FC2ブログ

Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

7月11日 

http://medg.jp/mt/?p=6854
Vol.157 首都圏ああ無常、学力低く東大合格者は西に偏重 ~実は東京には一極集中していない日本の大学教育~
村田 雄基
医療ガバナンス学会 (2016年7月11日 06:00)
2016年7月11日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行  http://medg.jp


 この原稿はJBpressからの転載です。
 http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/47017

 5月1日の朝日新聞で「大学の首都圏一極集中」という記事を目にした。首都圏一極集中とは政治、経済、文化、人口など、社会における資本・資源・活動が首都圏に集中していることを言うようだ。
 確かに多くの企業は首都圏に集中している。例えば、全国で1119社(2013年)ある資本金100億円を超える企業のうち、半数以上にあたる683社の本社は東京に存在する。

 しかし、首都圏に何から何まで集中していると言われると、本当かと首を傾げざるを得ない。京都や金沢に旅行に行けば、文化財はこちらに集中しているようにも感じられるし、わが国の医師数は西高東低だ。首都圏では、しばしば救急車のたらい回しが問題になる。

 本当に、朝日新聞が報じるように、大学教育は首都圏に一極集中しているのだろうか。全国から優秀な学生が東京を含む首都圏に集まり、地方からは人材が流出しているのだろうか。

●大学教育の首都圏集中は真っ赤な嘘

 疑問を感じた私は、この問題を調べてみた。対象としたのは旧帝大を前身にもつ北海道大学(北大)、東北大学(東北大)、東京大学(東大)、名古屋大、京都大学(京大)、大阪大学(阪大)、九州大学(九大)の7つの大学だ(以後、旧七帝大)。

 旧七帝大は、これまで日本のエリート教育や、研究をリードしてきた。もし、朝日新聞の主張が本当なら、東大には全国から学生が集まり、地方の旧帝大は地元出身者ばかりということになる。

 私が用いたデータソースは、『週刊朝日4・22号増大号』(朝日新聞出版、週間版、2016年4月12日刊)の「全国3333高校合格者数総覧」だ。難関大学合格者の出身高校を全国3333校紹介している。

 まず、旧七帝大の合格者の出身高校の所在地を調べ、都道府県ごとに集計した。さらに、都道府県ごとの合格者数を、各県の18歳人口(平成27=2015年12月確定値)で割り、18歳人口1万人当たりの合格者数を計算した。

 また、各県ごとの合格者数だけでなく、地方ごと、東大は関東7県1都、東北大は東北6県、九大は九州7県といった具合に合格者数も調査し地元占有率を算出した。

 結果は驚くべきものだった(表1)。
(* 配信先のサイトでこの記事をお読みの方はこちらで図表をご覧いただけます。http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/47017)
071101.jpg


 地元占有率からすると、東大に全国から飛び抜けて学生が集まってきているわけではなかったのである。地元占有率が最も低かったのは北大だった。38%だ。ついで、東北大が39%と続く。

 さらに、京大50%、阪大58%と関西の大学が続き、東大は59%で第5位である。最も地元占有率が高かったのは、名大や九大。共に71%で、地域色が高い大学と言っても過言ではない。(図1、2)
071102.jpg

 これは、多くの人が抱くイメージとは異なるのではなかろうか。旧七帝大に代表される大学教育は、決して東京に一極集中しているわけではない。

 次に、入学者の分布をみると、さらに見え方は変わってくる。京大や阪大の合格者は、共に関西圏に集中している(図3、4)。
071103.jpg

 関西についで多いのは、四国や中国地方、北陸地方などの隣接する地方だ。

 東大の合格者の分布は、京大・阪大とは若干異なる(図5)。奈良県、鹿児島県、兵庫県などの首都圏から遠く離れた県からの合格者が多い。東大寺、ラ・サール、灘など有名進学校があるからだ。
071104.jpg

●東北大と北大では大きな相違

 しばしばメディアで取り上げられるため、このような高校の存在が「東大は全国から学生が集まる」というイメージを形成しているのかもしれない。

 東北大と北大は地元占有率がほぼ同等だ。ところが、両者の合格者の分布は大きく異なる。

 東北大の合格者は地元を中心とした分布図を示す(図6)。隣接している関東圏からの入学者が他地域より圧倒的に多い。このため、東北地方からの合格者が少なくなる。
071105.jpg

 しかしながら、東北地方と関東の出身者を合わせると72%に達する。これは九大や名古屋大の地元占有率と、ほぼ同レベル。

 北大の分布は違う。隣の東北地方に限らず、全国の広い地域から合格している(図7)。その分布を詳細にみると、日本海側からの出身者が多いことが分かった。
071106.jpg

 東大のように、全国的名門校が所在する県の出身者が多いわけではない。なぜ、このような分布になったのだろうか。

 私は、北海道の歴史が関係していると思う。注目すべきは、北海道の次に合格者が多かったのが、富山県であることだ。

 実は、富山県と北海道は歴史的なつながりが強い。江戸から明治にかけて北前船によって日本海側で交易が行われた。北海道からは昆布、富山からは米が往来した。今でも富山の昆布消費量は全国1位だ。

 それだけではない。

 明治30年代、北海道への入植者が最も多かったのも、富山だったのだ。また、この時期に北陸銀行の前身である十二銀行が、道内第1号店として小樽に進出している。これは、北前船を通じた結びつきが背景にある。

 「本当にそんなことが、現在でも影響しているのだろうか?」と思われる方もいるだろう。実は、現代も影響が残っているのだ。例えば、北陸銀行は2004年に北海道銀行と経営統合した。

●地元出身者が多い旧帝大

07117.jpg
 図8:旧帝国大学の合格者分布

 政治でも影響が残っている。例えば、高橋はるみ北海道知事は富山県の出身だ。彼女の祖父は富山県知事を2期務めた大物政治家であった。

 富山と北海道の深いつながりが若者を北の大地に呼び寄せているのだろう。学生が志望大学を決めるのに、縁もゆかりもない土地に行くことは稀であるからだ。

 以上のデータから言えるのは、旧七帝大の合格者は、基本的にその所在地の地元出身者が多い傾向にあるということだ。

 では、旧七帝大をすべて合計すれば、どのような分布になるだろうか(図8)。

 18歳人口1万人あたりで最も旧七帝大合格者数が多い県を順に並べてみた。上から、奈良、福岡、京都、佐賀、愛知。驚くことに、すべて関西以西である。西の教育レベルは高い。

 一方、東京を除く関東が押し並べて下位を占めていた。

 確かに全国的に有名な超進学校の多くは関東に存在する。しかし、それらトップ10校の卒業生を足し合わせても、3000人にも満たない。首都圏の教育は全体を見ると、それほどレベルは高くないのである。

 実際に、これは研究分野の実績面に大きく影響しているようだ。特に理工系の分野において、東大卒でノーベル賞を受賞した者が少ない。

 化学賞を受賞した根岸栄一氏や、物理学賞を受賞した小柴昌俊氏、南部洋一郎氏くらいだ。関東すべて合わせても6人。一方、関西では受賞者が9人もいる。その差は歴然としている。

 首都圏の理工系学部は、関東一人負けであると言っても過言ではない。教育においても首都圏集中が望ましいのか。それは別に議論する必要がある。

 しかし、少なくとも関東で多くの優秀な人材を輩出するためには、大学教育のあり方は変わらなくてはならないだろう。

 

http://dot.asahi.com/dot/2016070700075.html
医学部に“超”強い高校は? 地方別 医学部合格者数ランキングで徹底分析
(更新 2016/7/11 07:00) dot.ニュース

2016年国公立大医学部合格者数トップ50校 1位~12位(『医学部合格「完全」バイブル2017』より)
071108.jpg

2016年国公立大医学部合格者数トップ50校 14位~24位(『医学部合格「完全」バイブル2017』より)
(略)
2016年国公立大医学部合格者数トップ50校 24位~36位(『医学部合格「完全」バイブル2017』より)
(略)
2016年国公立大医学部合格者数トップ50校 39位~49位(『医学部合格「完全」バイブル2017』より)
(略)


医学部合格「完全」バイブル2017 国公私立 全81医学部攻略ガイド(週刊朝日ムック)
朝日新聞出版
定価:1,296円(税込)

 近年の医学部人気で、受験の難易度は高まる一方だ。比較的入りやすい医学部でも偏差値60前後と、生半可な勉強では合格できない。医師になると決めたら、できるだけ早く対策を始めるのが賢明だ。週刊朝日ムック『医学部合格「完全」バイブル2017』では、医学部に強い高校を特集。受験競争を勝ち抜くための「医学部強豪校」の選び方を、専門家が分析した。

■勉強のスピードと量で公立を突き放す中高一貫

 2016年の国公立大医学部医学科・前期日程は、募集人員3661人に1万8342人が志願した。15年より志願者数は微減したものの、少子化の影響を加味すれば、医学部人気は高止まりしているとみられる。

 国公立大医学部合格者数上位50校 の全国1位には、9年連続で東海(愛知)が入った。上位9校はいずれも私立の中高一貫校で、上位50校の内訳も私立中高一貫校32校、公立高校14校、国立中高一貫校4校と、中高一貫校が圧倒している。医学部受験は、中学・高校選びから始まっている、といっても過言ではない。

 中高一貫校が医学部に強いのには、理由がある。

 まず、高校受験がないことだ。有名中学を中心に高い合格実績を誇る進学教室「SAPIX小学部」の教育情報センター本部長・広野雅明さんはこう話す。

「中高の6年間を通して切れ目ない学習が可能です。特に私立は学習指導要領の制約がないので、先取り学習で高2までに高校のカリキュラムを終えられる。高3は、医学部受験対策にじっくり取り組めます」

 また、中高一貫校の強さは、いわゆる「ゆとり教育」にも関係する。公立の小・中学校では、教員が作成したプリントを穴埋めするだけで、ノートを取る習慣はほとんどみられなくなり、宿題や予習復習も最低限しか出ない状況が続いているという。

「こういった学習環境で、医学部に受かるような学力を持つ子どもが育つかというと、正直厳しいと思います。中高一貫の進学校は、受験の主要教科にかける授業時間を、一般的な公立の1.5倍以上確保しており、演習量の差は非常に大きいです」

 では、どの地域でも中高一貫校を受験すればよいかというと、そうとも言い切れない。10位・熊本(熊本)、ともに12位の札幌南(北海道)、仙台第二(宮城)など、ランキング50位内に公立の14校が食い込んだ。私立が少ない地方は、今も旧制中学以来の伝統校が強い傾向にある。

「中学受験がまとまった形で成立している地域は限られていて、首都圏と関西くらいです」

 医師不足が深刻な東北などの地方では、国公立大医学部の「地域枠入試」が厚い傾向にある。地元志向が強い地方の医学部志望者には、県立トップ校も魅力的だろう。

 広野さんは、こうも指摘する。

「医学部受験の『強豪校』は、大きく四つに分類できます」

 一つ目は、その地域における入学試験の難度が最も高い「超」難関校だ。灘(兵庫)、開成、桜蔭(ともに東京)など、名門の中高一貫校が相当する。国公立大医学部や難関私立に強く、現役合格率も高い。

■縦のネットワークを生かし有利な情報戦を展開

これらの学校の多くは、医学部コースを設けていないが、志望学部を問わず極めて質の高い授業を行っている。私立の少ない地方では、県立トップ校がここに分類される。

「毎年大勢の生徒が医学部に進学するので、合格者から受験情報をリアルタイムで収集でき、有利な情報戦を仕掛けていくことが可能です」

 大学でも卒業生のネットワークは健在で、「研究室や研修先の病院はどこがいい」といった情報も入ってくる。就職も同様だ。医学部受験における最上の道といえよう。

 第2の道は、「超」難関校に次ぐ、医学部に強い難関校だ。

「洛南(京都)、四天王寺(大阪)、海城、巣鴨、豊島岡女子学園(いずれも東京)などがここに分類されます」

 先の「超」難関校に比べ、私立大医学部を目標にする生徒が多くみられる。校内で医学部対策の小論文講座を設けるなど、医学部受験のサービスも充実していて、激励会や卒業生を招いた講演会を開催するなど、情報提供も積極的に行っている。

 医学部対策コースのある「医学部受験推進校」は、近年、中学受験が盛んな地域を中心に増えている。岡山白陵(岡山)、江戸川学園取手(茨城)、開智学園、栄東(ともに埼玉)、広尾学園(東京)などがそうだ。

「受験のテクニックだけでなく、医師の心得などといった心の教育にも力を入れています。志を同じくした生徒が医学部対策コースに集まるので、互いに刺激し、高め合いながら勉強できます」

 ラ・サール(鹿児島)、北嶺(北海道)、愛光(愛媛)などの「寮のある高校」は、転勤が多い家庭や、子どもがあまり勉強しない保護者に人気がある。

「寮に教員やチューターが常駐していたり、食事や洗濯の世話をしてくれたりと、面倒見がいい。生徒が勉強に集中できる環境が整っています」

 自分の学力や志望校に合う高校を選ぶことが、医師の夢をかなえる近道になりそうだ。(文・岡野彩子)

※週刊朝日MOOK『医学部合格「完全」バイブル2017』より



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/49164.html
多様化する医師の学びへの意欲
2016年07月11日 08時00分 キャリアブレイン

 専門以外の診療科の知識や技術を身につけたいと考えている医師は、10人中4人程度いることがCBnewsのアンケート調査で分かった。調査では、専門以外の診療科の知識や技術を得たいと考える医師と専門診療科のスキルを向上させたいと考える医師の数に、大きな違いはなかった上、医師以外の資格の勉強を考えているという回答も一定数あり、医師の学びへの意欲が多様化している現実が浮き彫りとなった。

 CBnewsでは今年6月20日から29日にかけて、日本国内で働く医師を対象にキャリアに関するアンケート調査を実施。40人から有効回答を得た。
 今後、新たに学びたい・知りたいと思うことについて、複数回答で尋ねた質問で、最も多かったのは「自分の専門とする診療科の手技を極めたい」の18件(45.0%)で、次いで多かったのが、自分の専門とする診療科とは違うスキルを学びたい(転科・訪問診療など)の16件(40.0%)だった。さらに「弁護士など、医師以外の資格の勉強をしたい」と答えた人も11人(27.5%)いた。「現状、学びたいと思うことはない」と答えた人は3人(7.5%)にとどまった=グラフ=。
071109.jpg

■学びの意欲、「在宅」での活動が背景に

 学びたい理由について自由回答形式で尋ねた質問では、「2025年問題を考えて在宅緩和医療が必要になると思われるから」(60歳代男性)「訪問診療は今までの枠にはまらないため」(40歳代男性)など、在宅分野への活動を広げるため新たな知識や技術を得たいとする回答が複数見られた。そのほか、「初期症状に幅広く対応したい」(60歳代男性)や「医療以外の知識が、医療をより良いものにする為に必要と思うから」(60歳代女性)といった回答も寄せられた。

※先生方が新しい知識を学ぶ上で、現在の職場だけでは難しい、ということもあるかと思います。その際、転職や非常勤の仕事を新しく追加することも選択肢になるかもしれません。そういった際は、ぜひキャリアブレインにお問い合わせください。先生方のご希望に沿った、お仕事をご紹介いたします。
お問い合わせはこちら。



http://www.medwatch.jp/?p=9610
【速報】新専門医制度、7月20日に「検討の場」、25日の総会で一定の方向示す見込み―日本専門医機構
2016年7月11日|医療・介護行政をウォッチ

 日本専門医機構は11日に理事会を開催し、▽ 7月20日にいわゆる「検討の場」を開いて専門医養成プログラムのチェックを行う ▽7 月25日に社員総会を開催して、来年度(2017年度)の専門医養成について一定の方向を示す ―というスケジュールを確認しました。

 ただし25日の総会で了承が得られなければ、再度、検討することになります。また吉村博邦理事長は「来年から新たな制度で専門医養成を行うかどうかは決まっていない」としています。

公衆衛生の代表としてJCHO尾身理事長が参画した「検討の場」(精査の場)を設置

 新たな専門医制度は、専門医の認定と、専門医を養成するプログラムの認証を日本専門医機構が統一した基準で行うことを柱としており、2017年4月からスタートする予定です。

 しかし養成プログラムについて「ハードルが高すぎ、地域の医師偏在を助長する可能性が高い」などの指摘がなされており、日本医師会と四病院団体協議会(日本病院会、全日本病院協会、日本医療法人協会、日本精神科病院協会)は、日本専門医機構に対して次のような要望を行っています。

▽ 一度立ち止まり、専門医を目指す医師の意見を聞くとともに、「地域医療」「公衆衛生」「地方自治」「患者・国民」の代表による幅広い視点も大幅に加えた『検討の場』を設けて、その検討結果を尊重すること(その際も、プロフェッショナルオートノミーを尊重すべき)

▽ 『検討の場』において医師偏在が深刻化しないか集中的に精査し、懸念が残るプログラムについては2017年度からの開始を延期し、現行の学会専門医の仕組みを維持すること


 日本専門医機構では、この要望を踏まえ、7月22日に「検討の場」(精査の場)を開催することを決定。そこには、公衆衛生の代表としてJCHO(地域医療機能推進機構)の尾身茂理事長、公正・中立な立場を確保する意味で学会推薦者(外科医系3名・内科系3名)を除いた機構の理事が参画する予定です。またこのほかにも学識経験者である理事の中で、実質的に学会を代表していると考えられる場合には「辞退をお願いする」考えを吉村理事長は示しています。

 「検討の場」(精査の場)では、基本領域の養成プログラムが医師偏在を助長するものになっていないかを確認しますが、吉村理事長は「『検討の場』(精査の場)を開催する前に、基本領域の連絡協議会を開催し、各学会から医師偏在是正策などを持ち寄って議論してもらう」考えも明らかにしました。

 「検討の場」(精査の場)などの議論を経て、同日の理事会で一定の方向を決定。25日に開催される社員総会で、その方向について検討することになります。

 このように「検討の場」などでどのような議論が行われるかを待って方向が定められるため、吉村理事長は「来年から新たな制度で専門医養成を行うかどうかは決まっていない」と慎重姿勢を崩していません。


 なお、11日の理事会では「機構と学会が協同で専門医制度を構築する」という基本方針を確認したほか、学会は「学術的な内容について責任を持って養成プログラムを作成する」、機構は ▽ 専門医制度の標準化を図る ▽ 専門医を「公の資格」として認証する(学会と連名) ▽ 偏在対策としてデータベースを各領域で作成する(学会と協同)―という役割分担を行うことも決定しています。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/49175.html
新専門医養成方法で20日に「検討の場」- 機構理事とJCHO理事長で
2016年07月11日 22時00分 キャリアブレイン

 来年4月にスタートする専門医養成の方法について、日本専門医機構(機構、吉村博邦理事長)は20日に「検討の場」を開催し、関係学会の意見を踏まえて協議する。機構が11日に開いた理事会で決定した。「検討の場」には、機構の理事24人のうち、関係学会の代表者らを除いた十数人と、公衆衛生の関係者として地域医療機能推進機構(JCHO)の尾身茂理事長が参加する。【佐藤貴彦】

 専門医の養成は、各学会が独自の基準を設けて行っている。しかし、基準が統一されていないと専門医制度が患者にとって分かりづらいといった指摘があることから、すべての診療領域の専門医を認定する第三者機関として、2014年5月に機構が設立され、内科や外科などの基本領域の専門医の養成を来年度からスタートさせるために準備を進めてきた。

 しかし、機構が進めてきた新制度が医師の地域偏在を拡大させ、地域医療に悪影響を及ぼすといった懸念があるとして、日本医師会と四病院団体協議会が先月、機構と関係学会に対し、新制度について再検討するよう提言。その中で、地域医療や公衆衛生、地方自治、患者・国民などの代表の視点を加えた「検討の場」を設けて、新制度が医師の偏在などを悪化させないか精査するよう要望した。さらに塩崎恭久厚生労働相も、この要望の趣旨を「十分理解する」といった談話を発表している。

 11日の理事会後、吉村理事長が記者会見し、「検討の場」を開催することを明らかにした。また、20日には「検討の場」に先立って基本領域の関係学会の担当者らが会合し、それぞれが来年度からの専門医養成で地域偏在を起こさないために取り組む予定の施策などを持ち寄って議論、「検討の場」でその結果を踏まえて協議するとした。さらに、同日に開催する理事会で機構としての方向性を検討した上で、25日に機構の社員総会を開き、方向性を最終決定したい考えも示した。

 機構が準備していた新制度に向け、全国の医療機関が先月末までに、合わせて約1万9000人分の受け入れを表明している。これに対し、来年3月で初期臨床研修を終え、4月から専門医の養成課程に進む医師数は多くても1万人以下とされている。また、関係学会の一部は「検討の場」の開催を待たずに、専門医養成に関する独自の方針を明らかにしている。懸念されている地域偏在などの問題を起こさないために、「検討の場」では難しい調整が求められそうだ。



http://www.qlifepro.com/news/20160711/guidance-to-the-proper-use-of-expensive-drugs.html
【厚労省】高額薬の適正使用へ指針-対象患者、医師要件を記載
2016年07月11日 AM10:30 QLifePro

厚生労働省の武田俊彦医薬・生活衛生局長は8日、専門紙の共同会見に応じ、高額薬剤の適正使用問題を「取り組まなければならない課題」と位置づけ、骨太方針に打ち出された革新薬の使用最適化に向け、承認範囲の中で対象患者、使用する医師の要件等を記載した使用ガイドラインの作成が必要との考えを明らかにした。また、化学及血清療法研究所(化血研)の不正事件を受けた一斉点検で、7割の医薬品で承認書と違いが見られたことに言及。「統括製造販売責任者をはじめ、製造販売業三役の果たすべき役割が形骸化していないか」と問題意識を示し、再発防止の観点から必要な対応について業界の意見を聞きたいとした。

■「製販三役」 役割に問題意識

武田氏は、急激な高齢者の増加、人口減少社会に向け、地域包括ケアシステムの推進を欠かせない課題としつつ、医療制度の持続可能性を脅かす問題として高額薬剤問題を挙げ、「非常に優れた効果を示すが、極めて高額となっている薬剤に、どう折り合いをつけていけばいいのかが大きな課題として突きつけられている」との認識を示した。

その上で、高額薬剤の適正使用を「どうしても取り組まなければならない課題」と位置づけ、高額薬剤の問題に取り組むに当たっては、「あくまでも患者が必要な治療を受けられるアクセスの確保、画期的新薬がこれからも開発されるような配慮が必要不可欠」との考えを示した。

6月に閣議決定された骨太方針では、「革新的医薬品等の使用の最適化を推進」と明記されたが、武田氏は「新しい作用機序で高い治療効果が認められる医薬品は、既存品よりも患者の選択、適切な使用の必要性は自ずと高くなるだろう」との認識を示し、「関係学会に協力を求めつつ、承認された範囲の中で最適な対象患者、その医薬品を適切に使える医師の要件を記載した使用ガイドラインを作り、周知していくことが必要」との考えを明らかにした。ガイドラインの位置づけについては、「承認条件としてのものなのか、薬価収載までに作成を求めるのかなどについては、これからの議論」とした。

中央社会保険医療協議会で「承認時から薬価や市場規模を念頭に置くべき」との意見が出ていることに対しては、「承認段階で薬価や市場規模は固まってないので、その時点で考慮するのは非常に困難と言わざるを得ない」との見解を示しつつ、「今後われわれが学会と相談して作るガイドラインを活用していけば、最適な使用につながり、ひいては医療費の適正化につながるので、中医協の議論を受け止めた形になるのでは」との考えを述べた。

また、化血研の不正製造記録の隠ぺい、ノバルティスファーマの「ディオバン」の誇大広告、副作用報告遅れなど、行政処分の事案が相次いでいることに言及。特に化血研事件を受け、国の承認書通りに製造されているか国内の製薬企業に一斉点検を求めた結果、7割の品目で承認書との違いが見られたことを問題視。「総括製造販売責任者をはじめ製造販売業三役の果たすべき役割が形骸化していないかどうか、何らかの確認が必要ではないか」と問題意識を示した。再発防止の観点から製造販売業三役の取り組むべき内容について、業界から意見を聞きたいとした。

薬局のあり方については「昨年、医薬分業への大きな議論があり、調剤報酬改定でも大きな改革があったが、本番はこれから」との認識を示し、「患者のための薬局ビジョン」、健康サポート薬局の実現が非常に大事とし、「転換期であるからこそ非常に大事な局面と受け止め、薬局ビジョンや健康サポート薬局を視野に、自分たちがどういう機能を果たしていくべきか、そのためにどういう体制を採っていくのがいいのか、これをチャンスと捉えて時代が求める地域包括ケアシステムの中にしっかり位置づけられるような薬剤師、薬局になってもらいたい」と語った。



http://mainichi.jp/articles/20160711/ddf/041/070/017000c
憂楽帳
地域から地域へ

毎日新聞2016年7月11日 大阪夕刊

 「近所のお年寄りが自然に集まって交わす世間話が重要な情報源なんです」「あっ、台湾も同じです」。説明を聞く青年医師の目は輝いていた。

 台湾・嘉義市の余尚儒さん(34)。日本以上に急速な高齢化が予測される台湾で地域医療に目を向ける。拠点病院のホスピス医として日々40キロ離れた患者宅まで奔走していた2014年、日本の在宅医療制度を知り「参考にすべきモデルはこれだ」と考えたという。今年4月から日本に3カ月の予定で滞在、各地の在宅ケアを視察している。

 広島県福山市では、歯科医と管理栄養士が連携する猪原歯科の訪問診療に同行して、小規模多機能ホームなどを訪問。高齢者の姿が目立つ海沿いの集落を歩き、「ホームでのみとりは」「病院など多職種の協力関係は」などと熱心に尋ねていた。

 帰国後は台東市に移り、人口4000人の郷(村)の医療センターに赴任するという。日本の高齢化地域で奮闘する歯科医や理学療法士らの情熱と経験が、台湾でお年寄りを支える最前線に受け継がれていく。【藤田祐子】



http://biz-journal.jp/2016/07/post_15852.html
上昌広「絶望の医療 希望の医療」
東大理1、順位低下で山梨大以下に…優秀な医学部生の才能を「殺す」大学の質低下

文=上昌広/特定非営利活動法人・医療ガバナンス研究所理事長
Business Journal  2016.07.12

「最近の学生は出来が悪い」 「高校で習っておくべき、基礎的な教養が身についていない」

 医学部の教授のなかには、このように嘆く人が少なくない。このことは、医学部で教鞭をとる人たちを対象とした調査でも示されている。2012年11月に全国医学部長病院長会議が発表した「医学生の学力低下問題に関するアンケート調査報告」では、全国にある80の医学部のうち、75校の担当者が「医学生の学力が低下している」と回答していた。
 その理由として「ゆとり教育」(65校)、「医学部定員の増加」(58校)、「若者全体のモチベーションの低下」(44校)、「医学部教員の多忙」(43校)が挙げられていた。特に、多くの医学部長や病院長が、08年から実施された医学部定員の増員が悪影響を与えたと考えている。1966年は18歳人口の700人に1人が医学部に進んでいたが、13年には136人に1人となっている。医師専用の情報交換サイトであるエムスリーのインタビューで、福島統氏(東京慈恵会医科大学教育センター長)は「門戸は昔よりかなり広がっている」ことを問題視していた。

 一方、進学校の教師のなかには、「最近の優秀な生徒は、みな医学部に行ってしまう」と嘆く人が少なくない。「週刊ダイヤモンド」(ダイヤモンド社/6月18日号)に掲載された「特集 最新医学部&医者」によれば、主要進学校の卒業生の多くが医学部に進学している。たとえば、今春の受験では、東海は208人、ラサールは151人、灘は150人、開成は129人、桜蔭は96人が医学部医学科に合格していた。
 このように両者の主張は、真っ向から食い違う。果たして、どちらの言い分が正しいのだろうか。

医学部入学者の能力をどう評価?

 そもそも、どうやって医学部入学者の能力を評価すればいいのだろうか。
 私は偏差値に着目し、医学部入学者の能力の変化を評価しようと思った。もちろん、入学者の能力を評価することは難しい。学力だけがすべてではない。ただ、学力は医学を学ぶ上で重要だ。それに、毎年予備校が大学の偏差値を評価し公開しているため、定量的に評価できる。偏差値は、各予備校が総力をあげて弾き出す数値だ。やる気や人間性のような主観的な評価と異なり、客観性がある。各大学の合格難易度を、もっとも正確に反映したものといっていいだろう。
 当然ながら、単純に医学部の偏差値を調べても意味がない。大学進学率は1980年の30%から、2015年には41%に上昇しているため、難関大学の偏差値はおしなべて上昇しているからだ。

 医学部入学者のレベルを評価するには、比較対象が必要だ。そこで、私は東京大学の理科1類と比較することとした。東大理1が日本を代表する理系学部であることに異存がある人はいないだろう。
 私は、国公立大学医学部を対象に、2016年と1985年の偏差値を比較した。偏差値は河合塾が発表しているデータを用いた。私大医学部を対象から除外したのは、私大は受験日をずらしているからだ。このため、合格者の多くが入学を辞退する。表向きの偏差値と実際の入学者の偏差値に乖離がある可能性が高い。

東大理1が岐阜大と同レベル

 本稿では、この調査結果をご紹介しよう。実際に調査を行ったのは、当研究所のスタッフである矢野厚君と村田雄基君だ。
 まず、1985年の国公立大学医学部、および東大理1の偏差値を図1に示す。

図1:1985年の国公立大学医学部、および東大理1の偏差値
071110.jpg

 トップは東大理3と京大で70。ついで阪大医(65)、名大医・東北大医・九大医・北大医・神戸大医・東大理1(62.5)と続く。東大・京大・阪大の医学部が最難関で、東大理1と旧七帝大の医学部は、ほぼ同レベルの難易度だ。
 では、現在はどうだろう。図2に2016年の偏差値を示す。

図2:2016年の国公立大学医学部、および東大理1の偏差値
071111.jpg

 上位は東大理3・京大医・阪大医(72.5)、名大医・東北大医・千葉大医・東京医科歯科大医・山梨大医(70.0)と続く。東大理1の偏差値は67.5で、1985年と比較して大幅に順位を下げた。かつて二期校だった岐阜大、山口大、旭川医大と同レベルだ。年配の方には、にわかには信じられない結果だろう。
 では、この30年間に、どのような大学の偏差値が上がったのだろう。結果を図3に示す。

図3:1985年と2016年の国公立大学医学部、および東大理1の偏差値の変化
071112.jpg

 偏差値が上昇したのは山梨大、弘前大、岐阜大、旭川医大(12.5)、琉球大、三重大、福島県立医科大、福井大、名古屋市立大、長崎大、千葉大、島根大、高知大、熊本大、香川大、秋田大(10)と続く。

 一方、偏差値の変化が少なかったのは、東大理3、京大医で2.5しか上がっていない。ついで、東大理1、北大医、奈良県立医科大、札幌医大、神戸大、群馬大、九大、金沢大で5だ。
 地方の国公立大の医学部が急速に難しくなり、いまや東大理1とほぼ同レベルになっていることがわかる。

医学部生は被害者

 では、全国医学部長病院長会議の幹部が主張するように、医学部の定員を増やしたために、入学者の学力が低下している可能性はあるのだろうか。
 図4は、最近5年間の国公立大医学部の偏差値の変化である。低下しているのは九大と金沢大だけだ。2.5下がっている。ちなみに、東大理1も2.5低下している。

図4:2011年と2016年の国公立大学医学部、および東大理1の偏差値の変化
071113.jpg

 ただ、偏差値が下がっているのはごく一部だ。53の国公立大学医学部のうち、32は偏差値の変化がないし、旭川医大や弘前大など11大学は2.5上昇している。つまり、医学部の定員を増やしたせいで、入学者の学力が低下しているとは言いがたい。
 では、もし全国医学部長病院長会議の幹部がいうように、医学部生の学力低下が起こっているとしたら、何が問題なのだろうか。少なくとも、入学者の質が低下しているわけではない。
 そうなると、教育システムに問題があるか、そもそも「医学部生の学力低下」という前提が間違っているのだろう。私は両方の側面があると思う。
 現在の医学部教育はいびつな状況だ。東大理1合格並みの学力をもつ学生が、地方の国公立の医学部に入学しているからだ。教授たちが学生だったときとは、まったく状況が違っている。果たして、教育体制は学生にあわせて変わったのだろうか。私は、そこに問題があると思う。
 優秀な学生を指導する際には、自分で考えさせることが重要だ。教員の仕事は、知的で魅力的な環境を提供すること。そして、締めるところと、自由にさせるところのバランスをとらねばならない。特に後者は重要だ。
 米国の大学は、授業は厳しいが夏休みなど休暇が長い。その間にボランティアなど自由に活動する。多数のノーベル賞学者を輩出した京大は自由だ。開成や灘などの有名進学校も自由である。詰め込み教育はしない。

 ところが、昨今の医学部教育は正反対だ。講義と実習を詰め込み、夏休みや冬休みは短い。授業の出席をとり、小テストを繰り返す大学が多い。ひどいところになると、医師国家試験対策用の授業や試験を行う。さらに医師国家試験用の予備校に通う学生までいる。これでは、教養は身につかず、自分で考えられない。まともな大人に育たない。「最近の医学部生は学力が低い」と感じることもあろう。
 ただ、その責任は大学生にはない。むしろ彼らは被害者だ。せっかく優秀な頭脳をもって医学部に入ってきているのに、その才能を伸ばしてもらっていないのだ。
 今考えるべきは、医学部教育の中味だ。詰め込み一辺倒ではダメだ。座学をやめて、実習で締め上げるのも同様だ。しっかりした思考力、教養をもち、自分で考えることができる人材を育成しなければならない。そのためには、学生自身の試行錯誤が必要だ。
 そして、そのためには彼らを指導する教員のレベルをあげなければならない。医学部に必要なのは入試の改革ではない。教育提供体制の改革である。
(文=上昌広/特定非営利活動法人・医療ガバナンス研究所理事長)

●上昌広(かみまさひろ)
1993年東大医学部卒。1999年同大学院修了。医学博士。 虎の門病院、国立がんセンターにて造血器悪性腫瘍の診療・研究に従事。
2005年より東大医科研探索医療ヒューマンネットワークシステム(後に先端医療社会コミュニケーションシステム)を主宰し医療ガバナンスを研究。 2016年3月退職。4月より現職。星槎大学共生科学部客員教授、周産期医療の崩壊をくい止める会事務局長、現場からの医療改革推進協議会事務局長を務める。



https://www.m3.com/news/general/440825?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD160711&dcf_doctor=true&mc.l=166715311&eml=3f492a08f1681d66441569ec02c0b51e
がん治療薬「もっと効くように」 京都賞シンポ、本庶氏ら講演
2016年7月11日 (月) 京都新聞

 国内外の研究者やアーティストが学術と芸術の魅力や動向を紹介する「第3回京都大学―稲盛財団合同京都賞シンポジウム」が9日、京都市左京区の京大時計台記念館で始まった。初日は免疫学者で本年度の京都賞基礎科学部門の受賞が決まった本庶佑京大客員教授ら4人が講演し、市民や学生ら約500人が知の最先端に触れた。

 大きな成果を上げるがん治療薬ニボルマブの標的分子PD―1を発見した本庶氏は、同分子の発見から実用までの道のりなどについて語った。同薬による治療のメリットとして副作用の少ない点や効果の長期的な持続を挙げた上で、併用する薬剤などを工夫することで、「現状では効果のある人は30%だが、80~90%まで上げたい」と抱負を述べた。

 容易なゲノム編集手法「クリスパー―キャス9」を開発したスウェーデン・ウメオ大のエマニュエル・シャルパンティエ教授も招かれ、同手法の医療応用の可能性などについて展望した。10日は数学者の森重文京大特別教授や写真家の石内都さんらが講演する。



https://www.m3.com/news/general/440763
国私立11大学「RU11」、世界大学ランキングに否定的な見解
2016年7月11日 (月) リセマム

 国私立11大学によるコンソーシアム「RU11」は7月8日、「今後取り組むべき学術研究に関する施策について」と題し、提言と見解を取りまとめて発表した。世界大学ランキングによる評価に否定的な見解を示したほか、博士課程進学の促進策などを提言している。

 RU11は、国立私立の設置形態を超えたコンソーシアムで、正式名称は「学術研究懇談会」。北海道大学、東北大学、筑波大学、東京大学、早稲田大学、慶應義塾大学、東京工業大学、名古屋大学、京都大学、大阪大学、九州大学の11大学で構成している。

  今回の提言・見解は、今後も大学が社会からの要請にこたえる価値ある存在としてさらに発展するために取りまとめたという。提言は、「学術政策」「研究資金制度」「若手研究者支援」について3件、見解は「世界大学ランキング」について1件。

 このうち、各種のランキングが毎年発表されている「世界大学ランキング」については、「わずかな指標の定義変更が順位に大きく影響を与えることからもわかるように、本来多種多様な価値が集積する大学をランキングという1つの順位指標で評価すること自体がそもそも無理なことであると言わざるを得ない」と指摘。

 Times Higher Education(THE)が2015年10月に発表した世界大学ランキングにおいて、日本の大学が軒並み順位を大きく下げる要因となったCitationスコアに焦点をあてながら、指標の定義の難しさを示している。結びでは、「ランキングを政策的な方針や計画あるいは政策実施後の成果達成指標として安易に利用するべきではないとも考える」との見解を述べている。

 このほか、若手研究者支援については、博士課程に進む学生が減っていることから、奨学金制度の拡充、博士人材に特化した採用プロセスの改善など、博士課程への進学を促進させる施策案を提言している。

 学術政策は、昨今の競争的資金が具体的な課題の解決を重視したプロセスが多く、提示される研究課題そのものも表層的内容に偏位していることが懸念されるとし、自由な発想に基づく学術研究の拡充を提言。研究資金制度については、運営費交付金や私学助成の拡充、科研費の適切運用と有効活用などを求めている。



https://www.m3.com/news/general/440640
損賠提訴 医療過誤で賠償、岩手県が棄却求める 地裁・第1回弁論
2016年7月11日 (月) 毎日新聞社

損賠提訴:医療過誤で賠償、県が棄却求める 地裁・第1回弁論 /岩手

 県立二戸病院で手術を受けた県内の70代の男性が多臓器不全で死亡したのは、同病院が適切な処置を怠ったためなどとして、妻が約4183万円の損害賠償を県に求めて盛岡地裁に提訴した。県側は8日、同地裁(小川理津子裁判長)の第1回弁論で請求棄却を求めた。

 訴状によると、男性は2013年9月、同病院で食道がんの手術を受けた。執刀医から「手術は成功した」と報告されたが、術後から腹痛や発熱、全身のむくみが続き、14年2月に死亡した。妻側は、同病院が多臓器不全の原因である細菌性腹膜炎と腹腔(ふくこう)内のうようを発症させ、症状を改善させずに悪化させたとしている。

 県側は「通常『手術は成功した』と説明することはなく、『予定通りの手術になった』などの表現を用いた」と反論。妻側が主張する病院の過失などについても争う姿勢を示した。【藤井朋子】



  1. 2016/07/12(火) 05:54:04|
  2. 未分類
  3. | コメント:0

7月8日 

https://www.m3.com/news/iryoishin/440263
シリーズ: 真価問われる専門医改革
新専門医制度の構築、「機構と学会が協同で」 -吉村博邦・日本専門医機構理事長に聞く◆Vol.1
議論を尽くし、学会や国民のコンセンサス得る

2016年7月8日 (金) 聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

 日本専門医機構の新執行部が7月4日、発足した(『日本専門医機構の理事長、吉村・北里大名誉教授が就任』を参照)。理事長に就任したのは、地域医療振興協会顧問、北里大学名誉教授の吉村博邦氏。日本専門医機構の前身の時代から、専門医制度の検討に関わってきた経験を持つ。

 地域医療に影響する懸念から、2017年度からの全面的な実施は見送られたが、いまだ今後の方向性が見えない新専門医制度をどのように舵取りしていく意向なのか――。吉村氏にお聞きした(2016年7月6日にインタビュー。計2回の連載)。

――まず日本専門医機構の理事長に選任された率直な思いをお聞かせください。

 本当に驚きました。日本専門医機構は、専門医の養成と認定を行う組織であり、専門医制度は医療提供体制にもかかわる大変重要な問題です。非常に重責で、私に務まるのかとも思っておりますが、精一杯努力します。

 今後の運営に当たっては、日本専門医機構のガバナンスの確立、基本的な姿勢・方針の確認、地域医療の確保・偏在対策という三つが重要だと思っています。

 ガバナンスの問題ですが、まず重要なのは、理事会でしっかりと議論を尽くすことです。専門医制度は、プロフェッショナルオートノミーに基づくものであり、社会、あるいは国からも、専門職能集団が自律的に運営することが期待されています。理事会の一部の意見だけでなく、幅広く医療界のコンセンサスを得ながら、議論を進めることが必要です。加えて財務、総務、広報の各委員会の見直し、充実も重要です。

 基本的な姿勢・方針としては、日本専門医機構と、各領域の学会が協同して専門医制度を構築することが重要だと考えています。理事会が意思決定機関であり、各学会の代表などが入る社員総会はその決定内容を報告する場という位置付けでした。このため従前の運営については、「学会ではなく、日本専門医機構が全て主導し決定して、決定したことに対しては従ってください」という姿勢であったと、指摘されることがありました。

 地域医療の確保・偏在対策については、都市部の研修プログラムの募集定員が多ければ、都市部に専攻医が集中する可能性があるので、そうならないように、日本専門医機構は募集定員は過去3年間の採用実績の1.1倍にするよう求めてきました。ただ、それに限らず、いろいろなアイデアがあると思います。

――2017年度からの専門医制度をどのように運営するかが、直近の課題です。

 スケジュールとしては、7月11日(月)に理事会を開催します。何を検討するかですが、日本専門医機構の現状と課題について、理事の皆さんに共通認識を持ってもらうことが第一。第二は、機構の基本的な姿勢や役割の確認です。

 今お話した通り、学会と協同して取り組むことが大前提。これまで各学会が運営してきた専門医制度を尊重し、それを生かしながら、いかに日本専門医機構と学会が役割分担をしていくかという視点が重要です。機構が全てを運営するのではなく、各学会の専門医制度を標準化するための調整役を果たす。その上で、公の資格として、認証する。さらに今後の医療提供体制を検討するために、専攻医や専門医の地域分布などを把握するためのデータベースを構築する。これら3つが、機構の主たる役割になってくるのではないでしょうか。

――1回の理事会で、それらの方針は決まるのでしょうか。

 決まるか決まらないかは別として、とにかく理事の皆さんの意見をお聞きすることが重要です。塩崎恭久厚労相は6月の談話で、プロフェッショナルオートノミーを尊重するとし、「国は当面意見を言わず、新しい体制を見守る」というスタンスです(『塩崎厚労相、新専門医制度への「懸念」理解』を参照)。日本医師会と四病院団体協議会も6月の声明で、「一度立ち止まって」考えるよう、求めています(『「学会専門医の維持を」、日医・四病協緊急会見』を参照)。

 日本専門医機構の今までの理事は、各基本診療領域(学会)から出ている理事ではなく、オールジャパンの体制には必ずしもなっていませんでした。これに対し、新理事は、学識経験者、一般の方なども含めたオールジャパンの体制ですので、そこで議論を尽くしていきます。

――新専門医制度については、さまざまな関係者から成る「検討の場」の設置が求められています。日本専門医機構の理事会がその場になるのか、あるいは新たに何らかに会議体を設けるのでしょうか。

 各ステークホルダーが入り、オールジャパンの体制なので、理事会は間違いなく一つの検討の場です。ここでまず議論を尽くす。一定の結論が出れば、基本診療領域の学会から成る「基本領域連携委員会」をなるべく早く開催する。さらに社員総会を開催し、了承が得られれば、それを各地域の協議会、あるいは厚労省の社会保障審議会医療部会などに諮る。理解が得られれば進めることができ、異論が出れば、もう一度、検討し直す。このようなやり取りを想定しています。「日本専門医機構が、こう決めたから」と言って、進めてしまうと問題が生じてくる懸念があります。

――先生は7月4日の理事長就任後の会見で、「一斉に始める」旨の発言をしています。

 「一斉に始める」というのは、基本診療領域の学会について、「本学会は来年4月から、機構と一緒に実施します」「本学会は1年先になります」「新しい専門研修プログラムは用いますが、学会主体でやります」などと意見が出揃い、各学会の方向が決まるという意味として理解してほしいと思います。「一部の学会だけは、方針が決まらない」といった事態は避けたい。

――それを決める目途はいつでしょうか。

 8月にずれ込むかもしれませんが、できれば7月中に、とは思っています。

――既に、2017年度については学会独自の実施を決めているケースもあります。一方で、日本専門医機構と一緒に実施する場合は、どんなやり方が想定されるのでしょうか。専門研修プログラムの審査などはどうなるのでしょうか。

 日本専門医機構が認定する専門医制度をどのように位置付けるか、機構と学会の役割をどう分担していくかは、まさに今後の検討課題です。いろいろなやり方はあるでしょうが、学会独自で方針を決めるのではなく、機構と学会が話し合い、地域医療への影響も検討しながら、「このような基準で専門医制度をやります」という合意を得て進めていくことが、「一緒にやる」という意味だと思います。これまでは、日本専門医機構が、一方的に決め、それに従わないと認めないという姿勢が、関係者のストレスになっていたとも指摘されています。

 各基本診療領域の専門研修プログラムに関する1次審査を終えたのは、19領域を合わせて2877、募集定員は約1万9000人です。さらに各学会とも募集定員の調整に努力しているので、定員は現段階ではより少なくなっています。ただ、日本専門医機構と学会が一緒にやる場合でも、時間的に2次審査を行う余裕はなく、1次審査したものを理事会で承認するなどの形になるのでしょう。

 専門医の認定証には、学会が独自でやる場合には学会の名前が、学会と日本専門医機構が一緒にやる場合には、両者の名前が入ることになるのだと思います。

 もっとも、2017年度から専門研修を始めたからと言って、すぐに認定するわけではありません。最初は学会独自で開始しても、後からそれを機構が追認する場合もあり得るでしょう。リジッドに考えなくても、いろいろな方法があると思うのです。

――日本専門医機構と学会が一緒にやる場合、研修医登録のデータベースを使うことが前提なのでしょうか。
 その辺りも今後の検討課題です。

――日本専門医機構と学会の役割分担ですが、機構が大きな組織としてやるのか、あるいは学会が主体でそれを支援するようなやり方なのか、という点についても今後の検討課題だと思います。いずれにせよ、最終的に第三者機関として日本専門医機構が認定する専門医制度は必要だとお考えでしょうか。

 はい。各領域の専門医制度を標準化して、それを公の資格とするためには必要だと考えています。



https://www.m3.com/news/iryoishin/436147
シリーズ: m3.com全国医学部長・学長アンケート
臨床実習の現場、大学ごとにばらつき◆Vol.5
24大学の平均は大学病院の割合「75.7」

2016年7月8日 (金) 高橋直純(m3.com編集部)

全国医学部長・学長アンケート

Q 医学部生の臨床実習の場として、大学病院のみならず地域を活用する動きが広がっています。臨床実習の配分時間について、全体を100とした場合の平均的な学生のケースを教えてください。
07081_201607090552438fc.jpg

 国際認証を得ていない医学部の卒業生が2023年以降、米国で臨床研修が行えなくなる「2023年問題」への対応の一環としてなど、参加型臨床実習の割合が各大学でますます増えている。同時に臨床実習の場として、市中病院や診療所を活用する動きも広がっている。

 平均的な学生の臨床実習全体を100とした場合、回答のあった24大学の内訳の平均は「大学病院: 75.7」「市中病院:19.9」「市中診療所:4.4」となった。ただ、大学ごとのばらつきは大きく、大学病院での実習の割合は、最多は昭和大学の90に対し、信州大学は30だった。診療所の実習割合も、ゼロの大学もある一方、大阪医科大学は28だった。

07082_20160709055245052.jpg
回答のあった24大学の平均

 臨床実習場所の内訳について、大阪医科大学学長の大槻勝紀氏は「第5学年は全員大学病院で臨床実習を行います。その後、第6学年で選択臨床実習を行いますが、比率はその際のものです」と説明している。



https://www.m3.com/news/general/440135
【千葉】患者の経済的理由で治療中断 医師37%経験
2016年7月8日 (金) 読売新聞

 県保険医協会は、県内会員の医師や歯科医に受診実態調査を行い、結果を公表した。昨年秋までの半年間に患者側の経済的理由で治療を中断したことがあったのは医師が370、歯科医が500だった。

 調査は2015年12月~16年2月、医師約1900人、歯科医約2100人を対象に実施し、医師247人、歯科医257人から回答を得た。患者からの未収金があったと答えたのは医師が470、歯科医が360だった。

 75歳以上の患者の窓口負担は現在1割だが、調査では2割に引き上げた場合の影響も聞いた。選択肢から選んでもらったところ、「受診抑制につながる」は医師が660、歯科医が690に上る一方、「影響しない」を選んだのは医師が80、歯科医が100だった。

 2割への引き上げに関する意見は、「国家財政を考えるとやむを得ない」などとする賛成派と、「絶対に阻止するべきだ」などの反対派で割れた。



https://www.m3.com/news/iryoishin/439935
シリーズ: 真価問われる専門医改革
脳神経外科学会、2017年度の専門医制「従来通り」
学会が会員に通知、専攻医や地域医療への混乱回避

2016年7月7日 (木) 橋本佳子(m3.com編集長)

 日本脳神経外科学会は7月6日、2017年度の専門医制度は、従来通りの学会の研修プログラムを用いて専攻医の募集を行うことを決定、会員に通知したことを公表した。専門医の更新についても、現行の同学会の専門医生涯教育制度に則り、実施する(資料は、同学会のホームページに掲載)。

 同学会は、2011年度から、他の領域(学会)に先駆けて、複数の病院群から構成する研修プログラム制を採用している(『他学会に先駆け専門医制度を改革』を参照)。研修プログラム制とは、基幹病院と連携病院が病院群を作る仕組みで、2017年度から開始予定だった新専門医制度の特徴の一つ。この点に限っては、新専門医制度への移行に伴う変更は少ないと見られるものの、「本年度中に、日本専門医機構がどこまで制度整備が可能か明確ではない昨今の現状では、揺らぐ制度に中途半端に移行することは、研修医、専攻医、専攻医教育現場、地域医療の混乱を引き起こすことが大いに懸念される」との判断から、従来通りの制度の実施を決めた。

 今後の方針としては、(1)人口当たりの脳神経外科専門医の都道府県格差は約2で、全ての領域の中で、1、2を争うほど均てん化は進んでいるものの、さらに地域医療への配慮を行うよう、各プログラム責任者に通達、(2)各プログラムの募集定員は、教育資源、指導体制、症例数などに基づいて、日本脳神経外科学会の専門医認定制度の内規に則り、自律的に定める、(3)日本専門医制度の動向が明確になれば、プロフェッショナルオートノミーのもと専門医制度を均質化して専門医の質を高めるという方向に向けて協議する――を掲げている。

 日本専門医機構は、7月4日の理事会で、新理事長や副理事長を決定、新執行体制がスタートした(『日本専門医機構の理事長、吉村・北里大名誉教授が就任』を参照)。ガバナンスの立て直しや2017年度からの方針決定は急務だが、日本脳神経外科学会以外にも、既に複数の学会が、2017年度については学会独自での専門医制度の実施を決めている(『日本麻酔科学会、2017年度は現行の専門医制継続』などを参照)。



http://www.asahi.com/articles/ASJ78630GJ78UBQU00L.html
北海道内に広がる産科休止の動き
佐久間泰雄、宮永敏明
2016年7月8日18時20分 朝日新聞

 北海道積丹町の主婦松尾桃子さん(24)は、いま妊娠4カ月。毎月1回、車を運転して約50キロ離れた小樽市内の産科診療所に通っている。お産が近くなる冬には、毎週通わなければいけない。「1歳7カ月の長男を車に乗せて雪道を走るのはゆるくない。何かあれば札幌の病院に回されることになり、早く小樽協会病院のお産を再開してほしい」と願っている。

 小樽協会病院は、高度な医療が提供できると道が認定した後志地方で唯一の「地域周産期母子医療センター」。だが産婦人科医4人のうち1人が昨年6月に退職し、「安全な分娩(ぶんべん)体制が確保できない」として翌月からお産の取り扱いを休止した。残る3人の産婦人科医も今年9月までに全員退職する見通しだ。小樽市など6市町村と医師会などは6月に「北後志周産期医療協議会」を設立。年間約1億円にのぼる周産期部門の赤字補塡(ほてん)も検討しながら、小樽協会病院での分娩(ぶんべん)再開を目指している。

 道内で、出産が可能な医療機関が減っている。道地域医療課によると、2005年の119カ所(39市町)が、昨年10月は95カ所(30市町)になった。

 道内で30施設が指定されている「地域周産期母子医療センター」では、小樽協会と遠軽厚生の両病院のほか、深川市立病院が昨年4月から出産の取り扱いを休止。滝川市立病院も02年からやめている。道立江差病院と広域紋別病院は、出産の取り扱いを第2子からにしている。いずれも医師不足が原因だ。

 04年、新卒医師に2年間の臨床研修が必修化され、自由に病院を選べることになった。大学病院に残る医師が減り、地域の病院に派遣していた医師を引き揚げざるを得なくなっていることが拍車をかけている。

 オホーツク地方北部の紋別市など8市町村にまたがる「遠紋2次医療圏」でも昨年10月以来、初産に対応してくれる病院がない。遠軽厚生病院(遠軽町)で、産婦人科の常勤医師3人が相次いで退職したためだ。

 ログイン前の続き紋別市で14年度に生まれた158人の子どものうち、3分の2超の108人が遠軽厚生病院で産声を上げた。地元の広域紋別病院は産婦人科の常勤医師が1人だけで、初産などには対応していない。遠軽厚生病院の受け入れ停止により、紋別から約1時間半かかる北見市や名寄市、さらに約3時間かかる旭川市まで出かける妊婦もいるという。

 紋別市や周辺自治体は、出産間近の妊婦が病院の近くに宿泊できるよう、5万~10万円の出産支援金などを新設した。遠軽町は旭川医大生を対象に、遠軽厚生病院で臨床研修を行うことを条件に奨学金制度を始めたほか、佐呂間町や湧別町とともに中京圏に医師募集広告を出すなど、医師確保に懸命だ。紋別市の大野貴光・保健福祉部参事は「人口減少対策を語る上で、周産期医療の充実は外せない。国には医師の偏在をただす方策を求めたい」と訴える。



http://www.qlifepro.com/news/20160708/criticism-in-the-direction-of-the-new-specialist-system-postponed.html
新専門医制度 延期の方向性で舵を切る厚労省を真っ向から批判
2016年07月08日 PM04:00  QLifePro

東洋医学会学術集会で緊急シンポジウムを開催

現在、2017年春からスタート予定だった新専門医制度の実施について、日本医師会をはじめとする医師、病院団体から「医師の地域偏在につながりかねない」との反対意見が次々に噴出し、塩崎泰久厚労相までもが導入延期をにおわす談話を発表し、あくまで予定通りスタートさせようとする日本専門医機構との「対立」にまで発展している。

6月上旬、高松市で開催された第67回日本東洋医学会学術集会では緊急企画「新しい専門医制度の現状と展開」が開催され、同企画で講演した日本専門医機構理事の千田彰一氏(徳島文理大学副学長)は、こうした新制度スタートに延期の方向性で舵を切る厚労省を真っ向から批判した。

そもそも新専門医制度は、医学部卒業後2年間の初期臨床研修を終了後の医師に対して、さらに専門医としての研鑽を高める場合に、新たに3年以上の研修を課す制度。より具体的には、専門医資格を現在ある診療科別を基本にした「基本領域専門医」と各診療科内でもより専門性の高い分野に分類した「サブスペシャリティ領域専門医」の2つに分け、専門医を目指す医師はまず基本領域専門医の資格を取得、その後、必要に応じてサブスペシャリティ領域専門医の資格取得を目指す。この研修は基幹施設と呼ばれる大学病院などが中心となり、それと連携する地域の中小病院などの連携施設と協調の上で行い、研修プログラムの評価や認定、さらには専門医の認定は2014年に同制度の運営を担う中立的な第三者機関として設立された日本専門医機構が行うというもの。

しかし、制度がスタートすれば、専門医を目指す若手研修医のみならず、その研修を担う人材を確保するために中堅以上のベテラン医師までもが基幹施設に集中し、地方の中小病院などでは人材不足になる可能性がある。日本医師会をはじめ病院団体などが新制度実施に反対するのはまさにこの人材確保が深刻化するとの懸念からだ。

千田氏「偏在問題は専門医制度とは別の次元の問題」

千田氏は講演で「そもそも専門医制度の設立が求められたのは専門医の質向上、引いては医療の質向上が目的で、機構の役割もこの1点に尽きる」と説明。そのうえで「診療科偏在、地域偏在はある意味日本全体の問題であり、これまで厚労省も日本医師会も手を付けられてこなかった。にもかかわらず法的根拠もないなかで日本専門医機構が手を付けられるはずもない。それでも機構内では専門医の都市集中を避けるべくさまざまな仕組みを考えてきた」と述べ、日本医師会などによる反対論陣が強まる中で機構自体の考えを説明する場は実質的に狭められてきたとの認識を強調。そもそも偏在問題は専門医制度とは別の次元の問題であるとの認識を示した。

その一方で、当初機構が行うとされていた認定業務についても、当面は各関係学会で行う方向性で話が進みつつあることなどを踏まえ、「混乱の中で厚労省の発言力が強まり、中立的な第三者機関という機構の役割も狭まりつつあり、機構のあずかり知らぬところで制度に関するスケジュールなどが決まっている。今まで改革をやってきた主体がどこなのかすら見えなくなり、プロフェッショナルオートノーミーも失われつつある」と日本医師会などの意見を中心に主導権を強める厚労省への懸念を表明した。

また、そもそもの専門医改革の原点が2008年に日本学術会議が出した提言で10年以内新専門医制度の創設を謳ったことにあるとして、「(この原点時期から考えて)いま進めようとしている専門医制度は拙速でもなんでもない」と、反対する関係団体を批判した。(村上和巳)



http://www.asahi.com/articles/ASJ784J39J78UHNB00Z.html
手術ミスで右手足まひ 群大病院、改善策守らずまた事故
2016年7月8日21時16分 朝日新聞

 群馬大病院(前橋市)は8日、50代男性の頸椎(けいつい)を金具で固定する手術をした際、過って脊髄(せきずい)を圧迫し、右手足のまひなどが残ったと発表した。また、同病院では腹腔(ふくくう)鏡による肝臓手術などで患者が死亡する事故が相次いだため、改善策として術前説明の徹底やカルテの詳細な書き方を決めていたが、この男性の手術については守られていなかったという。

 病院によると、男性は首の骨が変形するなどして神経が圧迫され、歩行困難や手の筋力低下などの症状があった。昨年11月の手術の際、担当医師が一部の金具の差し込む位置を間違え、脊髄を圧迫。現在も人工呼吸器が必要な状態で、回復するかどうかの判断は1年ほど経過をみる必要があるという。

 院内の事故調査委員会が調査した結果、まひなどの症状は手術による神経障害によるものとされた。田村遵一病院長は「患者や家族に深くおわびし、全力で治療を尽くしていく」と謝罪した。



http://mainichi.jp/articles/20160709/k00/00m/040/160000c
群馬大病院
50代男性、手術で医療事故、神経障害残る

毎日新聞2016年7月8日 20時23分(最終更新 7月8日 21時05分)

 群馬大医学部付属病院(前橋市)は8日、50代の男性患者の首の骨を固定する整形外科手術で、神経が通る脊柱(せきちゅう)管に誤って医療用ネジを刺す医療事故があり、男性患者に右手足のまひや呼吸困難などの神経障害が残ったと発表した。

 病院によると、男性は10年前から歩行に異常があり、首や後頭部の骨が不安定な「上位頸椎(けいつい)奇形」と診断された。昨年11月の手術で、骨に4本のネジを刺したが、手術直後、うち1本が脊柱管に刺さり神経を圧迫していることが判明。同じ日に再手術したが、神経障害が残った。

 外部専門家2人を含む院内調査で「大きな骨変形や患者の肥満体形により、ネジを正しく刺すのが難しい事例だった」とした上で「術中に部位をCT撮影したり、脊髄機能を監視したりできる道具を使うべきだった」と結論づけた。【尾崎修二】



http://www.sankei.com/west/news/160708/wst1607080060-n1.html
麻酔用筋弛緩剤1本を紛失 岡山医療センター
2016.7.8 17:58 産経ニュース

 国立病院機構岡山医療センター(岡山市北区)は8日、医薬品医療機器法で毒薬に指定されている麻酔用筋弛緩剤「ロクロニウム(商品名・エスラックス)」の50ミリグラム入り瓶1本を紛失したと発表した。大人3人分の致死量に当たるという。

 同センターによると、6月30日午後8時半ごろ、手術室の廊下に設置されている薬品用保冷庫の在庫を看護師が確認した際、1本不足していることが判明。関係者から聴取した結果、誤廃棄か使用した本数の記載ミスだった可能性が高いが、盗難などの可能性も残るとして、保健所や岡山西署に連絡した。

 保冷庫は、職員が手術室にいる日中は施錠されておらず、同センターは昼夜を問わず施錠するなどの再発防止策を講じるとしている。



http://www.medwatch.jp/?p=9574
高度急性期医療を推進する県民に信頼される親切であたたかい病院、岩手県立中央病院
2016年7月8日|医療現場をウォッチ

 医療と経営の質を両立して注目される岩手県立中央病院が、「県民に信頼される親切であたたかい病院、岩手県立中央病院」を上梓しました。高度急性期病院の役割や各診療部門の説明を、一般市民でも分かりやすく理解できるように紹介しています。

ここがポイント!
1  医療と経営の質を両立する2大テーマ、5本柱
2  一般市民目線で分かりやすく各部門を紹介


医療と経営の質を両立する2大テーマ、5本柱

 同院は、年間救急車受け入れ件数が盛岡保健医療圏の510に当たる6400件(2014年実績)。「24時間365人日、救急車の受け入れを断らない」を目標に掲げ、1日17~18台弱の救急車を受け入れるため、全診療科がオンコール体制で、毎晩7~9人の医師が救急当直しています。

 一方、地域の医療機関への診療応援回数は年間3335回。1日平均9人の医師が診療応援のため不在になる計算です。

 県立病院最多の岩手県で、20ある県立病院の地域の中核病院として機能する一方、医療と経営の質の両立を目指した経営戦略「Double Winner」を策定。トップダウンとボトムダウンによるさまざまな業務改善に取り組み、経営状況は黒字で推移しています(関連記事『岩手県中央病院、累損57億円からの大改革―「医療・経営の質」高めたデータ分析』)。

 現在の同院の2大テーマは、「地域包括連携の構築」と「病院完結型医療から地域完結医療への転換」です。その実現に向けて、「高度医療」「救急医療」「地域医療支援」「研修医教育」「健全経営」の5本柱を展開しています。

一般市民目線で分かりやすく各部門を紹介

 続いて、各診療部門の特徴や医療の提供内容を解説。111ページと紙面の約9割を割いて、一般市民の興味がありそうなテーマなどを切り口に、1つひとつの部門を丁寧かつ分かりやすく紹介しています。例えば、「生命を救え!!年間300超の緊急内視鏡治療」「がんの痛みで悩ませない」「年間5000件超の手術を支えるエキスパート集団、中央手術部とは?」などのキャッチーなタイトルで引き込み、平易な文章と図解を用いて各部門のポイントを短時間で把握できる構成になっています。

 データ分析関連では「記録を情報に変え活用する!診療情報管理士とは?」と題して医療情報管理室を紹介。カルテ情報の整備方法や、DPCデータを用いたベンチマーク分析による経営改善への取り組みも紹介されています(関連記事『無駄のない深い分析へ導いてくれる、手間なく納得してもらえるデータを視覚的に』)。

 一般市民の目線で急性期病院を分かりやすく、かつ詳細に紹介している書籍は少ないのではないでしょうか。また、医療関係者にとっても、医療と経営の質を両立せる同院の紹介から学ぶべき点は多いかもしれません。



http://www.asahi.com/articles/SDI201607081313.html
2025年問題を乗り切る地域包括ケアシステムの行方(上)
岩崎賢一
2016年7月8日17時57分 朝日新聞

 団塊世代が75歳以上になる2025年問題を乗り越えるために、厚生労働省は今、高齢社会に応じた医療や介護の仕組みを整えようと、市区町村が主体となる地域包括ケアシステムの整備を推進しています。住み慣れた地域で最期をどう迎えるのか、高齢者だけでなく、その子どもたちの世代にとっても重要な問題と言えます。とはいえ、医療や介護の話は、自分や家族が当事者にならないとなかなか考えない人も多いと思います。全国在宅療養支援診療所連絡会事務局長で、栃木県、茨城県、東京都で在宅医療に取り組む太田秀樹医師に、今、私たちのまわりで起きていること、その背景に何があるのか、そして将来破綻しないために何をしていかなければいけないのか、聞いてみました。(アピタル編集部)

■延命だけを目的とした治療は正しいのか?

【質問】医療や介護に関係している人たちの多くは、今、地域包括ケアシステムを理解していると思いますが、市民はまだまだ理解していないと思います。

【太田医師】地域包括ケアシステムとは何かというと、これからのヘルスケアシステムの新たな秩序ということです。行政用語で仰々しいですが、わかりやすく翻訳すると「年取ったら住み慣れた地域で暮らせるようにしようよ」という意味です。エイジング・イン・プレイスという表現もあります。なじみの土地でなじみの人間関係の中で人生の終焉を迎えるということです。

 ここには、暮らすことと死ぬことの2つのキーワードが含まれています。

 日本社会では、法的な死と生物学的な死がありますが、いずれにしろ医師が関係しないと死ねません。医療のかかわりはどうしても必要になります。尊厳ある生がなければ尊厳死は存在しません。お年寄りは本当に尊厳ある生活をしているのでしょうか。ぴんぴんころりと死ねるのは10人に1人ぐらいです。特に男性に多いです。表現は悪いですが、女性は寝たきりになっても長生きします。このように人生の終末期では、性差があります。

 昔は、死にそうになったら病院に行って徹底的に治療をしました。その結果、3カ月でも長く生きたら医学に対してありがたいと思いました。命を閉じるときに、しっかり治療をして最善を尽くして死んだと言うことが幸せなことだと感じる精神文化を持ち続けていました。

 しかし、医学は技術として大きく進歩しました。食べられなくても息ができなくても患者は生きられる時代です。私が医学部に入学した昭和40年代は、医学の進歩の象徴のような意味合いとして語られていたことが、40年経ったいま、ただ生きていて意味があるのかとみんなが議論するようになりました。手足をしばられ、チューブで栄養を送られ、笑顔もなく、楽しみもなく、人との関係性もなく、生きていて意味があるのかと、国民の側から疑問視するようになってきました。

 医師も、延命だけを目的とした治療が医学として正しいのかと言い出すようになりました。そうすると終末期医療の姿もものすごく変わります。死を認めざるを得ないことが共有されつつある時代になりました。


■高齢者の虚弱「フレイル」とは

【質問】少子高齢化も進みました。病院やクリニックに行けば、患者の多くが高齢者です。

【太田医師】私が医学部に入学した昭和40年代は、高齢化率がまだ50とかいう時代です。高齢者医療は珍しい時代でした。しかし、今は高齢化が進み、4人に1人の医療になりました。医師にとって、ありふれた病気を診る機会が増えました。内科は今やみな老年科です。私のクリニックには、午後から往診しているので午前中に1日20人から30人の外来患者が訪れますが、950は高齢者です。若年人口は減り、そもそも若い人はあまり病気にならない。疾病概念が変わりました。専門的にいえば、高齢者の虚弱を意味する「フレイル」とか、年齢とともに全身の筋力が低下していく「サルコペニア」といった疾病概念です。日本老年医学会が、フレイルの概念を明確化しました。要介護状態になるちょっと前段階のことで、適切な医療介入によって要介護にならずに済むということを研究しています。

 研究が進むと、体のフレイルの前に、心のフレイルがあるということが分かってきました。喪失体験の連続、具体的に言うと友達が死んでいったり、時には息子が先に死んでいったりして、ゆううつになる。そうすると食欲が低下して食事を食べなくなって、弱くなっていきます。

 精神的なフレイルの前に、ソーシャルフレイル(社会的フレイル)があることも分かってきました。隣近所の人たちが元気だったときは町内会の仕事もみんなでやっていましたが、ご近所の人たちがぽつんぽつんと死んでいき、自分ひとりになってしまった。近所に友達がいないので家の中でテレビを見ているような生活になる。家に閉じこもるようになると動かなくなるので足腰が弱ります。一生懸命自分でつくっていた食事もつくらなくなる。寂しいねと、ネコと暮らしているような状況になると急激にフレイルが進行することが分かってきました。体のフレイルだけ医療の対象としないで、フレイル予防からかかわるべきなのです。

■福祉、生活、地域の視点が欠かせない医療へ

【質問】そうすると、医師の役割も変わってきますね。

【太田医師】医師の役割は、福祉的になってきましたし、生活の視点を入れると包括的になり、より地域的になっていっています。医療がここまで大きく変わってきたことを理解すると、地域包括ケアの意義が分かってくると思います。

 どういう医療が必要なのか、提供された医療の妥当性を考えるのは医者ですが、社会にフィットした医療をどうやって提供するのかは仕組みの問題であり、医療行政が考えることです。それが地域包括ケアシステムです。

 だから生活の視点がたくさん入ってきます。住居は療養環境ということです。足の悪い人が古い集合住宅の4階に住んでいたら外に出かけられません。しかし、エレベーターがあれば出かけられます。環境によって社会的フレイルは簡単に改善できます。1階の部屋で暮らせればいつでも出かけられます。住居は重要な要素です。

~~~~~~~~~~~~~~~
太田秀樹医師
医療法人アスムス理事長(http://asmss.jp/gai.html別ウインドウで開きます)
一般社団法人全国在宅療養支援診療所連絡会事務局長(http://www.zaitakuiryo.or.jp/index.html別ウインドウで開きます)



http://this.kiji.is/124079274709190138?c=39546741839462401
予期せぬ死亡34件届け出
医療事故調査制度、6月分

2016/7/8 18:26 共同通信

 患者の予期せぬ死亡事案が対象の医療事故調査制度で、第三者機関の日本医療安全調査機構(東京)は8日、6月に医療機関から「院内調査」が必要として届け出があった事案は34件(前月比4件増)と発表した。昨年10月の制度開始後の累計は285件で、うち院内調査の結果報告書が機構に提出されたのは92件。

 6月の届け出34件は、いずれも病院(20床以上)から。関東信越が最多の17件で、九州6件、東北と東海北陸、近畿は各3件、中国四国が2件。北海道はなかった。診療科別では消化器科が6件、内科5件、外科と循環器内科が各4件など。


  1. 2016/07/09(土) 05:55:22|
  2. 未分類
  3. | コメント:0

7月5日 

http://www.huffingtonpost.jp/kaoru-kawai/healthcare-die_b_10800424.html
勤務医の約6割が「過労死」の危機ーブラック化する医療現場ー
河合薫 (健康社会学者、気象予報士)
投稿日: 2016年07月05日 10時37分 JST ハフィントンポスト

「せがれが過重労働とパワハラで、体調を壊してしまいましてね。......真面目にやってきたのに、かわいそうで。『人の命は何よりも重い』と教育されてきたけど、医者の命だけは軽く扱われているんです」

この男性の息子は、某病院の勤務医の34歳。昨年、電車の中で意識を失い、病院に搬送。
現在、自宅で療養している。

男性によれば、息子さんは当直のあとも、通常の勤務を行うのが日常茶飯事。連続36時間勤務したあとも、「勉強しないと、新しい知識がアップデートされない」と自宅で勉強していたという。

職場では、上司の医師からのパワハラもあり、患者の家族からは、理不尽な要求を突きつけれることも多かった。

他の病院の勤務日でいなかったことに、腹をたてた家族から、
「なんで担当医がいない。これじゃ、家族には親の病気の状態がどうなっているかわからないじゃないか!勝手な治療は許さん。医者を呼べ!」とクレームをつけられ、その後もことあるごとにクレームを言われたそうだ。

「退院するときにいないと、不機嫌になる家族も多い。私たちの世代は、『お医者さま』でしたけど、今は『患者さま』。医者は24時間365日働いて当たり前とでも思っているんでしょうか。 もっと私も息子のストレスをどうにかしてあげられればよかったんでしょうけど、彼が極限状態まで追いつめられていることに気付いてあげられなかった。かわいそうなことしてしまったな、と反省しています」

 
男性はこう言って肩を落とした。病院も、上司の医師も、患者の家族も......、すべて加害者。そして、息子の状態に気付いてあげられなかった自分への怒りも、お父さんを苦しめているようだった。

今は落ち着いてきて、ゆっくりと回復に向かっているそうだが、生気を失った息子が、このまま生きる力を失ってしまうのではないかと、目を離すのが心配な時期もあったと語っていた。

滅多に報じられることがないのだが、実は医師の過労自殺は、一般の労働者より多い。

ただ、これは日本に限ったことではなく、米国では一般の労働者の4倍ほど高く、デンマークでも、医師の自殺は、看護師や教員など他の20以上の職種に比べて高いとの調査結果がある。

"自死"という選択は、健康問題、経済問題、勤務問題など、いくつかの要因が絡み合った結果である場合がほとんどだが、医師のケースでは、長時間労働と、周囲からの要求の過度な高さ(責任の重さ、高い技術など)からうつになり、それが引き金になると考えられている。
 
その傾向は研修医のときが最も顕著で、ある調査では研修開始から1~2カ月後、4割近くが抑うつ状態にあることがわかっている。
 
また、外科などの体力、精神力ともにタフな分野を希望する学生は年々低下。過酷な労働条件に加え、医療事故⇒裁判⇒逮捕 となる危険性もあり、若手は避ける傾向が強い。勤務医となった後も、耐えられずに辞め、開業する医師も多いとされているのだ。

そもそも勤務医の労働時間は年齢や性別で大きな差があり、20代後半の男性勤務医で、1週間の平均勤務時間(滞在時間)が約75時間であるのに対し、50代では過労死ラインを下回り、週60時間弱。女性の医師は、男性よりも勤務時間が短く、20代で70時間弱、40歳代で約57時間。
 
医師の長時間勤務が常態化している背景には、医師不足、深夜勤務、36協定などの要因があるが、若い勤務医は、金銭的な理由、医局からの指示、さらには、不足している専門科の病院からの要請で、複数の勤務先で働く人が多く、非常勤の女性医師の増加が、男性医師の負担をより増やしたとの指摘もある。

奇しくも先日、長崎市の長崎みなとメディカルセンター市民病院に勤務していた男性医師(当時33歳)が2014年に死亡したのは過重労働が原因として、妻ら遺族3人が病院に約3億7000万円の損害賠償を求め提訴した。

男性は14年4月に同病院に採用され、心臓血管内科医師として勤務。毎月100時間を超える時間外勤務が続き、同12月に自宅で心肺停止の状態で見つかった。死因は著しい疲労の蓄積による、内因性の心臓死だった。

医療ニュースサイトm3.comが行った調査でも、勤務医の半数を超える56%が、「過労死の危険性を感じたことがある」と答えている。

医者の命だけは軽い――。

この言葉を聞いて、「そうだよ。そのとおりだよ」などと言う人は、いないはずだ。

だが、人の命を預かる「責任」の重さ、過労死ラインを超える長時間労働、深夜勤務、患者や家族との人間関係......。そのすべてが、医師たちを追いつめる。
 
人間が持つ、「疲れる→休む→回復する」という「回復のサイクル」が機能しない環境が、何をもたらすか? 

質の低下とミス。らくそうな職場を選ぶ若者が増え、ストレスの多い外科医はますます人材不足に陥り、ヒヤリハットをもたらすリスクが高まり、大きな事故につながっていく。

いつの時代も、どこの世界でも、そのしわ寄せは末端の労働者に来る。それは翻って"私"たちの問題として、ふりかかってくるのである。

厚生労働省は今年3月、2040年に「医師」が1.8万~4.1万人過剰になるという推測を明らかにし、医学部の定員を削減を進める方針を示しているが、高齢化社会、核家族化、共働き世帯の増加......、などなど、さまざまな社会構造の変化がクモの巣のごとく絡まっている状態を紐解かずして、「数字」だけで議論を進めるのは得策ではない。
  
たとえば、病院経営のプロとなる人材を「医学部の中で育てる」という発想への転換を、是非とも議論してもらいたい。

医療や労務制度に関する深い知識を有し、さらには、人間の心身への影響を心理や社会学の観点から理解できる医療マネジメント層が増えれば、"現場"も変わるはずだ。

以前、医薬関係の講演会に呼んでいただいたときに、千葉大の医学部が、大学病院と看護学部、薬学部と連携して、講義や研修を行っていると聞いた。学生時代から横とつながれば、専門外の理解も深まるし、知識も自ずと増える。人的ネットワークも育まれ、"つながり"がもたらす利点も多い。

私は...、医師というのは、医療現場が考えている以上に、患者や家族にとって大きな存在だと考えている。

そのつまり、なんというか、やっぱり患者にとっても家族にとっても、お医者さんって全てで。先生の何気ない言葉や表情に一喜一憂するのですよ。

個人的な話だが、昨年旅立った私の父親は、「お医者さま」の言葉を、何よりも頼りにしていた。

「○○先生から運動していいって言われた!」「○○先生が"血液検査の結果も良好!"って言ってた」「○○先生から"順調ですね!"って言われた」などなど、入院中も通院しているときも、先生の言葉に父は勇気をもらっていた。

医師は聖職ではない。でも、「残された命」に、光を与えてくれる存在なのだ。

(河合薫の健康社会学 yahoo newsより転載)



http://gihyo.jp/book/pickup/2016/0040
曲がり角に来ている日本の医療。「家庭医学」がより重要な概念に
2016年7月5日 技術評論社

増大し続ける我が国の医療費 10年後には50兆円を超える

2014年度の我が国の医療費総額はついに40兆円を突破しました。中でも目立つのは高齢者の医療費の増加です。75歳以上の高齢者の年間医療費は1人当たり平均で約93万円。75歳未満は約21万円なので,じつに4倍以上となっています。

高齢化だけでなく医療の高度化も医療費の増大に拍車をかける要因となります。たとえばがん治療に有効とされる陽子線治療は,1回あたり300万円。話題となったC型肝炎の新薬は1錠8万円という高額です。また今後進展が期待される再生医療など医学の進歩は,一方で医療費の増大につながるという指摘もあります。

厚生労働省の試算によれば日本の医療費総額は2025年に52兆円に達する見込み(図1)。国としても医療費削減に取り組まざるをえず,GDPの縮小と相まって国民負担のさらなる増加が避けられない状況です。

図1 日本の医療費の推移
図1 日本の医療費の推移

医療費削減のための大きなポイントが病気になる前の予防です。癌,心疾患や脳血管障害といった三大疾病も,メタボリックなど生活習慣から悪化することが知れられていますが,逆に言うならば生活習慣を改めることで,これらの病気を未然に防ぐことが十分可能なのです。

「予防医学」が根付くために必要なのが,一人ひとりの健康や医療・医学に対する知識と理解です。20万人以上の医師が登録しているという日本最大の医療専門サイトm3.comによる2015年の調査では,医師と患者の意識の差が明らかになりました。「日本の医療の問題点は?」という質問に対し医師側のトップが「患者の理解不足」(48.5%)だったのに対し,患者側は「診療の待ち時間が長い」(52.1%)でトップ。ちなみに「患者の理解不足」は患者側が20.2%,「診療の待ち時間が長い」は医師側は25.6%と,両者のギャップが大きいことも特徴。

その他に両者のギャップが大きかったものには,「医療機関選択の際の情報が少ない」(医師側9.9%,患者側30.4%),「病気に関する正確な情報が得られにくい」(医師側6.7%,患者側26.1%)などが挙げられています(図2)。総じて言えることは,医療知識・情報とその理解において,医師と患者の間で大きなギャップがあるということです。

図2 日本の医療の問題点
図2 日本の医療の問題点
出展:厚生労働省資料
医師の側からは気軽に医療機関を利用しすぎるという「コンビニ受診」が多いという意見が強く,受診患者の増大が診療の待ち時間の長さとその不満にもつながっていると考えられます。

予防医学の重要性と,日本の医療と医師の現状を鑑みると,おのずから浮かび上がるのが国民一人一人の医療と医学に対する知識と理解が不可欠であるということ。医師に頼りすぎず,自らの健康を自分で守るという視点と姿勢が必要であること。

ITと通信環境の変化が 家庭医学を大きく変える!

必然的に「家庭医学」という概念がクローズアップされてきます。個々人,家族単位で自分たちの健康に対する意識を高め,情報と知識を蓄える。イザというときの対処や対応を身につける──。

これまでは「家庭医学」というと本来の医学や医療の付属物という感覚が強く,軽く考えられがちでしたが,今後はさまざまな状況や環境の変化から,むしろ重要なヘルスケアの概念として取り上げられていくことになると考えます。

インターネットや通信環境の拡充と発達が,これらの展開をより迅速かつ広範にしていくことは容易に考えられます。実際,スマホのアプリには日本全国の病院や医師の検索ができたり,応急処置の方法が即座に分かるアプリ,薬の種類や飲み方から食事&カロリー管理ができるアプリなど,実に様々なアプリが無料で利用できる環境が整っています。

健康と医療・医学に対する意識の大きな変化と,それを促すITなど通信&情報環境というインフラの拡充が,「家庭医学」という概念を大きく変えていく可能性を秘めているのです。



http://univ-journal.jp/8429/
東北大学が、世界で初めて高齢者医療の漢方薬ガイドライン作成
大学ジャーナルオンライン編集部
2016年7月5日

 東北大学病院漢方内科の高山真准教授らのグループが、日本老年学会が作成した「高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2015」の漢方薬治療の章をまとめた。高齢者向け漢方薬ガイドラインの作成は世界で初めてという。

 東北大学によると、高山准教授らは主に後期高齢者や病弱な高齢者が使用する漢方薬について、英文と和文検索でヒットした503件の論文を詳細に調べ、内容を吟味して57件の論文を抽出。これに最近の論文を加えた計64件の論文の研究内容を評価、高齢者に有用な漢方薬のリストを作った。
それと同時に、厚生労働省から出された使用上の注意にこれまでの知見を加え、高齢者が漢方薬を使用する際に注意すべき生薬のリストも付け加えている。

 ガイドライン中には、抑肝散は認知症に伴う行動、心理症状のうち、幻覚や妄想、昼夜逆転などに有効だが、食欲減退やうつには効果がないことや、甘草は低カリウム血症、附子は不整脈、血圧低下を引き起こす毒性を本来有することなどが記載されている。

 中国を起源とする漢方薬治療は経験医学と呼ばれ、診療の根拠に乏しいと長く考えられてきた。20世紀に入って漢方薬の効果について臨床研究が進むようになり、現在ではかかりつけ医の94%以上が漢方薬を処方しているとされるが、診療ガイドラインは作成されていなかった。

 ガイドラインは、漢方薬を専門としない医師が高齢者に漢方薬を処方する際の情報源として活用できる。研究チームは正しい情報に基づいた漢方薬使用が広がることを期待している。研究結果は英文医学誌「国際的な老人病学と老年学」に掲載された。



https://medical-tribune.co.jp/news/2016/0705503975/
運営混乱の専門医機構、新理事長に吉村氏「一定の方向性を出したい」〔読売新聞〕
yomiDr. | 2016.07.05 10:30

 来春にスタート予定の新しい専門医制度の運営を巡る問題で、日本専門医機構は4日、地域医療振興協会顧問の吉村博邦氏を新たな理事長に選んだ。

 吉村氏は、日本医師会などが、大病院に医師が集中して地域医療の現場が混乱するなどとし、制度開始の延期を求めた点について、「患者代表や県知事らも加えた新たな理事会で、今月中に一定の方向性を出したい」と述べた。

 吉村氏は呼吸器外科が専門で、北里大学医学部長などを歴任。同問題では、運営が混乱し、前理事長が先月27日に辞任していた。

(2016年7月5日 読売新聞)



https://www.m3.com/news/iryoishin/439012?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD160705&dcf_doctor=true&mc.l=165888240&eml=3f492a08f1681d66441569ec02c0b51e
シリーズ: 真価問われる専門医改革
日本専門医機構の理事長、吉村・北里大名誉教授が就任
「できれば一斉にスタートしたい」、7月中に方向性固める

2016年7月4日 (月) 橋本佳子(m3.com編集長)

新理事長の吉村博邦氏。
 日本専門医機構の理事会が7月4日に開催され、理事長には吉村博邦氏(地域医療振興協会顧問、北里大学名誉教授)、副理事長には、松原謙二氏(日本医師会副会長)と山下英俊氏(山形大学医学部長、眼科教授)が選任され、新執行部が発足した。6月27日の理事決定の段階では、理事は24人、日本医学会連合の推薦理事枠2人のうち、1人は未定だった。同連合は、新たな理事候補の推薦を検討していたが、意見がまとまらなかったためか、4日の理事会への理事候補の推薦は見送った。

 吉村理事長は、理事会後の会見で、専門医を目指す研修2年目の医師らの不安がないように、また地域医療への影響がないように、という方針を明示。その上で、「今月中には方向性を出せればいいと思っている」と述べ、時期は示さなかったものの、「できるだけ一斉にスタートすることを期待する」とコメントした。これまで検討されてきた新専門医制度をめぐる問題点を整理し、修正すべき点は修正し、どんな専門医制度で、いつであればスタートできるかを今後、検討していくことになる見通し。専門医制度の見直しを、完全にとん挫させる事態だけは避けたい意向が伺えた。

 新専門医制度をめぐっては、塩崎恭久厚労相が6月の談話で、「一度立ち止まって、検討の場を設け、地域医療への影響などについて、集中的な精査を早急に行う」ことを求めていた。この「検討の場」をどのように設けるかを早急に議論し、関係学会の意見も聞きつつ精査を行い、理事会で方針を決定、7月中に開催予定の社員総会で、一定の方向性を示す予定。

 さらに吉村理事長は、日本専門医機構のガバナンスの立て直しも急務だとし、財務、総務、広報の各委員会のあり方を見直す予定で、今後、情報公開にも務めていく方針。そのほか機構内の各種委員会についても、「委員長などの変更はあり得る」(吉村理事長)。

 6月に日本専門医機構は、2017年度からの19の基本領域の新制度への全面移行を見送り、2017年度の専門医養成のあり方は、各学会に委ねられている(『新専門医制度、2017年度の全面実施見送りへ』を参照)。既に学会独自での実施を決めている学会もある一方、専攻医数が多く、地域医療への影響も大きい日本内科学会、日本外科学会はいずれも、7月末を目途に判断するとしている(『内科学会、「新専門医は7月末を目途に判断」』、『外科学会、「新専門医は7月末を目途に判断」』を参照)。


 吉村氏、総合診療専門医の検討に尽力
 日本専門医機構は6月27日の社員総会で新理事を決定、前理事長の池田康夫氏らは退任、新理事24人のうち、再任は4人で、大幅に理事が入れ替わった(『日本専門医機構、24人の新理事決定、医学会連合枠は1人未定』を参照)。

 4日の理事会で、理事長、副理事長は、定款に基づき理事の互選で決定した。吉村氏、松原氏、山下氏以外には、推薦が上がらなかった。吉村氏は、旧執行部でも理事を務め、総合診療専門医などの検討に携わっていた(『総合診療専門医の医師像を決定 - 吉村博邦・北里大学名誉教授に聞く』を参照)。

 「ダッチロールが続いた」
 会見の冒頭、吉村理事長は、専門医制度について、「専門医の養成だけでなく、医療提供体制にかかわる重要な問題」と説明。「ダッチロールが続き、着地点が見えない状態。できるだけ正常な運営に戻したい」と述べ、新専門医制度については、医師の地域偏在の加速、日本専門医機構のガバナンスなどの面で、問題が指摘されているとの認識を示した。

 吉村理事長は、塩崎厚労相の談話や、日本医師会と四病院団体協議会の声明などを引用し、一度立ち止まり、精査をすることが求められているとし、今後は理事会などで十分にディスカッションし、その結果を迅速に情報発信していく方針を示した。「理事会には、医療界の各ステークホルダーから推薦された人のほか、有識者などが入っており、オールジャパンの体制」(吉村理事長)。同時に、各基本診療領域の学会と、日本専門医機構との役割分担も明確にする。

 塩崎厚労相などが言う、「検討の場」のあり方は今後の検討課題としたものの、新専門医制度については、「医師の偏在が加速し、地域医療が崩壊する」との指摘があることを踏まえ、各学会から地域医療に支障を来さない取り組みについて提案し、検討を重ねるとした。「大臣の談話は非常に重い。それに基づいて検討し、談話に応えられる体制をどう作っていくかが課題」「約8000人の研修医に不安を与えないためにも、今月中には方向性を出せればいいと思っている。できるだけ一斉にスタートすることを期待している」と吉村氏は述べた。

 「期限を決めるのではなく、ディスカッションする」
 会見には松原氏、山下氏の両副理事長も同席。松原氏は理事会の議論について、(1)専門医を目指す研修医に不安がないようにしてもらいたい、(2)新専門医制度は、少しフレキシビリティーが足りないので、工夫が必要、(3)サブスペシャルティの問題が決まっていないので、今後の方針を決めにくい――といった意見が出たと説明。

 山下副理事長は、「一度立ち止まって考えるとされている。そのあり方を相談するのが、ファーストプライオリティー」と述べ、前述のように2017年度の専門医養成については、日本専門医機構が、各学会に検討を求めていることがベースになっていると説明。「いろいろな議論の中で、シンクロナイズができるなら、すればいい。期限を決めるのではなく、ディスカッションするということ」(山下副理事長)。

 山下副理事長によると、今の新専門医制度をめぐる動きについて、理事会では論点整理を求める意見が出たという。「より良い専門医を養成するという点ではブレてはいない。しかし、その方法論が非常に難しい」と述べ、専攻医は、初期研修医とは異なり、既に地域で活躍している医師であることから、地域医療を担いながら、いかに専門医養成を進めるか、「ものすごく工夫が必要」(山下副理事長)。



http://www.medwatch.jp/?p=9529
新専門医制度、各学会がそろって同じ土俵に立ってスタートすることが望ましい―日本専門医機構・吉村新理事長
2016年7月5日|医療・介護行政をウォッチ

 お伝えしているとおり、日本専門医機構(機構)は4日の理事会で吉村博邦新理事長(地域医療振興協会顧問、北里大学名誉教授)を選任。吉村新理事長は、理事会後に記者会見を開き、「7月中に一定の方向性を出す」「できれば各学会がそろって同じ土俵でスタートすることが望ましい」などの考えを述べています(関連記事はこちら)。

 また山下英俊副理事長(山形大学医学部長)は、「質の高い専門医の養成という点にブレはなく、養成の方法論について皆で工夫していく必要がある」との見解を強調しています。

ここがポイント!
1 専攻医の不安払拭に向け、7月中に一定の方向性を示す
2 関係者が一度立ち止まって議論、「できれば同時スタートが望ましい」と吉村理事長
3 「質の高い専門医養成」の考えにブレはない、方法論では相当の工夫が必要
専攻医の不安払拭に向け、7月中に一定の方向性を示す

 吉村理事長はまず、理事会には医療関係者だけでなく、患者・市民・自治体の首長も参画しており「オールジャパン体制となった」ことを強調。その上で、「機構のガバナンス確立」を新体制の下で行うことを強く宣言しています。

 ところで機構に対しては、日本医師会と四病院団体協議会が連名で「一度立ち止まり、検討の場で医師偏在が深刻化しないかを精査し、懸念の残るプラグラムについては2017年度からの開始延期を行う」ことなどを盛り込んだ要望を行っています(関連記事はこちら)。

 この点について吉村理事長は、「偏在を深刻化させないことが何よりのポイントであり、これから、理事・学会から偏在対策について具体的に理事会に提案してもらう。それをもとにを理事会で議論し、また学会とも連携しながら『案』をまとめ、7月中に社員総会に諮って、一定の方向性を出す」との考えを述べています。また9000人ほどいる初期研修2年目の医師の間には、「制度がどうなるのか」について大きな不安があります。吉村理事長は7月中にメッセージを示すことで、こうした不安を払拭したい考えです。

関係者が一度立ち止まって議論、「できれば同時スタートが望ましい」と吉村理事長

 また理事会でどのような結論が出るのかについては、▽各学会が独自で実施する▽18の基本診療領域の学会がそろって実施する―などさまざまなオプションがあると見通したものの、「バラバラではなく、できれば同じ土俵に立ってスタートすることが望ましい」との見解を述べています。

 この点について山下副理事長は、「そもそも機構からは『各学会でどうすべきかを考えてほしい』と伝えており、それを反故にして、機構が期限などを設定するわけではない。しかし、一度立ち止まって、来春どのようにスタートするのか、いろいろなオプションがある中で、皆で議論しましょうという考えである」と補足しています。

 なお日医・四病協の要望では「地域医療」「公衆衛生」「地方自治」「患者・国民」の代表による幅広い視点も大幅に加えた『検討の場』「検討の場」を早急に設置することとされています。この点について吉村理事長は、「新たな『検討の場』を設置する」のか、あるいは「新理事会を『検討の場』とするのか」、明確なコメントはしていません。ただし、理事会には、「公衆衛生」の代表が参画していないことから、これをどう捉えるのか、今後、早急に詰めることになります。

「質の高い専門医養成」の考えにブレはない、方法論では相当の工夫が必要

 ところで、山下副理事長は、新専門医制度の議論については「論点を整理する必要がある」と強調します。

 まず質の高い専門医を養成するという基本的な考えには「まったくブレがない」ことを山下副理事長は指摘。専門医は、「ある基本診療領域の疾病などについて、すべて理解し、きちんと患者に説明できる医師」とされており、専門医が何を理解しておかなければならないか(つまり、これが養成プログラムである)は、当該診療領域の学会しかわかりません。各学会は、質の高い専門医を養成するために「厳格な養成プログラム」を作成しており、これはそもそもの基本的な考え方に沿った本来の動きと言え、異論はないでしょう。

 一方で、山下副理事長は、「養成の方法論」に相当の工夫が必要であり、これを早急に議論していくことが重要であると説明します。専門医を目指す医師(主に初期研修2年目の医師)は実際に医療現場(病院など)に従事しており、医師が日本全国に十分に配置されていない状況の下では、そうした日本の医療を支えている医師が一斉に患者の目の前からいなくなっては困るのです。山下副理事長は、「教育(専門医研修)を受けながら、日本の医療にも貢献してもらう必要がある。これには工夫がものすごく必要であり、地域・診療科の偏在について議論できる場をつくろうということで新理事には有識者にも参画してもらった。さらに議論の内容がきちんと社会に伝わるようにしたい」と、今後の動きについて強調しました。

 「偏在を恐れて、養成プログラムのハードルを下げる」ことは本末転倒であり、それ以外に偏在を是正(少なくとも助長させない)するにはどのような方法があるのかを早急に検討していくことが必要と言えそうです。」

 こうした点に関連し吉村理事長は、機構のガバナンスを確立するために、財務・広報・総務などの重要委員会を早急に立ち上げ、理事会の決定事項をPRしていく考えも述べています。



https://www.m3.com/clinical/journal/16593
小児外科医、供給過剰の見通し
2016年7月5日 (火) 小児科疾患一般外科疾患
Ricketts TC et al. Future Supply of Pediatric Surgeons: Analytical Study of the Current and Projected Supply of Pediatric Surgeons in the Context of a Rapidly Changing Process for Specialty and Subspecialty Training. Ann Surg. 2016 Jun 8. [Epub ahead of print]

 米国のFutureDocs医師供給モデルを用いて、小児外科医の今後の需給を検討。可能性が高い2通りのシナリオで、小児外科医の供給は2030年まで小児患者人口の増加を上回るペースで急速に拡大すると予測された。専門研修を受けた小児外科医の急速な増加により、技術の維持に必要な複雑な症例の確保が困難になる可能性が示唆された。

【原文を読む】
Annals of Surgery
http://journals.lww.com/annalsofsurgery/Abstract/publishahead/Future_Supply_of_Pediatric_Surgeons__Analytical.96588.aspx



http://www.cnn.co.jp/usa/35085370.html
7月に病院に行くべきでない理由は? 米研修医の経験
2016.07.05 Tue posted at 13:34 JST  CNN NEWS

研修医が入る7月は病院に行くべきではない?
(CNN) 米国で研修医を受け入れている病院では、7月は医療ミスによる死亡率がほかの月に比べて10%増える――内科学術誌に掲載された2011年の調査結果は、関係者の間で「ジュライ・エフェクト」と呼ばれている。
これはインターンや研修医が新たに入ってくることに起因すると考えられている。医療系の大学を6月に卒業した学生は一般的に、7月から研修医として病院で勤務を始め、患者の診療や医学的判断にかかわるようになる。
大学で4年間、医学を学んだアントニー・ヤン氏もそんな1人だった。「実用的な医学の知識は何もなく、白衣を着てはいたものの、ポケットには知識の欠如を補うためのマニュアルを詰め込んでいた。そのマニュアルがなければ、自分も『ジュライ・エフェクト』の一員になっていただろう」と振り返る。
ヤン氏は初めての当直勤務の当日、1人の患者の容体が急変し、看護師から判断を求められる事態に直面した。心臓モニターを見ると、死に直結しかねない心室細動という不整脈を起こしていることが分かった。
「先生、どうすれば?」と看護師に尋ねられ、「頭が真っ白になった。何の考えも浮かばなかった」というヤン氏。ポケットからマニュアルを取り出して「心室細動」を調べると、電気的除細動、いわゆる電気ショックを与えるという療法が記載されていた。
電圧を調整して電極を患者の胸に当て、「離れて!」と指示したところで、看護師が「ストップ」と叫んだ。

看護師はヤン氏の手をつかむと、電極を動かして患者の胸の別の場所に当てさせた。あと1秒遅かったら、患者の肝臓に電気ショックを与えてしまうところだった。
ヤン氏はもう1度「離れて」と指示し、除細動ボタンを押した。
患者は軽いけいれんを起こし、心臓モニターの数値は一時的に乱れて止まった。しばらくすると、新しい鼓動が現れ、やがて心拍は正常に戻った。
患者は助かった。
間もなく数人の研修医が駆けつけてヤン氏と交代。控室に戻ったヤン氏は、医学書を取り出して夜が明けるまで読み続けたという。
「医師でもプロになるためには学習や研修を必要とする。インターンは新人であって、熟練のベテランではない。経験には時間を要する。7月に病院に行く羽目になった場合は、新人インターンに忍耐と尊敬を持って接してほしい。そして彼らが自分のやっていることを分かっているかどうか、看護師に確認するように」。ヤン氏はそうアドバイスしている。

※この記事は2011年に最初に出稿されたものです。



http://mainichi.jp/articles/20160705/org/00m/040/023000c
SUNDAY LIBRARY
三浦 天紗子・評『フリーランス女医が教える 「名医」と「迷医」の見分け方』

2016年7月5日 毎日新聞

医療現場の内幕がわかれば医者選びも変わるはずs
◆『フリーランス女医が教える 「名医」と「迷医」の見分け方』筒井冨美・著(宝島社/税抜き1000円)

 「私、失敗しないので」は、人気テレビドラマシリーズ「ドクターX」のヒロイン大門未知子(米倉涼子)の名ゼリフ。腕利きのフリーランス外科医である未知子もカッコいいが、その片腕のようなフリーランス麻酔科医・城之内博美(内田有紀)も存在感があった。本書の著者は、そのフリーランス麻酔科医をリアルにやっている女医である。

 医療崩壊が叫ばれて久しい。中でも医師不足は深刻だ。人口千人あたりの医師数を示す臨床医密度は、OECD(経済協力開発機構)加盟国で日本はほぼ最下位。2004年から始まった「新医師臨床研修制度」、つまり、医大を卒業しても2年間は研修医としてあちこちの科を回る制度のせいで、研修医はマンパワーとして機能しておらず、厳しい勤務医の労働環境を嫌って、研修を終えた若手が大学病院に戻らない。しかも、ひと昔前なら大学病院の出世コースに乗っていた有能な勤務医までもが、人間的な就労環境を求めてフリー転身をはかり始めた。結果として、有名な大病院や大学病院の弱体化は進んでおり、いまや知名度の高い病院だからといって安心して診断や治療をまかせられる保証はない。

 トピックは他に、フリーランス医師が増えてきた背景や、医療ドラマのウソ・ホント、研究者の立場から見たSTAP騒動、医療の現場から考える日本の労働問題など多岐にわたる。

 著者はたとえ話がうまくて、毒舌で、内幕モノの刺激が満載。だが、表現こそ下世話でも、本当の医師の実力を見分けるのは出身大学の偏差値ではないこと、一般向けの著作が多すぎる大学病院常勤医は要注意など、名医や有益な病院選びのポイントについては根拠とともに明示している。現場を知る医師ならではの指摘に目からウロコ。

−−−−−
三浦天紗子(みうら・あさこ)
 1964年、東京都生まれ。ライター、ブックカウンセラー。ブックレビュー、ウーマンズヘルスなどの記事を執筆。主な著書に『そろそろ産まなきゃ 出産タイムリミット直前調査』『震災離婚』など

<サンデー毎日 2016年7月17日号より>



https://www.m3.com/news/general/438976
【宮崎】へき地医療 医師偏在 解消程遠く 実効性ある仕組み必要
2016年7月5日 (火) 宮崎日日新聞

 「一番の負担は医者が足りないこと。着任した20年前から変わらない」。諸塚村の地域医療を支える諸塚診療所の黒木重三郎医師(86)は実情を語る。同診療所の常勤医は、黒木医師と県が派遣する医師の2人。宮崎大や村外病院からの非常勤医の応援を受け、救急や入院患者の受け入れ体制をなんとか維持している。黒木医師は平日の外来診療に加え、月10日ある当直もこなす。「診療所と心中するしかない」と冗談交じりに話しつつも、思いは切実だ。

 同村出身の黒木医師は、福岡県粕屋町で開業。医師不足に悩む村からの依頼を受けて古里への奉公を決意し、66歳で帰郷した。3年間だけのつもりだったが、県の医師がいつ引き揚げてしまうか分からない中、辞められなかったという。

 「地域医療は熱意のある医者じゃないと務まらない。そういう医師の養成、確保を国が政策的に位置付けないと、へき地の状況はいつまでたっても同じ」と力を込める。

 医師不足を招いた一因とされるのが、2004年度から始まった新臨床研修制度。新人医師が研修先を選べるようになると、最新医療設備がそろう都会の病院に集中するようになった。大学病院による公立病院への医師派遣機能は低下し、自治体の担当者らは医師確保に奔走している。

 「以前は大学病院に要請すれば希望通りになるのが当たり前だったが、状況が変わった」と語るのは、高千穂町立病院の江藤良一事務長。町長や議長、院長らが年2回、熊本大や宮崎大などの医学部医局を訪れ、医師派遣を直接要請している。

 同病院は内科や外科、小児科など10診療科があり、常勤医は11人。不足分を熊本大や宮崎大、済生会熊本病院などからの非常勤医延べ11人が支えている。熊本地震直後、熊本県からの医師が来られなくなり、眼科、泌尿器科、循環器科、皮膚科は1、2週間休診に追い込まれた。大規模災害という事情に住民の理解もあり混乱はなかったが、非常勤医はいつ引き揚げられてもおかしくないという現実を突き付けられた。

 「すべての医師が2、3年、地域医療を経験するような実効性を持ったシステムを構築すべきだ」と訴える江藤事務長。「ある程度の強制力を持った仕組みをつくらないと医師の偏在は解消されない」と国の対応に注目している。

【メモ】
 新臨床研修制度で、新人医師は研修先に民間病院を志向するようになり、大学病院が人手不足に。結果、地方の医師不足が加速したとされる。全国大学病院の研修医採用比率は2003年度は72.5%だったが、15年度は41.7%だった。



https://www.m3.com/news/general/438973
医学生が北海道留萌市で「特訓」 問診、診断に挑戦 指導医と実習
2016年7月5日 (火)  北海道新聞

 【留萌】医学生が実際に患者を診療する実践型臨床実習「闘魂外来in留萌」が2日、留萌市立病院で開かれた。札幌医大、旭川医大、香川大学医学部の学生12人が、指導医の見守る中、問診から治療方針の決定までに挑んだ。

 闘魂外来は、NHK番組「総合診療医ドクターG」に出演中の地域医療機能推進機構本部(東京)顧問、徳田安春医師(52)が「診療見学だけでなく、学生が主体となる世界標準の医学教育を」と2012年から各地で実施。道内は徳田医師の講演が縁で同病院で行われ、昨年に続き2回目。

 学生は同病院の研修医らとともに3班に分かれ、外来患者3人と入院患者3人を診療した。このうち血圧の高さを訴える外来患者を診察した班は、問診後、血液検査などを行う傍ら、指導医とともに、可能性のある診断名や治療方針を検討。再度の問診で体重の増減などを丁寧に聞いた上で、検査結果を踏まえ、大きな問題はないと診断し、生活習慣の見直しを助言した。

 診療を受けた留萌市の地方公務員岡本直也さん(39)は「じっくり診療してくれて頼もしかった」。診療した札医大5年の三好由季乃さん(25)は「参加者のレベルが高く、良い刺激を受けた。もっと勉強して地域で信頼される医者になりたい」と決意を口にした。

 昨年は旭医大生として参加し、現在は同病院で研修医として働く久保成彦(あきひこ)さん(44)は「診察での新しい見方に気づく場面もあり、今年も参加してよかった」。同病院の村松博士院長は「留萌の医師や看護師にとっても基本に立ち返ることができ、勉強になる。来年も開催したい」と話した。


  1. 2016/07/06(水) 06:25:57|
  2. 未分類
  3. | コメント:0

7月4日 

http://www.medwatch.jp/?p=9523
【速報】新専門医制度、日本専門医機構の吉村新理事長「7月中に方向性示す」考え
2016年7月4日|医療・介護行政をウォッチ

 日本専門医機構は4日に理事会を開き、新理事長に吉村博邦氏(地域医療振興協会顧問、北里大学名誉教授)を、新たな副理事長に山本英俊氏(山形大学医学部長)と松原謙二氏(日本医師会副会長)の2氏を選任しました。

 理事会後に記者会見に望んだ吉村新理事長は、「7月中に機構として一定の方向を示す」「できれば各学会がそろって同じ土俵でスタートすることが望ましい」などの考えを述べています。

吉村新理事長、「各学会がそろってスタートすることが望ましい」ともコメント

 来年度(2017年度)から新専門医制度がスタートする予定ですが、「地域・診療科における医師偏在を助長する」「専門医の認定や養成プログラムの認証を行う日本専門医機構のガバナンスに問題がある」などの課題が指摘されています。

 そうした中、日本医師会と四病院団体協議会(日本病院会、全日本病院協会、日本医療法人協会、日本精神科病院協会)は連名で次のような要望書を日本専門医機構に提出していました。

▽ 一度立ち止まり、専門医を目指す医師の意見を聞くとともに、「地域医療」「公衆衛生」「地方自治」「患者・国民」の代表による幅広い視点も大幅に加えた『検討の場』を設けて、その検討結果を尊重すること(その際も、プロフェッショナルオートノミーを尊重すべき)

▽ 『検討の場』において医師偏在が深刻化しないか集中的に精査し、懸念が残るプログラムについては2017年度からの開始を延期し、現行の学会専門医の仕組みを維持すること

 

 そうした中で日本専門医機構は執行部体制を刷新。4日の理事会では、新理事長に吉村博邦氏(地域医療振興協会顧問、北里大学名誉教授)を、新たな副理事長に山本英俊氏(山形大学医学部長)と松原謙二氏(日本医師会副会長)の2氏が選任されました。

 理事会終了後に記者会見を行った吉村新理事長は、「各学会とも連携しながら理事会で議論を詰め、社員総会を7月中に開催し、そこで一定の方向性を出す」考えを述べています。日医・四病協は「検討の場」を設けることを要望していますが、理事会を「検討の場」とするのか、新たに「検討の場」を設置するかどうかについて吉村新理事長は明言を避けています。

 また「方向性」が何を指すのかはもちろん今後の検討に委ねられていますが、吉村新理事長は「各学会がバラバラに動くのではなく、できれば同じ土俵で一斉にスタートすることが望ましい」との見解も述べています。したがって、「2017年4月から、すべての基本料領域で新制度(プログラム制)に移行する」あるいは「すべての基本領域で旧制度(現行制度)を継続する」という可能性が高くなってきました。



http://www.huffingtonpost.jp/masahiro-kami/new-system-for-medical-specialist_b_10798936.html
特定非営利活動法人・医療ガバナンス研究所 理事長
迷走する「新専門医制度」 医学会幹部と厚労省による"共謀"の産物には法律違反の可能性も

上昌広
投稿日: 2016年07月04日 13時19分 JST  ハフィントンポスト

新専門医制度が迷走している。今回も、このことを論じたい。

6月7日、塩崎恭久厚労大臣は新専門医制度への懸念を表明し、プロフェッショナル・オートノミーの下、医師がお互いの立場を超えて話し合い、国民のニーズに応えるシステムを構築するように要請した。
このメッセージは、専門医認定機構の幹部だけでなく、「実質的に彼らと「共謀」している医系技官(厚労省幹部)」への批判だった。

なぜなら、新専門医制度は、医学界の幹部と厚労省が二人三脚で推し進めたものだからだ。

医系技官と専門医認定機構の「共謀」のポイントは、専門医資格と処方権の連動だ。イレッサ薬害事件以降、厚労省は一部の薬剤の処方を学会が認定する専門医に限定してきた。例えば、話題のオプジーボが処方できるのは、皮膚悪性腫瘍指導専門医やがん薬物療法専門医が在籍する施設だけだ。

今後、特定の診療行為を専門医に限定する規制は益々強化されるだろう。厚労省、学会の何れにも都合がいいからだ。

厚労省にとっては、医療統制に使える手段が増える。
学会にとっては、新たな利権の創出だ。専門医資格の有無が、病院収入に直結するため、若い医師が就職する際には専門医資格が必須となる。学会は何もしなくても、会員が増え、会費収入が入ってくる。

日本外科学会などの「腐敗」は、さまざまなメディアで批判されている。

また、「スタンプラリー」を求め会員が長蛇の列をなす光景が、いまやありふれた光景だ。専門医資格を更新するために、学会に参加した証の判子だけもらい、帰ってしまう。何のための学会かわからない。

日本は法治国家だ。こんなメチャクチャなことは法的に出来ないようになっている。厚労省と専門医認定機構は、法律を無視して横車を押したことになる。

例えば、この制度が運用されれば、全ての後期研修医が三十代半ばまで、強制的に有期雇用の非正規職員になるしかない。

また、直接、労働契約を結ばない専門医認定機構が「カリキュラム」を通じて、若手医師の職場や居住地域を決めてしまう。憲法違反の可能性が高い。

新専門医制度は、派遣法にも違反する。学会は人材派遣業者ではない。それなのに、新専門医制度では、若手医師を拠点病院・連携病院などに強制的に異動させる。

もし、合法的にやろうとすれば、全ての若手医師を基幹病院が雇用し、協力病院には「研修」の名目で派遣するしかない。その場合、人件費、保険、年金は基幹病院が負担する。基幹病院の経営戦略上、これでいいのだろうか。

かくの如く、新専門医制度を巡る議論は杜撰だ。指導者の未熟さを反映しているのだろう。

厚労省と任意団体が協力し、独占的な権限をもつことは、全体主義的な社会システムであり、不埒な指導者が出てくれば容易に暴走する。民主主義の対極だ。このようなシステムを避けることこそ、二十世紀の教訓だ。

いまこそ、学会は、その本義に立ち返って議論したらどうだろう。学会の本来の目的は会員の交流だ。近年、IT技術が進化し、会員の交流は容易になった。

学術誌も増えた。論文を発表する際にも、わざわざインパクトファクターの低い日本の学会誌に投稿する必要はない。従来型の日本の学会モデルが通用しなくなっている。学会は変わらねばならない。

ところが、彼らがとった対応は不誠実だった。専門医資格で若者を縛り付けようとした。医療現場への統制を強めたい医系技官と思惑が一致し、事態はこじれた。

こんなことをしていたら、わが国の学会に将来はない。どうすれば、会員の情報交換を活発にできるかを考えるべきだ。おそらく、徹底した情報開示と、権威勾配のない自由な議論の場の提供だ。

* 本稿は『医療タイムス』の連載を加筆修正したものです。



https://www.oita-press.co.jp/1010000000/2016/07/04/133148568
12病院が合同説明会
7月4日大分合同新聞夕刊

 新人医師の臨床研修先に県内の病院を選んでもらおうと、医学部生を対象にした説明会が大分市のソレイユであった。県と県内12病院の主催。県内外から約40人が出席した。
 2006年から毎年実施。受け入れ先の候補となる12病院の担当者が、特徴や研修プログラムなどを説明しアピールした。病院ごとにブースを設け、研修医らが学生からの質問に答える時間もあった。
 大分大学医学部5年の首藤航太さん(22)=大分市=は「研修医の日常業務など資料にはない生の声がとても参考になりました」と話していた。



http://news.e-expo.net/world/2016/07/post-101.html
製薬会社からの食事提供で医師の処方パターンが変化する可能性
2016年7月 4日 12:41 [薬剤情報]  健康美容EXPO

製薬会社から平均20ドル(約2,000円)未満の食事を1回提供された医師は、提供されていない医師に比べて、ジェネリック薬ではなくその会社が売り込むブランド薬を処方する比率が2倍になることが、新たな研究で判明した。研究著者で米カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)フェローのColette DeJong氏によると、食事の回数や金額が増大するほど、ブランド薬を処方する比率も上昇したという。

米国研究製薬工業協会(PhRMA)のガイドラインでは、医師への食事や物品の提供は100ドルまで認められているが、今回の研究では、提供された食事の多くは低額のものであった。「フォーマルな夕食への招待ではなく、ピザを提供するような形であることが多い」とDeJong氏は説明する。

研究の上席著者であるUCSFのAdams Dudley氏は、「医師の処方パターンを変えるのは金額ではなく、製薬会社に借りがあるという気持ちだ。メディケア受給者の場合、自己負担額の中央値はジェネリック薬で1ドル、ブランド薬で40~80ドル。多種類の薬を利用する高齢者にとっては大きな負担となる」と話す。

ただし、今回の研究は因果関係を証明するものではなく、医師は、既に自身が好んで処方している薬剤の情報が提供されるイベントに出席する傾向がある可能性もあると、著者らは指摘している。

一方、PhRMAのHolly Campbell氏は今回の研究に疑問を呈し、「一部の薬剤に関する処方データだけを選り好みしている」と指摘する。また、製薬会社は薬剤の安全性や有効性の情報、新たな適応、副作用などを共有するため、定期的に医師と交流しており、さらに医師の処方パターンは自身の臨床的な知識や経験に大きく影響されると、同氏は付け加えている。

今回の研究では、医師の処方記録と製薬会社が医師に提供した飲食物の金額に関する2つの米国政府データベースを利用して、β遮断薬、ACE阻害薬、コレステロール低下薬、抗うつ薬の4つの薬剤クラス内でそれぞれ2013年に最も多く処方されたブランド薬を特定した。その結果、いずれのブランド薬も全く同一のジェネリック薬はないが、同クラス内に代替となる優れたジェネリック薬が存在していた。

この4種類のブランド薬に関連して、約28万人の医師が約6万3,500件、計140万ドルの利益供与を受けていた。うち95%は食事代で、平均費用は20ドル未満であった。約15万6,000人の医師が4クラスのいずれか1つ以上で20件以上の処方箋を書いていた。

処方量などの因子を考慮しても、食事の提供を1回受けた医師は、各クラス内で他の薬剤よりも、売り込まれたブランド薬を処方する比率がそれぞれ高かった。

この研究は「JAMA Internal Medicine」に6月20日オンライン掲載された。同誌の総合監修者であるRobert Steinbrook氏は、「製薬会社が医師への金品の提供を止め、もっと研究に投資するようになれば、医療システムはさらに改善されるはずだ」と、付随論説で結論づけている。(HealthDay News 2016年6月20日)

https://consumer.healthday.com/general-health-information-16/doctor-news-206/can-drugmakers-buy-doctors-brand-loyalty-with-cheap-meals-712075.html
Copyright (c) 2016 HealthDay. All rights reserved.

(参考情報)
論文アブストラクト
http://archinte.jamanetwork.com/article.aspx?articleid=2528290



http://www.news2u.net/releases/146604
【Z会】注目記事のご紹介「医学部の地域医療枠は損か得か」~医学部を目指す方への情報が満載のブログ「Z会X医学部 解体新書」より~
2016年07月04日 11時05分 News2u.net

こんにちは。精神科医の東です。約4ヶ月ぶりの登場です。
 みなさんの中で進路に迷っておられる方はかなり多いと思います。医学部に絞ったとしてもどこの大学を目指すかにも色々迷われると思います。それについては以前書いてみましたので、ご参照ください。

 簡単に言えばどこでも将来の仕事にはそんなに関係ないから好きなところへ行きましょう、ということなんですが、一概にそうも言えないのが今回ご紹介する「地域枠」です。
 「地域枠」とはどういうものか、は大学によってもかなり違うので詳しくはご自身でしっかりと調べていただく必要があると思います。これは他人事として無責任に言っているわけではなく、非常に重要な問題ですのでパソコンorスマホの画面に穴が開くほどしっかりと資料を読み込んでいただければと思う次第です。紙の資料ももちろん良いですけど、インターネットをしっかり活用しましょう。・・・
 それはそうとして、ここでは地域枠の概要と、私の個人的な体験、感想を述べさせていただくことでみなさまのご参考になればというのが今回の趣旨です。あくまで個人的な見解であることを踏まえて、必ずあらためてご自身で確かめてくださいね。これは他人事として無責任に…(以下略)

 さて、地域枠というのは、各大学が作った、地域医療に従事する明確な意志を持った学生の選抜するための枠のことです。大学によっても異なりますが、学費や入学金分だけでなく、多くは月々10万円以上の修学資金を貸してもらえます。そして、その借りた期間の1.5倍の期間、つまり9年間(留年しなければ!)、その大学や地域の指定した病院あるいは診療科に従事することで返済が免除になる、というものです。返済免除ということは、つまりそれだけのお金が結果的には「もらえる」ということです。これだけ見れば、めちゃくちゃ「得」ですね。しかし、どうしてこんな「得」な話があるのか、何か事情があるのではないか、ということも考えなくてはいけません。

 なぜ地域枠というものが設定されたかというと、それは地域医療に従事する医師が足りないからです。なぜ足りないかというと、一言で言えば不人気だったからです。よく噂される誤解で、「医学部を出たあとどの診療科の医師になるかは成績で決まる」というものがありますが、そんなことはなくてどの診療科を選ぶかは基本的に自由なのです。ただ、卒後の初期臨床研修をどこで行うかは各病院に定員があるのでここでは面接その他で選抜されます。面接だけでなく試験もある病院もあります。しかし、初期研修のあとどこの病院で働くかは自由です。医師不足の現状を考えると一部の人気病院を除けば、かなり自由に選べます。

 大学の医局に入ればある程度医局の指示した病院で働く必要があるかもしれません。細かい経緯は省きますが、初期臨床研修制度導入などの影響で、今や医局に入らない医師も増えています。医局に入る入らないも含めて、基本的に相当な自由があると考えてよいと思います。どの診療科を選ぶかに関しては、何ら制限がありません。完全に自由です。
 と、このように自由であれば、当然偏りが出てきます。人の少ない地域、診療科が出てくるのは至極自然なことです。そこで、その偏りを是正するためにできたのが「地域枠」。大雑把に言うとそういうことです。
 なぜ地域医療に人気がないか、というと色々理由はあるでしょうが、ざっくり言うと、田舎に行きたくない、地域では十分な研修が出来ないという考え(思い込み?)があるからでしょう。他には、地域医療の魅力が十分知られていない、ということもあると思います。
 診療科としては、産婦人科、小児科、脳外科、外科などが人気がないようです。訴訟リスクや激務が主な理由だと言われています。

 さて、このような地域枠は2005年から急激に定員が増えてきました。初期臨床研修制度導入による医局入局者減とも関係があるかもしれません。全体的な医師不足もあるでしょう。しかし最近では医学部全体の定員の2割が地域枠になるまで増えてきたようです。そして最近はようやく地域枠出身の医師が現場に増えてきたところでもあります。

 さて、その地域枠に進むと将来どんな感じになるのか、というのが受験生としては気になるところですよね。地域枠出身の医師はまだ出てきたばかりなのでなかなか実態はわかりません。そんな時、非常に参考になるのが、自治医科大学(自治医大)出身医師です。 
 それでは次回、少し詳しくご紹介します。



http://news.ameba.jp/20160704-114/
「年寄りが先に逝く」という常識を復権せよ〈医学の勝利が国家を亡ぼす 最終回〉
2016年07月04日 05時50分 アメーバニュース

麻生太郎氏
 いずれ団塊の世代が後期高齢者になれば、医療費の膨張は今の比ではなくなる。それでも高齢者に延命治療を際限なく施せば、国家が亡びてしまう。この国を次世代に継承するために問われているのは、われわれの死生観である。すなわち、年寄りが先に逝く――。

 ***

「90歳になって老後が心配とか、わけのわかんないことを言っている人がこないだテレビに出てた。“おい、いつまで生きているつもりだよ”と思いながら見てました」

 6月17日、北海道小樽市の自民党支部大会でこう語ったのは、麻生太郎副総理兼財務相。参院選前という折から、失言を十八番(おはこ)とする政府重鎮が蒔いた新たなタネに、野党の党首は「高齢者に失礼」(民進党の岡田代表)、「人間の尊厳を否定する」(共産党の志位委員長)などと、こぞって噛みついたが、はたして、これは失言といえるのか。

「90歳のお年寄りが老後を心配していたら、普通は笑ってしまうでしょう。表面的な“舌禍”の話にしてしまっても、無意味です」

 臨床医の里見清一氏はそう指摘する。漢字が読めず、不用意な言葉が多い麻生氏だが、この発言は、人間は死すべきものだという動かぬ真理を伝えている。そこから目を遠ざけたら、より良く生きることも、より良い社会を築くことも、できないのではあるまいか。

 誤解がないように断っておくが、90歳の高齢者はすぐに死ぬべきだ、とはだれも言っていない。避けられない死をいたずらに忌避しても、むしろ人間の尊厳が損なわれかねず、そのうえ次世代にツケを回すだけだと指摘しているのである。


 麻生氏が俎上に載せた90歳の老人は、自らの生への執着を語ったのだと思われるが、解剖学者で東京大学名誉教授の養老孟司氏は、

「僕は、死とは社会的関係だけだ、と考えたほうがいいと思うんです」

 と言って、こう続ける。

「一人称の死、つまり自分の死は、考えても無駄だし、無いんです。“俺は死んでる”と思うときは、まだ生きていますから。また、今この瞬間も世界中で多くの人がご臨終ですが、そういう三人称の死は自分にまったく関係がありません。ですから身近な人間の死だけが死であって、死んで大変なのは周りなんです。死は自分のものではないという常識が、まだできていません。生死に関わることは社会問題なのだという常識が、必要だと思います」

 養老氏が言う「社会」をもう少し広げて考えてみたい。とめどない少子高齢化により、とりわけ団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になる2025年ごろには、医療費と介護費の合計が75兆円と、今より25兆円も増えそうだという。放っておけば、再三述べてきたように国家が亡ぶ。高齢者が生物としての「寿命」に逆らってまで高額な医療費を使いつづけ、その末に破綻が訪れれば、われわれの子や孫たちには、老後を心配する余裕すらなくなってしまう。その意味で死は「社会問題」なのである。

 ところが、死に正面から向き合う姿勢が日本人から失われた――。そう指摘する人は多い。終末期医療全般に取り組む東京大学名誉教授の大井玄氏も、その一人である。

「昔は8割の人が自宅で亡くなっていましたが、今は逆に、8割くらいの人が病院で亡くなっています。そう変化する過程でなにが起きてきたかというと、死を見なくなったのです。昔は死が今より身近なものでしたから、われわれは生老病死という自然のプロセスを、自然なものとして受け入れていました。ところが今日では、死を遠ざけることによって、死とはよくわからない、恐るべきものだ、という意識が非常に強くなったと感じます」

 その結果、医療の現場でなにが起きているか。厚労省出身の外科専門医で、日本医療政策機構エグゼクティブディレクターの宮田俊男氏が、その一例を語る。

「大学では、かなり高齢のがん患者でも亡くなる間際まで、抗がん剤を投与されている例があります。あるいは超高齢で肝硬変で亡くなるリスクが低い人に、肝炎ウイルスを消失させる超高額な薬を投じたり、近い将来には高齢の患者に人工心臓を装着し、重度の認知症があってもなかなか死ねないようになる。それで人間は幸せなのでしょうか」

 しかし、それは必ずしも、患者自身が望んでいることではないというのだ。

「いろんな患者さんを見てきて、明治、大正、昭和一桁までの方は、戦争で亡くなった知人のためにも生きる義務がある、とおっしゃいます。一方、それ以後に生まれた方は、“オムツや食事の介助が必要になったらどうしますか”と聞くと、10人中9人が“まっぴらごめん”と答えます」(国際医療福祉大学大学院の高橋泰(たい)教授)

■尊厳ある死は低コスト

 先の大井氏も言う。

「私が看取り医として直接対応するのが、胃瘻(いろう)の問題ですが、実は、人間は認知能力が相当低下していても、自分の身に関して環境から与えられる情報は、理解できるものなんです。たとえば、90歳近い認知症の女性が誤嚥(ごえん)作用を起こして入院され、担当の医師が“胃瘻をつけたほうがいい”と勧めた。ところが、私が患者さん自身に“お腹に小さな穴を開け、管から栄養を入れるのがいいと言う人もいますが、あなたはどう思いますか”と聞くと、顔をしかめて“嫌です!”と言ったんです。ほかの認知症高齢者も、同じ状況では同じ反応を示した。結局、患者が胃瘻について“嫌だ”と言う割合は、認知症の方も非認知症の方も8割で、数字がピタッと合いました」

 大井氏は、認知症の人にも備わる判断能力を、

「おそらく、われわれが40億年かけて進化する過程で育った能力で、“理性”と言ってもよいもの」

 と推測するが、死と向き合わないこの社会においても、実のところ、いたずらな延命を望む人は、決して多くないようなのだ。

 それについては、日本医師会も承知しており、横倉義武会長が言う。

「終末期の医療のあり方については、自分の意思をしっかり表示していただきたいと思います。最近では、入院時などにリビングウィルを示される高齢の方が増えてきました。今後は人間としての尊厳、生活の質を、より重視した対応が考慮される必要があると考えています。人間の尊厳と医療については、もっと議論を深めなければいけません」

 日本尊厳死協会副理事長で医師の長尾和宏氏は、過剰な延命治療に警鐘を鳴らして、こう語る。

「今の日本は延命治療にお金をかけた結果、皮肉にも患者の尊厳を損ねている場合が多い。厚労省の調査によると、国民の7割が“終末期をすごしたい場所”として“自宅”を希望しています。誤解してはいけないのは、経済的理由で延命治療を控えろとか、在宅で看取れという話ではないということです。尊厳ある最期を求めていくと、自ずとコストがかかりにくいはずです。後期高齢者医療のコスト増加と、患者の求めている人生の最終章の医療との間に乖離が起きていることこそ、一番の問題です。望んでもいない過剰な延命治療が続き、それが社会の負担になっている現実を、直視する時期にきています」

 そして長尾氏は、

「医療経済の問題と終末期における人間の尊厳は、両立するものです」

 と訴えるが、「尊厳ある最期」の普及を悠長に待つにしては事態は切迫しすぎている。その間、たとえば年間3500万円かかる「ニボルマブ(商品名オプジーボ)」など、続々と登場する高価な「良い薬」を、漫然と延命治療に注ぎ込めば、やはり国家がもたない。

 だから里見清一氏は、

「75歳以上の患者には、原則として延命治療をやらず、対症療法をしっかり行う」

 ことを提案するのだ。

「若い人のようには働けない高齢者の割合が増え、医療が高度化してコストが増せば、今のままの医療を続けるのは原理的に無理。ほかに公平で、科学的で、倫理的にも正しい方法があれば、そちらがいいのですが、私は寡聞にしてほかの方法を耳にしたことがない。元厚労副大臣の鴨下一郎代議士は、余裕がある老人の負担を増やせとおっしゃっていましたが、それで足りるはずはない。また、余計に支払った分が自分の子や孫のためでなく、赤の他人の老人を養うために使われるとして、余裕のある老人は納得するのでしょうか」

 また、75歳という線引きについて、こう説明する。

「平均寿命のほうがいいのではないか、という方もいますが、最初は85歳で線を引き、消費税のように少しずつ下げていく、というほうが嫌でしょう。ペンシルベニア大学副学長のエゼキエル・エマヌエル先生のレポートにあるように、75歳をすぎると生産性が大きく落ちる。であれば、そのくらいの年齢で線を引くのが妥当だと思う。もちろん、すぐに死ね、というのではなく、その後には余生があり、そこで大病を患ったら寿命だ、ということです」

■普通に暮らしていればいい

 東京都立墨東病院の救命救急センター部長、濱邊祐一氏も、救急医療が高齢者に占拠されつつある現状を踏まえて、こう話す。

「救急医療に年齢制限をかけてはどうか。たとえば救命救急センターに入れるのは、75歳未満の患者さんのみで、それ以上はお断りにする。そうすれば、自分がやがて死ななければならないということが、国民レベルでわかってもらえる。そういうはかない希望を持っています。高齢者は死の迎え方を考える必要があります。それが、社会を継続する方法だと思うんです」

 われわれの子や孫に、この社会を引き継ぎ、国民皆保険制度を守る。そのために、必ずしも本人の幸せにつながらない延命治療は、控えようというのだ。

「日本はこの半世紀、金持ちも貧乏人も受ける医療は同じでした。そこに、いきなりギリシャのような破綻が訪れたら、どんな混乱が起きるか見当もつかない」

 と里見氏。試みに、ギリシャ在住のジャーナリスト、有馬めぐむさんに尋ねた。

「2009年秋に金融危機が発覚すると、翌年夏には、無料だった国公立病院の診療費の一部が自己負担になり、14年までに年金は平均で3割、最大5割カットされた。こうして年金生活者が貧困化し、中間層も給与カットとリストラで貧困層に。若者の失業率は6割を超え、公共サービスの停止は日常化。そんな中、それまで私立病院に通っていた層が国公立病院に流れたせいで、診療や手術がいつまでも行われず、処方箋をもらうのに何日もかかるのが常態化しました。治療に必要な薬もなく、医師や看護師の給与が十分に支払われず、人材が国外に流出するようになりました」

 日本がそうなることを望む人など、一人もいないのではないか。だが、そうならないための処方箋が、だれにも平等に訪れる「死」を自然に受け入れることだとすれば、あながち難しいことではないだろう。

 JT生命誌研究館館長の中村桂子さんが言う。ちなみに「生命誌」とは、生き物すべての歴史と関係を知り、生命の歴史物語を読みとる作業だという。

「私は今年80歳で、生物学的にあと何十年も生きられると思っていません。そんな中、今年5月に健診を受け、その結果をかかりつけ医に見せたんです。先生は“あなたが50代ならいろいろ言いますが、あなたの年齢では当たり前のこと。気にしないで普通に暮らしていればいい”と言われました。先生に“車だって乗るうちに油が漏れたりするでしょ”と言われて納得しました。長く使った車は性能は新車に劣っても、たくさんの思い出がある。老いていく自分もそういうものだと思います。今生きている自分をどう認めていくか。そう考えたほうが上手に年をとれると思います」

 そしてアンチエイジングに疑問を呈し、続ける。

「生物にはエイジ、つまり寿命があります。普通は70、80、90歳と衰えながらも、その姿のままで生きていくものです。ところが今の社会は完璧でいなければならないと考えるから、だれもがその先にある死を、大きなマイナスに感じるんです。私は“ライフステージ”を考えることが大事だと思う。人は赤ちゃんとして生まれ、老いて死んでいきます。当然ながら、人の一生はつながっています。政府や医療は個人を“高齢者”や“若者”という言葉で区切りますが、人生の中で今、どこにいるのかを見ることが大事だと思います」

■次世代を考えるのが生き物

 養老孟司氏も、

「当たり前ですが、死に方を考えるときには、生き方を考えないといけない」

 と説き、こう続ける。

「ホスピスの人が言うには、90歳をすぎた老人が、毎日、死にたくないと嘆いているそうです。では、90歳まで何をしてきたのか。きちんと勤め、決まった仕事をして、決まった給料をもらい、その間は相当我慢していた。でも、そういう状態は“生きている”のではないから、年をとってから生きようとする。みな“好きなことをする”とか言いますが、それは生きることを先延ばしにしたということ。だから最後のところで折り合いがつかなくなるんです。昔は、インテリは生きがいとか人生の意味とかについて、青臭い議論をしたものですが、今は年をとってからもやらなくなってしまった」

 生きることは死ぬことであり、死ぬことは生きることだ、という常識を取り戻す必要がある、ということだろう。先の大井氏は、

「救命救急など、一部の延命治療に年齢制限を設けるなど、ある種の手続きを制度的に組み入れるのは、だれもが自分の死に方について考えるための、いいチャンスになると思う」

 と、死についての学びの大切さを説く。

「今は老いや死について考えたくないという気持ちが強い。やはり老いと死については、周囲から教えられることが大切で、そういう学びの機会を、小学生のうちからどんどん与えてあげることです。老人ホームに行って入居者と遊ぶのでもいい。できるかぎりお年寄りと一緒にいるのが、一番手近なやり方です」

 より良く生きるためには、だれもが死と向き合い、死について考えなければいけない。それが子や孫に、真っ当な社会を引き渡すことにつながるのである。

 中村桂子さんが言う。

「30代でこの病気はまずいから治療しようとか、40代で糖尿の気があるから運動しようとか、80代なのだから無理して治療はしないとか、人の一生の中でその都度判断することです。そして、今は超高齢化への対処に追われていますが、本来は、今の30代が10年後にどうなるか、50代がどうなるか、それを予測して社会を構築していくべきだと思います。今は周りのことより自分のこと、という社会になってしまいましたが、今、われわれが考えなければならないのは、自分の世代ではなく、次の世代のこと。次世代のことを考えない生き物は滅びます。自らではなく集団のことを考えるというのは、生物学の基本なのです」

 麻生財務相がやり玉に挙げた90歳は、次世代のこと、集団のことを考えていたのだろうか。自身のライフステージにおけるそれぞれの地点を、矜持をもって生きることができていたのだろうか。むろん、無理をせずにさらに長生きできるなら、それに越したことはないが、今、心配すべきなのは自身の「老後」以上に、子や孫の将来である。

「私は、私の娘よりも先に死ぬべきだし、私の母は私より先に死ぬべきです。間違いなく、だれよりもそう思っているのは、私の母自身であるはずです」

 と里見氏。医学の勝利が国家を亡ぼすことにならないためにも、年寄りから先に逝く、という常識が息づく社会を、もう一度取り戻さなければなるまい。

「短期集中連載 医学の勝利が国家を亡ぼす 最終回 『年寄りが先に逝く』という常識を復権せよ」より

「週刊新潮」2016年6月30日号 掲載



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/49128.html
産科医療原因分析、迅速化目指し部会増設- 評価機構が運営委に報告
2016年07月04日 22時00分 キャリアブレイン

 分娩に関連して発症した重度脳性まひに関する「原因分析報告書」について、日本医療機能評価機構は4日、産科医療補償制度運営委員会に対し、報告書の作成の迅速化を図るため、原因分析委員会に部会を増設したことを報告した。これまでは6部会で1カ月当たり36件の報告書を作成してきたが、7月以降は7部会で同42件の作成が可能となる見通しだ。【新井哉】


 分娩の際に重度脳性まひを発症した子どもの経済的な負担を補償する産科医療補償制度では、制度を運営する同機構が、発症した子どもの保護者や関連する分娩施設に対して原因分析報告書を送る。

 ただ、近年は補償申請を促進する取り組みに力を入れた結果、2013年には291件だった審査件数が14年には2倍以上の706件に急増。15年も680件と高い水準となっている。09年1月の制度開始以来、2100件余りの審査件数があったが、分析報告書として作成されたのは960件(今年5月現在)にとどまっており、作成に時間がかかることが課題となっていた。

 こうした状況を改善しようと、昨年11月からは原因分析委員会の部会での審議件数を1カ月当たり4件から6件に増やしたほか、これまでに承認された原因分析報告書をもとに医学的評価の例文集などのツールを作成。また、部会で取りまとめた報告書を委員会の委員が専用のウェブシステムで確認・承認する仕組みを導入し、報告書の作成の迅速化を図ってきた。

 さらに今年4月には「原因分析報告書作成にあたっての考え方」(旧・原因分析報告書作成マニュアル)を改定したほか、委員会の下に新たに「第7部会」を設けた。同機構は運営委員会に対し、「これらの取り組みの効果を適宜確認しながら、継続的に進めていく」と説明。部会の増設などの取り組みを進めることで、報告書の作成期間の短縮につなげたい考えだ。



https://www.m3.com/news/general/438956?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD160704&dcf_doctor=true&mc.l=165615820&eml=3f492a08f1681d66441569ec02c0b51e
利用者「遠くなる」 宮城県循環器センター移管
2016年7月4日 (月) 河北新報

 宮城県循環器・呼吸器病センター(栗原市瀬峰)について県は1日、市栗原中央病院(同市築館)への機能移管を検討していることを正式に表明した。地元の患者からは移管した場合のケアを徹底するよう求める声が相次いだほか、住民の中には交流人口の減少による地域への影響を不安視する人もいた。

 センターはJR瀬峰駅から徒歩圏内にあり、登米市から東北線で通う患者が多い。同市迫町の70代女性は「車がなくても通えるので便利だった。栗原中央病院は遠いし、今後どこに行けばいいのか…」と困惑した様子で話した。

 同地区から通院する千葉富美子さん(70)も「東日本大震災で停電した際、センターがあったから治療を続けられた」と振り返り、「災害時に患者が漂流しないか不安だ」と述べた。

 「赤字経営とは聞いていた。『ついにこの日が来た』という印象」と話すのは、瀬峰地区行政区長会の大黒昭夫会長(73)。「移管した場合の交通網を整備し、患者が困らないようにしてほしい」と語った。

 病院近くの瀬峰下田行政区の後藤哲弘区長(69)は「県立の医療機関は町の核。地域への影響は大きい」と指摘。施設の利活用の在り方について「瀬峰のランドマークになるような付加価値のあるものにしてほしい」と注文を付けた。

 佐藤勇市長は1日の定例記者会見で「重い内容と受け止めている。県には地元や利用者への説明をしっかり果たすよう求めていく」と強調した。

◎県、理解求める/県議会常任委

 宮城県は1日開かれた県議会保健福祉常任委員会で、栗原市にある県循環器・呼吸器病センターの診療機能と結核病棟を、市栗原中央病院に移管する方向で検討していることを報告した。

 渡辺達美保健福祉部長が概要を説明。大崎市民病院の移転開院でセンターが担ってきた循環器・呼吸器病医療の中心的役割が市民病院に移ったことや、栗原中央病院の機能強化と県北の医療体制充実を図る移管の目的などに理解を求めた。

 委員からはセンターがある瀬峰地区の住民やセンター勤務者の意見を反映させるよう求める意見や、移管後の結核病棟への県の関与などについて質問が出た。

 渡辺部長は「検討内容は中間報告。今後は住民や勤務者への説明会を開いて意見を聞き、最終報告をまとめる」と強調。結核病棟については「県が責任持って支援する」と語った。

 常任委ではまた、知的障害者施設「船形コロニー」(大和町)の建て替え基本構想も報告。障害福祉課の担当者は「入所施設にとどまらず、民間の障害者施設への情報発信を担うなど県全体の障害福祉拠点を目指す」と説明した。



https://www.m3.com/news/general/438974
診療報酬改定が打撃 医師不足で経営悪循環 公立病院
2016年7月4日 (月) 宮崎日日新聞

 高原町の高齢化率は県平均を上回る36・9%(2015年10月現在)。同町の国民健康保険高原病院には、肺炎や心疾患、がんなど高齢者に多い疾患の患者が入院する。7割ほどは寝たきりの状態。看護師の末永淳子総師長は「高齢者が退院するにはリハビリが必要になり、入院期間は長くなる」と語る。

 医療機関の収入になる診療報酬のうち、入院は患者の平均在院日数が延びるほど低くなる。長期入院を減らし、社会保障費を抑制しようとする国の意向を反映している。

 14年度の診療報酬改定は同病院にとってさらに厳しいものとなった。在院日数の平均が60日と見なされ、入院基本料が28%引き下げに。病院経営に打撃を与えた。

 14年度の入院の収益は前年度から6328万円のマイナスとなり、決算時に9900万円の資金が不足。15年度も資金不足が見込まれたため町が補正予算を組み、合わせて約2億円を補填(ほてん)した。

 病院財政の悪化は、町が進めていた道の駅や町総合体育館の建設計画を先送りする要因の一つにもなった。累積赤字は1億7810万円(15年3月末現在)と膨らみ続けているため「予定外の繰り出しが続けば一般会計を圧迫する」(町総務課財政係)と深刻だ。

 同病院は町内最多の56病床を抱え、宮崎大や鹿児島大から臨時の医師も雇用。人件費の負担も大きい。ただ仮屋田浩事務長は「採算が合わなくても、地域医療の拠点は守らなければならない」と話す。

 「常勤医の不足が患者数の減少を呼び、収益悪化につながる」。14年度末の累積赤字が4億5469万円となったえびの市立病院の馬越脇浩事務長は、医師不足が経営に与える影響を懸念する。

 02年度に7人いた常勤医は16年度は4人になり、主な診療科は内科と外科、整形外科のみ。このため毎年2千人ほど患者が減少している。医師を確保しようにも頼みの大学医局でも人材が不足しており難しい。「赤字化を改善できない悪循環に陥っている」と嘆く。

 国の社会保障抑制政策と医師不足が経営に打撃を与えている地方の公立病院。高原病院の末永総師長は「国は高齢者を支える地方の病院の役割や現状に目を向けてほしい」と訴える。

【メモ】

 診療報酬は治療や入院、調剤など診察行為の対価として支払われる報酬で1点10円で点数化する。患者は医療機関の窓口や薬局で1~3割を負担する。2年に1回改定され、2016年度は全体で実質1・03%の減少となった。



https://www.m3.com/news/general/438848
[国家試験] 2018年から適用の改定医師国家試験出題基準を公表 厚労省
2016年7月4日 (月) 厚生政策情報センター

平成30年版医師国家試験出題基準について(6/30)《厚生労働省》
 厚生労働省は6月30日、「2018年版医師国家試験出題基準」を公表した。医道審議会・医師分科会・医師国家試験出題基準改定部会が同日、取りまとめたもの。医師国家試験出題基準(ガイドライン)とは、試験委員が出題に際して準拠する基準で、試験の「妥当な範囲」と「適切なレベル」を項目によって整理している。

 今回の改定は医学部で実施されている共用試験CBTの合格基準が全国的に統一されることに併せ、出題数の変更など、国家試験の制度見直しに対応した(p1参照)。

 具体的には、医師の基本的診療能力を問う「必修問題」は現状通りとし、「医学総論」と「医学各論」から「一般問題」として100題程度、医師国家試験の信頼性を損なわないように減らした。この結果、「臨床実地問題」の出題数の全体に占める割合を高め、分野ごとに必要な出題数が確保されるよう見直している(p183参照) (p185参照)。

 内容面では、地域医療や緩和ケア、薬剤耐性問題など医師に対する社会的要請などを含めた全般にわたる出題項目を見直している(p1参照)。なお、具体的な配点や合格基準は、医道審議会医師分科会で、別途、検討される(p182参照)。

 出題基準は2018年に実施される医師国家試験から適用。なお、2017年実施の国家試験は現在の2013年版医師国家試験出題基準が適用される(p1参照)。

資料1 P1~P29(2.2M)
資料2 P30~P82(2.7M)
資料3 P83~P128(2.5M)
資料4 P129~P178(2.5M)
資料5 P179~P399(11.4M)



https://www.m3.com/news/general/438854
小児がん患者らに空き部屋 筑波大病院、闘病生活支援 「ニュース産直便」
2016年7月4日 (月) 共同通信社

 国内の陽子線治療施設で最も多く小児がん患者を受け入れている筑波大病院(茨城県つくば市)で、遠くから来院する子どもとその家族が滞在できるように、周辺のアパートの空き部屋を低料金で提供するプロジェクトが始まった。先進医療を安心して受けられる環境を整え、闘病生活を支えたい考えだ。

 同病院によると、国内では年間約2500人が小児がんを発症。陽子線治療は、エックス線を使った従来の治療法よりもピンポイントに病巣へ照射できるため、周りの正常な組織への影響が少なく副作用を減らせるのが特徴だ。成長を妨げるリスクも低く、子どもに有用とされる。

 4月から小児がんの陽子線治療にも公的医療保険が適用されるようになり、同病院にも全国から患者が訪れている。一方で、1~2カ月かかる治療期間中は平日に毎日通院する必要があり、遠方に暮らす患者や付きそう家族の負担軽減が課題となっていた。

 そのため、地元の不動産会社と連携。6月から、病院から徒歩約5分のアパートで、1K2部屋の提供を始めた。電化製品や家具が備え付けられており、1日1500円で利用できる。光熱費や水道料金は無料だ。

 利用した埼玉県川口市の女性は5歳の娘の治療のため、これまで5~6時間かけて通院を続けてきた。「時間に余裕ができたのはすごく大きい。宿泊にお金をかけるよりも今は子どものために使いたいので、ありがたい」と話す。

 がんの子どもを守る会のソーシャルワーカー樋口明子(ひぐち・あきこ)さんは「見知らぬ土地へ不安な思いで治療に行く患者と家族にとって、病院の地元が自分たちを理解して支援してくれているということも分かるので、心の安心という点でも意味がある」と話している。



https://www.m3.com/news/general/438855
弱み握り、医院乗っ取り 元警官ら、不正受給常態化
2016年7月4日 (月) 共同通信社

 大阪市の歯科医院を巡る診療報酬詐欺事件で、元大阪府警巡査部長や徳島市の医療法人理事長らが逮捕されてから4日で1週間。経営難を背景に架空請求が常態化していた医院、不正受給という弱みを握り乗っ取りを図った元警官ら―。これまでの捜査で不正を重ねた構図が浮かび、府警は詐欺容疑で11人を逮捕、残る1人を指名手配し、全容解明を進めている。

 「2011年ごろから架空請求をしていた」。捜査関係者によると、逮捕された医療法人理事長の歯科医師賀川幸一郎(かがわ・こういちろう)容疑者(45)=徳島市=はこう供述した。

 賀川容疑者は02年に医療法人を設立し、徳島市で1医院、大阪市で2医院を運営。負債は年々増え、15年3月期は約1億7500万円に膨れ上がった。

 知人を通じ、他の整骨院などに通う患者の保険証のコピーを大量に入手し、診察を装った診療報酬明細書(レセプト)を作っていたとみられ、府警は経営難から不正に手を染めたとみている。

 一方、大阪府警の元巡査部長今野作治(こんの・さくじ)容疑者(56)=同府豊中市=らのグループが乗り込んできたのは約1年前。

 「知らない診察通知が届いた。どういうことだ」。逮捕前に取材に応じた賀川容疑者によると、受診していない患者の元に通知が届き、何らかのルートで架空請求に気付いた今野容疑者らが現金を要求してきた。

 さらに昨年7月、「医院はうちでやらせてもらう」と通告。大阪市浪速区の医院にメンバーを次々と送り込み、同7~9月、患者約50人分の計約360万円を架空請求したとされる。

 昨年10月、医院近くで詐取した診療報酬を取り合う騒ぎから110番され、府警の捜査がスタート。かつて暴力団捜査を担当し、懲戒処分を受けて依願退職した今野容疑者らが浮上し、ある捜査幹部は「府警として示しをつけるため、OBが関与した事件の実態を徹底的に解明したい」と話している。


  1. 2016/07/05(火) 05:46:01|
  2. 未分類
  3. | コメント:0

7月2日 

http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201607/20160702_13040.html
県循環器センター移管 利用者「遠くなる」
2016年07月02日土曜日 河北新報

 宮城県循環器・呼吸器病センター(栗原市瀬峰)について県は1日、市栗原中央病院(同市築館)への機能移管を検討していることを正式に表明した。地元の患者からは移管した場合のケアを徹底するよう求める声が相次いだほか、住民の中には交流人口の減少による地域への影響を不安視する人もいた。
 センターはJR瀬峰駅から徒歩圏内にあり、登米市から東北線で通う患者が多い。同市迫町の70代女性は「車がなくても通えるので便利だった。栗原中央病院は遠いし、今後どこに行けばいいのか…」と困惑した様子で話した。
 同地区から通院する千葉富美子さん(70)も「東日本大震災で停電した際、センターがあったから治療を続けられた」と振り返り、「災害時に患者が漂流しないか不安だ」と述べた。
 「赤字経営とは聞いていた。『ついにこの日が来た』という印象」と話すのは、瀬峰地区行政区長会の大黒昭夫会長(73)。「移管した場合の交通網を整備し、患者が困らないようにしてほしい」と語った。
 病院近くの瀬峰下田行政区の後藤哲弘区長(69)は「県立の医療機関は町の核。地域への影響は大きい」と指摘。施設の利活用の在り方について「瀬峰のランドマークになるような付加価値のあるものにしてほしい」と注文を付けた。
 佐藤勇市長は1日の定例記者会見で「重い内容と受け止めている。県には地元や利用者への説明をしっかり果たすよう求めていく」と強調した。

◎県、理解求める/県議会常任委

 宮城県は1日開かれた県議会保健福祉常任委員会で、栗原市にある県循環器・呼吸器病センターの診療機能と結核病棟を、市栗原中央病院に移管する方向で検討していることを報告した。
 渡辺達美保健福祉部長が概要を説明。大崎市民病院の移転開院でセンターが担ってきた循環器・呼吸器病医療の中心的役割が市民病院に移ったことや、栗原中央病院の機能強化と県北の医療体制充実を図る移管の目的などに理解を求めた。
 委員からはセンターがある瀬峰地区の住民やセンター勤務者の意見を反映させるよう求める意見や、移管後の結核病棟への県の関与などについて質問が出た。
 渡辺部長は「検討内容は中間報告。今後は住民や勤務者への説明会を開いて意見を聞き、最終報告をまとめる」と強調。結核病棟については「県が責任持って支援する」と語った。
 常任委ではまた、知的障害者施設「船形コロニー」(大和町)の建て替え基本構想も報告。障害福祉課の担当者は「入所施設にとどまらず、民間の障害者施設への情報発信を担うなど県全体の障害福祉拠点を目指す」と説明した。



https://www.m3.com/news/iryoishin/432719?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD160702&dcf_doctor=true&mc.l=165505582
東大医学部の役割は「リーダーの養成」 - 北村聖・東大医学教育国際研究センター教授に聞く◆Vol.4
「変化できる」がより良い大学の条件

2016年7月2日 (土) 聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――東大医学部については、基礎研究に進む人が最近は減少してきたと聞きます。東大医学部は、社会のニーズに応えるために、どんな医師を養成するミッションを担っているとお考えですか。

 教員によって考えが違うと思うけれど、私が学生たちに明確に言っているのは、「日本の医療分野のリーダーの養成」ということ。臨床医学や基礎研究に従事する場合でも、あるいは行政機関で働くとしても、分野を問わず、東大医学部の卒業生は、必ず、そして嫌でもリーダーになり、この国を引っ張っていかなければいけない。身を粉にして働かなければいけない。できれば世界のリーダーになってもらいたい。お金を稼いで、いい車に乗って、いい生活をしたいと考えるなら、他の大学に行けばいい。

 今までは往々にして、「私の背中を見て、大きくなれ」と言いがちでしたが、今は若い人に対しては、発言して、明示化して見せないと伝わらないと思います。求められるのは「コミュニケーション能力」。今の「リーダー論」で言う、サーバント・リーダー。誰よりも一番働き、フォロワ―が活躍でき、チームが同じベクトルを向いて行動するには、何をしたらいいかを常に考えるリーダー。リーダーとフォロワ―は、重なる部分が多いけれど、一つだけ違うことがあります。それはビジョンを持つかどうか。最初にビジョンを提示し、それを皆で共有する。もっとも、日本ではリーダー教育が欠けている上、ビジョンを持つリーダーが少ない。


「東大医学部に入って、いい教育を受けようと思ってはいけない。東大の良さは、いい学生が多いこと」(北村聖氏)。

――しかし、東大医学部では最近、臨床研究をめぐる不祥事も取り立たされています。そうしたリーダーを輩出できているとお考えですか。

 私が考えるリーダーから言えば、説明責任を果たしていません。確かに、倫理的に問題があっても、法律的に問題はないとされる場合もあるかもしれません。そんな中で、「医師の在るべき姿」と唱えても、むなしい。東大の教員も襟を正さなければいけない。

 だからこそ、自分で口に出して、「リーダーにならなければいけない」「リーダーとはこうしたものだ」と言う。わが身を振り返ると、忸怩たる思いがあり、少しでも直そうという気になるでしょう。だから誰かが言い続けなければいけない。「東大の役割は何か」と聞かれた時に、「文京区の地域医療の担い手を養成するのではなく、自他ともに認める日本のリーダーを輩出すること」だと。

――社会のニーズに照らし合わせれば、皆が楽な科ばかりに行くことは問題。

 「評価はお金で行われる」という、反抗できない基準を持っている学生は少なくない。「いい仕事をしたら、お金が儲かるか」あるいは「お金が儲かるのがいい仕事」という基準。「貧乏でも、いい医師はたくさんいるけどね」と話すと、「でも、社会から評価されていないから、貧乏なんじゃないですか」と返される。

 もちろん、東大にはとても優秀な人が多いのは事実。中には、「1年、休学します」と言って、法学部で勉強して、医学部卒業と同時に医師免許を取得、さらに国家公務員試験に合格し、財務省に行った人もいます。

――では最後に、これから医学部を目指す入学する受験生に対して、どんな視点で大学を選んだらいいか、アドバイスがあればお願いします。

 やはり大学により、助教の数や教育の質などが違う。ただし、「帝国大学がいい」「旧六大学がいい」といった価値観は持たない方がいいと思います。

 言えることは、ダーウィンの進化論と同様に、大学も「生き残るのは、力が強い大学ではなく、変化に対応できる大学」ということ。変われる大学がいい大学であって、固定化した、旧態然とした大学を選んではダメ。

 東京大学は今、強いと思うけれど、強いだけだったら、絶対に滅びる。社会のニーズをはじめ、いろいろな環境が変わる中で、東大がリーダーを養成するミッションは変わらないとしても、求められるリーダー像は当然変わってくると思う。

 (私立大学の場合、経営が良くなり)授業料を安くすると、優秀な学生が入ってくるようになる。優秀な学生同士が切磋琢磨すると、いい大学になっていく。いい方向にスパイラルが回るようになります。

――変化がある、活性化している大学であれば、学ぶのも楽しい。

 ただ面白いことに、東大でも「いい学年」と「悪い学年」がある。だいたい交互に来る。「いい学年」「ちょっと悪い学年」「悪い学年」と来て、また「いい学年」が来るとか……。「コミュニケーション能力が高く、リーダー的な人がいて、皆が協力していこう」となるのがいい学年。一方、「悪貨は良貨を駆逐する」ので、「私はここで、医師免許というライセンスと、東大卒という肩書だけ得られればいい」という人がいると、その学年は悪くなる。

 東大の医学生に問いかけているのは、「人に自慢できることは何か?」ということ。教員や学生に聞くと、一番は「学生」、つまりいい学生が多いということ。「東大に入っていい教育を受けよう」などと、思ってはいけない。ITが発達して、東大の講義が札幌や福岡で聞けるようになっても、絶対に本郷に来てほしいと思う。本郷に通い、いろいろな個性が集まる場で刺激を受ける。

 教育の原点は同じ世代が集まって、切磋琢磨すること。「ここの大学に行けば、こんな教育が受けられる」といった受け身ではダメ。大学を自分で変えるくらいでないといけない。

※『週刊ダイヤモンド』6月18日号の第1特集「医学部&医者」との連動インタビュー。



https://www.m3.com/news/general/438407?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD160702&dcf_doctor=true&mc.l=165505586
特養、待機者が減少 入居制限影響か 都内など
2016年7月2日 (土) 朝日新聞

 全国で入居申込者数が最も多い東京都内の特別養護老人ホームの待機者が減り始めた。昨年4月から特養の入居条件を原則「要介護3以上」とすることが介護保険法の施行規則に明記され、申込者が減ったためとみられる。入居したくても申し込むことすらできない高齢者が増えている可能性がある。

 東京都高齢者福祉施設協議会が1日、都内の特養にアンケートをした結果を明らかにした。今年1~2月に都内の特養の96%にあたる457施設を調べ、242施設(回答率53%)から回答があった。1施設当たりの平均待機者数は2013年11月の360・0人から15年同月には296・3人と17・7%減っていた。

 他の地域でも同様の傾向が出ている。朝日新聞が調べたところ、北九州市は15年4月から1年間で約28%、神戸市は14年9月から1年で約27%、横浜市では14年10月~15年5月で約16%減少していた。

 その理由として関係者が指摘するのは、昨年4月の介護保険制度の見直しに伴う入居要件の厳格化だ。神戸市は要介護1、2の申込者を待機者リストから統計上、外したことを明らかにした。協議会の西岡修会長は「表向きの待機者数が減っても入居できない要介護者が増えれば介護離職も増えるのではないか」と懸念を示す。一方、近年は有料老人ホームやサービス付き高齢者住宅などが急増しており、そうした施設に入居して特養への申し込みをやめたケースもありそうだ。(水戸部六美)


  1. 2016/07/03(日) 05:03:17|
  2. 未分類
  3. | コメント:0

7月1日 

http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201607/20160701_13022.html?style=print
<栗原中央病院>循環器センター機能を移管へ
2016年07月01日金曜日 河北新報

 宮城県北部で心臓や肺疾患治療の中心的な役割を担ってきた県循環器・呼吸器病センター(宮城県栗原市瀬峰)について、県が栗原市栗原中央病院(同築館)への機能移管を検討していることが30日、分かった。大崎市民病院の移転開院などで県北の医療環境や患者の流れが大きく変化する中、広域的な医療体制を効果的に再編するのが狙い。
 栗原市瀬峰にあるセンターは循環器科、呼吸器科、心臓血管外科、呼吸器外科、消化器科、放射線科を備えるほか、県内唯一の結核病棟(50床)がある。県は栗原中央病院に全ての診療科を移し、敷地内に30床程度の結核病棟を新たに整備する方向で調整している。
 栗原中央病院が診療機能を強化することで、2014年に移転開院後に患者が集中する大崎市民病院や、他の基幹病院との機能分担や連携促進につなげる。
 結核治療についても、300床を持つ総合病院の栗原中央病院が担うことで、重い合併症を持つ患者への対応も可能になるという。
 具体的な移管方法については今後、県が栗原市と協議する。センターの跡地利用についても、市や地元関係団体と話し合いながら高齢者の医療介護施設を念頭に活用策を検討する。
 県は年度内に方向性をまとめる見通し。センターを運営する独立行政法人県立病院機構の中期計画を変更した上で、17年度から新たな結核病棟の設計、建築に着手。19年度以降の機能移管を想定している。
 センターは1952年に県立瀬峰療養所として開院し、一般病床と結核病床計110床が稼働。以前は心臓疾患の開胸手術などを手掛けたが、大崎市民病院の開院で循環器、呼吸器医療の中心的な役割は移った。
 常勤医は現在8人。医師不足による機能低下で患者数は年々減少し、14年度の病床稼働率は30%程度にまで落ち込むなど、経営環境も悪化していた。
 県立病院機構や栗原、大崎、登米3市の自治体病院、東北大病院などでつくる県北地域基幹病院連携会議は15年4月から、センターの在り方を含めた県北の医療環境再編の協議を重ねてきた。県は近く県議会や地元に検討内容を説明する。



http://www.sankei.com/photo/story/news/160701/sty1607010030-n1.html
京都大病院で火災 1室全焼で火は鎮圧
2016.7.1 21:45 産經新聞

 1日午後6時20分ごろ、京都市左京区聖護院川原町の京都大病院の旧産婦人科病舎の1階から出火した。鉄骨地上4階地下1階建てのうち、1階の1室約30平方メートルが全焼、火は約30分後に、鎮圧した。この火事で、出火元の室内にいた学生2人が煙を吸うなどしたが、軽症とみられる。京都府警川端署が出火原因などを調べている。

 同署や市消防局によると、現場は病院の東キャンパス構内にある施設で、現在は病棟としては使用しておらず、研究施設などとして使われている。当時は、室内で、学生4人が研究中だったという。関係者から「火事です」と通報があった。

 当時、施設内では多くの学生らが研究などを行っていた。出火元からは炎や黒煙が立ち上り、市消防局が避難誘導を行うなど、現場は騒然としていた。

 退勤途中だったという病院の女性職員(50)は「火災発生。直ちに避難してください」と構内放送が流れたのを聞き、「病院で火災なんていままで無かったことで、びっくり」。勤務していた男性医師(35)は「『バン、バン』という爆発音が何度も聞こえ、濃い煙と鼻につくにおいが立ちこめた。有害なガスかも知れないと思い、怖かった」と不安そうに話していた。

 3階で作業中だった男性研究者は「非常階段で非難したが、煙が立ちこめていて息が出来なかった」と、当時の様子を語った。



http://www.jiji.com/jc/article?k=2016070100962&g=soc
京大病院放射線施設で火災=外部漏えいなし、1人搬送-京都府警
(2016/07/01-23:13)時事通信

 1日午後6時15分ごろ、京都市左京区の京都大付属病院から「旧病棟で火事が起きている」と119番があった。市消防局によると、4階建ての旧産婦人科病棟1階にある実験室から出火、約30平方メートルを焼いて約4時間後に鎮火した。
 同病院によると、旧病棟は実験施設として使われており、「RI(放射性同位元素)低レベル実験室」で、研究員が実験中に火が出た。
 消防局が周辺で放射線量を測定したところ、毎時0・5マイクロシーベルトが検出されたが、健康への影響はない値という。
 京都大から報告を受けた原子力規制庁によると、同実験室は放射線管理区域内で、がんなどの検査に使う放射性物質を扱っていたが、区域外への漏えいは確認されていない。
 京都府警川端署によると、火災で3人が煙を吸って気分が悪くなり、うち1人が病院に搬送された。消防局などが原因を調べている。 
 男性医師(42)は「廊下に出ると焦げ臭く、非常階段で外に出たと同時にボンベが破裂するような爆発音を3回聞いた。火が2階部分にかかるぐらいの高さに上がっていた」と話した。



http://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/article/255875
損壊した熊本市民病院の看護師 長崎の病院受け入れ
2016年07月01日 20時09分 西日本新聞

 熊本地震で損壊した熊本市民病院(熊本市東区)の看護師20人が1日、長崎みなとメディカルセンター市民病院(長崎市新地町)で辞令を交付された。

 熊本市民病院は、施設の一部損壊で入院受け入れができなくなり、総合周産期母子医療センターも休止している。2019年3月までの移転新築を目指しており、勤務できない間の看護師の技術低下を避けるため、九州・沖縄の病院に受け入れを要請。長崎を皮切りに、約30の病院へ看護師の派遣を計画している。

 辞令交付を受けた中川美樹さん(36)は「熊本を離れる葛藤はあったが、新しい熊本市民病院に戻った時に(技術を)還元したい」と語った。

 熊本市民病院の看護師約430人のうち、現在半数以上が看護業務ができず、避難者の救護や市の罹災(りさい)証明書の交付などに従事している。



http://mainichi.jp/articles/20160701/ddl/k10/040/308000c
高崎の入院患者窒息死
病院側争う姿勢 第1回口頭弁論 /群馬

毎日新聞2016年7月1日 地方版 群馬県

 高崎市の病院で2015年12月、入院中の安中市の男性(当時73歳)が吐いた物をのどに詰まらせ、誰にも発見されず窒息死したのは病院側の過失だとして、男性の遺族が病院を経営する医療法人を相手取り5313万円の損害賠償を求める民事訴訟の第1回口頭弁論が30日、前橋地裁高崎支部(川口代志子裁判長)であった。医療法人側は棄却を求める答弁書を提出し、争う姿勢を示した。

 出廷した医療法人の代理人は取材に対し「病院内で吐いた物がのどに詰まり窒息死したことは遺憾。過失については第三者による調査を行っている」と答えた。

 男性の死亡を巡っては、予期せず患者が死亡した医療事故として、病院が医療事故調査・支援センターに報告している。【増田勝彦】



http://medg.jp/mt/?p=6828
Vol.149 国家公務員の職務専念義務違反 その1
医師  小松秀樹
医療ガバナンス学会 (2016年6月30日 06:00)

日本国憲法の下、言論抑圧は国家公務員の本来の職務たりえない。ましてや、自らの利益のための言論抑圧は、明らかな職務専念義務違反である。また、特定の医療法人の便宜を図るための民事介入も、国家公務員の本来の職務ではない。2016年6月19日、筆者は、塩崎恭久厚生労働大臣に対し、健康局結核感染症課課長であった井上肇氏(世界保健機関出向中)に対する懲戒処分を求める申立書を送付した。井上肇氏の下記行為が、職務専念義務を規定する国家公務員法第101条第1項違反に相当することから、同法第82条第1項各号に基づく処分を求めた。
職務専念義務違反は、逸脱行為をする国家公務員に対する対抗手段として汎用性があると思われるので申立書の内容を紹介する。

第1 井上肇氏の職務上の行為に非ざる民事介入と言論抑圧

(1)民事介入
井上肇氏は、厚生労働省健康局結核感染症課課長として勤務していたが、遅くとも2015年2月16日までに、亀田隆明氏が理事長を務める医療法人鉄蕉会が設置運営する亀田総合病院の感染症科に勤務する医師を、成田赤十字病院において反復継続して医療に従事させることを目的とする契約の締結交渉や斡旋を担当し、結核感染症課課長としての立場を背景に、成田市職員及び成田赤十字病院管理者に対して、亀田総合病院に相当額を超える派遣料を支払うことを強く要求して受け入れさせ、その職権を逸脱して成田赤十字病院と医療法人鉄蕉会の民事関係に介入した。医師の派遣は、一般的に禁じられており、可能なのは、へき地か、あるいは、医療対策協議会が適当と認めた場合のみであるが、成田赤十字病院はこれに該当しない。
井上肇氏のかかる行為は、特定の医療機関の便宜を図ることを目的とする民事介入であり、そもそも厚生労働省職員としての職務上の行為とは言えないことから、国家公務員としての職務専念義務を規定する国家公務員法第101条第1項に違反するものである。

(2)筆者の言論活動抑圧と懲戒解雇
亀田総合病院は、国の地域医療再生臨時特例交付金の補助事業として、2013年度より3年間の計画で、安房医療圏の医療人材確保を図るため、「亀田総合病院地域医療学講座」事業を実施することになった。筆者は、2013年秋、亀田総合病院院長亀田信介氏の強い依頼により、亀田総合病院地域医療学講座を担当することになった。前提を捨てて、オリジナリティのある画期的な事業を展開してほしいと依頼された。以後、筆者は、本講座のプログラムディレクターとして、地域包括ケアについての映像と書籍、規格作成に心血をそそいできた。
ところが、2015年5月、突然、千葉県医療整備課課長高岡志帆氏らは、虚偽の通告により、正当な予算要求を阻止しようとした。事業の継続が危ぶまれたので、筆者は、メールマガジンで、高岡志帆氏を含む千葉県職員の違法な対応を批判する言論活動を行った。(「亀田総合病院地域医療学講座の苦難と千葉県の医療行政」http://medg.jp/mt/?p=3953 http://medg.jp/mt/?p=3955 http://medg.jp/mt/?p=3957「千葉県行政における虚偽の役割」http://medg.jp/mt/?p=5898)

すると、2015年6月22日、亀田総合病院院長亀田信介氏から、「厚生労働省関係から連絡があった。千葉県ではなく厚生労働省の関係者である。厚生労働省全体が前回のメールマガジンの記事に対して怒っており、感情的になっていると言われた。記事を書くのを止めさせるように言われた。亀田総合病院にガバナンスがないと言われた。行政の批判を今後も書かせるようなことがあると、亀田の責任とみなす、そうなれば補助金が配分されなくなると言われた」と告げられ、「以後、千葉県の批判を止めてもらえないだろうか」と要請された。
苦しい経営が続く亀田総合病院の経営者としては仕方のない反応である。一方で、筆者は、亀田総合病院入職以前も以後も、言論人として活動してきた。これを亀田総合病院の経営者も認めてきた。経営者が、筆者の言論を利用してきた側面もあった。言論人としては、理不尽な言論抑圧に屈するわけにはいかなかった。「言論を抑えるというのはひどく危険なことである。権限を持っていて、それを不適切に行使すれば非難されるのは当たり前だ」と主張し、いずれ社会に発信すると告げた。

2015年7月、筆者は、言論抑圧の仕掛け人が井上肇氏であるとの情報を得たため、2015年8月17日、内部調査及び厳正な対処を求める塩崎恭久厚生労働大臣あての文書の非公式な原案(本件書面)を作成して厚生労働省高官に送付し、提出方法ならびに窓口について相談した。
その後、本件書面は、厚生労働省内部から高岡志帆氏のもとにわたり、高岡志帆氏は、2015年9月2日午前11時34分、医療法人鉄蕉会理事長亀田隆明氏に対し、「すでにお耳に入っているかもしれませんが、別添情報提供させていただきます。補足のご説明でお電話いたします」として本件書面をメールに添付して送付した。
筆者は、亀田総合病院で同日あわただしい動きがあったことや、亀田隆明氏が、筆者を9月中に懲戒解雇すると語っていたとの情報を得た。高岡志帆氏の電話は懲戒解雇を促すものだった蓋然性が高い。
時を置かず、亀田隆明氏は、高岡志帆氏を含む千葉県職員の対応を批判する内容の言論活動を行ったこと、厚生労働省職員による言論抑圧について調査と厳正対処を求める厚生労働大臣あての本件書面を提出したことを懲戒処分原因事実とする懲戒処分手続を開始した。亀田隆明氏は、懲戒委員会が開かれた平成27年9月25日、解雇予告の正当な手続も踏まずに、筆者を即日懲戒解雇した。
亀田信介氏の発言と全体の経緯から、井上肇氏が筆者の言論活動を抑圧するために、医療法人鉄蕉会の経営者を脅し、経営者をして、筆者を懲戒解雇せしめたものと思われる。井上肇氏のかかる行為は、民間医療機関の人事への介入であり、そもそも厚生労働省職員としての職務上の行為とは言えないことから、国家公務員としての職務専念義務を規定する国家公務員法第101条第1項に違反するものである。

(3)まちづくり活動のハブとしてのNPO法人ソシノフの破壊
筆者らは、2012年4月以来、亀田グループを中心に、安房地域を活性化するためのまちづくり活動「安房10万人計画」を推進してきた。公益性を担保するために、まちづくり活動のハブとしてNPO法人ソシノフを設立した。2015年7月13日、亀田隆明氏は、ソシノフ代表理事に対し、「地域医療学講座がもめて、そこでソシノフの名前が出たことで、国も県もソシノフに拒否反応を示している。補助金が変に使われたのではないかと疑っている。1円もソシノフにいっていないとしても、このようになってしまった以上、鉄蕉会としても、亀田隆明個人としても、今後ソシノフのメンバーに加わることはできない」と通告し、医療法人鉄蕉会理事長亀田隆明氏、学校法人鉄蕉館理事長亀田省吾氏、時間をおいて、社会福祉法人太陽会理事長亀田信介氏がソシノフから脱退した。亀田隆明氏の発言内容から、井上肇氏が、亀田隆明氏に対し、亀田グループとソシノフの関係を断つよう命じたと推測された。井上肇氏が関与したとの情報が、亀田隆明氏周辺の人物からも得られた。亀田兄弟の脱退で、設立時の運営会員3名がソシノフから離れたのみならず、医療法人鉄蕉会、学校法人鉄蕉館、社会福祉法人太陽会のまちづくり活動への協力が得られなくなった。行政の圧力によってまちづくり活動の枠組みが壊された。
地域医療学講座の支出については、足をすくわれる可能性があるので、筆者の一存で金を支出できるような仕組みにはしていなかった。予算制にして、鉄蕉会経営企画部長と経理課長、筆者の三名の同意が揃わないと支出できないようにしていた。
井上肇氏のかかる行為は、民間公益活動の妨害であり、そもそも厚生労働省職員としての職務上の行為とは言えないことから、国家公務員としての職務専念義務を規定する国家公務員法第101条第1項に違反するものである。



http://medg.jp/mt/?p=6834
Vol.150 国家公務員の職務専念義務違反 その2
医師  小松秀樹
医療ガバナンス学会 (2016年6月30日 15:00)

第2 上記行為が井上肇氏の個人的な利害・動機に基づくものであること

(1)井上肇氏の感染症科医師派遣の仲介は亀田隆明氏の個人的要請による
筆者は、エボラ出血熱感染の流行によって感染症対策が着目されたことに伴い、2014年12月頃、感染症対策において重要な役割を担う成田空港や成田赤十字病院の所在する成田市のある市議会議員に対して、筆者が勤務していた亀田総合病院には感染症専門家が多数勤務していることから、感染症対策に協力する意思がある旨を申し出た。これは、地域で病院間の連携を構築し、地域医療を底上げしようという意図に基づく。これに対して議員からは、成田赤十字病院管理者と相談する旨の返答を得た。
筆者が経緯を報告したところ、亀田隆明氏は、医師の派遣を収益源にしようと目論んだ。かつて井上肇氏は、千葉県庁に保健医療担当部長として勤務しており、この間に亀田隆明氏と親しくなっていた。亀田隆明氏は、懇意にしていた井上肇氏に対して、金銭交渉を含む斡旋を依頼した。
成田赤十字病院は、へき地に存在する医療機関ではないし、また、医療対策協議会が適当と認めた医療機関でないにも拘らず、井上肇氏は、亀田隆明氏の希望を叶えるべく、遅くとも2015年2月16日頃までに、結核感染症課課長としての立場を背景に、自身の仲介のもと、亀田総合病院が成田赤十字病院に医師を派遣することによって対価を得る契約を両院の間で締結させた。そして、亀田総合病院は、実際に2015年7月1日から感染症科の医師を、成田赤十字病院に派遣した。

(2)井上肇氏が筆者に対して敵意を露わにしていたこと
筆者は、2010年5月1日から2015年9月25日に不当に解雇されるまでの間、医療法人鉄蕉会の設置運営する亀田総合病院の副院長だった。東日本大震災では、亀田総合病院は筆者の主導により、災害弱者の鴨川への大規模な避難受け入れを実施した。当時、内憂外患というネット上のニュースサイトのインタビューで、行政が滞在費の支払いに難色を示しているため、安房医療ネットという医療・介護の勉強会団体が受け入れに苦労していると話した。記者は、「被災者の受け入れを、行政が邪魔している」というタイトルで記事を配信した。これに対し、井上肇氏が、亀田隆明理事長を通じて、筆者に行政批判を控えるよう言ってきた。亀田隆明理事長は、井上肇氏に補助金で世話になっているので配慮してほしいと語った。井上肇氏の行為は、千葉県の震災対応に責任を有する自身が非難されないようにするために、言論を抑圧しようとしたものと理解された。これをきっかけに筆者と井上肇氏とのメールのやり取りが始まった。二人の意見はことごとく対立した。井上肇氏は、行政官が強権を持つことを是とし、筆者はチェック・アンド・バランスなしに行政官が強権を持つことは危険であるとした。

例えば、井上肇氏は、震災対応で絶対的権限者を求め、以下のように主張した。
「被災72時間以降の保健・医療が、通常の災害にもまして大課題であることを早期に認識し、被災対策のうち保健・医療分野を指揮するツァー(筆者注:専制的独裁者)を政府内に任命し、首相がツァーに強力な権限を与えて対策を進めていくことが必要であった(過去形ではなく、今からでもやるべき)と思います。この場合の主語は、『役人が』ではなく『首相が』です。」
発災後、当時の菅政権は、官邸であらゆることを統御しようとしたが、大量の情報が集中したため麻痺した。地方自治体は地方に根ざした情報と能力を有しており、自衛隊にはマンパワーと航空機、船舶、特殊車両、機材があり、民間には、多くの目と頭脳、インターネットを介した通信手段に加えて、援助する能力と意思を持つ多くの人たちがいた。

私は以下のように応じた。
「適切なツァーを選択するのは至難です。ろくなことにならないという予感があります。しかも、一人のツァーにできることは限られています。統一的な指揮命令系統で、細かなところまで、救援できるという前提に問題があります。計画経済が立ち行かないということの一般的な理由は、そのような能力を人間が持てるはずがないということ。多くの目で認識して、それぞれが自主的に動くしかないということを官僚が分かっていないことが問題なのです。」
筆者と井上肇氏は、新型インフルエンザ等対策特別措置法が制定された後、インフルエンザ対策について議論し意見を交換した。
井上肇氏はインフルエンザ行政の中核にあった。一方で、筆者は、インフルエンザ行政を批判する言論活動を展開していた。
筆者は、2009年のH1N1インフルエンザ騒動で、厚生労働省の対応が不適切だったことを、多数の具体例を挙げて指摘した。
例えば、当時、世界保健機関は、1)インフルエンザには特異な症状がない、2)感染しても無症状の潜伏期がある、3)実際に、過去の大流行では、国境から入ってこようとしている旅行者の検疫では、ウィルスの侵入を実質的に遅らせることはできなかった、4)現代ではその効果ははるかに小さい、などの理由で、繰り返し、検疫を推奨しないと声明を出していた。それにもかかわらず、日本は、科学的根拠を提示することなく、検疫や停留措置で人権を侵害した。

検疫の担当者は感染を防ぐためのガウンテクニックの原則を無視して、同じ防護服を着たまま複数の飛行機の機内を一日中歩きまわった。虎の門病院のある看護師長は「徴集」されて、この無意味な業務に従事させられたが、ガウンや手袋の使い方を見て唖然とした。検疫の指揮を執った厚生労働省の担当官に、非常時だから医療現場の常識と異なっても黙っているように言われた。
厚生労働省は騒動当時、実行不可能な指示を、混乱を極めていた医療現場に送り続けた。国民には。新型インフルエンザを疑ったら医療機関を受診するようアナウンスした。医療機関には、新型インフルエンザ患者を感染症指定医療機関に強制的に入院させるよう指示した。ところが、感染症指定医療機関のキャパシティは約2万床、新型インフルエンザが他の入院患者に感染しないようにするために必要な個室は、このうち、1800床ほどしかなかった。この数で足りるはずがない。同時期、アメリカ政府は、「症状のある人は、家で静養してください」と国民に呼びかけていた。
井上肇氏は担当者なら知っていないといけないはずの情報を知らなかった。スーパーコンピューターを使ったシミュレーションで、感染者の大半が検疫をすり抜けたと推定されたこと(Eurosurveillance:15(1):Article 4、 2010.)を知らなかった。

当時の化血研製のH1N1インフルエンザワクチンに十分な発症予防効果がないことを知らなかった。当時、亀田総合病院の透析室では、職員と透析患者全員に化血研製のワクチンを接種した。20歳代の職員21人中10人が発症したが、30歳以上の職員29人中発症したのは1人だけだった。20歳代の透析患者はいなかった。30歳代から70歳代の透析患者229人中発症したのは、2人だけだった(Human Vaccines 7:1、1-2、2011.)。30歳以上の日本人は何らかの免疫を有していた可能性がある。
井上肇氏は、メールのやり取りで、日本が世界のインフルエンザ対策を担うインナーサークル(内輪の仲間)の一員であることは誇るべきことであり、インナーサークルの立場からは、科学的に意味がなくても、検疫を実施しなければならない、インナーサークルに所属して一生懸命やっているのだから、説明がなくても社会はこれを受け入れるべきであり、インナーサークルの状況を含めて全体像を知ることなく厚生労働省を批判するべきでないと主張した。これでは、行政に対する批判を一切するなと言うに等しい。

井上肇氏は、対策の焦点は長期累計感染者を少なくすることではなく、流行初期数カ月~1年程度の短期間での患者数の爆発的増加による社会・医療システム破綻をいかに防ぐかにあるとした。これは正しい。実際、「過去のどの新型インフルエンザでも、- – 数年以内にはほぼ全ての国民が感染し、以後は通常の季節性インフルエンザになっていく」(日本感染症学会緊急提言)。しかし、井上肇氏は、検疫の意義について感染者をもれなく同定し入国させないためではなく、意味合いとしては国境往来を少なくすることにより流行期の社会全体の感染者・非感染者間の接触頻度を下げることだとした。
これは、医学的常識に反する。ピークの大きさを規定するのは、流行地での人と人の接触である。当時、諫早市医師会は、人気歌手の無料コンサートをきっかけに患者が爆発的に増加したことを観察した。実際に国境を閉鎖しても、国内でのピークを低くできない。検疫では多くの感染者がすり抜けるだろうという予感を普通の医師は持っており、スーパーコンピューターによるシミュレーションでそれが確認された。停留措置という人権侵害を伴う措置をするのに、表向きとは異なる理由、科学的根拠のない予感を理由としてよいとは思わない。

筆者は、税金で賄われている組織は説明責任を果たすべきであること、役所には強い権限があるのでチェック・アンド・バランスが機能することが重要であることを説いた。議論で追い込まれると、井上肇氏は、「小松先生、モノには言い方がありますぜ・・・」と語調を変え、筆者に対する敵意を隠そうとしなくなった。これに対し、筆者は「批判されることにただ反発するだけでは、能力の欠如を示しているとしか受け取られません。行政が厳しい批判にさらされるのは、立憲主義をとる近代憲法の前提です。誠実な説明がなければ、厚生労働省が追い込まれるか、強権で抑え込むかになります。現状は後者ですが、いつまでも続けられるとは思いません」とたしなめた。

(3)井上肇氏と高岡志帆氏の共謀の蓋然性
高岡志帆氏と共謀する人物でなければ、本件書面を高岡志帆氏に送付するというリスクの高い行為をとることは考えにくい。筆者は、厚生労働省高官に、本件書面を、ワード(文書作成ソフト)の電子情報として送付したが、高岡志帆氏から亀田隆明氏に送られたものは画質がかなり劣化したPDFであり、ワードのデータをプリントアウトし、さらに、それをコピーしたものをPDF化したものと思われた。高岡志帆氏が送られてきた本件書面をわざわざプリントアウトすることは考えにくい。本件書面が厚生労働省内部で問題になり、事情聴取が行われたのは想像に難くない。当然、コピーが少数の関係者に配布されたはずである。本件書面には、井上肇氏のみならず、高岡志帆氏の違法行為についても記載されていた。本件書面の内容は井上肇、高岡志帆両氏にとって不利益をもたらすものだった。

井上肇氏と高岡志帆氏はそれぞれ、鳥取大学、大阪市立大学という医系技官としては少数派の大学出身であり、千葉県の医療行政に深く関わってきた。共に、ハーバード大学公衆衛生大学院に留学した経験を有しており、以前より、接触が多かったと推測される。筆者は千葉県の医療行政について、多くの論文を書き、体系的に批判してきたが、中でも、二次医療圏まで変更して強引に設立した東千葉メディカルセンターの赤字問題は、井上肇氏や高岡志帆氏の責任問題に発展する可能性があり、筆者の言論活動に危機感を持っていたと想像される。
東千葉メディカルセンター問題については、「病床規制の問題3 誘発された看護師引き抜き合戦」http://medg.jp/mt/?p=1769 「東千葉メディカルセンター問題における千葉県の責任」http://medg.jp/mt/?p=6643 http://medg.jp/mt/?p=6641 を参照されたい。事件全体の動きから、二人は共に、自身の違法行為を告発する筆者に対し害意をもって行動していたものと思われる。厚生労働省内部にあって、本件書面のような、扱うのにリスクを伴う情報を、高岡志帆氏に送付する動機と利害関係を持った個人は井上肇氏以外には想像しにくい。

(4)まとめ
井上肇氏の行為は、連携のとれた医療行為が提供されるための弊害となる違法な医師の派遣業を仲介するものであるばかりか、特定の医療機関の便宜を図ることを目的としており、およそ厚生労働省職員としての職責を果たす行為とは言えない。
さらには、従前から意見が対立し、その言論活動に井上肇氏自身が脅威を感じていた筆者を、亀田総合病院が懲戒解雇とすることを、便宜の対価として求めていたとも考えられる。さらに、亀田隆明、信介、省吾氏に命じて、筆者が深く関与していた安房地域のまちづくり活動のハブとなるNPO法人ソシノフに壊滅的打撃を与えた。職務上の行為を逸脱した私的な動機・利害に基づく違法な民事介入であることは明らかである。

結語
本件では、官僚が自身の違法行為を隠蔽するために言論を抑圧し、さらに、私人である筆者の職を奪うに至った。民主主義社会ではあってはならない事件である。



https://www.m3.com/news/iryoishin/433741
シリーズ: m3.com全国医学部長・学長アンケート
医学部教育、「専門医との整合性」「大学に自主性」◆Vol.3
モデル・コア・カリキュラム改訂で重視すべき要素

2016年6月30日 (木) 成相通子(m3.com編集部)

全国医学部長・学長アンケート
 今年、6年ぶりに医学部モデル・コア・カリキュラムの改訂作業が始まった(『医学部コアカリキュラムの改訂始まる、6年ぶり』を参照)。医学教育をめぐっては、卒前から卒後まで、連続性のある教育が重要だと長年指摘されているが、文部科学省が主に所管する卒前教育と厚生労働省が主導する臨床研修制度、その後の専門医教育や生涯教育など、実施主体や所管する省庁が異なるため、実施が困難だった。新しいモデル・コア・カリキュラムでは、臨床研修制度との整合性も重視される予定で、そのほか、医学教育の国際化や臨床実習の充実も課題になっている。今後、医学教育で重視すべき要素は何か。医学部長と学長に伺った(アンケートの概要は『低学年クライシス」、6割強が実感◆Vol.1』 を参照)。

Q.  文部科学省では医学教育の「モデル・コア・カリキュラム」の改訂の議論が始まりした。今後の医学教育で重視すべき要素について、お考えをお聞かせください。
 自由回答形式で尋ねたところ、医師国家試験やOSCEなどの試験との整合性の確保や、臨床研修制度、専門医制度との連続性、倫理面での教育やリサーチマインドの涵養など、さまざまな要素が挙げられた。

 一方で、「医学部教育体制をあまり変更すべきでない」(信州大学医学部長 池田修一氏)、「モデル・コア・カリキュラムはあくまでもコア・カリキュラムです。ですから“コア”にすることだけを考えていただければ結構です。大切なのは“コア”以外の教育を各大学でどのように行うのかです。どうか各大学の裁量で教育ができるよう“コア”に徹してください」(福島県立医科大学医学部長 鈴谷達夫氏)など、大幅な変更やがんじがらめの規制を心配する意見もあった。また、匿名で「国際的に見て日本の医療レベルは高い。学部レベルでの教育を充実させることは大切だが、卒業時に早熟な医師を育てるために医療全体の質が下がることになってはもともこもない」という意見も寄せられた。以下、詳細を大学の都道府県順に紹介する。

* 卒前医学教育では、卒後の研修に十分耐え得る知識、技能、態度を修得することが目標であり、いたずらに知識を詰め込む状態への舵きりには不安が残る。卒後の専門医制度が整備されてきており、各学会は専門医研修に必要な知識の水準を公開し「モデル・コア・カリキュラム」との整合性をはかるべきと考える。そうでなくては、卒前医学教育の知識が青天井の状態に戻ることが懸念される。(旭川医科大学学長 吉田晃敏氏)
* 倫理面での教育は、強調すべきでしょう。また、PCC-OSCEの導入が行われるのであれば、具体的な到達目標の明示もされなければなりません。(岩手医科大学医学部長 佐藤洋一氏)
* 医学教育分野別評価基準(日本版)をどのような形でモデル・コア・カリキュラムに組み込むのか注目している。「~について説明できる」から、「~ができる」というアウトカム重視の医学教育に改訂されるだろう。ただし、この基準には、一部我が国の実情に合わないと感じる部分もあり、十分に検討してほしい。(東北医科薬科大学医学部長 福田寛 氏)
* 科学的考察力の涵養と医療に対する高い倫理観。(山形大学医学部長 山下英俊氏)
* モデル・コア・カリキュラムはあくまでもコア・カリキュラムです。ですから“コア”にすることだけを考えていただければ結構です。大切なのは“コア”以外の教育を各大学でどの様に行うのかです。どうか各大学の裁量で教育ができるように“コア”に徹してください。(福島県立医科大学医学部長 鈴谷達夫氏)
* (1)全体のスリム化(あれも、これも盛り込むのではなく、必要最小限の項目を精選する。準備教育の見直し)、(2)医師国家試験出題基準、医師臨床研修到達目標との整合性を取り、卒前卒後の一貫性を確保する、(3)分野別評価基準との整合性も取る。(埼玉医科大学学長・医学部長 別所正美氏)
* "Population healthという視点。行動科学とそれを効果的に用いた予防医学/health promotion。(東京医科歯科大学医学部長 江石義信氏)
* 国家試験出題基準合致することを前提として、疾病の多様化に対応できる能力の要請が重要と考えます。(昭和大学医学部長 久光正氏)
* 医師としてのコンピーテンシーは重要。しかし、一般の医学的知識と医師のコンピーテンシーが医学教育モデル・コア・カリキュラムに混在していることには、学習者としては違和感があると思われる。(東京慈恵会医科大学学長 松藤千弥氏)
* 臨床実習を充実させ、卒後の臨床研修制度との関連性を強化する必要がある。特に地域医療、在宅医療に関係する実習、研修を充実させる必要がある。また、臨床医のみではなく研究マインドを持った人材の育成も必要になってくると思われる。(聖マリアンナ医科大学医学部長 加藤智啓氏)
* OBE、すなわちアウトカムをモデル・コア・カリキュラムにいかに落とし込むかが重要である。基礎強化と臨床教育の統合カリキュラムをモデル・コア・カリキュラムにどのように反映させるかが重要である。(富山大学医学部長 北島勲氏)
* モデル・コア・カリキュラムの求める「統合型」講義科目のため、各講義が、基礎系と臨床系の複数の教員によるオムニバス形式となり、それが学生に「科目」としての統一感を曖昧にさせ、何のための授業なのかという「科目目的」の不明瞭化を招いているように思います。教員側も、数コマのみ担当すれば良いので、断片化した内容しか学生に伝えることができず、理念を持った教育ができない状態にあるように思います。これでは、一人の教員が責任を持って一科目を半年から1年をかけて担当する、かつての系統講義の方が、学生にとっては内容の統一感があり、分かりやすいのではないかと思います。改訂で「統合型」を維持するにしても、担当教員や内容が科目としてバラバラにならないようにすべきであると思います。(福井大学医学部 副学部長(教育担当) 安倍 博氏)
* 医学部教育体制をあまり変更すべきでない。(信州大学医学部長 池田修一氏)
* クリニカル・クラークシップを重視すべき。(岐阜大学医学部長 湊口信也氏)
* 必要な医学知識はうなぎ上りに増え続けているので、ますますコアが重要になるかと思います。各教科間での水平的な繋がりが一層明確になるようなカリキュラム改訂を希望します。(愛知医科大学医学部長 岡田尚志郎氏)
* 高大接続で培ってきた「学力の三要素」をどのように大学で育んでいくかが大切であると思います。初年次教育を見直し、学修時間を増やすためのアクティブ・ラーニングの積極的な導入とともに、「学生研究」のための時間を十分に取り、次世代を担う研究者の養成も重要な事項であると考えます。(大阪医科大学学長 大槻勝紀氏)
* (1)アウトカム基盤型教育の理念を取り入れた改訂を推進する必要がある。国際的に、医学教育において、アウトカム基盤型教育の概念が浸透してきて、教育機関としての社会への説明責任が問われる時代になってきているが、改訂担当者にこの理念を理解している人を増やす必要がある。平成22年度の改訂では、“医師として求められる基本的な資質”の記載が、格段に増えたが、アウトカム基盤型の理念に基づくものではなく、プロフェッショナリズムに関して補足的な改訂をしたにとどまっている。
(2)臨床実習の充実が、国際的にもわが国においても大きな課題となっている。前回の改訂で、DVDやログブックなどを提示して、実際の実習の指導現場でモデル・コア・カリキュラムの内容が推進されることが意図されたが、定着していない。特に、臨床実習の項目の充実が求められる。(近畿大学医学部長 伊木雅之氏)
* 大学の本来の姿は目的意識を持って学ぶことにあります。医学生を低学年から臨床現場、研究現場を体験させ、学習することの意識を高めることが必要です。(大阪市立大学医学部長 大畑建治氏)
* 医師国家試験の実質が現状と変わらない状況では本質的な医学教育の改革は難しい。モデル・コア・カリキュラムについてはまだはっきりした意見はないが、医師国家試験と一体化した改革の議論を望む。(兵庫医科大学学長 野口光一氏)
* 医学教育で重要なことは知識、技術をつめこむことだけではなく、目の前の医学的問題を解決する方法を自ら探し出せる能力を付けることである。医療倫理の問題も医学教育のなかでより重視すべきである。国家試験との関連では、臨床実習での学習をより評価する内容が望ましい。(島根大学医学部長 山口修平氏)
* リサーチマインド、疾病に関する体系的理解、問題発見能力(産業医科大学学長 東敏昭氏)



https://www.m3.com/news/general/438171
心臓病の診療体制強化 厚労省、地方の実情考慮
2016年7月1日 (金) 共同通信社

 日本人の死因の上位を占める脳卒中や心臓病などについて、厚生労働省は30日、都市部と地方で病院数などの医療体制に違いがあることを念頭に、全国の病院や救急搬送に関する体制を強化する方針を決めた。同日設置した専門家検討会で議論を始めた。

 日本人の死因の1位はがん(29%)だが、2位の心臓病(15%)と4位の脳卒中(9%)を合わせるとがんに迫る。脳卒中は要介護となる原因の1位で、医療費への影響も大きい。

 厚労省はがんに対し、高度な医療技術を持つ拠点病院を指定し集約を進めている。一方、心臓病や脳卒中は発症後の迅速な治療が求められ、病院の集約は難しい。

 検討会では、地方は病院や専門の医師が少なく、逆に都市部は病床が満杯で、患者の受け入れに時間がかかるケースが課題に上がった。救急搬送の在り方も検討する。

 遠方にしか病院がない状況や少ない医師などの地域の実情も考慮し、診断を含む初期対応から、外科手術などの高度な専門医療まで、それぞれ役割分担した病院が必要だとした。

 厚労省は10月までに議論をまとめ、2018年度から始まる都道府県の医療計画に反映させる方針だ。


  1. 2016/07/02(土) 05:44:39|
  2. 未分類
  3. | コメント:0

Google Newsでみる医師不足 2016年6月30日

Google Newsでみる医師不足 2016年6月30日
Google (日本語) での検索件数 _ _ _ キーワード 医師不足 過去一か月のニュース  3,870
Google (English) での検索件数 _ _ _ Key word: Doctor shortage, past month 12,900


First 5 in Google in English 

No simple fix for family doctor shortage
News1130‎ - 2016/06/29 (British Columbia, Canada)

VANCOUVER (NEWS 1130) – It has been three years since the provincial government promised a family doctor for every British Columbian, but the “A GP for Me” initiative is still far short of its goal. So why is it still a struggle for so many people to find easy access to primary medical care?
“I don’t think people understand the real complexity of the problem,” says Dr. Terrence Chang, the head of the Vancouver Division of Family Practice, which has contributed to the government initiative.


The Spectator's View: Hamilton's doctor shortage: We need help
Hamilton Spectator‎ - Jun 29, 2016 (Ontario, Canada)

Obviously that isn't keeping pace with the population growth, never mind the increasing needs of an aging community. The fallout from the shortage reaches even further. Families who can't find family doctors are more likely to default to emergency rooms, too often using those expensive and overburdened resources for health care better provided by a doctor or Family Health Team.


Amid doctor shortage, Berkshire health organizations highlight nurse practitioners
Berkshire Eagle (subscription)‎ 06/23/2016 09:25:59 AM EDT (Massachusetts, USA)

Nurse Practitioner Laura Elliott at Community Health Programs in Great Barrington. The organization is expanding efforts to raise awareness of its nurse practitioners as front-line care providers.


Rural doctor shortage spurs states to act
PBS NewsHour‎ - June 10, 2016 at 11:34 AM EDT (USA)

Earlier this month, dignitaries gathered at Arkansas State University in Jonesboro to cut the ribbon on a new medical school, only the second in a state with a dire shortage of doctors. The school will greet an incoming class of 115 students in August, but it will not belong to the state university. The university will work with the private New York Institute of Technology College of Osteopathic Medicine, which will train future doctors in a leased building on campus.


BMA warning over family doctor shortage
BBC News-2016/06/19 (UK)

The vacancy rate shows that there are simply not enough doctors to meet the demands being put upon general practice. "The Scottish government urgently needs to commit to improving recruitment and retention, as well as to increased funding to general practice." Health Secretary Shona Robison said the government was already taking steps to address the shortage of GPs.


(他に10位以内のニュースは、米国・サウスカロライナ州、カナダ(3報)、ヴァージン諸島などからも)


  1. 2016/07/01(金) 06:04:35|
  2. 未分類
  3. | コメント:0

6月30日 

https://news.nifty.com/article/item/neta/dime-267746/
“医師過剰”時代がやってくる?
2016年06月29日 22時53分  @DIME アットダイム

医師10万人以上(国内医師の3人に1人)が参加する医師専用コミュニティサイト「MedPeer(メドピア)」を運営するメドピアは、会員医師を対象に、「医師過剰時代は本当に来るか?」についてのアンケートを実施した。

■7割の医師が「大都市圏のみ医師過剰になる」と回答

「医師過剰時代は本当に来るか?」の質問に対し、4022人の医師が回答した。結果、7割の医師が「大都市圏のみ医師過剰になる」と回答。都市部で働く医師、地方で働く医師、ともに「医師数が増えても、地域での医師の偏在は解消されない」という意見が多く見られた。「全国的に医師過剰になる」と回答したのは13%であった。「人口が減少しているのに医学部の定員が増えている」ことを理由に挙げる声が多く、「特に開業医が過剰となる」という意見もあった。

一方で、「医師過剰にはならない」と回答した医師も15%いた。コメントを見ると、「以前から医師過剰時代が来ると言われていたが、結果過剰にならなかった」、「医師の働き方の変化や離職の増加などで、医師数が増えても過剰にはならない」という声が多かった。「医師不足になる」と回答した医師はわずか2%であり、「医療の高度化と専門分化によって、より多くの人手が必要になる」という意見があった。

■「全国的に医師過剰になる」と回答した人の主な声(514件)

・団塊の世代に合わせて医師を養成しているのだから、団塊の世代がほぼ消滅する2035年以降になれば、当然、医師は過剰になる。これに、ITやロボット技術の進歩を加えれば、相当深刻な医療提供者の過剰時代が来る(60代、消化器内科、兵庫県)
・当院では高齢者の数は頭打ちで減ってきています。団塊の世代が亡くなった後は全国的に医師過剰になるのではないかと危惧しています(50代、アレルギー科、北海道)
・人口減少しているのに医学部を増やしているので当然過剰になり、歯科医師、弁護士と同じ運命をたどる(50代、一般内科、その他)
・始めは大都市が過剰になるが次第に地方に分散することになるだろう。よって、最終的には全国的に過剰になって行くのではないかと考えます(40代、小児科、岩手県)
・病院の数が減り勤務医は減るが、開業医が増えるでしょう。(50代、呼吸器内科、山口県)

■「大都市圏のみ医師過剰になる」回答した人の主な声(2820件)

・北海道在住です。以前、道東の僻地にいた時には医療過疎を切実に感じましたが、5年前に札幌に出てきて今は医師過剰を感じます(50代、腎臓内科・透析、北海道)
・現在も平均すれば、実は過剰なのではと思います。偏在しているだけかと。偏在しているが故に、私の現在いるような田舎では、医師は足りません。大都市でも開業医は、もうとっくに飽和しているかと(50代、精神科、広島県)
・このままの状態で医学部卒が増えるならば増加すると考えられる。しかし、現在のいわゆる僻地へ行く医師数はあまり増えることは期待できないので、都市部に集中することとなると思われる(70代、小児科、北海道)
・私が学生だった時に医師は余っているからいらないと言われましたが、研修制度が変わり、急に医師が足りないと言われだしました。偏在しているのだと思います(30代、精神科、大阪府)
・かなり前から過剰になるといわれているが、地方ではいつまでたっても医師が足りているとは言えない状態が続いている(50代、小児科、群馬県)
・大都市およびある特定の診療科では過剰になるかもしれませんが、少なくとも病理では過疎状態が続くと思います。(50代、病理、神奈川県)
・少なくとも、質を重視した医療現場、医師の負担が重過ぎない労働環境を真面目に考えたら、今の倍いても現場目線ではまだまだ足りないと思っています。ただし、都市部に偏る傾向はあり、実際問題ローカルに医師が余る現象はありえるは思いますが(40代、小児科、埼玉県)

■「医師過剰にはならない」と回答した人の主な声(618件)

・医師も高齢化してリタイアするので、過剰にはならない(60代、一般内科、宮城県)
・30年前、私が大学に入学した時も「医師過剰時代が来る」と学長が予言されていました。人口に対する医師の人数ということであれば、すでに過剰でありこれからますます過剰になるでしょう。でも「仕事ができる」医師の数は常に不足しています。これからも「名目過剰、実質不足」が続くと思います(50 代、脳神経外科、愛知県)
・医療職の待遇は悪化の一途であり、現場のモチベーションは低下しているように感じられ、医師についてもそうそう過剰になるほど定着率が維持されるようには思えない。女性医師の増加とまたその離職の増加も、その表れに思える(50代、一般外科、愛知県)
・医療に対する要望の多様化と、医師自身の仕事に対する価値観の変化から医師の人数のみでは測れない社会的変化が起こりつつあります(50代、一般内科、福井県)
・女性医師の増加とそのサポート体制が十分にならないこと、科毎の偏りを考えると医師過剰にはならないと思います(50代、一般内科、大阪府)
・昭和50年代にも医師過剰と言われたことがありましたが、結果医師不足となりました(40代、脳神経外科、静岡県)

■「医師不足になる」と回答した人の主な声(70件)

・働くドクターとあまり働かないドクターの二極化が進むだけで、医療需要には追いつけず医師不足は加速すると思う(50代、一般内科、福島県)
・女性医師が多くなっていることや、いつまでも働けるわけではない。医学の進歩により専門分化されるため、より多くの人出が必要だと思う。よって過剰どころか医師不足になるのでは?(40代、精神科、山形県)
・アルバイトで生計を立てている医師が増えているので、なかなか難しいでしょう(50代、リウマチ科、滋賀県)
・診療科の細分化で不足すると思います(40代、呼吸器外科、秋田県)

【調査概要】
調査期間:2016/4/18~2016/4/24
有効回答:4022人(回答者はすべて、医師専用コミュニティサイトMedPeerに会員登録をする医師)

文/編集部



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/49095.html
結核の新登録患者数、昨年は医師が増加- 厚労省集計、罹患率16年連続で低下
2016年06月30日 14時00分 キャリアブレイン

 昨年1年間に結核患者として登録された医師の数が、前年より増えたことが厚生労働省の集計結果(概況)で分かった。医師と看護師、保健師を除く「その他の医療従事者」も増加した。29日に開かれた厚生科学審議会結核部会で厚労省が報告した。【新井哉】

 厚労省によると、昨年1年間に新たに登録された結核患者は、前年比1335人減の1万8280人。人口10万人当たりの罹患率は14.4人で、16年連続で低下した。

 医療従事者の新登録結核患者数は、看護師・保健師が前年比30人減の219人、医師が同14人増の61人、その他の医療従事者が同9人増の264人だった。結核患者が減少傾向となっている一方、患者の診療に当たる医師らの罹患を防ぐのが難しい状況が浮き彫りになった。

 結核患者の高齢化も進んでいる。今回の集計結果では、新登録結核患者全体のうち80歳以上が38.3%を占めた。厚労省は「80歳以上については罹患率も高くなっており、70歳代と比較して約2.6倍、60歳代と比較して約5.4倍となっている」と指摘している。

 また、65歳以上と65歳未満の年齢層を比較した場合、65歳以上の罹患率(10万人当たり35.5人)は、65歳未満(同6.6人)の5倍以上となっている。65歳以上の罹患率が高い理由について、厚労省は「かつて結核がまん延していた時期に結核に感染したが発病せず、現在、高齢となって発病した人が多いと考えられる」としている。



https://www.m3.com/news/iryoishin/437822
シリーズ: 降圧剤論文問題と研究不正
「日本社会に心からお詫び」、ノバ社社長
ノバ社・府立医大論文改ざん事件、第31回公判

2016年6月30日 (木) 高橋直純(m3.com編集部)

 ノバルティスファーマ社の降圧剤を巡る京都府立医科大学での医師主導臨床試験の論文データ改ざん事件で、薬事法(現医薬品医療機器法)違反(虚偽広告)に問われた元社員とノバ社に対する第31回公判が、6月29日に東京地裁(辻川靖夫裁判長)で開かれ、被告法人代表としてノバ社日本法人代表取締役社長のダーク・コッシャ氏が出廷、「我々の患者、その家族、医療関係者、研究者、日本社会に心からお詫びしたい」と謝罪した。

 ノバ社取締役で薬事・信頼性保証本部本部長も証人として出廷。社内改革の状況などを説明した。「改ざんについては、会社には一切データがなく、社内調査でも事実関係は分からなかったので裁判に判断をゆだね、結果を待ちたい」と話した。

 前日の第30回公判で辻川裁判長が提案した事務局を務めた男性医師Aに対する再尋問は、白橋被告の弁護人は強硬に反対したが、実施される見通しとなった(『白橋被告と事務局医師、法廷で直接対決へ 』を参照)。辻川裁判長は、提案理由について、「公判前整理手続きで被告人の主張が明確でなく、主張の相違が裁判所の予想を超えていた」と説明した。

 コッシャ氏は、ディオバンに関する5大学での医師主導臨床試験や東京大学医学部附属病院を中心とした慢性骨髄性白血病(CML)治療薬の医師主導臨床研究 「SIGN研究」(2014年4月に中止)の問題が明るみに出た後、2014年4月に日本法人の代表取締役社長に就任した。本事件では、白橋被告のほか、ノバ社が被告となっており、29日の午後の公判で被告法人代表として出廷し、約40分間、通訳を介してノバ社弁護人の質問に答えた。

 白橋被告の関与については「グローバルな経験からすれば、ノバ社の社員は一切関与すべきではなかったと思う。ノバ社は新商品の有効線と安全性の点から医師主導臨床試験を支援している。しかし、データ自体の品質や信頼性が失われるやり方でサポートすることはあってはならない。臨床試験には営業・マーケティング関係の社員は関与すべきでない」。白橋被告に対する監督責任については、「会社としての監督はもっときちんとすべきだった。臨床試験の解析をするに当たって、白橋氏が何か不適切なことをした時にもっと早く検知できるやり方で監督すべきだったと思う」と説明した。

 質問の最後に「我々の患者、その患者、医療関係者、研究者、日本社会に心からお詫びしたい」と謝罪した。

ノバ社「改ざんについては裁判所の判断にゆだねる」

 証人尋問では、ノバ社取締役で薬事・信頼性保証本部本部長が出廷。事件発覚後の社内調査の方法や事件が明るみになった後の改革の状況について説明した(『商業的資金提供ゼロの方針、ノバルティス社』、『研究者にGCP研修要求、臨床研究でノバ社』などを参照)。

 社内調査では、白橋被告には4回の聞き取り調査を行った。改ざんについて、白橋被告は「先生から依頼した内容についてデータをもらって、解析して戻した」と話し、否定したと証言。社内調査の結果、「改ざんについての明確な証拠、(上司が)指示したという証拠はなかった」と述べた。改ざんの有無の認識については、「改ざんについては会社には一切データがなく、社内調査でも事実関係は分からなかったので裁判に判断をゆだね、結果を待ちたい」と話した。

 調査に関連して、社内では60日間でメールがサーバーから消える設定となっている点について、厚生労働省から複数回問い合わせがあったことを明らかにした。

白橋被告、月報でCCB論文の状況を報告

 白橋被告への検察側被告人質問では、Kyoto Heart Study(KHS)のサブ解析として、カルシウム拮抗薬(CCB)の併用効果を調べた、CCB論文の作成時の状況について確認した。事務局の男性医師Aは、2009年に販売開始、2010年から長期処方が認められたノバ社のディオバンとCCBのアムロジピンの配合剤である「エックスフォージ」のプロモーションのために、白橋被告が論文化を求めたと証言している(『KHS主論文、白橋被告が「手法」「結論」「図表」を作成』を参照)。白橋被告は「部署が違うため、(会社が)販売準備をしていたかどうかも分からない。プロモーションのためという考えはなかった。会社からの要請もなかった」と否定した。

 検察官は白橋被告が2009年11月に上司宛てに提出した月報では「サブ解析は6テーマあり、アムロジピンとディオバン併用の解析を優先」という記載があったことを指摘すると、「関連はするだろうけど、意識はしていなかった」と証言が後退した。

 さらに検察官が「同じ月報にエックスフォージに関連した別の仕事の記載がある」と追及。白橋被告は「ディオバンとアムロジピンの併用について研究している(別の)先生に論文化の意思があるかどうか、その成績についての情報をもらい、サポートしようかと考えていた時の月報。この話とKHSのサブ解析は次元が違う。全く意識していないことはないが、プロモーションを目指してやったものではない」と釈明した。

 検察側は白橋被告が解析に使ったとされるデータの存在について確認。KHSに疑義が出た後、2012年11月ごろに第三者機関に再解析を依頼するために作成されたCD-Rに入っていた「Kyoto Heart Study2009-04-01DATEBASE.csv」というファイルが、解析に使ったSTAファイルを変換したものと白橋被告は認めた。提供に際してはプロパティの作成日時などをCD-Rを作成した2012年から2009年4月1日に改ざんしていた。 検察側はこの「csvファイル」では、KHS主論文内の図表と一致するものとしないものがある指摘。その理由を尋ねると「これで作成したと思っていたが、最初のころの別なデータの結果が(論文に)送られていると聞いて、そうなのかと思った」と答えた。

 本件公訴事実の論文の一つである、CAD論文作成過程についても質問。検察側は論文作成に関与した医師がオリジナルデータの提供を求めたが、白橋被告が拒否し、代わりにCADに関する群分けをしたデータを提供したと述べ、そのデータも元データと一致しない点があると指摘した。

男性医師Aの再尋問

 前日の第30回公判で辻川裁判長が提案した事務局を務めた男性医師Aに対する再尋問は、白橋被告弁護人は強硬に反対したが、実施される見通しとなった。白橋被告弁護人は検察側証人である男性医師Aの再尋問は通常の刑事裁判ではなく、被告の防護権を侵害するとして「賛成できない」と主張。検察側は「こちらから再尋問を請求することはないが、我々も予想していなかった話が出てきており、確認できるならしたい」と述べた。

 辻川裁判長は「公判前整理手続きで被告人の主張が明確でなく、主張の相違が裁判所の予想を超えていた」と説明。採否は次回公判で決めるとするが、複数の期日を設定しており、事実上、再尋問が決まった。



https://www.m3.com/news/general/437839
再任訴訟で元教授敗訴 「基準は明らか」富山地裁
2016年6月30日 (木) 共同通信社

 富山大大学院の大熊芳明(おおくま・よしあき)元教授が、論文数が少ないことを理由に再任されなかったのは不当として、富山大に地位確認などを求めた訴訟の判決で、富山地裁は29日、原告の訴えを棄却した。

 広田泰士(ひろた・やすお)裁判長は判決理由で「大学は再任に必要な基準を任期中の論文数と明示していた」と指摘。学内トップクラスの外部費用獲得などの成果が評価されていないとする元教授の主張を「雇い止めは論文数と研究業績を総合的に審査した判断」と退けた。

 判決などによると、元教授は2005年に任期10年で富山医科薬科大薬学部の教授に就任。大学統合を経て、富山大生命科学先端研究センター長などを歴任した。

 富山大では再任に論文20本の実績が必要だが、元教授は任期9年目の13年に13本だったため、再任審査会が約1年後の再審査までに論文数を増やすよう勧告。14年9月までに7本を追加したが、未受理の論文4本があり、雇用が打ち切られた。

 元教授は判決について「驚いている。判決文を精査して控訴するか決めたい」と話した。富山大は「本学の主張が認められた結果と認識している」とのコメントを出した。



https://www.m3.com/news/iryoishin/432277
シリーズ: 今どきの「U35ドクター」2016
医療費増加への対策、「患者負担増」が最多◆Vol.17
救急車の有料化など、フリーアクセス制限も多数

2016年6月30日 (木) 高橋直純(m3.com編集部)

Q 増え続ける医療費に対応するためにどうすれば良いと考えますか【複数選択】
06301.jpg

 高齢化の進展や医療の高度化とともに増え続ける医療費。対応策を複数選択で尋ねたところ、1位が「窓口での患者負担の増加」で58%、2位が「患者の受診行動(フリーアクセス)の制限」が51%で、患者の受診行動の変容を促す施策が上位を占めた。次いで、「ジェネリック医薬品の利用促進」(30%)、「保険の給付範囲の絞り込み」(29%)が続いた。

 「その他」では、「生活保護受給者の医療費の一部自己負担」など、医療給付の在り方を見直すべきという意見が最も多かった。「いたずらな延命をしない意識の周知」「死生観の啓発(食べられない高齢者は、「寿命」とみなすなど)」など、高齢者医療を中心とした死生観の改革が必要という指摘や、「救急車の有料化」といった受診行動の制限を促す提言も多かった。そのほか、「マイナンバーによる患者管理」「混合診療の解禁(医療というより療養の面で)」「製薬会社の一般向けマーケティング戦略の制限(何かあればすぐ病院へ、すぐ薬を、という広告)」「医師への指導(不要な検査を減らす)」などの意見が寄せられた。



https://www.m3.com/news/iryoishin/437601
シリーズ: 真価問われる専門医改革
外科学会、「新専門医は7月末を目途に判断」
準備が整えば新制度、現行制度継続でも「病院群」活用可

2016年6月29日 (水) 橋本佳子(m3.com編集長)

 日本外科学会は6月27日、2017年度からの専門医養成の在り方について、7月末を目途に十分な準備が整った場合は新しいプログラム制を開始する一方、整わなかった場合は、2017年度は現行の外科専門医制度による認定を継続する旨を公表した(資料は、同学会のホームページ)。7月末を目途に判断する方針は、日本内科学会などと同様だ(『内科学会、「新専門医は7月末を目途に判断」』を参照)。ただし、「十分な準備」の具体的要件は示されていない。

 現行の外科専門医制度を継続する場合でも、既に新制度に向けて連携ネットワークを構成された病院群については、この枠組みとし活用することは許容される。

 現行制度の骨格となる、NCDによる診療実績評価、必要となる手術経験数、修練期間などについては、プログラム制による新制度でも変わらないことも説明。「新しい外科専門研修専攻医となる皆様が不利益を被ることのないよう十分に配慮していく」としている。

 外科学会では、日本専門医機構に対し、2016年2月1日の締め切りまでに外科専門研修プログラムとして188プログラムを申請。日本外科学会専門医制度委員会は、プログラムの1次審査を行い、(1)プログラム参加施設が存在せず空白となっている2次医療圏の精査と空白回避、(2)現行制度で指定施設、関連施設となっているが、新制度に参画していない施設への参加希望問い合わせとプログラム参加斡旋、(3)NCD登録数、指導医数に加えて地域性、プログラム規模を考慮した募集定員の適正化、(4)500床以上の大病院だけで構成されたプログラムの是正と地域連携の推進――など、地域医療へ影響、激変を極力回避するための作業を行い、2016年5月には1次審査を終えて、日本専門医機構による2次審査を待つ状況となっていた。

 しかし、地域医療への影響が各方面から出され、日本専門医機構が6月9日に、2017年度からの新専門医制度は各基本診療領域一斉にスタートするのではなく、各学会に委ねる旨を決定したことを受け、協議を重ねた(『新専門医制度、2017年度の全面実施見送りへ』を参照)。



http://resemom.jp/article/2016/06/30/32388.html
S評価は筑波大だけ、未来医療研究人材養成拠点形成事業中間評価教育
2016.6.30 Thu 16:45リセマム

未来医療研究人材養成拠点形成事業の中間評価一覧
06302.jpg

 文部科学省は6月29日、平成25年度に選定された「未来医療研究人材養成拠点形成事業」について、中間評価の結果を公表した。25件の取組みのうち、もっとも高い「S評価」を受けたのは筑波大学のみ。このほか「A評価」が12件、「B評価」が11件、「C評価」が1件だった。

 「未来医療研究人材養成拠点形成事業」は、急速に発展する高齢化等に伴う医療課題の解決に貢献し、国内外の医学・医療の発展を強力に推進するため、新規性・独創性の高い特色ある取組みにチャレンジする大学の事業を支援している。世界の最先端医療の研究・開発等をリードし、将来的にその成果を国内外に普及できる実行力を備えた人材を養成する「テーマA」と、将来の超高齢社会における地域包括ケアシステムに対応できる優れた総合診療医等を養成する「テーマB」があり、事業計画期間はいずれも5年間。

 中間評価では5段階(S~D)で評価し、その評価が平成28年度の補助金額へと反映される。当初目的を上回る効果・成果が期待できる「S評価」では減額なし、当初目的を達成することが可能と判断される「A評価」では平成27年度補助金額から12.0004%減額と、評価が低くなるほど補助金額が減額される。

 テーマA「メディカル・イノベーション推進人材の養成」では「S評価」はなく、千葉大学、金沢大学、東京女子医科大学など4件が「A評価」。東京大学、東京医科歯科大学、大阪大学など6件は「B評価」とされ、補助金額が18.0006%減額(12.0004×1.5%)になる。

 テーマB「リサーチマインドを持った総合診療医の養成」では、筑波大学のみ「S評価」ともっとも高い評価を受けた。次世代の地域医療を担うリーダーの養成に取り組んでおり、受入れ目標数を達成している点、学生レベルからの総合医療医のキャリア形成支援を継続している点などが評価されている。

 このほか、「A評価」は東北大学、三重大学など8件、「B評価」は新潟大学、島根大学など5件。なお、東京大学はテーマBにおいて、目的達成が難しく当初計画の大幅な計画が必要とされる「C評価」を受け、24.0008%の減額(12.0004×2.0%)となった。

 なお、いずれのテーマにおいても、事業停止となる「D評価」を受けた取組みはなかった。文部科学省によると、各取組みにより事業計画や連携大学の有無、地域の実情などが異なるため、中間評価は各取組みの優劣をつけるものではなく、当初計画の進捗状況や事業目標を達成できるか否かを評価したものだという。評価を各大学にフィードバックすることで、今後の事業の推進に役立てていく。
《黄金崎綾乃》



https://www.m3.com/news/iryoishin/437612?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD160630&dcf_doctor=true&mc.l=165193504&eml=3f492a08f1681d66441569ec02c0b51e
日医生涯教育、新専門医制度の公認単位に
第VIII次生涯教育推進委員会の答申公表

2016年6月29日 (水) 橋本佳子(m3.com編集長)

 日本医師会は6月29日の定例記者会見で、第VIII次生涯教育推進委員会の答申を公表した。検討テーマは「日本医師会生涯教育制度の新しい展開と専門医制度」で、日医の生涯教育講習が、新専門医制度における、医療安全や感染対策、医療倫理などの「専門医共通講習」として認められたことなどが説明されている。日医が日本専門医機構に対し、説明と折衝を行い、実現した(資料は、日医のホームページ)。

 2017年度からの開始が予定されていた新専門医制度は、19の基本診療領域の全てで、「専門医共通講習」の取得が求められる。新規取得か更新かを問わない。「必修のもの」が医療安全、感染対策、医療倫理、「望ましいもの」が医療事故・医事法制、医療経済、臨床研究・臨床試験など。最低5単位、最大10単位が必要。これらの内容は、日医生涯教育講習の「基本的医療課題」と称せられてきたもので、単位取得の対象として公認された。e-ラーニングも可能であり、診療業務を離れにくい場合も受講が容易。いずれも1時間の講習が1単位として認定される。

 日医の生涯教育講習は、1987年にスタート。以降、4回にわたり、生涯教育カリキュラムの改訂が行われている。第VIII次生涯教育推進委員会では、直近の「生涯教育カリキュラム2009」の改訂作業を進めた。同カリキュラムは、84のコードから成る。うち1~15が「基本的医療課題」に該当し、「医師のプロフェッショナリズム」「医療倫理・臨床倫理」「医療倫理・研究倫理と生命倫理」「医師―患者関係とコミュニケーション」「心理社会的アプローチ」「医療制度と法律」「医療の質と安全」などの内容だ。

 新専門医制度の単位として公認されるよう準備を進めてきた一方で、新しい専門医の仕組みに利用する講習会でなければ、30分、0.5単位の講習会設定も担保されており、「新しい専門医の仕組みによらない、従来からのプロフェッショナル・オートノミーによる生涯教育・生涯学習も同様に重視されるべきである」と指摘。

 最後に、「日医生涯教育制度は、新しい専門医の仕組みとかかりつけ医機能をサポートし、全ての医師、医師会会員、ひいては国民のために貢献していくことが必要」と結んでいる。


  1. 2016/07/01(金) 05:58:03|
  2. 未分類
  3. | コメント:0
前のページ