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Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

1月30日 

https://www.m3.com/news/iryoishin/395171?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD160130&dcf_doctor=true&mc.l=141910151
シリーズ: The Voice(医療)
必要な医師数とは そろそろパンドラの箱を開けましょう

オピニオン 2016年1月29日 (金)配信中村幸嗣(危機管理専門血液内科医)

 日曜の朝日新聞記事です。(あの時それから)
記事中の元官僚の言葉に琴線が触り、こんなツイートをしました。

#朝日新聞
   あのときそれから
   医師数 ぶれ続ける政策より

   将来に向けて医師はどれくらい必要なのか。(中略)
   医療行政に詳しい元官僚はつぶやいた。
   『誰も全体像をわかって議論していないのではないでしょうか』

   それを調べるのがお前の仕事だろう
   怒!
   今からでも調べろ!
   2016年1月23日 18:46


 私のFBにも載せたところ同級生(消化器内科+精神科)からとてもいいコメントをいただきました。以下少し表題について書きたいと思います。

 医師数は本当に足りないのか。今まで記事にしてきたテーマです。そして必要な医師数とはどこから導き出されるのでしょう。私の同級生のコメントです。

 「必要」という基準ひとつとっても、「必要最小限」から「必要十分」まで幅が広い。また同じ日本語で「必要最小限」と表現しても、例えば極小未熟児が救えない地域が存在する状態を必要最小限の医療が確保されていると見るのか、確保されていないと見るかは論者次第で違う。

 結局、「必要が充足された」の判断基準を共通化することなしに議論は噛み合うはずがない。だから、「全体像を分かる」の前段階の、何をもって「医療崩壊の解決」や「望ましい医療体制確立」と判断するかというゴールの共通認識確立が大事だと私は思います。

 医療に結果責任負担や無謬の注意義務を限りなく要求するなら、医師はいくら増やしても足りないし際限ない医療費膨張をも認容してもらうしかないでしょう。反対に「力及ばず死亡」を老若男女問わず全て「仕方ない、寿命だった」と国民の殆どが受容してくれるなら、過疎地域に医師を確保する必要性自体がそもそも下がってくるでしょう。

 「税負担増は嫌だが、日本全土であまねく最高の医療体制確立はなきゃ嫌だ」は、そもそも両立しえない「ないものねだり」でしょう。頭が悪いから正しい政策に至らないのではなく、みんなで不能解を探しているだけなのではないでしょうか?

 素晴らしい意見です。以前私が救急現場問題で述べさせていただいた(救急医療への提言(1):マグネットホスピタルから4年半)

★ 成熟した国家として、国民の医療に何を要求し何を供給するかというビジョン★
につながります。
具体的に言えば、
1 がん診療はどこまでするか

 a 何割改善する可能性があれば緩和治療を選ばず改善させる侵襲的治療を行うか
 b 合併症、副作用が出るとすれば何割までであれば治療を行うか

  これは現在の治療内容、予後予測をしっかり説明して、患者さん、家族に治療等を決定してもらうという現在の医療決定の手順を踏んでいくと思われます。この流れはこれからも続くでしょう。
  ここでの問題点に、医師の説明が下手、患者が理解できないなどが絡んで大変です。そんなこんなである人間は、正直で残酷な医師より言葉の優しい民間医療になびきます。

 c 医学的には根拠に乏しい個人の希望を優先するのであればどこまで実施するか、またその費用は

  日本の保険制度/予算を考える際どこまでを保険で、どこまでを自費でという問題が存在します。保険適応治療では患者さんの払いは高額療養制度でだいぶ緩和されています。しかしそれでも治療費の問題は存在しています。
  医療者側が忙しすぎて寄り添えない原因などから根拠のない民間医療に陥いる患者さんは、言い値の値段で効果が少ない民間医療を受けます。当然保険診療より利益が出ますので患者の払いはさらに大変になり、利益重視の民間医療は日本で蔓延っています。

2 終末期医療、そして尊厳死はどうするか

 意識のない、人工呼吸器で管理されている患者さん。認知などで正常な判断ができず胃瘻などで生きている患者さん。この間米国では医師からの余命宣言で安楽死した患者さんもいましたが(米国の安楽死問題 医者の余命宣告はそんなに当たらない)本当に治療の適応という上で難しい問題です。
 医師側から回復の見込みはないと言われても、最後まで出来る限りの治療をという家族もいます。それこそ96歳で手術して100まで元気な三笠宮さまという例もあります。(三笠宮さま 96歳の心臓手術 医師の言葉 責任)何が正しく何が間違いという確立した答えはありません。
 欧米には死生観を補う宗教があるのですが、日本は戦後家族制度の崩壊も相まって今ひとつ死に向き合えていません。その意味でも樹木希林さんのキャンペーンは良かったと思っています。(死ぬときぐらい 好きにさせてよ!そのためには人、金、時間、そして知識が必要)

 まだまだ細かいことはありますが、結局は命をどのように扱うのか、いや医療が助けるべき命の定義というある意味パンドラの箱を開けて議論をすべきです。そうすることで本当に初めて必要な医師数、費用がわかります。前提が違っては終着点はいつまでたっても見えません。なんとなく現場に任してはもう限界になっていると思っています。そう思ってから6年が経ちます。少ししか医療の現場が改善されていないことが残念です。

※本記事は、2016年1月26日の『中村ゆきつぐのブログ』で発表した内容を、編集部でタイトルとレイアウトのみ変更したものです。




http://digital.asahi.com/articles/DA3S12174900.html?_requesturl=articles%2FDA3S12174900.html&rm=150
(あのとき・それから)昭和48年 一県一医大構想 医師数、ぶれ続ける政策
2016年1月23日16時30分 朝日新聞

一県一医大構想の一環で最初にできた山形大学医学部の最初の入学式。1期生のうち地元出身者は1人だった=1973年11月(山形大学医学部創設十周年記念誌より)
 (1973年)

 この春、私立の東北薬科大(仙台市)に医学部が誕生する。東日本大震災の復興特例で、新設は国内で37年ぶり。定員100人に2463人が志願。6年で3400万円かかる学費を、最高で3000万円まで条件つきで貸与する修学資金枠を55人分用意したこともあり、24倍を超す狭き門になった。

 新設を巡っては、これ以上の「激戦」が43年前にもあった。当時の田中角栄内閣が閣議で決めた「一県一医大構想」の先陣を切る形で、山形大、旭川医大、愛媛大の3医学部で1973年10月、最初の入試があった。

 認可が遅れたため通常より半年遅い、異例の秋入試。最も倍率が高かったのは山形大で実質倍率は37倍だった。1期生になった山大付属病院長の久保田功教授は、「『ああ、これで浪人せずに済む』とホッとしたことを覚えています」と振り返る。

     *

 医師の養成は40年代まで、東大などの旧帝国大と、戦時下で短期間に医師を育てるために増えた旧医学専門学校が担っていた。戦後しばらくは、大陸から引き揚げてきた医師も加わり、医師数はむしろ多かった。

 だが、高度経済成長期に入り、61年に国民皆保険制度ができて医療機関を受診しやすくなると、病院にかかる人が増えた。同時に医師不足と、医療の質に対する不満が顕在化していく。

 国は、60年代は医学部などの定員を増やして対応したが、医学部がない県では医師確保が難しかった。このため、医学部設置は地域の「悲願」に。70年、戦後初の国立医学部が秋田大に設置されると、医学部のない県の中央への陳情が盛んになった。

 この頃、自民党幹事長で、次期首相を狙う田中角栄は山形を訪れ、「佐藤(栄作)首相は5選はしないだろうし、これから(残る任期の)2年間は政治に没頭できる」として、将来の新幹線や高速道路などの整備と合わせ、医学部建設の調査費計上を約束。それは地方での選挙対策の「切り札」の一つでもあった。

 73年には4校、74年に滋賀、宮崎など3校、といった具合に、79年の琉球大まで、7年で16の国公立の医学部・医科大ができた。私立の新設も相次ぎ、81年には防衛医大を除いた79校で、入学定員は8280人になり、10年余りで倍以上になった。

 ところが82年、「将来、医師が過剰になる」という声が医学界などから上がり、国は削減策に転換する。国の医師需給の検討会は84年、「2025年に医師の1割程度が過剰になる」という推計をもとに、「1995年をめどに最小限10%程度削減する必要がある」という意見を出した。結局、定員は2003年に7625人まで減り、一県一医大達成時より約1割減った。

     *

 だが皮肉なことに、医師過剰時代は訪れていない。医師の質をあげるために導入した新人医師の臨床研修の必修化、医師を地域病院に派遣する医局制度の崩壊、医療の高度化などで、現場は医師不足で疲弊している。

 国は08年から定員の増加政策に転じ、今年から医学部の新設も再開される。「わが国の医師数政策ほど振り子のように揺れた政策はめずらしい」「1割削減という目標は達成された。だが、その時すでに1割過剰どころか、1割以上不足であることが明らかになっていた」と、国立保健医療科学院の岡本悦司統括研究官は著作で述べている。

 将来に向けて医師はどれくらい必要なのか。医療や介護の費用の面でも重要な見通しだが、医療行政に詳しい元官僚はつぶやいた。「誰も全体像をわかって議論していないのではないでしょうか」(権敬淑)

 ■優秀な看護師育成に力を 医学部の立ち上げに関わった山形大元教授・精神科医、外崎(とのさき)昭さん(78)

 戦時中に医学専門学校がたくさんできた影響で、1940年代半ばは、医学部の入学者は1万人以上いたんじゃないでしょうか。引き揚げの医師も加わって、多くが開業医に。そういう方が当時の国民衛生のために活躍された。

 しかし、GHQの公衆衛生福祉局長は、日本の医学教育について、「日本に医科大学無し」と厳しく評価しています。日本の教育や設備、医療の質は決して高くはなかったんです。

 60年代半ばになると、戦後に開業した先生方の子弟が医学部を目指した。そのころは定員も減り、ものすごい競争に。そういう背景も、当時の一県一医大構想につながっています。

 東北大で解剖学を教えていて、山形に初めて足を運んだのは72年秋。地元では医学部への期待はあっても、現実的な理解は薄かった。「医者が来てくれればいいだけ。教育や研究はいらない」と言われたり、「死体を置くなんて」と解剖学教室に反対が起きたり。苦労はしましたが、理想を持って一から創るのはやりがいがありました。

 現在、精神科医として社会と折り合いをつけづらい人や認知症の方と接します。日本の医療、介護の将来を考えるなら、医学部の定員をいじるより、教育の充実で優秀な看護師を育てたり、介護者のレベルアップに力を注いだりする方が現実的ではないでしょうか。

 ■医学部と入学定員を巡る流れ

1886年~   旧帝国大7校に医科大学
1940年代前半 各地に医学専門学校
61年    国民皆保険制度が確立
73年2月  一県一医大構想を閣議決定
  9月  旭川医大、山形大、愛媛大に医学部開設
79年    琉球大に医学部。無医大県解消。
82年    医師過剰への配慮を閣議決定
84年    厚生省検討会が医師数1割削減の意見を出す
85年    地域別の医療計画づくり開始
86年    医学部入学定員を約1割削減へ
97年    医学部の整理・合理化も視野に医学部定員削減を続ける閣議決定
2004年    新人医師の臨床研修が必修に
08年    医師不足を背景に既存校の定員を期間限定で増やす
16年    特例で東北薬科大に医学部
17年    国際医療福祉大に医学部(予定)



https://www.m3.com/news/iryoishin/394054?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD160130&dcf_doctor=true&mc.l=141910148
シリーズ: 真価問われる専門医改革
専攻医数、「激変回避」のため調整も- 池田康夫・日本専門医機構理事長に聞く◆Vol.2
研修プログラム審査、1次と2次の2段階

インタビュー 2016年1月30日 (土)配信  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――2015年12月から、研修プログラムの申請受付も開始しました。

日本専門医機構理事長の池田理事長によると、研修プログラムは今年6月の終わり頃に公表予定。
 産婦人科と耳鼻咽喉科、病理、臨床検査については、12月1日から申請受付が始まっています。それ以外の領域でも、順次開始しており、現時点で申請を受けているのは、19の基本領域中、14領域。内科も間もなく開始します(取材は1月13日に実施)。残る4つの領域のうち、一番遅くなるのが恐らく総合診療でしょう。総合診療については、モデル専門研修プログラムの最終の検討段階にあり、今月(1月中)には完成予定で、2月上旬から申請受付が始まるでしょう。

 産婦人科については、研修プログラムがほぼ出そろったようです。耳鼻咽喉科も先日、札幌での専門医研修に参加したのですが、100施設弱と想定される基幹施設から申請があったと聞きました。

――基幹施設は、各領域でどの程度の数を想定されているのでしょうか。

 多いところで、外科は300前後の施設、内科は350前後の施設。小児科、整形外科、産婦人科が200施設弱。一方、単科の領域は、大学病院を含めて、100施設前後でしょう。

 予測しにくいのが、総合診療。総合診療については、研修プログラム整備基準の作成までは既に終え、機構のホームページにも掲載していますが、全国からいろいろな質問が来ています。

 総合診療の研修プログラムは3年間で、うち18カ月が総合診療固有の研修、残り18カ月のうち内科6カ月、救急と小児科が各3カ月は必修という内容です。指導医1人つき、指導できる専攻医は3人までですが、中小規模の施設などから、内科と日本プライマリ・ケア連合学会の両方の指導医資格を持っている場合、何人まで指導できるのかといった質問など、研修プログラム作成に関連したものが、中小病院あるいは診療所から多く日本専門医機構に寄せられています。これらの質問についてのQ&Aを、間もなく機構のホームページに掲載します。

――総合診療の領域では、診療所でも10数人の医師で運営しているケースがあります。

 その通りです。一方で、大学病院でも総合診療の研修をやっています。これらを合わせ、総合診療では300~400くらいの研修プログラムが申請されるのではないでしょうか。

――研修プログラムの申請受付は、いつまでですか。今後のスケジュールをお教えください。

 だいたい申請開始から2カ月間を予定しています。12月から開始した領域では、1月末がメドです。2月から開始する領域でも、3月末くらいまででしょう。その後に、研修プログラムの審査を行います。審査には、1次審査と2次審査があります。1次審査は、各領域の研修委員会が担当し、審査基準に従い、申請受付の終了から1カ月から1カ月半くらいで実施。2次審査は5月末から、6月の半ばくらいまでに、全ての領域で終える予定です。6月の終わり頃に、全国各地にどんな研修プログラムがあるかを、領域別に公表します。

 7、8月にかけて、2年目の初期研修医が、各研修プログラムを見て、見学に行ったりして、9月から10月にかけて、第1回の専攻医の募集を行い、採用試験を実施するスケジュールになります。第1回の試験で決まらない医師については、第2回、第3回の募集を行っていきます。第4回くらいまでやると、だいたい落ち着くでしょう。初期臨床研修のようなマッチングのシステムは考えていないので、採用試験は、各基幹施設で試験と面接が行うことになります。

――研修プログラムの審査は、どんな基準で行うのでしょうか。

 領域別の研修プログラムの審査基準は今、作製中です。

 1次審査の基本は3つあります。第一は、研修内容が充実しているか、専門性が担保されたプログラムになっているか。第二は、地域医療とリサーチマインドの涵養がプログラムに組み込まれているか。第三は、研修施設群が適切に構成されているかです。例えば、全国に複数の病院を展開している組織が、地域を超えて全国で研修施設群を構成することや大病院連合での研修プログラムはやめてほしい。地域の病院がその地域で研修施設群を作り、その施設群で経験できない診療領域がある場合に、他の遠方の地域にも連携施設を持つことをなどを否定するわけではありませんが、基本的には都道府県あるいは2次医療圏の単位でプログラムを作成してもらいたい。

 1次審査は、各専門学会から推薦された委員などで構成する領域別の研修委員会で行います。ただし、1次審査は個別の研修プログラムの審査なので、全体像は分かりません。2次審査は、日本専門医機構と、領域別の研修委員会が合同で行い、各領域の研修プログラムが全国でどんな分布になっているかといった視点から審査します。ある領域の研修プログラムが1つもない県がある一方、数多くある県があったりする場合、募集する専攻医数に地域による偏りが生じ、新専門医制度の開始後、医師の地域偏在を助長することになります。こうした事態を避けるため、「是正勧告」をする予定です。地域医療の混乱を回避するために、激変を避けることが重要です。

――その「是正勧告」には強制力はない。

 そうです。初期の臨床研修とは異なり、新専門医制度は法律に則った制度ではないので、強制力はありません。しかし、日本専門医機構の設立時の社員である、全国医学部長病院長会議や日本医学会連合などから、大学病院や学会に対し、ステートメントを出し、「是正勧告」などがうまく機能するように進めたいと考えています。

――募集予定の専攻医の分布を検証する場合、現状の専攻医の養成数などが参考になると思います。各学会は地域別の専攻医数を把握しているのでしょうか。

 おおよそは把握しています。過去3年間の平均を基に、そのプラス20%以内程度に収まるように、各地域の専攻医の募集数を検証する予定です。

――募集する専攻医の合計数は、応募専攻医数よりも多いので、どこまで調整が可能なのでしょうか。

 募集専攻医数の方が、かなり多いと、都市部に集中したりする懸念はあります。都市部には減らしてもらい、地方には増やしてもらうといった調整を、どの程度行うかについては、2次審査までには2カ月くらいあるので、その間に検討します。

――専攻医が応募した段階で、地域偏在を是正するような仕掛けは考えておられますか。

 その辺りは、どんな仕組みにしたら一番いいのかを今、検討しています。我々は基幹施設等と説明会で話し合いをしていますが、今の初期臨床研修医への情報提供や話し合いは不十分です。当事者である彼らに新専門医制度を理解してもらう努力が必要です。

――取得する専門医の領域、あるいは研修地域について強制される仕組みは、専攻医には敬遠されるのでは。

 日本専門医機構の理事会でも話は出ていますが、「職業選択の自由」があるわけです。それぞれの希望を叶えられるようにする工夫は必要。しかし、各基幹施設が研修のキャパシティを超えて専攻医を採用することはできないことは理解してもらわないといけません。

――今秋から採用試験を開始するとのことですが、その採用結果は、各基幹施設から、学会および日本専門医機構に報告してもらうことになりますか。

 はい。研修は始められませんし、報告により、各基幹施設で研修する専攻医が、日本専門医機構に登録されることになります。登録がなければ、専門医資格は取得できません。



https://www.m3.com/news/iryoishin/395112?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD160130&dcf_doctor=true&mc.l=141910150
シリーズ: 中央社会保険医療協議会
後発薬、診療所の「院内処方」を評価
「全て一般名処方」の高加算も新設

レポート 2016年1月29日 (金)配信橋本佳子(m3.com編集長)

 中央社会保険医療協議会総会(会長:田辺国昭・東京大学大学院法学政治学研究科教授)は1月29日、2016年度診療報酬改定で、後発医薬品の使用促進に向け、診療所については院内処方の場合でも後発医薬品の使用率に応じて加算を設けるほか、院外処方の場合に後発医薬品がある全ての医薬品を一般名処方した場合の加算を手厚くする方針を了承した(厚生労働省のホームページ)。そのほか、入院料の加算である「後発医薬品使用体制加算」では高い評価を設け、薬局の「後発医薬品調剤体制加算」の基準を引き上げる。

 政府は「骨太の方針2015」で、後発医薬品使用の数量シェア目標を「2017年央に70%以上」と引き上げた。2016年度改定はこれを踏まえた対応。

 後発医薬品関係の主な改定内容は以下の通り。

【2016年度診療報酬改定の主な項目(後発医薬品関連)】


1.院内処方を行う診療所の後発医薬品使用を評価
 「外来後発医薬品使用体制加算」を新設、「加算1」と「加算2」の2段階とする(後発医薬品の数量割合の要件は今後決定)。薬剤部門または薬剤師が、後発医薬品の品質、安全性、安定供給体制等の情報を収集・評価し、後発医薬品の採用を決定する体制の整備などが条件。

2.「後発医薬品使用体制加算」の高ランクを新設
 従来は「加算1」と「加算2」の2段階だったが、高ランクを新設し、3段階に変更(後発医薬品の数量割合の要件は今後決定)。

3.「一般名処方加算」の高ランクを新設
 現行は、処方せんに1品目でも一般名処方が含まれれば、「一般名処方加算」(2点)を算定できる。改定後は、「後発医薬品が存在する全ての医薬品が一般名処方」の場合を「加算1」として評価し、従来の加算は「加算2」とする(後発医薬品の数量割合の要件は今後決定)。

4.薬局の「後発医薬品調剤体制加算」の施設基準の引き上げ

 「加算1」(数量割合55%以上)、「加算2」(数量割合65%以上)の数量割合をそれぞれ引き上げ(具体的数値は今後決定)。



https://www.m3.com/news/iryoishin/395185?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD160130&dcf_doctor=true&mc.l=141910149
シリーズ: 中央社会保険医療協議会
支払側意見、「暴言に近い」と日医中川副会長
7対1の要件見直し、意見の集約はできず

レポート 2016年1月29日 (金)配信 成相通子(m3.com編集部)

 中央社会保険医療協議会総会(会長:田辺国昭・東京大学大学院法学政治学研究科教授)が1月29日に開かれ、7対1入院基本料の要件見直しについて議論した(資料は、厚生労働省のホームページ)。支払側と診療側で意見集約はできず、議論は持ち越しになった。2月の答申までに決定する。

 厚労省が提示した改定案では、一般病棟の「重症度、医療・看護必要度(以降、重症度)」について、手術直後の患者や「救命等に係る内科的治療」が必要な患者を評価するM項目を新設。重症度の該当患者(以後、重症者)の範囲を拡大した上で、7対1入院基本料の施設基準となる病棟内の重症者の割合を現行の15%から引き上げる。支払側からは「25%に引き上げても、速やかに退院すべき患者が75%もいる」との発言が飛び出し、日本医師会副会長の中川俊男氏が「それは違う。暴言に近い」と苦言を呈する場面もあった。

内科治療も含まれ、「改善」

 今回提示された改定案で、重症度の評価対象に内科的治療が含まれたことに対し、診療側は「ある程度改善された」と評価。重症者の割合の引き上げについては、医療現場への影響が大きいとして、「20%台前半」(日本医師会副会長の中川俊男氏)を求めた。2015年12月の厚労省の資料では、内科的治療に関する見直しが含まれていなかったため、内科系の総合病院に不利になる懸念があった(『内科系の総合病院、経営困難に』を参照)。

 「20%台前半」を求める診療側に対し、支払側は、「当初は25%と主張していたが、対象患者が拡大しており、25%より高い数字にすべきだ」(健康保険組合連合会理事の幸野庄司氏)と述べ、真っ向から意見が対立。

 厚労省が提案した在宅復帰率の計算式の見直しについても、新たに有床診療所を退院先として認めることに反発。在宅復帰率は基準の75%を超えている病院が多く、「形骸化している」(幸野氏)として、平均在院日数の短縮を今改定に盛り込むよう改めて求めた(『7対1入院基本料、“平均在院日数の短縮”は明記せず』を参照)。これに対し、中川氏は、「在宅復帰率が高いことは悪いことなのか。病院完結から地域完結の医療へと進んでいる表われであり、むしろこれは評価すべきこと」と返し、平均在院日数についても、さらなる短縮には強く反対した。

病棟群の届出を新設

 7対1入院基本料病棟から10対1入院基本料病棟に転換する際の激変緩和策として、今改定で初めて導入する「病棟群単位の届出」については、対象病院の拡大と期限を設けずに導入することを求める診療側と、あくまで経過措置にとどめるべきだとする支払側で意見が分かれた。これまで一般病棟の入院基本料は、病院単位で統一し、混在が認められていなかったが、複数病棟を病棟群としてまとめ、7対1と10対1を同時に届出ができるようにする。

 7対1入院基本料の見直しについて、改定案で盛り込んだのは、重症度のほか、在宅復帰率の見直し、病棟群単位での届出許可など。支払側が主張する「平均在院日数の短縮」は改定案に含めなかった。

10対1の評価を充実

 重症度については、A項目に新たに「無菌治療室の治療」「救急搬送」を追加。B項目は「起き上がり」「座位保持」を削除した上で、「危険行動」「診療・療養上の指示が通る」を追加し、認知症やせん妄の患者を評価できるようにした。さらに手術後の状況や、内科的治療を評価するM項目を新設し、「救命等に係る内科的治療」のほか、開頭・開胸・開腹、腹腔鏡・胸腔鏡といった手術や、全身麻酔や脊椎麻酔が必要な場合などの手術直後(一定日数内)については、重症度が高いと評価し、重症患者として取り扱う。

 病棟群単位の届出については、改定案で施設基準を設置。2016年3月末までに7対1入院基本料の届出があり、4以上の病棟を持つ病院は1つの入院基本料の病棟数を複数にすること、 届出は1回に限定し、届出をした場合は7対1と10対1の間での転棟を原則禁じることなどが盛り込まれている。これに対し、診療側は基準の緩和を求めた。

 このほか、改定案では重症者の割合を条件に、10対1入院基本料算定病棟に対して、看護必要度加算の評価引き上げも提案され、この点について異論は出なかった。



http://jp.wsj.com/articles/JJ10188886575198493846917884574072726579313
若手医師確保、給与や休日増で=年100万増で3%上昇—日医総研
2016 年 1 月 30 日 17:30 JST 更新 ウォール・ストリート・ジャーナル日本版

 病院が若手医師の年収を100万円増やせば、勤務先として考慮される確率が3.4%高まるとの調査結果を、坂口一樹・日本医師会総合政策研究機構主任研究員と森宏一郎滋賀大教授が30日までにまとめた。休日増や当直勤務の減少も効果があった。医師不足に悩む地域が対策を講じる際の参考になると期待される。

 調査は若手医師を対象に、2015年5〜6月、全国80大学の診療科を通じて実施。年収や所在地など八つの条件を記した架空の病院の求人票を示し、勤務先の候補になるかを尋ね、1302人から有効な回答を得た。

 調査結果によると、年収が100万円上がると、選択される確率が3.4%上昇した。休日が月1日増えると、同様に1.2%上昇。逆に当直が月1回増えると、3.3%低下した。

 過疎地や離島は避けられる傾向が強く、現在東京に勤めている医師が異動する場合は、800万円近くの年収増が必要な計算となった。北海道・東北に勤務している医師では年約200万円の増加で済んだ。

 男性は女性の2倍、収入を重視し、女性は当直の少なさなどを重視していた。 

[時事通信社]



https://www.m3.com/news/iryoishin/395393
シリーズ: 中央社会保険医療協議会
「治療に関係ない検査」で自費徴収を検討
厚労省「選定療養」の拡大提案、「差額診察室」も

レポート 2016年1月30日 (土)配信橋本佳子(m3.com編集長)

 厚生労働省は、1月29日の中央社会保険医療協議会総会(会長:田辺国昭・東京大学大学院法学政治学研究科教授)で、保険外併用療養費の「選定療養」の類型追加などを提案したが、診療側と支払側からともに異議が出て、再度整理し次回以降の総会で改めて議論することになった(厚生労働省のホームページ)。

 「選定療養」の類型追加案として厚労省が提案したのは、「治療中の疾病または負傷とは直接関係しない検査」。併せて、タミフルの予防投与など実費徴収できる範囲の明確化、差額ベッドと解釈されてきた「特別の療養環境」に、「差額診察室」を加え、長時間滞在が必要な治療を個室など特別の療養環境で行った場合の患者負担徴収など、既存の「選定療養」の解釈の幅を広げることも提案した。

 「治療中の疾病または負傷とは直接関係しない検査」の例として挙がったのが、ノロウイルス検査だ。同検査は、3歳未満と65歳以上には保険適用されているが、それ以外の年齢層は対象外。例えば、食品などを扱う会社に勤務する壮年層が腹痛を訴えた場合に、雇用先から「ノロウイルス感染ではない」証明を求められた場合などに、ノロウイルス検査分を実費で負担することなどが想定される。

 保険外併用療養費は、先進医療などの「評価療養」と、差額ベッドなどの「選定療養」に大別できる。「評価療養」は、保険導入を前提としているが、「選定療養」は、保険導入を前提としていない。しかし、厚労省は、今回の「選定療養」の対象拡大に当たって、「医療を取り巻く状況の変化や技術の進展等によって保険導入の可能性が生じることがあり得る」との解釈も同時に提示。「ノロウイルス検査で、ウイルス感染が判明し、治療法が変わるようになるのであれば、(現在保険導入になっていない年齢層でも)保険導入することはあり得る」(厚労省保険局医療課保険医療企画調査室長の三浦明氏)。

 日本医師会副会長の中川俊男氏は、提案されたノロウイルス検査と同様の考え方を広げていくと、「普通の医療が押し込められる可能性がある」と警戒。さらに「選定療養」が「保険導入することはあり得る」との厚労省に解釈に、医療保険制度の考え方を根本的な変更につながりかねないことから、「今回は無理、止めるべき」と議論に入ること自体を避け、今後改めて慎重に議論することを求めた。

 支払側も、「中医協だけでなく、(社会保障審議会)医療保険部会で議論しないとまずいのではないか」(連合総合政策局長の平川則男氏)、「次回以降の議論してもらいたい」(健康保険組合連合会理事の幸野庄司氏)との意見が出るなど、「選定療養」の対象拡大以前の問題として、議論の進め方に戸惑いを隠さなかった。

 「選定療養」の拡大は、告示事項。厚労省は、2016年度診療報酬改定の答申時に、告示することを目指していたが、そもそも拡大が可能か、拡大する場合でもその時期など、先行きは不透明だ。

 「制限回数を超える医療行為」、腫瘍マーカーの対象拡大も

 診療側と支払側ともに議論自体に異論を呈したのは、厚労省が用意した資料のタイトルが、「選定療養に導入すべき事例等に関する提案・意見募集の結果について」となっていたからだ。

 「日本再興戦略」(改訂2014)に基づき、関連学会・医療関係団体・国民から、「選定療養」に追加すべき項目を昨年募集。その結果、91件の意見が挙がり、その結果を基に、厚労省は、(1)「選定療養」の新たな類型として位置付け、(2)実費徴収を認める、(3)引き続き検討、(4)既存の「選定療養」の類型の見直し――に分類した。

 「選定療養」は現在、10類型。(1)として厚労省の今回の提案が認められれば、11類型になる。

 差額ベッドのイメージが強い「選定療養」については、「アメニティ」という言葉で形容されてきた。しかし、実際には、紹介状のない大病院受診の際の初診時の負担など、「アメニティ」には当てはまりにくいものも含まれる。このため厚労省は今回、「選定療養」を、「快適性・利便性に係るもの」「医療機関の選択に係るもの」「医療行為等の選択に係るもの」という3つのカテゴリに分けられると新たに整理。「これまで選定療養は、漠然とアメニティという言葉が使われ、少し丁寧さが欠けていたように思う。アメニティの一言で、10類型を片づけることができるのか」(三浦室長)。

 「医療行為等の選択に係るもの」のカテゴリは、将来の保険導入の可能性もあるというのが厚労省の解釈。(1)として挙がった、「治療中の疾病または負傷とは直接関係しない検査」がこれに該当する。

 (2)の「実費徴収を認める」の対象案として挙がったのは、タミフル・リレンザ等の予防投与、検査当日のキャンセル料、院内託児所の使用料、がん患者等を対象とした美容・整容等の支援、糖尿病患者を対象としたがん検診など。(4)の「既存の選定療養の類型の見直し」には、「差額診察室」のほか、「制限回数を超える医療行為」として現在認められている腫瘍マーカー以外への対象拡大(PSAなど)などが候補だ。

「選定療養」の考え方(厚労省による、既存の10類型の分類)
1. 快適性・利便性に係るもの
    特別の療養環境(差額ベッド)、予約診療、時間外診療
2. 医療機関の選択に係るもの
    大病院の初診、大病院の再診
3. 医療行為等の選択に係るもの
    制限回数を超える医療行為、180日超の入院、歯科の金合金等、金属床総義歯、小児う触の指導管理



http://medg.jp/mt/?p=6470
Vol.030 『地域包括ケアの課題と未来』編集雑感 (11): 急性期病院からの退院と自治体病院建設
医療ガバナンス学会 (2016年1月30日 06:00)
2016年1月30日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行  http://medg.jp

(ソシノフブログhttp://www.socinnov.org/blog/p469より転載)
小松秀樹

●急性期病院が退院を急がせる理由
 亀田総合病院の藤田浩二医師に、急性期病院からの退院について書いてもらった。急性期医療とは、藤田医師が述べたように、病気の発症から、進行を止める、あるいは、回復が見込める目途を付けるまでの医療である。急性期病院からの退院をめぐっては、早く退院させようとする病院側と、長くとどまりたい患者側で行き違いが生じる。病院側が早く退院させたがるのは経済的理由による。急性期病院は莫大な資金を必要とする。診療報酬はギリギリで設定されているので、多くの患者を受け入れないと赤字になる。急性期医療と回復期医療を区別する必要が生じたのは、診療内容の違いもあるが、急性期医療に膨大な資源と人材が必要だからである。
 自治体病院の建て替えは、自治体にとって大きな問題である。医学の進歩と共に、基幹病院は巨大になり続け、その財政規模は、人口数万の基礎自治体を超える。赤字になると母体の自治体の財政が破綻しかねない。一方で、住民は多様なサービスを求め、これが病院を大きくする圧力となる。さらに東日本では医師・看護師不足のため、病院の新設や規模の拡大にリスクを伴う。医師・看護師を集められなければ膨大な赤字が生じるからである。現在、自治体病院には国庫から補助金が投入されているが、国の累積債務が膨大になっていることから、国からの補助金は、将来削減される可能性がある。状況が厳しく、意見対立が大きいため、医療は政治問題化しやすい。

●国保松戸市立病院建替計画検討委員会
 以下、自治体財政と病院についての議論を観察する。1995年、国保松戸市立病院は耐震性に問題があるとされ、以後20年近く、建て替えが検討されてきたが、計画が二転三転した。2008年川井市長が移転構想を表明したが、2010年の市長選挙で現地建て替えを主張した本郷谷氏が当選した。これを受けて、立替計画検討委員会で検討されたが、現地建替えには問題点が多く、移転建て替えすべきとの結論になった。

 2010年10月から、2011年3月にかけて松戸市立病院立替計画検討委員会が開催された。議事録から、立場による意見の違いを見たい。

市民
 市民公募委員の応募作文では、救命救急の充実、維持、小児・周産期の充実、24時間受け入れを望む声が大きかった。一方で、高齢者医療、慢性期医療、寝たきり予防、認知予防、終末期医療の充実を望む意見が2位の10件あり、あらゆることを大病院に期待していること、市民が医療と財政の状況を十分に理解していないことがうかがわれた。2010年12月12日、市立病院建て替えに関する意見を聴く会が開かれた。急性期病院に看取り、長期入院を求める意見が目立った。
 「市立病院については、自分の人生の最後を締めくくる場所だというふうに考えておりま すので、ホスピス、この制度を取り入れていただきたいと思います。」
 「高齢者が病院から早々に追い出されないような、そういう対策も考えていただきたい。」

 国や県に頼めば、いくらでも金が出てくるというお上頼みの意見も目立った。
 「国民の命を預かるというのは国の責任。市長は国に対して、あるいは県に対して、相応の補助金の支援を強く求めるべき。」

●病院管理者
 病院管理者は現状の狭い土地での建て替えではなく、新築移転と600の病床を維持することを望んだ。
 「病院医師105名にアンケート。現地建替えには7割の方が反対しています。残り3割は保留の方がほとんどで、賛成の方は2名しかいませんでした。」
 「3次救急と小児医療とか不採算部門の責任を我々が全うしないといけないということが第一義的にこの病院の存在意義。150 床くらいは新生児科及び小児科、小児外科が占めていますので、全体で 600 床くらいは必要だということです。」
 「500 床以下ですとほとんど黒字は出ていません。採算部門である程度病床数を確保してその入院患者数を上げないと、経営赤字が続いて病院が継続できないという事態になります。」
 「地域ごとに病床数が決まっており、病院間で争奪戦になっております。今松戸市立病院は600床を使っておりますけれども、150床返した瞬間に他の病院が持っていってしまいます。」

●医師会
 医師会は難しい患者を、医師会員の求めに応じて、迅速に松戸市立病院に引き取ってもらうことを望んでいた。医師会代表は、膨大な項目のリストを提出して、各項目の医療を高レベルで提供することを求め、600床が必要だと述べた。
 「全国 867 自治体の公立病院で分析を行いましたのが図でございます。病床数が減ずるにつれて、1日当たりの入院単価が正比例して減少いたしました。病床が減少するにつれて平均在院日数は延長し、病床稼働率は低下しました。」

●市民公募委員
 市民公募委員の一人は、経済合理性について粘り強く議論した。会議の運営がどのようなものだったか理解できる。
 「一番気にしているのは現在の松戸市の財源なんです。これで、例えば、600床なり520床なり540床なりの建物をつくっても毎年20億、30億近くの赤字補填をしていたら、多分、いずれ指定管理者制度とか、民間に移譲するという話も現実問題として出てきてしまうのではないかと思うのですが。」
 「平成 16 年度から平成21年度にかけては平均在院日数も減ってます。しかも病院稼動率は落ちてます。それに来ている延べ患者数も落ちてます。事実としてこの数字というものが存在すると思うのですが。この委員会で600床だということを先生方は言い切られましたけども、このまま600床で突っ込んでいっちゃっていいのでしょうか。松戸市立病院は今80%で病床率稼動してますけれども、周りで実際に病床が増えるわけですよね。千葉西及び新東京病院で。そうすると、この稼動率というのは、実際ひょっとしたら現在よりも下がる可能性もあると思うのですけれども。600 床はまずいんじゃないかなというふうに思うんですね。いかがでしょうか。」
 「公立病院の改革プランの評価委員会では、M先生が、松戸市立病院は500床でもいけるんじゃないかというかなり具体的な話をされています。」
 「平成 42 年の平均在院日数 10.5 日というシミュレーション値については、もっともっと短くなっていくという可能性も高いのではないかというふうに私は思います。また急性期病院として松戸市立病院がやっていくのであれば、このぐらいのレベルの平均在院日数の短縮をどんどんと達成していかなければ、収益の改善というのはやっぱりまずは見込められないのではないか。」
 「前の川井市長さんが紙敷の方ですごい病院をつくるぞというふうに600ベッドでの移転計画を描いて、それで何故か松戸市医師会さんの方でも600床に固執されちゃっているような気がするんです。私なぜダウンサイジング、ダウンサイジングと言うかというと、やっぱり市立病院を維持していって欲しいからなんです。」
 「Y委員長を批判するわけじゃないんですが、やっぱり600床の方に舵を切っちゃいましたよね、この我々の委員会として。」
 「そうじゃなくてもっと病院の規模というものを、改革プランとか客観的な数字が出ているものに則って議論していく必要があると思うんです。」
 「(M先生をこの委員会に呼んで)松戸市立病院500とか、手術に強い病院にしたらそういう運営の仕方もあるんじゃないかとか、そういう意見を是非聴きたい。」
 「冒頭で委員長が、評価委員会の委員の先生をお呼びするのは今回は控えたいということですが、我々のこの建替計画を検討する委員会と、経営の改革を評価する委員会とは目的が違います。ただ全く違うかというと決してそうではないと思います。改革プランというのは総務省が平成 21 年からやりなさいということで松戸市も始めました。『3 年以内に経営改善をし、それでもその後 2 年経っても黒字化されなければ、独法化、あるいは民間移譲しなさい』というようなかなり突き付けられている条件だと思います。私委員の一人として強く委員長に参考意見として評価委員会 の先生の意見を聴く機会を設けていただきたいと希望します。」

●自治体病院専門の学者委員
 副委員長として、議事録に正確な記録を残すことに気を配った。このため、議論の実態がよくわかる形で公開された。学者の立場を堅持し、対立に関わることを注意深く避けた。

●病院建築専門家委員
 全体でどこまでお金をかけられるか、病床利用率が低迷した場合にどの程度の財政負担まで覚悟するのかという懸念については、上記市民公募委員以外で明確に発言したのは、病院建築の専門家だけだった。

●コンサルティング業者の試算
 「一般論で場所を限定しない更地に600床程度の急性期病院を建設した場合、建設費はどのくらいになるのか(土地買収費は除きます)。600 床規模で算出しますと、113億4千万円から144億円となります。」

●質問状
 市民公募委員は委員会の進行を問題視し、以下の内容を含む質問状を提出したが、質問者が期待するような回答は返ってこなかった。
・ Y委員長が第9回委員会において、『600床規模以外での答申はするつもりがない』とする議事進行を行ったが、これは、一方の意見・主張のみに傾倒し公平性を欠く。
・ (医師会代表のY委員が)第9回委員会において『松戸市が発表した公式な実績値』を根拠なしと否定したが、病院建設事務局はどのような見解をもっているか。

●最終的な建設費
 市議会で新築移転が決まり、2013年、600床で、上限提示価格134億円で一括発注されたが、応募した3社はいずれも辞退した。そこで上限価格を設定せずに再度公募。最終的な建設費は600床で191億円になった。総事業費は268億円に達するという。2017年12月の開院を目指して、2015年11月25日、起工式が行われた。

●自治体病院と自治体の今後
 筆者自身、600床での新築移転という結論に対し強い意見を持つものではない。しかし、議論の進行は興味深い。紛糾の状況が議事録にリアルに示されている。議論が尽くされたように見えない。全体として、医療に携わっている委員、すなわち、松戸市立病院に医師を送りこむ大学の代表(委員長)、医師会代表、松戸市立病院管理者はいずれも、病床数を600床に維持しようとした。学者の委員は対立に関わろうとしなかった。財務上の責任を負う立場での議論は市民公募委員1名に限られており、投資拡大側が数的に優位だった。

 こうした委員会が日本中で行われていることは想像に難くない。財政上の理由で、抑制がかかる場面が想定できない。過大な投資、人手不足で病院が赤字になるのを阻止できない。国、自治体の赤字が膨らむ中で、病院の新築を契機に、自治体の存続が脅かされる事態が頻発する可能性がある。すべてを把握し、長期的見地から国益を考え、国民を適切に指導する「お上」は、存在しない。これを住民は覚悟すべきである。



http://www.muromin.mnw.jp/murominn-web/back/2016/01/30/20160130m_04.html
室蘭・日鋼記念が首都圏対象者向けの検診と観光ツアー
【2016年1月30日(土)朝刊】 室蘭民報

 室蘭・日鋼記念病院(柳谷晶仁院長)は、室蘭や登別のホテルに宿泊しながら、がんの有無などを調べる検査(PET―CT)が受診できる「PET検診ツーリズム事業」をスタートする。西胆振の観光・医療資源を組み合わせた「地域宿泊型検診ツアー」として、首都圏をターゲットに2月1日から募集を開始。4月まで実施する。


 PET―CTは、がん細胞だけに目印を付ける専用の検査薬を投与し、陽電子放射断層撮影(PET)とコンピューター断層撮影(CT)の両装置の鮮明な画像で腫瘍の位置や大きさを撮影する検査。これにより「全身のがんの有無だけでなく、がんの位置や大きさ、進行度なども捉えることができる」(同院)という。

 ツアーは2泊3日。同院でのPET―CT検査の合間に、夜景、食など室蘭・登別の観光が楽しめるお得感を前面に打ち出した。

 同事業は昨年7月、室蘭商工会議所の創立90周年記念事業・元気づくりファンドに採択。関係機関などと実施に向けた調整を進めていた。

 同院では「室蘭の医療・介護の充足度だけでなく、観光資源などの魅力も広く認知され、地域全体の活性化に寄与できれば」と意欲を話している。
(松岡秀宜)



http://www.minyu-net.com/news/news/FM20160130-046238.php
病理診断センター新設 磐城共立病院、中核病院の役割強化
2016年01月30日 08時24分 福島民友

 いわき市は29日、新年度の市立総合磐城共立病院の組織改正を発表した。2014(平成26)年に指定されたがん診療連携拠点病院として、現在ある病理診断部門を独立させて「病理診断センター」を新設、地域の開業医や医療機関からの病理診断に関する相談体制を整え、地域の中核医療機関としての役割を強め、地域全体の医療水準向上を図る。

 病理診断は、がんなどの病気を特定するために欠かせないが、市内の病理医は同病院の1人を含む計2人のみという。

 組織改正により、地域の開業医や医療機関からの病理診断に関する相談などを請け負い、同病院の病理医が対応することで、18年末に開院予定の新病院での医療提供体制強化にもつなげることが狙い。

 事務局組織では、新病院開院に向け業務を効率的に推進するため、契約や物品取得などの業務を総務課から病院建設課に集約させるほか、経営企画課企画係を「企画広報係」に名称変更し、経営企画課と総務課で担ってきた広報業務を一元化する。


  1. 2016/01/31(日) 05:55:30|
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1月25日 

http://news.biglobe.ne.jp/economy/0125/scn_160125_9051213434.html
日本の医療レベルは「最高だ」・・・爆買いの次は医療観光か=中国
サーチナ1月25日(月)20時18分

 質の高い日本の医療サービスを受けるために日本を訪れる中国人が増えている。訪日の目的は「爆買い」だけではなく、医療観光も爆買いに続こうとしている。

 中国メディアの網易はこのほど、「日本は世界保健機関(WHO)も認める医療先進国」だと伝え、日本の医療技術に関する水準は極めて高く、中国人が日本の医療サービスを求めて訪日するのも理解できるとの見方を示した。

 記事は、中国人に人気の医療観光は「米国でのがん治療と英国での肝臓移植、それに日本の人間ドック」であると紹介。とりわけ日本は中国から地理的に近く、漢字文化圏で食習慣も似ているうえ、医療水準も高いので人気上昇中のようだ。

 中国での健康意識の高まりを受け、日本でも各社が「医療+観光」のプランを準備しており、日本旅行を楽しみながら自身の健康状態を把握できるツアーが組まれている。費用は高めだが、先進的な医療技術、医療設備と医療システムは中国の富裕層の間で人気を博しているという。

 報道によると、中国人旅行客が受ける検診内容は、脳や心臓、消化器系などの健診、最新設備による血糖値や内臓脂肪含有量の測定、動脈硬化や代謝異常の早期発見、生活習慣の改善指導など多岐にわたる。日本で人間ドッグを受けた中国人旅行客の9%で早期がんが発見されたという統計もあるほどだ。

 また、医療観光というシステムが合理的であることも人気の理由のようだ。記事は「日本の病院はたいてい商業施設の近くにあり、結果待ちの時間を活用してショッピングを楽しむことができ、1日か2日待つ必要があれば、温泉や富士山観光で異国体験する時間もできる」とその魅力を紹介した。

 日本にとっても医療観光は大きなマーケットであり、日本の強みを活かすることのできる分野だ。日本政策投資銀行によれば、2020年までに健康診断を目的とした中国人の医療観光者は年間31万人を超え、潜在的市場は約5500億円にのぼると予測されており、爆買いに続くブームになる可能性を秘めている。(編集担当:村山健二)



http://getnews.jp/archives/1364477
医療先進国の中で日本のがん患者の死亡数が増えている理由
DATE:2016.01.25 16:00 NEWSポストセブン

 日本人の死因のトップはがんで、2014年に約37万人が亡くなっている(厚生労働省調べ)。男性の場合、肺がんがもっとも多く、女性の場合は大腸がんがトップだ。

 がん治療のキモはとにもかくにも「早期発見」だとされている。がんの進行度は0(早期)から4(末期)までのステージで分けられるが、たとえば、肺がんの場合でステージ1の5年生存率は76.5%であるのに対し、ステージ4では3.1%である。がん治療の技術は日々進歩しているが、早期発見が重要であることに変わりはない。

 ところが、日本ではいまだにその認識が定着していない。がん難民コーディネーターの藤野邦夫氏はいう。

「欧米を含めた医療先進国で、がん患者の死亡数が増えているのは日本ぐらい。OECD30か国のがん検診率を見ると、概ね70~80%であるのに、日本は30~40%です。ステージ4でやっとがんが発見される患者が後を絶ちません」

 しかし、ひと言で「がん検診」といっても、住民検診や会社での検診、人間ドックでのがん検診など形態はさまざまあり、メディアでは日々、開発中の新たな検査法が紹介されている。本当にがんがみつかるのか、費用対効果はどうなのかなど、疑問を持つのは当然だ。医療経済ジャーナリストの室井一辰氏はいう。

「検査によって科学的な根拠はさまざまですが、住民検診や職域検診といった国の制度の下で推奨される検査で、集団の死亡率を下げたという根拠があり、受けておきたい。一方で、人間ドックで採用されている検査はより多様ですが、科学的根拠を積み重ねている段階で、発展途上のものも含まれるということは覚えておくべきです」

 人間ドックは従来の検診とは全く別物だと誤解している人が多いが、人間ドックのがん検診というのは、伝統的な実績のある検査を含め、新たに開発された別の検査をさまざま組み合わせて、精度を上げていくものだという。

 たとえば、従来、胃がんの検診はX線(レントゲン)検査で行なわれ、現在も厚労省は推奨しているが、近年、【内視鏡(胃カメラ)検査】の検査精度の高さが明らかになり、人間ドックでは主流に。厚労省もがん検診の指針で、胃がんの検査で推奨するようになっている(胃がんの内視鏡検査は今年4月から)。

 内視鏡検査は施術者の技能に検査精度や身体への負担の大きさが左右されるのが難点ではあるが、胃がんや大腸がんを発見する確率は最大で95%とされる。胃がんの内視鏡検査の費用は3万円ほどだ。なお、がん検診は治療ではないため、保険適用はない(自治体や会社による補助はある)。

 現在、人間ドックで利用されている検査法も実績を積めば、いずれ標準の検査法になる可能性はある。100%間違いなくがんを発見できる検査法というものは、世の中に存在しないが、複数の検査を組み合わせることで、発見の確率を上げていくことができる。

※週刊ポスト2016年2月5日号



http://www.medwatch.jp/?p=7366
後発品使用割合60%程度で足踏み状態、「17年央に70%」の目標達成に暗雲―協会けんぽ15年9月時点
2016年1月25日|医療・介護行政をウォッチ Medi Watch

 主に中小企業のサラリーマンが加入する協会けんぽでは、ジェネリック医薬品(後発品)の使用割合が昨年(2015年)9月時点で60.8%(数量ベース、新指標)となったことが、全国健康保険協会の調べで分かりました。

 2015年1月から60-61%となっており、やや足踏み状態となっていることが伺えます。


2015年9月には60.8%だが、1月から60%程度で横ばい

 政府は医療費の膨張を抑えるために、先発品と効能・効果が同じで安価な後発品の使用促進を重要施策の1つに位置付けており、2016年度の診療報酬改定でも後発品促進策が盛り込まれる予定です(関連記事はこちらとこちらとこちら)。

 2013年4月には、「2018年3月末までに後発品の使用割合を数量ベースで60%以上にする」との目標値を定めましたが、昨年(2015年)6月には、この目標値が上方修正され「2017年央に70%以上とし、18年度から20年度末までのなるべく早い時期に80%以上とする」こととされました。

 協会けんぽを運営する全国健康保険協会でも、「後発品(ジェネリック)の使用促進」を重要施策に位置付け、▽後発薬に切り替えた場合の自己負担額の軽減効果を通知するサービスの対象範囲の拡大▽後発薬希望シールの配布▽地域の実情に応じた医療機関関係者、薬局関係者への働き掛け―などを行っています。

 全国健康保険協会がこのほど発表した「ジェネリック医薬品使用割合(数量ベース)」によると、2015年9月には数量ベースで60.8%(新指標、調剤分)となったことが分かりました。2年前(2013年9月)の49.4%に比べると11.4ポイント上昇、1年前(2014年9月)の58.1%に比べると、2.7ポイント上昇しており、着実に増加しているように見えます。

 しかし、昨年1月に60%の大台に乗って(61.2%であった)から、▽2月:60.5%▽3月60.3%▽4月:60.9%▽5月:61.0%▽6月:61.2%▽7月:59.9%▽8月:60.4%▽9月:60.8%―という具合に後発品使用割合は横ばいとなっており、ここに来て「足踏み」状態となっていることが分かります。
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協会けんぽの後発品使用割合(数量ベース、調剤分)の年次推移、2015年1月から足踏み状態にあることが伺える

 以前には「協会けんぽについて、後発品使用割合の目標値は達成できそうだ」との見通しを述べましたが(関連記事はこちら)、この足踏み状態が長引けば、目標達成には暗雲が立ち込める可能性もあります。


後発品割合が最も高いのは沖縄の73.3%、最も低いのは徳島の49.9%


 都道府県別に見ると、沖縄県の73.3%が最も高く、次いで鹿児島県67.7%、岩手66.8%、山形65.7%と続いています。トップの都道府県での「足踏み」が気になります。

 逆に、最も低いのは徳島県の49.9%で、山梨52.2%、高知54.4%、和歌山56.7%なども低い状況ですが、後発品使用割合は徐々に上昇しています。
01252.jpg
都道府県別の後発品使用割合、大きな変動はないが、使用割合上位での足踏みが気になる
 

 主な薬効分類別に、後発品使用割合が高い医薬品を見ると、数量ベースでは血管拡張剤の69.6%、去たん剤の64.4%、消化性潰瘍用剤の60.5%などで、いずれも上昇傾向にあります。また金額ベースでは、血管拡張剤の57.0%、去たん剤の47.2%、ビタミン剤の38.6%などが目立ちます。

 逆に後発品使用割合が低いのは、数量ベースでは代謝拮抗剤の1.8%、ホルモン剤(抗ホルモン剤を含む)の8.1%、泌尿生殖器官及び肛門用薬の21.4%、金額ベースでは漢方製剤0.0%、代謝拮抗剤の1.6%、ホルモン剤(抗ホルモン剤を含む)の1.7%などとなっています。

01253.jpg
主な薬効分類別に見た後発品使用割合の年次推移(数量ベース)

01254.jpg
主な薬効群別に見た後発品使用割合の年次推移(金額ベース)



http://blogos.com/article/156745/
米国で深刻化する「薬価」問題(上)ジェネリックが暴騰する仕組み - 大西睦子
新潮社フォーサイト2016年01月25日 13:00

 通称「ダラプリム」と呼ばれる、62年前に開発された薬剤をご存じでしょうか。これは妊婦が感染すると死産や流産を、あるいは免疫力が低下しているエイズ患者や一部のがん患者などが感染すると重篤な脳症から場合によっては死に至るというトキソプラズマ症や、高熱や頭痛を引き起こす感染症であるマラリアの治療薬として利用されています。

 昨年9月、その薬剤に関するニュースが全米の注目を集めました。米製薬会社「チューリング医薬品(Turing Pharmaceuticals)」の32歳のCEO(最高経営責任者)マーチン・シュクレリ氏が同年8月、ダラプリムの製造販売権を買収し、なんと、一晩で薬価を1錠13.50ドル(約1620円)から750ドル(約9万円)へ、実に55倍以上も引き上げたのです。米メディアはシュクレリ氏を「米国で最も嫌われる男」と呼んだほどでした。

 ところが、元々がヘッジファンドマネージャーであったシュクレリ氏は、人々の注目を浴びたがる究極のナルシストとも言われ、傲慢な態度でテレビに出演したりソーシャルメディアに情報を発信したことで、皮肉にも、連邦捜査局(FBI)や証券取引委員会(SEC)の調査のターゲットになりました。その結果、昨年末の12月17日、彼が以前所有していた会社が「ポンジ・スキーム」と呼ばれる投資詐欺を行っていた容疑で逮捕されました。その事件が契機となり、再び米国で薬価高騰の問題に関心が集まっているのです。

【Drug Goes From $13.50 a Tablet to $750, Overnight,The New York Times,Sept.20】

【Reviled drug CEO Martin Shkreli arrested,CNN money,Dec.17】

製薬会社が自由に薬価を吊り上げ

 2003年、米国の連邦法として定められた法律「メディケア処方薬剤改善、近代化法」は、製薬会社に2つの大きな利益をもたらしました。

 1つ目は、米国の高齢者および障害者向けの公的医療保険制度であるメディケアによって、アメリカ食品医薬品局(FDA)で承認されたすべての抗がん剤の治療費を公的保険でカバーしなければならなくなったことに起因します。しかも、ほとんどの州の民間保険会社も、メディケアに準拠します。つまり、製薬会社にとっては薬剤の販売チャンスが飛躍的に増大することになりました。

 2つ目は、米国では政府が薬価について製薬会社を規制できないことになりました。つまり、製薬会社が自由に薬価を設定できるのです。

 この2点によって、製薬会社が、古い薬でも新しい薬でも価格を思うままコントロールできる環境が生み出されました。すなわち、シュクレリ氏がダラプリムの薬価を一挙に55倍以上も上げたことは、不道徳ではあっても、政府が薬価を規制する日本を含む多くの他の国と違い、米国では全く合法なのです。

 それだけに、シュクレリ氏の事件後、専門家や識者らは製薬会社への批判を強めました。たとえば、『ニューズウィーク』誌によると、クリントン政権時の労働長官で、現カリフォルニア大学バークレー校公共政策大学院教授のロバート・ライシュ氏は、「シュクレリ氏のやったこと(薬価の大幅値上げ)は、巨大製薬会社がずっとやってきたことだ」と指摘しています。

 これに対し、製薬会社やバイオ企業などの業界団体である「米国研究製薬工業協会」(Pharmaceutical Research and Manufacturers of America:PhRMA)は、シュクレリ氏は薬の開発をしているわけではなく、古い薬の製造販売権を買収して薬価を上げただけで、製薬会社ではなく投資家である、と反論しています。

 しかし、米国の製薬会社は、シュクレリ氏のように薬価を一気に55倍は上げていなくても、がんや高コレステロール血症、糖尿病などの薬価を毎年10%以上も上げています。そうした実態があるからこそ、ライシュ教授の指摘に多くの人が共感するのです。

【Shkreli Was Caught Doing What Big Pharma Does All The Time,Newsweek,Dec.24】

1年で80倍以上暴騰!

 一方、日本でも近年普及してきたジェネリック医薬品とは、特許が切れた新薬を他の製薬会社でも製造販売できるようになった薬剤のことです。新薬と同じ有効成分、同じ効き目でありながら、複数の製薬会社が競って販売できるため、低価格になるのが魅力です。米国のジェネリック製薬協会によると、現在米国内で処方されている薬剤の86%がジェネリック医薬品ですが、購入された総額から見ると、薬剤全体の27%にしかなりません。これはつまり、新薬の価格がいかに高額かを示しているデータです。

 ところが、低価格であるはずのジェネリック医薬品についても、米国では近年、価格の上昇が問題になっています。2014年10月、米国上院議会の健康に関する小委員会メンバーが、一般的な10種類のジェネリック医薬品を調査したところ、1年間で最低でも388%、最高で8281%も価格が上昇していることが明らかになったのです。

 こうした実態に対し、ハーバード大学医学部のアロン・ケッソルハイム教授らは、ジェネリック医薬品を販売する競争相手がいないため、市場を独占して薬価が上げられていると批判する論文を医学雑誌『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン』(The New England Journal of Medicine:NEJM)に発表しています。

 本来ならば複数社が競合することで低価格になるはずなのに、なぜ競争相手がいないのでしょうか? 

 仕組みはこうです。たとえば、A社が開発したB薬の特許が切れて、他の3社がジェネリック医薬品を製造販売し始めたとします。するとA社は3つの会社のジェネリックの製造権を買収し、ジェネリックの販売を止めることで競合をなくし、B薬の価格が下がることを防ぐのです。あるいは、買収したジェネリックの価格そのものを上げることもできます。もちろん、市場の独占は米国でも違法ですが、他の会社が販売しようとしない薬(上記のケースで言えば、買収された3社以外の会社が参入しないこと)を単独で販売することは、残念ながら違法ではないのです。(つづく)

【http://www.gphaonline.org/media/cms/GPhA_Comments_on_Docket_FDA-2013-N-0500.pdf】

【http://www.sanders.senate.gov/download/face-sheet-on-generic-drug-price-increases?inline=file】

【High-Cost Generic Drugs-Implications for Patients and Policymakers,NEJM,Nov.13,2014】

執筆者プロフィール
大西睦子
内科医師、米国ボストン在住、医学博士。1970年、愛知県生まれ。東京女子医科大学卒業後、同血液内科入局。国立がんセンター、東京大学医学部附属病院血液・腫瘍内科にて造血幹細胞移植の臨床研究に従事。2007年4月からボストンのダナ・ファーバー癌研究所に留学し、ライフスタイルや食生活と病気の発生を疫学的に研究。2008年4月から2013年12月末まで、ハーバード大学で、肥満や老化などに関する研究に従事。ハーバード大学学部長賞を2度受賞。現在、星槎グループ医療・教育未来創生研究所ボストン支部の研究員として、日米共同研究を進めている。著書に『カロリーゼロにだまされるな――本当は怖い人工甘味料の裏側』(ダイヤモンド社)。『「カロリーゼロ」はかえって太る!』(講談社+α新書)。『健康でいたければ「それ」は食べるな』(朝日新聞出版)などがある。
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http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/yajiuma/20160125_740480.html
ビッグデータ解析で薬剤副作用予測がほぼ100%可能に
~京大発表。今後はSoC活用で処理を高速化

(2016/1/25 12:30)PC Watch

 京都大学の江谷典子医学研究科特定研究員は22日、薬剤やその副作用、疾患の原因のとなる遺伝子などのビッグデータを解析することで、副作用をほぼ確実に予測できるとの研究成果を発表した。

 これまで、ビッグデータを用いた薬の副作用の予測は、必要な臨床試験のデータが公開されていない場合が多いことから、十分な成果が得られていなかった。今回の研究では、公開されているデータベースから疾患の原因となっている遺伝子や、薬の働きかける部位、タンパク質と化合物の相互作用に関するデータ、市販されている薬を含む薬剤の副作用や発症率の5項目を統合し、新たにデータベースを構築。さらに、これを元にした統計や機械学習を用いたシステムを開発し、副作用の種類や発症率を予測したところ、ほぼ100%予測できたという。

 また、既存の薬剤の中で、元々のターゲット以外の疾患に効果を発揮する可能性があるものについての予測も行ない、今まで治療薬が公開されていない疾患に対して300件以上の候補を発見した。

 個人の体質や遺伝的特性によって治療効果の高い治療法を選択する「個別化医療」への貢献が期待される。

 江谷氏は、将来的にSoC (System-on-a-Chip)を用いることで、セキュリティ強化や処理の高速化を図れるようになるため、大規模なビッグデータを用いた予測を手軽に行なえるようになるだろうとしている。



http://news.biglobe.ne.jp/domestic/0125/jc_160125_3662502625.html
がん専門病院で黒字はほとんどない! 「外保連」、外科治療への適切な評価を要望
J-CASTニュース1月25日(月)11時30分

外科系学会社会保険委員会連合(外保連)が主催する記者懇談会が2016年1月12日、東京で開かれた。外科系学会が集まり、臨床技術のコスト計算をし、科学的な診療報酬のあり方を検討する外保連の発足は1967年。

82年に初めて手術試案を公表、以来、厚生省・厚生労働省に適切な診療報酬の算定を働きかけている。

459 項目の技術度、人件費、材料代、要望点数などをまとめる

16年度診療報酬改定向けに刊行された『外保連試案2016』は、手術、処置、検査、麻酔459 項目の技術度、人件費、材料代、要望点数などをまとめた。たとえば人件費は、経験何年の医師、看護師、技師らが何人、何分働くかを、医療職国家公務員の給与をもとに計算した精密なものだ。

川瀬弘一・手術委員会委員長(聖マリアンナ医大小児外科)は前回14年の診療報酬改定では、国が手術時間の短縮のみに着目し、子宮手術の点数を下げたことを遺憾とし、効果や手術緊急度などを考慮した評価方式を訴えた。それにより、大動脈りゅう、緊急帝王切開、斜視など55手術への特別な点数配慮を要望した。

平泉裕・処置委員会委員長(昭和大学整形外科)は使用する材料の高額化により、人件費もまかなえない処置が増えている現状を訴えた。高い技術が求められる急性すい炎への動脈注入療法、気管内薬液注入などが例示された。

診療報酬が低く、割に合わないとして出産を扱う病院が減っていることは知られているが、記者からは「必要な手術や処置が不採算のために行われなくなっているケースがあるか」との質問もあった。担当役員からは「がん専門病院で黒字は癌研究会有明病院ぐらい、他は赤字だが大部分は国公立のため補填でもっている」「大学病院の 3分の 1は赤字だが、やりくりで何とかカバーしている」との返事があった。

(医療ジャーナリスト・田辺功)



http://www.sankeibiz.jp/business/news/160125/prl1601251013020-n1.htm
在宅医療に関わる費用 76.4%「負担に感じる」、71.6%「今後も増えると思う」 平均自己負担額19,590円 最大で月12万円支払うケースも~在宅医療費に関する患者家族の意識調査~
2016.1.25 10:13 Sankei Biz

最近1ヶ月間の在宅医療費を教えてください在宅医療費は今後増えると思いますか
 月600万人が利用する日本最大級の病院検索・医薬品検索・医療情報サイト群ならびに医療者向けサービスを運営する株式会社 QLife(キューライフ/本社:東京都千代田区、代表取締役:山内善行)は、在宅医療を受けている患者の家族500人を対象に、在宅医療費について意識調査を実施した。調査は2015年12月18日から12月24日まで、インターネット経由で行われた。

 調査結果から、認知症や脳梗塞、脳卒中などの脳血管障害患者の家族を中心に、4人に3人が在宅医療費について負担に感じていることが分かった。現在の平均自己負担額は月2万円前後だが、約7割の家族が今後も在宅医療費が増加すると考えており、在宅医療が長期化するにつれ、その負担感はますます増大するものと思われる。しかしながら、約7割の家族が「入院よりも在宅のほうが良い」と回答するなど、住み慣れた家での治療を望んでおり、在宅医療費の負担軽減は解決すべき大きな課題の1つであると思われる。

◆在宅医療にかかわる費用について、76.4%が負担に感じている

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 76.4%が「とても負担に感じている」「少し負担に感じている」と回答した。疾患別では「認知症」が最も高く、87.8%が負担に感じている。次いで脳卒中、脳梗塞などの「脳血管障害」の81.1%だった。

◆在宅医療費の自己負担額は平均で月2万円前後。最大12万円支払っているケースも
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 在宅医療費の自己負担額は平均で19,590円、最少額は1,000円、最大額は120,000円だった。
年代別に見ると、在宅医療を受けている家族の年齢が「70代未満」では、平均21,610円で、最大120,000円、「がん」(平均30,650円)や「脳血管障害」(平均25,070円)で負担が多くみられた。
「70代以上」では、平均18,890円、最大44,000円だった。

◆在宅医療費 71.6%が「今後も増えると思う」。それでも70.2%「入院よりも在宅のほうが良い」
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 71.6%が在宅医療費について「今後も増えると思う」と回答。また、今後の治療方針については70.2%が「入院よりも(このまま)在宅医療のほうが良い」と回答した。



http://www.qlifepro.com/news/20160125/only-for-the-optimization-of-the-large-gate-pharmacist-proper-assessment-and-awareness.html
【中医協公聴会】適正化の対象、大型門前のみで-「かかりつけ」適切な評価と周知を
2016年01月25日 AM11:00  QLifePro

 中央社会保険医療協議会は22日、さいたま市で公聴会を開き、2016年度診療報酬改定に対する意見を医療関係者、保険者、患者等10人から聞いた。薬剤師を代表して、保険薬局の立場から意見を述べた斉藤祐次氏(灰屋薬局・埼玉県薬剤師会副会長)は、骨子に盛り込まれている「大型門前薬局等に対する評価の適正化」について、大型のチェーン薬局のみが対象となるような要件設定を求めた。また、評価の対象となっている、かかりつけ薬剤師・薬局に対しては、「適切な評価と制度の周知」を要望した。

 改定の骨子では、いわゆる大型門前薬局などを念頭に、現行の処方箋受付回数および特定の医療機関にかかる処方箋による調剤割合に基づく調剤基本料の特例対象範囲を拡大する方針が示されている。

 斉藤氏は、こうした調剤報酬適正化の対象となる薬局について、「あくまで大型のチェーン薬局であるべき」と主張。

 ただ、大型門前の中にも地域でかかりつけ機能を発揮している薬局については、調剤報酬が低い特例点数の対象から「外れるべき」とした。

 また、評価の対象となっている、かかりつけ薬剤師・薬局による服薬情報の一元管理については、「これまで以上に推進することが求められている」とし、そのための適切な評価と「かかりつけ薬剤師・薬局について理解してもらうための環境整備もお願いしたい」と要望した。

 新たな数量シェア目標を踏まえ、要件を見直す方針が盛り込まれている「後発医薬品調剤体制加算」については、「政府の数値目標が引き上げられたが、これまで以上に努力していきたい」としつつも、「医薬品の備蓄増に伴う負担増も大変。これがうまくいかないと高い目標はクリアできない」と強調し、後発品の品質に対する懸念払拭などの「環境整備をお願いしたい」と述べた。

 後発品のさらなる使用促進に向けては、「後発品薬価の引き下げや現場での説明が重要になる」との観点から、「医師や薬剤師に対するインセンティブが拡大される必要がある」との意見も出た。

 斉藤氏は、骨子に盛り込まれている特定集中治療室等への薬剤師配置を診療報酬で評価することについても言及。

 高度急性期医療を担う現場において薬剤師の配置が進むことで、「他の医療職種と連携しながら、入院患者に投与される薬剤の相互作用チェックなどが行われている」との現状を示し、「こうした取り組みが他の医療職種の負担軽減や、医薬品の安全使用につながっている」とし、評価を求めた。

 公聴会では、保険者の代表者から、医薬分業の進展により、患者負担が増加していることを踏まえ、「患者のための薬局ビジョン」で示されている機能を「しっかり発揮する」よう求める意見も出た。



https://www.m3.com/news/general/393798?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD160125&dcf_doctor=true&mc.l=140828635&eml=3f492a08f1681d66441569ec02c0b51e
【兵庫】小児科専門医院 “空白地帯”相生に今秋開業
2016年1月25日 (月)配信 神戸新聞

 長らく小児科の専門医がいなかった兵庫県相生市に、秋にも小児科専門医院が誕生する。開業を計画しているのは、兵庫県太子町出身の小児科医、村瀬真紀さん(53)=栃木県那須塩原市=。「子育て世代の力になりたい」との思いから、故郷近くでの開業を決めた。子育て施策に力を入れる同市に届いた“朗報”に、地元は大きな期待を寄せている。

 村瀬さんは神戸大医学部を卒業後、加古川市民病院やたつの市御津病院(現たつの市民病院)などを経て、現在は栃木県の大学病院に勤めている。昨年、西播磨での開業を検討していた頃、相生市医師会(魚橋武司会長)から要請を受けた。

 同市医師会などによると、市内に小児科を掲げる病院は5カ所あるが、いずれも小児科専門医は在籍していないという。“空白地帯”ともいえる市の現状が、村瀬さんの背中を押した。

 村瀬さんは少しでも同市になじもうと、昨年10月から週に一度市民病院に非常勤医として働くように。栃木から片道約5時間かけて通勤しながら、開業に向けて奔走している。「地域で頑張っている若い世代のために、自分の経験を少しでも役立てたい」と、村瀬さん。16年10月に同市向陽台で開業する予定だ。

 子育て世代にとってはこの上ない朗報で、開業を待ちわびる保護者は多い。3カ月の子どもを育てる女性(30)は「子どもが小さいうちは、急な病気や少しのけがで不安になることも多い。近くに専門医がいると心強い」と話していた。(杉山雅崇)



https://www.m3.com/news/general/393515
学術論文、ネットで原則公開へ 公的資金使った研究対象
2016年1月25日 (月)配信 朝日新聞

 公的資金を使った研究について、政府は学術論文やデータをネット上で原則公開させる方針を決めた。国内の科学技術関連予算は年間約4兆円に上るが、論文の多くは有料の商業誌に掲載され、自由に閲覧できない。成果を社会で広く共有し、研究の発展を促す狙い。

 国内の大学や研究機関が関わる科学技術の論文数は年間7万本を超える。米国や英国で公的資金を使った研究論文の公開義務化が広がっており、日本でも進める。22日に閣議決定した第5期科学技術基本計画(2016~20年度)の期間中に実施を目指す。

 国の研究費を配分する科学技術振興機構や日本学術振興会が大学などに研究資金を出す際、論文の公開を条件にする方法などを検討している。研究者は、論文を無料で読める電子雑誌に投稿するか、有料の雑誌に出す場合は大学などが設ける専用サイトで、ほぼ同様の内容を無料で読めるようにする。

 STAP細胞などの研究不正が相次いだことなども受け、論文の根拠となったデータも公開の対象とする。知的財産などに問題のない範囲が対象で、データを管理、検索できる基盤作りを国立情報学研究所が中心になって進める。多くの人が論文やデータを目にしやすくなれば、成果の活用が進み、研究の透明性も高まると期待されている。

 ただ、無料公開の電子雑誌に掲載するには、著者が数万~数十万円の費用を出版社に払う必要がある。大学などの専用サイトに載せる場合、出版社側から公開の猶予を求められ、公開の時期が遅れる可能性もある。

 京都大と筑波大はこの方針を先取りし、雑誌に載った論文などを学内の専用サイトに登録、公開する方針を今年度に打ち出した。

 文部科学省で公開について検討する委員会の委員を務める西尾章治郎・大阪大総長は「公開が進めば、異分野のデータが組み合わさって新たな研究領域をひらきやすくなる」と話している。(阿部彰芳)



https://www.m3.com/news/iryoishin/393757
学会に女性役員、「クォータ制」の導入を
医学領域のガラスの天井、「すり抜ける」

2016年1月25日 (月)配信 成相通子(m3.com編集部)

 「医学領域のガラスの天井をすり抜けて~女性活躍の量的拡大から質的拡充へ~」と題した、順天堂大学女性研究者研究活動支援シンポジウムが1月23日に開催された。日本女医会理事の津田喬子氏が基調講演を務め、個々人と社会の意識改革の重要性を指摘し、日本産科婦人科学会や日本麻酔科学会が進める女性役員の「クォータ制」の導入やキャリア教育の充実を訴えた。

 津田氏は医学会の役員数の格差について紹介。2011年の女性医師会員数は、日本眼科学会で41%、日本麻酔科学会で34 %、日本内科学会で20%など、一定の割合を占めるものの、女性役員数(2015年)は日本眼科学会1人、日本麻酔科学会では2人、日本内科学会においては1人もいないなど、女性の登用は遅れている。一方で、2013年に日本産科婦人科学会 が特任理事5人のうち3人を女性とすることや、2016年度から日本麻酔科学会でも一定数の女性代議員や4人の女性理事枠を新設するなど、「クォータ制」の導入の兆しが見えているという。

 順天堂大学は、2015年に「ダイバーシティ研究環境実現イニシアティブ」が文部科学省の補助事業に採択され、男女共同参画推進に取り組んでいる。シンポジウムでは、津田氏のほか、杏林大学医学部麻酔科教授の萬知子氏、東京医科歯科大学難治疾患研究所・エピジェネティクス分野教授の石野史敏氏、順天堂大学大学院医学研究科細胞・分子薬理学教授の櫻井隆氏が講演。順天堂大学の研究支援制度を利用した女性医師の体験談などを踏まえ、パネルディスカッションで今後の女性キャリア支援について意見を交わした。

 順天堂大学の木南英紀学長、男女共同参画推進室長を務める新井一医学研究科長・医学部長もシンポジウムに駆けつけ、あいさつした。

量的拡大から質的拡充へ

 津田氏は、「私と社会の意識改革」と題して基調講演し、医学界の女性支援の変遷について、以前は女性医師の量的拡大が主眼だったが、近年はマンパワーとしてだけでなく、女性が医師としてキャリアを継続・発展できる環境の整備など、質的な拡充が必要になっていると指摘。具体的に、(1)保育(育児)施設の設置場所と質の改善、(2)産休・男女の育休取得の推進、(3)医学界の男性中心構造の脱却(指導的立場への女性登用、学会役員のクォータ制導入など)、(4)キャリア継続と向上への意識醸成に向けた医学教育の改革と実践、(5)妊娠・出産に対応した専門医・認定医取得規定の考慮、(6)医師の地域及び診療科偏在の解消(勤務医の待遇改善、勤務条件の明確化)など、6項目のキャリア支援が必要だとした。

クォータ制の導入と成果目標

 日本麻酔科学会常任理事も務める萬氏は、「男女共同参画推進活動のない社会に未来はない~ポジティブアクションのすすめ~」と題して講演した。日本の女性研究者数は欧米諸国と比べて少なく、増加の傾向も鈍い状況で、「ヨーロッパには、女性研究者の増加で研究が強くなったという成功体験があるが、日本にはそういう合意がない」と指摘。女性の活躍を促すためには、女性と男性の社会的性差を認識し、男性優位の状況下では、クォータ制などのポジティブ・アクションを導入が必要だと主張した。

 麻酔科学会では、2016年度の選挙から代議員(282人)の15%を、追加で女性枠とするほか、現在2人いる女性理事に加えて、さらに4人の女性理事の別枠を設置するといい、課題として、女性の立候補者を増やすことや、女性増による成果目標の設定を挙げた。萬氏は、ポジティブ・アクションの目標達成によって、研究開発力の向上など成果も狙うことが必要で、そのような責務も、選ばれた女性が担う覚悟が必要だと強調した。

「多様な視点」が重要

 研究者の妻を持つ石野氏は、「ともに最先端を歩むために」と題して講演。それぞれ別々のテーマで研究していた2人がいかに共同で研究を始め、研究を発展させてきたかを振り返った。お互いの得意な分野を生かしつつ、哺乳類の胎生に関する獲得遺伝子の特定につながったかを説明。胎生の哺乳類は、単為発生の胚を作成しても、初期で死んでしまうことを引用しながら、「男性と女性は異なるが切り離せないもの」として、お互いの独立性や異なる能力を生かすことなどが重要だと指摘。男性的な競争社会で、短期的な成果を追い求めるのではなく、多様な視点で充実した研究を男女が行える環境作りも重要だとした。

 櫻井氏は、「次世代を担う研究者の育成・支援のために:順天堂大学基礎研究医養成プログラムにおける取組」と題して講演。順天堂大学のMD研究者養成の取り組みを説明した。同大では、2010年に「基礎医学研究者養成プラン」を策定し、2012年、2014年に基礎研究医養成プログラムを拡充。女性研究者数も少しずつ増えてきている。櫻井氏は、今後、女性研究者へのさらなるサポートを進めたいとした。

「しなやかな考え」ですり抜ける

 順天堂大で、女性研究者支援を受ける2人の女性医師の実体験も紹介。同大小児外科医学部助教の田中奈々氏と呼吸器内科医学研究科大学院生の難波由喜子氏が自身の体験を語った。

 そのほか、ニッピバイオマトリックス研究所所長の服部俊治氏と日本医科大学小児科教授で女性医師研究者支援室室長の前田美穂氏らと、講演をした4人でパネルディスカッションを実施した。石野氏は、研究の発展には幅広い視点が重要だと改めて強調。津田氏は「(女性の進出を阻む)ガラスの天井は、打ち破るだけでなく、すり抜けるというのもあるかもしれない。しなやかな考えでやってほしい」と述べた。


パネルディスカッションでは、津田氏、萬氏、石野氏、櫻井氏のほか、ニッピバイオマトリックス研究所所長の服部俊治氏と日本医科大学小児科教授で女性医師研究者支援室室長の前田美穂氏がそれぞれの立場で取組みや課題を話した。



https://www.m3.com/research/polls/result/52
意識調査意識調査一覧
結果外国人患者が来たら……。外国語は話せる?

カテゴリ: 医療 回答期間: 2016年1月12日 (火)~18日 (月) 回答済み人数: 3096人

 円安やビザ発給要件の緩和などにより、訪日外国人が増加しています。政府は、2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催に向けて、「2020年までに訪日外国人2000万人」とする目標を立てていましたが、2015年中に目標達成の見込みが出てきたことから、さらに上乗せして3000万人に目標を引き上げようとしています。また、日本に中長期で居住する外国人は2014年末現在で212万人に上ります。

 有名観光地だけでなく日常的な生活の場で、外国人と接する機会も増えてきました。医療現場では、医療通訳の必要性や重要性が指摘されるようになってから久しいものの、具体的な対応はまだ模索中です。そこで、医療従事者の皆様の外国語スキルについてお伺いします。
医師の6割、「英語で診療可」

 医療従事者の外国語スキルについてお伺いした本調査。日本語以外で医療現場で使うことができる言語を尋ねたところ、医師の6割が「英語」を挙げました。英語以外は数パーセント前後と少ないものの、中国語やドイツ語を挙げる方もいました。看護師は33%、薬剤師は43%が英語を仕事で使えるとしています。

 日本人が苦手とされる英語のリスニングやスピーキングはどうでしょうか。医師では、2割が「言っていることは分かるが、話せない」を選択、3割弱は「ほとんどできない」としています。日常会話にない専門用語も必要な医療現場でも、不自由なく使えるのは、2割未満のようです。開業医も勤務医もほぼ同じ傾向でした。

 今後学びたい言語について質問したところ、圧倒的に多かったのは英語。全体の過半数を超えました。次に多かったのは中国語で、約1割。実際に中国人の患者も多いようです。次に多かったのはスペイン語、その次がフランス語でした。

   最後に外国人患者とのエピソードや、外国語にまつわる思い出、お薦めの勉強方法を尋ねたところ、約1000人からさまざまな回答が寄せられました。一部を下記にご紹介いたします。

 回答者総数は3096人、内訳は開業医657人、勤務医2202人、歯科医師 3人、看護師18人、薬剤師166人、その他の医療従事者50人でした。

Q1 日本語のほかに、診療などの医療現場の仕事で、使うことができる言語はありますか?

      開業医   勤務医   歯科医師  看護師   薬剤師   その他の医療従事者
英語     59%    64%    100%   33%     43%    50% 
中国語     3%     1%     0%     0%      7%    0%  
韓国・朝鮮語  3%     1%     0%     0%      2%    0%  
ポルトガル語  2%     2%     0%     0%      2%    6%  
スペイン語   2%     1%     0%     0%      2%    2%  
フランス語   2%     2%    33%     6%      1%    2%  
ドイツ語    3%     1%    33%     0%      1%    4%  
その他     2%     2%     0%     0%      0%    0%  
なし     40%    35%     0%   61%     54%    44%  
 
開業医 : 657人 / 勤務医 : 2202人 / 歯科医師 : 3人 / 看護師 : 18人 / 薬剤師 : 166人 / その他の医療従事者 : 50人
※2016年1月18日 (月)時点の結果

Q2 英会話はできますか
01258.jpg

開業医 : 657人 / 勤務医 : 2202人 / 歯科医師 : 3人 / 看護師 : 18人 / 薬剤師 : 166人 / その他の医療従事者 : 50人
※2016年1月18日 (月)時点の結果

Q3 今後学びたい言語や、現在勉強中の言語はありますか?
(複数選択)
      開業医   勤務医   歯科医師  看護師   薬剤師   その他の医療従事者
英語     51%    60%   67%    89%    71%    64%    
中国語    12%     4%    100%    11%    17%    14%    
韓国・朝鮮語  5%     3%    33%    17%     8%     6%    
ポルトガル語  2%     3%     0%     0%     1%     6%    
スペイン語   9%    10%    33%     0%     6%    16%    
フランス語   9%     9%     0%     0%     4%    10%    
ドイツ語    6%     6%    33%     6%     4%     4%    
その他     2%     3%     0%     0%     2%     0%    
なし     31%    22%    0%     6%    19%    12%    
 
開業医 : 657人 / 勤務医 : 2202人 / 歯科医師 : 3人 / 看護師 : 18人 / 薬剤師 : 166人 / その他の医療従事者 : 50人
※2016年1月18日 (月)時点の結果

Q4 外国人患者とのエピソードや、外国語にまつわる思い出、お薦めの勉強方法があれば教えてください。
こちらでは、「外国人患者とのエピソード」で、困った話や嬉しかった話、恥ずかしかった話やびっくりした話などをご紹介します。

【困ってしまった話】
1.咄嗟の対応に苦慮
・May I help you?と言ったら、しゃべれると思われ、一気に話しかけられて参った。【薬剤師】
・救急当直の時にマラリアを心配する留学生が来たことがある。英語もだが、マラリア自体に対して咄嗟に反応が出来ず、たどたどしい診察になってしまった。【勤務医】

2.「なんて言うの?
・腰椎麻酔の際に、「エビのように丸く」が伝わらなくて難渋した。【勤務医】
・急性膀胱炎のインド人婦人に、頻尿?と尋ねるのに困った。【開業医】
・死亡宣告は難しかった。特に分からない言語のときは。【勤務医】
・膀胱炎の説明に苦慮した。【勤務医】

3.英語以外の言語
・急患がルーマニア語しか話せなくて困った経験がある。【勤務医】
・最も困ったのが、日本語も英語も話せない韓国人患者であった。患者は辞書を持参して・きたが、自分自身は韓国語は分からず、英語対応も通じず、病名も説明も不可能であったことは残念であった。【開業医】

4.言葉以外の理由
・中東の患者様で女性であったが、宗教上の理由で男性の診察を断られた上に英語も通じず苦労したことがある。【開業医】
・慢性期統合失調症で中国語しか分からない方が入院したが、言語と症状の両方のため全く話していることが分からないので対応に困っている。【勤務医】

5.伝えるのが困難
・病状は聞き取れても、治療などの説明がなかなか伝わらなかった。【勤務医】
・皮膚の手術のときにあらかじめ同意書を取得して、いざ行おうとしたとき、実は手術をすることがうまく伝わっていなくて、直前に同意していないと言われたことがあり、外国人との意思疎通の難しさを痛感しました。【勤務医】
・日本在住の外国人で健診異常を指摘され来院したので、2次健診が必要なことを英語を交えて時間をかけて一所懸命説明し、検査の予約までしたが、結局来院しなかった。上手く通じなかったのかも知れない。【勤務医】
・鼠径部腫脹患者が来た。鼠径ヘルニア専門分野ではあるが、病態は異なっており、上手く英語で伝えられず、難渋した。【勤務医】
・イタリアの方が受診。日本語は全く話せず、お互い片言の英語で何とか成立。ステロイド外用薬を処方。翌日、日本人通訳の方と再診。処方されたのがステロイド剤と分かり、もう少し説明してほしかったと気まずい雰囲気になってしまった。【開業医】

6.尻込みしてしまう
・東南アジアからの留学生や見学が定期的にある。英語で質問されるが、なかなか答えられない。また教えてあげたくても話せないことから尻込みしてしまう。せっかくの機会なので積極的にするべきだが、「話せない」ということが頭をもたげて、ついついだんまりさんになってしまう。おすすめの勉強方法は教えてほしいくらい。【勤務医】
7.その他
・電子カルテのカタカナ表記の名前が呼びにくくて困った。【その他の医療従事者】
・相手の言いたいことが分からず、様子と身体所見から検査をせざるを得なかったことがありました。結局画像検査で虫垂炎だったのですが。【勤務医】
・細かい症状が聞き取れなくて、もういいと諦められることもあり、残念な気持ちになった。【勤務医】
・在日韓国人の患者さんに説明をした時のこと。日本語を問題なく話されるので、いつも通りに説明、熱心にメモを取っておられました。説明が終わった後、「先生のおっしゃる要点はこの通りですか?」とメモを見せられましたが全てハングル語。全く分かりませんでした。【勤務医】
・海外旅行に薬も持っていかれる患者様の依頼で、薬品情報提供書を英訳してお渡ししたことがあるが、上手くできなくて大変だった。【薬剤師】

 英語で苦労し、恥をかいたり、切ない気持になったりしたエピソードも寄せられました。
【間違えたり、恥をかいたりした話】
1.日本語の方が分かる
・日本在住で奥さんが日本人のオーストラリアの方が受診された際、必死に英語を交えながら説明していたところ、『かえって分かりにくいから全部日本語でお願いします』と言われたことがあります。【開業医】
・30年前プライベートでサイパンを旅行した際、片言の英語でショッピングをしていたら、現地の人に日本語の方が良く分かると言われ、自分の語学力の無さを恥じた。【開業医】

2.恥ずかしい経験
・麻酔の術前外来を英語で行うも、座薬が英語で出てこずジェスチャーで表現。「オオー、サポね!!」と返してもらった。恥ずかしかったな… 【勤務医】
・通訳に手伝ってもらいながらやるしかない状況でかっこ悪かった…ことがあります。【勤務医】
2.言い間違い、聞き間違い
・hymenectomy(※処女膜切除術)とhymenotomy(※処女膜切開術)を間違えて叱られた。【勤務医】
・meetとmeatを、間違えて、恥をかいた 。【開業医】
・コーラ頼んだらコーヒーを持って来た。そんなに発音悪い?【勤務医】
・食べられないものがあるかと聞いたら冷麺冷麺!と言っているかと思い、冷麺?と聞き返したらlemonだった。【勤務医】

3.切ない
・日本に住んでいるアメリカ人を長く見てきたが、結局最後は母国に帰って手術を受けた 。【勤務医】
・散々英語で会話させて最後に「英語の練習」と日本語で言われた。【勤務医】
・御主人がアメリカの方で日本語が話せない。咳が1カ月以上も続くと言うことで来院。検査にて肺炎クラミジア感染症と判明して除菌を行う方向となったが、漢方以外の薬をとにかく飲みたがらないので直接説明してほしいとのこと。どうにか片言の英語で説明したが結構日本語が分かるとのことでした。それならそうと早くに言ってくれれば・・・と思いました。【勤務医】

4.話せても切ない?
・幼少時の環境のため希少言語が分かります。受診される方も少ないですが、まれにその言語の方が来られると、先方はまさか医者がその言語を理解するとは思ってもいないので、診療の合間にあれこれ遠慮なく自国語で話します。英語や日本語で愛想良くても、合間にご不満をおっしゃっていたりして。分かるのがいいのか悪いのか。【開業医】

 苦労も多い外国語の診察ですが、異国で不安を抱えながら診察を受ける外国人患者に喜んでもらえた経験を大事に思っている方も多いようです。
【喜んでもらえた話】
1.信頼関係を構築
・在米華僑のご家族と、日本で受傷した重症外傷の患者さんのやりとりを英語でしたことがあります。説明をできるだけシンプルに、事実のみを繰り返し説明しました。結局亡くなったのですが、お帰りの際にご家族にハグされました。もう10年近く前のことです。【勤務医】
・留学経験がないのでそれほどうまくないが、元外交官だった外国人患者さんに話が通じたため非常に信頼されたことがある。ビジネス英会話を聞いていたからかもしれない。【勤務医】
・不安感を持って受診した英語しか話せないフィリピン人の患者さんと英語で医療面接し、診療後には安心して帰っていただけた。【勤務医】
・日本の病院では日本語しか通じないと思っていた外国からの観光客から、とても喜ばれ感謝された。【勤務医】

2.英語以外の言語
・中国残留孤児の方に中国語で診療し、不安が無くなったと非常に感謝された。【勤務医】 ・ロシアのバレリーナがトレーニング中に足を捻挫して受診したことがあった。マネジャーが同行したが、彼は英語が得意ではなかった。ロシア語で「心配ない。また踊れるようになる。」と言ったら感激して泣いていた。【開業医】
・利用する外国人の国に合わせて、中国語、ベトナム語、インド・ネパール語、タイ語については「大丈夫」や「健康である」などの安心させる言葉はその国の言葉で話すようにしている。それだけで安心してもらえるようだ。【開業医】

3.英語を褒められた
・ジェスチャーも加えながら必死に問診を取り、診断や治療についての説明をしたら患者さんのお母さんに非常に感謝され、うれしかった。英語もほめてもらえた。【勤務医】
・オーストラリア人の英語教師が救急搬送されたとき、医療英語のみしか話せなかったが、退院時に「あのドクターは英語の達人だ」と日本語で言い残していったため、その後、英語圏の患者は全て私の外来に回されるようになった。今から20年前の話です。【勤務医】
・英語学習歴30ウン年。英語圏の患者が来た時に英語で話したら、この辺りの病院の医師で英語が一番上手と褒められたのが良い思い出です。【勤務医】

4.コミュニケーションの重要性
・日本のギャグを教えてやる、例えば「コマネチ!」患者と2人で練習、コマネチはどんな人かも教えてあげました。喜んでいました。【開業医】
・観光で日本に来たアメリカ人が、急に一側の耳が聞こえなくなり受診した。見ると一側の耳垢栓塞によるもので、複雑耳垢除去術を行い、聞こえるようになった。その時、「This is mede in USA 」と言ったところ、大受けして、以来その患者と親しくなり、帰国後プレゼントをもらい友人関係となった。【開業医】
・学生時代に著名なピアニストの方(ロシア人)に対して院内で誰も検査の内容を説明出来ず困っていたため、必死でコミュニュケーションを試みたら検査に非協力的であったのが一転し、馬鹿なのに医学生として重宝され、以後外国人で性格的に難しい人の問診担当となった。人間、何でも特技を持つと生き延びられると痛感した。【勤務医】
・外国人患者から、ここの病院は英語ができる医者がいると友人に教えると言われたが、非常勤の勤務医で歩合制ではないのでうれしくなかった。初めて、開業して英語ができることを宣伝しようかな、と考えた。しかし、いまだに非常勤医。【勤務医】
・南アフリカ人、虫垂炎術後の退院処方(3種類)に関して、私なりに説明したところ(専門的な単語は知らない)大変感謝され、帰国後に感謝状が送られてきた。【勤務医】

5.院内スタッフからも感謝
・通勤時のラジオで、ドイツ語、スペイン語、フランス語、中国語は少しだけ勉強したことがあり、他診療科入院中の患者であったが、看護師と患者で意思疎通が難しく間に入って説明したところ双方から感謝された。【勤務医】
・以前の勤務先の夜間当直で、チリ人の患者さんが来院。英語も日本語もできない方でした。小生がスペイン語が話せたので、患者さんとのコミュニケーションが取れ、看護師さん達から、尊敬の眼差しで見られた経験があります。今となっては、年齢で当直免除のため、懐かしい思い出です。【勤務医】

6.その他
・国際便内(日本への復路)での急患発生時に英語でのやりとりができ、患者を地上の医療施設に移動でできたこと。【勤務医】
・後期研修医のときに日本語が話せないイギリス人患者のために、入院診療計画書を自前で英文にして作ったことがあります。【勤務医】
・研修医時代に入院した子が外国人だったが、退院時にご両親がお礼にと絵本をくださったのが印象深い。【勤務医】

びっくりするような話や印象的な話、思わず笑ってしまうようなエピソードも寄せられました。
【印象的な話】
・25年近く前、オーストラリア原住民が診察に現れ、付添いのオーストラリア大使館の方が原住民の言葉を英語に通訳してくれたことがあった。また15年程前、セネガル人の犯罪者を警察が連れてきて、フランス語を辞書片手に通訳してくれたこともあった。ともに診察には大変苦労したが、今となっては話の種として面白い。【勤務医】
・警察官に連れられた外国人犯罪者がベーチェット病+糖尿病。【勤務医】
・けいれんで救急搬送されたアイルランド人、ビザも切れており大使館に連絡したり大変だった。結局支払いはしてもらえず仕方なく帰したが、翌週ATM強盗をして逮捕されていた。【勤務医】

【面白?逸話も】
・昔、外国人の入院患者が浅田飴をナースステーションに預けていて、ある朝、飴が欲しいと言ってきたので、「浅田飴ね?」と聞いたところ「朝ダメね」と言われたと思ってスゴスゴと引き返していったという申し送りを聞いたことがあります。【開業医】
・昔行っていたバイト先の病院は隣のブースとは壁1枚だったので会話が丸聞こえだった。自分の曜日は内科の自分と40才手前の整形外科医と二診体制だった。ある日、日本語がほとんど話せない英語圏の患者を整形外科医が診察していた時、カタカナ発音の英単語をつないで話していた。しかし、彼は片言ながら「Yeah」「Oh!」「aha」など感嘆詞を交え自信満々の診察。「フムフム..英語に不慣れながらも頑張って診察してる。頑張れよォ」と聞き耳を立てていた。そして最後、処方の説明になった時「アイ、ギブ、ユウ、ドラッグ、イズ、シィップウゥゥ...」と 英語風イントネーションで湿布と言い放ったのが聞こえた時は、吉本喜劇的でき過ぎた落ちに、ぶっ飛んで机から転げ落ちそうになった。【開業医】
・職場近くでホテルまでの道を英語で聞かれ、思わず「〇〇ホテル、アッチ」と英語訛りで言ってしまった。【勤務医】
・外国の人に、検査の説明を日本語で大きな声で説明している看護師がいた。耳が悪いわけじゃないのに、勢いで説明しているのに、爆笑!【看護師】

【びっくりした話】
・大学病院に勤めていた頃、救急にカナダ人の20代の女性が膀胱炎で受診した。診察ベッドに寝てもらいカーテンをしたら、裸になっていた。タオルを渡して日本では一般に服は脱がないと教えてあげた。【勤務医】
・屈強なドイツ人の患者の採血で、針を挿した途端に気を失って椅子から崩れ落ちたときには、驚きました。こんな怖がりがどこにいる、と思わず言いそうになりました。 【開業医】
・母親と話していたら、子供が○○弁で答えたのはビックリしました。【開業医】
・外資系製薬会社に勤めるドイツ人の主治医でしたが、最初日本語が分からず、英語での診察でしたが、1年くらい経つと、日本語でのやり取りにほとんど問題がなくなり、言語獲得能力の高さに驚きました。【勤務医】

「お薦めの勉強法」、「外国人の診察時のコツ」、「外国語による診療の賛否」など、他に寄せられた回答は、随時ご紹介いたします。



https://www.m3.com/news/general/393676
輸血で慢性肝炎さらに3人 E型感染、20~30代患者 日赤、献血時の検査なし
2016年1月25日 (月)配信 共同通信社

 輸血を受けた患者がE型肝炎ウイルスに感染し、新たに3人が肝硬変や肝がんにつながる恐れがある慢性肝炎になった疑いがあることが23日、関係者への取材で分かった。3人は20~30代の血液がん患者。昨年10月には、臓器移植時の輸血感染で2人が慢性E型肝炎を発症した国内初の事例が明らかになったばかり。

 献血を募る日本赤十字社は、過去に食品による感染で死亡例が出て、献血者の感染率が比較的高い北海道を除いて同ウイルスの検査をしておらず、検査体制の強化が求められそうだ。

 日赤などによると、感染の報告があったのは2004~14年で、3人はいずれも関東甲信越地方の病院で輸血を受けた。このうち、関東地方の病院で血液がんの治療を受けていた30代女性は輸血後に肝機能の異常が現れ、同ウイルスへの感染と慢性化が判明した。抗ウイルス薬の投与を受けているが、完全には回復していない。そのほか、20代女性は慢性化したが回復。20代男性は肝機能が改善したものの、元の病気の合併症で死亡した。

 昨年10月には肝臓移植に伴う輸血感染で2人が慢性E型肝炎になったことが明らかになった。

 輸血によるE型肝炎ウイルスへの感染は02~14年までに17人が確認されており、5人の慢性化例も含まれる。日赤は少なくとも4人については慢性化とみられる事例だと認識していたが、具体的な対策は取っていない。「状況をきちんと整理して把握したい」としている。

 豚の生レバーを食べてもうつることのあるE型肝炎ウイルスは急性肝炎を起こすが、慢性肝炎になることはないとされてきた。筑波大の大城幸雄(おおしろ・ゆきお)講師(消化器外科)は「抗がん剤治療を受けている人やエイズウイルス(HIV)感染者などは免疫の力が落ちていることから、海外では慢性化例も報告されており、リスクが高い」としている。

 国立感染症研究所などによると、英国では一部の輸血でE型肝炎ウイルスの検査をする方向で検討が進んでいる。感染研の石井孝司(いしい・こうじ)室長は「免疫が低下していてリスクが高い人に輸血するときは、E型肝炎ウイルスの検査が必要ではないか」としている。

 ※E型肝炎

 E型肝炎ウイルスへの感染が原因で、発熱や黄疸(おうだん)などの症状が出て急性肝炎となるほか、一部は劇症化することもある。妊婦や高齢者はリスクが高いとされる一方、症状が出ないこともある。主な感染経路はウイルスに汚染された食品の飲食で、発展途上国で多く見られる。日本では加熱が不十分な豚肉からの感染が疑われており、厚生労働省は2015年、生レバーを含む生の豚肉の提供を禁止した。C型肝炎などとは異なり慢性化しないとされてきたが、近年国内外で慢性化した例が相次いで報告されている。



http://mainichi.jp/articles/20160125/k00/00e/040/206000c
医師法違反容疑
歯科医が「がん治療」…警視庁が逮捕

毎日新聞2016年1月25日 15時00分(最終更新 1月25日 15時59分)

 医師にしか認められていない医療行為を無資格で行ったとして、警視庁生活環境課は25日、東京都江東区有明3の診療所「東京有明メディカルクリニック」(既に廃院)院長で歯科医の玉置秀司容疑者(58)=東京都府中市宮町=ら3人を医師法違反(無資格医業)容疑で逮捕した。クリニックは事実上、歯科医師しかいないのに、「遺伝子治療」などとし、内臓にがんを抱える患者らを診察するなどの医療行為をしていた疑いがあるとして、警視庁が捜査していた。【斎川瞳】

 捜査関係者によると、玉置容疑者らは内臓にがんを抱える患者らに対し、通常では医師にしか認められていない点滴注射などの医療行為をした疑いがあるという。玉置容疑者は昨年11月の毎日新聞の取材に対し、「(歯科医に認められている)口腔(こうくう)がんの予防などを行っていただけ」などと話していた。

 クリニックでは、玉置容疑者が経営するようになった2011年当初は実際に医師を雇って診療を行っていた。

 しかし、14年初めまでに医師が相次いで辞め、その頃から、実質的に歯科医の玉置容疑者だけが診療を行っていたとみられる。「医師じゃない人が治療している」などの情報が江東保健所などに寄せられ、生活環境課が14年秋にクリニックを捜索していた。
医師が名義貸し、一度も出勤せず

 14年初め以降は30代の男性医師が書類上、管理者となっていたが、この医師は名義貸しだけでクリニックに出勤したことは一度もなかったという。医療法は病院や診療所が常勤医師を管理者として置くことを義務づけており、生活環境課は同法違反容疑でも調べている。

 玉置容疑者が理事長を務める医療法人「秀真会」は都内で複数の歯科医院を展開している。秀真会を巡っては、脱税の疑いがあるとして東京地検特捜部が法人税法違反容疑で捜査し、昨年11月末に玉置容疑者を在宅起訴した。



http://mainichi.jp/articles/20160126/k00/00m/040/127000c
無資格がん治療
歯科医、未承認薬を投与

毎日新聞2016年1月25日 22時29分(最終更新 1月25日 23時07分)

 東京都江東区の診療所「東京有明メディカルクリニック」(閉院)での「がん遺伝子治療」を巡る医師法違反事件で、同法違反(無資格医業)容疑で逮捕されたクリニック院長で歯科医の玉置秀司容疑者(58)=東京都府中市宮町=らが、内臓にがんを抱える患者らに未承認薬を投与していたことが、警視庁生活環境課への取材で分かった。クリニックに関係する人物が開発したとみられ、投与された患者の中には湿疹やめまい、脱力感などの副作用的な症状を訴える患者もいるという。

 他に逮捕されたのは、NPO法人「先端医療支援機構」代表、玉置公人(42)と、看護師の赤坂修子(しゅうこ)(42)の両容疑者。3人の逮捕容疑は2013年9月〜14年3月、医師免許がないのに、東京都や宮城県などに住む30〜60代の乳がん、大腸がんなどの患者6人に対し、点滴や注射などの医療行為を行ったとしている。秀司容疑者は「(歯科医として)口腔(こうくう)がんの治療と予防をしていただけ」と容疑を否認。他の2人も否認しているという。

 生活環境課によると、投与されていた未承認薬は「AJS2010」という薬品で、治験(臨床試験)などは行われず、効果や危険性も確認できていない。クリニックは13年半ば以降は事実上、医師がおらず、主に秀司容疑者が診療していた。医療系の資格を持たない公人容疑者が白衣を着て診療することもあったという。

 クリニックはホームページで「『がん』に狙いを定め、体を切らずに治療する」などと宣伝。13年9月からの半年間で少なくとも16人のがん患者に未承認薬を投与し、治療費計約2500万円を受け取っていた。歯科医は一般的に口腔がんの治療はできるとされるが、16人はいずれも他の部位にがんを抱える患者で、病状が進んで他の医療機関での治療を断念した末に来院した人もいるという。

 また、病院や診療所は医療法上、常勤医師を管理者として置くことが義務づけられているが、クリニックは書類上の管理者である男性医師(40)に名義だけを借りていた疑いもあり、生活環境課は医療法違反容疑でも調べている。【斎川瞳】
「内臓は治療せず」秀司容疑者

 玉置秀司容疑者は逮捕前の昨年11月、東京都内で毎日新聞の取材に応じ、クリニックで行われていた行為は医師法違反にはあたらないとの認識を示していた。主な一問一答は次の通り。

 −−内臓にがんを抱える患者に対して医療行為を行っていたとの疑惑がある。

 歯科医として口腔(こうくう)がんの治療や予防を行っていただけ。歯科医師法も「治療のみならず予防にも努めよ」としている。それを忠実に守っていた。

 −−口腔がんの患者だけでなく、内臓にがんを抱える患者も来院していたようだが。

 あくまで口腔がんの予防、ケアという視点で点滴などを行っていた。点滴は全身を巡るので、その副作用として他のがんに効くことは期待したが、胃がんや肺がんなどの治療をしたということは一切ない。

 −−常勤医師(管理者)を置かずに医療行為を行っていたのか。

 クリニック内部で経営を巡るトラブルがあり、一時的に管理者不在となった。短い期間ならばいいか、と男性医師の名義を借りて診療を続けていた。

 −−投与した薬は自分たちで開発したのか。

 院内製剤として開発し、安全試験も行った。決して危険なものではなく、サプリメントとなんら成分は変わらない。私たちの扱っている薬品は日本最高レベルで、効果も劇的だ。



https://www.m3.com/news/general/393783?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD160125&dcf_doctor=true&mc.l=140828636&eml=3f492a08f1681d66441569ec02c0b51e
【高知】土佐清水市の特養で投薬ミス 看護師が名前の確認怠る
2016年1月25日 (月)配信 高知新聞

 高知県土佐清水市が運営する土佐清水市以布利の特別養護老人ホーム「しおさい」(山本弘子園長)で2015年12月、利用者へ間違った薬を投与するミスがあり、泥谷光信市長が22日の土佐清水市議会1月会議で報告、陳謝した。施設では2004~2014年度に薬の誤配が計38件発生し、マニュアル改善などを進めているが、2015年4月にも薬を誤飲させるミスがあったばかりだ。

 土佐清水市の報告などによると、投薬ミス発生は12月16日午後4時半ごろ。4人部屋を訪れた50代の女性臨時看護師が、90代の女性利用者の鼻から胃へ通しているチューブに、粉薬を溶かした白湯(さゆ)が入った注射器状の容器を接続する際、誤って、同じ部屋にいる別の利用者用の容器をつなぎ、中身をそのまま投与した。

 女性利用者に予定していたのは便を軟らかくする薬のみだったが、ミスにより、寝付きをよくする▽血圧を下げ血流を増やす▽鉄分補給▽不安や緊張を緩和する―の4種類を投与された。約10分後に現場に来た別の看護師が誤りに気付き、市内の病院に連絡した。翌朝まで施設内で経過を観察し、体調に大きな変化は見られなかったという。施設側は利用者と家族に謝罪した。

 従来は看護師が1人で投薬する場合、利用者のベッドの名前と、容器ラベルの名前を声に出して確認するよう申し合わせていたが、徹底されていなかった。

 施設側はその後、投薬時は必ず2人でチェックするよう業務マニュアルを変更した。

 施設は2015年4月の薬誤配の後、11月までに高知県から計4回の指導監査を受けている。泥谷市長は市議会本会議で「研修を重ね一定の改善が図られていた中での事故で、深くおわびする」と陳謝した。

 詳細報告を受けた市議会産業厚生委員会では、委員から「命を預かっている認識がない」「家族にとってたまらない問題。年に何回もあっては話にならない」など、ミスを繰り返す施設側に厳しい声が上がった。


  1. 2016/01/26(火) 06:28:28|
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1月24日 

http://www.kochinews.co.jp/?&nwSrl=350817&nwIW=1&nwVt=knd
【療養病床再編】今度こそ確かな安心を
2016年01月24日08時16分 高知新聞

 医療の必要性は低いのに、高齢者が家庭の事情などで病院で暮らさざるを得ない。こんな社会的入院の場にもなる「療養病床」の在り方が、あらためて問われている。

 療養病床の再編問題で厚生労働省の有識者検討会は、全国の約33万床のうち約14万床を廃止し、医療と住まいが一体化した2種類の施設新設を盛った報告書をまとめた。

 10年前の再編計画が順調に進んでいたら、療養病床の問題は解決に向かっているはずだった。

 なぜそうならなかったのか。この点を検証し、その反省を踏まえながら廃止後の受け皿づくりを考えることが大切だ。

 療養病床は適用される保険によって医療型と介護型に分かれるが、高齢者の社会的入院は社会保障費の上昇につながるため、厚労省は2006年に再編方針を打ち出した。

 当時の療養病床は約38万床。2011年度末までに医療型は25万床から15万床に減らし、介護型は13万床を全廃するとしていた。

 計画通りだと、病床は大幅に減っているはずなのに、2015年段階で33万床もある。全廃方針だった介護型は6万床を超えている。

 高齢者の増加もあって、医療、介護のニーズを的確に予測することは難しい。こんな事情があっても療養病床の再編は、予測と結果の落差が大きすぎる。計画の練り直しに当たっては、この苦い体験から教訓をくみ取る必要がある。

 2006年計画では医療型と介護型で合わせて23万床が削減され、これに見合う受け皿が必要だった。そうしないと「医療・介護難民」の発生は避けられない。

 受け皿としてはコストの低い老人保健施設、自宅などが想定されたものの、転換は期待通りには進まなかった。老健施設では報酬の低さ、在宅では支援態勢の不十分さが指摘されている。

 厚労省は、療養病床を削減することで社会保障費の抑制を目指していた。そんな思いがあっても、受け皿づくりが進まなければ絵に描いた餅で終わってしまう。

 2017年度末までに約14万の療養病床を廃止する厚労省にとって、前回のつまずきは反省材料といえる。

 有識者検討会の報告書は、新たな受け皿として「医療内包型」「医療外付型」の2施設を構想する。ともに医師らが常駐するが、前者は入所者の容体急変にも対応でき、後者は容体が安定している人の利用を想定している。

 しかし2種類の新施設は、既存の老健施設、特別養護老人ホーム、グループホームなどと機能が重なることはないのだろうか。役割分担を明確にする必要がある。

 利用者の負担額が大きいと低所得者には遠い存在になる。負担額の設定もポイントの一つだ。

 厚労省はこれから新施設の具体像や患者の費用負担などを詰める。2006年再編の教訓を生かし、利用者の安心につなげてもらいたい。



https://www.m3.com/news/iryoishin/387212
シリーズ: 2015年の医療界:1000人アンケート
「親超えは 学費だけだよ ドラ息子」◆Vol.11-3
「家庭・日常での一コマ」「言いたいこと」

2016年1月24日 (日)配信 成相通子(m3.com編集部)

 医師川柳の第3弾では、「家庭・日常での一コマ」を表した川柳のほか、「“名医”の定義」を詠んだ川柳、「言いたい一言」「医療制度・薬」についての川柳をご紹介します。最後に「その他」として、医師調査のアンケートで突然「川柳」を聞かれ、苦渋の末に編み出したとみられる一句や、寄せられたコメントを掲載します。

【家庭・日常での一コマ】


親超えは 学費だけだよ ドラ息子
頑張って 休み取ったら 家は留守
宅配便 ハンコをついて 「お大事に」

【“名医”の定義】

ああすれば あの時できたら 名医かな
迷医ほど 検査手術と 薬漬け
マスコミに 出れば出るほど 馬鹿にされ

【言いたい一言】

委員会 仕事増やすな ひま(時間)つくれ
鎮静剤 財務と厚労 飲んでくれ
オトナなら 持っててほしいの くすり手帳

【医療制度・薬】

がん検診 放射被曝で 癌作る
けいれんも 誰もみなけりゃ 著変なし
専門医 深さがなければ ただのひと
専門医 金も出さずに 改善か
どの薬 薬局任せの 後発薬
効き悪い 安いのこれは 後発品
鳴かぬなら 鳴くまで待っても 仕方がない
医者なんて 最も威張るは 悪官僚

【その他、「字余り」など】


民主主義 今は本当の民主主義?
貧乏暇なし 良医なら
患者さんに 身の引き際を 教えられ
もうけます どうしてお金が ほしいのか
薬局に あやつられる 診療所
今日もまた 研究するも なかなか一歩前に進まず
人の病は 見るけれど 自分の病はやぶの中
嫌な患者は 医者坊主教師
金と名誉 焦って 全て台無しに
患者に 教えられ 石(医師)になる



https://www.m3.com/news/iryoishin/393503
「燃え尽きた」「今でも夢に見る」、受験の思い出
意識調査「大学入試の勉強、役に立った?」自由記述2
2016年1月24日 (日)配信 高橋直純(m3.com編集部)

 1月14日から21日にかけて、m3.com意識調査で実施した「大学入試の勉強、役に立った?」において、

Q4「受験・試験に関わる思い出やお考えがあれば、ご記入ください」には非常に多くの回答が寄せられました。

 貴重なご意見を、医療維新内で2回に分けてご紹介します。たくさんのご回答ありがとうございました。

調査結果はこちら⇒「大学入試の勉強、役に立った?」
自由記述1はこちら⇒受験で得たもの、「頑張れる自信」、「嫉妬心」など

【今でも夢に見る

・今でも夢に見る。【勤務医】
・ 医者になって30年経過しても、ときどき大学入試の夢を見る。相当のトラウマになっていることは確か。
【開業医】
・時々試験ができない夢を見る。【勤務医】
・今でも国家試験を受ける夢を見ることがある。【開業医】
・寝苦しい夜には、必ず卒業試験の単位が足らない夢を見てしまう。【勤務医】
・"国家試験の夢を、医師になって約10年経っても見ます。【勤務医】
・大学受験から40年以上経ちましたが、いまだにこの時期になると受験する大学から全て不合格通知が来る夢でうなされます。人生で一番先が見えない不安感が強かった時期です。二度と経験したくありませんが、人間的には強くなれたと思います。【勤務医】
・死に物狂いで、勉強したのに、受験票を忘れた悪夢を思い出す。【開業医】
・社会人になってからも入試の夢はよく見ていた。最近はあまり見なくなった。【開業医】
・卒後36年経っても、まだ国家試験の夢を見ることがある。あと大学の進級試験で落第した(実際は落第したことはないが)夢を見てびっくりして飛び起きたことがある。【勤務医】
・大学受験の厳しさは、トラウマになってしまって、今でも夢にうなされます。【開業医】

【専門医制度】


・専門医試験ほど勉強したことはありません。30歳で子供が3人いたので自宅では勉強できず、病院で毎日仕事を終えてから午後11時まで勉強した9カ月間でした。その前の1年で論文のコピーに費やした時間もかなりの時間を要したと思います。【勤務医】 ・この歳になっても試験を受けなければならない専門医制度って何様?【勤務医】

【その他】

・医師である以上は一生勉強だと思いますが、楽しみながらしないとなかなか続くものではありません。最近、ようやくそのような境地になりかけています。【勤務医】
・60過ぎても新しい勉強している。新しい経験を続けていることが、退屈しない人生になっていく。【勤務医】
・大学入試の勉強があまりできなかったので、思う大学に進学できず、出身校の大学(当時、入試偏差値46)にコンプレックスを感じ、その後、国立大の大学院に進んだ。高校3年生(一応、現役入学)のとき、もっと勉強していればと今も感じている。【勤務医】
・今の仕事上の勉強に比べれば、受験勉強はちゃんちゃらおかしい。【勤務医】
・自分以上に子供の受験の方が身につまされた。【勤務医】
・高校の教師からは東大に行くよう繰り返し指導を受けたが、言うことを聞かずに医者になってよかった。【勤務医】

・受験で必死に勉強したせいか、車の筆記試験では勉強する気になれず、勉強しないで試験を受けたら2回も落ちた。【薬剤師】
・国家試験に合格し、実臨床に入って、己の知識のなさ(専門分野以外、特に人間性、社会性、教養等)を痛感した。【開業医】
・勉強の方法は田舎では間違っていた。採点する側から勉強すれば楽だった。都会の方が情報も多く試験に有利。【勤務医】
・当時は受験勉強だけをしてればよかった。その後の人生の方がはるかに困難だ。【開業医】
・人生初の一生懸命が受験勉強でした。【勤務医】
・私自身の経験が子供の大学受験に際して非常に役立った。【開業医】
・中学入試で燃え尽き、大学入試はだめでした。【勤務医】
・36歳で医学部に学士入学して、死ぬほど勉強して医師になって20年。離婚してシングルマザーとなり子育てしたが、子どもはあまりできがよくなく、元夫の後妻の子供3人とも医学部へ入った。結局、自分のことを優先にすると失うことも多いってことだと思う。最初の大学から大学院やら医学部などいろんな学校へ行ったが、学士入学した医学部の勉強が大変だった。あのときの努力のおかげで今があると思うし、やり遂げた自分を今も誇りに思っている。【勤務医】
・中学受験が一番頑張りましたが、最もその後の人生に影響があったのも中学受験だと思います。日常生活で数学は必要ないとか、生物の名前を知っている必要がないという意見もあるようですが、理論的な考え方をするためのトレーニングであり、また身の回りの基本的な内容を知っているかどうかで、応用を利かせた生活や研究に進んでいけるものと考えています。「お受験戦争」というミーハーな言い方を使うことで、内容がゆがめられていますが、私は賛成です。【勤務医】

【受験の弊害】

・受験勉強では、もっと有益な勉強をする時期を失った気がする。【開業医】
・時間をかけた割には役に立っていない。無駄な暗記だけのものや、細かすぎて意味がない内容まで必要とされたことは、単に字受験対策だけで意味はなかったと考えています。【勤務医】
・すわりっぱなしで痔になったのがつらかったです。【勤務医】
・長時間座りすぎて、膝に妊娠線みたいなのができています。【勤務医】

【受験の意義】

・「決められた勉強さえしていればよい」ことさえできない者に、その後の社会の理不尽を乗り越えられるわけがない。【勤務医】
・「受験をどのように乗り切るか、たかが受験だが、社会人になって困難に遭遇したとき、君たちのほとんどは、受験を乗り切ったようなやり方で困難に立ち向かうだろう」と高校教師に言われた。自分や周りを見ていると結構、当たっている。【開業医】
・医学部をあきらめ他の学部にランクを落として「大学生になる」ことも考えた時期がありましたが、医師になりたいという初志を貫きました。結果は不合格。浪人し国公立医学部に進学しましたが、浪人時代に経験したこと 出会った友人は素晴らしく、40歳代になった今でも交流しています。私にとって浪人時代はつらくて人に語りたくない暗い浪人時代ではなく、「誇り高き浪人時代」でした。大学生に成りたい気持ちから志望校を変えずに良かったと思います。受験生の皆さんに伝えたいです。「模試の合格ライン判定とか現在の成績で自分の夢をあきらめないでください。あなたの夢が原動力です」と。【開業医】
・丸暗記を馬鹿にする人がいますが、受験は全て丸暗記と思います。丸暗記は決して無駄なことではありません。医学部に入学しても、解剖、生理、生化学など全て丸暗記が必要です。【開業医】
・「勉強をする」ということは発達期の脳のトレーニング、脳機能の評価には、非常に有用な標準化された方法だと思います。「勉強ができたからと言って」なんて発言をよく聞きますが、人物の社会性を評価・トレーニングするものではないという認識に欠けた発言であると思います。【勤務医】
・塾などに一度も行ったことがなかったが、浪人して予備校に行ったことで、目的を達成する方法論を学ぶことができた。それまでは常に100点や、正しい解答を目指してきたが、受験は100点を取るのが目的ではなく定員内の人数に入ることが目的、そのためには何点くらい取ればいいのか、どれくらいミスをしてもいいのか、答えにたどり着かなくても分かるところまで書けば合格に十分な点数が取れるなど、いろいろ学ぶことができた。その後の人生においても、常に、目的が何か、何が求められているのか、を細かく具体的に考えて取り組むようになった。つい、100%正しい答えを患者に求められているような気がしてしまうが、実はそうではないことはよくある。痛みが取れなくても、原因が分かるだけで安心する人や、症状が消失しなくとも改善しただけで満足する人など。また、深く学ぶことができたので、大学や社会に出てからも当時勉強した内容が下地となり、数々の場面で役に立っている。とてもいい人生経験を受験によって得ることができたと思っている。【開業医】
・医師(特に臨床医)として勤務することについては、円周率やルートなどは必要ない。計算機を用いて四則計算ができれば、患者の治療には十分である。この意味では、受験勉強は「人生最大のムダ」であったと言えよう。しかし、論理的な思考能力や科学的な態度(これらは医師の資質としては必須なものであると思うが……)は、この時期に育成されたと思う。アタマのトレーニングにはなったと考える。教育職に就く場合には、デキの悪い学生を見抜いて叱責するのにも、大いに役に立つだろう(笑)。


現在の入試問題は、

◎重箱のスミをつつくような難問奇問
◎計算力の高さ/速さのみを評価する
◎単に、解き方を知っているか否かで勝敗が決する(=予備校を利するのみ)
に偏りすぎると思う。医師として最も求められる能力は
◎おかしいものを見て「異常だ」と判断できる鑑識眼
◎異常/異変を評価するために、何に対して、どのような手段でアプローチしていったらいいか、という「実験」のデザインを組める能力
◎結果を見て、最初の仮説が正しいかどうか、絶えずフィードバックして、コマメに進路変更ができる柔軟さ
◎もう1つ言えば、失敗しても(困難に直面しても)決してくじけない精神的タフさ
◎持久戦/ゲリラ戦を生き延びられる、ネズミ的要素
◎雑多な部隊をまとめられるリーダーシップ
など、ではないだろうか。単発の入試で、これらの能力を評価するのには無理がある。方法論を根本的に改める必要があるだろうね。
ちなみに、自分個人についていえば、現在でも役に立っているのは、
◎国語(現代国語):論理的で、分かりやすい文章を書く能力
◎英語:論文執筆には必須 日本語の論文は、何枚書いてもムダ
◎理科:薬剤を扱うのに、基礎化学の知識が大いに役に立つ 特に、現代の臨床医学では、栄養学と浸透圧を軽んじているように思われる
◎数学:場合分けと偏微分の考え方(鑑別診断に役立つ)
◎統計:論文執筆にも役立つが、それ以上に、「確率の高い順に疑う/試す」という態度の育成につながる
である。

まあ、自分は運よく医学部に合格したからいいが、こういう切羽詰まった体験は、あまり好まない。「もう二度と経験したくない」というのがホンネかな(笑)。
3000字まで書けるとのことだから、最後に、今でもなお鮮明に記憶しているエピソードを1つ紹介させてほしい。自分が医学部の1年生か2年生の頃、郷里の後輩から、「医学部進学を考えているので相談に乗ってほしい」という手紙が来た。新設医大か、地元の医学部のどちらを受験したらいいのか迷っているというのだ。手紙に書くのは長いので、カセットテープに録音して、延々何時間も話して送った記憶がある。
◎自分の大学の現状
◎新設医大について(あまり評価が定まっていないようなモノの言い方をしてしまったかな?)
◎学閥や系列なるものの一般論について
などなど。

その後、彼からお礼の返事が来て
◎色々な選択肢がある中で、自分の人生は、この時点で決まってしまう
◎18歳の自分には、とても荷が重いです
と書いてあった(この手紙は、今でも捨てずに持っている)。結局、彼は、地元の医学部を受験するのだが、3浪してしまい、その年の夏に自殺してしまった。お気の毒に。一人息子だったようである。「どこでも、一番受かりやすいところを選べ」と一言言っておけばよかったのかな。悔やまれる。【開業医】



https://www.m3.com/research/polls/result/53
結果大学入試の勉強、役に立った?
カテゴリ: キャリア・働き方 回答期間: 2016年1月14日 (木)~21日 (木) 回答済み人数: 3875人

 1月16、17日は大学入試のセンター試験です。入試方法が多様化していますが、現在でもペーパー試験による「一発勝負」が主流です。これまでに経験してきた受験や試験のための勉強、その経験はその後の人生ではどのように役立ったでしょうか。

大学受験の「経験」、74%が「役に立った」

 大学受験など、これまでに経験した試験勉強についてお尋ねした本テーマ。人生で一番勉強をした時をお尋ねしたところ、最多はやはり「大学入試のため」(50%)でした。ついで、「現在の職業の国家試験のため」(30%)、「中・高校受験のため」(8%)となりました。「受験、試験以外のため」は5%でした。
 辛く厳しい大学入試。その「内容」がその後の人生に役に立ったかどうかについては、「とても役に立った」「役に立った」は計57%でした。「経験」については計74%が「とても役に立った」「役に立った」としています。

 回答総数は3875人。内訳は開業医826人、勤務医2717人、歯科医師9人、看護師17人、薬剤師219人、その他の医療従事者87人でした。

 受験にまつわる思い出やご意見をお伺いしたところ、長文のご意見が多数寄せられました。「医療維新」でご紹介させていただきます。

⇒受験で得たもの、「頑張れる自信」、「嫉妬心」など
⇒「燃え尽きた」「今でも夢に見る」、受験の思い出

Q1 人生で一番勉強をしたのは?  ※研究活動を除く
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開業医 : 826人 / 勤務医 : 2717人 / 歯科医師 : 9人 / 看護師 : 17人 / 薬剤師 : 219人 / その他の医療従事者 : 87人
※2016年1月21日 (木)時点の結果

Q2 大学の入学試験 のために勉強した「内容」は、その後の人生で役に立った?
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開業医 : 826人 / 勤務医 : 2717人 / 歯科医師 : 9人 / 看護師 : 17人 / 薬剤師 : 219人 / その他の医療従事者 : 87人
※2016年1月21日 (木)時点の結果

Q3 大学の入学試験のために勉強した「経験」は、その後の人生で役に立った?
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開業医 : 826人 / 勤務医 : 2717人 / 歯科医師 : 9人 / 看護師 : 17人 / 薬剤師 : 219人 / その他の医療従事者 : 87人
※2016年1月21日 (木)時点の結果

Q4 受験・試験に関わる思い出やお考えがあれば、ご記入ください【任意】。
回答を集計中です。



https://www.mixonline.jp/Article/tabid/55/artid/53613/Default.aspx
メドピア医師調査 3割弱が今年は「悪い年」 診療報酬改定、医師過剰を懸念
公開日時 2016/01/25 03:50 ミクスオンライン

メドピアが同社の医師専用サイト「MedPeer」の会員を対象に2016年の医療界についてアンケートを行ったところ、28.3%が「悪い年」と回答した。その理由に診療報酬改定や医師過剰を懸念する意見がみられた。

アンケートは1月1日~3日まで行われたもので、2372人から回答が寄せられた。そのうち24.2%は「程々に悪い年になる」、4.1%が「かなり悪い年になる」だった。

寄せられた意見を見ると、「診療報酬改定で医療界は厳しい年になるでしょう。経営効率を考えないと生き残れないでしょう」(50代、呼吸器内科 「程々悪い年」)、「診療報酬本体はプラス改定という言葉に誤魔化されてはいけないと思います」(50代、整形外科・スポーツ医学 「かなり悪い年」)と、診療報酬改定が理由の1つに挙がった。

また、「成田と東北に新しく医科大学ができて医師過剰時代に突入する元年」(50代、代謝・内分泌科 「程々悪い年」)、「これからは厳しい。そもそもベッドが多すぎて医者が足りなかったのが、ベッドは減って医者は増える。将来は不安」(40代、一般外科 「かなり悪い年」)と、医師過剰に対する懸念も理由に挙がった。

最も多かったのは55.1%の「良くも悪くもない年になる」だが、その意見の中にも「診療報酬改定次第だと思います」(50代、総合診療)と、改定内容を気にする意見が見られた。

ほか「かなり良い年になる」4.1%、「程々に良い年になる」13.3%。再生医療の発展、無駄な医療が年々減っていくといった声が寄せられた。


  1. 2016/01/25(月) 06:18:35|
  2. 未分類
  3. | コメント:0

1月23日 

https://www.m3.com/news/iryoishin/393320
シリーズ: 中央社会保険医療協議会
「内科系の総合病院、経営困難に」と危機感
中医協公聴会、2016年度診療報酬改定に意見

2016年1月23日 (土)配信 成相通子(m3.com編集部)

 中央社会保険医療協議会総会(会長:田辺国昭・東京大学大学院法学政治学研究科教授)の公聴会が1月22日、さいたま市で開催された。埼玉県の保険者や企業経営者、患者、医療提供者ら10人がそれぞれの立場から2016年度診療報酬改定に対する意見を述べた。報道関係者も含め約470人が来場し、耳を傾けた。

 2016年度改定の重点課題となる「医療機能の分化強化」について意見が相次いだ。7対1入院基本料の「重症度、医療・看護必要度」の見直しに関して、地元健保組合の代表者が同基本料算定病床の削減を前提に「真に急性期の患者像に合ったものにしてほしい」と発言し、厳格化を要求。一方で、診療側の済生会 川口総合病院院長は、現在中医協で議論されている見直し案について、「内科系の総合病院は病院経営が困難になる」と強い危機感を示した。

 そのほか、保険者や企業経営者からは、調剤報酬の見直しや後発医薬品促進による医療の効率化、適正化を求める声があり、医療提供者側からは、地域包括ケアシステムの構築に向けて、主治医と連携する専門医や、認知症患者への評価を求める声などが挙がった。

 中医協は、昨年12月に閣議決定した改定率(『「2回連続のマイナス」、2016年度改定率決定』を参照)と社会保障審議会が策定した基本方針(『「不適切な長期投薬」は是正、削減対象は薬』を参照)を基に、これまでの議論の内容を整理した資料を1月13日の総会で策定(『7対1入院基本料、“平均在院日数の短縮”は明記せず』を参照)。資料に対する意見をパブリックコメントや公聴会で集め、医療現場や患者などの「国民の声」を診療報酬改定に反映させるとしている。公聴会で意見を述べた10人は、保険者・企業経営者の立場から4人、医療提供の立場から5人、患者と行政から立場から各1人で、 それぞれの立場で意見を述べた後、中医協委員と質疑応答を行った。

急性期医療の在り方

 病院の経営悪化について懸念の声を上げたのは、日本病院団体協議会(日病協)の 診療報酬実務者会議の委員長も務める済生会川口総合病院長の原沢茂氏。中医協では、7対1入院基本料の「重症度、医療・看護必要度」の指標を変更し、該当する患者の範囲を拡大すると同時に、病棟における該当者割合の施設基準を15%から25%前後まで引き上げるよう支払側が求めている(『7対1厳格化に「やり過ぎ」の声も』を参照)。しかし、原沢氏によると、同実務者会議で実施したシミュレーションでは、指標の見直しで11病院中6病院が25%の基準をクリアできるが、5病院は25%未満。「全身麻酔の手術件数が多い外科系病院には有利だが、内科系の総合病院は病院経営が困難になる」(原沢氏)と危機感を示した。

 13日の中医協総会では、7対1入院基本料の要件見直しの項目に、「重症度、医療・看護必要度」「在宅復帰率」のほかに「平均在院日数」を入れるよう求める診療側と反対する議論が紛糾。公聴会で使われた資料には同項目が記載されなかったため、健康保険組合連合会理事の幸野庄司氏が支払側として、平均在院日数を含めた3項目の見直しを求めていることを補足した。

 原沢氏は平均在院日数について、「DPC病院としては、ぎりぎりのところに来ている。長いと言われる病院でも地域特性があり、やむを得ないと思う。削減すべきではない」と主張。日本医師会副会長の中川俊男氏は「平均在院日数の短縮が医療の姿をゆがめ、勤務医の疲労につながっている」と述べた。

 診療報酬明細書の無料発行については、連合埼玉の佐藤道明氏が患者の安心・納得を高めるとして、「期限を区切って、全ての医療機関で実施すべき」と主張した。診療側では、埼玉県医師会副会長で湯沢医院院長の湯沢俊氏が「診療所の初診料、再診料の充実」を要求。地域包括ケアシステムの拡充に向けて診療所医師の評価が不十分だと指摘した。また、主治医以外の専門医の連携・協力を評価することや、特別な対応が必要な認知症患者に対して、診療報酬上の配慮など、医療機関が安定した経営ができる点数設定を求めた。

後発医薬品の普及のカギ、「薬剤師の裁量権」?

 医療費の適正化として、後発医薬品の促進や調剤報酬の適正化を求める声も多かった。埼玉県中小企業団体中央会専務理事の渡部貞一氏は後発医薬品の普及に地域格差があることに触れ、「低い県にはペナルティがあってもいいのではないか」と提案。埼玉県薬剤師会副会長で、薬局経営の斎藤祐次氏は、医薬分業と後発医薬品の促進について意見を求められ、「医薬分業は医師が処方し、薬剤師が調剤するという原則を守ることが重要。(後発医薬品に関しては)薬学的管理で疑義照会 した時、薬剤師の権限、裁量権をもう少し認めてもらった方がスムーズになり、患者のためになる業務になる」と発言した。

 中川氏が裁量権の具体的内容について質問。斎藤氏は「非常に言いにくいが、意思疎通をスムーズにやりたいということ。現場では上手くいっていないと聞く」として明言を避けた。疑義照会の問題について、さらに質問を受けると、「時間の制限がある中で、医師とタイムリーに意思疎通し、患者を納得させないといけない。医師と薬剤師で立場の違いもあり、最も苦慮する」と医師との関係で苦慮していると述べた。

 斎藤氏は、後発医薬品の促進についてほかにも「備蓄医薬品や患者への説明などの負担もある。使用促進に向けて環境整備をしてほしい」と要望。大型門前薬局の調剤報酬見直しについては、「大型門前薬局でもかかりつけ薬剤師・薬局としてやっているところもある」と指摘し、一部大型薬局は見直しの範囲から外すべきだと主張した。

 難病疾患の患者の立場から、明治学院大学の大野更紗氏が意見を述べた。小児慢性特定疾患に関し、シームレスな医療供給体制の重要性を指摘したほか、難病治療に関して、医療従事者の負担軽減と積極的な評価、専門的な拠点の拡充などを求めた。



https://www.m3.com/news/iryoishin/393314
シリーズ: 降圧剤論文問題と研究不正
「JHSから手を引いたわけ」元慈恵医大医師の供述調書
ノバ社・府立医大論文改ざん事件、第4-6回公判

2016年1月23日 (土)配信 高橋直純(m3.com編集部)

 ノバルティスファーマ社の降圧剤を巡る京都府立医科大学での医師主導臨床試験の論文データ改ざん事件で、薬事法(現医薬品医療機器法)違反(虚偽広告)に問われた元社員とノバ社に対する第4-6回公判が、1月20、21、22日の3日間に渡って東京地裁(辻川靖夫裁判長)で開かれ、検察側の証拠調べが行われた。

 検察側は、京都府立医大の前に2002年から東京慈恵会医科大学で行われた医師主導臨床試験「JIKEI HEART Study」(JHS)を巡る関係者の証言や、白橋伸雄被告のノバ社での立ち位置や研究への関与などに関する供述調書などを提示した(検察側の主張は、「ノバ社、元社員とも否定、府立医大論文改ざん事件」を参照)。

 21日の第5回公判で、検察側はJHSで事務局を務め、論文執筆者だった元慈恵医大の医師の供述調書を読み上げた。主な内容は以下の通り。

「一生懸命やった結果。外野の遠吠え聞かない」と望月元教授

 JHSではサブ解析論文を作成しようとしていたが、2011年3月に手を引いた。試験統括医師である望月正武教授(2007年に、慈恵医大を退職)が偏ったイベント報告をしていることが分かり、JHSのデータを信頼することができなくなったから。研究不正を疑った同僚による調査では、臨床医として考えにくい結果だった。望月教授がバイアスをかけたと思い、なぜこんなことをしたのかと残念だった。

 ただ、JHSとして「慈恵」の名前が付いており、大学の恥になるとして公開するつもりはなかった。後日、望月氏の自宅を訪ね、説明を求めると「これが事実だ。一生懸命やった結果だ」と答えるだけだった。さらに、面会後、望月氏の妻から法律アドバイスを受け「同僚が医局からデータを持ち出したのは窃盗罪だ。単なる外野の遠吠えは聞かない」とする手紙を送ってきた。

 その後、2013年に改ざんが分かり、(JHSの結果を掲載した、2007年4月のLancetの)論文が撤回されると、一生懸命やってきたので悲しいことであると思った一方、大きな問題だと思っていたので、撤回できたのは良かったとも思った。

 慈恵医大の名誉のために言うと、望月氏以外でイベント報告にバイアスをかけた医師はいないと思う。当時の医局員の雰囲気では「これは慈恵 HEART Study」ではなく「望月 HEART Study」と揶揄する声もあり、皆きちんと報告していた。望月氏の症例だけで一次エンドポイントの症例に80件の差が付いている。バルサルタンが心血管系イベントの発生を抑制したという論文の結果は、ほぼ望月氏の症例だけから出されている。

白橋被告、「4000件以上の論文作成に関わった。落ちたことない」

 21日の第5回公判では、検察側は白橋被告のノバ社での立ち位置も説明した。ノバ社の執行役員だった男性の供述調書によると、白橋被告はJHS、KHS(Kyoto HEART Study)への貢献により、2009年に同社では唯一の「社長賞」を受賞。定年退職の1年8カ月前だったが、定年後も当時の年収1500万円と同様の条件で再雇用することが決まった。社長賞受賞に際しての社内講演会では、白橋被告は「4000件以上の論文作成に関わった。これまでに落ちたことがない」などの「ほぼ全て自慢話」だった。

 ノバ社とKHSを行った京都府立医科大学の元教授の松原弘明氏の関係についてのノバ社関係者の供述調書も複数提出された。2003年から2007年にかけて約2億3000万円の奨学寄付金を提供していた。前任の教授時代は年間で数100万円規模だった。当時のノバ社の京都営業所所長は、KHS終了後も「サブ解析論文もあり、減額を申し込んで機嫌を損ねられると支障が出ると思い、しなかった」として、引き続き多額の奨学寄付金を提供していたという。元役員も「松原氏は金銭にドライ。露骨に減らすと怒りを買って、ライバルの試験を行ってしまう」と供述している。

 2009年の欧州心臓病学会の発表前には、同社が京都のホテルで発表準備やメディア対応をトレーニングなども行っていた。

疑惑発覚後、口裏合わせを要求

 論文に疑義が呈されるようになると、白橋被告が口裏合わせをしようとしていたとする供述調書も提出された。症例データ管理システムを開発、運用した会社のスタッフの供述調書では、毎月、暗号化されていない生データを白橋伸雄被告に送付していたと証言している(『「生データを白橋被告に送付」、データ管理会社スタッフ証言』を参照)。2013年に厚生労働省がデータ管理会社のスタッフにヒアリングを行う際には、白橋被告は、「自身はデータを取り扱っていない」とする主張に沿うよう、口裏合わせを要求。スタッフがヒアリングに対して、事実を話し、そのことを伝えると、白橋氏は複数のメールアドレスから「生データを送ったと言われては困る」となどの「恨みがましいメールを送ってきた」という。

「苦しくて自殺も考えた」、KHS事務局医師


 22日の第6回公判では、日本循環器学会の学会誌「Circulation Journal」の編集担当理事を務めた医師の供述調書が読み上げられた。会員からの指摘で、京都府立医科大学に調査を要請するなど論文撤回に至る経緯を説明。学会が独自にヒアリングを実施した際に、KHSの事務局を務めた医師が「松原氏のプレッシャーで本当のことを言えなかった。苦しくて自殺も考えた」と証言。白橋被告がノバ社の社員であることを知りつつ、データ解析やグラフの作成を行った経緯を話した。同席した弁護士は「こんな『完落ち』見たことがない」と漏らしたという。

 同理事は一連の研究不正の影響について、国内外で日本の臨床研究への信頼が失われたことと、製薬会社からの奨学寄付金が滞るようになり、臨床研究ができず「国民、患者の不利益になる」ことの2点を挙げた。

 第6回公判の午後からは弁護側の証拠調べも行われた。KHSに登録された3031例のうち、約3割で併用薬のデータが登録されていなかったり、医師に代わって事務局の職員がデータを登録していたケースもあることなどが説明された。

 次回公判は2月1日で、証人尋問が予定されている。



https://www.m3.com/news/iryoishin/393117
「被災地住民、年齢上昇で睡眠薬の服薬傾向」、東北大調査
東北メディカル・メガバンク機構、2万人を分析

2016年1月23日 (土)配 信高橋直純(m3.com編集部)

 東北大学東北メディカル・メガバンク機構(機構長:山本雅之・東北大学教授)はこのほど、東日本大震災の被災地を対象とした地域住民コホート調査の分析結果として、年齢が上昇するごとに睡眠薬の服薬を開始する傾向があることが分かったと発表した。津波被害が甚大だった太平洋沿岸部地域では、抑うつ傾向などのメンタルヘルスのリスクが高い傾向が引き続き見られた一方、わずかながらも回復の兆しがあった。慢性疾患の治療中断リスクは、高血圧で高い傾向が見られた。

 1月21-23日に開催された日本疫学会学術総会を前に、1月18日に東北大で記者会見を開いた。東北メディカル・メガバンク機構が行っている地域住民コホートは2013年5月に開始し、2016年1月8日現在で5万999人が調査に参加している。今回発表したのは、2013-14年度に宮城県内の特定健康診査会場などに参加した2万4703人分の分析結果。対象は20-74歳の男女だが、自治体の行う検診のため勤労男性は含まれておらず、平均年齢60.1歳、男性37%となっている。

 太平洋沿岸部地域では、震災後、生活環境の変化やストレスなどからうつ・不眠などのメンタルヘルスのリスクが高いとされている。睡眠薬の服薬開始状況では、不眠と抑うつ症状を両方有する2555人のうち330人(13%)で震災後に服用を開始していた。開始の要因として有意な項目(p値<0.05)は
 ・ 高齢(1歳上がるごとにオッズ比1.03)
 ・ 子供がいない(いる者に比べ同1.71)
 ・ 震災時の家屋が全壊(損壊なしに比べ同1.94)
 ・ 震災後の転居回数1回(転居なしに比べ同1.70)
 ・ 震災後の転居回数2回(転居なしに比べ同2.03)
 ・ PSTR(心的外傷後ストレス反応)あり(なしに比べ同2.21)
 ・ 心理的苦痛あり(なしに比べ同1.41)
だった。

 内陸部と沿岸部を比較した調査の結果では、抑うつ症状のリスクは2014年の内陸部を1.00とした場合、同年の沿岸部は1.11、2013年の沿岸部は1.32だった。依然として沿岸部でリスクが高い傾向にあるものの、時間の経過とともに内陸部との差が縮まり、回復の兆しが見えた。心理的不安、不眠、PSTRでも同様の傾向があった。同機構予防医学・疫学部門個別化予防・疫学分野教授の寶澤(ほうざわ)篤氏は「震災から時間が経ったことが、周辺環境の整備が回復につながっていると考えられる」と説明した。

 同機構では調査の結果、メンタルヘルス面のハイリスク者に対しては、機構専属の心理士が電話をかけ、カウンセリングや相談に応じている。2014年度末までに1074人に電話をし、553人に支援活動を行った。メンタルヘルスケア推進室長の富田博秋教授は「心理的な問題はなかなか相談できず、一人で悩みを抱えている場合も多い。調査結果のフィードバックが必要」と指摘した。

 震災による慢性疾患の治療中断リスクでは、内陸部を1.00とした場合、沿岸部では、高血圧で1.5、糖尿病で0.9、高脂血症で1.0だった。寶澤氏は「糖尿病や高脂血症は複数の病気を患うことが多く受診しようという人が多い一方で、高血圧は単剤治療であり、中断されやすいのでは」と推測した。

 被災状況別に見ると、高血圧の治療中断リスクは、内陸部を1.00とした場合、全壊・大規模半壊でオッズ比0.9、一部損傷・半壊で同1.7、損壊なしで同1.9となるなど、甚大な被害を受けてもリスクが高まらなかった。医療費の免除などの措置があったことが一因の可能性があると分析しているという。寶澤氏は「行政サービスによって、リスクが緩和されていた可能性があることが見えてきた」と話した。

 東北メディカル・メガバンク事業は東日本大震災からの復興事業として計画され、被災地住民の健康不安解消、個別化予防医療の推進のため、ゲノム情報を含む生体試料、健康情報、診療情報などを収集、バイオバンクを構築している。東北大、岩手医科大学の2大学が主体で、地域住民コホート、三世代コホートなどを実施している(『“1000人ゲノム”、2013年度の完成目指す』などを参照)。



http://www.yomiuri.co.jp/local/saitama/news/20160123-OYTNT50346.html
小児救急 24時間体制に
2016年01月24日 読売新聞 埼玉

◆埼玉医大総合医療センター

 県は、埼玉医科大総合医療センター(川越市鴨田)を、3月1日から重篤な小児救急患者を24時間体制で受け入れる「小児救命救急センター」に指定すると発表した。指定は県内初で、全国でも9番目となる。

 指定には、診療科目を問わずに24時間体制で小児救急患者を受け入れる体制や、小児集中治療室(PICU)を6床以上設置することなどが条件となる。

 同大総合医療センターなどによると、敷地内に高度救命救急センターの新棟が完成したことに伴い、新棟3階に小児救急に特化した部門を新設。PICUは現状の2床から8床に増強され、専門医6人と看護師24人で患者を受け入れる体制が整った。人工透析や小児用の人工心肺装置も備え、頭部を冷やす低体温療法などにも対応できる。



http://mainichi.jp/articles/20160124/ddm/001/040/130000c
国立大学病院
資金提供元、8割示さず 45病院、計525億円分

毎日新聞2016年1月24日 東京朝刊

 全国の国立大学病院が昨年初めて公表した民間企業などからの資金提供の状況(2014年度分)を毎日新聞が集計したところ、総額は約692億円に上り、このうち提供元が明示されているのは24%にとどまることが分かった。提供元が分かるのは主要な製薬企業だけで、医療機器メーカーや研究資金を助成している財団法人などは全て「その他」の扱いで名前が伏せられている。そうした企業や団体の中には、自主的に支出先と金額を公開しているケースもあり、大学病院側の情報開示に対する消極姿勢が目立つ。(3面にクローズアップ)
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 開示したのは医学部を持つ国立42大学の45病院。降圧剤バルサルタン(商品名ディオバン)の臨床試験疑惑を巡って研究者と企業との不透明な資金関係が問題になったことなどを受け、国立大病院長会議が14年6月に定めたガイドラインに沿って、ホームページなどで公表した。公立大や私立大の病院は対象外。

 受領した資金は、契約に基づく受託研究などの研究開発費 ▽ 研究振興などを目的とした寄付 ▽ 研究者個人に支払う講師謝金や原稿執筆料、コンサルティング料 ▽ 接遇費−−などに分類され、総額は692億7700万円。このうち76%の525億5000万円は、提供元の名前が出ていなかった。

 大学病院側が名前を開示したのは、業界団体「日本製薬工業協会(製薬協)」の加盟約70社からの提供分のみ。製薬協は病院側より早い12年度分から、奨学寄付金や原稿料などを渡した研究室や個人名を公表するガイドラインを設けており、受け取る側もそれに対応した形だ。一方、製薬協非加盟の製薬企業や医療機器メーカーの一部も同水準の情報開示を始めているが、病院側は公開していない。

 医療や生命科学の研究では近年、公正さを担保するために、利害関係のある企業との金銭面などの関連の有無を透明化する動きが強まっている。バルサルタン問題が出てからはさらに加速し、政府は資金提供の情報開示を製薬企業に義務付ける新法の今国会提出を検討している。

 国立大病院長会議代表の山本修一・千葉大病院長は「資金提供に関する情報開示は社会の要請だと認識している。今は公表に同意した製薬企業に限っているが、将来的には開示の範囲を広げられるよう検討したい」と話す。【河内敏康】

 ■解説

率先し情報開示を

 国立大病院が民間から受け取った資金のうち、主要な製薬企業以外の提供元を非開示としたのは「提供先を公開していない企業・団体から開示の同意を一つずつ取り付けるのは、手間を考えると現状では難しい」(山本修一・千葉大病院長)からだという。

 だが、医療機器メーカーの業界団体「日本医療機器産業連合会」は製薬企業の団体と同様のルールを作り、全てではないものの、2014年度には約250社が公開を始めている。公募で選んだ研究者への助成額を公表している財団もある。「同意取り付けが困難」との主張は説得力を欠く。

 バルサルタン事件などを受け、研究者と企業との関係に厳しい目が向けられている現状を考えれば、そもそも病院側が率先して開示すべきだが、それでも「提供元の同意が必要」というなら、全ての資金提供を目的が明確な契約の形にしたり、公開を前提としなければ受けないという条件にしたりすれば透明性は高まる。信頼回復に向け、公立・私立大病院も含めた意識改革が望まれる。【河内敏康】



http://mainichi.jp/articles/20160124/ddm/003/040/098000c
クローズアップ2016
国立大病院、資金開示 不透明感なお強く 機器メーカーなど対象外

毎日新聞2016年1月24日 東京朝刊

 全国の国立大学病院が初めて公開した民間資金の受領データから、病院側が製薬企業以外からも寄付金などの形で多額の資金提供を受けている実態が明らかになった。今年度から始まった情報開示は本来、企業などとの利害関係を透明化して研究への信頼性を高めるのが目的だが、大学病院側の消極姿勢の結果、提供元を明かさない資金が全体の8割近くを占め、かえって不透明感を強めている。【河内敏康、清水健二】
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 民間からの提供資金のうち、注目されるのが研究振興などのため各部署(診療科、講座など)に提供された「奨学寄付金」だ。支払う名目があいまいで、降圧剤バルサルタンの臨床試験を巡る事件でも多額の提供で問題になった。民間資金の受領総額が96億8000万円とトップだった大阪大病院は、奨学寄付金でも29億6000万円と最多だった。このうち55%が提供元不明の「その他」で、企業名が全て開示されていたのは126部署中わずか10部署だった。

 「その他」は、業界団体「日本製薬工業協会(製薬協)」の加盟社以外から提供された資金を示す。相当な割合を占めるとみられるのが、医療機器メーカーだ。国は医療機器産業を成長戦略の柱の一つと位置付け、承認審査の迅速化などで開発を後押ししている。厚生労働省によると、2011年の国内売上額は2兆3860億円で、医療用医薬品の3割程度だが、1994年比で1・6倍に増えた。

 医師資格を持つ業界関係者は「ヘルスケア分野にエレクトロニクス企業などが参入し、共同研究などで大学との結び付きを強めている。競争激化に伴って少なくない額が寄付金などで大学に流れている」と指摘。医療機器業界に詳しい専門家は「医薬品同様、研究者と企業との距離が縮まり、利益相反(利害関係の衝突)が深刻化する恐れがある」と解説する。

 見えない形での製薬企業からの資金提供もある。国内の製薬企業は約350社あるが、うち約70社しか製薬協に加盟していない。世界的な業界再編が進む中、ベンチャー企業の新規参入や、経営戦略上の別会社設立も少なくない。製薬協非加盟の製薬企業の関係者は「奨学寄付金として数千万円提供した」と証言するが、これは開示資料からは読み取れない。

 同じく「その他」扱いの財団やNPOにも、製薬企業が原資を拠出している場合がある。

 複数の大手製薬企業は、研究テーマを公募し、審査を経て研究者にそれぞれ数十万〜数百万円程度を助成する財団を持っており、年間の助成総額が億単位の組織もある。結果的に財団を経由した製薬企業からの資金提供になっており、日本製薬医学会の研究報告によると、大学のデータベースに登録された臨床研究のうち薬を使った研究の約2割が財団などの負担だった。

 医療機器はガーゼや注射器のような消耗品から巨大な診断装置まで分野が幅広く、医療専門でない企業が開発に携わる場合も多い。このため全体をカバーする業界団体は作りにくく、自主ルールを設けても浸透させるには限界がある。

 また、財団やNPOには、そもそも横断的な組織がない。国立大病院側が今回のように、提供する側が属する組織の方針に応じて開示の可否を決める「受け身」の姿勢を取り続けるなら、透明性は高まらない。

 上昌広・東京大医科学研究所特任教授(医療ガバナンス)は「バルサルタン事件の後、利益相反は一層注目されてきている。失われた信頼を取り戻すためにも、受け手の病院側は民間資金の流れを全て透明化すべきだ」と指摘する。

売れ筋薬へ提供集中

 開示された製薬企業からの資金提供は総額167億2600万円。奨学寄付金の41%、講師謝金の71%、原稿料の48%、コンサルティング料の31%を占める。額の多い奨学寄付金の提供先を診療科(講座)別に集計すると、外部資金を元に開設される「寄付講座」を除く上位は、高血圧や糖尿病などの生活習慣病、がん、リウマチなどを扱う内科に集中していた。

 これらの診療科で使われる医薬品は、高額だったり、長期間の服用が必要だったりして、製薬企業側には大きな利益が期待できる。大学病院で自社の薬を新しい効果や治療法の研究に使ってもらえれば大きなPRにもなるため、売れ筋の薬を扱う研究者には自然と資金が集まるようになる。

 ある製薬社員は「薬の売り上げにつながることを想定しない資金の提供なんて考えられない」と断言する。

 受け取る側の大学教授も「製薬企業の姿勢は、バルサルタン事件が発覚した後も根本的には変わっていない」と話す。

 ただ、バルサルタン事件を境に、大学への製薬マネーは減少傾向にあるようだ。国立大病院側の情報開示は14年度分しかなく変化がつかめないが、私立大も含めた「全国医学部長病院長会議」による各大学へのアンケートによると、ここ数年は総額370億円程度で推移していた民間からの奨学寄付金を含む研究費助成額が、事件の後の14年度は326億円と1割以上減ったという。奨学寄付金が「以前より減少した」と答えた大学は7割を超えた。

 それでも、医学界に大きな力を持つ東京大、大阪大、京都大などの旧帝大や首都圏の国立大の病院には、14年度に軒並み数億〜十数億円の奨学寄付金が渡っている。

 地方の大学病院との差は大きく、製薬企業側が資金提供の「選択と集中」を進めていると考えられる。



http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=129379
療養費1774万不正受給…マッサージ業者が制度悪用
(2016年1月23日 読売新聞)

 秋田県後期高齢者医療広域連合は22日、秋田市楢山愛宕下、マッサージ業「柊ひいらぎ治療院」(小松聡代表)が3年5か月にわたり、架空あるいは虚偽の療養費請求を繰り返し、約1774万円を不正に受給していたと発表した。同連合は不正受給分の返還を求めると同時に、刑事告訴を検討している。

 発表によると、柊治療院は2012年4月~15年9月、後期高齢者医療制度の被保険者46人に対し、自宅やグループホームなどでマッサージ、はり・きゅうの施術を延べ801回行ったとして同連合に療養費を請求した。ところが、このうち20人の延べ467回については、実際には施術をしていなかったり、事実と異なる施術内容を記載したりしており、1774万9973円が不正受給だった。

 療養費は被保険者本人の申請、受領が原則だが、利便性向上のため、施術者が代理できる。柊治療院はこの制度を悪用し、申請をでっち上げていた。同連合は柊治療院の代理受領を5年間停止する処分を出した。

 申請書類に疑問点が見つかり、同連合が被保険者を調査して不正が発覚した。小松代表は「以前、誤った請求が通ったことがあり、不正を続けた」と釈明し、不正受給分を返還する意思を示しているという。



http://mainichi.jp/articles/20160123/ddl/k45/040/334000c
日向市立東郷病院
新常勤医決まるも院長定年へ 新年度の診療体制は未定 /宮崎

毎日新聞2016年1月23日 地方版 宮崎県

 医師不足で診療体制を縮小している日向市の市立東郷病院に、常勤医1人が4月1日付で着任することが決まった。ただし市によると、現在唯一の常勤医である崎浜正人院長が3月に定年を迎えるため、4月以降の診療体制は未定。

 市によると、新常勤医は現在、鹿児島県・沖永良部徳洲会病院で院長を務める佐藤大亮医師(53)。専門は外科だが救急、地域医療の経験があり、市は内科診療もできると説明している。

 同病院は3人いた常勤医のうち2人が相次いで退職し、昨年8月からは民間病院から派遣を受けて内科外来診療を週1日(午後のみ)だけ続けている。【荒木勲】


  1. 2016/01/24(日) 07:27:50|
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1月22日 

http://www.asahi.com/articles/ASJ1Q6DBQJ1QUBQU00F.html
産科医、知的障害の患者に「結婚できないでしょ」発言
2016年1月22日19時10分 朝日新聞

 長崎大病院(長崎市)の女性産婦人科医が昨年7月、重度の知的障害がある20代の女性を診察した際、「生理は子を産むため。将来、彼氏も結婚もできないでしょ」と女性を差別するような発言を母親に対してしていたことがわかった。病院は昨年12月、母親に謝罪した。

 病院によると、女性は昨年7月、生理不順を訴え、母親とともに受診。医師は診察後、母親に顔を近づけて「生理は何のためにあると思いますか。子を産むためでしょ。将来、彼氏も結婚もできないでしょ」と発言した。

 翌8月、母親がこうした発言について、「なぜあんなことを言うのか理解できない」と病院の意見箱に投書して発覚。増崎英明院長が会長を務める意見箱の検討会は、障害のある人に配慮するよう医師を注意した。

 ただ、女性側への連絡はしなかった。12月に母親が説明を求めたのを受け、産婦人科の別の医師が母親と面会し、不適切な発言だったと認め、謝罪した。

 発言をした医師は「妊娠や診療の心配はないことを伝えたかった」と話しているという。増崎院長は「配慮を欠いた説明により誤解を招き、たいへん遺憾。(医師の)真意は障害者を蔑視したわけではなく、言葉が足らなかった」とコメントした。



http://healthpress.jp/2016/01/yahoojaxa131438.html
謝礼もリスクも高い!? 「Yahoo!」が〝治験者募集〟〜JAXAは13泊14日で38万円!!
2016.01.22 ヘルスプレス

 大手IT企業のヤフーが運営する自社検索サイト「Yahoo!」で治験協力者を募る取り組みを1月12日から始めた(リンク先を参照)。医療関連企業と提携した新たな試みで、日進月歩な薬の種類の多様化に伴い、より有効性・安全性が問われ、広範な治験協力者が必要とされている事情が背景にある。

 「治療の臨床試験」を略して治験。医薬品や医療機器の製造・販売に際しては厳格な臨床試験を経た上での法令上の承認が必要だが、旧来の協力者探しは口コミ紹介などの企業主導型で行なわれてきた。が、企業の開発プロセス上に含まれるという条件が法改正で緩和され、医師主導型でも実施可能となって以降は新聞や求人誌上の公募広告もよく見かける。

月々の治療費が浮いてランチ代も

 ヒトへの治験は、動物を用いた非臨床試験(前臨床試験)を通じて薬の候補物質が絞られたり、機器の有効性・安全性が慎重に検討された後、製造・販売の可能性が期待される場合に初めて行なわれる。しかし、あくまでも人体試験である故、総じて協力謝礼は高めだ。

 先日利用したタクシーの運転手さんが、治験予備軍の一人と知って道中、体験談を聞いた。「同僚の誘いで1年程前から月1回、治験の仲介会社とクリニックに通っている」という彼の場合は、毎回の交通費&治療費相当が協力費の名目で支給され、「ランチ代程度は残るかな」とのこと。

 境界型糖尿病の彼は、従来から月一度の検診を居住区の病院で受けてきた。それが「治験のバイト代欲しさで指定の主治医に変更したかたち」だ。が、治験の設定条件をクリアするまでの処方箋(=薬代)は従来と変わらず自分持ち。実質、治療費が浮くのが「利点」だという。

 合格して治験が開始されれば「5000円の協力費が月1万円にアップされ、元来の仲介を取り持った紹介会社からも合格祝い金が改めて出る(笑)」。ところが、初提案の薬は試用中の血糖値で不可、2度目の試みも薬との相性が合わずで、「この1年間、合格体験はゼロ」と語る。

注射や投与、宇宙開発まで選択肢は広いが……

 これは高額謝礼というよりも治療代浮かし的な治験例だ。昨年、師走のネット上で一般公募されていた「閉鎖環境に2週間」滞在するJAXA(宇宙航空研究開発機構)の試験協力費はなんと38万円! 対象は20~55歳の健康な男性に限られ、募集定員は8名と掲示された。

 参加者はJAXA筑波宇宙センター内のISS(国際宇宙ステーション)を模した適応訓練設備に13泊14日(計2週間)滞在。外部から隔絶された閉鎖環境下で食事はすべて宇宙食、実際に宇宙飛行士が担う実験やグループ作業を連日こなす。結果、長期滞在が飛行士たちに及ぼすストレスを客観的な指標(ストレスマーカー)で評価しようというのが目的だ。

 今回の滞在試験期間(2週間)が従来の倍と長期なのは「来るべき火星旅行も視野に入れているのでは……」との憶測もある。2015~2016年度に最大4回が予定されている。好奇心旺盛で健康に自信があり、2週間の浮世離れが苦でない方は今後の募集にも注目だろう。

 一方、治験のリスクを象徴しているのが、1月18日付の外電が報じたフランス国内での死亡事故だ。問題の治験は、痛みと気分障害の治療を目的とし、ポルトガルの製薬会社Bialが開発した新薬を試すもの。委託受注先の民間研究機関Biotrial社が計108人の治験協力者の参加を得て行ない、半数の90人には異なる量の薬を投与。残り半数には偽薬を与えたが……。

 前者の90人中、最多量の投与を受けた組から6人(28~49歳の男性)に副作用が見られて仏・北西部Rennesの病院へ。それが一週間前の出来事で、とりわけ深刻な副作用に見舞われた1人が、脳死状態に陥って17日に死亡した。残り5人の容態は安定中と報じられたが、動物実験後初の今回がヒトに適用する第1相試験(フェーズ1)と聞けばやはり鳥肌が立つ。

 ヤフーの公募参入は時代の趨勢下、治験の普及や協力者獲得の拡大に大きな効果を及ぼすだろうが「体が資本」の「自己責任」が大前提。応募要項はもちろん面接時や合格時の付帯条件を熟読し、素人判断でも腑に落ちない点を感じたら撤収する勇気も肝要だろう。
(文=編集部)



http://mainichi.jp/articles/20160122/ddl/k08/010/176000c
桜川市
市立病院名称を公募 来月から /茨城

毎日新聞2016年1月22日 地方版

 桜川市は2018年10月の開院を目指す市立病院の名称を公募する。20日開かれた第4回市立病院整備委員会(委員長、延島茂人・真壁医師会桜川支部長、委員10人)で決まった。

 市立病院の総事業費は約68億円。JR水戸線大和駅北方の高森地区に建設される予定だ。

 応募資格は市民と市内在勤者で、公募期間は2月1日から3月18日まで。郵送やハガキ、ファクスなどで受け付ける。今年4月に開かれる予定の第5回委員会で選出する。問い合わせは市病院整備推進室(0296・58・5111、代表)。【庭木茂視】



http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201601/20160122_13047.html
<救急不備訴訟>気仙沼市が棄却求める
2016年01月22日金曜日 河北新報

 宮城県気仙沼市立病院を受診した同市の男性会社員=当時(31)=が救急医療体制の不備が原因で死亡したとして、遺族が市に約9330万円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が21日、仙台地裁であり、市は請求の棄却を求めた。
 市側は「当直医の診察時、男性に呼吸困難の症状はなく、急変を予想するのは極めて困難だった。専門医が診察すべき状態でもなかった」と反論した。
 遺族側は「呼吸困難の症状を専門医に正しく伝えていれば専門医自らが診察したか、適切な指示を仰げたはずだ」と主張している。
 訴えによると、男性は2014年3月16日夜、喉の強い痛みと呼吸困難を訴えて同病院を受診。当直の男性医師はカルテに「呼吸困難なし」と記し、男性を入院させた。男性は翌17日未明に容体が急変し、急性へんとう炎などにより同日夜、死亡した。



https://www.m3.com/clinical/news/392137
高齢者薬物治療で気を付けるべき薬-秋下雅弘・ガイドライン研究代表者に聞く◆Vol.2
エビデンス弱くても実臨床の声を重視

日本老年医学会2016年1月22日 (金)  一般内科疾患内分泌・代謝疾患投薬に関わる問題

 高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2015の「高齢者処方適正化スクリーニングツール」では、特に慎重な投与を要する薬物や開始を考慮するべき薬物のリストが明示されている。この中には、エビデンスの質が弱いものの実臨床の経験則に基づく意見を反映し、推奨度を強くした薬剤もある。同ガイドライン研究代表者の秋下雅弘氏(東京大学大学院加齢医学教授)に解説いただいた。(聞き手・まとめ:森圭吾、m3.com編集部)

「常識的なリスク」も考慮した評価

――慎重な投与を要する薬物の中には、エビデンスの質が低いにもかかわらず、推奨度が「強」となっているものがあります。

 リストに掲載した薬剤は、システマチックレビューの結果に基づき、高齢者で重篤な有害事象が出やすかったり、有害事象の頻度が高かったりすることを主な選定理由としています。その上で、高齢者では安全性が有効性に劣る、もしくはより安全な代替薬があると判断した上でまとめています。ただ、エビデンスが乏しくても実臨床で使用してきた多くの医師の使用経験や各種ガイドラインの指摘も参照し、検討した薬剤もあります。

 例えば、ベンザミド系抗精神病薬のスルピリドは、エビデンスの質は「低」ですが、推奨度は「強」です。作成委員のほとんどがスルピリドによる有害事象を経験しており、高齢者に問題のある薬剤であることは教科書的でもあるのですが、案外論文がヒットしない。つまり当然過ぎて研究の対象とならないのだろうと。このように十分な論文がなくても、常識的なリスクは、推奨度を「強」にする方針でまとめたのです。ただし、推奨度は「強」「弱」の2択しかないため、必ずしも危険と強く警告している訳ではなく、あくまでも減量や中止を考慮する際の参考にしていただければと思います。

原案公表後に有害事象の経験談も

――抗精神病薬以外でも、エビデンスの質と推奨度に差異がある薬があります。

 2005年の初版に載せた「高齢者に対して特に慎重な投与を要する薬物のリスト」から表記を変えた薬剤の1つが、H2ブロッカーです。当時から同薬を75歳以上に常用することに医師の間では少なからず議論がありましたが、まだプロトンポンプ阻害薬(PPI)が今ほど浸透していなかったり、より良い粘膜保護薬がなかったりしたため、結局リストには載せていませんでした。

  ところが、この10年でPPIが有効な代替薬となり得る状況になったこと、H2ブロッカーの害を示す論文も多く出されたことから、エビデンスの質は「中」で、推奨度を「強」と変えたのです。よい代替薬があって変更の余地があるのであれば、やはり検討すべきでしょう。実際、158件の意見が寄せられたパブリックコメントに伴ってこの案を示した後に、何人かの医師から高齢者にH2ブロッカーを使用していたところ、せん妄や認知機能の低下を認め、中止したら改善したという声を聞きました。

 DPP4阻害薬を除く糖尿病薬をリストに入れたことについては、日本糖尿病学会と検討を重ねた上で判断しました。色々と意見は寄せられましたが、何よりも「低血糖を避ける」ことを前提として決めたことにご理解をいただきたい。高齢者の糖尿病治療に関しては、日本糖尿病学会と日本老年医学会が合同で指針を作成中なので、完成後はそちらも参照してほしいと考えています。

薬剤師との連携強化へ

――今回は領域別指針の項目に「薬剤師の役割」も追加しています。

 過剰なポリファーマシーの是正には薬剤師も重要な役割を担うと考え、5ページを割いています。薬物有害事象を回避するための関わり方や、漫然処方の見直しに関するクリニカルクエスチョンを設けました。理想的には一元管理が望ましく、それを主治医が担って推進していけるように薬剤師に求められる役割を示しています。2016年1月に日本老年薬学会を立ち上げており、高齢者を取り巻く医療提供環境の充実を図っていく予定です。

 今回のガイドラインは発刊までに非常に多くの議論がありました。評価については、2016年の早い段階で日本老年病学会の専門医約1500人を対象にアンケートを実施し、寄せられた声を次回の改訂に反映させる考えです。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/47918.html
地域包括センターの運営などで改正通知- 厚労省
2016年01月22日 18時00分

 厚生労働省は、地域包括支援センターの運営や設置などに関する通知を改正し、都道府県や市町村の担当課や介護関係団体に発出した。市町村が同センターの運営方針を定める際、踏まえるべき内容や、センターが公表に努めるべき事柄などが示されている。また、地域ケア会議を行う上で配慮すべき具体的なポイントについても盛り込まれている。【ただ正芳】

 改正された通知では、センターの設置主体について、市町村に加え、一部の事務組合や広域連合なども含むと明記。その上で、市町村の責務や事業内容に関する改正が示されている。

 このうち市町村の責務では、地域の高齢化の状況や相談件数の状況などを総合的に勘案し、センターの専門職らが地域ケア会議や地域の訪問などの活動を十分に実施できるよう、適切な人員体制を確保する必要があると指摘。さらに市町村が示すセンターの運営方針で踏まえるべき内容としては、「市町村の地域包括ケアシステムの構築方針」や「介護事業者・医療機関・民生委員・ボランティアなどの関係者とのネットワーク」「地域ケア会議の運営方針」「介護支援専門員に対する支援・指導の実施方針」などを挙げた。

 管内に複数のセンターがある場合は、地域で基幹的な役割を担い、センター間の総合調整や地域ケア会議の後方支援の機能を持つ「基幹型センター」や、一定の分野の機能を強化し、他のセンターを支援する「機能強化型センター」を設置するなどして、センターの間での役割分担と連携を強化すべきとした。

 センターが公開に努めるべき情報としては、名称と所在地、法人名、営業日、営業時間、担当区域、職員体制、事業の内容、活動実績などを示している。

 また、介護支援専門員や医療・福祉に関する専門家、民生委員らが参加して実施する地域ケア会議については、その目的を「多様な関係者が適宜協議し、介護支援専門員のケアマネジメント支援を通じて、介護などが必要な高齢者の住み慣れた住まいでの生活を地域全体で支援していくこと」と明示。さらに、介護支援専門員の資質向上につなげるため、すべての介護支援専門員が年に1回は地域ケア会議での支援が受けられるようにする必要があるとしている。



http://www.medwatch.jp/?p=7343
2016年度改定に向け、7対1の平均在院日数や看護必要度などで現場から意見を聴取―中医協・公聴会
2016年1月22日 2016診療報酬改定ウォッチ メディウォッチ

 2016年度の次期診療報酬改定で、7対1入院基本料の平均在院日数を短縮すべきか否か―。22日に開かれた中央社会保険医療協議会の公聴会で、この点が改めて議論になりました。

 中医協支払側の幸野庄司委員(健康保険組合連合会理事)は、「13日に中医協総会でとりまとめられた『現時点の骨子』には平均在院日数について盛り込まれていないが、今後、改めて議論をしていく」ことを明言。これに対し、意見発表を行った原澤茂氏(済生会川口総合病院院長)は「平均在院日数の短縮は限界に来ている」ことを強調しています。

 また7対1で注目される重症度、医療・看護必要度について、原澤氏は内科系の病院が不利になるとし、具体的な注文をつけています。

平均在院日数、病院からは「短縮は限界」との意見


 公聴会は、中医協委員と厚生労働省保険局医療課の担当者が地方に赴き、直接、一般市民の意見を聞くもの。中医協は2016年度の次期診療報酬改定に向けて、これまでの意見を整理した『現時点の骨子』を13日に取りまとめました(関連記事はこちらとこちらとこちらとこちら)。厚労省はこれを基に、国民から意見を募っており(パブリックコメント)、この日の公聴会意見と合わせて、今後の中医協審議の参考にする考えです。

 2016年度改定に向けた公聴会は、22日に埼玉県さいたま市で開催され、報道関係者を含め約470名が参加しました。

 まず、冒頭でも触れた平均在院日数について見てみましょう。中医協の幸野委員は、「急性期の機能分化を進めるためには、(1)重症度、医療・看護必要度(以下、看護必要度)(2)在宅復帰率(3)平均在院日数―の3点をセットで考えなければいけない。平均在院日数の短縮についても、今後、中医協で議論することになっている」と説明。2016年度の改定での平均在院日数の短縮を求める考えを強調しました(関連記事はこちら)。

 これに対し、意見発表を行った済生会川口総合病院の原澤院長は、「地域特性によって入院期間が長引くことがやむを得ないケースもある。平均在院日数の短縮は限界に来ており、今(次期改定で)短縮するような状況にはない」との意見を述べました。

 今後、中医協では、いわゆる「短冊」に基づいた詰めの議論が集中的に行われますが、7対1の平均在院日数がどのような扱いになるのか注目されます。


看護必要度、A項目・M項目に具体的な注文も

 注目されている看護必要度について、済生会川口総合病院の原澤院長は「日本病院団体協議会の緊急分析では、調査対象11病院のうち4割で重症患者割合が25%を下回った。また、看護必要度の項目見直しは外科には有利だが、内科では厳しく、内科を中心にした7対1病院の経営が困難になることが予想される」と指摘。その上で、▽A項目に追加される救急搬送を3-4日程度にする(厚労省提案では1-2日)▽新設されるM項目に腰椎麻酔下手術・硬膜外麻酔下手術・アブレーション治療・ESD手術(内視鏡的粘膜下層剥離術)後の患者なども加える―ことを検討してほしいと要望しています(関連記事はこちら)。

 このほか原澤院長は、▽在宅復帰率の計算式は現状を維持すべき ▽救急医療に関する評価を充実すべき―との考えも述べています(関連記事はこちら)。


健保組合などは「機能分化推進の必要性」を強調

 一方、金久保浩一氏(埼玉機械工業健康保険組合常務理事)は健保組合財政が非常に厳しいことを訴えた上で、「7対1入院基本料の看護必要度項目・重症患者割合などを見直し、患者の状態にあった評価を行うことで、入院医療の機能分化を進める必要がある」と訴えました(関連記事はこちら)。

 また、佐藤道明氏(日本労働組合総連合会埼玉県連合会事務局長)は、「シームレスな医療・介護提供体制を整備するためにも、急性期の機能を明確にするとともに、急性期後の患者を受け入れる回復期・慢性期病床の確保を進める必要がある」との見解を述べました。

 両氏は、医療保険の中で診療報酬を支払う側の立場であり、中医協の支払側と同趣旨の見解を述べた格好です。

 なお佐藤氏は、入院基本料の施設基準となっている「看護師の月平均夜勤72時間要件」について、長時間の夜勤が助長されないよう計算式は現行を維持すべきと強調。さらに「地域包括ケア病棟入院料などにも月平均夜勤72時間要件を拡大してはどうか」などとも提案しています(関連記事はこちら)。


機能強化型の訪問看護、看取り件数の年次変動などを考慮すべき

 このほか22日の公聴会では、次のような意見が示されました。

▽地域包括ケアシステムで重要な役割を果たす「かかりつけ医」の機能を推進するため、診療所の経営基盤である初診料・再診料・在宅患者訪問診療料を引き上げるべき(湯澤俊氏:湯澤医院院長・埼玉県医師会副会長)

▽小児慢性特定疾患(小児がんや慢性腎疾患、慢性呼吸器疾患など)などについて、小児入院医療管理料の対象年齢の上限を引き上げ、20歳以降も安定した治療を受けられるようにすべき(大野更紗氏:患者代表、明治学院大学)(関連記事はこちら)

▽機能強化型訪問看護ステーションの要件である「看取り件数」は、年によって変動があるため、この点を考慮した基準としてほしい。在宅での看取りについて訪問看護師が患者・家族に説明を行うことを評価してほしい。小児の在宅患者について、各種サービスの調整(いわばケアマネジメント)を訪問看護師が行っており、その点の評価を充実してほしい。認知症高齢者の早期退院を進めるためにも、認知症の在宅患者への訪問看護を評価してほしい(三塩操氏:埼玉県看護協会川口訪問看護ステーション所長)(関連記事はこちら)

▽糖尿病の重症化予防や、過剰・重複投薬の是正を進めるとともに、地域包括ケアシステムの構築に向けたかかりつけの医師・歯科医師・薬剤師の評価を行うべきである(森岡有子氏:川口市健康増進部国民健康保険課課長補佐)(関連記事はこちら)

▽かかりつけ薬剤師・薬局について適切に評価すべきである。大規模の門前薬局の中にも「かかりつけ薬剤師・薬局」の機能を持つところがあり、その点は考慮してほしい。ICUなどにおける薬剤師の業務を評価すべきである。調剤時に疑義が生じた場合に、医師と薬剤師で迅速に対応する必要があるが、両者ともに忙しいので、薬剤師の裁量権を一定程度認めてほしい。後発品使用を促進するために、患者・医師の不安が払しょくできるような情報提供などを国が進めるべき(斉藤祐次氏:灰屋薬局・埼玉県薬剤師会副会長)(関連記事はこちら)

▽後発医薬品のさらなる使用を促進し、地域間の格差を是正する必要がある(渡部貞一氏:埼玉県中小企業団体中央会専務理事)

▽歯科医師の技術を評価し、歯科医療機関の経営基盤となる再診料を引き上げてほしい。1981年時点を100とすると、物価や賃金は3割程度上昇し、医科医療機関の損益差額は18%向上したが、歯科医療機関の損益差額は67%に減少している(中村勝文氏:川口歯科医師会会長)



http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201601/20160122_13046.html
<転院患者死亡>南東北病院側「請求棄却を」
2016年01月22日金曜日 河北新報

 総合南東北病院(宮城県岩沼市)に入院していた亘理町の女性=当時(80)=が転院直後に死亡したのは、命に危険がある状態で退院を求められたためだとして、遺族が病院を運営する医療法人に100万円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が21日、仙台地裁であり、法人は請求の棄却を求めた。
 法人側は具体的な認否を留保。次回以降、具体的に反論する意向を示した。
 訴えによると、女性は2014年12月、敗血症などで入院。同病院は約半月後、自宅療養が可能と判断し女性に退院を求めた。女性は市内の別の病院に移り、4日後に急性腎不全と診断され、肺に水がたまり呼吸不全で死亡した。



http://373news.com/modules/pickup/index.php?storyid=72590
高齢化で救急出動増、到着遅れ 緊急性ない例も 鹿児島県内
(2016 01/22 06:30) 南日本新聞

 鹿児島県内で119番を受けた救急車の出動件数が右肩上がりで増えている。出動件数のうち1割は搬送する必要がなく、実際に搬送した3割以上は軽症だった。「不適正利用」の横行も一部で指摘され、現場到着の所要時間は年々遅くなる傾向にある。県消防保安課は今月から、適正な利用を呼び掛けるチラシを、県内の商業施設やコンビニエンスストア計87店の店頭に置き、周知に努めている。
 同課によると、出動が増えたのは、高齢化に伴う急病者の増加が主な要因。2014年は前年比で1384件多い7万7549件に達し、ここ数年は前年を1000~3000件上回るペースで推移する。平均して7分に1件出動するため、救急車が最寄りの消防施設から駆け付けられない事態も多く、通報から到着に要する平均時間は8.2分(14年)で、10年前に比べて1分以上遅くなった。
 不適正な利用としては「小指が少し痛い」「病院までのタクシー代を払いたくない」など悪質なケースも目立つ。鹿児島市では昨年、50代男性から「酒を飲んでふらふらする」と119番があり、救急隊が自宅を訪れたところ、酩酊(めいてい)状態だった。脳疾患の可能性を懸念して医療機関に搬送したが、受診結果は異常なしだった。帰宅を促したところ、途中で「ふらふらする」と119番が再度あり、駆け付ける事態となった。こうした通報を繰り返す「頻回利用者」が市内には数十人いる。



http://www.yakuji.co.jp/entry48430.html
問われるのはビジョンの実現
2016年1月22日 (金) 薬事日報 社説

 メーカー73社が加盟する日本製薬工業協会が、産業ビジョン2025「世界に届ける創薬イノベーション」を発表した。ビジョンは1~5と補論から構成されており、ビジョン1では「先進創薬で次世代医療を牽引する~P4+1医療への貢献~」を掲げた。P4とは、Personalized(個別化)、Predictive(予測的)、Preventive(予防的)、Participatory(参加型)で、プラス1はProgressive(進歩的)のことだ。このP4+1医療の実現に貢献すべく、先進技術の積極的な利活用と、既存技術の高度化を合わせて創薬を進化させ、患者の理解のもと、患者ごとに最適な薬を、先制医療を含めた適切なタイミングで提供することを目指す。

 ビジョン2「世界80億人に革新的な医薬品を届ける」では、世界の患者の期待に応えるため、自らが創出した革新的医薬品を届けることを目指す。

 ビジョン3は「高付加価値産業として日本経済をリードする」を掲げた。経営の効率化と研究開発の合理化による創薬で、健康増進に寄与すると共に日本の経済成長にも貢献する心意気を示す。

 ビジョン4の「健康先進国の実現を支援する」では、サブタイトル「心おきなく健康で長生きできる社会に」が付いている。メッセージとしては、心おきなくという表現が秀逸だが、社会保障制度の持続可能性を高めるという点では、医薬品の給付と償還の仕組みにかかる政策提言機能の強化も忘れていない。

 ビジョン5は「志高き信頼される産業となる」である。生命や健康に直結する製品を生み出していくのだから、志は当然高いことは事実である。問題は信頼だ。信頼されるためには、昨年のような不祥事案件が1件も発生しないことが前提条件であり、この点については2025年といわず、今年からぜひとも実現してもらいたい。

 ビジョン2の補論「グローバルヘルスに対する使命と貢献」と共に、ビジョン3の補論として、先に厚生労働省がまとめた医薬品産業総合強化戦略で促されたM&Aに対する返答として、「企業規模・再編に対する考え方」が示された。そこでは、「研究開発型製薬企業は、ステークホルダーの意向を踏まえつつ自らが最適解を求めて決断していく」という、製薬協としての考え方、方向性を打ち出した。

 5ビジョンには、それぞれ実現に向けた戦略のポイントも明記されている。誤解を恐れずに言えば、お題目としてビジョンを描き戦略を立案することは誰でもできる。問題なのは、それを本当に実現できるかどうかだ。真の意味で画期的新薬を創出できるのは、まだ日米欧の3極だけであることを誇りとして、グローバルヘルスの観点から世界中の人々に健康という福音を届けられる“創薬イノベーション”を必ずや実現してもらいたい。たった10年後の話である。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/47922.html
高齢者人口倍増する埼玉で中医協が公聴会- 医療関係者が提供体制の整備訴え
2016年01月22日 21時00分 キャリアブレイン

 中央社会保険医療協議会(中医協)は22日、2016年度診療報酬改定に向け、さいたま市内で公聴会を開催した。埼玉県は、人口当たりの医師数の少なさや75歳以上の高齢者人口の増加率がいずれも全国トップ。登壇した同県の医療従事者らは、超高齢化を乗り切るため、入院や在宅での医療提供体制を整備する必要性を訴えた。【佐藤貴彦】

 厚生労働省の調査によると、県内の医療施設で働く人口10万人当たりの医師数(14年末時点)は、全国で最も少ない152.8人。就業中の看護師数(同)も、人口10万人当たり568.9 人で全国ワースト1だった。一方、同省の研究機関の推計では、同県の75歳以上人口は25年、10年時点と比べて99.7%多い117万7000人になる。この増加率は全国トップだ。

 22日に開かれた公聴会では、地元の医療従事者や保険者ら10人が、16年度診療報酬改定への意見を発表した。

 連合埼玉県連合会の佐藤道明事務局長は、急速に進む県内の高齢化に限られた医療資源で対応するには、医療機関の役割分担を進める必要があると強調。急性期患者を受け入れる医療機関の機能を明確にした上で、急性期の治療を終えた患者にリハビリテーションを行う医療機関や、在宅医療を提供する医療機関の充実を図るべきだとした。

 県医師会の湯澤俊副会長も、高齢者のさらなる増加を見据え、通院患者や在宅患者を診る診療所の医師を確保することなどが喫緊の課題だと指摘。「在宅医療を担う診療所が安定して経営できるような(診療報酬の)点数設定をお願いしたい」と述べた。

 また、県薬剤師会の斉藤祐次副会長は、薬局の薬剤師が医療機関の医師などと力を合わせて高齢者の暮らしを支えるため、患者の服薬情報を一元的に管理する取り組みなどを診療報酬で後押しするよう要望した。

 一方、県看護協会が運営する川口訪問看護ステーション(川口市)の三塩操所長は、高齢者の増加に伴い、認知症と身体疾病を併せ持つ患者が増えることも予想されると指摘。そうした人が住み慣れた地域で在宅療養できるように、訪問看護の提供体制も整備すべきだと主張した。

 この日、公聴会の会場には500人近くが詰め掛けた。中医協は、公聴会で発表された意見や22日までに集まったパブリックコメントなどを踏まえ、2月中旬までに16年度の改定案を答申する。



http://www.yomiuri.co.jp/local/shimane/news/20160122-OYTNT50042.html
医師不足 依然続く
2016年01月23日 読売新聞 島根

 ◇県調査、県内の充足率は76・5%

 県は、2015年の勤務医師の実態調査結果を発表した。県内の医療機関が必要とする医師数1222・3人(前年比8・8人増)に対して935・4人(同15・4人減)、充足率は76・5%(同1・9ポイント減)で、依然として医師不足の状況が続いている。(土屋吾朗)

 島根大医学部付属病院を除く51病院と40診療所について、今年4月の医師の必要数と、昨年10月1日現在の医師数を調べた。

 県内を7地域に分けた2次医療圏別の充足率は、82・7%(同0・7ポイント増)の松江、80・1%(同4・3ポイント増)の益田以外、すべて低下。最も低いのは雲南の62・5%(同1・1ポイント減)で、次いで浜田63・8%(同8・1ポイント減)、大田68・7%(同1・6ポイント減)だった。

 医師数は、浜田と出雲の減少が目立ち、浜田は11・7人減の112・8人、出雲は10・1人減の215・5人だった。

 充足率を診療科別で見ると、救急(53・2%)、リハビリテーション科(58・5%)、耳鼻咽喉科(61・5%)、皮膚科(66・7%)、眼科(67・4%)、泌尿器科(67・8%)が70%を下回った。

 県はこれまでも、県内の医療機関勤務に興味のある人を登録する「赤ひげバンク」を設置。積極的に県外の医師と面談するなどして、医師を呼び込もうと努め、13年度は9人、14年度は10人を招くことにつながった。

 医師を育てる取り組みも続けている。県内の医療機関で一定期間勤務すれば奨学金の返還が免除される医学生向けの制度や、地域医療の魅力を伝える島根大での寄付講座、「しまね地域医療支援センター」で若手医師の研修やキャリア形成を支援するなどの対策を実施している。

 しかし、医師の充足率は過去10年間、07年の80・2%を最高に、77%前後が続いており、医師不足の状況に大きな変化は見られない。

 県医療政策課は、医師不足が続く要因として、医療の専門性が高まっていることに伴い、医師の必要数が増えていることを挙げる。同課は「学生や研修医が医師として育つには一定の年数が必要。これまでの取り組みを地道に続けていきたい」としている。

 ◇看護職員低下 目立つ隠岐

 県は、県内51病院を対象にした昨年の看護職員の実態調査結果も発表した。今年4月の必要数6383.0人(前年比43.7人増)に対し、昨年10月1日現在の人数は6107.5人(同13.5人増)で、充足率は95.7%(同0.4ポイント減)だった。

 充足率を圏域別に見ると、隠岐の低下が目立ち、6.7ポイント減の92.4%だった。最も低いのは雲南の91.7%(同2.2ポイント増)、最も高いのは出雲の96.5%(同0.9ポイント増)だった。

 必要数は、33.5人増の出雲など5圏域で増えた。県医療政策課は、夜勤態勢の充実や産休・育休取得者の増加、病床利用率拡大への対応が要因とみている。



https://www.m3.com/news/general/393003
解雇不当と兵庫医大を提訴 「虚偽記載」で元教授
2016年1月22日 (金)配信 共同通信社

 認知症に関する著書や論文への虚偽記載など複数の規定違反があったとの理由で懲戒解雇処分を受けたのは不当だとして、兵庫医大(兵庫県西宮市)の西崎知之(にしざき・ともゆき)元主任教授が21日、大学に地位確認や2200万円の慰謝料支払いなどを求め、神戸地裁に提訴した。

 訴状によると、西崎氏は著書「認知症はもう怖くない」などで大学の倫理審査委員会の承認を受けていない研究を「承認を得た」としたが、誤記であって故意の虚偽記載ではなく、データの盗用もしていないなどと主張。解雇の理由にはならず、大学の処分発表で名誉を傷つけられたとしている。

 西崎氏は提訴後に記者会見し「これまでの研究を否定するような処分を受けた。今後も認知症の研究を続けて貢献したい」と話した。

 兵庫医大は昨年12月、西崎氏を懲戒解雇処分にした。同大は「処分は適切な手続きを経ており、有効と考えている。しかるべき対応をする」としている。



https://www.m3.com/news/general/393044
群大術後死、執刀医代理人「大学側の承認あれば遺族に回答」
2016年1月22日 (金)配信 読売新聞

 群馬大学病院で手術後に患者の死亡が相次いだ問題で、遺族側弁護団は21日、遺族に直接説明するよう求める通知書に対し、執刀医の代理人から「大学側の承認を得られれば回答する」とする文書が20日付で届いたことを明らかにした。

 弁護団は先月、執刀医と病院長らにあてて、「遺族に説明義務を果たさないのは違法」と指摘し、今月13日を回答期限に通知書を送付していた。執刀医側は、昨年3月末で退職したことを理由に、説明には大学の意向確認が必要とした。


  1. 2016/01/23(土) 06:33:03|
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1月19日 

http://www.news-postseven.com/archives/20160119_378417.html
手術や投薬と違って検査は儲からぬと乳がん若手医師不足に
2016.01.19 16:00 news ポスト セブン

 昨年12月25日、千葉県がんセンター(千葉市中央区)が会見を行い、早期乳がんの患者Aさん(30代)と進行乳がんの患者Bさん(50代)の検体(検査の材料となる血液や組織)を取り違え、誤った診断により、Aさんの右乳房を全摘出する手術をしたと発表した。

 すでに患者2人と家族に謝罪し、院内に事故調査委員会を設置して原因を調べている最中だと報告したのだ。

 病気になったとき、重篤であればあるほど「有名な病院に行きたい」「名医に診てもらいたい」と思うのは当然のことだ。ましてや、今回のような事故を耳にすれば、そんな危険のない病院にかかりたいと一層思うだろう。

 でも、一生懸命病院を選んで信頼できる医師に委ねても、今回のような事故に遭遇する可能性はゼロにはならない。千葉県がんセンターも、その地域では信頼された病院だったのだから。

 とすると、私たちが事故を未然に防ぐためにはどうしたらいいのか。まず考えつくのは、「セカンドオピニオン」だ。

 セカンドオピニオンとは、今かかっている主治医の診断や治療方針だけに依らず、患者がほかの医師に相談して求める見解のことをいう。

 主治医の診断等に納得がいかない場合に、転院したり、ほかの病院で治療を受けたりするのではなく、違う意見も聞いた上で、患者が最終的に納得した治療に至ることが目的だ。今回の事故の場合も、もしAさんが針生検の結果に疑問を感じて、他院に行っていれば――。

 だが、医師で医療ジャーナリストの森田豊さんは、驚くべき事実を指摘する。

「セカンドオピニオンを受けたとしても、最初の病院で生検をしたら、その組織の標本や診断結果を別の病院に持って行くのが一般的です。別の病院で、生検の検査をし直すことは稀でしょう。ですから、取り違えられた細胞組織を持っていって診てもらっても、あまり意味はない」

 本当は早期がんなのに、最初の病院で“進行がん”の結果と取り違えられてしまったら、セカンドオピニオンをしても、結果は進行がんになる可能性が高いということだ。

「乳がんの場合は、基本的に“2度刺し”はしません。針を刺して細胞を採る生検は、患者さんへの負担が大きい。何度も部位を刺すことによって、良性の腫瘍の場合でも刺激されて大きくなることがあるし、悪性の腫瘍だと、がん細胞が複数個所に散らばってしまうリスクもあるからです」(ベルーガクリニック院長の富永祐司さん)



https://www.m3.com/clinical/news/392125
高齢者薬物指針「ストップ」の真意-秋下雅弘・ガイドライン研究代表者に聞く◆Vol.1
「中止・変更を考慮」が「即中止」と誤解
日本老年医学会

2016年1月19日 (火)配信

一般内科疾患内分泌・代謝疾患投薬に関わる問題

 2015年12月に『高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2015』が発刊された。同年4月の原案公表時に医療従事者の間で少なからず議論を呼んだのは、当初「ストップ」と名付けていた処方適正化スクリーニングツールである(『高齢者薬物療法指針2015案を公表』を参照)。同ガイドライン研究代表者の秋下雅弘氏(東京大学大学院加齢医学教授)に、その名づけの真意やガイドラインの要点を尋ねた。(聞き手・まとめ:森圭吾、m3.com編集部)

あくまで処方適正化のスクリーニングツール

――「ストップ」と名付けた薬剤のリストは、かなりの衝撃を持って医療従事者に受け止められました。

 このリストは、2005年の初版に掲載した『高齢者に対して特に慎重な投与を要する薬物のリスト』の改訂版で、主旨は前回と何ら変わっていません。名称が控えめ過ぎて認知されなかったのではないかという反省から、欧州で作られた高齢者の処方スクリーニングツール「Screening Tool of Older person’s Potentially inappropriate Prescriptions(STOPP)」からヒントを得て「ストップ」としたのですが、当初は大きく誤解されました。

 薬剤師やマスコミなど高齢者の薬物問題に意識の高かった人たちは好意的な反応がほとんどでしたが、一般の患者や医師には「ストップ=即中止すべき薬剤リスト」と受け止められてしまった。あくまでポリファーマシー対策や副作用予防へ処方を再考するためのリストと説明していたにもかかわらずです。このため「特に慎重な投与を要する薬物のリスト」と名称を変えましたが、それでもまだ少なからず「=中止すべき」と誤解している方もいるようで、処方の適正化へ向けた必要なステップとして丁寧な説明を繰り返していくしかないと思っています。

 今後は老年医学会の学術集会と各地方会での教育企画を充実させたり、教育用スライドセットや一般向けパンフレットを作成したりして、啓発活動を強化していきます。

非専門領域の長期薬物療法を見極める一助に

――このガイドラインは、どのように活用されるべきなのでしょうか。

 15年以上前の報告ですが、高齢者薬物有害事象の頻度を東京大学老年病科で検討したところ、75歳以上の後期高齢者では緊急入院の15%以上を占め、10%に満たない74歳以下の層より薬の効き過ぎが多いことが分かりました。代謝や分布、排泄など臓器予備能が低下する一方で、消化管の吸収能はほぼ変化しないため、結果的に過量投与に陥りやすい。さらに、認知機能や視力、聴力の低下でアドヒアランスが低下し、症状発現の遅れも発生しやすく、何より後期高齢者や要介護高齢者の医療提供の難しさはエビデンスが決定的に不足していることにあり、薬物有害事象を早期に察知、また予防し、適切に対処するスクリーニングツールが必要なのです。

 このガイドラインの要諦である「特に慎重な投与を要する薬物のリスト」を含んだ高齢者の処方適正化スクリーニングツールは、75歳以上の高齢者と75歳未満でもフレイル(心身の予備能低下)や要介護状態にある高齢者を主な対象としています。慢性期、特に1カ月以上の長期投与が基本的な適用対象です。

 利用の対象は、かかりつけ医や主治医を務める実地医家で、特に非専門領域の薬物療法が含まれる場合の活用が狙いです。服薬が5剤を超えればふらつきや転倒の発生リスクが高まることなどが知られています。ガイドラインでは、明確に「何剤以上であれば」という基準はありませんが、専門的な治療が求められる急性期から亜急性期の場合を除き、何らかの薬剤性障害が疑われる場合は、スクリーニングツールなどを使って減量や中止を検討してほしい。

 薬物有害事象の疑いを見極めるきっかけとしても活用できると思います。主治医であれば本来は、リストがなくても服用中薬剤の優先順位を付けられるスキルが求められますが、このリストを使って20-30人の患者を診察していれば、自然と取捨選択のスキルが身に付くと思います。



https://www.m3.com/clinical/news/392122
小児の医薬品誤飲事故に警鐘
PMDAが消費者庁委員会の報告書を紹介
医薬品医療機器総合機構

2016年1月19日 (火)配信

 医薬品医療機器総合機構(PMDA)はこのほど、小児の医薬品誤飲事故についてまとめた消費者庁消費者安全調査委員会の事故等原因調査報告書をオンラインで紹介し、警鐘を鳴らしている。5歳以下による医薬品などの誤飲事故件数が、2014年の1年間で8433件に上り、一般用医薬品よりも医療用医薬品で誤飲が増加傾向にあるという。PMDAでは、誤飲が発生した場合は専門の相談機関に連絡するか、必要に応じて医療機関を受診するよう呼び掛けている。

 事故等原因調査報告書では、日本中毒情報センターに寄せられた情報として、5歳以下の小児による医薬品などの誤飲事故は2006年から増加傾向にあるとしている。2014年に寄せられた8433件の誤飲事故のうち、症状を有した事例は849件に上った。

 具体的な事例としては、1歳7カ月の子供が医薬品を保管している居間の棚に座椅子などで足場を作ってよじ登り、胃腸薬を4-5錠飲み込んだ。別の事例では、2歳5カ月の子供と一緒に昼寝しようとした親が、自身の寝つきのため高さ58.5cmのベッドサイドテーブルに精神安定剤を2-3錠置いていたところ、子供が手に取り誤飲したという。

 消費者安全調査委が2012年に同センターに報告された症状を有する誤飲事故869件のうち、小児本人による誤飲事故764件を分析したところ、1-2歳による事故が549件と71.9%を占めた。月齢別では6カ月から9カ月にかけて大きく増加し、2歳6カ月頃までが比較的多い傾向にあった。

 PMDAでは、「小児救急電話相談」や「中毒110番」の利用法を示した上で、医薬品の保管場所は子供の成長を踏まえて十分気を付け、服用する際には子供の手が届く場所に放置せず、速やかに服用するよう求めている。



https://www.m3.com/clinical/news/390818
ブラックジャックは受入れられなくなる
どうなる?10年後、20年後【脊椎脊髄病】【血管外科】(サブスペシャルティ領域編5)
2016年主要医学会代表者アンケート

2016年1月19日 (火)配信

 近い将来、臨床現場に起こるであろう変化を領域別に予測してもらうm3.comの新年アンケート「主要医学会トップに聞く!『どうなる?10年後、20年後の医療』」。各領域からの回答を順に紹介していく(回答は各学会の公式見解ではなく、回答者個人の見解となります。ただし、匿名希望もあることから、ご回答いただいた先生の氏名は記載しません)。

再生医学の臨床応用が進む――日本脊椎脊髄病学会

(1)10年後に大きな発展が見込まれる診断や治療の技術、方法は?
 損傷脊髄の再生、変性椎間板の変性抑制と再生、骨類似の素材、骨誘導型素材の応用といった再生医学的治療
 ナビゲーション手術の発展
 骨粗鬆症脊椎に適した金属素材の開発と臨床現場での応用
 脊椎、脊髄由来の疼痛管理の改善

(2)20年後も診療の要であるだろう診断や治療の技術、方法は?
 脊椎脊髄外科にとって最も重要なのは神経診断学である。画像診断に振り回されない的確な診断と治療法の決定能力は、将来も変わらず必要である。若手の先生方には、安全で標準的な脊椎脊髄外科手術を習得し、実践してほしい。

(3)10年後には施行する機会が減ると思われる診断や治療の技術、方法、あるいは患者数が減ると見込まれる疾患は?
 標準的な技術を逸脱した手術法。特定の医師にしかできないと言われる手術法は必ず廃れる。いわゆるブラックジャック的な術者は受け入れられなくなる。


直達手術、減っても必ず習得を――日本血管外科学会

(1)10年後に大きな発展が見込まれる診断や治療の技術、方法は?
 血管内カテーテル治療やロボット治療といった低侵襲治療
 術後退院まで含めた無痛手術
 直達手術の経験数減少を受けた直達手術のシミュレーター

(2)20年後も診療の要であるだろう診断や治療の技術、方法は?
 直達手術、血管内治療

(3)10年後には施行する機会が減ると思われる診断や治療の技術、方法、あるいは患者数が減ると見込まれる疾患は?
 血管内治療の発達を受け、直達手術を施行する機会は減る。ただし、この治療法の習得も不可欠である。

本アンケートは、日本専門医機構で基本領域に位置づけられている19領域、ならびに現時点でサブスペシャルティ領域に位置づけられている29領域の専門医を認定する計50学会の代表者個人を対象に行いました(回答期間2015年11月20日~12月25日)。ご協力いただいた医学会代表者様、ならびに事務局の方々にはこの場をお借りして厚く御礼申し上げます。



http://www.tokyo-np.co.jp/article/living/life/201601/CK2016011902000176.html
「全患者避難」想定して 大災害経験の医師・看護師らがシンポ
2016年1月19日 東京新聞

 災害が起きると、救護に当たる病院も危険にさらされる。昨年、福島市で開かれたシンポジウム(弘前大・摂南大・福島県立医大が共催)では、東日本大震災など大災害を経験した医師や看護師らが、全患者避難を「あり得るリスク」として事前に想定し、備えることの大切さなど、教訓を共有した。 (由藤庸二郎)

 「津波は二階までの想定だったが、実際は海と川から挟み撃ちされて四階まで浸水した」。二〇一一年の東日本大震災発生当時、岩手県陸前高田市の県立高田病院長だった石木幹人さん(現・同市地域包括ケアコーディネーター)は想定の甘さを反省点に挙げた。
 病棟はパニックに。衛星電話はあったが使い方を誰も知らなかった。日ごろから医師同士が顔を合わせている内陸部の県立病院と、早い段階で連絡が取れたのが幸いした。受け入れの申し出があり、ヘリコプターなどで入院患者の大半を素早く搬送。救護所設置と被災患者の受け入れがスムーズに進んだという。
 石木さんは「いざというときに『頼むよ』『分かった』で通じる関係をつくっておくことがとても大切だ」と強調した。

 患者を受け入れる側は-。福島市の福島県立医大病院で副病院長として対応した横山斉教授(心臓血管外科)は、行政との情報共有の重要性を語った。
 病院は断水が起きたが施設被害は軽微。ただ東京電力福島第一原発事故の避難指示の範囲が日々拡大し、受け入れ患者も増加の一途。一時は待合室にもあふれた。病院の体制をよく知る中堅の医師が県庁に交代で詰め、対策本部に集まる情報を刻々と病院に伝えたことが役立ったという。
 病院では、移動できる病状の患者はさらに別の病院に搬送。重症者の受け入れ機能を維持した。ただ、運ばれてくる患者の中には病名や病状、飲んでいる薬の情報がない患者も多かった。原発事故からの避難は一刻を争い、送り出す側に情報を整える余裕がなかったため、患者情報の引き継ぎが課題として残った。
 〇四年の新潟県中越地震では六十八人が死亡し、約四千八百人が重軽傷を負った。同県小千谷市の小千谷総合病院では屋上の貯水槽が破損。病棟に大量の水が流れ込んだ。以後、八日間断水し、電気は五日間止まった。佐藤和美看護部長(当時)は「建物が使えてもライフラインが止まれば医療はできないと思い知った」という。
 発生時は現場の看護師が「訓練通りにやろう」と励まし合い、適切に避難誘導ができたという。まず軽症患者を自宅に戻し、重症者は百人以上を併設の介護老人保健施設の免震棟に移した。被災地外の病院に連絡して八十人以上をヘリなどで搬送してもらった。
 病院ではその後、この教訓を基に災害対策を見直し、責任者を決めて訓練を充実。毎年の予算も計画的に配分、物心両面で備えている。佐藤さんは「最低限のマニュアルがあれば、いざというときそれ以上のことができる」と力説した。



http://www.medwatch.jp/?p=7283
「新たな時代の皆保険」と「地域包括ケアシステム」との構築が、超少子高齢社会の最重要課題―厚労省・唐澤保険局長
2016年1月19日|2016 診療報酬改定ウォッチ

 19日に厚生労働省が開いた全国厚生労働関係部局長会議で、厚労省保険局の唐澤剛局長は「超少子高齢化に対応した医療・介護モデルの構築が最大の課題である」とし、(1)新しい時代に合った国民皆保険制度(2)地域包括ケアシステム―の2つの仕組みを作り上げていくことが重要と強調しました。

超少子高齢社会では、皆保険維持がとても困難


 唐澤保険局長は、国民皆保険制度について「失業して収入がなくなっても、病気がちであっても、誰でも、どこ医療機関にかかっても、低額の費用で医療を受けられる」素晴らしい制度であると述べ、「新しい時代に向けて、国民皆保険制度を守っていくことが極めて重要である」点を再確認しました。高齢化が進み、医療技術も進展する中で、その成果を国民に還元しながら、低廉な費用負担で保険制度を運営することはとても難しくなっています。

 この側面については、昨年(2015年)の医療保険改革で「国民健康保険の財政運営主体を2018年度から都道府県に移管する」ことになりました。厚労省保険局国民健康保険課の榎本健太郎課長は、▽各市町村からの納付金学算定ルール▽国保運営指針―に関する原案を提示し、今後、都道府県と市町村を中心に制度運営の準備を進めていくことを説明しています(関連記事はこちら)。

 一方、地域包括ケアシステムの構築について唐澤保険局長は、「急性期と回復期・慢性期、介護の連携は、非常に難しい。これらをつなげていくために、いわば『地域における総合的なチーム医療改革』を行うことが必要である」と強調。

 この点、2016年度の次期診療報酬改定では、「病床の機能分化・連携」と並んで、「地域包括ケアシステムの推進」が重点課題に掲げられていることが、厚労省保険局医療課の宮嵜雅則課長から説明されています(関連記事はこちらとこちら会)。


医療費の地域差を分析し、その要因を「見える化」

 皆保険制度を維持していくためには、膨張し続ける医療費を、国民が負担できる水準に抑える(適正化する)ことが必要です。

 2008年の医療保険改革では、都道府県に「医療費適正化計画」の策定が義務付けられました。2015年の医療保険改革では、医療費適正化計画のベースとなる基本方針について次の3つの視点に基づく見直しが行われました(2018年度から反映)(関連記事はこちらとこちら)。

(1)病床機能の分化・連携の推進の成果を踏まえた入院医療費の推計式の設定

(2)外来医療費の推計式の設定

(3)現在の行動目標(特定健診・特定保健指導の実施率、平均在院日数など)について、医療費適正化効果の観点からの見直し

 厚労省保険局医療費適正化対策推進室の安藤公一室長は、「入院・外来ともに医療費の地域差の要因を詳細に洗い出し(このため、例えば受療率、1人当たり日数、1日当たり診療費の3要素に分解した分析などを行う)、地域差の背景を見える化する。その上で保険者に関係あるものは取り組みをしてもらう(例えば目標値などの設定)」と、これらの見直しの基本的な考え方を説明しています。

 また薬剤費については、▽後発医薬品の使用▽重複投与▽多剤(7剤以上)投与―の3つの視点から分析を行い、地域差の要因などを見える化することになります。


予防・健康づくり推進に向け、保険者の種類に合わせたインセンティブ


 ところで、医療費を適正化する手法の一つとして、最近は「予防・健康づくり」が重視されています。

 厚労省保険局総務課の渡辺由美子課長は、この一環として、2016年度予算案で▽レセプト・健診情報などの分析に基づいた保健事業などの推進(6億5000万円)▽保険者協議会における保健事業の効果的な実施への支援(1億円)▽重複頻回受診者などへの訪問指導、高齢者の低栄養(フレイル)防止の推進支援(4億5000万円)―などを計上していることを説明しています(関連記事はこちら)。

 また予防・健康づくりを進めるためには、保険者や個人に一定のインセンティブを与えることが有用と考えられています。現在、保険者に対するインセンティブとしては「特定健診・保健指導の実施率に基づく、後期高齢者支援金の加算・減算制度」があります。

 これは、特定健診などの実施率が高い保険者については、75歳以上の後期高齢者医療を支えるための支援金を安く設定するというものですが、なかなか実効性が上がっていません。この点について安藤公一・医療費適正化対策推進室長は2018年度から、次のように保険者の区分ごとの「予防・健康づくり」インセンティブを設ける考えを説明しています。

▽健康保険組合、共済組合:後期高齢者支援金の加算・減算制度(現行制度)の見直し

▽協会けんぽ:各支部の取り組みを、都道府県単位保険料率に反映させる

▽国保(都道府県・市町村):保険者努力支援制度を創設する

▽国保組合、後期高齢者医療広域連合:各組合・広域連合の取り組みなどを特別調整交付金に反映させる

 安藤公一・医療費適正化対策推進室長は、インセンティブを付与するに当たっての指標として▽特定健診などの実施率、メタボリックシンドローム該当者・予備軍の減少率▽特定健診などに基づく受診勧奨などの取り組みの実施状況▽糖尿病などの重症化予防の実施状況▽加入者に広く行う予防・健康づくりの取り組みの実施状況▽加入者への適正受診・服薬を促す取り組みの実施状況▽後発品の使用促進に関する取り組みの実施状況―の6点を説明しました。


25対1医療療養などの新たな移行先、今後、社保審で議論

 後者の地域包括ケアシステム構築に向けては、前述の診療報酬改定のほかに、医療介護連携も重要でしょう。従前は、医療は主に医政局と保険局、介護は老健局という具合に縦割りになっていましたが、現在は両者をつなぐ「医療介護連携政策課」が保険局に設置されました。

 厚労省保険局医療介護連携政策課の城克文課長は、15日に「療養病床の在り方等に関する検討会」が取りまとめた、25対1医療療養・介護療養の新たな移行先案として、医療内包型2案・医療外付け型1案の合計3案について説明を行っています(関連記事はこちら)。

 これらは、今後、社会保障審議会に報告され、これをベースに具体的な制度設計論議が行われます。



http://www.medwatch.jp/?p=7273
地域医療構想策定に向け、「地域で欠けている医療機能」や「医療提供体制の評価」が必要―厚労省・神田医政局長
2016年1月19日|医療・介護行政をウォッチ

 厚生労働省が19日、全国厚生労働関係部局長会議を開催しました。これは翌年度における厚生労働行政の重要事項を、都道府県の保健福祉などの担当者に2日間にわたって説明する会議です。

 会議の中で厚生労働省の神田裕二医政局長は、「今年はすべての都道府県で地域医療構想を策定してもらうが、その際にはデータを活用して『地域に欠けている医療機能はないか』『現在の医療提供体制の評価』などを行ってほしい」と強調しました。

地域医療介護総合確保基金、病床機能の分化・連携に重点配分

 医政局からは、神田局長と梅田珠実審議官から、大きく次の3テーマについて説明が行われました。

(1)医療提供体制改革

(2)医療安全対策

(3)後発医薬品の使用促進

 このうち(1)の医療提供体制改革では、やはり病院・病床の機能分化推進に向けた「地域医療構想」と「病床機能報告制度」に注目が集まります。

 地域医療構想は、2025年における医療需要と病床の必要量を▽高度急性期▽急性期▽回復期▽慢性期―の4機能ごとに推計し、現在の医療提供体制からどのように機能分化を進めていくかの、いわば設計図です。この設計図(構想)と毎年度の病床機能報告との隔たりを、2025年までに、徐々に埋めていく(地域医療構想調整会議)ことで、機能分化を図ることになります(関連記事はこちら)。


地域医療構想と病床機能報告結果の乖離を、調整会議で埋めていくことで、徐々に機能分化・連携を推進していく


 今年(2016年)中にすべての都道府県で構想が策定される見込みですが、神田局長は次の2点(とりわけ後者)を重視するよう強調しました。

▽病床機能報告による現状と地域医療構想における必要病床数との比較(病床の機能分化・連携について、まず病床機能報告制度によって、各医療機関が担っている病床機能の現状を把握する)

▽病床の機能区分ごとにおける構想区域内の医療機関の状況の把握

 後者では、例えば「がん、脳卒中、心筋梗塞などの主な疾患に対応できる医療機関の分布」を把握することが必要です。具体的にはDPCデータを用いて、医療機関ごとにMDC(臓器別の疾患分類)別の患者数を集計することで、「各医療機関の機能」を把握するとともに、「地域で欠けている医療機能」がないかなどを確認することが求められます。

 また、地域の医療提供体制の定量的な評価・分析も重要となります。このためには、レセプトの発生頻度に大きなばらつきが生じていないかなどを見ることが考えられます。神田局長は「神奈川県の2次医療圏別に胃がんに対する内視鏡手術のレセプト発生頻度(年齢・人口構成を補正)」を紹介しました。

 それによると川崎南部医療圏では全国平均よりも当該レセプトの発生頻度が極めて高く、県西医療圏や県南医療圏では逆に極めて低いことが分かりました。神田局長は、「疾病の発生状況が異なるのか、それとも医療提供体制に問題があるのかなどを分析してほしい。それが機能分化に関する話し合い(調整会議)の出発点である」と強調しています。

地域医療構想策定に当たっては、レセプト出現率などから「現在の医療提供体制の評価」を行うことも肝要

 機能分化を進めるにあたっては施設・設備の整備が必要なケースも出てくるため、厚労省は地域医療介護総合確保基金を都道府県に設置し、ここから財政的支援を行うことにしています。2015年度には医療分として904億円(病床機能分化・連携に454億円、在宅医療確保に65億円、医療従事者の確保・養成に385億円)が確保され、2016年度の予算案でも同額が計上されています。神田局長は「病床機能分化・連携に重点配分」する考えなどを示しています(関連記事はこちら)。

非営利HD型医療法人、来年4月から施行

 病床機能の分化・連携を推進するためのツールの1つとして、地域医療連携推進法人(いわゆる非営利ホールティングカンパニー型の医療法人)制度があります。

 これは、医療法人をはじめとした、病院・診療所・介護老人保健施設を開設する複数の非営利法人が参加して地域医療連携推進法人を設立し、地域医療の再編に向けた統一的な連携推進方針の下に、地域医療構想の実現に向けて医療・介護事業を推進する、というもので、昨年(2015年)の国会で成立した改正医療法の中に規定されたものです(関連記事はこちら)。

 この医療法改正では、このほかに次のような見直しが行われました(関連記事はこちら)。

▽医療法人のガバナンス強化(一定の医療法人では公認会計士による監査の実施など)

▽医療法法人の分割規定の整備

▽社会医療法人の認定要件などに関する見直し(社会医療法人の認定を取り消されても、一定の要件に該当する場合には、救急医療等確保事業に係る業務の継続的な実施計画を策定し、都道府県知事の認定を受けた場合には収益継続を可能とするなど)

 この改正法の施行について梅田審議官は、次のように2段構えとする考えを明らかにしています。

【医療法人のガバナンス強化、分割制度、社会医療法人の認定要件など】:今年(2016年)9月目途に施行(16年3-4月を目途に政省令などを公布)

【地域医療連携推進法人、外部監査など】:来年(2017年)4月目途に施行(16年10-12月を目途に政省令などを公布)


特定機能病院、今年10月から承認要件を見直し

 梅田審議官は(2)の医療安全対策に関連して、特定機能病院の承認要件見直しにも言及しました。

 大学附属病院(これも特定機能病院)で重大な医療事故が発生し、調査の過程で院内の医療安全に対するガバナンス体制が不十分であることが判明したことを受け、2015年4月に塩崎恭久厚生労働大臣をトップとする「大学附属病院等の医療安全確保に関するタスクフォース」が設置されました。そこでは、全国の大学病院などについて実地調査を行い、特定機能病院の内部統制を強化(医療安全担当副院長を医療安全管理責任者に就けるなど)するとともに、外部監査をするための監査委員会を設置することなどを提言しました(関連記事はこちら)。

特定機能病院において医療安全管理体制を強化(内部統制の強化、外部監査の強化)するとともに、医療法に「特定機能病院には高度な医療安全管理体制が求められる」旨の理念規定を置くことになった

 厚労省では、この提言を受けて特定機能病院の承認要件見直しに向けた検討を進めており、梅田審議官は「今年(2016年)4月を目途に必要な省令などの見直しを行い、10月を目途に施行する予定である」と説明しています。


 なお、梅田審議官は後発医薬品の使用状況には都道府県間で大きなばらつきがあることを指摘。その上で、「2017年央に70%以上、2018-20年度末までのなるべく早い時期に80%以上」という骨太方針で定められた新たな後発品使用目標の達成に向けて、▽市区町村または保健所単位レベルでの後発品使用促進に向けた協議会の設置・開催▽汎用後発品リストの作成―などに力を入れるよう都道府県担当者に要望しました。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/47884.html?src=catelink
病床機能報告、急性期が47.9%に増加- 厚労省、15年度の速報値
2016年01月19日 18時00分 キャリアブレイン

 厚生労働省は、19日に開催した「全国厚生労働関係部局長会議」で、2015年度の病床機能報告制度の結果(速報値)を発表した。病院や診療所が報告した現在の病床機能が急性期だった割合は47.9%で、前年度と比べて0.8ポイント高かった。【佐藤貴彦】

 病床機能報告制度は、医療機関の開設者などが年一回、自院の病棟が担っている現在の機能や将来担うつもりの機能などを、▽高度急性期▽急性期▽回復期▽慢性期-の4つから選んで都道府県に報告するもの。報告するのは一般病床と療養病床の機能で、精神病床などは含まれない。集まった情報は、団塊世代が75歳以上になる2025年に必要な病床数を機能ごとに準備するための現状把握などに用いられる。

 15年度の報告は、同制度が始まって2度目となる。速報値は、昨年12月2日までに集計作業を終えたもの。機能ごとの内訳は、高度急性期が16万7202床(14.2%)、急性期が56万1812床(47.9%)、回復期が12万1410床(10.3%)、慢性期が32万3236床(27.5%)だった。前年度と比べると、高度急性期(1.3ポイント減)と慢性期(1.1ポイント減)の割合が低下した。回復期は1.5ポイント増加していた。

 この結果について厚労省の担当者は、医療機関に昨年配布したマニュアルで、高度急性期や回復期を選ぶ基準を明確にしたことのほか、各都道府県で将来必要な病床数の推計作業が進んでいることなどが影響した可能性があると話している。

 報告の締め切りは原則、昨年10月末だが、まだ約2万床分の回答がないことなどから現在も受け付けている。



https://www.m3.com/news/iryoishin/392064
シリーズ: 真価問われる専門医改革
新専門医制、「がん」研修に支障も - 堀田知光・国立がん研究センター理事長に聞く
サブスペシャルティ「がん専門医」の位置付けも課題

2016年1月19日 (火)配信 聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

 2017年度の新専門医制度の開始まで1年強。その具体像が明らかになるにしたがい、幾つかの懸念の声が出ている。その一つが、がんなどの専門領域、疾患横断的な経験と知識が求められる領域の専門医のあり方だ。

 国立がん研究センターでは昨年6月に単独で、さらには12月に6つのナショナルセンターの合同で、日本専門医機構に対し、専門医制度に対する要望書を提出している。がん研究センターの専門医研修の現状も踏まえ、要望書の内容などを、理事長の堀田知光氏にお聞きした(インタビューは2016年1月12日に実施)。

――国立がん研究センターのレジデントの研修体制をお教えください。また新専門医制度により、どんな影響を受けるとお考えでしょうか。

 レジデントには正規と短期があり、いずれも条件は、臨床経験2年以上で、募集案内には「良性疾患を経験してから来てもらいたい」という旨を記載しています。正規は3年間のプログラムで、中央病院で年間30人程度、東病院で年間20人程度をそれぞれ採用。短期は希望により3カ月から2年間のプログラムで、中央病院では常時30人程度がいる状況です。

 (卒後2年間の)初期臨床研修は基本的な診療能力を身に付けることが目的なので、一般的な疾患を経験するために、研修医は大学から外に流れるのは当然でしょう。しかし、次の専門医研修のステップでは、各領域の専門的な技術、経験を積むために、大学が機能する必要があると考えています。実際に、2017年度からの新専門医制度では、大学や地域の中核病院などが基幹病院になり、研修施設群を構成することになるので、基本的な仕組みとしては悪くないと思います。

 ただし、オールジャパンに対するミッションを担うナショナルセンターの視点から見ると、研修施設群に縛られる制度では、幾つか困る点があります。

――具体的にはどんな点でしょうか。

 現状では、基本領域の良性疾患の専門医研修を一定程度終えて、その後にがん研究センターでがん領域の研修をすれば修了できるような医師が、3年間の正規レジデントとして来るケースが普通です。この点が新専門医制度でまず問題になり、正規レジデントの研修を受け入れにくくなることが想定されます。

 今回の新専門医制度では、研修プログラム制を採用し、研修施設群を構成することが求められます。がん研究センターの場合、がん診療に特化していますから、基本領域の専門医研修として基幹施設になれるのは、病理を含む限られた領域に限られるでしょう。病理の指導医は約20人おり、大学病院などよりも手厚く、がん研究センターで経験できない症例については、連携施設と組めば対応できます。

 しかし、それ以外の領域では、基幹施設となるのは難しい。例えば、内科の専門医研修では、循環器や呼吸器、消化器、神経などの良性疾患を幅広く経験する必要があり、がん研究センターが基幹施設になっても、多くの研修を連携施設に依頼することになり、現実的ではありません。一方、がん研究センターの短期レジデント研修を専門医研修の一部として認めてもらうためには、あらかじめ他の基幹施設の連携施設になる必要があり、研修の途中で、連携するプログラム施設群以外の専攻医が「このがんの分野を、がん研究センターで短期間でも勉強したい」と思った場合でも、そのニーズに対応できなくなるでしょう。

 また、正規レジデントの場合、過去5年の実績を見ると、卒後平均5.5年でレジデントのコースに入っています。したがって、2年間の初期研修を終えてすぐにがんセンターに来る医師は多くはないのですが、今後は基本領域の専門医取得後が基本となると想定されるため、正規レジデントの開始が若干遅くなる懸念もあります。

――6つのナショナルセンターでは、日本専門医機構に要望書を提出したとお聞きしています。

 2015年12月のことです。またがん研究センターでも6月に単独で、(1)研修体制が整っていれば、基幹施設として認める、(2)研修施設群を超えた研修も認める――ことを求める要望書を提出しています。

 新専門医制度では、「初期臨床研修の基幹型臨床研修病院の指定基準を満たす教育病院の水準」を持つことが基幹施設の条件。(1)は、がん研究センターでは初期臨床研修を実施していませんが、中央病院と東病院が、連携施設と組み、他の基幹施設の基準についても達成できる体制を確保している場合には、基本領域とサブスペシャルティ領域の基幹施設として認めてもらうための要望です。機構の回答は、「十分な研修プログラムが整っていれば認める」、つまり初期臨床研修の実施の有無だけで単純には判断せず、プログラム次第ということでした。

 (2)を要望したのは、やむを得ない理由以外は、研修施設群を超えた研修ができないとされているからです。この点については、機構から、現段階では明確な回答がありません。既に触れましたが、がん研究センターと連携する研修施設群に所属していないと、当センターでの基本領域の専門医研修に参画できない制度では、ナショナルセンターとしての役割が果たせないと懸念しています。全国から有為な人材を集めて、研修を行い、高度な専門性と研究マインドを持った専門医として、また全国に戻っていただき、医療の均てん化、日本全体の医療の質の向上に寄与するのが、ナショナルセンターの役割です。なお、我々のところでは、現時点で50くらいの基幹施設との連携に向けた検討を行っており、新専門医制度のプログラムが明らかにされるにつれてオファーの数は増加しています。各学会、専門医機構のプログラムとの整合性が取れるよう配慮しつつ、できる限り受け入れる予定です。

――サブスペシャルティをめぐる問題は。

 サブスペシャルティの研修については、基幹施設として取り組んでいきたいと思います。例えば、呼吸器内科の専門医を取得する場合、喘息などをはじめ幅広く研修することが求められますので、がん研究センターで自己完結する研修は難しい。しかし、がん以外の部分は、他の連携施設の研修と組み合わせれば、サブスペシャルティの専門医の研修は可能だと考えています。

 ただしその際、日本専門医機構が定めた「専門医制度整備指針(第1版)」において、専門医研修の施設認定基準として「初期臨床研修体制が整っているところ」と定められ、さらに、「基本領域とサブスペシャルティ領域の連動した研修」が明示され、実際各学会が示した研修プログラムにも色濃く反映されているところは懸念点です。そうなれば結果的に、「最初(初期臨床研修)から乗れなかったら、ずっと乗れなくなる」可能性が出てきます。

――サブスペシャルティの問題では、どのようにがん関連の専門医を位置付けるかについても課題です。日本専門医機構に、「未承認診療領域連絡協議会」のほか、アドホックな委員会として「がん診療の専門医に関する委員会」が設けられています。

 現在、がん関連の専門医としては「がん薬物療法専門医」がありますが、日本専門医機構のサブスペシャルティとしてはまだ認められていません。ただ機構で今後議論されるため、積極的に位置付けられる方向に向かっているのは事実です。そのほか、日本医学会や日本内科学会などからも要望が出ており、日本専門医機構もがん関連の専門医の重要性については認識していると思います。

 がん疾患は全ての診療科にわたり、横断的です。特定の診療領域のサブスペシャルティとして位置付けるのは難しい。また例えば、消化器外科の手術対象の多くががんであり、内科領域でも、血液内科では対象疾患の大半ががん。がんに特化した専門医を位置付ける必要性はあまりないとの意見もあるのは事実です。他のサブスペシャルティと並列で位置付けるのは難しいので、どの領域からも行ける「臨床腫瘍専門医」などが必要であると考えています。

――改めて基本的な点をお聞きしたいのですが、専門医制度をめぐる一連の見直しを受けて、専門医のレベルはどう変わるとお考えでしょうか。

 これまでの専門医制度は各学会の考えで、研修プログラムや専門医認定の方法、さらには専門医の質もバラバラだったのは事実です。新しい制度では、専門医試験自体は各学会が実施しますが、領域ごとに整備指針を作成し、研修施設群ごとの研修プログラムは第三者が認定する仕組みになりました。患者さんや国民にとって分かりやすい制度にすることが第一の目標なので、その点では一歩前進だと思います。

 ただし、繰り返しになりますが、研修プログラム制を導入した点が、我々としては引っかかるのです。プログラム制は、大学などの基幹施設が中心となり、関連施設を束ねて、研修施設群を構成するやり方。そこに専攻医を囲うことになるので、我々ナショナルセンターとしては少し動きにくいわけです。

――基幹施設が大学病院中心になり、地域医療への影響を懸念する声もあります。

 我々が基本領域の研修プログラムを作った場合でも、連携施設に一定期間、出す必要があります。その際に、連携施設での研修達成度をどう評価するかは難しい問題です。大学であれば、指導医を送るという機能を持っていますが、市中病院が基幹施設になった場合に、連携施設に対して、指導医を送る体力があるのかどうか。そうなると研修レベルが本当に保てるのか、という話になります。その意味では、指導医の派遣も含めて、ある程度、大学中心にならざるを得ない制度だと思います。ただ、それが旧来の医局制度、復活につながると見る向きもあるのでしょう。

 今回の見直しは、専門医制度の標準化を図るのが第一。第二に、今以上の医療崩壊につながらない配慮が求められます。今後、これらがどうなるかが注目されます。



http://digital.asahi.com/articles/ASJ1M4GW3J1MULBJ00C.html?_requesturl=articles%2FASJ1M4GW3J1MULBJ00C.html&rm=351
がん生存率、10年後は58% 3.5万人追跡調査
石塚広志
2016年1月20日00時02分 朝日新聞


主ながんの10年生存率
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 国立がん研究センターなどの研究グループは19日、がん患者を10年間追跡して集計した10年後の生存率を初めて公表した。全てのがんの10年生存率は58・2%で、5年生存率より5ポイント近く低かった。胃や大腸では5年生存率とほとんど変わらない一方、乳房や肝臓は5年後以降も下がり続けており、部位別の傾向が浮き彫りとなった。

 研究グループは一般的な5年生存率のほか、より長期の分析を進めており、全国規模の10年生存率が初めてまとまった。がんと診断された場合、治療でどのくらい生命を救えるかを示す国の指標となる。

 県立のがんセンターや国立病院機構など全国16のがん専門病院で、1999年から2002年に、がんと診断された約3万5千人を追跡した。初期から末期まですべての進行度合い(ステージ)が含まれている。

 ログイン前の続き主な部位別では、甲状腺の91%が最も高く、前立腺(84%)、子宮体がん(83%)、乳房(80%)と続いた。低いのは膵臓(すいぞう、4・9%)で、肝臓(15%)、胆囊(たんのう)胆道(20%)、食道(30%)と続いた。

 5大がん(胃、大腸、肝臓、肺、乳房)のうち、胃と大腸は5年生存率と比べて2ポイント前後しか変わらなかった。臨床現場では現在、5年間が治療や経過観察の目安とされており、それを裏付けた格好となった。

 一方、乳房の場合、5年生存率は9割近いが、5年後以降もほぼ同じ割合で生存率が下がる。集計した千葉県がんセンター研究所の三上春夫・がん予防センター部長は「何年経っても再発し、根治が難しいことを示している」と話した。

 肝臓は約3割の5年生存率が1割台に下がる。肝臓がんは慢性肝炎や肝硬変を経て発症することが多く、手術ができても再発率が高い。国立がん研究センターの若尾文彦・がん対策情報センター長は「最初のがんを治療しても、次々とがんが出てくる傾向がある」と説明した。乳房や肝臓などのがんでは、6年目以降も引き続き、経過観察する必要があるといえそうだ。

 ただ、調査の対象となったのは10年以上前にがんと診断された患者で、研究グループでは「医療の進歩で、現在の生存率は向上している」とする。国立がん研究センターの堀田知光理事長は「10年前は(治療効果が期待できる)抗体医薬や分子標的薬が出て間もなかった。今、診断された人の10年先の生存率はずいぶん変わっているだろう」と話している。

 集計結果は、全国がん(成人病)センター協議会のサイト(http://www.zengankyo.ncc.go.jp/)で見ることができる。(石塚広志)

     ◇

 《調査の詳細》 研究に参加した全国32のがん専門病院のうち、信頼性を担保するため患者数50人以上、追跡率90%以上などの条件を満たした岩手から大分までの16病院が対象。1999年から2002年に白血病などを除く計28種類のがんと初めて診断された3万5287人(5~94歳)を分析した。患者はがん以外の病気や事故などで亡くなる場合もあるため、がん以外の死亡の影響を補正した「相対生存率」で示している。


  1. 2016/01/20(水) 05:49:14|
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1月18日 

http://www.niigata-nippo.co.jp/life/medical/news/20160118229479.html
小国診療所 入院棟を3月末廃止へ
長岡市が方針 外来診療は継続

2016/01/18 15:21 新潟日報

 長岡市は15日までに、市小国診療所の入院棟(19床)を3月末で廃止する方針を決めた。医師不足が続く中で入院機能を維持することは常勤医の負担が大きく、新たな人材確保にも影響しかねないと判断した。外来診療はこれまで通り続ける。

 診療所は合併前の旧小国町時代に町営だったことから、今も市直営となっている。市によると、入院機能を維持するためには常勤医が必要だが、現在の常勤医は1人だけだ。

 市は医師派遣の全国組織などを通じて常勤医確保を模索してきた。しかし医師不足に加え、入院棟があることで常勤医は長時間拘束されるため、新たな医師を見つけられないでいた。現在の常勤医が体調不良で入院体制の維持が難しくなっており、財政面も考慮して2015年度での入院機能廃止を決めた。市は、地域の患者の入院は中心部の病院で対応できるとしている。

 入院棟は一般9床、療養10床。15日時点で11人(一般4人、療養7人)が入院している。診療所によると、療養病床の患者の家族には事情を説明し、ケアマネジャーらと今後の対応を相談している。一般病床では4月以降も入院が想定される患者はいないという。

 集落の代表者らには昨年12月に事情を説明。今後、16年度の診療体制が整ってから詳細について地域住民への周知を図る。集落総代連絡協議会の田中実雄会長(74)は「日常の医療を担う診療所の存続が大事。入院機能を廃止することで後任の医師が見つかる可能性も広がるので、やむを得ない」と話す。

 市健康課は「本年度内にも後任医師を確保したい」とする。診療所の藤田豊事務長は「地域の方には心配をかけないよう、医師確保など診療所存続に向け努力していく」と話す。

 市内では、JA県厚生連が16年度から栃尾郷病院の入院機能を廃止し、機能を縮小して存続させる方針を固めている。



http://www.igaku-shoin.co.jp/paperDetail.do?id=PA03158_03
The Genecialist Manifesto
ジェネシャリスト宣言 【第31回】 「ジェネラリストか,スペシャリストか」。二元論を乗り越え,“ジェネシャリスト”という新概念を提唱する。
番外編:イギリスの感染症専門医 後期研修カリキュラムのすごさ

岩田 健太郎(神戸大学大学院教授・感染症治療学/神戸大学医学部附属病院感染症内科)
週刊医学界新聞   第3158号 2016年01月18日

(前回からつづく)

 本稿執筆時点(2015年12月)で,日本内科学会の内科専門医制度改革の議論が喧しい。しかし,その議論は「内科専門医とはどういう医者で在るべきか」という理念やヴィジョンやプリンシプルの問題というより,「どこが基幹病院になるか」とか「どの病気を見るのを必須とすべきか」といった形式論に傾いているようにぼくには見える1)。本質よりも形式が先んじるのが日本医学界の典型的なやり方であり,これも例外ではないと思う。

 そもそもなぜ内科専門医制度は改革されねばならないのか? それは現在の内科専門医制度が,内科専門医の在るべき姿を反映していないからではないのか? では,在るべき内科専門医とはどういう存在なのか? それこそがヴィジョンである。ヴィジョンを現実化させるために行う行動原理がプリンシプルである。それが見えてこない。白洲次郎が何十年も前に指摘したように,この国にはいまだ「プリンシプルがない」のである。

  *

 さて,最近,友人のイギリス人医師に,彼の国の感染症専門医養成カリキュラムがどんなものなのかを教えてもらった。(自分が体験した)アメリカの事情ばかり見ていて,イギリスがどうなっているかなんてまったく顧慮していなかった。不明を恥じ入るばかりである。これが,すごいのである2)。

 イギリスでは感染症専門医のキャリアパスは細分化されている。まずはコアとなる2年間の臨床研修を受けた後,2年間の感染症コースや,3年間の一般内科とのコンバインド・コース(まさに“ジェネシャリ”!),あるいはさらに細分化された熱帯医学(3年間)のコースなど複数のパスウェイが存在する。

 しかし,驚くべきはその先である。専門医養成コースの目的は,「一般的な目的」と「専門的な目的」に二分されている。後者の「専門的な目的」には,各感染症の診療能力について記載されている。これは普通だ。驚くのは,前者である。「一般的な目的」には,「態度(attitude)」とか「コミュニケーション・スキル」「チームワーク」「リーダーシップ」「多職種連携チーム(multi-disciplinary team)」といったキーワードが並ぶ。診療(good medical practice)は4つのドメインに大別されており,それはそれぞれ,「知識,技術,パフォーマンス」「安全と質」「コミュニケーション,パートナーシップ,チームワーク」,そして「信頼を得続ける」である。

 その後,感染症専門医にとって必要な学習項目として,慢性疾患の対応,終末期医療への配慮,生涯学習,患者の安全,タイム・マネジメント,エビデンスやガイドラインの使い方,ヘルス・プロモーションや公衆衛生などの多種多様なアイテムが挙げられている。HIVについてはウイルス学や治療薬の話だけでなく,HIVに関するカウンセリングの知識,技術,態度など感染症のプロとして必須の,しかし日本ではほとんど教わらない項目が記載してある。イギリスがどのような人物を感染症専門医と呼びたいのか,その理念は98ページあるカリキュラム「Curriculum for Specialty Training in Infectious Diseases」から一目瞭然である。

  *

 申し訳ないけど,内科学会の2015年12月15日に公表されたカリキュラムでは,HIVなんて知識と症例経験(症例経験はなくてもよい)くらいしか記載がない。日本感染症学会のカリキュラムに至っては4ページしかなく,ほとんどが微生物と感染症名のリストにすぎない3)。どういう医者を育てたいのか,その理念もヴィジョンもカリキュラムからはまったく感じとれない。そういうものがあれば,の話だが。

 イギリスのカリキュラム。形式的には,これは感染症というサブスペシャリティの養成カリキュラムである。しかし,実際にはこれはまさにぼくがここで述べ続けている“ジェネシャリ”にほかならない。そこには総合性と専門性,全体性と部分性の見事な融合がある。もちろん,理念は理念にすぎず,現実にはいろいろあれやこれや,理念に合わないものも多々あることだろう。しかし,理念,ヴィジョン,プリンシプルがあって,けれども現実には足りていない場合と,そういうものが最初からない場合。立派なプロの医者が育つ可能性が高いのはどちらか,火を見るよりも明らかだろう。

 火を見るよりも明らかなのだから,日本の医者がやるべきはひとつである。イギリスなど,よりきちんとした専門医教育をやっている国から学べばよいのである。少なくとも,自分たちが劣っている部分は学ぶべきなのである。かつて明治時代に日本の高官たちが西欧に渡ってあらゆる事象を学んだように。

  *

 先日,ある講演会で一人の医者が言っていた。「自分は○○先生からなんとかという研究を教わった。臨床は教わらなくても,やっているうちにできるようになる」。

 これは一面には事実である。「やっているうちに」実験を完遂したり,論文を完成させるのは不可能であろう。一方,朝の採血から回診,検査や投薬のオーダー,各種の手技といった「行い」の面ではまさに「やっているうちに」自然に覚えることが可能だ。だから,1年も病棟に張り付いていれば,誰だって“医者っぽく振る舞うこと”ができるようになる。

 しかし,これは診療行為ではなく「診療ごっこ」にすぎない。わかる医者にはわかり,わからない医者には絶対にわからないだろうけれども,臨床医学はそんなに甘いものではない。それはほかならぬ,かつてのぼく自身への猛烈な反省から身に染みてわかっている。

 かつて,ぼくは基礎医学者を志していた。「基礎に進むにしても,バイトくらいはできなきゃな。ま,数年,研修を受ければ臨床くらいできるようになるだろう」と思って,市中病院での初期研修(当時は圧倒的に少数派だった)を受けたのである。そこで思い知ったのは――当たり前過ぎる事実で赤面の思いだけど――,数年のトレーニングで臨床はできるようにならない,という単純な事実である。「診療ごっこ」は,診療とは別物なのだ。

 ぼくが恥じ入りながら悟ったこの事実。しかしそれから長い時が経った今も,この「常識」は常識として共有されていない。ここが日本の立ち位置だ。その立ち位置の自覚から,在るべき専門医の姿は本来論じられるべきなのだ。

(つづく)

◆参考URL
1)日本内科学会ウェブサイト.新しい内科専門医制度に向けて.2015.
 <上記から各種資料ダウンロード可能>
2)General medical council.Infectious diseases curriculum.2015.
3)日本感染症学会ウェブサイト.感染症専門医制度専門医研修制度.2015.



http://www.igaku-shoin.co.jp/paperDetail.do?id=PA03158_02
【寄稿】
臨床試験の結果を臨床にどう反映させるか
米国の実地臨床および教育現場からの報告

島田 悠一(ハーバード大学医学部附属マサチューセッツ総合病院 循環器内科指導医)
週刊医学界新聞 > 第3158号 2016年01月18日

 臨床試験の結果が日々発表されるなか,そこで得られた知見を実地臨床にどう反映させるのかが課題となっています。同一の臨床上の疑問に対して複数の臨床試験の結果が食い違うことがある一方で,複数の臨床試験により科学的根拠が示されたにもかかわらず,その知見が臨床に反映されるまでに時間がかかるというEvidence-Practice Gapの存在も指摘されています。

論議を呼ぶ最新知見に対する米国医師の反応

 臨床試験の結果を受けて,どのくらい迅速にその内容を取り入れるかは,米国においても専門家によってかなり異なります。ここでは,実際の事例に基づいて考察してみます。

◆事例1:脂質異常症に対するスタチンの適応について
 ACC/AHA(米国心臓病学会/米国心臓協会)は脂質異常症の治療ガイドラインを2013年に改訂しました1)。この改訂に関してはいまだ賛否両論あるのですが,新しい点はLDLコレステロールの「目標値」という概念を捨てたことです。かわりに,個々の患者のリスクを同定後そのリスクに応じてスタチンを開始し,開始後はLDLコレステロール値によるスタチンの種類・用量の変更はしないというアプローチを推奨しています。このような方法を推奨するガイドラインは欧州にも日本にもなく,米国の他の学会のガイドラインとも異なるものです2)。さらに最近になって,特定の患者集団においてLDLコレステロールを70 mg/dLから50 mg/dL程度まで下げることによって付加的な心血管イベントの予防効果があるかもしれないことを示す大規模臨床試験IMPROVE-ITの結果が発表され,ACC/AHAガイドライン改訂に対してさらなる疑問を投げ掛けました3)。

 ガイドライン改訂と大規模臨床試験に対する臨床現場の反応はさまざまでした。IMPROVE-ITの結果を重んじ,ガイドラインの再改訂で「目標値」の概念が復活すると考えて「目標値」を50 mg/dLまで引き下げた診療をする医師がいる一方で,専門家が決めたガイドラインに非専門家は従うべきだとしてガイドラインどおりの治療を行う医師もいます。さらには,今回のガイドライン改訂は根拠が薄いため「目標値」に基づいた診療を引き続き行うが,IMPROVE-ITの結果は特定の患者集団にのみ有効なので一概に「目標値」を50 mg/dLまで引き下げることはしない,という同僚もいます。

◆事例2:高血圧の治療目標について
 2014年に改訂された米国の高血圧ガイドラインJNC 8では,60歳以上の患者に対しては降圧目標を収縮期血圧150 mmHgとすることを推奨しています4)。しかしながら最近になって大規模臨床試験SPRINTが発表され,収縮期血圧130 mmHg以上の高リスク非糖尿病患者において降圧目標を収縮期血圧120 mmHgとしたほうが140 mmHgにした場合に比べて心血管イベントや全死亡が減少したという結果が示されました5)。

 論文発表後まだ間もないこともあり,これが臨床現場にどう反映されていくのかはわかりません。しかし全体としては,SPRINTの結果を受け,「降圧目標150 mmHgはやはり高すぎるのではないか」という印象を持った医師が多く,60歳以上でも降圧目標を既に140 mmHg(またはそれ以下)に設定して診療している医師が実際に増えてきているように見受けられます。

  *

 この二つの事例に共通しているのは,臨床試験やガイドライン改訂の内容を把握することは前提として,さらに自分でそのデータの質や信頼性を解釈した上で最善の治療法を選択する医師が多いことです。さらに言えば,最新の知見をうのみにすることなく,批判的に吟味できるための知識と経験を,研修医のうちから身につけているとも言えます(註)。

批判的吟味の訓練を積み,論文を生涯読み続ける土台作り

 それでは,こうした知識と経験を身につけるために,米国ではどのような教育が行われているのでしょうか。卒後臨床研修および専門医制度におけるEBM教育について解説します。

◆卒後臨床研修:日々の教育的カンファを通じた論文情報入手と批判的吟味
 レジデンシー(初期臨床研修プログラム)教育においては,EBMが重視されます。一例として,初期研修医の週間スケジュールを図に示します。日常診療の中に,多岐にわたる教育的カンファがサンドイッチのように組み込まれています。米国の研修医はこれらのカンファを通じて,日頃から論文を読み,ガイドラインに親しみ,それらを批判的に吟味する訓練を繰り返します。そしてレジデンシーを修了するころには,(最新の臨床研究を含む)標準治療を踏まえた上で,個々の患者の価値観に応じて最適な治療法を選び出す能力が備わります。レジデンシー修了後のフェローシップ(専門医養成プログラム)では,さらに専門的な内容の臨床教育と教育的カンファが行われることになります。

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図 初期研修医の週間スケジュール(筆者の勤務する病院における一例)

  Teaching Round(毎日):前日の入院症例について教育担当医にプレゼンし,ベッドサイドで問診・診察をしながら指導を受ける。最後にその症例に関連したトピックについて講義を受ける。
  Noon Conference(毎日):研修医全員で昼食を取りながら最新の話題について講義を聞く。
  Morning Report(週2回):前日の新規入院症例のうち興味深い4例を科の全員の前でプレゼンして議論する。
  Grand Rounds(週1回):外部から講演者を招いて最新の話題を講義してもらう。
  EBM(週1回):どのように臨床に必要な論文を検索しそれを批判的に解釈するかを学ぶ。
  Journal Club(週1回):EBMで学んだ理論を実際の論文に応用して批判的に解釈する訓練を行う。
  Resident Report(週1回):入院経過において学ぶところの多かった症例をプレゼンし,過去の論文やガイドラインなどと照らし合わせて診療の改善点などについて議論する。

 なお,これら教育的カンファの質と量は,ACGME(卒後医学教育認可評議会)の監査によって一定水準に保たれています。こうして,レジデンシー/フェローシップの期間を通じ,最新の臨床研究に触れる機会には事欠かないのです。

◆専門医教育:資格更新のための勉強が知識をアップデートする機会に
 教育課程を修了し専門医試験に合格した医師が専門医を標榜し続けるためには,10年に一度,専門医資格を更新しなければいけません。専門医資格の更新のためには二つの条件を満たすことが必要です。一つは10年の間に資格保持のための講義(学会,講習会,オンライン講義)を受けて一定数以上の単位を取得すること,もう一つは専門医更新試験に合格することです。

 講習会では,新しい知見に絞って講義が行われることが多いため,最新の臨床試験の結果やガイドラインの改訂に関して専門家による解釈を含めて効率的に学ぶことができます。多忙な臨床医にとって負担が大きいのは確かですが,臨床試験の結果をタイムリーに学び,実地臨床に反映する機会を得ることができる機会でもあると思います。

  *

 米国では,初期研修医から専門医取得後に至るまで,生涯にわたり最新の臨床試験の結果やガイドラインに触れる機会が設けられ,そのための動機付けがされています。さらに,それらの結果を適切に解釈して臨床活動に反映できるよう,初期研修の段階から繰り返し訓練が行われています。

 このように臨床試験の結果が実地臨床へ迅速に反映されるための土台が形成されている,というのが米国の制度の特徴と言えます。この寄稿が皆さまのご理解を深めるための一助になれば幸いです。

註:筆者が大学病院で経験した内容をもとに記しているため,その他の施設では状況が異なるかもしれません。また,全てのトピックに関する最新情報を入手して吟味するのは現実的には難しいのも事実です。そのため,自分の専門分野の結果だけは最新の臨床研究の結果を吟味し,時にはガイドラインに反映される前でも結果を診療に反映させたり,ガイドラインに掲載されていてもあえてそれと異なった治療をしたりするけれども,専門外の分野はガイドラインに従って診療する,という医師も多いようです(米国は訴訟社会でもあるため,ガイドラインどおりでない診療をする場合にはその理由と根拠となる論文をしっかりカルテに記載することが必要になります)。

◆参考文献
1)J Am Coll Cardiol. 2014〔PMID: 24239923〕
2)Cardiol Clin. 2015〔PMID: 25939292〕
3)N Engl J Med. 2015〔PMID: 26039521〕
4)JAMA. 2014〔PMID: 24352797〕
5)N Engl J Med. 2015〔PMID: 26551272〕

しまだ・ゆういち氏
2007年東大医学部卒。国保旭中央病院,東大病院にて初期研修。08年よりベス・イスラエル病院にて内科研修医,主任研修医として勤務。12年よりハーバード大ブリガム・アンド・ウィメンズ病院循環器内科専門研修医。臨床研修の傍ら14年にジョンズ・ホプキンス大より公衆衛生学修士号を取得。15年より現職。Harvard Clinical Research Instituteにて臨床研究も行っている。



http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=129190
群大病院の術後死検証、49遺族が診療記録提供に同意
(2016年1月18日 読売新聞)

 群馬大学病院で手術後に患者の死亡が相次いだ問題で、第三者による調査委員会(委員長=上田裕一・奈良県総合医療センター総長)が17日、東京都内で開かれた。上田委員長は会議後の記者会見で、詳細な医学的検証の対象となる死亡患者51人のうち49人の遺族が調査のための診療記録提供に同意したことを明らかにした。検証を委託された日本外科学会は、カルテや画像などの提供資料を基に調査に着手する。

 同学会は、群馬大病院で2007年4月から8年間に消化器外科の手術後に死亡した51人について、診療経過を詳細に検証することにしている。上田委員長によると、49人の遺族がすでに同意して同学会への資料提供が始まっている。

 残る2遺族とはまだ連絡がついていないが、同意が取れ次第、提供するという。

 同学会の検証結果を踏まえ、今春にも調査委として報告書をまとめる。



http://www.qlifepro.com/news/20160118/industrial-vision-for-ten-years-13-japan-japan-drugs-around-the-world.html
【製薬協】10年後の産業ビジョン策定-日本発医薬品、世界の13%に
2016年01月18日 AM11:00   QLifePro / 薬事日報

日本製薬工業協会(製薬協)は、10年後となる2025年の製薬産業のあるべき姿を示した「産業ビジョン2015」を策定した。ビジョンでは、製薬企業が医療ビッグデータなどの活用を通じて革新的な新薬を創出し、グローバル展開へとつなげ、その結果として高付加価値産業として日本経済を牽引し、健康寿命延伸に貢献していくという方向性を示した。25年には日本発医薬品の世界市場での品目数シェアが10%から13%以上、個別化医療、先制医療の品目数が20%を占め、難病・稀少疾患治療薬の国内新薬承認数が過去5年比較で倍増するとの将来像を実現する。創薬の好循環を生み出し、国際競争力強化につなげる。

同ビジョンは、新薬開発成功確率の低下や研究開発費の高騰、グローバル化など製薬企業の事業リスク増大を背景に、日本発世界的新薬を生み出すため、製薬協で戦略的方向性を議論し、このほど策定した。ビジョンの具現化に向けて取り組むべき要素として、「先進創薬で次世代医療を牽引する」「世界80億人に革新的な医薬品を届ける」「高付加価値産業として日本経済をリードする」「健康先進国の実現を支援する」「志高き信頼される産業となる」の五つを示した。

多田正世会長は、15日に都内で記者会見し、「日本市場だけで製薬企業が生き残ることが難しくなり、グローバル展開が企業として生き残るファクターになる」と強調。その上で、「製薬協に加盟する製薬企業を見ても、海外展開は限定的で地球上の人々に届いているとは言えない。25年にはそれが実現できるようにしたい」と語った。

特に最初のステップである先進創薬が大きな課題と位置づける。遺伝情報などの個人情報や疫学情報をもとに、疾患発症前に診断や効果・安全性を予測し、予防・先制医療を行う(P4医療)の概念に、既存技術を高度化・融合させ、個別化医療や患者参加型医療のイノベーションを生み出す「P4+1医療」の新たな概念を提唱した。

「P4+1医療」の実現に向けては、全国民の健康・医療データを集積した医療ビッグデータを創薬に有効活用するためのデータベース構築や、産学官連携による創薬生産性向上、業界内連携・多職種連携による創薬技術とノウハウの融合に積極的に取り組む必要性を指摘し、「世界最高レベルの創薬力を獲得する」との目標を掲げた。さらに、世界最高レベルの治験実施体制の構築や薬事承認制度の充実、研究開発を促進する税制に関する提言を行っていく。

ビジョン2では、自ら創出した革新的な新薬を、25年時点の世界人口として予測される80億人に届けていく。革新的な医薬品の創出、グローバル展開を推し進め、第3段階の「高付加価値産業として日本経済をリードする」ビジョンを実現するという流れだ。

厚生労働省が定めた「医薬品産業総合強化戦略」では、グローバル展開できる革新的な新薬を要求し、製薬企業に対してM&Aによる規模拡大を促す強いメッセージが記載されていたが、今回のビジョンでは「製薬企業はステークホルダーの意向を踏まえつつ自ら最適解を求め、決断していく」にとどまっている。

多田氏も「規模が大きくなれば新薬を生み出すことができるわけではないし、それは各企業が決めるべきこと。今回、方向性を示したので、各企業が具体化する上で、経営者が考えていくと思う」と述べた。



http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=129186
「患者申出療養制度」4月から…「新薬いち早く」課題と懸念
(2016年1月18日 読売新聞)

計画書作成に手間取る? 薬代は全額自己負担

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 今年4月、国内では承認されていない抗がん剤などを保険診療と併せて使える「患者申出療養制度」がスタートする。患者が望む新薬をいち早く使えるようにするのが狙いだが、「治療費が高すぎて利用できない」など患者団体から懸念の声も上がっている。

 ◇「先進医療」を拡大

 風邪などで病院に行き、保険証を提示する保険診療では、患者は医療費の一部(1~3割)を負担するだけで済む。ところが、保険外の治療を一緒に利用しようとすると、本来なら保険が利くはずの診察費や入院費までも全額が自己負担になってしまう。

 ただし、国は一部の例外を認めており、保険診療には保険を適用して負担を軽減させながら、保険外の医療を自己負担で受けることができる。代表的なものが「先進医療」だ。現在、重粒子線を使ったがん治療、目の中にレンズを埋め込む水晶体再建術など95種類が認められ、昨年度は全国571の医療機関で2万3925人が利用した。

 新制度は、この枠組みの拡大を目指す安倍政権が新たに創設したものだ。

 ◇まず医師に相談

 先進医療との違いは〈1〉患者自身の申し出がスタートになる〈2〉審査期間が大幅に短くなる――の2点だ。

 先進医療は、医療機関が申請者で、受けられる施設の数も限られていた。また、申請してから承認されるまでの期間も3~6か月かかっていた。

 新制度では、患者本人が「この薬や技術を使いたい」と地域のかかりつけ医などに相談することが起点となる。その後、臨床研究中核病院(中核病院)が申請書類を作成し、国に提出する。現在、中核病院には、東北大、国立がん研究センター中央病院、同東病院、大阪大の4か所が指定されている。

 国内で前例がない治療の場合は6週間で、前例がある場合は2週間で審査を行う。難易度の高い治療は中核病院などで行うが、国内である程度症例が蓄積した後は身近な医療機関でも行えるようにする。

 ◇三つの大きな誤解

 しかし、制度をめぐる大きな誤解もある。「どんな薬や技術でも使える」「すぐに治療を受けられる」「患者負担は小さい」という3点だ。

 まず、対象となる治療は〈1〉欧米先進国で承認されている〈2〉国内でも将来的に保険適用を目指す――ことが条件となる。怪しげな薬や技術が横行して、国民の健康や生命を害することがないようにするためだ。

 審査期間が短縮されるとはいえ、前例がない治療法の場合、中核病院が申請書類を作るのに時間がかかる可能性もある。国立がん研究センター中央病院の藤原康弘副院長は「まったく初めての治療法の場合、海外の製薬企業からの情報収集、計画書の作成などに半年近くかかることもある」と指摘する。

 そのため、同病院は昨年12月から、申し出の可能性がありそうな、海外で承認済みで国内未承認の抗がん剤4、5種類に狙いを定めて、情報収集を始めた。

 ◇月1900万円の薬も

 一番大きな問題は患者の医療費の負担だ。

 「我々が望むのは必要な治療が一日でも早く保険適用され、安心して受けられること」「未承認薬を全部『自腹』でということにならないか」。昨年9月、参院議員会館で開かれたこの制度について話し合う会議で、難病やがんなどの患者団体の代表が強い懸念を表明した。

 未承認薬には非常に高価なものが多い。国立がん研究センターが昨年7月末、欧米で承認されたが国内未承認の抗がん剤42種類を使った場合の1か月の薬代を推計したところ、骨肉腫に使われる「ミファムルチド」は1900万円、前立腺がんの「シプリューセルT」は930万円、急性リンパ性白血病の「ブリナツモマブ」は725万円。1か月の薬代が300万円を超えるものが8種類、100万円超では23種類、50万円超は32種類にも上った。

 仮に患者申出療養制度の対象になっても、薬代は全額自己負担になる。

 全国がん患者団体連合会の天野慎介理事長は「金の切れ目が命の切れ目になってはならない。安全で有効な治療は迅速に保険適用するような仕組みが必須だ」と指摘する。(竹井陽平)



https://www.m3.com/news/general/391709?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD160118&dcf_doctor=true&mc.l=139829233&eml=3f492a08f1681d66441569ec02c0b51e
米で内視鏡4400台修理 耐性菌対策でオリンパス
2016年1月18日 (月)配信  共同通信社

 【ニューヨーク共同】米食品医薬品局(FDA)は15日、米国の病院で薬剤耐性菌感染の原因となったオリンパスの内視鏡について、設計変更など再発防止策を承認したと発表した。同社は米国で使用されている約4400台をことし8月までに修理する。

 問題の内視鏡は十二指腸用。構造が複雑で洗浄しにくく、耐性菌感染の原因になったとされる。オリンパスはこれまで、洗浄と消毒に関するマニュアルを改良するなどの対応を進めてきた。

 FDAは医療機関に対して修理前でも使用を続けても良いとしているが、新しいマニュアルに注意深く従うことを求めている。



https://www.m3.com/news/general/391707
「乳がん見落とし」と提訴 市立病院に650万円求め
2016年1月18日 (月)配信 共同通信社

 検体の採取ミスで乳がんの発見が遅れ、右乳房の全摘出を余儀なくされたとして、大阪府の女性(48)が15日、同府和泉市立病院を運営する徳洲会と医師らに650万円の損害賠償を求める訴訟を大阪地裁に起こした。

 訴えによると、女性は2014年4月、右乳房にしこりを感じて市立病院を受診。エコー検査でがんの疑いがあるとされたが、採取した検体が良性だったため約3カ月半の経過観察となった。

 約1カ月半後、しこりが大きくなったと感じた女性が再受診し、乳がんと診断された。医師は「前回良性だったのは採取用の針が正しく刺さっていなかったのだろう」と説明。女性は別の病院で右乳房を全摘出した。

 初診時に約2センチの大きさだった腫瘍は約2カ月で約5センチに拡大。女性側は「採取ミスや誤診のため、乳房を残す温存療法ができなくなり、生存率も低下した」と主張し、慰謝料などを求めている。徳洲会側は「担当者不在のためコメントできない」としている。



https://www.m3.com/news/general/391778
【群馬】民間救急車 期待と不安 緊急外の搬送で消防負担減 事業参入増法整備が課題
2016年1月18日 (月)配信 毎日新聞社

 救急車の出動件数が増加するなか、緊急性の低い傷病者を搬送する「民間救急サービス」が注目されている。国と消防の認可を受け、搭乗した看護師が患者に点滴や酸素吸入を施しながら移動する。救急現場の負担解消が期待される一方、安全性を不安視する声もある。【杉直樹】

 2014年の全国の救急出動件数は過去最多の約598万件。県内でも約8万8400件で過去最多を更新した。県内に配備されている救急車は、ここ5年間は百数台のままで、現場の負担感は増えている。

 県危機管理室によると、13年は搬送者8万人余のうち緊急性の低い軽症者は約46%で、病院間の移動患者も約9%を占めた。計算上は半数余が緊急搬送以外の患者ということになる。たかさき消防共同指令センターの担当者は「緊急性が疑われる場合は、ためらわずに119番してほしい」と前置きした上で、「要請を受けても、救急車が1台もない時がある。現場から現場へ直行するなどして、やりくりしている。緊急性が低い要請が減れば、現場の負担も確実に減る」と話す。

 「スター交通」(大泉町)は11年、民間救急サービス需要が高まると見込み、事業参入した。救急車と同水準の医療器具を備えた専用車を導入し、スタッフには救急法講習の修了と介護資格の取得を義務づけている。看護師も雇用し、必要に応じて搭乗させている。利用料金は運賃と介助料の合算で、走行距離や時間に応じて料金が加算される。碓氷浩敬社長は「民間救急車の認知度はまだ低いが、病院間移送を中心に利用者が徐々に増えている。将来、行政と民間が患者の救急度に応じて、仕事を分担するようになれば、消防の負担が減る」と話す。

 ただ、現行法制下では、緊急性のない傷病者を搬送する「民間救急車」は緊急車両に分類されず、サイレンや赤色灯を用いた優先走行はできない。前橋市の男性(65)は「一見軽症でも後に重大な病気につながる場合もあるはず。事態が急変した場合の備えは十分なのか」と不安視する。

 民間救急サービスを行う全国の事業者でつくる「全民救患者搬送協会」の担当者は「加盟業者以外にも事業者は乱立している。加盟していない業者の中には乗務員教育などを受けていないまま運行している話も聞く。法制度の整備が求められる」と指摘した。



https://www.m3.com/news/general/391389
【埼玉】JA県厚生連、熊谷・久喜2病院売却へ 雇用、診療は維持
2016年1月18日 (月)配信 毎日新聞社

 県厚生農業協同組合連合会(JA県厚生連)は15日、運営する熊谷総合病院(熊谷市中西)と久喜総合病院(久喜市上早見)を売却すると発表した。両病院は診療報酬の改定や消費増税を背景に2010年以降、赤字経営が常態化し、今年度から譲渡を検討していたという。売却額や赤字額は明らかにしていない。

 同連合会によると、熊谷総合病院は社会医療法人「北斗」(北海道帯広市)が新たに県内に設立する医療法人に、久喜総合病院は一般社団法人「巨樹の会」(佐賀県武雄市)にそれぞれ4月末までをめどに売却される。両病院ともそれぞれ約300の病床を持ち、医師ら約500人のスタッフが在籍している。2病院で受診患者は年間約23万人、入院患者は年間約13万人。共に地域の中核病院として機能してきた。

 売却に伴い、両病院のスタッフはそれぞれ新法人の職員として再雇用される。売却および経営譲渡の時期は両法人と協議中で、受診態勢は現状を維持するという。今回の両病院売却で同連合会は所有する全医療機関を譲渡することになり、今後は解散も含めて検討していくという。

 同連合会の大野郁夫専務理事は「5年後、10年後まで地域医療を継続していくため、抜本的な改善が必要だと考えて決断した」と話した。【木村敦彦】



http://www.caretomo.com/carenews/5414
療養病床 新たな施設に向けて動き出す
2016-01-18 04:15 けあNews-

外付け型と内包型

厚生労働省は高齢者が長期にわたって入院する「療養病床」の廃止に伴う代替案として、新たに「医療外付け型」と「医療内包型」の2種類の施設を創設する案を15日発表した。


「医療外付け型」(併設型)は比較的安定している患者向けで、医療機関内に居住スペースを併設して医師や看護師が訪問診療を行う。「医療内包型」(一体型)は比較的医療の必要性の高い患者向けで、医師や看護師が常駐する。

どちらも日常的に医療や介護サービスを行うとともに、終末期の緩和治療や「看取り」ケアにも対応する。

これまでは医療保険を使う医療型と介護保険を使う介護型に分かれていたが、介護型療養病床の患者は医療の必要性が比較的低くても退院先が見つからず長期にわたって入院することが問題視されていた。

最期まで暮らせる場所として

政府は医療費削減のために、医療型の一部と介護型を2011年度末で廃止して既存の施設に転院してもらう予定だったが、思うように移行が進まず、期限を2017年度末まで延期したいきさつがある。

移行が進まなかったのは、退院後に行き場を失う患者が増えることが懸念されたこと、療養病床の患者の中には高度な医療が必要で既存の施設では対応出来ない事情もあったこと、医療機関側も費用や転換後の経営不安があったことなどがあげられる。

このため新施設は従来の介護施設より医療体制が手厚くたん吸引などの日常的医学管理が出来ることや、ターミナルケア、看取りも出来て最期まで暮らせる場所としてスタートすることで、移行を促すことにしている。

今後は社会保障審議会で検討して2017年の通常国会へ関連法案を提出し具体案を煮詰めていく方針である。

▼外部リンク
厚労省 第7回療養病床の在り方等に関する検討会
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000109350.html



http://www.sankeibiz.jp/macro/news/160118/mca1601180500008-n1.htm
在宅介護に空き家を活用 政府、病床不足解消へインフラ整備
2016.1.18 06:24 Sankei Biz

 政府は17日、首都圏を中心に空き家を活用した在宅介護・医療のインフラを整備する方針を固めた。空き家の在宅介護対応住宅への転用を促し、要介護者を24時間見守れるようにICT(情報通信技術)を使った高度医療システムの導入なども支援する。将来的に懸念される首都圏の病床不足に対応するため、在宅介護・医療の負担軽減と普及を促す狙いだ。

 在宅介護に適した住宅に転用した空き家では、自治体や民間企業、医療機関などとも連携。医師や看護師、介護士間で情報を共有できるようICTを活用した最新の医療システムの試験運用なども行う。利用者が可能な限り自立した生活を送ることができるように家族との長期間の同居や、介護する家族が対応できない際の短期間の宿泊施設としての利用など、ニーズに合った複数のサービスに対応できるよう配慮する。

 また、ICTを活用した在宅介護システムの開発や、既存の介護施設や要介護者のいる家庭へのシステム導入などにかかる費用の一部を補助する支援対策も実施する。

 こうしたインフラ整備を進めて、介護者の負担軽減を促すことで安倍晋三首相が目指す「1億総活躍」に向けた「介護離職ゼロ」につなげたい考えだ。事業は厚生労働省や国土交通省、経済産業省が連携して行い、早ければ2016年度補正予算に事業費の一部を盛り込む。

 総務省によると、13年の全国の空き家率は13.5%。東京都も11.1%に達しており、空き家は首都圏でも増えている。今回の事業により「空き家の有効活用を促すとともに、空き家解消にもつながる」(政府関係者)とのメリットも期待する。

 政府の試算では、13年の既存病床数と比較すると、25年には埼玉、千葉、東京、神奈川、大阪の大都市圏で病床数が不足すると推計される。

 さらに、30年には約160万人の死亡者のうち約47万人が死に場所の定まらない「看取(みと)り難民」になると予測されており、在宅介護・医療の普及に向けたインフラ整備が求められている。



https://www.m3.com/news/general/391704?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD160118&dcf_doctor=true&mc.l=139829238&eml=3f492a08f1681d66441569ec02c0b51e
削減方針に懸念も 受け皿施設の詳細未定 療養病床再編
2016年1月18日 (月)配信 共同通信社

 厚生労働省の検討会は15日、療養病床の再編方針を打ち出した。2017年度末までに約14万床を削減。入院中の高齢者が「医療・介護難民」とならないよう、新たな受け皿施設案をまとめた。だが患者の費用負担など新施設の詳細は未定で、議論が本格化するのはこれからだ。入院患者や病院経営者は懸念も示す。

 ▽不安

 「国は少しでも医療費を減らしたいのだと思うけど...」。浜松市の湖東病院に入院中の小山節子(こやま・せつこ)さん(75)は不安げだ。

 買い物中に脳梗塞となり、搬送先の病院で治療後、転院してきて2年近く。左半身のまひで立ち上がれずリハビリを続ける。夫も高齢のため自宅で暮らすのは難しい。「ここがなくなると本当に困る」

 同病院には、国が17年度末に廃止するとしている介護型の療養病床が169床ある。脳血管障害や認知症などで在宅療養が困難な地元の高齢者の受け皿となっている。

 地域によってばらつきはあるが、療養病床は医療型を含め全国で約33万床に上る。こうした現状から、日本医師会や病院団体は「現行制度の維持を第一選択肢とすべきだ」との立場を取る。

 ▽曲折

 療養病床をめぐる歴史は曲折した。1970年代には「老人病院」と呼ばれ、一部病院の劣悪なケアが批判された。2006年、治療の必要性が低い患者の「社会的入院」を減らして医療費を抑えようと、自公政権は療養病床の大半を11年度末で廃止すると決定。リハビリで在宅復帰を目指す老人保健施設(老健)へ転換するよう求めた。

 だが運営側の報酬が減ることもあって転換は進まず、民主党政権が11年に廃止期限を17年度末まで延長した。

 湖東病院では政府方針を受け、約3年前に60床を老健に転換。渡り廊下でつながった建物内で療養病床と老健が併設され、ともに高齢者の療養場所となっている。運営する猿原孝行(さるはら・たかゆき)理事長(70)は「老健転換で報酬は減ったが医療職が少なくて済み人件費が減った。人手確保に追われる心配もない」と利点を挙げる。

 ▽選択肢

 ただ、こうしたケースは少数にとどまる。このため厚労省は今回、運営側にとって魅力的な転換先をつくろうと、医療機関と居住スペースを併設する「医療外付型」など新たな施設案を示した。

 猿原氏は「医療機関と住宅が同じ敷地内にあれば国民は受け入れやすいのでは。入院に比べ過剰な治療もなくなって良い」と肯定的だ。患者の費用負担も「軽くなるのではないか」(日本慢性期医療協会の関係者)との見方が出ている。

 今回の廃止対象でない病院も施設案を注視する。看護師の配置が手厚い医療型療養病床を運営する富家病院(埼玉県ふじみ野市)の富家隆樹(ふけ・たかき)理事長(48)は、選択肢が増えたことを歓迎しつつも「新施設の目的は高齢者のみとりなのか、特別養護老人ホームの待機者を減らすためなのか。どんな症状の患者を想定しているのかも明確にしてほしい」と注文を付ける。

 元財務官僚で、厚労省出向中に06年の療養病床削減計画に関わった山形大大学院の村上正泰(むらかみ・まさやす)教授(41)=医療政策学=は「老健への転換には無理があったが、今回は議論が丁寧で、施設案は患者・利用者のニーズに対応できる」と評価。その上で、所得が低い高齢者には費用負担の面で配慮が必要だと指摘した。



https://www.m3.com/news/general/391386?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD160118&mc.l=139829255&eml=3f492a08f1681d66441569ec02c0b51e
3種混合ワクチン接種後に重い障害、因果関係「否定できぬ」 千葉県、医療費不支給取り消す
2016年1月18日 (月)配信 毎日新聞社

 3種混合ワクチンを接種後に急性脳症を患い、重い障害が残った県内の男児(9)について、県は15日、接種と障害の因果関係が「否定できない」として、県市町村総合事務組合が出した国の救済制度に基づく医療費などの不支給決定を取り消したと発表した。国が改めて因果関係を審査するが、同様のケースで不支給となった例はなく、逆転で救済される可能性が高い。

 県疾病対策課によると、男児は生後5カ月だった2006年12月に3種混合ワクチンを接種し、8日後に急性脳症を発症した。日常生活に支障をきたす身体障害者手帳1級の障害が残ったため、国の「予防接種健康被害救済制度」に基づき、12年7月に医療費などの給付を申請した。しかし、医師らで作る厚生労働省の疾病・障害認定審査会は「予防接種との因果関係を否定する論拠がある」と意見し、同省も因果関係を否認したため、支給業務を取り扱う県市町村総合事務組合が不支給を決定した。

 男児と保護者は不支給決定を「承服しがたい」として、14年2月に県に審査請求を申し立てた。県はカルテや検査データを基に医師3人による鑑定などを行い、今月12日、「因果関係が否定できない」と結論付け、不支給を取り消す裁決を出した。千葉県が同ワクチン接種に伴う不支給決定を取り消すのは初めて。

 今後、因果関係を認定するかどうかもう1度、国が審査するが、厚労省予防接種室は「自治体が不支給を取り消した後、国が因果関係を認めず、再度不支給とした事例はない」としている。【金森崇之】



https://www.mixonline.jp/Article/tabid/55/artid/53601/Default.aspx
日本医療機能評価機構 誤った患者への輸血で注意呼びかけ 照合システム使用でもミス
2016/01/19 03:51 ミクスオンライン

日本医療機能評価機構は1月15日に発表した「医療安全情報」No.110で、2007年7月1日~2015年11月30日までの8年5カ月に誤った患者への輸血が13件確認されたとして、医療従事者に注意を呼びかけた。患者と使用すべき製剤の照合を行う認証システムを使用したケースでも8件のミスがあった。機構は対策として ▽患者と製剤の照合は、投与直前に患者のそばで行う ▽認証システムにエラーやアラートが出た際は、手を止めて原因を確認する--ことを示した。

認証システムを使用してミスが起きた背景も取り上げた。
▽患者から離れた場所で認証システムを使用し、別の患者のところに製剤を持っていった(3件)
▽認証システム使用後に製剤を保冷庫に保管し、投与する際に別の患者の製剤を取り出した(2件)
▽認証システムに血液型が異なるというエラー表示が出たが、機械の故障と判断した(1件)
▽認証システムの画面が進まない理由を、医師の指示に問題があると判断した(1件)
▽投与開始後に認証システムを使用した(1件)
  1. 2016/01/19(火) 05:59:57|
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1月17日 

http://news.ameba.jp/20160117-499/
【医療現場のウソとホント】第3回:当直って、どんな感じですか?
2016年01月17日 16時00分  Doctors Me

 体調を崩してしまったときに夜遅くでも朝早くでも、病棟を備えた医療機関の救急外来を受診すると、お医者さんが必ず現れます。症状の専門科ではなくても応急処置を行ってくれたり、翌日の各科受診についてアドバイスをくれたりと、当直医は時間外診療を支える重要な存在です。

 今回はこの「当直医」についてお話します。

法律で定められていること

 医療に関わる法律では、応召(おうしょう)義務といって正当な理由なく医師は診察治療を拒んでいけない[医師法 第19条]とか、入院設備を持つ場合は医師が毎日宿直しなければいけない[医療法 第16条]と決められています。眠そうな目をこすりながらお医者さんが時間外に現れたときは、これらの法律に則った当直勤務をしているのです。

 私も数年前まで各病院で内科系の当直勤務(あるいは、宿日直勤務とも呼ばれます)を続けていたのですが、真夜中や早朝であってもきちんと診療しなければいけない責務を感じる日々でした。疲れたとか眠いという医師個人の事情は法的に無意味ですから、文字通りの”不眠不休”を乗り越えなければなりません。

学生時代に気がついた当直の過酷さ

 私にとって初めての当直は、医学部生の臨床実習でした。6年間の学生生活では、後半2年間に大学病院を含む近隣の医療機関に赴き、医師の指導を受けながら泊まり込みでグループ実習を行うのです。

 当直は夕方に開始ですが、当日も朝から通常勤務をしているのが日本では普通です。医学部生として初の当直突入に際しても、朝からこれといった大きな変化があるわけでもなく、なんだか拍子抜けしました。
しかし、まもなく家に帰れない事態(院内で働きつづける)の重大さに気がつきました。当直中の医師には、プライベートな休憩時間がありません。トイレに行きたい、お風呂に入りたいといった欲求は、患者さんのご事情より後回しにしなければいけないのです。先輩医師の奮闘ぶりを目撃しながら、これが人生の中で何を意味するか、懸命に理解しようとしました。「どうやら、私たちは大変な職業に就くらしい…」と感じるばかりでした。

 サイレンを鳴らしながら救急車が次々と到着する中でも、先輩医師はテキパキと看護師に処置を指示し、各スタッフと連携しながら診察をこなしていきます。救急室前のソファには何名もの患者さんが黙って待っており、医師に診てもらうまで我慢しているのです。混雑した時間外の外来だけでなく、入院病棟からも次々と連絡が入り、医師は病室まで駆け足で移動していきます。「医師とは走る職業なのか」と驚いたのが、私の人生にとっての”当直開始”でした。

安心安全な医療を支えている

 2001年に医師国家試験に合格し、新米医師になってからも、各科でのローテーション研修に当直がありました。内科系では緊急の内視鏡治療やカテーテル検査を経験し、外科系では真夜中の緊急手術。産婦人科では急な分娩や帝王切開手術などを先輩医師と一緒にこなし、救命救急センターでは交通事故や火災などの患者さんを診てきました。

 2004年からは医師全員に初期臨床研修(2年間)が義務化されたので、現在の新米医師は私も経験したように、各科の特色ある当直をこなしています。回数は数日から週に1回程度が多いようですが、朝から勤務開始をして夜通し働き、翌朝以降も昼から夜まで連続して働きつづける過酷さは変わりません。
私はこうした当直を「36時間勤務」と勝手に呼んでいましたが、夜中に少し仮眠できたとしても、救急対応への準備は欠かせず、白衣を着たままの緊張感からは解放されません。腕時計を眺めながら、12時間目、24時間目、30時間目と数えている自分は、やはり大変な職業に就いてしまったと率直に感じました。

 けれども、夜間に診察や緊急治療ができる当直勤務が実施されているからこそ、日本の医療は安心安全なのです。近所に入院病棟があれば医師が当直していると分かりますし、日中と変わらない高度な医療体制を維持している場合もあります。交代勤務の看護師や薬剤師、各技師や事務員も含めて、当直時間帯は献身的な医療スタッフによって今日も支えられています。

ハードワークの危険性もある

 ただし、心身の消耗を起こしやすい当直勤務を続けることで、医師に深刻な過労をもたらして、医療ミスを誘発する不安はぬぐえません。午前10時でも翌日深夜2時でも、同じ水準の診察と決断を求められる大変さは、実際に経験している医師でないと説明しにくいものです。医療機関によっては医師が中年に達すると当直免除となりますが、これは若い医師が当直を引き継いでくれるから可能です。地方によっては慢性的な医師不足が解消せず、高齢医師でも免除されずに、当直医の順番も組みにくい事態が起きています。

 もちろん、当直勤務を担当していない医師も日中の診療に大きな責任を負って働いています。人命に関わる判断を行う重圧は職業の宿命ですし、残業で夜遅くまで勤務している医師(当直医と医局で一緒にいたりする)も少なくない。過労死の一歩手前で働いていたとしても「あの先生は仕事熱心で、頼りになる良い先生だ」と評価されてしまえば、真面目な医師は逃げ道が閉ざされてしまうこともあります。

 お医者さんたちが夜遅くでも当直している光景は、決して当たり前ではなく、各自の懸命な努力によって維持されているのが、日本の実情です。

ワンポイントアドバイス
 夜の救急外来のほうが空いているとか、平日は忙しくて…といった理由で受診し、当直医の限られた労力を誰かが使ってしまうと、当直時間帯の治療が破綻してしまうのは当然です。お医者さんも人間ですから、空腹や眠気を感じるわけで、やむを得ない症状以外で当直医を尋ねるのは、できるだけ避けた方がいいでしょう。

 もちろん、当直医は我が身を削って診療しているだけでなく、治療が必要な皆さんの受け入れ準備を整えようと夜間も努力しています。でも利用される皆さんのちょっとした配慮によって、当直医の自由時間が少し増えるだけで、もっと余裕を持って診療できるようになるのです。気になる症状があれば、なるべく平日の日中に時間を作って各科を受診したり、各自治体の救急相談センターなどを利用してみることも必要です。
 
「当直は、どんな感じですか?
 その答えは、何年も訓練した技能を発揮しつつ、眠気や疲労と戦いながら全国の医療を支えている感じ。さらに言えば、医学部生時代からの忍耐と根性をもって、それぞれのご病状と勝負している感覚。私たちの脳裏にうかぶ当直中の光景は、各医師が独自に磨き上げている治療実績そのものです。

とはいえ、お医者さんにも心身の限界があり、日常生活があり、家族も恋人もいるわけで、皆さんと何も変わりません。多忙で余裕がない様子であれば、少しのお気遣いだけでも、当直中のお医者さんは助けられます。
 そして本当に困ったときは、遠慮なく頼っていただければ良いのです。質の高い医療の存続は、患者さんのご配慮とご協力あってこそ可能だと私は思います。

          ~医師・医薬コンサルタント:宮本 研~



http://www.j-cast.com/healthcare/2016/01/17255543.html
医学界は男性優位と若手医師が「立証」 「権威の象徴」とされた顔の特徴は
2016/1/17 18:00 J-CAST News

医師の世界は、保守的な男性優位で、女性の進出を阻んでいる。その証拠に、大学医学部の指導教官は「権威の象徴」として口ひげを生やしている人物が幅を利かせ、その数は女性教官より多いというユニークな研究が、英医学誌「ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル」(電子版)の2015年12月24日号に発表された。

同誌は毎年、変わった研究をクリスマス号に載せることで知られる。発表したのは米ペンシルバニア大学医学部の若手医師のグループだ。

「口ひげ」指数が高いのは、患者を支配下に置く精神科

研究グループは、大学医学部に占める指導的立場の教官(医師)の男女比を調べるため、米国立衛生研究所から助成金を受けている医学系大学の上位50校を対象に選んだ。そして各大学のウェブサイトをあたり、指導教官をピックアップ。男女比とともに男性教官の顔写真をチェック、口ひげがあるかどうか検証した。

口ひげの有無については、鼻の下のちょびひげ、あごひげ、もみあげからほおに伸びるひげ、ドジョウひげ、顔の下半分一帯に伸びたひげなど様々な形がある。そこで、あらかじめ33種類の「口ひげの顔」を図案化し、該当する顔写真を「ひげの教官」に分類した。

その結果、指導教官は50校で計1018人おり、うち男性は881人(86.5%)と圧倒的で、女性はわずか137人(13.5%)だった。また、「ひげの教官」は190人(18.7%)おり、女性教官の数をも上回っていた。米国では「ひげの男性」は「マッチョを誇示するオトコ」の象徴とみられるケースが多い。

論文では、外科や内科、産婦人科など専門分野ごとに「ひげの教官」の割合を示す「口ひげ指数」をつくって分析。20の専門分野のうち、「口ひげ指数」が低く、女性教官の数が「ひげの教官」を上回ったのは、小児科、家庭医学科、皮膚科、産婦人科、形成外科、一般外科の6つだけだった。

逆に、もっとも「口ひげ指数」が高かかったのが精神科で、「分野の特徴として、患者を支配下におくために、権威の象徴のひげを生やす医師が多い」と分析している。
「ひげが本物かどうかわからなかった点はごめんなさい」

研究グループでは、「1960年代以降、女子学生が医学部に進学するようになり、現在、学生の男女比は半々です。医師の数も分野によっては半々なのに、指導的立場の教官では、明確な女性差別が行なわれています。口ひげは男性優位の象徴です。まず、ひげを剃らせることから始めましょう。ただ、顔写真のひげが、本物かどうかの確認がとれなかった点は、私たちもおわびしたい」とコメントしている。

http://www.bmj.com/content/351/bmj.h6311
Wehner, Mackenzie R., et al. Plenty of moustaches but not enough women: cross sectional study of medical leaders. BMJ 351 (2015): h6311. (Published 16 December 2015)



http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201601/20160117_11032.html
開成仮診療所は当面維持 新市立病院再開後も
2016年01月17日日曜日 河北新報

 宮城県石巻市は、東日本大震災で被災した市立病院の診療を補う開成仮診療所について、JR石巻駅前に建設中の新市立病院が夏に再開院した後も、当面継続して運営する方針を決めた。市内で最大規模の開成、南境の両仮設住宅団地に近く、被災者の住宅再建が進んでいない状況を踏まえた。

 仮診療所は、両団地で計約1900戸の仮設住宅が整備され、周囲に医療機関がないため2012年5月末に開所。平日に医師7人が交代で内科と外科の外来診療や訪問診療を実施してきた。
 14年度の延べ患者数は8059人で、うち仮設住宅居住者が4039人(50.1%)を占めた。本年度の仮設住宅居住者利用は11月末までで5947人中2310人(38.8%)となっている。
 被災者の住宅再建が進み、患者数に占める仮設住宅入居者の割合は減少している一方で、診療所の認知度が向上して一般市民の外来や訪問診療が増え、全体の患者数は伸び続けている。市は現時点で仮設住宅の解消が見込めず、夏に新市立病院が開院しても一定の需要があるとみている。
 市立病院開院後の仮診療所には医師、看護師を1人ずつ配置し、内科外来に対応する。閉鎖時期は患者の状況を見ながら、あらためて判断する。訪問診療は市立病院が引き継ぐ。
 市病院管理課は「被災者の仮設住宅での生活が長引く中で、健康維持は欠かせない。需要があるうちは仮診療所を維持し、住民の不安がないよう配慮する」と話す。



http://www.yomiuri.co.jp/local/shizuoka/news/20160117-OYTNT50303.html?from=ycont_top_txt
周産期センター、開業に暗雲 三島総合病院
2016年01月18日 読売新聞

 三島市谷田の公的病院「三島総合病院」で、新生児集中治療室(NICU)に準じた最新の設備を持つ「周産期センター」の開業のめどが立っていないことが分かった。センターは病院敷地内に昨年8月に完成し、同10月にもオープンする予定だったが、産婦人科医ら医療スタッフの確保が出来ていないためだ。子育て支援を進める同市にとって、中核施設として期待が大きいだけに、関係者は不安を募らせている。


 病床は24床で、このうち3床は疾患を抱えた新生児を集中的に管理・治療できるようにする。24時間態勢で、出産や診療などに対応するため、少なくとも産科医3人、小児科医2人の常勤医師が必要だが、年が明けても確保できていないという。

 同病院の樋川洋一事務長は「計画段階では医師が確保できる見込みだったが、全国的な産科医不足の影響で難しくなっている。年度内にはオープンできるよう努力を続けている」と話す。

 三島市内にある出産できる医療機関は2か所だけで、いずれもNICUはない。2014年度に出産した市民842人のうち、市内で産んだ人は3割強の288人にとどまることから、市は同センター建設の総事業費約14億円のうち、14~15年度で計1億7600万円の補助金を出した。三島市の豊岡武士市長は15日の記者会見で、「センターは市の子育て支援策の中核。早く医師確保ができるよう市も努力したい」と述べた。



https://www.mixonline.jp/Article/tabid/55/artid/53603/Default.aspx
薬協・多田会長 「死にもの狂いで」新薬創出・導入必要  長期品市場の縮小受け
2016/01/18 03:51 ミクスオンライン

日本製薬工業協会の多田正世会長(大日本住友製薬社長)は1月15日、都内で行われた定例記者会見で、従前は収益に寄与していた長期収載品が急速に後発医薬品(ジェネリック)に置き換わる市場に変化したことを挙げ「我々製薬企業は死にもの狂いで新薬を創り出す、導入してくる。それで初めて我々、創薬型企業の存在意義が認められる」と述べ、新薬創出・導入を加速する必要性を強調した。

多田会長は、「今までは長期収載品は比較的緩やかに(ジェネリックに)置き換わり、その時間的猶予の中で(製薬企業は)なんとか生き延びてきた」と説明。しかし、「その前提が崩れた」として、新薬メーカーの成長には新薬創出・導入の加速が必要だとするとともに、薬価上のイノベーション評価の必要性を訴えた。

「マイナスにしかならない」現行薬価制度の限界吐露 「自由薬価」に言及も

他方、現行薬価制度について、薬価改定のたびに薬価が引き下げられ「マイナスにしかならない」と述べ、現行制度に限界を感じていることを吐露。「今の薬価制度を根本から変えるようなやり方、例えば自由薬価というようなやり方を採らない限り、なかなかこの構図から抜け出せないというのが私の実感」と話した。

毎年改定の阻止「最大のテーマ」

16年度薬価制度改革で特例で実施される「巨額再算定」に対しては「イノベーションの適切な評価に反しており容認できない」と表明。頻回薬価改定も「研究開発力を削ぐ」として断固反対の姿勢を示し、予定される17年度の消費税率引き上げに伴い検討される実勢価改定の阻止は今年前半の「最大のテーマ」と述べた。次期改定の16年度、17年度、通常改定の18年度と3年連続改定が引き金になることに強い危機感を示し、17年度実勢価改定阻止に「相当の気合いというか覚悟して臨まなければならないと思っている」と話した。

田中常務 医療用薬広告の社内審査透明化 早期に実施方針

多田会長は会見で、医療用薬広告の新たな社内審査体制について検討していることも明らかにした。田中常務理事は、「より透明性を高める観点から検討している。できるだけ早くやりたい」と述べ、早期に実施する方針を示した。これは厚労省研究班の「医療用医薬品の広告の在り方の見直しに関する提言」(主任研究者:白神誠・日本大学薬学部教)で、「各製薬企業は、広告の審査にあたっては、社外の第三者を参加させるなど、透明性を確保した組織を設置すること」との指摘への対応。

ほか、医師らに対する情報収集・提供活動で台頭しているMSL活動のあり方について検討の必要性についての質問に対し田中常務は、MRとの区別について「必要であれば議論して考え方を整理したい」と述べるにとどまり、具体化を検討する段階ではないとの姿勢を示した。この点については、日本製薬医学会(JAPhMed)の岩本和也理事長が、15年10月の講演でMRとMSLの棲み分けについて、製薬協などと協議したいとの意向を示している。


  1. 2016/01/18(月) 06:04:03|
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1月16日 

https://www.m3.com/news/iryoishin/387208?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD160116&dcf_doctor=true&mc.l=139759355
シリーズ: 2015年の医療界:1000人アンケート
「所見みて ああこの人か 思い出す」◆Vol.11-2
「医師と患者」、テーマに川柳

2016年1月16日 (土)配信成相通子(m3.com編集部)

 医師川柳の第2弾では「患者と医師」をテーマにご紹介します。高齢社会の中で、医師と患者の関係も変化しています。医師の高齢化を皮肉った一句、高齢化とともに進む貧困問題と医療を象徴する内容や、患者からの印象的な一言などを盛り込んだ句が寄せられました。

【医師と患者の関係】

 所見みて  ああこの人か  思い出す
 街中で  あいさつする人  患者かな?
 脈をとる  私の脈が  速くなり
 頑張れど  患者に上手く  届かない
 またひとつ  患者さんに  教えられ
 患者様  医者もいつかは  患者様
 医師とても  避けられぬのは  死の病
 患者より  大事なことが  この稼業
 患者のため  はかった便宜が  命取り

【患者の一言】

 お大事に  患者が告げる  診察後
 コンピュータが  患者でないわ  私診て
 我がカルテ  患児に言われた  ミミズの絵?
 処方薬  お金ないのと  間引きされ
 金がいる  診察しても  治らない
 薬代  給料こえて  支払えず

【最近の患者】

 抗生剤  出さぬと患者に  叱られる
 子の病気  気にするしないは  親次第
 なんでかな  外人だらけの  ER
 急患は  たまにしか乗らない  救急車

【高齢化】

 臨終に  けちをつけるは  遠縁者
 病院は  医者も患者も  高齢化
 寝たきりで  いつまで生きる  つもりかな
 高齢者  一歩後ゆく  高齢医師
 高齢者  わがまま患者に  殺される

【よくある一コマ】

 カルテには  大事なことは  抜け落ちる
 洗濯に  出した白衣が  なくなった
 学会に  行きたいために  小変更
 様子見る  言ったはいいが  どうしよう
 注射系  怒りそうな人ほど  失敗する



http://www.asahi.com/articles/ASJ1J34Y0J1JUBQU006.html
埼玉のJA系2病院、北海道と佐賀の医療法人に譲渡へ
清宮涼 高橋町彰、田中正一
2016年1月16日08時00分 朝日新聞

 埼玉県厚生農業協同組合連合会(JA県厚生連)は15日、運営する熊谷総合病院(熊谷市)と久喜総合病院(久喜市)の2病院について、それぞれ別の法人に譲渡すると発表した。経営難や医師不足が背景で、各病院が持つ機能は新法人にそのまま引き継がれる。休業はせず、4月中に新たに開業する予定だという。

 ●赤字経営続き決断

 熊谷総合病院は社会医療法人「北斗」(北海道帯広市)が経営支援し、新たに県内に設立する医療法人に売却する。また、久喜総合病院は一般社団法人「巨樹の会」(佐賀県武雄市)に売却する。昨年12月下旬にそれぞれ譲渡基本契約を結んでおり、3月末に本契約を結ぶ予定としている。

 JA県厚生連によると、2010年3月期以降、JA県厚生連全体で赤字が続き、昨夏ごろから病院の譲渡先を探していた。関係者によると、病院単体でも赤字で、累積額は両病院あわせて数十億円にのぼるという。

 また会見では、譲渡の理由に「慢性的な医師不足」も挙げた。入院が必要な一般的な医療を行う「2次保健医療圏」の医師数を見ると、両病院のある地域はいずれも、人口10万人あたりの医師数(12年時点)が県全体を下回っている。

 JA県厚生連の大野郁夫専務理事は「自主的な経営改善にも取り組んだが、医師の確保が難しく、収益改善が難しいと判断した」と説明。「地域でも愛着を持たれている病院。地域の皆さんに引き続き安心してもらえることを主眼とした」と理解を求めた。(清宮涼)

 ●地元自治体、病院機能の維持望む

 ともに1日あたり約500人の外来と、約200人の入院患者を受け入れ、地域医療の中核を担ってきた両病院。新法人への譲渡後も、病院機能はそのまま引き継がれるため、地元からは安堵(あんど)の声も聞かれた。

 久喜総合病院は11年に開院したばかり。病床数は300床で、災害拠点病院の認定のほか、受け入れ要請があれば原則断らない「搬送困難受け入れ病院」の指定も受けている。

 久喜市は誘致にあたり、施設整備の目的で35億8千万円を補助した。わずか5年での事業譲渡は想定外だったという。市はJA県厚生連との協議で総合病院としての継続を要望。3億7千万円の「和解金」の支払いを受けるほか、譲渡先が少なくとも10年間は病院を継続する内容で合意した。

 市の担当者は「医療行為は継続されると聞いている。補助金も、その意味で生かされる」と話す。

 熊谷総合病院は1945年の開設で病床数は310床。市内他の3病院による救急医療の輪番や、夜間の小児救急医療を担っており、市は年500万円程度の補助金を出している。

 熊谷市の富岡清市長は「これまでと同程度の機能が引き継がれるときいており安心している。市民の健康・医療を守っていただけるよう期待している」とコメントした。

<アピタル:ニュース・フォーカス・特集>

http://www.asahi.com/apital/medicalnews/focus(高橋町彰、田中正一)



http://www.cnn.co.jp/world/35076313.html
新薬治験で1人脳死、5人入院 仏当局が調査 
2016.01.16 Sat posted at 11:56 JST CNN

(CNN) フランスの複数の保健当局者は15日、同国で行われていた新薬の治験に参加した1人が脳死と宣告され、5人が入院していることを明らかにした。フランス保健省は「深刻な事故」とみて調査を進めている。
 最初に被験者の症状が表れたのは10日で、北西部レンヌの病院に入院。医師らによると、被験者4人は神経系統が損傷し、恒久的な障害が残る可能性がある。他の1人は症状を示していないものの、医師の監視下に置かれている。
 治験を行った会社はウェブサイトで、治験は「国際的な規定を完全に順守する形で」行われ、「すべての段階で自社の規定する手続きにも従った」としている。
 マリソル・トゥーレーヌ保健相は15日の記者会見で、治験は中止になったと述べた。保健当局者が残りの治験ボランティアに連絡し、有害な事象の発生について周知している。
治験では、不安感や運動障害の治療を目的として鎮痛剤の使用が試されていた。内因性カンナビノイド系に作用する設計だった。初期の報道では大麻との関連も指摘されたが、トゥレーヌ保健相は薬に大麻や大麻からの抽出物は含まれていないと強調した。
 治験には健康と診断された18~55歳の計128人のボランティアが参加。薬は量を変えて90人に投与され、残りは偽薬を投与された。
 投薬は1月7日から開始。治験は「フェーズ1」と呼ばれる段階で、人間が服用しても安全かを見極めるのが目的とされる。初期段階の治験で激しい有害事象が現れるのは異例。
 薬を開発したポルトガルの製薬会社は声明で、これまでに新薬を投与された被験者では「中程度から重度の有害反応は一切なかった」と述べた。
 保健省は治験の手順や医療施設の衛生状態に問題がなかったか調べる方針。



https://medical-tribune.co.jp/news/2016/0116038221/
社会医学領域の専門医制度確立に向けて
待ったなし新専門医制度<3>
健康・公衆衛生

2016.01.16 Medical Tribune

磯 博康氏 社会医学関連6学会および4団体(日本衛生学会,日本産業衛生学会,日本公衆衛生学会,日本疫学会,日本医療・病院管理学会,日本医療情報学会,全国保健所長会,地方衛生研究所全国協議会,全国衛生部長会,全国機関衛生学公衆衛生学教育協議会)は合同で,社会医学領域の専門医制度を創設する。2017年度から始まる臨床系新専門医制度と一部共通するが,社会医学領域独自の評価・向上システムによる制度の構築に向けて動き始めている。大阪大学大学院公衆衛生学教授の磯博康氏に創設された経緯,期待される専門医の役割について聞いた。


社会医学活動の推進に専門医のリーダーシップが必須


 社会医学関連6学会および4団体が昨年(2015年)発表した共同提言によると,社会医学は医学を基盤として健康維持・増進,疾患の予防・回復,平均寿命や健康寿命の延伸などに大きな役割を果たしてきた重要な分野である。社会医学を推進・発展させ,社会に貢献することが求められており,そのためには社会医学領域の高い専門性を有する医師のリーダーシップが必須とされている。
 社会医学領域の専門医制度は,「専門医の質を保証し,さらにその質を向上させること,国民に信頼され,医療および公衆衛生の向上に貢献すること,人々の健康と命を預かるプロフェッショナルである医師が使命感,倫理性,誇りと公共への責任を持って自律的に運営すること」を基本としている。

サブスペシャリティの活躍領域は多様

 同専門医制度は,社会医学領域の専門医に共通して求められる基礎的能力と,その上に領域ごとの専門性,すなわちサブスペシャリティが構築される。基礎的能力は医学を基盤として,保健・医療・福祉・環境とそれらの社会との関係に対する専門知識・技術によって問題を解決するための能力である(表)。

表. 社会医学領域の専門医の在り方
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(「提言:社会医学領域の専門医制度の確立について」,2015年6月5日)

 サブスペシャリティは社会医学領域が幅広いことから多岐にわたる。専門医がサブスペシャリティを発揮して活躍する領域も多様となる(表)。
 磯氏によると,基礎的能力の教育領域は,公衆衛生系大学院の5つの基本専門領域である疫学,生物統計学,環境健康科学,社会行動科学,健康政策管理学が相当する。
 サブスペシャリティの教育領域は,産業保健,地域保健,行政,環境保全,医療管理,政策,福祉などが相当する。研修システムの構築においては,基礎的能力については大学などの研究機関と関連学会・団体などが共同で取り組む。サブスペシャリティに関しては各学会が中心となって独自に取り組んでいくこととなる。
 同氏は「保健・医療・福祉に関わる健康問題は,臨床における医療のみでは完結できない問題をはらんでいる。社会医学は,そうした問題に組織的,包括的に対処するための分野である。そのため,問題解決能力を備えた専門医がリーダーとして,関与する多くの職種を牽引していくことが望まれる」としている。
(編集室)



http://news.mynavi.jp/news/2016/01/16/233/
ジャーナリスト「TPPの主目的は、実は関税ではなく医療」
[2016/01/16] マイナビニュース

TPPの大筋合意が報じられた昨年11月から、テレビや新聞は歓迎ムード一色。生活への影響は大。何がどう変わって、いったい誰がトクしてソンするのか? そこで識者にTPPによる変化について教えてもらった。

例えば、指のケガの治療に1週間待たされたあげく、請求される治療費は10万円。近い将来のこのシミュレーションに耐えられる人はいるだろうか。

「このまま黙っていたら、今まで500円だった子どもの診療費が1万円単位になるかもしれません。命の沙汰も金次第。そんな国になるのは絶対に避けたい」

こんな警告を発するのは、『沈みゆく大国アメリカ 〈逃げ切れ! 日本の医療〉』(集英社新書)などの著書で知られるジャーナリスト・堤未果さんだ。

健康保険証1枚さえあれば、誰がどの医療機関に行こうとも、窓口で支払う医療費は未就学児なら無料で(助成がつく自治体なら22歳まで)、大人なら1~3割負担だけ。

逆に言えば、未就学児なら10割を、大人なら7~9割の医療費は国が支払ってくれる。単純明快、かつ、どの収入層にも平等な日本の『国民皆保険』制度は世界的に評価が高い。

だが、長年アメリカと日本を行き来して取材を続ける堤さんは、このままいくと将来、日本も盲腸手術に800万円の請求書が来て医療破産するような“アメリカ型医療”になっていくと懸念する。

ちなみに、日本での盲腸手術は保険適用の3割負担なら12万円。さらに低所得者は『高額療養費制度』という助成制度を利用すれば2万4600円の負担ですむ。

昨年アメリカのアトランタで開催のTPP閣僚会合後、「交渉は大筋合意」とのニュースが一斉に流れた。

日本では“関税撤廃で米などの国産農産物が打撃を受ける”と報道されているが、堤さんは「TPPの主目的は、実は関税ではなく医療。何十年も日本医療を商売にしたくてしかたないアメリカの財界と金融業界が、日本をねらっているのです」と強調する。

アメリカの医療制度は日本とは全く異なる。全国民の公的医療保険はなく、国民は自分で民間医療保険を買うしかない。同じ疾病でも、保険によって支払われる金額が違うため、医者もまず保険会社に「いくら払われる」か聞いてからでないと治療できないのだ。

アメリカで有名なマイケル・ムーア監督の作品に『シッコ』というドキュメンタリー映画がある。アメリカ医療の現実を描いた内容は衝撃的だ。民間医療保険会社に加入しても、疾病や傷害への保険が下りない事例はザラ。

下りたとしても、例えば、仕事中に指を2本切断した人には、その接合手術に薬指なら1万2000ドル(144万円)、中指なら6万ドル(720万円)かかると告げ、本人が中指をあきらめるなど、医療保険会社に苦しめられる実態を紹介している。

「アメリカでは、医産複合体(保険会社と製薬会社)が政治家に費やすロビー活動費は年間5400億円。大半の政治家に巨額の政治献金をばらまいて、完全に政治を買っている状態です」

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http://news.mynavi.jp/news/2016/01/16/227/
TPP「狙いは“国民皆保険つぶし”でなく“形骸化”」
  [2016/01/16] マイナビニュース

TPPの大筋合意が報じられた昨年11月から、テレビや新聞は歓迎ムード一色。生活への影響は大。何がどう変わって、いったい誰がトクしてソンするのか? そこで識者にTPPによる変化について教えてもらった。

近い将来、TPPが発効すると、アメリカ医産複合体は日本の医療制度に必ず食いこんでくると『沈みゆく大国アメリカ 〈逃げ切れ! 日本の医療〉』(集英社新書)などの著書で知られるジャーナリスト・堤未果さんに話を聞いた。

アメリカの医産複合体は、日本の皆保険制度を破滅させることはしないと堤さんは断言する。

「彼らは全国民が加入し、未就学児10割、大人7割を税金が負担する日本の皆保険制度を残したまま、アメリカのように適用範囲を風邪や小さなケガなどに狭めたい。そうすれば日本人の税金が外資製薬会社や民間保険会社に流れるからです。狙いは“国民皆保険つぶし”でなく“形骸化”です」

こうなると、見えてくるのは「金持ちしか助からない」という将来図だ。アメリカで自己破産した人のうち、原因の6割を医療費が占めるという。今後、日本もそうなるのだろうか。

TPPで、堤さんがもうひとつ問題視するのがISD条項。相手国に投資した企業が相手国の政策によって損害をこうむった場合、相手国を提訴できる制度だ。

アメリカの製薬会社が“日本政府が薬価を安価に維持するのは、公平な競争を邪魔している”と訴えることも可能になる。

その裁判所となるのが、世界銀行傘下の『国際投資紛争解決センター』。3人の裁判員が判決を出すが、ひとりは訴えられた国から選ばれ、ひとりは訴えた企業から、もうひとりは、双方が合意した人。そんな人は現実にはいないから3人目は世銀総裁が指名する。世銀総裁はずっとアメリカ人。はたして、アメリカのISD裁判での敗訴はゼロ。

訴えられた国は勝っても負けても最低約8億円の弁護士費用の一部支払い義務があり、さらに裁判に負ければ、数十億から数百億かもしれない賠償金を支払う。

TPPから私たちは逃れられるのか。まだ時間はあると堤さんは訴える。

「大筋合意は最終決定ではありません。まだ各国での“承認採決”が残っています。TPP全文は公開されましたが、日本政府は1月7日に日本語訳の全文を公開するまで ほんのわずかな翻訳しか出していませんでした。

いま、全文を準備できたとのことですが、これも国会議員が直接要求しないと出てこない。ほかの参加国のように、政府みずから積極的に公開することが日本ではないので、国会議員の意識にかかっているということでしょう。

医療だけでも私たちの暮らしを大きく変えてしまう内容なので、アメリカでも反対の声は大きい。中身を全部読まずに契約したらダメです。読者には、周りの人や地元の国会議員にTPPの中身によく注意するよう、ぜひ呼びかけてほしいですね」

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http://news.mynavi.jp/news/2016/01/16/226/
TPP「患者の全額負担に狙われているのは薬局で買える医薬品」
[2016/01/16] マイナビニュース

世界的に評価されている一方、皆保険制度では、年間保険料は数十万円と高い。特に国民健康保険料を払えない人が急増中だ。

「“TPPで日本の国民皆保険が崩れる”との懸念は聞いてはいますが、すでに日本の医療崩壊は始まっています」

こう訴えるのは、神奈川県保険医協会の高橋太事務局次長だ。背景には、低収入の非正規労働者の増加と、国保の国庫補助負担割合が45%から39%に下がったことでの保険料の値上げがある。

保険料の未納が1年以上続くと、健康保険証のかわりに『被保険者資格証明書』や『短期被保険者証』が交付されるが、医療機関の窓口で医療費をいったん全額支払うため利用事例は少ない。

政府発表では、資格証明書の所有世帯は13年で約28万世帯。短期証は117万世帯。平均2人家族とすれば計約290万人が無保険状態だ。

全日本民主医療機関連合会(民医連)は'14年、加入事業所1800施設を調査し、経済的事由で治療が遅れ死亡した人が56人いたと公表。民医連が診るのは日本の患者数の1.6%。56人は氷山の一角だ。

「つまり、映画『シッコ』は日本の話でもあります。国民皆保険はいい制度ですが、高すぎる保険料に加え、医療機関の窓口で医療費3割を負担する二重払い制度です。ほかの先進国では、窓口負担は無料か少額がほとんど」

高橋さんが注目するのが、内閣府に設置されている『経済財政諮問会議』の動きだ。

主要大臣のほか、大企業の経営者など民間議員が国の政策を協議する会議だが過去、幾度も「公的医療給付を抑制する」と公表している。だが、「総医療費は抑制しない」。つまり、患者の自己負担を増やすということだ。

「実は今、金融庁の金融審議会で計画中なのが民間版『健康保険』です。現在の民間の医療保険は病気になったらお金をくれますね。民間版健康保険はそうではなく、民間版健康保険証をもち、病気になったら、その保険会社と契約した病院で医療サービスを受けるということです。しかし、契約した病院でどの治療が受けられ、どの薬が処方されるかはすべて保険会社の胸先三寸。まさしくシッコの世界です」

この背景には、日本の皆保険では、長期のリハビリや6か月以上の入院は保険がきかないという、10割負担の医療環境がじわじわと増えている現実がある。民間版健康保険は、そうした医療崩壊に乗じて現れているのだ。

「今後、患者の全額負担に狙われているのは薬局で買えるような医薬品(風邪薬や漢方薬など)の処方、入院の食事などです。あと、診療のたびに窓口で毎回100円を上乗せ支払いすることも計画中。こうした国内の現状に加え、TPPがどう影響するのか、企業の動きに絶えず注視していきたいと思います」


本記事は「週刊女性PRIME」から提供を受けております。
著作権は提供各社に帰属します。


http://news.mynavi.jp/news/2016/01/16/229/
TPPで固定化されれば「日本の医療は確実にアメリカ型に」
[2016/01/16] マイナビニュース

TPPの大筋合意が報じられた昨年11月から、テレビや新聞は歓迎ムード一色。生活への影響は大。何がどう変わって、いったい誰がトクしてソンするのか? そこで識者にTPPによる変化について教えてもらった。

近い将来、TPPが発効すると、アメリカ医産複合体は日本の医療制度に必ず食いこんでくると『沈みゆく大国アメリカ 〈逃げ切れ! 日本の医療〉』(集英社新書)などの著書で知られるジャーナリスト・堤未果さんは警告する。具体的な始まりは“薬価の高騰”だ。

「日本の薬価は現在、厚生労働大臣の諮問機関である中央社会保険医療協議会で約4000人の医療関係者が決めています。でもTPPが発効すれば“フェアに自由競争をさせろ”と外資製薬企業が介入してくるでしょう。さらにいろいろな方向から薬価は値上がりする。これらはすでに公開されているTPP文書に書いてあり、各国の医療関係者が強く批判しています」

しかし、自由競争であれば、薬価は下がるのでは?

「逆です。例えばアメリカでは半数以上の州がわずか1、2社に独占されている。製薬業界は世界的に大手の寡占化が進み、自由競争はむしろ消えつつあるのです」(堤さん)

確かに今年9月も、アメリカのあるベンチャー企業が、HIV治療薬の企業を買収した後、価格を1錠1620円から9万円へと一気に55倍に値上げした。

そんな高い薬は日本政府が拒否すればいいのでは?

「TPPの合意事項は参加国の国内法よりも上にくる。日本政府の一存で翻すことはできません。日本政府は、保険の適用薬と適用外薬を同時に処方する『混合診療』を拡大する法律も今春に通しましたが、これがTPPで固定化されれば、日本の医療は確実にアメリカ型になっていきます」(堤さん)

混合診療とは、ひとつの治療に、保険診療と保険外診療を組み合わせることだが、国が認めた一部の例外(差額ベッド代や医療機器の治験など)を除き原則禁止されている。もし混合診療を行った場合、治療すべてが保険外診療とみなされ、患者は医療費10割を負担する。

例えば、ひとつの治療で2種類の薬が必要な場合、保険薬Aが2000円、保険外の薬Bも2000円とする。混合診療禁止の現状では、Aは保険外薬品とみなされるから、患者は全額自己負担の4000円を払う。だが、もし混合診療が解禁されると、薬Aは3割負担の600円となり、A+Bの支払合計は2600円となる。

となると、全額負担よりは安いから、混合診療解禁をとの声は当然あがる。だが、多くの医療団体は混合診療には反対だ。

国が現在認めている「保険外療養制度」は、全額自己負担部分の治療はその後「保険適用すること」が前提で、上記の薬Bもやがては600円になる。ところが、混合診療を固定化させてしまうと、自由診療分の診療費を決めるのは国ではなく医療機関になるため、医療費の高騰が始まるからだ。

整理しよう。

薬価が上がると医療費も上がる。すると、日本政府も医療費の7割負担が難しくなり、患者の窓口負担または毎月の保険料を値上げするか、医療機関への診療報酬を下げる。

最後の選択肢が最も患者負担がないように見えるが、それは甘い。診療報酬を下げられると医療機関は赤字倒産を避けるため、保険点数の低い小児科や産婦人科などの治療をメニューからはずしたり保険のきかない自由診療を増やすしかなくなるからだ。

「すると国民は、公的な健康保険証1枚だけでは足りなくなる。そこでアメリカのような民間医療保険が登場します。“医療費で困らないために、民間保険にも加入しておきましょう”と。そして毎月の保険料が増えていくのです」(堤さん)

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http://getnews.jp/archives/1351469
乳がん検体取り違え事故 書き間違えや人手不足原因か
2016.01.16 16:00 NEWSポストセブン / ガジェット通信

 昨年12月25日、千葉県がんセンター(千葉市中央区)は、早期乳がんの患者Aさん(30代)と進行乳がんの患者Bさん(50代)の検体(検査の材料となる血液や組織)を取り違え、誤った診断により、Aさんの右乳房を全摘出する手術をしたと発表した。

 この事故の背景の1つには、「個人情報保護がある」と指摘されている。個人の名前や病名が漏れるのを防ぐため、近年、外来受付などで名前の代わりに番号を呼ぶ病院が増え、入院病棟の病室にネームプレートを掲げない病院も多い。番号管理であるがゆえに、病院が番号と氏名の照合確認を怠れば、ミスに直結する。

 千葉県がんセンターの場合、さらにミスを誘発する原因があった。資料によると、同センターでは、患者から採取した検体を、氏名や数字8桁のIDを書いたラベルを貼った容器に入れていたが、そのラベルは手書きで作成されていたのだ。容器が検査担当の病理部に運ばれると、そこで、それまで書かれていたIDとは別に、新たに病理番号が割り振られる。それも手書きだった。

 千葉県議会員・丸山慎一さんはこう語る。

「名前なら誤字に気づきやすいかもしれませんが、数字や記号だと間違っていてもわからない。例えば“0”と“6”を間違えるとか、1字だけ書き違ってしまうとか、リスクが高くなります」

 原因はこれだけではない。“医療従事者の不足” が事故を起こしやすくしている、と明かすのは、地方の中堅病院に勤務していた婦人科医師だ。

「地方のがんセンターや大学病院は医師不足であることが多い。それでもその地域にとっては大病院ですから、1日に患者さんが40人、50人と外来にきて、次から次へと対応しないといけない。特に、今回問題が起きた千葉県は他の都道府県に比べて医師が少ないんです。

 医療は人が行うことなので、ミスは起きてしまいます。減らすよう努力しますが、医師や看護師が疲弊していれば、チェック体制に漏れが生じる可能性は高くなるでしょう」

 また、AさんとBさんが検査を受けた「昨年10月」という時期に注目するのは、ベルーガクリニック院長の富永祐司さんだ。

「その直前、北斗晶さんが乳がんに罹っていることを公表しました。しかも、北斗さんは毎年検診を受けていたけど、そこでは発見されず、進行してしまっていた。そのことが報道されると、どの病院にも検診希望者が殺到したのです。

 医師も看護師も対応に追われますが、特にパニックになったのは、検体を扱う病理部だったのではないでしょうか。病理部は常時人が足りていませんが、患者さんから採取した細胞を容器の外に出し、標本を作るのはそこです。

 千葉県にはがんの診断ができる病院は少ないので、センターに患者が集中し、病理部では技師さんが大量の検体と向き合っていたのではないでしょうか。そこでミスが起きた可能性が高いという見方もできる」

※女性セブン2016年1月28日号



https://www.m3.com/research/polls/result/51?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD160116&dcf_doctor=true&mc.l=139759356
意識調査
結果高齢者と「不適切な薬」の問題、どう思う?

カテゴリ: 医療 回答期間: 2016年1月7日 (木)~13日 (水) 回答済み人数: 3322人

 複数の疾患を抱え、多剤投与を受ける高齢者の副作用や残薬などの問題がクローズアップされています。昨年は、日本老年医学会が「高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2015」で、高齢者への処方について「中止を考慮すべき」薬のリストを公表し、一般的に広く処方されている抗精神薬や睡眠薬、ステロイドや糖尿病薬が含まれていたことなどから、大きな反響がありました。服薬管理が難しい在宅の認知症患者や飲みきれずに自宅で大量に眠る残薬の問題が報道され、一般的にもこの問題が認知されるようになりました。

 こうした状況を踏まえ、2016年度診療報酬改定では、基本方針に「残薬や重複投薬、不適切な多剤投薬・長期投薬の削減」が掲げられました。厚生労働省は、在宅医療におけるかかりつけ医やかかりつけ薬剤師による適切な薬剤管理を推進する方針です。今年1月4日には、高齢者と薬の作用について専門に研究する「日本老年薬学会」が発足し、専門性の高い薬剤師の育成も急がれています。

 高齢者と薬の問題について、医療現場の実態と皆様の意見をお伺いします。

9割が遭遇、高齢者と薬の問題

 高齢者と薬の問題についてお伺いした本調査。回答者の9割が、過去1年間で、「大量の残薬がある」「服薬管理に支障がある」など、何らかの問題に遭遇したことがあるとしています。3分の2以上は将来的にもこの問題が「大きくなる」と予想しており、医療現場にとって、喫緊の課題となっていることが浮き彫りになりました。

 具体的にどのような問題がよく起きているのでしょうか。過去1年間で遭遇した「高齢者と薬にまつわる問題」について、複数選択で選んでもらったところ、一番多かったのは「大量の残薬がある」で64.6%が選択。次に多かったのは「服薬管理に支障がある」で60.6%でした。その次が「重複投薬」で41.0%。多剤・重複投薬に伴い、副作用が出るケースも少なくないようです。28.0%が、そのようなケースに遭遇したと回答しました。

 このような問題を解決するために、何が必要だと考えているのでしょうか。最も多かったのは「処方する医師の意識の向上」で51.8%。その次は「患者家族の理解と意識の向上」で50.2%、続いて「かかりつけ医を持つ」で46.3%が選びました(複数回答)。自身では管理が困難な、「患者の理解と意識の向上」よりも、「患者家族」がキーになると考える方が多いようです。また、診療報酬で「適切な処方」に誘導する方法には否定的な見方が優勢でした。職種別では、薬剤師や看護師は「かかりつけ薬剤師」や「薬剤師の疑義紹介」に期待する声が多い一方で、医師は薬剤師よりも「医師の役割」を強調する傾向にありました。

 今後、この問題がどうなるかの見方を尋ねたところ、全体の60.8%が「問題はより大きくなる」と悪化を予想。「解決に向かう」としたのは7.9%でした。「そもそも問題になっていない」と回答したのは1.8%で、ほとんどの方が問題であると認識しています。職種別では、開業医が今後も「変わらない」との見方が多く、「より多くなる」と回答した人が6割を切りました。

 回答者総数は3322人で、内訳は開業医679人、勤務医 2162人、歯科医師8人、看護師 22人、薬剤師412人、その他の医療従事者39人でした。

 本調査に関する、ご意見・ご感想をコメント欄に書き込んでいただいておいます。医師の安易な処方を批判する声や、患者側の問題を指摘する声、薬剤師や薬局の積極的な関与を期待する声、処方量と利益の関係など医療制度の問題を批判する声など、さまざまな意見が寄せられました。多剤投与や残薬を減らすべきだという意見の一方で、どうしても多剤が必要なケースもあると反論する現場の意見もありました。減らすための工夫や提案をしている意見もあります。ぜひ、ご一読の上、コメントをお寄せください。

Q1「過去1年間」に高齢の患者で薬にまつわる問題に遭遇したことはありますか。下記選択肢からお選びください。(複数回答)

回答       開業医   勤務医   歯科医師  看護師   薬剤師  その他の医療従事者
         679人    2162人    8人    22人    412人  39人
服薬管理に支障がある
         54%    59%    62%    86%    76%    38% 
大量の残薬がある
         58%    63%    75%    91%    83%    46% 
重複投薬
         41%    37%    62%    41%    64%    21% 
多剤・重複投薬に伴う副作用
         25%    28%    62%    18%    35%    15% 
不適切な薬・使用法の処方
         27%    30%    50%    27%    49%    23% 
通院が困難で長期処方が必要
         29%    24%     0%    32%    24%    10% 
遭遇したことはない
         12%    11%     0%     0%     2%    31% 

※2016年1月13日 (水)時点の結果

Q2高齢者の薬にまつわる問題を解決するために、何が必要だと思いますか。(複数回答)

回答       開業医   勤務医   歯科医師  看護師   薬剤師  その他の医療従事者
         679人    2162人    8人    22人    412人  39人
高齢者と薬の作用に関する研究の発展
         20%    18%     0%    18%    32%    13% 
処方する医師の意識の向上
         50%    49%    62%    64%    73%    38% 
かかりつけ医を持つ
         44%    48%    50%    36%    43%    38% 
かかりつけ薬剤師を持つ
         36%    43%    25%    59%    63%    56% 
薬剤師が疑義紹介を積極的に行う
         22%    23%    25%    32%    48%    26% 
診療報酬で適正な処方を評価する
         16%    17%    25%    23%    29%     8% 
診療報酬で不適切な処方の評価を下げる
         12%    16%    50%    27%    38%    13% 
患者の理解と意識の向上
         41%    36%    50%    55%    49%    38% 
患者家族の理解と意識の向上
         55%    48%    38%    68%    54%    56% 

※2016年1月13日 (水)時点の結果

Q3高齢者と薬の問題は、今後どうなると思いますか。※ご意見・ご感想がありましたら、「回答する」ボタンを押した後のページ下、コメント欄にご記入ください。

セグメント    問題はより  変わらない  問題は解決  そもそも問題に
         大きくなる         に向かう   なっていない
         (2020人) (974人)   (265人)   (63人)

開業医       55%     35%      8%      2%    
勤務医       62%     29%      7%      2%    
歯科医師      75%     25%     ……      ……    
看護師       68%     27%     ……      5%   
薬剤師       65%     22%     12%     1%    
その他の      69%     21%      8%     3%   
医療従事者
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※2016年1月13日 (水)時点の結果


  1. 2016/01/17(日) 06:13:58|
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1月12日 

https://www.m3.com/news/iryoishin/390094
シリーズ: 真価問われる専門医改革
新専門医制度、「大学医局」復権の懸念 - 末永裕之・日病副会長に聞く◆Vol.1
地域医療に支障を来さない配慮必要

2016年1月12日 (火)配信 聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

 2017年度から新専門医制度がスタートする。それに向けた準備が進む中、日本専門医機構は2015年12月から専門医研修に取り組む基幹施設からの「研修プログラム」の申請受け付けを開始した。専門医研修は、基幹施設と連携施設が研修施設群を形成し、取り組むのが基本。その基幹施設になるハードルの高さから、大学病院が中心となり、結果的に大学病院などの大病院に指導医や専攻医の集約化が起き、ひいては地域医療に支障が生じる懸念が、ここに来て高まっている。

 日本病院会では12月、専門医制度の運営において地域医療への配慮などを求める要望書を日本専門医機構に提出した。同副会長で、同機構の理事も務める末永裕之氏(小牧市民病院院長)に、専門医制度に対する考えや要望書を提出した経緯などをお聞きした(2016年1月6日にインタビュー。計2回の連載)。

――日病の会員病院の中には、現在も専門医研修に取り組んでいる病院が多いと思います。新専門医制度については、どんな声が上がっているのでしょうか。

 プロフェッショナル・オートノミーを基盤として、患者や社会からの要求と厳しい評価に耐え得る専門医制度を構築、運営していくという、新制度の理念・基本方針はいいものだと思っています。また現場の医師が自らが持つ専門医資格を公表することにより、周囲から見て何を専門とする医師かが分かりやすくなり、医師自身も自信を持って仕事ができるようになることはいいことでしょう。

 ただし、より良い専門医制度を作ろうと思えば思うほど、専門医取得の条件が厳しくなるという一面があります。この点は当初から想像していました。両者の折り合いをどう付けるかが問題ですが、大学の先生方中心に検討されると、地域医療の実情から離れた制度になる懸念があります。

 2004年度の臨床研修の必修化以降、「大学から地域の病院へ」という医師の流れが出てきており、初期研修だけでなく、日病の会員病院の中には、後期の専門医研修への取り組みを強化した病院も少なくありません。今現実に専門医研修を行っている病院だけでなく、それ以外にも専門医研修の基幹施設になり得る病院もあるでしょう。しかし、日本専門医機構の2015年度予算案が明らかになった頃に、想定されている基幹施設の数はかなり少なく、大学病院が中心に考えられていると予想しました。

 さらに昨夏くらいから、領域別の専門研修プログラム整備基準が出そろってくると、基幹施設の要件が厳しいことが、現実問題として分かってきました。「大学の権限が極めて強くなると、(大学医局の権限が強い)昔に戻ってしまうのではないか」という懸念を私自身だけでなく、皆さんが持ち始めた。大学が地域医療への配慮を考えてくれる地域であれば、問題はないでしょう。しかし、そうではない地域がたくさん出てくるのではないか、要するに「地域医療の崩壊に結び付くのではないか」と皆さんが感じられたわけです。大学病院を含め、大規模病院への医師の集約化が起き得ることが懸念されるからです。

――そうした懸念には、地域差などはあるのでしょうか。

 それはもちろんあると思います。専攻医の養成数は、症例数だけでなく、指導医の数によっても左右されます。またより良い専門医を養成するために、その更新基準も厳しくなることが想定されます。実績重視であれば、例えば外科の場合では、手術数が多い病院の方が専門医資格の更新に有利になる可能性も出てきます。こうした事情を踏まえ、特に、「1県1大学」の地域における中小病院などは、指導医の引き揚げが起きたり、指導医の補充がなされないことを懸念しています。指導医がいなければ、専攻医は来ません。指導医クラスだけでなく、若手の確保も難しくなるわけです。

――「より良い専門医の養成と、地域医療の在り方は別」との考えもありますが、不可分一体であると。

 私自身は、専門医制度を利用して医師の地域や診療科の偏在を是正できれば、という考えを持っています。この考えに反対する方もおられるでしょうが、プロフェッショナル・オートノミーには、当然ながら「セルフ・レギュレーション」も伴います。その中で、地域医療を守る方策が出てこないかと期待しましたが、今は「より良い専門医を養成する」ことが一番の使命であり、医師の偏在是正は行政の仕事ではないか、という議論になっていると思います。

――日病は、専門医制度に対し、これまでどのような働きかけをされてきたのでしょうか。

 まず2015年4月の段階で、四病院団体協議会(四病協)として、(1)研修施設群については、地域の実情を把握した上で多様な施設を認める、(2)日本専門医機構で進む議論についての情報開示と透明性の確保を図る、(3)機構の収支予算の明確化を図る――の3点を要望しています。

 2015年8月には、日病として、会長、副会長をはじめとする役員の78病院を対象に、「新専門医制度に関する意識調査」を実施しました。「新専門医制度で医師の偏在が是正されるか」という質問には、「不明」が26病院で最も多く、「その他」として「期待できない」「悪化する」との回答もあり、「期待できる」は1病院のみでした。病院運営に与える影響も、「ある程度、影響がある」との回答が22病院と最多でした。「残念ながら、医師の地域偏在、診療科偏在に対し、有効に働くようには感じられない。医局の権限が強くなる懸念がある」「専門医資格確保と維持のため、大学病院・大病院と中小病院、都市部と地方などの格差が広がる可能性をどうするか」といった、いろいろな意見が出ました。

「新専門医制度に関する意識調査」(日病による)
◆ 調査概要
 015年8月17日から20日、会長、副会長をはじめとする役員の78病院を対象に実施。回答は49病院。400床以上は27病院(55.1%)、200床未満は8病院(16.3%)。
◆ 主な調査結果
・ 後期研修実施:41病院
・ 大学医局との関係あり:46病院
・ 基幹施設の可能性あり:25病院、連携施設の可能性あり:43病院(重複回答あり)
・ 新専門医制度で専門医レベルの向上が期待できるか:「不明」が21病院で最多、「ある程度期待できる」20病院、「期待できる」6病院、「その他」(期待できない)2病院。
・ 新専門医制度で医師の偏在が是正されるか:「不明」が26病院で最多、「ある程度期待できる」8病院、「その他」(期待できない、悪化する)14病院、「期待できる」1病院。
・ 新専門医制度が病院運営に与える影響:「ある程度、影響がある」22病院、「大きな影響がある」11病院、「少し影響がある」8病院、「分からない」5病院、「あまり影響はない」3病院。
 この調査結果が日本専門医機構の中で話題になった辺りから、機構の理事会の中でも、地域医療への悪影響を意識し始めたように思います。

 10月28日には、四病協として2回目の要望書を日本専門医機構に対して提出しています。(1)機構は基幹施設に対し、地域医療への配慮を求める、(2)連携施設の要件には、地域特性に対する柔軟な配慮をする、(3)医局から独立して運営している病院にも配慮する――という3点を求める内容です。(2)は、民間病院によっては、短時間でも常勤医として認めている場合があり、機構が想定する指導医の常勤要件を満たせない場合について対応を求めるのが趣旨です。

 こうした要望に対しては、日本専門医機構からいろいろな説明を我々は受けています。11月19日には、日本専門医機構が、同機構の社員23団体に対して、研修プログラム作成に当たって、地域医療への配慮を求める通知を出しています(同機構のホームページ。12月3日には各都道府県にも通知送付)。

 それでもなお「多彩なプログラムを拒む状況がある」など、いまだ「残る疑問」があります(表)。大学への入局も、専門医制度とは関係ないとされていますが、大学病院が基幹施設になり、そこで一定期間、研修をする場合、入局していない人が不利益にならない保障はありません。日本専門医機構の中に、専攻医の身分を考える委員会ができてはいますが、基幹施設で採用した専攻医が、連携施設で研修する場合、その身分はどうなるか、給与はどこから出すかなどが決まっていないので、現場の医療機関は困っています。さらに、前期研修への影響も想定され、研修先を選ぶ際に、専門医研修までそのまま残れる基幹施設が有利になることもあり得るでしょう。

新専門医制度をめぐる「残る疑問」(末永氏による)
・ 多彩なプログラムを阻む状況
・ 大学集約、入局強制への懸念
・ 大規模病院への専攻医集中、中小病院が専攻医を確保するのが困難?
・ 前期研修医への影響
・ 地域偏在・診療科偏在の解消は無理
・大都市集中、地域医療崩壊への懸念
・ 専攻医の給与、保障に関しての懸念
・ サブスペシャルティとの関連性は?
・ ダブルボードは困難?



https://www.m3.com/news/general/390053
受給者の過剰処方改善へ 薬剤師訪問、生活保護で 16年度から厚労省
2016年1月12日 (火)配信 共同通信社

 一部の生活保護受給者が同じ病気で必要以上に医療機関を受診する「頻回受診」や過剰に薬剤の処方を受ける「重複処方」が問題となる中、厚生労働省は2016年度から新たな防止策を導入する。薬剤師や看護師が受診や処方の頻度が高い受給者の自宅を訪問し健康状態や薬の飲み方をチェック。不要な受診や処方があれば改善を指導する。

 受給者の医療費は「医療扶助」として公費で全額負担。自己負担はなく、生活保護費の半分を占める。病気で働けなくなったために保護を受ける人が多いこともあるが、制度を悪用して大量に処方された向精神薬などを不正転売するケースも問題となっており、増える医療扶助費を適正化するのが狙い。対策費として来年度予算案に2億1千万円を計上した。

 新たな防止策では、毎月、受給者のレセプト(診療報酬明細書)を分析し、同じ病気で月15日以上の通院を3カ月以上続けている人や、同じ月に同じ薬を何度も処方されている人を抽出。

 これまで受給者宅を訪問していた福祉事務所のケースワーカーに加え、病気や薬の知識を持った看護師や薬剤師も新たに訪れる。不要な受診を控えたり安価なジェネリック医薬品(後発薬)を使ったりするよう促す。その後の状況を確認し、改善されない場合は再び指導。糖尿病などの生活習慣病を早期発見し、重症化することも防ぐ。

 厚労省によると、13年度に「頻回受診」が疑われた受給者は約4千人。また12年11月の1カ月間だけで約5200人が必要以上に向精神薬を処方されていた。

 ※生活保護費
 厚生労働省によると、生活保護の受給者や世帯数は年々増加傾向にあり、受給世帯数は昨年10月時点で過去最高の163万2321世帯に上った。2013年度の生活保護費は3兆6300億円で、10年前(2兆3900億円)の約1・5倍。内訳は「医療扶助費」(約1兆7千億円)が47%、次いで食費や生活費などの「生活扶助費」(約1兆2千億円)が34%、家賃や地代に充てる「住宅扶助費」(約5800億円)が16%となっている。



https://www.m3.com/news/general/390115
前薬学部長ら岡山大提訴 解雇処分の無効求め
2016年1月12日 (火)配信 共同通信社

 大学教員としての適性を欠くとして、昨年末に岡山大から解雇処分を受けた前薬学部長森山芳則(もりやま・よしのり)元教授(62)と前副学部長榎本秀一(えのもと・しゅういち)元教授(52)が12日、処分の無効とそれぞれ1千万円の慰謝料を求めて岡山地裁に提訴した。

 訴状によると、岡山大は2人が懲戒処分に関する調査委員会に出席しなかったことや、大学に無断で記者会見したことなどを理由として昨年12月28日に解雇処分にした。2人は合理的理由のない処分で解雇権の乱用だと主張している。

 提訴後に記者会見をした森山元教授は、自身が学内の論文不正を告発してきた経緯に触れ「不正をかばうような大学側の行為や今回の処分が許されれば、日本の科学に対する信用は失われ、大学教育に深刻な影響を及ぼす」としている。

 岡山大は部下の教員にハラスメント行為をしたとして2人を2014年9月にも停職9カ月の懲戒処分とし、学部長職と副学部長職を解任している。2人はこの処分についても無効確認などを求める訴訟を昨年1月に岡山地裁へ起こしている。

 岡山大も記者会見し「事実と認められない情報を流し、大学の名誉を著しく傷つけた2人の解雇は相当だ」と反論した。



https://www.m3.com/news/general/390057
不適切な救助で死亡と提訴 富士山滑落事故の遺族
2016年1月12日 (火)配信 共同通信社

 2013年、富士山で滑落した京都府の支援学校教諭高橋美明(たかはし・よしあき)さん=当時(55)=が救助した静岡市のヘリコプターから落下し翌日死亡した事故で、遺族が不適切な救助が原因で死亡したとして、市に約9100万円の損害賠償を求め京都地裁に提訴していたことが8日、分かった。静岡市が明らかにした。提訴は昨年12月1日付。

 静岡市などによると、13年12月、京都府の登山グループが富士山頂付近で滑落。消防局のヘリが高橋さんをつり上げる際、誤って3メートル下に落下させた。天候不良などのため救助を中断、当初高橋さんは意識があったが、翌日救助した際は心肺停止状態で、病院で死亡が確認された。滑落で高橋さんを含む男性2人が死亡、男女2人がけがをした。

 静岡市によると、遺族側は「救助器具の選定や、装着の仕方が不適切だったため落下した」と主張。すぐに再救出しなかったため、高橋さんが死亡したと訴えているという。

 市消防局は事故調査委員会を設置し、14年3月、「高橋さんの下半身が防寒シートで覆われ、補助ベルトを使えない状況で、救助器具から腕が抜け落ちた」とする報告書を公表。すぐに救助できなかったことは「気象条件の悪化に加え、過酷な環境下で隊員の体力が消耗しており、断念せざるを得なかった」と説明していた。

 提訴を受け、田辺信宏(たなべ・のぶひろ)市長は8日、「消防職員はできる限りの救助活動をしたと認識しており、提訴は遺憾」とのコメントを出した。



https://www.m3.com/clinical/news/389047
麻酔科医の活躍の場はさらに拡がる
どうなる?10年後、20年後【麻酔】【産婦人科】(基本領域編2)
2016年主要医学会代表者アンケート

2016年1月12日 (火)配信  一般内科疾患産婦人科疾患

 近い将来、臨床現場に起こるであろう変化を領域別に予測してもらうm3.comの新年アンケート「主要医学会トップに聞く!『どうなる?10年後、20年後の医療』」。各領域からの回答を順に紹介していく(回答は各学会の公式見解ではなく、回答者個人の見解となります。ただし、匿名希望もあることから、ご回答いただいた先生の氏名は記載しません)。

自動麻酔や安全装置の導入に期待――日本麻酔科学会

(1)10年後に大きな発展が見込まれる診断や治療の技術、方法は?
 私の過去30年に渡る「麻酔」という業務との関わりにおける個人的見解になりますが、診断や技術という面では、麻酔薬剤や臨床モニターの開発・改良によって、麻酔の安全性は相当に高まったと考えています。超音波診断装置の進歩によって、経食道心臓超音波診断や超音波ガイド下神経ブロックなど、新たな診断・治療技術の導入も進みました。今後10年の間には、航空機や自動車領域の技術の進歩と同様に、薬剤管理や臨床モニターにコンピュータ技術を用いた自動麻酔や安全装置などが導入され、進化していくことを期待しています。

 一方で、麻酔科医の関わる業務も、社会のニーズに合わせた変革が求められると考えています。高齢社会や医療の高度化、医療安全に対する社会的要望、国民医療費抑制などの問題を鑑みれば、麻酔科医に求められる業務は拡大傾向にあります。術中麻酔から術前術後の管理に至るまで、麻酔科医の担当業務はますます拡がっていくでしょう。日帰り手術や休日入院、入院当日手術、早期退院など、さまざまな形態の入院に対応する周術期管理も求められます。通院レベルでの術前評価や、入院形態に合わせて全身麻酔や区域麻酔を組み合わせるといった対応、早期離床につながる術後管理なども、求められるようになるでしょう 。

(2)20年後も診療の要であるだろう診断や治療の技術、方法は?
 いくら薬剤や診療機器が進歩しても、診療行為の基本は「患者を診て医を施す」です。麻酔科医に限らず、医師の関わる診療行為は「診る、聴く、触る」という基本的な診療技術無くしては成立しません。視診、聴診、触診で基本的所見を取る技術の重要性は決して失われることはないでしょう。

(3)10年後には施行する機会が減ると思われる診断や治療の技術、方法、あるいは患者数が減ると見込まれる疾患は?
 侵襲的な技術は、技術の発達によってより低侵襲な技術へと置き換わっていくでしょう。従来のマッキントッシュ型喉頭鏡による気管挿管などは減少し、ビデオ喉頭鏡による気管挿管が一般的になってくるだろうと思います。ランドマーク法など盲目的な穿刺による中心静脈路確保や神経ブロックは医療安全の観点からもますます減り、超音波ガイド下が基本になるでしょう。侵襲的なモニタリングである肺動脈カテーテル留置も減少すると思います。より低侵襲なモニタリング技術へと移行していくでしょう。


抗HPVワクチンが再開されれば…――日本産科婦人科学会

(1)10年後に大きな発展が見込まれる診断や治療の技術、方法は?
 悪性腫瘍に対するロボット手術
 悪性腫瘍に対する分子標的薬治療、免疫療法
 卵子保存、卵巣保存。倫理的問題が解決されれば卵子に対するミトコンドリア注入療法、あるいは再生医療の応用など。卵巣喪失や卵巣機能廃絶・低下に対する生殖医療
 超音波技術をはじめとする画像診断技術
 胎児治療、胎内手術

(2)20年後も診療の要であるだろう診断や治療の技術、方法は?
 悪性腫瘍根治手術
 腹腔鏡をはじめとする内視鏡手術
 体外受精・胚移植
 超音波診断技術
 正常妊娠・分娩管理法
 帝王切開術
 女性の健康をライフステージに応じて管理する診療能力

(3)10年後には施行する機会が減ると思われる診断や治療の技術、方法、あるいは患者数が減ると見込まれる疾患は?
 良性婦人科疾患に対する開腹手術
 抗HPVワクチンの推奨が他の先進国と同じように再開され、かつがん検診率が向上すれば子宮頸癌、特に浸潤癌の患者数

本アンケートは、日本専門医機構で基本領域に位置づけられている19領域、ならびに現時点でサブスペシャルティ領域に位置づけられている29領域の専門医を認定する計50学会の代表者個人を対象に行いました(初期回答期間2015年11月20日~12月25日)。ご協力いただいた医学会代表者様、ならびに事務局の方々にはこの場をお借りして厚く御礼申し上げます。



https://www.m3.com/clinical/news/389048
消化管バリウム造影は消える
どうなる?10年後、20年後【放射線腫瘍】【呼吸器外科】(サブスペシャルティ領域編3)

2016年主要医学会代表者アンケート
2016年1月12日 (火)配信  一般内科疾患呼吸器疾患癌

 近い将来、臨床現場に起こるであろう変化を領域別に予測してもらうm3.comの新年アンケート「主要医学会トップに聞く!『どうなる?10年後、20年後の医療』」。各領域からの回答を順に紹介していく(回答は各学会の公式見解ではなく、回答者個人の見解となります。ただし、匿名希望もあることから、ご回答いただいた先生の氏名は記載しません)。

粒子線施設の小型化が鍵か――日本放射線腫瘍学会

(1)10年後に大きな発展が見込まれる診断や治療の技術、方法は?
 PETやCTによる分子標的や、低酸素などの画像化をターゲットにした放射線治療。
分割照射中の腫瘍の縮小やリスク臓器の位置変化に合わせて治療計画を即座に対応できる適応放射線治療(adaptive radiotherapy:ART)の実用化。
 粒子線治療施設の小型化、低価格化によるさらなる放射線治療への進出。施設の小型化が進めば、陽子線治療は現在のX線治療に置き替わるかもしれない。

(2)20年後も診療の要であるだろう診断や治療の技術、方法は?
 放射線治療、特に強度変調放射線治療(IMRT)および定位放射線治療(SRT)は間違いなく残るだろう。
Oncologic imagingの診断は、形態だけでなく機能画像が進歩するだろう。
 イリジウム192腔内照射やヨード125組織内照射などの小線源治療もおそらく残る。若手には技術を学んでほしい。

(3)10年後には施行する機会が減ると思われる診断や治療の技術、方法、あるいは患者数が減ると見込まれる疾患は?
 画像診断に関しては、バリウムを用いる消化管造影は消えていく。
 セシウム針を用いた小線源治療。

肺腫瘍針生検は減っていく――日本呼吸器外科学会

(1)10年後に大きな発展が見込まれる診断や治療の技術、方法は?
 ハイブリッド手術室を用いた術中ナビゲーションの一般化、およびより低侵襲の胸腔鏡手術の進歩
 癌に対する分子標的療法
 肺移植など臓器移植における拒絶反応の抑制などの薬物療法

(2)20年後も診療の要であるだろう診断や治療の技術、方法は?
 気管支鏡によるリンパ節生検(EBUS)
 胸腔鏡手術
 肺移植

(3)10年後には施行する機会が減ると思われる診断や治療の技術、方法、あるいは患者数が減ると見込まれる疾患は?
 縦隔鏡下の縦隔リンパ節生検
 経皮的な肺腫瘍の針生検

本アンケートは、日本専門医機構で基本領域に位置づけられている19領域、ならびに現時点でサブスペシャルティ領域に位置づけられている29領域の専門医を認定する計50学会の代表者個人を対象に行いました(初期回答期間2015年11月20日~12月25日)。ご協力いただいた医学会代表者様、ならびに事務局の方々にはこの場をお借りして厚く御礼申し上げます。



https://www.m3.com/clinical/news/389046
「外科医は絶滅危惧種」説は外れた
どうなる?10年後、20年後【消化器外科】【脊髄外科】(サブスペシャルティ領域編2)

2016年主要医学会代表者アンケート
2016年1月8日 (金)配信  消化器疾患神経内科疾患一般外科疾患

 近い将来、臨床現場に起こるであろう変化を領域別に予測してもらうm3.comの新年アンケート「主要医学会トップに聞く!『どうなる?10年後、20年後の医療』」。各領域からの回答を順に紹介していく(回答は各学会の公式見解ではなく、回答者個人の見解となります。ただし、匿名希望もあることから、ご回答いただいた先生の氏名は記載しません)。

消化器癌の手術はなくならない――日本消化器外科学会

(1)10年後に大きな発展が見込まれる診断や治療の技術、方法は?
 癌細胞そのものを捉えようという技術の進展によって、診断技術はさらに詳細に進歩すると予想されます。CTやPETといった現在の技術では、癌細胞がある程度の大きさ(5mm程度)にならなければ癌診断はできませんが、より小さな段階で捉えることができるようになるということです。消化器外科領域の癌手術で克服すべき課題は治療前後の生活の質(QOL)の低下ですが、より小さな段階で癌細胞を捉えることができれば、切除範囲をより少なくすることが可能になり、ひいてはQOLの低下も抑えられます。

 日本ではまだロボット手術は普及していませんが、技術の進歩によって10年後にはより広く使われるように(使われやすく)なるのではないかと思います。

(2)20年後も診療の要であるだろう診断や治療の技術、方法は?
 ひと頃、薬物療法や放射線治療の進歩に伴って癌の手術はなくなり、外科医は「絶命危惧種になってしまうのではないか」と言われました。しかし、外科的切除は最も確実かつ根治的な治療法であり、医療経済的にも有用な手法です。20年後も癌の手術はなくならないでしょうし、急性腹膜炎といった救急疾患に対する外科治療も、診療の要であり続けるでしょう。

 どのサブスペシャルティを選択しても、外科医は一般外科の知識・技術をエッセンスとして学ばなければなりません。これも20年後も変わらないでしょう。

(3)10年後には施行する機会が減ると思われる診断や治療の技術、方法、あるいは患者数が減ると見込まれる疾患は?
 以前まで胃潰瘍や胃悪性リンパ腫、食道静脈瘤は外科的手術の対象でしたが、現在ではほとんど行われなくなりました。時の流れとともに手術の対象となる疾患構成は変化するものと思います。ヘリコバクターピロリ除菌療法の普及によって10年後には胃癌患者が減っているかもしれませんし、ウイルス性肝炎の減少によって肝癌患者も減るかもしれません。ただし、それらの手術が皆無になることはないと思います。


脊椎の金属固定は減る――日本脊髄外科学会

(1)10年後に大きな発展が見込まれる診断や治療の技術、方法は?
 脊椎の安定化で、リジッドな金属固定法に替わる技術
 内視鏡の応用

(2)20年後も診療の要であるだろう診断や治療の技術、方法は?
 顕微鏡外科的な技法

(3)10年後には施行する機会が減ると思われる診断や治療の技術、方法、あるいは患者数が減ると見込まれる疾患は?
 転移性脊椎腫瘍
 金属による脊椎固定術

本アンケートは、日本専門医機構で基本領域に位置づけられている19領域、ならびに現時点でサブスペシャルティ領域に位置づけられている29領域の専門医を認定する計50学会の代表者個人を対象に行いました(初期回答期間2015年11月20日~12月25日)。ご協力いただいた医学会代表者様、ならびに事務局の方々にはこの場をお借りして厚く御礼申し上げます。



http://www.at-s.com/news/article/health/shizuoka/200090.html
医師数増も不足状態続く 静岡県内、若手取り込み策強化
(2016/1/12 07:44) 静岡新聞

【図表】人口10万人当たりの県内医師数と県内医師数
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 静岡県内の人口10万人当たりの医師数は193・9人で、2012年の前回調査から4・0%増加し、上昇幅は全国水準(3・1%)を上回ったことが11日までに、県がまとめた14年医療人材状況で分かった。ただ、全国平均の233・6人からは依然大幅な開きがあり、全国順位も40位と医師不足状態が続く。
 まとめでは、14年の県内の医師数は7185人で12年の6967人から218人増えた。14年の全国は29万6845人。

 県は、医学部卒業後の県内勤務を条件に返済を全額免除する奨学金制度を軸に、若手の取り込み策を引き続き強化する。現在策定中の地域医療構想にも「医療従事者の確保・養成」の項目を盛り込み、団塊世代が75歳以上になる25年に向けたあるべき医療体制の構築を急ぐ。
 医師確保策の柱に掲げる奨学金制度は本年度、利用者110人が新たに県内での勤務を開始し、単年度で初めて100人を超えた。

 地域医療の魅力を医学生に伝え、本県に関心を向けさせる取り組みも展開。県内病院の専門研修医25人を「ふじのくに次世代医師リクルーター」に委嘱し、臨床研修病院合同説明会に派遣している。
 また、医師数と同様に不足が指摘される看護職員の人口10万人当たりの数は1043・0人だった。全国順位は前回と同じ41位で改善が見られなかった。看護職員数は県内3万8643人。全国は150万9340人。
 調査対象は医師がすべての資格保有者、看護職員が業務に従事している資格保有者とした。



http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=128936
乳房全摘事故、病理診断前に検体入れ替わる
(2016年1月12日 読売新聞)

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 千葉県がんセンター(千葉市)が乳がん患者の検体を取り違えた医療事故で、取り違えられた患者2人の検体は、医師による採取から病理診断前の保存作業までの間に入れ替わっていたことが8日、病院関係者への取材で分かった。

 検体の保存作業を行った臨床検査技師が病理医に渡した段階で既に取り違えが起きていたことになる。病院側は同日夜、外部の医師や弁護士らが加わった「院内事故調査委員会」の初会合でこうした経緯を説明した。

 今回の医療事故では、30歳代の早期がん患者と、50歳代の進行がん患者の検体を取り違え、早急な手術の必要がない30歳代患者の右乳房を全摘出していた。

 病院関係者によると、乳腺外科の担当医師は2015年10月中旬の同じ日に、2人の患者に針を刺して細胞組織を採取する「針生検」を行った。約1時間を空けて別々に採取し、それぞれ検体容器に入れた。看護師が患者の名前などを記したラベルを二つの容器に貼った。

 その後、検体容器は同科から病理検査科に一緒に運ばれ、臨床検査技師が翌日、検体を固めたパラフィンブロックを作製する作業を終えた。薄く切り取った診断用の切片はプレパラートに載せて病理医に提出し、病理医は病理診断の結果をカルテに記入した。

 この診断を基に同年12月上旬、誤って30歳代患者に対する右乳房の全摘出手術が行われたが、病院が保存していたパラフィンブロックと、2人の患者から改めて採取した検体の遺伝子検査を行ったところ、ブロックが入れ替わっていたことが明らかになった。

          ◇

 パラフィンブロック 患者から採取した検体組織などをロウ状の化合物「パラフィン」に浸透させ、固めた生体試料。柔らかい組織を固定することで切りやすくなり、長期保存できる。病理医はプレパラート上の薄く切り取った切片を顕微鏡で調べ、がん細胞の状態などを確認する。



http://gigazine.net/news/20160112-cancer-screening-mortality-rate/
「ガン検診で死亡率が低下しているデータはない」と研究者が発表
By Pan American Health Organization-PAHO
2016年01月12日 07時00分00秒 GigaZine

 ガンは1981年から日本人の死因の1位に君臨し続け、非常に恐ろしい病気として認知されています。ガンによる死亡を防ぐには早期発見と早期治療が重要視されており、早期発見のためにガン検診を毎年受診する人がいます。ガンを早期発見して死亡率を減らすためにガン検診があるわけですが、オレゴン健康科学大学医学部のVinay Prasad准教授が「ガン検診が死亡率に影響を与えた証拠はない」と発表し、大きな議論を呼んでいます。

 Why cancer screening has never been shown to “save lives”—and what we can do about it | The BMJ
 http://www.bmj.com/content/352/bmj.h6080

 ガン検診に関する調査を行ったPrasad准教授によると、ガン検診により死亡率が下がっているのは肺ガンなど特定のガンをすでに患っている患者であり、一般的な死亡率は、乳ガン・結腸ガン・前立腺ガンの検診方法が確立された後でも減少したというデータはないとのこと。言い換えれば、ガン検診はすでにガンと診断された患者の死亡率を下げることがあるものの、そのほかの人の死亡率を下げるには至っていないということになります。

 Prasad准教授はガン検診によって発生するリスクについても明らかにしています。例えば、前立腺特異抗原を測定する前立腺がんの検査「PSA検査」では、本来は陰性であるのに陽性と判定された例が多数あり、本来、不必要であるにも関わらず前立腺に特殊な針を刺して組織を採取する「前立腺生検」を受けた患者が多数いるとのこと。前立腺生検は前立腺に多数の針を刺すため、直腸出血や血精液症、血尿といった軽度の合併症をしばしば発症させます。さらに、前立腺ガンと診断された男性患者の中には、心臓発作を起こす患者や自殺する患者がいるなど、ガンの治療による合併症で死に至るケースもあるそうです。

 また、Prasad准教授の調査では女性の約68%が「乳房X線撮影が乳ガン発症の危険性を下げる」、62%が「ガン検診で乳ガンの罹患(りかん)率が半減する」と信じており、さらに約75%が「10年間のガン検診は、女性1000人当たり10人を乳ガンよる死亡から救っている」と考えていることが判明。Prasad准教授によると、ガン検診のデータをどれだけ甘く見積もっても上述のような数値にはならず、ガン検診に過度の信頼を寄せている女性の多さが浮き彫りになりました。

 ガン検診の非有効性を示すデータが医学界で注目を集める中、スイスの国立医療委員会は毎年乳ガン検診を受けることを推薦しない方針を打ち出しました。アメリカでも子宮頸ガン検診の標準頻度が、毎年ではなく2年以上に1回に変更されています。

 Prasad准教授は「ガン検診は、病歴から必要と判断された人にだけ有用になるものであり、検診のメリットとデメリットを患者にきちんと話してから受けるべきで、誰にでも受けさせるべきものではありません」と、安易にガン検診を受けることに対して警告しています。

 ガンの死亡率を下げるためには、治療法の開発や技術の向上などが必要になりますが、新しい治療法や技術の開発には長い時間がかかります。これを考慮すると、早期発見から治療につなげられるガン検診が重要であるのは間違いありません。しかしながら、日本の医療界にもガン検診の必要性や危険性を訴える識者がいるのも事実であり、今後はガン検診に関する議論が進められる可能性があります。



http://www.yomiuri.co.jp/local/chiba/news/20160112-OYTNT50275.html
成田の医学部校舎起工式
2016年01月13日 読売新聞

 ◆国際医福大、来春開学目指す

 国家戦略特区の枠組みで、国際医療福祉大(栃木県大田原市)が来年4月の開学を目指している医学部の校舎起工式が12日、成田市の京成線・公津の杜駅前で開かれた。来年2月に1期棟(6階)、同12月に2期棟(11階)が完成予定。文部科学省への医学部設置認可申請は3月下旬の予定だが、開学に間に合わせるため建設に着手した。

 同大によると、精巧な人体模型や手術室などを備えた医学教育シミュレーション(模擬訓練)センターを設ける。同大は同センターで行う授業について、「現場さながらの環境で、手術や診察など実践重視で行う」としている。

 海外勤務経験のある国内外の教員を採用する計画で、日本人約400人、外国人約130人の応募があったという。多くの科目で英語を使った授業を行う予定。1学年の定員は140人で、うち20人は留学生などとし、同大は「授業料などの納付金は6年間で1800万円台と、全国の私立大医学部でも安い設定とし、優秀な学生に門戸を開く」とする。

 起工式後、同大の高木邦格くにのり理事長は「地域医療に貢献し、海外でも活躍できる総合診療力を持つ医師の育成を目指す」と述べた。



http://biz-journal.jp/2016/01/post_13263.html
新見正則「医療の極論、常識、非常識」
国民全体が最低限の医療を保障されている今の制度は、恐らく崩壊する

文=新見正則/医学博士、医師
2016.01.13  Business Journal

 新年早々ですが、今日は医療保険制度の話題で盛り上がっています。「極論君」は「医療保険制度は早晩崩壊する」と言い、「非常識君」は「これからは、個人の責任で保険会社が用意する医療保険に加入すればよいのだ」という論調。「常識君」は「日本は素晴らしい国だから、今の医療保険制度が崩壊することはない」という楽観論です。

 さて、まず医療保険制度について説明しましょう。厚生労働省のHPには、次のように記載されています。
・我が国は、国民皆保険制度を通じて世界最高レベルの平均寿命と保健医療水準を実現。
・今後とも現行の社会保険方式による国民皆保険を堅持し、国民の安全・安心な暮らしを保障していくことが必要。
 そのHPに掲載されている円グラフを見ると、日本の国民医療費の負担構造(財源別)がわかります。保険料の被保険者分が28.4%、保険料の事業主分が20.2%、国庫が26.0%、地方が12.4%、そして患者負担が12.3%です。つまり保険料として48.6%、公費として38.4%、残りが患者負担で12.3%となります。
 そして概要の図を見ると、75歳以上が1割負担(現役並み所得者は3割負担)、70歳から74歳は2割負担(現役並み所得者は3割負担)、義務教育就学後から69歳が3割負担、義務教育就学前が2割負担と書いてあります。
 医療費は39.2兆円で、患者負担が4.7兆円、保険料が19.1兆円とも書いてあります。39.2×12.3=4.82ですので4.7とならないのがちょっと不思議なのですが、この概要が正しい前提で話を進めましょう。
国民皆保険が崩壊する?

 まず、医療費は年々増加しています。約50年前の1965年は医療費が1兆円を超えた年でした。そして50年経った今、それが40兆円近くに跳ね上がりました。当たり前です。医療は進歩しているからです。医療の進歩はこのまま続くでしょうから、医療費がますます増加することは自明の理です。
 そうであれば、極論君が言うように「今の医療保険制度は早晩崩壊する」というコメントに賛成せざるを得ません。高齢化が進んで労働人口が減少し、そして高齢化による医療費がさらに医療費を圧迫するでしょう。常識君の「日本は素晴らしい国だから、今の医療保険制度が崩壊することはない」という夢のような理屈が実現するには、医療費の増加を補うほどの経済成長が見込めればいいのです。
 この点に関して私は専門家ではないのでコメントできませんが、雰囲気的にはそんなことは起こりそうにありません。でも起こるかもしれません。

 政府は医療を成長産業にしようとしています。とてもいいことですが、医療が成長産業になるということは、医療でお金が回るということです。つまり、医療費がますます増加するということですから、その発想自体が、国民皆保険が崩壊するということを念頭に置いているとしか思えません。
 そうであれば、非常識君が言うように「各自の責任で、民間保険会社の医療保険に加入すればよい」という立ち位置が実はバランスがよいように思えます。自分の健康は自分で責任を持つということです。高額な医療費が将来必要となったときに、それまで支払ってくれるような保険に入っておこうという発想です。
 その前提には今の医療保険制度は崩壊するか、または国が最低限の医療のみ保障するという体制に変化します。確かにもっともな意見で、なぜ非常識君がこんなもっともな意見を言うのかとかえっていぶかしくなります。
家族が病気になることを想像できない

 大切なことは、健康な時には自分や家族が病気になるとどうなるかということが想像できないという点です。または想像できても、今生きるのが精一杯な人、今食べるのが精一杯な人、今子供の教育費に少しでもお金を掛けたい家庭に、「将来の病気を予測して今から自己責任で保険に入れ」と勧めてもなかなかできないものです。ですから、ある意味強制的に保険料を徴収したり、税金から補填することで社会保障が成り立っているのです。そんな意味でこのもっともな発言は、非常識君の発言としたのです。
 悩ましいですね。国民全体が同じ医療を受けられるという今の制度は限界でしょう。非常識君の発言は確かにもっともで、最低限の医療を国民全体が享受できる、つまり10年前の治療やジェネリック医薬品を用いた医療は国民皆保険で、それよりも新しい医療は自分の責任で民間の保険会社の保険に入るといった制度にならざるを得ないようにも思えます。そんなことにならないように、常識君の夢のような発言が現実となることを祈っています。新年ですから夢と希望を持って、経済のミラクルを願っています。
(文=新見正則/医学博士、医師)



https://www.m3.com/news/iryoishin/390220
55術式、「手術時間の短縮」の成果などを評価
外保連、2016年度改定に向け「外保連試案2016」

2016年1月12日 (火)配信 橋本佳子(m3.com編集長)

 外科系学会社会保険委員会連合(外保連)は1月12日の会見で、「外保連試案2016」を公表、「新しい評価軸」により対応が必要と思われる、帝王切開術など55の手術術式について、2016年度診療報酬改定では重点的に評価するよう求めた。外保連は昨年6月に厚生労働省に対し、同改定に関する要望書を提出しているが、新規もしくは改正要望について、前々回の2012年度改定と同程度の採用率になるようとの期待も表明した。

 外保連会長の岩中督氏は会見でまず、昨年末に決まった改定率について、「薬価引き下げは仕方がないが、診療報酬本体だけは、プラス改定を求めていた」とし、全体ではマイナス改定だったものの、本体では0.49%、医科では0.56%となったことを評価、「何とか低迷を続けている病院経営に、ささやかだが陽が当たったのではないか。外保連としては、外科医の技術に焦点を当て、それなりの評価をしてもらいたい」と求めた(『「2回連続のマイナス」、2016年度改定率決定』を参照)。

 55の術式は、帝王切開術など、2014年度改定で引き下げになったり、実際に要するコストと診療報酬との間に乖離がある術式。「外保連試案」は、人件費や償還できない材料費を基本に費用計算する試案。技術の進歩や術式の工夫などの努力により手術時間が短縮すると、試案点数が安くなってしまう。2014年度改定でその影響を最も大きく受けたのが、帝王切開術(『「手術加算で勤務医の“タダ働き”解消を」外保連』を参照)。人件費等では評価しきれない「+α」の部分を加味するよう求めるのが、「新しい評価軸」だ(『「手術時間短縮で減点」回避へ、今秋に要望』を参照)。

 岩中会長は、「外保連の試案は、科学的なものにするために、ファジーな評価はそぎ落している」と前置きした上で、「外科医が患者の侵襲を軽減するために、努力して手術時間を短くした場合に、診療報酬を下げるのは、プロフェッショナルとして襟を正したことに水を指すもの」と、2014年度改定を問題視。「最近の診療報酬改定では、周産期医療は重点課題に含まれているが、その流れに逆行し、帝王切開術の点数は引き下げられた。手術点数の背景に潜んでいる状況を見てもらうのが新しい評価軸の狙い」(岩中会長)。

 「新しい評価軸」は、緊急度など、当該手術の重要性を「見える化」するための指標で、5つの評価軸から成る(表)。帝王切開術は、「3a」と「4」に該当するとされた。ただし、「新しい評価軸」の対象術式に該当した場合に、何%の加算かが必要かは示していない。「外保連の試案点数は、きちんと計算できる形で表している」(手術委員長の川瀬弘一氏)ため、「+α」の評価の点数化は現状では困難なためだ。「どんな形で加味するかは、厚労省に考えてもらいたい」(川瀬氏)。

 「新しい評価軸」での対応を求める術式は、外科系学会から募集。100を超す要望が挙がったという。その中から、論文発表などのエビデンスがあるもの、あるいはエビデンスがなくても外科医らの経験で必要性が認められるものとして、55術式に絞った。「1a」、「1c」、「2」は、「該当術式なし」だった。手術の場合、「2」の医療紛争リスクは避けられないが、個々の手術についてのリスクの程度や紛争処理に係る必要などの検討が難しかったため、該当なしとなった。

手術試案における「新しい評価軸」
1. 手術を行うベネフィットのスコア化の策定
  a. 生命維持・延命効果(該当術式なし)
  b. QOLの維持・改善効果(6件)
  c. 医療資源の有効活用(該当術式なし)
2. 医療紛争リスク(該当術式なし)
3. 手術中の緊急度
  a. 手術時間を短縮することで生命予後の改善が見込めるか、重篤な機能障害(脳性麻痺など)が防げる場合で、エビデンスがあるもの(17件)
  b. 手術時間を短縮することで患者の状態が明らかに改善できる場合で、エビデンスがあるもの(1件)
  c. 手術時間を短縮することで患者の状態が明らかに改善できる場合で、経験的には理解されているが、エビデンスがないもの(12件)
4. 2つの命を扱う手術(8件)
5. 費用対効果(11件)
 「外保連試案2016」、全体では小幅な改訂
 「外保連試案2016」は、手術試案、処置試案、生体検査試案、麻酔試案から成る。

 最も早くから検討が始まった手術試案は、第8.3版に当たる。2014年度改定に先立ち作成された第8.2版からは、180術式を追加、42術式を削除、計3386の術式を掲載。第8.2版では、手術時間の実態調査などを行ったため、大幅な改編になったが、第8.3版は、人件費の単価や材料費などを実態に合わせて調整した程度の改訂なので、試案点数自体は第8.2版と大差はない。

 処置試案は、診療報酬と実際の費用が逆転しているものを中心に改訂。生体検査試案については分類コードを見直した以外の改訂は少なく、麻酔試案についても大きな変更はない。

 外保連の昨夏の要望書は、新設210項目、改正202項目、材料新設・改正47項目の計459項目を盛り込んだ。外保連実務委員長の瀬戸泰之氏は、新規と改正の採用率について、「4年前(2012年度改定)の水準になってくれれば」と期待した。新規項目は、2012年度は218項目で採用率は42%だったが、2014年度は190項目で採用率は23%に下がった。改正項目の採用率も2012年度の48%から、2014年度は27%に減少している。


  1. 2016/01/13(水) 05:49:20|
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