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Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

Google Newsでみる医師不足 2016年3月31日

Google Newsでみる医師不足 2016年3月31日
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Experts: State faces worsening shortage of primary care doctors
Hawaii News Now‎ - 2016年3月29日前 (Hawaii, USA)

That's the reality for many primary care doctors in Hawaii, who say a host of factors make caring for patients in Hawaii an an expensive proposition.
The problem comes as Hawaii's population ages. An older population is expected will mean higher demand for physician care, which means the doctor shortage is expected to grow more acute in coming years.


Doctor shortage top concern for chamber of commerce
The Daily Courier (subscription)‎ - 2016年3月30日(Wisconsin, USA)

More doctors and Okanagan teamwork top the agenda of the new president of the Kelowna Chamber of Commerce. “The chamber has already been working hard on addressing the doctor shortage in the Okanagan,” said Tom Dyas shortly after being sworn in as president of the 1,300-member business group.


Doctor shortage leaves Nevada ranking near the bottom
News3LV‎ - 2016年3月16日(Nevada, USA)

It's not a ranking anyone in Nevada is proud of. Our state sits near the very bottom of the list when it comes to the number of doctors in our community. But News 3 found out that steps are being taken to fix that.
Negotiations are still going on with the county to acquire two pieces of property, the site of the old health district and conveniently located near two hospitals.


Walk-in clinics getting slammed by doctor shortage, owner says
CBC.ca‎ (Canada) 2016年3月7日

"Now, with a physician shortage and a larger number of people who don't have a family doctor, there are people showing up at the walk-in clinic and they have complex care needs … the clinics are providing that care but are not being paid for it.".


'Highway medicine': Hundreds rally as Interlake deals with doctor shortage
CTV News‎ (Canada) 2016年3月11日

A lack of emergency room services in a Manitoba hospital spurred a rally of more than 300 people Friday.
The Interlake-Eastern Regional Health Authority is dealing with a doctor shortage in Eriksdale, Man., located 142 kilometres northwest of Winnipeg.
While the ER remains open, patients face referrals to surrounding communities for emergency care when a doctor's not available..


(他に10位以内のニュースは、全米、米国・カリフォルニア州、ワシントン州、ノースカロライナ州、英国などからも)


  1. 2016/03/31(木) 06:12:09|
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3月29日 

http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201603/20160329_75038.html
<定年退職国立大教授>産科医集約 体制整備
2016年03月29日火曜日 河北新報

水沼英樹(みずぬま・ひでき)51年栃木県生まれ。群馬大医学部卒。米テキサス大留学、群馬大医学部助教授を経て01年から現職。日本女性医学学会理事長などを歴任した。ふくしま子ども・女性医療支援センター設立準備室長を務める。

 東北の国立大で研究や教育に携わってきた多くの教官が31日、定年を迎える。東北大大学院文学研究科の大渕憲一教授は攻撃心理の解明に努めた。弘前大大学院医学研究科の水沼英樹教授は産科医の集約化に貢献した。両氏が長年の研究や取り組みを振り返る。

◎弘前大大学院医学研究科 水沼英樹教授(64)=産科婦人科学

 「とにかくマンパワーが足りなかった。医師の絶対数が減る中、集約化は必然的な動きだった」。弘前大に着任早々、青森県内の産科医不足の窮状を目の当たりにした。
 危機感から県内6拠点への医師集約化を急ぎ、患者受け入れ体制整備と医療従事者の待遇改善を図った。2004年、県立中央病院(青森市)に妊産婦の救急搬送システムを備えた総合周産期母子センターが稼働。命の危険が高い妊娠・出産、新生児に集中的に対応できるようになった。
 集約化の中で外来を廃止した地域も。「最寄りの病院でお産ができなくなって困るとよく言われた。不便を強いた」。半面、拠点病院を充実させ、安心な医療を提供できるようになった。
 専門だった神経内分泌学から不妊症や更年期障害にも関わるようになった。長年の経験で「女性の健康は長いスパンで診なければならない」と実感している。
 4月からは、産科・小児科医不足が懸念される福島で人材確保、養成を担う「ふくしま子ども・女性医療支援センター」の初代センター長を務める。「医療システム構築に携わり、福島の子どもと女性を助けたい」と使命感に燃える。



http://www.asahi.com/articles/ASJ3Y4SD6J3YULBJ005.html
医師への謝礼、公開義務化へ 厚労省、製薬企業に
武田耕太
2016年3月29日22時41分 朝日新聞

 相次ぐ論文不正を受け、臨床研究を規制する法案づくりを進めている厚生労働省は、製薬企業から研究機関や医師への資金提供の公開について、原稿料や講演の謝礼なども義務付ける方針を決めた。これまでは研究に直接関係がないとして除外していたが、方針を転換した。

 29日にあった自民党の部会に厚労省が示した。公開の義務化は当初、研究開発費や奨学寄付金などに限り、講演謝礼などは業界の自主的なルールに委ねるとしていた。

 厚労省によると、自社製品の研究を手がけている責任者らへの謝礼は「研究と無関係とは言えない」などの指摘もあり、対象に含めることにしたという。

 資金提供の公開は毎年実施する。違反した場合は、指導や勧告をし、従わなければ企業名を公表するとしている。厚労省は法案を今国会に提出することを検討している。(武田耕太)



http://www.medwatch.jp/?p=8250
来年度から2018年度の診療報酬・介護報酬の同時改定に向けた議論を開始―日病協
2016年3月29日|2016診療報酬改定ウォッチ

 2018年度に予定される診療報酬・介護報酬の同時改定に向けて、来年度(2016年度)から早くも議論をしていく必要がある―。

 このような考えが、日本病院団体協議会の次期議長となる神野正博現副議長から発表されました。

日病協の議長は1年が任期、来年度は神野正博氏が議長に

 日本病院団体協議会(日病協)は、日本病院会や全日本病院協会、全国公私病院連盟、日本医療法人協会など12の病院団体で構成される組織で、主に診療報酬改定において病院サイドの要望を実現するために議論・提言などを行っています。

 日病協の会長は1年が任期とされており、来年度(2016年度)の議長には、現在、副議長を務める神野正博氏(董仙会恵寿総合病院理事長)が就任します(関連記事はこちら)。

 神野副議長は、来年度の活動方針について「2018年度に予定される診療報酬・介護報酬改定の方向性は2017年の9月、10月頃には固まってしまう。したがって、可能であれば2017年度を待たず、来年度(2016年度)から同時改定に向けた議論を開始したい」との考えを25日の定例記者会見で述べました。

 また2017年4月に消費税率が10%に引き上げられるのであれば、それに伴う診療報酬改定なども考えられるので、「日病協としても対応していかなければならない」とも述べています。

 一方、2016年度改定に向けて日病協の議論を取り仕切った楠岡英雄議長(国立病院機構大阪医療センター院長)は、今回改定について「中央社会保険医療協議会で議論が先に進み、改定基本方針が後ろからついていく形になった」と振り返った上で、「社会保障審議会・医療部会では多くの委員から『医療部会で基本的な方向性を議論し、それをベースに社会保障審議会・医療保険部会で保険の面から議論し、最終的に中医協で点数設計を行うべきである』というクレームが出ていた。今後の改定では、こうした点を踏まえて改定論議を進めていくことが必要となる」とコメントしています。

 なお前述のように日病協には、現在12団体が加盟していますが、4月から地域医療機能推進機構(JCHO)が日病協に加盟し13団体となります。

 楠岡議長は、「日病協への加盟規定などはなく、その団体の役割などを考慮し、『一緒にやっていこう』と代表者会議で了承されれば参加していただく形である。例えば大きな病院団体の一部が独立して名乗りを上げたような場合には、参加は認められないのではないか。ケースバイケースで議論していくことになる」と説明しています。



https://www.m3.com/news/general/412009
当事者双方に賠償命じる 旭川医大の電子カルテ訴訟
2016年3月29日 (火)配信 共同通信社

 旭川医大病院(北海道旭川市)への電子カルテシステム納入が遅れたことをめぐり、医大と、発注先のNTT東日本が互いを訴えた2件の訴訟の判決で、旭川地裁は29日、それぞれ相手方への賠償を命じた。賠償命令額は医大側が約3億8300万円、NTT東日本側が約3億6500万円。

 判決理由で武藤貴明(むとう・たかあき)裁判長は「プロジェクトが頓挫した最大の原因はNTT東日本側が医大側の追加開発要望に翻弄(ほんろう)されて適切に進捗(しんちょく)を管理できなかったためだ。協力が不十分だった医大側にも一因がある」と指摘。その上で過失割合をNTT東日本側が8割、医大側は2割とし、双方の損害と認めた額から相殺し、賠償命令額を算出した。

 医大側は納入遅れによる逸失利益や違約金など約19億3500万円の損害賠償を請求。NTT東日本側は不当な契約解除で利益を失ったとして損害額を約23億6900万円と算出。転用できた物品分を除いて最終的には約22億7900万円を請求していた。

 判決によると、医大とNTT東日本は2008年10月31日、電子カルテシステムを中核とする病院情報管理システム納入の契約を結んだ。10年1月にシステムを稼働させる予定だったが納品が間に合わず、医大は同4月に契約解除した。

 医大病院には最終的に別の業者がシステムを納入した。医大側は「導入が遅れた結果、余計な経費が必要になり、削減できたはずの経費も削減できなくなった」と主張。

 NTT東日本側は「納期に間に合わなかったのは、システム開発段階で医大から当初の契約にはなかった仕様の追加や変更を求められたからだ」などと反論していた。



https://www.m3.com/news/general/406481
投薬中止賠償訴訟、山形県が上告方針固める
2016年3月9日 (水)配信 山形新聞

 県立河北病院で投薬治療を中止したため、通院していた妻=当時(51)=の病気が再発し死亡したとして、村山地方の60代の夫ら遺族が県に約4700万円の損害賠償を求めた訴訟で、慰謝料など計2365万円の支払いを命じた仙台高裁判決を不服とし、県が上告する方針を固めたことが8日、複数の関係者への取材で分かった。上告期限は11日。

 妻は1994年7月、赤血球や血小板などが減少する特定疾患「再生不良性貧血」と河北病院で診断された。投薬治療で安定していたが、副作用があることなどから病院が2002年12月に投与を中止。その後再発し、03年4月から投薬を再開したものの、同10月に死亡した。

 14年12月の一審山形地裁判決は、投薬が長期に及び、副作用も懸念されることから「直ちに再投与する義務があったとは認め難い」などとし、遺族側の請求を棄却。一方、先月の控訴審判決は「検査結果を十分に検討しなかったため再発を見落とし、投与を再開する義務を怠った」として病院側の過失を認定。投与の状況と死亡との間には「相当の因果関係がある」とし、一審判決を変更した。



https://www.m3.com/news/general/411950
両親逆転敗訴の二審確定 病院の産後処置めぐる訴訟
2016年3月29日 (火)配信 共同通信社

 出産後の医師らの経過観察が不十分で、次女(6)が重い障害を負ったとして、両親らが国立病院機構九州医療センター(福岡市)側に損害賠償を求めた訴訟で、最高裁第1小法廷(池上政幸(いけがみ・まさゆき)裁判長)は28日までに、両親らの上告を退ける決定をした。24日付。両親ら逆転敗訴の二審福岡高裁判決が確定した。

 二審判決によると、母親は2009年11月20日正午ごろに次女を帝王切開で出産。同日深夜、母親の胸に抱かれていた際に次女に異変が生じ、心肺停止状態となり、低酸素脳症で障害が残った。

 両親らは「意識がもうろうとしていた母親に抱かせて長時間放置した」と主張。一審福岡地裁は「鎮静剤の影響などで、母親が次女の容体の変化に対処できないと病院側は予見できた」と約1億3千万円の賠償を命じた。だが二審は「母子に異常をうかがわせる兆候はなく予見は困難」と一審を取り消した。



https://www.m3.com/news/iryoishin/411767
シリーズ: 日医代議員会
医師資格証、日医会員は年会費無料化
第136回日医臨時代議員会、「組織強化のツールに」

レポート 2016年3月29日 (火)配信高橋直純(m3.com編集部)

 3月27日の第136回日本医師会臨時代議員会で、日医常任理事の石川広己氏は日医が発行する医師資格証の年会費について、今年4月から日医会員では無料にすると発表した。一方で、非会員に対しては年間利用料を6000円徴収するとして、「価格差を付け、医師会の入会を促していきたい」と説明した。

 今年4月から診療情報提供書および検査結果・画像情報等について電子的にやり取りした場合に加算が算定できるようになる(『診療情報提供書、「ネット送受信」可能に』を参照)。質問した福井県代議員の末松哲男氏は、福井県医師会が構築した医療連携や在宅連携のための「ふくいメディカルネット」では、日医の医師資格証またはMEDIS(一般財団法人医療情報システム開発センター)の電子証明が必要であるとし、医師資格証の利用料を安くすることはできないかと質問した。

 答弁した石川常任理事は「医師資格証について、生涯教育講習会の出欠、飛行機内での緊急対応の際の身分証などとして活用する仕組みを進めている。4月から進む電子処方せんによる電子証明でも、電子処方せんのガイドラインで医師資格証を用いたものにすると規定された。これまでと全く環境が大きく変わり、普及が進むと想定される」と説明した上で、医師会員では医師資格証の年会費を無料にすることを明らかにした。

 ただ、資格証発行にはICチップやホログラムの費用がかかるとして、5年ごとに5000円の発行手数料を徴収する。日医会員の場合は初回取得時の発行手数料も無料となる。現在は、日医会員は年会費5000円、非会員同1万円となっている。

 一方で、非会員には、初回は年間利用料6000円と5000円の発行手数料の計1万1000円を徴収する。その後も2-4年目も毎年6000円を徴収する。石川氏は「この差は医師資格証が日医の組織強化のツールの一つに位置付けられていることに関係する。非会員が希望する場合は可能な限り医師会に入会することを前提としている。価格差を付け、医師会の入会を促していきたい」と説明した。

 また、医師資格証の受付はこれまではLRA(地域受付審査局)のみだったが、今後はLRAに加えて、郵送でも受け付けるようになる。会場からは「LRAのために臨時職員を野党などしてきたので、戸惑っている。勤務医を含めて発行しやすくなるので、早急に周知してほしい」、「代議員総会も紙カード提出ではなく、大きな会社や役所のよう入館証として医師資格証を活用すべき。まずは役員が進めていただきたい」などの声が寄せられた。



https://www.m3.com/news/iryoishin/411761
シリーズ: 日医代議員会
控除対象外消費税問題、2017年度税制で結論
第136回日医臨時代議員会、今村副会長「軽減税率適用はマイナス」

2016年3月28日 (月)配信 成相通子(m3.com編集部)

 3月27日に開催された第136回日本医師会臨時代議員会で、今村聡副会長は、医療機関の控除対象外消費税問題について、3月1日に医業税制検討委員会が答申した解消策を基に、「2017年度税制改正大綱に結論を記載することを目指す」と表明した。解消策は、「現行の非課税制度を維持したまま、診療報酬で仕入税額相当額として上乗せされている、2.89%相当額を上回る負担をしている場合に、超過額を税額控除(還付)する新たな仕組み」だ(『控除対象外消費税への対応、「医療界として一本化」今村日医副会長』を参照)。

 これまで日医では、消費税問題解決に向けて、「非課税制度を課税制度に転換して、軽減税率導入する方法 」を中心に検討してきたため、代議員からは「今までの検討は無駄だったのか」などの質問があった。今村副会長は「決して無駄にはならない」とした上で、課税方式への転換は診療所へのマイナスの影響が懸念されるなど課題が多いとして、医業税制検討委員会の案が次善の策だと強調。「より現実的に解決できる、現場に影響が出ない方法を模索している」と理解を求めた。

今村聡日医副会長が控除対象外消費税問題について説明した。

 関連質問では、消費税率10%引き上げの先延ばし議論について、横倉義武会長に対して「より強く反対する姿勢を示すべきだ」との意見が出た。横倉会長は「現時点で総理からは引き上げるとしか聞いていないが、消費税率引き上げで経済成長鈍化による税収低下が起きれば、元も子もないとの意見もある。当然引き上げて社会保障に充てるように十分主張はやっていくが、引き上げられなかった場合の議論もしないといけない」と応じた。

 さらに、横倉会長は「5月の連休前後に政府の経済財政諮問会議で2017年度予算への方向性が示されるという話もあるので、我々としても早く手を負うたないといけないと検討している」と述べ、7月の参院選挙で政治力が問われると指摘した。

「医療界の求めを一本化が重要」

 消費税に関しては、愛知県代議員の杉田洋一氏と山口県代議員の加藤智栄氏がブロック代表として質問し、今村副会長が回答した。控除対象外消費税の解消策について、「今までの検討は無駄になったのか」「10%引き上げに間に合うのか」「日医としての新たな方針はあるのか」などの質問が出た。

 医療機関の控除対象外消費税の問題は、診療報酬で十分な補填がされているとの政府の主張に対し、医療機関側は十分な補填がされていないとして、意見が対立し長年の課題になっている。医療団体はさまざまな解消法を検討して政府に要望しており、日医は、控除対象外消費税の問題の解決を目指し、「現行の非課税制度を課税制度に転換し、軽減税率を適用することを解決法の中心に位置付けてきた」(今村副会長)。

 しかし、2014年度の消費税率引き上げと診療報酬改定後の補填状況を検証した中央社会料保険医療協議会の分科会の調査で、医療機関等全体で見たマクロの補填率は102%とカバーされている一方、大規模な病院と診療所などの小規模な医療機関では補填率に差があったことが判明(『消費税補填、「診療報酬では限界」』を参照)。昨年末から、診療所は診療報酬の上乗せの方式を維持し、病院に対しては仕入れ税額控除を導入する「二階建て」の案が有力視されるようになった(『消費税問題「病院と診療所の二階建てを」』を参照)。

 今村副会長は、医業税制検討委員会の答申内容は、病院と診療所の対応を分ける考え方を「さらに進化させ、一つの制度として実現する」もので、四病院団体協議会や三師会からも全面的な賛成を得たほか、厚生労働省からも「財務省と交渉できるよう磨く」と前向きな発言があったと説明。「医療界の求めを一本化が重要だ」と強調した。今後は、「医療機関等の消費税問題に関する検討会」で方向性を取りまとめ、8月に取りまとめる厚労省の2017年度税制改正要望に盛り込まれるよう準備し、2017年度税制改正大綱への記載につなげたいとした。また、財務省や政治家と交渉が必要だとして、都道府県医師会などの協力と理解を求めた。

「軽減税率適用は、マイナスの影響」

 「なぜ軽減税率の適用による解消を求めないのか」との質問に対しては、今村副会長は、軽減税率の適用には非課税方式から課税方式への転換が前提であり、転換の際に4つの問題点があると指摘した。

 1点目は、過去の上乗せ分が「引きはがし」、つまりマイナス改定となる点。特に2014年度改定で消費税率5%から8%への増税分として、加算された初診料12点、再診料3点に加え、過去に国が補てんしたとしている1.53%について、「最低限マイナス改定が求められる」という。全国の医療機関がそれを理解し受け止めるのは困難だと指摘した。

 2点目は、診療報酬の所得計算の特例(いわゆる四段階制)が廃止となる可能性が高い点。日医のアンケートによると、この制度が廃止になれば、地域の高齢医師は新たに増える事務負担に対応できず、診療施設を閉鎖するとの回答があり、「地域医療の崩壊を招きかねない」と危機感を示した。

 3点目は、現行で課税対象となっている予防接種や健診等の自由診療で、患者から預かる納税実務に関し、小規模医療機関は免税事業者あるいは簡易課税事業者になっているが、社会保険診療を課税転換すると、免税事業者から簡易課税事業者に、あるいは簡易課税事業者から一般課税事業者に立場が変わるため、事務負担と税負担が問題になる。4点目は、課税転換で、事業税非課税措置について廃止の議論が急速に進む懸念があることだ。

 「国民の理解を得て、軽減税率の適用を求めてはどうか」との質問に対しては、軽減税率での大前提は、社会保険診療を課税取引に転換するため、国民の理解を得るのは難しいと指摘した。もともと課税されているものを低い税率にする食品などの軽減税率の議論と異なり、医療の場合、言葉上は「非課税」になっているため事実上患者が負担していても、見えない形になっており、「現状で国民の正しい理解を得ると言うのは非常に難しいと実感した」と今村副会長は説明した。

還付の場合はインボイス必要に

 個人質問では、北海道代議員の鈴木伸和氏が質問し、今村定臣常任理事が回答した。「非課税方式を導入した場合、診療所でもインボイスを導入するのか」との問いに対しては、「還付する場合は、インボイスを利用して、診療所も仕入税額を計算して、還付の手続きを行ってもらうことになると思うが、議論が必要だろう」と回答。また、非課税方式での診療報酬の上乗せ部分について、「消費税率がさらに上昇し、財源的に耐えきれなくなって、引きはがされる恐れはないのか」との懸念に対しては、「仮に課税転換となれば、当然引きはがしの議論は起こるが、それ以外のタイミングで、理由なき引きはがしの問題は起こって来ないのではないか、と考えている」と応じた。



https://www.m3.com/news/general/412054
【静岡】周産期センター業務開始 三島総合病院、医師3人体制
2016年3月29日 (火)配信 静岡新聞

 三島総合病院(三島市谷田、旧三島社会保険病院)の周産期センターが28日、業務を開始した。全国的な産婦人科医不足の影響で昨年10月の予定が約半年遅れた。当面は常勤医1人、非常勤医2人の体制で、市内の産婦人科医院から紹介のあった患者を中心に受け入れる。

 関係者を集めた開設式で内野直樹病院長は「開設まで時間が経過したことをおわびします」と開設が遅れたことを陳謝。続いて「県東部の周産期救急の一翼を担うようなものを作りたい」と言葉に力を込めた。

 来賓の豊岡武士市長は「市内には産科診療所が2カ所しかなく、市民の6割強が市外で出産してきた。全国的な産科医不足により分娩(ぶんべん)取り扱いを休止する病院が増えている中、オープンできることは画期的なこと。一日も早く運営を軌道に乗せてほしい」とあいさつした。

 昨年8月に完成したセンターは、鉄骨3階建てで、産科、婦人科、小児科の診療室、新生児特定集中治療室(NICU)を含む24床の病室、分娩室などの機能を持つ。早産、未熟児などを診る小児科医を確保できていないため、小児科は当面、運営しない。早ければ2016年度後半、遅くとも17年度の運営開始を目指す。

 内野病院長は「理想は産婦人科医5~6人、小児科医3人で、そこを目指していく。県東部の産科救急は順天堂大医学部付属静岡病院と沼津市立病院に頼っているので、すみ分けをして負担を軽減していきたい」と話した。



https://www.m3.com/news/iryoishin/411428
勤務医パワハラ自殺、「納得できない」と遺族
上司の個人賠償責任、認められず

2016年3月29日 (火)配信 成相通子(m3.com編集部)

 2007年に兵庫県養父市の公立八鹿病院で、過重労働と上司医師2人のパワーハラスメントにより医師免許取得3年目の整形外科医(当時34歳)が自殺したとして、整形外科医の両親が損害賠償を請求した裁判。2015年3月の二審高裁判決はパワハラや過重労働を認定したが、公立病院であることから国家賠償法を適用し、上司個人の賠償責任は認めずに病院組合に約1億円の支払いを命じた。両親は上司の個人責任を認めるよう求めて上告していたが、最高裁第2小法廷(山本庸幸裁判長)は3月16日付で両親と病院側双方の上告を退ける決定をした。

 最高裁の決定について、原告となった医師の母親は「厳しい裁判だと分かっていたので、予想通りだったが、悔しいし納得できない」と悔しさをにじませる。「上告棄却というのは、最高裁の場で問題にもされなかったということで、最低の扱いだ」と憤る(要旨は下記に掲載)。

 原告の代理人を務めた弁護士の岩城穣氏は、「申し立てが認められず残念だ。もう少し社会の実態を踏まえてほしい」とコメントした。

 国家賠償法では、公務員の職務に関して個人責任は問えないとする解釈が一般的で、公務員個人の責任を求めて訴訟を起こす原告にとって、大きな壁になっている。近年では、公立学校の部活動中に亡くなった子どもの遺族が教師に対して損害賠償請求を行ったが、同じく最高裁で上告棄却された。

 今回の裁判では、当時公務員だった上司2人に対しても国賠法が適用されるかどうかが争点だった。岩城氏が「画期的」と評した一審判決では、公立病院でも民間病院と医療の実態は変わらないとして上司個人の賠償責任を認定したが、二審判決は一審判決を変更して、国賠法を適用して個人の賠償責任を認めなかった(詳細は、『「過労自殺、上司のパワハラ認定」の訳 - 岩城穣・弁護士に聞く◆Vol.1』を参照)。

 原告は、公立病院でも民間病院と医療の実態が変わらない点に加え、上司が故意にパワハラを行っており、「悪意、重大な過失」があることから、国家賠償法の例外規定に当てはまると主張。二審判決を不服として、両親と病院側双方が上告していた(『医師自殺で上司の責任求め、遺族側上告』を参照)。

 二審判決によると、整形外科医は2005年に医師免許を取得し、2007年10月から同病院の整形外科で勤務を始めたが、同年12月に病院宿舎で自殺した。(『勤務医の過労自殺、上司の個人責任認めず』、『「息子の名誉が回復された」、一部は評価』を参照)。

遺族の話
 決定後、原告の母親の話を聞いた(3月25日)。要旨を紹介する。

 知人からの電話で最高裁の決定を知りました。2月末に夫と34年続けてきた診療所を閉院したばかりで、その後片づけや手続きなどで非常に忙しく、弁護士からメールももらっていたのですが、気が付きませんでした。聞いた時は、「やっぱり」と思いました。国賠法が争点になることは裁判を始めた時から分かっていて、厳しい戦いだと思っていました。

 それでも上告したのは、「万に一つでも、最高裁の扉が開くこともあるかもしれない」と思ったからです。損害賠償が認められ、上告しない方が金銭的に有利という話もありましたが、損得ではありませんでした。(数ある公務員を対象にした裁判の中でも、公務員の不法行為をめぐって)国賠法を争点に上告できるのはごくわずかです。扉が開いても開かなくても、自分が上告できる立場を生かさないといけない。私の一生でできる社会貢献として、息子も喜んでくれると思いました。

 内容は納得できません。国民も納得できない人が大多数だと思います。予想通りではありますが、上告棄却というのは、最高裁の場で問題にもされなかったということで、最低の扱いだと思います。近代国家に許されない扱いではないでしょうか。最高裁がこのような扱いをするのは本当に残念です。

 上司の個人責任を争ったのは、再発防止が目的です。息子が亡くなった後、医局の若い医師から労働環境を聞き、「こんな環境で人が働くなんて受け入れられない」と思いました。職場の看護師も訪ねてきてくれて、上司の問題などを教えてくれました。前任者も「人生から消し去りたい記憶だ」と話していました。息子は本当に辛かったと思います。

 こんな上司を許していいのか。息子のような死を再発防止したいと思いました。これが一般病院なら個人責任も問われるはずなのに、残念無念です。

 裁判を起こすのは一大決心でした。弁護士には当初、公務員の上司個人を相手に損害賠償請求の訴状は書けないと反対されました。地域や病院との関係も気にしました。それでも裁判をして意味があったと思ったのは、医局の若い医師が「このままでは第二の○○(亡くなった整形外科医の名前)になる」と、医局に勤務環境の悪さを訴えたと聞いた時です。他にも辛い状況にいる若い医師が声を上げやすくなったのかもしれません。また、この裁判を知って、多少なりともパワハラを自重した人もいるかもしれません。再発防止につながる部分があったと信じたいです。

 上司は裁判でウェブサイトで(個人)攻撃されてたまらないと発言していました。お金は払われなかったけど、お金に変えられないものを失ったのではないでしょうか。(係争中、被告らから息子に対し)事実無根の誹謗中傷を、悔しい思いもしましたたが、人々のコメントを見て、「これが世の中の評価だね」と夫と話しました。理解してコメントしてくれた人には感謝しています。

 最高裁の決定後、息子には「長い戦いで、こういう結果だったけど、お母さん精一杯やったよ。私は自分にできる全てのことをしたよ。これが最後のプレゼントだよ」と言いました。息子は満足してくれていると思います。

 決定を受けて落ち込んでいるのではないかと心配してくれる人もいますが、自分としては、それなりに結果につなげられたという達成感はあります。できるだけのこと、やれるだけやり通しました。弁護士に理解してもらい、陳述書には書きたいことや言いたいことを全部書けました。今後も、後に続く人が出てほしいです。1人では(最高裁の)扉は開かなくても、勇気を持って叩いてくれる人がいれば、将来につながると信じたいです。

 診療所は「後継ぎはもういないからきれいに片づけないと」と思い、機材も全て処分しました。患者さんには、「息子さんが生きていたら続けられたのに」と泣かれました。息子が医師になった時、「先生、継承者ができて良かったですね」と言われました。息子も継ぐつもりだったと思います。夫は生前に「息子にバトンタッチする」と約束した年齢を超えました。

 後に続く人が出てくることを祈ります。理不尽を理不尽と言えるように。



https://www.m3.com/news/iryoishin/411928
シリーズ: 真価問われる専門医改革
新専門医制度「厚労省は最大限の関与を」、堺・日病会長
災害医療への国家的対応を提言

2016年3月29日 (火)配信 高橋直純(m3.com編集部)

 日本病院会の堺常雄会長は3月28日の定例記者会見で、延期を求める声もある新専門医制度について、「厚生労働省は関われる最大限のことをやっていただきたい」と話し、厚生労働省の社会保障審議会医療部会で始まった議論への期待を示した。

 厚生労働省の社会保障審議会医療部会に「専門医養成の在り方に関する専門委員会」が設置されたことを受け(『新専門医制度、「調整の労は取る」と厚労省』を参照)、堺会長は「厚労省はプロフェッショナルオートノミーを尊重するとして少し引いた感じでいるが、担当部署がどこかを明確にして、関われる最大限のことをやっていただきたい」と注文した。

 堺会長は日本専門医機構の社員でもあり、「社員総会の中で、機構は専門委員会の議論に注目し対応してほしいと言っている」と説明。「最初から『延期ありき』ではなく、動きの中で最大限努力していただきたい」と強調した。

 また、新専門医制度では地域間の格差が問題になると指摘。地域での対応を巡っては2016年1月15日に厚労省医政局医事課長名で「地域医療対策協議会等の場を活用し、専門研修を行う基幹施設及び連携施設、大学、医師会、病院団体、都道府県等の関係者が、専門研修について協議する場を設けること」とする通知が出されている。堺会長は「何気なく通知が行われた感がある。協議会を作って『地方の問題ですよ』となるのが怖い」とし、「都道府県間の温度差に対して、厚労省としてどのようなことができるか明確にし、有機的な協力指導、サポートをしてほしい」と要望した。

 この日は3月26日に開かれた日病の社員総会についても報告。「災害医療を国家として統合する提言」では、「災害医療に関する知見を集積し、その学術的根拠を背景として災害医療の国家的統合を実現するために、『常設の研究機構』を設立する」ことを求めており、今後、四病院団体協議会や日本医師会と合同提言したいと説明した。



http://www.sankei.com/affairs/news/160329/afr1603290019-n1.html
医療事故、最多3654件 前年比460件増 評価機構「報告の意識定着」
2016.3.29 11:22 産経ニュース

 日本医療機能評価機構(東京)は28日、平成27年に全国の医療機関から報告があった医療事故は前年比460件増の3654件で、年単位の集計を始めた17年以降、最多を更新したと発表した。27年末時点の参加医療機関は1018施設で、339施設から報告があった。件数の増加について機構は「再発を防ぐため報告の意識が定着してきた」としている。

 昨年10月には国内全ての医療機関や助産所(計18万施設)を対象に、「患者の予期せぬ死亡事例」が起きた場合の第三者機関への届け出と、院内調査を義務付けた医療事故調査制度がスタート。医療機関の対応が今後も問われている。

 機構によると、法令に基づき報告が義務付けられている大学病院や国立病院機構の病院は243施設で3374件の報告があった。このうち死亡事例は306件(9.1%)、障害が残る可能性が高い事例は324件(9.6%)だった。

 報告の内容別で最多だったのは、患者の転倒など療養上の世話に関する事例(36.4%)で、治療や処置に関する事例(30.2%)が続いた。

 一方、任意で参加する医療機関の事故報告は、96施設で280件。機構は「報告義務のある医療機関と差が大きい」として積極的な報告を求めている。

 機構は、医療行為に関連して患者が死亡したり、当初予期された水準を上回る処置が必要になったりしたケースを医療事故として情報収集。17年からは1年間の報告件数を取りまとめている。



http://www.yomiuri.co.jp/local/chiba/news/20160329-OYTNT50294.html
新設医学部 英語教育目玉に
2016年03月30日 読売新聞 千葉

◇国際医療福祉大 北島学長に聞く

 国家戦略特区の枠組みで成田市に医学部の新設が認められたことを受け、来年の開学を目指す国際医療福祉大(栃木県大田原市)が3月中に医学部の設置認可を文部科学省に申請する。4月には同大成田看護学部・成田保健医療学部を京成線・公津の杜駅前で開学し、成田市畑ヶ田では医学部付属病院の2020年開業を目指す。同大の北島政樹学長(74)に展望を聞いた。(聞き手 植村直人)

 ――医学部は、順調なら8月に設置が認可される。目玉は。

 「(精巧な人体模型や手術室などを備えて模擬訓練を行う)医学教育シミュレーションセンターと、多くの科目で行う英語教育だ。6年生時には4週間以上、外国で(臨床実習の)勉強をさせる」

 ――地域医療への貢献は。

 「地域医療の理念や概念のとらえ方で違ってくる。医師免許を取ってすぐに地域で働くのではなく、外国に出て、得た知識を持ち帰ったほうが市民や国民に恩恵がある。当然だが、付属病院は地域の患者を受け入れる」

 ――学生が6年間に納付する額は1850万円と私大医学部では安いが、経営に影響はないのか。

 「サラリーマンの優秀な子どもにもチャンスを与えたい。病院収入を上げることで医学部の教育を充実させる。先進医療と成田空港を生かし、付属病院に医療ツーリズムをたくさん受け入れることでも収入は増えると思う」

 ――1学年の定員は140人(うち留学生20人)と多いが、細やかな教育は可能か。

 「教育スタッフと施設が充実していれば多すぎることはない。教員は300人余りを採用したいと考えており、医学教育シミュレーションセンターもある」

 ――市は医学部誘致で、22億7600万円をかけて用地を取得した。医学部の校舎建設には県と計80億円を補助する。さらに財政負担を求める可能性は。

 「企業努力をしていくし、新たな問題が起きたときには話し合いをするので、一方的に負担を求めることはない」

 ――他病院との関わりは。

 「医師や看護師の引き抜きは一切ない。医学部の教員には国内から400人、海外に住む日本人医師を含む130人の応募があった。本学には医師700人以上が在籍し、うち180人は教職経験者で、この中からも選ぶ。看護師も全体で約2400人いる」

 ――看護・保健医療学部や医学部、付属病院は成田市にどんな効果をもたらすか。

 「千葉県は人口10万人あたりの医師数が47都道府県中で45位だ。医師や看護師らの人員的な貢献ができる。学生は看護・保健医療学部が1360人、医学部は840人まで増え、教職員も1000人ほど雇用する。付属病院の職員約2000人を合わせ将来は計5000人超になり、市内に経済波及効果をもたらす」

◆きたじま・まさき 1941年8月、横浜市生まれ。慶応大医学部卒。同大病院長、医学部長、国際消化器外科学会会長などを歴任。2009年7月に就任した国際医療福祉大の学長は3月31日付で退任予定で、同大副理事長兼名誉学長に就く。



http://www.chunichi.co.jp/article/front/list/CK2016033002000072.html
名大病院救急医9人が退職 体制半減、受け入れに影響も
2016年3月30日  中日新聞 朝刊

 名古屋大病院(名古屋市昭和区)で救急搬送患者らに対応する救急科の医師二十一人のうち九人が、三月末で一斉に退職することが、病院関係者への取材で分かった。四月以降に退職する意向を示す医師もおり、医師がほぼ半減する異例の事態となる。職場環境への不満や救急医療の方針への反発が、退職の理由とみられる。他の診療科の協力で救急患者受け入れは継続するが、規模縮小は避けられない見通しだ。

 名大病院は複数の外部識者を交えた調査委員会を設置し、こうした事態が生じた経緯を調べる。

 名大病院は、他の診療科の医師の応援を得るほか、当面は、医師の当直回数を増やすなどして、救急対応を継続する方針だ。ただ、救急搬送が複数重なった場合など、受け入れきれずに、他の医療機関に回さざるを得ないケースも想定される。長期的な態勢の再構築も不透明だ。

 退職する九人は、九州など出身地の医療機関に移ったり、名古屋市内や東京都の別の病院に移ったりする。

 退職する医師の一人は取材に対し、「明らかに理不尽と感じる方針を押しつけられ、他の診療科とあつれきが生まれる場面も何度もあった」と、職場環境が要因だったと明かした。

 一方、指導する立場の救急科の教授は「各医師の人生設計やキャリアアップが主な理由だ」と説明し、「どんな職場でも不満は生じる。現状をどう感じるかは各医師次第だが、全国的に救急医の数を増やさないと根本的な解決にはならない」と話す。

 名古屋市消防局によると、二〇一四年の救急搬送件数は約十万三千件。名大病院は同年、約四千二百台の救急車を受け入れている。〇九年度は千台余りだったが急増した。高度先進医療に対して、救急部門は遅れがちで、六年ほど前から、重度の患者を常時受け入れられる「救命救急センター」を目指し強化してきた。病院幹部は「この傾向に無理があったのかどうか。原因はどこにあるのか。客観的に検証するため外部識者を招いてきちんと調べ、適切な組織のあり方を探りたい」と話した。

 今回の事態に関し、救命救急センターを備える名古屋市内の別の病院幹部は「市内には、救急搬送の受け入れ医療機関が充実しており、大きな影響は出ないだろう」と話した。



http://mainichi.jp/articles/20160330/ddm/016/040/034000c
終末期ケア
相談手厚く 医療機関に専門職チーム設置へ 厚労省、全国200カ所目標

毎日新聞2016年3月30日 東京朝刊

 人生の最期はどう迎えたらいいのか−−厚生労働省は来年度から、病気などで死期が迫った患者と家族を支援する専門職のチームの設置を全国の医療機関に促す。研修費用6100万円を来年度予算に盛り込んでおり、全国200以上の医療機関で研修を受けたチームが活動することを目指す。

 チームには医師や看護師のほか、患者の入院生活などに関する相談に応じる医療ソーシャルワーカーらも加わる。病状などを十分に説明したうえで、胃ろうなど栄養補給を行うか、病院や自宅など最期をどこで迎えたいかなどを確認して治療方針を決める。精神的ケアも行う。

 治療方針は文書にまとめるよう促すが、病状の変化や時間の経過で患者の考えが変わることがあるため、必要に応じて意思を再確認する。認知症など患者の意思が確認できない場合は、家族と話し合うなどして治療方針を決める。

 日本の年間死者数は120万人を超える。末期医療に関する厚労省の調査(2013年3月)では、口から水を飲めなくなったり肺炎にかかったりした時に点滴を「望む」人は6割程度いるが、栄養補給のための胃ろうや人工呼吸器は約7割が「望まない」としている。ただ、意識がはっきりしないなどで患者の意思が分からず、家族や医師らが対応に悩むことも多い。

 厚労省は、患者の希望に沿った治療ができるよう終末期医療のガイドラインを策定しているが、「知らない」とする医師や看護師が3〜4割に上っている。

 厚労省は14、15年度にモデル事業を全国計15カ所で実施。「希望がより尊重された」とする患者が多く、全国的に実施することを決めた。【堀井恵里子】



http://mainichi.jp/articles/20160330/ddm/016/010/030000c
診療報酬
医療「在宅」を強化 地域で暮らし続ける社会目指す 介護制度改革と連動

毎日新聞2016年3月30日 東京朝刊

 4月から医療の値段である診療報酬=NewsWord=が変わる。今回は身近なかかりつけ医や、かかりつけ薬剤師の充実に力点を置いている。政府は、最期まで地域で暮らし続けられる仕組み「地域包括ケアシステム」の構築を目指している。かかりつけ重視は、在宅シフトを一層強めることで地域包括ケアの柱である「医療」を強化する狙いがある。【鈴木直】

 今回改定では認知症の人と小児(原則3歳未満)のかかりつけ医に対する報酬や、薬局のかかりつけ機能の評価を初めて設ける。前回2014年度改定で導入したかかりつけ医一般に対する報酬の要件についても、常勤医3人を2人に緩和。かかりつけ機能を持つ医療機関の増加を目指している。

 今回、かかりつけ機能を大きく前進させたのは次回(18年度)が介護報酬との同時改定になることをにらんだ対応だ。

 政府が目指す地域包括ケアシステムは、住まい・医療・介護・介護予防・生活支援のそれぞれの面から高齢者を支え、重度の要介護状態となっても住み慣れた地域で暮らせる仕組みだ。政府は団塊の世代(1947〜49年生まれ)が75歳以上となる25年をめどに構築したいとしている。

 在宅の高齢者が暮らし続けるためには、かかりつけ医による継続的な健康管理だけでなく、いざという時に在宅で医療を受けられる体制も重要になる。

 そこで、現在は深夜の往診にしか認められていない特別報酬を休日の往診でも請求できるようにする。さらに、在宅専門の医療機関も開設できるようになる。

 医療機関は原則、患者が来たら診察に応じなければならないが、地域で外来患者の受け入れが確保されていることや、緊急時に連絡が取れることなどを条件に「在宅専門」を認める。
ジェネリック、値下げ 売れ筋の先発薬も安く

 医療費の伸びを抑制するため、医薬品の価格を徹底して引き下げたのも今回改定の特徴だ。

 新たに発売されるジェネリック(後発医薬品)の価格は、現在、先発薬の原則6割となっているが、さらに引き下げ5割とする。

 また、売り上げが年間1000億円を超える新薬の価格を引き下げる特例も設けた。現在も想定より売れた医薬品は価格を引き下げるルールがあるが、特に「ヒット」した商品は特例としてさらに価格を下げる。対象となるのは、C型肝炎の新薬「ソバルディ」や「ハーボニー」、直腸・結腸がんの点滴薬「アバスチン」など。これらは4月から価格が大幅に引き下げられる。

 一方、診療報酬改定とは関係はないが、厚生労働省は4月から、革新性の高い高額な医薬品や医療機器の価格に関し、「費用対効果」の観点を導入することも決めている。高額なのに効果が不十分なら価格を引き下げる。

 ただ、業界側には「革新を阻害する」との意見もあるため、当面は試行と位置づけ、18年度改定からの制度化を目指している。



http://www.kobe-np.co.jp/news/iryou/201603/0008940312.shtml
日赤に1.2億円賠償命令 神戸の病院で医療ミス
2016/3/29 23:24 神戸新聞

 兵庫県災害医療センター(神戸市中央区)での治療ミスによって重い障害が残ったとして、三木市で入院中の女性(42)が同センターを運営する日本赤十字社などに損害賠償を求めた訴訟で、神戸地裁は29日、同社に約1億2100万円の支払いを命じた。

 判決によると、女性が搬送された5日後の2008年3月26日、医師が女性の気管に挿入中のチューブを抜いたところ異変が生じ、再挿管を2回試みたが心停止となった。別の医師が喉の切開手術で気道を確保したが、手足が動かせず、食事を自分で取れないなどの障害が残った。

 地裁は、心停止時間と蘇生の関係などから、チューブを抜いた医師が切開手術ができる別の医師に早期に応援を求めておけば、重篤な後遺障害は残らなかったと指摘。「医師の注意義務違反と因果関係が認められる」とした。

 日本赤十字社は「判決を吟味し、弁護士と対応を協議中」とコメントした。

 センターを設置した兵庫県の賠償も請求されたが、地裁は棄却した。


  1. 2016/03/30(水) 05:41:28|
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3月28日 

http://www.medwatch.jp/?p=8229
新専門医制度で地域の医師偏在が進まないよう、専門医機構・都道府県・国の3層構造で調整・是正―専門医の在り方専門委員会
2016年3月28日|医療・介護行政をウォッチ

 新専門医制度において医師の地域偏在が生じないよう、国と都道府県が専門医研修プログラムをチェックし、必要があれば是正を促す―。

 このような方針が、25日に開かれた社会保障審議会・医療部会「専門医養成の在り方に関する専門委員会」で厚生労働省から報告されました。


新専門医の養成プログラムをチェック、「大病院のみ」のプログラムは不可

 「専門医資格の標準化を行い、より質の高い医療提供を行ってもらう」という方針の下、来年(2017年)4月から新たな専門医の養成が開始される予定です。

 専門医の養成プログラムを認証と、専門の認定を行う公正・中立な第三者機関「日本専門医機構」では、新制度の開始に向けた準備を進めており、現在、大学病院などの基幹施設から養成プログラムの申請を受け付けています。

 しかし、病院団体などから「養成プログラムを見ると、連携施設となる基準が厳しすぎる。これでは地域医療の現場から、専門医を目指す若い医師が離脱してしまい、地域の医師偏在が拡大してしまう」との指摘が出てきました。このため社会保障審議会・医療部会は2月18日に、日本専門医機構から状況報告を受けましたが、一部委員から「地域の医師偏在是正が不十分である。新専門医の養成開始は延期すべき」との強い意見が出されたため、部会の下に「専門委員会」を設置し、課題解決に向けた議論を行うことになったのです。

 25日に開かれた専門委員会の初会合では、厚労省から「医師偏在を生じさせないための調整方針」が報告されました。そこでは、大学病院などから申請された養成プログラムについて(1)日本専門医機構(2)都道府県(3)厚労省―の3層構造で「地域の医師偏在の有無」を検証し、調整することが明確にされました。

(1)の日本専門医機構では、プログラムの審査にあたり▽大病院のみ・特定の医療グループのみというプログラムは認めず、是正を求める▽必要な「地域医療の研修」が含まれていることを確認し、調整する▽「過去5年間に研修実績のある医療機関」が連携施設から漏れていないかを確認し、調整する▽診療領域ごとに、研修施設のない2次医療圏が出ないように調整する▽都市部に専攻医が集中しないよう募集定員を調整する―といった取り組みを行います。

(2)の都道府県は、日本専門医機構から養成プログラムの申請状況などについて報告を受け、大学・基幹施設・連携施設・医師会・病院団体・都道府県などの関係者で構成される「協議会」において、▽地域医療確保の観点から必要な施設が漏れていないか▽プログラムの改善が必要ないか―などを議論。そのうえで日本専門医機構に必要な改善などを求めます。

(3)の厚労省は、都道府県からの報告を受け、専門委員会で「基準の見直しが必要ないか」を検討するとともに、日本専門医機構や都道府県の調整を支援します。

 (2)の協議会については、1月18日に都道府県宛てに通知が出されていますが、全国衛生部長会の調べでは、開催済が16自治体、場の設置(未開催)が13自治体、未設置が18自治体となっています。このため厚労省医政局医事課の渡辺真俊課長は「再度、」都道府県に宛てて協議会の設置などを求める通知などを発出したい」と説明しています。


整形外科では、募集定員について都市部よりも地方部を優遇

 25日の専門委員会には、日本専門医機構から(1)の取り組みについて具体的な内容が報告されました。

 例えば外科領域では、▽連携施設でも最低6か月以上の研修を必須とする(基幹施設だけでの研修は不可)▽これまで外科学会の修練施設のうち申請プログラムの含まれていないところには照会とプログラムへの参加仲介を行う▽専攻医受入上限数が少ない小規模病院へ配慮した定員調整を行う▽研修施設のない2次医療圏(当初は14医療圏)について、これまで外科学会の修練施設であったところに「連携施設となることの希望」の有無を照会する▽500床以上の大病院のみのプログラムに対し地域の中小病院と連携するよう勧告する―といった地域医療への配慮がなされています。

 また産婦人科領域では、▽産婦人科医師の不足地域では、専門医が1名いれば連携施設として認める(通常は指導医1名以上の常勤が必要)▽これまでに研修指導施設であったところが、プログラムから漏れている場合には、追加募集の案内や個別確認を行う▽専攻医の大都市集中が進まないように「過去の実績に見合った募集定員」となるよう調整する―といった取り組みが行われています。

 さらに整形外科領域では、▽地域医療施設での3か月間の研修を必須とする▽地域部の募集定員を都市部よりも優遇する(都市部は過去5年間実績の1.2倍まで専攻医を募集できるが、地方部では過去5年間実績の2倍までの募集を認める)―など、地域の医師偏在を進めないような配慮をしています。

 専門委員会では、今後、他の領域(総合診療専門医など)からも状況報告を求める考えです。


大学病院と中小病院では、「地域医療」の視点に異なる部分もあるとの指摘

 このような「地域の医師偏在」への配慮が報告されていますが、専門委員会では厳しい意見が出されています。

 森隆夫委員(日本精神科病院協会常務理事)は、「学会の会員からも異論が出ている。日本専門医機構はその声を真摯に受けとめてほしい」と強い口調で指摘。

 今村聡委員(日本医師会副会長)や山口育子委員(ささえあい医療人権センターCOML理事長)らは「都道府県が地域偏在是正の支援をする方針だが、都道府県には温度差がある」と指摘。これに対し厚労省医政局の神田裕二局長は「県の担当者に協議会の設置や、プログラムの要請に積極的に乗り出してもらうよう強く要請している」ことを説明した上で、厚労省の調整に尽力する考えを強調しています。

 また末永裕之委員(日本病院会副会長)は、「新専門医制度の目指すところには誰も異論がないはずだ」とした上で、「大学病院と地域の中小病院では『地域医療』に対して、少し視点が異なる部分があるようだ。これを補完するために都道府県に協議会が設置されてきているが、まだ懸念は払しょくできていないのではないか」とコメントしています。

 新専門医についてはボタンの掛け違えから感情的な議論になってしまう面もありましたが、25日の専門委員会では全体としては「課題を是正し、よりよい制度にしていこう」という建設的な議論を行う方向に流れが向いているようです。神田医政局長は「行政は『出過ぎない』ようにしているが、専門委員会でコンセンサスが得られるよう調整の労を厭わない」と述べており、今後もより「建設的な議論」が行われるよう期待したいところです。



http://mainichi.jp/articles/20160328/ddl/k39/040/411000c
手術模擬体験
夢に一歩 高知大医学部で中高生60人 /高知

毎日新聞2016年3月28日 地方版
高知県

 高知大医学部は26、27両日、付属病院(南国市岡豊町小蓮)で手術体験セミナーを開いた。中高生約60人が実際の手術室で、内視鏡外科手術のシミュレーターや、遠隔操作で手術する支援ロボットを使い、模擬体験した。

 手術着に着替えた生徒は六つの手術を体験。他に、人体に見立てた鶏肉を無影灯で照らし超音波メスで腫瘍を取り除いたり、曲がった針と溶ける糸で、研修キットの腸管を縫合したりした。

 本番さながらの体験に、産婦人科医を目指す土佐塾中3年の福田那奈さん(15)は「命の重みと医師のありがたさを感じた。医師になったときのイメージもできた」と話した。

 セミナーは2007年から東日本大震災が発生した11年を除き毎年開催。昨年までに475人が参加し、約3割が同大学医学部で学んでいるという。

 花崎和弘教授(外科)は「医師は人間をみる仕事。あいさつや体力、友人関係を築くことが大切。理系だけでなく、本を読み教養を身につけてほしい」とアドバイスした。【上野宏人】



https://www.m3.com/news/general/411646
「夫、死ななかったはず」…群大病院第一外科、遺族が体制批判
事故・訴訟 2016年3月28日 (月)配信 読売新聞

 群馬大学病院(前橋市)で手術後に患者の死亡が相次いだ問題で、日本外科学会による検証の結果、問題の第二外科だけでなく第一外科でも手術後の死亡率が高いことが明らかになったのを受け、第一外科での手術後に死亡した患者の遺族が27日、読売新聞の取材に応じた。遺族は「第二外科の問題に病院が早く気付いて調査していれば、死なずに済んだはず」と無念の思いを語った。

 取材に応じたのは、夫が第一外科で消化器の手術を受けた後、1年以内に死亡した群馬県内の女性。夫は担当医から、体への負担が少ない手術だと事前に説明を受けていたという。女性は「執刀医個人ではなく、手術を続けさせていた病院の体制に問題がある。二度と同じ被害を出さないために、しっかりと原因を調査してほしい」と話した。

 27日には群馬大が設置した第三者の調査委員会(委員長=上田裕一・奈良県総合医療センター総長)が開かれた。会議後に記者会見した上田委員長によると、同学会が医学的検証結果に関する報告書を提出し、内容を説明したという。上田委員長は今回の検証結果を踏まえ、5月下旬に調査委として最終報告書をまとめ、公表する考えを示した。

 同学会は調査委の委託を受け、第二外科だけでなく第一外科も含めた消化器の手術全般について、2007~14年度の症例を調査。死亡した患者のうち50人の診療内容を精査した。同学会が提出した報告書は約200ページに及ぶという。上田委員長は「学会の報告を各委員が考察し、調査委としての提言や意見をまとめたい」と述べた。



https://www.m3.com/news/iryoishin/411557
シリーズ: 日医代議員会
新専門医制度、「徹底して軌道修正図る」
第136回日医臨時代議員会、中川副会長「見切り発車」けん制

レポート 2016年3月28日 (月)配信橋本佳子(m3.com編集長)

 3月27日に開催された第136回日本医師会臨時代議員会で、副会長の中川俊男氏は、新専門医制度について、「仕組みが確立しないまま、いわば見切り発車でスタートすることは、専門医の質の確保という本来の目的を達成しないばかりか、専攻医にかえって不安を与えかねない」と釘を刺し、日本専門医機構のガバナンス強化、組織運営の透明性の確保を最優先に取り組んでいくとした。さらに厚生労働省社会保障審議会医療部会に下に設置された「専門医養成の在り方に関する専門委員会」の場も活用し、「徹底して軌道修正を図る」と表明した。

 日本専門医機構のガバナンスについては、日医役員の理事を増員する方針。今年5月の同機構役員の改選時には、日医からの役員は現在、理事1人、監事1人だが、理事2人、監事1人とする予定。中川副会長は、「日医の発言力が高まる。同じく理事として参加する病院団体、全国医学部長病院長会議ともしっかりと連携し、議論を尽くす」と語気を強めた。

 専門委員会は、3月25日に第1回会議が開催された(『新専門医制度、「調整の労は取る」と厚労省』を参照)。日医からは2人の役員が委員になっており、「地域医療に悪影響を及ぼさないことを確認しながら、正しい方向に向けて舵を切り直す」(中川副会長)方針で臨むという。

 さらに中川氏は、専攻医となる若手医師、研修プログラム作成などに当たる現場の医師を念頭に、次のように語り、新専門医制度については改めて出直し、日本医学会、全国医学部長病院長会議、四病院団体協議会、基本領域の18学会などの意見を結集して臨むとし、理解を求めた。

 「延期も視野に入れて、改めて議論を尽くすことに心配されるかもしれないが、日医は、新たな専門医制度を後退させようとしているわけではない。むしろ、これまでの専門医の仕組みの優れた点を生かして、専攻医がより良い研修の場を得られるようにすることを目指している。同時に、地域住民がこれからも安心して医療を受けられるよう、全力で取り組む。これまでの過程を見てもこの両立は容易ではないが、まだ遅くはない。新たな専門医の仕組みが円滑に運営されるためには、地域の関係者間での密接な連携を欠かすことはできない」

 新専門医制、関心高く、ブロック質問で2人、個人質問で1人
 ブロック代表質問では、北海道代議員の小熊豊氏と、宮城県代議員の橋本省氏の2人、そのほか、個人質問では、福岡県代議員の白石昌之氏、計3人が新専門医制度について質問した。

 小熊氏の質問は、(1)新たな専門医制度によって、専攻医が都市部に集中し、地方では医師不足が深刻化して地域医療の確保が困難になる恐れがあるのではないか、(2)仮に延期をした場合、専攻医などがかえって混乱するのではないか、(3)新専門医制度と日医と全国医学部長病院長会議による、2015年12月の「医師の地域・診療科偏在解消の緊急提言」と整合が取れているのか(『医師のキャリア形成、大学が生涯にわたり支援』を参照)――の3点。

 中川副会長は、まず日医会長の横倉義武氏が2月18日の定例記者会見で、「延期も視野に検討」と発言、翌19日の社保審医療部会で、中川副会長が問題視した経緯を紹介した(『新専門医制度、「延期も視野」と日医会長』、『新専門医の開始延期も含め検討、専門委員会発足』を参照)。

 その上で小熊氏の質問の(1)については、「医師の地域偏在については、日医も大変な危機感を持っている」と述べ、北海道医師会では、専門医制度連絡協議会を立ち上げ、地域医療に配慮したプログラムの検討や問題点の協議を行っているとしたものの、それ以外の地域では取り組みが進んでおらず、社保審医療部会では、全国知事会の委員から「全然進んでいない。聞いたことがない」という発言があったと紹介。

 (2)に関しては、「新たな専門医の仕組みが確立しないまま、いわば見切り発車でスタートすることは、専門医の質の確保という本来の目的を達成しないばかりか、専攻医にかえって不安を与えかねない。さらに、このまま医師の偏在が深刻化すれば、地域包括ケアシステムの構築を阻害する恐れがあり、このような形で地域住民を巻き込むことはあってはならない」と説明。(3)の「医師の地域・診療科偏在解消の緊急提言」については、現在病院団体と協議を重ねており、新専門医制度も見据えて、その具現化を目指す方針を示した。

 機構、学会ともに膨大な作業量
 橋本氏も、新専門医制度による地域医療への懸念を示したほか、「現在検討されている研修プログラムが、当初の目的である専門医の標準化から外れているのでないか」と質問。

 中川副会長は、新専門医制度の準備状況について、「各学会が専門医研修に集中できない状況に陥っている問題がある。各学会は日本専門医機構にプログラムを申請するに当たり、膨大なデータの提出が求められているが、その量は同機構が内容を精査できるボリュームを超え、各学会は、多額の出費と事務作業の増加で疲弊している」と指摘し、厚労省の「専門医養成の在り方に関する専門委員会」で、機構のガバナンスや業務の在り方を確認していく必要があると回答した。

 さらに中川副会長は、医師の地域偏在について、「専門医の仕組みの修正が喫緊の課題」としたものの、偏在を是正する地道な取り組みも必要だとした。「例えば、地域医療構想の医師版で、自主的な収れんを目指すことが挙げられる」と述べ、「医師の地域・診療科偏在解消の緊急提言」では、医師、医学生に、地域や診療科の患者数などの医療需要の見通しに関する情報提供を提言していることを紹介した。

 開業医も資格更新が可能な仕組みに
 白石氏の3点についての質問には、日医常任理事の小森貴氏が回答した。小森氏は、日本専門医機構の理事も務める。

 第一は、新専門医制度が指導医数と経験症例数を重視することへの懸念。小森常任理事は、「地方から医師がいなくなる事態が絶対にあってはならない」と回答し、日医の働きかけにより、(1)専門医取得に当たっては地域医療現場での研修が必修になった、(2)専門医がいない施設での研修も、一定の要件を認めることになった――と説明。

 第二は、総合診療専門医とサブスペシャルティの関係についての質問。小森常任理事は、「総合診療専門医はあくまで学問的な面から評価したものであり、今後も地域医療を守るのは地域のかかりつけ医」と前置きした上で、「総合診療専門医が、サブスペシャルティにも進むことを可能とする方向で議論している」と答えた。

 第三は、新専門医制度が高いハードルになると、開業医などが専門医資格の維持が難しくなる懸念。この点については、都道府県医師会が開催する講習会や日医生涯教育制度におけるe-ラーニングで資格維持が可能になるよう準備をしたと、小森常任理事は説明、「中小病院の勤務医師あるいは開業医師が、地域医療と専門医の資格更新を確実にできるようにしていく」と述べた。

 小森常任理事の答弁の後、白石氏は「専門医の配置」という視点からの検討が進むと、「国が考える管理医療、医療の国有化につながらないかと大変懸念している」と述べ、「延期ではなく、本来なら見直しを依頼したい」と重ねて要望した。

 これに対し回答したのは、中川副会長で、「医療部会で、私が強く発言したのは、日医は一貫して、開業医が専門医資格維持を両立ができる、地域医療の妨げにならないよう、かつプロフェッショナルオートノミーを基盤として運営するなど、いろいろいな要求をしてきたが、そのほとんど担保されない状況で進もうとしていたからだ。修正できるまでは実行できず、今のスケジュールでは到底間に合わないと考え、『延期も視野に入れるべき』と強い意見を言った」と説明。厚労省の「専門医養成の在り方に関する専門委員会」では実効性のある取り組みを目指すしと、日本専門医機構の理事増員について改めて説明、「日医の発現力が増すと思っている」と強調した。



https://www.m3.com/news/general/411407
鳥取県立中央病院人権救済申し立て 法務局、侵犯判断できず 兵庫の男性「調査不十分」/鳥取
事故・訴訟 2016年3月28日 (月)配信毎日新聞社

 県立中央病院(鳥取市)の医師が、患者の求めにもかかわらず診断結果に関する意見書を適切に作らないのは人権侵害に当たるなどとして、京都府内のJR西日本の関連会社に勤める兵庫県新温泉町の男性(55)が昨年5月に鳥取地方法務局に申し立て、8月に受理さた人権救済について、同法務局が今月9日付で「人権侵犯の事実があったとまでは判断することができない」として侵犯事実不明確の決定をした。男性は今後、法務局の対応が不適切だとして弁護士会に人権救済を申し立てる方針という。

 男性によると、同法務局から今月17日付の書面が郵送された。同法務局は取材に対し「決定があったか否かも含め、個別の事案について言及はできない」と説明するが、男性は「十分な調査を尽くしたのか疑問で、なし崩しの曖昧な判断がされた。公務員の不作為で納得できない」と話している。

 申立書などによると、男性は2014年6~12月、同病院の医師からストレス障害との診断を受けた。職場の上司によるパワハラが原因として刑事告訴を検討していたため、障害とパワハラの因果関係を証明する意見書作成を同12月に医師に要請したが、15年3月に「回答不可能」とされた。また、リハビリ就労解除の診断書も要請したのに書いてもらえなかったと訴えていた。【真下信幸】



https://www.m3.com/news/general/411405
内視鏡誤操作訴訟 延岡市医師会に569万円支払い命令 宮崎地裁支部/宮崎
事故・訴訟 2016年3月28日 (月)配信 毎日新聞社

 内視鏡検査の誤操作で直腸に穴が開いて人工肛門装着を余儀なくされたとして、延岡市の女性(76)が同市医師会に慰謝料など2815万円の支払いを求めた裁判で、地裁延岡支部(塚原聡裁判長)は25日、市医師会に569万円の支払いを命じる判決を言い渡した。

 判決によると、女性は2013年1月10日、医師会病院で受けた内視鏡検査の誤操作で大腸に傷がついた。同院担当医の処置後も腹痛が続き、うみがたまるなど症状が悪化し、女性は転院した大分大学医学部付属病院で人工肛門をつける手術を受けた。女性はその後、約1年3カ月間にわたって人工肛門をつける不自由な生活を強いられた。

 塚原裁判長は「医師の過失と因果関係のないと思われる請求もある」と、人工肛門装着後に行った自宅浴室などの改装費や治療費の一部の請求は退けた。【荒木勲】



https://www.m3.com/news/iryoishin/411721
「研究費不正、欺罔行為に当たらず」、弁護側最終弁論
元東大教授の研究費不正受給事件、6月に判決予定

レポート 2016年3月28日 (月)配信 橋本佳子(m3.com編集長)

 元東京大学政策ビジョン研究センター教授の秋山昌範氏が、研究費を不正受給したとして詐欺罪に問われた裁判の第27回公判が3月28日、東京地裁(稗田雅洋裁判長)で開かれ、弁護側は最終弁論で、秋山氏の行為について「欺罔行為に当たらないか、故意が存在しないのであるから、詐欺罪は成立せず、また可罰的違法性もない」と述べ、無罪を主張した。検察は2月の公判で、懲役5年を求刑していた(『元東大教授、「重大な詐欺」で懲役5年求刑』を参照)。判決言い渡しは6月28日の予定。

 弁護側の主張を読み解くと、秋山氏の研究費受給について、手続き的に全く問題ないとは言い切れないものの、「形の上で詐欺罪が成立するとしても、刑事犯罪として処罰を必要とするほどの違法性があるとは言えない」という論理展開をしている。

 検察は、秋山氏について、2009年度の長寿医療研究委託事業の委託費(以下、委託費)と、2009年度から2011年度の厚生労働科学研究費補助金(以下、科研費)に不正受給があったと主張。IT関連会社計6社と共謀して、業務を行った事実はないにもかかわらず、あるように装って内容虚偽の納品書と請求書を発注、東京大学から1894万4400円、岡山大学から294万円、計2188万4400円を不正受給したことが詐欺罪に当たるとしていた。

 弁護側も、2011年度分の科研費については、2009年度と2010年度分とは異なり、関係会社が「名義貸し」的な役割を果たしていたことを、秋山氏が認識していなかったとは言えないとしたものの、同社名義で納品書や請求書等を東大に提出した行為は、「人を欺く行為」には当たらないと主張。

 その理由として、詐欺罪の成立要件の一つである「人を欺く」意図が秋山氏にはなかったことや、研究費の成果物として報告書が納品されていることなどを挙げた。報告書を受け取った発注元の医師について、「苦情を言ったり、やり直しを求めず、研究費の支払いも止めなかった」などと指摘し、報告書の内容が納品物として許容できると判断されたと主張。一連の研究は、生活行動見守りシステムや服薬管理システムなどを備えた在宅医療支援システムの開発につながり、2011年度に総務省の実証実験として行い、高い評価を得たと説明した。

 さらに弁護側は、日本の大学における研究費の仕組みに不合理、不自由なシステムがあり、「建前とは異なる運用工夫が多く行われている」実態も理由として挙げた。憲法23条に定める学問の自由から「大学の自治」が認められ、研究費などの「予算管理の自治」もあるとし、「研究費の不正使用の問題が起きた場合の対応については、まずは大学によって行われるべきであり、大学の自治を超える社会的な問題であることが明白な場合に限って、刑事事件として処理することが許されるべき」と刑事手続きの謙抑性を求めた上で、研究費の支給元である東京大学と岡山大学が本件について被害届を提出しておらず、研究費の返還請求もされていないと主張した。

 最後に裁判長から「言っておきたいことがあれば」と求められた秋山氏は、「私は無罪。公正な裁判をお願いしたい」と語った。

 裁判所が、弁護側が主張する大学の研究費をめぐる現況、「大学の自治」の問題なども踏まえ、問題なしとは言い切れない研究費の不正受給が「詐欺罪」に当たるか否かをどのように線引きして判断するか――。6月の判決が注目される。

 弁護側、4つの論点から反論

 約1時間50分にわたった最終弁論で弁護側は、4つの論点を提示、その上で詳細を論じた。公判における関係者の証言の不自然さを指摘しながら、秋山氏には「人を欺く」意図はなかった上、成果物が作成された事実があることなどを訴えた。

 4つの論点の中で、第一に挙げたのが、「人を欺く行為」に当たるとするためには、「財産的処分行為の判断の基礎となるような重要な事項」について、「事実を偽る」ことが必要である点。本件で、検察側は、東大などからの研究費について、IT関連会社が「名義貸し」などの形で受注し、秋山氏の親族が経営する株式会社ARIに再委託したことなどが詐欺罪に当たると主張していた。これに対し、弁護側は、東大と岡山大のいずれにおいても、研究費の関連規定に加え、研究費支出の際の審査実務などの事情に照らせば、研究費の受注名義人(IT関連会社)と、業務担当者(ARIなど)が同一であるか否かは、「研究費の支払いの可否を判断する上で、重要なものとは位置付けされていない」と主張。

 「ARIの名前を出さないように」の真意

 第二は、2009年度で問題となった研究のうち、受注名義人が、そのほとんどの業務の一部を行っている点。受注名義人がARIに「名義貸し」などを行ったとする、検察側の主張は当たらないとした。第三は、2009年度と2010年度で問題になった研究のうち、秋山氏には「受注名義人が業務を行っていない」という認識はなかった点。

 検察は、詐欺の意図があるという根拠の一つに、秋山氏から、ARIの社員などに宛てたメールに、「ARIの名前を出さないように」と記載した経緯を挙げていた。この点についても、当時、山形県立病院で検討していた秋山氏開発の電子カルテ導入が、別の2社の業者に変更されたエピソードに言及。秋山氏が開発していたのは「POAS理論」という独自理論に基づく電子カルテ(エクスカリバー)。業者変更の際に「秋山氏の理論は、机上の空論であるという風評が流された」と弁護側が主張、東大政策ビジョン研究センターの他の研究室に1社の出向社員が研究員として来たことから、「ARIの名前を出さないように、と言ったのは、圧力をかけられ、またエクスカリバーの開発がとん挫してしまうと、秋山氏は恐怖に感じたため」と説明した。

 東大、「研究費を柔軟に支出」

 第四は、「万一、本事件において業者名を偽ることが、処分行為の基礎となる重要な事項に含まれていて、形の上では詐欺罪が成立するとしても、可罰的違法性がない」こと。この視点から弁護側が言及したのが、大学の研究費の仕組みに不合理、不自由なシステムがある現状だ。(1)使途が厳格に規定、(2)予算が不明なうちに申請しなければならない、(3)単年度主義、(4)間接経費は、研究代表者しか認められない――と指摘。

 さらに東大においては、研究費を柔軟に支出し、(1)研究費から人件費、部屋代を賄っていた、(2)人件費の付け替えが行われていた、(3)日付のバックデートが行われていた、(4)研究費の件名が行われた、(5)研究の成果物の納品前に、納品手続きが行われていた、(6)形式的に相見積もりを取っていた――などの事実があるとし、「東大のさまざまな工夫に比べれば、単に他社の名義を借りたのみであり、その他については何ら事実と異なることがない本件は、非常に軽微な事案」と弁護側は主張した。



https://www.m3.com/news/iryoishin/411645
シリーズ: 群馬大学腹腔鏡死亡事故
死亡43症例で院内安全管理部門への報告なし、群大事故調
最終報告書は5月下旬予定、報道の仕方にも疑問

レポート 2016年3月28日 (月)配信 高橋直純(m3.com編集部)

 群馬大学医学部付属病院で腹腔鏡手術を受けた患者8人が死亡した問題を受けて、同大が新たに設置した外部委員による「群馬大学医学部附属病院医療事故調査委員会」(委員長:上田裕一・奈良県総合医療センター総長)の第14回委員会が3月27日に東京都内で開かれ、専門的な調査を委託していた日本外科学会から調査結果の報告を受け取ったことを公表した。

 報告内容の中には、外科学会の調査の対象となった50症例のうち、43症例で院内の医療安全管理部門に報告がされていなかったことを明らかにした。外科学会の報告を巡っては、委員会開催前までに一部報道機関が内容を報じており、上田氏は「厳重に扱われているはずのものがどのように出て行ったのか、理解できない」と話した。また、最終報告書の公表は5月下旬になることが示された。

 3月27日までにNHK、読売新聞が日本外科学会の報告内容を報道(『群馬大病院、第一外科も高死亡率…肝臓手術』などを参照)。これらは、(1)腹腔鏡手術による死亡例が続いた旧第二外科では、肝臓手術で全体死亡率が11%で、全国平均の10倍、旧第一外科でも肝臓の手術の死亡率が4%で全国平均の4倍だった、(2)群大病院の外科は全国の国立大学病院の中でも1手術室当たりの年間手術数がトップクラスで、目標手術数達成のため2つの外科が競い合うように手術をしていた、(3)学会が調査対象とした約50の死亡症例で、本来手術すべきではない症例があった。また43例で院内の医療安全管理部門に報告がされていなかった――などと報じていた。

 上田氏は「委員会として精査できていないので、報告内容は公表できない」と説明。ただ、報道陣からの質問に答える形で、報道された内容についてはおおむね記載があったことは認めた。

 外科学会の報告内容が報道されたことについては、「厳重に扱われているはずのものがどのように出て行ったのか理解できない。未定稿であり、精査されていない段階のものが出る仕組みが理解できない。本来、私には調査委員会の委員長として説明するという役割があるが、その役割を果たすために本日の段階では報告できない」と話した。

 また、「外科医の立場からすると、手術の死亡率は単純に比較されるべきものではない。単純に2%は1%の倍であるという考え方はなじまない」と強調した。

 委員会は非公開で、上田氏が終了後に記者会見を開いた。事故調査委員会の報告書は5月下旬に公表する予定で、外科学会の報告内容も全文添付する方針。また、前回に会見を開いた1月の第11回(『49症例で遺族が調査を同意、群大事故調』を参照)の後に、2月20日に12回、2月28日に13回の委員会を開催したことを報告した。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/48425.html?src=catelink
日医の非課税還付制度に賛意- 日病・堺会長が表明
2016年03月28日 21時00分 キャリアブレイン

 日本病院会(日病)の堺常雄会長は28日の定例記者会見で、控除対象外消費税が医療機関の経営を圧迫している問題に関して、日本医師会(日医)が公表した非課税還付制度の新設を求める提案に賛同する考えを表明した。【敦賀陽平】

 日医案は、医療機関が仕入れの際に負担する消費税が、消費税スタート時から診療報酬に上乗せされている2.89%相当額を上回る場合に超過額の還付を認めるというもの。堺会長は、「四病協(四病院団体協議会)の中でも意見の違いはあるが、日医に沿う形で今後、意見調整なり検討を行っていきたい」と述べた。

 来年4月に予定されている10%への消費税増税が再延期となる観測が出ていることについて、堺会長は「基幹病院などでは高額な医療機器の投資がある。消費税がストップしたからやらないというわけにはいかない」とし、再延期が決まった場合も「当然その部分の財源の確保について要求していく」と語った。

 堺会長はまた、日医がまとめた医師法21条の見直し案についても、「ほぼ同調する」とし、罰則規定の削除など、日医案に賛意を示した。医師法の改正をめぐっては、医療事故調査制度が始まった直後であることを理由に、日本医療法人協会(医法協)が慎重な姿勢を示しているが、堺会長は「医法協の考えを聞いて、意見集約できるかどうか議論していきたい」と述べた。


  1. 2016/03/29(火) 05:40:00|
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3月26日 

https://www.minpo.jp/news/detail/2016032629826
鮫川、医師不在に 唯一の診療所31 日で休診
2016/03/26 09:04 福島民報

 鮫川村唯一の医療機関である村国民健康保険(国保)診療所は31 日を最後に休診する。診療に当たっている医師二人と村の嘱託契約が今年度末で切れ、後任を確保できないためで再開の見通しは立っていない。村は当面、希望者を古殿町の病院に送迎するが、村内での訪問診療や往診は打ち切りとなり、住民から早急に対策を講じるよう求める声が上がっている。
 村国保診療所では現在、村と嘱託契約を結んだ60代と80代の男性医師2人が月曜日から土曜日まで日替わりで内科などの診療に当たっている。平成28年度は2年ごとの契約更新期に当たるが、2人とも手続きを見送った。
 医師が不在となる対応策として、村は4月にも村中心部と古殿町の民間医療機関「ふるどのクリニック」を結ぶマイクロバスの運行を始め、希望者を送り迎えする。所要時間は片道1 5分程度で、診療所の看護師1 人を同行させる。
 村国保診療所が担当してきた村内の小中学校、幼稚園、保育園、福祉施設などの健康診断はふるどのクリニックが引き継ぐ。
 高齢者らを対象とした訪問診療や、急病などに対応する往診が休止となることも踏まえ、村は県を通じて新たな人材の確保に全力を挙げている。しかし、大楽勝弘村長は「県内全域で医師が不足している。山間地に医師を呼ぶのは、ことのほか難しい」と明かす。
 村内の男性(68)は「お年寄りが多い地域だけに、身近に医師がいると安心感があった。診療所の休診は残念だ」と嘆いた。
 村国保診療所は昭和34年に開所し、2回の移転を経て平成1 5年に村保健センター内に併設された。平成26年度の診療日数は計290日で、患者数は延べ4756人。訪問診療件数は1 53件に上る。

■「個別の事情」「評価不十分」

 平成22年から勤務している60代の医師は首都圏に家族を残し、単身で診療を続けてきた。「鮫川村は好きだが、家族と離れて暮らしているなど、個別の事情がある」と説明している。26年に村に移住した80代の医師は「村が十分に(実績を)評価してくれなかった」と話している。
G3註:地図
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https://www.m3.com/news/iryoishin/409772
シリーズ: 始動する“医療事故調”
千葉がん“事故調”、引き受けたわけ ‐ 長谷川剛・上尾中央総合病院院長補佐に聞く◆Vol.1
病理検体取り違え、再発防止を啓発

2016年3月26日 (土)配信 聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

 昨年10月からスタートした医療事故調査制度の特徴は、院内調査を中心としている点。ただ調査実施の経験を持ち、ノウハウを蓄積している医療機関は多いとは言えないのが現状だ。
 医療安全の第一人者である、上尾中央総合病院(埼玉県上尾市)の院長補佐を務める長谷川剛氏に、直近で関わった千葉県がんセンターの病理検体取り違え事故における院内調査(『「乳腺外科と病理の間で連携不足」、千葉がん・取り違え事故』を参照)の経験、院内調査の留意点、制度開始から半年近く経った医療事故調査制度の評価などをお聞きした(2016年3月17日にインタビュー。計2回の連載)。

――先生は医療安全に長年携わっており、さまざま医療事故調査の外部委員も務められています。直近では、千葉県がんセンターの病理検体取り違え事故における院内事故調査委員会の外部委員を務められました。

 千葉県がんセンターの事故調査をお引き受けしたのは、類似の病理検体の取り違え事故は、過去にも他の病院で何度も発生しており、今回の事故を通じて医療界に啓発ができればと考えたことが一因です。乳癌の患者さんの病理検体取り違え事故だったので、病理検査と乳癌の専門医が各1人、そして私が医療安全の専門家として入り、外部委員は計3人、バランスが取れた構成だったと思います。院内事故調査の委員は同センターが選んだ人選です。

 外部委員を引き受けるに当たっては、「なるべく早く調査を実施し、報告書をまとめなければ」とも考えました。病理検体の取り違えに遭った患者さんは、お二人とも、その後も同センターで治療を続けており、患者さんと病院との関係を早くいい状態に戻す必要があったからです。取り違え事故は2015年12月の初めに発生、12月末に外部委員の依頼を受けました。1月から調査を開始、関係者へのヒアリングを数回を行い、全員が集まる会議を3回開催し、並行してメールでやり取りし、2月の初めには報告書をまとめ、2月17日には記者会見を開いています。調査がスムーズに進んだのは、調査開始に先立ち、必要書類をセンターに求めたところ、的確な情報提供があったことが大きい。

――病理検体の取り違え事故は、多発しているのでしょうか。

 病理検体の取り違え事故は、欧米では「ミスラベリング」と言います。2012年の米国の報告では、1000件に1件程度の頻度で発生しているという結果でした。ただし、そのうち、100分の1から1000分の1は、診断書作成やカンファレンスなどの段階で気付くため、取り違えに最後まで気づかず、臨床に影響を及ぼすのは10万分の1から100万分の1と低い確率です。

 日本の臨床現場でも、「危なかった」と取り違えに途中で気付いた経験を持つ医療者は少なくないはずです。取り違え事故の要因の一つとして、病理検査の増加が挙げられます。多くの急性期病院では、ここ5~10年、右肩上がりで手術や検査の件数が増えています。DPCの枠組みの中では、手術や検査の数を増やさないことには病院経営は安定しない。にもかかわらず、手術数などの増加に対して病理担当の臨床検査技師の数は増えていません。千葉県がんセンターは、今回、手術件数や病理検査数、臨床検査技師数や一人当たりの検査数などの詳細なデータを出してくれました。これは非常にありがたかった。今後は、病理学会や技師会などが、労務負荷軽減の観点から、取り違え事故のリスクを減らすためにも、病理検査数と必要技師数についての基準をまとめることが必要でしょう。

 もう一つは、“ローテク”な作業工程です。乳腺外来で生検してから、病理伝票を作成し、病理検査室まで運び、病理検査室で受付してから、検体の処理、パラフィン処置、薄切、染色、病理医への提出まで、実に何人もの医療者が関わり、ガラス板に鉛筆で番号を書き込むなど手作業で標本作成が行われています。病理標本の作成はもともと職人芸的な要素が大きい領域です。そこに業務量増大という負荷が増加している状態です。これでは病理検体の取り違えが一定の確率で起きるのは当たり前とも言えます。もっとも、医療安全をやっている人でも、誤薬、転倒転落などについてはさまざまな検討を行っても、病理検体の取り違えに対する意識は低い。多くの医師や看護師は病理診断のプロセスを知らないのです。生化学検査と同じように、「ボタン一つ押せば、結果が出てくる」と思っている医師もいるほどです。

 今後、癌の患者さんがますます増えれば、病理検査の件数も増加します。上手にITの導入を進め、2次元バーコードなどを利用し、適切に管理できるプロセスを作ることが不可欠だと思います。

 さらに言えば、病理検体を取り違えても、臨床所見と病理検査の結果が大きく異なれば、「そんなこともあるか」ではなく、「なぜか」と立ち止まって考えることが必要です。その際に医師は鑑別診断の一つに検体の取り違えを含めるべきです。医師はカンファランスなどの場で、病理検体の取り違いに気付く「最後の砦」なのです。医師が取り違えに気づく能力を持つことは、安全の観点から非常に重要なことなのです。この点もぜひ注意喚起したい点です。

――院内調査の実施に当たって、心がけていることをお教えください。一歩間違えると、院内は険悪な雰囲気になり、調査もうまく進まなくなる懸念があると思います。

 これまで多くの調査を担当してきましたが、院内調査で重要なのは、関係者へのヒアリングと資料集めです。関係者へのヒアリングには、本当に気を遣っています。警察的に乗り込んでしまえば、事故の当事者を傷づけるだけでなく、病院全体が険悪な雰囲気になり、事故を機に立ち直れなくなってしまう懸念があるからです。

 特に事故を起こした当事者がある程度同定できるような場合には、本人が強く責任を感じており、最初は本人が動揺しており話を聞ける状況にはないことも多いのが現実です。「同じようなことが、二度と起きないようにするためにも、話を聞かせてほしい」と言っても、その言葉が聞こえないくらい動揺している人もいます。あるいは、最初はいろいろ話してくれても、後日、改めて話を聞くと、前回の発言内容を否定する場合もあります。時間が経つにつれ、周囲の状況が見えてきて、「自分の立場が悪くならないか」「責任を問われるのではないか」などと思うようになるからかもしれません。

 事故調査については、一般的には「中立性、公正性」を保ちつつ、第三者的な立場から行うように言われますが、私の場合はやや異なります。ヒアリングのプロセスは、カウンセリングであり、メンタルケアだと思っています。まずは信頼関係をいかに築くかが重要です。1回だけでは終わらないこともあり、複数回ヒアリングを必要とすることもあります。やはり書面だけでのやり取りではなく、「Face to face」で話さないと伝わらない部分があるからです。中立性や公平性が強調する人がいますが、私は理念としては理解しますが、それを実現することは不可能だと思っています。だからといって一方だけに偏ることも問題です。「時にこちらに寄り添い、時にあちらに寄り添う」といった、自分の立ち位置とその偏りを自覚しながら臨むという「不変性不偏性」のスタンスで調査に関わるように心がけています。

 ヒアリングの際は、クッション的な役割を担い当事者をケアできる方に同席してもらうことも大切です。千葉がんセンターの場合、例えば、臨床検査技師へのヒアリングであれば、私と病理の専門医のほかに、医療安全の看護師さんに同席してもらいました。

 さらに、事故調査をめぐっては、「患者家族の意見を聞いていない」と批判されることもあります。ただ、患者さんの中には「話したくはない」「もう関わりたくない」と考える人もいるかもしれません。ヒアリングを強制することはできず、話をしたいかどうかについて意向を聞くことが大切です。私が外部委員の立場で、患者家族へのヒアリングに臨んでも、中には「病院の回し者か?」と見られることもあります。できるだけその時点で分かることを丁寧に話すことと、相手の話をよく聴くことが大切です。

 千葉県がんセンターの場合、患者さんのお二人とも、ヒアリングを希望されませんでした。ただ、お一人は文書で質問内容を提出されました。その患者さんには私から報告書の内容を説明したのですが、説明の中で関係者の中には「病院を辞めたい」とまで言い、強く責任を感じている人がいることを伝えたところ、それまで心を開いてくれないように見えた患者さんが、「そこまで責任を感じてくれるなら、いいです」と言ってくださった。「この方は、これから前向きに治療を続けてくれる」と感じた一瞬でした。確かに医療安全は、責任追及と切り離して考えなければいけません。しかし、患者さんには「誰かが責任を感じてくれている」ことを知ることで、救われる面もあり、この辺りは難しい問題です。



http://mainichi.jp/articles/20160326/ddl/k41/040/367000c
伊万里松浦病院移転問題
機構理事長 「診療所」で同意探る 伊万里市長は不快感 /佐賀

毎日新聞2016年3月26日 地方版

 伊万里松浦病院を運営する独立行政法人地域医療機能推進機構(東京)の尾身茂理事長は25日、伊万里市役所で記者会見し、病院の移転跡地に代替医療機関として診療所を建設する意向を表明した。しかし、塚部市長はこれに強く反発した。

 両者の会談は予定の倍の1 時間に及んだ。直後の記者会見で、尾身理事長は「塚部市長から診療所建設の要望があった。地元区長会と市議会も求めており(地元の意向として)重く受け止めたい」と語った。更に「病院移転は住民の理解が大前提」とも指摘した。

 その後、塚部市長も記者会見。「現時点で跡地に診療所を要望するのは、病院の長崎県松浦市移転を認めた事になる。理事長が仮定の話として重ねて聞くので答えたまで」と、不快感を表明した。

 移転後に医療の空白地帯が生じないよう市も内々では診療所の建設を求めている。しかし、理事長が「移転先は最終的に決めていない」と言う以上、市長も「病院の現地建て替え」という市の原則論を押し通した形だ。

 尾身理事長は24日には松浦市長と会談。連日の移転候補地巡りは「最終決断の前」の地ならしで、理事長は伊万里市で「理解が一歩進んだ」と評価した。だが、塚部市長は「松浦移転が前提のような会談だった」と感想を述べた。誘致合戦の終戦処理は波乱含みの展開となりそうだ。【渡部正隆】



https://www.m3.com/news/iryoishin/411191
シリーズ: 真価問われる専門医改革
新専門医制度、「調整の労は取る」と厚労省
委員会発足、「延期ありき」一辺倒の議論にならず

2016年3月26日 (土)配信 橋本佳子(m3.com編集長)

 厚生労働省の社会保障審議会医療部会「専門医養成の在り方に関する専門委員会」の第1回会議が3月25日に開催された。2月18日に開催された医療部会で、地域医療に支障を来す懸念など新専門医制度をめぐり議論が噴出したため、その議論を深めるのが狙い。委員長には、医療部会部会長の永井良三氏(自治医科大学学長)が就任した。

 冒頭で、厚労省医政局長の神田裕二氏は、新専門医制度は、プロフェッショナルオートノミーが基本であり、「行政はあまり出すぎないように、と認識していた」と前置きしつつ、専門医制度は医療法上の広告制度とも連動してくる問題であり、厚労省予算も計上(専門医に関するデータベース構築費用など)していることから、「全くの民間の自立的な仕組みとは異なると考えている」とあいさつ。「調整の労は取らせてもらう」と述べつつ、「関係者の中で、コンセンサスを作ってもらうことが最も重要」と建設的な議論を期待した。

 「調整の労」の言葉に、厚労省の現時点でのスタンスが現れている。新専門医制度は、臨床研修制度とは異なり、法律に根拠を持つ制度ではないためだ。

 厚労省が提示したのは、「専門研修プログラム認定までの調整方針(案)」。予定通り2017年度開始を前提としたスケジュールを踏まえ、医師の地域偏在が今以上に進むことがないよう、地域医療への影響を検証しつつ、専攻医の募集人数の調整などをまずは行う内容だ。日本専門医機構、都道府県、厚労省の三者が取り組むべき課題を実施時期別に整理している。厚労省は、都道府県に対しては、今年1月15日付の通知で、関係者による専門医制度に関する「協議会」の設置を求めており、さらに周知徹底を図るため、近いうちに通知を再度出す予定。

 厚労省や都道府県が調整役を担うことに対しては異論は出なかったが、「協議会」を設置しても果たして機能するのかなど、実効性を疑問視する声が挙がった。

 もっとも、今、議論になっているのは新専門医制度と医師の地域偏在との関連だが、日本専門医機構のガバナンスを問題視する意見やゼロベースでの検討など、根本的な議論を求める声も根強かった。ただ、医療部会では、2017年度開始予定の新専門医制度について、「延期すべき」との意見も出ていたが、「延期ありき」一辺倒の展開にはならなかった(『新専門医の開始延期も含め検討、専門委員会発足』を参照)。

 次回の第2回会議では、第1回の会議での論点を整理するとともに、基本領域の研修プログラムの審査状況の確認などを行う予定だ。全国衛生部長会アンケート(3月10日時点)では、「協議会」の開催済みは、47都道府県中、16にとどまる。日本医師会は「協議会」の設置状況や議論の内容などを把握するため、3月23日から4月11日までの期間で、全国の都道府県医師会を対象に調査を実施中だ。その結果も次回会議での検討材料になる見通し。専門委員会は、現時点では何らかの取りまとめを行うことは想定せず、新専門医制度の準備を検証、関係者に改善要望をしていく位置付けになる見通し。

 2017年度開始を目指す場合、今年6、7月頃には研修プログラムの審査を終える必要がある。その時点までに、地域医療への影響を払拭する材料がそろい、関係者の納得が得られるか、日本専門医機構のガバナンスの問題をはじめ、議論をどこまで広げるか……。新専門医制度をめぐっては、日本専門医機構自体の社員総会でも、いまだ議論がくすぶる(『新専門医制、予定通り開始?延期?それとも……?』を参照)。何らかの調整を行って予定通り開始するか、延期するか、今なお流動的だ。

 都道府県単位の「協議会」での調整目指す
 「専門医養成の在り方に関する専門委員会」は、日本医師会、病院団体、大学関係者など、計17人の委員で構成。日本専門医機構から理事長の池田康夫氏をはじめ、4人が参考人として出席。

 「専門研修プログラム認定までの調整方針(案)」は、まずは都道府県が、管内で研修プログラムに参加する基幹施設および連携施設、専攻医の募集人数などを確認、地域医療に支障が生じそうな場合には、調整を図るものの、調整が難しい場合には、日本専門医機構、さらには厚労省が調整を支援するというスキームだ。

 具体的には、都道府県に対して、「協議会」を設置し、(1)4月上旬まで:日本専門医機構からのプログラム申請情報の共有、(2)4月中:地域医療確保の観点から必要な施設が漏れていないかを検証、基幹施設から連携施設への説明を要請、(3)5月中:必要な改善事項に関する意見照会(連携施設に対し、指導医の配置方針、専攻医のローテート方針、その他、基幹施設との間で改善が必要なことを照会)、基幹施設と調整し、さらに必要な改善事項については機構に提出、(4)6月中:機構への協力、連携、プログラム認定前に関係者の合意を「協議会」で確認、その旨を厚労省に報告――などを求めている。例えば、地域枠の医師の派遣が想定される医療機関が研修施設から漏れている場合には、連携施設として研修に加われるように機構に改善要求することなどを想定、厚労省はこの調整を支援したり、場合によっては地域医療確保の観点から必要な基準等の見直しを検討する。

 「外科、産婦人科、整形外科」では調整進む
 第1回会議の議論は、「専門研修プログラム認定までの調整方針(案)」の説明の後、日本専門医機構が、外科、産婦人科、整形外科の研修プログラムの審査状況を説明、その後、ディスカションという流れで進んだ。

 研修プログラムは、19の基本領域のうち、16領域では既に募集を締め切り、審査段階にある。新専門医制度は、大学病院などの基幹施設と、地域の連携施設が組み、研修プログラムを作成、それを日本専門医機構が審査・認定する仕組み。

 日本専門医機構専門研修プログラム研修施設評価・認定部門委員長の四宮謙一氏は、2月18日の医療部会の意見について「大部分はもっともなこと」であると述べ、研修プログラム審査に当たって、「過去5年間に専攻医が在籍したことがある施設が、連携施設から漏れていないか」など、研修プログラムの1次審査のポイントを追加したことを説明。

 外科領域では、現行では指定施設1221施設、関連施設854施設の計2075施設が、日本外科学会の修練施設として指定され、専門医研修に関わっている。うち新専門医制度の研修プログラムに参加していない施設が342施設あったため、日本外科学会が連携施設となる希望の有無を照会し、希望する場合には地域の研修プログラムへの仲介を行っている。また、専攻医の募集定員の総数は当初は2159人で、外科後期研修医の過去の実績(800~900人)の2倍以上だったことから、大学の研修プログラムの募集定員を減らすなどして、地方の小型プログラムが有利になるよう調整して総数を2000弱まで絞り込んでいる。研修希望者数と募集定員との間に開きがある場合、都市部などへの専攻医の偏在が懸念されるためだ。344の2次医療圏のうち、外科領域の研修施設が存在しないのは14医療圏(4.1%)であり、うち13医療圏には過去に修練施設として指定された施設が25施設あったので、これらについても連携施設になる意向を確認中だ。

 産婦人科と整形外科の領域についても、同様の考え方で調整を進めている。

 永井委員長「希望数基に募集定員の上限設定」を提案
 日本専門医機構の説明に対し、日本医師会副会長の今村聡氏は、現行で専門医研修を携わっている施設が、新制度で外れるケースがある理由を質問。さらに外科など3領域は、調整が進んでいる例であるとし、基本領域の残る16領域の調整状況を質した。

 四宮氏は、外れる施設については「専攻医は要らないというところが多い」と説明。3領域以外については、特に、内科、小児科、総合診療については地域医療への影響を配慮して、研修プログラムの審査を行うよう求めているとした。

 永井委員長は、「(専門医を目指す医師に対し)毎年希望を調査して基礎データを取り、その1.1倍、あるいは1.2倍を募集定員総数として全国に配布するやり方は考えられないのか」と提案。臨床研修マッチングでは、地域偏在を懸念して、募集定員総数が研修希望者数の約1.1倍にまで減らすよう調整している。同様の仕組みを専門医研修でも導入する提案だ。これに対し、池田理事長は、今回はその代わりに、過去3年、あるいは過去5年の研修実績を基に推計して調整していると説明。

 永井委員長は、総数を把握した後に、調整の役割を果たすのが「協議会」であるとしたが、これに疑義を呈したのが、東京大学大学院教授の北村聖氏。「例えば、外科を希望する医師は、永遠に外科を希望する前提」と指摘、「東京で外科の研修を希望してもダメだったら、整形外科を希望する医師もいる」などと述べ、専門診療科を問わず、「東京での研修希望」を優先する現状もあるとした。

 「白紙に戻して議論するはずでは」
 各論の議論が続いた後、「医療部会では、白紙に戻して議論することになったはずだが、来年4月の実施を前提として話している」と口火を切ったのが、全日本病院協会会長の西澤寛俊氏。日本医療法人協会会長の加納繁照氏、NPO法人ささえあい医療人権センターCOML 理事長の山口育子氏も、西澤氏の意見を支持。

 永井委員長は、「まずは日本専門医機構の現状説明についての議論を行う」と修正を図ったものの、日本精神科病院協会常務理事の森隆夫氏は、新専門医制度について、「他の領域はここまでやっているから、我々もここまでやらなければいけない」として、基本領域間で高いレベルの研修プログラムを目指すという、「競争心」をあおっていると指摘した上で、「機構がやっていることに反対しているわけではないが、今の状況がかなり危機的な状況であることを認識しているのか」と強い口調で正した。「(新専門医制度に向けた)準備は、各学会が会員の会費を使ってやっている。会員の中には、専門医制度がなぜ必要かとの声もあり、会員が学会に対して反乱を起こしかねない状況になっている」(森氏)。

 池田理事長は、「そうした話は承っているが、大方の先生方からは、今の方針についての理解をもらっている」と回答。森氏は支持しているのは、学会執行部などの一部の医師であるとし、現場の医師の声を聞き、真摯な態度で見直すべきと譲らなかった。

 「キャリアパスが見えず」との批判も
 議論は次第に拡散した。全国自治体病院協議会会長の邊見公雄氏は、日本専門医機構のガバナンスの問題に触れ、「地域医療を担っている病院の意見が反映されていない」と機構の社員構成を問題視。四病院団体協議会は社員だが、個別の病院団体は社員ではない。北村氏からは、当初は「学会から独立した第三者機関」が想定されていたが、各基本領域の学会が社員として加わった経緯を正す意見も出た。池田理事長は「機構の設立当初は4団体だったが、学会との調整が必要のため、社員になった」と説明(『専門医機構、18学会を社員として認定へ』を参照)。

 基本領域とサブスペシャルティとの関係が明らかではなく、キャリアパスが見えないため、「もう少し全体像が見えないと、研修医は混乱する。『場合によっては、少し待つ』ではどうか」と提案したのは、日医常任理事の羽鳥裕氏。「内科専門医を選ぶのは、循環器や呼吸器などの専門に行きたいため。ただし、少し簡単な総合診療専門医からも行けるのであれば、内科専門医を選ばず、総合診療専門医を選ぶ医師も出てくる」(羽鳥氏)。加納氏も、全体像が見えるまでスタートを遅らせることが必要ではないか、と提案。

 「協議会、機能しなかった場合の責任は」
 その後、永井委員長は、改めて今後の進め方について意見を求めた。

 最初に意見を述べたのは、今村氏。「地域偏在を起こさないことが中心課題」と指摘、「協議会」の設置やその検討状況には都道府県による差があることから、「情報共有、連携などと言うのは簡単だが、制度的にどのように担保していくのか。(研修プログラムなどについて、改善要望があった場合に)強制的に変える権限はあるのか」と質問した。厚労省医政局医事課は、「協議会」が未設置の都道府県も今後、設置することは確認しているとの回答に対し、今村氏は「設置しても、そこが機能しないと意味がない。機能しなかった場合に、誰がどう責任を取るのか。日本専門医機構にはその権限はない」と返した。

 神田医政局長は、「強制力という権限は、(厚労省にも)ない」と答え、厚労省としては各都道府県と連絡を取りながら調整などを依頼し、都道府県からの要望が改善に結び付いているかについて、厚労省が間に立って調整していくと説明した。

 今村氏は、「新専門医制度の理念に反対はしていない」とも述べ、都道府県だけでなく、関係団体がそれぞれの立場で、医療現場で混乱が起きないよう調査していくことも重要だとした。

 山口氏からは、会議の議論について、「医療部会で出た疑問に対して、ほとんど答えていない」と問題視、地域医療への影響に留まらず、専攻医の身分保障、指導医研修の在り方、日本専門医機構の事務局体制など、さまざまな検討課題があるとした。「見切り発車したのでは、国民にとっても安心できる専門医制度にはならない」(山口氏)。

 その後も、以下のようなさまざまな意見が出て、第1回会議は問題提起にとどまり、終了した。

 「日本専門医機構が目指している医師像には異論はないだろう。しかし、研修プログラムを作る段階になって、より良い専門医を養成しようとなり、要件が厳しくなった。そのために基幹施設が限定されたと思っている。専門医の更新の際にも、実績が求められるため、大病院に指導医が集中すれば、中小病院に指導医がいなくなる。地域医療で本当に苦労している医師の視点が抜けているのではないか。それを補うために協議会ができたが、各地域で権限を持った組織が本当にできるのか」(日本病院会副会長の末永裕之氏)

 「日本専門医機構の事務局の構成および財務には、大きな問題がある。機構のプログラム委員などは本当に大変。(脆弱な財政への支援として、地域医療介護総合確保基金の)904億円の基金をこちらに充当してはどうか。また日本の医療を支えているのは、民間の中小病院であり、こうした視点が研修プログラムで抜けている」(邊見氏)

 「約8500病院の約8割は民間病院。日本の医療は、民間病院のがんばりで成り立っている。これから重要なのは、高齢者医療をいかに担うかであり、その中で専門医の養成は必要だが、医療現場をどのように維持していくかが重要」(加納氏)

 「(専攻医を目指す)若い先生方は何を危惧しているのか。不安感を払しょくするためにヒアリングする場を設けてはどうか。また(機構の事務局が脆弱なのであれば)実績を持つ事務局機能を活用することも検討してもらいたい」(今村氏)

 「各都道府県が独立して、協議会を設置して、コントロールできるのか。(都道府県を超えた病院で研修プログラム作成もあるため)もう少し道州制な考え方で実施しないと、医師の調整が難しい都道府県が出てくるのではないか」(北村氏)

 「卒前教育は、共用試験やスチューデントドクター制も導入されるなど大きく変わってきた。臨床研修についても見直しに向けた検討が進められている。医学教育制度を考えた時に、専門医制度を切り分けるのではなく、卒前教育、臨床研修も含めて議論していくことが必要」(全国医学部長病院長会議専門医に関するWG座長の小川彰氏)



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シリーズ: 中央社会保険医療協議会
地域医療構想が先、診療報酬が後- 宮嵜雅則・厚労省保険局医療課長に聞く◆Vol.3
経済誘導は機能分化ゆがめる恐れ

2016年3月26日 (土)配信 聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――地域包括ケア病棟入院料については、包括点数の範囲から、手術と麻酔が除外されました。この狙いと現状の届出数をどう受け止められているのか、お聞きかせください(『手術・麻酔、地域包括ケア病棟入院料の包括外へ』を参照)。


宮嵜雅則課長は「DRG-PPSの導入まで一気に、という話にはならない」と語る。
 届出数が多いか少ないかを言うのは難しい問題。届出数を増やすかどうかという視点からの議論は、今回はしていません。現在、地域医療構想の策定が各地域で進められています。各地域でさまざまな構想が出てきた時に、地域包括ケア病棟入院料の届出数もにらみながら、2018年度の改定で対応することになると思っています。

 その一方で、届出数の問題とは別に、地域包括ケア病棟入院料をせっかく前回改定で新設したものの、本来期待されている役割を発揮できているかという問題があります。急性期後の患者さんを受け入れるなど、当初想定した役割を果たしている病院はもちろんあります。しかし、例えば、整形外科疾患が多いといった患者さんの疾患や、行われている診療行為が偏っていたり、在宅で急変した患者さんを診る役割も期待されていますが、その割には手術などの実施数はかなり少ない病院もありました。これらが議論のきっかけとなり、手術や麻酔は包括外にした方がいいという結論になりました。

――診療報酬体系と病床機能報告制度を連動させることについては、どうお考えですか。

 地域医療構想を踏まえて、各地域でそれぞれの医療機関が役割分担と連携を進めていく際に、診療報酬にはそれを支えていく役割が求められると思っています。確かに、「診療報酬で評価して、少ない医療機能を増やした方がいい」と言う方もいます。診療報酬には、経済誘導という政策的な側面があるのも事実ですが、地域医療構想については今まさに議論している最中なので、診療報酬によって議論がゆがめてはいけません。したがって、今回は、診療報酬と病床機能報告制度を連動させるような改定は行っていないつもりです。

 今年の終わりぐらいには、各地域の地域医療構想が出揃ってくると思います。それを受けて、2018年度改定でどう対応するのかが大きな流れになります。

――従来とは異なり、地域医療構想の策定がまず先にある。

 はい。例えば、「地域包括ケア病棟を増やすべき」と言って、高い点数を付ければ、全国に広がるかもしれません。しかし、増えすぎて、各地域の地域医療構想や病院の役割分担と連携がうまく行かなくなるのは、本意ではありません。数は議論の俎上には載せず、あくまで地域包括ケア病棟が本来の役割を果たしているかという視点から今回は検討したわけです。

――DPCは次回の2018年度改定で調整係数をなくす方針です。

 今回の改定では、調整係数の75%を置き変えています(『DPC見直し決定、診療実態をより評価した体系へ』を参照)。新しい指数を、機能評価係数IIに入れたりしていますが、激変緩和措置の対象となる病院は出てくるでしょう。次回改定で調整係数の置き換えを75%から、一気に100%まで進めることができるかは本当に難しい問題で、今後の2年間、相当丁寧に議論しなければいけないと考えています。

 次回改定で調整係数を完全に廃止する場合、従来の激変緩和措置は使えなくなります。他にいい指数あるいは置き換え方法が見いだせればいいですが、「赤字になる病院はそのままつぶれてください」と言うわけにはいきません。

――DPCのI群、II群、III群分けの基本的な考え方は、大きく変わるものではない。

 I群の大学病院本院についても、精神病床を持たない病院の指数を下げるなど、若干見直していますが、I群は大学病院本院という考え方は、基本的には変わらないと思います。

 まだ議論があるのは、II群の在り方だと思います。その選定要件についてI群の病院の外れ値を除外した最低値を用いることとしていますが、「I群の出来によって、II群の基準が変わるのはおかしい」という意見もあり、引き続き議論が必要です。

――DPCは「1日当たり」の定額制ですが、「1入院当たり」の定額制への変更についてどうお考えですか。

 個人的な考えですが、恐らく近い将来は入らないと思います。DPCは非常に日本的というか、中庸的な発想の点数です。出来高制と(1入院当たりの)DRG-PPSの中間と言えます。

 DPCは、出来高制ではなく、「1日当たり」の包括ですが、入院期間を加味した3段階の設定になっているなど、「1入院当たり」の包括制よりも、きめ細かく評価しています。DPCの制度の見直しはあっても、DRG-PPSまで一気に、という話にはなかなかならないと思います。



https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20160323-OYTET50016/
ニュース・解説
201 6年度診療報酬改定のポイント…「医療の役割分担」促す

2016年3月27日 読売新聞

 201 6年度の診療報酬改定が行われ、4月から医療の「値段」が変わる。国は改定を通じて目指す医療のあり方を示しており、今回は「医療の役割分担」が大きなテーマだ。

 診療報酬は、医療機関などが受け取るお金のことだ。通常は診療行為ごとに金額が決められ、患者は、その1 ~3割を窓口で負担する。国は力を入れてほしい診療に高い報酬を設定し、医療機関に取り組みを促す。

 国が目指しているのは、高度な専門医療は大病院、日常の医療は中小病院や診療所という役割分担だ。

 中小病院や診療所のかかりつけ医は、患者の健康管理や服薬状況など日常生活全般を見守り、必要に応じて専門的な医療機関につなぐ橋渡し役を担う。

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 改定では、乳幼児や認知症の高齢者を丁寧に診るかかりつけ医を評価。3歳未満の子どもを就学前まで継続的に診察し、発達段階に応じた助言や予防接種に関する指導などを行った場合、最大で初診時71 20円、再診時5230円を医療機関に多く支払う。他の病気も抱える認知症患者に対しては、在宅医療や服薬管理などを24時間対応で行うと、最大で月1 回1 万51 50円を支払うようにした。

 薬剤師にもかかりつけ機能を求めている。複数の医療機関にかかり、何種類もの薬の処方を受ける高齢者が増え、多剤服用で副作用が出たり、飲み残しで薬が無駄になったりする例が多いためだ。かかりつけ薬剤師として患者の薬をまとめて管理する薬局への報酬を手厚くする。

 一方、大病院には、高い入院基本料を得るための条件となる重症患者の入院率を現在の1 5%以上から25%以上に引き上げ、より多くの重症患者を受けるよう求めた。治療を終えた患者の早期退院を促すとともに、質の高いリハビリを提供する回復期の病院への報酬も増やした。在宅医療専門の診療所を開設することを認め、休日の往診に対しても新たに報酬を支払う。

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 また、大病院を直接受診する患者に対し、一定の費用負担を求める仕組みを作った。

 軽症患者が大病院に集中すると医師や看護師が疲弊し、重症患者の治療に専念できなくなる恐れがある。安易な受診で地域医療が機能不全に陥るのを防ぐため、かかりつけ医の紹介状なしに大学病院などの大病院を受診すると、そのまま入院となるような重症の場合などを除き、患者に初診で5000円以上、再診で2500円以上の全額自己負担を求めることにした。

 だが、国が描く役割分担は患者から信頼されるかかりつけ医師・薬剤師が身近にいなければ始まらない。絵に描いたもちに終わらせないために幅広い病気に対応できる医師、薬剤師の養成も欠かせない。(赤津良太)

未承認薬も対象「患者申出療養制度」

 診療報酬で未承認の薬や医療機器を、患者の申し出で使えるようにする「患者申出療養制度」も4月にスタートする。

 未承認の薬などを使うと原則、診察や入院費なども、患者が全額負担しなければならない。新制度では、患者の申し出を受け、国内四つの臨床研究中核病院が1 年程度かけて治療の実施計画を作る。国の審査で認められれば、未承認の治療部分だけが患者の全額負担になる。

 臨床研究中核病院の一つ、国立がん研究センター中央病院(東京・築地)は、この制度を含めたがん治療に関する総合的な相談をがん相談対話外来で受け付ける。担当の同病院乳腺・腫瘍内科医長の米盛勧さんは「まず保険診療や治験参加、先進医療などの枠組みで治療できないかを考えた上で、患者が申し出た未承認の治療法を検討する」と話す。

 同制度の窓口は大学病院など全国84の特定機能病院にも設置される。ただ実際の利用は、高額の患者負担などから、限定的とみられる。(渡辺理雄)



https://www.m3.com/news/iryoishin/409611
シリーズ: m3.com×『週刊ダイヤモンド』共同企画「医師&一般人 緊急アンケート」
ドクターショッピング、患者負担増を◆Vol.9
m3.com医師会員【自由意見1】

スペシャル企画 2016年3月26日 (土)配信橋本佳子(m3.com編集長)


◆医療機能の分化:患者教育が不可欠

【病院】
・二次救急の負担が大きすぎる。二次救急で受診する患者の大部分は一次救急のレベルであり、ごくまれに三次救急が入っている。そうすると三次救急の患者の見逃しなども起きやくなる。救急受診の抑制方法も考えてほしい(40代、200床~500床未満)
・(1)救急車は原則有料化とする、(2)救急外来における休日・時間外加算分などは、全額自己負担とする、(3)生活保護患者においても、窓口での医療費負担を強制する(40代、500床以上)
・健診代わりに無駄、過剰な検査を要求する患者が多い。断るとクレームを付けてくる場合もある。検査費用は一律に、いったん窓口で全額自己負担としてほしい。その後の患者への返金は、保険支払機関が決めればよい。つまり保険支払機関の審査は、医療機関への支払い審査ではなく、患者への返金可否を審査する仕組みに変えた方がよい(50代、200床~500床未満)
・「大安に退院したい、週末に退院したい」という患者都合で追加される数日分の入院費は、非保険でよいと思う(40代、500床以上)
・大病院受診が問題というよりは、一人で多数の病院、医院を受診するという行為の方が医療費の無駄が多い(50代、500床以上)
・患者の受診への姿勢によって保険の利率を変える。例えば、自動車免許と同様に、受診予約時間を守らない、時間外受診を理由なく繰り返すなどには、点数を減点し、0点で利率を上げるか、講習を受けるようにする(50代、500床以上)
・認知症の老人介護を放棄するために『腰痛』と訴えて入院させたがる家族が多すぎて問題である。入院の適応がないのに医療費を使っているのが目立つ(50代、200床未満)

【診療所】
・病院ショッピングを行う患者の自己負担を増やす。自由診療の要件を緩める。または自由診療/混合診療を一般の治療でも認めること(40代、診療所)
・患者の複数医療機関受診がある。今後医療機関からの診療報酬請求はオンライン化で重複分を判別し、医療機関から報酬を削減するのではなく、患者から費用を請求するようにしたら良い(40代、診療所)
・日本人は大病院を受診するのが好きです。その国民性を何とかせずに制度だけ変えても現場が混乱します。1軒1軒まわるぐらいの覚悟を持って、医療費抑制のための政策を国民にしっかりと理解してもらってください。後発品に関しては、まず議員、閣僚、官僚とその家族の皆さんは一番安い薬しか使ってはダメ、というところから始めてください。安い後発品は品質が悪いので、ご自身でしっかり体験してから政策に挙げてください(50代、診療所)
・あまりにもイージーに医療機関にかかりすぎ。医療費全体を上げて、敷居を高くすべき。受診者が減れば医師の数も減らし、昔のように医療機関受診は大変なことと認識させるべきである。平均寿命を延ばして認知症の老人の数を増やすのが医療の目的ではない(60代、診療所)

◆大病院の受診規制、かかりつけ医推進:賛成が多数派

【賛成】
・「かかりつけ医」を育てるキャリアパスがない現状で、「かかりつけ医」という患者の受け皿が存在しないのは当たり前。一方、世界に冠たる医療費の低負担国(低負担で最先端の医療を受けられる可能性がある)である日本の現状で、患者が高度の医療を提供し得る大病院に集中するのも当たり前と思います。やはりこの2つ、かかりつけ医の育成と大病院受診に対するインセンティブは医療の持続性を維持する上で必須と思います(現在の講座制で「かかりつけ医」を育てるのは難しいと思いますが)(40代、500床以上)
・集約化と機能分化をもっと促進させるべきでしょう。特定療養費に関しては、救急で来られた場合、かからないのを何とかしないと。救急のコンビニ化が進むだけでは?あと、生保の人は受診し放題なのでしょうか?(40代、200床~500床未満)
・大病院の定義を500床以上から、300床以上などに引き下げるべき。軽症頻回受診する者からの過料など(40代、200床~500床未満)
・大学病院での紹介状無し受診は、もっと初診料を高額にすべき (40代、500床)
・基本的にはどこの病院にも受診できるのが良いのでしょうが、現実的には無理です。かかりつけ医も一人では対処できないので何人かでグループをつくるのが良いのかな(50代、診療所)
・フリーアクセスの制限は必要になっていくと思われる(60代、診療所)
・必要もないのに通院継続させている大病院が多い。近医に転医を勧めるも、主治医が反対しているなど。色々と矛盾が認められる(60代、診療所)
・原則として主治医制度の導入が必要。緊急時にERを利用する(70代以上、診療所)

【反対】
・かかりつけ医から紹介状を貰って大病院にかかると、初診料+紹介料で、いきなり大病院にかかる5000円負担と大差なし。かかりつけ医に行く手間・時間を考えれば、最初から大病院に行った方が得(50代、診療所)
・大病院の受診時定額制を導入しても、大病院指向の人は大病院を受診するだろう。この制度を認めてしまうと、将来、厚労省の言う「かかりつけ医」以外に受診する際には定額負担を求めるようになることが懸念されるので、この制度には反対である。医療費抑制はある程度必要な部分はあるが、高齢者が増えれば医療費がかかるのはやむを得ない。防衛費や米軍への思いやり予算など削れる財源はあるはず。法人税減税をするくらいなら、その分を医療、社会保障に回すべきであり、政治の責任は大きい(50代、診療所)

◆医療提供体制に関するその他の意見

【30代】
・差はあって当たり前。頑張らない地域市民にしのぎをけずっている地域と、一緒のサービスなどあり得ない。働かない高齢者への優遇はあってはならない。小学校から選挙権を持たせ、子供にお金が回るようにする(30代、200床~500床未満)

【50代】
・病院経営が悪化する中、経費をかけられず、メディカルクラークがいない中で、診療時間内に今より多くの紹介状を書くのは難しい。高齢化や社会・制度の谷間に落ち込んだ患者の社会的入院がある中で、入院期間を短縮するのは、受け皿のシステムを作らない限り限界がある。大病院=ブランドという患者意識をどうやって転換するのかなど、難問山積(50代、200床未満)
・医療費削減のために病院と介護施設の中間的な施設 (例えばナーシングホームのようなもの)をもっと作ればいいと思います(50代、200床~500床未満)
・人口減と税収減でコンパクトシティ構想が進む中、どの地域に住んでいても均一な行政、医療サービスが享受できるという意識は捨ててほしい。僻地では全能医が求められるが(眼科医が盲腸の治療をするなど) 、医師は全科に全能な訳ではない(50代、200床~500床未満)
・いわゆる大病院と言われる施設の医療レベルが必ずしも高いわけではない。特に大学病院(50代、診療所)
・フリーアクセスの制限をし、一定以上の受診は自費とする。インフルエンザの検査や治療薬を市販する(50代、200床未満)
・入院期間について:急性期で改善が早い患者さんは、短縮可能のケースもあるが、慢性の重篤な患者さんの入院期間は、短縮できないことが多い。制限をつけると受け入れ先がない(50代、200床未満)

【60代】
・開業医数の地域制限はすべきで、やはり在宅診療所を地域包括で整備すべき(60代、200床~500床未満)
・患者は生きている人であることを忘れずに。 急性期病院の負担軽減のために、定額制の療養病床でも急性変化に対して出来高算定を認めて、急性期病床に転送せずに治療を行える仕組みが必要(60代、200床未満)



https://www.m3.com/news/general/411139
痔の手術後に死亡、賠償命令 病院側に4600万円 千葉地裁
2016年3月26日 (土)配信朝日新聞

 千葉県四街道市にある四街道徳洲会病院で2010年に痔(じ)の手術を受け、4日後に死亡した女性(当時60)の遺族が、病院を運営する医療法人「沖縄徳洲会」などに損害賠償を求めた訴訟の判決が25日、千葉地裁であった。岸日出夫裁判長は、手術後に血液検査をして重篤と判断していれば「生存していた相当程度の可能性があった」として沖縄徳洲会と担当医2人に計約4600万円を支払うよう命じた。

 訴えていたのは、夫ら3人。判決によると、女性は10年1月26日、日帰りで痔の摘出手術を受けた。同28日夜、強い痛みを訴えてこの病院に搬送され、翌29日に人工肛門(こうもん)をつける緊急手術を受けたが、翌30日に敗血症で死亡した。

 原告側は手術時に医師が痔を適切に取り除かず、女性が下半身の痛みを訴えたのに29日の緊急手術時にも、担当医が麻酔後の神経障害を疑って血液検査を怠り、敗血症に気づかずに死亡したと主張した。岸裁判長は、手術での過失を認めなかったが、血液検査については「縫合不全を含む重篤な疾患の可能性を検討するためにも、検査すべきだった」と過失を認めた。


  1. 2016/03/27(日) 05:46:39|
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3月24日 

https://medical-tribune.co.jp/news/2016/0324503057/
日医の被災地支援活動が終了
仮設の高田診療所(陸前高田市)閉所で

健康・公衆衛生 | 2016.03.24 18:45 Medical Tribune

 東日本大震災で,市内の多くの医療機関が被災し壊滅状態にあった岩手県陸前高田市。その医療体制の窮地を救う役目を担っていた岩手県医師会高田診療所が,4年8カ月の務めを終えて3月20日に閉所された。3月23日の記者会見で日本医師会(以下,日医)は,同月15日に開催された第12回日医理事会において,同診療所の閉所をもって東日本大震災における日医の被災地支援活動を終了することが了承されたと,日医常任理事の石井正三氏が報告した。

 被災直後のDMAT(災害派遣医療チーム)からJMAT(日本医師会災害医療チーム),JMATⅡへと引き継がれてきた被災地医療だが,JMATでは延べ6,054人,JMATⅡでは延べ6,574人の医療者が登録,派遣されてきた。特にJMATⅡでは医師数が3,912人と多く,日医からは被災前から恒常的にあった東北地方の医師不足を反映したものだという説明もなされた。

 昨年(2015年)4月からのJMATⅡの状況を見ると,岩手県の高田診療所に岩手県医師会から153人,宮城県の公立志津川病院南三陸診療所に栃木県医師会から4人が派遣されていた。南三陸診療所は昨年11月末に閉所(翌月,南三陸病院として開設),そして今月20日に高田診療所が閉所となり,正式に東日本大震災におけるJMAT活動の終了が決まったという。日医会長の横倉義武氏は「(被災)地域の医療機能が回復してきたということだ」との見解も示した。岩手県では,県立病院への心療内科の支援を継続していくが,JMATを介しての支援は予定されていない。

 また,被災地への直接的な医療支援が終了した現在,災害医療に対する今後の日医の取り組みとして,①災害対策基本法上の「指定公共機関」の指定②被災者健康支援連絡協議会の開催③災害医療コーディネート研修の共催④東京オリンピック・パラリンピック対策-など10以上の項目も公表された。

(川崎智文)


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https://www.m3.com/news/general/410466
病院に220万円賠償命令 事故で搬送の女性死亡
2016年3月24日 (木)配信 共同通信社

 2010年に福井市内で交通事故に遭った女性=当時(78)=が、搬送先の医療法人厚生会「福井厚生病院」(福井市)で死亡したのは、医師の措置が不適切だったためとして、遺族が約1650万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、福井地裁は23日、訴えを一部認め、病院側に約220万円の支払いを命じた。

 林潤(はやし・じゅん)裁判長は判決理由で「適切な検査をすればシートベルトの圧迫による肝損傷を把握し、転院などの措置を取れた可能性がある」と判断した。

 病院側は取材に「司法判断を重く受け止めたい」とコメントした。

 判決によると、女性は10年2月8日、夫が運転する車の助手席に同乗して福井市内を走行中、交差点でトラックと衝突し、厚生病院に搬送された。腰部打撲と診断され、いったん整形外科に入院。血圧が低下するなどしたため、外科に移し再検査したが、同日午後、肝損傷による出血性ショックで死亡した。



http://mainichi.jp/articles/20160324/ddl/k18/040/265000c
損賠訴訟
厚生病院に賠償命令 女性死亡「措置不適切」 地裁 /福井

毎日新聞2016年3月24日 地方版 福井県

 2010年に福井市内で交通事故に遭った女性(当時78歳)が、搬送先の医療法人厚生会「福井厚生病院」(福井市)で死亡したのは、医師の措置が不適切だったためとして、遺族が約1650万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、福井地裁は23日、訴えを一部認め、病院側に約220万円の支払いを命じた。

 林潤裁判長は判決理由で「適切な検査をすればシートベルトの圧迫による肝損傷を把握し、転院などの措置を取れた可能性がある」と判断した。

 病院側は取材に「司法判断を重く受け止めたい」とコメントした。

 判決によると、女性は10年2月8日、夫が運転する車の助手席に同乗して福井市内を走行中、交差点でトラックと衝突し、厚生病院に搬送された。腰部打撲と診断され、いったん整形外科に入院。血圧が低下するなどしたため、外科に移し再検査したが、同日午後、肝損傷による出血性ショックで死亡した。



https://www.m3.com/news/general/410455
診療報酬詐欺事件、「日医としても反省」横倉会長
2016年3月24日 (木)配信 高橋直純(m3.com編集部)

 タレント女性医師が診療報酬詐欺で逮捕されたことを受け、日本医師会の横倉義武会長は3月23日の定例記者会見で「医師としての品位保持に努めることは社会および医師集団に対する信頼を維持する基盤であり、 (逮捕された女医は)このような意識が欠けていた」と指摘。「日医として今回の事件を反省し、より倫理観の醸成を強くすべきと強く思った」と述べた。

 診療報酬を不正受給したとして、警視庁は3月9日、医師でタレントの脇坂英理子容疑者を詐欺容疑で逮捕した。脇坂容疑者はテレビのバラエティー番組に「タレント女医」として出演していたこともあり、世間の注目を集めている。脇坂容疑者は東京女子医科大学出身で、同大医師会を通じて東京都医師会、日医の会員だった。

 横倉会長は「当人は容疑を否認しており断定的なことは言えないが、事実なら国民と医師の信頼関係を損ない大変遺憾」と述べた。また、タレント活動は医師の職務でなく是非を言う立場にないと前置きした上で、「医師であることがタレントしての大きな要素であった。医師としての品位保持に努めることは社会および医師集団に対する信頼を維持する基盤であり、(逮捕された女医は)このような意識が欠けていた 」と苦言を呈した。

 また、「日医として今回の事件を反省し、より倫理感の醸成を強くすべきと強く思った」とし、2004年に日医がまとめた「医師の職業倫理指針」の改定作業を進めていることを紹介。2008年に続く3回目の改定で、ほぼ完成しており、4月に国民からパブリックコメントを求めるという。

 一方で、「職業倫理指針は(このような事件を)想定しておらず、医学教育をしっかりやらなくてはならない」とも述べた。



https://www.m3.com/news/iryoishin/410505
大学病院の別法人化、教育研究を担保に可能
金田病院、恵寿総合病院、地域医療連携法人制度の活用へ

2016年3月24日 (木)配信 成相通子(m3.com編集部)

 3月23日に開かれた政府の産業競争力会議で、文部科学省が「地域医療連携法人制度」の具体化に向け、同制度に参画する大学附属病院を大学と別法人化する際の要件の方針を明らかにした。年内をめどに告示等で正式に定める予定で、「大学医学部の教育研究に必要な機能の提供」を担保することに主眼が置かれている(資料は、首相官邸のホームページ)。

 また、同日の産業競争力会議には、緑壮会金田病院(岡山県真庭市)理事長の金田道弘氏、董仙会恵寿総合病院(石川県七尾市)理事長の神野正博氏が民間有識者として出席し、2つの病院が地域医療連携推進法人制度への参画を検討していることを明らかにした。金田病院は、近隣の落合病院と地域医療連携推進法人の立ち上げを検討しているという。

 地域医療連携法人制度は、より良い地域医療連携や最適な医療機関の事業運営等を目的として、2015年9月に公布された改正医療法に盛り込まれており、2017年4月に施行する見通し。これまでに、岡山大学病院を中心に岡山市内の複数医療機関が参画する「岡山大学メディカルセンター構想」が名乗りを上げている(『「岡山大学メディカルセンター構想」提言 - 森田潔・岡山大学学長に聞く◆Vol.1』を参照)。

 同制度は、複数の医療法人が参加して統一的な医療連携方針を決定した上で、診療科や病床の再編、医師の共同研修、配置換え、医薬品等の共同購入、資金貸付等が実施できる。大学の附属病院が参加するには、大学からの別法人化が必要で、関係する政省令などの整備が求められている。文科省は別法人化のために必要な要件を告示等で定めた上、それらを満たす大学等を個別に文科大臣が指定するとしている。

 文科省が別法人化の要件として示したのは、(1)附属病院の開設者は一般社団法人とし、定款で「大学医学部の教育研究に必要な機能の提供を行うための病院の開設と管理」を必須の目的と事業に位置付け、大学医学部の教育研究に関する事項についての議決権の過半数を大学設置者が保有する、(2)大学医学部の教育研究に必要な施設としての病院機能を確保するため、大学設置者と附属病院を開設する報じ、地域医療連携推進法人が協定を締結し遵守する――の2項目。

 一方で、地域医療連携推進法人の具体化に向けた動きとして、病院関係者2人が取り組みを説明した。神野氏は、地域医療連携推進法人設立で、事務用品や一般材料の共同購入や患者送迎の共同運航で経費節減が期待できることや、チーム医療に係る教育や研修を共同で行えることなどのメリットを指摘。金田氏は「単独のダウンサイジングでは限界が近く、民間病院の統合は極めて困難」として、同制度のメリットを強調した上で、優先的な基金の配分や税制上の配慮などのインセンティブを要望した。

 また、厚労省が同制度の活用を検討している事例を複数紹介。岡山大学メディカルセンター構想など、大学病院や私立病院などの総合病院同士のグループ化のほか、中規模の医療法人では、地域の中堅病院間の診療科目の分担や職員の相互交流、患者の電子カルテの統一を中心とした連携、給食サービスの共同化を中心とした連携などを検討している。また、総合病院と診療所、介護施設を中心に総合的なコールセンターを設置し、連携促進を検討している例や、がん治療専門の医療法人同士が、薬剤の共同購入や高額医療機器による治療の連携等を検討している例、自治体病院の改築に合わせて他の医療法人と地域の病院再編を目指す例などが紹介された。



https://www.m3.com/news/iryoishin/408721
シリーズ: m3.com×『週刊ダイヤモンド』共同企画「医師&一般人 緊急アンケート」
「医療費は増加するもの」「削減は必須」◆Vol.7
ダイヤモンド・オンライン会員【自由意見3】

2016年3月24日 (木)配信橋本佳子(m3.com編集長)

◆医療費総額:増やすべき?減らすべき?

【維持・増額が必要】
・医療の費用は削減すべきではなく、その他の歳出面での削減を目指すべきなのではないかと感じます。予算にムダが多すぎる(20代、女性)
・高齢者が増え、若年者が減れば、医療費は増加するもの。医療費削減政策は国民皆保険制度に矛盾する。人口を増やす政策が解決策と考える(50代、男性)
・人の生命に関わる施策は、年齢を問わず差し迫った問題なので、他に優先して充実させるべきです。削減する施策は他にたくさんあると思います(60代、男性)

【抑制が必要】
・健康保険制度を維持してほしいので、ある程度の変更は仕方がないと思う。しかし、医療費がこのまま無制限に上がり続けるのは、制度維持にかかわるし、他の政策に金が回らなくなるので、その辺りの対策があれば、給付削減負担増も納得できる(30代、男性)
・社会保障費の削減は必須で、高齢者の自己負担を増やさざるを得ないと思う。また、医療も商売であるから、持てる者がより良い治療を受けるのは当然(40代、男性)
・国家財政が破たん状態にあるので、国負担の医療費助成は極力軽減した方がよい。そうでないと次世代にまで負担がかかってますます生きにくい日本になる恐れがある(60代、男性)
・国民にとって痛みを伴う部分もあるが、医療費抑制は今や避けて通れない問題、やむなし(70代、男性)

◆生活保護:無駄あり、無料化の廃止を

・本当に体調が思わしくなく、仕事ができない状態の生活保護者が病院に行くということはよいが、処方薬の転売などしているような生活保護者がいることをどうにか突き止めて、そのような人の生活保護をなくしてほしい。本当に必要としている人は苦しい思いをしているから(40代、女性)
・生活保護の医療費無料化は廃止し、自己負担金、あるいは上限までの自己負担をさせる制度を導入すべき。高齢者の疾病のうち、明らかに生活習慣が原因とする疾病に対し、自己負担率を上げ、薬物治療等が1年にわたり効果が見られない場合は、治療継続を見直すな制度が必要。医療費を一律に削減するのは難しく、無駄遣いと思われる部分のスリム化が大事であると思われる(40代、女性)
・生活保護者の医療費は無料だが、国民健康保険に加入させ、月の保険料は無料とし、受診ごとに1割負担(上限設定)にすべき。過剰診療で医者が儲けている(60代、男性)

◆行政に一言:政策決定プロセス透明化を期待

・現在は、社会保障制度が過度に充実しているため、国や地方公共団体の財政が悪化しつつあるのだと思います。社会保障政策は国民の生活を守るための最小限で最後の砦であってもらいたいです(20代、男性)
・医療にまつわるお金の動きが見えない。無駄や不正、不条理がどこに生まれるのかという検討を、客観的に行ったのか不明(40代、男性)
・決定しているのは困っていない大都会の人々だと思うので、地方の現状が分かっていないと思われる。医療難民が出ないよう、全国均等な施策に近付く努力をしてほしい(40代、女性)
・医師不足、看護師不足、介護士不足など、政府がもっと考えるべき(資格取得に関することに力を入れるなど)。税金の使い方で、見直す所は沢山あるはず(40代、男性)
・病院に勤務する勤務医、看護師の激務は是正すべきだと考えるので、診療報酬の引き上げを含めて、適正な医療を検討すべき。特に高齢者は複数の診療科にかかると、十種類以上もの薬を投薬されており、とても全部服薬しているとも思えない。結果的に廃棄される医薬品に保険が適用されているのかと思うと、ばかばかしくなる。全体として適正な医療と適正な診療費を検討しなければならないのでは?(50代、女性)
・診療報酬改定は日本人の命に係わる重大な問題なので、国民に十分納得してもらえるよう十分な時間を掛けて、進めてほしい(50代、男性)
・診療報酬で政策に誘導するという、まどろっこしいやり方では医療費削減は進まない。法整備とある種の規制は必要だと思う(50代、男性)
・金や人口密度優先ではなく、あるべき医療の姿を考えたい。地方の時代と言いつつも、都市集中となるような施策の延長線とはしたくない(60代、男性)
・医療も介護も場当たり的な施策のみで先が見えません。官僚の言いなりで責任の所在が見えないことに怒りを感じます(60代、男性)
・過疎地域の医療が削減されないような施策を実施してほしい(60代、男性)
・目先の財政論のみが先行し、本来重要な医療政策の基本的な方向性等についての議論が不十分である(60代、男性)
・そもそも医療費削減の前に防衛費、米軍への思いやり予算や国会議員の定数や歳費を削減してから国民の命に関わる医療費削減に着手すべきでは?(70代以上、女性)

※『週刊ダイヤモンド』3月19日号では、今回のアンケート結果を掲載した「全国病院[改革]ランキング」を特集しています。



http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/politics/politics/1-0250073.html
初の地域枠医師、現場に 道、医療担い手確保へ奨学金 来月から帯広など7人
03/24 07:00 北海道新聞

 道が地域医療の担い手を確保するためにつくった「地域枠医師」制度の1期生7人が札幌医大卒業後2年間の研修を終え、4月から帯広市や渡島管内松前町などで働き始める。来年からは、旭川医大卒の地域枠医師も加わる。道は、この制度による地域勤務の医師が10年後に最大160人程度になると見込んでいる。

 2008年度入学の地域枠1期生は当初8人いたが、1人退学した。勤務先は帯広市が23人で、釧路、小樽、江別各市と松前町が1人ずつ。7人は23日、道庁で高橋はるみ知事から「広大な北海道では、医師がいなくて苦労している人が多い。活躍を心から期待する」と激励を受けた。

 帯広に赴任する高石恵一さん(27)=釧路管内白糠町出身=は席上、「道民の税金で大学を卒業させていただいた責任と期待を胸にやっていきたい」と抱負を語った。取材には「小さいころに中耳炎になった時、地元の診療所に『釧路に行って』と言われた。北海道の医師の少ない所で貢献したいと思っていた」と話した。

 道によると、来年4月には札医大卒の13人、旭医大卒の6人が地域勤務に入る予定だ。一方、15年度までに地域枠として219人が奨学金を得たが、3人が退学し、4人が地域枠の利用を取りやめた。いずれも奨学金を返す必要がある。



https://www.m3.com/news/general/410566
福井厚生病院に支払い命令 福井地裁 医療訴訟、原告の主張一部認める
2016年3月24日 (木)配信 福井新聞

 2010年に福井市内での交通事故により負傷した女性=当時(78)=が、搬送先の福井厚生病院(同市)で死亡したのは、医師が転院など適切な措置を怠ったためとして、遺族が1650万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が23日、福井地裁であった。林潤裁判長は原告の主張を一部認め、病院側に220万円の支払いを命じた。

 判決理由で林裁判長は「シートベルトの圧迫があり、肝損傷を疑うことはできた。適切に状態を把握し転院などの措置を取るべきだった」と認定。一方で、適切に転院措置を取ったとしても死亡を防げたとまでは認められないとした。

 判決によると、女性は10年2月8日午前、夫が運転する車の助手席に同乗して福井市内を走行中、交差点でトラックと衝突し、同病院に搬送された。胸などの骨折により整形外科に入院。間もなく血圧が低下したため外科で再検査したが、同日午後、肝損傷による出血性ショックで死亡した。

 遺族の1人は「病院側の過失を認めてもらえた」と話した。病院側は「判決内容を重く受け止めている。判断を尊重したい」としている。



https://www.m3.com/news/iryoishin/410529
シリーズ: 中央社会保険医療協議会
DPCは「ブラックボックス化している」の声も
四病協、2016年度診療報酬改定で要望へ

2016年3月24日 (木)配信 成相通子(m3.com編集部)

 四病院団体協議会(四病協)の総合部会が3月24日に開かれ、部会後に加納繁輝議長が記者会見し、2016年度診療報酬改定を受けてDPC制度について「重症度指数が理解できない」「ブラックボックス化しつつある」との意見が部会で相次いだことから、四病協として厚労省に説明を要望する方針を明らかにした。

 DPC制度に関して特に問題視されたのは、新設された「重症度指数」。診断群分類点数表では反映しきれない患者の重症度を評価するために機能評価係数IIに追加されたが(『DPC見直し決定、診療実態をより評価した体系へ』を参照)、「厚労省の説明会で説明されても、仕組みがよく分からない」「中医協の基本問題小委員会でも十分に議論されておらず、委員も理解できていない」などの批判があったという。

 加納氏は、「厚労省は診療報酬を示すに当たり、データを基に係数を説明する責任がある」と指摘し、重症度指数に関して「中央社会保険医療協議会の場で、しっかり議論してほしい」と要望する考えを示した。

 その他、急性期病床の「重症度・医療看護必要度」の見直しで、「外科系の評価が高く、内科系の評価が不十分」との指摘があり、「内科系疾患の患者を救急で受け付けると、基準を満たせなくなるのではないか」との危惧も示された。四病協として実態調査を行い、地域のニーズに合った基準作りを求めて行く方針。



https://www.m3.com/news/iryoishin/410456
シリーズ: 医療機関の消費税問題
控除対象外消費税への対応、「医療界として一本化」今村日医副会長
非課税維持、診療報酬上乗せ分超額の税額控除を提言

2016年3月24日 (木)配信高橋直純(m3.com編集部)

 日本医師会の今村聡副会長は3月23日の定例記者会見で、医業税制検討委員会の答申を報告し、「初めて医療界として具体的な提案に一本にまとまった」と述べた。控除対象外消費税への対応では、現行の非課税制度のままで「診療報酬で仕入税額相当額として上乗せされている、2.89%相当額を上回る負担をしている場合は、超過額を税額控除(還付)する新たな仕組み」を提言した(資料は、日医のホームページ)。

 医業税制検討委員会は2014年9月から議論を始めており、四病院団体協議会の会員も参加している。日本歯科医師会、日本薬剤師会からも答申への賛同を得ているとし、今村氏は「初めて医療界として具体的な提案に一本にまとまった」と強調した。控除対象外消費税に関して、答申は「医療界側で一本化した解消策を提言できず、それが立法当局の解決の先延ばしに口実にも使われていた」と分析している。

 答申は(1)控除対象外消費税の解決策、(2)医療法人税制の課題、(3)予防医療に関する税制の諸課題――の3部構成になっている。

 消費税に関しては、2017年税制改正に当たって、「現行の非課税制度を前提として、当局が診療報酬に仕入相当額として上乗せしている2.89%相当額を上回る、仕入消費税額を負担している場合には、その超過額の税額控除(還付)を認める新たな制度を提言する」としている。病院などが大規模な設備投資を行った際には全額控除で きる。さらに、課税制度への変更による、現在診療報酬に上乗せされている消費税分のいわゆる「引きはがし」を心配しなくて済む、と指摘している。

 消費税率の10%への増税を巡っては延期の可能性も取り立たされているが、今村副会長は「消費税が上がらないかもしれないから、このような要望にしたということはない」と述べた。

 「医療法人税制」では、「持分あり医療法人出資に対して、非上場株式等に係る納税猶予制度の準じた制度の創設」を提言。「予防医療」については、現在の医療費控除は「診療または治療の対価」が対象になっているが、予防医療の重要性が高まっているとして、インセンティブ確保のためには対象の拡大を訴えていく必要があると提言した。



http://mainichi.jp/articles/20160324/ddl/k06/040/007000c
米沢市立病院
署名9837人分、市長に提出 精神科存続求める会 /山形

毎日新聞2016年3月24日 地方版

 米沢市立病院精神科が23月末で休止になる問題で、市民団体「米沢市立病院精神科の存続を求める会」が23日、中川勝市長、海老名悟議長、渡辺孝男病院長宛てに9837人分の署名を提出した。1月28日から1万人を目標に障害者支援施設や町内会、街頭などで訴えたが市民の関心が高く、ほぼ目標通りを集めた。追加分は後日、提出するという。【佐藤良一】

 黒沢巌代表世話人は「閉鎖の期日が迫っているが、重症の患者はいまだに行く先が見つからずにいる。何とか精神科の継続を模索してほしい」と中川市長に要請した。転院した市内の女性は「市立病院には精神科の他に内科と婦人科もあり安心して通院できた。転院先を紹介されたが先生も薬も代わり不安でいっぱいだ。一日も早い再開をお願いします」と訴えた。同会は、精神科診療の空白を作らない対応策も今後、提案するとしている。

 中川市長は「市民の思いとして重く受け止める。医師確保に努めてきたがなかなか難しいので、民間との連携も視野に入れている。何とか地域の中に精神科病床を消さないように努めていく」と答えた。同病院は医師確保のため、今月中にインターネットの医師求人サイトで全国公募する準備を進めている。

 同病院総務課によると、昨年12月に約1500人いた入院・外来患者の転院先(3月23日現在)は、市内のクリニック781人 ▽置賜地域の医療機関315人 ▽村山地域の医療機関45人 ▽他診療科へ296人 ▽診療中止40人−−などという。

 同病院は休止中の対応について、4月から1カ月半、常勤医1人を確保して転院先の紹介を続けるとしている。これとは別に、渡辺病院長は17日の市議会で、「てんかん外来は私が、小児の精神疾患は小児科が診療する。一般病棟患者の心のケアは山形大医学部と置賜総合病院から各1人の支援を週2回受けることになる」と明かした。

 また、市は、9日から診察が受けられないデイケアの希望者を南陽市の佐藤病院へ送迎を始めた。29人乗りのマイクロバスで平日に2往復し、1年間運行するという。



http://www.asahi.com/business/reuters/CRBKCN0WQ0O0.html
焦点:「ブロックバスター」の薬価引き下げ、対日投資に冷水も
2016年3月24日17時28分 朝日新聞

 [東京 24日 ロイター] - C型肝炎の完治が見込める画期的な新薬が異例ともいえる大幅な薬価引き下げの対象となり、製薬業界が反発している。薬価引き下げは財政を圧迫する医療費削減につながる一方で、企業の収益にマイナスとなる。日本市場での新薬開発の魅力が薄れれば、投資の優先順位が後退する懸念があり、医療ビジネスを成長産業と位置付ける安倍晋三政権の戦略に逆風ともなりかねない。 

 <C型肝炎治療薬、30%超の薬価切り下げ> 

 焦点となっているのは、米ギリアド・サイエンシズが売り出したC型肝炎治療薬「ソバルディ」(昨年5月に日本発売)と配合薬「ハーボニー」(昨年9月発売)。副作用が少なく、経口で約3カ月で治療できる点に特徴がある。これまでC型肝炎の治療の主流はインターフェロンで副作用が強かった。

 売上高1000億円を超える薬は「ブロックバスター」と呼ばれ、その実現に各社はしのぎを削る。IMSの医薬品市場統計によると「ソバルディ」の昨年の売上高(薬価ベース)は1117億円、「ハーボニー」は1176億円。発売から1年未満でブロックバスターとなったことからも需要の大きさは読み取れる。

 しかし、この異例とも言える売上げが、大幅な薬価切り下げを招いた。

 政府は今春の薬価改定から「特例拡大再算定」という制度を導入。「年間販売額1000億円超・1500億円以下、かつ予想販売額の1.5倍以上」の品目は最大25%、「年間販売額1500億円超、かつ予想販売額の1.3倍以上」の品目は最大50%の価格引き下げを行う。

 血小板薬「プラビックス」(サノフィ)、抗がん剤「アバスチン」(中外製薬 <4519.T>)とともに「ソバルディ」、「ハーボニー」が「特例拡大再算定」の対象となり、この2品目は3割超の薬価切り下げとなった。

 <国民皆保険維持とイノベーションの板挟み> 

 「特例拡大再算定」は「皆保険を維持するための例外的な制度」と位置付けられるが、昨年後半に導入が議論された時から「革新的で成功した新薬に対するペナルティに他ならない」(米国研究製薬工業協会)など反対意見が相次いだ。

 「急にルールの提案が出て、急に実施された」(日本製薬工業会の川原章専務理事)という声も聞かれ、事業を進める前提条件が変化したことに対する不信感も渦巻いている。

 「ハーボニー」のように病気の完治が見込める医薬品は将来的に患者の数が減っていく可能性がある。発売開始時点で売上高が想定を上回ったからと言って薬価が大幅に切り下げられれば、企業は投資回収の機会を失いかねない。

 製薬協の川原専務理事は、C型肝炎が肝硬変や肝がんに進行して、さらに膨大な医療費がかかることもあるなか、12週間で完治が見込め、その後、健康な生活も可能となる薬剤に対する「価値」をきちんと考慮すべきと指摘する。 

 <日本への投資回避に懸念> 

 医薬品の候補として研究を開始した化合物のうち、新薬となるのは3万分の1と言われる。各社とも限られた研究開発費を投入するに当たり、どの市場が最も大きい投資リターンを期待できるか優先度を検討する。

 特に、世界各国で事業を展開している大手外資系製薬メーカーにとっては、日本は多くの市場のひとつに過ぎず、収益の先行きが読めないとなれば、投資の優先度が低下してしまう。 

 ファイザー日本法人の梅田一郎社長は、「イノベーションが適切に評価される市場では、投資が増え、画期的な新薬を継続して創出することができるようになる」と述べ、新薬に対する正当なリターンの確保を強調する。医療費削減に比重を置いた変更が続けば「対日投資減少のリスクが高まる」と懸念する。

 この他にも、政府の経済財政諮問会議では、現在2年に1回行われている薬価改定を毎年行うことが議論の俎上にのぼるなど、薬価制度をめぐっては不透明な部分が多い。

 日本イーライリリーは、世界同時開発・同時発売を開発の方針のひとつとし、2003年には7.2年あった「ドラッグ・ラグ」を15年には0.8年に縮めた。

 パトリック・ジョンソン社長は「薬価制度の予測可能性と安定性がなくなれば、投資は他国に行ってしまう。薬価の毎年改定が実施されれば、日本の投資に影響を与えるし、日本イーライリリーの成長にはマイナスの影響を与える」と述べ、2020年に日本でトップ10入りという目標実現には、安定した制度の維持が必要と訴える。

 薬価算定においては「新薬創出等加算」や「先駆け審査指定制度」など新薬創出を後押しするための制度もあるが、インパクトの大きな薬価引き下げに、業界内では異論が消えない。厚生労働省では「特例拡大再算定」のあり方について、16年度改定以降も検討を続けることとしている。

 (清水律子 編集:宮崎大)



http://www.chunichi.co.jp/article/shiga/20160324/CK2016032402000008.html
病院整備3度目で可決 野洲駅南に設計着手へ
2016年3月24日 中日新聞 滋賀

 野洲市がJR野洲駅南口市有地で建設を目指していた市立病院整備事業をめぐり、二十三日の市議会本会議で病院整備の基本設計費を含む二〇一六年度一般会計予算案が賛成多数で可決された。病院関連予算はこれまで二度、本会議で否決されていたが、ようやく事業のめどがついた。山仲善彰市長は「ほっとしました」と安堵(あんど)の表情を見せた。

 本会議では、基本設計業務委託料などを盛った八千百八十五万円を含む一般会計予算案を審議。「予算案が三度目の正直として提案されたのは、市立病院実現を願う多くの団体や市民の後押しがあったから。病院整備は市民の切なる願い」などと四人が賛成討論。一人が「経営形態を市の直営とすることは国の公立病院改革プランが目指す方向に即していない」と反対討論した。採決の結果、賛成十一、反対七で可決された。

 昨年十一月の本会議で採決前に退席し、今回は賛成した岩井智恵子市議は本会議後の取材に「市立病院実現を願う多くの市民の署名やこのままでは危機的な状況になる、との医師会の訴えを聞いて判断した」と話した。

 山仲市長は「市立病院に賛同する市民からの一万数千人の署名があった中での可決で、重い。慎重に進めていきたい」と話した。

 民間の野洲病院は、市がこれまで通り支援を続け、市立病院完成時に法人を解散することが理事会で決まっている。岡田裕作院長は市立病院への移行を想定し「駅前での整備を認めていただき、実現に向けて第一歩を踏み出せうれしい。どういう医療体系にもっていくかは市と協議しながら進めたい」と話した。

 (前嶋英則)

 <野洲市立病院整備計画> 市が支援する民間の野洲病院が5年前、施設の老朽化、基幹施設の耐震化工事の必要性などを理由に、市に公設民営化を打診。市は中核病院の必要性や市民病院として運営が可能かなどを医療関係者らと協議し、採用しがたいと判断。市立病院を整備、直営することを決めた。病院整備の基本設計費を盛った予算案は、財政的理由や駅前建設に反対する声が大きく昨年5月と11月の本会議で否決。一時、計画は頓挫したが、病院実現を願う市民や開業医らの署名、要望を受け、再提案された。病院は9診療科、病床数199。総事業費86億円で、2020年の開院を目指す。



http://www.yomiuri.co.jp/local/nagasaki/news/20160324-OYTNT50059.html?from=ycont_top_txt
松浦市移転案に一定の評価 病院側理事長が市長と会談
2016年03月25日 読売新聞

 佐賀県伊万里市の伊万里松浦病院の移転問題で、病院を運営する独立行政法人「地域医療機能推進機構」(本部・東京)の尾身茂理事長は24日、誘致を表明している松浦市の友広郁洋市長と市役所で会談した。尾身理事長は同市への移転案に一定の評価を示し、現状のままでは伊万里市内での存続は難しいとの考えを明らかにした。


 機構は昨年2月、病院周辺の人口減による収入の落ち込みや施設の老朽化などを理由に、伊万里市に旧市民病院跡地への移転案を提示した。しかし、地元医師会の反対で計画が進まず、昨年9月に松浦市に受け入れを打診。同市が市中心部の市有地を無償貸与する方針を示す一方、伊万里市は現地建て替えによる市内存続を要望している。

 会談は非公開。終了後に記者会見した尾身理事長によると、松浦市への移転案については、患者の約4割を同市民が占めることから「自治体は違うが、一体の医療をしている」との認識を示し、伊万里市が求める現地建て替えは、市街地から離れていることを課題として挙げたという。

 尾身理事長は移転先の最終判断に向け、25日には伊万里市の塚部芳和市長と意見交換する予定。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/48409.html?src=catelink
医療費適正化計画の基本方針、31日に告示- 厚労省
2016年03月24日 22時00分 キャリアブレイン

 厚生労働省は24日、社会保障審議会医療保険部会(部会長=遠藤久夫・学習院大経済学部教授)で、早ければ2017年度に始まる第三次医療費適正化計画の基本方針の改正内容を報告した。今月上旬まで募集したパブリックコメントの結果を踏まえたもので、病床の機能分化や連携、地域包括ケアシステムの構築による医療費の削減額を目標とするよう、都道府県に求めることが最大の特徴だ。同省では31日に基本方針を大臣告示する。【敦賀陽平】

 現行の基本方針では、平均在院日数の短縮や生活習慣病の予防の効果を想定し、医療費を推計することになっているが、新たな基本方針では、病床の機能分化と連携の成果を踏まえた入院医療費の見込み額を盛り込むよう求める。

 また、外来医療費については、特定健診・特定保健指導の実施率(それぞれ70%以上、45%以上)と後発医薬品の数量シェア(8割以上)の政府目標を達成することを見込んだ医療費を推計した上で、一人当たりの医療費の地域差を縮めるよう促す。

 現行の方針では、平均在院日数の短縮を目標とするよう求めているが、厚労省では「現時点で目標とすることは考えていない」としている。

 現在、各都道府県で地域医療構想の策定作業が進んでいることなどから、同省ではその内容も踏まえ、今年夏をめどに基本方針を一部改正し、医療費を推計するための算定方法を示す方針だ。

■療養病床の新類型で専門部会設置へ

 この日の部会で厚労省は、17年度末で設置期限を迎える医療療養病床(25対1)と介護療養病床の在り方を協議する専門部会の設置の準備を進めていることを明らかにした。

 同省の検討会は1月、現行の病床に代わる選択肢として、施設内に医療機関を持つ「施設型」と、居住場所と医療機関の「併設型」の2つの類型案をまとめており、専門部会では、人員配置や施設基準など、具体的な制度設計がテーマとなる。開催時期は未定だが、同省では設置後、月1回程度のペースで会合を重ね、年内の取りまとめを目指すとしている。



  1. 2016/03/25(金) 05:48:49|
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3月23日 3.11震災関連 

https://www.m3.com/news/iryoishin/406386
シリーズ: 東日本大震災から5年
【福島】「天災以上に人災に苦労」「除染をやめてほしい」◆Vol.16

医師調査 2016年3月24日 (木)配信 高橋直純(m3.com編集部)

Q 東日本大震災からの復興に関して、行政や医療界に望むこと、広く知ってもらいたいことなどがあれば、ぜひともご記入ください。
【福島県】

・医療人や研究者の二次被災は、意外に多いので、押しの強い、詐欺的な人への過度の信頼が、裏切られる事態が、頻繁に生じている。醜態を隠そうとする偽善支援者が、二次被災を悪化させるということは、大学関係者に往々にして観察される。東北医科薬科大の新設が、偽善者の増産につながることがないように、注意していただきたいです。
・無駄遣いだらけ、実状に合っていない。
・住民がかなり減っている。代わりに除染業務の人が関東や関西からたくさんやってきています。除染の人は、ガラが悪く、健康保険に加入していないとか、問題をいろいろ持っています。除染を行っても、あまり効果がないので、除染をやめてほしいです。お金が無駄になっているだけと思います。
・医局制度の復活、ある程度の強制的出向がなければ、自由意思のみではどうにもならない。赤字なので給料も低い。経営者がある意味、やり手でない病院は確実に淘汰される。
・被災地域の医療問題、医師不足をしっかり伝えてほしい。対策を早急に取ってほしい。
・人手不足の被災地をさらに窮地に追い込むような専門医制度をこの時期に始めたこと。
・良いことしかいわない行政にびっくり。
・除染特需となり、誰かの懐に血税が転がり込んでいるのをみると腸が煮えくり返る。
・いわき市の医師・看護師は不足している。
・現場で困っていることをもっと積極的に取り上げてほしい。
・療養病床の縮小は当地方の実情にそぐわない。
・復興予算は箱モノや「イベント」に費やされ、建設業界などは潤った。しかし、一次産業が大きな被害(風評被害も含め)を受け、回復しそうもなく、高齢化や後継者難は拍車がかかっており、福島県GDPは復興予算が尽きれば先細る運命。患者減は人口減に伴うもので、震災がなくても、自然減は免れなかったのだから、加速しただけ。医療再編は、高齢化への取り組みにほかならない。あたりまえのことだ。「震災がらみ」でオブラートにくるんでも、現実は厳しい。
・復興大臣は医療に関しては何も手を付けていない。分からないから仕方がないでは、医療は疲弊する。医師不足は国が主導で改善しなければ変わらない。
・低線量被曝よりも喫煙の害の方が大きい。罰則付きの受動喫煙防止法を制定すべき。
・風評や無理解による女性職員の離職が残念。
・パニックを避けるためとはいえ、放射性物質が飛散している時に、マスコミも行政も情報を隠していた。そのため多くの人が屋外で被ばくした(水の配給を受けたり、買い出しの際、一番飛散していた時期に無防備で)。放射性ヨーソの被ばくなので、どれだけ被ばくしたかは誰にも分からない。これから5年が非常に気にかかる。
・震災から5年も経過した現在、除染が必要かどうか?
・低線量被曝に対する不安が科学的に妥当なものか否か、判断が困難なことと、不安に対する対処方法は個人差が大きく、適切な対応には熟練を要すると感じています。
・現場で骨身を削っている医療者のことを本気で考えないと、福島県の医療は(特に民間の施設は)崩壊すると思うし、その実感がますます強くなっている。
・被災して大変な思いをしている方々も多い。その一方、被災者への給付金がこれまでの収入を上回っているとかで、タクシーで登校する子供、働かずパチンコ三昧の大人、「被災者なんだから優遇しろ」という人・・・いろいろ考えさせられます。
・天災以上に人災のもたらした影響に大変苦労している。
・何も望まない。
・私の災害医療総合学習センターでは学生のみならず医療職・行政保健職に積極的に情報提供を行いつつ、地域住民とのコミュニケーションを小さなコミュニティレベルでも推進している。住民だけでなく、医療・保健職も放射線健康影響について考えることを避けたまま当初の認識(影響が出るに違いないという思い込み)が固定したままになっている。今後、避難者住宅支援の変更や避難区域解除に伴い、県外に避難した住民の帰還が加速することが予想されるが、県外避難者の多くは県内在住者にまして福島の実態を知らず、震災直後の認識のままの方が多い。医療職が最も住民の放射線健康不安に密接に接するべきであり、かつ期待されているにもかかわらず、医学・看護教育において放射線健康影響に関する分野は極めて手薄である。地域行政とも連携しながら福島の現場での教育・地域支援を行いつつ、放射線教育を全国に展開すべく積極的に発信していきたいと考えている。
・震災時から変わらず地道に地元で貢献している医師がいることを知ってもらいたい。そのような医師らは決して自ら表舞台に出るようなことはしない。よそから来た復興支援医師が脚光をあびる風潮があるようだが。
・もはや手遅れの感があります。可能なら、これからの復興財源を医療機関の統廃合に使ってほしいと思っています。
・県立大野病院の時もそうだが、このm3だって変だったし原発事故に関しては全部だめ。誰がいつどのように責任を取ったか?使ったのは税金だよ。岩波書店の月刊誌「科学」は必読です。
・SNSや報道による根拠のない放射線障害の風評が、住民の恐怖を煽り、疾病を増加させている。
・福島県の医師(silent majority)が堪えていることを知ってほしい。現在も助けが必要であることも。
・医療関係者の無知が多い。
・失望している。
・生鮮食料品、水産物の風評被害がまだある。また、医療従事者不足がまだまだある。人口減をストップしてほしい。
・何を言っても無駄。絶望している。
・地方病院の医師やスタッフのマンパワー不足、偏在化が深刻化していること。
・震災復興の中で自治体当事者たちは、結局震災前の法体制で医療資源は集まり、状況がどう変わろうと規制に従い、行政が求める形で各医療期間が協力を惜しまないものだと、思い込んでいる節がある。被災した県の行政ですら、この“もんだ族”が跋扈していることを懸念します。これじゃ、被災地外での風化など、止めようはないでしょう。
・行政にもっと本気で廃炉問題・風評被害解消を解決してほしい。強権発動もやむを得ない場合それをすることも行政の義務だと思う。
・震災の影響で大変だというのが世間の印象で、何かと「被災地のために」というのを聞きますが、世間で思われているほどひどくない、というのをむしろ知ってほしいです。福島市や郡山市は影響は皆無ですし。被災地では一部の人達は大変かもしれませんが、賠償金のおかげで外車率がとても高いとか、パチンコ屋が大繁盛しているとかそういうマイナスの影響も公平に伝えてほしいです。出身者としてはそういう面で「賠償金で生きていけるという道が本当に復興に繋がるのか?」と危惧しています。医療に関しては、原発地域はもともと過疎地域だったわけで、通常の過疎地域のレベルを超えることは難しいわけです。大変ではありますが、それは通常の過疎地域が抱えることと同じ問題だったりします。
・福島は元気であること。
・復興が進んでいないのに東京オリンピック誘致は早すぎた。東北地域の復興のスピードを遅らせている。
・子供たちの甲状腺検査は進められているが、住民全体の健康調査が必要。
・医師不足は新しく医学部を作ったり、地元優先枠で入学させることでは問題解決にはならない。被災地や東北で働く意欲、モチベーションが上がるように賃金や教育環境など含めた環境整備が今、現在仕事をしている人たちに対して必要と思われる。除染作業員の質が余りにも悪すぎる、犯罪が多い、こんなことなら除染作業なんてやめてもらって結構。
・東電も政府もすでに福島県民を見捨てている。東電には加害者という意識はもうない。このような状況で、原発再稼働を進める安倍政権と各地の電力会社は、国民および立地県民を愚民視している。
・避難準備区域などという曖昧な区域を設定しないで、現場に実際に足を運ぶべきだ。
・絶対的に医師、看護師不足であり 特に若い世代が不足していることによって 50代以上の医療従事者に負担が増している。
・福島県は原発事故による被災が主です。現在除染をしていますが、線量が低いところも高いところも同じように除染しているのは労力と費用の無駄です。原発周辺地区は線量が減っていません。避難した住民は帰宅を諦めています。無理に帰宅可能として、保障を止める行政は国民の生活と財産を守っているとはとても思えません。
・いわき市では、勤務医不足が続いている。特に、神経内科医、呼吸器内科医、腎臓内科医、皮膚科医が不足して困っている。
・全体的に閉塞感がある。国は中央を向いており、取り残され感がある。地方あっての国政と思うが。
・行政は安全を謳っているのなら自主避難者の優遇を止めるべき。県内で働いてまっとうに納税している人間に失礼である。原発避難者への底なしの賠償は止めるべき、住む人間のいなくなった自治体は統合し自治体職員のリストラも進めるべき。住民がいなくなって役場職員だけが残るのは一般企業では考えられない。福島県内の原発賠償とは無関係な人間からすると、底なしの原発避難者への補償を不快に思っている人間は少なくないし、原発乞食を増やすだけで福島県の恥である。



https://www.m3.com/news/iryoishin/409855
シリーズ: 東日本大震災から5年
被災地へ「細く長い」支援、全国の小児科医【被災3県】
学会と被災3県が連携

2016年3月23日 (水)配信 高橋直純(m3.com編集部)

 被災地の小児医療を支援する取り組みが、震災から5年が経っても続いている。日本小児科学会、日本小児救急医学会の支援の下、岩手、宮城、福島の被災3県が合同で取り組む東日本大震災小児医療復興新生事務局(以下「事務局」)による支援医師の公募事業だ(事務局のホームページ)。URLは「細く長く(http://www.hosokunagaku.jp/)」。医師が足りない日に応援に来てくれる医師を全国から募るというもので、少ない人数で奮闘する被災地の医師を支える貴重な力になっている。同事務局のサイトでは、「(受け入れる理由は)全国の皆様に、是非、震災医療、そして地域医療を肌で感じていただきたいからに他なりません。そして皆様とともに地域医療の未来を築いていきたいと思います」と、広く全国の医師に呼びかけている。


公立相馬総合病院
 2016年2月のある日曜日、福島県相馬市の公立相馬総合病院の小児救急に、東京都大田区にある池上総合病院の小児科科長、辻祐一郎氏が応援に訪れた。土曜日午前中の自身の病院での勤務を終えた後、東北新幹線で福島駅に向かう。そこからタクシーに約1時間半かけて相馬市に入り、駅前のホテルに宿泊。日曜日午前9時から診療に入った。帰りは夕方4、5時ごろに病院を出て、帰京する。


辻祐一郎氏
 応援に入ったのはこの日が5回目。日本小児科学会で配られたチラシを見て参加を決意した。「小児科医は東京でも足りてはいないが、被災地の先生が頑張っている中で、ほんのちょっとでも力になれたらという気持ち」と参加の理由を説明する。事務局に参加可能な日を伝えておくだけで、応援を必要とする病院とのマッチングをしてくれるなど、応援医師の負担が少ないことも本事業の長所だと語る。

 応援を受け入れる相馬総合病院小児科長の伊藤正樹氏によると、同病院には福島県立医科大学から4人の医師が派遣されている。そのうち1人をさらに南相馬市立病院へ派遣しており、残る3人で外来と入院を担当している。応援医師が入る日も入院患者の担当で出勤するが、「救急室から出られなくなってしまうことがままある。応援に来てもらえると負担が全然違う」と話す。病院が払う応援医師への日当、交通費、宿泊費の一部は、福島県の復興関連の基金から補助を受けている。

 東日本大震災直後から始まった日本小児科学会、日本小児救急医学会の岩手県気仙地域(大船渡病院、高田病院)支援のスキームを発展させることで、2012年12月から支援対象を3県に拡大し、東日本大震災小児医療復興新生事務局が発足した。全国からスポットで応援に来てくれる医師を募集するというもので、支援対象施設は岩手県5病院、宮城県1施設、福島県3病院。参加希望の医師と各施設の調整は、事務局が主体となって行う。事務局サイトにあるカレンダーには、各施設が募集している日が記されている。病棟業務があるか、白衣の持参が必要かどうかなどの詳細も、病院ごとに記載されている。

 2015年9月末までに3県の病院に対し、124人の医師が計1119日分、本事業を通じて支援に入った。事務局サイトには「みんなのコメント」として、応援医師、受け入れ病院の感想が写真入りで200件近く掲載されている。応援医師からは「少しずつ回復してらっしゃる印象をうけましたが、同時にまだまだ、時間がかかる印象をうけました。地域の医療にわずかではありますが、かかわらせていただければと思います」「現場の先生方から震災当時のお話をたくさん伺えたことが大変ありがたかったです」など支援に入った印象、病院からは「当地域から石巻までの移動時間だけで、5~6時間かかりますので、先生の精力的な活動には心から感服しております」といった言葉が並んでいる。

 何度も応援に入るうちに事務局を通さず直接病院と連絡を取り合う場面も多くなっているほか、応援医師が地元医師会で講演を依頼されることもあるという。支援募集をきっかけに常勤医師として定着したケースも4件(岩手3件、福島1件)あった。被災地と全国の医師をつなぐ回路になりつつある。


伊藤正樹氏
 相馬総合病院では南相馬市からの避難者などで患者数は増加傾向にあるが、小児科の常勤医数は震災以前から3人であることは変わらない。伊藤氏は「当初は、大震災の被災地を皆で助けようと始まったものだが、今では、それを昇華させて、へき地医療への支援事業にもなってきている。支援に来て下さる先生がいるということで、現場で働く医師の気持ちはとても楽になる。被災地に限らず、医療過疎の地域に派遣できる事業になればいいと思う」と展望を語る。

 全体の事務局代表を務める岩手県医師支援推進室の福士昭・医師支援推進担当課長も「この3県はもともと医師不足や医師の地域偏在が深刻であったが、震災からの復興を通じて、地域医療確保の重要性に注目してくれる方が全国にいた。より多くの先生に関心を向けてほしいという状況は変わらない。細く長く続けていけたらと思っている」と話す。

東日本大震災小児医療復興新生事務局


  1. 2016/03/24(木) 06:20:31|
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3月23日 

https://www.m3.com/news/iryoishin/409060
シリーズ: 中央社会保険医療協議会
一番時間を割いたのは7対1の議論- 宮嵜雅則・厚労省保険局医療課長に聞く◆Vol.2
中小病院の経過措置、今後の検討次第

インタビュー 2016年3月23日 (水)配信 聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――改定の内容についてお聞きします。先ほど「今改定で一歩進めていく」と言われましたが、入院医療の関係では、7対1入院基本料の改定が一番の注目点です(『7対1病棟の重症者割合、25%に引き上げ』を参照)。「重症度、医療・看護必要度」は項目が見直され、該当患者割合の要件は、従来の15%から25%に引き上げられました。

 入院医療全般について病床の機能分化を進め、患者さんの病状に応じて、適切な病床で治療を受けていただき、それを評価していくのが基本的な考え方です。急性期医療に限らず、慢性期医療についても機能分化を進めるため、療養病棟入院基本料2で「医療区分2または3の患者が5割以上」という区分を入れたりしています。

 確かに今回、一番時間を割いたのは、7対1入院基本料をめぐる議論です。「看護師さんを7対1配置していれば、いくら支払うか」ではなく、「重症な患者さんが一定数入院していた場合に、7対1の看護師さんを配置していれば、いくら支払うか」が基本になるので、患者さんの状態をしっかり捉えていく必要があります。

 前回の改定でも一歩進めて、「看護必要度」から「重症度、医療・看護必要度」に変更し、該当患者割合を15%に設定しました。今回は、「従来の基準で拾いきれないところは、もっと拾っていこう」という考えが基本。A項目を増やす、B項目を見直す、C項目を新たに追加し、重症の患者さんの受け入れを評価する方針は、支払側、診療側ともにほぼ同意していたと思います。

 基準についても、「A項目2点以上、かつB項目3点以上」だけでは、早期離床を進めると、B項目の点数が下がってしまい、該当しなくなる患者さんが出るという問題があったので、「A項目3点以上」だけの基準を作ったり、「C項目1点以上」として術後の患者さんを拾えるようにした。この見直しに対しても、それほど両側とも反対意見はなかったと思います。

 「重症度、医療・看護必要度」の項目と基準を見直すと、当然ながら該当患者の割合は増えます。従来の15%ではなく、どこが妥当な線かを検討した際、診療側は「20%台の低い方」、支払側は「20%台の高い方」をそれぞれ要望していたので、事務局として調整させていただいた結果、25%に落ち着きました。

――中医協では、支払側は「該当患者割合が25%ということは、75%は該当しない患者が入院していること」などと問題視していました。

 「残りの75%の患者が重症ではない」という解釈は間違っています。「重症度、医療・看護必要度」は、「重症な患者さんの基準」ではなく、「重症な患者さんとして拾う基準」です。例えば、C項目では、開頭手術をした患者については、「術後7日目までは重症」と決めました。しかし、8日目になったら退院できるのか、重症ではないのか、と問われれば、それは別問題。あくまで割り切って基準を作り、この基準に該当する患者さんの割合を25%以上と決めただけです。その拾い方をもう少し幅広くすれば、該当患者割合は30%以上にする、逆にもう少し狭くして該当患者割合を下げる、といった議論も、将来はあり得ると思います。

――7対1入院基本料の見直しに当たって、200床未満の病院については、該当患者割合が「25%以上」ではなく、「23%以上」という、2018年3月末までの2年間の経過措置が設けられました。

 「25%以上は厳しいのではないか」という議論があり、二つの経過措置を設けました。まず、病棟群単位による届出を認め、一般病棟入院基本料の届出において、7対1入院基本料から、10対1入院基本料に変更する際に限り、7対1と10対1を病棟群単位で持つことを可能にしました。しかし、中小病院からは、「こうした仕組みを利用することもできない。利用してもほとんどメリットにならない」といった声があったので、「23%以上」という少し低い基準を設けました。

――経過措置の延長は、あり得るのでしょうか。今後の議論になりますか。

 基本は2年間の経過措置なので、今のままであれば2年後には経過措置は無くなります。ただ別の見方をすれば、2年ごとに診療報酬改定はあるので、2年ごとに経過措置を延長するか、経過措置を変えるのかといったことも含めて議論をしていけばいいと思います。維持期のリハビリテーションも医療保険から介護保険への移行が検討されていますが、2年ごとにその扱いを議論しています。これらと同様に考えていけばいいでしょう。

――今回の改定で、急性期の患者を受け入れる病棟としての7対1入院基本料の評価の在り方は、ほぼ完成したのか、あるいはまだ見直す余地があるのでしょうか。

 今回の答申の附帯意見でも、「今後さらに検証して、必要な見直しを行う」となっています。まずは今の「重症度、医療・看護必要度」が妥当かを検証します。項目や基準を見直すのであれば、該当患者割合を上げる、あるいは下げるという議論は当然出てくると思います。



https://www.m3.com/news/general/410150
遅れで63人死亡 無保険、窓口負担分払えず
2016年3月23日 (水)配信 共同通信社

 経済的な理由で国民健康保険の保険料が払えずに「無保険」状態になったり、保険証を持っていても医療費の窓口負担分が払えなかったりしたために受診が遅れ、死亡した人が2015年に32都道府県で63人に上ったことが22日、全日本民主医療機関連合会(民医連)の調査で分かった。無職や非正規労働者が多く、家族全員が無保険という世帯もあった。

 調査は民医連に加盟する病院と診療所計646施設が対象。担当者は「全体からみれば氷山の一角。働き盛りの世代も増えており、行政による早急な対策が必要だ」としている。

 死亡した人のうち、無保険が22人。保険料を滞納し全額自己負担となる「資格証明書」の発行を受けていたのは6人、滞納で有効期間が短くなる「短期保険証」を持っていたのは8人だった。残る27人は、保険証はあるが自己負担分の医療費が払えない人など。

 雇用形態別にみると、無職が最多の44%。非正規雇用の21%、年金受給者17%が続いた。世帯構成別では36%が「独居」で、「二・三世帯同居」と「夫婦のみ」が各14%。年齢別では多い順に60代が40%、50代は27%となっており、死因はがんが約6割を占めた。

 引きこもりの息子を養いながら印刷会社で30年間働いた60代女性は、リストラされた後、国民健康保険への加入手続きができず、倒れた時には末期の乳がんと診断され、そのまま亡くなった。また、派遣で警備の仕事をしていた50代の男性は給与が月平均7万円で、糖尿病と診断されたが、収入が不安定で仕事を休めず治療できないまま自宅で死亡したという。



https://www.m3.com/news/general/410151
手術誤りと熊本大を提訴 「切除の胃にがんなし」
2016年3月23日 (水)配信共同通信社

 胃がんという誤った診断に基づく手術を熊本大病院(熊本市)で受け、胃の一部を切除されたとして、熊本県の男性(44)が大学に1500万円の損害賠償を求める訴訟を熊本地裁に起こしていたことが22日、分かった。提訴は2月19日付。

 訴状によると、男性は昨年6月、通院していたクリニックで胃がんと診断され、同7月に熊本大病院を受診した。同病院の担当医は入念に検査をする必要があったにもかかわらず怠り、クリニックの検査結果を基に胃がんと診断し、胃の3分の2を切除した。

 しかし、切除した胃からがん細胞は発見されず、がんでなかったことが判明。男性は手術後、食事の際に吐き気を催すようになったと主張している。

 熊本大病院は「訴状の内容を確認中で、コメントを控える」としている。



https://www.m3.com/news/iryoishin/408720
シリーズ: m3.com×『週刊ダイヤモンド』共同企画「医師&一般人 緊急アンケート」
「診療所医師の経歴・実績をオープンに」◆Vol.6
ダイヤモンド・オンライン会員【自由意見2 】

スペシャル企画 2016年3月23日 (水)配信 橋本佳子(m3.com編集長)

◆かかりつけ医:持つべきか否か?意見分かれる

【賛成】
・信頼できる、かかりつけ医が少ないため、多くの人が大病院に行くことになる。信頼できる、かかりつけ医を養成することが必要(50代、女性)
・重篤な症状が無い病人は地元医にかかるようにすべきで、紹介状をもらって大病院へ行く制度には賛成です(60代、男性)
・かかりつけ医を中心にした病気予防体制を構築することが、医療費削減につながる(70代以上、男性)
・「かかりつけ医」をどう定着させるかが、大きな課題です。現状では多くの人が大病院を望みますから(70代以上、男性)

【消極的・反対】
・地域ごとに大病院が個人開業医の役を担っているところもあり、一概に個人診療所をまず使うのはいかがなものか。1回診療を受けるごとに¥1,000をまず払い(年齢、性別関係なく)、その上で診療報酬の上乗せを行うのがよい(60代、男性)
・かかりつけ医師を見つけるのが大変。もっと診療所医師の経歴・実績をオープンに。全ての病状に対応して的確な診断のできる総合医を養成してからにし、かかりつけ医師の診療所と専門病院の区別の制度に進んでほしい(70代以上、男性)
・かかりつけ医を決めろと言われても、高齢になるほど病院通いが多くなり、受診科も多くなるので、なかなかかかりつけ医を決められない(70代以上、男性)
・単独の医師の判断に診療方針を委ねることを、法律で縛ることには賛成できない(70代以上、男性)
・大病院での紹介状制度は反対です。患者の症状や、かかりつけ医療機関から紹介状をもらえないといったケースもあるから(70代以上、男性)

◆医療提供体制: 医療機能の分化、おおむね支持

【30代】
・例えば風邪のような症状の場合、市販薬よりも強い効能を求めて医療機関に行く人もおり、それによって薬価代以外に受診料等、追加コストが発生していると思われます。市販薬について、本人登録および薬剤師の立会いを前提として、効能範囲を広げると、そのような部分が削減できるのではないでしょうか(30代、男性)

【40代】
・不要な外来患者防止策が必要です(40代、男性)
・高齢者の受診については、もう少し負担を増やすか制限を付けても良いと思う。子供の受診については判断できずに受診してしまう場合もあるので、受診時に不要な投薬や治療が発生しないように医療機関側できちんと判断してほしい(40代、女性)
・病院側の改革もさることながら、住民の病院のかかり方、受診の仕方を教育することにも施策を講じる必要があると思う(40代、女性)

【50代】
・医師による技量差がかなりあると感じるので、通院先を決められるのはおかしいと思う。技量、設備、応対など、病院によってかなり差がある(50代、男性)

【60代】
・医療コンサルタントに相談しながら治療を受けるシステム構築(60代、男性)
・大病院に病気の確定をしてもらい、治療は町医者で対応できるよう設備・技術を充実させる補助に切り替える(60代、男性)
・医療費削減のための改善になってほしい。疾病の程度による、かかりつけ医と大病院とのすみ分けが必要(60代、男性)

【70代以上】
・病状や病気の種類により第一次に受診する病院や診療所を決めるシステムをもっと厳密に確立し、病状や病気に適した病院で受診できる体制作りをお願いしたい(70代以上、男性)

◆薬:後発医薬品、意外と高い、使いにくい

・ジェネリックは思ったより安くないのが現実です(50代、男性)
・ジェネリック薬品をもっと増やして医療費を削減したいと思います(50代、女性)
・ジェネリック医薬品を、使える限り、使用している。しかし、貼り薬に 大変使い難いものが有り、正規薬を使わざるを得ない。改良に努力をしていただきたい。削減策は、過剰医療は削減していただきたいが、生命にかかわる治療の削減は、かなりの検討が必要です。風邪や、食べ過ぎ・飲み過ぎなどの日常病は、患者負担率を上昇させるべき。また、医療費とは違うが、救急車のタクシー的使用については、有料化を実施すべし。要請拒否を許さないマスコミ・国民です(60代、男性)
・正規医薬品に比較し、ジェネリックが安くない。また調剤薬局にジェネリック使用料金が入るのがりかいできない(60代、男性)

◆薬:無駄削減の余地あり

・製薬会社が勉強会と称して病院勤務者に行っている便宜提供を止めれば、薬価は大幅に下がると思います(40代、男性)
・合理的な医療費削減(過剰な薬を出さない等)にインセンティブを与える(40代、男性)
・現在診療所ごとに薬局が隣接設置されており、院外処方は無意味となっているので、これを止めて元の院内処方に戻し、処方せん発行手数料などの削減を図るべき(50代、男性)
・無駄な処方をなくすべき、特に高齢者への1疾患に対する複数薬の処方など(50代、男性)
・レセプトデータの一元管理により重複診療や薬剤の無駄を削減する(60代、男性)
・昨年亡くなった母は、長年かかりつけの内科医院がありましたが、残された明細を見ると、長年10種類ほどの薬をまじめに飲んでいたようです。最晩年診てくれたある2つの大病院の医師は搬送された症状とは別に、異口同音に「薬に対して過敏かもしれず、代謝しきれず腎機能が落ちている方が心配」と告げました。水泳も運転もしていた人が、めまいや転倒などをするようになるなど、不思議でした。かかりつけ医がさんざん検査と投薬を繰り返したという不信感がいまだに抜けません。医師側が安易に検査や投薬を重ねることは改めてほしいです。患者への説明や啓発には時間も手間もかかるので、それで済ませる方が簡単だし、お金になるのだと思いますが、それなら、「相談・助言・指導」としても費用を請求できるようにしたらいいのではと思います。患者は不安なので、一番ありがたいのは親身になっての助言です。それが有料でもOKという人達もいると思います(60代、女性)
・地域の医療機関は、安易に薬を多く出す傾向があるように感じられます。この点のチェックは、どのようになっているのかと思います(70代以上、女性)
・薬の投与だけで、医療そのものが、マンネリ化してしまって長期になっている例が多い(70代以上、男性)

※『週刊ダイヤモンド』3月19日号では、今回のアンケート結果を掲載した「全国病院[改革]ランキング」を特集しています。



https://www.m3.com/news/iryoishin/410193
技術評価、全体改定率は101.74%のプラス
「やや不満も前回より良かった」と外保連会長

レポート 2016年3月23日 (水)配信 成相通子(m3.com編集部)

 外科系学会社会保険委員会連合(外保連)の岩中督会長が3月23日に会見し、2016年度診療報酬改定で、医科本体の改定が0.56%のプラス改定だったことを受け、「薬価引き下げ分が本体に充当されておらず、やや不満が残るが、前回に比べればよかった」と一定の評価をした。外保連が医療技術評価で改正や新設を要望した計412件中118件が採用され、手術料の改定率は改定されていない手術も含め全体で101.74%のプラス改定になった。

 また手術料などの医療技術では新たに保険収載された術式が38件、増点となったのが301件で、減点となった術式は無かった。岩中氏は「今回、手術点数が上がったのは、比較的高度で手間がかかる手術。外科医療を担当している外科医にとっては、うっぷんを晴らす結果になったと思う」と述べた。

 瀬戸泰之実務委員長によると、外保連が要望していた412件中、採用された118件の医療技術評価の内訳は、新設要望210件中53件、改正では202件中65件だった。各領域の改定率も全てが100%を超え、瀬戸氏も「おしなべてプラス改定で、まずまずだ」と評価した。

 2014年度改定後に緊急要望項目として厚生労働省に提出した項目では、小児外科の短期滞在手術等基本料3や肥満症治療の腹腔鏡下スリーブ状胃切除術等の点数が見直されたほか、前回の改定で手術時間の短縮から点数を下げられた帝王切開術の点数も引き上げられるなど、5項目で考慮されている。

 ただし、外保連の重点項目として要望していた「手術・処置の休日・時間外・深夜加算」の施設基準の緩和については、疑問が残る結果となった。同加算は2014年度改定で新設され、点数は高いものの施設基準が厳しい。外保連のアンケート結果では算定できる施設は約12%で、大病院に限られていた(『時間外手術の「高額加算」、算定は1割強』を参照)。2016年度改定では、「当直医師が毎日6人以上いる施設」に限り、これまで年間12日以内としていた翌日の手術などの勤務の基準が、24日以内に変更された。瀬戸氏は、「当直医が6人以上いる病院がどれぐらいあるのか。本当に緩和されて算定施設が増えるのか疑問に思っている」と指摘した。

301項目が増点

 手術などの医療技術に関しては、手術委員長の川瀬弘一氏が説明し、「まんべんなく増点や新規採用された印象」と評価した。新たに保険収載されたのは、新しい技術や手術がメーンで、関節鏡下や内視鏡下、腹腔鏡下の手術など。増点された301項目のうち、12術式は27~30%引き上げられた(『手術料、約300項目で最大30%アップ』を参照)。

 外保連では、医療技術の新しい評価軸として、(1)手術を行うベネフィットのスコア化の策定(生命維持・延命効果、QOLの維持・改善効果、医療資源の有効活用)、(2)医療紛争リスク、(3)手術中の緊急度(レベル別、エビデンスの有無により3段階に分類、(4)2つの命を扱う手術、(5)費用対効果――の5項目を2016年度改定に向けた外保連手術試案に盛り込んだ(『「手術時間短縮で減点」回避へ、今秋に要望』を参照)。今回の改定で該当したのは、(1)のうちQOLの維持・改善効果が6術式、(3)の手術中の緊急度が30術式、(4)の2つの命を扱う手術が8術式、(5)の費用対効果が11術式。述べ55術式で、重複するものを除くと49術式だ。


 従来の評価軸では時間の短縮が救命や予後改善につながる手術に対する評価が不十分で、2014年度改定で、帝王切開等、時間短縮した手術が人件費などの観点から点数が引き下げられ、問題になっていた。これに対し、2016年度改定では緊急帝王切開が2万140点から2万2200点に増点。選択帝王切開は2万140点のままだが、前置胎盤を合併する場合や32週未満の早産等の複雑な場合の注として2000点の加算が新設された。

 処置項目では、処置委員長の平泉裕氏が「毎回、処置は考慮される件数が少ないが、今回は意外と考慮の件数が多かった印象だ」と評価。リハビリテーションの推進では、回復期リハビリ料のアウトカム評価の導入や、廃用症候群リハビリ料が新設された。一方で、外保連が要望していた重度の脊髄損傷の患者の気管内吸引の技術、起立性低血圧に対する専門的技術への点数の新設等は無かった。

 今回、高く評価されたのは、外科の基本的な処置となる創傷処置。材料の高機能化とともに費用が高くなっており、点数の増加を要望していた。面積別で5点ずつ増点になった。「点数は十分ではないが、今まで何度言っても評価されなかったので、良かったと考えている」(平泉氏)。また、注目された硬膜外自家血注入は800点と「比較的安い」(平泉氏)設定だが、合併症のリスクも伴うため、当直・緊急手術体制のある有床施設であることなどの施設基準が設定されたほか、学会の画像診断基準に基づいて確実または確定と診断されたものに限って実施するなど、実施基準も設定された。

 検査では、新設は冠動脈バイパス術における術中グラフト血流評価等、改正ではCTやMRIの共同利用施設における加算等の見直しがあり、「全体的には評価できる」(土田敬明検査委員長)とした。

 「残念な結果」と述べたのは麻酔委員長の山田芳嗣氏。要望した新設6件、改正12件のうち、認められたのは1件ずつで採択率が良くなかった。認められずに「極めて不合理」(山田氏)としたのは、麻酔管理料の長時間麻酔加算。長時間麻酔の負荷が最も強い、例えば食道がんの手術や膵頭十二指腸切除術等の手術が適用手術に含まれておらず、見直しを求めたが採用されなかった。



https://www.m3.com/news/general/410194
【山形】政府関係機関地方移転 鶴岡市に一部機能移転 国立がん研、政府方針 診断薬や解析技術開発
2016年3月23日 (水)配信 毎日新聞社

 政府の「まち・ひと・しごと創生本部」が22日に決定した政府関係機関の地方移転の基本方針で、国立がん研究センターの一部機能を鶴岡市に移転することが盛り込まれた。同市にある慶応大先端生命科学研究所と連携し、がんの診断薬や解析技術などの開発に向けて研究を推進していく。がん研のメタボローム研究分野の拠点が、2016年度にも設置される見通しという。

 吉村美栄子知事は22日の記者会見で、「大変喜ばしい。方針に沿って両研究所が連携して行う研究内容や推進態勢の検討をするなど移転に向けて具体的に取り組む」と述べた。さらに、「日本人の死亡原因1位であるがんの予防・治療に関する研究開発を進め、国内外に誇れるバイオ関連産業の創出・集積に努めていく」と力を込めた。

 県は、慶応大先端研に細胞内代謝物質を網羅的に分析する独自の測定技術「メタボローム解析」がある▽既に両研究所ががん研究で連携した実績がある▽県と鶴岡市がバイオ産業振興に積極的――などが評価されたとみている。

 鶴岡市の榎本政規市長は「県とともに進めてきた先端生命科学による研究産業クラスターの形成にとって、また一つ新たな成果への道筋が開かれたものと大きな期待を持って受け止めている」とのコメントを発表した。

 一方、県が政府に提案していた農業・食品産業技術総合研究機構の一部機能の県内移転は盛り込まれなかった。【山中宏之】



http://www.medwatch.jp/?p=8169
病院の一般病床数が前月から726床減少、無床のクリニックも減少―医療施設動態調査(2016年1月)
2016年3月23日|2016診療報酬改定ウォッチ

 昨年末から今年の1月末にかけて、一般病床数は726床減少し、無床の診療所(クリニック)も16施設減少した―。このような状況が、厚生労働省が毎月公表している医療施設動態調査から明らかになりました。

 また、有床診療所の減少にも歯止めがかかっていません。


無床の一般診療所は前月比16施設減、前月も1施設増に止まる

 厚生労働省は毎月、全国の病院・診療所の増減を「医療施設動態調査」として公表しています。

 今年(2016年)1月末の医療施設総数は、全国で17万8300施設。前月に比べて66施設減少しています。病院、診療所、歯科診療所のいずれも施設数が減少しています。特に、増加が続いていた「無床の一般診療所」が16施設減少している点が目を引きます。また、有床診療所は前月から30施設減少しており、減少に歯止めはかかっていません。

 有床診療所の減少は継続しているものですが、無床診療所(前月は前々月に比べて1施設増加)や病院の減少が一時的なものなのか、今後も継続するのか注目する必要がありあそうです。

 病院は8471施設で、前月から4施設減少しました。種類別に見ると、一般病院が7408施設で4施設減少、精神科病院は1063施設で前月から増減なし、都合、4施設の減少です。

 一般病院の中で、療養病床を持つ病院は3841施設(前月から増減なし)、地域医療支援病院は505施設(前月から2施設増加)という状況です。

 有床診療所は7834施設で、前月から30施設減少しました。減少にはまったく歯止めがかかっていません。

 2016年度の診療報酬改定の内容が固まり、有床診の経営に追い風となる項目としては、▽在宅復帰機能強化加算の新設(1日につき一般では5点、療養では10点)▽在宅復帰機能強化加算を届け出ている病院を7対1病院などからの在宅復帰先に追加 ▽夜間看護配置加算の評価充実(加算1、加算2ともに5点引き上げ )▽在宅医療関係の報酬充実―などがあげられます(関連記事はこちらとこちらとこちらとこちら)。これらが4月から運用される中で、有床診の減少に歯止めがかかるのか注目されます。


病院の一般病床は726床減、今後の動向に要注目

 一方、病床数を見ると、2016年1月末の全病床数は167万774床で、前月から1124床と大幅に減少しました。

 このうち病院の病床数は156万4760床で、前月に比べて770床減少しています。種類別に見ると、一般病床は前月から726床も減少し89万2956床に、一方で療養病床は98床増加して32万8901床となりました。平均在院日数の短縮や、入院医療の外来シフトが進む中で、長期的に見て病床の必要数が減少傾向にありますが、これが現実のものになっているのかもしれません。今後の状況を注視する必要があります。

 また有床診療所の病床数は前月から354床減少し、10万5940床となりました。有床診が8000施設を切った2015年8月以降の半年間を見ると、月平均380床強のペースで病床数が減少しています。このペースが続くと、来春(2017年春)には10万床を切ることになりそうです(関連記事はこちらとこちら)。



https://medical-tribune.co.jp/news/2016/0323503044/
子どもの医療費、国保の国庫負担減「早急に見直しを」...厚労省検討会〔読売新聞〕
yomiDr. | 2016.03.23 17:40読売新聞

 厚生労働省の「子どもの医療制度の在り方等に関する検討会」は22日、子どもの医療費を助成している地方自治体に、国が国民健康保険の国庫負担を減額する措置について、見直すよう求める報告書を了承した。

 報告書には「早急に見直すべきとの意見が大勢を占めた」と明記された。政府はこれを受け、5月に策定する「ニッポン1億総活躍プラン」に見直し案を盛り込む方向で調整する。減額措置を廃止した場合、国費で年間約90億円の財源が必要となる。医療費の増大を懸念する財務省は、見直しに慎重だ。


  1. 2016/03/24(木) 06:17:35|
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3月22日 3.11震災関連 

https://www.m3.com/news/iryoishin/406385?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD160322&dcf_doctor=true&mc.l=149120104&eml=3f492a08f1681d66441569ec02c0b51e
シリーズ: 東日本大震災から5年
【宮城】「医療者用の支援物資を」「月に一度でも被災地考える日を」◆Vol.15
被災地の医師からメッセージ

医師調査 2016年3月22日 (火)配信高橋直純(m3.com編集部)

Q 東日本大震災からの復興に関して、行政や医療界に望むこと、広く知ってもらいたいことなどがあれば、ぜひともご記入ください。

【宮城県】


・医師の数を増やす必要はない。

・復興担当大臣は東北に常在すべき。

・特にありません。みなさん頑張ってきたし、今も頑張っていると思います。

・公営住宅や住居をたくさん作っていますが、本当に必要か疑問です。必要かどうか何度も再調査してから柔軟に対応してもらいたいです。

・震災時に情報を共有できないということは 世間が悲惨な状況を知るすべがないということです。全ての病院に衛星回線を国からプレゼントするのが、最低限必要な大至急の課題となっていると思います。

・県庁所在地ばかりに資材・金銭を投入せず、田舎での人員不足に対処してほしい。

・マイナンバー制度について反対の意見も多いが、マイナンバーと医療機関受診、薬剤処方歴などの紐づけは必要。災害時に、過去の医療行為検索や服薬状況把握がスムーズにゆく。

・5年経ったからと言って、復興しているわけではなく、被災地は震災前とは全く別のものになってしまった。

・震災直後、割と患者支援物資は届くのですが、医療従事者(医師・看護婦等)への支援がほとんどない。バナナとお茶で泊まり続けた医者が何人もいます(それでもバナナの支援はあったのですが)。医療従事者は買い出しに並ぶこともできないし、場合によっては病院から出ることもできません。普通の勤務のつもりで病院で働いて、震災のため家に帰れず泊まり込んで働いています。下着とか毛布とか食料とかの支援が必要だと思います。病院に備蓄されているものはほぼ患者のためのものですし、医療従事者のためのものといっても患者に使ってしまいます。支援物資こそ、医療従事者へと限定して届けてほしいものです。

・東北メディカルメガバンク機構は、ただ研究をしたい、ポスト増やし、予算取得のみ。スタッフは震災を経験していない全国からの研究・ポストを求めてきた方が多く、心ない会議がなされている。

・今なお、仙台市の街中でも仮設住宅で冬を越さざる得ない人々が多数いること。

・国公立病院等には支援、援助はあるが個人診療所には何も無く、勤務医になるしかなかった。産業医認定等の講習単位の軽減処置が無く、認定医の資格を失ってしまった。

・よく復興が遅いと行政に文句を言う人がいますが、当たり前です。何十年もかかってできた町並みがそんなにすぐに回復できるはずがない。

・災害医療は事前にプログラムされた診療を行うことではなく、新たな課題に対応していくことが求められる。行政は規程に当てはまるかどうかではなく、必要かどうかで判断し、行動していただきたい。医療者は、災害医療科という診療科があるのではなく、医療の基礎的な部分であることを認識して身につけてほしい。そのために、災害医療をやる医療者もその専門性にこだわらないようにしてほしい。

・特に望むことはない。ただ、震災でいまだ仮設住宅に住んでいる方々が多数いることを忘れないでいただきたい。福島第1原発もいまだ収束が見えない状況も同様。

・宮城県の人でさえ震災は過去のものとなっています。津波被災地域や原発被災地域の住民の現実を考える日が、月に一度でもあると良いかと思います。

・金より仕事を与えて、住民のモチベーションが上がるようにしないと乞食が増えるだけだと思う。

・むやみに変な専門家ばかりを作らないように願います。

・公立病院からの支援で、個人病院は後回しだった。

・震災発生直後から薬の流通が一時的に停止したため、処方が不十分になってしまうことが見られた。流通を止めないよう調整を望む。

・継続性のない医療支援は百害あって一利なし(短期的~3カ月ぐらいの解決のみ)

・東日本大震災は津波被害です。沿岸から離れたところは、もう何もなかったような生活です。しかし、被災地に行けば仮設住宅に住む方々は沢山いて、一人暮らしの高齢者の方が大勢います。孤独死や生活不活発病などの対策が一番と考えます。

・東京一極集中を避けるべき ドイツなどの都市が分散化しているような状態が望ましい。一方で、医療についてはその分散化した都市の中でセンター化を行うべき。過疎地に高度医療設備は不要。それよりも搬送設備の充実。それにより高度医療設備を必要とする医師も集中化させる。

・やはり現在の問題の焦点は福島の沿岸地域の復興だろうと思います。

・復興と称して、なぜ遺伝子の研究が必要なのか?(=メディカルメガバンク)・メディカルメガバンクは明らかに研究事業であるのに、若手医師派遣のスキームも組み込まれ、住民の研究参加と医師派遣がバーターになっているといってもいい状況である(少なくとも首長はそのような判断をしたと推定される)。これは倫理的に許されないと思うが、そのことがメディアに取り上げられなすぎであると思う。大学医局は若手医師派遣を沿岸にシフトしている印象。内陸の病院の医師不足が深刻している。登米市立病院や公立刈田病院といった内陸の基幹病院の医師不足が深刻化している。これらが位置する自治体は、メガバンクの研究対象となっていない。これを偶然と説明できるのか??何も期待しない。

・ヘリコプター医療に慣れる必要がある。ヘリ救助方法も臨機応変にできる法整備が必要。

・マンパワー不足は明らかだが、派遣される医師自身の人生やQOLを考えると、報酬をあげるなど何らかのインセンティブをつけないと難しいと思う。

・原発で作業している人たちの中に、明らかに放射線障害と思われる症状群で亡くなる人がいる。これを無視すべきではない。彼らが働かなくなれば、原発の廃炉は全く進まないので、必要な人たちではあるが、彼らの疾病に対してきちんと保障すべきである。福島県や宮城県丸森町など、放射能汚染の可能性のある地域に対しきめ細かく、長く、対応してほしい。

・津波被害を受けた地域は高齢化が一気に進んだわけで、単なる復旧はほとんど意味がなくなっている。住民が戻れるかどうか分からない状態で医療だけ何とかしようというのは無意味である。

・老健施設の増加。人口分布の把握。地元の再建の意思の確認。病院再編成。在宅の推進 年齢構成の変化。

・震災から5年、不登校やメンタルケアの必要な患者が増加しているが、専門家も少ないので、対策をしてほしい。

・それ以前に、国民が医療に対してコスト意識を持ち、自分がどの程度の負担をする意思があるのか、自覚する必要がある。

・プライマリーケア医は幅広い疾患を的確に診断して専門医に送らなければならないが、きちんと医療機器を備えているところが少ない。

・その場かぎりのご機嫌取りの政策や型通りの政策ではなく、現状に併せてほしいとは思う。

・震災前から進んでいる医療過疎(「医療崩壊」と呼んでいますね)と超高齢化に備えてスーパーナースを多く育てる必要がある。患者・医師・看護師から頼られる頼もしい看護師を東北の隅々まで、との思いで教育に取り組んでいます。特定行為研修制度に多くの批判があるようですが、要は「どう生かすか」であって、広く知ってもらえればと考えています。教育は100年の計ですので多くの医師とともに取り組んでいきたいと考えています。

・献血に関しては、被災地での献血者が増えた印象がある。受けた援助に対する感謝の気持ちを献血で示すとの気持ちがあるのであろう。

・総合的に診られる医者であってこその専門医であると思うが、今の医療の方向性は専門性の方向に偏在している。

・被災地域による復興格差は拡大の一途をたどり、単身高齢者や障碍者など生活弱者への援助が続々と打ち切られ、社会からの排除が静かに進んでいるように感じます。彼らが自立して生きがいを見つけることができるような援助を期待しています。

・医師の確保につきます。

・市民病院への期待や要望を市内の医療関係者などに意見を求めたりしていない、と思う。本当にでき上がるのか何をしてくれるのかのアナウンスが聞かれない。日赤は外来の混雑異常で救急受け付けてもベッド満床状態つづいている。

・今の時点では、診療所では院内処方の推進が大事。電子化はバックアップ体制が不十分なら何の利益にならない。震災直後は公的な医療機関にのみ補助金など配分しようとしたが、県医師会の強力な働きかけで診療所、私的医療機関にも配布するようになり、それは大きな効果をもたらした。

・医療を支えるインフラや業種の緊急時の対応策を考えて欲しい。地域の薬局の倉庫には薬があるのに使えないで困るケースがあり、一方で取り残される患者は多く、病院と患者だけではその地域で医療を続けられない現状がある。



https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20160318-OYTET50030/
編集長インタビュー
石木幹人さん(3)地域医療の再建 震災影響で認知症も増え

016年3月21日 読売新聞

 震災の翌月、岩手県立高田病院は、スタッフの避難所兼救護所としていた米崎コミュニティーセンターで、本格的に一般診療を再開した。3月下旬には、震災直後から自身も被災者なのに休みなしで働いていたスタッフに休暇を取らせ、4月4日に改めて全員集合した。震災前に行っていた一般検査はほぼすべてできるようになり、調剤薬局も備えた再出発だった。その頃には、地元の開業医や外からの応援医療者により、市内7か所で八つの救護所が運営されていたが、その中心となる高田病院の本格再開だった。

 「同じ医療圏の中で、高田病院で受け入れられない患者が殺到して疲弊している基幹病院、大船渡病院の負荷をどうにかしなくちゃいけないというのが、自分の中ではかなり大きな課題でした。高田病院で一般診療を再開するには、検査と薬局が欠かせない。だから検査科と薬剤科のスタッフの尻をたたいて、鬼のような院長だったと思います」

 陸前高田と盛岡を何度も往復しては、行政と事務手続きを急ピッチで進め、検査科のスタッフと検査機器を集めるのに奔走した。調剤薬局を作るために、薬剤科のスタッフや薬剤師会と話し合いを繰り返した。

 「当時は、『なんでこんなに時間がかかるんだ!』と腹を立てていたけれど、今振り返れば、あの震災から1か月足らずで一般診療を再開するなんてすごいことだった。大船渡病院の外来数も、4月には震災前とほとんど同じぐらいに落ち着いたのです。地域医療は、一つの病院のことだけを考えたらいいわけじゃない。地域全体のそれぞれの病院の役割や負担のバランスも考えなくちゃいけない。だから、みんなでよく頑張ったなと今は思いますね」

 再集結の日に、病院のスタッフ全員で、これからどういう診療を目指していくのか、グループに分かれて話し合いをした。当面の活動方針として、〈1〉入院機能を持つ仮設病院の早期再建〈2〉訪問診療の充実〈3〉住民の健康管理(保健師活動)への参加〈4〉心のケアの充実――の四つを大きな柱と決めた。どのグループも共通して掲げた目標は、「入院機能を持った仮設の病院」だった。

 「みんなが入院機能を必要だと思っていることを最初に確認したから、その後、自分がこの件で、ぶれることは全くありませんでした。必ずそういう病院が立ち上がるに違いないし、絶対に造ってみせると思っていました。県の医療局にも度々通い、高田病院は入院機能のある仮設の病院にしてくれないとだめだと訴え続けました」

 陸前高田市役所には、被災していない地区で仮設病院が建設できる広さの土地を探してもらうよう交渉し、7月には、コミュニティーセンターとは別の場所にプレハブの仮設外来棟がオープンした。

 診療の本格再開直後から、車を流されるなど足がなくて通院できない高齢被災者のために、「自宅を病室に」を合言葉に、訪問診療を始めた。寝たきりの母親と妻を自宅で介護していた70代の男性が、訪問診療に来た石木さんに「仮設病棟ができたら、入院させるから。それまで頑張って」と励まされたというエピソードが残っている。

 震災の被害を受けながら、自宅で老々介護を続け、疲れ切っていた高齢者。その人たちとの約束を守りたいと、県や周囲の病院関係者と話し合いを重ね、10月の県議会で、県知事が「高田病院は有床の仮設病院にします」と宣言した時は、スタッフで祝杯を挙げた。

 翌年2月、41床の仮設病棟が完成し、入院患者の受け入れが始まった。市役所でも多くの保健師が亡くなったため、全戸を訪問して住民の健康状態を調べる保健師活動に、高田病院の看護師も参加させた。病院に専用のリハビリ室を作り、震災前に思い描いていたリハビリの充実にも本格的に取り組み始めた。

 「震災が起きても、直前に発令された人事は生きていたから、リハビリのスタッフも5人は確保できていたのです。彼らは、入院病棟がない間は、仮設住宅に出向いて、運動不足になっているお年寄りの訪問リハビリをしっかりしてくれたし、引きこもりにならないように運動を指導する仕事もしてくれた。病院で仕事ができない期間も、住民の健康維持のためにかなり貢献してくれたのです」

 開業医と連携して、訪問診療を充実させるホットツバキシステムも、病棟の完成数か月後には患者登録が始まった。

 震災前に開設を考えていた認知症外来も、間もなくスタートした。避難所にいた住民が仮設住宅に移り、仮設での生活が長くなってきたころから、石木さんは、認知症患者がじわじわと増えてきているのを感じていた。

 「もちろん加齢に伴う自然な機能低下もあるのですが、被災に伴う精神的なストレスがきっかけになっていると思える患者さんも中にはいるのです。連れ合いも含めて、今まで一緒に住んでいた人が亡くなったり、老後の面倒をみてもらうつもりだった娘が亡くなったりした場合はかなり厳しいですよ。別の子どもにみてもらおうとしても、そりが合わなくて落ち込んでしまう。ほかにも、例えば趣味の踊りや歌のサークルに入っていたお年寄りが、慕っていたお師匠さんが亡くなってしまって、やる気をなくしてしまうことがありました。ほかのサークルを勧めても、そのお師匠さんでなければだめなのですね。かけがえのない存在を失ったショックは、それまで認知症になるのをかろうじて押しとどめていた大きな支えを、ぼろっとはいでしまったのです」

 さらに、生活環境の大きな変化も、認知症の増加に影響している印象を受けるという。

 「大家族で暮らしていた高齢者は、大人数で住める仮設住宅がないので、若い人と別々に住むことになってしまった。すると、高齢者だけではなかなか動けないから、引きこもりがちになる。また、高齢になると、新しいことをなかなか覚えられないので、トイレや電気のスイッチの場所が変わったとか、扉が引き戸に変わったことなどで戸惑っていると、家族に怒られてしまいます。特に水洗トイレの流し方が覚えられなかったりして、そのままにしておくと『ばあちゃん、汚ねえ』とか言われる。新しいことを覚えなくてはならないストレスに、周りに非難されるストレスが重なり、そのうち『帰る』というようになる。『どこに帰るの?』と聞くと、昔うちがあったところに行って、『ほら、ないでしょう?流されたのよ』と突きつけられ、絶望的な気持ちになって仮設に戻る。そういうことが重なることで、認知機能が悪化しやすいという状況が被災地にはあるのだと思います」

 診療が再開してからしばらくは、患者の医療情報がないことにも苦労した。津波でカルテがすべて流され、患者は予想以上に、自分の飲んでいた薬も病気の経過も覚えていない。医師らは、問診に時間をかけて、患者の医療情報の掘り起こしを行った。


 診療の立て直しの合間、石木さんは、病院で亡くなった全ての患者やスタッフの家族の訪問もした。

 「父は詳しく語らないのですが、ご家族の中には父の責任を厳しく問う人もいたそうです。なぜ助けられなかったのかと。院長としてできたことがあったのではないかと。そういうことも父は一人で受け止めて回っていました」と娘の医師、愛子さんは振り返る。

 診療が大幅に縮小したため、当初看護師の半数は、大船渡病院に一時的に配属されていた。「自分は高田病院に戻れるのか」。不安を抱えるスタッフに、「いつか必ず戻ってもらうから」と、声をかけて安心させるのも院長である石木さんの役目だった

 高田病院のスタッフは、米崎コミュニティーセンターから近くの住田病院2階に住む場所を移し、そこで6月いっぱいまで共同生活を営んでいたが、7月には、仮設住宅に移動。石木さんも、愛子さんと一緒に西和野の仮設住宅に入った。病院スタッフと共同生活を送った時は、食事もベテラン主婦のスタッフが作ってくれたりしていたが、仮設での生活が始まると、石木さんは家事も始めるようになった。愛子さんはこう語る。

 「それまでは母がすべて家事を引き受けていましたから、忙しい仕事の合間に家事を覚えるのは、きっと大変だったと思います。夜ご飯は私が作りましたが、朝は父が用意しました。食べるのも飲むのも好きな人ですから、料理の本を見ながら、みそ汁を作ったり、おからを煮たりしていましたね」

 昼ご飯は弁当の宅配サービスが間もなく始まったが、弁当も自分で作るようになった。

 「外食する場所もないし、配達の弁当を頼んだら揚げ物が多くて胃もたれしてしまって、弁当を自分で作るようになりました。大学の頃は自炊をしたこともないわけではないですが、医者になってから料理はしたことがないですから、最初は大変でしたよ。今では慣れて、毎日自分で作っています」

 食卓には、妻のたつ子さんの遺影を置き、夕飯の時は、石木さん、愛子さん、たつ子さん、3人分のおちょこを用意して、一緒に晩酌した。自分の分をすっかり干した後、最後に、「じゃあ、お母さんの分ももらうかな」と、石木さんがたつ子さんの分も飲み干して笑うのが日課になった。酔うと、石木さんはたつ子さんとの出会いの秘話や新婚の頃の思い出話を楽しそうに娘に語ることもあった。2人でたつ子さんのことを思い出し、時には笑いながら語り合うのは、大事な時間だった。

 入院病棟ができると、多くの患者が高齢者であるため、 看取みと りも数多く行うようになった。肺炎や食欲の衰えで、亡くなることが続くと、看取りの経験が少ない愛子さんは落ち込み、石木さんに「私、死に神になったみたいだ」と漏らすようになった。

 「年齢のせいだから仕方ないと片づけられていましたが、知識や経験がもっとあれば、助けることができる人もいるかもしれないと悩みました。地域での介護サービスも不足していて、お嫁さんが自分の生活を犠牲にして介護に専念し、亡くなると生きがいをなくして、今度はそのお嫁さんの体調が悪くなる。日本の高齢化の課題が凝縮されたような土地で2年間働いて、地域力、介護力の弱さが、お年寄りの健康悪化につながっていると感じ、もっと勉強したいと思いました」

 愛子さんは、東北大で加齢医学を学びたいと石木さんに告げ、3年目にこの土地を去ることになった。石木さんは一人、陸前高田に残って診療を続けた。

 被災前も高齢化率34.5%(2010年)と全国に先駆けて高齢化の進む陸前高田市だったが、震災で、若い世代が仕事のある都市に移住することもあり、少子高齢化の課題はより深刻になった。石木さんは市内の医療、介護、福祉施設に声をかけて、互いの連携を強める「陸前高田市の在宅医療を支える会―チームけせんの和」を設立し、会長に就任。地域の住民に病気予防に関心を持ってもらうよう、「チームけせんの和」のメンバーが俳優となって、病気の予防策を演劇で伝える「劇団ばばば☆」も設立した。町の高齢者を招待した初演は、「減塩」の大切さを訴える舞台で、石木さんも医師役の「俳優」として熱演した。

 「ばばばっていうのは、テレビドラマの『あまちゃん』のじぇじぇじぇと一緒で、この地方で、びっくりしたという意味の方言なんです。減塩だけでなく、転倒予防やお口の健康など演目も増えていて、とても好評なんですよ」

 次の院長が決まり、2014年3月、岩手県の医療職を退職した時、石木さんは、一人で仮設住宅に残って仕事を続けることを心配する子どもたちに問われた。

 「これからどうするの?」

 「チームけせんの和」も作ったばかり。雪の季節は、山奥の地域は医療や介護サービスが届かない。高齢化率が35%に迫る陸前高田市で、これから医療や介護の連携をどうしていくのか、介護予防の運動をどう広げていくのか、課題は山積していた。盛岡市に自宅はあり、老健施設の所長などの誘いもあり、心は揺れた。迷った末、陸前高田市に残ることを決めた。

 「どこに行ってもやりがいは見つかるの。全国で少子高齢化の課題を抱えているところなんてどこでもあるのだから、自分のやってきたことを生かせる場所はどこにでもある。でも、ここで被災したというのが大きいのだろうね。自分も被災者の一人だし、妻を亡くしているし、ここでは知った人がやたらと多い。町を歩いているとあいさつされるのは普通だし、運転していても車の窓越しにあいさつされる。そんな人たちが困っている話を聞くと、立ち去りがたい気持ちになる。根付いたというのは何だけど、高田の人たちが安心して暮らせるようにしたいっていう思いは震災後にますます強くなりましたね」

 (続く)

  1. 2016/03/23(水) 05:58:08|
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3月21日 

https://www.m3.com/news/iryoishin/406384
シリーズ: 東日本大震災から5年
【岩手】「『絆』という言葉やめて」「ゆっくりとした復興で雇用維持を」◆Vol.14

医師調査 2016年3月21日 (月)配信高橋直純(m3.com編集部)

Q  東日本大震災からの復興に関して、行政や医療界に望むこと、広く知ってもらいたいことなどがあれば、ぜひともご記入ください。

【岩手県】
・沿岸部ほど医師が少なく悲惨である。

・もっと根本的な地域医療対策を考慮に入れた行政の施策等を進めなければ、救急患者に対応できない開業医を増やすだけの結果になることは目に見えている。

・復興は被災地によって進捗に差がある。実際に震災前の街の様子を知らない人が、震災後に被災地に来て、気安く復興などという言葉を使ってほしくない。復興、絆などという言葉に酔いしれるのはやめてほしい。被災地は一時の慰めや飾り言葉よりも、お金、仕事、住居を求めている。復興、絆という言葉を口にするのであれば、実際に被災地で生活してみてほしい。ほんの数日視察した程度で分かったようなことは言わないでほしい。現実は甘くない。必要なのは、仕事、住居、そしてお金である。

・大学新設は間違い。新専門医制度も制度を緩和しないと地域医療は崩壊する。

・たくさんの身近な方が亡くなる最悪な経験をして、医療偏重でない生活の大切さを意識し始めているのに行政は英断しない。特に2025年問題を考えても在宅移行を促すための優しく手厚い変革が必要。

・使用項目に制限のない補助金としてはいかがでしょうか。

・東北を含む地方の医療のあり方、現状を全く分かっていない。東京にいながら、感覚だけで采配をふれるわけが無いことくらい分かってほしい。

・地域の状態を、声大きく言う人たちだけから取材した情報で判断してほしくない。民間病院はつぶれてもいいと思っているのかもしれないが、傾きつつある病院は人件費を削ります。しかも、看護師不足により入院収益が減ることを恐れて、看護師の給与条件は良くしても、現在の医師には釣った魚状態で、招聘する医師にのみ良い顔をする理不尽さがある。健康保険制度の中でしか収益が得られないのに、病院上層部や患者から求められるのは都会並である。その勉強に行くことすら制限されてしまうようでは医師が流出するのも仕方ないのかもしれないと思う。公立であれ私立であれ医療に携わっていることには変わりないにのに、差別化されることに不満あり。公立はある程度の赤字は認められるのに、私立は赤字許されず、自腹的持ち出しで頑張らざるを得ない。頑張れるのは若いうちだけだなーと実感している。

・医療機関を政治に利用しないでほしい。

・被災地の住居が5年経ってもできていないのでは、遅すぎる。

・医療ではないが、住宅問題を十分考える必要がある。仮設住宅は狭くて、造りも雑だが無料という面が魅力。一方、当時は財源があったため復興住宅はオーバースペックで、家賃も高めという問題がある。医療に関しては、震災前から多忙だった沿岸地区はますます多忙になってきているように思える。

・国の政策に見込み違いがある。よく現地の実情を聴取して、速やかに対応するべきである。医療に限らず地域での社会生活の確保ができるようにしないと、すべて良くならない。

・こう言っては味もふたもないのだが、人口が減っていて、将来もっと過疎化する土地にどのように復興費を割り振るかのグランドデザインがいい加減で、プロパガンダ風に無駄遣いしていると思う。

・もともと過疎や高齢化に向かっていた町村の実態がより顕著になった。人が減っているのに元の状態の箱モノばかり作りたがって実態にそぐわない。復興予算が目減りし、未来のビジョンも頓挫しかかっている。何よりソフト面での復興がおざなり。診療報酬改定も必要だが、都会と田舎、被災地と非被災地を区別しないと結局都会の一人勝ちになる。

・実際の被災地の現状は、スタッフの疲労困憊の事実があります。これまで県央地区から支援活動を行ってきておりますが、被災後年数と共に支援団体の減少が著しいのが現状です。特に沿岸部の被災地は地域差の拡大がさらに進んでいるように思われます。国の支援政策は現場の状況判断に大きなずれが存在しているのではないかと危機意識があります。

・医師の偏在を是正する施策が、限定的でも必要と思う。沿岸被災地の医療(受診機会の)格差が大きくなってきているのではないかと思われる。(見なし)仮設住宅被災者の継続的な支援策を行わないと、阪神淡路と同様に孤立死の問題に直面するのではないかと危惧している。比較的余裕のある被災者は内陸や県外に移住が進んでいることも十分把握してほしい。

・防潮堤の進行に比べて、住民の住居と避難道の確保が遅れているように見える。物と人材の投入の優先順位は強力な行政の指導が必要だった。

・雇用の問題。岩手沿岸は、産業が大きくありません。今は復興支援で建設業関連企業がたくさんやってきて、お金を落としていきます。しかし、それは復興予算の一部であり、ほとんどは中央のゼネコンに吸い上げられていきます。建設業を中心に人が集まり、それに付随して宿泊施設は満員で、MRさんもホテルの確保に苦労しているようです。飲食店なども経営は良好のようです。しかし、数年先、復興支援が終わると、それは無くなってしまいます。何千億ものお金をかけて道路を作るくらいなら、もっと別のことにお金を使った方が良い気がします。急いで復興するよりも、ゆっくり時間をかけて復興した方が、長く雇用を維持できる気がします。

・せめて全てのワクチン接種を補助するか無料にして貰いたい。

・震災遺構は一切不要。

・震災当初は問題視された福祉避難所の整備が、結局宙ぶらりんのままである。



http://univ-journal.jp/5809/
東北大学大学院医学系研究科が七星賞を新設 大学ジャーナルオンライン編集部
2016年3月21日 大学ジャーナル

 東北大学大学院医学系研究科は開設100周年記念事業とし、女子大学院生奨励賞(七星賞)の創設を決め、第1回受賞者を選考しました。医学、医療の分野で活躍する女性リーダーの養成が目的で、授賞式は5月21日に予定されている艮陵同窓会総会で行われます。

 東北大学によると、第1回受賞者は最優秀の櫻井美奈子さん(病理診断学)と、神林由美さん(皮膚科学)、石木愛子さん(老年医学)の3人。
 東北大学医学部は開設100周年を迎え、東北地方の医療、科学界で男女共同参画を主導する重要な役割を担っています。このため、東北大学が掲げる「門戸開放」の理念のもと、昭和の初期から女子を入学生として迎え、多数の女性医師、研究者を輩出してきました。しかし、医学系研究科の大学院生全体に占める女子学生の割合は約30%。依然として男女格差が大きく、女性教員になると職位が上がるにつれて、女性比率が極端に低くなっています。

 こうした現状を打開し、女子学生があきらめることなく研究者キャリアの道を進むことを奨励するため、この賞を新設しました。賞の愛称七星賞は北の空に輝く北斗七星のように人々を導く女性リーダーに育ってほしいという願いが込められています。
艮陵同窓会総会では、授賞式と同時に受賞記念講演会も開催される予定です。



http://www.minyu.ne.jp/digitalnews/160319_1.htm
広域紋別病院、常勤医師3人増の16人へ
(3月19日付け) 北海道民友新聞

 広域紋別病院(及川郁雄院長)は、4月から7月にかけて常勤医師3人を順次増員し、千賀孝治企業長を含めた常勤医師は16人体制となることが、18日に同病院で開かれた同病院企業団議会で明らかにされた。増員されるのは内科(4月から)、麻酔科(6月から)、整形外科(7月から)。整形外科医は遠軽厚生病院でも不在となっており、骨折患者は北見や旭川へ救急搬送せざるを得ない状況が続いていた。同企業団の久保田政弘事務局長は「骨折患者の手術もできるようになるだろう」と話している。
 広域紋別病院は平成23年4月、西紋5市町村で構成する同病院企業団が、北海道から北海道立紋別病院(緑町4)の移管を受けて開院。昨年4月に現在地(落石町1)へ移転改築した。
 移管直前の常勤医師は12人で、移管時には北海道からの派遣を含めて14人へ増員。その後は増減が続き、同年中に12人まで減少したのち、平成25年度にかけて15人まで増員。26年度には再び12人になるなど、安定しない状態が続いていた。16人は同病院として最多になる。
 この日の議会では紋別市選出の宮川正己議員が一般質問に立ち、平成27年度の決算見込み、新年度の診療体制、基金残高と経営シミュレーションの見直しの3点について質問。千賀企業長が答弁した。
 それによると7月以降の診療体制は、外科3人、消化器内科2人、小児科3人、循環器内科1人、総合診療科3人、精神科1人、産婦人科1人、麻酔科1人、整形外科1人。現在いる常勤医師の交代は1人の見通し。
 このほか呼吸器内科、耳鼻咽喉科、眼科、泌尿器科、皮膚科、神経内科は現行通り非常勤医師体制で診療にあたり、乳腺外来や小児心臓等の各専門外来も引き続き実施するという。
 同企業団はこれまで、北海道や紋別市と連携し、道内外の医師に対して招へい活動を行ってきた。千賀企業長は「良質な医療を提供するためには、医師をはじめとした医療従事者の確保は最も重要なこと。引き続き、その確保に全力を尽くす」と述べた。



https://www.m3.com/news/iryoishin/409600
シリーズ: 降圧剤論文問題と研究不正
「詰問すると白橋さんは目を見開いて睨んできた」府立医大元教授
ノバ社・府立医大論文改ざん事件、第18回公判

2016年3月21日 (月)配信 高橋直純(m3.com編集部)

 ノバルティスファーマ社の降圧剤を巡る京都府立医科大学での医師主導臨床試験の論文データ改ざん事件で、薬事法(現医薬品医療機器法)違反(虚偽広告)に問われた元社員白橋伸雄被告とノバ社に対する第18回公判が、3月18日に東京地裁(辻川靖夫裁判長)で開かれ、前日に続き、KHS(Kyoto HEART Study)の主任研究者を務めた元京都府立医科大学教授の松原弘明氏の検察側証人尋問が行われた。 論文に疑義が呈されるようになった2012年11月の話し合いの状況を証言。松原氏は「白橋さんに『この件で大学を辞めなくてはならない。どうして完全な形でデータを出してくれないのか』と詰問すると、白橋さんは目を見開いて睨んできた。その場では一言も発していないと思う」と話し、第三者による検証で疑義を晴らそうとする松原氏と、データ開示に積極的でない白橋被告との間で対立があったと説明した。

「どうして完全な形でデータを出してくれないのか」

 2012年頃からKHS論文に疑義が呈されるようになり、サブ解析論文の一つであるDM(糖尿病)論文では、日本循環器学会の学会誌「Circulation Journal」からカリウム値の異常が指摘された。松原氏によると、事務局の男性医師(以下、男性医師Aと表記)らが第三者による再検証をしてもらうため、白橋被告に生データの提供を求めたが、一向にくれず困っていたという。検察側が証拠として出した、2012年5月に松原氏が白橋被告に宛てたメールでは「我々のデータはいつでも開示して反論できますよね」という文言があった。

 2012年10月頃にようやく提供を受けたデータで、男性医師Aが全症例のカリウム値を再計算したところ、誤りが発覚。同年11月に京都市内のホテルで白橋被告、松原氏、男性医師Aらで会った時の状況について、松原氏は「データクリーニングは当然やっていると思い、なぜやっていないのかと問い詰めた。『この件で大学を辞めなくてはならない。どうして完全な形でデータを出してくれないのか』と詰問すると、白橋さんは目を見開いて睨んできた。その場では一言も発していないと思う」と説明した。

「場末の病院に飛ばしてほしい」、男性医師A

 過去の公判では、ノバ社の社員である白橋被告が統計処理を主導したことが利益相反の点から問題になると危惧し、男性医師Aが担当したかのように口裏合わせをしていたことが明らかになっている(『KHS参加医師、「人事のため、医師として最低の行為した」』を参照)。対応について、松原氏は白橋被告から送られてきた「関与を隠してほしい」というメールに返事は送っていないと説明。男性医師Aが、自身が解析を行ったとする虚偽説明の対応案を作成してきたことに対しては、「自分が全てを背負うつもりで書いてきたと思った。男性医師Aの意見に従って隠した方が良いと判断した」と説明した。男性医師Aからは「私を場末の病院に飛ばしてください」というメールも送られてきていたという。

 統計解析ソフトと、ソフトが動くwindowsパソコンを持っていなかった男性医師Aに対しては、白橋被告がパソコンを用意した。男性医師Aはしばらくの間、医局の机の上に開封せずに置いたままにしており、「怖くて開けられません」と話していたという。

「多くの医師が我々を信頼。その責任で退職を決意」

 2012年12月に「データ解析における重大な誤り」を理由に「Circulation Journal」の2論文が撤回。松原氏は2013年2月末に京都府立医大を退職した。松原氏の研究を巡っては、2011年6月頃に匿名のブログ上で、KHSとは別の論文で重複投稿や画像改ざんなどの不正が告発されていた。同大の調査委員会では不正があったと判断されたが、松原氏は「不正には関与しておらず、弁護士と一緒に大学と争うつもりだった」。しかし、KHSでも不正が指摘されるようになったため、退職を決意したと説明した。

 退職時はKHSでデータ改ざんがあったとは認識していないと強調。退職の理由は「ディオバンは当時、日本で最も売られていた薬。多くの医師、薬剤師が、我々のデータを信頼し処方していた。KHSでは多数の講演会をし、会社が広報に使った資料は、相当数が日本の医療の場で使われた。多くの教室員が参加し、多くの方に迷惑をかけ、主任研究者としては大学にいるべきではないと退職を自分で決めた」と説明した。

ノバ社社長が論文化を催促

 本裁判の対象となるKHSの結果をサブ解析したCCB(カルシウム拮抗薬)論文については、ノバ社側から論文化を急ぐように催促されていたと証言。2010年にエックスフォージ(ディオバンと、CCBのアムロジピンの配合剤)に関する数千人規模の講演会が東京で開かれた際に、松原氏は白橋被告が作ったスライドでバルサルタンとCCB併用の有効性を説明していた。その後の懇親会ではノバ社社長が「早く論文化して広報活動に使わせてください」とお願いしてきたと言う。2010年12月に松原氏は、白橋氏に「年明けには論文を進めます。来年の奨学寄付金について社長に頼んでください」とメールしていた。

 利益相反に関する認識について尋ねられると、試験が始まった2003年ごろは、製薬会社の社員が統計解析をしたりカルテを書き写したりすることは通常に行われており、利益相反の概念がなかったと釈明。その後、「全てのデータを製薬会社の人間が解析すると、改ざんなどをしてしまう可能性があり、利益相反の可能性がある」と認識するようになったと説明した。

「アンジオテンシン2型受容体の研究では日本一」

 弁護側による反対尋問では、松原氏が試験結果を知った状況について確認した。3月17日の第17回公判で「試験終了後、男性医師Aが「『えらいことです。JHS(Jikei Heart Study)と同じ結果になりました』と説明してきた」と話していた点について、「えらいこと」とはどのような意味だったかを尋ねた。松原氏は「『えらいこと』は悪い意味で取った。男性医師AがJHSを信じていないことを知っていたから」と説明した。

 また、ディオバンを使った試験を行いたいと考えた理由について「アンジオテンシン2型受容体の研究では(自分は)日本一だと思っていたので、それでバルサルタンを使いたいと思った」と話した。



https://www.m3.com/news/iryoishin/403838
シリーズ: m3.com意識調査
残薬、82%が「重要な課題」と認識◆Vol.5
【2016年度診療報酬改定】意識調査

2016年3月21日 (月)配信 成相通子(m3.com編集部)

 中央社会保険医療協議会総会が2月10日に答申した2016年度診療報酬改定。同日から2月26日にかけてm3.com意識調査(計7回)を実施した。そのうち第5回、第6回調査の結果を紹介する。

 2016年度診療報酬改定では、残薬や長期投薬が「適正化」のターゲットになった。残薬や長期投薬は一定程度の必要性を認める声もあるが、意識調査の回答では、82%が「残薬の是正は重要な課題」と認識し、59%が「長期投薬は是正すべき」と回答。今改定の方向性が支持される形となった。

※各質問に関するコメントは意識調査の結果ページ下部のコメント欄で、全てが閲覧可能です。現在も書き込めますので、ぜひ感想をお寄せください。

 第5回調査(『残薬は問題か、否か?』)では、残薬を「医療現場が取り組むべき重要な課題」とすることについて、賛否を尋ねた。82%「大いに賛成」もしくは「一定程度賛成」を選んだ。

(回答者総数は2363人で、開業医525人、勤務医1273人、歯科医師15人、看護師25人、薬剤師482人、その他の医療従事者43人)

 さらに、処方せんに新設される残薬対応の欄について、想定される使用方法を医師に質問した(任意)。改定後は、処方せんに「保険薬局が調剤時に残薬を確認した場合の対応」の欄が新設され、(1)後で情報提供してもらい。次回の診察時に参考にする「医療機関への情報提供」と(2)医療機関へ疑義紹介した上で調剤する「疑義紹介して変更」の2種類の指示を選ぶことになる。

 開業医の48%、勤務医の43%が「医療機関へ情報提供」を選択すると回答、「疑義紹介して変更」を選んだ開業医30%、勤務医38%を上回った。回答者数は、開業医517人、勤務医1245人。

 第6回調査(『長期処方、見直す? 』)では、長期投薬を「是正すべき」と考えるかを質問した。「大いに賛成」「一定程度賛成」が59%を占め、「あまり賛成できない」「全く賛成できない」の33%より多かった。

(回答者総数は2475人、開業医654人、勤務医1449人、歯科医師11人、看護師28人、薬剤師304人、その他の医療従事者29人)

 分割処方などの新たな対応が求められる30日超の処方の現状と今後の見通しも聞いた。慢性疾患の患者の中で、30日超の処方は、勤務医の17%が「ほぼ全て」を占めると回答。「半分以上」が51%で、「ほぼ半分」が16%、「半分以下」は33%だった。一方、開業医は「半分以下」が66%と多数で、そのうち「ほとんどない」も32%を占めた。半分以上は25%だった。開業医646人と勤務医1437人が任意で回答した。

 勤務医に30日超の処方が多い傾向だったが、今改定後に「処方を見直す」としたのは開業医の方が多かった。今改定を受け、開業医の60%は「全面的、もしくは場合によっては見直しをする」と回答。「見直しをしない」としたのは31%だった。勤務医は「見直しを検討している」としたのは55%。36%は「ほとんど見直しをしない」もしくは「全くしない」を選んだ。開業医650人、勤務医1439人が任意で回答した。

 残薬と長期投薬についてのコメントを紹介する。

<長期投薬に関して>
患者さんは病院に来るのが人生の目標ではない。薬は元気な生活を支援するもので、症状さえ安定しているのであれば半年に1回でいいのではと思います。【医師】
コントロール良好なてんかん患者で学生の場合などでは、90日処方を行っています。学校を休んでまで外来に来てもらう必要はないと考えます。【医師】
病院薬剤師です。病院はDPCですので、必死に以前から削減に取り組んでいます。複数の降圧剤は配合剤に変更していますが、調剤薬局からは、そのような処方の問い合わせは来たことがないです。院外処方も包括にした方が良いのでは?【薬剤師】

<残薬に関して>
摂食嚥下リハビリテーションを主に行っている歯科医師です。なぜ残薬するのか、残薬する患者さんの状態はどうなのか、を考えるには良い機会かと思います。多剤服用されている患者さんで、幾つかのお薬を調整(減薬、薬剤変更など)してもらうと、途端に覚醒が良くなったり、嚥下反射惹起しやすくなったりして、より安全に食事摂取できるようになった症例を経験した事がありますので。【歯科医師】
患者さんから持ち込まれる袋いっぱいの残薬。なぜ、患者さんは薬局に持ち込むのか?なぜ、医師に直接言わないのか?無駄にゴミ箱に捨てられる薬。その薬は本当に必要ですか?患者さんは医師に直接言えない(言わない)ことはたくさんあります。減薬に点数なんていらない。その仕事は当たり前のことでしょ。今までやっていても点数なんてくれなかったのにね。【薬剤師】
そもそも、何かあれば薬を増やすというの止めてほしい。薬の種類が増えるほど、飲まなくなる。(使わなくなる)患者さんが管理できない、または服薬できないということを情報提供したいが、医師によっては怒られてしまうので薬を渡すときに罪悪感を覚える。【薬剤師】
「この薬飲んでいないし、傾眠傾向なので減らしてください」と薬剤師から言われ、減らした直後に暴れだし、御家族から起こられました。以後、何かあれば薬剤師が責任を取ってくれる旨を、聞けない場合は減らさないことにしています。【医師】
薬剤は医師が責任を持って処方するものであり。薬剤師は医師の処方の真意が分らないことが多い。医師として自分で常に患者の残薬を確認して処方しているが、確認に時間がかかることもある。今回、残薬を確認している医師に診療報酬を出していただくのが最も公正なあり方だと考える。特に内科医師に取って、薬は外科医のメスと同じであり、薬剤師が検査結果や様々な臨床データも見ないまま残薬調整したとしたら患者の利益に反する行為になる可能性がある。薬を2剤減せば点数が付くというのも薬の意義が分らない人が決めたのだと思う。医師は常に患者の回復と健康を目的に処方をしており他意はない。点数が欲しいために薬の数を減らす医師がいたとしたら、そのような医師は免許の持つ意味が分からない医師である。【医師】
薬剤師の疑義照会を医師への越権行為だと勘違いしている医師がまだまだ居るため、疑義照会形式にすると現実問題として現場が混乱すると思う。導入当初は情報提供のみに留めても一定の効果は期待できる。残薬を気にしてくれない医師のもとには患者が寄り付かなくなるような風潮が生まれれば、医師の側も考えを改めざるを得なくなるのではないか。【医師】
血液、膠原病屋です。自分の立場から言うと残薬はある程度は必要だと思います。災害時急性期医療は約2週で復帰すると言われているので、2週間は災害用に絶対に持っていてくれと指導しています。要らない薬を貯めている高齢者は全く別と考えています。【医師】
調査結果の詳細、コメント一覧はこちら⇒



https://www.m3.com/news/iryoishin/406428
シリーズ: m3.com意識調査
医師1600人の「後輩に薦めたい診療科」
内科、総合診療科が多数占める

スペシャル企画 2016年3月21日 (月)配信成相通子(m3.com編集部)

 2月から3月にかけて連載した若手・中堅座談会「2035年の医療を語る」。座談会実施に先駆け、2015年11月にm3.com医師会員を対象に、「将来重要度が増す診療科」と「後輩にお薦めしたい診療科」について意識調査を実施した。結果を紹介する。

 日本専門医機構の基本領域となっている19の診療科からQ1「将来重要度が増す診療科」Q2「後輩にお薦めしたい診療科」、それぞれを選んだ理由を尋ねた。回答者は1668人。

 Q1とQ2の1位はいずれも「内科」で、20%以上を占めた。2位は総合診療科で、Q1「将来重要度が増す診療科」としては19.6%の票を集めたが、Q2「後輩に薦めたい診療科」としては14.6%で、5ポイント低かった。
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 Q1の「将来重要度が増す診療科」の3位は「リハビリテーション科」(10.0%)、4位は「精神科」(9.1%)、5位は「整形外科」(7.9%)。Q2「後輩にお薦めしたい診療科」の3位は「整形外科」(6.8%)、4位は「外科」(6.7%)、5位は「リハビリテーション科」(5.9%)だった。

 Q1とQ2の割合を比較すると、内科や外科、麻酔科、皮膚科、病理診断は「後輩に薦めたい診療科」の方がポイントが高く、総合診療科やリハビリテーション科、精神科、整形外科は「後輩に薦めたい診療科」の方がポイントが低かった。将来重要度が増すと思っていても、後輩に薦めたいかどうかは「また別の話」と言えるようだ。

 Q2「後輩に薦めたい診療科」では、「ない」などの「その他の回答」がQ1と比較しても多かった。2017年度開始予定の新専門医制度も批判が強く、臨床研修制度や医学部教育の改革も進む中で、将来の見通しを立てるのは困難な状況が続いている。

 それぞれの診療科を選んだ理由は以下の通り。Q1、Q2で同じ回答が多かったため、診療科別にQ1、Q2で分けずに紹介する。

【内科】
開業向け、需要が増える、つぶしがきく。
全ての疾患理解の基本、診断学の中心、医療体制が内科中心。
団塊の世代が高齢となり癌が増える。新しい薬剤がどんどん出てくるので外科系診療科より内科系診療から良い。
高齢者が増えることにより慢性疾患が増え、内科医の需要はますます高まると思う。さらに内科的な先進的な治療法も開発されるだろう。
予防医学の発展により、病態を未然に防ぐ治療が発展しそう。その最前線はやはり内科と考える。

【小児科】
少子高齢化のトレンドの中、数が少ない子供の医療は重要であるから。
公費助成の拡大から受診者数が増える、または減らない。
少子化が進む一方で、親の要望は多様化しており、アレルギーなど患者数が増加している疾患もある。原因不明の疾患が多くあり、研究のし甲斐もある。

【皮膚科】
老人特有の乾燥肌に起因する、様々な難治性の強い掻痒を伴う皮疹が多く、適確な治療があまりなされていないように感じております。
比較的楽な勤務で、しっかりと収入も担保できる。開業コストが安い。美容のニーズが増える。

【精神科】
認知症患者の増加による症例数の格段の増加が予想される。
体力や臓器の衰えは精神的負担になっていく。特に普段病気と無縁の生活ができている 方が、高齢になるにつれて初めて衰えに対し不安を感じ、不眠等の症状につながっていくのではないかと診療をしていて思います。高齢者に適用しやすい、安定剤や眠剤が必要になってくると思います。
うつが増えている。ストレス社会。メンタルダウンは今後も増える。インターネット社会になり、人間関係も希薄な、精神的に問題がある人が増えている。
いずれ精神疾患の原因や病態が解明されると考えるため。
身体科は予算的に厳しくなってくる。

【外科】
再生医療が進むことにより、細胞治療から組織治療へと発展し臓器そのものを置き換える手術が可能になることから、悪いところは大きく切除し、再生した臓器で補完する技術が確立することが予想されるため。
死因として心血管の病気が減って、今後増える患者はがん患者ということと、外科医の減少から。数が減少しているにもかかわらず、需要は高い。

【整形外科】
高齢者が増えることで、転倒、骨粗鬆症による骨折の増加、介護の必要性の増大が懸念される。整形外科医が必要とされる。高齢社会でロコモティブシンドロームが増えるため。

【産婦人科】
少子化対策。不足している。絶滅危惧種。
人手不足は慢性的。妊娠・出産は絶対になくならない。病院にとっては純利益の高い診療科で需要はますます伸びるでしょう。
晩婚化と高齢出産が進み、出産における相談事項やリスクが高まると考えるから。

【眼科】
自由診療領域で伸びる分野がある。
超高齢化社会を迎え、加齢黄斑変性症、白内障、緑内障などの患者さんの増加が予測されること、さらに、食生活の欧米化に伴い、糖尿病患者さんの増加も予測され、それに伴い網膜症の発症例も増加し眼底検査などチェック必要性が高まる。
比較的体力的に楽で手術も有り、知的な科目だから。
スマホなどの視覚機器の利用頻度による障害が次第に増加する。
再生医療の発達により、より効果的な治療が開発されやすい分野であるため。

【耳鼻咽頭科】
粘膜診断が今後進んでくるだろうから。アレルギーが増えるから。高齢化で深刻となる誤嚥に対して、嚥下機能の正確な評価や治療などが必要となるため。

【泌尿器科】
ダビンチやケモが展開してきているから。
高齢化による事象。整形外科と内科は既に飽和していると思われるが、排尿問題に関する科は充足しているとは言えないと考える。
女性が進出する余地が多いと思うから。

【脳神経外科】
高齢化に伴い、脳機能が衰えてくる。しかし、脳神経の再生医療の研究も進んでくるだろう。おそらく神経内科の点滴治療よりも、脳の特定部位に特定物質や細胞を直接入れる治療が発展するだろう。
脳血管障害は日本人の死因の4位になったが、死なないから治す時代になった。

【放射線科】
診断、治療とも増えることはあっても、減らない。
ITの進歩とともに仕事は増加していく。女性の仕事の継続も可能。夜間も恐らく呼び出されることはなくなる。
専門領域が細分化、疾患分類が増えるにつれ、幅広く全身診断ができる画像診断の必要性が増加する。
放射線治療の進歩で疾患によっては外科手術より重要になるから。
訴訟が増え、読影の頻度が増加すると思うから。

【麻酔科】
救急も含めてあらゆる場で活躍が可能で汎用性がある診療科と考えるから。
麻酔が出来なければ、基本的な救急外来ができないと思いますし、手技が多いために、成長が早く実感もある科だと思います。
より簡便で効果的な痛みの緩和治療が重要になる。
今後急性期病院では病院経営のために手術件数を増やす方向に進むと思われる。また、医療事故を起こさないためにも麻酔科医による麻酔・全身管理の重要性はさらに高まると考える。
高齢化に伴い、大腿骨警部骨折などの手術が増加するが、麻酔リスクも高いため自家麻酔ではできなくなってくる。また悪性腫瘍の手術も適応年齢の拡大に伴い、同じことが言える。
報酬がいい、麻酔点数はさがらない。外来やりたければペイン、内科管理したければICU救急医という選択もある。スタッフも少なく、男で麻酔医というだけで出世の道がひらける。
まだまだ不足している。

【病理診断科】
高齢化が進み、癌患者が増えるので検査も増える
以前より重要度は高いと思う。しかし、まだ評価が十分されていないため今までは利益につながらなかった。総合的に今後の伸びしろが大きい。
病理医は圧倒的に不足しており、疾患分野別の専門性も高まっている。

【臨床検査】
新しい画像診断機器が開発されていくため。
検体検査加算料が算定されている。
検査の進歩で、診察の意義が薄れていく。

【救急科】
本格的な高齢化社会到来により、脳心臓血管障害病変の患者は急増する。一方、医療費抑制という観点からは、救急治療の割り切り加減が求められてくる。救急科こそが、医療問題の中心になるのは間違いない。
医療費削減や医師の集約化が進むことで、いわゆる各科の専門医数は削減になる可能性が高い。混合診療の導入の影響を受けにくい。在宅医療の推進の結果、急変して受診された際の対応が必要になる。基本的に現在の状況は救急科にとって追い風ばかりであり、今後重要度が増すことは間違いない。

【形成外科】
病気の医療のみならず、外見にも気を使う患者が増える傾向あり。
3Dプリンターの普及でより自由度の高い形成術が可能になる。
iPS細胞の進歩で。
保険診療は下降なので自由診療ができるのが重要になってくる。
外科手術全体の件数が減るため、医師一人の技術習得の場が減る。一方で患者側も手術創部を目立たない様に望み、乳がんなどは分業で皮膚縫合は形成外科が担当するようになるのでは。
高齢社会になって、褥瘡や足潰瘍が増える。美容をしたい人も増えるので。

【リハビリテーション科】
寝たきり防止のために、需要が増える、国も力を入れる。
超高齢化社会に突入したら、人の機能回復にあたってのサポートやロコモ対策等重要度は増すと思います。
麻痺のある患者数増加の為。健康寿命の維持に重要性が増す。
さまざまな疾患の予後が改善するにつれ後遺症のリハビリを要する人口が増え、専門的な医師によるリハビリの重要性が増すと思われます。
患者数に比べて専門医が圧倒的に少ない。

【総合診療科】
かかりつけ医の重要性が増す。
細分化されすぎて、全体が見える医師が病院にいない。
都会では交通機関の利用がスムースですが、地方に於いては高齢化に伴い通院の手段が限られます。一医療機関において、種々の訴えに対応できる所が、今後、頼りにされていくと考えます。
高齢者の割合が多くなり、寄り添う医療が必要になってくると思われるから。
厚労省が勧めている。国策によるため。
今後、感染症の専門家の必要性が増えてくると思います。今、感染症を扱っているのは総合診療科なので...。
高齢者医療では濃厚治療より、適度な診断、検査、治療が必要。

【その他】
終末期医療、リウマチ科、老年科、内視鏡化、血液内科、神経内科



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シリーズ: 始動する“医療事故調”
「“事故調”、一粒で二度おいしい」と指摘
筑波大で意見交換会、医師・弁護士の田邉氏

2016年3月20日 (日)配信橋本佳子(m3.com編集長)

 筑波大学附属病院などが主催した「医療法に基づく医療事故調査制度に関する意見交換会―施行開始から半年を経過して―」が3月19日、同病院で開催された。医師・弁護士の田邉昇氏は、医療安全への現場の医師らの意識が高まるとともに、報告事例については第三者機関である医療事故調査・支援センターが分析・再発防止策の検討を行うため、「医療事故調査制度は、一粒で二度おいしい制度」とユニークな形容で説明した。

 田邉氏は、「医療事故を報告したら、医療事故調査・支援センターが分析・再発防止策の検討を行ってくれる。報告しなくとも、医師が、侵襲的行為は厳選して行い、例えば出血のリスクがあれば十分な輸血の準備をするなど、さまざまな事態を予期するため、対応が後手に回らないようになる。さらに、死亡という最悪シナリオも含めた説明を行うため、患者に覚悟が生まれる」と述べ、「医療事故報告数が少ない」との指摘がある中、報告数が問題なのではなく、現状でも制度の意義はあるとし、将来的の在るべき姿として「なくそう医療事故、なくそう医療事故調査・支援センター」を掲げた。

 医療事故調査制度は、2015年10月からスタート。今年2月までの医療事故調査・支援センターへの報告件数は、計140件(『「医療過誤か否かで、報告の要否判断」との誤解も』を参照)。制度開始前、年間の報告件数は「1300~2000件」と推計されていた。

 田邉氏は「推計は本当に正しかったのか」と問いかけ、それに応える形で講演したのが、長崎県諫早医師会副会長の満岡渉氏。満岡氏は、推計の根拠となった日本病院会アンケートを検討、「そもそも推計は間違っている」と指摘した。同アンケートは、全国の医療機関に対し、事故発生件数を調査したものだが、「医療事故」についての明確な定義がなく実施しており、「医療に起因した、予期しない死亡」と規定されている医療事故調査制度の「医療事故」よりも、幅広いさまざまな事例が推計の根拠になっている可能性を示唆した。

 さらに満岡氏は、厚生労働省の補助事業として実施されていた「モデル事業」(診療行為に関連した死亡の調査分析モデル事業)の100件を独自に分析。「モデル事業」の分析対象は、「診療行為に関連した死亡について、死因究明と再発防止策を中立的な第三者機関で検討するのが適当と考えられる事例」。日病アンケートよりも、「モデル事業」の対象事例は限定されているものの、その中で今回の医療事故調査制度の「医療事故」の定義に該当するのは、100件中、「6~18件」にとどまった。満岡氏は、「1300~2000件」という推計の1~2割程度と考えると、今の報告件数はある程度、妥当だとした。

 田邉氏と満岡氏はともに、「医療安全」と「紛争解決(責任追及、説明責任)」は別問題であり、切り離して考える必要性を強調。従来の医療事故に対する考え方からのパラダイムシフトが起きていることを理解すべきとした。田邉氏は、「Harvard Medical Practice Study」を引用し、「医療過誤訴訟の帰結を10年間、追跡調査した研究では、賠償金の支払いと客観的過誤の有無とは全く相関しなかった」と紹介。満岡氏は、造影剤ウログラフインの誤投与事故を例に挙げ、医師が刑事裁判で有罪になっても事故は繰り返されているとし、紛争解決と責任追及は医療安全につながらないと訴えた(『造影剤の誤投与「初歩的、重い過失」、禁錮1年』を参照)。その上で、「制度の目的は、起きてしまった事故・紛争の解決ではなく、これから起きる事故を防止すること。つまり、事故の被害者・遺族よりも、これから医療を受ける国民のための制度」と説明した。

 意見交換会では、医療事故調査・支援センターの役割を担う、日本医療安全調査機構専務理事の木村壮介氏、茨城県医師会副会長の石渡勇氏も登壇。

 木村氏は、センター運営の5カ月間の相談実績を説明。医療事故として報告するか否かの相談では、事故が起きた時点のみに着目している医療機関があると言い、事故の発生部分のみではなく、臨床経過も含めて全体像を俯瞰して報告するよう求めた。また最近増えているのが、ハイリスク症例に関する相談だという。「高齢者に対して、高難度や高侵襲の治療を行った場合、その治療が事故の原因なのか、もともとの患者の状態が影響しているのかが交錯した相談も多い」(木村氏)。

 報告事例の少ない理由として、木村氏が挙げたのが、制度への理解の不十分さのほか、「医療事故として報告することへの抵抗感」などだ。「報告事例は、過誤の有無は問わないが、報告に抵抗感があることが相談から伝わってくる。また事故の報告・説明を遺族に行っていない事例では、後から『実は……』と言いにくい上、『クレームがなければ調査しなくてもいい』と考えているケースもあり、Claim OrientedからEvent Orientedに脱却していない」(木村氏)。「医療事故に対する考え方の切り替えが必要」と指摘した点では、田邉氏と満岡氏と意見が一致。さらにセンターに提出された報告書は、調査委員会の構成や事故原因の背景に関する記載がないなど、記載内容が不十分なものが少なくなく、センターでの集計・分析に役立つ報告書を期待した。

 日本産婦人科医会の常務理事でもある石渡氏は、茨城県での医療事故調査制度への取り組みと産科医療補償制度について解説。茨城県では、県医師会や関係団体、大学、基幹病院などが参加する「支援団体連絡協議会」を設立し、「支援マニュアル茨城版」も作成、医療機関からの相談窓口は県医師会に一元化、調整役も果たしている。石渡氏は、死産や妊産婦死亡が報告対象になるか否かについても説明、「福島県立大野病院事件」の妊産婦死亡は、「極めてリスクが高い症例(前置胎盤など)で帝王切開が必要な症例」に該当し、事前にそのリスクの説明などをしていれば、報告対象にはならないとの考えを提示。2009年からスタートした産科医療補償制度については、補償事例について作成している「原因分析報告書」で患者側の納得が得られているとし、「訴訟を減らし、再発防止にもつながっている」とその意義を強調した。

 「疑われる事例」、どう解釈すべきか
 医療事故調査制度の開始から間もないこともあり、4人の登壇後のディスカッションで議論になったのが、本制度の「入口」となる医療事故の報告対象だ。法律上、「医療に起因する、または起因すると疑われる死亡・死産で、管理者が予期しなかったもの」が報告対象。

 「疑われる事例は報告するのか」との問いかけに、木村氏は、「疑いも含める、と法律に書いてある」と回答。石渡氏も、「疑われる事例も報告。事例が集まりやすい状況を作るべき」と答え、刑法211条(業務上過失致死罪)の問題がクリアされていない限り、遺族側が不満、不信を持ったら司法に訴えることができるとし、「逆にこの制度を利用する方法もある。遺族の心情を察して対応すべき」と付け加えた。

 木村氏と石渡氏の両氏が「疑われる」の意味を掘り下げなかったのに対し、田邉氏は医学的な意味で解釈すべきと指摘。全身性エリテマトーデス(SLE)などを例に挙げ、臨床上、確定診断が付かなくても「疑い」として治療を進める場合があり、それと同様のレベルで「疑われる事例」を判断すべきとした。「イベントを収集して、分析するのであれば、疑われる事例の考え方も明確にし、科学としての医療安全につなげるべき」(田邉氏)。石渡氏が遺族対応も念頭に報告すべきとした点については、「一つの方法かもしれないが、法律の義務ではなく、クレームベースの“事故調”になる」と指摘した。

 医療の「起因性」と「関連性」、相違は?
 「支援マニュアル茨城版」では、支援団体への「相談票」の記入項目に、「医療と死因との関連が疑われる点」とある。フロアから発言した、いつき会ハートクリニック(東京都葛飾区)院長の佐藤一樹氏は、「医療に起因」と「医療に関連」の意味は異なるとし、「法律の逸脱ではないか。医療起因性を明確にしないと、事故報告の判断において誤解が生じるのではないか」と問題視した。

 木村氏は、「医療においては、複雑なものが重なり合っており、(医療に起因しているか否かは)調べてみないと分からない。関連か起因かは、現場の医療者として考えた場合、そんなに大きな違いはないのではないか」と述べ、石渡氏も、「起因と関連に、それほど大きな違いがあるとは思えない」と回答した。

 これに対し、田邉氏は「法律には、明確に『起因する』と書かれている」と反論。死亡診断書を例に挙げ、「直接死因」と「直接には死因に関係しないが、直接死因に影響を及ぼした傷病名」は明確に記入欄が分かれており、起因と関連は意味が違うとした。死亡診断書は公文書であり、医師であれば、その相違が理解できるはずだとした。

 フロアから発言した、日本医療法人協会常務理事の小田原良治氏も、厚生労働省の「医療事故調査制度の施行に係る検討会」委員として制度設計に加わった経験を踏まえ、「医療安全と紛争解決を切り離して作った制度」と釘を刺した上で、「起因と関連は異なる。少なくとも50%以上は医療に起因した事例が報告対象であり、完全に起因したとは言えない場合があるため、『疑われる』との言葉が入っている」と説明。

 再発防止策の検討に「医学的評価」は必要か
 満岡氏は、講演の中で、日本医療安全調査機構が、医療事故調査制度開始前まで実施していた「モデル事業」の本質は、「評価」であると問題提起。医療事故について、100点満点で採点し、「合格」「ほぼ合格」「過失(改善・研修)」「重過失(刑事・賠償責任)」「採点対象外」の5段階で評価していたと指摘した。産科医療補償制度でも、重度脳性麻痺の原因分析を行う際に、「医療水準の高低に関する表現例」として、「すぐれている」「適確である」から、「医学的妥当性がない」「劣っている」「誤っている」までの計15段階評価を用いているとした。

 「個人の手技的な問題を、いくら評価しても、他の医師・施設への医療安全・再発防止への寄与は限定的。個人の行為の評価は、事実上の過失認定であり、責任追及に用いられる」と満岡氏は指摘、医療事故調査制度では制度上、「評価」の実施は規定されていないと釘を刺した。

 これを受け、ディスカッションで、司会を務めた筑波大教授・附属病院臨床医療管理部長の本間覚氏は、「再発防止策の検討には、医療行為の評価は必要か」と問いかけた。

 木村氏は、「モデル事業では、確かに評価という言葉を使っていた。しかし、それは医療事故をシステムの問題として検討し、再発防止につなげるという意味での評価」と説明、満岡氏の指摘した「モデル事業」での採点の実施は否定した。

 石渡氏は、「報告書の書きぶりは注意すべき」としたものの、「医療の評価をせずに、再発防止策を提言するのは難しい。産科医療補償制度でも、医学的な評価を実施している」とコメント。産科医療補償制度の「医療水準の高低に関する表現例」については、「大勢の専門医が評価を実施するためには、ある程度の基準が必要であり、統一する意味で実施している」と説明。「後から振り返って妥当性を評価しているのではなく、あくまでその行為が行われた時点で、管理の在り方も含めて評価をしている」と述べ、判断基準は「産婦人科診療ガイドライン」を基に行っているとした。

 この発言を即座に問題視したのは、田邉氏。「行為が行われた時点で判断するのは、まさに法律上の過失判断。医療安全向上のための検討であれば、現在の眼から見て妥当性を検討すべき」と指摘した。満岡氏も、「個人の再発防止が目的なら、その個人に対して指摘をすべき。特定個人の行為を全国に知らせることが、医療安全につながると言うなら、そのエビデンスを示してもらいたい」と求めた。

 石渡氏は、個々の医療行為だけでなく、システムエラーや産科医療の地域の医療特性などについても評価していると説明し、産科医療補償制度によって「産科医療の質が向上してきたのは事実」と反論した。

 「医療事故調査・支援センターには、医療行為の医学的評価を行う、法令上の権限に存在しないのではないか」と、フロアから問いかけたのは、弁護士の井上清成氏。「医学的評価をやろうとした場合、必ず超えなければいけない壁がある。(事故に関係した)医療従事者の同意が必要だが、その根拠があるのか」と質問。

 木村氏は「センターは調査、分析を行うことになっている。その中には評価も含まれる。そうしなければ事故の原因究明、再発防止はできない。そのために当該医療従事者に対しては、ヒアリングを行い、報告書の内容について意見が違う場合には、その意見も記載する」と回答。石渡氏も「個々の事例についても、原因を分析して、評価をしてこそ、医療の安全と医療の質の向上につながる」と答えた。

 井上氏がさらに、「センターが再発防止策を検討するためには評価が必要というのが、センターの見解か。この点は重要な問題」と確認を求めると、木村氏は法律的な解釈として返答にやや窮すると、司会の本間氏は「今日の時点では、いろいろな意見があるということで、お互いに持ち帰って宿題にしていただきたい」と引き取った。本間氏は、「法律には、評価をするという言葉がないのはその通り。評価がなく再発防止ができるのかと考えていたが、書けないこともない。(行為の)良し悪しではなく、『日本の医療をこうすればいい』と素直に書けばいい」と語り、意見交換会を終えた。



  1. 2016/03/22(火) 05:48:02|
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3月20日 3.11震災関連 

http://www.sankei.com/photo/daily/news/160320/dly1603200022-n1.html
被災地の仮設診療所が閉所 4年8カ月の活動に幕
2016.3.20 産経ニュース

 東日本大震災の津波で医療機関が被災した岩手県陸前高田市で、医療不足を補おうと県医師会が4年8カ月運営してきたプレハブ仮設の高田診療所が20日、閉所した。再開した医療機関との競合を避けることなどが理由だが、身近な診療所を惜しむ声も聞かれた。
 この日も患者100人が受診。診察終了後には閉所式が開かれ、県医師会の石川育成会長が「医師らが団結し、今後の災害対応の手本になる活動ができた」と振り返った。戸羽太市長は「みんなの心のよりどころで、私も受診して助かった。市民を代表してお礼を言いたい」と感謝した。
陸前高田市は市内に11あった医療機関のうち、県立病院を含む10カ所が被災。深刻な医療不足を補おうと、2011年8月に県医師会が中心となり、市立第一中学の校庭でプレハブ仮設の診療所を始めた。内科や小児科、心療内科など10科を開設。土日を中心にのべ3千人の医師が交代で診察し、受診した患者数は2万8千人に上った。



http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=131231
編集長インタビュー
石木幹人さん(1)妻と病院、津波で流され それでも誓った「命を守る」

2016年3月7日 読売新聞

 東日本大震災から5年が経たった。かけがえのない人を亡くし、自宅や職場が流されて生活が一変した被災地で、どれだけたくさんの人が悲しみを胸にこれまで生きてきたのだろう。あの日、自身が院長を務めていた岩手県立高田病院が津波にのみ込まれ、妻を失いながらも、地域の医療を守るため診療を続けてきた医師、石木幹人さん(68)。退職後の今も、自宅のある盛岡市には帰らずに仮設住宅に残り、地域医療の復興に挑み続ける。少子高齢化の急速な進行、地域コミュニティーの崩壊――。日本の未来を先取りしていると言われる被災地で奮闘してきた5年間と、これからの地域医療についてお話を伺った。

◆◆◆
 インタビューは、震災後4か月で高台に設立された仮設の高田病院で行った。白衣の下は若々しいジーパン姿だ。

 「診察の時はいつもこれ。被災した年の正月に、うちのやつと約束したの。体重が70キロになったらジーパンを買うよって。結局、見せられなかったけどね」

 「うちのやつ」とは震災で亡くした妻たつ子さん(当時57歳)のことだ。かつて80キロ以上あったという体重は、被災後の奔走で自然に落ち、約束のジーパンを買った。今では、トレードマークのように毎日はいて、市内のあちこちを歩き回る。

 陸前高田市は、今年1月時点の高齢化率が36.2%と全国平均(26.0%)をはるかに上回る。高台造成に時間がかかっているため、高田病院の本格再建は来年度に予定されている。石木さんは今も、仮設病院から西へ約3キロ離れた西和野の仮設住宅で暮らし、2014年の退職後も仮設病院で週2回の認知症外来を持つ。週1回は市の「地域包括コーディネーター」として、市民の相談業務や健康関連の講演などを行っている。

 「地元の人と話していると離れがたい思いになるし、やっぱり、やり残したことがあるという思いがあるからでねえかな。医療と介護の連携も、今、自分が手を引いてしまったら、このまま崩壊してしまうと思うし、冬になると雪で介護や医療の手が届かなくなる山間部をどうするかという問題も手つかずのまま。地域の高齢者を支える仕組みがしっかりできて、先が見えるまではいないといけないんでねえかと思ってね」

◆◆◆
 あの日、入院病棟のある4階で患者の回診をしていた時、これまで経験したことのないような大きな揺れに襲われた。身動きさえできないほどだ。揺れが収まってから、1階に降りて情報収集に当たったが、電話はすぐにつながらなくなり、職員も混乱状態で必要な情報は入ってこない。

 「こんな大きい地震なのだから津波は来るのだろうと思っても、情報がないから動けない。当時、有線放送で津波情報は流れていたらしくて、職員の中には聞いていた人もいるようなんですが、各部署でやることがいっぱいあり過ぎて、院長に情報が降りてこなかった。衛星電話もありましたが、使ったことがないから使おうという発想にもならない。その間にも面会に来ていた家族が『自宅に帰る』と言い張って、みんなで病院にとどまるように説得したりと、無為に時間を過ごしていました」

 やっと津波情報が入った時は、地震発生から30分以上経っていた。防災計画で想定していた最も高い津波は、病院の2階まで。訓練通り3階まで逃げた直後、窓の外に高田松原の松林を越えて、どす黒い津波が病院に押し寄せてくるのが見えた。

 「窓の外に津波を見てから2、3分だったと思います、高田病院がのみ込まれたのは。当時のことはもう記憶が薄れているのだけれども、私や職員は『屋上に逃げろ!』と叫びながら上がったらしいです。寝たきりの患者さんで救えなかった方もおり、最後まで1階で見回っていた事務局長も行方不明になりました」

 屋上から陸前高田の町を見ると、一面津波に覆われて、風景が一変していた。専業主婦をしていた妻のたつ子さんは、病院より少し山側の宿舎にいるはずだったが、そのあたりの家屋もことごとくなくなっていた。

 「うちのやつはボランティアもしていたし、友達も多かったから、出かけていてくれたら、宿舎から動いていてくれたら助かっているかもしれないという希望をその時は持っていました」と石木さんは言う。妻の生存を祈って、水浸しになった町をどんな思いで見渡したのか。後に、娘の愛子さん(31)には、「屋上から探しても、お母さんの気配がまったく感じられなかった」と振り返ったという。

 屋上に避難した約100人のうち、患者や体力のない人は風がよけられる囲いの中に入り、防寒具を着ていた人は自主的に外に出て、一晩を過ごした。翌朝、ヘリでまず患者を、次に一般住民を運んでもらい、最後に病院スタッフと共にヘリに乗りこんだ時には夕方になっていた。3月11日の高田病院の死者(震災関連死を含まず)は、患者12人、職員(非番も含む)6人に及んだ。

 「ヘリで避難して、空から何もかも流された陸前高田を見渡した時に、改めて、『医療は壊滅だ』と思いました。それと同時に、『でも高田病院のスタッフの大半は生き残った。自分たちで医療再建をしなければならない』という思いが、すごく強くわき上がりました。感傷に浸っている暇はなかったですよね」

 高田病院のスタッフは全員、ヘリで市内の公民館「米崎コミュニティーセンター」に運ばれた。到着したとたん、うわさを聞いて集まった患者の診療が始まった。妻のことが心配だったが、日頃から夫婦で「何か災害があったら、市立第一中学校(一中)で落ち合おう」と約束していた。翌日、各避難所の様子を見回りに行った時に、一中にも足を伸ばすと、近所に住んでいた人にばったりと出会った。「先生の奥さん、直前は自宅にいたよ」と、その人は告げた。

 「それを聞いた瞬間、『ああ、もうだめだな』とあきらめました。もう絶対に無理なんだなと」

 その足でまたコミュニティーセンターに帰り、詰めかけていた患者の診療を始めた。

 医学生時代に結婚した妻は、家事や育児を一手に引き受け、石木さんが勉強や仕事に集中できるように支えてくれた。医師不足の高田病院に赴任し、医師を確保するために各地の大学病院を走り回った時は、50代になっても当直日数が多くて疲れ切っている石木さんの代わりに、長時間の運転をこなしてくれた。医療や社会問題にも関心が高い読書家で、「これを読むといいわよ」と勧めてくれて、診療の幅が広がった。自分の人生になくてはならない相棒だった。

 (今日の夜は大変だな。一人になったら泣いてしまうんでねえかな)

 一瞬、不安がよぎったが、患者の前に座ると、医師としての責任感が感情に溺れそうな心を押しとどめた。そこに突然、現れたのが、盛岡にいるはずの三男だった。周囲に止められたそうだが、「とにかく両親の無事を確かめたい」と緊急車両に紛れて車で陸前高田に入り、数時間、あちこちを歩き回って、父の元にたどり着いたのだ。

 「『先生、息子さん来たよ』って声をかけられたんだけど、診察中だったので『ちょっと待ってろ』って言ったみたい。『あの時、冷たかったなあ、お父さんは』って後で言われました。夜、みんなで雑魚寝しているところに2人で並んで寝て、『お母さんはどうも自宅にいたみたいだから、まず無理だ』と伝えたんですよね。でも、息子が来てくれたおかげで、心が乱れずにすんだな。その夜もちゃんと眠れたし。翌日には盛岡で研修医をしていた娘が来てくれて、初期に家族に支えられたというのは、すごくあったね」

 当時、盛岡市の岩手県立中央病院で初期研修中だった長女の愛子さん(現・東北大学加齢医学研究所老年医学分野所属)は、13日の昼頃、高田病院で研修中で、ヘリでいったん盛岡に運ばれた同期の研修医から、石木さんに託されたというメモを受け取った。そこには患者と職員の被災状況、当面必要な衣服や薬などが書かれ、「お母さんは絶望的です」とも書かれていた。愛子さんは翌日、職場の上司らと6人で支援物資を持って陸前高田に向かった。

 高田病院のスタッフの避難場所となった米崎コミュニティーセンターには、高血圧や糖尿病など持病の薬が津波に流されたという患者、風邪をひいたという患者が続々と来て、スタッフ自身も被災者なのにフル回転で診療をした。院長の石木さんは、地域医療に責任を持つ立場として、14日朝からは主な避難所を回り、被災者の健康状態を探った。

 「避難所に行くと、『ああ! 院長だ』と途方にくれた人たちが集まってくるじゃない。『何とかするから心配しないで』と声をかけると、ほっとした様子でした。一番大きい気仙町の避難所は橋が流されて、ぐるっと遠回りしないと入れなかったんだけど、『明日必ず医者を出すから、安心して』と伝えて、次の日は医者2人と看護師何人かに行ってもらった。そういう場所が何か所もあって、そこも何とかすると約束して回りました」

 院長に赴任して7年。高齢化が全国に先駆けて進んでいたこの地で、「高齢者に一番優しい病院」を掲げ、高齢者が退院後に自宅でスムーズに生活できるような医療体制を準備してきた。すべて流され、地域医療が壊滅的な被害を受けた時、改めて地域における医師の役割を思い知った。

 「ここで高田病院がこけたら、地域の人の命が守れなくなると思いました。震災翌日には日本赤十字の医療支援チームが入って広範囲に活動してくれていたのですが、だからといって、僕らが日赤に全部任せて休んでいるわけにはいかない。ヘリの上から何もかも流された高田のまちを見た時、高田病院が何とかして医療を復活させないと、この地域の未来はないとまで思っていたんです。市には救護所を設置する場所を探してもらい、そこに医者を張りつけていくという作業を繰り返しました」

 14日の夕方に駆けつけた愛子さんは、避難所回りを終えてコミュニティーセンターに帰ってきた父の姿を見ると、思わず駆け寄って抱き合った。「生きてて良かった」と父に告げた。後日、石木さんは「その言葉を聞いて、俺、生きているんだと、初めて気付いた」と語ったという。

 「父は、地震の発生からずっと気が張りつめたまま懸命に働いていた。自分の命のことを考える余裕がなかったのだと思います」と愛子さんは話す。

 すぐに医療チームに加わった愛子さんは、翌日、指揮を執る父から、「愛子先生は各避難所の医療ニーズを調べてきてください」と役割を振られた。避難所には寝たきりの人、人工透析が必要な人、高血圧や糖尿病で薬がない人、精神疾患を抱えた人ら、医療が必要な人でひしめいていた。しかし、薬も医療者も医療用具もない。その年の4月から、県立中央病院で後期研修を受ける予定だったが、現場を見て、残ることを決めた。

 「後期研修なんていつでもできる。こんなにすごいごたごたが復興していく過程には一生に1度かかわれるかどうかなんだから、経験しておいた方がいいよと話したら、娘も納得してね」と石木さんは当時を振り返るが、愛子さんは父に言われるまでもなく、自分自身で気持ちを固めていた。

 「まず、医師として目の前にやるべきことがたくさんあったし、やるべきだろうとしか思えませんでした。もう一つ、娘として父を一人で陸前高田に残していくという選択肢はなかった。母もいないし、着の身着のままで被災して何も残っていない。生活のサポートや精神的な支えがないまま、この大変な業務量を父にさせるということは、家族としてどうしてもできなかった」と愛子さんは言う。

 いったん盛岡に戻って、指導医の許可を得た上で、長期出向の形を取り、愛子さんは高田病院で働くことになった。

 夜は職員全員が雑魚寝をしている部屋で並んで眠った。震災後、石木さんは一人で眠ることはほとんどなかった。

 「互いに泣いた顔を見せたことはないと思うよ」と石木さんは振り返る。しかし、愛子さんは違う記憶を持っている。

 「夜、時折、父が泣いているのに気付くことがありました。黙ってそばにいましたが、それは娘ですから気がつきますよね……」

 高田病院の診療機能が停止したため、隣の県立大船渡病院に患者は殺到していた。高田病院を早く診療再開させるため、救護所運営は別の医師に任せ、石木さんは検査体制と調剤薬局の整備に奔走した。

 その傍ら、盛岡に行く用事がある時は、娘と共に遺体安置所に寄って、妻を捜した。見つかってほしいという気持ちと、見つかってほしくないという気持ちとが交錯する中、震災から3週間後の31日午後、妻が見つかった。色や形が特徴的な靴が決め手だった。ほぼ間違いないとわかった時は、2人で放心状態だった。

 「ようやく見つかったと、ほっとした思いはあったね。もう安置所に捜しに行かなくていいんだという思いも正直あった」。3週間ぶりの再会。しかし、33年連れ添った妻との別れを、ゆっくりと悼む時間はなかった。

 検査や薬局の体制のめどがつき、4月4日には高田病院が一般診療を本格的に再開することが決まっていた。これからの再建について、職員全員で話し合ったその日の夜が通夜で、その後数日で葬儀などすべての儀式を終えた翌日には、すぐに仕事に戻った。

復興への長い道のりが始まった。

 (続く)

【略歴】石木幹人(いしき・みきひと)
 岩手県立高田病院前院長、県医療局名誉院長、陸前高田市の在宅療養を支える会チームけせんの和会長、陸前高田市地域包括ケアコーディネーター
 1947年、青森市生まれ。71年、早稲田大学理工学部卒。79年、東北大学医学部卒。岩手県立中央病院呼吸器外科長兼臨床研修科長を経て、2004年、岩手県立高田病院院長。11年3月、東日本大震災で同院が全診療機能を失い、妻を津波で亡くしながら、診療を続ける。14年3月に岩手県医療局を退職後も陸前高田市に残り、地域医療の復興に携わっている。



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編集長インタビュー
石木幹人さん(2)「日本一高齢者に優しい病院を」 築きかけていた地域医療の未来

2016年3月14日 読売新聞

 医師としての使命感に駆り立てられ、被災地の医療復興のために力を尽くす石木幹人さん(68)だが、実は、最初から医師を志していたわけではない。青森で開業医をしていた父の生き方に若い頃は抵抗を感じていたこともあり、最初に入学したのは早稲田大学理工学部。医療関連の電子工学研究室に所属していた。

 「父親を見ていると、仕事ではほぼ100%患者のために動いていて、最先端の情報を勉強しているようには見えなかった。時折、自宅で開いていた開業医仲間の懇親会を見ていても、語る内容は遊びや趣味の話ばかりで、学生の自分にとっては先が見えてしまう感じがしたんです」

 しかし、後を継ぐことを期待される開業医の長男として、「医者にならなくていいのか?」と自問自答する思いは常に胸の中にあった。大学の時の研究テーマは、心電図の自動解析。その後の修士課程では、腸管の音から腸閉塞の部位を診断する機械が作れないかと計画している医師の研究者の協力依頼が研究室にあり、医師と濃密にやり取りをする機会があった。

 「こういう世界があるのだなと気付いたら、急に、医師に関心が湧いてきたのです。人間や患者の生活を診るというよりは、病気や体の部位を最先端の科学技術で診るという、今とは真逆の医師像に最初は憧れたのですね」

 修士課程を中退し、24歳で東北大学医学部に入り直した。内科か外科かどちらかに進もうと決め、同じ年に入学した弟が先に「内科」と決めたのを聞いて、「じゃあ俺は外科にするか」と、深く考えずに専門を決めた。呼吸器外科の医局に入り、肺がんの手術を数多く執刀した。当時は大半の患者は治すことができず、手術した病院で看取みとる時代だった。

 「モルヒネも大量には使えず、緩和医療という発想もほとんどない時代で、患者にがんの告知することも珍しかった。苦痛を取れずに、患者をだましながら看取り、こんな医療はおかしいという疑問が常に心の中にありました」

 その頃、世界保健機関(WHO)のがん疼痛とうつう緩和指針の日本語訳が出て、これは使えそうだと飛びついたが、使いこなせるまでには時間がかかった。それと前後して、終末期ケアを訴える精神科医E・キューブラー・ロスの『死ぬ瞬間 死とその過程について』(単行本は読売新聞社、現在は中公文庫)が日本でも出版され、ホスピスを紹介する様々な書籍も出始めた。

 死にゆく患者にどういう医療を提供すればいいのか悩んでいた石木さん。終末期ケアの書籍を読みあさり、特に衝撃を受けたのは、終末期を迎えた患者に「どのように過ごしたいですか?」と医師が尋ね、仕事ができるオフィスが欲しいという希望を元に、病室にすぐに電話やデスクがそろえられたというエピソードだった。

 「日本の医療は、医療サイドの都合や利便性が追求されていましたが、受ける側の利便性はほとんど考えられていませんでした。ところが終末期ケアの現場から語られていたのは、患者の人生に沿った医療サービスです。これは今までの医療と全く発想が違うと驚きました。その頃から、外科の医者であっても、患者さんの生活や家族背景がわからないと良い診療なんてできないと考えるようになり、入院してくると、とにかく患者や家族の話を聞いて、看護師よりも家族関係について詳しい医者になっていましたね」

 730床を有する県内のセンター病院、岩手県立中央病院の呼吸器外科長を経て、2004年4月に、地域密着型の地域総合病院「岩手県立高田病院」(当時の稼働病床数70床)の院長を任命された。岩手県は、全国で北海道に次いで面積が広大な土地に、県民が分散して住む環境で、慢性的な医師不足と医療提供体制の維持に悩まされてきた県でもある。

 公立病院が農山村や沿岸の過疎地域の医療で果たす比重が高く、どこも赤字続きの収支にあえいでいた。石木さんが院長に就任する直前、高田病院は毎年数億円の赤字を計上し、県が進める県立病院の改革プランでは、病棟の大幅削減など規模縮小の対象施設の一つとなっていた。

 だが、岐路に立った同院の再建という大きな課題を抱えながらも、「患者の生活を考えて医療サービスを提供する」という石木さんの考えはぶれなかった。「日本一高齢者に優しい病院」を掲げ、病院改革に取り組み始めた。

 高田病院の近くには、479床を持つ広域基幹病院である県立大船渡病院が控えており、交通手段や体力のある人たちは最初からそちらに通っていた。高田病院に通う患者の多くは、70~80歳の高齢者。入院後に、足腰が弱って寝たきりになるという事態も頻繁に起きていた。

 「例えば、おばあさんが一人暮らしで、足や腰を痛めて歩くのが大変なまま自宅に帰したとしたら、自分でご飯を作れないのだから、ご飯が食べられなくなる。家族背景や家庭環境が考慮されていない医療が行われていたのです。肺炎で入院して、治して、退院してもいいよとこちらが言っても、家族が困るわけです。入院するまでは歩けていたのに、退院する時は一人で歩けなくなるからです。だからまず、入院する前の状態で帰すことを目指して、リハビリを充実させることから手を打ち始めました」

 リハビリ担当は、もともと理学療法士が1人いたのを2人にした。言葉の障害や食べる機能の障害を訓練して改善する言語聴覚士も一人増やして3人体制になったところで、震災が起きた。2011年4月からは、作業療法士と理学療法士をもう1人増やし、5人体制に強化する矢先だった。

 訪問診療も、石木さんが赴任してから強化した医療の一つだ。

 「大船渡病院に脳卒中で入院して、介護が必要な状態で高田病院に転院してくる時に、『在宅で診るのは無理だから、施設を探して下さい』と指示されてくる例がとても多かったのです。しかし、家族の話をよくよく聞くと、できるならば家で看たいという人が多かった。それには訪問診療を充実させることが大前提となります。医師の数も限界があるし、高田病院だけでは訪問医療は回せないとなった時に、地域の開業医の先生にも受け持ってもらうことが必要だったのです」

 その実現のために必要だったのは、患者が自宅で急変した時にいつでも入院を受け入れる病院のバックアップ体制だった。石木さんは地域の開業医と会議を重ね、在宅の患者の診療情報を病院と共有する「ホットツバキシステム」を構築。ホットは「温かい心」を指し、ツバキは陸前高田市の市花だ。夜間や土日に急に体調を崩した時は、事前登録して患者情報のある高田病院に連れてくれば、即入院させるという体制を作り、地域全体で訪問診療を手厚くする登録システムを2011年4月から稼働させるばかりとなっていた。

 高田病院に赴任するまで、呼吸器外科の専門医として活躍していた石木さんが、認知症の患者を診るようになったのも、目の前に認知症で困っている患者や家族が続々現れたからだ。もともと2人しかいなかった内科医の1人が赴任直後に辞めることになり、内科の外来も受け持つようになった。すると赴任して半年ぐらいの間にも、どんどん症状が進んでいく認知症患者を何人も診ることになった。患者の付き添いで来ていた家族も、患者を看取った後に認知症になるということを何人も経験した。

 「患者が亡くなった後に、付き添っていた家族も私の顔がわからなくなってしまう。俺は外科だから認知症なんてわからない、と言っている場合ではないと危機感を持つようになりました。そのうち、院長として、地域で市民向けに認知症をテーマに講演してくれと頼まれるようになり、勉強して病態もわかるようになると、これはほっとけないなという思いを抱いたのです。赴任翌年、地域の認知症治療体制の中核的な役割を担う認知症サポート医の講習会があると聞いて、誰も手を挙げなかったので、外科の私が行かせてもらいました」

 その後も認知症の専門医の講演会などにまめに足を運び、診療経験を積むうちに、認知症の患者に対して自信を持って接することができるようになった。外来患者の中でも、じわじわ認知症患者の割合が増えていると感じ、認知症に特化した外来を開くことを決めた。この専門外来も、2011年4月に開設するはずだった。

 こうして、リハビリの充実、訪問医療の地域体制、認知症専門外来の開設と、04年の赴任以来、こつこつと準備を積み重ねてきた計画が、いよいよ始動しようとしていた時、東日本大震災が起きた。収支も黒字転換し、稼働病床数も増やそうという話さえ出て、明るい希望が見えていた時だった。

 「種をまいて、水をあげて手入れして、全部これから花が開きそうとなっていた時に、全部津波で流されたの。あと一歩という時にね」

 震災で妻も、病院も、家財道具一式も流された。もう一つ流されたのは、理想に向けて築きかけていた地域医療の未来だった。

 (続く)



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編集長インタビュー
石木幹人さん(3)地域医療の再建 震災影響で認知症も増え

2016年3月21日 読売新聞

 震災の翌月、岩手県立高田病院は、スタッフの避難所兼救護所としていた米崎コミュニティーセンターで、本格的に一般診療を再開した。3月下旬には、震災直後から自身も被災者なのに休みなしで働いていたスタッフに休暇を取らせ、4月4日に改めて全員集合した。震災前に行っていた一般検査はほぼすべてできるようになり、調剤薬局も備えた再出発だった。その頃には、地元の開業医や外からの応援医療者により、市内7か所で八つの救護所が運営されていたが、その中心となる高田病院の本格再開だった。

 「同じ医療圏の中で、高田病院で受け入れられない患者が殺到して疲弊している基幹病院、大船渡病院の負荷をどうにかしなくちゃいけないというのが、自分の中ではかなり大きな課題でした。高田病院で一般診療を再開するには、検査と薬局が欠かせない。だから検査科と薬剤科のスタッフの尻をたたいて、鬼のような院長だったと思います」

 陸前高田と盛岡を何度も往復しては、行政と事務手続きを急ピッチで進め、検査科のスタッフと検査機器を集めるのに奔走した。調剤薬局を作るために、薬剤科のスタッフや薬剤師会と話し合いを繰り返した。

 「当時は、『なんでこんなに時間がかかるんだ!』と腹を立てていたけれど、今振り返れば、あの震災から1か月足らずで一般診療を再開するなんてすごいことだった。大船渡病院の外来数も、4月には震災前とほとんど同じぐらいに落ち着いたのです。地域医療は、一つの病院のことだけを考えたらいいわけじゃない。地域全体のそれぞれの病院の役割や負担のバランスも考えなくちゃいけない。だから、みんなでよく頑張ったなと今は思いますね」

 再集結の日に、病院のスタッフ全員で、これからどういう診療を目指していくのか、グループに分かれて話し合いをした。当面の活動方針として、〈1〉入院機能を持つ仮設病院の早期再建〈2〉訪問診療の充実〈3〉住民の健康管理(保健師活動)への参加〈4〉心のケアの充実――の四つを大きな柱と決めた。どのグループも共通して掲げた目標は、「入院機能を持った仮設の病院」だった。

 「みんなが入院機能を必要だと思っていることを最初に確認したから、その後、自分がこの件で、ぶれることは全くありませんでした。必ずそういう病院が立ち上がるに違いないし、絶対に造ってみせると思っていました。県の医療局にも度々通い、高田病院は入院機能のある仮設の病院にしてくれないとだめだと訴え続けました」

 陸前高田市役所には、被災していない地区で仮設病院が建設できる広さの土地を探してもらうよう交渉し、7月には、コミュニティーセンターとは別の場所にプレハブの仮設外来棟がオープンした。

 診療の本格再開直後から、車を流されるなど足がなくて通院できない高齢被災者のために、「自宅を病室に」を合言葉に、訪問診療を始めた。寝たきりの母親と妻を自宅で介護していた70代の男性が、訪問診療に来た石木さんに「仮設病棟ができたら、入院させるから。それまで頑張って」と励まされたというエピソードが残っている。

 震災の被害を受けながら、自宅で老々介護を続け、疲れ切っていた高齢者。その人たちとの約束を守りたいと、県や周囲の病院関係者と話し合いを重ね、10月の県議会で、県知事が「高田病院は有床の仮設病院にします」と宣言した時は、スタッフで祝杯を挙げた。

 翌年2月、41床の仮設病棟が完成し、入院患者の受け入れが始まった。市役所でも多くの保健師が亡くなったため、全戸を訪問して住民の健康状態を調べる保健師活動に、高田病院の看護師も参加させた。病院に専用のリハビリ室を作り、震災前に思い描いていたリハビリの充実にも本格的に取り組み始めた。

 「震災が起きても、直前に発令された人事は生きていたから、リハビリのスタッフも5人は確保できていたのです。彼らは、入院病棟がない間は、仮設住宅に出向いて、運動不足になっているお年寄りの訪問リハビリをしっかりしてくれたし、引きこもりにならないように運動を指導する仕事もしてくれた。病院で仕事ができない期間も、住民の健康維持のためにかなり貢献してくれたのです」

 開業医と連携して、訪問診療を充実させるホットツバキシステムも、病棟の完成数か月後には患者登録が始まった。

 震災前に開設を考えていた認知症外来も、間もなくスタートした。避難所にいた住民が仮設住宅に移り、仮設での生活が長くなってきたころから、石木さんは、認知症患者がじわじわと増えてきているのを感じていた。

 「もちろん加齢に伴う自然な機能低下もあるのですが、被災に伴う精神的なストレスがきっかけになっていると思える患者さんも中にはいるのです。連れ合いも含めて、今まで一緒に住んでいた人が亡くなったり、老後の面倒をみてもらうつもりだった娘が亡くなったりした場合はかなり厳しいですよ。別の子どもにみてもらおうとしても、そりが合わなくて落ち込んでしまう。ほかにも、例えば趣味の踊りや歌のサークルに入っていたお年寄りが、慕っていたお師匠さんが亡くなってしまって、やる気をなくしてしまうことがありました。ほかのサークルを勧めても、そのお師匠さんでなければだめなのですね。かけがえのない存在を失ったショックは、それまで認知症になるのをかろうじて押しとどめていた大きな支えを、ぼろっとはいでしまったのです」

 さらに、生活環境の大きな変化も、認知症の増加に影響している印象を受けるという。

 「大家族で暮らしていた高齢者は、大人数で住める仮設住宅がないので、若い人と別々に住むことになってしまった。すると、高齢者だけではなかなか動けないから、引きこもりがちになる。また、高齢になると、新しいことをなかなか覚えられないので、トイレや電気のスイッチの場所が変わったとか、扉が引き戸に変わったことなどで戸惑っていると、家族に怒られてしまいます。特に水洗トイレの流し方が覚えられなかったりして、そのままにしておくと『ばあちゃん、汚ねえ』とか言われる。新しいことを覚えなくてはならないストレスに、周りに非難されるストレスが重なり、そのうち『帰る』というようになる。『どこに帰るの?』と聞くと、昔うちがあったところに行って、『ほら、ないでしょう?流されたのよ』と突きつけられ、絶望的な気持ちになって仮設に戻る。そういうことが重なることで、認知機能が悪化しやすいという状況が被災地にはあるのだと思います」

 診療が再開してからしばらくは、患者の医療情報がないことにも苦労した。津波でカルテがすべて流され、患者は予想以上に、自分の飲んでいた薬も病気の経過も覚えていない。医師らは、問診に時間をかけて、患者の医療情報の掘り起こしを行った。


 診療の立て直しの合間、石木さんは、病院で亡くなった全ての患者やスタッフの家族の訪問もした。

 「父は詳しく語らないのですが、ご家族の中には父の責任を厳しく問う人もいたそうです。なぜ助けられなかったのかと。院長としてできたことがあったのではないかと。そういうことも父は一人で受け止めて回っていました」と娘の医師、愛子さんは振り返る。

 診療が大幅に縮小したため、当初看護師の半数は、大船渡病院に一時的に配属されていた。「自分は高田病院に戻れるのか」。不安を抱えるスタッフに、「いつか必ず戻ってもらうから」と、声をかけて安心させるのも院長である石木さんの役目だった

 高田病院のスタッフは、米崎コミュニティーセンターから近くの住田病院2階に住む場所を移し、そこで6月いっぱいまで共同生活を営んでいたが、7月には、仮設住宅に移動。石木さんも、愛子さんと一緒に西和野の仮設住宅に入った。病院スタッフと共同生活を送った時は、食事もベテラン主婦のスタッフが作ってくれたりしていたが、仮設での生活が始まると、石木さんは家事も始めるようになった。愛子さんはこう語る。

 「それまでは母がすべて家事を引き受けていましたから、忙しい仕事の合間に家事を覚えるのは、きっと大変だったと思います。夜ご飯は私が作りましたが、朝は父が用意しました。食べるのも飲むのも好きな人ですから、料理の本を見ながら、みそ汁を作ったり、おからを煮たりしていましたね」

 昼ご飯は弁当の宅配サービスが間もなく始まったが、弁当も自分で作るようになった。

 「外食する場所もないし、配達の弁当を頼んだら揚げ物が多くて胃もたれしてしまって、弁当を自分で作るようになりました。大学の頃は自炊をしたこともないわけではないですが、医者になってから料理はしたことがないですから、最初は大変でしたよ。今では慣れて、毎日自分で作っています」

 食卓には、妻のたつ子さんの遺影を置き、夕飯の時は、石木さん、愛子さん、たつ子さん、3人分のおちょこを用意して、一緒に晩酌した。自分の分をすっかり干した後、最後に、「じゃあ、お母さんの分ももらうかな」と、石木さんがたつ子さんの分も飲み干して笑うのが日課になった。酔うと、石木さんはたつ子さんとの出会いの秘話や新婚の頃の思い出話を楽しそうに娘に語ることもあった。2人でたつ子さんのことを思い出し、時には笑いながら語り合うのは、大事な時間だった。

 入院病棟ができると、多くの患者が高齢者であるため、看取みとりも数多く行うようになった。肺炎や食欲の衰えで、亡くなることが続くと、看取りの経験が少ない愛子さんは落ち込み、石木さんに「私、死に神になったみたいだ」と漏らすようになった。

 「年齢のせいだから仕方ないと片づけられていましたが、知識や経験がもっとあれば、助けることができる人もいるかもしれないと悩みました。地域での介護サービスも不足していて、お嫁さんが自分の生活を犠牲にして介護に専念し、亡くなると生きがいをなくして、今度はそのお嫁さんの体調が悪くなる。日本の高齢化の課題が凝縮されたような土地で2年間働いて、地域力、介護力の弱さが、お年寄りの健康悪化につながっていると感じ、もっと勉強したいと思いました」

 愛子さんは、東北大で加齢医学を学びたいと石木さんに告げ、3年目にこの土地を去ることになった。石木さんは一人、陸前高田に残って診療を続けた。

 被災前も高齢化率34.5%(2010年)と全国に先駆けて高齢化の進む陸前高田市だったが、震災で、若い世代が仕事のある都市に移住することもあり、少子高齢化の課題はより深刻になった。石木さんは市内の医療、介護、福祉施設に声をかけて、互いの連携を強める「陸前高田市の在宅医療を支える会―チームけせんの和」を設立し、会長に就任。地域の住民に病気予防に関心を持ってもらうよう、「チームけせんの和」のメンバーが俳優となって、病気の予防策を演劇で伝える「劇団ばばば☆」も設立した。町の高齢者を招待した初演は、「減塩」の大切さを訴える舞台で、石木さんも医師役の「俳優」として熱演した。

 「ばばばっていうのは、テレビドラマの『あまちゃん』のじぇじぇじぇと一緒で、この地方で、びっくりしたという意味の方言なんです。減塩だけでなく、転倒予防やお口の健康など演目も増えていて、とても好評なんですよ」

 次の院長が決まり、2014年3月、岩手県の医療職を退職した時、石木さんは、一人で仮設住宅に残って仕事を続けることを心配する子どもたちに問われた。

 「これからどうするの?」

 「チームけせんの和」も作ったばかり。雪の季節は、山奥の地域は医療や介護サービスが届かない。高齢化率が35%に迫る陸前高田市で、これから医療や介護の連携をどうしていくのか、介護予防の運動をどう広げていくのか、課題は山積していた。盛岡市に自宅はあり、老健施設の所長などの誘いもあり、心は揺れた。迷った末、陸前高田市に残ることを決めた。

 「どこに行ってもやりがいは見つかるの。全国で少子高齢化の課題を抱えているところなんてどこでもあるのだから、自分のやってきたことを生かせる場所はどこにでもある。でも、ここで被災したというのが大きいのだろうね。自分も被災者の一人だし、妻を亡くしているし、ここでは知った人がやたらと多い。町を歩いているとあいさつされるのは普通だし、運転していても車の窓越しにあいさつされる。そんな人たちが困っている話を聞くと、立ち去りがたい気持ちになる。根付いたというのは何だけど、高田の人たちが安心して暮らせるようにしたいっていう思いは震災後にますます強くなりましたね」

 (続く)


  1. 2016/03/21(月) 06:47:12|
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