Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

7月30日 

http://news.biglobe.ne.jp/domestic/0730/mai_160730_3328478236.html
<群馬大手術死続発>執刀医ほぼ独断で実施 調査委報告書
毎日新聞7月30日(土)21時14分

約1年に及んだ調査結果を説明する医療事故調査委員会の上田裕一委員長(奈良県総合医療センター総長、左から2人目)=前橋市荒牧町4の群馬大で2016年7月30日午後2時9分、尾崎修二撮影

 群馬大病院(前橋市)で同一医師の肝臓手術を受けた患者が相次いで死亡した問題で、同病院の医療事故調査委員会(上田裕一委員長)が30日、同大で記者会見した。この医師はほぼ一人で手術の実施判断や治療に携わり、複数の医師らが出席する症例検討会に参加しないこともあった。心臓外科医でもある上田委員長は「外科医一人の手術がうまくいけば全部がうまくいくわけではない。組織運営に問題があった」と総括した。

 調査委は、問題の医師が関わった18例の死亡事例を検証。死亡原因を分析し、改善策を盛り込んだ報告書をまとめ、同大の平塚浩士学長に同日提出した。

 報告書では、2009年度の1年間に、この医師が手術を担当した計8人が死亡していたことなどから、「体制を振り返って対応をとっていれば、その後の死亡を防げた可能性があった」と指摘。患者への説明も情報提供が不十分だったとし、改善策として、医師の説明を理解できたか患者がチェックする用紙の導入や、患者がカルテを閲覧できる仕組みの整備を提言した。

 この医師は10年から腹腔(ふくくう)鏡を使った難易度の高い手術を始めたが、専門的な知識や技術を持つ内視鏡認定医がかかわったのは、最初の2例のみ。上司の教授は腹腔鏡手術の経験がなく、肝臓手術の経験も多くなかった。別の医師から手術中止の進言もあった中、8人が死亡した。

 肝胆膵(すい)(肝臓、胆道、膵臓)手術が専門の具英成(ぐ・えいせい)神戸大教授は「高難度の手術を担える技量のない教授が、部下を適切に指導監督することは難しい。こうした人を責任者にしたことが問題の始まりとも言える」と指摘した。【野田武】



http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG30H45_Q6A730C1CR8000/
弁護団「執刀医の問題点明確化されず疑問」 群馬大病院問題
2016/7/30 20:38 日本経済新聞

 群馬大病院の患者死亡問題で第三者調査委員会が報告書をまとめたことを受け、被害対策弁護団と遺族会は30日、前橋市内で記者会見した。多くの事例で術前検査をしておらず手技や技量が不十分だったことなど、執刀した男性医師の問題点について「報告書で明確化していないのは疑問」と指摘した。

 弁護団はこの医師や上司だった診療科長に直接の説明を求め、回答次第では刑事告訴や行政処分の要望を検討する。報告書の提言にある再発防止策は評価できるとした。

 報告書は2009年度に男性医師の手術で死亡事案が相次いだ際、適切に対応していれば続発を防げた可能性を指摘。11年に父親を腹腔(ふくくう)鏡手術で亡くした男性は「手術をやめていれば亡くなることはなかったのかもしれない」と悔やんだ。〔共同〕



http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG30H39_Q6A730C1CR8000/
遺族参加で医療安全改革を 群馬大病院問題で調査委
2016/7/30 19:27 日本経済新聞

 群馬大病院で同じ男性医師(退職)の手術を受けた患者が相次いで死亡した問題で、第三者による調査委員会は30日、調査結果を平塚浩士学長に提出した。報告書は「病院全体のガバナンスに不備があった」と指摘。院内の倫理委員会や患者支援に携わる部署などに死亡した患者の遺族を加え、医療安全の改革に取り組むことを求めた。

 調査委は、男性医師による2009年度から6年間の18人の死亡事例を検証。09年度に開腹による肝臓切除で5人が死亡したにもかかわらず、改善がなされないまま男性医師による手術が続いたと報告した。

 その上で「この時期に適切な対応を取っていれば、その後の死亡事例の続発を防ぐことができた可能性がある」と指摘。不十分な管理体制などを問題視し、「患者中心の医療とは大きく乖離(かいり)している」と非難した。

 調査委の上田裕一委員長は30日の記者会見で「群馬大病院で指摘された問題点は、日本全国の病院に多かれ少なかれ存在する」と警鐘を鳴らした。そのため報告書では再発防止策の提言に力を入れ、ほかの病院の参考ともなる改革を促した。

 再発防止策としては、手術をする際には2度の検討会を経ることを提案。事故の教訓を風化させないように、今後10年程度は改革の進捗状況を遺族に報告することも求めた。

 報告書を受け取った平塚学長は「ご遺族の皆様には深くおわび申し上げます」と述べた。



http://www.sanyonews.jp/article/389902/1/?rct=iryo_fukushi
真庭圏域の医療体制確保を 構想調整会議で行政関係者ら協議
(2016年07月30日 18時25分 更新) 山陽新聞

真庭圏域の医療提供体制について意見を交わした調整会議

 真庭市、岡山県新庄村の医療提供体制の確保について考える真庭圏域地域医療構想調整会議が28日、同市勝山の県真庭地域事務所で医療福祉、行政関係者ら25人が出席して開かれた。

 真庭保健所(同所)の井上康二郎所長が2025年には必要病床数が現在よりも約200少ない463床にとどまるといった推計データを示し、医療需要を説明。「将来の医療体系のあるべき姿を今から十分議論してほしい」と呼び掛けた。

 意見交換では「今後見込まれる在宅療養患者の増加を見据え、地域のサポート体制が必要」「在宅診療を支援していくためには訪問看護師と医師の連携強化も欠かせない」といった声が上がった。

 調整会議は県が第7次県保健医療計画(16、17年度)に初めて10年後のビジョンを示す「地域医療構想」を盛り込んだのに合わせ今年3月、構想実現に向けて県内5圏域で設けた。



http://mainichi.jp/articles/20160730/ddl/k10/040/235000c
群馬大病院
「患者本位」から乖離 医療事故調「09年度に改善できた」 /群馬

毎日新聞2016年7月30日 地方版 群馬県

 群馬大医学部付属病院で第2外科の男性医師による肝臓の腹腔(ふくくう)鏡や開腹手術を受けた患者が相次いで死亡した問題で、学外有識者でつくる医療事故調査委員会は30日、学長に報告書を提出する。調査では、腹腔鏡の導入直前の2009年度時点で、男性医師による開腹手術の死亡が8例相次いだ ▽腹腔鏡導入直後の死亡率が高かった ▽手術中止を求める部下の声があった−−にもかかわらず、いずれの段階でも組織として相次ぐ死亡事例を把握・防止できなかった実態が明らかになった。【尾崎修二】


 事故調は、病院が手術前後の手続きや患者への説明に関するルールを整備しないまま、過酷な勤務環境で手術数拡大や高難度の外科医療を推進したと指摘。「患者本位の医療とは大きく乖離(かいり)していた」と病院の組織的な問題に言及した。

 報告書によると、09年度に第1、第2外科で術後早期に死亡したのは男性医師の開腹手術の患者だけで「この時点で手術の停止や体制改善をすべきだった」と指摘。実際には09年10月、上司の診療科長が男性医師に高難度の肝切除術を控えるよう助言した。12月に手術を再開したが、3例の死亡事例が続発し10年3月に再び手術を休むよう要請。しかし、男性医師は間もなく手術を再開した。事故調のヒアリングに男性医師は「その後も紹介患者が来たため、手術を休み続けられなかった」と答えたという。

 腹腔鏡手術は10年12月に導入されたが、専門性の高い内視鏡認定医が深く携わった手術は最初の2例だけ。最初の14例中4例が死に至るなど初期の死亡率が特に高かったが、腹腔鏡手術は年々増加した。診療科長は、部下から「危険なので中止した方がいい」と進言を受けたが、対応を講じなかった。診療科長は12年の腹腔鏡に関する論文で、実際の死亡数より少ない数を記載していた。

 事故調は、病院が、手術内容の事前検討 ▽死亡症例の報告・検証 ▽患者への説明−−などに関する院内ルールを整備せず、人員確保も不十分なまま、手術数拡大や高難度医療を推進したと指摘し、相次ぐ死亡や問題発覚の遅れを防げなかったとした。病院が当初、男性医師個人の過失を独断で認定(その後撤回)した点も問題視した。


群馬大の調査をめぐる経緯◇

<2014年>
6月    院内で腹腔鏡手術の問題が発覚
7月22日 腹腔鏡手術での死亡8例について調べる事故調査委員会を設置
12月    同一医師による肝臓の開腹手術の死亡10例も調査開始

<2015年>
3月 3日 腹腔鏡手術8例とも「過失あり」との最終報告書を発表
3月30日 執刀医と診療科長が病院に反論の上申書を提出
4月 2日 腹腔鏡手術の最終報告書に病院が無断で「過失あり」と加筆していた事実を認め、外部委員が再精査を始める
4月15日 最終報告書から「過失あり」の文言を削除すると公表
5月25日 ガバナンス問題に特化した「病院改革委員会」発足
8月30日 新たな事故調が第1回会合。大学は同一医師による消化器外科手術の死亡12例を新たに事故調に提示
10月26日 改革委が中間提言を大学に提出
11月24日 事故調が日本外科学会に医学的検証を委託
12月24日 日本外科学会が初会合。消化器外科手術の死亡64例のうち51例を、詳細な検証の対象に決定

<2016年>
3月27日 日本外科学会が医学的検証の結果を事故調に提出
7月30日 事故調が大学に報告書を提出予定



http://www.asahi.com/articles/ASJ7Z3W08J7ZUBQU00T.html
手術関連死で3億円減収試算 群大病院
仲田一平
2016年7月30日11時59分朝日新聞

 群馬大学(前橋市)は、医学部付属病院の2015年度の決算について、手術後の死亡が相次いだ問題で約3・3億円の減収が生じたとする試算をまとめた。診療報酬の優遇を受けられなくなった影響を調べた。診療報酬の請求が適正だったかを調べる国の監査の結果次第では返還額が膨らむ可能性があり、経営状況をさらに悪化させる恐れもある。

手術後に死亡相次ぐが対策取らず 群大病院の事故調指摘
 医療事故を大学側が公表したのは14年11月。15年4月、都道府県がん診療連携拠点病院の指定を更新されず、同年6月には特定機能病院の承認を取り消され、診療報酬の優遇が受けられなくなった。病院によると、昨年度は初診患者も紹介患者も各1割程度、前年より少なかったという。

 大学の説明では、長期借入金の返済を勘案した修正損益ベースで昨年度は8億円程度の実質的な赤字状態。病院収入などでは15年度分の借入金返済をまかなえない状況だった。

 特定機能病院の再承認は時期も含めて不透明で、診療報酬の返還額も見通せず、昨年度は一部の診療用設備で更新を控えるなどした。大学は「医療の安全を確保しつつ、経費抑制を図る必要がある。後発医薬品の使用拡大や価格交渉による医薬品費の削減、空きベッド解消などの取り組みを進めたい」と説明している。



http://news.biglobe.ne.jp/domestic/0730/mai_160730_2885643949.html
<群馬大手術死続発>組織的問題点を指摘 事故調報告書
毎日新聞7月30日(土)22時57分

 「不良なシステム下では、どんな医師も陥る可能性がある」。群馬大医学部付属病院(前橋市)で第2外科の男性医師による肝臓の腹腔(ふくくう)鏡や開腹手術を受けた患者が相次いで死亡した問題で、学外有識者でつくる医療事故調査委員会は30日、平塚浩士学長に報告書を提出した。相次ぐ術後死。それを見逃していた体制の不備。過酷な勤務環境−−。事故調は、地域住民から「最後のとりで」とされてきた病院に巣食っていた組織的な問題点を指摘。質の低い医療を許した「病院のガバナンス(統治)の不備」が浮き彫りとなった。【尾崎修二】

 事故調は第2外科の男性医師(執刀医)が関わった18例の死亡事例を検証した。報告書は大学のホームページ(HP)でも公表されている。

 ◇■過酷な勤務環境

 執刀医は先輩医師が他院に移った2009年春から第2外科の肝胆膵(すい)(肝臓、胆道、膵臓)手術を主導し、術式決定や手術、術後管理を実質1人で担当。09年度は開腹手術で8人が術後死した。

 第2外科の肝胆膵外科担当の医師は10年度以降も2人。委員長の上田裕一・奈良県総合医療センター総長は「最低でも6人プラス術後管理を担う別の医師が必要」と指摘した。第1外科には同分野の医師が3〜6人いたが、連携はなかった。

 執刀医は週の大半で午前8時から午前0時近くまで働き、手術日は帰宅が深夜2時に。患者や家族への説明は深夜に行われ、看護師の同席は18例中1例だけだった。消化器外科の複数の医師が参加する症例検討会を欠席することもあった。

 病院では国立大法人化を背景に、手術数拡大が「院是」になり、手術室数当たりの手術件数は全国の国立大病院の中でも上位に。人員不足の中、第2外科の肝胆膵分野でも手術数は増えた。

 ◇■事前審査も事後報告も機能せず

 病院の臨床試験審査委員会(IRB)は研究目的だけが対象で、臨床倫理委員会は形式だけの存在だった。このため、保険適用外で高難度の腹腔鏡手術でも、倫理的な事前審査がないまま、手術が可能だった。

 執刀医は相次ぐ術後死を「重症の患者であり、術後の合併症による死亡で、やむを得ない」と説明しており、問題だと認識していなかった。病院では10年にバリアンス(予期しない合併症)報告制度が導入されたが、事故調は「制度の趣旨やルールを理解していた医療者は少数だった。報告されていれば死亡続発を早期発見できた」とした。

 ◇■上司の教授の対応

 09年度に執刀医による開腹手術後の死亡が8例相次いだが、上司の教授は負担軽減策を講じなかった。さらに、腹腔鏡手術の「成功」をアピールする12年の論文で「20例中2例で合併症が起き1例で死亡」と記載したが、実際は14例を手術した時点で4例が死に至っていた。問題発覚後の14年11月に論文は撤回されており、事故調は大学に事実関係の検証を要請した。

 また、教授は腹腔鏡手術による肝切除手術の経験がなく、開腹による肝臓手術の経験も浅かったが、12年に日本肝胆膵外科学会の資格「高度技能指導医」を取得していた。実際には参加していないのに手術に参加したとされる記録があり、実績とみなされていた。事故調は資格が信頼され、第2外科の肝胆膵チームへの紹介患者の増加につながった可能性もあると指摘した。



https://www.m3.com/news/iryoishin/446024
シリーズ: 真価問われる専門医改革
日本内科学会、2017年度は現行の専門医制度
「認定内科医、総合内科専門医」試験、2020年度までは継続

2016年7月30日 (土) 橋本佳子(m3.com編集長)

 日本内科学会は7月30日、2017年度の専門医研修について、現行制度を継続する方針を公表した。認定医制度を継続し、認定内科医と総合内科専門医の試験をそれぞれ、少なくとも2020年度まで実施する(資料は、同学会のホームページ)。2017年度からの新専門医制度のスタートを機に、認定内科医試験は2018年度、総合内科専門医試験2019年度で廃止する方針だったが、日本専門医機構が新制度の延期を決定したことを受け、方針を変更した(『新専門医制度、全19領域とも「1年延期」へ』を参照)。

 認定医制度で研修する医師に配慮し、(1)現在の認定医制度に基づいた内科系サブスペシャルティの取得が可能、(2)新専門医制度への移行に際して不利益を被ることがないように、措置を設けることを今後協議――という対応を予定。

 一方、研修施設に対しては、新専門医制度に向けて準備した新しい施設連携体制で、2017年度の研修を実施する場合は、日本内科学会事務局に連絡するよう求め、その連携に現在の認定医制度に未参加の施設が含まれる場合には、個別に内容を確認し、研修体制上、特段の問題がなければ認める。

 さらに、新専門医制度における内科とサブスペシャルティの研修については、「内科とサブスペシャルティの並行研修(開始の時期を特に定めない)を認め、それぞれ所定の研修を修了できた場合、これまでと同様の年数でサブスペシャルティ専門医の受験を可能とする道筋を用意する」という要望を、日本専門医機構に提示している。

 日本内科学会は、2017年度から「試行」ではなく、正式な制度として開始するよう準備を進め、新専門医制度における内科領域の募集定員を、認定内科医受験者の1.52倍(6大都市圏:東京、神奈川、愛知、京都、大阪、福岡では1.29倍)にまで調整できたものの、「残念ながら新専門医制度の正式な開始は延期となった」と理解を求め、次のような見解を表明している。「関係者に対し、新専門医制度の準備に当たって、多大なるご尽力をいただきました各施設の関係者の皆様方にこの場をお借りして厚く御礼を申し上げます。また、そのご尽力が平成29年度(2017年度)からの新専門医制度の正式な開始として結実しなかったことを大変心苦しく思っております」。

 認定医制度の研修期間は1年で、その後、循環器、呼吸器、消化器などのサブスペシャルティの取得が可能。総合内科専門医の研修期間は3年が基本。これに対し、新専門医制度における内科専門医の研修期間は3年であり、新制度において最も大きく専門医研修の変更を迫られていたのが内科領域だった。日本内科学会は6月に、7月末までに2017年度の方針を決定すると説明していた(『内科学会、「新専門医は7月末を目途に判断」』を参照)。


  1. 2016/07/31(日) 06:03:03|
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7月29日 

http://www.sankei.com/region/news/160730/rgn1607300038-n1.html
群大病院死亡調査委報告書 手術件数増が「院是」、ずさんな態勢浮き彫り
2016.7.30 07:04 産経ニュース

 群馬大病院で同じ男性医師(退職)の手術を受けた患者が相次ぎ死亡した問題で29日、内容が判明した第三者調査委員会による報告書。そこからは死亡事例が続出しながら高難度の手術を止めようとしなかった男性医師、周囲が手術中止を進言したにもかかわらず受け入れなかった医師の上司、手術数増加方針を「院是」にずさんな医療安全態勢を構築した病院の姿が浮かび上がってくる。 

 報告書は、群馬大病院が地域医療の「最後の砦(とりで)」として外科手術に力を注ぐことを主要な方針としていたと指摘、男性医師の上司(旧第2外科診療科長)も手術件数を増やしていく方針を採ったとした。

 男性医師は平成21年度から第2外科の肝胆膵(肝臓、胆道、膵臓(すいぞう))手術を中心となって行うようになったが、同年度だけで8例の死亡事案が発生。それにもかかわらず22年に腹腔鏡手術に取り組みたいと上司に申し出て、同年12月から腹腔鏡手術を導入した。

 しかし腹腔鏡手術を受けた初めての患者が術後30日以内に死亡し、3例目の患者も術後、死亡した(腹腔鏡手術の死亡事例では2例目)。

 第2外科内には「(腹腔鏡手術を)中止した方がよい」との意見もあったが、男性医師の上司にあたる診療科長は継続させた。それどころか、この診療科長は24年8月、学術誌に論文を掲載、「(腹腔鏡手術の)20例中2例に合併症がみられ、1例が術後2カ月に死亡した」と記載した。実際は14例実施で4人が死亡していた。男性医師も同年5月ごろから、腹腔鏡手術についての学会発表を多数、行ったという。

 報告書は群馬大病院が実施していた手術件数は病院規模から限界に近い状況だったとし、第2外科については肝胆膵手術を男性医師1人が担っていたと指摘。高難度手術に取り組むには態勢不十分とした。

 問題を早期に把握できなかった病院の医療安全管理態勢については、制度として院内にありながら現場で重要なルールとして受け止められず医療者が独自に解釈し運用していたとして、不適切と問題視した。



http://www.nikkei.com/article/DGXLZO05458710Z20C16A7CR8000/
術後死、報告・検証なく 群馬大病院の調査委報告書
2016/7/30 0:48 日本経済新聞

 群馬大病院で同じ男性医師(退職)の手術を受けた患者が相次いで死亡した問題で、病院の第三者調査委員会がまとめた調査報告書の内容が29日、判明した。2009年度に死亡事案が8例あった時点で、適切な報告や検証などの対応が取られていれば「その後の続発を防ぐことができた可能性がある」などと指摘した。

 また長年見過ごされてきた要因について、「患者中心の医療とは大きくかけ離れた旧弊が存在し、病院全体のガバナンスに不備があった」とした。

 一方、日本外科学会は第三者委の委託で男性医師の執刀を含む同病院の外科手術を検証。死亡50例のうち、手術することが妥当だったのはほぼ半数の26例で、4例は手術すること自体に問題があったとした。残る20例は患者の容体などから妥当性に疑問があると判断。50例のうち37例は、死亡後に症例検討会を開いた記録がなかったとしている。

 報告書によると、同病院では09年度に肝臓の開腹手術を受けた患者5人、膵臓(すいぞう)などの手術で3人が死亡。いずれも男性医師が執刀していたが、手術を一時休止しただけで、特別な改善策を取らないまま再開していた。

 また当時の第1外科と男性医師が所属していた第2外科が、潜在的な競争意識で独立した診療体制をとり、死亡事例の情報が共有されていなかったとしている。2つの外科は15年4月、「外科診療センター」に統一された。

 男性医師の技量に疑問を持つ医師が手術の中止を進言したのに、上司だった教授が受け入れなかったことも問題視。この教授が12年、腹腔(ふくくう)鏡手術の成績について事実と異なる論文を発表していたことを「医学者として倫理にもとる」と非難した。

 同病院では、男性医師の腹腔鏡や開腹の手術を受けた18人の死亡が14年に判明。その後の病院の調査でさらに12人の死亡も明らかになった。第三者委は男性医師や遺族らにヒアリングするなど調査を進めてきた。30日に報告書を群馬大学長に提出する予定。

 「何があったのか知りたい」。群馬大病院の患者死亡問題で、父親(当時61)を亡くしたさいたま市の40代女性は訴え続けてきた。病院から父の死についていまだに詳しい説明はなく、不信感はぬぐえない。

 父親の肝臓にがんが見つかり、開腹手術を受けたのは2009年4月。執刀した同病院の男性医師から「腫瘍はとれた」と言われ、成功したと思っていた。

 しかし容体は次第に悪化。女性と母親は「他の医師にも診てもらえないか」と尋ねたが、男性医師は「できない」と言うのみだった。

 父親は手術の約2カ月後に亡くなった。敗血症という死因以外、男性医師から具体的な説明はなかった。「すぐに手術は必要だったのか」。女性は数カ月後、疑問点を記した手紙を送ったが、返信はなかった。

 事態が動いたのは14年末。男性医師による腹腔(ふくくう)鏡や開腹の手術を受けた18人が術後に死亡していたことが発覚し、病院の担当者からの連絡で父親も調査対象に含まれていることを知った。死亡から5年以上。「やっぱりかと……」

 病院の調査は異例の経過をたどった。15年3月に公表した腹腔鏡手術の報告書は、学外の調査委員が会合の一部にしか出席しておらず、病院側が勝手に「過失」の文言を入れていたことが判明。1カ月後に内容を修正するずさんさに、遺族らから批判が噴出した。

 結局、同年5月ごろとされていた開腹手術に関する報告はないまま、調査は新たに設置された学外有識者だけからなる第三者委に引き継がれた。

 家庭菜園が趣味で、アウトドアが大好きだった父親。入院中も「またキャンプに行きたいね」と話していた。今年6月、同じ思いを共有する遺族が会を結成し、女性も加わった。「父は病院を信頼していた。組織を立て直してもらいたい」

 ▼群馬大病院の患者死亡問題 2014年11月、旧第2外科の同じ男性医師による腹腔鏡を使った肝臓切除手術を受けた患者8人が死亡していたことが発覚。開腹手術でも10人の死亡が判明した。

 その後さらに、この医師の手術を受けた12人が術後一定期間内に死亡していたことが分かった。厚生労働省は15年6月、高度医療を提供し、診療報酬の優遇がある特定機能病院の承認を取り消した。〔共同〕



https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20160729-OYTET50012/
群大病院、改善策なく手術再開…8人死亡の2009年度
2016年7月29日 読売新聞

 群馬大学病院の手術死問題で、第三者からなる調査委員会の調査により、旧第二外科の同じ男性医師が手がけた肝臓や 膵臓すいぞう の手術で2009年度だけで計8人の死亡が相次いでいたことがわかった。死亡例が多いため手術は一時中断されたが、有効な改善策が取られないまま漫然と再開された。09年度より後には10人以上が死亡しており、調査委は「適切な対応をしていれば、その後の死亡の続発は防げた可能性がある」と指摘している。


 調査委は昨年8月から計35回にわたり会合を開き、遺族や病院関係者の聞き取りなどを中心に調査してきた。個別の死亡例の医学的な検証は日本外科学会に委託。一連の調査結果を報告書にまとめ、あす30日公表する予定だ。

 調査結果によると、09年4月以降の1年間に肝臓の開腹手術を受けた患者5人、膵臓などの手術では3人が死亡。群馬大病院ではこの年度、予定された消化器外科手術を受けた患者の死亡は、問題の男性医師が手がけた8例だけだった。男性医師は07年4月に群馬大病院に赴任したが、2年後の09年春、先輩医師が別の病院に移り、手術を主導する立場になっていた。男性医師の執刀した手術後には07~14年で計30人が死亡している。多くの手術で、記録上は男性医師の上司である教授の名前があったが、実際には参加していないこともあり、不適切とする指摘もあった。教授は日本肝胆膵外科学会の高度技能指導医の資格を12年に取得していたが、技量が伴っていなかった可能性がある。 腹腔ふくくう 鏡手術を巡っては、導入した10年から1年間の保険適用外も含めた肝切除手術の成績を教授が論文にまとめて発表していたが、発表内容が事実と異なっているとの指摘もされている。



http://news.biglobe.ne.jp/domestic/0729/jj_160729_2919582969.html
診療体制「極めて脆弱」=群馬大事故で報告書—第三者委
時事通信7月29日(金)21時20分

 群馬大病院で肝臓手術を受けた患者が相次いで死亡した問題で、第三者で構成する同大の事故調査委員会(上田裕一委員長)は29日までに報告書をまとめた。報告書は、病院が高難度の腹腔(ふくくう)鏡手術を導入しながら、1人の医師が許容量を超える手術を行ったと指摘。診療体制を「極めて脆弱(ぜいじゃく)かつ異例」と批判した。
 群馬大病院では2009〜14年、同じ男性医師(退職)による肝臓手術を受けた患者18人が相次いで死亡した。
 報告書は病院の「手術数増加」の方針の下、男性医師1人に任せる形で許容量を超える手術が行われたと指摘。一方で腹腔鏡を使った高難度の手術が導入されるなど、診療体制に不備があったとした。腹腔鏡手術では8人が死亡している。

[時事通信社]



http://www.saitama-np.co.jp/news/2016/07/30/02.html
教授を懲戒免職、所沢の防衛医大 無届けで業務時間に医療機関で診療
2016年7月29日(金) 埼玉新聞

 所沢市の防衛医科大学校は29日、無届けで業務時間内に兼業したとして、自衛隊法に基づき、同校の60代男性教授を免職の懲戒処分にしたと発表した。

 同校によると、男性は2014年7月から16年2月までに累積20日以上、正当な理由がなく欠勤し、県内の医療機関で診療に当たっていた。

 同校によると、男性はこの医療機関で一定の就業については認められていたが、それ以上働いていた。超過した分が欠勤扱いとなった。

 今年2月、同校に外部から通報があり、男性に確認したところ兼業を認めた。大学側の聴取に対し、「(医療機関から)医師が足りないと言われ、大学に兼業の勤務変更を届けても許可が下りないと思った」などと話しているという。



http://www.medwatch.jp/?p=9876
基準病床数、人口のベースは直近?未来? 長期入院患者は考慮する?―厚労省・地域医療構想WG(2)
2016年7月29日|医療・介護行政をウォッチ

 お伝えしているとおり、医療計画の「基準病床数」と地域医療構想の「病床必要量」との関係をどう考えるのか、という議論がスタートしました(関連記事はとこちら)。

 厚生労働省は29日の「地域医療構想に関するワーキンググループ」(以下、ワーキング)に、基準病床数と病床必要量の計算方法の違いなどを提示し、議論を要請しました。例えば、▽人口について直近の値とするのか、未来の値とするのか▽長期入院患者を考慮すべきか▽医療資源投入量の低い患者をどう考えるのか―といった点です。

 9月までに3回のワーキングを開催。検討結果を親組織である「医療計画の見直し等に関する検討会」に報告し、秋以降に第7次医療計画作成指針の議論が詰められます。

ここがポイント!
1 基準病床数(医療計画)と病床必要量(地域医療構想)、計算方法・基礎データが異なる
2 大阪府の地域医療構想などもとにイメージを明確化して、基準病床数の考え方を議論


基準病床数(医療計画)と病床必要量(地域医療構想)、計算方法・基礎データが異なる

 基準病床数と病床必要量は、その目的も計算方法も異なるため、結果も当然異なってきます。しかし、両者の方向が全く異なる(例えば、既存病床数に比べて必要病床数は小さいが、基準病床数は大きい、あるいはその逆)のでは適切な病床整備が行えないため、少なくとも「方向性」は揃える必要がありそうです(関連記事はこちら)。

基準病床数の算定式
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 厚労省は29日のワーキングに、両者の計算方法の違いなどを提示し(関連記事はとこちらとこちら)、第7次医療計画において基準病床数の設定方法をどのように見直すべきか、検討を要請しました。ちなみに病床必要量(地域医療構想)はすでに策定済の都道府県もあるため、今後、仮に「整合性を図るために見直しが行われる」とすれば、それは「基準病床数」のほうとなります。具体的な論点は、例えば次のようなものです。

(1)人口:病床数の計算に当たって、基準病床数では「直近(過去)の人口」を用い、病床必要量では「2025年(未来)の人口」を用いており、今後、どの時点の人口を用いるべきか

基準病床数では「直近の人口」をもとにするが、これをどう考えるべきかが論点の1である
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(2)退院率など:病床数の計算に当たって、基準病床数ではブロック(県を跨ぐ)ごとの「退院率」「平均在院日数」をベースとし、病床必要量では構想区域(主に二次医療圏)ごとの「入院受療率」をベースとしているが、今度、どのような考え方が適当か

基準病床数では、退院率や平均在院日数がベースになっているが、これをどう考えるかが論点の1つとなっている
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(3)患者の流出入:基準病床数では流出超過の場合3分の1を上限として病床数の加算を認める一方、病床必要量では知事間の協議で患者の移動を勘案できるのみとしているが、これをどう考えるか

(4)病床利用率:基準病床数では一般・療養別に直近の全国平均値を用い、病床必要量では機能ごとに全国一律の改定値を用いているが、どう考えるべきか

基準病床数では、一般・療養別に全国一律の「病床利用率」を用いているが、地域別にする必要はないのか?また経年変化を見る必要がないのか?という点も論点にあげられている
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(5)医療資源投入量の少ない患者:基準病床数では考慮しないが、病床必要量では「1日当たり175点未満の患者のうち一定割合は在宅医療で対応する」などとしており、これをどう考えるか

慢性期・在宅医療などの需要(患者数)は、医療資源投入量ではなく、既存の患者数をベースに推計する
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(6)療養病床の入院受療率・介護施設対応:基準病床数では介護施設の入所需要率も勘案しており、一方、病床必要量ではこれを勘案していないが、今後、どう考えるか。あわせて基準病床数における「介護施設対応可能数の減算」(介護施設で対応する患者分は、基準病床数から差し引く)をどう考えるか

療養病床の基準病床数については「介護施設での受け入れ」を勘案することになっているが、これは果たして必要なのか?が論点の1つとなっている
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大阪府の地域医療構想などもとにイメージを明確化して、基準病床数の考え方を議論

 29日のワーキングでは、すでにお伝えしたように「大阪府のような基準病床数と病床必要量の乖離をどう考えるか」という点が議論の中心になりましたが、もちろん厚労省の示した論点についても議論が行われています。

 (1)の人口については、本多伸行構成員(健康保険組合連合会理事)から「少子高齢化を見据える必要がある。都市部では2025年以降にピークがくる」として、「より将来の人口」を見なければ、2025年時点で「病床不足」とされても、後に「病床過剰」となる可能性が高いと警鐘を鳴らしました。また今村知明構成員(奈良県立医科大学医学教授)も、「病床必要量と基準病床数都の整合性を考慮すれば、将来の人口を見るべき」としています。

 これに対し織田正道構成員(全日本病院協会副会長)は、「基準病床数と病床必要量は異なり、基準病床数を拙速に将来に近づけようとすれば混乱する」とし、直近の人口をベースにすべきとの考えを述べています。

(2)は、「基準病床数のベースとなる患者調査などからは『退院率』のデータしか出てこないが、病床必要量のベースとなるNDBなどからは『入院受療率』のデータが出る」という技術的な問題も関係してくる論点です。退院率は「ある月の退院患者の状況」を見ており、例えば数年入院しているような長期入院患者の状況は、基準病床数の中では考慮されにくくなりますが、一方で病床必要量では「現に入院している患者」として長期入院患者も考慮されます。このため、厚労省医政局地域医療計画課の担当者は、「入院受療率のほうが、退院率よりも4ポイントほど高い数値になる」と説明しています。今後、両者の差が、どれだけ基準病床数・病床必要量に影響を与えているのかも検討されることになりそうです。

 また(6)の療養病床について、今村構成員は「病床必要量の計算では、療養病床に入院する医療区分1の患者の7割を在宅や介護施設で対応することとしているが(関連記事はこちら)、それは現実の姿から大きく乖離している」と強調。この点について基準病床数では、病床必要量とは別の考え方を採用すべきと訴えています。

慢性期・在宅医療などの需要(患者数)は、医療資源投入量ではなく、既存の患者数をベースに推計する
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 厚労省は8月下旬にも開催される見込みの次回ワーキングに、実際の地域医療構想をもとに「基準病床数と病床必要量の関係」をパターン化した資料を提示します。そこで、より具体的なイメージをもって、上記論点についても議論を深めることになりそうです。



http://www.medwatch.jp/?p=9868
医療計画の「基準病床数」と地域医療構想の「病床必要量」、両者の整合性をどう考えるか―厚労省・地域医療構想WG(1)
2016年7月29日|医療・介護行政をウォッチ

 大阪府では、現在の病床数は「基準病床数」を超えているため増床できないが、現在の病床数(既存病床数)は地域医療構想実現の「病床必要量」と比べると1万6000床ほど不足している。このような医療計画の「基準病床数」と地域医療構想の「病床必要量」の関係について、いくつかの都道府県の状況を見ながら、両者の整合性をどのようにとるのかを考えていく―。

 このような方針が、29日に開かれた「医療計画等の見直しに関する検討会」の下部組織である「地域医療構想に関するワーキンググループ」(以下、ワーキング)で固まりました(関連記事はこちら)。

 ワーキングでは9月中に考え方を整理、親組織である検討会に報告し、次期(第7次)医療計画策定方針に反映されます。

ここがポイント!
1 基準病床数と病床必要量、目的も計算方法も異なる
2 大阪府、病床不足だが病床過剰?


基準病床数と病床必要量、目的も計算方法も異なる

 2018年度から第7次医療計画がスタートしますが、計画の中には「基準病床数」を記載する必要があります(医療法第30条の4第2項第14号)。一方、現在、各都道府県で策定が進められている地域医療構想には、高度急性期・急性期・回復期・慢性期といった機能ごとの「病床必要量」を定めることになります(同項第7号イ)。

 前者の基準病床数は、我が国で遍く良質な医療を受けられるように「病床の地域偏在」を是正することが主な目的とされ、現在の病床数が「基準病床数」を上回る地域では実質的に増床することは認められません。また、基準病床数は、▽医療計画作成時点の人口をベースにする▽長期入院患者は必ずしもカウントしない▽医療資源投入量の低い患者について特段の考慮はしない―などという考え方に基づいて算定されます。

医療計画における「基準病床数」の考え方
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 一方、後者の病床必要量は「将来あるべき医療提供体制」を地域ごとに描くもので、計算に当たっては、▽2025年時点の人口をベースにする▽現に入院している患者(長期入院患者も含む)に基づく▽医療資源投入量の低い患者のうち、一定数は在宅医療などに移行するという前提を置く―ことなどとされています(関連記事はこちらとこちら)。

地域医療構想における「病床必要量」の考え方
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 このように、両者の目的・性質・計算方法は大きく異なっています。これらの関係をどう考えるのか、次期医療計画の策定において重要となるため、厚労省はワーキングを設置して集中的な議論を行うこととしました。

 厚労省医政局地域医療計画課の担当者は、ワーキングの検討項目について、(1)基準病床数と病床必要量の考え方・計算式に関する整理(2)基準病床数と病床必要量の関係(3)地域医療構想実現に向けた都道府県知事の権限行使要件(医療機関の自主的な取り組みが前提)―の大きく3点を提示しており、29日のワーキングでは(2)の「基準病床数と病床必要量の関係」について、さまざまな意見が出されました。

地域医療構想に関するワーキンググループの検討項目
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 ちなみに厚労省は(1)に関する論点も29日のワーキングに提出しており、それについては別稿でお伝えします。

大阪府、病床不足だが病床過剰?

 前述のように、基準病床数と病床必要量は目的も考え方も異なるため、作成された地域医療構想を見ると一見「不思議」な現象が生じています。

 大阪府が先頃まとめた地域医療構想では、4機能の病床必要量合計が10万1471床であるのに対し、既存病床数(2014年7月の病床報告結果、未回答の約6000床を除く)は8万5471床で、およそ1万6000床(未回答分を加味してもおよそ1万床)の不足が生じている、つまり「今後、整備していかなければいけない」ことが分かりました(大阪府のサイトはこちらとこちら)。

 一方で、大阪府の医療計画(第6次)では基準病床数は6万7263床とされている(つまり2万床弱、病床が過剰と判断されている)ため、現段階で「病床必要量に比べて既存病床数が不足しているので増床する」ことはできないのです(大阪府のサイトはこちらとこちら)。

 前述のように計算方法が異なる(例えば人口について、基準病床数は直前をベースにしているが、病床必要量では2025年の未来をベースにしている)ので、当然、結果も異なりますが、「病床を整備(増床)していかなければいけないが、『病床過剰』であり整備(増床)はできない」という不思議な現象も起きてしまうのです。

大阪府では、「病床必要量」が「既存病床数」を1万6000床ほど上回っているが、現在は「基準病床数」<「既存病床数」となっているので増床できない(大阪府地域医療構想より)
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 29日のワーキングでは、多くの構成員から「こうした事態をどう考えていくのか」という指摘が相次ぎました。ただし「基準病床数と病床必要量とで、可能な限り整合性を図っていくべき」(本多伸行構成員:健康保険組合連合会理事)という意見もあれば、「両者は目的も計算方法も異なり、安易に整合性を求めると混乱する」(中川俊男構成員:日本医師会副会長)という考え方もあります。

 このため厚労省は、すでに地域医療構想の策定が済んでいる自治体について、「基準病床数」と「病床必要量」「既存病床数」の関係をパターン分けして、8月下旬予定の次回会合に提示する考えです。

 例えば、前述の大阪府のように「病床必要量」>「既存病床数」>「基準病床数」となっている地域もあれば、これとは異なる関係性となっている地域もあるので、それらを分類(パターン化)して、「こういう地域ではこういった課題がある」という整理が行われる見込みです。

 ちなみに、地域医療構想はすでに作成済の都道府県もあるため、この考え方(策定ガイドライン)を変更することはできません。仮に「基準病床数と必要病床数の整合性を図る」ことになれば、基準病床数の考え方を見直すことになります。

 この見直し方向について厚労省医政局地域医療計画課の担当者は、「両者は目的も計算方法も異なるので、一致する性質のものではない。ただし、施策の方向性が全く異なってもいけない」と述べるにとどめています。



https://www.m3.com/news/iryoishin/445751
2025年の「病床の必要量」、基準病床数超す場合は?
地域医療構想に関するWG、9月中に取りまとめ

2016年7月29日 (金)配信橋本佳子(m3.com編集長)

 厚生労働省の「医療計画の見直し等に関する検討会」の下に設置された「地域医療構想に関するワーキンググループ」の第1回会議が7月29日に開催された。本検討会では、2018年度からの第7次医療計画の作成指針等について検討を進めており、本WGでは、医療計画上の基準病床数と、地域医療構想の「病床の必要量」との関係性などを議論し、基準病床数の算定方法の見直し方針を検討する。計3回の会議を経て、今年9月中の取りまとめを目指す(資料は、厚労省のホームページ)。

 基準病床数と「病床の必要量」の関係で問題になる代表例が大阪府だ。第6次医療計画上は、既存病床数が基準病床数を約2万床上回る「病床過剰地域」だが、地域医療構想の2025年の「病床の必要量」では約1万床不足と推計されている。日本医療法人協会会長代行の伊藤伸一氏は、この問題を指摘した上で、その対応を検討する必要性を指摘。奈良県立医科大学医学教授の今村知明氏も、「基準病床数は規制が強く、(病床を)増やすことができない」と述べ、「病床の必要量」を満たす方策を検討すべきとした。

 また医療計画の基準病床数は、「病床の地域的偏在を是正し、全国的に一定水準以上の医療の確保」が目的のため、「全国統一の算定式」を用いる一方、「病床の必要量」は、構想区域ごとに、2025年の医療需要から推計していることも論点になる。伊藤氏は、地域によって大きな差があることから、基準病床数の算定式でも、全国一律ではなく、地域別のデータ等を使うべきと主張。これに対し、健康保険組合連合会理事の本多伸行氏は、「地域差是正の性質を弱めることは、その目的からすれば避けるべきではないか」と反対意見を述べた。

 第1回会議では、基準病床数と「病床の必要量」の基本的な考え方、解釈について、意見の相違も見られた。本多氏は、「二つは乖離しており、分かりにくい。国民に周知するためにも、両者を限りなく近づけて行くことが必要ではないか」と指摘。これに反論したのが、日本医師会副会長の中川俊男氏で、「現時点で必要とされる基準病床数と、2025年の医療需要を推計した『病床の必要量』は違うもの。近づけるとはどういう意味か」と質したほか、基準病床数と「病床の必要量」について「安易に整合性を保つという議論はしたくない」とも述べ、両者の違いを念頭に置いた丁寧な議論を求めた。


「地域医療構想に関するワーキンググループ」の親会に当たる、「地域医療計画の見直し等に関する検討会」では、医師の配置などについても議論(『「医師の目標値」、地域別に医療計画で設定へ』を参照)。

 具体的データ求める声相次ぐ

 地域医療構想では、2025年の医療需要を踏まえ、高度急性期、急性期、回復期、慢性期という病床機能別の「病床の必要量」を規定する。一方、医療計画の基準病床数は、現時点で必要とされる病床数を規定し、病床過剰地域での増床は原則認められていない。今後、急速な医療需要の増加が見込まれる都市部などで、「病床の必要量」が、基準病床数を上回る場合にどう対応するかなどが課題となる。

 第7次医療計画は、2018年度から2023年度までの6カ年計画であり、地域医療構想がターゲットとする2025年と2年しか相違がない。第7次医療計画の基準病床数の算定の際に用いる人口は、現行では2016年の住民基本台帳もしくは2015年の国勢調査のいずれかを用いることになる。2025年の人口推計値とは乖離があり、どの時点のデータを用いるかなども検討課題だ。また医療計画のスタートは1985年であり、医療提供体制が未整備で、圏域を超えた患者の流出入が多いことを前提にした時代から、病床の機能分化が進み、療養病床の整備や在宅医療が進んだ現状も踏まえた算定方法への変更も必要になっている。

 地域医療構想に関するWGでは、下記の3点が論点になる。第1回会議では、主に(1)に関する9つの論点について議論した。各論点について幾つかの案が提示されたが、具体的な数値例がないとイメージがわかないとの指摘が相次いだ。次回会議で提示するとともに、地域医療構想の策定を終えた府県の「病床の必要数」と、第6次医療計画における基準病床数と既存病床数の関係性について、パターン分けしたデータを示し、具体的議論を進める。

【地域医療構想に関するワーキンググループで整理する事項】
(1)基準病床数は現時点において必要とされる病床数であるのに対し、地域医療構想においては、医療需要の変化に応じた将来(2025年)における病床の必要量(必要病床数)を定めているが、これらの関係について整理が必要ではないか。
(2)今後、都市部において急速な医療需要の高まりが見込まれることを踏まえ、基準病床数制度との関係についてどのように考えるか。
(3)地域医療構想を通じた将来の医療提供体制の実現に向け、各医療機関の自主的な取組を前提とした上で、都道府県知事の権限行使の具体的な要件等について整理が必要ではないか。



http://www.qlifepro.com/news/20160729/sato-safety-manager-said-consideration-to-the-confusion.html
【厚労省】添付文書記載要領見直し、経過期間必要-佐藤安全対策課長「薬剤師や企業の混乱に配慮」
2016年07月29日 AM11:30  QLifePro

厚生労働省医薬・生活衛生局の佐藤大作安全対策課長は25日、就任後初めて専門紙との共同会見に応じ、およそ20年ぶりに改訂される医療用医薬品の添付文書の記載要領について、「一定の経過期間が必要と感じている」と語り、現場の薬剤師や製薬企業などが混乱を来さないよう配慮する考えを示した。

添付文書の記載要領見直しは、厚労省の「薬害肝炎検証・検討委員会」の最終提言に盛り込まれた「添付文書の承認時における位置づけの見直し」を受けて進められた。

     以下、医療従事者の方のみご利用いただけるコンテンツです



https://www.m3.com/news/iryoishin/445790
シリーズ: 真価問われる専門医改革
「日本専門医機構のガバナンスを一新」、中川日医副会長
埼玉県医師会で講演、専門医と診療報酬との連動は否定

2016年7月29日 (金) 橋本佳子(m3.com編集長)

 日本医師会副会長の中川俊男氏は、7月28日に開催された埼玉県医師会勤務医部会の討論会で、「新たな専門医の仕組みについて」をテーマに講演した。この7月からの日本専門医機構の第二期執行部の役員(理事)を選考した立場から、「新しい役員を選ぶ際の基準は、機構のガバナンス、そして組織を一新する」が狙いであり、それが実現できたと説明、地域医療への影響、サブスペシャルティや専攻医の身分保障など、さまざまな問題をいまだ抱える新専門医制度について、確実かつ早急に議論するよう新執行部に対し、期待を込めた。

 専門医の取得をめぐっては、医師にとってのメリットを問う声もあるが、中川氏は「専門医の仕組みと、診療報酬は決してリンクさせてはいけない」と強調。これは新専門医制度が議論される以前から、日医が長年主張してきた方針だという。

 中川氏は、社会保障審議会医療部会などで、2017年度開始予定だった新専門医制度について地域医療への懸念を発言してきたほか、この6月末に決定した日本専門医機構の新執行部を選ぶ「役員候補者選考委員会」の委員長を務めた(『新専門医制度、機構や学会の対応「見守る」』、『日本専門医機構、24人の新理事決定、医学会連合枠は1人未定』などを参照)。

 中川氏は、2017年度開始か否かで揺れ、結局は「1年延期」となった新専門医制度について、「本来、一番先に議論すべきサブスペシャルティの問題を後回しにして、各学会が伝統を築いてきた基本診療領域の専門医の議論から手を付けて、そこで混乱が生じてきたのが実態だと思う」との考えを述べた。「個人的な意見」と断った上で、「基本診療領域の専門医は触らなくてよかったのではないか、と思っている」と付け加えた。

 「1年延期」となった直接的なきっかけは、地域医療への影響が懸念されたため。中川氏は、地域医療の実情を、学会などの関係者に伝える必要性を指摘し、「声を上げないと、納得したと受け取られる。声を上げ続けてほしい」と求めた。

 出席者からはさまざまな質問が寄せられたが、その一つが、「新専門医制度の19の基本診療領域そのものを見直す動きがあるか」。中川氏は「憲法改正に近いリスキーな問題であり、その議論はやめた方がいいのではないか」と答え、会場の笑いを誘う場面もあった。

 討論会の最後に、埼玉県医師会会長の金井忠男氏があいさつ。まず専門医制度の見直すきっかけには、「国民にとって分かりにくい」という指摘があったが、「本当にそうなのか」と問いかけた。ただし、各学会が養成してきた専門医のレベル、質には差があるとし、日本専門医機構が学会の「上」にある存在ではなく、各学会の専門医がどうあるべきかをレビューするような役割が求められるとした。新専門医制度をめぐっては、いまださまざまな問題があるとしたものの、「何よりも一番よかったのは、『一度立ち止まったこと』」と金井氏は述べ、討論会を締めくくった。

 日医が2月に会見、社保審での議論に発展

 中川氏は、専門医制度をめぐる経緯を、日医がその時々で果たしてきた役割などに触れながら紹介。「役員候補者選考委員会」の委員長としての苦労、エピソードにも触れ、その後の熱心な質疑応答も含め、討論会は2時間近くに及んだ。

 まず中川氏は、日医は「新たな専門医」の「制度」ではなく、「仕組み」という表現を用いていることを説明。「制度と言うと、国が主導的に取り組むイメージ。国が関与すると、医師が階層化される懸念がある。あくまでプロフェッショナルオートノミーとして取り組むべき」(中川氏)。

 日本専門医機構は2014年5月に発足、日医は設立時の社員3団体の一つとして加わった。日医は、同機構に対し、(1)専門医の仕組みをプロフェッショナルオートノミーとする、(2)専門医の認定の仕組みや総合診療専門医に、日医生涯教育制度を組み入れる――などを働きかけ、協調関係を保つように努力してきた。

 しかし、「機構のガバナンスが杜撰であることや、各学会との関係性に齟齬が目立ってきた」(中川氏)ことに加え、地域医慮への影響が懸念されたことから、社保審医療部会で議論すべきと申し入れ、今年2月19日に実現、それに先立ち、新たな専門医の仕組みについての懸念を2月17日の記者会見で示した(『新専門医制度、「延期も視野」と日医会長』、『新専門医の開始延期も含め検討、専門委員会発足』を参照)。

 「新たな専門医の仕組みを、2017年度から導入することを目安としていたが、相当な準備不足が明らかになった」(中川氏)。中川氏は、3月14日の日本専門医機構の社員総会に出席、同総会やその前後で学会関係者の意見を聞く機会があったが、「基本診療領域の中でも大きな学会のトップは、地域の実情を全く分かっていなことが分かった。『うちは大丈夫』『新たな専門医の仕組みにより、医師の地域偏在が加速することはない』と言っていたからだ。しかし、各地域の医師会の意見を聞くと全然事情が違った。この流れを何とか止めなければいけないと思った」と振り返る。

 その後、3月25日に社保審医療部会の下に、「専門医養成の在り方に関する専門委員会」が発足(『新専門医制度、「調整の労は取る」と厚労省』を参照)。結局は、地域医療に支障が出る懸念が払拭されないなど、さまざまな問題が露呈し、6月9日には日医と四病院団体協議会は合同で記者会見を開き、改めて2017年度からの開始に懸念を呈した(『「学会専門医の維持を」、日医・四病協緊急会見』を参照)。

 中川氏は、「新たな専門医の仕組み」は、専攻医が都市部に集中する懸念だけなく、既に専門医を取得している医師の更新への影響も大きいと説明。「従来は、講習会や学会の総会への参加などで、専門医の更新が可能だったが、新たな基準では、講習に加え、勤務実態の報告、診療実績の証明が加わることになった。地域医療を担う医師にとって負担が大きい」。

 日本専門医機構の理事選任、苦労も

 中川氏が委員長を務めた日本専門医機構の「役員候補者選考委員会」は、6月13日に発足(『日本専門医機構の新理事候補、来週にも決定か』を参照)。

 「役員候補者選考委員会」は計10人で構成。「日本専門医機構のガバナンス、そして組織を一新することにあった」と同委員会の目的を語りつつ、「私自身、これまで相当の修羅場をくぐってきたが、これまでにない圧力をさまざまなところから受けた」とも明かし、同機構の役員(理事)選考の苦労を語った。結果的に選んだ役員は計25人。第一段階で決まった役員は24人で、後から日本医学会連合推薦の役員が1人追加された経緯がある(『新専門医制度、全19領域とも「1年延期」へ』を参照)。

 役員25人のうち、学識経験者は9人。「従来は、団体推薦枠で役員になれなかった人の補欠合格的な枠だった。それではいけないとなり、行政の代表、学者、患者代表などを入れることになった」と説明し、多角的な視点から議論ができる役員構成になったと説明。

 最終的に7月20日、「新たな専門医の仕組み」は延期され、2017年度は各学会が現行通り実施することが決定した(『新専門医制度、全19領域とも「1年延期」へ』を参照)。新たな仕組みは、2018年度を目途に一斉にスタートすることを目指すとともに、更新基準についても、「新たな基準が厳しすぎて、日常診療に影響が出かねないという声が出されており、新旧基準の違いについて今後調査する予定」になったという。

 フロアから質問が多数、関心高く

 中川氏の講演後の質疑応答では、さまざまな質問が出た。その主な内容と、中川氏の回答の骨子は以下の通り(類似の質問とその答えは、要約して掲載)。

質問:専門医を取得するメリットは何か。診療報酬と関連付けるなどの動機付けが必要ではないか。
中川氏の回答:専門医の仕組みと、診療報酬は決してリンクさせてはいけない。日医は長年、「専門医とそれ以外で、診療報酬に差を付けるのは問題」と主張してきた。専門医の仕組みは、医師としての職業的な自律性を確立し、プロフェッショナルオートノミーで運営すべきであり、「いい医療を提供する」という医師の矜持として専門医を取得することが必要だろう。より良い医療を提供すれば、地域住民から評価され、患者も集まり、十分なメリットにつながる。 また「かかりつけ医」と総合診療専門医とは異なり、「かかりつけ医」の診療報酬上での評価は今後も求めていく。「かかりつけ医」は開業医に限らず、病院勤務医でもかかりつけ医。医師が所属する医療機関の経営形態とは関係なく、診療報酬上で評価していくべき。

質問:いいプログラムを作れるのは大きな大学や余裕のある病院に限られる。地域医療への影響が生じないようにしてもらいたい。また専門研修において、「基幹施設」になるか否かは、「大学の顔色」を見て判断しているところがあり、その辺りが何とかならないのか。
中川氏の回答:当初考えられていた仕組みでは、学会により差があるが、指導医になれる医師も限定され、医師の偏在が加速することは間違いなかった。1年延期されたので、精査して徹底的に議論すべきだろう。地域医療の現場を理解してもらうためにも、諦めないで、現場から声を上げ出し続けてもらいたい。
 2017年度は、各学会が独自で専門医養成に取り組む。その際、新しい専門研修プログラムを使いたいという学会については、「地域の医師偏在を加速させない」などの点を精査するよう、日本専門医機構からお願いしている。
 もっとも、医師の地域偏在解消策は、「新たな専門医の仕組み」以外にもあるべきで、一定の強制力もある偏在解消策が必要だと考えている。

質問:「1年延期」で、専攻医などに周知できるのか。サブスペシャルティの在り方などもまだ決まっていないが、問題は解決するのか。専攻医の身分保障などの検討も必要。日本専門医機構の事務局機能は十分なのか。
中川氏の回答:その通りで、サブスペシャルティの問題から議論を始めるべきだった。確かに1年延期で十分か、という問題はあり、日本専門医機構の執行部は、専攻医の処遇も含めて、しっかりと、かつ早急に議論する必要がある。事務局機能については、日医として支援する用意がある。

質問:日本プライマリ・ケア連合学会が家庭医療専門医を養成してきたが、総合診療専門医については、基本となる学会はないのか。
中川氏の回答:日本プライマリ・ケア連合学会が担当することが、流れとしては自然かつ妥当だと考えている。ただし、日医としては、かかりつけ医は「医療提供体制の土台を支える最も重要な役割」を果たすのに対し、総合診療専門医はあくまで学問的な見地からの評価によるものと考えている。

質問:開業医の立場からすると、専門医の更新の問題が大きい。既に新しい基準に則って、更新をしている学会もある。
中川氏の回答:それがダメだという権限はどこにもないが、更新についても厳しくならないように、日本専門医機構から依頼している。

質問:以前だったら、学生がストライキをやるほどの事態。日本専門医機構を作ろうとしたのはいったい誰なのか。また同機構は、(運営のために)約8000万円借り入れたと聞いている。旧執行部が勝手にやり作った借入の返済を各学会が負担するのはあり得ない。
中川氏の回答:プロフェッショナルオートノミーとしてやるべき、と主張したのは、日医だ。借入については、旧執行部が責任を取れるレベルではないだろう。



https://www.m3.com/news/iryoishin/443683
「医療と教育」、人口の定住に必須
PWJの広島県神石高原町、医療プロジェクト◆Vol.2

2016年7月29日 (金) 橋本佳子(m3.com編集長)

 NPO法人ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)が、広島県神石高原町で、「ピースワンコ事業」を展開、「神石高原ティアガルテン」の運営にも携わる中で、「医療」に注目したのは、主に二つの理由がある(PWJの該当などは、Vol.1を参照)。

 一つは、緊急人道支援における医療の担い手養成だ。災害時などでまず重要となるのが、ロジスティクス。移動手段、通信手段、物資の搬送手段などが無ければ、いくら医師がいても医療支援はできない。PWJは長年のノウハウを蓄積し、非常時に迅速にロジスティクスを展開できる体制が整っている。一方で、初期の傷病への対応、避難所などでの感染症対策・サーベイランスなど、医療支援に従事するスタッフは手薄だった。緊急人道支援において、医療支援の核となる人材を養成したいという考えが、かねてからあった。

 もう一つは、高齢社会における山間部、島しょ部など医療過疎対策のモデルの構築だ。神石高原町の人口は、年々減少し、約9600人、高齢化率は約45%と高い。周囲を山々に囲まれた典型的な過疎地だが、「神石高原ティアガルテン」を中心に、観光などによる地域再生を進めている。「人口リバース」、つまりIターン、Uターンを期待し、町は「定住支援制度」なども用意する。既に少しずつ、「神石高原ティアガルテン」で働く者など、移住者が増えつつある。

 「人が住む中で、必要なのは、医療と教育」(大西氏)。町立病院はあるが、一般病床47床、療養病床48床で、「急性心筋梗塞、脳卒中の発症など、専門性の高い医療が必要な場合は、福山市内の病院に送ることが多い」(神石高原町の鈴木クリニック院長の鈴木強氏)。

 医療過疎に悩むのは、神石高原町に限らない。瀬戸内海には、離島が多く、人口が減って行く中で、閉鎖される診療所も多い。例えば、岡山県笠岡市の笠岡諸島の島々も、多くが無医村だ。PWJが目指すのは、無医村に、新たに“箱モノ”を作るのではなく、医師などが訪問診療や往診を行ったり、緊急の場合には患者を都市部の急性期病院に搬送するモデルの構築だ。

 つまり、PWJが募集しているのは、“平時”は地域医療の担い手、大規模災害時などには被災地に赴き、救護活動に当たる医師だ。雇用するのはPWJだ。どんな勤務形態になるかは、医師のキャリアにもよるが、 “平時”であれば、「後期研修を終わったくらいの医師であれば、1週間のうち、2日は当院で診療、1日は無医村への訪問診療、残る2日は福山市内の病院で研修する、といった形態も想定される」(鈴木氏)。

 医師の移動のハードル、民間ヘリで解決

 PWJの取り組みで、キーワードになるのは、ヘリコプターの活用だ。医療用のヘリコプターと言うと、「ドクターヘリ」を想起するが、PWJが使用するのは民間のヘリ。使用目的も異なり、ドクターヘリは、緊急の患者搬送用だが、民間のヘリは、患者搬送だけでなく、医師の訪問診療などの移動手段としても使う。離島では、1つの島に行くのに、時に1日仕事の場合もあるが、民間のヘリを活用すれば、大抵は15~20分程度で着いてしまう。東京など大都市と異なり、交通手段は医療の在り方に大きく影響し、ヘリがなければ、へき地や離島での訪問診療は困難を極める。

 「ドクターヘリ」は初期投資もかかるため、年間の運営費は2億円を超す場合も多い。一方、PWJは中古のヘリコプターを導入、運営は民間に委託しており、年間5000万~6000万円という低コストで済む。1機目は東日本大震災の支援で使用していたヘリを2015年12月に神石高原町に移動させて確保、パイロットと整備士も常駐している。2機目も近く配備する予定だ。

 神石高原町を起点に、車では2~3時間かかる山間部や島しょ部を、カバーエリアとして想定している。ヘリで言えば、30分圏内だ。保険診療上、16 kmを超える場合は、往診料等は保険診療として原則認められない。この問題も、必要箇所に拠点を開設したり、他の医療機関と連携するなどして、クリアする予定だ。既に、PWJの取り組みに関心を持つ、瀬戸内海の離島で開業する医師から相談を受けているという。

 救急搬送に当たっては、地元消防署や搬送先の了解も得る必要がある。地元消防署には既に話済みで、搬送先になり得る大学病院、福山市内の医療機関や医師会などとは話し合いを続けている。この際も、大きな役割を果たしているのは鈴木氏。関係機関に顔をつなぐとともに、会合の席には同席した。「我々の計画は、win-winだと思う。我々が医療を展開するのは、誰も開業したがらない地域。一方、搬送先にとっては、患者数の増加につながる」(大西氏)。例えば、川崎医科大学までは車では1時間30分はかかるが、ヘリであれば15分程度で着き、緊急性の高い疾患への対応も可能だ。

 モノ、カネはそろい、残るは「ヒト」

 民間ヘリの運用や医師の雇用などが可能になるのは、PWJのマネジメント能力、安定した資金力にある。PWJの年間の事業費は、2016年度は40億円、姉妹団体を合わせると50億円を超す見通し。緊急人道支援への取り組み実績が評価され、監査も行い運営の透明性を確保していることから、外務省などの補助金を受けているほか、寄付も多い。「ピースワンコ事業」には、神石高原町への「ふるさと納税」で「犬の殺処分ゼロ」キャンペーンを行い、2015年度で3億6000万円を調達した(うち5%は、町の収入)。

 PWJ の事業費の15%は、管理費用として充てることになっている。その一部を、民間ヘリの運用や、採用医師の人件費など、新規事業の投資に充当している。大西氏が「診療報酬だけに頼らない医療の在り方」と言うのは、この枠組みだ。渋谷氏は、「公的な診療報酬だけでは、十分ではないのが現実。街作りとリンクさせながら、寄付などをうまく活用し、街や医療を再生させる取り組みはユニーク」と評する。

 神石高原町の地域再生に必要なインフラとして医療を位置付け、周辺地域のへき地・離島の医療過疎問題にも対応するほか、これまで取り組んできた人道支援事業における救護活動にも結び付ける……。PWJの取り組みは、「医療の枠」に捉われない柔軟な発想から生まれ、複数の事業を手掛けることによるシナジー効果が期待される。

 実は昨年から、神石高原町で働く医師は少しずつ探していた。しかし、現時点ではまだ適任者が見付かっていない(『“スーパー診療所”、若手医師来たれ!』を参照)。「山間部や島しょ部の医療、さらには被災地での医療支援など幅広く活動をするためには、医師としての知識や技術だけでなく、資金調達、各種プロジェクトの企画立案、さらには災害支援のロジスティクスも含め、マネジメントができる能力が必要。優秀な人に来てほしいので、NPOだが、年収は1400万円以上を用意したい」と大西氏は述べ、やる気があふれる若手医師を期待する。活躍の場は、神石高原町のみならず、グル―バル。地域再生に関わりつつ、地域医療に従事し、研究も可能という選択の幅が広いポジションに、どんな医師が手を上げ、いかなる成果を挙げるか、今後が注目される。



https://www.m3.com/news/general/445991
死亡相次いだが検証せず 群馬大病院問題、調査委報告書
2016年7月30日 (土) 朝日新聞

 群馬大病院で手術後の死亡が相次いだ問題で、大学から依頼された有識者による医療事故調査委員会が、報告書をまとめた。2009年度に同じ男性医師(退職)による手術で8人の死亡が相次いだときに検証などがされず、その後に男性医師の執刀で10人以上が死亡していたと指摘。「適切な報告や対応が取られていれば、その後の死亡の続発は防げた可能性がある」と批判している。

 群馬大病院では09~14年度、同じ男性医師による肝臓手術を受けた18人が死亡。調査委は18人の原因などを調べるために設置された。30日午後、報告書を学長に提出する。

 報告書によると、男性が所属していた第2外科(当時)では09年度以降、肝臓や膵臓(すいぞう)などの手術は男性医師に頼る形になっていた。09年度に開腹による肝臓手術での5人のほか、膵臓などの手術でも3人が死亡した。膵臓の3人は調査の対象外。

 この後、上司の教授の助言で男性医師は手術をやめたが、約2カ月後に体制などが改善されないまま再開した。10年12月からは、より高度な技術を必要とする腹腔(ふくくう)鏡手術を導入。男医師の技量に疑問を持つ同僚医師から手術の中止を求める声が出たが、教授が聞き入れなかったという。

 10年以降に死亡したのは腹腔鏡手術で8人、開腹手術で5人だった。

 教授は12年8月、腹腔鏡手術の成績をまとめた論文を学術誌に発表。当時、少なくとも4人が亡くなっていたのに、死亡者は1人と記載していた。教授は問題が発覚した後、論文を取り下げた。

 院内には、第2外科と同様の手術を扱う第1外科(当時)もあった。報告書は、両科には「潜在的な競争意識」があったとし、情報共有や協力関係を築かなかったことも問題の背景にあると指摘した。「患者中心の医療とは大きく乖離していた」としている。

 調査委は、この18人を含め、男性医師が病院に所属していた07~14年度に、両科であった肝臓や膵臓などの手術の後に死亡した計50人分について、日本外科学会に医学的な調査を依頼。学会が手術の選択を「妥当」と評価したのは26人だけだった。



https://www.m3.com/research/polls/result/129
意識調査
結果夏休みの予定は?

回答期間: 2016年7月20日 (水)~26日 (火) 回答済み人数: 2886人
2016年7月30日 (土) 高橋直純(m3.com編集部)

 暑い日が続きます。そろそろ夏休みのご予定を立てている方も多いと思います。2016年の夏の予定をお尋ねします。
医療従事者、夏休みの平均は4.3日

 2016年の夏休み、最大連休をお尋ねしたところ、平均は4.3日でした(9日以上は9日として計算)。最多は3日(20%)となり、5日(15%)、4日(13%)と続きました。0日は10%だった一方、「9日以上」という、うらやましい人も同じく10%いました。

 夏の予定は、1位:国内旅行(泊りがけ)(28%)、2位:特になし(15%)、3位:自宅でゆっくり過ごす(13%)、4位:帰省(9%)、5位:海外旅行(8%)、6位:お墓参り(8%)、7位:日帰りレジャー(7%)、8位:研修・勉強・研究(4%)、9位:たまった仕事の消化(4%)、10位:アルバイト(1%)――となりました。

 回答総数は2886人、内訳は開業医523人 勤務医1817人 、歯科医師8人 、看護師73人 、薬剤師401人 、その他の医療従事者64人でした。

 たくさんの夏休みの思い出をご紹介いただきました。m3.com「医療維新」でご紹介します。ありがとうございます。

『夏休み「数年間なし」「医局を辞めて家族旅行」「研修医で2週間』

Q1 今年の夏休みは最大で何連休になりそうですか?
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開業医 : 523人 / 勤務医 : 1817人 / 歯科医師 : 8人 / 看護師 : 73人 / 薬剤師 : 401人 / その他の医療従事者 : 64人
※2016年7月26日 (火)時点の結果

Q2  夏休みにどのようなご予定がありますか?【複数】
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開業医 : 523人 / 勤務医 : 1817人 / 歯科医師 : 8人 / 看護師 : 73人 / 薬剤師 : 401人 / その他の医療従事者 : 64人
※2016年7月26日 (火)時点の結果

Q3 夏休みの思い出を教えてください。【任意】
(次項)



https://www.m3.com/news/iryoishin/445635
シリーズ: m3.com意識調査
夏休み「数年間なし」「医局を辞めて家族旅行」「研修医で2週間」

2016年7月30日 (土) 高橋直純(m3.com編集部)

Q  夏休みの思い出を教えてください。
調査結果はこちら⇒「医療従事者、夏休みの平均は4.3日」

【休みが取れない】

・数年、夏休みなし、有給も取れず、夏休みの時期になると憂鬱。【勤務医】

・大学卒業後は、民間病院で夏休みのない生活です。学生の時に、もっと有意義なことをしておけばよかった、と思っています。【勤務医】

・開業までは、毎年ハワイへ行っていたが、開業後、在宅もあり、長期休暇は取れていない。【開業医】

・仕事をしだしてからは、ほとんど休みなしですのでこれといってありません。【勤務医】

・今まで、まとめて夏の休みを取ったことがありません。【開業医】

・大学病院勤務。夏季休暇として、毎年13日間を与えられますが,外来診療、検査などのduty、外勤パートは休めないことが多いです(夏季休暇が直前に決まることが多いので)。結局、平日は毎日出勤して、夜のカンファレンスだけさぼらせてもらっています。もう50歳代ですが、夏休みに旅行に行ったことなどありません。普段よりも少し早く帰れることと、日曜日に呼び出されないことが普段と違うところです。【勤務医】

・医師になって35年、地方病院で主治医制のため普段は週末も出勤しているが、一度だけ週末に子供を連れて信州にドライブしたことがある。【勤務医】

・家族がいる同僚優先のため、夏休みを夏に取れたことはありません。【勤務医】

・休み前に患者さんが必ず具合悪くなる。だから、前もって予約して夏期休暇なんて夢物語です。【開業医】

・新人の頃、7月―9月までに夏休みが取れず12月まで取れずにいたが、インフルエンザに感染してしまい、1週間の夏休みがなくなってしまったこと。【薬剤師】

 【仕事との付き合い方】

・休み直前に頸椎症の外来患者が四肢麻痺になって入院し、脊椎専門の医者が何もしてくれなかった。丸一日かけて手当たり次第電話をかけて転院先を探した。【勤務医】

・医局をやめて家族で毎年海外旅行に行けるようになった。【開業医】

・休んだ途端に自分の受け持ち患者がことごとく急変し、代診医師に多大なる迷惑をかけた。【勤務医】

・開業間もなく、子供も小さいのでハワイに一週間行きました。バイトを頼み、かなりの散財でしたが、若かったんですね~どうにかなるさーと遊んできました。【開業医】

・専属産業医になってから長い夏休みを取ることになり暇すぎる。【勤務医】

・休みなのに早起きしてご飯作り出す自分、4日休むと むずむずして働きたくなる自分 が 貧しいです。【開業医】

・今までは開業医前のマンツーでしたので、お盆休みは確定的でした。今年6月より病院前のチェーン薬局でパートに転職し、お盆休みの概念が無くなりました。でもきっと暇でしょう。24時間対応は管薬の仕事ですしね。【薬剤師】

・熱中症の急患が多かった時、救急外来まで足りなくなった輸液を運びに薬局と救急外来とを何往復かしたこと。【薬剤師】

・せっかく温泉旅館に予約を取ったのに、病棟で呼び出されてキャンセル・・・。【勤務医】

 【研修医・専攻医時代】

・研修医の時に、研修医の同期と休みを合わせて南米や東ヨーロッパに行ったのはいい思い出です。【開業医】

・研修医の時に奇跡的に夏休みが2週間取れて、海外に2週間行けて充実した夏が過ごせたこと。【勤務医】

・専攻医時代に家族で沖縄に行ったのが最後です。【勤務医】

・大学病院、研修医の時、サンフランシスコの移植学会へ先輩のお伴で行き、10日近く羽を伸ばした。【勤務医】

【勉強の夏】

・最近は学会参加が主である。【勤務医】

・国立駿河療養所でハンセン病の患者さんと交流が持てたし、勉強にもなった。【その他の医療従事者】

・論文執筆や他施設見学など勉強に使っていることが多い。【勤務医】

・毎年、遠方の学会に行きます。【薬剤師】

・大学にいたころは、夏休みを取って、学会抄録と論文を書いていた。【勤務医】

【旅行の思い出】

・たまには少し贅沢を、と、高級ホテルで過ごしましたが、「一休.com」で予約して行くと、予定以上のクラブフロアのスイートルームにアップグレードしてくれて、シャンパン飲み放題で(そんなには飲んでませんが)、とても快適でした。【勤務医】

・宿泊先のホテルで、ホテル側の不手際があり、最安のツアーでの参加にもかかわらずスイートルームに3泊もできたこと。【勤務医】

・のんびり、防波堤からの釣りを楽しんでいると、息子の竿に大きな魚が…釣具屋の写真に掲載されました。【薬剤師】

・学生同士の友人カップルと一緒に花火大会に行ったこと。しかも親友と自分の好きな人カップル。切なかった。【薬剤師】

・白川郷へピクニック。ロールパンにサンドイッチの具財(ハンバーグ、スモークサーモン、ハム、レタス、ゆで卵などなど)、お茶の用意をして親子3代で出かけた。最初で最後の親子3代のピクニックだった。【勤務医】

・去年、子供たちの家族全員そろって(総勢9名)沖縄にいる甥家族を訪ねた旅行。初めての沖縄旅行でした。子どもひと家族は休暇の都合で行けなかったのですが。これだけそろったのは初めてでした。【勤務医】

・岡山に行ったとき、親しく話しできた地元の人から白桃をもらい、こんなに美味しいものがあるんだと驚いた。(もう40年前の話だが)【勤務医】

・医局の友人と夏休みを合わせ、四万十川のいかだ下りツアーに参加したことが良い思い出です。【勤務医】

・友人とロンドンのホテルを予約し、10日間くらいで滞在しました。ロンドン市内観光や、旅行会社のメニューの中のアフタヌーンティーを楽しむ体験、キューガーデン、美術館の見学をし、食事を楽しくした思い出があります。【看護師】

・愛知子供の国という名前に惹かれ、尋ねたら月曜日で休園。翌年月曜日を外し訪れたら管理が県から委託業者に移りループが閉鎖。灼熱の厚さで、公園で遊ぶ子はいなく、小さい子を連れた旅行の難しさと、行政サービスの悪化に寂しさを感じる。【薬剤師】

 【子ども、学生の頃】

・田舎暮らしの小さいころ、夏休みに外遊びをして午後疲れて帰ると、いつの間にか寝てしまい、夕立の音で目をさまし、涼しくなって日が暮れる、そんな平凡な夏の一日が懐かしい。【開業医】

・子供の頃、恒例になっていた祖父の家に2週間くらい過ごした夏休み、花火や従弟に会って楽しんだよき思い出。夏休み、高校野球観たり、麦わら帽子を被って網で魚やセミとりした昔ながらの日本のよき夏休み。【勤務医】

・厳しかった夏合宿。【勤務医】

・裏山でクワガタやオニヤンマ・ザリガニを良く捕りに行った。40年前まで普通に近くの小川で蛍が飛んでいたが、現在は全くいなくなっている。【看護師】

・遙か昔であまり覚えていませんが、林間学校やセミ取り、魚釣りなど当たり前のことが思い出されます。【開業医】

・高校生の頃の部活での軽い熱中症。吹奏楽部だったけど、近所迷惑にならないように、エアコンのない普通の教室(1年?組の教室)で絨毯を敷き詰めて、カーテンも閉め切っての基礎練習。【薬剤師】

・子供時代は 親の薬局が正月以外休みなしだったので、夏休みと言っても 家でゴロゴロ。親の時代は とにかく よく働いてくれました。【薬剤師】

・高知の祖母の家に滞在し、すいか・トウモロコシ・トマトなどとれたてのものを食べたり、川に泳ぎに行ったことが思い出です。【その他の医療従事者】

・昆虫採集中に川に落下。500mほど流されて事件になった。【その他の医療従事者】

【医体】

・東医体で北海道に行って、同期と騒いだ。【勤務医】

・西医体で汗を流していた記憶があります。【開業医】

【その他】

・熱闘甲子園。【勤務医】

・思い出すのは学生までの夏やすみのことばかり。結婚してしてからは夏休みは自分のものではなくなった。行きたいところも減って、したいことも減った。半面しなければならないことに追い回されている。【開業医】

・連休や盆正月しかまとまった休みが取れない。費用が普段の倍で、旅の感激を半分にしている。【開業医】

・ご自分の不手際が原因なのに次月の当直予定について不満があると、こちらは夏季休暇中にもかかわらず再三携帯電話をかけてきて、せっかくのお休みを台無しにした准教授(当時)がいたこと。【勤務医】

・家族で種子島。夫が素敵な青空に触発されて、躁転した。【開業医】

・若い時は家族旅行をしていたが、子供が大きくなると何もしなくなった。自分に残念な気持ちになる。【薬剤師】

・一緒に旅行に行った友人(医療関係ではない仕事をしている)と、結局仕事の話になり、私には仕事以外に話すことがないのかとげんなりした。【看護師】

  1. 2016/07/30(土) 10:49:40|
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7月28日 

http://www.news-kushiro.jp/news/20160728/201607282.html
常勤医の不在長期化、釧路刑務支所
2016年07月28日 釧路新聞

  帯広刑務所釧路刑務支所(鈴木君彦支所長)は2011年から5年間、常勤医が不在の状態が続いている。15年に国家公務員である矯正医官と、民間医師との兼業をしやすくする矯正医官特例法が施行されて以降も、地元で名乗りを上げる医師はいない。地方の医師不足が、塀の中にも及んでいる。



http://www.asahi.com/articles/SDI201607212500.html?iref=com_apitop
「支援体制充実を」 医療事故調 横倉日医会長にきく(下)
林敦彦
2016年7月28日06時00分 朝日新聞

日本医師会長に迫る(下) 編集長インタビュー

 患者の予期しない死亡例を対象に原因究明と再発防止を図る「医療事故調査制度」が昨秋に始まりました。患者や家族たちの信頼を得るため、医療者側がこの制度にどう向き合っていくのか、注目が集まっています。今後の取り組みのほか、健康を維持していく方法、医療報道に期待することなどについて、日本医師会長の横倉義武さんに聞きました。(「上」から続く)


【質問】(診療科)偏在の話で、外科などが減ってきたというのは過去の医療事故も影響していますが、「医療事故調査制度」(スライド1参照)がはじまって約9カ月たちました。ただ6月までの届け出数は285件と、当初の年間千数百件程度という予測からは大幅に下回っています。事故が起きてからまず院内調査を行う際の支援団体として各地の医師会も入っていますが、どの程度浸透していますか?

 これはかなり(医師会にも)浸透してきています。(届け出)数が十分ではないという話がありましたが、当初の予測が高すぎたんですね。予測もつかない死亡というのはそうそうたくさんあるわけではないので。やはりもし急に患者さんが亡くなったら、担当の医師や病院の管理者はやはり一番悩むんです。そこで医師会がサポートして、院内調査の仕組みをつくる。その院内調査の仕組みをつくるときのメンバーをしっかりと医師会のほうで、あっせんしていくと。また解剖とかAI(死亡時画像診断)とかが必要な場合、そういう解剖のできる医療機関やAIができる医療機関と連携をとるとか。そういうサポートを、いまそれぞれの医師会にやっていただいているところです。


【質問】以前、医療安全の学会で、(初期対応の段階から福岡県医師会が関わり、事故調査の要否の判断も含めて支援する)福岡の取り組みが報告されていました。

 「福岡方式」というのは、わたしがちょうど福岡県医師会にいたときに、いまの(県医師会の)上野道雄副会長といっしょにつくりました。なぜ(患者が)お亡くなりになったかということをしっかり原因を追及して、そういうことが予測、防止できるものについては、しっかり防止できる体制をどうつくるかということがこの(事故調査制度をつくった)目的です。結果的にご家族に納得していただけるような道をこれでつくっていこうということです。


【質問】ただ実際に、届け出の件数が少ない要因のひとつとして、「予期せぬ死」というのをどうとらえるかについて、医療機関ごとのとらえ方がまちまちで、結果的にばらつきがあるという指摘がありますが。

 まあ、それもあるでしょう。それをできるだけ解消していくために、ある程度の(報告)数が出てくると、だいたいこういうときは届ける必要がありますよと。これはそうじゃありませんよ、と。区分けができます。そういう症例を積み重ねるということが大事になってくるでしょう。


【質問】福岡とか、茨城とか、地域によってやっているところはありますが、(調査できる)医師があまりいないところで医療事故が起きたときはどうしますか?

 そういうところに対しては、やはり県(医師会)から支援に入るということが必要になってきます。そこは中央の日本医師会と連携しながらということになります。


【質問】ただ医療事故がおきると、患者・遺族と医療者との間で溝ができてしまいます。

 そう、できます。そういうところをメディエイターみたいに、間をとりもっていこうというそういう研修も、医師会でやっているところです。


【質問】どうしても、医師と患者の間には、医療情報の非対称性(医師と患者の間で、それぞれが持っている情報や内容について格差があること)という課題があるといわれます。いろんな情報がある中で、(患者自身が)医療情報の真偽を見極める「医療リテラシー」をどう高めていきますか。

 日本医師会もいろいろとホームページを通じてさまざまな情報提供をして、その都度、国民にどういうことに注意してくださいということをやっています。医療情報というのはある意味、かなり情報提供をしてもわかりにくい部分がどうしても残るんです。私は「かかりつけ医」を国民のみなさんにもっていただきたいというのは、そういう医療情報を含めて、自分がわからないところを、そのかかりつけ医が通訳して、翻訳をするということが重要(だから)なんです。ですので、「かかりつけ医」をもちましょうということをずっと強く主張しているんです。


【質問】それで病気になる前に、健康をどう維持していくかということが、大事になるわけですが、ご自身の健康をどう管理していますか?

 わたしもいま東京でほぼ単身赴任の状態ですので、一番大事にしているのが運動と食事のバランスです。どうしても運動不足になりがちですので、毎朝のラジオ体操と、それとできるだけ歩く機会を増やすということをしています。


【質問】(横倉さんは)大学時代にラグビーをやっていたので、そういう健康管理の意識は高いのでは?ただなかなか運動しよう、散歩しようと、わかってはいるけど、実現できていないという人たちに対する啓発は?

 健康寿命を伸ばしましょう、と。特に中高年になってくると、足の力が弱ってくるというか。いわゆるロコモティブシンドローム(スライド2参照)といわれる状態がひどくなると、虚弱(という意味の)のフレイル(高齢になって筋力や活力が衰えた段階)という状態になるので、ロコモ体操というものを、これはラジオ体操でもいいわけですが、そういうものを普及していくことが必要でしょう。

 ただ、病気は早期発見、早期治療なんですよね。多くの場合、普通は栄養をとって休んで休養するということでだいたい解決するんです。国民に必要な医療、介護というのは、高齢化社会になってくるとでてきます。それぞれの住んでおられる地域でしっかり提供できる体制を地域でつくっていくと。まあ一番初めに戻りますけれども、医療による地域作りということが重要になってきます。


【質問】(アピタルの)新しい編集長になりまして、より信頼性の高い情報をわかりやすく伝えるということをモットーにやっているんですが、いま横倉さんからみて、メディアにこういう情報発信をしてほしいとか、あるいはこういうことがもっとあったらいいと考えられていることはありますか?

 基本的な健康を維持する方法とか、あくまで「基本」ですね。医療においても、いわゆるコモンディジーズという日常的にみられるような病気はこういうもんだよと。そういうときはかかりつけ医でこうしてもらいましょうとか。そういう基本の話をしっかり国民に知っていただきたいと思います。どうしてもマスコミの習いとしては、きわめて特殊なケースを尊重しやすいでしょう。あまり特殊なケースばっかり報道すると、特殊な場合でも、全国どこでもそれができると思われるとまた困るわけです。だから、一般的な医療というのはこういうもんだということを国民に理解していただきたい。そして、医療側と受け手の国民側の医療不信という状態を解消していくと。医療というのはお互いの信頼関係の上で成り立つと思いますので、ぜひそういうふうなお願いをしたいです。(インタビュー日は7月14日)


《経歴》 よこくら・よしたけ 1944年福岡県生まれ。1969年久留米大医学部卒業後、外科医に。1980年から同大医学部講師。97年4月からヨコクラ病院(福岡県みやま市)理事長。06年から福岡県医師会会長。10年に日本医師会副会長。12年4月の日本医師会長選で「親民主(当時)」系の候補らを破り、初当選。16年6月に3選。



http://www.sankei.com/affairs/news/160728/afr1607280031-n1.html
【相模原19人刺殺】
措置入院見直しを検討 厚労省

2016.7.28 22:16 産経ニュース

 安倍晋三首相は28日、相模原市の障害者施設で入居者19人が刺殺された事件を受けて、関係閣僚会議を官邸で開き、再発防止などを指示した。会議には塩崎恭久厚生労働相、河野太郎国家公安委員長らが出席した。安倍首相は「必要な対策を早急に検討し、できるところから速やかに実行に移していくよう指示する」と述べた。

 逮捕された植松聖(さとし)容疑者(26)は今年2月に措置入院し、尿から大麻の陽性反応が出ていたが、「他人に害をなす恐れがなくなった」として3月に退院していた。措置入院は、指定医1人の診断で退院が可能で、その後のケアに関する法律や制度はない。

 厚労省は28日、措置入院の制度や運用を見直すため、近く有識者会議を設置する方向で調整を始めた。退院後にも治療を継続する仕組み作りが軸となるとみられる。

 同省は調査チームを作って、入退院に関わった医師らから聞き取りを行うほか、措置解除後の植松容疑者の行動、自治体と警察などの連携が十分だったかも検証。措置解除の判断方法も含め、必要に応じて法改正やガイドラインの作成を検討する。



http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/society/society/1-0297858.html
入院判断に人権問題 措置入院制度 道内医療関係者が懸念
07/28 07:00 北海道新聞

 道内の精神医療関係者からも、措置入院制度強化への懸念や、退院後の継続支援の充実を求める声が上がっている。

 「事件により、措置入院の判断基準の引き下げ議論が起きるのではないか。人権上、判断には慎重さが必要だ」。措置入院の判断に携わる札幌市南区の精神科病院の医師は懸念する。

 道によると、道内で2014年度、措置入院した患者は延べ57人と、過去10年で最少だった。警察や家族などからの申請数延べ1289件の4・4%。道障がい者保健福祉課は「人の自由を制限するため、厳格な判断が求められる」と説明する。

 国が精神医療について、長期入院ではなく、地域での支援を重視する方針に転換しており、全国的にも患者数は減少、入院は短縮傾向にある。札幌市によると、入院期間は一般的に長くて3カ月程度という。

 一方で、退院後の継続的な観察の難しさを指摘する声もある。札幌市障がい福祉課は「退院後は福祉施設への入居や、就労支援などを勧めている」とするが、「本人や家族が希望しなければ、その後の関与は難しい」と打ち明ける。道都大の上原正希准教授(社会福祉学)は「病院、行政、警察が情報共有して退院後も見守る必要がある」と指摘する。



https://medical-tribune.co.jp/news/2016/0728504267/
准看護師、その存在意義は?〔CBnews〕
准看協会長と日医常任理事に問う

CBnews | 2016.07.28 18:10

 団塊の世代が後期高齢者となる2025年に向けて、国は医療機関の病床機能を分化することにより、限られた資源で効率的に医療を提供できる体制の整備を進めている。当然、各職種の役割にも変化が求められるが、中でも注目されるのは、看護の重要な担い手と期待されている准看護師(准看)の立ち位置と役割だ。高齢化する社会での准看の存在意義とは―。日本准看護師連絡協議会(准看協)の滝田浩一会長と日本医師会(日医)の釜萢敏常任理事に話を聞いた。

看護師と准看で「機能分化」の推進を―滝田会長

―滝田会長は、准看として今も患者のケアに当たられているそうですね。

 はい。東京都内にある精神科の単科病院で看護助手として働き始め、その後に准看の資格を取って30年以上経ちます。

 准看は14年現在で約34万人が就労しており、看護職全体の2割超を占めています。しかし、准看の資格を取るための学校や養成所の数は、カリキュラムの見直しや補助金の減額などによって減少傾向にあります。これに伴って、試験の受験者や合格者も減っています。こうした状況の中で、今後も准看を新たに養成していくには、その役割や重要性をアピールするなど、発言力を強める必要があります。

―准看について、新たに養成すべきではないといった意見も一部で根強くあります。

 国は、25年に約200万人の看護職が必要になると推計しています。14年時点の看護職の数は約160万人です。仮に今後、毎年3万人ずつ看護を担う人材が増えたとしても、25年には約7万人足りなくなる見通しです。

 准看を新たに養成しなくなれば、看護人材の不足に拍車がかかることは明らかです。従って、「新規の養成をやめるべき」という意見は、決して受け入れられません。

―では、将来のニーズに対応するために看護の提供体制は、どうあるべきですか。

 看護師と准看の働く場所のすみ分けを、より明確にすべきです。つまり、大規模な病院や大学病院などは主に看護師が担い、中小病院や診療所、介護施設などは主に准看が担うといった「機能分化」のさらなる推進です。このすみ分けがもっと明確になれば、限られた人材でも将来の看護ニーズに対応できるのではないでしょうか。

准看のスキルアップに向けて研修体制の構築に注力

―准看協が四病院団体協議会と日医の支援を受け、発足したのは昨年11月でしたが、設立当初から「生涯教育研修体制の確立などを通じ、全国レベルで准看のさらなる能力向上」を掲げています。関係者の中には「准看も看護師と同じように患者をさまざまな視点で捉える全人的な看護をできるようになるべき」と指摘する人もいますが。

 その指摘はもっともだと思います。例えば、精神科単科病院で長い間働いている准看は、精神科の看護について非常に詳しくなりますが、身体的な看護の知識や技能が乏しい場合が少なくありません。准看も所属する診療科以外の看護の知識などを身につける必要があります。

 ただ、これまで准看を主な対象とした研修の機会があまりなかったため、准看が体系的に教育を受けるのが難しかったのも事実です。ですから、准看協は特に准看向けの研修体制の構築に力を入れます。研修の内容については今後、会員から意見を聞いた上で、それぞれがスキルアップできるような仕組みにするつもりです。

 准看協ではまた、准看の社会的地位の向上や、看護師を目指すためのサポートなどにも取り組む予定です。

会員数、来年5月までに5万人に

―准看協では、准看を対象に会員を募集しています。目標人数を教えてください。

 准看協は、会員に対して再就職や看護師学校への進学に関する情報提供も行いますので、こうした会員のメリットや活動内容などを積極的に発信し、まずは来年の5月までに会員を約5万人に増やしたいと思っています。

 ただ、会員を増やすことだけが目標ではありません。准看が活躍する場をきちんと確保しながら、一人ひとりが誇りを持って働けるような環境をつくるのが、われわれの使命です。

准看制度、「今後も存続する」―日医・釜萢常任理事

 「今後、特に在宅医療や介護現場などで、准看は大きな『戦力』になるでしょう」―。超高齢社会における准看の重要性を、こう強調する日医の釜萢常任理事に准看養成課程の意義や課題などについて聞いた。

―准看の養成制度について、どのように考えていますか。

 看護職を希望する全ての人が、3年課程、ましてや大学へ進めるわけではありません。准看の養成課程は、看護師の養成課程よりも履修時間が短いことから、例えば働きながら資格の取得を希望する人にとって、非常に有用です。

 25年に向けて看護の需要が増えると予想されるので、看護職への門戸は広く開かれるべきです。そのために、准看の新たな養成は今後も続ける必要があります。

―その養成の在り方などについては、長い間、「保留」という形になっているように思いますが。

 「保留」というのは、1996年に厚生省(当時)の「准看護婦問題調査検討会」が公表した報告書で、「21世紀初頭の早い段階を目途に、看護婦養成制度の統合に努める」と提言されたことを指して言っているのだと思います。しかし、日医としては、「保留」の状態にあるとは全く考えていません。

 その後の98年に同省の「准看護婦の資質の向上に関する検討会」と「准看護婦の移行教育に関する検討会」が設置され、准看課程のカリキュラムの見直しなど、教育内容を向上させるための取り組みがなされました。また、10年以上の実務経験がある准看が看護師になるための2年課程(通信制)が2004年度からスタートしました。これらは、いずれも准看の養成制度の存続を前提に行われたからです。もちろん、今後も存続すると思っています。

課題は専任教員や実習施設の確保など

―准看を新たに養成する上で、どのような課題がありますか。また、日医は今後、どのような形で准看協にかかわる予定ですか。

 学校や養成所における専任教員と実習施設の確保が非常に難しいのが実情です。また、准看の養成に対する補助金の削減などによって、学校や養成所の運営は厳しく、その数は減少の一途をたどっていることも問題です。今後も養成所が運営できるよう、日医は国や自治体に対して、補助金の確保を要望していきます。

 准看協は、活動の柱に准看を対象にした研修体制の構築を掲げています。その研修が全国で開催されるよう、日医は各地域の医師会に対して、看護師等養成所を研修会場として提供いただくよう働きかける方針です。

(2016年7月28日 松村秀士・CBnews)



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/49288.html
拠点病院の緩和ケア、質の評価方法確立へ- 厚労省検討会
2016年07月28日 18時00分 キャリアブレイン

 厚生労働省の「がん等における緩和ケアの更なる推進に関する検討会」は27日の会合で、がん診療連携拠点病院(拠点病院)が実施する患者の身体的・精神的な苦痛を和らげる緩和ケアについて、統一した質の評価方法を確立する方針で一致した。拠点病院における緩和ケアの質の向上につなげる狙いがある。【松村秀士】

 厚労省によると、既に全ての拠点病院で緩和ケアチームや緩和ケア外来といった専門的な緩和ケアを提供する体制が整っている。ただ、緩和ケアチームや緩和ケア外来の診療件数は病院ごとに差があることに加え、緩和ケアの質の評価方法を確立することが課題とされていた。

 このため、厚労省はこの日の会合で、「拠点病院における緩和ケアの質の評価方法を確立すべきではないか」と提案。また、拠点病院で患者が抱える苦痛や要望などを把握するスクリーニングをする人員の不足や、有効な対応方法が確立されていない場合があることから、スクリーニングを実施するための人員確保や対応方法などに関するマニュアルの作成に取り組む必要性も強調した。

 さらに厚労省は、拠点病院に設置されている緩和ケアセンターは、人員不足や院内での役割の認識が共有されていないことなどによって、十分に機能していないケースが少なくないと指摘。その上で、同センターでの人員確保や、同センターの役割の明確化や院内周知などを担うジェネラルマネージャーの評価などに取り組むべきとした。

 これらの提案について、特に反対意見はなく、検討会として概ね合意した。ただ、服部政治委員(がん研有明病院がん疼痛治療科部長)は、同センターについて、「どのように機能しているかという質を見る方法を検討することが必要」と指摘。道永麻里委員(日本医師会常任理事)も「院内で役割の認識が共有されていないのは問題。なぜそうなっているかを検証する必要がある」とした。

 このほか、「スクリーニングや緩和ケアセンターに関して、実地調査をして現場の声を聞いた上で議論するべき」(池永昌之・淀川キリスト教病院緩和医療内科主任部長)といった声も上がった。



https://medical-tribune.co.jp/news/2016/0728504260/
大阪府立2病院、4診療科で「裏口座」に1280万円...内部調査で新たに判明〔読売新聞〕
yomiDr. | 2016.07.28 13:10

 大阪府立急性期・総合医療センター(大阪市住吉区)と府立母子保健総合医療センター(和泉市)の4診療科で、産科や小児科の救急医療を充実させるために自治体から振り込まれた協力金約1280万円を、幹部名義などの四つの「裏口座」にプールしていたことがわかった。運営する地方独立行政法人・府立病院機構は「不適切な会計処理だった」として関係職員を処分する方針。

 今年3月、急性期・総合医療センターの救急診療科で、自治体から支払われた救急救命士への指導料が、病院会計外の四つの個人口座にプールされていることが発覚。同機構が調べたところ、入金された約6800万円のうち約910万円が、職員の懇親会費などに流用されており、院長(当時)らを懲戒処分にした。その後、運営する5病院で、同じような事例がないか調査していた。

 関係者によると、今回、急性期・総合医療センターの産婦人科、小児科と、母子保健総合医療センターの産科、新生児科で、新たに会計外の口座が四つ見つかった。

 口座は各科の担当部長名や診療科名で開設され、確認できた過去10年分で、急性期・総合医療センターは約470万円、母子保健総合医療センターは約810万円の入金があった。

 原資は、府と大阪、堺両市が2001年度に創設した「周産期緊急医療体制確保事業」で支払われた協力金。妊婦や新生児の救急搬送の受け入れ実績に応じ、府と両市から、府医師会を通じて口座に振り込まれていた。

 支出は部長判断で行われていたが、医療機器の購入など診療科の運営経費に充てられ、私的流用や飲食などの不適正支出はなかったとしている。同機構は今後、病院会計で管理するよう改める。

 急性期・総合医療センターは府内有数の基幹総合病院。母子保健総合医療センターは周産期や小児の高度な専門医療を行っている。

(2016年7月28日 読売新聞)



http://www.sankei.com/west/news/160728/wst1607280012-n1.html
補助金計1280万円を幹部名義口座にプール、大阪府立2病院で不適切会計 厳重注意処分へ2016.7.28 08:39 産経ニュース

 大阪府立の2つの病院が、正規の会計を通さずに府からの補助金計約1280万円を幹部名義の個人口座にプールしていたことが27日、府関係者への取材で分かった。病院を運営する地方独立行政法人の府立病院機構は会計処理が適切でなかったとして、両病院の幹部らを厳重注意処分にする方針。

 補助金は周産期医療の体制整備のため、府が府医師会を通じて支払う公金。機構が運営する5つの府立病院について、平成18年~28年の会計処理を調査したところ、急性期・総合医療センター(大阪市)と母子保健総合医療センター(和泉市)で不適切な処理が発覚した。

 ただ、プールされた補助金はいずれも業務に必要な経費に使われ、機構は支出に問題はなかったと判断した。

 今年3月に急性期・総合医療センターの幹部らが、救急隊員への指導料として大阪市などから支払われた委託金を複数の口座にプールしていたことが発覚。約910万円を懇親会費の補助などに流用していた。機構がこの問題の発覚後、他にも不適切な会計処理がないか調査していた。



http://www.asahi.com/articles/ASJ7X24VKJ7XUBQU002.html
高額薬、価格引き下げへ 中医協で議論開始
生田大介、竹野内崇宏
2016年7月28日07時01分 朝日新聞

 高騰する薬代が将来の医療保険財政を圧迫しかねないことから、厚生労働省は27日、2年に1度の改定を待たずに値下げする仕組みづくりの検討を始めた。利用者が急激に増えた高額な薬が対象。まず、1人あたり年約3500万円かかる新型のがん治療薬「オプジーボ」の値下げを年内に決める方針だ。
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■使用量減らす指針作りも

 27日の中央社会保険医療協議会(中医協)。高額な薬の販売が相次いでいる現状について、厚労省は「従来の仕組みでは対策を講じているとは言えない。薬価の抜本的な見直しを行ってはどうか」と提案した。

 高額な薬でも安全性や有効性が認められれば保険が適用され、患者の自己負担は1~3割ですむ。さらに自己負担の上限を一定に抑える「高額療養費制度」があるため、保険からの支出は増え続けている。

 そこで厚労省が値下げの新たな仕組みの対象とするのは、有効性が広がって販売量の急増が見込まれる薬だ。値段だけでなく、使用量を減らして副作用のリスクを軽減させるため、病院や医師向けの最適使用推進ガイドライン(指針)づくりに向けた考え方も提示。薬ごとに各分野の学会などと協議し、薬が使える患者や医師・医療機関の基準を決めていくと説明した。

 中医協の委員からは「目の前に患者がいて、助けられるのに使えないことがないように」との懸念も出た。ただ、大きな異論はなく、「国民皆保険を壊さないようにしないといけない」という意見が主流だった。薬剤費高騰への危機感は共有されている。

■価格高騰、背景に開発コスト

 薬が高額になるのは製薬技術の発展が背景にある。

 肺がん治療薬「イレッサ」の薬代は平均的な男性患者で月約20万円かかる。がん細胞内の物質を狙い撃ちにする「分子標的型」で、従来の薬より高額になる。オプジーボはさらに進化させたもので、がんに働きを抑えられた免疫を再活性化し、がんを攻撃させる「新型」だ。生物由来で製造工程が複雑なバイオ医薬品の一種で、開発コストが高く、薬代は月300万円を超える。

 もともとオプジーボは皮膚がんの薬として承認され、年470人程度の患者が使うと想定されていた。だが、昨年12月に患者数が数万人規模の肺がんの一種にも使えるようになった。8月には腎細胞がんにも認められる可能性がある。27日には頭頸(けい)部がんにも使用の承認申請があった。

 高齢化に伴い、日本の医療費は2014年度で40兆円と、10年前の1・3倍になった。その間、薬局調剤費の割合は全体の13%から18%へと伸びた。さらにオプジーボなど主に病院内で使われる高額薬の費用も押し上げることになる。医療費の5割弱は保険料で、4割弱は公費で負担する。医療費の増加は将来的に保険料の引き上げや増税につながるため、抑制は急務となっている。



http://www.medwatch.jp/?p=9840
診療報酬の地域加算対象地域をさらに一部追加、7月請求分まで差額請求を認める―厚労省
2016年7月28日|2016診療報酬改定ウォッチ

 診療報酬の地域加算(入院基本料・特定入院料・短期滞在手術等基本料2の加算)の対象地域を再度訂正する。これに伴い、すでに行われているレセプトについては「地域差加算分の差額請求」を行うことを認める―。

 厚生労働省は、27日の事務連絡「平成28年度診療報酬改定関連通知の一部訂正及び一部変更について」の中で、このような点を明らかにしました(厚労省のサイトはこちら)。

5級地に奈良県平群町、6級地に群馬県明和町などを追加

 「A218 地域加算」は、医療経費の地域差を是正するために入院基本料・特定入院料・短期滞在手術等基本料2について、地域区分に応じて18点(1級地)-3点(7級地)を加算するものです。

 具体的な地域区分は「人事院規則9-49第2条に規定する地域」(1級地-7級地)と、「人事院規則で定める地域に準じる地域」(1級地-7級地)として設定されています。

 厚労省は「人事院規則で定める地域に準じる地域」(1級地-7級地)について6月にも訂正を行いましたが、今般、さらに次のような訂正を行いました。

【5級地】(9点の加算):奈良県平群町を追加

【6級地】(5点の加算):群馬県明和町、千葉県香取市、京都府和束町・笠置町、奈良県三郷町を追加(また茨城県大洗市となっていたところを大洗町に訂正)

【7級地】(3点の加算):茨城県潮来市、群馬県みどり市・板倉町、神奈川県箱根町、富山県南砺市、石川県津幡町、山梨県早川町・南部町・身延町・富士河口湖町、長野県大鹿村・飯田市、岐阜県高山市・御嵩町、静岡県湖西市、三重県菰野町、京都府南山城村、奈良県曽爾村、岡山県備前市、山口県岩国市を追加

 また、「今年(2016年)3月31日に地域加算の対象地域であったが、4月1日以降には該当しなくなった地域については、2018年3月31日までの間に限り、7級地とみなす」という経過措置がありますが、ここから群馬県板倉町を除外しています。

 今回の訂正で対象地域に追加された地域では、既に行われた「今年(2016年)4月分・5月分・6月分の地域加算」、および8月に行う「7月分の地域加算」について、「差額請求」を行うことが可能であることも明らかにしています。

 また、下表のように地域加算の区分が変更された地域がありますが、これらの地域では2016年7月診療分までは変更前、8月診療分以降からは変更後の級地により請求することが明確にされました。
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http://mainichi.jp/articles/20160728/ddr/041/040/005000c
高額薬
適正使用指針 厚労省作成へ 医療費抑制図る

毎日新聞2016年7月28日 北海道朝刊

 厚生労働省は27日、中央社会保険医療協議会(中医協)で、画期的な効果があるものの高額な薬剤の適正使用を進めるため、対象患者の要件などを定める指針を作成する方針を示した。また、発売後に薬を使える病気が広がり対象患者が増えた際は、直ちに薬価を下げる仕組みの検討も始める。厚労省は、これらの取り組みによって医療費の抑制を目指す。【細川貴代、高野聡】


 指針では、投与できる患者の基準を定め、副作用に対応できる医療機関や医師に限定して使用を認める方針。指針に従わなかった場合は、公的医療保険を適用できない仕組みも検討する。まず新しい仕組みのがん治療薬「オプジーボ(一般名ニボルマブ)」と、高脂血症治療薬「レパーサ(同エボロクマブ)」など4剤について、今年度中に学会などとともに指針を作成する。

 小野薬品工業によると、7月13日までにオプジーボ使用後に計3983件(うち死亡129件、投与患者計8544人)の副作用が報告された。同社は、要件に合わない医療施設や医師に供給していないが、使用を認めていない保険適用外の免疫療法との併用で死亡例が明らかになっている。このような施設は、オプジーボを海外から個人輸入しているとされ、学会などは注意を呼び掛ける。

 また、オプジーボの投与前に効果がある患者を選ぶ指標はまだ見つかっていない。このため投与患者を絞り込む基準作りは容易ではなく、指針の限界を指摘する声も出ている。

 厚労省はさらに、現在は2年に1度の薬価改定について、医療保険が適用される病気が増えて、市場規模が急拡大した場合は即座に薬価を見直す仕組みも検討する。この検討対象もオプジーボだ。オプジーボは、2014年に患者数が少ない皮膚がんで承認された結果、1人当たり年間3500万円という高額な薬価になった。しかし、昨年12月に患者数の多い肺がんに適用が広がり、医療財政への影響が指摘されるようになっている。



http://mainichi.jp/articles/20160728/ddm/002/040/106000c
がん大国白書
第2部 検証・基本法10年/6 登録データ活用課題

毎日新聞2016年7月28日 東京朝刊

 「死亡率の改善度合いをみても、他県から引き離されていく感が強い」
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 がんによる死亡率が11年連続で全国ワーストの青森県。県がん・生活習慣病対策課の担当者は危機感を隠さない。最近10年で全国平均の死亡率は13・4ポイント下がったが、青森県の低下は5・2ポイント。中でも40〜50代の働き盛りの人の死亡率が高い。

 県が弘前大に分析を委託したところ、がんになる人の割合は全国平均並み、がん検診の受診率は全国平均よりも高かった。一方、がんが見つかったときに早期がんの人が全国平均より少なく、がん検診が早期発見に結びついていない問題点が浮かんだ。分析に使ったのは、都道府県ががんと診断された人の診療情報を収集する「地域がん登録」のデータだ。担当者は「以前から、(青森の人は)受診が遅いという医師の感覚はあったようだが、データとして裏付けられた」と話す。県は、早期発見の増加を目指し、がん検診の実態を検証することを決めた。

 今年1月、がん登録推進法が施行され、「全国がん登録」が始まった。がん登録とは、がんと診断された全患者を対象に、がんの種類、発見の経緯、進行度、治療内容、医療機関名、死亡日などを集め、地域のがんの特徴や必要な対策を統計的に明らかにする仕組みだ。海外では、がん登録を活用したがん対策によって死亡率の低減が図られている。

 2006年に成立したがん対策基本法は、がん登録に関する条文を盛り込めなかった。個人情報の取り扱いをめぐり議論がまとまらなかったためだ。その後、患者団体や医学会からの要望が相次ぎ、ようやく国レベルの仕組みを定める推進法ができ、国内全ての病院と一部の診療所が、都道府県を通じて国に患者の診療情報を提出することを義務付けた。

 国立がん研究センターは今年6月、国の制度に先行して実施してきた地域がん登録のデータを使い、都道府県ごとに新たにがんと診断された患者数(12年)を発表した。全都道府県の比較は初の試み。胃がんは東北や日本海側で目立ち、太平洋側は少なかった。こうした地域差は全国のデータ比較によって明らかになり、対策につなげることが可能になる。

 がん登録の政策への活用に取り組むのが、1962年から地域がん登録を続ける大阪府だ。大阪府は、03年までがん死亡率が全国ワーストだった。このため、全国最低レベルのがん検診受診率のアップを目指し、府がん登録のデータを分析した結果、重点的に受診勧奨する対象者を ▽胃・大腸・肺がん=60〜69歳▽乳がん=50〜69歳 ▽子宮頸(けい)がん=25〜44歳−−と決めた。

 大阪府立成人病センター・がん予防情報センターの伊藤ゆり主任研究員らが、府がん登録と国勢調査のデータを合わせて分析すると、低収入世帯の多い地域の住民ほど、がん生存率が低いという傾向も見えてきたという。いまだに肺、肝臓、胃がんの死亡率が高いこともあり、伊藤研究員は「大阪府のがん対策はまだ十分とは言えない面もあり、全国がん登録のデータを加えれば、より効果的な対策に取り組める。データをいかに活用するかが今後の課題だ」と話す。=つづく



https://www.m3.com/news/general/445336
新市立伊勢総合病院の建設費 17億増の131億円見込み 市議から批判が噴出
2016年7月28日 (木) 伊勢新聞

【伊勢】市立伊勢総合病院(伊勢市楠部町)の建て替えで、市は二十七日の市議会教育民生委員会で概算額が百三十一億四千万円になると報告した。市が施工予定業者に示した契約目標額の百十四億円から十七億四千万円の増額となり、市議から「金額の開きがあまりに大きく、了承できない」と批判が出た。

 新病院建設推進課の成川誠課長は、東日本大震災の復興や東京五輪の影響で資材や人件費が上がり続け、「市場で取引される実勢価格と国などが示す労務単価や資財単価に開きができ、見積額に差が生じた」と説明。

 一方、国の耐震基準を満たしていないため、「安全性を確保するため新病院は早期に建てていくべき」と述べた。同院は平成三十年五月の開院を目指しているが、市は遅れる見通しを示している。

 建設工事費は平成二十五年三月の基本計画発表時に示した七十億八千七百万円から上がり続けている。今回は市が基本設計段階で示した百十四億円に対し、施工予定業者の大手ゼネコン「清水建設」(東京)が見積額として百四十五億八千万円を提示した。市は工事内容を見直し、十四億四千万円削減した。

 品川幸久市議は設計業務をした安井建築設計名古屋事務所の参考人招致を提案し、了承された。基本設計を百十四億円とした根拠について説明を求める。早ければ八月に招く。



https://www.m3.com/news/general/445341
「手術ミスで障害」 800万円の賠償請求 小田原市は棄却求める
2016年7月28日 (木) 神奈川新聞

 小田原市は27日、市立病院で骨折した右腕の手術を受けた市外に住む女性(90)が手術ミスで後遺障害を負ったとして、市に800万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こしたと発表した。21日に第1回口頭弁論が開かれ、市は女性の請求棄却を求める答弁書を提出したという。

 市立病院によると、女性は昨年2月に転倒して右手首と右肘を骨折し、同3月に同病院で手術を受けた。その際、執刀医が神経の一部をメスで損傷し、5本の指が動かしづらい機能障害などが残った。

 女性は今年1月、約1500万円の損害賠償を求める催告書を市立病院に送付。これに対し、市は過去に同じ場所を骨折した影響で通常とは異なる場所に神経が通っていたことから、「神経の損傷は予見しえない事故で、賠償責任を負う理由はない」と書面で回答。女性は5月27日、東京地裁に提訴した。



https://www.m3.com/news/iryoishin/445042
シリーズ: 中央社会保険医療協議会
高額薬剤、使用医師の要件をガイドラインで規定
オプジーボが対象、「期中改定」には警戒感も

2016年7月27日 (水) 橋本佳子(m3.com編集長)

 中央社会保険医療協議会総会(会長:田辺国昭・東京大学大学院法学政治学研究科教授)は7月27日、抗PD-1抗体製剤のオプジーボ(一般名ニボルブマブ)について、薬価に係る特例的な対応を検討するとともに、最適な投与対象となる患者の選択基準と、適切に使用できる医師・医療機関等の要件を盛り込んだ「最適使用推進ガイドライン」を策定し、医療保険上の取り扱いを検討する方針を決定した。具体的な内容は、中医協薬価専門部会で審議し、今年内を目途に一定の結論を得る予定。さらに2018年度の薬価制度改正をにらみ、効能・効果等の追加で大幅に市場規模が拡大したり、市場規模が極めて大きな薬剤への対応(以下、高額薬剤)の検討も進める(資料は、厚生労働省のホームページ))。

 診療側と支払側ともに、これらの方針を了承。ただし、診療側から幾つかの指摘が挙がった。日本医師会副会長の中川俊男氏は、「これまでの中医協における議論を反映した、いい案」と評価しつつ、薬事承認から保険収載までの流れを一体的に行う必要性から、「最適使用推進ガイドライン」は、薬事承認を担当する医薬・生活衛生局だけでなく、保険局と連携して策定すべきと主張。同時に、適正使用という視点は必要なものの、ガイドライン策定が、医師の裁量権や保険給付範囲の縮小につながらないように留意するよう釘を刺した。

 「最適使用推進ガイドライン」の医療保険上の取り扱いは、今後の検討課題だが、中医協総会後のブリーフィングで、厚労省保険局医療課は、「ガイドラインを基に、保険診療上の留意事項通知を出すのであれば、医療保険上、一定の効力を持つ」と説明、ガイドラインを遵守しなければ、添付文書通りの処方であっても、レセプト査定される場合もあり得ることを示唆した。

 さらに、オプジーボの「薬価に係る特例的な対応」の一案として、2年に一度の薬価改定以外の「期中改定」が想定されるが、中川氏はこの点にも警戒感を示した。消費増税が先送りされるなど、医療費の財源確保には今後厳しさが予想されるとし、「薬価改定財源は、診療報酬改定財源に本来充当すべきという方針に変化はないか」と質した。過去数回の診療報酬改定では、必ずしも充当されなかった経緯を踏まえての発言だ。

 厚労省保険局長の鈴木康裕氏は、「約8兆円の薬剤費のうち、相当額は医療機関において使われており、全く医療機関に戻さないままでは、医療機関にマイナスの影響がある。その部分を考えてどう対応すべきか、全ての薬価改定財源を(診療報酬改定財源に)戻すべきかなどについては、いろいろな議論があるが、今まで一定程度戻してきたことは間違いない」と返答。

 中川氏は、通常の薬価改定財源が、診療報酬改定の財源として確実に充当される仕組みがあれば、「期中改定」も理解できるが、その担保がなければ、「非常にリスキー」とし、慎重な検討が必要だとした。

 オプジーボ、2016年度薬価改定で「再算定」に該当せず

 オプジーボは、2014年9月に根治切除不能な悪性黒色腫を適応として薬価収載、2015年12月に切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌にも適応が広がり、市場が大幅に拡大した。市場が一定以上拡大した医薬品に対しては、「再算定」を2年ごとの薬価改定を実施してきたが、効能・効果の追加のタイミングなどによっては、再算定を受けるまでの期間が2年を超えるケースがあり、問題になっていた。その例が、オプジーボで、2016年度改定では再算定の対象基準には該当していなかった(『「年間販売額1500億円超」のソバルディなど4成分』を参照)。

 オプジーボの販売元である小野薬品工業が今年4月に発表した2017年3月期の売上高は、前期の6倍に当たる1260億円。悪性黒色腫と非小細胞肺癌以外にも、適応拡大の治験が進んでいる。

 オプジーボ以外にも抗体医薬品など、単価が高く、市場規模の極めて大きな薬剤の上市が想定されることから、高額薬剤の薬価の在り方が、これまで再三にわたり中医協で問題になっていた(『高額新薬「適応拡大なら期中改定も」、日医・中川副会長』、『高額薬剤、「皆保険の危機要素」と支払側』などを参照)。

 最適使用推進ガイドライン、2016年度試行的に作成

 高額薬剤への対応は二段階で進める。オプジーボへの「当面の対応」と、2018年度の薬価制度改正を目指した対応だ。

 いずれもカギとなるのが、「最適使用推進ガイドライン」の策定。新規作用機序医薬品を対象とし、2016年度は試行的に、オプジーボおよびその類薬、家族性高コレステロール血症などに適応を持つ、抗PCSK9抗体製剤「レパーサ」(一般名エボロクマブ)および類薬を対象とする。今後、個別医薬品ごとに、薬事承認に併せて策定するが、オーファンドラックは対象外とする方針。

 ガイドラインには、(1)対象医薬品の使用が最適だと考えられる患者の選択基準、(2)対象医薬品を適切に使用できる医師・医療機関等の要件――などを盛り込む。「その分野で専門性が高い医師、副作用が出た場合にすぐに対応できる医療機関の要件を規定するほか、作用機序から考えて、その薬を必要とし、安全にマネジメントができる患者を選定する」(厚労省医薬・生活衛生局医療機器審査管理課長の磯部総一郎氏)。厚労省の依頼で、関係学会とPMDAが策定し、ガイドライン策定後も、市販後に得られたデータに基づき必要に応じて改訂していく。

 さらに今後、次期薬価制度改革に向けて、薬価の在り方全般について、以下の2つの論点を検討する、「論点は多岐にわたるので至急に検討を始めるが、結果として全般的な在り方として反映させることができるのは、2018年度改定」(厚労省保険局医療課薬剤管理官の中山智紀氏)。日本病院会常任理事の万代恭嗣氏は、途中経過を把握するために、「中間的な取りまとめというスケジュール感があった方がいいのではないか」と求めた。

 下記の「2」で、「医薬品の特性やこれまでの治療に係る費用との比較等を踏まえた対応」には、例えばC型肝炎治療薬のソバルディ(一般名ソホスブビル)のように、完治を目指す薬の場合、治療中の薬剤費は高額でも、「生涯医療費」という観点から安価で済む可能性があり、その視点も含まれる。

 高額薬剤の薬価制度改革に向けた取り組み

1.効能追加等による大幅な市場規模拡大への対応
 現状の薬価制度では、このような効能・効果の追加や用法・用量の拡大により大幅に市場規模が拡大するような事態は想定しておらず、そもそも類似薬効比較方式および原価計算方から成る薬価制度について、このような事態に対応し得る制度を構築する必要がある 。
2.市場規模の極めて大きな薬剤へ対応
 さらに、効能・効果の追加より市場が大幅に拡大した薬剤のみならず、薬価収載当初より、市場規模の極めて大きな薬剤も含め、国民皆保険の維持とイノベーショ ンの推進両立も踏まえ、次のような点についても検討を加える 必要がある 。

・医薬・生活衛局と保険の連携下、医薬品の最適使用を推進し、薬剤に係る給付の適正化を図る仕組みを構築
・ 費用対効果評価の試行的導入検討結を踏まえた薬価算定の仕組みに加え、単に市場規模を考慮するだけでなく、医薬品の特性やこれまでの治療に係る費用との比較等を踏まえた対応

 「薬事承認から保険収載」を一体的に

 27日の中医協では、議論になったのが、「最適使用推進ガイドライン」の在り方。

 中川氏は「最適使用推進ガイドライン」の策定プロセスについて、「医薬・生活衛生局だけで作る仕組みを変えなければいけない」と指摘し、あくまで保険局と密接な連携をしながら策定すべきと主張。併せて薬の薬事承認と「最適使用推進ガイドライン」の関係を質した。

 磯辺課長は、「最適使用推進ガイドライン」は、いったんは承認審査の担当部局で確定させ、その上で中医協に諮り、追加すべき意見等があれば、それをガイドラインに反映させて確定するという流れになるとした。薬事承認との関係については、薬事承認された範囲内で、どんな医療機関で、どんな医師が使うべきか、さらには投与対象となる患者の選択基準を決めるのが、ガイドラインという位置付けになると説明。

 しかし、中川氏は、医療経済的な視点も踏まえて、薬事承認の在り方までも含めて議論すべきとし、薬事承認と「最適使用推進ガイドライン」を別々ではなく、薬事承認、ガイドライン策定、保険収載という一連の手順を一体的に進めていく必要性を強調した。併せて、中川氏は、「しっかりとしたガイドラインを策定し、本当に必要な患者に必要な薬が使えるようにしていくことが必要だが、肝に銘じなければいけないのは、保険給付範囲の縮小につながることのないようにすること」と釘を刺した。

 「最適使用推進ガイドライン」と保険の関係は?

 「最適使用推進ガイドライン」の医療保険制度上の取り扱いのイメージを質したのは、日本医師会常任理事の松本純一氏。

 中山薬剤管理官は、今後の検討課題であるとしたものの、「最適使用推進ガイドライン」が保険給付と関係する場合には、留意事項通知を出すことになるとした。

 一方、健康保険組合連合会理事の幸野庄司氏からは、「いくら立派なガイドラインを策定しても、医師の判断で左右されるなら、意味はない。支払基金が審査の査定の際に使える客観的なものであるべき」との主張が挙がった。

 これに反論したのが、中川氏。「ガイドラインを策定する場合でも、医師の裁量権は絶対に担保しなければいけない。個々の患者の状態と医師の裁量権を踏まえて審査するのが、本当の医療の審査ではないか」と指摘し、ガイドラインの必要性は認めつつも、それに基づく一律な審査をけん制した。「ガイドラインは、逸脱した医療が行われないように、という道しるべ。医師の裁量権は、医学的に正当な理由があれば使えるという意味」であると説明し、理解を求めた。

 そのほか、日医副会長の松原謙二氏からは、オプジーボが悪性黒色腫の適応で保険収載された2014年9月の時点では、予測投与患者数は年間470人、予想販売金額は31億円で、これらの予測と、開発費用や特許期間などを踏まえて薬価が設定されたとし、「予測投与患者数が拡大した時点でも、少ない患者数で決めた薬価が適用されること自体、おかしい」との声も上がった。中山薬剤管理官は、小野薬品工業の発表では、予測投与患者数は約1万5000人に上ると説明した。


  1. 2016/07/29(金) 05:47:36|
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7月28日 

http://jisin.jp/serial/%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%A1/%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%A1/24823
大橋巨泉「ガン在宅療法」死を招いたのは医師とのコミュニケーション不足
2016年07月27日 06:00 JST 週刊女性

〈もし、一つ愚痴をお許しいただければ、最後の在宅介護の痛み止めの誤投与が無ければと許せない気持ちです〉

12日夜、急性呼吸不全のため急逝したタレントの大橋巨泉さん(享年82)の死因をめぐり波紋が広がっている。妻・寿々子さんが20日に発表した手記が発端だ。

2005年6月の胃ガンに始まり、この11年で3度のガン切除手術や、放射線治療を受けてきた巨泉さん。今年2月末には、左鼻腔に転移したガンを抗ガン剤と放射線で治療し、体力が著しく低下していた。


寿々子さんは主治医から、巨泉さんの死がこれまでのガンの影響に加え、〈最後に受けたモルヒネ系の鎮痛剤の過剰投与による影響も大きい〉と言われたと主張している。事務所関係者が語る。


「巨泉は、今のところガンはないので、栄養補給のための補助器具を手術で埋め込めば、在宅介護が可能だと主治医に言われました。


そこで、千葉県の自宅で在宅医療ができる医者を探したところ、地元で専門の医師が見つかった。4月5日に自宅に戻れたのですが、その医師は終末医療のつもりで、引き受けていました」


在宅医療とは、体力がなく病院に通えない患者のため、医師が患者の自宅を訪問しておこなう医療。終末医療とはガンなどで余命わずかな患者の痛みをモルヒネなどで緩和し、穏やかな最期を看取る医療のことだ。


手記を読む限り、寿々子さんが望んだのは終末医療ではなく、在宅医療だとみられている。


「退院した日の午後、在宅の医師が自宅に来て『どこが痛みますか』『どこで死にたいですか』と聞いてきて、巨泉は驚いたそうです。

翌日に薬局から大量のモルヒネ系の鎮痛剤が届いた。飲み始めてから5日後には、意識がもうろうとして立てなくなり、再入院となりました。


結局、自宅に戻ることなく死去。奥さんはモルヒネの過剰投与が死の一因だと考えているのです」(同前)


別の事務所関係者はこう語る。


「早い話が医者との意思の疎通が取れていなかったということ。医者も電話で『(終末医療だと)勘違いをしていました』と親族に言ったそうだ。医療過誤訴訟は今のところ考えていないと聞いている」


医師と遺族のコミュニケーション不足から、患者の死去後、こういったトラブルに発展することは多いという。博識ぶりで右に出る者がいなかった巨泉さん。最期に在宅医療の落とし穴に落ちたのが残念だ。

(週刊FLASH 2016年8月9日号)



http://www.security-next.com/072273
研修医が患者情報を無断持出 - 大阪市立総合医療センター
(Security NEXT - 2016/07/27 )

大阪市民病院機構は、大阪市立総合医療センターの研修医だった医師が3月の退職時に患者情報を無断で持ち出し、一時紛失していたことを明らかにした。

3月31日付けで同センターを退職した医師が、同センターの患者情報を含む資料を無断で持ち出していたことが判明したもの。専門医の登録申請のため、退院や転科した同センターの患者566人の情報をコピーした書類を持ち出し、使用していたという。

さらに7月22日1時過ぎ、同医師が現在の勤務先で作業した後、まとめきれなかった506人分の書類を自宅で作業するため持ち帰ったが、その際にタクシーへ置き忘れて一時紛失。タクシーの運転手が気付き、警察へ届け出ていた。



http://www.jiji.com/jc/article?k=2016072700044&g=eco
高額薬品の適正使用を=年度内に指針策定-中医協
(2016/07/27-12:01)時事通信

 中央社会保険医療協議会(中医協、厚生労働相の諮問機関)は27日、総会を開き、医療費抑制の一環として、高額な薬品の適正使用に向けた議論を始めた。厚労省は使用できる医師や施設、対象患者の制限を柱とした案を提示した。年内に基本的な考え方をまとめ、年度末までに指針を策定する。
 新薬をめぐっては、効果は大きいが高額なものの開発が最近相次いでおり、がん治療に大きな効果が見込まれる「オプジーボ」は1人年間約3500万円が掛かるとされる。こうした薬品への保険適用が拡大すれば、公的な医療保険制度が崩壊するとの懸念が出ている。
 厚労省は、対象となる薬品を使用できる医師や医療機関に条件を付け、副作用が見込まれる患者への使用を控えると説明。これに対し、出席者からは「高額薬品問題への対応は待ったなし」「評価する」として賛同する意見のほか、使用できる患者が制限されることへの懸念も出された。



http://www.medwatch.jp/?p=9831
超高額薬剤の薬価、検討方針固まるが、診療側委員は「期中改定」には慎重姿勢―中医協総会
2016年7月27日|医療・介護行政をウォッチ

 オプジーボ(ニボルマブ製剤)など超高額薬剤の薬価のあり方について、当面「期中の薬価改定をすべきか」「最適使用推進ガイドラインを医療保険上でどう取り扱うべきか」という議論を行い、年内に結論を出す。あわせて抜本的に薬価制度全般のあり方を検討していく―。

 このような検討方針が、27日に開かれ中央社会保険医療制度協議会の総会で了承されました(関連記事はこちらとこちらとこちら)。

 「期中の薬価改定」は診療側委員から検討要望が出されたテーマですが、この日の総会で診療側の中川俊男委員(日本医師会副会長)は「医療機関経営への影響もあり、慎重な検討が必要である」とコメントしています。

ここがポイント!
1 薬価制度を抜本見直し、当面は「最適使用」の推進などを検討
2 オプジーボ薬価の期中改定、「薬価引き下げ財源のあり方」など考慮せよと診療側委員
3 最適使用促進GL、保険制度の中でどこまで拘束力を認めるべきか
4 「皆保険の維持」と「イノベーションの推進」を両立させる薬価制度が必要


薬価制度を抜本見直し、当面は「最適使用」の推進などを検討

 画期的な抗がん剤であるオプジーボや、C型肝炎治療薬のハーボニー錠(レジパスビル・ソホスブビル)など、超高額な医薬品の薬価収載(保険収載)が相次いでおり、これが医療費を押し上げ、医療保険制度の維持が困難になるのではないかと指摘されています。とくにハーボニー錠などのC型肝炎治療薬の使用拡大によって、昨年度(2015年度)後半から1人当たり医療費の伸びが非常に大きくなっていることが分かっています。

 またオプジーボについては、当初、希少がんである「根治切除不能な悪性黒色腫」(推定対象患者は470人)の治療薬として超高額な薬価(100mgで72万9849円)が設定されましたが、その後、「切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」(推定対象患者は5万人)へ適応が拡大されたものの薬価は据え置かれました(後述するようにタイミングの関係です)(関連記事はこちら)。

 こうした状況を踏まえて、中医協や社会保障審議会・医療保険部会では「超高額医薬品の薬価のあり方を見直すべきではないか」という議論が熱を帯びているのです(関連記事はこちらとこちら)。

 27日の中医協総会には、厚生労働省から次のような対応(検討)方針が示され、了承されました。

(1)薬価のあり方全般について抜本的な見直しを検討していく(2018年度改定以降)

(2)当面の対応として、(a)オプジーボに対する特例的な対応(b)最適使用推進ガイドラインの医療保険制度上の取り扱い―の2点を検討していく(年内目途に結論)

オプジーボ薬価の期中改定、「薬価引き下げ財源のあり方」など考慮せよと診療側委員

 (2)の(a)は、端的に「期中の薬価改定(再算定)を行うべきか、行うとした場合、どのような対応が考えられるか」というテーマです。

 薬価は通常2年に一度見直されますが、現行ルールでは「効能・効果の追加によって市場規模が大幅に拡大しても2年を超えて当初の高額な薬価が維持される」場合もあります(オプジーボでは適応拡大が2017年12月であったため、2018年度の再算定対象とならず、現行ルールであれば2018年3月末まで高薬価が維持される)。また特にオプジーボについては、前述のとおり当初は希少がんを対象として高額な薬価を設定したものの、対象患者が大幅に拡大されたにもかかわらず、高額な薬価が維持されており「アンフェアではないか」との指摘が出ていました。とくに診療側の中川委員は「期中改定も検討すべきではないか」と中医協で強く要請を行っていました(関連記事はこちら)。

 そこで厚労省は、オプジーボについて2018年度の薬価改定を待たずに再算定(期中改定)を行うべきか、行うとした場合、どのような対応・手法が考えられるかを検討テーマに掲げたものです。

 しかし27日の中医協総会で中川委員は、「薬価の引き下げ分が診療報酬本体のプラス財源に充てられることが担保されれば期中改定は認められるが、そうでない場合、期中改定は慎重に検討する必要がある」とやや物言いをトーンダウンさせました。

 かつては薬価の引き下げによって生まれた財源は、診療報酬本体の引き上げ財源に充当されてきました。しかし、昨今ではこの構図が崩れてきており、医療機関の経営に悪影響(収入源)を及ぼしています。中川委員はこの点も考慮しなければならないと指摘しています。

 ただし期中改定をしなかった場合には、2018年度の薬価改定で「期中改定をしなかったことで製薬メーカーが得た利益」を考慮した厳しい見直し要望が診療側委員から出されることも予想されます。

最適使用促進GL、保険制度の中でどこまで拘束力を認めるべきか

 (2)の(b)の最適使用促進ガイドラインは、厚労省の医薬・生活衛生局で検討されているもので、▽対象医薬品の使用が「最適」と考えられる患者の選択基準▽対象医薬品を適切に使用できる医師・医療機関などの要件―が盛り込まれます。当面、「オプジーボ(類薬を含む)」と高脂血症用薬の「レパーサ(同)」が対象医薬品と想定されています。

 具体的には、承認・審査と並行して「実際に当該医薬品を使用する場合に、最適と考えられる患者はどのような人か、どのような知識・技術をもった医師が投与すべきか、副反応が生じた場合にどのような体制を整備した医療機関であれば適切に対処できるか」といった事項を関係学会とPMDA(医薬品医療機器総合機構)で検討し、ガイドラインとして策定します。厚労省医薬・生活衛生局医療機器審査管理課の磯部総一郎課長は、「治験データなどをもとに当該医薬品の有効性・安全性に問題がないかを審査し、承認されれば『添付文書』となる。これと並行して、最適使用のために必要な事項をガイドラインで定める」旨を説明しています。

「どのような患者に使用するのが最適か、医師・医療機関に求められる要件は何か」などを盛り込んだ最適使用推進ガイドラインの検討を、医薬品の承認・審査と並行して行う。保険収載に当たってはこのガイドラインも加味した「使用上の留意事項」が定めることが検討される
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 この点について中川委員や同じく診療側の万代恭嗣委員(日本病院会常任理事)は、ガイドラインの作成にあたり「中医協からの意見の反映」や「医療経済学的見地からの検討」が必要と指摘。磯部医療機器審査管理課長は、「新薬であれば、審査の過程で効能・効果の変更があるなどするので難しいが、オプジーボなど既収載品目であれば中医協の意見を反映させることが可能である」として、医薬・生活衛生局と保険局(中医協を所管)で連携していくことを強調しています。

 なお、中医協で検討する「最適使用推進ガイドラインの医療保険上の取り扱い」とは、留意事項通知などへの記載を意味すると考えられますが、これが、どこまでの拘束力を持つのかが気になります。

 中川委員は「医師の裁量は一定程度認めるべきである」と主張しましたが、支払側の幸野庄司委員(健康保険組合連合会理事)は、「裁量を広く認めたのではガイドラインの意味がない。定量的な基準を定める必要がある」と反論しています。

「皆保険の維持」と「イノベーションの推進」を両立させる薬価制度が必要

 なお、(1)の「薬価の抜本的な見直し」について厚労省は、▽効能・効果などの拡大で大幅に市場規模が拡大するような事態に対応できる仕組みを構築する▽国民皆保険の維持とイノベーションの推進の両立を踏まえる▽医薬品の最適使用を推進する▽既存治療との費用対効果の比較なども考慮する―という基本的な考え方も示しています。

 このうち「既存治療との比較」とは、例えばハーボニー錠のようにC型肝炎の根治が期待できる医薬品では、「新薬の薬価」と、「既存薬の置き換えで得られる費用」「将来の肝硬変や肝がん治療が不要となることで得られる費用」などとを比較衡量するというイメージです(関連記事はこちら)。

 以前に中川委員が指摘したように(関連記事はこちら)、単純に「超高額薬剤」と一括りにするのではなく、「根治が望めて、将来の医療費削減も見込める薬剤」「延命が期待される薬剤」などに分類した議論が必要でしょう。



https://medical-tribune.co.jp/news/2016/0727504248/
高額薬、病気拡大で患者増えれば「即値下げ」案...2年に1回の価格改定待たず〔読売新聞〕
yomiDr. | 2016.07.27 11:50

 高額な薬の相次ぐ登場を受け、厚生労働省は、対象となる病気の拡大で患者が増えた際に、価格を引き下げる仕組みの導入に向けた検討に入った。

 薬の価格改定は2年に1回が基本だが、売り上げが急増した薬は改定のタイミングを待たずに値下げし、医療費の高騰の抑制につなげたい考えだ。27日の有識者会議に提案し、本格的な議論に入る。

 がん治療薬「オプジーボ」は、患者数の少ない皮膚がんに保険で高い価格が認められ、その後、患者数の多い肺がんにも拡大された。

 現行のルールでは、使う患者が増えても価格は変わらないため、5万人が年間を通じて使えば薬剤費は1兆7500億円に上るという試算も出された。

 今後も保険適用される高額な薬は増えると見込まれ、日本医師会が「このままでは保険財政の運営が厳しくなる」と、値下げできるような対応を求めていた。

 厚労省が検討する仕組みは、価格が高く、保険適用の拡大で患者数が大幅に増える薬の価格を下げるもの。有識者会議の了承を得て、値下げの対象とする薬の範囲や引き下げ幅などに関して協議する。患者数の増加分に応じて値下げする案などがある。

(2016年7月27日 読売新聞)



http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201607/20160727_13016.html
<地域医療構想>宮城県、在宅必要量を大幅増
2016年07月27日水曜日 河北新報

 宮城県は、団塊世代が75歳になる2025年に必要となる医療需要を県内4区域ごとに推計した地域医療構想案をまとめた。高齢者の増加が見込まれる中、限られた病院数や医師数などを踏まえて、患者の状態に合わせた医療機能の役割分担や連携促進を目指す。
 仙南、仙台、大崎・栗原、石巻・登米・気仙沼の4区域ごとに厚生労働省の基礎データと算定方法に基づき試算した。緊急の処置が必要な高度急性期のほか、急性期、回復期、慢性期の必要病床数と在宅医療の需要見通しは図の通り。
 県全体の必要病床数は1万8781床で、15年度末の一般病床数と療養病床数の合計1万8661床とほぼ同じ。
 一方、訪問診療と老健施設などを合わせた「在宅医療」の必要量は2万5852人で、13年度(1万8810人)より大幅に増えるとみられる。
 推計値を踏まえ、県は(1)病床の機能分化・連携の推進(2)在宅医療の充実(3)医療従事者の確保・育成-に取り組む。必要となる病床数や在宅医療の確保に向け、圏域ごとに医師会や薬剤師会など関係団体による調整会議を設置する。
 国の算定方法では、症状が安定した患者の7割は在宅医療で対応する前提だが、県の調査では症状は安定しても退院が難しい患者が一定数いることが判明した。実態を考慮しながら、慢性期や在宅医療の対応も検討するという。
 県は年内に構想を正式決定し、18年度からの第7次地域医療計画に反映させる。医療整備課は「医療需要が増大しても、病床の機能分担を図りながら患者の病状にふさわしい医療を提供できる環境を整えたい」との考えを示している。
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http://www.sankeibiz.jp/macro/news/160728/mca1607280500006-n1.htm
高額薬の価格ルール見直し 中医協、保険適用条件も議論
2016.7.28 05:00 SankeiBiz

 中央社会保険医療協議会(中医協)は27日、革新的で優れた効果はあるが極めて高額な新薬について、市場規模が拡大した場合に価格を見直す仕組みなど、新たな薬価のルール作りの議論を始めた。

 こうした革新的で高額な新薬については、厚生労働省が、投与できる医師や患者の要件を定めた指針の策定を始めている。中医協では、要件を満たさずに使用した場合に保険適用するかどうかの可否も検討する。

 この日の議論では、昨年12月に肺がんへの保険適用が認められ市場規模が拡大した「オプジーボ」について、次回の2018年度薬価改定を待たずに見直すかを専門部会で検討し、年内に結論を出すことを確認した。

 指針を医療保険上、どう位置付けるかについても方針を決める。

 指針の対象となるのは、今後開発される新薬のほか、「オプジーボ」と4月に保険適用された高脂血症の注射薬「レパーサ」、この2薬の類似薬も含まれる。



https://www.mixonline.jp/Article/tabid/55/artid/54424/Default.aspx
小野薬品 免疫チェックポイント阻害薬オプジーボ 頭頸部がんの効能追加を申請
2016/07/28 03:51 ミクスオンライン

小野薬品とブリストル・マイヤーズ スクイブ(BMS)は7月27日、がん免疫チェックポイント阻害薬オプジーボ(一般名:ニボルマブ(遺伝子組換え))について、「再発または遠隔転移を有する頭頸部がん」の効能追加を申請したと発表した。申請企業は製造販売元の小野薬品。16年1月に早期有効中止となった第3相無作為化非盲検臨床試験「CheckMate-141」に基づく申請となる。同剤は両社で共同販促している。

再発または遠隔転移を有する頭頸部がんでは、プラチナ製剤を中心とした化学療法が推奨されている。しかし、化学療法施行後早期に再発が認められ、局所治療の適応とならない場合では生存期間の延長が検証された治療選択肢がなく、新たな治療選択肢が求められている。

CheckMate-141試験は、プラチナ製剤による治療歴のある再発または転移性頭頸部扁平上皮がん患者を対象に、オプジーボと治験担当医師が選択した治療(メトトレキサート、ドセタキセル、 セツキシマブ)を比較評価したもの。全生存期間(OS)を主要評価項目としたこの試験では、オプジーボ群で30%の死亡リスクの低下が認められ、OSの中央値はオプジーボ群7.5か月、対照群5.1か月だった。1年の全生存率はオプジーボ群36%、対照群16.6%だった。安全性プロファイルは「これまでの試験結果と一貫しており、新たな安全性シグナルは認められなかった」としている。

オプジーボは世界初のヒト型抗ヒトPD-1モノクローナル抗体。日本では14年7月に根治切除不能な悪性黒色腫の効能で承認され、15年12月には切除不能な進行・再発の非小細胞肺がんの効能を追加した。腎細胞がん、ホジキンリンパ腫で現在、申請中となっている。



http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS27H5A_X20C16A7EE8000/
高額薬 値下げへ 厚労省、適正投与の指針で議論始動
2016/7/27 23:35 日本経済新聞

 厚生労働省は27日、抗がん剤など高額な画期的新薬の価格抑制に向けた議論を始めた。1人あたり年3500万円かかるがん免疫治療薬「オプジーボ」対策が柱。適正使用に向けたガイドライン(指針)を年内に作り、合わせて保険適用する病気の対象を広げる際に薬価を値下げできる仕組みを検討する。年8兆円にのぼる薬剤費の抑制につなげる狙いだ。

 厚労省は27日、中央社会保険医療協議会(中医協)を開き、高額薬の指針を作ることで大筋合意した。対象はオプジーボと高脂血症薬の「レパーサ」とその類薬。オプジーボほど高額ではないレパーサも長期間投与が必要なため、対象とした。

 公的な医療保険制度では月ごとの医療費の自己負担に上限を設けた「高額療養費制度」があり、高額薬の価格が多少下がっても、患者の窓口負担は変わらない。ただ、年8兆円にのぼる薬剤費は税金や保険料で賄っている。膨張すれば現役世代の負担が増えるため、厚労省は医師と医療機関に薬の適正な使用を促し、適用患者もある程度限定する方針だ。

 今回の中医協の議論では、高額薬の価格を柔軟に見直す新たな仕組みも話し合う。今の制度では価格の見直しは2年に1回しかできない。厚労省は2016年度に導入した「特例拡大再算定」を臨時で適用することや、保険を適用する病気の対象を拡大する際に価格を引き下げる案を検討する。

 ただ高額薬の扱いを巡っては、関係者の思惑はすれ違っている。政府は高齢化で医療費が増えるなか、薬剤費を少しでも抑えたい。日本医師会は価格の引き下げこそ必要と認めつつも、「診療報酬改定時に薬価の引き下げ分を診察料など本体部分に充当すべきだ」という立ち位置を取る。

 一方、引き下げを嫌う製薬会社は「開発コストが回収しにくくなり、技術革新を阻害する」と主張する。オプジーボは最初に保険適用した皮膚がんの一種、悪性黒色腫(メラノーマ)では対象患者の見込みが470人と少数だった。その後、肺がん治療にも拡大したため、対象患者も増えたが、当初は開発費を回収するために薬価も高く設定された。

 27日の中医協では、委員から「価格をいったん決めたら変えないのは間違いだ」などの意見が出た。価格下げへの空気を醸成し、納得感のある下げ幅をどう決めるか。厳しい調整が続く。



https://www.mixonline.jp/Article/tabid/55/artid/54426/Default.aspx
中医協総会 オプジーボの薬価再算定時期、手法が議題に浮上 「最適使用推進GL」策定に各側合意
2016/07/28 03:52 ミクスオンライン

中医協総会は7月27日開かれ、抗がん剤・オプジーボの薬価にかかわる「特例的な対応」をめぐり、診療側から再算定を期中に行う場合は診療報酬本体への財源振り替えまで踏み込んだ意見が出た。消費税増税先送りなどで、財源確保は厳しさを増す中で、期中改定の実施はひとつの選択肢として俎上にあがることになる。この日の中医協では、診療側から期中改定の実施による病院経営への影響を懸念する声があがった。期中改定は毎年薬価改定の実施へとつながる懸念もあり、製薬業界側の反発は必至。8月以降の中医協薬価専門部会では、診療報酬への影響などを踏まえて、実施時期や手法をめぐる議論となりそうだ。高額薬剤への施策の柱のひとつである、医師要件、施設要件、患者要件を明確化する「最適使用推進ガイドライン」の策定に診療、支払の各側が合意した。

厚労省はこの日の中医協に、オプジーボなどの高額薬剤への当面の対応として、①薬価にかかわる特例的な対応、②最適使用のための取り扱い――を柱とした施策を提示した。(本誌既報。記事はこちら)

オプジーボは「2016年薬価改定における再算定の検討に間に合わなかった薬剤であって、効能・効果等の拡大により大幅に市場が拡大したもの」と位置付けた。厚労省保険局医療課の中山 智紀薬剤管理官も、「昨年12月以降に効能拡大されたものは間に合わなかった薬剤という位置づけになる」と説明。「期中改定も含めてどうすべきか、やるべきなのか。やるならどういう手法があるのか、こういうことについて議論させていただきたい」と述べた。



http://mainichi.jp/articles/20160728/k00/00m/040/062000c
高額薬剤
適正使用の指針作成へ 厚労省、医療費抑制で

毎日新聞2016年7月27日 20時42分(最終更新 7月27日 20時42分)

 厚生労働省は27日、中央社会保険医療協議会(中医協)で、画期的な効果があるものの高額な薬剤の適正使用を進めるため、対象患者の要件などを定める指針を作成する方針を示した。また、発売後に薬を使える病気が広がり対象患者が増えた際は、直ちに薬価を下げる仕組みの検討も始める。厚労省は、これらの取り組みによって医療費の抑制を目指す。

 指針では、投与できる患者の基準を定め、副作用に対応できる医療機関や医師に限定して使用を認める方針。指針に従わなかった場合は、公的医療保険を適用できない仕組みも検討する。まず新しい仕組みのがん治療薬「オプジーボ(一般名ニボルマブ)」と、高脂血症治療薬「レパーサ(同エボロクマブ)」など4剤について、今年度中に学会などとともに指針を作成する。

 小野薬品工業によると、7月13日までにオプジーボ使用後に計3983件(うち死亡129件、投与患者計8544人)の副作用が報告された。同社は、要件に合わない医療施設や医師に供給していないが、使用を認めていない保険適用外の免疫療法との併用で死亡例が明らかになっている。このような施設は、オプジーボを海外から個人輸入しているとされ、学会などは注意を呼び掛ける。

 また、オプジーボの投与前に効果がある患者を選ぶ指標はまだ見つかっていない。このため投与患者を絞り込む基準作りは容易ではなく、指針の限界を指摘する声も出ている。

 厚労省はさらに、現在は2年に1度の薬価改定について、医療保険が適用される病気が増えて、市場規模が急拡大した場合は即座に薬価を見直す仕組みも検討する。この検討対象もオプジーボだ。オプジーボは、2014年に患者数が少ない皮膚がんで承認された結果、1人当たり年間3500万円という高額な薬価になった。しかし、昨年12月に患者数の多い肺がんに適用が広がり、医療財政への影響が指摘されるようになっている。【細川貴代、高野聡】



http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/series/yakushiji/201607/547625.html
連載: 薬師寺泰匡の「だから救急はおもしろいんよ」
ANAの医師登録、救急医はお呼びでない!?

薬師寺泰匡(岸和田徳洲会病院救命救急センター)
2016/7/28  日経メディカル

 この前お知らせした通り、ANA(全日空)が「ANA Doctor on board」という医師登録制度を開始しました(関連記事)。機内で体調不良となった乗客がいたら、客室乗務員が機内放送での医師呼び出しをせず、登録した医師に、医療処置の協力を直接依頼する制度です。


 僕は、機内放送が掛かってから行けばいいかなとか思っていたのですが、もしかしたら肝心な時に自分が寝ていて放送に気づかないかもしれないし、登録して誰かの役に立つならいいかなと思ったので登録することにしました。国際線オンリーですが、旅行や学会で海外にいく機会もあります。インセンティブなんか気にしている場合ではありません。

 登録は簡単です。ANAマイレージクラブに登録していれば、申し込み用紙を送るか、ウェブ上で手続きすれば登録できます。登録するために必要な情報は

(1)医師免許証のコピー
(2)顔写真付きの公的な身分証明書のコピー(運転免許証、パスポート)

 以上です。非常に簡単ですね。よっしゃやるぞと思って入力フォームに登録していったのですが、1つ残念なことに気がつきました…。

登録の入力フォームにまさかの欠落
 入力フォームには自分の専門領域を入力する部分があります。そこには

・麻酔科医
・産婦人科医
・一般開業医
・内科医/心臓専門医
・神経科医/精神科医
・その他

ということで救急医がありません(泣)。「えーっ!?」って感じです。言葉も出ません…(参考:申し込み用紙)

 内科・外科関係なく、様々な急性期の病態に立ち向かえる急性期病変のプロとして「救急医」というポジションはまだ世間的に認知度が低いのかもしれません。こんなところで「だから救急はおもしろいんよ」とかいって医療従事者向けにコラムを書いている場合ではないんでしょうか。もっと社会に情報発信しなくては…。

「救急医」は結局何者なのか
 実は、今でこそ「救急医」というとなんとなくイメージが湧くようになってきたかもしれませんが、なんと日本において20世紀の時点では「救急科」という標榜は不可能で、救急専門医というものも存在しておりませんでした。救急科の必要性を感じた日本救急医学会の医師が中心となり、当時の厚生省に何度か救急科標榜を要望しましたが、「医師は誰でも急患を診療する立場にあるから、あえて救急診療科標榜の必要性はない」ということで理解されなかったという歴史もあったようです。

 そこで日本救急医学会が独自に認定医制度を1989年から始め、その後2004年に学会による救急専門医の認定が始まります。標榜科に救急科が認められたのは2008年のことでした。実は日本における「救急科医師」は21世紀になってようやく出現した、かなり新しい存在なのです。

 2016年現在、救命救急センターで働いたり、ER型救急施設で働いたり、日中の救急対応を専従で行ったり、様々な働き方があるとは思いますが、救急医として活躍する人も増えてきていると思います。ちなみに、救急科専門医が何人存在しているかというと、4302人だそうです(2016年1月時点、参考)。

 救急科の専門医師は何をする医師なのかということは、日本救急医学会がウェブサイト上で端的に表しています。
 救急科専門医は、病気、けが、やけどや中毒などによる急病の方を診療科に関係なく診療し、特に重症な場合に救命救急処置、集中治療を行うことを専門とします。病気やけがの種類、治療の経過に応じて、適切な診療科と連携して診療に当たります。更に、救急医療の知識と技能を生かし、救急医療制度、メディカルコントロール体制や災害医療に指導的立場を発揮します。                  ――日本救急医学会ウェブサイトより
 機内急変に見事にマッチしている気がしますが、そうは言っても、4302人のためにわざわざ書式を変えたりはしないでしょうね。この思い、ANAに届け…。



http://www.nishinippon.co.jp/nnp/kumamoto/article/261944
診療科を27に統廃合 移転新築の熊本市民病院方針 [熊本県]
2016年07月28日 00時31分 西日本新聞

 熊本市は、熊本地震で損壊し、近隣の国有地に移転新築する方針の市民病院(東区)について、地震前の34診療科、556床から縮小し、27診療科、380床程度とする方針を明らかにした。周産期医療や救急医療に不可欠な診療科は残し、一部を統廃合する。地震の教訓を生かし、災害時にも役立つ「救急・総合診療科」を新設する。

 市によると、救急搬送を主に受け持つ「救急・総合診療科」では、様々な疾患を抱える患者を総合的に診断。患者に応じた診療を行ったり、適切な診療科に割り振ったりする。

 外科、消化器外科、呼吸器外科を外科にまとめるなど11科を5科に統合する。同病院は「治療や手術に当たる人的な手配の面で効率化を図れる」と話している。歯科口腔(こうくう)外科や心臓血管外科はなくす方針。

 入院加療が必要な患者のための「急性期」の病床を107床減の264床にする一方、急性期から在宅治療ができるようになるまでの期間をつなぐ「回復期」の病床を50床新設する。

 外来の看護師などのスタッフと医師の1割(約50人)を削減すると、380床程度で収支の均衡が取れるという。

=2016/07/28付 西日本新聞朝刊=


  1. 2016/07/28(木) 05:51:51|
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7月26日 

https://www.m3.com/news/general/444643
JA埼玉厚生連が破産 負債65億円…設備投資重く、医師確保が困難
2016年7月26日 (火) 埼玉新聞

 帝国データバンク大宮支店は25日、総合病院経営の埼玉県厚生農業協同組合連合会(熊谷市、JA埼玉厚生連=代表清算人五月女直樹氏)が22日に東京地裁に破産を申請し、同日付で破産手続き開始決定を受けたと発表した。負債は約65億3300万円。

 1934年12月創業の医療利用組合病院が前身で、48年10月に農協系の病院として設立。かつては熊谷総合病院と幸手総合病院の2病院を経営し、地域の中核的な病院としての役割を果たしていた。2011年に幸手総合病院を閉鎖し、新たに久喜総合病院を開業。13年には熊谷総合病院の設備を拡充するなど、業容拡大に努めた。

 しかし、設備投資負担が重く、医師の確保も困難となり、次第に業績が悪化。14年3月期は年収入高約110億円を確保したものの、約14億8600万円の最終赤字に陥った。再建の見通しが立たなくなり、両病院の売却を決定。16年6月30日には総会の決議により解散し、清算手続きを進めていた。

 熊谷総合病院は社会医療法人北斗(北海道帯広市)が経営支援し、新たに設立された医療法人熊谷総合病院が運営。久喜総合病院は一般社団法人巨樹の会(佐賀県武雄市)へ売却した。

 帝国データバンク大宮支店は「両病院ともに新体制下での運営がスタートしており、地域医療に影響が出ることはない」とみている。



https://www.m3.com/news/general/444642
【埼玉】医師ら許可なく宿直、県循環器・呼吸器病センター 医師や看護師不足
2016年7月26日 (火) 埼玉新聞

 県病院局は25日、県立循環器・呼吸器病センター(熊谷市)で、熊谷労働基準監督署の許可がないまま、医師や看護師らが夜間、休祝日の当直(宿直・日直)勤務をしていたと発表した。

 同局は「医師や看護師不足が根本的な原因」とした上で、「地域の模範病院となるべき県立病院として申し訳ない。医療サービスを低下させることはできず、医療行為を禁止されているわけではないので、医師確保を進めながら勤務時間の工夫、整備などで対応していきたい」と話している。

 同局によると、千葉県立病院で労基署の許可がないまま、医師らが当直勤務をしていたことが発覚したことを受け、22日から25日まで同センターなど県立4病院の実態を調査。県立がんセンター(伊奈町)など3病院は労基署の許可を得ていたという。

 県立循環器・呼吸器病センターでは開院当初の1994年5月に労基署の許可を受けたが、2014年3月に許可書が不明になったため、再申請したが認められなかったという。以後、不許可のまま現在も当直勤務などが行われている。

 病院局は要因について、「医師らの通常勤務と宿直勤務の境目が明確ではなく、時間のかかるカテーテル治療など救急患者への対応を宿日直勤務の医師が行う頻度が高いことが考えられる」としている。不許可になっていたことも、病院局内で問題共有されていなかった可能性があるという。

 現在、当直は医師4人、看護師2人など11人体制で対応している。25日現在、労基署からの指導はないものの、同局は「労基署とも協議しながら方策を講じていきたい」としている。



https://www.m3.com/news/iryoishin/444618
シリーズ: 真価問われる専門医改革
新専門医制の延期、「日医の主張が認められ評価」- 横倉義武・日医会長に聞く
課題は山積、2018年度に向けて迅速な議論が必要

2016年7月26日 (火) 橋本佳子(m3.com編集長)

 7月25日、2017年度から開始予定だった新専門医制度は、19の基本診療領域の全てにおいて実施を見送られることが正式に決定した(『2017年度の専門医養成の方針、8月上旬までに集約』を参照)。同制度による地域医療への影響は昨年辺りから懸念する声が出ていたが、制度見直しの議論につながった直接的なきっかけは2016年2月に行われた日本医師会の会見だ(『新専門医制度、「延期も視野」と日医会長』を参照)。会長の横倉義武氏に、この決定の受け止め方をお聞きした(2016年7月25日にインタビュー)。

――2017年度からの実施を1年延期したこの決定について、どう受け止められておられるのでしょうか。


 日本医師会は、一度立ち止まり、広く関係者の意見を聞いた上で、地域医療を崩壊させることがないように、十分に配慮した専門医研修を始めるべきと主張してまいりました。この主張が認められた形になったことは、一定の評価をしたいと考えております。

 しかし、地域医療への配慮など解決すべき課題が山積しています。1年先延ばしになりましたが、議論の上、結論を得るまでには1年もないことから、迅速な議論を行うよう、日本専門医機構に求めていきます。

 また日本専門医機構は、「2017年度から研修を始める専攻医が不利にならないように配慮する」という方針なので、その辺りは、確実に実施されることが必要だと考えています。日本医師会としても、特に若手医師が不安を抱かず、専門医研修に取り組めるよう、機構をしっかりとサポートしていきます。

――19の基本診療領域のうち、「総合診療専門医だけは担当学会がない」とされ、その扱いがいまだ流動的です。どうすべきだとお考えですか。

 総合診療専門医については、しっかりと議論を行うべきです。総合診療専門医はあくまで学問的な面から評価したもので、今後も地域医療を守るのは、かかりつけ医です。

 なお、日本医師会では、今年度から「日医かかりつけ医機能研修制度」を開始いたしました。将来、総合診療専門医となった先生方も、地域医療を実践する際には、本研修制度を受講していただきたいと考えています。

――そもそも今回の動きは、今年2月に、日医が延期も視野に検討する、と会見したのが発端だったと思います。特に、専門医制度については昨年夏以降、地域医療への懸念が出ていましたが、なぜこの2月のタイミングで会見したのでしょうか。改めてお聞かせください。

 新しい専門医の仕組みについては、内科以外の診療領域で指導医数、症例数の少ない医療機関における研修を軽視する傾向が見られたことから、2015年12月に専門研修プログラムの作成に関する「新しい専門医の仕組み―地域医療を守るための提言―」として、記者会見を行いました(『新専門医研修、「指導医不在でも一定要件下で認めるべき」』を参照)。

 これは地域の医療が崩壊することのないよう、専門研修の理念を十分に確認し、指導医が在籍していない診療所や過疎地の病院等における研修を一定の要件の下で認めることを明確にしたプログラムを作成してほしいとの思いから取りまとめたものです。日本専門医機構も各学会がプログラムを提出にするあたり、そのように指示しているとうかがっていましたが、機構ではその担保ができていない状況でした。

 その後、厚生労働省から今年1月に通知が出されたものの、都道府県、大学、病院、医師会などの関係者が協議、連携の機能が十分ではありませんでした。

 このような状況において、各地域から不安の声が多く挙がっていたことから、日本医師会としては、まず地域の取り組みを先行して行うべきと考え、2月17日の会見を行いました。

――今後、どんな条件をクリアすれば、2018年度からの新専門医制度の開始が可能になるとお考えでしょうか。

 医療は国民のためにあるものなので、国民に不利益とならないようにすることが大前提です。まずは急激な医療提供体制の変更が行われることのないよう、都道府県の協議会の了解を得ながら慎重に進めることが必要です。

 また、専門医の更新に当たっては、地域医療で活躍している医師の更新に過度な負担を書けないようにすることも大切です。



https://www.m3.com/news/general/444292
東京女子医大 過量投薬 副作用、過去に周知 厚労省関連団体
2016年7月26日 (火) 毎日新聞社

 東京女子医科大病院で2014年に抗てんかん薬「ラミクタール」(一般名ラモトリギン)を過量投与された女性が重い副作用で死亡した問題で、薬の副作用情報を集める医薬品医療機器総合機構(PMDA)や関連学会が当時、ラミクタールの用法・用量の順守を重ねて呼び掛けていたことが分かった。死亡した事例と同じ薬の組み合わせには特に細かい説明があり、専門家は「副作用の危険が高いことは、よく知られていた」と指摘する。

 脳腫瘍の手術経験があった女性は13年12月から同病院の処方で抗てんかん薬「デパケンR」を服用。14年8月にけいれん発作を起こした後、追加でラミクタールを短期間で薬効を高めるためとして本来の16倍に当たる200ミリグラム連日投与された。

 08年12月に発売されたラミクタールは、当初から添付文書で、女性が発症したのと同じ「中毒性表皮壊死(えし)症」の恐れを警告。薬の組み合わせに応じて1日当たり12・5~50ミリグラムの少量から投与を始めるよう求め、用法・用量を超えた投与は危険が高まると指摘していた。しかし重い皮膚障害の報告が厚生労働省やPMDAに相次ぎ、用法・用量の逸脱が確認できたケースは11年11月までに152例に上った。

 そこでPMDAは12年1月、「医薬品適正使用のお願い」の文書を作成し、医療従事者に用法・用量の順守を要望。1日最大投与量を超えないことに加え、デパケンとの併用時は投与開始2週間、連日ではなく1日おきの投与にするよう改めて求めた。日本てんかん学会も10年6月に公表した新しい抗てんかん薬の治療ガイドラインの中で、ラミクタールについて「特にVPA(デパケン)併用例でリスクが高い」と記載。組み合わせに留意し、用法・用量を守ることが大切と指摘した。

 厚労省が指定する、てんかん治療拠点病院のベテラン医師は「デパケンを使っているとラミクタールの代謝が遅くなり、血中濃度が高まる。早く効くからと患者が望んだとしても、添付文書を逸脱した投与をすべきではない」と解説する。【桐野耕一】



https://www.oita-press.co.jp/1010000000/2016/07/26/131059475
医学生研修会でへき地医療の現場体感
7月26日 大分合同新聞 夕刊

 医学生に地域医療の現状を学んでもらう研修会が始まり、医師の卵たちは26日、県内の漁村や山村のへき地診療所で実習を積んだ。地方で活躍する医師を育てようと県が2004年度から毎年、実施している。学生たちは、さまざまな疾患に対応して住民の命を支える医師の姿を通し、進路について考えを深めた。
 本年度は、自治医科大の県内出身者と大分大学医学部の地域枠で入学した1~5年生計65人が参加している。地域枠は奨学金を貸与する代わりに卒業後の7~9年間は地域医療に携わってもらう制度で、県と大分大が07年度から設けた。参加者のうち1班の23人は25日から、2班の42人は8月17日から、それぞれ2泊3日の日程で県内のへき地診療所やへき地医療拠点病院で診療を見学し、往診に同行する。
 佐伯市米水津の市米水津診療所(伊藤祐司所長)では、渡辺淳平さん(23)=大分大4年=と鈴木皓介さん(20)=同3年=が研修を受けた。伊藤所長や非常勤の伊藤威之(たけし)医師は患者と笑顔で対応し「地域の特性や一人一人の暮らし、その人らしさを大事にしながら医療に当たってほしい」と2人に伝えた。
 渡辺さんは「幅広い知識、臨床経験が必要だと痛感した。地域の人から頼りにされる医師になりたい」。鈴木さんは「観察力やコミュニケーション能力も磨かないといけない。とても勉強になった」と述べた。
 県医療政策課によると、県内の医師は3054人。人口10万人当たりでは260・8人と全国平均(233・6人)を上回ってはいる。医療圏別で見ると、東部(別府、杵築、国東各市と姫島村、日出町)と中部(大分、臼杵、津久見、由布各市)に医師の約8割が集中し、南部、豊肥、西部、北部は全国平均を下回っている。
 広瀬高博課長は「研修会を通じ、地域を支える医師が一人でも多く育ってほしい」と話している。



http://mainichi.jp/articles/20160726/ddl/k06/040/041000c
米沢こころの病院
来年6月開院 名称が決まる /山形

毎日新聞2016年7月26日 地方版

 南陽市の社会医療法人「公徳会」(佐藤忠宏理事長)が米沢市に建設する精神科新病院の名称が「米沢こころの病院」となることが25日、分かった。公徳会が運営する佐藤病院(南陽市)などの職員から名称を募集し、決定したという。公徳会は近く県に病院開設などを申請する。

 同日の米沢市臨時議会で市立病院の精神科閉鎖に伴って病床を廃止する議案と、公徳会への用地売却の議案がいずれも可決された。

 新病院は、公徳会が企業立地向け団地「米沢オフィス・アルカディア」の約1万3000平方メートルの敷地に鉄骨2階建てを建設する計画。8月に着工し、来年5月に完成、同6月に開院の予定。病床数は108床で、医師・看護師など従業員数は約80人となる見通し。

 また、市は公徳会への支援策について、市の企業立地助成金制度を参考に土地譲渡代金(1億4377万円)の3割を目安に、来年度予算案に計上する考え。【佐藤良一】



http://mainichi.jp/articles/20160726/ddl/k01/040/241000c
松前町立松前病院の院長辞職 独法化巡り町と対立 住民、医療体制維持に不安 /北海道
毎日新聞2016年7月26日 地方版 北海道

 松前町が、町立松前病院を巡って揺れている。地域医療の先進的な取り組みで注目されてきたが、その中心だった院長が今月末で辞職し、他の医師1人も退職を決めた。住民からは、医療体制が維持できるか不安の声が上がっている。最大の原因は、独立行政法人化を求める院長と慎重な町側の溝が埋まらなかったこと。人口減少に直面し厳しい運営を迫られている地方の公営病院改革の難しさが浮かび上がった。【遠藤修平】

新たなスタイル
 松前病院は1990年11月、道から町に移管された。一般病床が100床で職員約140人。松前、福島両町の地域医療の拠点病院となっており、入院・外来の他、介護施設への訪問診療、夜間救急、休日当番医も担っている。

 2005年に就任した木村真司院長は、医師が少ない地域での新たなスタイルとして、専門科にこだわらずにさまざまな症状の患者を診る「全科診療」制度を導入。医師給与見直しと研修体制の充実 ▽隣町への無料送迎バス運行 ▽透析医療の提供−−なども手掛けてきた。

 松前病院の取り組みは地域医療を志す医学生や研修医の間で人気が高く、15年は全国から60人を受け入れた。この人材が人手が少ない中での“即戦力”にもなっている。

戸惑いの声も
 地方交付税の増額もあって09年以降は単年度黒字が続く松前病院だが、施設は築38年と老朽化しており、町人口がこの10年で約2500人減るなど厳しい環境にも直面している。

 木村院長は一層の改革を進めるため、病院の独法化を目指した。「より機動的な経営をするのが目的。薬剤師の給与水準を民間に近づけて人手を確保しやすくし、大型医療機器の導入も可能になる」と説明する。

 ただこの動きに、病院の内外から戸惑いの声が上がった。

 木村院長の提案を受け、町は昨年6月に行政改革室を設置し11月から町議会の調査特別委員会を4回開催。しかし町や議会では慎重な意見が根強く、来年度からの独法化のリミットとされる6月中に結論が出なかった。

 伊藤幸司・町議長は「現状でも必要な措置はできるし、法人化されれば公務員でなくなる職員は強い不安を抱えている。性急な改革は混乱を招くだけ。町の規模に見合った町立病院を目指すべきだ」と強調する。

医師大幅減に
 石山英雄町長が病院職員の意識調査を実施する意向を示したことが最終的な引き金となり、木村院長は6月7日に辞表を提出。石山町長は慰留したが、今月31日付での退職が決まった。

 常勤医7人のうち、木村院長と他の医師1人も退職することになり、後期研修医1人も9月で病院を離れる。研修医受け入れも停止する方針。新たな医師確保のめどは立っておらず、病院は24時間救急対応や施設訪問などの診療方針の見直しについて8月中に結論を出す。病院関係者は「残る医師の負担が増えれば、さらなる離職を招く」と危機感を募らせる。

 地元住民有志でつくる「地域医療を見守る会」は今月9日、この病院問題でシンポジウムを開催した。250人が出席し、立ち見がでるほど。ぜんそくで通院するという男性(75)は「病院は生活に欠かせない。院長にも残ってもらいたいのだが」とため息をついた。

 病院経営のあり方を巡る考え方の違いから生じた混乱について、地域医療に詳しい城西大の伊関友伸教授(行政学)は「病院の取り組みや黒字化の実績が適正に評価されていない。町や住民は当事者意識を持ち、病院や医師の現状を理解して支えるべきだ」と指摘。見守る会の樋口幸男代表は「医療サービスが低下すれば、高齢者を中心に人口流出が加速するのではないか」と懸念を示した。



http://www.medwatch.jp/?p=9813
新専門医制度、18基本領域について地域医療への配慮状況を9月上旬までにチェック―日本専門医機構
2016年7月26日|医療・介護行政をウォッチ

 新専門医制度の一斉スタートは2018年度からとし、来年度(2017年度)は各学会の責任で専門医を養成する。ただし、専門医養成プログラムが医師偏在を助長するものとなっていないか、8月いっぱいから9月上旬にかけてチェックし、都道府県の協議会や社会保障審議会などに報告する―。

 25日に開かれた日本専門医機構の社員総会で、こういった方針が了承されました。

 機構の山下英俊副理事長(山形大学医学部長)は、「既存プログラムと暫定プログラムとに2分することはできないので、基本的に18領域のすべてについて地域医療への配慮がなされているかチェックすることになる」「2018年までの1年間で、暫定プログラムの定員などについて検証していく」とコメントしています。

ここがポイント!
1 社員総会でも「2018年の新制度一斉スタート」を了承
2 2018年までの1年間で定員などを検証、さらに動かしながら制度を改善


社員総会でも「2018年の新制度一斉スタート」を了承

 日本専門医機構では、新専門医制度の18基本領域について新プログラムが医師偏在を助長するものとなっていないかをチェック。その結果、定員が専攻医の2-3倍となっていることから大都市集中の可能性が高いことがわかり、20日の理事会で以下の方針を固めました。25日の社員総会でも、この方針が了承されています(関連記事はこちらとこちら)。

(1)ここは一度立ち止まって、国民や地域の方々の懸念を払拭できるよう、機構と学会が連携して問題点を改善し、2018年を目途に一斉にスタートできることを目指す

(2)2017年度については、研修医や国民の混乱を回避するために、基本18領域については各学会に責任をもって制度を運営してもらう

(3)総合診療領域については、現状では機構で制度設計を行っており既存の学会はないが、2017年の正式な実施は差し控える。ただし、研修医の混乱を回避するため、新たな方策を考え、暫定的な措置について早急に検討する

(4)各学会に対しては、機構から、▽可能であれば、既存の専門研修プログラムを用いること、▽暫定プログラムを用いる場合には、専攻医が都会に集中しないよう、例えば基幹施設と連携施設との関係の再検討、指導医の基準の柔軟な運用などにより専門研修を実施していた施設が引き続き専門研修を行える工夫、また、例えば、都市部の専攻医の定員を過去の実績の1.2倍程度に抑える等、様々なオプションがあると思われるので、各学会で工夫して頂くこと、などを要請する

 吉村博邦新理事長(地域医療振興協会顧問、北里大学名誉教授)は、(4)の地域医療への配慮について、 ▽どのような対応をとるのかを7月中(遅くとも8月上旬まで)に学会から機構に報告してもらう ▽報告内容を精査し、8月いっぱいから9月上旬までに機構と学会の間で話し合いを行う ▽具体的な対応方法が固まった後、都道府県の協議会に報告する―といスケジュールも明らかにしました。必要があれば、社会保障審議会・医療部会や四病院団体協議会にも報告するとしています。

 また山下副理事長は、例えば暫定プログラムの中にも、医学の発展を踏まえて既存プログラムの学術部分のみを追加したものなどがあり、既存プログラムと暫定プログラムを峻別することはできず、基本的に18領域すべてのプログラムについて医師偏在を助長するものとなっていないか確認する考えを述べています。

2018年までの1年間で定員などを検証、さらに動かしながら制度を改善

 社員総会では、「内科や外科、がん領域などでは基本領域とサブスペシャリティ領域に重なりがある。早期からサブスペシャリティ領域の研修が行えるようにすべき」「総合診療専門医のキャリアパス構築を急ぐべき」など、さまざまな意見が出されたことも吉村理事長から報告されました。

 また専門医の更新について、すでに一部の領域では機構と学会との連名による更新が始まっています。この点について機構では「広告可能な専門医資格となるよう、厚生労働省と早急に協議する」考えも松原謙二副理事長(日本医師会副会長)から明らかにされました。

 こうした指摘も踏まえて、機構では今後の1年間で課題解決に向けた議論を行っていきます。吉村理事長は、「専攻医の身分保障」や「専門医制度のあるべき姿」についても議論していく考えを強調しています。専門医制度のあるべき姿については、9月にも機構内に新たな検討の場を設置し、2-3年ほどかけて議論していく模様です。

 この点について山下副理事長は、「現在、『専門医のあるべき姿』と『専門医制度のあるべき姿』が混同されている。前者については、各学会が『専門医にはどのような知識・技術が必要か』を責任を持って検討している。一方で、地域医療への配慮など制度的な課題について機構で十分に議論していく。機構と学会との連携と役割分担をしていく」考えを改めて説明。さらに「2018年までの1年間であらゆる課題を解決することはできない。暫定プログラムの検証、たとえば専攻医定員などの検証などが行えると思う。新制度を動かしながら、理想的な形に近づけていくことになろう」とコメントしています(関連記事はこちら)。



http://www.zaikei.co.jp/article/20160726/318573.html
病院での待ち時間軽減や自動チェックイン、2016年中にも実現
2016年7月26日 07:49 財経新聞
記事提供元:エコノミックニュース

 高齢者人口の増加に伴い医療機関の利用者も増加し、長い待ち時間が課題となっている。@nifty何でも調査団によるアンケート調査では、病院の待ち時間の限界を「1時間」とする人が全体の44%という結果になった。なかには30分以内しか待てない人も30%おり、待たされることでストレスを感じている人がいかに多いかうかがえる。こうした中待ち時間減少など、病院での患者の負担を軽減するサービスが「国際モダンホスピタルショウ2016」(7月13~15日、東京ビッグサイト)に集まった。

 「通院コンシェルジュ(仮称)」を出展した富士通は、このサービスにて患者の通院時のさまざまな負荷の軽減を実現する。外来受付に設置したビーコンに患者が近づくと、スマートフォンから自動受付が行なわれる。これにより受付に並ぶ時間と手間がなくなる。各診療部門の受付にはQRコードリーダーを設置し、スマートフォンに表示される患者ID情報入りQRコードをかざすことで受診受付が完了する。スマートフォンに院内表示板と連携した診察順が通知されるため、病院の待合室で待つ必要がなくなる。次回の予約状況もスマートフォンから可能だ。富士通は同サービスを2016年中に提供開始する意向だ。

 革新的なサービスとしては「Pepper」を活用したロボット連携問診システムも展示された。病院での年齢や発熱や主な症状といった問診には意外に時間がかかるが、Pepperの提示する質問に答えることで問診を効率化する。入力された回答を医療データベースと照合し、症状に合わせた質問に移る。これによって問診時間の最適化だけでなく、優先度の高い患者を検知して医師やスタッフに通知したり、症状の見落とし防止にも期待できるという。同システムを開発するシャンティは、今年秋には10の医療機関にてテストした後、17年春にはサービス提供開始したい考え。

 病院での待ち時間を最適化し、患者の負荷を軽減するだけでなくサービスの質の向上が期待できるサービスは、医療機関や患者双方にとってメリットが大きく早急な実用化と普及が望まれる。(編集担当:久保田雄城)



http://www.medwatch.jp/?p=9798
2018年度の診療報酬改定、医療・介護連携をさらに推進―鈴木保険局長インタビュー(1)
2016年7月26日|GHCをウォッチ

 6月末の厚生労働省人事異動で、技術総括審議官であった鈴木康裕氏が保険局長に就任されました。診療報酬・介護報酬の同時改定であった2014年度改定では、総指揮を取り、社会保障・税一体改革に向けた診療報酬からのアプローチについて筋道をつけられました。6年後となる次期2018年度改定に向けて、どのようなお考えをお持ちなのか、グローバルヘルスコンサルティング・ジャパン(GHC)代表取締役社長の渡辺幸子が、詳しく伺いました。鈴木保険局長とGHC渡辺は東京大学 医療政策人材養成講座5期生で同じ研究班グループでした。

 メディ・ウォッチでは2回にわたって鈴木保険局長のお話をお伝えします。前編となる今回は、鈴木保険局長の就任に当たっての抱負、注目される2018年度の次期診療報酬改定に向けた大きな考え方についてお伝えしましょう。鈴木保険局長は、「高齢者の医療と介護は本質的に不可分」であることを強調し、次期改定でも医療・介護連携をより推進していく考えを述べています。

ここがポイント!
1 医療者を含め、国民全員が「今のままではダメだ」と認識してほしい
2 薬剤収入は医療機関の人件費や改修費の原資でもある、薬価引き下げ分の取扱いが重要
3 高齢者の医療・介護は本質的に不可分、医療と介護の組み合わせが将来の重要テーマ


医療者を含め、国民全員が「今のままではダメだ」と認識してほしい

渡辺:外口元保険局長以来、お2人目の「技官である保険局長」にご就任されました。医療保険については、とかく「財政」を中心とした議論が行われますが、根底にある「医療」「医学」を忘れた議論はできないと思います。医療・医療の専門家という立場から、どのように医療保険制度の改革に取り組んで行かれるのか、お考え・抱負をお聞かせください。

鈴木氏:私は、医療について提供体制と保険制度は「車の両輪」と考えています。厚生労働省の局で言えば医政局と保険局がそれぞれを所管していますが、医療提供体制も医療保険も、法律・財政だけの論理で動いているわけではなく、同時に、「医療として何が必要か、患者にとって何が必要か」という視点も必要で、どちらかに医師・MDが絡むことが必要ではないでしょうか。自然科学をバックグラウンドにしている人間からすると、エビデンスやロジック、もちろんそれだけではいけませんが、これらも大事にしたいと考えています。

 私は、2012年度の診療報酬改定を担当しました。その際にも強く感じたのですが、かつての高度成長の時代には「上がった利潤をどう分け合うか」という議論でしたが、今は言わば「負をどう分け合うか」という時代です。その点に鑑みると、公平感が重要です。つまり「一部の人だけに負のしわ寄せが行く」という事態は避けなければいけません。

 さらに予測可能性も重要です。「明日から収入が半分になります」となったのでは医療現場はとてもではないが耐えられない。しかし、例えば「20年後に、あなたの病院ではこういった患者が3割減ると考えられます。それまでに人の雇用や体制などを見直してください」となれば、何とか対応できるのではないでしょうか。

 どういった選択肢をとってももちろん厳しいのですが、「今のままではダメだ」ということを国民全員に分かっていただくことが重要です。

薬剤収入は医療機関の人件費や改修費の原資でもある、薬価引き下げ分の取扱いが重要

渡辺:2018年度は診療報酬と介護報酬の同時改定となり、あわせて新たな医療計画や介護保険事業計画もスタートするなど大きな改定になると予想されます。前回2012年度の同時改定で医療課長として総指揮を取られた当時の鈴木医療課長と迫井企画官のお二人が、それぞれ保険局長と医療課長に就任され、同時改定に向けて「完璧な布陣」が整えられたと感じています。

 一方、消費増税の先送りによって2018年度改定では財源確保が非常に難しくなると思われ、困難な舵取りが予想されます。

 また以前から鈴木保険局長は同時改定を三段跳びになぞらえて、「2012年度が『ホップ』、2018年度が『ステップ』、2024年度が『ジャンプ』になる」とお話されておられます。これらを踏まえて、2018年度改定に向けて、どのような構想をお持ちなのでしょうか。

鈴木氏:ご指摘のとおり、2018年度には診療報酬・介護報酬の同時改定、医療計画・介護保険事業(支援)計画のスタートがあります。さらに、国民健康保険の都道府県化もスタートするため、私は「惑星直列」と呼んでいます。こうしたいろいろな大きな動きがあり、2025年を前にドラスティックなパラダイムシフトが起きる、あるいはその準備のために起こさないといけないのではないかと考えています。

 しかし、英国のようにすべての病院が公的施設であれば人員の縮小や配置転換などを大胆に実行することができますが、日本では民間病院が7割を占めており、そうした大胆な改革を一度に行うことは非常に難しいのです。

 現在、各都道府県で地域医療構想の策定を進めていただいています。人口動態や患者の疾病構造から「高度急性期は何床、急性期は何床必要になる」という数字は出せますが、問題は、それをどう実現していくかです。1県に医科大学が1つだけしかないような地域では、医科大学が中心的な役割を担って、「この病院には周産期中心の役割を担ってもらおう、この病院にはがん医療を中心に診てもらおう」というやり方が可能かもしれませんが、多くの都道府県では、地域医療構想の実現には相当苦労されると予想しています。

 その際、同様の機能を担う急性期病院が数多くある地域では、例えば熊本県のようにうまく役割分担ができれば良いのですが、そう簡単ではないでしょう。

渡辺:少し気が早いですが2018年度の改定内容について伺いたいと思います。先ほども申しましたが、消費増税が先送りされ、財源確保が厳しい中では、メリハリの効いた資源配分(点数配分)が重要になってくると考えます。医療の現状、局長のこれまでのご経験を踏まえて、「特にここに手厚くすべきではないか」とお考えの重点分野などはあるのでしょうか?

鈴木氏:新たな財源確保、つまり改定率は医療経済実態調査の結果に大きく影響されますし、また政治的に決着する部分も少なくありません。

 事務方である我々がまずしなければいけないのは、「薬価の引き下げ分をどのように分配するか」という点を考えることでしょう。2012年度改定では、薬価の引き下げで生まれた6000億円ほどの財源をすべて医科・歯科・調剤の本体報酬の見直しに充てることができました。しかし、翌2014年度改定では、消費増税改定とセットであったため、薬価の引き下げ分はほとんど消費増税対応に充てざるを得ませんでした。これは医療機関などにとってみれば、表面的には増収ではありますが、実質的にはその分は消費増税による支出増に消えてしまうものです。このため、特に病院を中心に収支が悪化してしまいました。

 薬剤にかかる医療機関の収入は、当然、医師や看護師などスタッフの人件費、建物や設備の改修費、機器の購入費などにも充てられています。医療機関で購入している薬価の引き下げ分を診療報酬本体の改定財源に充てなければ、こうした人件費や改修費などに充てる財源を単純に取り上げることになってしまいます。この点は財務省ともしっかり議論しなければいけないと考えています。

高齢者の医療・介護は本質的に不可分、医療と介護の組み合わせが将来の重要テーマ

渡辺:次期改定は同時改定ということもあり、これまで以上に「医療・介護連携」の推進が重視されると予想しています。前回の改定から連携が進んだ部分、まだ不十分な部分など、さまざまあると思いますが、「医療・介護連携を進めるために、ここにテコ入れすべきではないか」とお考えの部分などあれば、お教えください。

鈴木氏:極めて重要なテーマです。とても細かい部分の話をすれば、例えば「特別養護老人ホームでの看取りをどう考えていくのか」「老人保健施設では薬剤費が報酬に包括されているので薬剤使用に厳しい制限があると指摘されており、これをどう考えるのか」といったテーマがあります。

 しかし、より本質的な問題として、「本来、高齢者の医療と介護は完全には分けられない」という課題があります。医療を必要とする高齢者は、介護も必要としていることが少なくありません。現在は、そうした高齢者に対して、「介護の中の医療部分」を介護事業所・施設がみており、「医療の中の介護部分」を病院やクリニックがみています。しかし、もう少しうまい組み合わせ方があるのではないかと考えています。2018年度の次期改定で実現できるかどうかは分かりませんが、「切れ目のない医療・介護サービスの提供」を実現するために、将来に向けて工夫が必要になってきます。

 また医療機能の分化・連携は、放っておいてうまくいくものではありません。ある分野に特化する場合には、やむを得ず切り捨てなければいけない部分が出てくるでしょうし、資本投下も必要になってきます。そこは、例えば診療報酬などできちんと面倒を見なければいけないと思っています。

 さらに私は、最後に重要になるのは「在宅医療」ではないかと考えています。地域医療構想では、高度急性期・急性期の病床から回復期・慢性期の病床への移行を促すとともに、慢性期入院患者の一定数を在宅に復帰させることになっています。しかし、現在入院している患者を何もせずに在宅に復帰させることは難しいでしょう。

 ばらばらに居住している患者に在宅医療を提供するとなれば、スタッフの移動だけで大きなコストがかかります。物理的な距離が遠い地方では特にそうでしょう。

 そのため、例えばサービス付き高齢者向け住宅などをきちんと整備し、そこで効率的な在宅医療を提供するということを考えなければいけません。もっとも、制度設計を少し間違えれば、不適切な事例も発生してしまうので、十分な検討が必要です。

渡辺:我々がコンサルティングをする中では、「医療側にはまだ介護との連携に関する意識が低い。介護側は逆に敷居の高さを感じている」という実態があるように感じますが。

鈴木氏:「自分自身の事業を進めるために、その先を考える」という構造にしなければ難しいと考えます。例えば平均在院日数の要件設定(例えば7対1病棟では現在18日以内)などを進めていくと、単に退院させるだけではダメで、「退院後の生活や在宅医療・介護をしっかり考えなければいけない」という具合に意識が変わって行かざるを得ません。このように「インセンティブの構造」を変えていく必要があると思います。

 また医師の教育過程の見直しも必要になってくるのではないでしょうか。私が医学生の頃はもちろんですが、今でも医学部の教育において介護や在宅医療にそれほど時間をさいているとは思えません。これから高齢者がますます増えていきますので、医師が必要とされる場面も高齢者ケアにシフトして来ていますが、それに医学教育がマッチしていないのかもしれません。その点も、今後、検討していく必要があります。

(後編に続きます)



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/49260.html
臨床試験専用の病床、施設基準を緩和へ- 厚労省が省令改正案
2016年07月26日 11時00分 キャリアブレイン

 厚生労働省は、健康な人を被験者とする臨床試験の病床を設ける際、患者1人当たりの病室面積を医療法で定める最低の水準と同じ程度に緩和する省令改正案をまとめた。構造改革特区の規制の特例措置の一環。従来に比べて狭い面積で病室の確保ができるため、病床利用率が限界に近い病院でも、臨床試験専用の病床を設けやすくなる。【新井哉】

 対象となるのは、第I相臨床試験の専用病床。臨床試験を行う病院では現在、患者1人当たりの病室面積は原則「6.4平方メートル以上」となっているが、省令改正案では被験者2人以上を入院させる場合、診療所(最小)と同等の「4.3平方メートル以上」と約3割縮小。両側に居室がある場合の廊下の幅も、「2.1メートル以上」から「1.6メートル以上」にする。

 第I相臨床試験の専用病床については、車いすなどを使用しない健康な人が被験者であっても、患者と同じ基準で病室を用意する必要があった。このため、医学部のある大学や自治体などから基準の緩和を求める声が出ていた。

 国家戦略特別会議でも横浜市が提案事業の中で、臨床研究症例数を増やして研究成果を迅速に実用化することを視野に入れ、この専用病床の施設基準の緩和を要望。同市は基準の緩和が決まり次第、市立大附属病院(金沢区)の敷地内にある次世代臨床研究センターに専用病床を整備する方針を掲げていた。

 基準の緩和によって、被験者を集めやすいが整備コストが高い都心部で、専用病床の整備がしやすくなることに加え、病院内の病室以外の施設を小規模な改築などで、専用病床として活用することが可能になる。厚労省は、省令改正案のパブリックコメントの募集を8月20日まで行っている。9月上旬までに省令を公布する予定。



http://mainichi.jp/articles/20160727/ddm/016/040/027000c
新専門医制度
1年先送り 「身内」反発で混迷 人材育成、対策は急務

毎日新聞2016年7月27日 東京朝刊

 医療の質の向上や医師の新たなキャリア形成を目的に来年4月から始まる予定だった「新専門医制度」が、導入まで1年を切って、2018年4月からに1年先送りされることが決まった。医療界主体で進めてきたはずの改革に、日本医師会など主要な医師・病院団体が待ったをかけたためだ。どんな制度で、何が問題になったのか。【有田浩子】

 「拙速に始めれば研修医にも地域にも混乱が生じる」。今月20日、新制度下で専門医の認定を担う「日本専門医機構」の吉村博邦理事長(北里大名誉教授)は、制度開始の1年延期を表明した。「身内」である医療界の反発が主因だったが、吉村氏は「医療の質の担保と同時に、地域医療に十分配慮し、国民に対して適切な医療ができるような新しい専門医制度をぜひ作っていきたい」と合意形成への意欲を示した。

 日本では医師や医療機関が、診療する分野を基本的に自由に名乗ることが認められている。医療の高度化に伴い専門領域が細分化する中、学会の数も増え、それぞれが独自の認定制度を設けたことで、今や100種類以上の「専門医」が乱立。質のばらつきや信頼性の低下が指摘されてきた。

 これを是正しようと、厚生労働省の有識者会議は13年4月、中立的な第三者機関が統一した基準で専門医を認定するよう提言。内科、外科などに、初期診療(プライマリーケア)を担う総合診療医を加えた基本的な19の診療分野でまず研修して認定を受け、さらに専門性の高い分野に進んで研修するという2段階式の制度案をまとめた。

 ここで言う「専門医」とは、いわゆる「神の手」と呼ばれるような卓越した技量の持ち主ではなく、「患者から信頼される標準的な医療を提供できる医師」のことだ。17年度から養成を開始し、20年度から認定が始まるとのスケジュールも決まり、14年5月には第三者機関の日本専門医機構が設立された。

 雲行きが怪しくなってきたのは昨年、同機構の指針に基づき、一定以上の指導医が確保できる基幹病院が複数の連携病院と組んだ研修プログラムを公表し始めた頃から。指導医数や症例数などの基準が厳しく、基幹病院が都市部の大学病院に集中したため、関係団体や地方自治体から「医師の都市偏在に拍車がかかる」と懸念が出るようになり、今年2月の社会保障審議会医療部会では制度への批判が相次いだ。

 厚労省は3月に議論を整理するための専門家委員会を新たに設置したが、日本医師会や日本病院会は導入時期などの見直しを求める意見書を発表。これに塩崎恭久厚労相が「真摯(しんし)に受け止める」と異例の談話を出したことで、延期の流れが強まった。機構は理事長が任期満了で交代した6月末から、理事に知事や患者団体代表が加わって再検討し、1年先送りの結論に至った。

 機構は今後、プログラムの基準を見直し、指導医の人員基準の要件などを緩和する。また、専門医研修に入る医師が9000人弱なのに対し、約2倍の1万8000〜1万9000人の募集定員が設定されていたため、偏在をなくすための割り振りを検討していく。

 日本医大武蔵小杉病院の勝俣範之教授(腫瘍内科医)は「内科、外科など基本的な診療分野を学んだあとに、専門的な分野を研修するというのが世界のプロを育てるスタンダード。日本は数十年も遅れていた。各論の課題はあるだろうが、前に進めるべきだ」と話す。

 専門医の信頼性を高め、地域医療の中心になる総合診療医を育成することは、国民の利益にもなる。「プロフェッショナル・オートノミー(専門家による自律)」を前提に議論してきただけに、医療界による早急な制度構築が望まれる。

キャリア形成に悩みも

 新専門医制度の研修を受けることになる若手医師たちは、1年延期をどう見ているのか。「ほっとした」との声が漏れる一方、自身のキャリア形成について悩む姿も浮かぶ。

 医師国家試験に昨年合格し、今は初期臨床研修2年目の福島県南相馬市立総合病院の山本佳奈さん(27)は、来年度から新制度の1期生になるはずだった。だが、産科にも泌尿器科にも興味があり、今から専門を一つに選ばねばならないのは困ると感じていたという。

 専門医の取得は法律上義務ではないが、取得しないことへの将来不安が医師の間には強い。山本さんは「来年度は自分の責任で十分経験を積ませてくれる病院を探し、胸を張って『これができる』というものを持ちたい。大学の医局人事や都合に振り回されたくない」と話す。

 同病院の麻酔科医、森田麻里子さん(28)も、新制度には懐疑的だ。「国民の医療ニーズに応えるには、先端医学を学ぶ医師、地域で住民の健康管理に当たる医師など、さまざまなキャリアを持つ医師が必要。国民が求める医療について、もう一度議論してほしい」。医師偏在を助長しない地域医療への配慮は「研修プログラムの要件緩和や、地域を回る期間を少し長くするといった付け焼き刃的な修正で、済ませてほしくない」と訴える。

 初期臨床研修医の教育を担当する仙台厚生病院の遠藤希之(まれゆき)・医学教育支援室室長(50)は、新制度が医師たちのキャリアパス(職務経歴)や身分保障にどう影響するかが明確に示されていない点を懸念する。例えば女性医師の場合、第1段階の基本的な分野を経て、さらに高度な領域に進むと、認定を受けるのは30代半ばになり、結婚や出産の時期と重なる。遠藤氏は「高度な領域の研修期間などを早くはっきりさせるべきだ」と指摘する。

 患者と医療者の協働を目指す認定NPO法人「ささえあい医療人権センターCOML」の山口育子理事長は「細かい領域を名乗る専門医の乱立が問題だったのに、解決されていない。準備不足で先送りは当然だが、医師の地域偏在を起こさないようにできるのか」と不安を漏らす。

基本的な19の診療分野
 内科、外科、総合診療、皮膚科、産婦人科、耳鼻咽喉(いんこう)科、脳神経外科、麻酔科、小児科、精神科、整形外科、眼科、泌尿器科、放射線科、救急科、リハビリテーション科、形成外科、病理、臨床検査



https://www.mixonline.jp/Article/tabid/55/artid/54420/Default.aspx
厚労省 オプジーボに薬価上の「特例的な対応」検討 最適使用推進GL概要も中医協に提示
2016/07/27 03:52 ミクスオンライン

厚生労働省はきょう7月27日午前に開かれる中医協総会に、抗がん剤・オプジーボに端を発した高額薬剤問題についての当面の対応として、薬価上の「特例的な対応」と、最適使用を進めるための「最適使用推進ガイドライン策定」を2本柱とした施策を提示する。年内を目途に一定の結論を得る方針。オプジーボに代表される効能追加等で大規模な市場拡大がなされた薬剤をめぐっては、診療側が「医薬品の効能・効果が変更された場合、その時点で薬価を見直す仕組みを作るべき」などと主張してきたが、期中改定も視野に入れた検討がなされることとなりそうだ。薬価制度改革の抜本的な見直しを視野に入れた議論が進められることになる。


◎最適使用推進ガイドライン 患者、医師・施設基準明確化 オプジーボとレパーサの類薬も対象に

高額薬剤の当面の対応としては、①薬価にかかわる特例的な対応、②最適使用推進のための取り扱い――を行うことが検討される。

オプジーボについては、「2016年度薬価改定における再算定の検討に間に合わなかった薬剤であって、効能・効果等の拡大により大幅に市場が拡大したもの」と明記し、特例的な対応を検討する考えだ。

最適使用推進については、厚労省の依頼に基づき、PMDAと学会が、新規作用機序医薬品の最適な使用を進める「最適使用推進ガイドライン」を策定する方針。ガイドラインは、対象医薬品の使用が最適だと考えられる患者の選択基準、適切に使用できる医師・医療機関などの要件を明確化する。策定されたガイドラインに該当しない場合の使用などは、保険上算定できないことも視野に、ガイドラインの保険上の取り扱いは中医協で議論する。2016年度は、オプジーボと高コレステロール血症治療薬・レパーサの2剤と、その類薬を対象に策定することが検討されている。


◎薬価制度の抜本的な改革を視野

薬価制度については、抗体医薬などの高額薬剤が登場する中で、効能・効果の追加や用法・用量の拡大で大幅に市場が拡大する薬剤が登場してきたと説明。こうした中で、市場拡大から再算定までの期間が2年を超える場合もあり、「国民皆保険の維持の観点から、従来の仕組みである薬価改定時における再算定では、必ずしも十分対応を講じているとは言えず、このような点について今後検討する必要がある」とした。

具体的には、①効能追加等による大幅な市場拡大への対応、②市場規模のきわめて大きな薬剤への対応――をあげた。市場規模のきわめて大きな薬剤は、効能追加などだけでなく、収載当初から市場規模が大きいことが予想される医薬品も対象とする考えで、”最適使用”の推進に加え、「費用対効果評価の試行的導入の検討結果を踏まえた薬価算定の仕組みに加え、単に、市場規模を考慮するだけでなく、医薬品の特性やこれまでの治療にかかわる費用との比較等を踏まえた対応」をあげた。論点を踏まえ、8月以降の中医協薬価専門部会で議論が本格化することになる。



http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/eye/201607/547646.html
「薬を減らして窓口負担増」に患者は納得するか
2016/7/27 友吉 由紀子=編集委員

表1 医師の減薬への取り組みを評価した「薬剤総合評価調整管理料」
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 高齢患者を中心とした多剤投与や残薬問題を解消しようと、2016年度診療報酬改定では、「減薬」に対する評価として、外来・在宅患者を対象に「薬剤総合評価調整管理料」が新設された(表1)。

 6種類以上の内服薬を処方していた患者で、そのうち2種類以上を減らした場合に月1回250点を算定できる。処方内容の調整に当たり、他の医療機関や薬局に照会や情報提供を行った場合、さらに連携管理加算50点もプラスできる。

 厚生労働省保険局医療課では、「薬を減らすには患者に十分な説明が必要で、処方技術なども必要。そうした面を“評価”した加算なので、開業医が減薬を考えるきっかけとなってくれればと思っている」と説明する。

 ところが、開業医の反応はいまひとつだ。山一ビル内科クリニック(東京都足立区)は、循環器や呼吸器疾患などが専門の医師3人で1日に約200人の患者を診ているが、「薬剤総合評価調整管理料」については4月から1件も算定していないという。

「患者は1円でも安い医療機関へ流れる」
 院長の有野亨氏は、「250点の加算は、確かに診療所側にとって魅力的な点数。しかし、『薬の数が減りましたから……』と患者に説明しても、『窓口負担が750円(3割負担の場合)も高くなる』と言ったら、患者は納得してくれないだろう」と話す。

 減薬して同管理料を算定すると、その際の窓口負担は高くなるが、その後は薬剤費負担は安くなり、多剤投与による有害事象の発生も防げるなど、患者にとってメリットも少なくない。しかし、そうしたことを周知し、患者の理解を得るのは容易ではない。

 「この周辺地域では、患者は“1円でも安い医療機関”へ流れる傾向がある。地域包括診療料をはじめ、次々と厚労省は目玉の点数を出してくるが、患者の負担増になることを考えると、こうした数百点の加算の算定は難しい」と有野氏は訴える。

 働く世代の患者が多い山本亜希メンタルクリニック(東京都千代田区)の山本亜希院長は、4月から減薬に積極的に取り組もうと、新設の「薬剤総合評価調整管理料」に関する説明文を待合ロビーに掲示。自身のブログでも、減薬によって自己負担額が750円(3割負担)アップする可能性があることを伝え、患者の理解を求めた。

 「5月に初めて3人の患者に同加算を算定したが、算定するには患者への周知と丁寧な説明が必要で、とても手間が掛かった。説明しても、急に窓口負担が増えたことに戸惑いを見せる患者が多かった」と山本氏。

早くも絵に描いた餅に?
 大阪府保険医協会が4月20日に行ったアンケート(回答数108医療機関)でも、約9割が「薬剤総合評価調整管理料を算定していない」と回答。算定しない理由は「患者に説明できない」が最も多かったという。

 しかし高齢化に伴う多剤投与の問題は深刻化している。厚労省の2015年調査によると、2疾病以上の慢性疾患を有する高齢者の内服薬数は平均約6剤で、複数の医療機関から合計10種類以上を投薬されている患者も少なくないという。高齢者では、6剤以上の投薬で有害事象の発生が高くなるとの報告もある(秋下雅弘:高齢期の生活習慣病に対する薬物療法、長寿科学研究振興財団平成24年度業績集「高齢期における生活習慣病」2013:191-7.)。

 「『できるだけ少ない薬での治療』という方向性は、今後の診療報酬改定において、さらに明確に打ち出されていくだろう」。在宅診療を行う中で減薬に取り組んできた在宅療養支援診療所の医療法人至高会・たかせクリニック(東京都大田区)院長の高瀬義昌氏もこうにらむ。

 とはいえ、患者に納得してもらえないような高点数の管理料では「絵に描いた餅」となってしまう。減薬に対する評価方法については、次回以降の診療報酬改定で何らかの見直しが必要となりそうだ。
 



http://www.medwatch.jp/?p=9822
将来的に看護配置でなく、重症者の受け入れ状況に着目した診療報酬に―鈴木保険局長インタビュー(2)
2016年7月27日|GHCをウォッチ

 お伝えしているように、GHC代表取締役社長の渡辺幸子が厚生労働省保険局の鈴木康裕局長を表敬訪問。2018年度の次期診療報酬改定を中心に、山積する課題に対する対策やお考えを詳しく伺いました(前編の記事はこちら)。鈴木保険局長とGHC渡辺は東京大学 医療政策人材養成講座5期生で同じ研究班グループでした。

 後編となる今回は、2018年度の次期診療報酬に向けた鈴木保険局長のお考えを詳しくお伝えします。将来的に看護配置ではなく、重症患者をどれだけ受け入れ、どのような治療・ケアを行ったかに着目した診療報酬体系にすべきとのお考えや、アウトカム評価、超高額薬剤の取扱いなどについてご見解を伺うことができました。


ここがポイント!
1 病棟看護師も定期的に数か月程度、訪問看護ステーションで研修を受けてはどうか
2 根源的には、看護配置でなく「どれだけ重症患者を診たか」で報酬が決まるべき
3 アウトカム評価、総論は皆賛成するが、指標設定になると難しい議論になる
4 審査の基準を見える化し、審査システムだけでなく電子レセプトにも搭載できないか


病棟看護師も定期的に数か月程度、訪問看護ステーションで研修を受けてはどうか

渡辺:先の2016年度診療報酬改定では、退院支援加算1が新設され、施設基準に「過去1年間の介護連携指導料が病床数の15%あるいは10%以上」という要件が設けられました。このような要件設定は非常に効果的だと感じています。このように看護師とケアマネジャーをはじめとした介護職との連携が非常に重要ではないかと考えますが、いかがでしょうか?

鈴木氏:おっしゃるとおりだと思います。看護師はもっとも患者さんに接する時間の長い医療スタッフです。

 私の個人的な見解ですが、病棟の看護師も、何年かに1度、数か月程度の期間、訪問看護に携わったほうが良いのではないかと考えています。

 これまで訪問看護ステーションからの訪問看護療養費は引き上げてきましたが、病院・クリニックからの訪問看護については報酬が低く設定されていました。これは、訪問看護ステーションの発展も目指したもので、確かに訪問看護ステーションの事業所数は増えたのですが、個々の事業所の規模は残念ながらあまり大きくなっていません(2014年度の介護サービス施設・事業所調査では常勤換算の総従業者数が平均で6.3人)。これではオンコール負担などが大きく、バーンアウト(燃え尽き)してしまうでしょう。

 病院や病院附属の訪問看護ステーションでは、多くの看護師をプールしています。そこから適任者を選任し、あるいは定期的な研修者を、市中の訪問看護ステーションに派遣すれば、在宅医療の経験も積めますし、訪問看護ステーションにとっても新しい医療知識を吸収する機会が増えます。訪問看護ステーションと病院が連携することが不可欠であろうと考えています。

根源的には、看護配置でなく「どれだけ重症患者を診たか」で報酬が決まるべき

渡辺:局長が医療課長として総指揮をとられた2012年度改定から病院・病床の機能分化、とりわけ「7対1」病床数の適正化が大きなテーマになっていると思います。今回改定で注目された看護必要度の大幅な見直しも、このテーマに沿うものと考えますが、「もう少し踏み込むべきだったのではないか」「7対1病床数の適正化につながらず甘いのではないか」といった厳しい指摘もあるようです。次期改定ではどのような点に着目されるお考えでしょうか。

鈴木氏:7対1看護は、かつての1.4対1看護に相当しますから、病棟看護師はとても多く配置されています。7対1入院基本料は、2006年度の診療報酬改定で新設されましたが、当時の医療課長は中央社会保険医療協議会で「7対1の病床数は2万床程度になる」と答弁しています。このように「看護の手間が非常に多くかかる患者を多く受け入れている」一部の病院を対象として、極めて高い点数を設定しました。しかし、これが多くの病院から看護師を吸い上げることになってしまい、現在の7対1病床数は38万床にも達しようかという状況です。

 今回の2016年度改定で導入した「病棟群単位の入院基本料」の状況や、Hファイルに基づく看護必要度の内容などをきちんと分析して最適配分を考え、メリハリのついた看護配置を実現する必要があります。個人的には、点数設定も少し高すぎるかもしれないと感じています。

 また、根源的には「看護師配置で診療報酬の高低が決まる」という現在の仕組みはおかしいという指摘が増えています。どういった状態の患者を受け入れ、どういったケアを行っているのかに着目した診療報酬とすべき、ということでしょう。

 「7対1」はストラクチャーの1要素に過ぎません。将来的には「重症患者の受け入れが多い病院が、高い診療報酬を得られる」形にすべきです。今回の2016年度改定で看護必要度の見直しを行いましたが、将来に向けた移行過程の1つと考えることもできると思います。

 中医協では、支払側もこの点についてご意見を述べられており、少しずつこうした方向にシフトするための検討をしていく必要があるのではないでしょうか。


渡辺:最近の診療報酬改定では、生活習慣病対策にも力を入れておられます。主治医機能を評価する「地域包括診療料」などが設定されましたが、届出・算定状況は芳しくないようです。クリニックの報酬体系について、どのようにお考えでしょうか。

鈴木氏:高脂血症、高血圧、糖尿病の患者が増加しており、重症の患者もいます。ただし、多くの数値異常にとどまっている患者については、最初の鑑別診断や治療方針の決定、半年に1回程度の精密チェックは確実に実施しなければいけませんが、2、3週間に一度の定常的なフォローアップについて、「何か異常のあったとき」以外は、最新のテクノロジーを使って、医師にも患者にも負担の少ない方法で実施できないかという意見もあります。

 このように慢性疾患の管理のあり方を修正し、その分、在宅医療であったり、地方の病院でたいへんな部分を助けてもらうことで、医師の偏在も多少緩和されるという見方もあります。


アウトカム評価、総論は皆賛成するが、指標設定になると難しい議論になる

渡辺:GHCでは、かねてより「医療の価値」向上を目指して、全国の病院のコンサルティングを行っています。「医療の価値」を上げるための手法の1つとして「アウトカムに基づいた診療報酬」が考えられると思います。この点について、お考えをお聞かせください。

鈴木氏:「医療の質を上げるためにはアウトカムを評価してほしい」という総論にはどなたからも異論は出ません。しかし、どういう指標を設定しようかという各論になってくると、とたんに話が難しくなります。

 例えば医薬品、C型肝炎治療薬のハーボニー錠では完治が見込めるということで、「将来の肝硬変、肝がんを防止できるので、この程度の高額な薬価を設定しても医療費の適正化に繋がる」という計算ができます。また、外科医療についても、ある程度成功・非成功が判断しやすいので、比較的このようなアウトカム評価や費用対効果評価を導入しやすいと思います。

 しかし、内科は難しい点がありますね。特に疾病管理の長期的な評価は難しい。糖尿病の患者について、「最終的に失明の防止をできたどうか」という指標で評価するとなると、時間的な距離があまりに遠くなります。ただし、例えば同じく糖尿病患者について、「こういった指導を行った結果、一定期間HbA1cの数値悪化させなかった」というサロゲートマーカーで評価することは検討の余地があるかもしれません。

 なお、現在、費用対効果の議論が進んでいますが、「薬価を下げる」ためにやっているという誤解があるようです。私は評価の結果「価格を上げる」という措置も必要だと思います。そうでなければメリハリをつけることができません。透明性のあるルールで費用対効果をきちんと評価していきます。ただし、それが不適切なビジネスを誘発しないように注意もしなければいけません。費用対効果評価を悪用し、例えば「意図的に希少な疾病の治療薬として高い薬価を設定し、その後に患者数の多い疾患に適応拡大して暴利を得る」という事態は避けなければいけません。


渡辺:抗がん剤のオプジーボやC型肝炎治療薬のハーボニーなど、超高額薬剤のあり方が今後、極めて重要な課題になると思います。優れた医薬品の開発・保険適用は国民のために進めるべきですが、一方で医療保険制度の維持という側面も無視することはできません。この点、どのように考えていくべきなのでしょうか。

鈴木氏:現在、厚労省内で議論を行っており、医薬・生活衛生局では「どういった患者に対して、どういう要件を満たした医療施設の、どういう資格をもった医師のみが処方・投与できる」というガイドラインを作成してはどうかという検討を行おうとしています。ただし、いくつか課題もあり、「ガイドラインと添付文書がどのように違うのか」などを明確にする必要がまずあります。こうしたガイドラインが作成された場合には、保険局側は留意事項通知に落とし、「こういった場合ではなければ償還(保険請求)できない」とすることについて中医協でご議論していただくことになるでしょう。

 一方で、値付、つまり薬価の問題もあります。先ほども少し述べましたが、例えば希少疾病治療薬的な取扱いとして高めの薬価が設定されたとします。現在の薬価制度では、(薬価制度改革の)期中であれば、後に適応が拡大、つまり対象患者数が増えても高額な薬価が維持されます。もちろん、直後の薬価改定で引き下げられることになりますが、「最長で2年間、高額な薬価を維持したままでよいのか」という指摘もあります。この点にも、何らかの答えを出さなければいけません。中医協で慎重に議論していただきます。

審査の基準を見える化し、審査システムだけでなく電子レセプトにも搭載できないか

渡辺:診療報酬以外にも、「介護療養病床の新たな移行先」や「審査基準の統一」「レセプト・健診などのビッグデータの活用」など保険局には重要課題が数多くあると思います。とりわけ「審査基準の統一」は、GHCがコンサルティングを行う上でもクライアントから指摘される部分であり、全国の医療機関が注目していると考えます。現時点での局長の率直なお考えをお聞かせいただければと思います。

鈴木氏:ご指摘のように「審査基準の統一・効率化」という問題と、「ビッグデータの活用」という問題があります。

 前者については、社会保険診療報酬支払基金の支部(都道府県)間での格差、さらに同じ都道府県であっても支払基金と国民健康保険団体連合会との間での格差という問題があると指摘され、現在、「データヘルス時代の質の高い医療の実現に向けた有識者検討会」で議論が勧められています。やはり、患者名や所属する医療保険(健康保険や国民健康保険かなど)をブラインドして(隠して)、同じ症例について支払基金と国保連に請求して、合理的な範囲を超えて判断が違ってしまうのは良くありません。

 審査のルールをきちんと見える化して、「ここまでは合理的な違いとして判断が異なることは認められます。しかし、ここからは同じでなければいけません」というルールを明確にすべきでしょう。さらに、ここはまだま私の個人的な考えなのですが、その合意されたルールを電子カルテや電子レセプトのシステムに載せられないかと考えています。これが実現できれば、医療機関における入力の時点で「これは認められない」ことが明確になります。そのまま請求することはないでしょうから、審査や返戻などの手間もなくなり、無駄が減ります。さらにデータの精度が向上しますから、ビッグデータとして活用できる幅もさらに広がるでしょう。こうした取り組みが進められないかと考えています。

渡辺:今後のますますのご活躍を期待しております。本日は、誠にありがとうございました。



http://mainichi.jp/articles/20160727/ddm/016/040/028000c
新専門医制度
1年先送り 葛西龍樹・福島県立医大教授(家庭医療学専攻)の話

毎日新聞2016年7月27日 東京朝刊

努力と覚悟で変革を
 新専門医制度の議論には三つの問題があると考える。(1)標準化された研修プログラムで専門医の質を担保する重要性への認識が乏しい(2)制度の問題と医師の地域偏在の問題がごちゃまぜになっている(3)制度設計が国民不在で議論されてきた−−ことだ。新制度には総合診療専門医の育成が盛り込まれた。本格的な専門教育によってプライマリーケアを整備するという、医療制度のあり方が根本的に変わる取り組みだ。関係者はかなりの努力と覚悟を持って変革を断行すべきだ。


  1. 2016/07/27(水) 05:55:33|
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7月25日 

http://www.cabrain.net/news/article/newsId/49258.html
新専門医制度、先送りを正式決定- 来年度からの養成は各学会で
2016年07月25日 21時00分 キャリアブレイン

 日本専門医機構(機構、吉村博邦理事長)は25日の社員総会で、専門医の養成方法を新制度に移行させる時期の先送りを正式に決めた。内科など19の診療領域に限り、新制度での養成を来年度からスタートさせる予定だったが、医師の地域偏在を悪化させるといった懸念が根強いことから、2018年度からの導入を目指して新制度の見直しに取り掛かることにした。【佐藤貴彦】

 新制度は、学会ごとに実施している専門医の認定などを、第三者機関の機構が行うもの。認定基準のばらつきを是正し、専門医制度を国民にとって分かりやすいものにすることなどが狙い。

 機構は来年度からの新制度のスタートに向け、各領域の関係学会などと協力して養成プログラムの基準を作成、研修を担当する病院の募集などを進めてきた。しかし、研修を受ける若手医師が都市部に偏在するといった懸念が医療現場から指摘されたことなどを受け、来年度からの導入を断念した。
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 新制度による養成を18年度から始めるため、機構は今後、養成プログラムの基準の見直しや、研修中の医師の待遇の在り方などの検討を進める。

■来年度からの研修、医師募集は学会の判断で開始

 来年度から研修を受ける医師の養成方法については従来通り、関係学会が責任を持つことになった。研修を受ける医師の募集も、各学会の判断で始めることになる。

 ただ、地域偏在などを引き起こさないため、機構は関係学会に対し、できる限り従来の養成方法を継続させるよう要請。さらに、新制度に向けて準備していたプログラムを活用する場合には、地域偏在などの対策を講じるよう呼び掛けることにした。

 また、養成方法や対策などに関する各学会の方針を月内に把握することも決めた。その結果、必要があれば養成方法の見直しを学会に促す見通しだ。

■総合診療専門医の養成、暫定的な措置を検討

 19領域のうち、総合診療領域だけは担当の学会がなく、機構が中心となって新制度の準備を進めてきた。機構は、同領域の専門医になるための研修を来年度は正式には行わない方針だが、研修を受ける医師の混乱を避けるため、「暫定的な措置」を講じる是非などについて理事会で早急に検討する。

■東大・南学氏が機構の理事に

 機構はこの日、東大医学部附属病院の南学正臣副院長を理事とすることも決めた。この結果、機構の理事は計25人になる。



https://www.m3.com/news/iryoishin/444411
シリーズ: 真価問われる専門医改革
2017年度の専門医養成の方針、8月上旬までに集約
日本専門医機構、対応状況は9月上旬までに厚労省等に報告

2016年7月25日 (月) 橋本佳子(m3.com編集長)

 日本専門医機構は7月25日の社員総会で、2017年度からの新専門医制度の実施を全19の基本診療領域で見送り、各学会独自の運営を委ね、2018年度を目途に一斉にスタートするという、7月20日の理事会決定を了承した(『新専門医制度、全19領域とも「1年延期」へ』を参照)。

 同機構は三つのステップに分けて、今後の対応を進める。

 第一は、2017年度の各基本診療領域の専門医養成の方針だ。同機構は、7月末か8月上旬を目途に、現行の方法で専門医養成を行うか、新専門医制度用に用意していた専門研修プログラムを用いるかなど、各基本診療領域の学会の対応を取りまとめ、地域医療への影響の有無などを確認する。総合診療専門医については、「機構で正式に養成することはしないが、暫定的な措置を講じる方向で、関係者と協議しながら、専攻医たちが不安にならないよう、理事会で早急に検討する」(理事長の吉村博邦氏)。

 2017年度の方針が決定すれば、8月末か9月上旬を目途に、厚生労働省、医療関係団体のほか、各都道府県などに対し、説明する予定。2017年度は学会認定の専門医として養成がスタートするが、「将来、遡及措置として、日本専門医機構の認定が重なることも十分にあり得る。専攻医が不利にならないように検討していきたい」(副理事長の松原謙二氏)。

 第二は、2018年度を目途とした新専門医制度の一斉スタートに向けて、サブスペシャルティやダブルボード、専攻医の身分保障、医学部の「地域枠」卒業生の扱いなどの検討だ。第三は、将来のあるべき専門医の姿についての検討。人口動態や疾病構造の変化などを踏まえ、9月以降、検討の場を別途設け、議論をする予定。

 なお、産婦人科、形成外科、病理、リハビリテーション、整形外科の4領域では、2016年度に新専門医制度の更新基準に基づく更新を始めており、既に2016年6月末で2953人が認定済み。日本専門医機構と各学会の理事長の連名だが、あくまでも「日本専門医機構」認定の専門医の扱いのため、医療法に基づく広告が可能になるよう早急に厚労省と検討する方針。

 2017年度の方針、各学会から提出求める

 7月25日の社員総会には、23の社員のうち、代理も含めて全員が出席。理事も24人中19人が出席した。吉村理事長によると、7月20日の理事会決定事項を説明し、さまざまな意見や要望が出たものの、反対意見はなく、了承された。日本専門医機構は、学会に対し、2017年度の専門医研修について4点を要請(文末を参照)し、その対応状況を7月末か、8月上旬までに取りまとめる。

 吉村理事長は、「機構としては、2017年度は既存の専門研修プログラムで実施することをお願いしている」と説明、仮に暫定プログラム(新専門医制度用に用意したプログラム)を用いる場合には、過去の専攻医の採用実績と募集定員に大幅な開きがないか、あるいは応募状況を見ながら調整するなど、地域医療への影響を軽減する取り組みなどについて、各基本診療領域の学会から文書の提出を求める。

 2018年度までに、サブスペシャルティの問題も整理

 2018年度からの新専門医制度について、社員総会では複数の意見、要望が出た。2018年度を目途に一斉にスタートできるよう、これらの問題も解決する。

 社員から出た意見の一つが、サブスペシャルティの問題。特に内科と外科では、基本診療領域とサブスペシャルティが連動したプログラムの要望があった。さらに総合診療専門医についても、サブスペシャルティに進む道についても早急に議論すべきとの声が挙がった。どの領域までサブスペシャルティとして認めるかも含めて、検討する。

 ダブルボードの問題については、現在は例えば、脳神経外科と救急、あるいはリハビリテーションの専門医を持つなど、複数の基本診療領域の専門医を取得できるのに対し、新専門医制度では「原則一つ」としている取り扱いが課題だ。

 身分保障は、新専門医制度では、基幹施設と連携施設が研修施設群を構成して研修するため、専門研修期間中の給与をどの施設が支払うかなどの整理が必要になる。松原副理事長は、「どこが雇用関係にあるのか、基幹病院あるいは連携病院なのか、という議論があった。本来、働いている施設の所属になるのは当然ではないか」との考えで、身分保障の問題も含め、専攻医に不安を与えない仕組みを学会と協議していくとした。

 そのほか、医学部の「地域枠」卒業生、卒後に義務年限がある自治医科大学の卒業生などについても、専門医取得ができるよう検討していく。

 9月以降、将来の専門医養成についても議論

 さらに9月以降、将来のあるべき専門医の姿についても議論する。副理事長の山下英俊氏は、「日本専門医機構が実施できるのは、地域医療や診療科の偏在への配慮であり、全体をサーベイして、皆が納得できるシステムを考えるということ」と説明。各学会は専門医の守備範囲と、そのために必要な知識、技能の研修方法を考える。一方で、機構は医療提供体制を念頭に、基本診療領域別や地域別の必要専門医数を検討する。機構と学会が相互にやり取りしながら、検討していくイメージだという。

日本専門医機構から各学会への要望事項(2016年7月20日の理事会決定)
1. ここは一度立ち止まって、国民や地域の方々の懸念を払拭できるよう、機構と学会が連携して問題点を改善し、2018年を目途に一斉にスタートできることを目指す。
2. 2017年度については、研修医や国民の混乱を回避するために、基本18領域については各学会に籍門を持って制度を運用してもらう。
3. 総合診療領域については、現状では機構で制度設計を行っており、既存の学会はないが、2017年度の正式な実施は差し控える。ただし、研修医の混乱を回避するため、新たな方策を考え、暫定的な試行について早急に検討する。
4. 各学会に対しては、機構から、(1)可能であれば、既存の専門研修プログラムを用いること、(2)暫定プログラムを用いる場合には、専攻医が都会に集中しないよう、例えば、基幹施設と連携死せるとの関係の再検討、指導医の基準の柔軟な運用などにより、専門研修を実施していた施設が引き続き背門研修をお声な得う工夫、また例えば、都市部の専攻医の定員を過去の実績の1.2倍程度に抑えるなど、さまざまなオプションがあると思われるので、各学会で工夫していただくこと、などを要請する。



http://www.medwatch.jp/?p=9794
医師偏在の是正に向けて、例えば新専門医の「マッチング」などを考えてはどうか―日病・堺会長
2016年7月25日|医療・介護行政をウォッチ

 2018年度からの第7次医療計画策定に向けた検討が進んでおり、その中では「医師確保・偏在是正策」も重要なテーマとなる。偏在是正に向けた方策の一つとして、例えば新専門医制度について初期臨床研修で行われているような「マッチング」の導入を検討してはどうか―。

 日本病院会の堺常雄会長は、25日に開いた定例記者会見の席でこのような考えを披露しました。

ここがポイント!
1  新専門医制度、地域・領域別の定数を設定し、専攻医と病院のマッチングをしてはどうか
2  地域医療構想の実現に向け、各地域が「大学へのデータ分析依頼」などの努力をすべき


新専門医制度、地域・領域別の定数を設定し、専攻医と病院のマッチングをしてはどうか

 2018年度から期間を6年とする第7次医療計画がスタートします。現在、計画作成指針(都道府県が計画を作成るにあたっての拠り所となる)の策定に向けた議論が、厚生労働省の「医療計画の見直し等に関する検討会」で進められています。15日の検討会では「医師確保・偏在是正策」が検討テーマの一つとして取り上げられました(関連記事はこちらとこちら)。

 偏在是正については、同じく厚労省の「医療従事者の需給に関する検討会」や、その下部組織である「医師需給分科会」でも集中的な議論が進められる見込みで、中間とりまとめには、「十分ある診療科の診療所の開設については、保険医の配置・定数の設定や、自由開業・自由標榜の見直しを含めて検討する」といった規制的手法の導入についても言及されています(関連記事はこちら)。

 この点について日病役員の間でも「ある程度の規制的な手法を我々(病院団体)が提案する必要があるのではないか」という意見が少なからず出ていることが、25日の定例記者会見の席で堺会長から報告されました。

 もっとも堺会長は「個人的には規制的手法は好きでない」とした上で、例えば新専門医制度においても、初期臨床研修制度のような「マッチング」システムを導入してはどうかとの考えを明らかにしました。具体的には、「地域医療構想から地域で必要な医師数を導き出し、それに見合った形で区域別・診療領域別などの専攻医定数を設定する。その上で、専門医を希望する医師と専門医養成病院・施設との間で『マッチング』を行う」というものです。

 マッチングとは、「研修希望者」と「研修病院の研修プログラム」とを、研修希望者・病院の希望を踏まえて、一定の規則(アルゴリズム)に従ってコンピュータで組み合わせるシステムのことです。大学病院や学会サイドの中には「マッチングによって初期臨床研修医が大学病院から離れてしまった」との意見もあるようですが、堺会長は「そのようなことは決してない」と断言。「都市集中をある程度コントロールできる」と見通しています。


 また医療計画の見直しに向けてCT・MRIなどの医療機器配置についても議論になっていますが(関連記事はこちら)、堺会長は、「例えば自分の家族が脳卒中で倒れた際、CTなどの配置がある病院と、ない病院があれば、誰しも前者を選ぶのではないか。CT・MRIの配置と医療の質の関係について、我々(病院団体)がデータを出さなければいけないと感じている」と指摘。ただし、具体的にどのようなデータを揃えるかについては「難しい。四病院団体協議会や日本病院団体協議会で検討することになるかもしれない」と述べるに止めています。

 さらにCT・MRI配置論議の裏には「医療費適正化」があるのではないかとし、高齢者医療確保法(高齢者の医療の確保に関する法律)に規定される「都道府県別の診療報酬設定の特例」(法第14条)の動きなどにも注意する必要があるとの考えを述べています。

地域医療構想の実現に向け、各地域が「大学へのデータ分析依頼」などの努力をすべき

 ところで、地域医療構想の策定が各都道府県で進められていますが、その進捗状況には大きな差があります。また構想を実現するための「地域医療調整会議」の設置・運営にも大きな地域格差が出ると見られています(関連記事はこちらとこちらとこちら)。

 この点について堺会長は、「例えば大阪府では、『医師会』『病院団体』『府』が合同で勉強会を開いたり、地域のデータを大阪大学に依頼して分析してもらったり、連携に向けた努力をしている。しかし地域によっては、『医師会』と『県』の仲は良いが、『病院団体』とはあまり上手くいっていないというところもある。連携に向けた努力が必要である。以前から述べているが、大学の医学部だけでなく『経営学部』などとも連携することを考えるべき」と強調します。

 さらに「2025年は先のことであると悠長なことを言っている人もいるが、最終的には医療計画と地域医療構想は一体化されるものであり、すでに医療計画の議論は始まっている。悠長に構えず、緊張感をもって議論していく必要がある」と訴えました。


 なお、青森県や岐阜県では地域医療構想の中に具体的な病院名を出して合併・統合に関する記述がなされており、実効性が高いと見られていますが、その一方で曖昧な記述にとどまっているところもあります(関連記事はこちら)。この点について堺会長は、「自治体病院の合併・統合構想については、首長や議会(とくに吸収・廃止される側)が反対するケースが少なくない。これは各都道府県で生じるのではないか」と見通し、こういう目的で地域住民のために機能分化・合併・統合を行っていくということを病院側もきちんと情報提供することが重要ではないかと述べています。



http://www.huffingtonpost.jp/yasushi-kawaguchi/japan-medical-hiv_b_11175000.html
日本の医療界は腐っているのか?~オプジーボの光と影 番外編
川口恭
『ロハス・メディカル』編集発行人、『ロバスト・ヘルス』編集長、(株)ロハスメディア代表取締役
投稿日: 2016年07月25日 17時04分 JST 更新: 5時間前 ハフィントンポスト

前回、日本はオプジーボに関する臨床試験件数が少なく、ドラッグ・ラグを招きかねないと指摘しました。少ない原因はいくつも挙げられるのですが、世界を唖然とさせるような日本の医療界の不祥事と、それがきちんと医療界内で自律的に処分されないことも、日本での試験実施を敬遠させることにつながってはいないでしょうか?

前回、「クリニカルトライアルズ・ガブ」で検索すると、オプジーボ(ニボルマブ)の臨床試験が全世界で200件ヒットする(5月25日現在)ことを、ご紹介しました。ちょうど1カ月後の6月25日に再検索したら207件ヒットしました。1カ月で7件増えたことになります。1件実施するのに何十億円単位で費用が必要なことを考えると、開発競争の激しさが、改めてよく分かると思います。

なお、地域別に見ると(重複あり)米国と欧州で5件、カナダ、中米、中東、ロシア東欧で1件増えている一方、日本では増えていません。世界との差は開く一方のわけです。そして、臨床試験を個別に見ていくことで、日本は単に試験数が少ないだけに留まらず、他国では当たり前に行われているベンチャー企業によるものや公的団体によるものが、全くないことも分かってきました。

そこで、今回はこの日本の特異的構造問題を指摘しようと考えていました。

ところが6月中旬、世界の医療史に刻まれるかもしれないド級の不正疑惑が日本の指導的立場の医師に発覚し、指導層がそういうものに手を染める医療界の体質があるとしたら、それは日本の試験件数が少ないことの原因となっているであろうし、ひいてはドラッグ・ラグを招いて社会に不利益を与えている可能性が高いのに、一般のメディアが全く報じない(記事校了直前になって極めて小さく報じるようになりました)ので、予定を変更、番外編として、そちらを扱うことにしました。

今号が出る段階で既に大騒ぎになっていたら、かなり間の抜けた文章になってしまいますが、後述するように2013年発覚のディオバン事件に関係した医師が1人も免許を剥奪されていないばかりか、中には栄進すらしている例もあり、そのことがメディアでも特に問題とされていないことを考えると、この疑惑に関してもウヤムヤになる可能性は高いと恐れています。ウヤムヤになってしまった場合、多くの日本人が知らないうちに世界の人々から軽蔑され、臨床試験を日本でパスする流れがさらに進んでしまう可能性もあります。

●ワクチン禍の捏造疑惑

疑惑の舞台になったのは、『ヒトパピローマウイルス感染症の予防接種後に生じた症状に関する厚生労働科学研究事業』です。長くて読むのがイヤになった人も多いと思いますが、単語を区切って読むと、HPVワクチン(子宮頸がんワクチン)を接種後、激しい体調不良に襲われた女子生徒たちが出たことを受けて、厚生労働省が委託した研究であると分かると思います。当然、その費用は公費で賄われました。

主任研究者は、池田修一氏(信州大学医学部脳神経内科、リウマチ・膠原病内科教授)と牛田享宏氏(愛知医科大学学際的痛みセンター教授)の2人(肩書はいずれも研究班としての表記)で、3月に「成果発表会」が行われています。池田氏は、単なる教授ではなく、信州大学の医学部長であり副学長でもありました。

この池田氏の発表会資料に、捏造疑惑が発覚したのです。スクープしたのは、6月20日に発売になった雑誌『Wedge』7月号で、医師資格を持つジャーナリスト村中璃子氏の記事でした。

発表資料59枚目に出てくるマウスを使った実験のスライド(http://robust-health.jp/article/images_thumbnail/2016/07/%E6%B1%A0%E7%94%B0%E7%8F%AD-570.php)に関して、池田氏の説明は虚偽だ、と村中氏は指摘しました。

スライドは、自己抗体があったら緑色に光るよう染めて撮った写真で、他のワクチン接種後のマウスの海馬(脳)は緑色に光らなかったけれども、HPVワクチン接種後のマウスでは緑色に光ったことを示しています。加えて文字でも「サーバリックス(筆者注・HPVワクチン)だけに自己抗体(IgG)沈着あり」と記しています。

自己抗体が沈着しているということは、その組織に対して免疫が攻撃を仕掛けていると考えられ、組織が破壊されても不思議はないことを意味します。脳の組織が破壊されたら、それは色々な不具合が起きることでしょう。発表資料を初めて見た際、私などは、「ああ、なるほど、激しい症状を示す人たちの脳で同じことが起きている可能性はあるな。やっぱりHPVワクチンは、他のワクチンとは違うんだな」と思ったものです。そんな報道をテレビや新聞で見たな、と思い出した方もいらっしゃることでしょう。

この発表には、色々な波及効果が予想されました。まず、生きている人の脳を切り出して抗体検査してみるわけにいかない以上、「ワクチン被害者」の脳でも同様に免疫が暴走している可能性を否定できなくなり、場所が脳だけに体のどこで何が起きても不思議はないので、被害認定・救済のハードルは下がると考えられました。

また、そのような免疫暴走を起こしてしまう体質・遺伝的要因を探索して発見することで、要因保持者をワクチンの接種対象から外せるようになり、社会全体としてはより安全にワクチンの利益を享受しやすくなるとも考えられました。

スライドで名を挙げられていたサーバリックスはイギリスに本拠を置く多国籍企業グラクソ・スミスクライン(GSK)の製品ですから、池田氏の発表内容は世界中に知れ渡っていたと考えられ、きちんと論文発表された暁には、世界が注目する画期的発見になるかもしれませんでした。

ところが、村中氏が報じるところによれば、このスライドが完全なデタラメというのです。

実験を担当した研究者から、他のワクチンでも緑色に光り、その写真を池田氏に渡したのに、発表スライドでは光らなかったことになっていた、との証言を引き出したと書いています。さらに、実はワクチンを接種したマウスの脳に自己抗体は沈着しておらず、別のマウスの脳切片に(抗体の入った)血清を振りかけただけ、との証言を得たとも書いています。

もし、この記事に書かれていることが本当なら、HPVワクチンだけ脳組織に悪影響を与える可能性があると見える池田氏の発表は、明らかに悪質な捏造です。

起きていないことを起きたことにしてしまうのが自然科学者として許されることでないのは当然として、「副反応」に苦しんでいる人たちの原因究明や治療法探索に誤った情報を与え妨害することになるので医師としての倫理にも反します。

厚労省から委託された研究のテーマが「子宮頸がんワクチン接種後の神経障害に関する治療法の確立と情報提供について」だったことも考え併せると、悪質さは一層際立ちます。提訴が予定されている「ワクチン被害者」たちによる民事訴訟への影響も甚大でしょう。

ここまで名指しで嫌疑をかけられた以上、池田氏は研究者生命・医師生命を賭けて反論するのが当然です。本当に発表のような実験結果を得ていたのだとしたら、証拠はいくらでも残っているでしょうから、記事が言いがかりだと示すこと自体は簡単なはずです。村中氏を名誉棄損で訴えることもできます。

しかし、なぜかそのような動きは聞こえてきません。記事が正しいので反論できず、むしろ騒がずにいることで世間が忘れるのを期待しているのでないか、という疑念を抱かせます。

●鈍い医療界の反応

前述のようにGSKのワクチンを名指しした以上、この疑惑は既に世界中に知れ渡っており、どのように決着するのか大いに注目されていると考えるべきです。

それなのに、研究の費用を出した厚労省、自浄作用を発揮すべき医療界の動きは鈍いのです。先ほど述べたように、記事のシロクロを付けるのは簡単なはずで、もしクロなら言語道断で直ちに処分が必要です。しかし、記事が出て10日経ってから、ようやく信州大学で学内調査を行う方向が出たというノロノロぶりです。

この自律的行動の鈍さを、どのように解釈したらよいのでしょう?

まずあり得るのは、医療界の多くの人間が、大した事案だと考えていないということです。

実際、ディオバン事件では、ノバルティス日本法人幹部が放逐され元社員は刑事被告人となった一方、事件の舞台の一つとなった千葉大で研究の責任者だった現・東京大教授が、この6月から日本循環器学会のトップである代表理事に就任しています。「あの程度は大した事案でない」と医療界の多くの人が考えているのでしょう。患者を対象とした臨床試験での不正ですら、こんな受け取り方なのですから、マウス実験くらいで大げさなという人は少なくないのかもしれません。

しかしHPVワクチンを巡って激しい論争が起きている現実がある以上、世の中の普通の人の感覚では、明らかに重大な不正です。それに対して自律的行動が鈍いことは、医療界の多くの人間ができるだけ事を荒立てたくないと考えているから、という解釈が成り立ってしまいます。

私個人としては、単純に面倒なことに関わりたくない人が多いためだろうと考えていますが、邪推しようと思えば、日本の医療界では患者に影響を与えるような研究不正が当たり前に行われていて、変に突っつくと自分にも返ってくる人が多いから荒立てたくないに違いない、と考えることも可能です。

そう邪推できることが、臨床試験件数の少なさの原因になります。企業からすると、試験自体に巨額の投資が必要で、しかも成功確率が高くないわけですから、不確定なリスク要因はできるだけ排除しておくのが当然の危機管理です。日本に研究不正が蔓延している可能性を否定できない以上、他に代わりがない場合以外は、別の国で臨床試験を実施した方が安全です。万一、試験が無効になったら大損害だからです。

現時点で「他に代わりがない」は、日本で承認を得るのに必要な場合に限られ、それは日本で確実に儲かるとの見通しが立つ場合に限られます。つまり、日本の医療界で研究不正が蔓延しているのでないかという世界から抱かれている疑念を払拭しない限り、ドラッグ・ラグや高い薬価となって患者や社会にツケが回されてくるのです。

●メディアはどうする?

なお、3月に池田氏の発表を大々的に報じたメディアには、事実関係を検証して、結果的にせよ間違った報道をしてしまっていたなら、訂正する責務があるはずですが、その動きがまた極めて鈍いのです。

メディアや記者に主義主張があるのは当然としても、「事実」を伝えるのは最低限死守すべきラインで、「事実を伝えない」と受け手に見限られてしまった時、異なる主張や立場の人々をつなぐことができなくなり、同人誌・放送と化すので、どうするのか要注目です。

もしきちんと対応しないなら、日本のメディアの偏りもまた臨床試験件数を減らす方向に働くでしょうし、ドラッグ・ラグや高い薬価の原因の一つと言えるのでしょう。

(2016年7月25日「MRIC by 医療ガバナンス学会」より転載)



https://news.nifty.com/article/economy/stock/12204-11715/
埼玉で2つの総合病院を経営していた埼玉県厚生農業(協組連)が破産開始決定
2016年07月25日 12時35分 東京商工リサーチ

 埼玉県厚生農業(協組連)(TSR企業コード:310147328、法人番号:1030005013002、熊谷市末広1-62、設立昭和23年10月、出資総額18億4230万円、代表清算人:五月女直樹氏)は7月22日、東京地裁に破産を申請し同日、破産開始決定を受けた。破産管財人には永沢徹弁護士(永沢総合法律事務所、東京都中央区日本橋3-3-4、電話03-3273-1800)が選任された。

 負債総額は約64億6800万円。

 昭和9年12月に2町11村による広域医療組合病院として埼玉県幸手市で発足。その後、23年10月に埼玉県内の農協などから出資を得て設立された。熊谷総合病院(埼玉県熊谷市)および久喜総合病院を(埼玉県久喜市)を運営してきたが、近年は業績低迷に陥っていた。さらに、過去に行った病院新築などの設備負担などが重くのしかかり、医師の確保も難しくなってきたことで再建の見通しが立たない状況となっていた。このため、それぞれの病院を売却し、平成28年6月30日総会の決議により解散し、今回の措置となった。
 なお、両病院はそれぞれ別法人のもとで経営を続けている。



http://www.saitama-np.co.jp/news/2016/07/26/05.html
JA埼玉厚生連が破産 負債65億円…設備投資重く、医師確保が困難
2016年7月25日(月) 埼玉新聞

 帝国データバンク大宮支店は25日、総合病院経営の埼玉県厚生農業協同組合連合会(熊谷市、JA埼玉厚生連=代表清算人五月女直樹氏)が22日に東京地裁に破産を申請し、同日付で破産手続き開始決定を受けたと発表した。負債は約65億3300万円。

 1934年12月創業の医療利用組合病院が前身で、48年10月に農協系の病院として設立。かつては熊谷総合病院と幸手総合病院の2病院を経営し、地域の中核的な病院としての役割を果たしていた。2011年に幸手総合病院を閉鎖し、新たに久喜総合病院を開業。13年には熊谷総合病院の設備を拡充するなど、業容拡大に努めた。

 しかし、設備投資負担が重く、医師の確保も困難となり、次第に業績が悪化。14年3月期は年収入高約110億円を確保したものの、約14億8600万円の最終赤字に陥った。再建の見通しが立たなくなり、両病院の売却を決定。16年6月30日には総会の決議により解散し、清算手続きを進めていた。

 熊谷総合病院は社会医療法人北斗(北海道帯広市)が経営支援し、新たに設立された医療法人熊谷総合病院が運営。久喜総合病院は一般社団法人巨樹の会(佐賀県武雄市)へ売却した。

 帝国データバンク大宮支店は「両病院ともに新体制下での運営がスタートしており、地域医療に影響が出ることはない」とみている。



https://www.m3.com/news/general/444194?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD160725&dcf_doctor=true&mc.l=168898614&eml=3f492a08f1681d66441569ec02c0b51e
法律変わったのに「雇い止め」? 東北大、非正規の契約更新5年上限
2016年7月25日 (月) 朝日新聞

 東北大学で有期契約で働く約3千人の非正規職員が今後順次、契約を更新されない「雇い止め」になりかねない事態になっている。改正労働契約法で、契約更新の期間が5年を超えると働き手が無期契約を求めることができるようになり、大学側が契約更新の規定を見直したためだ。非正規職員の労働組合は「希望する全員を無期雇用に転換すべきだ」と主張している。

 東北大で事務をする40代の女性職員は今年初め、上司との面談で、契約を打ち切る「雇い止め」の方針を伝えられた。1年契約で、2011年から更新を続けてきた。上司からは早めの退職を求められ、断ったが、3月には契約更新の上限を「18年3月まで」とする契約書を渡された。

 「頼れる家族もおらず、雇い止めをされたら生活が成り立たない。転職も年齢的に厳しくなっている」と話す。

 東北大は14年3月に就業規則を改定し、准職員や時間給職員について、契約更新の上限を従来の3年から5年にした。規則は13年4月の改正労働契約法の施行時にさかのぼって適用される。契約更新されない職員が18年4月以降出始める。

 改正労働契約法の「5年ルール」=キーワード=では、有期契約の働き手は、通算5年を超えて働く場合、希望すれば無期契約に転換できる。東北大では規則改定で、無期契約への転換はできなくなる。

 規則改定の対象は、04年の国立大学法人化後に雇われた約3200人。ただ、講義を担当する非常勤講師は対象にならない。

 これに対し、東北地方の大学などの非正規職員らでつくる東北非正規教職員組合は6月の団体交渉で、雇用の安定をめざす改正労働契約法と「趣旨が全く違う」と東北大を批判した。

 大学側は改定は働く側に有利な内容だとする。以前の上限3年から、5年に延びたためだ。一方、組合側は、これまでの3年上限の運用は厳密ではなく、3年超働いている人が相当数いると主張する。

 東北大の山田純司・人事給与課長は「人件費確保が難しいため」と説明する。大学運営の財源は、国の交付金や授業料など安定財源以外に、特定目的のプロジェクト向けの補助金などもある。こうした補助金などで雇われる人は3200人の約半分ほどで、「資金が切れる可能性があるので、一律に無期転換することはできない」という。

 大学は「能力が極めて優れた者」などは無期雇用にする例外措置を設けることを明らかにしている。ただ、対象者の人数は明らかにしていない。組合側は「対象者は極めて少ないだろう」とみている。

 ■非常勤講師に適用の大学も

 他の大学では、有期雇用の非常勤講師で、契約更新に5年や10年の上限を設ける動きがある。10年の場合があるのは、大学などの研究者や教員は、無期転換権の発生が10年超という例外扱いがあるためだとみられる。

 早稲田大学は13年3月、5年を上限とする規定にした。その後、非常勤講師を組織する労働組合の抗議を受けて修正。14年4月以降に採用された講師について10年の上限を設けた。

 同志社大学では、今年3月までに契約している非常勤講師が引き続き更新して10年を超えた場合に無期雇用に転換する方針だ。今年度の採用からは10年を上限とした。

 立命館大学は今年4月に非常勤講師制度を廃止し、「授業担当講師」という新制度にした。従来の講師は無期にしていく方針だが、新制度の講師は5年の上限がある。

 (小宮山亮磨、編集委員・沢路毅彦)

 ■人材確保に望ましくない 毛塚勝利・法政大学大学院客員教授

 無期契約はもともと合理的理由があればいつでも解約できるものだ。大学の非常勤講師の多くは、継続的に授業を担当することが予定されているのだから、一般的には無期契約で対応すればよい。

 外部資金によるプロジェクト研究では、5年を超える長期のものは無期契約で対応し、解約事由として、プロジェクトの終了や資金の継続が期待できないことなどを定めておけばよい。

 形式的に5年や10年の契約更新の上限を設定したりすることは、働くものにとってだけでなく、人材確保のうえで大学にとっても望ましいものとは思われない。(談)

 ◆キーワード

 <改正労働契約法の「5年ルール」> 有期雇用の人の契約更新が通算5年を超えると、無期雇用への転換を求めることができる。いつ「雇い止め」になるかわからない非正社員の不安定な雇用を解消するためのルール。民主党政権時代の2012年8月に成立した改正労働契約法に盛り込まれ、13年4月施行された。18年4月から順次、無期雇用に転換できる。

朝日新聞デジタルselect



http://www.nishinippon.co.jp/nnp/f_kitakyushu_keichiku/article/261426
産業医大病院で仕事体験 中学生が模擬採血や検査 [福岡県]
2016年07月26日00時32分 (更新 07月26日 01時27分) 西日本新聞

 中学生が臨床検査技師などの仕事を体験するセミナーが、八幡西区医生ケ丘の産業医科大学病院であり、同区を中心に1~3年生19人が参加した。地域医療の担い手が不足する中、若者に医療への関心を高めてもらおうと、同病院と診断薬メーカー「アボットジャパン」(東京)が昨年に続いて企画した。

 9日のセミナーで中学生たちは臨床検査技師と看護師の指導を受けながら、手洗い後に自分の手に紫外線を当てて菌をチェックする細菌検査や、訓練用の模擬腕と注射器を使った採血などに取り組んだ。

 看護師の仕事に興味があるという同区の黒崎中3年(14)は「きちんと手順を踏まないと患者さんに迷惑が掛かるので大変だが、やりがいもありそう」と真剣なまなざしだった。



http://www.yomiuri.co.jp/local/kumamoto/news/20160725-OYTNT50141.html
新市民病院 7診療科減 熊本市有識者懇談会に方針
2016年07月26日 読売新聞

 熊本地震で病棟が損壊し、移転新築を目指している熊本市民病院(熊本市東区、556床)は25日、再建に向けた市の有識者懇談会(座長=松田晋哉・産業医科大教授)で、診療科の統廃合によって新病院は現在より7科少ない27診療科、約380床とする方針を明らかにした。

 病院によると、周産期医療、救急医療を2本柱として診療科を再編。消化器外科や呼吸器外科を「外科」に統合するなどして6科減らし、歯科口腔外科と心臓血管外科は廃止する。一方で、救急医療体制の強化と総合的診療体制の充実のため、「救急・総合診療科」を新設する。

 診療科の減少に伴い、医師数などが削減される見通しで、次回までに診療科ごとの病床数を提示するよう、委員から要望があった。

 市は新病院の基本方針を8月下旬までに決め、9月までに基本計画を策定。2018年度中の開院を目指している。



http://www.asahi.com/articles/ASJ7T7VTCJ7TUBQU00G.html
来年度対応の報告求める 新専門医制度開始延期で 機構
寺崎省子
2016年7月26日00時23分 朝日新聞

 新しい専門医制度で第三者機関として養成プログラムの認定などを行う日本専門医機構(東京・丸の内)の社員総会が25日、東京都内で開かれ、新制度による専門医の養成開始を1年延期し、来年4月をめどに始めるなど理事会の決定事項が報告された。基本領域の18学会に対しては、来年度の専門医養成についての対応を、7月中に各都道府県との協議会に報告するよう求めるという。

 総会後に会見した吉村博邦理事長によると、報告したのは、1年延期のほか、来年度は総合診療医をのぞく18の基本領域は各学会で責任をもって制度を運用してもらう ▽準備していた新プログラムで暫定実施する場合は、地域医療への工夫を各学会に求める ▽総合診療医は来年度は暫定実施を早急に検討するなどの計4項目。

 18の基本領域の関係学会には、できれば来年度は従来の方法で専門医を養成してもらう。機構と準備を進めていた学会が、新プログラムでの暫定実施を希望する場合は、例えば地域の募集定員を実績の1・2倍にしたり、指導医の基準を緩和してより多くの病院が研修を担う「病院群」に参加出来るようにしたりなどの地域医療への対応策を講じてもらう。

 18学会に対しては、7月中に都道府県との協議会へ報告を求め、8月上旬には機構などにも報告してもらい、学会と機構でも話し合う。

 こうした協議を進める背景には、新専門医制度が実施されれば、地域や診療科の偏在が拡大するとの懸念がある。19の基本領域の募集定数(計1万9千人弱)に対し、初期研修2年目の医師は9千人弱と約2倍の開きがあり、何の制約もなければ、医師が大都市や特定の診療科に集中する可能性があると指摘されているからだ。

 また、複数の病気を抱えるお年寄りらに幅広く対応できる総合診療医の正式な養成は18年度から始まる予定。来年度は暫定実施とし、機構が作ってきたプログラムを踏まえて新しい方策を考案。卒業後に一定期間、その地方で診療する「地域枠」の医師や病院に勤務する総合診療医をどうするかなども合わせて関連学会などと検討する。

 一方、新制度では2年間の初期臨床研修を終えた医師は、専攻医として外科や内科、総合診療など19の基本領域のいずれか一つで原則3年の研修を重ね、専門医となる。さらに専門性が高い領域(サブスペシャルティ領域)でも専門医を取れる2段階制が基本だ。専門医の認定は、機構と学会からそれぞれ受ける。

 ただし専門分野は、対象となる分野も含め「十分な議論がされていない」(学会関係者)。学会によっては基本領域を学びつつ専門分野の研修も始められるような体制を望む声もあるといい、来夏までに、特に内科や外科、がん、総合診療について基本領域と専門分野の兼ね合いも各学会と協議するという。

 機構は、人口動態や疾病構造の変化などに対応した将来の専門医制度のあり方を2~3年かけて模索するため、9月以降、調査を始めることも明らかにした。



http://www.asahi.com/articles/ASJ7T74SHJ7TUBQU009.html
抗てんかん薬を多量投与、40代女性死亡 東京女子医大
2016年7月25日21時35分 朝日新聞

 東京女子医科大病院(東京都新宿区)で2014年、脳腫瘍(しゅよう)の女性が添付文書に記載された量を大幅に上回る抗てんかん薬を投与され、副作用で死亡していたことが遺族への取材でわかった。

 亡くなったのは川崎市の長浜裕美さん(当時43)。代理人の安東宏三弁護士によると、長浜さんは14年7月、脳腫瘍が再発した疑いがあると診断された。翌月にけいれん発作を起こしたため、これまでの抗てんかん薬に加え、別の抗てんかん薬ラミクタールを1日200ミリグラム処方された。重い皮膚障害の「中毒性表皮壊死(えし)症」の症状が出て、追加投与は約2週間で中止されたが、死亡した。

 ラミクタールの添付文書では、別の薬と併用する際の投与量は最初の2週間が1日おきに25ミリグラムと記載。用法・用量を超えた投与は皮膚障害の危険が高まるとしている。

 病院の依頼で調査した「日本医療安全調査機構」の報告書では、「最良の選択肢とは言い難い。選択するのであれば、リスクなどについて本人と家族に十分に説明し同意を得ることが望ましい」と指摘している。また、薬剤師から処方量の確認があったが、変更されなかったという。

 夫の明雄さん(41)は「副作用の説明は受けていない」と主張。病院側からは「副作用は事前に説明した。死亡したのは体質の問題が大きい」との見解を伝えられたという。

 東京女子医大広報室は「双方の弁護士間で折衝中であり、コメントを控えさせていただく」としている。



https://www.m3.com/news/general/444116
薬16倍投与、女性死亡 ミス否定 14年 東京女子医大病院
2016年7月25日 (月) 毎日新聞社

 東京女子医科大病院(東京都新宿区)で2014年、脳腫瘍の女性が添付文書に書かれた量の16倍の抗てんかん薬を投与され、その後に重い副作用を起こし死亡していたことが分かった。病院の依頼で調査した第三者機関は、薬の投与を「標準的な医療と言えない」と指摘したが、病院側は「患者側の希望を考慮して決めた」と過失を否定。遺族は「副作用の説明は全くなかった」と反論している。

 同病院では、この約半年前にも原則禁止の鎮静剤投与で幼児が死亡する事故が起き、特定機能病院の承認取り消しにつながった。院内で医薬品の不適正使用が問題化していた中で、用法・用量を逸脱した処方が行われていたことになる。

 亡くなったのは、川崎市の長浜裕美さん(当時43歳)。14年7月に同病院で脳腫瘍の再発の疑いと診断され、手術のための入院前の8月、けいれん発作を起こして錠剤の抗てんかん薬「ラミクタール」(一般名ラモトリギン)を処方された。その結果、全身の皮膚に障害が起こる中毒性表皮壊死(えし)症(TEN)を発症し、投与開始約3週間後に肺出血などを併発して死亡した。

 ラミクタールの添付文書では、別の薬も飲んでいた今回のようなケースの投与量を「2週目まで25ミリグラムを1日おき」(1日当たり12・5ミリグラム)と定め、用法・用量を超えた投与は皮膚障害が出やすくなると注意している。しかし、医療関連死の調査モデル事業としてこの件を調べた「日本医療安全調査機構」の報告書によると、担当医は16倍に当たる1日200ミリグラムを連日投与。院外薬局から量が正しいのか照会があったが、見直さなかった。

 報告書はラミクタールによるTEN発症が死因とした上で、今回の処方を「最良の選択肢とは言い難く、あえて選択するなら必要性やリスクを本人や家族に十分に説明して同意を得るのが望ましい」と指摘した。

 病院側は「患者が手術前に趣味のサンバ大会への参加を望んだため、確実な効果を期待した。リスクは話している」と主張し、代理人を通して遺族に「法的非難を受ける理由はない」との見解を伝えた。

 これに対し、遺族側代理人の安東宏三弁護士は「副作用の説明はなく、あれば処方を受けなかった」と訴える。報告書はこの点の結論を出していない。同大広報室は毎日新聞の取材に「弁護士で折衝中の事案で、コメントは控える」と回答した。【桐野耕一、伊藤直孝】

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 ■ことば

 ◇禁止鎮静剤投与事故

 2014年2月、東京女子医大病院で人工呼吸中の小児には投与してはいけない「禁忌」とされている鎮静剤「プロポフォール」を大量に投与された2歳男児が、副作用とみられる症状で死亡した。安全管理体制の不備を重く見た厚生労働省は15年6月、高度医療の提供により診療報酬が優遇される特定機能病院の承認を取り消した。



https://www.m3.com/news/general/444118
東京女子医大 過量投薬 遺族「リスク説明ない」 病院側「本人の希望」
2016年7月25日 (月) 毎日新聞社

 薬の不適正使用が問題となっていた東京女子医大病院(東京都新宿区)で、過量投与による死亡事故が起きていたことが発覚した。亡くなった川崎市の長浜裕美さん(当時43歳)の遺族は「病院側は薬の処方を家族や本人のせいにして、再発防止のスタートラインにすら立っていない。このままではまた同じことが起きるのでは」と不信感を募らせている。【銭場裕司】

 裕美さんの脳腫瘍の再発が判明したのは2014年夏だった。趣味のサンバの大会に8月下旬に出場した後、9月に手術を受けることが8月19日に決まった。

 その翌日、病院側は裕美さんがけいれん発作を起こしたことを踏まえ、抗てんかん薬「ラミクタール」の使用を決定。短期間に薬効を高めるためとして本来の16倍に当たる量を処方した。「量がかなり多い」として薬局から問い合わせを受けても対応を変えず、同じ量の処方が続いた。

 裕美さんは顔などの表皮がはがれる中毒性表皮壊死(えし)症(TEN)を発症。9月9日に亡くなった。遺族によると、死後に主治医から「量が多いことで(TEN発症の)可能性が増すことは確かだが、体質の問題の方が大きい」と説明された。

 だが、夫の明雄さん(41)はネットで見つけた薬の添付文書を読んで言葉を失った。「投与でTENなどの重篤な皮膚障害があらわれることがある」として用法・用量を守るように「警告」していたからだ。

 「添付文書の内容はまさに裕美の身に起きたこと。一番守るべき基本を無視しておいて、どうして体質の問題なのか」。病院側はサンバの大会に参加するという本人の強い希望などを踏まえて処方をしたと説明するが、明雄さんは「薬のリスクの説明は全く受けていない。死ぬような危険性がある処方をやってくれと言うはずがない」と断言する。

 病院側が投薬を中止したのは9月1日。明雄さんの記録によると、8月30日時点で「39度程度」の高熱があったが、病院側の記録は「36度台」だった。事故を調査した日本医療安全調査機構は「病院から提出された診療録から事実確認できない」とした。「病院側の資料だけで判断されれば、どうしようもない。遺族は圧倒的に不利な立場にある」

 裕美さんの最後の言葉は「頑張ります」。「皮膚がはがれ外見がボロボロになり、痛みと絶望の中で死なせたことが本当に悔しい。同じ問題が繰り返されないために、世の中に本当のことを知ってもらいたい」。それが明雄さんの思いだ。

 ◇半年前2歳児も

 東京女子医大病院では今回の事故の約半年前の2014年2月、人工呼吸中の小児への投与が原則禁止の鎮静剤「プロポフォール」を大量投与された2歳男児が死亡し、6月に理事長名で病院全体の改善を誓うコメントが出たばかりだった。二つの事故は、添付文書を逸脱した薬剤投与だった点、現場の連携が取れていなかった点で共通する。

 男児死亡事故では、同病院の外部有識者による調査委員会が昨年2月の報告書で、複数の医師や薬剤師が小児への原則禁止を知らなかったのに加え、薬剤師が投与量を疑問に思い医師に照会したのに、医師側にその認識がなく記録も残っていなかったと指摘。「医師の裁量を過大評価し、添付文書を確認する文化も極めて希薄だ」と結論付けた。

 今回の事故でも院外薬局の照会が反映されず副作用につながったため、第三者機関から「医師にはより謙虚な姿勢が求められる」と指摘されている。男児の父親は「医薬品の安全使用に対する認識も、薬剤師と連携していない体制も、息子の時と全く同じだ。息子の事故後も、病院の安全意識は変わっていない」と憤る。

 男児死亡事故を巡っては、警視庁が業務上過失致死容疑で捜査している。【桐野耕一】



https://www.m3.com/news/general/444255
在宅支援診療所3割空白 552市町村、厚労省集計
2016年7月25日 (月) 共同通信社

 全国の自治体のうち3割に当たる552市町村では、昨年3月末現在、病気や高齢のため自宅で過ごす患者を医師らが訪問して治療する「在宅療養支援診療所」(在支診)がないことが、厚生労働省の集計で分かった。

 国の調査では国民の半数以上は「自宅で最期を迎えたい」と考えているが、在宅療養を支える基盤が整っていない現状が浮かび上がった。自宅で亡くなる人の割合に自治体間で大きな差があることが判明しており、こうした医療提供体制のばらつきが一因とみられる。

 在支診は24時間往診できることなどが要件で、全国に1万4320カ所。一般診療所は全国に約10万カ所あり、在支診の割合は全体としてもまだ低い。

 在支診のない自治体の9割は町村部で、近隣市の在支診がカバーしている可能性もあるが、市部でも55市にはなかった。北海道と東北で552市町村の半数余りを占めており、在支診の数は西高東低の傾向がある。

 厚労省の担当者は「北海道、東北は積雪や山間地が多いなど気候・地理的要因から在宅医療があまり普及していない。西日本は病院を含め医療資源が多い」としている。

 みとりの取り組みには在支診の中でも濃淡があり、4割程度は年間に1件もみとりを実施していないとみられる。患者が最期まで住み慣れた場所で暮らせるよう、厚労省は「在宅みとり」を広げていきたい考えだ。


  1. 2016/07/26(火) 05:51:17|
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7月24日 

http://www.asahi.com/articles/ASJ7S2DDYJ7SUBQU005.html?iref=com_apitop
脳死判定できる医師のリスト整備 日本移植学会など
阿部彰芳
2016年7月24日07時31分 朝日新聞

 脳死の人や家族が臓器提供を望んでも、脳死判定に対応できる医師の不足で、意思を生かせない事例を減らすため、日本移植学会などでつくる協議会は、派遣可能な判定医のリストをまとめた。医療施設を超えて、臓器提供の機会を増やすことが狙い。

 23日の会合で報告した。臓器提供に伴う脳死判定は、回復の可能性がなく、家族も提供を希望する場合、臓器移植法に基づいて脳波や呼吸が止まっているかなどを2回繰り返して調べる。脳死の十分な診療経験と一定の資格を持つ医師2人以上が当たる。

 臓器提供は制度上、大学病院など約900施設で可能だが、脳死判定には半日ほどかかり、通常の診療に影響も出る。施設によっては判定医の確保が難しく、提供の意思を生かせないことがあることから、厚生労働省は昨年、2人目の判定医は、事前に非常勤契約などをしていれば、外部の医師でもよいと認めた。

 日本移植学会や日本救急医学会など移植医療に関わる54団体でつくる協議会が作ったリストには、判定医の要件を満たし、職場で派遣の許可を得た36都道府県の278人を掲載。人手不足の施設でも近隣の施設と連携して、提供体制がとれるように活用してもらう。

 リスト作成をとりまとめた横田裕行・日本医科大教授は「判定医の支援があれば、臓器を提供できるという施設は増えていくのではないか」と話している。

 2013年に内閣府が3千人を対象にした調査によると、脳死と判定された場合、43・1%が臓器を「提供したい」または「どちらかといえば提供したい」と回答。一方、家族の同意だけで提供できるようになった10年以降も提供は年40~50件台で、先進国で最少の水準。法的脳死判定前の「脳死とされうる状態」から臓器摘出までに平均60時間以上かかっており、同協議会は、医療施設の人的、時間的な負担が提供が増えない一因としている。



http://univ-journal.jp/8708/
現役外科医の指導で手術体験「ブラック・ジャックセミナー」開催 横浜市立大学
2016年7月24日 大学ジャーナルオンライン編集部

 横浜市立大学附属病院は、理系フェスタの一環として、外科医体験「ブラック・ジャックセミナー」を、2016年7月30日に開催する。小・中学生が対象のイベントで、体験プロムラムを通して医療への興味を深めてもらう。

 理科離れが続く中、文部科学省は2017年度から「Jr.ドクター育成塾」の事業化を予定するなど、科学や数学に強い人材を育成する機運が高まっている。理系フェスタは理系分野への興味・親近感の喚起を図るのが狙いで、「医学編」「植物編」「科学編」の3分野同時開催となる。

 医学編の「ブラック・ジャックセミナー」は小・中学生が対象で、横浜市立大学附属病院の現役外科医が直接指導にあたる。同附属病院のシミュレーションセンターには本物の手術器械が完備されており、テレビドラマや映画で目にする外科手術を体験してもらう。さらに、胃内視鏡検査や心肺停止患者の救命処置などの体験プログラムも用意している。定員は42名で、セミナー終了後には参加者全員に修了証が授与される。



http://www.miyakomainichi.com/2016/07/91033/
医師の仕事を体験/徳洲会病院
ジュニアドクターセミナー

2016年7月24日(日) 9:03 宮古毎日新聞

 宮古島徳洲会病院(増成秀樹院長)は23日、第7回宮古島ジュニアドクター体験セミナーを開催した。将来医師を志す中学生12人(男子2人、女子10人)が救急・内視鏡・手術室の3部門の仕事を摸擬体験し、医療現場について理解を深めた。

 開会式で、増成院長は「医者になって20年、宮古島に赴任して年。高校2年生の時に医師を志した。全医師が内地からの医師で、宮古島徳洲会病院をずっと続けて行くためには宮古島の人が医者になることが、これから必要になってくる」と述べた。

 その上で「きょうは皆さんの夢の手助けになればと思っている。第1回の体験セミナーに参加した生徒が、琉球大学医学部へ進学した。非日常的なことなので緊張を持って楽しんでください」と激励した。

 生徒たちは、三つの部門に分かれ、医師や看護師の指導を受けた。このうち、救急部門では、斉藤憲人医師から分かりやすい指導を受けて体験した。心臓が止まって倒れている人を助けることを想定。実際に人形を使って心臓マッサージや人工呼吸などの心肺蘇生法や自動体外式除細動器(AED)の使用方法を学んだ。

 閉会式では12人に修了証書が授与され、生徒たちは晴れ晴れとした表情を見せていた。



https://www.m3.com/news/iryoishin/444109
シリーズ: 始動する“医療事故調”
「患者死亡」、教訓を生かす取り組み活発化
“事故調”セミナー、制度開始を機に医療安全への機運高まる

2016年7月24日 (日) 橋本佳子(m3.com編集長)

 7月23日に都内で開催されたセミナー、「医療事故調査制度の手直し強化措置への対策 さらなる医療安全管理の向上を目指して」で、4施設の医療機関の取り組みが紹介され、2015年10月の医療事故調査制度の開始を機に、全死亡事例を把握し、同制度の報告対象以外の事例検討も行うなど、報告事例の調査を通じた再発防止策の検討に留まらず、同制度が広く医療安全向上につながっている現状が明らかになった。

 衆議院議員で、前厚生労働省大臣政務官の橋本岳氏も、セミナーの講師の一人として登壇。「医療事故調査制度がうまく運用され、そこから派生してさまざま医療安全の取り組みが活発化すれば、国民の医療に対する安心感、信頼感が生まれる」と各医療機関の取り組みに期待を込めた。

 一方で、死亡事例発生から、第三者機関である医療事故調査・支援センターへの報告、センターでの再発防止策の検討までの全体のフローは、厚生労働省から示されているものの、死亡事例をどんなタイミングで検討し、報告や遺族への説明につなげるかなどの細かな流れについては各医療機関次第であるなど、試行錯誤が続く現実も示された。

 高松赤十字病院(高松市)副院長の西村和修氏は、オカレンススクリーニング・レポート制度による問題事例を網羅的に効率よく把握する仕組みに加えて、2015年7月から院内症例検討会(M&M;Mortality and Morbidity)を開始した自院の取り組みを紹介。「医療事故調査制度は、各医療機関が医療安全推進体制を再考する良い機会となった」と述べ、本制度で報告対象となる死亡症例だけでなく、より幅広い問題症例を検討し、医療安全につなげる必要性を指摘した。

 総合大雄会病院(愛知県一宮市)副院長の鈴木照氏も、医療事故調査・支援センターへの報告事例は、「医療事故調査委員会」で調査するものの、それ以外の死亡症例についても「事例検証委員会」や「死亡症例検討会」で検討し、そこから得た知見を基に、医療安全につなげている取り組みを紹介。「要は、どんなシステムを作っても、どんな人間が運用するかにかかっている」と述べ、医療安全における人材育成の重要も強調した。

 医療事故調査・支援センターへの報告対象か否かの判断は、各医療機関ともに、院内に「事故判定委員会」などを設置して、複数の医師らの合議で決定している。それを通じて、診療科を超えたコミュニケーションが活発化するメリットが生まれ、板橋中央総合病院(東京都板橋区)では、「死亡した後では、時既に遅し」との発想から、医師や看護師らがチームを構成して、重症化しつつある患者への早期介入を行うという、RRS (Rapid Response System)を開始した。

 医療事故調査制度の報告対象の事例は、診療所など小規模の施設では遭遇する機会は稀だ(『“事故調”、報告や院内調査のバラツキ問題視』を参照)。しかし、岡山県倉敷市で2カ所の有床診療所などを経営する、医療法人福寿会では、院内事故調査の実施に備えて、Ai(死亡時画像診断)を専門に行うセンター、および県外の大学の法医学教室と業務委託契約を結び、Aiと解剖を行う体制を整えた。「クリニックでも、いざという時にしっかり動け、自分たちで調査ができる体制を作るのが目的」(理事長の秋山正史氏)。

 一方で、各医療機関とも、医療事故調査制度の報告をめぐっては、悩みを抱える。フロアからは、「いったいどの時点で、事故報告の対象か否かを検討することになるのか」との質問が出た。患者の死亡直後ではなく、後日、死亡症例をまとめて検討し、「報告の対象」と判断した場合、その時点で遺族に説明すると「不要な誤解を招きやすい」との懸念がある。

 西村氏は、「オカレンススクリーニング」の重要性を説明。例えば入院であれば「入院計画日数の大幅な延長」など、診療過程で重大な転帰に至りそうな事例を、医療安全推進室に報告してもらうことにより、報告事例か否かの検討対象につなげやすくなる。「医療機関にとって重要なのは、死亡事例が発生した場合、事故かどうかの判断、支援団体への相談、センターへの報告、遺族への説明をいつの時点で行えばいいのかという点。この辺りについて、少し詳しくマニュアル化する必要がある」(西村氏)。

 弁護士の井上清成氏は、例えば死亡事例をまとめて毎月検証するような場合、その時点で「問題があった」といった話は遺族にしにくい現実はあると認め、この6月の医療事故調査制度の改正をうまく利用する案を紹介。「医療事故調査制度で、全ての死亡症例を一元的にチェックすることが求められるようになった。厚生労働省の指導に従い、当院でも院内の症例について検討することになる。場合によっては、検討した結果、何らかの問題が分かることもあり得る」といった趣旨を、あらかじめ遺族に断っておくという方法だ。

 「全死亡事例の把握」は、6月24日の医療事故調査制度の改正に伴い、各医療機関での取り組みが必要になった(『医療事故調査制度、一部改正で省令・通知』を参照)。セミナーに登壇した各病院は、それに先んじて取り組んでいる。ただ、人員的な問題もあり、日々実施するのは難しい容易ではないようだ。

 「医療事故に該当するかの判断」は法律準拠で

 セミナーの主催は、新社会システム総合研究所、井上氏がモデレーターを務めた。

 橋本議員は、自民党・医療事故調査制度の見直し等に関するワーキングチーム委員として、今年6月の本制度の見直しの議論に参加。さまざまな議論があったものの、制度開始から間もないこともあり、「今の制度をもう少し継続する、というのが自民党のスタンス」と説明した。

 6月の制度改正の柱の一つが、「医療事故に該当するかの判断」や「院内調査の方法」などの標準化。橋本議員は、医療の不確実性を踏まえ、「判断の標準化は、両刃の剣だと思う。さまざまな症例がある中で、どこまで標準化ができるのか。恐らく簡単に結論が出る問題ではないだろう」と述べつつも、「法律に基づく判断」という視点では、標準化が必要だとした。

 異状死体の届出を定めた医師法21条に関しては、診療関連死が、届出対象となる判例が確立している状況などを踏まえ、「改正が必要というのが、自民党のコンセンサス。しかし、どう改正するかについてはコンセンサスになっていない」と橋本議員。21条のみを改正するか、あるいは業務上過失致死罪と併せて議論すべきかという二つの意見がある。「私見」と断り、橋本議員は、「手術などで死亡した場合に、業務上過失致死罪に果たして当たるのか。例外的な取り扱いを考えることはできないのか」と問いかけ、21条だけでなく、医療行為と刑事責任との関係も併せて議論すべきとした。ただし、「刑法の改正には、国民的な議論が必要」(橋本議員)。

 3病院の取り組みの骨子は以下の通り。

◆高松赤十字病院(高松市)副院長の西村和修氏
・医療安全推進室(医師、看護師、事務、元警察官など、5人)で、医療安全、患者苦情、一部警察機能などを一括管理。
・オカレンススクリーニング・レポート制度により、問題事例を網羅的に効率よく把握。スクリーニング用紙でオカレンス事例を報告してもらい、医療安全推進室で検討し、問題事例について各担当者レポートを要請。月約30件のオカレンス事例のうち、レポート提出は約3分の1。
・院内症例検討会(M&M)は、2015年7月から開始、2カ月ごとに開催。全死亡症例(月30~40例)のリスト、サマリーを3人の医師(内科系、外科系、救急系)でチェック。そのうち、問題症例や教訓的症例を、M&Mで討論。
・事故発生時には、「事故判定委員会」で迅速に対応を決定。メンバーは、院長、医療安全推進室長、医療安全管理者(専従師長)、事務部長(副部長)、当該所属長、主治医、ほか院長が指名した者。事故後、通常は2日以内に開催。遺族の了承などは不要。判定結果は、(1)医療事故調査・支援センターに報告、外部委員を交えた院内事故調査委員会を開催、(2)センター報告不要、院内M&Mへ、(3)センター報告は保留とし、院内事故調査委員会(院内委員のみ)、調査結果や遺族の反応を見てセンター報告するかどうかを決定――の3パターン。

◆板橋中央総合病院(東京都板橋区)副院長の加藤良太朗氏
・死亡・死産発生の際は、事案リスト作成し、医療安全室による「初期判断」で、まず(1)過去に当院で医療提供なし、(2)診療録・同意書に記載あり、(3)DNARへの同意あり――のいずれかに該当するか否かを判断。「該当あり」は院長に報告、いずれにも「該当なし」の場合、「2次判断に関する会議」(基本は医師5人)に諮る。現状では、医療事故調査・支援センターへの事故報告が「4週間以上後」になる可能性があることから、「初期判断」の在り方を見直し、「2次判断」までを行う体制を検討。
・「2次判断に関する会議」などで出た議論について、事故報告義務はないものの、「もっと共有し、医療安全を向上させる余地があるのではないか」という意見が挙がり、「MM&I Conference」(Morbidity,Mortality and Improvement Conference)がスタート。「M&Mはそれまでは診療科別にはやっており、医学的なことを議論することが多かった。MM&I Conferenceでは、複数の診療科が参加し、かつシステムのことも議論してもらう」(加藤氏)。
・RRS (Rapid Response System)は、「適材適所」の発想、つまり単に心肺停止を防ぐためだけではなく、重症化しつつある患者への早期介入を目的として、今年5月からスタート。「何らかの問題が生じた場合、最初に呼ばれるのは研修医が多いが、実際には一番経験が求められる場面」(加藤氏)。医師、看護師、事務など約5人が毎日交代でチームを構成、対応に当たっている。

◆総合大雄会病院(愛知県一宮市)副院長の鈴木照氏
・医療安全対策室が全ての要(看護師1人、事務1人、担当副院長1人で構成)。インシデントやアクシデントは同室に報告。医療安全対策室の下に医療安全対策作業部会を設置、対応・対策を検討、病院全体として検討すべき事案は、医療安全管理委員会で検討。
・報告対象・事例のレベルを、「インシデント」(レベル0.01~2)、「アクシデント」(レベル3a~5)に分けて対応。
・レベル5(死亡事例)が発生した場合、「医療事故判定会議」(病院長、安全担当副院長、安全管理者、看護部長、事務長、死亡症例に関わった医療者の所属長など)で、(1)医師法21条に該当する異状死体か否かの検討・判定、(2)医療事故調査制度の報告対象となる「医療事故」に該当するか否かの検討・判定――を実施。報告対象事例については「医療事故調査委員会」で調査。対象外事例のうち、特に検証が必要と考えられる事例については「事例検証委員会」で調査し、必要に応じて日本医療機能評価機構に報告。それ以外は「死亡症例検討会」で検討。
・「医療事故調査委員会」は、院内の医療専門家(若干名)、医療安全対策室室長(1人)、医療安全管理者(1人)、院外の医療専門家(外部委員)・その他院長が必要と認めたもの(適当数)で構成。委員長は原則として委員の互選。互選できなかった場合には、院長が内部委員から選任することができる。「院内の事情が分かっていない外部委員が切り盛りしてやっていくことは難しいのではないか」(鈴木氏)。
・死亡症例把握も開始。現在は、毎月第1週に、前月の死亡症例リストを作成。院内死亡と救急外来での死亡で、毎月約40例で、内科系、外科系、ICU、救急などの各部門のベテランクラスの医師が1次審査などを担当。「一番いいのは、毎日チェックすることだが、診療と管理業務の兼任で実施するのは難しい」(鈴木氏)。今後はまず1週間に一度、チェックする体制を検討。


  1. 2016/07/25(月) 05:48:27|
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7月23日 

http://mainichi.jp/articles/20160724/ddm/016/040/050000c
死亡診断
規制緩和へ 医師不足の離島やへき地、都市部でも みとりの現場、切実

毎日新聞2016年7月24日 東京朝刊

 高齢化の進展に伴う「多死時代」を前に、政府は在宅医療の環境整備を急ピッチで進めている。しかし、みとりの際に主治医とつながらずに救急車で運ばれ警察の死体検案に回ったり、医師不在の離島では死亡診断書の交付が難しいために在宅での死がなかなか望めなかったりという課題もある。死亡診断書交付に関する規制が緩和されると、みとりの場は変わるのだろうか。

 南北160キロに島々が点在する鹿児島県十島(としま)村。トカラ列島の名で知られる。住民のいる七つの島に診療所があり、看護師が1人ずつ常駐している。最も人口の多い中之島に医師が常駐し、北部4島を巡回。南部3島は島外の医師が巡回する。

看護師対応限界

 今年1月、島で60代の男性ががんで亡くなった。亡くなる前に島外の病院などに移ることが多いが、男性は島での最期を希望した。幸い医師が駆け付けてみとりをしたが、船は週に2〜3便しかなく、間に合わない恐れもあった。

 この時は、村は緊急時に患者を島の診療所に運びテレビ電話で看護師が医師から指示を仰ぐ段取りを決め、容体の急変に備えたが、現時点では死亡の確認まではできない。

 間に合わない場合、医師が改めて島に赴いて確認するか、患者の遺体を島外に運び死亡を確認しなければならない。この間、診断書が交付されないと埋葬など死後の手続きが進まない。

 日本看護協会が死亡診断書の交付条件の緩和を求めたのには、こうした離島やへき地の実情があった。
地域を限定せず

 同協会の要望は政府の規制改革会議で取り上げられた。ただ、同会議の議論は別の方向に向かう。

 「人口の多い地区でみとりの問題が発生するのではないか」「(人口当たりの)医師が一番少ないのは埼玉、千葉、神奈川だ」

 同会議委員からこうした意見が相次いだ。規制緩和を、医師の常駐が難しい離島やへき地に限定したい厚生労働省側をつき上げた。

 厚労省は「主治医、副主治医制など医師間の連携を進める」と主張したが、「連携が最も取れていないのは都市部だ」との声に押され、離島・へき地という「地理的条件」は消えた。

在宅死増、医療と連携課題

 規制改革会議が都市部での規制緩和を強く求めた背景には「在宅死」の増加がある。

 2014年の年間の死亡者数は約127万人。40年には40万人程度増えるとされる。一方で、医療費を抑えたい厚労省の方針で病床数は減少傾向にあり、首都圏ではこの10年で自宅や介護施設など医療機関以外での「在宅死」が増えている。

救急病院を圧迫

 在宅の高齢者増は救急の現場にも影響を及ぼしている。地域の救急医療の拠点である東京都立墨東病院(東京都墨田区)。20年前は交通事故や生活習慣病の重篤化などで20代と50代の搬送患者が多かった。しかし、高齢者の搬送件数が倍増し、今や最も多いのは70代だ。

 寝たきりや末期がん、介護施設から運ばれてくるケースもあり、救急部門は高齢者への対応に忙殺されている。浜辺祐一救急部長は「このまま高齢者の搬送が増えれば、救急医療が破綻しかねない」と警鐘を鳴らす。

「異状死」扱いも

 在宅死の中には警察が扱う「異状死」(検案事例)も含まれる。立川在宅ケアクリニック(東京都立川市)の荘司輝昭院長が12年に、周辺6市の自宅で死亡した943例を調査したところ、半数の452例が異状死だった。その4分の1に当たる104例は老衰やがん、慢性疾患で、患者の自宅を訪れて診察する在宅医がかかわっていれば検案扱いされずに済んだケースだった。

 ただ、荘司院長は、「医師不足」による死亡診断の困難さとは別の事情があると指摘する。「病院から退院した後に適切な在宅医がいないことがある。また、『24時間対応』をうたいながら夜間はコールセンター任せで緊急の場合、救急搬送を勧める在宅医もいる」と実情を説明。その上で、「在宅の安らかなみとりを増やすには、きちんとみとりを行っている医療機関と主治医が連携し、引き継ぎができる体制を整えておけばよい」と話し、死亡診断の規制緩和には否定的だ。

まず事例把握を

 へき地医療に詳しい医師の山田隆司・地域医療振興協会副理事長は「一気に条件を緩和するのではなく、まずは離島などニーズの高いところから順次実施し、どういう問題が生じるか事例を細かくみていくべきではないか」と政府に対し慎重な対応を求めている。【有田浩子】
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http://mainichi.jp/articles/20160724/ddm/041/040/056000c
東京女子医大
過量投薬 遺族「リスク説明ない」 病院側「本人の希望」

毎日新聞2016年7月24日 東京朝刊

 薬の不適正使用が問題となっていた東京女子医大病院(東京都新宿区)で、過量投与による死亡事故が起きていたことが発覚した。亡くなった川崎市の長浜裕美さん(当時43歳)の遺族は「病院側は薬の処方を家族や本人のせいにして、再発防止のスタートラインにすら立っていない。このままではまた同じことが起きるのでは」と不信感を募らせている。【銭場裕司】

 裕美さんの脳腫瘍の再発が判明したのは2014年夏だった。趣味のサンバの大会に8月下旬に出場した後、9月に手術を受けることが8月19日に決まった。

 その翌日、病院側は裕美さんがけいれん発作を起こしたことを踏まえ、抗てんかん薬「ラミクタール」の使用を決定。短期間に薬効を高めるためとして本来の16倍に当たる量を処方した。「量がかなり多い」として薬局から問い合わせを受けても対応を変えず、同じ量の処方が続いた。

 裕美さんは顔などの表皮がはがれる中毒性表皮壊死(えし)症(TEN)を発症。9月9日に亡くなった。遺族によると、死後に主治医から「量が多いことで(TEN発症の)可能性が増すことは確かだが、体質の問題の方が大きい」と説明された。

 だが、夫の明雄さん(41)はネットで見つけた薬の添付文書を読んで言葉を失った。「投与でTENなどの重篤な皮膚障害があらわれることがある」として用法・用量を守るように「警告」していたからだ。

 「添付文書の内容はまさに裕美の身に起きたこと。一番守るべき基本を無視しておいて、どうして体質の問題なのか」。病院側はサンバの大会に参加するという本人の強い希望などを踏まえて処方をしたと説明するが、明雄さんは「薬のリスクの説明は全く受けていない。死ぬような危険性がある処方をやってくれと言うはずがない」と断言する。

 病院側が投薬を中止したのは9月1日。明雄さんの記録によると、8月30日時点で「39度程度」の高熱があったが、病院側の記録は「36度台」だった。事故を調査した日本医療安全調査機構は「病院から提出された診療録から事実確認できない」とした。「病院側の資料だけで判断されれば、どうしようもない。遺族は圧倒的に不利な立場にある」

 裕美さんの最後の言葉は「頑張ります」。「皮膚がはがれ外見がボロボロになり、痛みと絶望の中で死なせたことが本当に悔しい。同じ問題が繰り返されないために、世の中に本当のことを知ってもらいたい」。それが明雄さんの思いだ。

半年前2歳児も

 東京女子医大病院では今回の事故の約半年前の2014年2月、人工呼吸中の小児への投与が原則禁止の鎮静剤「プロポフォール」を大量投与された2歳男児が死亡し、6月に理事長名で病院全体の改善を誓うコメントが出たばかりだった。二つの事故は、添付文書を逸脱した薬剤投与だった点、現場の連携が取れていなかった点で共通する。

 男児死亡事故では、同病院の外部有識者による調査委員会が昨年2月の報告書で、複数の医師や薬剤師が小児への原則禁止を知らなかったのに加え、薬剤師が投与量を疑問に思い医師に照会したのに、医師側にその認識がなく記録も残っていなかったと指摘。「医師の裁量を過大評価し、添付文書を確認する文化も極めて希薄だ」と結論付けた。

 今回の事故でも院外薬局の照会が反映されず副作用につながったため、第三者機関から「医師にはより謙虚な姿勢が求められる」と指摘されている。男児の父親は「医薬品の安全使用に対する認識も、薬剤師と連携していない体制も、息子の時と全く同じだ。息子の事故後も、病院の安全意識は変わっていない」と憤る。

 男児死亡事故を巡っては、警視庁が業務上過失致死容疑で捜査している。【桐野耕一】



http://mainichi.jp/articles/20160723/ddn/012/040/056000c
患者情報
506人分無断で持ち出し 医師置き忘れ 大阪

毎日新聞2016年7月23日 大阪朝刊

 大阪市民病院機構は22日、大阪市立総合医療センター(大阪市都島区)整形外科の研修医だった男性医師(30)が患者506人分の情報が記載された書類を無断で持ち出し、紛失したと発表した。

 病院機構によると、紛失したのはセンターを退院したり別の科に移ったりした患者の書類で、氏名や病名、手術の経過などが記載されていた。

 男性は昨年3月31日付で研修を終えて退職する際、専門医になるための登録申請で患者の症例の提出が必要なため、担当した患者566人分のコピーを持ち出したという。

 7月22日午前1時ごろ、現在勤務する病院から自宅で作業するため506人分のコピーを持ち帰ったところ、タクシー車内に置き忘れた。運転手が気づいて、警察に届け出たことで外部流出はなかったという。【向畑泰司】



http://www.jomo-news.co.jp/ns/3714692355544491/news.html
外科学講座を統合へ 群大病院問題で同大大学院
2016年7月23日(土) AM 11:00 上毛新聞

 群馬大医学部附属病院の同じ男性医師(退職)の手術を受けた患者が相次いで死亡した問題を受け、同大が来年4月に旧第1、第2外科の医師がそれぞれ所属する大学院の二つの外科学講座を統合することが22日、分かった。

 同問題を巡っては併存する二つの外科の閉鎖的な体質が問題視され、病院の診療科は昨年4月に統合されていた。



http://news.biglobe.ne.jp/domestic/0723/mai_160723_7658033098.html
<ポケモンGO>病院ではポスター「ポケモンたちは入院中」
毎日新聞7月23日(土)19時55分

 人気ゲームアプリのポケモンGOを巡り、子供たちが重い疾患で入院する東京都世田谷区の国立成育医療研究センターが、院内で遊ばないよう呼びかけるポスターを作製した。「この病院にいるポケモンたちは入院中です。早く退院するために探さないで」と、ユーモアを交え理解を求めている。

 配信開始後、周辺の若者が敷地内に入り込むケースが相次いでいるための対応。25日から敷地内外に掲示し、協力を呼びかける。ポスターには職員や入院中の子供たちによる手描きのポケモンのイラストを添える。【五味香織】
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http://mainichi.jp/articles/20160723/ddl/k31/100/469000c
鳥取養護学校
常勤看護師配置で意見交換 特別支援学校の医療的ケア 米子で県教委が会合 /鳥取

毎日新聞2016年7月23日 地方版

 県教委はこのほど、特別支援学校での医療的ケアの在り方を話し合う会合を米子市内で開いた。県立鳥取養護学校(鳥取市)で始まった常勤看護師の配置状況について関係者が意見を交わした。

 鳥取養護学校では昨年度、非常勤だった看護師が相次いで辞職。たんの吸引などの医療的ケアが必要な児童生徒が一時登校できなくなる問題が起きた。このため県教委は今年1月から改善策の一つとして、同校に常勤看護師を配置した。

 会合では県教委が、同校での現在の運営状況を紹介。看護師が常勤していることで「保護者の安心感につながった」「ケア会議へ定期的に参加でき、学習計画も効果的に立てられるようになった」などの意見が教員らから寄せられたと報告した。県教委は来年度、他の特別支援学校にも常勤看護師を配置することを目指している。

 一方で、学校に配置する看護師は適正な人数が明確に定められていない。そのため会合では委員らが「教員と同様に定員を設定するため、看護師が常勤することの効果を数値で明確に示せないか」などと指摘。今後、鳥取養護学校の保護者や教職員に、満足度などの調査を実施して数値化することにした。

 このほか、常勤、非常勤を問わずにどう看護師を確保するかや、一人一人の技術を上げるかなどの課題が出された。【小野まなみ】



http://mainichi.jp/articles/20160723/ddl/k45/040/230000c
日向市立東郷病院
休診の内科診療、来月9日一部再開 /宮崎

毎日新聞2016年7月23日 地方版 宮崎県

 日向市は21日、4月から内科診療の休診が続いていた日向市東郷町の市立東郷病院について、門川町の済生会日向病院から非常勤医の派遣を受けて、8月9日から内科診療の一部を再開すると発表した。

 東郷病院の常勤医は3人体制だったが2人が昨年相次いで退職。同年8月から民間病院からの派遣で週1日の午後のみ外来診療を続けた。今年4月に佐藤大亮医師が着任したが、それまで1人常勤だった崎浜正人院長が3月で定年を迎えたため、佐藤医師は本職の外科を基本に総合医療で対応してきた。

 8月9日からは毎週火曜日に月3回、非常勤の内科医2人が交代で1人ずつ派遣され、午前中のみ外来を受け付ける。市は今後も、医師確保に向けた努力を続けるという。【荒木勲】



http://blogos.com/article/184469/
「医療過誤」から身を守る7つの鉄則
戍亥真美=構成
PRESIDENT Online2016年07月23日 10:30

医療ミス、費用の過大請求……事故を防ぐには、病院&ドクター選びが重要。チェックリストで自分と家族を守ろう!

「大学教授だから腕がいい」は、根拠なし


多くの医者は偏差値エリート意識が高いため、「自分たちに間違いはない」と思いがち。医療事故が起こった際には、つじつま合わせをする傾向にあります。明らかに病院(医者)側のミスであっても絶対に認めず、正当性を主張する医者も。その心ない仕打ちが被害者側を何度も傷つけていると、彼らは決して気づくことはありません。私の息子も医療過誤の被害者。データ取得のためか、常識はずれの不要な検査により引き起こされた被害です。その経験もあり、世間と医者の常識のズレを痛感しているのです。

大学病院や大学教授の肩書を持つ医者なら問題ないというわけではありません。日本人は個々の医者の実力よりも「肩書とブランド」に信用を置く傾向がありますが、とくに手術が伴う治療では、大学病院だから、一流医大の教授だからと「安心」してはいけない。「手術を」と告げられたなら、最低3人以上の専門医の意見を仰ぎ、やらなくてもいいという医者が1人でもいたら、手術はやめたほうが賢明。大学教授だから見立てがいい、腕がいいという根拠はありません。むしろ、年に数回しか執刀しない大学教授では、医療死亡事故を起こす確率も高い。たとえ新設医大出身でも、年数百例もの外科手術を成功させている医者のほうが安心して任せられる「名医」であるのは間違いない。ただし、名医にも「旬」があります。経験豊富でも年齢とともに腕が鈍ったり、判断力が低下したりすれば、第一線に立てなくなるのは当たり前です。

危ない病院や医者に遭遇しないための第一歩は、肩書や大学名などのブランド信仰を捨て、「医者に失礼だから」と、言いなりの患者であることをやめること。常に目を光らせ、医者を育てるような「賢い患者」になることにあります。

▼医療過誤から身を守る7つの鉄則

何かあってからでは遅すぎる! 手術や治療に入る前に、自己防衛の準備をしておこう

[1]手術を勧められたら必ず“セカンドオピニオン”――大きな「手術」の際には、必ず他院でも検査を受けるのが鉄則。聞き慣れない病名の手術ならなおさらだ。医者が替われば見立ても変わる可能性がある。セカンド、サードとできるだけ多くの専門家の意見を聞き、さまざまな角度から検討して、最善の病院や医者を選択しよう。

[2]病院のWEBサイトを要チェック!――担当医の名前、プロフィール、これまで扱った症例数など細かくチェック! 手術設備のある病院は必ずWEBを開設している。病院の伝統や高慢な理念、設備自慢ばかりで、肝心の医者の技量、患者がほしい情報が乏しいのでは、ホスピタリティに問題ありで要注意だ。

[3]“思考停止”のはじまりは、「この医者(病院)なら大丈夫」と決めた瞬間から――日本には、約30万人もの医者と、約9000軒の病院が。なのに「この医者(病院)なら、絶対大丈夫!」と決める理由は何か? ある時点で名医でも、ずっとそうとは限らない。病院側の説明を盲信せず、常によりよい医療を求めるよう不断の努力をすることが、医療ミス回避のカギ。

[4]治療に不信や疑念を感じたら速やかに検査データを請求――患者には自分の治療法を知る権利がある。不信に思ったら検査データをもらおう。検査データは患者に帰属する重要な個人情報で、病院側には開示義務がある。また、セカンドオピニオンの際にも検査データは必要。患者の請求にいい顔をしない医者や病院なら、即サヨナラだ!

[5]認定医や専門医などの“肩書”に惑わされない――「“学会認定医”“学会専門医”だから安心」は間違い。日本では、専門は自己申告制で認定されるため、肩書は有名無実で意味がない。心臓血管外科の専門医は日本に約1800人いるが、手術数をこなしているのは、わずか100人程度。専門医は「玉石混淆」だと知っておこう。

[6]医者には「神の手」もいれば「紙の手」もいると、肝に銘じる――「神の手」を持つ名医は年数百例の手術をこなし成功率も高い。一方、論文ばかり書く「紙の手」の大学教授医師も。こういう名前だけの外科医=「紙の手」の医者が、たまに体面を保つために手術をして失敗するケース多数。大学教授だから「上手、見立てがいい」は、根拠なし!

[7]治療方針など、医者の説明は必ずメモするクセづけを――ミスが起こると嘘をつく医者も少なくない。が、とっさの嘘には矛盾が生じやすい。ミスの隠蔽を阻止するには、手術に限らず日頃から医者の説明をメモするクセをつけることが重要。メモする患者を前に医者は緊張し、その場しのぎのごまかしや言い訳ができなくなる効果が!

医師、ジャーナリスト 富家 孝
16代続く医者の家系に生まれる。1972年、東京慈恵会医科大学卒業。開業医、病院経営、助教授等を経て、医療コンサルタントに。現在、医師紹介会社「イー・ドクター」代表取締役の傍ら、新日本プロレス・コミッションドクターなども務める。『生命がけの医者選び』(講談社)、『医者しか知らない危険な話』(文芸春秋社)など60冊以上の著書がある。



http://news.biglobe.ne.jp/economy/0723/pre_160723_9733342151.html
危険度チェック! 悪徳病院&ダメ医者の見分け方
プレジデント社7月23日(土)10時15分

医療ミス、費用の過大請求……事故を防ぐには、病院&ドクター選びが重要。チェックリストで自分と家族を守ろう!

■医療もビジネス、医者は商売人である

ご存じのとおり、いまは公立病院でさえ倒産する時代。大規模病院がこうなのだから、今後、中小規模病院の倒産や廃院が増え続けるのは確実です。倒産や廃院の原因の多くが、患者数の減少と不況による経営悪化。これこそが、医者と医療をダメにする最大原因なのです。

経営悪化は医療の質を低下させ、さらには医者のモラルも低下させる。モラルの低下した医者(経営者)は、患者を人間と見ずに被験者として扱うことも。保険料の不正請求は日常茶飯事化し、医療従事者を削減して、患者よりも経営=お金を最重要視するようになります。医療従事者の不足は、医療過誤を引き起こしやすくする。そういった危険な病院(医者)に遭遇しないためには、「健康である」ことが第一ですが、誰もが医者にかかる可能性があるため、患者側の自衛策として、「医療もビジネス」=商売である、と頭に叩き込むことが大切なのです。

一般企業がそうであるように、病院経営も儲けがなければ先はない。儲けるためには患者を増やし、通い続けてもらうことが必要。だから医者は、薬を大量に処方し、不要な検査を繰り返し、いつまで経っても「もう来なくていいですよ」と、宣言しない。なぜなら、医者は患者が健康になると儲からない仕事だから。もちろん、すべての病院や医者が悪徳なわけではありません。給料は二の次、患者のために身を粉にして働いている医者も多くいることを忘れないでください。

いま、人々が「名医」と呼ぶのは「手術がうまい」医者であることが大半。また、最新機器を駆使して治療に当たってくれる病院を「いい病院」と呼ぶことも。これは、医療がかつてより高度化、専門家したからです。内科系の医者であれば、最新画像診断の分析力、判断力が求められ、外科医であれば、難しい手術を成功させる力量が求められる。いざというとき、メディアで紹介されるような「神の手」を持つ名医にお願いしたいと思うのは誰しも同じ。しかし、すべての患者の希望が叶うわけではありません。だからこそ、少なくとも金儲け主義、腕の悪い「悪徳病院やダメ医者」を見分ける力だけでもつけなくてはいけないのです。

とくに民間の個人病院では、金儲け主義に陥るとそれなりの傾向が表れてきます。「いつもすいている病院」は、もはや論外。ただし、すいているのを隠そうと患者のサクラを雇い、いかにも繁盛しているように見せる病院もあるから要注意です。豪華な待合室や、最新機器の多さに惑わされてもダメ。設備投資は経営を圧迫します。経営者であれば、少しでも早く「元を回収」しようと考えるのは当然。ちょっとしたことでも最新ハイテク機器で検査しようとする病院なら、「カモ」にされていると思っていいでしょう。利益を挙げられる病院(医者)というのは、人件費をうまく切り詰めているか、節税対策がしっかりしている病院(医者)だけ。「利益と患者サービスは相反する」と知れば、病院にかかったとき自ずと冷静になれるはずです。

私はかねてから「医者の常識は世間の非常識」と公言しています。医者の多くが、自分は社会的ヒエラルキーの上位にいると思い込んでいること、さらに勉強ばかりしてきたことで、他人とのコミュニケーション能力が極めて低い傾向にあるから。しかし、医者とは本来はサービス業であり、患者と医者の関係は消費者とサービス提供者にすぎない。なのに、多くの医者は消費者である患者を見下している。病気というものは少なからず人間の心理も影響します。“病状をきちんと説明したうえで患者を励ますことができる”コミュニケーション能力の高さも、「名医」の条件。しかし、現在はこれができない医者が多いから問題なのです。

▼病院チェック15のポイント

ご近所のあの病院は大丈夫!? 患者は二の次! 儲け至上主義の危ない病院には、こんな傾向がある!

※ここでの「病院」とは、大学病院や公立病院ではない、個人経営の中規模病院を指します。

[1]いつもすいている——待ち時間0分&患者1人あたりの診療時間も十分確保してくれる個人病院が、「長時間待ちの大病院よりいい」は、ありえない。評判が悪く患者が来院しない可能性もある。外来患者が常に少なければ、病院の経営状態が“危険”であるのは間違いない。

[2]スタッフが少ない——医療に関わるスタッフの数をまず確かめよう。治療の成否は「スタッフの充実」如何にかかっている。とくに手術や入院の際、看護師などのスタッフが少なければ少ないほど、医療ミスの確率が上がると頭に入れておきたい。

[3]看護師が忙しそう——「利益第一主義」の病院は、待合室に患者が大勢いるのに、1人の看護師がコマネズミのように忙しく走り回っているのが特徴。「患者サービスより利益追求」のため人件費を削っている可能性がある。医療ミスの不安も高まる!

[4]若い看護師ばかり——ベテラン看護師が1人もいない病院は、要注意。医療や現場を熟知したベテラン看護師がいると、ミスも起きにくくなるという傾向が。看護師が美人で若いとうれしい男性患者もいるが、それだけでは安心して医療を任せられない。

[5]受付が無愛想——接客が下手、または欠如した病院は信頼できない。スタッフ教育が行き届いていない証拠だ。サービス業同様、スタッフが患者の不安を和らげ安心感を与えるのは基本のき。医者の技量だけでは病院は成り立たない。受付があまりに無愛想な個人病院なら、論外のダメ病院だ。

[6]どんな急患も大歓迎——儲け主義の病院は、儲かることなら何でもやる。たとえ専門医がいなくても急患を受け入れれば、どんな処置でも点数は上がる。当直医が整形外科であっても心筋梗塞の患者でさえ受け入れる。これでは助かるものも助からない!

[7]スタッフのユニホームがバラバラ——赤字病院がまず着手するのが経費削減。文具類はすべて薬品メーカーなどからのもらい物に。末期にはスタッフの白衣がない、もしくは各自の自前で統一されなくなる。こうなると使い捨て器具も減菌消毒で使い回しの可能性大!

[8]規模に比べ、診療科目が多い——患者数アップのため、できもしない診療科目を増やす病院が多数。専門外の医者に平気で対応させるケースも見られる。日本では、医者の専門科目は自己申告登録制。さらにどんな看板を掲げても問題にならない。規模の割に診療科目がやたらと多い病院には注意が必要だ。

[9]きれいで豪華な待合室が自慢——病院の本題である「医療の質」と待合室の豪華さは比例しない。本業とは別の部分で目立つ病院には、ほぼ「何かある」。金持ちの医者ならば、医療以外の収入があるだけのことで、技術・能力とは無関係。高利貸しなど、危険な資金調達先が疑われるケースもある。

[10]最新設備(機器)がありすぎる——「最新設備があるからいい病院」は、超危険思考! ちょっとした頭痛でもCT検査をするような病院は、設備投資の「元をとる」のが最優先。「念のために」と検査を勧められたら要注意。最新設備があるからいいのではなく、それを医者が十分に使いこなせるかが問題だ。

[11]土日、夜間も診療OK——土日や夜間も熱心に診療するから「いい病院、医者」とは限らない。熱心さの裏には必ず「動機」がある。とくに地方では政治家への立候補を視野に、人望・評判を高める狙いから患者サービスをすることも。動機もなく寝る間を惜しんで患者に尽くす人は、そういないと考えよう。

[12]WEBサイトがない(または、必要な情報が無記載)——病院の過当競争が激化する昨今、この情報化時代においてある程度の規模の病院でWEBサイトを開設していないのは論外。また、住所等の連絡先、診療時間などの「お仕着せ情報」しか掲載していない病院も信用できない。

[13]終末治療に力を入れてくれる——30兆円といわれる医療費の約30%が後期高齢者に使われている現在、病院経営は「老人医療費」で成り立っているも同然。死期直前の老人にあらゆる検査を繰り返し、投薬し続けるのは、売り上げ拡大行為だと知るべき。

[14]「領収書」を発行しない——現在はほぼないはずだが、診療報酬明細書付き領収書を発行しない病院は要注意。保険治療範囲では経営できないため不正請求を行っている可能性大。健康保険組合からの「医療費通知書」は必ず確認し、治療金額に不審な点があれば開示請求を。

[15]病院の壁にスローガンを掲示——病院の壁に大仰なスローガンが貼ってある病院は要注意。過去にその逆の行為をした可能性が高い。たとえば「逃げない、隠さない」なら「逃げた、隠した」証し、「謝礼お断り」なら「謝礼」は習慣化している可能性が高い。

▼医者チェック8つのポイント

同じ病院内でも個々のドクターには当たり外れがあるものだ。学歴、実績、年齢……本質を見抜くのに一番重要なのはどれ!?

[1]コミュニケーション能力が低い——腕のよさとコミュニケーション能力は比例することが多い。たとえば、診察の際に患者の顔を見ずPCばかり見ている、質問を嫌がる。また、手術決定の際の面談時に名刺を渡さない、自己紹介しない医者は、総じて信頼できない。腕に自信がない医者ほど、患者とのコミュニケーション能力が低い傾向にある。

[2]手術実績を教えない(外科医の場合)——外科医は経験豊かで手先が器用な医者が名医。つまり、肩書よりも実績がものをいう。「教授なら大丈夫」は、大間違い。手術が決まったら変に遠慮せず、これまでの手術実績、術後の経過、ミスはなかったかを聞くといい。質問に憤慨したり、答えないような医者なら手術は見合わせ、ほかの病院を訪ねるべき。

[3]薬を大量に処方し、通院させ続ける——大した病気でもないのに、いろんな薬を大量に処方したり、ほとんど完治しているのにいつまでも通院させ続ける医者は要注意。医者は経営者でもある。売り上げを上げなければ病院経営が立ちゆかなくなる。つまり、薬を大量に与え、通ってもらうことで儲けが生み出される。「もういいですよ」は、できるだけ先延ばしにしたいのがダメ医者の心情だ。

[4]検査データの提供を渋る——技術レベルの高低に関係なく、どんな医者でも「自分の信じる治療方法」がある。が、患者がセカンドオピニオンのために検査データの提出を求めても快く応じない医者なら、患者を逃がしたくないと、「儲け」の観点で考えているか、治療法に自信がないかのいずれか。いまの時代、カルテを開示しない医者には非難が集まり、患者は寄りつかなくなっている。

[5]電話をかけてくる——わざわざ電話をくれて「最近、具合はどう?」と聞いてくれる医者には注意が必要。民間病院の非常勤医師ならば、入院手当が目的の場合もある。空きベッド数を確認し、老人に電話をして具合を聞き出し「お待ちしています」と来院を促す。あれこれ理由をつけて入院となると、手当がもらえるためだ。医者の「親切」の裏には理由があることも多い。

[6]趣味は“ゴルフ”と“高級外車”——医者が興味を持つのは「政治・投資・趣味」の3つ。政治に興味がない医者もいるが、投資好きは多い。医療で儲けた金をさらに増やそうと躍起になる。最後に趣味に目が向くが、この趣味が「ゴルフ」と「高級外車」なら要注意。ゴルフの腕磨きに熱心になれるほど本業が暇な証拠であり、こういった金満な医者は“反社会勢力”にも目をつけられやすい。

[7]出勤時間が遅い——診療時間は9時からと書かれているのに、のこのこと9時半すぎに出勤してくる医者は、信用できない。たとえ近所でどんなに腕がよいと評判であっても、「時間を守る」など社会人としての常識が欠如している医者では、どんな診療をされるかわかったものではない。もちろん、こんな医者を十分に訓練もせず、野放しにしている病院にも行ってはいけない!

[8]病状・治療法を説明しない——病状・治療法をきちんと説明しない医者は、いくら腕がよくても敬遠すべき。医者は病状や治療法を患者に説明する義務がある。とくに大病の場合、治療の内容やリスクなどの説明は必須。無口な医者には、患者側からあれこれと質問を。質問を嫌がらず、わかりやすく丁寧に答えてくれ、さらに理解できたかを確認する医者は信頼に値する。

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医師、ジャーナリスト 富家 孝
16代続く医者の家系に生まれる。1972年、東京慈恵会医科大学卒業。開業医、病院経営、助教授等を経て、医療コンサルタントに。現在、医師紹介会社「イー・ドクター」代表取締役の傍ら、新日本プロレス・コミッションドクターなども務める。『生命がけの医者選び』(講談社)、『医者しか知らない危険な話』(文芸春秋社)など60冊以上の著書がある。
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(戍亥真美=構成)



https://www.m3.com/research/polls/result/127?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD160723&dcf_doctor=true&mc.l=168796693
意識調査一覧
結果給付型奨学金、拡大すべき?

カテゴリ: キャリア・働き方 回答期間: 2016年7月13日 (水)~20日 (水) 回答済み人数: 2882人

 給付型奨学金の拡大についての検討が進みそうです(『未来に投資、給付型奨学金検討へ…安倍首相コメント』を参照)。総論では賛成意見がほとんどですが、財源をどうするか、対象はどこまでかなど、議論のポイントは多々あります。

 医学部の学費は6年間で、国立大学で約350万円、私立では2000万-4000万円と高額です。合格者の多くが私立中高一貫生になるなど、経済的に裕福な家庭出身が増えているという指摘もあります。

 給付型奨学金についてご意見をお伺いします。

医学部合格、86%が家庭の経済・教育環境が「影響」

 医学部の授業料負担軽減策としての給付型奨学金の拡大について、優先的に取り組む課題だと「思う」が53%、「思わない」が25%、「どちらとも言えない」が23%でした。

 給付型奨学金を拡大した場合の対象では、最多は「成績優秀者、経済的困窮者の両方」40%となり、「成績優秀者のみ」23%、「経済的困窮者のみ」19%、「成績優秀者、経済的困窮者に限定せず広く対象とする」14%と続きました。

 医学部合格のために、家庭の経済状況、教育環境の影響をそれぞれ尋ねたところ、「大いに影響する」「ある程度、影響する」の合計は、ともに86%となりました。

 奨学金の在り方をめぐっては、たくさんのご意見をいただきました。医療維新でご紹介します。

給付型奨学金の是非「医師なら必要ない」「経済力が学力左右」

 回答総数は2882人、内訳は開業医576人、勤務医2011人、歯科医師5人、看護師21人、薬剤師216人、その他の医療従事者 53人でした。

Q1 給付型奨学金の拡大は、優先的に取り組む課題だと思いますか?
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開業医 : 576人 / 勤務医 : 2011人 / 歯科医師 : 5人 / 看護師 : 21人 / 薬剤師 : 216人 / その他の医療従事者 : 53人
※2016年7月20日 (水)時点の結果

Q2 給付型奨学金を拡大した場合の対象は?
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開業医 : 576人 / 勤務医 : 2011人 / 歯科医師 : 5人 / 看護師 : 21人 / 薬剤師 : 216人 / その他の医療従事者 : 53人
※2016年7月20日 (水)時点の結果

Q3 医学部に合格するのに、育った家庭の経済状況は?
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開業医 : 576人 / 勤務医 : 2011人 / 歯科医師 : 5人 / 看護師 : 21人 / 薬剤師 : 216人 / その他の医療従事者 : 53人
※2016年7月20日 (水)時点の結果

Q4 医学部に合格するのに、育った家庭の教育環境(熱意や文化資本)は?
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開業医 : 576人 / 勤務医 : 2011人 / 歯科医師 : 5人 / 看護師 : 21人 / 薬剤師 : 216人 / その他の医療従事者 : 53人
※2016年7月20日 (水)時点の結果

Q 5給付型奨学金の在り方や教育と経済力の関係などについてご意見があればお寄せください【任意】
   下 記



https://www.m3.com/news/iryoishin/443430
シリーズ: m3.com意識調査
給付型奨学金の是非「医師なら必要ない」「経済力が学力左右」
教育と経済力の関係についての意見

レポート 2016年7月23日 (土)配信高橋直純(m3.com編集部)

Q 給付型奨学金の在り方や教育と経済力の関係などについてご意見があればお寄せください。

意識調査「給付型奨学金、拡大すべき?」の結果はこちら⇒医学部合格、86%が家庭の経済・教育環境が「影響」

【自身の体験から】

・私の大学生時代の授業料は年間1万2000円であった。家庭教師のアルバイトが週1万円くらいはあったこと、および奨学金が月6000-8000円くらいであったことより、実際的には奨学金の有無が学業、学生生活に大きく影響することはなかった。大学の寮に入っていた友人の話では寮費は光熱費込みで月3000円程度ということで、これらの費用負担で、生活、学業が可能であるならば、必ずしも給付型の奨学金は必須ではないのではないかと思う(私自身は、かなり貧困な家庭であったが、奨学金はいただくことなく、卒業できた)。【開業医】

・自分は家が貧乏だったが、国立医大に合格したので授業料免除を受け、ほとんど金を使わずに医師免許を取った。最近の世の中の連中が給付型奨学金と声高に叫んでいるが、全て甘えである。勉強もできず遊ぶために大学に進学するような輩に金を出す必要は一切ない。医学部も同様である。国立に行く学力もなく私立に行く金もないような奴は、さっさと諦めるべし。【勤務医】

・自身が問題なかったので分かりません。同級生で留年すると奨学金が停止されるので、スト破りをしようとした同級生がいます。今考えれば、彼も立場も分かるような気がしています。【勤務医】

・自分自身、父親を亡くしてから私立医大へ無理して入学したため、多額の奨学金を借りている(3000万円超 )。20代にして 家が買えるような借金を持っていることに非常に不安を感じ、返済にも苦労している。【勤務医】

・我が家は客観的にも相当困窮家庭で、兄弟は小学から新聞配達、私(女性)は、中学校2年から親戚のお店で仲居さん状態。でも兄と共に国公立医学部に合格し、現在も広く患者さんから、きさくな女医さんと慕われている感じです。困窮家庭でも医学部に行けるのが今の日本のよいところで、医師になるとかえって患者扱いが上手な気がします。家庭教師を週8回行い奨学金なしで頑張ったけれど、給付型どころか変換型奨学金の存在を知っていたら、もう少し大学生活楽しめたかな?(知る間 も惜しんでバイトと勉学です)【開業医】

・私の家庭は貧乏でしたので、大学は育英会の奨学金と授業料免除でなんとか卒業できました。当然ある程度の成績を保たないと授業料免除は打ち切られるとのことでしたので、それなりには努力しました。大学で4年間遊ぶために入っている人に給付する必要なんてありませんが、努力している人が報われるように、授業料のためにバイトする時間を勉強に回せるよう、子育て世代の負担軽減のためにも、給付型奨学金の検討は必要かと。【開業医】

・私自身、医師になって20年経っているが、いまだに育英会の奨学金を返し続けている。一種で利子がかからないので、後回しになっているというのもあるが、確かに医師以外の仕事でこれを返し続けるのが困難であることは容易に想像できる。経済的に困窮しているものに優先するのは当然だが、国を背負う優秀な人材であれば家庭環境に関係なく奨学金にチャレンジできる機会も必要ではないかと思う。【勤務医】

・私自身、非常に貧乏な家庭に育ちました。大学時代は、生活費、学費等(授業料以外の本代)を稼ぐため、まず働かなければならず、非常に大変でした。当然、奨学金を借りながらの生活で、ほぼ毎日、お金の残高を気にしながら生活をしていました。幸い、国立大学であったため、貧乏な家庭の子供は授業料を免除されていました(月2万円程度)。しかし、学年が上がるにつれ、実習の時間が増えたため、まず、生活のためアルバイトを優先し、結局1年留年をしてしまいました。大学卒業後は、高校時代からの奨学金の返済が500万以上になり、返済にも当初は困りました。せめて、国公立の医学部に入れる学力のある貧乏な医学部生には、学業に専念するため、給付型の奨学金を是非とも給付していただきたいと、私の経験からお願いしたいです。【開業医】

・国立大学の医学部なら、貧しく生活すれば卒業できた。遊んだり、ゆとりはないが、何とかなるもんです。親の収入が少なければ、授業料の免除もある。最も安いアパートに住み、大学の図書館で勉強するのは、始めはつらいが、慣れれば、それが日常になる。何とかなるもんだ。私立医大は経済的に無理なので、受験していなかった。親の経済力も、実力の内と思って納得して、受験に挑んだ。【勤務医】

・経験から言って、卒業(大学院)するまでもらうと、返却にはかなり苦労する。【勤務医】

・貧困家庭のためハンディを持つ若者が少なくありません。私自身母子家庭で育ち、学生時代に給付型奨学金を受けたことで大変助かりました。そうしたこともあり、医学生を援助する際には、経済的な背景を優先的に考慮してほしいと思っています。【勤務医】

・病気の両親の治療費、生活費、入学費用、入学後のさまざまな費用は、全て自分で働いて都合をつけ、6年間で卒業した。生きる努力をしない生徒に、簡単に奨学金を与えるのは、不公平で、倫理的に良くないこと。【勤務医】

・私は家が経済的に貧しく、多額の奨学金を借り、かなりつらい思いをして医学部を卒業した。家が貧しいことは現状では医者になる上での大きなハンディになっていると思うし、実際、相当の能力や熱意がないと難しいことだと思う。親の経済状況による不公平をなくすためには、卒業と同時に借金を抱えさせられる現在の奨学金制度では不十分で、給付型奨学金は不可欠だと思う。また、給付型奨学金を新設・拡充する際には、従来の奨学金を受けて卒業し、現に借金を抱えている医師に、世代間の不公平を感じさせない施策も必要。【勤務医】

【貸与であるべき】
・給付型でなくてよいと思います。奨学金を借りて勉強するには、将来的に返せるようになるという覚悟を持って借りるべきと思います。私自身も借りましたが、きちんと返しました。返す方が、勉強にも身が入ります。無料はなんでもよくありません。【勤務医】

・奨学金は無利子で返還することが当然です。財源がありません。自分も借りましたが社会人になって返還しました。【薬剤師】

・無償給付で教育費を賄っても、本当の実力は備わらない。【勤務医】

・奨学金を借りて返せないようなコストパフォーマンスの悪い大学には初めから進学する必要が無い。高卒で十分。【勤務医】

・本来、奨学金は貸与型が筋であり、借りたお金を返すことで後輩が貸与できるリレー方式が理想。その返済が上手くいかないために場合によってはブラックリストに載ってしまい、トラブルになるのが昨今の問題だと思われる。まずはなぜ返済ができないのか、その対策をしっかり行う必要がある(一定条件下で金利を下げる、期間を延長するなど)。安易な給付型の拡大は予算の増大、ひいては将来の国全体の経済不安定化につながるため、給付型奨学金を受けるためには成績要件を課すのが大前提と考える。むしろ成績要件を満たした学生に対してはしっかりと奨学金を給付すべきであり、ぜひ日本や国際社会に貢献できる人材に育ってほしいものである。【開業医】

【医師なら返せるはず】

・医学部限定であれば医師として仕事をすれば返済できないことはないようにも思われる。無利息であれば返済できないことはないのでは?環境は本人にも周囲にも責任があるわけではないが、親が医師であれば子供にも期待するであろうし、それを前提とした教育をするのであれば、それなりの成果はあるはず。少なくとも親が医師でない場合とは教育のレベルが違うと思う。【薬剤師】

・医学部に関しては奨学金は必要だが、給付型でなくても良いのではと思う。他の学部に比して、卒業後に返還は比較低可能と思われる。【開業医】

・医学部に限って言えば、卒業後に所得が低くて奨学金を返済できないということはあり得ないので給付型である必要はない。【勤務医】

【給付型であるべき】

・比較的裕福な家庭の子供が幼少時から塾や予備校への多大な教育投資受け続けて、国立医学部に進学するというのが現状です。もっと幅広い階層の人たちが医者(医者に限らず高等教育を受けるよう)になる社会が活力を保つと考えます。そのためには給付型奨学金が大切です。私の同級生でも非常に優秀な人は給付型奨学金をもらっていました。金を払って医者になるのは私立大学がその役割を果たしてくれます。【勤務医】

・高等教育を受けた人材を多数輩出しない限り、現代社会は維持でき得ない。そのための社会投資として、給付型奨学金を大幅に拡充すべきことは、世界の常識だ。【開業医】

・医師養成には1人当たり1億とも言われるが、高度化する医療を担うための優秀な人材確保のためには、給付型奨学金を増加し、原則として、国費によることが望ましいと考える。【開業医】

【私立、国立の学費差の問題】
・医学部を受験する上で学費という壁は必ずぶち当たります。ほとんどの家庭において私立医学部は進学する候補にすら挙がりません。医師という職業の重要性を考慮すると、生まれた環境での経済力によって医師になる道が閉ざされてしまう可能性があってはならないと思います。したがって、私立も国公立も等しく同じ学費にすることが理想的と考えます。【勤務医】

・国公立大学か難関私立大学に合格したものの、経済的理由で進学困難な場合に給付すべき。二流、三流の私立に合格したからといって、給付すべきでない。【勤務医】

・私立大学はそもそも一部の人しか入学できない学校なので、支援は必要ないと思う。自分のお金で行けば良い。国公立大学はそうで無い人たちに開かれた大学なので、逆に支援を大量に投入すべきと思う。【開業医】

【その他】

・大学教育は基本無料であるべきこと。【勤務医】

・貧困の連鎖から抜け出す希望の見える社会になると良いです。【勤務医】

・成績と家庭の所得は比例する傾向がある。成績優秀者だけを給付型にすると、貧困家庭との学歴の差が余計に広がる傾向となってしまう。経済的貧困者の給付型は格差是正のため、必要である。【勤務医】

・現在は裕福な家庭で育った人ばかりが、医者になっているような気がします。私の周りでもそうです。どんな環境で育っても医師になれる未来になってほしいです。【その他の医療従事者】

・これだけ現場が頑張っても、医師の偏在はなくなりませんでした。地方大学は地元枠の医師を増やすべく、地域枠の学生の比率を上げて取り組むべきで、これに国が給付型奨学金を与えるべきである。経済力があると言っても、私立大学の医学部に入学させるのはとても大変であり、裕福な家庭しかできないと思われます。【勤務医】

・経済力もさることながら、生まれ育った環境による影響が大きいと思う。やはり、田舎では医学部へ行ける学力を備えられる人が沢山いても、一生懸命やる人は浮いてしまう。都会のようにはいかないと思うが、皆が可能性を感じられる雰囲気作りをしていかなければならないのではないかと思う。【薬剤師】

・経済力があると優秀な塾に行けるのは有利。しかしながら、平均所得以上の家庭なら、本人の努力で医学部合格は可能です。ただ、遠方に受験にいく旅費が用意できない家庭の子は大変だと思います(現在はその人の得意科目や得点結果により日本全国で合格しそうな大学に受験にいく時代なので)。【開業医】

・都会は私立が多いかもしれないが、地方は皆高校まで公立が普通です。それに経済的困窮者は小学校からずっと学費免除になっています。国立医学部も学費免除の制度がありますので、経済的に裕福じゃないと医学部に行けないということはないと思う。【勤務医】

・大学というのは、在学中は自由に学び、卒業後も自由に働くための最高学府だと思います。若者がそこへ身を置くための機会は親の経済状況だけに左右されないように、ある程度、公的に担保されるのが成熟した社会として健全かと思います。しかしながら、国公立の医学部というのは税金で医師を養成しているという認識が社会に強く根付いています。ここに給付型奨学金を投入すると、さらにその認識は強まるのではないでしょうか?医学部だけでなく、他学部に対してもその認識が強まると、学生の選択できる進路が狭窄化してしまいます。それでは大学というのは単なる専門職訓練校に成り下がってしまいます。国公立大学の運営についても同じことが云えますが、給付型奨学金についても、直接的な社会への還元を期待するのではなく、若者に経済的な懸念を持たせずに自由に学ぶ場を与えるという大らかな在り方であってもらいたいと思います。【勤務医】

・給付型奨学金は投資効果の上がる対象に与えるべきであるが、そもそも、国公立大学の学費を上げすぎたのが大きな失政であることを確認すべき。1970年代末の都道府県立の医学部で県内出身者は年間学費1万4400円!だったところがあると記憶している。国立は、その数倍だったかもしれない。今や50倍。当時と比べて大卒初任給は1.5倍くらいだろうか。私立医大は一番安いところで初年度の納付金が1000万円だったと思う。一方で、分数ができなくても入れる理系学部を設置する意味は無い。また職業教育を行うのは大学ではなく専門学校であり、教員養成大学と同じく4年生大学と同等の位置づけで良いが、設置目的のところで明確に分離していく方が予算編成の意味も含めて、良いだろう(教員養成大学は教育研究は行う)。医学部も臨床医養成コースと医学研究者養成コースを原則分離した上で、2-4年間のコース変更や復帰などは意欲的な人間が選べる柔軟な設計にするとよいかもしれない(もちろん臨床医コースは臨床研究に関しては行う形になると思う)。【勤務医】

・世界中で、日本ほど奨学制度が安易に実施されている国はないと思います。マスコミが北欧では大学まで無料で行けると報道していますが、個人の成績がよい人に限られていて、日本ほどに大学への進学率も高くない。逆に、技術を持った職人への尊敬の念が強く、マイスターのような制度も普及している。本気で学習する人には、奨学金(返済不要)があってもいいが、今の日本のような制度では成り立つわけがないと思う。【開業医】

・現在の入試方法では小学校以前からの過剰なトレーニングや試験慣れがある程度必要であり、これについては経済的に恵まれている者の方が有利であることは疑いようもない【勤務医】



https://www.m3.com/news/iryoishin/443620
シリーズ: 医師不足への処方せん
成田医学部、「将来に禍根を残さないよう判断を」
医学部長病院長会議ら3団体、大学設置審宛て文書

2016年7月22日 (金) 橋本佳子(m3.com編集長)

 全国医学部長病院長会議は7月21日の定例記者会見で、千葉県成田市の医学部新設について、「日本の医療・福祉の将来に禍根を残すような決定が下されることのないよう慎重な判断」を求める文書を、文部科学省の大学設置・学校法人審議会宛てに提出したことを公表した。文書は7月19日付けで、日本医師会と日本医学会との連名。

 同会議会長の新井一氏(順天堂大学学長)は、「従来から我々が主張している内容を改めて提言した」と説明し、理解を求めた。

 成田市は政府の国家戦略特区に指定され、国際医療福祉大学が2017年度の開学を目指し、医学部新設を予定している(『国際医療福祉大学、「明治以来の医学教育を変える」』などを参照)。大学設置・学校法人審議会で現在審議が行われており、今夏に結論が出る見通し。3団体は、2015年2月13日にも、「国家戦略特区による医学部新設に反対」する声明を公表、その後も全国医学部長病院長会議は、繰り返し国家戦略特区の医学部新設の条件に合致するよう審議するよう要望してきた(『成田の新設医学部、「一般臨床医の養成はNG」』などを参照)。

 全国医学部長病院長会議顧問で、新設医大対応ワーキンググループ座長の小川彰氏(岩手医科大学理事長・学長)は、特に「国際的な医療人材の育成」という医学部新設の条件に合致するかどうかを厳密に判断するよう求めた。2015年7月31日付けの内閣府、文部科学省、厚生労働省の3府省の「国家戦略特別区域における医学部新設に関する方針」を挙げ、「この方針を逸脱したものを作ってもらっては困る」と主張。

 成田市の医学部新設をめぐっては、2016年の通常国会の予算委員会などで取り上げられた。安倍晋三首相は、3府省のこの方針の趣旨を踏まえ、「留学生を含めた学生全員に対して、国際的な医療人材の育成のための教育が行われる予定であると承知している」などの答弁をしている。

 そのほか小川氏は、厚労省の「医療従事者の需給に関する検討会」の「医師需給分科会」の中間報告で、2024年には医師の需給が均衡に達するとされていることから、「医師養成が過剰となる時期の医学部新設、目的な不明確な医学部施設は到底認められない」と指摘(『偏在対策「強力」に、「医師の働き方ビジョン」も策定 』を参照)。さらに「特殊な医療人材の育成のための医学部であれば、定員は限定的とすべき」とし、3府省の方針を厳格に守ったとしても、国際医療福祉大学が予定している定員140人は「常識を逸脱している」と問題視した。



https://www.m3.com/news/iryoishin/441649
3疾患の死亡率、「5年間で5%減少」 目指す- 小室一成・日循代表理事に聞く◆Vol.2
疾患登録で実態把握とエビデンスづくり

インタビュー 2016年7月24日 (日) 聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)、高橋直純(m3.com編集部)

――日本の製薬企業は、循環器領域の薬の開発には熱心ではないとのことですが、海外の製薬企業の場合は、どうでしょうか。どの辺りの領域をターゲットにしているのか、また対症療法的な薬ではなく、何らかの根本的な治療薬開発のアプローチは進んでいるのでしょうか。

 やはり重要なターゲットは、心不全だと思います。心不全の患者さんは世界中で増えていて、我が国でも循環器疾患による死亡のトップは、心不全です。心不全は、簡単に言えば、「心臓が動かなくなる」病態ですが、なぜ動かなくなるのか、その理由は実は分かっていません。そのため、「原因が分からないので、とにかく何とかしましょう」というのが今の治療。心臓に戻る血液を減らして、心臓を休ませる、あるいは補助人工心臓を植込んで、心臓の役割を肩代わりする治療が行われていますが、根本的な治療ではありません。

 分子標的薬のように、原因を明らかにして、その原因に対する治療法を確立しないと、心不全は治せません。がんの治療は、これまではすごく遅れていたと思っていたのですが、メカニズムが徐々に分かり、分子レベルの治療薬ができ、治る疾患になりつつあります。一気に循環器疾患は追い抜かれてしまった。

 循環器疾患についても、例えば、「心臓を保護しましょう」という治療ではなく、なぜ動かないのかを明らかにして、その治療薬を開発していかないことには、大きな進歩はないと思うのです。


「5カ年計画」で、心不全、脳卒中、血管病の年齢調整死亡率を「5年間で5%、10年間で10%」の減少を目指すという。

――ある程度、その辺りは分かってきたのでしょうか。

 世界中で研究され、徐々に明らかになってきていますが、大きなブレークスルーはまだありません。心不全はあらゆる循環器疾患の「終末像」です。最後は心臓が動かなくなりますが、いろいろな原因が考えられるので、その一つ一つを明らかにしていく以外に道はないのです。

――研究が活発になってくると、研究者も関心を持ち、集まってくる。

 そうですね。学会としても研究の重要性を訴えていきたいと思います。

――日循として重要視する疾患登録事業については、「循環器疾患診療実態調査」(JROAD)が既にありますが、これをもっと発展させていく意向なのでしょうか。

 JROADは今、国立循環器病研究センターの小川久雄理事長が中心になり、主にDPCデータを使って、大規模の病院のデータを集めています。しっかりとしたデータなのですが、今後の課題は、例えば心筋梗塞になった場合にその人の予後をフォローしていくことです。断面調査ではなく、追跡できるような調査をしないといけない。心不全や心筋梗塞の予後はどうか、何らかの治療をした場合、予後は延びたのか……。これらのことが分かるデータベースにしていく必要があります。

 日本循環器学会では、JROADをはじめ、電子カルテからそのままデータを取り込むことができるSS-MIXを使った臨床効果データベースや症例登録データベースなど、3つのデータベース事業が走っています。これらをうまくミックスするか、あるいは相互に補完し合いながら、良いレジストリを作りたいと考えています。

――疾患登録事業から分かってくるのは、患者数などの実態だけでなく、診療データも入力することにより、治療法の改善や、疾患の解明につながるようなエビデンスが出てくることが期待されるのでしょうか。

 はい。日本でどのような治療がされているのか、ガイドラインに沿った治療がどの程度行われているのか、ガイドラインに沿った治療が行われた場合には、そうでない場合に比較して本当に予後が改善しているのか、などが分かるようになってくると思います。

――先生は6月に代表理事に就任され、任期は2年です。その間、「5カ年計画」はどのくらい実行できるとお考えですか。

 どの程度できるかの予想は難しいですが、「5カ年計画」では、数値目標も作ります。心不全、脳卒中、血管病の3疾患について、年齢調整死亡率を、5年間で5%、10年間で10%減少させることを大きな目標にしています。5年間で健康寿命を延伸させることも目標にしています。それ以外についてもなるべく数値目標を立て、それに向かって目標を達成することを目指します。



https://www.m3.com/news/iryoishin/443682
「“平時”は家庭医、時々、緊急人道支援」
PWJの広島県神石高原町、医療プロジェクト◆Vol.1

レポート 2016年7月24日 (日)配信橋本佳子(m3.com編集長)

 “平時”は広島県神石高原町にある診療所で、高齢者だけでなく、IターンやUターンで同町に来たファミリー層や若者を診療し、その合間をぬって、瀬戸内海に点在する無医村の島々にヘリコプターや船で訪問診療や往診を行い、地域医療で培った知見を基に博士論文をまとめる。地域再生のモデルを目指す、自然体験型の公園「神石高原ティアガルテン」の運営にも参画し、医療以外でもさまざまな分野の人と活動を共にし、経験を積む。いざ大規模災害が発生した場合には、国内はもちろん、海外にも緊急人道支援として出向き、発災直後のトリアージや傷病への対応から感染症対策まで、医療担当ドクターとして活躍する……。

 そんな既存の「医師」の概念に捉われない、マルチな才能を持つ、ソーシャルビジネスを担う医師の養成を目指すプロジェクトが始動しつつある。主導するのはNPO法人ピースウィンズ・ジャパン(PWJ、広島県神石高原町)。神石高原町で開業する鈴木クリニック院長の鈴木強氏、東京大学大学院医学系研究科国際保健学教授の渋谷健司氏など、多様なプレーヤーも参画するユニークな活動だ。

 神石高原町は、この10年間でも高齢化が進展し、10年前は、人口約1万2000人、高齢化率は約41%だったが、今は約9600人で、約45%と非常に高い。PWJ代表理事を務める大西健丞氏は、「人口減少・高齢社会という日本社会のはるか先を行くのが、神石高原町。地域再生として、観光、有機農業、放牧、酪農などを展開しており、そこにIターンやUターンを呼び込むには、医療と教育の充実が不可欠」と語り、神石高原町だけでなく、へき地や離島などの医療過疎対策のモデル構築を目指す。一方で、PWJが得意とする緊急人道支援において、これまで手薄だった医療支援の強化を図る。これらの目的が一体化したのが、神石高原町での取り組みだ。「医療に必要な診療報酬以外のマネーフロー」(大西氏)を考えていることもユニークで、ヘリコプター運用にはPWJの事業資金を充てることを想定している。


 鈴木氏は、約30年前に「無医村で働きたい」という思いから、当時の神石町で開業(その後、町村合併で2004年に神石高原町が誕生)。今年で71歳になるが、「新しいことは何でもやりたい。志を持った若い医師が神石高原町に来てくれれば、一緒に取り組みたい」と期待を込める。

 PWJの理事でもある渋谷氏は、「グローバルな視点と、医療の未来を見ている発想がユニーク」と説明した上で、若手医師にとって価値のあるプロジェクトになると展望する。「地域医療に取り組むためには、人をどう動かし、必要な資金をどう確保するかという視点が大事であり、リーダーシップ、マネジメント、コミュニケーションなどの能力が必要。これらはまさにOJTでしか学べず、その場が神石高原町」(渋谷氏)。大学医局に属すなど、既定路線のキャリアではなく、多様なキャリアを考える際の選択肢を得る意味でも、神石高原町で経験を積むメリットは若手医師にとって大きいと、渋谷氏は見る。


 「日経ソーシャルイニシアチブ大賞」を受賞

 PWJは、1996年から紛争や自然災害などの際の緊急人道支援に取り組み、今年20周年を迎える老舗のNPOだ。これまでの活動実績は28の国・地域に及び、現在も11カ国で活動中だ。年間約30万人を支援している。国内でも東日本大震災をはじめ自然災害支援に従事、今年4月の熊本地震では発災当日の4月14日から活動を開始、翌15日から支援に入った。

 政府や公的機関の支援は、「国 対 国」、「国 対 地方自治体」であり、支援を必要とする側からの要請がないと動けない場合が多い。これに対し、NGOなどの非営利組織の場合、要請は不要。PWJは、これまでに海外で培った経験を踏まえ、「Search & Rescue」(捜索・救助活動)をはじめ、機動力を生かし、さまざまな迅速な支援を展開してきた。

 PWJが今、力を入れている地域が神石高原町。広島空港から車で約1時間の場所にある、標高約700mの山間の町で、基幹産業は米作りを中心とした農業。高齢化率は約45%に達し、いわゆる「限界集落」が増えている。

 この地に、2011年に災害救助犬訓練センターを開設、災害救助犬とレスキューチームの育成を開始した。救助犬の候補を広島県内の動物愛護センターから引き取ったこときっかけに、「犬の殺処分ゼロ」を目指す、「ピースワンコ事業」も開始。今年からセンターで殺処分対象となった犬を全頭引き取ることを決定し、「開始1000日以内の殺処分ゼロ」を前倒しで達成した。 受け入れは1000頭にも上る見通しだ。犬の受け入れ後、病気の有無などをチェック、一定のトレーニングを行い、災害救助犬にしたり、ペット用の犬として一般に譲渡するという一連のプログラムを持つ。

 この「ピースワンコ事業」を展開するのは、「神石高原ティアガルテン」の一角。ドイツ語で、「Tier(ティーア)」は動物、「Garten(ガルテン)」は庭や公園を意味する。

 「神石高原ティアガルテン」では、神石高原町が持っていた公園を、「株式会社神石高原ティアガルテン」が公設民営の形で運営し、さまざまな体験学習や自然と共生できる遊び場に作り変える地域再生プロジェクトが進行中だ。PWJは、多彩なネットワークを生かし、資金調達と運営の両面で支援する。2015年7月のグランドオープンまでの第1期に1.6億円、7月以降の本格稼働から2016年3月までの第2期に1.4億円の費用がかかったが、各種補助金や寄付などを調達し、運営に必要な各分野の専門家に協力を呼びかけた。

 「神石高原ティアガルテン」には、さまざまな体験学習、キャンプができる場などがある。最近オープンしたのは、地元で取れた農産物や特産物を販売するショップと、地元食材を使った食事を提供するレストラン。牧場も持ち、乳製品の販売も始めた。近く薬草などを育てるガーデンも作る予定だ。

 「1法人、1事業」の発想で取り組むNGO、NPOが多い中、PWJが多様な事業を展開するのは、ソーシャルビジネスという発想があるため。ソーシャルビジネスは、日本ではようやく普及しつつある言葉だが、アメリカなどでは大学で、ソーシャルビジネスの担い手を養成する講座もある。簡単に言えば、企業は「利益の最大化」を基本とするのに対し、「社会の課題解決」を目的とするのが、ソーシャルビジネスだ。PWJは今年、ピースワンコ事業や神石高原ティアガルテンでの活動などが評価され、ソーシャルビジネスへの取り組みを表彰する「日経ソーシャルイニシアチブ大賞」を受賞した。

 「時代が変われば、社会の課題も変わる。新しい課題が生まれれば、その解決に取り組むのは自然の流れだった」(大西氏)。神石高原町は、地域再生の解決策を見いだす「ショーケース」であり、地域によって異なる課題の解決策を神石高原町でのさまざまな取り組みから見いだしてもらうことを大西氏は期待する。

 そんなPWJが今後、力を入れようとしているのが、冒頭に紹介したような医療過疎対策への取り組みだ(Vol.2に続く、近日掲載)。


  1. 2016/07/24(日) 10:12:54|
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7月22日 

http://www.nara-np.co.jp/20160722091907.html
南、西和で医師不足 - 偏在解消急務/県内の医療圏
2016年7月22日 奈良新聞

 県内で医師や看護師の慢性的な不足状態が続く中、改めて医師の偏在解消が重要な課題に浮上している。県を5カ所に分けて設定されている医療圏別で見ると、南和、西和両医療圏が全国平均の医師数を大幅に下回り、偏在性が著しい。県は実態調査を踏まえて、自治医科大学卒業医師の育成や地域医療に関するイベント、医学生を対象とした夏期へき地医療体験実習などに力を注いでいる。

 人口10万人当たりの医師数(平成26年、厚生省調査)は、全国平均で233・6人。県は、これを下回る225・7人(全国27位)にとどまっている…

記事の詳細は本紙をご覧下さい ⇒ 【 奈良新聞を購読する 】



http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG22H9U_S6A720C1CR8000/
抗がん剤「オプジーボ」、厚労省が注意喚起 医師会などに
2016/7/22 20:52 日本経済新聞

 免疫の働きを利用してがん細胞をたたく抗がん剤「オプジーボ」について、厚生労働省は22日、別の抗がん剤を併用した8人の患者が間質性肺疾患を発症し、3人が死亡したとして日本医師会や日本薬剤師会など7団体に注意喚起の文書を送った。文書では治療の際、間質性肺疾患の既往歴を確認するなど慎重に投与することを求めた。



https://medical-tribune.co.jp/news/2016/0722504159/
専門医機構にエール、「全面的に協力」〔CBnews〕
医学部長病院長会議・新井会長

CBnews | 2016.07.22 17:40 Medical Tribune

 専門医の養成方法について月内にも方針を固める日本専門医機構(機構)について、全国医学部長病院長会議の新井一会長(順天堂大学長)は21日の定例記者会見で、「より良い制度をつくっていこうということで、正しい方向に向かっていると強く信じている。全面的に協力したい」と述べ、エールを送った。

 専門医の養成方法をめぐっては、学会に代わって機構が養成プログラムの認定などを行う新制度を、内科など19の診療領域で導入する準備が進められてきた。

 しかし、新制度では養成を行う施設になるための基準が厳しく、結果として医師の地域偏在を悪化させるといった懸念が医療現場から上がったため、機構は導入時期などの再検討を開始。20日の理事会で、導入時期を先送りし、2018年度からの養成開始を目指す方針を決めた。

 全国医学部長病院長会議は、機構の設立時である14年5月からの社員でもある。21日の会見で新井会長は、「基本的には機構(の理事会)の判断を尊重したい」と述べ、新制度の導入に向けて今後も協力していく方針を強調した。

 その上で、新制度に向けて、養成過程の医師の海外留学や進路変更、出産・育児などに柔軟に対応できるような制度設計を求めていく考えも示した。

偏在防ぎつつ大学病院が貢献できる仕組みに-機構理事長

 また、同会議の監事でもある機構の吉村博邦理事長が会見に出席し、大学院生の専門医資格取得や、専門医の医学研究への従事などを新制度で後押しする方針を表明した。さらに、医師の偏在を防ぎ、なおかつ大学病院が質の高い専門医の養成に貢献できる仕組みづくりにも力を入れるとした。

(2016年7月22日 佐藤貴彦・CBnews)



http://news.biglobe.ne.jp/trend/0722/kyo_160722_9596737648.html
在宅支援診療所3割空白
552市町村、厚労省集計

2016/7/22 16:48 共同通信

 全国の自治体のうち3割に当たる552市町村では、昨年3月末現在、病気や高齢のため自宅で過ごす患者を医師らが訪問して治療する「在宅療養支援診療所」(在支診)がないことが、厚生労働省の集計で分かった。

 国の調査では国民の半数以上は「自宅で最期を迎えたい」と考えているが、在宅療養を支える基盤が整っていない現状が浮かび上がった。自宅で亡くなる人の割合に自治体間で大きな差があることが判明しており、こうした医療提供体制のばらつきが一因とみられる。



https://medical-tribune.co.jp/news/2016/0722504153/
自由診療で行う再生医療対象の新しい保険制度を創設へ〔読売新聞〕
yomiDr. | 2016.07.22 11:45

 日本再生医療学会と三井住友海上火災保険は21日、自由診療で行う再生医療を対象とする新たな保険制度を11月に創設する、と発表した。細胞の採取や注入で死亡や障害が起きた場合に、患者らに補償金が支払われる。安心して再生医療を受けられる体制作りを目指す。

 同学会の会員の医師や歯科医師らが保険に加入。事故が起きた場合に、三井住友海上から保険金が支払われる。

(2016年7月22日 読売新聞)



http://www.medwatch.jp/?p=9765
新専門医制度は一斉スタートが好ましい、総合診療専門医も18領域と同水準が必要―全自病・邉見会長
2016年7月22日|医療・介護行政をウォッチ

 新専門医制度について、日本専門医機構が全国自治体病院協議会の要望に沿って一度立ち止まることになり、ほっとしている。新専門医制度は一斉スタートが好ましく、総合診療専門医についても18の基本領域の専門医と同水準となるように養成する必要がある―。

 全自病の邉見公雄会長は、21日の記者会見でこのようにコメントしました。

ここがポイント!
1 新専門医制度、一度立ち止まることになり「ほっとしている」
2 人件費・医薬品費の高騰で自治体病院の経営悪化

新専門医制度、一度立ち止まることになり「ほっとしている」

 日本専門医機構は20日の理事会で、専門医制度について「新プログラムは2018年に一斉運用する」方針を固めました。事実上、新制度のスタートを1年間遅らせる格好です(関連記事はこちら)。

 この決定について機構の理事でもある邉見会長は、「全自病の要望に沿って一度立ち止まり、大きな混乱は起きないと思う。ほっとしている」とコメント。

 ただし「専攻医の大都市への集中」などの課題を1年間で解決できるのかという点については、「今の制度では解決できないと思う。個人的には地域の医療を確保するための制度や組織をつくり、一般の医療が全国に遍く行き渡った後に新専門医制度をスタートさせるべきである」旨の考えを述べました。

 また、総合診療専門医については、「日本専門医機構でも医師でない理事からは早急な養成が指摘されているが、すでにある18の基本領域と同水準の総合診療専門医を養成する必要がある。一斉スタートが好ましい」と述べ、2018年からの養成開始とすべきとの考えを示しました。

人件費・医薬品費の高騰で自治体病院の経営悪化

 21日の記者会見では、2015年度の決算見込み調査報告書も示されました。それによると▽地方公営企業法適用病院の58.0%(前年度比2.4ポイント増)、地方独立行政法人病院の44.2%(同14ポイント増)が赤字▽病床規模別に見ると200-399床の中規模病院で赤字割合が極めて高い―ことなどが明らかになりました。

 この点について邉見会長は、「民間企業の給与増に伴い、人事院勧告によって公務員の給与増も行われた。また、ハーボニーやオプジーボなど高額薬剤の登場で医薬品費も上がっている」とし、人件費・医薬品費の高騰によって病院経営が厳しくなっていることを強調しています)。



http://www.jomo-news.co.jp/ns/2714691191508297/news.html
「病院全体の問題」 群馬大・事故調報告書 月末にも公表
2016年7月22日(金) AM 09:00 上毛新聞

 群馬大医学部附属病院(前橋市)の旧第2外科で同じ男性医師(退職)の手術を受けた患者が相次ぎ死亡した問題で、学外有識者でつくる医療事故調査委員会は、医師に過大な負担がかかる診療体制や死亡例を早期に把握できなかった病院の管理体制が問題拡大につながったとする報告書をまとめる方針を決めた。組織全体の問題と判断し、再発防止に向けた改善を求める。複数の関係者の話で21日分かった。

 報告書は月末にも公表する。問題は発覚から1年半余りで節目を迎える。



https://www.m3.com/news/iryoishin/443620
シリーズ: 医師不足への処方せん
成田医学部、「将来に禍根を残さないよう判断を」
医学部長病院長会議ら3団体、大学設置審宛て文書

2016年7月22日 (金) 橋本佳子(m3.com編集長)

 全国医学部長病院長会議は7月21日の定例記者会見で、千葉県成田市の医学部新設について、「日本の医療・福祉の将来に禍根を残すような決定が下されることのないよう慎重な判断」を求める文書を、文部科学省の大学設置・学校法人審議会宛てに提出したことを公表した。文書は7月19日付けで、日本医師会と日本医学会との連名。

 同会議会長の新井一氏(順天堂大学学長)は、「従来から我々が主張している内容を改めて提言した」と説明し、理解を求めた。

 成田市は政府の国家戦略特区に指定され、国際医療福祉大学が2017年度の開学を目指し、医学部新設を予定している(『国際医療福祉大学、「明治以来の医学教育を変える」』などを参照)。大学設置・学校法人審議会で現在審議が行われており、今夏に結論が出る見通し。3団体は、2015年2月13日にも、「国家戦略特区による医学部新設に反対」する声明を公表、その後も全国医学部長病院長会議は、繰り返し国家戦略特区の医学部新設の条件に合致するよう審議するよう要望してきた(『成田の新設医学部、「一般臨床医の養成はNG」』などを参照)。

 全国医学部長病院長会議顧問で、新設医大対応ワーキンググループ座長の小川彰氏(岩手医科大学理事長・学長)は、特に「国際的な医療人材の育成」という医学部新設の条件に合致するかどうかを厳密に判断するよう求めた。2015年7月31日付けの内閣府、文部科学省、厚生労働省の3府省の「国家戦略特別区域における医学部新設に関する方針」を挙げ、「この方針を逸脱したものを作ってもらっては困る」と主張。

 成田市の医学部新設をめぐっては、2016年の通常国会の予算委員会などで取り上げられた。安倍晋三首相は、3府省のこの方針の趣旨を踏まえ、「留学生を含めた学生全員に対して、国際的な医療人材の育成のための教育が行われる予定であると承知している」などの答弁をしている。

 そのほか小川氏は、厚労省の「医療従事者の需給に関する検討会」の「医師需給分科会」の中間報告で、2024年には医師の需給が均衡に達するとされていることから、「医師養成が過剰となる時期の医学部新設、目的な不明確な医学部施設は到底認められない」と指摘(『偏在対策「強力」に、「医師の働き方ビジョン」も策定 』を参照)。さらに「特殊な医療人材の育成のための医学部であれば、定員は限定的とすべき」とし、3府省の方針を厳格に守ったとしても、国際医療福祉大学が予定している定員140人は「常識を逸脱している」と問題視した。



http://www.asahi.com/articles/ASJ7Q238GJ7QUBQU002.html
高額な薬、適正使用の指針策定へ 厚労省 がん新薬など
2016年7月22日06時31分 朝日新聞

 厚生労働省は高額な薬剤が適正に使用されるように、病院や医師向けのガイドライン(指針)を作る方針を固めた。新型のがん治療薬「オプジーボ」などを想定。指針から外れた使い方をした場合は公的保険を適用できない仕組みにして、医療費の伸びを抑える。副作用のリスク軽減にもつなげたい考えだ。

 27日に開く中央社会保険医療協議会(中医協)で、厚労省が指針づくりの方向性を示す。指針は薬ごとに各分野の学会などとともにつくる方針。まずは、オプジーボと高脂血症治療薬「レパーサ」の指針づくりを進める見込みだ。指針では、薬が使用できる対象を専門性の高い医師や、副作用が起きた場合に対応できる高機能な病院、薬が効きやすい患者などに限ることを検討。今年度中の策定を目指す。

 こうした指針が必要になるのは、近年の製薬技術の高度化に伴い、効き目は高いが高額な薬剤が増えていることが背景にある。

 オプジーボは2014年に皮膚がんの治療薬として発売された。昨年12月に肺がんの治療薬としても承認され、対象患者が拡大。1人あたり年間3500万円程度の薬剤費がかかる。今年4月に発売されたレパーサは1回あたりの投薬で2万2948円かかり、長期間にわたって投与が必要なケースが多い。

 高額な薬剤は医療費も押し上げている。薬剤費は年間約40兆円の医療費の2割弱を占めており、15年度(16年2月まで)は前年同時期を9・0%上回るなど増加傾向にある。これが医療保険財政を圧迫しているほか、副作用も問題となっている。



http://mainichi.jp/articles/20160723/ddm/002/040/160000c
がん大国白書
第2部 検証・基本法10年/4 議員の告白、議論加速

毎日新聞2016年7月23日 東京朝刊

 昨年6月、山本ゆきさん(65)は東京・永田町の衆院第2議員会館で開かれた会議に呼ばれた。「当時を知る議員が減っている。がん対策基本法ができた経緯を話してほしい」と頼まれた。ゆきさんは、2006年の基本法成立に尽力した故・山本孝史参院議員の妻だ。

 山本議員は05年12月、検査で進行性の胸腺がんが見つかった。検査日は、同年5月に開かれた初の「がん患者大集会」で実行委員会代表を務めた医師、故・三浦捷一(しょういち)さんが亡くなった日だった。ゆきさんは「夫婦で『三浦医師からバトンを渡された』という使命を感じた」と振り返る。

 当時、国会では、日本のがん医療を変えることを訴えた三浦さんらの活動を受け、日本初のがん対策の法案作りが進んでいた。山本議員が所属する民主党案、与党案(自公案)があり、一本化は難航していた。06年5月、山本議員が参院本会議の代表質問に立つことになった。その頃、山本議員は抗がん剤の副作用で髪が抜け、かつらをかぶっていた。治療は思うように進まず、「これが最後の代表質問になる」と病を告白することを決めた。

 「私はがん患者として質問に立たせてもらっている」。公の場で、がんであることを初めて明らかにした。そして、がん医療の地域格差や治療してくれる医療機関を求めてさまよう「がん難民」の解消を訴え、議員たちにがん対策基本法成立への協力を求めた。質問を終えると、議場は拍手で包まれた。

 異例の演説をきっかけに、超党派の法案がまとまり、翌月の国会閉会日に基本法が成立した。当時、厚生労働省のがん対策担当として法案への問い合わせなどに対応した職員は「遅々として進まなかった法案の議論が、山本さんの告白をきっかけに一気に加速した。患者からのうねりが国会を動かし、患者中心の政策が作られた」と話す。

 基本法は、国の具体的ながん対策を検討する「がん対策推進協議会」に患者が委員として参加する仕組みを盛り込み、「患者主体のがん医療」という姿勢を明確にした。また、全国どこでも一定レベルの医療体制を確保するがん医療の「均てん化」のため、医療機関の整備や医療者教育が進み、海外で使える薬が国内で使えない「ドラッグラグ」も減少した。基本法以前のがん医療からは、変貌を遂げつつある。

 山本議員はがん告知から2年後の07年12月、58歳で亡くなった。昨年開かれた国会議員の会議で、ゆきさんは議員らに訴えた。「原点に立ち返り、一人一人の命を見つめた基本法にしてほしい。それが基本法の制定に命を削った先人たちへの何よりの報告になる」

 ゆきさんは最近、「基本法ができたがゆえに、がん難民が増えることになってはならない」という山本議員の言葉を思い出す。「法律があるから十分だ、と満足してはいけない。法律が成立して10年たつ今も、進行性のがんをはじめ、まだ治らないがんに苦しむ患者は多くいる。そのような人々を見捨てず対策を充実させてほしい」=つづく、次回は26日



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/49249.html
かかりつけ医も「トリアージ機能を」- 日病協が見解
2016年07月22日 22時00分 キャリアブレイン

 日本病院団体協議会(日病協)は22日に代表者会議を開き、将来はかかりつけ医も患者の緊急性や重症度に応じて治療の優先順位を決めるトリアージができるようになるべきとの意見で一致した。また、同会議では、高齢者にかかる医療費について、改めて検証すべきとの意見も出た。【松村秀士】

 同会議終了後に記者会見した神野正博議長(日本社会医療法人協議会副会長)は、「高齢者の医療に国がどうするのか、われわれがどう対応していくのかが、今後の議論の柱になる」と指摘した。さらに、トリアージをどこが担うかが課題だとし、「2次救急病院がトリアージ機能を持つのが現実的だが、将来的にはかかりつけ医もその機能を担っていただく必要があるという見解で一致した」と述べた。

 神野議長によると、同会議では、今月14日の社会保障審議会医療保険部会で示された、年齢層が上がるに従って1人当たりの医療費が高くなるとするデータについて、「患者1人当たり」なのか、「人口1人当たり」なのか、明確でないとの意見が出た。また、そのデータが「人口1人当たり」である場合、世代ごとの有病率などを踏まえると、「高齢者の医療費が高額とは必ずしも言えないのではないか」との指摘もあったという。神野議長は、「高齢者には医療費がかかるという見方について、もう一度、立ち止まってみる必要があるとの意見もあった」とした。

■新専門医制度、大学病院と地域の病院が「ウイン-ウイン」に

 同会議ではまた、日本専門医機構(機構)が2018年度をめどに開始することを決めた新たな専門医制度も議題に上った。新制度では、大学病院などが「基幹施設」となり、地域の病院などの「連携施設」と協力して専門医を養成する予定だ。

 神野議長は、「大学病院と地域の病院がお互いの考えをオープンにして、ウイン-ウイン(相互利益)の関係をつくるのが大事との意見で一致した」と説明。さらに、機構は医学部を卒業する予定のすべての人に専門医の資格の取得を望んでいるが、同会議では、全員が専門医の資格を取る必要はないのではないかとの見解でも一致したという。



http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201607/20160722_51054.html
<山形大生死亡問題>救急体制改善 初の議論
2016年07月22日金曜日 河北新報

 救急車が出動せず、119番通報した山形大生が死亡した問題を受け、山形市は21日、消防関係者や医療従事者ら専門家5人で組織する「市救急救命業務あり方検討会」の初会合を市役所で開いた。学生の死亡後、市消防本部が取り組んだ救急救命体制の改善策に対し、委員からは「現場担当者に市民の心に寄り添う気持ちが欠けていては駄目だ」などの厳しい指摘があった。
 消防本部側は席上、通信指令業務の研修カリキュラムの整備や通信指令課への救急救命士の配置など、改善策の事例を報告した。
 委員からは「マニュアルに沿った対応だけでなく、通報者の体調や状況を的確に聞き取る訓練が必要だ」「市が実施する24時間医療相談サービスの周知が市民に徹底されていない」などの問題提起が相次いだ。
 検討会終了後、座長の森野一真県立中央病院副院長は「電話でのコミュニケーションは難しい。会話から症状の重さなどが分かるようなトレーニングが必要だ」と話した。佐藤孝弘市長は「形式だけでなく、実質的に市民の安心、安全を高めていかなければならない」と語った。
 市は年数回、検討会を開き、委員からの意見を参考に救急業務の改善を図る。



http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201607/20160722_51054.html
2018年度のDPC暫定調整係数廃止に向けて、機能評価係数の新項目を検討していく―日病協
2016年7月22日|医療・介護行政をウォッチ

 今後、新たな機能評価係数IIの項目設定(新指数・係数)などを検討していきたい―。

 日本病院団体協議会(日本病院会や全日本病院協会、全国公私病院連名など13の病院団体で構成される)の原澤茂副議長は、22日の記者会見でこのような考えを示しました(関連記事はこちら)。

ここがポイント!
1 現場からは「救急を担う病院が減益になっている」との指摘が少なくない
2 高度急性期などの機能ごとの「基準病床数」設定は時期尚早

現場からは「救急を担う病院が減益になっている」との指摘が少なくない

 2018年度の次期診療報酬改定において、DPCの暫定調整係数がすべて基礎係数と機能評価係数IIに置き換えられます。DPC制度では、調整係数を段階的に廃止し、基礎係数や機能評価係数IIに置き換えていくことになっています。現在、調整係数の75%について置き換えが済んでおり、2018年度の次期改定で置き換えが完了する予定なのです。

 しかし、この置き換えによって一部の病院では収益に大きな変動が生じてしまうことから、厚生労働省は激変緩和措置(改定前の診療報酬収入がプラスマイナス2%を超えて変動しないように調整する)を設けています。しかし、調整係数の廃止をした場合、激変緩和措置財源がなくなるため(激変緩和措置は調整係数財源の中で行われる)、どのように対応すべきかが課題の1つになっています(関連記事はこちら)。

 このため今回の2016年度改定では、機能評価係数IIの中に「重症度指数」を新設。これは、DPC点数と出来高との差を評価するもので、いわば「DPC点数の中で評価しきれていない、高コストの重症患者をより多く受け入れている病院」を評価するものとされ、が新たな激変緩和措置の1手法に位置づけられています。

 この点について日病協の中では、「救急医療を担っているが減益となっている」という指摘があるといいます。重症度指数と救急医療指数(これも、資源投入量の多い救急患者を多く受け入れている病院を評価するもの)が十分に機能していない可能性があることから、四病院団体協議会(日病、全日病、日本医療法人協会、日本精神科病院協会)の中で、重症度指数と救急医療指数の相関関係などを調査・分析していく方針です。

 また原澤副議長は、調整係数が廃止された場合の対応として、「新しい機能評価係数IIの項目を見つける」「新項目が見つからない場合には、現在の25%分の暫定調整係数を基礎係数に割り振る」ことなどを検討していく方針が固まったことも紹介しました。

高度急性期などの機能ごとの「基準病床数」設定は時期尚早

 現在、医療保険改革や医療提供体制改革の議論も進んでいます。膨張し続ける医療費の伸びをどのように適正化していくかが最大の課題であり、医療保険の側面では「高齢者医療制度改革」(関連記事はこちら)、医療提供体制の側面では「病院・病床の機能分化」や「地域包括ケアシステムの構築」が急務となっています。

 この点について日病協の神野正博議長は、高齢者医療の本質的な課題は「トリアージ機能」にあることを強調しました。総務省消防庁の調べでは、「軽度・中等程度の高齢者の救急搬送が増加している」ことが明らかになっており、これらのトリアージは現在2次救急病院が担っていますが、神野義町は「将来的にはかかりつけ医にもトリアージ機能を担ってもらうことが必要であろう」と見通します。まず身近なかかりつけ医を受診してもらい、そこから適切な機能の医療機関に紹介するという流れの構築が待たれます。

 ところで2018年度から新たな医療計画がスタートします。医療計画には、地域に必要な病床数である「基準病床数」を記載します。

 一方、各都道府県で策定が進んでいる地域医療構想能では、高度急性期、急性期、回復期、慢性期の機能ごとに「必要病床数」を設定することになっています。

 すると「基準病床数」と「必要病床数」の2つの数字が存在することになりますが、神野議論は「基準病床数を機能ごとに設定することは時期尚早である」と強調し、当面は、2本立て(ダブルスタンダード)を容認していく考えも示しています(関連記事はこちら)。

 また15日に開かれた「医療計画の見直し等に関する検討会」では、CT・MRIの配置に関する議論が行われましたが、神野議長は「CT・MRIにキャップ(地域における設置台数の上限)を設定することには強く反対していく」考えも強調しました(関連記事はこちら)。


 なお注目される新専門医制度については、「学会側と病院側の思いを情報共有し、学会と病院がwin-winの関係をつくる」ことが重要であると指摘。さらに「一部の病院でしか専門医の更新ができないことになってはいけない」「初期臨床研修を終えた医師がすべて専門医研修を受けなければならないわけではない。専門医以外の道もあるべき」との見解も披露しました(関連記事はこちら)。



https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20160722-OYTET50024/
生活保護者の医療費抑制、データで健康管理強化
2016年7月22日 読売新聞

 生活保護の受給者は、運動不足なうえ安価でカロリーは高いが栄養価の低い食品を多く摂取しがちなことから、厚生労働省は受給者の健康管理を強化する方針を固めた。健康診断などのデータを分析して病気の予防に生かすデータヘルスの導入を検討しており、有識者検討会で年度内に具体策をまとめる。自立支援とともに、年1・7兆円を超す生活保護の医療費を適正化する狙いがある。

 生活保護受給者は、自宅に閉じこもりがちな一方、安価な「ジャンクフード」を多く摂取する傾向にあるとされる。全国平均より、血圧が高かったり、肥満や痩せが多かったりするとの研究結果もある。

 自治体では、通院中の受給者に適正な受診を促したり、適正な服薬を求めたりしているが、病気予防の指導を行うケースは少ない。厚労省の調査では、受給者の健診を実施している自治体は6割で、健診の結果を健康管理に活用していたのは2割に満たなかった。


  1. 2016/07/23(土) 06:22:03|
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7月21日 

http://www.cabrain.net/news/article/newsId/49237.html
自治体病院、4年連続で赤字が過半数- 全自病調査
2016年07月21日 23時00分 キャリアブレイン

 全国自治体病院協議会(全自病)は21日、都道府県や市町村などが運営する病院の2015年度決算見込額の調査結果を公表した。地方公営企業法が適用される405病院のうち、経常損益が赤字だったのは235病院で、前年度に比べて10病院増となり、4年連続で赤字病院が半数を超えた。【松村秀士】

 調査は今年5月、全自病の会員病院のうち、地方公営企業法が適用される801病院(法適用病院)と、地方独立行政法人が設置する78病院を対象に実施。回答のあった448病院(独法病院は43病院)の3月31日現在の決算見込額などを集計した。

 法適用病院で赤字だった235病院の割合は全体の58.0%で、14年度決算と比較して2.4ポイント高かった。235病院のうち、一般病院は226病院で、14年度決算よりも11病院の増加。精神病院では9病院が赤字となり、14年度決算と比べて1病院減った。

 病床規模別で赤字病院の占める割合を見ると、20-99床は56.5%(前年度決算比1.1ポイント増)、100-199床は62.2%(増減なし)、200-299床は70.5%(2.2ポイント減)、300-399床は70.2%(3.5ポイント増)、400-499床は55.0%(7.5ポイント増)、500床以上は43.1%(10.3ポイント増)となり、特に400床以上で赤字病院の割合の伸びが大きかった。

 さらに1病院当たりの1日の平均患者数は、入院202.1人(0.4%減)、外来487.6人(1.3%減)で、一般病院、精神病院とも減少したが、患者1人当たりの1日の診療収入は、入院4万8018円(2.3%増)、外来1万3709円(7.6%増)だった。

 一方、43の独法病院のうち、赤字だったのは19病院で、14年度決算よりも6病院増えた。

 21日に開かれた全自病の常務理事会後の記者会見で、邉見公雄会長は「職員の給与が上昇していることと、高額な薬などによる薬品費が大幅に上がっていることが、赤字病院が増えた要因」と指摘した。

■新専門医制度、「一斉にスタートするのがよい」-邉見会長

 邉見会長はまた、日本専門医機構(機構)が18年度をめどに新専門医制度を開始することを決めたことについて、「(これで地域医療に)大きな混乱が起きないのではないか」と述べ、新制度の開始を当初予定していた来年度からではなく、1年先延ばしにした機構の判断を評価した。

 さらに、邉見会長は「各学会が一斉にスタートするのがよい」とし、内科や外科など19の診療領域の学会が足並みをそろえて、新制度での専門医の養成を始めるのが望ましいとの考えも示した。

 機構は20日の理事会で、各診療領域の専門医の養成方法を、18年度をめどに新制度へと移行させる方針を決定。来年度からの養成については原則、各学会が責任を持って行うことになる。ただ、既存の養成プログラムを用いるか、新制度に向けて準備してきた養成プログラムを使うかは、各学会に委ねられる見通しだ。



https://medical-tribune.co.jp/news/2016/0721504149/
月数百万円のがん治療薬、財政圧迫を懸念...高額新薬の適正使用へ指針〔読売新聞〕
yomiDr. | 2016.07.21 18:05 Medical Tribune

 高額な新薬が相次いで登場しているのを受け、厚生労働省は、従来にない効き目を発揮する新薬について、適した患者を選んで使う仕組みを新設する方針を固めた。

 薬ごとに、患者や医師の条件を定めた適正使用の指針を策定する。新薬の無駄な使用を減らし、副作用のリスクを下げながら、総薬剤費の抑制につなげる。今月下旬の有識者会議で原案を示し、今年度からの導入を目指す。

 指針の内容は、厚労省の関連機関や専門の学会、製薬会社が、臨床試験(治験)のデータをもとに検討。効果が見込める遺伝子配列を持つなど対象患者の条件や、治療実績が豊富で適切な治療ができる医師や医療機関の条件を定める。

 薬の承認後に公表し、保険適用の範囲にも反映させる。製造販売後の研究で、薬の使用にふさわしい患者の条件が新たに判明した場合には指針を改定する。

 これまでも副作用回避の目的で製薬会社が医師や患者の要件を定めた例があったが、要件から外れて使われる例も少なくなかった。

 新薬を巡っては、昨年肺がん治療薬として保険適用された「オプジーボ」の薬代が1人あたり月数百万円に上り、高額な薬剤費が医療保険財政を圧迫すると懸念されている。指針の作成は、原則として今後承認される新薬が対象だが、オプジーボと、高額で多くの使用が見込まれる高コレステロール血症治療の新薬「レパーサ」(今年4月保険適用)についても指針を作成する。

(2016年7月21日 読売新聞)



http://jp.wsj.com/articles/SB10352986937800543568904582201862539097388
価格支配力強める米製薬会社、政府は「お小言」
ギリアドは配当利回りが高い米バイオテクノロジー会社の一つだ

By CHARLEY GRANT
2016 年 7 月 21 日 09:41 JST ウォール・ストリート・ジャーナル日本版

 製薬会社は投資家の期待に応えるために価格決定力に頼り続けている。このことは一部の投資家が警戒するほど目先の大問題ではないのかもしれない。

 4-6月期の決算発表シーズンを前に、薬価に注目が集まっている。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は先週、1-3月期に製薬業界の上位20社のうち3分の2以上が主力製品を値上げし、売上高を押し上げたことを報じた。米労働省労働統計局の生産者物価指数(PPI)によれば、2015年6月〜16年6月に薬価は6%近く上昇した。これは全体のインフレ率をはるかに上回る数字だ。処方薬は一般的に粗利益率が高く、値上げ効果は最終利益にまで達する傾向がある。

 また長年、相次ぐ医療革新が業界に大きな見返りをもたらしてきたが、近ごろは財務に寄与するような新発明が比較的乏しい。こうした背景が値上げによって成長しようという誘惑を大きくする。

 値上げは賛否の分かれる戦術で、やっかいな事態を招きかねない。政治家は昨夏以来、製薬会社を鋭く批判している。米大統領選が迫るなか、薬価は政府の関心事であり続けるだろう。政府が政策を大転換し、例えば高齢者向け医療保険制度(メディケア)に製薬会社との価格交渉を認めれば、主要な製薬・バイオテクノロジー銘柄にとって問題になるのは確実だ。

 だが厳しい言葉と意味ある行動とは別物だ。政府が野放しになっている価格の規制に乗り出すことをうかがわせる具体的な兆候はどこにもない。結局のところ製薬大手の事業慣行に対する不満は目新しいものではなく、今回だけ特に対策をとる理由は不確かだ。

 一方、株式市場では成長が横ばい、または緩やかな銘柄への投資意欲が見られる。企業の利益と売上高が落ちるなかでも、比較的配当利回りが高い堅実な銘柄が主導し、S&P500種株価指数は過去最高値を更新した。製薬大手は投資家の求める利回りの条件にぴったりだ。アムジェンやギリアド・サイエンシズといったバイオテクノロジーの大手は指標の米国債を上回る利回りを提供している。

 景気を踏まえると、利益拡大への予想はかなり強い。調査会社S&Pグローバル・マーケット・インテリジェンスは、今年の医薬業界の1株利益の伸び率が6.5%と、1業種を除いて最も高くなると予想している。

 政治情勢が不意に変わらなければ、製薬会社は今後も「お小言」で済む程度に価格決定力を駆使し、投資家を満足させるだろう。



http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG21H7T_R20C16A7CC1000/
無許可で医師ら当直 千葉県立6病院、労基署が一部立ち入り
2016/7/21 23:34 日本経済新聞

 千葉県立の全6病院で、労働基準監督署の許可がないまま医師らが夜間、休日の当直勤務をしていることが21日、県への取材で分かった。人手不足で頻繁に急患に対応することが多く、待機や病室巡回など軽い労働に限られる当直勤務の原則を守れる人員態勢を病院側が取れないためだ。医療関係者は全国的にも同様の例があるとみている。

 県によると、6病院のうち県がんセンターは5月、千葉労基署の立ち入り調査を受けた。県病院局は「許可を得ないまま当直をさせている現状は違法状態と認識している」とする一方、医師の確保が困難で、国が求める当直勤務をさせるための適正な態勢をつくれないとして「早急な解決は難しい」としている。

 厚労省は2002年、全国の病院に勤務の適正化を求める通達を出しており「無許可の場合は違法労働となる可能性がある」としている。

 県によると、県がんセンターはこれまで数回、医師らの当直について許可申請したが「勤務内容が通常業務と変わらない」などとして認められなかったという。6病院とも過去に許可を得た記録はなく、長期間、無許可状態が続いているとみられる。

 労働組合「全国医師ユニオン」の植山直人代表は「医師らの過重労働につながる恐れがある。全国的に他の病院でもあり得る」と指摘している。

 県がんセンターでは、14年に腹腔(ふくくう)鏡手術を受けた11人がその後死亡した問題が発覚するなど医療を巡る問題が相次いでいる。病院が設置した複数の第三者委員会の調査結果で、医師の過重労働や人員不足など、病院の労働環境を改善する必要性が再三指摘されていた。〔共同〕



http://this.kiji.is/128809775386494452?c=39546741839462401
労基署の許可なく医師ら当直勤務
千葉県立6病院、背景に人員不足

2016/7/21 19:43 共同通信

 千葉県がんセンター(千葉市)など千葉県立の全6病院で、労働基準法に定められた労働基準監督署の許可がないまま、医師や看護師に夜間、休日の当直勤務をさせていることが21日、県への取材で分かった。

 厚生労働省は当直の勤務内容について、原則として「待機や病室巡回など軽い労働」に限定している。だが実際は人員不足で、頻繁に急患の対応などを求められるケースが多く、病院が適切な当直態勢を取れないことなどが背景にある。

 無許可では国のチェックが及びにくく、労働組合「全国医師ユニオン」の植山代表は「医師らの過重労働につながる恐れがある。他の病院でもあり得る」と指摘している。



http://www.asahi.com/articles/ASJ7P5F2QJ7PULBJ00X.html
「慶応大病院の過失で脳障害」心臓手術受けた女児ら提訴
黒田壮吉
2016年7月21日21時27分 朝日新聞

 慶応大学病院(東京都新宿区)で心臓手術を受けた女児とその両親が21日、医師らの過失で脳に重い障害を負ったとして、病院側を相手に約2億円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。また、高度な医療を提供する「特定機能病院」の承認を取り消すよう厚生労働省に求めた。

 訴えたのは群馬県太田市の高橋心音(ここね)ちゃん(5)と父の歩(あゆみ)さん(43)、母の亜希子さん(39)。

 訴状によると、心音ちゃんは生まれつき心臓の壁に穴が開いている病気で、生後3カ月だった2010年12月、慶応大病院で穴をふさぐ手術を受け、低酸素脳症になった。手術の際、人工心肺装置と血管をつなぐ管状の器具の入れ方が適切でなく、脳への血流が阻害されたのが原因と主張。さらに、医師らは脳内の酸素量を測るモニターを使っておらず、異変に気づかなかったなどとしている。

 両親は手術後、病院側から「脳障害の原因は不明」と言われたという。

 心音ちゃんは現在もほとんど寝たきりの状態で、話をすることや口から食べることもできないという。

 両親らは提訴後、都内で会見をした。歩さんは「病院側の説明は二転三転し、おかしいことばかりだ」。亜希子さんは「娘は手術後、別人になった。病院は真実を明らかにしてほしい」と語った。

 慶応大病院は「現時点でお答えできることはない」としている。(黒田壮吉)



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/49177.html
プライマリ・ケア連合学会丸山理事長に聞く- 持続可能な医療のために(7)
2016年07月21日 10時00分 キャリアブレイン

日本プライマリ・ケア連合学会
丸山泉理事長(英国家庭医学会名誉フェロー)

 「例えば、Choosing Wiselyが米国では大きなムーブメントになっていますが、短絡的に医療費の削減と直結されると、患者や家族と医療側での対話によって共有された価値がなおざりになる恐れがあるので、分けて考えなくてはいけません」―。

 丸山理事長は、米国発のChoosing Wiselyは、患者中心の医療の医療側からの新たなムーブメントとして評価をしつつも、医療費削減と同時に語られてしまうと、価値に基づく医療が軽視されると警戒する。

 丸山理事長にインタビューした。

 米国のChoosing Wiselyをそのまま、日本に導入するときには注意が必要です。Choosing Wiselyには、過剰医療は患者のためにならない、医師と患者の関係の中で、提供している医療が適切なのかという日本とは比較にならない、米国の医療制度の抱えている大きな問題の反作用的な要素があるのです。

 患者に対して無用な負荷、つまり無駄な検査をしたり、無駄な薬を処方したりするようなことをなくそうということです。もちろん、Choosing Wiselyの結果、医療費が抑えられる効果はありますが、それはむしろ後付けであると考える方がいいでしょう。

 このムーブメントが、医療費財政の厳しい日本に、短絡的に適用されるとなると、Choosing Wiselyが医療費を適正化する道具になり、Choosing Wiselyの本来の目的とする、あえて言えば価値に基づく医療Value based medicine(VBM)から、懸け離れてしまう恐れがあります。

 来年4月に予定されていた消費増税が延期され、一方で、プライマリーバランスの健全化の公約はまだ生きています。その中で、社会保障財源の削減圧力が強まり、医療費を適正化しようとしてChoosing Wisely が別の目的で持ち出されれば、それは困ります。

 Choosing Wiselyも、患者を中心とする医療を実現しようという大きな流れの一部です。この流れは、Choosing Wiselyのムーブメントが出てくる以前から培われてきました。

 アルマ・アタ宣言というものがあります。1978年9月、世界保健機関(WHO)と国連児童基金(ユニセフ)が共催した国際会議で採択されました。この宣言では、新しい健康に対する概念として、プライマリ・ヘルス・ケア(PHC)が提唱され、人間の基本的な権利である健康に関して、格差や不平等は容認されるべきではないという基本精神に基づき、健康教育や母子保健・家族計画などでPHCの基本活動に取り組むことがうたわれました。つまり、「すべての人々に健康を(Health For All)」というものです。

 Choosing Wiselyが、米国発のキャンペーンとして広がっていますが、その根底にあるものは、アルマ・アタ宣言のHealth For All、そして、それを個人に落とした患者を中心とする医療を実現しようという考えであることを認識しなくてはいけません。そうでないと、われわれアカデミアはChoosing Wiselyに対応できません。

 米国発のChoosing Wiselyを輸入するのではなく、日本で患者中心の医療を目指すような動きが独自に出てきてほしかったというのが本音です。この国は、どうもそのような、ビジョナリーな仕掛けは苦手なようです。自発的な動きを待っていても、いつになるか分かりません。そう考えれば、日本版の、少なくともユニバーサル・ヘルス・カバレッジにおいて、先行している事実を前提として、発展した形にするのがいいのではないでしょうか。

 方略を考える場合、一般国民への浸透はヘルスリテラシーの実情を考えると、ある種の危うさもありますので、まずは医師全体に浸透することが必要です。最近、心ある医師が価値に基づく医療の重要性を唱え始めていますが、このことも連動した形になるのではないでしょうか。

 Choosing Wiselyが政治の道具にされたり、Choosing Wiselyがすべてだというようなワン・ワードポリティックスのように使われたりして、医療制度の複雑さによって国民が理解しづらいことや、医療情報がそもそも非対称性であり、ディスクロージャーが十分でない中で、「この治療や検査は受けてはいけない」というように扇動的に喧伝されるようなことがあってはなりません。医療者が未来性のある仕掛けや考え方を主張する場合には、常に市民の混乱を避けることを意識しなければなりません。特に、病を持つ人、その家族の不安を結果的にあおることは、絶対に避けるべき医療人のマナーです。

■EBM、Choosing Wiselyなど根底の思想は同じ

 EBMに続いて、NBM、パーソン・センタード・ケア(Person Centered Care)、そしてChoosing Wisely、VBMの流れを見ていると、根底の思想は同じです。むしろ、同じであるということを医療人が共有することが大事なのかもしれません。

 少しEBMについて話しますと、EBMは、大きく4つのステップ(=表=)で成立するといわれています。しかし、ステップ4の「得られたエビデンスの患者への適用性の判断」の部分が、これまで先送りされてきたという指摘は甘んじて受けなくてはいけません。これは多くの医療人が、現場感覚として気付いているのではないでしょうか。

 ステップ1 疑問点の抽出
 ステップ2 信頼性の高い結果(エビデンス)を示す文献の効率的検索
 ステップ3 臨床疫学と生物統計学の原則に則った文献の批判的吟味
 ステップ4 得られたエビデンスの患者への適用性の判断

 EBMとは本来、患者のための考え方であるにもかかわらず、誤解がまだあります。EBMは決して、「データに基づいて絶対にこうしなくてはいけない」というようなものではありません。EBMは患者のための考え方ですから、EBMとVBMは連動したものであるべきなのです。現代社会の労働のマニュアル化、思考のパターン化がEBMの取り扱いに対する誤認を生んでいるのかもしれません。

 EBMには、功も罪もあります。よく理解しておかないと、罪の按分が圧倒的に増えます。診療ガイドラインはEBMに基づいて作成されていますが、ガイドラインを現場の医師が治療や検査などの単なるマニュアルととらえてしまって、自らの患者との対話の中で価値を創造することを軽視するという根深い問題があります。

 一方で、ガイドラインが医療費を押し上げている可能性があり、さらにポリファーマシー(多剤処方)の原因になっている側面は直視すべきです。すべては、ガイドライン作成の在り方と背景の思想の問題です。例えば診療ガイドラインで、ある1つの疾患に対して、ある薬剤が推奨されていると、かなりの確率で医師はその薬剤を処方します。Aという患者さんがいて、ほかの新しい疾患が加わったら、新しいEBMが重なってきます。EBMにEBMがプラスされて、さらにEBMがプラスされたりすると、結果的にポリファーマシーに陥るわけですから、では最終的に誰が、どのような方法で、どのような価値観で判断するのかが難しくなってきます。そこに、あくまで誰が主体であろうと、誰と誰がという構図が必要なのです。

■患者のValueの判断はデータと対話から

 最近、肺がん治療で、マブ系(遺伝子組み換え)の高額薬剤が保険収載されました。この薬剤の処方の在り方を、どうするかが焦点になっています。また、従来のカルシウム拮抗剤で十分対応できるのに、新たに出てくる降圧薬をどのように選択するかなどの問題もあります。では、コスト高の治療には価値がないのか、それは全く別の問題になります。むしろ、そのためにバランスの良い仕組みをどう構築できるかでしょう。

 医療ではまず、Valueが優先されるべきです。医師はValueを優先すべきです。医療費という大枠のコストに関しては、イノベーションによって引き下げることも可能だと考えています。そのような引き下げのインセンティブを合理性があるものにしなくてはなりません。例えば、透析医療は高額と指摘されることがありますが、それに対して、価格を安くするイノベーションで解決しようとするベクトルが大事です。

 ともかく、医療コスト、総体としての医療費、総体としてのその財源は、医療の現場の最大の規定因子ですし、これからもっと制限的にならざるを得ないことは事実です。ならば、われわれ医療人は、これらのことに触れないわけにはいきません。現場では、財源リソースを強く意識せざるを得ません。よく考えれば、そのことは当然のことなのです。

 今まで述べたように、患者、さらに家族を含めた医療人との共通の価値観を、事実と対話の積み重ねによって、つくり上げることが大事なのですが、実は私はここを一番危惧しています。そのための医師の教育は十分なのであろうか、そのように医師は育成されているのであろうか、と考えます。また、医療の現場の中で、そのような創造のための時間枠は想定されているのであろうか、と考えます。医師がレギュレーターである以上、判断するための時間、判断するための情報収集、判断するための対話を確保することが解決の要点だと考えています。



http://mainichi.jp/premier/health/articles/20160720/med/00m/010/003000c
健康に暮らすどう知る?どう使う?健康・医療情報
「偉い医師なら正しい」は間違い

北澤京子 / 医療ジャーナリスト/京都薬科大学客員教授
2016年7月21日 毎日新聞

患者と医師の会話

  患者「先生、私のかかっているがんで死ぬようなことはありますか?」
  医師「大丈夫です」
  患者「自信たっぷりにおっしゃいますが、根拠は何ですか?」
  医師「実は、あなたはがんじゃなかったんです。だから『がん』では死なないんですよ」

EBMの「E」はエビデンスの「E」

 根拠という言葉には「ある言動のよりどころ」(広辞苑)という意味があります。健康や医療に関して根拠(エビデンス)という言葉が使われるときは、単なる「よりどころ」という意味を超えて、「人間を対象に科学的な方法で検証が行われている」という意味が含まれています。経験や勘、ひらめきだけでは、根拠とはいいません。

 このような意味での根拠に基づいて医療を行っていこうという考え方を、根拠に基づく医療(Evidence-based Medicine=エビデンス・ベースト・メディシン)といい、頭文字をとってEBM(イービーエム)と呼ばれています。

 ただし、一般の人にはまだそれほどなじみがないかもしれません。少し古いデータですが、国立国語研究所が2008年に非医療者を対象に行った調査によると、「エビデンス」という言葉を見聞きしたことがあると答えたのは23.6%にとどまり、意味まで理解していたのは8.5%でした。
診療のしかたをガラリと変えたEBM

 EBMは、1991年にカナダ人の医師で生物統計学者であるゴードン・ガイアット氏が書いた短い文章に初めて登場しました。ガイアット氏は、鉄欠乏性貧血が疑われる70歳の男性に対する医師の対応のしかたについて、昔(EBM以前)と未来(EBM以後)とを比較しました。

 昔:医師は先輩に教えてもらった通りの2種類の検査をオーダーし、結果に矛盾がなければ鉄欠乏性貧血と診断する。結果に矛盾があれば自分の直観に頼るか、さらに上の医師に相談する。

 未来:医師はまず、電話回線で医学文献データベースにアクセスし、2種類の検査について文献を探す。図書館に頼んで文献をいくつか取り寄せ、関連性の高い1本を選んで、検査の能力をチェックする。患者の訴えなどから鉄欠乏性貧血である確率を事前に想定し、検査の結果が出た後にその確率を修正して、方針を決める。

(出典:Guyatt GH. ACP J Club. 1991; 114: A16. より一部抜粋、抄訳は筆者)
http://acpjc.acponline.org/Content/114/2/issue/ACPJC-1991-114-2-A16.htm


 電話回線でデータベースにアクセスするくだりには懐かしさを感じますが、その後、彼の予測は世界中で現実になりました。

 ガイアット氏ら「EBMワーキンググループ」の面々は2002年に、米国医師会雑誌(JAMA)にEBMの連載を始めます。それにより、米国内ばかりでなく世界中の医師にEBMが知られるようになりました。
人間を対象とする研究を重視

 EBMの考え方で興味深いのは、いわゆる権威者の見解は、それだけでは根拠としてのレベルが低いとみなす点です。これは、偉い先生の見立てを軽視するという意味ではなく、誰の見立てであってもうのみにせず、しっかりとした根拠(エビデンス)に照らして自分の頭で考えよう、ということなのだと思います。

 また、遺伝子や組織を調べる基礎研究の重要性は理解しつつ、それだけでは不十分で、人間、さらに言えば大勢の人間(=集団)を対象にした研究(臨床研究)で実際に試してみることの重要性を強調しました。なぜなら、人間は動物とは違いますし、同じ人間でも一人一人違うからです。たった1人、せいぜい数人で得られた結果より、1000人、1万人で得られた結果を重視する方が信頼できるというのは、直感的にも分かりやすいのではないでしょうか。

 ただし、EBMは、臨床研究で得られたデータ「だけ」を重視しているわけではありません。では、他に重視すべきこととは何でしょうか。(次回に続く)

きょうの 話のデザート

 EBMは、医学部や薬学部の教育カリキュラムにも組み込まれています。昨年、6年制薬学部(全74校)の教員の先生方を対象に、EBMに関して何を、どのように教えているかに関する実態調査を行いました(広島国際大学の佐々木順一先生との共同研究)。結果の一部を、6月に開かれた日本医薬品情報学会で発表しました。

北澤京子 きたざわ・きょうこ 医療ジャーナリスト、京都薬科大学客員教授。著書に「患者のための医療情報収集ガイド」(ちくま新書)、訳書に「病気の『数字』のウソを見抜く:医者に聞くべき10の質問」(日経BP社)



http://www.kobe-np.co.jp/news/iryou/201607/0009307784.shtml
神戸・中央市民、隣接病院と統合へ 臨床研究強化
2016/7/21 21:06 神戸新聞

 神戸医療産業都市構想を進める神戸市は21日、ポートアイランド2期にある先端医療センター病院(60床)を、隣接する同市立医療センター中央市民病院(708床)に統合させる方針を決めた、と発表した。人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使った臨床研究などの体制を強化するとともに、同市の財政負担を軽減させる。

 いずれも同市の外郭団体で、それぞれの病院を運営する先端医療振興財団と神戸市民病院機構に6月下旬、同市が要請した。各理事会で7月中に決定し、早ければ2017年秋に実現するという。

 国は、医療法に基づき15年度、予算を優先的に配分する「臨床研究中核病院」を創設するなど、より高度な臨床研究について、安全性が確保された大規模な総合病院を中心に進める方針を示している。

 一方の先端医療センター病院は、03年度に全面開業。新しい治療法の開発や保険適用されていない高度な医療の提供を担ってきたが、市立でないため医療機器更新などで国の財政支援を受けられなかった。病院単体で15年度は約1億円の赤字だったが、財政支援や効率化で年間約2億円の統合効果が見込めるという。

 先端医療センター病院などが世界で初めて実施し、来年にも再開予定のiPS細胞を使った目の病気の臨床研究も、今後は中央市民が行う。

 臨床研究中核病院は、研究支援スタッフの人数などで厳しい要件があり、同市は「統合ですぐに要件を満たすわけではないが、近づきたい」と話す。

 先端医療振興財団は基礎研究や進出企業支援の機関として残り、既存の病院施設は統合後もそのまま使用する。

 同市は「安全で安定した体制を確立し、市民に新しい医療技術を提供できる。中央市民は60床増えるので、効率的に運用して地域医療に役立てたい」としている。(森 信弘)



http://mainichi.jp/articles/20160721/ddm/002/040/035000c
がん大国白書
第2部 検証・基本法10年/2 道半ばの痛み治療

毎日新聞2016年7月21日 東京朝刊

 名古屋市緑区の大学職員、加藤那津さん(37)は6月、昨年に続いて米シカゴを訪れた。日本癌(がん)治療学会が実施する患者派遣のメンバーとして、米臨床腫瘍学会に参加するためだ。「以前はいつ痛みがひどくなるのかわからず、遠出をする気持ちになれなかった。今は医療用麻薬を使っているので、急な痛みも心配ありません」と笑う。

 加藤さんは2009年に乳がん手術を受けたが、4年後に再発し、再び手術を受けた。悩みは手術後のホルモン療法で生じる関節の痛み。あまりのひどさに吐き気が絶えないほどだった。がん診療連携拠点病院に入院していたが、主治医は「時間がたてば治ります」と言うだけ。痛みに対応する緩和医療科への紹介を要望しても「それはもっと後になってかかるところ」と諭された。「痛みにも増して、理解してもらえないことがつらかった」という。

 見かねた母親が緩和医療科に直接相談し、痛みの治療を受けられるようになった。医療用麻薬を使うと日常の痛みが治まり、趣味の山登りも再開した。「痛みが消え、病気の前より積極的になった気がする」と加藤さん。

 日本では、1990年に末期の患者へのホスピス・緩和ケアが医療保険の対象となった経緯から、「緩和ケアは末期患者が対象」という印象が生まれた。鎮痛に使う医療用麻薬にも「薬物中毒になる」との誤解から海外よりも消費量が少なく、がん患者は「抑えられるはずの痛み」を我慢する状態が続いていた。

 06年に成立したがん対策基本法は、緩和ケアを「患者の生活の質を改善する医療」と位置付けた。がん治療と並行して実施することを原則とし、「がんと診断されたときからの緩和ケア」が合言葉になった。だが、昨年6月にまとめられた、現在のがん対策推進基本計画の中間評価報告書によると、患者の3〜4割が体や気持ちの「つらさ」「痛み」が「ある」と回答。今も加藤さんのように、痛みを抱えながら闘病する患者が少なくない。

 14年1月、拠点病院の要件に、がん患者が日常感じる痛みや精神的な苦痛を質問票などを使って早期に把握する「苦痛のスクリーニング」が追加された。要件が追加された背景には、「自分から(医療者に痛いと)言い出しにくい」という患者側の要請があった。

 国の要件化に先駆け、08年に質問票を本格導入した聖隷三方原(せいれいみかたはら)病院(浜松市)の森田達也・緩和支持治療科部長らが昨年、422の拠点病院に調査を実施した。回答した379病院の88%がスクリーニングを導入していたが、入院、外来ともに60%以上が導入1年未満だった。さらに導入した施設の60%は、痛みを訴えた患者をケアする態勢が未整備で、23%の施設は緩和ケア科など専門の部署に紹介する態勢もなかった。

 森田部長は「法制定後、国は病院にさまざまな条件を課してきたが、多くの病院はそれに従うのに精いっぱい。要件化されたために質問票の配布ばかりにこだわる施設も多く、患者の立場から必要な体制を検討する必要がある」と指摘する。=つづく



http://www.yomiuri.co.jp/local/fukushima/news/20160721-OYTNT50138.html
県立医大医師が盗撮の疑い
2016年07月22日 読売新聞 福島

◆県関係組織の職員また不祥事

 県が関係する組織の職員を巡る不祥事がまた明らかになった。県立医大は21日、医学部助手の男性医師(28)が14日、福島市のコンビニ店内で女性のスカート内を盗撮したとして県警の取り調べを受けたと発表した。福島署によると、県迷惑防止条例違反容疑で捜査しているという。県職員などを巡っては5月以降、犯罪捜査の対象になる事例が続発している。

 同大や県警によると、男性医師は同市在住で、7月14日午後6時頃、帰宅途中に同市伏拝のコンビニ店に入り、女性のスカート内を靴に仕掛けた小型カメラなどを使って盗撮した疑い。撮影した画像をスマートフォンで確認しているのを男性店員が発見して通報した。同署の調べに対し、男性医師は容疑を認めているという。

 同市の県庁で21日夕、記者会見した同大の錫谷達夫医学部長は「皆さまにご迷惑をおかけした。申し訳ありませんでした」と陳謝した。男性医師を当面、自宅待機とし、今後、処分を検討するという。

 同大の聞き取りに対し、男性医師は、盗撮目的でコンビニ店に入って女子高校生のスカート内を盗撮したと説明し、「自分でもよくわからないけれど、やってしまった。大学や家族、患者を裏切る行為をした。深く反省している」と話した。過去にも盗撮したとも認めているという。

 不祥事の続発を受け、県は幹部による全職員の個別面談などで再発防止を図ることを決めている。県人事課によると、同大は2006年度に公立大学法人となっているが、事務職員の半数程度は派遣された県職員だといい、同課は20日に同大に対して県の再発防止策の内容を文書で連絡している。同大の教職員は約3400人で、錫谷医学部長は「県に準じて各所属で実施したい」と述べた。

2016年07月22日



http://mainichi.jp/articles/20160722/ddm/002/040/073000c
がん大国白書
第2部 検証・基本法10年/3 患者の行動、国動かす

毎日新聞2016年7月22日 東京朝刊

 日本で初めてとなるがん対策の法律「がん対策基本法」が2006年に成立したのは、「日本のがん医療を変えたい」と行動した患者がいたからだ。

 「もう治療法はありません」。島根県出雲市内の病院で02年ごろ、地元テレビ局の報道カメラマンだった佐藤均さんは耳を疑った。01年に52歳で大腸がんと診断され、手術を受けたが、転移を繰り返した。吐き気など抗がん剤の副作用がひどく、そのつらさを訴えていた。だが、「名医」と言われていた主治医から、思わぬ言葉を浴びせられたのだ。

 佐藤さんは知人の情報を頼りに東京都内の病院で診療していたがん治療の外科医、平岩正樹医師(62)を訪ねた。平岩医師は患者と徹底的に話し合い、抗がん剤もきめ細かく投与していた。佐藤さんも副作用が激減し、がんの進行も止まった。

 平岩医師の元には、「治療法がない」と告げられた患者たちが集まっていた。佐藤さんは「がん治療の地域格差は全国的な問題だ。島根からがん医療を変える。自分の命に代えてでも」と決意。抗がん剤専門医の育成などを求める署名を集め始めた。3週間で2万6000人分が集まり、島根県議会へ提出。県議会は03年10月、専門医育成の請願を採択した。

 平岩医師は「一度にかかわれる患者は多くて40人。当時は他に受け皿がなく、治療希望者の数%しか受け入れられなかった。だが、患者たちから生き方を学んだ」と振り返る。患者たちには「がん医療のどこが問題かを知っているのは、あなたたちだ。患者が訴えれば世の中は変わる」と説いた。そんな患者たちが、理想の医療実現のために行動し始めた。

 海外で使われている抗がん剤が日本で承認されていない「ドラッグラグ」も問題だった。1999年に60歳で肝臓がんを発症した大阪市の医師、三浦捷一(しょういち)さんも希望の薬を使えず、「患者の生存権を奪っている」と訴えた。度重なる手術を受け、ふらつく体で国会や厚生労働省へ足を運んだ。厚労省から三浦さんに例外的に薬の使用を認める打診もあったが納得しなかった。三浦さんを知る濱本満紀・がんと共に生きる会副理事長は「自分のことよりも、医師として全ての患者を救うという使命感が強かった」と話す。

 患者の訴えはうねりとなる。05年5月、大阪市に全国のがん患者ら約2000人が集まる「がん患者大集会」が開かれた。実行委員会代表は三浦さん。東京都内で入院していた佐藤さんは、「大阪へ行く体力は残っていない」と平岩医師に反対されたが、「私のこと、分かっているでしょう。このために生きてきた」と新幹線に乗った。佐藤さんは会場からあふれる患者の姿を見て、体を震わせて涙を流し、壇上から「がん医療改善のため連携して頑張ろう」と呼びかけた。佐藤さんの妻愛子さん(69)は「夫は命がけだった。それが国を動かしたのでしょう」。

 大集会の成功を見届け、佐藤さんは集会の1カ月後、三浦さんは7カ月後に亡くなった。三浦さんが世を去った日、一人の国会議員が病院で検査を受けた。その2日後、思わぬ結果を聞くことになる。=つづく



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/49235.html?src=catelink
医療事故、トラブルの可能性で判断しないで- 医学部長病院長会議が「考え方」公表
2016年07月21日 22時00分 キャリアブレイン

 全国医学部長病院長会議(会長=新井一・順天堂大学長)は21日、昨年10月にスタートした医療事故調査制度に関する「基本的考え方」を公表した。患者の死亡が医療事故に当てはまるかどうかを、遺族とトラブルになる可能性などで判断しないよう求めるといった内容で、同会議は今後、全国の大学病院に配布するなどして、同制度の正しい運用を徹底するよう呼び掛ける方針だ。【佐藤貴彦】

 医療事故調査制度は、医療事故が発生した際に病院などが院内調査を行い、その調査報告を第三者機関が収集・分析することで、事故の再発防止につなげるもの。同制度の対象となる医療事故に当てはまるかどうかの判断は病院などの管理者が下すことになっているが、患者の死亡が医療に起因し、管理者が予期しなかった場合などが対象になると定められている。

 全国医学部長病院長会議は今年の春、全国の大学病院80カ所を対象に、同制度に関する実態調査を実施。この中で、医療事故に当てはまるかどうか判断する基準について、70カ所(87.5%)が理解していると回答した。

 一方で、遺族とのトラブルを避けるために医療事故と判断する事例が少なくないといった指摘もあることから、同会議の「大学病院の医療事故対策委員会」は、医療事故と判断する基準や同制度の趣旨を、一部の大学病院が誤解している可能性があると判断。同会議の「基本的考え方」の中に、「(同制度は)紛争解決の手段ではない」「紛争への発展の可能性により(医療事故に当たるかどうかの)判断が左右されてはならない」といった文言を盛り込んだ。

 「基本的考え方」ではそのほか、大学病院が都道府県医師会と密に連携するなどして、同制度の正しい運用や、医療の安全性の確保が進むよう積極的に取り組む必要性も指摘している。



https://www.m3.com/news/iryoishin/443306
シリーズ: 始動する“医療事故調”
“事故調”、報告や院内調査のバラツキ問題視
医療安全調査機構、半年間の詳細データも公表

2016年7月21日 (木) 橋本佳子(m3.com編集長)

 日本医療安全調査機構は7月20日に2016年度の第1回医療事故調査・支援事業運営委員会を開催、この6月の医療事故調査制度の見直しに対応するため、遺族から相談があった場合には、遺族の求めに応じて相談内容を文書で医療機関に伝える方針などを確認した。同委員会では、これまでの実績を踏まえ、報告すべき医療事故に該当するか否かの判断にバラツキがあったり、院内事故調査報告書の内容が医療機関によって差が大きいことから、標準化するためにマニュアル作成などを求める声も相次いだ。

 2015年10月から半年間の詳細な動向も報告され、500床以上の病院のうち、報告の経験があるのは16.7%に上る一方、500床未満の病院では1.2%にとどまるなど、臨床研修病院や大学病院など、手術や侵襲的な処置などを多数実施する施設からの報告が多い現状が明らかになった。制度上は「遅滞なく」とされている患者死亡から医療事故報告までの期間は平均21.9日、中央値16日、事故報告から院内事故調査報告までは平均65.1日、中央値59日だった。

 日本医療安全調査機構は、2015年10月からスタートした医療事故調査制度において、第三者機関である医療事故調査・支援センターの役割を担う。再発防止策の検討がセンターの業務の一つで、同機構の再発防止委員会で、報告事例が一番多かった「中心静脈穿刺(CV)」を取り上げ、現在検討中だ。次に「肺塞栓」とする予定。

 医療事故調査制度はこの6月24日に、見直しが行われた(『医療事故調査制度、一部改正で省令・通知』を参照)。日本医療安全調査機構に求められるのは、 (1)支援団体等連絡協議会(中央協議会)に参画、 (2)医療事故調査制度の円滑な運用に資するため、支援団体や病院等に対する情報提供や支援、事故調査等の優良事例の共有、 (3)支援団体等連絡協議会と連携して研修を実施、 (4)遺族等から相談があった場合、医療安全支援センターを紹介、遺族等の求めに応じて、相談内容等を病院等の管理者に伝達、 (5)再発防止策の検討を充実させるため、病院等の管理者の同意を得て、事故調査報告書の内容に関する確認・照会等を実施――の5点。

 (4)については既に、平日9時から17時までに専用ダイヤルを設けて対応する体制を整備済み。7月19日までに、2件の相談があったという。

 それ以外については、今後、日本医療安全調査機構は、運営委員会のメンバーの協力を得ながら具体化を進める。

 (1)については、同機構が主導するのではなく、あくまで「参画」の立場で、例えば、日本医師会など各支援団体から代表者が集まり、世話人会などを結成し、組織することも想定される。運営委員会委員長を務める、東京大学大学院法学政治学研究科教授の樋口範雄氏は、医療安全につなげるため、支援団体等連絡協議会において、医療事故に該当するか否かの判断などの標準化が進むよう期待を込めた。

 同機構常務理事の木村壮介氏は、(5)について、「再発防止に資するような事例については、医療機関から詳しい情報をもらい、再発防止につなげたい」と述べ、その運用は今後、再発防止委員会で検討していくと説明。従来は、各医療機関の院内事故調査報告書に不備があっても、その内容について同機構が問い合わせる権限はなかった。

 (3)については、2015年度に続き、2016年度も複数のセミナーを予定している。うち一つが「支援団体統括セミナー」。各都道府県における医療事故調査を統括する指導者の養成が狙いで、都道府県医師会の医療安全担当役員、大学あるいは基幹病院の医療安全担当の医師と看護師という、各都道府県3人ずつ対象にする予定。

 日本医療安全調査機構理事長の高久史麿氏は、今回の見直しで、一歩進み、より積極的な医療安全向上に向けた取り組みにつながると期待したものの、一方で、「まだ本当は不満」と指摘。(1)の中央協議会については、参画ではなく、同機構が「企画すべき」としたほか、(5)では確認ではなく、場合によっては訂正を求めることができるようにすべきとし、「一気には難しくても、将来的にはそこまで行かないと、医療事故調査・支援センターが機能しない」との考えを述べた。

センター調査依頼、7月は既に5件

 20日の運営委員会では、2015年10月から半年間の医療事故調査制度の詳細が報告された。同制度については、これまで月次で報告されていたが、病床規模別の医療事故報告、院内事故調査の現状などが明らかになっている。以下は、その一部だ。

 さらに7月分についても、19日までの実績も説明された。特徴は、センター調査の依頼が増えたこと。6月までは9カ月間の累計では計4件だったが、7月には既に5件の依頼が来た。内訳は医療機関からが2件、患者遺族からが3件。制度開始からの累計では、医療機関3件、患者遺族6件で合計9件。「医療機関からは、第三者による専門的な検証を行ってほしいという真摯な依頼。患者遺族からの依頼は個々の事例によって違うが、まだ院内調査が終わっていないものもある。院内調査ではなく、病院自体に対する不信感でセンター調査を依頼した例が、中に含まれているのではないか」(木村氏)。

◆医療事故の相談状況(2015年10月から2016年3月)

・相談者別:医療機関62.3%、遺族23.6%、支援団体7.2%など。
・相談内容別:医療機関の場合は、897件中、238件が「医療事故報告対象の判断」。うち詳しい情報の提供を行い、センターでの合議を希望したのが51件、合議なしが187件。合議の結果、「報告を推奨すると助言」19件(うち実際に報告15件)、「複数の考え方を伝えた」21件(同4件)、「報告対象とは考えにくいと助言」11件(0件)。
 遺族等からの場合は、251件中、205件が「医療事故報告対象の判断」。うち「制度開始以前等の事例」として制度の対象外が172件。

◆医療事故の報告状況(2015年10月から2016年3月)

・病院種別:187件中、基幹型臨床研修病院が100件(53.5%)、大学病院が21件(11.2%)。
・病床規模別:500床以上の病院のうち16.7%の施設が報告、一方、500床未満の病院では1.2%、診療所では0.01%。
・地域別:1万床当たりの報告件数は、最大が関東信越で1.67件、最小が東北で0.39件。
・患者死亡から医療事故報告までの期間:平均21.9日、中央値16日、最短2日、最長146日

◆院内事故調査の状況(2015年10月から2016年3月)

・医療事故報告から院内調査結果報告までの期間:平均65.1日、中央値59日、最短5日、最長148日
・解剖やAiの実施状況:49件中、解剖のみ実施7件(14.3%)、解剖とAi実施4件(8.2%)、Aiのみ実施13件(26.5%)、残る25件は実施なし、もしくは記載なし。
・調査委員会の設置の記載:49件中、記載あり39件。うち外部委員参加が26件(66.7%)、参加なしが7件(17.9%)、残る6件(15.4%)は記載なし、もしくは不明。
・再発防止策の記載:49件中、記載あり43件(87.8%)、「防止策なし」と記載あり3件(6.1%)、記載なし3件(6.1%)。
・当該医療従事者の意見記載:49件中、意見の記載あり3件(6.1%)、「意見なし」と記載あり9件(18.4%)、記載なし37件(75.5%)。
・遺族の意見記載:49件中、意見の記載あり15件(30.6%)、「意見なし」と記載あり10件(20.4%)、記載なし22件(44.9%)、その他(遺族がいない、遺族が説明を希望しなかった場合)2件(4.1%)。

 これらの状況に対し、医療事故報告の判断や、院内事故調査の在り方・報告書作成について標準化したり、ガイドライン作成を求める声が相次いだ。

 NPO法人ささえあい医療人権センターCOML理事長の山口育子氏は、同センターへの相談事例では、医療機関が「過失の有無がはっきりしないので、報告しないと決めた」と説明したり、事故の当事者が院長に相談したところ、「遺族が不信感を持っていないのに、報告して寝た子を起こすのか」などと言われたケースがあるとし、「報告すべきものが報告されていない事例が複数ある。正しい理解が広まっているとは言えないのではないか」と問題提起した。

 全日本病院協会常任理事の飯田修平氏も、「全日病でも、医療事故調査制度に関する研修を実施しているが、(医医療事故調査制度に関する)指針があちこちから出ており、どれを信用していいか分からない状況」と述べ、中には法律や省令通知と異なる解釈をしているケースもあるとし、この現状を解決することが必要だとした。

 日本病理学会関東支部長の内藤善哉氏は、院内事故調査報告書では、委員会設置の有無自体記載されていないなど、「内容に不備が多い」と指摘、今後、日本医療安全調査機構のワーキンググループで、報告書の作成マニュアルを策定することになっているものの、現状で不備があった場合の対応を質した。

 これらの意見に対し、日本医療安全調査機構専務理事の田中慶司氏は、医療事故に該当するか否かの判断については、「(報告として)上がってきたものはいいが、上がってこないものは把握しにくい」とし、「支援団体等連絡協議会などの場で、意見交換を行い、取り扱いに差が出ないようにしていきたい」と答えたほか、支援団体などへの研修の場で標準的な取り扱いができるようにしていくとの方針を示した。

 さらに田中氏は、院内事故調査報告書については、これまでは何も対応できなかったものの、6月24日の制度改正で、医療機関の了解が得られれば、確認・照会等ができるようになると説明。医療機関に対し、どのように確認等を行っていくかについて、今後、同機構の再発防止委員会で検討していく。

「事故報告の25%がセンター調査」と仮定

 20日の運営委員会では、2016年度の収支予算書の説明もあった。質問が出たのは、収入で「医療機関・患者遺族からの収益」として、988万円が計上されている点について。

 医療事故調査制度では、医療事故調査・支援センターに事故調査を依頼する場合、医療機関からは10万円、患者遺族からは2万円の費用負担を求める。山口氏は「センター調査依頼の数がかなり多いように思う。何件、想定しているのか」と質問。

 機構事務局は、「医療機関からの依頼が91件、患者遺族からの依頼が39件、合計130件あると想定している」と説明。2015年10月から2016年1月までの4カ月間の事故の報告件数を平均化し、それを1年分に換算、さらに制度スタートから間もないことから報告件数が少ないと考えて1.5倍し、2016年度の推定事故報告件数を513件と推計。そのうち25%がセンター調査になると仮定した数字が130件だ。25%の明確な根拠はなく、2015年度の事業計画も同様に計算している。ただし、2015年10月から7月19日までのセンター調査依頼は、前述のように9件にとどまる。



https://www.m3.com/news/iryoishin/443447
シリーズ: 真価問われる専門医改革
「1年延期」の判断を尊重、全国医学部長病院長会議
新井会長、新専門医制度で「6つの要望」

2016年7月21日 (木) 橋本佳子(m3.com編集長)

 全国医学部長病院長会議会長の会長の新井一氏は、7月21日の定例記者会見で、日本専門医機構が新専門医制度の1年延期を決定したことについて、「機構の判断を尊重したい」と述べ、「今の機構は、より良い専門医制度を作っていく意味では、正しい方向に向かっていると思うので、全面的に支援をしていきたい」との方針を示した。同機構の理事会は7月20日、1年延期し、2018年度を目途に19の基本診療領域一斉に新制度を開始すると決定した(『新専門医制度、全19領域とも「1年延期」へ』を参照)。

 新井会長は、「専門医制度は、日本の医療レベル向上に必須のシステム」と述べた上で、今後の専門医の在り方について、以下の6つが求められるとした。

 第一として、医師は19の基本診療領域のいずれか一つの取得が望ましいことを挙げた。また新専門医制度で採用された研修プログラム制については、「非常に理にかなったものであり、ぜひ堅持してもらいたい」と述べた。

 第二は、日本専門医機構と各学会とのあるべき関係について。専門研修プログラムの構築、専門医の認定や更新などを責任を持って行うのは各学会であり、機構は専門研修プログラムの運用調整などの役割を担うとし、「機構と学会が協同してより良いシステムを作ってもらいたい」(新井会長)。

 第三は、地域医療への影響。各学会とも、地域医療に対していろいろな役割を果たしてきたものの、それに加えて、地域で関係者が集まる協議の場で調整しつつ、医師の偏在につながらないようにすることが求められるとした。

 第四が、研究マインドを涵養する重要性であり、大学院と専門医取得のキャリアが両立できる専門医制度にすること。第五として、医師の多様なキャリアを可能にする制度にすべきと指摘し、女性医師の出産や育児、キャリアの途中での進路変更、留学などにも柔軟に対応できる制度を求めた。第六は、総合診療専門医について。「家庭医、病院総合診療医など、いろいろな概念が包含されている。総合診療専門医の位置付けを明確して、内科専門医やサブスペシャルティとの関係を十分に整理してもらいたい」(新井会長)。

 会見には、全国医学部長病院長会議の顧問であり、日本専門医機構理事長の吉村博邦氏も出席、以下のようにコメントした。「大学の立場を考えると、医学研究の推進という役割があり、専門医が医学研究に携われるような専門研修プログラムを考えていきたい。また新専門医制度は、大学病院などが基幹病院となり、地域の病院と連携しながら研修施設群を形成するのが特徴だが、『大学の復権につながるのではないか』などと問題視されている。大学病院だけが基幹施設になるわけではないが、大学病院はそれなりの役割を果たしていき、その中で、透明性を持って、地域の協議の場で調整しながら、大学復権にならないよう、かつ質の高い専門医を養成していきたい」。


  1. 2016/07/22(金) 05:41:56|
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