Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

6月29日 

https://www.m3.com/news/iryoishin/437515
シリーズ: 日医代議員会
医学部の一時的定員増、「元に戻す」
第138回日医臨時代議員会、今村副会長

2016年6月29日 (水) 橋本佳子(m3.com編集長)

 6月26日の第138回日本医師会臨時代議員会で、副会長の今村聡氏は、現在の医師不足地域への配慮もしつつ、「一時的に増員した医学部定員」を、元に戻すよう求めていく方針を示した。医学部の入学定員は2008年度以降、増加に転じ、2016年度までに1637人分増え、9262人に達した。このうち993人分が臨時定員増に当たる。厚生労働省の社会保障審議会「医療従事者の需給に関する検討会」の医師需給分科会で、2019年度までは現行の9262人を最低でも維持する方針が決まったが、日医はそれ以降については定員減を求めていく構えだ(『偏在対策「強力」に、「医師の働き方ビジョン」も策定』を参照)。

 医師の偏在是正対策については、自由標榜制や自由開業制の見直しなど「規制的な手法」も検討されるものの、今村副会長は、プロフェッショナルオートノミーと地域の実情に基づく必要性を強調、地域の医師会が中心となり、さまざまな取り組みを実施することが大前提になるとした。一例として、日医が全国医学部長病院長会議との2015年12月の緊急提言で掲げた「医師キャリア支援センター(仮称)」の活用などを挙げた(『医師のキャリア形成、大学が生涯にわたり支援』を参照)。

 さらに偏在是正対策として、2017年度政府概算要求に対する日医の要望書の中で、医師の異動・キャリアパスを追跡できるよう、医師届出票の見直しも、要請していると説明した。2018年度実施の「医師・歯科医師・薬剤師調査」において、医籍番号で名寄せができたり、勤務先の変更を把握できるようにするなど、届出票の変更やシステム改修を求めているという。

 東京「開業医数は頭打ち、既に厳しい生存競争」
 医師需給分科会などの動向を踏まえ、医師の需給について質問したのは、北海道代議員の小熊豊氏と東京都代議員の橋本雄幸氏。人口当たりの医師数に大きく差がある両地域からの質問は対照的で、小熊氏は医師数増、橋本氏は医師の偏在対策の重要性をそれぞれ訴えた。

 小熊氏は、現行の病床当たり、外来患者当たりの医師数を基に推計した、医師需給分科会の「中間取りまとめ」における医師の需給推計の妥当性を問い、現状で十分な医療を担保されているとは思えないとし、今後の人口構成の変化、医療技術、医療内容の進歩などを考えると、「安易に医師の養成数を削減すべきではない」とした。さらに同分科会で策定予定の「新たな医療の在り方を踏まえた医師の働き方ビジョン(仮称)」、医師の偏在是正のための規制的な手法、自由標榜制、自由開業制対する制限などについての日医の考え方を質した。

 一方、橋本氏は、東京都心部では、「どの診療科も、開業医数は既に頭打ちの傾向が見られ、実際厳しい生存競争が起きている」と指摘。医師の診療科・地域偏在対策が重要であり、日医がこれまで以上に積極的に情報や意見を発信すべきとした。さらに、偏在の基にある医師の「自由に選択できる権利」がいつまでも担保されるものではないとしたほか、塩崎恭久厚労相の5月11日の経済財政諮問会議における「医師に対する規制を含めた偏在是正の検討」という言葉を引用し、医師の拒絶反応が予想されるものの、公費を使う医療制度である以上、プロフェッショナルオートノミーの一環として医師会はこの問題解決に先鞭を付けていくべきと提言した。

 2030年、25歳の132人に1人が医師
 これらの質問に対し、今村副会長は、医師需給分科会の「中間取りまとめ」については、現在ではなく将来の医師需給と偏在対策を議論しており、「具体的な時期は別として、近い将来、医師の需給が逆転し、マクロ的には医師過剰となる推計」と説明。2015年に日医が実施した調査でも、必要医師数は現状医師数の約1.1倍、今の医学部定員増加分を加味すれば、2025年には医師数が約1.3倍になると推計している。今後は人口の高齢化や減少に伴い、高密度の医療ニーズは減少、その一方、幅広く患者を診るかかりつけ医の養成、多職種連携が進めば、必要医師数にも影響が出てくるとした。

 医師一人を養成するには、時間と費用がかかる上、25歳人口のうち医師になるのは1975年には512人に1人だったが、2030年には132人に1人と推計される。社会の各分野で高度専門人材を養成する必要性、さらに2008年度以降、医学部定員は1637人分増えたことから、一時的に増員した医学部定員を元に戻すよう求めていくとした。併せて医師の需要推計は、100%正しいとは限らず、さまざまな要素が変化する中、定期的に検証し、需給推計を見直すことも要望していく方針。

 医師の偏在是正、プロフェッショナルオートノミーが基本
 医師の偏在是正に関しては、「中間取りまとめ」では14項目の対策が盛り込まれ、日医と全国医学部長病院長会議との2015年12月の緊急提言、フリーランス医師への対応、税制、女性医師支援、チーム医療の推進など、日医が以前から問題提起、あるいは要望した内容が多数含まれているとした。

 これらの対策の実施でも、医師の偏在が続く場合に限り、「自由標榜制や自由開業制の見直し、保険医の配置・定数の設定を含めて検討する」とされたことに理解を求めた。この場合でも、プロフェッショナルオートノミーと地域の実情を踏まえる必要があるとし、地域の医師会が中心となり、取り組むべきと主張。2015年12月の緊急提言の根幹は、大学医学部と都道府県医師会が中心となり、地域で医師を育てていくものであり、その実現を図っていくことにあるという。

 「中間取りまとめ」の中で、「臨床研修制度において、募集定員の配分等に対する都道府県の権限を一層強化する」となっている点について、日医が厚労省社会保障審議会医療部会で質したところ、「知事だけの権限というわけではなく、関係者の意見を聞いた上で行われる」旨の回答を得たことを説明。

 そのほか、偏在是正対策の関連では、新専門医制度についても触れ、専門研修プログラム作成や研修病院群の設定においては、医師会、大学、病院団体、行政が参加する都道府県の協議会で了承を得ることを強く要望しているとした。

 さらに「新たな医療の在り方を踏まえた医師の働き方ビジョン(仮称)」については、「塩崎厚労相の強い考えで盛り込まれた」と説明。その前提として、医師の働き方や勤務状況などの全国調査を行い、「科学的に判断する」とされている点を指摘、「中間取りまとめ」には、チーム医療の推進やキャリア形成支援など医師の働き方や勤務状況に関わる対策も盛り込まれており、これらの主張と大きく矛盾するものではないとし、調査結果を踏まえて議論に臨んでいくとした。

 「規制的手法」、反対意見根強く
 関連で質問した愛知県代議員の加藤寿彦氏は、「自由標榜制と自由開業制は、医師としての根幹にかかわるものであり、絶対に譲ってはならない」と主張し、愛知県の事情について次のように説明。「愛知県で、名古屋市と名古屋市以外を比較すると、名古屋市の方が標榜している科目数が少ない傾向にある。開業している先生方はいろいろ考えて標榜しているのだろう。これこそがプロフェッショナルオートノミーであり、市場を考えているということ。開業を考えている勤務医に、こうした情報を伝えていくことが重要」。

 東京都代議員の森久保雅道氏は、「非常に今問題なのは、高額な斡旋料を取っている医師の紹介業者の問題。また後継者がいなかったり、開業希望があってもどこで開業したらいいかが分からない場合もある。都道府県、郡市区医師会などが関わり、細かな情報を提供できるシステムを日医に作ってもらいたい」と要望。今村副会長は、紹介業者の問題は認識しているとし、各業者がどこにどのような医師を紹介しているかなどを把握する仕組みが必要だとした。

 そのほか、鹿児島県医師会の池田琢哉氏からは、医学部定員の「地域枠」の卒業生について、県単位ではなく、医療圏単位で地域定着策を図る必要性も挙がった。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/49091.html
四病協、各団体を専門医機構の社員に- 全日病会長「理事も各団体から」
2016年06月29日 21時00分 キャリアブレイン

 四病院団体協議会(四病協)は29日、4つの病院団体がそれぞれ日本専門医機構(機構)の社員になる方針で一致した。同日に記者会見した全日本病院協会(全日病)の西澤寛俊会長が明らかにした。社員になるために申請する時期は決めていないという。【佐藤貴彦】


 機構は、新しい専門医制度で学会に代わって専門医を認定する中立的な第三者機関として2014年に設立された。四病協を代表して、日本病院会(日病)の堺常雄会長が社員になっている。

 会見で西澤会長は、四病協を構成する日病と全日病、日本医療法人協会、日本精神科病院協会(日精協)が「それぞれ日本を代表する病院団体だ」と指摘し、すべての団体が社員になる必要性を強調した。

 また、「個人的な考えだが、4つの団体からそれぞれ、代表者が(機構の理事として)出るのが当然だと思う」とも述べた。一方で、機構の設立時からの理事の任期が満了した今月27日、新しい理事候補者として選定された24人の中に、神野正博・全日病副会長と森隆夫・日精協常務理事が含まれることから、当面は2人が四病協の意見を機構の理事会に反映させる役割を担うことになるとした。

■控除対象外消費税、超過額還付を求める方向に

 西澤会長は、同日の四病協の総合部会で、来年度の税制改正に向けた要望をおおむねまとめたことも明らかにした。社会保険診療への消費税が非課税であるために生じている控除対象外消費税の対策としては、非課税の扱いが続く場合に、診療報酬による補てん分を超えて医療機関が負担した分を還付する税制上の措置を講じるよう求めるという。

 西澤会長は、「四病協はもともと、課税への転換を要望している」と指摘。その上で、超過額を還付する措置を設けることは「課税方式とほぼ同じ」との認識を示した。

 超過額を還付する措置については、日本医師会の医業税制検討委員会が今年3月、来年度の税制改正に向け、医療界が一体となって求めるべき制度だと提言している。



http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/series/toyoda/201606/547342.html
連載: 豊田剛一郎の「明日の医療の話を聞こう」
包交車もドレーンも要らなくなりました

東京女子医科大学病院病院長・泌尿器科主任教授 田邉一成氏×豊田剛一郎
2016/6/30 日経メディカル

 泌尿器科のエキスパートとして腎臓移植やロボット支援手術を始め、新しい取り組みをいくつも進めている田邉氏。今は病院長として新しい発想を病院経営に持ち込もうとしている。田邉氏はどんな将来を見据えているのだろう。


たなべ かずなり
〇1982年九州大学医学部卒業、同年九州大学泌尿器科入局、84年東京女子医科大学腎臓病総合医療センター入局後、南大和病院、戸田中央総合病院を経て91年から米クリーブランド・クリニック泌尿器科リサーチフェロー。93年から東京女子医科大学に戻り、2006年同大泌尿器科主任教授・診療部長。2010年から同大病院副院長(診療支援部門担当)、2015年から同大病院院長。同大医療安全・危機管理担当理事も兼務する。これまでに1000例以上の腎移植経験を持ち、現在も月15件以上の腎移植を行っている。

田邉 よく学生さんにも話をするのですが、今はすべてのことがすごい勢いで変わっていく時代になりました。私が医者になった30年前は、論文を書いてフェデックスで送っても、最終的に雑誌になるのは1年後でした。本文を3部用意して、写真も3部付けて。最近の方には考えられないでしょうね。だから、学会発表を聞くという方法はともかく、論文で新しい知識に接することができるのは、その知見が得られてから1年以上後だというのは当たり前でした。

 ところが今は、良くない論文だったら2、3日でリジェクトだし、掲載が決まったら1カ月後にはオンラインサイトに掲載されます。ということは、知識の集積は10倍の速さです。単なる加算ではなく、指数関数的に増えていると言っていいでしょう。人間の持っている体内時計というか時間感覚が、知識の集積速度に追いついていけない状況になっているのではないでしょうか。

豊田 人が追い付けなくなった。

田邉 そう。そして、産業革命は機械で肉体労働を置き換えたけれど、今度は頭脳労働さえも人工知能(AI)で置き換えようとしています。

 私たちが実際手術をしていてよく感じるんですが、私が医者になったとき、ロボットで手術するなんて考えもしませんでした。血管があったら糸で結わえて切るというのが当たり前の手技だった。それがこの10年間ぐらいで、挟んで焼いたら切れるようになった。初めてそんな装置が出てくると聞いたときには、「そんなことはできっこないよ」と思っていたら、あれよあれよという間に置き換わっていきました。米国で初めて手術支援ロボットのプロトタイプを見たときも、「何でこんなもので手術するんだろう。手の方がよっぽどうまくできるのに」って思っていました。でも、今は機械の方がはるかに細かい作業ができることが示されていて、こういった現実を受け入れなきゃいけないと感じています。

 最近、外科医が減っているとか足りないと言われているけれど、全然心配していません。昔は手術というと開腹していて、しかも開腹手術はいろいろ手間が掛かるんです。術後にはときに出血したり、感染が起こることがあります。手術はだいたい4人ぐらい入りますよね。術者、第1助手、第2助手、そして鈎引きが入ることもありましたよね。

豊田 はい。私もやっていました。

田邉 ところが、今の私の手術の3分の1はロボット支援手術なんです。手術は1人でやっています。実際には患者の横に1人助手はいますけど、早晩この助手もいらなくなって、助手役のロボットに指示を出すようになるのではないかと思います。しかも、人がやるよりよっぽど安全にやってくれるんじゃないかと。それだけ手術に人は要らなくなる。

 そして手術も週6~7件近くやっています。ロボット支援腎臓部分切除術を行った患者は術後3日で退院します。術後だって、我々の病棟へ行ったら分かりますが、包交車がないんです。

豊田 包交車というと、交換用の包帯や消毒薬を乗せた台車のことですね。

田邉 そう。術後の傷を消毒するためのセットが乗っている、アレ。それが無いんですよ。

豊田 そうか。傷が無いからですね。

田邉 大きな傷がないんです。ロボット支援腹腔鏡手術であれば小さな孔しか開いてない。さらに、小さな傷口は接着剤で塞いでしまっている。私が5年前に手術支援ロボットの研修で米国に行ったときに、とても衝撃的な光景を見たんです。たぶんルール違反なんだろうけど、da Vinciのコンソール覗いて手術をしながらコーラを飲んでいました。麻酔している人に至っては、麻酔がかかったら、お菓子を食べ始めるんだよね。食べながら麻酔管理している。「いやいや、これはすごいね」と言ったら、「だって、切開創はあんな小さなものなんだから感染しようがないじゃないか」って。確かに、それはそうだなと。包交車って感染を広げる原因になりかねないし、しかも包交車を準備するために看護師にかなりの労力を裂かせているから、必要なくなれば看護師の仕事をもっと患者に向けることができる。

豊田 開腹手術だったら大問題になります。でも、腹腔鏡、つまりロボットのアームを挿入するだけの小さな切開創ならばほとんど創感染は起こらないんですね。

田邉 10年前に私が教授になったときと比べて、今は2倍の手術を行っています。でも、外科医の人数はほとんど増えていません。しかも、病棟の看護師も増えてない。ベッド数も増えてない。

 腹腔鏡手術、内視鏡手術、ロボット支援手術へと全面的に切り替えていったからです。また、外科手術後と言えばドレーンを入れていましたが、1年間、ドレーンの効果についてデータを集め、何も起こらなければ、この慣習的に入れているドレーンをやめてしまおうという考え方を採用するなど、効率化を進めてきました。

 ドレーンが入っているだけで看護師の仕事って増えてしまう。ドレーンからわずか3mLしか出てなくても、看護師はその3mLを抜いて注射器で測ってカルテに3mLと書くわけです。さらに、ドレーンが入っていればもし出血しても分かると思っていたのですが、実際には分からないんです。ひどく出血しても血液が固まってしまうから出てこないことも少なくない。それがまた判断を間違わせる。何回かそういうことが起こって、場合によってはドレーンというのは百害あって一利ないなと思うようになりました。消化管の手術をした場合は、切除してつないだところに入れておかないと、万が一内容物が漏れたときに大変なことになるからドレーンは必要です。でもドレーンの8割はいらないと思うようになってきた。

 こうして少しずつ仕事の量を減らしていくと、1つの仕事で3%あるいは5%の削減でしかなくても、10の改善策を積み重なれば大きな削減効果がある。そうすると、あまり人を増やさなくても手術件数は増やせられると気がついたのです。我々医師がより多くのことをやろうと思ったら、周りのスタッフが付いてこられなければダメなんですが、そういう改善を積み重ねていけばできるようになる。

豊田 現場にはただ慣例的にやってきただけのものがあるので、検証し、省いて行かれたんですね。

田邉 そう。でも、今はさらに変化が激しくなっていると思います。

 例えば、循環器系だと、20年前は心筋梗塞と言えば開胸手術が当たり前だったのですが、ステントが登場したら、ほとんどの症例でステントが選ばれるようになった。そして外科医より循環器内科医が忙しくなった。

 そして今は循環器内科医が、「このステント手術はオレにしかできない」って言ってるようなこともありますが、将来はロボットの方が絶対に上手くできるようになるんじゃないかなと思います。ステント治療は画像を見ながらカテーテルを使って病変までステントを持っていって、そこで広げるわけですが、シンプルに言うと、やっていることはステントを前後、そしてせいぜい回転させているだけで、何か特殊な動きをしているわけではない。

 もし何万人分のデータが蓄積して、そのデータを人工知能(AI)が活用すると、レントゲンを撮影しながら、カテーテルがこの角度になったらこの角度でこういう力を掛ければ入っていく、ということができるようになるのではないかと思います。人は一切関わらずにね。今、術者はそれを経験的に知っていて施術しているけれど、経験がデータになれば人工知能だって同じことができるようになるんじゃないかな。

豊田 なるほど。人工知能が学習できるように、施術の全てをデータ化できるようにして、それを何万人分と蓄積すれば人工知能が施術できるようになると。

田邉 そう。いろいろなことが簡単に別のもので置き換えられてしまう時代だと思います。抗癌剤のニボルマブだってそうですよ。患者の何割かに限られるかもしれないけれど、治癒するかもしれないと期待できる効果を発揮する。肺癌は予後が悪い、手術しなければいけない、でも助からないと考えられてきましたが、突然、こういう薬が出てくるわけです。

 さらに言うならば、我々は今、ロボットを使って手術しているけど、10年後もこれを使っているのかなと思うんですよ。例えばロボット支援手術は今、前立腺癌で最も良く使われています。しかし、前立腺癌はもともと悪性度の低い腫瘍で、いずれ薬剤や放射線療法で完全にコントロールできる時代になるのではないかと思います。

 私が学生に対して話をするとき、よく言うのですが、「君たち、駅の改札に人が立っているところを見たことないでしょう」と。学生は「見たことない」って言います。先生も見たことないかな?

豊田 私はぎりぎり見たことがあります。改札で駅員が切符を切っていました。

田邉 あれ、よく考えると、例えば新宿駅に3カ所出口があります、1カ所に10人以上立っていて、たぶん3交代とかしていただろうと考えると、ものすごい人数が関わっていた。それが今やゼロです。

豊田 はい。全部機械に置き換わりました。

田邉 そうでしょう。ほかにも、画像診断を考えてみてください。コンピューターや人工知能の一番得意なのはパターン認識です。少々個人差があったって、判断するためのデータさえ与えておけば人工知能は90%以上間違いなく対応できるようになると思います。そうすると画像が出来上がった瞬間に見落としなく確実に診断ができる。なおかつ、この所見が出たときの疾患のパーセンテージはこれくらい、と正確に出てくるようになりますよね。その人工知能が出してきた診断をもとに決断する人間は必要だけれど、それ以外の部分は人工知能に置き換わる可能性がある。

 そういう研究が推進される要素の1つは医師の偏在じゃないかな。今は医師が偏在していて、人を送れ、とか大学作れ、って言っているけれど、水を下から上へ流すようなことは難しいと思う。それよりもこういう新しい技術を使って前向きに取り組んだ方がいい。

 病院そのものも大幅に変えなければいけないと思っています。日本の病室って大部屋が多く、人権を完璧に無視していますからね。何でか分かります?

豊田 患者さんとの会話が別の患者さんに筒抜けになっているからですか。

田邉 それはプライバシーの問題です。もちろんプライバシーの問題も大事です。話したくないこと、聞かれたくないこともあるしね。

 でも決定的にいけないのは、排泄行為を大部屋でさせていることです。

豊田 カーテンがあるにせよということですよね。

田邉 カーテンなんてあって無いに等しい。これだけ個人情報が重要視されているのであれば、病院はすべて個室にしなければならないと思います。

 ほかにも、ノロウイルスの患者が知らないうちに入院していたり、あるいは感染を知らないで見舞いに来た場合、大部屋だと簡単に拡がりますね。そうすると「あそこの病院が院内感染を起こしたぞ」なんて非難されることになります。

 これは言いがかりだろうと思うんです。そもそも病院の造り方が間違えていることに原因があるわけですから。こういう部分をきちんと変えていかないと、本来あるべき医療にならないんじゃないかな。

豊田 なるほど。そもそも根本が間違っていると。

田邉 そう。技術は進歩が続き、10年後なんて正直どうなっているか分からない。新規抗癌剤が登場して進行癌の治療を大きく変えるかもしれない。C型肝炎に対する新しい抗ウイルス薬だって同じで、ほとんどの患者の体内からウイルスを除去できます。消化器内科や消化器外科の仕事を大きく変えてしまうと思うんですよ。

 だから物事の進歩がすごく速くて、今後のことは非常に予測しにくいけれど、せめて数年先をなんとか想像し、これぐらいの変化が来るだろうということは予想して準備しておかないといけないと思います。私の専門は腎移植ですが、今取り組んでいるのは、移植後の免疫抑制薬をどうこうするのではなく、根本的に免疫寛容が成立するような方法の研究です。この研究を始める頃、免疫抑制薬はかなり進歩するだろうなとは想像した。そして実際に効果がよくなり、生着率も高まった。でも服用し続けなければいけないことには変わりがない。次元の違うことに取り組まなきゃと思ってやってきて、最近ようやくまともなデータが出始めました。

豊田 なるほど。

田邉 当大学は今度新しい病院を建てるんです、外科病棟を。まだ検討中で、実現できるかどうかは分かりませんが、可能な限り個室にしたいし、手術室なんかも造り込まずにいきたい。手術にしか使えない部屋にはしない方がいいと思っています。重粒子線照射装置も、今までは非常に大きな設備が必要だったけれど、今はずいぶん小さくなっている。田舎にしか作れなかった設備が都会の中でも作ることができるようになる。これも技術の進歩ですよね。そういったことを見越しながら病院をデザインしていかないといけないと思います。

 個室にすることによって人権を守ってプライバシーを守って、もう絶対にそちらの方がいいわけです。でも負の面としてはコストが掛かるだの、様子を見るのに手間がかかるとか言われます。

 でもね、考えてみてください。全部個室にする。個室にするんだったら、室内にトイレをつくっても室内でトイレを区切る壁やドアは必要ない。用を足すときには部屋全体が個室トイレになるわけだからね。余分なバリアがないから転倒リスクなども下がる。配管も壁から出ている必要は無い。壁から出ているからベッドの向きが固定されちゃって、例えば突然呼吸が止まってしまって挿管するとき、ベッドを動かさなければいけない。でも配管を上に持って行けば室内でベッドをどう置いても問題ない。

 個室にトイレがあることがなぜ大事かって、汚物をその場で流せることですよ。今は汚物をビニール袋にいれて廊下を行ったり来たりしている。それで院内感染対策って言ったってね。トイレがあれば洗面台もあるからその場で手が洗える。看護師が毎日毎日何度も何度もアルコールで手を消毒して、それは酷いものだよね。病院として従業員のこともちゃんと考えないと。病院から大事にされてないのに、患者を大事にできないよ。余裕を持たせることで患者にも丁寧に接することができる。そのためにも新しい技術を取り入れるし、昔からこうだったなんて思考停止はするべきではないんじゃないかな。

 昔は手術が開腹で、居室に帰ってきたら、「出血しています」とか言われてすぐ戻ったりしてね。それは仕方がなかったわけですよ、開腹しているわけですからね。でも、ロボット支援手術は出血することも少ないし、創感染もない。外科手術が大きく変わってきていることをベースに院内も変えていく必要があるよね。

豊田 変えていけるでしょうか?

田邉 外科医は職能集団だからね。確かになかなか変えたがらない。良い例が、腹腔鏡手術を始めたのは良性疾患を診ている人たちからだったということだね。癌を診療している人はやはり遅かった。

 ただ、それも変わっていくと思う。実際、うちの入局4年目の若手は、もう開腹で行う前立腺癌の手術を見たことがない。ロボット支援手術が当たり前になってきて、万が一、必要になったら開腹するってことになっているけれど、開腹手術なんてできないと思います。見たことさえないんだから。

 一方で、電気メスが当たり前になって出血に簡単に対処できるようになった。また、腹腔鏡手術になって、炭酸ガスで気腹するようになったから圧力がかかっているので血管を切っても血が出にくい。さらに組織接着シートが出てきて、貼り付けたら終わり。緊急で開腹に変更しなければならないケースがどんどん減ってきているわけです。

豊田 医療は、一方で不幸な歴史を積み重ねてきたところもあると思うんですが、技術の進歩でミスや事故も減っていくと考えていいのでしょうか。

田邉 間違いないと思います。しかもだんだん人が関わることが少なくなっていく。今は、私が医者になる頃に習った知識の何十倍と習っている。これから数年で知識は何百倍になっていくでしょう。人の頭でできる範囲を超えていく気がするんです。

 SpO2だってネットにつながっていれば、紙に記録するまでもなく、瞬時にデータベースに登録されます。メモを取っていると間違えることってありますよね。

豊田 あります。何だ、この熱発は?って聞いてみると、「あ、間違えました」なんてことがよくあります。

田邉 そうでしょう。心拍とか呼吸数とかも全部機械が測定してそのままデータとして登録されるようになりますよ。

 例えば、赤外線カメラを病室に設置する。今、患者が室内のどこにいるかなんてすぐに分かる。赤外線カメラだから体温だってわかる。ベッドじゃないところに転がっているとかも分かります。プライバシーの問題があるけど、室内のどこにいるか、ぐらいな情報にすれば問題ない。人工知能が発達していけば、どういう動きをし始めたら転倒する、とかも予測できるようになる。だって、空港で絶え間なく歩いている人を瞬時に体温測定しているじゃないですか。技術は既にそんなレベルに来ているわけですよ。

 今は昼夜関係なく、2時間に1回見回っていて、それでも残念ながら気が付いたら呼吸が止まってしまっている患者がいたりする。今の体制で完璧を求めようと思ったって、だいたい無理なんですよ。

 全部個室にするなんてコストがかかりすぎる、とよく言われるけれど、個室にするからこそできることがあって、それができれば別のコストが削減できる可能性があります。一気に全てを変えるには、まだ技術を評価しなければ踏み切れないこともあるけれど、5年後、10年後を考えると、技術は進歩しますから。でも、病院の建物そのものは長く使うわけだから、10年経って変えたいと思っても変えられない。

豊田 面白いですね。そういう将来が見えてきた一方で、人間は何をすべきでしょうか。

田邉 私が医局員に言っているのは、毎年3%でもいいから前年より何か良くしてくれ、ってことです。去年の死亡率が10%だったら9%でいいから改善してほしいと。そのために何か努力してほしいってね。人工知能の最終コマンドって、「今の自分よりも少しだけ良いものを作れ」ということらしいですね。少しでもいいから改善点を見つけて進歩し続けるってことだけど、人間だって同じだと思います。むしろ人間だからこそ難しいことを言ったって分からないから、ともかく前より何か少しでも改善するように、ってことが重要なんじゃないかな。あとは、患者さんのために何を求められているか、何が必要とされているのかを考えていかなければいけません。

【インタビューを終えて】da Vinci手術が最も行われている泌尿器科の先生ならではの、人工知能やロボットなどが医療にもたらす未来のお話を伺うことができました。また、排泄行為を同じ部屋で行う大部屋制への問題提起。医療では当然のように思われていますが、人権を著しく損なう行為であるとともに、病院を変えようとしてこなかった不作為に気付かされました。今後病院の個室化は避けられない流れになると思いますが、そのためにも技術の発達により効果的、効率的にマネージメントしていく工夫が求められるのだと思います。東京女子医科大学は近年様々なことで話題になりましたが、だからこそ新しいことも積極的に取り入れながら変化していこうとされているのだろうなという印象も受けました。(豊田)



http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/series/dispute/201606/547346.html?bpnet
連載: 判例に学ぶ 医療トラブル回避術
判例解説●東京地裁07年7月12日判決
遺族が担当医をドクハラで提訴するも棄却

田邉 昇=医師・弁護士(中村・平井・田邉法律事務所)
2016/6/29 日経メディカル

 糖尿病患者が入院中に死亡しました。遺族は、適切な治療を怠った病院の過失のほか、患者に対するドクターハラスメント(ドクハラ)を訴えましたが、裁判所は普段の患者と医師の関係などを総合的に検討し、遺族の訴えを全て棄却しました。

事件の概要
 1922年生まれの女性患者は69年ころから糖尿病に罹患し、77年以降、A病院に通院・入院しながら糖尿病性足壊疽や糖尿病性腎症、甲状腺機能低下症、心不全などを治療していた。2000年11月、糖尿病性足壊疽の治療のためA病院に入院し、右足指切除の手術を受けた。

 01年11月9日、A病院を受診した際に浮腫が認められて入院。10日から呼吸状態の安定を図るため酸素投与も始めた。さらに、血糖コントロールが悪かったのでB医師がインスリン投与量を増やしたが、その際に患者は「いつもいつも言ってるじゃない。インスリン増やせばいいってもんじゃないのよ」と訴えた。

 同月16日の朝、患者は担当看護師に「転んだ」と報告したが、看護師が何度か転倒について尋ねると、「転んでいない」と主張した。低血糖症状を疑った医師や看護師が頻回の血糖値測定を勧めると、患者は「血糖値ばかりあなたたちは見てるのよ。その値で甘いのを飲ませたりインスリンの量を変えたりとやり方がおかしいわよ」と反論し、拒否した。

 19日13時ころ、失神して倒れている患者を発見。C医師は頭部CTを撮ったが、脳内出血などはなかった。12誘導心電図も行ったが正常だった。これらからC医師は、失神の原因が心臓や脳にある可能性は低く、起立性低血圧ではないかと考えた。

 B医師は同日夕方に病室を訪れ、病室料金を減額していることや、病室の環境に不満があり、アメニティーの高い病院に入りたいのなら転院した方がよいことなどを話したところ、患者は不快な表情をした。

 20日早朝、体重測定時の患者はふらつきが著明で、21日20時ころには、在宅酸素療法の適応を検討するため酸素をいったん中止し、血液ガスを測った。結果、在宅酸素療法の適応が認められた。ところが、22日の4時40分ころ、患者は心停止状態で発見され、蘇生措置を行ったものの7時53分に死亡が確認された。

 これに対して患者の遺族は、A病院には強化インスリン療法や適切な呼吸管理などを怠った過失があること、B医師が患者の不安をあおる言動(ドクターハラスメント)をして精神的苦痛を与えた不法行為があること――などを主張して提訴した。

 具体的には遺族は、一過性脳虚血発作(TIA)からの脳梗塞あるいは急性心筋梗塞(AMI)で患者は死亡したと主張。患者が入院中に転倒や失神をしたのはTIAの症状だったのだから、頸部血管雑音の確認、エコーなどによる頸動脈病変の確認、CTやMRI検査をすべきだったと訴えた。加えて、強化インスリン療法、甲状腺機能低下の治療、アスピリンの投与(抗血栓療法)、適切な水分・呼吸管理などをしていれば死亡は避けられたと主張した。

 仮に死亡原因がAMIだったとしても、患者の糖尿病の進行からTIAの診断もできたこと、失神が起立性低血圧により生じたのであれば、血圧低下に伴う虚血性心疾患のリスクを認識すべきだったことなどを訴えた。

 さらにB医師の発言について、足壊疽による右足指切除術を受ける患者に対し、「親からもらった体もとうとう切断だな」と言ったほか、自身の指を使って切断部位や方法を示し、患者にストレスを与えたとした。患者が失神した01年11月19日には、「看護婦にわがままを言うな」「病室の料金をまけさせるようなことはするな」などと、強い口調で言ったと主張した。

 一方でA病院は、死因はTIAではなく心臓突然死の可能性が高いと主張。また、失神は糖尿病による起立性低血圧が原因と訴えた。原告が主張する強化インスリン療法の実施義務については、患者のコンプライアンス上の問題や低血糖リスクから適応がなく、転倒リスクなどから抗凝固療法の実施も不適切だったとした。

 ドクターハラスメントに関しては、B医師が患者への手術の説明時に、「身体髪膚これを父母に授く」と発言した点は認めた。ただ、足壊疽による足指の切断は再発し、下肢の上の方まで及ぶ例が多いので、「これ以上自分の身体を傷付けないよう治療に真摯に取り組んでいきましょう」という趣旨で他意はないとした。病室料金などの患者への説明も、経済的な面から減額していることを伝えたにすぎず、遺族が言うような発言はしていないと主張した。

判決
 裁判所は以下のように判断し、遺族の訴えを全て棄却した。

 死因に関しては、局所神経症状を欠くことなどから患者にTIAの症状はなく、失神は起立性低血圧が要因なので、A病院の主張通り心臓突然死の可能性が高いとした。

 強化インスリン療法の実施義務もあったとはいえないとした。その理由として、患者に同療法を理解させ血糖値測定やインスリン注射を適切に行うことが期待できなかったこと、無自覚性低血糖の危険がある上、低血糖時に適切に対応する能力が患者にないことがうかがえる点を挙げた。抗凝固療法の実施義務も転倒リスクなどから否定した。

 ドクターハラスメントに関しても、患者の気分を害した点や、転院を促す趣旨に受け取られる点に不適切な面があることは認めたが、遺族の主張に主観的評価が混じっていることがうかがわれるほか、B医師への尋問や本件の全証拠を検討しても遺族の主張を事実とするに足りる的確な証拠はないとした。その上で、患者としての受忍限度を超える違法なものとまではいえないとした。

 さらに、「医師の患者への発言については、その発言がされた環境ないし背景、その発言の全体としての意図、当該患者の性格や置かれた状況、相互の信頼関係の程度などの諸事情を総合考慮して評価されるべきで、医師が患者に対し不快の念を抱かせるような発言をした場合でも、それだけで直ちに違法ということはできない」と判示した(東京地裁07年7月12日判決)。

解説
 本件は、原告側が主張する死因や治療の過失の有無などに関しては、遺族の協力医の都合のよい意見の下に、無理に理屈付けした感があります。さらに、コンプライアンスの悪い糖尿病患者の治療は難しいことを考えれば、上述の経過をたどったのはやむを得ず、裁判所の判断も適切だったと思います。

 もう1つの焦点の「ドクターハラスメント」という言葉は、外科医の故・土屋繁裕氏が2000年ころ名付けたのが始まりで、セクシャルハラスメントと同様、裁判でも使用されることがあります。つまらない言葉を作り出したものです。最近ではモンスターペイシェントの方が話題で、モンスターとはよく言ったもので、こうした相手に抵抗したくてもできないのが、現在の医師の置かれた立場でしょう。

 ドクターハラスメントに関する他の判例には、東京地裁08年10月6日判決があります。忌わしいものに接するように顔を背けて診察したとして、患者側が損害賠償を求めました(請求は棄却)。また、東京地裁07年10月18日判決では、一般人がインターネット上の電子掲示板で「ドクターハラスメントをしている医師」と誹謗中傷した事例について、プロバイダー責任制限法に基づき、発信者の情報の開示請求を認めました。

 今回の判例は、医師の患者への対応が不法行為として賠償対象になる場合があることは認めており、「その発言がされた環境ないし背景、その発言の全体としての意図、当該患者の性格や置かれた状況、相互の信頼関係の程度などの諸事情を総合考慮して評価されるべき」としています。ただ、本件では医師の方が患者の発言に傷付いているのではないでしょうか。



https://www.m3.com/news/iryoishin/436881
シリーズ: 日医代議員会
「保険医は医師会員であるという方向に」、日医組織強化策
第138回日医臨時代議員会、横倉会長

2016年6月29日 (水) 高橋直純(m3.com編集部)

 6月26日の第138回日本医師会臨時代議員会で、横倉義武会長は日医の組織強化のため「保険診療をするには医師会員であるという方向性に持っていきたい」とし、保険医講習会に医師会研修に充てていくよう厚生労働省と議論を進めていると説明した。

 石川県代議員の上田博氏は、医師会のさらなる組織強化の方策について質問。2014年度は医師数31万1205人に対し、日医会員数は16万6121人で、組織率は53.4%、勤務医では38.6%(2012年)に留まると指摘した。2010年度以降、日医のA1会員(病院・診療所の開設者、管理者及びそれに準ずる会員、年会費12万6000円)は年間8000人超が「卒業する」状況にあり、「近い将来、日医の組織率は過半数を割り込み、医師を代表する唯一無二の団体とは言い難い危機的状況すら危慎される」との危機感を示した。

 横倉会長は「地域医療を支えるために組織力強化が不可欠であるとの思いから、会務運営の強化を柱に掲げてきた」と説明し、研修医の会費無料化などの取り組みを紹介。また、入退会や異動の際の手続きの簡便化のため、都道府県医師会との相互利用、電子認証センターとの更なる連携に向けて会員情報システムの再構築を進めていると説明した。

 一方で、郡市区等医師会の会員のうち、約2万7000人が日医には未入会であったり、郡市区医師会でも退会者数が新規加入者数を上回っていたりする状況があるという現状を踏まえ、「本来的には全ての郡市区医師会員は都道府県、日医の会員でなければならない。日医まで加入をしてもらうことが組織強化の一歩になると考える」と述べた。

 会場からは「この問題は何回も同じように出てくる。問題の一つは医師会のアイデンティティがはっきりしないこと。地区によっては勤務医が入りにくい雰囲気を作っている。(そういった雰囲気を)やめさせるのか、実際に移す行動を示してほしい」との指摘が出た。横倉会長は「医師会は職能団体であるから全ての医師が所属することが望ましい。地域で同じ医療に携わる医師は顔が見える関係作りが大事」と答えた上で、勤務医の受け皿作りの一環として、保険医の資格と医師会の研修を連動させる枠組みを検討していると説明。これは、「保険医療機関は指定更新時(通常6年)に集団指導を受ける規定になっている。医師会が行う研修会も集団指導と見なし、合わせて保険医の指定更新時にも医師会の研修を受けることを要件にできないかなど、厚生労働省と相談したいと考えている」(日医事務局)という意味だ。

 会場からは、さらに「保険医登録と更新が、日本医師会でできるようになれば解決するように思う」という声も上がった。

 その他、会員を対象にした日本医師会医師賠償責任保険制度は「当事者本人が表に立たなくて済む良い仕組みだが、民間保険と比較すると、同窓会、学会を通じて入った方が安いという状況になっている」とし、改善を求める声も寄せられた。



http://www.tokyo-np.co.jp/article/kakushin/list/CK2016062902000132.html
医師乗せ病院から救急現場へ ドクターカー 7割が「休眠」
2016年6月29日 東京新聞

 医師が消防の要請を受けて救急現場にいち早く駆けつけて患者を治療する「ドクターカー」。一分一秒を争う現場での役割が最近、注目されているが、車を保有する病院の七割で、実際にはほとんど出動していない「休眠状態」にあることが、学会の調査で明らかになった。救急医療の専門家は「もっと救える命があるはずだ」と運用改善を求めている。 (柚木まり)



https://www.m3.com/news/iryoishin/437325
シリーズ: 日医代議員会
医師資格証、申請数が5300枚を突破
第128回日医臨時代議員会、石川常任理事

2016年6月29日 (水) 高橋直純(m3.com編集部)

 6月26日の第138回日本医師会臨時代議員会で、常任理事の石川広己氏は、日医が発行する医師資格証について、総申請数が5300を超えたことを報告した。

 滋賀県代議員の猪飼剛氏の質問に答えた。石川常任理事は2016年度の診療報酬改定で新設された「電子的診療情報提供料」「検査・画像情報提供加算」を「ITに対する報酬ができたということで画期的だと考える」と評価。電子的なやり取りには医師資格証などの電子認証が必要となる。4、5月だけで2000件の新規申請があり、総申請数は5300件を超えるなど急速に需要が増えていると報告した(『医師資格証の発行数が急増、診療報酬改定で』、『医師資格証、日医会員は年会費無料化』を参照)。

 一方で「ITに対する一定の知識が必要であり簡単に実施できない」という指摘も多いとして、安価に利用できる「医療介護専用ネットワーク」の構築を国に対して働きかけていると説明した。石川常任理事は「さまざまな環境が整い、医師資格証普及の好機ととらえている。医師会の組織強化としても有用なツール。日医主導のもと、より良い医療IT環境を作っていきたい」と述べた。

 関連の質問として、「診察室にコンピューターがない先生も多い。ITを強調するのではなく、資格証として面を強調することがいいのでは」という声が上がった。石川常任理事は、「厚生労働省の免許室に、医師資格証は、医師免許証と同等、準ずるものであるという通知を出してもらうよう働き掛けている」と説明した。



https://www.m3.com/news/general/437265
子宮頸がんワクチン 研究不正疑いで信州大が調査委
2016年6月29日 (水) 毎日新聞社

 子宮頸(けい)がんワクチン接種後の健康被害を訴える女性らを診療している、厚生労働省研究班代表の池田修一・信州大教授(脳神経内科)が、3月に発表した研究内容について、不正を疑う通報があり、同大は27日、学内規定に基づく調査委員会を設置する方針を決めた。

 池田教授らの研究班は、免疫機能が自分の体を攻撃する「自己免疫疾患」を起こしやすいよう遺伝子操作を行ったマウスに、子宮頸がんワクチンと他のワクチンを打ち、反応を調べた。

 発表では、子宮頸がんワクチンを打ったマウスの脳組織にのみ、自分の体を攻撃してしまう抗体が沈着していたと説明した。しかし、外部の医療関係者らから詳しい実験データの開示を求める声や、実験自体への疑義が上がっていた。

 調査委はまず、予備調査を実施し、必要に応じて、過半数を外部有識者で構成する組織で本調査を行う方針という。池田教授は現在、副学長、医学部長を務めている。【中村好見】



https://www.m3.com/news/iryoishin/437478
シリーズ: 降圧剤論文問題と研究不正
白橋被告と事務局医師、法廷で直接対決へ
ノバ社・府立医大論文改ざん事件、第30回公判

2016年6月29日 (水) 高橋直純(m3.com編集部)

 ノバルティスファーマ社の降圧剤を巡る京都府立医科大学での医師主導臨床試験の論文データ改ざん事件で、薬事法(現医薬品医療機器法)違反(虚偽広告)に問われた元社員とノバ社に対する第30回公判が6月28日に東京地裁で開かれ、辻川靖夫裁判長は白橋伸雄被告と主張が大きく異なる男性医師Aについて、再度の出廷を求めることを提案した。

 これまでの公判で事務局を務めた男性医師Aや京都府立医大元教授の松原弘明氏は、白橋氏が、Kyoto Heart Study(KHS)研究を主導していたと証言。一方で白橋氏は医師が主導し、解析を手伝っただけと主張しており、両者の言い分は大きく食い違っている。辻川裁判長はこの日の公判の最後、白橋被告と男性医師Aで主張が異なる点が多いとし「2人いるところで大事な点を聞いた方がいいのでは」と提案。ノバ社弁護人は「やっていただいて結構」と即答。白橋被告の弁護人と検察官は判断に時間を求めた。

「KHSでは40人程度のスタッフ必要」
 この日の午後は、ノバ社で治験を担当している臨床開発統括部の男性部長が証人として出廷。男性部長は30件以上の治験に関わり、ノバ社の前身の日本チバガイギー社時代には、白橋被告と同じ部署だった時期もある。薬剤師資格を持ち、ノバ社の依頼で改ざんがあったとされる45症例を検討した報告書を作成した。

 弁護側の尋問に応える形で、web入力データでは「TAA(胸部大動脈瘤)」で「その他イベント」として登録されていたが、解析用データでは「急性大動脈解離」に変更されている症例について、カルテの記載などから「エンドポイント委員会でイベントとして判定された可能性がある。TAA54ミリは重症で、実質的にイベントとして判定することもある」などと証言した。

 一般的な治験の進め方についても説明し、医師主導臨床試験と治験では求める水準が違うとした上で、KHSのような3000人規模のイベント判定試験を「医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令(GCP)」並みに行うには、データレビューに2-3人、データマネジャーに4-5人、医療機関に訪問するモニターに30人程度が必要と説明。必要な人員がいないことで、不正やミスが入る余地が増えると述べた。

 KHSでは一部の病院で登録症例のカルテが見つかっていない。治験ではカルテがない場合は解析対象に含むことはないとし、京都府立医大病院では登録310症例のうち、47症例でカルテが見つかっていないことについて、「異常な数字だと思う」と話した。

数値の変遷「入力ミスがあったと思う」
 午前中にあった白橋被告への検察側質問では、引き続きCCB論文の作成過程を追及。論文に記載されている「ハザード比」「95%信頼区間(CI)」「P値」に関連して、白橋被告が男性医師Aや松原氏に送った10通のメールを示しながら、数値が変遷していった過程を尋ねた。白橋被告は「今考えると入力ミスがあったのかと思う。変更した理由はあるのだろうが分かりません」などと答えた。



https://www.m3.com/news/iryoishin/432276
シリーズ: 今どきの「U35ドクター」2016
2035年の医療、若手医師の半数が「悪化」と予想◆Vol.16
医師の給与水準は55%が「悪化」と回答

2016年6月29日 (水) 高橋直純(m3.com編集部)

Q 20年後、つまり「2035年の医療」は、現状と比べてどうなっていると思いますか。
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 「2025年問題」とは、団塊の全世代が75歳を超えて後期高齢者となり、国民の3人に1人が65歳以上、5人に1人が75歳以上になる超高齢化社会の到来を差すが、さらにその10年後、今のU35世代が第一線で活躍し、各組織の要職を占める時期に当たる「2035年」の医療状況について尋ねた。現状と比べて、「悪くなっている」が41%、「とても悪くなっている」が5%で、ほぼ半数が悪化すると予想。「変わらない」が31%、「とても良くなっている」が2%、「良くなっている」が21%だった。

Q 20年後、つまり「2035年の医師の給与水準」は、現状と比べてどうなるとと思いますか。
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 同じく2035年の医師の給与水準については、「悪くなっている」が49%、「とても悪くなっている」が6%で、過半数が悪化すると予想していた。医療状況全体より、給与水準が悪化するという意見が大勢だった。


  1. 2016/06/30(木) 05:44:09|
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6月28日 

https://www.m3.com/news/iryoishin/437194?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD160628&mc.l=164819168&eml=3f492a08f1681d66441569ec02c0b51e
元東大教授、研究費詐欺で懲役3年の実刑、東京地裁
科研費等2188万円を不正受給、「巧妙な犯行」

2016年6月28日 (火) 橋本佳子(m3.com編集長)

 東京地裁(稗田雅洋裁判長)は6月28日、元東京大学政策ビジョン研究センター教授で、医師の秋山昌範氏が、東大と岡山大学から、合計2188万4400円の研究費を不正受給したとして詐欺罪に問われた裁判で、懲役3年の実刑判決を言い渡した。秋山氏側は、即日保釈申請するとともに、控訴する方針。

 検察は懲役5年を求刑、一方、秋山氏は2015年3月の初公判時から一貫して無罪を主張していた(『「研究費不正、欺罔行為に当たらず」、弁護側最終弁論』、『元東大教授、「重大な詐欺」で懲役5年求刑』を参照)。秋山氏は2013年7月に逮捕され、666日間勾留されていたことから、400日が懲役期間から引かれる。

 東京地裁は、「東大教授の地位にあることなどを利用して、犯行に及んでいる。厚生労働科学研究費補助金(科研費)等の支払いは、研究者が発注業務内容や発注者の選定、発注金額の決定などを適正に行うことを前提としている。しかし、本件の各犯行は、研究者への信頼を逆手に取り、悪用した巧妙な犯行。対象の研究期間が3カ年にわたり、不正受給の金額も多額」などと指摘。秋山氏が実質的に経営していたIT会社である株式会社ARIの代表者であった妻に多額の報酬が支払われ、私的利益のために用いられたことも認められるとした。

 一方で、本件の科研費等は、秋山氏が開発を進めていたエクスカリバーというシステム開発などに充てられ、私的な利益だけでなく、研究の継続という目的もあったと考えられるとしたほか、「研究者としての信頼を失うなど、社会的制裁を既に受けている」と認めた。しかし、最終的には、自己の正当性を主張するばかりで反省の態度が認められないことから、犯罪の悪質性、結果の重大性を踏まえ、「実刑に処する」とした。

 検察は、2009年度の長寿医療研究委託事業の委託費(以下、委託費)と、2009年度から2011年度の科研費について、秋山氏は、パストラルコンピューターシステム株式会社(PCSK)をはじめIT関連の関係会社計6社と共謀して、業務を行った事実はないにもかかわらず、あるように装って内容虚偽の納品書と請求書を発注、東京大学から1894万4400円、岡山大学から294万円、計2188万4400円を不正受給したことが詐欺罪に当たると主張。

 東京地裁の判決は、この主張を全面的に受け入れた内容だ。関係会社の代表者らの証言を「十分に信用できる」とし、一方で、秋山氏の主張は信用できないとした。科研費等を受注した関係会社について、「外形上の受注業者」とみなし、実際の業務は再委託先のARIが実施していたことが詐欺罪に当たるとした。秋山氏は、関係会社は契約業務だけでなく、プロダクトマネジャーとして研究業務等もARIと一緒に行い、報告書を研究の成果物として納品しており、研究実態があると主張していたが、裁判所はその納品物自体、秋山氏が既存の知識や既に入手済みの資料などを基に作成した体裁を整えたものにすぎないとした。

 判決後、主任弁護人の弘中惇一郎氏は、「委託費や科研費であっても、民法上の受託契約である以上、再委託は可能。しかし、これらが公的な研究費であるという理由で、再委託を認めないのは、乱暴な法律理論」と問題視した。

 科研費の公的性格を強調
 委託費と科研費を東大や岡山大から受注していたのは、関係会社6社であり、それを再委託する形で、秋山氏が実質的に経営をしていたARIが報告書作成などの業務を行っていた。

 これらの事実について、検察側は、関係会社について、「いずれも業務を受注して行う意思がなく、実際に業務も行っていない」と指摘。にもかかわらず、秋山氏が、見積書、納品書、契約書などの契約関係の書類のほか、ARIに作成させた報告書を成果物として、両大学に提出させ、各関係会社が、業務を受注して行ったように見せかけ、研究費等を請求していたことが、欺罔行為に当たると主張していた。

 これに対し、弁護側は最終弁論などで、科研費等の受注は、民法上の請負契約であり、下請けを用いることは差し支えないことが原則であると指摘。その上で、法令等において受注名義人と業務担当者の同一性を確保すべき規定がなく、各大学でも同一性を確保する実務が行われていないなどの理由から、「実際に、研究の業務を行うのが誰かという点は、財産的処分行為の判断の基礎となるような重要な事項に当たらない」と主張。「詐欺罪は成立せず、また可罰的違法性もない」と述べ、無罪を主張していた。

 これらの主張に対し、東京地裁判決は、科研費が公的な性格を有すると判断したのが、特徴と言える。科研費等については、経理の透明化が求められるとし、「補助金等にかかる予算の執行の適正化に関する法律」なども引用し、目的外使用、空発注、利益相反取引などの不正経理・不正支出は許されないとした。

 さらに東大、岡山大の経理担当者による、「受注業者が外形上の受注者にすぎず、実際に業務を行った業者とは異なるような場合には、支払いを行うことはできない」などの証言を引用。受注した業務を再委託などをする場合は、研究の納品物などの責任の所在が不明確となる上、中間マージンが発生することから、不必要な再委託等の防止は、公費の適正な支出を確保する上で重要とした。そのため、科研費等の受注先と、実際に業務を実施した主体が誰であるかを確認することは重要であり、それを欺き、ARIの名前を隠し、報告書などを提出してその対価を請求していたことは、詐欺罪における欺罔行為に当たると判断した。



https://www.m3.com/news/iryoishin/436883
シリーズ: 日医代議員会
医師偏在解消、「規制」でなく医師会主導で
第138回日医臨時代議員会、横倉会長

2016年6月28日 (火) 橋本佳子(m3.com編集長)

 日本医師会会長の横倉義武氏は、6月26日の第138回日医臨時代議員会で、医療制度改革の議論で、「医師の偏在解消のために「規制的」な施策が検討されていることについて、「都道府県知事の強権発動ではなく、プロフェッショナルオートノミーに基づくものでなければならない」などと主張し、医師会の組織力を強化した上で、医師会が主導的に医師の偏在解消に取り組んでいく方針を示した(『「医師不足地域の勤務が院長の要件」、日医』などを参照)。

 また横倉氏は、日医が目指す医療提供体制として、かかりつけ医機能を担う地域の中小病院や診療所を中心とした体制を掲げ、その構築に向け、郡市区医師会や都道府県医師会が関わっていく重要性を強調。日医はその制度設計を担当するという役割分担で取り組む。

 医療、介護にわたる各種の制度改革が進む中で、横断的に関係しているのは医師会であるとし、各種改革の整合性が取れるようにするには、「医師会という存在なくしてはあり得ず、医師会が主体的にこの解決を担っていくことが必要」と横倉会長は述べ、医師会の重要性を強調した。

 「日本医師会が描くこれからの医療提供体制の在り方と、都道府県医師会の果たすべき役割について」とのテーマで質問したのは、福岡県代議員の瀬戸裕司氏。瀬戸氏は、「国はまさに管理医療に舵を切った」と指摘。その例として、「骨太の方針2016」(素案)の段階では、「医療従事者の需要見通し、地域傭在対策等について検討を進め、本年内に取りまとめを行う」「特に医師について、地域医療構想などを踏まえ、実効性のある規制的手法も含めた地域偏在。診療科偏在対策を検討する」と記載されたほか、厚生労働省の「医療従事者の需給に関する検討会」の医師需給分科会で、「保険医の定数を地域別、診療科別に規制」といった議論がされている点などを挙げた。さらに各種の制度改革が進む中で、必ずしも地域医療構想との整合性が図られているとは言えない現状も問題視した。

 郡市区、都道府県の医師会、日医で役割分担

 横倉氏はまず日医が目指す医療提供体制として、「住民にとって身近で頼りになる、かかりつけ医機能を担う地域の中小病院や診療所を中心とした、地域の医療連携」を掲げた。その中で、郡市区医師会は、休日夜間の対応や学校医、予防接種といった地域保健活動を支援していくことが求められるとしたほか、各医療機関は、地域医療構想から将来の医療ニーズを把握し、また地域包括ケアシステムにおけるそれぞれの役割を認識して柔軟に機能を選択していくことが大事であるとした。

 その上で、医療提供体制の構築に当たっての各医師会の役割についても説明。各地域のかかりつけ医を中心とした医療提供体制作りは郡市区医師会、都道府県全体を見ながら各地域の実情を医療計画に反映するのが都道府県医師会、各地域から上がってきた問題提起や提案を基に制度設計にかかわると同時に、かかりつけ医機能の研修プログラムの提供など、全国的な役割を担っていくのが、日本医師会という分担になる。

 「横の調整」を医師会に期待

 「医療改革にはさまざまな事項があり、地域医療構想との整合性を図るべきなのに、別個に議論されている」という問題提起については、日医として審議会や検討会に役員を委員として送り込んでいるとし、事前に対応方針を検討し、横倉会長自らが指示を出すなどして対応していると説明。

 病院や診療所、在宅や介護の担い手、さらには大学や研究機関に至るまで、「医療に関わる全てを網羅した組織は医師会以外にはない」とし、「各種の改革の整合性を図るには、医師会という存在なくしてはあり得ず、医師会が主体的にこの解決を担っていくことが必要」と各医師会に働きかけた。

 医師需給分科会、「医師偏在対策が主要課題」

 横倉会長は、医師の偏在問題についても説明。地域医療支援センターは、厚労省の「医療従事者の需給に関する検討会」の医師需給分科会の5月末の中間取りまとめで、2015年12月の日医と全国医学部長病院長会議の緊急提言に基づいて、医師のキャリア形成支援の機能が追加されることになった( 『偏在対策「強力」に、「医師の働き方ビジョン」も策定』を参照)。「新たな専門医の仕組みにおける(関係者の)協議の場も、都道府県単位であり、都道府県医師会も主体的な役割を担うことが重要」(横倉会長)。

 さらに、医師需給分科会など、さまざまな場で指摘されることの多い「医師偏在解消のための規制」についても、「都道府県知事の強権発動ではなく、プロフェッショナルオートノミーに基づくものでなければならない。そのためにも医師会の組織力を強化した上で、医師会のコントロールの下で実施されることが大前提」と説明した。医師需給分科会は、今年末に最終取りまとめを行う予定であり、医師偏在対策が主要課題になるとし、横倉会長は、「医師会がプロフェッショナルオートノミーを発揮して、医療提供体制の構築と、医師偏在の解消ができるように制度設計をし、日医から提案していく」との方針を示した。



https://www.m3.com/news/iryoishin/437145
シリーズ: 降圧剤論文問題と研究不正
「これでは群分けできない」、論文の群分けを否定
ノバ社・府立医大論文改ざん事件、第28-29回公判

2016年6月28日 (火) 高橋直純(m3.com編集部)

 ノバルティスファーマ社の降圧剤を巡る京都府立医科大学での医師主導臨床試験の論文データ改ざん事件で、薬事法(現医薬品医療機器法)違反(虚偽広告)に問われた元社員とノバ社に対する第29回公判が、6月27日に東京地裁(辻川靖夫裁判長)で開かれ、白橋伸雄被告は本件の対象となる、Kyoto Heart Study(KHS)のサブ解析に当たるCCB(カルシウム拮抗薬)論文について、群分けの基準は「(論文中の定義では)群分けはできない。後付けでこういう文言になった」と証言した。検察側は恣意的な群分けによって、CCB投与群でイベント発症数を少なくする意図があったのではと追及。白橋被告は否定した。

「群分けの定義、よく分からない」

 この日の公判でも、検察側が本件対象のCCB論文の作成過程について追及していった。検察側がCCB論文中に記載のある「研究期間中のCCBの使用期間が12カ月を超える場合」を、投与群として群分けをしたのかと確認すると、白橋被告は「そうではないと思う。パターンに分けて推定したが、よく分からない。12カ月はこの研究の最低観察期間で、本当に12カ月でカウントしたかは私は分からない」などと説明。辻川裁判長や検察官が何度も群分けについて質問したが、白橋被告は詳細は記憶にないと繰り返した。

 辻川裁判長が「自身でやったのだから記憶しておいてほしいですが」と呼びかけると、「私の頭が悪いからかもしれませんが、もともと併用薬情報が全くなくムリムリだった上で、ムリムリの群分けで、かなり苦労はしたのだが…」と釈明した。論文記載の定義については「事後に決めたもので、KHSのスタディグループの後付けだと思う。(論文の定義と実際の群分け作業が一致するかは)私には断定できない。これでは群分けはできないと思う」

CCB投与群有利になるように群分け?

 KHSでは症例登録時点の併用薬データがなく、試験期間中の併用薬情報も試験の途中から収集するようにしたため、CCB論文では、論文の基礎となる併用薬情報について、「推定」で作成したと証言されている(『併用薬剤の使用状況は「推定」、KHS』を参照)。検察側がCCB投与群とされた129症例では、登録データ上ではCCB投与について全く記載がなかったと指摘すると、白橋被告は「推定を使っており、当然、そういうことケースもあると思う」と説明。どのように推定したのかについては「より診療に近い形で推定した」。記載がない症例は非投与群にすべきだったのではという指摘には、「(事務局を務めた)男性医師Aは『治療薬なしで治療することはあり得ない』として推定するしかない」となったという。

 さらに、検察側は数値を示しながら「バルサルタン群ではイベントがあるものをCCB投与群から非投与群に移動させたように見える。一方で、非ARB群ではイベントなしの症例をCCB非投与群から投与群に移動させて、CCB投与群を有利にさせたように見える。CCB投与群を有利にするように群分けをいじったことはあるか」と質問。白橋被告は「ありません」。検察側は「では、偶然か」と重ねると、「群分けが寄与しているかどうかは分かりませんとしか答えられない」と述べた。

KHSデータは2012年に消去

 証拠として採用されている各種データは、白橋被告の自宅から押収されたUSBメモリ内の削除されたフォルダを復元して得られたもの。白橋被告はKHSに携わった当時、コンパクトフラッシュを記憶媒体として使っており、「USBメモリは他人のデータのやり取りに使った可能性が高い」としつつ、「何の用途か分からない」と説明した。白橋被告が解析に使ったデータやパソコンは、一連の疑義が指摘され始めた2012年にはKHS事務局の男性医師Aに全てのデータを預けた上で、消去したという。

「解析用データはありました」

 検察側は復元された「event_analyasis.xls」「event_analysis.STA」というデータファイルが、KHS主論文作成時に図表の作成に使われたと主張している。これらのデータと論文中のカプランマイヤー図などと一致しているものもある。検察側はこれらのデータを解析に使ったかと質問すると、白橋被告は「違うと思う」と証言。どのデータで解析をしたのかと問われると「解析用データを使っていたと思っていたが、それ以外は分からない」。解析に使った「統一的なデータ」があったと主張した。

 検察側が統一的データは本当にあるのかと尋ねると、「データがないとおっしゃるのか。データはありました」と反論した。

 検察側は「KHS_DATALAST.xsl」と題するファイルの「EVENT元データ」シートについても質問。2症例を例示し、イベント報告されていない登録症例が「脳卒中」「急性心筋梗塞」となっていた点を尋ねると、「男性医師Aからもらった確定イベントデータにあった記載と置き換えたのだと思う」と説明。Web入力データのイベント報告票と異なる点について疑問を思わなかったかという質問に対しては「あまり考えていなかった」とし、男性医師Aや京都府立医大元教授の松原弘明氏に確認することもなかったという。

 6月27日午前中、および6月9日にあった第28回公判では、第27回に続きノバ社所属の医師への証人尋問が行われ、検察側がノバ社医師が作成した報告書(『検察側指摘以外にも改ざん症例、ノバ社の分析』を参照)について細かく確認していった。



https://www.m3.com/news/iryoishin/432275
シリーズ: 今どきの「U35ドクター」2016
情報収集、「対面」が主流◆Vol.15
SNS活用は56%、仕事での利用は少数派

2016年6月28日 (火) 高橋直純(m3.com編集部)

Q 日常の情報収集、学習手段として、どのようなものがありますか。【3つまで】
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日常の情報収集手段では、「学会、院外の研究会・勉強会」(60%)、「医学ジャーナルや医学書」 (59%)、「同僚との情報交換」(46%)が上位を占め、依然として対面の情報交換が主流だった(上位3つまで選択)。

Q facebookやTwitterなどのSNSを活用していますか。
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 FacebookやTwitterを例示してSNSの利用状況を尋ねたところ、「プライベートのみで活用」と「活用していない」がそれぞれ44%で並んだ。「仕事とプライベートの両方で活用」は10%、「仕事のみで活用」は2%だった。2013年の調査は『「Facebook」「twitter」使ってる?◆Vol.7』』を参照。



https://www.m3.com/news/general/437215
院外処方箋の全面発行中止 - 門前中心分業に「メリット感じず」 関西医大総合医療センター
2016年6月28日 (火) 薬事日報

 関西医科大学総合医療センター(守口市、477床)は5月6日の新本館開院に伴って、院外処方箋の全面発行を中止し、外来患者の調剤を原則院内で行う方針に改めた。患者の費用負担を軽減し、1カ所で薬を受け取れることで利便性を向上させて、病院の全体的な評価を高めることが目的だ。約16年間全面発行を続けてきたが、そのメリットを十分に感じられなかったという。ただ、方針の無理強いはせず、希望する患者らには院外発行を続ける。100%に近かった院外発行率は現在40%台半ばで推移している。

 同センターは建物の老朽化に伴い、隣接する大学施設跡地を活用して新本館を開院すると共に、院外処方箋の全面発行を中止。関西医科大学附属滝井病院という名称も、現在の名称に改めた。本紙の取材に応じた同センター院長の岩坂壽二氏は、院内調剤に戻した理由について「まず、患者さんの費用面の負担を軽減したかった。また、外に行かなくても1カ所で薬をもらえることによって、患者さんの利便性は高まる」と語る。

 院外処方箋の全面発行には「メリットを感じられなかったというのが16年ほどやった上での印象」。国の方針に沿って実施したものの「患者サービスが低下するということになれば、何をしているのか分からない」と話す。全面発行を続けるより院内に戻した方が患者サービスは向上すると見込み、それによって病院の評価を高めたいという。

 2000年の全面発行開始当初は門前に薬局は1軒しかなく、大阪府薬剤師会の協力を得てFAXコーナーを設置。かかりつけ薬局の事前登録を推進し、院外処方箋の7~8割は広域の薬局に分散した。「後になって考えると当時は理想的な分業形態だった」(同センター薬剤部長富田浩氏)

 現在は、京阪電車滝井駅と同センターを結ぶ100mにも満たない道路沿いなどに7軒の薬局が林立している。「昔は花屋もレストランもケーキ屋もあったが、町の景観が変わってしまった」と岩坂氏。「門前の薬局は夜間や休日には店を閉め、日用雑貨などもあまり置いていない。あれだけたくさんある薬局が住民の役に立ってない。何のためにあるのか」と嘆く。門前薬局に対する不満が年々強まっていたという。

外来用に11人雇用‐短期的には支出増に

 こうした背景から同センターは全面発行の中止に踏み切った。処方箋送信専用FAX2台のみを配置し、大阪府薬のFAXコーナーは廃止。病棟業務には引き続き力を入れるため、外来調剤要員として新たに薬剤師を11人増やし40人体制にしたほか、SPDを導入し業務の効率化を図った。調剤エリアを広く設け、必要なシステムを購入。1階の会計窓口近くには、最大で同時に8人の患者に対応できる「お薬渡し窓口」を設置した。

 患者には、院内で薬を渡す方針を周知している。その上で医師は必要に応じて診察時に患者の意向を聞き、電子カルテ上で院内か院外かを選択する。新規患者の初期設定は院内。再診患者では前回の設定が踏襲される。

 院外処方箋の発行枚数は1日約700枚。以前は100%に近かった院外発行率は40%台半ばになった。現状ではまだ全てが院内に切り替わってはいない。患者の希望で院外発行を継続したり、採用薬がない場合には医師が自ら院外を選択したりすることもある。また、新本館開院前から通院する患者では院外発行が標準設定になっており、医師が患者に聞くのを忘れて、そのまま院外が継続される場合もある。

 「院内の比率を急激に伸ばす気はない。じわじわ伸びていけばいい。その方が安いし便利だと思ったら院内にしてもらったらいいし、院外が便利だと思えばそうしてもらったらいい」と岩坂氏は語る。

 院内に切り替えた患者からは、処方オーダ後、最短20~30分で薬を受け取れるため、「会計を終え窓口に来るともう薬ができていると喜んでいただけるケースが少なくない」(富田氏)。入院中の経過を知っている薬剤師が外来移行後に窓口で対応できたことも「よかった」という。

 病院経営面から見ると、院内に50%台半ばしか戻っていない現在は、人件費など支出の増加分が収入の増加分を上回り収益には貢献していない。院内に戻すのは「冒険だしリスクの方が大きい。人件費は増え、場所も必要。外来対応用にシステムも増やした。短期的な収支を考えると従来通り院外発行を続けていた方が安全。だが、それでは1歩伸びた病院にはなれない。ここ数年、病院の黒字化を果たしたからこそ踏み切ることができた」と岩坂氏は話している。



https://www.m3.com/news/general/437255
日本専門医機構、池田康夫理事長が辞任
2016年6月28日 (火) 読売新聞

 来春から始まる予定の新しい専門医制度の運営を担う日本専門医機構の池田康夫理事長が27日、辞任した。

 新理事長は、同日の社員総会で決まった新理事24人の中から、7月4日に開かれる理事会で選ばれる予定。

 専門医は学会ごとに認定してきたが、質のばらつきや乱立が指摘されており、統一して認定するため同機構が発足。養成の中心となる医療機関を治療件数などに基づいて選ぶ方向で準備が進んでいた。

 これに対し、日本医師会や病院団体が、大病院に医師が集中すれば、地域医療の現場が混乱するとして、開始の延期などを求めていた。



https://www.m3.com/news/general/437239
【埼玉】栗橋病院 計画の白紙撤回、久喜市長ら要請行動 県済生会などに
2016年6月28日 (火) 毎日新聞社

栗橋病院:計画の白紙撤回、久喜市長ら要請行動 県済生会などに /埼玉

 済生会栗橋病院(久喜市)が機能の一部を加須市に移す計画を進めていることに対し、久喜市議会が白紙撤回を求める請願と決議を全会一致で採択したことを受け、田中暄二市長と柿沼繁男議長、峯義夫栗橋地区長ら17人が20、21日、済生会本部や同病院などに出向き、議決内容を伝えて計画の白紙撤回を要請した。

 この計画では、3月に加須市長と栗橋病院長との間で覚書が結ばれている。

 久喜市によると、今回の要請に済生会側は「移転計画は本部に上がっていない」「具体的な計画内容は決まってない」と説明。済生会本部の炭谷茂理事長は「(議会の)議決書を重く受け止める」とし、久喜市や住民と協議を重ねる意向を示したという。

 また、県済生会の原澤茂支部長は「この件は県済生会支部の理事会に議案として取り上げておらず、何も決まっていない。(一部移転は)地元の理解を得る必要があり、拙速に進める必要はない」と述べ、県済生会支部会長の上田清司知事は「支部理事会に諮ることなく『覚書』が結ばれており、仕切り直しが必要」としたうえで「地域医療圏での合意を得るべきだ」との考えを示したという。

 要請行動に対応した遠藤康弘・栗橋病院長は「栗橋病院の再整備に関する構想・計画案はまだ作っていない。病院が地域にどうのように貢献できるのか、医療の需給バランス、自治体の政策、地域の要望などを踏まえ、今後考えていく」と答えた。【栗原一郎】



https://www.m3.com/news/iryoishin/437292
シリーズ: 日医代議員会
「医療費抑制ありき、地域差の画一的縮小認めず」
第138回日医臨時代議員会、中川副会長

2016年6月28日 (火) 橋本佳子(m3.com編集長)

 6月26日の第138回日本医師会臨時代議員で、副会長の中川俊男氏は、第1期の医療費適正化計画では、当初の見込みよりも0.2兆円過大に抑制され、その主な要因は診療報酬自体の抑制であると問題視。同時に、医療費適正化計画は、地域住民の健康への意識を高めたりするなどの点では意味があるものの、「医療費抑制ありき」であってはならず、「医療提供体制をゆがめるような目標設定は今後も絶対に認めない」との方針を示した。

 また現在、各都道府県で策定が進む地域医療構想は、医療費の効率化を狙う医療費適正化計画とは、「次元が異なる」と説明。第3期の医療費適正化計画の基本方針策定では、医療費の地域差縮小も検討されているが、「入院、外来ともに医療費の地域差を画一的に縮小することは認めていない」と主張。

 さらに中川副会長は、公的医療保険の持続可能性を高めるため、また地域包括ケアシステムの実現に向け、必要な財源確保に取り組むと同時に、医療制度の改革案を提言していく方針を示した。

 「医療費、0.2兆円過大に抑制」

 医療費適正化計画について質問したのは、兵庫県代議員の空地顕一氏。医療費適正化計画は、2008年度から5年を1期としてスタート。現在は第2期の4年目に当たる。特定健診・特定保健指導、平均在院日数の短縮、後発医薬品の使用促進などを通じて、医療費を抑制するのが狙い。

 空知氏は、第2期の最終年度の2017年度には1兆円以上の抑制が見込まれるとの予測などを挙げ、これまでの影響を踏まえて第3期の計画を立てるべきとし、(1)医療費適正化計画に対する日医の評価、(2)地域医療構想との整合性――を質した上で、「医療費の圧縮ではなく、あるべき医療提供体制などを念頭に置いた独自の対案を提案すべき」とし、日医執行部の考えを求めた。

 中川副会長は、(1)について、特定健診は国民の健康長寿の延伸が目的であり、医療費削減目標にすることは本末転倒であり、平均在院日数については、「患者のQOL向上や退院後の受け皿整備を伴って、自然に収れんしていくべきもの」とし、無理な短縮は限界に達していると問題視。そもそも医療費適正化計画の平均在院日数は、介護療養病床を除く全病床の平均であるため、「平均在院日数の長い医療療養病床や精神病床を削減しようとする意図が見え隠れする」と指摘した。

 第1期医療費適正化計画の効果についても、次のように説明。「適正化による削減を0.9兆円と見込んでいたが、実績は適正化しなかった場合の見込みを1.1兆円下回った。計画当初の2008年度の医療費を34.5兆円と見込んでおり、これが実際には4000億円少なかったことも考慮する必要はあるが、0.2兆円過大に抑制されている。その主な要因は診療報酬自体の抑制であったと認識している」。

 医療費の地域差の画一的縮小は認めず

 (2)については、まず地域医療構想をめぐる議論を説明。「財政当局は、地域医療構想も医療費適正化計画と同様に医療費抑制のツールにしようとしたものの、日医は審議会などでの議論を通じでその思惑を徹底的に排除し、将来の医療需要としての患者数を見据え、不足している医療機能を手当てする仕組みに修正した。そのため医療資源の充実が必要なケースもある」(中川副会長)。日医としては、入院、外来ともに医療費の地域差を画一的に縮小することは認めていないとし、地域差の要因、背景については、地域での丁寧な協議を重ねつつ、地域医師会主導で課題を掘り下げていくプロセスが重要だとした。

 今後の医療提供体制に向けた提案については、「医療費の伸びの機械的な圧縮が、医療提供体制の崩壊につながることは小泉内閣時代に痛切に経験した」とし、「医療・福祉は、成長率や経済波及効果が高く、公共事業に近い水準にある」と説明。「医療・福祉の活力を高めることなくして、一億総活躍、地方創生もあり得ない」と述べ、医療の重要性を強調した。

 その上で、公的医療保険の持続可能性を高めるために、「生涯保健事業の体系化による健康寿命の延伸、糖尿病のハイリスク群への早期介入による透析導入患者の減少、高額な薬剤の薬価算定ルールの見直しなどが急務であり、地域包括ケアシステムを実現するために、かかりつけ医を中心とした切れ目のない医療・介護の提供が不可欠」と指摘。その実現に向け、必要な財源と医療制度改革案の提言に取り組んでいくとした。高額な薬剤の薬価算定ルールについては、本臨時代議員会の別の答弁でも言及している(『高額医薬品の薬価、「中医協の判断機能、飛躍的に強化」』を参照)。

 関連で質問した、愛知県代議員の藤井康彰氏は、「医療は今後需要が増え、成長産業であるという考え方採るべき」と指摘し、国の方針として延ばしていくよう働きかけが必要とした。中川副会長は、「我々の主張と全く同じ。景気の下支えとしては、医療は最大の分野」と答えた。



https://www.m3.com/news/iryoishin/436928
シリーズ: 真価問われる専門医改革
日本麻酔科学会、2017年度は現行の専門医制継続
理事長名の声明、プログラムは新制度用を応用

2016年6月27日 (月) 橋本佳子(m3.com編集長)

 日本麻酔科学会は6月27日、2017年度も、2015年度から実施している現在の専門医制度を実施するという、理事長の外須美夫氏の声明を公表した(資料は、同学会のホームページ)。研修に当たっては、2017年度開始予定だった日本専門医機構による新専門医制度に向けて準備を進めてきた、「専門研修プログラム」として1次審査に提出したものを応用、専攻医の募集は同機構のWebサイトを用いず、従来通り各プログラムごとに行い、その名簿を各学会に報告する。

 2017年度から開始予定だった新専門医制度は、全面実施が見送られ、対応は各学会に判断が委ねられていた(『新専門医制度、2017年度の全面実施見送りへ』を参照)。

 日本麻酔科学会は、1999年に認定制度の改訂を行い、2011年の公益社団法人化を機に専門医制度の見直しを進め、2015年度からは、18の基本領域の一つとして「専門医制度整備指針」を参考に見直しを行った専門医制度を実施している。なお、日本専門医機構は6月27日に新理事が決定する予定で、同学会では「2018年度以降の制度設計に対する抜本的見直しや、これまで準備したプラットフォームの変更もあり得る状況」と留保している。

【日本麻酔科学会の2017年度の専門医制度への対応方針】
1.2015年4月から開始している本学会の現専門医制度を2017年度以降も引き継ぐ。
2.専門研修プログラムは1次審査に提出したプログラムを応用する。
3.専攻医登録は専門医機構のWebサイトを利用せず、従来通り各プログラムごとに専攻医募集を行い、名簿を本学会へ報告する。※日程の詳細は学会HPで公開する。
4.地域医療への影響を考慮して専門研修プログラムの定員枠や施設要件および専門研修指導医要件は柔軟に運用する。
5.大学病院や基幹病院だけではなく地域の中小規模の研修連携施設においても一定の研修が実施され、麻酔医療の量的質的偏在が少しでも解消されるように努める。
6.麻酔科専門医更新については、2018年度までは現制度での更新とし、2019年度から順次日本専門医機構更新基準で行うという計画に現時点で変更はない。
7.専門医更新のための講習、実績等についてはすでに取得した単位は維持され、今後の講習計画等も継続して行う。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/49082.html
日病会長、専門委機構の新執行部に期待感- 四病協の各団体が機構の社員に
2016年06月28日 21時00分 キャリアブレイン

 日本病院会(日病)の堺常雄会長は28日の定例記者会見で、来月始動する「日本専門医機構」(機構)の新執行部に対して、これまでの取り組みを踏まえて活動すれば、新専門医制度をめぐる混乱を収束させることができると期待感を示した。【佐藤貴彦】

 新専門医制度は、中立的な第三者機関がすべての診療領域の専門医を認定するもので、学会がそれぞれ専門医を認定する従来の仕組みと比べ、専門医の質の高さが保証されるなどと期待されている。

 機構は新制度の第三者機関として、内科や外科などの基本領域の専門医の養成を来年度から始める方向で準備を進めてきたが、医療界から医師の地域偏在を悪化させるといった懸念が相次いで示されたことから、再検討が求められている。

 こうした中で機構の理事の任期が27日で満了になり、同日の機構の社員総会で、次の理事候補者24人が了承された。新執行部による理事会は来月4日に開かれる予定で、今後の動向が注目を集めている。

 28日の会見で堺会長は、新執行部がこれまでに浮上した問題に優先順位を付け、解決に向けて取り組めば「ある程度の道筋はできる」との認識を表明。また、新制度の関係者として、学会や厚生労働省、各都道府県に設置された専門医養成に関する協議会などを挙げ、混乱の収束を目指して機構が関係者を主導する役割を果たしていくべきだと指摘した。

 さらに、各地の医療機関が、新制度に対応した専門医の養成プログラムを既に用意していることから、そうしたプログラムをチェックする部署を機構の内部に設けるなどして関係者の意見の一致に向けた調整を行えば、一部の領域で来年度から新制度を開始できるとの考えも示した。

 また堺会長は、機構の問題点として、意思決定プロセスなどの見えにくさを挙げる声があると指摘。新執行部に対して「透明性を担保していただきたい」と注文を付けた。財政基盤が弱いとの指摘もあるとし、解決策の一つとして、社員の増加による会費収入アップを挙げた。その上で、現在は「四病院団体協議会」を構成する4つの病院団体のうち、日病の堺会長のみが社員になっているが、それ以外の3団体も「社員になろうではないかということを考えている」と述べた。

■副会長に宮崎・前常任理事が就任

 また堺会長は、常任理事だった宮崎瑞穂・前橋赤十字病院名誉院長が、22日の理事会で日病の副会長に選任されたことを明らかにした。全国公私病院連盟の会長に就任して日病の副会長職を退いた今泉暢登志・福岡赤十字病院名誉院長の後任で、任期は来年5月に予定される定期社員総会まで。



http://www.medwatch.jp/?p=9437
新専門医制度、日本専門医機構の新体制下での諸課題解決に期待―日病・堺会長
2016年6月28日|医療・介護行政をウォッチ

 7月頭に日本専門医機構の新執行部(理事長、副理事長)が固まる。そこでガバナンスの問題や意思決定プロセスの透明化、事務局の体制整備、養成プログラムのチェックなどといった諸課題を解決していくことで、新専門医制度の道筋が見えてくるのではない―。

 混迷している新専門医制度について、日本病院会の堺常雄会長は28日の定例記者会見でこのように見通しました。

ここがポイント!
1 事務局体制を強化し、日本専門医機構の意思決定プロセスの「見える化」が重要
2 専門医の定員、「厚労省が上から定める」のでは現場の納得が得られない可能性も
 事務局体制を強化し、日本専門医機構の意思決定プロセスの「見える化」が重要

 新専門医制度は、第三者機関(日本専門医機構)が「専門医養成プログラムの認証」と「専門医の認定」を統一的な基準で行うことで、より質の高い医療提供体制の構築を目指す仕組みです。

 来年(2017年)4月から新専門医の養成がスタートする予定ですが、「専門医の養成プログラムのハードルが厳しく、研修施設は大学病院などに偏っており、地域・診療科における医師偏在を助長してしまう」「専門医の認定や養成プログラムの認証を行う日本専門医機構には、ガバナンスなどさまざまな点で問題が多い」との強い指摘があり、混迷しています(関連記事はこちらとこちら)。

 そうした中で、日本専門医機構は7月頭に新理事長・副理事長を選任し、新体制を整えます。この点について堺会長は、新体制の下で現在指摘されている日本専門医機構の課題(ガバナンスに問題がある、意思決定プロセスが見えにくい、事務局の体制が弱い、など)に優先順位をつけた上で対処することで、新専門医制度に「ある程度の道筋ができると思う」と見通しました。堺会長は、そのために「意思決定の見える化」「事務局体制の整備」を早急に行う必要があるとも強調しています。

 また、堺会長は新専門医をとりまくステークホルダーとして(1)日本専門医機構(2)学会(3)厚生労働省(4)専門医のあり方等に関する専門委員会(社会保障審議会医療部会の下部組織)(5)都道府県に設置されている協議会―の5者がいると指摘。その上で、「日本専門医機構がステークホルダーとのコンセンサスを得ながら、主導的役割を果たして、養成プログラムのチェックなどを進められれば、総合診療専門医を除く18の基本領域すべてで新専門医の養成をストップし、従来の専門医制度を継続する、ということにはならないのではないか」との見解も示しています。

専門医の定員、「厚労省が上から定める」のでは現場の納得が得られない可能性も

 ところで、日本病院会も加盟する四病院団体協議会と日本医師会は7日に、連名で▽地域医療、公衆衛生、地方自治、患者・国民の代表による幅広い視点も大幅に加えた『検討の場』を設けて、その検討結果を尊重する▽『検討の場』において医師偏在が深刻化しないか集中的に精査し、懸念が残るプログラムについては2017年度からの開始を延期し、現行の学会専門医の仕組みを維持する―ことなどを柱とする提言を日本専門医機構に行っています。

 この提言を重視すれば、検討の場の議論で(A)懸念が生じない領域は2017年度から新制度(B)懸念が残る領域は2017年度も現行制度―で専門医の養成を行うことになります。

 この点について堺会長は、「来年(2017年)4月から新制度での養成を開始するところから逆算すると、少なくとも7月いっぱいには『検討の場』を立ち上げる必要がある」と述べるにとどめています。

 『検討の場』では、各養成プログラムに「地域偏在が生じないか」「研修施設の偏りはないか」などを精査することになります。この点、「すでに養成プログラムの多くは日本専門医機構に提出されているため、精査にはそれほど時間はかからないのではないか」との見方もありますが、一方で「都道府県に設置される協議会での検証も必要であろうから、それを待つことになると一定の時間が必要になるのではないか」と見る向きもあります。日本専門医機構の新執行部の判断に注目が集まります。

 また、専門医のあり方等に関する専門委員会では、「地域別・診療領域別の専攻医定員」を設けてはどうかとの議論もなされています。この点について堺会長は、「定員枠の設定は、厚労省が上から決めるのでは、医療現場の納得が得られないであろう」と見通し、プロフェッショナル・オートノミーを重視(もちろん国の関与とのバランスもとって)することの重要性を指摘しています。

 またなお堺会長は、23日・24日の両日に盛岡市で開催された日本病院学会(関連記事はこちら)での新専門医制度をめぐるシンポジウンムの議論も総括し、「専攻医の身分保障」「指導医をはじめとする現場へのインセンティブ」「指導医側の準備(初期臨床研修では病院団体などが指導医研修を実施)」といった点も、今後の課題になると紹介しました。


 なお今泉暢登志副会長が、全国公私病院連盟の会長に就任することに伴い、日本病院会の副会長職を退任。新たに前橋赤十字病院の宮崎瑞穂名誉院長が、副会長職に就任しています。



http://mainichi.jp/articles/20160628/ddn/012/040/048000c
子宮頸がんワクチン
研究不正疑いで信州大が調査委

毎日新聞2016年6月28日 大阪朝刊

 子宮頸(けい)がんワクチン接種後の健康被害を訴える女性らを診療している、厚生労働省研究班代表の池田修一・信州大教授(脳神経内科)が、3月に発表した研究内容について、不正を疑う通報があり、同大は27日、学内規定に基づく調査委員会を設置する方針を決めた。

 池田教授らの研究班は、免疫機能が自分の体を攻撃する「自己免疫疾患」を起こしやすいよう遺伝子操作を行ったマウスに、子宮頸がんワクチンと他のワクチンを打ち、反応を調べた。
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 発表では、子宮頸がんワクチンを打ったマウスの脳組織にのみ、自分の体を攻撃してしまう抗体が沈着していたと説明した。しかし、外部の医療関係者らから詳しい実験データの開示を求める声や、実験自体への疑義が上がっていた。

 調査委はまず、予備調査を実施し、必要に応じて、過半数を外部有識者で構成する組織で本調査を行う方針という。池田教授は現在、副学長、医学部長を務めている。【中村好見】



http://mainichi.jp/articles/20160629/k00/00m/040/083000c
6年3カ月間で228件 死亡例20件
毎日新聞2016年6月28日 21時13分(最終更新 6月28日 22時15分)

 国内で起きた医療事故情報を収集する公益財団法人・日本医療機能評価機構(東京都)は28日、抗がん剤に関する事故が6年3カ月間で228件に上ったとの調査結果を公表した。平均すると1カ月に3件程度になる。患者の死亡例は20件、障害の残る可能性の高い例は26件で、全体の2割が重大な事故だった。抗がん剤はがんの有効な治療法だが、使い方を誤った時のリスクは高く、同機構は医療関係者らは注意を呼びかけている。

 調査は2010年から現在の方法で統計を取り始め、今年3月までの6年3カ月間の結果をまとめた。

 最も多かったのは「血管外への漏れ」(68件)で、副作用など患者の容体悪化53件 ▽過剰投与34件 ▽投与日・日数間違い11件 ▽薬の種類の間違い10件 ▽患者の間違い6件−−などと続く。

 半数以上の128件は看護師などの投与に伴うミスだったが、医師の処方の誤りも41件あった。個別のケースでは、薬剤師が暗算したことによる薬の濃度の間違いや、治療計画作成時の薬剤師の数値入力ミスなどが起きていた。【野田武】


  1. 2016/06/29(水) 05:28:06|
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6月27日 

http://www.saitama-np.co.jp/news/2016/06/27/09.html
病院の譲渡や機能移転…久喜の医療考えるシンポ 市民240人が参加
2016年6月27日(月) 埼玉新聞

 経営不振による久喜総合病院(久喜市上早見)の経営譲渡や、済生会栗橋病院(同市小右衛門)の一部機能移転など、課題を抱える同市の地域医療を考えようと、市民団体「久喜地域の医療を考える会」は26日、同市伊坂の栗橋文化会館でシンポジウムを開催し、市民ら約240人が参加した。

 シンポジウムの前半は、同会代表世話人でNPO法人医療制度研究会副理事長の本田宏医師が、医師不足や医師の過酷な労働環境、長期入院になるほど点数が減る日本の診療報酬制度などについて解説。栗橋病院・前院長補佐の本田医師は「栗橋病院に地域救急センターが開設した時、救急専門医は0人だった」と明かし、「人口10万人に対する医師数は埼玉県が全国最下位で、高齢者増加率は1位。埼玉にこそ、医学部をつくる権利と義務がある」と強調した。

 後半では、家族が救急車で市内の病院に運ばれた市民や久喜総合病院の誘致をした市民、久喜市議2人が登壇。本田医師が司会を務めた。

 市議らは栗橋病院の一部機能移転に関し、補助金や関係機関の動きなどを説明し、「久喜市は栗橋病院の運営にもっとお金をかけるべきだった。病院が老朽化する中、加須市は病院の資金援助などに積極的だった」と振り返った。来場者からは「加須市の医療も考える必要がある」という意見も挙がり、登壇者らも病院の移転による地域間のあつれきに苦渋の表情を浮かべた。

 本田医師は「医療は全て政治。医師が増えない要因の一つに財務省と厚労省の力関係があり、国には医師を増やせば医療費が増えるという考え方がある。目の前にいる医療従事者に文句をつけるだけでは医療は良くならない。日本の問題として長期的に考えて」と訴えた。

 栗橋病院の移転に関しては、久喜市議会が今月20日、移転計画の白紙撤回を求める決議を全会一致で、幸手市議会も24日、同院の現行存続を求める決議を賛成多数で可決している。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/49052.html
淘汰の時代、生き残る病院の見極め方- 医師・キャリア考(3)
2016年06月27日 08時00分 キャリアブレイン

 医師の転職支援事業を行っている株式会社キャリアブレインとのタイアップ企画、「医師・キャリア考」。第3回は生き残る病院の条件についてです。
 
 病院の閉鎖は、実はそれほど珍しい話ではありません。例えば2003年から14年までに629カ所の病院がなくなっていますし、13年から14年の1年間に限っても47カ所が閉鎖しています。ちなみに03年時点の病院数は9122カ所。03年から14年の間には、おおよそ100カ所のうち6カ所から7カ所の割合で病院が閉鎖していたわけです。

 もはや、病院も淘汰の波を避けられない時代に突入したと言えるでしょう。しかも、昨今の制度改正は、淘汰の波をますます荒く、激しいものに変えつつあります。

 1人ひとりの医師がキャリアを考える上で、安定した職場を選べるかどうかは、とても大切な要素です。ならば、この厳しい環境の中で10年後も病院が生き残るには、どんな条件が必要なのでしょうか―。まずは病院が閉鎖に至る理由から見直し、考えてみましょう。

■病院廃業理由のトップは人材不足

 当たり前のことですが、病院閉鎖の直接の原因は収益減です。
 収益減の大きな理由として誰もが思い浮かべるのは診療報酬改定に伴う減収でしょう。ところが、実際は人材不足こそが最大の理由となっているのです。

 一般的には、医師1人につき1億円の売り上げが上がるといわれています。大まかな平均値ですが、何らかの理由で医師が退職すると、病院の売り上げはそれだけ減ることになります。医師の退職後、すぐに別の医師を雇用することは難しく、医師以外にその売り上げを上げることはできないため、病院経営には大きな打撃となります。

 さらに、その医師が退職したことによる業務負担が、働いているスタッフにのし掛かってくるため、退職者が続く事態にもなりかねません。

■ポイント1:人材の確保対策は行っているか?

 人材不足は病院閉鎖に直結する極めて重いリスクと言えるでしょう。それだけに、その対策を講じているかどうかが、生き残る病院を見極めるための重要なポイントです。

 人材確保対策は、人材採用と退職防止の2つの観点があります。
 人材採用の対策としては、経営トップが自分のつてを使って常に情報を収集したり、採用のための経費を確保して業者を使ったりということが挙げられます。

 退職防止の対策としては、残業時間の短縮や勤務日数の短縮等について取り組みを行っているかがポイントになります。当直や外来などの業務に対しては、スポット勤務の医師で対応するなど、常勤医師の勤務時間に配慮した対策を取っているかを見極めた方がよいかと思います。

■ポイント2:病院が特色を出せているか?

 もう一つのポイントとして挙げられるのが、病院が特色を出せているかどうかです。

 国は病院の機能分化を進めています。同じ医療圏の中に似たような機能の病院が複数存在すると圏内の患者の奪い合いになり、どこかが廃業に追い込まれますが、それぞれが特定の分野に特化していれば、無益な患者の奪い合いは避けられるからです。

 その病院が存在する医療圏内で、どのようなポジションにある施設なのかが一目で理解できる病院は生き残れる病院と言えるでしょう。

 特色の有無を判断するには、病院の科目ごとの常勤医師数をチェックしてみましょう。多くの場合、院長の専門科目と常勤医師数が多い科目は一致します。もし違う場合は、その理由を調べてみる方がいいかもしれません。

■ポイント3:経営者の年齢と後継者

 最後のポイントが、経営者の年齢と後継者です。
 実は、経営者が突然不在になり、病院が閉鎖されるということも少なくありません。

 06年に厚生労働省が行ったアンケートによると、医療法人の理事長・院長の6割以上が60代、3割が70代以上です。経営者が高齢であることは、病院閉鎖のリスクになり得ます。その場合、後継者の有無が非常に重要な問題です。

 直接、理事長・院長に「後継者はいらっしゃいますか?」とは聞けませんが、ご年齢を伺った後にご子息のお話などをすると、この辺の事情を聞くことができるかもしれません。
 
後継者が決まっている場合でも、その方の専門分野が病院の今後の方向性に大きくかかわってくるため、自分のキャリアを考える上での参考情報になるはずです。

 いかがでしょうか?

 これまで述べたような内容に、今の勤務先が当てはまるのではないか?と不安になられた先生、または、今転職を考えていたけれども転職先候補の施設の情報を詳しく知りたいと思われる先生、一度お気軽にキャリアブレインまでご相談ください。客観的な視点で、先生のキャリアに関する最適な提案をいたします。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/49070.html
専門医機構の役員候補者24人を了承- 来月4日に理事長選出へ
2016年06月27日 22時00分 キャリアブレイン

 来年春の開始に向けて混迷が続く新たな専門医制度について、研修プログラムの認定などを行う「日本専門医機構」(機構)は27日に開いた社員総会で、任期満了に伴う役員の改選を行い、理事24人の候補者案を了承した。今後、候補者から承諾書の提出を受け、正式決定する。機構は来月4日の理事会で、新しい理事長と副理事長を決める。【敦賀陽平】

 機構は5月下旬、日本医師会(日医)や病院団体の役員ら10人による「役員候補者選考委員会」(委員長=中川俊男・日医副会長)を設置し、候補者の人選を進めてきた。この日は、中川委員長が候補者案について説明後、社員総会で審議し了承を得た。

 今回選ばれた24人のうち、再任は4人しかいないため、これまでの事業を継続できるのかを懸念する声もあったが、中川委員長は「新任の役員は専門医制度に精通している」として理解を求めた。

 選考委では当初、25人の候補者案を検討していたが、日本医学会連合から推薦のあった候補者1人に対して、委員から「新しい執行部の体制に相応しくない」などと反対の声が上がり、全会一致を得られなかったため、候補者から外れた。

 機構の役員選任規定では、同連合から2人の候補者を選出することになっており、社員総会では、同連合から改めて候補者1人を推薦してもらうかどうか審議し、最終的に同連合の高久史麿会長が機構の理事会に対して、新たな候補者案を提出することになった。

24人の候補者は次の通り。
 ▽吉村博邦 ・地域医療振興協会顧問/北里大名誉教授(再任)
 ▽松原謙二 ・日医副会長
 ▽羽鳥 裕 ・同常任理事
 ▽山下英俊 ・山形大教授
 ▽稲垣暢也 ・京大医学部附属病院教授
 ▽神野正博 ・全日本病院協会副会長
 ▽森 隆夫 ・日本精神科病院協会常務理事
 ▽渡辺 毅 ・福島労災病院長(再任)
 ▽北川昌伸 ・東京医科歯科大大学院教授/日本病理学会常任理事
 ▽神庭重信 ・九大大学院教授/日本精神神経学会副理事長
 ▽國土典宏 ・東大医学部附属病院教授/日本外科学会前理事長
 ▽岩本幸英 ・九大大学院教授
 ▽市川智彦 ・千葉大大学院教授
 ▽木村壮介 ・日本医療安全調査機構常務理事/国立国際医療研究センター病院名誉院長(再任)
 ▽桐野高明 ・東大名誉教授/元国立病院機構理事長(再任)
 ▽井戸敏三 ・兵庫県知事
 ▽遠藤久夫 ・学習院大教授
 ▽小林誠一郎 ・岩手医科大副学長
 ▽寺野 彰 ・獨協学園理事長/獨協医科大名誉学長/日本私立医科大協会長
 ▽豊田郁子 ・新葛飾病院セーフティーマネージャー/医療安全対策室主任
 ▽花井十伍 ・連合「患者本位の医療を確立する連絡会」委員
 ▽邊見公雄 ・全国自治体病院協議会長
 ▽本田 浩 ・日本医学放射線学会理事長/九大大学院教授
 ▽柳田素子 ・京大大学院教授



http://www.nikkei.com/article/DGXKZO04143600Y6A620C1EA1000/
社説・春秋
新専門医制度の不安を拭え

2016/6/28 日本経済新聞

 内科、外科など各分野の専門医の質を上げるため、2017年度から新たな医師研修制度の導入が予定される。ところが研修のために医師が都市部に集まり、地方の医師不足が加速するとの懸念は根強い。導入延期を求める声も出るなど混乱が広がっている。

 地方の医師不足が叫ばれ始めて久しい。さらに悪化するようでは、安心して暮らすことができない地域が増え、政府の方針である「地方創生」にも逆行するだろう。新制度は不安の種をしっかりと取り除いてから始めてほしい。

 医師は免許取得後に基本的な診療能力を身に付けるため、2年間の初期臨床研修を受ける必要がある。その後、各分野の専門医資格を取得することが多い。ただ現在の専門医は各分野の学会が独自に認定している。中には学会に出席していれば比較的簡単に認定される場合もあり、専門医の質のばらつきが問題になっていた。

 このため、学会など医療関係者が集まって第三者機関「日本専門医機構」を設立し、この機関が統一的に専門医を認定する新制度を始めることにした。認定されるためには、主に大学病院などの大病院で研修を受ける必要がある。

 ただこの仕組みだと地方で働く医師が一定期間、都市部の大病院に異動してしまうという弊害が予想される。そのまま都市部に定着もしかねない。ベテラン指導医も都市部に集中する恐れがある。

 病院団体や日本医師会、地方自治体などは日本専門医機構に対し、拙速な新制度導入を避け、地域医療に支障が出ないように制度を見直すよう求め始めた。

 専門医の質の向上は必要だが、関係者の意見が対立していては患者も不安だ。新制度は医療界の自主的な仕組みとなる予定だが、混乱が続くようなら、政府が介入するのもやむを得ないだろう。

 医療界はいま一度、各団体の利害得失を超えて患者のために何が必要かを考え、力を合わせて地方でも質の高い専門医が活躍できる制度をつくってほしい。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/49071.html
池田氏、新専門医制度の仕組み「できた」- 任期終え、次の執行部にエール
2016年06月27日 23時00分 キャリアブレイン

 27日の「日本専門医機構」(機構)の社員総会で任期を終えた池田康夫・前理事長は、社員総会後に記者会見を開き、新しい専門医制度の「プラットフォーム」となる仕組みづくりに努め、「かなりしっかりしたものができた」と振り返った。【佐藤貴彦】

 機構は、厚生労働省の「専門医の在り方に関する検討会」の報告書を受けて、新しい専門医制度で各診療領域の養成プログラムの認定などを行う第三者機関として2014年5月に設立された。機構の前身の「日本専門医制評価・認定機構」で理事長を務めた池田氏は、機構の初代理事長に就任し、新制度による専門医の養成を来年度からスタートさせる方向で準備を進めてきた。

 ただ、日本医師会と4つの病院団体が今月7日、新制度に対して、医師の偏在を強めて地域の医療現場に大きな混乱をもたらすといった懸念を表明。新制度について再検討するよう求めていたが、池田氏の任期は検討結果を得る前に満了となった。

 機構内での新役員の選定に先立ち、池田氏は再選を辞退する考えを表明していた。その理由について27日の会見で池田氏は、任期中に新制度の「プラットフォーム」が出来上がり、今後は浮上した問題を解決しながら実行に移すフェーズに移る必要があるためだと説明。「新しい執行体制で、早く実施に移してほしい」と述べた。

 また池田氏は、「(次の執行部には)スピード感を持って議論してもらわないと、国民の期待に応えられない」と強調。新制度の実現に向けて「エールを送りたい」とも話した。

 後任の理事長は、この日の社員総会で了承された新役員候補24人の中から、7月4日の理事会で決まる見通し。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/48919.html
日医・横倉会長×徳田医師対談- 持続可能な医療のために(4)
2016年06月27日 14時00分 キャリアブレイン

 昨年6月、塩崎恭久厚生労働相の指示で20年後の保健医療のあるべき姿を示した「保健医療2035」を取りまとめた懇談会のメンバーの一人である徳田安春・地域医療機能推進機構(JCHO)本部総合診療顧問と、同懇談会にアドバイザーとして参加した日本医師会(日医)の横倉義武会長の対談が実現。米国発のChoosing Wisely(賢く選択しよう)キャンペーンを日本で主導する徳田顧問と、「かかりつけ医」を推進する横倉会長が1年ぶりに再会した。【君塚靖】

【特集「Choosing Wisely」持続可能な医療のために】
Choosing Wiselyは医療肯定(2016/05/26)
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/48680.html
医療現場のChoosing Wisely(2016/06/02)
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/48792.html
若手医師のChoosing Wisely(2016/06/09)
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/48806.html

 保健医療2035には「世界各国で急速に広がっているChoosing Wiselyの取り組み、すなわち検査や治療の選択において必要性を的確に吟味し、無駄を控えるように推奨するなどの専門医学会等による自律的な取り組みを進める」ことが盛り込まれたほか、かかりつけ医について、「身近な医師が患者の状態や価値観も踏まえて、適切な医療を円滑に受けられるようサポートする『ゲートオープナー』機能を確立する」と明記された。

 対談は日医の会長室で行われた。徳田顧問は会長室に入るや否や、自身が編集に携わった書籍「日本の高価値医療(High Value Care in Japan)」を横倉会長に手渡した。横倉会長から、「いったい誰のためのValueですか」と尋ねられると、徳田顧問は何のためらいも見せずに「患者さんのValueです」と言い切った。

 横倉会長 保健医療2035の懇談会は、40代前後のメンバーが中心でした。2035年に活躍する人が中心であったことはとてもよかったと思います。本来、長期的な政策立案・決定を、高齢の方が決めてしまってはいけません。その意味で懇談会メンバーの構成が素晴らしかったと思います。それに、よくある用意された資料を行政の担当者が説明するだけの役所の会議と、まったく違っていました。

 保健医療2035に、かかりつけ医のゲートオープナー機能の確立が盛り込まれたのは評価しています。かかりつけ医は、健康を守るところから、お亡くなりになるところまで患者さんに寄り添うのが一番の役割です。医療に限らず患者さんの生き方までをカバーするのが、かかりつけ医です。それを推進するのがわれわれ日医なのだと考えています。

 徳田顧問 懇談会では、まさしく将来の保健医療のあるべき姿について、ゼロからのブレインストーミングで議論を始めました。経験の浅い私たちが短期間で報告書をまとめられたのは、横倉会長をはじめとしたアドバイザーからの適切な指導や強いサポートがあったからだと思っています。しかも、報告書は世界的に有名な医学雑誌「ランセット」にも掲載されました。(下記リンク)
http://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(15)61135-7/abstract

 Choosing Wiselyキャンペーンは、米国の内科専門医を認定する米国内科認証機構財団が12年に呼び掛けて始まったのですが、その底流には、プロフェッショナリズムがあります。このキャンペーンは一気に広がり、現在20カ国程度にまで広がっています。

 私たちも2年ほど前から、このキャンペーンに取り組んでいます。Choosing Wiselyが保健医療2035に盛り込まれたので、これを日本でうねりにしたいと思っています。若手の医師に、このメッセージを伝えるだけでなく、患者さん向けの健康教育の中でも伝えていきたいです。

 横倉会長 米国発のChoosing Wiselyについては、最初の論文を読みましたが、いい取り組みだと思う一方で、医療提供者側にとっては、どんな影響があるのか、いい方向なのか、それとも大変な方向なのか、どっちに転ぶのかと考えたこともありました。
 
 かかりつけ医には、Choosing Wiselyで患者さんが賢明な選択をするのをサポートする役割もあります。何かの病気にかかったとして、それに対してどの検査をして、どの治療をするのか、医療にはいろいろな選択肢があります。その中で、かかりつけ医が、「これが適切ですよ」と助言をするのが大事です。

 Choosing Wiselyのベースには、プロフェッショナリズムがあるとのことですが、私が日医会長に就任して最初に取り組んだのが、日医のあり方を明確にする綱領の作成でした。この綱領の前文には、「医師としての高い倫理観と使命感を礎に、人間の尊厳が大切にされる社会の実現を目指します」と明記されています。まさに医師のプロフェッショナリズムです。

 一方、Choosing Wisely を推進する中で、気を付けなくてはいけないのは、過小な医療にならないようにすることだと思っています。医師として十分に注意をしなくてはいけません。「この範囲の検査で済む」と思っていたら、それ以外の診断が出てくる場合もあります。私は「過不足ない医療」という表現を使っていますが、過剰医療になってはいけませんが、不足した医療でもいけないのです。若い人への教育では、この辺りが重要になってきます。

 徳田顧問 横倉会長の助言の通り、患者さんのアウトカムをよくするのが、Valueですので、Choosing Wiselyで医療がシュリンクしてはいけません。適切な医療を患者さんのValueを考えて提供するという意味において、決して医療否定でもなく、医療費のコストだけを考えることでもありません。Choosing Wiselyと、日医綱領にあるプロフェッショナリズムは一致していると考えています。

 横倉会長 4月28日の経済財政諮問会議に提出した、「持続可能な社会のために」と題した資料の中に、取り組みの具体例として、「症状や患者特性に応じてコスト意識を持った処方を診療ガイドラインに掲載する等学会活動の支援」を挙げました。

 社会保障の中の医療費は、経済が右肩上がりを続けているならば拡大していっていいのかもしれませんが、現状はそうはいきません。その中で、国民皆保険は、次の世代に引き継がなくてはいけません。「適切な医療」というのは、質も量も適切でなくてはなりません。さらにコストも頭に入れておかなくてはなりません。そこで、経済財政諮問会議に、医療側から提言できる分野や項目を一覧表にして示しました。(下記リンク)
http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/special/reform/committee/280428/shiryou3.pdf

 徳田顧問 この内容を拝見して、ともかく価値の高い医療(High Value Care)を具体的に示されていることに感動しています。糖尿病、人工透析、慢性閉塞性肺疾患(COPD)などを挙げられていますが、いったん重症化してしまったら、患者さん本人もつらくて、医療費も増大しますし、国民の負担も増えます。これらを予防するのは非常に意味のあることです。患者さんのため、さらには社会のために、学会が一丸となって取り組んでいくことが重要だと思います。

 横倉会長 今、抗がん剤や高脂血症治療薬などで、極めて高い薬が次々と出てきています。以前からある薬でも、コレステロール値を下げることができる患者にまで、その高額な薬を投薬することがあってはいけないと思うのです。

 これから医師は、コストを考えながら処方する必要があります。これにより、患者さんも余計な負担が増えないので助かります。生活習慣病薬の中で、高脂血症薬、高血圧薬といった薬では、選択次第で相当コストを下げることができるところがあります。医師は、患者さんに治療の成果を含めて、「適切な治療をやっていきましょう」と助言する必要があります。学会は、標準治療のガイドラインを策定していますので、その中でコストを考えた治療法や処方例集といったものをつくってほしいと働き掛けています。

 徳田顧問 横倉会長が学会や私たちのボランティア活動を支援してくださっているのは、非常に心強く感じます。私は総合診療医という立場で高齢の患者さんを診るケースが多く、1つだけでなく2つも3つもの疾患を持っていたりして、従来の学会ガイドラインを当てはめると、処方する薬の数が増えて、最終的にポリファーマシー(多剤処方)になってしまいます。それを考えると、ガイドラインも人間の立場に立ったバランス感覚が必要になると思います。

 Choosing Wiselyキャンペーンには、将来の医療を担う若手の医師が熱心に取り組んでいます。各地で自発的に勉強会を立ち上げて、医療システムや医療政策、医療経済を学んでいます。患者さん教育も重要との認識から、医学生という立場でも何かできるかもしれないというグループも行動を起こし始めています。

 医学生の活動には、私もコラボレーションをしています。これからは、医師会の先輩方と一緒に将来の医療を支える「かかりつけ医」の土台をつくっていきたいので、ぜひとも協力をお願いいたします。
 
 横倉会長 医学生や若手医師には、大いに期待しています。若い時の臨床経験は後々に影響してきます。若い時から、適切な医療とは何かを考えることは必要です。自分が医学生や若い医師の時は、医師会は、ものすごく遠い存在でした。

 医師会を理解していただく意味でも、若い人たちと行動することは、大賛成です。日医としても、医学生や若手医師との交流会やイベントをもっと開催していきたいと思います。

 世界各国ごとに医療制度などに違いはあれ、医療の本質はまったく同じです。「病める人を医師が診て、健康に戻す」というのがわれわれの技・業なので、そういう意味では他の国と違いはありません。そこで、各国と同じようなChoosing Wiselyという思想をしっかりつくっていただけるとありがたいですね。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/49064.html
適正な医療費「現場がイニシアチブ」- 日医・横倉会長が所信表明
2016年06月27日 11時00分 キャリアブレイン

 日本医師会(日医)の横倉義武会長は26日に開かれた臨時代議員会で、3期目の所信を表明した。この中で、持続可能な社会保障制度や国民皆保険の維持に向けた適正な医療費への取り組みついて、「財務省をはじめとする官僚の主導ではなく、医療現場を担うわれわれがイニシアチブをとっていく」と述べた。【君塚靖】

 横倉会長は、最近の高額な医薬品、医療機器の保険収載を例に挙げ、「患者や医療者の思いに沿いながら、中医協(中央社会保険医療協議会)の判断を高めていかなければならない」と指摘。このほか、新たなルールやガイドラインをつくり、費用対効果にも見合った適切な処方や使用に努める必要があると強調した。

 また、終末期医療の在り方については、「何が患者のための最善の医療であるかを考え、患者の尊厳、生活の質をより重視した対応が考慮されるべき」とした上で、医療関係者のみならず、宗教家や法曹界などの関係者を交え、国民と共に考えていくことが重要だとした。



https://www.m3.com/news/iryoishin/432212
シリーズ: 今どきの「U35ドクター」2016
若手医師、ワークライフバランス重視の傾向◆Vol.14
現実には長時間労働ほぼ変わらず

医師調査 2016年6月27日 (月)配信高橋直純(m3.com編集部)

Q 仕事とプライベートにかける時間について、理想と現実の比率を教えてください。
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 仕事とプライベートの時間の割合の「理想」を尋ねたところ、最多が「7:3」で、次が「6:4」、「5:5」と続き、2013年の調査と同じ順番だった。しかし、内訳を見ると、「7:3」では2013年の31%から27%に減少する一方、「6:4」では20%から24%に、「5:5」は17%から23%に増加していた。ワークライフバランスを重視する傾向が強まっているようだ。
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 もっとも、「現実」では、2016年の最多は31%の「8:2」だった。2013年は「9:1」と「8:2」がともに27%で最多だった。「7:3」は20%から16%に減少しており長時間労働は変わらないが、わずかに改善傾向にあった。



https://medical-tribune.co.jp/news/2016/0627503879/
「診療GL専門家だけでつくる時代は終わった」
日本プライマリ・ケア連合学会で東京北医療センター・南郷栄秀氏が講演

学会レポート | 2016.06.27 07:05 Medical Tribune

 医療現場では欠かせないさまざまな診療ガイドライン(GL)。従来は海外から「輸入(翻訳版)」されたものや経験豊かな専門医らのコンセンサスに基づくものなどが主流だったが、近年はエビデンスを網羅したものが重要視される。しかし、東京北医療センター総合診療科の南郷栄秀氏によると、現在、診療GLは大きな転換点を迎えており、総合診療医においては診療GLを「評価」 「利用」 「作成」する3つの役割があるという。第7回日本プライマリ・ケア連合学会学術大会(6月11〜12日、会長=台東区立台東病院管理者・山田隆司氏)のシンポジウム「いまこそ総合診療医が必要になるガイドライン」に登壇した同氏がその手法を指南。中でも作成に関して、同氏は「専門家だけでつくる時代は終わった」と述べ、積極的な参画を呼びかけた。

評価ツールとしてAGREEⅡの活用を

 南郷氏はまず、「診療GLは、その推奨に従うものではなく、エビデンスに基づいて(医療者が診療内容を)判断するための方法を導き出すもの」と説明。そのためには診療GLの内容が正しいか否かを判断する必要がある。そこで同氏は、1つ目のポイントとして、「診療GLをうのみにせず、評価できるようになろう」と述べた。

 診療GLの作成形式を評価ツールとして同氏が紹介したのがAGREEⅡ(Appraisal of Guidelines for Research & Evaluation Ⅱ)。現在、日本医療機能評価機構では翻訳版を作成中で、「対象と目的」 「利害関係者の参加」 「作成の厳密さ」 「提示の明確さ」 「適用可能性」 「編集の独立性」の6領域に計23の評価項目で構成される(表)。

表. AGREEⅡの項目(日本語訳 試行版 ver.01)
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(AGREEⅡ日本語訳 試行版 ver.01、日本医療機能評価機構EBM医療情報部)

 一方、わが国の診療GLの作成においては、かつて作成方法の主流であった専門家らの「コンセンサスGL」から、エビデンスレベルの高いものを反映させた「Minds診療ガイドライン作成の手引き2007(Minds 2007)」、そして2年前からは「同2014(Minds 2014)/GRADEシステム」へと変遷を遂げており(図)、同氏によると、現在は診療GLの大きな転換期であるという。

図. 診療GLの変遷
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(南郷栄秀氏提供)

 GRADEシステムの大きな特徴は「システマチックレビューが行われていること」 「アウトカム中心主義であること」 「エビデンス総体の質(確実性)を評価していること」の3点であり、Minds 2014はこれを改変したものである。ただし、現時点ではMinds 2014/GRADEシステム以前のMinds 2007に基づいてつくられた診療GLがほとんどであるため、前述のAGREEⅡを活用して、診療GLのユーザーである医師や医療関係者がその内容について評価をすることが望ましいという。なお、医科分野として初めてのMinds 2014/GRADEシステムを用いた国産診療GLである「ARDS(急性呼吸窮迫症候群)診療GL2016」が来月(7月)に発刊されるという。

批判的に吟味する目と診療GL作成への参画を

 次いで2つ目のポイントとして、南郷氏は実際の診療GLの使いこなし方についても解説。同氏は、とりわけ研修医が行いがちな例として、「『推奨』のみを読んでそのまま診療を行ってしまうが、それはやめるべき」と述べた。推奨の根拠となる「解説」にも目を通し、「システマチックレビューが行われているかや他にエビデンスはないかを自分で判断したり探したりすることが必要だが、少しトレーニングが必要だ」と続け、批判的に吟味する目を持つよう促した。

 その上で、「(たとえその診療GLが)信頼できるからといって、海外の推奨をそのまま(日本の臨床現場で)使っていいのか」と問いかけた。「それはだめだ」と断りつつ、「海外と日本では、人々の価値観、人生観、宗教観や好みが違う。また、英国のように低コストで診療GLをつくる国もあれば、米国のように訴訟大国という社会背景のある国もある」とその理由を説明。「だからこそ、わが国独自の診療GLが必要になってくるのだ」と力説した。

 さらに同氏は、3つ目のポイントとして、「診療GLをつくれるようになろう」と呼びかけた。専門家だけが作成に携わるイメージが強いが、「診療GLのパネル会議には、判断に関わるあらゆるステークホルダー(利害関係者)の参画が必要。もはや専門家だけで診療GLをつくる時代は終わった」と断言し、「(診療GLは)ありがたくもらうものではない、われわれが作成の場に入って行かなければならない」と意識改革を求め、講演を締めくくった。

(松浦 庸夫)



http://mainichi.jp/articles/20160628/ddm/041/040/058000c
子宮頸がんワクチン
研究巡り調査委設置へ

毎日新聞2016年6月28日 東京朝刊

 子宮頸(けい)がんワクチン接種後の健康被害を訴える女性らを診療している、厚生労働省研究班代表の池田修一・信州大教授(脳神経内科)が、3月に発表した研究内容について、不正を疑う通報があり、同大は27日、学内規定に基づく調査委員会を設置する方針を決めた。

 池田教授らの研究班は、免疫機能が自分の体を攻撃する「自己免疫疾患」を起こしやすいよう遺伝子操作を行ったマウスに、子宮頸がんワクチンと他のワクチンを打ち、反応を調べた。

 発表では、子宮頸がんワクチンを打ったマウスの脳組織にのみ、自分の体を攻撃してしまう抗体が沈着していたと説明した。しかし、外部の医療関係者らから詳しい実験データの開示を求める声や、実験自体への疑義が上がっていた。

 調査委はまず、予備調査を実施し、必要に応じて、過半数を外部有識者で構成する組織で本調査を行う方針という。



http://www.kyoto-np.co.jp/info/syasetsu/index.html
社説
医療事故調査  遺族の立場から改善を

[京都新聞 2016年06月27日掲載]

 医療に関連した予期しない患者の死亡を対象にした医療事故調査制度について、厚生労働省が運用改善に乗り出した。まず届け出や院内調査実施の基準を統一して運用するための連絡協議会の設置を決めた。情報を共有して判断のばらつきを防ぐねらいだ。
 昨年10月にスタートした調査制度は、診察や手術などで予期しない死亡事案や死産が起きた場合、医療機関は、第三者機関「日本医療安全調査機構」に届け出て、院内調査を行い、遺族に調査結果を報告するよう義務付けている。遺族が納得できない時は機構に再調査を要請できる。約18万カ所の病院や診療所、助産所が対象だ。
 今年5月までの8カ月間の届け出は251件で、院内調査結果が提出されたのは78件。制度開始前に、機構は届け出を年間千~2千件とみており、予想を大幅に下回る結果となっている。
 その理由の一つが、届け出の基準だ。制度を盛り込んだ改正医療法は「医療に起因すると疑われる死亡で、管理者が予期しなかったもの」と規定するが、「予期しない」点などの判断は医療機関側に委ねられ、医療団体ごとの指針にもばらつきがある。
 機構への相談は半年で約千件あったが、そのうち半分は届け出の判断や手続きに関するものだったといい、現場の戸惑いがうかがえる。明確で統一的な基準は欠かせない。遺族にとっても分かりやすい基準づくりが求められよう。同様に、院内調査の内容についても標準化しなければならない。
 さらに、医療機関側には、医療ミスとして訴訟を提起されることへの警戒感が強く、遺族への対応が不十分という指摘がある。制度では遺族への調査結果の報告は必須だが、調査中に遺族の話を聞くことや報告書を渡すことは義務付けておらず、難解な専門用語ばかりの説明に、遺族が不信を募らせるケースもあるという。
 厚労省は、機構側が、調査実施などに関する遺族の要望を医療機関側に伝えるシステムも新たに導入し、医療機関の管理者には届け出や調査の判断に漏れがないよう、院内の全死亡例を把握する体制づくりを求めた。
 1990年代以降、大学病院などで相次いだ医療事故が、制度創設のきっかけになったことを忘れてはなるまい。医療への信頼を高めることこそ重要だ。遺族の要望に応じる形で院内調査を始める仕組みも検討する必要がある。さらに制度改善を進めてほしい。



https://www.m3.com/news/iryoishin/436827
シリーズ: 日医代議員会
高額医薬品の薬価、「中医協の判断機能、飛躍的に強化」
第128回日医代議員会、中川副会長

2016年6月27日 (月)  橋本佳子(m3.com編集長)

 6月26日の第138回日本医師会臨時代議員会で、副会長の中川俊男氏は、年間売上が1000億円を超すような高額医薬品の医療保険財政への影響を懸念、中央社会保険医療協議会の判断機能を飛躍的に強化し、薬事承認から薬価基準収載までの期間や、効能追加した医薬品の薬価の在り方など、薬価基準収載ルールの見直しをするよう、厚生労働省に働きかけていく方針を表明した。併せて適正使用ガイドラインなどを整備し、「高い専門性を持った医師が適切な処方をすることが不可欠」と述べ、医薬品を使用する医師の側への対応も求められるとした。

 さらに中川副会長は、高額医薬品はひとくくりにはできず、重篤な疾患の治癒を目指す薬、延命効果を期待する薬、生活習慣病治療薬などに分けられるとし、薬の種類や目的によって今後の対応方針を検討する必要性も強調した。


 高額医薬品について代表質問したのは、岡山県代議員の石川紘氏。石川氏は、中川氏が4月13日の中央社会保険医療協議会で、(1)薬事承認においても医療経済的な視点からの審査を導入すべき、(2)事実上の薬事承認=保険収載となっている構図を見直すべき――の2点を問題提起したことなどに触れ、「医は仁術なり」から「医は高額医薬品なり」の風潮にシフトしつつあるとの懸念から、日医の対応を質した(『高額新薬「適応拡大なら期中改定も」、日医・中川副会長』を参照)。

 関連質問が相次いだほか、個人質問でも「持続可能な国民皆保険を安定的に維持するための対策は待ったなし」(埼玉県代議員の廣澤信作氏)と提起されるなど、高額医薬品の問題は、臨時代議員会の中でも関心の高いテーマだった。

 「薬価を下げるのか、薬の適応を絞るのか、あるいは保険の適用外とするのか」と選択肢を挙げて尋ねたのが、 関連質問した栃木県代議員の小沼一郎氏。

 中川副会長は、以下のように回答した。「薬価を下げることはもちろん、医薬品によっては適応も絞るべきだと考えているが、医薬品を保険外にすることは考えていない。保険財政を揺るがす可能性は十分にあるが、保険財政を立て直す手段はまだまだある。公費を増やし、保険料率を公平化するなどの手段で兆円単位の財源が確保できる。これらをやり尽くしても財政がもたないという時に、初めて保険外という可能性がある。まだ打つ手がある段階で、日医としては薬を保険外にすることは全く考えていない」。

 高額医薬品への対応、診療側と支払側の意見一致

 中川氏はまず、C型肝炎治療薬のソバルディ錠(一般名ソホスブビル)とその類似薬のハーボニー配合錠(同レジパスビル アセトン付加物・ソホスブビル)、悪性黒色腫や進行・再発の非小細胞肺がんに適応が広がる抗PD-1抗体、オブジーボ(同ニボルマブ)などを挙げ、「必要とする医療を、誰もが公平に受けられる社会づくりのためにも、安全性・有効性が確認された新しい医薬品が速やかに保険収載されることは、患者のみならず医療関係者の全てが望んでいる」と前置きしつつ、薬剤が高額な点が問題であるとし、年間売上が1000億円を上回る高額医薬品が次々と販売されることが予想されると懸念。

 薬剤費の適正化が急務であるとし、国民皆保険の財政を揺るがす高額な薬価のあり方について中医協の判断機能を飛躍的に高める必要性を指摘した。中川副会長は、石川氏の指摘のように、今年4月13日の中医協で「薬事承認後から、遅くても90日以内に薬価基準に収載となるルールの見直しに早急に着手すべき」と求めたことを紹介。さらに、「効能追加により、対象患者数が拡大する場合にも、いち早く対応できるような薬価制度も必要」とした。これらは中医協で、診療側だけでなく、支払側とも一致した意見であると説明。

 高額医薬品、薬の種類や目的別の対応が必要
 さらに中川副会長は、医薬品のイノベーションを評価しつつ、費用対効果評価等も取り入れ、医療保険財政の持続性を担保できる合理的なルールを作って行く必要があるとした。

 高額医薬品をひとくくりにするのではなく、薬の種類や目的によって分類すべきとの考えも示した。例えば、ソバルディ錠やハーボニー配合錠など、重篤な疾患の治癒を目指す薬については、従来の治療による生涯医療費との比較を含めて議論すべきとし、オプジーボのように延命効果を期待する薬は、終末期医療のあり方も含め国民とともに丁寧な議論を行うことが必要だとした。また高コレステロール血症治療薬「レパーサ」のような生活習慣病治療薬は、従来の医薬品では対応できない範囲に限定すべきといった議論を詳細に尽くすべきと主張。

 高額医薬品をめぐっては、「保険財政的に混合診療も議論の俎上に上がるかもしれない」とも指摘。しかし、「有効性・安全性が認められた医薬品が、必要な患者に保険診療として提供されることを最大限に求めて続けていかなければいけない」と強調し、混合診療を拡大するような方向に議論を誘導すべきではないとした。

 中川副会長は、倫理面を含めた日医の対応方針にも触れた。「医学の進歩によってもたらされた画期的な新薬は、国民が待ち望んでいたもの。今後とも本当に必要な患者に、公平・平等に薬剤が使用されることを切望する」との前提を述べた上で、特に高額な医薬品については、「適正使用のガイドラインを整備し、高い専門性を持った医師が適切な処方をすることが不可欠」と医師の理解を求めた。患者に適切に処方されるよう、処方のあり方などについて生涯教育を通じて示して行くことも日医の役割だという。

 「公的医療保険による国民皆保険を堅持するという大局観を持って、適切な薬事承認の仕組み、適正な薬価を決定する仕組みの構築に全力で取り組み、厚生労働省に働きかけていく」と答弁を結んだ。

 「今すぐできることから着手」
 栃木県代議員の小沼氏は関連質問で、オプジーボの製造販売が日本のメーカーであることから、「海外で利益を稼いだ場合に、その利益が日本に還元される仕組みになっているのか」と質問。

 中川副会長は、「私は中医協で、新薬創出・適応外薬解消等促進加算の時から、日本のメーカーであっても、海外で利益を上げて、日本国民に還元すべきといってきたが、しかし、日本のメーカーであっても、グローバルメガファーマ化しており、国籍がない状態。ここをどう突破するか。営利企業である製薬メーカーと、我々非営利の医療機関が公的医療保険の下でどのようにすみ分け、バランスを取るか、その戦いだと思っている」と回答。

 大阪府代議員の高井康之氏は、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)が発効した場合、薬の知的財産の特許の保護を理由に、海外のメーカーから高い薬価を突き付けられることを懸念。中川副会長は、TPPに限らず、海外、特にアメリカからの圧力は強いと説明。「薬事承認から90日以内に薬価基準収載する仕組みは、1986年のMOSS協議によって導入された」とし、TPPの有無に関わらず、薬価の問題については、日医として継続して強く主張していくとした。

 京都府代議員の安達秀樹氏は、高額医薬品は非常に大きな問題であることから、「費用対効果評価の議論を中医協の一分科会としてやってくのは限界ではないか。もう少し大きな国家的組織として対応していくべきではないか」と提案。

 中川副会長は、「今すぐできることから着手したいと考えている」と回答。薬事承認の際に、市場規模や医療経済性の議論は全くなく、薬についての評価だけで薬事承認する仕組みをすぐ見直すことを要求しているとし、「それは本来のやり方ではないかもしれないが、そこまで追い詰められている。レパーサ(エボロクマブ)が、家族性高コレステロール血症以外にも認められたのは、薬事承認の時点で経済性の議論がなかったからではないか」と問題視した。



https://www.m3.com/news/general/436841
遺族ら、医師に説明要求へ 群大手術死、会結成
2016年6月27日 (月) 共同通信社

 群馬大病院で男性医師(退職)の手術を受けた患者が相次いで死亡した問題で、一部の遺族らが26日、遺族会を結成し、群馬県高崎市で初会合を開いた。遺族らは男性医師に直接説明を要求することや「応答次第では刑事処分や行政処分を求めることも検討する」ことを決めた。

 遺族会には11人の患者の遺族が参加。会合後、記者会見した40代の女性遺族は「同じ思いをした人が集まることで、一致団結して病院に発信できる」と述べた。

 また会見に同席した被害対策弁護団によると、群馬大が設置した第三者調査委員会の最終報告書について「7月中に群馬大学長へ提出される予定」との文書が病院側から遺族らに届いた。個々の患者に関わる部分は遺族の同意を得た後に公表するとの内容だったという。

 群馬大病院では2014年、男性医師の腹腔(ふくくう)鏡手術や開腹手術を受けた患者18人の死亡が判明。その後の病院の調査でさらに12人の死亡も明らかになった。

 第三者委も、07~14年度に同病院で術後に死亡した患者50人の検証を日本外科学会に委託するなどして調査を進めている。


  1. 2016/06/28(火) 05:42:34|
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6月26日 

https://www.m3.com/news/general/436663?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD160626&dcf_doctor=true&mc.l=164495522
「検査必要」カルテ記載漏れ…高岡の突然死
2016年6月26日 (日) 読売新聞

 高岡市民病院の診断ミスで高岡市内の男性(当時50歳)が心疾患(ブルガダ症候群)によって突然死した問題で、電子カルテの記載漏れや病院内の連携不足によって、正確な診断に必要だった循環器系の検査が行われていなかったことが分かった。

 市民病院によると、2014年7月上旬、男性が「夜中に意識を失った」と訴えて救急外来を受診。診察した医師は心電図に異常な波形を認めたため、中枢神経系と循環器系の検査が必要と診断した。しかし、循環器系の検査が必要とカルテに記載するのを忘れたため、男性は中枢神経系の検査を受けただけで「異常なし」と診断されて帰宅。同年8月下旬にブルガダ症候群で死亡した。

 男性の遺族らは15年5月、損害賠償を市民病院に請求。市民病院は、循環器系の検査をしていればブルガダ症候群と診断できた可能性があったとして、診断ミスを認めて損害賠償金6000万円を遺族に支払い和解する。

 遠山一喜病院長は「カルテに循環器系の検査の必要性に関する記載があれば、中枢神経系の検査をした医師が、次に循環系の検査を勧めることもできた。カルテ記載の徹底や院内の連携を強化して、再発防止を図りたい」と話している。



https://www.m3.com/news/iryoishin/436684
シリーズ: 真価問われる専門医改革
日本専門医機構の新執行部「将来に禍根を残さないように」
横倉会長、第138回日医臨時代議員会で言及

2016年6月26日 (日) 橋本佳子(m3.com編集長)

 6月26日の第138回日本医師会臨時代議員会で、会長の横倉義武氏は、同会の最後のあいさつで、翌27日に開かれる日本専門医機構の社員総会で新執行部が決まる予定であることから、「最大の懸案の一つ」とし、「日本医学会との関係を踏まえて上で、しっかりと判断しながら、誤りのないように、また将来に禍根を残さないようにしていきたい」との決意を示した。

 日本専門医機構の役員は、今月末で任期が切れる。日医副会長の中川俊男氏が委員長を務める、同機構の「役員候補者選考委員会」は新執行部の理事候補者を決定(『日本専門医機構、新執行部24人の理事候補者決定』を参照)。日医も同機構の社員であり、横倉会長が出席する27日の社員総会で、新執行部が決定する見通しだ。

 横倉会長は本臨時代議員会の冒頭での所信表明でも新専門医制度について触れ、「現在、多くの国民や会員の先生方より、心配の声が寄せられている」とした。医師のプロフェッショナルオートノミーをもって国民にさらなる安心を約束する取り組みであるものの、専攻医や指導医が、都市部の大学病院など大規模あ地域医療の現場に大きな混乱をもたらすことが懸念されたため、6月7日に日医と四病院団体協議会と合同で記者会見を開いたと説明(『「学会専門医の維持を」、日医・四病協緊急会見』を参照)。「新たな仕組み作りに向けた歩みを止めるのも、また勇気が要ること。しかしながら、拙速さがもたらす混乱により、国民に迷惑をかけることがあってはならない」と述べ、地域医療に配慮しながら、新専門医制度の在り方を検討する必要性を強調した。

 臨時代議員会では、日本医学会会長を務めている高久史麿氏もあいさつ。日医の生命倫理懇談会や学術推進会議を挙げ、これまで医学会は、医学の面で日医を支えてきたとし、「この体制は今度も続けていきたい」と表明。日本医療安全調査機構や日本専門医機構の社員となるためには、法人格が必要なことから、日本医学会連合として一般社団法人化したとしたものの、6月17日の日本医学会連合の社員総会で、医学会と連合との関係が問題になったと経緯にも触れた(『新専門医の方針に相違?「医学会」と「医学会連合」』を参照)。「この問題については、新しい執行部の先生方とゆっくり時間をかけて議論していきたい」(高久会長)。



https://www.m3.com/news/iryoishin/436685
シリーズ: 日医代議員会
日医「次の100年」、「継続」と「改革」でまい進
第138回日医臨時代議員会、横倉会長が所信表明

2016年6月26日 (日)配信 橋本佳子(m3.com編集長)

 6月26日の第138回日本医師会臨時代議員会で、前日の日医役員選挙で3期目の会長当選を果たした横倉義武氏は所信表明を行い、「医師会の前身誕生から今年で100年という節目を迎える中で、会長職を拝命したことは身に余る栄誉」であるとし、その職責の重さを感じつつ、次の100年がいかなる時代になろうとも、医学・医療の向上と社会福祉の増進に「継続」して努め、医学・医術の恩恵を国民に還元していくために必要な「改革」に果敢に取り組んでいくとの決意を示した。

 消費増税の2年半延期については、「社会保障財源の確保の観点から見ると誠に遺憾」と問題視、消費税財源に代わる社会保障財源を確保するよう、政府に強く要望していくと強調。イギリスのEU離脱という国民の経済への不安が高まる時期こそ、セーフティネットが重要だとした(『横倉日医会長、大差で当選、3期目始動』を参照)。

 新専門医制度の問題にも言及、プロフェッショナルオートノミーを持って国民に安心を約束する取り組みであるものの、地域医療を崩壊させないことが重要だとした(『日本専門医機構の新執行部「将来に禍根を残さないように」 』を参照)。

 日医、前身設立から100周年

 横倉会長は所信表明でまず歴史を振り返り、日医の前身である大日本医師会が1916年に設立されて今年でちょうど100年を迎えたことを説明。1923年に医師会の全国組織として、日医が法人認可を受けた際、当時の内務大臣で、医師の後藤新平氏が述べた告辞を引用した。

 「こいねがうは、地方医師会と相呼応して、内は医風の向上と医術の研さんとに努め、外は社会の発展に伴うて衛生施設の改善を図り、以て民衆共栄の為貢献せられんことを」

 「この1世紀の間、日医が果たすべき役割は、この時から変わらない」とし、今後も都道府県と郡市区医師会と協力しながら、医学・医療の向上と社会福祉の増進に、継続して努める歩みを止めることはせず、必要な改革に果敢に取り組んでいく方針を表明した。

 英のEU離脱、「不安な時こそ、セーフティネット重要」

 この1世紀、医療を取り巻く環境は絶えず変化し、社会保障の議論に当たっては、「国民の安全な医療に資する政策か」「公的医療保険による国民皆保険は堅持できる政策化か」という二つの判断基準で対応してきたと説明。

 この判断基準からすれば、安倍晋三首相が6月1日に、消費税率10%への引き上げを2年半延期したことは「社会保障財源の確保の観点から見ると誠に遺憾」と問題視。地域で必要な医療・介護サービスを受けられなくなると、最も不利益を受けるのは地域住民であるとし、「消費税財源に代わる財源を確保するよう強く要望していく」と語気を強めた。

 イギリスの6月24日の国民投票で、EUから離脱という結果になったことを踏まえ、国際経済の先行きの混乱が予測されるものの、国民の不安が高まる時こそ、セーフティネットとしての社会保障、特に国民皆保険を堅持していく必要性を強調した。

 医療に係る消費税問題についても、2017年度の税制改正において、仕入れ税額控除、あるいは還付可能な税制上の措置を講じるとともに、必要な財源措置も求めていく。

 高額医薬品、「適切な処方必要」

 一方で、医療提供側としても、国民皆保険の維持に向けて、「適正な医療費の在り方に向けた取り組みと提言を行っていくことが必要」とした。

 その一例として挙げたのが、昨今話題になる高額な医薬品や医療機器の問題。保険収載の在り方において、「中医協の判断」を高めていく一方で、「新たなルールやガイドラインを作り、費用対効果にも見合った適切な処方に努めていく必要がある」と述べ、処方する医師側にも対応を求めた。

 ICTの活用、エビデンスに基づく政策提言

 さらに、横倉会長は、政策提言の在り方にも触れ、医療現場にいる医療者が、エビデンスに基づく徹底分析を行い、イニシアティブを取る必要性を強調。その際のカギとして挙げたのが、ICTの利活用だ。日医の組織としても、事務局として「情報課」を新たに独立させ、取り組みを強化する。

 こうした体制を整えつつ、2018年度の診療報酬と介護報酬の同時改定、第7次医療計画と第7期介護保険事業(支援)計画の開始に向けた議論に望んでいくとした。

 そのほか個別政策として、終末期医療の在り方、かかりつけ医を中心とした医療提供体制や地域包括ケアシステムなどを挙げた。

 最後に横倉会長は、3期目に臨むに当たって掲げた、「かかりつけ医を中心とした“まちづくり”」「将来を担う“人づくり”」「医療政策をリードし続ける強い“組織づくり”」という基本方針の実現に向けて、「Action」「Balance」「Challenge」という3つの基本姿勢で、国民医療の向上に取り組んでいくとの決意を示した。



https://www.m3.com/news/general/436669
医師法21条の見直し論、加速 警察届け出、医療死亡事故を除外へ 被害者ら公表鈍化懸念
2016年6月26日 (日) 毎日新聞社

医師法21条:見直し論、加速 警察届け出、医療死亡事故を除外へ 被害者ら公表鈍化懸念

 昨年10月から始まった医療事故調査制度に関連し、医師に「異状死」の届け出義務を課した医師法21条の見直しが、論点の一つに浮上している。自民党は医療死亡事故をこの条文の適用除外とする検討を始め、日本医師会も後押しする。参院選後にも議論が本格化するとみられるが、何が問題になっているのか。【熊谷豪】

 「寝た子が大暴れした十数年だった」。医療関係者は、医師法21条をそう表現する。

 この条文が注目を集めたきっかけが、1999年に東京都立広尾病院で起きた点滴ミス事件。女性入院患者(当時58歳)に看護師が消毒液を間違って点滴し、患者は死亡した。このミスを隠蔽(いんぺい)しようとした院長らの立件に検察が持ち出したのが医師法21条。「異状死を警察に24時間以内に届け出る義務」を意図的に怠ったという理屈だ。

 医療事故で刑事責任を問う場合、刑法の業務上過失致死傷罪を適用するのが一般的で、医療行為に関与していない管理者が起訴されるのは異例だった。公判で院長側は「届け出義務は犯罪発覚の端緒にもなるため、黙秘権を定めた憲法38条に違反する」と主張したが、最高裁は2004年、「医師免許に付随する合理的根拠のある負担」との初判断を示し、有罪が確定した。

 医療界には従来、死亡事故があっても21条に基づき警察に届け出る習慣は広がっていなかったが、事件を機に一変。厚生労働省の通知もあって医療機関の21条を含む事故届け出が進み、07年には194件に達した。

 しかし、帝王切開手術を受けた妊婦が死亡した「福島県立大野病院事件」(04年)で、業過致死と21条違反の罪に問われた医師の無罪判決が08年に確定。それ以降は21条違反で立件されたケースはないとみられ、届け出も減ってきている。

 こうした状況下で昨年10月、医療死亡事故の第三者機関への報告を義務付けた医療事故調査制度が始まった。再発防止を目的とする事故調と、犯罪捜査を念頭とした21条と、性質は異なるものの、結果的に通報窓口が二つになった。厚労省は今月24日に事故調制度の一部を見直す省令改正をしたが、それに合わせて21条のあり方も検討すべきだとの声が高まった。

 日本医師会は2月、届け出の対象を「犯罪と関係ある異状」とする改正試案を示した。これだと通報するのは胸にナイフが刺さっている遺体などに限られ、医療行為に伴う死亡事故は除外される。日医は意見書で「21条は警察に医療内容の当否の判断を委ねた制度ではない」とし、医療事故も届け出ている現状に疑問を呈した。

 自民党も今春から、作業部会が関係団体からのヒアリングを開始。5月末にまとめた報告書では「診療関連死(医療事故死)に広く21条を適用し、警察が関与することは、医療の萎縮を招く恐れがある」と指摘した。6月の事故調制度見直しには盛り込まなかったが、今後法改正に向け議論を続けるという。

 一方、警察への届け出義務がなくなれば、事故の隠匿が広がりかねないとの懸念もある。5月末まで8カ月間の第三者機関への死亡事故報告数は251件で、当初想定の3分の1以下にとどまる。医療事故被害者や医療者らで作る「患者の視点で医療安全を考える連絡協議会」は、事故公表に消極的だった過去に戻さないため、当面は今の条文を維持するよう求めている。

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 ◇医師法21条
 医師は、死体または妊娠4カ月以上の死産児を検案して異状があると認めたときは、24時間以内に所轄警察署に届け出なければならない



https://www.m3.com/news/iryoishin/426332
シリーズ: 今どきの「U35ドクター」2016
医学博士号45%が取得、準備中◆Vol.13
海外留学、経験ありは5%
医師調査 2016年6月26日 (日)配信高橋直純(m3.com編集部)


Q 医学博士号の取得について教えてください。
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 医学博士号については「取得済み」が9%、「取得希望・準備中」が36%で、合わせて45%が取得済みもしくは取得希望だった。「興味はある」も21%いた。「全く興味がない」は30%だった。

Q 海外留学の経験はありますか。
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 海外留学では「ある」が5%、「予定あり」も5%だった。「経験はないが、いつか行きたい」も25%いた。



https://www.m3.com/news/iryoishin/436692
シリーズ: 真価問われる専門医改革
新専門医制、「プログラムの集中的、早急な精査を」
第138回日医臨時代議員会、羽鳥常任理事

2016年6月26日 (日) 橋本佳子(m3.com編集長)

 6月26日の第138回日本医師会代議員会で、常任理事の羽鳥裕氏は、新専門医制度について、6月27日の日本専門医機構の理事会、社員総会で新執行部が発足予定であるとし、「まずは検討の場を設置して、専門研修プログラムの集中的な精査が早急に行われることになると思う」と説明した。専門研修プログラムの内容、研修病院群の設定については、各地域に設置される関係者による協議の場で議論されることになるため、「地域の医師会も積極的に参加し、医師会の立場から協議会をリードしてもらいたい」と要望した。

 新専門医制度について、質問したのは京都府代議員の松井道宣氏。松井氏は、地域医療への影響だけでなく、専攻医の立場から見ると、臨床研修2年、専門医研修3年、その後、サブスペシャルティ取得するためにさらに年限が必要であり、医師のキャリア形成にも大きな影響を与える上、専攻医数の都道府県別・診療科別の定員を設定するという意見も出ていることから、「専攻医の自由度を大きく損う制度であることは明白」などと批判。専攻医の定数設定は、国による医師の管理につながる懸念があるとした。

 さらに松井氏は、地域医療構想や地域包括ケアシステムなどの各種制度改革と整合性を取ることも必要だとし、制度に対してさまざまな問題が提起されている現状では、開始時期の延期だけでなく、「制度そのものを抜本的に見直す必要がある」と指摘。「地域医療を中心に考えなかったことが、最近の混乱を招いていることを考えると、日医が新しい制度のイニシアティブを取ることは考えているのか」と問いかけた。

 関連して、全国の代議員からさまざまな質問が寄せられたが、羽鳥常任理事は6月27日に発足予定の新執行部で検討すべき問題であると説明、理解を求めた。「ただし、地域医療を崩壊させないことが大前提。その結果、新専門医制度が遅れる、あるいは形が変わるものになったとしても、それは止むを得ないことだと考えている」(羽鳥常任理事)。


 新専門医制度の関心高く、多数の質問

 松井氏の質問に対し、羽鳥常任理事は、「新たな仕組みの問題が、医療提供体制に大きな影響を与えかねないことから、日医としても注意深く関与してきた」と述べ、2月17日の日医の会見、6月7日の日医と四病院団体協議会との緊急会見、6月15日の日医と日本医学会との連名の文書など、これまでの対応状況を説明した(『新専門医制度、「延期も視野」と日医会長』、『「学会専門医の維持を」、日医・四病協緊急会見』、『新専門医制で18学会に釘刺す、日医と医学会』などを参照)。その上で、今後の対応は、6月27日に発足予定の日本専門医機構も新執行部での検討課題であるとした(『日本専門医機構の新執行部「将来に禍根を残さないように」』を参照)。

 関連で寄せられた主たる質問は、次のようなものだ。「承認されたところからやると、2017年度は新しい制度と現行制度が並行することになる。専攻医にとってはとても容認できない不利な状況であり、だからいったん立ち止まることが必要。その覚悟が日医にあるか」「地域の協議会を活性化することが必要だが、今は何も権限がない。また総合診療専門医の問題についても、日医は白紙になったと考えるのか」「新専門医制度には言いたいことが山ほどあるが、一つだけ言えば、皆が新制度について発言するようになったのは、新制度ができることになって初めてのこと。誰が作ると言ったのか。各学会には、学会員の意見を聞いてもらいたい」「医師の診療レベルを上げることは大事だが、診療報酬や医療制度などに関連付けると大変。特に、総合診療専門医を制度に絡めると将来に禍根を残すので、慎重に対応をお願いしたい」――などだ。



http://news.biglobe.ne.jp/domestic/0626/mai_160626_7357629409.html
<医療死亡事故>「警察届け出義務なし」へ加速 問題点は?
毎日新聞6月26日(日)9時45分

 昨年10月から始まった医療事故調査制度に関連し、医師に「異状死」の届け出義務を課した医師法21条の見直しが、論点の一つに浮上している。自民党は医療死亡事故をこの条文の適用除外とする検討を始め、日本医師会も後押しする。参院選後にも議論が本格化するとみられるが、何が問題になっているのか。【熊谷豪】

 「寝た子が大暴れした十数年だった」。医療関係者は、医師法21条をそう表現する。

 この条文が注目を集めたきっかけが、1999年に東京都立広尾病院で起きた点滴ミス事件。女性入院患者(当時58歳)に看護師が消毒液を間違って点滴し、患者は死亡した。このミスを隠蔽(いんぺい)しようとした院長らの立件に検察が持ち出したのが医師法21条。「異状死を警察に24時間以内に届け出る義務」を意図的に怠ったという理屈だ。

 医療事故で刑事責任を問う場合、刑法の業務上過失致死傷罪を適用するのが一般的で、医療行為に関与していない管理者が起訴されるのは異例だった。公判で院長側は「届け出義務は犯罪発覚の端緒にもなるため、黙秘権を定めた憲法38条に違反する」と主張したが、最高裁は2004年、「医師免許に付随する合理的根拠のある負担」との初判断を示し、有罪が確定した。

 医療界には従来、死亡事故があっても21条に基づき警察に届け出る習慣は広がっていなかったが、事件を機に一変。厚生労働省の通知もあって医療機関の21条を含む事故届け出が進み、07年には194件に達した。

 しかし、帝王切開手術を受けた妊婦が死亡した「福島県立大野病院事件」(04年)で、業過致死と21条違反の罪に問われた医師の無罪判決が08年に確定。それ以降は21条違反で立件されたケースはないとみられ、届け出も減ってきている。

 こうした状況下で昨年10月、医療死亡事故の第三者機関への報告を義務付けた医療事故調査制度が始まった。再発防止を目的とする事故調と、犯罪捜査を念頭とした21条と、性質は異なるものの、結果的に通報窓口が二つになった。厚労省は今月24日に事故調制度の一部を見直す省令改正をしたが、それに合わせて21条のあり方も検討すべきだとの声が高まった。

 日本医師会は2月、届け出の対象を「犯罪と関係ある異状」とする改正試案を示した。これだと通報するのは胸にナイフが刺さっている遺体などに限られ、医療行為に伴う死亡事故は除外される。日医は意見書で「21条は警察に医療内容の当否の判断を委ねた制度ではない」とし、医療事故も届け出ている現状に疑問を呈した。

 自民党も今春から、作業部会が関係団体からのヒアリングを開始。5月末にまとめた報告書では「診療関連死(医療事故死)に広く21条を適用し、警察が関与することは、医療の萎縮を招く恐れがある」と指摘した。6月の事故調制度見直しには盛り込まなかったが、今後法改正に向け議論を続けるという。

 一方、警察への届け出義務がなくなれば、事故の隠匿が広がりかねないとの懸念もある。5月末まで8カ月間の第三者機関への死亡事故報告数は251件で、当初想定の3分の1以下にとどまる。医療事故被害者や医療者らで作る「患者の視点で医療安全を考える連絡協議会」は、事故公表に消極的だった過去に戻さないため、当面は今の条文を維持するよう求めている。

 <医師法21条>医師は、死体または妊娠4カ月以上の死産児を検案して異状があると認めたときは、24時間以内に所轄警察署に届け出なければならない



http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG26H11_W6A620C1000000/
医療事故調査制度の発展を 被害者の会10周年シンポ
2016/6/26 19:15 日本経済新聞

 医療事故の被害者らでつくる「医療の良心を守る市民の会」が26日、発足10年を記念するシンポジウムを東京都内で開いた。医療者や弁護士などを含め約100人が参加。参加者からは昨年10月スタートの医療事故調査制度に関し「病院長など医療現場の管理者だけでなく、医師会や地域の大学、患者が連携して制度を発展させる必要がある」との意見が出た。

 5月までに医療機関が「医療事故として調査する」と第三者機関の「日本医療安全調査機構」に届け出たのは251件にとどまっている。講演した同機構の木村壮介常務理事は「医療事故として届け出ると、『ミス』を認めたことになるとの抵抗感が医療側にある」と指摘。「この制度は医療者側に対応を預けた制度。医療者は責務を問われている」と訴えた。

 厚生労働省医療安全推進室の平子哲夫室長は制度の対象となる「診療に関連した予期せぬ死亡事案」について「医療現場で第三者機関への届け出対象とするか判断に迷う事案もある」と説明。判断にばらつきが出る状況を防ぐため中央と地方に連絡協議会を設置するよう省令改正しており、「研修などを通じて考え方が共有されていくのではないか」と期待した。

 一方、市民の会の永井裕之代表は協議会が医師会や病院団体などで構成される点を疑問視し、「患者側も入れるべきだ」と問題提起し、制度の充実に向け「会として患者と医療側をつなげていきたい」と語った。〔共同〕



http://news.livedoor.com/article/detail/11688377/
新しくて高い薬を出したがる医者が多すぎる
医療関係者が教える「ムダな薬」 町医者は新情報を知らない場合も?

2016年6月26日 9時0分 livedoor news

「ムダな薬」の存在について、週刊現代が報じた
一度飲み始めた生活習慣病薬は効果に疑問があってもやめるのは難しいという
町医者に伝わるまでに時間がかかり、効果がなくても使われる薬もあるそう
生活習慣病のアリ地獄!飲み始めたらヤメられない薬 ~死ぬまで飲み続ける「覚悟」と「カネ」ありますか 高血圧、糖尿病、高脂血症、痛風……

2016年6月26日 9時0分 現代ビジネス
 新しくて高い薬を出したがる医者が多すぎる
 ● 高血圧のアジルバ、糖尿病のジャヌビアは年間1万円以上かかる
 ● コレステロールのクレストールは筋肉が溶けていく
 ● 痛風のザイロリックの思わぬ副作用
 ● 胃痛のネキシウムは骨が弱くなるほか

読者から圧倒的な反響が届いている本誌の「薬特集」。今回は、生活習慣病薬をやめることの難しさや日本と海外の薬の飲み方の違いに着目。「医療の犠牲者」にならないために知っておきたいこと――。

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■降圧剤をやめるのは至難の業

「長年、血圧の薬を飲んできたが、本当に効いているのか。運動をしているおかげで血圧が下がっているのではないか。薬をやめようと思うのだが、どう思うか?」

「最近、物忘れがひどいので、認知症薬を飲み始めたが、下痢が止まらない。薬をやめたほうがいいだろうか?」

本誌・先週号、先々週号において特集した「飲み続けてはいけない薬」は大反響を呼び、読者の方々から多くの質問や意見が寄せられている。その内容の多くが、右記のような「長期間、薬を飲み続けること」への不安や「はたして薬を飲み続ける意味があるのか」という疑問であった。

もちろん、自分勝手な判断で薬を飲むのをやめることはリスクを伴う。医者とよく相談して決めることが大切だ。

しかし、医者と相談したところで、長期間飲んできた薬、とりわけ生活習慣病の薬をやめるのはかなり難しいということも、また事実だ。

「降圧剤のブロプレスを飲み続けて5年になります。血圧は下がっているのですが、医者からは『薬を飲んでいるから下がっているので、やめたら元に戻りますよ』と言われていて、なかなかやめられません」

こう語るのは、大塚雅嗣さん(62歳・仮名)。ブロプレスはARB(アンジオテンシンII受容体拮抗薬)と呼ばれる比較的新しいタイプの降圧剤で、サイアザイド系利尿剤やカルシウム拮抗薬、ACE阻害薬(アンジオテンシン変換酵素阻害薬)といった従来の血圧の薬に比べて高価な薬だ。

大手製薬会社のMR(医療情報担当者、医者に新薬の情報などを提供する役割)が語る。

「高血圧を始めとした生活習慣病の薬は、一度飲み始めた患者がうまくいけば一生飲んでくれるので、製薬会社にとってドル箱です。だからできるだけ高い最新の薬をお医者さんたちには紹介し、処方してもらうようにするのが私たちの仕事です。

ブロプレスは、最近ではジェネリックが出始めて薬価も下がってきている。ですからほとんど同様の効果ですが、別の新しい薬であるアジルバを売ろうというのが、製薬会社の戦略ですね」

ちなみにアジルバの薬価は1日あたり141円(20mg)。1年飲むと5万1319円(3割負担で約1万5000円強)になる。実際には、1ヵ月に1度の診察費や検査費用、薬局でかかる基準調剤加算などがかかってくるので、年間3万円くらいは実費がかかると考えたほうがいい。

これをサイアザイド系の利尿剤であるラシックス(40mg)に切り替えれば、1日あたりの薬代は約15円で済む。ARB系の薬に比べたらわずか10分の1程度だ。

新潟大学名誉教授の岡田正彦氏は「サイアザイド系の利尿剤は総死亡率を下げるというデータがありますが、ARBにはそのような科学的な根拠がない」と断言する。

「ARBには腎機能を保護する作用があるという説明がよくされますが、そのせいで寿命が延びるといったデータは存在しません」(岡田氏)

■糖尿病で稼ぐ製薬会社

JCHO(地域医療機能推進機構)本部総合診療顧問の徳田安春氏も「あまりに多くの医者がARBを使いすぎていますね」と語る。

「糖尿病や慢性腎臓病、慢性心不全などを併発している高血圧では、私はACE阻害薬をスタンダード薬として処方するのがよいと思います。そちらのほうがコストもずっと安く抑えられます。また、ACE阻害薬は、最近の研究で肺炎の予防につながることも明らかになってきています。

日本でARBが多用されているのは、忙しい医師が薬に関して勉強する時間がなく、ARBを推奨する広告を信じてしまうからでしょう」

一度飲み始めた薬は、効果に疑問があってもやめるのは難しい。本来、高血圧や高脂血症は食事や生活習慣を改めれば改善することができるケースがほとんどだ。

血圧は上が150、下が100ぐらいを超えてくると、降圧剤の処方を勧められることが多いが、実際のところこのレベルなら、健康的な生活を送るように心がければすぐに回復する。ところが、検査で血圧が基準を少し超えただけで、「3ヵ月ほど薬を飲んで様子を見ましょう」と、薬を出したがる医者が多い。

前出のMRが語る。

「3ヵ月で薬を飲むのをやめるというケースは、ほとんどありません。一度薬を飲み始めると、急にやめたら血圧が跳ね上がるかもしれないという恐怖心を患者も医者も抱いてしまうからです。

医者にしてみれば、『やめてもいいですよ』といった後に高血圧で患者が倒れたら、訴えられる可能性だってある。だから『本当は必要ないと思うが、大事をとって』という軽い気持ちで処方される薬があまりに多いのです。また、病院側からすれば毎月診察に来てくれる患者をつかまえておきたいという経営的な判断もあります」

こうして一度飲み始めた生活習慣病薬は「患者の不安」と「医者・病院側の都合」が合致して、延々と(場合によっては死ぬまで)飲み続けることになるのだ。

副作用がないならまだいい。だが、副作用のない薬など存在しないし、そもそも血圧を下げさえすれば健康になるかといえば、そう単純な話ではない。医療ジャーナリストの田辺功氏が語る。

「高血圧の薬というのは、夜飲むと明け方に血圧が下がりやすい。生活習慣を改善し、薬なしでも血圧が正常に下がっているのに薬を飲み続けると、逆に低血圧の症状で具合が悪くなることがあります。例えば、明け方にトイレに行った際、転倒するようなこともよく起きている」

糖尿病のジャヌビアも比較的高価な薬だ。1錠(50mg)で149円(3割負担で年に約1万6000円)。普通は1日1錠だが、人によっては2錠飲む場合もある。

「糖尿病は高血圧や高脂血症以上に治る見込みが低く、逆に進行していくことが多いので、薬を飲み続けるしかありません。また、悪化していく過程でジャヌビアだけでなくスーグラなど他の薬も併用されることが多い。

なにより問題なのは、現在主に使われているジャヌビアなどのDPP-4阻害薬が、他の安価な薬に比べて治療効果が高くないということです。メトグルコという薬価がジャヌビアの10分の1近い薬は、糖尿病の合併症だけでなく、心筋梗塞や脳卒中まで予防するというデータがある。DPP-4阻害薬にはそのような効果がありません」(大学病院内科医)

糖尿病は今後も患者数が増加すると予想されており、製薬会社は新しい治療薬の開発にしのぎを削っている。治療の効果が不明でも、ただ新しいというだけで高い薬価がつけられる。薬価のカラクリをなにも知らずに投薬される患者は病院や製薬会社の「囚われの身」になるようなものだ。

■コレステロール薬は無意味

コストがかかるという点では、心筋梗塞や脳梗塞の再発防止などに使用されるプラビックスも非常に高い(3割負担で年間3万円程度)。血液がサラサラになる薬で、売り上げが日本で一番多い薬としても知られる。必ずしも副作用が危険な薬ではないが、多剤併用されることが多いのが問題だ。

「循環器系の患者には、プラビックスに加えてパナルジンなど血液の流れを改善する薬が数種類出されることが多い。加えて糖尿病や高脂血症のリスクも高い患者が多いため、それらの薬を処方すると、すぐに7~8種類になる。当然、飲み合わせの問題も出てきますし、薬代だってバカにならなくなってきます」(前出の大学病院内科医)

コレステロールはスタチン系と呼ばれる薬でコントロールされることが多い(代表薬はクレストールなど)。高脂血症のリスクが高い人にとっては効果のある重要な薬だ。だが、リスクの低い人にまで処方されているのが現状だ。

前出の徳田氏が語る。

「日本人の中年女性は、コレステロール値が多少高くても虚血性心疾患のリスクが低いということが臨床疫学的にわかっています。にもかかわらず、薬を飲んでいる人が多い。

スタチンには横紋筋融解症(骨格筋が壊死し、筋細胞中の成分が血液中に滲出する病気)などの副作用もありますから、低リスクの人が服用するときはかかりつけの医師とよく相談すべきです」

効果がないのに飲まれている無駄な薬は他にもある。代表的なものは不整脈の薬だ。医療経済ジャーナリストの室井一辰氏が語る。

「アンカロン、ベプリコールなどの抗不整脈薬はここ5年くらいで、治療効果がないことが海外で証明されていますが、今でも使われているようです。このような新しい情報は、町医者すべてに伝わるには時間がかかるものです」

痛風の痛みは、ある日突然襲ってくる。だから尿酸値が高くなってくると薬を飲む人が多い。典型的な薬はザイロリック。体内での尿酸合成を抑える薬で、コストはそれほど高くないが(3割負担で年に8000円程度)、腎機能が低下している高齢者は高い血中濃度が持続するおそれがあるので、十分な注意が必要だ。

またこの薬も副作用として横紋筋融解症があらわれるという報告もある。痛風の痛みに比べれば、副作用のリスクはやむなしと考える人もいるだろうが、生活習慣から見直すにこしたことはない。

PPIと呼ばれるタイプの胃薬もよく処方されている(代表的な薬はネキシウム)。

「胃・十二指腸潰瘍や逆流性食道炎の治療には非常に有効な薬です。だが、不必要に長期間処方されているケースが多い。PPIは長期的に飲み続けていると骨粗鬆症になり骨折リスクが高まることが分かっています。

他にも偽膜性大腸炎や肺炎のリスクを高めたり、ビタミン欠乏症などさまざまな副作用があります。安易に長期間飲み続けるのではなく、賢く終了することも大切なのです」(前出の徳田氏)

前出の岡田氏も、PPIの使われすぎに警鐘を鳴らす。

「PPIが出始めた時期に、『逆流性食道炎』という新しい病名がしきりに喧伝されるようになった。これまではただの『胸やけ』といわれていたものをあたかも新しい病気が発見されたかのように呼び名をつけるわけです。

元をたどれば、製薬会社が主催したセミナーや学会で突然、使用されるようになったもの。まさにPPIを売らんとする製薬会社の戦略です」

製薬会社の社員や医者にも、患者の病気をよくしたいという純粋な気持ちはあるだろう。だが、ときに新薬の開発が「新しい病気」を作り出すという矛盾した現象が起こっている。

一人一人に悪意はなくとも、医療という巨大なシステム、そして医療もまた経営=金儲けであるという現実がそうさせるのだ。

高齢化が進む日本社会では、医療保険制度が崩壊の危機に瀕している。多くの人が不要な薬を飲み続けることは、副作用で自分の体を傷つけるだけでなく、日本の医療経済を疲弊させ、本当に必要な治療が施されない医療崩壊を招くことにもなりかねない。

今一度、自分のお薬手帳と向き合って、本当に必要な薬の精査を行ってみてはいかがだろう。

「週刊現代」2016年6月25日号より


  1. 2016/06/27(月) 06:19:59|
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6月26日 

http://www.asahi.com/articles/ASJ6T5DBLJ6TUTFK008.html
日本医師会長に横倉氏が3選 選挙戦制す 前回は無投票
2016年6月25日18時42分 朝日新聞

 任期満了に伴う日本医師会(日医)の会長選が25日にあり、現職の横倉義武氏(71)が日医常任理事の石井正三氏(65)を破り、3選を果たした。任期は2年間。横倉氏は記者会見で「健康寿命を延ばし、医薬品はコストを考えて効率性のある医療提供を考えていく必要がある」と語った。

 横倉氏は福岡市出身。2012年に自民党とのパイプを強調して旧民主党と近い前会長を破って初当選した。前回14年の会長選は無投票。今回は横倉氏が317票、石井氏が41票だった。



https://www.m3.com/news/iryoishin/436483?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD160625&dcf_doctor=true&mc.l=164438762
シリーズ: 日医代議員会
横倉日医会長、大差で当選、3期目始動
「難しい環境下こそ一致団結を」、副会長は現職3人

2016年6月25日 (土) 橋本佳子(m3.com編集長)

 日本医師会定例代議員会で任期満了に伴う役員選挙が6月25日に行われ、現職会長の横倉義武氏は、有効投票数363票のうち、317票を獲得して、3期目の当選を果たした。前期で日医常任理事を務めた石井正三氏は41票で、大差で敗れた。白票5票、無効票はなかった。横倉氏は71歳、2012年から日医会長を務める。

 副会長3人、常任理事10人、理事15人、監事3人、裁定委員11人は定数通りの立候補者しかおらず、信任を得た。いずれも任期は同日から、2018年6月に開催予定の定例代議員会までの2年。

 副会長の3人は現職で、中川俊男氏、今村聡氏、松原謙二氏。常任理事は7人が現職で、3人が新人(『日医役員選挙、会長選は横倉氏と石井氏の一騎打ち』を参照)。いずれも横倉氏がキャビネットとして挙げていたメンバーだ(『「全医師が結集する組織に」、横倉日医会長が3期目目指す』を参照)。

 横倉氏は、「大変難しい医療環境の中での日本医師会の執行であり、全員が一致団結して、しっかりと対応していくことで、国民の皆様に適切な医療を提供できる環境作りにまい進していく」と決意を新たにした。

 役員選挙後の記者会見では、前日24日にイギリスが国民投票でEU離脱を決めたことに触れ、「状況が昨日から変わってきている」との認識を示し、「経済や社会が混乱している時こそ、セーフティーネットとしての社会保障、特に必要な時に安心して医療を受けられるという国民皆保険をしっかりと堅持していかなければいけない」と気を引き締めた。「財源をどう手当てできるかだが、この参院選をしっかり戦って、国民が医療を重要視していることを政府に知ってもらう。それを力にして対応していきたい」と述べ、7月10日に投開票される参院選の重要性を強調した。

 今回の会長選は、横倉会長と石井氏の一騎打ちだった。石井氏が41票を獲得したことについては、選挙後の記者会見で、「真摯に受け止めなければいけない批判票」と捉え、その認識を踏まえながら、今後の会務を遂行していくと答えた。

 「医療再興に向けた新たな一歩」

 横倉会長および3人の副会長は、役員選挙後、記者会見を開き、最初にあいさつした横倉会長は、まずこれまでの会長職としての仕事を振り返った。「『継続と改革』『地域から国へ』というスローガンを掲げて、会長に就任してから、4年が過ぎた。この間、さまざまな社会の変化を実感しながら、また多くの会員の支援を受けながら、会務にまい進してきた。国民の医療の安全に資する政策か、公的な皆保険を堅持できるか、という二つの判断基準を基に、政府から示される政策について、是々非々で対応してきた。国民とともに歩む専門家集団として、常に高い見識を持って会務に当たってきた」。

 今後直面する政策課題の一つとして、地域包括ケアや地域医療構想を挙げ、「地域の住民に必要な医療や介護をどのように提供するかという観点が大事。地域医療構想が病床削減や医療費抑制の手段に用いられることがあってはならない」と釘を刺した。さらに地域のかかりつけ医を中心とした医療提供体制の構築が重要であるとし、「その体制作りを担うのが医師会の役割。時代の趨勢に合わせたその時々に必要なエビデンスやアイデアは、全て医療現場にある。だからこそ、医師会が先頭に立って持続可能な社会保障制度を確立していくことが重要」(横倉会長)。

 さらに「私は変わらず持ち続けている夢がある」と横倉会長は続けた。「夢」とは、「国民の健康寿命を世界トップレベルにまで押し上げてきた日本の医療システムを、世界が経験したことがない高齢社会を安心へと導くモデルとし、世界に発信していくことで、世界の人々の幸福の実現に貢献したい」ということだ。

 横倉会長は、今回の会長選挙に立候補するに当たって、(1)“かかりつけ医”を中心としたまちづくり、(2)人材育成の視点にたった人づくり、(3)医療政策をリードし続ける組織作り――という基本方針を掲げ、「アクション」「バランス」「チャレンジ」という三つの基本姿勢で臨むと表明。これらをベースに「医療再興に向けた新たな一歩を踏み出したい」と述べ、あいさつを終えた。

 記者会見では3人の副会長も、それぞれ決意を新たにした。

◆日医副会長:中川俊男氏
 私は特に、消費税率の引き上げが延期された中で、一定の必要な財源を確保することが日本医師会の使命だと思っている。一つの大きな柱は、税率8%の満年度の消費増税財源の使い方に関して、(社会保障と税の)一体改革のルールをしっかり守ること。「1対4」に分けて、(社会保障の)充実分と維持分に分けた時の使い方が、当初のルールとは少し違うのではないかという点も質しながら、しっかりと次の同時改定に向けた財源確保をやってきたい。もちろん、「薬価改定の財源は診療報酬本体に充てるという旗は降ろすべきではない」と継続して主張していく。

◆日医副会長:今村聡氏
 まずは直近に控えている参院選では、自見はなこ候補の当選に向かって全力を尽くしたい。具体的な担当については、会長の指示の下に、全てに努力していくが、従来、税制については担当してきたので、消費税をはじめとした税制の課題に取り組む。日本医師会の組織強化、さらに会長から話があったように、健康寿命の延伸ということで、生涯保健事業に尽力していきたい。

◆日医副会長:松原謙二氏
 横倉先生の指導の下、全ての医師が一丸となって、誰もが十分によい医療を受けられる国民皆保険制度を守っていきたい。さらに地域の医療を充実させ、国民の皆さんが幸福に暮らせるように、また健康を保つように、医師会として努力していきたい。



http://ibarakinews.jp/news/newsdetail.php?f_jun=14667683630519
中核病院整備部を設置 筑西市、道の駅整備課も
2016年6月25日(土) 茨城新聞

筑西市議会は定例会最終日の24日、市が追加提案した市行政組織条例の一部改正案を全会一致で可決した。市は企画部の中核病院建設推進課を中核病院整備部に、道の駅推進室を企画部から土木部に移管した上で道の駅整備課に、それぞれ昇格させる。施行は7月1日。

市総務部によると、中核病院整備部には中核病院整備課を設け、7人の職員を配置。病院施設や駐車場整備といったハード面担当の建設グループと、医師確保や運営主体となる独立行政法人立ち上げなどソフト面を担当する業務グループに分ける。道の駅整備課は担当職員3人を配置する。

筑西・桜川両市が進める新中核病院建設計画は、これまでに整備の指針となる基本構想や基本計画が策定され、5月に施工予定業者が決定している。市は計画段階から建設段階に移行するに当たり、2018年10月の開院に向けて時間的な制約がある中で、整備部門を独立させて、計画推進のスピードを上げる必要があると判断した。

20年度開業を目指して進めている道の駅建設計画は、3月末までに基本構想・基本計画を策定。設置場所を国道50号の川澄南交差点南西側とし、延べ床面積は2820平方メートル、敷地内に収穫体験ができる農園を設置することなどを盛り込んでいる。

本年度は施設の基本設計を策定する予定で、土木部へ移管することで、国交省などの道路行政との一層の連携強化を図って業務を推進する。   (溝口正則)



http://mainichi.jp/articles/20160625/ddl/k02/100/053000c
弘前大
元教授、論文撤回 データ疑義 佐藤学長が共著者 /青森

毎日新聞2016年6月25日 地方版

 弘前大の佐藤敬学長(66)が米医師会雑誌などに共著者として発表した英文論文3編がデータの妥当性への疑義などから撤回されたことが24日までに分かった。佐藤学長は毎日新聞の取材に、「筆頭著者の依頼で英文の書き直しに協力したが、オーサーシップ(論文著者資格)の観点から共著者に加わるべきでなく、責任を感じている」と語った。

 佐藤学長によると、3論文は「高齢者の骨粗しょう症に対する葉酸の効用」などの内容で2005年に発表された。筆頭著者は同大で佐藤学長の2年後輩の研究者で、00年11月〜03年3月に同僚教授だった。同大退職後、福岡県の病院に移り、副院長時代に論文を作成した。

 論文には、佐藤学長がデータ収集や解析を担当したと記載されていたが、実際に行ったのは英文の校閲などだったという。同誌は今年5月19日、「データの妥当性に疑念があり、オーサーシップも不適切」としてホームページで懸念を表明。その後、同誌から「筆頭著者が論文を取り下げると言っている。同意するか」と佐藤学長に問い合わせがあり、同意した。3論文は6月3日、撤回された。

 佐藤学長は「英文校閲もそれなりの作業量だったが、全体ではせいぜい10%程度の関与。オーサーシップから言えば名を連ねるべきでなかった。当時は迷いながらも共著者の表記に同意した」と苦い表情を浮かべた。佐藤学長はこれまで百数十本の英文論文を発表したが、撤回は初めてという。

 オーサーシップを巡っては、STAP細胞問題で小保方晴子・元理化学研究所研究員が学位論文を取り消されるなどして社会的関心を集め、文部科学省が14年8月、研究不正に関するガイドラインを発表した。佐藤学長は「ガイドラインは、『著者が論文の全てに関わっていないと著者表記はダメ』と、オーサーシップのあり方を明確にしており、本学では研究不正への対応を直ちに徹底してきた」と力説する。

 一方、今回の問題で同大研究推進部は佐藤学長から聞き取りをしたが、「ガイドラインに基づいた書面での告発が行われていない」などとして調査をしない方針だ。佐藤学長は「自分として(この問題への)対応は時間をもらい、冷静なタイミングで考えてみたい」と締めくくった。【松山彦蔵】



http://mainichi.jp/articles/20160625/k00/00m/040/159000c
日本医学会
「奇形」の言い換え検討 「形態異常」が有力

毎日新聞2016年6月25日 08時00分(最終更新 6月25日 12時16分)

 医療現場で使われてきた「奇形」という医学用語について、日本医学会(高久史麿会長)が言い換えの検討を始めることが分かった。日本小児科学会の用語委員会が患者・家族の尊厳を傷つける恐れがある言葉として同学会に見直しを提案した。言い換え候補には「形態異常(異状)」が挙がっている。日本医学会は今年度内の決定を目指すという。

 日本小児科学会の用語委員会委員長を務める森内浩幸・長崎大教授によると、「奇形」という用語は、基礎医学分野でヒトの初期発生段階での形態異常を起こす病気を指す。小児科や形成外科の医療現場では病名として使われ、患者や家族が「心情を傷つける表現だ」と見直しを求めていた。「先天性心奇形」を「先天性心疾患」とする言い換えが実現した症例もある。

 一方、言い換えの候補となっている「形態異常」は、「奇形」だけではなく「変形」「変成」「欠損」など他の概念も含む表現として医学界で使われており、「正確性に欠ける」との批判もある。そもそも「言い換えただけでは差別は解消しない」という意見も出ている。

 今後、日本小児科学会が関係学会とともに日本医学会へ変更を求め、今年12月に開く日本医学会の用語管理委員会での議論を経て、日本医学会として今年度内の決定を目指す。森内教授は「患者の心情に配慮して表現を変えた『認知症』や『統合失調症』のように、医学的な正確性も担保できる表現に改めたい」と話す。【高野聡】



https://www.m3.com/news/iryoishin/436270
シリーズ: 真価問われる専門医改革
新専門医制度、「新しい判断も大事」との意見も
日本病院学会、「専門医制度が目指す方向」テーマにシンポ

2016年6月24日 (金) 橋本佳子(m3.com編集長)

 盛岡市で開催された第66回日本病院学会で6月24日、シンポジウム「専門医制度が目指す方向」が企画され、座長を務めた日病常任理事の中佳一氏が、「日本専門医機構では新たな役員が選出され、新たな出発をしようとしている。大きな転換点の中で開かれるシンポジウム」とあいさつ。

 いまだ2017年度からの専門医制度の先行きが不透明な中で開かれた本シンポジウム。「一度立ち止まって」「準備ができたところから新制度に移行」などのほか、「新しい判断も大事」との発言も出るなど、立場や見方によって、新専門医制度の是非や今後の方向性などに相違があることが浮き彫りになった。ただし、ある程度、意見が一致した点もある。それは、総合診療専門医の養成は早く進めるべきとの方針だ。

 「もし非常に無理があれば、立ち止まって延期することも止むを得ないと思うが、私自身は成熟した議論ができれば、実施できると信じている」。こう述べたのは、日本専門医機構理事長の池田康夫氏。地域医療への影響などさまざまな問題が指摘されている新専門医制度について、議論の必要性は認めたものの、準備ができた基本診療領域から新専門医制度に移行するよう期待を込めた。

 一方で、座長の中氏は、四病院団体協議会と日本医師会が、6月7日に記者会見を開き、日本専門医機構と18の基本診療領域の学会に対し、「地域医療の崩壊を防ぐことを最優先し、一度立ち止まり、専門医を目指す医師の意見を聞く」などを求めた懸念を表明したことを説明、「『一度立ち止まって』という言葉は、医療界における流行語大賞の一つになるかもしれない」とコメント(『「学会専門医の維持を」、日医・四病協緊急会見』を参照)。

 NPO法人卒後臨床研修評価機構専務理事の岩崎栄氏も、「プロフェッショナルオートノミーは、プロフェッショナルフリーダムではない」と釘を刺し、専門医養成に当たって学会主導を排除する日本専門医機構の枠組みは評価したものの、患者・国民や医療者への情報伝達、説明が不十分だったと指摘。「準備不足であり、少し時間をかけて、議論を巻き返すのではなく、議論を新たに展開していく必要があるのではないか」とし、「新しい制度であるので、やはり一斉スタートがいい。その意味からすると、延期もやむを得ないと思っている」との見解を述べた。

 「総合診療専門医の意義」をテーマに講演したのは、独立行政法人労働者健康安全機構理事長の有賀徹氏。日本専門医機構副理事長として総合診療専門医の検討に関わってきた立場も踏まえ、高齢社会を迎え、総合診療専門医に対するニーズが高まっているとし、「多少のぎくしゃくがあったとしても、来年の春くらいからは始めたい」と述べた。池田氏も、「地域医療を担当する医師の養成が狙い。地域医療の問題が議論された今だからこそ、ぜひ4月から総合診療専門医の養成を始めてもらいたい」と述べた。

 フロアから発言した全国自治体病院協議会会長の邊見公雄氏も、「立ち止まって考えることは大事」としつつ、「総合診療専門医の問題は、多少切り分けて、できるだけ早くやってもらいたい」とコメント。さらに、安倍晋三首相が消費増税延期を表明した6月1日の記者会見における「新しい判断」との言葉を引用し、邊見氏は「それと同様に、『新しい判断』も大事かもしれない」と述べると、会場から拍手が起こった。

 そのほかフロアからは、患者・国民、専攻医だけでなく、指導医も専門医制度のステークホルダーであるという意見が上がり、「現場の指導医は、専門医制度について全然理解していない。指導医にもっと情報を与えてもらいたい」と求めた。また、「現状のまま学会主導の専門医を養成していく限り、診療科偏在は解消しない」とし、臨床を目指す全ての医師が基本診療領域の専門医取得を目指す枠組みであれば、一般社団法人である今の日本専門医機構では難しく、国の関与の必要性を指摘する意見も出た。

 2017年度から開始予定だった新専門医制度について、地域医療への影響を懸念する声が特に強くなってきたのは、昨年の後半から。問題提起してきた一人が、シンポジウムで指定発言した、日本病院会副会長の末永裕之氏(『新専門医制度、「大学医局」復権の懸念 - 末永裕之・日病副会長に聞く』を参照)。末永氏は、医師の地域や診療科の偏在が懸念される問題以外にも、幾つかの問題があると説明。その一つは、新専門医制度の基幹病院が、大学病院、大規模病院に限定される点だ。「基幹病院への手挙げを、大学が阻止する動きもあった。専門研修プログラムの多様性が失われるほか、研修開始時に“入局強制”で、医局回帰となる懸念があった」。そのほか、「専門医更新では実績評価が重んじられ、中小病院の医師や開業医の専門医の更新が困難になる。この点が一番、医師会が反対する理由だろう」と末永氏。専攻医の身分保障やサブスペシャルティについては未整備な点も問題だとした。

 池田氏は、本シンポジウムでも「私自身は、2年間の任期の間に、新しい専門医制度のプラットフォーム作りに、ある程度尽力できた。新しい理事は辞退させていただく」と述べ、この6月末で退任することを説明(『池田理事長、「新理事に推薦されても辞退」』を参照)。日本専門医機構の新執行部は、6月27日に開かれる日本専門医機構の社員総会で決定する予定だ(『日本専門医機構、新執行部24人の理事候補者決定』を参照)。

 末永氏は、シンポジムの最後に、「専門医制度により、地域医療の崩壊が加速するという意見が非常に強く出てきて、この問題が政治マタ―になってしまった。こうした中で、新しい体制がスターする」と述べ、日病として地域医療が悪化しないよう、発言していく方針を示した。


 新専門医制、三つの選択肢

 約1時間半にわたったシンポジムは、池田氏、有賀氏、岩崎氏の順に講演し、その後、ディスカッションを行い、最後に末永氏が指定発言する展開だった。

 ディスカッションでは、座長の中氏が単刀直入に、3人の演者に「来年4月から新専門医制度に全面的に移行するか、部分的に試行すべきか、あるいは延期すべきか。これら三つのどれを選択するか。またその場合の判断基準は何か。今後解決していくべき課題は何か」と質問。それに対する回答の骨子は以下の通り。

 私はこの2年間、目標を来年4月として準備をしてきた。2年目の研修医にとっては関心事であり、彼らのためにも4月に予定通り始めたいと準備をしてきたが、ここに来て地域医療についていろいろいな議論が出てきており、そこについては、一度ここで検証作業をしなければいけないことは明らか。全ての領域で検証作業をもう一度してもらう。これは学会の立場で進めているところもある。地域医療の立場の方にも入ってきてもらい、検討の場を早急に作らなければいけない。私自身は、その検討を、社会保障審議会 (専門医養成の在り方に関する専門委員会)でやると思っていたが、厚労省は検討の場を作る作業はあまりしないとのことで、「新しい専門医機構の執行部の中で、議論をしてはどうか」とのニュアンスに変わってきた。いずれにせよ、どんな形で検討の場を設けるかについて早急に議論しなければいけない。あまり時間をかけずに、準備ができたところは、始めてもらいたい。

 なお、18の基本診療領域については、学会がある程度、主導している。各学会が質の高い専門医を養成するため、それぞれの学会がハードルを上げた。質がいいものを求めたために、地域医療の問題が出てきた。ただし、領域によって状況が違う。救急と産科は、かなり地域医療にコミットしている。検討の場で議論を始めてもらいたい。ただし、総合診療専門医は、もともと一つの学会にコミットしているのではなく、幾つかの団体が議論してきた。地域医療を担当する医師の養成が狙いなので、地域医療の問題が議論された今だからこそ、むしろぜひ4月から総合診療専門医は始めてもらいたい。

(日本専門医機構の)新しい執行部に対しては、我々が作ってきた新専門医制度のプラットフォームをどのように実施していけば、若い医師、患者のためにいい制度になるか、という視点で議論してもらい、実施の方向でやはり考えていただきたい。もし非常に無理があれば、立ち止まって延期することも止むを得ないと思うが、私自身は成熟した議論ができれば、実施できると信じている。

 総論的には池田氏と同じだが、総合診療専門医については、将来の医療提供体制により良い影響を残していきたいという立場からすると、多少のぎくしゃくがあったとしても、来年の春くらいから始めたい。何も全員が、競馬と同様に「各馬一斉にスタート」という形を取らなくても、例えば来年の春は総合診療専門医から始める。救急についても、その議論を見ていると、「地域医療への影響云々」という議論にはあまりならない。(総合診療専門医以外の)18の基本診療領域については、それぞれ別個に検討し、うまく行きそうなら始めるという話だ。

 全般的に準備不足であり、日本専門医機構よりもむしろ、(現場の)私どもの方が準備に間に合わなかった。ようやく出発しようとした段階で、(新専門医制度の内容が)ようやく分かり始めた。少し時間をかけて、議論を巻き返すのではなく、議論を新たに展開していく必要があるのではないか。その意味からすると、「延期もやむを得ない」と思っている。「煮詰まったところから」という話もあるが、せっかく新しい制度であるので、やはり一斉スタートがいい。あまりにも従来のように学会主導にならないように、日本専門医機構が毅然とした立場でやる。毅然とするためにも、もう少し情報を公開が必要。説明等がある程度浸透した段階で一斉にスタートすべきだろう。

 総合診療専門医については、やはり早くスタートしてもらいたいという立場だが、総合診療専門研修の特任指導医講習会を始めようとした矢先に、講習会の要件に齟齬が見付かるなど、いろいろな準備不足も明らかになってきた。この点を考えると、総合診療専門医についても、もう一度、立ち止まって考え直す時間が欲しいが、さほど時間はかからないだろう。周知徹底をしながら、特に総合診療専門医については、地域の住民に分かってもらう必要がある。早急に進めることが可能であれば、4月というスタートもあり得るだろう。

 「全般的には、もう一度、立ち止まる」。どれくらい立ち止まる必要があるかは、各学会により違うだろう。学会ではなく、日本専門医機構が中心となってやることが、プロフェッショナルオートノミー。新理事長の下に、新しい体制で作り上げる機構の中で、立ち止まるのか、立ち止まることができないのか、現場の話を聞きながら進めていく必要がある。



https://www.m3.com/news/iryoishin/436497
シリーズ: 真価問われる専門医改革
日本産科婦人科学会、「専攻医の募集開始を」
「募集定員の制限、産婦人科医療の崩壊を招く」

2016年6月25日 (土) 橋本佳子(m3.com編集長)

 日本産科婦人科学会理事長の藤井知行氏は6月25日の記者会見で、2017年度以降も新制度、もしくは現制度に関わらず、専門医制度を維持することから、「今まで以上に初期研修2年目の医師の勧誘をお願いしたい」と呼びかけるとともに、専攻医の募集定員の制限も行わない方針を示した。

 専門医制度をめぐっては、新制度に移行するか否かで揺れているものの、現時点で専攻医の募集を開始して問題ないという。同学会は23日付で、新専門医制度に向けて準備をしてきたものの、「しかるべく設置される検討の場」において、新専門医制度を開始できる見通しが得られない場合、7月末を目途に現制度で実施する判断をするとの声明を公表していた(資料は、日本産科婦人科学会のホームページ)。

 藤井理事長は、産婦人科のなり手が不足している現状を踏まえ、「事前に募集定員を設定することは、産婦人科では全く適しておらず、考えていない。定員を設けることで、かえって産婦人科は崩壊する」と危機感を強め、募集定員の設定には強く反対するとした。同学会では年間500人の新規入会者を目標としているが、2014年度は368人、2015年度は367人と目標には達していない。「人数が少ない中で、とにかく産婦人科領域に入ってもらい、そこから地方にローテーションしてもらうことで、かえって地域間格差が縮小すると考えている」(藤井理事長)。

 産婦人科領域、新専門医制度で地域偏在は解消へ

 藤井理事長は会見でまず、「新専門医制を来年度から実施するのか否かなどをめぐって、混乱が生じている。初期研修の若い先生が心配している。それに対して、学会としての方針を早く明らかにすべきと考えた」と、この時期に声明を出した経緯を説明。

 募集開始を呼びかけたのは、新専門医制度あるいは現行制度のいずれであっても、研修を行う施設にとっては、専攻医を募集すること自体には変わりはないからだ。日本産科婦人科学会には、前述のように産婦人科を目指す医師が不足しているという危機感がある。ただし、現行制度のまま実施する場合、新たな専門研修プログラムを用いるか否かなどの詳細は、検討が必要だという。

 新専門医制度をめぐっては、医師の地域偏在が拡大するとの懸念があるが、藤井理事長は「それは内科など、人数の多い領域の話ではないか。産婦人科について言えば、新専門医制度によって、地域偏在は解消に向かう」と説明。新専門医制度では、基幹施設と連携施設が研修施設群を構成する。現行では都市部の大病院などでは、1施設で専門医研修を完結させるケースがあるが、新専門医制度ではこうした大病院から地方の連携施設に専攻医が行くことになるからだ。

 地域偏在の拡大を防ぐため、都市部の病院の募集定員を設定することに対しても、日本産科婦人科学会は反対の方針。藤井理事長は、若手医師の都会志向を指摘し、「都会の病院の産婦人科の募集定員を絞ると、地方の産婦人科に行くのではなく、都会の他科に行ってしまう。産婦人科では、主として都会の大学が採用して、周辺地域に医師を派遣していることで成り立っている。都会の募集定員を制限すると、その余力がなくなってしまう」と理解を求めた。


  1. 2016/06/26(日) 05:37:46|
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6月24日 

http://www.cabrain.net/news/article/newsId/49056.html?src=topnewslink
新専門医、来年度研修は「7月末に判断」- 内科学会が見解
2016年06月24日 17時00分 キャリアブレイン

 日本内科学会は、来年度から始まる予定の新専門医制度についての見解を公表した。地域医療や自治体の関係者、患者などが参加する検討の場を設けて協議した上で、新制度の導入の延期を求める人などからも理解が得られれば、来年度から正式な制度として専門医の研修を始める方針を示している。一方で、来月末までに新制度の開始の見通しが立たない場合、従来通りの方法で研修を行う判断をするとしている。【松村秀士】

 専門医の養成をめぐっては、従来の学会主体の制度から、第三者機関の日本専門医機構(機構)が養成プログラムの評価や認定を行う新制度へと移行する方向で準備が進められてきた。しかし、新制度が導入されれば、指導医数や症例数を重視する傾向が強まり、大病院や都市部の病院への医師の偏在が深刻化しかねないなどとして、医療現場からは延期を求める声も上がっている。

 今月7日には日本医師会と四病院団体協議会が、機構と基本診療領域を担う関係18学会に対し、「地域医療や公衆衛生、地方自治、患者・国民の代表」が参加する検討の場を設け、協議の結果を尊重することなどを求める提言を発表。塩崎恭久厚生労働相も同日、この提言について、「趣旨を十分理解する」との談話を出した。

 また、日医と日本医学会は15日、関係学会に対し、一度立ち止まって患者・国民の視点を十分に踏まえた幅広い関係者による検討の場を設け、医師や研修医の地域偏在が深刻化しないかどうかを集中的に精査することを求める要望書を送った。

 こうした要望や塩崎厚労相の談話などを踏まえて、内科学会は見解を表明した。見解では、新たな協議の場が速やかに設定され、建設的な意見が集約されることで、「より良い仕組みとなる」と期待感を示した。また、導入の延期を求める人や団体、患者・国民からの理解が得られれば、来年度から新制度で研修を「開始したい」とした。

 一方、来年度の研修を準備する病院や指導医、研修医の置かれた状況を踏まえると、「時間はほとんど残されておらず、検討の時期や方向性が定まらないままにすることはできない」と指摘。協議の場を新設して議論した場合、結論を得るのに時間を要する可能性もあるとした。

 その上で、新制度が開始できるとの見通しが得られない場合、来年度からの研修に関しては、「7月末をめどに日本内科学会の現制度を継続する判断をしたい」との考えを示した。

■関係者の意見も踏まえ、来月上旬に決定へ―救急医学会

 日本産科婦人科学会も内科学会と同様の声明を発表した。新設する検討の場で集中的に協議し、理解が得られれば、来年度から新制度による研修を開始すると説明。しかし、協議の場での結論に時間がかかり、新制度を開始できる見通しが立たない場合、来年度に関しては、「7月末をめどに現制度で研修を実施する判断をする」とした。

 一方、日本救急医学会は、近日中に研修施設や都道府県などの関係者に対し、新制度を導入した場合に地域の救急医療にどのような影響が出るのかなどをアンケート調査する予定。その後、理事会で調査結果を踏まえながら審議し、来月上旬をめどに来年度からの専門医研修のあり方を決定する方針だ。



http://www.tomamin.co.jp/20160639871
白老町立国保病院改築費用 総額20数億円に
(2016年 6/24)苫小牧新聞

 白老町は、町立国保病院改築について、新病院の総事業費は概算で20数億円との見通しを示した。22日の町議会定例会6月会議で、吉田和子氏(公明党)の質問に答えた。
 吉田氏は白老町立国保病院改築基本構想について質問。改築の建設事業費や今年秋に策定する改築基本計画への町民要望の反映方法などについて町の見解をただした。

 町は改築後の診療体制について、基本構想に基づき現行の内科、外科、小児科、放射線科の4科体制を継続する方針を強調。検討を進めていた人工透析診療科とリハビリテーション科は、医師確保や高額な設備投資などの課題があり「実施は厳しい」として理解を求めた。新病院の総事業費は施設や医療機器などの概算で二十数億円との見通しを示した。

 町民から意見を募る機会の在り方について、町は町民を主体とした町立病院改築協議会や町立病院を守る友の会、パブリックコメント(意見公募)を通じて実施する考えを強調。理事者は「まちづくり懇談会などで意見を聞く機会をつくる方法も考えたい」としている。

 一般質問には氏家裕治(同)、森哲也(共産党)、松田謙吾(きずな)の3氏も登壇。氏家氏は町内の生活環境について質問。昨年12月以降、町民から苦情が出ている町内循環バス「元気号」の運行補完対策として、スクールバスの有効利用策を提案した。

 町は一定の理解を示しつつも、小中学校の学校行事や放課後のクラブ活動後の下校に使用していることを踏まえ、「現時点では使用は難しい」との考えを示した。

 森氏は耐用年数を超過した町営住宅の整備方針宅「はまなす団地」(4棟8戸)の取り扱いなどについて質問した。

 町によると、現在の町営住宅は153棟951戸で、耐用年数を超過しているのはほぼ半数の115棟477戸。老朽化の著しいものは廃止する方針だが、入居者がいる住宅もあるため「住宅マスタープランの見直しと合わせて方向性を示したい」とした。

 はまなす団地については、昨年9月と今年1月の高波で住民が避難したことを踏まえ、居住者の移転を進める方針を表明。転居先は町有住宅や教員住宅などを想定している。町は2017年度予算に移転先住宅のバリアフリー化工事を盛り込む考え。改修費は概算で1戸当たり約800万円、総額3200万円規模になる見通し。当該住民には7、8月ごろに説明を行う考えとしている。



https://www.m3.com/news/iryoishin/432718
東大入試、有名高卒の寡占率高まり懸念も - 北村聖・医学教育国際研究センター教授に聞く◆Vol.3
2018年度面接導入、「不適格者見極め」が目的

20166月24日 (金) 聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――東大では、今年度の入学生から、推薦入試を導入しました。入学生に何らかの変化はあったのでしょうか。


北村聖氏に、「医師にしてはいけない学生」として、「人の気持ちになれない人」を挙げる。
 全学で実施したので、医学部も導入したわけです。医学科の入学者数100人中、推薦枠は2人。ただ入学生には変化はありません。結局は、普通に入学試験を受けても、絶対に合格するような人しか、推薦は通らなかった。

 東大医学部が今抱える問題の一つは、有名私立高校で大半を占めること。それ以外は各校、数人か1人ずつくらい。その結果、東大がモノトナス(monotonous)になり、同じ価値観の人が多くなってしまった。東大入試に通ることを目標として鍛えただけの学生ではなく、もっと多様性のある人がほしい。

――その寡占率は高まっているのでしょうか。

 
 ものすごく高まっています。その対策はないのですが、今の一番大きな問題と認識しています。例えば、「各高校5人以上は合格させない」などと制限を設けたいけれど、機会平等の原則からすれば無理でしょう。

――2018年度からは、理科三類(東大医学部に進学するコース)入試に面接を入れるとお聞きしました。

 入試における面接の歴史は、「オウム事件」にさかのぼります。東大医学部の現役の学生が、オウム真理教の信徒になったため、社会は、「東大医学部は何をやっているんだ。偏差値だけで入試をやるから、こんなことになるんだ」と批判した。それで、東大医学部でも1999年度から2007年度までの間、面接を実施。最初は公平性を、ものすごく重視した。「このブースだったので、この先生はやさしかった」「この先生が厳しかったから落ちた」といった事態はあってはいけないとされた。

 そこで前期試験の面接で基本としたのが、「ストラクチャー面接」。

 「ストラクチャー面接」とは、聞くことが決まっている面接。最初は面接の雰囲気を作るために、「まず志望動機を聞く」とした。そうしたら「東大入試では、まず志望動機を聞かれる」と噂が広まり、学生たちは「貴大学は、優れた臨床医のみならず、研究者も多数輩出している」「自分はがんばってはいますが、まだ博学の身ではありませんので、この厳しい大学で自分を鍛えてみたいと思いました」とか、全員が同じように答えるようになってしまった(笑)。もっとも、面接する側も、場に慣れてもらうための質問なので、最初から志望動機については採点対象外としていました。

 第二問は、もっと科学的。「A液とB液を混ぜると、C液ができる状況があります。ここにD液を混ぜたら、C液の増量が2倍になりました。D液の働きの可能性を5つ以上、述べなさい」とか。「5つ以上」だったら、5点、3つしか答えられなかったら3点。

 例えば、「あなたが乗っていた電車で、目の前で人が倒れました。あなたはどうしますか」といった質問もした。「僕、びっくりして逃げます」だったら、マイナス5点。「人を呼びます」だったらプラス1点、「習ったばかりの救急対応をします」だったらプラス3点。

 でもやっていて、むなしかった。「そんな質問は、ペーパー試験でも聞けるのではないか」「なぜ面接をやるのか」と問うようになった。

 ただ後期試験の面接では、もう少し自由度があった。3人が面接し、A、B、Cの3段階で評価をした。筆記試験がトップ20人に入ることが前提で、3人がAを付けると合格、全員がCだと筆記試験がトップでも不合格。「AAC」「ABC」などだったら、面接で合意を決めるのではなく、あとは成績順で選ぶ。3人がA、もしくはCを付けない限り、合否に反映しなかった。でも結局は、後期試験でも面接で付かず、成績順で合格した。

 入試の面接のために、朝から晩まで約80人の東大教授たちが集まるのは、ものすごい労力。結局、エネルギー、労力はかかるものの、得られる効果はないので、やめてしまいました。

 もちろん、頭がいいだけでなく、あいさつがきちんとでき、礼儀正しく、社会のことをも分かっている。いい意味で「ご両親はどんな教育をしたのだろう」と思う学生がいるのも事実。ただ、その後、他の医学部が面接を行い、東大がやらない状況が続いたら、ここ数年、「入試に面接があったら、私は落ちると思う」という人が東大を受けるようになった。閉じこもりだったとか、人格崩壊しているけれど、記憶力だけはいいとか……。

 入試面接の制度設計はこれからですが、今回は、面接のコンセプトをガラリと変更する予定。「面接で、いい医学生を採用しよう」というのは無理であり、「医師にしてはいけない」学生を見付けるのが目的。面接は「悪い子をはじくためのもの」。「ペーパー試験の成績が悪くても、面接の結果がいいから、合格」といった事態は起きないけれども、ペーパーテストがどんなに良くても面接がダメだったら、落ちる。

 良く練られた大学では、「ちょっとあやしい」と思った学生は、精神科の先生やベテランの先生がもう一度面接するという、「二段階面接」を導入しています。2回目の面接に行くと、「自分は落ちるのかな」と不安に思うから、一応、合格するような学生でも2回目に行くようにしているようです。

――「この学生は、医師にしてはいけない」というのは、例えばどんな学生ですか。

 一番問題なのは、「人の気持ちになれない人」。「人の話を聞けない人」。

 面接で、「もし君が、君を対応する病棟の看護師だったら、君の態度を何と言って戒めますか」などのような質問をすると、アスペルガー症候群の学生などは、質問の意味が分からない場合が多い。「え、僕が看護師で、僕に対応するのですか?」といった答えが返ってくる。

 「相手の立場に立って考えられるか」という言葉を直接的に聞いた時に、反応できる想像力がどれだけあるかはすごく大事なこと。本当に優秀な学生からは、「自分のことを振り返ってもらいます。今日やったことの中で、良い点や悪い点を出してもらって、その悪い点を指摘することで、その人は変わると思います」といった答えが返ってきたりする。

 カナダなどで導入している「マルチプルミニインタビュー」を今、勉強していますが、これも面白い。略してMMIというのですが、1人の受験者が、面接ブースを10カ所近く回る。例えば、あるブースには、目覚まし時計が置いてあり、「この患者さんは、実は知恵遅れで、IQが80くらいで、時間の概念がはっきりしていません。この目覚まし時計を使って、時間の概念を説明してあげてください」などと質問する。次のブースに行くと、旅行に持っていく物を、トランクの脇にぶちまけてあり、それをトランクに詰める作業をしてもらう。その時にすぐに使うものを取り出しやすく詰める人は、いい成績が取れる。しかし、単に物理的に、丸い物、四角い物と分けてしまったら、取り出しにくくなる。つまり、「君はどうしますか?」という会話的な面接ではなく、行動、アクションを見る面接。

 もっとも、面接で難しいのは、1回実施すると、すぐにそれに対応するためのマニュアルができてしまうこと。面接内容を考えるのも、実施するのにも、非常にエネルギーがかかります。

※『週刊ダイヤモンド』6月18日号の第1特集「医学部&医者」との連動インタビュー。



http://www.qlifepro.com/news/20160624/relationship-of-diabetes-patients-and-physicians-the-impact-on-adherence-improvement.html
糖尿病患者と医師の関係、アドヒアランス向上に影響-米イーライリリー
2016年06月24日 PM12:30  QLifePro

18か国、4,200人以上のデータを解析したMOSA1c試験

米国イーライリリー・アンド・カンパニーは6月11日、医療関係者と糖尿病患者のコミュニケーション、そして両者の関係性が患者の心理的負担や治療のアドヒアランスにどのような影響を与えているかを明らかにしたと発表した。このハーバード大学の関連医療機関であるブリガム・アンド・ウィメンズ病院の主導で実施された多国間の観察的インスリンによる治療強化(Multinational Observational Insulin Progression:MOSA1c)に関する試験に基づく6つの演題は、米国ニューオーリンズで開催された第76回米国糖尿病学会年次学術集会において発表された。

MOSA1c試験では、北米、中南米、欧州、アジア、中東の18か国において、4,200人を超える2型糖尿病患者のデータを2年間にわたり非介入調査し、解析した。それによると、患者と医療関係者との関係改善は、糖尿病に関連する心理的負担の軽減、糖尿病知識スコアの向上、血糖自己測定頻度などの自己管理に対する前向きな態度、指示された治療に対する自己申告のアドヒアランスの向上などに関与していたとしている。

若い患者、教育水準高い患者でインスリン治療強化の確率高く
さらに、より若い患者、教育水準の高い患者およびアジアに居住している患者では、インスリンによる治療強化がなされる確率が高いこと、年齢が若く、ベースラインのHbA1c値が高く、NPHインスリンを使用していることは、試験終了時のHbA1c値の高値と有意に関連していたことも確認された。

インスリンを使用中の2型糖尿病患者の過半数が血糖値を管理しきれていないことが多くの研究でわかっているが、同病院の准医師兼ハーバード大学医学部准教授であり治験総括医を務めたSeoyoung C. Kim医学博士は、同試験のデータから、この2年間の観察試験で血糖値を管理しきれているのは患者全体の3分の1以下であったにもかかわらず、最適な血糖管理ができていない患者のうち糖尿病薬物治療を追加投与されたのは約4割に過ぎないことを問題視。「患者と医療関係者の関係性が患者の心理的負担の程度や、場合によってはHbA1c値に影響するため、患者へのコミュニケーションや患者の受け止め方が極めて重要」と述べている。(大場真代)



http://www.qlifepro.com/news/20160624/stop-56-of-all-prescription-medications-polypharmacy-and-exotics-year-4-reduced-in.html
【栃木医療センター】全処方薬剤の56%を中止-ポリファーマシー外来、1年で4剤減
2016年06月24日 AM11:30  QLifePro

■不適切処方と高い相関

多種類の薬を服用している高齢者の有害事象を減らすため、国立病院機構栃木医療センターが昨年1月に開設した「ポリファーマシー外来」の取り組みを進めた結果、1年間で薬剤数を平均4.0剤中止したことが分かった。対象となった外来患者47人に処方されていた薬剤は全422剤で、そのうち237剤が削減され、全体の中止率は56.2%に上った。特にポリファーマシー外来の受診患者は、ビアーズ基準、STOPP基準による潜在的な不適切処方(Potentially Inappropriate Medications:PIMs)の割合が高率で、PIMsとポリファーマシーの相関が大きいことが確認された。

高齢者に対する不適切なポリファーマシーが社会問題化しているが、未だその効果的な介入方法は確立されていない。近年では、多職種チームによる包括的な介入が注目されているが、その介入効果についても、やはり十分に検討されていないのが現状となっている。こうした中、同センターでは昨年1月から外来受診で薬への介入を行う「ポリファーマシー外来」を開設。院内の入院患者に対して、医師、薬剤師、看護師による多職種チームを結成し、ポリファーマシーへの包括的な介入を開始した。



http://mainichi.jp/articles/20160625/ddm/008/040/069000c
医療事故調査制度
基準統一向け協議会 厚労省省令

毎日新聞2016年6月25日 東京朝刊

 医療死亡事故の届け出を全医療機関に義務付けた医療事故調査制度の見直しで、厚生労働省は24日、届け出対象の基準統一を目指して、関係団体による連絡協議会を設置する省令を定めた。

 医療機関が判断に迷った事例について、各都道府県の協議会が意見を述べる。都道府県レベルでの判断が難しい場合は、国レベルの協議会に委ねる。事例の積み重ねを通じて、認識の共有化を図るという。統一基準のリストを作るかどうかは決まっていない。

 また、遺族が自ら届け出ができないことの改善策として、厚労省は同日、病院が医療事故に該当しないと判断した場合は、遺族に理由を説明するよう、医療機関に通知した。

 昨年10月に始まった同制度の届け出は、年1300〜2000件を想定していたが、今年5月末までの8カ月間で251件にとどまっている。【熊谷豪】



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/49059.html
医療事故届け出の標準化で「協議会」設置へ- 厚労省が省令改正
2016年06月24日 19時00分 キャリアブレイン

 昨年秋に始まった医療事故調査制度(医療事故調)について、厚生労働省は24日、医師会や病院団体などの支援団体が必要な対策などを話し合うため、共同で「協議会」を組織できるよう省令の一部を改正した。【敦賀陽平】

 医療事故調は、病院などが「医療事故」と判断した場合、第三者機関に死亡事例の報告を義務付けるもので、医療機関は院内調査を実施し、その結果を遺族らに説明する一方、調査結果の報告を受ける第三者機関「医療事故調査・支援センター」は内容を分析し、再発防止につなげる。

 医療法の附則では、公布後2年以内に医療事故調の見直しを検討し、法制上必要な措置を講ずるとしており、24日が期限となっていた。

 協議会は、各都道府県と中央に1カ所ずつ設置され、中央には同センターも参加。医療事故の届け出基準の標準化などに向け、医療関係者らが意見交換するだけでなく、必要に応じて研修会を開催したり、院内調査を行う医療機関に支援団体を紹介したりする。改正省令では、病院などの管理者に対して、医療事故を確実に把握できる体制を確保することも明文化した。

■医療事故かどうかの判断は「従来通り」

 厚労省は同日、改正省令に関する留意事項を都道府県に通達し、協議会が届け出基準などの標準化を話し合っても、医療事故に当たるかどうかの判断などに関しては、各医療機関の管理者が行うとする「従来の取り扱いを変更するものではない」とした。

 病院などから医療事故の報告を受けたり、遺族らの相談に応じたりする医療事故調査・支援センターについては、▽遺族らの求めに応じて、相談内容を医療機関に伝達する▽病院などが行う院内調査の優良事例を共有する▽医療機関の同意を得て、提出された医療事故調査報告書の内容の確認・照会などを行う―ことなどを明確化した。

 ただ、同センターから医療事故調査の内容などの確認・照会があった場合でも、報告書の再提出や遺族への再報告の義務は負わないとしている。



http://mainichi.jp/articles/20160625/ddm/012/040/066000c
日本医学会
「奇形」言い換え検討 尊厳に配慮 「形態異常」が有力

毎日新聞2016年6月25日 東京朝刊

 医療現場で使われてきた「奇形」という医学用語について、日本医学会(高久史麿会長)が言い換えの検討を始めることが分かった。日本小児科学会の用語委員会が患者・家族の尊厳を傷つける恐れがある言葉として同学会に見直しを提案した。言い換え候補には「形態異常(異状)」が挙がっている。日本医学会は今年度内の決定を目指すという。

 日本小児科学会の用語委員会委員長を務める森内浩幸・長崎大教授によると、「奇形」という用語は、基礎医学分野でヒトの初期発生段階での形態異常を起こす病気を指す。小児科や形成外科の医療現場では病名として使われ、患者や家族が「心情を傷つける表現だ」と見直しを求めていた。「先天性心奇形」を「先天性心疾患」とする言い換えが実現した症例もある。

 一方、言い換えの候補となっている「形態異常」は、「奇形」だけではなく「変形」「変成」「欠損」など他の概念も含む表現として医学界で使われており、「正確性に欠ける」との批判もある。そもそも「言い換えただけでは差別は解消しない」という意見も出ている。

 今後、日本小児科学会が関係学会とともに日本医学会へ変更を求め、今年12月に開く日本医学会の用語管理委員会での議論を経て、日本医学会として今年度内の決定を目指す。

 森内教授は「患者の心情に配慮して表現を変えた『認知症』や『統合失調症』のように、医学的な正確性も担保できる表現に改めたい」と話す。【高野聡】



http://www.jiji.com/jc/article?k=2016062400792&g=soc
病院に衛星携帯配備を=災害時の通信確保-総務・厚労省
(2016/06/24-17:38)時事通信

 総務、厚生労働両省は24日、医療機関に対し、地震や津波などの災害発生時に救護活動の拠点としての機能を維持できるよう衛星携帯電話など非常用通信手段の確保を要請する報告書をまとめた。
 報告書は、大規模病院や地方自治体の本部組織を「災害医療救護拠点」と定義。同拠点が医療・救護活動を災害時に継続するには、堅固な情報伝達・共有体制が不可欠だと指摘した。整備に当たっては、国の補助金を活用するよう促した。 
 両省は、確保すべき非常通信手段を示したガイドラインも併せて策定。衛星携帯電話のほか、インターネット接続を可能とする衛星データ通信機器などの機種を例示した。



http://www.iza.ne.jp/kiji/life/news/160624/lif16062415270007-n1.html
ゴーストは「医学生」、フルムーンは「患者であふれる緊急救命室」…海外の医療俗語が辞典に
2016.6.24 15:27 iza.net

 「ghost(ゴースト)」は幽霊ではなく「医学生」、「full moon(フルムーン)」は満月ではなく「患者であふれている病院の緊急救命室」-。海外の医療現場で、一般とは全く異なる意味で使われている英単語など約3千項目を収容した「医療現場の英語辞典」(三省堂)が出版された。

 編著者の田中芳文島根県立大教授(55)(英語学・社会言語学)は「試験対策には向かないが、読んで楽しくなる特殊な辞典。学生はもちろん、英語の面白さや文化に興味のある人に見てもらいたい」と話している。

 「citizen(シチズン)」は「市民」と訳すのが一般的だが、米国の医療現場では「医療保険に加入している人」という意味。国民皆保険制度がない米国では、保険に加入していなければ市民として十分な医療を受けにくいからだ。田中教授は「現場で使っている言葉は生きている。そこが一番面白い」と話す。



https://www.m3.com/news/general/436182
12月から「退院調整ルール」 病院と在宅医療や介護連携へ
地域 2016年6月24日 (金)配信福島民友新聞

 県北保健福祉事務所などは、県北地域の病院を退院後に在宅医療や介護に移行する患者について、病院からケアマネジャーに円滑に引き継ぐための「退院調整ルール」を策定し、12月から運用を始める。22日、福島市の県文化センターで病院や介護関係者による初会合を開き、策定に向けた地域課題を共有した。

 県は、県内7地域で同ルールを策定する方針で、これまでに県中、県南両地域ではルールが完成し、運用されている。県北地域では今後、ケアマネジャーと病院の各分野による検討会や全体会議を重ね、11月までにルールをまとめる。

 会合には、看護師や医療ソーシャルワーカー、在宅医療・介護関係者ら約400人が参加。茨城県立中央病院看護局長の角田直枝さんが、退院支援や在宅療養への移行について講演した。

 同事務所の担当者が県北地域のケアマネジャー約480人に実施したアンケート結果を説明。病院から退院調整の連絡があったケースが約8割、なかったケースが約2割で「退院調整もれ率」は介護が15.3%、予防が42.5%だったと示した。このほか、病院に対し、退院調整が必要な場合の早い段階での連絡や、退院窓口の一本化を求める意見があったと紹介した。



https://www.m3.com/news/general/436416
「心の病」労災請求、3年連続過去最多 長時間労働、一因か 15年度
2016年6月25日 (土) 朝日新聞

 過労などが原因で精神障害となり、労災請求をした人が2015年度に1500人を超え、3年連続で過去最多となった。精神障害で労災認定された人の数は減ったが、高止まりが続いている。

 厚生労働省が24日、15年度の「過労死等の労災補償状況」を公表した。精神障害で労災請求した人は1515人で、前年度比59人増。比較できる1983年度以降で最も多かった。

 労災認定された人は472人で25人減ったが、過去3番目に多かった。6割が30~40代で、うち自殺や自殺未遂者は93人だった。

 業種別で多かったのは道路貨物運送業や医療・福祉など。原因別では、「仕事内容・仕事量の変化」「月80時間以上の残業」「2週間以上の連続勤務」など仕事量に関するものが目立ち、長時間労働が原因になっていることがうかがえる。

 「脳・心臓疾患」で労災認定された人は、前年度比26人減の251人(うち死者96人)だった。減少は3年連続。業種別では道路貨物運送業が3割。労災認定された人の9割が月80時間以上の残業をしており、長時間労働の影響が出ている。(河合達郎)



  1. 2016/06/25(土) 06:53:45|
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6月23日 

https://www.m3.com/news/iryoishin/434117?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD160623&dcf_doctor=true&mc.l=164118224&eml=3f492a08f1681d66441569ec02c0b51e
シリーズ: 医療裁判の判決詳報
帝王切開で死亡、遺族の請求認めた「高裁の判断」◆Vol.2
判決詳報、「医師のミスなければ、妊婦救命できた」

2016年6月23日 (木)配信 成相通子(m3.com編集部)

 東京高裁で5月26日、2008年に静岡厚生病院(静岡市)で帝王切開手術を受けた後に死亡した妊婦(当時24歳)の遺族が、病院を運営する「JA静岡厚生連」と手術をした医師3人に損害賠償を請求した訴訟の控訴審判決があり、富田善範裁判長は、死因との因果関係を認めなかった一審を取り消し、病院側に約7490万円の支払いを命じた。病院側は6月10日までに最高裁に上告した。控訴審判決で認定された事実と判断を2回に分けてについて詳報する(認定事実は『帝王切開で死亡、遺族の請求認めた「高裁の判断」◆Vol.1』を参照)。

■死因について

 午前9時半の時点で、妊婦はショックに陥ったが、遺族はそのショックは出血性ショックで、適切な治療が行われていれば、救命可能であったことを前提に、医師らに過失があったと主張。医師らは、本件ショックは母体内に羊水成分が流入して発生した全身性のアナフィラキシーショックであり、手術の時点で妊婦を救命することは不可能だったと主張し、結果回避不可能性が無かったとして、遺族の過失主張を争っている。

■裁判所が認定した事実

 裁判所が認定した事実では、妊婦は午前7時20分ごろ、病院に到着した時点で、出血性疾患である常位胎盤早期剥離を発症していたこと、遅くとも午後0時10分ごろの段階では、重篤な産科DICを発症したこと、常位胎盤早期剥離によって、胎盤が子宮壁から剥離すると、剥離面から出血が起こり、産科DICを発症しやすく、常位胎盤早期剥離は産科DICを来す原因の最多であること(約50%)、産科DICは重篤化すると非可逆性になり、生命の危険を生じさせられることが認められる。

 妊婦は常位胎盤早期剥離を発症し、これによって遅くとも午後0時10分ごろまでに重篤な産科DICを発症し、これによって死亡したことが認められる。

 「出血性ショックの可能性」
 以下の事情から、本件ショックが出血性ショックであったことがうかがわれる。(1)妊婦は午前7時20分ごろに病院に到着した時点までに、常位胎盤早期剥離を発症しており、この段階で蒼白や冷汗という出血に伴うショック症状を示す所見が既に認められた、(2)手術開始時からショックに陥った午前9時半までの間に吸引分だけで1200mlの出血があった、(3)吸引分とは別に午前9時26分の胎盤娩出時に、大量の凝血塊が切開創から溢れ出し、その量は手で何度かわしづかみできるほどの量で、医師AとCが次々と除去するほどだった、(4)来院時に既に出血に伴うショックの所見があり、午前8時50分ごろから頻脈であったことからすると、手術開始までに体内で相当程度の出血が有ったことがうかがえる、(5)血圧は午前9時半にショックに陥った後、輸液には反応しなかった一方で、午前10時半に実施されたRCC2単位の輸血には直ちに反応し、いったんは収縮期血圧が90を上回る状態になった、(6)常位胎盤早期剥離の発症前の循環血液量は5742mlと推定されるところ、手術開始時から終了時までに確認されただけでも3438mlの出血があった、(7)一般に循環血液量の30%を超える出血があると、収縮期血圧の低下をもたらし、出血性ショックを生じさせるとされていること、死亡後、妊婦の臓器に著名な貧血が認められた――。

 医師らの主張は信じ難い
 午前9時半の出血量は、診療録上は吸引分1200g、ガーゼ分289gの合計1489gである。これに対し、午前9時26分に胎盤挽出時には大量の凝血塊が出ていた。医師らは、その大量の凝血塊の量が、上記ガーゼ289 gに含まれていると主張するが、そのような大量の凝血塊が全部ガーゼに吸収されていたとは、にわかには信用し難く、午前9時半ごろの出血量は1489gにとどまらず、もっと多かった可能性があると考えられる。

 出血性ショックの可能性は高いが、断定は困難
 他方において、午前9時半までに妊婦に対して合計1350mlの輸液が投与されており、このうち循環血液量を維持する効果があるとされているヘスパンダーだけでも1000mlが投与されており、循環血液量の確保には役立っていたと考えられる。また、午前9時半までの段階で、妊婦に1489mlを超えてどの程度の出血が生じていたかについては、医師らが経時的な出血量の把握をしておらず、結局のところ不明であるという事情も認められる。

 事情を考慮すると、出血性ショックであった可能性が高いと言うべきではあるが、そのように断定することは困難であると言わざるを得ない。

■ショックは羊水塞栓症によるアナフィラキシーショックか

 医師らの主張では、本件ショックは、羊水成分の体内流入による全身性のアナフィラキシーショックであり、急激な血管透過性亢進により、発症10分後までに最大50%もの血漿成分が血管外に漏出したとしている。

 警察からの嘱託を受けた鑑定医の鑑定結果によると、(1) 妊婦の肺組織をサイトケラチンで免疫染色した際、血管内に染色された細胞が確認された、(2) 血漿中の亜鉛コプロフィリンを測定したところ、高値を示したこと――に基づき、死因を羊水塞栓症と推定しており、地裁で証言した医師Dも同様の意見を述べる。

 羊水塞栓症の臨床上の診断基準によると、本件は分娩後12時間以内に発症しており、分娩後2時間以内の原因不明の大量出血(1500ml)以上があり、DICが発症しているから、羊水塞栓症が発症した可能性があると考えられる。

 羊水塞栓症は、一般的には、その臨床症状から心肺虚脱型とDIC先行型の2類型に分けられる。証人医師Dも、羊水塞栓症の成因として、(1)羊水、胎児細胞、絨毛細胞などの固形物が肺動脈に塞栓することによって、心肺虚脱を起こすタイプ、(2)母体循環に流入した羊水がアナフィラキシー用反応を起こすタイプ――の2種類があり、臨床症状の特徴として、前者は呼吸困難、胸痛、意識消失などと突然発症することが多く、後者は初発症状に胸腔苦悶、呼吸困難などの症状を示すことは少なく、DICの進行が早いのが特徴であると述べた上で、本件ショックは羊水塞栓症のアナフィラキシー様反応による全身性の血管攣縮によって生じたショックの可能性が高いとする。

 しかし、妊婦が羊水塞栓症を発症していたとしても、本件において、アナフィラキシーよう反応による全身性の血管攣縮が生じたことについては、以下の通り疑問がある。

 皮下浮腫があった証拠がない
 証人医師Dは、その証言で、全身性のアナフィラキシーが生じて、血管透過性が非常に亢進した根拠として、妊婦に皮下浮腫が生じたことが疑われる旨を述べるが、この点は、死体解剖においても指摘されておらず、午前11時過ぎに撮影されたCT画像に写っている皮下組織も脂肪であるにすぎない。妊婦に生じるべき浮腫について、手術終了時に至るまでに医師らが誰も気づいておらず、妊婦の全身に皮下浮腫が生じたことをうかがわせる証拠は全くない。

 アナフィラキシーの典型的症状がない
 アナフィラキシーショックの典型的症状としては、呼吸困難、皮膚症状、および粘膜症状が挙げられ、特に皮膚症状は、80%以上の症例で認められるとされるが、妊婦にはいずれの症状も認められていない。なお、上記の通り、皮膚所見が発現する前に急激な循環虚脱やショックを呈することもあるから、皮膚所見がないからと言って直ちにアナフィラキシーを除外することはできないとされているが、少なくともアナフィラキシーショクの典型的症状が無かったとは言える。

 仮に、アナフィラキシーショックが生じたとすれば、急速に血漿成分が血管外に移行することになるので、血圧が輸液に反応してもおかしくないが、妊婦の血圧は輸液にはほとんど反応しておらず、逆に午前10時半ごろに実施された2単位のRCC投与によって直ちに血圧が反応し、収縮期血圧が90を上回る状態にまで回復している上、妊婦の血圧低下の状況は、午前9時半ごろに急激に低下に転じたというものではなく、午前9時ごろから麻酔の影響もあって、低下を開始した血圧が、徐々に低下を続けて、本件ショックに至ったというものであり、頻脈についても、午前8時50分ごろから100を上回る状態が継続していたものである。そうすると、これらの症状経過によれば、午前9時23分の人工破膜によると考えられる、羊水への暴露により、アナフィラキシーショックが生じたとは考えにくいと言わざるを得ない。

 「痙攣様の動き」の意味
 医師らは、妊婦のアナフィラキシーショックは、発症10分後までに、循環血液量の50%までが血管外に漏出するようなものであると主張するが、妊婦は胎児娩出後に胎児の死亡を確認した小児科医が胎児と共に退出した後の段階で、医師Bと会話することも可能な状態であり、苦悶を訴えた様子もなかった。午前9時45分ころから午前10時ころにかけて、医師Bは妊婦に手を挙げるような動きや歯を食いしばるような動き等の痙攣様の動きを認識したものの、その動きは、妊婦の腹部付近で、子宮切開創の縫合方をしていた医師Aと医師Cも気づかない程度のものであり、医師Bが医師Aと医師Cに対して、妊婦の動きを直ちに伝えることがなかったことからすると、医師らが主張するような急激なアナフィラキシーショックは起きたことは直ちに採用しがたい。

 「子宮の大きさ」とアナフィラキシー
 医師らは、午前11時過ぎに撮影されたCT画像で、子宮の巨大化、腹部大血管が虚脱しているという所見は、急激な全身にわたる血管攣縮、血管透過性亢進、浮腫が生じた、すなわち激烈な全身性のアナフィラキシーショックが生じたということでなければ説明がつかないと主張する。しかし、胎盤娩出後の妊婦の子宮は収縮不良の状態であり、医師らも温存するかどうか検討を要する状態で、上記CT画像の子宮の大きさは縦20センチ、横14センチ程度であり、医師らが羊水塞栓症の子宮の例として示す子宮の大きさ(縦約30センチ、横約20センチ)よりは明らかに小さい。子宮に浮腫が認められるからと言って、全身性のアナフィラキシーが生じていたことの根拠となるものではない。

■死因の結論

 本件において、妊婦に羊水塞栓症が発生した可能性はあるものの、本件ショックがアナフィラキシーショックであり、全身性の血管攣縮によるものであるとするには、それを示す症状が乏しく、直ちにこれを認めることはできない。そうすると、仮に羊水塞栓症が生じていたとしても、それは重篤なDICの原因の一つとして考え得るにすぎない。

妊婦は常位胎盤早期剥離によって、最終的に産科DICを発症し、そのことが主たる原因となって死亡したことが認められる。本件ショックについては、出血性ショックの可能性が高いとは言えるが、そのように断定することまではできない。また、羊水塞栓症が発症し、そのことが重篤なDICの原因の一つとなった可能性も否定できないが、妊婦に羊水塞栓症による救命困難なアナフィラキシーショックが生じたことについては、妊婦に生じた症状とは整合しないので、これを認められない。

■それぞれの争点

争点1 上位胎盤剥離発症時における産科DIC防止に関する過失の有無

 4点を当時の一般的水準と認定
 2008年4月当時、一般的な産科医にとって、(1) 常位胎盤早期剥離の中でも、胎児死亡例が極めてDICを伴いやすい、(2) 産科DICは重篤化すると非可逆的になり、生命が危険となることから、治療は時期を失することなく、行われる必要がある、(3)常位胎盤早期剥離を発症した場合には、母体予後の観点からは産科DICの程度が問題となるため、より早期に産科DIC診断を行うために、産科DICスコアを用いた状態の把握を行い、母体に産科DICを認める場合には可及的速やかにDIC治療を開始すべき――は、臨床医学の実践における医療水準となっていたと認められる。

 産科DICに進展可能性、高かった
 手術が開始された午前9時15分の段階で、産科DICスコアは9点(常位胎盤早期剥離・胎児死亡:5点、冷汗:1点、蒼白:1点、脈拍100以上:1点、出血時間5以上:1点)であり、本件ショックが生じた午前9時半の段階では、10点(プラス、血圧90以下:1点)だったので、産科DICに進展する可能性が高いと言える状態だった。

 産科DICスコアをカウントせず、注意義務違反
 医師らは、遅くとも手術前には、常位胎盤早期剥離を発症しており、しかも胎児が死亡している可能性があることを認識していたので、産科DICスコアを経時的にカウントして、早期に産科DICの診断を行い、必要に応じて、産科DICへの対応を行うべきだった。しかし、医師らは、手術当日、産科DICスコアのカウントを全く行わず、産科DICの確定診断に向けた血液検査なども実施しなかったものであり、上記の注意義務に違反したと認められる。

争点2と争点3 産科DICおよびショックに対する治療に関する過失の有無と出血量チェックと輸血に関する過失の有無

 産科ショックの治療の水
 2008年4月当時、(1)産科ショックは産科DICを発症しやすいから、ショックが疑われる場合には、タイミングを失することなく対応することが肝要である、(2)一般に血液消失量の肉眼的評価は過小になるので、SIにより評価するのが望ましく、SIは2.0が2000g以上の血液喪失を考え、1.0以上で輸液、輸血を考えるべきである、(3)産科ショックの臨床症状、所見として、皮膚蒼白、Hct低下、中心静脈圧低下が見られるときは、循環血液量の減少によるショックを疑う、(4)産科ショックの治療としては、ショックの原因となる疾患に対する治療と全身管理を併せて行い、全身管理としては、「気道の確保、酸素投与」「血管の確保および輸液」「輸血」、「血圧の監視」「尿量の監視」「薬物療法(副腎皮質ホルモンの大量投与)を行うこと」、このうち輸液および輸血について、循環血液量の20~50%の出血が有った場合には、尿酸(酢酸)加リンゲル液とともに、RCCが適応とされ、50%を超える出血があった場合には、RCC及び、膠質液、アルブミン製剤が適応とされていることは、臨床医学の実践における医療水準となっていた――と認められる。

 SIによる把握は一般的か
 医師らは2008年4月当時、産科の臨床医学において、SIを用いてショック状態を把握することは一般的ではなかった旨を主張する。しかし、SIが1.5を超え、産科DCIスコアが8点を超えたら、直ちに輸血を開始するという産科出血ガイドライン は、本件手術以前に公表されていなかったとしても、手術以前に公表された一般的な医学文献(日産婦東京地方部会誌第59巻第2号、今日の治療指針2006年版)で、産科出血および産科ショックの症候として、一般に血液消失量の肉眼的評価は過小になるので、SIが推奨されており、産科ショックの対応として、循環血液量の20%を超える出血があった場合には、輸血の適応があることが指摘されていたのであるから、医師らの主張は採用できない。

 午前9時半に輸血を始めるべきだった
 妊婦のSIは、午前9時15分以降、1を超え、午前9時45分には2を超えるような状態であったこと、妊婦は来院時から蒼白で、午前8時25分に採決された血液検査で、Hctの低下が認められ、午前9時30分には、本件ショックに陥った。医師らは、遅くとも手術前からSIによる評価を行って、遅くとも本件ショックが発生した午前9時半の時点では速やかに輸血を始めるべきであったし、抗ショックの治療を実施すべきだった。

 しかし、医師Aの指示にも関わらず、病院はFFP10単位の発注を行わず、そもそも手術が開始されてから終了するまでの間、病院内には医師が必要と判断した輸血用のFFPが存在しない状態だった。そればかりでなく、医師らは妊婦の出血量の把握を行わず、実際に行われた輸血の量も、のちに把握された出血量である3438mlからみて、極端に少ないRCC4 単位、FFP2 単位で、副腎皮質ホルモンの投与等の抗ショック療法も行わなかった。医師らには、出血量チェックと輸血に関する過失、ショックに対する治療に関する過失が認められる。

争点4弛緩出血への対応に関する過失の有無

 以下のことが認められる。(1)午前9時26分ごろに、医師らによって子宮が体外に出された際、子宮は全体に柔らかく、表面色も早期胎盤剥離時の色を呈していたが、子宮からの強出血はなく、子宮の大きさが一般と比べて大きくなっていたわけではなかった、(2)医師らは、子宮収縮は不良であるものの、輪状マッサージで子宮の収縮がやや良好であったことから、子宮温存可能と判断した、(3)その後、医師らは、午前10時前までの間に子宮の切開創を縫合し、妊婦の体内に戻したが、その間の子宮から一定の出血はあったが、子宮の巨大化や、浮腫になっていることは確認できなかった、(4)医師らは、閉腹が終了する午前10時45分ごろまで、妊婦の子宮が巨大化しているという認識はなかった――だ。

 医師らには、産科DICスコアを経時的にカウントして、早期に産科DICの診断を行い、必要に応じて産科DICへの対応を行うべき義務違反はあったものの、これとは別に弛緩出血への対応に関する過失はあったとまで、言うことはできない。

争点5 転送義務違反の有無について

 病院は、手術当時、産婦人科を含む合計14の診療科を有する病床数265の病院で、「妊産婦緊急搬送入院加算」の基準も満たした病院で、妊婦に生じた産科DICに対しては病院で適切な治療を行うことが可能な体制を有していたと認められるため、転送義務に違反した過失は認められない。

争点6.医師らによる期待権侵害の有無

 過失と死亡との相当因果関係の有無
 妊婦は常位胎盤早期剥離を契機とする産科DICが主たる原因となって死亡したと認めるのが相当で、医師らの過失(常位胎盤早期剥離発症時における産科DIC防止に関する過失、ショックに対する治療に関する過失、出血量チェックおよび輸血に関する過失)がなかったならば、妊婦は適時に輸血等の抗ショック治療を受け、産科DIC対策が行われて救命できたものと認められる。

 したがって、過失と死亡結果との間には、因果関係があるものと認められ、医師らには、死亡結果に付き、共同不法行為が成立する。

 妊婦に羊水塞栓症が発症した可能性はあるものの、症状経過を踏まえると、仮に発症していても、急激に心肺虚脱をもたらす臨床症状を示すものではなく、DIC先行型羊水塞栓症(子宮型羊水塞栓症)で、全身性のアナフィラキシーショックを伴うものではなかったと考えられる。(1)証人医師Dも論文で述べるとおり、適切な産科DIC対策が行われた場合に、その予後が悪いとは言えない、(2)文献(2006年Lancet、Michael S.Kramer著、1999年Obstetrics & Gynecology、William M. Gilbert著、2004年日産婦関東連会誌、2009年日本産婦人科・新生児血液学会誌、証人医師Dの論文など)によれば、羊水塞栓症の母体死亡率について、根拠のはっきりしている調査結果では、手術当時でも20~30%程度であったと認められるが、この数値には、急激に心肺虚脱をもたらす臨床症状を占める症例も含まれており、妊婦に発症した可能性があるのが、予後の比較的良いとされるDIC先行型羊水塞栓症であった――からすれば、適切な治療が行われた場合に救命できなかったとは認めることができない。

 ICUでないと救命は不可能か
 医師らは、羊水塞栓症の救命事例は、そのほとんどがICUによる管理・治療が行われていたもので、ICUのない病院では救命することは不可能であったと主張するが、DIC先行型羊水塞栓症の救命事例のほとんどがICUによるものと裏付ける証拠はなく、主張は採用できない。妊婦に羊水塞栓症が発症していた可能性があることは、上記認定を左右するものではない。

争点7.妊婦とその家族の損害

 葬儀費用150万円、死亡慰謝料2400万円、遺失利益4260万円、胎児死亡と過失の因果関係は認められず、胎児死亡慰謝料は認めない。弁護士費用は計680万円。



https://www.m3.com/news/general/435826
病院・診療所別の院外処方率も70%超え
2016年6月23日 (木) 薬局新聞

病院・診療所別の院外処方率も70%超え安定推移 厚労省・平成27年度社会医療診療行為別統計

 院外処方率は病院・診療所別に見ても安定的に70%を超えたことが厚労省の「平成27年社会医療診療行為別統計」からわかった。日本薬剤師会が調査している分業率の進捗状況においても全国平均70%を超えており、医薬分業は本格的に7割の時代が到来したと言えそうだ。

 統計は医科の診療行為の内容や薬局での調剤行為の内容、薬剤の使用状況を明らかにし、医療保険行政の基礎資料として作成されている。昨年6月に提出されたレセプト情報を集計対象とした。

 院外処方の状況をみると、病院・診療所の総数で72.7%となっており、前年の71.8%から0.9ポイント増加した。病院は76.3%で前年の75.4%から0.9ポイント増加し、診療所は71.6%で前年の70.6%から1ポイント増えた。

 薬局調剤の1件当たり点数は1120.7点で前年の1094.6点から26.1点、2.4%増加した。受付1回当たり点数は894.8点で、前年の855.4点から39.4点、4.6%増加している。調剤行為別受付1回当たり点数では薬剤料が672.6点(構成割合75.2%)で最も高く、次いで調剤技術料182.0点(同20.3%)、薬学管理料38.6点(同4.3%)。

 一般医療と後期医療別にみた調剤行為の状況では、薬局調剤1件当たり点数は一般977.9点、後期1501.0点となっており、一般医療と後期医療とで大きな差が生じていることが浮き彫りとなった。受付1回当たり点数でも一般798.3点、後期1131.9点で、年齢が高くなるにつれて受付1回当たり点数は高くなった。

 1件当たり薬剤種類数は院内3.53、院外3.81で院外の方が若干多い傾向が示された。年齢階級別では院内・院外ともに75歳以上が最も多く、それぞれ4.40、4.70となった。院内・院外別にみた主な薬効分類別にみた薬剤の使用状況では、入院は「腫瘍用薬」が13.4%で最も多く、「抗生物質製剤」13.3%、「中枢神経系用薬」13.2%などとなっている。院内では「循環器官用薬」17.0%、「その他代謝性医薬品」12.9%、「腫瘍用薬」11.0%となった。院外は「循環器官用薬」20.3%がトップで「中枢神経系用薬」14.0%、「その他代謝性医薬品」12.0%と、院内・院外で大きな違いは生じなかった。

 薬剤点数に占める後発医薬品の点数割合をみると、総数13.9%、院内13.9%、院外14.0%で、薬剤種類数に占める後発品種類の割合では総数54.5%、院内50.4%、院外55.9%という傾向になっており、院外処方の方が後発品を使用していることが示されている。



https://www.m3.com/news/iryoishin/435889
シリーズ: 中央社会保険医療協議会
DPC、次期改定に向けた検討方針固まる
2016年度改定の入院への影響、2年に分けて調査

2016年6月23日 (木) 橋本佳子(m3.com編集長)

 中央社会保険医療協議会総会(会長:田辺国昭・東京大学大学院法学政治学研究科教授)は6月22日、DPCの今後の検討課題と、「入院医療等の調査・評価分科会」が行う今後の調査方針などについて了承した(資料は、厚生労働省のホームページ)。

 DPCについては、次回の2018年度診療報酬改定に向けて、調整係数が廃止されることからその対応のほか、IからIII群の医療機関群別の基礎係数、DPC病院の機能を評価する機能評価係数IIなどが検討課題。さらにDPC検討ワーキンググループにて、診断群分類の見直しなども検討する。

 「入院医療等の調査・評価分科会」は、2016年度診療報酬改定の影響を評価するため、2016年度と2017年度の2カ年に分けて調査を実施する。2016年度は、一般病棟入院基本料の「重症度、医療・看護必要度」や地域包括ケア病棟入院料の包括範囲の見直し、療養病棟入院基本料等の慢性期入院医療における評価の見直しの影響などを調査、2017年度も「重症度、医療・看護必要度」のほか、1年間の経過措置が設けられている項目を含めて調査する。2016年度は、今年10月には調査票原案を作成、11月から12月に調査を実施、来年3月の調査結果の報告を目指す。


6月22日の中医協は、先進医療などについても議論(『肝細胞癌への陽子線・重粒子線治療、「先進医療B」』を参照)。
 「医療機関群そのものの在り方、検討を」万代氏
 中医協総会の二つの議題は、総会に先立ち開催された基本問題小委員会において議論された。DPCについて、次期改定に向けた検討課題として、厚労省が「基礎係数(医療機関群のあり方)」(II群の選定要件についてなど)」と挙げた点に対し、注文を付けたのが、日本病院会常任理事の万代恭嗣氏。

 DPCの医療機関群は、I群(大学病院本院)、II群(大学病院本院に準じる病院)、III群(それ以外の病院)に分けられる。万代氏は、改定のたびにII群とIII群を行き来する病院が一定程度あることから、「II群に限らず、医療機関群そのものの在り方もベースに置きながら、弾力的な考えで検討してもらいたい」と求めた。

 総会の議論では、全日本病院協会副会長の猪口雄二氏から、「DPCの機能評価係数IIは複雑で、各病院にとってなぜこの係数になるのかが分からない。各病院が目指すべき方向が分かりやすくなるような係数設定が必要」との意見も上がった。

 「現場の状況把握できる調査を」万代氏
 「入院医療等の調査・評価分科会」が実施する調査について、日本医師会常任理事の松本純一氏は、「療養病棟入院基本料等の慢性期入院医療における評価の見直しの影響」は、2016年度のみの調査になっていたことから、「最初の1年目と2年目は若干違ってくる。できれば2年連続で実施してもらいたい」と要望。

 万代氏は、調査票の詳細設計について、「2016年度改定は、今後の医療提供体制の構築に向けてかなり大きな変革だったと認識している。現場の病院も、変化を伴う運営を余儀なされる。現場の状況を確実にあぶり出せる調査項目をお願いしたい」と求め、同分科会の審議経過も中医協に適宜報告することも必要だとした。

 「地域医療構想、報酬で誘導されず」中川氏
 健康保険組合連合会理事の幸野庄司氏は、調査の詳細よりも、基本的な考え方を指摘。地域医療構想や第7次医療計画が進み、介護報酬改定と同時になることから、「次期改定は非常に重要」とし、特に病床機能分化を進める上で、「重症度、医療・看護必要度が設定されている病棟については、その病床機能に見合った患者が入院しているか」、「介護施設との連携も機能しているか」などの視点からの検証が必要だとした。さらに、平均在院日数、在宅復帰率のほか、「今まで7対1入院基本料の議論に偏っていたが、10対1、13対1、15対1などの議論も必要」と求めた。そのほか地域包括ケア病棟入院料については手術や麻酔が包括外になった影響、療養病棟については、2017年度末で設置期限を迎える介護療養病床と医療療養病床(看護人員配置が25対1のもの)などの検討も求めた。

 これに反論したのが、日本医師会副会長の中川俊男氏。「地域医療構想は、診療報酬で誘導されるものではない」と指摘。幸野氏が、「基本的には病院自らが(病床機能を)判断することであり、病床削減のツールでないことも分かっているが、報酬で後押しすることが必要ではないか」と返すと、中川氏は「地域医療構想と診療報酬との整合性が唯一あるとすれば、どの病床機能を選択している病棟であっても、採算が取れる診療報酬を設定すべきということ。それ以上でもそれ以下でもない」と重ねて反論した。万代氏も、「その一点に尽きる。同様の理解だ」と述べ、中川氏の意見を支持した。

 入院医療調査、回収率も議論に
 入院医療関係の調査における回収率について言及したのが、全国健康保険協会理事の吉森俊和氏。2014年度調査では36.5%、2015年度調査では40.7%だった。「次期改定に向けた重要な調査。しかし、回収率が40%前後で、重要なエビデンスを検証できるのか」と疑問を呈した。「個人的には100%近くにしてもらいたい。調査は、協力ではなく、義務化にしてもらいたい」と述べ、回収の方法や調査対象医療機関の全面的な協力が必要だとした。

 万代氏は、医療機関は多忙な中で回答しているとし、「40%は評価すべき数字。調査に回答する大変さをぜひ現場に立ち合って見てもらいたい」と返した。

 調査の回収率は、中医協総会でも議論になり、連合「患者本位の医療を確立する連絡会」委員の花井十伍氏は、「マンパワーが少ない医療機関が回答していなければ、バイアスがかかる」と懸念し、長期的には医療機関にとって不利益になることもあり得るとし、「この程度の数字でも全体を反映しているのか」と問いかけた。

 厚労省保険局医療課長の迫井正深氏は、より正確な情報が得られるよう調査を設計していくとし、「バイアスが危惧されるものは、可能な限り、排除していく。中医協で実施する調査以外に、既存の調査も併せて議論していく」と回答した。



https://www.m3.com/news/general/435849
福山市民病院が「尾道」に医師派遣 7月から、常勤の内科医不足受け
2016年6月23日 (木) 中国新聞

 福山市民病院は22日、常勤の内科医が不足している尾道市民病院に、7月から週1回、医師1人を派遣すると発表した。外来診療を支援し、備後圏域の医療態勢を強化する。



https://www.mixonline.jp/Article/tabid/55/artid/54291/Default.aspx
厚労省・武田医薬局長 高額薬剤問題は最大のテーマ「治療アクセスや新薬開発への配慮も必要」
2016/06/24 03:52 ミクスOnline

厚生労働省医薬・生活衛生局の武田 俊彦局長は6月23日、日本病院学会(岩手県盛岡市)の開会式で挨拶し、高額薬剤問題が医薬・生活衛生局として取り組む最大のテーマであるとの認識を示した。抗がん剤・オプジーボに端を発した高額薬剤問題をめぐっては、現在、薬価引き下げに加え、使用できる医師や施設を限定する“使用の最適化”推進が検討されている。こうした施策による医療費、薬剤費の適正化を見据えるが、武田局長は、検討に際し、「患者が必要な治療を受けられる治療アクセスの確保や、患者が待ち望む画期的新薬がこれからも開発されるような配慮も必要だ」と述べ、最適化とイノベーション推進の両立を視野に入れた施策の立案に取り組む考えを示した。

武田局長は、高齢化、人口減少が進む中で、高額薬剤問題が医療制度の持続可能性を脅かす存在であると指摘。局長就任後、「何がテーマであるべきか、日夜考え続けている。どうしても取り組まなければならいのは、高額薬剤の適正使用の問題だ」と述べた。


◎局横断的な施策立案で医療費適正化に取り組む

武田局長は、「社会保障の問題は、今や国全体で考えるべきテーマとなってきた」との見方を示し、「厚生労働省においても、局ごとに考えるのではなく、局横断的に考え実効性ある対策を打ち出していくことこそが使命ではないかと思う」と述べた。

高額薬剤問題をめぐっては、医薬・生活衛生局と保険局との連携により、新薬の承認段階から薬価収載まで一貫した最適化使用の施策立案が求められている。武田局長は、「薬は添付文書のみ、保険は療養担当規則のみ、ということではなく、いかに様々な行政分野を組み合わせ、政策効果を最大限に発揮できるか」と他局との連携を見据えた施策立案の重要性を強調した。


その上で、「医薬局としても、医療全体の解決に向けて関係各局と有機的に連携し、国民にとって最適な医療の実現、イノベーションや医療の質向上を通じた医療費の適正化など、効果的な施策を打ち出していきたい」と意欲をみせた。



http://www.shimotsuke.co.jp/news/tochigi/top/news/20160624/2366049
栃木県内4病院、自治医大と連携 「臨床センター」設置し学ぶ機会確保へ
6月24日 朝刊 下野新聞

 自治医大と県内の4病院は7月2日に、若手医師が地域医療の現場で学べる「地域臨床教育センター」を4病院に設置することを決めた。将来的に、大学病院が集中治療などに対応する高度急性期医療に専念することを見越し、若手医師が生活習慣病など慢性疾患への対応を地域で学べる機会を確保する。隣県の茨城県では筑波大が同様のシステムを取り入れている。

 センターを設置するのは、新小山市民病院(小山市)、地域医療機能推進機構(JCHO)うつのみや病院(宇都宮市)、とちぎメディカルセンターしもつが(栃木市)、芳賀赤十字病院(真岡市)の4病院。

 主な対象は、医師免許を取得したばかりの初期研修医と、診療科ごとの専門性を高める後期研修医。指導役の医師は、各病院の寄付を原資に、同大が専任講師を採用し派遣する。また各病院に在籍している経験豊富な医師も、同大臨床教授として若手指導に当たる。


  1. 2016/06/24(金) 05:49:10|
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6月22日 

https://www.mixonline.jp/Article/tabid/55/artid/54289/Default.aspx
中医協総会 高額薬剤議論 薬価引き下げ、使用の最適化両輪に薬剤費適正化 年度内にもGL策定へ
2016/06/23 03:52 ミクスオンライン

抗がん剤・オプジーボを皮切りに議論となっている高額薬剤問題について、厚生労働省保険局は6月22日の中医協総会で、薬価の引下げだけでなく、最適化使用による施策を講じることで適正化を図る考えを明らかにした。新薬の承認段階から薬価収載まで一貫した最適化使用の施策をはりめぐらすことで、市場規模を決める価格、総量、両面からの適正化を進める考えだ。今夏にも官民対話などを通じ、製薬業界など関係業界を含めて幅広く意見を聴取する方針で、同省は2017年3月末までの最適化使用ガイドライン策定に向け、調整を進める。

6月2日に政府が閣議決定した「経済財政運営と改革の基本方針2016」(骨太方針)には、「革新的医薬品等の使用の最適化推進」が盛り込まれており、今年度中の検討、17年度中に結論を得ることが求められている。

この日の中医協総会で、厚労省保険局の中山智紀薬剤管理官は高額薬剤問題について、「そもそもの薬価をそもそもどうするかという問題とともに、使用の最適化を図ることが非常に大事なことだと思っている」と述べた。厚労省は、新薬の薬事承認時点で医師要件、施設要件を明確にすることで、投与できる症例数を限定する。条件明を明確化するために、関連学会とPMDAが最適化使用ガイドラインを策定。これに該当しない場合は、医療保険の算定を認めない。いわば、薬事承認を司る医薬・生活衛生局と保険局が連携し、一貫した施策の構築を目指す。すでに後発医薬品の数量シェア引き上げなどで、先発品の総量にはメスが入っているが、新たなメスが入る格好だ。

◎薬事承認から収載まで「現行のままでもよいのではないか」

薬事承認から原則60日で収載される現行のルールの見直しを問う声が一部診療側からあがっていたことについても中山薬剤管理官は触れ、「最適化使用も含めて、対応できるということであれば現行のままであってもよいのではないかと考えられる」と述べた。

そのほか、消費税増税が2018年10月まで延期されたことを受け、今年度中の薬価調査は実施しないことも報告された。



http://mainichi.jp/articles/20160622/ddl/k40/040/404000c
くらしQ
DMATの熊本支援 医療提供転院など日ごろの連携が現場で奏功 /九州

毎日新聞2016年6月22日 地方版 福岡県

 熊本地震の発生後、被災地には全国の災害拠点病院からDMAT(災害派遣医療チーム)が続々と入り、医療機関の被害状況確認、避難所での医療支援などに当たった。派遣医師や看護師から活動状況や課題を聞いた。【青木絵美】

 ■過酷な支援現場

 4月14日の前震発生を受けた15日未明、福岡県の田川市立病院のDMATチームに熊本へ出動の指示が出た。メンバーは医師2人、看護師2人の計4人。

 看護師の七呂(しちろ)清隆さん(40)は「出動に備えて地震から30分後には道路状況を把握していた」といい、移動中もメールなどで他病院のチームと連絡を取りながら、活動拠点となる熊本市の熊本赤十字病院に入った。

 まず、熊本県内の医療機関の被災状況や患者受け入れの可否を専用システム端末で確認する作業に加わった。情報が届かない個人病院などには電話を入れて聞き取り、状況を整理していく。

 午後になると、外来の救急患者が多く受診していた熊本市内の東病院の応援へ。外傷患者の処置や、入院患者に当面必要な薬の在庫を確かめるなどした。

 過酷を極めたのが、15日夜〜16日未明の任務だ。電気、水道などライフラインがまひした益城(ましき)町の東熊本病院で、北九州や鹿児島から集まった6チームと共に、入院患者の転院を進めていた最中、本震が襲った。身構えできないほどの揺れで、病院前にいた七呂さんも地面に倒れ込んだ。

 予定の搬送順はすべてリセットされたが、安全を確認して残る患者の避難支援を再開。余震の中、救助隊が病棟からシーツに巻いて担ぎ出した患者を外で待ち受け、他院へ送り出す。避難完了は午前3時を過ぎていた。その後、転院先の一つとなった病院の支援に向かい、後発チームも続々と到着したため、16日夜に福岡に戻った。

 ■訓練交流の重み実感

 5月下旬、北九州市内で北九州周辺のDMAT隊員らが参加した研修会があり、熊本の活動事例が報告された。もともとは北九州市立八幡病院救命救急センターの田口健蔵・救急科部長(40)らが、近隣のチーム同士が顔を合わせ、技能を高め合う場にしようと2年前にスタートした。

 この積み重ねは今回「日ごろ、チームと現場の交流があったのでスムーズに活動できた」(七呂さん)といった声が上がるなど、緊迫した現場で安心感につながった。避難所へのDMAT派遣の調整などにあたった田口さんも「研修会を通じ、医師の専門分野や年齢、経験など実力が分かっていたのは心強かった」。

 また、被害が大きい病院で相次いだ入院患者の避難支援は、東日本大震災を機に日本DMATが研修を拡充した分野だった。田口さんは「精度を高める必要はあるが、大きな問題なく活動できたのは、机上訓練など準備の成果だろう」と話す。

 一方、本震に遭った隊員から「思い出すと眠れない」「涙が出る」といった訴えもあった。極限の状況下で活動する隊員のメンタルケア充実を、今後の課題に挙げていた。

 ★取材してひとこと

 七呂さんのチームの活動は被災病院の調査、医療の提供、患者の転院支援、と時間を追ってめまぐるしく変わっていった。北九州のように地域で取り組む細やかな研修機会は、災害ごとに増すDMATの役割を確実に担う上で力になり、地域住民にとっても心強いと感じた。

 ■ことば
DMAT(ディーマット)
 正式な名称は「災害派遣医療チーム」。1チームを医師、看護師、病院事務職員などの業務調整員の計4、5人で構成。都道府県知事が指定する各地の災害拠点病院に配置されており、大規模災害や多数の傷病者が出た事故で、発生間もない急性期(おおむね48時間以内)に活動する。日本DMAT事務局(大阪)によると、熊本地震では、全国(集計中の熊本県を除く)から計394チーム、1931人(4月14〜26日)が被災地に入り、このうち、九州・山口・沖縄からは計169チーム、779人が派遣された。



http://www.saitama-np.co.jp/news/2016/06/22/10.html
栗橋病院の一部機能移転、久喜の住民ら要望書提出 撤回と存続求める
2016年6月22日(水) 埼玉新聞

 済生会栗橋病院(久喜市小久喜)の一部機能を加須市に移転する計画を巡り、久喜市の田中暄二市長をはじめとした地元住民らが20、21日の両日、同病院が加須市と結んだ覚書の白紙撤回と同病院の存続を求める要望書などを同病院の関係先に提出した。

 提出先は県済生会支部会長を務める上田清司知事、厚生労働大臣政務官の三ツ林裕巳氏、済生会本部理事長、県済生会支部長、同病院長の5人。提出機関は久喜市、同市議会、地元区長会や医師会などで、同病院の一部機能の移転計画の白紙撤回や同病院の存続などを求め、要望書や決議、陳情書を提出した。

 陳情書には地元の同市栗橋地区の住民をはじめとした同市、近隣自治体の幸手、春日部市、杉戸、茨城県古河市、五霞町などの住民1万4248人分の署名も添えられたという。

 提出者らは関係機関を訪問し、関係者らと会談。済生会の関係者は「まだ何も決まっていない」「地域医療構想を見据えて、どうするか話し合う必要がある」などと話したという。



http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201606/20160622_13019.html
<仙台厚生病院>カイゼン導入 医師負担軽減
2016年06月22日水曜日 河北新報

 仙台厚生病院(仙台市青葉区)が、無駄を省くトヨタ自動車の生産管理手法「カイゼン」を医療現場に導入し、業務の改善につなげている。職員の動線や機器の配置を見直し、医師事務作業補助者(MC)を積極的に活用した結果、医師らの負担は軽減され、受け入れ患者数が増加した。同病院を希望する研修医も増えており、医療界の注目を集めている。
 カイゼンを取り入れたのは消化器内視鏡センター。職員がインカム(相互通信式構内電話)を装着し、検査の準備態勢や機器の洗浄の進み具合を確認する。検査中の医師の脇にはMCが付き、同時進行で所見内容を記録していく。
 厚生病院は2009年、トヨタ自動車系のコンサルタント会社から指導を受けた。医師や看護師の動きをカメラで撮影し、作業ごとの所要時間を1秒単位でグラフ化。分析結果を基に議論を重ね、検査室のレイアウトや職員、患者が動くルートなどを整理した。
 井上紀子看護師長(48)は「病院とは違った視点で指摘してもらい、さまざまな気付きがあった。効率は格段に上がった」と話す。
 その後も病院独自にカイゼン運動を続け、昨年4月にセンターに配置したのがMC。検査にまでMCが立ち会い所見を記録するのは医療界でも珍しいという。
 事務作業をMCが担うことで医師の負担が軽くなり、医師1人当たりの月間検査数はカイゼン導入前の96件から144件に増加。患者が予約してから検査するまでの日数も短くなり、患者数が増えた。
 多くの検査を経験できるため、消化器内科には今年4月、東京や北海道、鹿児島の病院などから新たに研修医6人が加わった。病院は「医師本来の仕事に集中できる環境も若い医師に魅力的に映っている」とみる。
 職員の残業時間も着実に減少している。カイゼン導入前に比べ、医師は月間24.1時間から16.6時間に、看護師は9.6時間から6.1時間に減った。
 病院を経営する厚生会の目黒泰一郎理事長は「効率化しても雇用は減らない。忙しすぎる職場環境が改善され、職員のやりがいにつながっている」と話した。

[医師事務作業補助者]メディカルクラーク(MC)、メディカルアシスタント(MA)などとも呼ばれる。医師の指示の下、診断書の作成や診療記録の入力といった事務を補助する。資格は不要。2008年度から診療報酬制度の加算対象になった。



http://www.qlifepro.com/news/20160622/the-role-of-hospital-pharmacists-in-comprehensive-community-care.html
【日病薬】地域包括ケア、病院薬剤師の役割検討-同時改定のデータ収集も必要
2016年06月22日 AM10:30  QLifePro

■木平新会長を選任

日本病院薬剤師会は18日、通常総会を開き、2月の臨時総会で次期会長候補者に選出されていた木平健治副会長を新会長に選任した。木平新会長は、総会終了後の会見で、地域医療への取り組みの重要性を強調。2025年をメドに構築される地域包括ケアシステムの中で、病院薬剤師としてどう活躍できるかについて、早急に検討したい考えを示した。また、「他団体との関係構築も進め、病院薬剤師の存在を訴えていきたい」とし、日本薬剤師会だけでなく、複数の病院関係団体などとも緊密に連携していく方向性も示した。

前列中央の木平会長を中心に新たに選任された副会長ら
木平氏は、これからの病院薬剤師を考える上で、地域医療が重要なテーマになると指摘。キーワードとして、地域包括ケアシステムや地域包括ケア病棟、療養病棟などを挙げ、「この辺りで薬剤師がどう活躍できるかについて、川上純一副会長を中心に考えたい」とし、病院薬剤師が地域の中で「力を発揮でき、それに対する評価も得られるようなシステムを構築したい」との考えを示した。



http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/221102/062200257/?rt=nocnt
破綻10年夕張市、医療縮小の先にあった「果実」
広岡 延隆
2016年6月23日(木)日経メディカル

 赤字が続く日本の国家財政。その最大の原因は、少子高齢化に伴って年々増え続ける社会保障費だ。中でも我々の生活に直接的に影響するのが医療。国民医療費は年間40兆円を超える。

 安倍晋三首相は、社会保障目的税である消費税の税率10%引き上げを先送りすることを決めた。景気動向とのバランスを考えた苦渋の判断だが、財政健全化が遠のいたことは間違いない。国家財政が危機に直面する時、医療サービスに何が起きるのだろうか。

 その時の姿を知る、手がかりがある。10年前の2007年に事実上、財政破綻して医療体制の大幅な縮小を迫られた夕張市だ。2009年から2013年まで4年間、同市で医療の現場を支えた夕張市立診療所前所長の森田洋之氏(南日本ヘルスリサーチラボ代表)に話を聞いた。

総合病院がなくなる

 2007年、市内唯一の総合病院だった夕張市立総合病院(171床)は19床に縮小。夕張市立診療所となった。市内には救急病院がなくなり、人工透析もできなくなった。CT(コンピューター断層撮影装置)やMRI(磁気共鳴画像装置)もない。2006年に38.7分だった救急車の病院到着時間は、2010年は67.2分へとほぼ倍増した。

 それが、破綻後の夕張市の状況だ。医療体制が万全でなくなったという事実が、住民の日常生活において大きな不安やストレスを与えたのは間違いない。

 だが、データからは、別の側面が浮かび上がる。「人口や年齢などの違いを排除して計算するSMR(標準化死亡比)はほぼ横ばい。死因として増えたのは、老衰だった」(森田氏)。それでいて2001~2006年に年間81万1000円だった高齢者一人当たりの診療費は、2007~2012年には76万9000円に減ったという。

 医療体制が大幅に縮小し、診療費も減った。それでも、健康面での被害は確認できない。なぜ、このようなことが起きたのだろうか。

 夕張市では、定期的に医師や看護師が患者宅に赴く「訪問診療」や「訪問看護」が増えた。森田氏は「医師と患者が普段から接触を持つことで、健康状態や価値観を理解して適切な治療を選択できるようになった。それが結果的に医療費削減につながった」と振り返る。

胃ろうを作ったケースはゼロ

 顕著な例が「胃ろう」だ。腹部に穴をあけて管を差し込み胃に直接栄養を補給する治療だ。高齢者の場合、胃ろうを作ると長期間寝たきりになるケースがままあり、医療費や介護費がかさむ要因とされる。日本の終末期医療における、1つの現実だ。もちろん、胃ろうによって体力を回復するケースもあり、治療としての価値をすべて否定するものではない。

 森田氏が夕張市に関わった4年間、胃ろうを作ったケースはなかったという。「選択肢を提示したことはあったが、患者が希望しなかった。周囲に胃ろうをしている人がいないこともあったのだろう。それが夕張の文化になっていた」。

 一回当たり4万円以上の費用がかかるとされる、救急車の出動も破綻前の半分になった。患者が普段往診に来る医師にまず連絡し、必要と判断すれば医師の方が自宅に出向くようになったからだ。

 重要なことは、住民の健康意識そのものが高まったこと。医療体制が万全でなければ、住民が常に「いざ」という時の場合を意識したり、そもそも病気にならないように気をつけたりするのが自然だ。普段、健康に気をつかわず生活し、病気になったら病院へ行けば良いという「医療機関への健康丸投げをやめた」(森田氏)わけだ。

 市民と医療関係者の努力で健康被害を抑制し、医療費も減らせた夕張市。日本の医療体制の、非効率的な部分をあぶり出すヒントが含まれている。

 夕張市の場合は周辺自治体が破綻しておらず、急性期治療については札幌市など近隣市の病院に頼ることができた。もしも、何の準備も無しに国家の財政そのものが危機に陥って全国で医療体制の縮小を迫られることになれば、過酷な現実が待ち受けるだろう。それを座して待ち、子どもや孫の世代にツケを支払ってもらおうというのは、不作為の罪と言わざるをえない。

 医療制度のムダをなくし、国の財政規律が緩まぬよう厳しくチェックすべきなのは当然だ。だが、我々にも自分を律し、医療機関への「健康丸投げ」をやめるという意識改革が求められている。



https://www.m3.com/news/iryoishin/433734
シリーズ: m3.com全国医学部長・学長アンケート
医学部定員、「減らすべき」が6割強◆Vol.2
25の医学部長・学長、「増やすべき」はゼロ

2016年6月22日 (水) 成相通子(m3.com編集部)

全国医学部長・学長アンケート
 日本の医学部定員は、1970年代の1県1医大構想で新設医大の開学とともに増え続け、1980年代前半に8280人まで増えた。その後、医師過剰の懸念から徐々に削減され、2007年まで7625人で推移していた。2008年度に医師不足が深刻な都道府県への配慮から地域枠などの定員増員が始まり、2016年度には35年ぶりに医学部が新設され、医学部定員は過去最多の9262人に上った(文部科学省のホームページより)。

 厚生労働省は日本の医師数がOECD平均に近付きつつあることから、「医療従事者の需給に関する検討会」で、将来の医療需要の増減も見据えた医師数の適正な養成数についても検討を進めている(『医学部定員、増員維持か?削減か?』を参照)。しかし、病床当たりの医師数は諸外国より圧倒的に少なく、勤務医の過重労働問題も解決には程遠い(厚労省のホームページより)。女性医師が増加し、ワークライフバランスを重視する若手医師も増えている。一方で、医学部定員の増員などに伴う医学部低学年の学力低下への懸念も高まっている。

 今後、医学部定員数をどうすべきか。医学部長と学長に尋ねた(アンケートの概要は『低学年クライシス」、6割強が実感◆Vol.1』 を参照)。

Q. 厚労省では、2008年度以降に増員した医学部定員の在り方についての議論が進んでいます。日本全体での医学部定員について、2016年度の9262人からどうすべきとお考えでしょうか。

全国医学部長・学長アンケート結果
 最初の質問では、「増やすべき」「現状維持」「減らすべき」「分からない」の4つの選択肢から1つを選んでもらった。有効回答数は22。「減らすべき」を14人が選び、6割強を占めた。「現状維持」が8人で、「増やすべき」「分からない」を選んだ回答者はいなかった。

Q. 医学部定員についてお考えがあれば、お聞かせください。

 以下、最初の質問の選択肢とともにコメントを紹介する。


【現状維持】

* 学生定員増を実施したが、教員の増員は担保されていない。特に臨床実習期間の延長と質の充実を図る対策としては、教員数の増加が必要である。(富山大学医学部長 北島勲氏)
* 定員増の効果は、現在のところ、大都市圏および中核都市部にのみが恩恵を受け、都会と地方の地域格差をさらに拡大しており、地方都市では未だその効果は現れていないと感じております。そのため地方の医師不足の状態は今後も続くことが予想されます。その中で、地域枠など地域医療対策定員枠を削減することは、さらに地域格差を拡大させることになると考えられ、少なくとも地方大学医学部の定員は、現状維持とし、国による地域医療対策定員枠補助金の継続は必要であると考えます。(福井大学医学部 副学部長(教育担当)安倍博氏)
* 2018年度には定員を元に戻すといった議論が以前にありましたが、昨年から本年にかけて新たに医学部(東北、千葉)を増やした根拠が十分に説明されていません。都会偏在の医師数の是正をまず行うことが先決であると考えます。(大阪医科大学学長 大槻勝紀氏)
* 医師不足が叫ばれて久しいが、定員増によってそれが解消しただろうか。効果がでるのはこれからだろうが、現状では、近畿大学医学部に残る卒業生が大幅に増えたという状況ではない。医師不足は絶対数の不足だけでなく、偏在も問題だと言われる。大阪は都市部とされるが、大阪の中でも近畿大学医学部のある南河内は大阪では辺地で、医師不足は変わらない。また、医師が担当すべき仕事は、様々な検査や患者家族への説明など、以前に比べれば、格段に増えているし、今後も増えるだろう。現状では、医学部定員を減らす理由は見つからない。(近畿大学医学部長 伊木雅之氏)
* 当面は現状維持と考えるが、医師国家試験の難易度によって人為的に介入することは社会投資の効率性の面から、妥当性を欠くと思う。また、その結果としては社会的損失につながると考える。(産業医科大学学長 東敏昭氏)
* 我が国の医療にとっては現場で働く医師の数が重要で、医学部定員は最大の問題ではない。医学部を卒業してからの働きかたにはかなり大きな幅があり、いかにして勤務医の数を確保できるかが大きな問題。人材配置のための人事権と家庭を持つ女医の働き方が大きな影響を持つ。(匿名)

【減らすべき】

* 今後の人口減少により、医療機関の病床数も減少していくことが想定されることから、適正な医師数になるように入学定員を減少させる必要があると思われる。(旭川医科大学学長 吉田晃敏氏)
* 減らすべきですが、どのように減らすのかを議論すべきです。そもそも日本の大学、特に国立大学が西日本に偏在しすぎです。(福島県立医科大学医学部長 鈴谷達夫氏)
* 医師の需給に関する委員会(厚生労働省)のシミュレ-ションでも、このままの定員を継続すると医師過剰になるのは明らか。日本全体の人口減少も予想より早く進行している。医学部定員の増減が実際の医師数に反映されるのには時間がかかるので、早めの対応が必要。このような観点から、今、医学部を2校新設するというのは全く理解できない。(埼玉医科大学学長・医学部長 別所正美氏)
* 将来に必要人員数を想定の上、調整する必要があると考えます。(昭和大学医学部長 久光正氏)
* 長期的には定員を減らさざるを得ない。医療全体の質、個々の医師の質、さらに各医学部の質をそれぞれ担保しながら、慎重に適正定員に誘導すべきだと考える。併せて、医師の地域偏在、診療科偏在への有効な対策を迅速に講じる必要がある。(東京慈恵会医科大学学長 松藤千弥氏)
* 医学部定員は、OECDに準じた医師数を目標にすべきであるが、医学部定員増だけでは医師不足は解消せず、最大の原因である医師偏在を解消する必要がある。(聖マリアンナ医科大学医学部長 加藤智啓氏)
18歳人口が減少する中で、医学部定員のみ増やせば、質の悪い学生が入学して来る。(信州大学医学部長 池田修一氏)
* 新設大学ができた今、医師数が増大し、人口減少が進む中、医師過剰時代を迎えることになる。歯学部のような状態になると思う。(岐阜大学医学部長 湊口信也氏)
* 地域格差、医師偏在が声高に叫ばれる中で、平成20年から始まった定員増によって、いつの間にか新たに1400人を超える医学生を抱えることになってしまった。増員によるメリットは皆無ではありませんが、『低学年クライシス』は負の遺産?の一つであろうかと思います。ばらまきのごとくただ数を増やせば良いのではなく、各地域の実情を精査し確固たる計画に基づいて何人必要だから定員増するとするべきでしょう。そのためには標榜診療科の申請に制限をかけなければならないでしょうし、現在進行中の新専門医制度も関係してくるのではないですか?(愛知医科大学医学部長 岡田尚志郎氏)
* 国際的には、日本はまだ医師不足にあります。しかし、医学部の定員を増やすことだけで医療の地域間格差、診療間格差、外科医不足が解消されることはありません。定員を増やす前に、医学教育の出口における医療従事者の制度に手を加える必要があます。すなわち、適切なインセンティブを働かせることがまず必要です。(大阪市立大学医学部長 大畑建治氏)
* 入学定員は漸減すべきであり、特に130~140人という1学年に多くの学生を受け入れている大学は適正化が必要である。また、定員削減の議論を始めながら新規医学部を2つも作ろうとしている国の施策には大いに疑問を感じる。国家試験が完全に競争試験になっている現状で、医師になれない医学部卒業生を増加させることは大いに国家の損失である。(兵庫医科大学学長 野口光一氏)
* 現状は医師の偏在問題が解消しておらず、また地域枠等の増員した学生がまだ十分に医師として活躍できる状態まで到達していない。しかし、今後は徐々に増加してくることが予測され、医師の数は充足してくると考える。また少子高齢化が進み人口の減少が始まりつつあることから、将来的には削減を考える必要がある。さらに国が運営交付金の削減を継続している以上、教官数は減らさざるを得ず、それに合わせて学生数も減らす必要がある。(島根大学医学部長 山口修平氏)

【その他】

* 医療の今後のグランドデザインにより医療の需給を科学的に予測して検討すべきと考える。人口の今後の推移等による地域医療整備を含めた考察が重要と考える。(山形大学医学部長 山下英俊氏)
* 現在の臨時定員増については、時期が来れば予定通り廃止すべきである。その後の適正な医師定員数については、人口構成の変化による社会的ニーズの変化(量と内容)、医療供給体制の状況を踏まえて判断すべきである。また、併せて医師数の地域偏在に対する何らかの政策的配慮が必要と考える。(東北医科薬科大学医学部長 福田寛氏)

【現状維持or減らすべき】

* フランスのような医師偏在を解消するシステムを作らないのであれば、地方の医科大学の地域枠は維持するとともに、大都市圏の定員は減らした方がよいでしょう。(岩手医科大学医学部長 佐藤洋一氏)



https://www.m3.com/news/iryoishin/435486
シリーズ: 真価問われる専門医改革
日本医学会連合、新専門医制への独自文書取りやめ
「状況が変わり、かえって混乱招く」

2016年6月22日 (水) 橋本佳子(m3.com編集長)

 日本医学会連合は、6月21日にも可能な領域(学会)は、2017年度から予定通り新専門医制度を開始することを求める文書を出す予定だったが、22日までに取りやめることを決めた。「声明を出すと考えていた時点から、日本内科学会が見解を出すなど、いろいろ状況が変わり、声明を出すことによって、かえって混乱を招く」(医学会連合事務局)ことが理由だという。

 日本内科学会は、6月20日に今後の対応方針を示した、「新しい専門医制度への取り組みについて」という見解を公表していた(『内科学会、「新専門医は7月末を目途に判断」』を参照)。

 新専門医制度をめぐっては、日本医学会と日本医師会が連名で、「地域医療に混乱を来さないよう、一度立ち止まり、集中的な精査を行い、対応方針を判断するよう求める」文書を、18の学会理事長宛てに6月15日に送付したばかりだった(『新専門医制で18学会に釘刺す、日医と医学会』を参照)。

 しかし、日本医学会会長の高久史麿氏は、「一度立ち止まって、という考え方には反対」として、日本医学会連合の立場で、別途文書を出すことを、6月17日の定時総会後に開いた企画運営会議で決定していた(『新専門医の方針に相違?「医学会」と「医学会連合」』を参照)。21日の時点では文書案を検討していたものの、最終的に出さないことを決めた。



https://www.m3.com/news/general/435520
VREの感染が収束 横須賀共済病院
2016年6月22日 (水) 神奈川新聞

 横須賀共済病院(横須賀市米が浜通)は21日、抗生物質が効きにくくなるバンコマイシン耐性腸球菌(VRE)の院内感染が収束したと発表した。ことし4月以降、新たな感染者は見つかっておらず、同日現在で入院患者のうち保菌者もゼロとなった。

 同病院は「今後も入院時スクリーニング検査、外来VRE追跡調査を実施して状況把握に努めるとともに、感染防止対策を強化したい」としている。


  1. 2016/06/23(木) 06:16:05|
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6月21日 

http://www.saitama-np.co.jp/news/2016/06/21/09.html
栗橋病院の一部移転、白紙撤回を 久喜市議会が決議「拠点病院失う」
2016年6月21日(火) 埼玉新聞

 済生会栗橋病院(久喜市小右衛門)の一部機能を加須市へ移転する計画を巡り、久喜市議会は20日の6月定例会本会議で、「移転計画の白紙撤回を求める決議」を全会一致で可決。「移転計画に反対し、現在地または現在地周辺での医療機能の充実と強化を求める請願」を全会一致で採択した。

 決議は全会派代表が提案。決議書によると、同病院は3月23日、同市と市議会に対し、本館病棟の老朽化を理由に、高度急性期医療と急性期疾患の一部医療機能を加須市へ移転する計画を初めて説明した。

 それに先立って、同病院は3月15日に加須市と覚書を結んでいるが、久喜市議会には事後報告。県済生会副会長の田中暄二・久喜市長にも事前に知らせがなかったとしている。

 提案した市議者らは「市長に事前に知らせない状態で大事を進めることは信頼関係を損う。市議会としては移転計画を白紙撤回し、現在地または同地周辺で新病棟を開設することを求める」としている。

 請願書の請願者は久喜市栗橋医師会支部長や同市区長会栗橋地区会長ら計54人。請願者らは「近隣市町の住民から『拠点病院』を失うことへの不安と戸惑いの声が聞こえる。現在ある救急センター機能の充実発展、診療科の充実を図るべき」と訴えている。



http://news.biglobe.ne.jp/economy/0621/prt_160621_1080247040.html
【医師アンケート調査】「有給休暇はどのくらい取得できているか?」について、勤務医の4割は「ほとんど取れていない」と回答
PR TIMES6月21日(火)13時39分

医師10万人以上(国内医師の3人に1人)が参加する医師専用コミュニティサイト「MedPeer(メドピア)」(https://medpeer.jp)を運営するメドピア株式会社(東京都渋谷区、代表取締役社長:石見 陽)は、会員医師を対象に、「有給休暇はどれくらい取得できているか?」についてのアンケートを実施いたしました。以下、結果をご報告します。

※厚生労働省が平成27年10月15日に発表した「平成27年就労条件総合調査」では、平成26年の民間企業における労働者の有休取得率は47.6%でした。尚、政府は平成32年までに有休取得率を70%にすることを目標にしています。
参考:http://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/jikan/syurou/15/

[画像1: http://prtimes.jp/i/10134/70/resize/d10134-70-692704-1.jpg ]
画像:【医師アンケート調査】「有給休暇はどのくらい取得できているか?」について、勤務医の4割は「ほとんど取れていない」と回答
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[画像2: http://prtimes.jp/i/10134/70/resize/d10134-70-265187-2.jpg ]
画像:【医師アンケート調査】「有給休暇はどのくらい取得できているか?」について、勤務医の4割は「ほとんど取れていない」と回答
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■サマリー

「有給休暇はどのくらい取れているか?」の質問に対し、3,370人の勤務医が回答した。結果、最多回答は「ほとんど取れていない」で約4割(39.6%)を占めた。「忙し過ぎて取れない」「人が少なく、代理を頼むことが難しい」「学会以外は休めない」といった声が多かった。
次いで多かったのは、「2〜3割程度は取れている」(16.5%)、「1割程度は取れている」(14.4%)で、合わせて約3割を占めた。「学会と夏休みに使っている」という声が多く、「子供の病気やイベント」「当直明け」に取ったり、「半日や数時間ずつ」取っているという医師もいた。
5割以上取得している勤務医は、合わせて約2割だった。「勤務先が変わって取りやすくなった」や、「夏休みを有休扱いにして消化している」、「権利なので取るようにしている」という声があった。


■回答コメント(一部を抜粋)

「ほとんど取れていない」  1,334件
・代務者を自分で探さなきゃいけない。数多くの外来患者さんにいちいち説明しなければならない。などなど面倒なので、やはり退職するときにまとめて取るしかないですね。(40代、一般内科、男性)
・医者になって22年、いわゆる有休はとったことがありません。ちなみに病欠も0です。夏休みのみ数回。働きすぎですかね。(40代、消化器内科、男性)
・学会参加のための休みが有休として消化されるぐらいです。個人としての休みは年に1,2日です。(50代、放射線科、男性)
・仕事が忙しく、なかなか有休はとれません。もっととれる体制になればと思います。同僚ともども、過労死しないか心配です。(40代、小児科、女性)
・人がいないので。そして、お産はいつくるか分からないので。(30代、産婦人科、女性)
・何やかんや制約あり、長期はだめ、変わりはどうするか…。取れないように仕組んでいる。ブラック病院。(60代、一般外科、男性)
・この職場にきて無理と最初からあきらめています。医療過疎地域では無理ですよ。(30代、循環器内科、男性)
・上司を含め、周りの医師が有休を取らず、取れないでいる。強制的に有休を取得させる制度が必要だと思う。(30代、消化器外科、男性)

「1割程度は取れている」  484件
・医師は学会や会議などで施設を抜けることが多く有給休暇との境が不明。しかし、事務方から有給として休みの申請をするように言われるようになってきているので改めて申請をしている。(70代、小児科、男性)
・夏休みは取れていますが、休み中でも県外にいても24時間オンコールです。県外の時には電話対応のみですが。休みって言えるのでしょうか?(40代、一般内科、男性)
・最近まで出向していた組織では、有休の消化率向上も目標になっていたので、自分の意識も多少変わりました。(50代、小児科、男性)
・学会参加と夏休みを有休として取っています。しかしこれが正しい有休の取り方なのかわかりません。(30代、総合診療、男性)
・子どもの用事や病気などでとります。計画的に旅行などで取ったりということはまずありません(40代、小児科、女性)

「2〜3割程度は取れている」  556件
・子供に関連したイベントや、その他の家族の都合での有休も、規定内であれば全て認めてもらっています。職場の理解もあり、非常に働きやすい職場です。(40代、老年内科、男性)
・昨年あたりから積極的に取り始めた。一度取ると、取ることに慣れてきます。部下のためにも上のものが率先して取ることも必要だと思います。(60代、病理、男性)
・ちょこちょこ、半日や時間休をとっている。当直明けは有休処理して帰っています。こんなことで消費するしか…。(40代、呼吸器内科、男性)
・学会参加時と夏休みくらいです。いわゆる夏季休暇は設定されていません。(50代、整形外科・スポーツ医学、男性)
・年間数日とっています。住居の点検や修理で使うことが多いです。遊興にはあまり使っていない…。(40代、病理、女性)

「5割程度は取れている」  321件
・基本的に好き放題取れる職場ですが、講演会やインフルエンザに罹患した時など、致し方ない時だけ取るようにしています。(30代、一般内科、女性)
・毎年夏休みだけはしっかり(10日くらい)もらっています。それ以外は休む理由もないので特に休んではいません。(60代、循環器内科、男性)
・麻酔科管理の手術を止めなければならないので、取るときには1〜2ヶ月前に申請しています。(60代、麻酔科、男性)
・今年から医師数が増えたので有休が自由にとれるようになりました。(50代、消化器内科、男性)

「7割程度は取れている」  127件
・月に一回くらいのペースで取得しています。パフォーマンスを最大限に引き出すために必要不可欠。(30代、麻酔科、男性)
・上司もしっかり取っているので、私たちも非常に取りやすく助かっています。(30代、循環器内科、男性)
・健診センター勤務になり、初めて有休・代休というものをとりました。(50代、産婦人科、男性)
・有休消費率アップ運動が展開されています。(50代、一般内科、男性)

「ほとんど消化している」  228件
・労働者の権利なので、ほぼ100%取得し、部下にも強く推奨しています。まずは上司が取らないと部下が取りにくくなるので、自ら率先してほぼ完全消化です。(50代、麻酔科、男性)
・民間病院に行き、すべて消化しています。大学時代は取得したことはありません。(40代、代謝・内分泌科、男性)
・連携体制が上手くいっておりほとんど消化している(60代、泌尿器科、男性)
・当直明けを半日年休すると自動的に消化できます。でも真の有休ではありません。疲れて寝てるだけです。(50代、整形外科・スポーツ医学、男性)

「有休はない」  127件
・パートという形なので。若いころは、当直明けの休みやパート、学会、などに有休を当てていました。(30代、精神科、女性)
・聞いたことがありません。休まなければいけないときは、同僚たちの了解を得るなど、自分で調整して休んでいます。(40代、精神科、男性)
・管理職ということで有休はありません。その代わり夏季休暇と年末年始休暇はあります。(50代、精神科、男性)
・非常勤で行っている病院では、有休は常勤だけしかとれない。(60代、小児科、女性)

■調査概要
調査期間:2016/5/25 〜 2016/5/31
有効回答:勤務医3,370人(回答者はすべて、医師専用コミュニティサイトMedPeerに会員登録をする医師)
調査方法:MedPeer内の「ポスティング調査」コーナーにおいて、医師会員からご投稿頂いたテーマをもとに、以下の質問を投げかけました。
[表: http://prtimes.jp/data/corp/10134/table/70_1.jpg ]

■記事引用時のお願い
・医師専用コミュニティサイト「MedPeer」調べ、と明記ください。
・WEB上での引用に際しましては、「MedPeer」にhttps://medpeer.jpへのリンク付与をお願い致します。

■(参考)過去の関連調査
「医師を辞めようと思ったことはありますか?」について、半数以上の医師は「まったくない」と回答
 http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000038.000010134.html
「一番きついと思う診療科目は?」—1位「どの科も同じ」、2位「産婦人科医」、3位「外科医」
 http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000031.000010134.html
「あなたの地域で産婦人科医は足りていますか?」医師の実感を地域別に調査
 http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000029.000010134.html

【メドピア株式会社について】
・社名:メドピア株式会社( https://medpeer.co.jp )
・代表者:代表取締役社長 石見 陽 (医師・医学博士)
・設立:2004年12月
・運営サービス:医師専用サイト「MedPeer(メドピア)」( https://medpeer.jp )

メドピア株式会社は、「Supporting Doctors, Helping Patients.」を理念として、現在10万人以上の医師(国内医師の3人に1人)が参加する医師専用サイト「MedPeer」を運営しています。医師同士が臨床現場で得た知見を「集合知」として共有する場を提供することで、医師の診療を支援するとともに、MedPeerの医師会員および集合知を源泉として、製薬企業をはじめとした企業に対して医師向けのマーケティング支援サービスを提供しています。

【お問い合わせ先】
メドピア株式会社 広報担当 藤野
電話:03-6447-7961 | メール:pr@medpeer.co.jp



http://japan.cnet.com/news/service/35084603/
グーグル、「胃が痛い」などの症状で病名や治療法の検索を可能に--米国で開始
Lance Whitney (Special to ZDNet.com) 翻訳校正: 編集部
2016/06/21 13:43 C|NET

「モノのインターネット」時代は到来している!ビジネスや社会の変化を先取りせよ
 Googleは米国時間6月20日、同モバイル版検索サイトに加え、「iOS」「Android」版アプリに対し、病気の症状に関する情報の発見に役立つ機能を追加した。ユーザーは病名で検索する代わりに、「My stomach hurts」(胃が痛い)などと特定の症状を入力して検索することが可能となる。

 Googleは検索結果として、可能性がある病気の概要、考えられる治療法、何科の医師に相談すれば良いかなどを提示する。

 ユーザーが一般的な病気の諸症状を検索すると、Googleは通常、WebMD、Mayo Clinic、Medline Plusなどの専門サイトのリンクを表示する。

 Googleはこの新機能を構築するために、検索結果から「片頭痛」や「目の周りのあざ」「腰痛」といったありとあらゆる症状を見つけ出して一覧にまとめた。その後、これらの症状を医師から集めた医学情報と突き合わせ、独自の「Knowledge Graph」を作成した。Knowledge Graphは、より包括的なデータ集合を提供および表示することを目指す高度な検索機能だ。

 ユーザーが検索した症状の結果は、1つの「Condition」パネル内にポップアップ表示され、あらゆる情報を一元的に参照できる。この新機能のために、Googleは複数の医師に協力を依頼した。

 この新機能は、Googleのモバイルサイトおよびアプリのみから利用可能となっており、デスクトップ版ウェブサイトでは利用できない。また、少なくとも最初は、米国にて英語でのみ利用可能となっている。同機能は20日に公開された後、対象となるユーザーに1~2日以内で提供される予定だ。

実際の病名ではなく病気の症状でGoogleの検索が米国では可能となった。



http://www.gifu-np.co.jp/news/kennai/20160621/201606210839_27507.shtml
患者と対話、寄り添う 岐阜大病院医師が「話す会」
2016年06月21日08:39 岐阜新聞

 岐阜市柳戸、岐阜大病院で20日、診療経験豊富な医師が患者と対話する「話す会」が始まった。本年度中に6回開く予定で、初回は小倉真治病院長が救急医療や病院運営に関する質問に答えた。

 同院が理念に掲げる「対話が創る信頼と安心の病院」を実践しようと病院長の発案で初めて企画、外来や入院の患者ら約50人が訪れた。

 災害・救急医療が専門の小倉病院長は「最後の砦(とりで)としての大学病院」と題してトーク。基地病院を担うドクターヘリに関し「当病院から高山市まで最短で30分以内でたどり着く。県南部に救命救急センターが集中する『南北問題』がかなり解消された」と紹介した。

 来場者からは「医師が乗って現場に出動するドクターカーの導入計画は」などテーマに沿った質問のほか、待ち時間の短縮や病院食の改善など幅広い注文も相次いだ。

 モニターに表示される自身の番号を見逃すと診察が後回しになるとして、番号の呼び出しも求めた揖斐郡揖斐川町のバス運転手細川義一さん(70)は「些細なことだが、前向きに対応すると即答いただけた」と喜んでいた。

 話す会は隔月で、テーマは患者から募集。次回からは副病院長らが語る。



http://www.medwatch.jp/?p=9324
激震の「看護必要度ショック」8月に追加講演決定、日病学会でも
2016年6月21日|GHCをウォッチ

 大注目セミナー「看護必要度ショック」の追加講演を緊急開催します。日病学会でも関連テーマに触れます。

ここがポイント
1  Hファイル提出直前に押さえるべき要点
2 「第66回日本病院学会」のランチョンセミナーでも
  Hファイル提出直前に押さえるべき要点

 2016年度診療報酬改定で、全国の一般急性期病院の間に激震が走ったのは記憶に新しいかと思います。この10月から「重症度、医療・看護必要度」の生データ「Hファイル」の提出が義務化されるからです。

 データ精度に問題があれば、7対1入院基本料の算定返上にもなりかねません(関連記事『「突然の7対1返上」に絶対ならない4つの正しいステップ、医療・経営の質向上の入口は看護必要度―GHCがセミナー開催』)。正確な自病院の重症度を把握できていなければ、急性期病床の大再編時代に適確な病床戦略を立案することもできません。

 こうした背景から、4、5月に東京、大阪、福岡で計5回開催した「看護必要度ショック」のセミナーは、いずれも満席。セミナー終了後も関連のお問い合わせが後を絶ちません。そこで、前回のセミナー内容をさらにブラッシュアップし、Hファイル提出直前に押さえるべき要点をまとめ、データ精度向上から病床戦略までの基本ステップを網羅したセミナーを、8月18日(木)に横浜で緊急開催することが決定しました(詳細はこちら)。

「第66回日本病院学会」のランチョンセミナーでも

 また、盛岡市内で6月23―24日に開催する「第66回日本病院学会」で予定しているGHCのランチョンセミナーでも、「看護必要度ショック」をテーマの1つに取り上げます(セミナー詳細はこちら)。

 日病学会へお越しの方は、まずは23日のランチョンセミナー、そして8月の追加講演に是非、ご参加ください。

【6/23】地域医療構想下における戦略的病院経営 ~岩手県立中央病院の事例をもとに~「看護必要度ショック」の要点と対策(関連記事)
【8/18】激震走る「看護必要度ショック」、 Hファイル提出直前に押さえるべき要点~データ精度向上から病床戦略までの基本ステップ~(関連記事)



https://www.m3.com/news/iryoishin/434893?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD160621&dcf_doctor=true&mc.l=163740504&eml=3f492a08f1681d66441569ec02c0b51e
シリーズ: 真価問われる専門医改革
内科学会、「新専門医は7月末を目途に判断」
実施なら正式な制度、「現制度の継続」の可能性も

2016年6月21日 (火) 橋本佳子(m3.com編集長)

 日本内科学会は6月20日、「新しい専門医制度への取り組みについて」という見解を公表した。新専門医制度について理解が得られれば、2017年度から「試行」ではなく、正式な制度として開始するものの、時間的な状況を踏まえ、新専門医制度開始の見通しが立たない場合、「本年7月末を目処に、2017年度は現制度を継続する判断をする」という内容だ(同学会のホームページ)。

 20日の見解ではまず、新専門医制度について、「解決すべきさまざまな課題が明らかになり、国民的議論に発展しつつある。超高齢社会を前に、「専門医養成の在り方が注目されるのはもっともなこと」と指摘。その上で、日本医師会や四病院団体協議会の要望書、厚生労働大臣談話などでも求められている集中的な精査、協議により、建設的な意見集約を行い、より良い仕組みとなることを期待しているとし、理解が得られれば、2017年度から新専門医制度を開始するとしている。

 しかし、研修施設、指導医、専攻医の置かれている状況、検討の協議で結論に時間を要すると考えられるとし、「新しい専門医制度が開始できるという見通しが得られない場合、本年7月末を目処に、来年度に関しては日本内科学会の現制度を継続する判断をしたいと考える」と説明。

 今なお方針が定めにくい状況が伺え、後段では、「新しい制度の取り組みに関する目下の懸念点は、新しい制度がいつ始まるのか、その研修実態はきちんとした制度であるのかどうか、ということにあると思う」と指摘。この6月末に選出される日本専門医機構の執行部、地域医療を担う医療関係者および各学会と十分協議した上で、本年7月末を目処に新しい専門医制度が問題なく開始できることが確認された場合には、「試行的ではなく、正式な専門医制度として開始されることを強く望む」と結んでいる。

 2017年度から開始予定だった新専門医制度は、地域医療への影響が懸念され、全領域での全面実施は見送られ、各学会の判断に現時点では委ねられている(『新専門医制で18学会に釘刺す、日医と医学会』を参照)。地域医療への影響が特に大きい、日本内科学会と日本外科学会の判断に注目が集まっている。

 「指導医の大病院集中や引き剝がしに配慮」

 20日の見解では、新内科専門医について、「複数の疾患を有する場合の多い高齢者にも質の高い医療を提供できるジェネラルな素養を持つ内科医の育成」を目指し、幅広い症例経験を求めるプログラムを設けたと説明。従来は、初期研修を含めて3年で取得可能だった認定内科医を、初期研修を含めて、5年の研修を必要とする内科専門医としたのは、こうした理由からだとした。内科専門医のあり方については、引き続き内科のサブスペシャルティ学会と協議していく方針。

 新専門医については、「質の高い医師の養成」と「地域医療の充実」という、「ともすると矛盾しがちな課題の解決」が求められるとし、「地域医療」の充実という要請に応えるため、新制度では、施設群による研修体制を構築したという。基幹施設と連携施設が施設群を組む体制になったことから、専門医養成に関係する施設は、従来の1194施設から2875施設と2.4倍に増加、増加の大半を中小病院が占め、新たに200床未満の施設が1568施設加わることから、「指導医になることができなかった中小病院所属の内科医が、指導医として新たに参加することとなり、指導医の大病院集中や引き剥がしがないように配慮している」と理解を求めている(『内科専門医、「研修施設ゼロ」の2次医療圏は1カ所』などを参照)。

 さらに研修医に対しても、(1)内科系サブスペシャルティ研修に関する弾力的な対応、(2)休職期間の取り扱い、(3)研修実績の登録と評価――について説明。



https://www.m3.com/news/general/435140
肝炎治療薬520万円相当を横流し 詐欺容疑で3人逮捕
2016年6月21日 (火) 朝日新聞

 病院から処方されたC型肝炎の治療薬(1錠約6万円)を横流ししたとして、警視庁が21日、男女3人を詐欺容疑で逮捕したことが捜査関係者への取材でわかった。生活保護受給者は医療費負担がないことを悪用して入手し、不正に転売していたとみて調べている。

 逮捕されたのは、東京都町田市に住む無職の男(48)と30代の女、神奈川県藤沢市に住む40代の男の計3人。相模原市内の病院で今年、服薬する目的がないのに、医師から3回にわたり、C型肝炎治療薬「ソバルディ」84錠(約520万円相当)の処方を受け、だまし取った疑いがある。

 C型肝炎の患者だった無職の男は、生活保護受給者であることから、無料でソバルディの処方を受けていた。男は今年3月に覚醒剤取締法違反容疑で逮捕、起訴され、調べに「ソバルディを転売した」などと話しているという。警視庁は、ほかに逮捕した男女がこの男から薬を買い、さらに転売していたとみている。

 ソバルディは昨年3月、国が新たに承認したC型肝炎治療薬。厚生労働省によると、1日1錠を84日間服用する。それまで主流だったインターフェロンなどの注射薬と比べて副作用も少なく、短い治療期間でより高い効果が期待できるという。厚労省は、2015年時点で年間1万9千人の患者が使用すると見込んでいた。



https://www.m3.com/news/iryoishin/435239
シリーズ: 真価問われる専門医改革
日本専門医機構、新執行部24人の理事候補者決定
27日の社員総会で選任、理事長はじめ刷新へ

2016年6月21日 (火) 橋本佳子(m3.com編集長)

 日本専門医機構の役員候補者選考委員会(委員長:中川俊男・日本医師会副会長)は6月21日、第2回会議を開き、24人の新役員候補者を決定した。27日の同機構理事会、同じく27日に開催される社員総会の決議によって選任する。

 21日の段階では、役員候補者の名前は明らかにされなかった。理事は、23~25人の予定だったが、役員候補者に選ばれたのは24人。役員選任規定では、機構設立時およびそれに準じる社員(日本医学会連合、日本医師会、全国医学部長病院長会議、四病院団体協議会)から各2人、計8人、内科系社員学会と外科系社員学会から各3人、計6人、専門医育成に関係する団体(日本医療安全機構、医療研修推進財団)から各1人、計2人、学識経験者から7~9人とされている。

 学識経験者が8人か、あるいはそれ以外の枠から1人減員されたのかは不明。現理事長の池田康夫氏は、理事候補に推薦されても辞退することを表明(『池田理事長、「新理事に推薦されても辞退」』を参照)。他の現理事も、複数入れ替わるもよう。

 2017年度から開始予定だった新専門医制度の全面実施は見送られ、新制度に移行するか、あるいは現行制度のまま実施するかなどの判断は、各基本診療領域の学会に委ねられている(『新専門医制度、2017年度の全面実施見送りへ』を参照)。新執行部の体制を見て判断する学会もあると予想され、ガバナンスを発揮でき、医療界内外から信頼され得る新執行部の構築が求められている。


  1. 2016/06/22(水) 05:22:16|
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6月20日 

https://www.m3.com/news/iryoishin/434116?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD160620&dcf_doctor=true&mc.l=163454639&eml=3f492a08f1681d66441569ec02c0b51e
シリーズ: 医療裁判の判決詳報
帝王切開で死亡、高裁が認定した事実◆Vol.1
判決詳報、「医師のミスなければ、妊婦救命できた」

2016年6月20日 (月) 成相通子(m3.com編集部)

 東京高裁で5月26日、2008年に静岡厚生病院(静岡市)で帝王切開手術を受けた後に死亡した妊婦(当時24歳)の遺族が、病院を運営する「JA静岡厚生連」と手術をした医師3人に損害賠償を請求した訴訟の控訴審判決があり、富田善範裁判長は、死因との因果関係を認めなかった一審を取り消し、病院側に約7490万円の支払いを命じた。病院側は6月10日までに最高裁に上告した。 控訴審判決で認定された事実と判断を2回に分けて詳報する。

■事件の経緯

 2008年4月に当時24歳だった妊婦が 、同病院で帝王切開手術を受けた後、死亡した。2014年12月の静岡地裁判決では、「妊婦に対して抗ショック療法および抗産科DIC療法を開始するべき義務があったが、違反した」として、医師らの過失を認定したものの、当時の医療水準の治療では、医師らが救命することはできなかったとして、過失と妊婦の死亡の相当因果関係は認められないと判断し、遺族側の請求を棄却した。遺族側は、それを不服として控訴した。

■死亡までの経緯 (争いのない事実 と 裁判所が認定した事実

※緑色の表記は裁判所が認定した事実

 妊婦は2007年9月から定期的に同病院の産婦人科を受診し、医師A、Bの診察を受けていた。出産予定日は2008年4月24日。経過は概ね良好で、2008年4月25日に受診した際も異常はなかった。

 妊婦の身長は164.0cm、妊娠前の体重は61.0kg、手術直前は78.2kg。妊娠前に大きな病気やアレルギーは無かった。

 2008年4月27日午前0時ごろ、妊婦は病院に自ら電話して、陣痛を訴えた。対応した看護師は、陣痛が強くなったら再度電話するように伝えた。

 午前6時50分ごろ、妊婦が再度電話し、夫の運転する車で病院に向かった。

 午前7時20分ごろ、妊婦が病院に到着。脈拍独歩で来院し、ふらつきはなかったものの、口唇色がやや不良で、発汗が著明だった。体温は35.5度。対応した助産師がNST(胎児心拍モニタリング)を装着し、胎児の心音を聴取しようとしたが、聴取できなかった。ドップラー、エコーでも同様だった。そのため、異常と判断し、午前7時53分ごろに担当医のAに電話連絡した。

 午前8時過ぎに担当医Aが病院に到着。妊婦をエコーで診察し、胎児心拍消失と胎盤早期剥離を疑う所見を確認し、胎盤と子宮壁の間に血液と思われる胎盤後血腫の像があり、胎盤自体が熱くなっていたこと、胎児の心拍も認められなかったこと、腹部が非常に硬くなっていたことなどから、常位胎盤早期剥離を発症したと判断。帝王切開で胎児を出産させることを決定した。医師Aは、手術をすること、胎動がほとんどなく、胎児の生存が難しいと思われることを夫に説明。夫が手術と輸血の同意書にサインした。

 午前8時25分に採血された血液検査の結果が午前9時13分ごろ得られ、赤血球数(RBC)3.19、ヘモグロビン濃度(Hgb)8.2g/dl、ヘマトクリット値(Hct)25.4、活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)29.3、プロトロンビン時間国際標準比1.11、出血時間8.0以上だった。医師らは、血液検査で産科DICスコアをカウントするためのFDPやDダイマーの検査は指示しなった。

 病院で、RBCの基準範囲は3.8~4.8、Hgbは34~45 g/dl、APTTは25~38 とされており、上記血液検査の数値はいずれも基準範囲を下回っており、特にHctは相当低い値である方、赤血球数だけでなく、血液が希釈された状態になっていることも伺われる状態だった。


 午前8時45分ごろ、手術室に入室。妊婦の顔色ややや不良で、冷汗があった。妊婦を手術室に送ると、Aが手術室から出てきて、夫に最悪の場合は子宮を切除する旨を話し、夫が了解した。内診では、子宮口は4センチ大で、出血が認められた。

 手術はAが執刀医、AとBが麻酔 を担当し、医師Cが助手を務めた。麻酔は腰椎麻酔で、午前9時5分から午前11時2分まで続いた。

 手術は午前9時15分に始まり、午前10時45分に終わった。

 病院には、RCC4単位、FFP4単位の在庫しかなかったため、医師Aが午前9時ごろ、看護師に対して、日赤血液センターからRCC10単位、FFP10単位を取り寄せるよう指示したが看護師の発注ミスでFFP10単位は発注されなかった。最寄りの日赤血液センターから病院まで車で12分ほどで、RCC10単位は午前9時20分ごろに病院に届いた。

 午前9時23分に人工破膜を実施。
午前9時24分に胎児挽出し、同26分に胎盤を挽出、子宮を外に出した。同27分に小児科医が胎児の死亡を確認し、小児科医は胎児と共に手術室を出た。

 胎児娩出直後から、胎盤や大量の凝血塊が切開創からあふれて来た。凝血塊は、手で何度も鷲掴みにできるほどの量で、医師AとCが次々に子宮から除去した。除去後の子宮は全体に柔らかく、表面色も早期胎盤剥離の時の色を呈していたが強出血は認められず、子宮の大きさが一般の子宮と比べて大きい状態にはなっておらず、浮腫状でもなかった。子宮の収縮は不良であると認められたが、初産婦であったことや、輪状マッサージで子宮の収縮がやや良好と認められたことから、子宮温存可能と判断。

 医師Aが子宮切開創を縫合し、医師Cが結紮して閉じ、腹腔内に戻す処置を開始した。じわじわとした出血はあったものの、出血が止まらないことはなかった。子宮を温存すべきか医師らが検討している間に、妊婦は医師Bに対して「赤ちゃん大丈夫なの」と尋ね、医師Bは「とりあえず小児科の先生がみてくれるから」と返答した。

 午前9時半までに、合計約1350mlの輸液(ヴィーンD100ml、ヘスパンダー100ml、ラクテック約250ml)を行った。


 午前9時半ごろ、妊婦の収縮期血圧はショックの目安となる90を下回り、ショックに陥った。

 血圧は、午前9時5分に収縮期140/拡張期83だったのが、午前9時10分に同125/69、午前9時15分に同115/58、午前9時25分に同101/43、午前9時30分に同85/35と徐々に低下し始め、人口派破膜後も低下を続け、午前9時半ごろにショックに陥った。その後の血圧は、午前9時40分に同93/48となっていったん改善したが、午前9時45分に58/35と再び悪化。

 医師Bが血圧を上げるために輸液を全開にし、昇圧作用のあるエフェドリンを8ml投薬。午前9時50分ごろからはカコージンを投与したが、RCC2単位の輸血を開始した後の午前10時35分まで収縮期血圧はショックの目安の90を上回ることはなかった。

 脈拍は一般に60~100の間が正常で、100を超えると頻脈と考えられる。妊婦の脈拍は午前8時45分の手術室入室時に90、手術開始前の午前8時50分に130、その後一貫して100を超えていた。

 医師Bは、午前9時45分から同50分の間、午前10時ごろの2回、妊婦に痙攣のような動きがあったことを確認。1回目は手を上げるような動きで、二回目は、身体をのけぞるような動きと歯を食いしばるような動きが30秒から1分程度続いたという。医師Bは、これらの動きが収まりつつあると認識したものの、アルビアチンを投与。下顎の開口が困難な状態だったため、バイトブロックをしようとした。医師AとCは、上記の痙攣のような動きには気付かなかった。

 午前10時ごろ、収縮期血圧は49にまで低下。医師Bは、血圧を上げるために末梢血管を拡張する効果がある笑気ガスを切った。その後、収縮期血圧は60程度に上昇したが、ショック状態からは回復しなかった。そのころまでには、医師Aが子宮切開創の縫合を終え、子宮を腹腔内に戻し、閉腹を開始。医師Aは、ショック状態に陥った時点から腹膜縫合の直前まで、妊婦の血圧が低下しているとの認識はなかった。

 医師らは、腹膜縫合の直前ぐらいから、妊婦の血圧低下と頻脈が頻発していることを確認。呼びかけへの反応が不良で、不穏状態が認められるとして、妊婦に循環血脈不足、または弛緩発作を疑った。医師Bは、RCC4単位が手術室に搬入されたとの連絡を受けたが、医師Aと相談し、今は血圧が低いが、手術の出血は大量とは思われず、妊婦が若年であることから、RCCを輸血せずに様子を見ることにした。

 午前10時半ごろ収縮期血圧が再び48に低下。医師Bは医師Aと相談の上、妊婦にRCC(濃厚赤血球、140ml)2単位の輸血をポンピングにより実施。輸血直後の午前10時35分、血圧は同102/75となり、一次的に上昇した。


 午前10時45分ごろに手術を終了した。手術時間は、1時間30分で、通常より若干長い程度だった。医師らは、手術終了段階で妊婦の意識レベルが低下していることを確認し、直後に医師Cは血圧低下の原因として、子宮からの出血が急に増加している可能性も考え、超音波で腹部の上から観察したが、子宮口内の血液貯留はほとんどなく、悪露流出も通常の帝王切開と同じ程度だった。このころ、RCC2単位の輸血が終了した。

 輸血終了直前の午前10時46分、妊婦の血圧は同55/28に低下。医師らは追加で2単位の輸血を開始した。FFPもこのころ手術室に届けられたが、未解凍の状態だったため、直ちに輸血はできず、解凍した。

 午前11時ごろ、血圧は一時的に回復、同97/77になった。妊婦は医師Bの呼び掛けに一度うなずいた。医師らは、弛緩発作や脳出血の可能性も考え、CT撮影を行うことにした。


 午前11時すぎ、医師Aが待合室で妊婦の家族に胎児は死産だったこと、子宮は残したこと、痙攣などがあるため、鎮痛剤の投与を行ったことを説明。脳出血の可能性があるとして、CT検査をすることも説明した。

 手術室を出るまでの総出血量は経時的に把握されていなかったが、後に確認したところ、確認された分だけで、3438ml(吸引1500ml、ガーゼなど1938ml)だった。医師らは、手術中の出血量、吸引分の1500mlは把握していたが、それ以外の1939mlについては把握していなかった。

 午前11時15分ごろ、CT室に移送され、頭部CT検査を実施。同時に腹部CTも撮影した。子宮は巨大化しており、帝王切開後の子宮の重さがだいたい700mg以下、通常500g程度であるところ、1300gになっていた。腹腔内や子宮内に病的な液体貯留所見は認められなかった(後にCT画像から推測したところでは、子宮内に貯留していた血液は83.91cm3)。腹部大動脈と下大動脈は虚脱していた。画像診断をした脳外科医は、明らかな脳出血や浮腫はないと診断した。

 CT撮影中、看護師が呼吸の異変に気づき、「呼吸がおかしいから挿管した方が良いのでは」と医師Cに申し出た。医師Cは、撮影室から呼吸の状態を確認できず、手術室では自発呼吸をしていたことから、直ちに応じることはしなかったが、看護師は「絶対に呼吸がおかしい」と強く主張。撮影終了時に医師Cが確認したところ、努力性の呼吸(下顎呼吸)を呈していた。


 医師Aは、脳出血はなかったが、血圧が測定できないほど低いため、人工呼吸器を装着すると家族に告げた。

 午前11時半ごろ、普通病棟に移送。午前11時40分ごろからRCC2単位の輸血を実施。午前11時45分ごろにはFFP(新鮮凍結血漿、120ml)2単位の輸血を行った。

 午後0時2分の体温は33.0度。心拍数は136でSPO2と血圧は測定不可だった。午後0時10分、右鼠径部から血液ガスを採取し、SPO2は2555.5、PCO2は16.7、Ph7.002で、医師Bは代謝性アシドーシス、代償性過喚気になっていると考えた。同時に血液採取と血液検査も行われ、午後0時52分に判明した結果では、血小板8.1万μl、Dダイマーは73.1だった。遅くとも午後0時10分ごろの段階で、重症の産科DICを発症していた。

 血圧検査では、Hgbが7.5g/dl、Hctは22.2で、手術開始前に比べても、さらに貧血が進んでいる状態だった。午後0時ごろ、心エコーを実施したが、右室負荷も、右室拡大所見も左室圧排所見も認められなかった。


 午後1時10分ごろ、家族が面会で病室に入ったところ、人工呼吸器を付けていた。午後1時19分には医師が心臓マッサージをし、同24分ごろに心拍停止、同40分に死亡確認した。

 医師らは手術当日、産科DICスコアをカウントせず、SI(ショックインデックス、脈拍数/収縮期血圧)による評価はしていない。

 4月30日に警察の嘱託で司法解剖を実施。極度の貧血で、各臓器も貧血所見が著明だったが、それに相当する血液貯留は認められず、出血箇所の特定もできなかった。腹腔内は巨大な妊娠子宮で占められ、その前面に横走る新しい手術痕が認められ、子宮内腔に縫合痕と胎盤の剥離痕が認められる以外に異常な出血や血液貯留は認められず、腹腔内には淡赤褐色液75mlがあった。死因鑑定では、病理組織検査の結果、肺の血管内に羊水成分と見られる細胞(サイトケラチンAE1/AE3)を確認。血漿について亜鉛コプロポルフィリン(胎児の便中に大量に存在されるとされている物質)を測定したところ、高値を示した。鑑定医師は、肺の血管内に羊水成分と見られる細胞が確認され、その影響が貧血所見よりも重要であると判断し、妊婦の死因は羊水塞栓症であると推定した。胎児の死因についても鑑定し、常位胎盤早期剥離として矛盾しないと結論づけた。


■争点は7点

1.常位胎盤早期剥離発症時における産科DIC防止に関する過失の有無
2.産科DICおよびショックに対する治療に関する過失の有無
3.弛緩出血への対応に関する過失の有無
4.輸送義務違反の有無
5.過失と死亡との間の相当因果関係の有無
6.医師らによる期待権侵害の有無
7.妊婦とその家族の損害
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https://www.m3.com/news/general/434739?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD160620&dcf_doctor=true&mc.l=163454643&eml=3f492a08f1681d66441569ec02c0b51e
「暴力受けた」半数 訪問看護、利用者・家族に 神戸の大学調査
2016年6月20日 (月) 共同通信社

 利用者の自宅でケアをする兵庫県内の訪問看護師を対象にした調査で、50%が「暴力」を受けた経験があると回答したことが18日、分かった。暴力を振るったのは、利用者が71%、利用者の家族・親族が24%、利用者と家族ら両方からも2%あった。調査した神戸市看護大のグループが明らかにした。

 調査では、身体的な暴力だけでなく、言葉での侮辱や威圧的な態度なども「暴力」としている。

 グループの林千冬(はやし・ちふゆ)教授(看護管理学)は「自分の対応が悪かったのが原因と思い、暴力と認識しない場合もあり実際にはもっと多いはず。過去のトラブルの情報を共有する仕組みや行政の相談窓口設置など対応が必要だ」と指摘している。林教授によると、訪問看護現場の暴力を調べた研究は少ない。

 調査は、昨年12月から今年1月、兵庫県内の訪問看護ステーション83施設の600人に質問状を送り、358人が自身の経験に基づき回答した。

 暴力を受けた経験があると回答した人(180人)に内容を複数回答で聞くと、威圧的な態度が49%、言葉での侮辱が45%、身体的暴力が28%などだった。

 言葉の侮辱としては「ばか女死ね」「はさみで刺す」などと言われたほか、身体的暴力では「つえでたたかれる」「生傷が絶えない」など。

 セクハラ被害もあり「抱きつかれた」「利用者が訪問中にアダルトビデオをずっと見ていた」などの回答があった。

 暴力を振るったのは、60~69歳が32%、70~79歳が23%だった。

 対応では「相手の言い分をただただ傾聴した」が23%と最多。「やめるよう伝えた」と「我慢した。あきらめた」がいずれも15%だった。9割近くは上司に報告していたが、予防策が「ある」としたのは22%にとどまった。

 林教授は「利用者の自宅で一対一になり、身体的な接触も多い。暴力を予測することは難しい」と分析している。

 ※訪問看護
 民間の訪問看護ステーションから、看護師らが病気や障害のある人の自宅を訪問し、生活の介助や医療処置など在宅での療養をサポートするサービス。利用者は増えており、約39万人が利用している。介護保険と医療保険のいずれかから費用が出る。利用したい場合は、主治医に相談して病状や要介護度などが書かれた「訪問看護指示書」を交付してもらう必要がある。全国訪問看護事業協会によると、昨年4月現在、全国に約8200のステーションがある。



https://www.m3.com/news/general/434740
「理不尽な実態知って」 体調異変のケースも
2016年6月20日 (月) 共同通信社

 神戸市看護大の研究グループが実施した調査で、訪問看護師が暴力に悩まされている実態が明らかになった。調査に答えた訪問看護ステーションの所長らは「理不尽さに傷ついている人は多い」「まずは、暴力があることを知ってほしい」と訴える。

 ステーションで所長を務める50代女性が話したのは、スタッフの体調に異変が出たケース。30代の女性スタッフが、脳血管に病気を抱える利用者の30代の息子が出したお茶を飲んだ後、体調を崩したことが2度続いた。2回目は意識障害を起こし入院。所長は「薬の混入を疑ったが、原因は分からなかった」と明かす。

 病院の担当者や地域のケアマネジャーを通じ、事前に利用者の病歴や家族構成などの情報が入ってはくるが、別の女性所長は「家に実際に誰がいてどんな人なのかを知るために、玄関を入った一瞬の情報収集にかける」と打ち明ける。

 実際に暴力を受けても「利用者が病気だから仕方がない」と思ってしまう従事者も多い。ある女性所長は「暴力と表現するのに抵抗もあった。でも看護師が傷ついた事実は受け止め、種類別に分けて、対策を考えていきたい」と話した。

 暴力を防ぐには、複数での訪問が必要だが、人件費が増えるため実現が難しいのが実情。「行政などの支援がないと厳しい」と所長らは声をそろえる。



http://answers.ten-navi.com/pharmanews/7160/
医師の偏在を助長?医療界が大揉めする「新専門医制度」
2016/06/20 Answers News

専門医の養成制度をめぐり、医療界が大きく揺れています。

専門医の質の向上を狙って2017年4月にスタート予定の「新専門医制度」に対し、日本医師会や病院団体などから「医師の偏在を助長する」と批判が噴出。制度の運営を担う「日本専門医機構」は予定通り制度の開始を目指していますが、日医などの要望を受けた厚生労働大臣が延期を示唆するなど、混迷は深まるばかりです。


バラバラだった専門医認定を統一

専門医とは、内科や外科、小児科など、特定の診療科や疾患領域に関して専門性の高い知識や技能を身につけた医師が、認定を受けて取得できる資格です。

専門医の認定は、内科なら日本内科学会、小児科なら日本小児科学会といったように、各学会が独自に行っています。そのため、認定基準や認定方法は学会によってバラバラ。特に、専門医の広告が認められた2002年以降、学会による専門医資格は乱立することになり、質の低下やばらつきが懸念されるようになりました。

そこで厚生労働省は11年、専門医制度の見直しに向けた検討を開始。13年には「学会から中立的な第三者機関」を設立し、そこで専門医の認定と研修プログラムの評価・認定を統一的に行うという、新専門医制度の大枠をまとめました。


新専門医制度のポイント

新専門医制度のポイントを見ていきます。

新制度では、専門医資格を希望する医師は、医学部卒業後2年間の臨床研修を終えた後、さらに3年以上の研修を受けることになります(専門医資格を目指して研修を受ける医師は「専攻医」と呼ばれます)。研修は、大学病院などの基幹病院を中心に、地域の病院や診療所がグループを組んで実施。大学病院と地域の病院・診療所を行き来しながら症例を積んでいく仕組みになっています。

乱立していた専門医資格も整理されます。新制度では、専門医資格を「基本領域専門医」と「サブスペシャリティ領域専門医」の2つに区分。医師はまず、「内科」や「外科」「小児科」「皮膚科」といった基本領域専門医の資格を取得し、その後、希望に応じて「循環器」「糖尿病」「がん」「心臓外科」など細分化されたサブスペシャリティ領域専門医の認定に進む2段階方式となります。

新専門医制度の基本設計
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新制度の運営を担うのは、「中立的な第三者機関」として14年に設立された「日本専門医機構」。機構は、研修を行う病院が作った研修プログラムの評価・認定、専門医の認定を行います。


大学病院に医師集中?「地域医療に混乱」広がる不安

専門医の質を高め、良質な医療を提供する――。高尚な目的を掲げて走り出した新専門医制度ですが、医師会や病院団体からは批判が噴出し、制度の延期を求める声も大きくなっています。なぜなのでしょうか。

まずは下の図をご覧ください。

新専門医制度の仕組みと医師偏在への懸念
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先にも触れたように、新専門医制度では大学病院などの「基幹病院」が、専門医機構が認定したプログラムに基づいて研修を行う計画です。専門医機構はプログラムの整備基準で、各専門領域で幅広い症例を数多く経験させるよう求めており、基幹病院は大学病院などの大規模病院が中心にならざるを得ず、特に地方では“基幹病院=大学病院”という構図になってしまうことは容易に想像がつきます。

こうした制度設計のため、若手医師が大学病院に集中し、地方の中小病院に若手医師が集まらなくなるとの不安が広がっています。加えて、専門医研修を行う施設には「指導医」を配置する必要があり、ベテラン医師までも大学病院や連携施設にとられてしまう可能性も指摘されています。


地方自治体からも批判

日本医師会と日本病院会など4つの病院団体は今月7日、「指導医を含む医師および研修医が都市部の大学病院等大規模な急性期医療機関に集中し、地域偏在がさらに拡大する懸念が強く、地域医療の現場に大きな混乱をもたらす」との声明を発表。17年度からの制度開始に“待った”をかけました。

こうした声は、地方自治体からも上がっています。5月には関西広域連合が「地域医療を支えている中小病院が基幹病院になるのは事実上困難で、連携施設も常時専攻医の派遣を受けられる担保がなく、地域医療を支える医師の確保に多大な影響が生じる」との意見書を国に提出。問題が解決するまで、制度を延期するよう求めました。


深まる混迷、厚労省が延期を示唆

混乱は続きます。

塩崎泰久厚生労働相は、日医と病院団体の要望を受けたその日のうちに「要望の趣旨を十分理解する」との談話を発表。「要望や意見を真摯に受け止め、なお一層の取り組みをされることを強く期待する」と、現計画にこだわる専門医機構をけん制しました。

それでも専門医機構は、予定通り17年4月から制度を開始する意向を崩しません。11日には主要な学会に対して「研修プログラムに基づく専門医育成の仕組みを実現させることも非常に重要」とのコメントを送付。塩崎厚労相は14日の記者会見で「談話の趣旨が全く踏まえられておらず、大変遺憾」と不快感をあらわにし、制度の導入延期も含めて議論する必要があるとの考えを示しました。

新専門医制度に対する批判は、医師偏在を助長しかねない仕組みだけでなく、意思決定プロセスの不透明性など専門医機構のガバナンスにも向かっています。感情的な対立に陥ってしまっている面もあり、混迷は深まるばかりです。


17年4月のスタートは不透明

新専門医制度をめぐっては、厚生労働省に専門委員会が設けられ制度の改善に向けた議論が進んでいます。従来はプロフェッショナルオートノミー(専門職の自立性)を尊重してきた厚労省ですが、混乱を収拾しようと介入に乗り出した格好です。

厚労省は専門委員会に、17年4月から新制度の運用を“試行的”に始めてはどうかと提案しています。しかし、議論はいまだにまとまっていません。予定通り17年4月に新制度をスタートできるかは不透明な状況です。



http://www.yomiuri.co.jp/local/yamagata/news/20160620-OYTNT50183.html
米沢市の新病院 建設予定地変更
2016年06月21日 読売新聞 山形

 ◆当初予定から北西2キロ

 医師不足で閉鎖された米沢市立病院の精神科を巡り、再編統合に応じる意向を示した社会医療法人「公徳会」(南陽市)が、新病院(108床)の建設予定地を米沢市内の別の工業団地に変更することが分かった。

 市によると、新たな予定地は米沢オフィス・アルカディア内の1.32ヘクタール。当初検討された米沢八幡原中核工業団地から北西約2キロにある。先月23日に開いた住民説明会で、当初予定地が市立万世小学校に隣接することから、来院者の車が増えて交通安全上の懸念が生じるなどの声が上がった。このため、公徳会が予定地の変更を市に伝え、協議していた。予定地は当初の7割と狭くなるが、鉄骨2階、延べ床面積約5300平方メートルの病棟を建設するとした当初の設計を採用する。

 中川勝市長は記者会見で「来年度のなるべく早い時期に開業できるよう、公徳会への支援を含めて検討したい」と話した。



https://www.m3.com/news/iryoishin/434883
シリーズ: 真価問われる専門医改革
池田理事長、「新理事に推薦されても辞退」
日本専門医機構の執行部、トップ含め刷新か

2016年6月20日 (月) 橋本佳子(m3.com編集長)

 日本専門医機構の第12回理事会が6月20日に開かれ、理事長の池田康夫氏は理事会の席上、「新執行部の理事として推薦されても、辞退する」と表明した。理事会後、m3.comの取材に答えた。同機構の役員の任期はこの6月末で切れ、新役員の選考が現在進められている(『日本専門医機構の新理事候補、来週にも決定か』を参照)。池田理事長は、2014年5月に発足した日本専門医機構の初代理事長で、前身の日本専門医制評価・認定機構時代から理事長を務めていた。

 池田理事長は、「研修プログラム制とサイトビジットという、専門医養成のプラットフォームを作り、一応の役割を終えた。あとは次の執行部に委ねたい」と語った。

 なお、同理事会では、2015年度の事業報告,収支決算書についての承認などを行った。新役員は、「役員候補者選考委員会」を経て、6月27日開催の日本専門医機構の社員総会で決定する予定。


◆池田康夫・日本専門医機構理事長に聞く

「専門医養成のプラットフォームを作った」

 私たちは、グロ―バルスタンダードの良質の専門医を養成するために、(機構発足後の)この2年間議論してきた。その基本は、研修プログラム制と、(研修施設を評価するために訪問調査などを行う)サイトビジットだ。基本診療領域の学会の賛成は得られ、コンセンサスを作り上げた。また専門医の更新についても、単に学会に出席して判子をもらうのではなく、共通講習を受け、診療実績を重視するなど、専門医の質をよくするための仕組みとしてでき上がった。

 あとはこれをどのように実施するかという問題になる。その際に、地域医療の問題を無視して進めることはできないので、次期の執行部に渡して、そこで判断していただく。自分としてはプラットフォームを作り、一つの形ができ上がったので、一応の役割を終えた。あとは次の執行部に委ねたい。

 地域医療の問題は、専門医制度だけで解決する問題ではない。日本全体が、地域創生を問題にしている。医療だけでなく、経済なども全て都市に集中して、地方の過疎化が進んでいる。これは日本全国で起こっていることで、医療はその一端。このまま何もしなければ、この都市集中の動きはますます進む。日本専門医機構は、「地域で医師を育てる」という新しい考え方を打ち出し、それに対して歯止めをかけるよう努力してきた。

 新専門医制度は「大学中心」と言われるが、これまでも専門医養成は大学中心だった。例えば、慶應義塾大学の場合、医学部の卒業生約100人のうち、約80人は初期研修で外の病院に行くが、3年目になると、ほとんどが大学に戻ってくる。他の大学も大抵そうだろう。だからこそ、(大学病院などの基幹施設以外に)連携施設を作り、地域でも専攻医が研修できる仕組みを作るというのが我々の提案だ。

 専門研修プログラムは1次審査を終えたが、2次審査は今、ストップしている。2次審査を仮にやるとすれば、非常に専攻医の定員が多いところ、あるいは本来入るべき研修施設が抜けているところなどについて、注文を付ける予定だった。それらの対応によって、地域医療への影響は最小限にできると考えていた。



https://www.m3.com/news/iryoishin/434893
シリーズ: 真価問われる専門医改革
内科学会、「新専門医は7月末を目途に判断」
実施なら正式な制度、「現制度の継続」の可能性も

2016年6月21日 (火) 橋本佳子(m3.com編集長)

 日本内科学会は6月20日、「新しい専門医制度への取り組みについて」という見解を公表した。新専門医制度について理解が得られれば、2017年度から「試行」ではなく、正式な制度として開始するものの、時間的な状況を踏まえ、新専門医制度開始の見通しが立たない場合、「本年7月末を目処に、2017年度は現制度を継続する判断をする」という内容だ(同学会のホームページ)。

 20日の見解ではまず、新専門医制度について、「解決すべきさまざまな課題が明らかになり、国民的議論に発展しつつある。超高齢社会を前に、「専門医養成の在り方が注目されるのはもっともなこと」と指摘。その上で、日本医師会や四病院団体協議会の要望書、厚生労働大臣談話などでも求められている集中的な精査、協議により、建設的な意見集約を行い、より良い仕組みとなることを期待しているとし、理解が得られれば、2017年度から新専門医制度を開始するとしている。

 しかし、研修施設、指導医、専攻医の置かれている状況、検討の協議で結論に時間を要すると考えられるとし、「新しい専門医制度が開始できるという見通しが得られない場合、本年7月末を目処に、来年度に関しては日本内科学会の現制度を継続する判断をしたいと考える」と説明。

 今なお方針が定めにくい状況が伺え、後段では、「新しい制度の取り組みに関する目下の懸念点は、新しい制度がいつ始まるのか、その研修実態はきちんとした制度であるのかどうか、ということにあると思う」と指摘。この6月末に選出される日本専門医機構の執行部、地域医療を担う医療関係者および各学会と十分協議した上で、本年7月末を目処に新しい専門医制度が問題なく開始できることが確認された場合には、「試行的ではなく、正式な専門医制度として開始されることを強く望む」と結んでいる。

 2017年度から開始予定だった新専門医制度は、地域医療への影響が懸念され、全領域での全面実施は見送られ、各学会の判断に現時点では委ねられている(『新専門医制で18学会に釘刺す、日医と医学会』を参照)。地域医療への影響が特に大きい、日本内科学会と日本外科学会の判断に注目が集まっている。

 「指導医の大病院集中や引き剝がしに配慮」

 20日の見解では、新内科専門医について、「複数の疾患を有する場合の多い高齢者にも質の高い医療を提供できるジェネラルな素養を持つ内科医の育成」を目指し、幅広い症例経験を求めるプログラムを設けたと説明。従来は、初期研修を含めて3年で取得可能だった認定内科医を、初期研修を含めて、5年の研修を必要とする内科専門医としたのは、こうした理由からだとした。内科専門医のあり方については、引き続き内科のサブスペシャルティ学会と協議していく方針。

 新専門医については、「質の高い医師の養成」と「地域医療の充実」という、「ともすると矛盾しがちな課題の解決」が求められるとし、「地域医療」の充実という要請に応えるため、新制度では、施設群による研修体制を構築したという。基幹施設と連携施設が施設群を組む体制になったことから、専門医養成に関係する施設は、従来の1194施設から2875施設と2.4倍に増加、増加の大半を中小病院が占め、新たに200床未満の施設が1568施設加わることから、「指導医になることができなかった中小病院所属の内科医が、指導医として新たに参加することとなり、指導医の大病院集中や引き剥がしがないように配慮している」と理解を求めている(『内科専門医、「研修施設ゼロ」の2次医療圏は1カ所』などを参照)。

 さらに研修医に対しても、(1)内科系サブスペシャルティ研修に関する弾力的な対応、(2)休職期間の取り扱い、(3)研修実績の登録と評価――について説明。


  1. 2016/06/21(火) 06:11:46|
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