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Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

6月28日 

https://www.m3.com/news/iryoishin/437194?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD160628&mc.l=164819168&eml=3f492a08f1681d66441569ec02c0b51e
元東大教授、研究費詐欺で懲役3年の実刑、東京地裁
科研費等2188万円を不正受給、「巧妙な犯行」

2016年6月28日 (火) 橋本佳子(m3.com編集長)

 東京地裁(稗田雅洋裁判長)は6月28日、元東京大学政策ビジョン研究センター教授で、医師の秋山昌範氏が、東大と岡山大学から、合計2188万4400円の研究費を不正受給したとして詐欺罪に問われた裁判で、懲役3年の実刑判決を言い渡した。秋山氏側は、即日保釈申請するとともに、控訴する方針。

 検察は懲役5年を求刑、一方、秋山氏は2015年3月の初公判時から一貫して無罪を主張していた(『「研究費不正、欺罔行為に当たらず」、弁護側最終弁論』、『元東大教授、「重大な詐欺」で懲役5年求刑』を参照)。秋山氏は2013年7月に逮捕され、666日間勾留されていたことから、400日が懲役期間から引かれる。

 東京地裁は、「東大教授の地位にあることなどを利用して、犯行に及んでいる。厚生労働科学研究費補助金(科研費)等の支払いは、研究者が発注業務内容や発注者の選定、発注金額の決定などを適正に行うことを前提としている。しかし、本件の各犯行は、研究者への信頼を逆手に取り、悪用した巧妙な犯行。対象の研究期間が3カ年にわたり、不正受給の金額も多額」などと指摘。秋山氏が実質的に経営していたIT会社である株式会社ARIの代表者であった妻に多額の報酬が支払われ、私的利益のために用いられたことも認められるとした。

 一方で、本件の科研費等は、秋山氏が開発を進めていたエクスカリバーというシステム開発などに充てられ、私的な利益だけでなく、研究の継続という目的もあったと考えられるとしたほか、「研究者としての信頼を失うなど、社会的制裁を既に受けている」と認めた。しかし、最終的には、自己の正当性を主張するばかりで反省の態度が認められないことから、犯罪の悪質性、結果の重大性を踏まえ、「実刑に処する」とした。

 検察は、2009年度の長寿医療研究委託事業の委託費(以下、委託費)と、2009年度から2011年度の科研費について、秋山氏は、パストラルコンピューターシステム株式会社(PCSK)をはじめIT関連の関係会社計6社と共謀して、業務を行った事実はないにもかかわらず、あるように装って内容虚偽の納品書と請求書を発注、東京大学から1894万4400円、岡山大学から294万円、計2188万4400円を不正受給したことが詐欺罪に当たると主張。

 東京地裁の判決は、この主張を全面的に受け入れた内容だ。関係会社の代表者らの証言を「十分に信用できる」とし、一方で、秋山氏の主張は信用できないとした。科研費等を受注した関係会社について、「外形上の受注業者」とみなし、実際の業務は再委託先のARIが実施していたことが詐欺罪に当たるとした。秋山氏は、関係会社は契約業務だけでなく、プロダクトマネジャーとして研究業務等もARIと一緒に行い、報告書を研究の成果物として納品しており、研究実態があると主張していたが、裁判所はその納品物自体、秋山氏が既存の知識や既に入手済みの資料などを基に作成した体裁を整えたものにすぎないとした。

 判決後、主任弁護人の弘中惇一郎氏は、「委託費や科研費であっても、民法上の受託契約である以上、再委託は可能。しかし、これらが公的な研究費であるという理由で、再委託を認めないのは、乱暴な法律理論」と問題視した。

 科研費の公的性格を強調
 委託費と科研費を東大や岡山大から受注していたのは、関係会社6社であり、それを再委託する形で、秋山氏が実質的に経営をしていたARIが報告書作成などの業務を行っていた。

 これらの事実について、検察側は、関係会社について、「いずれも業務を受注して行う意思がなく、実際に業務も行っていない」と指摘。にもかかわらず、秋山氏が、見積書、納品書、契約書などの契約関係の書類のほか、ARIに作成させた報告書を成果物として、両大学に提出させ、各関係会社が、業務を受注して行ったように見せかけ、研究費等を請求していたことが、欺罔行為に当たると主張していた。

 これに対し、弁護側は最終弁論などで、科研費等の受注は、民法上の請負契約であり、下請けを用いることは差し支えないことが原則であると指摘。その上で、法令等において受注名義人と業務担当者の同一性を確保すべき規定がなく、各大学でも同一性を確保する実務が行われていないなどの理由から、「実際に、研究の業務を行うのが誰かという点は、財産的処分行為の判断の基礎となるような重要な事項に当たらない」と主張。「詐欺罪は成立せず、また可罰的違法性もない」と述べ、無罪を主張していた。

 これらの主張に対し、東京地裁判決は、科研費が公的な性格を有すると判断したのが、特徴と言える。科研費等については、経理の透明化が求められるとし、「補助金等にかかる予算の執行の適正化に関する法律」なども引用し、目的外使用、空発注、利益相反取引などの不正経理・不正支出は許されないとした。

 さらに東大、岡山大の経理担当者による、「受注業者が外形上の受注者にすぎず、実際に業務を行った業者とは異なるような場合には、支払いを行うことはできない」などの証言を引用。受注した業務を再委託などをする場合は、研究の納品物などの責任の所在が不明確となる上、中間マージンが発生することから、不必要な再委託等の防止は、公費の適正な支出を確保する上で重要とした。そのため、科研費等の受注先と、実際に業務を実施した主体が誰であるかを確認することは重要であり、それを欺き、ARIの名前を隠し、報告書などを提出してその対価を請求していたことは、詐欺罪における欺罔行為に当たると判断した。



https://www.m3.com/news/iryoishin/436883
シリーズ: 日医代議員会
医師偏在解消、「規制」でなく医師会主導で
第138回日医臨時代議員会、横倉会長

2016年6月28日 (火) 橋本佳子(m3.com編集長)

 日本医師会会長の横倉義武氏は、6月26日の第138回日医臨時代議員会で、医療制度改革の議論で、「医師の偏在解消のために「規制的」な施策が検討されていることについて、「都道府県知事の強権発動ではなく、プロフェッショナルオートノミーに基づくものでなければならない」などと主張し、医師会の組織力を強化した上で、医師会が主導的に医師の偏在解消に取り組んでいく方針を示した(『「医師不足地域の勤務が院長の要件」、日医』などを参照)。

 また横倉氏は、日医が目指す医療提供体制として、かかりつけ医機能を担う地域の中小病院や診療所を中心とした体制を掲げ、その構築に向け、郡市区医師会や都道府県医師会が関わっていく重要性を強調。日医はその制度設計を担当するという役割分担で取り組む。

 医療、介護にわたる各種の制度改革が進む中で、横断的に関係しているのは医師会であるとし、各種改革の整合性が取れるようにするには、「医師会という存在なくしてはあり得ず、医師会が主体的にこの解決を担っていくことが必要」と横倉会長は述べ、医師会の重要性を強調した。

 「日本医師会が描くこれからの医療提供体制の在り方と、都道府県医師会の果たすべき役割について」とのテーマで質問したのは、福岡県代議員の瀬戸裕司氏。瀬戸氏は、「国はまさに管理医療に舵を切った」と指摘。その例として、「骨太の方針2016」(素案)の段階では、「医療従事者の需要見通し、地域傭在対策等について検討を進め、本年内に取りまとめを行う」「特に医師について、地域医療構想などを踏まえ、実効性のある規制的手法も含めた地域偏在。診療科偏在対策を検討する」と記載されたほか、厚生労働省の「医療従事者の需給に関する検討会」の医師需給分科会で、「保険医の定数を地域別、診療科別に規制」といった議論がされている点などを挙げた。さらに各種の制度改革が進む中で、必ずしも地域医療構想との整合性が図られているとは言えない現状も問題視した。

 郡市区、都道府県の医師会、日医で役割分担

 横倉氏はまず日医が目指す医療提供体制として、「住民にとって身近で頼りになる、かかりつけ医機能を担う地域の中小病院や診療所を中心とした、地域の医療連携」を掲げた。その中で、郡市区医師会は、休日夜間の対応や学校医、予防接種といった地域保健活動を支援していくことが求められるとしたほか、各医療機関は、地域医療構想から将来の医療ニーズを把握し、また地域包括ケアシステムにおけるそれぞれの役割を認識して柔軟に機能を選択していくことが大事であるとした。

 その上で、医療提供体制の構築に当たっての各医師会の役割についても説明。各地域のかかりつけ医を中心とした医療提供体制作りは郡市区医師会、都道府県全体を見ながら各地域の実情を医療計画に反映するのが都道府県医師会、各地域から上がってきた問題提起や提案を基に制度設計にかかわると同時に、かかりつけ医機能の研修プログラムの提供など、全国的な役割を担っていくのが、日本医師会という分担になる。

 「横の調整」を医師会に期待

 「医療改革にはさまざまな事項があり、地域医療構想との整合性を図るべきなのに、別個に議論されている」という問題提起については、日医として審議会や検討会に役員を委員として送り込んでいるとし、事前に対応方針を検討し、横倉会長自らが指示を出すなどして対応していると説明。

 病院や診療所、在宅や介護の担い手、さらには大学や研究機関に至るまで、「医療に関わる全てを網羅した組織は医師会以外にはない」とし、「各種の改革の整合性を図るには、医師会という存在なくしてはあり得ず、医師会が主体的にこの解決を担っていくことが必要」と各医師会に働きかけた。

 医師需給分科会、「医師偏在対策が主要課題」

 横倉会長は、医師の偏在問題についても説明。地域医療支援センターは、厚労省の「医療従事者の需給に関する検討会」の医師需給分科会の5月末の中間取りまとめで、2015年12月の日医と全国医学部長病院長会議の緊急提言に基づいて、医師のキャリア形成支援の機能が追加されることになった( 『偏在対策「強力」に、「医師の働き方ビジョン」も策定』を参照)。「新たな専門医の仕組みにおける(関係者の)協議の場も、都道府県単位であり、都道府県医師会も主体的な役割を担うことが重要」(横倉会長)。

 さらに、医師需給分科会など、さまざまな場で指摘されることの多い「医師偏在解消のための規制」についても、「都道府県知事の強権発動ではなく、プロフェッショナルオートノミーに基づくものでなければならない。そのためにも医師会の組織力を強化した上で、医師会のコントロールの下で実施されることが大前提」と説明した。医師需給分科会は、今年末に最終取りまとめを行う予定であり、医師偏在対策が主要課題になるとし、横倉会長は、「医師会がプロフェッショナルオートノミーを発揮して、医療提供体制の構築と、医師偏在の解消ができるように制度設計をし、日医から提案していく」との方針を示した。



https://www.m3.com/news/iryoishin/437145
シリーズ: 降圧剤論文問題と研究不正
「これでは群分けできない」、論文の群分けを否定
ノバ社・府立医大論文改ざん事件、第28-29回公判

2016年6月28日 (火) 高橋直純(m3.com編集部)

 ノバルティスファーマ社の降圧剤を巡る京都府立医科大学での医師主導臨床試験の論文データ改ざん事件で、薬事法(現医薬品医療機器法)違反(虚偽広告)に問われた元社員とノバ社に対する第29回公判が、6月27日に東京地裁(辻川靖夫裁判長)で開かれ、白橋伸雄被告は本件の対象となる、Kyoto Heart Study(KHS)のサブ解析に当たるCCB(カルシウム拮抗薬)論文について、群分けの基準は「(論文中の定義では)群分けはできない。後付けでこういう文言になった」と証言した。検察側は恣意的な群分けによって、CCB投与群でイベント発症数を少なくする意図があったのではと追及。白橋被告は否定した。

「群分けの定義、よく分からない」

 この日の公判でも、検察側が本件対象のCCB論文の作成過程について追及していった。検察側がCCB論文中に記載のある「研究期間中のCCBの使用期間が12カ月を超える場合」を、投与群として群分けをしたのかと確認すると、白橋被告は「そうではないと思う。パターンに分けて推定したが、よく分からない。12カ月はこの研究の最低観察期間で、本当に12カ月でカウントしたかは私は分からない」などと説明。辻川裁判長や検察官が何度も群分けについて質問したが、白橋被告は詳細は記憶にないと繰り返した。

 辻川裁判長が「自身でやったのだから記憶しておいてほしいですが」と呼びかけると、「私の頭が悪いからかもしれませんが、もともと併用薬情報が全くなくムリムリだった上で、ムリムリの群分けで、かなり苦労はしたのだが…」と釈明した。論文記載の定義については「事後に決めたもので、KHSのスタディグループの後付けだと思う。(論文の定義と実際の群分け作業が一致するかは)私には断定できない。これでは群分けはできないと思う」

CCB投与群有利になるように群分け?

 KHSでは症例登録時点の併用薬データがなく、試験期間中の併用薬情報も試験の途中から収集するようにしたため、CCB論文では、論文の基礎となる併用薬情報について、「推定」で作成したと証言されている(『併用薬剤の使用状況は「推定」、KHS』を参照)。検察側がCCB投与群とされた129症例では、登録データ上ではCCB投与について全く記載がなかったと指摘すると、白橋被告は「推定を使っており、当然、そういうことケースもあると思う」と説明。どのように推定したのかについては「より診療に近い形で推定した」。記載がない症例は非投与群にすべきだったのではという指摘には、「(事務局を務めた)男性医師Aは『治療薬なしで治療することはあり得ない』として推定するしかない」となったという。

 さらに、検察側は数値を示しながら「バルサルタン群ではイベントがあるものをCCB投与群から非投与群に移動させたように見える。一方で、非ARB群ではイベントなしの症例をCCB非投与群から投与群に移動させて、CCB投与群を有利にさせたように見える。CCB投与群を有利にするように群分けをいじったことはあるか」と質問。白橋被告は「ありません」。検察側は「では、偶然か」と重ねると、「群分けが寄与しているかどうかは分かりませんとしか答えられない」と述べた。

KHSデータは2012年に消去

 証拠として採用されている各種データは、白橋被告の自宅から押収されたUSBメモリ内の削除されたフォルダを復元して得られたもの。白橋被告はKHSに携わった当時、コンパクトフラッシュを記憶媒体として使っており、「USBメモリは他人のデータのやり取りに使った可能性が高い」としつつ、「何の用途か分からない」と説明した。白橋被告が解析に使ったデータやパソコンは、一連の疑義が指摘され始めた2012年にはKHS事務局の男性医師Aに全てのデータを預けた上で、消去したという。

「解析用データはありました」

 検察側は復元された「event_analyasis.xls」「event_analysis.STA」というデータファイルが、KHS主論文作成時に図表の作成に使われたと主張している。これらのデータと論文中のカプランマイヤー図などと一致しているものもある。検察側はこれらのデータを解析に使ったかと質問すると、白橋被告は「違うと思う」と証言。どのデータで解析をしたのかと問われると「解析用データを使っていたと思っていたが、それ以外は分からない」。解析に使った「統一的なデータ」があったと主張した。

 検察側が統一的データは本当にあるのかと尋ねると、「データがないとおっしゃるのか。データはありました」と反論した。

 検察側は「KHS_DATALAST.xsl」と題するファイルの「EVENT元データ」シートについても質問。2症例を例示し、イベント報告されていない登録症例が「脳卒中」「急性心筋梗塞」となっていた点を尋ねると、「男性医師Aからもらった確定イベントデータにあった記載と置き換えたのだと思う」と説明。Web入力データのイベント報告票と異なる点について疑問を思わなかったかという質問に対しては「あまり考えていなかった」とし、男性医師Aや京都府立医大元教授の松原弘明氏に確認することもなかったという。

 6月27日午前中、および6月9日にあった第28回公判では、第27回に続きノバ社所属の医師への証人尋問が行われ、検察側がノバ社医師が作成した報告書(『検察側指摘以外にも改ざん症例、ノバ社の分析』を参照)について細かく確認していった。



https://www.m3.com/news/iryoishin/432275
シリーズ: 今どきの「U35ドクター」2016
情報収集、「対面」が主流◆Vol.15
SNS活用は56%、仕事での利用は少数派

2016年6月28日 (火) 高橋直純(m3.com編集部)

Q 日常の情報収集、学習手段として、どのようなものがありますか。【3つまで】
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日常の情報収集手段では、「学会、院外の研究会・勉強会」(60%)、「医学ジャーナルや医学書」 (59%)、「同僚との情報交換」(46%)が上位を占め、依然として対面の情報交換が主流だった(上位3つまで選択)。

Q facebookやTwitterなどのSNSを活用していますか。
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 FacebookやTwitterを例示してSNSの利用状況を尋ねたところ、「プライベートのみで活用」と「活用していない」がそれぞれ44%で並んだ。「仕事とプライベートの両方で活用」は10%、「仕事のみで活用」は2%だった。2013年の調査は『「Facebook」「twitter」使ってる?◆Vol.7』』を参照。



https://www.m3.com/news/general/437215
院外処方箋の全面発行中止 - 門前中心分業に「メリット感じず」 関西医大総合医療センター
2016年6月28日 (火) 薬事日報

 関西医科大学総合医療センター(守口市、477床)は5月6日の新本館開院に伴って、院外処方箋の全面発行を中止し、外来患者の調剤を原則院内で行う方針に改めた。患者の費用負担を軽減し、1カ所で薬を受け取れることで利便性を向上させて、病院の全体的な評価を高めることが目的だ。約16年間全面発行を続けてきたが、そのメリットを十分に感じられなかったという。ただ、方針の無理強いはせず、希望する患者らには院外発行を続ける。100%に近かった院外発行率は現在40%台半ばで推移している。

 同センターは建物の老朽化に伴い、隣接する大学施設跡地を活用して新本館を開院すると共に、院外処方箋の全面発行を中止。関西医科大学附属滝井病院という名称も、現在の名称に改めた。本紙の取材に応じた同センター院長の岩坂壽二氏は、院内調剤に戻した理由について「まず、患者さんの費用面の負担を軽減したかった。また、外に行かなくても1カ所で薬をもらえることによって、患者さんの利便性は高まる」と語る。

 院外処方箋の全面発行には「メリットを感じられなかったというのが16年ほどやった上での印象」。国の方針に沿って実施したものの「患者サービスが低下するということになれば、何をしているのか分からない」と話す。全面発行を続けるより院内に戻した方が患者サービスは向上すると見込み、それによって病院の評価を高めたいという。

 2000年の全面発行開始当初は門前に薬局は1軒しかなく、大阪府薬剤師会の協力を得てFAXコーナーを設置。かかりつけ薬局の事前登録を推進し、院外処方箋の7~8割は広域の薬局に分散した。「後になって考えると当時は理想的な分業形態だった」(同センター薬剤部長富田浩氏)

 現在は、京阪電車滝井駅と同センターを結ぶ100mにも満たない道路沿いなどに7軒の薬局が林立している。「昔は花屋もレストランもケーキ屋もあったが、町の景観が変わってしまった」と岩坂氏。「門前の薬局は夜間や休日には店を閉め、日用雑貨などもあまり置いていない。あれだけたくさんある薬局が住民の役に立ってない。何のためにあるのか」と嘆く。門前薬局に対する不満が年々強まっていたという。

外来用に11人雇用‐短期的には支出増に

 こうした背景から同センターは全面発行の中止に踏み切った。処方箋送信専用FAX2台のみを配置し、大阪府薬のFAXコーナーは廃止。病棟業務には引き続き力を入れるため、外来調剤要員として新たに薬剤師を11人増やし40人体制にしたほか、SPDを導入し業務の効率化を図った。調剤エリアを広く設け、必要なシステムを購入。1階の会計窓口近くには、最大で同時に8人の患者に対応できる「お薬渡し窓口」を設置した。

 患者には、院内で薬を渡す方針を周知している。その上で医師は必要に応じて診察時に患者の意向を聞き、電子カルテ上で院内か院外かを選択する。新規患者の初期設定は院内。再診患者では前回の設定が踏襲される。

 院外処方箋の発行枚数は1日約700枚。以前は100%に近かった院外発行率は40%台半ばになった。現状ではまだ全てが院内に切り替わってはいない。患者の希望で院外発行を継続したり、採用薬がない場合には医師が自ら院外を選択したりすることもある。また、新本館開院前から通院する患者では院外発行が標準設定になっており、医師が患者に聞くのを忘れて、そのまま院外が継続される場合もある。

 「院内の比率を急激に伸ばす気はない。じわじわ伸びていけばいい。その方が安いし便利だと思ったら院内にしてもらったらいいし、院外が便利だと思えばそうしてもらったらいい」と岩坂氏は語る。

 院内に切り替えた患者からは、処方オーダ後、最短20~30分で薬を受け取れるため、「会計を終え窓口に来るともう薬ができていると喜んでいただけるケースが少なくない」(富田氏)。入院中の経過を知っている薬剤師が外来移行後に窓口で対応できたことも「よかった」という。

 病院経営面から見ると、院内に50%台半ばしか戻っていない現在は、人件費など支出の増加分が収入の増加分を上回り収益には貢献していない。院内に戻すのは「冒険だしリスクの方が大きい。人件費は増え、場所も必要。外来対応用にシステムも増やした。短期的な収支を考えると従来通り院外発行を続けていた方が安全。だが、それでは1歩伸びた病院にはなれない。ここ数年、病院の黒字化を果たしたからこそ踏み切ることができた」と岩坂氏は話している。



https://www.m3.com/news/general/437255
日本専門医機構、池田康夫理事長が辞任
2016年6月28日 (火) 読売新聞

 来春から始まる予定の新しい専門医制度の運営を担う日本専門医機構の池田康夫理事長が27日、辞任した。

 新理事長は、同日の社員総会で決まった新理事24人の中から、7月4日に開かれる理事会で選ばれる予定。

 専門医は学会ごとに認定してきたが、質のばらつきや乱立が指摘されており、統一して認定するため同機構が発足。養成の中心となる医療機関を治療件数などに基づいて選ぶ方向で準備が進んでいた。

 これに対し、日本医師会や病院団体が、大病院に医師が集中すれば、地域医療の現場が混乱するとして、開始の延期などを求めていた。



https://www.m3.com/news/general/437239
【埼玉】栗橋病院 計画の白紙撤回、久喜市長ら要請行動 県済生会などに
2016年6月28日 (火) 毎日新聞社

栗橋病院:計画の白紙撤回、久喜市長ら要請行動 県済生会などに /埼玉

 済生会栗橋病院(久喜市)が機能の一部を加須市に移す計画を進めていることに対し、久喜市議会が白紙撤回を求める請願と決議を全会一致で採択したことを受け、田中暄二市長と柿沼繁男議長、峯義夫栗橋地区長ら17人が20、21日、済生会本部や同病院などに出向き、議決内容を伝えて計画の白紙撤回を要請した。

 この計画では、3月に加須市長と栗橋病院長との間で覚書が結ばれている。

 久喜市によると、今回の要請に済生会側は「移転計画は本部に上がっていない」「具体的な計画内容は決まってない」と説明。済生会本部の炭谷茂理事長は「(議会の)議決書を重く受け止める」とし、久喜市や住民と協議を重ねる意向を示したという。

 また、県済生会の原澤茂支部長は「この件は県済生会支部の理事会に議案として取り上げておらず、何も決まっていない。(一部移転は)地元の理解を得る必要があり、拙速に進める必要はない」と述べ、県済生会支部会長の上田清司知事は「支部理事会に諮ることなく『覚書』が結ばれており、仕切り直しが必要」としたうえで「地域医療圏での合意を得るべきだ」との考えを示したという。

 要請行動に対応した遠藤康弘・栗橋病院長は「栗橋病院の再整備に関する構想・計画案はまだ作っていない。病院が地域にどうのように貢献できるのか、医療の需給バランス、自治体の政策、地域の要望などを踏まえ、今後考えていく」と答えた。【栗原一郎】



https://www.m3.com/news/iryoishin/437292
シリーズ: 日医代議員会
「医療費抑制ありき、地域差の画一的縮小認めず」
第138回日医臨時代議員会、中川副会長

2016年6月28日 (火) 橋本佳子(m3.com編集長)

 6月26日の第138回日本医師会臨時代議員で、副会長の中川俊男氏は、第1期の医療費適正化計画では、当初の見込みよりも0.2兆円過大に抑制され、その主な要因は診療報酬自体の抑制であると問題視。同時に、医療費適正化計画は、地域住民の健康への意識を高めたりするなどの点では意味があるものの、「医療費抑制ありき」であってはならず、「医療提供体制をゆがめるような目標設定は今後も絶対に認めない」との方針を示した。

 また現在、各都道府県で策定が進む地域医療構想は、医療費の効率化を狙う医療費適正化計画とは、「次元が異なる」と説明。第3期の医療費適正化計画の基本方針策定では、医療費の地域差縮小も検討されているが、「入院、外来ともに医療費の地域差を画一的に縮小することは認めていない」と主張。

 さらに中川副会長は、公的医療保険の持続可能性を高めるため、また地域包括ケアシステムの実現に向け、必要な財源確保に取り組むと同時に、医療制度の改革案を提言していく方針を示した。

 「医療費、0.2兆円過大に抑制」

 医療費適正化計画について質問したのは、兵庫県代議員の空地顕一氏。医療費適正化計画は、2008年度から5年を1期としてスタート。現在は第2期の4年目に当たる。特定健診・特定保健指導、平均在院日数の短縮、後発医薬品の使用促進などを通じて、医療費を抑制するのが狙い。

 空知氏は、第2期の最終年度の2017年度には1兆円以上の抑制が見込まれるとの予測などを挙げ、これまでの影響を踏まえて第3期の計画を立てるべきとし、(1)医療費適正化計画に対する日医の評価、(2)地域医療構想との整合性――を質した上で、「医療費の圧縮ではなく、あるべき医療提供体制などを念頭に置いた独自の対案を提案すべき」とし、日医執行部の考えを求めた。

 中川副会長は、(1)について、特定健診は国民の健康長寿の延伸が目的であり、医療費削減目標にすることは本末転倒であり、平均在院日数については、「患者のQOL向上や退院後の受け皿整備を伴って、自然に収れんしていくべきもの」とし、無理な短縮は限界に達していると問題視。そもそも医療費適正化計画の平均在院日数は、介護療養病床を除く全病床の平均であるため、「平均在院日数の長い医療療養病床や精神病床を削減しようとする意図が見え隠れする」と指摘した。

 第1期医療費適正化計画の効果についても、次のように説明。「適正化による削減を0.9兆円と見込んでいたが、実績は適正化しなかった場合の見込みを1.1兆円下回った。計画当初の2008年度の医療費を34.5兆円と見込んでおり、これが実際には4000億円少なかったことも考慮する必要はあるが、0.2兆円過大に抑制されている。その主な要因は診療報酬自体の抑制であったと認識している」。

 医療費の地域差の画一的縮小は認めず

 (2)については、まず地域医療構想をめぐる議論を説明。「財政当局は、地域医療構想も医療費適正化計画と同様に医療費抑制のツールにしようとしたものの、日医は審議会などでの議論を通じでその思惑を徹底的に排除し、将来の医療需要としての患者数を見据え、不足している医療機能を手当てする仕組みに修正した。そのため医療資源の充実が必要なケースもある」(中川副会長)。日医としては、入院、外来ともに医療費の地域差を画一的に縮小することは認めていないとし、地域差の要因、背景については、地域での丁寧な協議を重ねつつ、地域医師会主導で課題を掘り下げていくプロセスが重要だとした。

 今後の医療提供体制に向けた提案については、「医療費の伸びの機械的な圧縮が、医療提供体制の崩壊につながることは小泉内閣時代に痛切に経験した」とし、「医療・福祉は、成長率や経済波及効果が高く、公共事業に近い水準にある」と説明。「医療・福祉の活力を高めることなくして、一億総活躍、地方創生もあり得ない」と述べ、医療の重要性を強調した。

 その上で、公的医療保険の持続可能性を高めるために、「生涯保健事業の体系化による健康寿命の延伸、糖尿病のハイリスク群への早期介入による透析導入患者の減少、高額な薬剤の薬価算定ルールの見直しなどが急務であり、地域包括ケアシステムを実現するために、かかりつけ医を中心とした切れ目のない医療・介護の提供が不可欠」と指摘。その実現に向け、必要な財源と医療制度改革案の提言に取り組んでいくとした。高額な薬剤の薬価算定ルールについては、本臨時代議員会の別の答弁でも言及している(『高額医薬品の薬価、「中医協の判断機能、飛躍的に強化」』を参照)。

 関連で質問した、愛知県代議員の藤井康彰氏は、「医療は今後需要が増え、成長産業であるという考え方採るべき」と指摘し、国の方針として延ばしていくよう働きかけが必要とした。中川副会長は、「我々の主張と全く同じ。景気の下支えとしては、医療は最大の分野」と答えた。



https://www.m3.com/news/iryoishin/436928
シリーズ: 真価問われる専門医改革
日本麻酔科学会、2017年度は現行の専門医制継続
理事長名の声明、プログラムは新制度用を応用

2016年6月27日 (月) 橋本佳子(m3.com編集長)

 日本麻酔科学会は6月27日、2017年度も、2015年度から実施している現在の専門医制度を実施するという、理事長の外須美夫氏の声明を公表した(資料は、同学会のホームページ)。研修に当たっては、2017年度開始予定だった日本専門医機構による新専門医制度に向けて準備を進めてきた、「専門研修プログラム」として1次審査に提出したものを応用、専攻医の募集は同機構のWebサイトを用いず、従来通り各プログラムごとに行い、その名簿を各学会に報告する。

 2017年度から開始予定だった新専門医制度は、全面実施が見送られ、対応は各学会に判断が委ねられていた(『新専門医制度、2017年度の全面実施見送りへ』を参照)。

 日本麻酔科学会は、1999年に認定制度の改訂を行い、2011年の公益社団法人化を機に専門医制度の見直しを進め、2015年度からは、18の基本領域の一つとして「専門医制度整備指針」を参考に見直しを行った専門医制度を実施している。なお、日本専門医機構は6月27日に新理事が決定する予定で、同学会では「2018年度以降の制度設計に対する抜本的見直しや、これまで準備したプラットフォームの変更もあり得る状況」と留保している。

【日本麻酔科学会の2017年度の専門医制度への対応方針】
1.2015年4月から開始している本学会の現専門医制度を2017年度以降も引き継ぐ。
2.専門研修プログラムは1次審査に提出したプログラムを応用する。
3.専攻医登録は専門医機構のWebサイトを利用せず、従来通り各プログラムごとに専攻医募集を行い、名簿を本学会へ報告する。※日程の詳細は学会HPで公開する。
4.地域医療への影響を考慮して専門研修プログラムの定員枠や施設要件および専門研修指導医要件は柔軟に運用する。
5.大学病院や基幹病院だけではなく地域の中小規模の研修連携施設においても一定の研修が実施され、麻酔医療の量的質的偏在が少しでも解消されるように努める。
6.麻酔科専門医更新については、2018年度までは現制度での更新とし、2019年度から順次日本専門医機構更新基準で行うという計画に現時点で変更はない。
7.専門医更新のための講習、実績等についてはすでに取得した単位は維持され、今後の講習計画等も継続して行う。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/49082.html
日病会長、専門委機構の新執行部に期待感- 四病協の各団体が機構の社員に
2016年06月28日 21時00分 キャリアブレイン

 日本病院会(日病)の堺常雄会長は28日の定例記者会見で、来月始動する「日本専門医機構」(機構)の新執行部に対して、これまでの取り組みを踏まえて活動すれば、新専門医制度をめぐる混乱を収束させることができると期待感を示した。【佐藤貴彦】

 新専門医制度は、中立的な第三者機関がすべての診療領域の専門医を認定するもので、学会がそれぞれ専門医を認定する従来の仕組みと比べ、専門医の質の高さが保証されるなどと期待されている。

 機構は新制度の第三者機関として、内科や外科などの基本領域の専門医の養成を来年度から始める方向で準備を進めてきたが、医療界から医師の地域偏在を悪化させるといった懸念が相次いで示されたことから、再検討が求められている。

 こうした中で機構の理事の任期が27日で満了になり、同日の機構の社員総会で、次の理事候補者24人が了承された。新執行部による理事会は来月4日に開かれる予定で、今後の動向が注目を集めている。

 28日の会見で堺会長は、新執行部がこれまでに浮上した問題に優先順位を付け、解決に向けて取り組めば「ある程度の道筋はできる」との認識を表明。また、新制度の関係者として、学会や厚生労働省、各都道府県に設置された専門医養成に関する協議会などを挙げ、混乱の収束を目指して機構が関係者を主導する役割を果たしていくべきだと指摘した。

 さらに、各地の医療機関が、新制度に対応した専門医の養成プログラムを既に用意していることから、そうしたプログラムをチェックする部署を機構の内部に設けるなどして関係者の意見の一致に向けた調整を行えば、一部の領域で来年度から新制度を開始できるとの考えも示した。

 また堺会長は、機構の問題点として、意思決定プロセスなどの見えにくさを挙げる声があると指摘。新執行部に対して「透明性を担保していただきたい」と注文を付けた。財政基盤が弱いとの指摘もあるとし、解決策の一つとして、社員の増加による会費収入アップを挙げた。その上で、現在は「四病院団体協議会」を構成する4つの病院団体のうち、日病の堺会長のみが社員になっているが、それ以外の3団体も「社員になろうではないかということを考えている」と述べた。

■副会長に宮崎・前常任理事が就任

 また堺会長は、常任理事だった宮崎瑞穂・前橋赤十字病院名誉院長が、22日の理事会で日病の副会長に選任されたことを明らかにした。全国公私病院連盟の会長に就任して日病の副会長職を退いた今泉暢登志・福岡赤十字病院名誉院長の後任で、任期は来年5月に予定される定期社員総会まで。



http://www.medwatch.jp/?p=9437
新専門医制度、日本専門医機構の新体制下での諸課題解決に期待―日病・堺会長
2016年6月28日|医療・介護行政をウォッチ

 7月頭に日本専門医機構の新執行部(理事長、副理事長)が固まる。そこでガバナンスの問題や意思決定プロセスの透明化、事務局の体制整備、養成プログラムのチェックなどといった諸課題を解決していくことで、新専門医制度の道筋が見えてくるのではない―。

 混迷している新専門医制度について、日本病院会の堺常雄会長は28日の定例記者会見でこのように見通しました。

ここがポイント!
1 事務局体制を強化し、日本専門医機構の意思決定プロセスの「見える化」が重要
2 専門医の定員、「厚労省が上から定める」のでは現場の納得が得られない可能性も
 事務局体制を強化し、日本専門医機構の意思決定プロセスの「見える化」が重要

 新専門医制度は、第三者機関(日本専門医機構)が「専門医養成プログラムの認証」と「専門医の認定」を統一的な基準で行うことで、より質の高い医療提供体制の構築を目指す仕組みです。

 来年(2017年)4月から新専門医の養成がスタートする予定ですが、「専門医の養成プログラムのハードルが厳しく、研修施設は大学病院などに偏っており、地域・診療科における医師偏在を助長してしまう」「専門医の認定や養成プログラムの認証を行う日本専門医機構には、ガバナンスなどさまざまな点で問題が多い」との強い指摘があり、混迷しています(関連記事はこちらとこちら)。

 そうした中で、日本専門医機構は7月頭に新理事長・副理事長を選任し、新体制を整えます。この点について堺会長は、新体制の下で現在指摘されている日本専門医機構の課題(ガバナンスに問題がある、意思決定プロセスが見えにくい、事務局の体制が弱い、など)に優先順位をつけた上で対処することで、新専門医制度に「ある程度の道筋ができると思う」と見通しました。堺会長は、そのために「意思決定の見える化」「事務局体制の整備」を早急に行う必要があるとも強調しています。

 また、堺会長は新専門医をとりまくステークホルダーとして(1)日本専門医機構(2)学会(3)厚生労働省(4)専門医のあり方等に関する専門委員会(社会保障審議会医療部会の下部組織)(5)都道府県に設置されている協議会―の5者がいると指摘。その上で、「日本専門医機構がステークホルダーとのコンセンサスを得ながら、主導的役割を果たして、養成プログラムのチェックなどを進められれば、総合診療専門医を除く18の基本領域すべてで新専門医の養成をストップし、従来の専門医制度を継続する、ということにはならないのではないか」との見解も示しています。

専門医の定員、「厚労省が上から定める」のでは現場の納得が得られない可能性も

 ところで、日本病院会も加盟する四病院団体協議会と日本医師会は7日に、連名で▽地域医療、公衆衛生、地方自治、患者・国民の代表による幅広い視点も大幅に加えた『検討の場』を設けて、その検討結果を尊重する▽『検討の場』において医師偏在が深刻化しないか集中的に精査し、懸念が残るプログラムについては2017年度からの開始を延期し、現行の学会専門医の仕組みを維持する―ことなどを柱とする提言を日本専門医機構に行っています。

 この提言を重視すれば、検討の場の議論で(A)懸念が生じない領域は2017年度から新制度(B)懸念が残る領域は2017年度も現行制度―で専門医の養成を行うことになります。

 この点について堺会長は、「来年(2017年)4月から新制度での養成を開始するところから逆算すると、少なくとも7月いっぱいには『検討の場』を立ち上げる必要がある」と述べるにとどめています。

 『検討の場』では、各養成プログラムに「地域偏在が生じないか」「研修施設の偏りはないか」などを精査することになります。この点、「すでに養成プログラムの多くは日本専門医機構に提出されているため、精査にはそれほど時間はかからないのではないか」との見方もありますが、一方で「都道府県に設置される協議会での検証も必要であろうから、それを待つことになると一定の時間が必要になるのではないか」と見る向きもあります。日本専門医機構の新執行部の判断に注目が集まります。

 また、専門医のあり方等に関する専門委員会では、「地域別・診療領域別の専攻医定員」を設けてはどうかとの議論もなされています。この点について堺会長は、「定員枠の設定は、厚労省が上から決めるのでは、医療現場の納得が得られないであろう」と見通し、プロフェッショナル・オートノミーを重視(もちろん国の関与とのバランスもとって)することの重要性を指摘しています。

 またなお堺会長は、23日・24日の両日に盛岡市で開催された日本病院学会(関連記事はこちら)での新専門医制度をめぐるシンポジウンムの議論も総括し、「専攻医の身分保障」「指導医をはじめとする現場へのインセンティブ」「指導医側の準備(初期臨床研修では病院団体などが指導医研修を実施)」といった点も、今後の課題になると紹介しました。


 なお今泉暢登志副会長が、全国公私病院連盟の会長に就任することに伴い、日本病院会の副会長職を退任。新たに前橋赤十字病院の宮崎瑞穂名誉院長が、副会長職に就任しています。



http://mainichi.jp/articles/20160628/ddn/012/040/048000c
子宮頸がんワクチン
研究不正疑いで信州大が調査委

毎日新聞2016年6月28日 大阪朝刊

 子宮頸(けい)がんワクチン接種後の健康被害を訴える女性らを診療している、厚生労働省研究班代表の池田修一・信州大教授(脳神経内科)が、3月に発表した研究内容について、不正を疑う通報があり、同大は27日、学内規定に基づく調査委員会を設置する方針を決めた。

 池田教授らの研究班は、免疫機能が自分の体を攻撃する「自己免疫疾患」を起こしやすいよう遺伝子操作を行ったマウスに、子宮頸がんワクチンと他のワクチンを打ち、反応を調べた。
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 発表では、子宮頸がんワクチンを打ったマウスの脳組織にのみ、自分の体を攻撃してしまう抗体が沈着していたと説明した。しかし、外部の医療関係者らから詳しい実験データの開示を求める声や、実験自体への疑義が上がっていた。

 調査委はまず、予備調査を実施し、必要に応じて、過半数を外部有識者で構成する組織で本調査を行う方針という。池田教授は現在、副学長、医学部長を務めている。【中村好見】



http://mainichi.jp/articles/20160629/k00/00m/040/083000c
6年3カ月間で228件 死亡例20件
毎日新聞2016年6月28日 21時13分(最終更新 6月28日 22時15分)

 国内で起きた医療事故情報を収集する公益財団法人・日本医療機能評価機構(東京都)は28日、抗がん剤に関する事故が6年3カ月間で228件に上ったとの調査結果を公表した。平均すると1カ月に3件程度になる。患者の死亡例は20件、障害の残る可能性の高い例は26件で、全体の2割が重大な事故だった。抗がん剤はがんの有効な治療法だが、使い方を誤った時のリスクは高く、同機構は医療関係者らは注意を呼びかけている。

 調査は2010年から現在の方法で統計を取り始め、今年3月までの6年3カ月間の結果をまとめた。

 最も多かったのは「血管外への漏れ」(68件)で、副作用など患者の容体悪化53件 ▽過剰投与34件 ▽投与日・日数間違い11件 ▽薬の種類の間違い10件 ▽患者の間違い6件−−などと続く。

 半数以上の128件は看護師などの投与に伴うミスだったが、医師の処方の誤りも41件あった。個別のケースでは、薬剤師が暗算したことによる薬の濃度の間違いや、治療計画作成時の薬剤師の数値入力ミスなどが起きていた。【野田武】


  1. 2016/06/29(水) 05:28:06|
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6月26日 

http://www.asahi.com/articles/ASJ6T5DBLJ6TUTFK008.html
日本医師会長に横倉氏が3選 選挙戦制す 前回は無投票
2016年6月25日18時42分 朝日新聞

 任期満了に伴う日本医師会(日医)の会長選が25日にあり、現職の横倉義武氏(71)が日医常任理事の石井正三氏(65)を破り、3選を果たした。任期は2年間。横倉氏は記者会見で「健康寿命を延ばし、医薬品はコストを考えて効率性のある医療提供を考えていく必要がある」と語った。

 横倉氏は福岡市出身。2012年に自民党とのパイプを強調して旧民主党と近い前会長を破って初当選した。前回14年の会長選は無投票。今回は横倉氏が317票、石井氏が41票だった。



https://www.m3.com/news/iryoishin/436483?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD160625&dcf_doctor=true&mc.l=164438762
シリーズ: 日医代議員会
横倉日医会長、大差で当選、3期目始動
「難しい環境下こそ一致団結を」、副会長は現職3人

2016年6月25日 (土) 橋本佳子(m3.com編集長)

 日本医師会定例代議員会で任期満了に伴う役員選挙が6月25日に行われ、現職会長の横倉義武氏は、有効投票数363票のうち、317票を獲得して、3期目の当選を果たした。前期で日医常任理事を務めた石井正三氏は41票で、大差で敗れた。白票5票、無効票はなかった。横倉氏は71歳、2012年から日医会長を務める。

 副会長3人、常任理事10人、理事15人、監事3人、裁定委員11人は定数通りの立候補者しかおらず、信任を得た。いずれも任期は同日から、2018年6月に開催予定の定例代議員会までの2年。

 副会長の3人は現職で、中川俊男氏、今村聡氏、松原謙二氏。常任理事は7人が現職で、3人が新人(『日医役員選挙、会長選は横倉氏と石井氏の一騎打ち』を参照)。いずれも横倉氏がキャビネットとして挙げていたメンバーだ(『「全医師が結集する組織に」、横倉日医会長が3期目目指す』を参照)。

 横倉氏は、「大変難しい医療環境の中での日本医師会の執行であり、全員が一致団結して、しっかりと対応していくことで、国民の皆様に適切な医療を提供できる環境作りにまい進していく」と決意を新たにした。

 役員選挙後の記者会見では、前日24日にイギリスが国民投票でEU離脱を決めたことに触れ、「状況が昨日から変わってきている」との認識を示し、「経済や社会が混乱している時こそ、セーフティーネットとしての社会保障、特に必要な時に安心して医療を受けられるという国民皆保険をしっかりと堅持していかなければいけない」と気を引き締めた。「財源をどう手当てできるかだが、この参院選をしっかり戦って、国民が医療を重要視していることを政府に知ってもらう。それを力にして対応していきたい」と述べ、7月10日に投開票される参院選の重要性を強調した。

 今回の会長選は、横倉会長と石井氏の一騎打ちだった。石井氏が41票を獲得したことについては、選挙後の記者会見で、「真摯に受け止めなければいけない批判票」と捉え、その認識を踏まえながら、今後の会務を遂行していくと答えた。

 「医療再興に向けた新たな一歩」

 横倉会長および3人の副会長は、役員選挙後、記者会見を開き、最初にあいさつした横倉会長は、まずこれまでの会長職としての仕事を振り返った。「『継続と改革』『地域から国へ』というスローガンを掲げて、会長に就任してから、4年が過ぎた。この間、さまざまな社会の変化を実感しながら、また多くの会員の支援を受けながら、会務にまい進してきた。国民の医療の安全に資する政策か、公的な皆保険を堅持できるか、という二つの判断基準を基に、政府から示される政策について、是々非々で対応してきた。国民とともに歩む専門家集団として、常に高い見識を持って会務に当たってきた」。

 今後直面する政策課題の一つとして、地域包括ケアや地域医療構想を挙げ、「地域の住民に必要な医療や介護をどのように提供するかという観点が大事。地域医療構想が病床削減や医療費抑制の手段に用いられることがあってはならない」と釘を刺した。さらに地域のかかりつけ医を中心とした医療提供体制の構築が重要であるとし、「その体制作りを担うのが医師会の役割。時代の趨勢に合わせたその時々に必要なエビデンスやアイデアは、全て医療現場にある。だからこそ、医師会が先頭に立って持続可能な社会保障制度を確立していくことが重要」(横倉会長)。

 さらに「私は変わらず持ち続けている夢がある」と横倉会長は続けた。「夢」とは、「国民の健康寿命を世界トップレベルにまで押し上げてきた日本の医療システムを、世界が経験したことがない高齢社会を安心へと導くモデルとし、世界に発信していくことで、世界の人々の幸福の実現に貢献したい」ということだ。

 横倉会長は、今回の会長選挙に立候補するに当たって、(1)“かかりつけ医”を中心としたまちづくり、(2)人材育成の視点にたった人づくり、(3)医療政策をリードし続ける組織作り――という基本方針を掲げ、「アクション」「バランス」「チャレンジ」という三つの基本姿勢で臨むと表明。これらをベースに「医療再興に向けた新たな一歩を踏み出したい」と述べ、あいさつを終えた。

 記者会見では3人の副会長も、それぞれ決意を新たにした。

◆日医副会長:中川俊男氏
 私は特に、消費税率の引き上げが延期された中で、一定の必要な財源を確保することが日本医師会の使命だと思っている。一つの大きな柱は、税率8%の満年度の消費増税財源の使い方に関して、(社会保障と税の)一体改革のルールをしっかり守ること。「1対4」に分けて、(社会保障の)充実分と維持分に分けた時の使い方が、当初のルールとは少し違うのではないかという点も質しながら、しっかりと次の同時改定に向けた財源確保をやってきたい。もちろん、「薬価改定の財源は診療報酬本体に充てるという旗は降ろすべきではない」と継続して主張していく。

◆日医副会長:今村聡氏
 まずは直近に控えている参院選では、自見はなこ候補の当選に向かって全力を尽くしたい。具体的な担当については、会長の指示の下に、全てに努力していくが、従来、税制については担当してきたので、消費税をはじめとした税制の課題に取り組む。日本医師会の組織強化、さらに会長から話があったように、健康寿命の延伸ということで、生涯保健事業に尽力していきたい。

◆日医副会長:松原謙二氏
 横倉先生の指導の下、全ての医師が一丸となって、誰もが十分によい医療を受けられる国民皆保険制度を守っていきたい。さらに地域の医療を充実させ、国民の皆さんが幸福に暮らせるように、また健康を保つように、医師会として努力していきたい。



http://ibarakinews.jp/news/newsdetail.php?f_jun=14667683630519
中核病院整備部を設置 筑西市、道の駅整備課も
2016年6月25日(土) 茨城新聞

筑西市議会は定例会最終日の24日、市が追加提案した市行政組織条例の一部改正案を全会一致で可決した。市は企画部の中核病院建設推進課を中核病院整備部に、道の駅推進室を企画部から土木部に移管した上で道の駅整備課に、それぞれ昇格させる。施行は7月1日。

市総務部によると、中核病院整備部には中核病院整備課を設け、7人の職員を配置。病院施設や駐車場整備といったハード面担当の建設グループと、医師確保や運営主体となる独立行政法人立ち上げなどソフト面を担当する業務グループに分ける。道の駅整備課は担当職員3人を配置する。

筑西・桜川両市が進める新中核病院建設計画は、これまでに整備の指針となる基本構想や基本計画が策定され、5月に施工予定業者が決定している。市は計画段階から建設段階に移行するに当たり、2018年10月の開院に向けて時間的な制約がある中で、整備部門を独立させて、計画推進のスピードを上げる必要があると判断した。

20年度開業を目指して進めている道の駅建設計画は、3月末までに基本構想・基本計画を策定。設置場所を国道50号の川澄南交差点南西側とし、延べ床面積は2820平方メートル、敷地内に収穫体験ができる農園を設置することなどを盛り込んでいる。

本年度は施設の基本設計を策定する予定で、土木部へ移管することで、国交省などの道路行政との一層の連携強化を図って業務を推進する。   (溝口正則)



http://mainichi.jp/articles/20160625/ddl/k02/100/053000c
弘前大
元教授、論文撤回 データ疑義 佐藤学長が共著者 /青森

毎日新聞2016年6月25日 地方版

 弘前大の佐藤敬学長(66)が米医師会雑誌などに共著者として発表した英文論文3編がデータの妥当性への疑義などから撤回されたことが24日までに分かった。佐藤学長は毎日新聞の取材に、「筆頭著者の依頼で英文の書き直しに協力したが、オーサーシップ(論文著者資格)の観点から共著者に加わるべきでなく、責任を感じている」と語った。

 佐藤学長によると、3論文は「高齢者の骨粗しょう症に対する葉酸の効用」などの内容で2005年に発表された。筆頭著者は同大で佐藤学長の2年後輩の研究者で、00年11月〜03年3月に同僚教授だった。同大退職後、福岡県の病院に移り、副院長時代に論文を作成した。

 論文には、佐藤学長がデータ収集や解析を担当したと記載されていたが、実際に行ったのは英文の校閲などだったという。同誌は今年5月19日、「データの妥当性に疑念があり、オーサーシップも不適切」としてホームページで懸念を表明。その後、同誌から「筆頭著者が論文を取り下げると言っている。同意するか」と佐藤学長に問い合わせがあり、同意した。3論文は6月3日、撤回された。

 佐藤学長は「英文校閲もそれなりの作業量だったが、全体ではせいぜい10%程度の関与。オーサーシップから言えば名を連ねるべきでなかった。当時は迷いながらも共著者の表記に同意した」と苦い表情を浮かべた。佐藤学長はこれまで百数十本の英文論文を発表したが、撤回は初めてという。

 オーサーシップを巡っては、STAP細胞問題で小保方晴子・元理化学研究所研究員が学位論文を取り消されるなどして社会的関心を集め、文部科学省が14年8月、研究不正に関するガイドラインを発表した。佐藤学長は「ガイドラインは、『著者が論文の全てに関わっていないと著者表記はダメ』と、オーサーシップのあり方を明確にしており、本学では研究不正への対応を直ちに徹底してきた」と力説する。

 一方、今回の問題で同大研究推進部は佐藤学長から聞き取りをしたが、「ガイドラインに基づいた書面での告発が行われていない」などとして調査をしない方針だ。佐藤学長は「自分として(この問題への)対応は時間をもらい、冷静なタイミングで考えてみたい」と締めくくった。【松山彦蔵】



http://mainichi.jp/articles/20160625/k00/00m/040/159000c
日本医学会
「奇形」の言い換え検討 「形態異常」が有力

毎日新聞2016年6月25日 08時00分(最終更新 6月25日 12時16分)

 医療現場で使われてきた「奇形」という医学用語について、日本医学会(高久史麿会長)が言い換えの検討を始めることが分かった。日本小児科学会の用語委員会が患者・家族の尊厳を傷つける恐れがある言葉として同学会に見直しを提案した。言い換え候補には「形態異常(異状)」が挙がっている。日本医学会は今年度内の決定を目指すという。

 日本小児科学会の用語委員会委員長を務める森内浩幸・長崎大教授によると、「奇形」という用語は、基礎医学分野でヒトの初期発生段階での形態異常を起こす病気を指す。小児科や形成外科の医療現場では病名として使われ、患者や家族が「心情を傷つける表現だ」と見直しを求めていた。「先天性心奇形」を「先天性心疾患」とする言い換えが実現した症例もある。

 一方、言い換えの候補となっている「形態異常」は、「奇形」だけではなく「変形」「変成」「欠損」など他の概念も含む表現として医学界で使われており、「正確性に欠ける」との批判もある。そもそも「言い換えただけでは差別は解消しない」という意見も出ている。

 今後、日本小児科学会が関係学会とともに日本医学会へ変更を求め、今年12月に開く日本医学会の用語管理委員会での議論を経て、日本医学会として今年度内の決定を目指す。森内教授は「患者の心情に配慮して表現を変えた『認知症』や『統合失調症』のように、医学的な正確性も担保できる表現に改めたい」と話す。【高野聡】



https://www.m3.com/news/iryoishin/436270
シリーズ: 真価問われる専門医改革
新専門医制度、「新しい判断も大事」との意見も
日本病院学会、「専門医制度が目指す方向」テーマにシンポ

2016年6月24日 (金) 橋本佳子(m3.com編集長)

 盛岡市で開催された第66回日本病院学会で6月24日、シンポジウム「専門医制度が目指す方向」が企画され、座長を務めた日病常任理事の中佳一氏が、「日本専門医機構では新たな役員が選出され、新たな出発をしようとしている。大きな転換点の中で開かれるシンポジウム」とあいさつ。

 いまだ2017年度からの専門医制度の先行きが不透明な中で開かれた本シンポジウム。「一度立ち止まって」「準備ができたところから新制度に移行」などのほか、「新しい判断も大事」との発言も出るなど、立場や見方によって、新専門医制度の是非や今後の方向性などに相違があることが浮き彫りになった。ただし、ある程度、意見が一致した点もある。それは、総合診療専門医の養成は早く進めるべきとの方針だ。

 「もし非常に無理があれば、立ち止まって延期することも止むを得ないと思うが、私自身は成熟した議論ができれば、実施できると信じている」。こう述べたのは、日本専門医機構理事長の池田康夫氏。地域医療への影響などさまざまな問題が指摘されている新専門医制度について、議論の必要性は認めたものの、準備ができた基本診療領域から新専門医制度に移行するよう期待を込めた。

 一方で、座長の中氏は、四病院団体協議会と日本医師会が、6月7日に記者会見を開き、日本専門医機構と18の基本診療領域の学会に対し、「地域医療の崩壊を防ぐことを最優先し、一度立ち止まり、専門医を目指す医師の意見を聞く」などを求めた懸念を表明したことを説明、「『一度立ち止まって』という言葉は、医療界における流行語大賞の一つになるかもしれない」とコメント(『「学会専門医の維持を」、日医・四病協緊急会見』を参照)。

 NPO法人卒後臨床研修評価機構専務理事の岩崎栄氏も、「プロフェッショナルオートノミーは、プロフェッショナルフリーダムではない」と釘を刺し、専門医養成に当たって学会主導を排除する日本専門医機構の枠組みは評価したものの、患者・国民や医療者への情報伝達、説明が不十分だったと指摘。「準備不足であり、少し時間をかけて、議論を巻き返すのではなく、議論を新たに展開していく必要があるのではないか」とし、「新しい制度であるので、やはり一斉スタートがいい。その意味からすると、延期もやむを得ないと思っている」との見解を述べた。

 「総合診療専門医の意義」をテーマに講演したのは、独立行政法人労働者健康安全機構理事長の有賀徹氏。日本専門医機構副理事長として総合診療専門医の検討に関わってきた立場も踏まえ、高齢社会を迎え、総合診療専門医に対するニーズが高まっているとし、「多少のぎくしゃくがあったとしても、来年の春くらいからは始めたい」と述べた。池田氏も、「地域医療を担当する医師の養成が狙い。地域医療の問題が議論された今だからこそ、ぜひ4月から総合診療専門医の養成を始めてもらいたい」と述べた。

 フロアから発言した全国自治体病院協議会会長の邊見公雄氏も、「立ち止まって考えることは大事」としつつ、「総合診療専門医の問題は、多少切り分けて、できるだけ早くやってもらいたい」とコメント。さらに、安倍晋三首相が消費増税延期を表明した6月1日の記者会見における「新しい判断」との言葉を引用し、邊見氏は「それと同様に、『新しい判断』も大事かもしれない」と述べると、会場から拍手が起こった。

 そのほかフロアからは、患者・国民、専攻医だけでなく、指導医も専門医制度のステークホルダーであるという意見が上がり、「現場の指導医は、専門医制度について全然理解していない。指導医にもっと情報を与えてもらいたい」と求めた。また、「現状のまま学会主導の専門医を養成していく限り、診療科偏在は解消しない」とし、臨床を目指す全ての医師が基本診療領域の専門医取得を目指す枠組みであれば、一般社団法人である今の日本専門医機構では難しく、国の関与の必要性を指摘する意見も出た。

 2017年度から開始予定だった新専門医制度について、地域医療への影響を懸念する声が特に強くなってきたのは、昨年の後半から。問題提起してきた一人が、シンポジウムで指定発言した、日本病院会副会長の末永裕之氏(『新専門医制度、「大学医局」復権の懸念 - 末永裕之・日病副会長に聞く』を参照)。末永氏は、医師の地域や診療科の偏在が懸念される問題以外にも、幾つかの問題があると説明。その一つは、新専門医制度の基幹病院が、大学病院、大規模病院に限定される点だ。「基幹病院への手挙げを、大学が阻止する動きもあった。専門研修プログラムの多様性が失われるほか、研修開始時に“入局強制”で、医局回帰となる懸念があった」。そのほか、「専門医更新では実績評価が重んじられ、中小病院の医師や開業医の専門医の更新が困難になる。この点が一番、医師会が反対する理由だろう」と末永氏。専攻医の身分保障やサブスペシャルティについては未整備な点も問題だとした。

 池田氏は、本シンポジウムでも「私自身は、2年間の任期の間に、新しい専門医制度のプラットフォーム作りに、ある程度尽力できた。新しい理事は辞退させていただく」と述べ、この6月末で退任することを説明(『池田理事長、「新理事に推薦されても辞退」』を参照)。日本専門医機構の新執行部は、6月27日に開かれる日本専門医機構の社員総会で決定する予定だ(『日本専門医機構、新執行部24人の理事候補者決定』を参照)。

 末永氏は、シンポジムの最後に、「専門医制度により、地域医療の崩壊が加速するという意見が非常に強く出てきて、この問題が政治マタ―になってしまった。こうした中で、新しい体制がスターする」と述べ、日病として地域医療が悪化しないよう、発言していく方針を示した。


 新専門医制、三つの選択肢

 約1時間半にわたったシンポジムは、池田氏、有賀氏、岩崎氏の順に講演し、その後、ディスカッションを行い、最後に末永氏が指定発言する展開だった。

 ディスカッションでは、座長の中氏が単刀直入に、3人の演者に「来年4月から新専門医制度に全面的に移行するか、部分的に試行すべきか、あるいは延期すべきか。これら三つのどれを選択するか。またその場合の判断基準は何か。今後解決していくべき課題は何か」と質問。それに対する回答の骨子は以下の通り。

 私はこの2年間、目標を来年4月として準備をしてきた。2年目の研修医にとっては関心事であり、彼らのためにも4月に予定通り始めたいと準備をしてきたが、ここに来て地域医療についていろいろいな議論が出てきており、そこについては、一度ここで検証作業をしなければいけないことは明らか。全ての領域で検証作業をもう一度してもらう。これは学会の立場で進めているところもある。地域医療の立場の方にも入ってきてもらい、検討の場を早急に作らなければいけない。私自身は、その検討を、社会保障審議会 (専門医養成の在り方に関する専門委員会)でやると思っていたが、厚労省は検討の場を作る作業はあまりしないとのことで、「新しい専門医機構の執行部の中で、議論をしてはどうか」とのニュアンスに変わってきた。いずれにせよ、どんな形で検討の場を設けるかについて早急に議論しなければいけない。あまり時間をかけずに、準備ができたところは、始めてもらいたい。

 なお、18の基本診療領域については、学会がある程度、主導している。各学会が質の高い専門医を養成するため、それぞれの学会がハードルを上げた。質がいいものを求めたために、地域医療の問題が出てきた。ただし、領域によって状況が違う。救急と産科は、かなり地域医療にコミットしている。検討の場で議論を始めてもらいたい。ただし、総合診療専門医は、もともと一つの学会にコミットしているのではなく、幾つかの団体が議論してきた。地域医療を担当する医師の養成が狙いなので、地域医療の問題が議論された今だからこそ、むしろぜひ4月から総合診療専門医は始めてもらいたい。

(日本専門医機構の)新しい執行部に対しては、我々が作ってきた新専門医制度のプラットフォームをどのように実施していけば、若い医師、患者のためにいい制度になるか、という視点で議論してもらい、実施の方向でやはり考えていただきたい。もし非常に無理があれば、立ち止まって延期することも止むを得ないと思うが、私自身は成熟した議論ができれば、実施できると信じている。

 総論的には池田氏と同じだが、総合診療専門医については、将来の医療提供体制により良い影響を残していきたいという立場からすると、多少のぎくしゃくがあったとしても、来年の春くらいから始めたい。何も全員が、競馬と同様に「各馬一斉にスタート」という形を取らなくても、例えば来年の春は総合診療専門医から始める。救急についても、その議論を見ていると、「地域医療への影響云々」という議論にはあまりならない。(総合診療専門医以外の)18の基本診療領域については、それぞれ別個に検討し、うまく行きそうなら始めるという話だ。

 全般的に準備不足であり、日本専門医機構よりもむしろ、(現場の)私どもの方が準備に間に合わなかった。ようやく出発しようとした段階で、(新専門医制度の内容が)ようやく分かり始めた。少し時間をかけて、議論を巻き返すのではなく、議論を新たに展開していく必要があるのではないか。その意味からすると、「延期もやむを得ない」と思っている。「煮詰まったところから」という話もあるが、せっかく新しい制度であるので、やはり一斉スタートがいい。あまりにも従来のように学会主導にならないように、日本専門医機構が毅然とした立場でやる。毅然とするためにも、もう少し情報を公開が必要。説明等がある程度浸透した段階で一斉にスタートすべきだろう。

 総合診療専門医については、やはり早くスタートしてもらいたいという立場だが、総合診療専門研修の特任指導医講習会を始めようとした矢先に、講習会の要件に齟齬が見付かるなど、いろいろな準備不足も明らかになってきた。この点を考えると、総合診療専門医についても、もう一度、立ち止まって考え直す時間が欲しいが、さほど時間はかからないだろう。周知徹底をしながら、特に総合診療専門医については、地域の住民に分かってもらう必要がある。早急に進めることが可能であれば、4月というスタートもあり得るだろう。

 「全般的には、もう一度、立ち止まる」。どれくらい立ち止まる必要があるかは、各学会により違うだろう。学会ではなく、日本専門医機構が中心となってやることが、プロフェッショナルオートノミー。新理事長の下に、新しい体制で作り上げる機構の中で、立ち止まるのか、立ち止まることができないのか、現場の話を聞きながら進めていく必要がある。



https://www.m3.com/news/iryoishin/436497
シリーズ: 真価問われる専門医改革
日本産科婦人科学会、「専攻医の募集開始を」
「募集定員の制限、産婦人科医療の崩壊を招く」

2016年6月25日 (土) 橋本佳子(m3.com編集長)

 日本産科婦人科学会理事長の藤井知行氏は6月25日の記者会見で、2017年度以降も新制度、もしくは現制度に関わらず、専門医制度を維持することから、「今まで以上に初期研修2年目の医師の勧誘をお願いしたい」と呼びかけるとともに、専攻医の募集定員の制限も行わない方針を示した。

 専門医制度をめぐっては、新制度に移行するか否かで揺れているものの、現時点で専攻医の募集を開始して問題ないという。同学会は23日付で、新専門医制度に向けて準備をしてきたものの、「しかるべく設置される検討の場」において、新専門医制度を開始できる見通しが得られない場合、7月末を目途に現制度で実施する判断をするとの声明を公表していた(資料は、日本産科婦人科学会のホームページ)。

 藤井理事長は、産婦人科のなり手が不足している現状を踏まえ、「事前に募集定員を設定することは、産婦人科では全く適しておらず、考えていない。定員を設けることで、かえって産婦人科は崩壊する」と危機感を強め、募集定員の設定には強く反対するとした。同学会では年間500人の新規入会者を目標としているが、2014年度は368人、2015年度は367人と目標には達していない。「人数が少ない中で、とにかく産婦人科領域に入ってもらい、そこから地方にローテーションしてもらうことで、かえって地域間格差が縮小すると考えている」(藤井理事長)。

 産婦人科領域、新専門医制度で地域偏在は解消へ

 藤井理事長は会見でまず、「新専門医制を来年度から実施するのか否かなどをめぐって、混乱が生じている。初期研修の若い先生が心配している。それに対して、学会としての方針を早く明らかにすべきと考えた」と、この時期に声明を出した経緯を説明。

 募集開始を呼びかけたのは、新専門医制度あるいは現行制度のいずれであっても、研修を行う施設にとっては、専攻医を募集すること自体には変わりはないからだ。日本産科婦人科学会には、前述のように産婦人科を目指す医師が不足しているという危機感がある。ただし、現行制度のまま実施する場合、新たな専門研修プログラムを用いるか否かなどの詳細は、検討が必要だという。

 新専門医制度をめぐっては、医師の地域偏在が拡大するとの懸念があるが、藤井理事長は「それは内科など、人数の多い領域の話ではないか。産婦人科について言えば、新専門医制度によって、地域偏在は解消に向かう」と説明。新専門医制度では、基幹施設と連携施設が研修施設群を構成する。現行では都市部の大病院などでは、1施設で専門医研修を完結させるケースがあるが、新専門医制度ではこうした大病院から地方の連携施設に専攻医が行くことになるからだ。

 地域偏在の拡大を防ぐため、都市部の病院の募集定員を設定することに対しても、日本産科婦人科学会は反対の方針。藤井理事長は、若手医師の都会志向を指摘し、「都会の病院の産婦人科の募集定員を絞ると、地方の産婦人科に行くのではなく、都会の他科に行ってしまう。産婦人科では、主として都会の大学が採用して、周辺地域に医師を派遣していることで成り立っている。都会の募集定員を制限すると、その余力がなくなってしまう」と理解を求めた。


  1. 2016/06/26(日) 05:37:46|
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6月24日 

http://www.cabrain.net/news/article/newsId/49056.html?src=topnewslink
新専門医、来年度研修は「7月末に判断」- 内科学会が見解
2016年06月24日 17時00分 キャリアブレイン

 日本内科学会は、来年度から始まる予定の新専門医制度についての見解を公表した。地域医療や自治体の関係者、患者などが参加する検討の場を設けて協議した上で、新制度の導入の延期を求める人などからも理解が得られれば、来年度から正式な制度として専門医の研修を始める方針を示している。一方で、来月末までに新制度の開始の見通しが立たない場合、従来通りの方法で研修を行う判断をするとしている。【松村秀士】

 専門医の養成をめぐっては、従来の学会主体の制度から、第三者機関の日本専門医機構(機構)が養成プログラムの評価や認定を行う新制度へと移行する方向で準備が進められてきた。しかし、新制度が導入されれば、指導医数や症例数を重視する傾向が強まり、大病院や都市部の病院への医師の偏在が深刻化しかねないなどとして、医療現場からは延期を求める声も上がっている。

 今月7日には日本医師会と四病院団体協議会が、機構と基本診療領域を担う関係18学会に対し、「地域医療や公衆衛生、地方自治、患者・国民の代表」が参加する検討の場を設け、協議の結果を尊重することなどを求める提言を発表。塩崎恭久厚生労働相も同日、この提言について、「趣旨を十分理解する」との談話を出した。

 また、日医と日本医学会は15日、関係学会に対し、一度立ち止まって患者・国民の視点を十分に踏まえた幅広い関係者による検討の場を設け、医師や研修医の地域偏在が深刻化しないかどうかを集中的に精査することを求める要望書を送った。

 こうした要望や塩崎厚労相の談話などを踏まえて、内科学会は見解を表明した。見解では、新たな協議の場が速やかに設定され、建設的な意見が集約されることで、「より良い仕組みとなる」と期待感を示した。また、導入の延期を求める人や団体、患者・国民からの理解が得られれば、来年度から新制度で研修を「開始したい」とした。

 一方、来年度の研修を準備する病院や指導医、研修医の置かれた状況を踏まえると、「時間はほとんど残されておらず、検討の時期や方向性が定まらないままにすることはできない」と指摘。協議の場を新設して議論した場合、結論を得るのに時間を要する可能性もあるとした。

 その上で、新制度が開始できるとの見通しが得られない場合、来年度からの研修に関しては、「7月末をめどに日本内科学会の現制度を継続する判断をしたい」との考えを示した。

■関係者の意見も踏まえ、来月上旬に決定へ―救急医学会

 日本産科婦人科学会も内科学会と同様の声明を発表した。新設する検討の場で集中的に協議し、理解が得られれば、来年度から新制度による研修を開始すると説明。しかし、協議の場での結論に時間がかかり、新制度を開始できる見通しが立たない場合、来年度に関しては、「7月末をめどに現制度で研修を実施する判断をする」とした。

 一方、日本救急医学会は、近日中に研修施設や都道府県などの関係者に対し、新制度を導入した場合に地域の救急医療にどのような影響が出るのかなどをアンケート調査する予定。その後、理事会で調査結果を踏まえながら審議し、来月上旬をめどに来年度からの専門医研修のあり方を決定する方針だ。



http://www.tomamin.co.jp/20160639871
白老町立国保病院改築費用 総額20数億円に
(2016年 6/24)苫小牧新聞

 白老町は、町立国保病院改築について、新病院の総事業費は概算で20数億円との見通しを示した。22日の町議会定例会6月会議で、吉田和子氏(公明党)の質問に答えた。
 吉田氏は白老町立国保病院改築基本構想について質問。改築の建設事業費や今年秋に策定する改築基本計画への町民要望の反映方法などについて町の見解をただした。

 町は改築後の診療体制について、基本構想に基づき現行の内科、外科、小児科、放射線科の4科体制を継続する方針を強調。検討を進めていた人工透析診療科とリハビリテーション科は、医師確保や高額な設備投資などの課題があり「実施は厳しい」として理解を求めた。新病院の総事業費は施設や医療機器などの概算で二十数億円との見通しを示した。

 町民から意見を募る機会の在り方について、町は町民を主体とした町立病院改築協議会や町立病院を守る友の会、パブリックコメント(意見公募)を通じて実施する考えを強調。理事者は「まちづくり懇談会などで意見を聞く機会をつくる方法も考えたい」としている。

 一般質問には氏家裕治(同)、森哲也(共産党)、松田謙吾(きずな)の3氏も登壇。氏家氏は町内の生活環境について質問。昨年12月以降、町民から苦情が出ている町内循環バス「元気号」の運行補完対策として、スクールバスの有効利用策を提案した。

 町は一定の理解を示しつつも、小中学校の学校行事や放課後のクラブ活動後の下校に使用していることを踏まえ、「現時点では使用は難しい」との考えを示した。

 森氏は耐用年数を超過した町営住宅の整備方針宅「はまなす団地」(4棟8戸)の取り扱いなどについて質問した。

 町によると、現在の町営住宅は153棟951戸で、耐用年数を超過しているのはほぼ半数の115棟477戸。老朽化の著しいものは廃止する方針だが、入居者がいる住宅もあるため「住宅マスタープランの見直しと合わせて方向性を示したい」とした。

 はまなす団地については、昨年9月と今年1月の高波で住民が避難したことを踏まえ、居住者の移転を進める方針を表明。転居先は町有住宅や教員住宅などを想定している。町は2017年度予算に移転先住宅のバリアフリー化工事を盛り込む考え。改修費は概算で1戸当たり約800万円、総額3200万円規模になる見通し。当該住民には7、8月ごろに説明を行う考えとしている。



https://www.m3.com/news/iryoishin/432718
東大入試、有名高卒の寡占率高まり懸念も - 北村聖・医学教育国際研究センター教授に聞く◆Vol.3
2018年度面接導入、「不適格者見極め」が目的

20166月24日 (金) 聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――東大では、今年度の入学生から、推薦入試を導入しました。入学生に何らかの変化はあったのでしょうか。


北村聖氏に、「医師にしてはいけない学生」として、「人の気持ちになれない人」を挙げる。
 全学で実施したので、医学部も導入したわけです。医学科の入学者数100人中、推薦枠は2人。ただ入学生には変化はありません。結局は、普通に入学試験を受けても、絶対に合格するような人しか、推薦は通らなかった。

 東大医学部が今抱える問題の一つは、有名私立高校で大半を占めること。それ以外は各校、数人か1人ずつくらい。その結果、東大がモノトナス(monotonous)になり、同じ価値観の人が多くなってしまった。東大入試に通ることを目標として鍛えただけの学生ではなく、もっと多様性のある人がほしい。

――その寡占率は高まっているのでしょうか。

 
 ものすごく高まっています。その対策はないのですが、今の一番大きな問題と認識しています。例えば、「各高校5人以上は合格させない」などと制限を設けたいけれど、機会平等の原則からすれば無理でしょう。

――2018年度からは、理科三類(東大医学部に進学するコース)入試に面接を入れるとお聞きしました。

 入試における面接の歴史は、「オウム事件」にさかのぼります。東大医学部の現役の学生が、オウム真理教の信徒になったため、社会は、「東大医学部は何をやっているんだ。偏差値だけで入試をやるから、こんなことになるんだ」と批判した。それで、東大医学部でも1999年度から2007年度までの間、面接を実施。最初は公平性を、ものすごく重視した。「このブースだったので、この先生はやさしかった」「この先生が厳しかったから落ちた」といった事態はあってはいけないとされた。

 そこで前期試験の面接で基本としたのが、「ストラクチャー面接」。

 「ストラクチャー面接」とは、聞くことが決まっている面接。最初は面接の雰囲気を作るために、「まず志望動機を聞く」とした。そうしたら「東大入試では、まず志望動機を聞かれる」と噂が広まり、学生たちは「貴大学は、優れた臨床医のみならず、研究者も多数輩出している」「自分はがんばってはいますが、まだ博学の身ではありませんので、この厳しい大学で自分を鍛えてみたいと思いました」とか、全員が同じように答えるようになってしまった(笑)。もっとも、面接する側も、場に慣れてもらうための質問なので、最初から志望動機については採点対象外としていました。

 第二問は、もっと科学的。「A液とB液を混ぜると、C液ができる状況があります。ここにD液を混ぜたら、C液の増量が2倍になりました。D液の働きの可能性を5つ以上、述べなさい」とか。「5つ以上」だったら、5点、3つしか答えられなかったら3点。

 例えば、「あなたが乗っていた電車で、目の前で人が倒れました。あなたはどうしますか」といった質問もした。「僕、びっくりして逃げます」だったら、マイナス5点。「人を呼びます」だったらプラス1点、「習ったばかりの救急対応をします」だったらプラス3点。

 でもやっていて、むなしかった。「そんな質問は、ペーパー試験でも聞けるのではないか」「なぜ面接をやるのか」と問うようになった。

 ただ後期試験の面接では、もう少し自由度があった。3人が面接し、A、B、Cの3段階で評価をした。筆記試験がトップ20人に入ることが前提で、3人がAを付けると合格、全員がCだと筆記試験がトップでも不合格。「AAC」「ABC」などだったら、面接で合意を決めるのではなく、あとは成績順で選ぶ。3人がA、もしくはCを付けない限り、合否に反映しなかった。でも結局は、後期試験でも面接で付かず、成績順で合格した。

 入試の面接のために、朝から晩まで約80人の東大教授たちが集まるのは、ものすごい労力。結局、エネルギー、労力はかかるものの、得られる効果はないので、やめてしまいました。

 もちろん、頭がいいだけでなく、あいさつがきちんとでき、礼儀正しく、社会のことをも分かっている。いい意味で「ご両親はどんな教育をしたのだろう」と思う学生がいるのも事実。ただ、その後、他の医学部が面接を行い、東大がやらない状況が続いたら、ここ数年、「入試に面接があったら、私は落ちると思う」という人が東大を受けるようになった。閉じこもりだったとか、人格崩壊しているけれど、記憶力だけはいいとか……。

 入試面接の制度設計はこれからですが、今回は、面接のコンセプトをガラリと変更する予定。「面接で、いい医学生を採用しよう」というのは無理であり、「医師にしてはいけない」学生を見付けるのが目的。面接は「悪い子をはじくためのもの」。「ペーパー試験の成績が悪くても、面接の結果がいいから、合格」といった事態は起きないけれども、ペーパーテストがどんなに良くても面接がダメだったら、落ちる。

 良く練られた大学では、「ちょっとあやしい」と思った学生は、精神科の先生やベテランの先生がもう一度面接するという、「二段階面接」を導入しています。2回目の面接に行くと、「自分は落ちるのかな」と不安に思うから、一応、合格するような学生でも2回目に行くようにしているようです。

――「この学生は、医師にしてはいけない」というのは、例えばどんな学生ですか。

 一番問題なのは、「人の気持ちになれない人」。「人の話を聞けない人」。

 面接で、「もし君が、君を対応する病棟の看護師だったら、君の態度を何と言って戒めますか」などのような質問をすると、アスペルガー症候群の学生などは、質問の意味が分からない場合が多い。「え、僕が看護師で、僕に対応するのですか?」といった答えが返ってくる。

 「相手の立場に立って考えられるか」という言葉を直接的に聞いた時に、反応できる想像力がどれだけあるかはすごく大事なこと。本当に優秀な学生からは、「自分のことを振り返ってもらいます。今日やったことの中で、良い点や悪い点を出してもらって、その悪い点を指摘することで、その人は変わると思います」といった答えが返ってきたりする。

 カナダなどで導入している「マルチプルミニインタビュー」を今、勉強していますが、これも面白い。略してMMIというのですが、1人の受験者が、面接ブースを10カ所近く回る。例えば、あるブースには、目覚まし時計が置いてあり、「この患者さんは、実は知恵遅れで、IQが80くらいで、時間の概念がはっきりしていません。この目覚まし時計を使って、時間の概念を説明してあげてください」などと質問する。次のブースに行くと、旅行に持っていく物を、トランクの脇にぶちまけてあり、それをトランクに詰める作業をしてもらう。その時にすぐに使うものを取り出しやすく詰める人は、いい成績が取れる。しかし、単に物理的に、丸い物、四角い物と分けてしまったら、取り出しにくくなる。つまり、「君はどうしますか?」という会話的な面接ではなく、行動、アクションを見る面接。

 もっとも、面接で難しいのは、1回実施すると、すぐにそれに対応するためのマニュアルができてしまうこと。面接内容を考えるのも、実施するのにも、非常にエネルギーがかかります。

※『週刊ダイヤモンド』6月18日号の第1特集「医学部&医者」との連動インタビュー。



http://www.qlifepro.com/news/20160624/relationship-of-diabetes-patients-and-physicians-the-impact-on-adherence-improvement.html
糖尿病患者と医師の関係、アドヒアランス向上に影響-米イーライリリー
2016年06月24日 PM12:30  QLifePro

18か国、4,200人以上のデータを解析したMOSA1c試験

米国イーライリリー・アンド・カンパニーは6月11日、医療関係者と糖尿病患者のコミュニケーション、そして両者の関係性が患者の心理的負担や治療のアドヒアランスにどのような影響を与えているかを明らかにしたと発表した。このハーバード大学の関連医療機関であるブリガム・アンド・ウィメンズ病院の主導で実施された多国間の観察的インスリンによる治療強化(Multinational Observational Insulin Progression:MOSA1c)に関する試験に基づく6つの演題は、米国ニューオーリンズで開催された第76回米国糖尿病学会年次学術集会において発表された。

MOSA1c試験では、北米、中南米、欧州、アジア、中東の18か国において、4,200人を超える2型糖尿病患者のデータを2年間にわたり非介入調査し、解析した。それによると、患者と医療関係者との関係改善は、糖尿病に関連する心理的負担の軽減、糖尿病知識スコアの向上、血糖自己測定頻度などの自己管理に対する前向きな態度、指示された治療に対する自己申告のアドヒアランスの向上などに関与していたとしている。

若い患者、教育水準高い患者でインスリン治療強化の確率高く
さらに、より若い患者、教育水準の高い患者およびアジアに居住している患者では、インスリンによる治療強化がなされる確率が高いこと、年齢が若く、ベースラインのHbA1c値が高く、NPHインスリンを使用していることは、試験終了時のHbA1c値の高値と有意に関連していたことも確認された。

インスリンを使用中の2型糖尿病患者の過半数が血糖値を管理しきれていないことが多くの研究でわかっているが、同病院の准医師兼ハーバード大学医学部准教授であり治験総括医を務めたSeoyoung C. Kim医学博士は、同試験のデータから、この2年間の観察試験で血糖値を管理しきれているのは患者全体の3分の1以下であったにもかかわらず、最適な血糖管理ができていない患者のうち糖尿病薬物治療を追加投与されたのは約4割に過ぎないことを問題視。「患者と医療関係者の関係性が患者の心理的負担の程度や、場合によってはHbA1c値に影響するため、患者へのコミュニケーションや患者の受け止め方が極めて重要」と述べている。(大場真代)



http://www.qlifepro.com/news/20160624/stop-56-of-all-prescription-medications-polypharmacy-and-exotics-year-4-reduced-in.html
【栃木医療センター】全処方薬剤の56%を中止-ポリファーマシー外来、1年で4剤減
2016年06月24日 AM11:30  QLifePro

■不適切処方と高い相関

多種類の薬を服用している高齢者の有害事象を減らすため、国立病院機構栃木医療センターが昨年1月に開設した「ポリファーマシー外来」の取り組みを進めた結果、1年間で薬剤数を平均4.0剤中止したことが分かった。対象となった外来患者47人に処方されていた薬剤は全422剤で、そのうち237剤が削減され、全体の中止率は56.2%に上った。特にポリファーマシー外来の受診患者は、ビアーズ基準、STOPP基準による潜在的な不適切処方(Potentially Inappropriate Medications:PIMs)の割合が高率で、PIMsとポリファーマシーの相関が大きいことが確認された。

高齢者に対する不適切なポリファーマシーが社会問題化しているが、未だその効果的な介入方法は確立されていない。近年では、多職種チームによる包括的な介入が注目されているが、その介入効果についても、やはり十分に検討されていないのが現状となっている。こうした中、同センターでは昨年1月から外来受診で薬への介入を行う「ポリファーマシー外来」を開設。院内の入院患者に対して、医師、薬剤師、看護師による多職種チームを結成し、ポリファーマシーへの包括的な介入を開始した。



http://mainichi.jp/articles/20160625/ddm/008/040/069000c
医療事故調査制度
基準統一向け協議会 厚労省省令

毎日新聞2016年6月25日 東京朝刊

 医療死亡事故の届け出を全医療機関に義務付けた医療事故調査制度の見直しで、厚生労働省は24日、届け出対象の基準統一を目指して、関係団体による連絡協議会を設置する省令を定めた。

 医療機関が判断に迷った事例について、各都道府県の協議会が意見を述べる。都道府県レベルでの判断が難しい場合は、国レベルの協議会に委ねる。事例の積み重ねを通じて、認識の共有化を図るという。統一基準のリストを作るかどうかは決まっていない。

 また、遺族が自ら届け出ができないことの改善策として、厚労省は同日、病院が医療事故に該当しないと判断した場合は、遺族に理由を説明するよう、医療機関に通知した。

 昨年10月に始まった同制度の届け出は、年1300〜2000件を想定していたが、今年5月末までの8カ月間で251件にとどまっている。【熊谷豪】



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/49059.html
医療事故届け出の標準化で「協議会」設置へ- 厚労省が省令改正
2016年06月24日 19時00分 キャリアブレイン

 昨年秋に始まった医療事故調査制度(医療事故調)について、厚生労働省は24日、医師会や病院団体などの支援団体が必要な対策などを話し合うため、共同で「協議会」を組織できるよう省令の一部を改正した。【敦賀陽平】

 医療事故調は、病院などが「医療事故」と判断した場合、第三者機関に死亡事例の報告を義務付けるもので、医療機関は院内調査を実施し、その結果を遺族らに説明する一方、調査結果の報告を受ける第三者機関「医療事故調査・支援センター」は内容を分析し、再発防止につなげる。

 医療法の附則では、公布後2年以内に医療事故調の見直しを検討し、法制上必要な措置を講ずるとしており、24日が期限となっていた。

 協議会は、各都道府県と中央に1カ所ずつ設置され、中央には同センターも参加。医療事故の届け出基準の標準化などに向け、医療関係者らが意見交換するだけでなく、必要に応じて研修会を開催したり、院内調査を行う医療機関に支援団体を紹介したりする。改正省令では、病院などの管理者に対して、医療事故を確実に把握できる体制を確保することも明文化した。

■医療事故かどうかの判断は「従来通り」

 厚労省は同日、改正省令に関する留意事項を都道府県に通達し、協議会が届け出基準などの標準化を話し合っても、医療事故に当たるかどうかの判断などに関しては、各医療機関の管理者が行うとする「従来の取り扱いを変更するものではない」とした。

 病院などから医療事故の報告を受けたり、遺族らの相談に応じたりする医療事故調査・支援センターについては、▽遺族らの求めに応じて、相談内容を医療機関に伝達する▽病院などが行う院内調査の優良事例を共有する▽医療機関の同意を得て、提出された医療事故調査報告書の内容の確認・照会などを行う―ことなどを明確化した。

 ただ、同センターから医療事故調査の内容などの確認・照会があった場合でも、報告書の再提出や遺族への再報告の義務は負わないとしている。



http://mainichi.jp/articles/20160625/ddm/012/040/066000c
日本医学会
「奇形」言い換え検討 尊厳に配慮 「形態異常」が有力

毎日新聞2016年6月25日 東京朝刊

 医療現場で使われてきた「奇形」という医学用語について、日本医学会(高久史麿会長)が言い換えの検討を始めることが分かった。日本小児科学会の用語委員会が患者・家族の尊厳を傷つける恐れがある言葉として同学会に見直しを提案した。言い換え候補には「形態異常(異状)」が挙がっている。日本医学会は今年度内の決定を目指すという。

 日本小児科学会の用語委員会委員長を務める森内浩幸・長崎大教授によると、「奇形」という用語は、基礎医学分野でヒトの初期発生段階での形態異常を起こす病気を指す。小児科や形成外科の医療現場では病名として使われ、患者や家族が「心情を傷つける表現だ」と見直しを求めていた。「先天性心奇形」を「先天性心疾患」とする言い換えが実現した症例もある。

 一方、言い換えの候補となっている「形態異常」は、「奇形」だけではなく「変形」「変成」「欠損」など他の概念も含む表現として医学界で使われており、「正確性に欠ける」との批判もある。そもそも「言い換えただけでは差別は解消しない」という意見も出ている。

 今後、日本小児科学会が関係学会とともに日本医学会へ変更を求め、今年12月に開く日本医学会の用語管理委員会での議論を経て、日本医学会として今年度内の決定を目指す。

 森内教授は「患者の心情に配慮して表現を変えた『認知症』や『統合失調症』のように、医学的な正確性も担保できる表現に改めたい」と話す。【高野聡】



http://www.jiji.com/jc/article?k=2016062400792&g=soc
病院に衛星携帯配備を=災害時の通信確保-総務・厚労省
(2016/06/24-17:38)時事通信

 総務、厚生労働両省は24日、医療機関に対し、地震や津波などの災害発生時に救護活動の拠点としての機能を維持できるよう衛星携帯電話など非常用通信手段の確保を要請する報告書をまとめた。
 報告書は、大規模病院や地方自治体の本部組織を「災害医療救護拠点」と定義。同拠点が医療・救護活動を災害時に継続するには、堅固な情報伝達・共有体制が不可欠だと指摘した。整備に当たっては、国の補助金を活用するよう促した。 
 両省は、確保すべき非常通信手段を示したガイドラインも併せて策定。衛星携帯電話のほか、インターネット接続を可能とする衛星データ通信機器などの機種を例示した。



http://www.iza.ne.jp/kiji/life/news/160624/lif16062415270007-n1.html
ゴーストは「医学生」、フルムーンは「患者であふれる緊急救命室」…海外の医療俗語が辞典に
2016.6.24 15:27 iza.net

 「ghost(ゴースト)」は幽霊ではなく「医学生」、「full moon(フルムーン)」は満月ではなく「患者であふれている病院の緊急救命室」-。海外の医療現場で、一般とは全く異なる意味で使われている英単語など約3千項目を収容した「医療現場の英語辞典」(三省堂)が出版された。

 編著者の田中芳文島根県立大教授(55)(英語学・社会言語学)は「試験対策には向かないが、読んで楽しくなる特殊な辞典。学生はもちろん、英語の面白さや文化に興味のある人に見てもらいたい」と話している。

 「citizen(シチズン)」は「市民」と訳すのが一般的だが、米国の医療現場では「医療保険に加入している人」という意味。国民皆保険制度がない米国では、保険に加入していなければ市民として十分な医療を受けにくいからだ。田中教授は「現場で使っている言葉は生きている。そこが一番面白い」と話す。



https://www.m3.com/news/general/436182
12月から「退院調整ルール」 病院と在宅医療や介護連携へ
地域 2016年6月24日 (金)配信福島民友新聞

 県北保健福祉事務所などは、県北地域の病院を退院後に在宅医療や介護に移行する患者について、病院からケアマネジャーに円滑に引き継ぐための「退院調整ルール」を策定し、12月から運用を始める。22日、福島市の県文化センターで病院や介護関係者による初会合を開き、策定に向けた地域課題を共有した。

 県は、県内7地域で同ルールを策定する方針で、これまでに県中、県南両地域ではルールが完成し、運用されている。県北地域では今後、ケアマネジャーと病院の各分野による検討会や全体会議を重ね、11月までにルールをまとめる。

 会合には、看護師や医療ソーシャルワーカー、在宅医療・介護関係者ら約400人が参加。茨城県立中央病院看護局長の角田直枝さんが、退院支援や在宅療養への移行について講演した。

 同事務所の担当者が県北地域のケアマネジャー約480人に実施したアンケート結果を説明。病院から退院調整の連絡があったケースが約8割、なかったケースが約2割で「退院調整もれ率」は介護が15.3%、予防が42.5%だったと示した。このほか、病院に対し、退院調整が必要な場合の早い段階での連絡や、退院窓口の一本化を求める意見があったと紹介した。



https://www.m3.com/news/general/436416
「心の病」労災請求、3年連続過去最多 長時間労働、一因か 15年度
2016年6月25日 (土) 朝日新聞

 過労などが原因で精神障害となり、労災請求をした人が2015年度に1500人を超え、3年連続で過去最多となった。精神障害で労災認定された人の数は減ったが、高止まりが続いている。

 厚生労働省が24日、15年度の「過労死等の労災補償状況」を公表した。精神障害で労災請求した人は1515人で、前年度比59人増。比較できる1983年度以降で最も多かった。

 労災認定された人は472人で25人減ったが、過去3番目に多かった。6割が30~40代で、うち自殺や自殺未遂者は93人だった。

 業種別で多かったのは道路貨物運送業や医療・福祉など。原因別では、「仕事内容・仕事量の変化」「月80時間以上の残業」「2週間以上の連続勤務」など仕事量に関するものが目立ち、長時間労働が原因になっていることがうかがえる。

 「脳・心臓疾患」で労災認定された人は、前年度比26人減の251人(うち死者96人)だった。減少は3年連続。業種別では道路貨物運送業が3割。労災認定された人の9割が月80時間以上の残業をしており、長時間労働の影響が出ている。(河合達郎)



  1. 2016/06/25(土) 06:53:45|
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6月23日 

https://www.m3.com/news/iryoishin/434117?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD160623&dcf_doctor=true&mc.l=164118224&eml=3f492a08f1681d66441569ec02c0b51e
シリーズ: 医療裁判の判決詳報
帝王切開で死亡、遺族の請求認めた「高裁の判断」◆Vol.2
判決詳報、「医師のミスなければ、妊婦救命できた」

2016年6月23日 (木)配信 成相通子(m3.com編集部)

 東京高裁で5月26日、2008年に静岡厚生病院(静岡市)で帝王切開手術を受けた後に死亡した妊婦(当時24歳)の遺族が、病院を運営する「JA静岡厚生連」と手術をした医師3人に損害賠償を請求した訴訟の控訴審判決があり、富田善範裁判長は、死因との因果関係を認めなかった一審を取り消し、病院側に約7490万円の支払いを命じた。病院側は6月10日までに最高裁に上告した。控訴審判決で認定された事実と判断を2回に分けてについて詳報する(認定事実は『帝王切開で死亡、遺族の請求認めた「高裁の判断」◆Vol.1』を参照)。

■死因について

 午前9時半の時点で、妊婦はショックに陥ったが、遺族はそのショックは出血性ショックで、適切な治療が行われていれば、救命可能であったことを前提に、医師らに過失があったと主張。医師らは、本件ショックは母体内に羊水成分が流入して発生した全身性のアナフィラキシーショックであり、手術の時点で妊婦を救命することは不可能だったと主張し、結果回避不可能性が無かったとして、遺族の過失主張を争っている。

■裁判所が認定した事実

 裁判所が認定した事実では、妊婦は午前7時20分ごろ、病院に到着した時点で、出血性疾患である常位胎盤早期剥離を発症していたこと、遅くとも午後0時10分ごろの段階では、重篤な産科DICを発症したこと、常位胎盤早期剥離によって、胎盤が子宮壁から剥離すると、剥離面から出血が起こり、産科DICを発症しやすく、常位胎盤早期剥離は産科DICを来す原因の最多であること(約50%)、産科DICは重篤化すると非可逆性になり、生命の危険を生じさせられることが認められる。

 妊婦は常位胎盤早期剥離を発症し、これによって遅くとも午後0時10分ごろまでに重篤な産科DICを発症し、これによって死亡したことが認められる。

 「出血性ショックの可能性」
 以下の事情から、本件ショックが出血性ショックであったことがうかがわれる。(1)妊婦は午前7時20分ごろに病院に到着した時点までに、常位胎盤早期剥離を発症しており、この段階で蒼白や冷汗という出血に伴うショック症状を示す所見が既に認められた、(2)手術開始時からショックに陥った午前9時半までの間に吸引分だけで1200mlの出血があった、(3)吸引分とは別に午前9時26分の胎盤娩出時に、大量の凝血塊が切開創から溢れ出し、その量は手で何度かわしづかみできるほどの量で、医師AとCが次々と除去するほどだった、(4)来院時に既に出血に伴うショックの所見があり、午前8時50分ごろから頻脈であったことからすると、手術開始までに体内で相当程度の出血が有ったことがうかがえる、(5)血圧は午前9時半にショックに陥った後、輸液には反応しなかった一方で、午前10時半に実施されたRCC2単位の輸血には直ちに反応し、いったんは収縮期血圧が90を上回る状態になった、(6)常位胎盤早期剥離の発症前の循環血液量は5742mlと推定されるところ、手術開始時から終了時までに確認されただけでも3438mlの出血があった、(7)一般に循環血液量の30%を超える出血があると、収縮期血圧の低下をもたらし、出血性ショックを生じさせるとされていること、死亡後、妊婦の臓器に著名な貧血が認められた――。

 医師らの主張は信じ難い
 午前9時半の出血量は、診療録上は吸引分1200g、ガーゼ分289gの合計1489gである。これに対し、午前9時26分に胎盤挽出時には大量の凝血塊が出ていた。医師らは、その大量の凝血塊の量が、上記ガーゼ289 gに含まれていると主張するが、そのような大量の凝血塊が全部ガーゼに吸収されていたとは、にわかには信用し難く、午前9時半ごろの出血量は1489gにとどまらず、もっと多かった可能性があると考えられる。

 出血性ショックの可能性は高いが、断定は困難
 他方において、午前9時半までに妊婦に対して合計1350mlの輸液が投与されており、このうち循環血液量を維持する効果があるとされているヘスパンダーだけでも1000mlが投与されており、循環血液量の確保には役立っていたと考えられる。また、午前9時半までの段階で、妊婦に1489mlを超えてどの程度の出血が生じていたかについては、医師らが経時的な出血量の把握をしておらず、結局のところ不明であるという事情も認められる。

 事情を考慮すると、出血性ショックであった可能性が高いと言うべきではあるが、そのように断定することは困難であると言わざるを得ない。

■ショックは羊水塞栓症によるアナフィラキシーショックか

 医師らの主張では、本件ショックは、羊水成分の体内流入による全身性のアナフィラキシーショックであり、急激な血管透過性亢進により、発症10分後までに最大50%もの血漿成分が血管外に漏出したとしている。

 警察からの嘱託を受けた鑑定医の鑑定結果によると、(1) 妊婦の肺組織をサイトケラチンで免疫染色した際、血管内に染色された細胞が確認された、(2) 血漿中の亜鉛コプロフィリンを測定したところ、高値を示したこと――に基づき、死因を羊水塞栓症と推定しており、地裁で証言した医師Dも同様の意見を述べる。

 羊水塞栓症の臨床上の診断基準によると、本件は分娩後12時間以内に発症しており、分娩後2時間以内の原因不明の大量出血(1500ml)以上があり、DICが発症しているから、羊水塞栓症が発症した可能性があると考えられる。

 羊水塞栓症は、一般的には、その臨床症状から心肺虚脱型とDIC先行型の2類型に分けられる。証人医師Dも、羊水塞栓症の成因として、(1)羊水、胎児細胞、絨毛細胞などの固形物が肺動脈に塞栓することによって、心肺虚脱を起こすタイプ、(2)母体循環に流入した羊水がアナフィラキシー用反応を起こすタイプ――の2種類があり、臨床症状の特徴として、前者は呼吸困難、胸痛、意識消失などと突然発症することが多く、後者は初発症状に胸腔苦悶、呼吸困難などの症状を示すことは少なく、DICの進行が早いのが特徴であると述べた上で、本件ショックは羊水塞栓症のアナフィラキシー様反応による全身性の血管攣縮によって生じたショックの可能性が高いとする。

 しかし、妊婦が羊水塞栓症を発症していたとしても、本件において、アナフィラキシーよう反応による全身性の血管攣縮が生じたことについては、以下の通り疑問がある。

 皮下浮腫があった証拠がない
 証人医師Dは、その証言で、全身性のアナフィラキシーが生じて、血管透過性が非常に亢進した根拠として、妊婦に皮下浮腫が生じたことが疑われる旨を述べるが、この点は、死体解剖においても指摘されておらず、午前11時過ぎに撮影されたCT画像に写っている皮下組織も脂肪であるにすぎない。妊婦に生じるべき浮腫について、手術終了時に至るまでに医師らが誰も気づいておらず、妊婦の全身に皮下浮腫が生じたことをうかがわせる証拠は全くない。

 アナフィラキシーの典型的症状がない
 アナフィラキシーショックの典型的症状としては、呼吸困難、皮膚症状、および粘膜症状が挙げられ、特に皮膚症状は、80%以上の症例で認められるとされるが、妊婦にはいずれの症状も認められていない。なお、上記の通り、皮膚所見が発現する前に急激な循環虚脱やショックを呈することもあるから、皮膚所見がないからと言って直ちにアナフィラキシーを除外することはできないとされているが、少なくともアナフィラキシーショクの典型的症状が無かったとは言える。

 仮に、アナフィラキシーショックが生じたとすれば、急速に血漿成分が血管外に移行することになるので、血圧が輸液に反応してもおかしくないが、妊婦の血圧は輸液にはほとんど反応しておらず、逆に午前10時半ごろに実施された2単位のRCC投与によって直ちに血圧が反応し、収縮期血圧が90を上回る状態にまで回復している上、妊婦の血圧低下の状況は、午前9時半ごろに急激に低下に転じたというものではなく、午前9時ごろから麻酔の影響もあって、低下を開始した血圧が、徐々に低下を続けて、本件ショックに至ったというものであり、頻脈についても、午前8時50分ごろから100を上回る状態が継続していたものである。そうすると、これらの症状経過によれば、午前9時23分の人工破膜によると考えられる、羊水への暴露により、アナフィラキシーショックが生じたとは考えにくいと言わざるを得ない。

 「痙攣様の動き」の意味
 医師らは、妊婦のアナフィラキシーショックは、発症10分後までに、循環血液量の50%までが血管外に漏出するようなものであると主張するが、妊婦は胎児娩出後に胎児の死亡を確認した小児科医が胎児と共に退出した後の段階で、医師Bと会話することも可能な状態であり、苦悶を訴えた様子もなかった。午前9時45分ころから午前10時ころにかけて、医師Bは妊婦に手を挙げるような動きや歯を食いしばるような動き等の痙攣様の動きを認識したものの、その動きは、妊婦の腹部付近で、子宮切開創の縫合方をしていた医師Aと医師Cも気づかない程度のものであり、医師Bが医師Aと医師Cに対して、妊婦の動きを直ちに伝えることがなかったことからすると、医師らが主張するような急激なアナフィラキシーショックは起きたことは直ちに採用しがたい。

 「子宮の大きさ」とアナフィラキシー
 医師らは、午前11時過ぎに撮影されたCT画像で、子宮の巨大化、腹部大血管が虚脱しているという所見は、急激な全身にわたる血管攣縮、血管透過性亢進、浮腫が生じた、すなわち激烈な全身性のアナフィラキシーショックが生じたということでなければ説明がつかないと主張する。しかし、胎盤娩出後の妊婦の子宮は収縮不良の状態であり、医師らも温存するかどうか検討を要する状態で、上記CT画像の子宮の大きさは縦20センチ、横14センチ程度であり、医師らが羊水塞栓症の子宮の例として示す子宮の大きさ(縦約30センチ、横約20センチ)よりは明らかに小さい。子宮に浮腫が認められるからと言って、全身性のアナフィラキシーが生じていたことの根拠となるものではない。

■死因の結論

 本件において、妊婦に羊水塞栓症が発生した可能性はあるものの、本件ショックがアナフィラキシーショックであり、全身性の血管攣縮によるものであるとするには、それを示す症状が乏しく、直ちにこれを認めることはできない。そうすると、仮に羊水塞栓症が生じていたとしても、それは重篤なDICの原因の一つとして考え得るにすぎない。

妊婦は常位胎盤早期剥離によって、最終的に産科DICを発症し、そのことが主たる原因となって死亡したことが認められる。本件ショックについては、出血性ショックの可能性が高いとは言えるが、そのように断定することまではできない。また、羊水塞栓症が発症し、そのことが重篤なDICの原因の一つとなった可能性も否定できないが、妊婦に羊水塞栓症による救命困難なアナフィラキシーショックが生じたことについては、妊婦に生じた症状とは整合しないので、これを認められない。

■それぞれの争点

争点1 上位胎盤剥離発症時における産科DIC防止に関する過失の有無

 4点を当時の一般的水準と認定
 2008年4月当時、一般的な産科医にとって、(1) 常位胎盤早期剥離の中でも、胎児死亡例が極めてDICを伴いやすい、(2) 産科DICは重篤化すると非可逆的になり、生命が危険となることから、治療は時期を失することなく、行われる必要がある、(3)常位胎盤早期剥離を発症した場合には、母体予後の観点からは産科DICの程度が問題となるため、より早期に産科DIC診断を行うために、産科DICスコアを用いた状態の把握を行い、母体に産科DICを認める場合には可及的速やかにDIC治療を開始すべき――は、臨床医学の実践における医療水準となっていたと認められる。

 産科DICに進展可能性、高かった
 手術が開始された午前9時15分の段階で、産科DICスコアは9点(常位胎盤早期剥離・胎児死亡:5点、冷汗:1点、蒼白:1点、脈拍100以上:1点、出血時間5以上:1点)であり、本件ショックが生じた午前9時半の段階では、10点(プラス、血圧90以下:1点)だったので、産科DICに進展する可能性が高いと言える状態だった。

 産科DICスコアをカウントせず、注意義務違反
 医師らは、遅くとも手術前には、常位胎盤早期剥離を発症しており、しかも胎児が死亡している可能性があることを認識していたので、産科DICスコアを経時的にカウントして、早期に産科DICの診断を行い、必要に応じて、産科DICへの対応を行うべきだった。しかし、医師らは、手術当日、産科DICスコアのカウントを全く行わず、産科DICの確定診断に向けた血液検査なども実施しなかったものであり、上記の注意義務に違反したと認められる。

争点2と争点3 産科DICおよびショックに対する治療に関する過失の有無と出血量チェックと輸血に関する過失の有無

 産科ショックの治療の水
 2008年4月当時、(1)産科ショックは産科DICを発症しやすいから、ショックが疑われる場合には、タイミングを失することなく対応することが肝要である、(2)一般に血液消失量の肉眼的評価は過小になるので、SIにより評価するのが望ましく、SIは2.0が2000g以上の血液喪失を考え、1.0以上で輸液、輸血を考えるべきである、(3)産科ショックの臨床症状、所見として、皮膚蒼白、Hct低下、中心静脈圧低下が見られるときは、循環血液量の減少によるショックを疑う、(4)産科ショックの治療としては、ショックの原因となる疾患に対する治療と全身管理を併せて行い、全身管理としては、「気道の確保、酸素投与」「血管の確保および輸液」「輸血」、「血圧の監視」「尿量の監視」「薬物療法(副腎皮質ホルモンの大量投与)を行うこと」、このうち輸液および輸血について、循環血液量の20~50%の出血が有った場合には、尿酸(酢酸)加リンゲル液とともに、RCCが適応とされ、50%を超える出血があった場合には、RCC及び、膠質液、アルブミン製剤が適応とされていることは、臨床医学の実践における医療水準となっていた――と認められる。

 SIによる把握は一般的か
 医師らは2008年4月当時、産科の臨床医学において、SIを用いてショック状態を把握することは一般的ではなかった旨を主張する。しかし、SIが1.5を超え、産科DCIスコアが8点を超えたら、直ちに輸血を開始するという産科出血ガイドライン は、本件手術以前に公表されていなかったとしても、手術以前に公表された一般的な医学文献(日産婦東京地方部会誌第59巻第2号、今日の治療指針2006年版)で、産科出血および産科ショックの症候として、一般に血液消失量の肉眼的評価は過小になるので、SIが推奨されており、産科ショックの対応として、循環血液量の20%を超える出血があった場合には、輸血の適応があることが指摘されていたのであるから、医師らの主張は採用できない。

 午前9時半に輸血を始めるべきだった
 妊婦のSIは、午前9時15分以降、1を超え、午前9時45分には2を超えるような状態であったこと、妊婦は来院時から蒼白で、午前8時25分に採決された血液検査で、Hctの低下が認められ、午前9時30分には、本件ショックに陥った。医師らは、遅くとも手術前からSIによる評価を行って、遅くとも本件ショックが発生した午前9時半の時点では速やかに輸血を始めるべきであったし、抗ショックの治療を実施すべきだった。

 しかし、医師Aの指示にも関わらず、病院はFFP10単位の発注を行わず、そもそも手術が開始されてから終了するまでの間、病院内には医師が必要と判断した輸血用のFFPが存在しない状態だった。そればかりでなく、医師らは妊婦の出血量の把握を行わず、実際に行われた輸血の量も、のちに把握された出血量である3438mlからみて、極端に少ないRCC4 単位、FFP2 単位で、副腎皮質ホルモンの投与等の抗ショック療法も行わなかった。医師らには、出血量チェックと輸血に関する過失、ショックに対する治療に関する過失が認められる。

争点4弛緩出血への対応に関する過失の有無

 以下のことが認められる。(1)午前9時26分ごろに、医師らによって子宮が体外に出された際、子宮は全体に柔らかく、表面色も早期胎盤剥離時の色を呈していたが、子宮からの強出血はなく、子宮の大きさが一般と比べて大きくなっていたわけではなかった、(2)医師らは、子宮収縮は不良であるものの、輪状マッサージで子宮の収縮がやや良好であったことから、子宮温存可能と判断した、(3)その後、医師らは、午前10時前までの間に子宮の切開創を縫合し、妊婦の体内に戻したが、その間の子宮から一定の出血はあったが、子宮の巨大化や、浮腫になっていることは確認できなかった、(4)医師らは、閉腹が終了する午前10時45分ごろまで、妊婦の子宮が巨大化しているという認識はなかった――だ。

 医師らには、産科DICスコアを経時的にカウントして、早期に産科DICの診断を行い、必要に応じて産科DICへの対応を行うべき義務違反はあったものの、これとは別に弛緩出血への対応に関する過失はあったとまで、言うことはできない。

争点5 転送義務違反の有無について

 病院は、手術当時、産婦人科を含む合計14の診療科を有する病床数265の病院で、「妊産婦緊急搬送入院加算」の基準も満たした病院で、妊婦に生じた産科DICに対しては病院で適切な治療を行うことが可能な体制を有していたと認められるため、転送義務に違反した過失は認められない。

争点6.医師らによる期待権侵害の有無

 過失と死亡との相当因果関係の有無
 妊婦は常位胎盤早期剥離を契機とする産科DICが主たる原因となって死亡したと認めるのが相当で、医師らの過失(常位胎盤早期剥離発症時における産科DIC防止に関する過失、ショックに対する治療に関する過失、出血量チェックおよび輸血に関する過失)がなかったならば、妊婦は適時に輸血等の抗ショック治療を受け、産科DIC対策が行われて救命できたものと認められる。

 したがって、過失と死亡結果との間には、因果関係があるものと認められ、医師らには、死亡結果に付き、共同不法行為が成立する。

 妊婦に羊水塞栓症が発症した可能性はあるものの、症状経過を踏まえると、仮に発症していても、急激に心肺虚脱をもたらす臨床症状を示すものではなく、DIC先行型羊水塞栓症(子宮型羊水塞栓症)で、全身性のアナフィラキシーショックを伴うものではなかったと考えられる。(1)証人医師Dも論文で述べるとおり、適切な産科DIC対策が行われた場合に、その予後が悪いとは言えない、(2)文献(2006年Lancet、Michael S.Kramer著、1999年Obstetrics & Gynecology、William M. Gilbert著、2004年日産婦関東連会誌、2009年日本産婦人科・新生児血液学会誌、証人医師Dの論文など)によれば、羊水塞栓症の母体死亡率について、根拠のはっきりしている調査結果では、手術当時でも20~30%程度であったと認められるが、この数値には、急激に心肺虚脱をもたらす臨床症状を占める症例も含まれており、妊婦に発症した可能性があるのが、予後の比較的良いとされるDIC先行型羊水塞栓症であった――からすれば、適切な治療が行われた場合に救命できなかったとは認めることができない。

 ICUでないと救命は不可能か
 医師らは、羊水塞栓症の救命事例は、そのほとんどがICUによる管理・治療が行われていたもので、ICUのない病院では救命することは不可能であったと主張するが、DIC先行型羊水塞栓症の救命事例のほとんどがICUによるものと裏付ける証拠はなく、主張は採用できない。妊婦に羊水塞栓症が発症していた可能性があることは、上記認定を左右するものではない。

争点7.妊婦とその家族の損害

 葬儀費用150万円、死亡慰謝料2400万円、遺失利益4260万円、胎児死亡と過失の因果関係は認められず、胎児死亡慰謝料は認めない。弁護士費用は計680万円。



https://www.m3.com/news/general/435826
病院・診療所別の院外処方率も70%超え
2016年6月23日 (木) 薬局新聞

病院・診療所別の院外処方率も70%超え安定推移 厚労省・平成27年度社会医療診療行為別統計

 院外処方率は病院・診療所別に見ても安定的に70%を超えたことが厚労省の「平成27年社会医療診療行為別統計」からわかった。日本薬剤師会が調査している分業率の進捗状況においても全国平均70%を超えており、医薬分業は本格的に7割の時代が到来したと言えそうだ。

 統計は医科の診療行為の内容や薬局での調剤行為の内容、薬剤の使用状況を明らかにし、医療保険行政の基礎資料として作成されている。昨年6月に提出されたレセプト情報を集計対象とした。

 院外処方の状況をみると、病院・診療所の総数で72.7%となっており、前年の71.8%から0.9ポイント増加した。病院は76.3%で前年の75.4%から0.9ポイント増加し、診療所は71.6%で前年の70.6%から1ポイント増えた。

 薬局調剤の1件当たり点数は1120.7点で前年の1094.6点から26.1点、2.4%増加した。受付1回当たり点数は894.8点で、前年の855.4点から39.4点、4.6%増加している。調剤行為別受付1回当たり点数では薬剤料が672.6点(構成割合75.2%)で最も高く、次いで調剤技術料182.0点(同20.3%)、薬学管理料38.6点(同4.3%)。

 一般医療と後期医療別にみた調剤行為の状況では、薬局調剤1件当たり点数は一般977.9点、後期1501.0点となっており、一般医療と後期医療とで大きな差が生じていることが浮き彫りとなった。受付1回当たり点数でも一般798.3点、後期1131.9点で、年齢が高くなるにつれて受付1回当たり点数は高くなった。

 1件当たり薬剤種類数は院内3.53、院外3.81で院外の方が若干多い傾向が示された。年齢階級別では院内・院外ともに75歳以上が最も多く、それぞれ4.40、4.70となった。院内・院外別にみた主な薬効分類別にみた薬剤の使用状況では、入院は「腫瘍用薬」が13.4%で最も多く、「抗生物質製剤」13.3%、「中枢神経系用薬」13.2%などとなっている。院内では「循環器官用薬」17.0%、「その他代謝性医薬品」12.9%、「腫瘍用薬」11.0%となった。院外は「循環器官用薬」20.3%がトップで「中枢神経系用薬」14.0%、「その他代謝性医薬品」12.0%と、院内・院外で大きな違いは生じなかった。

 薬剤点数に占める後発医薬品の点数割合をみると、総数13.9%、院内13.9%、院外14.0%で、薬剤種類数に占める後発品種類の割合では総数54.5%、院内50.4%、院外55.9%という傾向になっており、院外処方の方が後発品を使用していることが示されている。



https://www.m3.com/news/iryoishin/435889
シリーズ: 中央社会保険医療協議会
DPC、次期改定に向けた検討方針固まる
2016年度改定の入院への影響、2年に分けて調査

2016年6月23日 (木) 橋本佳子(m3.com編集長)

 中央社会保険医療協議会総会(会長:田辺国昭・東京大学大学院法学政治学研究科教授)は6月22日、DPCの今後の検討課題と、「入院医療等の調査・評価分科会」が行う今後の調査方針などについて了承した(資料は、厚生労働省のホームページ)。

 DPCについては、次回の2018年度診療報酬改定に向けて、調整係数が廃止されることからその対応のほか、IからIII群の医療機関群別の基礎係数、DPC病院の機能を評価する機能評価係数IIなどが検討課題。さらにDPC検討ワーキンググループにて、診断群分類の見直しなども検討する。

 「入院医療等の調査・評価分科会」は、2016年度診療報酬改定の影響を評価するため、2016年度と2017年度の2カ年に分けて調査を実施する。2016年度は、一般病棟入院基本料の「重症度、医療・看護必要度」や地域包括ケア病棟入院料の包括範囲の見直し、療養病棟入院基本料等の慢性期入院医療における評価の見直しの影響などを調査、2017年度も「重症度、医療・看護必要度」のほか、1年間の経過措置が設けられている項目を含めて調査する。2016年度は、今年10月には調査票原案を作成、11月から12月に調査を実施、来年3月の調査結果の報告を目指す。


6月22日の中医協は、先進医療などについても議論(『肝細胞癌への陽子線・重粒子線治療、「先進医療B」』を参照)。
 「医療機関群そのものの在り方、検討を」万代氏
 中医協総会の二つの議題は、総会に先立ち開催された基本問題小委員会において議論された。DPCについて、次期改定に向けた検討課題として、厚労省が「基礎係数(医療機関群のあり方)」(II群の選定要件についてなど)」と挙げた点に対し、注文を付けたのが、日本病院会常任理事の万代恭嗣氏。

 DPCの医療機関群は、I群(大学病院本院)、II群(大学病院本院に準じる病院)、III群(それ以外の病院)に分けられる。万代氏は、改定のたびにII群とIII群を行き来する病院が一定程度あることから、「II群に限らず、医療機関群そのものの在り方もベースに置きながら、弾力的な考えで検討してもらいたい」と求めた。

 総会の議論では、全日本病院協会副会長の猪口雄二氏から、「DPCの機能評価係数IIは複雑で、各病院にとってなぜこの係数になるのかが分からない。各病院が目指すべき方向が分かりやすくなるような係数設定が必要」との意見も上がった。

 「現場の状況把握できる調査を」万代氏
 「入院医療等の調査・評価分科会」が実施する調査について、日本医師会常任理事の松本純一氏は、「療養病棟入院基本料等の慢性期入院医療における評価の見直しの影響」は、2016年度のみの調査になっていたことから、「最初の1年目と2年目は若干違ってくる。できれば2年連続で実施してもらいたい」と要望。

 万代氏は、調査票の詳細設計について、「2016年度改定は、今後の医療提供体制の構築に向けてかなり大きな変革だったと認識している。現場の病院も、変化を伴う運営を余儀なされる。現場の状況を確実にあぶり出せる調査項目をお願いしたい」と求め、同分科会の審議経過も中医協に適宜報告することも必要だとした。

 「地域医療構想、報酬で誘導されず」中川氏
 健康保険組合連合会理事の幸野庄司氏は、調査の詳細よりも、基本的な考え方を指摘。地域医療構想や第7次医療計画が進み、介護報酬改定と同時になることから、「次期改定は非常に重要」とし、特に病床機能分化を進める上で、「重症度、医療・看護必要度が設定されている病棟については、その病床機能に見合った患者が入院しているか」、「介護施設との連携も機能しているか」などの視点からの検証が必要だとした。さらに、平均在院日数、在宅復帰率のほか、「今まで7対1入院基本料の議論に偏っていたが、10対1、13対1、15対1などの議論も必要」と求めた。そのほか地域包括ケア病棟入院料については手術や麻酔が包括外になった影響、療養病棟については、2017年度末で設置期限を迎える介護療養病床と医療療養病床(看護人員配置が25対1のもの)などの検討も求めた。

 これに反論したのが、日本医師会副会長の中川俊男氏。「地域医療構想は、診療報酬で誘導されるものではない」と指摘。幸野氏が、「基本的には病院自らが(病床機能を)判断することであり、病床削減のツールでないことも分かっているが、報酬で後押しすることが必要ではないか」と返すと、中川氏は「地域医療構想と診療報酬との整合性が唯一あるとすれば、どの病床機能を選択している病棟であっても、採算が取れる診療報酬を設定すべきということ。それ以上でもそれ以下でもない」と重ねて反論した。万代氏も、「その一点に尽きる。同様の理解だ」と述べ、中川氏の意見を支持した。

 入院医療調査、回収率も議論に
 入院医療関係の調査における回収率について言及したのが、全国健康保険協会理事の吉森俊和氏。2014年度調査では36.5%、2015年度調査では40.7%だった。「次期改定に向けた重要な調査。しかし、回収率が40%前後で、重要なエビデンスを検証できるのか」と疑問を呈した。「個人的には100%近くにしてもらいたい。調査は、協力ではなく、義務化にしてもらいたい」と述べ、回収の方法や調査対象医療機関の全面的な協力が必要だとした。

 万代氏は、医療機関は多忙な中で回答しているとし、「40%は評価すべき数字。調査に回答する大変さをぜひ現場に立ち合って見てもらいたい」と返した。

 調査の回収率は、中医協総会でも議論になり、連合「患者本位の医療を確立する連絡会」委員の花井十伍氏は、「マンパワーが少ない医療機関が回答していなければ、バイアスがかかる」と懸念し、長期的には医療機関にとって不利益になることもあり得るとし、「この程度の数字でも全体を反映しているのか」と問いかけた。

 厚労省保険局医療課長の迫井正深氏は、より正確な情報が得られるよう調査を設計していくとし、「バイアスが危惧されるものは、可能な限り、排除していく。中医協で実施する調査以外に、既存の調査も併せて議論していく」と回答した。



https://www.m3.com/news/general/435849
福山市民病院が「尾道」に医師派遣 7月から、常勤の内科医不足受け
2016年6月23日 (木) 中国新聞

 福山市民病院は22日、常勤の内科医が不足している尾道市民病院に、7月から週1回、医師1人を派遣すると発表した。外来診療を支援し、備後圏域の医療態勢を強化する。



https://www.mixonline.jp/Article/tabid/55/artid/54291/Default.aspx
厚労省・武田医薬局長 高額薬剤問題は最大のテーマ「治療アクセスや新薬開発への配慮も必要」
2016/06/24 03:52 ミクスOnline

厚生労働省医薬・生活衛生局の武田 俊彦局長は6月23日、日本病院学会(岩手県盛岡市)の開会式で挨拶し、高額薬剤問題が医薬・生活衛生局として取り組む最大のテーマであるとの認識を示した。抗がん剤・オプジーボに端を発した高額薬剤問題をめぐっては、現在、薬価引き下げに加え、使用できる医師や施設を限定する“使用の最適化”推進が検討されている。こうした施策による医療費、薬剤費の適正化を見据えるが、武田局長は、検討に際し、「患者が必要な治療を受けられる治療アクセスの確保や、患者が待ち望む画期的新薬がこれからも開発されるような配慮も必要だ」と述べ、最適化とイノベーション推進の両立を視野に入れた施策の立案に取り組む考えを示した。

武田局長は、高齢化、人口減少が進む中で、高額薬剤問題が医療制度の持続可能性を脅かす存在であると指摘。局長就任後、「何がテーマであるべきか、日夜考え続けている。どうしても取り組まなければならいのは、高額薬剤の適正使用の問題だ」と述べた。


◎局横断的な施策立案で医療費適正化に取り組む

武田局長は、「社会保障の問題は、今や国全体で考えるべきテーマとなってきた」との見方を示し、「厚生労働省においても、局ごとに考えるのではなく、局横断的に考え実効性ある対策を打ち出していくことこそが使命ではないかと思う」と述べた。

高額薬剤問題をめぐっては、医薬・生活衛生局と保険局との連携により、新薬の承認段階から薬価収載まで一貫した最適化使用の施策立案が求められている。武田局長は、「薬は添付文書のみ、保険は療養担当規則のみ、ということではなく、いかに様々な行政分野を組み合わせ、政策効果を最大限に発揮できるか」と他局との連携を見据えた施策立案の重要性を強調した。


その上で、「医薬局としても、医療全体の解決に向けて関係各局と有機的に連携し、国民にとって最適な医療の実現、イノベーションや医療の質向上を通じた医療費の適正化など、効果的な施策を打ち出していきたい」と意欲をみせた。



http://www.shimotsuke.co.jp/news/tochigi/top/news/20160624/2366049
栃木県内4病院、自治医大と連携 「臨床センター」設置し学ぶ機会確保へ
6月24日 朝刊 下野新聞

 自治医大と県内の4病院は7月2日に、若手医師が地域医療の現場で学べる「地域臨床教育センター」を4病院に設置することを決めた。将来的に、大学病院が集中治療などに対応する高度急性期医療に専念することを見越し、若手医師が生活習慣病など慢性疾患への対応を地域で学べる機会を確保する。隣県の茨城県では筑波大が同様のシステムを取り入れている。

 センターを設置するのは、新小山市民病院(小山市)、地域医療機能推進機構(JCHO)うつのみや病院(宇都宮市)、とちぎメディカルセンターしもつが(栃木市)、芳賀赤十字病院(真岡市)の4病院。

 主な対象は、医師免許を取得したばかりの初期研修医と、診療科ごとの専門性を高める後期研修医。指導役の医師は、各病院の寄付を原資に、同大が専任講師を採用し派遣する。また各病院に在籍している経験豊富な医師も、同大臨床教授として若手指導に当たる。


  1. 2016/06/24(金) 05:49:10|
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6月21日 

http://www.saitama-np.co.jp/news/2016/06/21/09.html
栗橋病院の一部移転、白紙撤回を 久喜市議会が決議「拠点病院失う」
2016年6月21日(火) 埼玉新聞

 済生会栗橋病院(久喜市小右衛門)の一部機能を加須市へ移転する計画を巡り、久喜市議会は20日の6月定例会本会議で、「移転計画の白紙撤回を求める決議」を全会一致で可決。「移転計画に反対し、現在地または現在地周辺での医療機能の充実と強化を求める請願」を全会一致で採択した。

 決議は全会派代表が提案。決議書によると、同病院は3月23日、同市と市議会に対し、本館病棟の老朽化を理由に、高度急性期医療と急性期疾患の一部医療機能を加須市へ移転する計画を初めて説明した。

 それに先立って、同病院は3月15日に加須市と覚書を結んでいるが、久喜市議会には事後報告。県済生会副会長の田中暄二・久喜市長にも事前に知らせがなかったとしている。

 提案した市議者らは「市長に事前に知らせない状態で大事を進めることは信頼関係を損う。市議会としては移転計画を白紙撤回し、現在地または同地周辺で新病棟を開設することを求める」としている。

 請願書の請願者は久喜市栗橋医師会支部長や同市区長会栗橋地区会長ら計54人。請願者らは「近隣市町の住民から『拠点病院』を失うことへの不安と戸惑いの声が聞こえる。現在ある救急センター機能の充実発展、診療科の充実を図るべき」と訴えている。



http://news.biglobe.ne.jp/economy/0621/prt_160621_1080247040.html
【医師アンケート調査】「有給休暇はどのくらい取得できているか?」について、勤務医の4割は「ほとんど取れていない」と回答
PR TIMES6月21日(火)13時39分

医師10万人以上(国内医師の3人に1人)が参加する医師専用コミュニティサイト「MedPeer(メドピア)」(https://medpeer.jp)を運営するメドピア株式会社(東京都渋谷区、代表取締役社長:石見 陽)は、会員医師を対象に、「有給休暇はどれくらい取得できているか?」についてのアンケートを実施いたしました。以下、結果をご報告します。

※厚生労働省が平成27年10月15日に発表した「平成27年就労条件総合調査」では、平成26年の民間企業における労働者の有休取得率は47.6%でした。尚、政府は平成32年までに有休取得率を70%にすることを目標にしています。
参考:http://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/jikan/syurou/15/

[画像1: http://prtimes.jp/i/10134/70/resize/d10134-70-692704-1.jpg ]
画像:【医師アンケート調査】「有給休暇はどのくらい取得できているか?」について、勤務医の4割は「ほとんど取れていない」と回答
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[画像2: http://prtimes.jp/i/10134/70/resize/d10134-70-265187-2.jpg ]
画像:【医師アンケート調査】「有給休暇はどのくらい取得できているか?」について、勤務医の4割は「ほとんど取れていない」と回答
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■サマリー

「有給休暇はどのくらい取れているか?」の質問に対し、3,370人の勤務医が回答した。結果、最多回答は「ほとんど取れていない」で約4割(39.6%)を占めた。「忙し過ぎて取れない」「人が少なく、代理を頼むことが難しい」「学会以外は休めない」といった声が多かった。
次いで多かったのは、「2〜3割程度は取れている」(16.5%)、「1割程度は取れている」(14.4%)で、合わせて約3割を占めた。「学会と夏休みに使っている」という声が多く、「子供の病気やイベント」「当直明け」に取ったり、「半日や数時間ずつ」取っているという医師もいた。
5割以上取得している勤務医は、合わせて約2割だった。「勤務先が変わって取りやすくなった」や、「夏休みを有休扱いにして消化している」、「権利なので取るようにしている」という声があった。


■回答コメント(一部を抜粋)

「ほとんど取れていない」  1,334件
・代務者を自分で探さなきゃいけない。数多くの外来患者さんにいちいち説明しなければならない。などなど面倒なので、やはり退職するときにまとめて取るしかないですね。(40代、一般内科、男性)
・医者になって22年、いわゆる有休はとったことがありません。ちなみに病欠も0です。夏休みのみ数回。働きすぎですかね。(40代、消化器内科、男性)
・学会参加のための休みが有休として消化されるぐらいです。個人としての休みは年に1,2日です。(50代、放射線科、男性)
・仕事が忙しく、なかなか有休はとれません。もっととれる体制になればと思います。同僚ともども、過労死しないか心配です。(40代、小児科、女性)
・人がいないので。そして、お産はいつくるか分からないので。(30代、産婦人科、女性)
・何やかんや制約あり、長期はだめ、変わりはどうするか…。取れないように仕組んでいる。ブラック病院。(60代、一般外科、男性)
・この職場にきて無理と最初からあきらめています。医療過疎地域では無理ですよ。(30代、循環器内科、男性)
・上司を含め、周りの医師が有休を取らず、取れないでいる。強制的に有休を取得させる制度が必要だと思う。(30代、消化器外科、男性)

「1割程度は取れている」  484件
・医師は学会や会議などで施設を抜けることが多く有給休暇との境が不明。しかし、事務方から有給として休みの申請をするように言われるようになってきているので改めて申請をしている。(70代、小児科、男性)
・夏休みは取れていますが、休み中でも県外にいても24時間オンコールです。県外の時には電話対応のみですが。休みって言えるのでしょうか?(40代、一般内科、男性)
・最近まで出向していた組織では、有休の消化率向上も目標になっていたので、自分の意識も多少変わりました。(50代、小児科、男性)
・学会参加と夏休みを有休として取っています。しかしこれが正しい有休の取り方なのかわかりません。(30代、総合診療、男性)
・子どもの用事や病気などでとります。計画的に旅行などで取ったりということはまずありません(40代、小児科、女性)

「2〜3割程度は取れている」  556件
・子供に関連したイベントや、その他の家族の都合での有休も、規定内であれば全て認めてもらっています。職場の理解もあり、非常に働きやすい職場です。(40代、老年内科、男性)
・昨年あたりから積極的に取り始めた。一度取ると、取ることに慣れてきます。部下のためにも上のものが率先して取ることも必要だと思います。(60代、病理、男性)
・ちょこちょこ、半日や時間休をとっている。当直明けは有休処理して帰っています。こんなことで消費するしか…。(40代、呼吸器内科、男性)
・学会参加時と夏休みくらいです。いわゆる夏季休暇は設定されていません。(50代、整形外科・スポーツ医学、男性)
・年間数日とっています。住居の点検や修理で使うことが多いです。遊興にはあまり使っていない…。(40代、病理、女性)

「5割程度は取れている」  321件
・基本的に好き放題取れる職場ですが、講演会やインフルエンザに罹患した時など、致し方ない時だけ取るようにしています。(30代、一般内科、女性)
・毎年夏休みだけはしっかり(10日くらい)もらっています。それ以外は休む理由もないので特に休んではいません。(60代、循環器内科、男性)
・麻酔科管理の手術を止めなければならないので、取るときには1〜2ヶ月前に申請しています。(60代、麻酔科、男性)
・今年から医師数が増えたので有休が自由にとれるようになりました。(50代、消化器内科、男性)

「7割程度は取れている」  127件
・月に一回くらいのペースで取得しています。パフォーマンスを最大限に引き出すために必要不可欠。(30代、麻酔科、男性)
・上司もしっかり取っているので、私たちも非常に取りやすく助かっています。(30代、循環器内科、男性)
・健診センター勤務になり、初めて有休・代休というものをとりました。(50代、産婦人科、男性)
・有休消費率アップ運動が展開されています。(50代、一般内科、男性)

「ほとんど消化している」  228件
・労働者の権利なので、ほぼ100%取得し、部下にも強く推奨しています。まずは上司が取らないと部下が取りにくくなるので、自ら率先してほぼ完全消化です。(50代、麻酔科、男性)
・民間病院に行き、すべて消化しています。大学時代は取得したことはありません。(40代、代謝・内分泌科、男性)
・連携体制が上手くいっておりほとんど消化している(60代、泌尿器科、男性)
・当直明けを半日年休すると自動的に消化できます。でも真の有休ではありません。疲れて寝てるだけです。(50代、整形外科・スポーツ医学、男性)

「有休はない」  127件
・パートという形なので。若いころは、当直明けの休みやパート、学会、などに有休を当てていました。(30代、精神科、女性)
・聞いたことがありません。休まなければいけないときは、同僚たちの了解を得るなど、自分で調整して休んでいます。(40代、精神科、男性)
・管理職ということで有休はありません。その代わり夏季休暇と年末年始休暇はあります。(50代、精神科、男性)
・非常勤で行っている病院では、有休は常勤だけしかとれない。(60代、小児科、女性)

■調査概要
調査期間:2016/5/25 〜 2016/5/31
有効回答:勤務医3,370人(回答者はすべて、医師専用コミュニティサイトMedPeerに会員登録をする医師)
調査方法:MedPeer内の「ポスティング調査」コーナーにおいて、医師会員からご投稿頂いたテーマをもとに、以下の質問を投げかけました。
[表: http://prtimes.jp/data/corp/10134/table/70_1.jpg ]

■記事引用時のお願い
・医師専用コミュニティサイト「MedPeer」調べ、と明記ください。
・WEB上での引用に際しましては、「MedPeer」にhttps://medpeer.jpへのリンク付与をお願い致します。

■(参考)過去の関連調査
「医師を辞めようと思ったことはありますか?」について、半数以上の医師は「まったくない」と回答
 http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000038.000010134.html
「一番きついと思う診療科目は?」—1位「どの科も同じ」、2位「産婦人科医」、3位「外科医」
 http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000031.000010134.html
「あなたの地域で産婦人科医は足りていますか?」医師の実感を地域別に調査
 http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000029.000010134.html

【メドピア株式会社について】
・社名:メドピア株式会社( https://medpeer.co.jp )
・代表者:代表取締役社長 石見 陽 (医師・医学博士)
・設立:2004年12月
・運営サービス:医師専用サイト「MedPeer(メドピア)」( https://medpeer.jp )

メドピア株式会社は、「Supporting Doctors, Helping Patients.」を理念として、現在10万人以上の医師(国内医師の3人に1人)が参加する医師専用サイト「MedPeer」を運営しています。医師同士が臨床現場で得た知見を「集合知」として共有する場を提供することで、医師の診療を支援するとともに、MedPeerの医師会員および集合知を源泉として、製薬企業をはじめとした企業に対して医師向けのマーケティング支援サービスを提供しています。

【お問い合わせ先】
メドピア株式会社 広報担当 藤野
電話:03-6447-7961 | メール:pr@medpeer.co.jp



http://japan.cnet.com/news/service/35084603/
グーグル、「胃が痛い」などの症状で病名や治療法の検索を可能に--米国で開始
Lance Whitney (Special to ZDNet.com) 翻訳校正: 編集部
2016/06/21 13:43 C|NET

「モノのインターネット」時代は到来している!ビジネスや社会の変化を先取りせよ
 Googleは米国時間6月20日、同モバイル版検索サイトに加え、「iOS」「Android」版アプリに対し、病気の症状に関する情報の発見に役立つ機能を追加した。ユーザーは病名で検索する代わりに、「My stomach hurts」(胃が痛い)などと特定の症状を入力して検索することが可能となる。

 Googleは検索結果として、可能性がある病気の概要、考えられる治療法、何科の医師に相談すれば良いかなどを提示する。

 ユーザーが一般的な病気の諸症状を検索すると、Googleは通常、WebMD、Mayo Clinic、Medline Plusなどの専門サイトのリンクを表示する。

 Googleはこの新機能を構築するために、検索結果から「片頭痛」や「目の周りのあざ」「腰痛」といったありとあらゆる症状を見つけ出して一覧にまとめた。その後、これらの症状を医師から集めた医学情報と突き合わせ、独自の「Knowledge Graph」を作成した。Knowledge Graphは、より包括的なデータ集合を提供および表示することを目指す高度な検索機能だ。

 ユーザーが検索した症状の結果は、1つの「Condition」パネル内にポップアップ表示され、あらゆる情報を一元的に参照できる。この新機能のために、Googleは複数の医師に協力を依頼した。

 この新機能は、Googleのモバイルサイトおよびアプリのみから利用可能となっており、デスクトップ版ウェブサイトでは利用できない。また、少なくとも最初は、米国にて英語でのみ利用可能となっている。同機能は20日に公開された後、対象となるユーザーに1~2日以内で提供される予定だ。

実際の病名ではなく病気の症状でGoogleの検索が米国では可能となった。



http://www.gifu-np.co.jp/news/kennai/20160621/201606210839_27507.shtml
患者と対話、寄り添う 岐阜大病院医師が「話す会」
2016年06月21日08:39 岐阜新聞

 岐阜市柳戸、岐阜大病院で20日、診療経験豊富な医師が患者と対話する「話す会」が始まった。本年度中に6回開く予定で、初回は小倉真治病院長が救急医療や病院運営に関する質問に答えた。

 同院が理念に掲げる「対話が創る信頼と安心の病院」を実践しようと病院長の発案で初めて企画、外来や入院の患者ら約50人が訪れた。

 災害・救急医療が専門の小倉病院長は「最後の砦(とりで)としての大学病院」と題してトーク。基地病院を担うドクターヘリに関し「当病院から高山市まで最短で30分以内でたどり着く。県南部に救命救急センターが集中する『南北問題』がかなり解消された」と紹介した。

 来場者からは「医師が乗って現場に出動するドクターカーの導入計画は」などテーマに沿った質問のほか、待ち時間の短縮や病院食の改善など幅広い注文も相次いだ。

 モニターに表示される自身の番号を見逃すと診察が後回しになるとして、番号の呼び出しも求めた揖斐郡揖斐川町のバス運転手細川義一さん(70)は「些細なことだが、前向きに対応すると即答いただけた」と喜んでいた。

 話す会は隔月で、テーマは患者から募集。次回からは副病院長らが語る。



http://www.medwatch.jp/?p=9324
激震の「看護必要度ショック」8月に追加講演決定、日病学会でも
2016年6月21日|GHCをウォッチ

 大注目セミナー「看護必要度ショック」の追加講演を緊急開催します。日病学会でも関連テーマに触れます。

ここがポイント
1  Hファイル提出直前に押さえるべき要点
2 「第66回日本病院学会」のランチョンセミナーでも
  Hファイル提出直前に押さえるべき要点

 2016年度診療報酬改定で、全国の一般急性期病院の間に激震が走ったのは記憶に新しいかと思います。この10月から「重症度、医療・看護必要度」の生データ「Hファイル」の提出が義務化されるからです。

 データ精度に問題があれば、7対1入院基本料の算定返上にもなりかねません(関連記事『「突然の7対1返上」に絶対ならない4つの正しいステップ、医療・経営の質向上の入口は看護必要度―GHCがセミナー開催』)。正確な自病院の重症度を把握できていなければ、急性期病床の大再編時代に適確な病床戦略を立案することもできません。

 こうした背景から、4、5月に東京、大阪、福岡で計5回開催した「看護必要度ショック」のセミナーは、いずれも満席。セミナー終了後も関連のお問い合わせが後を絶ちません。そこで、前回のセミナー内容をさらにブラッシュアップし、Hファイル提出直前に押さえるべき要点をまとめ、データ精度向上から病床戦略までの基本ステップを網羅したセミナーを、8月18日(木)に横浜で緊急開催することが決定しました(詳細はこちら)。

「第66回日本病院学会」のランチョンセミナーでも

 また、盛岡市内で6月23―24日に開催する「第66回日本病院学会」で予定しているGHCのランチョンセミナーでも、「看護必要度ショック」をテーマの1つに取り上げます(セミナー詳細はこちら)。

 日病学会へお越しの方は、まずは23日のランチョンセミナー、そして8月の追加講演に是非、ご参加ください。

【6/23】地域医療構想下における戦略的病院経営 ~岩手県立中央病院の事例をもとに~「看護必要度ショック」の要点と対策(関連記事)
【8/18】激震走る「看護必要度ショック」、 Hファイル提出直前に押さえるべき要点~データ精度向上から病床戦略までの基本ステップ~(関連記事)



https://www.m3.com/news/iryoishin/434893?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD160621&dcf_doctor=true&mc.l=163740504&eml=3f492a08f1681d66441569ec02c0b51e
シリーズ: 真価問われる専門医改革
内科学会、「新専門医は7月末を目途に判断」
実施なら正式な制度、「現制度の継続」の可能性も

2016年6月21日 (火) 橋本佳子(m3.com編集長)

 日本内科学会は6月20日、「新しい専門医制度への取り組みについて」という見解を公表した。新専門医制度について理解が得られれば、2017年度から「試行」ではなく、正式な制度として開始するものの、時間的な状況を踏まえ、新専門医制度開始の見通しが立たない場合、「本年7月末を目処に、2017年度は現制度を継続する判断をする」という内容だ(同学会のホームページ)。

 20日の見解ではまず、新専門医制度について、「解決すべきさまざまな課題が明らかになり、国民的議論に発展しつつある。超高齢社会を前に、「専門医養成の在り方が注目されるのはもっともなこと」と指摘。その上で、日本医師会や四病院団体協議会の要望書、厚生労働大臣談話などでも求められている集中的な精査、協議により、建設的な意見集約を行い、より良い仕組みとなることを期待しているとし、理解が得られれば、2017年度から新専門医制度を開始するとしている。

 しかし、研修施設、指導医、専攻医の置かれている状況、検討の協議で結論に時間を要すると考えられるとし、「新しい専門医制度が開始できるという見通しが得られない場合、本年7月末を目処に、来年度に関しては日本内科学会の現制度を継続する判断をしたいと考える」と説明。

 今なお方針が定めにくい状況が伺え、後段では、「新しい制度の取り組みに関する目下の懸念点は、新しい制度がいつ始まるのか、その研修実態はきちんとした制度であるのかどうか、ということにあると思う」と指摘。この6月末に選出される日本専門医機構の執行部、地域医療を担う医療関係者および各学会と十分協議した上で、本年7月末を目処に新しい専門医制度が問題なく開始できることが確認された場合には、「試行的ではなく、正式な専門医制度として開始されることを強く望む」と結んでいる。

 2017年度から開始予定だった新専門医制度は、地域医療への影響が懸念され、全領域での全面実施は見送られ、各学会の判断に現時点では委ねられている(『新専門医制で18学会に釘刺す、日医と医学会』を参照)。地域医療への影響が特に大きい、日本内科学会と日本外科学会の判断に注目が集まっている。

 「指導医の大病院集中や引き剝がしに配慮」

 20日の見解では、新内科専門医について、「複数の疾患を有する場合の多い高齢者にも質の高い医療を提供できるジェネラルな素養を持つ内科医の育成」を目指し、幅広い症例経験を求めるプログラムを設けたと説明。従来は、初期研修を含めて3年で取得可能だった認定内科医を、初期研修を含めて、5年の研修を必要とする内科専門医としたのは、こうした理由からだとした。内科専門医のあり方については、引き続き内科のサブスペシャルティ学会と協議していく方針。

 新専門医については、「質の高い医師の養成」と「地域医療の充実」という、「ともすると矛盾しがちな課題の解決」が求められるとし、「地域医療」の充実という要請に応えるため、新制度では、施設群による研修体制を構築したという。基幹施設と連携施設が施設群を組む体制になったことから、専門医養成に関係する施設は、従来の1194施設から2875施設と2.4倍に増加、増加の大半を中小病院が占め、新たに200床未満の施設が1568施設加わることから、「指導医になることができなかった中小病院所属の内科医が、指導医として新たに参加することとなり、指導医の大病院集中や引き剥がしがないように配慮している」と理解を求めている(『内科専門医、「研修施設ゼロ」の2次医療圏は1カ所』などを参照)。

 さらに研修医に対しても、(1)内科系サブスペシャルティ研修に関する弾力的な対応、(2)休職期間の取り扱い、(3)研修実績の登録と評価――について説明。



https://www.m3.com/news/general/435140
肝炎治療薬520万円相当を横流し 詐欺容疑で3人逮捕
2016年6月21日 (火) 朝日新聞

 病院から処方されたC型肝炎の治療薬(1錠約6万円)を横流ししたとして、警視庁が21日、男女3人を詐欺容疑で逮捕したことが捜査関係者への取材でわかった。生活保護受給者は医療費負担がないことを悪用して入手し、不正に転売していたとみて調べている。

 逮捕されたのは、東京都町田市に住む無職の男(48)と30代の女、神奈川県藤沢市に住む40代の男の計3人。相模原市内の病院で今年、服薬する目的がないのに、医師から3回にわたり、C型肝炎治療薬「ソバルディ」84錠(約520万円相当)の処方を受け、だまし取った疑いがある。

 C型肝炎の患者だった無職の男は、生活保護受給者であることから、無料でソバルディの処方を受けていた。男は今年3月に覚醒剤取締法違反容疑で逮捕、起訴され、調べに「ソバルディを転売した」などと話しているという。警視庁は、ほかに逮捕した男女がこの男から薬を買い、さらに転売していたとみている。

 ソバルディは昨年3月、国が新たに承認したC型肝炎治療薬。厚生労働省によると、1日1錠を84日間服用する。それまで主流だったインターフェロンなどの注射薬と比べて副作用も少なく、短い治療期間でより高い効果が期待できるという。厚労省は、2015年時点で年間1万9千人の患者が使用すると見込んでいた。



https://www.m3.com/news/iryoishin/435239
シリーズ: 真価問われる専門医改革
日本専門医機構、新執行部24人の理事候補者決定
27日の社員総会で選任、理事長はじめ刷新へ

2016年6月21日 (火) 橋本佳子(m3.com編集長)

 日本専門医機構の役員候補者選考委員会(委員長:中川俊男・日本医師会副会長)は6月21日、第2回会議を開き、24人の新役員候補者を決定した。27日の同機構理事会、同じく27日に開催される社員総会の決議によって選任する。

 21日の段階では、役員候補者の名前は明らかにされなかった。理事は、23~25人の予定だったが、役員候補者に選ばれたのは24人。役員選任規定では、機構設立時およびそれに準じる社員(日本医学会連合、日本医師会、全国医学部長病院長会議、四病院団体協議会)から各2人、計8人、内科系社員学会と外科系社員学会から各3人、計6人、専門医育成に関係する団体(日本医療安全機構、医療研修推進財団)から各1人、計2人、学識経験者から7~9人とされている。

 学識経験者が8人か、あるいはそれ以外の枠から1人減員されたのかは不明。現理事長の池田康夫氏は、理事候補に推薦されても辞退することを表明(『池田理事長、「新理事に推薦されても辞退」』を参照)。他の現理事も、複数入れ替わるもよう。

 2017年度から開始予定だった新専門医制度の全面実施は見送られ、新制度に移行するか、あるいは現行制度のまま実施するかなどの判断は、各基本診療領域の学会に委ねられている(『新専門医制度、2017年度の全面実施見送りへ』を参照)。新執行部の体制を見て判断する学会もあると予想され、ガバナンスを発揮でき、医療界内外から信頼され得る新執行部の構築が求められている。


  1. 2016/06/22(水) 05:22:16|
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6月20日 

https://www.m3.com/news/iryoishin/434116?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD160620&dcf_doctor=true&mc.l=163454639&eml=3f492a08f1681d66441569ec02c0b51e
シリーズ: 医療裁判の判決詳報
帝王切開で死亡、高裁が認定した事実◆Vol.1
判決詳報、「医師のミスなければ、妊婦救命できた」

2016年6月20日 (月) 成相通子(m3.com編集部)

 東京高裁で5月26日、2008年に静岡厚生病院(静岡市)で帝王切開手術を受けた後に死亡した妊婦(当時24歳)の遺族が、病院を運営する「JA静岡厚生連」と手術をした医師3人に損害賠償を請求した訴訟の控訴審判決があり、富田善範裁判長は、死因との因果関係を認めなかった一審を取り消し、病院側に約7490万円の支払いを命じた。病院側は6月10日までに最高裁に上告した。 控訴審判決で認定された事実と判断を2回に分けて詳報する。

■事件の経緯

 2008年4月に当時24歳だった妊婦が 、同病院で帝王切開手術を受けた後、死亡した。2014年12月の静岡地裁判決では、「妊婦に対して抗ショック療法および抗産科DIC療法を開始するべき義務があったが、違反した」として、医師らの過失を認定したものの、当時の医療水準の治療では、医師らが救命することはできなかったとして、過失と妊婦の死亡の相当因果関係は認められないと判断し、遺族側の請求を棄却した。遺族側は、それを不服として控訴した。

■死亡までの経緯 (争いのない事実 と 裁判所が認定した事実

※緑色の表記は裁判所が認定した事実

 妊婦は2007年9月から定期的に同病院の産婦人科を受診し、医師A、Bの診察を受けていた。出産予定日は2008年4月24日。経過は概ね良好で、2008年4月25日に受診した際も異常はなかった。

 妊婦の身長は164.0cm、妊娠前の体重は61.0kg、手術直前は78.2kg。妊娠前に大きな病気やアレルギーは無かった。

 2008年4月27日午前0時ごろ、妊婦は病院に自ら電話して、陣痛を訴えた。対応した看護師は、陣痛が強くなったら再度電話するように伝えた。

 午前6時50分ごろ、妊婦が再度電話し、夫の運転する車で病院に向かった。

 午前7時20分ごろ、妊婦が病院に到着。脈拍独歩で来院し、ふらつきはなかったものの、口唇色がやや不良で、発汗が著明だった。体温は35.5度。対応した助産師がNST(胎児心拍モニタリング)を装着し、胎児の心音を聴取しようとしたが、聴取できなかった。ドップラー、エコーでも同様だった。そのため、異常と判断し、午前7時53分ごろに担当医のAに電話連絡した。

 午前8時過ぎに担当医Aが病院に到着。妊婦をエコーで診察し、胎児心拍消失と胎盤早期剥離を疑う所見を確認し、胎盤と子宮壁の間に血液と思われる胎盤後血腫の像があり、胎盤自体が熱くなっていたこと、胎児の心拍も認められなかったこと、腹部が非常に硬くなっていたことなどから、常位胎盤早期剥離を発症したと判断。帝王切開で胎児を出産させることを決定した。医師Aは、手術をすること、胎動がほとんどなく、胎児の生存が難しいと思われることを夫に説明。夫が手術と輸血の同意書にサインした。

 午前8時25分に採血された血液検査の結果が午前9時13分ごろ得られ、赤血球数(RBC)3.19、ヘモグロビン濃度(Hgb)8.2g/dl、ヘマトクリット値(Hct)25.4、活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)29.3、プロトロンビン時間国際標準比1.11、出血時間8.0以上だった。医師らは、血液検査で産科DICスコアをカウントするためのFDPやDダイマーの検査は指示しなった。

 病院で、RBCの基準範囲は3.8~4.8、Hgbは34~45 g/dl、APTTは25~38 とされており、上記血液検査の数値はいずれも基準範囲を下回っており、特にHctは相当低い値である方、赤血球数だけでなく、血液が希釈された状態になっていることも伺われる状態だった。


 午前8時45分ごろ、手術室に入室。妊婦の顔色ややや不良で、冷汗があった。妊婦を手術室に送ると、Aが手術室から出てきて、夫に最悪の場合は子宮を切除する旨を話し、夫が了解した。内診では、子宮口は4センチ大で、出血が認められた。

 手術はAが執刀医、AとBが麻酔 を担当し、医師Cが助手を務めた。麻酔は腰椎麻酔で、午前9時5分から午前11時2分まで続いた。

 手術は午前9時15分に始まり、午前10時45分に終わった。

 病院には、RCC4単位、FFP4単位の在庫しかなかったため、医師Aが午前9時ごろ、看護師に対して、日赤血液センターからRCC10単位、FFP10単位を取り寄せるよう指示したが看護師の発注ミスでFFP10単位は発注されなかった。最寄りの日赤血液センターから病院まで車で12分ほどで、RCC10単位は午前9時20分ごろに病院に届いた。

 午前9時23分に人工破膜を実施。
午前9時24分に胎児挽出し、同26分に胎盤を挽出、子宮を外に出した。同27分に小児科医が胎児の死亡を確認し、小児科医は胎児と共に手術室を出た。

 胎児娩出直後から、胎盤や大量の凝血塊が切開創からあふれて来た。凝血塊は、手で何度も鷲掴みにできるほどの量で、医師AとCが次々に子宮から除去した。除去後の子宮は全体に柔らかく、表面色も早期胎盤剥離の時の色を呈していたが強出血は認められず、子宮の大きさが一般の子宮と比べて大きい状態にはなっておらず、浮腫状でもなかった。子宮の収縮は不良であると認められたが、初産婦であったことや、輪状マッサージで子宮の収縮がやや良好と認められたことから、子宮温存可能と判断。

 医師Aが子宮切開創を縫合し、医師Cが結紮して閉じ、腹腔内に戻す処置を開始した。じわじわとした出血はあったものの、出血が止まらないことはなかった。子宮を温存すべきか医師らが検討している間に、妊婦は医師Bに対して「赤ちゃん大丈夫なの」と尋ね、医師Bは「とりあえず小児科の先生がみてくれるから」と返答した。

 午前9時半までに、合計約1350mlの輸液(ヴィーンD100ml、ヘスパンダー100ml、ラクテック約250ml)を行った。


 午前9時半ごろ、妊婦の収縮期血圧はショックの目安となる90を下回り、ショックに陥った。

 血圧は、午前9時5分に収縮期140/拡張期83だったのが、午前9時10分に同125/69、午前9時15分に同115/58、午前9時25分に同101/43、午前9時30分に同85/35と徐々に低下し始め、人口派破膜後も低下を続け、午前9時半ごろにショックに陥った。その後の血圧は、午前9時40分に同93/48となっていったん改善したが、午前9時45分に58/35と再び悪化。

 医師Bが血圧を上げるために輸液を全開にし、昇圧作用のあるエフェドリンを8ml投薬。午前9時50分ごろからはカコージンを投与したが、RCC2単位の輸血を開始した後の午前10時35分まで収縮期血圧はショックの目安の90を上回ることはなかった。

 脈拍は一般に60~100の間が正常で、100を超えると頻脈と考えられる。妊婦の脈拍は午前8時45分の手術室入室時に90、手術開始前の午前8時50分に130、その後一貫して100を超えていた。

 医師Bは、午前9時45分から同50分の間、午前10時ごろの2回、妊婦に痙攣のような動きがあったことを確認。1回目は手を上げるような動きで、二回目は、身体をのけぞるような動きと歯を食いしばるような動きが30秒から1分程度続いたという。医師Bは、これらの動きが収まりつつあると認識したものの、アルビアチンを投与。下顎の開口が困難な状態だったため、バイトブロックをしようとした。医師AとCは、上記の痙攣のような動きには気付かなかった。

 午前10時ごろ、収縮期血圧は49にまで低下。医師Bは、血圧を上げるために末梢血管を拡張する効果がある笑気ガスを切った。その後、収縮期血圧は60程度に上昇したが、ショック状態からは回復しなかった。そのころまでには、医師Aが子宮切開創の縫合を終え、子宮を腹腔内に戻し、閉腹を開始。医師Aは、ショック状態に陥った時点から腹膜縫合の直前まで、妊婦の血圧が低下しているとの認識はなかった。

 医師らは、腹膜縫合の直前ぐらいから、妊婦の血圧低下と頻脈が頻発していることを確認。呼びかけへの反応が不良で、不穏状態が認められるとして、妊婦に循環血脈不足、または弛緩発作を疑った。医師Bは、RCC4単位が手術室に搬入されたとの連絡を受けたが、医師Aと相談し、今は血圧が低いが、手術の出血は大量とは思われず、妊婦が若年であることから、RCCを輸血せずに様子を見ることにした。

 午前10時半ごろ収縮期血圧が再び48に低下。医師Bは医師Aと相談の上、妊婦にRCC(濃厚赤血球、140ml)2単位の輸血をポンピングにより実施。輸血直後の午前10時35分、血圧は同102/75となり、一次的に上昇した。


 午前10時45分ごろに手術を終了した。手術時間は、1時間30分で、通常より若干長い程度だった。医師らは、手術終了段階で妊婦の意識レベルが低下していることを確認し、直後に医師Cは血圧低下の原因として、子宮からの出血が急に増加している可能性も考え、超音波で腹部の上から観察したが、子宮口内の血液貯留はほとんどなく、悪露流出も通常の帝王切開と同じ程度だった。このころ、RCC2単位の輸血が終了した。

 輸血終了直前の午前10時46分、妊婦の血圧は同55/28に低下。医師らは追加で2単位の輸血を開始した。FFPもこのころ手術室に届けられたが、未解凍の状態だったため、直ちに輸血はできず、解凍した。

 午前11時ごろ、血圧は一時的に回復、同97/77になった。妊婦は医師Bの呼び掛けに一度うなずいた。医師らは、弛緩発作や脳出血の可能性も考え、CT撮影を行うことにした。


 午前11時すぎ、医師Aが待合室で妊婦の家族に胎児は死産だったこと、子宮は残したこと、痙攣などがあるため、鎮痛剤の投与を行ったことを説明。脳出血の可能性があるとして、CT検査をすることも説明した。

 手術室を出るまでの総出血量は経時的に把握されていなかったが、後に確認したところ、確認された分だけで、3438ml(吸引1500ml、ガーゼなど1938ml)だった。医師らは、手術中の出血量、吸引分の1500mlは把握していたが、それ以外の1939mlについては把握していなかった。

 午前11時15分ごろ、CT室に移送され、頭部CT検査を実施。同時に腹部CTも撮影した。子宮は巨大化しており、帝王切開後の子宮の重さがだいたい700mg以下、通常500g程度であるところ、1300gになっていた。腹腔内や子宮内に病的な液体貯留所見は認められなかった(後にCT画像から推測したところでは、子宮内に貯留していた血液は83.91cm3)。腹部大動脈と下大動脈は虚脱していた。画像診断をした脳外科医は、明らかな脳出血や浮腫はないと診断した。

 CT撮影中、看護師が呼吸の異変に気づき、「呼吸がおかしいから挿管した方が良いのでは」と医師Cに申し出た。医師Cは、撮影室から呼吸の状態を確認できず、手術室では自発呼吸をしていたことから、直ちに応じることはしなかったが、看護師は「絶対に呼吸がおかしい」と強く主張。撮影終了時に医師Cが確認したところ、努力性の呼吸(下顎呼吸)を呈していた。


 医師Aは、脳出血はなかったが、血圧が測定できないほど低いため、人工呼吸器を装着すると家族に告げた。

 午前11時半ごろ、普通病棟に移送。午前11時40分ごろからRCC2単位の輸血を実施。午前11時45分ごろにはFFP(新鮮凍結血漿、120ml)2単位の輸血を行った。

 午後0時2分の体温は33.0度。心拍数は136でSPO2と血圧は測定不可だった。午後0時10分、右鼠径部から血液ガスを採取し、SPO2は2555.5、PCO2は16.7、Ph7.002で、医師Bは代謝性アシドーシス、代償性過喚気になっていると考えた。同時に血液採取と血液検査も行われ、午後0時52分に判明した結果では、血小板8.1万μl、Dダイマーは73.1だった。遅くとも午後0時10分ごろの段階で、重症の産科DICを発症していた。

 血圧検査では、Hgbが7.5g/dl、Hctは22.2で、手術開始前に比べても、さらに貧血が進んでいる状態だった。午後0時ごろ、心エコーを実施したが、右室負荷も、右室拡大所見も左室圧排所見も認められなかった。


 午後1時10分ごろ、家族が面会で病室に入ったところ、人工呼吸器を付けていた。午後1時19分には医師が心臓マッサージをし、同24分ごろに心拍停止、同40分に死亡確認した。

 医師らは手術当日、産科DICスコアをカウントせず、SI(ショックインデックス、脈拍数/収縮期血圧)による評価はしていない。

 4月30日に警察の嘱託で司法解剖を実施。極度の貧血で、各臓器も貧血所見が著明だったが、それに相当する血液貯留は認められず、出血箇所の特定もできなかった。腹腔内は巨大な妊娠子宮で占められ、その前面に横走る新しい手術痕が認められ、子宮内腔に縫合痕と胎盤の剥離痕が認められる以外に異常な出血や血液貯留は認められず、腹腔内には淡赤褐色液75mlがあった。死因鑑定では、病理組織検査の結果、肺の血管内に羊水成分と見られる細胞(サイトケラチンAE1/AE3)を確認。血漿について亜鉛コプロポルフィリン(胎児の便中に大量に存在されるとされている物質)を測定したところ、高値を示した。鑑定医師は、肺の血管内に羊水成分と見られる細胞が確認され、その影響が貧血所見よりも重要であると判断し、妊婦の死因は羊水塞栓症であると推定した。胎児の死因についても鑑定し、常位胎盤早期剥離として矛盾しないと結論づけた。


■争点は7点

1.常位胎盤早期剥離発症時における産科DIC防止に関する過失の有無
2.産科DICおよびショックに対する治療に関する過失の有無
3.弛緩出血への対応に関する過失の有無
4.輸送義務違反の有無
5.過失と死亡との間の相当因果関係の有無
6.医師らによる期待権侵害の有無
7.妊婦とその家族の損害
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https://www.m3.com/news/general/434739?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD160620&dcf_doctor=true&mc.l=163454643&eml=3f492a08f1681d66441569ec02c0b51e
「暴力受けた」半数 訪問看護、利用者・家族に 神戸の大学調査
2016年6月20日 (月) 共同通信社

 利用者の自宅でケアをする兵庫県内の訪問看護師を対象にした調査で、50%が「暴力」を受けた経験があると回答したことが18日、分かった。暴力を振るったのは、利用者が71%、利用者の家族・親族が24%、利用者と家族ら両方からも2%あった。調査した神戸市看護大のグループが明らかにした。

 調査では、身体的な暴力だけでなく、言葉での侮辱や威圧的な態度なども「暴力」としている。

 グループの林千冬(はやし・ちふゆ)教授(看護管理学)は「自分の対応が悪かったのが原因と思い、暴力と認識しない場合もあり実際にはもっと多いはず。過去のトラブルの情報を共有する仕組みや行政の相談窓口設置など対応が必要だ」と指摘している。林教授によると、訪問看護現場の暴力を調べた研究は少ない。

 調査は、昨年12月から今年1月、兵庫県内の訪問看護ステーション83施設の600人に質問状を送り、358人が自身の経験に基づき回答した。

 暴力を受けた経験があると回答した人(180人)に内容を複数回答で聞くと、威圧的な態度が49%、言葉での侮辱が45%、身体的暴力が28%などだった。

 言葉の侮辱としては「ばか女死ね」「はさみで刺す」などと言われたほか、身体的暴力では「つえでたたかれる」「生傷が絶えない」など。

 セクハラ被害もあり「抱きつかれた」「利用者が訪問中にアダルトビデオをずっと見ていた」などの回答があった。

 暴力を振るったのは、60~69歳が32%、70~79歳が23%だった。

 対応では「相手の言い分をただただ傾聴した」が23%と最多。「やめるよう伝えた」と「我慢した。あきらめた」がいずれも15%だった。9割近くは上司に報告していたが、予防策が「ある」としたのは22%にとどまった。

 林教授は「利用者の自宅で一対一になり、身体的な接触も多い。暴力を予測することは難しい」と分析している。

 ※訪問看護
 民間の訪問看護ステーションから、看護師らが病気や障害のある人の自宅を訪問し、生活の介助や医療処置など在宅での療養をサポートするサービス。利用者は増えており、約39万人が利用している。介護保険と医療保険のいずれかから費用が出る。利用したい場合は、主治医に相談して病状や要介護度などが書かれた「訪問看護指示書」を交付してもらう必要がある。全国訪問看護事業協会によると、昨年4月現在、全国に約8200のステーションがある。



https://www.m3.com/news/general/434740
「理不尽な実態知って」 体調異変のケースも
2016年6月20日 (月) 共同通信社

 神戸市看護大の研究グループが実施した調査で、訪問看護師が暴力に悩まされている実態が明らかになった。調査に答えた訪問看護ステーションの所長らは「理不尽さに傷ついている人は多い」「まずは、暴力があることを知ってほしい」と訴える。

 ステーションで所長を務める50代女性が話したのは、スタッフの体調に異変が出たケース。30代の女性スタッフが、脳血管に病気を抱える利用者の30代の息子が出したお茶を飲んだ後、体調を崩したことが2度続いた。2回目は意識障害を起こし入院。所長は「薬の混入を疑ったが、原因は分からなかった」と明かす。

 病院の担当者や地域のケアマネジャーを通じ、事前に利用者の病歴や家族構成などの情報が入ってはくるが、別の女性所長は「家に実際に誰がいてどんな人なのかを知るために、玄関を入った一瞬の情報収集にかける」と打ち明ける。

 実際に暴力を受けても「利用者が病気だから仕方がない」と思ってしまう従事者も多い。ある女性所長は「暴力と表現するのに抵抗もあった。でも看護師が傷ついた事実は受け止め、種類別に分けて、対策を考えていきたい」と話した。

 暴力を防ぐには、複数での訪問が必要だが、人件費が増えるため実現が難しいのが実情。「行政などの支援がないと厳しい」と所長らは声をそろえる。



http://answers.ten-navi.com/pharmanews/7160/
医師の偏在を助長?医療界が大揉めする「新専門医制度」
2016/06/20 Answers News

専門医の養成制度をめぐり、医療界が大きく揺れています。

専門医の質の向上を狙って2017年4月にスタート予定の「新専門医制度」に対し、日本医師会や病院団体などから「医師の偏在を助長する」と批判が噴出。制度の運営を担う「日本専門医機構」は予定通り制度の開始を目指していますが、日医などの要望を受けた厚生労働大臣が延期を示唆するなど、混迷は深まるばかりです。


バラバラだった専門医認定を統一

専門医とは、内科や外科、小児科など、特定の診療科や疾患領域に関して専門性の高い知識や技能を身につけた医師が、認定を受けて取得できる資格です。

専門医の認定は、内科なら日本内科学会、小児科なら日本小児科学会といったように、各学会が独自に行っています。そのため、認定基準や認定方法は学会によってバラバラ。特に、専門医の広告が認められた2002年以降、学会による専門医資格は乱立することになり、質の低下やばらつきが懸念されるようになりました。

そこで厚生労働省は11年、専門医制度の見直しに向けた検討を開始。13年には「学会から中立的な第三者機関」を設立し、そこで専門医の認定と研修プログラムの評価・認定を統一的に行うという、新専門医制度の大枠をまとめました。


新専門医制度のポイント

新専門医制度のポイントを見ていきます。

新制度では、専門医資格を希望する医師は、医学部卒業後2年間の臨床研修を終えた後、さらに3年以上の研修を受けることになります(専門医資格を目指して研修を受ける医師は「専攻医」と呼ばれます)。研修は、大学病院などの基幹病院を中心に、地域の病院や診療所がグループを組んで実施。大学病院と地域の病院・診療所を行き来しながら症例を積んでいく仕組みになっています。

乱立していた専門医資格も整理されます。新制度では、専門医資格を「基本領域専門医」と「サブスペシャリティ領域専門医」の2つに区分。医師はまず、「内科」や「外科」「小児科」「皮膚科」といった基本領域専門医の資格を取得し、その後、希望に応じて「循環器」「糖尿病」「がん」「心臓外科」など細分化されたサブスペシャリティ領域専門医の認定に進む2段階方式となります。

新専門医制度の基本設計
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新制度の運営を担うのは、「中立的な第三者機関」として14年に設立された「日本専門医機構」。機構は、研修を行う病院が作った研修プログラムの評価・認定、専門医の認定を行います。


大学病院に医師集中?「地域医療に混乱」広がる不安

専門医の質を高め、良質な医療を提供する――。高尚な目的を掲げて走り出した新専門医制度ですが、医師会や病院団体からは批判が噴出し、制度の延期を求める声も大きくなっています。なぜなのでしょうか。

まずは下の図をご覧ください。

新専門医制度の仕組みと医師偏在への懸念
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先にも触れたように、新専門医制度では大学病院などの「基幹病院」が、専門医機構が認定したプログラムに基づいて研修を行う計画です。専門医機構はプログラムの整備基準で、各専門領域で幅広い症例を数多く経験させるよう求めており、基幹病院は大学病院などの大規模病院が中心にならざるを得ず、特に地方では“基幹病院=大学病院”という構図になってしまうことは容易に想像がつきます。

こうした制度設計のため、若手医師が大学病院に集中し、地方の中小病院に若手医師が集まらなくなるとの不安が広がっています。加えて、専門医研修を行う施設には「指導医」を配置する必要があり、ベテラン医師までも大学病院や連携施設にとられてしまう可能性も指摘されています。


地方自治体からも批判

日本医師会と日本病院会など4つの病院団体は今月7日、「指導医を含む医師および研修医が都市部の大学病院等大規模な急性期医療機関に集中し、地域偏在がさらに拡大する懸念が強く、地域医療の現場に大きな混乱をもたらす」との声明を発表。17年度からの制度開始に“待った”をかけました。

こうした声は、地方自治体からも上がっています。5月には関西広域連合が「地域医療を支えている中小病院が基幹病院になるのは事実上困難で、連携施設も常時専攻医の派遣を受けられる担保がなく、地域医療を支える医師の確保に多大な影響が生じる」との意見書を国に提出。問題が解決するまで、制度を延期するよう求めました。


深まる混迷、厚労省が延期を示唆

混乱は続きます。

塩崎泰久厚生労働相は、日医と病院団体の要望を受けたその日のうちに「要望の趣旨を十分理解する」との談話を発表。「要望や意見を真摯に受け止め、なお一層の取り組みをされることを強く期待する」と、現計画にこだわる専門医機構をけん制しました。

それでも専門医機構は、予定通り17年4月から制度を開始する意向を崩しません。11日には主要な学会に対して「研修プログラムに基づく専門医育成の仕組みを実現させることも非常に重要」とのコメントを送付。塩崎厚労相は14日の記者会見で「談話の趣旨が全く踏まえられておらず、大変遺憾」と不快感をあらわにし、制度の導入延期も含めて議論する必要があるとの考えを示しました。

新専門医制度に対する批判は、医師偏在を助長しかねない仕組みだけでなく、意思決定プロセスの不透明性など専門医機構のガバナンスにも向かっています。感情的な対立に陥ってしまっている面もあり、混迷は深まるばかりです。


17年4月のスタートは不透明

新専門医制度をめぐっては、厚生労働省に専門委員会が設けられ制度の改善に向けた議論が進んでいます。従来はプロフェッショナルオートノミー(専門職の自立性)を尊重してきた厚労省ですが、混乱を収拾しようと介入に乗り出した格好です。

厚労省は専門委員会に、17年4月から新制度の運用を“試行的”に始めてはどうかと提案しています。しかし、議論はいまだにまとまっていません。予定通り17年4月に新制度をスタートできるかは不透明な状況です。



http://www.yomiuri.co.jp/local/yamagata/news/20160620-OYTNT50183.html
米沢市の新病院 建設予定地変更
2016年06月21日 読売新聞 山形

 ◆当初予定から北西2キロ

 医師不足で閉鎖された米沢市立病院の精神科を巡り、再編統合に応じる意向を示した社会医療法人「公徳会」(南陽市)が、新病院(108床)の建設予定地を米沢市内の別の工業団地に変更することが分かった。

 市によると、新たな予定地は米沢オフィス・アルカディア内の1.32ヘクタール。当初検討された米沢八幡原中核工業団地から北西約2キロにある。先月23日に開いた住民説明会で、当初予定地が市立万世小学校に隣接することから、来院者の車が増えて交通安全上の懸念が生じるなどの声が上がった。このため、公徳会が予定地の変更を市に伝え、協議していた。予定地は当初の7割と狭くなるが、鉄骨2階、延べ床面積約5300平方メートルの病棟を建設するとした当初の設計を採用する。

 中川勝市長は記者会見で「来年度のなるべく早い時期に開業できるよう、公徳会への支援を含めて検討したい」と話した。



https://www.m3.com/news/iryoishin/434883
シリーズ: 真価問われる専門医改革
池田理事長、「新理事に推薦されても辞退」
日本専門医機構の執行部、トップ含め刷新か

2016年6月20日 (月) 橋本佳子(m3.com編集長)

 日本専門医機構の第12回理事会が6月20日に開かれ、理事長の池田康夫氏は理事会の席上、「新執行部の理事として推薦されても、辞退する」と表明した。理事会後、m3.comの取材に答えた。同機構の役員の任期はこの6月末で切れ、新役員の選考が現在進められている(『日本専門医機構の新理事候補、来週にも決定か』を参照)。池田理事長は、2014年5月に発足した日本専門医機構の初代理事長で、前身の日本専門医制評価・認定機構時代から理事長を務めていた。

 池田理事長は、「研修プログラム制とサイトビジットという、専門医養成のプラットフォームを作り、一応の役割を終えた。あとは次の執行部に委ねたい」と語った。

 なお、同理事会では、2015年度の事業報告,収支決算書についての承認などを行った。新役員は、「役員候補者選考委員会」を経て、6月27日開催の日本専門医機構の社員総会で決定する予定。


◆池田康夫・日本専門医機構理事長に聞く

「専門医養成のプラットフォームを作った」

 私たちは、グロ―バルスタンダードの良質の専門医を養成するために、(機構発足後の)この2年間議論してきた。その基本は、研修プログラム制と、(研修施設を評価するために訪問調査などを行う)サイトビジットだ。基本診療領域の学会の賛成は得られ、コンセンサスを作り上げた。また専門医の更新についても、単に学会に出席して判子をもらうのではなく、共通講習を受け、診療実績を重視するなど、専門医の質をよくするための仕組みとしてでき上がった。

 あとはこれをどのように実施するかという問題になる。その際に、地域医療の問題を無視して進めることはできないので、次期の執行部に渡して、そこで判断していただく。自分としてはプラットフォームを作り、一つの形ができ上がったので、一応の役割を終えた。あとは次の執行部に委ねたい。

 地域医療の問題は、専門医制度だけで解決する問題ではない。日本全体が、地域創生を問題にしている。医療だけでなく、経済なども全て都市に集中して、地方の過疎化が進んでいる。これは日本全国で起こっていることで、医療はその一端。このまま何もしなければ、この都市集中の動きはますます進む。日本専門医機構は、「地域で医師を育てる」という新しい考え方を打ち出し、それに対して歯止めをかけるよう努力してきた。

 新専門医制度は「大学中心」と言われるが、これまでも専門医養成は大学中心だった。例えば、慶應義塾大学の場合、医学部の卒業生約100人のうち、約80人は初期研修で外の病院に行くが、3年目になると、ほとんどが大学に戻ってくる。他の大学も大抵そうだろう。だからこそ、(大学病院などの基幹施設以外に)連携施設を作り、地域でも専攻医が研修できる仕組みを作るというのが我々の提案だ。

 専門研修プログラムは1次審査を終えたが、2次審査は今、ストップしている。2次審査を仮にやるとすれば、非常に専攻医の定員が多いところ、あるいは本来入るべき研修施設が抜けているところなどについて、注文を付ける予定だった。それらの対応によって、地域医療への影響は最小限にできると考えていた。



https://www.m3.com/news/iryoishin/434893
シリーズ: 真価問われる専門医改革
内科学会、「新専門医は7月末を目途に判断」
実施なら正式な制度、「現制度の継続」の可能性も

2016年6月21日 (火) 橋本佳子(m3.com編集長)

 日本内科学会は6月20日、「新しい専門医制度への取り組みについて」という見解を公表した。新専門医制度について理解が得られれば、2017年度から「試行」ではなく、正式な制度として開始するものの、時間的な状況を踏まえ、新専門医制度開始の見通しが立たない場合、「本年7月末を目処に、2017年度は現制度を継続する判断をする」という内容だ(同学会のホームページ)。

 20日の見解ではまず、新専門医制度について、「解決すべきさまざまな課題が明らかになり、国民的議論に発展しつつある。超高齢社会を前に、「専門医養成の在り方が注目されるのはもっともなこと」と指摘。その上で、日本医師会や四病院団体協議会の要望書、厚生労働大臣談話などでも求められている集中的な精査、協議により、建設的な意見集約を行い、より良い仕組みとなることを期待しているとし、理解が得られれば、2017年度から新専門医制度を開始するとしている。

 しかし、研修施設、指導医、専攻医の置かれている状況、検討の協議で結論に時間を要すると考えられるとし、「新しい専門医制度が開始できるという見通しが得られない場合、本年7月末を目処に、来年度に関しては日本内科学会の現制度を継続する判断をしたいと考える」と説明。

 今なお方針が定めにくい状況が伺え、後段では、「新しい制度の取り組みに関する目下の懸念点は、新しい制度がいつ始まるのか、その研修実態はきちんとした制度であるのかどうか、ということにあると思う」と指摘。この6月末に選出される日本専門医機構の執行部、地域医療を担う医療関係者および各学会と十分協議した上で、本年7月末を目処に新しい専門医制度が問題なく開始できることが確認された場合には、「試行的ではなく、正式な専門医制度として開始されることを強く望む」と結んでいる。

 2017年度から開始予定だった新専門医制度は、地域医療への影響が懸念され、全領域での全面実施は見送られ、各学会の判断に現時点では委ねられている(『新専門医制で18学会に釘刺す、日医と医学会』を参照)。地域医療への影響が特に大きい、日本内科学会と日本外科学会の判断に注目が集まっている。

 「指導医の大病院集中や引き剝がしに配慮」

 20日の見解では、新内科専門医について、「複数の疾患を有する場合の多い高齢者にも質の高い医療を提供できるジェネラルな素養を持つ内科医の育成」を目指し、幅広い症例経験を求めるプログラムを設けたと説明。従来は、初期研修を含めて3年で取得可能だった認定内科医を、初期研修を含めて、5年の研修を必要とする内科専門医としたのは、こうした理由からだとした。内科専門医のあり方については、引き続き内科のサブスペシャルティ学会と協議していく方針。

 新専門医については、「質の高い医師の養成」と「地域医療の充実」という、「ともすると矛盾しがちな課題の解決」が求められるとし、「地域医療」の充実という要請に応えるため、新制度では、施設群による研修体制を構築したという。基幹施設と連携施設が施設群を組む体制になったことから、専門医養成に関係する施設は、従来の1194施設から2875施設と2.4倍に増加、増加の大半を中小病院が占め、新たに200床未満の施設が1568施設加わることから、「指導医になることができなかった中小病院所属の内科医が、指導医として新たに参加することとなり、指導医の大病院集中や引き剥がしがないように配慮している」と理解を求めている(『内科専門医、「研修施設ゼロ」の2次医療圏は1カ所』などを参照)。

 さらに研修医に対しても、(1)内科系サブスペシャルティ研修に関する弾力的な対応、(2)休職期間の取り扱い、(3)研修実績の登録と評価――について説明。


  1. 2016/06/21(火) 06:11:46|
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6月19日 

https://www.m3.com/news/iryoishin/426331
シリーズ: 今どきの「U35ドクター」2016
若手医師の「総合診療」への関心が低下◆Vol.12
2013年から9ポイント減

2016年6月19日 (日) 高橋直純(m3.com編集部)

Q 総合診療医に対する関心を教えてください。
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 新専門医制度では19番目の基本領域として位置づけられる「総合診療医」だが、若手医師の関心が減少しているという結果になった。「大いに関心がある」が2013年の15%から2016年は9%に、「少し関心がある」が29%から26%となり、計9ポイントの減少となった。一方で、「全く関心がない」は14%から15%へ、「あまり関心がない」は20%から25%へ増加した。



http://www.yomiuri.co.jp/national/20160618-OYT1T50021.html
医師不足対策の大学「地域枠」卒業生が県外就職
2016年06月19日 15時41分 読売新聞

 富山県内の医師不足対策として2007年度に導入された富山大医学部医学科の推薦入試制度「地域枠」を今春卒業した13人のうち、3人が県外で就職したことが分かった。

 地域枠の卒業生が県外で就職するのは、今回が初めて。富山大は、地域医療を担う人材の育成体制を強化する方針だ。

 富山大によると、地域枠は地域医療の担い手を育成するために07年度に導入された。最初の卒業生は、13年春の6人で、いずれも県内で就職。その後も、14年7人、15年9人が卒業し、いずれも全員が県内で就職していた。

 地域枠の定員は最初の8人から増えており、現在は15人。出願には、県内の高校の推薦が必要で、受験には「県内の地域医療に貢献したいという強い意志とそれを支える資質を有する者」との要件を満たす必要がある。

 初めて県外で就職する学生が出たことに、富山大は「学生の進路は強制できるものではない」としており、個人情報にあたるとして理由は明らかにしていない。

 医学部医学科には、地域枠のほか、県外からも自己推薦で受験でき、入学金や授業料など6年間で約1000万円が貸与される推薦入試枠「特別枠」がある。出願には「医師免許取得後、一定期間、県内で診療に従事することを確約できる者」との要件があるが、15年春の最初の卒業生5人のうち1人は貸与された約1000万円を返還して県外で就職することを選択した。今春は3人全員が県内で就職した。

 富山大医薬系学務課の担当者は「学生たちに地域枠と特別枠の趣旨を理解してもらえるように努力していきたい」と話す。今年度中には、地域医療に貢献する人材を育成する組織「医師キャリアパス創造センター」を新設する計画だ。

 北陸の国立大学医学部では、福井大が08年度に地域枠を設置し、これまでの卒業生計15人のうち4人が県外で就職している。09年度に設置した特別枠(福井健康推進枠)の卒業生は計9人全員が県内にとどまった。金沢大は09年度に特別枠を設置し、卒業した計14人は、いずれも県内で就職した。


  1. 2016/06/20(月) 05:28:33|
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6月18日 

http://mainichi.jp/articles/20160618/ddl/k05/040/044000c
県立脳血管研究センター
神経内科、態勢大幅に縮小 医師6人退職 物忘れ外来閉鎖 /秋田

毎日新聞2016年6月18日 地方版 秋田県

 県立脳血管研究センター(秋田市千秋久保田町、石川達哉センター長)が今年度から、神経内科の診療態勢を大幅に縮小した。認知症の専門医を含めた医師6人が相次いで退職したためだ。通常の外来の受け入れを4割程度に縮小し、認知症の人たちを対象とした「物忘れ外来」は閉鎖した。物忘れ外来を利用していた人たちはかかりつけ医を追って遠方まで出かけることもあるといい、当事者たちからは大切な医療拠点の復活を求める声が上がっている。【川村咲平】

 県立脳血管研究センターは研究所と病院の機能を併せ持ち、1969年に診療をスタート。現在は脳卒中の診療部や脳神経外科など10科目を抱える。この分野では県内を代表する医療機関の一つとして知られる。とりわけ2004年開設の「物忘れ外来」は週2日、診察や認知症の種類、原因を見極める「鑑別診断」を行ってきた。

 センターによると、神経内科は昨年度まで、リハビリテーションの担当医を含めて7人態勢だった。ところが昨秋以降、このうち6人が相次いで「一身上の都合」で退職する意向を示した。1人は家庭の都合で古里に戻り、別の1人は岩手県の病院に移った。

 このため、今年4月から神経内科の常勤医は1人に。外来はこれまで2人態勢で週5日診療に当たっていたが、1人態勢で週4日に縮小せざるを得なくなった。物忘れ外来に通っていた約500人は他の開業医や病院に引き継ぐなどした。

 こうした状況を、当事者たちはどう受け止めているだろうか。「認知症の人と家族の会」県支部の石村照子代表は「まさか物忘れ外来が閉鎖するとは思わなかった。県内医療にとって大きな打撃」と肩を落とす。

 県支部はこれまで、認知症に関する相談を受けた場合、立地条件や医療環境を考慮し、センターの受診を勧めていた。だが今は、センターの元かかりつけ医を目当てに、1時間半かけて転勤先の病院に通う人もいるという。石村代表は「少しでも早く元の態勢に近づけてほしい」と話す。

 センターは医師の補充を検討している。だが「全国的に神経内科医は多くなく、県内大学から育成する環境も限られている」と石川センター長は説明する。今のところ、状況を打開する特効薬は見いだせていない。

 石川センター長は「脳卒中を中心とする脳神経疾患と循環器疾患に対する医療の充実がセンターの最重要課題」と強調。その上で「認知症の人たちには県立リハビリテーション・精神医療センターとも連携し、必要な診断や検査を提供する」と話す。



https://www.m3.com/news/iryoishin/432717?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD160618&dcf_doctor=true&mc.l=163334273
医学部が他学部と違う「二つの特徴」 - 北村聖・医学教育国際研究センター教授に聞く◆Vol.2
「これを言ったら、医学部受験者が減る」

2016年6月18日 (土) 聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――医学部の偏差値が上昇する時代にあって、入学してくる学生と、医学教育を担当する側が求める医学生との間にギャップなどが感じられるのでしょうか。

 ギャップがあると思い、私自身、あえて言葉に出して、「他の学部と違う、医学部の特徴」として学生たちに言っていることがあります。

 第一は、社会のニーズを意識して勉強してほしい、ということ。例えば、文学部に源氏物語を学びたい学生が入学して、源氏物語の大家である教員と2人で一生懸命に研究するとします。文学部はそれでいいけれど、医学部に遺伝子の分野を学びたい学生が入り、その研究ばかりをして済むわけではありません。超高齢社会にあって、遺伝子の分野に詳しい人ばかりを育てていても、社会のニーズに応えた大学とは言えない。遺伝子研究をやりたいなら、理学部などに行くべきでしょう。

 医学部に入学し、医師になるからには、国民や社会のニーズとして、どんな医師が求められているかを考え、それを学んでいくことが必要。人の話をよく聞く医師であったり、説明をしてくれる医師であったり、命を大事にしてくれる人であったり……。検査結果だけを見て、「あなたは癌です。当院ではもうやることはないほど末期です。どこかに行ってください」など、コンピューターでも言えるようなことしか言えない医師になってほしくはありません。

 第二の特徴は、医師は生涯学習をしなければいけない、ということ。私の親友に古典の先生がいますが、10年間も同じ資料を使っている。枕草子が改訂されることはありません(笑)。数学でも同じ。微分や積分の仕方、あるいは複素数が、最近変わったという話は聞かない。ところが医学の場合、今年卒業した医学生が、今持っている知識だけで、10年後も医療をやっていたら問題。20年後に、2016年の医学知識しか持っていなかったら、それはもう犯罪に近い。

 医師免許を取得した途端、「裕福な生活は確定」と考えたとしたら、それはうそ。最先端でなくてもいいけれど、その時々のスタンダードは学ばなければいけない。医師になる以上、「40歳になったら上がり、50歳になったらもう終わり、勉強しなくていい」というわけにはいきません。

 これら二つ、つまり「医師とは、社会のニーズをとらえ、一生勉強しなければいけない仕事である」と高校生に話したら、医学部を受験する人いなくなるのでは(笑)。

――高校生がイメージする医師像と、実際に求められる医師像との間のギャップを考えると、入学した当初は戸惑いも多いのでしょうか。

 戸惑いは多いと思いますね。どこの医学部でも同様でしょうが、入学試験の成績と、入学後の成績はほとんど関係しません。一つだけ関係するのは、国語。これに対して、一番関係ないのが数学。けれども入試では、数学を一番難しくして、数学ができる学生が入学してきている現状があります。

――医師像のギャップを埋めるための医学教育が求められる一方、医学教育で覚える知識は、5年前、10年前、20年前と比べても格段に増えています。医学教育を国際的な標準に合わせる「2023年問題」もあり、臨床実習も充実しなければいけない現実があります。

 「アクティブ・ラーニング」(編集部注:知識を教えるのではなく、学生が自ら学ぶ力や問題解決能力を習得する教育モデル)が盛んになっています。こう形容することもあります。「弁当を持たせて旅立たせるのではなく、獲物を捕る網と、その使い方を教えて旅立たせる」。それが生涯学習にもつながっていく。今の2016年の最先端の知識を教えても、10年経ったら、古くなってしまう。

 何かを調べるにしても、PubMed がいいのか、Google Scholarがいいのか。検索した結果を、どう目の前の患者さんに適用すればいいのか。あるいは検索できなかったらどうするのか。先輩に聞くべきか……。いろいろな悩ましい状況を設定して、その時々に最高の判断できるようなトレーニングをしていけばいい。その時に必要な情報は、タブレット端末が一つあれば検索ができる。

 「試験の内容が、教育を誘導する」という側面があるため、大学の試験や医師国家試験の内容も変わりつつあります。大学では、「3日前から頭が痛く、吐き気もする。そこで何を考える?」などと設定し、現場に則した試験を行っています。患者さんから話を聞けるかどうか。また何かを考えたら、それを検証するためにどんな検査を行うのか。検査結果が出たら、次に何の検査をするか。もちろん、ある程度の知識が必要ですが、求められるのは判断力です。

 例えば、医師国家試験でも、従来は、CTの画像を1枚見せ、「脳梗塞がどこにあるか」を問うといった問題だった。けれども今は違います。「ここに診療用の端末があります。自分で起動して、CTの画面を何十枚も見て、その中から所見がある画像を選び、所見を言ってください」というのが今の試験。多数の画像の中から所見があるものを選ぶ能力は、これまで全然見ていなかった。

 そんな試験を課すようにしたら、教える側も変わり、基本的な知識を教えるけれど、病棟実習に引っ張り出し、「君はどう思うのか」「次の検査は何をしたらいいか」「どう対応するか」などと、その場で考えてもらうような臨床実習をメーンに行うようになります。

 医学教育は、いい方向に言っていると思います。ただ、私たちの世代は、ひたすら暗記することで、医師国家試験を通ってきた。だから「覚えなくていい」となった時代でも、「これも知らないのか?」とつい言ってしまう(笑)。医師として30年、40年とやってきても、1回くらいしか診たことがない病気ばかり覚えてきたわけです。

※『週刊ダイヤモンド』6月18日号の第1特集「医学部&医者」との連動インタビュー。



https://www.m3.com/news/iryoishin/434114
シリーズ: 改革進む医学教育
「医学教育、大きな変貌を遂げた」
医学部長病院長会議、2015年度臨床実習時間は増加

2016年6月17日 (金) 橋本佳子(m3.com編集長)

 全国医学部長病院長会議は6月16日の記者会見で、2015年度の「医学教育カリキュラムの現状」を公表、臨床実習の時間が増加するなど、「医学教育は大きな変貌を遂げた」と説明した。

 同会議のカリキュラム調査ワーキンググループの座長を務める奈良信雄氏は、「この2,3年で医学部のカリキュラムは大きく変わっている」と説明、その要因として「2023年問題」に伴う、国際基準を踏まえた医学教育分野別評価の要請を挙げた。米国のECFMG(医師国家試験受験資格審査NGO団体)は、「2023年以降は、国際基準で認定を受けた医学校の出身者にしか申請資格を認めない」と通告している。

 同会議では2年に1回、医学教育カリキュラム調査を全国の医学部・医科大学を対象に実施している。2015年度の調査では、臨床実習は、平均2047時間、最大は3040時間、最小は1350時間だった。2011年度は平均1799時間(最大3040時間、最小1260時間)、2013年度は平均1911時間(同2925時間、1290時間)で年々増加していることが分かる。「2010年度に文部科学省の検討会で、『臨床実習には、少なくとも1500時間を充てるべきだ』との方針が出され、それ以降、次第に増加してきた」と奈良氏は説明。

 最近の臨床実習の特徴として、大学の附属病院だけではなく、学外の実習が増えている点が挙げられる。学外臨床実習は平均8週、ただし大学による差が大きく、最大は28週、最小は1週。海外での基礎研究・臨床実習も進み、基礎医学実習は平均8.5週、臨床実習は平均7.1週。

 臨床実習については、修了後の評価も重要になる。実習後にOSCEをやっているのは、80校中59校。2年前は56校だった。ただし、「海外では12のステーションを設けて、OSCEを実施しないと十分な評価はできないとされているが、12を超えて行うのは2校であり、全国平均は4.6。もう少し増やさなければいけない」と奈良氏は課題を挙げた。

 そのほか、医学教育カリキュラム調査では、講義形式ではなく、能動学修の一形態であるPBL/チュートリアルを導入しているのは80校中、70校、TBL(Team Based Learning)は43校。



https://www.m3.com/news/iryoishin/434399
シリーズ: 真価問われる専門医改革
新専門医の方針に相違?「医学会」と「医学会連合」
医学会連合が独自文書を予定、混乱招くのは必至

2016年6月18日 (土) 橋本佳子(m3.com編集長)

 日本医学会連合は6月17日の定時総会後に開いた幹部による会議で、新専門医制度について、可能な領域(学会)は、2017年度から予定通り新専門医制度を開始することを求める文書を、基本診療領域の18の学会理事長宛てに送付する方針を決めた。週明け6月21日頃の予定。

 日本医学会連合は、日本医師会内に置かれた「日本医学会」から独立した一般社団法人。日本専門医機構の発足を控え、同機構に「社員」を出すためには法人格が必要なことなどから、2014年4月に設立された(『高久氏、日本医学会長6期目、副会長4人に』を参照)。ただし、構成する会員(社員)は、日本医学会の分科会であり同じで、いずれも高久史麿氏が会長を務める。

 日本医学会は、日本医師会と連名で、「地域医療に混乱を来さないよう、一度立ち止まり、集中的な精査を行い、対応方針を判断するよう求める」文書を、同じく18の学会理事長宛てに6月15日に送付したばかり(『『新専門医制で18学会に釘刺す、日医と医学会』を参照)。

 高久氏は6月18日、m3.comの取材に対し、「一度立ち止まって、という考え方には、私は反対。地域医療に支障を来さないように、日本専門医機構、各学会、医療関係者などがよく話し合って、可能な基本診療領域は、予定通り新専門医制度をスタートするよう求める内容になる予定」と説明。日本医学会と日本医学会連合の見解が異なれば、学会をはじめ、関係各方面への混乱が生じるとともに、医学会と医学会連合のガバナンスの不備を指摘する声が挙がるのは必至だ。

 日医は、四病院団体協議会とも、6月7日に新専門医制度に対する懸念を表明している。地方自治体の首長などからも本制度の再検討を求める声が挙がり、塩崎恭久厚労相が6月7日付けの談話と6月14日の大臣会見で、「一度立ち止まって」地域医療への影響なども踏まえ、検討するよう求めていた中、医療界が一致したかに見えたが、日本医学会連合の動き次第で足並みの乱れも想定される。

 もっとも、2017年度の専門医制度については、既に学会独自のスタートを決めている学会は少なくない。日本専門医機構は、役員選考を進めているが、新執行体制になっても、地域医療への影響などについての検討・準備、所要の見直しなどに時間がかかり、先行きが見えず、専攻医の募集に支障を来すと見ているからだ(『日本専門医機構の新理事候補、来週にも決定か』を参照)。

 日本皮膚科学会はいち早く6月2日の理事会、翌3日の代議員会で学会独自の実施を決定。日本脳神経外科学会も、早くから学会認定の形で実施する方針を決め、「理事のメンバーに図っている最中だ」(理事長の嘉山孝正氏)。これら2学会に続く形で、日本眼科学会と日本耳鼻咽喉科学会も6月17日の理事会で決定した。

 日本眼科学会理事長の山下英俊氏と、同学会担当常務理事の石橋達朗氏は、「2017年度の専門医制度については、塩崎厚生労働大臣のコメントにもあるように一度立ち止まり、機構の仕組みなどは利用せず、従来通り、学会独自で実施するという基本方針を理事会で決定した。詳細は今後、会員の意見も踏まえながら、決定する予定」とコメント。

 日本耳鼻咽喉科学会理事長の森山寛氏も、「新専門研修プログラムを使う予定だが、運営自体は学会独自で行う。指導医の要件や募集する専攻医などは、過去の実績を踏まえており、地域医療への影響は少なく、研修の質も担保できると判断した」と述べた。「来年4月に新たに専門医研修を開始する研修医にとってはタイムリミット」という視点も踏まえ、決定したという。日本専門医機構は、専門医研修のための専攻医の登録データベースを開発しているが、耳鼻咽喉科学会は利用しない方針。

 専攻医数が多く、特に地域医療への配慮が求められるのは、日本内科学会と日本外科学会の対応。内科学会は認定制度審議会、外科学会は専門医制度委員会をそれぞれ6月22日に開催予定で、その後、理事会を経て、学会としての方針を決定する。

 医学会のガバナンスに疑義
 日本医学会連合が、日本医学会とは別に文書を出すに至った直接のきっかけは、2017年度の事業計画案が審議された、6月17日の同連合の定時総会。同計画案の中で、「新専門医制度に関すること」という趣旨の短い一文しか記載されていなかったことから、眼科学会理事長の山下氏が、「6月15日の日医と日本医学会の文書が基本方針という理解か」など、その内容を質した。

 それに対して、高久会長は、文書の取りまとめに時間がない中で、日医とやり取りした結果の文章であり、日本医学会としては、「文書の最後に、新しくできる専門医機構と学会とがよく話し合って、(地域医療などへの問題がないとされ)スタートできる学会は、予定通り来年度から開始するという一文を入れることで、一応了承した」と説明した。「日本医師会の下にある日本医学会」としての文書であり、「医学会連合としては、別の対応を考えたい」とも述べた。

 高久氏の回答に対し、誤解を生むとして問題視したのが、日本皮膚科学会理事長の島田眞路氏。公的な文書として、各学会に発出している以上、訂正があるならすぐにやるべきなのに、それもやらない日本医学会自体のガバナンスに疑義を呈した。「新しい専門医機構が発足しても、1年以内に始めるのは、非常に難しい状況。(14日の)塩崎厚労相の会見も、立ち止まって考えるよう求めている。なぜそれを無視できるのか」と高久会長に詰め寄った。

 「立ち止まって」という考え方には反対
 高久会長は、m3.comの取材に対し、6月15日の文書に関しては、自身のほか、4人の日本医学会副会長で相談したと説明。ただし、文書内容については日医とやり取りがあったものの、医学会の訂正依頼が全て反映されたわけではないという。来週21日に出す予定の文書は、日本医学会連合の会長、副会長のほか、日本内科学会と日本外科学会の理事長で構成する企画運営会議で原案を作り、理事にメールを送付し、文書を確認中だという。

 塩崎厚労相が、「一度立ち止まって」検討を求めていることについては、「一度立ち止まって、という考え方には、私は反対。今まで各学会は、お金とマンパワーをかけ、苦労して準備してきた。できるところからやり、訂正すべきところは、訂正する。立ち止まっていたら、きりがなく、財政的にももたなくなる」と回答。

 新専門医制度にめぐっては、地域医療への影響を懸念する声が強い。この点については、「それは、やってみないと分からない。ただ、今の状況から大幅に変わったら、それは問題なので、日本専門医機構や学会、関係者がよく協調してやってもらいたいとしか、日本医学会(連合)の立場では言いようがない」と高久会長はコメントしている。



https://www.m3.com/research/polls/result/119
意識調査
結果人間ドック、受けている?

回答期間: 2016年6月10日 (金)~16日 (木) 回答済み人数: 2711人

 フリーアナウンサーの小林真央さん(33)が、乳がんの治療を受けていることを夫で歌舞伎俳優の市川海老蔵さん(38)が会見で発表し、話題になっています。小林さんは約1年8カ月前に人間ドックを受診した際に乳がんが見つかり、現在「比較的深刻」な状態にあるそうです。

 労働安全衛生法で定められた1年に1回の健康診断や人間ドックは受診されていますか?

健康診断、医師の5人に1人を受けず

 1年に1回以上、健康診断(もしくは人間ドック)を受けることは、労働安全衛生法に定められていますが、医師の約5人に1人は受けていないとの結果になりました。勤務医は17%、開業医は21%が、健康診断も人間ドックも受けていないと回答しています。他の職種を見ると、看護師や薬剤師は受診していない方が10%台ですが、その他の医療従事者は22%が受けていないとしており、特別、医師の受診しない人の割合が高いとは言えないようです。

 人間ドックの中で、受けたい種類を尋ねたところ、医師は5割強が「一般的な人間ドック(生活習慣病などの早期発見を目的とした網羅的なドック)を選びました。次に人気だったのが、がんドックで3割強。その他のドックはいずれも10%未満でした。

 健康診断や人間ドックの有効性については、勤務医と開業医、いずれも、「有効だと思う」(47%)が「年齢や疾患などによる」(49%)を下回りました。一方で、「有効だと思わない」は5~7%と少なく、ほとんどの医師は、何らかの有効性があると判断しているようです。上記の質問で、医師の約2割は、1年に1回、健康診断も人間ドックも受けていないと回答していますが、有効性への疑念があるためというよりも、多忙など別の理由が受診していない背景にあるのでしょうか。

 回答者総数は2711人、開業医590人 、勤務医1763人、歯科医師5人、看護師71人、薬剤師206人、その他の医療従事者76人でした。ご回答、ありがとうございました。


Q1 1年に1回、健康診断か人間ドックは受けていますか?
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開業医 : 590人 / 勤務医 : 1763人 / 歯科医師 : 5人 / 看護師 : 71人 / 薬剤師 : 206人 / その他の医療従事者 : 76人
※2016年6月16日 (木)時点の結果

Q2 人間ドックを受診するなら、どれを受診したいですか?(任意)
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開業医 : 569人 / 勤務医 : 1708人 / 歯科医師 : 5人 / 看護師 : 69人 / 薬剤師 : 203人 / その他の医療従事者 : 73人
※2016年6月16日 (木)時点の結果

Q3 健康診断や人間ドックの効果を疑問視する意見があります。一般的に健康診断や人間ドックは国民の健康の維持に有効だと思いますか?  ※ご意見は、コメント欄にご記入ください。
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開業医 : 590人 / 勤務医 : 1763人 / 歯科医師 : 5人 / 看護師 : 71人 / 薬剤師 : 206人 / その他の医療従事者 : 76人
※2016年6月16日 (木)時点の結果



http://www.chunichi.co.jp/article/mie/20160619/CK2016061902000028.html
市民の人生の責任者に 34歳医師が志摩市民病院長
2016年6月19日 中日新聞 三重

 常勤医師4人のうち3人が退職した志摩市大王町波切の志摩市民病院で、今年4月から院長に就任した。赤字体質で市民から運営に疑問の声も上がる中、地域に根差した医療を提供しようと改革に取り組んでいる。総合診療科医として患者と向き合う江角悠太さん(34)に、市民病院の現状や目指すべき姿などを聞いた。(聞き手・安永陽祐)

 -もともと医師を目指していなかったと聞いたが、なぜ医師に。

 高校三年の時にたまたま見たアメリカ人医師「パッチ・アダムス」を描いた映画がきっかけ。医学だけでなく、すべてのものを使って一人の人を幸せにすることに尽力する医師。「医療者にとって死は敵ではない。患者に無関心になることが敵だ」という言葉が印象的で、常に患者の声に耳を傾けて何が必要かを考える。それに人生を注ぐのが彼のやり方。医師は百パーセント患者のために奉仕できる職業で、他人を幸せにすることが自分の幸せになることを感じた。

 -総合診療科は一般の人にはなじみが薄い。病院が力を入れる総合診療科とは。

 人を診る科。専門医は専門外の患者を断ることもあるが、総合診療科はすべての患者を受け入れる。腰が痛い、胸が痛い、目が痛い、頭が痛いといった各科に分かれる症状も、総合診療科はまず診る。その上で、自分で解決できなければ専門医の助言をもらったり、手術をお願いしたりすることもある。

 大前提は目の前で困っている患者さんに手を差し伸べ、助けること。一人一人の人生の責任者であるのが総合診療医。患者さんの主治医となり、医療をコーディネートする。

 -四月から江角さんが院長に就任した。運営態勢が変わったことで院内の変化は。

 就任前に市内五カ所で住民と病院の在り方を考えるタウンミーティングを開いた。賛否両論があり「給料泥棒だ」「病院運営費で新しい道路を造れ」など厳しい意見もあったが、スタッフに危機感が芽生えるきっかけとなった。改めて、税金で運営している市民病院としてやらなければならないことを示した。

 それは「患者を断らないこと」で、市民のための病院だからすべてを受け入れる。全部相談に乗ることを徹底させた。四十ある病床も昨年は七割くらいだったが今は満床。待っている人もいる。断らなくなったことで患者が増えてきた。収益も改善されてきている。

 -医療提供には看護師らとの連携も重要になるが、改善した部分は。

 スタッフ間の風通しを良くしようと、週一回の朝礼も始めた。幹部間で決まったことや経営状況など細かいことまで伝えて、全員が病院の全体像を把握できるようにした。全職員が集まって意見を言える場も作り、そこで出た意見で既に取り入れたものもある。スタッフの意識が高まることで、より良い医療を提供できる。

 -市民病院は学生の研修を積極的に受け入れている。その狙いは。

 昨年一月から医学生や看護学生ら三十人ほどを受け入れた。この病院に思い入れができれば、彼らは戻ってくる。勤務地を選ぶときの大きな理由になる。そうすれば永続的に志摩に若い人がくるようになり、医療を充実させることができる。

 -赤字体質を批判されることが多いが、どうすれば市民に必要とされる病院となるか。今後の方針は。

 救急医療に力を入れたい。困った時に開いていてほしいのが病院。夜間診療も午後九時半までで、それ以降は救急車を呼ばないと医療を受けられないのが志摩市の現状。そこを解決したい。夜間診療を市民病院で担いたい。

 その第一歩として五月から、毎週土曜の午後九時半から翌朝までの診療を始めた。医師や看護師を増やして、さらに拡大していきたい。

 <えすみ・ゆうた>1981年、東京生まれ。三重大医学部を卒業後、沖縄県の徳洲会病院などで研修。2014年に世界一周客船「オーシャンドリーム号」の船医を務め、患者の希望に即した医療に取り組む。市民病院に赴任後、知人のメーキャップアーティストや似顔絵画家らを招き、患者の精神的なケアにも力を入れる。



http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/opinion/editorial/2-0064227.html
医療事故調査 信頼関係築ける制度に
06/19 08:50 北海道新聞 社説

 昨年10月に始まった医療事故調査制度について、厚生労働省は近く、運用の改善に乗り出す。

 医療現場で手術ミスが疑われるような死亡事故が起きた時、病院が第三者機関「日本医療安全調査機構」に届け出て院内調査を行い、結果を遺族と機構に伝える―。これが制度の仕組みだ。

 ところが、病院や医療団体によって事故の届け出基準にばらつきがある。このため、同省は基準の統一などを議論する協議会を設置するという。

 制度は不幸な事故の再発を防ぐため創設されたが、機構への届け出の判断に遺族側の意向が反映されにくいとの批判は少なくない。

 協議会には、さらに透明性や公平性を高めるための建設的な議論を求めたい。

 厚労省によると、制度開始以来、4月末までの7カ月間の事故報告は222件で、うち道内は10件だった。

 同省は当初、届け出が必要になる死亡事故は「年間最大2千件」と想定していたが、それを大幅に下回るペースだ。

 調査の対象が「予期せぬ」事故に限られている上に、「予期せぬ」の範囲もあいまいであることが影響している。

 現状では、届け出るかどうかを判断するのは病院側だ。そうである以上、できる限り客観的な基準が欠かせない。

 協議会の論議を通じて、調査対象の基準や院内調査方法の統一を図ってもらいたい。

 気になるのは、中央と地方に設置する協議会が、医療や病院関連団体など、病院側主体の構成となっていることだ。

 これでは患者、遺族側の視点が生かされまい。現在抱えている問題点が置き去りにならないか。

 医療事故で身内を失い、原因究明を求める遺族を救済するため、長年の議論の末に制度ができた経緯を忘れてはならない。

 運用面ではほかにも、調査結果の遺族への伝達で、書面による提示が「努力目標」にとどまるなど、改善が求められる点が残る。

 医療機関側が医療過誤訴訟などを懸念する事情は分かる。遺族側にとっても長期化しがちな訴訟の負担は重い。

 大切なのは、丁寧で真摯(しんし)な説明を通じて遺族と病院の信頼関係を築く姿勢である。訴訟などを減らすことにもつながるはずだ。

 そのためにも、患者や遺族の意見をもっと反映できる仕組みを整えてほしい。


  1. 2016/06/19(日) 10:03:25|
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6月17日 

http://www.sankei.com/region/news/160617/rgn1606170007-n1.html
鹿島労災と神栖済生会、経営難の2病院を統合へ 茨城知事に報告書提出
2016.6.17 07:03 産経ニュース

 医師不足で経営難が続いている神栖市の鹿島労災病院(土合本町)と神栖済生会病院(知手中央)の今後の在り方を協議してきた、県医師会や同市、県などでつくる検討委員会(委員長・小松満県医師会長)は、両病院を統合する方針を明記した報告書をまとめ、橋本昌知事に提出した。平成32年度頃に約350床の新病院の開院を目指す。

 報告書によると、統合後の運営は、神栖済生会病院を運営している社会福祉法人恩賜財団済生会が引き継ぐ。整備に関しては(1)神栖済生会病院を増築(2)鹿島労災病院跡地に新築(3)別の場所に新築-の3案で検討を進める。また、空いた病院(別の場所に新築する場合は神栖済生会病院)を19床までの診療所にする。

 鹿島労災病院は平成24年度以降、毎年度10億円以上の赤字を出し続け、神栖済生会病院も平成26年度は約1億6千万円の赤字で厳しい経営が続いている。常勤医師も平成21年には両病院合わせて50人いたのが、25年には26人にまで減少し、「医療態勢が危機的状況」(保立一男神栖市長)に陥った。こうした事態を打開するため、検討委は今年2月から3回にわたり協議を続けてきた。

 報告書提出後、小松委員長は記者団に「このままだと両病院とも潰れる。県と市、両病院は地元住民に理解してもらいながら再編を進めてほしい」と語った。保立市長は「市だけでは(対応に)限界がある。両病院の再編の方向性が示されたことはありがたい」と経営統合を歓迎するコメントを発表した。

 鹿島労災病院は「今後具体的な検討や調整を行う。当面は今まで通り診療を継続していく」、神栖済生会病院は「若い医師が研修のために積極的に集まってもらえるような病院を作ることで、地域医療の充実を目指したい」としている。



http://www.medwatch.jp/?p=9301
看護必要度見直しの影響や、病棟群単位の届け出状況など2016年度診療報酬改定の影響を調査―入院医療分科会
2016年6月17日|2016診療報酬改定ウォッチ

 2016年度診療報酬によって、「重症度、医療・看護必要度」(以下、看護必要度)の大幅見直しや重症患者(看護必要度を満たす患者)割合の引き上げなどが行われ、さらに「病棟群単位の入院基本料」届け出が経過的に認められることになりましたが、この状況が全国の病院でどのようになっているのかを、2016・17年度の2年度にわたって調査する―。

 こういった方針が、17日に開かれた診療報酬調査専門組織「入院医療等の調査・評価分科会」(以下、入院医療分科会)で固まりました。

 新たに提出が義務化されるDPCデータのHファイル(看護必要度の生データ)も活用しながら、病院の状況を調査し、2018年度の次期改定につなげていくことになります。

ここがポイント! [非表示]
1  看護必要度や地域包括ケア病棟の包括範囲、退院支援など入院医療の状況を調査、
2  DPCデータから「患者の重症度」を判定できないか
3  「『医師による指示の見直しの頻度』が少ない=医療の必要性が低い」わけではない
4  退院支援加算1と2、届け出病院の違いから「地域連携」のあり方が見えてくる


看護必要度や地域包括ケア病棟の包括範囲、退院支援など入院医療の状況を調査、

 現在の診療報酬改定は、「エビデンス」をベースとして実施されており、エビデンスの収集に向けてさまざまな調査が行われます。主に、入院医療における技術的な課題について調査・分析を行う入院医療分科会でも、2016年度改定の効果・影響を詳細に調査することになっています(関連記事はこちらとこちらとこちら)。

 17日の入院医療分科会では、厚生労働省から次のような調査を行う方針が示されました。

【2016年度調査】改定の効果・影響が比較的早期に現れる項目を調査

(1)一般病棟や特定集中治療室(ICU)における看護必要度見直しの影響:▽入院料届け出の意向▽病棟群単位の届け出状況▽重症患者割合の状況▽各入院料における患者像や平均在院日数、退院先▽他医療機関受診の状況―など

(2)地域包括ケア病棟の包括範囲見直しの影響:▽手術などの実施状況▽患者像▽入棟前・退院先(どこから入院して、どこへ退院しているのか)―など

(3)慢性期入院医療(療養病棟や障害者施設など)の評価見直しの影響:▽人員配置▽医療区分別患者割合の状況▽患者像▽医療提供の状況▽平均在院日数▽退院先―など

(4)退院支援や在宅復帰率の評価のあり方:▽退院支援の状況▽退院先の状況▽連携先の医療機関・介護事業者の状況―など(関連記事はこちら)

【2017年度調査】経過措置が設けられるなどして、改定の効果・影響が出るまでに時間のかかる項目を調査

(A)一般病棟や特定集中治療室(ICU)における看護必要度見直しの影響:▽病棟群単位の届け出状況▽重症患者割合の状況▽各入院料における患者像や平均在院日数、退院先―など

(B)短期滞在手術等基本料および総合入院体制加算の評価:算定状況や患者像、医療提供体制など

(C)救急医療管理加算などの評価:▽救急医療管理加算を算定している患者像や入院後の転帰▽夜間休日救急搬送医学管理料の届け出状況や患者像―など

 (1)と(A)はともに看護必要度に焦点を合わせた調査項目です。「重症患者割合25%以上」が実際に適用されるのが今秋からであることや、「病棟群単位の入院基本料」届け出が2017年度までとされていることを踏まえて、2年度にわたって調べられます(関連記事はこちらとこちら)。

一般病棟とその加算、地域包括ケア病棟、回復期リハ病棟では、重症患者の対象範囲が異なる
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病棟群単位の入院基本料届け出、今年(2016年)4月から来年(2017年)3月までの1年間に、1回に限り認められる
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 また厚労省では、他のデータ(DPCデータやNDB(ナショナルデータベース:レセプト・特定健康診査のデータベース)など)も活用することで調査を簡素化し、回答率向上を図る考えです。2016年度調査(11-12月実施)の結果は年明け(2017年)3月以降に、17年調査(同年6-7月実施)の結果は17年9月以降に報告される予定です。

DPCデータから「患者の重症度」を判定できないか

 厚労省の提示した調査項目案に対して、入院医療分科会の委員から特段の反対は出ていませんが、いくつかの注文もつきました。

 神野正博委員(社会医療法人財団董仙会理事長)は、(1)や(A)にある看護必要度について「DPCデータから患者の重症度合いを導けないかチャレンジしてほしい」と要望。看護必要度の記録は、看護部にとって大きな負担となっており、見直しが現場の実務に与える影響も大きいため、別指標への置き換えを研究してほしいとの要望です。

 この点に関連し、2016年10月分よりDPCデータのHファイルとして、いわば「看護必要度の生データ」の報告が義務づけられます(DPC病院や7対1病院など)。厚労省では、このHファイルデータも活用しながら、今後の診療報酬改定に向けた検討を進める考えを明確にしており、神野委員の要望に沿った研究が行われる可能性も高いでしょう(関連記事はこちらとこちら)。

 武井純子委員(社会医療法人財団慈泉会本部相澤東病院看護部長)も看護必要度について、「C項目(手術などの医学的状況の評価)の設定日数が妥当か」「内科や救急でほかに評価対象となる項目はないのか」などが見えるような調査設計をしてほしいと求めています。

 また藤森研司委員(東北大学大学院医学系研究科・医学部医療管理学分野教授)は、看護必要度や平均在院日数などとの関係(例えば、看護必要度のA項目●点の患者では平均在院日数にどのような傾向があるかなど)が分かるような調査を行ってほしいと要望しました。

『医師による指示の見直しの頻度』が少ない=医療の必要性が低い」わけではない

 池端幸彦委員(医療法人池慶会理事長)は、2016年度改定論議で慢性期入院医療における『医師による指示の見直しの頻度』データが活用された点を踏まえ、(3)の慢性期に限定せず、「急性期から回復期、慢性期に至るまで一貫した調査項目を設定してほしい」旨の要望を行いました。また神野委員も、『医師による指示の見直しの頻度』について「診察の結果、指示の見直しを行わないと判断するケースもある」ことを強調しています。

 例えば出来高算定である障害者施設でも『医師による指示の見直しの頻度』が少ない患者が相当数おり、また医療の必要性が高いとされる医療区分3の患者についても『医師による指示の見直しの頻度』が少ない患者が一定数いることが分かり、報酬や基準の見直しが行われています(関連記事はこちらとこちら)。

障害者施設や特殊疾患病棟1にも、「医師による指示の見直しがほとんど必要ない」脳卒中患者が療養病棟と同じ程度の割合で入院している
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 しかし池端委員や神野委員は、「『医師による指示の見直し頻度』が少ない=医療の必要性が少ない、軽症である」と捉えられることに強い疑念を提示していると言えます。

 この点について厚労省保険局医療課の担当者は、会合終了後に「2016年度の前回改定に向けた調査でも、慢性期のみで『医師による指示の見直しの頻度』を調べたわけではない。急性期から慢性期まで一貫して見る調査すべき部分と、病棟の特性に応じて調査すべき部分を適切に組み合わせていく」との考えを述べています。

退院支援加算1と2、届け出病院の違いから「地域連携」のあり方が見えてくる

 また(4)の退院支援に関して、筒井孝子委員(兵庫県立大学大学院経営研究科教授)は「退院支援加算1の届け出病院と退院支援加算2の届け出病院で、どのような属性があるのかを分析できる調査設計としてほしい」と要望。退院支援加算1では、退院支援加算2に比べて、退院支援に向けた体制を充実させるとともに、地域の医療機関・介護施設との「継続した連携関係」の構築が求められます(関連記事はこちらとこちら)。筒井委員は、上記の分析によって「地域での連携ができている病院と、そうでない病院の差が見えてくるのではないか」と期待を寄せています。

退院支援加算1・2の施設基準・算定要件の概要。加算1を届け出るためには病棟に退院支援業務等専従の看護職員・社会福祉士の配置などが必要となる
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 この点、安藤文英委員(医療法人西福岡病院理事長)や石川広巳委員(社会医療法人社団千葉県勤労者医療協会理事長)も、「多くの病院では、『質の高い』退院患者の受け入れ先確保に苦労している」旨を述べ、実態や地域特性も十分に調べる必要があると訴えています。



http://www.asahi.com/articles/ASJ6K5QZSJ6KUBQU00N.html?iref=com_apitop
徳洲会グループで病院集約の動き 垂水徳洲会病院を来春にも閉鎖
周防原孝司
2016年6月17日18時54分 朝日新聞

 垂水徳洲会病院(鹿児島県垂水市田神)が来年春にも閉鎖する方針を市に示していることが明らかになった。徳洲会グループは、大隅鹿屋病院(鹿屋市)に医療機能の集約を図りたいとしている。

茨城・神栖の2次救急病院の統合方針決定 検討委
 5月、徳洲会大阪本部など徳洲会グループの関係者が市を訪れて伝達した。医師の確保が難しくなっていることや施設の老朽化などを理由に挙げたという。

 徳洲会大阪本部(大阪市)の担当者は朝日新聞の取材に対し、「(垂水市や鹿屋市など)地域の中で医療機能を集約して、充実した医療を提供していきたい」と述べた。垂水徳洲会病院の入院患者については、「希望を踏まえたうえで大隅鹿屋病院を中心にスムーズな転院を進めていきたい」としている。

 垂水徳洲会病院は1986年に開院。診療は内科、外科など5科があり、病床は78床。訪問介護・看護も実施し、救急搬送を受け入れている。垂水市では、市立医療センター垂水中央病院(126病床)と並ぶ地域の中核医療施設。

 垂水市議会の一般質問(14~15日)でもこの問題が取り上げられ、市側が経緯を説明した。尾脇雅弥市長は「市にとって垂水徳洲会病院はなくてはならない病院。医療の受け皿がなくなってはいけない。存続に向けてお願いしていきたい」と述べた。



https://www.m3.com/news/iryoishin/433732?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD160617&dcf_doctor=true&mc.l=163147640&eml=3f492a08f1681d66441569ec02c0b51e
シリーズ: m3.com全国医学部長・学長アンケート
「低学年クライシス」、6割強が実感◆Vol.1
カウンセラー配置や個別指導が増加

2016年6月17日 (金) 成相通子(m3.com編集部)

全国医学部長・学長アンケート

 2008年度以降、医学部定員は増え続け、2016年度には9262人に上った。一方で、医師の地域、診療科の偏在は解消されておらず、医学部低学年の学力低下を懸念する指摘もある。日本の医師の供給を支える医学教育では、臨床実習の充実や国際化、地域医療提供体制の維持などの課題が迫っている上に、臨床研修制度の見直し、2017年度開始か延期かで揺れる新専門医制度など、制度改革への対応も求められている。

 m3.com編集部は、2015年に引き続き今年の4月から5月にかけて、全国81の医学部、医科大学の医学部長、学長を対象に、医学教育の現状や尋ねるアンケートを実施した。「教員が不足していて、十分な教育時間が割けない」「学力低下が目立っている」など、率直な意見が寄せられ、医学教育におけるさまざまな課題や問題点が改めて浮き彫りになった。

 計25校の医学部長、学長に回答をいただいた。その結果を10回に分けて紹介する(文末に回答者一覧)。

(ご協力いただいた学長、医学部長、大学職員の方には、この場をお借りして、心より厚くお礼申し上げます)

 医学部定員増後、医学部1年生、2年生の留年者数の割合が大幅に増えている――。今年2月に全国医学部長病院長会議が公表した「医学部の学力に関する調査結果報告書」で、衝撃的な数字が紹介された。18歳人口が減少を続ける中、医学部定員の増員で、競争率が低下し、学力の低い学生が医学部に入学するのではないかという懸念がある。一方で、受験生の医学部人気は高まっており、国立大学だけでなく私立大学の偏差値も上昇し、むしろ医学部受験の競争は激化しているようだ(『「慈恵医大は偏差値56から72へ上昇」、2016年度医学部入試動向◆Vol.2』を参照)。

 実際の医学部教育の現場で、1、2年生が学力的、精神的につまずいてしまう「低学年クライシス」は増えているのか。医学部長・学長25人に尋ねた。

 Q. 2016年2月の全国医学部長病院長会議では「低学年クライシス(※1、2年次に医学生が学力的、精神的につまずいてしまう)」が問題になっているとの発表がありました。2008年度の医学部定員増の前後と比較して、そのような問題を抱えている低学年の学生増えていると感じますか。

全国医学部長・学長アンケート
 最初の質問では、「増えている」「変わらない」「減っている」「分からない」の4つの選択肢から1つを選んでもらった。「増えている」との回答が16人で6割強と多数だった。「変わらない」との回答は7人。「分からない」が2人で、「減っている」の回答者はいなかった。

 Q.「低学年クライシス」対策を行っている場合は、その内容を教えてください。

 「低学年クライシス対策」としては、メンターやカウンセラー、担当委員などを配置し、きめこまかな指導や相談を行う例が目立った。以下、対策の内容を選択肢と共に紹介する。


【増えている】
1年時で留年した学生にはメンターを付ける。(弘前大学医学部)

モチベーションの向上を企図して、医師免許を有する基礎医学教員が担当して、症例ベースで医学を考える習慣を身に付けさせる試みをスタートいたします。また、6年前から共用~基礎の教員が初年次に承認図グループによるゼミを開講しておりましたが、今年は7名の原級留置者を出してしましました。(岩手医科大学医学部)

学生支援の強化。具体的には、アドバイザー制度の活用、学生支援室教員による個別面談と指導、学生意見箱による意見の吸い上げ、教員と学生からなる学年小委員会の活動、卒前教育委員会への学生代表参加、カウンセラーの配置、等。(埼玉医科大学)

2-4年生の前年度成績下位20人に該当する学生に対し、修学支援担当教員を割り当て、日ごろの支援(主に学業面)を行っています。(昭和大学医学部)

(1)新入生スタートアップ宿泊研修の実施、(2)初年次教育のオリエンテーションの充実、(3)初年次における早期臨床体験と患者接触型学外実習の実施、(4)学生アドバイザーによる個別指導、(5)臨床心理士が駐在する学生相談室の設置、(6)保護者に対する学生のメンタルヘルスに関する情報発信、(7)再試験該当者の保護者への連絡、(8)休学者、留年者とその保護者との頻回な面談。(東京慈恵会医科大学)

医学部で6年間学んでいくに当たって必要な基本的スキルを身に付け、医学部での学習を円滑に進めていく基礎を培うことを目標とした「アカデミックスキルズ」を第1学年に配当している。また、学年担当制度を導入しており、1 教員に対し5~10 人の学生を割り当て、定期的に面談を行い学業面・生活面での相談や指導を行っている。特に第1、2学年には多くの担当委員を配置するとともに、2学年連続で同一学生を担当することにより、継続した相談、指導する体制を整えている。(聖マリアンナ医科大学)

本学医学部では、教員・学務室職員・保健管理センターおよび学生総合相談室の学生相談担当者が連携して、学生の修学・精神面を統括して支援する学生支援システムを構築しました。(1)アドバイザー制度:1~3年次学生を3~4人の小グループに分け、各グループに教員(原則として各分野の主任教授)一人をアドバイザーとして配置し、面談等を定期的に行うなど問題学生抽出のゲートキーパーとしての役割を担わせ、学生のモニタリング窓口を広げました。(2)リメディアル教育制度:リメディアル教育登録教員に、学業成績の低い学生に対して、補完授業を行う制度。補完授業は、学生本人、科目担当教員、学務室職員から登録教員に依頼することにより実施します。さらに、入試成績、出身校、入試形態等入試情報と、入学後の成績、心理検査(UPI、入学時全員に課している)結果、所属部活動など個々の学生の基本情報を年次縦断的に学生総合データベースとしてデータベース化し、教員・学務室職員・保健管理センター及び学生総合相談室の相談担当者が必要に応じて学生指導に利用できるようにしました。(福井大学医学部)

留学生が増加しているため、教務厚生委員長を中心にして相談に乗る機会を多く持つようにしている。(岐阜大学医学部)

成績下位10人程度の学生に対して、必要に応じて保護者も含めた面談を行っている。成績不振の原因を突き止めることによって、健康面も含めた対応を始めたところである。(愛知医科大学)

第1学年には学生10人前後に1人の担任を置き、第2学年にはメンター約20人を置いて、学生支援全般を支援しています。(大阪医科大学)

科目によっては平均点で10点ほど下がったものもあると聞いていま。しかし、それは昨今の低学年クライシスとは別物と考えている。ここ2年ほどのことだが、本学でも2学年の留年者が増加している。これは2年から基礎医学教育が始まり、1年に比べて学ぶ量が格段に多くなり、これに対応できない学生が増えているようだ。対策としては、 (1)入成績下位学生への特別講義、指導教員の任命、カウンセリング、休学学生への復学支援などを実施、また、入学早期の対策として次のようなことを実施している、(2)入学時オリエンテーションまでに全員に闘病記を読ませ、医療系学生としての自覚と意識を持たせることをめざしている、(3)1年生のゴールデンウィークを境にすでにモチベーションが低下する学生が少なくないことから、入学後4月、5月の日曜日、祝日に救急外来において患者サービスの支援を全員が経験している、(4)生物学を高校で学んできていない学生がいることから、1年生の際にリメディアルプログラムを組んでいる(半数が選択)、(5)プロフェッショナリズムのコースを設けて、専門職をめざすものとしての意識を明確化することをめざしている。(近畿大学医学部)

高校までの教育のまだらさを補うための理科教育(生物または物理)を実施している。(広島大学医学部)
全学生に指導教員を付けている。(産業医科大学)
 

【変わらない】
(1)定員増加に備えて、低学年担当教員、教育センター、入学センターからなる連絡会議を設置し経過を観察している。結果的には、定員増の前から問題になっているような学生は一定の割合で入学しており、定員増に合わせて増加したという印象は持っていない。
 しかしながら、昨年行われた自己学習時間調査では、調査開始後初めて自己学習時間が前回より減少している実態が明らかになった。現在担当部署で解析、対策の検討を行っているところである。
(2)平成25年度から第1・2学年学生を対象としたグル―プ担任制度を導入し、さらに平成26年度からは第1~3学年の各学年に1名の臨床アドバイザーを配置し、修学指導体制の強化を図っている。(旭川医科大学)

カリキュラムの改善。(山形大学医学部)

少なくとも本学ではそのようなことはありません。学生の能力低下について定員増が取り上げられますが、大学に進学する50万人、60万人中の医学部定員を1000名増やしたくらいで学力が低下する訳がありません。むしろ“ゆとり教育”とか“若い世代の哲学”の問題だと思います。ハングリー精神がないだけです。(福島県立医科大学医学部)

入学後の勉学や生活に関して、個人的にケアする対策(クラス担任制の強化や、教員が2~3人のチームで1年生から6年生までを担当する縦割り制度)を導入している。(富山大学医学部)

本学では、以前より低学年(1、2年)の学生へのフォローについては対応を行っているが、大きな変化はない。(名古屋市立大学医学部)
 

【分からない】
全ての学生に対して、教授または准教授の教官が指導教員として担当することとしている(医学部指導教員制度)。そして、最低年に2回は個人面談を行い、学生生活、履修、修学等全般にわたっての相談・指導・助言等の支援を行う事としている。また学生相談室に相談員(教員、専任カウンセラー)を配置し、あらゆる面での相談に応じ、必要に応じて保健管理センター「こころの健康相談」と連携し支援を行っている。(島根大学医学部)
 
回答者名(大学の都道府県順)
旭川医科大学  学長  吉田 晃敏 氏
弘前大学  医学部長  若林孝一 氏
岩手医科大学 医学部長 佐藤洋一 氏
東北医科薬科大学 医学部長 福田寛 氏
山形大学  医学部長  山下英俊 氏
福島県立医科大学 医学部長 鈴谷達夫 氏
埼玉医科大学 学長・医学部長 別所正美 氏
東京医科歯科大学 医学部長 江石義信 氏
昭和大学  医学部長  久光正 氏
東京慈恵会医科大学 学長 松藤千弥 氏
聖マリアンナ医科大学 医学部長 加藤智啓 氏
富山大学  医学部長  北島勲 氏
福井大学  医学部長  内木宏延 氏 (ほか3人)
信州大学  医学部長  池田修一 氏
岐阜大学  医学部長  湊口信也 氏
名古屋市立大学 医学部長 浅井清文 氏
愛知医科大学 医学部長 岡田尚志郎 氏
大阪医科大学  学長  大槻勝紀 氏
近畿大学  医学部長  伊木雅之 氏
大阪市立大学 医学部長 大畑建治 氏
兵庫医科大学  学長  野口光一 氏
広島大学  医学部長  秀道広 氏
島根大学  医学部長  山口修平 氏
産業医科大学  学長  東敏昭 氏
鹿児島大学 医学部長  佐野輝 氏



https://www.m3.com/news/iryoishin/434115
JAMA取り消し、「不適切な執筆者名」
「今考えると問題」、“名誉著者”の形(2016/6/17 訂正)

2016年6月17日 (金) 成相通子(m3.com編集部)

 弘前大学学長の佐藤敬氏が最終著者となっていた論文3本が6月3日に、米医師会誌JAMAとInternal Medicineから取り消された問題で、取り消しの理由がデータの整合性と執筆著者の不適切な割り当てなど、科学における不正行為に関するものだったことが分かった。同大などによると、論文発表当時の2005年ごろは、『名誉著者』として、論文の最終著者名に、実質的に研究責任者となっていない大学教授などが名前を連ねる慣習があり、佐藤学長は「今考えると問題だった」として、取り消しに同意したとしている。

 弘前大は、筆頭著者の元教授が同大を退職後に執筆した論文で、「学内で執筆された論文ではない」として、処分などの対応は検討していない。筆頭著者とは連絡が取れていないという。

 取り消された論文は、下記の3本。
Sato Y, et al. Effect of Folate and Macobalamin on Hip Fractures in Patients With Stroke: A Randomized Controlled Trial. JAMA. 2005; 293(9): 1082-1088.
Sato Y, et al. The Prevention of Hip Fracture With Risedronate and Ergocalciferol Plus Calciun Supplementation in Elderly Women With Alzheimer Disease: A Randomized Controlled Trial. Arch Intern Med. 2005; 165(15): 1737-1742.
Sato Y, et al. Risedronate Sodium Therapy for Prevention of Hip Fracture in Men 65 Years or Older After Stroke. Arch Intern Med. 2005; 165(15): 1743-1748.

 筆頭著者の佐藤能啓氏は弘前大学元教授で、2000年から2003年に同大医学部附属神経外科血管病態研修施設に所属し、退職後、福岡県内の病院に在籍中、上記の論文を執筆した。佐藤学長も同時期に同施設に勤務しており、教授同士の知り合いだったため、英語に堪能な佐藤学長に英文の校閲、指導などの依頼があったという。論文はいずれも、佐藤能啓氏が筆頭著者を務め、ほか2人の執筆者のほか、佐藤学長が最終著者として記載されている。

 JAMAは、今年の5月19日に「懸念の表明」と題して、上記の最初の論文に関して、研究行為、整合性、科学としての妥当性に複数の懸念が指摘されているとの記事を掲載。執筆者に連絡した後、執筆者の所属施設に連絡し、研究の科学的整合性や妥当性を調査するように依頼したことを読者に説明した。その後、6月3日、同論文について、科学的な不正行為があり、データの整合性や執筆者の不適切な割り当てへの懸念があるとして、論文の取り消しを正式に公表した。同日、同様の理由で他2本の論文も撤回された。

 同大では、6月に入ってインターネットのブログ記事で、佐藤学長が関わる論文の取り消しがあったとの指摘を受け、調査を開始。佐藤学長は調査に対して、5月にJAMA誌の問い合わせのメールを受けたことを認め、同論文の英文の校閲、査読、指導などに関わったものの、妥当性が問題視されているデータ内容については関わっていないことを説明した。

【訂正】2016年6月17日に以下の点を訂正しました。
・4段落目、「校閲、査読、指導」とありましたが、「校閲、指導」の誤りです。

【G3註】cited from PubMed
*1 JAMA. 2005 Mar 2;293(9):1082-8.
   Effect of folate and mecobalamin on hip fractures in patients with stroke: a randomized controlled trial.
   Sato Y1, Honda Y, Iwamoto J, Kanoko T, Satoh K.
   1 Department of Neurology, Mitate Hospital, Tagawa, Japan.
*1N JAMA. 2016 Jun 14;315(22):2405. doi: 10.1001/jama.2016.7190.
   Notice of Retraction:
   Sato Y, et al. Effect of Folate and Mecobalamin on Hip Fractures in Patients With Stroke: A Randomized Controlled Trial.
   JAMA. 2005;293(9):1082-1088.

*2 Arch Intern Med. 2005 Aug 8-22;165(15):1737-42.
   The prevention of hip fracture with risedronate and ergocalciferol plus calcium supplementation in elderly women with Alzheimer disease: a randomized controlled trial.
   Sato Y1, Kanoko T, Satoh K, Iwamoto J.
   1 Department of Neurology, Mitate Hospital, Tagawa, Japan.
*2N JAMA Intern Med. 2016 Jun 3. doi: 10.1001/jamainternmed.2016.3177. [Epub ahead of print]
   Notice of Retraction:
   Sato Y, et al. The Prevention of Hip Fracture With Risedronate and Ergocalciferol Plus Calcium Supplementation in Elderly Women With Alzheimer Disease: A Randomized Controlled Trial.
   Arch Intern Med. 2005;165(15):1737-1742.
   Bauchner H, Redberg RF.

*3 Arch Intern Med. 2005 Aug 8-22;165(15):1743-8.
   Risedronate sodium therapy for prevention of hip fracture in men 65 years or older after stroke.
   Sato Y1, Iwamoto J, Kanoko T, Satoh K.
   1 Department of Neurology, Mitate Hospital, Tagawa, Japan.
*3N JAMA Intern Med. 2016 Jun 3. doi: 10.1001/jamainternmed.2016.3771. [Epub ahead of print]
   Notice of Retraction:
   Sato Y, et al. Risedronate Sodium Therapy for Prevention of Hip Fracture in Men 65 Years or Older After Stroke.
   Arch Intern Med. 2005;165(15):1743-1748.
   Bauchner H, Redberg RF.





https://www.m3.com/news/general/433839?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD160617&dcf_doctor=true&mc.l=163147645&eml=3f492a08f1681d66441569ec02c0b51e
訴訟:「がん見落とし」で和解 摂津の病院が遺族に1500万円 大阪地裁
2016年6月17日 (金) 毎日新聞社

訴訟:「がん見落とし」で和解 摂津の病院が遺族に1500万円 大阪地裁

 大阪府摂津市の摂津医誠会病院を受診した50代の女性が死亡したのは担当医が胃がんの再発を見落としたためだとして、府内に住む夫らが病院を運営する医療法人と担当医に総額約8100万円の賠償を求めた訴訟で、病院側と遺族が大阪地裁で和解したことが分かった。

 和解は5月20日付で、遺族に1500万円を支払う内容。

 法人は「医誠会」(本部・大阪市)。医誠会のホームページによると、関西を中心に計約30の病院やクリニック、介護施設を展開している。

 訴状などによると、女性は2005年、摂津医誠会病院で胃がんと診断され、手術を受けた。

 その後も通院し、13年6月に再発の有無を調べる内視鏡検査や病理検査を受けた。遺族側は「遅くとも翌月に胃がんの再発を明確に示す病理検査の報告書を受け取っていた」と指摘。報告書は診療記録に添付されていたが、担当医が見落としたと主張した。女性は胃がんの治療を受けないまま、14年4月に亡くなった。

 病院側は裁判で「がんの進行状況から治療を始めても助かる可能性は低かった」と反論していた。

 医誠会は「担当者が不在で詳細は分からない」としている。【向畑泰司】



https://www.m3.com/news/general/434039
母子・父子三次感染、初の和解 B型肝炎訴訟
2016年6月17日 (金) 朝日新聞

 予防接種を原因とするB型肝炎訴訟で、肝細胞がんを発症して2012年に25歳で死亡した大阪府の男性の両親に対し、国が3600万円を支払う内容の和解が16日、東京地裁で成立した。男性は、一次感染者の祖母から母子感染した父親を経た三次感染者。厚生労働省によると母子・父子感染による三次感染者との和解は初めてで、同様の人に和解金を給付できるよう近く省令を改正する。

 弁護団によると、男性は4年前に肝細胞がんと診断され、その4カ月後に死亡した。死亡直前にB型肝炎ウイルスのDNAを調べたところ、二次感染者である父親のウイルスと一致した。



http://www.yomiuri.co.jp/local/iwate/news/20160617-OYTNT50097.html
山田病院再建で式典…高台に移転、今秋にも開院
2016年06月18日 読売新聞 岩手

 東日本大震災の津波で被災し、仮設診療所で診療を行っている県立山田病院(山田町)の新病院がほぼ完成し、17日に式典が行われた。秋にも開院する予定。

 海から約400メートル内陸にあった旧山田病院は津波で1階が浸水した。震災後は、町中心部から約5キロ北の仮設診療所で外来診療を続けている。

 新病院は町中心部近くの山を切り崩した高台(標高約30メートル)に移転した。鉄筋コンクリート2階で、総事業費は約19億円。

 入院を必要としない軽症患者を診る「1次救急」への対応が基本。夜間救急は県立宮古病院で対応する。

 仮設診療所になかった入院機能が50床分ある。病気やけがの治療後、日常生活への復帰を目的に行う「回復期リハビリテーション」を中心とした利用が見込まれている。

 常勤医は4人(内科3人、外科1人)。応援医師の派遣を受けながら内科、外科、小児科、整形外科、眼科、リハビリテーション科の計6診療科で診察を行う。

 式典には関係者ら約30人が出席。宮本伸也院長は「仮設では町民に不便をおかけしてきた。新病院では地域住民に寄り添った医療を提供していきたい」と話した。

 被災した県立病院のうち、大槌病院は5月に新病院が開院。高田病院は来年度中に開院する見込み。


  1. 2016/06/18(土) 06:41:12|
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6月16日 

https://www.m3.com/news/general/433748?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD160616&dcf_doctor=true&mc.l=163079188&eml=3f492a08f1681d66441569ec02c0b51e
「データ信頼性に懸念」弘前大学長らの論文、米医師会誌が取り消す
2016年6月16日 (木) 読売新聞

 弘前大学は15日、佐藤敬学長が米医師会雑誌などに発表した三つの論文がデータの妥当性などの問題から取り消されたと発表した。

 米医師会雑誌の論文は、葉酸などの服用で脳梗塞の患者の骨折を減らせるという内容で、2005年に発表された。論文の責任者は学長の同僚だった元同大教授。学長は著者の一人として研究のデザイン、データ収集と解析、解釈、原稿作りを担当したと記載されていたが、同大の聞き取り調査に対して、学長は「英文の校閲などを行ったが、データについては分からない」と答えたという。

 同誌は「データの信頼性に懸念を持たせる科学的な不正行為があり、著者の記載も不適切だった」として、今月3日に論文を取り消した。残り二つの論文も同様の理由で取り消された。



https://www.m3.com/news/iryoishin/433494
日医役員選挙、会長選は横倉氏と石井氏の一騎打ち
副会長3人は続投、常任理事10人も決定へ

2016年6月15日 (水) 橋本佳子(m3.com編集長)

 任期満了に伴う日本医師会役員選挙の候補者が6月15日に締め切られ、会長候補者に現職の横倉義武氏のほか、現日医常任理事の石井正三氏が立候補、一騎討ちになることが決まった。会長選挙戦は3人が争った2012年以来。投開票は、6月25日の日医定例代議員会で行われる。それ以外の副会長、常任理事、理事、監事、裁定委員については、いずれも立候補者と定数は同数で、事実上確定した。

 副会長候補は現職3人で、中川俊男氏、今村聡氏、松原謙二氏が続投。常任理事候補者の10人のうち、7人は現職、3人が新人だ。

 日医役員選挙は6月1日に公示、石井氏は6月4日に、横倉氏は6月5日にそれぞれ事務所開きをしていた。石井氏は、選挙がなく議論がないまま日医の方向性が決まることを問題視、「現執行部内の議論は不十分」と出馬理由を説明(『「現体制は議論が不十分」、日医会長候補の石井氏』を参照)。横倉氏は、組織強化と政策提言能力の充実を訴え、3期目の日医会長を目指す(『「全医師が結集する組織に」、横倉日医会長が3期目目指す』参照)。

 副会長のほか、常任理事の候補者10人は、いずれも横倉氏が「キャビネット(役員)」として公表したメンバーだ。現職の常任理事のうち、石井氏は会長選挙に立候補、小森貴氏(石川県)の笠井英夫氏(岡山県)は、いずれも引退する。

 日医役員選挙の候補者は以下の通り。そのほか、6月25日には、代議員会議長と副議長、監事と裁定委員も決まる。

【日医役員の候補者】(順序は抽選による)

■会長候補者 2人(定数1人)
1.石井正三(福島県)
2.横倉義武(福岡県)

■副会長候補者 3人(定数3人)
1.今村聡(東京都)
2.松原謙二(大阪府)
3.中川俊男(北海道)

■常任理事候補者 10人(定数10人)
1.羽鳥 裕(神奈川県)
2.松本吉郎(埼玉県) 新
3.鈴木邦彦(茨城県)
4.道永麻里(東京都)
5.市川朝洋(愛知県) 新
6.松本純一(三重県)
7.石川広己(千葉県)
8.温泉川梅代(広島県) 新
9.今村定臣(長崎県)
10.釜萢 敏(群馬県)



https://www.m3.com/news/general/433776
「検査怠って四肢まひ」仙台厚生病院を提訴 運営法人「全面的に争う」
2016年6月16日 (木) 河北新報

 77歳で死亡した仙台市の女性が存命中、仙台厚生病院(青葉区)に入院後に四肢まひとなったのは病院が必要な検査を怠ったためだとして、女性の遺族が病院の運営法人に約1900万円の損害賠償を求める訴えを15日までに、仙台地裁に起こした。

 訴えによると、女性は腹痛を訴えて2013年11月に入院し、胆管結石と診断された。約1カ月半後、転院先の病院で髄膜炎と診断され、後に脳梗塞を患い四肢まひとなった。女性は14年9月に死亡した。

 遺族側は「病院が必要な検査をしていればもっと早く髄膜炎と診断され、脳梗塞を防げた可能性が高い」と主張。法人側は「適切な治療をしてきた。全面的に争う」と話した。



https://www.m3.com/news/iryoishin/433512
2次医療圏、「構想区域と一致」が基本
地域医療構想、地域包括ケアを念頭に計画見直し

2016年6月15日 (水) 橋本佳子(m3.com編集長)

 厚生労働省は、6月15日の「医療計画の見直し等に関する検討会」(座長:遠藤久夫・学習院大学経済学部教授)の第2回会議で、「2次医療圏」「5疾病・5事業」「PDCAサイクルを推進するための指標」の3項目についての今後の検討の論点を提示した(資料は、厚労省のホームページ)。

 論点自体には異論は基本的にはなかったが、多くの構成員から出たのは、高齢社会が進み、地域包括ケアシステムの構築や地域医療構想の策定が進む中、従来の医療計画の考え方では対応できないとの指摘だ。

 厚労省は、「2次医療圏」については、各都道府県で策定が進む地域医療構想の構想区域と一致させることを基本とすることや、脳卒中や急性心筋梗塞をはじめ緊急性の高い医療については、緊急時の搬送体制を勘案して自己完結できる圏域を設定する一方、がんなど緊急性が低い医療に関しては、より広域的な圏域を設定することを提案。医療計画に記載する「疾病」は今後の疾病構造を踏まえて検討するとともに、「5事業」は救急医療、災害時医療など現状の5事業を引き続き重点的に取り組むとした。「PDCAサイクルを推進するための指標」については、現状を評価できる指標が示されているかどうかなどの視点から検討する。

 2次医療圏、「より高い医療レベル」求められる
 2018年度から開始する第7次医療計画に向け、厚労省は2016年中に医療計画の作成指針をまとめる方針(『第7次医療計画に向けて策定指針を議論、厚労省』を参照)。第2回会議では、「2次医療圏」「5疾病・5事業」「PDCAサイクルを推進するための指標」の論点について、意見交換した。

 「2次医療圏」について、鈴木氏は、「次回(第7次)医療計画とこれまでの大きな相違は、地域包括ケアが進むことが挙げられる。それに伴い、2次医療圏は従来よりも高い医療レベルが求められる。人口が少ない、あるいは医療資源が少ない2次医療圏は統合していき、がんについても、患者は広範囲に異動するので、より広域な設定が必要」と提案。また横浜市では、地域医療構想において、同市内の3つの2次医療圏を1つに広域化したことを踏まえ、「2次医療圏の人口の上限はないのか」と質問。「5疾病・5事業」に応じた圏域の設定で、従来は「人口20万人以下」という規模別に人口カバー率を計算していたが、新たに「人口20万超、50万人未満」という規模での分析が出てきたことから、「人口50万人も、一つの目安になってくるのか」と質した。

 これらに対し、厚労省医政局地域医療計画課は、「住民が密集している地域は、2次医療圏は大規模な設定になる」と述べ、「2次医療圏の人口に上限はない」と説明。「人口50万人」はあくまで分析の一つの目安であり、今後、50万人を基準に議論するわけではないと答えた。

 「2次医療圏」をめぐる論点では、「老人福祉圏域との整合性を踏まえた検討」も求めた。鈴木氏は、老人福祉圏域をそもそも設定する目的や、2次医療圏を老人福祉圏域に合わせる必要性の有無を質した。

 厚労省医政局長の神田裕二氏は、老人福祉圏域は、特別養護老人ホームの措置権限が1989年に都道府県から市町村に下りた時に、広域的に特養の利用状況などを見るために設定されたと説明。その上で、医療計画は入院の需要、老人福祉圏域は入所の需要を見るという視点では、「一定の整合性があった方がいいのではないか」と答えた。ただし、医療計画には「病床規制も絡んでいる」とも付け加え、「老人福祉圏域と医療圏は必ず合わせるべきというわけではない」とした。

 そのほか、2次医療圏については、「人口20万人以下」では、医療圏として成り立ちにくいという問題がある。第6次医療計画の作成指針では統合を求めたが、実際には349から344への減少にとどまった。厚労省はその理由として、「現行の医療機関等の配置により、医療提供体制が構築されている中で、圏域の枠組みを変えたとしても実効性がない」などを挙げたが、相沢氏は、「行政区域の問題もある」と指摘。「2次医療圏は設定したが、市町村が広域連合を組んでいると、その壁を崩すのは、かなり厳しい。人口3万人や5万人の2次医療圏も仕方がないとなる。それを打破するデータを国民、県民に提示することが必要」。

 2次医療圏、統合できない主要因は?
 医療計画上、「5疾病・5事業」と在宅医療については、2次医療圏を基礎としつつ、地域の実情に応じた圏域の在り方を検討する。厚労省は、疾病ごとに、「ある2次医療圏において、圏内の人口のうち、30分以内にアクセスできる人口はどのくらいいるか」という「30分以内の人口カバー率」を基にした分析案を提示。

 厚労省が、「5疾病」に含まれる急性心筋梗塞と脳卒中との「人口カバー率」を、それぞれ横軸と縦軸に取ったグラフを提示したのに対し、「急性心筋梗塞と脳卒中では、患者の流れが違う。同じグラフにするのはどんな意味があるのか」と疑義を呈したのが相沢氏。脳卒中では急性期の治療後、回復期リハビリテーション病棟、さらには療養病棟に移るケースが多い一方、急性心筋梗塞では、療養病棟に移るケースはあるものの、回復期リハビリテーション病棟に行くケースは少ないとし、丁寧な分析と議論を求めた。

 「5疾病・5事業」、追加か否か
 「5疾病・5事業」に新たに追加するか否かについて、鈴木氏は、「基本的には、引き続き現行のものを充実させていくことでいい」とコメント。

 慶應義塾大学名誉教授の田中滋氏は、「例えば、高齢化の進展に伴い、今後さらに増加する疾病については、他の関連施策と調和を取りながら、予防を含めた地域包括ケアシステムの中で対応することとしてはどうか」という論点の意味を質した。

 厚労省医政局地域医療計画課長の迫井正深氏は、例えばフレイルなど、高齢者をめぐるさまざまな疾患については、医療提供体制だけでは対策を講じることができないという問題意識があることから、「医療以外で対応」ではなく、「医療以外での対応も必要」という意味であると説明。

 相沢氏は、高齢者の場合、「急性心筋梗塞」などと明確に診断、治療ができる疾患ではなく、心不全、糖尿病による複雑な病態などが多くなるとし、「これらの患者を地域医療密着型の医療でいかに診ていくかが重要なのに、医療計画には書かれていない」と指摘、医療計画での対応を求めた。

 PDCAサイクルの指標、「達成に躍起」の問題も
 「PDCAサイクルを推進するための指標」は、医療計画の実効性を高めるため、2013年度からの第6次医療計画から導入された。指標を用いて医療提供体制の現状を把握、課題を抽出して医療計画を策定、定期的に評価するとともに、住民に公開することなどが狙い。各種指標について、(1)収集、活用しやすいか、(2)現状を評価できる指標か、施策と連動する指標か、(3)医療機関単体ではなく、地域全体に重点を置いた評価ができるか――などが論点。厚労省は、各都道府県の指標活用の現状について、医療の現状評価に使っているものの、実際の施策につなげている県はまだ多くはないと説明。

 NPO法人ささえあい医療人権センターCOML理事長の山口育子氏は、地域医療構想や医療計画は国民や患者には知られていない現実があるとし、「PDCAがうまく回っている好事例を住民に提供していくことで、広報につながる」と述べた。他の構成員も、広報、周知の視点から指標を活用する必要性が指摘されたほか、都道府県が実施できるかという視点も大切だとした。

 相沢氏は、指標をめぐる問題点を指摘。「がん診療連携拠点病院を2次医療圏に1カ所ずつ設置する」という指標を策定した結果、都道府県はその達成に躍起になった。人口3万、5万人という医療圏でも拠点病院は必要か」と相沢氏は問いかけ、特にストラクチャー的な指標は見えやすいが故に、「本当に地域医療のために役に立つのか」という視点が欠けると懸念した。



https://www.m3.com/news/general/433650
大学、取引チェックに課題 不正経理関与の業者、社員が他社に移籍し営業
2016年6月16日 (木) 朝日新聞

 大学内で不正経理に関与した業者との取引を停止したら、学内で営業していたその業者の社員が別の会社に移って営業を続けていた――。大阪大学でそんなケースが発覚した。阪大は取引停止の実効性が弱まるとして、移籍先の会社との契約も控えるよう学内に通知した。大学では各教員が業者と直接やりとりすることが多く、チェックが課題となっている。

 ■阪大、「脱法状態」として対策

 阪大で不正経理が発覚したのは昨年12月のことだ。大学院情報科学研究科の当時の教授や元助手ら3人が関与したとされる。

 阪大によると、教授らの手口はこうだ。業者3社に架空の物品代を請求させる▽阪大などが支出した多額の研究費を支払い、「預け金」として業者にプールする▽その金を消耗品の購入など別名目の研究費に使う――。阪大は教授を懲戒解雇とし、3業者に2年間の取引停止措置を通告した。

 ところがその後、匿名の情報が寄せられ、大学が調査。その結果、取引停止とした3業者のうち、大阪市と大阪府茨木市の計2業者で阪大の教員に営業活動をしていた社員らが、それぞれ別のA社とB社に移り、学内で営業活動を続けていることがわかった。

 阪大が学内の教員の契約記録を調べたところ、計100人以上がA社、B社と契約を結んでいた。「見積価格が安かった」。大学側の調査にそう話す教員がいたという。

 A社との契約額は、1~2月納品分で計約5500万円(約500件)に上っていた。研究用の試薬などの販売だったが、過去にA社と阪大の教員との取引はなかったという。

 大阪市の業者とA社の両社長によるとA社に移籍した社員は6人。A社が阪大の教員に販売した商品の一部は大阪市の業者から仕入れたものだったという。

 A社の社長は、大阪市の業者の役員と旧知の間柄といい、取材に「社員の主な営業先が阪大で、生活していけない状況と聞き、来てもらった」と話す。

 大阪市の業者側は「社員は生活のため、自分の意思で社を辞めた」「移籍がいけないのなら、今後彼らが移ろうとする会社が採用をためらうのではないか」と話した。

 一方、阪大によると、B社と教員との契約額は今年1~2月分で約1億1300万円(約1千件)。昨年1年間の約70万円(5件)から急増していた。茨木市の業者の役員は社員の動きについて、取材に「答えられない」「問題のある行為はない」と話した。B社は取材に応じていない。

 「取引停止業者の担当者が、別会社の社員として営業活動を行っている状況にある」「取引を求められたら、すぐに報告すること」

 阪大は今年1月29日付で、全部局長宛てにこうした通知を送った。A社とB社も実名で記し、注意喚起を図った。阪大は業者側にも営業を控えるよう伝え、A社とB社はともに「すでに営業をやめた」としている。

 多くの大学では、教員の不正経理に関与した業者に対し、取引停止とする規定を設けている。ただし、今回の阪大のようなケースについて、文部科学省の担当者は「取引停止はあくまでも個別の会社への措置であり、社員が移籍した場合は、対応が難しい」と話す。

 阪大の佐藤規朗・財務部長は「脱法的な状態を放置するわけにはいかず、通知は苦肉の策だ」と語る。

 ■北海道大は事務部局が管理

 大学では、専門分野によって必要な物品が異なり、各教員が取引について業者と直接やりとりすることが多い。取引の実態が大学当局から見えづらく、阪大のようなケースが明るみに出るのはまれだ。

 2012年に公的研究費などの多額の不正経理が発覚した北海道大学。北大が関与を認定した教員は59人にのぼった。

 大学側は、13年に取引の管理を厳格化。年間50件計500万円以上の取引がある「主要取引先」には教員と直接、契約の手続きをすることを認めるものの、帳簿の提出などを求めるようにした。

 それ以外の「一般取引先」と結ぶ契約は、事務部局が管理し、チェックする。北大の担当者は「事務部局が管理することで不審な契約を把握するフィルターになる」と話す。

 阪大も一連の問題を受け、取引停止業者の社員の「移籍」を含め、取引の管理を厳しくする再発防止策を練っている。北大の手法を参考に、来春までに約8千の取引先を「主要」と「一般」に分類し、新規参入の業者や取引額が急増した業者をチェックしやすくする方針という。

 佐藤財務部長は「不正経理だけでなく、今回のように突然営業を始めた業者との取引を契約前に把握できる仕組みにしたい」と話す。(玉置太郎)



https://www.m3.com/news/general/433809
ジェネリック使用率、大きな開き 厚生局に改善通知 行政評価局調査、道平均63.9% /北海道
2016年6月16日 (木)毎日新聞社

ジェネリック:使用率、大きな開き 厚生局に改善通知 行政評価局調査、道平均63.9% /北海道

 ジェネリック(後発)医薬品の道内での普及状況について、北海道管区行政評価局が市町村など計183の国民健康保険組合を調べたところ、数量ベースの使用率は全道平均63・9%だった。保険者によって80%を超すところから40%未満まで大きな開きがあり、北海道厚生局に対し、普及が進まない市町村への助言や医療機関を指導するよう改善通知を出した。

 ジェネリック医薬品は、特許の切れた新薬(先発医薬品)と有効成分や効果が同じものを別のメーカーが作る薬で、品質や安全性は新薬と同等として厚生労働省の承認を受けている。開発費用が安く抑えられ、薬価も新薬に比べて安い。

 調査は昨年12月から今年3月にかけて、道内市町村と医療関係者などが組合員となっている計183国保組合を対象に実施した。

 最も使用率が高かったのは、砂川市と上砂川町でいずれも82・0%。37保険者は既に70%を超えていた。一方で中頓別町が37・1%と最も低く、8保険者が50%を下回った。

 また、医療関係者の組合は導入に消極的で、道医師国保組合(41・5%)▽道薬剤師国保組合(53・6%)▽道歯科医師国保組合(55・2%)――と軒並み全道平均を下回った

 また道内の国公立など8医療機関でジェネリック医薬品の使用状況を調べたところ、患者が希望しても利用できなかったり、医療機関の意向で同じ検査でも外来患者は先発医薬品、入院患者はジェネリック医薬品と使い分けされたりしていた。

 国は医療保険財政の改善や患者負担軽減が図れるとして「2017年度中に使用率70%、20年度末までに80%以上」とする数値目標を設定するなどして普及を促進している。行政評価局には道民から「ジェネリック医薬品の使用に消極的な病院があり、高額な薬代に困っている」との苦情が複数件寄せられているという。【三股智子】

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 ◇ジェネリック使用率
順位 国保組合 (%)
  1 砂川市  82.0
  1 上砂川町 82.0
  3 奈井江町 80.8
  4 浦臼町  79.4
  5 歌志内市 78.9
- - - - - - - - - - - - - -
179 中川町  43.3
180 標津町  43.1
181 西興部村 42.8
182 道医師国保 41.5
183 中頓別町 37.1
  <道平均>  63.9



https://www.m3.com/news/iryoishin/433854
シリーズ: 真価問われる専門医改革
「新専門医制、国民の信頼得る制度に」医学部長病院長会議
新井新会長が会見、「臨床研修制度はゼロベースで見直し」

2016年6月16日 (木) 橋本佳子(m3.com編集長)

 全国医学部長病院長会議は6月16日の記者会見で、この5月に会長に就任した新井一氏(順天堂大学学長)は、新専門医制度と臨床研修制度への対応の二つを重点課題として挙げ、新専門医制度については「専門医の質の担保と地域の医師の偏在、この二つに留意しながら、国民の信頼を得る制度になるよう全面的に協力していく」との方針を示した。臨床研修制度については、ゼロベースで見直し、卒前、卒後の一貫性のあるシームレスな教育研修体制の構築に向け、厚生労働省や文部科学省に働きかけていくとした。

 新井氏は、新専門医制度について、日本専門医機構がこの6月末で任期が切れる役員選考を進めていることに触れ、「本会議から2人の理事を新しい理事会に送ることになっている。理事会を介して我々の考えをしっかりと主張していく」と説明、新執行体制での検討を注視していくとした。厚労大臣の見解や日本医師会の要望などを挙げ、「その辺りを十分に踏まえながら対応していく」(新井氏、『新専門医制で18学会に釘刺す、日医と医学会』などを参照)。

 さらに、個人的な意見と断りつつ、来年4月の専攻医の受け入れ開始を念頭に、「彼らに対する我々の責任があり、その受け皿となる体制、仕組みを作っていかなければいけない。しかし、時間的に厳しくなっている。18の領域については、各学会がこれまで責任を持ってやってきた。従来の制度をある程度、活用しながら、新しい機構がそこにどう関与していくかをゼロベースで検討すべきと考えている」と述べた。

 全国医学部長病院長会議はこの5月の社員総会で、新会長には新井氏、副会長には稲垣暢也氏(京都大学医学部付属病院長)を選任した。

 新井氏は16日の会見で、今後の方針として、「医学、医療の質向上のために、全国医学部長病院長会議が、アカデミアとしてどんな取り組みをしていくかを明確にして実行し、社会に発信していくことが重要な役割だと考えている」とコメント。いわゆる「2023年問題」にも触れ、日本の医学教育の国際認証を行うために組織された日本医学教育評価機構(JACME)が、今年度中に認証機関としての国際的な評価を受ける予定であり、卒前と卒後で一貫性のある新たな医学教育の枠組みを再構築する第一歩になると説明した。



http://mainichi.jp/articles/20160616/ddl/k25/010/566000c
県病院事業庁
勤務医ら255人の所得税徴収ミス /滋賀

毎日新聞2016年6月16日 地方版

 県病院事業庁は15日、勤務する医師らに対する所得税の源泉徴収不足を下京税務署から指摘され、2011年5月から5年間分の不足額約1837万円を追納したと発表した。不納付加算税や延滞税は判明次第、納付する。

 事業庁によると、医師らの宿日直手当について、所得税法に基づいて4000円までを非課税扱いとしていたが、救急外来への対応などに時間外手当を支払っていた。税務署からは、時間外手当を支払った場合は宿日直ではなく本来業務に当たり手当全額が課税対象だと指摘されたという。

 今後、専門家のアドバイスを受けながら、該当する職員や元職員計255人に経緯を説明し、不足額を徴収するという。【衛藤達生】



http://www.asahi.com/articles/ASJ6J3209J6JUBQU00H.html
茨城・神栖の2次救急病院の統合方針決定 検討委
2016年6月16日09時17分 朝日新聞

 茨城県神栖市で2次救急を担う鹿島労災病院と神栖済生会病院の再編を協議する、茨城県医師会などの検討委員会は、2018年度をめどに両病院を統合する方針をまとめ、14日に橋本昌知事へ報告した。20年度の新病院整備を目指し、今後、地元住民や有識者を交えて具体的な再編方法を考える。

 神栖市内の入院患者の約7割が市外の医療機関を利用しており、14年時点の一般病床の利用率は、労災病院が15・1%、済生会病院が44・7%。赤字経営が続き、医師不足も深刻だ。神栖市などを管轄する鹿島地方事務組合消防本部の救急搬送にかかる時間は、県平均より10分近く長い50分(14年)となっている。

 再編案は、済生会病院を運営する社会福祉法人に両病院の運営を集約した上で ①済生会病院を増床 ②労災病院の跡地で、病院を建て替え ③両病院の中間地点に新病院を整備する、といった3案を軸に、今後の方向性を検討するとした。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/49004.html
がん医療、病院の診療実績など一覧で公開へ- 厚労省が情報提供方法を提案
2016年06月16日 22時00分 キャリアブレイン

 厚生労働省は16日に開いた「がん診療提供体制のあり方に関する検討会」で、がん医療に関する情報提供の方法について提案した。患者や家族らがウェブサイトで、がんの種類や病期などを指定して検索すると、該当するがん診療連携拠点病院(拠点病院)の診療実績や医療スタッフ数などが一覧で表示される仕組みを想定している。【松村秀士】


 がん医療の情報提供については、既に国立がん研究センター(国がん)がん対策情報センターが、運営するウェブサイト「がん情報サービス」で患者や家族、医療関係者らに対し、がんの種類や診断・治療法、最新の統計などに関する情報を提供している。しかし、がん医療に関するより詳細な情報を求める声が根強くあり、多くの患者や家族、医療関係者らが必要な情報を入手するのが難しいのが現状だという。

 こうした状況を踏まえ、厚労省が昨年12月に公表した「がん対策加速化プラン」では、集中的に実行すべき具体策の1つとして、「患者や家族が必要とする情報を簡単に検索でき、医療施設同士の比較も可能なシステムを構築し、広報・周知する」とされた。

 16日の会合で厚労省は、患者らがより簡易に拠点病院を検索できるシステムを提案。具体的には、患者や家族らが国がんのウェブサイトで、がんの種類や病期、住んでいる都道府県を入力して検索すると、該当する各拠点病院での、▽医師や認定看護師、患者の数▽手術の件数や方法▽医療スタッフの職種別内訳―などが表示される仕組み。厚労省では、来年6月の閣議決定を目指す次期がん対策推進基本計画の策定を待たずに、この情報提供システムの運用開始を予定している。

 意見交換では、厚労省が示した情報提供システムについて、今村聡委員(日本医師会副会長)が、「医師に関しては、もう少し細かい内訳(専門領域)が分かる仕組みにしていただきたい」と要望。北川雄光委員(慶大医学部教授)は、「標準治療に当てはまらない治療の情報も患者から求められている」とし、手術や化学療法、放射線治療以外の治療方法に関する情報の提供を求めた。このほか、職種別内訳の中に、心理的な問題を抱える患者への相談や支援などを行う臨床心理士を含めるべきとの声もあった。これらの意見に対し、厚労省の担当者は、前向きに検討するとの考えを示した。



http://www.sankei.com/photo/daily/news/160616/dly1606160033-n1.html
ウサギ医療過誤、賠償命令 獣医師の注意義務違反認定
2016.6.16 産経ニュース

 獣医師が処置を誤ったためにペットのウサギが顎を骨折し、その後死んだとして飼い主だった東京都内の女性が動物病院を経営する法人(品川区)に134万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は16日、請求の一部を認め、43万円の支払いを命じた。

 手嶋あさみ裁判長は判決理由で、骨折は獣医師の注意義務違反によるものと認める一方で、骨折と死の因果関係や、治療方針やリスクについての獣医師による飼い主への説明義務違反はないと判断した。原告は慰謝料60万円を求めたが、判決は8万円が相当だとした。

 判決によると、女性は2011年12月、5歳の雄ウサギの歯が伸びすぎたとして処置を依頼。獣医師が麻酔をかけずに器具で口を開き、歯を切断した。その後食欲がなくなり12年3月に死んだ。

 原告代理人の指宿昭一弁護士は判決後に記者会見し「しっかりと認めてもらえた」と評価。女性は「泣き寝入りも考えたが、家族同然だったウサギのために闘ってきた。痛ましい事故が二度と起こらないよう願う」とのコメントを出した。



http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201606/20160616_73009.html
<適少社会>医療介護連携 先進地に
2016年06月16日木曜日 河北新報

◎人口減 復興のかたち[52]第11部答えの在りか(2)命を守る基盤

 東日本大震災で人口が減った被災地を命を守る先進地にしよう。岩手県気仙地域の大船渡、陸前高田、住田3市町の取り組みが、全国の地域医療、介護福祉関係者の関心を集めている。
 3市町が4月に始めた情報通信技術(ICT)を活用した医療・介護の地域連携システム「未来かなえネット」。同様のシステムは全国に200程度あるが、9割は住民登録率が10%に満たない。未来かなえネットは群を抜く。登録者は7月、わずか3カ月で地域住民約6万3500人の10%を超える見通しだ。
 被災地では人手不足が続く。システムを運用する官民組織「未来かなえ機構」(住田町)は医療、介護などの各機関が患者や利用者の情報を出し、共有することが課題克服に不可欠と考えた。モデルはないか。機構に加わる岩手県立大船渡病院の渕向透副院長(58)は2014年10月、新潟県佐渡市に渡った。「これだっ、これっ」。希望をかなえる原石を探し当てた興奮を抑え切れなかった。
 離島の佐渡市の人口は15年国勢調査で5万7262。この10年で1万減った。高齢化率は40%超。増加するニーズに対応する切り札は、ICTを生かした関係機関の連携強化を、より深化させることだった。

 システムの主流は電子カルテ方式。患者情報の発信は医師からの一方通行で、介護現場からは反映されない。電子カルテ自体、採用する医療機関は全国で20%にとどまる。導入コストの負担もある。結果、介護関係者にそっぽを向かれ、システムは開店休業状態が多い。参加機関が増えなければ住民の登録も伸びない。
 「介護、医療双方向のシステムでなければ使われなくなる」。佐渡総合病院院長で、佐渡地域医療連携推進協議会の佐藤賢治理事(55)は危機感を抱いた。着目したのはレセプト(診療報酬明細書)。病名、診察内容などが分かるレセプトは既存システムが使える。介護施設や調剤薬局でも扱い、取り組みやすい。
 全国初のレセプト方式システム「さどひまわりネット」は13年に稼働。佐藤理事の狙いは当たり、参加は介護、薬局を含め市全体の約60%に当たる75施設、住民登録率は25%に達した。
 未来かなえネットも双方向発信を掲げた。震災後、地域に27あった病院・診療所は20に減り、看護師らの有効求人倍率は1.48倍、介護サービスは1.69倍と慢性的な人手不足に陥る。不足を補うには、利用施設ごとに行う検査や調剤の重複を避ける効率化が鍵。情報共有は実現の絶対条件だ。

 住田町両向の公民館で10日夜、住民説明会があった。「被災地の医療・介護現場の負担を未来かなえネットは軽減する。支える人を支えよう」。機構の安部博事務局長(66)は参加した20人に呼び掛けた。
 佐渡市に先行する取り組みも模索する。救急車に端末を搭載し、搬送中に患者の病歴や体質のデータを確認し応急処置する。救命率向上につなげる試みは、16年度中の実現を目指す。
 陸前高田市の主婦高木タケコさん(71)は県立高田病院で未来かなえネットに登録申請した。昨夏、大船渡市で体調を崩し救急車で搬送された。「家から遠くても持病を知ってもらっていれば安心」と期待した。
 機構は16年度、住民登録率を佐渡市と並ぶ25%、歯科診療所も加えた機関は70%加入を目標にする。
 「大規模病院を造るのは難しい。でも、未来かなえネットなら地域全体を医療・介護モールにできる」
 気仙医師会の滝田有(たもつ)会長(55)は被災地の取り組みと実績を示すことが、人口減に直面する他の地域の命を守ることにもつながると信じる。


  1. 2016/06/17(金) 06:00:07|
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