Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

4月29日 熊本震災関連 

http://www.sankei.com/west/news/160429/wst1604290026-n1.html
【熊本地震】
熊本、関連死疑い17人に 73歳女性が急性心不全で死亡 

2016.4.29 13:12 産経WEST

 熊本県は29日、地震の発生後、車内に避難していた同県氷川町の女性(73)が20日に急性心不全で死亡し、震災関連死の疑いが計17人になったと明らかにした。

 また、エコノミークラス症候群で入院が必要な重症と診断された患者は、新たに2人増えて計44人となった。県によると、いずれも65歳以上の女性。27日午後4時から28日午後4時までに、県内の医療機関を受診した。



https://www.m3.com/news/iryoishin/420331
シリーズ: 熊本地震
医師会館を物資の中継拠点に、熊本市医師会
仙台市医師会、いち早く支援に動く

2016年4月27日 (水) 高橋直純(m3.com編集部)

 熊本地震の発災直後から、会員医療機関の安否確認や物資の確保などに奔走した熊本市医師会。熊本市医師会理事の宮本大典氏と事務局の奥村宣文氏は4月20日に行ったm3.comの取材に対し、「臨戦態勢になったのは初めて。走りながらやってきたが何とか形になってきた」と答えた。東日本大震災で医療界が得た教訓も支えになっていた。

 震災6日目に当たる4月20日、熊本市医師会会館には断続的に市内の医療機関が水や食料、衛生材料などの物資を取りに来ていた。市医師会が、医療機関向けの物流拠点の役割を担っていた。マスメディアでも多く報じられていたように県や市には支援物資が集まっていたが、行政職員が足りず、不慣れなことから、なかなか被災者に物資は届かない状況だった。奥村氏は「市もパニック状況で、16日の本震後は行政に何をお願いしても聞いてもらえない状況になった」と振り返る。


 震災後は医療機関に付近の住民が避難してくることが多く、「入院施設を持たない診療所でも、多かれ少なかれ外来スペースを開放していた」(宮本氏)。断水し、物流が滞る中で、備蓄が尽きてしまう医療機関も多かった。行政と交渉することで、20日から県の物資が直接、熊本市医師会館に届けられるようになり、医療機関は医師会館へ取りに行くことで物資を受け取れるようになった。給水車の要請も、市医師会で取りまとめて行政に挙げていた。

いち早く直接支援をした仙台市医師会

 そのような状況を見据えて、いち早く支援に入ったのが、東日本大震災を体験した仙台市医師会だった。熊本市医師会への直接支援を決定したのは18日午後。理事の瀬野幸治氏は事務局の鈴木伸一氏とともに2人で午後7時発の飛行機、さらに新幹線に乗りつぎ、その日は広島で1泊した。翌19日にレンタカーを借り、駅前の大型ショッピングセンターで、熊本市医師会が要望した水、食糧、トイレットペーパーなどを購入し、午後4時40分に熊本市医師会館に物資を届けた。

 瀬野氏は、熊本市医師会に直接支援物資を届けた理由を「震災時は開業医が自分のところで仕事をすることが何より大事。そうしないと軽症者が病院に殺到し、機能停止してしまう。慢性疾患も事情を知るかかりつけ医が診た方が良い。その時に、医師会の力が必要だが、支援するシステムがない。それが我々が5年前に身を持って実感したこと」と説明する。東日本大震災でも、理事、職員は災害対応に追われ、被災者でありながら、自身や家族のための水や物資を確保する時間がなかったという。医療機関だけでなく、医師会そのものへの支援が求められると強調する。

安否確認には医薬品卸の協力も

 発災後、市医師会が最初に行ったことは会員医療機関の安否確認。ファクスを使って会員に一斉送信し、返信があり、応需可能であることが判明した医療機関から随時、ウェブサイトで情報を提供していった。15日の第一報から、26日午前11時までに第27報を出している。20日時点では8医療機関と連絡が取れていなかったため、市内を回っている医薬品卸業者にも確認を依頼するなどした(26日までに全医療機関の状況を把握)。

 宮本氏の診療所も、水道管が破断し大量の水がフロアやコンピューターに落ちてきため、診療再開は19日になってからだった。「近くのかかりつけ医がいないと患者は不安になる。自分の診療所宛ての電話が携帯電話に転送されるよう設定しているので、山ほど電話がかかってきている。ファクスやメールを使えるような人たちでないので、一人一人話さなくてはいけない」と苦労を語る。

駐車場に仮設診療所

 熊本市医師会が運営する熊本市地域医療センターの被害も大きく、救急外来を停止した。特に影響があるのが夜間の小児救急であることから、自衛隊にテントを設置してもらい、市医師会館の駐車場で仮設の小児診療所を開設。診療時間は午後6時から午後11時まで。宮本氏は「夜間の小児救急は当センターと、熊本赤十字病院だけ。うちがやらないと熊本赤十字病院がパンクしてしまう」という判断があった(仮設診療所は、地域医療センターの回復とともに25日で閉鎖)。

 勤務に当たる医師のため、21-23日には医師会内の保育所を無料開放するなどの取り組みも行った。「揺れが収まらない中で、子供を置いて仕事に行くのが難しい。保育園や小学校がやっていないので仕事に行けない」(奥村氏)。そうした市医師会の対応や医薬品卸業者、調剤薬局の状況を伝える医療機関向けの「熊本地震災害対策速報」も26日時点で15報に上っている。

 宮本氏は、熊本県の災害対応は台風や水害、飛行機事故などを念頭に置いてあり、地震に対しては十分でなかった面があると反省する。一方で、宮本氏は過去に宮城県を訪問し、宮城県医師会や石巻赤十字病院の医師から直接話を聞いていた経験が非常に役立ったと言う。ネット上には震災後の対応を記した文章が残っており、「次に何をすればいいか分かる。こんなありがたいことはない」と話す。



https://www.m3.com/news/iryoishin/421099
シリーズ: 熊本地震
研修医2年目の岡崎幸治氏・現地リポート◆Vol.5
「被災地、熊本」離れても、せねばならないこと

スペシャル企画 2016年4月30日 (土)配信 岡崎幸治(日本海総合病院研修医)

 山形県酒田市の日本海総合病院、研修医2年目の岡崎幸治氏。熊本市内の実家のクリニックが被災し、開業の手伝いと避難所の支援のため休職し、4月17日に鹿児島空港経由で帰省。本人の了承を得て、facebookの掲載をそのまま転載しています。

4月29日 23:22:庄内にて

 本日、庄内に戻りました。(改めて、まさか故郷熊本が「被災地」と呼ばれることになるとは夢にも思ってませんでした…。)

 震災前とは程遠い生活を送っておられる方が大勢いる中で、熊本を離れるのは本当に申し訳がありません。ですが、本職を犠牲にしてまで私が役に立てることがもはや少ないと思われ、庄内に戻ることを決心致しました。震災直後、快く送り出して下さった島貫院長を始めとする上司、急に救急当直を代わってくれた研修医の同期には本当に頭が上がりません。(明日からまたちゃんと仕事します…!!)

 「熊本市内」の実家の校区の避難所である、市内の中学校では、ここ4日間くらいで避難者数も急激に減りました。(300人間が今は15人です。)残った方々一人ひとりに対し支援が行われながら、GW明けの授業再開に向けて準備がなされています。

 一方で、甚大な家屋損壊を被った「益城町」の避難所にはまだ多くの方々が家に帰れず避難所生活を余儀なくされています。見る限り基本的な物資は充実しています。しかし、プライバシーの確保が遅れていたり、未だに大勢の被災者の方が体育館からあふれ、駐車場で車中泊されていたりと、今後応急仮設住宅が開設されるまで取り組まなければならない課題が多く残っています…。

 そして、帰省した翌日の晩から出入りさせて頂いている、益城町・「平田地区」は、やはり特殊な状況だと思います。多くの建物が損壊したにも関わらず、避難所以外の形式を取って災害後急性期を過ごされた地域は、見た限りやはり平田しかありませんでした。

 電気以外のあらゆるインフラが損なわれていましたが、現地の管工業者さんと住民の方々の自助努力で仮設の上水道が整備されつつあります!大変頼もしいことに、松尾君ら、APUの学生さんはじめとするボランティアの方々が地区の再建に尽力して下さります!(一方で、今後この地区に行政から求められることは、「住宅再建のための援助」そして「主産業の稲作・農業のための水路再建」だと思います。)

 今後私もずっと関わらせて頂きたいと思います…!(熊本を離れていてもせねばならないことが、既にいくつか挙がっています!!)

 平田地区ではこの二週間で、多くの個人や団体から支援物資が届けられ、仮設トイレが設置され、JMATの診療所が開設され、菅原衆議院議員が視察に訪れ、施設入所が必要な高齢者の方々がそれぞれ入所され、車中泊される方々も殆どいなくなりました。

 本当に多くの方々の力で地域が再生していく現場に立ち会え、誠に光栄でした。

 私自身に関しては、資格的・能力的に力が及ばないことばかりで、悩まされました。一方で、本当に多くの皆様から有用なアドバイスや情報、励ましの言葉を頂きました。

 本当に感謝に堪えません。そして、本質的な状況は変わっていないにも関わらず、感謝されたのはやはり非常に嬉しかったです。今後とも、皆様の御教示のもと、もっと成長してゆかねばと痛切に思います。どうぞ宜しくお願い申し上げます。

 出来ることを増やしたい…。



https://www.m3.com/news/iryoishin/420682
シリーズ: 熊本地震
被災地支援、医師資格証提示で優遇を要望、日医
横倉会長「他職種の連携は取れている」

2016年4月28日 (木) 高橋直純(m3.com編集部)

 日本医師会の石川広己常任理事は4月27日の定例記者会見で、熊本地震の被災地支援に関連して、日医が発行する医師資格証を持った医師に対して、薬の受け渡しやガソリンの給油、被災地の通行などの優遇を図るように、厚生労働省に要請したと報告した。

 JMATに参加する医師に対しては医師資格証の携行を励行しており、まだ持っていない医師に対しては5日程度で発行できるような特別措置を実施する。申請書と顔写真付身分証だけで発行可能で、半年以内に都道府県、郡市区医師会に医師免許証原本と住民票の提出を求める。

 石川氏は「被災地では18件の空き巣が警察で認知されている」とし、医師資格証を提示することでスムーズな活動ができると強調した。

横倉会長「他職種の連携取れている」
 同日の会見で、横倉義武会長は今回の被災地支援では「JMATだけでなく、薬剤師、歯科医師が一緒に活動するなど他職種での連携が取れている」と報告。一方で、中小病院などを中心に医師やコメディカルが疲弊していると指摘し、中長期化に向けた継続的支援の在り方の検討が必要との認識を示した。また、医師会職員に対しても「既に福岡や鹿児島県の職員が支援に入っている。私も近く熊本県医師会を訪れて状況を聞く」と話した。


  1. 2016/04/30(土) 06:03:23|
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4月29日 

http://www.sankei.com/affairs/news/160429/afr1604290025-n1.html
特養で若手職員が医師に扮して死亡確認 診断書も作成 埼玉
2016.4.29 18:30 産経ニュース

 春日部市銚子口の特別養護老人ホーム「あすなろの郷」が3月、危篤状態だった女性入居者=当時(101)=について、嘱託医から日付が空欄の死亡診断書を事前に受け取り、死亡時に医師に扮(ふん)した職員や看護師が作成して遺族に渡していたことが28日、県などへの取材で分かった。県は、一連の行為が医師以外による死亡診断書の作成を禁じた医師法に抵触する恐れがあるとして、県警に情報提供する。

 県福祉監査課によると、死亡診断書の事前作成は施設の看護師が嘱託医に依頼。容態が悪化していた3月18日、日付が空欄で死因を「老衰」とした死亡診断書を受け取った。

 女性は同20日に心肺停止状態となったが、施設は積極的な延命措置をしない運営方針で、白衣と聴診器などで医師のふりをした若手職員が遺族の前で死亡を確認。看護師が死亡診断書に死亡年月日と発行日を記入した。看護師は内規に違反して嘱託医が指定した医師に連絡を取っておらず、3月末で退職。嘱託医は5月末で施設の担当を辞めるという。

 県は情報提供を受け、4月26日に施設の立ち入り調査を実施し、法令を順守するよう指導した。県の調査に看護師は「別の医師を探して、女性や家族を連れ回したくなかった」と説明している。

 施設長は同日、遺族に謝罪。施設を運営する社会福祉法人「あすなろ会」の斎藤美嗣専務理事は「看護師としてあるまじき行為。連絡体制を強化し、指導を徹底する」と述べた。



http://www.nikkei.com/article/DGXMZO99812480Z10C16A4I00000/
原因は処方薬、米で急増する鎮痛剤の依存・中毒死
ワシントン支局 長沼亜紀
2016/4/29 6:30日本経済新聞 電子版

 鎮痛剤に使われる物質の一種「オピオイド」の依存症や中毒死が米国で増えている。米疾病対策センター(CDC)によると、2014年のオピオイドによる中毒死(ヘロインを含む)は過去最高の2万8647人を記録し、薬物中毒死者数の6割を占めた。1日当たり78人が亡くなっている計算だ。医師に処方された薬の服用が原因で依存になるケースも多いという。かつて都市貧困層の問題だった薬物依存が郊外や地方の白人中流層にも広がり、深刻さを増している。

 シカゴ在住の元不動産仲介業者ベツィ・タリーさん(69)がオピオイドを知ったのは2001年、54歳のときだった。交通事故がきっかけで始まった慢性の腰痛で訪れた専門医から、強力なオピオイド鎮痛剤オキシコドン20ミリグラムを処方された。痛み止めとしては効果があったが、薬が切れるたびに痛みがぶり返し、さらに多くの薬を必要とするようになった。

 11カ月後には280ミリグラムもの鎮痛剤が処方されるようになった。薬の効果が切れると痛みに加えてひどい吐き気や大量の発汗に襲われ、仕事もできない状態になっていた。「違法な薬を試したことがなかったのでわからなかったのだが、典型的な禁断症状だった」とタリーさんは振り返る。

 深刻な薬物依存になっていることに気付き、診療施設に入院。依存を断ち切るのに7年かかったという。タリーさんは「中毒死しなくて幸運だった。処方薬を飲んでいただけなのに」と人生が狂ってしまったことにいまも怒りが収まらない。

 オピオイドはケシの抽出成分やその合成化合物で、強い鎮痛、陶酔作用があり、米国では、モルヒネ、オキシコドン、フェンタニルなどが医療用麻薬として用いられている。依存を招く懸念から、長らくガンや末期の治療のみに使われてきた。しかし、1990年代中ごろに製薬会社が新薬を発表、長期使用しても安全で依存リスクが極めて少ないとして、積極的に売り込みを開始した。

 同じ頃、米国疼痛(とうつう)学会など専門家団体も、患者は無用に痛みに苦しんでおり、医師はもっと積極的に痛み治療に取り組むべきだとする運動を展開。医療界の認識も変わり始め、さまざまなオピオイド鎮痛剤が腰痛、関節痛、頭痛、歯痛まで幅広く用いられるようになった。この結果、99年から2009年までに販売量は4倍に増え、並行して中毒死者数も約4倍に急増。足元でもこの傾向は続いている。

 「オピオイド鎮痛剤の分子構造はヘロインと実質的に変わりない。リスクが過小評価される一方、効果が過大評価されている」と警告するのは、ジョンズ・ホプキンズ大学公衆衛生学部薬物安全・効果センターのカレブ・アレクサンダー共同ディレクターだ。「依存リスクは1%以下」との理解が浸透していたが、最近の研究ではるかに依存性が高いことが明らかになっており、逆に痛み緩和効果に疑問が投げかけられている。

 「責任あるオピオイド処方のための医師団」の事務局長、アンドリュー・コロドニー医師は「医者は患者を助けようとして間違った情報に基づいて薬を処方した結果、現在の『危機』を招いてしまった」と考えている。オピオイド鎮痛剤の多くは、かかりつけ医や、歯科医など身近な医療関係者によって処方されている。CDCによると12年の処方件数は2億5900万件にのぼり、これは米国の全成人に1瓶の薬が行き渡る数だ。「あまりに安易に大量の薬が処方されており、これを変えない限りまん延は止められない」とコロドニー医師は指摘する。

 処方薬による依存は、若者が自宅で親などに処方された薬を盗み飲んで始まる事例と、タリーさんのように中年層が慢性的な腰痛や頭痛を緩和するために医師から処方された結果という事例が多い。中毒死亡率を州別でみると、ウエストバージニア州、ニューメキシコ州、ニューハンプシャー州、オハイオ州など、製造業や農業に従事する人口が多い地域で高く、年齢別では45~54歳が最も多い。鎮痛剤を多く必要とする高齢者の死亡例も増えている。

 4月21日に57歳で急死した米人気ロック歌手プリンスさんの遺体からもオピオイドが検出されたと、米メディアは報じている。司法当局が死因を調査中だが、オピオイドの過剰摂取による中毒死の可能性があるとされている。

 かつて薬物依存は、貧困、犯罪と結び付けて語られ、大きな社会問題として取り上げられることは少なかったが、家族を失う中流層が増えるにつれ注目されるようになり、米政府も対策に動き出した。CDCは3月、慢性の痛みの初期治療にオピオイド鎮痛剤は望ましくないとする初のガイドラインを発表したほか、米食品医薬品局(FDA)も3月、処方薬のラベルに依存、過剰摂取、死に至る危険がある点を明示するよう義務付けることを決めた。

 2年前、当時26歳だった長男をオキシコドンの過剰摂取で亡くしたバージニア州在住の元連邦職員、ドン・フラタリーさん(62)は、一般市民や行政、医師に対する啓発活動に取り組んでいる。「信頼する医師が出す薬だから安全という神話がある。誰にでも起こりえる悲劇を防ぐために、正しい情報を広める必要がある」。



https://www.m3.com/news/iryoishin/420810
シリーズ: m3.com意識調査
新人指導の苦労「熱心に指導で他科へ」「優しくしたら甘く見られた」
新人教育の内容、新人時代の失敗談、アドバイス

2016年4月29日 (金) 高橋直純(m3.com編集部)

Q  新人教育の内容、ご自身の新人時代の失敗談、新人へのアドバイスなどがあれば、ご記入ください。

【指導の苦労】

・卒後4年目、1年目に厳しく接してしまった。今思うと自分に余裕がなかったのだと思う。【勤務医】

・今、困っています。プライドが高い人種が多い業界。頭脳明晰で、人間性協調性ゼロ。困っています。【開業医】

・口がうまい人は手が動かない。二兎を追う者は一兎をも得ず。口下手を選ぶ傾向あり。【開業医】

・本当に自分の指導があっているのか不安です。【勤務医】

・詳しく説明しないと理解してもらえず、自主性を重視すると手技が自己流となる。【勤務医】

・いつの時代も難しいねえ。【勤務医】

・やる気がないやつを怒ると来なくなる。【勤務医】

・これだけは長年のテーマで私もいまだに分かりません。【開業医】

・まず、自分に自信がないと、教えられないので、自己研鑽……。【開業医】

・人手不足なので、はれ物に触るようです。【勤務医】

・友人が熱心に新人教育をしましたが、かえって内科の大変さが伝わってしまったのか、他科に転向されてしまいました。新人さんは、目標があっての医業を選んでいない人もいることを思い知らされました。【開業医】

・最近の新人は折れやすいので苦労します。【勤務医】

・怒ると辞められる。【勤務医】

・初期研修の医師が、仕方なく回って来るのは分かりますが……。来た初日に「この科は選択しないので、重症の患者は担当させないで」と宣言されて、急患が来るのが分かってて17時に帰る研修医は医師としてもどうかと思ったし、指導する側からすると迷惑以外の何物でもなかったのを思い出しました。自分が選択する科以外でも将来役に立つ可能性はあるので、その期間を無駄にしないで研修してください。【勤務医】

・良かれと思い厳しく指導していましたが、退職されてしまいました。成長してほしいという思いが厳しいだけの指導になっていたと反省しています。【薬剤師】

・新人教育で新人にあまりにも優しくし過ぎたため、甘く見られた。【薬剤師】

・熱意をもって接したが、新人には重い感情であった。【看護師】

・自主性を尊重した指導でないと壊れてしまいそうで、扱いに苦労します。【その他の医療従事者】

【私の指導法】

・一人の患者から鑑別、診断、治療とそのための文献検索の過程をしっかり指導することが大切と思います。最後にパワポによる部内発表をルーチン化しています。これはやる気を促す意味でもいいですよ。【勤務医】

・文献を渡す。【勤務医】

・大学病院なので、医局の新人と言えば、研修医上がりがほとんどです。初めのうちは、こちらからの指示をその場で復唱させ、間違いや過不足のないことを確認しています。時間が無くて面倒に思う時でも徹底して行うことで、結果的に新人本人が自信を持って各場面に臨めるし、その新人の能力や技術、問題点あるいは体調や精神状態に至るまで把握することができます。【その他の医療従事者】

・まずは仕事へのモチベーションを高めてもらうため、やりがいや楽しさについて最初に教えるようにしています。【その他の医療従事者】

・説明して、やってみせて、やらせてみて、ワンアドバイスを行う。【薬剤師】

・基本的に支持的にかかわる。新人の教育プログラムに従い集団研修を行いながら、部署ごとにOJTを組むようになっている。【看護師】

・研修医のローテーションはお互い「仕方なく」の色合いが強い場合もあるので、基本的にお客さん扱いでいいと思います(特に希望科でない場合は、他科へ進んでも役立つようなtipsをなるべく沢山教えるようにしています)。【勤務医】

・スタッフ持ち回りで毎週レクチャーを企画している。【勤務医】

【新人時代の思い出】

・「勤務時間に間に合えばいいから」と言われてぎりぎりに出社したが、他のスタッフは30分前には出社して掃除やミーティングもやっていて孤立してしまった。【薬剤師】

・先輩と関係が悪くなり、指導してもらえなかった。【薬剤師】

・質問しないで損をしたことがある。【勤務医】

・指導医の先生の期待に十分応えることができなかった と今にして反省している。【勤務医】

・昔は叩かれたり、蹴とばされたりしました。【勤務医】

・もともと仕事と言える仕事なんてできていないのだから、仕事ができるようになるために、いかに自分の指導医の雑務を自分が肩代わりできるか、と思って過ごしました。【開業医】

・複数の先輩に質問し、先輩に嫌われた。【勤務医】

・静注が下手で患者さんに嫌がられた。【開業医】

・自分の上司は酔っ払いで朝は二日酔いで遅れて出てくるし、短気ですぐキレるし、だれかれ構わず看護師に手を出すし、大変な人だったが仕事は良く教えてもらったと思っている。【開業医】

・指導医に8時間説教されたことがあり、トラウマになっています。説教は要点のみ、短く!【勤務医】

・非常にいじめられた研修医時代です。よく自殺せずに済んだと思っています。今ならパワハラで訴えたいです。【勤務医】

・我々の時代は徒弟制度のようなもので、見て盗めの時代でした。質問すると、もっと勉強してから質問しろとと叱られていました。【勤務医】

・一度聞いたことは繰り返し聞くことのないように、完璧にメモを取ることに必死になり過ぎて、その場で覚えることができなかった。「前に教えたよね?」と聞かれても、教えてもらった気もするが、全てを教えてもらったかのかどうかは、全容が分かってないから答えられなかった。連休明けはミスが増えるから怖かった。一度寝坊したら、キツく注意され、その後、不安で眠れずまた寝坊、を繰り返して始末書まで書いた。失敗談なんて書ききれない。けど、そんな私も今では薬局長。新人の失敗を見ても、その背景を聞いてあげて、本人と一緒に対策を考える余裕があるのは、その失敗があるおかげ。新人が初めからできるなんて思ってない。失敗したら、どう行動を変えて改善するか、試行錯誤するのが大事だと思います。変えないのはダメ。【薬剤師】

・新人の時には現在の体制とは異なる状態で、求めても師となる方に巡り合うことができず、創意工夫と理念の習得に苦労しました。在宅医療も進めるうちに本来の、薬剤師業務が患者さんの為になるのかが最大のテーマで、座学ではとても身に付かないこと!処方意図まで理解して医師との信頼関係と適度な緊張関係が両立できる、真の医薬分業が患者さんの最後のゲートキーパーとしての真の遣り甲斐と考えますが、なかなか後進に伝えるすべがありません。【薬剤師】

・できることから任せていく。自身の失敗は社会に出たとたん一人前になったと勘違いして先輩に素直になれなかった。【薬剤師】

【指導の心構え】

・徒弟制度ですよ、医師の世界は!【勤務医】

・衆目中での叱責は厳禁。分からないことは一緒に調べる。【勤務医】

・飲み会は強制しない。知らないことは責めない。教えてあげるけど、自分で調べるときはこうするといいよ、と付け足しておく。新しいことを知ることが楽しいと思ってもらえれば、まずはいいスタートじゃないかなと思います。【勤務医】

・自分が医師として育った時とは全く環境が異なるため、常々考え方が異なることがあります。自分の経験と今の制度環境、のすり合わせが必要で今の時代の考え方を理解するよう心がけています。例えば、研修医は17時までとか、休日は働かせないとか、QOLの重視とか。【勤務医】

・できないのはセンスがないからで済ませず、沢山の言葉でできるまで教えなければ指導する自分の責任である。【勤務医】

・今の若者は厳しくしても意味がない。【勤務医】

・3年目以降で4月にダメな人だと思っても、それ以前の研修がひどくてまともに教育を受けていなかっただけで、3年目以降で化ける人も少なからずいる。最初の2年が大事だというのは正しいが。【勤務医】

・若者の世代と自分の世代では、時代がかなり違っているという背景を理解しようとしています。【勤務医】

・初めてで不安がいっぱいだと思う。優しいのが一番。【勤務医】

・単独行動の禁止、チームで仕事していることの確認。【開業医】

・あまり期待しない、くらいが丁度いい。【勤務医】

・新人の指導者として、「絶対に医者には向かない人、医者になってはいけない性格の人」が実際にいることを常に考えておかなければいけない。【開業医】

・「世間知らず」をどう克服するか、が重要と思います。なにせ我々「医者の子」ですので。このご時勢、ごく普通のご家庭のご子息が医師を目指すは既に動機自体「志」がほとんど感じられない「一生食うに困らない」など、不純のものとしか思えません。【開業医】

・何でも教えるのではなく、ある程度は新人自身の考えを述べさせる。結局は時間がないので、自分でやってしまうことが多いが。【勤務医】

・熱意は時に阻害的になります。ときには熱意を隠して接することが結果的に相手を成長させることになりますので、指導に当たる立場のヒトは心理学的なテクニックは身に付けていた方がいいと思います。【開業医】

・研修終わって採用されたら、よほどの間違いが無ければ、自分で勉強してもらっています(服装、態度など、本人の為と思いアドバイスしてみたら、いろいろ大変な目に遭ったので)。【開業医】

・私は外科医なのでルールを特に大事にしてもらうように指導します。嘘はつかない、休みたい時、つかれた時、デートしたい時、はっきりとそう言うようにしてもらいます。【勤務医】

・現代の教育は新人に対しやや甘すぎる傾向がみられるが、医師としての倫理感や責任感は厳しく教育することで身に付く面も多く、新人の顔色ばかりうかがっての教育は不十分である【勤務医】

・個性を伸ばすようにしているが、医師としてコメディカルに尊敬されるよう行動せよと指導している。【勤務医】

・自分が若いときに被った、オーベンや上司の理不尽な叱りつけについては、新人さんを含め部下にそのような思いをさせないように気を付けています。【勤務医】

・「やって見せ言って聞かせてさせてみて褒めてやらねば人は動かじ」。山本五十六の言葉ですが、指導法の真髄だと思います。私はこの方針で後輩を育ててきました。自分もしっかりしないといけないところがミソです。【歯科医師】

・「こうした方が良い」「こうしなければならない」という内規や不文律を、理由を添えて教えることが大事と思います。本人が納得しなければ、教える効果は薄いと思います。【薬剤師】

・自己主張できる子は少ないので、自主性を求めても話が進まないことが多い。多少強引でもこちらが誘導していく必要がある。【薬剤師】

・失敗談を教えてくれる先輩は良い先輩だなと思います。偉そうにしててプライドの高い先輩に指導されたくないです。【薬剤師】

・「こうした方が良い」「こうしなければならない」という内規や不文律を、理由を添えて教えることが大事と思います。本人が納得しなければ、教える効果は薄いと思います。【薬剤師】

・仕事に対する興味や関心を引き出すように対話を多く持ち、興味を持てるように経験の場のチャンスを与えるようにしています。よい結果を期待せず見守る姿勢で1年後に期待の結果を得られれば大成功という意識で関わるようにしています。【看護師】

・自分レベルで、スタートから100%を指導しない。入ってきたばかり、覚えれるわけがない。個人によっても理解度はさまざま。できたことは褒める。どうすればもっと良くなるか方法の提案。初めは目標も立ててあげる。【看護師】

・「見て覚える」「進んで行動」などの自分の経験を元にプランを立てても、現代では通じません。他職種の新人教育担当の話しを聞いた時、「新人は分からなくて当然。分からないことが当たり前なので分かるまでとことん付き合う」と聞かされ、私自身の考え方も変わりました。【看護師】

・理論に基づく判断をするように教育を心がけています。新人は経験で判断をする傾向があるため。【その他の医療従事者】

【新人へのアドバイス】

・まず、挨拶。ベッドサイドにいるように。電カルばかりいじっていてはだめ。【勤務医】

・卒後3年までの経験がずっと生きている。最初の勉強が重要。【勤務医】

・若いうちにできるだけやる。年を取ってからではもう遅い。【開業医】

・まずは先輩医師の行動をよく見ること。【勤務医】

・社会人としての自覚を持ち、医師として誇りと自信を持って、真摯に患者に接するよう伝えています。【勤務医】

・社会人としての礼儀を身に付けること。【勤務医】

・先輩を敬い、自分のできることを精いっぱいやる。コミュニケーションをしっかり取る。【勤務医】

・とにかくやる気を出して頑張れ。ゆとり世代は覇気がなさすぎる。【勤務医】

・最初は遅くても地道に、慣れてきたら早く仕事することも考える。【勤務医】

・早寝早起き、仕事が終わったら、いつまでも病院にいないで、帰宅し、プライベートを充実させる。【勤務医】

・とにかく聞かずにまずは調べなさい。【勤務医】

・100%できなくてもいいから、途中でありのままを上司に話そう、また経過の足跡を見せましよう。【開業医】

・すぐに一人前になろうと思わなくても構いません。まずは先輩と一緒に仕事をして、どんな小さなことからでもいいですからチームとして協力することをたくさん経験してほしいと思います。【勤務医】

・専門医の受験資格条件を知っておく、患者のベッドサイドに頻回に訪れる、疑問点はすぐ調べる、シュアなテクニックを身につける、など。【勤務医】

・良い上司は一生の宝。悪い上司は一生の悪夢。【開業医】

・ITを活用し、心は読書で磨く【開業医】

・上の言うことは聞きながら、自分で考えて行動。【開業医】

・患者さんに害が無い失敗は今のうちにどんどん経験してほしい。同僚が困ったときはできる限り援助すること。先輩のやり方が、良くも悪くも勉強になるので、しっかり見ておくこと。【勤務医】

・何人もの先輩に意見を聞きすぎて、違った答えの選択に逆に悩まされたことが多かった。アドバイスを求めるときはできるだけ一人にした方が明快。【勤務医】

・自分のペースを守ろうとしすぎて失敗した経験あり。半分は人の時間であることを分かってほしい。【開業医】

・以前は1つ言えばすぐ応用して2~3のことはできるような人が見られたが、最近は1つのことでも繰り返し言葉を換えて指導しなければならず、自分から学んで吸収しようという人材に出逢わなくなってしまった。新入職員には自分から貪欲に学び取るよう期待します。【歯科医師】

・他部署のスタッフから「最近の新人は廊下ですれ違っても挨拶しないんだなー」という声をよく聞きます。やっぱり挨拶をきちんとすることが1番!【薬剤師】

・社会というのは、報告や相談がとても大切だとは思うが、始めはどんなことを聞いたり、どんな視点で話し合ったりすればいいかわからないと思うので、ある程度の基本を身に着けるまでは、はいはいと従っているのも大切だと思う。【薬剤師】

・学生時代の学習では現場は不足している。学生から社会人1年生、もっともっと学んで欲しい。【看護師】



https://www.m3.com/news/general/421045
大槌病院、開院へ…被災の岩手県立病院で初
2016年4月29日 (金) 読売新聞

 東日本大震災の津波で全壊した岩手県大槌町の県立大槌病院が再建され、27日に落成式があった。

 震災で被災し、再建中の3県立病院のうち、本格復旧を果たしたのは初めて。5月1日に開院し、9日から外来診療、16日から入院を受け入れる。

 大槌病院は津波で2階天井付近まで浸水し、病院機能を失った。2012年にプレハブの仮設診療所で診療を再開したが、入院機能がなく、入院患者は釜石市の病院などが受け入れていた。

 新病院は50床(震災前60床)を備える。診療科は震災前と同じ6科(内科、外科、整形外科、皮膚科、眼科、リハビリテーション科)で、応援医師の支援を引き続き受ける。常勤医は3人から5人に増えたが、平均年齢は59歳だ。

 鉄筋コンクリート3階で、旧病院から約2キロ離れた浸水区域外の住宅街に建設された。落成式で坂下伸夫院長(55)は「ここが新たな出発点。地域住民の希望になる」と語った。

 再建中の県立山田病院(山田町)は今秋、県立高田病院(陸前高田市)は17年度中の開院を目指している。



https://www.m3.com/news/iryoishin/420689
「若手が憧れるキャリアパス実践を」、外科新専門医
鹿大は1県1プログラム、京大は日本最大級の広域連携

2016年4月30日 (土) 成相通子(m3.com編集部)

 第116回日本外科学会的学術集会の特別企画「新専門医制度の夜明け―ピンチをチャンスに―」が4月15日に開かれ、慶應義塾大学外科教授の北川雄光氏が「次世代へのメッセージ:新専門医制度がもたらす外科医の未来」と題して基調講演し、「現在現役の専門医や指導者クラスが、若手が憧れるキャリアパスを自ら実践することが重要だ」と述べた。


 地域医療と新専門医制度の関わりに関して、鹿児島大学消化器・乳腺甲状腺外科教授の夏越祥次氏が「ピンチの地方外科医療―新専門医制度をチャンスとするための1県1プログラム―」、京都大学外科教授の坂井義治氏が「地方医療を支える広域連携型プログラムを目指して:京都大学の取り組み」と題して講演した。それぞれ新専門医制度に向けた、大学病院を基幹病院に関連病院と連携して構成する外科研修プログラムを紹介した。

専攻医は2000人以下を予定

 外科学会の専門医制度の委員長を務める北川氏は、研修プログラム審査の進捗状況等を基調講演で説明した。外科学会には、新専門医制度の187の研修プログラムが提出されており、外科学会事務局が現在一次審査を実施している。各施設が希望する専攻医の募集数は当初約3600人で、現行の700~800人の数倍の値だった。各基幹施設に希望数の修正を依頼し約2000人まで絞ったが、日本専門医機構は過去3年間の採用実績の1.2倍までにとどめることを基本とする方針で、その場合の840~960人にはいまだ大きなかい離がある。

 現在、外科学会では187の研修プログラムを3学年の受け入れ総数に準じて、30人以上の大型、10~29人の中型、それ以下の小型の3種類に分類。初年度の専攻医受け入れ上限について、指導医数や症例数で算出した総数のうち、大学病院の研修プログラムは約30%まで、大学病院以外の大型病院は約33%まで、中型は約40%まで、小型は上限一杯までと傾斜を付けて上限数を設定。中小規模のプログラムに配慮しながら、さらに定員総数を2000以下に絞るよう調整している。

 また、地域医療への配慮として、大型のプログラムに地域の小規模な病院を連携施設に入れるよう依頼しているほか、全国344の二次医療圏のうち研修プログラムが出ていない14の医療圏について、過去に専門医の研修プログラムを実施していた施設に希望を調査している。

 北川氏は、新専門医制度で期待されるメリットとして、指導医数、症例数、症例内容が透明化され、専攻医が主体的にプログラムを選択できる点や、従来の外科学会による面接試験の代わりに、プログラムの統括責任者のよる専攻医の全人的な評価が行える点、大学病院と地域病院の連携が深まり、若手の医師にリサーチマインドが浸透する点などを挙げた。

 新制度では、単独の医療機関による研修プログラムは認められておらず、一施設で一人の指導医の下で3年間研修することはできなくなる。この点について、北川氏は「地域医療を皆に経験していただき、多様なキャリアパスを可能にする柔軟な思考が身に付けられる。また、異動する中でさまざまな指導医に会って、自らが目指す外科医像を模索できるのではないか」と利点を強調。サブスペシャルティの横の連携も強化し、基準やシステムの統一化を図っており、「盤石の体制を敷いている」と説明した。

 北川氏は、新専門医制度の課題は多いとしつつ、「良い研修プログラムにするために専攻医のアイデアをどんどん取り入れていきたい」と提案。労働環境については、「若い医師が安全な環境で、本来やるべき研修をやるにはまだまだいろいろな問題があるが、外科学会としても、重要テーマとして取り組む。外科医の技能能力を正当に評価する仕組みも必要だ」と指摘した上で、「現役の専門医、指導者クラスが、若手が憧れるキャリアパスを自ら実践することが重要だ」と締めくくった。

鹿児島大と46施設で1プログラム


 夏越氏は、鹿児島大学の「鹿児島プロフェッショナル外科専門医研修プログラム」について説明した。鹿児島県は全国1位の離島面積・人口を誇り、離島や海域を含めた空間的な広さは東北に匹敵。人口10万人当たりの医師数は全国20位で、特別少なくはないものの、医師全体に占める研修医の割合や、34歳以下の医師数が全国最下位で、若手の医師が少ないことが問題となっている。

 夏越氏によると、鹿児島大学のプログラムは、鹿児島大学病院を基幹施設として、46の連携施設で構成する。外科系4科で、拡大同門会として、大学や関連病院、各科のOBの医師と会議を開催し、同プログラムへの参加希望やNCDの登録症例数を調査。その結果、鹿児島市内の連携施設は14、地域枠の指定病院が11、その他21の計46施設が参加することになった。

 症例数は全部で年間2万4000例、指導医は約200人で、専攻医の受け入れ上限は85人の計算だが、実績などを踏まえて1学年の定員は26人を上限に設定している。基幹病院となる鹿児島大学病院で6カ月以上、連携施設でも6カ月以上の研修を義務付けており、一般枠は可能な限り基幹病院を中心に研修し、経験すべき症例を1年もしくは2年で終わらせ、3年目はサブスペシャルティを考慮した研修ができるように配慮。地域枠の医師は、1年目は大学病院または市内の連携施設で症例を経験し、2年以降は地域枠で指定される連携施設で研修を積む仕組みを予定している。地域枠から外科に来る学生は1~2割を想定している。

「日本最大の広域連携プログラム」

 坂井氏は、京都大学の外科専門医プログラムを紹介した。同プログラムは、外科学講座の消化管外科、消化器外科、乳腺外科、気管外科学講座の呼吸器外科と心臓血管外科の計5つの外科分野が協力して作成する。

 京都大学では、初期臨床研修制度の開始とともに「京都大学外科交流センター」を設立し、関連病院の研修医に呼び掛けて入会を促している。同交流センターは、若手外科医の育成、地域医療の支援・振興、キャリアパスの支援を担っており、大都市の大規模中核病院に集中しがちな研修医をできるだけ大学病院や地域の中核病院に還流を促すのが狙いだ。京都大学では、初期臨床研修制度が開始した後、初期研修から後期研修に移行する研修医が減り、現在も後期研修医がいない。「そのうち、大学院への進学者がいなくなるのではないかという危機感がある」と坂井氏は指摘する。

 同プログラムでは、京都大学外科交流センターが東京都から熊本県まで全国の61の関連施設の研修医の受け入れ数などを把握。研修医は第1希望から第5希望までの研修施設のリストを提出し、京都大学外科交流センターが調整して配置を決定する。これまでは同センターの配置に強制力はなく、地域の中核病院での欠員が残っていた。新専門医制度では、大規模中核病院などが複数の基幹研修プログラムを立ち上げるよりも、大学病院を基幹病院とする1プログラム制を導入することで、地域の中核病院への医師の還流が可能となり、プログラム間の煩雑な異動が無くなり、施設間の異動も容易になるという。

 年間の専攻医の受け入れ定員は、症例数や指導医数、過去の実績から60人を予定しており、研修期間が終わるまでに6カ月以上大学病院で研修することになる。坂井氏は「新専門医制度でピンチをチャンスに変え、医師の還流の促進と地域医療への支援の強化、途切れのないキャリアパス形成の支援と同時に、大学としてのアカデミアの発展と維持したい」と述べた。



http://www.nikkei.com/article/DGXLZO00276640Z20C16A4TJC000/
エムスリー子会社、過疎地病院へ医師紹介 勤務期間を限定
2016/4/29 23:38日本経済新聞 電子版

 エムスリー子会社のエムスリーキャリア(東京・港)は過疎地の医療機関を対象とした医師の転職支援サービスを始める。地域医療に興味があるものの、自身のキャリアへの影響から赴任をためらっていた若手の医師の利用を促すため、勤務期間を半年~2年程度にした。医師の偏在解消を支援する。

 「ふるさとドクター」の名称で近く始める。エムスリーは国内に約30万人いる医師のうち、25万人が登録する会員制サイトを運営している。この会員基盤を生かし、地域医療に興味を持つ医師に向けてメールなどで求人を出す。勤務期間を限定し、地方の医療機関向けに特化した転職支援サービスは珍しい。

 医療機関の利用料は半年の求人を出す場合で150万円。人材紹介サービスでは年間報酬の一定割合を紹介料として徴収することが多い。年間予算が決まっている地方自治体が運営する過疎地の病院でも求人を出しやすいように一律の料金体系にした。

 2016年度中に300施設での利用をめざす。エムスリーが今月に会員向けに実施したアンケート調査では、期間限定であれば、7割の医師が地方赴任を前向きに検討する意向を持っていた。



https://www.m3.com/news/iryoishin/409618
シリーズ: m3.com×『週刊ダイヤモンド』共同企画「医師&一般人 緊急アンケート」
改定に翻弄、「もう疲れました」◆Vol.16
m3.com医師会員【自由意見8】

2016年4月29日 (金) 橋本佳子(m3.com編集長)

◆行政に提言:医療費抑制自体に異議

【30代】
・医療費の増大は、つまるところ高齢者の増加(平均寿命の延長)と医学(特に先端医療)の発展が原因である。しかし、寿命を短くするわけにも、医学の発展を抑制するわけにもいかない。むしろこれらはどんどん進む一方なので、小手先の医療費抑制策を講じても焼け石に水である。究極的には、医療費を削減するためには、これまで日本が行ってきた医療福祉を根本的に削減するしか道は無いと考える(30代、200床未満)
・削減ありきで医療費をどうにかしようとしている姿が滑稽でなりません。また、マスコミの偏向報道を含めて、国民全体の医療に対する理解の欠如には辟易しています。何も期待していないので、徹底的に衰退してしまう日を待ち望むのみです(30代、200床未満)

【40代】
・コロコロ変わる厚労省の政策に振り回されている。高齢化が進み、医療費を大幅に削ることはナンセンス。「医療・介護は成長分野」と言った首相の発言はどこへ行った?(40代、200床~500床未満)
・わずかな点数のみに翻弄されるのにはもう疲れました。地方の医療現場の疲弊度は増していくばかりです。日本の医療が医療者の善意により成り立つ部分が多いことは、崩壊してから気づいてもきっと遅いでしょう(40代、200床未満)

【50代】
・そもそもなぜ医療費削減ありきなのか、国民が納得して負担するのであれば削減する必要はないのではないか。その議論が不十分だと思う(50代、500床以上)
・OECDの中では、40兆円の医療費は最も少ないlevelです。けちっていては、良い医療はできないと思います。考え方を変える必要があります(50代、500床以上)
・泥縄式のretrospectoveな改革をやっているうちは、「改善された」という実感は得られないでしょう。現時点での「動向」を把握した上で、段階を踏んで長期的な展望が必要(50代、200床~500床未満)
・人口や体裁ばかりにこだわらず、厚労省および自治体がキチンと病院を評価し、適切な加算や機能を付加しないと、そのうち地方の病院はなくなり、人の住めない地域となるでしょう、自給規則のできない国はいずれ衰退していきます(50代、200床~500床未満)
・TPP容認、医療特区の設置などは、国民皆保険制度を骨抜きにし、国民に大きな被害をもたらすため反対である(50代、200床~500床未満)
・医療保険の改定で、厚労省の方針が度々変わるのがどうにかならないのかと思う。せいぜい10年くらいの先を見据えた医療改革案はできないのか不思議だ(50代、200床~500床未満)
・医療費抑制が、医療人の収入減につながり、税金収入減、消費の低迷、社会福祉サービスへの予算削減、国家予算の減少を招き、国力の低下にも結び付くように思われて仕方がありません(50代、診療所)
・現在の医療費高騰は、高額医療が原因である。上位1割の患者が医療費の9割を使用しているのであり、通常患者の医療費を抑制しても医療費全体から見れば微々たるものである。癌治療など高度医療は命の問題とも言われるが、1カ月の延命に数千万円から億の金が使用されている現状は、コストパフォーマンスが悪すぎると思う。高度医療には混合診療や医療費上限を考慮すべきだと思う(50代、診療所)
・削減ありきではなく、どれだけ医療用予算を増やすかを議論すべき。また、整骨院の保険給付を廃止すべき。これだけ乱立してやっていけること自体、異常。厚労相の役人が何人死のうと、ぜひやり遂げてほしい(50代、診療所)
・貧困問題や格差問題がある中、保険診療は数少ない貧困対策の一つだと思う。現物支給、換金させないなど徹底した上で、ややこしい方法は取らず(シンプルが一番)、フリーアクセスが守られるべきだと思う(50代、診療所)
・官僚主導で政策決定をすることに問題はないが、内閣、大蔵省が予算を決定してしまっており、個別の政策決定についても現場の意見を聞く姿勢が弱く独善的(50代、診療所)
・医療費の制限は、受益者すなわち患者に周知徹底した上で実施すべき。患者からの苦情の処理を医療機関にさせている(50代、診療所)
・過疎地の医療機関等の社会基盤を維持するよりは、過疎地の人間を非過疎地に移住させるなどの政策を検討すべき。いくら住み慣れた地域とは言え、過疎地で万全の暮らしや医療を期待する方が、経済的無駄が大きく、今の時代はむしろ贅沢とさえ言える。医療を含めた社会基盤は、「選択と集中」を実行しないと、今後は日本の財政が持たない(50代、診療所)
・厚労省は財務省の言いなりに、医療費の削減ばかりを考えているようにしか思われない。そういうことばかりをしていると医師のモチベーションは下がり、優秀な人材は医師を目指さず、他の分野に流れてゆき、医療の質の低下につながり、ひいては医療崩壊へと進んでゆくと思います(50代、診療所)
・今の政策は医療費を削減するためにあるのであって、医療従事者や患者のことを考えていないと思う(50代、その他)

【60代】
・これ以上の医療費削減は、良心的医療機関をさらに圧迫し、医療崩壊を加速する。ありふれた疾患が、当たり前に保険医療を受けられる制度を維持する必要がある。希少疾患の高額先進医療を保険適応とすることは許すべきでないし、それは成熟した社会のありようとはかけ離れている(60代、200床~500床未満)
・官僚主導の医療改革は、弱者救済(子供、高齢者、年収の高い子沢山家庭)、国民皆保険などの日本固有の優れた医療制度の崩壊になる。少子化を憂うより、子供が持てる制度、高齢になっても胸を張って生きることのできる制度が必要。子供の教育、患者の教育を含めて、教育行動改革が、必要である。(小生、年収2000万円あるも、妻と、子供10人暮らし。給付金制限あり、今後の子供の教育に不安あり)(60代、200床未満)
・根本的に医療.介護.福祉に金をかけることは当たり前。消費税導入の理由にして、実際は法人税の減税.大規模な不必要な公共事業.軍備増強に金をかけている。(医療費抑制策を問う)設問自体がナンセンス(60代、200床未満)
・現実の地域格差や、地域の実情に見合った施策を考えてほしい。単純に医療費抑制目的のためだけに、ジェネリックを増やして帳尻を合わせるなどの思考は、将来の医療に不安を抱いてしまう(60代、診療所)
・何でも安い方が良いというマスコミの論調は、以前の東京の老人医療無料化の轍を踏むのに等しい。技術などを評価するシステムにした方が良いのでは(60代、その他)


  1. 2016/04/30(土) 06:00:58|
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4月28日 熊本震災関連 

https://www.m3.com/news/general/420691
避難所7人に1人がエコノミー症候群の疑い
2016年4月28日 (木) 読売新聞

全員が女性…新潟大調査

 熊本県を中心に相次いでいる地震で、避難所で過ごす被災者の7人に1人が肺塞栓症(エコノミークラス症候群)の疑いがあることが新潟大学の 榛沢はんざわ 和彦講師(心臓血管外科)らの現地調査で分かった。車中泊による発症が注目される中、避難所でもリスクが高まっている実態が浮き彫りになった。榛沢講師は数時間おきの歩行や弾性ストッキングの着用などによる予防を呼びかけている。

 エコノミークラス症候群は、脚の血管に血の塊(血栓)ができ、血流に乗って肺の血管を詰まらせる。呼吸困難などで死に至るケースもある。

 榛沢講師らは19~21日、熊本市や益城町の避難所6か所で、声をかけて同意が得られた79人に、脚の超音波検査や症状の聞き取りを行った。その結果、14%の11人で血栓が見つかり、エコノミークラス症候群の疑いがあると診断された。全員女性で69~87歳だった。呼吸困難や胸の痛みを訴える人もいた。車中でなくても長期間動かないでいると発症しやすいという。

 榛沢講師によると、食事が温かい、トイレが清潔など避難所の快適性が高いほど、被災者に活動する意欲がわき、発症のリスクが下がる。簡易ベッドの導入も活動を促すのに有効だとして、「被災者が過ごしやすい環境作りが重要」と指摘する。



https://www.m3.com/news/general/420699
震災関連死、拡大の恐れ 仮設建設へ行政始動 復旧進む交通網
2016年4月28日 (木) 共同通信社

 震度7を2回観測した熊本地震は、最初の揺れから28日で2週間。交通網は着実に復旧する一方、避難生活は長期化の様相を見せる。続く余震への恐怖と疲労で体調を崩す被災者は後を絶たず、心のケアと安全に暮らせる住まいの確保が急務だ。

   ×   ×

 14日に始まった一連の地震で49人が死亡、1人が行方不明になった。震度1以上は900回を超え、27日午後現在の避難者は熊本、大分両県で計約3万7千人と、約18万人だったピーク時の約2割に減った。16人に震災関連死の疑いがあるとされ、避難所生活や「車中泊」の長期化でさらに増える恐れがある。

 1万棟以上の住宅が全半壊した熊本市では、約2万人が避難生活を続ける。自宅が損壊していなくても余震への警戒から避難所に身を寄せたり、車中で寝泊まりしたりしているためだ。損壊家屋が5千棟を超える益城町では約6千人、土砂崩れが集中した南阿蘇村でも約700人が避難する。

 18日には車中泊をしていた熊本市の女性(51)がエコノミークラス症候群で死亡した。共同通信の調査によると、同症候群と診断された患者や疑いがあるとされた人は97人以上。南阿蘇村の避難所でノロウイルスの集団感染が発生するなど、感染症の拡大も懸念される。

 政府は熊本地震を激甚災害に指定し、被災自治体への財政支援を本格化。約3千戸分の仮設住宅資材も確保した。益城町は2千戸の建設を目標に候補地選定を進める。熊本市は公営住宅の入居者募集を始め、他県でも受け入れの動きが相次ぐ。

 ライフラインは回復しつつあるが、一部地域で完全復旧の見通しが立たない。停電は最大約48万世帯に上ったが、送電線の復旧や発電機車の使用により全域で解消。西部ガスは供給を停止していた約10万世帯のうち、6万世帯以上の復旧作業を終えた。益城町や南阿蘇村などでは断水が続く。

 交通網の復旧も着実に進む。九州新幹線は、最後まで不通だった熊本(熊本市)―新水俣(熊本県水俣市)の修復工事が完了。27日午後、博多(福岡市)―鹿児島中央(鹿児島市)の全線が開通した。

 物資輸送の要となる九州自動車道は、植木インターチェンジ(IC)―嘉島ジャンクションを残し開通。植木IC―益城熊本空港ICは緊急車両や高速バスに限り、通行できるようになった。

 ボランティアの受け入れも始まった。熊本県の12市町村がボランティアセンターを開設。熊本市や益城町では、全国から集まった人が支援物資の仕分けや家屋内の片付けなどに当たっている。



https://medical-tribune.co.jp/news/2016/0428503404/
方言学者らは語彙集で熊本支援!
熊本支援方言プロジェクト

医療の現場レポート | 2016.04.28 18:30 Medical Tribune

 今回の熊本地震を受け,福岡女学院大学人文学部メディア・コミュニケーション学科教授の二階堂整氏,弘前学院大学文学部准教授の今村かほる氏,高知大学教育学部准教授の岩城裕之氏は「熊本支援方言プロジェクト」を立ち上げ,方言支援ツールの作成と公開を行っている。4月23日には「熊本県方言身体語彙図」と「医療福祉関係方言語彙集」を公開,各地から支援に入る医療・福祉関係者やボランティアの利用を想定している。

被災地での方言コミュニケーションを支援するツールを公開

 さまざまな地域の医療者が被災地に赴く際には,意外な問題が浮上することがある。「お年寄りの言葉が分からない」という問題もその1つだ。方言学者らによる災害派遣医療者などへの方言コミュニケーション支援ツールの開発は,東日本大震災を契機に急速に進んだ。方言研究者による長年のフィールドワークに基づく方言語彙データの蓄積と,医療・福祉関係者の連携によって,2014年には47都道府県の方言支援ツールが公開されるに至っている(今村かほる方言研究チーム 方言支援ツール)。今回公開された熊本方言支援ツールはそのデータを活用したものだ。熊本県の方言は東部・北部・南部の3つに分かれるため,それぞれの語彙集を公開する予定。

 「方言身体語彙図」は,甚大な被害を受けた阿蘇市など熊本東部では,体を"ゴテ,ゴチャー,ゴタイ",妊婦を"コモチ,ミモチ"と称するなど,身体部位に関する基本的な方言を集めたもの。A4サイズの紙に印刷したり,タブレットなどの電子媒体で携帯するだけでなく,避難所など支援者が交替する場所ではポスターとして掲示,記載のない方言を追記するなど,次の医療者・支援者への情報伝達としても活用できる。

 「医療福祉関係方言語彙集」は,感覚や感情,動作,程度や頻度,病気や症状,人間関係,挨拶や声かけに関する語彙と特徴的な文法などを記載している。同プロジェクトによれば,まずは発災後1カ月程度の段階で医療・福祉関係者が直接,被災者とコミュニケーションを取る際の助けとなる語彙を中心に公開しているが,今後は被災地からの要望などを反映し,順次改訂・更新していくとしている。

情報掲載先(ダウンロード先)
・福岡女学院大学HP:http://www.fukujo.ac.jp/university/other/hougenpjt.html
・今村かほる方言研究チーム医療看護福祉と方言HP:http://hougen-i.com/
・岩城裕之HP 方言楽の館:http://ww4.tiki.ne.jp/~rockcat/
・弘前学院大学公認フェイスブック 弘学レポート:https://www.facebook.com/hrgk240/

問い合わせ先
熊本支援方言プロジェクト
kumamotoshien@ukujo.ac.jp

福岡女学院大学人文学部メディア・コミュニケーション学科事務室
TEL 092(575)6450
受付時間 9:30〜12:00,13:30〜17:00



http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/cadetto/tuusin/201604/546731.html
崎長ライト、熊本へ(その2)
指令、ノロキットを受け取り阿蘇へ

崎長ライト
2016/4/28 日経メディカル

 災害医療支援チームのリーダーとして熊本に入った崎長ライト氏。初日は熊本県庁から阿蘇へ向かいます。(編集部)

 このたびの熊本の地震で被災された方に心よりお見舞い申し上げます。
 このコラムは医療情報や被災情報を正確に発信するという性格のものではなく、被災地での医療支援で起こったこと、見聞したことを「崎長ライト」という物書きの視点で描くものです。完全なノンフィクションというより脚色を含んだ物語です。災害医療を将来担う若い医師や医学生の役に立てば幸いと思い、書いております。
 第1話も多くの医療者の方々に読んで頂いたようです。熊本でも数名の医療者の方に「読みました」と言われ、好意的に捉えていただいたようです。「災害医療は功名を競うものではない」とご批判する方もいると思いますが、「続きを読みたい」という読者も多数いるようですので、継続いたします。なお、文中敬称は略しました。


 指令。「ノロキット」を熊本県庁で受け取り、阿蘇へ。
 2016年4月24日土曜日早朝、長崎大学災害医療支援チーム第1班からの指令で、僕たちは島原からフェリーに乗り、熊本へ到着。陸路、県庁に向かっていた。僕たちというのは、内科医2名、看護師2名、事務1名の長崎大学災害医療支援第2班。DMATではない。
 DMATとは、「災害急性期に活動できる機動性を持った、トレーニングを受けた医療チーム」であり、第1話で報告した災害医療のプロの集団で、人命救助を目的としている。事態が少し落ち着いてくると医療支援チームが派遣される。
 医療支援チームはどちらかというと、慢性疾患の患者さんに接している内科系の医師が多いと思う。災害発生から1週間くらいたつと、やはり日頃の持病や精神面へのケアが必要な人が多くなるようである。

 熊本県庁に着くと、玄関はものものしい雰囲気であった。
 災害時にはこういうものか……と思ったが、白バイに黒塗りの車、バス。ちょっと変だ。後で分かったことだが、ちょうど安倍首相が訪問していた時間だったようだ。僕らは、報道陣やSPたちが集まる玄関の脇を、ジーンズやシャカパン姿で恐る恐る通る。水田芳博がささやく。
「ここで、不審者と間違われて捕まったら、看護部長から怒られるだろうな~」
 皆、笑いをこらえて肩が震える。水田はチームのムードメーカーで、緊張している僕らをいつも和ませてくれる。長い移動の中で、何度も爆笑させてくれて、皆、元気を出すことができた。彼はICUの中堅看護師だ。生と死の瀬戸際であるICUで働くからこそ、人をリラックスさせるすべを水田は自然と身に着けているのかもしれない。彼のおかげで、怒涛のような3日間を、(不謹慎ではあるが)楽しく頑張れたと思う。

 県庁の8階へ向かう。
 エレベーターが使用できないということで、8階まで階段を昇る。息が切れる。若いメンバーは、どんどん登ってゆく。支援チームのメンバーがここで倒れたらシャレにならないなと思いながら、休み休み、なんとかたどり着いたが、探しているノロキットはない。いろんな人に聞いて、さらに時間が経つ。
「ノロキット探して、ノロノロだなあ~」
 沈黙。
 僕のおやじギャグには誰も笑ってくれない。唯一、間をおいてクスっとしてくれたのは、紅一点の久志(ひさし)愛美。彼女は五島列島出身の3年目看護師だ。水田と同じICU勤務。まじめで一生懸命に何でもトライする。いいメンバーが来てくれた。
 言わずもがなかもしれないが、ノロとはノロウイルスのこと。その感染をチェックする簡易検査ツールをノロキットという。こちらでは、皆「ノロキッド」と呼ぶが、九州独特なのだろうか?
 思えば、このときはまだ冗談を言う元気があった。まさか、「ノロ」のおかげで冷や汗が止まらないくらい大変な事態が待っていようとは……。いや、冷や汗どころではない。翌日は僕の人生の中で最も長い一日が訪れることとなる。

 とにかく、県庁ではノロノロで、早く現場に入りたいという焦りが少し出てきた。結局のところ、間違った建物に入りこんでいたらしく、目的とする部署は別の棟だった。
 熊本県医療救護支援本部。
 熊本市街が見渡せる角部屋にあり、20~30人の関係者がいたが、落ち着いた雰囲気であった。長机の上にパソコンを開いて黙々と仕事をしている。おそらく、数日前までは慌ただしかったのだろう。マジックで手書きの模造紙があちらこちらに貼られている。熊本の地図がいくつもある。正面のホワイトボードには、手書きの組織図があった。指揮命令系統がわかる図だ。
 医療コーディネーターをトップに、救護班管理、搬送班、記録、連絡、受付、各団体(日赤、医師会)、小児・周産期……などの下部組織がある。さらに、救護班管理の下、熊本市、御船保健所、阿蘇保健所、菊池保健所が地区別に分かれていた。
<なるほど、しっかり管理統制されているんだ。災害医療支援というのは…>
 これが今回の任務に対する僕の最初の印象。そして、最後の印象もこれだった。
 この図を見ると、僕らは阿蘇保健所の管理下のチームというわけだ。


災害医療支援では裏が表

 受付にチームを登録すると、いくつかの資料をもらった。活動日報(電子ルートで本部へ送る)、熊本市から阿蘇への進入ルート、災害診療記録の解説、医療救護班健康管理シート。
<なるほど、自分の健康もしっかり管理しなければならないのだな>
 今回の派遣では、5年前の派遣と比べて、「なるほど」と感心させられることが多かった。単なる一臨床医としてそう感じたが、災害医療関係者や行政など様々な方々の反省と努力の成果なのだろう。
 ふと外を眺めると、市街地にはブルーシートをかぶせた屋根が目立つ。雨がひどくならなければいいのだが。


 僕たちは、まず熊本大学病院へ向かった。
 第1班は宿泊するところがなく、熊本大学病院のご厚意にて、会議室の一室に泊まらせて頂いたようだ。会議室から寝袋やヘルメツトや食料を積んで、阿蘇へ向かった。道はそんなに渋滞はしていなかったが、途中途中、がけ崩れなどで通行止めがあり、すんなりと行かなかった。(後から聞くと、渋滞は結構していたとのこと。寝てしまった僕が気づかなかっただけらしい)

「ここを右に」。森良孝は、地図が読める内科医だ。
 代謝内科が専門だが、臨床でも何でも器用にこなす。長崎大学の関係者全員が閲覧できるWeb上の行動記録(なぜか名前がWebノロ)に森は詳細に入力してゆく。
「森先生は何でもできるね~」
「先生から、先生と呼ばれると変な感じですね」
 もう10年以上前のことだが、森が研修医の時に長崎医療センターの総合診療科で教えたことがある。優秀だった。どちらかというと体育会系のガンガン働くタイプだったように記憶しているが、繊細さも身に着けたようだ。今回はこのチームの責任者は僕だが、実質上は森君が仕切っていた。
<ほんとに成長したなあ~。もうオレの出番はないな>
 ほくそ笑みながら、うつらうつらしていると、ゴツンと車が浮き上がる。

「お尻が重いですね~」
 長身で、いま風の好青年、運転手の出来(でき)隆博が爽やかに言う。
 チームには、必ず事務方が入る。運転に長崎本部との連絡、阿蘇での宿泊の手配、物品の手配や搬入、記録にお金の支払い……。いわば裏方業務だが、この裏方業務が「表業務」となるのが災害医療支援だと、僕は今回つくづく思った。
 DMATが人命救助をする場面は災害の超急性期であり、劇的でニュースやドラマになるのだが、その後の支援は、被災された方々の日常に対するケアやサポートという、地味で地道なものだ。その地道な支援では、膨大な事務量が発生する。
「出来君、さすが、できるね~!」
 この支援の旅で、何度もメンバーからそう言われるほど(半分、いじられている?)、出来はテキパキと仕事をさばいてくれた。運転、パソコン入力、電話連絡、荷物運び……。今回、このチームで最も働いたメンバーは僕ら医療者でなく、間違いなく事務方の彼だ。
「おっと、また、揺れますよ」
 出来はハンドルを何度も何度も切り、揺れながら山道を行く。支援チームというものは基本的に自己完結が求められる。自分たちの安全を確保し、食料や水や寝る場所も自分で確保しなければならない。3日分の食料、水、食器、ヘルメット、ライト、薬、ごみ袋……と荷物が多く、車のお尻が重くなる。

第1班からの引き継ぎで初日は暮れる

 車は阿蘇に入った。
 阿蘇大橋が崩壊しているため、外輪山沿いに大きく迂回する。長崎の小学生の修学旅行の定番は、熊本市内と阿蘇である。僕らメンバーはそれぞれ、修学旅行や医局旅行、恋人と、家族と、何度も阿蘇に来たことがある。毎回感動だった広い草原と山々の大パノラマに、今日は雲が垂れこめ、小雨で濡れている。今までの美しい風景と違って見えるのはなぜだろう。暗くなってきた。何度か、第1班から連絡があり、僕たちの位置を知らせる。急がなければ。

 ようやく到着した阿蘇医療センター。
 幸いにも、昨年6月に新しく建て替えられていたようで、最小限の被害で済んだようだ。1階の正面玄関の右側の広いスペースが阿蘇の医療支援の本拠地、事務局となっているようだ。

 第1班はセンターの入り口で待っていてくれた。
 3日間、寝袋で寝て、食事は非常食。熊本市内を飛び回り、最終的には阿蘇へ拠点を置くように道筋をつけてくれた精鋭部隊である。災害急性期から亜急性期、現地への支援チームが2~3日単位で入るのは当然なのだろう。過酷な状況や緊張感で張り詰めた環境で、集中力はそれくらいしか続かない。彼らの顔を見てそう思った。疲労感と達成感のいりまじった表情だった。
 事務連絡、荷物の引き渡し、カルテの使い方などを教わると、日は暮れていた。

「写真を撮ろうよ」
 躊躇する彼らを促すのは、最年長の僕の役目だ。きっと、いつかは役に立つと思う。後に続く人のために、記録は必要だ。集合写真を撮るときはいつも、ガッツポーズや笑顔を求めるのだが、さすがに言える雰囲気ではなかった。
 第1班を見送った後、僕らは何か手伝おうとしたが、事務局は忙しそうでばたばたしており、話しかけることも憚られた。とりあえず、実質のリーダーの森君が事務局へ登録に行った。既に20チーム以上が登録されていたようだ。上下のかっこいい災害スーツに身を包んだチーム、「DMAT」と光るベストを身に着けたチームが、それぞれの病院や団体の名前を背負って忙しく行き来していた。精鋭の第1班から引き継ぎを受けた僕ら「ゆるゆる」の第2班は、気後れして部屋の隅に固まっていた。

「大丈夫ですかね、わたしたち」
 久志が不安そうにつぶやくと、水田が明るく答える。
「まっ、下々の者は言われたことをやるだけさ」
 森が受付から帰ってきた。
「今日はもう遅いから、仕事はないみたいです。撤収。明日、7時半集合」
 やる気満々で来た、若いメンバーはがっかりしたようだが、僕は正直、ほっとしていた。この事務局の熱気についてゆく自信が、この時はなかった。一度クールダウンした方がいい。

「宿へ向かおう」
 僕は若いメンバーにこう告げた。
「えっ、宿ですか? ここで、寝袋で寝るんじゃないですか」
「そんなことしたら、この病院の人に迷惑だろう。それに、近くの施設は避難所になっている。第1班が、小国に見つけてくれた宿がある」
「なんか、後ろめたい気持ちもあります」
「そうだろうけど、宿でお金を使うのも復興支援になると思うよ。普通のお客さんはすべてキャンセルだから、支援の人が泊まってやらないと」
 今、観光客のキャンセルは熊本だけでなく、九州各地で起こっている。長崎と熊本は修学旅行のパックになっているが、今週だけで長崎県内のキャンセル数は数万人に及ぶと言われている。熊本はその比ではないだろう。
 僕たちは第1班から引き継いだ荷物を積み、さらに重くなったセレナで、中阿蘇の山道を闇の中、北上した。


  1. 2016/04/29(金) 06:06:17|
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4月28日 

https://www.m3.com/news/iryoishin/420676?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD160428&dcf_doctor=true&mc.l=155231596&eml=3f492a08f1681d66441569ec02c0b51e
シリーズ: 真価問われる専門医改革
新専門医制度、永井委員長が“私案”で改善提案
「地域別、診療科別の定数設定」「学会中心で試行的運用」

2016年4月28日 (木) 橋本佳子(m3.com編集長)

 厚生労働省の社会保障審議会医療部会「専門医養成の在り方に関する専門委員会」(委員長:永井良三・自治医科大学学長)の第2回会議が4月27日に開催され、永井委員長は、2017年度から開始予定の新専門医制度について、専攻医が都市部に集中しないような仕組みを入れた上で、「従来通り、各学会が専門医養成プログラムに関し、中心的な役割を担うこととして、試行的に運用してはどうか」との“委員長私案”を提出した。日本専門医機構の権限について、永井委員長は「強すぎる」と指摘し、転換を求める提案だ(資料は、厚労省のホームページ)。

 “委員長私案”では現時点では、「都道府県別の定数は、過去3年間の採用実績の1.1倍から1.2倍を全国の定数とした上で、都市部以外の道県に対して、より配慮して決める」としている。“委員長私案”に対しては、委員からは支持する声が多く、厚労省が次回の専門委員会で、都道府県別および基本診療領域別の定数案を提出する方針。

 19の基本領域別の研修プログラムの申請は既に締め切られ、現在、各学会および日本専門医機構による審査が進行中だ。「試行的に運用」の意味は必ずしも明確されなかったが、新研修プログラムを活用、専攻医の定数は過去実績を基に設定しつつ、それ以外の部分については現行制度とはあまり変えず、学会中心で新専門医制度を小さく生み、ソフトランディングを図るのが、“委員長私案”の意図と映る。

 例えば、内科領域で申請された研修プログラムは523で、定員合計は6084人。過去3年の認定内科医の平均受験者数は3605人で、1.69倍だ。過去の実績を大幅に上回る定員数になれば、都市部への専攻医集中が懸念される。厚労省は、新専門医制度により地域医療に支障を来すことを防ぐため、都道府県に対し、関係者による協議会(以下、協議会)を設置するよう求めている。しかし、いまだ開催されない都道府県がある上、協議会の役割や権限は現状では明確ではない。この点も見越して、まずは学会中心で定員調整を期待するのが、“委員長私案”と言える。「学会が主体となり、日本専門医機構や協議会と相談しながらやっていく。正規の発足でも、中止でもなく、試行」(永井氏)。


 「日本専門医機構の権限、強すぎる」
 永井委員長は、私案を提出した理由について、「制度を動かしていく上で欠けている部分があるのではないか。それを私なりに整理した。日本専門医機構が持っている権限はあまりにも強すぎ、分散させなければいけないという視点から書いた」と説明。計7項目から成り、うち第2回会議では、3項目の考え方を説明。

 特に重要な項目として、専攻医の定員調整を挙げた。「全国統一の基準で専門医を育てていくのが難しいのであれば、当面は、多少フレキシブルに各地域で専門医を養成していくところから始めてはどうか」(永井委員長)。

 募集定員数は、将来的には、専攻医の需給バランス、つまり患者数などを踏まえて設定する必要があるとしながらも、現時点ではそのデータがないことから、過去3年の採用実績をベースに検討する。「採用実績の何倍を定員数とするかは、テクニカルな工夫が必要だろう。そのためにも試行が必要」と永井氏は述べるとともに、初期の臨床研修制度と同様にマッチングシステムの導入も検討し得るとした。

 そのほか、“委員長私案”では、(1)地域医療への混乱を防ぐために、協議会が主体的な役割を果たし、都道府県ごとの定員と、基幹病院が作成したプログラム(1次プログラム)を基に、地域に合った育成プログラム(2次プログラム)となるよう調整を行う、(2)地域医療に配慮したプログラムとするための調整は、協議会が行うべきであり、そのための責任と権限をどのように与えるか、日本専門医機構が認定をどのように行うかなどについて検討が必要――などを提案。

 「ラジカルな変更」と“委員長私案”を支持
 “委員長私案”に対し、「とても大胆」「極めてまっとうな私案」と述べたのは、日本精神科病院協会常務理事の森隆夫氏。全国医学部長病院長会議の「専門医に関するワーキンググループ」座長の小川彰氏も、「“委員長私案”で、ようやく地域偏在の問題を真正面から議論できることになった。内容は非常に結構であり、かなりラジカルな変更。日本専門医機構の基本スキームを大幅に変えることになる。ぜひこれをベースに検討してもらいたい」と支持した。

 もっとも、都道府県の協議会が、定数調整などの機能を果たし得るかについては、疑義を呈する意見が相次いだ。日本病院会副会長の末永裕之氏は、「“委員長私案”には賛成。しかし、協議会は、機能している県もあるというが、愛知県では全く機能していない。協議会にどんな役割、機能を持たせるかが重要」と指摘。全日本病院協会会長の西澤寛俊氏は、「都道府県が設置する協議会なのか、あるいはプロフェッショナルオートノミーとしての協議会なのか。地域医療構想との関連も分からない。これらを整理する必要がある」とコメント。永井委員長は、協議会を法的位置付けにするか、あるいは当事者のプロフェッショナルオートノミーでやるかは今後の検討課題とした。

 永井委員長は、協議会においては、各医師会の役割が重要であるとも指摘。これに対し、日本医師会副会長の今村聡氏は、「協議会のメンバーが大事」と述べ、医師会は地域の医療を担っていく立場として、大学や地域の病院と連携していくと答えた。

 学会による温度差、鮮明に
 “委員長私案”を受け、全国自治体病院協議会会長の邊見公雄氏は、「学会間で温度差はあるだろうが、今のままの学会が行うのか、日本専門医機構に任せた方がいいのか」と、第2回会議に参考人として出席した、内科、小児科、脳神経外科、総合診療の各領域の関係者に質問した。

 日本脳神経外科学会理事長の嘉山孝正氏は、「学会単独でやれ、というのであれば可能。日本専門医機構の役割は、“サポーティングシステム”でいい」と回答。さらに「そもそも専門医とは何かがきちんと定義されていない。根本的なところに戻るべきではないか」とも問題提起した。なお、同学会では、現在でも全国共通の研修プログラム、地域医療を勘案した循環型教育システム、経験症例数の明示化を柱とし、地域医療への影響も勘案しながら専門医研修を進めていると嘉山氏は説明。

 日本小児科学会理事の井田博幸氏は、「学会でもできる」と答えたものの、学会、日本専門医機構、都道府県のそれぞれの役割や誰がイニシアティブを取るのかなどを決めておかないと、混乱が起きるとした。

 これに対し、日本内科学会認定医制度審議会副会長の宮崎俊一氏は、新専門医制度は、厚労省の「専門医の在り方に関する検討会」が、中立的に第三者機関が認定を行う仕組みを提言したことからスタートしているとし、会員を増やすために専門医制度を運営する学会もあること、学会運営の専門医制度では学会に所属しなければ専門医資格を取得できないことなどから、社会的な制度にするためにも、専門医の認定は日本専門医機構が行うのが適切であると回答。

 日本専門医機構理事で、「総合診療領域における専門医委員会」委員長の倉本秋氏は、他の基本領域とは異なり、新たな専門医であることから、「総合診療専門医は、オールジャパンでやっていくことになっている。機構の中で研修プログラムを作り、何とか皆のスケジュールに遅れないようにやってきた」と説明。ただし、申請された研修プログラムは394で、定員総数は1539人に上り、「少し多すぎるために、どう調整するかが課題」(倉本氏)。なお、総合診療専門医に対しては、「形が見えていない。来年度からスタートすべきではない」と指摘する意見もあった。日本プライマリ・ケア連合学会認定の家庭医療専門医などがワークショップを受け、総合診療専門医の「特任指導医」となるが、その取り組みは6月開始予定であり、まだその数が見えないことなどが理由だ。

 なお、参考人として出席した日本専門医機構の役員は、“委員長私案”についての是非には触れなかったものの、現状でも地域医療への混乱を避けるため、学会と連携し、協議を重ね、研修プログラムの審査などを通じて解決を図っていることを説明、理解を求めた。

 日本専門医機構、事務局は16人
 第2回会議では、日本専門医機構が、第1回会議で問題視されていたガバナンスとサブスペシャルティの在り方について説明した(『新専門医制度、「調整の労は取る」と厚労省』を参照)。
 同機構理事長の池田康夫氏は、現在の組織体制を説明、「専門学会の意見を聞かなければ、この機構の使命を果たせないということで社員になってもらった」と述べ、18の基本領域の学会が社員として加わった経緯のほか、去る4月25日の社員総会で、「役員選任規定」が了承されたことにも触れた(『「延期でかえって大混乱」、池田専門医機構理事長』を参照)。

 事務局は、当初は前身の日本専門医制・評価認定機構の時代は5人程度だったが、段階的に増員し、現在は正職員7人、契約職員9人の計16人体制。今後、1~2人の増員予定もある。「特に総合診療専門医については、機構が中心的にやっていくため職員が必要。それ以外については、18学会の事務局と連携しながら進める」(池田氏)。

 さらに池田氏は、当初は学会の専門医制度を標準化する方針で取り組んできたものの、地域医療への影響を懸念する声が出てきたことを踏まえ、「より良い専門医を養成する。地域医療をより良くする。これらを調和させるためには組織改革が必要」と述べ、社員、理事、委員会に、地域医療のステークホルダーが入る仕組みを早急に作らなければならないとした。

 日本専門医機構理事の千田彰一氏によると、日本専門医制・評価認定機構の時代に認定した29のサブスペシャルティのほか、55の学会から参加希望があり、現在サブスペシャルティの在り方などを検討中だという。29のサブスペシャルティについては、今年10月に認定期間が満了するため、その更新審査が必要であり、「10月までには一つの結論を出さなければならない」(千田氏)。これに対し、「基本領域の専門医の標準化はいいが、サブスペシャルティにはいろいろなタイプがあり、中央で議論する必要はない」(森氏)との意見も出た。

 新専門医制度については専攻医の身分保障も問題になるが、「専攻医の勤務環境検討委員会」の第1回会議がこの2月に開催されただけだ。「議論が遅れているのは事実だが、何とか挽回したい」と千田氏は述べた。ただ、新専門医制度は、基幹施設が研修プログラムを統括するため、専攻医の雇用、身分保障は、各基幹施設に責任を持って対応してもらい、問題点が出てくれば対応していく」(千田氏)のが基本となる。

 いまだくすぶる延期論
 そのほか、新専門医制度については、大半の学会が総会の出席を必須としているため、「スタンプをもらうために総会に行くことにより、地域医療に支障を来す」(森氏)などの意見も出た。日本医療法人協会会長の加納繁照氏も、既に専門医を取得している医師が更新の際に総会等に出席することで、「現場が疎かになる」と指摘。

 議論の終盤では、新専門医制度の「延期」に言及する意見も出た。

 小川氏は、「地域医療の崩壊に結び付かないようにしなければいけない。見切り発車で新しい制度をスタートさせたら、元には戻らない。地域で研修プログラム調整を行うのは不可能」と述べ、タイミングも考え、今の次期に専門委員会で延期を提言すべきとした。

 日本医師会常任理事の羽鳥裕氏からも、「各都道府県により、協議会の名称も全然違う。まだ真剣に討議されている例が少なく、リアリティがない」と指摘し、新専門医制度の延期を提言し、協議会の共通の名称を付けることから始めるべきとの意見が出た。

 NPO法人ささえあい医療人権センターCOML理事長の山口育子氏は、来年度から専門医研修に入る予定の医師に対し、指導医クラスの医師が説明できない現状があるとし、「どう考えても拙速。延期をする、ということを早い段階で決めるべき」と求めた。

 これらの意見に対し、永井委員長は、「全面的にスタートするのは無理だろう。今でも、学会は専門医制度を動かしている。こうした考え(“委員長私案”)をトライアルとして始めるのはどうか」と改めて提案。

 それでもなお、日本医学会副会長の門田守人氏は、新専門医制度は、学会認定の専門医制度が問題視されたことからスタートしたと指摘、日本専門医機構という第三者が認定する仕組みが必要だとし、「いまだに原点に戻るような議論をしているのは、極めて残念」とコメントした。

 「今の意見に全く反対」と、門田氏の意見を真っ向から否定したのが、嘉山氏。2004年度から必修化された臨床研修制度においても、地域医療への影響などが懸念されたにもかかわらず、開始した結果、「“パンドラの箱”が開けられ」(嘉山氏)、混乱が生じたとし、「緻密に事実を積み上げてスタートすべき」と述べ、問題が提起されている現実を直視した対応が必要だとした。



http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10101/306113
新専門医制度、都道府県別に過去の専門医採用実績をベースにした定数設定議論へ―専門医の在り方専門委員会
2016年4月28日|医療・介護行政をウォッチ

 「地域の医師偏在を助長する可能性がある」と批判される新専門医制度について、都道府県別・診療領域別の定数枠を設定することで批判の原因の1つを除去できるのではないか―。

 27日に開かれた社会保障審議会・医療部会の「専門医養成の在り方に関する専門委員会」で、永井良三部会長(自治医科大学学長)はこのような見解をベースに、厚生労働省に対して「過去3年間の専門医採用実績の1.1-1.2倍をオールジャパンの専門医定員枠として、都市部以外の道県により配慮した都道府県別の定員枠」案を試算するよう指示しました。

ここがポイント! [非表示]
1 永井委員長、「都道府県別・地域別の新専門医定員枠」を検討すべきと提案
2 「将来的に、都道府県の協議会の責任と権限を強化すべき」とも永井委員長
3 永井私案に対し、明確な反論は出されず
4 「延期すべき」との指摘に対し、門田委員は「動かしながら改善すべき」と反論

永井委員長、「都道府県別・地域別の新専門医定員枠」を検討すべきと提案

 新専門医制度は、第三者機関(日本専門医機構)が「専門医養成プログラムの認証」と「専門医の認定」を統一基準で行うことで、より質の高い医療提供体制の構築を目指す仕組みです。来年(2017年)4月から新専門医の養成がスタートする予定となっています。

 しかし、「専門医の養成を行う施設が大学病院などに偏っており、地域医療に従事する若手医師が地域を離れてしまう可能性が高い。地域における医師偏在を助長してしまう」との批判があります。厚生労働省もこの批判を踏まえ、この4-6月に養成プログラム案のチェック・改善を日本専門医機構・都道府県(協議会)・国の3層構造で行うことになっています(関連記事はこちらとこちら)。

 この対応にもかかわらず、医療現場には「制度の根本的な見直し」を求める声も強く(関連記事はこちらとこちら)、医療部会や専門委員会で議論が続けられています。

 そうした中、27日の専門委員会では、永井委員長から論点私案(永井私案)が提示されました。

 永井私案では、まず来年度(2017年4月)からの新専門医スタートに向けて「定員枠を設定することで、医師偏在助長の原因を除去する」ことを提案しています。具体的には、▽過去3年間の専門医採用実績の1.1-1.2倍を日本全国の定員枠とする ▽都市部以外の道県に対してより配慮した都道府県・診療領域別の定員枠を設定する―という提案です。

 永井座長は、この考えに沿って定員枠を試算するよう厚労省に指示。次回以降、この試算結果に基づいた議論が行われる見込みです。例えば、「地方に配慮すると、東京都の専門医定員枠が大幅に減少してしまう」結果が出るかもしれません。数字をベースに具体的に議論することが重要との永井会長の思いが伺えます。

「将来的に、都道府県の協議会の責任と権限を強化すべき」とも永井委員長

 永井私案では、将来的に「都道府県の協議会の権限強化を行う」ことも提案されています。

 具体的には、各基幹施設などから示された養成プログラム(1次プログラム)について、協議会が都道府県ごとの定員(前述)をもとに調整して2次プログラムを作成。さらに協議会が専攻医(専門医を目指す後期研修医)の身分や待遇について監督・指導する役割も担うべきとしています。

 また専門医の認定について「専門医機構がどのように行うべきか」「協議会がどのような責任と権限を持つか」という点についても議論する必要があると指摘しています。

 この考え方は、冒頭に述べた「養成プログラム認証」と「専門医の認定」を専門医機構が行うという考え方とは異なるものです。ただし永井委員長は、「協議会が一定の役割を果たせるようになるまでには時間がかかることは承知している。2017年度からの運用ではなく、将来的な姿である」旨の考えも述べています。

 永井私案は、(1)都道府県別・診療領域別の定員枠を設定した上で新専門医の養成を2017年4月からスタートする(2)将来的に都道府県の協議会が新専門医養成に一定の役割を果たす―という2段階の構想と見ることが出来そうです。

 なお、永井委員長は、▽プラグラムの開始 ▽複数の都道府県の医療機関を含むプログラム ▽総合診療医のダブルボート―といった点にも改善すべき課題があるとし、次回以降、私案を提示する考えです。

永井私案に対し、明確な反論は出されず

 27日の委員会では、永井私案の内容に対して明確な反対意見はなく、むしろ高く評価する意見が相次ぎました。

 末永裕之委員(日本病院会副会長)は、「都道府県の機能を高めるには、権限を付与しなければいけない」と述べ、永井私案に賛同。森隆夫委員(日本精神科病院協会常務理事)も、「学会と協議会の機能を強化することで、医師の偏在是正に向けて動き出すと思う」とコメントしています。

 ただし鶴田憲一委員(全国衛生部長会会長)は、「都道府県は『突然、新専門医の役割が降ってきた』と感じている。複雑な問題で、都道府県がそこまでの機能を果たせるだろうか」との疑問を提示しており、今後、慎重な検討が必要となるでしょう。

「延期すべき」との指摘に対し、門田委員は「動かしながら改善すべき」と反論

 円滑な新専門医制度のスタートを意識した永井私案ですが、やはり小川彰委員(全国医学部長病院長会議 専門医に関するWG座長)や羽鳥裕委員(日本医師会常任理事)、山口育子委員(ささえあい医療人権センターCOML理事長)は「見切り発車はいけない。延期を決議すべき」と指摘します。

 しかし門田守人委員(日本医学会連合副会長)は、「『専門医の在り方に関する検討会』で議論を詰め、現在の形を作った。それを今になって原点に戻るような議論がなされているのは残念。延期をしても大幅な改善ができるであろうか。徐々に改善していくしかない」と述べ、2017年4月から予定通り専門医養成を進めるべきと強く主張。

 一方、参考人として出席した嘉山孝正(山形大学医学部がんセンター長)は、「臨床研修制度でも地域の医師偏在があると指摘されたが、解決せずに動かしてしまった。緻密に課題を解決する必要がある」旨を述べています。


 今後、永井私案に基づいた「都道府県・領域別の定員枠」案などをベースに、実施時期に関する議論も今後詰められることになります。

 ただし、機構が認定を行う新専門医制度が仮に延期されるとしても、現在の学会主導の専門医制度は稼働しており、「専門医を目指す現場の医師」に不利益が生じることはなさそうです。



https://www.m3.com/news/general/420719
医師不在で死亡診断書…埼玉の特養ホーム
2016年4月28日 (木) 読売新聞

 埼玉県春日部市銚子口の特別養護老人ホーム施設「あすなろの郷」で3月下旬、女性入居者(当時101歳)が死亡した際、医師が不在だったにもかかわらず、施設で老衰の死亡診断書を作成していたことが27日、県などへの取材でわかった。

 施設の嘱託医は、事前に日付を空欄にした死亡診断書を施設に渡していたという。県は26日に施設の立ち入り検査を実施して調査しており、医師らの行為が医師法に抵触する可能性があるとみて、県警にも報告する。

 県などによると、死亡した女性入居者は、3月18日に危篤状態に陥った。嘱託医は19日から旅行の予定が入っており、死因を「老衰」と記載して署名し、日付を空欄にした死亡診断書を作成して、施設に預けた。

 20日に女性が死亡し、施設職員が嘱託医に連絡を取ったが、施設に戻れなかったため、看護師が死亡診断書の死亡年月日と発行年月日を記入した。診断書は遺族に渡されたという。

 医師法では、死亡診断書の作成について、医師以外できないと定めている。県医療整備課によると、入居者が死亡した際に、担当の嘱託医が不在であれば、救急車を呼ぶなどして、他の医師の診断を受ける必要がある。

 県福祉監査課によると、施設に嘱託医は2人おり、施設のマニュアルには、1人に連絡がつかない場合、残る1人に連絡を取るよう定めていたが、施設の職員らはそれを順守していなかった。

 施設によると、この看護師は「他の医師を探している間、女性を連れ回したくなかった」などと説明したという。看護師は3月末で退職した。

 日付を空欄にした死亡診断書を施設に渡したとされる嘱託医は、読売新聞の取材に対し、「話すことはない」としている。施設によると、この医師は26日、5月末で嘱託医を辞めると伝えてきたという。

 施設を運営する社会福祉法人「あすなろ会」の斎藤美嗣専務理事は「悪いことをした認識はある。職員の責任の範囲を超えた行動だった」と説明している。

 今回の問題について、県や保健所への報告がなく、県福祉監査課は「報告を怠るなど、事後処理も問題がある。必要に応じて調査を行い、再発防止に向けて速やかな報告などの指導を行う」としている。

 同課によると、「あすなろの郷」は2008年4月設立。定員90人の特別養護老人ホームのほか、ショートステイ(定員10人)、デイサービス(定員25人)、居宅介護支援を行っている。



https://www.m3.com/news/general/420731
臨床研究規制法案、講師謝礼・原稿料も公開 不正監視義務付け
2016年4月28日 (木) 毎日新聞社

 降圧剤バルサルタン(商品名ディオバン)の臨床試験疑惑を受け、厚生労働省が検討してきた「臨床研究規制法案」の全容が判明した。臨床試験に関する製薬企業などから研究機関への資金提供の公開義務では、公開対象を当初検討していた研究責任者への奨学寄付金や研究開発費に加え、講師謝金や原稿執筆料などにも拡大する。また、データ改ざんを防ぐため試験途中でデータがカルテと一致しているか確認するモニタリングなどを研究者側に義務付ける。今通常国会に提出し、法案成立を目指す。

 厚労省が27日、自民党の厚生労働部会で示した。法案によると、資金提供した製薬企業の製品を使った臨床試験や未承認薬などを使った臨床試験を「特定臨床研究」と規定。こうした試験を行う研究責任者は国が認定する第三者委員会に実施計画書を提出し、審査を義務付ける。その上で研究者に対し、データ改ざんを防ぐため、試験途中のモニタリングや終了時の監査、企業側からの資金提供など利益相反の管理、データ保存などを義務付ける。国の基準に違反した場合、厚労相が中止を命令でき、最高懲役3年、罰金300万円の罰則も定める。

 バルサルタンの臨床試験疑惑では、データ改ざんが判明した試験を行った大学研究室に販売元の製薬企業から多額の奨学寄付金が提供されていた。【河内敏康】

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 ■解説

 ◇抜け穴ない対策、信頼回復に必要

 医薬品や医療機器などの臨床試験について、開発企業が研究者側に提供した奨学寄付金や講師謝金などの公開を義務付けたのは、企業から多額の資金提供を受けた試験で都合の良い結果を出すデータ改ざんが見つかり、国民の信頼を失墜させた降圧剤バルサルタンの臨床試験疑惑の反省があったからだ。

 今回の法案によって、研究者と企業のカネを巡る関係が透明化し、不正の抑止につながることが期待される。バルサルタン疑惑を巡っては、京都府立医大や東京慈恵会医大など全国5大学が行った、バルサルタンの新たな効果を調べる臨床試験の多くでデータ改ざんが見つかった。さらに試験を実施した研究室に対し、販売元のノバルティスファーマから計11億円を超える奨学寄付金が提供され試験が行われたにもかかわらず、その事実を論文で明らかにしていなかった大学もあったため、疑惑がさらに膨らんだ経緯がある。

 今回、国が講師謝金や原稿執筆料にまで情報公開の範囲を広げたのは、臨床試験を行った研究者が、資金を提供した企業主催の講演会や医学系雑誌などで試験結果について紹介するケースがしばしばあるためだ。一方、企業から財団などを経由して研究者に資金提供されたりした場合などは法案の規制対象外になるとみられる。企業側から提供される飲食などの接遇費も対象外だ。医療への信頼を回復するためにも、国には「抜け穴」のない一層の対策が求められる。【河内敏康】



https://www.m3.com/news/general/420794
長期治療患者の就職支援 ハローワーク、福島医大病院と連携
2016年4月28日 (木) 福島民友新聞

 ハローワーク福島は27日から、福島医大付属病院で長期治療を受けているがんや肝炎、糖尿病などの患者を対象に就職支援を始めた。同病院にハローワーク職員が出張して相談に応じ、患者が治療を受けながら働けるようサポートする。両者が同日、連携協定を結んだ。

 病院とハローワークとの連携による長期療養者の就職支援を実施するのは県内で初めて。長期にわたる治療のために離職を余儀なくされたり、職業経験が乏しい人を対象に、患者の希望に沿って対応する。通院や治療の副作用など働き方の制約にも配慮しながら希望に合う企業の求人情報を探し、企業側と勤務条件について話し合い、職場への定着も支援する。5月11日からは毎週水曜日に同病院で出張相談を行う。

 厚生労働省が2014(平成26)年度に全国16カ所で実施したモデル事業では、拠点病院と最寄りのハローワークとの連携による就職率が43.6%だった。



https://www.m3.com/news/general/420727
せき止め薬、適正量の10倍投与…病院側に60万円支払い命令
2016年4月28日 (木) 読売新聞

 2012年に島根県東部の80歳代の男性が肺がんの治療で松江医療センター(松江市)に入院中、投薬ミスで抗がん剤治療が受けられず、死亡時期が早まったなどとして、遺族が病院を運営する独立行政法人・国立病院機構に約2640万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が25日、松江地裁であった。

 杉山順一裁判長は、投薬ミスと死亡などとの因果関係は認めなかったが、投薬ミスで男性が精神的苦痛を受けたとして、機構側に慰謝料60万円の支払いを命じた。

 判決などによると、男性は12年7月に入院中、薬剤師らのミスで適正量の10倍のせき止め薬を20日間近く投与された。その後、男性は全身の状態が悪化し、予定されていた抗がん剤治療が中止され、同年12月、肺がんのため82歳で死亡した。機構側は投薬ミスの事実は認めていた。

 杉山裁判長は判決で、薬の過剰投与と治療の中止や死亡時期が早まったことなどとの関係性を否定した。一方で、薬の過剰投与が原因で幻覚などが生じる「せん妄」状態になり、看護師らに体を拘束されるなど精神的な苦痛を受けたと認定した。

 判決について松江医療センターの上甲尚史事務部長は「(控訴は)判決文を見て相談したい」とし、原告側の代理人弁護士は「控訴は原告と検討したい」と話した。



https://www.m3.com/news/general/420770
新たに4人が結核 警視庁、感染者計32人に
2016年4月28日 (木) 共同通信社

 警視庁渋谷署員らが結核に集団感染した問題で、新たに警視庁本部の警察官ら4人も感染していたことが28日、警視庁への取材で分かった。一連の問題で感染者は計32人となった。

 昨年2月、渋谷署で留置中に肺結核で死亡した60代の男性の解剖を東大病院で実施。同室に留置されていた40代の男性のほか、解剖した医師や立ち会った渋谷署員らの感染が発覚した。

 同庁によると、これまでに渋谷署員や本富士署員ら107人を対象に検査を実施していた。



https://www.m3.com/news/general/420795
仮設環境と心の健康、関係を調査 陸前高田・大槌地区
2016年4月28日 (木) 岩手日報

 県釜石・大船渡保健所の久保慶祐所長(57)は27日、陸前高田市高田町の市コミュニティホールで、同市と大槌町の仮設住宅長期居住者に対する健康調査結果の報告会を開いた。仮設住宅は建物の品質や交通の便などの生活環境に差があり、住民の心の健康状態にも大きな差があった。熊本地震の被災地で仮設住宅建設の準備が進む中、久保所長は「住宅の快適性が心の健康に関係している可能性がある」と、本県被災地の経験を基に、住み心地への配慮を提言している。

 市民ら約40人が参加。調査は昨年6~12月に同市の31団地517人(回収率27・4%)と同町の31団地353人(同17・7%)に聞き取りなどで実施し、世界保健機関(WHO)が採用する「K6」と呼ばれる心の健康状態を測定する設問の点数などをまとめた。

 K6で「深刻な問題が発生している可能性が高い」とされる13点以上の割合は同市が12・1%、同町が16・7%で、平常時の全国平均3%を大きく上回った。

 久保所長は「仮設団地によってK6の点数に偏りがあった。ハウスメーカーによって住居の快適性は異なり、同じ部屋数でも間取りが違えば家族間のプライバシー保護に大きな差が出る。水はけや日当たりなど立地条件でも違いがある」と説明。今後、沿岸各地で仮設の集約を控えており「住居の快適性や利便性も加味した方が良い」と語る。

 一方、生活習慣病の悪化などはみられず、被災者の医療費免除は受診を促す効果が高いと考察。見守り活動と共に制度の継続を提言している。



http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10101/306113
伊万里松浦病院移転 地元区長会が要望
2016年4月28日 (木) 佐賀新聞

 伊万里市山代町の伊万里松浦病院(旧社会保険浦之崎病院)移転問題で、地元の山代町区長会(松永勝美会長)は27日、病院を運営する独立行政法人地域医療機能推進機構(東京都)を訪ね、現在地存続を要望した。関係者によると、機構の尾身茂理事長は「地元の熱い思いは受け取った」と理解を示しつつ、結論については「正式には決まっていない」と言及を避けたという。

 松永会長ら区長会3人と伊万里市議6人、県選出の国会議員3人が現地建て替えでの存続を訴えた。機構に「山代町民にとって、安心して住みよい生活の確保と健康の維持・向上に欠くことができない病院として、今後とも必要」とする要望書を提出した。

 機構は、人口が少なく、市の西端にある山代町浦之崎地区では黒字経営が難しいことを移転の根拠としてきた。要望書では同地区沿岸部の約83ヘクタールの埋め立て用地を、県が将来的に工業用地整備をする予定とし、「臨海型の企業立地や、それに伴い相当数の従業員の雇用、背後地には住宅や商業施設等の整備も見込まれる」と将来的な人口増の可能性を示唆している。

 松永会長ら関係者は、機構を所管する厚生労働省医政局も訪れ、現地存続に理解と協力を求めた。



https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20160428-OYTET50008/
医師不在で死亡診断書…埼玉の特養ホーム
2016年4月28日 読売新聞

 埼玉県春日部市銚子口の特別養護老人ホーム施設「あすなろの郷」で3月下旬、女性入居者(当時101歳)が死亡した際、医師が不在だったにもかかわらず、施設で老衰の死亡診断書を作成していたことが27日、県などへの取材でわかった。

 施設の嘱託医は、事前に日付を空欄にした死亡診断書を施設に渡していたという。県は26日に施設の立ち入り検査を実施して調査しており、医師らの行為が医師法に抵触する可能性があるとみて、県警にも報告する。

 県などによると、死亡した女性入居者は、3月18日に危篤状態に陥った。嘱託医は19日から旅行の予定が入っており、死因を「老衰」と記載して署名し、日付を空欄にした死亡診断書を作成して、施設に預けた。

 20日に女性が死亡し、施設職員が嘱託医に連絡を取ったが、施設に戻れなかったため、看護師が死亡診断書の死亡年月日と発行年月日を記入した。診断書は遺族に渡されたという。

 医師法では、死亡診断書の作成について、医師以外できないと定めている。県医療整備課によると、入居者が死亡した際に、担当の嘱託医が不在であれば、救急車を呼ぶなどして、他の医師の診断を受ける必要がある。

 県福祉監査課によると、施設に嘱託医は2人おり、施設のマニュアルには、1人に連絡がつかない場合、残る1人に連絡を取るよう定めていたが、施設の職員らはそれを順守していなかった。

 施設によると、この看護師は「他の医師を探している間、女性を連れ回したくなかった」などと説明したという。看護師は3月末で退職した。

 日付を空欄にした死亡診断書を施設に渡したとされる嘱託医は、読売新聞の取材に対し、「話すことはない」としている。施設によると、この医師は26日、5月末で嘱託医を辞めると伝えてきたという。

 施設を運営する社会福祉法人「あすなろ会」の斎藤美嗣専務理事は「悪いことをした認識はある。職員の責任の範囲を超えた行動だった」と説明している。

 今回の問題について、県や保健所への報告がなく、県福祉監査課は「報告を怠るなど、事後処理も問題がある。必要に応じて調査を行い、再発防止に向けて速やかな報告などの指導を行う」としている。

 同課によると、「あすなろの郷」は2008年4月設立。定員90人の特別養護老人ホームのほか、ショートステイ(定員10人)、デイサービス(定員25人)、居宅介護支援を行っている。



https://www.m3.com/clinical/news/420762
泌尿器科医3割が「退職は71歳以降」【米国泌尿器科学会】
わずか1年で7ポイント増加、高齢人口の増加が影響か

米国学会短信2016年4月28日 (木)配信 腎・泌尿器疾患その他

 「退職を71歳以降に見合わせる」と回答した泌尿器科専門医の割合は1年前の22.7%(2500人)から約30%(3400人)と約7ポイント増加し、現役の泌尿器科医の半数以上が55歳超で約28%が65歳を超えている実態が明らかになった。米国で診療に従事する1万人余りの泌尿器科専門医を対象とした年次調査の結果から判明したもので、米国泌尿器科学会(AUA)が4月8日に発表した。

 同調査によると、泌尿器科医の30%の診療経験年数は30年以上であった他、泌尿器科医の数には地域差があり、泌尿器科医ゼロの自治体の数は2014年の62.2%から15年の63.6%に増加していた。泌尿器科を擁する医療施設の41%が泌尿器科医の不足解決が困難なことがあると回答していた。

 同学会関係者は泌尿器科医が退職時期の延長を考えている一因として、人口の高齢化に伴う泌尿器科診療への需要の高まりによるものと分析。さらに、地域によっては将来、泌尿器科医へのアクセスが困難になる潜在的リスクがあると危機感を示している。



http://www.medwatch.jp/?p=8716
一般病床数が前月から1299床の大幅減、今後の動向に注目集まる―医療施設動態調査(2016年2月)
2016年4月28日|医療・介護行政をウォッチ

 今年1月末から2月末にかけて、病院の一般病床数は1299床減少し、無床の診療所(クリニック)も23施設減少した―。このような状況が、厚生労働省が毎月公表している医療施設動態調査から明らかになりました。

 一般病床数の大幅減の要因分析が待たれます。

ここがポイント! [非表示]
1 有床診は月間39施設程度のペースで減少、2017年10月には7000施設割れか
2 病院の一般病床数は緩やかな減少傾向、有床診のベッド数は来春にも10万床割れ

有床診は月間39施設程度のペースで減少、2017年10月には7000施設割れか

 厚生労働省は毎月、全国の病院・診療所の増減を「医療施設動態調査」として公表しています。

 今年(2016年)2月末の医療施設総数は、全国で17万8303施設。前月に比べて3施設増加しました。内訳を見ると、病院は2施設減(一般病院が2施設減少)、診療所は8施設増加、歯科診療所は3施設減少しています。

 特に、有床診療所は前月から23施設減っており、減少傾向に歯止めはかかっていません。

 また、前月には無床診療所の増加がストップしたように見えましたが、2月には31施設増加しており、長期的な動向を把握する必要がありあそうです。

 病院は8469施設で、前月から2施設減少しました。種類別に見ると、一般病院が7406施設で2施設減少、精神科病院は1063施設で前月から増減なしです。

 一般病院の中で、療養病床を持つ病院は3843施設(前月から2施設増)、地域医療支援病院は507施設(前月から2施設増加)という状況です。

 ここ1年間における有床診療所の減少ペースを見ると、▽2015年1月→2月:26施設減 ▽15年2月→3月:41施設減▽15年3月→4月:48施設減▽15年4月→5月:99施設減 ▽15年5月→6月:23施設減▽15年6月→7月:24施設減 ▽15年7月→8月:17施設減▽15年8月→9月:29施設減 ▽15年9月→10月:34施設減▽15年10月→11月:22施設減▽15年11月→12月:41施設減 ▽15年12月→2016年1月:30施設減―となっており、1年間で463施設、1か月平均で39施設減少している計算です(ただし2016年6月分までは後に再計算されている)。

 このペースが続けば20か月後、つまり来年(2017年)10月には有床診療所数は7000施設を切ると考えられます。

 2016年度の診療報酬改定には、▽在宅復帰機能強化加算の新設(1日につき一般では5点、療養では10点) ▽在宅復帰機能強化加算を届け出ている病院を7対1病院などからの在宅復帰先に追加 ▽夜間看護配置加算の評価充実(加算1、加算2ともに5点引き上げ) ▽在宅医療関係の報酬充実―など有床診の経営を支える項目もあり、4月からの状況に注目したいところです(関連記事はこちらとこちらとこちらとこちらとこちら)。

病院の一般病床数は緩やかな減少傾向、有床診のベッド数は来春にも10万床割れ

 病床数に目を移すと、2016年1月末の全病床数は166万9342床で、前月から1432床の大幅減となりました。

 このうち病院の病床数は156万3619床で、前月に比べて1141床減少しています。種類別に見ると、一般病床は前月から1299床減少して89万1657床に、療養病床は56床増加して32万8958床となりました。

 ここ半年間の一般病床数の動向を見ると、▽15年7月:89万4337床(同18減 )▽15年8月:89万3855床(同305減) ▽15年9月:89万3970床(同115増減) ▽15年10月:89万3886床(同84減) ▽15年11月:89万3508床(同378減)15年12月:89万3682床(同174増) ▽2016年1月:89万2956床(同726減)―と若干の増減を繰り返しながら、大きな減少傾向にあることが分かります(関連記事はこちら)。

 平均在院日数の短縮や、入院医療の外来シフトが進む中で、長期的に見て一般病床数がどのように変化していくのか、今後の状況を注視する必要があります。

 また有床診療所の病床数は前月から291床減少し、10万5649床となりました。こちらはも、来春(2017年春)には10万床を切ることになりそうです。

病院病床数は明らかな減少傾向にあり、最近、減少に拍車がかかっている
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  1. 2016/04/29(金) 06:04:33|
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4月27日 熊本震災関連 

https://medical-tribune.co.jp/news/2016/0427503386/
「やはり起こった」被災地の肺塞栓症
済生会熊本病院・奥村謙氏

臨床医学 | 2016.04.27 21:27

 前・弘前大学大学院循環器腎臓内科学講座教授で,今年(2016年)4月から済生会熊本病院心臓血管センター循環器内科不整脈先端治療部門の最高技術顧問を務める奥村謙氏は,本日(4月27日)東京で開かれた不整脈治療の記者説明会後,小社に熊本地震に関するコメントを寄せた。「やはり肺塞栓症(PE)は起こった」「とにかく発症予防が必要だ」と訴えた奥村氏は,そのまま熊本県に舞い戻った。

車中泊の避難生活者に危機感


 奥村氏は「これまでも発災後に循環器系疾患,特にPEの増加が報告されてきたが,今回も発症している」と述べ,未だに見られる車中泊の避難生活者に危機感を示した。

 済生会熊本病院公式サイトでは,避難生活者へのPEや深部静脈血栓症などの静脈血栓塞栓症(VTE)の予防法を公表し,発症予防の啓発に努めている。それによると,上端のゴムがきつい靴下やぴったりしたジーンズの着用などは避け,散歩やラジオ体操でも予防は有効としている。

 同氏は「とにかく避難生活者へのVTE予防の徹底が必要だ」と訴え,診療のため熊本県に戻った。

 なお,熊本県は同日,PEによって入院が必要と診断された患者が計40例になったと発表した(関連記事)。

(田上玲子)



http://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/article/241752
熊本地震、被災の医療機関奮闘 慢性病患者に薬切れ注意促す
2016年04月27日 13時35分 西日本新聞

 熊本地震に見舞われた熊本市の医療機関が、糖尿病などの慢性疾患患者への治療継続に奮闘している。予約日に来院しない患者が相次ぐ病院は、電話作戦で受診を促す。施設に被害が生じ、通常診療ができなくなった別の病院は「ガレージ診療」で対応する。糖尿病や高血圧症は薬の服用が滞れば、症状悪化の恐れがあるため、医師らは「薬が切れる前にちゃんと受診して」と呼びかけている。

 くわみず病院(熊本市中央区)は通常、1日当たり150~200人の予約患者を受け入れてきた。ところが、16日に本震が起きた後、同20~80人程度が来院しない日が続いた。理由としては、遠方への避難などが考えられる。

 職員が、来院しない患者一人一人に電話をかけて来院を促しているが、26日時点で半分程度に連絡が取れていないという。「その中には糖尿病や高血圧症などの患者がかなりいる。薬がなくなっていたら大変。病気が悪くなる恐れがある」と糖尿病療養指導士の高峯明貴代看護師長。今後も通じなければ、自宅訪問に切り替える構えだ。

 糖尿病治療専門の陣内病院(同)は、16日の本震で病院建物の内壁が損傷。漏水などもあり、病院での通常診療が不可能になった。陣内秀昭院長は「補修中でも糖尿病治療を中断させるわけにはいかない。患者さんが薬を切らすと、合併症が進み、場合によっては命の危険もある」として、病院車庫を活用した「ガレージ診療」を18日から実施している。

 この病院は外来患者の予約制はとっておらず、常日頃から薬がなくなる前に来院するよう指導。地震発生以降も普段通り、自主的な来院に任せたところ、18日は190人、以後も連日100人~160人程度の患者が来たという。

=2016/04/27付 西日本新聞夕刊=



http://www.nishinippon.co.jp/nnp/kumamoto/article/241885
慢性病の患者救え 被災医療機関、ガレージで治療継続 [熊本県]
2016年04月28日 00時13分 西日本新聞

 熊本地震に見舞われた熊本市の医療機関が、糖尿病などの慢性疾患患者への治療継続に奮闘している。予約日に来院しない患者が相次ぐ病院は、電話作戦で受診を促す。施設に被害が生じ、通常診療ができなくなった別の病院は「ガレージ診療」で対応する。糖尿病や高血圧症は薬の服用が滞れば、症状悪化の恐れがあるため、医師らは「薬が切れる前にちゃんと受診して」と呼び掛けている。

 くわみず病院(熊本市中央区)は通常、1日当たり150~200人の予約患者を受け入れてきた。ところが、16日に本震が起きた後、同20~80人程度が来院しない日が続いた。理由としては、遠方への避難などが考えられる。

 職員が、来院しない患者一人一人に電話をかけて来院を促しているが、26日時点で半分程度に連絡が取れていないという。「その中には糖尿病や高血圧症などの患者がかなりいる。薬がなくなっていたら大変。病気が悪くなる恐れがある」と糖尿病療養指導士の高峯明貴代看護師長。今後も通じなければ、自宅訪問に切り替える構えだ。

 糖尿病治療専門の陣内病院(同)は、16日の本震で病院建物の内壁が損傷。漏水などもあり、病院での通常診療が不可能になった。陣内秀昭院長は「補修中でも糖尿病治療を中断させるわけにはいかない。患者さんが薬を切らすと、合併症が進み、場合によっては命の危険もある」として、病院車庫を活用した「ガレージ診療」を18日から実施している。

 この病院は外来患者の予約制はとっておらず、常日頃から薬がなくなる前に来院するよう指導。地震発生以降も普段通り、自主的な来院に任せたところ、18日は190人、以後も連日100人~160人程度の患者が来たという。

=2016/04/28付 西日本新聞朝刊=



http://www.minpo.jp/pub/topics/jishin2011/2016/04/post_13676.html
医師ら5人被災地に派遣 南相馬市
2016/04/27 11:54 福島民報

 南相馬市は26日、熊本市など熊本地震の被災地に南相馬市立総合病院の職員5人を派遣した。
 派遣されたのは医師1人、看護師2人、業務調整員として職員2人。現地で5日間、避難所や救護所で医療支援を行う。5月3日に戻る予定。
 出発式は市役所で行われ、桜井勝延市長が激励し、大平広道診療部長は「震災を体験した経験を生かし、心配事などを言い出しにくい人の声にも耳を傾け、寄り添いたい」と話した。



http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201604/20160427_11048.html
<熊本地震>気仙沼市が南阿蘇へ3職員派遣
2016年04月27日水曜日 河北新報

 宮城県気仙沼市は熊本地震を受けて、市職員3人を30日から1カ月間にわたって熊本県南阿蘇村に派遣する。全国市長会の職員派遣スキームに基づくもので、28日に村上充危機管理課主幹ら3人が現地に出発。1週間交代で延べ12人を送り、避難所運営の支援や支援物資の仕分け作業をする。
 市本吉病院の斉藤稔哲院長も29日から5月5日まで、日本医師会の災害医療チーム(JMAT)宮城の一員として、熊本県益城町内の避難所や救護所で医療や健康管理に当たる。


  1. 2016/04/28(木) 05:54:05|
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4月27日 

http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201604/20160427_33077.html
大槌病院が再建 被災の岩手県立3病院で初
2016年04月28日木曜日 河北新報

 東日本大震災の津波で被災した岩手県大槌町の県立大槌病院が再建され、27日、落成式があった。復旧を予定する沿岸の3県立病院で初の完成。5月9日に外来診療、同16日に入院受け入れを始める。
 新病院は以前の場所から約1.5キロ内陸の津波浸水区域外に建設された。鉄筋コンクリート3階で延べ床面積は5353平方メートル。建設費は医師・職員公舎と合わせて約32億円。
 病棟は50床で常勤医は内科4人、外科1人。応援医師による整形外科、皮膚科、眼科、リハビリ科の診療もする。災害時のライフライン被害に備え、自家発電機や食料備蓄庫を設けた。
 式では達増拓也知事が「再建は沿岸地域の医療再生の象徴。県は良質な医療を提供できるよう取り組む」とあいさつした。
 坂下伸夫院長は「これまでは入院する場合、町外の病院に行く必要があった。地域の方に安心して暮らしてもらえる」と話した。
 大槌川近くの旧病院は津波で全壊。2011年4月に公民館で保険診療を再開し、同6月に仮設診療所に移り診療を続けてきた。
 ほかの沿岸県立病院は山田(山田町)が今年秋、高田(陸前高田市)が17年度の開院を目指す。



http://minamishinshu.jp/news/medical/%E5%9C%B0%E5%9F%9F%E5%8C%85%E6%8B%AC%E3%82%B1%E3%82%A2%E6%A7%8B%E7%AF%89%E3%81%AB%E5%90%91%E3%81%91%E3%80%81%E5%BA%83%E5%9F%9F%E3%81%AE%E6%8E%A8%E9%80%B2%E5%8D%94%E8%AD%B0%E4%BC%9A%E7%99%BA%E8%B6%B3.html
地域包括ケア構築に向け、広域の推進協議会発足
[ 2016年 4月 27日 水曜日 13時47分 ] 南信州新聞

医療介護連携 地域包括ケアシステムの構築に向け、飯田下伊那圏域の医療や介護、行政関係者らで構成する「南信州在宅医療・介護連携推進協議会」が25日夜、発足した。事務局は南信州広域連合が担い、今後に専門部会を中心に広域的な課題の整理や支援体制の構築、連携事業の推進などに取り組む。

 地域包括ケアシステムは高齢になっても住み慣れた自宅や地域で暮らせるよう、医療、介護、介護予防、生活支援、住まいのサービスを一体的に受けられる支援体制。国は2018年度から、全市町村が「在宅医療・介護連携事業」を実施するよう義務付け▽地域の医療・介護サービス資源の把握▽関係者の情報共有▽住民啓発―など8つの項目に取り組むよう求めている。

 25日の理事会幹事会の初会合では、協議会の体制や本年度の進め方などを確認。主要な構成8団体の長による理事会の下、進行管理や調整役を担う幹事会、協議の実動部隊となる専門部会を設ける。重点協議事項の中でも特に▽人材確保を目的とした需給予測調査結果の活用と対応策の研究▽退院時支援のルールづくりと多職種協働の研修開催―などを優先して進める。

 専門部会は①広域版「地域ケア会議」②在宅医療・介護連携強化検討③在宅医療・介護連携情報システム検討④相談支援・普及啓発(①と兼任)―の4つ。必要に応じてワーキンググループを設ける。11月までに予算措置を含めて、具体的な事業計画案をとりまとめ、事務局を通じて広域連合などに諮る。

 飯田下伊那診療情報連携システム「イズムリンク」など情報通信技術(ICT)も活用した情報共有体制の構築も検討課題。イズムリンクは同意を得た患者の診療情報を登録する医療機関や従事者らが共有、閲覧できるシステムで、モバイル端末や書き込み機能を用いて在宅医療現場への利活用も始まっている。

 在宅療養へ移行する場合など退院時の支援ルールづくりでは、居住地環境の調査や病態急変時の対応などが見込まれるため、医療資源のリストやマップの作成なども関係してくる。

 会長に就いた牧野光朗広域連合長(飯田市長)は「広域的な課題を解決するための会。連携推進事業の本格的な内容検討に向け協力を願う」と話した。

 飯伊14市町村は面積が広く、山間部も多い一方、圏域全体で一つの二次医療圏を構成している地域特性を踏まえ、同広域連合は「市町村単独では困難または非効率な課題も想定される」と判断。15年度に全市町村や三師会(医師、歯科医師、薬剤師)、看護協会、介護団体など多職種による準備会を立ち上げ、広域的な推進協議会の検討を重ねていた。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/48667.html
かかりつけ医中心の医介連携「財源確保を」- 日医、来年度予算概算要求に向け要望
2016年04月27日 22時00分 キャリアブレイン

 日本医師会(日医)の石川広己常任理事は27日の記者会見で、来年度予算の概算要求に向けた要望事項を公表した。かかりつけ医を中心とする医療と介護の連携を推進するため、地域医療介護総合確保基金(基金)の中での十分な財源確保を求める。また、国が掲げる「介護離職ゼロ」の実現に向け、介護職員の適切な処遇改善につながるような予算確保の要望も盛り込んだ。【松村秀士】

 来年度予算の概算要求に向けて日医が要望するのは、▽地域包括ケアシステム ▽医療保険・介護保険 ▽災害対策 ▽感染症予防 ▽医療安全―に関する予算確保など。

 地域包括ケアについては、かかりつけ医を中心とする医療と介護の連携を推し進めるため、来年度の基金では適切な内示や地域関係者が参加するヒアリングの実施などに配慮した上で、十分な財源を確保するよう求める。基金の枠組み以外でも、地域や多職種の連携、救急医療体制、ICT、認知症対策などの推進や充実を図るための財源を確保するよう要望する。

 医療保険・介護保険に関しては、2025年のあるべき姿に向けた医療提供体制の改革を継続するために適切な医療費財源を確保するとともに、「ものと技術を分離し、適正に評価する診療報酬体系に見直す必要がある」と強調。また、来年4月に予定されている消費税率10%への引き上げに対応する診療・介護報酬改定についても、「財源の確保が必要」とした。

 災害対策では、発生の前や直後、超急性期、急性期以降、収束の各段階で適切に対応することが重要と指摘。その上で、「最終的には被災地の地域医療を取り戻し、地域社会の復興を果たすことを目標として予算を確保する」ことを求める。

 また、将来発生する可能性が指摘されている南海トラフ地震や首都直下地震といった大規模災害への備えとして、医療機関の耐震化や津波対策、地域での災害医療コーディネート研修などを推進するための予算確保も要求する。

 27日の会見で石川常任理事は、「5月に厚生労働省に要望する予定。内閣府や文部科学省、環境省、与党にも順次、要望する」と述べた。



http://answers.ten-navi.com/pharmanews/6677/
製薬各社、国内営業「地域」に照準…医療提供体制改革で変わる市場環境に対応
2016/04/27  AnswersNews

製薬各社の間で、「地域医療」に照準を合わせて国内営業を見直す動きが鮮明になってきました。

国が進める医療提供体制改革により、地域医療が大きな転換点に差し掛かる中、市場環境の変化を先取りした営業体制を構築する企業が相次いでいます。改革は今後、さらに本格化する見通しで、地域重視の動きはさらに加速しそうです。

地域医療の新たな担い手にフォーカス

今年4月から、2025年度までの10ヵ年の中期経営計画をスタートさせたエーザイ。国内営業では「地域医療へのフォーカス」を戦略の柱に掲げました。今後拡大が見込まれる在宅医療や、地域の複数の医療機関で医薬品の共同購入が可能となる地域医療連携推進法人へのアプローチを強化する方針を打ち出しました。

20年度に売上高8000億円以上(15年度見込みは5565億円)を目指す中計のコンセプトは“立地”。エーザイがフロントランナーとなり得る機会=“立地”を見いだし、イノベーションを通じてその場所で主導的役割を果たそうというのが基本戦略です。

これから国内市場に生まれる“立地”。それが、在宅医療や地域医療連携推進法人といった地域医療の新たな担い手だと言います。

こうした新たなターゲットに対し、エーザイはグループが持つ新薬や長期収載品、後発医薬品を疾患ごとに組み合わせ、治療成果や経済性を訴求する「パッケージ戦略」を描きます。

4月の組織改編では、この戦略を立案・実行する専門部署を立ち上げ、MRが所属する「地域統括部」を35から70に倍増。きめ細やかな営業体制を敷き、地域営業強化へアクセルを踏み込みます。

「病床の機能分化・連携」と「地域包括ケア」

地域の医療提供体制は今、大きな転換点を迎えています。国は「団塊の世代」が75歳以上の後期高齢者となる2025年に向けて医療提供体制の改革を実行中。大きなテーマは、「病床の機能分化・連携」と「地域包括ケアシステムの構築」です。

国が目指す25年の医療提供体制は、

過剰な急性期病床を削減した上で医療資源を集中投入する一方、不足している回復期病床を充実させ、病床間の連携を促進して患者が状態に応じてスムーズに流れる仕組みを構築する

というもの。こうした方向性に沿って、病床の機能分化と連携を進めるためのさまざまな背施策が動き出しています。

地域医療構想の策定がスタート

14年からは、医療機関が今の医療機能と将来果たす医療機能を自ら選んで申告する「病床機能報告制度」がスタート。都道府県ではこれをもとに「地域医療構想」の策定が進められています。

地域医療構想とは、「高度急性期」「急性期」「回復期」「慢性期」の4機能ごとに、25年の医療需要と必要病床数を、2次医療圏を基本とする「構想区域」単位で推計し、実現の方策を定めるものです。

さらに来年度からは、地域医療構想を実現するための手段の1つとして「地域医療連携推進法人」制度が施行されます。地域の複数の医療機関を束ねて一体的に運営するこの制度では、同一法人内で診療科や病床の融通が可能に。経営の効率性を高めるため、医薬品の共同購入もできるようになります(地域医療連携推進法人についてはこちらで詳しく解説しています)。

在宅医療の拡充も急ピッチ

地域包括ケアシステムの構築に向けては、在宅医療の拡充が急ピッチで進みます。16年度の診療報酬改定では、在宅医療を専門に行う医療機関の開設も認められました。かかりつけ医やかかりつけ薬剤師の普及も始まり、「病院完結型」から「地域完結型」の医療に変わろうとしています。

営業所の再編加速、重要性増すMSL

エーザイが地域営業の強化を打ち出したのは、こうした改革によって変化する市場環境に対応するためです。

地域医療構想や地域包括ケアシステムが進めば、個々の病院の機能は変わり、患者の居場所も変わります。エーザイが指摘するように、新たな地域医療の担い手が出てきますし、地域医療連携推進法人が行う医薬品の共同購入は地域の医薬品市場に大きなインパクトをもたらします。

「人の動きやネットワークを正確に捉えないと、必要な医師に必要な情報をどう届けるかという、本来なすべきことが抜け落ちていく」(第一三共の中山譲治社長)という認識は各社共通でしょう。今年に入って多くの製薬企業が中期経営計画を公表していますが、各社とも地域営業の強化や見直しを掲げました。

第一三共や協和発酵キリンは、地域医療構想の構想区域に合わせて営業所を再編する方針です。協和発酵キリンは従来のような「病院担当」「開業医担当」という役割分担ではなく、2次医療圏をベースとしたエリアを担当する体制に移行。第一三共も、営業所の担当区域を見直します。

支店の権限強化も

ニーズが多様化・高度化する地域の市場を攻略するには、メディカル・サイエンス・リエゾン(MSL)などMR以外の社内機能の重要性も増します。

中外製薬は、MRがMSLや医療連携支援を担当するメディカル・ネットワーク・リエゾン(MNL)といった社内専門家とチームを組み、地域のニーズに合った戦略を立案・実行する体制を2018年度までに構築。第一三共の中山社長も、4月に発足させたメディカルアフェアーズ本部の活動が重要になると話しています。


大日本住友製薬は4月から、これまで支店を束ねていた「地域本部」「地域統括部」を廃止し、これらの組織が持っていた戦略立案機能を支店に移す組織再編を行いました。より地域の実情に応じた営業を行うのが狙いで、5月に発表予定の中期経営計画でどのような地域戦略を打ち出すのか注目されます。


18年にさらなる変革の波?

「地域包括ケアというものが概念として、あるいは法制度として出てきてはいるが、完全に動き出したわけではない。まだいろんな変化があると思うので、全面的に変えるということはない」

第一三共の中山社長がこう話すように、地域医療が実際にどう変化するかは、必ずしもはっきりとしているわけではありません。地域営業の強化・見直しという方向性は鮮明になってきましたが、まだ手探りの部分も少なくないようです。

すでにさまざまな施策が動き出している医療提供体制の改革ですが、変化のピークは2018年と見られています。この年は診療報酬と介護報酬の同時改定が予定されているほか、新たな医療計画と介護保険事業計画がスタートします。国が目指す2025年の医療提供体制を実現するための重要な年になるのは間違いありません。

製薬各社の国内営業には、さらなる変革の波が待ち受けていそうです。



http://www.sankei.com/premium/news/160427/prm1604270008-n1.html
【薬価危機-迫られる選択(1)】
「1剤が国を滅ぼす」高額がん治療薬の衝撃 年齢制限求む医師に「政権がもたない」

2016.4.27 14:30 産経ニュース


 東京都心が満開の桜に彩られた今月4日。霞が関の財務省会議室で、日本赤十字社医療センター化学療法科の国頭英夫部長は、居並ぶ財政制度等審議会のメンバーら約50人を前に「国家の存亡」について熱弁をふるった。

 この日、国の財政のあり方を検討する同審議会で取り上げられたのは、予算編成でも安全保障でもなく「がん治療のコスト」だった。

 国頭氏が「この1剤を契機にして、国が滅びかねない」と危機感をあらわにするのは、がん治療薬「オプジーボ」(一般名=ニボルマブ)だ。

 小野薬品工業(大阪市中央区)が平成26年にメラノーマ(悪性黒色腫)の治療薬として製造販売の承認を取り、昨年12月に切除不能な進行・再発の非小細胞肺がんの治療にも追加承認された。

 オプジーボはこれまでの抗がん剤と大きく作用が異なる。従来の抗がん剤はがん細胞の増殖を抑えて死滅させるが、オプジーボは患者自身の免疫に働きかけてがんを抑え、有効例では効果持続期間が長い。

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 京都大の本庶佑(ほんじょ・たすく)客員教授のチームが発見したメカニズムが元になり、日本発の画期的な免疫療法薬として他のがんへの適応拡大も期待されている。

 問題は価格だ。体重60キロの患者が1年間(26回)、オプジーボを使うと、年3500万円かかる。患者の平均的な負担は、医療費の自己負担分が一定額を超えると軽減される「高額療養費制度」があるため、月8万円程度で済む。残る金額は患者が加入する医療保険と国や自治体の公費でまかなわれる。

 オプジーボが適用される非小細胞肺がん患者は年10万人強。このうち、仮に5万人がオプジーボを1年使うとすると、薬代だけで年1兆7500億円。日本の年間医療費約40兆円のうち約10兆円とされる薬剤費が、2割近く跳ね上がる計算だ。医療費や薬剤費は約4分の1が国費でまかなわれている。国の予算に占める社会保障費への影響も数千億円規模になることが予想される-。

 最悪の未来予想図を示した国頭氏は続けて、委員に「破滅回避への処方箋」を示した。

高額療養費制度で国が破滅する?

 薬剤の効果に照らして価格を下げる。薬が効いていない患者の治療を早期に打ち切り、効果がある人への投与を必要最小限にとどめるための研究を行う。しかしそれだけでは足りず、何らかの総量規制も不可避だと国頭氏は指摘した。

 「高額療養費制度を見直し、国民皆保険のない米国のように患者に自己負担を強いて、金がなければ高い薬を使えないようにするか、はたまた、例えば75歳以上はオプジーボを使えないように年齢制限するか」

 後期高齢者医療制度への加入年齢でもある75歳。「同じ75歳でも寝たきりの人、働く人、と個人差は大きいが、社会的状態で分けるのは人間の選別につながる」と国頭氏。「平等な方法は一律に年齢で切ることだ。すべて嫌なら次代にツケを回し、破滅を待つだけ」と迫ると、委員のひとりが漏らした。

 「年齢制限などしようとしたら、政権がもたない」

 新薬開発が進み、効果も高いが費用も高い薬が続々と登場している。治療に期待が高まる一方で、財政は逼迫(ひっぱく)し、薬の値段を決める「薬価」制度が揺らいでいる。限られた公的医療のパイの中で、何を捨て何を残すのか-。国民の選択が迫られる。

 高額ながん治療薬「オプジーボ」は、肺がんの治療現場でどのように受け止められているのだろうか。

 日本臨床腫瘍(しゅよう)学会理事長で国立がん研究センター中央病院(東京都中央区)の大江裕一郎副院長(呼吸器内科)の元には、「オプジーボを使いたい」という肺がんの患者が多く訪れる。

 「画期的な薬だ。効く人には長く効き、治るかもしれないというほどの効果を示す人もいる。実際にがんがかなり小さくなった患者さんもいる」

 オプジーボが画期的なのは、患者の免疫機能に働きかけるメカニズムによる。

 正常な免疫は、がん細胞を異物と認識して攻撃する。そのため、がん細胞は免疫に攻撃されるのを防ごうと、免疫にブレーキをかけて戦えないようにしてしまう。オプジーボは、がん細胞が免疫にブレーキをかけるのを阻止して、がん細胞への攻撃に再びアクセルを踏む。「免疫チェックポイント阻害薬」と呼ばれ、手術、放射線、化学療法に次ぐ「第4の治療法」として期待される。

 ところが、第4の治療法は患者を選ぶ。オプジーボを使えるのは手術による治療が難しく、他の化学療法で効果が出なかった患者や手術後に再発した患者だ。自身の免疫を利用するため、体力が落ちていては使えない。免疫細胞が正常細胞を攻撃してしまう自己免疫疾患などの重い副作用が出ることもある。

 臨床試験では投与を受けた患者の約2割に有効とされたが、どの患者に効果があるかを事前に見極めることはできない。また、投与後の効果を早い段階で判断するのが難しい。

 大江氏は「腫瘍の増大が止まったり縮小したりすれば効果が出たと分かるが、免疫に働きかける薬は、効果が表れる前に腫瘍が大きくなることがまれにあるといわれている」と説明する。投与後にがんが大きくなったとしても、効果がないのか、効果があることによる反応なのかを判断するのが難しいという。

 効くかどうかの判断の難しさや、判定までにかかる時間は患者を悩ませる。宮崎県に住む加藤小夜さん(39)=仮名=は、オプジーボで治療中の1人。2年前に肺がんが見つかり、増殖や転移をするがん細胞の分子を狙い打ちする「分子標的薬」などの抗がん剤治療をしてきた。予想以上に早く効果が出なくなり、次の治療法を探していたところに、オプジーボが承認された。「使いたい」と医師に提案し、3月から投与を受けている。

 通常は約1時間で終わる点滴を、副作用を防ぐための薬と一緒に2~3時間かけて投与。休み期間を挟み、約2週間後にまた投与を受ける。この繰り返しだ。

 「今は4回投与されたところだが、効果を判定するのは6回目が終わってから。効果がなければこれ以上の治療法がないかもしれず、恐ろしくてたまらない」。加藤さんには夫と2人の子供がいる。

 「誰にでも効く抗がん剤はなく、人によって効き方は違うので、患者はいちるの望みをかけてどんな治療でもしたい」。だが、効果がない場合は早く次の治療に移らないと命取りになる。「効果判定に時間がかかるオプジーボにはもどかしさも感じる」という。

 「北海道肺がん患者と家族の会」代表の野村玲子さん(68)=札幌市=は自らも肺がん患者として、患者や家族の相談にのる。

 つい最近も、オプジーボの投与を受けたらがんが消えたという患者家族から報告を受けた。しかし、「オプジーボが効く患者さんは予想以上に少ないかもしれない」と不安も感じる。

 患者の最大の関心は、この薬が自分に効くかどうか。オプジーボは高額だが、「命をかけて戦っている患者に、価格の話は切なくてとてもできない」。

 日本肺癌学会理事長で近畿大医学部の光冨徹哉教授=呼吸器外科=は「期待は大きいが、皆に効く薬ではない。経験したことがないような副作用があり、場合により致死的なこと、非常に高価であることなどから、適正使用を推進していくのは学会の使命だ」と語る。

 だが、効果の有無が事前に分からない以上、オプジーボに望みを託す患者を選別することは難しい。その薬価は、患者すべての期待に応えるにはあまりに高額だ。
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http://www.qlifepro.com/news/20160427/national-university-hospital-expanding-publication-range-of-funding.html
【国立大病院】資金提供の公表範囲拡大-透明性指針を改定
2016年04月27日 AM10:30  QLifePro

全国の国立大学病院42大学45病院で構成する「国立大学附属病院長会議」は22日、製薬企業等から受け取った資金状況を開示するための「企業等からの資金提供状況の公表に関するガイドライン」について、公表範囲を拡大する一部改定案を発表した。2014年10月の改定では、公表対象が日本製薬工業協会の会員企業のみにとどまっていたことから、さらに医療機器企業などにも対象を拡大し、同意が得られた企業について資金提供状況を公表することにした。16年度分を来年7月から公表する予定。
同会議は、日本製薬工業協会の透明性ガイドラインの項目を参考に ▽受託研究・共同研究・受託事業等 ▽奨学寄付金・現物寄付 ▽講師謝金、原稿執筆料・監修料、コンサルティング等業務委託費 ▽その他(接遇等費用)――の4項目に関する受け取り状況の総額を公表するガイドラインを策定したが、14年10月の改定で、診療科単位で総件数と総額を公表するとしていた奨学寄付金の受け取りについて、資金提供した製薬企業ごとに企業名、合計件数、合計金額まで公表する内容に見直した。

ただ、その後も情報開示が不十分との指摘があったことから、奨学寄付金や講師謝金、原稿執筆料・監修料などについて、製薬協の会員企業のみ公表する取り扱いを見直すことにした。

具体的には、製薬協加盟社以外の製薬企業や医療機器企業など、資金提供した全ての企業のうち、公表に同意が得られた企業については、資金提供した企業名を公表する。

さらに、受託研究・共同研究・受託事業などの資金提供状況については、現在は受託研究・共同研究・受託事業ごとの総件数、総金額のみに公表対象を限定しているが、今回の改定案では、製薬協ガイドラインの研究開発費等の項目を参考に、16年度の新規契約分から「臨床」(第I相以降の臨床研究、治験・製造販売後臨床試験に関するもの)と「臨床以外」に区分し、それぞれの総件数、総金額を公表することにした。

臨床については、資金提供した企業ごとに企業名、合計件数、合計金額を公表し、臨床以外については企業名を公表する。ただ、受託研究・共同研究・受託事業についての企業名の公表は、製薬協の会員企業のみとする。

同会議は、改定案を16年度分から適用し、来年7月から公表する予定にしている。



https://www.mixonline.jp/Article/tabid/55/artid/54056/Default.aspx
【速報】中医協 費用対効果評価 対象品目はハーボニーなどC肝薬、オプジーボ、カドサイラなど7品目
公開日時 2016/04/27 10:00 ミクスオンライン

厚生労働省は、4月27日に開かれた中医協の費用対効果評価専門部会に、2016年4月から試行的導入する費用対効果評価の対象品目として、C型肝炎治療薬・ハーボニー配合錠、ソバルディ錠(ギリアド・サイエンシズ)、ヴィキラックス配合錠(アッヴィ合同会社)、ダクルインザ錠、スンベプラカプセル(いずれも、ブリストル・マイヤーズ)、抗がん剤・オプジーボ(小野薬品)、カドサイラ(中外製薬)の7品目を提示した。

文末の「関連ファイル」に、厚労省が中医協に提示した「費用対効果評価の試行的導入における対象品目」の資料を掲載しました(4月28日まで無料公開、その後はプレミア限定コンテンツになります)。

費用対効果評価のデータが義務付けられる対象品目は、2012~15年度までに保険適用された既収載品を中心に選定されることになる。具体的には、類似薬効比較方式で▽補正加算の加算率が最も高い品目、▽補正加算が10%以上で、ピーク時予想売上高も高いこととした。原価計算方式で算定された医薬品では、▽営業利益率の加算率が最も高い、▽補正加算10%以上が認められ、ピーク時予想売上高が最も高い――品目とした。

類似薬効比較方式で最も10%以上の補正加算の加算率が高い品目、補正加算10%以上でピーク時予測売上高が最も高い品目の両方にソバルディが該当。初の画期性加算を取得し、補正加算の加算率100%を取得したソバルディが該当。ピーク時予測売上高は987億円を見込む。


◎ソバルディ類似品でC型肝炎治療薬5剤が対象に

ソバルディの類似品として、補正加算は取得していないものの、ハーボニー配合錠(ピーク時予測売上高:1190億円)、ヴィキラックス配合錠(同・608億円)、スンベプラカプセル(同・159億円)が該当。ダクルインザ錠(同・222億円、補正加算の加算率:40%)も類似品として該当した。なお、類似品は、「薬理作用類似薬及び同一機能区分に該当する医療機器を対象とする」とされている。

原価計算方式では、営業利益率が最も高い品目として、営業利益率(20%)の加算率60%を取得した悪性黒色腫治療薬・オプジーボが選定された。ピーク時予測売上高は31億円。

10%以上の加算が認められピーク時予想売上高が最も高い品目としては、ピーク時売上高170億円を見込むHER2陽性の再発乳がん治療薬・カドサイラが選定された。

新規収載品については、「既収載品の選定基準と同程度の水準以上」であることとしており、既収載品の基準に加え、中医協で定めるピーク時予測売上高以上のものとすることを求めた。具体的には、ピーク時予測売上高が類似薬効比較方式では500億円、原価計算方式では100億円とした。


◎年度内にも既収載品のデータ提出締め切りへ

費用対効果評価のデータ提出が義務付けられる医薬品については、質調整生存年(QALY)など費用対効果評価のデータを製薬企業側が提出。省内に設置される専門体制での再分析を経て、費用対効果評価専門組織(仮称)が分析結果に基づいた総合的評価(アプレイザル)を行い、費用対効果評価が良いか悪いか判断することになる。この結果やデータは、薬価算定組織に提出され、通常の再算定の後にさらに価格調整に用いられることになる。

今後は、該当企業においてデータ提出の準備をすすめるほか、再分析グループにおいて再分析にかかわる準備を開始。夏ごろには、費用対効果評価専門組織で分析方法の事前確認を行った上で、年度内にも既収載品のデータ提出を締め切り、再分析グループでの再分析をスタート。来年度以降に総合的評価を実施。薬価算定組織、保健医療材料専門組織での評価結果に基づく再算定の実施、価格算定案の作成を行うとともに、費用対効果評価再算定を実施する。

一方、新規収載品については、選定基準を満たす品目について、10月からデータ提出を開始する。
http://www.mixonline.jp/download/detail/tabid/259/downid/8946/Default.aspx



http://www.medwatch.jp/?p=8681
熊本地震被災者の受け入れで重症患者割合などが下がっても、従前の入院基本料算定を認める―厚労省
2016年4月27日|医療・介護行政をウォッチ

 平成28年熊本地震で被災した患者を積極的に受け入れ、「平均在院日数」や「重症度、医療・看護必要度」「在宅復帰率」「医療区分2・3の患者割合」などについて入院基本料の施設基準を満たさなくなっても、被災前に施設基準を満たしていれば、当面の間、施設基準の変更届け出をする必要はない(つまり従前の入院基本料の算定が可能である)。また被災地以外でこうした患者を受け入れた場合には、その患者を除外して平均在院日数などを計算することを認める―。

 厚生労働省は26日に、このような取り扱いとすることを明確にしました。

被災地以外の医療機関、重症患者割などの計算で被災者を除外してもよい

 入院基本料や特定入院料を算定するためには、さまざまな施設基準を満たし、それを地方厚生局などに届け出で受理される必要があります(基本診療料の施設基準はこちらとこちら、特掲診療料の施設基準はこちらとこちら)。

 例えば7対1入院基本料については、▽看護配置7対1以上▽平均在院日数18日以内▽一般病棟用の重症度、医療・看護度の基準を満たす重症患者の割合が25%以上(200床未満では23%以上)▽在宅復帰率が80%以上▽データ提出―などが必要です。

 また療養病棟入院基本料1については、▽看護配置20対1以上▽医療区分2・3の患者割合が80%以上▽褥瘡発生割合の評価―などが必要となっています。

 しかし、今般の熊本地震により傷病者が多数発生し、また多くの病院も被災を受け、入院患者を別の病院で受け入れることなどが行われています。この場合、上記の施設基準を厳格に運用すれば、例えば「7対1の点数を算定できなくなってしまうので、比較的状態の安定した患者は受け入れられません」という事態が生じかねません。

 このため厚労省は、当面、特別の取り扱いを行っています(関連記事はこちらとこちら)(厚労省の熊本地震関連サイトはこちら)。

 26日の事務連絡では、次のような取り扱いを行うことが明確にされました。

【被災地の医療機関】

(1)被災前に入院基本料などの施設基準を満たしていた医療機関が、災害などのやむを得ない事情により患者を入院させたことにより、「平均在院日数」「重症度、医療・看護必要度(ICU、HCUは除く)」「在宅復帰率」「医療区分2・3の患者割合」を満たさなくなった場合については、当面の間、直ちに施設基準の変更の届出を行う必要はない(関連記事はこちら)

(2)ICU、HCUに、やむを得ず本来当該治療室への入院を要さない患者を入院させた場合については、当該保険医療機関の入院基本料を算定した上で、重症度、医療・看護必要度の該当患者割合の算出から除外する

(3)入院時食事療養(I)または入院時生活療養(I)の届出を行っている被災地の保険医療機関において、災害などのやむを得ない事情により、入院時食事療養・入院時生活療養の食事の療養たる提供を適時に、かつ適温で行うことが困難となった場合でも、当面の間、従前の入院時食事療養費又は入院時生活療養費を算定できる(できる限り適時・適温の食事提供に努めることは必要)

【被災地以外の医療機関】

(4)被災地の保険医療機関が災害などの事情により診療の継続が困難となり、当該被災地の保険医療機関から転院の受け入れを行った場合には、「平均在院日数」「重症度、医療・看護必要度」「在宅復帰率」「医療区分2・3の患者割合」について、当面の間、被災地から受け入れた転院患者を除いて算出することができる

(5)ICU、HCUに、被災地の保険医療機関から転院の受け入れにより、やむを得ず当該治療室への入院を要さない患者を入院させた場合については、当該保険医療機関の入院基本料を算定した上で、重症度、医療・看護必要度の該当患者割合の算出から除外する



http://www.cabrain.net/management/article/48666.html
新専門医制度に「第三の道」-専門委員会で永井委員長が「私案」提示
2016年04月27日 23時00分  キャリアブレインManagement

 専門医を養成する制度の在り方を議論する社会保障審議会・医療部会の専門委員会(委員長=永井良三・自治医科大学長)が27日、2回目の会合を開いた。来年4月から新制度が始まる予定だが、延期を求める声が根強く、この日も一部の委員が慎重な姿勢を崩さなかった。永井委員長は「第三の道」として、新制度を試行的に導入する「私案」を提示。従来通り、各学会が主体的に制度を運用するが、養成できる医師数に都道府県ごとの上限を設けるといったもので、この方向性に複数の委員が賛意を示した。【佐藤貴彦】
(残り1043字/全1279字)



http://mainichi.jp/articles/20160428/ddm/001/010/190000c
臨床研究規制法案
講師謝礼・原稿料も公開 不正監視義務付け

毎日新聞2016年4月28日 東京朝刊

 降圧剤バルサルタン(商品名ディオバン)の臨床試験疑惑を受け、厚生労働省が検討してきた「臨床研究規制法案」の全容が判明した。臨床試験に関する製薬企業などから研究機関への資金提供の公開義務では、公開対象を当初検討していた研究責任者への奨学寄付金や研究開発費に加え、講師謝金や原稿執筆料などにも拡大する。また、データ改ざんを防ぐため試験途中でデータがカルテと一致しているか確認するモニタリングなどを研究者側に義務付ける。今通常国会に提出し、法案成立を目指す。

 厚労省が27日、自民党の厚生労働部会で示した。法案によると、資金提供した製薬企業の製品を使った臨床試験や未承認薬などを使った臨床試験を「特定臨床研究」と規定。こうした試験を行う研究責任者は国が認定する第三者委員会に実施計画書を提出し、審査を義務付ける。その上で研究者に対し、データ改ざんを防ぐため、試験途中のモニタリングや終了時の監査、企業側からの資金提供など利益相反の管理、データ保存などを義務付ける。国の基準に違反した場合、厚労相が中止を命令でき、最高懲役3年、罰金300万円の罰則も定める。

 バルサルタンの臨床試験疑惑では、データ改ざんが判明した試験を行った大学研究室に販売元の製薬企業から多額の奨学寄付金が提供されていた。【河内敏康】

 ■解説

抜け穴ない対策、信頼回復に必要

 医薬品や医療機器などの臨床試験について、開発企業が研究者側に提供した奨学寄付金や講師謝金などの公開を義務付けたのは、企業から多額の資金提供を受けた試験で都合の良い結果を出すデータ改ざんが見つかり、国民の信頼を失墜させた降圧剤バルサルタンの臨床試験疑惑の反省があったからだ。

 今回の法案によって、研究者と企業のカネを巡る関係が透明化し、不正の抑止につながることが期待される。バルサルタン疑惑を巡っては、京都府立医大や東京慈恵会医大など全国5大学が行った、バルサルタンの新たな効果を調べる臨床試験の多くでデータ改ざんが見つかった。さらに試験を実施した研究室に対し、販売元のノバルティスファーマから計11億円を超える奨学寄付金が提供され試験が行われたにもかかわらず、その事実を論文で明らかにしていなかった大学もあったため、疑惑がさらに膨らんだ経緯がある。

 今回、国が講師謝金や原稿執筆料にまで情報公開の範囲を広げたのは、臨床試験を行った研究者が、資金を提供した企業主催の講演会や医学系雑誌などで試験結果について紹介するケースがしばしばあるためだ。一方、企業から財団などを経由して研究者に資金提供されたりした場合などは法案の規制対象外になるとみられる。企業側から提供される飲食などの接遇費も対象外だ。医療への信頼を回復するためにも、国には「抜け穴」のない一層の対策が求められる。【河内敏康】

  1. 2016/04/28(木) 05:53:06|
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4月26日 熊本震災関連

http://www.nishinippon.co.jp/nnp/kumamoto/article/241455
避難者の健康を昼夜ケア 医師ら車中泊も巡回 熊本地震 220カ所に40チーム [熊本県]
2016年04月26日 13時33分 西日本新聞

 熊本地震の発生から10日以上がたち、避難所暮らしや車中泊を続ける被災者の健康への懸念が深刻化している。なお約2万人が避難する熊本市では、医師や看護師でつくる約40の医療チームが約220カ所の避難所で診察や健康相談に当たっている。熊本市民病院(同市東区)の医療チームに同行し、24時間態勢で避難者のケアに当たる様子を見た。

 24日午後9時すぎ、約300人が避難する託麻西小。校舎の廊下は避難者の布団が敷かれ、その間を医師たちが巡回していた。同校は体育館が損傷し、避難者は教室や廊下で寝泊まりしている。

 「体調は大丈夫ですか? 何かあったら、保健室に来てくださいね」。リーダーの林正清医師(30)が避難者に優しく声を掛ける。

 校内を歩いていると、「お医者さんですか? せきが止まらないんです」と声を掛ける避難者がいた。林医師は、同校の保健室に設けられた「固定診療所」に連れて行く。聴診器を当て、症状や処方されている薬などについて詳しく聞く。

 「胸の音を聞いても肺炎もないし、喉の腫れもない。大丈夫ですよ」。林医師はほほ笑んだ。

 熊本市民病院は建物の安全が確認できず、外来診療を中止。その代わり、医師らを避難所に派遣し、22日からは24時間態勢で健康相談や診察に応じる「固定診療所」を、東区にある託麻西小と湖東中に開設した。

 チームには医師2人、看護師2人、薬剤師など5~6人がおり、2交代制で対応している。

 午後8時から翌日午前10時までを担当する林医師たちは、午前0時にいったん仮眠。翌朝5時に診療所を開け、体調不良の来訪者を待った。

 看護師2人は、運動場で車中泊している人たちの様子を見回りながら、除菌用のウエットティッシュでトイレのドアノブを拭いたり、簡易トイレを掃除したりして、衛生維持に努める。

 各地の避難所では感染症の拡大も懸念され、大規模な消毒に踏み切っている所もある。「なるべくノロウイルスなどが出ないように」と看護師の平田京子さん(58)は言う。

 途中からトイレ掃除を手伝っていた林医師に午前6時40分ごろ、診療所から電話が入る。「患者さんが来ました」

 発熱し、前日に解熱剤をもらったという池上敏男さん(78)が待っていた。「今日はだいぶん調子が良くなりました」と池上さん。「病院まで行かずに、気軽に見てもらえるので安心です」と笑顔で診療所を後にした。

 林医師らは、午前10時までに、巡回中に声を掛けた人も含めて11人を診察。腰痛や足のむくみなどが多く、重い症状の人はいなかった。林医師は言う。「避難中はエコノミークラス症候群や肺炎になる人も少なくない。緊急性があるかどうか、本人では分かりにくい部分で少しでも役に立てれば」


=2016/04/26付 西日本新聞夕刊=



http://blogos.com/article/173383/
熊本地震「病院で感じた『東日本大震災』との違い」
大高志帆=文
PRESIDENT Online2016年04月26日 08:30

4月14日、熊本県・益城町周辺を震源とする最大震度7の大規模地震が発生した。国内で震度7が観測されたのは4回目で、東日本大震災以来初。さらに、16日未明、同県の阿蘇、熊本などで震度6強の地震が短時間に連続して発生した。「本震」とされるこの地震のM7.3は、阪神大震災と同じだがエネルギー量は約1.4倍だという。一度大きな地震が起き、次第に落ち着いていくという常識から外れ、19日正午までに、合わせて610回以上の地震が起きている。

震源に近い大病院に勤める医療スタッフは、地震発生からの数日間を振り返って次のように語る。

「14日の地震はたしかにすごかったです。でも、この段階では倒壊した建物も少なく、重症患者どころか怪我人も少なかったので『不幸中の幸い』という気持ちでした。翌日には比較的落ち着いてきたので、立ち上げた医療チームも一旦解散したほどだったんです。そのタイミングで本震が来て、今度はどんどん重症患者が運ばれてきました。一時は病院の外まで行列ができて、トリアージ(患者の重症度に基づいて治療の優先度を決定すること)を行ったほど。自宅で被災して、病院に戻ってこられない医師もいました」

益城町で住家の被害を調査した結果、全壊1026軒、一部損壊を含む半壊が4374軒となり、全住家の半数近くで被害が確認された。20日の段階で確認されている死亡者数は47人。同県内の避難所には約9万5000人が身を寄せており、車内で避難生活を送る人も多いという。16日の地震で怪我をし、病院に行ったという人も、混乱した現場を目撃していた。

「揺れのあと、あちこちから救急車のサイレンが聞こえて、街は一瞬で騒然となりました。病院に行くと、停電している棟もあって、仕方なく廊下で処置していましたよ。まさか熊本でこんなに大きな地震が起こるなんて」

震度7の地震が九州地方で観測されるのは、1923年の観測開始以来はじめてのことである。それだけにショックを感じている人も多く、断続的な余震によるストレスも大きいようだ。

「ホテルが倒壊する」記者は覚悟した

今回の地震は、木造家屋に大きな被害を出しやすい周期1~2秒の揺れが強く、阪神大震災との共通点が多いとされている。では、東日本大震災と比べてどうなのか。震災直後、宮城県に取材に行った記者は語る。

「東日本大震災は、たしかに今回とは桁違いの死者を出しました。ですが、その大半は地震というよりも直後の津波による『溺死』。そのため、病院に運ばれる急患は少なく、逆に生き残った人はほとんど怪我もないような状態だったと聞いています。残念ながら、重症患者が多かった阪神大震災で学んだ救助の教訓はあまり生かせなかったようです。今回は大きな地震が間隔をあけて2度起こるなど、地震自体が特殊。油断して家に帰り、被災した人も多いのではないでしょうか」

特殊といえば、本震発生時にあれほどのメディアが現地にいた地震は過去に例がない。東京から撮影のために駆け付けた番組ディレクターは、16日の本震に巻き込まれた。

「15日の朝に福岡入りして、その後車で熊本へ。丸1日取材して、ホテルの部屋でデータ整理をしているときに地震が起きました。1階の部屋だったのに、壁がうねるようなすごい揺れで、ホテルが倒壊するかもしれないと、さすがに覚悟しましたね。揺れが収まって外に出ると、さっきまであった家が倒壊していたり、道が陥没していたり。正直、15日に現場入りしたときは『思ったより被害が小さいな』と感じていたのですが、改めて『これは大変なことだ』と思いましたよ」

20日現在も、行方不明者の捜索は続いている。断水による衛生環境の悪化や、食糧不足を訴える声も聞こえてくる。さらに19日になって、「エコノミークラス症候群」による死亡者も出るなど、地震の被害は今も広がっている。1日も早い復興を願うとともに、被害に遭われた方にお見舞い申し上げます。



http://mainichi.jp/articles/20160426/ddl/k45/040/274000c
熊本地震
高千穂町国保病院、医師派遣中断で一部診療科休診 /宮崎

毎日新聞2016年4月26日 地方版 宮崎県

 高千穂町の町国民健康保険病院(久米修一院長、120床)で、熊本大や熊本市の民間医療機関から受けている医師派遣が中断し、一部診療科が休診になっている。

 病院は内科、外科など10科のうち、眼科、泌尿器科、循環器科、耳鼻咽喉科の4科は熊本からの非常勤医で対応している。地震で医師自らが被災したり、熊本県内で医療活動に従事しており、18日から町に出向けない状況となっている。

 病院によると現在、派遣元の熊本大などと眼科、泌尿器科、循環器科の医師派遣について調整中。耳鼻咽喉科は5月から常勤医が着任する。泌尿器科にある人工透析部門は、現在の常勤スタッフが対応しており、被災地からの透析患者を数人受け入れている。【荒木勲】



https://www.m3.com/news/general/420091
エコノミー症候群2人増 震災関連死14人に、熊本
2016年4月26日 (火) 共同通信社

 熊本県は26日、熊本地震の発生後、エコノミークラス症候群で入院が必要な重症と診断された患者が新たに2人増え、25日までに計37人になったと明らかにした。

 熊本市の福祉施設に入所する90代女性が24日に心肺停止状態となり、その後死亡したことも判明。震災関連死の疑いがあるとしている。関連死の疑いは計14人となった。

 県によると、症候群で重症と診断された2人は65歳以上の男性。24日午後4時から25日午後4時までの間に、県内の医療機関を受診した。

 県は「特に妊婦や高齢者、車中泊が2泊以上の避難者に注意してもらいたい。水分を取り運動をして、予防に努めてほしい」と呼びかけている。

 共同通信の25日のまとめでは、熊本地震発生後にエコノミークラス症候群と診断された患者やその疑いがあるとされた人は、熊本県内で少なくとも97人に上った。



https://www.m3.com/news/general/420083
【宮城】医療スタッフのケア必要 DPATが活動報告 熊本地震
2016年4月26日 (火) 毎日新聞社

 熊本地震の被災者のケアにあたった県の災害派遣精神医療チーム(DPAT)のメンバーが25日、県庁で渡辺達美・保健福祉部長に活動報告した。県のDPATの派遣は今回が初めて。チームの医師は被災した医療スタッフのケアの必要性も強調した。

 県は、精神科の医師や看護師ら5人でつくるDPATの先遣隊を熊本県に派遣。5人は19日から、同県益城町や熊本市の避難所などで、精神疾患を抱えたりストレスで不眠を訴えたりしている被災者のケアにあたった。

 県立精神医療センターの角藤芳久院長は、地元の保健師ら医療スタッフが被災したにもかかわらず、昼夜を問わず活動を続けているため、心身ともに疲労している状況を報告。「医療スタッフへの支援も大切だと感じた」と述べた。

 東日本大震災では、厚生労働省が全国の自治体に精神科医らを被災地に派遣するよう要請。しかし、指揮系統が不明確で活動内容も現場に任されたため、一部地域に支援が偏るなど課題が残った。これを教訓に国は13年4月、DPATの活動要領を策定し、都道府県や政令市にチームを作るよう呼びかけた。

 現在、DPATの第2班が熊本で活動中。県は少なくとも来月いっぱいは、DPATの派遣を続ける予定だ。【山内真弓】


  1. 2016/04/27(水) 06:17:03|
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4月26日 

http://mainichi.jp/articles/20160426/ddl/k06/040/208000c
米沢市立病院精神科の閉鎖/上 医師不足…山形大の医局頼り 働きやすさ、どう作る /山形
毎日新聞2016年4月26日 地方版 山形県

 そもそも、なぜ米沢市立病院精神科は閉鎖に至ったのか、経緯や背景を渡辺孝男病院長に聞いた。昨年9月ごろ、当時の精神科長が家庭の事情で3月末で退職せざるを得ないと聞いたのがきっかけという。最大の原因は「山形大医学部精神科の医局に、代わりの医師派遣を要請したが、専門医の資格を持った科長クラスの医師が見つからなかったため」と説明した。

 医師のあっせん業者に依頼する方法もあったのではという記者の質問には、渡辺病院長は「一本釣りのように確保した医師が辞めれば、また探す必要に追われる。継続的に医師を確保するには、今後も山形大の医局にお願いするしかない」とした。

 市立病院総務課の業務日誌によると、山形大の医局に医師確保を頼っていた精神科が医師の退職をきっかけに閉鎖へと追い込まれていく姿が浮かび上がる。渡辺病院長は「勤務医全体が不足しており、医局からの医師確保も容易ではない」と言う。だが医局に頼るしかないというジレンマは精神科以外の診療科も同じで、病院の存続自体に関わる問題をはらんでいる。

 閉鎖の方針を受けて、市立病院が市内で唯一担っていた精神科の救急外来の対応が焦点となった。県置賜保健所が呼び掛け、置賜地域で精神科を持つ5病院が集まり検討会を3回開いた。精神科のみの救急外来なら佐藤病院(南陽市)へ、体の合併症がある場合は米沢市立病院で応急処置を行ってから公立置賜総合病院(川西町)へ搬送すると役割分担を決めた。

 呼吸器科の医師でもある同保健所の山田敬子所長は「市立病院の当直は一人しかおらず過酷です。夜間の救急外来は火の車でしょう」と心配し、「個人的には市立病院を守る会を作りたい」と明かす。4月20日に精神科の存続を求める市民団体との懇談で、市立病院医師が直面する過重労働の現状を伝えた。「医師不足を乗り切るには、市民と医療の現場がもっと理解しあうことが大切」と語りかけた。

 南陽市の佐藤病院の進出で、精神科の病床は確保される見通しが出てきたが、医師不足は同科に限らない。取材を通じて、「市立病院を応援したい」という多くの市民の声を聞いた。一方、医療提供側と患者や市民の間にはまだ壁があるとも感じた。働きやすい環境づくりに取り組むことが医師確保の一歩に結びつくのではないか。地域の医療を守るために、それぞれが知恵や力を出し合ってほしい。【佐藤良一】

精神科閉鎖の経過(2015年)

9月    精神科長が2016年3月末で退職の意向を示し、山形大医局に派遣を要請
11月 4日 同医局が「医師派遣が困難」との返答
   11日 病院長、精神科の医師・看護師などで構成する院内対策会議を設置。新規の患者受け入れ中止を決定。入院は閉じ、外来は継続できないか模索
   16日 科長以外の医師2人も16年3月末までに退職・異動と判明し、外来も困難と判断。通院の際に転院先の紹介を始める
   23日 米沢市長選投開票日(後日、前市長に閉鎖の判断を伝える)
   30日 転院先となる置賜地域の精神科医療機関に閉鎖を文書で通知
12月 3日 入院・外来の患者数が約1500人と集計。転院作業を本格化
   16日 渡辺孝男病院長が市議会で精神科閉鎖の方針を報告
   25日 ホームページに閉鎖の方針を載せる
 ※市立病院総務課の業務日誌などから



http://news.biglobe.ne.jp/international/0426/jj_160426_9143264673.html
医師が大規模スト=救急治療にも影響—英
時事通信4月26日(火)20時42分

 【ロンドン時事】英国で26日、日本の研修医に相当する「ジュニアドクター」が待遇改善を求める大規模なストを実施した。通常診療のほか、産科や集中治療、救急部門での業務に携わるジュニアドクターが多数参加。報道によれば、こうした規模のストが行われるのは、原則無料の医療制度「国民保健サービス」(NHS)が1948年に創設されて以来初めて。
 週末や夜間勤務の待遇に不満を訴える医師労組と政府の交渉が今年初めに決裂。政府は再交渉を拒否したため、ジュニアドクターが全面ストに突入した。26日は、予定されていた手術1万3000件と診察10万件以上が延期となった。ストは27日も実施される。 

[時事通信社]



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/48625.html
改定で病床再編が本格化、やりようはある!- ASK研究所・中林所長が指南
2016年04月26日 08時00分 キャリアブレイン

 今年秋に開かれる総合展示会「HOSPEX Japan」に向け、一般社団法人日本能率協会とCBnewsは来月22日、大阪市内で診療報酬改定セミナー「今からでも遅くない!2016年度診療報酬改定への対応策」を開催します。医業経営コンサルタントとして著名なASK梓診療報酬研究所の中林梓所長が講師を務め、改定のポイントなどを解説します。今回、セミナーの開催に当たって、中林所長にお話を伺いました。

―16年度の診療報酬改定をどう受け止めていますか。
 7対1の要件の厳格化に注目が集まっていますが、「病気を治す医療」から「病気を治して支える医療」にシフトする方向性が打ち出された点が最も大きいと思います。背景には、団塊の世代が全員75歳以上となる「25年問題」があります。今後の高齢化を見据え、これまでの「医療イコール治療」に加え、「支える」というメッセージを国が出した。

―そのメッセージは、改定のどのような項目に表れていますか。
 例えば、新設された「退院支援加算1」の施設基準では、退院支援や地域連携の業務に専従する職員を2病棟に1人配置することになっています。治療部門以外の「支える」側の人材を評価している。また、介護サービス事業所の職員やケアマネジャーとの連携を促す要件も入っています。

 さらに、「介護支援連携指導料」は100点上がりましたし、「地域連携診療計画加算」などは退院支援加算の加算になった。こうした見直しは、退院後の患者の生活について、入院先の医療機関に考えるよう促しているとも読み取れます。

 入院先の看護師が、患者の退院直後に在宅を訪問した場合の取り組みを評価する「退院後訪問指導料」の新設もそうです。また、同じく新設された「認知症ケア加算」は、ICUや救急病棟も含めた、ほとんどの病棟で算定できるようになっています。これは急性期にも、高齢者を「支える」視点を持ってほしいという国のメッセージでしょう。

―こうした国の方向性に病院はどう対応すべきでしょうか。

 今回の改定で、25年に向けた病床再編が本格的に始まったと言っていいでしょう。地域の人口構成、他の医療機関や施設の動き、地域の医療ニーズの3つの点を確認し、地域で求められる病院に生まれ変わる必要があります。

 やはり、早めに手を打っておくことが重要です。例えば、「認知症ケア加算1」にしても、今から認知症看護の認定看護師を育てておけば、1年後には届け出ることができます。やりようはある。特に200床未満の病院が生き残る道は、いくらでもあると思います。



http://www.medwatch.jp/?p=8660
診療報酬審査ルールの全国統一、審査支払機関の在り方などをゼロベースで検討開始―厚労省が検討会設置
2016年4月26日|医療・介護行政をウォッチ

 大きな地域差が指摘される診療報酬の審査ルールについて、医師の関与の下で「全国統一的かつ明確な判断基準」を策定し、さらに、審査支払に関する体制をゼロベースで見直してはどうか―。

 こういった検討が、25日からスタートした「データヘルス時代の質の高い医療の実現に向けた有識者検討会」で始まりました。

 年内にも意見を取りまとめ、所要の法令改正などにつなげられる見込みです。

ここがポイント! [非表示]
1 診療報酬審査におけるルールの統一基準めざした検討
2 保険者機能強化の前提として「審査ルールの統一化に基づくデータの蓄積」が必要
診療報酬審査におけるルールの統一基準めざした検討

 診療報酬については、審査支払機関で被保険者資格や請求内容のチェックと支払いが行われます。一般に被用者保険(健保組合や協会けんぽ)の被保険者については社会保険診療報酬支払基金(支払基金)が、国民健康保険の加入者については国民健康保険連合会(国保連)が審査を行っています。

審査支払機関の概要
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 審査においては、全国一律の診療報酬点数表や施設基準、解釈通知などが拠り所になりますが、これらには「解釈の余地」や「一定の幅」があります。患者の状態は一律ではないためです。

 また、医療現場からは「地方独自ルールが存在する」との批判があります。例えば回復期リハビリ病棟の入院患者については、1日につき9単位まで疾患別リハビリ料の算定が可能です(2016年度改定でリハビリの効果に着目した算定制限が導入された)が、A県の国保連では「一律に6単位を上限として、超過分を査定する」といった取り扱いがなされていると指摘されます。

 このように、古くから「支払基金内、国保連内、支払基金と国保連の間で、審査ルールに格差がある」と批判され、これを是正するために「審査情報の共有」などが図られていますが、「未だ不十分」と指摘されています。

 こうした状況を重く見て、規制改革会議では「審査の効率化と統一性の確保」を図る必要があるとし、ゼロベースで審査の在り方を見直すゼよう提言しています。

 厚生労働省はこの提言を受け、検討会を設置。次の2つのテーマについて検討し、夏前に中間とりまとめ、年内を目途に取りまとめを行うよう要請しています。

(A)保険者機能強化と医療の質の向上

(B)審査の効率化・統一化の推進と組織体制

 25日の初会合で挨拶した塩崎恭久厚生労働大臣は、「保健医療2035では、アウトプット中心、質の向上、患者の価値向上を目指すようパラダイムシフトの転換を提言した。これを実現するためには、ICTやビッグデータを活用することが重要だが、現状では、審査支払機関は、その保有データを十分に活用しているとは言い難い。規制改革会議の提言をチャンスと捉え、審査支払機関の役割を再定義し、保険者と審査支払機関が協働して保険者機能を強化し、医療の質を高めるよう期待している。ビッグデータ化、標準化をした上で、データを活用して何をするのか、患者の価値の向上にいかにつなげるべきかを問いかけてほしい。韓国の審査支払機関であるHIRAでは、審査支払業務に止まらず、医療機関の評価や、投薬・献血データをも管理した上で、医療の質向上に資するサービスを実現させている。こうした事例なども参考にしてほしい」と要望しています。

韓国の審査支払機関(HIRA)の業務概要
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保険者機能強化の前提として「審査ルールの統一化に基づくデータの蓄積」が必要

 より具体的な検討項目を見ると、(B)では次のような事項が挙げられています。

【審査の在り方】

(1)医師の関与の下で、全国統一的かつ明確な判断基準を策定する

(2)上記判断基準に基づく精度の高いコンピューターチェックの実施を可能とする(医学的判断を要する審査対象を明確化する)

(3)コンピューターチェックに適したレセプト形式の見直しを行う

(4)レセプトの請求段階における記載漏れ・記載ミスなどの防止措置を構築する

(5)審査結果の通知および審査基準の情報開示をICTの活用により効率的に行う

(6)医師による審査における医学的判断を集約し、継続的にコンピューターチェックに反映する仕組みを構築する

(7)医師による審査および合議のオンライン化や、審査結果などのデータ蓄積を自動化し、統計的な分析結果の参照や過去事例の検索や人工知能の活用などにより、医学的判断を要する審査手続きの効率化、高度化を行う

(8)医学的な判断が分かれるなどの理由から審査結果に疑義がある場合について、医療機関および保険者からの請求に基づく医師による再審査の仕組みを効率化、高度化する

【組織・体制の在り方】(診療報酬の審査の在り方をゼロベースで見直す)

(a)審査の在り方に関する検討を踏まえた上で、現行の支払基金が担っているとされる各業務(特に職員による点検事務および適正な診療・レセプト請求のための審査結果やルールの説明・指導)の要否を検討し、不要・非効率な業務を削減する

(b)(a)で必要とされる業務のうち、効率的な運営を図るため、支払基金以外の者(民間企業を含む)を保険者が活用することが適切な業務の有無を検討し、当該業務がある場合の具体的な活用の仕組みを構築する

(c)(a)で必要とされる業務のうち、(b)の検討を経て支払基金が担うことが適切な業務がある場合には、その具体的な組織・体制等の在り方(業務拠点も含めた職員およびシステムなどの体制、業務範囲、法人形態、ガバナンス体制、事務費負担の在り方など)を検討する

 ここでは支払基金が検討対象となることが明記されていますが、厚労省保険局保険課の宮本直樹課長はメディ・ウォッチに対して「国保連も当然検討対象にある」とコメントしています。ただし、国保連は診療報酬の審査支払業務以外にも「国保財政運営に係る都道府県単位の共同事業」「介護報酬の審査支払」などさまざまな業務を行っており、どのように整理していくのか慎重な検討が求められそうです。

支払基金の主な業務
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国保連の主な業務
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 また(A)の保険者機能強化に関しては、▽データヘルスの推進(レセプトデータを地域別・業態別・世代別に分析し、保険者の健康度や疾病管理の状況を診断するなど)▽医療の質の向上(韓国のHIRAをモデルとした、医療機関の質の評価、審査・分析ソフトウェアの開発の検討など)▽事業主に対する「健康経営」の意識改革を通じたデータヘルス事業に必要な人材確保▽マイナンバー制度のインフラを活用し、支払基金・国保連が保有する社会保険・地域保険・介護保険レセプトデータの連結▽審査支払機関によるNDB(National Data Base)などの活用―などが具体的な検討項目として例示されています。


 膨大な量の検討項目が提示されましたが、これらをどう整理し議論を進めるべきでしょうか。この点、多くの構成員からは「(A)の保険者機能の強化などはビッグデータの集積が前提となるが、審査のルールが異なっており、これをいくら集積してもビッグデータにはならない。まず(B)の審査の効率化・統一化を議論すべきである」との意見が出されています。

 また森下雄一構成員(大阪大学大学院医学系研究科寄附講座教授)は、「どこまでを全国統一とし、どこからを地方の裁量として残しておくのか、ゼロベースで考える必要がある」と指摘。なお、森下構成員は「傷病名の統一が根本的な課題」と指摘しましたが、検討会でこのテーマが議論されるかどうかは未定です。

 さらに、山本雄士構成員(ソニーコンピュータサイエンス研究所リサーチャー)は、「ビッグデータがなくても保険者機能は発揮できる」「100%の全国統一ルールは非現実的である」との指摘を行いました。

 一方、森田朗座長代理(国立社会保障・人口問題研究所)は「2010年に開催された『審査支払機関の在り方に関する検討会』で座長を務め、当時は『審査基準の摺合せ』の頻度を高めていくべきとの結論にとどまった。データに基づく治療法・ガイドラインが集積されており、これに基づく審査も考えられるのかもしれない」と見通しています。



http://www.yomiuri.co.jp/local/fukushima/news/20160426-OYTNT50171.html
還暦迎え地域医療貢献 南相馬の病院に医師着任
2016年04月27日

 南相馬市立小高病院で今月、外科医の藤井宏二さん(60)が勤務を始めた。還暦をめどに地域医療に貢献する念願をかなえ、東日本大震災で被災地に入れなかった心残りを解消するためだ。病院のある同市小高区では東京電力福島第一原発事故の避難指示解除に向けた長期宿泊が行われている。解除後の住民帰還を見据え、「地域のために尽くす」との思いを新たにしている。

 岡山県倉敷市出身。父も医師だったことなどから医療の道を選び、関西医科大に進んだ。卒業後、京都市の日本赤十字社京都第二赤十字病院で勤務した。

 阪神大震災では、発生直後に医療機器を積んだドクターカーで出発。神戸市長田区に約8時間かけて入り、4日間、被災者らの救護にあたった。「煙が立ちこめる中、ビルの倒壊でけがをした人などを診察した」と振り返る。東日本大震災では、勤務先の病院は福島の支援担当となり、現地に派遣された若手医師の後方支援にあたったという。

 「60歳をめどに地域医療に貢献してみたい」との思いは以前から抱いていた。5人の子供や妻も「行かなかったら後悔するのでは」と後押ししてくれ、勤務先を退職。南相馬市にアパートを借りて移り住んだ。

 県内では、原発事故の影響で医師不足が深刻化している。2015年12月時点の県のまとめでは、小高病院がある相双地区の病院に勤務する常勤医師は事故前より30人も少ない。小高病院も事故や震災の被害で14年4月の再開まで休診を強いられ、非常勤医師による内科診療を中心とした態勢が続いている。

 小高病院は、藤井さんが就任した今年度から金曜日の診察を再開した。藤井さんは医師では最も多い週3日、診察にあたる。南相馬市立総合病院でも診察を受け持っている。

 15年度に小高病院に来た患者は1日平均6・6人だったが、避難指示解除で戻る住民らで今後は大きく増える見通しだ。藤井さんは「震災の時に来られず、申し訳ない気持ちが消えなかった。新たな気持ちで地域医療に尽力したい」と話している。



https://www.m3.com/news/iryoishin/420080
日病会員の8割、勤務医不足解消に「総合診療医育成」
熊本県は余裕病床が少ないという指摘も

2016年4月26日 (火) 高橋直純(m3.com編集部)
 日本病院会の堺常雄会長は4月25日の定例記者会見で、医師不足を解消するため「総合診療医の育成」を 求める会員が多いことを報告した。

 堺会長は、日病が2015年10月から11月に会員病院約2450施設に対して実施した「地域医療再生に関するアンケート調査」の概要を報告。勤務医不足、地域・診療科の偏在を解消のための方法として、「総合診療医の育成」(79.7%)、「医学部地域枠入学の活用」(73.1%) 、「医師の計画配置」(70.2%)――などが挙がった(複数回答)。

 勤務医確保の手段としては複数回答で、「大学医局」(91.0%)、「人脈や個別紹介など個人的関係」(47.6%)、「人材派遣会社」(37.6%)などが並んだ。

 「常勤医師数が直近 5 年間で増加した」と回答した病院は、回答病院全体の54.7%。200~300床以上の規模が大きい病院ほど「増加した」の割合は高かった。アンケート結果は近く、日病のウェブサイトで公開される。

 厚生労働省の「医療従事者の需給に関する検討会」で、2024年頃に約30万人で、遅くとも2033年頃には約32万人で医師の需給が均衡するとの推計値が出されたことに関連し、4月23日にあった常任理事会の様子として、堺会長は「常任理事はマクロでは理解しつつ、ミクロでは現場では医師が足りない実感がある」と説明(『医師需給、「2024年に約30万人で均衡」との推計も』を参照)。同検討会では医学部定員についての議論も進んでいるが、「地域枠は残してほしい。臨時定員増がなくなるなら、恒久枠内に地域枠が残るように打診していくつもり」とした。

 常任理事会では、「専門医制度で、診療科ごとに定員の設定ができないか」「医師個人の動きを明示化、見える化できないか」という議論があったと紹介した。

熊本、余裕病床がなかった
 熊本地震については、「日病が前面に出るのではなく、オール九州で緊密な連携を取り、不足がある点で全国に問いかけて支援をする」と説明。また、熊本県は地域医療構想が進んでおり、「かなりタイトな機能分化をしており、余裕病床がなかったのでは」と指摘した。「だからと言って、余裕病床を作ってほしいということではない」と述べた上で、人手が足りない中小病院では情報が入りづらかったようだと述べた。



http://www.asahi.com/articles/ASJ4V5JDJJ4VULBJ00X.html
日本ビーシージー製造に業務改善命令 厚労省
2016年4月26日19時25分 朝日新聞

 厚生労働省は26日、結核を予防するBCGワクチンなどを国の承認とは異なる方法で製造していたなどとして、日本ビーシージー製造(東京)に医薬品医療機器法に基づく業務改善命令を出したと発表した。安全性には問題がないとし、自主回収の指示や出荷自粛の要請はしていない。

 厚労省によると、化学及血清療法研究所(化血研、熊本市)による血液製剤の不正製造問題をきっかけに社内で調査をして判明、厚労省に届け出た。隠蔽行為はなく、変更届などを出す必要性を認識していなかったことが原因という。

 日本ビーシージーは国内用のBCGワクチンの製造工程で、菌の培養に使う水を純度の高いものに変えた際、不足していたミネラル類を補充したことを国に届け出ずにつくり続けるなどしていた。輸出用のBCGワクチンでは、世界保健機関(WHO)から求められた水準を満たすため、製品中の菌の量を増やしたことを国に届けていなかった。最も古い違反は1970年ごろから始まっていた。

 厚労省は同社に対し、1カ月以内に是正措置や再発防止策などを盛り込んだ改善計画の提出を命じた。



http://www.yomiuri.co.jp/national/20160426-OYT1T50002.html
せき止め薬10倍投与、病院に60万支払い命令
2016年04月26日 22時31分 読売新聞

 2012年に島根県東部の80歳代の男性が肺がんの治療で松江医療センター(松江市)に入院中、投薬ミスで抗がん剤治療が受けられず、死亡時期が早まったなどとして、遺族が病院を運営する独立行政法人・国立病院機構に約2640万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が25日、松江地裁であった。

 杉山順一裁判長は、投薬ミスと死亡などとの因果関係は認めなかったが、投薬ミスで男性が精神的苦痛を受けたとして、機構側に慰謝料60万円の支払いを命じた。

 判決などによると、男性は12年7月に入院中、薬剤師らのミスで適正量の10倍のせき止め薬を20日間近く投与された。その後、男性は全身の状態が悪化し、予定されていた抗がん剤治療が中止され、同年12月、肺がんのため82歳で死亡した。機構側は投薬ミスの事実は認めていた。

 杉山裁判長は判決で、薬の過剰投与と治療の中止や死亡時期が早まったことなどとの関係性を否定した。一方で、薬の過剰投与が原因で幻覚などが生じる「せん妄」状態になり、看護師らに体を拘束されるなど精神的な苦痛を受けたと認定した。

 判決について松江医療センターの上甲尚史事務部長は「(控訴は)判決文を見て相談したい」とし、原告側の代理人弁護士は「控訴は原告と検討したい」と話した。



https://www.m3.com/news/iryoishin/419845?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD160426&dcf_doctor=true&mc.l=154853564&eml=3f492a08f1681d66441569ec02c0b51e
シリーズ: 真価問われる専門医改革
「延期でかえって大混乱」、池田専門医機構理事長
日本専門医機構が社員総会開催、新役員は6月に決定

2016年4月25日 (月) 橋本佳子(m3.com編集長)

 日本専門医機構は4月25日、2015年度の第3回社員総会を開催し、終了後に記者会見した理事長の池田康夫氏は、「ここで延期すると、かえって大混乱を来す。新しい仕組みを開始できるよう全力で努力していく」と述べ、新専門医制度について、予定通り2017年度開始に向けて準備を進める方針を表明した。社員総会では、社員からも「延期」という話は出なかったという。

 社員総会の主たる議題は、2016年度の事業計画案と、役員選任規定案だったが、予定時間を1時間以上も超過し、議論が展開された。「一番、活発な意見が出たのは役員選任規定」(池田氏)で、さまざまな意見が出たものの原案からの修正はなく、「理事は最終的に社員総会が決議」という定款を確認、了承を得た。

 同機構のガバナンスの不備を指摘する声もある中、理事会のメンバーがどんな顔ぶれになるかに、新専門医制度の行方がかかってくる。6月中旬に開催予定の社員総会で理事を決議、理事長や副理事長は理事会の決議で決めることになる。

 日本医師会会長の横倉義武氏は、社員総会後、役員選任規定が決まったことを受け、機構のガバナンスが変わるかとの質問に、「役員として誰が選ばれるかによる」と明言は避けたものの、組織再編の必要性を示唆した。その上で「延期が目的ではない。そこを間違えないでほしい。地域医療に混乱をもたらさないことが一番重要」と述べ、混乱を避ける手順を取ることができれば、「やっていただきたい」との意向を示した。

 2017年度開始に向け準備進む

 2017年度から開始予定の新専門医制度では、地域医療への影響から延期論も出ており、3月に開催された社員総会では事業計画案が了承されなかった(『新専門医制、予定通り開始?延期?それとも……?』を参照)。そのため、年度をまたいで開催されたのが、2015年度の第3回社員総会だ。厚生労働省の社会保障審議会医療部会と、その下部組織に当たる「専門医養成の在り方に関する専門委員会」でも、新専門医制度についての議論を進めている(『新専門医、「議論の順番が違う」と異論』を参照)。

 池田氏は、「延期により混乱する」理由として、「各学会が非常に努力しており、初期研修医も準備している」ことなどを挙げた。既に19の基本領域では、研修プログラムの申請が締め切られている(『内科専門医、「研修施設ゼロ」の2次医療圏は1カ所』を参照)。池田氏は、「社保審医療部会の意見を尊重する。全く意見を無視して突っ走ることはできない」と述べたものの、同部会で2017年度開始について「延期」という結論が出た場合でも、専攻医は専門医研修に入ることには変わりはないことから、機構と学会で話し合いながら進め方を検討するとした。

 理事の選任は社員総会の決議事項

 2016年度事業計画案が、3月の社員総会で了承されなかったのは、社保審医療部会で問題視する声が上がっているにもかかわらず、それが反映された内容でなかったためだ。修正された事業計画には、「社保審医療部会等における、新制度の開始時期ならびに専攻医の偏在などに関する議論によっては、事業計画の変更がある。その場合は理事会での議決を経て、社員総会に報告する」旨の記載が加えられた。ただし、「(新専門医制度により)地域医療で崩壊しないなら、それを示す数字を出すべき」(記者会見に同席した、日本脳神経外科学会理事長の嘉山孝正氏)などの注文が付いた。

 役員選任規定は理事の選任、つまりは日本専門医機構のガバナンスを左右する規定であり、「突っ込んだ議論があった」と池田氏は説明。定款上は、「役員の選任方法は、別に定める」となっているため、「細則は、基本的には理事会で承認する」(池田氏)との方針だった。これに対して、「本来であれば、役員選任規定は、社員総会の承認事項にすべきという、根本論のところで、もめた」(嘉山氏)。そのほか、理事候補者は各基本領域からそれぞれ出すべきとの意見、「学識経験者」の選考基準を問う意見など、さまざまな意見が出たという。

 最終的には、(1)社員総会で出た意見を、「役員候補者選考委員会」に伝え、選考を進める、(2)「役員候補者選考委員会」が選んだ理事候補者の名簿を理事会に提示、社員総会の決議で理事を決定――という方針を確認し、了承を得た(役員選任規定の抜粋は、文末を参照)。

 いまだ揺れる理事会と社員総会の関係

 日本専門医機構の社員総会が再三にわたり紛糾するのは、理事会のメンバーと社員構成が異なるのが主因と言える。「役員選任規定」に代表されるように、各議案が、理事会、もしくは社員総会のいずれに決定権があるかがたびたび問題になっている。

 同機構の社員は、日本医学会連合、日本医師会、全国医学部長病院長会議、四病院団体協議会という設立時およびそれに準じる4団体のほか、18の基本領域の学会、日本がん治療認定医機構の計23団体が社員だ。しかし、理事会のメンバーは社員構成とは連動していない。

 そもそも18の学会は、当初は社員ではなかった(『「学会外し」の専門医制度、73学会が覆す』、『専門医機構、18学会を社員として認定へ』を参照)。嘉山氏は、「(日本専門医機構の)第三者性が強調されすぎたので、機構と学会との関係がぎくしゃくしている。(機構が)“上から目線”でやっているところもあり、もう少しコミュニケーションを取ってほしい」と指摘。池田氏も、各学会とは密接に議論しているとしたが、「各学会はこれまで努力して専門医制度を構築してきた。学会の自主性を認める制度にしないと、機構が全てをコントロールするやり方では、うまくいかないのではないか」という意見が社員総会で出たことも紹介した。

 新専門医制度の立ち上げに当たっては、今後も新規決定事項が相次ぐこと、また専門医試験をはじめ制度運営の実務や各学会が担うことになることから、理事会と社員総会の役割を改めて整理し、定款で明記しなければ、また新たな混乱を来しかねない。

 「地域医療に配慮したベターなプログラム」

 新専門医制度については、地域医療への影響も懸念されている。池田氏によると、25日の社員総会では、横倉氏が「専門医の質の向上と、地域医療を崩壊させないこと。これらの調和をうまく取りながら進めることが必要」と発言、日本医学会会長の高久史麿氏も、二つのバランスを取りながら制度設計するよう求めたという。

 日本専門医機構副理事長の小西郁生氏は、各基本領域の研修プログラムについて、従来は大規模の病院を中心に専門医研修が行われてきたが、新制度では、基幹病院と地域の中小病院が病院群を形成して研修プログラムを運営することになるため、「従来よりも、地域医療に配慮したベターな研修プログラムになっているのではないか」との見方を示し、大都市部に専攻医が集中しないよう、できる限り調整していくと述べた。


◆日本専門医機構の「役員選任規定」(抜粋)

◆役員候補者選考委員会に10名以内の委員を置き、1から4に定められた各号の委員構成とする。
1.機構設立時社員及びそれに準ずる社員 (日本医学会連合、日本医師会、全国医学部長病院長会議、四病院団体協議会) より推薦された各1名
2.内科系社員学会 (内科、小児科、精神科、放射線科、病理、臨床検査) から推薦された2名
3.外科系社員学会 (外科、整形外科、産婦人科、眼科、麻酔科、皮膚科、救急科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、脳神経外科、泌尿器科、形成外科)から推薦された2名
4.外部評価委員会から推薦された2名
◆役員候補者選考委員会は、1から5に定められた各号の理事候補者 (25名以内) を選出し、その名簿を理事会に提示する。
1.機構設立時社員及びそれに準ずる社員 (日本医学会連合、日本医師会、全国医学部長病院長会議、四病院団体協議会) から各2名、計8名
2.内科系社員学会 (内科、小児科、精神科、放射線科、病理、臨床検査) から3名
3.外科系社員学会 (外科、整形外科、産婦人科、眼科、麻酔科、皮膚科、救急科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、脳神経外科、泌尿器科、形成外科) から3名
4.専門医育成に関係する団体(日本医療安全調査機構、療研修推進財団)から各1名、計2名
5.学識経験者として7名以上9名以内



https://www.m3.com/news/general/420108
副作用救済制度の認知3割 「医療新世紀」
2016年4月26日 (火) 共同通信社

 医薬品医療機器総合機構は、医薬品副作用被害の救済制度に関する一般市民の認知率は3割弱だったとする調査結果を公表した。

 昨年12月から今年1月、20歳以上の男女3160人にインターネットで調査。制度を「知っている」「聞いたことがある」との回答は計29・6%で、前年度の21・8%を上回った。調査は2009年度から毎年実施、認知率はここ数年20%台前半で推移していた。

 制度は、医薬品を適正に使用したのに入院が必要になるなどの重い副作用が出た人を救済するのが目的で、製薬会社の拠出金と国の補助で運営されている。問い合わせはフリーダイヤル(0120)149931。



https://www.m3.com/news/general/420086
【山形】米沢市立病院 病院予定地を公表 進出の公徳会に売却 市方針
2016年4月26日 (火) 毎日新聞社

 米沢市立病院の精神科閉鎖問題で、誘致に協力する意向を示している社会医療法人「公徳会」に対し、市が建設地として「米沢八幡原中核工業団地」(同市八幡原)の4区画を売却する考えであることが分かった。中川勝市長が25日、市議会市政協議会で公表、「市内に一日も早く精神科病床を確保したい」と述べた。

 建設予定地はJR米沢駅から東に約3キロ。面積約1万9200平方メートルで、病院も建設できる准工業地域。市はすでに、八幡原企業協議会や地区長に建設計画を伝えており、近く地域住民への説明会を開く予定。

 佐藤病院(南陽市)を運営する公徳会は、以前から米沢市進出を検討、土地を探していた。早期建設が可能な場所として市が提案、合意した。市は同駅からの公共バスの増便も検討するという。

 新たな精神科病院建設のため、病床数を再編統合する特例を用いる方針で、5月12日に開かれる県医療審議会に病院整備計画を提出する。許認可手続きなどを経て、来年度早々の開院を目指すとしている。【佐藤良一】



https://www.m3.com/news/general/420116
浜松の整骨院、不正請求10年繰り返す 静岡県警が対策要望
2016年4月26日 (火) 静岡新聞

 無資格で柔道整復師の施術を施し、全国健康保険協会静岡支部から療養費をだまし取ったとして、詐欺などの疑いで浜松中央署と県警生活保安課に逮捕された整骨院の元経営者の男(43)=浜松市西区舘山寺町=ら2人が約10年にわたり「名義貸し」による不正請求を繰り返していたことが25日、捜査関係者への取材で分かった。

 長年にわたり審査機関が不正請求を見落としていたことを受け、静岡県警は同日までに、対策を検討するよう求める文書を静岡県と静岡、浜松両市に送った。今回の事件のような「名義貸し」による不正の可能性を念頭に、施術所に立ち入り調査をするなど再発防止策の実施を要望した。

 県警によると、柔道整復師の資格を持たない男が患者に施術をしていたが、保険機関に提出する療養費の支給申請書には、施術者欄に知人の柔道整復師の女(46)=横浜市=の名前を記していた。2人が保険機関から不正に得ていた療養費は約1億1500万円に上るという。

 捜査関係者によると、容疑者は調べに「柔道整復師の試験に受かるまでの一時的なつもりでやっていたが、続けるうちに罪悪感が薄れていった。ばれないと思っていた」と供述している。

 ■保険機関「不正発見は困難」 厚労省も「患者に頼るしか」

 「まさか別人の名前が書いてあるとは」。男が経営していた整骨院から療養費の請求を受けた保険機関の関係者は驚きを隠さない。「女に資格があることを確認し、ほかに不備がなかったので審査を通した。書類上の審査だけで不正を見破るのは難しい」と打ち明ける。厚生労働省の担当者は「名義貸しの不正を想定しておらず、患者が気付くのに頼らざるを得ない」と現状を説明する。

 柔道整復師の施術所の大半は、患者が施術を受けた際に自己負担分を窓口で支払い、施術者が療養費を保険者に請求する「受領委任」制度を利用している。都道府県国民健康保険団体連合会や全国健康保険協会支部の審査会が申請書の内容を確認しているが、負傷部位を変更して不正請求を繰り返す「部位転がし」ではないかどうかの確認が中心という。今回の事件は、保険機関から施術内容の確認を求めるアンケートを受けた患者が、施術者の名前が女性になっていることを不審に思い、警察に相談して発覚した。県警に「名義貸し」による不正の再発防止策の検討を要望された県と静岡、浜松両市は施術所を調査したり、指導したりする立場。事件を受け、実効性のある対策が求められている。


  1. 2016/04/27(水) 06:14:41|
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4月25日 熊本震災関連 

http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/column/14/346926/042500517/
熊本地震に支援の動き広がる 医師にネットで無料相談、修理対応も
熊本地震取材班
2016/04/25 日経コンピュータ

 熊本県と大分県を中心に発生した地震を受けて、ITで市民や企業を支援する動きが広がっている。被災者の避難生活が長期化する懸念が指摘される中、ネットマーケティングを手掛けるサイバー・バズは4月21日、健康・医療相談サービス「Doctors Me(ドクターズミー)」の無償提供を始めた。通常料金は月額300円などで、利用者は医師へチャット形式で質問できる。

 無償提供するのは、ドクターズミーに登録している医療専門家のうち医師への相談。同サービスにはほかにも獣医師、栄養士、介護士、薬剤師などが登録している。対象期間は5月31日まで。受付時間の朝9時から夜12時まで医師が待機しており、平均30分で回答する。

 「避難生活の不安や精神的な負担を少しでも軽減したいと考えた。打ち明けにくい悩みも含めて相談してほしい」。同社の高村彰典社長は、無償提供の狙いをこう話す。車中泊によるエコノミークラス症候群、避難生活での不眠やストレス、衛生環境など、健康や心のケアに関する様々な相談を受け付ける。

 ほかにもIT企業や通信事業者が、被災地の住民や企業の支援を相次いで申し出た。今回の地震で故障したハードウエア製品を修理する費用の割り引きや通信規制の緩和、情報共有サービスの無償提供などがある。

 日本IBMは4月14日から7月31日までの期間で、地震などによる同社製のサーバーやストレージといった機器の故障について、保証期間中のものは作業料を無料、部品代を特別価格として修理する。NECと富士通は、各社ブランドの個人向けパソコンや周辺機器を作業料無料で修理する。

 ソフトバンクとNTTドコモは熊本県に住所がある利用者を対象に4月末まで、契約プランで定められたデータ通信量を使いきると通信速度を遅くする制限を撤廃。KDDI(au)も既定のデータ通信量に加えて最大10ギガバイトまで使えるようにした。

クラウドで情報共有を支援

 パイプドビッツは4月15日、各種データ管理やメール配信機能などを持つプラットフォームサービス「スパイラル」の無償提供を開始した。地震にまつわる連絡やボランティア活動の案内などに使える「メール配信アプリ機能」や、安否確認や対応状況の把握などのための「問い合わせ管理」などのツールを用意する。

 ビデオ会議サービス「V-CUBE ミーティング」を無償提供するのがブイキューブだ。九州地域に拠点を置く企業/学校/官公庁や、九州地域に取引先がある企業を対象とする。10拠点での同時接続が可能で、オフィスや学校への通勤/通学が難しい、電話がつながりにくいといった状況でも仕事や勉強ができるようにする。

 17日にはインフォテリアが、情報共有サービス「Handbook」を無償提供。被災した企業や団体は、50人まで利用できる。利用に当たっては、電話サポートも受けられる。



http://www.j-cast.com/tv/2016/04/25265109.html
熊本被災地で心配される関連疾病!ノロウイルス感染やたこつぼ心筋症
2016/4/25 14:52

熊本地震の被災地で感染症の心配が広がっている。南阿蘇村の避難所では1人からノロウイルスが検出された。現地の医師の話によると、トイレに置いてあった洗浄用のバケツを、誤って手洗い用の水汲みに使ってしまった可能性があるという。

現地で医療活動を行っている日赤和歌山医療センターの中大輔医師は、「一番の原因は水不足です。水がしっかり出て、手洗いも流水でしっかりできればウイルスが手に残る可能性が低くなります。それができない」と話している。

余震のストレスや寝不足で発生から1か月後に多発

約100人の医師、看護師らが23日(2016年4月)に洗面所やトイレの消毒に取り組み、ノロウイルスの感染は収束に向かうとみられているが、懸念されている健康被害は他にもある。山木翔遥アナによると、頻発する余震や避難生活に伴う睡眠不足などのストレスから「たこつぼ心筋症」(ブロークンハート症候群)の発症が心配されている。

心臓が血管の繋がっている個所だけ収縮し、他の部分が収縮しなくなる症候群で、心臓の形がたこつぼのように変形するのでこう呼ばれる。初期症状は胸の痛みや動機、息切れで、発見が遅れると命に係わる。中越地震(2004年)の時も、余震が続いた1か月後に発症患者が増えており、とくに年配の女性に多い。

コメンテーターの住田裕子弁護士「1対7の割で年配の女性に多いと聞いています。胸の痛みが出たら医師に診てもらった方がいいですね。1か月ほどで自然治癒することもあるそうなので、あまり心配し過ぎもよくないという感じもしますが・・・」



http://www.yomiuri.co.jp/kyushu/news/20160425-OYS1T50073.html
特集 熊本地震
「エコノミー」熊本の35人重症

2016年04月25日 読売新聞

 熊本県災害対策本部は25日、県内の主要医療機関(20病院)で、肺塞栓そくせん症(エコノミークラス症候群)のため入院が必要と診断された患者数が14~24日の累計で35人に上ると発表した。車中泊など避難生活に伴うものとみられ、いずれも重症化しているという。

 熊本大医学部付属病院が、同病院を含めた20医療機関の患者数を集計し、対策本部に報告した。65歳以上の高齢者が21人と6割を占め、性別では女性が29人と8割を超えた。

 県は「避難生活の長期化で今後もエコノミークラス症候群の続発が懸念される」として注意を呼びかけている。



https://www.m3.com/news/iryoishin/419755
シリーズ: 熊本地震
地域連携やサーバー免震化が奏功、熊本日赤
最も想定外だったのが「水」の確保

2016年4月25日 (月) 高橋直純(m3.com編集部)

 熊本県災害拠点病院に指定されている熊本赤十字病院(熊本市東区、490床)は4月14日と16日の熊本地震で、搬送されてくる全ての救急患者を受け入れた。災害対応訓練や近隣医療機関との連携、院内システムのサーバーの免震化など、日ごろの備えの成果が効果的に発揮できた形だ。4月20日に副院長の中島伸一氏に取材した。

発災直後に3分の1のスタッフが参集

 「最初からパニックになることがなく、私のところにもほとんど報告で、『どうしましょうか』という相談はほぼなかった」。3月に大規模訓練を行っていたこともあり、中島氏は「訓練そのままの状況ができ上がっていた」と説明する。

 熊本赤十字病院では、震度5強以上の地震が起きると、病院から2キロ圏内の職員が参集するルールがある。病院の近くには救護員宿舎もあり、4月14日も発災した午後9時26分の直後から、病院職員約1500人のうち、4分の1から3分の1の職員がすぐに集まった。中島氏が病院に到着した午後10時には、救急棟では既に災害体制が取られていた。15日午後4時までに受け入れた患者は計405人。トリアージの内訳は、緑が345人、黄が42人、赤が16人、黒が2人だった。救急車だけでなく、近隣から自家用車で来る患者も多かった。

 中島氏はインドネシアやイランの津波、阪神大震災や東日本大震災などでも医療支援に参加した経験がある。「想定内の災害というものはないが、それでも14日は比較的想定通りに対応できた。しかし、16日は本当に想定外だった」。16日未明に起きた本震では、絶え間なく患者が来ることが予想され、より広い場所が確保できる本館にトリアージスペースを確保。16日未明から午後11時20分までの受け入れ患者は565人、緑が427人、黄が91人、赤が43人、黒が4人に達した。熊本市民病院が機能を停止するなど、周囲の医療機関でも被害が大きく、救急搬送の段階で、重症患者は熊本日赤と国立病院機構熊本医療センターに集約されていったという。

地域連携システムが活躍

 全ての患者を受け入れることができたのは、「近隣医療機関との役割分担が機能したから」と中島氏は強調する。重症患者向けの病床を確保するために、もともと入院していた約100人を 近隣医療機関に受け入れてもらった。その時に活躍したのが、2015年から運用開始したばかりの『地域医療連携ネットワーク・くまもとクロスネット』だ。熊本日赤を中心に近隣の50医療機関が参加し、検査データや治療歴などの診療情報を電子的に共有するネットワーク。平時における医療連携を目的として設置されたが、今回はネットワークを活用することでスムーズに転院先を探すことができたという。中島氏は「トリアージ赤は87人(4月18日時点)い た。近隣医療機関の協力がなければ対応できなかっただろう」と話す。また、搬送に当たっては「極力県外は避けた。高齢者にとって、方言が使えない地域は外国に行ったようで、認知症が進む可能性がある。遠くになると家族も大変」と指摘する。


サーバー免震化で難を逃れる

 中島氏が事前の備えとして良かったことの一つに挙げたのが、院内システムで使うサーバーの免震化だ。病院自体は免震になっていないため、大きな損壊はなかったものの、備品が壊れるなどの被害があった。サーバー設置の部屋については、空調なども含めて数億円をかけて、免震化していたことで、災害直後でも電子カルテや「くまもとクロスネット」を使うことができた。震災後、時間別の受け入れ患者数の集計が可能だったのも電子カルテがあったからこそだ。中島氏は「熊本には地震が来ないという声もあったが、やっていて本当によかった」と語る。

最も想定外だったのが「水」の確保

 災害時には行政との連携も重要になる。県の災害対策本部には、病院の災害コ―ディネターを派遣し、情報共有を行っていたが、実際に対応に当たっては「ほとんど赤十字病院グループ内でまかなった」。食料品も3日分の備蓄がつきかけると、福岡や大分の赤十字病院から応援を受けた。「県や熊本市もやることありすぎて大変だった。本当に困った時以外は、あまり頼むとパンクしてしまう」と考えていたという。

職員も「72時間」で疲弊

 最も想定外だったのが「水」の確保だった。3日分に当たる350トンが備蓄されていたが、16日から17日にかけてあと6、7時間で枯渇するという状況になった。14日の発災直後から一帯は断水状態となり、近隣医療機関の透析患者なども受け入れていた。熊本市に要望しても給水車が運べるのは1台で0.5トン程度。被災した市民への給水も必要で、病院の需要全てに対応してもらうことはとてもできなかった。最終的に助けになってくれたのは自衛隊だった。視察に訪れていた内閣官房副長官に説明したところ、厚生労働省の現地対策本部から「水を手配する」と連絡があった。

 発災後は、病院スタッフは12時間勤務体制になった。院内にスタッフやDMAT用の宿泊場所を作り、食事なども用意した。中島氏は「災害救助では『72時間』が重要になると言われるが、職員も同じ。そのころになると職員も疲弊してくる」とし、役割分担が重要になると指摘する。近隣医療機関の入院患者搬送を担当したのはDMAT。搬送車で応援に来ているケースが多く、市内の救急車を使わずに済む。また、日本赤十字社の災害救護班は、病院外の避難所に派遣され、「うちの職員は全員、うちのことができた」(中島氏)。18日から通常の8時間勤務制に移行。被災して病院機能が停止した熊本市民病院の医師や看護師も応援に入り、20日には災害救護班とは別に、全国の日本赤十字社からさらに医師16人、看護師25人が応援に訪れた。中島氏は「役割分担が重要と改めて実感した」と強調する。



https://www.m3.com/news/general/419710
慢性疾患、悪化の危険 お薬手帳で迅速な処方 「伝えたい、私たちの経験」
2016年4月25日 (月) 共同通信社

 長引く避難生活では、集団生活のストレスや栄養の偏り、運動不足などにより、高血圧や糖尿病といった慢性疾患が悪化する危険が増す。健康に問題がなかった人でも体調を崩しがちだ。

 東日本大震災の際、津波で建物が全壊し、避難所に仮設診療所を開いた高田病院(岩手県陸前高田市)元院長石木幹人(いしき・みきひと)さん(68)は「体の不調は遠慮せず、早めに周囲に伝えて」と呼び掛ける。

 熊本や大分を中心とした今回の地震で、国は保険証を持たずに避難した人でも、名前や生年月日などを伝えれば保険適用で受診できることを自治体に周知した。石木さんは「受診可能な医療機関のリスト提示など行政や医師会、保健所の素早い情報発信が安心につながる」と話す。

 東日本大震災後は診療態勢が整わず、薬の処方に時間がかかった。患者側も、毎日飲む薬の名前や量を正確に覚えていないケースが多い。院外処方が増え、薬の色や形だけを伝えられても特定できない医師もおり、お薬手帳が手元にあると比較的早い入手につながる。

 仮設住宅に移る被災者への対応も欠かせない。高田病院では、体を動かさなくなることで心身の機能が低下する「生活不活発病」を防ぐため、仮設住宅のそばに農園をつくる取り組みを進めた。被災者が震災前から親しんできたこうした活動を通じ、コミュニティー構築や生きがいづくりを後押しした。



http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/int/201604/546668.html
速報◎2016年熊本地震
中小病院・介護事業者の奮闘1週間
真価問われる地域包括ケア

2016/4/25 永井 学=日経ヘルスケア

 4月14日に震度7の前震、16日未明に再び震度7の本震を観測し、今なお余震が続く熊本地震。要介護高齢者などが入院・入所する現地の医療機関・介護施設はどう対応したのか。浮かび上がるのは日ごろの備えや協力関係の大切さだ。(取材は4月22日時点)

 熊本市内で地域包括ケア病床や緩和ケア病棟などを運営する医療法人大浦会・メディカルケアセンターファイン(熊本市、63床)。同法人は隣接する介護老人保健施設「おとなの学校 本校」(入所定員120人、通所定員50人)や小規模多機能型居宅介護事業所、サービス付き高齢者向け住宅などを運営し、医療・介護複合体の「ピュア・サポート グループ」を形成する。

 地震では小規模多機能型居宅介護事業所のキッチン上部の棚が崩落。壁紙の剥離やクラック(ひび割れ)などもあり、小規模多機能型居宅介護の利用者やサービス付き高齢者向け住宅の入居者は病院・老健施設の1階に避難した。また病院・老健施設でも余震に備えて入院患者・入所者はベッドとともに1階に移動してもらった。

 さらにスタッフの家族や近隣の住民を避難者として受け入れた。その数は病院が約150人、老健施設が約170人で合計約320人に上る。

 人的被害に関しては、震災発生後に腰痛を訴えた者が1人いたほか、3~4日後に発熱した者が1人出た程度で、転倒者などはいなかった。物的被害は小規模多機能型居宅介護事業所のキッチン棚の崩落のほか、老健施設の敷地内の地割れや壁のひび割れ(クラック)、渡り廊下のジョイントのずれといった状況だ。

全国の法人から支援が続々

 理事長の大浦敬子氏は14日の前震時は東京に滞在していたが、一報を受けて15日に熊本市に戻ったところ、翌16日未明の本震で被災した。地震直後は電話もつながりにくく、「LINE」などのSNSでスタッフと連絡。また大浦氏の「Facebook」などで情報発信を続けたという。

 電気は比較的早期に復旧したが、水道が復旧したのは5日目の18日で、ガスは20日時点でも復旧していない。特に問題となったのが水の確保だ。スタッフは施設のホームページなどでも水道・ガスなどの復旧情報を逐一発信した。

 介護施設などでは多数の避難者がいても、行政の指定避難所ではなく自主避難所の扱いとなる。地域の大規模な急性期病院などでは、比較的早期に配給網が作られたが、中小病院や介護事業所までは行政も手が回らない。

 そんな公的支援を当てにできない中、「助けてくれたのが友人たちだった」と大浦氏。例えば兵庫県赤穂市の医療法人伯鳳会・赤穂中央病院からは17日未明に理事長の古城資久氏が医療チームや支援物資とともに到着。このほか、富山県の社会福祉法人アルペン会、東京都町田市の社会福祉法人合掌苑などからの支援物資が続々と届いた。

 余震が一定程度に落ち着いた19日には1階の入院患者・入所者を元の階に移し、サ高住など居住系サービスの入居者も自室に戻った。また20日には老健施設で通所リハビリテーションを再開し、屋外で「青空デイケア」を実施した。

 また、「自立支援などの日ごろの取り組みがいかに大事かも知った」と大浦氏は話す。例えば、老健施設の入所者は1階に避難した際にベッドを扇状に並べ、その間にポータブルトイレを設置したところ、入所者や避難者が自主的に利用し、職員がケアに忙殺されることがなかったという。

タンスが倒れ危機一髪も無事

 一方、全国小規模多機能型居宅介護事業者連絡会の理事長、川原秀夫氏は震災発生後、熊本県内の介護事業所の支援に奔走している。震度7の激震が立て続けに起こった熊本県益城町に隣接する熊本市東区で、川原氏はNPO法人コレクティブ(熊本市東区)を運営。小規模多機能型居宅介護事業所「いつでんきなっせ」などの介護事業所を展開している。川原氏は被災時は自宅におり、事業所に急行した。

 14日夜、いつでんきなっせには泊まりの利用者やスタッフが8人がいた。「利用者が就寝していた宿泊室の室内エアコンが落下したり、タンスが倒れたりするなど危機一髪だったが幸い人的被害は出ず、全員が1階に避難した」と川原氏は語る。

 事業所の2階で停止中のエレベーターの扉は大きく歪み、隙間から1階が見えるなど利用できない状況。500kg以上の重さがある電気給湯器の屋外タンクが2台とも地震で大きく動いて破損した。さらにスプリンクラーからの水漏れも発生した。

 熊本市の独自事業で認知症カフェや宿泊機能を提供する「地域ふれあいホーム」(熊本市東区)は民家改修型の施設で、屋根の瓦や壁が落ちた。震災後の大雨で雨漏りが発生し、天井が落ちる寸前だ。「復旧はかなり難しい」と川原氏は語る。

行政からの連絡は1週間後

 川原氏は震災発生後、自法人だけでなく他法人を含めた益城町内の小規模多機能型居宅介護事業所やグループホームなどの介護事業所の安否確認や状況把握を開始。必要な支援物資などを聞き取り、届けるための活動を展開した。事業者連絡会を通じて鹿児島県や福岡県などから集まった10人前後の支援チームが活動を始め、10リットル入りの給水袋を調達。1週間ほどの間に約500~600個、5000~6000リットルの水を各事業所に配達した。「水道が復旧するまでは、多くの事業所で水が喜ばれた。おむつが不足する事業所も少なくなかった」と川原氏は話す。

 行政からは14日の震災発生から6日後の20日夜に初めて電話があり、翌21日に被害状況を報告してほしい旨のファクスが送られてきた。この時も災害の初期対応において介護事業所は公的支援を期待しにくく、自助・共助を中心とした支援活動を行わなければならないという実態が浮かび上がる。

 震災発生から1週間がたつとライフラインや物流も一定程度回復し、全国からの支援物資が届くようになったという。しかし逆に、水不足が解消に向かう中で大量の水が届くなど、一部で需給のミスマッチが起こった。連絡会ではメールマガジンの「しょうきぼどっとねっと通信」やホームページで逐次、必要な支援物資の状況などを情報発信し、機動的な対応を図っている。

 インフラの復旧を受けて、連絡会では今後、支援内容を物資の調達・配給から、避難者に対するケアなどに徐々にシフトしていく方針だ。「避難所での生活が長期化している認知症高齢者などの中には、不穏などの周辺症状(BPSD)が現れたり、身体を動かさないために状態像が悪化するケースなどが出てくる。小規模多機能型居宅介護事業所から必要に応じて避難所に訪問したり、避難所での見守り体制をどう作るかなどが今後の課題になる」と川原氏は話す。訪問・通所・泊まりの機能を兼ね備える小規模多機能を活用しながら、要介護高齢者の生活を24時間365日支えるという地域包括ケアの理念を実現していく考えだ。

災害発生時は居宅サービスなどで柔軟な運用が可能

 厚生労働省と熊本県庁の確認によると、熊本県全域の高齢者施設1234カ所において今回の熊本地震での人的被害は14施設24人(4月24日11時時点)。人命にかかる被害はなく、外傷や転倒・骨折などによるものだった。建物の被害は半壊、屋根の倒壊、壁の損傷など343施設である。

 厚労省は14日から17日にかけて事務連絡を発出(下表)。避難所などの自宅以外の場所で生活している場合も、必要な訪問・通所などの居宅サービスを柔軟に利用できるようにした。また災害時に定員を超過する入所者・利用者を受け入れても定員超過減算は行わず、被災で職員確保が困難な場合の減算も行わない。

◆厚労省が4月15日に発出した事務連絡「災害により被災した要介護高齢者等への対応について」
1. 市町村は地域包括支援センター、ケアマネジャーなどへの依頼などにより、避難対策と介護サービスの提供について柔軟に対応する
2. 自宅以外の場所(避難所や避難先の家庭、旅館など)で生活している場合でも必要な居宅サービスを受けられるよう配慮
3. 災害などによる定員超過利用は認められ、減算は行わない。職員確保が困難な場合も減算は行わない
4. 利用者負担が困難な場合は市町村の判断で減免できる。保険料も減免・猶予可能。利用者負担額、保険料減免額が一定以上の場合は当該市町村に特別調整交付金を交付する


  1. 2016/04/26(火) 06:05:36|
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4月25日 

http://www.cabrain.net/news/article/newsId/48633.html?src=topnewslink
勤務医不足解消で「計画配置」を検討へ- 日病・堺会長、医籍活用の提言も
2016年04月25日 19時00分 キャリアブレイン

 日本病院会(日病)の堺常雄会長は25日の定例記者会見で、いわゆる「医師の計画配置」について、「いろんな意見が出ているので、それを踏まえて、最終的に日病として報告をまとめたい」と述べた。医師は医師免許取得後、自由に診療科を選んだり、好きな場所で開業したりすることができるが、これが偏在を助長するとの指摘もある。日病では今後、勤務医不足の解決策の一つとして、内部で話し合いを進めるとしている。【敦賀陽平】

 堺会長は、団塊の世代が75歳以上となる2025年に必要な病床数などの方向性を定める「地域医療構想」に触れ、「必要医師数というものを各構想区域の中で明示してほしい。診療科ごとなのか、地域全体になるのか分からないが、それをやってほしい」と要望した。

 23日に開かれた常任理事会では、17年度に始まる予定の新たな専門医制度で、「定員などの設定ができないか」との意見が多かったほか、医師免許取得者の氏名などを国が管理する「医籍」を使って「医師の動きの見える化ができないか」との声も上がったという。堺会長は医籍の活用について、「厚生労働省に提言したい」と述べた。

■熊本地震、「中小病院の情報入りにくい」
 堺会長はまた、14日から熊本県を中心に続く地震について、「(会員の)大規模病院の連携、情報収集は比較的できたが、いわゆる中小病院の情報がなかなか入りにくかったという問題点があった」ことを明らかにした。

 堺会長は「中小病院はマンパワーが足りない。電話対応がなかなかできないとか、いろんな状況があったのではないか」とした上で、今後、クラウド・コンピューティングなどを活用し、災害時に中小病院の情報を収集するシステムを構築する必要性を示した。

 また、「今回のように前震、本震があって、その後余震が長く続く状況の中で、いわゆる亜急性期の状況に対応する仕組みを再度、日病だけでなく、他の病院団体、日本医師会、内閣の対策委員会の中で検討していく必要があると思っている」とも語った。



http://www.medwatch.jp/?p=8650
地域の医師偏在により、現場には「医師不足」感、地域枠の継続などが必要―日病・堺会長
2016年4月25日|医療・介護行政をウォッチ

 日本全体(マクロ)では近い将来、医師の供給過剰になると試算されているが、ミクロで見ると地域間・診療科間での偏在は解消されていない。現場では「医学部の定員増」「計画的な医師の配置」「地域医療計画の再構築」「へき地勤務の義務化」「医療法制の整備」「自治体病院の統合・再編」などが必要と考える―。

 日本病院会の堺常雄会長は、25日に開いた定例記者会見で、このような調査結果概要を発表しました。

 また、厚生労働省の「医療従事者の需給に関する検討会」での議論に向けて、「地域枠の確保」や「区域ごとの医師の必要数」などを検討すべきと提言していく考えも示しています。

ここがポイント! [非表示]
1 15年に医師需給に関する調査、現場は「医学部定員増」や「計画的医師配置」など希望
2 災害時などに備え、緊急に地域の病院情報などのデータベース化が必要
15年に医師需給に関する調査、現場は「医学部定員増」や「計画的医師配置」など希望

 医師偏在の是正に向けた議論が活発になっています。例えば、前述の「医療従事者の需給に関する検討会」の下に設置された医師需給分科会では、将来の医師需給(患者数などの医療ニーズから、医師の必要数を逆算)を検討する前提として、「偏在」の是正が極めて重要であるという認識で一致しています(関連記事はこちらとこちらとこちら)。

 また新専門医制度については、「医師の地域偏在を助長する可能性がある」との指摘を受け、さまざまな対策が検討されています(関連記事はこちらとこちら)。

 こうした状況も見据えて、日本病院会では昨年(2015年)10-11月に「地域医療再生に関するアンケート調査」を実施。25日の定例記者会見では、堺会長から結果の一部が報告されました(詳細な結果は、別途公表されます)。

 それによると、現場では「医師不足」感が極めて強いことが浮き彫りとなると同時に、医師不足解消に向けて次のような方策をとるべきと考えていることが明らかになりました(重複回答)。

(1)医学部の定員増     82%
(2)医師の計画的配置    81%
(3)地域医療計画の再構築  80%
(4)「へき地勤務」の義務化 75%
(5)医療法制の整備     73%
(6)自治体病院の統合・再編 71%
(7)保険医登録制を活用した医師の計画的配置 59%


 このうち(1)は、前述の「医療従事者の需給に関する検討会」や「医師需給分科会」とも関連します。分科会では、一定の前提を置いた上で「近い将来、医師の需給は均衡し、早ければ2024年、遅くとも2033年以降は医師供給が過剰になる」との試算結果を公表。その上で、現在行われている臨時の医学部定員増のうち「医師不足が深刻な地域」に着目した増員は当面継続し、その他の部分は慎重に吟味するとの方針案が厚労省から示されました(関連記事はこちらとこちら)。

将来の医師需給の試算結果、早晩、供給量が需要量を上回ることが明確に(上位推計でも2033年以降は医師供給過剰になる見込み)
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 堺会長は、この方針案に対し賛否は明確にしませんでしたが、医学部の恒久定員(図の青色の部分)の中で「地域枠は残すべきではないか」との見解を明らかにしています。

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医学部入学定員の概要、恒久定員(ブルー)と臨時定員に分けられる。臨時定員は医師不足地域への対応部分(イエロー)と、地域医療再生計画に基づく部分(レッド)に分けられる

 ただし、あまりにも地域枠が強大になれば、別の部分で支障が生じる可能性もあるため、具体的な制度設計においては慎重な議論が必要との考えも付言しています(関連記事はこちら)。

 このほか、▽地域医療構想(将来のニーズをベースに、機能ごとに必要となるベッド数を試算している)のように、医師の必要数も構想区域ごとに明示する ▽新専門医についても必要数や専攻医の定員枠について検討する ▽個々の医師について免許取得時から現在までの動向を「見える化」する―といった点について、今後、提言などを行っていく考えも明確にしています。

 なお、アンケート結果の中には「医師の計画的配置」や「自治体病院の統合・再編」という回答もありますが、具体的な内容は今後の精査を待つ必要があります。

災害時などに備え、緊急に地域の病院情報などのデータベース化が必要

 25日の定例記者会見では、今般の熊本地震(平成28年熊本地震)に対する日本病院会の対応についても報告が行われました。

 その中で堺会長は、「大病院については比較的状況把握が可能であったが、中小規模病院の被災状況などの把握が難しい」点を指摘。今後、「会員外も含めて中小病院の情報を把握してデータベースなどを構築」し、災害時などいざというとき活用できる体制を緊急に整備する考えも打ち出しています。

 東日本大震災の折には、被災直前に福島県内の病院に関するメーリングリストが整備され、大いに役立ったといい。こうした体制を整備することが「喫緊の課題」であると堺会長は強調しています。



https://www.m3.com/news/general/419763?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD160425&dcf_doctor=true&mc.l=154469944&eml=3f492a08f1681d66441569ec02c0b51e
追跡:米沢市立病院精神科の閉鎖/上 広がる負担と不安 待ち時間増幅、受け入れ制限…転院先決まらない患者も /山形
2016年4月25日 (月) 毎日新聞社

 ◇医師との信頼保てず

 医師を確保できずに事実上閉鎖した米沢市立病院精神科の問題は地域に衝撃を与えた。昨年12月に閉鎖方針が公表されると、患者約1500人の転院が急務となり、市民団体は存続を求めて1万人を目標とする署名運動を展開した。今月、南陽市の佐藤病院を運営する社会医療法人「公徳会」が米沢市内に進出する意向を示したが、先行きは不透明だ。一連の経過を取材すると、さまざまな課題が見えてきた。【佐藤良一】

 4月1日、精神科入院患者を受け入れた市立病院の「北病棟」を見学した。施錠された施設内に人影はなくガランとしていた。1階の病床や飾り付けなどの整理が始まっており、2階のデイケア室のホワイトボードには職員が書き残したのか、「スタートライン・オブ・ライフ」の英文が残されていた。最後の入院患者は3月14日に転院したという。

 地域の医療を51年間担った精神科は3月末で事実上の機能を終えた。山形大の医局から派遣されている常勤医師3人は退職や異動の意向を示したが、代わりの医師を確保できなかった。転院先が決まっていない通院患者のために、5月半ばまで常勤医1人が残る。

 患者約1500人のうち、約800人が市内三つの精神科クリニックに押しかけた。どこも待ち時間が大幅に延び、患者の受け入れに制限を設けるところも出た。転院した40代女性は「通院のたびに医師が代わり、疑問と不安でいっぱいになった」と打ち明ける。環境が突然変わって体調を崩し、近くの就労支援事業所にも通えない日々が続いたという。

 障害者の就労支援に携わる米沢市のNPO法人「なでらの森」の成田晃夫理事長(56)は「うつ病などの患者にとっては医師との信頼関係が一番大事」と強調する。さらに、「米沢市外に転院して通院に1時間もかかり、悲観して自殺未遂に至った学生もいた」と明かす。

 自閉症など青少年の自立支援をしている米沢市のNPO法人「置賜自然と共育の村」では、アスペルガー症候群やパニック障害などを抱える16人が生活している。黒沢巌理事長(64)は「市立病院は患者と支援組織にとって命綱だった」と振り返る。今月から患者1人に対してスタッフが付き添って南陽市の病院へ通院を始めた。だが、「1日がかりだ」と表情を曇らせる。患者の状態によっては途中で引き返す日もあるという。

 スタッフ不足などから重度の患者は市内の診療所に転院できず、今も転院先が決まらないでいる。南陽市、川西町など米沢市周辺に精神科を持つ病院はある。だが想像以上に患者、家族、支援組織に不安と負担をもたらしている。

………………………………………………………………………………………………………

 ◇米沢市立病院精神科からの転院先(4月19日現在)

▽置賜地域  1450人
  米沢市  1112人
  川西町   146人
  南陽市   134人
  高畠町   41人
  長井市   17人
▽置賜以外   49人
  山形市   24人
  天童市   18人
  上山市    7人
▽診療中止   58人
▽死亡      8人
▽未転院     2人
……………………………
 合計   1567人

 ※2015年12月1日時点での入院・外来の患者数。同病院まとめ



http://www.news24.jp/nnn/news8877299.html
新精神科病院・米沢の工業団地に建設へ  (山形県)
[ 4/25 20:16 山形放送]

 この問題は米沢市立病院の「精神科」が医師不足のため、一部の外来を除いて先月いっぱいで閉鎖されたもの。米沢市では、南陽市の社会医療法人公徳会が経営する「佐藤病院」と再編統合し新たな精神科病院の建設を目指している。そして、米沢市の中川市長は25日の定例会見で、佐藤病院との協議の結果新たな精神科病院を米沢市の八幡原中核工業団地に建設する方針を明らかにした。予定地は市が所有する工業団地西南の更地で広さがおよそ1万9千平方メートル。土地の売却価格は今後、佐藤病院との話し合いで決めたいとしている。新病院の開設時期ついては来年の春を目指すことで佐藤病院と協議していくという。米沢市では今後病院の再編統合に関する国の特例制度の申請を進めるとともに、佐藤病院と共同で建設地周辺の住民に対し説明会を開く予定。



http://www.medwatch.jp/?p=8639
新専門医制度、「現在の制度のままでは懸念は払しょくできない」との見解で一致―日病協
2016年4月25日|2016診療報酬改定ウォッチ

 現在のままの新専門医制度には懸念をいだく―。

 22日に開かれた日本病院団体協議会の代表者会議では、こうした見解で一致したことが、同日の定例記者会見で神野正博議長から報告されました。

 来年(2017年)4月からの新専門医の養成が開始される予定ですが、円滑な施行に向けてさらなる調整が必要なようです。

ここがポイント! [非表示]
1 都道府県の協議会による偏在是正に向けた調整、物理的に無理であるとの声も
2 DPCの重症度指数を中心に「ブラックボックスである」との声相次ぐ
都道府県の協議会による偏在是正に向けた調整、物理的に無理であるとの声も

 新専門医制度は、専門医の認定と養成プログラムの評価・認定を第三者機関(日本専門医機構)で統一して行うもので、来年(2017年)4月から養成(研修)がスタートする予定となっています。

 これに対し、日本医師会や病院団体からは「地域や診療科間での医師偏在を助長するおそれがある」との指摘が強く、現在、厚生労働省の社会保障審議会・医療部会の下に設置された「専門医養成の在り方に関する専門委員会」を中心に、偏在是正に向けた取り組みの検討が進められています(関連記事はこちらとこちら)。

 しかし、22日の日病協代表者会議(日本病院会や全日本病院協会、日本医療法人協会、全国自治体病院協議会など13の病院団体で構成される)では、「日本専門医機構のガバナンスに問題がある。今のままの制度には懸念を抱く」という意見が数多く出され、これに反対する見解は出なかったことが神野議長から報告されました。

 ところで、地域の医師偏在を助長させないように、日本専門医機構、都道府県(協議会)、国の3層構造でプログラムのチェックや調整を行うことになっていますが(関連記事はこちらとこちら、神野議長は「物理的(時間的)に調整することはできないのではないか。また現在の初期臨床研修2年目の医師が初めての専攻医になる予定だが、彼らも迷っており、機構からのメッセージも出ていない。今の形で来年(2017年)4月から実施することは問題である」との考えを強調しています。

専門医の養成開始(2017年4月スタートとした場合)のプロセス、日本専門医機構・都道府県・国の3層構造で養成プログラムをチェックする
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 専門委員会や医療部会、さらに医師需給分科会(医療従事者の需給に関する検討会)などさまざまな場で新専門医制度を巡る議論が行われており、今後もさらなる調整が必要と言えそうです。

DPCの重症度指数を中心に「ブラックボックスである」との声相次ぐ

 22日の定例記者会見では、原澤茂副議長から「DPC制度の不透明性」についても指摘がなされました。

 2016年度診療報酬改定において、DPC制度にもさまざまな見直しが行われました(関連記事はこちらとこちらとこちら)。原澤副議長はその中でも、新設された「重症度指数・係数」(機能評価係数IIの1項目)について「ゼロ点」の病院が相当数ある点を指摘。4月20日には厚生労働省保険局医療課の眞鍋馨企画官から説明を受けて疑問の一部は氷解したものの、「DPCにおいては各種係数の設定ステップなどでブラックボックスの部分が多い」と述べ、2018年度の次期改定に向けて改善を求めていく考えを強調しています。

 DPC制度では、同じ診断群分類(DPCコード)が選択されれば、1日当たりの包括範囲の報酬額は一律に設定されます。しかし、同じコードの患者でも、重症度には一定の幅があり、医療資源投入量(つまり投下コスト)に差が出てきます。従前は調整係数の中でこの差を調整していましたが、段階的に廃止される中で、この調整機能が弱まっていると指摘されます。

 そこで2016年度改定では「重症度指数・係数」を導入し、この調整を行うこととしていますが、「包括範囲点数」と「実際の医療資源投入量」との比率で重症度指数を決定するため、効率化が進んでいる病院ほど指数は小さく、ゼロになることも稀ではありません。この点について病院側の納得感が不十分であることが、原澤副議長の説明で改めて浮き彫りになっています。

 2018年度改定に向けて、中央社会保険医療協議会やDPC評価分科会でどのような議論が行われるのか、早くも注目が集まっています。



http://npn.co.jp/article/detail/11652670/
崩壊は時間の問題! “かかりつけ薬剤師”制度のお粗末
週刊実話 2016年04月25日 10時03分

 2016年度の診療報酬改定により、保険薬局、いわゆる病院のすぐ近くにある門前薬局や街中の薬局薬店が大きな影響を受ける。特に問題なのは『かかりつけ薬剤師制度』の新設だ。
 「同制度の基本的な考え方は、薬という対物業務よりも患者への服薬指導という対人業務を評価(高点数の診療報酬)するところにあります。要件には『24時間365日電話相談の受付』や『患者から指名してもらうこと』などがあり、一定の経験を持つ薬剤師が、複数の病院などから処方されている薬をすべて把握した上で薬剤指導を行い、その結果を処方した医師に報告し、かつ処方の提案も行います」(医療ジャーナリスト)

 患者にとっては歓迎すべき制度と思えるが、損保会社の事故対応じゃあるまいし“24時間365日対応”など街中の薬局では継続は不可能だろう。まして“指名”でカネまでかかるとは…。
 「すでに反面教師が存在します。'12年4月、診療所に“かかりつけ医”の役割を担わせるべく24時間365日患者からの電話による問い合わせに対応する体制を敷き、5点(50円)の加算が算定できるという『時間外対応加算制度』が始まりました。しかし、今どき子供でも50円でお使いはしない。医師が50円で24時間対応する制度が持続するはずがなかった。この制度に従っている診療所は全国10万軒のうち、わずか152軒にすぎません('15年度のデータ)」(同)

 ところが、今回の『かかりつけ薬剤師制度』には、これまでになかった懲罰的な規定も盛り込まれている。
 「'17年4月1日から“かかりつけ薬局の基本的な機能に係る業務を1年実施していない保険薬局”には、調剤基本料の50%の額しか算定できなくなるのです。難関資格の薬剤師も『ついにブラック化か』と自虐する人もいます」(同)

 大企業はともかく、個人店舗や小規模薬局を“いたぶる制度”がうまくいくはずはない。



https://www.m3.com/news/general/419625
(声)大病院は安直に紹介状求めるな
 医師 谷本哲也(東京都 43)
2016年4月25日 (月)配信 朝日新聞

 診療所などで働いているが、大病院への紹介状の作成依頼が増えつつある。4月に導入された定額負担が影響しているようだ。

 紹介状なしで大病院を受診した患者は初診時で5千円以上、再診時で2500円以上がかかる仕組み。安易な大病院受診を抑える狙いがある。

 ところが、うちの診療所では初診の患者さんから、元々かかっている大病院への紹介状を依頼され、戸惑うことがある。大病院側から、診療所の紹介状持参を指示されたり、勧められたりするらしい。大病院で診療科が異なるため連携できない場合や、定額負担をせずにすむよう大病院が配慮する場合もあるという。

 患者の詳しい情報を持つ大病院に宛てて、治療歴や検査データが分からない初対面の患者の紹介状を、診療所側が書くのは妙な話だ。大病院は特定の病気に特化した縦割り診療が主流とはいえ、内部で連携したほうが効率的ではないか。

 紹介状作成も医療費のうちだ。患者さんに手間もかける。安直に紹介状を求める風潮は見直してほしい。



https://www.m3.com/news/general/419764?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD160425&dcf_doctor=true&mc.l=154469945&eml=3f492a08f1681d66441569ec02c0b51e
’16記者リポート:病院薬剤師不足 医療の質、低下を懸念 人材確保に給与の壁 富山 /富山
2016年4月25日 (月) 毎日新聞社

 「くすりの富山」と呼ばれる富山県で、病院などの医療施設に勤務する薬剤師が慢性的に不足している。医師や看護師と連携して治療にあたるチーム医療の重要性が増す一方で、ほとんどの病院が十分に人材を確保できず苦しんでいるのが現状だ。現場の薬剤師からは「一人一人の負担が増すばかりか、医療サービスの質の低下にもつながりかねない」と不安の声が漏れる。【大東祐紀】

 ■「不足」9割超

 県病院薬剤師会(富山市、高畑英信会長)は今年1月、現状把握のため、初めて県内の医療施設74カ所を対象にアンケートを実施した。44施設から回答があり、約95%の42施設が「薬剤師が足りない」と回答。うち4施設は「10人以上」不足していると答えた。

 医療施設で勤務する薬剤師は調剤の他、患者への服薬指導や薬の管理など、チーム医療で欠かせない役割を担う。薬剤師が十分に確保できなければ、きめ細かな服薬指導などはできない。医師や看護師の負担も増し、患者に質の高い医療サービスを提供できなくなるおそれがあるという。

 ■初任給の差10万円

 県医務課によると、県内の薬剤師は、2010年3057人▽12年2937人▽14年2843人――と減少傾向が続いているが、人口10万人当たりでは全国3~4位と高水準をキープしている。しかし、医療施設に勤務する薬剤師は28~32位と全国平均よりも低い。

 給与面で待遇の良い民間ドラッグストアや製薬会社、調剤薬局に人材が流れているためだ。

 高畑会長は「初任給で10万円ぐらい開いているのではないか」と指摘する。国公立病院は給与水準が一律に決まっており、なかなか待遇が改善されないという。

 ■打開のために

 それでも、「病院で働く魅力はある」と高畑会長は力説する。今年度から県西部の公立病院に勤務する女性薬剤師(24)は「患者さんと密に関われるので自分のスキルアップにつながる」という。別の女性薬剤師(25)も「患者さんのいろんな変化に気付けるのは日常的に対話する病院の薬剤師だけ」と話す。

 同会も策を講じている。県内の医療施設の給与や福利厚生、勤務内容などをまとめたパンフレットを作製したり、13年度から毎年、学生向けの就職説明会を開いており、今年3月には県内24医療施設、学生33人が参加した。

 厚生労働省が今年3月に公表した薬事工業生産動態統計(14年)によると、富山県の医薬品生産額は過去最高の6163億円で、都道府県別2位。高畑会長は「薬の安全性を担保するのも『くすりの富山』の使命。早急に人材を確保しなければならない」と強調する。



http://biz-journal.jp/2016/04/post_14874.html
大手薬局チェーン社長の超高額給料を日本医師会が問題視!薬局の「儲けすぎ」体質露呈か
Business Journal  2016.04.26

 2016年は、2年に一度の診療報酬の改定年。4月1日から病院、診療所、薬局などで支払う医療費が変わったことに気付いた人もいるかもしれない。得する薬局のかかり方や大病院を受診する際に気をつけておきたいことなど、身近なシーンを中心に、改定の影響を見てみよう。今回の改定では、「儲けすぎ」ともいわれる薬局にもメスが入っている。

 まず、「診療報酬」の仕組みについて簡単に説明したい。公的医療保険制度内の診療や薬の提供は「保険診療」と呼ばれ、国によって価格が決められている。一方、美容医療や保険適用外の医療行為、薬などは「自由診療」となり、提供する医療機関が自由に価格を決めることができる。
 国が決める医療の価格が「診療報酬」と呼ばれ、2年に一度、厚生労働省の諮問機関である中央社会保険医療協議会で決定される。「本体」と呼ばれる医科、歯科、調剤報酬は4000種類以上の項目が定められているほか、保険診療で処方される薬の価格も決められており、「薬価」と呼ばれる。16年の改定では、本体で+0.49%、薬価全体で-1.52%となっている。
 診療報酬は点数で表記され、1点が10円となる。医療機関で発行される明細書(レセプト)を見ると、点数の内訳が記されているが、実際に患者が窓口で支払う金額は、現役世代(70歳未満)で3割、70歳以上は原則として1割になる。
 小児については自治体で補助が出る場合もあり、無料の地域も多い。また、生活保護受給者も無料だ。窓口負担分以外は、日頃払っている社会保険料や税金で賄われている。

お薬手帳を忘れると料金が高くなる?

 今回の改定で一番変わったのは、薬局で払う調剤報酬だ。病医院で発行された処方箋を調剤薬局に提出して薬を出してもらうことを「院外処方」という。高齢者になるほど、複数の医療機関にかかって複数の薬を飲むケースが多い。
 そのため、高齢者分だけでも約500億円分の薬が無駄になっているとの試算もあり、国は「かかりつけ薬剤師」の導入を推し進めようとしている。1人の患者の処方状況を1人の薬剤師(薬局)が把握することで、重複した投薬や飲み合わせによる副作用を減らそうという狙いだ。
 その患者が、どんな薬を飲んでいるかを把握するために使われるのが「お薬手帳」。薬剤師が患者の薬の状況を把握し、指導することに対する報酬は、「薬剤服用歴管理指導料」として算定され、お薬手帳を持って過去6カ月以内に来店した患者は、処方箋1回につき38点(380円)、3割負担の場合は窓口で支払う額は約110円になる。

 一方、初めてもしくは6カ月以上たって来店したり、お薬手帳を持参しなかったりした患者の場合は、処方箋1回につき同50点(500円)となる。患者負担は3割で約150円だ。
 つまり、利用する薬局を決めて毎回お薬手帳を持参すれば、40円程度安くなるというわけだ。これまでは、お薬手帳ありが41点(410円)、なしは34点(340円)で、持参しないほうが患者は得をする状況だった。
 さすがに、この状況は手帳持参の推進に逆効果になっているとして改定されたが、薬局にとっては、手帳を持参されると1人につき120円売り上げが減少することになる。もし、窓口でお薬手帳の持参を促されなかったら、その薬局は、患者の健康よりも売り上げを重視しているのかもしれない。

日本医師会が薬局の「儲けすぎ」に警告

 薬局をめぐっては、近年「儲けすぎ」という批判も根強く、日本医師会が大手薬局チェーン社長の給料を問題視するレポートを公表するなど、調剤薬局への報酬引き下げを求める意見が出ていた。例えば、日本調剤の三津原博社長の14年の報酬は6億7700万円に達している。
 結果的には、調剤報酬全体では微増となったが、大病院の前に乱立する“門前薬局”への報酬が引き下げられた。お薬手帳持参者に対しての30円の値下げも、その流れにあるという見方もあり、日本医師会医理事は「今後も厳しく見直しを求めていく」と述べている。
 ほかに、身近なところでは、大学病院などの大病院に紹介状なしで受診する際、初診時に5000円(歯科では3000円)の定額負担が義務付けられた。高度な医療を提供すべき大病院を軽症患者が受診することで、効率的な医療提供ができなくなっているというのが理由だ。
 大病院受診時の負担を大きくすることで、患者を診療所や中小病院に誘導しようという施策だが、結果的に2つの医療機関を訪れることになると、時間的にも費用的にも、患者の負担はそれなりに大きくなる。5000円では期待通りの効果が上げられないとして、早くも次期改定でのさらなる負担増も予想されている。
 13年度の日本の医療費は、約40兆円。高齢化の進展で当面は増加の一途をたどり、国家財政にとっても大きな負担だ。窓口で払う以上の金額が、保険料や税金で賄われている。一人ひとりが医療の適正利用を心がけるというのは、想像以上に重要なことだろう。
(文=編集部)

  1. 2016/04/26(火) 06:03:44|
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