Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

5月30日 

http://www.cabrain.net/news/article/newsId/48866.html
「循環」重視し、医師が発揮する価値最大に- あの時、私はこう考えた(6)
2016年05月30日 20時00分 キャリアブレイン

 医師向け情報サイト「coFFeedoctors」を運営する株式会社GMJを立ち上げた医師の田上佑輔(36)は、在宅診療を専門とする医療法人社団やまと理事長の顔を持つ。

 熊本県出身の田上は、鹿児島のラ・サール高校から東大医学部に入った。同大卒業後、千葉県の国保旭中央病院(旭市、989床)で初期研修。その後、同大医学部附属病院に戻り、希望していた腫瘍外科に勤務していた。しかし、2011年3月11日の東日本大震災が、医師としてのキャリアの大きな転換点となった。

 震災をきっかけに、以前から指摘されていた地方の医師不足や、医療格差を改めて認識し、大病院では何人もの医師で一人の患者を診ているのに、地域では、逆に一人の医師が何人もの患者を診ている現実を「不公平」だと感じ、地域医療に軸足を移そうと考えた。そして、大学病院を辞めることになる。

 震災から2年後に、宮城県登米市に「やまと在宅診療所登米」を開業。現在は、東京や神奈川の診療所を含め、計5つの拠点で地域に根差した医療を提供している。

 田上は、こう語る。

 「医師というのは本来、自由なはずです。国家資格を取得することで、日本中どこでも医療ができます。医師は、病院などのハコに囲われるから、皆で医師を奪い合ってしまい、結果的に医師が足りないという事態になっています」

 そこで田上は、医学生や若手医師に対して、首都圏などで病院勤務をしながら、週に何日かを地域の診療所などで働くことを提案する。

 「大病院の中で、医師として能力を発揮している人もいます。その一方で、病院勤務の傍ら研究をしたり、教育をしたりする人もいます。それと似たような形で、若い人たちに、地域の診療所で勤務し、地域医療に参加してみたらどうだろうと提案しています。クロスボーダーというか、境界を越えたり、またいだり、『循環』することで、医療の質が高まっていくと思うのです」

■「循環」にこだわり、「coFFeedoctors」に期待

 田上は、インタビューの最中に何度か、「循環」という言葉を繰り返した。こだわりの一つだという。「循環」の大事さを、このように説明する。

 「ヒトの体でも血液が循環し、頭では思考が循環して全体がうまく成り立っています。誰しも循環というものを持っています。そのほか、家族、会社の中で会話が循環したり、社会で人々が循環したり、すべてのものは流動的で、いい循環にすることが大事だと思うのです」

 田上は、12年5月にGMJを設立、同時に「coFFeedoctors」のサイト運営を開始した。このサイトの目標は、医師が発揮する価値を最大化することだ。

 新たな医療課題などに取り組む医師のインタビューなどを掲載することなどを通じて、それを読んだ医師がそれに賛同したり、意見を言ったりして、田上がこだわる、「循環」が円滑になると考えている。

 田上は、医師の役割は今、患者の病気を治すことからもっと広がって、患者の生活を支えたり、地域全体を見たり、もしくは医療費に関する課題を解決したりするなど、多種多様になってきていると話す。これらの課題の最前線にいる医師たちに「coFFeedoctors」が気付きを与え、同じ問題を抱える医師が“ゆるく”つながれるよう、一役買えればいいと考えている。

 医療というほぼ完成されている制度の中で、新しいイノベーションはそれほど多くはないと指摘する。それ以上に今後は、自分を含めて若手の医師たちが情報を共有し、所属や立場を超えて力を合わせることがイノベーションと考えている。田上は、日本中の多くの医師が「coFFeedoctors」に立ち寄ることで、新たな動きが出てくると期待している。

 「これまでは、医師それぞれが個別に、自分の問題意識などで解決に向けて取り組んできたと思います。これからは、『coFFeedoctors』に掲載した医師のように、挑戦する医師に、ほかの医師が関心を持ち、その取り組みに参画することなどによって、新しい化学反応が起きる必要があると思っています」

=敬称略=【君塚靖】



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/48869.html
病院勤務医の地域偏在、5年間で拡大- 都会と地方の格差より鮮明に、日病調査
2016年05月30日 17時00分 キャリアブレイン

 病院で働く医師の地域偏在が過去5年間で拡大していることが、日本病院会(日病)の「地域医療委員会」が行ったアンケート調査の結果で明らかになった。2013年に実施した前回調査に比べ、常勤医が「増加した」と回答した病院の割合は、政令指定都市や中核市などでは増えたものの、郡部・町村では「減少した」が前回の倍以上となる4割超に達し、都会と地方の格差がより鮮明となった。【敦賀陽平】


 調査は昨年10月1日-11月20日、日病の会員2431病院を対象に実施し、664病院から回答を得た。このうち、政令指定都市や中核市などの「都市部」が323病院で最も多く、「その他の市」は301病院、「郡部・町村」は40病院。病床規模別では、300床未満の病院が半数超を占め、6割近くが一般病棟7対1入院基本料を算定している。

 「5年前と比較して常勤医が増加したか」との質問では、「増加した」が550に上り、前回調査から3ポイント微増した。だが、これを所在地別で見ると、都市部は650(前回比9ポイント増)だったのに対し、その他の市は480(同1ポイント減)、郡部・町村は280(同18ポイント減)で、人口が少ない地域ほど下がる傾向が見られた。

 一方、「減少した」と回答した病院は、都市部では110(同6ポイント減)と減少したものの、その他の市が300(同5ポイント増)、郡部・町村が430(同25ポイント増)だった。

 勤務医不足を解消させるため、どのような政策を支持するか尋ねたところ(複数回答)、「総合診療医の育成」が全体の800に上り、以下は「地域枠入学の活用」(730)、「医師の計画配置」(700)などと続いた。

 地域医療委員会委員長の塩谷泰一常任理事(高松市病院事業管理者)は、「さまざまな施策が行われてきたが、勤務医の偏在は解消どころか拡大している」と指摘。地域枠に関しては、「義務年限や赴任病院など、大学によって運用ルールが異なる。基準をある程度統一してほしい」と話している。



http://www.sankei.com/affairs/news/160530/afr1605300030-n1.html
未払い手当総額1億3千万円 神奈川・藤沢市民病院
2016.5.30 19:19 産経ニュース

 神奈川県藤沢市は30日、藤沢市民病院の医師と看護師ら421人の時間外勤務手当の一部が平成25年11月~昨年11月、未払いになっていたと発表した。総額は約1億2940万円に上る。

 市によると、昨年11月に藤沢労働基準監督署が調査に入り発覚。是正勧告を受けた市の聞き取り調査などから、421人に最大約350万円の未払いが分かった。「労務管理が不十分だった」としている。



http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201605/20160530_13034.html
信号機制御「FAST」 救急搬送短縮に一役
2016年05月30日月曜日 河北新報

 仙台市消防局と宮城県警は4月、緊急走行の救急車を信号制御で優先的に交差点を通過させる現場急行支援システム(FAST)を、市中心部の東二番丁通など幹線道路に導入した。搬送時間の短縮と搬送者の身体負担軽減が目的だが、効果のほどは。救急車にも乗って確かめた。(報道部・関根梢)

 17日午前8時前。朝のラッシュ時に合わせて市立病院(太白区)近くの郡山交番前から、東二番丁通経由で東北大病院(青葉区)へ車で向かった。雨の影響もあり、交通量は多め。特に交差点付近の渋滞がひどく、約7キロの道のりに約45分かかった。
 サイレンを響かせて渋滞の列を縫うように進み、恐る恐る交差点に進入する救急車。よく見掛ける光景だ。「車線の多い交差点で進行方向が赤信号の場合、絶えず左右を確認して進まなければならず、かなり神経を使う」。市消防局の佐藤恵救急管理係長が説明する。

<青信号続く感覚>
 FAST導入で変化はあったのか。救急隊員の金須創さん(31)は「青信号がずっと続いている感覚。これまで交通量の多い東二番丁通は避けていたが、導入後はFAST区間を使うようになった」と効果を実感しているという。
 市消防局は長年、搬送時間の長さが課題だった。同局によると、119番の入電から病院収容までに要する平均時間は2014年で41.2分。全国の消防局・消防本部平均の39.4分より2分近く長い。
 高齢化の進行に伴う搬送件数の増加や医療機関の受け入れ状況など、さまざまな要因が絡み合う。市消防局は「搬送時間を劇的に短くする特効薬はないが、FASTを含め多角的に改善を図りたい」と話す。

<患者の負担減も>
 導入のもう一つの狙いは搬送者の身体的負担の軽減にあるが、救急車はそんなに負担が掛かるのか。市立病院の救急センターで模擬搬送を体験した。
 ストレッチャー上で、進行方向に頭を向けて横たわった。時速約40キロから減速すると、体が上方に引っ張られ、頭に血が上る感覚があった。5分足らずの乗車で気分が悪くなった。
 救急救命士の佐藤元さん(31)は「救急車は特殊な構造上、乗用車などに比べとても揺れやすく、搬送者の症状が悪化するケースもある」と指摘。「FASTの導入によって加減速が少なくなり、隊員も患者もストレスが減ったのではないか」と話す。

[メモ]現場急行支援システム(FAST)は道路に設置された通信機が救急車の車載器で位置を把握し、宮城県警交通管制センターに情報を送って信号の点灯時間などを制御する仕組み。東北大病院と市立病院を結ぶ幹線道路など総延長7.4キロ区間に導入した。



http://mainichi.jp/articles/20160531/ddm/041/040/110000c
手術中出火、患者重傷 レーザーメス使用 東京医科大
毎日新聞2016年5月31日 東京朝刊

 東京医科大学病院(東京都新宿区)の手術室で今年4月、手術中の患者に掛けられていた布に火がつき、患者が大やけどを負う事故が起きていたことが分かった。当時、レーザーメスを使用しており、警視庁新宿署は業務上過失傷害容疑で医師から事情を聴くなど捜査を進めている。

 同署や関係者などによると、4月15日午前10時半ごろ、同病院5階の手術室で、産科・婦人科の医師が30代の女性患者の手術を行っていたところ、女性に掛けていた手術用の布(ドレープ)に火がついた。医師は生理食塩水で消したが、女性は腕や足などにやけどを負った。女性は重傷で今も入院中だが、命に別条はないという。

 この手術で医師は、レーザーメスを使用していた。レーザーメスと出火との関係は判明していないが、同署は医師による誤使用や機器の不具合などを視野に入れて原因の解明を進めている。

 同病院は患者側に謝罪。東京都や厚生労働省関東信越厚生局に事故を報告し、第三者による調査委員会を設けて原因の調査を始めている。

 同病院経営企画・広報室は「調査結果が出た段階で、経緯を公表する方向で準備を進める」としている。

 レーザーメスは人工の光であるレーザーを利用する医療機器で、熱の作用により止血をしながら切開することができる。電気メスに比べて切開がスムーズにできるなどの利点があるとされ、皮膚科や外科など幅広い分野で使われている。

 同病院のホームページによると、病床数は1015床。高度な医療を提供することで診療報酬の優遇が受けられる「特定機能病院」に指定されている。【神保圭作、福島祥】



http://www.jacom.or.jp/noukyo/news/2016/05/160530-29919.php
地域包括ケア充実へ JA病院・行政が一体で 文化厚生連が研究会一覧へ
2016.05.30 農業協同組合新聞

 日本文化厚生連は5月25、26日、東京都内で、「地域に根ざした厚生連医療の展望と戦略」のテーマで研究会を開いた。2016年の診療報酬改定のもとで地域包括ケアシステムの確立にJAの医療機関がどのようにかかわるかについて意見交換した。

◆JAグループに期待

地域包括ケアの取り組みについて意見交換する厚生連医療経営を考える研究会 研究会では片山善博・慶応義塾大学教授が「地方の再生と医療・福祉」で記念講演した。
同教授は、鳥取県知事だった経験をもとに、地方創生は、「お金を外に出さないようにすることだ」と指摘。
 特にエネルギーと食料品をできるだけ地元、県内でまかなうべきだというわけだ。そのためには小水力発電や風力発電の利用、食べ物の地産地消を進めるべきで、JAにその役割があると指摘した。
 また、人工透析を減らす運動で成果を挙げている広島県呉市の取り組みを紹介し、重篤な病気にならないようにして病院の負担を減らすなど、「地域(人)の健康、病院(経営)の健康を守ってほしい」と、JAグループの医療活動に期待を述べた。

◆個人から地域ケアへ

 特別講演では二木立・日本福祉大学学長が地域包括ケアシステムの政策動向と、その正確付けについて話した。地域包括ケアシステムは当初、介護サービスを中核とした介護保険制度改革と位置付けられ、医療は診療所・在宅医療に限定されていたが、次第に範囲が拡大され、いまでは病院医療を含むようになった。
 従って「治す医療(キュア)と支える医療(ケア)は一体的にとらえるべきだ」と指摘する。
 そのうえで、地域包括ケアシステムの対象を拡大する必要がある。つまり、「高齢者、障がい者、児童、生活困窮者といった区別、地域に暮らす住民の誰もがその人の状況にあった支援が受けられる」システムであるべきだという。
 それには地域の実態把握・課題分析を通じて、地域における関係者が目標を共通する必要がある。それは自治体(市町村)の役割であり、「地域マネジメント」力が求められる。二木教授は「個人を対象としたケアマネジメントの地域への拡大版」と位置付ける。
 実践報告では栃木県の上都賀上都賀総合病院の十川康弘病院長、広島厚生連廣島総合病院の藤本吉範病院長、それに社会医療法人石川記念会HITO病院の石川賀代病院長が、それぞれ地域包括ケア、地域医療構想などの取り組みについて話した。



http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/opinion/orgnl/201605/547010.html
精神医療チーム「DPAT」が熊本地震で果たした役割
DMATとは違う、DPATを組織する意義
DPAT事務局次長の渡路子氏に聞く

2016/5/31 増谷彩=日経メディカル

 今年4月に起きた熊本地震では、DPAT(災害派遣精神医療チーム)の活躍にも注目が集まった(関連記事:DMATは157隊、DPATは13隊が活動中)。DPATは、事故や災害などの後に被災地域に入り、精神医療および精神保健活動の支援を行う専門的なチームのこと。今回は、DPAT事務局次長の渡路子氏に、DMAT(災害時派遣医療チーム)と別の組織である意義、熊本地震での活動や、今後の課題などについて聞いた。

――今回の熊本地震で、DPATがどんな活動を展開されたのか、教えてください。
 DPATの派遣は、熊本地震が4回目となります。ただし、初の出動となった2014年のいわゆる「広島土砂災害」、2014年の御嶽山噴火、2015年の関東・東北豪雨など、経験してきたのはいずれも局所的な災害でした。全県からDPATを派遣した大規模災害は、今回が初めてです。

 今回、DPATはDMATとは違い、4月14日に熊本県で1回目の地震が起きた直後から、熊本県内外のDPATに派遣要請を掛けていました。翌15日には、全国から14隊のDPAT先遣隊(発災後遅くとも72時間以内に活動できるようにしておく班)が現地入りし、熊本県庁内に設置されたDPAT調整本部に集まりました(関連記事:早期介入を目指す新体制のDPATが活動中)。

 これまで、災害時の精神科の活動は、避難所を回って「眠れていますか?」と聞いたり、「不安はありませんか?」といった心のケアが中心でした。しかし今回の震災では、精神科の医療機関の被災が大きかったということで、DPATは当初精神科の医療機関の患者搬送をメインとした活動を行っていました。熊本地震では、7つの精神科医療機関が被災しており、合計で595人の患者搬送を実施しました。

――72時間以内に派遣する先遣隊の機能はどのようなものになるのでしょうか?また、一般的なDPATとは別の訓練が必要になると思いますが、どのような訓練が実施されているのでしょうか。
 先遣隊とDPAT統括者には、DPAT事務局が災害医療センター(東京都立川市)の協力を得て、全国レベルでの研修を実施しています。先遣隊は、前述の通り発災当日から遅くとも72時間以内に活動できる班のことです。先遣隊の機能としては、現地調整本部の立ち上げと状況の把握があります。今回は入院患者の搬送支援が必要ということで、その任に当たりました。研修は2日間にわたり、内容はDMATに学ぶものもあれば、精神医療に特化したものもあります。

 DMATに倣った内容としては、現場の指揮命令系統を学ぶということがあります。日本では、阪神淡路大震災の後くらいから、心のケアの必要性が言われ始め、「心のケアチーム」が組織され始めましたが、心のケアチームがどんなものであるのかといったことを示す活動要綱などは作られずにいました。東日本大震災が起きた際に、厚生労働省が各都道府県に心のケアチームの派遣を要請しましたが、何の規定もない組織で指揮命令系統もない中での現地入りになったため、保障もあやふやで、医療なのか保健なのかも分からない、なんとも不安定な状態での活動となってしまいました。

 こうしたことをきっちり規定しようというのがDPATの始まりでもありましたので、まずは指揮命令系統を整備しようということになりました。これはDMATでも消防でも自衛隊でも同じですが、どの指揮命令系統で、どういった身分で、何の支援をしに行くのかといったことを決めなければ災害支援はできません。これをしっかり覚えてもらうのが、最低限の作法だと思っています。

 次に、精神科に特化した内容として、様々な組織との連携を学ぶことがあります。DPATの場合、活動のフェーズはDMATよりも長くなります。そのため、支援に入った時期によって、連携する先がどんどん変わります。かなり初期に入ったチームは、患者搬送をするためDMATや自衛隊と連携しました。しかしもう少し後になると、今度はJMAT(日本医師会災害医療チーム)や日本赤十字社などの医療救護班、JRAT(大規模災害リハビリテーション支援関連団体協議会)、JDA-DAT(日本栄養士会災害支援チーム)、地元行政の保健師などと連携し、避難所の方などの心のケアや、精神医療ニーズの拾い上げを行っていくフェーズになります。どのフェーズで誰と連携するかということがDMATとはかなり異なる点ですので、連携方法などを学んでおく必要があります。

――研修内容もDMATと同じ部分があるということですが、DMATの中に精神科医を含めるのではなく、DPATという別組織にする意義は何でしょうか? 例えば、DMATや自衛隊も患者搬送の任に当たっていたと思いますが、患者搬送を実施する上で、DMATとDPATで何か違いがあるのでしょうか。
 DMATとDPATを別組織にする意義として、まず両者は活動エリアが全く違うということがあります。DMATは災害拠点病院を活動拠点として活動します。一方で、DPATが支援すべき地域の精神科医療機関というのは、災害拠点病院とは全く別の場所にあります。

 また、DMATとDPATでは、患者の搬送時にするトリアージの観点が異なります。DMATは、「救命」のために組み立てられている組織です。そのため、重視するのは傷病者の重症度、救急度です。しかし、精神疾患患者の場合、外傷などがなく自分で歩ける状態であるため、DMATの指標では軽症になるのに、精神医療の指標で診ると重症だという人がいます。DMATの指標とは別に精神医療の指標が必要で、精神科の専門家がトリアージを行うべきだと考えています。

 そもそもDPATは、東日本大震災のときに精神科の医療機関への支援が遅れ、何人もの患者さんが脱水や低体温症、肺炎などで搬送中に亡くなるという経験を反省して組織されたものです。患者さんが亡くなってしまった最大の原因は、DMATが使っている広域災害救急医療情報システム(EMIS)に精神科の医療機関がほとんど登録されていなかったことだと思っています。つまり、精神科の医療機関が被災しているという情報をDMATが得るのは難しかったのです。行政をみても、一般救急の部門や災害対策の部門とは異なる分局に位置するため、情報伝達がままならず、精神科の情報は抜け落ちやすくなっています。そのため、東日本大震災では精神科医療機関に支援が入りにくくなっていました。その結果、宮城県で被災したとある総合病院には発災から数時間後に多くの支援が入ったのに対し、その数百m先にある精神科病院には3日間以上支援が入らなかったという事態が起こりました。こうした狭間に落ちやすいのが精神医療なのです。

 こうした反省を生かし、東日本大震災後には災害精神保健医療情報支援システム(DMHISS)も構築して、発災直後から精神科医療機関の情報を収集できるようにしました。そのため、支援が入らなかった医療機関もなく、適切に資源を投入できたと感じています。実際に、今回DMATが全県に派遣要請を掛けたのは16日に起きた2回目の大きな地震の後だったのに対し、DPATが最初から全県に派遣要請を掛けていた理由は、最初の地震の段階で、2つの精神科の医療機関が大きく倒壊したことを把握していたからです。

 こうした取り組みの結果、精神科医療機関から搬送する間、亡くなった患者はいませんでした。東日本大震災では、搬送した1200人のうち何十人も亡くなっていますから、初期救命という意味では反省が生かせたと思っています。平時から医療提供体制や診療体制を別にしておくことの是非はともかく、災害時にいきなり同じにする、ということは無理な話なのです。

――今回の熊本地震で得られた反省点として、現時点ではどのようなことがあるのでしょうか。
 本来は、適切な研修を受けた人をそのフェーズに合わせて要請するというのが理想的ですが、DPATは2013年に立ち上がってからまだ3年ほどの未熟な組織です。ですから恥ずかしい話ですが、今回実際に訓練を受けているチームを派遣できたのは初期だけで、その後は研修を受けたことがないチームも派遣しています。そこは、発足後10年が経過しているDMATとは大きく違う点です。

 一般のDPAT隊員の研修は、各都道府県で実施することになっています。この内容がバラバラで、実態は従来の心のケアチームの研修と変わらないようなことをしている地域もあるのは問題です。DPATは、組織としての箱はできたし、熊本地震でも一定の活躍をしたと思いますが、中身はまだまだ未熟。研修を受けていない人が現地に入った結果、うまく動けなかったというケースは、今回本当に多く報告されています。人材育成が喫緊の課題であり、一般の隊員研修についても何らかの指針を示していくべきであることは間違いありません。

 前述の通り、DMATとDPATの医療ニーズの計り方は異なります。精神医療特有のトリアージ基準や搬送方法を構築しておかなければなりませんでした。これは、既に分かっていた課題で、そのための準備も進めていましたが、構築できていない段階で熊本地震が起きたために混乱が生じました。

 また、DMATの場合、患者の搬送先は基本的に災害拠点病院となります。一方、精神疾患患者の場合は、県内外の精神科病院が搬送先になります。そうすると、搬送先が必要とする情報も異なります。精神医療は、精神保健福祉法という別の法律で動いているので、各患者の措置入院、緊急措置入院、医療保護入院など法律上の入院形態が何なのか、保護室が必要な人は何人いるのか、身体拘束が必要な人は何人いるのかといった情報が必要になります。

 熊本地震では、どんな情報を収集するべきかという指標がなかったため、患者搬送に大変手間取ってしまいました。搬送中に患者が亡くなったり、大きな事故が起きたりということはなかったとはいえ、時間が掛かってしまったのは反省点です。共通書式で、誰が見ても分かるものをつくっておかなければ、搬送元も搬送先も困るというのが、今回見えてきた課題です。

――先遣隊など、急性期の災害医療への取り組みにフォーカスされる中で、従来の「心のケア」といった支援についてはどのようにお考えでしょうか。
 心のケアも、当然重要なものであると思っています。ただ、外部から派遣されている人たちがいつまでやるべきなのかということは分けて考える必要があります。本来県外から支援に来ているDPATの活動期間は、地元の医療機関や行政が整うまでです。

 地震の直後は、避難所で妄想状態や興奮状態に陥り他害行為に及んだ人や、認知症の人のBPSDやせん妄、不安障害の悪化、不眠や抑うつ症状の増悪といった急性ストレス反応への対応などをする必要がありました。統合失調症の未治療例や治療中断例で、症状が増悪した人など、入院が必要になったケースも少なくありませんでした。しかし、発災から1カ月がたち、医療ニーズや避難所での相談件数はかなり減りました。

 これもDMATとの違いとして挙げられるポイントなのですが、「救命」を目的とする救急医療と違い、精神医療のニーズには終わりがありません。ニーズは掘れば掘るほど見つかります。東日本大震災の被災地には、いまだに精神医療チームが派遣されています。これが良いことなのかどうかは、議論のあるところです。

 今は、医療が必要な人は地元の医療機関につなぎ、その手前であれば症状を見立てて行政など適切な場所につなぐという活動の傍らで、徐々に地元の支援者を引っ張り出す活動をし始めています。一方で、DPATは6月に入ったら九州・沖縄地区以外の県外派遣のチームを引き揚げ、近隣地区の支援に集約します。それから、これまではDPATが組織されていなかった熊本県で、DPATを立ち上げます。決起集会には、28機関204人が集まり、関心の高さを感じました。この九州・沖縄・熊本のDPATが地元の医療機関や行政につなぐ役割を引き続き担うことで、合意しています。6月にこれらの引き継ぎがうまく進めば、最初のモデルケースになると考えています。



http://mainichi.jp/articles/20160531/ddm/005/070/005000c
記者の目
高額化進む「がん新薬」 薬価見直し、待ったなし=河内敏康(東京科学環境部)

毎日新聞2016年5月31日 東京朝刊

新薬一つだけに医療費年2兆円

 「たった一つの新薬に年2兆円も医療費がかかるかもしれない」。連載「がん大国白書 第1部 新薬の光と影」(4月1〜15日朝刊)の取材で聞き、衝撃を受けた専門家の言葉だ。半世紀以上にわたり国民の命を等しく守ってきた「国民皆保険(公的保険制度)」を堅持するためにも、薬の値段(薬価)の見直しを真剣に議論すべき時期が来ているのではないか。

 問題の新薬は、新しいタイプのがん治療薬「オプジーボ(一般名ニボルマブ)」だ。がん細胞を直接破壊する従来の抗がん剤とは異なり、がん細胞が掛けた免疫のブレーキを解除して、免疫のがんへの攻撃力を回復させる。当初の治療対象だった皮膚がんの悪性黒色腫だけでなく、昨年12月から患者の多い一部の肺がんも公的保険で使えるようになった。これまで治療が難しいとされていた進行性の肺がん患者のがんが縮小する効果が確認され、肺がんの学会が関連シンポジウムを開き、がん専門病院に多くの肺がん患者が問い合わせるなど、医療界や患者らの期待の高まりを肌で感じた。

 一方、オプジーボにかかる膨大な医療費は公的保険制度を脅かしそうだ。日赤医療センター化学療法科の国頭(くにとう)英夫部長の試算によると、標準的な体格の人にオプジーボを投与すると1人当たり年3460万円かかる。対象となり得る肺がん患者5万人全員に投与した場合、年約2兆円。現在の日本の薬剤費全体の2割に達する額だ。肺がんへの適用拡大後、オプジーボの売り上げは急激に伸びており、「このままでは国が滅びかねない」という国頭氏の言葉が頭から離れなくなった。

 高額薬の問題は2000年ごろから起きていた。狙った細胞だけを攻撃する新しいタイプの抗がん剤「分子標的薬」が登場し、薬価が以前の数倍程度高くなった。公的保険制度への影響を懸念する医療関係者の声も聞いたが、私は楽観していた。これらの薬が効く患者が少なかったり、効果が続く期間がそれほど長くなかったりしたからだ。だが、オプジーボは次元が違った。がんを抑える効果が継続するため患者は長期間使い続け、オプジーボが確実に効く患者を事前に選ぶ方法が今はなく、使用が増える一方なのだ。

 さらに、薬価の高騰が進めば、経済的な事情から薬を手控える患者が出てくる可能性がある。6年前に高額医療問題を考えるキャンペーンの取材で出会った男性患者を、私は今も忘れられない。彼は、がんの一種の慢性骨髄性白血病で、効果が高い分子標的薬を使っていた。だが薬が高く、所得に応じて自己負担を一定額に抑える国の高額療養費制度を使っても、家計に与える影響が大きく、妻に内緒で薬の使用を中断。その後再発してしまい、取材から半年後に他界した。今回の連載のため、毎日新聞が実施したがん患者30団体へのアンケート調査でも、「高額療養費制度があっても患者負担は重すぎる」と、がん治療薬の高額化を問題視する意見が約半分を占めた。
高い薬価のまま適用拡大に疑問

 では、どうすればいいのか。残念ながら、難しい問題だ。病気を抱える患者らは、一層効果の高い薬を待ち望んでいる。それには多額の研究開発費が必要だ。公的保険制度を守るため、高額療養費制度の患者負担を増やすとの意見もあるが、先の男性患者のような悲劇を繰り返しかねない。

 私が注目するのは、オプジーボが高額になった理由の一つ、薬価の決め方だ。薬価の決め方は一般に、薬の開発などにかかった費用に一定の利益を上乗せし、その総額を推定される患者数で割ったものを、厚生労働相の諮問機関「中央社会保険医療協議会」が了承する−−というのが大まかな流れだ。オプジーボは当初、悪性黒色腫という患者数が年470人と極めて少ない皮膚がんを対象にして薬価が付いた。患者が少ないため高額な薬価が付いた、ともいえる。

 私は、高い薬価のまま、患者の多い肺がんに適用範囲が拡大したことに疑問を感じる。現在の薬価制度に反しているわけではなく、一般に成功率が3万分の1とも言われる新薬開発に多額の費用をかけた製薬企業の努力も理解できるが、オプジーボのような高額薬が公的保険制度に与える影響の大きさを考えれば、患者数の多い病気に適用を広げる場合は、薬価を見直しても良いのではないか。

 国は今年度から、予想販売額以上に売れたヒット薬の価格引き下げを可能にする新制度を始める。公的保険制度は患者の自己負担、保険料のほか多額の税金で構築されている。ある医師は「コストを考えずに薬を使い続けて将来の世代に負担を先送りする今のシステムでは、立ち行かなくなる」と語った。その通りだ。今後も高額薬は登場する。待ったなしだ。患者の期待に応え、製薬企業の開発意欲もそがず、適正な薬価を探る議論を今こそ始めなければならない。



https://www.m3.com/news/iryoishin/422068
シリーズ: 今どきの「U35ドクター」2016
35歳以下の勤務先、トップは医局人事が6割◆Vol.7
「地域枠」派遣が登場

医師調査 2016年5月30日 (月)配信高橋直純(m3.com編集部)

Q 現在の勤務先はどのようにして選びましたか。
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 現在の勤務先の選び方として、最多は2013年と変わらず「大学医局の人事」が6割を占めた(2013年調査は、『医局の求心力、弱まっている?◆Vol.5 』を参照)。2016年の特徴は3%の「その他」の回答があったこと。自由記述の内容を見ると、「地域枠での僻地派遣」「県からの派遣」「長崎県離島医学修学生制度」「大学卒業後の義務」など、2008年度からの医学部定員増に伴って増えた地域枠入学の義務として勤務が散見された。



https://www.m3.com/news/general/429035
校医の大量辞任…埼玉県吉川市長「遺憾に思う」 子どもの健康第一に調整
2016年5月30日 (月) 埼玉新聞

 吉川市の小中学校の校医16人のうち、10人が一身上の理由で3月末までに辞任したことについて、中原恵人市長は27日の定例記者会見で、「この1年、医師会とも例年に代わるような形で変更したことはない。校医が辞めたのは遺憾に思っている。子どもたちの健康、安全を一番に考え、6月30日までにきちんと健康診断を終えられるように調整している」と語った。

 この中で、中原市長は「校医一人一人の負荷はかなり大きくなっている」と懸念を示した。市教育委員会の篠田好充教育部長は「6人の先生にお願いしているので、健診が滞っていることはない」と述べ、子どもたちへの影響はないとしている。

 また、市の介護認定審査会でも、審査会の委員だった医師8人のうち、5人が3月末までに辞任していることについて、鈴木昇健康福祉部長は「すぐに審査しているので遅れはない」と述べ、市民に影響は出ていないとの見方を示した。



https://www.m3.com/news/general/429011
病床数減、調整難航も 北海道西胆振地域医療構想
2016年5月30日 (月) 室蘭民報

 2025年(平成37年)を見据え、地域の実情に応じた医療提供体制を描いた「西胆振構想地域医療構想(西胆振地域医療構想)」。西胆振3市3町の必要病床数(推計)は、14年比934床削減の2826床に設定した。今後は同構想を指針とし、まちづくりの一環の中での地域医療・介護の維持と体制の構築、管内の医療資源を有効的な活用などの議論も深めたい考えだ。

◆――25年ピーク

 道は、25年の医療提供体制を描いた「地域医療構想」策定作業に着手。胆振総合振興局でも連動して、西胆振地域医療構想の策定作業を進めていた。この構想に、管内の実情や医療関係者らの意見を反映させるため、昨年7月から「地域医療構想調整会議」を定期的に開催。素案は5月18日の第4回会合で承認された。

 構想では、管内人口は25年には10年比15%減としたが、75歳以上の人口は25年にピークに達し、10年比37・0%増―と設定。要介護(要支援)認定者数は75歳以上の増加に伴い、25年には15年比30・7%(3665人増)を見込んだ。

 必要病床数については、各推計と医療需要の想定に、病床稼働率などの現状も加味して推計。全体数は減少し「不足が見込まれる回復期病棟の充足」や「慢性期病床から介護施設や在宅医療への移行」を中心に取り組む、としている。

◆――高評価維持

 14年比24・8%減の必要病床数。医療機関に自主的な削減や転換、移行などの協力を求める方針で、今後は、地域医療構想調整会議で達成に向けた議論も進む。

 ただ、医療関係者からは「一人暮らしのお年寄りなど退院させられない場合もあり、回復期は難しい」「医療資源の有効活用も必要」などの意見もあり、調整が難航する可能性もある。また、病院経営に直結するだけに、「思惑が絡み、一筋縄では行かない」との指摘もある。

 西胆振は、東京圏の高齢者の地方移住を促すよう求めた民間団体・日本創成会議から、医療が最高ランクの7、介護が上から2番目の6と、高い評価を得た。その一因は「地域に公立と民間の病院が共存し、各病院がそれぞれの強さを発揮しながら、足りない部分は補完し合う関係性もあるから」(西胆振管内の医療関係者)だ。

 この評価を維持するため、共存のための一定のすみ分けや、在宅医療の受け皿づくりも課題となりそう。同振興局も「構想策定が終わりでない。将来あるべき医療提供体制をどのように構築するかが大切」(廣島孝保健環境部長)とする。

 西胆振3市3町では、広域連携で、東京圏の高齢化問題への対応や地方への人の流れの推進する観点から、充実した医療介護体制を生かした「生涯活躍のまち(日本版CCRC)構想」も進めている。住民の安全で安心な暮らしを守るため、効率的かつ質の高い医療の提供体制を確保するための議論にも改めて注目が集まる。



https://www.m3.com/news/general/428909?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD160530&dcf_doctor=true&mc.l=160091347&eml=3f492a08f1681d66441569ec02c0b51e
ストーカー加害者治療、警察と医療機関が全国初の覚書締結
2016年5月30日 (月) 読売新聞

 茨城県警と県立こころの医療センター(笠間市旭町)など精神医療関係の3団体は26日、ストーカー事案の加害者に対し、精神科医など専門家による治療やカウンセリングで再犯防止を図るための覚書を取り交わした。加害者治療を目的に警察と医療機関が覚書を締結するのは全国初。綿密に情報交換し、被害者の安全確保につなげる方針だ。

 覚書には、県精神科病院協会と県精神神経科診療所協会も参加。医療センターと県内9市町の6病院、3診療所が県警からの連絡に応じて加害者への接し方を警察官らに助言する。加害者の同意を得た上で医師らが加害者と直接面会し、自分本位の思考を矯正して、一方的な感情をコントロールするための治療を行う。

 治療費は加害者負担。受診時には警察官や加害者の家族の同席も可能で、県警は治療終了まで加害者の状況をチェックするという。26日から運用された。

 2015年に県内で起きたストーカー事案の認知件数は475件(前年比95件増)。検挙件数は67件(同37件増)、文書による警告は186件(同119件増)だった。今年1~4月の認知件数は139件。

 締結式で県警の鈴木三男本部長は「検挙や警告を行っても被害者への執着心や支配意識が抜けずにストーカー行為を繰り返す加害者がいる。精神医学的なアプローチで支配意識や執着心を取り除ければ」と話した。


  1. 2016/05/31(火) 05:19:48|
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5月29日 

http://www.msn.com/ja-jp/news/opinion/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%8C%E4%B8%96%E7%95%8C%E4%B8%80%E3%81%AE%EF%BD%A2%E7%A0%94%E7%A9%B6%E6%8D%8F%E9%80%A0%E5%A4%A7%E5%9B%BD%EF%BD%A3%E3%81%AB%E3%81%AA%E3%81%A3%E3%81%9F%E6%A0%B9%E5%9B%A0-%EF%BD%A2%E3%82%AB%E3%83%8D%E5%8F%96%E3%82%8C%E3%81%AA%E3%81%91%E3%82%8C%E3%81%B0%E3%83%80%E3%83%A1%EF%BD%A3%E3%81%8C%E4%B8%8D%E6%AD%A3%E7%94%9F%E3%81%BF%E5%87%BA%E3%81%99/ar-BBtzUpt
日本が世界一の「研究捏造大国」になった根因 「カネ取れなければダメ」が不正生み出す
塚田 紀史
東洋経済オンライン 2016.05.28

STAP細胞は組織ぐるみの不正にはなりえない性格の研究だった(撮影:ヒラオカスタジオ)© 東洋経済オンライン STAP細胞は組織ぐるみの不正にはなりえない性格の研究だった(撮影:ヒラオカスタジオ)
 輝かしいノーベル賞受賞の一方で、科学者たちは時として「研究不正という暗い影を生み落としている」という。『研究不正 科学者の捏造(ねつぞう)、改竄(かいざん)、盗用』を書いた東京大学の黒木登志夫・名誉教授に、詳細を聞いた。

 ──日本人が研究不正で「世界トップ」なのですか。

 2014年まで11年間の撤回論文数のワーストワンは日本人、ワースト10に2人、30位内に5人も名を連ねている。撤回数を国別に見ると、いちばん多いのから順にインド、イラン、韓国、それから中国、日本、米国と続く。日本は捏造が多く、ほかの国は盗用が多い。また3分の1は間違いが理由。それも不名誉なことには違いない。

 研究不正は2000年まで日本では目立つものはなかった。2000年に麻酔科医が摘発されて以降、次から次へと出てきている。撤回論文を俎上に載せたブログ「リトラクションウオッチ」によると、この麻酔科医の撤回した論文は20年間分で183を数え、世界一。ものすごい「才能」だ。何しろ英文で論文を仕上げ、一流ジャーナルの審査にパスする。しかも掲載されるにはその時々に何が問題テーマか理解していなければならない。実は世界にはそれができる人物はいっぱいいる。

 ──この本では42例が特筆されています。

 データの改ざん、成果の捏造、盗用など、欧米や日本、中国、韓国などを揺るがした重大不正事例を抜き出した。

 ──なぜ日本で今世紀に入る前後から多くなったのですか。

 大学、研究機関が経済的に苦しくなって、自らおカネを取ってこなければ研究ができない。任期が不安定化し、腰を落ち着けることも簡単にはできない。そういう研究の競争社会入りがバックにある。

 この本に現れた不正は氷山の一角で、東芝の会計不正、フォルクスワーゲンや三菱自動車はじめ、企業にも社会一般にも不正はたくさん見られる。企業の場合は縦社会だから組織ぐるみになってしまう。大学や研究者は縛りが緩やかだから、むしろ一人ひとりが勝手にやっているところがある。

 ──単独不正だと?

 STAP細胞事件の理化学研究所の場合には組織ぐるみでないかという見方もあったが、組織ぐるみにならない性格の研究だった。STAP細胞の場合は社会的に関心を引きすぎた。STAP細胞よりノバルティス ファーマのほうが罪は大きい。

 ノバルティスはスイスに本拠を置く世界的な大企業で、米『フォーチュン』誌によると最も尊敬される製薬会社に該当していた。その日本法人がやってしまった。本部長クラスが立案し、10年かけ計画的にマンモス降圧剤に仕立て上げた。年商1000億円計画の下で、いい効能のデータを出し、いいジャーナルに載せる。社員が大学に非常勤講師で入り、データ作りを筒抜けにさせた。

 まさに日本の臨床医学の弱点を突いた。

 ──同じ分野の薬剤で武田薬品工業は京都大学医学部に「奨学寄付金」の供与をしていましたね。

 ノバルティスから5大学に渡った総計11億円も奨学寄付金だった。しかし、この額に驚いてはいけない。武田薬品と京大とで行った降圧剤の臨床研究で京大が受け取った寄付金は、5年間で20億円。しかもこれには症例検討に必要な経費は含まれていない。そこでの都合のいいデータを武田は広告に使い、問題になって引っ込めた。

 ──降圧剤分野は儲かる?

 一度飲み始めるとずっと飲み続けることになる。常用する人口も多い。武田はこの分野の研究で先陣を切っていた。

 ──実際、不正を現場近くで見られた経験もありますね。

 東京大学分子細胞生物学研究所の事例だ。スター研究者の教授がこういう結果のデータを出せと最初から指示した。初めにシナリオありき。大阪地検特捜部による厚生労働省の事件と似ている。

 ──課題設定に無理がある?

 おカネを取ったら取ったで成果が求められる。それがプレッシャーになる。大事なのは風通しのいい、研究の運営だ。みんなが自由にものを言える雰囲気がないといけない。

 ──研究不正は医学、生命科学に多い?

 数学のように厳密にロジックを考える分野は下手なことをすればバレる。医学、生命科学における現象データの場合は追求されても、そのときはこうなったと言えば通るところがある。STAP細胞にしても、「できます」と言えば通ったところがあった。

 ──視界を世界に広げれば、希代の「論文泥棒」は米国人のエリアス・アルサブチ氏ですか。

 東京大学医科学研究所が被害を受けたときの助教授だったのでよく覚えている。医科研の英文ジャーナルに盗作論文が掲載されてしまった。こんなことをしてもしょうがないと思ったのだが、すぐにバレるようなことを平気でやる。病的な人もけっこういる。不正をやっているうちに自分を信じきってしまうのだろう。

 ──ジャーナルの審査は確かなのですか。

 ノバルティスでの論文が通ったのを見ても、だいぶお粗末になってきているのかもしれない。研究は、英文論文として一流のジャーナルに発表することで一応完結する。今や、ネットのジャーナルもいっぱい出てきて、これもいいかげんなものが少なくない。投稿料目的でやっているものもある。

 ──ところで、岐阜大学の「落下傘学長」をされました。

 法人化前の3年から法人化後4年までの7年間だ。工学部長と病院長が対立して、皆嫌気が差し、第3の候補者として指名された。当初から知っている教授は4人しかいなかった。中堅規模の大学だけにずいぶん改革ができた。法人化して大学の定員がなくなり、予算をどう使うかは大学次第。給与をポイント制にして、工学部には4000点とかを配付した。東大はじめほかの大学も取り入れるようになったが、このポイント制給与は小生が始めたものだ。

 大学施設の他大学への貸与や、さらには入試過去問題活用宣言をして、ほかの大学の過去問を使う入試も始めた。職員組合から「思いつき学長」と揶揄されたが、予算や、参加するプログラムをきちんと取ってくる。いろいろ経験した。

 ──研究不正は犯罪ではない?

 重大な研究不正の底辺には不注意なもの、軽微の不適切な研究行為などがいっぱいあって、そうしているうちに改ざんなどに手を染めてしまうのだろう。研究不正は犯罪ではない。倫理規範違反。ただし、おカネが絡むと返還が問題になる。



https://www.m3.com/news/iryoishin/428587?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD160529&dcf_doctor=true&mc.l=160034941
シリーズ: 医師不足への処方せん
1位総合診療医、2位地域枠、3位は「医師の計画配置」
日病が医師不足対策を調査、医師の地域偏在は拡大

2016年5月28日 (土) 橋本佳子(m3.com編集長)

 日本病院会は5月28日の記者会見で、会員病院を対象に実施した「2015年地域医療再生に関するアンケート調査報告書」の結果を公表、5年前と比較した常勤医師数は、政令指定都市・中核市等の病院では「増加した」が64.7%に上ったものの、反対に群部・町村の病院では、42.5%が「減少した」と回答、勤務医の確保状況は地域差が大きいことが明らかになった。勤務医不足の解消策として、総合診療医への期待は高く、加えて「医師の計画配置」を支持する病院は70.2%に上るなど、従来とは異なる対策を期待している病院が多いことも示されている。

 本調査では、勤務医の労働実態も調査、「時間外勤務が月80時間を超える医師」が存在する病院は42.1%、宿直の翌日は「通常通り勤務」の病院は59.7%で、勤務医の多くが依然、厳しい労働を強いられている現状も浮き彫りになっている。労働基準局から是正勧告を受けた経験がある病院は24.7%に上り、「日本の医療は、労基法違反を前提として成り立っていると思う」と回答したのは46.9%を占めた。

 会見した常任理事の塩谷泰一氏は、「国、都道府県、各病院のレベルで、さまざまな医師確保対策が講じられてきたものの、医師の地域偏在は解消するどころか、益々拡大している。それに伴い、現場の不安感はむしろ増大している」と指摘した。「勤務医は不足している」との回答も、政令指定都市・中核市等の病院では72.7%、郡部・町村の病院では92.5%と約20ポイントの差がある。勤務医不足の解決策について、「発想を変えて、今までとは異なるアプローチをしていかなければいけないと考えているのだろう」と塩谷氏は語る。

 規制的な医師不足対策については、「職業選択の自由」との兼ね合いから問題視する声も根強いが、塩谷氏は、日本医師会と全国医学部長病院長会議の2015年12月の緊急提言などを例に挙げ、「世の中の雰囲気は、少しずつ変わりつつあるのではないか」と述べた(『医師のキャリア形成、大学が生涯にわたり支援』を参照)。

 厚生労働省では「医療従事者の需給に関する検討会」で、医師需給などの検討を進めている(『偏在対策「強力」に、「医師の働き方ビジョン」も策定』などを参照)。日病は、本調査結果がこうした検討の場で活用されることを期待する。ただし、日病会長の堺常雄氏は、規制的な医師不足対策については、「検討は必要だと思うが、クリアすべき課題は幾つかあると思っている」と慎重な議論が必要だとした。

 9割が「大学医局からの派遣」に依存

 調査は2015年10月1日から11月20日にかけて、2431病院を対象に実施、664病院から回答を得た(回答率27.3%)。回答病院は500床以上が20.0%と多いものの(日本全体では500床以上は約5%)、200床未満も38.0%に上った。「日病の会員の割合をほぼ反映している。今回の調査結果は、日病会員の総意を反映したものと言える」(塩谷氏)。

 医師の確保方法は91.0%が「大学医局からの派遣」と回答し、いまだ大学への依存度は高い(複数回答)。以下、2位「人脈や個別紹介など個人的関係」(47.6%)、3位「公募」(42.5%)。4位に「人材あっせん会社」(37.6%)が入り、4割近くを占めることから、塩野氏は「憂慮すべき事態」と指摘。他の回答は、1桁だった。厚労省は、医師確保対策の一環として都道府県に「地域医療支援センター」を設定しているが、「医師確保については、全く機能していないことが分かった」(塩谷氏)。

 「大学医局からの派遣」で医師を確保している病院のうち、大学・医局に研究費等を支援しているのは、34.7%に上った。金額は「500万円未満」が76.3%を占めたが、「1000万円以上」も計8.7%。
 「保険医定員制」「自由開業の制限」は支持低く

 「勤務医確保は困難」と回答した病院は90.3%と高率。「勤務医不足の本質は、医師の絶対数の不足ではなく、地域偏在・診療科偏在と思う」と答えた病院は72.9%に上る。

 勤務医不足の解消策として賛成率が高いのは、「総合診療医の養成」(79.7%)がトップで、2位は「医学部地域枠入学の活用」(73.1%)。地域枠といっても、大学によりルールが異なることから、塩谷氏は「義務年限や赴任先病院の在り方など、運用ルールの基本は、ある程度全国的に統一化すべきではないか」と指摘。

 3位「医師の計画配置」(70.2%)、4位「地域ごと基本診療科ごとの医療需要の把握と設定」(60.4%)、5位「へき地勤務の義務化」(57.9%)と、規制的な医師不足対策が並んだ(複数回答)。もっとも、「保険医の定員制の設定」(13.6%)や「自由開業の制限」(32.4%)を支持する意見は少なかった。「一般論では賛成するものの、より具体的、自分に身近な対策となると反対意見が出てくる」と塩谷氏は分析した。



https://www.m3.com/news/general/428569
手術8人死亡、リスク説明不十分 外部調査委が報告書、千葉・海浜病院
2016年5月29日 (日) 毎日新聞社

海浜病院:手術8人死亡、リスク説明不十分 外部調査委が報告書 /千葉

 千葉市美浜区の市立海浜病院の心臓血管外科で、昨年4~6月に心臓や大動脈の手術を受けた患者8人が死亡した問題。外部調査委員会は27日に公表された報告書で、手術のリスクの評価や患者・家族への説明などに不備があり、医療体制も十分でなかったと問題点を指摘した。「手術リスクの高い症例が多く、明らかな医療過誤と思われるものはなかった」と結論付けたが、寺井勝院長は記者会見で亡くなった患者と遺族に向けて頭を下げた。

 病院によると、8人は55~81歳の男女で、手術後1~44日以内に死亡したことが昨年8月までに明らかになった。調査委は高本真一委員長(三井記念病院院長)ら6人で、同月から医師への聞き取りなどをしてきた。

 報告書などによると、心臓血管外科の医師は4人で主に2人が執刀した。リスクは患者の状況や手術の難しさなどから計算するが、4例は死亡率20~50%とみられるのに3~10%と低く評価し、手術を勧めた。適切に評価されていれば患者や家族が手術を避けた可能性がある例もみられたという。

 予測不能な大動脈瘤(りゅう)破裂があった1人以外は ▽止血に難渋し輸血量が5リットルを超えた(5人) ▽大動脈の遮断時間が3時間を超えた(4人) ▽手術時間が10時間を超えた(6人)――という共通点があった。一つ一つの手技にも時間がかかっており、チーム体制をさらに充実させる必要があったと指摘した。

 病院は報告書を受け取った24日以降、遺族に説明し、「重症とは理解していたが正確な数字を言ってほしかった」「死亡例が相次いでいた状況を知らせてほしかった」との意見が寄せられたという。

 寺井院長は「緊急手術や高いリスクの手術が続いた。連続する重症手術や術後管理の対応には少人数では限界があり充実した体制づくりが必要であると考えている」と釈明した。【田ノ上達也】



https://www.mixonline.jp/Article/tabid/55/artid/54179/Default.aspx
メーカー公取協 医師主導臨床研究の支援と公競規の関係の検討 今年度も継続
公開日時 2016/05/30 03:50

医療用医薬品製造販売業公正取引協議会(メーカー公取協)は5月27日、通常総会を開き、医師主導臨床研究に対する支援と公競規との関係の検討について「まだ道半ば」として、16年度も引き続き検討することを決めた。

医師主導臨床研究の不祥事では、当該企業による社外調査委員会で過大な労務提供などによる規約違反の可能性が指摘されていた。それを受け15年度、同協議会は、具体的な違反の確認には至っていないものの、メーカー側の関わり方によっては医療用薬の使用を不当に誘引するおそれがあるとして、公競規上の対応が可能か検討してきた。まだ結論が得られていないことから16年度事業計画に検討することを盛り込み「必要に応じて運用基準を見直す」とした。

15年度規約違反 指導なし 注意は1件 講演会後の慰労で上限超える飲食

メーカー公取協は同日の通常総会で、14年度の公競規違反状況を報告し、広域の対応が必要な本部事案、指導はなく(14年度は本部2件、指導3件)、注意は1件(14年度2件)だった。

「注意」とされた違反概要は、2014年7月31日に自社医薬品の講演会開催後、役割者の慰労会において1人当たりの上限2万円を超える3万2450円の飲食を提供したというもので、15年4月21日に当該企業を「注意」した。

新会長は大日本住友の多田氏

メーカー公取協は同日の通常総会で、任期満了に伴う役員改選を行い、新しい会長に大日本住友製薬社長の多田正世氏を選出した。任期は2年。


  1. 2016/05/30(月) 05:39:06|
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5月28日 

https://www.m3.com/news/iryoishin/427403
シリーズ: The Voice(医療)
厚労省に有利な「医師過剰」推計に異議
医学部定員1.5倍でも医師不足続く

2016年5月27日 (金) 上昌広(NPO法人医療ガバナンス研究所理事長)

 3月末、厚労省は「医師の需要推計について」というレポートを発表した。そして、「医師需給は、中位推計においては、2024年(平成36年)頃に、上位推計おいては、2033年(平成45年頃)に均衡すると推計される」と結論した(資料は、厚労省のホームページ)。

 この報告に基づき、厚労省の有識者会議は、2020年以降は医師の偏在解消策の効果などを考慮しながら、削減も含めて検討する方針を盛り込んだ中間報告をまとめた。

 私どもは、医師不足について研究を続けてきた。2012年には、情報工学の専門家である井元清哉・東大医科研教授らと将来の医師不足をシミュレーションし、その結果を『プロス・ワン』誌に発表した。 (Yuji, Koichiro, et al. "Forecasting Japan's physician shortage in 2035 as the first full-fledged aged society." PloS one 7.11 (2012): e50410.)

 実は、今回の厚労省の推計と、私どもの推計の結果は全く違う。我々の推定では、2035年に2010年レベルの医師不足の状態に維持したければ、医学部定員を2010年の定員の53%増やさねばならなかった。特に後期高齢者の医療需要の増加は著しかった。図1は、医師の労働時間100時間当たりの後期高齢者の死亡数を示したものだ。全ての県で医師不足は悪化し、特に首都圏、中部地方、関西圏が深刻であることが分かる。

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図1 医師の100時間労働当たりの後期高齢者の死亡数(提供:上氏。上氏らの推計による)

 我々の解析結果は、遅くとも2033年までには医師は充足すると言っている厚労省の見解とは相容れない。なぜ、乖離が生じるのだろう。

 医師は週54.4時間勤務?

 医師の需給を検討する場合、需要と供給を正確に評価しなければならない。その際、どのような指標を使い、どのような仮定を置くかで、結果は変わってくる。推計の信頼度は、その方法論に依存する。

 では、厚労省と私たちは、どのような推定のやり方をしたのだろうか。

 まずは、医療供給だ。供給とは医師の労働量だ。医師の技量に個人差はあるものの、実際には医師の労働時間を用いることが多い。その際に重要なのは、医師の年齢、性別を考慮することだ。これも個人差はあるが、妊娠・出産・子育てにかける時間が多い女性医師や、体力が衰える高齢医師は若年男性医師ほど働けない。

 厚労省は、どのように彼らの労働時間を、どのように仮定したのだろうか。厚労省の報告によると、「30~50歳代の男性医師を1とした場合に、女性医師0.8、高齢医師0.8」としている。

 では、基本となる男性医師の労働時間はどうだろう。厚労省は、平均労働時間を54.4時間としている。これは2012年に労働政策研究・研修機構が発表した「勤務医の就労実態と意識に関する調査」に基づいたものだ(資料は、同機構のホームページ)。この調査は、全国の20床以上の病院に勤めている24歳以上の勤務医を対象にインターネットを用いて実施し、有効回答数は3467票だった。

 報告書には「実際の労働時間を含む。休憩時間は除く」、「他の勤務先も含めた週当たりの全労働時間」と書いてあり、方法論としては妥当だ。ただ、勤務医の30-50代の労働時間の平均が週に54.4時間というのは、多くの読者の実感に合わないだろう。完全週休2日制、当直なしとして、毎日の残業時間が3時間ということになる。私は、このような勤務医をみたことがない。

 ちなみに2006年に開催された「第12回医師の需給に関する検討会」には図2のような資料が提出されている。この推計では休憩、つまり院内待機時間など、あらゆる間接業務の時間が含まれている。30歳代男性の平均労働時間は週に80時間を超える。
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図2 病院医師勤務時間(提供:上氏。2006年に開催された「第12回医師の需給に関する検討会」に提出された資料)

 後述するが、米国でも週の労働時間は80時間とされている。こちらの数字の方が、多くの読者の実感に合うだろう。労働政策研究・研修機構の調査が、なぜ、このような結果になったのかは分からない。ただ、若年男性の労働時間を低く見積もることは、医師を増やしたくない厚労省にはありがたい。女性や高齢医師の仕事量が相対的に高くなるからだ。

 厚労省は「女性医師の労働時間を踏まえた仕事量が0.8」としており、その際「供給推計には就業率が加味されており、休職・離職による影響は既に考慮されている」と述べている。図2を見れば、そんな仮定が出鱈目であることは一目瞭然だ。

 実は、若年男性の労働時間を低く見積もることは、厚労省にとって、別の意味でも都合がいい。それは、医師の過剰労働問題を議論せずに済むからだ。世界では、医療安全の観点から、医師の労働時間規制が進んでいる。きっかけは1984年に米国で起こったリビー・ジオン事件だ。過労のレジデントが誤投薬をして、患者が亡くなった。現在、米国では週80時間以内、EUでは週平均48時間に規制されている。米国では、医師研修施設の認定にかかわるACGME(Accreditation Council for Graduate Medical Education)が基準を定めており、このルールを守らなければレジデントを採用できなくなる。また、欧州では「working time directive」というEU法で定められており、雇用主に定期的なモニタリングが義務づけられている。

 日本にも労働基準法があり、週に40時間という法定労働時間を定めているが、勤務医は実質的に適用外だ。睡眠不足や過労が人間の判断力を鈍らせるのは公知の事実だ。そんな医師に治療を受けたい患者はいない。ところが、このことは、厚労省の推計には全く考慮されていない。あえて、この問題を避けるため、現実離れした調査を前提においたように見える。このように、厚労省の医療供給の推計は、前提条件に問題がある。現実を反映したものとは言いがたい。

 医療需要も過少推計

 では、医療需要の推計はどうなっているだろう。実は、こちらも科学の体をなしていない。

 厚労省は医療需要を「将来の医療需要」x「医療需要当たりの医師数」として定義している。そして、「将来の医療需要」を「地域医療構想等の必要病床数」、「将来の外来患者数」、「将来の施設の入所者数」で代替している。需要の推計に、「施設数」という供給側の指標を盛り込んでいる。この方法を使えば、施設数を絞ることで、需要を過小評価できる。これは、現在、厚労省が推進している政策そのものだ。

 医療需要を推計するなら、こんな指標を使ってはならない。主要疾患の年齢別罹患率と人口構成を掛け合わせるか、あるいは年齢別死亡率と人口構成を掛け合わせればいい。我々は後者を選択した。その結果が、冒頭にご紹介したものだ。厚労省の推計と、大きな乖離が生じるのも頷けるだろう。

 厚労省の推計は、かくの如く、方法論として問題がある。実は、このことは関係者の間では有名だ。首都圏の県庁に勤務する知人は「厚労省は定期的に医師推計を出しますが、そのたびに、医師が充足するのは、10年ずつ後ろになります」と言う。地方行政の担当者からは、厚労省は現状を肯定するための、辻褄合わせをしているとみられており、はなから信頼されていない。彼は、医学部新設を含め、独自に医師確保に取り組んでいる。

 厚労省の推計には、もう一つ問題がある。地域差を考慮していないことだ。わが国の医師数は西高東低。人口10万人当たりの医師数は久留米市が543人、長崎市414人に対し、千葉県173人、千葉市は255人だ。久留米市や長崎市の医師を千葉県に強制配置できない以上、全国平均で医師数が充足しても、首都圏の医師不足は解決しない(有識者の一部に強制配置を望む声があるが、これは憲法違反だ)。

 では、首都圏はどうなるのだろう。図3は首都圏で75歳人口当たりの60歳未満の医師数の推移を示す。団塊世代が亡くなる2035年ころに一時的に改善するが、その後、再び悪化する。少なくとも、首都圏で短期的に医師が充足することはあり得ない。
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図3 首都圏における75歳人口当たりの60歳未満の医師数の推移(提供:上氏。上氏らの推計による)

 データ公開し、オープンな議論を

 かくの如く、わが国の医師不足は深刻だ。短期的に解決することはなく、過剰になるなどあり得ない。

 確かに、私を含め医師にとって医師不足は好都合だ。多少、過剰労働はあるが、給与が上がり、仕事に困らない。大学教授たちは、さらにおいしい。医局員の派遣に伴い利権が生じるからだ。寄付講座や新専門医制度など、その典型だ。詳細は、以下の拙文をお読みいただきたい。

◆医師不足深刻化でも、大学医学部が定員増に必死の抵抗…「医師不足利権」の病理(2016年12月8日)

◆巨額税金投入の福島医大、被災地からの医師派遣要請に応じず…見返りに寄付金受領(2016年3月10日)

 医療界も、そろそろまともな議論をしたらどうだろう。いつまでも詭弁を弄していると、やがて社会の信頼を失う。厚労省の官僚たちも問題点は理解しているだろう。業界団体の意向を汲む与党や医療費抑制を迫る財務省からの圧力は、相当なものだ。彼らの苦労は察して余りある。

 ただ、審議会を隠れ蓑に辻褄合わせをするのは、そろそろ止めたらどうだろうか。こんなことを続けていると、わが国は駄目になる。

 どうすればいいのだろうか。私は厚労省が統計データを公開すればいいと思う。研究者が解析し、その結果を学会や論文で発表し、自由な議論をすればいい。医師は足りないけど、お金もない。さてどうするか。現状を国民が認識できるはずだ。そこからは国民的な議論が始まる。マスコミを巻き込み、オープンに議論すれば、やがて国民的コンセンサスができるはずだ。わが国は民主主義国家だ。地に足の着いた議論を始めようではないか。



http://mainichi.jp/articles/20160528/ddl/k09/010/099000c
佐野市
市民病院、18年度から民営化へ 「大胆な改革必要」 /栃木

毎日新聞2016年5月28日 地方版 栃木県

 佐野市は27日、指定管理者制度に移行して8年になる佐野市民病院について、2018年度から完全民営化する方針を明らかにした。この日の市議会全員協議会で説明した。同市政策審議会に諮問したうえで正式に決める。

 同病院は04年の研修医の新臨床研修制度の導入などを背景に、一時常勤医師が全員退職するなど深刻な医師不足に陥った。08年10月に指定管理者制度を導入。医療法人財団「青葉会」(本部・東京)が運営を引き継いだ。

 08年度末に7人だった常勤医師は14年度末には14人に倍増し、患者数や経常収益も増加している。しかし、赤字体質は変わらず、14年度末で2億5994万円の経常損失を出した。同市は毎年度、7億〜8億円を一般会計から補填(ほてん)している。

 青葉会との指定管理者の協定は18年3月末で満了するため、同市は今後の経営形態を検討。現在の「公設民営」方式を見直し、民間譲渡を目指す方針を固めた。同市健康医療部によると、地域の中核病院として存続するためには大胆な改革が必要と判断したという。

 同市によると、総務省が07年に「公立病院改革ガイドライン」で公立病院の経営効率化や再編などを打ち出し、これまでに全国で46病院が民営化したという。【太田穣】



http://www.tokyo-np.co.jp/article/chiba/list/201605/CK2016052802000147.html
【千葉】
外部調査委「医療過誤なし」 千葉市立海浜病院の術後死

2016年5月28日 東京新聞 千葉

 千葉市立海浜病院(美浜区)の心臓血管外科で昨年四~六月、心臓や大動脈などの手術を受けた患者三十一人のうち八人が相次いで死亡した問題で、外部調査委員会は二十七日、「明らかな医療過誤はなかった」とする報告書を発表した。一方で、患者側への説明で手術のリスクが甘く見積もられていたと批判。担当医が少なく、疲労が重なっていた可能性もあるとして態勢の充実を求めた。 (内田淳二)

 八人は五十五歳~八十一歳の男女で、手術の翌日から一カ月半の間に死亡した。三カ月間で前年度の四人を大きく上回る事態に、病院側は三井記念病院の高本真一院長ら六人による調査委を設置。死亡と手術との因果関係などを調べた。

 手術チームは、前年度と同じ三人の医師らが中心となって構成されていた。調査委はビデオなどで手術経過を確認し「手術リスクの高い症例が多く、予測不能の死亡例もあった」と結論づけた。

 患者側への事前の説明については不足していたと批判。死亡率3~10%とされた手術も、調査委の見立てでは20~50%だったとして「十分な説明があれば患者が手術を選択しない可能性もあった」とした。また、医師の人数が少ない中、手術などが相次ぎ「疲労が重なり手術成績の低下に関連していた可能性も否定できない」と指摘した。

 病院は昨年七月以降、同様の手術を中止。当時の担当医三人はすでに退職した。再開時期は白紙という。寺井勝院長は会見で「一年余り十分な説明責任を果たせなかった」と遺族に陳謝するとともに「報告書の指摘を真摯(しんし)に受け止め、改善に努めたい」と話した。遺族からは「死亡例が相次いでいた状況を知らせてほしかった」といった意見があったという。



https://www.m3.com/news/general/428556
パワハラ「改善せず」…医学部教授を停職6か月
2016年5月28日 (土) 読売新聞

 横浜市立大学医学部の50歳代の男性教授が、複数の学生、教職員に対し、頭をたたいたり、過度な叱責をしたりするパワーハラスメントをしたとして、停職6か月の懲戒処分を受けていたことが、市大への取材で分かった。

 処分は4月27日付。教授は2011年度にも暴言により停職3か月となっており、市大人事課は「改善が見られず、さらに重い処分にした」としている。



https://www.m3.com/news/iryoishin/428388
シリーズ: 真価問われる専門医改革
日病協「永井私案含めて、機構の在り方はおかしい」
薬価改定は組織横断的な議論が必要と指摘

2016年5月28日 (土) 高橋直純(m3.com編集部)

 日本病院団体協議会の神野正博議長(日本社会医療法人協議会副会長)は5月27日の代表者会議後の記者会見で、2017年度から開始予定の新専門医制度について、「今の永井私案を含めて、現在の機構の在り方についてはおかしいと懸念を表明する。走りながら進めていくと転んでしまう」と話した。

 医師の診療科や地域の偏在について、これまでは学会や医師会、病院団体はこれまでプロフェッショナルオートノミーを発揮できていなかったと反省しているとした上で、神野議長は2017年4月開始に向けて「全団体の共通認識は『議論は煮詰まっていない』というもの」と説明。永井私案(『新専門医制度、永井委員長が“私案”で改善提案』を参照)についても「時期尚早。議論するに至っていない」と指摘した。

 原澤茂副議長(全国公私病院連盟常務理事)は「(永井私案では)地域の協議会で(医師の偏在などを)議論することになっているが、協議会が作られていない地域も多く機能してない。形だけで実態がない」とコメント。原澤氏は個人的な意見として、「新専門医制度は地域医療崩壊につながり、学会、大学主導の制度である。(日本専門医機構の)池田理事長は止めたら二度と動かせないように発言しているが、そんなことはない。まずは総合診療専門医をスタートさせ、他の専門医は既存の学会に委ねながら3年ぐらいかけて専門医機構に暫時移行するのが妥当だと思う」と述べた。

 神野議長は高額な薬価が問題になっている薬剤費についても触れ、「薬価の決め方に疑義が出ている。早急に組織横断的に薬価改定をするようにしないと、総額が決まっている医療費の中で、薬剤費だけが膨張することになる」とし、議論が始まった第7次医療計画の在り方については「医療計画と地域医療構想の整合性が考えられないまま進むことを懸念している」と述べた。



https://www.m3.com/news/iryoishin/428587
シリーズ: 医師不足への処方せん
1位総合診療医、2位地域枠、3位は「医師の計画配置」
日病が医師不足対策を調査、医師の地域偏在は拡大

2016年5月28日 (土) 橋本佳子(m3.com編集長)

 日本病院会は5月28日の記者会見で、会員病院を対象に実施した「2015年地域医療再生に関するアンケート調査報告書」の結果を公表、5年前と比較した常勤医師数は、政令指定都市・中核市等の病院では「増加した」が64.7%に上ったものの、反対に群部・町村の病院では、42.5%が「減少した」と回答、勤務医の確保状況は地域差が大きいことが明らかになった。勤務医不足の解消策として、総合診療医への期待は高く、加えて「医師の計画配置」を支持する病院は70.2%に上るなど、従来とは異なる対策を期待している病院が多いことも示されている。

 本調査では、勤務医の労働実態も調査、「時間外勤務が月80時間を超える医師」が存在する病院は42.1%、宿直の翌日は「通常通り勤務」の病院は59.7%で、勤務医の多くが依然、厳しい労働を強いられている現状も浮き彫りになっている。労働基準局から是正勧告を受けた経験がある病院は24.7%に上り、「日本の医療は、労基法違反を前提として成り立っていると思う」と回答したのは46.9%を占めた。

 会見した常任理事の塩谷泰一氏は、「国、都道府県、各病院のレベルで、さまざまな医師確保対策が講じられてきたものの、医師の地域偏在は解消するどころか、益々拡大している。それに伴い、現場の不安感はむしろ増大している」と指摘した。「勤務医は不足している」との回答も、政令指定都市・中核市等の病院では72.7%、郡部・町村の病院では92.5%と約20ポイントの差がある。勤務医不足の解決策について、「発想を変えて、今までとは異なるアプローチをしていかなければいけないと考えているのだろう」と塩谷氏は語る。

 規制的な医師不足対策については、「職業選択の自由」との兼ね合いから問題視する声も根強いが、塩谷氏は、日本医師会と全国医学部長病院長会議の2015年12月の緊急提言などを例に挙げ、「世の中の雰囲気は、少しずつ変わりつつあるのではないか」と述べた(『医師のキャリア形成、大学が生涯にわたり支援』を参照)。

 厚生労働省では「医療従事者の需給に関する検討会」で、医師需給などの検討を進めている(『偏在対策「強力」に、「医師の働き方ビジョン」も策定』などを参照)。日病は、本調査結果がこうした検討の場で活用されることを期待する。ただし、日病会長の堺常雄氏は、規制的な医師不足対策については、「検討は必要だと思うが、クリアすべき課題は幾つかあると思っている」と慎重な議論が必要だとした。

9割が「大学医局からの派遣」に依存

 調査は2015年10月1日から11月20日にかけて、2431病院を対象に実施、664病院から回答を得た(回答率27.3%)。回答病院は500床以上が20.0%と多いものの(日本全体では500床以上は約5%)、200床未満も38.0%に上った。「日病の会員の割合をほぼ反映している。今回の調査結果は、日病会員の総意を反映したものと言える」(塩谷氏)。

 医師の確保方法は91.0%が「大学医局からの派遣」と回答し、いまだ大学への依存度は高い(複数回答)。以下、2位「人脈や個別紹介など個人的関係」(47.6%)、3位「公募」(42.5%)。4位に「人材あっせん会社」(37.6%)が入り、4割近くを占めることから、塩野氏は「憂慮すべき事態」と指摘。他の回答は、1桁だった。厚労省は、医師確保対策の一環として都道府県に「地域医療支援センター」を設定しているが、「医師確保については、全く機能していないことが分かった」(塩谷氏)。

 「大学医局からの派遣」で医師を確保している病院のうち、大学・医局に研究費等を支援しているのは、34.7%に上った。金額は「500万円未満」が76.3%を占めたが、「1000万円以上」も計8.7%。

「保険医定員制」「自由開業の制限」は支持低く

 「勤務医確保は困難」と回答した病院は90.3%と高率。「勤務医不足の本質は、医師の絶対数の不足ではなく、地域偏在・診療科偏在と思う」と答えた病院は72.9%に上る。

 勤務医不足の解消策として賛成率が高いのは、「総合診療医の養成」(79.7%)がトップで、2位は「医学部地域枠入学の活用」(73.1%)。地域枠といっても、大学によりルールが異なることから、塩谷氏は「義務年限や赴任先病院の在り方など、運用ルールの基本は、ある程度全国的に統一化すべきではないか」と指摘。

 3位「医師の計画配置」(70.2%)、4位「地域ごと基本診療科ごとの医療需要の把握と設定」(60.4%)、5位「へき地勤務の義務化」(57.9%)と、規制的な医師不足対策が並んだ(複数回答)。もっとも、「保険医の定員制の設定」(13.6%)や「自由開業の制限」(32.4%)を支持する意見は少なかった。「一般論では賛成するものの、より具体的、自分に身近な対策となると反対意見が出てくる」と塩谷氏は分析した。



https://www.m3.com/research/polls/result/107
意識調査
結果日本の臨床研究、どうなる?

回答期間: 2016年5月17日 (火)~24日 (火) 回答済み人数: 2250人

 降圧剤を巡る論文不正事件に関する裁判が現在、東京地裁で行われています(『降圧剤論文問題と研究不正』を参照)。事件をきっかけに政府は5月13日、製薬企業から資金提供を受けた薬などの臨床研究などについて第三者によるデータチェックなどを義務づける「臨床研究法案」を閣議決定しました(『臨床研究法案、国会へ 第三者がデータ確認 閣議決定』を参照)。

 研究の透明性が向上に期待できる一方、「ただでさえ、やりにくくなっているのに、日本の研究がさらに停滞する」という声も上がっています。日本の臨床研究についてのお考えをお聞きします。

「医療従事者の7割が「臨床研究の経験あり」

 臨床研究の参加経験を尋ねたところ、「ある(直近1年以内に)」が28%、「ある(直近3年以内に)」が10%、「ある(3年超の前に) 」が32%で、70%が経験があるという結果でした。思いのほか、臨床研究は身近な行為かもしれません。

 臨床研究の在り方については、「現状で良い」が44%を占めました。「今より強化すべき」は25%、「今より緩くすべき 」は18%でした。

 現在国会で議論が行われている「臨床研究法案」の影響については、「質の向上につながる」が26%、「質は現在と変わらない」が31%、「質の低下につながる」が12%、「分からない」が31%と意見が分散しました。自由意見では「質は向上したとしても数は減る」という指摘も多かったです。

 臨床研究の在り方について、多くのご意見が寄せられました。m3.com医療維新でご紹介します。
臨床研究規制「官僚の責任逃れ」「ルール違反の罰則を強化」」(次項)

Q1 臨床研究(治験含む)に携わった経験ある?
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開業医 : 456人 / 勤務医 : 1500人 / 歯科医師 : 5人 / 看護師 : 15人 / 薬剤師 : 234人 / その他の医療従事者 : 40人
※2016年5月24日 (火)時点の結果

Q2 臨床研究への規制、強化すべき?
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開業医 : 456人 / 勤務医 : 1500人 / 歯科医師 : 5人 / 看護師 : 15人 / 薬剤師 : 234人 / その他の医療従事者 : 40人
※2016年5月24日 (火)時点の結果

Q3 「臨床研究法案」、日本の臨床研究の質の向上につながる?
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開業医 : 456人 / 勤務医 : 1500人 / 歯科医師 : 5人 / 看護師 : 15人 / 薬剤師 : 234人 / その他の医療従事者 : 40人
※2016年5月24日 (火)時点の結果



https://www.m3.com/news/iryoishin/428386
シリーズ: m3.com意識調査
臨床研究規制「官僚の責任逃れ」「ルール違反の罰則を強化」
規制の在り方についての自由意見、賛否分かれる

2016年5月28日 (土) 高橋直純(m3.com編集部)

Q 日本の臨床研究の在り方についてお考えをお聞かせください
調査結果はこちら⇒『「医療従事者の7割が「臨床研究の経験あり」』

【規制・ルールは重要】
・日本の臨床研究の信憑性が問題になっているのは、大変ゆゆしき問題と感じています。これまでの不備を出来るだけ是正して、より適切なものになるように願っています。【開業医】

・どうしてもお金が絡むので資金の管理、途中途中のチェック(効果判定も含めて)を行うこと。【勤務医】

・研究登録制を観察研究にも拡げる。【勤務医】

・ルールを守っての臨床現場主導の臨床治験の拡大が、新しい治療開発につながると思います。【勤務医】

・しっかりとしたルールを作り、ルール違反の罰則を強化したらいいのでは。あたりまえだが患者さんの利益のために正々堂々と研究をするべきでしょう。日本の臨床研究の信頼を取り戻すためには、20年以上かかるでしょう。【開業医】

・世界水準で考えれば、ルールとしては妥当と思われる。逆にルールに従っていない研究は、今後主要な国際誌には採択されなくなると思われる。現在の日本における問題は、医師以外のスタッフ(事務、統計学者など)による臨床研究のサポート体制が整っていないことだと思われる。【勤務医】

【研究環境の整備を】
・教授の部下でなく、研究員として、仕事をさせること。【開業医】

・質の良い臨床研究が求められるのは当然ですが、スピードも大事であると考えます。【勤務医】

・臨床的学術的に優先すべき臨床研究を学会主導で、国や製薬会社の支援で行っては?【開業医】

・臨床研究に携わる職種の採用拡大にかかわる費用を臨床研究を行う施設に国が補助を与える必要あり。【勤務医】

・不正をしたら製薬会社に薬剤の承認取り消しと3年間の営業停止ぐらいのことをしないと懲りない。【薬剤師】

・一般病院の熱意のある医師が臨床研究がしやすいようにすべきです。【勤務医】

・海外の臨床研究結果をそのまま、日本人に当てはめても同様の結果がでるかわからないため、日本でも積極的に臨床研究をすべき。【勤務医】

・製薬会社で治験に携わっていたころは、医師にも負担で患者さんにもメリットがあまりないように感じられた。奉仕の精神に頼るだけでは国際的な競争力を持つ企業に成長的ないのではないかと感じた。【薬剤師】

・基礎医学との連携をもっと強化すべき。臨床研修医制度によって大学院へ進む医師が少なくなっている現在、研究そのものの衰退が懸念される。【勤務医】

・確かに第三者によるチェックはある方がいいとは思うが、そのやり方次第では、臨床で使用することができるまでの期間をいたずらに伸ばす結果を招くことも考えられます。よって、迅速な第三者でのチェックが行われることを条件にするならば、現状よりも強化することを考えてもいいのかもしれません。確かに予期せぬ副作用に苦しむ患者さんがいる一方、世の中に治療薬が認可されていないことで苦しんでいる患者さんがいることも忘れてはいけないと思います。【薬剤師】

・FDAのように臨床研究の開始段階におけるプロトコルに関するアドバイスや介入をより実施すべき。監査を強化・新設しても第三者機関の追加による研究開発費が膨らむだけであまりメリットはない。監査はプロトコル通りに実施しているかの点に絞り、費用面でも可能な限り効率化してほしい。【薬剤師】

・CRCなどサポートする職種を増やすことが必要。【勤務医】

【規制の問題】
・おそらく国が出す提案は賢い製薬会社の研究員や実際の取りまとめをしている医師には見透かされ、不正はあまり減らない。逆に巧妙になるだけ、判断できなくなるのではという危険性がある。一方でまっとうな試験をしている人にとっては邪魔でしかない。また、規制が増えれば、製薬会社の負担も増え、それが結果薬価や儲からない薬剤開発の停滞につながる。本当は性善説が成り立てばいいんだけど、それは無理か。どちらにせよ、規制強化は何かしらのデメリットとなって出てくると思われる。【勤務医】

・治験に限って言えば、各科ごとに特徴があり、それを踏まえてすべきであり、どれも同じやり方である限り、無理がある。【勤務医】

・今後の学会では企業治験か、施設のレトロスペクティブ試験しか発表できないことになるでしょう。もう、医師主導の臨床試験からはEBMは出てこないでしょう。というより、臨床試験ができない。【勤務医】

・政府からの規制が多くて、良い研究は芽生えないと感じている。【勤務医】

・まさに狩人、森を見ず。規制を強化すれば、全体のアクティビティーの低下は必至。官僚が当面の責任逃れに考えているとしか言いようがない。長い目で見れば必ずダメになることばかりしている。不正をした人間に対する罰則を強化すべき。不正論文を作って、のうのうと教授を続けている人間のなんと多いことか。【勤務医】

・世界と規制の仕方がまったく異なり、異様なほど枝分かれしていてわけの分からん規則だらけ。こんなもの、使えるわけない。そして、法の網を潜るやつが必ず出てくる。【勤務医】

・倫理審査が厳しすぎて雑用が増えてしまい、本質的な業務以外に無駄な時間を浪費せざるをえなくなっている。日本の臨床研究が更に世界レベルから遠のき、研究者の数が減り、最終的には日本の医療レベルの低下につながる。【勤務医】

・大学との共同研究を始める前に、自施設でも倫理委員会に諮らなければいけない、個人情報保護に関する規制などなど、研究開始までにクリアすべきことが多すぎる。介入研究と観察研究では、違った対応でよいと思うが臨床研究として指針がでているので、それらをクリアするのに時間を取られ過ぎる。【勤務医】

・質の向上にはつながると思うが、国内での研究は進まず、海外での研究にしふとしていくのではないか?優秀な人材が海外へ行ってしまうのもどうかと思う。【薬剤師】

・現状、かなり面倒くさい。そのため、暇な医師しか参加できない。偏った医師による研究になるので、偏った結果が出やすいように思う。【勤務医】

・臨床研究を実施できる施設が限られてしまう。適応外使用が多い小児がん領域には多大なる痛手となる可能性があり影響が懸念される。【勤務医】

【その他】
・ネズミをいじって基礎研究論文を書いて教授になった人たちに、臨床研究主査をさせること自体大間違いですね。【開業医】

・最近、臨床研究での学位取得が安易になってきたように思う。もっとoriginalityのある臨床研究に期待したい。【開業医】

・官・民とも前例主義強く、新規の研究テーマや、発見が育たない。【勤務医】

・何でも第3者委員会をつくれば良いという風潮に危機感を覚えます。【勤務医】

・データシェアリングの世界の潮流との整合性が必要。COIを厳しくしたために、研究費がなくなり、臨床研究が世界から取り残されていることを危惧しています【勤務医】

・怪しい研究論文が多すぎる。【勤務医】

・法案はよいが人材と資金がない研究者は大変なことになるし、旧帝大系の大学だけが生き残ることになり、シーズも育ちにくくなると思われる。【勤務医】

・わが国では医療費が安く提供されるからか、治験に入る必要性が薄いという患者さんの背景がある。したがって、治験に参加する人は金儲け半分、自分の医療費軽減目的が半分の人に偏る傾向あり。治験を進めにくい環境にある。【開業医】

・日本ではごまかしの研究風土ができており、医学博士が他の博士の中でもダントツに多いことをみればわかる。大事な発見がそうそうある訳がない。【勤務医】

・基本的に臨床現場の声が軽視されないことを強く望む。統計的には表面には現れない軽微な不都合な事象が臨床家は最初から気付いていることが多い。自由な意見の言える治験であるべきだ。【勤務医】

【長文でのご意見】
・研究倫理について、その歴史と実際に起こった事件、そこからどのような経緯で倫理委員会の役割が決められ、ヘルシンキ宣言につながっていったのか、ということの教育がほとんどなされてこなかったのが日本の医学(もちろん看護も含みます)教育であり、それゆえに介入研究に関する各種規制や情報公開といったことが単なる面倒な事務手続きとして認識されてしまっているのは悲しいことです。厳しい言い方ですが、これらの規制を面倒なものと認識している医療スタッフは研究をする資格はないとせざるをえません。 しかし、規制をすれば良い、という発想ではいつまでたってもこの精神的な風土は変わることは期待できません。医療行為と研究行為を明確に区別して考える考え方を地道に普及させるため、時間はかかっても医学教育を改革する方向にしなければ、ヨーロッパ文化(米国は若干,経済活動優先な面があるので,欧米とはしません)の考え方で実施される臨床試験には日本はハイリスクで参加させられない、という状況になるはずであり、おそらく臨床の先生のうち一部の方々はすでにこのことを実感されているのではないかと思います。私自身は疫学を専門としており、日本で実施されるすべての介入研究のうち85%程度を全て概要のみですが把握する立場にあるものです。【勤務医】

・個々の臨床研究の質は高くなると思います。しかし、参入が非常に難しくなるために、若手が勉強する機会が減るだけでなく、「非凡な着想が生かされなくなる」「ごく一部の病院でしか実施できなくなる」という弊害があります。プラスマイナスすると弊害の方が遥かに大きい。研究というのは大半がgabageであり、その中から珠玉が生まれてくるものです。そういうprincipleに反する規制強化は、日本の研究力を大幅に低下させるでしょう。つまり見かけの質の向上は「非常に質の低い臨床研究が減るために平均値が上がる」結果に過ぎません。また、「どんなに厳しい条件をつけても違反はなくならない」と思います。昔の緩やかな基準で十分だった、と思います。私の研究マインドも、そんな中で育ったのでした。倫理教育は必要ですが、規則は緩やかでいいと思います。何でも締め付ければいいという風潮は、必ず科学を萎縮させ、未来を閉ざすでしょう。【勤務医】

・アメリカでも過去に似たことがありましたが、その時にアメリカではどういう議論になったか? たしか、有力な意見のひとつは「政府が研究資金を出して臨床研究をさせるべし」であったと思います。研究資金の出所は別に製薬会社で差し支えありませんが、政府が資金を召上げて市販後の臨床研究をさせる訳です。研究責任者が研究のパトロンの顔色を窺う必要がない様にする訳です。今の制度では、すでにSMOなどが研究の遂行やデータ入力などに関わっています。第三者機関など作っても今度は第三者機関がパトロンの顔色を窺うだけで、研究責任者が研究の本来のパトロンたる製薬メーカの影響を受ける図式は変わりません。【勤務医】

・治験なんて製薬会社にとっていいデータを出さないと2度と治験を依頼されないから本当に効いているかどうかがわからない。かつて抗真菌剤の治験で僕の担当した10症例のうち8例を既存の抗真菌剤と比べて優れていると思えないと回答したところ、教授から呼び出され「同程度か優れているに変更してくれ」と頼まれたことがある。父親が開業医で抗真菌剤の治験を頼まれたときも、20症例すべて既存の抗真菌剤より劣っていると回答したところ、治験論文の協力してくれた医療機関から外されて論文が出ていた。まあそんなもんだと思います。【開業医】

・海外で研究グループを主宰しており、現地で共同研究者として臨床研究にも関わっています。日本の臨床の教室では基礎的な研究が多く、臨床研究の経験者が少なすぎるので研究デザイン、患者データのハンドリング、利益相反のチェック、統計解析の専門家などなど、すべてが足りないのが現状だと思います。また、必要なコスト(人件費)をかけずにやる事が美徳のように語られますが、コストをかけないとどこかに無理が生じて、結果として不正が生じる温床となりえます。なので、データ管理ツールやstudy nurseなどのコストをきちんとかけて研究を行うことができない組織では臨床研究はあきらめるというふるいが必要なのではないかと思います。あとは、日本では研究者主導治験と言いつつ実際には迂回財団を通したsponsoredであることも多く、これを徹底的に是正する必要があると思います。【勤務医】
  1. 2016/05/29(日) 06:11:24|
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5月28日 

http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/iryou/1371288.htm
「課題解決型高度医療人材養成プログラム(平成28年4月)」の申請状況
文部科学省 2016.5.28

「課題解決型高度医療人材養成プログラム」において、医療現場等で人材が不足している2領域について、平成28年4月15日~5月23日までの間、医師養成課程を置く各国公私立大学に対し公募を行った結果、合計20件の申請がありました。

1.事業の背景・目的
 平成26年度より実施している本プログラムは、全国の大学・大学病院における人材養成機能を一層強化し、我が国が抱える医療現場の諸課題等に対して、科学的根拠に基づいた医療を提供でき、健康長寿社会の実現に寄与できる優れた医療人材を養成することを目的に事業を実施しておりますが、今般新たに医療現場等で人材が不足している以下の2領域についてテーマを設定し、公募の上で支援を行うこととしました。

2.事業の概要
○選定件数:4件
 テーマ1 放射線災害を含む放射線健康リスクに関する領域(2件)
 テーマ2 慢性の痛みに関する領域(2件)
○補助期間:平成28年度から最大5年間
○補助金基準額:20,000千円(初年度・年間)
○補助事業上限額:40,000千円(初年度・年間)

3.今後のスケジュール
 今後、専門家・有識者により構成された「課題解決型高度医療人材養成推進委員会」で審査を行い、8月頃に選定結果を公表する予定です。

4.「課題解決型高度医療人材養成プログラム(平成28年4月)」の申請一覧
 「課題解決型高度医療人材養成プログラム(平成28年4月)」の申請一覧 (PDF:65KB) PDF
お問合せ先

高等教育局医学教育課
医学教育係
電話番号:03-5253-4111(代表)(内線3306)
(高等教育局医学教育課)



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/48864.html
茨城のホスピタル坂東の再生支援を決定- 地域経済活性化支援機構
2016年05月27日 22時00分

 官民ファンドの地域経済活性化支援機構は27日、ホスピタル坂東(茨城県坂東市、精神340床、一般60床、医療療養50床)と医療法人清風会の再生支援を決定した。同院では、精神科救急機能や、認知症やアルコール依存症への対応を強化し、入院の拡大を目指す。【大戸豊】

 ホスピタル坂東は2012年5月、看護師の人数水増しなどによる約650万円分の診療報酬の不正請求が発覚。同年保険医療機関の指定を取り消されたが、地域の精神科医療を維持するため、運営法人の清風会と切り離し、院長の個人病院として存続が認められてきた経緯がある。しかし、その後は患者数が減少し、医業収益が大きく低迷していたが、業務改善を進め16年3月期の連結決算では、事業収益37億6400万円、事業利益1億6700万円と黒字に転換する見込みだ。ただ、多額の負債(金額は非公開)を抱えており、自力での再生は困難だった。
 茨城県では、人口当たりの精神科医師数が全国46位と医師不足が目立つほか、ホスピタル坂東と清風会が、精神保健福祉サービスをフルラインで提供し、重度アルコール依存症にも対応できる県内でも数少ない医療機関であることなどから、機構は地域での必要性を認め、今回再生支援を決めた。
 機構では、福祉医療機構と地銀から成る4つの金融機関に対し、債権放棄などの支援を求めることで、有利子負債を圧縮し、法人と病院の財務体質の改善を図る。また、社員や理事についても清風会に派遣し、病院を含めて経営管理体制を強化する。
 清風会は出資持分の放棄により、持分の定めのない医療法人に移行する。創業家出身の社員や理事は退任し、理事長には外部から招聘する医師が就任する予定だ。
 機構では今後、ホスピタル坂東の精神科救急機能のほか、認知症やアルコール依存症における専門医療を強化する。患者の受け入れも県西部に限定せず、県内全域で連携体制を結び、新入院患者の安定確保につなげていく考えだ。

事業再生に向けた仕組み
関係金融機関による債権放棄などの金融支援を受ける。機構は、社員・理事を清風会に派遣し、ホスピタル坂東を含めて一体的に経営改善を支援する
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地域経済活性化支援機構の資料を基に作成



https://www.m3.com/news/iryoishin/428386
シリーズ: m3.com意識調査
臨床研究規制「官僚の責任逃れ」「ルール違反の罰則を強化」
規制の在り方についての自由意見、賛否分かれる

2016年5月28日 (土) 高橋直純(m3.com編集部)

Q 日本の臨床研究の在り方についてお考えをお聞かせください
調査結果はこちら⇒『「医療従事者の7割が「臨床研究の経験あり」』

【規制・ルールは重要】
・日本の臨床研究の信憑性が問題になっているのは、大変ゆゆしき問題と感じています。これまでの不備を出来るだけ是正して、より適切なものになるように願っています。【開業医】

・どうしてもお金が絡むので資金の管理、途中途中のチェック(効果判定も含めて)を行うこと。【勤務医】

・研究登録制を観察研究にも拡げる。【勤務医】

・ルールを守っての臨床現場主導の臨床治験の拡大が、新しい治療開発につながると思います。【勤務医】

・しっかりとしたルールを作り、ルール違反の罰則を強化したらいいのでは。あたりまえだが患者さんの利益のために正々堂々と研究をするべきでしょう。日本の臨床研究の信頼を取り戻すためには、20年以上かかるでしょう。【開業医】

・世界水準で考えれば、ルールとしては妥当と思われる。逆にルールに従っていない研究は、今後主要な国際誌には採択されなくなると思われる。現在の日本における問題は、医師以外のスタッフ(事務、統計学者など)による臨床研究のサポート体制が整っていないことだと思われる。【勤務医】

【研究環境の整備を】
・教授の部下でなく、研究員として、仕事をさせること。【開業医】

・質の良い臨床研究が求められるのは当然ですが、スピードも大事であると考えます。【勤務医】

・臨床的学術的に優先すべき臨床研究を学会主導で、国や製薬会社の支援で行っては?【開業医】

・臨床研究に携わる職種の採用拡大にかかわる費用を臨床研究を行う施設に国が補助を与える必要あり。【勤務医】

・不正をしたら製薬会社に薬剤の承認取り消しと3年間の営業停止ぐらいのことをしないと懲りない。【薬剤師】

・一般病院の熱意のある医師が臨床研究がしやすいようにすべきです。【勤務医】

・海外の臨床研究結果をそのまま、日本人に当てはめても同様の結果がでるかわからないため、日本でも積極的に臨床研究をすべき。【勤務医】

・製薬会社で治験に携わっていたころは、医師にも負担で患者さんにもメリットがあまりないように感じられた。奉仕の精神に頼るだけでは国際的な競争力を持つ企業に成長的ないのではないかと感じた。【薬剤師】

・基礎医学との連携をもっと強化すべき。臨床研修医制度によって大学院へ進む医師が少なくなっている現在、研究そのものの衰退が懸念される。【勤務医】

・確かに第三者によるチェックはある方がいいとは思うが、そのやり方次第では、臨床で使用することができるまでの期間をいたずらに伸ばす結果を招くことも考えられます。よって、迅速な第三者でのチェックが行われることを条件にするならば、現状よりも強化することを考えてもいいのかもしれません。確かに予期せぬ副作用に苦しむ患者さんがいる一方、世の中に治療薬が認可されていないことで苦しんでいる患者さんがいることも忘れてはいけないと思います。【薬剤師】

・FDAのように臨床研究の開始段階におけるプロトコルに関するアドバイスや介入をより実施すべき。監査を強化・新設しても第三者機関の追加による研究開発費が膨らむだけであまりメリットはない。監査はプロトコル通りに実施しているかの点に絞り、費用面でも可能な限り効率化してほしい。【薬剤師】

・CRCなどサポートする職種を増やすことが必要。【勤務医】

【規制の問題】
・おそらく国が出す提案は賢い製薬会社の研究員や実際の取りまとめをしている医師には見透かされ、不正はあまり減らない。逆に巧妙になるだけ、判断できなくなるのではという危険性がある。一方でまっとうな試験をしている人にとっては邪魔でしかない。また、規制が増えれば、製薬会社の負担も増え、それが結果薬価や儲からない薬剤開発の停滞につながる。本当は性善説が成り立てばいいんだけど、それは無理か。どちらにせよ、規制強化は何かしらのデメリットとなって出てくると思われる。【勤務医】

・治験に限って言えば、各科ごとに特徴があり、それを踏まえてすべきであり、どれも同じやり方である限り、無理がある。【勤務医】

・今後の学会では企業治験か、施設のレトロスペクティブ試験しか発表できないことになるでしょう。もう、医師主導の臨床試験からはEBMは出てこないでしょう。というより、臨床試験ができない。【勤務医】

・政府からの規制が多くて、良い研究は芽生えないと感じている。【勤務医】

・まさに狩人、森を見ず。規制を強化すれば、全体のアクティビティーの低下は必至。官僚が当面の責任逃れに考えているとしか言いようがない。長い目で見れば必ずダメになることばかりしている。不正をした人間に対する罰則を強化すべき。不正論文を作って、のうのうと教授を続けている人間のなんと多いことか。【勤務医】

・世界と規制の仕方がまったく異なり、異様なほど枝分かれしていてわけの分からん規則だらけ。こんなもの、使えるわけない。そして、法の網を潜るやつが必ず出てくる。【勤務医】

・倫理審査が厳しすぎて雑用が増えてしまい、本質的な業務以外に無駄な時間を浪費せざるをえなくなっている。日本の臨床研究が更に世界レベルから遠のき、研究者の数が減り、最終的には日本の医療レベルの低下につながる。【勤務医】

・大学との共同研究を始める前に、自施設でも倫理委員会に諮らなければいけない、個人情報保護に関する規制などなど、研究開始までにクリアすべきことが多すぎる。介入研究と観察研究では、違った対応でよいと思うが臨床研究として指針がでているので、それらをクリアするのに時間を取られ過ぎる。【勤務医】

・質の向上にはつながると思うが、国内での研究は進まず、海外での研究にしふとしていくのではないか?優秀な人材が海外へ行ってしまうのもどうかと思う。【薬剤師】

・現状、かなり面倒くさい。そのため、暇な医師しか参加できない。偏った医師による研究になるので、偏った結果が出やすいように思う。【勤務医】

・臨床研究を実施できる施設が限られてしまう。適応外使用が多い小児がん領域には多大なる痛手となる可能性があり影響が懸念される。【勤務医】

【その他】
・ネズミをいじって基礎研究論文を書いて教授になった人たちに、臨床研究主査をさせること自体大間違いですね。【開業医】

・最近、臨床研究での学位取得が安易になってきたように思う。もっとoriginalityのある臨床研究に期待したい。【開業医】

・官・民とも前例主義強く、新規の研究テーマや、発見が育たない。【勤務医】

・何でも第3者委員会をつくれば良いという風潮に危機感を覚えます。【勤務医】

・データシェアリングの世界の潮流との整合性が必要。COIを厳しくしたために、研究費がなくなり、臨床研究が世界から取り残されていることを危惧しています【勤務医】

・怪しい研究論文が多すぎる。【勤務医】

・法案はよいが人材と資金がない研究者は大変なことになるし、旧帝大系の大学だけが生き残ることになり、シーズも育ちにくくなると思われる。【勤務医】

・わが国では医療費が安く提供されるからか、治験に入る必要性が薄いという患者さんの背景がある。したがって、治験に参加する人は金儲け半分、自分の医療費軽減目的が半分の人に偏る傾向あり。治験を進めにくい環境にある。【開業医】

・日本ではごまかしの研究風土ができており、医学博士が他の博士の中でもダントツに多いことをみればわかる。大事な発見がそうそうある訳がない。【勤務医】

・基本的に臨床現場の声が軽視されないことを強く望む。統計的には表面には現れない軽微な不都合な事象が臨床家は最初から気付いていることが多い。自由な意見の言える治験であるべきだ。【勤務医】

【長文でのご意見】
・研究倫理について、その歴史と実際に起こった事件、そこからどのような経緯で倫理委員会の役割が決められ、ヘルシンキ宣言につながっていったのか、ということの教育がほとんどなされてこなかったのが日本の医学(もちろん看護も含みます)教育であり、それゆえに介入研究に関する各種規制や情報公開といったことが単なる面倒な事務手続きとして認識されてしまっているのは悲しいことです。厳しい言い方ですが、これらの規制を面倒なものと認識している医療スタッフは研究をする資格はないとせざるをえません。 しかし、規制をすれば良い、という発想ではいつまでたってもこの精神的な風土は変わることは期待できません。医療行為と研究行為を明確に区別して考える考え方を地道に普及させるため、時間はかかっても医学教育を改革する方向にしなければ、ヨーロッパ文化(米国は若干,経済活動優先な面があるので,欧米とはしません)の考え方で実施される臨床試験には日本はハイリスクで参加させられない、という状況になるはずであり、おそらく臨床の先生のうち一部の方々はすでにこのことを実感されているのではないかと思います。私自身は疫学を専門としており、日本で実施されるすべての介入研究のうち85%程度を全て概要のみですが把握する立場にあるものです。【勤務医】

・個々の臨床研究の質は高くなると思います。しかし、参入が非常に難しくなるために、若手が勉強する機会が減るだけでなく、「非凡な着想が生かされなくなる」「ごく一部の病院でしか実施できなくなる」という弊害があります。プラスマイナスすると弊害の方が遥かに大きい。研究というのは大半がgabageであり、その中から珠玉が生まれてくるものです。そういうprincipleに反する規制強化は、日本の研究力を大幅に低下させるでしょう。つまり見かけの質の向上は「非常に質の低い臨床研究が減るために平均値が上がる」結果に過ぎません。また、「どんなに厳しい条件をつけても違反はなくならない」と思います。昔の緩やかな基準で十分だった、と思います。私の研究マインドも、そんな中で育ったのでした。倫理教育は必要ですが、規則は緩やかでいいと思います。何でも締め付ければいいという風潮は、必ず科学を萎縮させ、未来を閉ざすでしょう。【勤務医】

・アメリカでも過去に似たことがありましたが、その時にアメリカではどういう議論になったか? たしか、有力な意見のひとつは「政府が研究資金を出して臨床研究をさせるべし」であったと思います。研究資金の出所は別に製薬会社で差し支えありませんが、政府が資金を召上げて市販後の臨床研究をさせる訳です。研究責任者が研究のパトロンの顔色を窺う必要がない様にする訳です。今の制度では、すでにSMOなどが研究の遂行やデータ入力などに関わっています。第三者機関など作っても今度は第三者機関がパトロンの顔色を窺うだけで、研究責任者が研究の本来のパトロンたる製薬メーカの影響を受ける図式は変わりません。【勤務医】

・治験なんて製薬会社にとっていいデータを出さないと2度と治験を依頼されないから本当に効いているかどうかがわからない。かつて抗真菌剤の治験で僕の担当した10症例のうち8例を既存の抗真菌剤と比べて優れていると思えないと回答したところ、教授から呼び出され「同程度か優れているに変更してくれ」と頼まれたことがある。父親が開業医で抗真菌剤の治験を頼まれたときも、20症例すべて既存の抗真菌剤より劣っていると回答したところ、治験論文の協力してくれた医療機関から外されて論文が出ていた。まあそんなもんだと思います。【開業医】

・海外で研究グループを主宰しており、現地で共同研究者として臨床研究にも関わっています。日本の臨床の教室では基礎的な研究が多く、臨床研究の経験者が少なすぎるので研究デザイン、患者データのハンドリング、利益相反のチェック、統計解析の専門家などなど、すべてが足りないのが現状だと思います。また、必要なコスト(人件費)をかけずにやる事が美徳のように語られますが、コストをかけないとどこかに無理が生じて、結果として不正が生じる温床となりえます。なので、データ管理ツールやstudy nurseなどのコストをきちんとかけて研究を行うことができない組織では臨床研究はあきらめるというふるいが必要なのではないかと思います。あとは、日本では研究者主導治験と言いつつ実際には迂回財団を通したsponsoredであることも多く、これを徹底的に是正する必要があると思います。【勤務医】



https://www.m3.com/news/iryoishin/428063
シリーズ: 安倍政権の医療制度改革
「医師不足地域の勤務が院長の要件」、日医
「基本方針2016」と「規制改革答申」の見解説明

2016年5月27日 (金) 橋本佳子(m3.com編集長)

 日本医師会会長の横倉義武氏は5月26日の定例記者会見で、医師の地域・診療科の偏在解消は、日医と全国医学部長病院長会議の2015年12月の「医師の地域・診療科偏在解消の緊急提言」に基づき、対応していく必要性を改めて強調した。同緊急提言は、病院・診療所の管理者要件への「医師不足地域での勤務経験の導入」の導入、地域別・診療科別の現状および将来の医療需給などのデータを把握する必要性などが盛り込まれている(『医師のキャリア形成、大学が生涯にわたり支援』を参照)。

 この日の会見は、経済財政諮問会議が18日にまとめた「経済財政運営と改革の基本方針2016(仮称)」など、政府が進める医療制度改革についての見解を説明するのが目的。「基本方針2016(仮称)」では、医師の地域や診療科による偏在解消するため、「規制的な手法」も含めて検討するとなっていた(『医師偏在、「規制的手法」も検討へ』を参照)。しかし、その後の自民党内の20日の検討で、日医が表現に注意するよう申し入れたこともあり、「実効性のある手法」という文言に変更されたという。

 横倉会長は、「今後の医師養成数については、人口が減少する中で、慎重に対応する必要があるという主張を続けていく」と説明。緊急提言では、各大学に医師キャリア支援センターの設置も提言しており、「医師の異動をフォローアップして、医師のキャリアを支援することは、医師の各出身大学の責任ではないかと感じている」(横倉会長)。


 そのほか、政府の掲げる方針には、高齢者のフレイル対策の推進など、日医の考える方向と一致するものがある一方、医療費の地域差の半減、かかりつけ医普及の観点からの診療報酬上の対応や、外来時の定額負担の検討などの点で問題があるとした。

 薬価の毎年改定については、医療機関や製薬企業、医薬品卸にとって、薬価調査の実施や薬価改定時のシステム変更の負担が重くなり、コスト増になることが想定されることから、「結果的に納入価格の高止まりを招く」と指摘。そもそも薬価差益は、「潜在的技術料」であるとし、薬価の毎年改定により、薬価差益が縮小する方向性をけん制するとともに、薬価差益の在り方を精査して議論していくべきとした。

 横倉会長は、規制改革会議が5月19日にまとめた、「規制改革に関する第4次答申」についての見解も述べた。同答申では、看護師の確認などを条件に、医師が死後24時間経過後も、死亡診断書を交付できるようにすることなどがを提言している(『死後24時間後、「看護師の確認で死亡診断書を」規制改革委』を参照)。この点については、離島の患者、あるいは施設入所の場合などに限るべきとの考えを示し、「最終的に医師が死亡確認をする点では変わりはない」と安易な規制緩和に釘を刺した。

 「基本方針2016(仮称)」や「規制改革に関する第4次答申」などは、来週には閣議決定される見通し。横倉会長は、「財政抑制による給付範囲の縮小が、国民皆保険を形骸化させる一番の要因」と述べ、「国民皆保険を堅持し、過不足ない医療が提供できるよう引き続き、提言していく」との方針を改めて表面した。

 さらに横倉会長は会見で、7月に予定されている参議院議員選挙にも言及。前回の2013年の参院選では、日本医師連盟推薦の現職議員がいない状況下で、日医副会長だった羽生田俊氏が当選したと説明。今回の選挙では、日医連は自見はなこ氏を推薦しており、「前回を上回る得票を目指す」と横倉会長は意気込みを見せた。

地域別の診療報酬の「特例」を問題視
 「基本方針2016」や「規制改革に関する第4次答申」は、例年であれば6月末の取りまとめだが、今年はG7 サミットの開催や、参院選があることから、約1カ月前倒しになっている。

 横倉会長は、まず最近の医療費が、民主党政権時代、自民党の福田、麻生政権時代の医療費推計よりも下回っている現状を指摘。その要因として、病床数の減少や平均在院日数の短縮、病床利用率の低下、入院単価や外来単価の抑制などが考えられるとし、日医総研でその精査を進めているという。

 政府が進める医療制度改革には、高齢者のフレイル対策の推進や現役被用者の報酬水準に応じた保険料負担の公平化など、「日医の考える方向性とほぼ同じ項目がある」とした。

 一方で、横倉会長は、「国民の安全な医療に資する政策か、公的医療保険制度による皆保険を堅持できるか、二つの政策判断準に照らし合わせると、受け入れ困難な提案がある」と述べた。特に、全国一律に過不足ない公平な医療を提供する観点、応能負担と患者負担の増加などの観点に照らし合わせると問題があるとした。

 前者の観点から問題となるとしたのが、地域医療構想と整合的な形で、都道府県ごとに医療費の水準や医療提供に関する目標を設定する医療費適正化の策定だ。都道府県の地域差の半減を目指すとされている。高齢者医療確保法の第14条に、診療報酬の特例として、医療費適正化の推進のため、「適切な医療を各都道府県間において公平に提供する観点から見て合理的であると認められる範囲内において、他の都道府県の区域内における診療報酬と異なる定めをすることができる」とされている点を問題視した。

 患者負担の増加などの観点から問題があるとしたのは、かかりつけ医の普及の観点からの診療報酬上の対応や、外来時の定額負担の検討など。

「レセプト審査はピアレビュー」
 「規制改革に関する第4次答申」では、健康・医療分野については、4分野の具体的項目が上がっている。そのうち、(1)在宅での看取りにおける規制の見直し、(2)診療報酬の審査の効率化と統一性の確保、(3)一般用医薬品および指定医薬部外品の広告基準等の見直し――の3点について、横倉会長は日医の見解を説明。

 (1)については、地域における看取りを円滑に進めるために、「在宅医療に取り組む医師間の連携は必要」などと前置きした上で、日医としても、最後の診察後24時間を経過しても死亡診断書を交付できるよう要望していたものの、「あくまで離島や遠隔地で、医師がいない限られた条件のもとに限るべき」とし、前提条件として、十分な教育を受けた看護師による死亡確認が必要だとした。「在宅での看取りを安心してできる環境を整えることは重要だが、死因の正確な究明も疎かにはできない」と横倉会長は述べ、現場に混乱を来さないような配慮が必要だとした。

 (2)については、レセプト審査の効率化は必要としたものの、「審査はあくまでピアレビュー」と指摘。審査は、保険者と医療者の信頼関係の上に成り立っているものであるとし、「単に適応がないからと、コンピュータで審査したりすると、医療機関と審査支払側の信頼性が欠如すると心配している。効率化も必要だが、現状の質の高い審査が阻害されることがないようにすることが必要」と横倉会長は述べ、今後の具体的検討の場で主張していくという。

 (3)については、健康食品による健康被害も報告されていることから、健康食品も含め、広告の在り方を再考することが求められるとした。



https://www.m3.com/news/general/428258
妊婦死亡7千万円賠償命令 医師の過失認定、東京高裁
2016年5月27日 (金) 共同通信社

 2008年に静岡厚生病院(静岡市)で帝王切開手術を受け死亡した妊婦=当時(24)=の遺族が、病院を運営する「JA静岡厚生連」(同)と医師らに損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁は26日、請求を退けた一審静岡地裁判決を変更し、約7490万円の支払いを命じた。

 富田善範(とみた・よしのり)裁判長は医師の過失を認めた上で「妊婦の死亡との因果関係があった」と判断した。

 JA静岡厚生連の担当者は取材に「判決を確認しておらず、コメントできない」としている。

 控訴審判決によると、妊婦は08年4月、陣痛を訴え来院。医師の診察で、胎盤が子宮壁から剥がれ、胎児は死亡していると分かった。帝王切開手術をしたが、妊婦は大量に出血し死亡した。

 判決は「医師らは正確な出血量を把握しておらず、実際に輸血した量は極端に少なかった」と認定。その上で「妊婦は死亡率が高いと当時考えられていた羊水塞栓(そくせん)症を発症していた可能性があるが、適切に治療すれば救命できた」と判断した。

 原告の夫は「傷が癒えることはないが、明るく優しかった妻のため前向きに生きていきたい」とのコメントを出した。

 14年12月の一審静岡地裁判決は、医師らの過失を認めたが「死亡当時の医療水準に照らした治療では、救命できたとまでいえない」としていた。

原告側「極めて意義深い」 控訴審判決を高評価

 「極めて意義深い判決だ」。帝王切開手術を受けた妊婦の死亡を巡り、医師の過失と死亡との因果関係を認めた26日の東京高裁判決。原告代理人の青山雅幸(あおやま・まさゆき)弁護士は同日、静岡市内で記者会見し判決を高く評価した。

 一、二審ともに焦点となったのは、妊婦が発症した疑いのある「羊水塞栓(そくせん)症」に対する治療の可能性だった。羊水が血液中へ流入する病気で、従来は母体死亡率が高いとされたが、控訴審判決はこれまでの医療訴訟と異なり「適切に治療すれば救命できた」とした。

 青山弁護士は「羊水塞栓症が関係する訴訟では、病院側に過失があっても患者側の訴えは退けられてきた」と説明する。発症すれば呼吸困難や意識低下に陥ることもあり「過失の有無にかかわらず、救命は難しい」と考えられてきたからだ。

 過去には根拠を明示せずに死亡率を8割としていた文献もあったが、控訴審判決は「根拠がはっきりした全国調査の結果では、手術当時でも死亡率は20~30%にとどまる」と認定。その上で、今回の妊婦は、中でも治癒しやすいケースだった可能性があるとした。

 青山弁護士は「最新の知見を基に、正確な死亡率を引用した新しい判決だ」としている。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/48861.html
新専門医制度、“永井私案”は「時期尚早」- 来年春の試行運用に危惧、日病協
2016年05月27日 20時00分 キャリアブレイン

 13団体でつくる日本病院団体協議会(日病協)が27日に開いた代表者会議で、来年春に始まる予定の新専門医制度で都道府県ごとに養成する研修医の数に上限を設けるなどとする、いわゆる「永井私案」について、「時期尚早だ。まだ議論する段階に至っていない」として、来年4月に学会主導で試行運用されることを危惧する声が上がった。【敦賀陽平】

 会議終了後に記者会見した神野正博議長(日本社会医療法人協議会副会長)は、「永井私案を含め、来年の4月に向かっている現在の機構(日本専門医機構)の在り方はおかしい」との懸念を表明。その上で、「専門医の在り方そのものをもう少し議論しないと、来年4月から走りながら進めると“転倒する”という意見でほぼ一致した」と述べた。

 この日の代表者会議では、医師の「プロフェッショナル・オートノミー」(職業的自律)に関しても議論となり、「今まで学会や医師会、病院団体がプロフェッショナル・オートノミーを発揮していなかったのではないかという結論になった」(神野議長)という。

 神野議長は「プロフェッショナル・オートノミーと言うからには、われわれがきちんと医師の偏在、専門医の偏在や在り方について、もう少し議論を深めるべきではないかという意見があった」とした。

■「総合診療の枠を取った上で議論を」
 永井私案では、研修プログラムの調整を都道府県単位の協議会が行うことを提案しているが、原澤茂副議長(全国公私病院連盟常務理事)は「協議会は全然機能していないし、つくっていない都道府県も結構ある」と指摘し、「形だけで実態がないということで、時期尚早ということだ」と述べた。

 また神野議長は、「(基本領域の一つの)総合診療の枠を取った上で、他科の専門医の枠をどうするかという議論をしなければならないと思う。在るべき論がないままに、単に枠(都道府県別の上限)とおっしゃっても、なかなか納得できるものではない」と語った。

■適応拡大による薬剤費の膨張に懸念も
 代表者会議ではまた、抗がん剤「オプジーボ」の適応拡大に伴う薬剤費の急激な増大を懸念する意見が相次いだ。神野議長は「早急に組織横断的に、全体を見渡せるような薬価改定にしなければならない。総枠が決まった医療費の中で、薬剤費がこれ以上膨張することを懸念する声があった」とした。

 中央社会保険医療協議会では、薬の適応が拡大された段階で、2年に1度の改定を待たずに薬価を決め直すことができるよう求める意見が出ており、日病協の各団体からも、こうしたルールづくりを進めるべきだとする声が上がったという。



http://www.minyu-net.com/news/news/FM20160527-079259.php
「周産期医療」集約へ 郡山・太田西ノ内、須賀川・福島病院
2016年05月27日 08時32分  福島民友新聞

 太田西ノ内病院(郡山市)と国立病院機構福島病院(須賀川市)で行っている周産期医療について、2017(平成29)年4月を目安に太田西ノ内病院に同医療機能を集約することが26日、分かった。同日、福島市で開かれた県周産期医療協議会で県が説明した。

 県によると、現在、両病院は福島医大から医師の派遣を受けて周産期医療を行っている。同医大から派遣できる医師が減少し、機能を集約することになった。

 国立病院機構福島病院で対応していた周産期医療は、新たに「周産期医療協力施設」として認定する方向で調整している公立岩瀬病院(須賀川市)などでカバーしていくという



https://www.m3.com/news/iryoishin/428241
シリーズ: 社会保障審議会
調剤医療費8.2%の大幅増、C型肝炎新薬が影響
2015年4~11月、過去3年比で高めの伸び

2016年5月27日 (金) 橋本佳子(m3.com編集長)

 厚生労働省の社会保障審議会医療保険部会(部会長:遠藤久夫・学習院大学経済学部教授)の5月26日の会議で、最近の医療費の動向が説明された。2015年度の4月から11月は対前年度比3.1%増で、2%程度の増加で推移していた2012年度から2014年度までの3年間と比較して高めとなっており、特に調剤医療費は8.2%、中でも薬剤料の伸びが大きい。

 その一番の要因は、C型肝炎治療薬のソバルディ(一般名ソホスブビル)と、ハーボニー配合錠(同レジパスビル/ソホスブビル)の登場だ。それぞれ薬価収載は5月と9月だった。

 厚労省は、1カ月当たりの概算医療費は約3.4兆~3.5兆円、ソバルディやハーボニー配合錠を含む「抗ウイルス薬」の2015年11月の対前年度同期差は348億円のため、「抗ウイルス薬」の薬剤料で、医療費総額を約1%押し上げていると推計。調剤医療費の薬剤料は、院外処方分のみのため、院内処方分を含めると、「抗ウイルス薬」の薬剤料は増えるが、一方で、インターフェロンなどの他のC型肝炎治療薬の減少も想定されるため、「約1%」はあくまで目安だが、画期的新薬の登場が医療費に少なからず影響しているのは確かだ。

 保険者の立場からは、「11月くらいから各国保財政が厳しくなっている。2016年度前半は補正予算を組まなければならなくなっている」(全国後期高齢者医療広域連合協議会会長、佐賀県多久市長の横尾俊彦氏)など、医療保険財政への影響を懸念する意見が出た一方、日本医師会副会長の松原謙二氏は、ソバルディなどでC型肝炎が根治すれば、肝硬変などの減少につながるため、長期的なスパンで見れば医療費に与える影響はプラスになると発言した。

 26日の医療保険部会ではこのほか、高齢者医療の現状、厚労省の「子どもの医療制度の在り方等に関する検討会」の取りまとめも説明された。委員からは、高齢者と小児ともに、コスト意識を持ってもらうためにも一定の患者負担を求めるべきとの意見が多かった。特に小児医療費については、医療費助成を行う地方自治体が増える中、結果的に患者負担の在り方が地域により異なる現状を問題視する指摘もあった。いったんは窓口で払い、後に償還するなど、負担能力が低い患者への配慮もしつつ、今後、医療保険部会で患者負担の在り方を検討する。

 高齢者医療については、現役世代の肥満対策に重点を置いた生活習慣病対策から、フレイル(虚弱)に着目した対策に徐々に移行している現状も説明された。低栄養防止、あるいは重症化予防が重視され、2016年度の厚労省予算における後期高齢者医療制度の保健事業でも、これらの視点から予算化されている。高齢者の保健事業については、今後、「保険者による健診・保健指導等に関する検討会」の下に、「高齢者の保健事業のあり方検討ワーキンググループ」を新設して議論する。

薬剤料の増加はいつまで続く?
 2015年4月から11月の調剤医療費は、対前年度比8.2%増。同時期の入院1.6%増、入院外2.5%増、歯科1.2%増と比べて高い。

 薬剤料の多くを占める、処方せん1枚当たりの内服薬薬剤料を薬効分類別に見ると、抗ウイルス薬(4~11月の対前年度同期差1305億円)、その他の腫瘍薬(同283億円)、糖尿病薬(同206億円)。抗ウイルス薬の対前年度同期差は、2013年度は年63億円、2014年度は年400億円で、2015年度は大幅増となっている。

 横尾氏は、新薬の登場で希望が持てる治療が可能になっていることを認めつつ、「後期高齢者医療と国保の財政を見ると、11月くらいから厳しくなっている」と述べ、2016年度前半は補正予算を組まざるを得ない保険者も出ているとした。「(新薬の効果は)口コミで広がるので、(薬剤料の増加は)もうしばらく続くのかと見ている。何とか財政をねん出してやっていかなければいけない」(横尾氏)。

 これに対し、松原氏は、C型肝炎治療に使用されるインターフェロンなどの薬剤料が下がるほか、肝硬変になる患者が将来減少することなどから、長期的に見れば、保険財政に対しプラスになると見通した。

 健康保健組合連合会副会長の白川修二氏は、「画期的な薬であることは知っている」「長期的には(医療保険財政の)引き下げに働くことは分かる」と述べつつも、「一時的には財政の圧迫要因になる。これが1、2年で終わるのか、5年、10年続くのか」と問いかけ、抗がん剤のオプチーボ(一般名ニボルブマブ)など、最近登場した高額薬剤も併せ、年間の使用患者数、今後の薬剤料の推移について推計を出すよう、厚労省に求めた。

 法政大学経済学部教授の菅原琢磨氏からは、ソソバルディが2016年度薬価改定で特例拡大再算定の対象になったことを踏まえ、薬価収載時に製薬企業が提出する売上予測は、「もう少し透明性を持って推計することが必要」と、ルール作りを求める意見も出た。

高齢者の窓口負担、高額療養費見直しを
 高齢者医療の現状について、横尾氏は佐賀県の取り組みについて発言。全首長が集まる会議では、データヘルス事業が進みつつあり、医療費抑制で成果を出す市町村に取り組み例を聞くなど、「具体的なデータを踏まえた具体的な対策ができるようになっている」と説明。また鍼灸などの療養費について、不正を防止し、適正化すべきとの意見も出ていることを紹介。

 白川氏は、後期高齢者の医療費の約40%が現役世代の支援であることから、「将来成り立たなくなる懸念がある」と指摘。(1)後期高齢者の患者負担、(2)窓口負担や高額療養費の負担区分に用いる現役並み所得者の定義――のほか、(3)70~74歳の外来での高額療養費の特例措置、についての検討を求めた。「高齢者の負担問題にさわると、政治がプレッシャーをかけてくるが、論理的に議論を重ね、結論を出すことが必要」(白川氏)。

 全国健康保険協会理事長の小林剛氏も同様に、制度の持続可能性の観点から、高額療養費の限度額などについて見直しが必要だとした。

 日本慢性期医療協会会長の武久洋三氏は、フレイルについて発言。「フレイルは年齢とともに徐々に進行するという概念があるかもしれないが、入院した後に急速にフレイルになる」と指摘、急性期入院の際に介入し、予防や治療に取り組んでいく重要性を強調した。

小児医療費の無料化でコスト意識欠如
 小児医療費については、患者負担の無料化を疑問視する声が相次いだ。

 東京大学大学院法学政治学研究科教授の岩村正彦氏は、「医療にはコストがかかることを認識してもらうことを前提に、制度が成り立っている。(1973年の)老人医療費の無料化を例に見ると、コスト意識がないとどうなるかは、歴史的事実として皆が知っている」と指摘、小児の医療費助成を一般に広げるのは、政策として適正なのか、疑問が残るとした。仮に窓口負担を軽減するのであれば、収入や資産を踏まえニーズがある人を対象に行い、その場合でも、1回は窓口で支払ってもらった上で、償還するなど、コスト意識を持ってもらう仕組みが必要だとした。

 白川氏も、小児の医療費助成について「地方自治体の財政力や政治的な配慮から、各市町村の扱いがばらばら」と指摘し、助成するのであれば法改正して一律に行うべきとした。他の委員からも、医療にはコストがかかるという意識を持ってもらい、“コンビニ受診”を抑制するためにも、小児の医療費助成、患者負担の見直しを求める意見が続いた。

医療費、新生物は高い伸び、循環器系低く
 そのほか、26日の会議で厚労省は「医療費の伸びの構造」についての資料も提示。

 2003年度からの10年間の推移を見ると、入院、入院外ともに増加している。受診延べ日数は減少しているが、1日当たりの医療費の増加が、総医療費の増加につながっている。

 医療費の伸びに占める人口構造の変化を見ると、入院の伸びの多くは、人口の高齢化によって説明できるのに対し、入院外については、それ以外の要因も大きい。厚労省はその理由として、入院期間の短縮に伴う外来移行や在宅医療の進展、日帰り手術の増加などが挙げられるとした。

 疾患別の入院医療費について、人口構成の変化によるものを除くと、新生物、神経系の疾患、筋骨格系および結合組織の疾患などの伸びが大きい。一方で、循環器系疾患は伸びが低くなっており、脳血管疾患の減少などが要因であると厚労省は説明。



http://www.yomiuri.co.jp/local/fukushima/news/20160527-OYTNT50142.html
楢葉の消防署に救急医 来月から県立医大
2016年05月28日 読売新聞 福島

 県立医大は6月1日から、楢葉町の富岡消防署楢葉分署に救急医療に当たる専門の医師1人を配置する。東京電力福島第一原発事故後も拠点病院の休止が続く双葉郡の救急医療体制を強化し、避難指示区域で発生した急患にも迅速に対応する。


 医師は平日午前10時~午後4時の間、同分署で待機し、必要に応じて救急車で現場に向かって病人やけが人の初期治療に当たる。県立医大が今年4月に開設した「ふたば救急総合医療支援センター」の3医師を交代で派遣する予定で、救急救命士や看護師の派遣も検討する。

 同郡に四つある拠点病院は今も休止中で、入院が必要な急患は遠方のいわき市や南相馬市などに運ぶ必要がある。だが、大熊町の帰還困難区域を通る常磐自動車道で今月、乗用車と大型バスが正面衝突して母娘が死亡する事故が起きるなど、地元の首長から体制強化を求める声が上がっていた。


  1. 2016/05/28(土) 06:26:32|
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5月26日 

http://www.nishinippon.co.jp/nnp/syasetu/article/247720
被災地医療 長期的視野で再建支援を
2016年05月26日 10時38分  西日本新聞

 震度7の地震に2度も襲われた熊本県益城町では、地元医師会に所属する17の医療施設全てが何らかの被害を受けた。外壁の崩落やひび割れといった被害は県内約450の医療施設に広がっている。

 南阿蘇村では唯一の救急指定病院である阿蘇立野病院が被災して診療中止が続く。地域医療への影響は長引くことが懸念される。

 益城町や熊本市などで避難生活を送る被災者は9千人近くに上る。感染症や熱中症、エコノミークラス症候群などを警戒しながら健康管理に気を配る必要がある。

 現地の医療関係者は懸命の努力で災害医療の最前線に立ち続けている。改めて敬意を表したい。

 それでも、各地に点在する避難所から車やテントで寝起きしている人たちのケアや疾患予防まで全てを担うことは不可能だ。

 災害直後の緊急支援である災害派遣医療チーム(DMAT)を引き継いで、全国の日本医師会災害医療チーム(JMAT)が続々と現地入りしている。

 仮設住宅への入居が始まった後も、孤独死を防ぐための心のケアや見守りを
含む巡回診療が欠かせない。日本医師会には当面のJMATの派遣継続とともに、長期的視野に立って被災地の医療を支える取り組みを期待したい。

 熊本市民病院で一部診療が再開されたが、高度医療が必要な母子を受け入れる総合周産期母子医療センターが機能不全に陥っている。年間600人超の母子を受け入れる九州有数の施設だ。各県の関係施設で協力態勢を整え、九州の周産期医療を守る必要がある。

 医療施設に対する災害復旧費の国庫補助は公的医療施設などに限られる。だが、「かかりつけ医」の小さな医院や診療所も大切な地域の医療インフラだ。熊本県は国に全施設への補助適用と補助率かさ上げを要望している。国はぜひ前向きに検討してほしい。

 被災者が生活再建に向けて一歩を踏み出すには、言うまでもなく心身の健康が前提となる。その支えとなる地域医療の再建と充実に全力を挙げて取り組みたい。

=2016/05/26付 西日本新聞朝刊=



https://www.m3.com/news/general/427935
審査未経験、自治体困惑 関連死疑い例、県外でも
2016年5月26日 (木) 共同通信社

 熊本地震の関連死が疑われるケースは熊本県外でも起きており、関連死の認定申請は各地で起きる可能性がある。ただ、認定審査の経験がない自治体も多く「手探り状態だ」と困惑する声も。東日本大震災では関連死と認められず、訴訟に発展するケースが相次いだ。訴訟に関わる弁護士は「被災者に寄り添って丁寧に結果を説明してほしい」と訴えている。

 4月16日未明、震度5強を観測した佐賀市で女性(47)が亡くなった。市などによると、一緒に寝ていた子ども4人を守ろうと、倒れそうな高さ約1・5メートルのたんすを押さえていて心肺停止になったとみられる。死因は特定できず、佐賀県警は地震との因果関係を不明としたが、女性に持病はなかった。

 夫(50)は「風邪もひかず、とにかく元気だった。地震さえなければ死ななかったはず」と悔しがる。遺族は関連死認定の申請を検討しており、佐賀市の担当者は「県内では前例がなく、手探り状態だが、申請があれば誠実に審査したい」と話す。

 関連死は統一的な基準がなく、内閣府は「あくまで市町村が判断すること」と説明する。ただ、熊本県による審査を求める阿蘇市の担当者は「広域で亡くなっており、ばらばらに決めるより県による基準があった方がいい」と指摘する。

 復興庁によると、東日本大震災では昨年9月末時点で岩手県455人、宮城県918人、福島県1979人などが関連死と認定された。

 自治体の審査会は新潟県中越地震の事例などを参考に判断したが、それでも審査結果を不服とする訴訟が続出。自治体が敗訴するケースの一方、被災による環境変化が最有力の原因とは認められず、遺族側の請求が退けられた例もあった。

 通院や介護サービスの状況、避難所の環境を把握しているのは被災者に身近な市町村だ。仙台弁護士会の相沢央敏(あいざわ・ひろとし)弁護士は「被災者は一人一人、状況が違う。自治体は画一的に判断するのではなく、既往症の悪化など細かく考慮してほしい」と強調した。



http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG25HD3_W6A520C1CC0000/
震災関連死、熊本5市町村「県が審査を」 専門家不足で
2016/5/26 12:58 日本経済新聞

 熊本地震による「震災関連死」の認定を巡り、南阿蘇村など熊本県内5市町村が県による審査を要望していることが26日までに分かった。市町村単位の審査では認定にばらつきが出る恐れがあり、医師や弁護士ら専門家も不足しているというのが理由だ。

 東日本大震災の関連死認定率は、市町村単位の審査会に比べ、県の審査会の方が低い傾向にあった。日弁連などからは「実情を把握できるのは市町村。誤った審査は(訴訟などで)長時間、遺族を苦しめる」と異論も出ている。

 災害弔慰金支給法などは、災害で死亡した遺族に500万~250万円を支給すると規定。避難中などの関連死も対象だ。関連死に該当するかどうか全国統一の基準はなく、原則として市町村の審査会を経て認定。県に審査の委託もできる。

 熊本地震で県はこれまで9市町村の男女20人を「関連死の疑い」と公表。避難先での心肺停止のほか、「車中泊」後に肺梗塞と診断された例もあった。ただ9市町村とも関連死の判断基準はなく、疑い例としたのは「避難所で亡くなった」(阿蘇市)、「主治医の判断」(嘉島町)とする。

 正式な認定作業はこれからで、共同通信が9市町村に聞いた結果、宇土市、阿蘇市、高森町、御船町、南阿蘇村が県による審査を希望した。

 熊本市は「素早く判断できる」、益城町は「より遺族に近いところで審査するのが誠意」として、独自に審査会を開く方針。県は「審査を受託するか決めていない」としている。


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http://travel.watch.impress.co.jp/docs/news/20160526_759295.html
ANA、医師登録制度「ANA Doctor on board」を9月運用開始
国際線機内で傷病者発生時に協力依頼

(2016/5/26 16:59)トラベルWatch

 ANA(全日本空輸)は5月26日、医師登録制度「ANA Doctor on board」を開始すると発表した。機内で傷病者が発生した際、アナウンスで医療関係者の呼び出しをする「ドクターコール」なしに登録した医師に協力依頼ができる制度。7月から募集を開始、9月から国際線で運用開始する。

 医師の登録はANA マイレージクラブ会員が対象。医師免許と顔写真付きの身分証明書を申込書とともに事務局に送付、所定の審査や確認をして登録となる。登録した医師が搭乗していた場合でも、医師本人の体調等の問題もあるため協力は任意。機内で実施した医療行為に起因して医療行為を受けた人に対する損害賠償責任が発生した場合は、故意または重過失の場合を除き、ANAが主体となって対応するという。

 なお、ANAでは、医療対応に協力してもらう医師や傷病を持つ乗客が事前に確認できるよう、機内搭載の医療物品等をWebサイトで公開している。医師が使うドクターズキットのほか、AEDや市販医薬品を揃えたメディカルキットや心肺蘇生用のレサシテーションキットなど搭載機器の情報が記載されている。

(編集部:正田拓也)



http://www.ana.co.jp/group/pr/201605/20160526.html
医師登録制度「ANA Doctor on board」を開始します
~安心してご利用頂けるよう医療サポート体制を強化します~

ANA NEWS 第16-023号  2016年5月26日

 ANAは2016年6月より、昨今の高齢社会や訪日需要をふまえ、より安心してご利用いただけるよう、医師登録制度「ANA Doctor on board」を開始し、国際線を中心に医療サポート体制を強化致します。

 ANAはこれまでも機内で医療対応が必要となった場合の対応策として、医療物品の搭載や国際線において「MedLink(※)」と提携し、24時間地上と連携しサポートできる体制を提供してまいりました。「ANA Doctor on board」の実施により、機内にて傷病者などが発生した際、客室乗務員が「ドクターコール」(アナウンスによる医療関係者の呼び出し)をせず、登録いただいた医師に協力依頼ができ、迅速な救急医療処置につながります。7月より募集を開始し、9月より国際線にて運用開始する予定です。

 機内搭載の医療物品についてもこれまでより詳細に開示し、傷病をお持ちのお客様、医療対応に協力頂く医師の方々にも事前に確認いただけるように致します。

 また、「ANA Communication Board」を活用することで、音声を含む各国の言語(定例用語)にて、医療行為発生時の初期対応に活用が可能となります。(ANA NEWS第16-022号 「ANAコミュニケーション支援ボード)の導入)

 ANAはこれからもより安心してご利用いただけるよう各種サービスを拡充してまいります。

以上

※MedLink:航空の乗務員と乗客に医療サービスを提供しているMedAir社と契約し、24時間365日、緊急時の電話による医療ケアやセキュリティ専門家によるアドバイスを世界中どこにいても受ける事ができます。

【ANA Doctor on boardについて】
※ANAマイレージクラブ会員を対象に、医師免許と顔写真付きの身分証明書を申込書とともに事務局に送付頂き、所定の審査・確認を実施の上、登録となります。
※登録された医師ご本人の体調等の都合もあるため、協力は任意と致します。登録された医師がいない場合には、これまで通りドクターコールを実施致します。
※機内で実施頂いた医療行為に起因して、医療行為を受けられたお客様に対する損害賠償責任が発生した場合、故意または重過失の場合を除き、弊社が主体となって対応させて頂きます。
http://www.ana.co.jp/group/pr/pdf/20160526.pdf



https://www.mixonline.jp/Article/tabid/55/artid/54174/Default.aspx
社保審医療保険部会 調剤医療費の伸びを問題視 C肝薬など薬剤料の伸びが影響
2016/05/27 03:50 ミクスオンライン

厚生労働省は5月26日の社会保障審議会医療保険部会(部会長:遠藤久夫・学習院大学経済学部教授)に2015年4~11月の医療費全体の動向として、調剤医療費が対前年度比8.2%の伸びを示しているとのデータを提示した。特に、2015年9月以降の伸びが大きく、11月には対前年比12.1%の伸びを示した。この要因として、1種類1日当たり薬剤料の影響が大きいことに加え、抗ウイルス剤など薬剤料の伸びが大きいことの影響が示された。抗ウイルス剤としては、高額薬剤であるC型肝炎治療薬・ソバルディ錠が5月に、ハーボニー配合錠が9月に発売されており、この影響を指摘する声があがった。特に驚異的な立ち上がりをみせたハーボニー配合錠は、発売後3か月間でブロックバスターとなったが、調剤医療費の伸びを増大し、結果として概算医療費全体を約1%押し上げたことが示唆される格好となった。


◎調剤医療費11月の伸びは対前年度比12.1%に

2015年4~11月の医療費全体の伸び率は、伸び率が3.1%で、2014~15年度の2%程度に比べ、高い伸びとなった。入院医療費の伸びは1.6%だったのに対し、入院外医療費は2.5%、調剤医療費は8.2%の伸びを示した。調剤医療費の月別の伸び率は、10月に9.7%、11月には12.1%となった。

内服薬薬剤料を分析した結果によると、2015年度は、投薬日数の影響以上に、1種類の薬剤料の影響が大きい。薬効分類別にみると、抗ウイルス剤、その他の腫瘍薬、糖尿病用剤が大きな伸びを示した。特に、抗ウイルス剤は、対前年度同期比で1305億円の伸びを示しており、内服薬全体の伸び(2859億円)の半数以上を占めた。抗ウイルス剤の伸びは特にハーボニー配合錠発売後の10月、11月に大きく、10月には291億円、11月は348億円の伸びを示している。


◎健保連・白川副会長 C肝薬影響の期間を問題視 患者数から推計求める


この日の議論は、C型肝炎治療薬・ソバルディ錠、ハーボニー配合錠の医療保険財政への影響に焦点が集まった。日本医師会の松原謙二副会長は、C型肝炎がペグインターフェロン(PEG-IFN)を柱として行われてきたことを説明し、これにかかる医療費を削減できることや、肝硬変、肝がんへの進展を抑制できることから「長期的にみれば財政的には必ずプラスになる」と強調した。

これに対し、健康保険組合連合会の白川修二副会長は、ソバルディ錠、ハーボニー配合錠について、「C型肝炎が根治する画期的な薬だ。長期的には医療費もマイナスになる」との認識を示した上で、「この影響がどれくらい続くのかが問題だ。一時的には保険財政の圧迫要因になるのは間違いない」と述べた。医療保険制度の持続可能性の観点から、厚労省側に、患者数などからC型肝炎治療薬が医療費に影響を与える期間がどの程度続くのか推計を提示することを求めた。

全国後期高齢者医療広域連合協議会会長の横尾俊彦氏(多久市長)も、「新たな治療薬で患者や家族には希望をもてるが、(各自治体の国民健康保険など)11月頃から財政的には厳しさを増している」と指摘し、薬価の引き下げなどの施策は「早く判断してほしいただきたいというのが本音のところだ」と述べた。
そのほか、医療費適正化の必要性を指摘する声もあがった。日本労働組合総連合会の新谷信行事務局長は、患者負担の議論や薬価の見直しなどの議論の必要性を指摘した上で、「医療提供体制の地域差との関係での分析、多剤投与の是正、残薬の削減、後発医薬品の使用促進、生活習慣病の処方の是正など複数の観点からお願いしたい」と医療費適正化の観点からの議論を求めた。日本薬剤師会の森昌平副会長は、「薬物治療自体が高度化している」と指摘した上で、残薬対策などに対して「薬剤師の職能をいかして、医師をはじめ、多職種と連携して取り組む」必要性を強調した。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/48680.html
Choosing Wiselyは医療肯定- 持続可能な医療のために(1)
徳田安春・地域医療機能推進機構(JCHO)本部総合診療顧問
2016年05月26日 20時00分 キャリアブレイン

 「米国発の『Choosing Wisely』(賢く選択しよう)キャンペーンは、これまで当たり前にやってきた検査や治療を見直すものだが、決して医療の否定ではない。むしろ価値の高い医療を肯定するものだ」―。このように徳田氏は話す。

 Choosing Wiselyとは、内科専門医を認定する米国内科認証機構財団が2012年、臨床系の専門学会に、過去の研究結果に基づいて価値が低く過剰だと考えられる検査や治療を5項目ずつリストアップするように呼び掛けたキャンペーン。これには全米の70学会が応じて、合計400項目の過剰医療が提言された。キャンペーンは、カナダ、ドイツ、イタリア、オーストラリア、オランダなど17カ国に広がり、世界的なムーブメントになっている。

 徳田氏は、塩崎恭久厚生労働相の指示により昨年6月、20年後の医療のあるべき姿を示した「保健医療2035」の提言書を取りまとめたメンバーの一人だ。徳田氏は議論の過程で、Choosing Wiselyの重要性を訴え、提言書には、「検査や治療の選択において必要性を的確に吟味し、無駄を控えるように推奨するなどの専門医学会等による自律的な取り組みを進める」ことが盛り込まれた。

 徳田氏にインタビューした。

 若手医師と接する機会が少なくないのですが、皆、危機感を持っています。国家財政の厳しい状況を憂い、超高齢化社会に向けて、医療が崩壊するのではないかと心配しています。団塊世代が後期高齢者になる2025年、さらにその先の医療を担う若手医師には、日本の医療が果たして持続可能かどうかは深刻な問題です。

 私がChoosing Wiselyの考えを若手医師たちに説明すると、賛同してくれます。このキャンペーンは、日本に入って来る時に、一部で間違った伝えられ方がされたために、「医療否定」と受け取られているようです。しかし、まったくの誤解です。Choosing WiselyはEBM(エビデンス・ベースト・メディスン)の話であり、患者中心の医療の肯定であり、価値の高い医療を評価して推進しようというものです。

 13年末から、私が世話人を務める総合診療指導医の勉強会「ジェネラリスト教育コンソーシアム」が、日本版の過剰診療リストを作成し、Choosing Wiselyキャンペーンの普及に取り組んでいます。私たちは、米国やカナダの小児科、産婦人科、心臓病学会などの主要学会がまとめた提言を検証し、日本の現状に合ったリスト(=表=)をまとめました。
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 「医学的適応のない尿路カテーテル留置は勧めない」というのは、尿路カテーテルは手術の際や集中治療室入院時などに尿道口に装着しますが、現場の人手が足りず、患者のトイレへの付き添いができなかったり、オムツ交換の手間を省いたりするためといった医療提供側の都合で装着されるケースもあります。尿路カテーテルの装着は、カテ関連尿路感染症などの院内感染の原因にもなり、体力が落ちている患者が死亡することもありますので、慎重に対応すべきなのです。

 価値の高い医療かどうかは主に、▽エビデンスに裏付けられているか▽すでに実施された検査や手術などの治療の繰り返しはないか▽害はないか▽本当に必要か-の4つがポイントになります。過剰医療は、人間ドックやがん検診といった予防医療に限らず、一般診療にも存在します。

 日本を含めた17カ国の専門家による国際会議で採択された10の提言(=表=)にある「風邪に抗菌薬治療はやめよう」は、ウイルス性の風邪には抗菌薬は無意味で、抗菌薬をむやみに処方すれば、耐性菌の発生につながりかねません。風邪に抗菌薬は効きませんし、副作用のリスクがあることも知っていただきたいのです。
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■ローマで開催の年次総会で、各国が好事例などを共有

 私は、5月11日から13日にかけて、イタリアのローマで開催されたChoosing Wiselyの年次総会に、小泉俊三医師(一般財団法人東光会七条診療所所長)と松本謙太郎医師(国立病院機構大阪医療センター総合診療科)の3人で参加してきました。連日の円卓会議では、各国の代表がChoosing Wiselyへの取り組みや好事例を報告し、共有しました。

 この中の報告で、特に目立ったのは北米と豪州のものでした。各学会が自発的に過剰診療を洗い出して、診療を見直したり、一般向けの啓蒙活動として、ビデオを作製したりするなどしていました。私たち日本代表は、Choosing Wiselyの書籍を発行したことなどを報告しました。そして各国代表は、日本の取り組みの中で、医学生のほか、研修医など、若手医師を巻き込んだ活動をしていることを高く評価していました。

■何でも相談できる「かかりつけ医」の役割重要

 これまで行われてきた医療には、エビデンスがなくて、リスクの方が大きい過剰診療もあります。医師は、行っている今の医療が、過剰診療かどうか見直す必要があります。そこでは、「かかりつけ医」の役割が重要になってきます。

 かかりつけ医については、「保健医療2035」の提言書に、「身近な医師が、患者の状態や価値観も踏まえて、適切な医療を円滑に受けられるようサポートする『ゲートオープナー』機能を確立する」と明記されています。

 患者側も、正しい知識を得て、価値の高い医療を賢く選択してほしいと思います。そのためにも、何でも相談できて、信頼できる「かかりつけ医」を見つけていただきたいです。



https://www.m3.com/news/iryoishin/427973
シリーズ: m3.com意識調査
2016のGW、医療従事者の休日は平均4.2日
GWスペシャル結果一覧、100人にamazon券をプレゼント

2016年5月26日 (木) 高橋直純(m3.com編集部)

 2016年4月29日から2016年5月11日にかけて開催した「意識調査:GWスペシャル」。通常のテーマ設定と趣向を変えて、GWの予定や2016年前半の反省を聞いた。m3.com会員のGWの平均休日は4.2日だった。回答総数は延べ2万6729人。

■Q1:GW、丸一日お休みの日は何日?
 最大10連休も可能と言われた2016年GW。m3.com会員の平均は、その半数の4.2日にとどまった(※「9-10日」は9.5日と計算)。最多は17%の「3日」で、「5日」(16%)、「6日」(14%)と続いた。

【コメント欄:GWの状況】
・医者になって39年、初めてカレンダー通りに休みました。何か忘れ物をしているような変な気分でした。若ければ行楽地に行っていたかもしれませんが、とりあえず自宅でのんびり過ごしました。【医師】
・若いときは年寄りを休ませるため、休みなしで働き、今は研修医の休みの保証のため、年寄りが休日に働く・・・【医師】
・日常はとてもとても殺人的に忙しいので、休むときは休む!それで患者さんが離れても仕方がないと考えている。【医師】
・カレンダー通りと通常の出勤しない曜日が休み。収入も減る。派遣です。【薬剤師】

■Q2:GW、ご予定は?
 1位は「予定なし(その他含む)」(28%)、2位「たまった仕事の消化」(23%)、3位「趣味の活動」(21%)、4位「国内旅行」(18%)――となった。

【コメント欄:お休みの予定】 ※「そう思う」が多いもの
・毎年2日以上の1-2次救急の日当直がほぼ義務です。【医師】
・日頃の疲れをとるため、ゆっくりします。【医師】
・末期患者さんが多く、半分待機です。【医師】
・普段できない家族へのサービスを行い、絆を深めておきたい。【医師】
・たまった仕事を一気に片付けたいと思います。【医師】
・旅行のハードルは高い。【薬剤師】

■Q3:GWにお勧めの活動は?
 お勧めの活動では、コメント欄に242件(5月23日時点)が寄せられた。来年のGWの参考にしてください。

■Q4:お勧めの国内の旅行、お出かけスポットは?(5月2日公開)
 お勧めの国内の旅行、お出かけスポットでは、コメント欄に295件(5月23日時点)が寄せられた。来年のGWの参考にしてください。

■Q5:これまでに訪問した外国の数は?
 最多は「3-5カ国」で26%だった。以下、「6-9カ国」(21%)「10-14カ国」(14%)と続いた。「0」は7%、「30カ国以上」は3%だった。

 お勧めの海外スポットでは、コメント欄に192件(5月23日時点)が寄せられた。来年のGWの参考にしてください。

【コメント欄:お勧めの海外スポット】 ※「そう思う」が多いもの
・南フランスのエズ、イタリアのシチリアとアマルフィ、バリのウブド、オーストラリアのエアーズロックが良かったです。南フランスは食べ物もフランスとイタリアの良い所どりで、エズと言う小さな鷲の巣村から見晴らすコートダジュールの風景はとても良いです。シチリアはグランブルーの舞台でもあったタオルミーナが良かったです。古代の劇場から海が見えるのも素敵です。アマルフィの海岸エリアは海を見ながらの食事も素敵で、奥まったところのラヴェッロは他の海岸の町と違いラッタリ山脈の丘 にあり、上空からアマルフィ海岸が見える静かな場所で良いです。【医師】
・ヨーロッパが好きです。スペイン、英国、ドイツは2回旅行しています。イタリア、フランス、スイスもなかなかでした。今年夏休みにはオーストリア、ハンガリー、チェコ中欧を予定しています。【医師】
・他の方もコメントしておられますが、やはりローマですね。塩野先生のローマ人の物語を読んでから行くことをお勧めします。遺跡、絵画、ファッション、街で出会う女性、すべて美しく、食事も美味しい。【医師】
・ローマは町中遺跡で、どこを見ても楽しい。ミラノはおしゃれな街で買い物も楽しめる。【医師】
・グランドキャニオンは最高の景色。【医師】
・夏の北欧は良い。【医師】

■Q6:2016年の仕事は順調?
 「どちらかと言えば順調」が41%、「順調」が14%で、半数以上のm3.com会員が2016年最初の3分の1を概ね堅調に過ごしていることが分かった。「どちらかと言えば不調」は13%、「不調」は5%、「どちらとも言えない」は28%だった。

■Q7:2016年のプライベートは順調?
 「どちらかと言えば順調」が35%、「順調」が16%で、m3.com会員の55%が「順調」と答えた仕事と比べてわずかにプライベートの件超度合いは低下した。「どちらかと言えば不調」は14%、「不調」は8%、「どちらとも言えない」は27%だった。

■Q8:GWの在り方、どう思う?
 全国民が一斉に休むというGWの在り方。休みが取りやすい、予定が会うというメリットがある一方、どこに行っても混雑しているというデメリットも大きい。「良い」が42%、「悪い」が21%、「どちらとも言えない」が37%と拮抗した。

【コメント欄:GWの在り方について】
・連休のありがたみより、不都合の部分を強く感じる【薬剤師】
・連休の前後の外来が激混みになって困ります。【医師】
・GWに限らずいつでも好きなだけ許される範囲で(年次有給休暇など)休みを取れるような労働環境であってほしいものです。【医師】
・勤勉な日本人にとって年に数回の大型連休は必要でしょう。【医師】
・まだ子供が小さいのに、日曜、祝日の休みが取れないので、子供にかわいそうなことをしてるとは、いつも思う。【看護師】
・正論で言うなら分散した方が良いでしょう。閑散/繁忙が激しいことによる非効率性、集中期のあまりの慌ただしさ……。ただ我々医療職は旗日のなかのそれも一部しか休みを取れません。もし祝日を減らされると、結局は休日が減る世界ですから致し方ないと思います。ただそもそも論から言うと、法定休日+有給休暇をきちんと取れないこの世界が異常なのではありますが。【医師】

■Q9:五月病に罹りそう?
 「罹らない」の65%に対して、「既に罹っている」が7%、「罹りそう」が15%、「分からない」が14%だった。

■Q10:GW、リフレッシュできた?
 「できた」が23%、「少しできた」が38%で、半数がリフレッシュできたと回答した。「どちらとも言えない」は14%、「あまりできない」が15%、「できない」が10%だった。



https://www.m3.com/news/iryoishin/427917
シリーズ: 降圧剤論文問題と研究不正
虚偽報告の医師、「医師が足りなくなる不安」が動機
ノバ社・府立医大論文改ざん事件、第26回公判

2016年5月26日 (木) 高橋直純(m3.com編集部)

 ノバルティスファーマ社の降圧剤を巡る京都府立医科大学での医師主導臨床試験の論文データ改ざん事件で、薬事法(現医薬品医療機器法)違反(虚偽広告)に問われた元社員とノバ社に対する第26回公判が、5月25日に東京地裁(辻川靖夫裁判長)で開かれ、当時滋賀県内の病院に勤務していたKHS(Kyoto HEART Study)参加医師で、故意に虚偽の報告をしたと供述していた男性(以下、男性医師C)が証人として出廷し、「2004年度に医師臨床研修制度が始まるなどし、医師が足りなくなる不安が常にあった。勤務先の病院への思いが強く、貢献した病院は、(医局から)人事の優遇が得られると思った」などと話した。

 前日に続き、白橋伸雄被告人への検察側被告人質問も行われ、解析用データの改ざんやエンドポイント委員会について追及した。

「供述調書、訂正しない」
 男性医師Cの検察官作成の供述調書は2月15日の公判で、弁護側により読み上げられている。人事上の優遇を得るために、自発的にバルサルタン(ディオバン)有利になるように虚偽の報告をしたと証言。「医師として最低の行為を行った」と反省の弁を述べた内容だった(『「KHS参加医師、「人事のため、医師として最低の行為した」』を参照)。

 男性医師Cは現在も、供述調書の内容を訂正する考えはないと説明した。尋問は弁護側、検察側の順番で行われた。

 男性医師Cは京都府立医大の旧第2内科医局に入局し、1999年から滋賀県内の関連病院に赴任した。その辞令は京都府立医大元教授の松原弘明氏の前任の教授から電話で受けたという。当時、勤務先の病院の循環器内科には5人の医師がおり、いずれも京都府立医大の医局人事だった。うち2人は若手で、数年で異動することが慣例になっていたが、中堅の3人は特に任期が決まっていなかったという。事務局を務めた京都府立医大の男性医師Aは大学の2-3年先輩に当たるが、指導を受けたり一緒に働いたりしたことはなく、松原氏とも同大教授就任前は面識がなかった。

 男性医師CはKHSで107例を登録しており、そのうち、バルサルタン投与群で2例、非投与群で24例のイベント報告をした。虚偽報告はバルサルタン群で1ないし2例のイベント報告をしなかったことと、非投与群で10数例の実際には発生していないイベント報告をしたというものだった。主に非投与群で狭心症の発症を報告したもので、「心不全、腎障害を合併した高血圧にARBが有効であることは言われていたことであり、KHSが発表に値する研究になるのは、虚血性心疾患で有意性を付ける必要があると思った」と説明した。

「登録数増やすコツ」で講演、謝礼は5万円
 当時、ノバ社が関与したEBM研究会が松原氏の医局で開催しており、毎回、病院や個人別のKHSへの登録数がグラフで発表されていた。男性医師Cは登録数が2番目に多かったこともあり、男性医師Aの依頼で2回、「どうしたら登録数が増えるかのコツ」といったテーマで講演した。ノバ社からは5万円の講演料が支払われた。研究会の後には、「一昔前なのでどんな研究会にも懇親会があった」。懇親会の場で、松原氏から表彰を受けたことがあり、「A4サイズ」 の表彰状をもらったこともあるという。松原氏はこれまでの公判で表彰を否定している(『「KHSの成功はディオバン有利の結果」元府立医大教授』を参照)。

臨床研修制度以降、医師不足が「常に不安」
 「虚偽報告で何を得ようとしたのか」という弁護側の質問に対し、男性医師Cは「2004年当時、勤務先の病院が新築し、救急患者も増えスタッフを充実させたいという思いがあった。2004年度から始まった臨床研修制度では、滋賀の田舎に来るドクターがいなくなると懸念し、何とかして確保しなくてはという思いがあった。常に不安だった。人が欲しかった」。医師確保の要望については、「中規模以上の病院は全て出している」と説明した。

 供述調書では「京都市内に自宅を購入したが、医局人事で滋賀県内の病院勤務を命じられており、通勤に時間がかかるため不本意」として「次の異動で京都市内という希望があった」と書かれている点については、「雑談の中で話したこと。将来的には変わりたいと思っていたが、その当時に異動したいという希望はない。病院内でもある程度評価されていた。『次の異動』とは、人が充足し私がいなくても大丈夫な時期」と説明し、個人的な人事については、重きを置いていなかったと強調した。

 2014年夏に東京地検特捜部の任意の取り調べを受けており、東京で3回、京都で2-3回話を聞かれ、2つの供述調書を作成した。弁護側の「検察官から『起訴することはないので心配しなくていい』と言われたことはないか」と質問に対しては、「ない」と答えた。2015年に滋賀県内の病院を退職したが、「メディアの人が病院に押し掛けてくるようになったこと」も関係あると話した。現在も医局人事で別の病院に勤務しているという。

 イベントの虚偽報告は自発的に行ったとし、KHS成功の要因になったとした松原氏の目に触れることを「全く期待しなかったかと言われると、ゼロではない」と話した。弁護側が罪悪感はあったかと尋ねると「後ろめたさはあった」と話した。

 検察側尋問では、男性医師Cがイベント報告した2症例を確認した。カルテではそれぞれ、「左大腿骨点子部骨折により整形外科に入院」「体重5キロ減」と記載されており、男性医師Cはいずれも「1次エンドポイントに該当しない」と証言した。

正しい報告も白橋氏が改ざん?
 男性医師Cの証人尋問の後には、前日(『白橋被告、「医師とともに数値を『修正』」』を参照)に続いて白橋被告への検察側質問が行われた。押収された白橋被告のUSBメモリから復元された解析用データの中身を確認。「KHS_DATALAST.xsl」と題するファイルの「EVENT元データ」シートについて、白橋被告は有害事象の整理のために作成したものと説明した。

 シートにはイベント報告があったとみられる754症例が記載されており、その中には男性医師Cが「左大腿骨点子部骨折により整形外科に入院」とカルテに記載していた患者もあった。この患者については、web入力データでは「その他イベント」として報告され、特記事項にも「左大腿骨点子部骨折により整形外科に入院」と記載されているにもかかわらず、同シートでは「左大脳動脈梗塞外科入院」として「脳卒中」のイベントになっていた。検察側冒頭陳述ではこのファイルが主論文作成の際の解析に使われたとしており、白橋被告によるエンドポイントの水増しの一例として例示している。

 白橋被告は書き換えた理由を「エンドポイント認定された人には、その他の有害事象を抜いてしまおうとした」などと説明。辻川裁判長は「よく分からないのですが」と述べ、検察官も「私もです」と答え、法廷に笑いが起きるという場面もあった。

EP判定、再調査は「イベントなし」?
 検察側は前日に続き、エンドポイント委員会(EP委)の状況について質問した。白橋被告はEP委の判定結果は「イベントあり」「イベントなし」の2つであり、「再調査」は「イベントなし」と認識していたと証言。「再調査」とされた症例については、「その後は良く分からない。男性医師Aに再調査を依頼したことはない」と述べた。

 また、EP委では、同じ症例について再度判断を仰ぐことはなかったと説明したが、検察側は第5回の資料と、第9回の資料で同じ症例が記載されていると指摘。第9回では主治医のコメント欄がさらに詳しく記載されていたが、白橋被告は「状況が良く分からない」と述べた。

男性医師Aの加筆、「なぜか分からない」
 白橋被告はEP委の判定結果について把握していないと説明しており、男性医師AからEP委の判断結果をまとめたとみられる「確定イベントリスト」をもらったと述べた。同リストとweb入力データを基に、「EVENT元データ」シートを作成したという。「確定イベントリスト」にはイベント報告されていない症例も含まれていたとしたが、「なぜかは分からない」と話した。

 男性医師Aが加筆したと証言している郵送でのEP委資料(『男性医師、イベント発生となるように加筆?ノバ社側尋問』を参照)の作成過程についても質問された。男性医師Aは白橋被告に要請されたと証言しているが、白橋被告は「何を加筆したか、なぜ加筆したかは分からない」と述べた。



https://www.m3.com/news/general/427941
架空調剤1400万円詐取 容疑で薬局経営者ら逮捕
2016年5月26日 (木) 共同通信社

 高価な薬を調剤したように見せかけ調剤報酬をだまし取ったとして、大阪府警生活環境課は25日、詐欺の疑いで、大阪市住吉区の薬局「のぞみ薬局」の経営者原田実(はらだ・みのる)容疑者(65)=堺市堺区=と、営業部長東野晴之(とうの・はるゆき)容疑者(57)=奈良県葛城市=を逮捕した。

 逮捕容疑は共謀し、2012年12月~15年2月、奈良県の病院から高価な抗生物質や漢方薬の処方箋を交付させ、これらの薬を調剤せずに報酬を請求し、23回にわたり計約1432万円を奈良県葛城市から詐取した疑い。

 生活環境課によると、東野容疑者が病院を受診し「体がだるい」などと薬の処方を医師に要望し、のぞみ薬局で原田容疑者が調剤したと装った報酬明細書を作っていた。薬の内訳は、抗生物質(1錠約1万3千円)が560錠、漢方薬(1グラム約350円)が約21・3キログラム。漢方薬は、一般的な服用量だと64年分に当たるという。

 原田容疑者は「金欲しさに調子に乗って架空請求した」と供述し、2人とも容疑を認めている。請求の審査機関などが不審な明細書に気付き、府警に情報提供した。



https://www.m3.com/news/general/427870
他の診療科が適否判断 「特定機能病院」高難度手術
2016年5月26日 (木) 朝日新聞

 厚生労働省は、高度な医療を提供する大学病院などの「特定機能病院」で、難度が高い新たな手術を導入する場合に、ほかの診療科の医師が確認することを義務づける。6月に省令改正し、承認要件を見直す。

 群馬大病院で保険適用外の腹腔(ふくくう)鏡による肝臓切除手術を受けた患者の死亡事故が相次いだことなどを受けた措置。厚労省は、病院でこれまで実施したことがない、難度が高い新たな手術で、特に死亡リスクが考えられる場合、導入の適否を確認する部門に担当の診療科が事前に申請し、厚労相が定める基準に従い、守るべき項目や手続きなどについて、ほかの診療科の医師らによる確認を受けることを義務づける。



https://www.m3.com/news/general/427926
安全管理体制の是正中に母体死亡、「極めて遺憾」…日医常任理事
2016年5月26日 (木) 読売新聞

 横浜市戸塚区の産婦人科医院「聖ローザクリニックタワーズ」の前院長らが、入院体制の不備などを理由に母体保護法指定医師の資格停止処分を受けた問題で、日本医師会で医療安全を担当してきた今村定臣常任理事が25日、取材に応じた。

 今村常任理事は、県医師会が同医院の安全管理体制を是正しようとしている間に母体死亡事例が起きたとし、「極めて遺憾だ」と語った。

 今村常任理事は、県医師会が「同医院が中期中絶処置は入院で行うとの原則に反し、通院での処置を続けている」との問題意識を持っていたのに、改善指導が進まぬうちに死亡事例が起きてしまったと説明。「(中絶処置の実施を認められた)指定医師には法令順守と医療安全、生命倫理を改めて見直してもらう必要がある」と述べ、全国の医師会に指導の徹底を呼びかけていく考えを示した。

 同医院に通院していた少女(当時17歳)の死亡事例については「再発防止のため、他の妊産婦死亡事例と同様に原因を分析することが重要」と語った。



https://www.m3.com/news/nonmedical/5385
世界のがん死者、金融危機で50万人増加か 英研究
2016年5月26日 (木)  時事通信

【ロンドンAFP=時事】世界的な金融危機により、2008~2010年にがんで死亡した人が50万人増加した可能性があるとする研究論文が25日、英医学専門誌ランセットに発表された。失業や医療保障の削減により患者が治療を受けられなかったためだという。≪写真は資料写真≫
 論文の主執筆者である英インペリアル・カレッジ・ロンドンのマヒベン・マルサップ氏はAFPに対し、「分析の結果、2008~2010年のがんによる死者数のうち、経済危機と関連しているとみられるのは、経済協力開発機構(OECD)加盟国だけでも計26万人以上に上ると推定される」と語った。世界全体では50万人以上に上った可能性があるという。
 研究チームは、世界保健機関(WHO)と世界銀行による70か国以上を対象とした統計を用いて、1990~2010年の傾向を分析した。
 その結果、失業率が1%上昇するごとに、がんによる死者数が10万人当たり0.37人増加するなど、失業の増加とがんによる死者数の増加には関連性があり、医療保障制度が金融危機の影響から人々を保護していることが明らかになったという。【翻訳編集AFPBBNews】【時事通信社】



https://www.m3.com/news/general/427836
がん標準治療の実施率68% 全国の拠点病院
2016年5月26日 (木) 朝日新聞

 国立がん研究センターは26日、全国のがん診療連携拠点病院で、専門医の多くが最適と認める治療法(標準治療)を、がん患者のどれぐらいが受けているかを示す初の実態調査結果を発表した。胃がんや肺がん、乳がんなど9項目の治療・検査で標準治療の実施率は平均68・2%だった。

 肝がんの切除前の検査が最も高く91・6%、乳房切除後のリンパ節転移例への放射線照射が最も低い33・3%だった。未実施の55%は「患者の希望」「高齢」「全身状態の低下」などの理由があり、それらを考慮して実施率を修正すると、6項目では90%を超えた。



https://www.m3.com/news/iryoishin/427954
四病協が日本専門医機構に「質問状」
永井氏の“私案”に「議論はまだ早い」

2016年5月26日 (木) 成相通子(m3.com編集部)

 全日本病院協会会長の西澤寛俊氏が5月25日に会見し、日本専門医機構に対して四病院団体協議会として質問状を提出することを明らかにした。同日の四病協の総合部会で決定した。また、同日の総合部会で、厚生労働省の専門委員会で委員長の永井良三氏(自治医科大学学長)が提出した新専門医制度に関する“私案”について「議論はまだ早い」「違和感がある」など批判的な意見が出た。

 質問状では、(1)日本専門医機構の社員の在り方について、(2)四病協からの理事が1人から2人に増えた経緯、(3)理事の選考委員会について――の3点を機構に問い質す。

 (1)について、四病協は機構に1社員として参加しているが、当初から4つの団体(日本病院会、日本精神科病院協会、日本医療法人協会、全日本病院協会)がそれぞれ1社員として参加したいと要望しており、それが認められない理由を質問する。(2)は、四病協の理事が4月の社員総会で1人から2人になったことについて、「こちらからは要望していない。増えた経緯が不透明だ」(西澤氏)として、その経緯を尋ねる。

 (3)に関しては、日本専門医機構が6月に開催予定の社員総会と理事会で、理事や理事長、副理事長を決定予定だが(『「延期でかえって大混乱」、池田専門医機構理事長』)、その理事候補の選考委員会の手続きに関し、「大きな混乱があった」(西澤氏)として説明を求める考えだ。

 批判の声が出たのは、新専門医制度の検討を進めている社会保障審議会医療部会「専門医養成の在り方に関する専門委員会」で委員長の永井良三氏(自治医科大学学長)が出した“私案”。永井氏の“私案”は、都市部に専攻医が集中しないよう都道府県別の定数を定めた上で、各学会を中心に専門医養成プログラムを行うというもの(『新専門医制度、永井委員長が“私案”で改善提案』を参照)。

 定数を定めることについて、「議論が不十分なままにそれ(日本専門医機構の制度案)以上に『踏み込んだもの』があるのは違和感がある」「(私案の)議論はまだ早い。その他に議論すべきことがある」などの批判的な意見が出たという。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/48841.html
医療事故調見直しに向け検討会設置へ- 四病協・総合部会
2016年05月26日 15時00分 キャリアブレイン

 四病院団体協議会(四病協)は25日の総合部会で、来月下旬に迫る医療事故調査制度の見直し期限に向け、制度の現状や見直しに向けて話し合う検討会を内部に設置することを決めた。【敦賀陽平】

 同制度は、2014年6月の改正医療法の成立を受け、昨年秋にスタート。同法の付則では、制度の見直しについて検討した上で、公布後2年以内に法制上、必要な措置を講じるとしており、来月下旬に期限を迎えるが、現段階で具体的な方向性は決まっていない。

 25日に記者会見した全日本病院協会の西澤寛俊会長は、「自民党などのヒアリングで四病協として対応しているが、見直しや現状を話し合い、今後、病院団体としてどう対応していくか検討する」と述べた。

■療養病床、「先に廃止への対応の議論を」
 一方、この日の部会では、医療療養病床(25対1)と介護療養病床の在り方を検討するため、来月1日に社会保障審議会の下に設置される特別部会についても意見を交わした。

 介護療養病床に関しては、18年3月末に廃止期限を迎えるほか、医療療養病床(25対1)についても、同月末に看護配置が認められなくなる。厚生労働省の有識者検討会は今年1月、患者の状態などに応じた新たなサービス提供の類型案をまとめており、特別部会では、この類型案に関する具体的な対応を話し合う。

 西澤会長によると、同日の総合部会では、類型案の議論に入る前に、そうした療養病床の廃止への対応を検討するよう求める意見が出たという。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/48838.html
医療法人の理事長と産業医兼務は禁止- 来年4月施行、厚労省が医療団体に通知
2016年05月26日 10時00分

 労働者のメンタルヘルスや健康管理を担う産業医について、厚生労働省は日本病院会などに対し、労働安全衛生規則の省令改正に伴い、来年4月から医療法人の理事長などが自らの事業場の産業医を兼務することができなくなることを周知するよう通知した。【新井哉】

 常時50人以上の労働者を使用する事業場では、事業者が産業医を選任することが労働安全衛生法などで定められており、産業医は事業者に対し、労働者の健康にかかわることについて勧告を行うことができる。

 しかし、医療法人の理事長や病院長などが産業医を兼務するケースが後を絶たず、事業経営上の利益を優先し、労働者の健康管理や産業医としての職務が適切に遂行されない恐れがあったという。

 こうした状況を改善するため、厚労省は、事業者が産業医を選任する際、統括管理者を「選任してはならない」とする省令改正案をまとめ、労働政策審議会安全衛生分科会もこの改正案を「妥当」と答申。3月末に労働安全衛生規則の一部を改正する省令が公布された。

 ただ、通知では、事業者の代表者が、他の事業者から産業医として選任されることは「差し支えない」と説明。医療法人の理事長であっても、他の医療法人で産業医として働くことは認められるとの考えを示している。


  1. 2016/05/27(金) 06:25:05|
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5月25日 

http://dot.asahi.com/business/pressrelease/2016052500311.html
【医師アンケート調査】「医師過剰時代は本当に来るか?」について、医師の7割は「大都市圏のみ医師過剰になる」と回答
(更新 2016/5/25 16:02) ドット朝日

- メドピア株式会社
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医師10万人以上(国内医師の3人に1人)が参加する医師専用コミュニティサイト「MedPeer(メドピア)」(https://medpeer.jp)を運営するメドピア株式会社(東京都渋谷区、代表取締役社長:石見 陽)は、会員医師を対象に、「医師過剰時代は本当に来るか?」(※)についてのアンケートを実施いたしました。以下、結果をご報告します。

※参考:厚生労働省「医師の需給推計について」(2016年3月31日)
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000120213.html

■サマリー

「医師過剰時代は本当に来るか?」の質問に対し、4,022人の医師が回答した。結果、7割の医師が「大都市圏のみ医師過剰になる」と回答した。都市部で働く医師、地方で働く医師、共に「医師数が増えても、地域での医師の偏在は解消されない」という意見が多く見られた。

「全国的に医師過剰になる」と回答したのは13%であった。「人口が減少しているのに医学部の定員が増えている」ことを理由に挙げる声が多く、「特に開業医が過剰となる」という意見もあった。

一方で、「医師過剰にはならない」と回答した医師も15%いた。コメントを見ると、「以前から医師過剰時代が来ると言われていたが、結果過剰にならなかった」、「医師の働き方の変化や離職の増加などで、医師数が増えても過剰にはならない」という声が多かった。

「医師不足になる」と回答した医師はわずか2%であり、「医療の高度化と専門分化によって、より多くの人手が必要になる」という意見があった。

■回答コメント(一部を抜粋)

「全国的に医師過剰になる」  514件

・団塊の世代に合わせて医師を養成しているのだから、団塊の世代がほぼ消滅する2035年移行になれば、当然、医師は過剰になる。これに、ITやロボット技術の進歩を加えれば、相当深刻な医療提供者の過剰時代が来る。(60代、消化器内科、兵庫県)

・当院では高齢者の数は頭打ちで減ってきています。団塊の世代が亡くなった後は全国的に医師過剰になるのではないかと危惧しています。(50代、アレルギー科、北海道)

・人口減少しているのに医学部を増やしているので当然過剰になり、歯科医師、弁護士と同じ運命をたどる。(50代、一般内科、その他)

・始めは大都市が過剰になるが次第に地方に分散することになるだろう。よって、最終的には全国的に過剰になって行くのではないかと考えます。(40代、小児科、岩手県)

・病院の数が減り勤務医は減るが、開業医が増えるでしょう。(50代、呼吸器内科、山口県)


「大都市圏のみ医師過剰になる」  2,820件

・北海道在住です。以前、道東の僻地にいた時には医療過疎を切実に感じましたが、5年前に札幌に出てきて今は医師過剰を感じます。(50代、腎臓内科・透析、北海道)

・現在も平均すれば、実は過剰なのではと思います。偏在しているだけかと。偏在しているが故に、私の現在いるような田舎では、医師は足りません。大都市でも開業医は、もうとっくに飽和しているかと。(50代、精神科、広島県)

・このままの状態で医学部卒が増えるならば増加すると考えられる。しかし、現在のいわゆる僻地へ行く医師数はあまり増えることは期待できないので、都市部に集中することとなると思われる。(70代、小児科、北海道)

・私が学生だった時に医師は余っているからいらないと言われましたが、研修制度が変わり、急に医師が足りないと言われだしました。偏在しているのだと思います。(30代、精神科、大阪府)

・かなり前から過剰になるといわれているが、地方ではいつまでたっても医師が足りているとは言えない状態が続いている。(50代、小児科、群馬県)

・大都市およびある特定の診療科では過剰になるかもしれませんが、少なくとも病理では過疎状態が続くと思います。(50代、病理、神奈川県)

・少なくとも、質を重視した医療現場、医師の負担が重過ぎない労働環境を真面目に考えたら、今の倍いても現場目線ではまだまだ足りないと思っています。ただし、都市部に偏る傾向はあり、実際問題ローカルに医師が余る現象はありえるは思いますが。(40代、小児科、埼玉県)


「医師過剰にはならない」  618件

・医師も高齢化してリタイアするので、過剰にはならない。(60代、一般内科、宮城県)

・30年前、私が大学に入学した時も「医師過剰時代が来る。」と学長が予言されていました。人口に対する医師の人数ということであれば、すでに過剰でありこれからますます過剰になるでしょう。でも「仕事ができる」医師の数は常に不足しています。これからも「名目過剰、実質不足」が続くと思います。(50代、脳神経外科、愛知県)

・医療職の待遇は悪化の一途であり、現場のモチベーションは低下しているように感じられ、医師についてもそうそう過剰になるほど定着率が維持されるようには思えない。女性医師の増加とまたその離職の増加も、その表れに思える。(50代、一般外科、愛知県)

・医療に対する要望の多様化と、医師自身の仕事に対する価値観の変化から医師の人数のみでは測れない社会的変化が起こりつつあります。(50代、一般内科、福井県)

・女性医師の増加とそのサポート体制が十分にならないこと、科毎の偏りを考えると医師過剰にはならないと思います。(50代、一般内科、大阪府)

・昭和50年代にも医師過剰と言われたことがありましたが、結果医師不足となりました。(40代、脳神経外科、静岡県)


「医師不足になる」  70件

・働くドクターとあまり働かないドクターの二極化が進むだけで、医療需要には追いつけず医師不足は加速すると思う。(50代、一般内科、福島県)

・女性医師が多くなっていることや、いつまでも働けるわけではない。医学の進歩により専門分化されるため、より多くの人出が必要だと思う。よって過剰どころか医師不足になるのでは?(40代、精神科、山形県)

・アルバイトで生計を立てている医師が増えているので、なかなか難しいでしょう。(50代、リウマチ科、滋賀県)

・診療科の細分化で不足すると思います。(40代、呼吸器外科、秋田県)



■調査概要

調査期間:2016/4/18 ~ 2016/4/24
有効回答:4,022人(回答者はすべて、医師専用コミュニティサイトMedPeerに会員登録をする医師)
調査方法:MedPeer内の「ポスティング調査」コーナーにおいて、医師会員からご投稿頂いたテーマをもとに、以下の質問を投げかけました。
 厚生労働省は3月31日、医師の需要は2033年頃に均衡し、2040年には全国で約1万8000人の医師が過剰になるという推計結果を公表しました(需要が最も大きな場合)。この推計を文字通りに受け止めると、かなりの「医師過剰時代」が来ると予測されますが、実際の医療現場は本当に医師過剰になるでしょうか。皆さまの考えをお聞かせください。下記選択肢の中から皆さまの考えに最も近い回答をお選びいただいた上、コメント欄にはそのように考えた理由をお書きください。


※参考:厚生労働省「医師の需給推計について」
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000120213.html


1. 全国的に医師過剰になる
2. 大都市圏のみ医師過剰になる
3. 医師過剰にはならない
4. 医師不足になる

■記事引用時のお願い
ž ・医師専用コミュニティサイト「MedPeer」調べ、と明記ください。
ž ・WEB上での引用に際しましては、「MedPeer」にhttps://medpeer.jpへのリンク付与をお願い致します。

【メドピア株式会社について】

・社名:メドピア株式会社( https://medpeer.co.jp )
・代表者:代表取締役社長 石見 陽 (医師・医学博士)
・設立:2004年12月
・運営サービス:医師専用サイト「MedPeer(メドピア)」( https://medpeer.jp )

メドピア株式会社は、「Supporting Doctors, Helping Patients.」を理念として、現在10万人以上の医師(国内医師の3人に1人)が参加する医師専用サイト「MedPeer」を運営しています。医師同士が臨床現場で得た知見を「集合知」として共有する場を提供することで、医師の診療を支援するとともに、MedPeerの医師会員および集合知を源泉として、製薬企業をはじめとした企業に対して医師向けのマーケティング支援サービスを提供しています。


【お問い合わせ先】
メドピア株式会社 広報担当 藤野
電話:03-6447-7961 | メール:pr@medpeer.co.jp



http://news.biglobe.ne.jp/domestic/0525/san_160525_0099594688.html
65年分の漢方薬処方箋…悪用 調剤報酬を架空請求容疑 薬局経営者ら逮捕 大阪府警
産経新聞5月25日(水)19時8分

 仮病で取得した処方箋を悪用し調剤報酬を架空請求したとして、大阪府警生活環境課などは25日、詐欺の疑いで、「のぞみ薬局合資会社」経営、原田実(65)=堺市堺区田出井町=と従業員の東野(とうの)晴之(57)=奈良県葛城市木戸=の両容疑者を逮捕した。2人とも容疑を認めている。
 逮捕容疑は、共謀して平成24年12月〜27年2月、東野容疑者が病気と偽り、奈良県内の2つの病院から24回にわたり漢方薬や抗生物質の処方箋を入手。同薬局で調剤したと装って調剤報酬を架空請求し、同県葛城市から計約1432万円をだまし取ったとしている。
 府警によると、東野容疑者は医師に「ほかの病院で大量に薬を処方してもらったことがある。飲むと全身が良くなった」などと伝え、漢方薬については14回の通院で通常の約65年分の処方箋を受け取っていた。
 行政機関の申告で発覚。府警は2月上旬に同薬局などを家宅捜索していた。



https://medical-tribune.co.jp/news/2016/0525503599/
男性医師の内因性心臓死、「過重労働が原因」...遺族が賠償求め病院側を提訴〔読売新聞〕
yomiDr. | 2016.05.25 11:05(2016年5月25日 読売新聞)

 長崎市の長崎みなとメディカルセンター市民病院に勤務していた男性医師(当時33歳)が2014年に死亡したのは過重労働が原因として、妻ら遺族3人が病院を運営する地方独立行政法人・長崎市立病院機構に約3億7000万円の損害賠償を求めて長崎地裁に提訴した。提訴は4月19日付。

 訴状によると、男性は14年4月に同病院に採用され、心臓血管内科医師として勤務。毎月100時間を超える時間外勤務が続き、同12月に自宅で心肺停止の状態で見つかり、死亡が確認された。死因は著しい疲労の蓄積によるとみられる内因性心臓死だった。

 遺族側は、同機構が長時間労働を把握していたにもかかわらず、勤務医を増やしたり、当直日数を減らしたりするなどの措置を講じなかったことが、安全配慮義務違反にあたると主張している。男性は地方公務員災害補償基金から公務災害の認定を受けたという。同機構は「訴状の内容を確認し、今後の対応を検討したい」としている。

 このほか、遺族は同機構に男性の残業代の未払い分など約740万円の支払いを求める訴訟を4月13日付で起こしている。



http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG25H1Y_V20C16A5000000/
医療事故、基準統一へ協議会 届け出など厚労省
2016/5/25 12:39 日本経済新聞

 患者の予期せぬ死亡を対象とした医療事故調査制度について、厚生労働省は25日までに、第三者機関への届け出や院内調査の実施の判断に関する統一的な基準を協議するため、医師会や医療団体など関係機関による連絡協議会を設置する方向で検討を始めた。

 昨年10月開始の現行制度は、届け出や院内調査が必要な事案を「医療に起因すると疑われる死亡で、管理者が予期しなかったもの」とし、判断をそれぞれの医療機関に委ねている。現場では、複数の医療団体が別々に指針を示していることに戸惑いもあり、新設の連絡協議会で認識の共有を目指す。院内調査の内容も標準化できるよう協議するという。

 また厚労省は、(1)第三者機関は、院内調査などに関して遺族から相談があった場合、同意を得て内容を医療機関側に伝える(2)第三者機関は、院内調査報告書の内容を必要に応じて医療機関に確認、照会し再発防止に生かす――といった見直し案の検討にも着手。医療機関の管理者が院内での死亡事例をもれなく把握できる体制の確保も目指す。

 これらの対応は、自民党のワーキングチーム(WT)が取りまとめた運用改善策を踏まえたもの。一方、同党WTは、「異状死」の警察への届け出を義務付けた医師法21条の扱いについても検討したが、結論に至らず、引き続き議論するとしている。〔共同〕



http://www.asahi.com/articles/ASJ5T268MJ5TUBQU001.html
医療事故届け出の基準統一へ、協議会設置 自民党が提言
寺崎省子
2016年5月25日12時05分 朝日新聞

 昨年10月に始まった医療事故調査制度の見直しを検討してきた自民党の作業チームは24日、医療事故かどうか届け出る基準や院内調査の進め方を統一するため、医師会や病院団体などと第三者機関「医療事故調査・支援センター」で連絡協議会を設けるなど5項目の提言をまとめた。センターが遺族から相談を受けたとき、同意を得た上で相談内容を医療機関に伝えられることも盛り込んだ。厚生労働省は実施状況も踏まえて、6月までに運用の見直しを検討する。

 提言は、「支援団体等連絡協議会」(仮称)の設置による医療事故の届け出基準などの統一化▽医療機関の管理者が院内の全死亡事例を把握できる体制づくりの明確化▽支援団体や医療機関の研修充実や優良事例の共有▽医療機関の同意を前提にセンターから院内調査報告書の内容の確認・照会を可能にする、など。

 連絡協議会は各都道府県などに設けられる。厚労相が認める医師会や病院団体、学術団体などからなる支援団体とセンターが参加し、医療事故に該当するかどうかの判断基準や院内調査の方法などについて、情報や意見交換をしながら統一していく。

 医療事故の届け出基準をめぐっては医療・病院団体ごとに基準が異なり、事故の届け出が想定より少ないという指摘があった。

 異状死の警察への24時間以内の届け出を義務づけた医師法21条については「議論は深まったが最終結論は出なかった」といい、夏の参院選後に議論の進め方について作業チームで話し合う。



http://mainichi.jp/articles/20160525/ddl/k14/040/207000c
県医師会
指定医師の資格停止 「入院なしで中期中絶」 /神奈川

毎日新聞2016年5月25日 地方版 神奈川

 人工妊娠中絶処置ができる指定医師の資格停止処分を巡る問題で、県医師会は24日、横浜市内で記者会見を開き、処分理由の概要を説明した。処分を通知した同市戸塚区の産婦人科医院「聖ローザクリニックタワーズ」の前院長ら男性医師2人について、入院させずに妊娠中期(12〜21週)の中絶を行うなど、入院・分娩(ぶんべん)体制の不備を強調した。

 県医師会によると、この医院では、通常は入院して2〜3日で行われる中期中絶を常態的に入院なしで実施していた。感染症などの危険があるため、同会は入院なしでの処置は「医療上の安全を無視する問題」だと批判。また、医院が商業ビル内にあり夜間は閉鎖されることから、実質的には入院できる施設ではないと指摘した。

 県医師会母体保護委員会で昨年2月、医院の安全管理上の問題を指摘する声が上がり、実態を確認しようと医院内の視察を依頼したが、拒否されたという。その後、同11月に医院で中期中絶処置を受けた女性の容体が処置後に急変し、死亡する事例を県医師会が把握。女性の死亡と医院の処置との因果関係について「警察の捜査中」として判断を明らかにしていないが、処分理由の一つとした。

 指定医師の資格停止処分は、県医師会では初めて。玉城嘉和・同会担当理事は「1人亡くなっていることを真摯(しんし)に受け止め、2人目を出さないという思いで対応していきたい」と話した。【宇多川はるか】



http://www.nikkei.com/article/DGXLZO02725080U6A520C1L72000/
埼玉県八潮市、産科の開設に補助金 医療機関誘致へ
2016/5/25 7:00日本経済新聞 電子版

 埼玉県八潮市は産科診療所の開設を支援する。市有地を10年間無償で提供するほか、建築費や医療機器購入費用の利子補給として3年で最大3000万円を補助する。同市は人口増加傾向にあり住宅開発が進むが、市内に分娩できる施設がない。補助制度で産科を誘致し、安心して出産できる環境をつくる。

 補助対象は市内に5床以上19床以下の産科診療所を開設する医師。産科の臨床経験が5年以上あることや、開業後10年以上は市内で分娩を行うことなどが条件だ。

 診療所本体のほか、産科開設に必要な機器を整えるための借入金に対し利子補給する。年間最大1000万円を3年間拠出する。無償供与した市有地は、10年を過ぎた時点で売却または貸し出しに切り替える。

 2015年の国勢調査によると、八潮市の15年10月1日時点の人口は約8万6000人で、10年の前回調査に比べて4.5%伸びている。05年のつくばエクスプレス(TX)の開業後に住宅開発も進み、隣接する東京都などから比較的若い世代の流入も進んだ。14年時点の人口1000人当たり出生率も8.7と高く、埼玉県内で6位だ。

 しかし若年層の流入にもかかわらず、市内には分娩ができる施設がなく、市民から産科を求める声が多かったという。市は産科の誘致で「急な出産でも対応できる環境をつくる」(市担当者)狙いだ。

 埼玉県によると、県内で分娩できる施設がない市は、志木市、日高市、桶川市、久喜市。秩父地域(秩父市、横瀬町など1市4町)では分娩できる産科が1カ所しかない。埼玉県医師会では「分娩施設は24時間対応できる体制が必要で、医師の負担も大きい。補助金や土地の提供だけでなく、医師を確保できるかどうかが重要だ」としている。



http://www.medwatch.jp/?p=8997
2018年度DPC改革に向け、調整係数のあり方や重症度指数・係数など議論へ―DPC分科会
2016年5月25日|2016診療報酬改定ウォッチ


 2018年度の次期診療報酬改定に向けて、II群の絶対的基準、調整係数のあり方、機能評価係数IIに盛り込まれた重症度指数・係数のあり方、CCPマトリックスの精緻化と拡大、持参薬のあり方などを議論していく―。

 25日に開かれた診療報酬調査専門組織のDPC評価分科会は、このような検討項目を確認しました。

 当面は、来年度(2017年4月から)の機能評価係数IIの設定に向けて、「病院情報の公表」や「2016年度医科点数表改定の影響反映」について議論することになります。


ここがポイント! [非表示]
1 「病院情報の公表」や「医科点数表改定の機能評価係数IIへの反映」などをまず議論
2 II群の「絶対的基準」、2018年度改定に向けて改めて議論
3 調整係数の「重症度の違い」などみる機能、どのように考えていくべきか
4 病院情報公表、「2016年10月時点で公表しているかどうか」が評価対象に
5 重症度指数・係数、「重症患者」や「効率化」なども含めて総合的な検討へ
6 病院の負担怪訝に向けて「DPCデータのオンライン提出」を検討
「病院情報の公表」や「医科点数表改定の機能評価係数IIへの反映」などをまず議論

 2016年度診療報酬改定後、初めての開催となったDPC分科会では、▽2016年度改定の概要▽各病院の機能評価係数IIの内訳(厚労省サイトはこちらとこちら)・地域医療指数(体制評価指数)の内訳(厚労省サイトはこちらとこちら)―が報告されたほか、2018年度の次期改定に向けた検討項目を固めました。機能評価係数II・地域医療指数の内訳については、メディ・ウォッチでも別途、詳しくお伝えいたします。

 今回は、2018年度改定に向けた検討項目を見てみましょう。厚労省が掲げた大項目は次のとおりです。

(1)基礎係数(医療機関群)のあり方:II群の全体的基準など
(2)調整係数のあり方
(3)機能評価係数II:重症度指数・係数や病表情報公表など
(4)診断群分類点数表:CCPマトリックスの精緻化・拡大やICD-10(2013年度版)への対応など
(5)請求に関するルール:持参薬のあり方など
(6)DPCデータの収集方法:オンライン提出など
(7)診断群分類の見直しやコーディングテキストの見直しなど

 厚労省保険局医療課の担当者は、機能評価係数IIに関する「病院情報公表」(2017年4月予定)と「医科点数表改定(2016年度の反映)の反映」、ICD-10(2013年度版)への対応などを早急に検討する必要があるとしています。

II群の「絶対的基準」、2018年度改定に向けて改めて議論

 (1)のII群要件については、2016年度改定論議の中でも「絶対的基準」が検討課題に挙げりましたが、「地域における医療機能を客観的に評価する為のデータが存在しないことから、現時点では機能の評価と絶対値の設定は困難」との結論が出ています。今後、各都道府県で地域医療構想が定められる中で、II群要件をどのように考えていくのか分科会の議論が注目されます(関連記事はこちらとこちら)。

 なお、今回の2016年度改定においては、II群からIII群に移行した病院が14、III群からII群に移行した病院が54となっています。

調整係数の「重症度の違い」などみる機能、どのように考えていくべきか

 (2)の調整係数については、予定通りに進めば、次期2018年度改定で完全に基礎係数・機能評価係数IIに置き換えられることになります。

 しかし、調整係数の「CCPマトリックスなどを導入しても、診断群分類点数表の中で表現しきれない重症度の違い」などを調整する機能をどう考えるかという問題は残ります。

 後述するように2016年度改定で重症度指数・係数を導入しましたが、激変緩和措置(改定前後で診療報酬収入が2%程度を超えて変動しないようにする措置)の対象病院は2016年度改定でも126病院あることから、問題が解決しきれていないことが分かります。

 2018年度改定に向けて、こうした「重症度の違い」などをどう考えていくべきかが議論されることになります。

病院情報公表、「2016年10月時点で公表しているかどうか」が評価対象に

 (3)の機能評価係数IIについては、▽病院情報の公表▽後発医薬品係数▽重症度指数・係数▽各係数の重み付け▽医科点数表改定の影響反映▽新規項目―などが具体的な検討テーマとなります。

 このうち「病院情報の公表」は、以前から議論されている「自院の診療実績などの情報を公表した場合、2017年4月から保険診療指数を0.05点加点する」というものです。厚労省は「今年(2016年)10月時点での公表の有無」を評価対象にする考えで、公表すべき項目などを7月には固めたい考えです。このため、急ピッチで議論を進め、結論を得る必要があります。

重症度指数・係数、「重症患者」や「効率化」なども含めて総合的な検討へ

 また「重症度指数・係数」は、今回改定で導入された新しい指数・係数で、同じ診断群分類でも医療資源投入量が多くなってしまう患者を重症患者と捉え、機能評価係数IIで評価するものです。具体的には「当該病院における[包括範囲出来高点数]÷[DPC点数表に基づく包括点数]」(ただし救急医療指数で評価されている救急入院2日目までの包括範囲出来高点数は除外)として計算します。

 この指数・係数には「効率化を進めると低くなってしまう(ゼロの病院も少なくない)」という批判があり、今後、「重症患者の評価の仕方」を含めて議論が行われることになります。

 その際には「効率化」について少し深く考える必要もありそうです。例えば持参薬を使えば資源投入量が減り、重症度指数は低くなります。これが果たして「効率化が進んでいる」と言えるのか?またいわゆるアップコーディングをしている病院では、その診断群分類点数に比べて資源投入量が低く、やはり重症度指数は低くなります。これも「効率化が進んだ病院」とは言えません。また、医療資源を投入した量と時期(何日目か)が正確にEFファイルに表現されていないことも考えられそうです。重症度指数・係数については、こうした点も総合的に検討していく必要があると考えるべきでしょう。

 なお、「不必要な医療資源(例えば検査)を投入すれば重症度指数・係数」が高くなりますが、こうした「間違ったテクニック」は保険診療の中で決して行うべきではありません。

重症度指数・係数を高めるために「不要な検査などを実施し、出来高点数を高くする」ような行動をとってはならない
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 また2016年度の医科点数表改定では、現在の機能評価係数II(地域医療指数)にある「B005-2地域連携診療計画管理料」を廃止するなどの見直しを行っています(関連記事はこちら)。こうした医科点数表の見直しをDPCにどう反映させるのかについても、早急に検討することになります。

病院の負担怪訝に向けて「DPCデータのオンライン提出」を検討

 (6)のDPCデータのオンライン提出は、2014年7月に閣議決定された「健康・医療戦略」の中で指示されている「DPCデータをレセプトと同時にオンラインで審査支払機関を経由して厚生労働省に提出できるように検討する」ことを踏まえたものです(首相官邸のサイトはこちら)。具体的な提出方法などは今後の議論に委ねられますが、厚労省は「病院の負担軽減」に資する方法とする考えです。
 

 こうした検討項目に関連して金田道弘委員(社会医療法人緑壮会理事長兼金田病院長)は、「回復期リハビリ病棟に導入されたアウトカム評価」「地域医療連携推進法人(いわゆる非営利ホールディングカンパニー型法人)などにより地域連携を強化した場合の評価」などを検討してはどうかと提案。

 藤森研司委員(東北大学大学院医学系研究科・医学部医療管理学分野教授)は「高齢化が進む中で、老衰や摂食障害などの患者も急性期病棟に入院するケースが増えているが、うまくコーディングできず、Rコードとしているケースが多い」点を指摘。「こうした患者をDPCでみるかどうか」も含めて議論される模様です。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/48836.html
新専門医制度、“永井私案”に「違和感」- 四病協・総合部会
2016年05月25日 21時00分 キャリアブレイン

 四病院団体協議会(四病協)は25日に総合部会を開き、来年春に始まる予定の新専門医制度について協議を進めた。都道府県ごとに養成する研修医の数に上限を設けるとする、いわゆる「永井私案」に関しては、「議論が進んでいない段階で突然出てきた。違和感がある」と、提案そのものを疑問視する声が上がった。【敦賀陽平】

 終了後の記者会見で、全日本病院協会の西澤寛俊会長が明らかにした。私案は先月下旬、社会保障審議会医療部会の下に設置された専門委員会で永井良三委員長(自治医科大学長)が示したもので、各都道府県の面積や患者数などを考慮し、研修医の数に上限を設けることが柱だ。

 同委は3月下旬、研修医が都市部に集中することなどを懸念する声が相次いだことを受け、医療関係者の意見調整の場として設置されたばかり。西澤会長によると、各団体からは「もう少し議論をする必要がある」との意見も出たという。

■専門医機構に質問状を提出へ
 この日の部会ではまた、新制度の研修プログラムの認定などを行う「日本専門医機構」(機構)に対して、近く質問状を送ることを決めた。

 機構では現在、役員の改選に向けた準備を進めており、理事候補者は機構の選考委員会が選出し、理事会に名簿を示すことになっている。機構の役員選任規定によると、四病協からは候補者として2人が選ばれる。

 西澤会長は会見で、「四病協の理事は当初1人だったが、突然2人になった。経緯が不透明だ」などと指摘。その上で、四病協に所属する4つの病院団体はいずれも法人格を持っていることから、「各団体から1人ずつ理事を出すことを希望する」と述べた。

 質問状では、選考委員会に関する事務処理上のミスで「非常に混乱があった」として、機構側のガバナンスの問題などについてもただす方針だ。



https://www.m3.com/news/general/427633
疑義照会で1000万円削減 - 抗癌剤処方を確認、副作用回避
2016年5月25日 (水) 薬事日報

岩手医大病院・佐藤氏が報告
 日本病院薬剤師会東北ブロック第6回学術大会が21、22の両日に郡山市内で開かれ、癌の化学療法で薬学的介入を行った経済効果が、佐藤淳也氏(岩手医科大学病院薬剤部)から報告された。副作用の可能性から抗癌剤の投与量に関する疑義照会が行われ、処方変更されたケースが約3割あったと指摘。薬剤師が疑義照会を行うことにより、好中球減少の副作用による緊急入院を回避できたと仮定した場合、年間約1000万円の医療費削減につながる可能性があるとした。佐藤氏は「疑義照会を怠った場合のコストは大きい」と述べ、「薬剤師も介入の経済評価を検証していく必要があるのではないか」とコスト意識の重要性を強調した。

 癌の化学療法では、副作用の発生が避けられず、薬剤師の介入が重要とされているが、薬学的介入を経済的指標で分析した研究は少ないのが現状。そこで、癌専門薬剤師でもある佐藤氏は、重篤な副作用を回避する疑義照会や支持療法の提案など、薬学的介入による経済効果を検討した。

 薬剤師が医療経済的に貢献する重要な役割の一つに重篤な副作用を回避する疑義照会がある。同院の化学療法室における疑義照会の内容を調べたところ、抗癌剤の処方への疑義照会で変更されたケースのうち、投与量に関するものが29%と最も多く、次いで規定の支持療法がないものが16%だった。

 佐藤氏は、仮に好中球減少が見られながら薬剤師が疑義照会を怠り、誤った医療行為が行われた場合のコストを試算した。一般的にDPC病院で好中球減少による緊急入院を5日間した場合、1件当たりの医療費は約20万円。これに薬剤師による疑義照会が年50件あったことを踏まえると、年間約1000万円程度のコスト削減につながる可能性が考えられた。

 佐藤氏は、「薬剤師が疑義照会を怠った場合に、発生する可能性のある医療コストは非常に大きいことを考えるべき」と強調。薬剤師は、副作用による患者のQOL低下を防ぎ、薬学的介入により向上させる活動が重要としつつ、経済評価の検証も必要と訴えた。

 また、外来化学療法で最も問題となる副作用は、発熱性好中球減少症の感染症。特にエピルビシン、シクロホスファミド、フルオロウラシル(5-FU)を併用した乳癌の「FEC100療法」では、患者の9割以上が重症の好中球減少症を発症するとされる。

 そこで佐藤氏は、同療法を安全に外来導入するため、レボフロキサシンを予防処方し、発熱時に服用してもらう取り組みを実施した結果、患者の98%がレボフロキサシンを服用し、93%が解熱に成功した。

 経口抗菌薬の予防処方は、ガイドラインでは患者がリスク判断をできないため好ましくないとされているが、佐藤氏は「発熱時の電話サポートや薬剤師の服薬指導を徹底することにより、重篤な好中球減少を予防できた。これは薬剤師による薬学的介入の効果にほかならない」と話した。

 一方、宮崎瑞穂氏(前橋赤十字病院名誉院長)は、病院経営の立場から言及。同院では、病棟薬剤業務実施加算(100点)の算定により、約3000万円の増収につながったとし、これにより薬剤師5人の増員を実現したことを紹介。「5人の増員により、医療安全と質向上、医師の負担軽減につながった」とメリットを述べた。

 さらに、医薬品の適正使用推進による経済効果も指摘。具体例として、アルブミン製剤の使用量減少により、4年間で約3000万円のコスト削減につながったほか、後発品の使用促進によって、2013年の1年間で約2億円以上の薬剤費削減効果があったことなどを例示。その上で、「薬剤師は医薬品を通じて医療の質向上と病院経営に貢献できるキーパーソン」と強調。特に病院幹部の薬剤師に対し、経営についての専門教育を受けることが望まれるとした。



https://www.m3.com/news/general/427603
大学教授、住居侵入容疑 のぞき目的、女性宅に
2016年5月25日 (水) 共同通信社

 女性宅の敷地に侵入したとして福岡県警宗像署は24日、住居侵入の疑いで福岡県福津市、産業医科大教授川口貞親(かわぐち・よしちか)容疑者(48)を逮捕した。「部屋をのぞこうと思った」と容疑を認めているという。

 逮捕容疑は24日午前0時ごろ、福津市に住む20代女性のアパートの庭に侵入した疑い。

 宗像署によると、川口容疑者は道路に面した庭に柵を越えて侵入し、ライトが自動で点灯。部屋にいた女性と知人男性が見つけたが、声をかけたりはしなかった。

 約1時間後、男性が帰宅しようと外に出ると、川口容疑者が家の前に立っていた。不審に思い声をかけると「散歩をしていた」と言って逃げようとしたため、男性は引き留めて110番。駆け付けた署員に引き渡された。

 大学によると、川口容疑者は精神看護学が専門で、外国人看護師の受け入れ問題などについて研究していた。



https://www.m3.com/news/general/427245
入院体制整えず中絶、17歳少女死亡事例も…資格停止された産婦人科医院が提訴
2016年5月24日 (火) 読売新聞

 横浜市戸塚区の産婦人科医院「聖ローザクリニックタワーズ」が、妊娠中期(12~21週)の中絶(中期中絶)を行う医療機関に義務付けられた入院・ 分娩ぶんべん 設備を有していなかったなどとして、神奈川県医師会は前院長(51)ら2人に対し、母体保護法指定医師の資格を25日から6か月停止する処分を通知した。

 同医院側は23日、処分の取り消しを求めて横浜地裁に提訴した。

 処分を通知されたのは、前院長と聖ローザグループを運営する医療法人社団「マリア会」の理事長(56)。

 県医師会や県産婦人科医会などによると、中期中絶は一般的に、ラミナリア 桿かん などと呼ばれる棒状の医療器具を子宮 頸管けいかん に挿入して広げたうえで、陣痛誘発剤を用いて行う。

 ラミナリア桿挿入段階を含め、中絶の処置は出血や感染症のリスクを伴う。このため、日本産婦人科医会は、経過観察や緊急時の抗菌薬の点滴投与などができるように、通院ではなく、「入院のうえ慎重に実施する」と指針に明示。県医師会の母体保護法指定医師取扱規則も、中期中絶を行う医療機関は救急体制、入院設備を有していなければならないと規定している。

 同医院について県医師会は、病床1床のみで、深夜には入居するビルが閉鎖され、医師・看護師も不在となるため、入院可能な体制ではないと判断。それにもかかわらず、指針に反して中期中絶を行ったなどとして処分を決めた。

 県医師会は昨年2月、同医院から毎月10件超の中絶実施報告があることを把握。通院での処置が常態化するなど安全管理上の問題が疑われるとして、前院長に呼び出し通知を出すなどして説明を求めたが、同医院側から聞き取りができたのは今年3月だったという。

 同医院ではこの間の昨年11月、中期中絶の前処置を受けていた妊娠21週の少女(当時17歳)が死亡する事例が発生。少女は数日間にわたって通院しながらラミナリア桿挿入の処置を受けていたが、自宅で容体が急変し、救急搬送先の別の病院で敗血症性ショックで死亡したという。

 県医師会は、少女の死亡と処置との因果関係について判断を示していないが、「同医院の安全管理体制を調査しようとしている間に死亡事例が起きてしまい、 慚愧ざんき の念に堪えない」とし、「規則違反があったなかで死亡事例が起きた」ことを問題視している。

 一方、同医院側は、院内には病床1床と分娩台2台があり、医師たちのスキルにも問題はないと説明。県医師会が呼び出しを拒否したとしている点についても、「日程調整をお願いしたり、理由の説明を求めただけ」などとして、処分は不当だと主張した。少女の死亡についても「処置の過失や死亡との因果関係は不明確なのに、死亡事例の発生自体を処分理由の一つとすることはおかしい」と反論している。

 厚生労働省研究班の調査では、中絶に伴う母体死亡例は10万件あたり0・9件と極めてまれで、県警も少女の死亡の経緯を慎重に調べている。

          ◇

母体保護法指定医師  母体保護法に基づき都道府県医師会が指定し、妊娠の継続や分娩が母体の健康を著しく害する恐れのある場合などに本人や配偶者の同意を得て人工妊娠中絶を行うことが認められている。全国に約7000人。中絶実施は知事に報告する義務がある。各都道府県医師会が処置や施設などに関する規則を定めている。



https://www.m3.com/news/iryoishin/427591
シリーズ: 降圧剤論文問題と研究不正
白橋被告、「医師とともに数値を『修正』」
ノバ社・府立医大論文改ざん事件、第25回公判

2016年5月25日 (水) 高橋直純(m3.com編集部)

 ノバルティスファーマ社の降圧剤を巡る京都府立医科大学での医師主導臨床試験の論文データ改ざん事件で、薬事法(現医薬品医療機器法)違反(虚偽広告)に問われた元社員とノバ社に対する第25回公判が、5月24日に東京地裁(辻川靖夫裁判長)で開かれ、5月12日に続いて白橋伸雄被告への被告人質問が行われ、本件の対象となるCCB(カルシウム拮抗薬)論文の解析について白橋被告は「打ち合わせの場で医師とともに数値を『修正』した」と証言した。CCB群での有意差を出すため、解析手法を単変量解析から多変量解析に変更したことなどは「虚偽には当たらない」と主張。 検察側質問に対しては、参加医師からは「イベントなし」と報告された症例が、自身が作成したエンドポイント委員会の資料で「イベントあり」と改変されていることも認めたが、理由については「良く分からない」と述べるにとどまった。

 京都府立医大、厚生労働省によるヒアリングや検察庁の任意の聴取については、「最初から犯人扱いで話が進んでいると思った」と述べ、2014年6月の逮捕には身に覚えがないと証言した。

サブ解析、研究者らと数値「修正」
 白橋被告の弁護人による被告人質問では、起訴事実となるバルサルタン(ディオバン)とCCBの併用に関する論文の作成過程などが焦点になった。白橋被告は前回公判で、主任研究者を務めた元京都府立医科大学教授の松原弘明氏や事務局の男性医師Aの希望する「ストーリー」に沿って有意差が出るように解析をしたと証言している(『併用薬剤の使用状況は「推定」、KHS』を参照)。

 2010年8月のメールのやり取りでは、白橋氏は松原氏らに当初はCCB投与の有無を比較した解析で有意差が出ないという結果を送っていたが、「誤りがあった」として有意差があると訂正したものを再送していた。24日の公判では「打ち合わせでポジティブストーリーで行くと決めたので、単変量解析を変更して多変量解析を行うことで有意差を出した」と説明した。

 打ち合わせは2010年9月の欧州心臓学会(ESC)での発表のため、同年6-8月の間に、京都市内のホテルの会議室で複数回行われた。白橋被告のほか、KHSのサブ解析を担当した男性医師Aら複数の医師が参加した。打ち合わせで、白橋被告が作成した資料で主要評価イベント(KHSでは脳卒中や心筋梗塞、狭心症などを合算した複合エンドポイント)と構成要素のイベントの数が合わないなど、「数字のつじつまが合わない」箇所が複数見つかった。白橋被告は「入力ミスや集計ミスだと思い、元データを集計し直すことはしなかった」とし、その場で数値を修正したと説明した。また、1カ所を変更すると他にも影響が生じるとして、「打ち合わせの中で研究者と話して、他の部分も変更していった。ドクターが最終的に決めた」と述べた。

 CCB論文は投稿後もミスが見つかるなどしたため、オンライン掲載は2011年10月にずれ込んだ。白橋被告は、CCB論文はノバ社のプロモーション資材としては使われていないと説明。当時、ノバ社のマーケティング担当者に「あまりプロモーションに用いない方が良い。少しトリッキーな内容になっている」と話したという。

■CCBサブ解析論文に関する白橋被告弁護人からの質問と回答の概要
質問:一部を多変量解析したが、他の部分もそうしようとは思わなかったのか。
白橋被告:思わなかった。エラーが出るのは明らかだった。

質問:一部だけ計算方法を変えることは許されるのか。
白橋被告:許されないことはないと思う。論文の主張したいことに合わせて解析をする研究者は結構多く、論文としてはある。

質問:虚偽になるか。
白橋被告:ならないと思う。計算方法が存在するので、医学論文で何を主張するかになる。

質問:計算方法に唯一無二の正解があるのか。
白橋被告:私はないと思う。多種あるので、これでなければならないというのはない。

質問:数値の修正をしたと言うが、CCBサブ解析だけだったのか。
白橋被告:複雑な集計だったので、マルチプルに修正した。

質問:イベント数の修正は一人でやったのか。
白橋被告:打ち合わせには全てのサブ解析の発表者が参加していた。全員が納得できるようにやった。

 2012年春ごろから、KHSに対して疑義が呈されるようになった。当時の心境は「騒がれることに違和感があったが、逆に危機感もあった」と説明。違和感の理由について、当時は「製薬会社が協力しない(医師の)自主研究はあり得ない」と認識していたと述べた。一方で、製薬業界の労務提供を禁止する行動指針に反しているかもしれないという危機感はあったという。

 これまでの公判で男性医師Aや松原氏は、統計解析を男性医師Aが担当したように口裏合わせをしており、白橋被告が解析ソフトやパソコンを用意したことなどを証言している。この点について、白橋被告は「研究者が決めて、依頼されたから」と説明した。男性医師Aに渡した解析用データのプロパティ情報の作成日を「2009年4月1日」に変更したが、それも男性医師Aからの依頼だったとした。

 疑義が呈せられた後、京都府立医大や厚労省による調査が開始され、白橋被告もヒアリングを受けているが、「主論文発表から4-6年が経っており、当時の記録はほとんどなかった」と説明。ヒアリングや検察庁の任意の聴取は「最初から犯人扱いで話が進んでいると思った」。2014年6月に逮捕されたが、「身に覚えがないと思った」と述べた。

 押収された白橋被告のUSBメモリからは、エンドポイント数が異なる複数の解析用データが見つかっているが、「作成途中で複数のものがあるからだと思う」と説明。公判で証拠として出されている複数の解析のデータについて、弁護人は「実際に解析に使ったデータと全く同一なものはあるか」と質問。「ないと思う。解析用データは統計用のSTAファイル。男性医師Aに渡したのはCSV形式で違う」と説明した。

■CCBサブ解析論文に関する白橋被告弁護人からの最後の質問と回答の概要
質問:非ARB群でイベント数の水増し、CCBサブ解析で恣意的な群分け、事実とは違うP値を記載したとして起訴されているが、この3つの点について身に覚えは?
白橋被告:ない。

質問:KHSへの関与でやましいところはないか。
白橋被告:そうは思わない。ずさんな研究になってしまって、ある程度深い関与をしていた。

質問:故意に虚偽の論文をあなたが作成したという点についてはどう思うか。
白橋被告:納得できない。

EP委判定資料改変「分からない」
 白橋被告弁護人に続いて、検察側の被告人質問が行われた。最初に、白橋被告の統計解析の関わり方について質問すると「サポートの立場。自分以外に統計解析をした人はいない」と説明。京都府立医大や厚労省のヒアリングに対してどのような説明をしたかを問われると「よく覚えていない」と回答。「『受託した事実はない』と答えたのでは」と問われると「はい。正式な受託関係はない。大学と正式に取り交わすことはしていない」と釈明した。

 検察側はイベント判定を行うエンドポイント委員会(EP委)への関わり方について質問した。白橋被告はKHSの独立解析機関となっている同大学の統計の専門家から委託を受けたとして、EP委などで独立解析機関と自身の立場を説明していた。白橋被告が作成したEP委の役割を説明する資料では、(1)判定結果は独立解析機関に通知する、(2)判定資料は独立解析機関が作成する。その際、群分けはマスクする、(3)判定結果について議事録を作成する。再調査は事務局に通知するが、固定、否決は通知しない――となっている。

 しかし、白橋被告は、自身が判定結果を把握、管理していなかったと証言。議事録も作成されていなかったとし、判定結果の管理について「詳しくは分からないが、事務局が管理していると思っていた」と説明した。事務局を務めた男性医師AはEP委の判定結果を把握していないと証言しており(『男性医師から白橋被告への解析用データ提供を示唆、ノバ社側』を参照)、両者の証言が正しいとすると、誰も判定結果を把握、管理していない状況になる。

 EP委で使われた判定資料について、検察官は白橋被告が作成したことを確認した上で、web入力データではイベント報告されていない症例が、判定資料では「脳卒中」としてイベントありに変更していた理由を尋ねた。白橋被告は「2次エンドポイントの状況から加筆をしていたが、分からない」と答えた。

終了判定に虚偽のグラフ作成
 試験終了を判定するDSMB(Data and Safety Monitoring Board)は3回開催され、中間解析の結果を基に終了を勧告した。中間解析はEP委がイベント判定を行う前の登録データで行われたが、2回目のDSMBで独立解析機関となっていた統計の専門家から「固定データで解析してほしい」と依頼があった。

 白橋被告は「EP委が終了しておらず、できない」と思っていたが、男性医師Aに固定データの状況を聞くなどして、「補助解析」を行ったと説明。その際、群間の有意差を示すグラフを作成していたが、そのグラフは統計に基づかない「でたらめ」なグラフだったという。グラフについては委員からの要望はなかったが、「数値だけだとさびしいから」と作成理由を説明した。白橋被告は補助解析結果やグラフについて「中間解析でもなく、意味のないもの」と強調。辻川裁判長は「なぜ『無理です』と言わずに、書けないものをずるをして書いたのか」と質問。白橋被告は「全くおっしゃる通りだが、私の立場で大学の先生に物を申す習慣がなかった」と釈明した。

 また、検察側は弁護側の質問に関連して、統計用のSTAファイルは、エクセルで作成した数値を解析ソフトに入力し、保存することで作成できることを確認した。



http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201605/20160525_13015.html
宮城・仙台市
医療費助成過払い 対象者以外にも返還請求

2016年05月25日水曜日 河北新報

 仙台市が東日本大震災で被災した国民健康保険(国保)加入者の一部を対象とした医療費免除制度と、障害者や母子・父子家庭への医療費助成制度を誤って併用し、助成金を過払いした問題で、市が実際には過払いがない市民にも返還請求していたことが24日、分かった。
 市は今月中旬までに請求ミスを把握したが、「個別に対応する」として公表していない。既に500万円以上が返還され、返還の必要がない市民が徴収されたり、返還不要を認識しなかったりする可能性がある。
 市は3月末、「1279件で総額3243万円の過払いがあった」として返還を求める方針を発表。各区役所が4月中旬~今月上旬、返還対象者に経緯説明の文書や請求額を記載した納入通知書を発送した。
 市によると、このうち実際は返還不要のケースが判明分だけで5件あった。内訳は泉区2件、青葉、若林、太白各区1件ずつ。
 市は5件について過払い分1838円~4万2690円の返還を求めたが、対象者らから「身に覚えがない」などの問い合わせを受け、調べた結果、過払いがないことが分かった。
 被災者の医療費免除と障害者や母子・父子家庭への医療費助成はいずれかしか利用できない。免除された人がさらに助成金を申請したり、窓口で医療費を払い助成金を受けた人が免除制度に基づく還付金を受給したりした場合、二重支給となり、過払いが生じる。国保の電算システムでは防げないという。
 返還が不要な5件はいずれも免除制度を利用せずに窓口で医療費を払い、助成金だけを受け取った。だが、医療機関が国保に医療費の保険適用分を請求する際、免除制度の利用者と誤ったため、過払い対象に含まれたとみられる。
 市は5件以外にも同様のケースがある可能性を認める。障害企画課の担当者は「問い合わせがあれば個別に対応し返還不要を伝える。誤徴収の有無は調べてみないと分からないが、判明すれば返金する」と話す。


  1. 2016/05/26(木) 01:24:11|
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5月24日 

http://news.biglobe.ne.jp/domestic/0524/mai_160524_3219741391.html
<医療事故調査制度>見直しへ…予期せぬ死、基準統一 
毎日新聞5月24日(火)22時37分

 ◇協議会設置、ばらつき是正

 患者の医療死亡事故の届け出と院内調査を全医療機関に義務付けた医療事故調査制度について、厚生労働省は24日、地域や医療機関ごとの届け出数のばらつきを是正するため、関係機関で協議会を作って届け出対象の統一基準を設ける方針を固めた。死亡した患者の遺族が調査を求めた場合に、医療機関側に要望を伝える仕組みも新たに設ける。6月にも関連省令を改正する。【熊谷豪、桐野耕一】

 同制度は昨年10月にスタート。当初は年1300〜2000件の届け出を想定していたが、今年4月までの7カ月間の届け出は222件にとどまる。その背景として、(1)対象とされる「予期せぬ死亡事故」の範囲があいまいで、届け出に消極的な医療機関がある(2)遺族側からの届け出が認められていない−−ことが指摘されている。

 このため厚労省は、(1)について、運営主体の第三者機関「日本医療安全調査機構」と、医療機関に助言・協力する「支援団体」に指定されている各団体(日本医師会、日本病院会など)で作る連絡協議会を新設。これまで各団体が個別にガイドラインなどで示していた届け出基準を標準化し院内調査の手法についても医療機関や地域間の格差をなくす。

 (2)については、同機構に遺族側から「医療事故ではないか」と訴えがあった場合、保健所の相談窓口などを紹介するだけの今の運用を改め、遺族の求めに応じて、患者が死亡した医療機関に遺族の意向を直接伝えるようにする。ただし、医療機関が院内調査する義務はなく、判断の結果を同機構に伝える必要もない。

 また、院内調査の報告書の内容にもばらつきがあることから、同機構が医療機関に内容照会できる仕組みも新たに盛り込む。

 見直しの方針は、自民党の作業部会の意見を踏まえて決めた。作業部会は、異状死を認めた場合に警察への届け出を医師に義務づけた医師法21条の見直しも議論していたが、今回の制度見直しには反映させず、検討を続けることになった。

 医療事故の遺族らで作る「患者の視点で医療安全を考える連絡協議会」の永井裕之代表は「これまで制度に基づく遺族の相談窓口さえなかったので、機構が遺族の相談を受け付け医療機関に伝えることは半歩前進だ。将来的には遺族の調査依頼の窓口や、死亡事故があった医療機関の職員が通報できる窓口も設置すべきだ」と話している。

 ◇◇医療事故調査制度◇

 全国の医療機関に対し、診療行為中に患者の死亡事故が起きた時、院内調査と第三者機関への届け出を義務付ける制度。医療事故の再発防止や、裁判などの紛争を減らす効果が期待されている。遺族が院内調査の結果に納得できない場合、第三者機関に再調査を依頼できる。制度創設を盛りこんだ改正医療法の公布から2年になる今年6月下旬までに、制度を見直すことが関連法に定められている。



http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/eye/201605/546968.html
20年ぶりに登場した保険医制限策、実現なるか
倉沢 正樹=日経メディカル
 
2016/5/24

 医師の「偏在」解消をめぐる議論が活発化してきた。

 厚生労働省は5月19日に開いた「医療従事者の需給に関する検討会」に、傘下の「医師需給分科会」で議論してきた内容を踏まえた中間取りまとめ案を提示。医療計画に基づく地域ごとの専門医の定員制や、充足している診療科における保険医の配置・定数の設定、自由開業・自由標榜制の見直しなど、強制力を伴う規制の導入も検討する方針を打ち出した(関連記事:医師偏在対策で「自由開業・標榜の制限」検討へ)。

 また、前日の18日には政府の経済財政諮問会議が開かれたが、そこに示された「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)2016」の素案にも、医師偏在の解消策について「地域医療構想等を踏まえ、規制的手法も含めた地域偏在・診療科偏在対策を検討する」との文言が盛り込まれた(関連記事:医師の地域・診療科選択の規制、政府が検討へ)。さらに、2017年4月に開始予定の新専門医制度も、専門医の養成に地域ごとの定員を設ける方向で議論が進んでいる(関連記事:専門医養成は都道府県ごとに定員を設けるべき)。

 なぜ、ここに来て各方面で、強制力を持つ医師の偏在解消策が検討課題に上っているのか。それは、医師の自律的な行動に期待する従来の対策では、効果が上がらないという認識が広がってきたためだ。

 周知の通り、2004年に必修化された新臨床研修制度は、大学医局による市中病院からの医師の引き揚げを招き、地方は深刻な医師不足に陥った。このため国は、82年から続けてきた医師養成数の抑制策を転換し、08年に医学部の定員増にかじを切った。その結果、16年の医学部定員は、「地域枠」の導入や東北での医学部新設もあり、07年の7625人から21.5%増となる9262人にまで増加している。

 しかし、それで地方の医師不足が解消したかといえば、そうではない。一時期の危機的な状況は脱したものの、産科や小児科、外科といった診療科を中心に、依然として医師の不足感は強い。一方で、全体としての医師数は近い将来に需給が均衡し、その後は医師過剰となる試算も示されている。このため、医師不足の本質は、地域間や診療科間の医師の偏在にあるという見方が強まってきた。そこで専門医の定員制や、充足している診療科における保険医の配置・定数の設定、自由開業・自由標榜制の見直しといった、強制力を持つ医師の偏在解消策が議論されるようになったわけだ。

 これら偏在解消策のうち、筆者が特に注目したのは、冒頭の中間取りまとめ案に出てきた「保険医の配置・定数の設定」と「自由開業・自由標榜制の見直し」だ。この2つの施策は、「仮に医師の偏在等が続く場合」に検討するという条件付きながら、厚労相の私的懇談会が2015年にまとめた提言書「保健医療2035」にも、全く同じ表現で盛り込まれている。このことは、上記の2つの施策が、厚労省にとって有力な政策オプションであることを物語る。

「保険医数を制限しても職業選択の自由には抵触しない」

 とはいえ、強制力を持つ医師偏在策の解消は、憲法が定めた職業選択の自由とも絡む微妙なテーマでもある。そこでより有力な政策オプションとして浮上してくるのが保険医の配置・定数の設定だ。仮に開業を制限すると職業選択の自由に抵触する可能性が生じるが、保険診療は保険者と保険医の契約に基づくため、保険医数を制限しても職業選択の自由には抵触しないと解釈されるためだ。

 実はこの解釈は、今から20年ほど前に厚生省(当時)の幹部から筆者が直接、聞かされたものでもある。当時、中小企業のサラリーマンが加入する政府管掌健康保険(現在の協会けんぽ)の財政は危機的な状況にあり、大幅な患者負担増を伴う医療保険制度改革が議論されていた。その改革メニューの1つとして「保険医の定数・定年制」が挙がり、省内で検討が進んでいた。

 この政策は、ドイツが93年に開始した制度を参考にしたもの。14の診療科ごとに各地域で保険医として開業できる定員を定め、それを10%上回る場合には新規開業を認めないという仕組みだ。近年は医師の偏在解消を目的に、過剰地域の医師の報酬を減額し、不足地域では増額する政策も導入されている(関連記事:ドイツ「田舎医法」で医師偏在は解消したか)。

 しかし1997年の医療保険制度改革では、薬剤一部負担の導入をめぐる混乱などから結局、保険医数の制限というドラスティックな政策は表立って議論されることなくお蔵入りとなった。その政策が、高齢医師への配慮からか「定年」という文言こそ外してではあるが、20年の時を経て今また浮上してきたことは感慨深い。医療行政を長くウオッチしてきた立場から、引き続き保険医数の制限を巡る動きを注視していきたいと考えている。
 


http://www.saitama-np.co.jp/news/2016/05/24/06.html
医師会の考えは…校医大量辞任の吉川、審査会も5人辞任「市民犠牲」 
2016年5月24日(火) 埼玉新聞

 吉川市で小中学校の校医が大量辞任した問題で、市の介護認定審査会でも審査会の委員だった医師8人のうち5人が辞任していたことが23日、市や吉川松伏医師会への取材で分かった。医師会は別の医師1人を推薦したとするが、従来通りの審査を行えなくなるため、委員への負担が増えたり審査会の公平性が保たれなくなるなどの懸念もある。

 市によると、審査会委員だった医師5人が3月下旬までに、医師会を通じ「退任願」を市に提出した。5人は3月末付で委員を辞任。理由は「一身上の都合」だった。任期は2015年4月~17年3月の2年間。医師5人は任期1年を残して退任した。

 介護認定審査会は要介護認定などの審査、判定を行う機関。介護保険法などで定められ、審査会の委員は医療・保健・福祉の学識経験者で構成される。同法は審査を行う合議体の標準人数を「5人」としている。

 これまで同市では医師、歯科医、薬剤師、看護師、福祉関係者計20人が、市の委嘱を受け委員を務めていた。医師2人を含む5人の合議体四つを構成し、それぞれの合議体が2カ月に3回のペースで審査会を開いていた。

 医師5人が辞任した4月からは、医師の人数を減らして対応。市の条例で合議体の人数は「5人以内」とされ、法的にも問題はない。市いきいき推進課は「大きな問題は起きていない」としながらも「在るべき姿に戻せるよう医師会にお願いしている」と述べた。

 本来2人の医師が審査に関わる合議体で、現状三つの合議体で医師は1人、残る一つの合議体は医師が不在の状態が続いている。同じ条件で審査が行われず、審査会の公平性が問われる。

 同医師会は、辞任した医師とは別の医師1人をすでに推薦したことを明らかにし「今後も市に全力で協力していく」とコメントした。吉川市では小中学校の校医16人のうち10人が今年3月末に辞任していた。

 関係者によると、4月に医師会の医師5人が辞任したことで、合議体のメンバーが減少。最低限のメンバーで行っている合議体は欠席できない状況が続いており、合議体の数自体や1回の審査対象数を減らそうとする動きも出ているという。審査は提出から1カ月以内に結果を出す必要があり、審査の期限切れや通常業務を抱える審査会医師の負担増も懸念される。

 関係者は「異常事態。医師会は事情を抱えていると思うが、市民の健康福祉が犠牲になるのはおかしい。医師会は何を考えているのか」と訴える。別の関係者は「医師会は問題があるならはっきりと言うべきだ。この問題を多くの人に知ってほしい」と話した。



http://www.asahi.com/articles/ASJ5R5QZMJ5RULBJ011.html
手術「妥当」、群馬大病院で死亡50人の半数 外科学会 
2016年5月24日08時58分 朝日新聞

 群馬大病院で手術後の死亡が相次いだ問題で、死亡した50人のうち、手術を選択したことが妥当と判断されたのは26人と半数にとどまることが、日本外科学会の調査でわかった。調査結果は、外部の有識者でつくる大学の調査委員会に報告されており、委員会はこれも踏まえて検証の報告書をまとめる。

 学会は委員会から委託され、2007~14年度にあった肝臓や膵臓(すいぞう)などの手術の後に死亡した64人のうち50人を詳細に調べた。

 複数の関係者によると、手術を選択した判断について、妥当とされたのが26人で、20人は妥当性の一部に疑問が指摘された。4人は明らかに妥当ではなく、「問題がある」とされた。この4人は、複数の主な肝静脈に広がった肝臓がんの切除手術や、高齢で腎不全や肺炎がある患者への胆管がんの切除手術などだった。

 また、37人について死亡の原因などを検討する会議が診療科内で開かれたことを確認できなかった。この中には「問題がある」とされた4人も含まれているという。死亡した50人のうち43人は院内の医療安全部門に報告されていなかった。



http://www.medwatch.jp/?p=8965
支払基金の改革案に批判続出、「審査支払い能力に問題」の声も―質の高い医療実現に向けた有識者検討会 
2016年5月24日|医療・介護行政をウォッチ

 社会保険診療報酬支払基金から(1)徹底した効率化を通じた審査支払の充実(2)ビッグデータを活用した健康増進、疾病予防への貢献(3)ICTを活用した成果の最大化―という3本を柱とした改革案が、23日に開かれた「データヘルス時代の質の高い医療の実現に向けた有識者検討会」に示されました。

 しかし構成員からは、「数値が実際と大きく異なっている可能性がある」「改革実現までの期間が明示されていない」などの批判が続出。一部構成員からは「支払基金には審査支払を担うにあたっての能力に問題があるのではないか」という旨の指摘まで出されています。

ここがポイント! [非表示]
1 支払基金から「コンピュータ審査での完結」や「審査基準公開」などの改革案
2 構成員から「改革期限」や「目標数値」について批判相次ぐ
3 韓国の審査支払機関HIRA、病院の診療実績などを国民に公表


支払基金から「コンピュータ審査での完結」や「審査基準公開」などの改革案

 検討会は、▽保険者機能強化と医療の質の向上 ▽審査の効率化・統一化の推進と組織体制―の2点について議論を行うために設置されました(関連記事はこちら)。

 23日の検討会では、後者の論点について社会保険診療報酬支払基金(支払基金)から「改革案」が報告されました。

 支払基金は、主に被用者保険加入者にかかる診療報酬の審査支払などを行う公的機関ですが、「審査基準に支部間(都道府県ごとに支部が設置されている)の大きな差異がある」「国民健康保険団体連合会(国保連、主に国保加入者に係る診療報酬の審査支払を担う)との間でも審査基準に大きな差異がある」「審査体制に非効率な部分がある」などの指摘がなされています。政府の規制改革会議は、こうした状況を踏まえ「診療報酬の審査について、現在の支払基金を前提とした組織・体制の見直しにとどまらず、ゼロベースで抜本的に見直すべき」といった内容の提言を行っています。

 支払基金では、これを重く受け止め自ら次のような内容の改革案をまとめ、23日の検討会に報告したものです。

 改革の柱は(1)徹底した効率化を通じた審査支払の充実 (2)ビッグデータを活用した健康増進、疾病予防への貢献 (3)ICTを活用した成果の最大化―の3本。

 このうち(1)の効率化に向けては、「コンピュータ段階での審査の完結」「審査のチェック項目の公表」「審査基準の統一化」「手数料の複数設定」などを行う考えで、具体的には次のような目標も示しました。

▽受け付け前の「事前チェック項目」の拡大:「主傷病の記載漏れ」など返戻が明らかなレセプトは受け付けず、医療機関に返却する

▽受け付けたレセプトについて審査を次の4区分とし、コンピュータチェックの精度向上などを図る

 (i)「初診料のみ」の請求など、簡素なコンピュータ審査で完結するもの(現在はゼロだが、全体の10%程度にまで引き上げる)

 (ii)「初診から1か月以内の特定疾患療養指導料の算定」など、徹底的なコンピュータチェックで審査を完結するもの(現在は65%程度、将来は(iii)とあわせて70%+αに引き上げる)

 (iii)「通院・在宅精神療法の退院日記載」を目視確認しているものなど、コンピュータチェック後に支払基金職員が目視し、審査を完結するもの(現在は15%程度、将来は(ii)のコンピュータ完結への移行を目指す)

 (iv)審査委員(医師)による審査を行うもの(現在は20%程度、将来は20%-αに引き下げる)

 あわせて、「統計分析などに基づく統一審査基準を設け、合理的説明のつかない支部間差異の解消する」「統一的、客観的な判断が可能なコンピュータチェック項目の公表(統計的に70%以上査定されている項目など)」なども行う考えを打ち出しています。

構成員から「改革期限」や「目標数値」について批判相次ぐ

 こうした改革案に対し、規制改革会議メンバーでもある構成員からは厳しい意見が相次ぎました。

 森下竜一構成員(大阪大学大学院医学系研究科寄付講座教授加算)は、「審査基準をなぜすべて公表しないのか」「改革の期限しめされていない。これでは『改革しない』と言っているのと同じことである」と指摘。実効性のある目標を立てられないのであれば審査支払業務を担当する能力がないと判断せざるを得ないとの厳しい見解も示しています。

 金丸恭文構成員(フューチャー株式会社代表取締役会長兼社長)は、「審査委員会(医師による審査)で得られた知見をコンピュータに蓄積することで、審査委員会の業務は徐々に減っていく」と指摘し、『20%-α』という(iv)の目標値が甘いのではないかと述べました。

 さらに飯塚正史構成員(元明治大学大学院客員教授)は、自身がレセプトをベースに研究してきた経験を踏まえて、▽コンピュータチェックで付箋のつかないレセプトが約94% ▽付箋のついたレセプトのうち職員チェックで付箋が外れるものが約5% ▽審査委員が実際にチェックするのは約0.8%―という数字を提示。その上で支払基金が提示した数字は「うそ」ではないかと強く非難しました。

 

 支払基金自ら、これまでにない改革案を示したことは評価に値します。ただし、構成員との間で見解に相違があることから、今後、さらに改革内容を詰めていくことになります。

 なお、飯塚構成員の指摘した数字と、支払基金が示した(i)~(iv)の目標値には大きな乖離があるため、数字の確認なども行われる見通しです。この点について厚労省保険局総務課の渡辺由美子課長は、メディ・ウォッチに対して「数字の定義が異なっている可能性があり、そこをすり合わせることが必要」とコメントしています。

韓国の審査支払機関HIRA、病院の診療実績などを国民に公表

 23日の検討会では、レセプトデータの活用に向けて、廉宗淳氏(E-Corporation.JP株式会社代表取締役社長)から「韓国の健康保険審査評価院」について、満武巨裕氏(医療計画研究機構研究副部長)から「諸外国の医療ビッグデータ」について報告も行われています。

 韓国の審査支払機関である「健康保険審査評価院」(HIRA)では、レセプトの審査を行うとともに、そのデータを「医療の質向上」に活用しています。例えば「風邪の患者に対して抗生剤を使用している割合」を分析し、処方の多い医療機関には徹底した指導を実施。その結果、診療所では2002年に72.9%であった抗生剤の使用割合が、2012年には46.0%となり、実に26.9%も適正化されています。

 また、がんをはじめとする疾病の治療実績などが、広く国民に病院の実名入りで公開されており(スマートフォンでの閲覧も可能)、国民がこの情報をもとに医療機関を選択することが可能になっているといいます。

 こうした事例を参考にしながら、我が国においてレセプトデータ・特定健診データ(NDBデータ)などをどう活用していくのか、また活用に向けてどのような方策が必要なのかを議論していくことになります。


  1. 2016/05/25(水) 00:35:21|
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5月23日 

http://www.sankei.com/region/news/160523/rgn1605230033-n1.html
静岡県内勤務の医師140人、医学生向け奨学金利用
2016.5.23 07:02 産経ニュース

 県内に勤務する医師のうち140人が、一定期間の県内勤務で返済を全額免除される県の医学生向け奨学金の利用者であることが県健康福祉部の調査でこのほど、分かった。

 本県の人口10万人当たりの医師数(平成26年度)は全国40位と少なく、医師不足の解消は県政の重要課題の一つ。同部では「奨学金利用者のうち毎年40人ほどが新たに県内で勤務を始めており、医師不足の解消にかなり役立っているのではないか」と分析している。

 この奨学金は医学生らを対象に月20万円を貸与するもので、一定期間の県内勤務で返済が全額免除される。医師不足解消策の一環として県が19年度に導入し、27年度までに770人が利用した。

 今年度は、この奨学金を使った医師35人が新たに県内で勤務を始め、継続して県内で勤務中の医師も60人いる。さらに、規定の期間の県内勤務を終えて返済を免除された54人のうち、引き続き県内で勤務している医師も45人おり、返済完了者の県内への定着率は83・3%という高い数字になっている。



http://www.asahi.com/articles/ASJ5P4TBPJ5PUBQU010.html
(地域医療・岡山)地方で働く医師を育てなければ崩壊する
中村通子
2016年5月23日06時00分 朝日新聞

 岡山県内には、岡山大医学部と川崎医大の二つの医大があり、人口10万人あたりの医師数は、全国平均の237・8人を超える290・2人。全国有数の医師保有県だ。

 しかし、その配置には大きな偏りがある。

 県内に五つある保健医療圏の中で、最新鋭の設備を持つ大病院が立ち並ぶ岡山市を中心とした県南東部医療圏には医師が集中し、人口10万人あたり332・8人にのぼる。一方で、高梁・新見医療圏や真庭医療圏ではその半数以下しかいない。開業医の高齢化と後継者難による廃業も進む。地方で働く若い医師を育てなければ、地域医療は崩壊する。

 県は2009年、卒業後に医師不足の地で働くことを条件にした「地域枠」奨学金制度を、岡山大医学部医学科に設けた。初年は5人を募集、翌10年から9人に広げた。県はこの制度で、19年までに85人の医師を養成する予定だ。

 学生は、月20万円、6年間で総計1440万円の支給を受ける。卒業後、9年間県内で勤務し、そのうち最低5年間を、指定された医師不足地の病院で働けば返還しなくていい。

 教育内容も少し違う。通常入試で入学した学生では必修の地域実習は6年間で1カ所1週間だが、地域枠は5カ所、計6週間にわたる実習が必修だ。県内40以上の医療機関が学生を受け入れ、指導する。

 最初の実習は1年生の夏休み。1週間ずつ、異なる地域の医療機関2カ所に赴く。

 医学をほとんど学んでいない段階で、現場で実習をする意味はあるのか。

 担当の片岡仁美教授は「1年生だからこそ、大きな効果があるんです」と強調する。医療について先入観がないから、医師だけでなく、看護師や薬剤師、受付事務など、病院内の多様な職種に広く目が向き、強い印象を受けるという。

 「本格的な医師修業が始まる前に、生活に密着した地方の中小病院や診療所を肌で知ることで、多職種への理解が深まり、地方で働く意欲も高まります」と片岡さんは言う。

 6年生の石田智治さん(23)は通常入試と地域枠の両方に合格し「岡山で働く気持ち満々で」地域枠を選んだ。離島の実習では、コンビニも信号機もない環境と、そこに暮らす人々の優しさに驚いたという。

 若い時期に田舎で働くと、専門医の取得に不利かもしれない、と不安に思う時もある。「でも、若い医学生がいるだけで、なぜだかお年寄りが元気になるんですよね」。地方勤務を楽しみに、来年2月の国家試験の準備に励んでいる。

■育て!若い地域医

 来春、地域枠1期生が2年間の初期研修を終え、医師不足地の病院に出る。県は現在、県北部で赴任先の候補選びを進めている。

 希望する病院は、自院の指導体制や待遇、経営状況などを書いた調査票を提出し、その内容を県が得点化して上位を候補とする。

 県医療推進課の則安俊昭課長は「どこも若い医師はのどから手が出るほど欲しい。最も必要性が高い病院を公明正大に選定して、その中で、医師本人の希望と合わせて行き先を決めます」と説明する。

 地域枠2期生の内藤修子さん(25)は、この春国家試験に合格し、岡山大病院で初期研修を受けている。再来年、地方に出る。「患者もその家族も見える身近な医師になりたい。そのために、今は精いっぱい研鑽(けんさん)します」と笑顔で話す。

 岡山の地域医療に、乗り越えるべき難題は多い。地域枠で育った若い医師たちがこの壁に挑む。

 実習協力病院の一つ、矢掛病院(矢掛町)の村上正和院長は、実習の最後にいつもこんな言葉を贈る。「地域医療はこれまでも、これからも必要な医療です。新しい地域医療を切り開くのは、あなた方です」



http://mainichi.jp/articles/20160523/ddl/k03/040/012000c
赤十字ふれあいフェス
内視鏡や模擬縫合、医療の仕事体験 盛岡 /岩手

毎日新聞2016年5月23日 地方版 岩手
 赤十字の活動を広く知ってもらおうと、日本赤十字社県支部は22日、盛岡市前潟のイオンモール盛岡で「ふれあいフェスティバル」を開いた。内視鏡の操作など、子どもたちに医療の仕事を体験してもらったり、盛岡赤十字病院の医師たちが、国内外での支援活動の内容を紹介したりした。

 二戸市立石切所小2年の中野彩詠(あかね)さん(7)は、模擬縫合に挑戦。実際に医師が使う医療用はさみとピンセットを使いながら、うまく縫っていた。「もう一度やりたい。将来の夢は助産師になって、赤ちゃんを取り上げたい」とはにかんだ。

 同病院の外科医、青木毅一さん(46)は熊本地震での救護活動を報告した。脚の静脈にできた血栓(血の塊)が流れて、肺の血管に詰まると肺塞栓(そくせん)症になる「エコノミークラス症候群」を防ぐため、避難所や車中泊をしている人に、弾性ストッキングを配ったという。

 同症候群は、狭い場所で同じ姿勢を取り続けるとなりやすく、重度の場合は死亡することもある。ストッキングでしめつけることで血管が細くなり、血液が狭い所を通ろうとして、流れが良くなるとされている。東日本大震災の時は医療現場でもあまり広がらなかった教訓を生かし、熊本地震では早期の段階で取り組んでいた。【藤井朋子】



http://news.biglobe.ne.jp/topics/domestic/0523/57559.html
群大手術死、50例全てで不備…外科学会が検証
読売新聞5月23日(月)6時0分

 群馬大学病院の手術死問題で、日本外科学会が行った死亡例の検証により、対象となった第一、第二外科(2015年4月に統合)の50例全てで、説明や記録も含めた診療経過に何らかの形で不備が指摘されていることがわかった。
 死亡例全般で、行われた医療の質が問われる結果となった。問題の発端となった第二外科だけでなく、第一外科も含め二つの外科が限られた人員で同種の診療を別々に行う非効率な体制を続けた病院組織の問題が、診療の質の低下を招いたとみられる。
 同学会の検証は、群馬大が設置した第三者の調査委員会が委託。07〜14年度に行われた消化器外科手術(約6700例)の死亡64例のうち50例(第一14、第二36)をカルテや画像、病院関係者の聞き取りを基に医学的に検証した。



http://blogos.com/article/176473/
医療とお金 命と症状改善 いくらまでなら妥当 薬価問題
中村ゆきつぐ
2016年05月22日 16:32 BLOGOS

私が医者になってから医療は進歩し続けています。いろいろ病気も深くわかってきています。それゆえ薬も進歩しています。ただそれでも永遠の命は叶えられません。人間はまだ死を免れることはできません。

医療者がやれること。それは現在の状況において最高の医学を基にして最善の医療を行うことです。(最高の医療・介護のあり方:医療者と事務と行政のチーム医療 その人の生活に関与)価値観が異なり、患者によって最善の基準はいくらか異なっても、医学的妥当性に基づき情報を提示し、共有することしかできません。

ただし医療は医師だけの考えでできるものではありません。保険、政治、教育などその国家においての立ち位置に基づいて施される内容は異なります。先進国、発展途上国では医療レベルは異なりますし、めざましい発展を続けている新興国でも、ジェネリックでないとHIVを治療できない国が存在します。またお金が払えないため簡単な手術が受けられず命を落とす先進国も存在します。つまり世界規模において他の物と同じように医療に格差は存在します。

日本はその意味において医療のインフラは整っている方です。少なくともコストにおいて保険制度のため格差は少ない方でした。しかし整っていたからこそ、より良い医療を求めていろんなことが生じます。そしてもっと良い医療があるに違いないという患者の思い込み、それを使って騙し儲けようとする輩(医師を含むとんでも医療や悪徳弁護士、企業等)が正しい医学に基づく医療(現在において)を行っている医療者たちを疲れさせます。

疲れた医療者に余裕がないと患者に優しくなれません。それこそ間違ったことはしていないと、最高の医学を行うために、患者に寄り添う努力を省きます。自分達が決めたわけではない薬の値段が高くてそれが払えないと言っても、患者に優しく対応する余裕はありません。それは病気にとっては最善でも患者にとっては最善の医療ではないかもしれません。

それこそ大きな病院の医師達は患者に治療手段は提示しますが、仕事をしないと生活できない、タバコ、酒は止めれない、生活習慣は変えれない、そのような患者の言葉に寄り添う時間がありません。(それをカバーしようと介護保険や、ソーシャルワーカーができているのですが) 医師たちは医学以外に社会に対応する余裕がないのです。

今お薬の値段がいろいろな場所で取りざたされています。PD−1抗体を始め、それこそ医療が国を滅ぼす論議もまた出ています。 (昔そのため医師は増えなかったのですが)でも高くても命に関わる薬となると少し仕方ないという気持ちが湧いてきます。ところが命に関係ない症状の場合どうでしょう。

1日薬価1200円の薬を使うことで生命は10年以上保証できるけど、少しだるさと皮膚が痒い状態が続くという病気があるとします。(支払いは3割で月1万円前後)生活はそれほど支障があるわけではありません。ここに新薬で5年以上生命は保証され(多分10年以上大丈夫)様々な症状が取れる薬が出たとします。ただし1日薬価は30倍の37000円!(支払いは3割40万ぐらいですが、高額療養制度を使い多分月4万から11万で済みます)これを使うべきかどうか、値段に見合うかどうかは保険制度、高額療養制度を取る日本では考えなければいけない課題です。もちろん4万でも厳しいという方もいます。

現場の医師たちは、患者さんのためとこの薬を使うことをためらわない人がいます。私もその一人かもしれません。それでも一生飲み続ける可能性があるこの薬、月に100万以上税金を使う薬、そして命には関係ない薬、 悩ましく思っています。

薬価問題。(医療費お薬代考察 1人から1000万とったら後は30%でどう?)あまりにもうかった薬は翌年薬価を減らすという施策で厚労省頑張っていただだいているのですが、製薬会社の態度(あるアメリカの会社がHIV薬の薬価を社長が変わったら10倍以上にあげたという歴史)も含めて少し政治のネタにしなければいけないと思います。
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http://www.qlifepro.com/news/20160523/start-discussion-to-medical-care-plan-review.html
【厚労省】医療計画見直しへ議論開始-地域構想の位置づけ課題に
2016年05月23日 AM11:00 QLifePro

厚生労働省の医療計画の見直しに関する検討会の初会合が20日に開かれ、2018年度からの第7次医療計画の作成指針策定に向けた議論を開始した。地域包括ケアシステムの構築に向け、地域医療構想を踏まえた二次医療圏と構想区域の関係など課題が指摘され、医療従事者の養成と確保の検討に当たって薬剤師も位置づけるよう求める意見も出た。今後、医療圏の見直しなどについて月1回程度議論し、年内をメドに意見をまとめる予定。

第7次医療計画は、18年度からの6年計画で策定されることになっており、25年の地域包括ケアシステムの完成直前まで実行される重要な位置づけとなる。既に各都道府県では地域医療構想の策定に動き出しているが、初会合では構想区域と二次医療圏の関係について意見が相次いだ。



https://www.mixonline.jp/Article/tabid/55/artid/54126/Default.aspx
厚労省 第7次医療計画策定に向けた議論スタート 在宅医療のさらなる推進も
2016/05/23 03:50 ミクスオンライン

厚生労働省は5月20日、第7次医療計画策定に向けて、「医療計画の見直し等に関する検討会(座長:遠藤久夫・学習院大学経済学部教授)」の初会合を開いた。2018年度から6か年計画である第7次医療計画は、2025年に到来する超高齢化社会に向け、医療・介護の一体的推進、地域包括ケアシステム実現までの道筋を描く。2016年度中にすべての都道府県で策定される地域医療構想と一体的な計画にすることで、病床の機能分化・連携の推進を後押しする。また、医療・介護の連携推進に向け、在宅医療のさらなる推進に向けた施策も盛り込む考えだ。今後は、検討会の下部組織である2つのワーキンググループでの議論を踏まえ、基本方針策定に向けて12月にもとりまとめを行う方針。各都道府県は、厚労相が告示する基本方針などを踏まえて医療計画を策定することとなる。

2025年に到来する超高齢化社会に向けて地域包括ケア構築が求められる中で、2018年度は第7次医療計画、第7次介護保険事業計画がスタートする年度だ。それとともに、診療報酬・介護報酬の同時改定も予定されており、高齢化に耐えうる地域医療提供体制を構築する上で、重要な期間となる。

この日の会合では、厚労省側から第六次医療計画策定時・策定後の課題が示され、今後の議論に向けた論点整理が行われた。策定時の課題としては、①二次医療圏と基準病床制度の違いや医療圏の見直し、②五疾病・五事業及び在宅医療への対応として求められる医療提供体制、各種疾病対策と医療計画との連携、③PDCAサイクル推進のための指標設定――。策定後の課題としては、①地域医療構想の位置づけと実現に向けた対応について、②医療・介護の連携推進に向けた対応について、③医療従事者の養成・確保について――をあげた。

◎疾患に応じた医療圏設定も視野 がんなど広範囲で患者が移動

この日は、医療圏の設定などに対して議論が相次いだ。「がん対策推進基本計画は、二次医療圏単位だが、時間的余裕がある。患者が広範囲に移動してしまう。(大学病院やがんセンターなどへ)県外へも簡単にいく。二次医療圏の設定も踏まえて、広範囲な考え方が必要ではないか」(鈴木邦彦氏・日本医師会常任理事)、「病院ベースと居住地ベースでかなりの差がある。患者が移動する中で、範囲を区切って完結させることが難しいのではないか」(相澤孝夫氏・日本病院会副会長)などの声があがった。

これに対し、厚労省医政局地域医療計画課の迫井正深課長は、「救急医療など時間的猶予がない場合は時間的なアクセス、アプローチが必要で、地域での完結が求められる。特に高齢者の場合は、地域包括ケアシステム構築では生活圏域の中で完結することが必要だ。一方で、がんなど、高度急性期であっても疾病や治療の特性で患者が移動するのも事実」と述べた。「一般的な医療は二次医療圏で完結」とした上で、がんなどについての望ましい医療提供体制については、「まさに現場で考えていただくこと」との見方を示した。すでに兵庫県では疾病に応じて異なる医療圏の設定が行われており、疾患ごとの医療圏設定も視野に議論が進められることとなりそうだ。

相澤氏はまた、「ある地理的な区域に限定して物事を考えるのがいいのかどうか。救命救急でも、1時間かかっていたのが、高速道路ができたことで、10分で着く。ドラスティックな変化がいつでも起こりうるなかでどう作っていくのか。計画を作るための計画になっている。地域住民のためになっていないのではないか」と指摘。「人口構成の変化だけでなく、それ以外のさまざまな変化が起こっていることもふまえて柔軟に計画を作らないといけない」と強調した。

◎基準病床数と必要病床数の議論も

「県の構想会議も出ているが、混乱していて、地域医療構想の取りまとめが影響している」(鈴木氏)など、基準病床数と、地域医療構想で示された現時点での必要病床数が合致しないとの指摘も複数の委員からあがった。一方で、厚労省側は、基準病床数は現在の姿であり、地域医療構想の必要病床数は2025年の姿であり性質が異なるとの認識を示しており、その違いから整理を進めていく考えを示している。

そのほか、医療・介護連携の論点項目である在宅医療について、田中滋氏(慶應義塾大学名誉教授)が、「看取りを課題としてしっかり意識すべき」との考えを示した。相澤氏も、「在宅の中の入院は非常に重要な機能。人生の終末期、看取りということを含めてどうするのかが重要だ。それに対する議論がない」と指摘した。また、「(高齢者の)住居も含めて地域がどう対応していくのかが一番の問題」と指摘。認知症患者の増加や、老老介護の世帯増加を踏まえ、「ご高齢者の方に特有な病態や病状に対してどう対応するか。どういう医療をしていくかという議論も必要ではないか。そこをどうするかという計画で必要な医療資源も医療従事者も大きく変わる」との見方を示した。

今後は、検討会に加え、下部組織として、▽地域医療構想、▽医療計画における地域包括ケアシステム構築--をテーマとした2つのワーキンググループを立ち上げ、議論を進める。医療計画における地域包括ケアシステム構築に向けたワーキンググループでは、在宅医療、医療・介護連携推進の体制や、都道府県と市町村との連携に加え、運動器症候群(ロコモーティブシンドローム)や虚弱(フレイル)対策などについても検討される。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/48823.html?src=catelink
支払基金、審査基準統一へ改革案を提示- 厚労省検討会で河内山理事長
2016年05月23日 21時00分 キャリアブレイン

 医療機関が請求した診療報酬の内容を審査している「社会保険診療報酬支払基金」(支払基金、河内山哲朗理事長)は23日、業務の効率化に向けた組織改革の案を示した。審査基準をできる限り統一させ、ICT(情報通信技術)を活用した審査の自動化を進めるなどとしている。【佐藤貴彦】

 組織改革の案は、支払基金の改革検討チームが取りまとめたもの。同日に厚生労働省が開催した「データヘルス時代の質の高い医療の実現に向けた有識者検討会」(座長=西村周三・医療経済研究機構所長)で河内山理事長が示した。

 診療報酬の審査の8割以上をコンピューターが自動でチェックする仕組みに改めるもので、現在は審査を担当する職員を各地に配置しているが、自動化を進めて作業量を減らせば数カ所に集約できるという。

 さらに9000件程度あるとされる審査基準の地域差の解消にも取り組む方針を表明。統一的な基準を策定し、コンピューターによる審査に反映させるという。ただ、判断基準に一定の幅を持たせる必要があり、組織改革を実施した後も医師による審査が必要なケースが2割近く残るとしている。

 委員からは、河内山理事長が示した案を一定程度評価する声が上がったものの、具体的な改革スケジュールの提示や、自動化する審査の割合のより高い設定などを求める意見もあった。また、自動化する審査の割合などの算出根拠となった現状のデータに誤りがあるとの声もあり、次回の会合で再度、支払基金側から同案について説明することとなった。

 支払基金の在り方をめぐっては、政府の「規制改革会議」が非効率などと問題視。今月19日、ゼロベースで見直すべきなどと安倍晋三首相に答申している。厚労省の検討会は、この見直しに向けて議論し、年末にも結果を取りまとめる。


  1. 2016/05/24(火) 02:14:58|
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5月22日 

http://www.igaku-shoin.co.jp/paperDetail.do?id=PA03175_02
【寄稿】
総合診療医が見た熊本地震の医療支援

小澤 廣記(諏訪中央病院総合診療科・家庭医療専攻医)
週刊医学界新聞 第3175号 2016年05月23日

 長野県の諏訪中央病院で家庭医療・総合診療の専攻医(後期研修医)として勤務する私は,熊本地震発生7日後の4月21日から5日間,熊本県阿蘇市の阿蘇医療センターにおいて,病院支援を中心に被災地での医療支援を行いました。被災地の様子や支援の経過,現地に行って初めて見えた課題について報告します。


 当院が阿蘇医療センターからの医療支援を打診されたのは4月18日のことでした。以前当院に勤務していた原毅先生(福岡市・がんこクリニック)からも,「阿蘇医療センターの医療資源が困窮している」との情報が入っていたため,当院としてどのような支援ができるか検討を始めている段階でした。私自身,大分県出身者ということもあり,「被災地のために何かできることはないか」と考えていた矢先だったので,すぐに手を挙げ,家族にも了解を得て出発に備えました。

 翌19日には現地への派遣が正式決定し,第1陣として当院院長補佐の山中克郎先生と私の2人が,診察道具と自活していけるだけの荷物を登山用のリュックに詰め込み,20日に長野を出発しました。

 その時点では熊本空港はまだ閉鎖していたため,大分県側からのアプローチを選択。大分空港に降り立ち,レンタカーを借りて阿蘇市に入ることにしました。大分県内は普段とそう変わらない様子でしたが,阿蘇市に入ると目の前の状況が一変しました。自衛隊の災害派遣車両が行き交う物々しい雰囲気で,電気や水道などのライフラインは復旧し始めたばかりでした。震災で崩落した阿蘇大橋は熊本市との交通の要所だったため,物流が滞り,阿蘇地域は“孤立”している状況でした。

あふれ返る患者,不眠不休の対応に疲弊する常勤医

 阿蘇医療センターに到着後,同センターの甲斐豊院長から被災後の状況について説明を受けました。阿蘇地域の中核病院である同センターは2014年に耐震・免震構造に建て直したばかりだったため,幸い建物の損傷はほとんどなかったそうです。一方,阿蘇地域にある近隣の医療機関のいくつかは,震災の影響で診療が不可能になったため,被災直後の週末16,17日には,同センターの救急外来は阿蘇地域から集まる患者さんであふれ返っていたそうです。124床,常勤医9人体制の同センターは発災以降,職員自身が被災しながらも,不眠不休で対応していたのです。いち早く到着したDMATの支援が入っていたとはいえ,外来・病棟を問わず患者さんの対応に当たっている常勤の先生方の疲労は,特に目立ちました。

 「まずは常勤医の先生方に休んでもらわねば」。これをわれわれの第一のミッションとし,総合診療外来・救急外来の診療や当直のサポートを行うことにしました。到着の段階で,諏訪中央病院には第2陣,第3陣と継続支援を要請しました。

感染症拡大に備えICTを展開

 救急外来ではDMAT・救護班からの応援もあり,一日あたり2~3隊がサポートに当たっていました。5日間と比較的長めの滞在予定だったわれわれが心掛けたのは,電子カルテなど現地のシステムにいち早く慣れて「阿蘇医療センターに溶け込んだ医師」として他のチームと協働することでした。

 外来での症例は,処方薬の継続希望や軽症の感冒症状・外傷などがほとんどでしたが,中には自宅の屋根の修繕中に転落した方,慢性疾患の増悪を来した方など重度の症例も見られました。高血圧症や糖尿病のような継続診療が必要な患者さんには,かかりつけ医につなぎ直す業務も必要でした。報道では,エコノミークラス症候群(静脈血栓塞栓症)の危険性が盛んに取り上げられており,心配して受診する避難者の方も数多くいました。

 活動初日の22日には「避難所でノロウイルスがはやっている」との情報が入り,対応に追われました。胃腸炎患者の大量受診に備え,感染症外来を病院1階の内視鏡室に立ち上げ,院内職員や支援に入っていたチームと協働するため,急ごしらえのICT(infection control team)活動を展開しました。

 胃腸炎患者が集中することで,院内での感染拡大の恐れもあったため,避難所の救護所に胃腸炎症状の方の隔離対応をお願いし,入院適応のある方の受け入れを他院に依頼するなどの体制を整えました。

DMAT撤収後の医療スタッフ充足が必要

 阿蘇地域全体への医療支援は,発災直後から同センター内に阿蘇地域のDMAT本部が設置され対応していましたが,われわれの滞在中には撤収となり,亜急性期・慢性期への移行時期に入りました。阿蘇地域ではその後,ADRO(Aso Disaster Recovery Organization)と名付けられた組織がDMAT本部を引き継ぐ形で結成されました。ADROは,医療チームや保健師だけでなく,リハビリスタッフや栄養士,歯科医師といった多職種の支援団体も出入りしていたのが特徴です。一方で,避難者の情報を収集する役目を一手に担う保健師が疲弊してしまうといった,マンパワー不足が大きな問題となり,被災地支援の難しさと新たな課題を目の当たりにしました。

 被害の大きい南阿蘇村の避難所を視察する機会もありました。胃腸炎の感染拡大が懸念された避難所でしたが,ノロウイルス胃腸炎予防についての手作りの啓発ポスターが貼られ,居住スペースは土足が禁止になっていました。劣悪な環境を想像していましたが,すでに保健師と日赤救護班が介入した後の24日の視察時点では「よく管理された避難所」という印象で,胃腸炎の封じ込めには成功しつつあるのではないかと安心しました。

震災早期から総合診療チームによる支援活動を

 活動最終日の25日には,すでに要請していた諏訪中央病院からの医療チーム第2陣(医師2人,看護師1人)が到着し,任務の引き継ぎとなりました。私たちが出発する際には,阿蘇医療センターの職員の皆さんが集まり,総出で見送ってくださいました。短い期間でしたが,現地の方々から信頼を得られたのではないかと感慨深い光景となりました。これで諏訪中央病院の第1陣としての活動は終了しましたが,当院の支援はゴールデンウィーク明けに派遣された第4陣まで継続し,入院診療も含めた支援業務に当たりました。

 今回の医療支援の経験から被災地の医療ニーズを振り返ると,発災直後の急性期でもほとんどはプライマリ・ケアとしての受診患者だったことが挙げられます。避難所でも衛生管理や静脈血栓塞栓症,廃用症候群の予防など,公衆衛生の視点を持って活動できるチームが必要とされていました。こうした状況を鑑みると,現在整備されているDMATに加え,われわれのような総合診療に携わるチームが,震災の早期から病院や避難所での支援活動を開始し,亜急性期以降につなげることも重要なのではないかと感じました。


おざわ・ひろき氏
2012年東大医学部卒。武蔵野赤十字病院にて臨床研修後,14年より現職。11年の東日本大震災では,日本プライマリ・ケア連合学会の支援プロジェクト「PCAT」の被災地派遣チームに医学生として同行し,医療支援に携わった経験がある。「被災地,熊本・大分の一刻も早い復興を祈っています」。



http://mainichi.jp/articles/20160522/ddl/k20/040/013000c
信州・取材前線
「熊本」から学ぶ教訓と備え 救援受け入れ協力を 地域のつながりが大事 /長野

毎日新聞2016年5月22日 地方版

 死者49人、安否不明者1人と大きな被害をもたらした熊本地震は、発生から1カ月以上が過ぎた今も9000人以上が避難を続ける。長野県内には多くの活断層があり、政府の調査では震度7の地震が起きてもおかしくないという。被災地支援に赴いた県内の関係者に、活動から得た教訓、災害に向けた備えについて聞いた。【稲垣衆史】

 長野赤十字病院(長野市)の山川耕司医師(49)は4月21日から医療救護班として看護師ら計7人で熊本県南阿蘇村に派遣された。家屋倒壊などによるけが人の治療はほぼ終わっていたが、約600人が避難した南阿蘇中学校体育館では、避難者20人が下痢や嘔吐(おうと)など胃腸炎の症状を訴え、集団感染が起きつつあった。

 当初、体育館の廊下は避難者が土足で歩いていた。断水のため、避難者はバケツの水でトイレを流した後、そのまま廊下に戻っていた。不衛生なため感染が広がったようだ。館内を消毒した後、廊下は土足禁止とし、出入り時の手指の消毒を徹底。すると感染は収束した。「地元ボランティアに協力を求めることで避難者にもスムーズに受け入れられ、対策を引き継くこともできた」と振り返った。

 東日本大震災など多くの被災地を見てきた山川医師は、「地元だけで災害への備えを万全にしなければいけない」という考えからの切り替えを求める。

 熊本県も防災対策は行っていたが、大規模地震が連続するなど想定外の事態に見舞われた。「災害が起きれば行政や医療関係者も被災者となる。周りからの救援を受け入れ、協力する態勢を整えることが大事」と指摘する。

 熊本地震では、建物が壊れるなどで診療継続が難しい病院が相次いだ。慢性的な病気の患者を支援するには病気や薬の情報が必要になる。派遣された看護師の一人、鈴木良美さん(58)は「『お薬手帳』があると、さまざまな医療支援者が入れ替わって訪れた場合に役立つ」と言う。

 また、災害時に重要な備えとして「地域の人のつながり」を強調するのは、今月8〜11日に南阿蘇村で健康相談に当たった県長野保健福祉事務所の保健師、鈴木由美子さん(56)だ。

 村には水場の管理などを通して地域コミュニティーが残っており、近所の情報把握がきちんとできていることに驚いた。巡回中、ケアが必要な高齢者など災害弱者の把握に漏れがないように心がけたが、被災者からの「○○さんを見かけないが、大丈夫だろうか」と心配する声が役立ったという。

 2014年に最大震度6弱を観測した県北部の地震では、倒壊家屋に残された人たちを近隣住民が救出するケースがあり、被害拡大を食い止めた。熊本地震でも、発生直後から近所の人同士が助け合い、地域住民が避難所の運営を担うなどして長期の避難生活に耐えていたという。

 鈴木さんは「知り合いが身近にいるだけで安心できる。日ごろからの地域の付き合いが大事だと感じた」と話した。



http://www.yomiuri.co.jp/local/osaka/news/20160522-OYTNT50008.html
<被災地はいま>段ボールベッド普及半ば
2016年05月22日 読売新聞 大阪

 ◇段ボール製造会社「Jパックス」(八尾市)社長 水谷 嘉浩さん 45

 4月14日の地震で、段ボールの簡易ベッドが必要になると思い、翌15日夜に熊本に入りました。そして16日の「本震」。朝まで眠れないしんどさを、身をもって体験しました。

 東日本大震災で避難所の高齢者が低体温症で亡くなったと聞き、「段ボールで寝床をつくれば寒さをしのげる」との思いから、段ボールの簡易ベッドを考案しました。

 今回、避難所を回ると、思った通り雑魚寝でした。余震があるので土足。その横でみんな横になっている。エコノミークラス症候群(肺塞栓そくせん症)の要素がそろっている。「これは早く段ボールベッドを入れないと、大変なことになってしまう」と感じました。

 紀伊水害(2011年)、広島土砂災害(14年)などで、避難生活を送る被災者に大手メーカーと共同で段ボールベッドを提供してきました。今回、益城ましき町から正式に支援要請を受けました。ただ、すんなりとはいきません。

 3度目の被災地入りとなった4月下旬のことです。避難所になった熊本空港近くのホテルに、200台の段ボールベッドを運び込もうとしました。すると区長さんから「自分は聞いていない」と、ものすごいけんまくで怒られました。

 いくら説明しても、「聞いてない」の一点張り。一緒だった医師と相談し、いったん引き揚げることにしました。帰り際、「あなたを苦しめるつもりはない。必要があればいつでも言ってほしい」と言うと、「ありがとう」と泣き出しました。自らも被災しているのに、地域を守らないといけないという責任感に押しつぶされそうになり、限界だったんだと思います。

 その姿を見て、僕らの力不足を感じました。飲料水や食料なら、「聞いていない」とはならないと思うのです。段ボールベッドは、まだまだスタンダードになっていないということです。

 僕を含め、東日本大震災で連携した医療、福祉関係者らが発起人となって昨年9月、「避難所と避難生活学会」をつくりました。雑魚寝が当たり前になっている避難所の風景を何としても変えたい。そう思っています。避難所で病気になり、大切な命を落とすことがないように。(聞き手 門脇統悟)


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https://www.m3.com/news/iryoishin/426719
シリーズ: The Voice(医療)
創設趣旨を逸脱、歪曲する産科医療補償制度の暴走を批判
拙速な医療事故調査制度見直しとの連動を懸念

桑島政臣(神奈川県保険医協会政策部長)
2016年5月22日 (日) m3.com

 昨年10月施行の医療事故調査制度は、今年6月に法律の附則による「見直し」の検討期限となる。医師法21条の異状死を巡る改定提案などもでているが、制度推移の経過観察に止まるとの観測が大勢である。このような中、3月9日、日本産婦人科医会会長が、「原因分析全例の報告書を公表している産科医療補償制度をモデルに医療事故調査制度の改善を望む」と会見し、訴訟減少に寄与したと功績を誇っている。しかし、産科医療補償制度は創設の趣旨を逸脱、歪曲した制度設計であり、医療事故調査制度は原因分析を目的としたものではない。改めて、このことを指摘し産科医療補償制度の是正と、医療事故調査制度の理解の普及を広く求める。

◆脳性麻痺児の発症の「補償」が制度の本旨 カルテ提出強要は民間団体「機構」の越権
 産科医療補償制度は、福島県立大野病院での分娩事故への警察の介入という衝撃的事件を機に、医療界での産科からの敬遠、産科医不足が加速化し、この歯止めとし、過失の有無を不問とした無過失補償制度創設が強く求められ制度化に至ったものである。当時の与党、自民党の議論を経、厚労省社会保障制度審議会医療保険部会で創設が確認され、妊婦が掛金として負担する保険料相当分の出産育児一時金の引き上げ措置が講じられたのである。厚労省の委託を受けた民間が運営する、準公的性格を帯びた特異な制度となっている。

 この制度は、脳性麻痺児の発症に際し、経済的救済として20歳までに3,000万円を「補償」する制度である。分娩機関(産科医療機関、助産施設)が1分娩2万4千円(制度発足当初は3万円)の保険料を掛金として負担し制度に加入、民間団体の「日本医療機能評価記機構」(以下、「機構」)が制度を運営、東京海上日動火災など4社と保険契約を結び保険金の管理・運用をする格好となっている。

 しかし、「補償」が目的でありながら、専門医による脳性麻痺の「診断書」では判定には足らず、産科医療機関からのカルテ等の提出を義務づけ、それを基に「機構」で「原因分析」を行い、診療ガイドラインを金科玉条とし「医療行為」の優劣の「評価」を加え、個別例の報告書を匿名公表するという「逸脱」を制度化している。しかも、このカルテの目的外利用による「原因分析」には分娩機関の事情聴取の機会はなく、報告書への分娩機関の反論権、説明権限を一切認めないという「異例」の非民主的運営となっている。

 現在、医療事故は「過失責任」の確定が前提の「賠償」責任保険でしか、経済的救済はなされない。そのことが、紛争増加の一因ともなっており、それにより医療機関と患者・患者家族、遺族の双方に過度で過重な、時間的、精神的、経済的負担を招いている。この解消を期した早期の制度創設が、本来の出発点である。

◆矛盾に満ちた「原因分析の解説」 損害賠償との調整を念頭に過失責任を認定 紛争の火種作り出す
 この4月に『産科医療保障制度 原因分析の解説 2016年4月改訂(第3版)』が制度加入の分娩機関に届いている。しかし、内容は矛盾に満ちている。原因分析は分娩機関の「過失の有無を判断するものではありません」としながら、「原因分析委員会」によってカルテ等を医学的観点で原因分析を行った結果、一般的医療からの著しい乖離や、「悪質」なケースは、「医療訴訟に精通した弁護士等」から構成される「調整検討委員会」に諮り、補償請求者(保護者)に通知する。「調整検討委員会」で分娩機関に「損害賠償責任」があると判断された場合、「機構」は分娩機関との間で、「補償金」と「損害賠償金」の調整を行うとなっている。

 つまり、医療訴訟のプロにより、過失の有無(=損害賠償責任)を判定するシステムが制度に組み込まれているということである。しかも、原因分析結果に不服があった場合に異議申し立て、再度の分析を行う仕組みがないとの旨を、堂々と「Q&A」に掲げているのである。

 「調整検討委員会」は、これまでに開催がされていない。つまり一般的医療からの著しい乖離や悪質例は、これまでにないということである。ただ、この原因分析委員会を出発点とする「調整」とは別の「調整」ルートもある。「補償」請求をした分娩機関で、保護者から損害賠償請求が起こされた際、分娩機関から「機構」に報告することとされており、機構の「補償金」と医師賠償責任保険等での「賠償金」との調整が、組み込まれている。この調整は、「機構」の審査課の職員が任に当たっている。

 この調整について、「機構」では、補償申請が行われずに、損害賠償請求が行われている事案が「一定数存在する」としている(H24.2.15産科医療補償制度運営員会資料)。無論、損害賠償の事実の報告がない補償申請や補償認定も想定されうる。訴訟と訴外の「紛争化」の事案の件数は「機構」では、実のところ把握はできていない。つまり、訴訟の減少は一概に言及できないのである。

◆紛争の火種作り出す 原因分析報告書 懸念が現実に 1/3は報告書送付後に紛争化
 医学的な解明が途上の脳性麻痺に関し、医療行為に限定したこの「原因分析」の「報告書」は、分娩機関、保護者双方に送られる。当初より、この報告書が訴訟、紛争に利用されることを医療界は非常に懸念しており、「補償金」の一時金600万円が裁判費用の原資となる可能性が高いと指摘をしていた。

 事実、「機構」の原因分析委員会の委員長も補償金の「金額が合計3,000万円と低額なため、家族には損害賠償請求を行う権利も残されている」(日本産婦人科学会雑誌(平成27,4月)P6、H27.8.7産科医療補償制度運営員会資料)と認めている。

 産科医不足の顕在化、医療崩壊の社会的認知の広がりなども背景にし、近年、医事関係訴訟は減少、産婦人科の訴訟も減少と沈静化している。

 これへ産科医療補償が寄与した部分は否定はしないが、懸念した問題は、実際はどうなのか。「補償」と「賠償」の「調整」の数字や、「原因分析報告書」の数字、送付後の賠償請求の数字は、年1回、運営委員会の資料でしかわからない。しかも累計で示されており、単年変化はすぐには判明しない。これを、単年変化で表(別表)にしてみると、昨年の賠償請求事案13件のうち10件(76.9%)は、原因報告書の送付後となっている。しかも、これまで累計で10件だったものが、昨年だけで一挙に10件と急増している。ちなみに2012年の賠償請求5件は全て原因分報告書の送付後である。また、これまでに訴外から訴訟に回ったとみられるものもある。

 累計でみても、損害賠償の実に1/3は、原因分析報告書の送付以降となっている。紛争の火種を作りだすし、紛争を誘発する制度との指摘は、外れていない。

◆人権無視の原因分析報告書「公開」、補償額の5,000万円への引き上げを
 原因分析報告書は、匿名の概要版が機構のホームページで公開され、「全文」は「マスキング」版とし手数料1,000円で誰でも入手ができる。機構は提供にあたり「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」に沿い、内部の研究倫理審査委員会での研究目的を審査、目的外利用の禁止、誓約書提出を要件づけている。が、公開、提供ともに保護者、分娩機関の事前の同意取得は全くない。「マスキング版」といえ個別性が高く識別の可能性は高いため、目的外利用で生じた実害の原状回復は不可能である。「機構」のこの人権感覚の欠落は甚だしく、一向に変わらない。そもそも、カルテの目的外利用をしている「機構」に、目的外利用云々をうたう資格はないのである。

 しかも、補償対象数を800人と過大に想定したため、800億円にのぼる剰余金が発生。批判を受け2015年以降に1分娩8,000円を機構からの保険料補填分とし解消するとしたが、約400人の補償実績から勘案し、毎年、補填分相当額の剰余金が生じ保険会社から返還されるという巧妙なカラクリとなっている。あるべき剰余金の解消策は補償額の増額であり2015年以降は5,000万円、過去分は1億円への引き上げが可能である。

◆国の医療事故調査制度は医療安全が目的 原因究明、責任追及が目的ではない
 医療法に定める「医療事故調査制度」の目的は、「医療安全のためであり、個人の責任追及ではない」(平子哲・厚労省医療安全調査室長:2016.3.5医療安全学会学術総会)。院内調査をベースに、関係者の非識別化を図り医療事故調査・支援センターに調査結果の報告をし、再発防止を目的とする制度である。医療事故の原因究明、責任追及、事故被害の補償のいずれも目的にしていない。WHOのドラフトガイドラインに沿い、複数の目的を制度化しないとしたものである。医療事故のシステムエラーを全国的に集積し、医療現場にフィードバックする仕組みであり、学習に重点が置かれている。それは決して懲罰化ではない。

 これを、産科医、助産師など医療者の人権無視を制度化した、産科医療補償保障制度と同列化し変質させてはならない。この正しい理解を、関係者に広く求めるとともに、医療事故全般に関する「無過失補償制度」の創設に向け、2013年6月以降、中断している厚労省の検討会の再開を強く望むものである。

※本記事は、2016年5月20日付けの「政策部長談話」として、神奈川県保険医協会が同協会のホームページ上で発表した内容を、編集部でタイトルとレイアウトのみ変更したものです。



http://www.yomiuri.co.jp/local/nara/news/20160521-OYTNT50193.html
医学部学生向け へき地医療研修…県が募る
2016年05月22日 読売新聞 奈良県

 へき地医療の実態を学ぶ研修に参加する大学医学部の学生を、県が募集している。

 地域医療を担う人材確保につなげようと、県が毎年夏に開催。今年は7月19日~9月2日のうち希望する3日間、県東部や南部の診療所で、医師とともに外来や訪問診療などを体験する。出身地や大学などは問わず、交通費や宿泊費の一部を県が補助する。

 締め切りは7月1日。定員は10人程度で、応募多数なら抽選。希望者はホームページ(http://www.pref.nara.jp/11096.htm)からダウンロードした申込書に住所、氏名、大学名などを記入し、ファクス(0742・27・7811)などで県医師・看護師確保対策室へ申し込む。問い合わせは同室(0742・27・8644)。



http://www.yomiuri.co.jp/local/fukushima/news/20160521-OYTNT50216.html
耐震十分な病院 60%
2016年05月22日 読売新聞 福島

◆厚労省調査、全国ワースト2位

 厚生労働省は、全国の病院の2015年の耐震改修状況を発表した。全ての建物に十分な耐震性がある病院の割合は県内では60・2%で、全国平均の69・4%を下回った。都道府県別ではワースト1の京都の58・4%に次ぐ下から2番目だった。

 調査対象は全国の8477病院で、15年9月時点の状況を都道府県が調べた。県内の対象は133で、全建物に十分な耐震性があったのは80にとどまった。都道府県別のトップは滋賀の89・5%。災害拠点病院と救命救急センターに限ると、全国平均は84・8%だったが、県内では調査対象の8のうち、国の基準を満たしていたのは4にとどまり、50・0%となった。都道府県別では岡山と並んでワースト2だった。

 県地域医療課の担当者は「財務状況の厳しさなど、病院ごとに事情があるようだが残念。耐震改修に対する国や県の助成について周知したい」と話している。



https://www.m3.com/news/iryoishin/422067
シリーズ: 今どきの「U35ドクター」2016
専門医、8割強が取得・準備中◆Vol.6
9割超が基本領域の学会に所属

医師調査 2016年5月22日 (日)配信高橋直純(m3.com編集部)

Q 専門医の取得について教えてください。
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 専門医については40%が「取得済み」、44%が「取得準備中」で2013年の調査とほぼ同様の結果となった(2013年調査は、『専門医、8割強が取得・準備中◆Vol.4」を参照)。

Q 「基本領域」の所属学会数をお教えください。
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 専門医取得において必要となる学会への所属を聞いたところ、基本領域では「1つのみ」が46%、「2つ以上」が41%となった。

Q 学会に所属するメリットをお教えください。【複数選択】 
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 学会に所属するメリットや理由については、「専門医取得・維持」が88%で最も多かった(複数選択)。そのほかには、「学術大会・総会等への参加を通じてモチベーションを高める」41%、「最新の医学情報を得る」39%「専門分野の研さんが容易になる」28%、「学術大会・総会等への発表を通じてモチベーションを高める」21%――で、2013年の調査と同様の傾向となった。



https://www.mixonline.jp/Article/tabid/55/artid/54126/Default.aspx
厚労省 第7次医療計画策定に向けた議論スタート 在宅医療のさらなる推進も
2016/05/23 03:50 ミクスオンライン

厚生労働省は5月20日、第7次医療計画策定に向けて、「医療計画の見直し等に関する検討会(座長:遠藤久夫・学習院大学経済学部教授)」の初会合を開いた。2018年度から6か年計画である第7次医療計画は、2025年に到来する超高齢化社会に向け、医療・介護の一体的推進、地域包括ケアシステム実現までの道筋を描く。2016年度中にすべての都道府県で策定される地域医療構想と一体的な計画にすることで、病床の機能分化・連携の推進を後押しする。また、医療・介護の連携推進に向け、在宅医療のさらなる推進に向けた施策も盛り込む考えだ。今後は、検討会の下部組織である2つのワーキンググループでの議論を踏まえ、基本方針策定に向けて12月にもとりまとめを行う方針。各都道府県は、厚労相が告示する基本方針などを踏まえて医療計画を策定することとなる。

2025年に到来する超高齢化社会に向けて地域包括ケア構築が求められる中で、2018年度は第7次医療計画、第7次介護保険事業計画がスタートする年度だ。それとともに、診療報酬・介護報酬の同時改定も予定されてあり、高齢化に耐えうる地域医療提供体制を構築する上で、重要な期間となる。

この日の会合では、厚労省側から第六次医療計画策定時・策定後の課題が示され、今後の議論に向けた論点整理が行われた。策定時の課題としては、①二次医療圏と基準病床集制度の違いや医療圏の見直し、②五疾病・五事業及び在宅医療への対応として求められる医療提供体制、各種疾病対策と医療計画との連携、③PDCAサイクル推進のための指標設定――。策定後の課題としては、①地域医療構想の位置づけと実現に向けた対応について、②医療・介護の連携推進に向けた対応について、③医療従事者の養成・確保について――をあげた。

◎疾患に応じた医療圏設定も視野 がんなど広範囲で患者が移動

この日は、医療圏の設定などに対して議論が相次いだ。「がん対策推進基本計画は、二次医療圏単位だが、時間的余裕がある。患者が広範囲に移動してしまう。(大学病院やがんセンターなどへ)県外へも簡単にいく。二次医療圏の設定も踏まえて、広範囲な考え方が必要ではないか」(鈴木邦彦氏・日本医師会常任理事)、「病院ベースと居住地ベースでかなりの差がある。患者が移動する中で、範囲を区切って完結させることが難しいのではないか」(相澤孝夫氏・日本病院会副会長)などの声があがった。

これに対し、厚労省医政局地域医療計画課の迫井正深課長は、「救急医療など時間的猶予がない場合は時間的なアクセス、アプローチが必要で、地域での完結が求められる。特に高齢者の場合は、地域包括ケアシステム構築では生活圏域の中で完結することが必要だ。一方で、がんなど、高度急性期であっても疾病や治療の特性で患者が移動するのも事実」と述べた。「一般的な医療は二次医療圏で完結」とした上で、がんなどについての望ましい医療提供体制については、「まさに現場で考えていただくこと」との見方を示した。すでに兵庫県では疾病に応じて異なる医療圏の設定が行われており、疾患ごとの医療圏設定も視野に議論が進められることとなりそうだ。

相澤氏はまた、「ある地理的な区域に限定して物事を考えるのがいいのかどうか。救命救急でも、1時間かかっていたのが、高速道路ができたことで、10分で着く。ドラスティックな変化がいつでも起こりうるなかでどう作っていくのか。計画を作るための計画になっている。地域住民のためになっていないのではないか」と指摘。「人口構成の変化だけでなく、それ以外のさまざまな変化が起こっていることもふまえて柔軟に計画を作らないといけない」と強調した。

◎基準病床数と必要病床数の議論も

「県の構想会議も出ているが、混乱していて、地域医療構想の取りまとめが影響している」(鈴木氏)など、基準病床数と、地域医療構想で示された現時点での必要病床数が合致しないとの指摘も複数の委員からあがった。一方で、厚労省側は、基準病床数は現在の姿であり、地域医療構想の必要病床数は2025年の姿であり性質が異なるとの認識を示しており、その違いから整理を進めていく考えを示している。

そのほか、医療・介護連携の論点項目である在宅医療について、田中滋氏(慶應義塾大学名誉教授)が、「看取りを課題としてしっかり意識すべき」との考えを示した。相澤氏も、「在宅の中の入院は非常に重要な機能。人生の終末期、看取りということを含めてどうするのかが重要だ。それに対する議論がない」と指摘した。また、「(高齢者の)住居も含めて地域がどう対応していくのかが一番の問題」と指摘。認知症患者の増加や、老老介護の世帯増加を踏まえ、「ご高齢者の方に特有な病態や病状に対してどう対応するか。どういう医療をしていくかという議論も必要ではないか。そこをどうするかという計画で必要な医療資源も医療従事者も大きく変わる」との見方を示した。

今後は、検討会に加え、下部組織として、▽地域医療構想、▽医療計画における地域包括ケアシステム構築--をテーマとした2つのワーキンググループを立ち上げ、議論を進める。医療計画における地域包括ケアシステム構築に向けたワーキンググループでは、在宅医療、医療・介護連携推進の体制や、都道府県と市町村との連携に加え、運動器症候群(ロコモーティブシンドローム)や虚弱(フレイル)対策などについても検討される。


  1. 2016/05/23(月) 06:27:10|
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5月21日 

https://www.m3.com/news/general/426550
「医師に過失ないが説明不十分」…腫瘍手術で左足にまひ、330万円賠償命令
2016年5月21日 (土)配信読売新聞

 香川県立中央病院(高松市)で手術を受けた高松市内の女性(67)が、左足にまひが残ったのは担当医師の診察や手術内容に誤りがあり、事前説明も不十分だったなどとして、県を相手取り4462万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が18日、地裁であった。

 横路朋生裁判長は、医師の説明義務違反を認め、県に慰謝料など330万円の支払いを命じた。

 判決によると、女性は2008年、同病院で神経などに腫瘍の疑いがあると診断された。同年12月に腫瘍の摘出手術を受けたが、左足の神経が傷つき、まひが残った。

 横路裁判長は、「診断や手術などで医師の判断に過失はなかった」と判断する一方で、事前に行った手術の説明については「運動障害が生じる危険性があり、手術と経過観察の選択に当たって、熟慮して判断できるよう女性に説明したとは認められない」と指摘した。

 判決を受け、県病院局は「判決の内容を精査して、今後の対応を検討していきたい」としている。



https://ww w.m3.com/news/iryoishin/426340
医学系研究3指針、個情法改正に伴う見直し優先
臨床研究法案を今国会に提出、成立後にも要検討

2016年5月20日 (金) 橋本佳子(m3.com編集長)

 厚生労働省、文部科学省、経済産業省合同の「医学研究等における個人情報の取扱い等に関する合同会議」(座長:福井次矢・聖路加国際病院院長)は、5月20日の第2回会議で、今後の検討の進め方について議論、個人情報保護法等の改正に伴う医学系研究の3指針の見直しを優先的に検討し、その後に、関係指針間の整合性を図るための検討に入り、今夏頃までに一定の結論に達した事項について見直しを行うことを確認した。

 改正個人情報保護法等の施行は、2015年9月から「2年以内」だが、時期は未定。「個人情報保護委員会」で、並行して法施行に向けた具体化の議論を進めており、この議論をにらみながら、本合同会議でも検討を進める。

 20日の会議は今後の進め方のほか、指針見直しの基本的考え方の確認、海外の事例紹介にとどまり、指針見直しに向けた具体的議論は、次回以降になる。

 なお、今国会に、臨床研究法案が提出された。ノバルティスファーマ社の降圧剤ディオバンに関する医師主導臨床試験の不正問題を受け、臨床研究に関する利益相反の管理などを徹底するのが狙い。医薬品医療機器等法における未承認・適応外薬等の臨床研究が対象になる。同法が成立すれば、同法との関係でも、医学系研究3指針について見直すべき部分があるか否かを検討することになる。

「医学研究等における個人情報の取扱い等に関する合同会議」は、次回以降、具体的検討に入る。

 改正個人情報保護法に伴う見直しの論点とは?
 医学系研究3指針とは、「ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針」「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」「遺伝子治療等臨床研究に関する指針」だ。これまでも、5年を目途に見直しが行われてきた。

 今回は、個人情報保護法等の改正に伴い、従来の「個人情報」に加え、「個人識別符号」「要配慮個人情報」が新たに定義され、取得の際の患者同意の要否や利活用の在り方が変わってくるため、指針の改正が必要になっている(『「臨床研究一般の萎縮が生じる」との懸念も』を参照)。

 現行の医学系指針は、患者への侵襲や介入がある場合、人体取得試料を取り扱う場合は、インフォームド・コンセントが必要だが、情報のみを取り扱う場合は、オプトアウトが可能。しかし、改正個人情報保護法では、「要配慮個人情報」には「病歴」などが該当し、原則同意が必要になることから、インフォームド・コンセント等の手続きの見直しが必要になる。

 具体的には、下記の4点が主な論点になる。

(1)個人情報等の定義の見直し
 「個人識別符号」や「要配慮個人情報」などの定義の追加。

(2)インフォームド・コンセントの手続きの見直し
 「要配慮個人情報」の取得・提供等については、患者の同意が原則必要になるため、同意によらない場合の手続きと考え方について、個人情報保護法等との関係を整理した上で、指針で求める措置を検討。

(3)匿名加工情報の取り扱い
 「匿名加工情報」は、既に連結不可能匿名化されている情報と同様の取り扱いとするかを検討する(匿名加工の基準は、「個人情報保護委員会」規則で定められることになっているため、定められた後に議論)。

(4)経過措置
 現行指針等に基づき実施中の研究は、法改正に伴い、法で定める要件を満たさない恐れがあるため、改正後の指針を適用するとともに、必要な経過措置を検討。

 関係指針の整合性も検討課題
 医学系研究が関係する指針としては、3指針のほか、ゲノム研究関連では、健康・医療戦略本部の「ゲノム医療実現推進協議会」や厚労省の「ゲノム情報を用いた医療等の実用化推進タスクフォース」で指針(以下、ゲノム指針)を検討している。

 これらの指針間の関係の整理も課題だ。(1)改正個人情報保護法とは独立して検討ができる論点、(2)改正同法に伴う見直し後、検討を行うべき論点――に分け、(1)を先に検討する。

 第1回の合同会議では、現行制度および見直しの方針について、幾つかの疑問や意見が呈せられ、第2回合同会議では、それに対する説明もなされた。

 その一つが、研究主体によって、適用される個人情報保護関係の法律が異なる点。民間事業者は個人情報保護法だが、国の行政機関や国立研究所などは行政機関個人情報保護法になる。法律により、個人情報保護の在り方も多少異なるが、医学系研究3指針は、個人情報保護法等に上乗せした措置が講じられているため、研究主体を問わず、共通の指針として適用される。今後も、試料・情報のやり取りに支障が生じないよう、引き続き統一的なルールにする。

 海外でも遺伝データ等の取り扱い、厳しく
 第2回合同会議では、海外の動向も紹介された。直近で見直し、改正されるのが、EU個人データ保護規則と、米国コモン・ルール(45CFR part46)。国際的な共同研究を想定して、海外動向も踏まえて指針の見直しを行う必要がある。

 EU個人データ保護規則は2016年5月20日4月に欧州議会で採択され、2018年5月に施行予定。改正個人情報保護法の「要配慮個人情報」に相当する「特別カテゴリ」が設けられ、遺伝データ、バイオメトリックデータ、健康に関するデータの取り扱いは、科学的研究等に限定され、本人の同意が必要とされた。

 米国コモン・ルールの改正については、2016年1月まで意見募集が行われていた。全ての生体試料を用いる研究で、原則同意を必要とするが、将来的な研究利用について「Broad consent」を許容する方針。



https://www.m3.com/news/general/426225
医学部定員、削減も 20年度から検討 人口減で医師余りに
2016年5月21日 (土) 共同通信社

 厚生労働省の有識者会議は19日、増え続けている大学医学部の定員について、2020年度以降は医師の偏在解消策の効果などを考慮しながら、削減も含めて検討する方針を盛り込んだ中間報告を取りまとめた。19年度までは、臨時増員分を含め過去最多となった16年度の水準(9262人)を維持する。人口減少が進み、将来的に医師が余るとの同省の試算などを踏まえ、年内に最終報告を作成する。

 厚労省は、16年度並みの定員が続けば、40年度には全国の医師数は33万3千人となり、必要数に対し1万8千~4万1千人過剰になると試算している。政府は08年に、医師不足や偏在による「医療崩壊」の問題を受け、それまでの医師数抑制の方針を転換した経緯があり、有識者会議の議論や需給試算を踏まえ、あらためて抑制にかじを切るのか注目されている。

 医学部定員は00年代前半、7600人程度で推移したが、08年の政策転換後は増え続けている。医師数も00年の約25万6千人から14年は約31万1千人に増加。地域偏在の問題が深刻化する中、政府は08年以降、臨時の増員措置を取ってきた。

 有識者会議の中間報告は、臨時措置のうち、地元勤務を条件に奨学金を出す「地域枠」として都道府県ごとに原則10人までの増員を認める措置については、19年度まで続けるものの、都道府県からの要望を慎重に検討すべきだとしている。医師不足が深刻な10県を対象に、それぞれ最大10人の増員を認めた措置などは当面継続する。

 その上で、20年度以降の医学部定員は、臨時増員や医師偏在対策の効果を検証して結論を出すとしている。

 一方、医師偏在の解消策として(1)地方での研修が増えるよう募集定員の配分などで都道府県の権限を強化(2)都道府県がつくる医療計画で、医師が不足する診療科や地域で確保すべき数の目標値を設定し、専門医などの定員を調整(3)医学部入学以降の医師の動向を把握するなど「地域医療支援センター」の機能を強化―などの案も示した。



https://www.m3.com/news/general/426552
女子学生2人にセクハラとパワハラ、教授を解雇
2016年5月21日 (土) 読売新聞

 金沢大学は20日、指導していた成人の女子学生2人にセクハラ行為を繰り返したとして、60歳代の男性教授を懲戒解雇処分にした。

 同大によると、男性教授は2014年8月~15年5月、自分の研究室に所属する2人に対し、学内外で身体に触れるなどのセクハラ行為を行った。同月、2人が大学に相談して発覚し、調査委員会は調査を経て、セクハラと暴言などのパワハラがあったと認定した。

 大学は2人から相談があった後、指導教授を代えるなどの措置を取った。2人は休学などはせず、現在も大学に在籍しており、警察への被害届は出していない。

 教授は、行為は認めているもののセクハラに当たるとの認識はなく、反省も学生への謝罪もしていないという。

 同大の福森義宏副学長は記者会見で、教授の氏名や所属学部、行為の内容などについて明らかにせず、「被害者のプライバシーや今後のことを考えると公表できない」と理由を述べた。

 同大が法人化した04年度以降、ハラスメント行為で懲戒解雇処分を出したのは初めて。山崎光悦学長は「事態を重く受け止め、研修受講の徹底など再発防止に向けた活動を推進し、本学の社会的信頼の回復に努める」とのコメントを出した。



http://www.asahi.com/articles/ASJ5P4Q0TJ5PUBQU00P.html
(地域医療・岡山)地域の病院、ライバルから補完へ
中村通子
2016年5月21日15時56分 朝日新聞

 2025年、団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になる。本格的な高齢化社会の到来だ。求められる医療の形も大きく変わる。それに向け、岡山県は今春、第7次保健医療計画を発表した。岡山の地域医療はどう変わるのか。課題と、解決に向けた現場の動きを紹介する。

■川中島の戦い

 真庭市にある六つの一般病院のうち、最大の二つ、落合病院(1937年開業、173床)と金田病院(51年開業、172床)は、旭川を挟み、向かい合う。直線距離でわずか約400メートルしか離れていない。

 規模も設備もほぼ同等。地域の医療を支えるライバルとして、長年激しく競ってきた。住民は戦国時代になぞらえ「川中島の戦い」と呼んだ。

 真庭市の人口は、2005年に合併した時の約5万2千人から減り続け、現在は約4万7400人、25年には約4万人と推計されている。一方、65歳以上の高齢者の割合は上がり続けており、25年には4割を超える見通しだ。

 人口構成の移り変わりに基づき、県は今春、真庭市で25年に必要な病床数を約460床と試算し、発表した。現在、市内6病院の計約600床を大幅に下回る。

 過剰感は、すでにある。落合病院の安東正典事務局長は「稼働率がじわりと落ちていると感じる」と話す。

 09年、隣接する津山市の中核病院の一つが倒産した。市内にあるもう一つの病院との競争の結果だった。

 高齢化が進む地域では、病院は安心を保障する社会インフラだ。中核病院が突然消え、住民の安心感が失われると、人口流出が加速する。真庭市で病床の需要が減る中、落合、金田両病院が競い続けて共倒れになると、地域そのものの存亡にかかわりかねない。

 どうするか。

 出した結論は「競争から協調へ」だった。

 落合病院は、人工透析をする50床の腎センターやドクターヘリの発着場など、市内唯一の設備を持つ。産婦人科の常勤医がおり、お産が出来る病院もここだけだ。

 一方の金田病院は、整形外科や脳外科の専門医が複数常勤し、専門的な手術を多数手がけている。

 近さを利点に、それぞれの特性を生かし、補完し合うことで共存を目指す。

 津山の病院が倒産した09年に、金田病院は透析をやめ、患者を落合病院に譲った。落合病院は外科と整形外科の手術をやめ、金田病院に一本化した。

 そして昨年11月、両病院は「連携協力の推進に関する協定」に調印した。地域完結型の医療の推進や、医療機器の相互支援などをうたう。

 今、患者に渡す両病院の外来診療表は、片面に落合病院、もう片面に金田病院の表を印刷している。両病院が受け持つ診療を、地域の人に分かりやすく伝えるためだ。地域医療構想に詳しい産業医大(北九州市)の松田晋哉教授は、この診療表を「病院共生という新しい医療の象徴」と見る。

 課題はまだ多い。だが後戻りする道はない。金田病院の金田道弘理事長はこう話す。「戦いの先に、地域の明日はありませんから」

■模索始まる玉野

 三つの中核病院がある玉野市でも、模索が始まった。

 市民病院、玉野三井病院、岡山赤十字病院玉野分院は、いずれも医師不足に苦しみ、経営も厳しい。

 玉野三井病院の磯嶋浩二院長は「他の中小病院も医師が高齢化している。地域医療の中心となる救急の維持は限界に近い。市全体で再編成が必要だ」と話す。

 解決策を探るため、3病院と市、医師会、岡山大などが「玉野市地域医療連携推進協議会」を結成。4月27日に初会合を開いた。来年始まる地域医療連携推進法人制度などを使い、連携を円滑に進めたい考えだ。

 しかし、市・企業・日本赤十字社と、経営母体が大きく異なる3病院が、譲り合い、役割分担を整えるのは容易ではない。3病院は玉野の医療を支えきれるか。正念場を迎えている。



http://www.asahi.com/articles/ASJ5P4HRRJ5PUBQU00J.html
群馬大病院、再生なるか
仲田一平
2016年5月21日15時57分 朝日新聞

 群馬県は20日、群馬大学医学部付属病院(前橋市)で肝臓手術の患者が相次いで死亡した問題で、群大病院の再生を進める協議会の初会合を県庁で開いた。特定機能病院の再承認を目指すのが大きな柱。地域医療への悪影響を最小限に抑えようと県が支援に乗り出すが、道のりは険しそうだ。

■特定機能病院、再承認が焦点

 反町敦副知事は会合の冒頭で「群大病院の医療提供、医師確保の拠点機能の維持・回復が県政の喫緊の課題だ。特定機能病院の再承認をなるべく早く受けて正常な形で病院が運営されることが望ましいと考えている」とあいさつした。群大の和泉孝志副学長は「まだ完全な信頼回復、機能の回復には至っていない。県民に安心安全な医療を提供し、信頼を回復できるよう努力していく」と述べた。

 協議会には群大病院の田村遵一病院長、県健康福祉部の塚越日出夫部長らが出席した。冒頭を除いて会合は非公開で行われた。

 県医務課によると、会合では、群大側から診療科の再編統合や全死亡症例の検証、カルテ記載の充実など、事故後の取り組み状況を報告。県側は地域医療への悪影響に対する懸念を伝え、両者で「目に見えた改革」をめざす方向性を確認した。特定機能病院の再承認を最終目標の一つと位置づけたという。

 再承認をめざす時期について田村病院長は会合後、「できるだけ早く。許されるのであれば、来年度と思っています」と述べた。

 第三者による医療事故調査委員会が近く最終報告書をまとめる予定で、協議会の次回会合は7月中旬以降に開く。県内医療関係者らの参加も求める方針だ。

■「空白県」解消へ高い壁

 厚生労働省によると、大学病院を中心に全国に84ある特定機能病院は現在、群馬が唯一の「空白県」だ。

 安全管理体制が不十分だとして、群大が承認を取り消されたのは昨年6月。診療報酬の優遇措置が受けられなくなり、年間数億円の減収となる見通しだ。受診中の患者に直接影響は無いが、「ブランドイメージの低下は否めない」と群大病院幹部。研修医の「群大離れ」も現実化している。



http://www.asahi.com/articles/ASJ5P2H71J5PUBQU005.html
診療報酬詐欺の捜査終結 総額3億円超詐取か
2016年5月21日08時31分 朝日新聞

 接骨院や歯科医院での健康保険不正請求事件で、警視庁は20日、療養費235万円をだまし取ったとして、会社役員の早川和男容疑者(39)=詐欺罪で起訴=を詐欺容疑で書類送検し、捜査を終結したと発表した。

 組織犯罪対策4課によると、早川容疑者を中心とするグループは、総額で3億3千万円の療養費や医療費をだまし取っていたとみられるという。一連の事件では、指定暴力団住吉会系組長の男(50)やタレント活動もしていた医師の女(37)、歯科医師の男(59)らも逮捕されている。



http://mainichi.jp/articles/20160522/ddm/016/040/013000c
厚労省
将来推計 「医師過剰」現場に違和感

毎日新聞2016年5月22日 東京朝刊

 厚生労働省の医師の需給に関する検討会は、将来の医師数や医療需要について、需要が最も多い想定でも2033年ごろに医師の需要と供給が均衡し、40年には供給が需要を約1.8万人も上回るとする推計をまとめた。現状の医師不足の状態が一変し、「医師過剰」になるという推計に、現場には戸惑いが広がる。検討会は19日、将来の医学部定員の追加増員について「慎重にすべきだ」とする中間取りまとめを了承した。

激務の診療科 「消滅」地域も
 東京都心から電車で1時間半の千葉県香取市。中核病院の役割を担う県立佐原病院は07年、「休みの日も県外に出たことがなかった」という激務を続けた男性産婦人科医が定年退職し、お産の受け入れを停止した。現在、市内でお産を受け入れる医療機関はない。

 この医師は1981年に赴任以来、ポケベルを持ち歩き、病院に隣接する宿舎に寝泊まりして年約150件のお産に対応した。現在、香取市の妊婦は主に車で約30分の同県成田市にある成田赤十字病院で出産する。佐原病院の小林進院長は「当直体制を組んでチームでお産に対応するには、常勤医が8人は必要」と話すが、めどは立たない。「ワーク・ライフ・バランス」(仕事と生活の調和)が重視される時代に、激務を引き受ける医師もいない。

 04年に始まった新しい臨床研修で、医師免許を取った若手医師は希望する医療機関で複数の診療科を経験する仕組みになった。幅広い診察ができる医師の養成が狙いだったが、若手医師の勤務先を管理してきた医局制度が崩れ、都市部や「楽」と言われる診療科に医師が集まるようになった。この頃から産婦人科や外科、救命救急科など24時間体制勤務の診療科で医師不足が顕著になった。

 産婦人科医の若い世代は女性が半数を超え、出産に携わらない医師も増えた。産婦人科医になる新規医師数は10年度をピークに毎年減少し、日本産科婦人科学会と日本産婦人科医会は14年12月、抜本的な対策を取るよう緊急提言を発表した。

 厚労省の将来の需給推計は、子育てに携わることを念頭に女性医師の仕事量を男性医師の0・8として計算するが、小林院長は「激務を前提とする現在の産科医療の現場では、出産を希望する女性医師が働き続けるのは無理だろう」と話す。佐原病院は、医師の派遣を受けてきた千葉大だけでなく医師派遣会社にも頼る。だが「遠いから」と赴任を断る医師もいる。小林院長は「これからも(医師の)偏在は進むだろう。医局のような医師派遣システムがなければ、地方病院は生き残れない」と危機感を募らせる。

 14年時点の調査で10万人当たりの医師数が全国で最も少なかった埼玉県の担当者は「国全体では需要を満たせるのかもしれないが、地域間格差は広がるのではないか」と指摘する。同県の計画によると、25年までに県内で計1万4500人の医師を確保し、医師不足を解消できる予定だ。

 だが、計画の前提となる病床数など政策が変更されれば計画も白紙に戻る。今後、在宅医療が進むと、地域ごとに在宅の患者を担う医師の確保も求められる。同県担当者は「今回の需給推計と現場はリンクしていないような気がする」と、将来への不安をのぞかせた。【熊谷豪、有田浩子】

「偏在対策が先」 異論次々

 国は、医師不足解消のため08年度から医学部定員の枠を暫定的に広げるなどして医師数を増やしてきた。一方、人口当たりの医師数の地域格差はいまだに大きく、産婦人科などの人員不足も解消されていない。このため、厚労省検討会の中間取りまとめは、医師「偏在」を改善するため、医師の配置に関する直接的な対策が必要と盛り込んだ。

 これまでの議論では、「いつになっても田舎は医師であふれない。偏在対策をやってから医師の総数を議論すべきだ」(辺見公雄・全国自治体病院協議会会長)など、将来の医師数が過剰になるとの推計に注文が相次いだ。来年度から専門医養成のプログラムが始まれば、養成プログラムを持つ都市部の医療機関に若手医師が集中し、偏在が強まるとの懸念もある。

 専門家からも異論が出ている。推計は12年に公表された病院勤務医調査を基に、直近の勤務医の週当たりの労働時間を53.2時間とした。一方、国立保健医療科学院の06年の報告では、30代までの男性勤務医の1週間当たりの平均勤務時間は80時間以上。40代半ばまで70時間を超えた。12年の調査でも4割の医師が週60時間以上働いていた。

 東京大医科学研究所のチームは、入院やみとりなど亡くなる前に多くの人手を必要とする75歳以上の後期高齢者に着目し、後期高齢者の死亡者数を「需要」、医師の勤務時間を「供給」として、同院の報告に基づきながら10年から25年後の需給をシミュレーションした。医師の労働時間は週60時間とした。その結果、全都道府県で需要が供給より増加。5割以上増えた都道府県が約半数を占めた。NPO法人「医療ガバナンス研究所」の上昌広理事長は「医師は余るどころか今後も不足すると予想され、医学部新設を含め医師を増やす施策が必要だ」と指摘する。【河内敏康、熊谷豪】

 ◆厚労省検討会推計の手法

医師の需給推計
 厚労省検討会による将来の医師の需給推計の手法は次の通り。

供給
 今後の医学部定員が今年度(計9262人)と変わらないことを前提に2040年までの医師数を推計した。30〜50歳代の男性医師の仕事量を「1」とした場合、女性医師と高齢医師はそれぞれ「0.8」、研修医は経験に応じて「0.3」「0.5」として計算した。

需要
 入院、外来、介護福祉など分野ごとに需要を積み上げた。現在の医療体制で必要な医療サービスをおおむね提供できていることが前提。医師の労働時間や外来受診率などについては医師の需要が大きくなる条件と、小さくなる条件を設定し、それぞれ推計した。

結果
 医師の需要が最も大きくなると仮定した条件では、33年ごろに需給が均衡し、その後は供給が需要を上回るとの結果になった。平均的な条件で推計すると、24年ごろには需給が均衡し、その後逆転するという。
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  1. 2016/05/22(日) 04:47:37|
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