の労働者の勤務時間等をある程度決定する裁量権を与えられている地位にある者を言います。このような立場の者はある程度労働条件も優遇されており、労基法上の保護の必要性は低いとされております。ここに言う管理監督者に当たるかは職位や名称によって決まるのではなく、職務内容や責任、権限、勤務態様によって決まります。名称や職位だけ管理職のものを付され、権限や態様は他の従業員と変わらない場合を、以前問題となった「名ばかり管理職」と呼びます。そして③の監視・継続的労働とは監視業務や非常時対応等、通常の業務は行わず身体的負担の少ない業務を言います。本件医師の当直勤務もこれに含まれます。

監視・監督業務の許可基準

(1)一般的許可基準
厚生労働省の許可基準によりますと、監視・監督業務に当たるかの一般的な基準は以下のとおりとなっております。
①勤務態様
常態としてほとんど労働する必要がない勤務、原則として通常の労働の継続は許可しないこと。
②宿日直手当
1日または1回につき、宿直勤務を行う者に支払われる賃金の一日平均額の3分の1以上を宿日直て立てとして支払うこと。
③宿日直の回数
宿直については週1回、日直については月1回を限度とすること。
④その他
宿直については相当の睡眠設備を設置すること。

(2)医師・看護師の場合の許可基準
医師、看護師の場合は上記一般的許可基準の細目として以下の基準が挙げられております。
①通常の勤務時間の拘束から完全に開放された後のものであること。
②夜間に従事する業務は、一般の宿直業務以外に、病院の定時巡回、異常事態の報告、少数の要注意患者の定時検脈、検温等、特殊な措置を必要としない軽度の、または短時間の業務に限ること。
③夜間に十分睡眠がとりうること。
④許可を得て宿直を行う場合に、通常業務と同様の労働を要する場合にはその時間については時間外手続を行い、割増賃金を支払うこと。

コメント

以上のように医師に当直勤務を行わせるためには労基法上の許可を得る必要があります。しかし労基法や厚労省の想定する監視・監督業務というものは本来通常業務に比して身体的負担が軽微で業務に従事していない時間が大半を占めるものであり、それ故に労基法上の例外とされていると言えます。上記医師の場合の許可基準にも、通常業務と同様の労働を常態として行わせる場合は許可要件に該当しないとされております。しかし通常医師の当直、宿直というものは軽度で短時間の検診のみならず、救急搬送患者の対応等、通常業務と変わらない勤務を強いられることが多く、許可基準を満たさないことが大半だと言えます。今年7月にも同様の事例が埼玉県の県立循環器・呼吸器病センターでも生じておりました。このような事態は全国的に発生しているものと思われます。無許可であるか、または許可を取得していても勤務実態が許可要件に反しているというような違法常態のまま営業がなされている状況と言えるでしょう。過重労働を防止しつつ、現場の必要性も考慮し実態に即した立法・行政上の調整が今後求められます。従業員に当直勤務を行わせている場合には、許可基準等、厚労省の今後の動きに注意が必要と言えるでしょう。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/49499.html
総合診療専門医の特任指導医講習会を延期- 専門医機構、今後の進め方検討へ
2016年08月30日 18時00分 キャリアブレイン

 日本専門医機構(機構)は、「総合診療専門医」の研修プログラムで指導に当たる医師(特任指導医)の講習会について、来月以降の開催を延期すると発表した。研修プログラムの延期などを踏まえた措置。機構は「総合診療専門医に関する委員会を設置し、今後の進め方等について早急に検討する予定」としている。【新井哉】

 機構は学会に代わって専門医の認定などを行う第三者機関として設立され、総合的な診療能力を持つ総合診療専門医の養成を来年4月から始める方向で準備を進め、養成にかかわる特任指導医の講習会を7月から開いていた。

 しかし、機構は、キャリアパスなどについて、さらに検討が必要だとして先月、総合診療専門医の養成開始の時期を先送りすることを決定。今月上旬には、総合診療専門医を目指す医師に向け、日本プライマリ・ケア連合学会が認定する家庭医療専門医になるための研修の受講を勧める声明を発表していた。

 特任指導医になるためには、講習会を受講し、レポートを提出する必要があった。今月下旬までに東京都と北海道で計5回の講習会が開かれ、来月以降も大阪府や福岡県などで計10回の開催が予定されていた。

 来月以降の講習会について、機構は「総合診療専門研修プログラムの延期、講習会内容の再検討等により、開催を延期させていただく」と説明。開催日が決まり次第、ホームページやメールなどで周知するという。

 当初予定されていた来年度の総合診療専門医の養成に関しては、日本プライマリ・ケア連合学会の家庭医療専門医が“代替手段”となる見通しで、同学会は、機構の特任指導医講習会を受講済みでレポートの審査が終わった医師に「暫定指導医資格」を付与し、来年4月から指導医として活動することを認める方針。



http://www.yomiuri.co.jp/chubu/news/20160831-OYTNT50014.html
治療中合併症で死亡 遺族に2000万円を賠償
2016年08月31日 読売新聞

 岐阜市民病院は30日、ステロイドを短期間で大量に投与する「ステロイドパルス療法」を受けていた70歳代後半の女性患者が合併症で死亡する医療事故があり、遺族側に約2033万円の賠償金を支払うことで示談が成立したと発表した。

 同病院によると、女性は昨年11月30日に意識障害で入院し、脳内で発症する自己免疫疾患の一つ「橋本脳症」と診断され、同療法が行われた。1日1グラムのステロイドを3日間連続投与する治療で、女性は1回目の治療で意識障害が改善する傾向がみられたが、2回目の治療後に容体が急変し、12月11日に死亡した。

 この療法は血糖値が急上昇する副作用があり、血糖値の上昇による利尿で脱水症状などを起こす「高浸透圧高血糖症候群」を合併した。女性は過去に糖尿病の治療歴があったのに、治療チームは治療中に血糖値を検査しておらず、適切な血糖コントロールができなかったという。

 冨田栄一院長は、「治療法の確立されていない橋本脳症という疾患に気を取られ、医師、薬剤師、看護師がチームで目を光らせることができなかった」と謝罪した。同療法を実施する際は、血液や尿検査の結果を電子カルテに記入するなどの再発防止策を講じたという。



http://www.zaikei.co.jp/article/20160830/324527.html
「外科医が麻酔後の患者にわいせつ行為」疑惑、術後の幻覚ではないとの指摘
2016年8月30日 17:31財経新聞
記事提供元:スラド

あるAnonymous Coward 曰く、 8月25日、全身麻酔による手術を受けた女性に対して「手術後の診察」と称してわいせつな行為をした疑いで男性外科医が逮捕される事件が発生したのだが(東京新聞)、これに対し「手術後のせん妄」(幻覚や錯覚)ではないか、との指摘が出ている。

 事件の現場となった柳原病院側も見解を出しているが、女性の供述は「全身麻酔による手術後35分以内のことであり、その内容は、手術前の恐怖や不安と全身麻酔で行った手術後せん妄状態での幻覚や錯覚が織り交ざったものと確信する」としている。

 日テレNEWS24によると、逮捕された医師が『女性患者の胸のしこりの摘出手術後に「傷口を確認する」などと診察を装って女性の胸をなめたり、胸を見ながら自慰行為をするなどわいせつな行為』をしたと報じられている。いっぽう病院側の主張では、女性は「満床在室の4人部屋におり、術後の経過観察に看護師が頻回に訪床する病床にいた。多くの目がある環境の中でA氏の供述の様な事が誰にも知られず行われたとは考えられない」という。これを踏まえ、病院側は「自白強要を目的とするものと言わざるを得ない」と主張している。

 これを受けて、医療関係者からも多くの擁護の声が出ているようだ。また、麻酔後の性的幻覚に対する調査結果論文の日本語抄訳も融資によって公開されている[鎮静と麻酔における、処置中ならびに処置後に生じる性的幻覚 (仮)]。



http://www.sankei.com/west/news/160830/wst1608300055-n1.html
17歳女子高生にみだらな行為 29歳の赤十字病院医師を買春容疑で逮捕
2016.8.30 13:22 産経ニュース

 熊本北署は30日、17歳の女子高校生に現金数万円を渡してみだらな行為をしたとして、児童買春・ポルノ禁止法違反(買春)の疑いで、熊本赤十字病院医師の男(29)=熊本市北区=を逮捕した。

 逮捕容疑は4月上旬、熊本市東区のホテルで女子高生とわいせつな行為をしたとしている。スマートフォンの交流アプリを通じて知り合ったとみられる。

 熊本赤十字病院の担当者は「捜査を見守り、処分を検討していく」と話した。



http://www.medwatch.jp/?p=10191
2015年に報告された医療事故は3654件、うち1割弱の352件で患者が死亡―日本医療機能評価機構
2016年8月30日|医療・介護行政をウォッチ

 2015年の1年間に報告された医療事故は3654件あり、うち9.6%に当たる352件が死亡事故、9.9%に当たる362件が障害残存の可能性が高い重篤なものであった。また、同じく2015年の1年間に報告されたヒヤリ・ハット事例は78万4190件あり、うち2%は、仮に実施していた場合には死亡などの重篤な事故になっていた―。

 このような状況が、日本医療機能評価機構が29日に発表した2015年の「医療事故情報収集等事業」の年俸から明らかになりました。

ここがポイント!
1 療養上の世話、治療・処置、ドレーン・チューブで事故が生じる確率が高い
2 ヒヤリ・ハット事例は78万件超、死亡に繋がる可能性のあった事例も
3 ダブルチェックをしても、それが機能していないケースもある点には要注意
療養上の世話、治療・処置、ドレーン・チューブで事故が生じる確率が高い

 日本医療機能評価機構では、医療安全対策の一環として医療機関で発生した事故やヒヤリ・ハット事例を収集、分析する「医療事故情報収集等事業」を実施しており、定期的にその内容を公表しています。

 まず2015年に報告された医療事故の状況を見てみましょう。報告された医療事故は合計で3654件(国立病院など報告義務のある医療機関に限ると3374件)あり、事故の程度別に見ると、「死亡」が352件(事故事例の9.6%)、「障害残存の可能性が高い」ものが362件(同9.9%)、「障害残存の可能性が低い」ものが1030件(同28.2%)、「障害残存の可能性なし」が985件(同27.0%)などとなっています。半数近くで患者に何らかの障害が残っており、事故防止対策の強化が急がれます。

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2015年の1年間に報告された医療事故の概要

 医療事故の概要を見てみると、最も多いのは「療養上の世話」で1301件(同35.6%)、次いで「治療・処置」1109件(同30.4%)、「ドレーン・チューブ」と「薬剤」がいずれも260件(同7.1%)などと続いています。

 事故の内容と程度をクロス分析すると、「与薬」「治療・処置の管理」「治療・処置の実施」「ドレーン・チューブ類の使用」「転倒」などのミスで患者が死亡している状況が明らかになっています。重篤な事故の発生防止に向けた対策が必要です。

 また事故の発生要因(複数回答)を見てみると、「確認の怠り」が最も多く、事故全体の12.0%を占めています。次いで「患者側の要因」11.1%、「観察の怠り」10.4%、「判断の誤り」10.0%などと続きます。確認や観察の怠り、判断誤りなど当事者側の行動に起因する事例は、事故全体の45.6%とほぼ半数を占めており、すべての医療機関で、改めて「業務手順の見直しと遵守の徹底」などを行う必要があります。

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2015年の1年間に報告された医療事故の発生要因(複数回答)

 事故に関連した診療科(複数回答が可能)としては、整形外科(566件)、外科(352件)、消化器科(301件)などで多く、特に整形外科に注目すると、「療養上の世話」361件、「治療・処置」90件などに起因する事故が目立ちます。複数回答なので、上記とは母数が異なりますが、整形外科における「療養上の世話」に起因する事故は全体の8.0%、同じく「治療・処置」に起因する事故は全体の2.0%を占めています。

ヒヤリ・ハット事例は78万件超、死亡に繋がる可能性のあった事例も

 ヒヤリ・ハット事例に目を移してみましょう。

 2016年の1年間に報告されたヒヤリ・ハット事例は合計で78万4190件で、その内訳は「薬剤」が最も多く25万7893件、次いで「療養上の世話」17万4691件、「ドレーン・チューブ」12万419件などで多くなっています。

 「ヒヤリとした、ハットした」にとどまり、実際に患者に誤った行為などをしていないケースが全体の約3割に当たる24万5730件ですが、仮に誤った行為を実施していた場合には2869件では「死亡」もしくは「重篤な状況」に至り、また1万5806件では「濃厚な処置・治療が必要になった」と考えられます。改めて「十分な注意」「ミスが生じない体制づくり」が必要と言えるでしょう。

 事例の発生要因(複数回答)を見てみると、「医療従事者・当事者の確認の怠り」(24.0%)が飛び抜けて多く、以下「観察の怠り」8.9%、「繁忙だった」8.7%、「判断の誤り」8.1%などと続きます。医療事故に比べて「確認の怠り」の割合が高くなっていますが、「大丈夫だろう」はあらゆる場面で大事故に直結する可能性があるため、現場の業務フロー(複数チェックも含めて)を改めて確認し、必要があれば見直すべきでしょう。

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2015年の1年間に報告されたヒヤリ・ハット事例の概要

ダブルチェックをしても、それが機能していないケースもある点には要注意


 今回の年報では、具体的な事故事例(9事例)について詳細な分析を行い、再発防止策などを検討しています。このうち「エポプロステノール静注用」の希釈方法を誤った事例に注目してみましょう。

 ある医療機関では、胸部大動脈瘤の外科的手術に備えて、肺動脈性高血圧症の病態をコントロールするためにエポプロステノールを投与していましたが、看護師AおよびBの2名でダブルチェックを行ったにも関わらず、「希釈方法の誤り」というミスが生じてしまいました。

 院内には「学習会で練習し、取り扱いを理解した看護師のみがエポプロステノールを取り扱う」という内規がありましたが、経験不足や思い込み、別のルール違反などもあり、ダブルチェックが事実上機能していない状況にあったことが分かっています。

 このため事故が発生した医療機関では、▽エポプロステノールを部署における最重要薬剤に位置づけ、スタッフの再教育と混注手順・手技を再確認する▽特殊薬剤などの準備・投与は受け持ち看護師が最後まで継続して行う(そこにダブルチェックを組み込む)▽エポプロステノールの溶解(希釈)方法を注射準備台に表示する―などの改善策をとっています。

 こうした個別事例の研究を進めるとともに、それを一般化し、各医療機関で運用しやすい形にカスタマイズすることが事故防止には不可欠と言えるでしょう。



https://www.m3.com/news/iryoishin/434063
シリーズ: どうなる?「日本の未来の医療」
医師500人が予想、20年後の医療レベル◆Vol.14
「保険給付範囲」のレベル低下が最も危惧

2016年8月30日 (火) m3.com編集部

 前回、『社会保障、「アクセス」犠牲で維持◆Vol.13』では、厳しい国家財政の中で、「保険給付範囲」「アクセス」「医療の質」の3つのうち、レベルを下げるならば、どれを選ぶかを尋ねた。今回は、2035年の日本の医療における3つのレベルを、医師509人(勤務医253人、開業医256人)に予想してもらった(調査の詳細は『高齢者の保険診療に制限、過半数の医師が支持◆Vol.1』を参照)。

Q. 2035年(約20年後)の日本の医療で、「保険給付範囲」「アクセス」「医療の質」のレベルは今と比べて、どのようになっていると思いますか。
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 「保険給付範囲」は、勤務医と開業医、いずれも「悪くなっている」が最多で、勤務医の57.7%、開業医の60.2%が選択した。「アクセス」では、勤務医の予想で最も多かったのは、「悪くなっている」(43.5%)だったのに対し、開業医では「変わらない」(43.8%)が最も多かった。「医療の質」に関しては、勤務医は「良くなっている」(45.8%)が最も多い回答だったが、開業医は「変わらない」(42.2%)を予想する人が最多だった。

 以上をまとめると、勤務医と開業医で意見がほとんど変わらなかったのは、「保険給付範囲」について、いずれもレベルの低下を予想する声が強かった。勤務医は、「アクセス」のレベルは悪くなっているものの、「医療の質」は良くなっているという予想が多かったのに対し、開業医は「アクセス」も「医療の質」も変わらないとの予想が最も支持を集めた。



https://www.m3.com/news/iryoishin/454301
シリーズ: 医師不足への処方せん
医師のキャリア、医籍番号で生涯にわたり追跡
厚労省がデータベース構築、2017年度予算概算要求

2016年8月30日 (火) 橋本佳子(m3.com編集長)

 厚生労働省は2017年度予算概算要求で、「医師の地域的な適正配置のためのデータベース構築」を新規事業として要求した。要望額は900万円だが、新規要求の中では注目施策の一つだ。医籍登録番号を活用して、医師免許取得から初期臨床研修、専門研修を経た後も、生涯にわたり、医師の勤務先や診療科などの情報を追跡できるデータベースを構築する。都道府県が医師確保対策を行うために必要となる医師情報を一元的に管理するのが狙い(資料は、厚労省のホームページ)。

 ただし、データベースにどんな情報を蓄積できるか、医師個人を特定できる情報として活用できるか、あるいは統計情報としての活用に留まるかなど、今後の検討課題は多い。

 医師のデータベース構築は、厚労省の「医療従事者の需給に関する検討会」による5月19日の「中間取りまとめ」で、今年末までに検討する医師偏在対策として盛り込まれていた(『偏在対策「強力」に、「医師の働き方ビジョン」も策定』を参照)。

 厚労省が現在保有しているのは、医師の医籍登録番号(医籍登録年月日、氏名、生年月日、性別)と、2年に一度実施する「医師・歯科医師・薬剤師調査」(以下、医師調査)の診療科や調査時点の勤務先などのデータ。医籍登録番号で活用して名寄せし、医師調査のデータを経年的に蓄積すれば、各医師の勤務先などの追跡が可能だ。

 これに対し、初期研修医や専攻医に関するデータベースは現時点では存在しない。臨床研修病院を対象に調査し、初期研修医の出身大学などのデータ提出を新たに求めることなどを検討する。専攻医については、日本専門医機構が構築するデータベース費用補助を別途要求しており、そのデータの活用を予定。

 構築したデータベースを統計情報として活用する場合には、例えば、ある県が「県内の大学の卒業生がどんな都道府県に勤務しているか」などを把握し、地元定着策を検討することなどが想定される。個人を特定できる利用が可能なら、「内科医が不足している。A県に勤務しているB内科医に連絡を取る」などもできるようになる見通し。

 初期研修医や専攻医に関するデータも収集できるか、個人特定の利用が可能かなどは、医師法改正もしくは医療法改正が必要か否か、個人情報保護法に抵触しないかという視点からの検討が不可欠になる。今年末までに、「医療従事者の需給に関する検討会」や社会保障審議会医療部会で検討を進める。法改正が必要な場合は、2017年の通常国会への提出を予定し、初期研修医のデータ収集は、早ければ2017年度から開始できる見通し。一方、専攻医のデータ収集は、2017年度から開始予定だった新専門医制度が延期になったことから、見通しを立てにくい状況だ(『「新専門研修プログラム」、2017年度は併用含め6領域』を参照)。

 そのほか厚労省は医師確保対策として、下記を要求している。

◆都道府県の医師確保対策を強⼒に推進するため、地域医療⽀援センターのキャリア形成プログラムと連携した地域枠医学⽣に対する修学資⾦の貸与事業を支援する。:30億円(新規)

◆新たな専門医の仕組みの導入に伴う医師偏在の拡大を防止するため、専門医の養成数を調整する都道府県協議会の経費を増額するとともに、各都道府県による調整の下で、医師不足地域への指導医派遣等を行う経費を補助する。また、日本専門医機構が各都道府県協議会の意見を取り入れて専門医の研修体制を構築するための連絡調整経費や、専攻医の地域的な適正配置を促すためのシステムを開発するための経費を補助する。:3.3億円(2016年度1.9億円)


  1. 2016/08/31(水) 06:29:18|
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8月29日 

http://www.cabrain.net/news/article/newsId/49493.html?src=catelink
地域枠医学生への奨学金で30億円計上へ- 来年度概算要求で厚労省
2016年08月29日 20時00分 キャリアブレイン

 大学医学部の「地域枠」を活用する学生に奨学金を出す都道府県を支援する新規事業のため、厚生労働省は、来年度予算の概算要求で30億3600万円を計上する。医師の地域偏在対策が目的。偏在対策としては、「地域的な適正配置」に向けて医師の情報を管理するデータベースを構築するのに必要な予算なども要求する。【佐藤貴彦】

 地域枠は、卒業後にその地域で働くことなどを条件付けた医学部の定員枠。現在、医療提供体制の再編などを目的に創設された「地域医療介護総合確保基金」の一部が、地域枠の学生を対象とする奨学金制度の補助に使われている。

 新規事業で支援するのは、奨学金制度のうち、都道府県の「地域医療支援センター」による医師のキャリア形成支援と連携するもの。これにより、都道府県の医師確保対策を「強力に推進」するという。

 さらに、来年度の新規事業で、都道府県が医師確保対策を行うために必要な医師情報を一元的に管理するデータベースの構築を目指す。医師の研修先や勤務先、診療科といった情報の管理を想定している。要求額は900万円。

 そのほか、医師偏在の悪化を防ぐため、「専門医に関する新たな仕組みの構築に向けた取組」の予算の増額を求める。今年度当初予算と比べ75%増の3億3300万円を計上し、専門医の養成人数を調整する都道府県協議会の経費を増やすなどする方針だ。

■かかりつけ薬局推進、予算増額を要求

 一方、薬剤師・薬局の関係では、「患者のための薬局ビジョン」を推進するための予算の増額を要求する。

 同ビジョンは、すべての薬局を患者本位の「かかりつけ薬局」に再編するため、同省が昨年策定したもの。今年度当初予算では1億8000万円を計上してモデル事業を実施したが、来年度予算の概算要求には前年度比7%増の1億9300万円を計上。モデル事業を充実させるほか、同ビジョンの進ちょくを管理する仕組みを構築するという。



https://medical-tribune.co.jp/news/2016/0829504548/
「医師逮捕は不当」病院が抗議文〔CBnews〕
警視庁に釈放など要望

CBnews | 2016.08.29 17:43

 東京都足立区の柳原病院は25日、非常勤で働く医師が準強制わいせつの疑いで警視庁に逮捕されたことを受け、釈放などを求める抗議文をホームページ上で公表した。抗議文では、「全身麻酔手術後患者の訴えのみを根拠とする不当な逮捕」と強く抗議している。

 警視庁によると、逮捕された非常勤医師(40)は今年5月、手術を受け麻酔からさめたばかりの30歳代の女性患者に対し、診察を装いわいせつな行為をした疑いが持たれている。逮捕された医師は容疑を否認している。

 一方、柳原病院では、女性患者に関係した職員らに対する聞き取り調査や現場検証などを実施。女性患者の供述については、「全身麻酔による手術後35分以内のことであり、その内容は、手術前の恐怖や不安と全身麻酔で行った手術後せん妄状態での幻覚や錯覚が織り交ざったものと確信する」とした。さらに、わいせつ行為があったとされる時、女性患者は4人の患者と同じ部屋にいた上、部屋には経過観察のため看護師が頻繁に訪れていたという。

 これらを踏まえ柳原病院では、「多くの目がある環境の中で供述の様な事が誰にも知られずに行われたとは考えられない」と結論付けた上で、警察当局に対し、謝罪と捜査の中止、逮捕された医師の釈放を求めている。

(2016年8月29日 ただ正芳・CBnews)



http://news.biglobe.ne.jp/domestic/0829/jc_160829_9956123500.html
「医師がわいせつ」は麻酔後の「せん妄」 病院が逮捕の警視庁に抗議の異例事態
J-CASTニュース8月29日(月)19時24分

病院がホームページ上で異例の声明

わいせつな行為をしたとして非常勤の男性外科医(40)を逮捕した警視庁に対し、病院側が不当逮捕だとホームページ上に異例の抗議文を載せた。30代女性患者の訴えだけを根拠にしていると批判しているが、警視庁は、J-CASTニュースの取材に対し、捜査中だとして回答を控えている。
「警視庁による当院非常勤医師逮捕の不当性について抗議する」。東京都足立区の柳原病院が2016年8月25日付で出したこんなタイトルの声明は、医療機関としては異例ともいえる断固たるものだ。


逮捕された医師「やっていません」

報道などによると、女性患者は5月10日昼過ぎに柳原病院で男性外科医による右乳腺腫瘍の摘出手術を受けた。しかし、手術後に全身麻酔で体の動かない女性に対し、外科医は診察を装って病室で着衣を脱がせ、左胸をなめるなどした疑いが持たれている。

女性の胸を見ながら自慰行為をしたり、再び病室に来てわいせつな行為をしたりしたと一部で報じられている。女性の体から外科医の唾液が検出されたともいう。女性は、外科医が6年ほど前から別のクリニックで担当医をしており、手術のため柳原病院に入院していた。

女性が相談した会社の上司が110番通報し、その後、女性が被害届を出していた。警視庁千住署では8月25日になって、外科医を準強制わいせつの疑いで逮捕した。メディアの中には、実名で報じているところもある。調べに対し、外科医は、「やっていません」と容疑を否認しているという。

これに対し、外科医が勤める柳原病院は、ホームページ上の声明で、職員らへの聞き取り調査や現場検証をした結果、わいせつ行為はなかったと結論づけた。


警視庁「捜査中なので、回答は控えたい」

声明では、女性患者は、4人部屋にいて、看護婦が頻繁に経過観察に来ており、多くの目があるため、知られずにわいせつ行為はできないと指摘した。行為があったとする手術後35分以内は、「手術前の恐怖や不安と全身麻酔で行った手術後せん妄状態での幻覚や錯覚が織り交ざったもの」と考えられるとしている。

「せん妄」とは、意識障害が起き、幻覚を見ることもある状態を指す。

病院では、被害届が出た後、こうした調査結果をもとに、7月7日に警察に捜査を中止するよう求める申入書を顧問弁護士名で出していた。今回の逮捕についても、警視庁に対し、謝罪や速やかな捜査中止、外科医の釈放を求め、「この様なことが許されれば、今後、施術医師が術後診察に病室を訪れることを躊躇う要因ともなり、正当な医療行為に制約を付すことになりかねない」と怒りを露わにしている。

ツイッター上などでは、医師らが今回の逮捕について議論を交わしており、麻酔薬では性的悪夢を見ることがあるとの指摘も多い。また、麻酔が切れた数日後もせん妄の症状が現れることがあるという。海外の研究論文なども紹介されており、本当にわいせつ行為だったのか疑問の声が続出している。

柳原病院では8月29日、女性はせん妄状態だったとしたことについて、「これまでの経験に基づき、論文を調べたうえで結論を出しています」とJ-CASTニュースの取材に説明した。警視庁からの回答はまだないという。

厚労省の安全対策課は、「麻酔薬すべてではないですが、種類によってはせん妄の副作用が報告されています」と取材に答えている。

警視庁の広報課では、「捜査に関する事項ですので、回答は控えさせていただきます」とだけコメントしている。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/49477.html
国の医療費抑制策、現場にどう影響?- CBnewsが医師に調査
2016年08月29日 16時00分 キャリアブレイン

 医療費の伸びを抑えるための国の施策について、医師の約7割が自身の働く医療現場に影響を及ぼしていると感じていることが、CBnewsのアンケート調査で分かった。その一方で、約6割の医師が国の医療費抑制策に対して賛成の意思を示しており、国の厳しい“懐事情”をおもんばかり、収入減などにつながる抑制策もあえて受け入れるという、現場の医師の意識が垣間見える結果となった。

 CBnewsでは今月4日から12日にかけて、医師を対象に医療費に関するアンケート調査を実施。96人から有効回答を得た。

■医師の7割、「抑制策が現場に影響」

 国の医療費抑制策による自身の働く医療現場への影響を聞いたところ、「及ぼしていると思う」が68人(70.8%)で、「及ぼしていないと思う」が28人(29.2%)だった=グラフ1=。
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■独自で必要最小限の投薬などに取り組む人も

 現場への影響を感じている人に理由を尋ねたところ、「給与の削減」(30歳代男性)、「病院収支に影響が出ている」(40歳代男性)、「病院経営を直撃している」(50歳代女性)など、自身の収入や病院経営に影響しているとの回答が見られた。

 一方、影響を感じていない人からは、「小児科領域では少子化、予防の向上で高額な医療が必要になることがほとんどなくなっているから」(30歳代男性)、「できる範囲で診療を行っている」(50歳代男性)、「必要最小限の検査・投薬・処置に努めている」(70歳以上の男性)といった声があった。

■6割が医療費抑制策に賛意

 国の医療費抑制策に対する考えも聞いたところ、「賛成」が23人(24.0%)で、「どちらかというと賛成」は35人(36.5%)。一方、「どちらかというと反対」は24人(25.0%)、「反対」は14人(14.6%)だった=グラフ2=。
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■「萎縮した医療になる」などと懸念する声も

 国の医療費抑制策に賛同している人に理由を尋ねたところ、「際限なく増大する医療費の伸びを抑制することは必要不可欠であるから」(30歳代男性)、「お金に限りがあるから」(40歳代男性)、「皆保険を守るため」(60歳代男性)など、今後も国民皆保険制度を維持するために医療費の伸びを抑制せざるを得ないとする回答が見られた。

 一方、反対の意向を示している人の理由では、「本来行うべき医療行為や管理ができないから」(40歳代男性)、「萎縮した医療になる」(50歳代男性)、「必要な医療が提供できなくなる可能性があるから」(60歳代女性)など、医療費が抑制されることによって適切な医療が提供できなくなることを懸念する声が寄せられた。

※医療費が厳しく抑制される状況にあっても、患者のための医療を目指し、医師の待遇を守ろうとする病院や診療所は少なくありません。そうした職場への転職を目指される方は、ぜひキャリアブレインにお問い合わせください。先生方のご希望に沿った、お仕事を紹介いたします。
お問い合わせはこちら。
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http://news.livedoor.com/article/detail/11946090/
医師を困らせる“モンスターペイシェント” その実態とは?
2016年8月29日 7時0分 dot.(ドット)

 医師や看護師らに理不尽な要求をする“モンスターペイシェント(患者)”。暴力を振るう人などもいて、医療現場の悩みの一つだ。本誌は、困った患者の実態を医師向けの情報サイト「MedPeer(メドピア)」の運営会社の協力を得て、現役医師526人にアンケートした。

「暴言や無理難題など対応に苦慮する患者の診察経験がありますか」との質問に、過半数の268人が「ある」と答えた。勤務医の53%、開業医の43%。比率は、勤務医のほうが高かった。

 メドピア社長の石見陽・医師はこの結果を、「医院やクリニックが風邪や生活習慣病など日常的な病気を診るのに対し、勤務医の働く病院は重病の患者が多くて専門的な治療が必要とされる。患者の期待の大きさも違うのでしょう」と話す。

 回答で目立ったのは薬のトラブルで、21人が挙げた。千葉県の精神科医は患者に「依存性がなく、すぐ寝つける弱い睡眠薬が欲しい」と言われた。「すべてに一致する夢のような薬はありません」と処方しなかったという。奈良県の一般内科医は「睡眠薬を出せ」と威嚇され、警察を呼んだ。

 待ち時間やカルテの改ざん要求など診察に関するトラブルは7件ずつあった。

 中国地方の精神科医は「調子が悪いから来たのに、待たされて余計にイライラした。謝れ」と怒鳴られた。7時間も病院内に居座られ、医師が頭を下げて患者はようやく納得したが、「本当に不本意」と憤る。

 こうした患者の対応マニュアルを設ける医療機関も多い。マニュアルに沿い、警備員や警察を呼ぶなどしたケースも18件あった。

 大阪府の循環器内科医は「一度だけそういう経験がある」と打ち明ける。もめた患者は、夫婦だった。

 まず妻がスタッフとトラブルを起こした。後日、持病の薬を取りに来た夫も妻の話題を持ち出してキレ、「なんや、おまえは!」とつかみかかる始末。スタッフは警察を呼び、その後の対応を弁護士に任せた。

 関東地方の女性内科医は、個人の連絡先をしつこく聞かれた。断ると「24時間相談にのるのが医者だろ」と、ストーカーまがいの行為を受けた。九州地方の小児科医は「患者の依頼を渋ったら、一方的な批判をSNSで拡散された」という。

 前出の石見医師も、勤務医時代に経験した悲しい思いを忘れられないという。長期入院中のある高齢男性患者を看取ったときだ。

 心臓の筋肉がダメージを受け、血液が全身にまわらない重い症状。患者は血流が悪くなって持病の痔が悪化し、肛門の周囲に膿がたまった。石見医師は毎日、患者の妻と一緒に傷口を洗浄するなどの処置をしたが、最終的に感染症を起こして亡くなった。

「毎日、毎日、おしりを洗って、専門外の合併症も早期に発見して。全身を管理できていた実感がありました」(石見医師)

 結末は残念だった、これは現代医療の限界。そう思ったが、家族の思いは違っていたという。

「『先生、よく診てくれたけど、最後は対応が遅れましたよね』と言われました。人の死は大きな出来事です。最後は誰かのせいにしたくなる気持ちはわかりますが、その一言を聞いて悲しい思いをしたことは今でも覚えています」(同)

 人としての礼儀、何より“思いやり”がなければ、信頼関係を築けない。最後は人、なのである。

※週刊朝日 2016年9月2日号



http://www.asahi.com/articles/ASJ8R44BMJ8RULBJ00M.html
薬の誤用、6年間で24件 見た目が類似、医師ら混同
竹野内崇宏
2016年8月29日11時14分 朝日新聞

 見た目が似た薬を医師や薬剤師らが誤って使ったケースが2010年1月から今年3月までに計24件あったとする報告書を、日本医療機能評価機構がまとめた。機構は「名称をきちんと確認することが必要だ」と注意を呼びかけている。

 全国約1千の医療機関を対象にした医療事故情報の収集事業で報告された事例を分析した。患者自身が誤ったケースは除外した。

 報告書によると、24件の内訳は注射薬10件、内服薬6件、外用薬5件、その他3件だった。注射薬では薬剤を入れたガラスの容器(アンプル)の形が似ていたのが7件、内服薬では包装の外観が似ていたのが5件と目立った。

 取り違えが起きた場面は注射薬では9件が薬剤の準備中で、主にかかわっていたのは助産師・看護師が6件、医師が3件。内服薬は6件すべてが調剤中で、いずれも薬剤師がかかわっていた。

 24件のうち23件は患者に使われた。死亡例はなかったが、障害が残った可能性がある事例が3件あった。新たな治療が必要になった事例は11件だった。

 製薬業界はアンプルや内服薬の包装、外用薬の容器などにバーコードを表示する取り組みをしており、機構は、バーコードを薬剤の照合に使うことも医療機関に求めている。(竹野内崇宏)
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https://www.m3.com/news/iryoishin/434062
シリーズ: どうなる?「日本の未来の医療」
社会保障、「アクセス」犠牲で維持◆Vol.13
開業医の2割強は「どれも下げるべきではない」

2016年8月29日 (月) m3.com編集部

 低コストでフリーアクセス、さらに高いレベルを維持してきた日本の医療。しかし、医療需要の増加や医療技術の進歩などで、社会保障費は大幅に伸び続け、赤字の続く国家財政の下で社会保障費抑制への圧力は高まっている。「医療の質」「アクセス」「保険給付範囲」の3つを今後も維持し続けるのは、極めて困難だと言わざるを得ない。では、持続可能な医療制度とするために、この3つのうち、いずれかのレベルを犠牲にするとしたら、どれを選ぶべきか。医師509人(勤務医253人、開業医256人)に尋ねた(調査の詳細は『高齢者の保険診療に制限、過半数の医師が支持◆Vol.1』を参照)。

Q. 大きな岐路に立っている日本の保険診療。「保険給付範囲」、「アクセス」、「医療の質」のうち、どれかのレベルを下げる必要があるとすれば、どれを下げるべきだと考えますか(複数選択)。
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 勤務医、開業医、いずれも最も多かったのは、「アクセス」。勤務医の60.5%、開業医の46.1%が選んだ。『勤務医の8割、フリーアクセス制限もやむなし◆Vol.5』でも、医療費抑制のためには、大病院受診時の定額負担などのフリーアクセスの制限に賛同する意見が多かった。医師の労働環境や効率性の面からも、高度医療を扱う病院に軽症患者も受診できる状況は好ましくないという考えが多く、現在の日本の状況で、制限するのに最も抵抗が少ない選択肢と言えそうだ。

 次に多かったのは「保険給付範囲」でいずれも4割強が選んだ。『高齢者の保険診療に制限、過半数の医師が支持◆Vol.1』では、50%以上が保険診療の範囲を「年齢である程度制限すべき」と回答。『開業医はよりシビア、高額医薬品◆Vol.7』でも、開業医の53%が「画期性が高くても、高額な医薬品は保険収載すべきでない」との意見に賛同しており、国家財政の逼迫度合いによっては、「保険給付範囲」の見直されるのも遠い未来ではないかもしれない。

 一方、最も回答者数が少なかったのは「医療の質」。上記の2つを犠牲にしても、レベルを維持すべきとの意見が多数派だったが、勤務医の14.2%は、「医療の質」にも踏み込まざるを得ないと判断し、開業医も8.6%が選択した。「どれも下げるべきではない」を選んだのは、勤務医の11.9%、開業医の24.6%で、開業医の方が社会保障費の抑制のために医療レベルを下げることに批判的なようだ。



https://www.m3.com/news/general/453833
虚偽のカルテ作成か 医薬品不正販売容疑の医師
2016年8月29日 (月) 共同通信社

 処方箋がないのに医薬品を中国人観光客向けに販売していたとして、医薬品医療機器法違反の疑いで逮捕された医師高山篤(たかやま・あつし)容疑者(47)が、診療所で患者約110人に医薬品を処方したとする虚偽のカルテを作成していたことが26日、警視庁組織犯罪対策1課への取材で分かった。

 組対1課によると、同法違反容疑で逮捕された医薬品卸売会社「美健ファーマシー」(東京都千代田区)の社長財間英信(ざいま・ひでのぶ)容疑者(49)らは、仲買人の男を通じ医薬品を横流ししていた。高山容疑者には報酬を支払い、同社から医薬品を仕入れたように装う虚偽の受領書を作成させていた。組対1課は、横流しが発覚しないようカルテを偽造したとみて調べている。

 組対1課によると、高山容疑者の東京都大田区の診療所から約110人分のカルテを押収。患者欄には架空の中国人や日本人の名前が記入してあった。実在する人物の名前もあったが、診察はしておらず無断で名前を使用していた。保険証を示す必要のない自由診療で診察し、医薬品を処方したように装っていた。



https://www.m3.com/news/general/453828
保健医療費、先進国3位に 日本、GDP比で11%超
2016年8月29日 (月) 共同通信社

 先進35カ国が加盟する経済協力開発機構(OECD)がこのほど公表したデータで、日本の国内総生産(GDP)に占める保健医療支出の割合が11%を超え、加盟国中3位になったことが分かった。

 2014年度から計算基準が変わり、介護保険サービスの費用が幅広く含まれたため以前より数値が大きくなり、順位も上がった。医療・介護費は高齢化や高額薬剤の登場などで今後も増加が予想され、対GDP比の水準はさらに上がっていく可能性がある。

 保健医療支出は公費や保険給付、自己負担の合計。新基準によると、日本は14年度に55兆3511億円で、対GDP比11・4%。米国、スイスに次ぐ3位で、スウェーデンやフランス、ドイツを上回った。15年度もOECDによる推計で11・2%と3位だった。

 以前の基準で計算されていた13年度は10・2%で8位だったため、大きく順位を上げた形だ。

 ただ、新基準でも1人当たりの費用は14年度約43万5千円で、順位は15位に下がる。日本のデータ提出機関である医療経済研究機構の担当者は「日本は高齢化が進んでいるため、対GDP比では順位が高くなるが、1人当たり費用を見ると、一定の抑制が効いているのではないか」としている。



https://www.m3.com/news/general/453842
継続支援、手探りの自治体 「患者監視」懸念根強く 措置入院制度見直し
2016年8月29日 (月) 共同通信社

 相模原の障害者施設殺傷事件で逮捕された植松聖(うえまつ・さとし)容疑者(26)は、2月に不穏な言動を理由に本人の同意を必要としない「措置入院」となっていたことから、厚生労働省は制度の運用見直しの検討を進める。退院後に医療や福祉が関わる体制は制度上なく、手探りで継続的な支援に取り組む自治体も。一方、国による見直しが患者の「監視」につながらないか懸念する声は根強い。

 ▽別の制度参考に

 措置入院の解除後、具体的にどういったフォローが望ましいのか。国立精神・神経医療研究センター病院の平林直次(ひらばやし・なおつぐ)医師は、重大な他害行為をした精神障害者に実施されている心神喪失者等医療観察法に基づく医療が参考になると指摘する。

 患者主体の治療プログラムに加え、保護観察所の社会復帰調整官が入院中から退院後も本人を見守り、関係機関による多職種のチームが社会復帰を支援。対象者は自分の病気を理解する疾病教育を受け、「調子が悪くなったら早めに受診する」といった危機管理のプランを本人も参加して作るため、退院後に自分で医療を継続できる。

 訪問看護やデイケアなどの支援もある。平林医師は「人材と予算が課題」としつつ、措置入院でも同様の仕組みが必要とした。

 ▽最終目標

 兵庫県は今春、措置入院中や、医療を中断する恐れのある患者をサポートする「継続支援チーム」を県内13の保健所に設置した。昨年3月に洲本市で男女5人が刺殺され、逮捕された男に措置入院の経験があったのを踏まえた。

 チームは県の担当者や精神保健指定医、保健師らで構成。入院中から患者や家族に面会して信頼関係をつくり、退院後も生活状況を聞いたり、相談に乗ったりする。

 県障害福祉課の津曲共和(つまがり・ともかず)課長は「監視するのではなく見守りながら、安心して生活できるようになるまで支援するのが最終目標」と話す。警察や行政、民生委員、障害福祉サービス事業者など複数の連絡会議も設置し、連携を密にしている。

 ただ「自治体によるこうした取り組みは珍しく、全国的には浸透していない」(厚労省幹部)のが現状だ。同省は都道府県と政令市を対象に、措置入院後のフォローの実情を把握する調査を実施。兵庫県などの事例も参考に、全国共通の枠組み導入を視野に検討を進め、今秋にも結論を取りまとめる。

 措置入院か任意入院かを問わず、退院後に地域で生活できるよう支援している医療機関も。千葉県旭市の旭中央病院は2004年から、退院後に住む場所がない人にグループホームやアパートを紹介。グループホームのスタッフや医師らも含め24時間体制で相談を受ける仕組みも整備した。

 神経精神科の青木勉(あおき・つとむ)主任部長は「職員の負担は増えたが、近所の方々の理解もあり、入院期間を短縮させる成果が出ている」と話す。

 ▽警戒感

 一方、国による制度見直しに対する警戒感は消えない。当事者支援に取り組むNPO法人「地域精神保健福祉機構」の桶谷肇(おけたに・はじめ)事務局長は「精神医療を犯罪予防の手段として使うことになれば問題で、精神障害者は危険な存在という考え方は差別そのもの」と警告。

 在宅患者への訪問看護や福祉サービスの充実を訴え「よくなりたいという本人の気持ちを、医療や福祉がサポートすることが重要だ」と語った。



http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201608/20160829_13022.html
【宮城】<再生する医療拠点>身近で安心 他院と連携 石巻市立病院9月再開
2016年8月29日 (月) 河北新報

 東日本大震災で被災した石巻市立病院(宮城県石巻市)が移転新築され、9月1日にJR石巻駅前で再開する。未曽有の災禍で疲弊した地域医療に力を与える新拠点のオープン。多くの人の期待が集まる。(石巻総局・鈴木拓也)

 「地域医療の再生にとって極めて大きな一歩を踏み出す日となる」

 10日に市立病院であった記念式典で、亀山紘市長は力強く宣言した。

 市立病院は内科や外科、リハビリテーション科など6診療科で構成し、外来患者は1日当たり約200人を想定。180床の入院ベッドを用意する。

 病院から約500メートル離れた災害公営住宅の無職男性(67)は「肺に持病があり、徒歩圏内に大病院ができるのは安心。公営住宅は年寄りが多く、みんな喜んでいる」と歓迎する。

<回復期受け入れ>

 市立病院再開を待ち望むのは市民だけではない。地域医療を支える他の病院も期待を寄せる。

 注目されるのは市立病院の新しい役割だ。社会生活に戻るための回復期の患者を受け入れるほか、痛みを和らげる緩和ケアも担う。震災を機に、急性期中心の医療から方向転換した。

 救急医療の核となる石巻赤十字病院地域医療連携課の佐々木功課長は「頼れる連携先が増えるのは大きなメリット」と言う。

 赤十字病院は464ある病床の稼働率が90%超の状態が続く。地域の救急患者の大半を受け入れるが、患者を一時的に治療した後、病床を確保できず、別の病院に入院してもらうケースも少なくない。

 症状が安定した患者を市立病院に引き受けてもらえれば改善が見込まれる。赤十字病院の石橋悟副院長は「入院が必要な患者を全て受け入れられないのはもどかしい。病床を確保できれば、より良い医療を提供できる」と語る。

<在宅患者も対応>

 市立病院の機能として、在宅患者への対応も加わる。介護や予防活動も含めた地域包括ケアにおける医療の中心的立場となる。

 団塊世代が75歳になる2025年を見据え、市内では地元の開業医らが先行して在宅医療に取り組む。

 石巻市医師会の千葉淳会長は「具体的な連携に向けた話し合いはこれからだが、市立病院には遠隔地診療の支援や在宅患者向けのバックアップ用ベッドの確保をお願いしたい」と将来像を描く。



http://www.asahi.com/articles/SDI201608265725.html
病院実習よりも大切なこと 医学生の皆さんへ
アピタル・高山義浩
2016年8月29日06時00分 朝日新聞

先日、非常勤講師をしている大学で講義をいたしました。年に1回だけなのですが、医学部3年生に地域医療についてお話しをしています。今年で10年目。毎回、率直にお話させていただいて、学生の皆さんも真剣に聞いてくださいます。で、今年は最後にこんなメッセージを送らせていただきました。伝わったでしょうか?

    ◇     ◇     ◇

これから皆さんも病院での臨床実習が始まることでしょう。なかには、早々に4年生から有名研修病院などを狙って、自主的に来られる方もいます。でも、あんまり早いうちから病院見学を重ねるのはオススメしませんよ。だって、広い視野を身に着けてほしいから・・・。

そもそも病院ってのは、閉じた「異様な空間」なんです。そこに対する探究心をもつのって変じゃないですか? それに、どうせ将来は病院漬けになって働くんです。だったら、学生時代ぐらいは、クラブ活動にのめりこんだり、いろんな国を旅してまわったり、青春のすべてを彼女にささげたり、そういう有意義なことに時間を使ったほうがいいですよ。

私が働いている沖縄県立中部病院は、そこそこ有名な教育病院でもありますので、休みともなると多くの学生さんが研修に来られます。でもね。空港から真っすぐに病院へ来て、研修が終わったら忙しそうに帰ってゆく学生さんたちを見ていると、なんだか私は残念な気持ちになるのですよ。

こんなに豊かな自然があって、そこに育まれる文化があって、ゆっくりと歳を重ねるオジイやオバアがいるのに、病院で医者の話しか聞かないで帰るの? 大丈夫か? 正気なのか? そうやって地域の声を聞かないでいると、そのうち本当に聞こえなくなっちゃうぞ! 分かるかなぁ。

どうしても医療現場が見たいのなら、皆さんぐらいの学年のうちは、海外の現場を訪れてみませんか? 皆さんが医師として活躍する時代は、良かれ悪しかれ激動の時代です。地域医療を守り抜くため、不断の改革を続けていかなければならないでしょう。変わり続けることこそが「真の保守」となる時代です。村社会において、内向きの視線だけでは改革はできません。様々な、ときに極端な現場を見ておくことは、皆さんの直観力を高めるかもしれません。

たとえば私の学生時代・・・、訪れてよかったなと思い返すのは、インドにあるマザーテレサが設立した施設「死を待つ人々の家」、タイでエイズ患者が互いに支え合っていたホスピス「ワット・プラパットナンプー」、カンボジアで僧侶が安楽死を行っていた「ワット・ソムロンアンデス」、ネパールの「トリブバン大学教育病院」における小児科研修など。20年も前のことですから、もはや参考になるかどうかわかりません。でも、いろんな研修機会がアジアにあることを、ネットで検索すれば見つけることができるはずです。

ただし、こういう施設で活動するとしても、全旅程の3分の1程度にしてくださいね。残りの3分の2は地域を楽しく旅行すること。悲しい部分をばかりを見ようとするのではなく、その国の素敵なところを発見する気持ちを忘れないこと。

もちろん、海外ばかりが学生らしい活動地ではありませんね。路上生活者の夜回り支援活動とか、外国人のための無料医療相談会とか、心身障がい者への旅行随行とか、いや別にそういうディープな活動じゃなくても、地域の自治会活動だっていいんです。

実習に来ている医学生の方々とお付き合いしながら、私が「学生のうちに身に着けてほしいな」って思うのは、社会的な弱者の状況を五感でイメージできるようになること、そこに独自の問題意識と解決のイメージを抱けること、それを正確な言葉で表現できるようになること・・・。

こういうことって、地域を知らずして言語化できるはずがありません。なぜって? そりゃ、弱者が「弱者」であることを規定しているのって、地域との関係性においてに他ならないからですよ。

これらは私の一方的な「期待」ではあります。でも、もし医療に関心をもって「探究」したいのであれば、こんな学生ならではのことに、まずは挑戦してほしいなって思います。がんばってくださいね。

(アピタル・高山義浩)



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/49473.html
遠隔診療「実績つくり、事例発信が必要」- 医師4人が都内でセミナー
2016年08月29日 17時00分 キャリアブレイン

 インターネットなどを使った遠隔による医療相談や診療に取り組む4人の医師が28日、東京都内で開催されたセミナーで一堂に会し、遠隔診療の可能性や課題などに関して意見交換をした。セミナーの中のシンポジウムで遠隔診療を普及させる方法について、医療法人社団ナイズの白岡亮平理事長は、「実績をつくり、遠隔診療のメリットを明らかにして、事例を発信していくことが必要」と述べた。【君塚靖】


 このセミナー「Realtime Healthtech Seminar-遠隔医療の"今"をつかみ"未来"をつくる」は、医師専門コミュニティーサイト「MedPeer」を運営するメドピア株式会社(石見陽代表取締役)が中心になり、遠隔医療相談・診療に取り組む医師に参加を呼び掛ける形で実現した。メドピアの子会社であるメディプラットは、オンライン医療相談プラットフォーム「firstcall」のサービスを開始しており、ナイズが運営するキャプスクリニック代官山などでは、白岡理事長が代表を務めるメディカルフィットネスラボラトリー株式会社が開発した遠隔診療システム「Dr.365」を導入している。

 また、株式会社メドレーはオンライン通院システム「CLINICS」を開発。現在、全国で提携医療機関を増やしている。このほか、株式会社Kids Publicの橋本直也代表取締役は、今年5月末に「小児科オンライン」で、ネットを通じた医療相談を開始し、企業には従業員への福利厚生、自治体には住民サービスとして導入してもらえるよう働き掛けている。

 セミナーでは前半の講演会で、それぞれのネットなどを通じた遠隔医療相談・診療への取り組みが紹介された。その中では、遠隔診療についての理解がまだ深まっていないことや、診療報酬上の手当てが十分でないことなどが課題になるとの意見が出された。

 後半のシンポジウムでは、講演会で指摘された遠隔医療相談・診療のメリットや課題などを踏まえて、どのように普及させていくかがテーマになった。メドレーの豊田剛一郎代表取締役医師は「遠隔診療が価値あるもので患者にとって利益があるならば、診療報酬上の手当ても変わってくるだろうから、ひたすらいいシステムをつくり、多くの人に伝えるしかない」と語った。

■「医療相談」と「診療」の違いも議論に

 シンポジウムでは、医療相談と診療の違いも議論になった。Kids Publicの橋本代表取締役は、「(医療相談をしていて)診断と処方はしないようにしている。診療との違いの中で、やってはいけない『ダメ』なことは分かっている」と述べた。

 一方、ナイズの白岡理事長は「医療相談と診療の違い、定義については、誰が最終判断をしたかだと考えている。医療相談の場合は、医師がアドバイスをしても、相談を受けた側が判断をすることになり、診療は、それを医師がしたことになり、そこが線引きになる」との見解を示した。

 これについて、メドレーの豊田代表取締役医師は「メドレー社内では、医療相談と診療を線引きしないとサービスとしてぼやけるので、一般論を伝えるのが医療相談で、個人のテーラーメイドの情報をベースに判断したものが診療に当たるとしている」と説明した。



http://diamond.jp/articles/-/100258
DOL特別レポート
群馬大学病院の事故でわかる日本医療の大問題

勝村久司
2016年8月30日 ダイヤモンド オンライン

かつむら・ひさし
1961年生まれ。京都教育大学理学科卒業。1990年、陣痛促進剤による被害で長女を失い、医療事故や薬害などの市民運動に取り組む。厚生労働省の「医療安全対策検討ワーキンググループ」や「中央社会保険医療協議会」、日本医療機能評価機構の産科医療補償制度再発防止委員会などの委員を歴任。群馬大学附属病院の医療事故調査委員にも就任した。著書に『ぼくの星の王子さまへ』(幻冬舎文庫)、共著書に『どうなる!どうする?医療事故調査制度』(さいろ社)など。

群馬大学医学部附属病院の腹腔鏡手術等による医療事故の報告書が7月末に公表された。日本では相変わらず手術や投薬のミスなどによる医療事故の報道が絶えない。患者側の医療不信も根強く残っている。そこで、DOL編集部では、かつて陣痛促進剤による被害で長女を失い、医療事故や薬害の再発防止に向けた市民運動に取り組む勝村久司氏に、本件に関して執筆を依頼した。同氏は厚生労働省の「医療安全対策検討ワーキンググループ」や「中央社会保険医療協議会」、日本医療機能評価機構の産科医療補償制度再発防止委員会などの委員を歴任。群馬大学附属病院の医療事故調査委員も務めている。

実は2度目の調査報告書だった
群馬大学病院の医療事故


 2016年7月30日、群馬大学医学部附属病院で手術後に患者が相次いで死亡した医療事故の調査報告書が公表され、大きく報道されました。

 実は、一連の事故は2014年夏から発覚しており、翌年には1度、事故調査報告書がまとめられていました。したがって、今回公表されたものは、やり直しをした2度目の事故調査報告書だったのです。

 これまでの経緯は次の通りです。

 同病院は、2010年12月から2014年6月までの間に確認された92例の腹腔鏡下肝切除術のうち、58例が保険適用外の疑いがあり、そのうちの8例が術後4ヵ月以内に亡くなっていたとして、2014年夏に最初の事故調査委員会を立ち上げました。

 その委員会には、5名の外部委員が含まれているとされていましたが、そのうちの4名は、最初の会議に出席を依頼されたのみで、それ以降は会議に呼ばれておらず、実質的に議論に参加できていませんでした。しかも、参加を続けた残りの1名は、病院の顧問弁護士であり、とても外部委員と呼べるものではありませんでした。さらに、2015年3月にまとめられた報告書の内容を遺族に説明する際に、病院側が勝手に加筆した箇所があったことがわかるなど、事故調査のあり方自体が大きく批判され、信頼性が揺らぐこととなったのです。

 そのため、大学は、2015年8月末に、完全に外部委員だけからなる新たな事故調査委員会を設置し、調査をやり直すことを決めました。新たな委員会は6名で構成され、筆者も委員の一人となりました。

 この委員会は、1度目の委員会が対象とした腹腔鏡下肝切除術死亡8事例に加え、開腹肝切除術死亡10事例を併せた18事例の事故を対象にしました。そもそも、群馬大学の腹腔鏡による手術の事故は、千葉県立がんセンターで腹腔鏡の手術事故が多発したことがきっかけで発覚したものであり、全国的に腹腔鏡の手術の安全性が問われる事態でしたが、加えて、群馬大学では、腹腔鏡ではない通常の開腹手術でも死亡事例が相次いでいたことが発覚したための対象の拡大でした。

病院主導の事故調査では再発防止は困難
群大の事故は日本の医療界全体の問題


 群馬大学の1度目の医療事故調査の例でもわかるように、病院側が主導している医療事故調査では、健全に原因を分析し、本気で再発防止につなげることは困難です。そのため、きちんとした医療事故調査がなされてこなかった日本の医療は、新たな技術である腹腔鏡による手術だけでなく、従来から行われていた開腹手術でさえ、長年にわたり、その質や安全性を吟味することが十分にされてこなかった可能性があります。

 すなわち、今回の一連の事故は、群馬大学の中の特異で個性的な原因を探るというよりは、日本の医療界全体に横たわる原因を探るものでもあったのです。

 その一つに「インフォームド・コンセント」の問題があります。

 1度目の事故調査報告書では、調査対象とした腹腔鏡手術後の死亡例8例全てにおいて、それぞれ、「手術前のインフォームド・コンセントにおいて,代替治療の選択肢,合併症や死亡率の具体的データが示された記録がないことから,不十分な説明であったと判断した。」と記載されました。そして、その記載に対して、担当した主治医は以下のような反論文を出しました。

「インフォームド・コンセントについては、群大病院の指針に則って1時間以上かけて行っていた。診療録に記載していなかったことについては、反省している。手術説明同意書では、「予定術式」「病名」「入院期間及び手術日」「術式」「合併症」「説明医師氏名」「患者氏名」「立会人住所・氏名」を記載し、「手術説明図」も使っていたことから、「簡単な術式」「合併症」しか記載されていないとする報告書の指摘は正しくない。」

 それだけに、2度目の報告書では、インフォームド・コンセントの問題は、重要な論点の一つでした。

 実際には、手術日の前日などに主治医が主張するような説明がされていたようです。しかし、「1時間以上」というのは言い過ぎではないか、インフォームド・コンセントの際には看護師も同席するべきだが、ほとんどされていなかったのではないか、カルテに記載がないものをやったと認めてよいのか、などの指摘もされてしかるべきものでした。

 ただ、2度目の報告書では、そのようなレベルの問題ではなく、「そもそも、本来なされるべきインフォームド・コンセント説明、適切な方法、適切なタイミングでなされていなかったことが問題である」という主旨の記載になりました。

インフォームド・コンセントの意味
日本では勘違いの医療者も多い


 そもそも、インフォームド・コンセントとは何でしょうか。

 日本では、単に「説明と同意」と訳されがちなために、手術等の内容の説明をして同意文書にサインをしてもらう、という行為だと勘違いしている医療者も少なくないようです。しかし、これでは、世界中で、「医療の重要な原則」とされているインフォームド・コンセントの主旨が全く反映されていません。

 そのような中で、2011年に日本内科学会が作成した「研修カリキュラム」の「医療倫理のポイント」にインフォームド・コンセントについて記載された内容は、非常に適切な内容になっています。です。

 まず、次のように定義されています。

「インフォームド・コンセントとは、意思決定能力(判断能力、治療同意判断能力などともいう)を備えた患者が、誰からも強制されていない状況下で、十分な情報の開示と医師の奨励を受け、それらを理解したうえで、医師の奨励する診療計画に賛成し,医師に当該行為を患者に行うことを許可することである。」

 さらに、看護的観点からは、「インフォームド・コンセントにおいて看護師は、患者と医療専門職が協同し患者にとって最善の選択と決定がなされるために、患者のアドボケート(擁護者)として、重要な役割を果たす。まず、医療が提供される際に患者の人権が侵害されることを防ぐ、権利擁護者としての役割がある。そして、患者が自分自身の価値観やライフスタイルによって、自分のニーズに即した選択が出来るように支援する。患者の自己決定の支援者としての役割もある。さらに、患者の尊厳を守り、最善の選択が出来るように支援し、患者の決定を尊重するという役割も課されている。医師から患者に伝えられた情報の詳細や、その情報を受けた患者の反応を知る為に、看護師は可能な限り情報を伝えられる場や意思決定がなされる場に居合わせることも忘れてはいけない。」と記載されています。

手術前日のインフォームド・コンセント
それでは患者が十分に検討できない


 群馬大学のインフォームド・コンセントの問題が、もし、「手術の前日に、1時間以上かけて行われていて、看護師が同席しており、その旨がカルテにも記載されていた」ならば良かったのでしょうか。それでは、全く的外れです。

 手術のために入院をして、様々な検査をして、「明日いよいよ手術だ」という日に改めて手術の説明を受けてサインをしたとしても、それはインフォームド・コンセントではありません。患者は、もはや「明日よろしくお願いします」としか言えない状況です。

 本当のインフォームド・コンセントは、手術ならば、入院をする前の、外来で手術を選択するか否かを検討するタイミングで行われるべきです。また、そこでは、即時に判断を求めるのではなく、十分な検討時間も患者に与えられるべきです。

 手術の適応があるか、つまり、患者ごとの手術のメリットとデメリットをきちんと比較検討すること、また、手術以外にどのような選択肢があるか、をしっかりと提示し、それぞれの患者ごとのメリットとデメリットを比較し検討すること、そのためには、個々の患者の病状をきちんと共有することと、それぞれの治療法のそれまでの一般的な予後の情報だけでなく、その医療機関やその医師ごとの、これまでの実績も伝えられるべきです。

 そのため、患者や家族も含めた複数の医療者間のチームで検討することが不可欠です。

 ところが群馬大学の一連の事故でも、紹介医や執刀医の間のやりとりだけで実質、治療方針が決められてしまっていることが多く、「その患者に手術の適応があったのか」、「必要だったのか」、「他の選択肢の方が良いのではないか」ということを、患者と共に十分に検討するという過程が経られていません。実際に、「手術の適応がなかった」、つまり「手術をするべきではなかった」と考えられる事例もあり、病院側が、手術数を増やすことを強く意識していたのではないかという指摘もされています。このことが「インフォームド・コンセントがなされていなかった」ということの本質です。

 また、群馬大学の一連の事故の遺族の多くは、術後に合併症が生じ、死亡に至るまでの間に、その間の病状や様態、そこからの治療方針の選択などについても、十分な説明を受けることができなかった、という思いを持っています。

 つまり、患者にとって本当に必要なインフォームド・コンセントのタイミングは、手術ならば、今の日本の医療界で定着している手術の前日等ではなく、治療方針を決める段階、すなわち外来時などに手術を選択するかどうかを決めるときと、術後の合併症の発症時なのです。

 このタイミングのずれが、健全なインフォームド・コンセントがなされていない原因の一つだと思います。

日本で繰り返される医療事故を見れば
共通点があることがわかる


 本来ならば、医療事故と呼ばれるものは、大きく二つに分けることができるはずです。

 一つは、「インフォームド・コンセントの内容が間違っていた」、すなわち、示した選択肢に間違いがあった。治療方針が間違っていた、というような予定していた計画に間違いがあったという医療事故です。その人がその治療の適応とはならない何らかの検査データを見落としていた、等のケースもこれに当てはまります。

 もう一つは、「インフォームド・コンセントの内容通りにできなかった」という医療事故です。例えば、誤って切るべきではないところを切ってしまった、投与するクスリを間違えた、等のように、予定していた計画通りに実施できなかったというものです。

 その上で、日本で繰り返されている医療事故を改めて見てみると共通点があることがわかります。

 群馬大学の一連の事故と同様に大きく報道された、東京女子医大の小児に禁忌のプロポフォールが大量に投与されて死亡していた医療事故でも、投与の事実が、全く患者側に伝えられていませんでした。同様の投与や事故は全国で起こっているのではないか、という危惧もされています。

 また、日本の代表的な医療事故である、不必要な陣痛促進剤(子宮収縮剤・子宮収縮薬)が妊婦の知らない間に過剰に使用されて、子どもが重度の脳性麻痺等になってしまう事故も同じです。

 半世紀にわたり、妊婦の知らない間に過剰に投与されるなどして事故が繰り返されてきており、今も日本の出産の半数近くで使用されているといわれている陣痛促進剤ですが、1974年から日本母性保護医協会(現在の日本産婦人科医会)が全国の産科医に対して再三注意喚起をしてきました。そのうちの1990年1月に発行されたものには下記のような記述があります。

 『・・・当会の行っている妊産婦死亡調査でも死亡原因の中で子宮収縮剤使用後の子宮破裂、弛緩出血の占める比率は高い。また羊水栓塞による死亡例の中で子宮収縮剤を使用した症例が多いのも事実である。(略)訴訟になった例や母体死亡例では子宮収縮剤を用いて分娩を誘発ないし促進している症例が多い。(略)それら症例の中では誘発や促進の適応が不明なものが少なくない。(略)医療施設側の事情によって計画分娩(※筆者注:子宮収縮剤などを使用して出産の日時をコントロールすること)を行うことはトラブルのもとであり、決してすべきものではない。(略)誘発は妊婦および児の利益のために行うという立場を忘れてはならない。・・・』

 この記述からは、薬を使う必要のない母親に、知らない間に薬を使って、事故が繰り返されていることがわかります。

 被害者たちの市民運動により、2010年6月から、この薬の添付文書には、『患者に本剤を用いた分娩誘発、微弱陣痛の治療の必要性及び危険性を十分説明し、同意を得てから本剤を使用すること』と明記されましたが、出産時の事故で重度の脳性まひになった事例の原因分析をしている産科医療補償制度の「再発防止に関する報告書」によると、陣痛促進剤を使用する際に文書で同意を取っているのは、いまだに事故事例の3分の1程度にとどまっています。

日本では医療事故の議論の前に
医療現場から「医療犯罪」をなくすべき

 日本で大きく報道されているこれらの医療事故は、全て、インフォームド・コンセントがなされていない中で起こった事故です。したがって、本来の2種類の医療事故のどちらにもあてはまらず、欧米では、「医療犯罪」として分類されるものなのです。

 本来の医療事故調査は「インフォームド・コンセントの内容に間違いはなかったか」「インフォームド・コンセントの内容通りに医療はなされたのか」を分析するものですが、日本の医療事故調査の現状は、いまだに、「インフォームド・コンセントがなされていない」という大問題を指摘しているという段階なのです。

 日本ではまず、医療者が患者のために誠実に対応しても起こる医療事故の議論をする前に、日本の医療現場から医療犯罪の類をなくしていくことが求められているのです。


  1. 2016/08/30(火) 05:41:17|
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8月28日 

http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10105/349746
中高生がセミナーで電気メスなど医療体験
2016年08月28日 11時29分 佐賀新聞

 中学、高校生を対象にした医療体験セミナーが、佐賀市の佐賀中部病院であった。専用の「術衣」をまとった36人が電気メスや腹腔(ふくくう)鏡などの機器を使って医師の仕事の一端に触れた。

 参加者は手術室に入って腹腔鏡を体験した。腹部から体内に鉗子(かんし)やカメラを挿入した想定で、モニターに映し出された映像を見ながら輪ゴムを体内に入れて切り取った。また、鶏肉を使って電気メスで切ったり縫い合わせたりした。

 大分県薬剤師会が導入している薬局機能を搭載した災害対策医薬品供給車も展示され、熊本地震の被災地での活動などを学んだ。

 参加した附属中3年の林聖也さん(14)は「縫合は両手とも器用に使わないといけなくて難しかった。体内の映像がきれいで最先端の医療機器を知ることができた」。神埼高2年の松尾美月さん(17)は「胃カメラは中の奥行きの幅がなかなか把握できなった。服装など清潔さを保つためのいろんな工夫も分かった」と話した。

 セミナーは今年3月に続き実施した。



http://www.nagano-np.co.jp/articles/7347
伊那中央病院 ブラックジャックセミナー
2016年8月28日 6時00分 長野日報

伊那市の伊那中央病院メディカルシミュレーションセンターで27日、中高生を対象とした医療体験セミナー「ブラックジャックセミナー」が行われた。伊那市を中心に23人が参加した。最新機器を備え、上伊那地方の医療の中核を担う実際の医療現場を見学。傷口の縫合や内視鏡の操作など外科医の仕事を体験し、医療への関心を高めた。

同セミナーは、製薬や医療機器などを製造販売するジョンソン・エンド・ジョンソンが、全国の医療機関と共催で行う社会貢献活動の一つ。医師をはじめとする医療従事者の不足が懸念される中、将来を担う子どもたちに最新医療を体験してもらい、医療への関心を高めるのが目的だ。同病院では、今年で3回目となった。

参加者は手術衣を身に着け、手術室を見学。続いて、電気メスや自動縫合器、内視鏡など医師らが実際に訓練で扱う器具を用い、よりリアルな模擬体験を行った。医師や看護師らの指導で、骨折手術として模擬の骨にボルトを埋め込んだり、シミュレーターで胆のうを摘出するなど医療技術への理解を深めた。

医療機器に興味があるという伊那中学校1年の酒井力(ちから)君(13)は「話でしか聞いたことのない機器を実際に操作して難しかったが、楽しかった。将来の参考にしたい」と話した。

北澤公男センター長は「セミナーで刺激を受け、医療関係者を目指してほしい。上伊那では勤務医が少なくなっており、将来的にこの病院で働いてもらえれば」と期待した。



http://blogos.com/article/188456/
医師に対する不信 警察に対する不信 妥当性を検証 冤罪の時の保障、罰則を決めよう!
中村ゆきつぐ
2016年08月28日 15:26 BLOGOS

 前回の記事。(手術後の医師がわいせつ行為?麻酔回復時のせん妄?唾液検出?)予想以上にみなさんに見てもらっています。ライブドアニュースやスマートニュースにBLOGOSがリンクされ、BLOGOSでは閲覧1位です。ありがとうございます。

 書き出しで腹が立ったからと書いた記事。医療者の大部分が冤罪説、麻酔せん妄説を同意してくれていますが、一般の方はそうでもありません。私のブログのコメントにも許せないセクハラ医師の診察内容が投稿されています。

 医師に対する不信感は一部には大変なものです。以前救急問題の時に書かせていただいたブログのコメント欄は医師に対する不信感で溢れています。(救急搬送36回:NHKさん。受け入れ拒否ではなく受け入れ不能です)まして昨日出た研修医の準わいせつ問題(準強姦容疑で28歳の研修医逮捕 20代の女性の酒に薬物混ぜる)も出ており、医師の社会的な問題も当然批判されるべきでしょう。

 これらのコメントのように医師に不適切に対応された方々に、同じ医師としてあらためてお詫び申し上げます。申し訳ありません。

 その上で今回の事象、少し細かく分析します。

1 4人部屋の中でリスクを無視して術後患者の胸を舐め、自慰行為をする。
 一部記事で自慰行為についても書かれていました。患者がなぜそれを見ることができたのかについては記載がありません。意識はあるけれど体が動かせない状況でどうやって医師の自慰行為を把握できたのでしょう。

 また看護師も見て見ぬ振りをして医師のこのような行為を正当化しているとすれば、つまり病院全体が患者をバカにしているのであれば、この犯罪が行われた可能性はあります。ただこのようなとんでも病院の可能性は低いと常識的に考えています。(最近常識もあてになりませんけど)

2 医師の唾液が証拠として存在
 ここがよくわかっていません。採取時期はいつなのでしょう。もし舐めた後の胸を意識回復後すぐに拭くなどしたティシュを保管しておいたということだとすると、事実の可能性はでてきます。警察が捜査をされていますので、裁判の時に明らかになると思いますが、保管をした経緯が分からないとこの証拠が本物かどうかは100%断定はできません。

 保存状況もまた大切です。遺伝子鑑定をしているとすれば、そのティシュからDNAを採取するためにはそこそこのしっかりした保存方法が必要になります。それこそ前回書いたガムとか痰を出したティッシュなどをたまたま手に入れて保存しておいたということも当然考えられるのです。

 病院報告書(警視庁による当院非常勤医師逮捕の不当性について抗議する)によると、このように医師の唾液成分の分析経過は、逮捕まで警察から明らかにされていません。そのように詳細がわかっていないのに、警察が起訴したのだから間違いないとか断言される方は間違っています。 もちろんその逆、医師は100%冤罪だということも言えません。あくまで妥当性、状況証拠との天秤ですが、私は上記のような理由で冤罪と考えています。

 そしてもう一つの問題。
 この医師が本当にわいせつ行為をしていたのであれば、逮捕が妥当であり私は謝る以外ありません。しかし私の冤罪という分析が正しいのであれば、警察はどのような形で責任を取るのでしょう。そしてマスコミは起訴したということでこの医師の実名を全国に知らしめたのですがその責任はどうすればいいのでしょう。今までの流れだと賠償金は法的に決められた税金で、警察担当者は懲戒処分程度、マスコミは無視です。この医師の人生は狂わされたのに。

 もう一度書きます。この医師が私の常識を超えて、病院がさらに私の常識を超えていた場合、この事件は現実として存在する可能性はあります。ただ私にはそう思えない。そして冤罪であったなら、警察も逮捕する際どのような思考過程でこのような立件をしたのか、それを含めて説明、謝罪をしてほしい。どう考えても私には医学的妥当性が見えない。(まあHPVワクチンなども例として医学的にはよく揉めるんですけどね)

 福島県警が起訴し司法における医療崩壊を引き起こした大野事件と同じように、今回の事件処理がいい加減だと警察に対する医師の反応はさらに最低になるでしょう。(救急医療への提言(2):司法のなすべき事 萎縮医療をなくすために)もちろんわいせつ事件と純粋な医療過誤とは区別する必要はあるとは思いますが、麻酔という医療行為に伴う患者さんの過誤だとしたら同じレベルで考えていいと思います。

 医療は医療安全を通じて明らかな失敗に対して様々な改善策が取られてきています。(だからいろいろな失敗がオープンになってきている)警察も失敗をオープンにすることで信頼回復施策を取るべきと考えています。

 冤罪の時の保障、罰則、特に警察、検察、マスコミへの対応を決めましょう!

 ついてなかったで終わらせるな!


  1. 2016/08/29(月) 05:20:45|
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8月27日 

https://www.m3.com/news/iryoishin/434061?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD160826&dcf_doctor=true&mc.l=174205743&eml=3f492a08f1681d66441569ec02c0b51e
シリーズ: どうなる?「日本の未来の医療」
医学部定員、「現状維持」と「削減」で二分◆Vol.12
「時代に合わせた定員を」「増員で状況改善は無理」

2016年8月26日 (金) m3.com編集部

 2007年度に7625人だった医学部定員は、2016年度に9262人にまで増えた。医学部定員増と人口減少などの影響で、日本の10万人当たりの医師数は、10年後にOECD平均を上回るとの推計が出た。今後、医療需要の減少も見込まれており、医学部定員を削減すべきという意見も出ている。一方で、女性医師の増加やキャリアパスの多様化、地域・診療科の偏在が解消していないことから、医学部定員数を削減すべきではないという見方もある。

 医師509人(勤務医253人、開業医256人)に、今後10年間の医学部定員のあり方について尋ねた(調査の詳細は『高齢者の保険診療に制限、過半数の医師が支持◆Vol.1』を参照)。

Q. 今後10年間の医学部定員をどうすべきとお考えですか。
0827.jpg

 勤務医は43.4%が「現状を維持すべき」と回答。開業医は49.0%が「削減すべき」を選んだ。「さらに増員すべき」は勤務医の5.1%、開業医の3.2%が選択するにとどまり、「現状維持」あるいは「削減」で意見が二分する結果となった。医師不足で過重労働が問題となっている勤務医にとっては、医師数の確保が重要との見方が強い一方で、経営者でもある開業医にとっては、患者の取り合いの発生などへの警戒感が強いのかもしれない。

 「その他」の意見を紹介する。

・増員だけでは、状況は、改善されない。【50代開業医】
・その時代に合わせた定員にすればいいだけでは?【60代以上開業医】
・女医を減らす。私も女医だが、結婚や子育てで実働にならない女医が多すぎる。医者と結婚するために医学部に入るような女医はいらない。【50代勤務医】
・OECDの医師数の計算と日本で臨床医の数とは合わない。臨床医をきちんと数えて比較すべきだ。【50代開業医】
・もっと民間資源を活用する方法はあるはずである。NPO等を活用して、医療の知識や選択の可能性についての民間に対する啓発などがあれば、市民も無駄な医療を受けないだろうし、また医療者が、その説明に時間を取られることも減少すると思われる。【60代以上勤務医】
・医師数の問題ではなく、医師を補助する業務人員の確保が大切。ナースプラクティショナーやPAの創設。【50代勤務医】
・急性期病院で、2交代もしくは3交代の医師確保ができるまで、24時間の医療が十分できる量を確保。【60代以上勤務医】



https://www.m3.com/news/iryoishin/453270?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD160827&dcf_doctor=true&mc.l=174420423
シリーズ: 医師不足への処方せん
2017年4月に医学部新設へ、国際医療福祉大学
文科省大学設置審が答申、640床の附属病院も新設

2016年8月26日 (金) 橋本佳子(m3.com編集長)

 文部科学省の大学設置・学校法人審査会は8月26日、2017年度からの千葉県成田市にける国際医療福祉大学の医学部新設を、7つの留意事項を付して答申した(資料は、文科省のホームページ)。答申を受け、8月31日に文科相が設置認可する予定。医学部入学定員は140人、うち20人は留学生枠。2016年4月の東北医科薬科大学に続き、2年連続で医学部が新設されることになる(『東北医科薬科大学、一期生100人が入学』を参照)。

 国際医療福祉大学は26日、「広く門戸を開き、これまでにない新しい世界水準の医学教育を行う」との声明を公表している。2020年には医学部校舎のある成田キャンパス近くに640床規模の医学部附属病院「国際医療福祉大学成田病院」を新設し、「感染症国際研究センター」なども設置予定だ。「医学部生の臨床実習で活用するほか、2020年後の東京オリンピックも見据え、国際都市・成田における質の高い医療とサービスの提供を目指す」(同大)。

 千葉県成田市は、国家戦略特区に指定され、2015年11月27日の国家戦略特区諮問会議で、同特区での医学部新設が了承された(『国際医療福祉大学、「明治以来の医学教育を変える」』などを参照)。これに対し、日本医師会、日本医学会、全国医学部長病院長会議などはこれまで再三にわたり、医学部新設には異議を唱えており、この7月にも3者の連名で、大学設置審に対し、慎重な検討を求める文書を提出していた(『成田医学部、「将来に禍根を残さないよう判断を」』を参照)。


 国際医療福祉大学は、既に成田キャンパスに、2016年4月から看護学部などを開設、2016年1月には医学部校舎の起工式を行った(『『世界的な医学部』新設へ、成田で起工式』を参照)。同起工式の席上で、学校法人理事長の高木邦格氏は、「医学部では地域医療に貢献し、また海外の医療教育でも貢献できる総合診療力を持った医師の育成を目指す。教員のレベルも日本で最高水準にしたい」との抱負を述べていた。2016年3月に、文科省に対し、医学部の設置認可申請を行った。

 答申に当たっての留意事項として、まず同大医学部が特徴とする海外での臨床実習について、その質を確保するほか、実習先はアジア諸国だけでなく、欧米諸国も確保することが求められた。そのほかの留意事項は、(1)人体の生理機能を理解するためにシミュレーターを利用するだけでなく、生理学、生化学、分子生物学など、基礎医学に関する実習を充実、(2)全ての留学生が将来母国のリーダーとして活躍できるよう、母国の政府機関等の推薦を受けていない私費留学生を含め、卒後の進路の支援体制を充実、(3)附属病院の財政における不測事態への対応など、リスク管理の一層の強化、(4)認可後に収納予定である補助金(千葉県、成田市)が収納されたら、その旨を報告――などだ。

 同大によると、医学部の特徴は、以下の通り。

(1) 国際標準を上回る医学教育を通じて、高い総合診療能力を身に付けた医療人材の養成
(2) 1年次から医学に関する大多数の科目で英語による講義を実施
(3) 定員140人のうち20人は東南アジアを中心とした留学生を受け入れ、将来母国の医療分野のリーダーとなり得る人材を育成
(4) 学術協定を締結している世界16の国・地域、約30の大学・機関・病院のうち、12の機関での海外臨床実習をする
(5) 4つの附属病院や多くの大学関連施設で臨床実習を実施
(6) キャンパス内に設置する5000m2を超える世界最大級の「医学教育シミュレーションセンター」における充実した実践教育を実施
(7) 私立大学の医学部で最も安い6年間で1850万円の学費設定に加え、さまざまな奨学金や学士ローンを用意



https://www.m3.com/news/general/453456?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD160827&dcf_doctor=true&mc.l=174420424
わいせつ容疑医師、勤務先病院が不当逮捕と抗議の声明
2016年8月27日 (土) 高橋直純(m3.com編集部)

 警視庁が手術後の麻酔が残る女性患者に診察を装ってわいせつな行為をしたとして男性医師を準強制わいせつ容疑で逮捕した問題で、医療法人財団健和会柳原病院(東京都足立区)は8月25日、「警視庁による当院非常勤医師逮捕の不当性について抗議する」と題した事務長名での声明を同病院のウェブサイト に掲載した。「(被害女性は)手術後せん妄状態での幻覚や錯覚が織り交ざったものと確信する。今回の不当逮捕に強く抗議する」と主張している。

 報道や病院側の説明によると、女性(30歳代)は2016年5月10日、柳原病院で右乳腺腫瘍摘出手術を受けた。女性は男性医師が勤務する別のクリニックの外来患者で、手術のために柳原病院に1泊予定で入院した。手術終了直後の午後4時ごろ、4人部屋の病床で術後の診察に訪れた男性医師にわいせつな行為をされたとして、友人を通じて警察に通報した。同日中に警視庁千住署員が訪れ、男性医師と面談。病院も直ちに男性医師に関係した職員より手術前から通報に至る間の状況について聞き取りや病室とベッドの位置、ベッド高さ等現場検証を行った。6月9日に女性の求めに基づき、全診療記録を同署に提出。7月7日には内部調査や顧問弁護士名での「捜査を速やかに終了するよう求める」申入書も提出した。一方で、報道によると、女性は被害届を提出している。7月7日以降、警察からの問い合わせがない中で、8月25日に準強制わいせつ容疑で逮捕となった。男性医師は容疑を否認しているという。

 病院側は、女性が5月11日、27日の術後診察を外来で受診し、半年後の経過観察の診療予約も行っていると説明。女性の説明は「全身麻酔による手術後35分以内のことであり、その内容は、手術前の恐怖や不安と全身麻酔で行った手術後せん妄状態での幻覚や錯覚が織り交ざったものと確信する」と主張している。また、当時の状況として、4人部屋が満室で、看護師も頻繁に訪れ、「供述の様なことが誰にも知られず行われたとは考えられない」としている。

 不当逮捕であるとして強く抗議しており、「このようなことが許されれば、今後、施術医師が術後診察に病室を訪れることをためらう要因ともなり、正当な医療行為に制約を付すことになりかねない」と訴えている。また、男性医師に逃亡の恐れや証拠隠滅の恐れはないとして、早期の釈放を求めている。

G3註:通常の診療行為を犯罪とすり替えた警察の暴挙との疑いを感じる



https://community.m3.com/v2/app/messages/2575686?pageNo=1&portalId=mailmag&mmp=RI160826&mc.l=174417257&eml=3f492a08f1681d66441569ec02c0b51e
抗議文
http://yanagihara.kenwa.or.jp/statement.html
警視庁による当院非常勤医師逮捕の不当性について抗議する
PROTEST ABOUT THE UNFAIRNESS OF THE ARREST

み な さ ま へ

 8月25日の一部報道につきまして、患者はじめ関係者のみなさまには大変ご心配をおかけ致しております。こちらに当院の見解を発表致しました。引き続きみなさまのご期待にお応えできるよう、いっそう力を尽くす所存でございますので、ご支援ご協力をお願い申し上げます。


関係者各位
2016年8月25日15時45分
医療法人財団健和会
柳原病院院長 石川 晋介

1. 当院非常勤医師逮捕について
  2016年8月25日、警視庁により当院非常勤医師が逮捕されたとの報道がされ、その後当院はその事実を確認した。この逮捕は全身麻酔手術後患者の訴えのみを根拠とする警視庁による不当な逮捕である。

2. 経過
  2016年5月10日、16時頃、当院1泊入院予定で右乳腺腫瘍摘出手術を実施したA氏が、手術終了直後に4人部屋の病床にて、術後診察に訪れたB非常勤医師からわいせつな行為をされたとして、友人を通じて警察通報した。なお、A氏はB医師が勤務するCクリニックのB医師が担当する外来患者で、手術のために当院に入院した。同日、通報により千住警察署員が来院し、当院は患者本人や他の入院患者の症状に配慮しながら、求めに応じてA氏との面談のために場所を提供し、当該病床にも案内をした。
  当院は直ちにA氏に関係した職員より手術前から通報に至る間の状況について聞き取りや病室とベッドの位置、ベッド高さ等現場検証を行った。また、6月9日には、A氏申請に基づいて全診療記録を警察署へ持参した。7月7日には、当院内部調査による時系列事象や現場検証実施の記録及びそれらの検討からわいせつな行為はなく、捜査を速やかに終了するよう求める申入書を当院顧問弁護士名で提出した。その際警察は、A氏身体からの採取物から物証があったと明言することはなく、当院にこれ以上の捜査協力を要請する根拠も理由も示せなかった。7月7日以降千住警察からは一切の問合せもないまま、8月25日突然の逮捕となった。

3. 当院の見解
  当院は詳しく院内調査を実施し、顧問弁護士と相談しながら院内調査の概要を示すとともに、警察の要請に対して対応してきた。また、A氏自身は5月11日、27日の術後診察を当院外来で受診し、半年後の経過観察の診療予約も行っている。
  当院の調査でA氏の術後の供述は、全身麻酔による手術後35分以内のことであり、その内容は、手術前の恐怖や不安と全身麻酔で行った手術後せん妄状態での幻覚や錯覚が織り交ざったものと確信する。さらにA氏は満床在室の4人部屋におり、術後の経過観察に看護師が頻回に訪床する病床にいた。多くの目がある環境の中でA氏の供述の様な事が誰にも知られず行われたとは考えられない。この様に当院として医学的、客観的に状況や経緯を検討し、その調査結果を警察に提示したにもかかわらず、警察は「A氏の証言に信憑性がある」と判断して非常勤医師の逮捕にまで踏み込んだのである。この様なことが許されれば、今後、施術医師が術後診察に病室を訪れることを躊躇う要因ともなり、正当な医療行為に制約を付すことになりかねない。
  当院は、今回の不当逮捕に強く抗議する。警察は、手術後せん妄状態時の患者証言に信憑性があるとして明確な証拠も示さず、準強制わいせつによる逮捕にまで踏み込んだものである。しかし、逮捕の要件であるところの、逃亡のおそれ、証拠隠しのおそれなどの事由は、B医師にはない。多数の患者の健康をあずかる医師を逮捕し勾留することは、自白強要を目的とするものと言わざるを得ない。この警察のやり方は不当であり、この間の冤罪事件での捜査手法や人権蹂躙に対してなんら反省もない態度だと考える。さらに警察のこうした横暴が、医療現場に混乱を与え、患者、利用者、職員やその家族に不安を招いた事を、当院は厳しく糾弾するとともに、警察当局に謝罪を求め、この様な強引で不当な捜査を直ちに止め、B医師を速やかに釈放するよう求めるものである。

以上



https://www.m3.com/news/general/453232?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD160827&dcf_doctor=true&mc.l=174420425
銚子市立病院念書問題、医師宿舎不正 市議会提出、告発を地検受理
2016年8月26日 (金) 毎日新聞/千葉

 銚子市立病院の医師宿舎を巡って不正な念書が作成された問題で、同市議会は、野平匡邦前市長と市立病院再生機構(精算手続き中)の元職員2人について地方自治法違反(証人出頭拒否)容疑で告発状を千葉地検に提出し4日付で受理されたことを明らかにした。また、野平前市長から告発の正当性などに関する質問が7月に寄せられ、書面で回答したと説明した。

 告発状によると、3人は昨年11月から今年5月、市議会調査特別委員会(百条委)が複数回にわたり出頭要請したにもかかわらず、出頭を拒んだとされる。市議会は5月に3人を告発する議案を賛成多数で可決していた。【近藤卓資】



https://www.m3.com/news/iryoishin/451994
シリーズ: 指導監査と処分
保険医の人権を守れ!指導大綱・監査要綱の改正案
健保法改正研究会が公表、「集団的個別指導」廃止も提案

2016年8月27日 (土) 橋本佳子(m3.com編集長)

 医師や弁護士の有志らで組織する「健康保険法改正研究会」は、保険診療に関する指導と監査を手続き上で分離したり、レセプトが高点数の医療機関をターゲットとする「集団的個別指導」の廃止、保険医の人権擁護の視点から適正な手続きを踏んで指導・監査を行うことなどを盛り込んだ、健康保険法、指導大綱・監査要綱の改正案をまとめた。8月21日に福岡市で開催した第5回シンポジウムで公表した。今後、これらの案を厚生労働省や国会議員などに働きかけていく予定(資料は、同研究会のホームページ)。


 健保法改正研究会の共同代表で弁護士の井上清成氏は、m3.com編集部の取材に対し、昨今の指導や監査をめぐる動向を踏まえ、「指導大綱、監査要綱、または健康保険法自体を改正する動きが、来年度くらいを目指して進むのではないか、と推測されるようになってきた。これが実現すれば、久々の大幅な改正になる。このタイミングで、本研究会がこれまで考えてきたことをまとめ、改正案を提示する目的で、約1年前から研究会内で議論していた」と経緯を説明。

 その上で、井上氏は次のように述べ、行政の恣意性などを排除するためにルールを明確化、保険医の人権にも配慮し、指導・監査が適切に行われる体系を目指すのが改正案提案の狙いだと説明する。「 今の個別指導は、教育的指導ではなく、監査に似ていて、不正・不当の疑いのあるものをふるい分けているイメージが拭えない。比喩的に言えば、刑事事件には、強制捜査と任意捜査があるが、監査は強制捜査、個別指導は任意捜査に例えることもできる。しかし、個別指導は、教育的指導を行うのが目的であるはずであり、集団指導と同列のものとし、個別指導と監査を分離すべき。この考えに立てば、集団指導と個別指導を行えば十分であり、中途半端な集団的個別指導も廃止した方がいい」。

 指導大綱、監査要綱は1995年の大幅改正以降、微修正は行われてきたものの、基本は変わっていない。指導・監査をめぐる問題は絶えず、指導・監査を苦にした医師の自殺、東京高裁判決で指導・監査後の保険指定・登録の取消処分が違法とされたケースなどがある(『自殺した開業医遺族、鳥取県東部医師会と調停へ』、『国が上告断念、「保険取消は違法」が確定』などを参照)。

 同研究会は2012年2月に発足、こうした現状を問題視し、指導・監査の改善を求め、さまざまな活動を行ってきた(『人権侵害の指導・監査、現場から改善を!』などを参照)。日本弁護士連合会も2014年8月に、保険医等の人権擁護の立場から、「健康保険法等に基づく指導・監査制度の改善に関する意見書」を公表した(『日弁連の意見書、「歴史的な意義は大」』を参照)。

 国会でも指導・監査の問題が再三取り上げられているほか、井上氏が「昨今の指導、監査をめぐる動向」として挙げる一つが、今年3月22日付けの保険医療機関に対する個別指導の実施通知で、「個別指導の運用において、少し改善が進んできたこと」(井上氏)。個別指導では、実施直前にカルテを大量に準備することが医療機関の負担になっていたが、2016年度は、(1)個別指導の実施通知は、「3週間前」から「4週間前」に前倒し、(2)個別指導に用いる患者名通知は、「指導4日前に15人分、残る15人分は前日」から「指導1週間前に20人分、残る10人分は前日」――に変更された。

 改正案は、健康保険法、指導大綱・監査要綱を合わせ、●ページに上る。改正のコンセプトや方向性を示すだけではなく、健康保険法の改正条文、指導大綱、監査要綱の改正案として具体的に提示したのが特徴。その骨子は以下の通り。

健康保険法、指導大綱・監査要綱の改正案(健保法改正研究会による)
1. 指導と監査の体系上の分離
 現状では、指導を中断して、監査に移るケースがあるため、「個別指導の連絡が来ると、保険医は恐怖感を抱く。それを払拭することが必要」(井上氏)。指導はあくまで「指導」とし、診療報酬の返還や保険医指定の取消などの不利益処分を伴う「監査」と峻別する。
(1) 指導は、従来通り、地方厚生局長が実施、監査の主体は厚生労働大臣の直轄に変更
 同じ主体が指導と監査を実施すると両者が連動するために、切り離す。「指導を実施する側が、監査に移行するか否かを判断するのではなく、監査を実施する側が判断すべきもの」(井上氏)。
(2) 指導・監査の根拠法令の分離
 指導大綱・監査要綱(厚労省局長通知)に基づいていた法体系を改め、指導は健康保険法・療養担当規則・指導告示とし、監査は健康保険法・監査規則(厚労省令)とする。「現在は、通知レベルのため、パブリックコメントを求めることなく、指導大綱・監査要綱を定めることができ、国会によるコントロールも効かない。このため指導・監査の根拠を省令以上にする」(井上氏)。
(3) 指導と監査の関連を遮断
 個別指導の措置から「要監査」を削除し、指導と監査を峻別する。監査開始の要件も限定して、監査の独自性を明確化する。
(4) 指導の充実
 レセプトが高点数(例えば、診療所の場合は診療科別に上位8%)を理由に行う、集団的個別指導を廃止して、集団指導と個別指導の二本立てにして、指導を充実させる。「定期的に全医療機関を対象に、定期的に実施してもいいのではないか」(井上氏)。

2. 法律による行政の原理の強化
(1) 健康保険法に憲法の趣旨を充填
 憲法第25条の生存権およびその趣旨を敷えんした国民皆保険制、国民の受療権と保険医の診療権の趣旨を、健康保険法に明示して充填する。
(2) 法段階をグレードアップ
 「1-(2)」のように、法段階をグレードアップして、法律による行政の原理を強化する。
(3) 一般的法原理である比例原則を導入
 監査後の行政上の措置は、「取消処分」「戒告」「注意」の3段階。違反行為の程度を問わず、保険医指定等の「取消処分」の場合は、一律5年。これを改めるため、一般的な法原理である比例原則を監査後の措置にも明示的に導入する。

3. 日弁連の意見書等の意見を実現
(1) 弁護士選任権の明記
 現行は運用上で認められているにすぎない保険医療機関や保険医による弁護士選任権を、法令に明記する。
(2) 日弁連意見書の指摘事項を導入
 保険医等の適正な手続的処遇を受ける権利を保障するため、「患者調査の適正手続化」「録音・録画の法定」「結果や記録の開示の法定」「選定理由の開示」「中断手続の適正化」などを導入。



https://www.m3.com/news/iryoishin/453479
シリーズ: 真価問われる専門医改革
「総合診療専門医」目指す専攻医、研修施設を支援
プライマリ・ケア連合学会、都内で説明会開催

2016年8月27日 (土) 橋本佳子(m3.com編集長)

 日本プライマリ・ケア連合学会は8月27日、都内で「総合診療専門研修プログラムの延期に関する説明会」を開催し、日本専門医機構が2017年度から開始予定だった「総合診療専門医」を目指す医師および研修施設をサポートすることを改めて説明した。同学会は、総合診療専門研修プログラムには申請しても、同学会の家庭医療専門研修プログラムには申請・登録がない研修施設に対し、特別措置を講じることを8月9日に公表していた(『「家庭医療専門医」の新規養成、2017年度も継続』を参照)。


 9月12日まで、「家庭医療専門研修プログラム(Ver2.0)」への追加申請の受付を行っており、12日の締め切りまで書類が全て整わなくても、申請の意思表示を12日までに行い、その後に書類を早急に提出すれば、対応は可能だという。

 説明会の冒頭であいさつした同学会理事長の丸山泉氏は、出席者の多くを占めた研修責任者に向けて、「この道に、医療人としての一生をささげようとしている若い医師たちの目を摘まないようがんばってもらいたい」と呼びかけ、日本専門医機構が8月5日の理事会で、(1)総合診療専門医を目指す医師については、暫定的な措置として、日本プライマリ・ケア連合学会の現行の家庭医療専門医の研修を受講することを勧める、(2)研修医には、何らの瑕疵はないことから、今後、不利益にならないよう何らかの措置を講じる――との合意が得られていると説明(『「新専門研修プログラム」、2017年度は併用含め6領域』を参照)。

 新専門医制度で19番目の基本領域の専門医として位置付けられる総合診療専門医は、他の18の領域とは異なり、担当学会がなく、日本専門医機構が主体となり、運営する予定だった。総合診療専門医の専門研修プログラムは、「家庭医療専門研修プログラム(Ver2.0)」をベースに作られており、新制度が延期になった今、総合診療専門医を目指す医師たちの受け皿が、「家庭医療専門研修プログラム(Ver2.0)」になるのは自然の流れだった。「家庭医療専門研修プログラム(Ver2.0)」として登録済みは311プログラム。一方、総合診療専門研修プログラムについては、398が日本専門医機構の1次審査を通っており、「家庭医療専門研修プログラム(Ver2.0)」として登録されていないプログラムは、少なくとも87ある。


 同学会副理事長の草場鉄周氏は、「総合診療専門研修プログラムの基準をクリアしていれば、家庭医療専門研修プログラムはおおむねクリアできる」と説明、両者は類似点が多いものの、大きな違い指導医の要件であり、注意を促した。

 参加者からは、「家庭医療専門研修プログラム(Ver2.0)」の登録を受けていない研修施設の責任者から、同プログラムを運営するための手続きや指導医要件など、細部にわたる質問が相次いだ。

 それに加えて多かったのが、総合診療専門医の将来像と、家庭医療専門医の在り方だ。2017年度から「家庭医療専門研修プログラム(Ver2.0)」の研修を開始した専攻医について、草場氏は、研修修了までの3年間は同プログラムで研修を行うことになり、家庭医療専門医の取得時あるいは更新時になるかなどは未定としたものの、「日本専門医機構は、2017年度から研修開始の専攻医について、きちんと対応すると宣言している」と説明、学会認定から同機構認定の専門医への移行は確実に行われるとの見通しを示した。

 家庭医療専門医を取得した医師についても、何らかの条件をクリアすれば更新などの時点で、総合診療専門医に移行するなど、「家庭医療専門医は、5、10年のスパンで総合診療専門医に統合されていくイメージで議論していた」(草場氏)。

 参加者からは、新専門医制度の「1年延期」で、どこまで議論が立ち返るのかについての質問も出た。草場氏は、厚生労働省の「専門医の在り方に関する検討会」の2013年4月の報告書で、総合診療専門医が19番目の基本領域に位置付けられたことに触れ、「そこまでひっくり返されることはないと思っている」と述べ、総合診療専門医の立ち上げに向け、学会としてもできるだけ支援していくと説明した。

 そのほか参加者からは、総合診療専門研修プログラムのみを申請している施設からは、日本専門医機構からの連絡はない上に、日本プライマリ・ケア連合学会の会員がいなければ同学会からの連絡は来ないことから、情報不足に陥っている現状のほか、「総合診療専門研修プログラムの1次審査を終え、2次審査を待っていたところで、梯子を外された。今回の対応(日本プライマリ・ケア連合学会の特別措置)には感謝している」などの声が上がった。新専門医制度が2017年度から研修を始める予定の医師だけでなく、専攻医を受け入れる研修施設の指導医たちにも大きな影響が及んでいることが浮き彫りになった。

 日本プライマリ・ケア連合学会は8月28日にも同様の説明会を開催するほか、ホームページ上で、草場氏の説明場面の動画、「家庭医療専門研修プログラム(Ver2.0)」についてのQ&Aを掲載し、関係者への周知と理解に努める。

 「指導医」資格などで特別措置
 草場氏は、日本専門医機構の総合診療専門医に関する委員会の委員長は、同機構の新理事長に就任した吉村博邦氏自身が務め、9月から10月には新たな体制での総合診療に関する協議が始まる予定であり、(1)総合診療に関連する定員、(2)ダブルボード、(3)サブスペシャルティ――の検討が行われる見込みだとした。

 新専門医制度の「1年延期」で、総合診療専門医については「さまざまな影響を受けている」と草場氏は述べ、(1)専門研修プログラムは2次審査待ちの状態、(2)特任指導医講習会は7月から開始、8月末まで5回実施されたものの、9月以降、2017年3月まで9回開催予定だったが、実施されるかは不明、(3)特任指導医になるためのレポートは、9月末が提出期限だが、制度延期に伴って何らかの処置がなされる可能性は高い、(4)プログラム統括責任者講習会は今年秋頃を予定されていたが、当面延期の公算――など、不確定要因が多い現状を説明。

 一方で、草場氏は日本プライマリ・ケア連合学会として、日本専門医機構の理事会決定を根拠に、総合診療専門研修プログラムのみを申請している研修施設が、「家庭医療専門研修プログラム(Ver2.0)」に新規申請できるようにするなど、特別措置を講じていくとした。

 「家庭医療専門研修プログラム(Ver2.0)」を運用するには、学会の認定指導医あるいは家庭医療専門医資格保持者で、学会が実施する指導医講習会の受講が必要。一方で、総合診療専門研修プログラムにおいては、日本専門医機構が実施する総合診療特任指導医講習会を行い、「暫定指導医」を養成する計画だった。特別措置として、総合診療特任指導医講習会を受講し、同機構のレポート審査修了者、あるいは学会が求める「詳細事例報告書」を提出した者でも可能とし、2017年度から5年間は学会認定の「暫定指導医資格」を付与する。

 参加者からは、総合診療特任指導医講習会の対象人数が限られ受講できなかったり、9月以降の開催予定が未定であることに不安、不満の声が上がった。草場氏は、9月12日までの「家庭医療専門研修プログラム(Ver2.0)」の新規申請の時点では、「講習会受講の見込み」などを記載し、2017年3月までに受講等すれば対応は可能であるとしたほか、専門医機構の講習会を受けられなかった場合には、学会として開催していくなど、指導医講習会を希望する人が全て受講できるよう最善を尽くす方針を説明した。

 「時代を変えることは並大抵ではない」
 前述のように、19の基本領域の中で、担当学会がないのは、総合診療専門医のみ。同専門研修プログラムには、日本プライマリ・ケア連合学会、日本内科学会、日本小児科学会、日本救急医学会、日本医師会など、多岐にわたる学会等が関係する。

 「本学会としては、受け身で実施してきたが、それが果たしてよかったのかとは思う」と丸山理事長が述べた通り、日本プライマリ・ケア連合学会は、他の基本領域の学会とは異なり、日本専門医機構の社員にも入っていないために、積極的な働きかけはしにくい状況にあった。「時代を変えることは、並大抵のことではない。新参者が入っていく際には、慎重にならなければいけない。ただし、一緒に進む人が増えれば力になっていく」(丸山理事長)。

 参加者からは、「総合診療専門医だけは担当する学会がない」という関係が続く限り、欲求不満、困惑などを抱えるため、日本プライマリ・ケア連合学会が社員になるなどの対応が必要との声も上がった。



https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20160827-OYTET50000/
医療事故遺族を「遺賊」…医療安全学会代議員が講演
2016年8月27日 読売新聞

 医療事故の遺族を「遺賊」と表現した学会講演が波紋を呼んでいる。参加者らの指摘を受けた日本医療安全学会は、「発言は不適切」とする声明を学会のサイトに公開した。こうした表現について、遺族らは「医療事故被害者への偏見につながる」と懸念している。


 関係者によると、問題の発言があったのは、同学会が今年3月に東京都内で開いた学術集会の講演。登壇した男性は「遺賊が求めているのは金と、医師・看護師への処罰であって、原因究明や再発防止は関係ない」などと話し、スライドにも同様の表現があったという。

学会、「不適切であり、容認しない」と声明文をサイトに掲載

 「賊」は犯罪者を思わせる表現だとして、複数の参加者が発言内容を問題視。指摘を受けた会員有志が今月、対応を求める文書を同学会の理事長に提出した。学会は理事会で協議し、発言に対し、「社会へ貢献する民主的な良識の学術団体としては不適切であり、容認しない」とする声明文を26日、サイトに掲載した。

 発言したとされる男性は取材に対し、「いわゆるモンスターペイシェント(理不尽な要求を繰り返す患者)を指したもので、現実にそういう人はいる。不適切な発言とは思っていない」と話した。学会のサイトによると、男性は代議員として名を連ねている。

 医療事故の遺族で、患者と医療者の対話を促すNPO法人「架け橋」副理事長の川田綾子さんは講演の場に居合わせたといい、「医療事故の遺族を面白おかしく表現した言葉に場が笑いに包まれ、ショックでいたたまれなかった。学術的な場で使われる表現として疑問に思う」と話している。



https://www.m3.com/news/general/453475
30センチの器具取り残す 70代の卵巣など摘出手術、茅ケ崎市立病院
2016年8月28日 (日) 毎日新聞社

茅ケ崎市立病院:30センチの器具取り残す 70代の卵巣など摘出手術 /神奈川

 茅ケ崎市立病院(同市本村、仙賀裕病院長)は26日、今月4日に卵巣などの摘出手術を受けた同市の70代の女性患者の腹部に長さ約30センチのステンレス製手術器具を取り残していたと発表した。手術から約3週間たった24日、退院した患者が腹痛で再来院した際にレントゲンを撮って取り残しが判明。再手術で器具を取り出した。

 同病院によると、女性患者は卵巣に水などの液体がたまる卵巣のう腫と診断され、卵巣や子宮などを摘出する手術を受けた。手術は20代の男性医師が主に行い、60代の男性医師が助手を務めて指導していた。取り残した器具は手術中に腸を押さえるステンレス製の「腸圧定ヘラ」で幅約4センチ、長さ約30センチ、厚さ数ミリ、重さ175グラム。病院は「手術中は腸の上に置いておくだけで看護師らが押さえることはなく、手術した2人の医師も『どちらかが取り除いた』と思って腹部を閉じたのではないかと推測される」としている。

 女性患者は11日に退院したが、24日の再来院で器具の取り残しが分かった際、再度の開腹手術をすると腸閉塞(へいそく)を併発していることも判明し、小腸の一部(約70センチ)とこの器具を摘出した。女性は入院中だが、順調に回復しているという。

 同病院は「完全な人為ミス。患者と家族に精神的、身体的負担をかけたことをおわびします」と謝罪している。今後は、手術中に器具の数のチェック回数を増やすなどして再発防止に努めたいとしている。【渡辺明博】


  1. 2016/08/28(日) 05:31:28|
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8月26日 

http://japan-indepth.jp/?p=29832
福島県いわき市の深刻な医師不足
「上昌広と福島県浜通り便り」

上昌広(医療ガバナンス研究所 理事長)
2016/8/26  Japan in depth

「とても充実した生活を送っています」

福島県いわき市のときわ会常磐病院に勤務する森甚一医師(35)は言う。

森医師は東京生まれの東京育ち。専門は血液内科だ。今春、東大医学系研究科の博士課程を修了し、四月に常磐病院に就職した。首都圏の大学病院からの誘いを断り、いわき市にやってきた。8月20日現在、森医師は血液疾患の患者50人と一般内科の患者80人を診ている。赴任から5ヶ月で患者は急増した。

いわき市の人口は35万人。東北地方では仙台市に次ぐ第2の都市だ。ところが、森医師が赴任するまで、市内に血液内科の入院治療ができるのは、いわき市立磐城共立病院だけだった。そのホームページによれば、3名の専門医が勤務し、年間190人程度の造血器疾患を治療している。血液内科は強い抗がん剤治療を実施する。治療には手間がかかる。わずか3人で、こんなに入院患者を診るなど、常識では考えられない。

なぜ、こんなことになってしまうのだろう。言うまでもないが、いわき市が医師不足だからだ。平成26年末現在の人口10万人当たりの医師数は172人。全国平均(234人)のおよそ3分の2だ。人口が同規模の福岡県久留米市(約30万、551人)の3分の1以下である。

久留米市でも医師は余っているわけではない。この医師数で、いわき市が何とかやっている方が、むしろ不思議だ。実は、そうではない。住民が認識していないだけだ。東日本大震災後、福岡県の理学療法士が浜通りにやってきた。「福岡と比べ、10年くらい遅れた感じです。福岡では、こんなに足が曲がって固定した人は見かけなくなりました」と言っていた。整形外科医や理学療法士が不足しているため、適切な医療を受けることが出来ていないからだ。

勿論、福島県やいわき市が何もしてこなかった訳ではない。多くの対策を実行中だ。例えば、15年3月には、磐城共立病院が福島医大に寄付講座を設け、整形外科医を派遣して貰えるようになった。福島県は卒後、福島県内の公的医療機関で働くことを条件に、福島県立医大の学生を対象に月額15万円を貸与している。

ところが、私は何れの対策も大きな効果は期待できないと思う。医師不足の福島県内での「ゼロサムゲーム」だからだ。むしろ、このようなやり方は弊害の方が多い。医師の絶対数が少ないところで、「争奪戦」を行えば、医師の調達コストは暴騰する。利権が生じる。その一つが前述の寄附講座だ。福島県立医大が被災地に医師を派遣する際に、自治体病院が県立医大に寄付金を支払わねばならないという事態に陥っている。このことに興味がある方は、以下の拙文をお読み頂きたい。

『福島医大、被災地への医師派遣で3億円見返り 静岡、法外利息奨学金で憲法違反の疑い』 

私は、いわき市の医師不足を改善するには、地元で医師を養成するか、医師の多い地域から呼び込むしかないと考えている。前者は医学部新設だ。震災後の2014年2月、いわき市議の吉田みきと氏が「医学部等の誘致の請願」を提出した。吉田氏は「医師養成の直接的なメリットだけに留まらず、教育レベルの底上げやホワイトカラーの雇用確保など地域への影響は大きい」と言うが、市議会では過半数の賛同を得ることができず、否決された。

いわき市は、福島県内唯一の福島医大の位置する福島市から約120キロ離れている。全国でもっとも大学病院との距離が遠い中核都市だ。医学部新設は政治コストが高い。いわき市は、東日本大震災という絶好の「好機」を逃したことになる。

いわき市の医師を増やすには、外部から医師を呼び込むしかない。その際、「医師不足で大変です。助けて下さい」と声高に主張することは、百害あって一利なしだ。福島県出身者以外で、そんな病院に行きたいと思う人は、まずいない。医師不足の深刻さを訴えれば訴えるほど、医師不足は悪化する。

いわき市が、福島県外から、本気で医師を呼びこみたければ、いわきという町、および病院が魅力的でなければならない。実は、いわき市内で気を吐く病院がある。それが冒頭にご紹介したときわ会常磐病院だ。泌尿器科・透析を中核とする総合病院で、東日本大震災で、取り残された患者を東京・千葉・新潟に搬送した。ご縁があって、私もお手伝いした。ご興味のある方は、拙著『復興は現場からはじまる』(東洋経済新報社)をお読み頂きたい。

東日本大震災以降、ときわ会常磐病院で働きたいという医師が急増している。震災時に8名だった常勤医は、16年4月現在で22人になった。看護師・准看護師は125人から226人に増えた。東日本大震災後、いわき市内で医師数・看護師数が増えた病院は、ここだけだ。

ときわ会常磐病院の特徴は、全国からやる気ある若者が集っていることだ。その典型が森医師である。この傾向は止まりそうにない。年明けには西日本の国立大学の血液内科で講師を務める女性医師が就職する。これで4月に立ち上げた血液内科は、二人体制となる。看護師も同様だ。今春、園田友紀さん(27)が就職した。彼女は、鹿児島の鶴丸高校から三重大学へと進み、保健師として石巻市役所に就職した。「勉強して、成長したい」と希望し、ときわ会に転職した。来年には四国出身の三十代の看護師が、地元の大学病院を辞めて移籍する。透析看護を学ぶためだ。

なぜ、ときわ会には、医師や看護師が集まるのだろう。それは、創業者である常磐峻士会長が、「一山一家」をモットーに地域への貢献を重視しているからだ。人材育成を含め投資に余念がない。

ウェイトを置くのが泌尿器科だ。11年前、東京女子医大から現在の院長である新村浩明氏を招き、急成長した。年間の手術数は2360件(2015年度)で、首都圏の大学病院よりも多い。12年8月には手術支援ロボット『ダヴィンチ』を東北地方で最初に導入した。手術数は年間に100件を超える。若い医師は多くの経験を積める。首都圏から研修希望者が殺到している。森医師が赴任して立ち上げた血液内科も同様だ。患者は急増中で、最近、無菌病棟を開設した。

投資は医療だけではない。基礎研究室も立ち上げた。主宰するのは加藤茂明氏である。2012年3月、研究不正の責任をとって東大分生研の教授を辞した人物だ。両親が福島県出身という縁で、東日本大震災以降、浜通りで教育・研究支援を続けてきた。対象は、地元の小中学生から若き医師まで幅広い。ときわ会は、加藤氏に活動の拠点を提供したことになる。加藤氏のかつての部下も就職したため、ときわ会の投資は年間数千万円になる。

森医師は、早速、加藤氏の指導のもとで研究を開始した。すでに5つの論文を投稿した。園田氏も英国の医学誌の『ランセット』にレターを発表した。若き医師や看護師がキャリアアップしたければ、研究の実績が欠かせない。ところが、指導できる人物が少ない。民間病院はもちろん、ほとんどの大学病院に加藤教授ランクの指導者はいない。森医師は「加藤先生にはノウハウがある。きめ細かい指導で勉強になる」と言う。これこそが常磐病院に若手を呼び込む理由だ。

ときわ会にも悩みがある。それは、病床が足りないことだ。「医師と看護師はいるけど、入院出来る病床がない」という。なぜ、こんなことが起こるのだろう。それは、わが国では、各病院の病床数は厚労省と都道府県が規定しているからだ。勝手に病床数を増やすことが出来ない。近年、医療費抑制を目指す厚労省は各地の病床数を減らそうとしている。病床を増やそうと思えば、病院間で調整しなければならない。つまり、他の病院から病床を譲り受けなければならない。ところが、これが難しい。

いわき市内は、医師や看護師が不足しているため、多くの病床が余っている。市内で最大の磐城共立病院は、50床が閉鎖されている。2番目に大きい福島労災病院も、30床が閉鎖されている。市民目線で考えれば、このような病床を常磐病院が利用すればいい。ところが、それが難しい。医師会や病院経営者の政治力が強く、行政が調整できないからだ。

この結果、いわき市では多くの患者が遠く離れた郡山市や仙台市の病院を受診しなければならない。地元の救急隊員は「冬場は雪の積もった阿武隈高地を超え、郡山市内の病院まで、約80キロも運ばねばなりません」という。これでは助かる患者も助からない。

この問題を解決するには、いわき市内の医師や看護師を増やすしかない。私の周囲の医師や看護師には「いわきで働きたい」という人が大勢いる。自己実現できるからだ。その際の障壁は「既得権者の利権」だ。いわき市内で知り合った地元の人は「医療界は、提供者の都合でばかり議論する。市民目線は無い」と憤る。これを打ち破れるのは、市民の声しかない。

ところが、このことが住民には伝わっていない。地元メディアが触れないからだ。いわきの医療体制を強化するために、まずやるべきは、市民と正確な情報を共有することだ。そして公で議論することだ。医療を支えるのは健全な民主主義である。



http://www.asahi.com/articles/ASJ8V6GNCJ8VUBQU003.html
大阪大病院、不適切支出2450万円 医師の口座で管理
沢木香織、小河雅臣
2016年8月26日20時18分 朝日新聞

 大阪大学は26日、大阪府や大阪市から支払われた救急医療への協力金など約4340万円を大学付属病院高度救命救急センター(大阪府吹田市)が大学会計に入金せず、医師の個人名義の口座で不適切に管理していたと発表した。大学は、このうち病院関係者への慶弔費などを含む約2450万円について「公的な支出ではなかった」と判断し、返還をセンターに求めているという。

 救急医療体制の強化を目的に救急救命士を対象とした実習をするなどした際に支払われる協力金などを対象に、大学側が2006~16年について調査。同センター長を務める医師の名義の口座に協力金などが入金され、管理されていた。

 また、総合周産期母子医療センター(同)が受託した事業収入計約600万円に関しても、個人の口座で管理する不適切な経理をしていた。いずれも大学側は「個人的な流用は裏付けられなかった」としている。

 八木康史副学長は26日の記者会見で「本来は大学会計と個人口座に区別して管理するべきだった。再発防止に努めたい」と述べた。

 大阪府などからの補助金をめぐっては、今年3月以降、府立急性期・総合医療センター(大阪市住吉区)や府立母子保健総合医療センター(和泉市)、近畿大学医学部付属病院(大阪狭山市)でも裏口座で不適切に管理されていたことが発覚。阪大が内部調査を進めていた。



http://news.biglobe.ne.jp/domestic/0826/san_160826_4333664570.html
阪大病院、4330万円裏金処理 救急センター長個人口座で 懇親費などに
産経新聞8月26日(金)13時18分

 大阪大は26日、運営する医学部付属病院(大阪府吹田市)の高度救命救急センターで、大阪市や大阪府からの事業費約4330万円を医師個人名義の口座に入れ、裏金としてプールしていたと発表した。
 大学によると、救急救命士らを対象とした実習を行った際に市や府から支払われる事業費が、歴代のセンター長名義の口座へプールされていたという。
 プール金の一部は、経費と認定される医学書の購入などに充てられていた。だが、約2455万円は、使途が確認できなかったり懇親会費といった不適切な支出で、大学は25日付でセンターに返還を求めた。
 また、総合周産期母子医療センターでも、医師個人名義の2口座に、助成金計約590万円がプールされていたが、使途に問題はなく、大学は「返還は求めない」としている。
 大阪府内では今年3月以降、府立急性期・総合医療センター(大阪市住吉区)や近畿大学医学部付属病院(大阪狭山市)などで、公金や自治体からの補助金が裏口座にプールされる不適切会計が相次いで発覚。同センターの問題を受け、大阪大は過去10年分について調査していたという。



http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG26H23_W6A820C1CC0000/
処方薬不正販売の疑いで医師ら逮捕
2016/8/26 11:45

 医師の処方箋が必要な医薬品を中国人ブローカーに不正に販売したとして、警視庁組織犯罪対策1課は26日までに、医薬品卸売会社「美健ファーマシー」(東京・千代田)社長、財間英信容疑者(49)=東京都西東京市芝久保町2=ら4人を医薬品医療機器法違反容疑で逮捕した。

 同課は財間容疑者らがブローカーに横流しした医薬品が中国人観光客に転売されたとみている。

 逮捕者は他に、開業医の高山篤容疑者(47)=大田区雪谷大塚町=ら。組対1課によると財間容疑者は容疑を否認し、高山容疑者は認めている。

 同課は、財間容疑者らが昨年9月~今年5月、中国人ブローカーの男(28)=同法違反罪で有罪確定=に医薬品約29万1千点を販売し、約1500万円の不正な利益を得たとみている。

 逮捕容疑は今年4月、処方箋が必要な糖尿病や更年期障害など12種類の医薬品計約7千点を、約47万3千円で中国人ブローカーに販売した疑い。

 組対1課によると、高山容疑者が約110人分の偽のカルテを作成し、美健ファーマシーから医薬品を購入したとする架空の受領書を財間容疑者らに渡した。財間容疑者は利益の一部を高山容疑者らに分配していた。

 同社は製薬会社から仕入れた価格の1.5~2倍で医薬品を中国人ブローカーに販売。ブローカーは中国の短文投稿サイトなどで注文を受け、来日する中国人観光客に転売していた。

 同課は5月、無許可で医薬品を保管したとして中国人ブローカーを逮捕していた。



http://www.sankei.com/region/news/160826/rgn1608260071-n1.html
救急車事故で搬送遅れ 患者死亡、隊員ら処分へ 宮城
2016.8.26 07:01 産経ニュース

 仙台市消防局は25日、出動中の救急車が道路で脱輪し、胸の痛みを訴えて救急車を要請した男性患者の搬送が約16分遅れたと発表した。男性は病院に搬送された翌朝、死亡が確認された。搬送遅れと死亡の因果関係は不明という。

 消防局によると、19日午後10時45分頃、太白区の70代男性が胸の痛みを訴えていると119番通報があった。出動した救急車が丁字路を左折したところ、左後輪が側溝に脱輪。救急隊2人が走って現場に向かい、通報から約10分後に男性患者に酸素投与などの処置を施した。男性が心肺停止状態となった後、別の救急車が到着し、市内の病院に搬送したが、20日早朝、心不全で死亡した。

 搬送先の病院の医師は「男性の過去の病歴を考慮すると救命は困難だった」と話しているという。消防局は「重要な事案と受け止め、隊員やその上司を厳正に処分する方針。再発防止に努める」としている。



http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG26H3Z_W6A820C1CR8000/
医学部新設2年連続で答申 設置審、千葉・成田の特区
2016/8/26 21:10日本経済新聞

 大学設置・学校法人審議会は26日、国家戦略特区に指定された千葉県成田市で、国際医療福祉大(栃木県大田原市)が申請していた医学部の新設を認めるよう、松野博一文部科学相に答申した。

 政府は医学部の新設を抑制していたが、昨年、37年ぶりに東日本大震災からの復興支援として、東北薬科大(現・東北医科薬科大、仙台市)での新設を認可。国際医療福祉大がこれに続いた。

 国際医療福祉大は4週間以上の海外での臨床実習を予定している。設置審は実習の質確保や、実習先をアジア中心から欧米などに広げることなどを留意事項として指摘した。

 設置審は大学4校、短大1校、大学院1校の新設も認めた。学部の新設は国際医療福祉大医学部を含む16大学。新学部は資格を取得できる看護やリハビリテーション系などが目立つ傾向が続いた。

 スポーツを学ぶ学部・学科も多く、文科省の担当者は「2020年の東京五輪・パラリンピックに向けて人材養成を掲げる大学が増えている」と話す。



http://www.asahi.com/articles/ASJ8T5D25J8TUTIL01G.html
特区の成田に医学部 国際医療福祉大に新設認める答申
2016年8月26日19時30分 朝日新聞

 文部科学省の大学設置・学校法人審議会は26日、私立国際医療福祉大の医学部(千葉県成田市)の設置を認めるよう答申した。来年4月に定員140人で開設する。政府は医学部の新設を抑制しているが、国際的に活躍できる医師の養成を目指すとして同市を昨年11月に国家戦略特区に指定し、特例的に認めた。

 同大によると、授業料を安く抑え、多くの授業を英語で行う。2020年には近くに付属病院をつくる。

 審議会はこのほか私立大について4大学の開校と、19大学の定員増を認める答申を出した。定員増のうち大規模大学(収容定員8千人以上)は3大学で、計894人増。すでに認められた3月申請分と合わせ、大規模大の増加幅は計14大学で4760人に上る。文科省が大規模大の定員の規制を強めており、駆け込み申請が相次いだとみられる。

 開学するのは、北海道千歳リハビリテーション大(北海道千歳市)▽岩手保健医療大(盛岡市)▽福井医療大(福井市)▽福岡看護大(福岡市)。


http://www.yomiuri.co.jp/local/chiba/news/20160826-OYTNT50303.html?from=ycont_top_photo
国際医福大・成田医学部 来春新設へ
2016年08月27日 読売新聞

 国際的に活躍できる医師を育てる医学部が2017年4月、成田市公津こうづの杜の国際医療福祉大成田キャンパスに新設される。文部科学省の諮問機関「大学設置・学校法人審議会」が26日、設置を認可するよう松野文科相に答申した。31日付で認可される見通しで、同大は9月に学生の募集を始める。20年春には市内に医学部付属病院の開院も予定されている。一方で県内医師の増加につながるかは不透明だ。

 県内の医学部は、千葉大医学部に次いで2か所目。成田市での医学部新設は、世界最高水準の「国際医療拠点」をつくるため、15年11月、国家戦略特区の枠組みで計画が政府に認められ、文科相が今回、認可する見通し。

 国際医療福祉大の医学部は、京成線公津の杜駅前にある同大の成田看護、成田保健医療の2学部に隣接する形で新設の予定。1学年の定員を140人とし、多くの科目で英語の授業を実施する。6年生は4週間以上の海外臨床実習に参加させる一方、東南アジア出身者を中心に留学生を受け入れ、留学生は1学年20人とする。

 大学設置・学校法人審議会は答申で、▽アジア諸国を中心に調整されている海外臨床の実習先について、欧米諸国を含めた多様な選択肢を提供する▽付属病院の財政面などのリスク管理を強化する――といった留意点を示した。

 国際的に活躍できる医師の育成が掲げられているため、県内の医師不足解消を疑問視する声もある。県医療整備課は「(医師の)キャリアの中、一定程度県内に定着する期待はしている」との立場だ。

 学費は6年間で1850万円。「私立大医学部で最も安く設定した」と大学側は説明している。学生募集の告知は、9月に大学のホームページなどで行う。

 医学部新設に伴い、20年4月の開院に向け、同市畑ヶ田地域に640床規模の「国際医療福祉大学成田病院」を建設する計画も進む。地域の患者を受け入れる方針も示されている。市は病院用地約19万平方メートルのうち約16万平方メートルを確保済みで、残りも取得を進めている。答申を受け、小泉一成・成田市長は「国際医療福祉大と協力し、迅速に事業を進めていきたい」とするコメントを発表した。



http://www.medwatch.jp/?p=10170
消費税負担が診療報酬の上乗せ分を超過した場合、超過分を医療機関に還付すべき―日医
2016年8月26日|医療・介護行政をウォッチ

 社会保険診療などに対する消費税について、現行の制度を前提として「診療報酬への上乗せ分を超過した消費税負担がある場合に、超過分の還付を行う」という措置を講じる必要があり、この措置導入までの間は「青色申告書を提出する医療機関が、医療の質向上などに向けて一定の固定資産を取得した場合に10%の税額控除・即時償却を認める」などの特例を設けるべきである―。

 日本医師会は24日、2017年度の税制改正において次のような要望を行うことを明らかにしました(関連記事はこちら)。

ゼロ税率導入などには高いハードル、2017年度税制改正では「次善の策」を要望

 日医の税制改正要望は多岐に渡りますが、重点要望項目の中で次の点が目を引きます。

(1)次のような消費税対策を行う

▽社会保険診療などに対する消費税について、現行の制度を前提として、診療報酬に上乗せされている仕入税額相当額を上回る仕入消費税額を負担している場合に、超過額の還付が可能な税制上の措置を講ずる

▽上記の措置が施行されるまでの間、青色申告を行う法人・個人が、医療の質・生産性の向上に資する一定の固定資産を取得し医療事業の用に供した場合に、10%の税額控除・即時償却を認め、登録免許税・不動産取得税等の特例措置を創設する

(2)医業承継時の相続税・贈与税制度を次のように改善する

▽持分の定めのある医療法人に係る相続税・贈与税の納税猶予制度を創設する

▽認定医療法人について相続税法第66条第4項の適用を受けないよう必要な措置を講じた上で期限を延長する

▽出資の評価方法の改善

(3)持分あり医療法人が持分なし医療法人に円滑に移行できるよう移行税制を創設し、以下の措置を講ずる

▽移行時において、出資者にみなし配当課税を課さない

▽医療法人に相続税法第66条第4項の規定の適用による贈与税を課さない

(4)社会保険診療報酬に対する事業税非課税を存続する

(5)医療法人の事業税について特別法人としての軽減税率課税を存続する

(6)病院などの医療用機器に係る特別償却制度について、中小企業投資促進税制と同等の措置が受けられるよう、特別控除制度の導入、特別償却率の引き上げ、適用対象となる取得価額の引き下げの措置を講ずるとともに、適用期限を延長する

(7)重点・中小企業投資促進税制の適用期限延長および適用対象を拡充する

(8)医療機関が取得する新規の器具・備品や建物付属設備などの償却資産の投資に係る固定資産税を軽減する

(9)社会保険診療報酬の所得計算の特例措置(いわゆる四段階制)を存続する

 

 このうち(1)の消費税については、診療報酬で特別の上乗せ(消費税が導入された1989年、増税が行われた1997年、2014年に特別のプラス改定を実施)が行われています。しかし、一部の点数項目への上乗せであり、医療機関間で補填状況にバラつきがあります。このため、日医は「補填額<消費税負担額」となっている場合に超過分を還付できるような仕組みを求めているのです。

 なお日医は、本来的には「診療報酬上の対応ではなく、消費税をゼロ%などで課税し、仕入れ税額控除(いわば消費税負担の還付)を認めるべき」と主張してきましたが、実現にはハードルが高いことから「次善の策」として上記の要望を行っているものです。



http://www.nishinippon.co.jp/nnp/kumamoto/article/270197
28診療科、392床に 熊本市民病院再建 [熊本県]
2016年08月27日 00時19分 西日本新聞

 熊本市は26日、熊本地震で損壊し、近隣の国有地に移転新築する市民病院(東区)について、外科や内科、周産期医療などの27診療科、392床とする再建基本計画案を公表した。市役所議会棟で開いた有識者懇談会で示した。市は計画案で示した27診療科に加え、歯科口腔(こうくう)外科の設置も提案し、了承された。懇談会での意見を踏まえて市は9月中に、28診療科での再建基本計画をまとめる方針。

 計画案によると、診療科は外科系、内科系、周産期医療、新設の「救急・総合診療科」などで構成する。病院運営の基本方針に▽市民の生命と健康を守る自治体病院としての役割の発揮▽地域医療を支える公立病院の使命を果たす▽質の高い医療サービスの提供-の三つの柱を掲げた。

 新病院の延べ床面積は3万5千平方メートル程度。1~2階に総合相談や外来、検査部門、3~4階に総合周産期母子医療センターなど高度医療部門、5~6階に病棟を配置する。災害に備えて免震構造とし、井戸や自家発電機なども設ける。

 概算事業費は約234億円で、2018年度内の完成を目指す。



http://www.tonichi.net/news/index.php?id=54938
高校生が医師の仕事体験
豊橋市民病院で1日講座開く

2016/08/27 東日新聞

 医師を志す参考にしてもらおうと豊橋市民病院は24日、高校生を対象に医療現場を体験する1日講座を開いた。昨年に続き2回目。

 時習館6人、桜丘3人、豊丘と愛知教育大附属、菊里(名古屋市)から各1人の計12人が参加。

 院内を見学した後、医師の仕事を人形などを使って体験した。

 時習館高2年の冨田明日香さんは「普段は見ることができないところを見ることができ、とても興味を持てた。手術室では医師の様子を肌で感じることができ、テレビで見るのとは違った臨場感を味わう貴重な体験ができた」と感想を話した。



https://www.m3.com/news/general/453079?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD160826&dcf_doctor=true&mc.l=174205738&eml=3f492a08f1681d66441569ec02c0b51e
人口減、地域サービス低減 消える病院・大学・ハンバーガー店 内閣府報告
2016年8月26日 (金) 朝日新聞

 内閣府は25日、地方経済に関する報告書「地域の経済2016」を発表した。人口減少に伴い日常生活にかかわるサービスを十分に受けられなくなる地域が増える可能性が高く、労働力人口が減って地方の経済力が一層弱まると指摘した。

 今年の報告書は人口減少問題に焦点を当てた。東京、大阪、名古屋の3大都市圏以外の市町村を対象に公共・民間サービスの存続可能性を調査。2040年時点で救急患者を受け入れる病院や有料老人ホーム、大学、ハンバーガー店などがなくなる可能性がある市町村が急増すると指摘した。

 労働人口の減少に伴い、地域での生産力と需要の差を示す「純移出」が赤字になる自治体が年々増えるとも指摘した。赤字の道府県の数は13年度の29から、30年度には38に増えると分析。この赤字は所得税や法人税など自治体の税収に影響するため国からの地方交付税交付金などに依存する自治体が増え、「自治体の自立性が今後、さらに失われるおそれがある」とみている。

 内閣府は、こうした問題を解決するため、IT(情報技術)を活用した行政、医療・介護サービスの環境整備を進めたり、企業の地方進出を後押ししたりする必要があるとしている。



https://www.m3.com/news/general/452535
[病院]公立病院の収支、増減の主因は収益、費用抑制での改善少なく 内閣府
2016年8月24日 (水) 厚生政策情報センター

公立病院改革の経済・財政効果について ―「地方公営企業年鑑」による個票データを用いた分析―(8/16)《内閣府》

今回のポイント
●内閣府は、政策課題分析「公立病院改革の経済・財政効果について」を公表
○◯医業収支の変化に関する主要因は、収益の変化で、費用抑制で改善を果たした病院は相対的に少
◯規模によらず「単価」は収益に対してプラスに寄与し、特に「入院患者の単価」はプラス効果が大
◯「患者数」の変化はいずれの場合もマイナスに寄与


 

 内閣府は8月16日、政策課題分析シリ-ズとして、「公立病院改革の経済・財政効果について」を公表した。近年の総務省等による公立病院改革による経営改善効果を、個別病院の経営データによって検証したもの(p2参照)。

 内閣府は、公立病院が自治体から財政援助を受けながらも慢性的な経営赤字に陥っている病院が少なくないとし、経営改革が喫緊の課題と指摘。このため、経営の効率化や、再編・ネットワーク化、経営形態の見直しなどを推進した「公立病院経営改革プラン」取り組み期間(2007~2013年度)等の個別病院(全632病院)を分析している(p6参照)。

 分析結果によると、医業収支の変化に関する主要因は、収益(医業収益)の変化であって、費用(医業費用)を抑制して経営改善を果たした病院は相対的に少なかった。また、病床の規模別では、大規模病院ほど収益の増加により収支が改善した病院が多く、小規模病院では収益の減少が主に収支悪化を招いている状況を確認した(p4参照)(p52参照)(p54参照)。

 さらに、収益の変化に関し、要因を「単価」と「患者数」の各変化に分けて検証すると、規模によらず「単価」は収益に対してプラスに寄与し、特に「入院患者の単価」はプラス効果が大きかった。他方、「患者数」の変化はいずれの場合もマイナスに寄与しており、特に不採算地区の病院(病床数150床未満、かつ、直近一般病院まで15km以上か人口集中地区以外の病院)では、「患者数」の減少効果が「単価」の上昇効果を上回り、全体の医業収益を減少させていた(p54参照)。

 このため、内閣府は病院の規模や立地条件により大きな差異が認められたと説明。公立病院が採算確保が困難な特殊医療も提供しながら独立採算を目指すために、大中規模病院では、診療単価の上昇による経営改善が多いことから、民間病院や公的病院を意識した合理的かつ意思決定の早い経営が求められていると説明(p4参照)(p55参照)。

 他方、小規模病院では、診療単価の上昇効果が小さく、患者数の減少等により十分な医療供給体制を整えることが困難な可能性があるため、勤務しやすい環境づくりを進めると同時に、再編や統合等も検討が必要としている(p55参照)。

資料1 P1~P56(2.2M)
https://www.m3.com/tools/Document/WIC/pdf/201608_4/2841_1_1_1472009820.pdf



https://www.m3.com/news/general/453232
銚子市立病院念書問題、医師宿舎不正 市議会提出、告発を地検受理
2016年8月26日 (金) 毎日新聞社

 銚子市立病院の医師宿舎を巡って不正な念書が作成された問題で、同市議会は、野平匡邦前市長と市立病院再生機構(精算手続き中)の元職員2人について地方自治法違反(証人出頭拒否)容疑で告発状を千葉地検に提出し4日付で受理されたことを明らかにした。また、野平前市長から告発の正当性などに関する質問が7月に寄せられ、書面で回答したと説明した。

 告発状によると、3人は昨年11月から今年5月、市議会調査特別委員会(百条委)が複数回にわたり出頭要請したにもかかわらず、出頭を拒んだとされる。市議会は5月に3人を告発する議案を賛成多数で可決していた。【近藤卓資】


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8月25日 

https://www.m3.com/news/general/452931
[税制] 2017年度税制改正、医業承継時の相続税等の改善を要望 日本医師会 1
2016年8月26日 (金) 厚生政策情報センター

平成29年度医療に関する税制改正要望について(8/24)《日本医師会》
 日本医師会は8月24日、「2017年度 医療に関する税制要望」を取りまとめ公表した。要望では(1)消費税対策、(2)医業承継時の相続税・贈与税制度の改善、(3)事業税の非課税・軽減税率措置の継続、(4)医療用機器の所得税・法人税特別償却の拡大・延長、(5)病院・診療所用の建物耐用年数の短縮―などを求めている。

 日本医師会は、(1)に関し、社会保険診療などの消費税は診療報酬に上乗せされているため、個別の医療機関の仕入れの違いに対応できないと指摘。特に設備投資を行う医療機関に大きな消費税負担が生じていると主張した。そこで、現行制度を前提に、仕入税額を超える額を負担した場合、超過額を還付(税額控除)する新制度の創設を要求。なお、医療機関に関する控除対象外消費税の制度変更は国民の理解を得ることが難しいため、次善の策と見解を述べている(p9参照)。

 新制度施行までは、医療機関の特に設備投資の負担がより深刻になり、経営の根幹にかかわると指摘。青色申告書を提出する法人・個人が、医療の質や生産性の向上に資する一定の固定資産を取得して医療事業に用いた場合、所得税・法人税の10%税額控除か即時償却を認めるほか、登録免許税・不動産取得税等の特例措置新設を求めた(p11参照)。

 (2)で、医療法人の相続税・贈与税に関して、(i)持分のある医療法人に関する相続税・贈与税の納税猶予制度の創設、(ii)認定医療法人の相続税・贈与税の納税猶予制度の拡充・期限延長(相続税法第66条第4項の適用除外)、(iii)出資評価方法の改善(医療法人の出資評価と配当のない普通法人の株式評価を揃える)―などを要求した(p12参照)。

 他方、個人の相続税・贈与税・所得税に関して、「医業承継資産の課税特例」として、相続や贈与で医業に用いる土地・建物・機械・棚卸資産を取得した場合、たとえば、5年程度の医業継続と資産保有を要件に、課税対象額を5割控除する課税特例制度などの創設を求めた(p13参照)。(次の記事に続きます)

資料1 P1~P26(0.5M)
https://www.m3.com/tools/Document/WIC/pdf/201608_4/2847_1_1_1472126038.pdf



https://www.m3.com/news/general/452932
[税制] 医療機関の設備投資に特別控除や特別償却率優遇求める 日本医師会 2
2016年8月26日 (金) 厚生政策情報センター

平成29年度医療に関する税制改正要望について(8/24)《日本医師会》
 8月24日に日本医師会が公表した「2017年度 医療に関する税制要望」では、(1)消費税対策、(2)医業承継時の相続税・贈与税制度の改善―のほか、(3)事業税の非課税・軽減税率措置の継続、(4)医療用機器の所得税・法人税特別償却の拡大・延長、(5)病院・診療所用の建物耐用年数の短縮―なども求めている。

 (3)では、社会保険診療は公的価格により、国民に医療を提供する公益性の高い事業で様々な制約が課されており、事業税を課すことは不適切として、非課税措置の継続を求めている。他方、医療法人は営利目的の開設が認められず、剰余金配当が禁止されているなど、普通法人と質的に異なると指摘。事業税に関して、特別法人の軽減税率措置を引き続き、存続させるよう要望した(p15参照)。

 (4)では、病院等での医療機器等への設備投資は、国民に対する質の良い医療提供に不可欠であり、手厚く保護されるべきと指摘した。しかし、医療機器等の特別償却制度が、中小企業者等が機械装置等を取得した場合の中小企業投資促進税制に比べて見劣りすると説明。このため、同投資促進税制と同等の所得税・法人税に関する「特別控除制度の導入」、「特別償却率の引き上げ」、「適用対象の取得価額の引き下げ」をした上で、「適用期限の延長」を要求している(p20参照)。

 また、中小企業投資促進税制の適用延長に伴い、要件で中小企業者等に該当する診療所・病院が取得する新たな器具や備品、建物付属設備などの投資の固定資産税軽減も要請。具体的には、器具・備品・ソフトウエアの取得価額要件を30万円以上に拡大するよう求めた(p23参照)。

 このほか、(5)では、所得税・法人税に関して、医学や医療技術の急速な進歩に応じて機能の陳腐化が著しいといわれる病院・診療所用の建物の耐用年数の短縮を求めた(p22参照)。

資料1 P1~P26(0.5M)



https://www.m3.com/news/general/452860
医療機関の現場体感 医学・看護学生がサマーセミナー
2016年8月25日 (木) 山陰中央新報

 鳥取県内外の医学・看護学生約100人を対象にしたサマーセミナーが18日から、県内28カ所の医療機関で実施されている。22日は米子市西町の鳥取大医学部付属病院で12人の看護学生が参加し、病棟での看護体験や救命救急センターなどを見学して意識を高めた。

 県と鳥取大医学部が主催。地域医療への関心を高め、医療人の県内就職を促すことを目的に、医学生向けが2006年度、看護学生向けが07年度に始まった。基幹病院から、訪問看護ステーションまであり、参加者の進路に沿った先で研修できる。

 鳥取大病院では、医学生2人、看護学生22人を受け入れる。22日は、看護学生が、同病院で働く看護師と一緒に患者の身の回りの世話をし、退院時、安心して退院できるよう助言する入退院センターなどを見学。救命救急センターでは、看護師から「何がどこにあるかすぐに出せる訓練をしている」と同センターで働く心構えを聞いた。

 大阪府内の看護専門学校3年の板井咲菜さん(20)=米子市出身=は「ドクターカーも見学でき、貴重な体験ができた」と話した。



https://www.m3.com/news/general/452863
地域医療 現場で学ぶ 宮大医学生ら臨床実習 宮崎市など
2016年8月25日 (木) 宮崎日日新聞

 医学生にへき地公立病院などの現状に触れてもらい、地域医療を支える医師の育成を狙う「地域医療ガイダンス」(県主催)は24日、宮崎市や椎葉村など県内19医療機関で始まった。宮崎大や自治医科大、長崎大の1~4年生37人が参加し、3日間の日程で臨床実習や訪問看護などを体験する。

 宮崎市立田野病院で行われる実習には、自治医科大3年の荒川大輝さん(21)=宮崎市出身=が参加。指導医の説明を受けながら、診察に立ち会ったり、エックス線を用いた嚥下(えんげ)機能検査の見学をしたりした。

 荒川さんは「参加は今年で3回目。今回は家族に対する病状や治療方針の説明など、座学では学べない場面に立ち会えてよかった」と話していた。

 県福祉保健部によると、本県の人口10万人当たりの医師数(2014年)は245・1人で全国平均244・9人を上回る。一方で、七つの二次医療圏別では宮崎東諸県医療圏に医師の55・6%が集中し、ほかの6医療圏では全国平均を下回っているという。



https://www.m3.com/news/iryoishin/452536
「医局人事で泣くのは医局長」、医科歯科大センター長が説明
医学部4年時には半年間の研究実習

2016年8月25日 (木) 高橋直純(m3.com編集部)

 東京医科医歯科大学の高橋誠・医学部附属病院総合教育研修センター長は8月23日に開催した記者懇談会で、「『医局』とは」と題して、同大整形外科を中心とした医局の現状を説明した。

 高橋氏は医局人事について、かつては「上から順に人事を決め、『余った』病院に若手が、たとえ泣いたとしても、派遣される」というものだったが、現在は「専門医を取得し、独り立ちができると思うといなくなってしまう。泣くのは医局長」と説明。高橋氏が所属している医科歯科大整形外科教室では、教室員による互選で運営員を決め、「効果的な教育・研究のための人事」を協議することになっており、「教授の意向も反映されるが一方的なものではない」という。また、関連病院に医師を派遣する際、育児介護など時短、当直免除など条件のもとで常勤医として勤務する「B枠」という別枠人事を用意している。

 「『大学医局』による専門医の育成と活用」のメリットでは、専門研修プログラム制では病院群による多彩な研修環境を提供することや指導医の質を担保できること。医師派遣を通じて専門医の地域調整機能を果たせると説明した。また、医局が出産、介護、留学などのライフイベントもバックアップできるとした。

 秋田恵一・医学科教育委員会委員長は同大の医学部カリキュラムの特徴を説明。4年時にプロジェクトセメスターと呼ぶ半年(夏休みの1カ月を含む)に渡って他の授業がない「研究実践プログラム」を組み込んでいる。期間中は毎日、所属する研究室に通って、自身のテーマで研究を行う。4年生の最後にはCBTがあるが、同大では特別に対策を取る必要がないからできるとし、「私立大では難しいだろう」と述べた。秋田氏は「研究体験が自ら学ぶ姿勢を培う」と意義を強調した。

 高田和生・副理事(教育担当)は「グローバル教育」の状況を報告。2004年から米ハーバード大に毎年4-10人を派遣しており、2016年度までに101人に上った。派遣前には7カ月の実践的トレーニングを与えているとし、現地医学部生と同じ基準で付けられた成績でも、High Honorが12%、Honorが50%、Satisfactoryが36%、Unsatisfactoryが1%だったという。世界保健機構(WHO)では、日本の資金拠出額は米国に次ぐ2番目である一方、人材では7番目であるとし、「これからの医療系大学は、世界規模での医療・医学水準向上のために、中心となり、イノベーションを起こす、リーダー、フロントランナーを養成していく必要がある」と述べた。



http://www.nikkei.com/article/DGXLASFB23H4E_U6A820C1L01000/
宮城県、医師に奨励金 被災地の医療維持へ
2016/8/25 7:00日本経済新聞 電子版

 宮城県は東日本大震災で被害を受けた沿岸部など郊外の医師不足を解消するため、資金支援に乗り出した。特に不足が深刻な産婦人科や小児科の医師が県外から来て働く場合に奨励金を交付し、東北医科薬科大(仙台市)の学生には県内勤務を前提に修学資金を提供する。内陸部に避難した人が医療面への不安で被災地に帰りにくくなるような事態を防ぐ狙いだ。

 宮城県外から移り住んで仙台市以外の自治体病院などで働く産婦人科、産科、小児科の医師に1人あたり最大3年間で300万円を支給する制度を設けた。まず9人分の予算を確保し、被災地の復興を医療面で手助けする意思を持つ医師を全国から募る。仙台市内には十分な人数の医師がいるため、対象から外す。

 さらに被災地を離れて内陸部で一時的に住む人には「近くにしっかりした病院がないと故郷に帰りにくい」という意見もある。特に若い夫婦にとっては産婦人科や小児科の医療体制が重要なため、重点的に募集する。

 東北医科薬科大の学生への修学資金は毎年30人を選んで1人あたり年間500万円、計3000万円を貸し付ける。県によれば同大の学費は計3400万円で、結果的に国公立大並みの学費負担で学べるという。

 卒業後に県が指定する宮城県内の自治体病院で10年働けば返還を免除する。産婦人科や小児科は義務を8年間に短縮し、県内での勤務を促す。

 宮城県内では医師の偏在が鮮明になっている。人口10万人あたりの医師数を宮城県全体でみると232人で全国平均(244人)とほぼ同じだが、この背景には仙台市への一極集中がある。

 同市には10万人あたり330人の医師がいる一方で、津波の被害が大きかった気仙沼地域では124人と全国平均の半分しか存在しない。県外から医師を呼び込み、バランスの是正につなげる。



https://news.nifty.com/article/domestic/society/12159-0826m040038/
在宅療養:3割が空白地域 「自宅で最期」基盤整わず
2016年08月25日 20時05分 毎日新聞

 全国の自治体のうち3割に当たる552市町村では、昨年3月末現在、病気や高齢のため自宅で過ごす患者を医師らが訪問して治療する「在宅療養支援診療所」がないことが厚生労働省の集計で分かった。国の調査では、国民の半数以上は「自宅で最期を迎えたい」と考えているが、在宅療養を支える基盤が整っていない現状が浮かび上がった。

 自宅で亡くなる人の割合に自治体間で大きな差があることが判明しており、こうした医療提供体制のばらつきが一因とみられる。在宅療養支援診療所は24時間往診できることなどが要件で、全国に1万4320カ所ある。一般診療所は全国に約10万カ所あり、在宅療養支援診療所の割合は低い。

 在宅療養支援診療所のない自治体の9割は町村部で、近隣市の診療所がカバーしている可能性もあるが、市部でも55市になかった。北海道と東北で552市町村の半数あまりを占めた。厚労省の担当者は「北海道、東北は積雪や山間部が多いなど気候や地理的要因から在宅医療があまり普及していない。西日本は病院を含め医療資源が多い」と説明する。

 みとりの取り組みについては、在宅療養支援診療所の中でも濃淡があり、4割程度は年間に1件もみとりを実施していないとみられる。患者が最期まで住み慣れた場所で暮らせるよう、厚労省は「在宅みとり」を広げたい考えだ。



http://www.nikkei.com/article/DGKKZO06480460V20C16A8CC0000/
手術後の女性にわいせつの疑い 警視庁、医師を逮捕
2016/8/25付日本経済新聞 夕刊

 手術後で麻酔が残る女性患者にわいせつな行為をしたとして、警視庁千住署は25日、柳原病院(東京都足立区)の非常勤外科医、●●容疑者(40)=文京区●●●=を準強制わいせつ容疑で逮捕した。同署によると、関根容疑者は「やっていない」と容疑を否認している。

 逮捕容疑は5月10日、30代の女性会社員を手術した後、全身麻酔の影響で身動きが取れないことにつけ込み、病室で診察を装ってわいせつな行為をした疑い。女性から相談を受けた会社の上司が同署に通報した。

G3註:実名報道だが、この状況では通常の術後診察のようにみえ、わいせつとしての信憑性が低いので伏せ字とした。報道は名誉毀損の疑いを感じる



http://www.sankei.com/affairs/news/160825/afr1608250014-n1.html
手術後の麻酔が残る30代女性にわいせつ疑い 東京の40歳外科医の男を逮捕「私、やっていません」
2016.8.25 12:22 産経ニュース

 手術後の麻酔から覚めたばかりの女性患者の胸を触るなどしたとして、警視庁千住署は25日、準強制わいせつの疑いで、東京都文京区●●●、医師、●●容疑者(40)を逮捕した。「やっていません」と容疑を否認している。

 逮捕容疑は、5月10日午後3時ごろ、足立区の病院で、手術後の診察と称して30代の女性患者の胸を触るなどわいせつな行為をしたとしている。

 同署によると、●●容疑者は外科医で、同病院には非常勤で勤務。女性は当時、全身麻酔で胸のしこりを取る手術を終えたばかりで、意識はあるが身動きがとれない状態だった。女性から連絡を受けた会社の上司が110番し、その後、女性が被害届を出していた。

 執刀したのは●●容疑者で、傷口の確認のためなどとして女性の服をはだけるなどしていたという。

G3註:実名報道だが、この状況では通常の術後診察のようにみえ、わいせつとしての信憑性が低いので伏せ字とした。報道は名誉毀損の疑いを感じる



http://www.townnews.co.jp/0306/2016/08/25/345257.html
医師の仕事に挑戦 社会
日医大で職業体験

2016年8月25日号 タウンニュース 多摩版

 南多摩地域の基幹病院としてその役割を担っている日本医科大学多摩永山病院(吉田寛院長)。その同院で8月6日、小学5・6年生を対象にした「ブラックジャックセミナー」が開催され、32人の児童たちが医師の仕事を体験した。

 同院では、3年前から「人の命」を救う医師の仕事に触れ、医療への関心を高めてもらうと同時に、将来医師を目指してもらうきっかけづくりにと同セミナーを開催。今回で4回目。

 当日は、実際に手術で用いる超音波メスや内視鏡を使って鶏肉の切り分けや、ビーズを取り分ける体験の他、エコーや専用キットを使った縫合体験、シミュレーターを使った胆嚢の摘出手術に挑戦した。

 参加した児童たちは「超音波メスの体験が楽しかった」「色々な縫い方があって楽しかった。将来医師になるのもいいかなと思った」と感想を話した。同院の牧野浩司外科部長は「今年も多くの子どもたちに参加してもらえた。地域に根差した病院を志す当院にとってこの取り組みは意義のあるもの。将来外科医を志す子どもたちが出てくれたら嬉しい」と振り返った。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/49463.html
オプジーボ、期中改定に四病協が慎重論- 日病会長「まず最適使用の推進を」
2016年08月24日 23時00分 キャリアブレイン

 市場規模が大幅に拡大した抗がん剤「オプジーボ」への対策について、四病院団体協議会(四病協)は24日の総合部会で議論し、通常2年ごとの薬価改定を待たずに価格を下げる「期中改定」の実施に慎重な姿勢でおおむね一致した。部会終了後に記者会見した日本病院会の堺常雄会長は、まずは医療機関側に、そうした薬剤の適切な使用を促すべきだと指摘した。【佐藤貴彦】

 オプジーボをめぐっては、医療保険が適用される患者の疾患が増えたことで、市場規模が大幅に拡大。医療費が膨れ、国の財政を圧迫しかねないことから、何らかの対応が検討されている。その一つが期中改定だが、対応について議論する中央社会保険医療協議会の委員の中でも賛否が分かれている。

 会見で堺会長は、「薬価を下げるのは一見良さそうだが、なかなか厳しいというのが(四病協の)意見だ」と述べた。理由の一つは今後の薬価改定への影響で、改定のペースが年1回に速まる懸念があるとした。

 また、薬価を引き下げた分の財源の所在が分かりづらくなる点も問題視。医療界は、薬価を下げた分を医師の技術料などに充当すべきだと主張しているが、期中改定でオプジーボの薬価だけを下げると、技術料に充当しない取り扱いが、今後の改定の前提とされる恐れがあると指摘した。

 その上で、厚生労働省が現在、作用機序が新しい革新的な薬剤の最適な使用を進めるため、ガイドラインを示していく方針であることに言及。そのガイドラインを医療保険のルールなどに反映させる方法はまだ決まっていないが、堺会長は「四病協として、最適使用を(ガイドラインで)推し進めて、効果がかなり出るのではないかという希望的観測を持っている」と述べた。



http://mainichi.jp/articles/20160826/k00/00m/040/038000c
在宅療養
3割が空白地域 「自宅で最期」基盤整わず

毎日新聞2016年8月25日 20時05分(最終更新 8月25日 21時14分)

 全国の自治体のうち3割に当たる552市町村では、昨年3月末現在、病気や高齢のため自宅で過ごす患者を医師らが訪問して治療する「在宅療養支援診療所」がないことが厚生労働省の集計で分かった。国の調査では、国民の半数以上は「自宅で最期を迎えたい」と考えているが、在宅療養を支える基盤が整っていない現状が浮かび上がった。

 自宅で亡くなる人の割合に自治体間で大きな差があることが判明しており、こうした医療提供体制のばらつきが一因とみられる。在宅療養支援診療所は24時間往診できることなどが要件で、全国に1万4320カ所ある。一般診療所は全国に約10万カ所あり、在宅療養支援診療所の割合は低い。

 在宅療養支援診療所のない自治体の9割は町村部で、近隣市の診療所がカバーしている可能性もあるが、市部でも55市になかった。北海道と東北で552市町村の半数あまりを占めた。厚労省の担当者は「北海道、東北は積雪や山間部が多いなど気候や地理的要因から在宅医療があまり普及していない。西日本は病院を含め医療資源が多い」と説明する。

 みとりの取り組みについては、在宅療養支援診療所の中でも濃淡があり、4割程度は年間に1件もみとりを実施していないとみられる。患者が最期まで住み慣れた場所で暮らせるよう、厚労省は「在宅みとり」を広げたい考えだ。



https://medical-tribune.co.jp/news/2016/0825504525/
医療政策、「全体を束ねるポジション必要」〔CBnews〕
塩崎厚労相

CBnews | 2016.08.25 12:37

 塩崎恭久厚生労働相は24日の閣議後の記者会見で、保健医療政策について、「全体を束ねることができるポジションがあるべき」とし、医療政策を統括する役割を担う役職の創設を検討していることを明らかにした。

 厚労省の「保健医療2035」策定懇談会が昨年6月に取りまとめた提言書では、保健医療政策について首相や厚労相に対して総合的なアドバイスをする「保健医療補佐官」(チーフ・メディカル・オフィサー)の創設が盛り込まれた。具体的には、「技術的、公衆衛生的な専門性・中立性を担保しつつ、大臣などをサポートする」としており、検討されている新たなポジションも、こうした役割を担うことが想定される。

 会見で塩崎厚労相は、保健医療政策について、「(現在は)部局横断的にばらばらに担当が決まっているが、束ねることが期待される」と指摘。また、「グローバル・ヘルスの問題について、一元的にきちんと見る所がなければいけない」とし、保健医療政策の司令塔役を担う役職の必要性を強調した。その役割を担う人物については、「(厚労省の)中の人で、医療の知識をしっかりと持っている人を想定している」と述べた。

(松村秀士・CBnews)



http://mainichi.jp/articles/20160825/ddl/k45/040/244000c
日向市
医師不足の東郷病院 常勤内科医を内定 /宮崎

毎日新聞2016年8月25日 地方版

 日向市は、現在常勤の外科医1人と外部医療機関から派遣する非常勤医で週1日のみ内科の外来診療にあたってきた市立東郷病院に、10月第2週から勤務する常勤内科医1人の採用を内定したと発表した。

 同院は、昨年まで院長ら常勤医3人の診療体制だったが、昨年相次いで2人が退職したため、同年8月から民間病院からの派遣医師で週1日の午後のみの外来に切り替えた。今年3月には院長が定年退職し、その後は同4月に着任した外科医1人と非常勤医師で診療を維持してきた。

 内定の常勤医は現在兵庫県在住で、市の医師募集に応募し採用された。市は民間の派遣体制などは今後協議すると説明。新任医師は小児科診療も可能で、市は病院の診療科目に小児科を加えるため9月定例議会で条例改正を提案する。新任医師の氏名などは着任時まで公表しないとしている。【荒木勲】



https://www.m3.com/news/general/452874?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD160825&dcf_doctor=true&mc.l=174116764&eml=3f492a08f1681d66441569ec02c0b51e
国の補助金を目的外使用か 鳥取大医学部
2016年8月25日 (木) 共同通信社

 鳥取大医学部(鳥取県米子市)が、文部科学省と厚生労働省から交付された補助金を目的外使用した疑いがあることが25日、両省への取材で分かった。対象事業への補助金は計約3億円で、調査結果次第では両省が返還を請求する可能性もある。

 鳥取大は内部通報を受けて7月に調査委員会を設置。鳥取大総務企画部は「現在は『調査中』以上のことは申し上げられない」としている。

 文科省は2013~16年度に「未来医療研究人材養成拠点形成事業」として約2億4千万円を交付。厚労省は14~16年度に「医療機器開発推進研究事業」として約6千万円を交付した。

 文科省は25日、医学部に対する調査を実施し、目的外使用の有無について調べた。一方、厚労省には補助金で雇用された職員が医療機器の開発に関わっていないとする情報提供があり、大学に調査を要請しているという。



https://www.m3.com/news/iryoishin/451360
シリーズ: 真価問われる専門医改革
「大病院と中小病院」の偏在にも留意 - 尾身茂・JCHO理事長に聞く◆Vol.2
専門医とサブスペシャルティの「医師像」の議論必要

2016年8月25日 (木) 聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――7月20日の日本専門医機構の検討会で提案した、専門医制度に関する「基本的な考え」の(2)として、医師の「地理的偏在」の解消を挙げています。

 これは専門研修後の話です。診療科の偏在については、「研修枠」の考えで徐々に改善されます。しかし、専門研修を終えた医師が、どの地域で働くか、つまり「地理的偏在」については、専門医制度の議論の”枠外”の話であり、別途議論する必要があります。

――医師の地域偏在は、専門医制度だけで解決できる問題ではない。

 その通りです。既に幾つかの場で議論が始まっています(『「医師の目標値」、地域別に医療計画で設定へ』などを参照)。

――「基本的な考え」の(3)の中で、専門医とは何かにも触れており、「専門研修では、各診療科における標準的な医師の養成が求められている。各診療領域ではさらに細分化された高度な専門教育(サブスペシャルティ)が予定されていることを考えれば、専門研修には、地域の中小医療機関も積極的に参加することが求められる」とまとめています。

 厚労省の「専門医の在り方に関する検討会」の2013年4月の報告書にも書いてある通り、専門医は、「スーパードクター」ではなく、各診療領域の標準的な医療ができる医師、基本的な診断と治療、コミュニケーションの技術などを持った医師だと定義しています。

 医学部6年間の医学教育では、医療人としての基本的な知識や考え方の基礎を学ぶ。卒後2年間の臨床研修は、医師としてのベーシックな知識を学び、経験を積む場。専門研修は、領域別の専門的な医療の基礎を学ぶ場であり、その上にサブスペシャルティの専門医養成のための研修があるわけです。

 外科領域を例に挙げると、膵臓がんなどは、ベッド数100~200床程度の地方の一般病院で、日常的に行う手術ではありません。それを担うのが、サブスペシャルティの専門医が常駐する大病院。一方、外科領域の基礎にある胆石やヘルニアの手術などは、大病院ではなく、一般病院で日常的に行う手術です。基本領域の専門研修が、「大学病院や高次機能病院でしかできない」などとなったら、「一般病院は標準的な医療を実施していないのか、学べないのか。そんなところに日本の医療を任せていたのか」という議論にもなりかねません。

――言い換えれば、一般病院の各診療科で「標準的な医療」を担える医師の養成が目的であり、専門研修の場は、大学病院ではなく、一般病院を中心にすべきということですか。大学病院で行う医療は、サブスペシャルティの研修で学ぶべきだと。

 その辺りの線引きをどうするかについて、関係者の間で「綱引き」があり、今回の新専門医制度をめぐる混乱につながったのだと思います。

――ただ、「標準的な医療」と言っても、診療科によって、また医師によってもイメージするものが異なると想定されるため、その「基本的な考え」を整理することも必要。

 はい。この辺りを整理すれば、基幹病院と連携病院がどのように役割分担をし、連携するか、その在り方も決まってくると思います。先ほど説明した「医師の地理的偏在」には、「都会と地方」だけでなく、「大病院と中小病院」という偏在もあり、「症例数」「指導医数」などだけで研修施設のハードルを高くし過ぎると、今でさえ、医師不足で困っている中小病院がさらに厳しい状況に立たされます。

 もちろん、診療科によってもその研修の在り方は異なってきます。それは大事ですが、「横串」を刺した議論も必要です。各科だけの考えで決めていたのでは、関係者間の”綱引き“が続くことになりかねません。

――そして「基本的な考え」の4番目が、「根拠に基づく意思決定」。

 これからの制度設計に関する意思決定では、(1)可能な限り、早急に専門医に関連するデータベースを整理・強化し、エビデンスを基に行う、(2)わが国の医療が、基本的には国民の支払う保険料、税金で賄われていることを考えれば、プロフェッショナルフリーダムを尊重すると同時に、地域や社会のニーズにも応える――の2点が重要です。

――日本専門医機構は7月20日の理事会で、「将来のわが国の人口構成や疾病構造などを勘案して、あるべき専門医の姿を検討する場を設ける」ことを決定しました(『新専門医制度、全19領域とも「1年延期」へ』を参照)。医療計画などの見直しが進む中で、専門医の問題に限らず、総合的に議論することが必要になりますか(『「医師の目標値」、地域別に医療計画で設定へ』を参照)。その場はどこに置くのがふさわしいでしょうか。

 はい、日本専門医機構の内部の議論とは別に並行して、「新たな検討の場」として、機構や学会だけでなく、中立的な第三者による議論が必要だと考えています。議論の中身も透明化し、エビデンスに基づく意思決定がなされれば、専門医制度に対する国民、医療界からの信頼が増すでしょう。

  1. 2016/08/26(金) 05:25:11|
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8月24日 

http://www.cabrain.net/news/article/newsId/49456.html
日医「地域医療構想は病床削減目的でない」- 策定状況受け、徹底求める
2016年08月24日 20時00分 キャリアブレイン

 日本医師会(日医)は24日、都道府県が策定中の、2025年の医療需要と病床の必要量や目指すべき医療提供体制を実現するための施策などを盛り込んだ地域医療構想の策定状況を調査した結果を公表した。この中で、「策定済み」もしくは、「案または素案を策定済み」の33都府県のうちの4割弱にしか、「地域医療構想は病床削減のためではない」との記述がなかったことを受け、改めて地域医療構想の目的が病床削減ではないことを徹底するよう求めた。【君塚靖】

 日医が23日現在の47都道府県の公開情報をまとめたところ、地域医療構想を「策定済み」が19、「案または素案策定済み」が14、「骨子案または途中経過公表中」が6、「未公表」が8だった。このうち、「策定済み」と「案または素案策定済み」の33都府県の地域医療構想を見ると、「(目的が)病床削減のものではない」という記述があったのが12(36.4%)で、記述がなかったのが21(63.6%)だった。

 24日の記者会見で、日医の横倉義武会長は調査結果を受けて、「地域医療構想への日医の基本的なスタンスについては、病床削減につながるものであってはならないと何度も話してきた。それぞれの地域の実情を反映したもので、必要な病床機能の整理をするものだ。各地域で策定が進められているが、この調査の分析結果を参考にしてほしい」と述べた。

 このほか、策定状況の調査では、施策の方向性についても調べており、「かかりつけ医」について記述があったのが、33都府県のうちの21(63.6%)で、特に記述がなかったのが12(36.4%)だった。記述していた例として、千葉県の「日頃の健康管理から医療機関の紹介、在宅療養の支援等を担うかかりつけ医を中心とした在宅医療提供体制の整備を図ります」や、群馬県の「かかりつけ医の認知症対応力の向上や認知症サポート医等の養成を支援します」などを紹介している。

 また、在宅医療に関しては、青森県の「医療資源が十分でない地域では、自宅での在宅医療の提供に限らない、へき地等医療対策も含めた介護施設等での対応を検討します」や、香川県の「県下一律ではなく、地域の実情に応じて、在宅医療を行う医療機関の確保や、在宅療養を支える施設間の連携体制の支援に取り組みます」などの記述があった。



https://www.m3.com/news/iryoishin/452611
日医、地域医療構想の「記述」に注文
策定済みの都道府県は4割にとどまる

2016年8月24日 (水) 高橋直純(m3.com編集部)

 日本医師会の釜萢敏常任理事は8月24日の定例記者会見で、日本医師会総合政策研究機構がまとめた「地域医療構想の策定状況(2016年夏)」を説明した。(資料は、日医のホームページ)。地域医療構想の意義などについての記述が足りない県があるとして、「今からでも、日医の調査結果を参考にしてほしい」と訴えた。

 地域医療構想は都道府県医療計画の一部として策定され、法律上は2018年3月までに策定することになっており、厚生労働省は2016年度半ばまでに策定することが望ましいとしている。策定状況では8月23日時点で「策定済」が19(40%)、「案または素案策定済」が14(30%)、「骨子案または途中経過公表中」が6(13%)、未公表が8(17%)だった。

 記述内容では「地域医療構想は病床削減のためのものではない」という記述の有無で検証したところ、「ある」が12(36.4%)、「ない」が21(63.6%)だった。「地域医療構想と病床機能報告を比較できない」という記述では、「詳しい記述がある」が9(27.3%)、「記述がある」(除く「詳しい記述」)が12(36.4%)、「記述がない」が12(36.4%)、かかりつけ医については「ある」が21(63.6%)、「ない」が12(36.4%)だった。日医が重視するこれらの点の記述がなかった都道府県があったことについて、中川俊男副会長は「もっとあって欲しかった。これからでも追記してほしい」と話した。

 今村定臣常任理事は2017年度の予算編成が本格することを受けて、「医療に関する税制要望」を紹介した。17項目で、そのうち12項目が重要事項の位置付け。消費税については、現行制度が前提の場合は「診療報酬に上乗せされている仕入税額相当額を上回る仕入消費税額を負担している場合に、その超過額の還付が可能な税制上の措置」などを求めた。



https://medical-tribune.co.jp/news/2016/0824504514/
新薬使用、指針作り体制強化...厚労省、所管組織増員へ〔読売新聞〕
yomiDr. | 2016.08.24 15:30
(2016年8月24日 読売新聞)

 高額な新薬の相次ぐ登場を受け、適正使用の指針作りのため、厚生労働省は同省所管の「医薬品医療機器総合機構」の人員を増強する方針を固めた。

 新薬の使用に適した患者の条件などを専門職員が分析し、指針にまとめる体制を組む。2017年度予算の概算要求に数億円を盛り込む。

 厚労省は、従来にない効果を発揮する新薬ごとに、遺伝子の特徴から効果が見込めるなど対象とすべき患者の条件や、新薬を適切に使える実績豊富な医師や病院の条件などを示す指針「最適使用推進ガイドライン」を策定する。

 指針作りのため、厚労省は同機構に20人強の職員を配置する方針。がんや生活習慣病など専門の学会の医師らとともに臨床試験(治験)のデータを分析し、薬の販売前に指針を公表する。販売後も効果に関するデータを調べ、必要に応じて指針を改定する。画期的な新薬などの審査も担う。

 昨年肺がん治療薬として保険適用となったオプジーボは、患者1人あたり年3500万円程度の費用がかかり、医療保険財政を圧迫すると懸念されている。厚労省は今年度にオプジーボに対する指針を作るが、今後も高額な薬の増加が想定されており、同機構の増員が必要と判断した。同機構では16年4月現在873人が働いている。



http://www.medwatch.jp/?p=10146
超高額薬剤オプジーボの「緊急的な薬価引き下げ」を厚労省が提案、ただし慎重意見も―中医協・薬価専門部会
2016年8月24日|医療・介護行政をウォッチ

 オプジーボに代表される超高額薬剤の薬価について、厚生労働省は、24日に開催した中央社会保険医療協議会・薬価専門部会に、「2015年10-16年3月に効能追加などが行われた既収載医薬品で、2016年度の市場規模が当初予測の10倍を超え、かつ1000億円を超えるものについて、既存の再算定ルールを基本に緊急的に見直す(引き下げる)こととしてはどうか」という提案を行いました。

 ただし期中の薬価改定に否定的な見解もあり、今後、製薬メーカーなどの意見も聴取し、さらにこのテーマについて議論が重ねられます(関連記事はこちらとこちら)。

ここがポイント! 
1 超高額薬剤の薬価、抜本的な見直し論議と合わせて、オプジーボの緊急引き下げを検討
2 ルールにない緊急薬価引き下げ、「看過できない特別な状況」があるオプジーボが対象
3 オプジーボなどの最適使用GL、医療保険上の「留意事項通知」に記載
4 超高額薬剤の薬価、次期改定に向けて「経済性の観点」も加味して検討
5 メーカーサイドは「画期的な医薬品が悪者扱いされるのは残念」とコメント
6 2018年度改定に向け、「原価計算方式」のあり方を抜本的に見直すべきとの見解も


超高額薬剤の薬価、抜本的な見直し論議と合わせて、オプジーボの緊急引き下げを検討

 画期的な抗がん剤であるオプジーボなど超高額な医薬品の薬価収載(保険収載)が相次いでおり、これが医療費を押し上げています(関連記事はこちら)。

 また、オプジーボについては、当初、希少がんである「根治切除不能な悪性黒色腫」(推定対象患者は470人)の治療薬として超高額な薬価(100mgで72万9849円)が設定されましたが、その後、「切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」(推定対象患者は5万人)へ適応が拡大されたものの薬価は据え置かれました。

 こうした状況を勘案し、中医協では「超高額医薬品の薬価のあり方」に関する議論が行われています。7月27日に開かれた中医協総会では、▽薬価制度全般について抜本的な見直しを検討する(2018年度改定以降)▽当面、「オプジーボに対する特例的な対応」と「最適使用推進ガイドラインの医療保険制度上の取り扱い」の2点を検討する―方針が固められました。

 これを受け、今般の薬価専門部会に厚労省は次のような提案を行いました。

(1)効能追加などで大幅に市場が拡大する薬剤について、緊急的に対応することが必要であり、「2015年10月-16年3月に効能追加などがなされた薬剤(それ以前の効能追加であれば、2016年度の薬価改定で再算定、つまり薬価の引き下げが行われており、これに間に合わなかったもの)で、2016年度の市場規模が当初予測の10倍を超え、1000億円を超えるもの(突出して市場規模が拡大しているもの)」について、既存の再算定ルールを基本として対応する

(2)最適使用推進ガイドラインを踏まえた内容を、留意事項通知に記載する


ルールにない緊急薬価引き下げ、「看過できない特別な状況」があるオプジーボが対象

 (1)の緊急的な対応は、「現在ルール化されていない薬価の引き下げを行う(しかも薬価調査(市場調査)を行わない)」ものです。このため対象品目は限定する必要があり、厚労省は「看過できない特別な状況があるかないか」という視点に立って、上記(1)の限定案を提示しています。この限定案に沿うと、事実上、「オプジーボ」1製品のみが対象となる見込みです(関連記事はこちら)。

 この点、支払側の吉森俊和委員(全国健康保険協会理事)や幸野庄司委員(健康保険組合連合会理事)は、オプジーボ以外にも「2015年10月-16年3月に効能追加などがなされた薬剤はあり、それらの市場規模を確認してから、『10倍超』『1000億円超』という基準を議論すべき」との考えも示しています。
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2015年10月-2016年3月に効能追加などがあった医薬品については、2016年度の薬価改定における再算定(薬価引き下げ)の対象となっておらず、従前の高い薬価が維持されている(通常ルールでは2018年度の薬価改定で再算定が行われる)

 一方、診療側の中川俊男委員(日本医師会副会長)は、「期中改定ありきで議論を進めるべきではない」とし、緊急的な薬価引き下げには否定的な考えを改めて示しています。

 また、仮に薬価引き下げを行うとして、既存のルールとして ▽市場拡大再算定(予測をはるかに超えた売上がある場合の引き下げ) ▽巨額再算定(特例の市場拡大再算定、年間売上1000億円超など極めて市場規模が大きい場合の引き下げ) ▽用法用量変化再算定(主たる効能・効果における用法などが変化した場合の薬価見直し) ▽効能変化再算定(効能が追加された場合、類似薬の薬価に合わせた薬価を引き下げ)―などがあります。ただし、オプジーボでは主たる効能・効果(非小細胞肺がん)における用法・用量の変更はなく、また類似薬もないため、市場拡大再算定などをベースとした薬価引き下げ手法を検討していくことになりそうです。
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市場拡大再算定(向かって左)と市場拡大再算定の特例(巨額再算定、向かって右)の制度概要、いずれも当初予測を大きく上回って販売され、売上が一定額以上となった場合に薬価を一定程度引き下げる仕組みである

 厚労省は9月にも製薬メーカー側の意見を聴取する考えで、ここで出された意見なども踏まえて、緊急的な薬価引き下げを行うべきか議論を詰め、10月に「緊急的な対応案」(行うべきか否かも含めて)を提示する考えです。ただし実際に薬価が見直されるのは、医療現場の混乱なども避けるために、早くても2016年4月以降となる見込みです。


オプジーボなどの最適使用GL、医療保険上の「留意事項通知」に記載

 (2)の最適使用ガイドラインは、新規の作用機序を持つ医薬品(類薬を含む)を対象に▽その医薬品の使用が最適と考えられる患者の選択基準▽その医薬品を適切に使用できる医師・医療機関などの要件―を規定するもので、厚労省は、2016年度は「オプジーボ」と「レパーサ」(高脂血症用薬)とその類薬を対象とする考えを示しています(関連記事はこちら)。

 24日の薬価専門部会では、このガイドラインを医療保険制度の中で、「留意事項通知に記載する」という形で運用する考えを示しています。例えば、留意事項通知(ガイドライン)から外れた使用をした場合、当該レセプトについて査定(減額)を行うことなどが考えられます。

 この点について診療側の松原謙二委員(日本医師会副会長)は、「『ルールがすべて』という運用は困る。患者の状態は千差万別であり、医師の判断で適切に使用できる運用が必要」と指摘。また支払側の幸野委員は「ガイドラインが明らかになった後、どこまで留意事項通知に記載し、どこまで医師の裁量を認めるか、という議論をすべき」と要望しています。


超高額薬剤の薬価、次期改定に向けて「経済性の観点」も加味して検討

 また(1)(2)の当面の対応とは別に、中医協では「超高額薬剤の薬価のあり方」について、次期改定に向け、総合的な議論を行う方針も固めています。この点、厚労省は超高額薬剤を保険収載するに当たって、(a)薬事承認(有効性や安全性の審査)(b)最適使用推進ガイドライン(c)経済性の観点―の3つを考慮していく考えも示しています。

 とくに(c)の「経済性の観点」は新たに示されたもので、「対象薬剤の範囲や適用要件」「検討手順」などを今後、薬価専門部会で議論していくことになります。
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今後(2018年度改定以降)、超高額医薬品を保険収載するに当たって、▽薬事承認 ▽最適使用推進ガイドライン ▽経済性の観点―を総合的に考えていくこととしてはどうかと厚労省が提案


メーカーサイドは「画期的な医薬品が悪者扱いされるのは残念」とコメント

 ところで、こうした議論について製薬メーカーサイドには少なからず不満もあるようです。

 加茂谷佳明専門委員(塩野義製薬株式会社常務執行役員)は、「超高額な薬価が設定されるのは、まさに『画期的』な薬剤であり、患者が望んでいるものである。特にオプジーボは日本の研究者・メーカーが20年をかけて研究し、世界に先駆けて開発した画期的な医薬品である。イノベーションや効能追加などがあたかも悪者のように扱われているのは残念である」とコメント。

 ただし、支払側の幸野委員は、「オプジーボは超希少疾患に対する医薬品として承認され、高額な薬価が設定された。その後、効能追加で対象患者が拡大し、研究開発費などの回収スピードは相当高まっているはずであり、その点に着目した見直しを検討している。決して、イノベーションなどを悪者として扱っているわけではない」と述べ、理解を求めています。


2018年度改定に向け、「原価計算方式」のあり方を抜本的に見直すべきとの見解も

 なお、こうした「超高額薬剤の薬価のあり方」の議論が進んでいますが、当然、2016年度の次期改定に向けて、薬価制度全般についての見直しの議論も行われます。厚労省保険局医療化の迫井正深課長も、「超高額薬剤への対応の議論が先行しているが、その他にも薬価制度をめぐってさまざまな課題が浮上しており、今後、議論してもらう」ことを確認しています。

 この点について中川委員は、例えば原価計算方式(類似薬のない新薬の薬価について、製造コストなどの原価を積み上げて薬価を定める方式)について「基本的に1982年の『新医薬品の薬価算定に関する懇談会報告書』で示されたままだが、報告書では暫定的なものとされていた。不透明な部分も多く、抜本的な見直し論議を行うべき」旨を強く訴えています。



https://www.m3.com/news/general/452484?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD160824&dcf_doctor=true&mc.l=173896755&eml=3f492a08f1681d66441569ec02c0b51e
医師の勤務地をデータベース化…偏在解消に活用
2016年8月24日 (水) 読売新聞

 医師の偏在解消策の一環として、厚生労働省は2017年度、医師の勤務地をデータベース化する方針を固めた。全国的な医師の動向を把握し、都道府県と連携しながら地域ごとに医師確保策を検討する基礎データにする。17年度予算の概算要求に関連予算を盛り込む。

 医師不足の解消策としてはこれまで、国が全国の医学部の定員を増やしたり、各医学部が地元勤務を条件に医学生を受け入れる地域枠を設けたりしてきた。それでも、地方の医学部を卒業した医師の都市部への流出は続き、医師が地方で不足し都市部に偏在する状態は変わらなかった。データベースには、医師が国家試験に合格した年や卒業後に臨床研修を受けた医療機関をはじめ、在籍してきた医療機関と診療科を登録し、経歴が分かるようにする。医師が厚労省に届けている情報を活用する。

 厚労省は、医師の地域間での移動状況や、長期間勤務している地域を分析。医師確保策に生かそうという狙いがある。



https://www.m3.com/news/iryoishin/452534
医科歯科大副学長、「医学部の序列」を説明
「世界一の大学になれるよう頑張りたい」

2016年8月24日 (水) 高橋直純(m3.com編集部)

 東京医科歯科大学の田中雄二郎副学長(医療・国際協力担当)は8月23日に開催した記者懇談会で「医学部の序列とは」と題し、日本の医学部の中で同大の立ち位置について説明した。

 田中氏は冒頭、週刊ダイヤモンドの2016年6月18日号「最新医学部&医者」特集の中で、「(医科歯科大は)慶応大よりずっと下に格付けされてしまう。千葉大の下、筑波大の少し上辺りになるだろう。難易度と格付けの逆転現象が起きており、『日本で最も損な大学』と言われている」という記述を紹介。次いでインターネットのQ&Aサービス「Yahoo!知恵袋」での「医科歯科大と慶応大医学部のどちらが難しいか」という質問を紹介。実際に同大の学生に聞き取りをした結果として「本学を辞退する人が一定数、少なからずいることは事実で、それは慶応大に行くしかないと思うが、両大学を合格した学生の6-8割は本学を選択しているのでは」と述べた。

 週刊ダイヤモンドの特集で「東大、千葉大、慶応大の3大学が首都圏の学閥を支配している」と記載していることに対しても、「院長が出身大学だから関連病院という時代ではない」と断った上で、15人の東京都立病院長のうち、医科歯科大卒は3人、東大卒が4人、慶応卒が1人であると説明。また、医科歯科大の教授の出身大学は1985年では東大卒17人、医科歯科大卒9人、その他5人だったが、2015年には医科歯科大38人、東大10人、慶応大3人、その他24人、医学部外8人であるとし、「東大が医科歯科大を支配していたかどうかは別だが、そういうことを言われるとしても30年前の話。変化を発信していかなくてはいけない」と訴えた。さらに「医科歯科を出ても教授なれないとYahoo!知恵袋に書いてあったが、実際には現役の教授でも55大学133人いて、そんなことはない」と述べた。

 運営費交付金についても国立大86校の中で16番目だが、上位は総合大学が占めており、「専門特化した大学としては最大規模」。論文数でも、1文献当たりの被引用数を同じ出版年、分野、文献タイプの文献の世界平均で割ったField Weighted Citation Impact(FWCI)では、東大を抜いて1番になっていると説明し、「いろいろな序列があるが、新しい観点で考えてほしい」と述べた。

 医科歯科大は英国の高等教育機関情報誌タイムズ・ハイアー・エデュケーション(THE)の小規模大学(学生数5000人以下)ランキングで世界12位、日本では1位になっている。同ランキング1位のカリフォルニア工科大(Caltech)は全体のランキングでも1位になっているとし、「Caltechのように世界一の大学になれるように頑張りたい。全くの夢物語ではなく、優秀な人材が集まっている」と期待。

 初期臨床研修のマッチングでは毎年上位を占めている。2015年の中間公表値では、第一志望者数は108人で、全国1位になっているとし、「優秀な医師が多く集まってきており、関連病院も増えている。これからさらに活躍していくだろう」と締めくくった。



https://www.m3.com/news/general/452575
入院中食事詰まらせ死亡 遺族が病院機構提訴
2016年8月24日 (水) 河北新報

 国立病院機構盛岡病院(盛岡市)に入院していた女性=当時(69)=が死亡したのは、病院側が食事を喉に詰まらせないようにする注意義務を怠ったためとして、盛岡、滝沢両市の遺族が23日までに、病院を運営する独立行政法人国立病院機構(東京)に2200万円の損害賠償を求める訴えを盛岡地裁に起こした。

 訴えによると、女性は2014年1月22日、肺炎のため入院。同26日に病院が用意した昼食を喉に詰まらせて心肺停止状態に陥り、同2月2日、低酸素脳症で死亡したとされる。

 遺族は「アルツハイマー型認知症で早食いする癖があったにもかかわらず、病院は食事の介助や付き添いを怠った上、食材を細かく刻むなど誤嚥(ごえん)を防止する配慮をしなかった」と主張している。

 機構側は「係争中のためコメントは差し控えたい」としている。



https://www.m3.com/news/general/452580
四肢まひの医師 流王さん講演 障害者差別をなくすには
2016年8月24日 (水) 山陽新聞

 岡山大病院精神科医師の流王雄太さん=岡山市北区=は、高校時代に四肢まひの重度障害を負い、車いすでの生活を余儀なくされている。今春、障害を理由にした不利益をなくすため、障害者差別解消法が施行され、法整備は進んだが、施設面はもちろん、心のバリアフリーは十分とはいえないのが現状だ。同市内で行われた流王さんの講演には、誰もが暮らしやすい社会をつくるためのヒントがちりばめられていた。

 障害があると、愚痴を言いたくなるような出来事と嫌になるほど遭遇する。たいてい我慢しているのだが、今回は聞いてほしい。

 20年以上前、就職活動で苦しんでいた時、岡山県内の自治体に就職できないか相談に行った。担当者は「自分一人で通勤できないと雇用できない」と言った。家族に車で送ってもらえば通えるのだが、駄目だという。最近になって論文を調べたところ、ほんの一部を除き、全国の多くの自治体で、このルールが残っていることが分かった。

 他の会社ではこんなこともあった。私は情報処理の資格を持っているので、そういう関連の会社の採用試験に臨んだ。ところが、面接で「お客さんの会社に自分の車で運転して行ける人を探している」と断られた。コンピューターをほとんど触ったことのないような人たちがシステムエンジニアとして雇われ、(仕事について)詳しい私は、他の理由が優先されて雇ってもらえない。悔しかった。

 エレベーターが怖い

 大きめの電動車いすに乗って街に出掛けると、さまざまな問題にぶつかる。予約した店で、エレベーターが小さくて入れないということは日常茶飯事。乗れても、ボタンに手が届かないことがある。

 ある日のこと、エレベーターのドアを開けて待ってくれる人がいたので乗り込み、降りる階のボタンを押してもらおうと思ったら、その人はそのまま出て行った。ドアが閉まり、自分ではボタンを押せない。次の人が乗ってくるまでじっと待つしかなかった。エレベーターはいまだに怖い。

 スマートフォンやタブレットを使うのも大変。指での操作ができないので、私は特別な装具をつける必要がある。障害があるというだけで、人の何倍もお金がかかる。

 米国には(建築物や道路の段差をなくしたり、雇用での差別を禁じたりした)ADA法という法律がある。内容的には日本の障害者差別解消法のようなものだが、ADA法の方が義務や罰則がはっきりしている。障害を理由に機会の平等を与えないことは差別だとし、就職面接の際に障害や病気の有無、重度を尋ねてはいけない。約20年前、米国に住んでいる親戚の家に数週間遊びに行った。山奥であろうと行く先々でエレベーターやスロープがちゃんとついていて驚いた。観光地でない普通の町でもだ。

 日本のように事前に電話をして入れるか確認しなくてもいいし、入店を断られるのではと心配する必要もない。行きたい所に行けて、やりたいことがやれる。自分がどんどん元気になっていくのを実感した。

 大切なのは相談

 障害者差別解消法に出てくる「合理的配慮」について考えてみたい。内閣府が示した合理的配慮の事例をみると、ハードルの高いものが多い。具体例を挙げれば、エレベーターがない施設で移動する際にマンパワーでサポートするなど。これはどこでもできることではない。障害がある人に言いたいのは、あまり期待をしすぎないように、ということだ。実際に支援する方は相当大変。うまくいかなくても諦めてはいけない。

 支援者側にも注意が必要。それは最初からあまり気合を入れすぎないことだ。そうしないと、本来できることも放棄してしまう“アレルギー”が出てくるのではないか。明らかにおかしいルールは早く変えてほしいし、誰でも簡単にできることはすぐに実行してほしい。ただ、それ以外の問題は時間をかけて、みんなで工夫して合理的配慮を“育てていく”べきだと思う。

 一番大切なのは、互いに意見を言って相談すること。支援者が一方的に考えても、当事者の望んでいることは違うかもしれない。障害の種類によっても分かることと、分からないことは違う。一緒に考えることが合理的配慮につながる。

 ◇

 7月24日、岡山市北区南方のきらめきプラザで開かれた障害者差別解消法施行にちなんだシンポジウムでの講演要旨。

 障害者差別解消法 障害を理由とした差別を禁止する目的で4月に施行された。障害者本人や家族、支援者らから要望があった場合、費用面などの負担が過重にならない範囲で、障害者の社会的障壁を取り除く「合理的配慮」を国や自治体に義務付けた。民間企業には努力義務とした。

 りゅうおう・ゆうた 高校1年の時、所属していたラグビー部の試合中に首を骨折。両手首や指先、両足が動かなくなり、車いす生活になった。岡山大大学院に進学後、山形県に車いすの医師がいることに勇気づけられ、医学を志す。2001年に医師国家試験に合格。07年には、仙台市の社会福祉法人が前向きに生きる全国の障害者を表彰する「ありのまま自立大賞」を受賞した。



https://www.m3.com/news/iryoishin/452612
シリーズ: 中央社会保険医療協議会
「同種同効なら低薬価品」、厚労省が留意事項通知
トルツ皮下注で注意喚起、新薬9成分15品目薬価収載

2016年8月24日 (水) 橋本佳子(m3.com編集長)

 中央社会保険医療協議会総会(会長:田辺国昭・東京大学大学院法学政治学研究科教授)は8月24日、新薬の薬価を承認した(資料は、厚生労働省のホームページ)。成分数9(内用薬4、注射薬4、外用薬1)、15品目(内用薬5、注射薬9、外用薬1)。薬価基準収載は2016年8月31日の予定。

 薬価自体は承認されたものの、トルツ皮下注(一般名イキセキズマブ)とルミセフ皮下注(一般名ブロダルマブ)については、厚労省の留意事項通知が出される予定。(1)「尋常性乾癬、関節症性乾癬、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症」において、既存治療で効果不十分な場合に使用、(2)(1)の場合、薬価が安いルミセフ皮下注をまず使用し、トルツ皮下注を用いる場合には、レセプト等にその臨床的理由を記載――という内容になる見通しだ。

 トルツ皮下注とルミセフ皮下注の効能・効果は同じで、類似薬効比較方式を用いて、いずれもコセンティクス皮下注(一般名セクキヌマブ)を最類似薬として薬価が算定されたにもかかわらず、トルツ皮下注の方が、外国平均価格調整のために、ルミセフ皮下注の約1.7倍も高くなったためだ。ルミセフ皮下注は、日本で最初に承認されたため、同調整は行われない。

 今回の問題に端を発して今後、薬価算定における外国平均価格調整の在り方が検討されることになった。8月24日には、中医協の薬価専門部会も開催され、「高額薬剤」の議論でも、薬価算定方式そのものを改めて議論する必要性が指摘された(『高額薬剤、ターゲットは「予想の10倍超、1000億円超」』を参照)。2018年度の次期薬価改定に向けて、現行の類似薬効比較方式と原価計算方式ともに、大幅に見直される可能性が出てきた。

 そのほか8月24日の中医協総会では、在宅自己注射指導管理料の対象薬剤に関するルールも明確化。(1)対象薬剤は、補充療法等の頻回投与または発作時の緊急投与が必要で、かつ剤形が注射によるものではならないもの(関連学会のガイドライン等で、在宅自己注射を行う必要性が確認されているなど、3条件を満たす)、(2)新医薬品の対象への追加時期は、「14日未満の間隔で注射する薬は、原則薬価収載時」、「14日以上の間隔をあけて注射する薬は、14日を超える投薬が可能になった時」――とされた。新薬の場合は原則、薬価収載月の翌月初日から起算して1年間は投薬期間が14日以内に限定されるため、トルツ皮下注、ルミセフ皮下注ともに在宅自己注射指導管理料の対象薬剤となるのは、薬価収載から1年後になる。

 外国平均価格調整で薬価が1.7倍に

 1日薬価は、トルツ皮下注は8781円、ルミセフ皮下注は5226円で、最類似薬のコセンティクス皮下注は5224円。トルツ皮下注についても、中医協の薬価算定組織では当初、外国平均価格調整の対象にしなかったが、製薬企業からの申請で調整の対象に変更した。

 その結果、トルツ皮下注(80mL1キット)が、調整前の14万6244円から、調整後は24万5873円になり、約1.7倍に跳ね上がった。海外の価格は、米国が58万6001円、英国が20万2500円で、米国の高価格に引きずられ、両者の平均が39万4251円となった影響が大きい。

 トルツ皮下注の薬価、ひいては外国平均価格調整の議論の発端となったのは、中医協の薬価算定組織委員長の清野精彦氏の発言だ。「極めて高額であり、1日薬価で見ても2倍近い。その背景には、外国平均価格調整があるため、これを外して計算して、第1回算定組織で薬価を提案した」。その後、製薬企業から申請があり、現行のルールでは外国平均価格調整を行うことになっているため、第2回算定組織で調整せざるを得なかったものの、ルミセフ皮下注やコセンティクス皮下注と比べても妥当ではないことから、「ルールを見直す必要がある」との議論になったという。

 この発言を受け、日本医師会副会長の中川俊男氏は、「ここまで明確に、清野委員長から意見があった。留意事項通知で、トルツ皮下注ではなく、ルミセフ皮下注を使うようにできないか」と提案。厚労省保険局医療課薬剤管理官の中山智紀氏は、「留意事項通知を出すことは可能だと考えている」と回答した。

 医薬品の留意事項通知は、直近の例では、2016年4月に薬価収載されたレパーサ皮下注(一般名エボロクマブ)がある。「本製剤の効能・効果は、『家族性高コレステロール血症、高コレステロール血症。ただし、心血管イベントの発現リスクが高く、HMG-CoA還元酵素阻害剤で効果が不十分な場合に限る』であることから、心血管イベントの発現リスクが高く、HMG-還元酵素阻害剤の最大耐用量を服用しているが、十分な治療効果が得られていない患者に限り使用すること」などの注意事項が盛り込まれた。

 中川氏は、「レパーサの留意事項通知は良かった。これにより節度ある処方が行われていると思っている」と述べた上で、レパーサ皮下注の予想と実際の販売額を質問。中山管理官は、企業情報であるため販売額についての回答はなかったものの、「留意事項通知で、使用において厳格な規定が設けられているので、一定程度の制限がなされていると考えている」と答えた。

 外国価格、参考にすべきは?

 薬価算定における外国平均価格調整の在り方は今後、中医協の薬価専門部会で議論されていくことになる。厚労省保険局医療課長の迫井正深氏は、「外国平均価格調整は、デバイス(医療機器)でも行われている。内外価格差の問題は、中医協はこれまでも、いろいろな限界がある中で、議論されてきた。透明性、予見可能性のあるルールを作ることが必要」と述べた。

 日医副会長の松原謙二氏からは、外国平均価格調整に用いる価格についての問題提起もあった。日本の薬価は保険者によらず公定価格だが、米国には日本のような薬価制度はないため、「Red Book」に記載された、企業から医薬品卸への出荷価格を用いている。松原氏は「何かどこかに違いがあるように思うので、議論しなければいけない」と指摘。中山管理官は、これまではその前提でやってきたものの、この点も含め、今後の薬価制度改革に向けたルールの中で検討していくとした。中川氏は、「あまり触れてはいけない本質的な問題に触れてしまった」と述べつつも、外国平均価格調整の在り方は検討していくことが必要だとした。

 そのほか、8月24日の中医協総会では、医薬品関連で、(1)ソホスブビルの脳血管障害に係る使用上の注意改訂に関連した症例の一覧(25症例、うち因果関係が否定できないのは8症例)、(2)レジパスビル アセトン付加物・ソホスブビルの脳血管障害に係る使用上の注意改訂に関連した症例の一覧(30症例、同11症例)、(3)ニボルマブの前治療歴があり、EGFR-TKI 投与後に間質性肺疾患を発症した症例の一覧(8症例) ――が提示された。これらの高額な薬剤が適正に使われているかが、以前の中医協総会で議論になっていたからだ。(1)と(2)については7月5日に、(3)は7月11日に、「使用上の注意」が改訂されている。


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8月23日 

https://medical-tribune.co.jp/news/2016/0823504498/
医師の勤務地をデータベース化...偏在解消に活用〔読売新聞〕
yomiDr. | 2016.08.23 17:25
(2016年8月23日 読売新聞)

 医師の偏在解消策の一環として、厚生労働省は2017年度、医師の勤務地をデータベース化する方針を固めた。全国的な医師の動向を把握し、都道府県と連携しながら地域ごとに医師確保策を検討する基礎データにする。17年度予算の概算要求に関連予算を盛り込む。

 医師不足の解消策としてはこれまで、国が全国の医学部の定員を増やしたり、各医学部が地元勤務を条件に医学生を受け入れる地域枠を設けたりしてきた。それでも、地方の医学部を卒業した医師の都市部への流出は続き、医師が地方で不足し都市部に偏在する状態は変わらなかった。データベースには、医師が国家試験に合格した年や卒業後に臨床研修を受けた医療機関をはじめ、在籍してきた医療機関と診療科を登録し、経歴が分かるようにする。医師が厚労省に届けている情報を活用する。

 厚労省は、医師の地域間での移動状況や、長期間勤務している地域を分析。医師確保策に生かそうという狙いがある。



http://www.ytv.co.jp/press/society/TI20219062.html
鳥取大学医学部 補助金目的外使用の疑い
(08/23 10:37) 読売テレビ

 国立・鳥取大学の医学部が医療分野の人材を育成する目的で受給していた国の補助金を、別の目的で使っていた疑いがあることが分かった。補助金を支出した文部科学省は今後、調査する方針。

 鳥取大学医学部は、世界最先端の研究をリードする医師らを育てる目的で文部科学省から昨年度は約5200万円、今年度は約4300万円の補助金を受給している。

 鳥取大学の関係者の証言や日本テレビが入手した内部資料によると、大学は昨年度、この補助金で8人の教職員を雇用していて、補助金の規定では、大学院生らの教育に専念させる必要があったにもかかわらず、大学側は一部の教職員を医療機器の電源や医療用ドリルの開発などに従事させ大学院生に対する実習はほとんど行われていなかったという。

 また大学関係者によると去年、文科省からこの補助金の目的外使用の疑いで指摘を受けたが改善されなかったという。

 鳥取大学は、日本テレビの取材に対し、「内部通報があったので、調査委員会が設置され調査が進められている」としているが、文科省は、今週行う定期調査で税金から出ている補助金が適切に使われているかどうか調べる方針。



http://www.jiji.com/jc/article?k=2016082300771&g=soc
補助金目的外使用か=内部通報で調査委設置-鳥取大学
(2016/08/23-20:12)時事通信

 鳥取大学は23日、医療機器開発などを行う人材養成を目的に受け取っていた国の補助金が、目的外で使用された疑いがあり、調査していることを明らかにした。内部通報があり、7月に調査委員会を設置した。
 同大医学部は2013年度から、文部科学省の「未来医療研究人材養成拠点形成事業」の補助金として、計約2億4200万円を受け取っている。補助金を使って雇用した教員らが、大学院生らに授業や実習をせずに別の業務をしていた疑いが指摘されたという。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/49443.html
通信制看護師養成、入学要件の経験3年短縮- 厚労・文科省が省令改正
2016年08月23日 10時00分 キャリアブレイン

 厚生労働省と文部科学省は22日、通信制の看護師学校養成所の入学要件となっている業務経験年数を短縮するため、保健師助産師看護師学校養成所指定規則の一部を改正し、官報で告示した。業務経験年数を「10年以上」から「7年以上」に短縮する一方、教育の質を担保するため、看護師の資格を持つ専任教員を原則10人以上と規定している。【新井哉】

 これまでの看護師養成課程(通信制)の教育は、准看護師として10年以上の業務経験が入学資格となっていた。この要件をめぐっては、昨年6月30日に閣議決定された「日本再興戦略2015」で、地域医療体制の充実に向けた看護師育成のため、現行の10年から大幅に短縮することを「全国的な措置として検討し、本年中に結論を得て、速やかに措置する」としていた。

 こうした状況を踏まえ、厚労省は昨年12月、医道審議会保健師助産師看護師分科会に対し、業務経験年数を10年以上から7年以上に短縮することや、専任教員を現行の7人から10人に増員することを提案。分科会もこの提案を大筋で了承していた。

 今回の省令改正では、専任教員を原則として「10人以上」としながらも、入学・入所定員が300人以下である場合は「8人以上」とし、専任教員の確保が困難な小規模の学校養成所に配慮している。

 入学・入所の資格については、業務経験年数を「5年以上」に緩和するかどうかを含めて検討を行い、「省令の施行後3年を目途に必要な見直しを行う」としている。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/49451.html
「症例報告」など個人情報法の適用除外を- 日本医学会が厚労省などに要望書
2016年08月23日 19時00分 キャリアブレイン

 日本医学会(高久史麿会長)は日本医学会連合と連名で、厚生労働省と文部科学省、経済産業省に対し、医学研究における個人情報の取り扱いを慎重に検討するよう求める要望書を提出した。昨年9月の個人情報保護法改正を受け、3省の合同会議で病歴などの情報の取り扱いに関する検討が進んでいることを踏まえた措置。病院などで行われている「症例報告」といった臨床情報の利用で患者本人の同意が必要となった場合、医学研究が停滞することを危惧している。【新井哉】

 人を対象とする医学系研究の倫理指針などでは、患者本人の同意を得なくても研究への利用や提供ができる仕組みとなっていた。しかし、個人情報保護法の改正を踏まえ、今年4月以降、3省の合同会議で指針の見直しを視野に入れた検討が行われている。

 要望書では、個人情報保護法の改正によって、原則として本人の同意を得ることが必要な「要配慮個人情報」に病歴も含まれるようになったことに触れ、指針の改正によって、例外規定を除き、医学研究で病歴を含む臨床情報の収集や利用、提供を行う場合、本人の同意が必要になることを懸念している。

 院内での検証や医学研究の論文などで使われる「症例報告」や、専門医試験に必要な「ケースレポート」は、指針の適用外とされているため、倫理審査などの手続きが必要ではなく、個人が特定できる情報は匿名化して利用してきたが、改正法が適用されると、本人の同意がなければ利用できない可能性がある。

 また、個人情報保護法の改正による指針の見直しが行われた場合、「医学研究および医療の基盤を支えるレジストリ研究が著しく阻害される可能性が非常に高い」と指摘。合同会議では、早急に結論を取りまとめることを避け、時間をかけて慎重に検討するよう求めている。



http://mainichi.jp/articles/20160823/ddl/k24/040/346000c
名張市立病院
20年度に黒字化へ 検討委、改革プラン素案 /三重

毎日新聞2016年8月23日 地方版 三重県

 2014年度決算で約2億円の経常赤字を出した名張市立病院を自立へと導く改革検討委員会の「改革プラン」の素案が22日、明らかになった。20年度までに、病床利用率85%と、医業収支の黒字化を掲げた。今後、9〜10月にパブリックコメントをして意見を反映させ、12月議会に最終案を示す。

 この日の全員協議会で報告された。委員会は、国の新公立病院改革ガイドライン(14年度)に従って設置。有識者や医療関係者、市民ら9人で構成し、県が年度内に策定する「地域医療構想」を踏まえ、今年1月から5回、プラン(16〜20年度)を協議してきた。

 素案では、19年度に現在200床の病床を170床稼働させることで黒字化の達成を見込んでいる。昨年度の約90億円の累積赤字については、20年度に約10億円を削減した約80億円とする方針も示した。産科についての具体的な開設時期は触れなかった。

 市立病院は救急医療による赤字経営で、これまで市の財政負担となっていたこともあり、議員から「数字の見方が甘い。具体的な根拠を示して」との厳しい意見もあった。

 委員会事務局は12月議会を経て、年度内に具体的な実施計画を策定する。【鶴見泰寿】

〔伊賀版〕



http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/series/ishiyama/201608/547944.html
連載: 石山貴章の「イチロー型医師になろう!」
病歴を聴取しよう!内科医の最大の武器を磨け

石山 貴章(魚沼基幹病院)
2016/8/24 日経メディカル

 最近、近隣の臨床研修病院で研修医および指導医の先生方を対象に、Clinical Reasoning(臨床推論)に主眼を置いた、カンファレンスのようなものを定期的にさせていただいている(なにせ、当院ではまだ十分な研修医がいないのだ)。研修医によってプレゼンされる私自身は全く知らないケースを、その場で(声に出して)考えながら「どのようにして鑑別を挙げていくか」を示していく。これ自体は米国でもやっていたことであり、その言わば日本語版だ。

近隣の臨床研修病院のカンファレンスルームにて。私自身が全く知らないケースを、研修医のプレゼンを聞きながら「どのようにして鑑別を挙げていくか」をその場で考え示していく。

 こう書くとさも偉そうに、自信を持って行っているように聞こえるかもしれないが、実際はいつもヒヤヒヤものだ。ただ、自分が鑑別の上の方に挙げた診断が最終的に正しかった時、これは正直、大変に嬉しい。この瞬間こそが、Clinical Reasoningの醍醐味と言えよう。

 日本に帰国し総合内科医として、これまで総合内科の文化のなかった地方の病院に勤め始めて驚愕したこと、それは、診断へ至るための「アプローチの違い」であった。全てがそうだとは言わないが、重症と思われるほとんど全ての患者に、まずCTがオーダーされる。CRPも同様である(CRPがオーダーされていない患者を、残念ながら私は今のところ見ていない)。

 そしてこの、まず画像とCRPありき、という初期条件からアプローチが始まるわけである。病歴聴取と身体診察を重視し余計な検査を省く。そういう当たり前のことをやろうとすると、異端視される業界なのか‥‥‥。日本に帰ってきて、このアプローチのあまりの違いに、一時愕然としたものだ。

病歴聴取は内視鏡や心カテ同様、トレーニングが必要なスキル
 「病歴聴取」──それは総合内科医にとって、最大の武器だと言っていい。病歴聴取は「重要」といわれ、そしてそれは皆が知っている。さらにまた、この重要性は常に訴えられている。だが、教育は十分であろうか。医学生時代、系統だってこれを学んだという人は、どれだけいるのだろう。私には、その教育は決して十分とは思えない。

 私の元に来る医学生に対し私は時折、彼ら自身だけで病歴聴取をさせてみる。その後改めて私が病歴聴取を行うと、皆一様に、いかに自分が重要な情報を聴取できていなかったかに驚くようだ。「病歴聴取」、これもまた内視鏡や心カテ同様、トレーニングを必要とする立派なスキルのはずなのだ。

 日本における総合診療医向けの出版書籍を見ても、病歴聴取の方法は厚い本の最初の数ページ、という扱いであり、これだけ重要だと強調されている割に、その扱いは微々たるものだ。そこに私は、大きな違和感を感じてきた。プラクティカルな病歴聴取の実践的な修学書が見当たらないのである。

 これは、実は欧米の教科書でも同様である。例えば『ハリソン内科学』の原著『Harrison's Principles of Internal Medicine』でも、あの分厚い教科書から言えば、病歴聴取に関する部分はそのほんの一部だ(「Part 1 The Practice of Medicine」の中の「Clinical Skills」の項目として、わずかに述べられているにすぎない。ただしこのPart1の内容自体は、素晴らしく充実している)。

 一方、私の手元にある『The Patient History - An Evidence-Based Approach To Differential Diagnosis』(邦訳:『聞く技術 答えは患者の中にある』、日経BP社)という著書は、かなり微に入り細に入り踏み込んでいる。ただし、基本全て、症候に応じた内容となっている。症候ごとにまとめるという方針も、素晴らしいとは思う。

 ただ、これを通読して頭に入れておくのは、かなり難しいだろう。それよりももう少し手前が、重要だ。言わば、「基本理念」である。前出の『聞く技術』では、Section1を「基本理念」としてページを割いている。約600ページの中の30ページであり、比率は5%ほどとなる。これをもっと読みやすく、膨らませたものが欲しい。
 
 ないならば、いっそ自分で作ってしまえ。そういう、幾分乱暴な発想で本稿は書かれている。そのため今後本連載は、丁寧な病歴聴取、そしてその後のノート記載、プレゼンのための「思想書」を目指したいと思う。表層的なやり方を示したものではなく、言わばその一歩手前の段階、すなわち、「なぜそこが重要なのか」あるいは「なぜそのようにしなければならないのか」を強調していきたい。そしてこれが、有効なClinical Reasoningにつながるのだ。

 より深い治療に関しては、リソースはいくらでもある。あるいは最終診断にまで至らなくても、ある程度の正しい道標がつけば、その後に対応する方法はいくらでもある。しかし、初動としての病歴聴取および身体診察は、自分でその情報を目の前にいる患者から獲得していく以外にない。そして、これまで述べてきたClinical Reasoningにとって、病歴聴取は言わば「核」である。繰り返す。正しい病歴聴取と身体所見が得られれば、その後のリソースは、IT時代の現代、いくらでもある。極端なことを言えば、「病歴をきっちり取れれば、診断はできる」──言い過ぎかもしれないが、私はそう信じている。

研修医に書記をお願いし、発表される病歴を頭に入れていく。オンゴーイングで頭の中で考えていることをできる限り声に出し、質問を加え、そしてさらに検討していく。楽しい瞬間だ。

 従来、日本ではこういった病歴聴取の重要性、およびその基本をキッチリと教えてこなかったように思う。いわゆる徒弟制に近く、私が医学生の時も、ポリクリのときに先生方が取っているのを脇でその邪魔にならないよう、恐る恐る眺めているだけであった。また卒業してからは、いきなり実践に投げ出され、そのときの経験を基に、あるいは先輩の医師がやっているのを眺めながら、自分流のやり方を身に付けていくだけである(もっとも、2004年の新臨床研修制度スタート以降、医学生時代の教育は改善されているのかもしれないが)。

 病歴聴取と身体診察から鑑別診断を挙げ、そこで必要な検査を出して確認し、確定診断に迫っていく。米国で内科研修を受けると、毎日毎日しつこいほどに、この基本の繰り返しが強調される(得られるであろう情報が病歴聴取で獲得されていない場合、日々のディスカッションで容赦なく突っ込まれる)。私の場合、「お師匠さん」やプログラムディレクターから、この薫陶を受ける機会が特に多かったように思う。彼らの薫陶に加え、「お師匠さん」が日々ベッドサイドで見せるその見事な病歴聴取のスキルが、私の中にその重要性およびスキル習得の熱意を、奥深く植え付けたと言ってよい。

 先に、いい修学書が見当たらない、と書いた。しかしそれは、そのスキルを学ぶいい書物がない、というだけだ。ことほど左様に米国内科研修において研修医たちは、その重要性および具体的なスキルに関し、日々(しつこいほどの)教育を受けるのだ。

 日本においてもこの当たり前のことが、当たり前になされるように。今後さながら伝導者のごとく、この「病歴聴取」の重要性を強調していくつもりである。

 次回ではまず、「病歴聴取の基本六原則」を示したい。これは、今後の全てにわたる基本姿勢である。「病歴聴取」に対する私の熱意が、どうぞ伝わりますように!!
 
石山貴章(魚沼基幹病院総合診療科部長)●いしやま たかあき氏。
1997年新潟大学卒業後、同大外科学教室入局。2002年米ワシントン大学セントルイス校リサーチフェローとして渡米。St.Mary's health center内科レジデント、ホスピタリストを経て、2015年から現職。



http://mainichi.jp/articles/20160823/rky/00m/040/007000c
読谷村
新医療法人設置へ 救急病院要望の4町村

2016年8月23日 毎日新聞

 救急病床が不足している本島中部西海岸で、沖縄県内の医師を中心に有志10人が県地域医療構想で中部圏域の必要病床数がまとまる予定の来年3月をめどに読谷村に新たに医療法人を設立し、病院を設置する方針で準備を進めていることが22日、分かった。読谷、北谷、嘉手納、恩納の4町村は15日、救急の民間病院を読谷村の村有地「防災拠点広場」の一角に設置するよう中部市町村会に要望。22日には石嶺伝実村長と医療法人の設立に関わる医師が県庁に砂川靖保健医療部長を訪ね、病院設置を要請した。

 要請で、石嶺村長は「西海岸に救急病棟がなく東側まで行くのに時間がかかる。また西海岸は観光客やキャンプで来るスポーツ選手も多く、観光客向けの医療も必要だ」と説明した。

 砂川部長は「村からの依頼があったことを念頭に考えていきたい」と述べ、基準病床数の増加などの見通しを勘案しながら検討していく考えを示した。

 要望書は、救急病院のない読谷村から東側にある救急病院まで30分以上かかり住民に「大きな負担になっている」と強調。新たに設置する病院には200床を設け、急性期病床やその後の回復期のリハビリ病床を設ける方針を掲げている。

 西海岸の4町村は15日に中部市町村会に要望書を提出し、16日の会合で議論した。中部市町村会は「4町村と連盟で一緒に県に要望していく方針だ」としている。

(琉球新報)



https://www.m3.com/news/iryoishin/434060?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD160823&dcf_doctor=true&mc.l=173707328&eml=3f492a08f1681d66441569ec02c0b51e
シリーズ: どうなる?「日本の未来の医療」
「公平はナンセンス」?診療科偏在◆Vol.10
「インセンティブ付与」「臨床研修改革」で解消を

2016年8月23日 (火) m3.com編集部

 政府の2016年骨太の方針で、医師の診療科偏在、地域偏在について、「実効性のある」対策の推進が決まり、厚生労働省が具体策を検討している(『偏在対策「強力」に、「医師の働き方ビジョン」も策定』を参照)。診療科偏在では、産婦人科や外科、小児科などが訴訟リスクや過重労働で敬遠される傾向があり、医師不足が懸念されるが、近年顕著に医師数が増えている麻酔科でも、「医師が余っている」とは言い難い。また、地方偏在は2004年度に開始した臨床研修制度のマッチングで拍車がかかったとされるが、地方の過疎化や高齢化といった日本社会の根本的な問題とも不可分で、医療制度改革だけでの対応は困難だろう。

 医師509人(勤務医253人、開業医256人)に、診療科と地域の医師偏在解消に向けて、望まれる対策を尋ねた調査の詳細は『高齢者の保険診療に制限、過半数の医師が支持◆Vol.1』を参照)。

Q. 医師の診療科偏在の解消のため、どのような施策を推進すべきだと考えますか。(複数回答)※「偏在がない」とお考えの場合は、下から2番目の「医師の診療科偏在はない」の選択肢をお選びください。
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 勤務医の47.0%、開業医の42.9%が「医師数が少ない診療科にインセンティブを付与」を選んだ。次に多かったのは、「初期臨床研修制度の改革」で、勤務医の27.3%、開業医の29.3%が選択した。「診療科ごとに保険医の定数を設定する」という選択肢は、勤務医の26.1%が支持した一方で、開業医は15.6%にとどまり、意見が分かれた。厚生労働省が医師偏在の対応策として検討している、「都道府県の医師調整能力の強化」は、勤務医の23.3%、開業医の24.2%が支持したが、2017年度開始に向けて混乱が広がっている「新専門医制度」によって、「専門医数を調整する」という施策については、勤務医、開業医ともに10%台の支持にとどまった。

 「その他」の意見では、診療科の偏在を公平にすることが「ナンセンス」との意見や、医師の集約化が必要との意見が寄せられた。以下、紹介する。

・時代で需要が減った診療科は減る。公平にすることがナンセンス。【50代勤務医】
・偏在はあるが医師の自由である。【50代勤務医】
・自由競争である以上仕方が無い。解消は無理。【50代開業医】
・今のままで良い。【60代以上開業医】
・医師過少地域で、研修期間での半強制的研修。【60代以上開業医】
・自治医大や国公立大学医学部で地域定着の医師を義務化する。税金で医師になった者には生涯の義務化を課す。【50代勤務医】
・自治医大以外の公立大学にも地方へ。【50代開業医】
・男女比の是正。【50代開業医】
・都道府県発行医師免許の制定。【40代開業医】
・医学部入試の方法の変更。【50代開業医】
・医師(特に専門医)はある程度集約しセンター化。そこへのアクセスの整備を(例えば高度救命救急センターなどは設置・運営に多大な費用がかかるので、一見高そうだがドクターヘリを整備したほうがトータルでは良いと思う)。【50代勤務医】
・給与にもっと差を付ける。【50代勤務医】
・まだまだ工夫はできると思います。専門医でありながら周辺の領域も知らないと良い結果を出せないはずなので、それをもっと厳しく審査すれば良いと思います。喘息が専門でも、ステロイドを使用した時に起こり得る、糖尿、副腎不全のことや、緑内障、高血圧の事等、知らなくて専門医と言えるだろうか。良い医療は何かと言うことを評価できる人が、意見を出せるようにしてほしい。得てして厚労省の役人、臨床を知らない教授等の話を聞いているとバカバカしくなる。【60代以上勤務医】

地域偏在解消には、「働く医師へのサポート強化」

Q. 医師の地域偏在の解消のため、どのような施策を推進すべきだと考えますか。(複数回答)※「偏在がない」とお考えの場合は、下から2番目の「医師の地域偏在はない」の選択肢をお選びください。
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 勤務医、開業医、いずれも「地域医療に従事する医師へのサポート強化」が最多で、それぞれ、約半数を占めた。次に多かったのが「地域枠」の増員で全体の約3割が支持した。勤務医と開業医で10%以上差があり、意見が分かれたのが「地域ごとに保険医の定数を設定する」と「大学医局の医師派遣能力の強化」。前者は勤務医の支持が強かったのに対し、後者は開業医の支持が強かった。

 「その他」の意見を紹介する。

・人口分布の調整、コンパクトシティ化【50代勤務医】
・地方自治体の再編【40代勤務医】
・地方で診療する施設への診療報酬の増額【40代勤務医】
・需要供給に従って給与を設定する【50代勤務医】
・医師の少ない地域の医師勧誘努力、高給与など【60代以上開業医】
・給与にもっと差を付ける【50代勤務医】
・医師数を増やす【50代勤務医】
・女性のワークシェアリングによる職場復帰【50代勤務医】
・自治医科大学等がきちんと役目を果たすべき【60代以上勤務医】
・開業医の保険点数の減少【50代勤務医】
・そこは市場原理ではないのか?【40代勤務医】
・地域医療従事を専門医や指導医取得の要件にする勤務医【30代勤務医】
・自治体限定医師免許の制定【40代開業医】
・交通網が発達した現在、地域偏在の定義は何年前を基準にしているの?【60代以上開業医】
・都市部の医師数制限【50代開業医】
・医療機関の集約が望ましい【50代勤務医】
・有効な手段はないと思う【60代以上開業医】
・偏在を規則で是正するより、なぜ少ないのか、その原因を調べて、働きやすく環を変えるのが第一。役人が上から目線過ぎる。自分らの無能が招いた結果と反省すべき。【50代開業医】
・医師の偏在を解決するのではなく、患者を医師の多い病院にいかに受診させるかを考えるべき。【40代勤務医】



https://www.m3.com/news/general/452251?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD160823&dcf_doctor=true&mc.l=173707540&eml=3f492a08f1681d66441569ec02c0b51e
市民病院移転を了承 熊本市議会特別委
2016年8月23日 (火) 熊本日日新聞

 熊本市議会の公共施設マネジメント調査特別委員会(江藤正行委員長)は22日、熊本地震で被災した市民病院(東区湖東)を、東区東町の国有地に移転新築する市の再建計画を了承した。市は2018年度の完成を目指しており、29日開会の9月定例会に関連予算を追加提案する。

 併せて、市が廃止を打ち出していた歯科口腔[こうくう]外科を存続させるよう要望。市は「見直しを検討する」とした。

 同委は市が地震を受けて提示した市民病院の移転新築案を受け、6月から審議。現在地建て替え案と比較検討した結果、「一刻も早い再建には、移転新築が望ましい」と結論づけた。委員からは「移転先は市電での利用が難しい。公共交通で利用しやすくしてほしい」「周産期医療維持のため、県にも支援を求めるべきだ」などの意見が出た。

 市民病院をめぐっては、同委が12年12月、市の現在地建て替え計画を了承。しかし市は15年1月、事業費高騰を理由に工事を凍結していた。(高橋俊啓)



https://www.m3.com/news/iryoishin/451534?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD160823&dcf_doctor=true&mc.l=173707329&eml=3f492a08f1681d66441569ec02c0b51e
シリーズ: m3.com意識調査
「自ら引き際を知るべし」「医師免許にも更新制を」
何歳まで現役で仕事を続ける?【自由意見◆勤務医編3】

2016年8月22日 (月) 橋本佳子(m3.com編集長)

Q  ご自身の老後、リタイア後の生活、医療者の定年などについてのお考え、不安、他の医療者に聞いてみたいことなどがあれば、お書きください。


◆m3.com意識調査「何歳まで現役で仕事を続ける?」の結果はこちら ⇒ 
医師「70歳まで現役」が最多、薬剤師は「65歳」

【勤務医】
◆医師の個人差大、定年制は困難

・どこまで責任を持たなければならないかが重要。日常臨床に従事する場合は、特に個々の患者さんの診療に責任が十分持てる範囲に限定しなければならず、管理職的な業務に従事する場合には、身体的機能が低下しても、判断力や記憶力に問題を生じていなければ、その範囲内で対応が可能で、暦年齢で一律に区切ることは難しい。
・医学知識の更新ができない状況や認知症の状況はリタイアすべきですが、個人差があり、定年年齢を設定するのは難しい。
・定年制で、一律に年齢で、職を奪うのは、いかがなものかと。個々人、体力、気力、健康面、財力など異なります。本人が、自ら決める事柄です。医師の場合、患者さんの命を預かる身、判断力、記憶力、知識などが落ちてきたら、自ら引き際を知るべし。
・医療従事者は、「個人差」と概念を、医学的によく知っているはずです。にもかかわらず、「一律で年齢で区切ってしまう」という「定年」制度に、「賛同する」というのは、とても違和感を覚えます。
・保険医に定年を設けるべきではない。現役をいつまで続けるかは本人が体力や気力、知力とともに社会情勢等を考慮した上で決めるべき問題である。もちろん、周りから促されることは十分あり得ることだが、最終決定は本人によるべき。そもそも、このようなことが話題となるというのがおかしい!
・一人一人の能力や健康面での違いが大きく、一律に定年制を作ることは難しいでしょう。一般的な目安として、70~80歳で設定することには賛成しますが……。
・医療者の場合、国家資格があるため、現在は本人の気持ち次第というところでしょうが、今後、定年を設けるとすれば、需要と供給のバランスに基づいて決まってくるのではないでしょうか?しかし、若くてもだめな人もいれば、高齢でもバリバリの人もおり、個人差が大きいため、一律に定年を設けるのは合理的ではないと思います。
・まだまだ仕事がしっかりとできるのに、一律に年齢だけから限界を設けられるのはどうしたものか?と思います。
・ドクターとして働けるかどうかは個人差があると思うので、一律の定年制はよくないと思う。
・可能なら働けば良いと思います。人に迷惑をかけるようなら止め時と思う。仕事を止めることは生活に張りが無くなり、そのことが精神的に老化につながるのではと心配。
・そもそも福利厚生のサポートがきちんとしていない職種に対して、定年制を導入すると定年後苦労するに決まっている。

◆高齢医師には試験を!
・運転免許証に認知症のテストがあるように、75歳以上の医療者も何らかの許可制で医療に従事すべきと考えます。勤務医では75歳以上は、常勤医として働くのは無理でしょうから、ケースバイケースもあるとは思いますが……。特に開業医では求めたいところです。
・自動車運転免許ですら更新審査があるわけで、医師免許も、更新制が必要だと思っている。更新制度が良いものであれば定年制は必要ないと思う。ただ、良い更新制度を作るのも難しいので、定年制も必要かなと考える。
・個人差はあるが、運転と同じで事故などが起こる可能性について、定年制を含む制度の議論が必要だと思う。
・一般論としての定年制を敷かれるのには納得できない。65歳程度で再認定試験を行っていただきたい。65歳でも50代前半の働きができる医師も多いと思われる。平等に扱っていただきたい。

◆他の医師はどうしている?
・勤務医定年後の開業もよく聞く話です。勤務医定年後、生活できるのかどうか。そのためにどれぐらいの備えをする必要があるでしょうか?
・診療行為以外の仕事やボランティアなどの活動に従事することを、予定あるいは希望している方の人数、割合を知りたいです。
・退職金が出ない今の職場に不満、皆さん方は退職金はどの程度出て年金がどのくらいもらえるのでしょうか。

・身体が不自由になったりした時、どのような施設があり、費用がいくら必要か知りたい。
・いくらくらいの預金があれば、老後に不安がなくなるのでしょうか?
・リタイア後の資金としてどれくらい準備しているのか,聞いてみたい。

・外国移住を考えたいが、これまでにそのための貯金ができるかどうか心配。全く仕事を辞めた場合、何年くらい年金だけで生活ができるのか?知りたい。
・海外での生活をされている方の体験談が知りたい。
・アルバイトはどれぐらいしているのか?
・いろんな人の実例、考え方を聞きたい。

◆その他
・社会情勢の予期せぬ変化で、描いていた未来が瓦解しかねない懸念が強いこと方が、はるかに大きな不安要因です。いざとなったら仕事はどこでもできるが、生活基盤の安定は家族のためには最優先事項なので。
・社会保障がしっかりしていれば、このような設問が出るはずがない。政府がしっかりしていないことが問題である。国会議員の選挙は社会保障と税制を考えて投票しよう。アホノミックスに騙されないように。
・日本は死ぬまで働けるシステムを作らないと滅びます。
・貧乏暮らしには慣れているが、自分に判断力が無くなったときに、誰がストップをかけてくれるかと考えると、何人かに依頼した上で、文書を残す必要があると思っている。
・終活は50歳から始めています。



https://www.m3.com/news/general/452211
呼吸器停止、女性が死亡 大阪・吹田の老人ホーム
2016年8月23日 (火) 共同通信社

 大阪府警捜査1課は22日、同府吹田市朝日が丘町の介護付き有料老人ホーム「メディカル・リハビリホームくらら吹田」で20日に入所者の石黒美保子(いしぐろ・みほこ)さん(68)が死亡し、装着していた人工呼吸器が停止していたと明らかにした。業務上過失致死容疑の可能性もあるとみて、詳しい状況を調べる。

 捜査1課によると、石黒さんは個室で暮らしていた。20日午後8時20分ごろ、看護師が巡回中に呼吸器のモニターが消えているのに気付き、駆け付けた主治医が同9時5分すぎに死亡を確認した。午後7時ごろ、チューブで体に栄養を送った際は異常がなかったとみられる。

 石黒さんはベッド上であおむけの状態で見つかり、部屋を物色した痕跡はなかった。呼吸器のコンセントは入ったままだった。司法解剖の結果、死因は窒息だった。

 石黒さんは2014年2月から入所。主治医が今月20日深夜、「人工呼吸器の電源が切れ、難病の女性が死亡した」と吹田署に通報した。

 施設を運営するベネッセスタイルケア(東京)の老松孝晃(おいまつ・たかあき)取締役は吹田市内で報道陣の取材に「ご家族に申し訳ないと認識しており、深くおわびする。捜査には全面的に協力したい」と述べた。


  1. 2016/08/24(水) 05:57:10|
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8月22日 

https://www.m3.com/news/iryoishin/451359?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD160822&dcf_doctor=true&mc.l=173325512&eml=3f492a08f1681d66441569ec02c0b51e
シリーズ: 真価問われる専門医改革
専門医の必要数、タブー視せず議論を - 尾身茂・JCHO理事長に聞く◆Vol.1
医師数に関するグランドデザインが必要

2016年8月22日 (月) 聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

 2017年度からの実施が「1年延期」となった新専門医制度。その最終判断がなされたのは、7月20日の日本専門医機構の「専門医研修プログラムと地域医療にかかわる新たな検討委員会」と、その後に開催された理事会だ(『新専門医制度、全19領域とも「1年延期」へ』を参照)。同検討会で、各基本診療領域の代表に加え、出席したのが、JCHO(独立行政法人地域医療推進機構)理事長の尾身茂氏。尾身氏は、元WHO(世界保健機関)の西太平洋地域事務局事務局長であり、公衆衛生の立場から「新専門医制度についての提案」を行った。その内容を踏まえつつ、専門医制度をめぐる考えをお聞きした(2016年8月5日にインタビュー。計4回の連載)。

――先生は、新専門医制度をめぐる動きについて、どう捉え、見ておられたのでしょうか。

 新専門医制度に対して私は、一人の医師として、また公的病院であるJCHOの理事長として、さらにWHOでも仕事をしていたので他の国と比較するという、三つの視点から関心を持っていました。JCHOの全国57病院をはじめ、医療の現場から新専門医制度に関する懸念は耳にしていましたが、JCHOの病院のためというより、日本の医療全体の問題として、大変重要であると捉えていたのです。

尾身茂氏は、医師のプロフェッショナルフリーダムと社会的責務のバランスを取り、専門医制度の在り方を検討する必要性を説く。

 なぜ新専門医制度が延期という事態になってしまったのかを考えると、「複雑な方程式」を解くような極めて困難な仕事であるという理由が挙げられます。

 こうした「複雑な方程式」を解く際には、本質を押さえず、個別の議論だけに終始すると、どうしても全体を見失う傾向があります。これは、新専門医制度の問題に限らないことです。では今回の場合、本質とは何か。それは2013年4月にまとめられた厚生労働省の「専門医の在り方に関する検討会」の報告書(以下、検討会報告書)です。これは非常に良く書かれた報告書で、「専門医の質の向上」を大きな目標として掲げていますが、それに加えて、「国民の視点」「医師偏在の視点への配慮」「中立的な第三者の関与」の重要性が指摘されています。つまり学会をはじめ、専門領域の関係者だけでなく、中立的な第三者も含めて、地域医療への影響なども念頭に議論するよう、はっきりと求めています。

 日本専門医機構の新旧の執行部をはじめ、関係者のいろいろなご努力に対しては、敬意を表したいと思います。しかし、これまでは、「専門医の質の向上」に重点が置かれ、意図的ではないと思いますが、その他の3つの視点については、あまり考慮されてこなかったのが現実でしょう。

――制度を具体化する議論の中で、それら四つの視点のバランスがうまく取れなかった。

 これまでの専門医制度は、学会が独自の方針で運営してきた結果、認定基準が統一されておらず、国民にとって分かりにくいものになっており、それを見直すのが新専門医制度の目的でした。学会の「お手盛り」ではない制度にするためには、どうしても外部の目、客観的な目を入れなければいけなかったのに、それが不十分だったのだと思うのです。

 さらに「2017年4月から開始」という結論が先に出ており、関係者の議論を尽くさないままに、時間が迫ってきたという問題も大きい。ただでさえ、中小病院、地方の病院には医師が少ないのが現実。その中で、専門医の質だけを高めようとすると、症例数が多い大規模病院に医師が集まるようになることが考えられるため、医療界の中で、特に医療の現場を担っている人たちの中から、「何とかしてもらいたい」という声が上がってきました。

――7月20日の日本専門医機構の「専門医研修プログラムと地域医療にかかわる新たな検討委員会」では、尾身先生は、新専門医制度をめぐる問題解決のための「必要条件」として、「一般社会に対しても説明でき、納得してもらえる専門医制度のあるべき姿についての『基本的な考え』について、医療関係者の間で合意を得ることが必要」と指摘されています。

 専門医制度に関する「基本的な考え」、物事を決める根拠が必要です。法律で言う「憲法」に当たる大原則がないと、関係者の「綱引き」が継続するだけでなく、医療界、国民全体への説明責任が果たせなくなります。「基本的な考え」として、(1)診療科別の「研修枠」、(2)医師の「地理的偏在」の解消、(3)専門医制度の「将来の地域医療への影響」、(4)「根拠に基づく」意思決定――の4つを挙げ、その上で7つの「提案」をしています。

――まず診療科別の大まかな「研修枠」については、「医師にはプロフェッショナルフリーダムが認められると同時に、地域のニーズに応える社会的責務があるという考えの基に、多くの先進諸国で実施されている」と指摘されています。

 「研修枠」については、「そもそも専門医制度構築に当たっては、将来の医療ニーズを視野に入れつつ、あるべき姿の概要を検討しながら行うのは当然のことである」と指摘しました。

 わが国の医療は、基本的には国民の支払う保険料、税金で賄われています。また医学部には、私立大学も含め、多額の税金が投入され、「公共的な財産」という考え方で運営されていますが、「箸の上げ下ろし」まで行政に指示されるのは、プロフェッショナルオートノミーで動くべき集団としてはふさわしくありません。そんなことをしていたら、優秀な人材は来なくなります。その結果、一番のしわ寄せを受けるのは国民であり、プロフェッショナルフリーダムは十分に尊重されなければいけません。

 ただ同時に、プロフェッショナルフリーダムだけを認めていると、例えば、特定の診療科だけに医師が集中してしまったら、どうなるか。あるいは皆が「都会がいいから」と言って、特定の都市に集中したらどうなるか。医療はあくまで国民のためにあるのであり、医師は、医学の発展に貢献するだけでなく、地域のニーズに応える責務があります。欧米諸国には、医師のプロフェッショナルフリーダムと社会的責務のバランスを取るための仕組みがあります。その主体は、国、学会などプロフェッショナル集団、保険者などさまざまですが、基本的な考えは皆、同じです。

 しかし、日本ではこうした議論をすることが、「タブー視されてきた」傾向がありましたが、今回のことを契機にオープンに議論することが求められていると思います。

――医療のニーズのない分野や地域に、医師が多く集まりすぎたら、医師としての仕事は成り立たないので、地域のニーズに応えることは、医師のためでもあるのではないでしょうか。

 その通りです。「研修枠」の設定は、医学生や若手医師たちが、将来、日本の医療がどんな方向に行くかを理解するのに役立ち、専門とする診療科、働く地域を選択する上でも必要です。

 日本専門医機構の主たる仕事は、専門医養成のための研修の在り方を考えること。ただし、その際に、各地域で各領域の専門医がどのくらい必要かを考えなければいけません。今までは「研修枠」がなかったので、どんなデータを活用し、どんな考えで「研修枠」を決めるか、またそれを決めた場合に、そこに至る過程をどう考えるかなども含めて、大きな方向性についての議論が必要です。

 7月20日の日本専門医機構の検討会で説明した際も、「研修枠」について、反対意見は出ませんでした。むしろある人からは、「この考え方は面白いけれど、方法論があるのか」という質問が出ました。「将来の人口動態の変化」「疾病構造の変化」「モータリゼーション・交通の利便性」なども考慮し、全国および各地域の診療科ごとのニーズに関するデータなどを基にすれば、各都道府県、あるいは2次医療圏ごとに、「一定の幅を持った」各診療科別の専攻医の「研修枠」を設定することが可能です。



https://www.m3.com/news/general/451520
高松市民病院 経営難 医師不足で患者減、赤字額最悪 18年新病棟も、改善へハードル高く
2016年8月22日 (月) 毎日新聞 /香川

 高松市民病院(同市宮脇町2)が経営不振に陥っている。2015年度の経常損益は6億800万円の赤字で、過去10年間で最悪となった。医師不足が影響し、患者数が大幅に減っているのが主因。現在の病棟は将来的に閉鎖し、18年には市南部に新病棟が開院される。それでも市立病院として経営改善に向けたハードルは高い。【岩崎邦宏】

 「これだけ患者が減っているのは異常事態だ。根本から見直してみてはどうか」。7月上旬、病院内であった「高松市立病院を良くする会」。慢性的な赤字経営が続く現状に対し、委員を務める公認会計士や医療コンサルタントから厳しい意見が飛んだ。

 市民病院事務局経営企画課によると、医業収益の6割以上を占める入院患者は15年度、1日当たり158人。10年前の半数以下に減少した。外来患者も315人と10年前から6割以上減った。

 15年度の一般病床利用率は48・6%にとどまり、全国平均74・8%(14年度、厚生労働省調査)を大きく下回った。

 経営は苦しく、12、13両年度は人件費削減などでかろうじて黒字を確保したが、14年度から再び赤字に転落。15年度は6億800万円に上り、市の経営健全化計画(14年度策定)が掲げた5400万円の黒字とは大きな開きが出た。累積赤字は15年度末で78億8300万円に達する見込みとなった。

 市が経営難の要因に挙げるのは医師不足と周辺環境の変化だ。

 15年度の医師数は42人で市の計画に3人足りなかった。このうち内科医は8人で10年前に比べ4人減少。その影響で救急患者や入院患者の受け入れが減っているという。市は医師確保に注力しているが、16年度は内科医が更に1人減るなど状況は悪化している。

 さらに、県立中央病院(高松市朝日町1)など周辺の病院が新築整備されたことで、患者は流れている模様だ。

 市民はどうみているのだろう。県立中央病院にいた男性(74)は「市民病院は設備が古く、交通が不便。診察に行くのは県立中央病院か高松赤十字病院」と話す。60代の女性は「30年ほど前は市民病院に行っていたが、今は行かない。ただ、他の病院がいっぱいの時に行き場がないと困る。市民を守るためなら赤字でも仕方ないのではないか」と言う。

 市は18年9月、総事業費204億5000万円を投じ、高松市仏生山町に新病棟を開院させる。築40年以上と老朽化が進んでいる現在の病棟が一新され、市南部の新たな患者の掘り起こしにつながると期待を寄せる。経営企画課は「今は入院患者の減少に歯止めがかからないが、南部に大きな病院は少ない。患者は増えるのではないか」と、見通している。



https://www.m3.com/news/general/451893
病院改革の工程表策定へ 群馬大、手術死問題受け
2016年8月22日 (月) 共同通信社

 群馬大病院で男性医師(退職、懲戒解雇相当)の手術を受けた患者が相次いで死亡した問題を受け、病院の信頼回復に向けて群馬県と同大でつくる協議会が19日開かれ、大学側は病院改革の工程表を策定する意向を示した。会合後、記者団に明らかにした。

 群馬大は病院長をトップとした委員会を立ち上げる方針で、今後1カ月程度で、工程表の概要をまとめる。非公開の会合後に記者会見した田村遵一(たむら・じゅんいち)病院長は「一番大事なのは意識改革だ。継続してやっていく必要がある」と強調した。

 群馬大病院では男性医師の腹腔(ふくくう)鏡や開腹の手術を受けた18人の死亡が2014年に判明。その後の病院の調査でさらに12人の死亡も明らかになった。第三者調査委員会は今年7月末、「病院全体のガバナンスに不備があった」などとする調査報告書を大学側に提出した。



https://www.m3.com/news/general/451516
千葉県病院局 安全監査委を設置 6病院に定期報告求める
事故・訴訟 2016年8月22日 (月)配信毎日新聞社

 県がんセンター(千葉市中央区)で腹腔(ふくくう)鏡手術を受けた患者が相次いで死亡するなどした問題を受け、県病院局は19日、外部有識者でつくる「医療安全監査委員会」を設置したと発表した。委員はがんセンターの第三者検証委員会メンバーだった長尾能雅・名古屋大医学部付属病院副病院長ら7人。23日に初会合を開く。

 病院局はこれまで、医療事故が発生した際に第三者検証委を設置してきたが、監査委を常設することにより、事故の未然防止や院内の透明化を図る。がんセンターを含む県立6病院に対し、医療安全体制について定期報告を求め、必要に応じて是正措置を講じる。

 病院局によると、がんセンター以外の5病院は、救急医療センター、精神科医療センター、こども病院、循環器病センター、佐原病院。【川名壮志】



https://www.m3.com/news/iryoishin/451535
シリーズ: m3.com意識調査
「役に立つなら薬剤師を続ける」「フルの夜勤は限界」
何歳まで現役で仕事を続ける?【自由意見◆薬剤師、看護師編】

2016年8月22日 (月) 橋本佳子(m3.com編集長)

Q  ご自身の老後、リタイア後の生活、医療者の定年などについてのお考え、不安、他の医療者に聞いてみたいことなどがあれば、お書きください。

◆m3.com意識調査「何歳まで現役で仕事を続ける?」の結果はこちら ⇒ 
医師「70歳まで現役」が最多、薬剤師は「65歳」

【薬剤師】
◆生涯現役、できるだけ長く働く

・何歳になっても、誰かの役に立つなら薬剤師を続けたい。辞める勇気がない。
・仕事を通して社会とつながることが生きている楽しみなので、少々の不健康でも働き続けます。
・積み上げてきた知識と豊富な経験を生涯生かすために、できるだけ続けられる環境がほしいです。
・私が60歳を過ぎる頃は年金がもらえるかどうかすら怪しいから、雇ってもらえるうちは働くつもり。
・病院、診療所、施設対応専門薬局、大規模調剤薬局と経験してきて、学生時代からの夢だった地域貢献タイプの薬局の開業を間もなくかなえます。元の調剤薬局の社長が個人的な?感覚で攻撃、薬卸さんに脅しをかけるなどしてきますが、60歳台、70歳台は、新人として頑張って行きたいと思います。足が立たなくても、患者さんの話は聞いてあげることができると思うので。
・労働時間を減らして社会貢献の意味でも少しずつは続けてみたいとは思っている。
・自分の能力がついていける限りは現役で勤め上げたいと思います。
・健康のため、ぼけ防止のため、長く働きたい。
・嫌われないような職場と社会貢献をしたいと思います。
・失敗の心配がないうちは、現役で。

◆薬剤師の定年制、賛成?反対?
・プロであるならば、引き際は自分で決めるべきだと思います。技術、知識の理解度、体力など線引きは自分で決断できるうちにリタイアするつもりです。
・医療従事者の定年は、その人がもうここまでしかできないと思ったら時と思います。個人差があると思います。
・個人差があるので、一概に定年制を引くことは難しい。自分よりも子供たちが自立していけるのかという方が心配である。
・体力、知力には年齢的な限界がある。しかし、個人差も大きい。一律の定年制は基本的に反対。しかし、個人に適応される客観的に決められる定年制は必要。リタイア後の生活については、能力に応じたボランティア活動に移行するべきだ。
・地域医療では、何の知識の更新もない高齢薬剤師が多すぎる。そのくせ、数十年間、先生と呼ばれ続け、上から目線。若手の地域医療チーム参画にも悪影響を及ぼすかと考えますので、定年制はあるべき(大手チェーンではなく、個人薬局の場合です)。
・やはり、年齢が増すと、ミスが多くなり、失敗しやすくなると思う!気力は旺盛なのにね、何より瞬発力が劇的に減ってくるのを感じる。よって、ある程度の時期が来たら老兵は引退すべしだ!
・実際に定期的な試験などを行い、免許の更新制にするべきだと思います。
・対応能力は、一概に年齢ではなく個人によって全く違うのですが、それを示唆できる人がいないのが問題だと思います。

◆リタイアも考えつつ……
・高齢になっても元気だったら、何をしたらいいか分からない。ただ自分が、元気なのとしっかり責任が取れるのとは別なので、あまり高齢になって働きたくない。
・まだ先かなと思っていましたが、子供たちの成長を見るにつけ、それほど先のことでもないかもと若干の不安がよぎる毎日です。定年制度は必要だとは思いますが、その後の生活を考えると、どうしたらよいのかなと。
・仕事はできる限り続けたいが、周りに迷惑をかけるようになったら潔く引退しようと考えています。
・新しい治療や新しい薬剤に対する知識の更新ができなくなった時点でリタイアするべきだと思います。

◆他の薬剤師の意見、聞きたい!
・個人事業主だと定年はないが、いつ辞めようと考えているのでしょうか。アスリートもそうですが、引き際を決めるって難しいと感じる。
・給料は、下がるのか?

◆その他
・年齢差別に近いものがある日本。途中で職を離れたら、それがかなりのハンデになる。いつでも、能力を磨けば、維持できれば働けるようになればと思う。
・培った知識と技能、哲学を駆使して体力に応じた社会貢献・活躍の場を作りたい。そうすることで若い現役世代の負担も軽減でき、後輩の育成にも寄与できると思う。

・学生時代よりは、30年以上経った今の方が、はるかに勉強(情報収集)に時間をかけています。
・趣味もあるので、1日24時間では足りません。体力の衰えは感じています。
・定年して仕事を辞めたら、食べていけるか心配です。
・定年後はゆっくりとしたいと思う気持ちと、体力に余裕があれば仕事を続けたい気持ちと両方あります。
・ホームセンターで登録販売者をやろうかな、リフォームに使える資格もあるし。

【看護師】
◆定年、辞めどきについて思うこと

・今、体力・精神的に限界を感じています。フルで夜勤をしていくのには、年齢的に限界があるかも。でも、夜勤をしないと、もっと若い層に負担をかけることのなるのも耐え難い。今の職場では限界かも。WLB(ワークライフバランス)なんて、子育て支援のお題目でしかなく、独身者は身を粉にして働くしかない。老後なんてないのかも。
・自分は看護師であり、現在の看護師不足の世情を鑑みると、体力、健康上に問題がなければ、60歳定年後の就業も検討するべきだとは思うが、自分も含め、医療業界には自身の疾病を抱えて就業している多くの人がいる現状があり、簡単に就業継続はできない現状がある。
・仕事の内容による。責任ある役職などは不向きだが、2030年以降、健康な高齢者が病気の方の世話をする時代。
・医師の定年制は、ある程度必要だと思いますが、離島や無医村の地域のことを考えると答えは出ません。
・医療者の定年について、正しい診断ができない看護技術の低下で職務を果たせなくなる前にリタイア」するべきでは……。
・資格を生かし、医療の場所・条件提示が医療者向けに公開されることと、登録者条件を満たせば選択、応募できればよいと思われる。登録者条件としてせっかくの資格、前勤務先の推薦書の提出があれば、雇用対象となれるなどが必要。

◆その他
・リタイア後はピンコロで生きたい。家族には不要な長生きはさせないようによく言い聞かせています。サクッと死ねない世の中だから……。
・現役時代の保健医療を使用が少なかったら、老後の優遇措置がほしい。
・早期退職し、自由な老後、やりたい趣味を毎日実施する自由な老後を目指す。
・年金が本当にもらえるのか不安。



http://www.yomiuri.co.jp/local/ibaraki/news/20160822-OYTNT50238.html
県、民間病院へ医師派遣支援
2016年08月23日 読売新聞 茨城

 救急医療に取り組む地域の民間病院に対し、県は大学病院などの公的医療機関からの医師派遣を支援する方針を明らかにした。地域の受け入れ先を広げることで、医師が都市部へ流出するのを防ぐとともに、地域医療の充実を図る。今後、希望する民間病院をリストアップして、具体的な交渉を始める。


 県によると、公的医療機関の医師は、公的病院に派遣されるのが一般的となっている。このため、医師が不足する民間病院があっても、派遣を受けられない課題があった。県が民間病院に「お墨付き」を与えることで、大学病院などに医師の派遣先候補としてもらうという。

 8日発表した地域医療構想の素案に盛り込まれ、具体策を詰めていく。県厚生総務課は「民間病院の医師不足は深刻で、公的病院と同様の支援が必要。今後の地域医療計画にも盛り込みたい」としている。



https://www.m3.com/news/general/451962
熊本市民病院の移転方針案 歯科廃止に募る不安
2016年8月22日 (月) 熊本日日新聞

 熊本地震の被害を受け、移転新築を目指している熊本市民病院(東区湖東)の新病院方針案に歯科口腔[こうくう]外科の廃止が盛り込まれた点について、重度障害児の家族らが不安を募らせている。全身麻酔下での治療など特殊な歯科診療ができる施設だったためだ。家族や障害者団体は「ぜひ残して」と再考を求めている。

 同病院は熊本地震で3棟ある建物のうち2棟が使えなくなり、現在は外来診療のみで入院できない状態。市は2018年度までに同区東町の国有地へ移転する方針を示している。

 ことし7月には入院病床数を現在の556床から約380床に縮小し、歯科口腔外科と心臓血管外科を廃止する案を有識者懇談会に提示。市によると、新病院の基本方針に「周産期医療の充実」を掲げており、歯科口腔外科は15年度の診療データから周産期との関与が低いと判断。心臓血管外科は県内の他病院で代替可能とした。

 この案に対し「県重症心身障害児(者)を守る会」の坂田和夫会長(65)は「普通の歯科ではできない障害児の治療を市民病院が担ってきた」と話す。玉名市の主婦品川綾香さん(33)は、身体と知的障害のある長女希華[ほのか]さん(11)の虫歯をこれまでに同病院で3回ほど、全身麻酔下で治療した。月1回、虫歯予防のフッ素塗布もしている。品川さんは「幼い頃からのかかりつけ。障害への理解がある歯科を残して」と訴える。

 同病院では15年度、全身麻酔下での治療は延べ82人だったが、現在はできていない。県歯科医師会によると、障害者も診る会員の診療所275施設のうち、全身麻酔ができるのは同病院を含め5施設。このほかは熊本大病院などに限られる。

 障害者の診療に当たる同会立の口腔保健センター(熊本市中央区)の利用者は、過去10年で千人増え、15年度は延べ2842人だった。同会障がい者歯科担当の松本信久理事(56)は「ニーズは増えており、市民病院がなくなれば影響は大きい」と話す。

 市は8月下旬にも、方針案に基づく基本計画案を示す。熊本市民病院の藤本眞一事務局長(56)は「さまざまな意見を踏まえて検討していく」としている。(林田賢一郎)



https://www.m3.com/news/general/451960
【栃木】外科医の仕事、中学生が体験 上都賀総合病院
2016年8月22日 (月) 下野新聞

 【鹿沼】上都賀総合病院は20日、中学生を対象とした外科医体験セミナーを開いた。市内と宇都宮、日光両市から計12人が参加し、外科医の仕事を学んだ。

 中学生に病院の仕事の体験を通じて現場を知ってもらい、地域医療への関心を持ってもらおうと同病院が主催し今回で7回目。

 生徒たちは十川康弘(とがわやすひろ)病院長から医師の業務に対する心構えなどを聞いた後、実際に使われるマスクや手術着を着用し手術体験などを行った。

 手術室では4グループに分かれ、医師たちから指導を受けながら体験した。折れたブタの肋骨(ろっこつ)などをプレートで固定する作業や、鶏のささ身を用いた電気メス体験、腹腔(ふくくう)鏡手術トレーナーの操作、縫合糸の結紮(けっさつ)体験など、外科医が使うさまざまな器具に触れて慣れない作業に集中した。

 医師を目指しているという宇都宮市雀宮中3年遠藤麻桜(えんどうまお)さん(15)は「プレートで折れた骨を固定する作業はかなり力が必要で、このようにして骨折を治すと知って驚いた。良い勉強になった」と話していた。



https://www.m3.com/news/general/451958
【島根】医療現場を肌で体験 中学生38人アカデミー参加、出雲
2016年8月22日 (月) 山陰中央新報

 医療の道を志す中学生向けの体験講座「メディカル・アカデミー」がこのほど、2泊3日の日程で島根県出雲市内で開かれた。県内各地から38人の中学生が参加し、病院など医療の現場を体験した。

 医療従事者が中学時代に進路を決める傾向があるとして、医師・看護師不足に悩む県の健康福祉部と教育委員会が合同で夏休みに行っており、今年で5回目。

 島根大医学部付属病院(出雲市塩冶町)、県立中央病院(同市姫原4丁目)などで体験学習したほか、同大医学部の学生と意見交換した。

 県立中央病院では救急医療の現場で活躍するドクターヘリの運用について学んだ。リハビリテーション体験では、電気を流して筋肉の機能を回復させる治療器を試したり、歩行訓練用の器具を装着したりした。

 益田中2年の野稲ほのみさん(13)は「海外で医療活動をしてみたい。これからしっかり勉強し、医療関係の資格に挑戦したい」と話した。


  1. 2016/08/23(火) 05:49:49|
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8月21日 

http://mainichi.jp/articles/20160821/ddl/k29/100/293000c
仕事体験
「ぼくもお医者さん」 子供ら白衣で 生駒市立病院 /奈良

毎日新聞2016年8月21日 地方版 奈良県

 病院の仕事や医療機器に親しんでもらうイベント「サマーフェスタ&親子見学会」が20日、生駒市東生駒1の市立病院で開かれ、地元の親子連れらでにぎわった。

 市立病院とNPO法人「生駒の地域医療を育てる会」の主催。電気メスなどの医療機器に触れたり、医師や看護師の子供用の白衣を着て、ラムネなどのお菓子を薬に見立てて調剤する体験コーナーがあり、親子連れらが記念撮影を楽しむ姿が見られた。

 白衣を身にまとった同市の原田大樹君(6)と芽衣ちゃん(3)は「お医者さんの気持ちになれた」と楽しんでいた。【川畑展之】



http://mainichi.jp/articles/20160821/ddl/k37/100/351000c
職場体験
医療現場を学ぶ 初の平日開催 高校生「やりがいある」 観音寺・三豊総合病院 /香川

毎日新聞2016年8月21日 地方版 香川県

 医療職を目指す高校生たちを対象にした職場体験が、観音寺市豊浜町姫浜の三豊総合病院(安東正晴院長)であり、県内外の高校生延べ130人が参加した。

 職場体験は17〜19日に行われ、医師や看護師、理学療法士、作業療法士など14職種の現場を見学・体験した。同病院が毎年開催しており、今回は初めて、患者がいる平日に実施した。

 19日の医師・看護師の体験では、参加した高校生が医師の説明を受けながら、糖尿病を見つける検査などに挑戦した。また、病院に緊急搬送されてきた患者を医師や看護師たちが対応する様子を見学した。

 理学療法士を目指しているという丸亀城西高校3年の宮下瑞紀さん(17)は「大変な仕事だと思う一方で、やりがいがあると感じました。(理学療法士に)なれるように頑張りたいです」と話していた。



http://www.sanin-chuo.co.jp/health/modules/news/article.php?storyid=560763075
医療現場を肌で体験 中学生38人アカデミー参加、出雲
'16/08/21 山陰中央新聞

電気を流す治療器を体験する中学生
 医療の道を志す中学生向けの体験講座「メディカル・アカデミー」がこのほど、2泊3日の日程で島根県出雲市内で開かれた。県内各地から38人の中学生が参加し、病院など医療の現場を体験した。

 医療従事者が中学時代に進路を決める傾向があるとして、医師・看護師不足に悩む県の健康福祉部と教育委員会が合同で夏休みに行っており、今年で5回目。

 島根大医学部付属病院(出雲市塩冶町)、県立中央病院(同市姫原4丁目)などで体験学習したほか、同大医学部の学生と意見交換した。

 県立中央病院では救急医療の現場で活躍するドクターヘリの運用について学んだ。リハビリテーション体験では、電気を流して筋肉の機能を回復させる治療器を試したり、歩行訓練用の器具を装着したりした。

 益田中2年の野稲ほのみさん(13)は「海外で医療活動をしてみたい。これからしっかり勉強し、医療関係の資格に挑戦したい」と話した。



http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokyo/list/201608/CK2016082102000101.html
医療現場に関心持って 町田で「子ども病院見学会」
2016年8月21日 東京新聞

 手術や検査、調剤など病院の仕事に興味を持ってもらおうと、町田市旭町の市民病院で二十日、「夏休み子ども病院見学会」が開かれ、地元の小学生が手術室に入るなどして医療現場を体験した。
 四回目となる今回は抽選で選ばれた四年生から六年生まで四十人が参加。近藤直弥院長は「医師や看護師だけでなく、さまざまなスタッフが病院で働いている。将来はぜひ医療関係の仕事に進んでほしい」と呼び掛けた。
 ゴム手袋などをして執刀医になりきった子どもたちは、手術室で医療機器や実際の施術の手順について説明を受けた後、人体に見立てた鶏肉を使い、「手術」に挑戦。電気メスを慣れない手つきで握り、恐る恐る切り込みを入れていた。
 コンピューター断層撮影(CT)や磁気共鳴画像装置(MRI)検査の実演を見学し、はさみなどの金属を吸い寄せるMRIの強力な磁力に驚きの声を上げた。また、ジュースや菓子を使って薬の調剤の仕方を体験した。
 夏休みの自由研究の題材にするという小学四年の吉川翔輝(しょうき)君(10)は「CTで撮影された体の中の画像はとてもリアルだった。看護師の仕事も面白そう」と目を輝かせて病院のあちこちをカメラで撮影していた。 (栗原淳)



http://www.shimotsuke.co.jp/category/life/welfare/medical/news/20160821/2423847
地域医療へ関心を 中学生が外科医の仕事体験 鹿沼・上都賀総合病院
8月21日 朝刊 下野新聞

【鹿沼】上都賀総合病院は20日、中学生を対象とした外科医体験セミナーを開いた。市内と宇都宮、日光両市から計12人が参加し、外科医の仕事を学んだ。

 中学生に病院の仕事の体験を通じて現場を知ってもらい、地域医療への関心を持ってもらおうと同病院が主催し今回で7回目。

 生徒たちは十川康弘(とがわやすひろ)病院長から医師の業務に対する心構えなどを聞いた後、実際に使われるマスクや手術着を着用し手術体験などを行った。

 手術室では4グループに分かれ、医師たちから指導を受けながら体験した。折れたブタの肋骨(ろっこつ)などをプレートで固定する作業や、鶏のささ身を用いた電気メス体験、腹腔(ふくくう)鏡手術トレーナーの操作、縫合糸の結紮(けっさつ)体験など、外科医が使うさまざまな器具に触れて慣れない作業に集中した。



https://www.m3.com/news/iryoishin/451533
シリーズ: m3.com意識調査
「退職金が雀の涙」「身近に“老害”を経験」
何歳まで現役で仕事を続ける?【自由意見◆勤務医編2】

2016年8月21日 (日) 橋本佳子(m3.com編集長)

Q  ご自身の老後、リタイア後の生活、医療者の定年などについてのお考え、不安、他の医療者に聞いてみたいことなどがあれば、お書きください。

◆m3.com意識調査「何歳まで現役で仕事を続ける?」の結果はこちら ⇒ 
医師「70歳まで現役」が最多、薬剤師は「65歳」

【勤務医】
◆勤務医の悲哀?さまざまな不安

・ 医局ローテで転職を繰り返していた結果、退職金が雀の涙……。なんだか意外と損してるなぁ。
・ 3年ごとくらいに職場が変わるので、退職金も期待できないし、年取って突然辞めさせられたらと思うと金銭面で不安です。
・ 公的医療機関では、65歳になっています。勤務医の場合、十分な年金や退職金も通常ありませんから、何らかの形で「医師」で稼なければなりません。その土地の事情(東京、地方都市、政令市、離島 etc)、診療科目で再就職状況は異なると思います。実際に探すと、大変です。内科の場合、老体には無理な要求をされます。
・ 国全体が不安なので、医師だけ言っていても無理でしょう。ただ、勤務医で一生懸命がんばった人をのんびりやっている人と差を付けて、老後を楽させてあげたいと思います。
・ 金がないから働き続けるしかない。看護師の方が、よほど老後は金持ちだ。「無給医局員なんかしないで、開業しておけばよかった」と、考えるドクターは、多いのではないだろうか?結局、身を粉にして働いても、病気になって入院して、何もなくなるのだから。
・ 現在勤務医なのですが、開業医に比べて、現役でいられる年齢が低いと思います。この点を公平にしてもらいたいと思います。
・ 勤務医の場合は経済的な面での不安要素は大きいと思います。転勤が多いので退職金も期待できませんので。
・ 開業医は老後金銭的な心配はないが、勤務医は年金なども少なく金銭的に不安がある。
・ 医師は、勤務先の変動の多い仕事ですので、会社員や公務員と比べて、現行の年金制度では不利になります。
・ 年金があまりにも少なくてリタイアできない。
・ 年金が期待できないので、死ぬまで働くしかない。

◆高齢医師、活躍に期待?それとも?
・ 私は医師は10年単位で時代に遅れて行き、その時代に合った仕事ができない年代になれば退役すべきだと思います。もちとん、その医師の本来の能力にもよると思いますが、ある市役所の人から、「集団予防接種を依頼しに行った先の先生の手が震えていて、そんな方に頼んでも良いのだろうか」と相談されました。運転免許にも認知症のテストがあります。医師なのですから自分で判断して決めるべきです。

・ 医師にも(保険医として労働可能な)定年を設けるべきであると考える。高齢の医師(特に開業医)が知識・技術のup dateを行わず、不要かつ大量な薬剤を処方している現状は医療経済上、好ましくないと考えるからである。検診や人間ドッグなど保険診療外の労働は問題ないと考える。

・ 記憶力が悪くなって、今まで覚えていたことを思い出せなくなって、誤診をしている高齢の先生を拝見します。老眼で私も手術に手間取るようになりましたが、私よりも老眼がひどく皮膚もきれいに縫合できない先生を拝見します。また、医学医療は進歩していますが、それを理解できず「僕の言っていることが、誰の言っていることよりも正しいんです」と時代についてゆけない医師を拝見します。どんな患者さんに対しても、目ざとく老化現象を見つけ「老化現象、老化現象によるものです」と全ての患者さんの診断が老化現象になっていて、それ以上は診察しない先生を拝見します。患者さんの話が聞えていないのに聞えているふりをする先生を拝見します。そんなふうになってもお金儲けのために医者を続けたいですか?

・ いつまで経っても、自分が必要とされていると思い込んでいる老害は、患者の命を蝕むだけで何ら有益ではありません。新しい知識は学ばない上に、禁忌薬を平気で使って死亡症例が発生しているのに、全く自分の責任と捉えず、のほほんとしている姿を見ていると、こんな人間にはなりたくないと日々痛感しています。自分は、周囲に言われる前に早期に現場を離れるつもりです。それが、最も患者や現場に良いことであることは、悪しき事例を数々見てきた答えです。

・ 周囲、患者に迷惑をかける前に、引き際が重要。自分の衰えを自覚せずに医療事故を起こし、晩節をけがすのは愚の骨頂。
・ 医療のやり方が変わってしまって、自分が老後の時には対応できない社会になってしまっている気がします。現在の70代の方からみてどのように感じているでしょうか。
・ 教授を定年後、ろくに仕事もしないのに、天下り的に民間病院の重要ポストにつき、給料だけもらっている医者があまりにも多すぎる。
・ 70歳以降、毎年の資格更新試験、健康診断を認知機能まで精査し就労可能と認定できれば、勤務可能とする、などを検討せざるを得ない。
・ 80過ぎた老医が働いているのを見ると、かわいそうになってくる。

◆知り合いのケース
・ 昨年、うちの病院の理事長が84歳で亡くなった。前の日までお産でこどもを取り上げていた。生涯現役かっこいいと思った。
・ 高齢医師でも、指導者としてあるいは介護施設等の担当医など、役割はあると思います。
・ 高齢の先輩医師が、まだ現役の方が多い。仕事しないでいると、むしろ健康を損う方も結構みておりますので。
・ 早期リタイアがちらほらいらっしゃいますが、この先の生活費はどうするんだろうと考えます。子供が独立したり、子供のいない先生に見られます。あとは山登りや趣味に生きると伝え聞きますが。株か家賃収入など副業がおありなのでしょうか。うちは貧乏なのでまだまだ働かないとです。

◆リタイア医師の活躍の場を!
・ 働き方の質の変換がある年齢を超えていく場合には必要ですが、そのような問題は現在は個人的な範囲でしか行われていない。もっと制度的、システム的に組織化され、経験的な知恵が若い世代にフィードバックされ、高齢的な世代にも知的刺激となるようなシステムが医師の世界にも必要だろう。デニーロの出演していた映画「インターン」のように。
・ 他業種では再雇用制度なるものがあり、年配となっても体力などの衰えがあっても経験があるので必ずしも完全に役立たないわけでもない。かと言って、一線でバリバリ勤務するには限界がある。能力的には限界が生じてくる高齢医師でも、医師の労働力不足を補う上で貴重な戦力となり得るので、高齢医師が社会に貢献できるようなシステムを構築できればと思う。
・ 地方の医療過疎に最適ではないでしょうか。仕事できる医師は積極的に地方に勤務すべきです。
・ 定年後の医師の再利用のより良い方法はないものか。



http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS18H1I_Y6A810C1SHA000/
日本の医療費は高額 新基準で世界3位
対GDP、OECDまとめ

2016/8/21 21:40日本経済新聞 電子版

 日本の医療や介護は諸外国と比べて安いのか。経済協力開発機構(OECD)がまとめた2015年の国内総生産(GDP)比の保健医療支出の推計値では、日本が順位を一気に上げて3位となった。厚生労働省や医療関係者は「低費用で上質なサービスを提供している」と主張してきたが、少なくともコストの面では疑ってみる必要がある。(中島裕介)

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 55兆9354億円、GDP比11.2%――。日本の保健医療支出のGDP比はOECD加盟国で米国、スイスに次ぐ3位となった。近年は10位前後で推移していたが、15年の統計で急上昇した。安価な公的医療保険制度が発達せず薬剤費なども高い米国の16.9%は別格とはいえ「福祉国家」のフランスやスウェーデンより上位。このため一部の医療関係者などの間で話題になっている。

 OECDの「保健医療支出」は公共・民間の両部門が医療や介護などに投じた総費用を示す。厚労省が公表している「国民医療費」に介護関係や市販薬の売り上げ、健康診査などの費用を加えた概念だ。

 GDP比は医療費の水準を国際的に比べる重要な指標。厚労白書などで「日本の医療費は先進国の中で低水準で推移している」と説明する際の数字的な裏付けとなってきた。厚労省が政府の医療関係予算の増額を求める根拠にもなってきた。

 日本の医療費や介護費が伸びている要因の一つは高齢化の進展だ。05年のGDP比は8.1%。OECD35カ国中17番目で、主要7カ国(G7)でも6番目だった。この間に65歳以上の人口比率は約7%上がっており、医療費などの拡大につながった。高齢化によって医療費や介護費が伸びるのは避けがたい。

 ただ15年に順位が急上昇した大きな要因は別のところにある。OECDが求める最新基準に合わせて「通所介護」や「認知症向けの生活介護」など介護関係の費用の一部が今回から新たに算入された影響が大きい。これで6兆円ほど費用が膨らみ、GDP比が1ポイント強も押し上げられた。

 基準変更が特に日本に大きく影響した理由について、日本総合研究所の西沢和彦主席研究員は「多くの主要国は既に介護関係の費用を数字に含めていた可能性が高い」と指摘する。これまでの日本の順位も実態より低めに出ていた公算が大きく「精緻でない統計を根拠に日本の医療費の効率の良さを主張してきたのは問題だ」(西沢氏)。

 別のOECDの統計をみると、日本の医療現場での過剰な診療や投薬をうかがわせるデータがある。13年の患者1人あたりの診察回数は年間12.9回で韓国(14.6回)に次いで2位。1人あたりの薬剤費も年752ドル(約7万5千円)で米国の1026ドルに続く2位に位置する。ともに医療費を膨らませる大きな要因だ。

 日本で保健医療支出を算出している医療経済研究機構は「各国の制度は多様なので、国同士の比較は慎重にすべきだ」とクギを刺す。日本の上昇ペースが速いのは、分母のGDPの伸びの低迷も響いている。一方、ドルベースで見た1人当たり保健医療支出は14年にOECDで15位。首位の米国の5割弱だが、円安・ドル高の影響もある。


  1. 2016/08/22(月) 06:03:43|
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